予算委員会第五分科会 第1号
- 発言数
- 322 件
- 登壇者
- 44 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2017/02/22
会議録
○菅原主査 これより予算委員会第五分科会を開会いたします。 私が本分科会の主査を務めることになりました。よろしくお願いいたします。 本分科会は、厚生労働省所管について審査を行うことになっております。 平成二十九年度一般会計予算、平成二十九年度特別会計予算及び平成二十九年度政府関係機関予算中厚生労働省所管について、政府から説明を聴取いたします。塩崎厚生労働大臣。
○塩崎国務大臣 おはようございます。 平成二十九年度厚生労働省関係予算案の概要につきまして御説明を申し上げます。 平成二十九年度厚生労働省所管一般会計予算案の総額は三十兆六千八百七十三億円であり、平成二十八年度当初予算額と比較しますと、三千七百六十三億円、一・二%の増加となっています。 また、平成二十九年度厚生労働省所管特別会計予算案については、労働保険特別会計、年金特別会計、復興庁に一括計上した東日本大震災復興特別会計に所要の予算案を計上しております。 平成二十九年度における社会保障・税一体改革による社会保障の充実については、消費税増収分に加え、社会保障改革プログラム法等に基づく重点化、効率化による財政効果も活用し、子ども・子育て支援の充実、年金受給資格期間の短縮などを行うこととしています。 以下、平成二十九年度予算案の重点事項について説明をいたします。 平成二十九年度予算案は、ニッポン一億総活躍プランが策定されてから初めての予算であり、一億総活躍社会の実現に向けて、横断的課題である働き方改革や新三本の矢に関する施策に焦点を絞り、所要の予算措置を講ずることとしています。 まず、働き方改革は我が国の最大のチャレンジであり、生産性の向上や労働環境の整備に向けて、オーダーメード型訓練の開発や子育て中の女性のためのリカレント教育の拡充などの人材育成の充実、最低賃金の引き上げ支援の強化などを図ります。 また、同一労働同一賃金の実現に向けた非正規雇用の方の待遇改善、長時間労働の是正に向けた法規制の執行強化やテレワークの推進、高齢者の就労促進や生きがいの充実、障害者の働く環境の整備などの取り組みを進めます。 第一の矢、希望を生み出す強い経済については、医療分野のイノベーション、ICT化の推進に向けて、医療系ベンチャーの育成支援、革新的な医薬品、医療機器等の実用化促進などに取り組みます。 また、医療の国際展開やユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成支援、観光先進国の実現等に向けた外国人患者の受け入れ体制の充実、輸入食品の監視体制の強化などを図ります。 第二の矢、夢を紡ぐ子育て支援については、待機児童の解消や保育人材の確保に向けて、保育園等の整備や放課後児童クラブを含む多様な保育サービスの充実を図るとともに、保育士等の処遇改善を行います。 また、女性や若者の活躍を推進するため、仕事と家庭の両立支援や、いわゆる就職氷河期世代の不安定就労者等に対する就職支援などを強化するとともに、児童虐待防止対策の強化や社会的養護の推進、一人親家庭等の自立支援など、総合的子育て支援を推進します。 第三の矢、安心につながる社会保障については、介護サービス基盤の確保や、介護人材と障害福祉人材の処遇改善を行うとともに、障害者や難病、がん患者等の活躍を支援するため、障害福祉サービス提供体制の基盤整備、がん検診の受診勧奨の拡充などを図ります。 また、地域共生社会の実現に向けて、住民が主体的に地域課題を把握し解決を試みる体制の構築、包括的、総合的な相談支援などの取り組みを進めます。 以上のほか、地域医療確保対策の推進、水道事業の基盤の強化、自殺対策や戦没者遺骨収集の推進、東日本大震災や熊本地震からの復旧復興の支援などを図ります。 今後とも、国民生活の安全、安心の確保と質の向上、雇用の安定を図るため、厚生労働行政の推進に一層努力していきますので、皆様のなお一層の御理解と御協力をお願いいたします。
○菅原主査 この際、お諮りいたします。 厚生労働省所管予算の主要経費別概要につきましては、その説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菅原主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔一般会計予算案の主要経費別内訳及び特別会計予算案の歳入・歳出予定額は本号末尾に掲載〕 —————————————
○菅原主査 以上をもちまして説明は終わりました。 —————————————
○菅原主査 この際、分科員各位に申し上げます。 質疑時間はこれを厳守され、議事の進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。 なお、政府当局に申し上げます。 質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木憲和君。
○鈴木(憲)分科員 おはようございます。自民党の山形二区の鈴木憲和です。 本日は、質問の機会をいただきまして、どうもありがとうございます。また、大変朝早い時間から、塩崎大臣初め政府の皆さんには本当に御苦労さまです。 恐らく、きょう、私のテーマは、働き方改革と障害者福祉政策、この二点でありますけれども、きょう、この準備のためにも、きっと政府の皆さんは大変な準備をされて、長時間準備をされて大変だったんだろうなということをお察しいたしますし、私自身も農水省で働いていて、その後、第一次安倍政権のときには内閣官房に出向させていただいて、塩崎官房長官の下でも働くことができて、大変やりがいがあった一方で、大変長時間の労働を強いられた場面もあったわけです。 そのときに、さまざまなことを考える場面もありました。特に、最近では痛ましい出来事もありますので、きょうはその点も踏まえて、先ほど大臣の方からお話があった、最大のチャレンジであるという働き方改革、これについてまず質問をさせていただきたいというふうに思います。 日本は、本格的に人口減少社会を迎えています。労働力調査においても、この三年間で大体三百万人以上の生産労働人口が減っているという調査も出ています。 そういう中で、労働生産性をいかに上げていくかというのは大変大切な課題であるというふうに思うわけですけれども、政府の方でも、昨年九月から働き方改革実現会議が始まりました。 テーマが非常に多岐にわたっています。同一労働同一賃金の実現から、テレワークなどの、働き方を柔軟にしていくということまで、たくさんあるわけですが、まず冒頭、今回の働き方改革の意義について、一般論として必要性をお伺いしたいというふうに思います。
○山越政府参考人 お答え申し上げます。 働き方改革は、一億総活躍社会の実現に向けました横断的課題でございまして、働く方一人一人のニーズに合った多様な働き方、この選択を可能にするための労働制度の改革であると考えております。 そして、この改革を進めるに当たりましては、企業の生産性や競争力の向上、経済全体の成長につながるように進めることも重要であると認識をしております。
○鈴木(憲)分科員 局長から大変簡潔な答弁、ありがとうございました。 この中で一つ重要なテーマになっているのは、長時間労働をいかに是正するか、そして時間外労働を規制していくということが重要なテーマの一つであるわけですが、ここで、きょうは二点について、ぜひ大臣と率直に議論をさせていただければというふうに思います。 長時間労働の是正と地域の現実との乖離について、私は大変いつも考えさせられることがあります。というのは、このテーマは大変大切なので、必ず地域の現場にまで落としていかなければいけない課題なんだというふうに思います。あの痛ましい出来事を、もう二度とこの国で起こさせてはいけないというふうに思っていますので、規制の必要性、これをしっかりとやるという総理の意思についても大変共感するところがあります。 ただ、現実、足元を見てみると、アベノミクス、これによって、ちょっとずつですけれども、私の地元でも有効求人倍率一を当然超えていますし、以前よりもよくなったという声を中小企業の現場の皆さんからも大変いただくようになっています。 ただ、実際、問題なのは、景気がよくなっていて、例えば注文、受注がふえていても、なかなか人材は集まりません。特に地方の方が人口が減っていますから、当然若者も減っているので、そういう中で新しい人材がなかなか確保ができない。そうすると何が起こるかというと、当然、残業によって景気がいい部分を対応せざるを得ないというのが、今の地方の中小企業のこれが現実なんだというふうに思うんです。 当然、企業の側も努力をしなければいけないと思いますし、労働生産性を上げていくために例えば何ができるのか、もっと効率化を図れないのかといったことも考えていかなければいけないと思うんですが、私はここで大変難しいなというふうに感じるのは、労働生産性を上げていくということ自体が実は中小企業にとっては大変難しいテーマだということだと思いますし、これは時間がかかります。しかも、試行錯誤を繰り返していかないときっとうまくいかないという大変難しいことを今回やらなければいけないというふうに思うんです。 今回、長時間労働の是正、時間外労働の規制、これを一律に規制した場合、いついつから適用ですよというふうに例えば言われた場合、果たして本当に地域の現場の皆さんが対応し切れるんだろうかという矛盾をいつも感じて現場でお話を伺うわけです。ここについて、まず率直に、どういうふうに考えていらっしゃるのかということをお伺いさせていただきたいと思います。
○堀内大臣政務官 鈴木先生の御質問にお答えさせていただきます。 鈴木先生の誠実な政治姿勢に基づくただいまの真摯な御質問について繰り返させていただきますが、施行期間を長くするべきではないかといった御趣旨で御質問でいらっしゃると思っております。 二月十四日に開催された第七回働き方改革実現会議におきまして、事務局が示した案に基づいて、長時間労働是正の法改正のあり方について具体的に議論が行われました。 例えば、日本商工会議所の会頭である三村委員からは、取引関係の弱い中小企業は発注企業からの短納期要請や顧客からのサービスなどに応えようとして長時間労働になりがち、また、商慣行の見直しや取引関係の適正化も一層強力に推進してほしい、そういった御意見を承りました。 また、大村委員、全国中小企業団体中央会の会長でいらっしゃいますけれども、大村委員からは、上限規制に関しては、流通業、トラック運送業、建設業及びその関連工事業などの現場から生の声をしっかり聞いて慎重に検討していただきたい、なお、規制への対応に時間が必要であり、十分な準備期間をいただくようにお願いしたい、そういったお話も伺いました。 これらの点を含め、どなたに対して何時間の時間外労働の上限を設けるのか、非常に重要な議論でございますので、労働者側、そして使用者側には、しっかりと合意形成していただく必要があると思っております。 三月末に取りまとめる実行計画に向けて、実態を見据えて、かつ実効性の上がる結論を出してまいりたいと存じます。よろしくお願いいたします。
○鈴木(憲)分科員 今政務官から大変誠実な御答弁をいただいたというふうに思いますので、しっかりと、これは経過期間というか時間をとって、本当に現場の皆さんに不安のないような議論をしていただければというふうに思います。 もう一つ、私はきょう御紹介をしたい論点がありまして、今お話しの答弁の中でもありましたが、やはりさまざまな業態があるということなんですね。きょう御紹介をしたいのは、本当は紙で資料を用意すればよかったのですが、ちょっと間に合いませんでしたので、口頭で説明をさせていただきます。 私の地元に、自動車免許を取るための教習所をやっている企業があります。何をやっているかというと、山形県は人口が多くない県ですから、少ない県なので、ふだんはなかなかお客さん、常時フル稼働というわけにも残念ながらいきません。 ですけれども、その企業がやっている努力は大変すばらしくて、一月から三月の間、そして八月、九月、これは大学生が休みになる期間なんです。春休みと夏休み、この期間に大学生を合宿で受け入れをして、教習を受けていただいて卒業してもらって、その期間は一週間から十日間、例えば私の地元に滞在をしてもらって、観光もしてもらうし、いいものも食べてもらってということをやっている企業があります。 すばらしいのは、そこで免許を取ると、初めてドライブをするときに、ではせっかくだから、あそこの学校のところにまた行ってみようかといって大学生が実は戻ってきてくれるという、地方創生にも大変資する事業をやっている方がいるんですが、その方に先日、では、実際にそういう地域変動がある場合の時間外労働、勤務時間はどういうふうになっているんですかということをお伺いしました。 そうしたところ、サンプルを幾つかいただいたんですが、四十五歳男性、三十七歳男性、二十三歳女性。それぞれ、今、時間外勤務だけ月別に申し上げますと、まず忙しいのは一月から三月、これが四十五歳男性の場合、時間外勤務の時間だけで、一月が七十四時間、二月百八時間、三月百八時間。そして、四月から七月は、三時間、ゼロ時間、ゼロ時間、ゼロ時間。そして、八月、九月は、百二十五時間、百三時間。そして、十月から十二月が、ゼロ時間、一時間、二十時間と、このぐらい振れ幅があるわけです。ほかの方も実は同じような傾向にあります。 この場合、一律に一月何時間という規制をされますと、残念ながら、多分対応ができません。人をふやせばいいじゃないかというような意見ももちろんあるんですけれども、ほか、時間外労働ゼロ時間の期間もありますので、この期間は、実はほとんど忙しいという感じではないわけです。なので、常時雇用の人をふやすというわけにもいかない。 では一方で、効率化をどのぐらい図れるのかという観点でいうと、これは自動車免許取得ですので、もう法律で、この時間、このぐらいの教習を受けてくださいというのは当然決まっているわけですね。なかなかこれは、もちろん努力ができるところは多々あると思いますけれども、それでも難しいんだろうなということも容易に想像がつく、こういう珍しい業態の方もいらっしゃるわけです。 そこで、大臣にぜひお伺いをしたいのは、こういうさまざまな、多分、まだまだこういう声が、調べ始めると幾らでも出てくるんだというふうに思いますので、この辺について、今回の規制を考える際にどのように検討されていくのか、ぜひ、配慮を大臣の言葉でお伺いをできればというふうに思います。
○塩崎国務大臣 鈴木委員から御指摘をいただいたように、さまざまな業種があって、さまざまな働き方をされている方がおられる中で、今回のような大変悲惨な、新人が自殺に追い込まれるような長時間労働を強いられる、こういう悲劇が二度と行われないような、そういう実効性のある規制をしっかりとやるんだという総理のかたい決意のもとで、今、働き方改革実現会議で議論が進められています。労使の間で特に真剣に議論していただいて、必ず答えを出したい、こういうかたい決意を総理は繰り返し示されています。 したがって、今のように、バラエティーのある業種のあることを前提に、どういう人に対しては何時間の時間外労働の上限を設けるのかということが非常に大事であり、今お話しのように、今は自動車教習所でしたが、例えば私の地元で聞いてなるほどなと思ったのは、アイスクリームを扱っている問屋の社長に聞いたら、確かに、夏、やはり稼がないといけない、そのかわり、冬は短い時間にして、なおかつ、例えば会社持ちでスキーに社員を行かすとか、そういうようないろいろな工夫をしているということでありますので、労働者側あるいは使用者側に、しっかりとそういうことも見据えた上の合意形成を今回してもらいたいと思っています。 長時間労働の是正を進めるに当たりましては、業務の繁閑、これは本当に千差万別でありますし、また、取引慣行の改善、先ほど堀内政務官の方からお答え申し上げましたけれども、いろいろな形で、中小企業は特に弱い立場で、強いられるということもあって、解決すべき課題はとても多い。実態を見据えた議論が必要であって、今回、実現会議で決定をしていこうと言っておりますが、その後に労働政策審議会でも、やはり、もっときめ細かくも見ていかないと、漏れがないようにして、困る方が出てこないようにする一方で、実効性のある、長時間を規制するという、この目的も達成をさせなきゃいけないというふうに思っています。 いずれにしても、どういう働き方であっても、健康が確保されて、そして働く方の意欲とか、あるいはやる気とか能力とかがちゃんと発揮をできて、そして結果として企業の活力が増し、経済成長にもつながる、賃金のアップにもつながるような、そういうことが重要だと思っておりますので、実効性の上がる結論が、実行計画を三月末までに決めますが、ここに明記ができるようにしっかりと議論してまいりたいというふうに思います。
○鈴木(憲)分科員 ありがとうございました。 ぜひ、実効性がなければ意味がありません。そして、政務官からもありましたけれども、商慣行も含めて、これは単に規制をすればいいという話ではなくて、さまざまなことも考えて総合的にやっていかなければいけない対策であるというふうに思います。 その上で、多分、人口減少社会の日本にとっては一番大切な改革の一つになるんだろうというふうに私は思いますので、ぜひ大臣にも現場に足を運んでいただいて、山形でも、この合宿で忙しい時期にここも見ていただいてということを期待申し上げて、次の質問に移らさせていただきます。 次の質問は、障害者福祉政策ということで、最近、心のバリアフリーというキーワードがよく聞かれるようになっています。日本でも二〇二〇年東京パラリンピックが決まりまして、そこに向けて私たち自身もいろいろ考えていかなければいけないんだというふうに思いますが、ここで一つ、私がきょうテーマにしているのは、障害のない方がいかにして障害者のことを考えられるのかというのが、実は心のバリアフリーの一番大切な点だというふうに思うんです。 ここで一つ御紹介をしたいのは、私の地元は南陽市で、二十一歳で筋ジストロフィーを発症した方、それ以来、車椅子で生活をしています。彼が私と同世代でいるんですけれども、何をやっているかというと、グラッティテュードという団体を立ち上げをして、今、障害のある方でも、もっと人生、生き生きといろいろなことにチャレンジできるんじゃないかということを見せていきたいということで、車椅子に乗ったままパラグライダーにチャレンジをして空を飛んで、それは報道を結構されたんですけれども、そういう方がいます。 彼が、バリアフリーな観光、これをしっかりと地域でやっていきたいということで、バリアフリー観光ツアーセンターというものも実は立ち上げをして、旅館に行っていろいろなアドバイスをしたり、例えば、駅のエレベーター一つとってみても、エレベーターを改修するというのは難しいですけれども、孫の手を一つ置いておくだけでも、実は車椅子の方にとってみたらすぐボタンが押せますよねというようなことも、いろいろアドバイスをしたりして取り組んでいる方がいます。 その方の二年前に実施をしたイベント、それが、ブルーペイントというイベントに私もお伺いをしたんですが、何かというと、駐車場に障害者用の駐車スペース、これがあるわけです。ブルーのペンキを塗ってあって車椅子のマークが書いてある。それを、一般市民の方をみんな集めて、一緒になってその場所を塗ろうじゃないかというイベントを、実は何カ所で、もうやっています。 私もそれに参加をさせていただきましたら、大変驚いたのは、子供から高齢者までいろいろな方が来ていたんですけれども、まず一つ言えたのは、大変楽しかったということです。ペンキを塗りますから楽しいんです。楽しいんですけれども、それが終わった後に自分の変化に気づいたのは、それ以来、どこの駐車場へ行っても、広い駐車場だと障害者用のスペースというのがあります。そこについて大変気づくようになるんですね。何にさらに気づくかというと、思いのほか健常者の方がそこに駐車をされている、残念ながら。そのおかげで、例えば車椅子の方がそこにとめられない、こういう現場にも実は自分自身が気づくようになりました。 そういうイベントに私も参加をしなければ、なかなかそういうところに今まで気づかなかったということをやはり考えると、こういう参加型のイベントに対して、しっかりと政策的支援も国としてもしていくべきではないのかなというふうに思いますが、この点についてちょっとお教えいただきたいというふうに思います。
○堀江政府参考人 お答え申し上げます。 議員が参加されましたブルーペイント大作戦、障害のある方もない方も一緒になってイベント参加型で取り組んで、かつ、障害者スペース、障害者マークについての意識を高めていくというようなことで、心のバリアフリーを広める上でも大変重要なものだというふうに考えてございます。 障害者総合支援法がございまして、そこでは地域生活支援事業というのが法定されております。市町村の必須事業として、障害のある方に対する理解を深めるための研修・啓発事業というのが法定されてございまして、実施していただいているところでございます。多くの方が参加できるようなイベント等につきましても国庫補助の対象といたしまして、地域における取り組みを進めていただいております。 今後、厚生労働省の方でも、全国の好事例を周知することも考えてございまして、ブルーペイント大作戦のような企画を含めまして、心のバリアフリーを広めるための取り組みが地域に根づくように、引き続き取り組んでまいりたいと存じます。
○鈴木(憲)分科員 ありがとうございました。 ぜひ、これは自治体を通じて支援をしているわけですけれども、国の方でもできること、まだまだあるというふうに思っています。実は、大してこれはお金がかかる話ではない一方で、大変本当に効果のあることだというふうに思いますので、例えば霞が関の役所の駐車場でもそういうスペース、これからちょっと塗り直さなきゃねという場所だってあると思いますので、そういう場所でやっていただくとかということも含めて、ぜひ検討していただければというふうに思います。 最後の質問に移りますが、最後、済みません、きょう私、模型を持ち込まさせていただきました。これは何かというと、私の地元の寒河江工業高校というところが授業で3Dプリンターを使って作製をした国会議事堂の模型になっています。 この模型が、なぜきょう私がここに持ってきているかというと、つくろうというふうになったきっかけは、山形県立の山形盲学校、ここの学校から実は依頼を受けて、盲学校用の教材として使用したいので、国会の授業をやりたいので模型をつくってくださいと。 今までは、実は、盲学校の先生方は紙でさまざまなものをつくっていたのを、3Dプリンターというものができたので、こういうものを工業高校の授業でつくって、つくった生徒たちが実際にその盲学校に出かけていって、どういうふうに教材として使われているかということも見て、大変勉強になったというふうにその子たちは言っていました。 彼らは、あした国会に来ていただいて、大島衆議院議長がぜひということなので、大島議長のところにもお伺いをして、この取り組みを報告することになっているんですけれども、また、私の地元の米沢工業高校というところは有機ELの照明が大変盛んなので、それを使って車椅子の下に照明をつけて、夜道でも使い勝手のいい車椅子を開発しようということで、そういう取り組みも実は工業高校でなされています。 高校生の段階で、実は授業の中で専門的な知識を生かしながらバリアフリーについて考える本当にすばらしいきっかけになっているなというふうに思いますので、ぜひ文部科学省の方でも、教育段階で、いかに子供たちにバリアフリーを考えていただくかという機会についても、しっかりと後押しをすべきではないかなというふうに思いますが、どのように今後後押しをしていくかということについて最後にお伺いをして、質問を終わりたいと思います。
○藤江政府参考人 御指摘いただきました山形県立寒河江工業高等学校の取り組みにつきましては、同県立山形盲学校の児童生徒が、視覚障害があるため、手でさわって理解することが必要な教材について、既製品では理解が困難等の課題があったということで、御指摘いただきましたように、教材製作での連携が始まったというふうに聞いております。 寒河江工業高校の生徒が身につけた専門的な知識、技術を生かして、3Dプリンターにより製作した教材につきましては、今お示しいただきました国会議事堂の模型以外にも、これまで、椅子ですとか机等の模型、あるいは原爆ドーム等の模型の製作も行って、教材として使ってもらってきたというふうに聞いております。 このような取り組みにつきましては、工業高校の生徒が、ユニバーサルデザインといったような、教材を使用する者の立場に立って製作する実践的な取り組みでもございますし、あるいは障害のある児童生徒への理解を深めるという点等、非常に教育的な意義の大きいものであるというふうに考えております。 文部科学省といたしましては、このような好事例の普及を図ることなどによりまして、工業高校等における、障害のある児童生徒への理解の推進や、実践的な職業教育の充実に努めてまいりたいと考えております。
○鈴木(憲)分科員 ありがとうございました。これで終わります。
○菅原主査 これにて鈴木憲和君の質疑は終了いたしました。 次に、菅家一郎君。
○菅家分科員 おはようございます。自由民主党の菅家一郎でございます。 質問の機会を与えていただきまして、まず御礼を申し上げたいと思います。よろしくお願いをいたします。 私の両親はもう亡くなって、父親は早くて三十数年前に亡くなって、母親も亡くなってもういないんですが、父親は、大学四年のときに脳血栓で倒れまして右半分麻痺になり、ちょうど同じ時期に母親も、右足のかかとがちょっと病気になって、膝下だったんですけれども、切断して義足。ですから、両親の介護で、当時は介護保険制度がなかったものですから、家族で自宅で介護しながらみとったという経験が実はあるんですね。そのほかにも、いとこがリウマチとか膠原病とかダウン症とか、結構身近な親戚にもそういった難病の患者がいたりしたものですから。 そんなような経験があって、介護もそうなんですけれども、医療、そういったものを非常にやはり何とかできないものかなと思いながら、半分諦めながら、脳疾患になったらもう本当に戻らない、そういう思いでいたわけであります。 ですから、私は、国民が天寿を全うする直前まで健康であるということを実現する国を目指してまいりたいなというふうに思っているところであり、いわゆる健康寿命をいかに延ばしていけるかという関心を持って取り組んでまいりたい、このように思っているところであります。 その中で、iPS細胞の山中教授のいろいろ成果を見てみますと、やはり、再生医療とか細胞治療を中心とした先端医療分野のいわゆる革新的技術は、人類にとって大変必要なものであって、日本が先進国のみならず途上国も含め世界になくてはならない存在となれる技術である、このようにも実は考えているところであります。まさに先端医療、特に再生医療、細胞治療分野は、基礎研究、臨床研究、臨床応用まで日本人の研究者、医師が世界の最先端で活躍をしているというようにも思っております。 最近、慶応義塾大学の研究チームがiPS細胞を使い脊髄損傷の患者を治療する世界初の臨床研究を二〇一八年前半にも始めるという報道があったわけであります。脊髄損傷の患者というのは、神経の再生は現代医学では大変難しい、脊髄を通る中枢神経が傷つく脊髄損傷の治療方法は今までなかったと言われておるわけであります。ですから、若い方でも、交通事故あるいはスポーツ事故、脊髄が傷ついて二週間から四週間たち、運動機能が麻痺した患者七人を対象に実施する予定だというふうに聞いているわけで、テレビでも放映になって、若い方が希望を持てるようなシーンを見て感動したんですね。ですから、まさに多くの患者の方々の治療につながればと大きな期待をしているところであります。 そのほかにも、パーキンソン病、目の難病患者に網膜細胞の移植、また、がん免疫細胞の作成により白血病治療への活用、難病研究で六疾患の薬の候補物質の発見などの研究成果も発表されているわけでありますが、私は、これは本当に大いに期待したいし、まだまだいろいろと課題があるのはわかっているんですけれども、本当に前向きに取り組んでいらっしゃる研究チーム、教授の方々に敬意を表する次第であります。 そこで、iPS細胞研究など再生医療に対して、その実現、実用化に向けて国として積極的に支援をすべきであろう、今までも支援しておりましたけれども、なお一層支援をすべきと思いますが、この点についての大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 基本的に、今、菅家先生の方から御指摘をいただいたように、再生医療というのはこれからの大事な医療、これまでなかなか治療ができなかったことも治療ができるかもわからないというようなことで、大いなる期待を私どもとしても寄せているところでございます。 再生医療の実用化につきましては、再生医療法において、厚生科学審議会における審査期間を九十日以内にするなど、安全性を評価した上で迅速な再生医療の患者への適用を可能としているところでございます。 ことし二月にiPS細胞を用いた二件目の臨床研究の実施が認められるなど、実用化に向けた着実な進展を今見ているところでございます。 厚生労働省としては、再生医療の実現化ハイウェイ構想に基づいて、各省とも連携をして、日本医療研究開発機構を通じてiPS細胞を用いた臨床研究それから創薬研究などに対しまして研究費助成を前向きに行っておりまして、平成二十九年度予算では百四十七億円を計上しておるところでございます。 こういうような取り組みを通じて、世界に先駆けた再生医療の実用化を目指してまいりたいというふうに考えております。
○菅家分科員 今ほど御答弁がありました、再生医療の実現化ハイウェイ構想、ハイウェイですから迅速にという考えがあろうと思うんですが、基礎から臨床段階まで切れ目なく一貫した支援を行うという、再生医療関連事業のための基盤整備並びにiPS細胞等の創薬支援ツールとしての活用に向けた支援を進め、新薬開発の効率性の向上を図る、こういった中身で私も認識して、大いに期待してまいりたい、このように考えております。 問題は、私は、再生医療や創薬等のハイウェイ化ですから、一日も早い実用化を目指して対応していただきたい。これは、恐らく多くの国民が早く治療を受けたいと待ち焦がれているのではないかな、このように思うのでありますけれども、やはり審査の迅速化、質の向上と安全対策の強化、これが示されているわけですね、このハイウェイ構想に。 確かに、再生医療等製品の実用化のための造腫瘍性評価に関する研究とか、若干の課題があるのは認識しておりますが、一方では、先ほど申し上げた前向きな取り組みもされておられるわけでありますから、どうかその辺の課題も踏まえながら、さらなる迅速化に向けて取り組んでいただきたいと思いますが、現状と今後の対応についてお示しをいただきたいと思います。
○武田政府参考人 再生医療等製品の迅速な実用化を図るため、平成二十六年に施行されました医薬品医療機器法におきまして、再生医療等製品の特性に鑑み、早期の承認申請を可能とする条件及び期限つき承認制度が導入されております。これによりまして、早期承認が図れる仕組みとして導入をされております。 現在、この審査のさらなる迅速化に向けまして、独立行政法人医薬品医療機器総合機構の審査員の増員などによって審査体制の強化を図っておりますが、これに加えまして、再生医療等製品の有効性、安全性を確認するための評価指標の作成、また、医療上の必要が高く、極めて高い有効性が期待される製品の日本における開発を促進するための先駆け審査指定制度の実施、この先駆け審査指定制度の中で再生医療等製品につきましても指定をしているところでございます。 こういった取り組みを現状行っているところでございまして、今後も、こうした取り組みを通じて、再生医療等製品の審査のさらなる迅速化、御指摘がございましたさらなる迅速化に一層努めてまいりたいと考えてございます。
○菅家分科員 大変心強いな、このように思います。 薬事法等の一部を改正する法律において、早期の実用化に対応した承認制度がつくられております。ただ、やはり、さらに加速と言ってはおかしいですけれども、病状によっては、医師から余命数カ月だなんて言われたり、脊髄損傷でそのまま動けない患者さんとか、目のさまざまな障害で苦しんでおられる方々がおられますから、ぜひひとつ、今答弁があったものを踏まえながら、より迅速化に向けてよろしくお願いしたいと思います。 そこで、もう一方の視点では、その中で、今の制度であれば、臨床研究、治験、そして実用化に向かっているわけでありますが、やはり、臨床研究、治験の治療というのも、余命がないとかそういう状況にあれば、ぜひ受けたいという患者さんもたくさんおられるんじゃないかと思うんですね。 ですから、多数の患者を対象にした有効性、安全性に関する比較試験が可能になるようなという考え方でありますから、ぜひ、この治験に対して、そういう要望があれば何とか対応できればという思いがあるんですが、この辺に対する対応、お考えがあればお示しをいただきたいと思います。
○神田政府参考人 先生御指摘のように、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたとおり、再生医療の実現化ハイウェイ構想に基づきまして、基礎研究で得られたシーズを迅速かつ円滑に実用化につなげていくことが大変重要であるというふうに考えております。 このため、再生医療実用化研究事業というものがございまして、先ほど先生お話がございました、加齢黄斑変性について、iPS細胞を用いた臨床研究を行うものについても、この事業を活用いたしまして助成をいたしておりますけれども、このように、基礎研究で成果が得られた、臨床研究に移行する研究ですとか、iPS細胞を活用した創薬研究に対して研究助成を行っているところでございます。 これについては、二十九年度では、一億円増の二十五億九千万円を予算案に計上させていただいております。 また、二十八年度から、新たな事業といたしまして、再生医療学会を中心に、大学病院や企業、団体等によるナショナルコンソーシアムというものを構築いたしまして、臨床研究等を行う研究機関や医療機関に対しまして、プロトコールに対する助言でございますとか、医師とか細胞培養加工を行う者に対する技術指導、それから教育カリキュラムの提供、また、臨床研究の実施状況を集積したデータベースを整備いたしまして類似の研究に関する情報提供を行うといった支援をしているところでございます。 これにつきましては、新しく二十九年度には、単独では臨床研究を行うことが難しい医療機関、研究機関、ベンチャー企業と多施設共同臨床研究を行うことができる医療機関とのマッチング機能をさらに追加するということで、これも二十九年度予算に増額計上させていただいているところでございまして、このような取り組みによりまして、先ほど先生御指摘のような臨床研究、実用化に向けた取り組みをさらに推進していきたいというふうに考えております。
○菅家分科員 今御答弁があった点については、例えば、それらが充実すればするほど、治験における患者さんのいわゆる治療といいますか、受ける確率といいますか、受けやすい状況が生まれてくるというふうに理解してよろしいでしょうか。
○神田政府参考人 私が先ほど答弁申し上げましたのは、主として、臨床研究に関する実用化に向けた、臨床研究に関する支援ということで、そのようなことをさせていただいております。 それから、先ほど医薬・生活衛生局長から御答弁ございましたように、それを踏まえて迅速な承認に結びつけていくということを、基礎研究から実用化に向けた一貫した支援をすることによって、先生御指摘のような多くの方々が再生医療が受けられるようにしていくということに取り組んでいきたいというふうに考えております。
○菅家分科員 実用化に向けての対応という意味では非常に高く評価申し上げたいし、なお一層取り組んでいただきたいと思います。 私、今申し上げたのは、やはり実用化になるまでの時間がかかるし、その間に、いわゆる臨床研究、治験の中で、今回も、脊髄損傷における、七人の方々に対応するというわけなんですけれども、いっぱいいるわけですよね、そういう状況に置かれている方が。私も受けたいという思いがあると思うんですね、治験の中でも。 だから、そういう意味での、もっと枠を広げると言ってはおかしいですけれども、そうやってほしいという方がいたならば、何とか治験の中で治療ができないものかなという視点で、その辺の対応について、国としてどういうようなことをお考えなのか。 それは、相手がある、研究チームがありますから、そことのやりとりなので、それも、限られた病院でありますから、限られたというのはわかるんですが、現実は仕方がないのか、何か方法があるのか、何とかしてあげたいという思いで、可能性があれば、いかがなものでしょうか、その辺について。それは莫大なお金もかかるし、課題もあるわけですから、財源の問題もあるし、大変だと思うんですけれども、その辺はやはり今までのこういった研究、治験という枠の中でしかできないのか。少しは可能性があるのかだけでいいですから、現状についてお示ししていただきたいと思います。
○武田政府参考人 ただいま先生から御指摘がございましたように、臨床試験でございますとか治験でございますとか、対象患者を非常に限定いたしましてプロトコールを設定して、実際、試験が行われている。それに対して、治験に入りたいという御要望があるということも事実でございます。 それに対応いたしまして、私どもといたしましては、日本版コンパッショネートユースと申しますか、人道的治験という形で少し枠を広げるような柔軟な形もできるように見直しを図っているところでございまして、ただいまの御指摘も踏まえまして、より臨床試験及び治験が皆様の御要望に沿えるように考えてまいりたいというふうに思います。
○菅家分科員 課題はあろうと思うんですが、ぜひひとつ、この可能性の枠を広げるような努力をしていただきたいと思います。 さて、もう一点は、やはり非常に経費がかかりますね、これを研究するのに。 いろいろ私も調べてみたら、本人の血液からとるととんでもない日数と期間がかかるんですけれども、備蓄した他人のiPS細胞を使うと期間が短くなって費用も少なくなる、新しい治療法を早く患者に届けたいなんという記事もあるわけです。いずれにしても、この辺の研究費用であったり、また、難病なんかの場合も、これも見てみますと、難病患者はやはり患者数が少ないから、なかなか実用化に向けて事業者の方も余り、そういった意味では動きが悪いんですね。お金もかかるというような課題がある。 ですから、この辺は国としても、やはりしっかりと財政支援をしていかなければならないのではないか、私はこのように思いますが、現状と今後の対応についてお示しをいただきたいと思います。
○神田政府参考人 先ほどもちょっと御答弁させていただきましたけれども、基礎研究で得られたシーズを迅速かつ円滑に実用化につなげていくことが大変重要であるというふうに考えております。 先ほども申し上げましたけれども、再生医療実用化研究事業というものがございまして、基礎研究で成果が得られたものであって、iPS細胞等を用いて実用化に近い治療方法を研究するというものに対する支援を行っているところでございます。 これについては、先ほども申し上げましたけれども、加齢黄斑変性について、iPS細胞を用いた臨床研究を行うものについても支援をさせていただいているところでございます。これにつきまして、さらに二十九年度は増額をして予算計上させていただいているところでございます。 それからまた、具体的に臨床研究を行います研究機関や医療機関に対する助成といたしまして、再生医療学会を中心に、大学病院ですとか企業、団体等によるナショナルコンソーシアムというのを構築いたしまして、臨床研究のプロトコールに対する助言ですとか、医師とか細胞培養加工を行う者に対する技術指導、それから、臨床研究の実施状況を集積したデータベースを整備いたしまして類似の研究等に関する情報提供を行うといった支援をさせていただいているところでございます。 それから、さらに二十九年度は、単独では臨床研究を行うことが難しい医療機関ですとかベンチャー企業と多施設共同研究を行うことができる医療機関とのマッチング機能をそのコンソーシアムに持たせていくということで、これも増額で計上させていただいているところでございます。 こうした取り組みを通じまして、こういった臨床研究に対する支援を積極的に行っていきたいというふうに考えております。
○菅家分科員 難病患者であればずっと医療費がかかるわけですね、あるいは、介護施設に入所すればもう退院というのは考えられないわけですね、ずっと国の財源を、継続して亡くなるまでお金がかかるわけですよね。だけれども、iPS細胞研究とか再生医療で退院させることができれば、退院させることができる財源の方がどうせ対症療法で金をかけるよりはいいんじゃないか、みんな救われていくということですから、ぜひ前向きな、そういう視点で財源をさらに確保して、国民の命を守り、救うということで取り組んでほしい、私はこのように思います。 さて、もう一つは、オール・ジャパンでの医薬品創出、この取り組みも非常に高く評価しております。 創薬支援ネットワークの構築により、大学や産業界と連携しながら、新薬創出に向けた研究開発を支援するとともに、創薬支援のための基盤強化を図る、また、創薬ターゲット研究、創薬の基盤となる技術開発、医療技術の実用化に係る研究を推進し、革新的医薬品及び希少疾患治療薬等の開発を支援する、こういうことだと思うんですね。 ただ、ちょっと危惧するのは、一方で、薬価制度の抜本改革に向けた、薬剤費膨張を抑制するために、現在二年に一回行われている薬価調査に加え、その間の年においても、大手事業者等を対象に調査を行い、価格乖離の大きな品目について薬価改定を行う基本方針が示されたというわけであります。 これは、一方では財源的な問題がありますから薬剤費膨張を抑制するというものがあるわけでありますが、一方では、製薬業界からは、これは前々から言われる、利益が減少し新薬開発に支障が出ると主張されているわけでありますので、私は、オール・ジャパンでの医薬品創出対策にどのような影響が出てくるのかちょっと心配で、新薬の研究開発のブレーキにはならないのかどうか、この点についての御見解をお示しいただきたいと思います。
○鈴木(康)政府参考人 薬価制度の抜本改革と創薬モチベーションの関係についてお尋ねがございました。 御指摘のとおり、薬価制度の抜本改革を検討していくに当たりましては、新薬創出によるイノベーションに十分配慮しつつ制度設計をするということが極めて重要であると考えております。 基本方針におきましては、革新的新薬創出を促進するために、新薬創出の加算制度をゼロベースで抜本的に見直す、これは改善するという意味でございます。それから、費用対効果の高い薬には薬価を引き上げるということを含めて費用対効果評価を本格的に導入することによりまして、有効な医薬品を適切に見きわめてイノベーションをきちんと評価をするということで研究開発投資の促進を図るということにしております。 今回の抜本改革につきましては、国民皆保険の持続性というのはもちろん大切でございますけれども、それと同時にイノベーションの推進ということも両立をさせていただいて、結果としては、国民の負担を軽減させていただいて医療の質を向上させるということに取り組むこととしておりまして、関係者の意見をお聞きしながら十分検討してまいりたいというふうに思っております。
○菅家分科員 ぜひ、再生医療の実現化ハイウェイ構想に支障なく、一日も早い実現化、実用化のブレーキにならず、加速する流れが守られる、また、急速な価格の下落に伴う利益減により、製薬企業における新薬開発のモチベーションが抑制され、我が国の新薬開発力が激減することのないような制度設計を期待申し上げたいと思いますが、というお願いということでしょうかね、この時点では。ぜひ、この点を検討して制度設計に当たっていただきたいと思います。 さて、ぜひ大臣、我が国は、iPS細胞研究など再生医療を生かした、どういう表現をしたらいいんでしょうか、例えば先端医療国際国家がいいんでしょうかね、やはりこういった国を目指したらどうか。特に希少疾患、難病治療、これに取り組んだらどうかなと私は思うんですね。難病治療は日本でならば治療可能という世界的な評価を得る日本を目指したらどうかなと。 難病というのは、先ほど言われたように財源もなかなか大変。ところが、世界じゅう難病で苦しんでいる。日本であれば治せる可能性がある、そういう国。これは一番地球上の人類に貢献する。平和国家、わかりやすいじゃないですか、命を守る平和国家。世界じゅうの難病で、日本にミサイルを撃ち込もうなんて、日本が滅亡したら命がなくなってしまうよりは助けてもらえる国だみたいなね。そういう意味での、世界の人類の難病治療へ貢献する平和国家を目指したらどうかなというふうに思うのであります。 いろいろ課題があると思うんですね、治験の問題から財源の問題から。ですから、特化してもいいかなと思うんですね。この専門機関だけでも、そういったところを重点的に、特区的な要素を持っても、目的はそういう国を、日本を目指すんだという一つの考え方。私は、今申し上げた先端の技術もあるし、優秀な教授陣もいるし、最先端の再生医療の水準まである国である、可能である、ならばそういう国を目指すというようなことについて、大臣からの御見解をいただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 先ほど薬価制度の抜本改革に関連して、やはり創薬の応援を、支援をしっかりやるべきじゃないかという御指摘もございました。私もそのとおりだと思っておりますし、今回の薬価制度の見直しも、皆保険をちゃんと守る、あるいは医療の質を上げる、そして国民負担を下げると同時にやはりイノベーションを応援していこう、この哲学でもって薬価制度の改革をやっていかなきゃいけないというふうに思っております。 今回、オプジーボの価格が余りにも高いということで、一つのきっかけとして薬価制度の改革が行われることになりましたが、先ほど鈴木局長からも答弁申し上げたとおり、やはりいいもの、新しいものをつくることについては徹底的に応援をしていく。そのかわり、楽してもうかるような、そういう制度はもうやめようということで、護送船団をやめて、努力して新しいものを生み出す人たちを応援していくために、今先生るる御指摘をいただいて御提案をいただいたような制度を含めて今後しっかりと創薬産業を育て、そして医薬品産業全体も新しいものを生み出して健康を確保できるようにしていきたいというふうに思います。
○菅家分科員 どうもありがとうございました。
○菅原主査 これにて菅家一郎君の質疑は終了いたしました。 次に、宮川典子さん。
○宮川分科員 おはようございます。自由民主党・無所属の会の宮川典子です。 厚生労働委員会にはずっと入りたくて希望を出しているんですが、一度も当たったことがございません。分科会でも一度も当たったことがありませんでした。議員五年目にして初めての厚生労働分野の質問でありますので、きょうは気合いを入れてお願いしたいなというふうに思っております。当てていただいた委員の皆様に感謝申し上げたいと思っております。 時間がありませんので、早速質問に入りたいと思います。 実は、きょうこのインターネット中継を恐らく、私の地元の調理師会の皆さん、日本中国料理協会の皆さん、司厨士会の皆さん、多分ごらんになっていると思います。 私は調理師会の顧問なんかもやっていますけれども、その中で、実は、皆さんから毎度毎度言われることがあります。それは、調理師免許を我々はしっかり持って営業しているんだけれども、今、調理師免許がない方も飲食店で働いていたり、もしくは経営をしていたり、そういう中に組み込まれていて、そういう方たちが飲食の提供をしている、何のための自分たちの国家資格なんだ、これは別に都道府県とか市町村が出しているものではなくて、国が一つの資格としてしっかり認めている資格であるにもかかわらず、それがどこかに置き去りにされているような気がしている、自分たちが一生懸命勉強してきたことは一体何だったのかということをよく言われます。 また、調理師の専門学校の先生方には、調理師でなくても飲食店ができるんだったら、子供たちが、生徒がその免許を取るメリットがないじゃないか、勉強さえしていれば、別に免許を取るための国家資格の勉強なんかしなくてよい、そういうふうにメリットに感じなくなっているという御指摘があります。 私も全くそのとおりだと思います。日本の食の安全とか食品の安全というのはまさにそういう資格によってしっかりと担保されているところがあり、例えば、調理師免許を取得した方には食品衛生責任者の免許というか資格が自動的に付与されるわけですけれども、それだけ知識があり、食のプロであるということがしっかり認められているからこそ、まず自動付与がされるんだと思っているんです。 しかし、その免許を持っていない方も、たしかたった六時間講習を受ければ食品衛生責任者という資格は取れてしまう。ですから、自分たちがプロであって、物すごくいろいろなことに気をつけながら配慮をしてやっているにもかかわらず、実はそこに対して余りメリットを感じない世の中にどんどんなってきてしまっている。 それに対しては、私は、国家資格として国が皆様に与えているというか付与している資格でありますので、調理師の免許を持っている方たちにインセンティブがない、その優位性が確保されないということは、やはりこれから先もずっとあってはならないことだというふうに思っております。 先日、調理師専門学校の作品展というのを私は見に行きましたけれども、本当に細部にいろいろなことを行き渡らせて勉強している風がよく見えました。これから調理の世界で頑張っていくんだという人たちが、免許を持っている、この資格があるからこそ自分たちはこうやって頑張っていけるのだというような思いになってもらえる体制をつくることが大変重要だと思っております。 ぜひ、きょうこの画面を見ていますので、調理師の皆さんたちが、ああ、自分たちはちゃんと認められているんだとわかるような御答弁、踏まえてお願いしたいと思います。
○福島政府参考人 お答えいたします。 調理師法では、調理師は、国民の食生活の向上に資するための職種として位置づけられておりまして、調理技術を有することに加えまして、食品の衛生に関する一定の知識や技能、これも求められているわけでございます。 また、食育の推進あるいは安全な食の提供が社会で求められる中で、私どもとしても調理師の役割は重要であると認識をしております。 こういう中で、平成二十五年度から開始いたしました第二次健康日本21では、給食施設の利用者に応じた食事の提供に関する目標、こういうものを新しく掲げておりまして、今後一層、病院、介護保険施設などでの良質な食事の提供におきまして、調理師の活躍の場が広がると考えておるところでございます。 さらに、二〇二〇年に開催されます東京オリンピック・パラリンピックにおきましても、海外から日本を訪れる観光客も増加するということが予想されておりまして、多様な食事の提供においても調理師の皆様に御活躍いただくことを私どもとしては期待しております。
○宮川分科員 今の、これからいろいろな活躍の場がふえるというお話もありがたいんですが、そうではなくて、まず免許を持っている人たちが最優先だと、そして、その免許を取るからこそ飲食の提供ができ、食のプロだと言える食品安全を守る立場になれるんだということをちゃんと明確にしていただきたいというふうに思います。 これは、今までの運用がありますから、もちろんまだ時間のかかることだとは思いますけれども、ちゃんと調理師免許を持っている方たちに対してのインセンティブ、私は今の状態では働いているとは思いませんし、我々も反省しなければいけないのは、国のいろいろな機関で、例えば、和食が無形文化財になりましたから、いろいろなゲストの方を呼んでお話しすることがあります。その方たちの業績は全く私は否定はしません。しかし、ちゃんと調理師免許を持って、自分たちも一つの資格を持ち、多くの皆さんが同じ資格を持っているから自分もこういうふうに活躍できるチャンスがあるかもしれないと思ってもらえるような取り扱いの仕方を、やはりしなければいけないというふうに思っています。 なあなあではなくて、ちゃんと資格があるのですから、その資格を持った方たちがしっかり活躍ができる、そして、資格を持っていなければ活躍してはいけないというぐらいに、本当は、食の安全というのはそのくらい安全性を担保しなければいけないものだと思いますので、引き続きこれは厚生労働省の中で、きょうは大臣もお越しですけれども、ぜひ考えていただきたい問題だというふうに思っております。 全国に何万といる調理師の皆さんが、自分たちの頑張りを評価されていないというふうに思ったまま職に携わっていかれることは、私は大変残酷なことだというふうに思っていますので、ぜひそのあたりは、省内での御検討をさらによろしくお願い申し上げたいと思っております。 二点目です。二点目は、医療用麻薬の使用許可の更新についてであります。 私、地元の医師会の皆さんからよく言われることがあります。 地域包括ケアというのを今進めているわけですから、その中で、自分たちもみとりをやらなきゃいけないと。もちろん、少子高齢化の加速する地元でありますからそういうことをやらなければいけないんだけれども、開業医の方たちが特にそうなんですね、お一人で経営をしていらっしゃる、お一人だけしか先生がいらっしゃらない医院の方たちが、何とか自分たちがやらなきゃいけないだろうということで、国の施策に対して非常に理解をしてくださっていると思います。 しかし、その一方で、みとりをしなければいけないということは、終末期のケアをしなければいけないということですから、特に医療用麻薬を使う機会というのが非常に多い、特に終末期の緩和ケアでそういうものを使うことが多いわけですが、その更新期限は、少し延ばしていただいて今、三年に一回になっているんですけれども、使用許可の更新をする際に、保健所に三日か四日自分で出向いて更新作業をしなければいけないという現状があります。 開業医の方で、お一人しかお医者様がいなくて、しかもみとりもやっている、いつどういう事態が発生するかわからないときに、三日も四日も医院をあけることというのは、実はなかなか難しいことなんですね。責任感のある先生方であればこそ、やはり自分は、みとりをやりたいんだけれども、その一方で医院を三日も四日もあけることはできない、ですからみとりケアをやることから撤退してしまうという方たちも、実は多く今出てきております。それは、医師会の皆さんも非常に危惧されています。私も、一県民として非常に危惧しています。 もちろん、医療用麻薬ですから、責任があり、技術があり、しっかりと安全性は担保されるべきだというふうに思いますけれども、更新の手続に関してはもう少し簡素化したりとか、更新の期限を延ばしてもらうとか、そういうことの検討が今後必要ではないかなと思います。 更新期限は、見直しがもうされている段階ですので、少し運用しながら見ていかなければいけないと思いますけれども、更新の手続の簡素化については、どういう取り組みが今後考えられるかどうか、見解を伺いたいと思います。
○武田政府参考人 ただいま先生から御指摘がございました医療用麻薬を患者の治療に用いるための免許でございますが、麻薬及び向精神薬取締法に基づきまして麻薬施用者の免許を受ける必要があるということで、この免許は、都道府県知事から免許を受けるという仕組みになっているところでございます。 ただいま御指摘がございましたように、申請者の方々、特に開業医の先生方、おっしゃるとおり、実際の日々の診療もございますので、この負担の軽減ということは、今後の地域包括ケアも考えますと、非常に重要なことであるというふうに私どもも考えておるところでございます。 実際の実務につきましては都道府県ごとに差がございまして、申請、それから免許の交付、さらには旧免許証の返納というときに、実際に先生が休まなければいけないような実例もございましたけれども、私どもといたしましては、御指摘のとおり、負担軽減という観点を非常に重要というように考えておりますので、各自治体における運用実態を調査いたしまして、運用でかなり工夫をされている都道府県もございますので、こういう実例、参考になるような適切な事例を収集いたしまして、各自治体に周知するなどによりまして、さらに改善を図ってまいりたい、このように考えてございます。
○宮川分科員 都道府県の工夫というのも必要だと思いますし、地域実態というのもあると思います。私の選挙区や地元だと、山の奥に診療所が一カ所あって、保健所に行くまで一時間かかるとかという方がいます。そうすると、本当に丸一日閉めなければいけない。ですけれども、そこがなければ、もうドクターヘリの要請も何もできないわけなんですね。ですので、そういう運用は少しずつ、緩和をするということではなくて、運用の改善をしてもらうということで、ぜひ、厚生労働省から都道府県に対してもさまざまなアドバイスをしていただきたいと思います。地域包括ケアというのがしっかりとそれぞれの地方にも根づくように私たちもしていきたいというふうに思っていますので、ぜひそこはよろしくお願いしたいと思っております。 三点目は、働き方改革についてお話をしたいと思っております。 働き方改革、私、非常に興味がありましてというか、これは絶対にやるべきだというふうに思っています。 私の憧れの国はイタリアなんですけれども、何で憧れの国かというと、三時になると、アパルトメントのベランダに出て、ギターをぽろぽろ弾きながら歌を奏でるみたいな、そういうのを学生のときに見たんですね。自分が実際その後働いてみたら、朝七時から日付が変わる二時か三時まで仕事をしている、どうしてこんなに差があるんだろうと。決して、イタリアという国は経済的に豊かではない国ではないんですね。ちゃんと経済活動もしていて、それなりの存在感を持っている国であるにもかかわらず、どうして私はこんな働き方なんだろうというふうに思ったことがあります。まあ、学校は一つのブラック企業と言ってもいいというふうに思いますけれども。 だからこそ、いろいろなところで、働き方というのは、イコール、皆さんの人生の幸せ感にもつながり、自分の人生が豊かかどうか、そういう感覚にもつながる非常に重要な改革だというふうに思っております。 ただ一方で、今の議論を見ていますと、長時間労働の是正であるとか同一労働同一賃金、確かにこれは重要なことであって、特に一番目の長時間労働の是正というのはやっていくべきだというふうに私は思うんですが、ただ、これは木を見て森を見ずみたいな話だなというふうに思います。日本の働き方、おかしいことがいっぱいありますから、また、是正しなきゃいけないこと、そしてこれから拡充しなきゃいけないことがたくさんありますので、もっともっと目を広げて見ていかなきゃいけないんだろうというふうに思うんです。 ぜひ、労働をつかさどる唯一の省として、この二つ以外にどういうことにこれから取り組まれていくのか、もし計画があったら教えていただきたいと思います。
○橋本副大臣 働き方改革について御質問いただきました。 この働き方改革というのは、御案内のとおり、一億総活躍社会の実現に向けた横断的な課題であり、我が政権としても、内閣としても最大のチャレンジである、こういうふうなことでございます。 御指摘がありましたように、今、働き方改革実現会議をやっておりまして、そこで長時間労働是正あるいは同一労働同一賃金の議論もしておりますが、総理からは冒頭に九つのテーマについて御指示がございまして、今申し上げた二つ以外に、例えば、病気の治療と仕事の両立、あるいはテレワーク等の柔軟な働き方、高齢者の就業促進等の課題等についても議論をしてきたところでございます。 ですから、こうした議論を踏まえまして、厚生労働省としては、個人の価値観や働き方が一層多様化する中で、女性も男性も、あるいは高齢者も若者も、障害や難病などのある方も、あらゆる場で誰もが活躍できるような環境整備をする、そしてそれが、今委員御指摘のような人生の豊かさというものにもつながっていくような、そういうことの実現のために全力で取り組みたい、このように考えているところでございます。
○宮川分科員 今副大臣からいろいろとお話をいただきましたけれども、まさに私がもっと議論を深めていただきたいという点が幾つかございました。まず、その中の一つで、病気と仕事の両立という観点は大変重要だと思っています。 私が勤めていた学校現場というのは、精神疾患にかかる方がたくさんおられました。そして、私自身も実は不明熱という病気にずっとかかって、後半の三年間は、一カ月間休まなきゃいけないという、いろいろな苦しみを感じました。一カ月間四十度の熱が下がらない。これは、免疫の過剰な動きによって熱がずっと出続けている、体に菌は何も入っていないんだけれども、疲れ過ぎているのか、オーバーワークが原因なのか、原因が不明なので不明熱なんですけれども、白血球がずっと闘い続けてしまって、一カ月間四十度が下がらないというような熱にかかったことがあります。ただ、そういうものを持っていたとしても、何とか仕事を続けてくることができました。 今、がん治療であるとか精神疾患であるとか長期の療養を必要だとする方が、自分自身で、もうこんな病気にかかったら離職をしなきゃいけないというふうに思って、どんどん離職をしてしまう傾向にある。そしてまた、受け手側の企業とか勤め先も、それだったら余りこれから先も望めないから変えたらどうだというようなことを言ってしまう。まだまだ古い感覚だと思うんですね。特に今がん治療なんかは、QOLを下げずに通院で何とか、投薬治療で治す人もいれば、そういうふうに進歩をしているにもかかわらず、医療は進歩しているんだけれども、働く側の人たちの意識というのはほとんど進歩していないというふうに私自身は考えております。 今回の働き方実現会議の中にも、病気と仕事の両立ということで委員の方が何人か入っておられますけれども、病気との両立ということに関しては、厚生労働省として今何か取り組まれていることがあれば教えてください。
○橋本副大臣 御指摘をいただきました、病気の治療を続けながら仕事を続ける環境を整備するということは、大変重要なことでございます。両立支援に関する企業向けのガイドラインというものを昨年二月に策定し、周知啓発や相談支援を行っているところでございます。 御指摘をいただきましたように、病気というのも、がん、脳卒中、心疾患、糖尿病、肝炎、いろいろなものがございますし、そうしたものが、治療技術が進歩していくことで、長くつき合う病気というものになってきている、あるいは仕事をしながら治療を続けることもできるということになってきている。だけれども、仕事上の理由で適切な治療を受けることができないケースが見られる。こういうようなことが背景としてあって、ぜひ、そうではなくて、今こういうふうになっていますよ、ただしお互いに気をつけていただきたいこともあるという中でガイドラインというのをつくったということでございまして、まずはこれの周知啓発等が大事なんだろうというふうに思っています。 その上で、昨年十月に、働き方改革実現会議の中で、大臣の方から、病気の治療と仕事の両立支援の今後の対応として三つの点を挙げさせていただいております。一つは、経営トップからの企業内の制度や文化の抜本改革、二つ目が、新たに専門人材を育成することで企業と医療機関の連携を強化していこうということ、それから患者に寄り添う相談支援の充実、こうしたことが特に重要であるということを申し上げたところであります。 その中でも、患者に寄り添う支援体制というものについては、その会議の中で生稲委員からの御提案があり、総理からも、主治医、会社、産業医やカウンセラーのトライアングル形のサポート体制を検討するというような発言がございました。こうしたことも踏まえながら、厚生労働省としても、三月に働き方改革実現会議で取りまとめる予定の実行計画に基づいてしっかり取り組んでいきたい、こう思っているところでございます。
○宮川分科員 やはり、病気になられた方とか何か疾患を抱えた方というのは、何となく自分一人が取り残されたような感覚になるんですね。ですので、誰に相談して、誰に助けを求めていいかわからないという方が多分非常に多いからこそ、勝手に離職をしてしまう、そこまでではないのに離職をしてしまうという現状があるんだと思います。ぜひ、患者の方たちに、一人で悩まなくていいんだということと、それに寄り添うような政策というか体制づくりをお願いしたいなというふうに思っております。 また、副大臣の先ほどの御発言の中に、テレワーク、在宅ワークとかの話がありました。 私は、テレワーク、在宅ワークはぜひともどんどんどんどん拡大してやっていくべきだというふうに思っております。大賛成でありますけれども、一方で、例えば運送業の方とか、女性の六割はケアワーク、いわゆる対人ワークですね、対人でなければ仕事ができない仕事についている方たちが圧倒的にいる。この方たちに長時間労働の是正ということでいろいろな網かけをしてしまったときに、恐らく仕事が成り立たないということがあると思います。 私の地元からも、日本のへそから沖縄に行ったり、北海道に行ったり、運送業の方たちは本当に目まぐるしくお仕事をしていらっしゃるし、私の県というのは空路も海路もありません。陸路しかないわけですね。ですので、物流がどういうふうになっているのか、陸路の運送というのがどうなっているのかというのは自分たちの死活問題なんです。これは、経営をされている、そのお仕事についている方にとっても死活問題ですけれども、恐らく、その地域に住んで陸路しかないようなところに関しては、本当に生きるか死ぬかみたいな問題だというふうに私は思っています。 ですから、網かけができない、いわゆる、こっちに荷受けの方がいて、荷を出さなければいけない相手がいて、このはざまで働いている方というのはたくさん、いろいろな業種でいらっしゃるんですね。運送業とか、それはバスも同じだと思いますけれども、そういうふうに長時間労働をせざるを得ない、なぜなら荷受けをした人たちの要求に応えることがその方たちのお仕事なので。その方たちに対してはこれからどういう対応をしていくのか、これは非常に重要な問題だと私は思っています。 今まで、例えば、ツーマン運行をしたらいいんじゃないかとか、もっと賃金を上げた方がいいんじゃないかと。そういうことをやらずして長時間労働だからだめだということではなくて、もっとその方たちが安全を担保しながら安全に働くことができる、そして負担を少しでも軽くしてあげることができるということが重要だと思いますが、こういう業種の方についてはどのような取り組みをなされる予定でしょうか。
○山越政府参考人 お答え申し上げます。 トラック運送業についての長時間労働対策でございますけれども、トラック運送業における長時間の問題を改善するためには、トラック運送事業者だけでなく、荷主の方も含めた関係者が連携をして取引環境の改善を図っていくことが重要であるというふうに思っております。こうした観点から、国土交通省とも連携をいたしまして、トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会を設置いたしまして取り組みを進めております。 この協議会では、二十七年度にまず実態についての調査を行っておりまして、二十八年度からはそれを踏まえてパイロット事業に取り組んでいるところでございます。 このパイロット事業においては、荷主あるいは運送事業者の現状とか課題の洗い出しを今行っているところでございますので、これを踏まえて解決手段を検討していきたいというふうに考えております。そして、このパイロット事業で得られた知見を活用いたしまして、今後、協議会で取引環境あるいは労働時間改善のガイドラインの策定に向けた議論を行うこととしております。 こうした取り組みを通じまして、トラック業界の取引環境の改善と長時間労働の抑制を実現するための環境整備に努めてまいりたいと考えております。
○宮川分科員 ぜひお願いしたいと思います。 この働き方改革で私が一番重要だと思っているところは、この日本の労働環境に適正という言葉が戻るかどうかだと思っているんですね。適正価格、適正時間、適正な人員、そういうものがないまま、何か、どんどんどんどん人の心を削って、身を削って生産性を高めなきゃいけないというふうになってきたと思うんですが、そうではなくて、先ほど私が憧れた国の話をしましたけれども、いわゆる適正なんですね。この仕事に対してこの人員をつけてという適正が守られているからこそ、そういう心に余裕のある生活ができるわけですから。今の業種というのは、トラックなんかは特に、もうたたかれてたたかれて苦しい思いをしている方たちがたくさんいますので、ぜひ、適正を戻すためにどうするべきかということは継続して御検討いただきたいなというふうに思っております。 時間もそろそろ終わりですので最後の質問になりますが、ワークシェアリングと言われて久しいですけれども、私が今回の働き方改革でもう一つ取り入れていただきたいのは、チームワーキングなんですね。 この仕事はおまえがいないとできない仕事だ、だからおまえは休んではだめです、あなたは休んではだめです、あなたが頑張らなきゃだめなんですという働き方ももちろん必要だと思います。例えば資格を持っていたり、特殊な技能、能力を持っている方が評価されるべきだとも思いますが、一方で、その働き方をやっていたら、有休もとれない、何かあったときに即応的に対応はできない、もう本当にぎゅうぎゅう詰めになってしまう。それはやはり、働き方という観点で見ると非常に窮屈なものだというふうに私は思っています。 先ほど、学校はブラック企業だと申し上げましたけれども、確かにブラック企業なんですが、唯一私がすばらしいと思っているところがあります。 例えば、小学校の先生というのは女性が七割なんですね。何でこんなに七割も就職をしているか、奉職をしているかというと、これは、産休、育休なんかももちろん、明確にここからここの期間、三カ月間、一年間休めるということがあるのと同時に、実は代替教員がつくんですね。休むことが決まってしまったら、そこに今度は若手の方とか、もしくは再任用の方もいらっしゃいますけれども、代替教員がついて、自分の仕事に穴をあけずに済むんです。ですから安心して休むことができる。ですので女性の先生がそうやって多くなってくる。特に小、中というのは女性の先生が多くて、これは、学校文化が日本の誇る文化だというふうに私は思っているんです。 つまり、あなたがいなきゃできないのではなくて、あなたがいなくても、ちゃんとチームを組んでいれば仕事に穴をあけることがなく、誰かに迷惑をかけることなく休むことができますよという環境をつくってあげることは、やはりとても重要だというふうに思います。 学校のみならず中小企業もそうです。例えば、事務員さんが、子供がちょっと熱を出しちゃったので保育園へ行きたいんですけれどもと言ったら、いいよ、いいよ、行ってこい、俺たちがちょっと見ておいてやるからというようなフレキシブルなところというのは、まさにチームワーキングそのものだと思うんですね。 少ない人数だからこそ、みんなで力を合わせて働く、こういう感覚が、大企業にももちろんあっていいと思うし、どこの職種にもあっていいことではないかなというふうに思います。ですから、このチームワーキングの大切さというのももう少しこの働き方改革の中で、ぜひ訴えていただきたいなというふうに思うんです。 最後の質問なので、ぜひ副大臣にここは答えていただきたいんですけれども、厚生労働省もチームワーキングをやっていらっしゃると思うんですね。いろいろなお取り組みをしているのは私も伺っておりますけれども、答弁書は一人じゃなきゃ書けないんじゃなくて、何人かで、みんなでその質問をシェアして、誰でもその中の人が書けるという状況にしておくということは大変重要だと思います。これから省庁もそうあるべきだと思いますが、副大臣のお考えを、ぜひ最後に伺いたいと思います。
○橋本副大臣 もしかしたら御承知の上でおっしゃったのかもしれないと思っているんですが、実は、平成二十七年度ワークライフバランス職場表彰という、これは国家公務員制度担当大臣が賞を出しているものがありまして、その中で、厚生労働省の雇用均等政策課というところが表彰されました。 それは何をやっているかというと、今先生がお話しになったようなことですが、国会待機の当番制というのをやりまして、まさにこの人がいないと答弁を書けないじゃなくて、みんなでその当番を分担して、この日に当たったらこの人、ほかの人は帰るみたいな、そういうことをやってワーク・ライフ・バランスというのを推進してきたということを評価いただいたということでございまして、大きなトラブルも起きていないというふうに承知をしております。 あとは、これが厚生労働省全体になっているのかなということはちょっともう一回振り返ってみなければいけないなと、今御指摘をいただきながら、あるいは答えながら思っているところでございまして、まさに御指摘をいただきましたように、チームで仕事をする、あるいはみんなで分担をするということでそれぞれのワーク・ライフ・バランスを守っていこうということは、大変大事なことだと思っております。 仕事と生活の調和のための時間外労働規制に関する検討会というものを当省はしておりましたが、その論点整理においても、マネジメント能力の低さや職場の意識改革不足が要因の一つとして指摘をされているということでございまして、チーム全体で仕事を進めていくというやり方も、長時間労働の是正、あるいは仕事と育児、介護の両立支援の観点からも有効な一つの方策である。こうしたことも含めて職場におけるマネジメントの改善、意識改革に取り組んでいただく必要があるというふうに考えております。 これは、各企業においては、役所が強制をするとか規制をするという類いのことではなくて、御努力、工夫をいただきたいと私たちも思っている、そのことを申し上げることと、あとは、工夫した事例等を収集しておりまして、働き方・休み方改善ポータルサイトというものを設けておりますが、そうしたことでさまざまな事例等を御紹介するということで、今お話がありました、複数名のチーム体制を導入することで、働く方々の業務量の平準化あるいは休暇取得につなげているというような例もございます。 こうしたことで今後も、情報提供することで企業の方々の取り組みを促すということも取り組んでまいりたいし、もちろん私たちも、ぜひそのようなことも引き続き取り組んでいきたいと考えております。
○宮川分科員 これで質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○菅原主査 これにて宮川典子さんの質疑は終了いたしました。 次に、丸山穂高君。
○丸山分科員 日本維新の会の丸山穂高でございます。 本日は、厚労大臣に、生活保護制度についてるるお伺いしていきたいんです。 一つ目、今の生活保護の制度は、外国人の方に対しても支給をされている現状があると思いますが、まず最初にデータとしてお伺いしたいんですけれども、生活保護を受けている外国人の方の世帯数と人員、総数はもちろんお伺いしたいんですが、しかし、それはいろいろな国の国籍の方がいると思いますので、主な国の国籍別、在留資格別の最新の数字を教えていただけますでしょうか。
○定塚政府参考人 お答え申し上げます。 平成二十七年七月末現在でございますけれども、世帯主が外国籍である生活保護世帯数は、四万四千九百六十五世帯でございます。また、その世帯主が外国籍である生活保護世帯の世帯人員数、こちらには日本国籍の世帯員も含まれる数でございますけれども、六万九千九百十四人となっております。 これらを主な国籍別に見ますと、世帯主の国籍が韓国または朝鮮の世帯数が二万九千四百八十二世帯、世帯人員数が三万七千百三十九人、中国の世帯数が四千九百六十六世帯、世帯人員数が八千七百十六人、フィリピンの世帯数が五千三百三十三世帯、世帯人員数が一万三千二百人となっております。 なお、在留資格別の数値でございますが、こちらは把握してございません。
○丸山分科員 実に四・六万世帯、六万人の外国の方が生活保護を受けられているという今のデータですけれども、生活保護法を見ますと、第二条に、「すべて国民は、」受けることができると、「国民は、」と明示をしている中で、また、財政もいろいろ厳しいと言われている中で、どうして外国の方にまで保護の支給がされているんだというお話が多々あると思うんです。 これは調べますと、厚労省さんの方で、昭和二十九年、えらく古いですけれども、もう六十年以上前に出された通達がその法的な位置づけの根本の部分にあるんじゃないかと思うんですが、その通達、「生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について」というものは現在もまず有効なのかどうか。もちろん有効だからそうなっているんだと思うんですけれども、一方で、これはどういう法的な位置づけで、もっといけば、自治体は必ず従わなきゃいけないものなのか。そのあたり、お伺いできますでしょうか。
○定塚政府参考人 御指摘の通知でございますけれども、こちらは、永住者や定住者など一定の在留資格を有する外国人に対し、生活保護法の取り扱いに準じて、必要と認める保護を行うということを地方自治体に対して通知したものでございまして、現在も、おっしゃるとおり、有効でございます。 この位置づけでございますけれども、地方自治法に基づく技術的助言と考えておりまして、地方自治体に対して法的な義務を課するというものではございませんが、厚生労働省としては、地方公共団体においてこの通知の趣旨に沿って取り扱いをしていただきたいと考えているものでございます。
○丸山分科員 非常に重要な答弁だと思うんですけれども、これはあくまでも技術的助言であって、自治体がこれに従う義務はないと。つまり、裏を返せば、ある自治体が、いや、ちょっと厳しいので、外国の方に対してはこれを支給することができないという判断をすることができるということでよろしいんですね。
○定塚政府参考人 今申し上げたとおり、法的な性格としては、技術的助言ということでございます。 しかしながら、地方公共団体においてこの通知の内容に沿った取り扱いをしていただきたいと申し上げているところであり、また、世帯単位で生活保護が適用されますので、世帯の中に外国人と日本人両方がいらっしゃるという場合もありますので、これを分離して取り扱うということはなかなか難しいことかと存じております。
○丸山分科員 定塚局長、局長個人を詰めようとは全く思っていませんので、その辺は何も萎縮しないでお答えいただきたいんですけれども、実は今の御回答だと、明確なお答えがいただいていないんです。 つまり、日本の方がいる世帯に対して、その日本の人に対して、全て国民は権利を有するわけですから、本当に困っていらっしゃる方に、生活保護という最後のとりでですから、この国の憲法が保障している基本的人権の最後のとりで、生活保護を支給するということに対しては誰も異論がないと思います。 ただ、一方で、「すべて国民は、」と憲法が書いていて、そして法も「すべて国民は、」と書いているのに、厚労省がこの通知を出しているわけです。それは技術的助言だとおっしゃっているんですけれども、もう一度、イエス、ノーで答えられるようにお聞きします。 この通知に対して、厚労省としては、できればこれに従っていただきたいという答えだったんですけれども、しかし、これに従うことは自治体の判断で、しなくてもいいときもある。つまり、イエスかノーかで答えやすいように言えば、これを自治体が、こうした外国人に対して支給をしないこともできるんですね。どうでしょうか。
○定塚政府参考人 先ほど申しましたように、生活保護制度自体は世帯単位で適用されています。世帯に対して、例えば世帯主が外国人でその世帯員が日本人、その逆に、世帯主が日本人で世帯員が日本人という場合もありまして、世帯全体の収入と支出というのを見て、そこが生活保護基準に合うかどうかということで判断をしていますので、現行制度上、世帯単位として運用しているという以上、その世帯の中から外国人だけを外すという取り扱い、これは技術的にも困難なものと考えております。
○丸山分科員 今お伺いしたいのはそこではないんですね。 つまり、では、もっとわかりやすい、お答えしやすいようにお伺いします。世帯の中に日本の方がいらっしゃらない場合には、自治体はこれを支給する必要がないという判断をすることができるということでいいんですね。
○定塚政府参考人 何度も繰り返しになって恐縮なんですけれども、あくまで法的な位置づけはという御質問については、これは技術的助言ですというふうに申し上げております。 しかしながら、厚生労働省として、では、地方自治体が独自の判断でそれをしていいのかということについては、これをやってもいいよと申し上げたことはありませんで、自治体に対して、この取り扱いをお願いしたいということを申し上げてきているところでございます。
○丸山分科員 きょうは時間がありますので何度でも伺いますけれども、逆に言えば、従わなければ何か罰則があるわけなんですか、それとも、何か指導が来るんでしょうか。どういった対応になるんでしょうか。
○定塚政府参考人 お尋ねの罰則等は特段ございません。
○丸山分科員 つまり、義務ではないということでいいんですね。
○定塚政府参考人 先ほど来申し上げているように、法律的な義務ということで自治体に課しているものではございません。
○丸山分科員 最後のお答えがその基本的な部分だと思いますけれども、そうした意味で義務ではないわけですが、法律で「すべて国民は、」としているのにもかかわらず厚労省はこの通達を出しているんですけれども、生活保護法の趣旨を逸脱してしまっているんじゃないかなというふうに、通達がですよ、法が違憲だとかいう話をしているんじゃなくて、この通達が法の趣旨を逸脱した、違法行為とまであえてここでは言いますけれども、違法行為なんじゃないんですか。この見解について。 そして、済みません、通告では更問いで、生活保護法の枠を超えて外国人に適用する理由については今お答えを言っていただいたと思いますので、そこというよりは、これは違法行為なんじゃないかと思っているんですけれども、それについてはどういうロジックを立てられているんですか。
○定塚政府参考人 御質問のとおり、外国人には生活保護法の適用自体はないわけでございます。しかしながら、行政措置という形で予算も出して、一定の在留資格を有する外国人については、人道上の観点から生活保護に準じた取り扱いをする、これが適当であるということで措置を行ってきているところでございます。 なお、最高裁判決におきましても、生活保護法に基づいて外国人に対して生活保護を出すというわけではないけれども、事実上、生活保護を行政組織として出しているということについては認められているというふうに考えております。
○丸山分科員 今、厚労省さんはいっぱい案件を抱えられていると思います。年金にしても、介護にしても、こういった生活保護にしても、非常に重要な社会保障というファクターを抱えていらっしゃって、非常に重要にどんどんなってきている役所で、一方で、いろいろな要望が来るわけですよ。我々政治家のところにもいろいろな要望が来ますし、これはやはりやらなきゃというのもあるんですけれども、しかし、予算の制限でつけられないものがいっぱいあります。例えば難病の方に対する支援、研究だとか。 例えば、この間の審議で、年金だって削る可能性が出るという話になったわけですよ。社会保障費全体が膨らんでいる中で、残念ながら、やはり予算に限界がある。そのときに、物価も賃金も下がった場合には少し年金の支給を我慢いただきたいというお願いをしている根本の部分に、お金がないという話をしていて、余裕がないわけなんですよね。 余裕があって、お金じゃぶじゃぶで、そしてそこで、日本国民の方だけじゃなくて海外の方もというロジックならわかるんですけれども、残念ながら、今のこの厚労省全体の政策のバランスからして、どう考えても、外国の方のそこに充てるよりも先に、今申し上げたようなところに充てていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに強く感じるんです。 大体いただきたい答弁はいただいたので、これはまずは問題提起を大臣にも聞いていただきたいというふうに考えているんですが、大臣、どう思われますか、今のをお聞きになって。
○塩崎国務大臣 もともと生活保護法は、憲法第二十五条に基づいて、全ての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する、そこから生活保護法の第一条に来ているわけでありますが、今答弁申し上げているように、生活保護法の適用は外国人に対してはない、これは基本だと思います。 一方で、今は行政措置として人道上の観点から行われている措置が、今説明を申し上げた、外国人に対する生活保護法の言ってみれば準用と言うべきことをやってきているわけであって、そのことによって、日本の国内にいる外国人の方も最低限の生活ができるようにということが一つですが、生活保護法でも、その目的は何かというと、最低限の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とすると。 つまり、生活保護というのは、やはり自立をしてもらうということが前提。それができない人はそこまでは求めないでしょうけれども、やはり自立を求めるのが基本だというふうに思っています。そういう意味では、外国人の方にも自立をしてもらうためにやってもらうということが、こういう形で準用して、生活保護的なサポートをしているということではないのかなというふうに思っていますので。 一つは、今、違反行為ではないかということですけれども、そういう範囲内で行政措置として行っているという意味においては、準用している形で、違反行為とは言えないのかなというふうに思いますが、社会全体の安定を図るために一人一人の暮らしをどうするかという観点から見ると、私は、自立を図るために生活保護法を準用するということは意味があるのではないかというふうに思っています。人道上の観点、これはもちろんございますが、そういうような考え方かなというふうに思うところでございます。 以上です。
○丸山分科員 外国籍の方はその国の制度も受けられるわけですよ。そういった意味で、二重に受けられている可能性も多分にある。というよりは、そういうふうになっているわけで、そういう意味で、これは少しやはりおかしいんじゃないかなという問題提起をさせていただいて、次の質疑に移りたいというふうに思います。 次は、生活保護の関係で予算委員会でもお話をさせていただいた、パチンコを利用される、生活保護費を使ってまでもパチンコに行こうとされる方がいるということで、予算委員会でも具体的な例示を挙げさせていただいて、別府市とか中津市でそれに対して指導をされているんですね。 厚労省としても、過度にパチンコに行かれるのは望ましいことじゃないという答弁をずっとされていて、どう考えても望ましいことじゃないんですけれども、一方で、別府市がそれに対して指導した場合、これに対して国から不適当だ、不適切だという通知をしたということが、記事等話題に、社会問題になっていました。 うかがい知ると、支給をとめたことに対してはやり過ぎだというふうに厚労省は見解をしていて、しかし一方で、中津市や別府市は、パチンコ店を巡回して、被保護者の金銭の使い道を監視して、チェックしているんですね。そこまでの、退店を促す、行かないようにさせる、これをすること自体は可能だということでいいんですか。その通知の、だめだよといった範囲じゃないということですね。よろしいんでしょうか。
○定塚政府参考人 御指摘の別府市の事案でございますけれども、こちらは、パチンコ店に入った場合は保護を廃止されても異存はないという誓約書を提出させた上で、その誓約書に反してパチンコ店に出入りしていたという被保護者に対して、一律に、生活保護法六十条の生活上の義務を果たさないことだけを理由として保護の停止を行っていた、その点が厚生労働省としては不適切だということで、別府市に県を通じて指導したというものでございます。 先ほどお尋ねのありました、福祉事務所がパチンコ店を巡回して、金銭の使い道を監視したり退店を促すということについてどうかということにつきましては、一般論で申し上げれば、このように、福祉事務所が保護を受けている方のパチンコ店の利用について巡回するなどして状況把握を行うということ、また、その方々が過度に生活費をつぎ込むなど、まさに自立の助長、生活保護の目的に反した保護費の支出を行っているような場合には生活指導を行うということ、これは可能であると考えております。
○丸山分科員 今のお答えだと、巡回自体、チェックをしていく、そしてとめてもらう、やめてもらうということに対しては何ら厚労省も異論はないし、通知の範囲ではない。一方で、支給の停止に関してはやり過ぎだというのが厚労省の今引いていらっしゃるラインなんですけれども、そうすると、支給の停止は確かにそこがそうだとおっしゃるのであれば、一方で、それ以外の部分でしっかり指導はしていかなきゃいけないわけで、それに対して今自治体はやはり現場で苦労しているわけですよ。だからこそ、そういう巡回をやられたりしているんですけれども。 今のお話だと、支給の停止までいくのは問題だという話なので、例えばほかの市だと、通知というよりは、支給の窓口のところに、再三の指導にもかかわらず生活保護費の適切な支出が認められない場合には停止や廃止といった措置を講じなければならない場合もありますみたいな可能性を書いた上で、要は注意する。そういう、過度にパチンコに行かないでくださいねという注意紙を張り出しているというのは、支給を停止しているわけじゃないと思うんですけれども、これももちろんそのラインを超えていない、指導のラインを超えていない、それは自治体の判断で可能だということでよろしいんですね。
○定塚政府参考人 御指摘のような事例についてどのように判断するかというのは、張り紙だけではなくて、福祉事務所がどのように行動しているかということ等を含めて総合的に判断しなくてはいけないと思っているんですけれども、やはり、生活保護の方がパチンコ、それからそのほかの娯楽やギャンブルなどに過度に依存しているという場合には、自立支援プログラムというプログラムで、ギャンブルやパチンコなどに過度に依存しないようにということを支援していく。例えば、グループで指導を受けたりといったようなことを福祉事務所に対して行うようにと厚生労働省からも申し上げておりますので、そうしたような指導も含めてしっかりやっていただきたいというふうに考えております。 〔主査退席、山下主査代理着席〕
○丸山分科員 それはしっかりやっていただきたいというふうに思いますけれども、しかし、そうした、要は、過度に使い過ぎないでくださいね、過度に使い過ぎた場合、それに対して支給の停止の可能性があるという張り紙をしているところがあるんです。それ自体は今のお話だと、明確にお答えいただいていないですけれども、今のお話からそんたくすると、基本的にはこれ自体を何か厚労省として禁じているものではないということでいいんですよね。
○定塚政府参考人 先ほどの別府市の事案で申しますと、生活保護法六十条の生活上の義務を果たさない、これだけを理由に直接、一律的に保護の停止を行う、これは明らかに不適切だというふうに考えております。 一方で、パチンコ、特に過度に依存して生活費を使い果たしてしまっているというような場合、当然指導を行うわけですけれども、その指導をした上で、さまざまな状況も鑑みて保護の停止に至る可能性もある。これは可能性を否定するものではございません。 ただ、張り紙をするということが、張り紙をして、生活保護を受給しようとする人に非常に威圧的にプレッシャーを与えるとか、そういうものであってはならないということは当然のことかなというふうに考えております。
○丸山分科員 ありがとうございます。威圧的なプレッシャーを与えるものでなければ、その可能性があるということも含めて範囲だというお答えだと思います。 大臣にお伺いしたいんですが、少し最後にまとめて大臣にお伺いしていきたいので、細かい、事務方にお聞きしておきたいのが、もう一つ、小野市の事例があると思います。 福祉給付制度適正化条例というのを独自に小野市が制定していまして、これが基本的には、きちんと市民の義務として、生活保護が適正に使われているかどうか見てくださいねと。もし何かそういうものを見たら通報できるような制度を設置されているんですけれども、これ自体についてまず承知されているか、そして、これは法の範囲内ということでよろしいんでしょうか。お答えいただけますでしょうか。 〔山下主査代理退席、主査着席〕
○定塚政府参考人 御紹介いただいた小野市の条例でございますけれども、こちらの条例については、受給者が給付された金銭をパチンコその他に費消して、その後の生活の維持、安定向上を図ることができなくなるような事態を招いてはならないということ、また、市民等の責務といたしまして、受給者に係る偽りその他不正な手段による受給の疑い、または給付された金銭をパチンコ等に費消してしまって、生活の維持、安定向上を図ることに支障が生じる状況を常習的に引き起こしていると認めるときは市に情報を提供するということを条例として定められているというふうにお聞きしております。 この条例の趣旨、今ほど申し上げたように、過度にパチンコ等の娯楽に生活費をつぎ込んで、生活の維持や安定向上を図ることができなくなるような事態に至らないようにという趣旨で規定をされているものであると承知しておりますので、これは生活保護法の考え方に沿っているものと考えております。
○丸山分科員 大事な答弁、ありがとうございます。生活保護法の趣旨に沿っているという御答弁ですけれども。 なぜ私が生活保護費でのパチンコの話をしているかというと、パチンコに行って、負けたらそれは消費なんでしょうけれども、勝てばその景品を、警察さんはこれは賭博ではないと言いますけれども、いわゆる三店方式で景品を換金するわけですよ。そうすると、それは所得なわけですね。でも、基本的に、ほとんどの方はその所得を申告していないんじゃないかと思うんですよ。申告したら、それは所得なんですから、その分、生活保護費はきちんと削らなきゃいけないわけですよ。 つまり、不正に生活保護費を受給している可能性が高いわけですよ。一回限りパチンコで勝った、負けたときはそれは申告する必要はありません、マイナスはつかないんです、勝ったときの勝った額は必ず申告しなきゃいけないんですよ。どう考えても、パチンコの仕組みを考えたら、差し引きで考えるんじゃなくてプラスだけとるんですから、大幅に生活保護費を不正受給しているんですよ。 これは、勝った分を申告しなきゃいけないということでいいのかどうか、そして、それが発覚して指導した事例があるのかどうか、認識しているかどうか、重ねて、同じ案件ですのでお願いできますか。
○定塚政府参考人 委員御指摘のとおり、パチンコで得た景品を換金して現金を得たという場合、これは収入でございますので、収入についてはすべからく福祉事務所に届けていただくということとなっておりますので、申告していただく必要があると考えております。 また、パチンコにつきまして、申告漏れが発覚して不正受給として指導したというような事例があるかどうかについては、私どもとしてはまだ承知をしておりません。
○丸山分科員 最近の質疑で、承知をしておりません、把握をしておりませんというのが非常に多くて、財務金融委員会でも予算委員会でもこの委員会でも。 この間、ヒアリングしてくださいよ、大臣というお願いをさせていただいて、検討しますと前向きにお答えいただいたんですけれども、これもぜひヒアリングの項目に入れていただけるように検討していただきたいと思うんですけれども、大臣にこの後聞きますので、局長としてはどう思われますか。
○定塚政府参考人 先日の大臣からの御答弁もございましたので、被保護者によるパチンコの実態について、実態把握、まず、どういった方法でヒアリングその他の調査を行っていくかということも含めて、検討してまいりたいと考えております。
○丸山分科員 しっかりやっていただきたいんですけれども。 大臣にお伺いしていきたいんですが、これは非常に、今言ったように問題は根深いところにあると思います。そうした意味で、もしパチンコで勝った分を所得申告していないのであれば不正受給でもありますし、不正受給はしっかり防いでいかなきゃいけない。一方で、依存症の問題が今言われてきていて、これは厚労省も急務で、この数年で依存症対策をやっていかなきゃいけない中で、非常に、両方の観点から入る根深い話だと思うんですね。 根本の部分の、「すべて国民は、」という憲法上の問題があって、私は、これは憲法上許容された範囲を超えているんじゃないかなというふうに思っているんですけれども、その憲法上の観点を踏まえた上で、大臣、どのようにお考えなのか、お答えいただけますでしょうか。
○塩崎国務大臣 先ほど局長の方から答弁を申し上げましたが、要は、パチンコ自体が全否定をされるということはなかなか難しいことだと思うんですね。したがって、娯楽で、それぞれ一人一人好き嫌いもあったりしますし、そういう中で、過度に生活費をつぎ込んで、健康や自立した生活を損なうようなことをやっている生活保護を受けている方あるいは世帯、これはやはり最低生活の保障と自立の助長という生活保護の目的から逸脱をしているということでありますので、それは望ましくないというふうに思うわけです。 一律にパチンコはだめだと言うのはなかなか難しいと思いますけれども、やはりそれは、先ほどの六十条にある、生活保護を受けている人のやらなきゃいけない中に、まず第一に、能力に応じて勤労に励みと言うから、パチンコをやる暇があったら働いてもらうというのが当然のことだろうと思います。それから、支出の節約を図り、その他生活の維持及び向上に努めなければならない。それに反するような使い方をしてパチンコをやっているのは好ましくないということで、二十七条で指導する。これは当然やらなきゃいけないことだろうと思いますから、そういう注意喚起を行政がやるということはごく自然だろう、行き過ぎていなければというふうに私は思います。 したがって、どういうようなやり方をするかは自治体がお考えになるんでしょうけれども、基本的には、今申し上げたような考え方で、みずからちゃんと律することができない場合には指導していくというのは当然のことだと思います。 また、依存症の問題については、今私ども、アンケート調査をやって進めているところでもありますから、これをどういうふうにしていくかということについては、パチンコについてもどうするかということについては、また今後、しっかりと皆さんと議論させていただきながら決め込んでいきたいというふうに思っております。
○丸山分科員 時間が来ましたので終わりますが、しっかりやっていただきたいと思いますし、憲法上、健康で文化的な最低限度の生活というのが保障されていますけれども、どう考えても、パチンコに行くというのが健康で文化的な最低限度の生活かというと、やはり生活保護の趣旨に反していて、それで保障された権利ではないということを主張申し上げまして、私の質疑を終わります。 ありがとうございました。
○菅原主査 これにて丸山穂高君の質疑は終了いたしました。 次に、横路孝弘君。
○横路分科員 きょうは、時間をいただきまして、スモンの患者の皆さんが今抱えている問題についてお尋ねをしたいというように思っております。 スモンも、発生したのが昭和三十年代でございますので、そして、昭和四十五年になって厚生省がキノホルムの製造を中止し、その後、被害を受けた人々が裁判を起こしました。 この裁判が、昭和五十四年の九月に和解が成立したんですね。国や製薬メーカーの責任を認めるということが大きな和解の前提になっておりまして、そして、和解の一時金の支払いや健康管理手当、介護費用、介護手当の支給というようなことがありまして、もう一つ大きいのは、恒久対策の実施ということ、これは、主に国が責任を持って行うということが和解の内容になっておるわけでございます。恒久対策の中には、例えば、ホームヘルパーの派遣でありますとか、日常生活用具の給付など、日常支援の実施というようなこともその一項目に入っているわけでございます。 これから議論するに当たって、私は、スモンの問題を考えるときに大事なのは、やはりこれは、裁判で国の責任があるよということが認められて、そして患者側と話をして和解が成立をした。そして、その和解の内容として恒久対策をしっかりやりますよ、こういうことの経緯、経過というのがあるわけですね。もちろん、国会の衆参の決議もございました。 行政、特に厚生労働省は、この経緯をやはりしっかり踏まえながら対応、対策をしていくということが大事だと思いますが、この基本のところを、まず、大臣、どのようにお考えでしょうか。
○塩崎国務大臣 今、経緯につきまして、横路委員の方からお話をいただきましたが、そのとおりでございまして、これは国並びに製造した会社の責任があるということで、昭和五十四年に、これは橋本厚生大臣時代でありましたが、和解確認書の調印が行われたということで、今お話のあった和解の内容、そしてまたその中の恒久対策について、しっかりやっていかなきゃいけないということはそのとおりでありますので、経緯を踏まえて、私ども厚生労働省も真摯にこれに向き合って、きちっとした対応をしていかなければならないというふうに思っております。
○横路分科員 スモンも時間がたちましたからね、病院に行って、医者も知らないのがいるというので、要望があって、スモン手帳というのを厚生労働省でつくってくれました。 症状というのがこの中に書かれているんですが、神経症状、下肢の異常知覚、自律神経障害、頑固な腹部症状を初めとして、循環器系及び泌尿器系の疾病のほか、骨折、白内障、高血圧、目まい、不眠、膝関節痛、あるいは歯科疾患など、全身にさまざまな症状が幅広く併発することから、スモンによる影響を十分配慮することが必要だと。これは、症状は例示であって、スモンの全ての症状を記載しているものではないというように、症状が明記されています。 こういう、やはりこの症状、もちろんこれは、だんだんだんだん悪くなっていくものもたくさんあります。治療法がないんですね。だから、はり、きゅうをするというようなことぐらいしかないというような状況の中で、皆さん方、苦労されておられるわけでございまして、このときの和解の内容というのは、今も大臣答弁ありましたように、これはやはり、しっかりこれからも守っていくということでよろしゅうございますね。
○塩崎国務大臣 おっしゃるとおりでございます。
○横路分科員 介護保険ができたときから、六十五歳以上の人をめぐっていろいろな議論がありましたが、昨年、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律という改正案ができましたよね。来年の四月から実施されることになっていますが、この内容は、六十五歳に至るまで、相当の長期間にわたり障害福祉サービスを利用してきた低所得の高齢障害者が、引き続き障害福祉サービスに相当する介護保険サービスを利用する場合には、その程度、状況などを見て、当該介護保険サービスの利用者負担を障害福祉制度により軽減できる仕組みを設けているということで、これは障害者の人たちが非常に望んできたことなんですね。 問題は、六十五歳を超えてから公的サービスを受けようとする、そういう人たちに、どういう対応をするのかというところでいろいろな問題が生まれているわけです。 そこで、お尋ねしたいのは、これは事務当局で結構でございますが、今、生存者が、最近聞いたところですと千四百二十八人おられて、六十五歳以上は千三百七十八人ということなんですが、この六十五歳以上の方のうち、公的なサービスを受けていない人というのはどのぐらいおられるんですか。
○武田政府参考人 ただいま先生から御紹介のありましたスモンの訴訟での和解患者のうち、生存している方々千四百二十八人、六十五歳以上は千三百七十八人となってございます。 この全てのスモン患者についての、六十五歳以上の公的介護を受けていない人のデータにつきましては、私ども持ち合わせてございませんけれども、平成二十七年度に実施したスモン検診の受診者六百六十名のうち、介護保険制度の利用申請をしていない人の割合は四三・三%であったと承知をしております。
○横路分科員 公的介護を受けていない人で、特に申請もしていない人、四三%もいるというのは、これはどうしてだと思いますか。
○武田政府参考人 その辺の事情については、私どもは承知をしておりません。
○横路分科員 それは今、これから私がだんだん説明していきますが、大臣、スモンの場合、若年の発症者も多いんですよ。八歳で発症したとか、中学生とか高校生とか、あるいは二十代の人々、非常に人生の大切な時期にスモンが原因で、だから進学を諦める、結婚を諦めてしまう。あるいは、働いていた公務員だって、やめざるを得なくなってやめたという人がいるんですよ。あるいは離婚の苦しみを味わう。 そして、今日まで五十年ですから、五十年の人生を治療皆無のまま、スモンの痛みの中で生きてきているんです。若くして発症したスモン患者は、長い年月、家族がおりますから、家族や周囲の人に支えられてきているんですね。だから、そういう人々の介護に守られて生きてきた。 ところが、だんだんお互い高齢になってきて、支えてきてくれた人が亡くなってしまったり、高齢になってもう介護ができない、それで六十五歳を過ぎてから公的介護を受けなければいけない、こういう人が出てきているんですよ。ところが、公的介護を受けたいと思っても、介護保険は適用になっても障害者福祉の方は適用されないというところに問題があるんですね。こういう若年発症者が直面している状況について、この現実をやはりぜひ見ていただきたい。 スモンというのは単なる後遺症じゃないですよ。治療法もなく、薬害で中枢神経を侵されたままに高齢化、そういう延長上にさらなる重度化があるんです。こうした若年発症者が直面している問題、こういう現実をしっかり見ていただきたいというように思いますが、大臣、いかがですか。
○塩崎国務大臣 先ほど御指摘があったように、障害者総合支援法は昨年改正をされて、随分長い間議論になった介護保険との関係をどうするのかということで、障害者団体にも御意見をしっかりと聞いた上で、保険優先の考え方のもとで、介護保険にはない障害独自のサービスを利用する必要がある場合などで、介護保険では対応できない部分についてのみ障害福祉サービスを御利用いただいて、原則として介護保険サービスを利用していただく、こういう仕分けにさせていただいたわけでございます。 今、若い方で発症して今高齢者になっているケースが、御指摘がございました。これも確かに総合支援法の改正の際に御質問を受けたことがございましたが、昨年の改正によって創設をした軽減措置は、障害福祉制度ではゼロであった利用者負担が、介護保険制度への移行に伴って新たに生じることによって、生活や家計の見直しが大きく求められるという課題に対応するものだということであったわけでありまして、今の、六十五歳に至るまで五年間にわたって障害福祉サービスを利用してきた方に限って、介護保険サービスの利用負担の発生に、介護保険だけではなくて、障害福祉サービスをそのまま利用できる可能性があるということにしているわけでございます。 今のように、言ってみれば、家族にずっと依存してきた、その家族の支えがなくなって、高齢期を迎えて六十五を超える、その際にどうするのかというお話を今いただいたというふうに理解をいたしましたが、そういったケースがございますことについては私どももよくわかっておりますので、その内容については、あるいは背景について、しっかりとお聞きをして考えたいというふうに思っております。
○横路分科員 大臣のところに、北海道で「六十五歳まで障害福祉サービスを受けてこなかった人」というペーパーは行っていますか。A、B、C、Dと、人の名前はありませんが。ありますね。 この七人の人を見ますと、やはり収入は低いんですよ。障害年金と、あと健康管理手当ですよね。介護手当は受けていません。訴訟のときの程度が中程度ですから、重度以上でなければ受けられないので、これはゼロなんですね。そして症状は、そこにありますように、非常にいずれも重い症状です。 それで、下の方に「スモン研究班の認定」というのがあります。これを見ますと、やはり時間がたつと中度から重度に変わっていっているんですね、重度に。症状は、さっき言ったように、いろいろな、さまざまな問題があるんですよ。 だから、結局、収入の低い人にとっては、介護保険の申請をして受けるといっても、その費用を払えないから、ちゅうちょしてやめちゃうわけですよ。そういう状況に今あるんです。今大臣が、そういう事情、状況をよく調べて検討したいとおっしゃったので、そこをぜひやってもらいたい。 先ほどの事務局の話だと、では全国的にそういう人がどのぐらいいるんだというのはわからないという話だったんですが、実はこれはわかるんです。 実はスモン研究班というのがありまして、各県で非常に、毎年調査しているんですよ。今ここに私が持ってきましたのは、スモン現状調査個人票、それから介護に関する現状調査、こういう調査を毎年やっているんですよ、全国で。そして、このスモンの現状調査個人票というのを見ると、症状をずっと調べていって、診察時の障害度というのも認定しています。これはお渡ししていないかもしれません。話を聞いてください。 そのときに、一人一人について、極めて重度から重度、中度、軽度、極めて軽度というように、五段階で認定しているんです、最近の様子を。だから、時系列的に並べると、その人間がどういうぐあいになっていっているかということがわかるわけですよ。こういうものも毎年やっているんですよ、各県で。 そして、もう一つの方の、介護に関する現状調査を見ると、日常生活がどうなのか、どういうことができて、どういうことができないかというのは、もうはっきり出ているわけですよ。これは非常に貴重な資料なんです。 それで、政府参考人にお伺いしますが、こういうデータは、昨年のこの法律をつくるときに参考にしましたか。
○武田政府参考人 恐れ入ります。法案担当部局でどこまでそのデータを参考にしたかということは、ちょっと私の方では承知をしておりません。申しわけございません。
○横路分科員 この研究班というのは、本当に、北海道ばかりじゃないと思いますが、北海道は藤木先生という先生が中心になって、お医者さんとか、それから道の関係も入って、そして調査をしているんです、毎年。それは、やはり国が責任を感じたから恒久対策の中でこういうのをやっているわけですよ。 この貴重なデータを多分集約しているはずなんですよ、厚生労働省で。被害対策室にはみんな集まっているんじゃないの、このデータは。被害対策室に集まっていませんか。どこか、参考人でも結構ですが。
○武田政府参考人 御指摘の点については詳細を承知しておりませんので、よく確認をしてみたいというふうに思います。
○横路分科員 私は、六十五歳になって初めてサービスを受けたいと思う人、そういう人がどういう人かというのは、この票を見るとわかるんですよ。経緯、経過がわかるんです。毎年やっているんですから、ともかく。十年前どうだったのか、十五年前にどうだったのか、日常生活への対応もそのときどうだったのか、非常に詳しい調査票なんですよ。これだけ熱心に調査しているところというのはほかにないですよ。それだけ国はスモンに対して責任を持っていたということだと私は思います。 それで、一人、具体的な名前を挙げて恐縮なんですが、本人がよろしいと言うので、北九州に横井さんという七十五歳の方がおられます。二十五歳で発症した人です。この人は、看護婦さんをたしか国立病院でやっていた人だと思いますが、低所得者としての介護の費用の応能負担を求めているんですけれども、北九州や厚生労働省にも話をしてもなかなか、だめだと言われているんですね。ただ、北九州市の方は、厚生労働省がオーケーすればいいですよと言っているんですが、どうも厚生労働省がだめだと言っているようなんです。 それで、これは私の承知している話ですよ。厚生省も、被害対策室の方は何とかスモン患者の要望に応えようとしているが、障害福祉課がどうも反対しているようなんですね。 大臣、これも、なぜ反対しているかというと、スモンだけ例外をつくると、ほかにも波及してしまうんじゃないかということを心配しているんじゃないかと思うんですね。 しかし、スモンというのは、繰り返しになりますが、裁判で国の責任が明確にされて、そのもとでの恒久対策ということで対応してきたので、ぜひ検討するということ。厚生労働省の中でも、スモンに詳しいところと、余りスモンのことを知らないところと、対応がやはり違ってきているんですね。だから、ぜひこの辺も検討していただきたい。 個人の名前を挙げての質問で恐縮なんですけれども、一生懸命、彼女はやはりいろいろ頑張ってやってきて、自力更生でやってきているんですよ。だから、今まで本当に、国にはそういう介護の面倒をかけていないんですよ、周りがみんな支えてやってきたんですから。それがいよいよだめだから何とかしてくれというときに、しかも収入が低いから、収入がたくさんあれば、それは介護保険の適用を受けているわけですよ、受けている人は。しかし、収入のない人は、それでちゅうちょしているんですね。ぜひこのケースも検討していただきたいと思いますが、いかがですか。
○塩崎国務大臣 今の横井さんのケースにつきましては、この北九州市の判断は、聞くところによりますと、この横井さんの状態像をよく見た上で、障害福祉サービスでなければ適切な支援が行えないものではないという判断をしたというふうに北九州市の方は言って、障害福祉サービスの支給決定を行わなかったというふうに聞いてはおりますが、今お話がございましたように、私どもも今調べてみますと、都道府県がそれぞれ、スモンの検診結果などをまとめて、状況をお一人お一人把握しているということでありますし、今の藤木先生は、そもそも国立病院機構の先生でありますし、この検診に当たった先生方を見ると、例えば釧路ろうさい病院なんという、これは厚労省そのものの病院もございますので、そういう意味では、やはり今御指摘いただいたように、しっかり、このデータはどういうことが読み取れるのかということを、都道府県ごとに全部わかるということでもあるようでございますので、よく考えた上で、どういう対応があり得るのかということを考えていきたいというふうに思います。
○横路分科員 先ほどの政府参考人の答弁で、六十五歳以上でまだそういうサービス適用をしていない人の数は掌握していないという答弁でしたけれども、これを見ると大体わかるわけですよね。ですから、ぜひそういうチェックも、ちょっとお手数をかけますけれども、本人にとっては大変な問題なので、ぜひ御努力していただきたいと思います。 そして、この点については国会でも何度もいろいろ議論がありまして、答弁をちょっと御紹介したいと思うんですね。 平成十四年には坂口大臣が、「厚生労働省といたしましては、これまでの経緯を十分に尊重いたしまして、このスモン患者の方々に対する現行の施策というものを決して後退させることはありません。これまでどおり継続をしていきたい」という答弁をしています。 田村政務官が、平成十四年、スモン患者の方々に関してもいろいろな議論が出ております、出ておりますが、少なくとも、スモン患者の方々に今より後退するようなことはあってはならない、これだけは我が省といたしましてもしっかりした認識を持っておりまして、そうならないように真剣に努力をしていきたいという答弁をしています。 さらに、今度は田村大臣になって平成二十六年、スモンに関しましては、国の責任として問われた上での恒久対策、それからスモンの原因究明、こういうことの中において、昭和五十四年にこれは和解がなされたということがあるわけでございまして、そのような意味からいたしますと、このような経緯を踏まえれば、継続してまいるということでございますと。 平成二十六年の五月十五日も、田村大臣、スモンはまさに国自体に責任が問われたわけでありまして、昭和五十四年からこの和解が成立しておるということでございますので、そのような意味からいたしますと、確かに今日のこの新しい制度の中には入っておりませんが、しかし、恒久対策としてこれは予算事業として続けてまいるという答弁をしていまして、いずれの答弁も、冒頭、塩崎大臣から御答弁いただいたように、しっかり対応して和解は守っていきますよという答弁なんですね。 しかし、介護保険ができてから、その六十五歳以上をめぐっていろいろあったということですが、先ほど来説明しているように、若年発症者という人たちが、いよいよそういう年齢に入ってきて、いざ、今までは自分たちで頑張ってきたのが、なかなか大変になったということで申請すると、いや、介護保険でいきなさいという冷たい答弁なんだということなので、その事情も今回御理解いただいたと思いますので、これらの大臣の答弁どおりに、ぜひ塩崎大臣には努力されていただきたいというように思いますが、いかがですか。
○塩崎国務大臣 HIVとかいろいろな形で、国が責任を負ってきちっとした対応をしていくという裁判の結果を受けての対応というのは他にもあるわけでありますから、そういうところとの平仄というものももちろん考えなきゃいけないと思いますし、新しい制度がある中でどういうふうに位置づけるのかというのは大変大事でありますけれども、今、坂口大臣あるいは田村大臣の答弁にあるように、やはりこれは和解で、昭和五十四年から政府としてきちっとした対応をするということにもなっておりますから、そこのところは、現状が今どういうふうになって、暮らしぶりを含めて、そしてまた症状がどうなのか、そういうことを含めて、データもあるということでもございますので、しっかりとそれを収集、読解いたしまして、それに対応をきちっとしていきたい。制度のはざまで苦しむことがないようにしていきたいというふうに考えたいと思います。
○横路分科員 ぜひそういう努力をしていきたいと思うんです。 スモンの患者さんの立場からいうと、毎日毎日痛みを抱えて、いろいろな生活を工夫しながらやっている中で、介護保険というのは、老齢による、加齢によるということなんです、それと同じだというように扱われるのはやはり変じゃないですかと。これは本当に、スモンという、中枢神経がキノホルムによってやられてしまった、そういう症状なんだということで、最近のその症状は、先ほどのレポートを見ると、本当に大変な症状が、やはり重度になればなるほど出てきているんです。体全般に出てきていますから、ぜひ六十五歳を超えた人につきましても、そういう対応をしていただきたいというように思います。 それで、もう時間になりましたので、最後に、介護保険による支援不足。 今度は、介護を申請して適用を受けている人が、介護保険では不足があるという問題がございまして、それについては厚生労働省の方も、これもいろいろ調査されて、やはりそういう問題点がありますねと。例えば、掃除の問題とか通院に対する介助なんかの問題は介護保険じゃ無理だ、しかし、障害福祉サービスならばそれはできますよという問題があるので、それはちゃんと障害福祉サービスが適用されるようにしてもらいたいという点については、確かに、厚生省の方から通知が地方自治体などに出ております。出ていますが、どうも現場では必ずしもそれが徹底しているわけじゃなくて、六十五歳以上というか、介護保険の方は介護保険でもうみんなやってくれというようなケースもやはりあるようでございますし、あるいは地方自治体によっては、むしろ、では福祉サービスをちゃんとやりましょうということでやってもらっているところもあるようなのでございます。 再三いろいろと、いろいろな会議を通じて、御努力はされているのは私も承知していますけれども、さらにその点、徹底していただきたいというように思います。老化を対象とした介護保険事業ではスモン患者の介護支援に不足が生ずる、その不足は障害福祉で補うことにするということで、具体的なケースをもって、障害者の人も随分地方自治体で話をしているようでございますが、その点をぜひ徹底するように、さらに御努力いただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 昨年の総合支援法の改正のときにも議論がかなり行われたということは申し上げたとおりでございますけれども、障害福祉サービスの利用について、六十五歳以上の方々については市町村が判断をするということになっています。 そのもとで、介護保険サービスでは適切な支援が受けられない、こういう判断がなされた場合には障害福祉サービスを利用することが可能な仕組みとして、昨年成立を、法律の改正が行われたわけでございますので、市町村にもこの仕組みの趣旨を改めて徹底して、このスモンの方々の場合のケースについても同様に、その個別ケース、もちろん、いろいろあろうかと思いますけれども、介護保険ではサービスとしてカバーできない場合には、当然、障害福祉サービスを利用するということが可能だということは、改めて周知をしてまいりたいというふうに思います。
○横路分科員 はり、きゅう、マッサージの問題なんですが、これも最初の和解のときから月七回というように、そのときに決められているんですね。希望は、もっと回数をふやしてほしい、ほかに治療法がないんですから。 それで、過去は国会の答弁でも、慎重に検討をいたしますという答弁があったんですが、慎重に検討を今も続けているんでしょうか。回数をふやしてくれという、多分、七回を九回にとか、そういうような議論があったと思うんですが、いかがですか。その点をお伺いして、質問を終わります。
○塩崎国務大臣 これについては、御指摘のように、過去にもそういった御指摘はいただいているわけでありますけれども、上限回数の引き上げとか、例えば往診料の支給などについてもございましたが、さらなる拡充について、この上限までの利用者というのが必ずしも多くないということも言われているわけでありまして、回数の引き上げを必要とする方や、この往診の場合の、御希望がある場合ですが、その必要とする方の症状の実態、治療の必要性等を踏まえた上で、私どもとしては、かなりの方々が上限回数を超えて行かれているということであればまた別でしょうが、今のところ、そうではないのではないのかということを言われておりますので、その辺を見きわめながら検討をしていきたいというふうに思いますが、基本的には、今必ずしも多くないということなので、慎重な検討ということを申し上げてきたところでございます。
○横路分科員 終わります。
○菅原主査 これにて横路孝弘君の質疑は終了いたしました。 次に、高井崇志君。
○高井分科員 岡山から参りました高井崇志でございます。 きょうは、質問の機会をいただき、ありがとうございます。 また、塩崎厚生労働大臣におかれては、昨年もこの分科会で御質問させていただき、きょうもありがとうございます。 私の地元岡山で、きょうはまず学童保育の問題を取り上げたいと思うんですが、岡山の学童保育連絡協議会の会長をしている糸山さんという方がいらっしゃるんですが、この方はとてもばりばりといろいろなことを前に進めてやって、学童保育のことも一生懸命やっておられる方なんですが、この方からお誘いいただいて学童保育の現場を視察に行ったことがあるんです。 そのときに、実は、岡山県が全国で初めての取り組み、これは岡山県庁としても支援をしている取り組みなんですが、学童保育の現場には、実は、岡山県の調査によると、約一割から二割、発達障害を持った子供たちがいるということで、一人の指導員の方が面倒を見る子供の数というのはただでさえ多い中で、発達障害の子がいるとその指導員の負担がかなり大きいということで、何とかこれを軽減できないかということで、実は作業療法士さんを、作業療法士の中にもいろいろな種類の方がいますけれども、発達障害を特に専門にされている方をアドバイザーとして派遣して、そして、あらかじめ発達障害のお子さんがどういう子かというのを教えておいて、そうすると、その指導員さんがどういうふうに接したらいいかみたいなことをアドバイスしてくれるという取り組みをやっております。 私は、これは本当にすばらしい取り組みだなと思って、ぜひこれを全国でも広げていけないかなというふうに思っているんですが、厚生労働大臣、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 私も、二週間前だったと思いますが、私の地元で、現場の学校の先生、主に小学校の先生方のお話を聞いていて、まず第一に、今まで我々は五%ぐらいの生徒さんが発達障害と言われていたというふうに理解をしていましたが、その先生方の話を聞くと、もう一五%ぐらいじゃないかということで、学校現場も大変だと。同時に聞いたのが、この放課後児童クラブで、学校の先生方よりもさらに発達障害についての研修などを受けている機会が今までは少なかった、そういう方々が大変苦労しているという話を私も聞いたばかりのところでのきょうの先生からの御質問でございます。 発達障害児一人一人の特性に沿った支援というのを行うにはやはり専門的な知見を持った方の指導あるいは助言が大変有益だと思いますので、そういう意味でも、今先生御指摘になった作業療法士のような方々も、十分有益なアドバイスをいただけるのではないかというふうに思います。 そういった作業療法士などの専門家が、子供やその保護者が集まる保育園あるいは放課後児童クラブを含めた場所を巡回して、施設の職員や保護者に対して助言を行うという巡回支援専門員の配置に対する補助を平成二十三年度から実施しております。 昨年十一月に放課後児童クラブにもその対象を広げて、対象になることを改めて明確化いたしたところでありまして、障害児を受け入れている放課後児童クラブに障害児対応ができる専門的な知識などを持った職員の方々を配置するための必要な経費の補助を今しているところでございます。
○高井分科員 学校もおっしゃるとおりなんですね。 実は、この取り組みをやろうと思っても、作業療法士さんの数も少ない、なかなか巡回してもらえる方がいない、これは何かというとやはり職場もないということもあるんですね。発達障害を専門にする作業療法士さんの数がふえないのは、そういった働き場所がない。 実は、アメリカなんかは学校やあるいは保育所で二〇%の作業療法士さんがそういった形でちゃんと働いている。ところが、日本は〇・二%と聞きました。そういう意味では、学校も含めてこういった取り組みをやっていくということが大事だと思うんです。 一方で、今回、来年度からかな、指導員に看護師さんを採用した場合には新たな補助金が出るという制度がスタートしたそうなんですが、実は作業療法士さんは対象じゃないと聞いているんですが、作業療法士さんも含めるというわけにはいかないですか。
○吉田政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘のように、二十九年度の予算案の中に、放課後児童クラブにおいて、特に人工呼吸器を装着しているというような、いわゆる日常生活を営むために医療を必要とされるお子さん、医療的ケア児というふうに言われることもございますが、を念頭に置いた、看護師さんなどの配置ができる、医療ケアをするための制度を盛り込ませていただいております。 そういう意味では、今申し上げたような趣旨でございますので、今回新たに予算案に盛り込ませていただいた部分については、私どもとしては、作業療法士さんというものは対象として考えてございません。 あくまでも医療的ケア児と思っておりますが、先ほど大臣から答弁ありましたように、既存の事業の中で幾つか作業療法士さんが放課後児童クラブで御活躍いただけるというのを支援する仕組みという意味では、一つ目は、先ほど大臣からもお話ございました、巡回支援の専門員整備という形で、巡回して専門家がやる、この部分の対象として放課後児童クラブを対象としていただく。 それから二つ目として、放課後児童クラブそのものについても、直接作業療法士さんを採用された場合に、これは発達障害に限りませんけれども、障害児のケアについて専門的知識を有する職員を配置していただいたということで、それに対する補助事業、既存もございますので、このあたりも御活用いただいて、このクラブにおける作業療法士さんの配置あるいは御活躍というものを支援させていただきたい。 いずれにいたしましても、私ども、障害を持ったお子さん方が放課後児童クラブでもきちっと利用していただけるように、今後とも支援してまいりたいというふうに考えております。
○高井分科員 現場ではまだまだ支援が足りないなという声もありますので、医療分野だから看護師ということですけれども、そこに発達障害も入れていただければもうちょっと広げられるのかなと思いますので、ぜひ御検討いただきたいと思います。 それでは、作業療法士さんに限らず、学童保育、放課後児童クラブ全般の指導員さんの待遇改善、やはり非常に勤務時間帯も短い、通常の勤務よりもどうしても放課後児童クラブの性格上そうなってしまうということでもありますし、また、いまだにやはり正規職員が少ない、非正規の方が非常に多いという実態もあります。私も指導員さんとお話ししましたけれども、長く続けるのはなかなか難しいかな、結婚を機にやめなきゃいけないのかな、そんなようなことをおっしゃる方も多いです。 また、場所ですね。場所もなかなか確保できない。学校があけてくれればいいですけれども、なかなかあけてくれないと、近くの公民館を借りたりとか、プレハブの本当に粗末な建物でやっている。 あと、広さですよね。広さも、一応基準では一人につき一・六五平米ですか。でも、保育所は一・九八なんですね。これもやはり狭いと思います。 それから、支援の単位というのはおおむね四十人以下という基準がありますけれども、これも、そもそも四十人というのは多いんじゃないか、三十人にすべきじゃないかというのが学童保育連絡協議会の提案ですし、また、では、その四十人もちゃんと守られているのかという問題もあります。いろいろ自治体によっては、例えば名簿上は四十人としているけれども実際は二つのクラスを一つの場所で見ているとか、あるいは自治体の中で経過措置的にして、この基準は何年間かはいいですよみたいなことをしている例もある。 こういった学童保育、放課後児童クラブにさまざまな課題がありますけれども、ぜひ、大臣、冒頭申し上げた指導員の方の待遇改善、あるいは場所の確保や今の広さの問題など含めて、やはりこの学童保育、もっともっと拡充していかなきゃいけないと考えますけれども、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 御指摘のとおりでございまして、放課後児童クラブにつきましては、現在、平成三十年度末までに百二十二万人程度の受け皿をしっかり確保していこうという目標を立てております。その実現には、御指摘のとおり、職員の処遇改善それから実施場所の確保、いろいろ場所がなくて困っているというところがたくさんありますが、これらが非常に重要でございます。 来年度予算では、職員の人件費を見直して、運営費補助基準額を増額いたします。それから、放課後児童支援員の経験等に応じた新たな処遇改善を実施するということでございます。 それから、放課後児童クラブの実施場所を確保して受け入れ児童数を拡大するために、学校施設を活用する場合の補助額を加算するということ、これは二十七年度からですが、それから、待機児童が発生をしている市町村などにおける新規の整備などに係る国庫補助率のかさ上げというのを二十八年度からしておりますが、継続をしていこうということを考えております。 放課後児童クラブについては、大変大事な子供たちの放課後の居場所ということで、私たちは力をしっかりと入れていきたいというふうに思っております。 〔主査退席、山下主査代理着席〕
○高井分科員 今の面積の基準、これがやはりちょっと狭過ぎるんじゃないかというような問題点についてはいかがですか。
○吉田政府参考人 お答えいたします。 放課後児童クラブの一人当たりの面積につきましては、今委員からも御指摘がございましたけれども、ちょうど子ども・子育て支援新制度がスタートするのに合わせまして放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準という形できちっと明確に定めさせていただき、その中でおおむね一・六五平米以上でなければならないと。これはあくまでも参酌標準という形でございますので、国が示したものをベースに各市町村で条例で定めていただいているという仕組みでございます。 この基準そのものの高さ低さというお話かと思いますけれども、先ほど申しましたように、子ども・子育て支援新制度を定めるに当たりまして、それに先立って、平成二十五年の十二月に社会保障審議会児童部会のもとに専門家の方々にお集まりをいただきまして御議論いただきました。 それ以前にもガイドラインを示しておりましたが、そのときには望ましい広さということで一・六五平米というものを示しておりまして、これの是非についてもいろいろ御議論をいただいたところでありますが、この専門委員会としては、その当時においてこの一・六五という面積基準すら満たしていないというのが残念ながら二五%ぐらいあったということも考慮いただいて、まず着実に質の改善に向けて努力を積み重ねるという意味ではこの一・六五というのに向けて頑張っていただこうということになりましたので、私どもとしてはそのように進めさせていただいております。 ただ、その上でも、私どもとしては、今おっしゃっていただいておりましたように、基準をより満たしていただくということが必要だと思っておりますので、待機児童が発生している市町村などに対しては、新規整備の国庫補助のかさ上げですとか、あるいは民家やアパートなどを活用する場合の賃借料の補助というものを行っておりますし、全国ベースでは余裕教室の改修などに対する補助というものもさせていただいておりまして、全体として、まずは質の向上、面積の確保ということに取り組んでいただいて、それを見ながら今後の対応についても考えさせていただきたいというふうに思っております。
○高井分科員 それでは、もう一つ、待遇改善の方もお聞きしたいんですが、去年から来年度、平成二十九年度にかけて実は人件費のアップをしていただいた。総額で百十八万九千円のアップと聞いておるんですけれども、このことは評価したいと思います。ただ、実は、常勤指導員処遇改善補助金というのがあって、これが現実に自治体で使えていないという問題が発生しているようなんです。 自治体は人件費の基準を平成二十八年度、今年度をベースに予算化してしまいます。なので、国は二十九年度でアップした金額でやるけれども、自治体は現実には予算化できない。そうすると、その差額の百十八万九千円分は保護者が負担しなきゃいけない。仮に四十人で割ると月額二千四百七十七円のアップということで、とても保護者が負担できるような金額じゃない。政府は、六月補正で市町村議会は対応してくださいということだそうですが、市議会議員さんから聞いたんですけれども、どうやら六月補正というのは無理で、大体は翌年度に対応すると。そうなると、事実上、せっかくやってもこの補助金が使えないんじゃないかという問題があるんですが、この点、改善する方策はありませんか。
○吉田政府参考人 お答えいたします。 ちょっと技術的な話ですので、詳細にわたって恐縮でございますが、今御指摘いただきましたように、放課後児童クラブの処遇改善に関する仕組みとしましては、まずは国の運営費基準の人件費相当分という形で助成をさせていただいて、それを二十九年度は改善させていただくということを予定しておりますが、まずそれがある。 かてて加えて、今委員御指摘いただきましたように、平成二十七年度から、放課後児童支援員等処遇改善等事業という形で、特に常勤職員の配置を主目的として、そこの部分にかさ上げをするという仕組みを入れております。 二十九年度の予算案におきましては、まず下の基準額を引き上げるという形にしておりまして、仮に自治体が支出する運営費の中で、国が増額した分の人件費を見越して同じように全体の高さを上げていただくということではなくて、そこをイーブンにしちゃう、まあ、時期がずれるということもあろうかと思いますが、同じ高さの場合には、ここの、いわば、全体の高さの間の、当該クラブの人件費と私ども国の運営費基準額の差額が小さくなるという形になりますので、確かに、基準額に積んでいく形で補助させていただいているという二十七年度の私どもの予算額としては、すき間が小さくなる分だけ小さくなるという事実もあろうかと思います。 そのあたり、私どもとしては、全体の基準額を引き上げながらも、それが最終的には当該クラブの職員の方々の人件費の引き上げにつながるように、また、今おっしゃっていただきましたように、最終的には運営費の半額相当は利用料という形でこれまで基本的な考え方を示していることとの関係でいえば、処遇改善という形でそれをつなげていただきたいというふうに思っておりますけれども、そのあたりは、私どもの考え方と自治体の御事情などもよくよく聞きながら、今回の私どもの考え方を丁寧に御説明させていただきながら、よくよく対応させていただきたいというふうに思っております。 また、先ほど大臣から申しましたように、二十九年度はそれとは別にといいましょうか、それとは別にもう一個、クラブの職員の方々の処遇改善というものを予定させていただいておりまして、そこは差額という形ではございませんので、そういうものもあわせて実際に働いていただいている職員の方々の処遇改善に努めてまいりたいというふうに思っております。
○高井分科員 本当に大事な点だと思うので、ぜひ前向きに検討いただきたいと思います。 それともう一つ、二年前に放課後児童クラブ運営指針が定められて、これは非常に重要だと思うんですね。そこの中で放課後児童支援員という資格がつくられて、その研修を受けてもらう。これは非常に評判はいいんです。 ただ、実際に、資格の研修事業というのが、本来都道府県がやるべきなんですが、民間のいろいろなところに委託をされている。これが結構ばらばらで質に差があるという問題と、もう一つは、市町村がやる事業なんですが、放課後クラブ運営指針自体、これは局長通知だそうですが、都道府県と政令市まで行って、そこから自治体にさらにおろしてもらうみたいな仕組みなので、どうも伝わっていない市町村が、小さな自治体になると結構あるんじゃないか。 ですから、現場の、まさに最前線でやる市町村職員がちゃんとこの制度をわかっている、この運営指針をわかっているということが大事なので、自治体の職員向けの説明会をやるとか、あるいは、研修事業も質にばらつきが出ないような、規制緩和もいいですけれども、やはりそこは守ってほしいというのが現場の声なんですけれども、これはいかがでしょうか。
○吉田政府参考人 お答えいたします。 まず、今委員御指摘いただきました運営指針、二十七年三月につくらせていただいたものをきちっと市町村の方々にも御理解いただけるように、私どもとしては、これまでは都道府県を通じてという形ではございましたけれども、さらに加えて、自治体職員の方々が参加する勉強会に参加するとか、もちろん厚生労働省のホームページにきちっとお示しするとか、あるいは、厚労省が主催する研修に自治体の方々も入っていただきますので、そういう機会にアピールするとかという形をさせていただきたいと思いますし、さらに今、今年度中、この三月末をめどに運営指針の解説書というものを作成して市区町村の方々にお届けするように準備をさせていただいておりますので、その形で徹底をさせていただきたいと思います。 その上で、研修機会については、今いろいろなところで行われているとは承知をしておりますが、先ほど申し上げた二十九年度の処遇改善も含めて、この分野でお働きいただく方々のキャリアアップ、そして、キャリアを積んでいただくというのを全国的に上げることが必要だというふうに思っておりますので、御指摘を踏まえて、よくよくまず実情を把握した上で取り組ませていただきたいというふうに思っております。
○高井分科員 大臣、今いろいろ、結構専門的なことも申し上げたので局長から答弁いただきましたけれども、なかなかこの学童保育、方向性としてはいい方向に向かっていると思うんですけれども、やはり現場レベルでいろいろな課題がありますし、これからの本当に重要なテーマだと思いますので、ぜひ、きょう私が御指摘したことを踏まえて、また検討していただきたいというふうに思います。 それでは、きょう、ほかにもちょっと聞きたいことがあるので、時間が余ったらまた学童保育の話をしたいと思うんですが、不妊治療の問題に移りたいと思います。 これは、去年もこの場で、私、質問いたしまして、塩崎大臣からは、結構前向きなというか、気持ちが伝わった回答をいただきました、大臣も地元で不妊治療をされている先生と親しくされていて。 去年も言ったんですけれども、本当に、不妊治療をしている方というのは多いんですよ、三十代、四十代。なかなか、大っぴらに言わないというか、自分からはしゃべらないんですけれども、ちょっと何か、一杯飲んでいるときとかに話題にすると、私も私も、俺も俺もやっているんだよと。本当に根深いというか、なかなか表に出てこないけれども、不妊治療を受けている方は非常に多いと思います。 ただ、実は、非常に病院の数が少ないというか、待ち時間もすごく長いし、予約をとるのも本当に大変という実態があって、なかなか受けられない方も多い。また、一回当たりの治療費というのも非常に高い。五十万、六十万とかかかる。そして、それを年間何回もやるなんていったら、本当に、一年で三百万ぐらいかかったよなんていう人もいて、とてもじゃないけれども、助成、補助がないとできない。しかし、補助も、一応あるにはあるんですけれども、年齢制限があるとか回数制限があるとか、いろいろな要件がありますので。 私は、これは去年も提案したんですけれども、医療保険を適用するということ。医療保険が適用されれば、もっともっと通える人もふえるわけですから、その分またお医者さんの数もふえていく、専門医の数もふえていくという循環につながると思うんです。 大臣、去年も前向きに御答弁いただきました。あれから一年たちましたし、これは、本当に大きな社会的問題、そして、少子化対策の最もダイレクトな、即効的な施策だと思いますので、一歩でも二歩でも前に進めていただきたいと思うんですが、大臣の御見解、お聞かせください。
○塩崎国務大臣 昨年も申し上げたとおりでありまして、実は、先々週の土曜日に、私は、地元の産婦人科の先生方と勉強会をやったときに、やった場所は不妊治療を専門にやっていらっしゃる先生のところで、その話も含めてお話をしてまいりました。引き続き、不妊で悩んでいらっしゃる方々が多いというのは私もよくわかって、私の事務所の職員にもいたりしておりますので、それはもうよくわかっております。 まず第一に、不妊治療をやっていただく専門の先生が必要なわけでありまして、特に、不妊治療の生殖医療専門医というのが、日本生殖医学会が、産婦人科などを専門とするお医者さんのうちで、一定の研修を受けるなどの要件を満たした方として認定をしていますが、もともと産婦人科になっていただける先生の数が多くないということで、今非常に、地域は、恐らく先生の岡山も同じだろうと思いますが、私どもの愛媛も、正常分娩じゃなければ、松山に来ないと地方では産めない、そのぐらい数が足りないということで、今、専門医制度の問題でいろいろ議論がなされておりますけれども、まず、産婦人科になる先生をしっかりと確保するということが第一。 それと、今申し上げたような、生殖医療の専門医、これは、実は毎年約二十名から百四十名程度の専門医の方が新たに認定をされるというペースでありますので、今現在、五百九十四名でございます。 こういう方々をしっかりとふやしながら、不妊治療の質、安全性を確保していくことが大事であり、また、私どもとしてできる限りのことを今やりつつありますけれども、不妊治療を実施する医療機関の人員配置基準を示した通知の中で、年間採卵件数が百件以上の施設というのは、今申し上げた生殖医療専門医がいることが望ましい、こういうことでありますので、いよいよもって、質の高い専門医を育てていくということと、今そのことが、場所をふやすということで、制度を実際に実施するために、待ち時間がひどく長いみたいなことがないように、私どももしっかり医師の養成についても配慮していきたいというふうに思います。
○高井分科員 我々男性はまだよくて、女性は本当に、一回行くと三時間、四時間拘束されて、その時期になると三日、四日連続で、しかも、すぐ、あした来てくださいみたいな、そういう、非常に不定期になる。そうなると、普通に働いている方は本当になかなかこの治療を受けられないなというのが率直な実感です。 お医者さんをふやす、あるいは保険適用する、それが難しければ、まずは助成金をふやす、補助金をふやす、いろいろな手法、ありとあらゆる手法でこのことを解決していくことは、私は本当に、我が国最大の課題の少子化対策に最もダイレクトな対策だと思いますので、ぜひ、ちょっと本気で検討していただきたいと思います。 それでは、最後に、里親、児童養護の問題を御質問いたします。 これも、私、ライフワークで取り組んでいまして、去年も御質問いたしましたが、実は、我が国は、里親と児童養護の施設との比率というのが大体九対一。児童養護施設が九で、里親が一割だと言われています。これは、諸外国だと逆なんですね、里親の方が多いというのが現状です。 では、なぜ里親が少ないのかというと、実は、希望している里親は多いんですよ。ちょっと古い数字かもしれませんけれども、九千四百世帯の人が希望しているのに、実際にマッチングしてもらえているのは三千五百世帯、三分の一しかマッチングされない。私の周りでも、里親になりたいんだけれどもといって、本当になかなかなれないんですという方が多いです。 その大きな理由の一つは、児童相談所がマッチングするんですけれども、はっきり言って児童相談所が忙し過ぎるんです。忙し過ぎて手が回らない。児童相談所の方とも話しましたが、やはり里親を見つけるというのは大変なことで、これは慎重に、ちゃんとやらなきゃいけないということで、どうしても時間がかかる。そうすると、児童養護施設に預けた方が安心だということで預ける相談所の方が多いんですね。だから、やはり児童相談所の方の数をふやす。それから、自治体によっては、なれない人、新人とかが児童相談所の職員をやっていることが結構多いんですね。ですから、やはり専門性を上げるということが一つ大事だと思います。 それと、もう一つは、里親委託ガイドラインというのがあって、去年もこれは指摘したんですが、子供が二十歳に達したときに六十五歳以下であることが望ましい、つまり四十五歳以下の人しかだめだと。だけれども、私、もう今四十七歳ですけれども、子供はいないんですけれども、やはり里親になりたいと思うわけですね。これから、今まで子供ができなかった人が里親になる。ところが、このガイドラインではなれないということなんです。これはやはり私は問題だと。 去年指摘したら、大臣は、前向きに、もうそろそろ変えるべきじゃないかと思って事務方に指示をする、私の質問に対してそう答弁をいただきました。あれから一年たちました。ぜひ改善していただきたいですし、また、今私が申し上げた里親、もっとふえるための政策、大臣としてどのように取り組まれるか、お考えをお聞かせください。
○塩崎国務大臣 昨年、通常国会で児童福祉法の改正が行われて、今までの考え方からがらっと変えて、特に、今御指摘いただいたように、何しろ基本は家庭であって、そしてその家庭でどうしても養育ができないという場合には家庭に準ずる環境のもとでやはり愛着形成を図っていくということが大事だということで、私どもは、今回、特別養子縁組も児童相談所の業務として位置づけを明確にした。 そして、当然、今質の向上ということを言っていただきましたが、今もワーキンググループをつくって、質の向上も、今までは対象が児童相談所長だけでした、法律上は。これを市町村の職員に至るまで、ですから、児相の職員はもとより市町村の職員についても研修の対象として、しっかり子供たちを守り、育てていこうということにしているわけでございます。 そして今、里親の場合、ガイドラインがあって、年齢が六十五歳以下であることを示しているわけでありますけれども、養子縁組里親の年齢について目安を定めているわけでありますけれども、私どもとしては、特別養子縁組を含む養子縁組の、あるいは里親への委託を推進するこの改正法に基づいて、この四月から施行になりますから、この改定作業を進めております。 その中で、一定の年齢に達していることのみをもってだめだというようなことは私はやはり変えていかなきゃいけないというふうに思っておりますので、しっかりそこは対応し、大事なことは、子供が家庭に準ずる環境のもとで愛着形成ができ、そして親子の関係のもとで育っていく、そのことが豊かな人間を育て上げていくんだろうというふうに思いますので、しっかりやっていきたいというふうに思います。
○高井分科員 時間になりましたので終わりますが、きょうの問題、いずれも私はライフワークとして取り組んでいるテーマでありますので、また聞かせていただきたいと思います。ぜひ前向きに御検討ください。 ありがとうございました。
○山下主査代理 これにて高井崇志君の質疑は終了いたしました。 次に、伊東信久君。
○伊東(信)分科員 日本維新の会の伊東信久です。 よろしくお願いいたします。 今回、お時間をいただきまして、大きなテーマとして二テーマ質問をさせていただきたいと思うんです。 塩崎厚生労働大臣におかれましては、私自身がやはり医系議員、医師免許を持っている議員ということで、今、所属委員会は文科委員会なんですけれども、厚労委員会、予算委員会では幾度となく質問させていただき、お世話になって、本当にありがとうございます。 今回私が質問させていただく内容も、私一人が焦っているんでしょうかね。二〇二〇年に東京でオリンピック・パラリンピックが開かれまして、その一年前、二〇一九年にラグビーワールドカップが開かれます。昨年のクリスマスイブに、ちょうどワールドカップは千日を切ったんですね。開催がいよいよ近づいてくるわけなんですけれども、このままじゃちょっとよくないなというようなところもあらわれてきました。 今まで文科、厚労で質問させていただいたのはいわゆる試合における医療体制で、特に人材面、医師の派遣、ピッチドクターについて質問をまずさせていただきました。それと、文科委員会が中心になると思うんですけれども、私自身がドーピングの検査員をやっていた経歴から、ドーピング検査の人材確保と、ドーピング検査に関しては施設の話もさせていただいたんですけれども、今回は、いわゆるスポーツにおける施設の、医療の体制、医療施設の基準、ハード面に関してちょっと問題意識を持ちましたので、質疑させていただきたいんです。 私の地元、枚方市、交野市、大阪十一区というのは非常にラグビーの盛んなところでして、高校ラグビーにおいて、ことしも大阪の代表である東海大仰星高校が決勝を争いまして、昨年は優勝もいたしました。東海大仰星高校は二回優勝していますし、その前には、今は常翔啓光学園という名前ですけれども、啓光学園という学校が過去に七回、全国大会で優勝しています。 私自身も、国会議員になる前からグラウンドでのドクターもやらせていただきましたし、他のスポーツの、格闘技とかのドクターもやらせていただいて、そういったところの比較なんですけれども、いわゆる医務室の医療体制に至って、ワールドカップがいよいよ迫っているところで、医務室の設計図とかも花園ラグビー場を中心に出てきているんですけれども、この医務室の開設の規定に関しまして、まずは厚労省にお尋ねいたしたいと思います。
○古屋副大臣 お答えいたします。 医務室を診療所として開設する際、所在地の都道府県や保健所設置市等に届け出が必要となってまいります。 届け出に当たりましては、医師名、診療科、診療所の敷地面積や平面図、建物の構造概要や平面図などを届け出ることとしておりますが、病床を有しない診療所であれば床面積の基準等はございません。 そのほか、診療所に関しましては、医師の管理者を置くこと、また清潔を保持すること、換気、採光、照明、防湿、保安、避難、清潔その他衛生上の必要な基準等を遵守する必要がありまして、その遵守の状況については、必要に応じて都道府県や保健所設置市等が確認を行うこととしているところでございます。
○伊東(信)分科員 ありがとうございます。 いわゆる診療所と申しますのは、有床であっても十九人以下の患者を入院させるための施設でありまして、有床でない場合の診療所も、同じく医療法の第一条の五の第二項で規定されているとは思うんです。 私自身、実は広域医療法人の理事長でありまして、大阪府、兵庫県で開設をいたした経験がございます。実は東京都でもやっていたんですけれども、ちょっと医者の確保がとてもじゃないけれども回らなくて、今、二つの県にまたがってだけやらせていただいているんです。 そういった場合、例えば、所において医務室があったりもしまして、その場合は、老人福祉法だったかな、他の法律とのマッチとかもあると思うんですけれども、今回、副大臣が御答弁いただいた、医務室に関して、診療所の規定に準じて規定があるといったところでありましたけれども、届け出に対して、例えば私たち診療所であれば、そこの立ち入りの検査をして、そこの施設基準があれば開設の許可がおりるわけなんですけれども、確認なんですけれども、今の診療所ではなく医務室の場合だったら、そういった立ち入りとか、実際に役所から人が来られたりしての確認というのはございますでしょうか。
○古屋副大臣 医務室の場合にはないと考えます。
○伊東(信)分科員 そうなんですね。ですので、そういった場合、衛生上の基準の遵守というのは、そこの医務室の管理者の、性善説と言ってもおかしいんですけれども、私自身が医者なので、医者はちゃんとしていると信じたいわけなんですけれども、立入検査をするというのは、何か問題があってから、衛生上が遵守されているかの確認というのは後に調べる、何か問題があったとき、もしくは何かの話が上がってきたときにある、そういった理解でよろしいのでしょうか。
○古屋副大臣 診療所の場合には、そうした都道府県や保健所設置市等の確認があるということでございます。問題があった場合には、診療所の場合には確認があるということでございます。
○伊東(信)分科員 ありがとうございます。 それであれば、いわゆる開業医のときでもそうなんですけれども、厚労省の管轄内での診療所であったり医務室では広さとかの基準等はないとは思うんですけれども、事国際大会、オリンピックでもそうなんですけれども、各競技によって基準があると思います。 ワールドカップの場合だったら、ワールドラグビーというのがあると思うんです。これは恐らくスポーツ庁の管轄になると思うんですけれども、医療法の御答弁は今いただきました。それでは、スポーツ庁さんとしては、ラグビーワールドカップ、ワールドラグビーもしくはワールドカップ組織委員会で、医務室の広さの基準というのはございますでしょうか。
○木村政府参考人 お答えいたします。 ラグビーワールドカップ二〇一九年の各開催会場における諸室については、開催都市ガイドラインの規定はございますが、基本的には、ラグビーワールドカップリミテッド、大会組織委員会及び開催自治体の三者において調整をされていくものというふうに考えております。 スポーツ庁といたしましても、これまで、振興くじ、toto助成等を含めて、会場施設整備に必要な支援を行ってきたところでございますので、引き続き、大会組織委員会等と連携をとって、大会の成功に取り組んでまいりたいと考えております。
○伊東(信)分科員 ありがとうございます。 実は、現場の医務委員会というのがあるんです。医務委員会は複数のドクターで形成されているんですけれども、現場の話では、ワールドラグビーからは五十平方メートルという基準を言われたわけなんですね。 ところが、ちょっと資料の写真、余りきれいな写真ではないんですけれども、グラウンドがあって、前の赤枠のところが図一なんです。ちっちゃい赤い枠を二つ書いていると思うんですけれども、これは実は、十一月の二十八日に、大阪府のラグビーワールドカップ二〇一九成功準備室よりヒアリングした際にいただいたものなんです。 このグラウンドに面している赤枠三つ合わせて、三つ合わせてというのは、医務室とドーピングコントロール室と、あとHIA室というのがあるんですね。HIA室というのは何かというと、ヘッドインジュリーアセスメント、頭を打ったとき、脳振盪を起こしたときに評価をする、休んでもらう、そういった部屋なんですけれども、この三つ合わせているので、予定の医務室の広さというのは三十平方メートル以下となるんですね。 これは確認なんですけれども、ワールドラグビーから五十あると言われている。予算面とかそういったものは別として、予算を本当にとるのは我々、私もそうなんですけれども、ラグビーワールドカップ成功議連の努力なので、私は事務局次長なのでそれはもう痛いほどよくわかっているんです。だけれども、その三十ある医務室で、本当に、いざとなって、問題が起こってワールドカップ開催に支障が来ないかどうかの心配をしているわけです。 そのワールドラグビーの責任者であるアラン・ギルピン氏が先日日本に来たときに、これで、三十の広さで大丈夫やというような話があったからという回答もいただいたんですけれども、これは本当なのか、三十で狭くはないのかということに対してのスポーツ庁の見解をお伺いしたいんです。
○木村政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、今後、関係三者の方で調整が行われるものと承知しておりますけれども、各開催自治体においては、昨年四月にラグビーワールドカップリミテッドが各会場施設を視察した際に出た指摘を踏まえて、施設の改修計画を作成していると承知しています。 なお、東大阪市花園ラグビー場に関して、その指摘の中では、選手用医務室の広さに関する改善指示は出されていないと承知しております。
○伊東(信)分科員 今の御回答の中に、東大阪市から出ていないということですね。現場の医療体制からの意見が上がってきたというのは、これはスポーツ庁さんを責めているわけじゃないです、確認です、現場の医務委員会からそういった話が上がってきたということは聞いていないということでいいですよね。
○木村政府参考人 先ほど申し上げましたのは、先ほど申し上げた昨年四月のラグビーワールドカップリミテッドの方からの指摘の中では、選手用の医務室の広さに関する改善指示は出されていないということでございます。
○伊東(信)分科員 ありがとうございます。よくわかりました。 私自身は、いろいろな行き違いに関して、そこを指摘してというようなスタンスじゃございませんので。要は、責任者であるアランさんがその部屋を見て、大丈夫やとオーケーを出したというぐあいに聞いていたので、そういったようなことは特に指摘としてなかったという話ですよね。視察したときに話はなかったと。だから、視察したかどうかも、確認というのは、それは今この時点ではできませんでしょうから。 であるのならば、ちょっと衛生面についても含めてお聞きしたいんです。 資料の五、六、七、八と書いてあるところがあるんですけれども、これは医務室なんですね。写真は汚いですけれども、部屋がかびているのが見えますでしょうか。五番の上の天井のところ。数字六と書いてあるところの。ソフトシーネというのは、いわゆるギブスの前段階の添え木ですね。七、八とあるんですけれども、これは、半分、医務室、半分、医療とかでも使う物品倉庫なんですね。物品倉庫の壁を経たらグラウンドなんです。そこに窓もなければ通気孔もないから、かびるのは当たり前。 かつ、ちょっと戻っちゃうんですけれども、写真の四番を見てほしいんです。これが医務室の広さです。ベッドが一台しか置けない状態になっています。 ことしの花園ラグビー場の全国高校ラグビーフットボール大会でも、けがをするときというのは双方がぶつかるから、場合によっては双方が倒れてしまうことがあって、ところが、ベッドが一つしかなければ、一人が寝ていて、一人は廊下で寝かされていたわけです。 こういった医療の状況をまずはちょっと御理解いただきたい。本当に、花園に限らず、いま一度確認をしていただきたい。 厚労省にお尋ねしたいんですけれども、私は自分が開業医をしていてわかりますけれども、自分の診療所の壁がかびているというのは、とてもじゃないけれども信じられないんですね。かといって、通気する場所がない。 通気する場所がないだけでなく、五番のドアの向こうはグラウンドなんです。だけれども、コンクリートで閉じてあるわけです。つまり、けがをした選手は、一般の、試合に出るところからぐるっと迂回して戻ってこなきゃいけないんです。もちろん、階段も幾つかあるし、ラグビーをやっている人間は屈強ですから百キロぐらいあるんですね。ワールドカップになると百二十キロとかというのがざらなんです。そういった方々をストレッチャーだけで果たして運び切れるかどうかという心配もございまして、いざワールドカップが始まって、本当にこれでいいのかと心配するわけです。 私自身、ありがたいことに、ロンドンで行われましたワールドカップに二回行かせていただきました。国会議員として、シルバーウイークもあって、各党の皆さん、あのときは本当にばたばたされていたので、南アフリカ戦のとき、私は唯一行かせていただきました。一旦帰国してもう一度、武田良太幹事長と一緒に五人か六人のメンバーで、トゥイッケナムとかサモア戦も行かせていただきまして、そのときに医療体制を見せていただいたんですけれども、本当に病院並みの施設ですね。心電図もあれば、配管といいまして、高圧酸素なり麻酔の施設もあります。ここまでしろとは言いませんけれども、これがやはりグローバルスタンダードであり、世界基準なんですね。本当に現場の医務室の状態を見ていただきたい。 こういったことも踏まえて、衛生面でもかなり疑問視されている。広さの面でもかなり疑問視されている。やはり、ワールドカップも心配。今後、トップリーグもあれば、テストマッチもあり、高校生の試合もあれば、今度は小学生の大会とかも花園ラグビー場でありまして、そこのドクターも私はやらせていただいたんですけれども、とてもじゃないけれども子供たちの安全を図ることができないと思うんです。 こういったことに関して、スポーツ庁でも厚労省でも、こういったトゥイッケナムと比較してどのようにお感じになるかをお聞かせいただければ幸いです。
○古屋副大臣 今、資料をお示しいただきました。 今後、ワールドカップに向けて大会組織委員会の計画ができていくと思いますので、その内容に応じて適切に対応してまいりたいと考えております。
○木村政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、今各施設において個別に改修計画がつくられております。 したがいまして、今後、施設の改修が行われている中で、医務室も含めて施設の改善が図られていくというふうに考えておりますし、期待をしているところでございます。
○伊東(信)分科員 あくまでも、私も大阪府選出ですので、大阪だったら大阪もやはり責任を負うところがありまして、成功議連でありますから、成功させたい気持ち、何かあったときにばたばた慌てないように警鐘、指摘をさせていただいているということを御理解いただければありがたいと思います。 では、時間もあれなんで、次は、地域包括ケアのことをお聞きしたいと思います。 さて、高齢者社会を迎えまして、その対策として地域全体でこういった問題に取り組んでいくというのは非常に大事なことだと思います。 しかしながら、いまいち浸透していないと私が感じるのは、悪口になりますけれども、私の地元の政権与党の議員さんも、ただ地域で見守るだけだというぐあいにおっしゃっていて、具体的に何かということをおっしゃっていただけないところもあるんですね。るる、予算委員会での答弁を聞いていますと、厚労省さんも、医療経済という面で見ると、もちろん財務省さんに言いたいこともあると思いますし、今回は財務省は呼んでいないんですけれども、医療経済としては非効率なものと考えて、採算性を考えていないといった意見も耳にします。 地域包括ケアというのがお題目なりお経のようになってしまうと、せっかくの取り組みが成功しないのではないかということなんですけれども、厚労省の本気度、大臣の本気度と言うとちょっと失礼に当たるかもしれないんですけれども、地域包括ケアがどういうものなのかということを改めて、地元の方々に説明するのも踏まえて、私は医療の専門家なんでわかるんですけれども、そういったことも含めてちょっと厚労大臣から御説明をいただければと思います。
○蒲原政府参考人 地域包括ケアについて御質問がございました。 地域包括ケアについては、幾つかのパーツがあるというふうに思っています。専門的なサービスであります介護あるいは医療というものがきちっと提供されるということが一つ大事でしょうし、あわせまして、やはり地域で生活するといった意味では、住まいといった点が一つ大事だというふうに思います。あわせて、やはりできるだけ要介護状態にならないといった意味では、介護予防。さらには、いろいろな、生活をするときにちょっとした手助けが必要で、こういった意味での生活支援というのが大事だというふうに思っています。 そういった意味でいえば、よく五つのパーツということを言っていますけれども、そうしたものがいわば本人中心にきちっと提供されていくということが大事ですし、そのときには、やはりそういったサービスについてよく情報も共有された上で必要なサービスを組み合わせていくということが大事なので、そうした人材も必要だというふうに思っています。 地域によってまだまだ差があるところはあると思いますけれども、我々としては、そうした考え方をきちっとお示しするとともに、いい事例を示しながら、こうした地域包括ケアというのができるだけ広がるようにということでやっていきたいというふうに考えております。
○塩崎国務大臣 先般、厚生労働省の中にデータヘルス改革推進本部というのを立ち上げました。 これは、もともとは支払基金の改革が規制改革会議から提案をされて、それを受けとめる中で、やはりこれからは、今先生御指摘のように、人間は医療であろうと介護であろうと全く同じ人間一人でありますから、その一人一人に着目をして、まず健康づくり、予防、医療、そして人によっては介護ということになりますが、これが一つながりのこととして把握でき、なおかつこれを科学的にも分析しながら、何をいつの時点ですべきなのかということが全部わかるシステムをつくり直していこうということです。 ですから、ビッグデータとしての解析をしながら、一方で一人一人のヒストリーをちゃんと見られるようにしながら、若いうちにこういうことをしておけば介護ではこういうことにならないでもいけるとか、いろいろなことがわかり得る、そういうデータベースをきちっと整え直すとともに、何をどの時点ですべきかということをトータルな形で見られるようにしていこう、そういうことを今始めているところでございます。 まさに地域包括ケアというのは、別に老健局だけではなくて、医療も介護も予防も健診も全部やはり一くくりにして見ていかなきゃいけないものだというふうに思っていますので、今後、地域地域でそういうシステムをつくっていくためには、今申し上げたように、医療だけでもない、介護だけでもない、そして地方自治体が行う健診もありますから、そういうものをトータルで見られるような形で一人一人の人間を、きちっと健康を保っていけるように、長寿社会を健康長寿でいけるようにしていく、そういうことをやるのがこれからの地域包括ケアシステムということだというふうに私は思っております。
○伊東(信)分科員 すばらしいですね。大臣のようなお方が各地域におられればもっと広がると、本当に正直思います。レクのときでも、大臣よりも参考人と。僕は専門家なので、参考人の方から御答弁いただくのは構わないんですけれども、いや、塩崎大臣だったら絶対大丈夫だとずっと言っていたんですよ。でも、本当に満足できるお答えで、ありがとうございます。いや、参考人の方はそれはそれでいいんですよ。 その中で、大臣の御答弁にもあったんですけれども、やはり人間なんだから、患者である視点から生活者である視点で見ることが必要なんですね。病院に入院、通院している間は患者ですけれども、住居というと、通院しなくなると患者でなくなり、情報がなくなってしまうのが現状なんですよ。だから、ビッグデータとおっしゃいましたけれども、情報が共有できていないというのが今の医療現場での問題点なんです。これは多分、介護、福祉の世界であると、さらに思われると思うんですね。その場合、医療、介護、生活分野での情報を共有化するために、例えばICTを。 私は訪問看護の仕事も、経営もしていたんですけれども、そういった場合、タブレットを使ってやる。ところが、そこで分断されるんですよ。いわゆる訪問診療もやっていたんですけれども、そこでも分断されて、全然連携ができていないんですよ。実際、ICT化を積極的に進めれば共有化は可能だと思うんですけれども、やはり現状の弊害についてちょっと理解ができないんです。 これを解決する打開策というのは、古屋副大臣、何かありませんでしょうか。
○蒲原政府参考人 委員が御指摘になりましたとおり、地域でいろいろなサービスを提供するときに、やはり情報を共有していくということが極めて大事だというふうに思います。 先ほど大臣から話がございましたけれども、私ども、データヘルス改革推進本部というのをつくりまして、もちろん、情報全体のマクロデータをきちっと分析するということに加えて、やはり地域地域で情報がうまく流れるように、先生御指摘のようにICTなどを活用してやっていくということが極めて大事だというふうに思っています。 地域単位での取り組みはあるんですけれども、それが例えば地域をまたがったときになかなか情報が流れないだとか、まだまだ幾つかの問題がありまして、そもそも地域の中でもまだまだできていないところもありますので、そうしたいろいろな情報がつながるようにいろいろな支援ということをこれからやっていかなきゃいけないというふうに考えておるところでございます。データ改革本部で具体的に考えていきたいと思っております。
○古屋副大臣 議員御指摘のとおり、ICTを活用しまして医療、介護の一体的な情報連携を行うことは、地域包括ケアの推進において大変重要なことと考えております。 厚生労働省におきましては、健康、医療、介護の分野を有機的に連結したICTインフラを二〇二〇年度から本格稼働させるべく、具体的な検討を加速化するため、データヘルス改革推進本部を設置し、部局横断的に幅広く検討を行っております。 今後、このデータヘルス改革推進本部を軸として、必要な支援等の具体化を早急に行ってまいりたいと考えております。
○伊東(信)分科員 時間となってきたので、質疑じゃなくて、最後一言だけ事例なんですけれども、神奈川県の事例で、包括ケアプログラムと称して、運動器ケア、口腔ケア、栄養ケア、排せつケア、リフレケアを連携して、自立するまで継続的にケアし、改善率九〇%を誇っている事例もございます。またこういった神奈川県の事例とかも確認していただいて、恐らく、御答弁いただいた大臣を初め皆さんと私の問題意識というのは共通であると確信いたしましたので、私の質疑を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○山下主査代理 これにて伊東信久君の質疑は終了いたしました。 次に、斎藤洋明君。
○斎藤(洋)分科員 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。新潟県三区の衆議院の斎藤洋明でございます。 本日の質疑でも、地域包括ケアのお話を中心に、これは与野党問わず関係者の皆様の共通の思いであると思いますが、少子高齢化の進展に伴いまして、例えば年間医療費が四十兆円を超えたりですとかする中で、社会保障費の全体の増大の抑制を図りながら、いかに質の高い福祉を継続して実現していくかということは重要なテーマだと思っています。また、少子高齢化の解消のためには、当然、子育て環境を改善していくということも急務と考えます。 そういった観点から、本日、七問、質問通告させていただいておりまして、質問させていただきたいと思っています。 まず第一に、歯科医療のことについてお伺いをしたいと思っております。 我が新潟県では歯科医療に力を入れて取り組んでおりまして、例えば子供の虫歯の本数が全国で一番少ないですとかということで、地元の新潟県の歯科医師会の方々には本当に熱心に取り組んでいただいております。 そこで、歯周病予防につながる口腔ケアの有益性という観点から、あらゆる世代の健康増進に有益ではありますけれども、特に高齢者、それから要介護者への口腔ケアの推進ということは、健康寿命の延伸による医療費の節約もそうですし、また、誤嚥性肺炎のような、命の危険に直結するような疾病の予防にも効果があるというデータがございます。長期的な社会保障費全体の伸びの抑制ということにつながると考えております。 歯科の予算や制度、さまざまな面を充実させていって、口腔ケアの実施をさらに推進すべきと考えますが、これはぜひ大臣から御意見を伺いたいと思います。
○塩崎国務大臣 昨年、私の妻の父が、もともとは誤嚥性肺炎から、三カ月ぐらいたって命を落とすことになりました。つい最近、九十六になる母がやはり誤嚥性肺炎になりまして、何とかまた回復をいたしましたけれども、そのたびごとに口腔ケアがいかに大事かということを医師の先生方からも言われますし、もちろん歯科医師の先生方からも私も絶えず聞いているわけでございます。 私どもも全く同じ認識で、口腔ケアが誤嚥性肺炎の発生予防になること、それから、歯周病患者に糖尿病の発症リスクが高いということなどから、口腔の健康は全身の健康と深い深い関係があるぞ、そういう考え方が高まりを今見ているわけで、厚労省においては総合的な歯科口腔保健施策を推進しております。 平成二十九年度予算案におきましては、施設に入所する要介護者等を対象とした誤嚥性肺炎予防のための口腔ケア等の実施、それから、歯周病が重症化しやすい糖尿病患者に対して、歯科受診を勧奨するなどの医科歯科連携の仕組みの構築といった取り組みの支援を行う予定でございます。 いずれにしても、今申し上げたとおり、総合的な歯科口腔保健施策、これがやはり健康長寿のために極めて大事だというふうに思います。
○斎藤(洋)分科員 大臣、ありがとうございます。口腔ケアの推進ということについて、ぜひ力を入れていただきたいと思っております。 我が国の不利な点、諸外国に比べて不利な状況は、やはり少子高齢化が進展していること。有利な点は、諸外国に比べて充実した国民皆保険制度のもとで、歯科診療に関しては世界一の制度が充実していると思っております。ですので、国民皆保険制度の堅持という観点からも、ぜひ引き続き、この口腔ケアに力を入れていただきたいと思っております。 第二に、少子高齢化ということで、今度、子育て環境についてお伺いしたいと思っております。 保育園につきまして、私の地域は、都会の待機児童の解消が第一の課題というのとは少し状況が違う状況です。その中でも、需要の変化という問題が現場で生じております。 つまり、待機児童が物すごくたくさんいるというよりは、今までは三歳児以上の保育が中心であったのが、ゼロ歳児から二歳児までということで、離乳食を中心に食事のケアに非常に手間をかけなければいけない年代の児童さんがふえてきたということや、それから、アレルギーのお子さんがふえたということもありまして、アレルギー除去食の扱いというのも細心の注意を払わないと、そばアレルギーのお子さんなんかは本当に命の危険に直結しますので、アレルギー除去食の取り扱いということに非常に神経を使っていただいているのが、新潟県の保育の現場の実態であります。 その中で、現行の保育施設給付金の基準ですと、児童百五十人までは給食調理員等で二名というふうになっているかと思いますけれども、この基準は相当前から変わっておらないと思うんです。 今申し上げたような、ゼロ歳児—二歳児保育のニーズが増していることや、アレルギーをお持ちのお子さんがふえているといった実態も踏まえて、今現在は各保育園さんが本当に独自の努力でケアをしていただいていますけれども、給食調理員等につきましては基準の中で加配を認めるべきではないかと考えますが、厚生労働省の御見解をお伺いしたいと思います。
○中島政府参考人 保育所の基準におきまして、調理員の配置というのは委員御指摘のとおりでございます。ただ、これも同様に御指摘がございましたように、保育所を利用されます子供の食物アレルギー、アトピー等への助言、さらには食育の重要性ということは極めて重要なことだと我々も認識しておるところでございます。 したがいまして、子ども・子育て支援新制度が施行されました平成二十七年度から、保育の質を上げるという観点から、食育指導等に栄養士を活用していただくという場合には、栄養管理加算という新たな制度を創設いたしまして、二十八年三月時点で約七割の私立保育所でこの加算を取得していただいて、栄養士さん等の力をかりて食育指導等をしていただいているということでございます。 それからまた、二十八年六月に閣議決定いたしましたニッポン一億総活躍プランで、技能、経験を積んだ職員には処遇改善という観点から四万円なり五千円の追加的処遇改善を行うということで、現在御審議いただいている予算案に盛り込ませていただいておりますが、その中で、調理師、さらには栄養士の方々につきましても、施設の御判断によりまして、この処遇改善の対象とすることが可能となるような形で考えておるところでございまして、今後、こうした方々についても、しっかりキャリアアップの仕組みというものが構築されていきますよう努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○斎藤(洋)分科員 ありがとうございます。 今、七割が栄養士等のこの制度を活用いただいているということでありますけれども、残り三割の御意見も含めて、現場で無理をして工夫していただいている事例も多々あるようでありますので、引き続き、ぜひ御支援をお願いしたいと思っております。よろしくお願いします。 きょうは答弁は求めませんけれども、この問題は幼稚園やこども園であっても同じであろうかと思いますので、ぜひよろしくお願い申し上げます。 続きまして、今度、看護の問題で一点お伺いをしたいと思っております。 女性医療職、看護師の現場では、男性看護師もふえてきましたけれども、女性の活躍の舞台のまだまだ広い職場であります。その中で、女性医療職のM字カーブ解消の動きは、議員の側からも、また政府の側からも出していただいております。 潜在看護師の復職を促すために、登録制度ですとかいろいろ今工夫していただいておりますけれども、復職を促すためにも、また、今現在、現場で苦労されている方々も、ライフステージがこれから、御結婚されたりあるいは出産をされたりという中で、ライフステージに応じた勤務環境の改善に取り組む必要があると思っていまして、夜勤の免除ですとか時短勤務、シフトの弾力化といったような勤務に関する処遇改善、これをますます進めていくべきだと考えておりますが、ぜひ政府のお考えを伺いたいと思います。
○神田政府参考人 先生御指摘のとおり、看護の現場では夜勤など厳しい環境で働かれている方々が多くおられますので、その勤務環境の改善は非常に重要な課題であるというふうに認識いたしております。 そのために、平成二十六年の医療法改正におきまして、医療機関の管理者に対しまして、勤務環境の改善等の措置を講ずるよう努めなければならないという規定を設けているところであります。 具体的には、厚生労働大臣が定める指針に従いまして、各医療機関ごとに、勤務環境に関する課題を抽出しまして改善計画を策定し、その取り組みを行って、その効果を評価するというPDCAサイクルを活用して、勤務環境の改善に計画的に取り組むよう求めているところでございます。 また、各都道府県に医療勤務環境改善支援センターというものを設置いたしまして、勤務環境の改善に取り組みます医療機関に対しまして、医療労務管理ですとか医療経営のアドバイザーが総合的、専門的に支援する体制を整備しているところでございます。 その取り組みをしている医療機関におきまして、今先生御指摘のように、子育て等のライフイベントに応じて夜勤を免除できる制度の導入でございますとか、育児の際の短時間勤務制度の導入、院内保育所の整備などの取り組みが行われているところでございまして、こうしたものを、厚生労働省としてもホームページ等で好事例の普及に努めているところでございます。 今後とも、ワーク・ライフ・バランス等にも配慮いたしまして、先ほどございましたライフステージに応じた支援が行えるよう、看護職員を含めた医療従事者の定着と離職の防止に努めてまいりたいというふうに考えております。
○斎藤(洋)分科員 ありがとうございます。 ぜひ、この処遇改善ということにつきまして、今、勤務体制のことを御質問しましたけれども、継続的に取り組んでいただきたいと思っています。 また同時に、特定のライフステージにある方々に配慮を推し進めることによってそれ以外の方々にしわ寄せが行って、かえってまた離職が進むということがないように、ぜひ継続的な御支援をお願いしたいと思っています。 また、潜在看護師になられた方がまた職場復帰をされたときの研修支援ですとか、あるいは何といっても給与、働きがいを支える給与といった面でもぜひ御配慮をお願いしたいと思っています。 現場の方々とお話をする中で、やはり基本的には責任感が強くて熱心な方々が多いものですから、残った現職の方々が無理をして頑張って結局離職せざるを得なくなるというような状況も多々見てまいりましたので、ぜひこの点は今後もよろしくお願いしたいと思っております。 次に、特別養護老人ホームの経営の面から一点お伺いしたいと思っております。 平成二十七年に、特養の介護報酬のマイナス改定ということがありました。このときに、私は地方の特養を中心に見てまいりましたが、かなり経営面で悪化をしたというような御意見をいただくことが非常に多くありました。 特に、特養の経営というのもなかなか大変でありまして、優秀な介護士の方の確保もそうですし、また、光熱費も高騰すれば経営にはね返るということもありますし、厳しい中で頑張っていただいていると思っておりますが、特に、内部留保が見かけ上積み上がったことが、果たして経営状況がよいという判断材料として使ってよかったのかどうかということも含めて、いろいろ現場では課題が残ったと思っております。 今後のこととしまして、しっかり、これは当然、予算確保だけではだめなので、財源につきましては一緒に我々も頑張っていかなければいけないんですが、財源を確保して、特養の介護報酬のマイナス改定というのは避けるべきだというふうに考えておりますが、政府の御見解をお伺いしたいと思います。
○蒲原政府参考人 お答え申し上げます。 介護報酬につきましては、介護保険法の中で、介護サービスに要する平均的な費用の額を勘案して厚生労働大臣が定めるというふうにされているところでございます。 これまでの改定、先生お触れになりました二十七年度の改定も含めて、まずは介護事業経営実態調査ということで、経営状況を十分把握した上で、特養等の介護サービス事業者の報酬の改定というものを行ってきたということでございます。 平成三十年度に同時改定ということでございますけれども、特養などの介護サービスが将来にわたって安定的に提供されるということは非常に大事だというふうに思っておりますので、介護サービス事業者の経営状況といったところをきちっと調査によって把握をした上で、必要な財政措置も含めて対応を考えていきたいというふうに考えております。
○斎藤(洋)分科員 ありがとうございます。 ぜひ、三十年度の改定に向けて、実態を踏まえて、マイナス改定ということを私としては避けていただきたいと思っていますが、実態に即した介護報酬となりますようによろしくお願い申し上げたいと思っております。 これは通告しておりませんので質問はいたしませんけれども、介護士の試験の受験者が大幅に減少したという報道がありまして、その背景に実務研修。実務研修の要件は、時間は延ばすという話は以前からあった話なので突然出てきた話ではないんですが、介護士試験の受験者が減ると、当然、有資格者が減って、今現在も人材難で苦しんでいる現場の苦しみにますます拍車をかけてしまう可能性があるので、暫定的な対応も含めて、介護士不足で本来国民に提供される介護サービスが提供されない、あるいは質が悪化してしまうということがないように、ぜひ御配慮をお願いしたいと思います。 続きまして、特別養護老人ホームと関係の深い老健施設についてお伺いをしたいと思います。 老健施設は、その趣旨は特養とは全く異なりまして、本来であれば、入所者がリハビリを受けて、日常生活が営めるところまで機能を回復されて、そして日常に復帰をしていく。それは一面、政府の方から見れば、手厚い社会保障のもとで機能を回復していただいて、また社会に復帰をしていただいて、日常生活を営んでいただくという点で、本来は非常に意義深いものでありますが、実質的には特養に入れるまでのつなぎとなってしまっているという実態も一部にあるという指摘もあります。それは結果としてのことなので、すぐさま制度がどうこうということではないんですけれども、実態としてはそういったこともあるのではないかという指摘があります。 そうならないように、なるべく本来の趣旨に近づけるようにするには、老健施設のリハビリ機能を強化していただきたいと思っております。報道で言われるような、第二特養などと言われるようではやはり困るわけでありまして、リハビリ機能を強化して、老健施設に入ったら元気になって、また日常に復帰をしていただくということが望ましいと考えておりますが、この老健施設のリハビリ機能の強化という観点から、政府の見解を伺います。
○蒲原政府参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、老人保健施設というのは、リハビリテーション等を行いまして、できるだけ入所者の方が居宅での生活に移行できるようにするということを目的としているわけでございます。 この目的を踏まえまして、報酬改定を過去やりましたけれども、例えば平成二十四年度の報酬改定のときに、在宅復帰あるいは在宅療養支援機能を一定評価して、また、平成二十七年度改定のときも、こうした機能を評価するということをやってきております。 実は、この評価の対象となる施設というのが、一定の在宅復帰率を達成するし、また必要なリハビリ職員も置くということで、そうしたことについての加算等をしているわけでございます。こうした機能がいわば在宅強化型あるいは一定の加算をしている形になっている老健施設が、平成二十六年度から二十七年度にかけまして、もともと二五%だったのが今は四割程度までふえてきているところでございます。 他方で、先生おっしゃったように、まだまだ実態として、当初の計画どおり退所できないような方々もまさに一定程度存在するというふうに考えてございます。これも今後、平成三十年度の報酬改定の中で、介護老人保健施設の本来の機能がより一層発揮できるように、そうした報酬面も含めてきちっと関係の審議会のところで議論していきたい、こういうふうに考えてございます。
○斎藤(洋)分科員 ありがとうございます。 リハビリ機能を強化していただいて、老健施設の本来の趣旨に即した実態が広まるように、ぜひ御努力をお願い申し上げます。 リハビリ機能の強化ということで、医療関連職種の療法士の件でぜひお伺いをしたいと思っております。 地域包括ケアシステムの中で、私、冒頭申し上げましたように、長期的には医療費を削減しながら、国民の受けるサービスの質は高めていかなければいけないわけで、そのためには、コメディカルの一員である療法士の役割、位置づけというものをぜひ強化していっていただきたいと考えております。 昭和四十年に制定されました理学療法士及び作業療法士法というのは、その後いろいろ実態の変化もございましたので、議員連盟の活動の動きもありますけれども、法改正も含めて、実態に合った、あるいは社会のニーズに合った法改正が必要ではないかという議論があります。 それを踏まえまして、療法士の業務の範囲ですとか、あるいは医療関連職種全体での位置づけ、今現在は医師等の指示のもとでリハビリを行うわけですけれども、そういった中で、療法士の専門性ですとか自立性に応じた位置づけのし直しということが大事ではないかと考えます。 済みません、一旦ここまでで、ちょっと政府の見解をお伺いしたいと思います。療法士の役割の位置づけという観点からまずお伺いしたいんですが。
○神田政府参考人 先生御指摘の理学療法士、作業療法士は、身体の障害のある方に対しまして、理学療法ですとか作業療法をその名称を用いて行うという職種というふうにされております。 先生御指摘のように、理学療法士・作業療法士法は昭和四十年以降大きな改正はされておりませんけれども、昨今では、介護予防事業等においても御活躍いただくという場面が生じてございます。 こうしたことから、私どもとしましては、理学療法士の方が介護予防等の事業において転倒防止等の指導を行う実態がありますので、現場で解釈に混乱が生ずることのないように、平成二十五年に、介護予防事業等において理学療法士が身体の障害のない方に対して診療の補助に該当しない範囲の業務を行う場合には、理学療法士という名称を用いて業務をすることについては何ら問題がないということですとか、このような診療の補助に該当しない業務については医師の指示は不要であるという旨の通知を発出するなどして、周知徹底を図っているところでございます。
○斎藤(洋)分科員 ありがとうございます。 ぜひ、療法士の役割というのを明確に位置づけていただきまして、ある特定の場合には高額な医薬品を処方しなくてもより機能が改善するとか、あるいは長期的な医療の対象にならなくても機能が改善するという場合が多々あるかと思いますので、そういった場面がふえてくるように、療法士の方々の活躍の現場がふえるような対応をお願いしたいと思っています。 また同時に、位置づけの対応ということでは、通知というお話をいただきましたけれども、ぜひ法改正も含めて御検討いただきたいと思っております。 というのは、さる療法士の方からお伺いしたんですが、東日本大震災のときに、療法士の方々もボランティア活動で入っていただく中で、医師などの指示のもとにやっているんですかというようなことを現場で言われたというようなことも言われまして、療法士というのはほかの医療関連職種の指示のもとに限定的な業務をやるんだというような認識がかなり社会にある、その背景にあるのではないかというのが私も考えているところでありますので、ぜひこの点は継続してお願い申し上げたいと思っております。 済みません、あわせて、療法士の方々も活躍される持続的な訪問リハビリ体制というものを、ぜひ各地域地域で、地域包括ケアの中でも明確に位置づけていただきたいと思っています。 そのためには、例えば、市町村からリハビリの訪問を受けられたんだけれども、市町村の方で安定的な財源がないので継続的にはちょっと続けられなかったというようなケースをかなり伺っておりまして、市町村に対する持続可能な訪問リハビリ体制を維持するための補助ということができないかと私は考えておりますが、ぜひ御見解をお伺いしたいと思います。
○神田政府参考人 先ほど申し上げましたように、理学療法士の方が介護予防事業等で御活躍されているという実態がございます。 訪問リハビリテーションにつきましては、介護保険の中で、介護予防訪問リハビリテーションという形でサービスとして既に位置づけられておりますので、平成三十年度の介護報酬改定に当たりましても、その重要性を認識しながら、介護給付費分科会において必要な検討を行っていきたいというふうに考えております。 また、介護予防・日常生活支援総合事業の中でも、専門職の方が短期集中的に行いますサービスでありますとか地域リハビリテーション活動支援事業などにおいては、リハビリ職の方が御活躍される場があろうかと思いますけれども、こうしたものについても、介護保険の財源等を活用しまして、御活躍いただけるような仕組みにしていきたいというふうに考えております。
○斎藤(洋)分科員 ありがとうございます。 再三申し上げましたとおり、特定の場合には、医療サービスを受けるよりもずっと安価にクオリティー・オブ・ライフを高めることができるものでありますので、ぜひ、訪問リハビリ体制の継続的な維持のための支援をよろしくお願いしたいと思っております。 最後に、社会保障の最大の論点の一つであります年金について、一言申し上げたいと思います。 年金制度につきましては、制度設計がされたころと比べて大分社会の前提が変わってきたことは確かであります。六十五歳以上まで元気で長生きをされる方が非常に少なかった時代にできたものを、今こういう超高齢化社会の中でどういうふうにやりくりしていくかということは、これは単なるかけ声だけではうまくいかないものであることは私もよくよく認識をしていまして、現下の状況を考えれば、景気を回復させて運用益を出してもらって、それでどうにかやりくりをしていただくというようなことがまず第一に思い浮かぶわけです。 年金というのは、高齢者の方の安心、安全の支えであるばかりではなくて、現役世代にとっての心の支えでもあるわけでありまして、年金の支給水準、今現在受給されている方々もそうですし、将来受給される方々も、極力、期待したような水準の支給が受けられるように、これは政府全体として、あるいは我々立法府の人間も努力をしていくべきだと考えますけれども、政府の御見解をぜひお伺いしたいと思います。
○鈴木(俊)政府参考人 ただいま御指摘いただきましたように、年金制度におきましては、制度の持続可能性とともに、給付の十分性をどうやって両立させていくかということが大きな課題でございまして、これは日本のみならず、少子高齢化に直面しております先進各国共通の課題でございます。 そうした中で、我が国の年金制度は、御案内のように、今、現役世代の方々、これは将来年金を受給される方々でもありますけれども、この現役世代の方々が現在年金を受給している高齢世代に仕送りを行う助け合いの仕組み、いわゆる賦課方式をとっております。そうした中では、先生も御指摘ございましたけれども、保険料、税、積立金、こういった限られた財源を長期にわたって適切に配分をしていく、世代間の分かち合いの仕組みというのが重要でございます。 実は、昨年成立をさせていただきました年金改革法といいますものも、こうした仕組みの中で、世代間の公平性を確保して、将来世代の給付水準をいかに確保していくか、このためのものでございまして、この改革によりまして、若い世代の年金制度に対する信頼が高まるということを通じまして、安心して今の高齢者の年金を支えていただける、こうしたことで制度の持続可能性も高まるというふうに考えてございます。 今般の改革はもとより、不断の改革を続けていくことによりまして、しっかりした年金制度を構築してまいりたいというふうに考えております。
○斎藤(洋)分科員 ありがとうございます。 現役世代と受給されている世代とを問わず、あるいは民間出身の方と退職公務員の方々とを問わず、年金というのは非常に大きな心の支えでありますので、持続可能な年金制度の確立に、これは我々も汗をかかないと、出せ出せと言うだけでは持続していかないものですので、一生懸命取り組んでいきたいと思いますので、ぜひ政府からも御努力をお願い申し上げたいと思います。 以上で私の質問したいことは終わります。ありがとうございました。
○山下主査代理 これにて斎藤洋明君の質疑は終了いたしました。 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四分休憩 ————◇————— 午後一時一分開議
○菅原主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。赤枝恒雄君。
○赤枝分科員 自由民主党の赤枝恒雄でございます。 きょうは、生は生でも、終末期の生について掘り下げた議論をさせていただきたいと思っております。 我が国の人口は減少の一途をたどっているわけですが、高齢化も非常に進んでいて、国民の間では将来に対する不安というものがやはり広がっているのではないかと思われます。そこに来ていろいろな制度改正もありまして、年金が、これは年金の場合は、高所得者の場合に上がったということであって、決して年金が非常に負担になっているということではないんですが、そういう報道がされたり、やはり年金の手取りが少なくなったというような、それもお金持ちの場合の話なんですが、悪い宣伝に使われたり、国民の間では、これから将来不安という意味では非常に不安を感じているところに来て、では、尊厳ある死を迎えるにはどういう施設で亡くなりたいか。私自身考えてみると、自宅で、家族それから友人に囲まれて、好きな音楽もできたら聞きながら、ちらっと壁を見ると好きな宝塚のスターがいたり、そういうところで安らかに息を引き取りたいなと思うわけです。 厚労省が進めているいろいろな施策の中で、私、やはりすばらしいと思うのは、これから先、亡くなるときには、家庭というものをイメージしたところ、自宅というものをイメージしたところでお亡くなりになるのがいいじゃないか、そういうふうな目標に向かって改革が進んでいるような気がするんですね。これは非常に私はありがたいことだと思っております。 そこで、従来型の四人床、つまりこれは多床室というふうに言われていますけれども、多床室がいいのか、はたまた今言ったような尊厳ある死を迎える環境として個室がいいのかという議論があって、これは実はもうずっと前の平成十三年ですかね、十三年に全国介護保険担当課長会議というのが開かれて、今後は特別養護老人ホームにおける四人部屋主体の住居環境を抜本的に改善しということで、個室がいいんだよ、個室に向かうよということを決定されたわけです、方針を。 それで、平成十七年から始まって、それなりに介護点数も決まって、非常にそれなりの評価をした介護点数をつけたわけですね。介護点数をつけた。 つけたにもかかわらず、そこでみんな、その施設をつくろうということで試算してみたんでしょうね、いろいろな業者が。事業が始まったわけですが、何と、ここが一番大事なところなんですけれども、平成十七年四月の当初に比べて、次の改定は十八年の改定予定だったものが、前倒し改定ということで、十七年という中途半端な、どうしても考えられない十七年の十月に、これは点数にして約百四十点平均、二〇%以上の下げがあったわけですよ、介護保険料の。この大きな下げは、普通、介護保険料は、いろいろ推移しても十点とか、大きくても二十点ぐらいが限界であろうかなと思うんですが、このとき百四十点という大きな下げをしたんです。これは本当にちょっと、これが大きなトラウマに今なっているわけです。 その前に、副大臣にお伺いするのをちょっと忘れていましたけれども、私も、自分の意思としては個室、絶対死ぬときは個室がいいなというふうに思うわけですが、お国も私が知る限り個室に向かっている。特に個室が進まないので、二十二年の時点でも二五・四%という達成率ですね。それがだめなので、ちょっとどうにかというので、二十二年の四月十六日に厚労省から課長通達が出ていて、個室ユニットを進めなさいというのが出て、そのために床面積の基準を下げますよというようなこともやって、これをできたら七〇%、施設の割合を、個室を七〇%にすることを目指し、ユニット型施設の整備を推進してくださいというようなのが出ているわけですね。 この方針は、いまだ政府としては、この七〇%の方針は変わっていないんでしょうか。
○古屋副大臣 特別養護老人ホーム等におきまして、ユニットケアを推進して、居宅に近い環境のもとで日常生活を送りながら、その中でケアの提供を受けられるようにしていくということは、その生活環境の改善を目指す観点から大変重要であると考えております。 このため、厚生労働省としましては、平成三十七年度の特別養護老人ホーム等の入所定員のうち、このユニット型施設の入所定員が占める割合を七〇%以上とすることを目標とするよう努めることを自治体に求めているところでございます。
○赤枝分科員 ありがとうございました。 そういう方針はまだ継続しているというふうに理解をしておりますが、では、何でこれが十年たっても進まないんだろうというところの御回答は、厚労省から聞くまでもなく、私の分析でもってそこをお知らせしたいと思います。 そこで、いろいろな私の分析のもとになるデータは、これは福祉医療機構のデータをきょう用いておりますが、局長さん、この福祉医療機構のデータというのは信用されるんでしょうか。
○蒲原政府参考人 福祉医療機構といいますのは、福祉分野あるいは医療分野のいろいろな事業に対して、例えば貸付事業を行うだとか、あるいは経営診断を行うといったことをやっております。 その過程におきまして、各事業者のいろいろな経営状況というのを把握する立場にありますので、今ちょっと手元にはございませんけれども、そうした通常の業務の中で現場の実態というのを把握した上で、先生お手持ちのようないろいろな資料をつくっているということではないかというふうに認識をいたしております。
○赤枝分科員 ということは、信用に値するデータであると考えてもいいと思います。 そもそも、個室ユニットを進めるために、十三年までの段階で、従来型の施設は、つまり多床室の場合は四分の三の補助金が出たんですね。これはお国の方から四分の三、七五%補助金が出て、ほとんど自前では、お国の金で建てたところがほとんどです。 ところが、その後は、十四年からは補助金が一五%とかになっちゃって、施設を建てたり運営したりする人はほとんど自腹で、借入金を起こしてやってきたわけなんですね。ですから、この長い十年の間に、もう既に多床室のところは払い終わっているところも出ているぐらいです、借入金を。 ところが、今、ここにもこれからデータをお示ししますが、個室ユニットのところは、経営実態調査の中でも最近はっきりしてきたのは、借入金の金利とか返済金があるために、どうしても実態よりも、もっとやはり収入が少なくなっているというのが実態だと思います。そういう、もともと補助金でやってきた多床室、それから自前でやってきた個室というところで、いろいろ経営が現在どうなっているかというのをお示ししたいと思います。 まず、個室ユニットの特養は、施設数が千九百三十六施設あって、三〇%に当たる五百七十二施設が赤字です。五百七十二施設、三〇%、これは赤字ですね。それで、内部留保と言われています、内部留保の額は、従来型の多床室の場合は平均一億九千二百二十九万三千円。いいですか、多床室ですよ、留保が平均一億九千二百二十九万三千円。個室ユニットの方の留保は平均で五千二百九十三万七千円というふうに、四倍違うんですね、留保の額が。これだけ違うんです。これは何でかというと、最初にほとんど補助金でつくった多床室、それから自前で今やっている個室ユニット、その差が出ているわけなんですね。 今度は財務状況というところを見ていきますと、財務状況は、従来型の多床室の場合は借入金比率が一五・七%ですね。借入金比率が一五・七%、これは従来型ですね。ところが、個室ユニットの借入金比率は、一〇一・九%という借入金比率があるわけです。 これは、先ほど申し上げました独立行政法人の福祉医療機構の安定性についての見解が書かれていまして、借入金比率について、低いほど財政面は安定するんだけれども、一〇〇%を超えると危険水域に入る。もう福祉医療機構がはっきりと書いているわけです、一〇〇%を超えたら危険水域。 では、これは何でしょうか。今現在、個室ユニットの方の借入金比率は一〇〇%を超えて一〇一・九%まで行っている。これは、まさに今、個室ユニットの施設はもう危険水域になっちゃったということだと思うんですね。 それで、収支の状況を見てみましても、個室の方が悪いんですが、給料にもちゃんと反映していますね。従業員の給料は、従来型のものは留保も大きいんですが、従業員の給料もやはりいいんですよ。従来型のものは平均四百二十六万五千円、個室ユニットの従業員は平均三百九十五万七千円というふうに、四十万ぐらい差があるんですかね、こういうふうに明らかな差が出てきている。 では、何でこれをずっとほっておいたのということが私もちょっとわからないんですが、そこに多分示唆されるのは、いろいろな協議会がありますね、介護のいろいろな協議会。それから、介護費給付分科会ですか、そういう会議。その介護に関する委員会の中に、多床室の代表は入っている。つまり、従来型の団体は入っている。しかし、最初に申し上げたとおり、大きく下げられたときに、これじゃやっていけませんと厚労省に抗議をした個室ユニットの団体は、あなた方も団体をつくりなさいよ、団体をつくって委員になってくださいと言ったのは、実は厚労省だったんです。厚労省が、団体をつくって委員に入ってくださいと。それはもう当時の総務課長が言っているんです。お名前もわかるけれども言いませんが。そういうのを過去言われていて、では団体をつくった、しかし、その中に、委員の中に入りなさいといっても入れてくれない、この十年間。ここのところで、どうして入れないのか。 二点について、局長に。まず最初は、大きく下げた十七年の前倒し改定というのは、どういう意味でこういうことになったのか、まず一つお答えをいただけますか。
○蒲原政府参考人 委員お尋ねの、平成十七年の十月の介護報酬改定についてでございます。 介護報酬につきましては、基本的に、介護事業計画の三年というのをタームにしておりますので、三年に一回やるということで、平成十五年にやりました後、通常であれば平成十八年ということであったわけでございますけれども、実はその前に、十七年の十月に一部について改定をいたしております。 この趣旨につきましては、実はこのとき、介護保険制度の制度改正がございまして、その年、平成十七年に介護保険法等の一部を改正する法律というのが通りました。その中に幾つかの制度改正の項目が入っておるんですけれども、そのとき、介護保険施設について、入所施設の入所者等の食費等について保険給付の範囲の範囲外にする、こういう見直しをやったということがございます。 この範囲外に見直しをするということに伴って、報酬上の手当てをするという必要がございまして、平成十七年十月にその制度改正に絡む部分についての見直しを行ったというのが、平成十七年十月の報酬改定の趣旨ということでございます。
○赤枝分科員 今のお返事に関して、ではそのときに多床室はどうなったんですか。
○蒲原政府参考人 そのときに、制度改正におきまして、入所者等の食費等について、いわば保険給付の対象外にするということにいたしたわけですけれども、そのときに、介護の、こういう特別養護老人ホームのいろいろな施設サービスについてはいろいろな類型があって、わかりやすく言いますと、個室との居住環境の差がいろいろあるということでございまして、多床室の居住費につきましては、そのときには光熱水費相当分、これを居住費としていわば保険給付の対象外にする、こういう整理を行ったところでございます。
○赤枝分科員 何かそれは公平性を欠くようなお話でよくわからないんですが、とりあえず正式の改定が十八年四月と決まっていたのに、前倒しで何でその時期に急いでやらなきゃいけなかったのか、それを聞きたいんですが。
○蒲原政府参考人 当時、いろいろな審議会で、この制度改正の議論をいただいておりました。そうした中で、今申し上げました、食費等について保険給付の範囲の対象外にするということにつきましては、できるだけ早くそうしたことをやることが大事ではないかという議論がありました。 といいますのは、こういうことでございます。これはもともと、食費等をいわば保険給付の範囲外にするという意味は、言ってみれば、施設入所者の方と在宅で暮らしている方、この方々にとっての、いわば負担の公平という観点から、食費あるいはその他居住費について保険給付の対象外にするということでございまして、そうした公平の観点からやる措置についてはできるだけ早くやるのがいいんじゃないかということを審議会等から意見もいただきまして、その結果、十八年の通常の報酬改定を待たずに、制度改正物について平成十七年の十月から実施をした、こういう経緯でございます。
○赤枝分科員 それは納得できないところがちょっとあるんで、そこは後日また詰めさせていただきたいと思います。 緊急性というところでは、審議会があったからこんなふうにしたというよりも、まず決めた料金があって、一回検証もしていないのに、どうしてここまでのあれですか、百二十点も下げて。一回、三年たって、来年の四月にやりますよというのを、その前の年の十月に。ここまでの荒治療を何でやらなきゃいけなかったんですかね。ちょっとそこのところを、もう一度お願いします。
○蒲原政府参考人 お答え申し上げます。 当時のいろいろな審議会なりのいろいろな議論を整理いたしますと、施設の入所者の方々にとっての食費、居住費という負担と、いわば在宅に住まれている方は、もともとアパート代だとかあるいは食費を自分で負担されている。こういうことからすると、やはり公平の観点から、入所者の方にも一定の御負担をお願いするのが適切ではないか、こういう議論がございまして、まさにそうした負担の公平という観点から、そうした部分についてはできるだけ早くそうしたことをやるのが適当だというようなことを、意見ももらいましたし、当時、厚労省としてもそういうことだというふうに考えまして、平成十七年の十月から、いわば本来のもともとの予定よりも前のところから制度改正に伴うものとして実施をした、こういうことでございます。
○赤枝分科員 例えば、政府の方針として七〇%まで持っていこうというのが十年達成されていないんですが、それについて、どこに原因があったんだろうと思うと、やはり事業者が、そこそこ、多床室に比べても留保のお金も全然違う、給料も払えない、赤字のところが多い。その中で、これはやはり介護費用が低過ぎるというか、比較すると、結果的に見て、さっきの留保のお金とか、それから、いろいろな返済金が既に終わったところと終わっていないのがあったり、こういうのが出てきているところを見ると、やはり個室の方の点数はすぐ見直さなきゃいけないとか、何かそういうふうなお考えはないんでしょうか。
○蒲原政府参考人 お答え申します。 先ほど、平成十七年十月の経緯を聞かれたものなので、そこを御説明いたしました。ただ、冒頭、副大臣が申しましたとおり、現在、個室ユニットということのやり方については、我々としてそうした方向に向けて取り組んでいるということでございます。 その意味でいうと、十七年十月については、先ほど言ったいわば公平の観点からそうしたことになったわけですけれども、我々、いろいろな介護サービスの報酬については基本的に三年に一回きちっと手当てをするということになっていますし、その際には、ユニット型の事業所を含めて経営実態というのをきちっと把握して、その上で対応するということにしておりますので、十七年以降のところを見ると、例えば、いわば多床室の状況とユニット型の個室の報酬の状況ということは、多床室の方が少し下がって、ユニット型の方が少し下げ幅が少ないような状態、こういう状態になっているというふうに認識をいたしております。
○赤枝分科員 ありがとうございました。 とりあえず、一般の方にもこの話をすると、いや、やはり個室より多床室の方が寂しくないよ、そういう御意見をいただくことがあって、全然現実は違うんですよと。 現実には、多床室というのは、四人がいて、カーテンがあって仕切られて、パーティションであったりカーテンであったりするんですけれども、そこには、余り共同的にみんなが集う部屋というのは本来ないんですね。食堂しかないんですよ。 ところが、個室ユニットは、十の個室があって、一つの広場を囲んであるわけで、寝るときは個室ですよ、お昼はみんなコミュニケーションがとれるように交流の場がありますよ、だから寂しくないのは個室ですというところがわかっていなくて、個室の方が実は本当に寂しくないんですよ。そのイメージがどうしても一般の人に、多床室を残せという人の中に、いや、寂しいんだよ、だから多床室を選ぶ人がいるんだと。違うんですよ、現実は。 この誤解をどうして解いたらいいですかね、ちょっと知恵を。
○蒲原政府参考人 ユニットケアについては、今先生ちょっとおっしゃいましたけれども、何か個室だからという、物理的な状態もあると思いますけれども、一人一人に寄り添ったケアをやるという意味で、やはり非常に重要なものだというふうに思います。 先生今おっしゃったとおり、まず個室があって、その間にいわば一定の、十人ぐらいのための共通の空間があって、さらにその外に、いわばもう少し大部屋があるということだと思うんですね。そういった意味では、この個室ユニットを進めていくに当たって、物理的な個室というのも一つのポイントだと思いますけれども、言ってみれば、ハードとソフトの組み合わせで御本人に沿った形、あともう一つは、この場合、通常、職員についても、顔なじみの関係ができるように職員を配置するというのも、これはソフト面のポイントだと思います。 そういった意味では、ハード、ソフトを通じた形のユニットケアだといったことを丁寧に御説明していって、入所されている方々、そうした方々の声に応えていくということが大事じゃないかなというふうに考えております。
○赤枝分科員 それでは、一番大事なことに入りますが、どうしてそういう団体は、こういう審議会、社会保障審議会とか介護給付費分科会とか、この会議に、どうして意見を述べる場がない、入れてもらえないのか。いろいろな、入りたいという団体がいっぱいいるんですよというのは、私、聞いたことがある。しかし、こういうふうにもう危険領域に入ってきた、借入金比率一〇一・九%、これは危ないですよと言われているこのときになって、そういう事業者の意見を反映できない、反映できる場があるのに入れてくれない、これについてはどうお考えですか。三分ぐらいありますから、しっかりお答えをいただきたい。
○蒲原政府参考人 先生から御指摘のありました、こうしたユニット型個室を含めた介護報酬につきましては、社会保障審議会の介護給付費分科会という委員会、審議会で議論いただいているということでございます。 この分科会の構成ですけれども、現在、合計で二十五名の方が委員になっておられます。その中で、幾つか分けますと、サービス事業、事業を行っている方たちのグループ、もう一つが、いわば保険者を初めとして費用負担を行っている方々、さらには、利用者、有識者の方々、こういう方々が入られている、こういう状況になっているわけです。 そこで、先生お話がございましたユニット型個室のところに関して言いますと、実は、先ほど言ったサービス事業者のくくりの中には、在宅系の方々、あるいは施設入所の方々とあるんですけれども、言ってみれば、施設サービスのいわば事業者団体について、そういう施設サービスの種類に応じた形で入っていただいているということでございます。 ただ、その種類という意味が、先生がおっしゃっているような、実は特別養護老人ホームの中に、ユニット型個室という形でやられている方と従来型個室を中心にやられている方、こうおられて、言ってみれば、そうした特別養護老人ホームという類型の中の、その中のいわばさらにそういう施設類型、そこまでのところにまで分けて入っていただくということになってしまうと、なかなか、全体の数との関係もありますし、いろいろバランスがとりにくいといったことがありまして、言ってみれば、施設サービスの種別に応じた形での対応というところにとどめているというのが御説明になろうかと思います。
○赤枝分科員 それでは、公平に意見を聞くという意味で、今までの従来型の代表、次の年は個室の代表と、かえたらどうですか、一年ごとに。それは数はふえませんよ、そうしたら。そういう解決方法もあるので、どうにかお知恵を絞っていただいて、一〇一・九%まで来ている、もう危ない個室ユニットの経営について、何かしら発言できる機会を設けていただければありがたいと思います。何か一言。
○蒲原政府参考人 この問題は、まさに報酬改定の作業をやるときに関係の団体のいろいろな御意見というのを幅広く聞く、それは審議会の場もありましょうし、いろいろな通常の行政の形もあると思います。そういうことが大事だというふうに思っています。 今お話がございました分科会の中でも、これまでも、報酬改定に当たりましては、関係団体に来ていただいて、いろいろな意見を出してもらってヒアリングするというようなこともありますので、そのようなやり方も含めて、きちっと、いろいろな団体の声が施策に反映できるように努めてまいりたい、このように考えております。
○赤枝分科員 それでは、最後に副大臣に、今までの話を聞いていただいて、やはり赤枝の言うとおりなのか、いやそれは無理があるよという話なのか、ちょっとその辺の御感想をいただければと思います。
○古屋副大臣 赤枝委員の、ユニット型に対するお考えを伺ってまいりました。 冒頭にも申し上げましたけれども、利用者の方々の生活環境の改善を目指す観点から、ユニットケアの推進は重要であるというふうに考えております。 引き続き、多様化する高齢者のニーズに対応し、必要な方に必要なサービスが提供されるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○赤枝分科員 ありがとうございました。これで終わります。
○菅原主査 これにて赤枝恒雄君の質疑は終了いたしました。 次に、大隈和英君。
○大隈分科員 大隈和英です。 きょうは、分科会の質問の機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。 さて、本日は、まずC型肝炎治療薬ハーボニー配合錠のにせ薬の問題について少しお尋ねさせていただきたいと思います。 夢の新薬の登場によりまして、以前であれば助からなかった命が助かるようになりました。そんな患者さんの喜び、あるいは医療者の喜びを踏みにじるような事件。その一方で、非常に高額な薬剤ですから、患者さんだけではなく社会全体が苦しんで負担している中で、あろうことか、にせの薬剤で営利を狙うという許しがたい事件がございました。 犯行の全容は現在捜査中ではありますが、まず、今回の事件の発見と発生ルートについて厚生労働省から御報告をお聞かせいただきたいと思います。
○武田政府参考人 今回の事案でございますけれども、医療用医薬品の偽造品が国内で流通をしたという件でございます。 発見の経緯その他につきまして御説明をさせていただきます。 本事案は、本年一月、奈良県にある薬局チェーンである関西メディコが運営するサン薬局平松店からハーボニー配合錠を受け取った患者が、錠剤を服用する前に異常に気づいて発覚をしたものでございます。 厚生労働省といたしましては、製造販売元のギリアド・サイエンシズからの報告を受けて、直ちに奈良県、東京都などに立入調査を依頼して偽造品の流通ルートの調査を行い、東京都内の特定の卸売販売業者が医薬品医療機器等法に基づく販売業の許可を有しない個人から購入したこと、それが東京都及び大阪府の複数の卸売販売業者を経由して奈良県の関西メディコまで流通したことが明らかになったものでございます。 事案の概要は以上でございます。
○大隈分科員 個人から業者が買い取っているということも驚くわけですが、私も調べさせていただきますと、薬剤のボトルの箱のない状態、パッケージがない状態で、なおかつ添付文書もないような状態ということで流通、販売、そして最後処方されたということは、その感覚の非常識さに驚くわけですが、救いは、患者さん自身が、いつもとお薬が違うよという形で薬剤師さんに相談された。やはり高いお薬ですから丁寧に大切に飲んでおられるという意識の高さと、そしてまた、すぐに相談できる薬剤師さんの存在があったという対面販売のよさといいますか、そういう点は不幸中の幸いだったというふうに考えております。 通告はございませんが、過去に、日本で同様の事件でありますとか、あるいは海外で、このハーボニーなどと同じような、類似の事件というのはあったのか、もしお調べいただきましたらお聞かせいただきたいんですが。
○武田政府参考人 お答えいたします。 医療用医薬品につきまして本邦でこのような事案が生じたということは、私ども承知をしておりません。それから、ハーボニー配合錠につきまして、他国でこのようなにせ薬が流通した案件につきましては、ヨーロッパでそういう事例があるというところを承知しております。
○大隈分科員 さて、この事件から、やはり大切なのは、我々が何を問題視するべきなのか、また、我が国の医療制度に与える影響や社会的意味について、厚生労働省としての御認識をお聞かせいただければと思います。
○古屋副大臣 今回の事案は、医療用医薬品の偽造品が国内で流通をして薬局から患者まで渡ったものでありまして、患者が服用することはなかったとはいえ、医薬品に対する国民の信頼を損ないかねない重大な事案であったということを認識いたしております。 今回の事案におきまして、例えば、卸売販売業者が譲渡人の身元の確認を行わずに医薬品医療機器法に基づく販売業者等の許可を有していない個人等から偽造品を購入してしまった、また、卸売販売業者及び薬局の管理者が医薬品の状態を十分に確認しなかったために、通常取引される状態と異なることに気がつかなかったということが問題だと考えられます。 本事案における問題点は、再発防止の観点からも、引き続き精査をしてまいりたいと考えております。
○大隈分科員 ありがとうございます。 今回の事件で本当に不幸中の幸いなのは健康被害が発生していなかったということなんですが、それも、考えてみれば偶然のようなところもございまして、特に、もし健康被害が発生していた場合、最悪の場合も考えると、複雑な流通経路の中で、どこにどれほどの責任が生じるか、考えただけで恐ろしくなるわけでございます。 今後、事件の被害規模が拡大するおそれ、あるいは模倣犯などの類似の事件を想定できるのか、お聞かせいただけたらと思います。
○武田政府参考人 偽造品が発覚をしたことを踏まえまして、私ども、この拡散防止に努めてきたところでございます。 奈良県の関西メディコで発見された偽造品につきましては、サン薬局平松店、三室店、平群店にそれぞれあったボトルにつきましては直ちに確保いたしましたし、流通ルートに存在したものにつきましては都道府県を通じまして確保したところでございます。 また、偽造品について、直ちに公表するとともに、医療機関、薬局などへの通知を行いまして、偽造品のさらなる流通を阻止したところでございます。 これによりまして、これ以上の拡大については防止できたものというふうに考えてございます。
○大隈分科員 被害の拡大についてのお話は今十分に承りました。 この中の事例で調べますと、ハーボニーの錠剤もボトルに入っていたということで、ボトルをあけてしまえば、錠剤としては、もうほかのものとまじってしまえば当然わからなくなるわけですから、PTPの中に入れるとかパッケージを変えるというような努力がまたされていかなければいけないというふうに考えておりますが、厚生労働省として、再発防止策、今挙がっているところでありましたらお聞かせいただきたいと思います。
○古屋副大臣 厚生労働省といたしましては、薬局や医薬品の販売業者に対しまして、医薬品を譲り受ける際には、譲渡人に身分証明書等の提示を求めて本人確認を行うこと、また、譲り受ける医薬品が本来の容器包装等におさめられているかどうか、管理薬剤師がその状態を確認することなどを求める通知を発出するとともに、都道府県等に対しまして、これらの点について監視、指導を徹底することなどを求めております。 その上で、制度的対応のあり方について早急に検討を行うなど、今後、同様の偽造品流通事案の再発防止に向けまして、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○大隈分科員 早速に対面販売による調剤薬局での管理薬剤師さんの処方内容の確認ですとか迅速な対策が打たれているということは、これは安心だと考えております。 過去には、睡眠薬の買い取り業者や非合法的な闇市場の存在も指摘されております。社会全体が大きな負担を払っている高額薬の転売ビジネスというものは絶対に防いでいかなければならないというふうに考えております。 今回の事件から、薬局での対面販売のすぐれた点など、改めて評価できる面と、その一方で、流通経路で関与した業者の厳正な処分は言うに及ばず、事件全体の全容解明と再発防止の必要性について申し上げて、次の質問に移らせていただきたいと思います。 さて、塩崎大臣の所信表明でも、また、一部報道でもございましたように、国民の健康、医療、介護の分野におきまして、ビッグデータを活用した、国民の健康寿命を延ばして、また、先端医療や創薬のイノベーションに貢献する時代がいよいよ現実になってきたというふうに感じております。 自分は、医療経済学の研究生活の経験を通じまして、我が国に既に整備されて存在する医療や介護などのさまざまなデータがいかに貴重で世界に類を見ないすばらしいものであるかということを実感してまいりました。 そこで、まず明らかにしたいのですが、どのようなデータを活用していくのか、また、データの活用によりどんなメリットがあって、どんな恩恵が期待できるのかを聞かせていただけたらと思います。
○古屋副大臣 大隈委員の専門分野の御質問でございます。 現在、厚生労働省には、健康、医療、介護に関するさまざまなすぐれたデータベースが存在をしておりますけれども、これらは個別に管理をされておりまして、それぞれ十分に活用できているとは言えない状況にございます。 これらのデータを連結することができれば、例えば、特定健診や特定保健指導を受けた方がその後どういった医療、介護を必要としたかなど、個人の健康なときからの情報を分析することが可能となってまいります。 これによって、生活習慣病対策や予防医療、介護などを含む個々人に最適な健康管理、診療、ケアを目指すことができます。 現在、厚生労働大臣のもとにデータヘルス改革推進本部を立ち上げまして検討を進めておりまして、この中で、実現に向けた具体的な方策を示してまいりたいと考えております。
○大隈分科員 ありがとうございます。 データが活用できるということは、さまざまなメリットが私も考えられると思うんですが、例えば、近年、震災、大災害が頻発しておりますが、その災害時に破壊された診療所などから医療データが失われた場合に、避難所やあるいは遠くの避難先でも患者さんの医療情報にアクセスできて救急対応ができることでありますとか、あるいは、医療的ケアを必要とするお子さんたちにも救急搬送での受け入れが、医療情報がないということでよく断られることがあるんですが、そういう問題の解決など、さまざまな問題にも光明となることを期待してまいりたいと思います。 医療の診療情報データというのは、レセプトデータやDPCデータ、日本外科学会のNCDや国立病院機構のNCDAなど多岐にわたりまして、それぞれの機関に分散しておりましたり、私たちも大分苦労したんですが、研究者がデータを囲い込んで、なかなか使わせてもらえなかったりということがございます。 そういう点で、少なくない投資をしてデータの整備をそれぞれの施設でされておられるわけですから、その御苦労は理解できるんですが、そもそもデータは誰のものかというふうに考えれば、やはり患者さんのものであり、国民共有のものであるはずと考えております。 そういう点で、産学官民が広く利用して、国民にその成果を還元する、そういうことが重要だというふうに考えております。 そこで、個人情報には、要配慮情報として最大限の配慮はされておられるというふうに聞いております。国民が負担している社会保障資源を利用したデータは国民共有の財産なんだという考え方に基づきまして、健常者も含めた国民の健康に資する悉皆データを構築すればどうだろうか、そういうような御意見でありますとか、また、産学官民が二次利用していくのにどこまでデータを提供して使用可能であるのか、現時点で想定されている点をお教えいただければと思います。
○鈴木(康)政府参考人 ビッグデータの公表、それから患者への、国民への還元等についてお尋ねがございました。 現在、特定健診それから医療レセプトの情報等につきましては、厚生労働省のナショナルデータベース、NDBと申しますけれども、ここで、御指摘のような個人情報でございますので、安全管理を徹底した上で研究者に対するデータの第三者提供を行っております。 これは使用目的等をきちっと見させていただいた上で開示をしているわけですが、この際、研究者に対しては、先生御指摘のように、データはそもそも国民の方たちの貴重な財産であるという観点から、研究結果を対外的にきちんと公表するということを求めております。 また、先ほど古屋副大臣の方から申し上げましたけれども、健康、医療、介護のデータの連結を行った場合、情報管理は当然ですけれども、産官学でそのデータがきちんと活用できるようにしていくことを検討したいというふうに思っております。 御指摘のように、国民の皆様にはきちんと成果や果実が還元されるということが極めて重要ですので、関係者の御意見も伺いながら、そういうことをしっかりと検討してまいりたいというふうに思っております。
○大隈分科員 データの利活用への期待が膨らむ一方で、人工知能、AIなどICTの利活用を広げていくことで、医療、介護の現場の過重労働の改善や、あるいは患者さんや利用者さんが受けられるサービスの質的向上の面でも期待できるというふうに考えております。 今回のプロジェクトにおきまして、そういう点での想定される効果や、今までも導入された事例で具体的に何か効果があったもの、改善効果やプラスになった面、メリットがあった面というものをお聞かせいただければと思っております。
○神田政府参考人 厚生労働省におきましては、昨年十月に新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会を立ち上げまして、多死社会の到来ですとか地域包括ケアの推進、またICTとかAIの発展などの医療を取り巻く環境の変化を踏まえました新たな医療のあり方と、そのあり方を踏まえました医師、看護師等の新しい働き方、確保のあり方についての検討を行っているところでございます。 この検討会におきましては、医療情報技術の専門家から発表をいただいておりますけれども、例えば、スマートフォンを活用して、CTとかMRIなどの画像を専門医に送りまして診断支援を実施することによって、脳卒中の診断時間が四十分短縮をした、入院日数が一五%短縮をされた、また、スマートフォンによりまして、病院での会計ですとか薬局との処方箋のスムーズな共有を行うことによりまして外来患者の待ち時間が短縮したといった事例が報告されております。また、人工知能によりまして、がんの原因となる遺伝子変異を分析いたしまして診断支援を行うことによりまして、通常分析に二週間以上必要なところを十分程度へと大幅に短縮されたなどの事例が報告されているところでございます。 また、介護分野におきましては、介護現場で働く方の事務負担の軽減を図るために、タブレット端末を用いたサービス提供記録の入力効率化、介護従事者間の情報共有などをモデル的に実施いたしまして、その効果をはかる取り組みを行っているところでございます。 また、こうした取り組みに加えまして、厚生労働省では、保健医療分野におけるAI活用推進懇談会を開催いたしまして、診断支援も含めました保健医療分野でのAIの活用に向けて課題の洗い出しや対応策を検討しておりまして、本年春までに懇談会の報告書を取りまとめることとしております。 引き続き、新たな情報技術の進展も踏まえながら、医療従事者、介護従事者の負担軽減を見据えた検討に取り組んでいきたいというふうに考えております。
○大隈分科員 ありがとうございます。 お聞きしておりますと、何か夢のような、いいことばかりのような気もするわけでございますが、その膨らむ期待というものは大きいわけですが、自分が経験しました、思い出しただけでも膨大なデータですから、それを目的に沿って抽出して、正確に解析していくというのはやはり非常に大変な作業であって、多くの人手も要するものだというふうに考えております。 もちろん、今までの支払基金での審査など紙ベースの膨大な作業に比べれば天国と地獄になるわけですが、やはりこのプロジェクトを進めていくにも、国としても大きな投資が必要となってくるでしょうし、また、さまざまな問題も生じてくるものだというふうに考えております。 それぞれの機関が所有するデータを統合していく場合の最終的な帰属であったり、あるいは、今どの分野でも問題になっておりますが、セキュリティーの管理など、どんなリスクを想定して対応していくべきか、お聞かせいただけたらと思います。
○大橋政府参考人 お答え申し上げたいと思います。 患者、国民の医療情報ということに関して、その取り扱う場面ということについて、まず二つのケースをお答えしたいと思います。 一つは、医療機関において、患者への診療のために診療情報を管理、利用する場面、まさに現場の病院、診療所等で医師が患者に向き合う際にこの種の患者の情報を活用するという場面であります。 いま一つは、厚生労働省において、医療費適正化計画の作成、実施、あるいは評価ということのためにレセプトの情報を匿名化して管理、利用する、いわゆるビッグデータのような形での利用という場面がございます。 御指摘がありましたように、この種の情報のセキュリティー対策ということが極めて重要な課題になってまいりますが、この点について、さきに申し上げた医療機関における診療情報の管理、利用については、厚生労働省が医療情報システムの安全管理に関するガイドラインというものを定めて、医療情報を取り扱う際の遵守すべき事項ということを定めてこの徹底を図っていくという取り組みを進めております。 一方、厚生労働省自身がレセプト情報等の管理、利用を二つ目の場面については行いますので、これは、厚生労働省情報セキュリティポリシーに基づいて、みずからがしっかりとそのセキュリティー対策を講じていくということに取り組んでいるところであります。 具体的には、その情報システムについて、組織的な安全対策であるとか、技術的な安全対策、そして人的安全対策、こういったことにしっかりと取り組んでいく必要がございます。こうしたことの周知徹底をするなどして必要なセキュリティー対策をしっかりと講じてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○大隈分科員 ありがとうございました。 ICTの利活用は、先端医療、創薬のイノベーションを劇的に加速させるだけではなく、例えば、現場の後で疲れた体で紙ベースでレポートを作成されておられる介護の皆さんの現場など、医療、介護の負担軽減や長時間労働の改善に役に立つと大いに期待しております。国民のさらなる理解を得て、速やかなデータヘルス社会の実現へ向けて頑張っていただきたいとエールを込めまして、最後の質問に移らせていただきます。 さきの国会で、改正がん対策基本法が成立いたしまして、新たな取り組みとしてがん教育の推進が盛り込まれました。国民病とも言えるがんについて、お父さんやお母さんががんになってしまってどう受けとめてよいかわからない、あるいは子供のころにクラスメートが小児がんになってしまった、そんな経験をしておられるお子さんも少なくないというふうに考えております。また、依然として大きな改善が見られていない我が国の脳死臓器移植についても、切れ目のない継続した国民的な意識の喚起でありますとか理解が不可欠になっているというふうに考えております。 国民レベルで学童のころから、がんや臓器移植や保険診療、あるいは健康づくりについて学ぶ機会というものは私は大変重要だと思っておりますが、それぞれ厚生労働省と文科省におきまして、その御評価や認識についてお聞かせいただきたいと思います。
○福島政府参考人 臓器移植についてでございますけれども、臓器移植について考えてもらう機会とするために、平成十六年度から全国の中学校三年生向けに臓器移植のパンフレットを配付しております。平成二十八年度は、全国約一万校の中学校に対しまして百六十五万部のパンフレットを配付いたしました。 ただ、この二十七年度のパンフレットの活用状況等の調査をしたところ、四百三十一校からの回答がありましたけれども、授業で活用した学校は百七校、今後活用予定の学校が百九校ということで、活用しなかった二百十五校からは、その理由について、授業で活用する機会、時間がなかったという回答が百五十九校で最も多く、また内容が難しいという回答も五十二校ございました。 今後、私どもとしては、教育現場で実際にパンフレットを活用して授業に取り組んでいらっしゃる先生方の御意見を参考にして、パンフレット内容の改善等に取り組み、また、文部科学省とも連携し、教育現場においてより有効に活用いただけるように努めまして、臓器移植に関する国民への普及啓発を推進してまいりたいと考えております。 また、がん教育につきましては、文部科学省において推進していただいておりますけれども、私どもも専門家の派遣等についていろいろな形で御支援もしておるところでございますし、引き続き、第三期の計画の中でも位置づけていくことになろうかと思いますので、また、それについても同じように取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○樋口大臣政務官 がん教育についてお尋ねをいただきました。 がんは、日本人の二人に一人がかかると推計をされておりまして、国民の生命と健康にとって重要な課題となっており、学校における健康教育においてがん教育を推進することは大変重要だと認識をしております。 昨年の十二月にがん対策基本法が改正をされまして、がんに関する教育の推進などが新たに盛り込まれるとともに、この改正法の趣旨を反映して本年夏を目途に制定をする次期がん対策推進基本計画においては、がん教育などをさらに推進するための方策が盛り込まれるものと承知をしております。 これらを踏まえまして、文部科学省といたしまして、平成二十九年度以降、全国に展開をすることを目指して各種講習会や協議会等の場において都道府県等の担当者に向けて趣旨の徹底を図るなど、がん教育をさらに推進してまいりたいと思います。 大隈先生におかれましては、がん治療のスペシャリストで専門医でもいらっしゃいますので、ぜひこういう外部講師ということで御指導、御協力を賜ればありがたいというふうに思っております。よろしくお願いします。
○大隈分科員 ありがとうございます。 今、樋口政務官から外部講師というお話がありましたが、私も経験したことが実はありまして、忙しい中、外部講師に行くわけですね。でも、帰ってくると、子供たちの前で授業をすることはほとんどありませんから、必ずみんな喜んで帰ってくるんですね。行ってよかったという印象が、感想がほとんどだと思います。遠慮なさらずに近隣の医療機関に、拠点病院等にやはりじゃんじゃん働きかけていかれればさらに加速していくんじゃないかなというふうに思っております。 また、地元でも私は樋口政務官の演説を聞かせていただいたことがあるんですが、がんについて御家族の心情を非常に深く理解しておられる御経験もあろうかと思います。やはりそれぞれの方にとって他人事ではないという時代になってまいりました。加速度的にさらに教育現場での取り組みをお進めいただきたいと思います。 何よりも、本事業の推進には厚労省と文科省の円滑な連携が不可欠だというふうに考えております。先ほども平成二十九年度以降の目標を少し聞かせていただきましたが、現時点での進捗状況、あるいは先行して実施されておられる教育プログラム、学習指導要領などもそうかもしれませんが、その中間評価といいますか、現時点での評価でありますとか検証、そして早期実現に向けて何かネックになっているようなところがもしございましたら聞かせていただきたいと思います。
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。 文部科学省では、平成二十六年度からがんの教育総合支援事業というものを実施しておりまして、この中で有識者で構成される検討会を設置し、今後のがん教育のあり方について検討を行い、さらに地域の実情を踏まえたモデル事業を実施してきているところであります。 この検討会の中におきましては、がん教育の定義や目標などの学校におけるがん教育の基本的な考え方に加え、外部講師の確保、教材や指導参考資料の作成などの今後の検討課題について議論の上、平成二十六年度に学校におきますがん教育のあり方についての報告を取りまとめております。 さらに、平成二十八年度のモデル事業におきましては、二十六都道府県、指定都市において百三十七校の小中高等学校を指定し、医師やがん経験者などの外部講師を活用したり、文部科学省が作成した教材を実際に活用いただきながら内容についての改善点等の意見を集約することとしております。 今後、モデル事業の成果等も踏まえまして、厚生労働省さんと連携をし、外部講師の確保に努めますとともに、教員や外部講師の資質向上を目的とした研修会を内容とする事業を実施するなど、がん教育の一層の推進に努めてまいりたいと考えております。 以上であります。
○大隈分科員 ありがとうございます。 小中高、そして大学でも、それぞれの発達段階や年齢と環境に合わせて、やはり切れ目のないがん教育や臓器移植への理解というものは必要不可欠だというふうに考えております。 救えるはずの命をもっと救っていく、健康な人はさらに健康になる社会の実現を願いまして、以上で私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○菅原主査 これにて大隈和英君の質疑は終了いたしました。 次に、真山祐一君。
○真山分科員 お疲れさまでございます。公明党の真山祐一でございます。 本日、分科会におきまして質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。 また、塩崎大臣におかれましては、先般の予算委員会の質疑で、福島の人手不足対策、そしてまたブラックバイト対策について非常に前向きな御答弁をいただきましたこと、この場をおかりして感謝を申し上げさせていただきます。 それでは、早速内容に入らせていただきたいと思います。 まず一点目に取り上げさせていただきたいのは、昨今も待機児童の問題がいろいろクローズアップされておりますけれども、中でも小規模保育事業についてお聞きさせていただきたいと思います。 言うまでもないことでございますが、待機児童につきましては、ゼロ、一、二歳が非常に多いということ、また都市部に集中しているということでなかなか保育園をつくる用地が確保しにくい、そういった課題、問題意識の中から、平成二十七年に小規模保育事業が創設をされたわけでございます。 しかし、これも既に御承知いただいていると思いますけれども、いわゆる三歳の壁という課題が浮き彫りになってまいりました。三歳の壁というのは、小規模保育からいわゆる保育園に、ゼロ、一、二の小規模保育が終わって三歳以降の施設に移ろうと思ったときに希望する施設が見つからない、行き先がないという問題でございます。 実は私、東北比例ブロックの選出でございまして、念頭にあるのは宮城県の仙台市でございますけれども、ここの仙台市のある小規模保育事業所の方を訪問してお聞きいたしましたら、まさにこの三歳の壁にぶつかっておりまして、園長さんみずからが本当にあちこち保育園に連絡をして、何とか受け入れてくれませんかということを直接交渉しながら確保に努めている、実際、確保し切れないことも多々ある、全て断られてしまうこともしばしばだ、そんな御苦労話をお聞きさせていただきました。 待機児童の問題に関しましては、この予算委員会でもいろいろ審議がございましたけれども、想定以上に女性の社会進出、活躍が進んできたことによって、また、保育環境が整備されていくことによって潜在的ニーズもどんどんどんどん引き出されてきている、そうした中でこういった課題が出てきているというふうな認識はしておりますけれども、待機児童対策として小規模保育を充実させながらも、三歳の壁という新たな課題が出てきたわけでございまして、この三歳の壁について厚生労働省の見解をお伺いさせていただきます。
○吉田政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘のとおり、この小規模保育事業、事業の対象年齢は原則ゼロ歳から二歳という形にしてございますけれども、三歳以降の継続的な保育確保をあわせて行うことが十分必要であるという認識は、私どもも全く同じような立場に立ってございます。 これまで、政府といたしましても、三歳以降の受け皿となります保育園、連携施設の確保を促進していただく、あるいは、幼稚園型の一時預かりなどを実施していただくということをお願いしてまいりました。 さらに、平成二十九年度の予算案におきましても、保育園などと小規模保育事業所との接続ですとか調整をしていただくためのコーディネーターを保育園に置いていただくというような形で、接続、調整ができるようにするための費用支援というものを盛り込ませていただいております。 私どもとしても、これらの施策を通じて、引き続き、保育の実施主体であります各市区町村の取り組みを強力に推進し、おっしゃっていただいておりますように、小規模保育事業からの円滑な移行というものを促進してまいりたいと考えております。
○真山分科員 厚労省としても認識いただいておりまして、また、来年度予算の中で、保育園と小規模保育との接続、連携の支援、コーディネーターの充実を図っていくというお話でございまして、ぜひ進めていただきたいと思いますけれども、児童福祉法には、市町村には必要な保育を確保する義務というのが明記されているようでございまして、そういう意味では、三歳の壁を乗り越えていくためには、先ほどのいわゆる支援事業も活用しながら、市町村の方に頑張っていただかなければならないのかなというふうに思っております。三歳の壁が小規模事業者にとってもある意味経営のリスクになっておりますので、ぜひお願いさせていただきます。 そして、この小規模保育事業、先ほど三歳の壁というお話をいたしましたけれども、五年間の経過措置として、事情がある場合に限って、一定の条件のもと、小規模保育において三歳以上児、三歳以上のお子さんを受け入れることに対する特例給付があるわけでございます。この認可というのは、市町村が行うわけでございます。しかし、この特例給付の五年間の経過措置ということが市町村に余り浸透していないのではないかというような指摘も、小規模保育事業者の団体の方からも寄せられておりまして、恐らく、厚生労働省としても認識をされていると思います。 この経過措置、特例給付の現状と、また、市町村に対する周知についてどのような状況であるか、厚生労働省にお伺いさせていただきます。
○吉田政府参考人 お答えいたします。 先ほど御指摘いただきましたように、この小規模保育事業、二十七年度に創設いたしました背景としては、当時、ゼロ歳から二歳の待機児童が全体の八割を占めるということを踏まえて今の仕掛けにさせていただいておりますが、委員御指摘のように、現行の児童福祉法上におきましても、三歳以上の児童に係る保育の体制の整備の状況その他地域の事情を勘案して、保育が必要と認められる場合とした上で、三歳以上のお子さんを受け入れることが可能となってございます。 また、今、御質問の中に、事業者側にとっての経営上のリスクという御発言もあったかと思いますけれども、公定価格においては、一、二歳児を受け入れた場合の単価から、小規模保育事業所の場合には一定の割合を減じた額という形になっておりますけれども、三歳以上の児童の利用が利用定員の三割未満という場合には、一、二歳児と同じ配置基準に基づく単価というものを適用させていただいておりまして、そういう現場の声にもいろいろ配慮はさせていただいているところでございます。 さりながら、十分PR、あるいは浸透していないんじゃないかという御指摘でございまして、私どもとしては、昨年の待機児童解消に対する緊急対策におきまして、小規模保育園等の卒園児が引き続き保育を受けられるよう、各自治体に対して三歳以降も継続的に利用可能なことをお示ししておりますけれども、重ねて、いろいろな機会を活用しまして、この点については周知徹底をさせていただきたいというふうに思っております。
○真山分科員 恐らく、各地域によって実情がさまざまなんだろうと思います。恐らく、待機児童一つとっても、また小規模保育事業という一つの事業をとっても、やはりその地域地域で実情が違って、場合によってはルールが違うということもあるようでございまして、そういった地域事情もいろいろ勘案しなければいけないということは重々承知でございます。 そういう中で、当然、コーディネーターといいますか、中軸を担うのはどうしても市町村の役割でございまして、そこをやはり厚生労働省としても強力にバックアップしていただきたいなというふうに思っています。当然、給付の部分でもバックアップいただきたいと思いますし、そういったコーディネートというところに関してもお力添えというか後押しをしていただきたい、このようにお願いさせていただきます。 そして、これは大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、ゼロ、一、二歳児と三歳以上児では当然、発育のステージが異なります。当然、ゼロ、一、二歳であればより手がかかるというか、なかなか目を離すこともできない状態でございますけれども、一方、年齢が上がっていくと、今度は、言葉を覚えてまいりますので、当然、コミュニケーションが必要になる、また、そういった集団の中での教育的な一面もあろうと思いますし、当然、活動量もふえてまいりますので、あちこち行ってしまう。そういった観点でいうと、やはり小規模事業の施設の中ではなかなか窮屈なのではないかとかいろいろあるわけでございます。 そういったいろいろな諸条件はありまして、当然、いわゆる保育の質は間違いなく維持しなければなりませんし、それを大前提とした話ではございますけれども、今後、この小規模保育事業を全年齢化もしくは三歳から五歳も可能にしていく、そんなことが今、国家戦略特区のワーキンググループで議論されているというふうに承知をしておりますけれども、この小規模保育の全年齢化ないし三歳から五歳ということに関しまして、厚生労働大臣の御所見をお伺いさせていただきます。
○塩崎国務大臣 今お話しのように、小規模保育事業、これについて、まだまだ待機児童がいる中で、三歳の壁というお話をいただきましたが、いろいろな工夫をせないかぬということで、特に都市部において三歳以降についても十分な受け入れが確保されていない、こういうことで三歳の壁があるわけでございますけれども、今般、国家戦略特区の制度を活用して、待機児童の多い国家戦略特区内に限って、ゼロ歳から五歳の子供さんを対象とする小規模保育事業を認めることとしているわけでございます。 全国における小規模保育事業の対象年齢拡大につきましては、今御指摘があったように、発育の段階に従って活動範囲もコミュニケーションの程度も変わってくる、そういうことを十分踏まえた上で、質が低下しないことが大事だというのはもうそのとおりだと思います。今後、この国家戦略特区での実施状況などを踏まえて取り扱いをしっかりと検討していかなければならないというふうに考えております。
○真山分科員 きょうは小規模保育だけの話をしてまいりましたので、恐らく、保育全体の、それこそ、こども園をどうするか、幼稚園をどうするかとか、認可保育園とか、認可外とかもありますけれども、そういった総合的に判断をする中で小規模保育をどうするかという議論は当然あろうかと思いますし、それを踏まえた上ででございますけれども、ぜひ、これからの話ではありますけれども、この国家戦略特区の実証といいますか、検証も含めて今後の保育の充実を図っていただきたいなというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 では、次のテーマに移らせていただきたいと思います。 次は、障害者福祉についてお伺いしたいと思いますけれども、中でもとりわけ重症心身障害者・障害児についてお伺いをさせていただきます。 重症心身障害者の方は、ほとんど寝たままで自力では起き上がれない、また、移動も寝返りも困難、排せつも全介助などの障害状態である方でございます。当然のことながら、介護をしてくれる人がいなければ生きていくことがままならないという状態でございます。 実は、私、先日、重症心身障害児を支えるというか育てていらっしゃるお母さん方といろいろ意見交換をさせていただきました。このお母さん方はやはり我が子の将来を大変案じておりまして、当然、現在進行中でございますので大変御苦労されている中ではありますけれども、我が子の未来を案じ、そしてまた同じような御苦労をされている御家族のことを思って、いろいろ勉強を重ねて、こうした方がいいんじゃないかという、そんなさまざまな御提言というか御意見もいただきまして、私自身も大変感銘を受けたところでございます。 そうした意見交換も踏まえて少しお聞きをさせていただきたいと思うんですが、重症心身障害者の方は、いわゆるたんの吸引など医療的ケアを必要といたします。そうした観点からしますと、いろいろな福祉施設があるわけでございますけれども、医療的ケアができる施設というとかなり絞られてくるわけですね、施設であったり、サービスもそうでございますけれども。 そうした中、親亡き後という議論がいろいろありますけれども、このことを思うと、やはり入所施設が、入所できる施設が少ないということについても大変心配をされております。また、当然、御家族がつきっきりで介護することになりますので、いわゆるレスパイトケアが必要であるという認識はあろうかと思いますけれども、しかし、短期入所また通所施設も大変少ない、医療的ケアができるという観点では少ない中で、なかなか利用できないという実態があります。 仮に運よく身近にそういった受け入れ可能な施設があったとしても、大変忙しい施設、これは病院なんかが想定されるわけでございますけれども、大変看護師の方も忙しいようでございまして、排せつしてもなかなかかえてくれないとか、また、ちょっとひどい話だなと思ったのは、窓際に寝かされて、暑い日差しがずっと一日じゅう照って、しかし本人は意思表示もできない、寝返ることもできない、本当にやけどみたいな状態になってしまうような話もあるようでございます。 これは当然、その病院の体制云々ということもそうでございますけれども、やはりそもそも病院と介護するという環境はなかなか難しい関係性があるのではないかと思っておるんですが、こうした質が問われるような話もあるわけでございます。 そういったことも踏まえて、現在、政府において、障害福祉計画及び障害児福祉計画に係る基本指針の見直しが行われているというふうに承知をしておりますけれども、重症心身障害者用の福祉施設、サービスも含めて、さらなる拡充が私は必要と考えているところでございますけれども、厚生労働省の見解をお伺いさせていただきます。
○堀江政府参考人 お答え申し上げます。 重症心身障害児者、知的障害と肢体不自由の重複障害をお持ちになっているような方でございますので、本当に、今委員おっしゃられましたように医療的ケアが欠かせない人たちでございまして、そうした方々へのサービス提供体制の整備、これを計画的に進めることが重要でございまして、地方公共団体におきまして、サービス提供体制の確保に係る目標とか、サービスの種類ごとに必要な量の見込みなどについて計画を定めることが必要と考えてございます。 昨年五月に成立しました障害者総合支援法及び児童福祉法の改正におきまして、これまでの障害者の福祉計画の策定に加えまして、新たに都道府県及び市町村において障害児の福祉計画を策定することが義務化されたところでございまして、それは平成三十年度からスタートするものでございます。 その初めての障害児福祉計画に向けまして、本年三月に基本指針を全国に示す予定でございまして、そうした中で、児童発達支援、放課後等デイサービスの通所につきまして、重症心身障害児を支援する事業所の確保を成果目標として盛り込むこと、より具体的には、主に重症心身障害児を支援する事業所につきまして、各市町村に少なくとも一カ所以上確保することを基本とするなどの目標を設定することを予定してございます。 また、その他のサービス、これは入所、通所含めてでございますけれども、重症心身障害児者を含めまして障害児者の入所及び通所のニーズをよく把握していただいた上で、ニーズに応じた支援が身近な場所で提供できるように、サービスの種類ごとに必要な量の見込み等について計画を定めることを基本指針に盛り込むことを予定してございます。 これを受けまして、地方公共団体におきまして、地域のニーズを把握した上で、重症心身障害のある方を支援する入所及び通所の施設、事業所を計画的に整備していただくことになりますけれども、厚生労働省といたしましても、入所及び通所の施設整備ですとか、そうしたことへの支援を適切に行ってまいりたいと考えてございます。
○真山分科員 今いただいた答弁、非常に重要な御答弁をいただいたというふうに思っております。特に重症心身障害をお持ちの方に、ある意味でいえば政策の重点を少し寄せていくような、そんな趣旨に私は思っておりますけれども、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 そして、施設の不足もさることながら、医療的ケアが提供できる人材の不足ということも指摘をされております。 医療的ケアでございますけれども、例えばたんの吸引なんかは研修を受ければできるわけでございます。しかし、圧倒的に人材育成が追いついていないのではないかというような指摘もあるところでございまして、まさに育成の仕組みをさらに加速していくべきであると考えております。 また、これはかなり具体的な話ではありますけれども、例えば、病院のほか障害者福祉施設などに短期入所する場合に、ふだんお世話になっているヘルパーさんがそのまま介護してくれると、ヘルプしてくれると大変ありがたいというお話もあります。逆に言うと、今はなかなか病院だと入れないというのもありまして、こういった人材に関するニーズもあるわけでございます。 この二点について、厚生労働省の見解をお伺いさせていただきます。
○堀江政府参考人 お答え申し上げます。 医療的ケアに対応可能な人材の育成について、まずお答え申し上げます。 厚生労働省で、サービスを行う職員ですとか、あるいは福祉、医療等の各種支援を調整するコーディネーターの養成カリキュラムを作成して、本年度から、職員及びコーディネーターを養成するための研修を実施する自治体に対する補助を開始しているんですけれども、二十九年度予算案では、医療的ケア児等コーディネーター養成研修等事業ということで、サービスを提供する方も含めてなんですけれども、地域生活支援促進事業というところで、これは新たに設定する予算でございますけれども、国として促進すべき事業として位置づけまして、都道府県及び政令指定都市六十七カ所において研修が行えるように予算案に計上してございまして、医療的ケアを必要とする方々への支援により積極的に取り組んでいきたいというふうに考えてございます。 二つ目のお話は、医療機関に入院した重度障害者、そういう方には、おうちにいるときにはヘルパーさんがついていて、病院に入ったときに、病院の中でサービスが完結すればそれが一番いいわけですけれども、やはり、体位交換の際に自分に合った姿勢を看護師にスムーズに伝えられずに苦痛を感じる方ですとか、環境や生活習慣へのこだわりをスムーズに伝えられずに、それに応じた支援がなされないことにより強い不安を感じる方というのがいらっしゃるというような指摘もございまして、先ほど申し上げました昨年五月に成立いたしました障害者総合支援法におきまして、重度訪問介護につきまして、これまでは居宅ということだったわけでございますけれども、入院中も、御本人の状態等を熟知したヘルパーの支援を引き続き受けられるようにいたしました。 そういう改正が成ったわけでございますけれども、これの施行は平成三十年四月からでございまして、具体的な対象者として、障害支援区分六に該当するような、四肢の麻痺があり、寝たきりの状態にある方や、知的障害や精神障害により行動上著しい困難を有する方など、支援の緊要度が特に高い方とするということで、詳細につきましては、制度の施行までにさらに検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○真山分科員 次に放課後デイサービスの件についてもお聞きする予定でございましたが、ちょっと時間が迫ってまいりましたので次の質問は飛ばさせていただきますけれども、先ほど御答弁の中でも、基本指針の中で盛り込んでいく趣旨の御答弁はいただいておりますので、それにしっかり取り組んでいただきたいということと、放課後デイの経営者の方も、大変真面目にやっている方は大変苦労しております、人材の確保も含めて。質の悪いのがいるのも重々承知でございますけれども。こうした真面目な経営者がしっかり事業が成り立つように、報酬改定も含めて今後の検討課題にしていただきたいと思いますので、要望だけさせていただきます。 そして、最後のテーマになりますけれども、慢性疲労症候群についてお伺いをさせていただきたいと思います。 慢性疲労症候群、実は、私も先日、青森県の、もしかしたら厚労省の方は御存じかもしれませんけれども、慢性疲労症候群の支援ネットワークの方と懇談をしてまいりました。 この方は、二〇〇九年に発症したわけでございますけれども、今現在は、電動車椅子がなければ移動も困難というか、もうできない状態でございまして、当然、ヘルパーさんの介添えがなければ生活もままならないという状態でございます。 しかし、この慢性疲労症候群、診断基準もまだ作成されていないということもあり、また、お医者さんの中でもまだまだ認識が広がっていないというか、なかなか難しい判断があるようで、診断、治療にたどり着かない患者さんも多いように聞いております。 実際、東北地方では専門医はお一人だけと聞いておりまして、当然、総合診療の中で取り組まれる方もいらっしゃるんですけれども、私がお話をお聞きした方は、年に数回でありますけれども、わざわざ大阪の専門医まで行って、病院に行って診療されているという方でございました。 こうした慢性疲労症候群でございますけれども、なかなか診断が難しいということもあって、世間一般では、単なる怠け者じゃないかというような誤解もされているようでございまして、それがゆえになかなか、一般的な就労であるとかも大変だというような話もございます。 この慢性疲労症候群に関する診療体制について、また取り組みについて、厚生労働省の見解をお伺いさせていただきます。 また、ちょっと時間も迫っておりますのであわせてお聞きさせていただきますけれども、先ほど言いましたとおり、慢性疲労症候群、単なる怠け者という判断をされがちでございまして、例えば教育現場に行きますと、当然、子供にそういった症状が出ても、みずからがそんな状態なのでわかりませんし、病院に行っても、風邪じゃないかとか精神的なものじゃないかというふうに言われて、それがゆえに、これが不登校やいじめの要因にもまたなってしまうという現実もあるやに聞いております。そういった意味では、いろいろな病気があるのは承知ではございますけれども、教育現場についてもこうした周知の必要性を私は感じております。 この点につきまして文部科学省に伺い、一点目は厚生労働省にお伺いさせていただきます。
○福島政府参考人 お答えいたします。 慢性疲労症候群は、全身の神経系や免疫系あるいは内分泌系などの異常に基づく複雑な病態と言われておりまして、いまだその明確な病因や病態が解明できていない症候群である、こういうふうに承知をしております。 先生御指摘のように、こういう複雑な症候群に対してどの医療機関を受診してよいのかわからず、お困りの患者さんもたくさんいらっしゃる、そういう声も聞いておるところでございます。 診療体制を整備していくためには、まずは、病因や病態の解明とともに、客観的な診断基準などを確立して、それに基づく診療が可能な環境をつくっていく、こういうことが必要であろうと考えております。このため、現在、血液検査や画像検査等の客観的な方法によって診断をする研究、あるいは国内外の治療法の評価を行う研究、これが進められております。 私どもとしては、診療体制を整備するためにはこれらの研究がまずは必要であると考えておりまして、引き続きこの研究を支援してまいりたいと考えておるところでございます。
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。 慢性疲労症候群の症状を訴える児童生徒について、学校において教職員が正しく理解し、適切な配慮を行っていくことは重要と認識しております。 他方、今ございましたとおり、病態等が不明な点が多いことから、文科省としましては、厚生労働省における研究の検討状況も踏まえた上で、医師や学校関係者の意見を参考にしながら、その対応について検討をしてまいりたいと考えております。 以上です。
○真山分科員 この慢性疲労症候群につきましては、研究が厚生労働省を中心に進められているのは承知をしておりますし、また、昨年十二月からですかね、新たな研究もスタートしたやに聞いております。いずれにいたしましても、この診断基準が作成され、そして、できれば診療方法が確立していくというのが患者の求められている、待ち望んでいることでございますので、そういった意を酌んでいただいて、さらに施策を進めていただきたい、このように思いますので、その点、最後にお願いさせていただきまして、これで質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○菅原主査 これにて真山祐一君の質疑は終了いたしました。 次に、今井雅人君。
○今井分科員 民進党の今井雅人でございます。 きょうは、大臣、ありがとうございます。 年末年始、十二月、一月ぐらい、ずっと地元の医療施設、介護施設、障害者施設、何十カ所か回ってきまして、あと、旅館、民宿、それから農業をやっている皆さん、いろいろな方とちょっとお話をしてまいりまして、いろいろな声がありました。きょうは分科会ということでもございますので、私のところは岐阜県の田舎ですけれども、恐らく四国でもそういうところはたくさんあると思いますし、同じような状況じゃないかと思いますので、少し、実際にいただいた具体的な話を例にして、要望も含めて議論してまいりたいと思います。 話の前段なんですけれども、よく安倍総理が、四年間で雇用が非常によくなって、雇用の改善が一番大事だ、有効求人倍率が四十七都道府県全部一倍を超えたというふうにおっしゃっておられますけれども、もちろん、雇用が回復することはとてもいいことです。有効求人倍率にしても、一倍に行くところまでは私はいいことなんだと思うんですけれども、問題は一倍を超えた後なんですね。もちろん、業種ごとのでこぼこという問題ももう一つあるんですけれども、感覚的に言うと、一・一とか一・二を超えてくると、逆に人手不足で仕事が回らないという状況になってくるということなんですね。 例えば、一つの例を言いますと、今、訪日の観光客が非常にふえたので、私のところの飛騨高山、今、年間四百万人を超えて、ホテルの稼働率は八〇%から九〇%、物すごい回り方をしています。大体、旅館業というと六割ぐらいですから、すごく回っているんですが、ところが、ここで今問題が起きていまして、お客様はまだいらっしゃるんですよ、部屋もあいているんです、でも、サーブする人がいないので、あけられないんですね。部屋があいているのに営業ができないという状態が起きています。 ですから、まず基本認識ですけれども、ここまで雇用が回復したのはいいと思いますが、ここからは余り、有効求人倍率が一・何倍になった、何倍になったと言うのは逆に弊害が出ているところもあるという、その御認識を大臣にぜひしていただきたいということで、まずその御見解をいただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 私も去年十一月に飛騨高山へ行きました。JRのホームに白人の観光客がいっぱいいて、びっくりしました。道後温泉、ちょっと負けているなと改めて思いました。そして、町じゅうがいろいろなお店も含めて潤っているということを聞いて、インバウンドがふえているというのは本当にふえているんだなということを改めて感じました。 今、有効求人倍率について、一倍を超えるまではよかったけれども、そこから先はなかなかいろいろ問題があるね、こういう話であります。 昨年の十二月が一・四三ということで、これは確かに二十五年五カ月ぶりという高水準でありますし、また、四十七都道府県全部というのは、それ自体は本当に私は歓迎すべきことだというふうに、総理が言うとおり、思います。 雇用情勢は確実に改善が進んでいるということですが、一方で、求職者から見れば、仕事の選択肢が広がるという意味で望ましいわけですけれども、天井にぶつかるという問題があることを私もよくわかっております。 これはやはり、潜在成長力が低下したままということについて、我々は今、かつての三本目の矢、これで解決をしていかなければいけない、構造改革をやっていくことなんですが、生産関数というのは基本的には資本と労働とあと技術ですから、この資本と労働をどうするのかということを考えなければいけない。そんな中で働き方改革が出てきているというふうに思いますし、また、今後、外国人の働く人たちをどう考えていくのかということも当然考えなきゃいけないわけであります。 当然、生産性を上げるということは、まさに技術そのものをどうするのかということで、当面解決させていかない限りは無理ですが、しかし、生産性の向上だけで、では、今おっしゃったような、例えば建設、介護、旅館、ホテル、こういったところでの人手不足に答えが全部出るかというと、なかなかそうもいかないということでありますので、こういった人手不足についてもよく考えて、今後、経済政策全体をどうするのか、この組み合わせをよく考えなければいけないというふうに思っておりますが、一番は、やはり潜在成長力が下がってしまったままではいけないということだというふうに思います。
○今井分科員 まさにそうで、今〇・九ぐらいまで計算上で上がってきましたけれども、潜在成長率を上げるのはとても大事なことですので。 私が申し上げたかったのは、今まで有効求人倍率をメルクマールにしてきた、ここまではよかったですけれども、ここからどんどん伸びていくからいいんだというよりも、ちょっとやはり視点を変えていかないと、逆に、人材の需給が逼迫していることをそのまま容認しているかのようになってしまうので、これからほかに多分、問題が別に起きるんです、もう起きていますし。だから、そちらの方に少し視点を変えていただきたいということをぜひお願いしておきたいと思います。 その上で、今まさに外国人の話が出ましたけれども、介護施設でEPAの方を受け入れられた方もおられました。とてもよくやっていただいているところです、そこはフィリピンの方でしたけれども。 あともう一つは、これは本来は地方の人材を確保するための制度じゃありませんけれども、結果として、その外国人技能実習制度でいらしていただいている皆さんが、ある意味、非常に戦力になっている部分はあるんですね。もちろん業種が限られていますし、いろいろな制約はあるんですけれども、これは技術を学びたい方と労働力が必要な方とのウイン・ウインですので、もちろん趣旨はもともとの制度は違いますけれども、結果としてそういう効果があらわれているということで皆さん使っていらっしゃるんです。 例えば、少し幾つか申し上げるんですが、一つずつお答えいただきたいんです、参考人でも結構ですので。 今、郡上のひるがのというところに、ひるがの大根という、標高九百メーターぐらいのところで夏大根をつくっている専業農家の方がいらっしゃいます。とても去年はもうかったそうです。売り上げを何千万と上げている方がいらっしゃいますから。 ここは実は季節労働者で、夏の間しかやっていないんです。冬は農業をやっていないんです、皆さん。そのかわり、夜七時ぐらいに寝て、朝十二時に起きて、それから二時半ぐらいまで抜いて、午前中に洗って、午後にこうやって出して、また肥料をまいてと、物すごい大変で、一日三千五百本ぐらい抜くんです。 そこに商工会を通じて中国の方が研修生でいらっしゃっていますが、夏の間はいいんですけれども、結局、残りの半年間、仕事をしていないんです、ほかの人たちはスキー場のバイトに行ったりしているので。労働させられないので、結果的に帰国してもらっているんですね、しようがないので。でも、本当は残っていてほしいんですけれども、半年遊ばせておくわけにはいかないので、やむなく皆さんお帰りになられるんです。それで、一年終わりました。翌年またお呼びしようと思うと、この制度、一回行って戻ってくるともう戻ってこられないので、二年目、戻ってこられないんです。別の方が来て、またゼロからで、途中段階の中途半端な技術でまた帰られるということの繰り返しになっているんですね。 ですから、これは運用の問題だと僕は思うんですけれども、本来は働けるところが働けないので仕方なく帰っていらっしゃる人で、本当は、一年、二年、三年、それぞれやってだんだん技術が上がって三年で帰っていただくというのが本来の趣旨なんですが、こういう特殊事情があって帰らざるを得ないという人たちが実際いらっしゃるんです。 こういうところを何とか運用で、何かで認定をするとか、そういうもので少し検討をしていただけないかということをちょっとまずお願いしたいんですけれども。
○佐々木政府参考人 それでは、まず、今御指摘の農業の取り扱いにつきまして、法務省から御報告をさせていただきます。 先ほど先生もおっしゃられましたように、そもそもこの技能実習といいますのは、母国において修得することが困難な技能等を我が国で学び、それをお持ち帰りいただいて技能移転を図るというものとされていますので、原則として、同一内容の技能実習を何回も受けるということは想定をされていないというところでございます。 そして、ここからでございますけれども、過去に技能実習を修了した方が再度技能実習を行いたいという場合ですが、まさに今おっしゃられましたように、より上級の、あるいはより高度な技能等の修得を目的とする技能実習であること、それから、前回一度学ばれた内容が一旦帰られたときに一度生かされているということ、そして、従前と全く異なる職種、業種に係るものではないというような三つの要件を満たし、かつ、再度の技能実習を行う必要性について合理的な理由があるというときには、再度の技能実習を行うことを認めている場合がございます。 いずれにしましても、今御提案のような形態につきまして、再度の技能実習が認められるか否かということは、技能移転による国際貢献という技能実習制度の趣旨に照らしながら判断をしていくことになるものと考えてございます。
○今井分科員 これはしっかり考えていただきたいのは、結局、一年では技術は身につかないんです、農業だって、そんな簡単なものじゃありませんから。だから、二年、三年とやってだんだんと習熟していくものですから、やる内容が別に変わるわけじゃないんです。同じことを続けていないと技能というのは上がらないですよ。そんな簡単に農業ができるんだったら、誰だってやりますから。 だから、それを、やはり何度か複数回来て、三年かけて習熟するということをやることは、来られている皆さんはほとんど農家の皆さんなんです。だから戻ったらやるんです、皆さん。なので、これはこの制度の趣旨にもかなっているんですね。 半年来ただけではやはり習熟できないので、何回か来させていただきたいということですから、その辺を、今ちょっと条件をいろいろおっしゃいましたけれども、そういう点にも照らして、何とかこういうことを運用でできないかということをもう一度検討する、ぜひ検討していただきたいんですが。
○佐々木政府参考人 今委員おっしゃられましたように、ニーズといいますか、どういう研修をさせたいのかということも御相談をさせていただきながら、先ほど申しましたように判断をしていくということになろうと思います。
○今井分科員 わかりました。では、また個別に相談させていただきます。 二番目の話なんですが、私はもともと下呂温泉でございますので、道後温泉とも勝負しております。やはりこちらも、なかなか人手がいないという問題もあるんですが、今ちょうど、おもてなしの、観光を呼び込むということをやっていらっしゃるわけですから、技術というのは、ハードの技術だけではなくてソフトの技術もあるはずなんです。 今、対象は建設業とか製造業だけになっていますけれども、サービス業、つまり接客業、これも日本の一つのソフトの技術のはずなんです。ですから、そういう技能実習制度の観点から照らして、今国がやろうとしているのは、日本のそういうソフト文化を外に広げようと言っているわけですから、旅館業でサービス、接待をする、接客をするということは、その目的にかなっていると思うんですね。 今、報道によりますと、戦略特区で在留資格を緩和してやるというような話もありますけれども、ぜひ、外国人技能研修制度のメニューの中にサービス業も入れていただいて、日本の接客の技術、そういうものも対象にしていくということを検討していただきたいんですが、いかがでしょうか。
○宮野政府参考人 お答えいたします。 技能実習制度の職種でございますけれども、これは、まずもって、サービス業を限定しているものではございません。具体的に、現在でも、サービス業ですと、ビルクリーニングですとか自動車整備というものは入っております。ただ、いわゆる対人サービスについては、現時点においてはまだ対象としては入っていないという状況ではございます。 その中で、技能実習制度の対象の職種を追加するためには、まず、関係業界内の合意をいただく、それから業所管官庁の同意をいただく、その上で、同一の作業の反復のみではないこと、送り出し国の実習ニーズに合致をすること、さらには技能等を評価できる技能実習生向けの試験制度が整備をされていることという要件を満たす必要がございます。 こうした要件を前提にいたしまして、具体的な御相談をいただければ、業所管の省庁とも調整をいたしまして、技能移転を通じた国際貢献という制度趣旨を踏まえて対応してまいりたいというふうに考えております。
○今井分科員 わかりました。でしたら、ちょっと私もお話をして、業界の皆さんで意見集約をするようにお願いをしますので、それができたら所管の省庁に言っていただいて。 試験制度というのは、どういうものが当てはまるかというのは検討の余地があると思うので、それは、今ここにある、例えばこれじゃなきゃだめというわけじゃなくて、ある程度相談できるということですね。
○宮野政府参考人 この試験制度でございますけれども、まず、私どもで技能検定という仕組みがございます。この仕組みがある職種については技能検定を使うということになります。 ただ、現行の外国人技能実習制度の職種もそうですが、この技能検定の仕組みがないものがございます。これは、きちんとした試験機関というものが技能検定に準じた形での試験をしていただくという必要がございますので、その点、業界を中心に御検討いただいて、そうした技能検定と同じような試験をしていただくということになります。
○今井分科員 わかりました。技能検定と同等のようなものを何か考えるということですね。では、それも伝えておきます。 今、まさに、少し例を出していただきましたけれども、ビルクリーニングに関してはビルクリーニング技能士というのがあって、それを受ければ対象になるということだと思いますけれども、これもホテル業をやっていらっしゃる皆さんからも強い御要望がありまして、ビルクリーニングだけじゃなくて、結局、そういうときにはベッドメーキングとかも一緒にやるんですね。 ところが、この制度があるがゆえに、ビルのクリーニングはできるんだけれどもベッドメーキングはできないという状態になって、運営している人たちは実は同じなので、あることはこの人はできるけれども、あることはこの人はできないという状態があって非常に仕事がやりづらいということが、今、ホテル業、旅館業では現実に起きているんです。この問題をちょっと何とか工夫して解決していただけないかということなんですが、いかがですか。
○宮野政府参考人 お答えをいたします。 技能実習制度の対象職種として、ビルクリーニング職種というのが指定されております。これは、いわゆるオフィスビル、それからホテルのようなものも含めて清掃業務を行うというものでございますけれども、現状、御指摘がありましたように、ホテルにおけるベッドメーキングを含みます客室等の清掃業務というのは対象業務から外れております。 この点につきましては、ホテルにおける清掃作業の一連の作業の流れの中にこうしたものも位置づけられるものであるということで、業界団体及び海外から、実習の対象範囲に含めてほしいという御要望が寄せられております。 こうした状況を踏まえまして、職種追加につきましては私どもの専門家会議で検討することにしておりますけれども、この専門家会議においてその適否につきまして議論を開始したところでございます。
○今井分科員 ありがとうございます。 議論が始まったということ、これは業界の方から要望がもう行っているということですね。ぜひ前向きに検討していただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。 次に、これは三年前に予算委員会の一般質問で当時の田村大臣と新藤総務大臣にお話ししたことがあるんですけれども、地方の医者不足の問題なんです。 今、地域医療センターをつくっていろいろな構想、アレンジしておられると思いますが、その中で一つぜひ考えていただきたいことがあるんですけれども、数年前に公立病院の医者のアルバイトというのが問題になって、そういうのはまかり通らぬということで、実質的に各都道府県がこのことを実施することに非常に腰が引けてしまって、実態は全然動かなくなっているんですね。 公立病院から公立病院に、例えば人、アルバイトというよりはヘルプです、一日だけちょっと助けに来てくれとか週一だけ行ってくれとか、こういうことをすると、田舎の病院というのは、御存じのとおり、なかなか常勤で人が来てもらえないので、少しでもそれをカバーするために一日だけでも二日だけでも来てもらえるととても助かるんですね。 公立病院同士はそれができるんですけれども、民間の病院同士も問題ありません。問題は、公立病院と民間病院なんです。例えば、私の田舎の民間病院の人たちが人が欲しいといったときに、知り合いの何とか市立病院とか、何とか県立病院とか、こういうところへ行って人を週一出してくれないかと言っても、自治体が腰が引けてしまって、今やろうと思ったらできるはずなんです、地方公営企業法でしたか、のところで都道府県の許可があればできるはずなんですけれども、実態は全然できなくなってしまっているんですね。 実は三年前にもお願いしたのは、ぜひ実態調査をしてください、そういうことが世の中で起きていませんか、ほかでもと。そういうことがあるんでしたら、これは、いわゆる地域包括ケア、あるいは地域の全体の医療のネットワークをつくるというものの、小さいですけれども意外と効果がある一つの方法なんですね。だから、そういうところにぜひそういうネットワークも入れるというように国の方で方針を示してもらえれば都道府県はやりやすいんです、国が言っているならやろうかというふうになるので。もちろん最終的に決めるのは自治体なんですけれども、国の方でそういう方針でぜひ検討していただきたいということを三年前に申し上げたんですね、それは総務省と厚労省と両方なんですけれども。 もう一度きょうお願いをしようと思って参ったんですけれども、それについてお願いしたいと思います。
○大西政府参考人 お答えいたします。 地方公務員法上、職員は、任命権者の許可を受けた上で、報酬を得て他の事業に従事することが可能であるとされております。自治体病院の医師が報酬を得て民間病院で勤務する場合の許可については、各地方公共団体の任命権者において適切に判断されているものと認識しております。 また、実際に、自治体病院の医師が兼業機会を得て他の医療機関での診療行為を行っている事案もございます。平成二十六年時点で、医師が受けたほかの公立病院や民間医療機関の診療行為に係る兼業許可、こちらは全国で二千二百二十九件となっております。 私ども総務省といたしましても、制度の適切な運用により地域医療の確保が図られるよう、地方公共団体に必要な助言等を行ってまいりたいと考えております。 以上であります。
○神田政府参考人 先生御質問いただきました三年前のときから、その後、平成二十六年に医療介護総合確保推進法というものが成立いたしまして、先ほどお話にございました地域医療支援センターというものを法律に位置づけまして、医療機関におけます医師確保に関する調査、分析を行いまして、それに基づいて地域の医師不足病院への医師派遣、調整を行っているところでございます。 それからまた、同じ法律で医療法を改正いたしまして、公的医療機関等に対し、都道府県知事が医師派遣等、医師の確保に関し協力を要請することができるというふうにいたしまして、公立病院を初めとする公的医療機関は、その要請に応じ、医師の確保に関し協力をしなければならないという規定を設けたところでございます。 先ほど総務省からもございましたけれども、兼業許可が得られれば、公立病院に勤務する医師が民間病院で働くことができるということでございますので、厚生労働省としても、この取り扱いを周知徹底いたしまして、都道府県の地域医療支援センターにおけます公的医療機関等からの医師派遣がより推進されるように努力してまいりたいというふうに考えております。
○今井分科員 ありがとうございます。 先ほども申し上げたように、旗を振ってもらわないとなかなかみんな動きづらいので、ぜひ国がやはり旗を振って、最終的に決めるのは地域の人ですけれども、方針をしっかり示していただくということをお願いしたいと思いますし、個別にそういう話があったら、今ちょっとお話がありましたので、また相談に上がりますから、ぜひまた御指導いただきたいというふうに思います。 もう余り時間がございませんので、大臣、一つ、制度の話なんですが、在職老齢年金制度の件です。つまり、年金受給者が働くと、ある金額を超えると年金が減らされていって、一定水準になるとゼロになっちゃうというものですね。 これは、今、いわゆる配偶者控除の百三万円の壁というのが議論になっていますが、制度的にはちょっと違うんですけれども、実は同じようなことが起きていまして、高齢者の人たちが、働いたら年金はなくなるんだろう、ばかばかしいから働くのはやめようという人たちが少なからずいらっしゃるんですね。今のは六十歳から六十五歳と六十五歳以上と二段階に分かれていて、一回目の部分は多分二〇二五年ぐらいになくなっちゃうと思うんですけれども、いずれにしても、その制度自体はまだ残るんですね。 これはバランスの問題なので、どこまでやるかというのは非常に難しいんですけれども、ただ、一度厚労省として検討していただきたいんです。どれぐらいまでのカーブを描いたりすれば高齢者の皆さんが就業意欲が高まってくるかというのを一度厚労省の方で御検討いただいて、緩和をする必要があるのなら、それをやれば高齢者の人たちの就業促進につながると思うので、私もどこに答えがあるかは実はまだ自分ではわからないんですけれども、ただ、よく回っているとそういう話を伺うので。 これはイメージもあると思いますよ。ただ、すごく単純なんです。つまり、百三万円の壁だって実はもうないのに、百五十万円までカーブがちゃんと特別控除でならされているのに、何となくみんな心理的な壁でとまっちゃっているわけじゃないですか。同じ話なんですよ。何か働くと年金が減るから嫌だなといってやめようというすごく単純な話で、今、阻害要因が、少なからず私が聞いている、お話をしている限り起きていますので、ぜひこういうことを調査して、制度についてもう一度検討していただきたいということであります。
○塩崎国務大臣 今、考え方だというお話がありましたけれども、まさに年金受給者の働く意欲を阻害するんだという説を冒頭おっしゃっておりましたが、逆に、所得があるのに年金をもらうのかよと言う人も、中には指摘をされる方もおられるわけで、一定以上の賃金を有する高齢者については支え手となっていただくべきという考え方もあるという二つの観点に立って、年金と賃金を合わせた総収入が緩やかにふえるように併給調整をしている、こういうことになっているわけですね。 昨年六月に閣議決定をいたしましたニッポン一億総活躍プラン、この中で、高齢期における多様な就業と引退への移行に弾力的に対応できるよう、年金受給のあり方、まさに御指摘のようなことを含めて、年金財政に与える影響にも留意しつつ、検討を進める、こうなっておりまして、在職老齢年金のあり方も当然その中に入れて、今御指摘いただいたように、検討をしていくべきだ。 高齢化が進んでいくわけですから、ますます、残る制度について、特に六十五から七十、あるいは七十以上、こういったところについてどうするか考えなければいけないというふうに思っております。
○今井分科員 ありがとうございました。 おっしゃるとおり、これはバランスがありますから、どこに一番いい最大公約数があるかということを検討していただくことが、やはり今、労働者不足に悩む日本の一つの解決策だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 時間が参りましたので、終わりたいと思います。ありがとうございました。
○菅原主査 これにて今井雅人君の質疑は終了いたしました。 次に、中根康浩君。
○中根(康)分科員 民進党の中根康浩でございます。 お時間をいただきましたので、今から三十分間、議論をしてまいりたいと思います。 私ごとになりますけれども、昨年の五月に妹が五十歳という年齢で、乳がんで他界をいたしました。その追悼の気持ちを込めて、まずは乳がん対策というところから始めていきたいと思います。 乳がん患者は年間九十三万人ほどお見えになって、この三十年間で四倍にふえたとも言われております。 国は、自治体が四十歳以上の女性に乳房エックス線撮影、いわゆるマンモグラフィー検診を推奨しているわけでありますが、ただ、日本人女性は、乳腺濃度が高い、いわゆる高濃度乳房と言われる人が八割近くもお見えになるということでございます。この高濃度乳房の場合、マンモグラフィー映像の全体が白く写り、同じく白く写るがんが見つけにくいということのようであります。高濃度でなければ、超音波検査よりもマンモの方が見つけやすいということなのですけれども、高濃度の場合は、マンモだけではなく、超音波検査、エコーを併用した方がよいとも言われております。 マンモ検診は痛みも伴うということでありますので、受診をためらう人が多いということなどから、高濃度乳房の割合が多い日本人の場合、マンモグラフィーではがんを見つけにくいということであれば、エコー検診も、超音波検診も併用するよう促すことも必要ではないか、こんな思いを抱きつつ、今から三つの質問をまとめてさせていただきますので、お答えをいただければと思います。 今申し上げましたように、まず、その検出検査を受ける方が高濃度乳房であるということをきちんと相手方に文書等でお知らせする、通知するべきではないかということ。それから、高濃度の人の場合、マンモ検診の弱点をカバーする超音波検査、エコー検査を勧めるべきではないか、併用を勧めるべきではないかということ。そして、超音波検査を受ける場合には、その費用を、自己負担ではなくて、国あるいは自治体、自治体のことについてここでお答えをいただくわけにはいかないのかもしれませんけれども、国などが助成をするということも検討されるべきではないかということでございますが、御答弁をお願いしたいと思います。 〔主査退席、山下主査代理着席〕
○福島政府参考人 乳がん検診についてお答えいたします。 マンモグラフィーでございますけれども、今先生御指摘のように、乳房の乳腺密度が高い高濃度乳房の場合はがんを見つけづらくなる、こういう場合があるということは承知をしております。 この乳がん検診の受診者に対して高濃度乳房の通知を既に行っている市町村、これはございますけれども、高濃度の乳房を通知した後にどういう対応をとるべきか、ここについてはまだ確立しておりませんで、そういう面で、またあるいは、その通知を受けることによって不必要な検査を受ける方もふえることも考えられるということで、この通知の是非について、今私ども、健康局の私的懇談会でありますがん検診のあり方に関する検討会、ここにおいて議論をすることとしております。 ただ一方で、既に相当数の市町村が通知を行っているということもございますので、高濃度乳房の方が追加検査を含めてそれをどういうふうに考えたらいいのか、まあ個々人のお考えになりますけれども、そういう場合にどういうふうに考えていいか適切に判断できるように、市町村における情報提供のあり方について、来年度、平成二十九年度の厚生労働科学研究で検討していくこととしております。 費用負担等の問題でございますけれども、マンモと乳房超音波の併用といいますか、これについて、乳がん検診の有効性があるという研究もございますけれども、全体として死亡率低下効果があるかどうかということについて、まだ十分には確立していないという状況でございます。これは平成十八年度から研究を行っておりますけれども、今、現時点では、高濃度乳房の方への推奨あるいは検査費用の助成ということは困難であると考えておりまして、引き続き研究をしてまいりたいと考えております。
○中根(康)分科員 御答弁ありがとうございます。 改めて確認なんですが、私が先ほど質問の中で、日本人は高濃度乳房の方が多く、八割近くの人がそれに該当するというようなことを申し上げたわけなんですが、これについては、数字的なものは大体このあたりで間違いないでしょうか。これは、そのこと自体は通告をしておりませんが、確認なんですけれども。
○福島政府参考人 幾つかの自治体におけるデータでございますけれども、高濃度それから不均一高濃度という方を合わせますと、自治体によってかなりばらつきが、あるいは年齢層によってばらつきがありますけれども、若い年齢層では大体六割から七割ぐらいの方がそういうものになっています。それで、年齢層が上がりますと、それがだんだん低くなってくる。七十代、多分六十代では大体三〇%から二五%ぐらいということで、年齢によるばらつきがございまして、全体として八割というのは少し高いものではないかと思っております。若い層では七割とか、そういうものだと思います。 以上です。
○中根(康)分科員 それにいたしましても、結構、大体、ざっくり言って半分ぐらいの方が高濃度乳房であるということですよね。年齢がいけば、何か乳腺密度が低下するというか、下がるというようなことも聞いておりますけれども。 そういうように、高濃度乳房の方が多いということがはっきりしているのであれば、マンモグラフィーではこれは見つけにくいということも、かなりはっきりというか、かなりの確率で言えるような感じもいたしますけれども、このあたりは、もちろん、高濃度でなければ、マンモの方が超音波よりも明確に見つかるということのようでありますけれども、高濃度の方が多いということが明らかな場合は、これは併用というか、マンモグラフィーでわかりにくい場合は、もうなるべく超音波でそのマンモの弱点をカバーする検査をしてもらった方がいいのではないか。これは自治体任せにするのではなくて、がん対策というのは国を挙げてやっている最中でありますので、これを何とか国として推奨するということにはならないのか、もう一度御答弁いただければと思いますが。
○福島政府参考人 市町村におきますがん検診につきましては、私どもの、がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針、こういうガイドラインを定めて、市町村ではこういうふうにやっていただきたいということを通知しておるわけでございますけれども、この検診のあり方に関しては、先ほど申し上げました、がん検診のあり方に関する検討会、ここで技術的な検討を行った上で、推奨する、推奨しないということを議論しております。 この中で、特に乳腺濃度の高い四十代の方の検診における、今のマンモについては、その検診での発見率の低さ、あるいは疑陽性率が高いという指摘がありまして、このために、四十歳代の女性を対象とした、マンモと超音波を併用する検診と、それからマンモ単独のものと、これを基本的にいわゆる無作為で割りつけて比較した研究がございますけれども、その併用した方は、マンモ単独に比べますと、感度あるいはがん発見率については有用性が示されておりますけれども、一方で、死亡率減少効果はまだ明らかになっていないということでございます。 私どものガイドラインで示しておりますのは、死亡率減少効果が認められる検診について推奨するということを基本的な考え方にしておりますので、現時点でこれを推奨はしていない。ただ、これについては、こういう死亡率減少効果あるいは検診の実施体制、こういうものをどういうふうに考えていくべきかということについて、今、研究、検証しておるところでございまして、その検討結果によっては、検討結果が出れば、それで有効性が明らかになれば、これは導入するということになろうということでございます。
○中根(康)分科員 死亡率の減少効果で決めるということは僕は初めて知りましたけれども、それにしても、併用すればがんを発見しやすいということも今御答弁いただいたわけで、早期発見、早期治療ということが何よりも大切なことは間違いないわけでありますので、死亡まで至らないところで食いとめることが必要なので、これはもう一度、もう一度というか、今後もぜひスピーディーに検討を進めていっていただければと思います。 それから、もう一度戻りますけれども、高濃度乳房であるということを対象者に知らせるということについても、自治体任せにするのではなくて、地域間格差ということがあってもいけませんので、ぜひ文書でお知らせをして、その人に自覚をしてもらって、自覚をした上で、自分は高濃度乳房であるということになれば、マンモグラフィーだけではなくて、そのほかのさまざまな検査もしていただくという動機づけにつながるようにしていくことが大切なのではないかと私は考えておりますので、ぜひその方向性で御検討いただきたいと思います。 がん対策基本法の改正などで、がん患者自身が働き続けられる配慮を事業所などに求めるというような改正がなされて、患者本人を支援する取り組みは今後進むことが期待されるわけでありますけれども、がん患者のいる家族の支援ということなんですけれども、家族が仕事と看護あるいは介護を両立できるようにしなければ、家庭崩壊ということにもなりかねないわけでありますので、がん患者のいる家族支援、こういったものについては、今どのような取り組みがなされて、さらに今後どういう検討がされているか、お聞かせをいただければと思います。
○吉田政府参考人 お答えいたします。 常時介護を必要とする状態の方々の御家族、ここで言う常時介護を必要とする状態には、例えば高齢者の方々、あるいは障害者の方々もございますけれども、今御指摘いただいておりますような、がんなどの病気の方々を抱える、そして働いておられる方々につきましても、育児・介護休業法に基づく介護休業あるいは介護休暇等を御利用いただくことができるというのが一つございます。 また、がん患者の御家族の支援につきましては、がん診療連携拠点病院に設置されておりますがん相談支援センターで、がん患者のいる御家族の仕事、あるいは看護や介護との両立を含めて、幅広い御相談に対応させていただいているということもございます。 さらに、二十九年度からではありますけれども、がん対策推進総合研究事業におきまして、がん患者と家族の抱えている問題の把握、その対応方策に関する研究を進めるということにしておりまして、こういう方々につきましても、御家族の、要介護、そして仕事との両立について、これからも取り組んでまいりたいと考えてございます。
○中根(康)分科員 これも自分の妹のことで恐縮でありますけれども、最期の一月、二月ほどでしたかね、自宅で療養しておりましたが、幸い、御亭主というか旦那さんがIT関係の仕事で、自宅でも仕事ができるような環境にあったものですから、かなり付き添うことができたんですけれども、そうでなければ、かなりの経済的な負担も含めて、大きなものであっただろうと推測をされます。 がん患者のいる家族支援というものにつきまして、ぜひ厚労省として、これからも真剣に取り組んでいっていただきたいというふうに思います。 個別的なことで恐縮でありますけれども、抗がん剤の副作用で頭髪が抜け落ちることで患者のQOLが低下するということもおわかりをいただけるというふうに思います。例えば、いわゆるウイッグと言われるかつら、これも決して安いものではないものですから、これに対する購入の補助というようなことについては厚労省で今どういう取り組みがなされているか、御答弁いただければと思います。
○福島政府参考人 お答えいたします。 がん患者さんがかつらの着用、これは現在は医療保険の適用とはなっておりません。また、現時点で、国では購入費用を直接軽減するような制度、助成という制度は持っておりませんが、かつらの貸与などを支援している民間団体、これが複数あることは私どもも承知しております。 御指摘の、脱毛を含めたがん治療の副作用に対する対応、これは重要と考えておりまして、治療に伴う副作用などの予防とケアを行う、支持療法と言っておりますけれども、この研究に関しては、日本医療研究開発機構、AMEDを通じて支援を行っております。この中で、がん治療に伴う外見の変化、これに対する、アピアランスケアと言っていますけれども、こういう領域についても研究開発を進めております。 また、がん診療連携拠点病院のがん相談支援センターにおきましても、そのアピアランスケアを進める取り組みをしておりまして、がん患者さんの療養生活の質の向上に取り組んでいるところでございます。 改正がん対策基本法では、がん患者が尊厳を保持しつつ安心して暮らすことができる社会の構築を目指すというふうになっておりまして、私どもとしても、今後なお一層、アピアランスケアの対策の推進に取り組んでまいりたいと考えております。
○中根(康)分科員 次に、胃がんのことについてお尋ねをしてまいりたいと思いますけれども、胃がんの原因の多くがピロリ菌であるということは、もう皆さん御案内のとおりでありますけれども、このピロリ菌を除去するだけで胃がんはかなり減らすことができるわけでありまして、ピロリ菌の検査は尿検査などで可能で、とても簡易、簡単なものであるわけでありますので、ぜひ、例えば中学校の三年生とか二年生とか、どこかの学年を定めて、全ての国民にピロリ菌検査を行うようにすべきではないかと考えますが、厚労省の考えをお聞かせいただければと思います。 あわせて、このピロリ菌の検査、例えば、今申し上げました尿検査によるピロリ菌の検査だけでは医療機関でやってもらうことができない。何かほかの、内視鏡検査なども加えなければやれないとか、あるいは、検査と保険診療とを同日に行うことができないとか、何かそういうようなことも聞いたことがあるんですけれども、このあたりはどうなっているのか、お聞かせいただければと思います。
○福島政府参考人 胃の検診につきましてお尋ねでございますけれども、胃のがん検診というのは、先ほど御紹介しましたガイドライン、指針におきましては、胃のエックス線検査または胃の内視鏡検査、これを実施することとしています。 ピロリ菌検査につきましては、確かに、ピロリ菌があると胃がんのリスクが高まるということについては確立しておるわけでございますけれども、一方で、除菌した場合に、胃がんの死亡、効果があるかどうかということについては、まだ示唆的なデータにとどまっております。そういう観点で、まだ現時点では、胃がん検診としては採用しておりません。 また、胃のエックス線検査あるいは胃の内視鏡検査をする方を選ぶときの、例えばリスクによって検診の頻度を分けたりするという、リスク層別検査という考え方があるんですけれども、そういうものにピロリ菌検査を使って、ピロリ菌で陽性の人についてはもっと頻度を高くし、陰性の人は少なくする、例えばそういうようなことを考えたらどうかという御提案をされている研究者もいらっしゃいまして、それについては、なおこれも検証しておるところでございまして、研究しておるところでございまして、これについても引き続き、先ほどのがん検診のあり方に対する検討会で検討してまいりたいと考えております。 実際に今年度から、AMEDを通じて、適切な対象者に対する、ピロリ菌を組み合わせた検査方法の有効性を検証する研究を実施しておりますので、引き続きその研究は進めてまいりたいと考えております。 また、同じ日に診療と検査ができないということですが、これは保険診療の基本的なルールで、検診をした場合に、初診とかそういうのが、先に検診を受けたら、その場合は、もう既に初診行為があるので、次の、その日に初診料は取れなくなって、それで何か見つかった後の部分については保険診療ができるわけですけれども、そういう仕組みになっておりますので、これは保険診療のルールということで、それを多分できないわけではなくて、やった場合に算定できないので、それを避ける医療機関がおありになる可能性があるんじゃないかと思っております。 あと、ピロリ菌そのものについては、例えば萎縮性胃炎というものがあれば、あるいは胃潰瘍というものがあれば、それの検査として、これは保険の中で一連の行為としてできるわけでありますけれども、ピロリ菌検査そのものであれば、これは保険の適用になりませんので、そういう観点で、多分そういう御指摘ではないかなというふうに推察しております。
○中根(康)分科員 私は専門家ではありませんので、情況証拠的なことしか言えないんですが、周りの多くの人に聞くと、ピロリ菌の検査で、がんにならずに済んだという気持ちになっている方がかなりいらっしゃいますし、除去したことによって体調がよくなったというようなことも聞くわけであります。簡易な検査でありますので、やはり、どうもピロリ菌と胃がんというのはかなりの相関関係がありそうなので、十分御検討いただいた上で、どこかの年齢で全国民に検査をするということが胃がんの抑制、削減につながるのではないかということを御提案申し上げて、この話題は終わらせていただきます。 次に、障害者差別解消法ができて共生社会づくりが進んでいるかどうかということでありますけれども、昨年の相模原の津久井やまゆり園事件、この犯行そのものは非難をされているということでありますけれども、犯人が主張する犯行理由については、十分に社会的な断罪が行われていないのではないかというふうに思っております。 犯人は、衆議院議長への手紙の中で、議長も安倍総理も自分の意見を理解してくれる、むしろ感謝してくれるはずだと期待していた、だからこそ、実行後は二年以内に自由の身となり、五億円の支援金をもらい、新しい名前と戸籍で生きていけるように確約してほしい、こういうことを書いているわけであります。 重度障害者は生きる価値がないという犯行理由、これは明確に間違っている、考え違いだということを、ぜひ塩崎大臣から国民に対して、改めてこの場でメッセージを発信していただきたいと思うわけでありますが、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 津久井やまゆり園での十九人の殺害を行ったこの犯行でありますが、今お話しのように、いろいろ伝わっているところで、当事者の犯人が言っていること、それを見る限りは、この世の中に必要な人間などがいない、そのことはもうあり得ないことで、紛れのない事実で、全ての人がやはり生きる価値があるわけでありますので、一人一人の命の重さ、これは障害があろうとなかろうと関係なく平等ということだというふうに思います。 そういうことを、私たちは、改めて全ての方々に理解していただくということが大事であり、また私たちは、子供のころからそういうことをきちっと教え込んでいくということもまた大事な、共生社会づくりという意味では大事なことだと思っております。 今週二十日に、私たち、障害のある方への理解を深め、差別のない社会にしていくために、関係閣僚会議を開催いたしました。ユニバーサルデザイン二〇二〇関係閣僚会議というのが二十日にあったんですが、そこで、心のバリアフリーに向けた取り組み等をまとめました行動計画、これを決定いたしました。差別そしてまた偏見をなくして、全ての人々がお互いの人格や個性を尊重し合いながら共生できる社会を実現するという覚悟を新たにしたところでございまして、今回のような事件がないように、そしてまた、人々の心の中に、皆人間は平等の生きる価値を持っているということを深く理解してもらうように、私たちも努力をしていきたいというふうに思います。
○中根(康)分科員 ありがとうございます。 ぜひその関係閣僚会議の中で、この犯人が有していると思われるいわゆる優生思想というようなものについても、いまだに我が国には根深くはびこっているというようなこともうかがえるような事件でありましたので、そういったことについても、政府として、優生思想みたいなものを社会から根絶するような検討も行っていただきたいというふうに、これは要望だけ申し上げておきます。 かなり時間がなくなってきましたので、そうですね、まあ順番に行きます。 それで、この障害者のことについて申し上げますと、昨年四月の障害者差別解消法で策定が義務づけられた対応要領を実際につくったのは、全国千七百四十一の市区町村のうち四〇%程度にとどまっている。あるいは、障害者差別解消法は全国の市区町村に、障害者からの相談の解決を後押しする専門組織、障害者差別解消支援地域協議会をつくることも求めているけれども、この設置は三〇%にとどまっている。 それと、障害者が不利益を受ける問題は、昨年八月、埼玉県入間市共催の大相撲地方巡業で障害者が車椅子観戦を断られた例などなど、法施行後もまだ差別的な事例が散見といいますか、あるわけであります。 合理的配慮という言葉なんですけれども、わかりにくい言葉ではありますけれども、私は、わかりにくい言葉だからこそ、そのわかりにくさというか、合理的配慮という意味合いを説明することを通じて、社会に普及、浸透させていくことができるんだろうというふうに思っております。 まだまだ、差別解消法あるいは障害者の差別禁止の条約を批准した今日に至っても、この合理的配慮という考え方が十分浸透していないように感じられるわけでありますけれども、この点についての厚労省の見方はいかがなものか、御答弁いただければと思います。
○塩崎国務大臣 合理的配慮についての徹底が不行き届きではないか、こういうお話がございました。 差別を禁止するということで、昨年からまた法律の面では整いつつあるわけでありますけれども、これは中根先生がいつもおっしゃっているように、心の中のバリアというか、こういうものを、行政も政治も、あるいは学校の現場等々、いろいろなところでまだまだ残っていて、それが、言ってみれば、真の合理的配慮をするということに至らないということがあり得る状況をつくっているのではないかというふうに思っています。 法の精神をきちっと踏まえた上で、私たちは、国レベルでの障害者施策を推進する、そういう責任ある立場でありますから、そこからまた都道府県あるいは市町村に、そしてまた民間の方々にも考えていただけるように進めていくことが私たちの責務ではないかというふうに考えておりますので、法律を施行する中で、その精神を徹底していくということで合理的な配慮がなされることで、障害者の皆さん方が不自由なく、ノーマライズされた中で暮らしていけるようにしていかなければならないというふうに思います。
○中根(康)分科員 次に、手話は音声言語と対等な言語であると障害者基本法にも定められているわけでありますけれども、手話教育の充実とか手話通訳の配置などを定めた条例が各地でできております。 住んでいるところで格差が生じないため、あるいは手話を使って生きる人の権利を守るための環境整備にとっては、法律に裏づけられた予算も必要であるということであります。国として、手話言語法、仮称でありますけれども、こういったものを、全国を網羅する手話言語法のようなものを制定する必要があるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○和田政府参考人 お答え申し上げます。 ただいま厚生労働大臣からも御答弁がございましたとおり、聴覚に障害のある方の自立と社会参加のための支援は、全ての国民が、障害の有無にかかわらず、互いの人格と個性を尊重し合いながら共生できる社会を目指していく上で大変重要であると考えております。 この点に関しまして、現行の障害者基本法第三条では、全て障害者は、可能な限り、言語、これは手話を含むとされておりますけれども、言語その他の意思疎通のための手段についての選択の機会が確保されることを旨とすると規定されております。さらに、第二十二条におきまして、国及び地方公共団体は、情報の利用におけるバリアフリー化等について必要な施策を講じることとされております。 これらを受けまして、政府といたしましては、平成二十五年九月に閣議決定されました第三次障害者基本計画におきまして、分野別施策の一つといたしまして情報アクセシビリティーという項目を設けて基本的方向を示し、障害者の方々が円滑に情報を取得、利用し、また意思表示やコミュニケーションを行うことができるように、手話を初めとする意思疎通支援の充実等の各種施策を盛り込み、関係施策を各省庁において実施していただいているところでございます。 また、障害者差別解消法の基本方針並びに各府省庁が策定いたしました対応要領及び対応指針におきましても、合理的配慮の一例といたしまして、筆談、読み上げ、手話などによるコミュニケーション、わかりやすい表現を使って説明をするなどの意思疎通の配慮を盛り込んでいるところでございます。 政府といたしましては、まずは障害者基本計画に基づきます施策を着実に実施してまいるとともに、昨年四月施行の障害者差別解消法におきます合理的配慮の具体例の蓄積を行い、関係機関への周知を図るなど、しっかりと取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
○中根(康)分科員 幾つか通告した質問も残してしまいましたけれども、済みません、御準備いただいた皆様方にはおわび申し上げますが、時間が参りましたので、これで終わります。 ありがとうございました。
○山下主査代理 これにて中根康浩君の質疑は終了いたしました。 次に、國重徹君。
○國重分科員 公明党の國重徹でございます。 大臣、本日は長時間の委員会、本当にお疲れさまでございます。また、きょうはよろしくお願いいたします。 私の方からは、きょうは、まず耳のこと、いわゆる難聴についてお伺いしてまいりたいと思います。 私、議員生活四年二カ月になりまして、予算委員会の分科会、これまで五度チャンスをいただいております。その中で、耳の質問は実に今回で三回目ということになります。 難聴、これは聞こえづらいという障害未満の難聴を広く含んでおりますけれども、難聴は、細かいことは省略しますけれども、大臣もわかっていただいているということで、心身に悪影響を強く及ぼします。私は、この難聴の問題、国として難聴全般に対してしっかり取り組んでいかないといけないと思っておりますけれども、まだまだこの取り組みが甘い、踏み込みが浅いと思っております。もっと意識を高めて取り組んでいくべき問題だと思っております。 そこで、今回は耳につきまして、新生児の聴覚検査と障害に至らない難聴の対策、これらについてお伺いしてまいりたいと思います。 まず、新生児の聴覚検査、新生児聴覚スクリーニングについてお伺いいたします。 新生児聴覚スクリーニング、これは何かといいますと、おおむね生後三日以内に聴覚の検査を受けまして、そこでひっかかれば必要に応じて再検査を受ける、そこでまたひっかかれば精密検査を受け、早期療育へつなげていく、こういうシステムのことをいいます。 日本では、検査を受けた赤ちゃんのうち、検査、再検査でひっかかっている赤ちゃんが〇・四%います。また、その結果、全体の約〇・一%の赤ちゃんに両耳の聴覚障害というのが発見されております。千人に四人がこの精密検査を受けて、千人に一人が両耳の聴覚障害があるというのは、結構な数だというふうに思います。 聴覚障害は、もちろん障害に至らない程度の難聴であったとしても、その後の子供の言葉の発達とか、また成長に大きな影響を与えることになります。また、子供が成長していって、お父さん、お母さんが、うちの子は発達障害じゃないのかな、こう思っていたら、実は耳が余り聞こえなかったというようなケースもあるようでございます。 難聴の早期発見のためには、この検査が本来一〇〇%実施されるべきだと思います。しかし、現在、新生児聴覚スクリーニングの実施というのは施設ごとに対応がばらばらで、出産費用を少しでも安く設定するために、メニューに組み込まずに希望者のみの実施としている病院もあると聞いております。 行政としては、まずは検査の受診率、また、その後の検査状況をフォローアップしていく必要があると思っております。しかし、大臣、現状はどうなっているかといいますと、受診の有無を把握している市区町村は約七割、受診の有無に加えて受診人数まで把握している市区町村は半分以下になります。 また、費用につきまして、国はこの初回費用、公費助成を推奨して、地方交付税措置をとっております。けれども、実際に公費助成している市区町村がどれぐらいあるかといいますと、わずかに六・八%。初回検査料、これは二千五百円から六千円ほどなんですけれども、やはり出産費用というのは非常にかさんでくるということで、少しでもこれを抑えたいという親御さんにとっては、こういったものがネックになっております。 平成二十九年度予算案では、我が党の山本香苗元厚生労働副大臣の後押しもありまして、都道府県が市区町村の取り組みの旗振り役をしっかりと果たすよう、新規事業が組み込まれました。 大臣、今後、国としましても、しっかりと地方の取り組みを後押しして、新生児聴覚スクリーニングの実施状況の把握、また市区町村の公費助成を進めて、子供たちの難聴を放置することがないよう、また健全な成長ができるよう、しっかりと取り組んでいっていただきたいと思いますけれども、大臣の見解、決意、お伺いいたします。
○塩崎国務大臣 今、國重先生の方から御指摘いただいたように、聴覚障害をそのまま放置しておくと、その後の発達、発育に大きな影響が及ぼされる、こういうことでございます。 この新生児聴覚検査につきましては、今数字を挙げていただきましたけれども、受診の有無、それから公費負担の実施状況は、今おっしゃったとおりでありまして、国から市町村を通じて調査をしておりますけれども、まだまだ細かなところを私たちは聞いていくべきだろうというふうに思っておりまして、どのようにしたらいいのかということをよく検討してまいりたいというふうにまず思います。 それから、検査の費用について、今六・八%の市区町村でしか公費負担を実施していない、こういうことでございましたが、平成十九年度に国庫補助から地方交付税措置に改めたものでありまして、国から公費助成を行うことは、この段階になってなかなか難しいわけでありますけれども、来年度予算では、新たに医療従事者等を対象にいたしました検査の実施方法等に関する研修会の実施等、それから都道府県の取り組みに対する補助金を盛り込んでおりまして、聴覚障害の早期発見、早期療育に向けて、やはりこれはそれぞれの地方公共団体に意識をもっと持ってもらうというために私たちは努力をしていかなければいけないというふうに思いますので、しっかり取り組んでまいりたいと思います。
○國重分科員 ぜひ、今大臣、その決意のままに、しっかりと地方の取り組みも後押しして進めていっていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 続きまして、障害に至らない難聴の支援に関して幾つか伺っていきたいと思っております。 今、医療とか介護とかに関しては、予防ということに非常に重点が置かれ始めております、光が当たっております。ただ、耳に関しては、障害に至らない難聴者への支援、難聴の悪化を防ぐ支援、これが国の取り組みからすっぽり抜け落ちているんじゃないかというふうに、私は強い問題意識を持っております。 日本の聴覚障害者の認定基準というのは、そもそもこれは諸外国に比べて非常に厳しいんですね。だから、聴覚障害者に当たらなかったからといって放置していい問題じゃないということになります。これについてしっかりと取り組んでいかなければならない。 そこで、まず、この難聴の実態調査の取り組み状況、これを聞いていきたいと思います。 WHOによりますと、推定で世界人口の約一割が難聴だと言われております。一般社団法人日本補聴器工業会が中心で行った二〇一五年の調査によりましたら、日本人は一割以上、一一・何%だったと思いますけれども、難聴の自覚があるということでございます。 また、難聴と推定される人の約半数は、そもそも聞こえの不調の自覚がないというようなデータもあることから、実際にはもっともっと多くの人が潜在的な難聴者であるというふうに思われます。 そこで、厚労省にお伺いいたします。 私、昨年のこの予算委員会の分科会で、まずは、耳に障害を持った方だけではなくて、障害に至らない難聴者を含めた実態の調査をして、この把握をお願いいたしました。その後の具体的な調査状況、内容はどうなっているのか、お伺いいたします。
○堀江政府参考人 お答え申し上げます。 昨年の二月二十五日のこの分科会におきまして、委員の方から、聴覚障害者だけでなく、聞こえづらいと感じている難聴者も含めた実態の把握が必要ということでございまして、昨年十二月に生活のしづらさなどに関する調査を実施して、そこのところで設問を新たに追加してございます。 具体的には、難聴の中でも、聞こえにくい、聞こえないというだけではなくて、小さな声や騒音の中で会話の聞き違い、聞き取りが困難と感じるというように、小さな声が聞きにくい、あるいは普通の大きさの声が聞きにくい、それから、非常に大きな声か、補聴器を用いないと会話が聞こえない、それから、補聴器でも聞き取れないことが多いというように、細分化した設問を設けるとともに、補聴器、人工内耳など日常的に利用しているコミュニケーション手段についても、その他いろいろな、どれを使っていますかということについて詳細に聞くような形にして新たに設けまして、障害者手帳をお持ちの方だけでなく、手帳はお持ちでないけれども生活のしづらさがある難聴の方について、より詳しく実態を把握できるように調査しておりまして、今後、調査の分析におきましては、今のような状況に加えまして、サービスの利用状況ですとか希望をする日中活動はどんなものがあるかといったような実態把握も念頭に置いて進めて、ことしじゅうにまとめていきたいと思っています。
○國重分科員 一歩前進の取り組みだとは思っております。私も事前に、今おっしゃられた内容の書面を見させていただきましたけれども、確かにこれまでとは変わった、だけれども、なかなかこれだけでは、私が見させていただいた感触として、本当の実態調査になるかといったら、やはりまだまだ不十分な点もあると思っております。今後の取り組みをしっかりとお願いしたいところであります。 ここで確認なんですけれども、そもそも現在、厚生労働省として、この難聴になる原因、また難聴が認知症とかうつ病とか、こういったものを初め、心身に及ぼす悪影響についてどのように認識、把握されているのかお伺いします。
○堀江政府参考人 難聴の原因といたしまして、先天性のもの、老人性のもの、音響外傷、髄膜炎によるもの、それからメニエール病によるもの等があるというようなことを承知してございます。 また、聞こえづらさ、聞こえづらくなることによりどういう影響、心身に影響が出るかということにつきましては、他人とのコミュニケーション力の低下、いらいらなどの精神的な不安定、頭痛、目まいなどの影響があるということも承知してございます。 また、難聴と認知機能の低下との関係につきまして、現在研究を行ってございまして、難聴患者における認知機能評価法の新規開発と補聴器装用が影響する認知機能・症状の解明といったことも行ってございまして、そうしたエビデンスを蓄積して、今後また実態把握に努めてまいりたいと考えてございます。
○國重分科員 今るる御答弁いただきまして、ありがとうございました。 ただ、私が事前に厚労省の皆さんとやりとりしているときには、正直言って余り把握していないなというのが、私の受けとめた実感でございます。やはりこれはしっかりと取り組んでいかないといけないと思います。まだまだ不十分であると言わざるを得ないと思っております。 この点に関して、国立長寿医療センターが興味深い調査結果を発表しております。それは、難聴と騒音、また動脈硬化、これらの間には明らかな相関関係があると。つまり、生活習慣とか血流の改善で、加齢性難聴も予防可能だということでございます。 また、認知症との相関関係も指摘をされております。日本の国立長寿医療研究センターなどのチームは、昨年、八つの認知症のリスク要因の一つとして難聴を挙げました。また、アメリカでは、難聴の程度によって認知症リスクが高まること、具体的には、軽度難聴であったとしても、ちょっと聞こえづらい、こういうようなことであっても、正常な聴力の人に比べて約二倍のリスクになるというようなことが明らかになっております。そのほか、難聴が脳の働きを衰えさせるという危険性とか、難聴とうつとの関連性なども指摘されております。 政府としても、まずはしっかりと、今原因のことをるる言われましたけれども、私が言ったのは、障害に至らない、そういった難聴も含めて、広くこういったものについての原因をよりしっかりと把握していっていただきたい。そして、正しい耳の知識を国民の皆さんに普及、浸透させる努力をしていっていただきたいと思います。これは、目とか歯とか、こういったものは比較的国民の皆さんは知っているわけですけれども、耳というのはなかなか知識が普及していない面がありますので、ぜひお願いしたいと思います。 この正しい耳の知識ということに関して、WHOが二〇一五年に作成したメーク・リスニング・セーフ、安全に聞くことに向けてというテーマの啓発資料があります。これが大変わかりやすいということで、専門の耳鼻科の医師からも好評なんでありますけれども、残念ながら、これは日本語版は作成されておりません。まずは、これを翻訳して活用するというのも一つの手だと思います。 また、早期治療の大切さ、まだ一般的に意識が低い状況にあります。例えば、ここ十年で患者数が一・五倍に増加している突発性難聴につきましては、発症から一週間が勝負で、それ以上放置すると回復が難しくなるということがありますけれども、このことを知らない人もまだまだいます。 厚生労働省にお伺いします。 まず、先ほど言ったWHO資料の翻訳、関係学会と連携してぜひ取り組んでいっていただきたい。また、そういったものも含めて、難聴に関する啓発活動、これも極めて重要でありますので、ぜひ今後しっかりと取り組んでいっていただきたいと思いますけれども、今後の取り組み、決意をお伺いいたします。
○福島政府参考人 お答えいたします。 難聴には、音響外傷性難聴、大きな音を聞くことによる難聴、あるいは騒音性難聴というような予防が可能なものもございますし、また、突発性難聴、メニエールのように、早期の治療が重要なものもあるわけでございます。特に今先生が御指摘のように、突発性難聴については早期の治療を行えば聴力の回復が期待できる、見込める割合が高くなりますので、そういう面では、自覚症状が出た場合に早期に受診するよう、こういう促すような、そういう啓発が必要であると考えております。 また、音響外傷については、特に今の若い方たちが、携帯とかあるいはポータブルの音源を使ってヘッドホンで聞いている、こういう方たちが大音量で聞いていることで、結局、聴力損失をしてしまうという状況がございますので、こういう長期間の音楽プレーヤーの使用を避ける、大きい音での再生を避ける、こういうような啓発もしていく必要があると思います。 先ほど御紹介のWHOのメーク・リスニング・セーフ、これについては、特に若年層に多い、そういう音響外傷というものの啓発が中心のものであるというふうに承知をしておりますけれども、内容については、またさらに私どもしっかり勉強して進めていきたいと考えております。
○國重分科員 ありがとうございました。 最後、何かちょっと歯切れの悪い答弁ではありましたけれども、これについても本当にしっかりと検討をしていただきたい。私、予算委員会の分科会、これは毎年あれば、継続的にしっかりとこれについても確認をしていきたいと思いますので、ぜひ本当に真剣な取り組みをお願いいたします。 さて、先ほど言いましたとおり、耳は、目とか歯と違って、多少聞こえが悪くなったとしても、直ちには生活に大きなふぐあいが生じるケースが必ずしも多いとは言えないと思います。テレビの音量を大きくしたりとかそういったことはあるにしても、直ちに物すごいふぐあいがあるかというと、そうではない場合もある。だから病院に行くべきなのかどうなのかというのはわからないし、ためらう場合もあります。 虫歯になればすぐに歯医者さんに痛くて行きますし、目も悪くなれば眼鏡をかけたりしないといけないから眼科に行ったりしますけれども、やはり耳というのは、なかなか病院に行くのが、足が重くなってしまう。その間にどんどん難聴の程度というのは悪くなっていってしまうという側面がございます。実際に、最初に難聴に気づいてから病院を受診するまでに平均五年から七年かかっているというようなデータもございます。 だからこそ、自分がどの程度聞こえているのかと客観的に判定してもらう機会、チャンスというのが重要になってまいります。 しかし、日本補聴器工業会のアンケートによりますと、健康診断また人間ドックで定期的に聴力チェックを受けている人はどれぐらいかというと、約三割程度なんです。加齢性難聴というのは四十歳、五十歳くらいからふえていくようでありますけれども、四十歳以上が対象になっている健康診断でも聴覚検査というのは必須になっておりません。 他方で、近年、一部の自治体では、聴覚チェックが行える機器の導入を行って保健所や介護施設等で積極的に聴覚検査を行っているようであります。ただ、あくまでもこれは地方自治体任せなのが現状でありまして、地方の予算とかマンパワーとか意識の差で地域間格差が出ている、こういった声が現場から出ております。 厚労省に伺います。 難聴の早期発見のための取り組みについて、国がしっかりとリーダーシップをとって地方の取り組みを後押ししていくべきだと考えますが、これに関する今後の取り組みについてお伺いいたします。
○福島政府参考人 国民が健康的な生活を送っていく、あるいはコミュニケーションを円滑にしながら生活をしていく、そういう面では、聴覚の状態を確認しながら必要に応じて治療あるいは療育というものの介入をしていく、これは非常に重要なことであると考えております。 冒頭の御質問にありましたような新生児スクリーニング、これもそうですし、また、乳幼児健診でも言葉のおくれとかいうのをチェックして、そして専門の医療機関につなげているということをしております。さらには、学校健診では聴力検査はずっと義務づけられている。小中高は、毎年、時々年数が違いますけれども、ほぼ毎学年やっている。事業所健診や労働安全衛生法の健診でも聴力検査というのは行われているということでございますけれども、そこでひっかかった人、チェックされた人については、必要に応じて専門医療機関につなぎ、あるいはその治療ないしはその療育というものにつながっているというふうに承知しております。 ただ、先ほど御指摘のように、市町村、こういう健診の対象になっていない方については、現在、そういうような検査というものはほとんどのところが行われていないというふうに承知をしております。 ただ、スクリーニングとしてどういう疾患を見つけるべきなのか。例えば突発性難聴のように突然出るものについては、年に一回のスクリーニングなどにはなかなかなじまないものでありますので、多分、対象とするとすれば、加齢性の難聴であるとか、あるいは騒音性難聴のような持続的なもの、慢性的なものであろうと考えるわけですけれども、例えば、そういう場合、その介入方法をどうしていくのか、悪化させないということはできると思いますけれども、そういうものをどうしていくべきなのか、これはなかなか、まだ科学的にどういうふうにすればいいかということについて検討が必要であると考えております。 私ども、地域で行われております実際の難聴の早期発見の取り組み、これがどういうものであるかということも把握をしたいと考えますし、また、専門家の意見を聞きながら、この問題をどういうふうに考えていくかということについて検討していきたいと考えております。
○國重分科員 ぜひ、この早期発見の取り組み、これは大事だと思います。何か客観的な判定があれば病院に行こうというふうにも思うでしょうし、血圧をはかるものとかはいろいろなところに置いていて、ちょっとこう上がったりして、ああ、自分の調子が悪いとかいうようなことはわかりますので、ぜひ、今後の取り組みとして、そういったものについても検討をしていただきたいなというふうに思います。 これまで耳のことについてるる御質問してきましたけれども、この耳の分野、特に高齢化社会が今どんどん進んでいる日本においては、国民の皆さんが健康で快適な人生を送っていく上で極めて重要な問題だと思っております。 耳が聞こえづらくなって、何度も、えっ、何と言ったのとかいうことで聞いて、もう相手にうんざりされたり、向こうが挨拶をしているのに、しゃべりかけているのに、それをこっちは無視しているつもりはないのに、聞こえないからしゃべれないとか応対できない、あの人に無視されたということで人間関係が悪くなったり、しまいに、みんなとの会話になかなか入れないから外に出るのもおっくうになっていくというようなものもあって、やはり耳というのは私は極めて重要だと強く思っております。 しかし、現状は、私も、厚労省の皆さん、耳に関する関係の皆さんが、私の議員会館の部屋に来て、ずらっと何人も来られて話をしましたけれども、まさにこれは縦割りなんですね。私、国民の代表として、こんなもの、役所のルールであって、関係ないというか、もっとしっかりやっていただきたいという思いがありました。 とりわけ障害に至らない難聴について、リーダーシップをとっている部署というか、そういうところがないというのを強く感じました。この問題、どうなっているんですかということを聞いても、お互いが顔を見合わせて、探り合い、譲り合いというようなことで非常にもどかしい思いがいたしました。 これは職員の方々を責めているんじゃなくて、職員の方々は与えられた分野で精いっぱいそれぞれが頑張っていると思います。ただ、その体制の問題としてこれができていないということがございます。 そこで、大臣、障害でないものも含めて、難聴対策に国としてぜひ本気で取り組んでいただきたいと思います。ばらばらで対応しているこの現状、それゆえにこぼれ落ちている難聴対策の課題、これらを包括的に扱って、責任感を持って取り組むための役所内の体制整備をぜひともしていただきたいと思います。これは、個々の職員のやる気だけではどうしようもないことだと思います。大臣のリーダーシップでないとできないことだと思っております。ぜひこれをよろしくお願いしたいと思いますけれども、大臣の御見解、御決意、お伺いしたいと思います。
○塩崎国務大臣 今、厚生労働省では、福祉に関しても、子供あるいは障害者あるいは高齢者というような完全に縦割りで、局も全部別々ということで、丸ごとでやはり見ていこうという福祉の丸ごと化というか、そういうことを考えつつあるわけであります。 きょうの場合は、耳の難聴の問題、聴覚障害の問題で、確かにこれは、例えば、医療だったら医政、そして健診だったら健康局、障害福祉部、それから、労働はまた二つ三つに分かれています。 今回提案をして、組織改革もしまして、雇用均等・児童家庭局というのは、名前をまた変えて子ども家庭局、また労働も全部やりかえるということにしています。 そういう意味で、本来ワンストップでこの難聴の問題も窓口をつくるべきという考え方もないことはないんだろうと思いますが、今申し上げたようなさまざまな分野に分散をしておりますので、しかし、障害に至る手前の難聴の方の支援という意味においては、本当にこういったところがきちっと連携ができるようにしないといけないので、どういうふうにしたらいいのか考えていきたいというふうに思っております。 今回、働き方改革をやってみても、例えば介護でも、介護サービスよりも働き方改革の方が実は介護離職を促してしまっているというようなこともあります。子育ても、やはり働き方が、なかなか、子供を二人目、三人目を持つのを妨げているということもあって、今、まさに連携をするための部署を一つまとめて設けたらどうだ、こういう御提案かなというふうに思いますけれども、そういうことを含めて、今後どういう対応がこの難聴の皆さん方に対してできるか考えていきたいというふうに思います。
○國重分科員 ぜひ大臣、大臣でなければできないことだと思いますので、よろしくお願いします。 連携というか、何か、俺がこの日本の難聴問題は解決するというような熱い思いを持った、一人でも構わない、そういった人、部署でなくても、そういったものができるような体制づくりをぜひよろしくお願いしたいと思います。 最後に一問、ちょっとがらっとテーマをかえまして、国際的に脅威となる感染症への対処についてお伺いします。 本年一月十八日、ブラジル保健省が黄熱病の流行状態入りを発表いたしました。早期の終息を願うばかりでありますけれども、こうなると思い出すのは、二〇一三年から二〇一五年にかけて発生しました、西アフリカにおけるエボラ出血熱の蔓延でございます。 当時、日本は、資金面での協力はした。しかし、人的支援は二十人程度にとどまりました。これは諸外国と比べると極めて少ない。例えば、アメリカは三千八百人、中国は八百人派遣しました。お隣韓国は三十人と少なかったのでありますが、日本はそれにも劣っていたという状況でありました。 このときは、場所がアフリカであったので国際的な強い非難は免れましたけれども、次に同じような感染症の大流行がアジアで発生したらどうなるのか。中国では鳥インフルエンザの流行で死者も発生しておりますけれども、こういったものや新型インフルエンザが蔓延したらどうするのか。日本としても、国際貢献の意味でも、また水際対策の意味でも、しっかりとした対応が必要だと思っております。 安倍総理は、本年一月二十日の所信表明演説の中で、テロ、難民、貧困、感染症、世界的な課題は深刻さを増しています、こうした現実から我が国だけが目を背けるようなことはあってはならない、今こそ、積極的平和主義の旗を高く掲げ、世界の平和と繁栄のため、あとう限りの貢献をしていく旨のことをおっしゃっております。 大臣、エボラの反省を受けて、厚生労働省として、国際的に脅威となる感染症の対策のための人材育成をどの程度されてきたのか、また、日本として、今後どのくらいの人的支援が行えるのか、今後の決意を含め、最後にお伺いいたします。
○塩崎国務大臣 ちょうど私が厚生労働大臣に就任した年にエボラ出血熱が猛威を振るっていた、そういうときでありまして、早速、国内外の関係機関と連携をして、現地での感染症の危機管理に対応できる専門家の養成プログラムというものを立ち上げたところでございます。 これは、医師を対象に、二年間の標準履修期間で、当面、毎年度五名程度の育成を目指すということで、二十七年度は四名、それから二十八年度は五名が履修中でございまして、例えば、グローバルファンドとか、それからCDCとか、海外のまさに前線でやられる方々のところでも研修をするということをやっているわけであります。 これに関連して、去年はちょうど伊勢志摩サミットもありましたけれども、まさに世界の感染症危機の際のグローバル・ヘルス・アーキテクチャーというべく、対応の体制そのものを国連も巻き込んでつくり直したところでございまして、その際には、安倍総理が伊勢志摩サミットでリーダーシップを発揮して、言ってみれば今の形をつくり上げるまとめをしたということでもあり、また、その中で、九月に神戸でG7保健大臣会合をやりましたが、その中でも細かいことも決めていき、昨年、日本として貢献をするということができたのではないかというふうに思っております。 いずれにしても、WHO等の国際機関において活躍できる国際保健政策人材の育成の強化にも同時に取り組んでいるところでございますので、引き続き、こういった人材育成をしっかりとやるということで国際的な貢献をしてまいりたいというふうに思います。
○國重分科員 大臣、ぜひこの人的な育成の数をかなり力を入れてやっていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。 ありがとうございました。
○山下主査代理 これにて國重徹君の質疑は終了いたしました。 〔山下主査代理退席、主査着席〕
○菅原主査 次に、三ッ林裕巳君。
○三ッ林分科員 自由民主党の三ッ林裕巳でございます。 本日は、予算委員会の分科会におきまして質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 児童虐待の疑いがある事例が、医療機関に受診した際に発見されることがあります。実際に診察した医師が児童相談所に通報しても、直ちに児童相談所が判断を行えない場合、一旦、児童を家庭に帰さざるを得ず、虐待が深刻化するおそれがあります。 厚労省の「子ども虐待対応の手引き」におきましては、医療機関から虐待の可能性があるという通告があったときには、できるだけ素早い対応をする必要がある、まず、できるだけ早期に医療機関に出向いて状況を把握することが望ましいと記載されています。適切な記載がある一方、実際、現実にはなかなか実行できておりません。 諸外国では、児童虐待の可能性に気づいた医師が一時保護の判断を行える仕組みもあるようであります。我が国においても直ちに医師に一時保護の判断を行う権限を与えるかどうかは、じっくりと議論しなければならない課題であるとは思いますが、まずは、現行の制度を前提とした上で、できる限り迅速かつ適切な判断を行う努力が必要と考えます。 虐待による重症化を防ぐためにも、児童虐待を発見した医療機関から通報を受けた児童相談所が迅速に対応する取り組みを進めるべきと考えますが、いかがでしょうか。答弁を求めます。
○吉田政府参考人 お答えいたします。 地域の医療機関から要保護児童を発見した旨の通告があった場合、その児童相談所ができるだけ迅速な対応を行うことが必要だという点については、全く委員御指摘のとおりだというふうに私ども思っております。 特に身体的虐待の場合には、子供の治療、あるいは虐待の根拠となります医学的評価というのが重要だということでございまして、児童相談所が、例えば一時保護が必要か否かという点などについてドクター、医師と協議、連携した上で、医療機関に一時保護委託をするという仕組みも現在とられているところかと思います。 これまでも、児童相談所が適切に虐待対応を行うために、今御指摘いただきましたような手引を示しまして、医療機関からの通告に対しては、その日のうちにきちっと医療機関に出向いて事実や状況を把握するということにしてございますけれども、その点については、今重ねての御指摘もございました。私ども、現場においてどういう形でできるのか、いろいろな機会において徹底するとともに、別途、昨年から、私ども、児童相談所における体制整備という意味での強化プランも講じておりますので、そのようなものをもちまして、御指摘いただきましたように、現場がきちっと対応できるように、私ども国としてもしかるべく対応してまいりたいというふうに思っております。
○三ッ林分科員 ありがとうございます。 資料を用意しました。これは厚労省の資料ですけれども、虐待が疑われるケースへのきめ細やかな対応が必要と、課題としてうたっております。これを見ますと、やはり迅速な対応、例えば、この手引なんですけれども、できるだけ早期に医療機関に出向いて状況を把握することが望ましいと記載されているんですが、これは、把握しなければならない、そういったふうに変えていくことが必要だと思います。 米国のカリフォルニア州の州法におきましては、チャイルドアビューズの疑いがあった場合に、速やかに対応して、三十六時間以内に報告しなくちゃいけないという義務があります。やはり、こういった米国の決まりと比較すると、まだ少しその点が弱いのではないかなとちょっと指摘させていただきたいと思います。 次に、昨年の通常国会におきまして、私も厚生労働大臣政務官としてかかわらせていただきまして、児童相談所の機能強化を図る児童福祉法等の改正を行いました。これにより、かけがえのない子供たちの命が守られ、幸せな生活が保障されることが期待されています。平成二十九年四月一日から予定されている改正法の本格施行が円滑に進むよう万全の準備を行うよう、お願いしたいと思います。 他方で、昨年の法改正では、児童虐待防止に対する司法の関与のあり方など、さらなる検討課題があることが改正法附則にも明示されています。塩崎厚生労働大臣の強力なリーダーシップのもと、改正法成立後直ちに精力的に検討が進められ、今国会にさらなる児童福祉法等の改正案が提出される予定であると承知しておりますが、今後、さらに児童虐待防止対策を強化するためにどのような方針で臨むのか、お答えいただけますでしょうか。
○吉田政府参考人 お答えいたします。 今御指摘いただきましたように、また、委員の方にも御尽力いただきまして、児童虐待防止対策につきまして、昨年の通常国会において、児童福祉法等の一部を改正する法律を全会一致で成立させていただきました。今御指摘いただきましたように、この四月に全面施行ということでございますので、それぞれの改正項目について、例えば必要な専門家のスキルアップのためのカリキュラムをつくるですとか、関係者の方々のお知恵もいただきながら、今全力をもって施行準備に取り組んでいるところでございます。 また、今御指摘いただきましたように、改正法附則において検討課題とされました裁判所の関与のあり方につきましても、この期間、関係者の方々の御議論をいただきまして、今、今国会に児童福祉法の改正法案として提出すべく、準備は大詰めを迎えさせていただいております。 この改正法案、今検討させていただいている中身といたしましては、保護者指導に裁判所を関与させることで、里親委託あるいは施設入所に至る前の在宅ケースにおいてもその指導の実効性を高めて、良好な家庭養育の確保を図る。また、一時保護は現行法上、行政、児童相談所長でありますけれども、判断のみで行うことができるものを、裁判所の審査を導入することで手続の適正性を一層高めることができるということで、昨年の児童福祉法の抜本改正を踏まえた上で、その後、課題となりました点についてさらに一歩進めるべく、検討させていただいております。 今後、私どもとしては、昨年の改正法の着実な施行とともに、必要な制度の見直しを進めさせていただきまして、関係省庁とも連携した上で、発生予防から自立支援まで一連の対策のさらなる強化を図ることで子供たちの健やかな育ちを守っていきたいというふうに思っております。
○三ッ林分科員 ありがとうございます。 この児童虐待、本当に今もう十万件を超え、毎年ふえております。ぜひとも厚生労働省挙げて対策を立てていただきたい、そのように思います。 次の質問に移ります。 がんに罹患し治療が長期にわたる場合、約三割以上の人が離職を余儀なくされております。今、資料にも出しましたけれども、がん患者、院内オフィスということで、病気で入院中の患者さんが治療と仕事を両立できるように支援するパイロット事業予算が平成二十九年度予算案に盛り込まれております。病気になっても仕事を続け、退院後もスムーズに職場復帰できるように支援することは、安倍政権が掲げる日本一億総活躍社会の実現に向けて大変すばらしい事業であると私は高く評価したいと思います。 来年度はパイロット事業ですので、限られた病院において実施されるのかと思いますが、多くの患者さんが治療と仕事を両立するための支援を待ち望んでいることを考えると、早期により多くの患者さんに支援の手を差し伸べていくことが重要であると考えます。 まだパイロット事業が始まる前の段階ということではありますけれども、この事業をより大きく育てていくためにどのような事業を継続、拡充していく方針であるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○山越政府参考人 お答え申し上げます。 テレワークは、情報通信技術を活用して、時間あるいは場所を有効に活用できる働き方でございまして、今御指摘をいただきました、がん患者など病気治療中の方でも円滑に職場復帰していただくために活用できる、治療と職業生活の両立支援に資するものであるというふうに考えております。 このために、平成二十九年度に、病院内に患者の職場復帰を支援するためのコーナーを設置いたしまして、医師の許可に基づきまして入院患者の方などに利用していただく、今おっしゃっていただきましたパイロット事業を行う予定でございまして、現在、事業の詳細を検討しているところでございます。 この事業が来年度開始された後でございますけれども、これはまずパイロット事業でございますので、その事業の状況について、利用者でございますとか病院、企業の方の意見を十分踏まえて、その後のさらなる適切な事業の進め方についてさらに検討していきたいというふうに思っております。
○三ッ林分科員 ありがとうございます。 がんに限らず、長期に入院されている方が本当に多くおられます。こういった方が自分の意思に反して離職を余儀なくされる、本当にこれは残念なことでもあり、やはり、国としてこういったことを支援していくこと、そして離職を防いでいくこと、そして入院していてもテレワーク等を通じて仕事を継続できる、本当にこれは希望の光だと思います。私はすばらしい取り組みだと思いますので、パイロット事業からさらに全国展開、恐らく病院の方も、こういった事業、厚生労働省が挙げている取り組みを見て、ぜひともこれを採用したい、やっていきたい、こういった病院の方々は多数おられると思いますので、ぜひとも前向きにお願いしたいと思います。 次の質問に移らせていただきます。 健康な歯を持ち続けることは全身の健康保持のためにも大変重要であることは、昨今の多くの研究成果からも明らかになってきております。歯科健診を働き盛りの人たちに対しても幅広く提供することは、労働者の健康増進という意味で事業者にとってもメリットがありますし、医療費適正化という意味で保険者にとってもメリットがあります。個人にとっても、事業主、保険者にとってもメリットがあるということは、国家としても有益なことであり、国としてより積極的に進めていくべき事業であると考えます。 三枚目の資料でありますけれども、歯周病検診の現状、厚労省の資料でありますけれども、やはり、実施市町村は六〇・四%とまだまだ十分ではありません。 こうした観点からも、特定健診に歯科の項目を位置づけることは重要だと考えますが、平成三十年度からの特定健診の見直しの中で、歯科についてどのように位置づけられているのか、お伺いいたしたいと思います。
○鈴木(康)政府参考人 特定健診の中における歯科の位置づけについて御質問でございます。 特定健診における歯科の項目につきましては、平成三十年度からの見直しの中に二点ございますけれども、一点は、健診時に行う質問票の中に、歯科口腔保健の取り組みの端緒となるように、食事でかんだときの状態という質問を新たに追加することといたしました。また、二点目でございますけれども、歯科医師が特定保健指導において食生活の改善指導を行う場合に従来は必要としておりました研修の受講、これを不要というふうにいたしました。 これらの見直しにより、歯科口腔保健に着目した保健指導がより行われるようになるということから、歯科への適切な受診勧奨にもつながるというふうに予想しております。
○三ッ林分科員 ありがとうございます。 平成三十年度からの特定健診の中に歯科に関する項目が盛り込まれたことについては評価したいと思います。しかしながら、確実に歯の健康状態を確認するためにも、歯科健診を特定健診の中に位置づけることにつきましては、引き続き検討いただきたいと考えております。 ただし、特定健診には国費だけでなく保険料も投じられておりますので、保険者の理解を得ることが大変重要ではないかとも考えます。例えば、健診の精度、スクリーニング効果といいますけれども、健診の精度は保ちつつ、保険者が取り組みやすい簡便な方法、一般健診と同時に取り組める方法、より安価な方法など新たな取り組みを検討していくことも必要であると思います。 保険者や事業主による歯科健診の実施を実現するため、さらにどのような取り組みを考えていくのか、お伺いいたします。
○神田政府参考人 先生御指摘のように、歯科健診等を実施することによりまして歯、口腔の健康の保持増進を図ることは、健康で質の高い生活を営む上で大変重要であるというふうに認識いたしております。 このため、厚生労働省としては、二十九年度から、唾液等の検体を用いた簡便な歯周病等のスクリーニング手法の開発を行う研究に対して支援を行う予定といたしております。 この新たなスクリーニング手法の開発を通じまして、より多くの国民が定期的に口腔の健康を確認し、歯科疾患の早期発見、早期治療につなげられるよう努力してまいりたいというふうに考えております。
○三ッ林分科員 ありがとうございます。ぜひ、その取り組みを進めていただきたいと思います。 この特定健診、私も臨床の現場にいたときに、特定健診が始まる前に多くの先生方と特定健診を進めることに一人の医師としてかかわってまいりました。その中で、やはり、一番働き盛りの中高年の方々が心筋梗塞、脳卒中で倒れる、こういったことは企業にとっても大変な損失でありますし、日本の経済にとっても大変な損失であると思います。そういったことからこの特定健診が始まったわけであります。 医科の健診にプラスして歯周病検診、歯科の健診というのが入ることによって、やはり糖尿病の重症化予防、そういったことにも非常に重要でありますので、ぜひとも、保険者の理解も必要でありますけれども、この特定健診というものの受診率を上げる、そういったことも必要であります。ただ、この歯科の健診をしっかりと入れていくこともまた大変重要なことでありますし、これは費用対効果としても必ず結果が出る、私はそのように確信しております。 そこで、次の質問になりますが、歯科医師や歯科衛生士による周術期の口腔機能管理につきまして、在院日数の短縮等の効果があり、重要であることが明らかとなってまいりました。 また、日本歯科医学会では、口腔ケアにかわる新たな用語として、口腔健康管理という新たな概念を提唱しております。口腔機能管理についても、口腔健康管理の中に位置づけられております。 最後の資料、四枚目に提出しておりますけれども、口腔健康管理、これは、口腔機能管理、口腔衛生管理、口腔ケア。それぞれ、歯科医師が行うものが口腔機能管理、衛生士等ができるものが口腔衛生管理、そして看護師等が口腔ケアを行う、こういった整理をしております。 そういった中で、私は、この概念というものはとても重要であって、やはり、この口腔機能管理をしっかりやることによって周術期、入院日数が削減される、そして術後の肺炎の予防、こういったものが抑えられる、こういったことでこの概念を後押ししていきたいと思っておりますけれども、政府としても、周術期の口腔機能管理をさらに進めるため、外科的な手術を行う病院への歯科医師の配置や、歯科医師の配置が少ない病院への歯科医師の訪問などを推進すべきと考えますが、どのような取り組みを推進する方針であるのか、お伺いしたいと思います。
○鈴木(康)政府参考人 周術期の口腔機能管理について御質問がございました。 御指摘のとおり、周術期の口腔機能管理は極めて重要でございます。 このため、平成二十四年度の診療報酬改定におきまして、周術期口腔機能管理料というのを新たに創設いたしました。御指摘がございましたように、歯科医師がおられる病院については院内の歯科医師の先生が、それから、歯科医師がおられない病院につきましては地域の歯科診療所の歯科医師が病院を訪問して、周術期の口腔機能管理を行った場合に算定することができるということにいたしました。 さらに、昨年の平成二十八年度の診療報酬改定におきましては、周術期の口腔機能管理をさらに推進する観点から、歯科医師がおられる病院についても、地域の歯科診療所の歯科医師が病院を訪問して口腔機能管理を行った場合、周術期口腔機能管理料、それから歯科訪問診療料を算定できるということにするとともに、関連する点数の引き上げを行いました。 引き続き、周術期の口腔機能管理等における歯科、医科の連携を含め、適切な歯科医療が提供されるように、関係学会等の御意見を参考にしつつ、中医協における議論を踏まえて適切に検討してまいりたいというふうに思っております。
○三ッ林分科員 ぜひお願いいたします。 重ねて言いますけれども、周術期の口腔機能管理を実施すると術後肺炎の発症が抑えられることが、長崎大学を初めとする多施設共同後ろ向き観察研究、この大規模な研究によって明らかになってきております。私も現場にいた医師でありますけれども、病院において歯科医師がまだまだ病院でしっかり配置されていない、外科の手術をする病院、施設、そういったところにはやはり常勤の歯科医師を置いてこの周術期の口腔機能管理を行っていただく、このことが大変重要であると思いますし、そうすることによって入院日数は必ず削減することができますし、病床の利用も本当に回転がよくなってきますし、このことをぜひ強く進めていただきたいと思います。 医科歯科連携の推進、これは本当に重要なことであります。現状はといいますと、なかなか、大学病院でさえ、歯科医師の数が足りない、周術期の管理をやってもらおうと思っても歯科医師がいないので間に合わない、診療報酬で点数はついたけれどもそれに追いついていかない、そういったことが今現状であります。一般の病院については、もうそれ以上、そういったことにまだ回っていないという現状であります。 ぜひとも、この医科歯科連携を厚生労働省挙げて進めていただきたいと思います。このことが進むことによって、健康寿命の延伸、そして医療費の抑制、そういったものが達成できると私もかたく信じておりますし、ぜひとも厚生労働省挙げてそういった取り組みをしていただきたいと思います。 時間が多少余りましたけれども、私の質問はこれにて終了させていただきます。 ありがとうございました。
○菅原主査 これにて三ッ林裕巳君の質疑は終了いたしました。 次に、伊藤渉君。
○伊藤(渉)分科員 公明党の伊藤渉でございます。 本日も長時間の質疑の対応、大変にお疲れさまでございます。私で最後ですので、できるだけ前向きな御答弁を頂戴できればと思います。 まず初めに、訪問看護ステーションのサテライト、出張所の設置について御質問をいたします。 この約一カ月間にわたる予算委員会の中でも、みとりについても議論が行われてまいりました。晩年をなれ親しんだ自宅で、地域で暮らすことを可能にすることは、より豊かな人生の最終章の生き方の選択肢をふやすことにもなりますし、こうした環境整備を進めていかなければならない、こう考えております。介護、医療、暮らしのサポート、これを一体的にそれぞれの地域で提供していくために、訪問看護の充実は大変重要でございます。 そこで、まず、事実関係の御質問ですけれども、全国の訪問看護サービスの提供状況、例えば、約千七百九十自治体がございますけれども、訪問看護サービス提供事業者設置済みの自治体の数、またあわせて、この訪問看護サービスの提供に当たっては、利用者の御自宅に近いところからより効率的に訪問看護サービスを提供するために、サテライト、出張所を設置することを可能にしておりますけれども、この訪問看護サービスの提供に当たって、サテライトの設置を行っている自治体の数もわかれば御答弁をお願いしたいと思います。
○蒲原政府参考人 お答え申し上げます。 まず、お尋ねにありました訪問看護ステーションの数でございますけれども、昨年四月時点で、全国で約八千六百カ所というふうになってございます。 また、訪問看護ステーションが存在している地方自治体数、これは全国で約千二百ということでございまして、全体の市町村の中の約七割の市町村で設置がされている、こういう状況でございます。 さらに、お尋ねがございました、サテライトを有している訪問看護ステーションに関してでございます。まず、そうした訪問看護ステーションの数は、全国で約五百カ所というふうに把握をいたしております。ただ一方で、具体的にサテライトを整備している地方公共団体の数まではちょっと把握をされていない、こんな状況でございます。
○伊藤(渉)分科員 ありがとうございます。 箇所数、事業所数が八千六百ということですね。それを設置している自治体が七割で約千二百。その八千六百に対してサテライトが五百ということですかね。ありがとうございます。自治体の数はわからないと。 次の御質問ですけれども、このサテライトの設置を基本的に許可していない自治体がある、こんな御相談をいただいたりするんですけれども、そうした状況が現にあり得るのか。また、もしあるとしたら、それはどんな理由になっているのか。承知をしている範囲で御答弁をお願いしたいと思います。
○蒲原政府参考人 お答え申し上げます。 先生お話のございました訪問看護ステーションについては、都道府県等が事業所ごとに指定をするというのがまず基本でございます。その上で、お話ございましたサテライトについてでございますけれども、このサテライトという場所は、いわば訪問看護師の方々が待機をしたり、着がえ等を行ったり、あるいは道具の保管等を行っている、こうした出張所でございまして、主たる事業所との間で相互に支援する関係があること、あるいは職員の管理体制等で一元的に把握している、そんなようなことを要件に、主たる事務所と一体のものとして指定をする、こういうものでございます。 サテライトの個別の指定状況につきましては、これは都道府県等が要件を踏まえて行っているということでございまして、なかなか個別の事情までは十分には把握されていないところはありますけれども、実際は、なかなかまだ進んでいない一つの背景としては、こうしたサテライトというのは、例えば山間部とか、そういったところに必要なサービスを届けるといった意味で非常に有効なものではあるんですけれども、そうした趣旨が必ずしも十分に伝わっていないということがあろうかと思います。 私どもといたしましては、せっかく利用できるサテライトの仕組みでございますので、これを十分に活用していただくことが大事なので、都道府県等に対しまして、このサテライトの設置要件についての周知というのを丁寧に行っておりまして、自治体においていわば実情に応じた形でサービスが適切に届けられるように、こうしたサテライトの設置を積極的に活用していただきたいというふうに考えております。
○伊藤(渉)分科員 ありがとうございます。 例えば私の地元愛知・名古屋ですと、そのサテライトの設置の、平成十二年三月三十一日保発七〇号ですか、こういった書面が出ていまして、その書面に書かれていることに基づいて各自治体がさらに少し詳細に条件を決めている中で、例えば私が聞き及ぶ範囲でいいますと、名古屋の場合ですと、そのサテライトの設置基準というのが、公共交通機関で二、三十分以内で移動ができるということですとか、一年以内にサテライトから本体事業所にすること、こういうふうに条件が課せられているという話を実は聞いておりまして、事実関係もきちんと当該自治体にもまだ私確認できておりません。 ただ、特に、一年以内にサテライトから本体事業所にすることという条件は、果たして厚生労働省が発信をしているいわゆる考え方に沿っているのかとか、これも実際に事業を運営している方にもまた私きちんとヒアリングしなければと思っておりますけれども、実態としてサテライトの設置がしにくくなっているのだとしたら、これはやはり改善の余地があるのではないかというふうに考えておりまして、ここは私もまた引き続き調査をし、また御相談をしていきたい、こういうふうに思っておりますので、厚生労働省としてもよく目配りをお願いしたい、こう思います。 続きまして、幼稚園教諭の処遇改善に関する私学助成について、文部科学省にお伺いをしたいと思います。 これも今回の予算委員会で何度も議論がされてきた大変重要な予算でございます。保育士等の処遇改善、これが平成二十九年度予算の中に盛り込まれております。 また一方で、この予算は、言うまでもありませんけれども、新制度に移行している事業者が対象ですので、幼稚園は、旧制度にそのまま残っている幼稚園がございますから、ここが同じように処遇改善ができる体制をやはり整えてあげないと、普通の人はそんなことはわかりませんので、新制度の幼稚園なのか旧制度の幼稚園なのか。そういう意味では、同じように利用者の方が利用される、同じような施設で同じような処遇改善がなされるということは当然必要なことだと思います。 通告の段階では二つに分けて聞いておりますけれども、まとめて聞きます。 まず、新制度に移行していない幼稚園教諭に対しても、新制度に移行した保育士等と同様に処遇が改善をされるよう予算がきちんと手当てをされていますよねという確認が一つ。 もう一つは、この予算に基づいて、これは自治体が主導しなければいけませんので、全ての自治体が取り組みを実施するように文部科学省としてしっかりバックアップをしていただきたいと思いますけれども、御回答をお願いいたします。
○浅田政府参考人 子ども・子育て支援新制度に移行した私立の幼稚園の処遇改善が進む中で、私学助成の対象となる私立の幼稚園における処遇改善は大きな課題と認識しております。 文部科学省としては、平成二十九年度予算案において、処遇改善など人材確保の取り組みを行う幼稚園に対して都道府県が補助を行う場合に国としてこれを支援できるよう、幼稚園教員の人材確保の取り組みに対する支援を新たに実施することとしております。 子ども・子育て支援新制度では、全教職員を対象に五%の処遇改善が図られることとなっていることを踏まえて、私学助成においてもこれと同等の取り組みが行われることを想定しております。 また、子ども・子育て新制度においては、平成二十九年度から、技能、経験を積んだ者に月額四万円の追加的な処遇改善が図られることとなっておりますので、このような取り組みに対して私学助成において支援をすることも可能としております。 この仕組みを各都道府県でもうまく活用していただいて、各幼稚園、地域の実情に応じた支援策を講じていただくように期待をしております。 私立の幼稚園に対する私学助成については、都道府県が実施主体でございますので、処遇改善に向けた支援も、まずは都道府県でしっかりと支援策を実施していただくことが重要でございます。そのために、文部科学省としても、昨年の十二月に、都道府県に対して、このたびの予算措置を活用した私学助成における処遇改善への支援のイメージをお示しして、各都道府県からの御意見を踏まえた上で制度設計を行っております。 また、ことし二月六日の都道府県私立学校主管部課長会議でも、予算の内容、趣旨を御説明するとともに、先行して処遇改善の取り組みを実施している自治体の実例を御紹介したところです。 文科省としては、せっかくの今回の補助制度をできるだけ多くの都道府県で御活用いただけるように、各都道府県の御意向を踏まえてできる限り柔軟な制度設計とするとともに、引き続き、きめ細かな情報提供を行って、この処遇改善の取り組みが広く実施されるように取り組んでいきたいと考えております。
○伊藤(渉)分科員 ありがとうございます。 実際に幼稚園を運営される方の立場からすれば、県が動いて予算が成立してから多分現場に話がおりてきますから、自治体の議会というのはそんなに頻繁に開いていませんので、今回この新年度予算をやるところでちゃんと入ってくる自治体はまだしも、六月とか九月とかになれば、事業者の方からすれば、我が県はどうなるんだと大変御心配の声がたくさん届いておりますので、よく全体を見ながら御指導をお願いしたい、こういうふうに思います。 次には、腹膜透析の推進ということでちょっと御質問させていただきたいと思います。 透析を行っている患者の皆様からも、日ごろから私もお話をいろいろ聞いている一人でございます。その中の御要望の一つによくございますのは、特に現役世代の方などについては、就労等のことを考えると、寝ている間に透析をして、日中働いてという環境をぜひとも整えてほしいという声を伺うんです。そういう声が来るということは、なかなか現場ではそういった施設が十分ではないんだろうな、こう思っているわけです。 その中で、この腹膜透析ということに私も出会いまして、昔から知っていたわけじゃないんです、こういうものがあるということを知りまして、これは、特に睡眠時に実施ができるとか、自宅でできるとか、ただ問題点は、腹膜でやるのでずっとできない、五年から八年とかいう数字を聞いております。そういう課題はあるんですけれども、自宅で寝ながらできるということを考えると、特に現役世代の方などにはニーズがやはりあるだろうなと。ニーズに応えていく中で、医療の技術も進展をしていけば、さらに継続して透析ができる年数も伸びていく可能性はあるわけですから、私はぜひともこれを推進すべきではないかと思って、きょう、まずは質問するんです。 この実施状況を見ますと、私が調べる範囲ですと、ニュージーランドが約三一%、デンマークが約二一%、イギリスが約一四%、対して日本は約三%と、他の先進国と比べて非常に少ないという印象を持つわけですけれども、この原因はどこにあるとお考えか、まずこれをお答えいただきたいと思います。
○福島政府参考人 お答えいたします。 腹膜透析のメリットは、今先生御紹介のように、血液透析と異なりまして透析施設へ通院する必要がないという点で、患者さんにとって在宅でできるということでメリットがあると考えております。 しかしながら、透析液の注液、入れる、あるいは排液を出していく、こういう場合の、清潔に保持しながら行う必要があるということで、なかなか手間がかかるということで自己管理を要するために、自己管理が難しい御高齢の透析患者が多い我が国におきましては血液透析が選択されやすいとされておりまして、他国と比較しても腹膜透析の実施が少ないというふうに思われるわけでございます。
○伊藤(渉)分科員 確かに、まさにその人が置かれている状況があると思うんですね。 またぜひ私も調べようと思っているのは、日本で腹膜透析を活用されている二・九%の方というのがどういった年代の方なのか、また、そういったニーズがどの程度あるのか、これは我々もきちんと把握をしていかなきゃいけないとまず思っております。 まさにそういう意味で、患者さんの状況に合わせた透析治療ということが必要だろうと思います。現在、医療機関で、特に就労が可能あるいは就労を継続したいと考えている患者さんへは、こういった透析についてどういう選択肢が提示をされているのか、これも現状の把握という意味で御答弁をお願いしたいと思います。
○福島政府参考人 末期腎不全の腎代替療法としては、血液透析、腹膜透析、そして腎移植、この三つの治療法があるわけでございまして、二〇〇九年の日本透析医学会腹膜透析ガイドラインによりますと、透析導入時には、それぞれの療法の利点、欠点を偏りなく患者さんに説明して、十分な理解と適切な透析療法の選択を促す、こういうことになっておるわけでございます。 先ほど申し上げましたけれども、腹膜透析は在宅療法の一種でありまして、職場や出張先でも行えるという治療法であり、働きながら透析治療を受ける患者さんにとってはメリットが大きいと考えております。このため、就労が可能な患者の方に対しては、医療機関は、血液透析だけでなく、腹膜透析や腎移植も選択肢として提示しているというふうに承知をしております。
○伊藤(渉)分科員 ありがとうございます。 いわゆる血液透析も、施設さえあれば、寝ている間に透析することは物理的には多分可能だろうと思うんですが、要望をいただくということは、その施設自体がやはり余りないということなんだろうと私は理解しているんですね。そうすると、自宅でできるということであれば、また違う選択肢もありますので、課題としては、やれる年数に限りがあるということか、その辺も、実際に透析をなさっている方にもよくお伺いをしながらまた御相談をしていきたい、こう思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。 次は、内閣府にお越しをいただいておりまして、企業主導型の保育事業と一般市町村の関与についてお伺いをしたいと思います。 企業主導型の保育事業は認可外保育施設ですので、認可等に関することは自治体が関与をしておりません。一方で、保育園等の相談は、当たり前ですけれども、自治体の窓口などに基本的に来ますので、自治体として、自分の自治体でどういうサービスが行われているかという実態把握、これは重要だと思うんですね。例えば企業型保育でも、こういうことをこの会社がやろうとしているという段階からできれば把握をしておいた方が、自治体としても全体の運営には資すると思うんです。 ちなみに、この企業主導型保育事業の監査は、公益財団法人児童育成協会が行っていると聞いています。 質問ですけれども、この監査法人も、厚生労働省の方もそこはちょっと改善の余地がありますというようなことはおっしゃっていたんですが、この協会が東京にしかないので、まだまだ自治体とのコミュニケーションというのが不足しているのではないか。 この御要望は、自治体関係者の方から私がお伺いしたんですね。自治体としては、保育園等の相談がどうしても窓口に来るので、自分の自治体でどういう保育サービスが行われているかということは知っておきたい、そういう趣旨だと思うんですが、よくわかるなと。そういうことを把握できるような仕組みをより今より進化させていかなきゃいけない、こう思っておりますけれども、内閣府の方、御答弁お願いします。
○中島政府参考人 御質問いただきました企業主導型保育事業につきましては、事業主が従業員の方々の仕事と子育ての両立支援の推進を図るという観点から、事業主の拠出金を活用して実施をさせていただいているというところでございまして、その設置に当たりましては、制度上は、確かに御指摘のように、自治体の関与がない仕組みということになっているわけでございます。 ただ、委員御指摘のように、自治体におきましては、当然のことでございますけれども、みずからの自治体内で行われている保育事業の全体像はやはりしっかり把握しておきたい、また、把握していただかなければならないということもこれまた事実でございます。 この企業主導型の保育事業についての助成は、今委員御指摘いただきましたように、児童育成協会に担っていただいているわけですが、助成決定をします都度、この児童育成協会から当該自治体に対して、施設の住所、連絡先、定員、開所予定日、そして地域枠の設定の有無等について情報提供していただく、そして、こうした情報については、この児童育成協会のホームページにおいても公表をさせていただくという形をさせていただいているところでございます。 また、事業者に対しましては、事業の申請に当たって、設置予定地の自治体にこうした施設を設置するということを相談してほしいということを、これまで事業者向けの説明会を頻繁に開催させていただいておりますが、その場で事業者の方々に促すこともさせていただいているところでございます。こうした取り組みを通じて、地域枠の設定等において当該自治体との連携が進むことが期待されるのかなと思っているところでございます。 今後、こうした連携がさらに密接にできるような工夫ができないかどうか、改めて、きょうの御指摘も含めて考えさせていただければと思ってございます。
○伊藤(渉)分科員 ありがとうございます。 私もまたさらに調査しますけれども、助成決定の段階というのが果たして適切なのかどうかということもあるような気がしましたので、そのことも含めてまた私もヒアリングしていきたいと思います。 続きまして、母子父子寡婦福祉資金、この大学院生への貸し付けについてお伺いをしたいと思います。 これもやはり今回の予算委員会、また来年度予算の一つの目玉で、給付型奨学金ということが議論をされてまいりました。家庭の事情等によらず、本人が望めば学べる環境を整えていく、これは極めて重要な取り組みだと思います。 そこで、まずお伺いをいたしますけれども、これは文部科学省ですが、大学院への進学率というのがわかれば、ぜひ御答弁をお願いします。
○浅田政府参考人 学校基本統計によりますと、平成二十八年三月の大学の学部卒業者の大学院への進学率は、約一一%となっております。
○伊藤(渉)分科員 ありがとうございます。 一一%の方が大学院に行かれると。私、理系の大学なんですけれども、大学を出たのは既に二十五年ぐらい前ですが、理系はもっと多分多いと思うんですね。私の時代でも半分ぐらい大学院に行っていましたから、今どんどんふえているんだろうな、こう思うんです。 実は、個別具体的にこういう御相談が寄せられたんですね。 まさに母子家庭で、御子息が大学に通学をしていまして、そのときは、日本学生支援機構から奨学金第一種を借りていた。これは無利子です。大学院に進学をしようということで、すばらしいことだと思います、一生懸命頑張ったんだろうと。再度、やはり奨学金の申し込みを行ったんですけれども、第一種は受け付けを残念ながらしてもらえなくて、ちょっと理由までは詳細に押さえていないんですけれども、第二種、つまり有利子になってしまった。 そこで、であればということで、母子父子寡婦福祉資金制度、これは修学資金は全て無利子で貸し付けとなっているものですから、ぜひこの制度を利用させていただこう、片親ですから自分で何とかしようと。けなげな取り組みだと思います。しかし、残念ながら、この母子父子寡婦福祉資金の修学資金貸付制度には、大学院進学が認められていないということだったそうなんですね。私もこれは実は初めて知りました。 確かに、全体の進学率で見れば一一%、決して多くはありません。ただ一方で、これはあくまでも貸し付けですから、何か予算的に大きな影響が出るとも思いませんし、ましてや、志す学生の気持ちからすれば、できるだけ親に迷惑をかけたくない、自分で何とかしたい、自分で何とかする以上、それは有利子より無利子の方がいい、これは至極当然な発想だと思うんですね。 そこで、御質問ですけれども、冒頭申し上げたとおり、こうした家庭の事情によらず、本人が望めば教育を受けられる環境を整備していくこと、これは政治にとっても、また行政の皆さんにとっても全く異論のないことだと思います。そうした観点からすれば、お金ができるツールはやはり少ないより多い方がいいわけですので、さまざま事情があろうかと思いますけれども、この母子父子寡婦福祉資金においても大学院進学に対しての貸し付けを可能にするよう、ぜひとも検討を開始していただきたいと思いますけれども、これは副大臣の御答弁をお願いいたします。
○古屋副大臣 伊藤委員も御苦労されて大学院を卒業されたと伺ったことがございます。 この母子父子寡婦福祉資金貸付制度では、一人親家庭に対しまして、高等学校、高等専門学校、専修学校及び大学に進学する際に必要な授業料等に充てるための修学資金、それから、これらの学校の入学金等に充てるための就学支度資金を無利子で貸し付けすることとしております。 これまで、大学を卒業することが就職に有利になること等を配慮いたしまして、子供の進学意欲をそぐことのないよう、大学への進学を支援してきたところでございます。 御指摘のように、さらにその上の大学院への進学を貸し付けの対象とすることにつきましては、一般の大学卒業者のうち、今ありましたように、大学院進学率が約一一%であること、また、一人親家庭にこれまで以上に返済の負担を負わせること、また、ほかの福祉貸付制度における扱い等の課題を踏まえまして、今御質問いただきましたので、限られた財源の中でさらに検討していきたいと考えているところでございます。
○伊藤(渉)分科員 御無理を申し上げますが、ぜひとも御検討をスタートしていただきたいと思います。 最後の質問をしたいと思います。 最賃に関して、その支払いを可能にする取引の適正化について御質問をさせていただきます。これは、いろいろな業界があるんですけれども、きょうは厚生労働省の方に御質問をするという意味で、ビルメン業界、ここに限って御質問をさせていただきたいと思います。 ビルメン業界というものもありますし、ビルの外側、壁面などを掃除するガラス外装協会という協会も実はございまして、いずれにしても、こういったところは大変多くの人手を要します。たくさんパートの方を抱えている業態でございまして、主に契約を年度初めにするケースが多いんですね。大体最賃に張りついたような契約に、私が知り得る限りではなっておるんです。 この場合、年度途中で最低賃金というのは上がるものですから、上がった後、実態として赤字になってしまっている契約というのが結構見受けられます。よくそういう話を実は伺っておりまして、我々政府・与党で最低賃金を一生懸命上げている、これ自体は大事なことだし、やっていかなきゃいけないんですけれども、そこの結果、取り残されてしまっている業態の方がいるものですから、ここに対して何らかの手をやはり打っていかなきゃいけない。 こういったビルメン業界の取引の改善を促していく必要があると考えますけれども、厚生労働行政として実施できる手だて等、また今の取り組み等、ぜひとも御紹介、御答弁いただければと思います。
○北島政府参考人 お答えいたします。 ビルメンテナンス業につきましては、公共建築物のビルメンテナンス業務におきまして、不当なダンピング受注等を防止し品質の確保を図るため、平成二十七年に、ビルメンテナンス業務における発注関係事務の運用に関するガイドラインを作成いたしまして、各省庁、各都道府県に対して発出しております。 このガイドラインにおきましては、ビルメンテナンス業務の発注関係事務の中で、例えば、仕様書や予定価格の作成、競争参加資格の設定等について適正に行うよう発注者に求めるとともに、最低賃金引き上げへの対応といたしましては、入札に参加しようとする者に対する最低賃金制度の周知、最低賃金の改定等を注視し、必要があると認める場合には、代金の額の変更を検討することを要請しております。 引き続き、国、地方公共団体において、本ガイドラインに基づいた取り組みが促進されるよう周知徹底を図ってまいりたいと考えております。
○伊藤(渉)分科員 ありがとうございます。 まさに、最低賃金が引き上げ、改定になったときに、価格の変更が必要であればそれを検討するという、すごく重要なガイドラインだと思います。私自身も周知に力を入れていきたいと思います。 以上で終わります。 いずれにいたしましても、厚生労働行政は、ソフト面のほぼ全てをつかさどる行政であり、課題もたくさんあろうかと思いますけれども、それが全て国民の生活の向上につながりますので、しっかり応援をしてまいりたいことを申し上げ、質問を終わります。 ありがとうございました。
○菅原主査 これにて伊藤渉君の質疑は終了いたしました。 次回は、明二十三日木曜日午前九時より本分科会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十八分散会