外交防衛委員会 第3号
- 発言数
- 6 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 2017/03/07
会議録
○委員長(宇都隆史君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、松川るい君が委員を辞任され、その補欠として武見敬三君が選任されました。 ─────────────
○委員長(宇都隆史君) 外交、防衛等に関する調査を議題といたします。 まず、外務大臣から外交の基本方針について所信を聴取いたします。岸田外務大臣。
○国務大臣(岸田文雄君) 外交防衛委員会の開催に当たり、外交政策について所信を申し述べます。 本年は、様々な変化の可能性を秘めた年です。世界では保護主義や内向きの傾向が強まり、法の支配に基づく国際秩序が挑戦にさらされています。こうした中、これまで四年間安定した政治、外交を実現してきた日本が国際社会の安定勢力として国際社会をリードしていかなければなりません。 本年も、日米同盟の強化、近隣諸国との関係強化、日本経済の成長を後押しする経済外交の推進という三本柱を中心に日本外交を力強く推進します。 第一の柱である日米同盟が日本外交の基軸という方針は不変です。先般のトランプ新政権発足後初となる日米首脳会談では、日米同盟が揺るぎないことを確認しました。今後ともトランプ新政権と緊密な関係を構築しつつ、日米同盟を一層強化します。日米同盟の抑止力を強化すべく、日米物品役務相互提供協定、日米ACSAについて国会で御承認いただけるよう丁寧に説明いたします。普天間飛行場の一日も早い辺野古への移設を始め、引き続き沖縄の負担軽減に全力で取り組みます。 第二の柱は近隣諸国との関係強化です。 日中関係は最も重要な二国間関係の一つです。日中国交正常化四十五周年に当たる本年、戦略的互恵関係の下、様々な分野での対話、協力、交流を強化します。一方、東シナ海では、中国による尖閣諸島周辺における領海侵入や一方的な資源開発などが継続しています。日本として主張すべきことは主張し、引き続き毅然かつ冷静に対応します。 韓国は戦略的利益を共有する最も重要な隣国ですが、在釜山総領事館前に新たに慰安婦像が設置された事態は極めて遺憾です。一昨年の慰安婦問題に関する合意を双方が責任を持って実施することを引き続き韓国側に強く求めます。日本固有の領土である竹島については、引き続き日本の主張をしっかり伝え、粘り強く対応します。相互の信頼の下、日韓関係を未来志向の新時代へと発展させていくことが重要です。 本年のしかるべき時期に、日本において日中韓サミットを開催するよう調整します。 一連の北朝鮮による弾道ミサイル発射は安保理決議、日朝平壌宣言に違反するものであり、断じて容認できません。昨日六日の弾道ミサイル発射は、北朝鮮が新たな段階の脅威であることを示すものです。直ちに、米国及び韓国と外相電話会談を実施し、北朝鮮に対し断固たる姿勢を示し、更なる挑発行動の自制、安保理決議等の遵守を求めていくことを確認しました。安保理における対応も含め、米国を始めとする関係国と緊密に連携していきます。最重要課題である拉致問題については、対話と圧力、行動対行動の原則の下、ストックホルム合意に基づき、一日も早い全ての拉致被害者の帰国に向け、あらゆる努力を傾注します。 昨年十二月のプーチン大統領の訪日の成果を踏まえ、今後も政治対話を積み重ねながら、日本の国益に資するよう、日ロ関係を更に発展させます。北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結すべく、新しいアプローチに基づき粘り強く交渉します。 ASEAN、豪州、インド、欧州、太平洋島嶼国、中南米等との関係を一層強化します。 第三の柱は、日本経済の成長を後押しする経済外交の推進です。 自由貿易は世界経済成長の源泉であり、TPPを含め、日本が先頭に立って牽引していきます。日EU・EPA、RCEP、日中韓FTA等の経済連携協定の交渉も推進します。 グローバルな課題についても積極的に貢献します。 日本は国連安保理非常任理事国として二年目を迎えます。南スーダンを含め、国際社会の平和と安定のため一層貢献します。 核兵器のない世界の実現に向け、唯一の戦争被爆国として、核兵器国と非核兵器国との協力を促し、現実的かつ実践的取組を重ねることで、軍縮・不拡散の取組をリードします。 ODAの積極的かつ戦略的な活用、持続可能な開発のための二〇三〇アジェンダの実施、TICADⅥの成果を踏まえたアフリカへの支援、気候変動対策、女性の輝く世界の実現、科学技術外交の推進等に積極的に取り組みます。 アジア太平洋地域の安全保障環境は一層厳しさを増しています。国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、平和安全法制の下、地域と国際社会の平和と安定に積極的に貢献します。 南シナ海における一方的な現状変更は国際社会共通の懸念事項です。引き続き、法の支配の強化に向けて、関係国と連携し、全ての当事国が国際法に基づく紛争の平和的解決に向け努力することの重要性を訴えていきます。 国際協力事業関係者の安全対策を強化するとともに、在外邦人の安全対策を更に強化します。国際テロ情報収集ユニットを通じた情報収集を含め、総合的なテロ対策及び暴力的過激主義対策、中東地域の安定に取り組みます。 主要国並みの外交実施体制の実現を含む総合的な外交力を引き続き強化するとともに、戦略的な対外発信に努めます。地方の魅力についても私自身が先頭に立って積極的に世界に発信します。 バランスの取れた外交こそ、外交に対する国民の理解を得る上で重要であり、今後もバランスの取れた外交を進めてまいります。 宇都委員長を始め、理事、委員各位の御指導と御鞭撻を心からお願い申し上げます。
○委員長(宇都隆史君) 次に、防衛大臣から国の防衛の基本方針について所信を聴取いたします。稲田防衛大臣。
○国務大臣(稲田朋美君) 防衛大臣の稲田朋美でございます。 本日は、宇都委員長を始め、理事及び委員の皆様に防衛大臣としての所信を申し上げます。 我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しております。 北朝鮮は、昨年、二度の核実験や二十発以上の弾道ミサイル発射を強行しました。また、本年に入ってからも、ICBM試験発射準備が最終段階に至った旨発表するなど、ICBM発射試験を示唆するような発言を繰り返しているほか、先月十二日の弾道ミサイル発射に引き続き、昨日も四発の弾道ミサイルを発射し、そのうち三発が我が国の排他的経済水域内に落下いたしました。こうした度重なる軍事的挑発行為は、まさに新たな段階の脅威と言えます。 一方、中国は継続的に高い水準で国防費を増加させ、軍事力を広範かつ急速に強化しつつ、周辺海空域等における活動を急速に拡大、活発化させています。昨年末には、空母遼寧を含む計六隻の海軍艦艇が沖縄本島・宮古島間を通過しました。遼寧が太平洋へ進出するのはこれが初めてです。また、昨年九月、戦闘機と推定される軍用機が初めて沖縄本島・宮古島間を通過しました。平成二十八年度の中国機に対するスクランブル回数は、第三・四半期までで六百四十四回に達しており、既に昨年度一年分の回数を超えています。これらの動向は今後も強い関心を持って注視していく必要があります。 このような状況を踏まえ、以下の施策を積極的に推進してまいります。 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、安全保障政策の根幹となるのは自らの努力であるとの認識の下、我が国自身の防衛力を強化し、自らが果たし得る役割の拡大を図る必要があります。このような考えの下、統合機動防衛力の構築を着実に進めており、周辺海空域における安全確保、島嶼部に対する攻撃への対応、弾道ミサイル攻撃への対応等を引き続き重視し、防衛力整備を進めております。特に、南西地域における防衛態勢の強化は重要であり、昨年三月には与那国沿岸監視隊等を新編いたしましたが、今後、奄美大島、宮古島及び石垣島に警備部隊等の配置を進める所存です。 今後とも、国家安全保障戦略、防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画に基づき、国民の生命、身体、財産、我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くため、態勢を強化してまいります。 次に、日米同盟の強化について申し上げます。 もはや、どの国も一国のみでは自国の安全を守ることはできない時代となっている中、日米同盟の抑止力、対処力の強化が重要です。先月四日に、訪日したマティス新国防長官と会談いたしました。日米同盟は、我が国とアジア太平洋地域の平和と安定を守る上で極めて重要な役割を担っており、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化するとの認識で一致しました。また、さきの日米首脳会談では、日米双方が日米同盟を一層強化するための強い決意を示しつつ、米国は地域におけるプレゼンスを強化し、日本は同盟におけるより大きな役割及び責任を果たすことで一致しました。 今後とも、日米防衛協力のための指針に基づき、同盟調整メカニズムによる緊密な調整、共同訓練・演習、共同研究開発など、様々な分野において両国の協力を進展させてまいります。 また、日米同盟による抑止力を維持しつつ、地元の基地負担を軽減するための取組も重要です。特に、現在も多くの米軍施設・区域が集中している沖縄においては、昨年末、北部訓練場の過半、約四千ヘクタールの返還が二十年越しで実現いたしました。これは、沖縄県内の米軍施設・区域の約二割に当たり、沖縄の本土復帰後最大の返還です。 今後とも、沖縄の基地負担軽減のため、できることは全て行う、目に見える形で実現するという基本方針の下、普天間飛行場の辺野古への移設・返還など、基地負担の軽減に取り組んでまいります。 また、米軍機の飛行安全の確保は駐留の大前提です。米側には引き続き安全の確保を求めてまいります。 次に、安全保障協力の推進について申し上げます。 豪州、ASEAN諸国、インド、欧州諸国などの基本的価値や安全保障上の利益を共有する国々との共同訓練や防衛装備・技術協力、能力構築支援を含む防衛協力・交流を引き続き推進してまいります。 特に、日・ASEAN防衛協力については、昨年十一月に私が第二回日・ASEAN防衛担当大臣会合で表明したビエンチャン・ビジョンに沿って着実に強化してまいります。 欧州諸国に対しては、アジア太平洋地域へのコミットメント強化を働きかけつつ、具体的な防衛分野での協力を強化してまいります。本年初めの私の欧州訪問は、まさにこうした観点から実施したものです。 また、現下の朝鮮半島情勢を踏まえ、北朝鮮問題に関する緊密な情報共有や実践的な共同訓練の実施を始めとする日韓、日米韓の連携を強化してまいります。 中国に対しては、引き続き透明性の向上を働きかけつつ、日中防衛当局間の海空連絡メカニズムの早期運用開始に向け、協議を継続してまいります。 また、国際社会が抱える課題への取組として、自衛隊は南スーダンPKOにおける施設活動やソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動を実施しています。防衛省・自衛隊は、今後とも、積極的平和主義の旗の下、日本らしい現地の実情に寄り添った活動の実施を通じて、国際社会の平和と安定のための取組を推進してまいります。 続いて、平和安全法制の着実な具体化について申し上げます。 昨年は、南スーダン派遣施設隊に新たな任務等を付与したほか、在外邦人等保護措置訓練や、日米共同の統合実動演習キーンソード17で重要影響事態における捜索救助活動についての訓練等、新たな任務に関する必要な訓練を実施しております。さらに、昨年末には、米軍等の部隊の武器等防護について米軍を対象として運用を開始いたしました。 防衛省といたしましては、今後とも、各種の事態に適切に対応できるよう万全を期してまいります。 次に、国会提出法案について申し上げます。 まず、駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法の一部を改正する法律案は、今月三十一日に同法の有効期限を迎えるため、いまだ実施に至っていない米軍再編事業を円滑に実施できるよう、有効期限を十年間延長する等の改正を行うものです。 また、防衛省設置法等の一部を改正する法律案は、陸上総隊の新編、南西航空混成団の南西航空方面隊への改編や日豪・日英ACSAに関する規定の整備、開発途上地域の政府への不用となった装備品等の無償譲渡のための規定の整備等を行うものです。 委員各位におかれましては、御審議のほど、よろしくお願いいたします。 以上申し述べましたように、防衛省・自衛隊が直面する課題は山積しております。私は、防衛大臣として、防衛省・自衛隊の良き伝統とともに、変化する安全保障環境に対応するため、創造の精神をもって今後とも安全保障上の諸課題に取り組んでまいりたいと考えております。 宇都委員長を始め、理事及び委員の皆様の一層の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
○委員長(宇都隆史君) 以上で所信の聴取は終了いたしました。 本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十三分散会