予算委員会 第6号
- 発言数
- 347 件
- 登壇者
- 34 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2017/02/03
会議録
○浜田委員長 これより会議を開きます。 平成二十九年度一般会計予算、平成二十九年度特別会計予算、平成二十九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、基本的質疑を行います。 この際、お諮りいたします。 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官中川真君、内閣官房内閣人事局人事政策統括官三輪和夫君、警察庁交通局長井上剛志君、法務省民事局長小川秀樹君、法務省保護局長畝本直美君、外務省大臣官房審議官相木俊宏君、厚生労働省健康局長福島靖正君、農林水産省食料産業局長井上宏司君、農林水産省経営局長大澤誠君、観光庁長官田村明比古君、環境省水・大気環境局長高橋康夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○浜田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山下貴司君。
○山下委員 自由民主党の山下貴司です。 予算委員会の基本的質疑という、大変光栄な場で質問の機会をいただくことをありがたく思っております。先輩議員、同僚議員、そして総理初め大臣の皆様に心から感謝申し上げます。 実は、国会における議論のあり方ということで大きく質問したかったんですが、昨今の予算委員会の議論に即して、ちょっと通告とは順番を変えることをお許しいただきたいと思います。 まず、やはり、文部科学省の再就職、天下り問題について確認せざるを得ません。私はもともと検事だったということもあって、官民癒着の問題については厳しく対処せねばと思っております。まず、文科省において全容について早急に調査をして、判明した事実についてできるだけ速やかに公表すべきだと思っております。これは公務員制度全体の信頼にかかわる問題であります。 その点について、文部科学大臣、今、調査の状況、今後の見通し、どうなっているでしょうか。
○松野国務大臣 調査班の状況でございますけれども、昨日、弁護士を初めとする有識者の方々を調査班班員として委嘱したところであります。本日、外部有識者を加えた調査班会議を開催し、直ちに調査に着手をしていただくこととしております。 調査班においては、まず、御指摘のあったR氏と文部科学省の間の再就職に関する情報の流れや、人事課を中心とした省内における情報共有の流れを整理するとともに、R氏と文部科学省の関係法人との関係について事実関係を明らかにしていきたいと考えております。 その上で、二月六日月曜日の昼ごろには、第一弾として、文教協会、文教フォーラム等との関係、R氏と人事課等のかかわりなどに関する事実を整理したものを公表したいと考えております。
○山下委員 今伺うと、第三者を入れた調査班ができた、きょう第一回をやるということ、そして土日返上でやって、月曜日の昼には第一弾の公表をということでございました。 こういう不祥事があった場合に、とにかくまず調査をしっかりやっていただきたいということと、一方で、こういうことについて調査中のときに、早くまとまった調査結果は出してもらいたいんですけれども、ぽろぽろぽろぽろ逐次的に出るというのも、かえって情報がひとり歩きするということなので、きょうは調査が始まったというばかりなので、私は、月曜日の調査報告結果を待って、またここはしっかり審議をさせていただきたいと思いますので、土日返上で、大臣のリーダーシップでしっかり調査していただくことを望んでおります。 それでは、次に、介護人材の確保について伺います。 私は、自民党で社会保障特命委員会の介護PTの事務局長をさせていただいておりました。 今後、二〇二五年までに介護人材を今より大体四十万人近く確保しなければならないということでございますが、お手元に配付した資料一の新聞記事にあるように、介護福祉士の養成について、定員の五割を切るということで、確保が大変厳しゅうございます。 政府においては、資料二、二枚目をあけていただければおわかりのように、介護人材確保対策に係る平成二十九年度予算案に盛り込まれた主な取り組みということで、三百七十億円を積んでいただいて対応はしていただいております。 私は厚生労働委員なので、細かい内容については厚生労働委員会のときに大臣に伺いたいと思っておりますが、この機会に、これらの予算に盛り込まれていないけれども大切なことについて文部科学大臣にちょっとお伺いしたいんです。 というのは、私は、地元の介護施設を実は幾つも幾つも訪れているんです。そして、その介護施設で直接、介護職の方、介護福祉士の方、ケアマネジャーの方から、十人ぐらい集まってもらって本当に忌憚のない意見を聞かせていただく。そういった中でよく聞くのが、介護のことについてもっと子供のころから教えてもらえませんかと。 それは、一つには、介護職の御家族の方がおられて、自分のやっていることを子供にもぜひ理解してもらいたいんだ、そういうこと。これが一つ。 二つ目は、介護職の皆さんが本気でおっしゃっているのが、これからは地域でもケアをしていくんでしょう、御自宅でも介護をやるということになるんでしょう、だとすれば、例えばベッドから抱き起こして車椅子に座ってもらう、そしてトイレに連れていくとか、そんな家庭でもできる基本的な介護の技術、これは学校でも教えていただくべきなんじゃないか、そういうことをやれば、その過程の中で、では私も介護の仕事をやってみようということを考えてくださる方も多くなるんじゃないかと。 これは現場の声なんです。現場の方がそうおっしゃっている。 そういうことで、往々にして、高校になって、進路に悩むころになって初めて介護のことを教えるというのではなくて、もっと子供のころから、早いころから介護になじんでもらうということが介護全体に対する理解にもつながるし、人材確保にもつながるのではないか、裾野を広げることになるんじゃないかということを考えております。 今の学習指導要領を見ると、介護については、残念ながら、座学はやっても、実技については高校になって家庭科で、スプーンで友達に食べさせてみましょうとか、手を引いて立ち上がらせてみましょうとか、そんな本当に全く初歩的な実技しか教えていないんですね。 高齢者の四人に一人が認知症になるというふうなことも報道されております。もはや介護は誰でも経験する事態でございます。子供といえども、おじいちゃん、おばあちゃん、どちらかが要介護者、要支援者であるということは決して珍しくないわけであります。 そうしたことからすれば、私は、遅くとも中学の技術・家庭などで家庭でもできる簡単な介護技術を教えてもらう必要がある、そういったことを教える、学ぶことを通して私もやってみようと、将来介護職につこうという方の裾野が広がるんじゃないか、そうした上で、今年度の予算でも盛り込まれている、例えば高校になってインターンとして介護施設に行ってもらうというのに興味が湧く人も来てくれるんじゃないか、また小学校の方でも、身近に体が不自由な人がいることが当たり前なんだということがわかれば周りにいる障害児自体への理解にもつながるんじゃないかと思うんです。 資料三をお配りしておりますけれども、これは、昨年末公表された学習指導要領の改善についての中教審の答申であります。高校の家庭科で指導要領の改善が必要だということの中で、高齢者の生活支援技術の基礎に関する内容を充実するとある。しかし、私はもう少し早くできないかと思うんです。 文部科学大臣にぜひ考えていただきたいのですが、小学校のころから体の不自由なお年寄りを助けることを教えたり、あるいは遅くとも中学校から技術・家庭なんかで本当に基礎的な生活支援技術を、その基礎を教えたりすべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか、文部科学大臣。
○松野国務大臣 委員御指摘のとおり、少子高齢化が進む中で、子供たちが介護の意義や社会保障について理解を深めるとともに、高齢者との触れ合いや交流、介護体験を実際に経験する機会を持つことは重要だと思います。介護人材の確保の問題、地域や家庭での高齢者の方との触れ合いの問題、そして委員のお話の中にありましたとおり、介護職に対しての社会の理解を進める上においても重要だと認識をしております。 このため、現在、学校教育においては、学習指導要領に基づき、中学校社会科や高等学校公民科、家庭科等において、高齢者との触れ合いや交流、介護についての学習が行われております。 しかし、委員御指摘のとおり、小中学校の学習指導要領上は介護実技については明記をしていないということであります。御指摘の介護実技に関しては、例えば高等学校、家庭総合において、日常生活の介助の基礎として、食事、着脱衣、移動などについて体験的に学習させることとしておりまして、高等学校において介護実技に関する指導が行われているということでございます。 文部科学省としては、こうした介護に関する指導を充実する観点から、例えば厚生労働省と連携するなどして、介護事業所におけるインターンシップや職場体験の促進を図るなど、学校における介護に関する教育の充実に努めてまいります。
○山下委員 ありがとうございます。 そうやって、とにかくいろいろな形で国内の人材の確保を図るべきだと思います。それが第一番だと思います。 ただ、介護人材の確保につきましては、昨年関連法案が成立したこともあり、外国人人材の活用ということが話題になっております。 そこで、厚生労働大臣に伺いたいんですが、昨年末の技能実習法改正であるとかあるいは介護在留資格の創設によって、介護分野における外国人人材の活用についてどのような影響があるんでしょうか。伺えればと思います。
○塩崎国務大臣 山下委員御指摘のように、昨年の臨時国会で技能実習の適正な実施等を図る技能実習法、それから介護福祉士の国家資格を取得した外国人に在留資格を付与するという入管法の改正が成立をいたしまして、昨年の十一月から一年以内にということですから、遅くともことしの十一月までには施行をされるということになります。 今後、技能実習制度の施行と同時に介護職種を追加するための必要な準備を行うわけでありますけれども、介護分野における外国人材の受け入れに当たっては、介護サービスの質を担保して利用者の不安を招かないようにしていくとともに、外国人について日本人と同様に適切な処遇を確保するということで、日本人の処遇や労働環境の改善の努力が損なわれないようにしていくということが重要だというふうに考えています。 こういうことから、例えば介護技能実習生にはもちろん一定の日本語能力を求めるわけでありますし、受け入れ施設には適切な実習体制の確保を求めるなど、具体的な制度設計を今後進めていかなければならないわけであります。 介護人材の確保に当たりましては、国内の人材の確保対策が充実強化されなければならないというのが基本だということは先ほど御指摘いただいたとおりでありますけれども、同時に、外国人の介護人材を受け入れる際には、やはりそれぞれの制度趣旨に沿って我が国の介護現場で活躍いただけるようにしていかなければならないというふうに考えております。
○山下委員 ありがとうございました。 まことに、各省一丸となって、ぜひ御協力いただきたいと思っております。 次に、国際組織犯罪防止条約の担保法について。 実は、担保法が今問題になっております。ただ、私は法律実務家の経験を持つ者として、条約担保法に関する細かい議論というのは、具体的な条文案が詰まった上で、それを踏まえてやらなければ意味がないんです。ですから、私はきょうは控えておきます。ただ、私の経験をぜひ総理に聞いていただきたいんです。 というのは、私は、自民党政権と民主党政権を通じた時期、いずれも、法務省刑事局国際課企画官という立場からTOC条約の批准問題を担当していたんです。そして、TOC条約の締約国会議、ウィーンのUNODCにも行きました。 日本は国連の最大の拠出国の一つなんです。だから、普通の国連の会議では、日本は最前列あるいはそれに近い、名誉ある立場を与えられているんです。しかし、この国際組織犯罪条約の締約国会議では、締約国でない日本は最後列の席であります。何の発言権もない。三流国の扱いであります。国際的に取り組む、しかも国連の組織犯罪対策条約に日本だけ貢献できていない、そういう思いでございます。 日本はいろいろ経験がある。オウムであるとか、あるいはマフィアと同じく国際的に有名なやくざに対する対応であるとか、そういう経験があるんだけれども、全く日本は貢献できる資格がない。これは惨めなものでした。 もちろん、私は締約国会議の場などで、今、国会で野党の皆さんが質疑で聞いているような論点は、当時、念のため、国連のUNODC事務局や締約国に確認しました。でも、誰に確認しても、TOC条約が対テロ対策と密接に関係することを否定する人はいません。 そして、条約五条において、重大犯罪に関する実行行為とは独立した網羅的な合意に関する罪をつくるか、あるいは団体参加罪を設ける義務があることは明らかだと、どの国も事務局も言っています。それなくして批准しても、締約国になった瞬間に条約違反国になるというふうに言われています。不十分な形で条約に入ってほしくない、そこまで言われました。 野党の皆さんの中には、何の法律を整備せずとも今のままでTOC条約を批准できると簡単におっしゃる方もおられます。しかし、法務省の担当官として民主党政権の内部で見てきた者として、そのように簡単に結論づけることは民主党政権時代には断じてなかったんです。そのことは断言したいと思います。守秘義務の関係があるためにつまびらかにはできませんけれども。 資料四から八の国会答弁の、これらはいずれも民主党政権時代の大臣の答弁です、その傍線部を見ていただければ、千葉大臣、中井国家公安委員長、そして私がやめた後に大臣になられましたけれども江田大臣といった、民主党政権時代の各大臣が、新たな共謀罪の導入なくしてTOC条約を批准しますという民主党のマニフェストと条約批准の現実のギャップをいかに真剣に検討し、悩んでいたかがわかります。 例えば、資料八の裏側の当時の江田法務大臣の御発言であります。 江田大臣は、千葉大臣もそうです、政権交代前、民主党政権になる前は共謀罪反対の急先鋒でした。 ところが、江田大臣が、下から二段目の傍線部ですけれども、あの条約が言っている共謀罪であるか参加罪であるかどちらかをつくりなさいという共謀罪が、あれではいけないけれども何か要るんだという考えも一つあり得る、だけれども、今委員がおっしゃったように、いやいや、もう日本の法律はこれだけのものがちゃんとできているから、それはあの条約で言っている、これを処罰できるようにしなきゃいけないということは日本ではできているという意見もあるので、そのどちらなんですかおまえはと言われましたら、私としてはまだそのどちらかということを答えるほど十分検討は進んでいない、これは各省庁とも検討してさらに結論を得る努力をしなければならないということしかちょっと今の状態ではお答えできないということでありますと。 しかし、江田大臣も、あるいはその前の千葉景子大臣の答弁を見ていただければわかりますよ、政権交代前は共謀罪なんてとんでもないと言っていたんですよ。ところが、この傍線部、全部皆さん読んでください。悩んでいるんですよ、ギャップで悩んでいるんですね。そして民主党政権時代には決断ができなかった、だから批准できなかったんです。 民進党の皆さんにおかれては、維新とかいろいろな新しい血も入っていると思います、当時の各大臣や法務部門会議や、当時の部門会議の議論をいま一度検証していただいて、各党の議論を整理した上で、何人も条約加盟の必要性は否定しないと思います、TOC条約の担保法のあり方について国民のために冷静に議論するように私は望みたいと思いますが、総理の御感想があればお願いいたします。
○安倍内閣総理大臣 委員には、これまでの経緯について、当時この条約あるいは法案にかかわった実務者としての経験も踏まえて、大変わかりやすく御指摘をいただいたと思います。 今渡していただいた資料を見ますと、例えば千葉国務大臣も、組織犯罪あるいはサイバー犯罪等に適切に対処していくということは、国際的にも、そして国内の中でも大変重要なことだというふうに思っています、このような条約に対応するためにどのような法整備が必要なのか、そして、その内容、どんなものが適切なのかということについて、関係省庁ともこれからも十分に協議をしながら対処していきたいというふうに考えておりますと。 いわば、今のままの法体系でできるとはもちろん言ってはいないわけでありますが、と同時に、条約は絶対に必要だという認識を示しておられます。条約が必要だという認識があるなら、そしてそのときの法制でできるというなら、何であの三年間でできなかったのかという、これは素朴な疑問であります。 前も申し上げたわけでありますが、もちろん当時の民主党は一応しっかりとした政党でありますから、政府でありますから、ぼうっとしていたわけでも、うっかりしていたわけでもないんです。恐らくできなかったということではないかというふうに思うところでございます。
○山下委員 その三年半、私も実は民主党政権の官僚として中にいて、先ほどの御指摘、非常にじくじたるものがございます。 ただし、みんな悩んでいたんです、大臣、副大臣、政務官含めて。今の議論を聞くと、本当に隔世の感があります。できれば、どうか冷静な議論を国民のためにやっていただきたい、そう思います。 法務大臣には、この担保法については、具体的な条文ができてからきちっと、聞かせていただく機会があれば聞かせていただきたいと思います。それがやはり条約担保法の筋だと思いますので。法律実務家としては常識です。 それでは、大臣には再犯防止について伺いたいと思います。 一昨年、安倍総理が更生保護施設や女子刑務所を視察され、再犯防止のためには息の長いケアが大切であると御発言されました。そうした後押しもあって、昨年、超党派国会議員によって再犯防止推進法が成立いたしました。これは本当に、民進党の皆様の御了承も得て、共産党の先生方にも賛成していただいたんですね。もちろん、維新の先生方にも賛成していただきましたし、友党公明党の皆さんはバックアップしていただきました。 これによれば、法務大臣が、各省庁と協議の上、再犯防止推進計画を策定し、閣議決定を得ることになっております。けさの読売新聞でも、年内に計画を策定するというふうなことが報道されておりましたけれども、法務大臣に、この再犯防止推進計画の策定を含め、再犯防止施策についての意気込みをお伺いしたいと思います。
○金田国務大臣 山下委員の御質問にお答えします。 その前に、山下委員は、ただいまお話のありました再犯防止法の議員連盟の事務局長を務められて、そして提案者にもなられた。そういう立場に対しては、非常に私ども法務省関係としては、この法律が成立しましたことを心からその関係者にお礼を申し上げたいな、このように思っております。 その上で、委員御指摘のとおり、安倍総理から、再犯防止のためには、出所後を含めて息の長いケアが大切であるとの御指示があったと承知をしております。 法務省ではこれまでも満期釈放者を含む犯罪をした者の再犯防止対策を進めてきたところでございますが、昨年成立しました、ただいま申し上げた再犯防止推進法を踏まえて、今後、法務大臣である私が再犯防止推進計画案を作成していくことになりますので、その過程において、安倍総理の御指示や委員御指摘の点を踏まえて、まさに息の長いケアのあり方について、厚生労働省等関係省庁とも連携をしながら、協力をしながらしっかりと検討してまいりたい、このように考えておる次第であります。
○山下委員 本当に大臣のリーダーシップに期待させていただきたいと思います。 添付資料の九にもありますけれども、さまざまな施策がありますが、やはりまだ足りないと思いますので、よろしくお願いします。 次に、土地利用法制の合理化について伺いたいと思います。 アベノミクスをさらに吹かすためには、重要な経済手段である土地利用が円滑にいく必要があります。ここで、いろいろ議論はありますが、農業振興地域の農用地の活用について伺いたいんです。 地元のことで恐縮なんですけれども、吉井川という一級河川で国営かんがい排水事業があります。ここで平成二十五年から老朽化に伴う改修工事が行われているんですね。もちろん、老朽化に伴う改修工事、これはやはり農家の方にとって必要なので、みんな同意を得ているんです。ところが、事業がかんがい排水にかかわるだけに、受益地が五千五百ヘクタール、東京ドーム千二百個分に及んで、この工事完成が三十二年。工事完成後八年間は転用できませんから、平成四十年まで一切その五千五百ヘクタールが除外できないのではないかという心配する声があったんです。 農地の維持も大切なんです、これはもう絶対です。しかし、大切なのは地域に人が暮らすことということで、農地の維持と将来生まれる企業誘致のニーズとのバランスをとる施策が必要なんじゃないかと思っております。それが結果的にこの農業、農地の維持につながるんじゃないかと思っております。 農水大臣、来年度に向けて、そういったバランスをとる施策についての整備をするというふうな考えはおありでしょうか。
○浜田委員長 山本農林水産大臣、時間が来ておりますので、手短にお願いいたします。
○山本(有)国務大臣 農村地域工業等導入促進法の改正案、これをぜひ審議をお願いしまして、成立するならば、経産省の地域未来投資促進法とあわせて、農地転用についても考慮しながら、地方創生と優良農地の確保の両立ができるように努めたいというように思っております。
○山下委員 ありがとうございました。 最後に、国会審議のあり方を質問したかったんですけれども、資料を添付しております。これを見ると、各国の大臣や各国の首相に比べて、いかに総理がこの国会に出席されているのか、誠実に国会に対応されているのか、よくわかると思います。そういったことも御指摘しながら、質問を終えたいと思います。 ありがとうございました。
○浜田委員長 これにて山下君の質疑は終了いたしました。 次に、野中厚君。
○野中委員 自由民主党の野中厚でございます。 初めに、水田農業政策についてお伺いいたします。 私の地域は埼玉県一の米どころでありまして、昨年の秋から冬にかけて地元をめぐり、多くの農家の方と意見交換をさせていただきました。そのとき私が感じたことがございます。農家の方が、少なくとも私の地域においては、TPPによって受ける農業の影響について不安を持っているのではなくて、何より平成三十年以降の米政策について不安を持っていらっしゃったということであります。 いろいろな声がございました。平成二十九年度で米の直接支払いがなくなるが、三十年以降どうなるんだろうか。また、生産調整が撤廃されて、米が過剰生産となって米価が下落するのではないか。また、転作作物についてもいずれ補助金はなくなってしまうんじゃないか。声はさまざまでございました。 そこで、お伺いしますが、平成三十年度に向け、いよいよ来年度、平成二十九年度の予算がございますが、一部報道でございました、水田政策に対する予算が緩やかに減額するのではないか、農家の方が不安を持たれております。二十九年度の水田政策、予算について、山本農水大臣にお伺いします。
○山本(有)国務大臣 お尋ねの二十九年度予算でございますが、水田活用の直接支払い交付金につきましては、麦、大豆、飼料用米などの戦略作物助成の現行単位を維持しつつ、二十九年度予算で前年度の七十二億円増となる三千百五十億円を計上しております。 この予算によりまして水田のフル活用をしっかりと進めていきたい、こう考えております。
○野中委員 懸念があったわけでありますが、今大臣も御答弁されたように、七十二億円増で提出をされているということでございます。 農家の方がどのように水田を利用しているかという例を挙げさせていただきたいと思います。 平均的な農家、約一ヘクタールでございますが、収入の合計は百万にも満たない収入であります。一方、経費にかかる額というのは大幅に百万を超えまして、マイナスであります。 中核農家、この中核農家は四ヘクタールでありますが、これぐらいの規模になれば麦の転作も行って、収入が四百六十万。ですけれども、経費を引きますと、やはり収入というのは一般のサラリーマンの方の平均収入に到底及ばないということであります。 大規模農家になれば、収入が五千万を超え、また一方、経費を引いても、ようやくサラリーマンの年収に届くかどうかというところの額まで収入が上がってくるということであります。 このように、転作作物等をつくって、戦略作物助成、二毛作助成、いろいろ交付金などを活用して生計を立てているというのが農家の方の実情であって、やはり米だけで小規模でやれば、先祖代々の土地を守っていく使命感でやっていらっしゃる方が多くいらっしゃるのも事実であります。 私、県議会議員時代に地元の方から、農家の方でありましたが、言われたことが非常に印象に残っておりまして、十年、二十年先、我々が見える政策を打ち出してくれということでありました。 平成三十年以降の水田政策について、今後も変わらず、飼料用作物、麦等の転作作物、そして主食米など、水田をフル活用していくことに変わりはないか、補助金等予算については単年度でありますので額については質問はしませんが、補助金を出すことにも変わりはないのか、お伺いします。
○山本(有)国務大臣 米政策の見直しにつきましては、御指摘のとおり、二十五年十二月十日に農林水産業・地域の活力創造本部で御決定いただきましたように、平成三十年から、行政による生産数量目標の配分に頼らず、主体的に作付を判断できるようにいたしました。また、米の直接支払い交付金は、平成二十九年産までの時限措置となっております。 こういうようなことを踏まえて、平成三十年産の米政策の見直しを着実に実施するためにも、水田活用の直接支払い交付金による飼料用米への支援は安定的に実施していくことが必要でございまして、この点において、我々は、将来にも不安のない農家収入を確保するという所存で取り組んでいるところでございます。
○野中委員 ありがとうございました。 この水田活用というのは、国土保全また多面的機能の強化のためにも、これを維持し続けることをお願い申し上げるところであります。 次の質問に入らせていただきます。子実コーン、子実トウモロコシの可能性についてであります。 子実トウモロコシというのは飼料用トウモロコシのことでありまして、この話を聞いたのは地元の若手就農家の団体との意見交換の場でありました。平均年齢が三十代ということでありまして、米、豚、そして野菜、花卉、果樹、多岐にわたっているんですが、彼らと話すと非常にエネルギーをもらいます。 というのも、常々彼らが口にするのは、農業が今はチャンスだ、今はチャンスなんだということを口にされます。大抵、私が地元に戻って米農家の人生の先輩方とお話しするとき、よく昔はよかったと聞きます。昔は今の値段の倍ぐらいだった、一俵が二万ぐらいで、今の一俵というのは昔の一袋ぐらいの値段じゃないか、いわゆる過去を懐かしむ言葉をよく耳にしたわけでありますが、このような若手就農家の意見を聞くとエネルギーをもらえますし、何より農業に明るい光も感じるわけでございます。 その中で、子実トウモロコシを我々は大々的にやりたいという意見がありました。子実トウモロコシについて調べますと、何より土壌がよくなるということです。彼らの言葉を使うと、土がふかふかになるということなんですね。そして、輪作によって大豆と飼料用トウモロコシをつくると、連作障害の低減にも効果があったということであります。そして、穀物乾燥機でも乾燥が可能。そして、一番これが大切だと思うんですが、労働時間が短くて済むということでありました。 例を挙げさせていただきます。例えば、主食用米をつくるとなると、これは集約によって時間の幅が出ますが、労働時間と農家の労働時間当たりの所得を述べますと、十五時間から二十六時間、そして所得が千円ということであります。小麦は五時間、約九千円。大豆が八時間で五千円。飼料用トウモロコシが一・三時間で、所得が三万円強。これは補助金を入れますと小麦と大豆には及ばないんですが、非常に魅力のある飼料用作物であると言えます。 一方、農地集約は必至。また、湿気に弱い作物でありますので貯蔵の問題がありますが、転作作物を食べることで、国産でありますから、牛、豚にもブランドの付加価値がつくと感じられます。 このシェアを拡大すべく、農水省の取り組み、例えば貯蔵庫の補助、直接支払いなどの施策について、可能性をお伺いします。
○山本(有)国務大臣 子実トウモロコシにつきましては、御指摘のとおり、労働時間の面から見ましても大変有効な作物であるというように認識しております。飼料作物につきましては、畜産サイドの需要がふえておりますし、おおむね十万ヘクタールの水田におきまして水田活用の直接支払い交付金が交付されまして、生産が行われているところでございます。 すぐれた生産装置である水田をフル活用するためにも、また今後とも、供給される畜産サイドの視点に立って、飼料用の子実トウモロコシにつきまして積極的に作付を推進するよう努力してまいりたいというように思っております。
○野中委員 ありがとうございます。 この子実トウモロコシというのは、国内の作付面積、まだまだでございますが、このように国が強いメッセージを送ることで私は飛躍的に拡大するというふうに思っております。未来の可能性があるこの子実トウモロコシ、ぜひとも、この可能性を排除することなく、国としても積極的に研究して推し進めていただきたいというふうに思っております。 次に、収入保険制度についてお伺いします。 今国会で提出を準備しているというふうに伺っておりますが、過去にも現行の農業災害補償制度がございます。現状、非常に異常気象が続いておりまして、私の地域でも、五年、六年前になるでしょうか、米が高温障害を発生しました。また、大雪によってハウスが倒壊する事例もございましたし、また昨年は、日本全国で見ましても、北海道、東北においても台風によって多くの農業被害が発生したと伺っております。 自然災害だけではなく、やはり収量、価格というのが非常に幅がある農家の方にとってセーフティーネットというのは必要であると考えておりますけれども、この収入保険制度、現行の農業災害補償制度とどのように違うのか、大臣にお伺いします。
○山本(有)国務大臣 今の農業災害補償制度、御承知のとおりでございますが、自然災害による収量減少に限られております。また、家畜の死亡あるいは病傷事故の補填も行ってはおりますが、そしてまた農業者の保険の対象が米、麦等の農作物、畑作物、果樹に限定されておりまして、品目限定でございます。 こうしたものから、今度の収入保険というのは、青色申告を行っていただきまして経営管理を適切に行っている農業者を対象にしまして、品目の枠にとらわれず、自然災害による収量減少に加えて価格低下を含めた農業経営全体の収入減少について補填を行うというものでございます。 このように収入保険制度は、これまで農業災害補償制度の対象となっていなかった品目、価格低下等のリスクもカバーされることなどから、野菜などの生産、販売、複合経営、経営の発展に向けて意欲的に取り組む農業者にとりまして大変メリットが大きいものというように考えるところでございます。
○野中委員 ありがとうございます。 品目を限定しなくなるということでありますから、農家全体にとってのセーフティーネットになることを期待いたします。 次の質問に入らせていただきます。高齢者ドライバーについてでございます。 私の地域というのは、一家に一台ではなくて、農村地域でございますから一人一台であります。人生の先輩、高齢者の方々も今でも、私の知っている方も九十歳で運転されている方もいらっしゃいますし、その多くは軽自動車、軽トラックであります。地方自治体もディマンドバスを運行するなど努力はしていますが、全てが補えるということではございません。高齢者の方と話すとこういうことを言われます、高齢者用の車をつくってくれということであります。 一月二十六日の予算委員会において、高齢者ドライバーの運転による交通手段への質問で、総理より、事故防止の効果が期待される自動ブレーキなどの先進安全技術を搭載した安全運転サポート車を速やかに普及させていきたいとの御答弁がありました。強いリーダーシップのもとで、一日も早く安全運転サポート車が普及され、高齢者の踏み間違いによる事故が減少することを期待しております。 今回は、事故発生場所ということで、高速自動車道の逆走について質問をさせていただきたいと存じます。 二〇一五年のデータがございます。高速の逆走二百五十九件、これは統計を始めた二〇一一年以降最多だということであります。そして、この五年間の統計のデータをとりますと、約七割が六十五歳以上の高齢ドライバーによる事故であったということであります。 同程度の件数というのがドイツなんですけれども、これが六十五歳以上が三二%。つまり、事故発生の年齢が六十五歳以上に関しては日本の方が約倍ということでありまして、これは高齢者ドライバーの問題の一つではないのかというふうに思っております。 そこで、お伺いします。高速道路の逆走防止への取り組みについてお伺いします。
○石井国務大臣 高速道路での逆走は、高速道路での事故全体と比較いたしまして死傷事故となる割合が五倍になります。また、死亡事故で見れば四十倍と非常に危険な事案でございます。 今委員御紹介いただいたように、全国の高速道路では平成二十七年に逆走件数は二百五十九件発生をしておりまして、このうち六十五歳以上の運転者によるものは約七割でございます。 このため、国土交通省では、警察庁や高速道路会社と連携をいたしまして、逆走が発生しやすいインターチェンジやジャンクションの合流部、またサービスエリアやパーキングエリアの入り口や本線の合流部などで、まずは路面標示や看板で進行方向を明示し、逆走を防止する対策を講じています。さらに、合流部にポールを立ててUターン等の逆走を防止するなどの物理的、視覚的な逆走対策を進めているところでございます。 さらに対策を推進するため、自動車メーカーなど民間企業へも協力を呼びかけまして、有識者委員会や官民連携会議の場を設置いたしまして、昨年の三月に、二〇二〇年までに逆走事故ゼロを目指すという目標を達成するためのロードマップを公表したところでございます。 引き続き、現在行っております物理的、視角的な逆走対策を加速化するとともに、現在、民間企業の新技術を活用した対策を公募してございまして、これをより一層推進するなど、ロードマップに定めた目標を実現すべく、逆走対策に取り組んでまいりたいと存じます。
○野中委員 逆走ゼロへの取り組みということでお伺いをしました。 仮に逆走して正面衝突すると、衝撃というのは約倍になって、本当に命にかかわる大事故につながるものと思っておりますので、石井国交大臣、お願いしたいというふうに思っております。 今の走行道路の整備、そして、その前の予算委員会では先進安全技術の進化によっての高齢ドライバーの事故防止への取り組みについて質問をさせていただいたわけでありますけれども、何より高齢者ドライバー本人であります。高齢者講習でありますが、現在、指定教習所において数カ月も講習を受けるまで待たされるケースがあるというふうに伺っております。 今後迎える、さらに高齢化が進む超高齢化社会に向けての対応、これで現状で対応できるのかについてお伺いします。
○井上(剛)政府参考人 お答え申し上げます。 現在、高齢者講習は、そのほとんどが教習所に委託されて行われておりますが、高齢化の進展による受講者の増加に伴いまして、特に教習所の繁忙期である年度末や夏季においては、地域によっては講習の予約から講習を受けるまでの期間が長期となる場合がございます。 この高齢者講習の長期受講待ちの解消につきましては、まず、この三月に施行されます制度改正におきまして、七十五歳以上の方のうち、認知機能検査で認知機能が低下しているおそれがあるなどと判定された方に対する講習の内容を充実させ、講習時間も延長される一方で、全講習受講者の約八割を占めると見込まれております、これ以外の方々に対する講習については時間を短縮して合理化することといたしております。その結果、一日に実施できます講習の回数をふやすことが可能になると考えておりまして、長期受講待ちの解消にも資するものと考えているところでございます。 また、今回の制度改正にあわせまして、一部の都道府県公安委員会におきましては、免許の更新時や臨時の高齢者講習につきまして警察施設における実施を予定するなどの体制の整備も図っておりまして、これも長期受講待ちの解消に資するものと考えております。 今後とも、講習の実施体制の整備など、長期受講待ちの解消を含めた高齢者講習の円滑な実施について、都道府県警察を指導してまいる所存でございます。
○野中委員 受講待ちの取り組みというのを伺いました。 一つ私が懸念しているのは、認知症のおそれがある方は約五万人いらっしゃるということであります。そして、認知症と診察をする認定医というんでしょうかが約千五百人ぐらいしかいないということで、また、その千五百人が、あなたは認知症ですよとちゃんと診断できるのかという懸念はありますが、いずれにしても、高齢者が事故を起こさない、巻き込まれない努力を警察にもお願いするところでございます。 最後の質問に入らせていただきたいと思います。 通告を出したのがおとといでありましたが、実は昨日、新聞で報道がございました。JR東日本がホームドアの設置を前倒しにするということであります。 このホームドアの設置を前倒しにしたきっかけとなった事故がございまして、本年の一月十四日に発生しました、埼玉県蕨駅、JR京浜東北線の蕨駅のホームから盲導犬を連れた視覚障害者の方が、男性でありますけれども、ホームに転落をして、電車にはねられ死亡するという痛ましい事故でありました。 その男性の方は日ごろからこの蕨駅を利用されていたということでありまして、つまり、盲導犬を連れて、通いなれた駅で転落をしてお亡くなりになられたということであります。 視覚障害者に対してのアンケートで、転落経験がある方は約三一%、そのうちの約七割が、いつも利用する駅で転落をしたということであります。 JRの方も、マニュアルは作成していた、ただ現場の駅員に伝わっていなかったということでありまして、これを国からも徹底していただきたいということと同時に、近年の視覚障害者というのは、ホーム転落時、多くが点字ブロック沿いを歩行中であったということでありまして、内方線の敷設位置の見直しまた確認もぜひお願いをしていただきたいというふうに思っております。 本来であれば、利用客についても、ちゃんと声かけができる社会、危ないですよと言える環境が望ましいわけですが、少なくともマナー向上として、歩きスマホ、また点字ブロック上は歩かないという最低限のマナーを利用者も持ってもらいたいというふうに思っておりますが、国として何ができるか、これはやはり転落防止のために鉄道会社と連携をとることではないかということであります。 視覚障害者アンケートでありますが、転落を防ぐ効果的な対策はに対して、自身の注意力向上、内方線つき点状ブロック敷設、駅員の増員配置、第三者の声かけ普及、そして一番がホームドアの設置でございました。 ホームドアの設置でありますけれども、障害者の転落防止だけではなくて、高齢者の転落防止にもつながります。つまり、バリアフリー社会実現の一端を担うということでありまして、結果、設置をすることで自殺の防止にもつながれば、酔客の転落防止にもつながるということであります。 二〇二〇年、いよいよオリンピック・パラリンピックが東京で開催されます。世界から多くの幅広い世代の方が、また障害を持った方も日本に来られるということでありまして、ホームドアの設置についてハードルが高いのは承知をしておりますけれども、国として転落防止も含めた対策、総理にお伺いします。
○安倍内閣総理大臣 先月、京浜東北線蕨駅において、視覚障害者の方がホームから転落し、お亡くなりになるという大変痛ましい事故が発生しました。お亡くなりになられた方の御冥福を心からお祈り申し上げたいと思います。 私、かつて、地元に帰っていたときにいつもマッサージしてくれる方がいるんです。その人は視覚障害者なんですが、鉄道に乗るのが趣味で、国鉄、北海道から九州まで全ての鉄道に乗った経験がある方でありますが、彼も何回も冷やっとしたと言っておられました。 鉄道機関にとって、輸送の安全確保は最大の使命であります。駅ホームにおける転落事故の防止は、視覚障害者の方はもちろん、全ての旅客にとって大変重要な課題であります。 このため、ハード面での対策として、ホームドアについて、利用者数が十万人以上で技術的に設置が可能な駅について原則として平成三十二年度までに整備するとともに、車両の扉の位置のふぞろいなどに対応可能な新たなタイプのホームドアの技術開発を推進します。利用者数が基準を下回る駅であっても、駅の状況等を勘案して必要な場合に整備します。そうしたことによって整備の加速化を図っています。国としても、補助や税制によって支援することで鉄道事業者の取り組みを促していきます。 また、ソフト面においても、ホームドア未整備駅において駅員による誘導案内や声かけの強化、駅アナウンス等を活用した旅客による声かけの促進や、いわゆる歩きスマホ等の迷惑行為禁止の啓発など、対応の強化を図っています。 さらに、今回の事故を受けて、鉄道事業者に対し、改めて現場における誘導案内や声かけの徹底を要請したところでございまして、今後、最大限の取り組みを行っていきたいと思います。
○野中委員 ありがとうございます。 質問を終わります。
○浜田委員長 これにて野中君の質疑は終了いたしました。 次に、伊藤渉君。
○伊藤(渉)委員 公明党の伊藤渉でございます。 本予算の予算委員会で初めての質問の機会をいただきまして、大変ありがとうございます。 早速質問に入りたいと思います。 まず初めに、現在、がん対策基本法に基づく第三期のがん対策基本計画の策定が進んでおります。 これは、皆さん御存じのとおり、現在、日本人は一生のうちに二人に一人は何らかのがんにかかると言われております。また、小林麻央さんの闘病生活を赤裸々につづられたKOKOROというオフィシャルブログも今大変有名でございます。 がんを患った皆さんが安心して暮らすことができる社会への環境整備を盛り込んだがん対策基本法の改正法が、昨年十二月九日、衆議院本会議で可決、成立をいたしました。企業ががん患者の雇用継続への配慮に努めることや、国や地方団体にがん教育の推進を新たに求めたのが特徴でございまして、第三期のがん対策推進基本計画の策定が予定をされており、改正法に明記された内容の推進が期待をされております。 このがん対策基本法は、二〇〇六年に、全国どこでも同じレベルの医療が受けられる環境整備や、政府が総合的ながん対策としてがん対策推進基本計画を策定することなどを目的に制定されております。 基本法の制定から十年がたち、がんの治療も進み、治療後も社会で活躍できる人がふえてまいりました。一方で、通院のため退職を余儀なくされるケースもふえるなど、新たな課題が出てきております。こうしたことから、昨年末、議員立法として改正案が提出をされ、議論をされてきたわけでございます。 また、昨年十二月に、平成二十七年の人口動態統計が発表されました。その中で、依然として死因の第一位はがんでございました。第二位が心疾患、第三位が肺炎でございます。 また、先週発表されました内閣府の調査、がん対策に関する世論調査によりますと、がん治療や検査で二週間に一回程度通院をしながら仕事を両立できる環境にいるかどうかを尋ねましたところ、そうは思わない、どちらかといえばそうは思わないと答えた方の割合が残念ながら過半を超えておりまして、約六四・五%でございます。二〇一四年の前回調査とほぼ横ばいで、がん治療と仕事の両立が難しい現状が続いていることが浮き彫りになったと考えております。 続いて、治療と職業生活の両立支援を考える上で、がん対策推進協議会、これは今、精力的に厚生労働省で行われておりますけれども、この中で、桜井委員が行った、この人はがんサバイバーでもございますけれども、がん罹患と就労調査、この結果を少し資料も通して見ていただきたいと思います。 まず、資料一、右側に手書きで一と書いてありますけれども、タイトルにあるとおり、就労継続に影響を及ぼした背景の要因、第一位は体力の低下でございます。ちょっと字が小さくて恐縮ですけれども、第二位は価値観の変化、また第三位が薬物治療に伴う副作用、そして第四位が現場に迷惑をかけると思った、こういうところが実に日本人らしいとは思います。また、第五位が通院時間の確保が困難。こういう順になっております。 同じ資料の下に行っていただきまして、右下に二としてありますけれども、病気で休む際に利用される制度について見てみますと、棒グラフですが、これも大変字が小さくて恐縮ですが、第一位、一日単位の有給休暇、そして第二位が、点線で囲んでありますけれども、傷病手当金制度となっております。ちなみに、第三位は半日単位の休暇制度、こうなっております。 従業員五百人以上の企業では、会社独自の休暇制度、こうしたものを利用した人も多い一方で、五十人未満では、個人的に配慮をしてもらったとか欠勤扱いになったと回答する方が多い、これがまた現状でございます。 治療と就労、この両立を考えるときに、抗がん剤投与などで今では外来中心のがん患者の皆さんにとって、政府にぜひ取り組んでいただきたいのが傷病手当金の改正でございます。 資料の三は、一枚目の裏の上でございますけれども、まず、現在の傷病手当制度、ちょっと概要を確認させていただきたいと思います。 傷病手当制度が受給できるのは、取得開始日から最長で一年六カ月間です。真ん中あたりに赤字で小さく書かれております。マックス一年六カ月手当がいただけるわけですから、現行制度でも大変にありがたい制度ではあると思います。 なお、この制度は被用者のための制度ですので、国民健康保険加入者は、我々議員も含みます、対象になっていないということを念のためつけ加えておきたいと思います。 この傷病手当金の取得要件は、やはりその資料の三の左下あたりに書いてありますけれども、四つございます。その中でも、赤くしてありますけれども、四つの要件のうち、連続する三日間を含み四日以上仕事につけなかったこと、これは待期三日間と呼ばれておりますけれども、この要件も、外来で抗がん剤治療を行われるがんと就労を考えると改善の必要がある、こういうふうに考えております。 その資料三の下、同じページの下に行っていただきまして資料四でございますけれども、では、がんと診断されてから最初の一年以内に体が動かない、あるいは仕事を休まなければならない、こうした日数がどうなっているかというのを見ていただきますと、タイトルにあるとおり、一年間の会社を休まなきゃいけない日数を見てみますと、平均約四十八日となっております。 下のグラフは、がんの症状、早期から末期にかけて会社を休まなければならなかった日数が記されておりまして、やはり重篤になればなるほど、最大百三日ということになるわけですが、平均して一年目は四十八日休まなきゃいけない日数があるということでございます。 ちょっと一枚、次のページに行っていただいて、資料の五、右下に五と書かれておりますが、では一年以降はどうなっているかといいますと、平均で見ますと二十九日となっております。 その資料五の下に六とありますけれども、またこの資料の六で、がんの診断前後の勤務先の変化というものを調査していただいておりまして、傷病手当金制度を利用して六カ月以上休職をした人、これは棒グラフでいうと一番下ですけれども、復職率がぐっと下がりまして、一八・八%。六カ月未満で復職できた患者、その上でございますけれども、六カ月未満の傷病手当金の受給ですと、復職できた方が約七〇%となっていて、長く休業をすると復職率が一気に下がっているという状態が見受けられると思います。 今、がんに罹患して治療を受けられると、まずお医者さんは、慌てて会社をやめないでくださいと。治療が長きにわたりますので、その治療を支える経済的な基盤を失っては治療が続けられなくなるわけです。よって、よく治療の方向性を見定めてから就労のことも考えてください、こういうふうにお医者さんに言われるという実情がございます。 それで、また一枚、裏を見ていただいて、裏の右上、七番と書いてありますけれども、そこで、きょう、ぜひとも御提案をしたいのが、タイトルにございますとおり、分割取得が可能な傷病手当金制度への改正でございます。 今は、要するに、取得してから一年半経過するのがマックスですから、それ以上いくと、例えば一年半の間に五、六十日しか傷病手当金をもらっていなくても、一年半を超えたらもらえないんですね。これは、がんの治療を考えると、実は使いづらくなっている。がんというのは、やはり五年ぐらいかけて治していく、しかも働きながら治していきますので、いわゆる一日単位とか、できれば時間単位での取得を可能にし、なおかつ通算五年間で実質一年半が取得できるような仕組みにぜひ変えていただきたい、こういう強い要望が現場からあるわけです。 これが実現をしますと、この七番の資料の真ん中辺に書いてありますけれども、メリットとしては、企業の大小にかかわらず、安心して療養できる環境がつくれること。また、もちろん、離職を予防できます。傷病手当金だけで生活が継続できるわけではありませんから、離職が予防できるということ。これは結果として、総じて社会保障費の縮減につながる可能性もあります。 また、もちろん精査をしなければならないことは、これは健康保険ですから、保険者の財政負担がどうなるのか、また事務的なコストの増大ということも挙げられますから、こういったことのメリット、デメリットをしっかり精査しなければならないと思います。 資料七の下に八としてありますけれども、これはがん推進協議会にも提出をされていますけれども、がん患者の就労を含めた社会的な問題に関する意見書を見ますと、やはりこの第一位が、るる説明をしてきた、日あるいは時間単位で取得可能な分割型の傷病手当金となっています。ちなみに、第二位は、柔軟な働き方ができる就業規則の改定の促進、第三位が、企業へのがん経験者の雇用の助成金による支援等になっております。この一日あるいは時間単位で取得可能な分割型傷病手当金、これが実現すれば、第二位の柔軟な働き方ができる就業規則の改定促進は必要がなくなる可能性もございます。 るる説明を申し上げてきましたけれども、この問題は、現在一番クローズアップされている課題の一つでもある働き方改革、これにも強く関係をしてきます。このことも踏まえて、日にちあるいは時間単位で取得可能な分割型の傷病手当金の実現に向けて、第三期のがん対策基本計画に明記をした上で、ぜひとも厚生労働省において検討を開始していただきたい。塩崎厚労大臣の前向きな答弁をお願いしたいと思います。
○塩崎国務大臣 伊藤委員から大変大事な御提案をいただいたというふうに思います。 〔委員長退席、菅原委員長代理着席〕 御指摘のように、今、働き方改革実現会議で、病気であっても働き続けられるといったことについても既に議論をし、具体的なことについて今さまざまな検討をさせていただいているところでございます。 がんになっても働き続けることができる環境整備など、がん患者の治療と仕事の両立支援、これは厚労省として、当然、省を挙げて取り組むべき重要な問題だというふうに認識をしているわけでございまして、今、傷病手当金を、支給期間のみを通算して最大一年半支給する仕組みとすることについての御提案がございました。これは、そのことを実現するとすれば、法律改正がまず必要であるということ、そして、必要な財源、さらには保険者の事務負担等の課題があることは、今御指摘をいただいたとおりであります。 第三期がん対策推進基本計画において、今御指摘のような傷病手当金のあり方の検討を位置づけていくということは大変大事な、貴重な提案だというふうに受けとめておりまして、治療と仕事の両立支援の観点も踏まえて、保険者を初め関係者の意見をしっかりと踏まえて適切に検討してまいりたいというふうに思っております。 そもそも、今、共済組合はこれが可能なようになっています。つまり、国家公務員、地方公務員、私学共済、こういった方々は、今お話しのように、一年半で終わりではなくて、通算していけばいいというふうになっている。このアンバランスをどう考えるのか。 そして、そもそも、国民健康保険の話がございましたけれども、国民皆保険制度だということで、私ども、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジということで、世界的にもこの皆保険を、言ってみれば日本のよさとして言っているわけでありますが、それが、皆保険でありながら保険者によって扱いが違うということについてどう考えるのかということも私たちは考えなければいけないというふうに思いますので、今先生からいただいた御指摘をしっかりと受けとめて、今後の答えを出す過程に生かしていきたいというふうに思っております。 〔菅原委員長代理退席、委員長着席〕
○伊藤(渉)委員 ぜひともお願いをしたいと思います。 私も勉強不足で、共済保険は一年半という区切りがないという話、実は今初めて知ったものですから、ちょっと参考までに、事務方でも結構ですので、これは要するに、お尻はない、一年半とるまでずっととれるのかどうか、それとも期限に限度があるのか、これはもし資料があれば教えておいてください。
○塩崎国務大臣 これは、支給期間のみを通算して一年半というふうになっているのが共済であって、他の被用者保険は最初にとってから一年半の間ということで、どういうブランクがあるかに関係なく一年半で終わってしまうということでありますから、やはり、支給期間のみを通算している今の共済の一年半という合計のあり方ということを考えてみると、そのアンバランスをどう考えるのか、極めて重要な問題だと私は思っております。
○伊藤(渉)委員 大臣、ありがとうございます。 それは大変大事なことで、ちょっとそこをもう一個だけ聞いておきたいんですけれども、これも通告していないので恐縮ですが、今、質問の中で言いましたけれども、通算で一年半とれるということは、お尻はないので、一年半いくまでずっととれる。 もう一つ、特にきょうテーマにしたがんと就労ということでいいますと、待期三日というものが、抗がん剤治療というのは、一日休んで病院に行って、今や、がんセンターとかを見ていただくとわかりますけれども、抗がん剤治療だけするブースががっとあって、そこで一日だけ受けて帰ってくるので、傷病手当が、待期三日があるとやはり使いづらいんです。 ちなみに、共済は待期三日という制度はどうなっているかも、これは事務方で結構ですから、もしわかれば。
○福島政府参考人 お答えいたします。 待期三日のことについては、私どももちょっと詳細を承知しておりませんので、調べて、また御報告させていただきたいと思います。
○伊藤(渉)委員 ありがとうございました。 大変いい情報もいただきましたし、制度の実現に向けて、共済はできているということは、今大臣がおっしゃっていただいた課題を乗り越えれば、その他の健康保険でもできるはずですので、しっかり私も応援したいと思いますので、前向きに御検討をお願いしたいと思います。 あっという間に時間が過ぎていきますので、通告の順番を変えて、これも現場の大事な声なものですから、建設業に関係しての御質問をちょっとさせていただきたいと思います。 この三月十一日で東日本大震災から丸六年となります。また、これまで、熊本の地震、鬼怒川の水害、またこの予算委員会でも既に取り上げられております強風による新潟の大火災など、防災、減災の取り組みというのは継続して持続的に行っていかなければならないと思っております。 私たちは、政権を奪還して直ちに、防災・減災等に資する国土強靱化基本法というのを立法いたしまして、これは今の民進党さんにも賛同いただいて成立をしております。ハード、ソフト両面から取り組みを開始し、これも持続的に行っております。 また一方で、ハード面の防災、減災の取り組みをしっかり支えていただくのが建設業界でございまして、ここも、人口が減少をしていく中、担い手不足が大変心配をされておりますので、労働環境を改善していくということも、建設業の生産性の向上という点からも極めて重要だと思います。 ちょっと資料をぺらぺらめくっていただいて、A4横で十三と書いた、建設投資、許可業者数及び就業者数の推移というグラフ、これは皆さんよくごらんいただいている資料だと思いますので、少し見ながら簡単に状況を概括したいと思います。 建設の投資額は、ピーク、平成四年、約八十四兆円、これが平成二十二年で四十一兆まで落ち込みました。その後、増加に少々転じまして、現在、昨年度、平成二十八年度は約五十二兆円となる見通しです。 建設業の就業者数、これは平成二十七年、平均で約五百万人。ピーク時の平成九年から見ますと、六百八十五万人ですから、二七%減になっています。一方で、直近の昨年の十二月、建設技術者の有効求人倍率五・二四倍、建設技能者の有効求人倍率三・八四倍ですから、すさまじい人手不足の状態が続いていると言わざるを得ないというふうに思います。 防災、減災ということを安定的に進めていくためにもこうした状況を改善していかなきゃいけないと思って、ずっと取り組みを我々自公政権は進めております。 まず一つ取り組んだのが、価格の適正化です。 建設工事の価格が暴落、私も、もともと家業がペンキ屋で、建設業界、発注者の立場で仕事をしてきましたので、この約二十年間での価格の落ち方というのはすさまじいものがありました。よく業界の人としゃべるのは、それでも業界の人も自主努力でやってきちゃったものだから、できるんだろうと言われて価格が落ちてきたというのが実情ですけれども、実態は大変厳しいものがございました。 そういう実情を踏まえて、まず価格の適正化。これは、そのページの裏、十四ページにこれまで取り組んできた法体系をちょっと簡単に示しておりますけれども、品確法、公共工事の品質確保法という法律を変えて、それを受けて、入札契約法、建設業法、こういったものを改正いたしまして、まず価格の適正化ということに取り組んできました。その中には、入札方法においては、技術提案方式など多様な入札制度を採用するということ、またそういったことをずっと、基礎自治体が発注する工事にもこれは国交省もリーダーシップをとって取り組んできていただきました。 また、昨年末の臨時国会では、この価格の適正化という流れを民間工事にも波及させていくために、これは議員立法で、建設工事従事者の安全及び健康確保法という法律を成立させました。これも超党派で成立をさせてきました。 もう一つ、価格を適正化して工事量の安定ということも、これは一貫して前太田国土交通大臣そして現在の石井大臣にも御主張をいただきまして、先ほどの棒グラフを見ていただくとわかるとおり、工事量が安定をするように、そして着実に防災、減災等の取り組みができるように、こういう取り組みを行ってきました。 また、その上でさらに、量と価格を安定させて、そこで働く方々の待遇の改善ということに取り組んできたわけです。これが、長らくの懸案であった社会保険の加入ということです。 平成二十九年度、来年度が、この社会保険加入への取り組みのいわば実質的な最終年度になるものですから、今回この問題を取り上げさせていただきました。 平成二十八年七月二十八日付で、社会保険の加入に関する下請指導ガイドラインの改定というものが発出をされています。その中で、「適切な保険に加入していることを確認できない作業員については、元請企業は特段の理由がない限り現場入場を認めないとの取扱いとすべきである。」こうしておりまして、現に、建設現場でもこのガイドラインに従って保険加入への取り組みが進められています。 これは、いろいろな声が届いてきます。元請の会社さんが、そこに出てくる下請さんの会社の方が保険に加入しているかどうかを調べていますから。つまり、入っていないともうそういう仕事につけない状態にしている。これは一方で正しいです。社会保険の加入を進める上で、だから入れよという意味で、一方では正しいんです。 だけれども、課題が出てきています。それは、保険が掛けられないような経営状態の建設会社、いっぱいあります、及びその社員。これは、中小企業とか小規模事業者が多いので、こうした会社は、現実問題として、保険が掛けられるような、今みたいな立派な工事ですよ、公共発注だったり、民間工事でも大きいような、いわば適正な価格で受注できるような仕事にはありつけなくなっている。そして、保険が掛けられなくても受注できる仕事を獲得するしかないと割り切って仕事をしています、割り切らないと食べていけませんから。 その結果、社員が皆さん一人親方になっていたり、会社としては保険が掛けられなくても受けられる仕事を受けざるを得ない状況になっている。つまり、業界が二極化しつつあるというのが私の現状認識なんです。 そこで、全体のその方向性、これは私は決して間違っていないと思いますから、その上で、さらにこうした状況を改善するためのもう一重の取り組みをお願いしたいというのがきょうの質問でございます。 私からの提案は、国交省が企業間のマッチングをサポートしてあげてほしいんです。 今申し上げたように、そういう小さな会社、今まで、適正な価格でできるような仕事にありつけない会社というのがありますから、当然のことながら、国交省が発注するような仕事は全然かかわれていません。自治体が発注するような仕事にもかかわれていないと言っても過言でないと思います。一方で、国交省が仕事を発注している、またその仕事を直接受注しているような大きな建設会社は、人手不足で苦しんでいます。片や人がいない、片や仕事がない、こういう状態なんですね。 だから、ここで質問ですけれども、この両者をマッチングしてさしあげれば、それぞれの企業にとっても、また保険の加入を進めるという政策目的の達成においてもプラスになると考えられます。だから、現場の中部地方整備局などとぜひ連携をして、このマッチングということを前向きに検討していただきたいというのが一つ。 また、その際に、今これももう既に国交省が進めようとしておられる、未加入の建設業許可者の見える化というのをやろうとしているんですね。これは多分、もともとの発想は、未加入の人を明らかにして、入るというインセンティブを高めようとしていると僕は見ていたんですけれども、それはそれで大事なんですが、あわせてそれもマッチングサイトとしても使ってほしいんです。 未加入の人がいて、そこの会社の人、その従業員、大きい建設会社の人が、うちは人が足りないからうちの仕事を一回やってみろ、やれるんだったら、これからうちの仕事を渡すから、それできちっと社会保険に加入できるような体制を整えてくれ、こういうサイトとしても、今検討されている未加入建設業者の見える化サイトも活用をいただきたい。 いずれにしても、二極化しているこの企業間を国交省主導でマッチングさせていただきたい、このことを国土交通大臣にお願いしたいと思いますが、どうでしょうか。
○石井国務大臣 建設業におけます社会保険未加入対策は、技能労働者の処遇改善に加え、適正に法定福利費を負担する企業による公正な競争環境の構築を目的としておりまして、法令上加入義務のある企業には保険に加入していただくことが必要と考えております。 これまで、関係業界などとも協力をし、法定福利費が適正に請負金額に含まれるよう取り組みを進めてきたところであります。 さらに、小規模事業者に対しましても、各地の社会保険労務士会にも御協力をいただきながら、社会保険の加入等について説明会や相談会を開催するなど、保険の加入への支援に取り組んできたところであります。 こうした取り組みに加えまして、施工力のある小規模事業者が必要な法定福利費を負担できるような受注環境の整備を進めることも重要であります。そのためには、専門工事業者の施工力などの情報がより客観的にわかるようにすることが必要と考えております。 現在、建設企業の情報につきましては、国土交通省ホームページの企業情報検索システムにおいて、企業名や営業所の所在地、許可工事種別等の主要な情報が閲覧できるようになっておりますが、それに加えまして、建設業許可業者の保険加入状況を開示することを予定しております。 さらに、専門工事業者が抱えている技能労働者の技能や仕事の実績などにより企業の施工力が客観的に評価できるようにするため、技能労働者の資格や就業履歴等を把握する仕組みとしまして、現在業界団体とともに検討している建設キャリアアップシステムの導入も進めてまいります。 こうした見える化の取り組みは、御指摘いただいたようなマッチングを推進することにも役立つものと考えております。 あわせて、企業間で直接、効果的なマッチングができるような場を提供することができないかという点につきましても、建設業団体等と相談してまいりたいと考えております。
○伊藤(渉)委員 ありがとうございます。 単純に言うと、そういう企業間の名刺交換会みたいなことも有効に役立つのではないかと思います。これは、詳細によく現場の実情を把握していただいてぜひとも進めていただきたい、こういうふうに思いますので、よろしくお願いします。 残り五分ですので、時間の許す限り、賃上げを伴う経済の好循環を生み出すために、中小企業、小規模事業者のさらなる経営環境の改善ということについて御質問をしたいと思います。 これもいつも言われることですので申し上げるまでもないことですけれども、大企業約一万社に対して中小企業が今約三百八十万社、ここが七割の雇用を生み出しております。ここに景気回復の実感がなければ、多くの国民は景気回復の実感を得られないということになります。 中小企業庁が、平成二十八年春闘妥結結果を踏まえて、中小・小規模事業者の賃上げ状況を含む雇用状況等を把握し、公表するために、昨年六月に調査をしております。その調査結果が、ぺらぺらめくっていただきますと、九番と書かれた資料に書かれております。 これによりますと、常用労働者一人当たりの平均賃金、引き上げるあるいは引き上げたという中小企業は、二十七年度が六一%、二十八年度が六四%でございました。この引き上げたといった企業の中には、人材の採用、従業員の引きとめ等の必要性が五割、人手不足感がうかがえる結果となっていると思います。 この九と記した資料の裏を見ていただきますと、十と十一というのがございますけれども、一方で、引き上げない、引き上げていないと答えた皆さんの理由、これは十一、下のグラフですけれども、その理由は、当然といえば当然ですけれども、業績の回復、向上が不十分だということになっております。 冒頭申し上げたとおり、中小企業が生み出す雇用の七割のうち約六割、つまり全体から見れば四割、これは賃金が上がり始めておりますから、残りの三割、ここの賃金が上げられるようにさらに詳細に政策を推進していかなきゃいけないというのが私の問題意識です。マクロな視点での政策推進はもとより、ミクロな視点でも政策を進めていかなきゃいけない。 そうした観点から、先日、うちの石田政調会長も質問いたしましたけれども、一貫して下請などの中小企業の取引条件の改善に取り組んでおりまして、政調会長は、この間、五十年ぶりの下請代金支払いの手段の見直しについて触れ、賃上げを可能とするさらなる支援をお願いしたところでございます。 時間が切れてきておりますので、まず総理に、この中小支援についての御決意をお伺いしておきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 経済の好循環をより確かなものとするためには、委員御指摘のように、中小企業、小規模事業者の賃上げや生産性向上にしっかりと取り組んでいく必要があります。 高い賃上げを行う中小企業に対しては、所得拡大促進税制による税額控除の拡充を行います。 下請取引条件の改善、大変大切でありますが、その改善に向けては、五十年ぶりに下請代金の支払いについての通達を見直し、現金払いを原則としました。そして、下請法の運用基準は十三年ぶりに抜本改正をし、そして、金型を無料で保管させるなど、コストの一方的な押しつけが禁止されることを明確にしました。 また、雇用保険料率を引き下げ、中小企業、小規模事業者の負担を軽減する。 また、生産性向上に向けた取り組みについては、一定の要件を満たす経営計画を持った企業であれば赤字であっても活用できる固定資産税の軽減措置や低利融資等の支援を安倍政権において創設しました。今般、固定資産税の軽減措置の対象を製造業から小売サービス業にも拡大することで、商店街等における攻めの投資を促していきます。 第四次産業革命に挑戦する中小企業については、技術革新の成果を現場に速やかに導入できるよう、革新的な物づくり、サービス開発などの設備投資を積極的に支援していく考えであります。 国内外の販路開拓も支援をします。先月のフィリピン、インドネシア、ベトナムなどへの出張の際にも、すぐれた技術を持ち、そして海外展開に意欲を持つ中堅・中小企業に参加をいただきました。 引き続き、委員がおっしゃるように、きめ細やかな中小企業、小規模事業者支援を行っていきたい、このように思っております。
○伊藤(渉)委員 アベノミクスの完結に向けて、現場のさまざまな声をまた総理を初め大臣の皆様にお届けをさせていただきますので、ぜひともよろしくお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○浜田委員長 これにて伊藤君の質疑は終了いたしました。 次に、逢坂誠二君。
○逢坂委員 逢坂誠二でございます。よろしくお願いします。 まず、冒頭に、先ほど自民党の山下委員から呼びかけがありました。きょう、私、共謀罪について質問するんですけれども、条文がまだできておらない。できておらない段階だから、条文ができてから冷静に議論をするというような呼びかけがあったわけであります。冷静に議論するというのは私は全くそのとおりだと思いますし、山下委員も法務委員の一人として、私もいつも一緒に仕事をさせてもらっています。 ただ、私が少なくともきょうここで議論する理由は何か。 一つは、一月の六日だったと記憶しておりますが、菅官房長官が記者会見で、今度のこの共謀罪、いわゆる今の政府の言うところのテロ等準備罪については、一般の人の適用にはならないんだということを明言しております。 それから、総理自身も、共謀罪をいつの間にか、共謀罪からテロ等準備罪というふうに名前を変えているというようなこと。 それから、先般、一月の二十三日の衆議院の本会議の総理の答弁の中でも、現在政府が検討しているテロ等準備罪は、これを共謀罪と呼ぶのは全くの間違いですと言い切っているわけですね。ここまで明確に言い切って、一般の人には適用にならないんだということを言っているわけですから、これはどうしても議論せざるを得ないんです。 そして、条文ができていないから議論はできないんだということであるならば、これらの発言を撤回していただきたいと私は思うんですよ。 これは、官房長官、一般の人には適用にならないという、そういう根拠があるなら根拠を言っていただきたいし、撤回していただきたいんですけれども、いかがですか。
○菅国務大臣 私が申し上げたのは、犯罪の主体を一定の犯罪を犯すことを目的とする集団に限定し、テロ等の準備行為があって初めて処罰の対象となるいわばテロ等準備罪とすることであり、一般の方々が対象になることはあり得ないことがより明確になるよう法案に向けて最終的な詰めを行っていますので、そういう法案を目指すということを申し上げたわけです。
○逢坂委員 官房長官は撤回しないということでよいかと思います。 総理、総理の発言を撤回なさいませんか、全く間違いだというのは。全く間違いだと言い切っているわけですね。
○安倍内閣総理大臣 つまり、全く間違いだと言えるものをつくっていくということであります。 つまり、それは当然のことでありまして、大切な国際組織犯罪防止条約を締結できていない状況であります。かつての民主党政権時代にも、それは必要だという答弁もありながら、締結できなかったんですよね、三年三カ月。 我々ももちろん、四年間できなかったのは、我々の場合は立場は明確でありまして、それは担保法がないということで、立場は明確にしております。残念ながらそういう中においてはできなかった、しかし大切ですね。 そして、オリンピック・パラリンピックもありますし、またラグビーのワールドカップもあるという中において、IS等の脅威も増している中において、もしテロに対する穴があるのであればしっかりとそれは埋めていかなければいけないという中において、もちろん条約との関係もありますから、それはしっかりとやっていかなければいけませんね。 こういう観点のもとに、しかし、一般の皆さんの大変な、自分たちもうっかりしていたらそういう対象になってしまうのではないかという不安がありますから、これは今までのいわば共謀罪に伴っていた不安をしっかりと払拭するという意味においても、全く別のものをつくっていきます。全くそれは間違いですよということを申し上げた上でつくっていくということでございますから、その意欲を示すのは、そして国民の皆様の不安を払拭する役割を総理大臣として果たすのは、行政府の長としては当然のことであろう。 その上において、ではそのための仕組みをどうやっていくかということは、まさに今、これは政府内において議論し、そして与党において議論し、法案を提出させていただきます。その中で、逢坂委員を初め皆様には法務委員会において逐条的に御議論をいただければより確かなものとなっていくんだろう、このように確信をしているところでございます。
○逢坂委員 意欲を示したものだと。発言について言及はありませんでしたが、撤回するしないについて言及はありませんでしたが、意欲を示したものだということでありますので、ならば我々も、その意欲を受けとめて、これからもがっちり、条文が出る前であっても議論をさせていただきたいと思います。条文が出ていないからどうのこうのというのは、ちょっとどうかなというふうに思っています。 それから、もう一つなんですが、これも今の総理の中にも一部言及がありましたし、山下委員の発言の中にも言及があったんですが、民主党時代の対応について、幾つか云々かんぬんということがございました。 民主党政権時代は確かにこのTOC条約をどう批准するかということを検討していたのは事実でありますけれども、共謀罪というものがこのTOC条約の批准の一つの条件であるということになれば、共謀罪は、これまでの刑法の大原則をやはり転換させるわけですね。実際に犯罪を犯さない、その段階で罪にするということで、刑法の大原則を転換させるという大きなものである、それはやはり慎重にならざるを得ないわけであります。 しかし、その中で、例えば二〇一一年の九月二日、これは当時の平岡法務大臣の指示なんですけれども、刑期四年以上の懲役等の刑が定められている罪のうち、TOC条約の目的、趣旨に基づいて防止すべき罪に対して、既に当該罪について陰謀罪、共謀罪、予備罪、準備罪があるものを除き、予備罪、準備罪を創設することにはどのような問題があるのか、早急にこれを調べろということを、当時、法務省の中で指示を出しているんです。 すなわち、共謀罪をこれ以上新設しない中でもTOC条約というものを本当に批准できないのかどうかといったようなことも検討していたのは事実でありまして、あたかも全くこれを取り扱っていなかったかのような、そういう都合のいい大臣答弁だけを紹介するのは、ちょっといかがなものかなということをあえて言わせていただきます。 そこで、実は私、きのう、オリバー・ストーン監督の「スノーデン」という映画を見てまいりました。予算委員会の前の日だったんですけれども、山井国対委員長からも「スノーデン」を見た方がいいよと言われて、行ってまいりました。 そうしたら、「スノーデン」を見たら、要するに、これは実際にCIAで仕事に携わっていた方の話でありますから、アメリカが世界各国のさまざまな情報を監視しているということが非常によくわかりました。 それから、スノーデン自身が、日本の電力システムそれから病院、ダム、こういったシステムについて悪いソフトを忍び込ませて、日本がアメリカの同盟でなくなれば日本じゅうを停電にできるかのようなシーン、こういうものも流されておりました。 この病院とかダムとか電力システムに悪いソフトウエアを忍び込ませているかどうかについては、いずれまた別の機会に予算委員会などで、危機管理の上でしっかり確認をさせていただきたいと思います。 そこで、オリバー・ストーン監督は日本のテレビのインタビューに、これは一月だったと記憶しておりますが、次のように答えているんですね。 安倍総理のことについてです。安倍首相は真逆の方向に進んでいます、憲法九条をなくそうとしていたり、共謀罪を通そうとしたりしています、僕からすると完全に間違った方向に安倍首相は導こうとしている、それは危険なことですと。そしてさらに、日本についてこう言っています。日本はアメリカの衛星国ではなく人質だというふうに言っているんですね。 これは、オリバー・ストーン監督が言っているということをただ紹介させていただいただけです。 そしてさらに、スノーデン氏は映画の中でこう言っています。アメリカの世界じゅうの監視に関して、実はこの監視というのは、テロ対策でやっていると言っているんですけれども、テロ対策は口実で、政府の覇権のためだったとスノーデンは述べている。 きのうの映画でこんなことがありまして、私もいろいろな映画を見るんですけれども、総理もいろいろな映画をごらんになると思います、ぜひまたこの「スノーデン」もお時間があればごらんいただきたいと思いますし、オリバー・ストーン監督のこのインタビューは、今ネット上でも見られるというふうに承知をしておりますので、機会があればどうぞごらんいただければというふうに思っております。批判的な声にもやはりしっかり耳を傾けるというのは大事なことだと思いますので、ぜひごらんいただければなというふうに思います。 そこで、総理にちょっとお伺いをしたいんですが、今回、共謀罪なるもの、失礼いたしました、テロ等準備罪なるものですか、これを制定するという必要性、これまでの総理の答弁をお聞きすると三つあると。TOC条約を批准するため、それから国内のテロ対策のため、それからもう一つはオリンピック開催というようなことを言っているというふうに理解をしております。 これは、先般、一月二十三日の答弁の中でも、条約を締結することができなければ東京オリンピック・パラリンピックを開けないと言っても過言ではありませんというふうに言っているわけですが、まず総理にお伺いします。 この条約の批准、共謀罪の創設が東京オリンピック・パラリンピック開催の必要条件というふうにお考えでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 私も批判的な声は十分にこの委員会でお伺いをしておりますから、御心配には及ばないというふうに思います。 その上で、目的は三つではなくて、目的は二つでありまして、二つの目的については、まさに、条約を批准するためですね、もう一つは、テロに対する穴があればそれは埋めておく必要がありますねということを申し上げていて、そしてその上においてオリンピック・パラリンピックを開催し、そして世界からお客様をお迎えする。このおもてなしにおいて、もし、テロリストに襲撃をされるということ、法的な制度の中においてそれを防ぎ得ないという穴があるのであれば、それはおもてなしとして不十分であろう。 いや、そんなものは別にあっても構いませんよ、そんなもの、別にあったって、なければないでいいじゃないの、テロもないかもしれないしという気持ちで開催する人ももしかしたらいるかもしれませんが、私はそうではない。 私はそういう立場ではなくて、万が一にもそういうことがあるのであれば、そういう怠慢がもしあったとすれば悔やんでも悔やみ切れないわけでありますから、考え得る限りの対応はとっておく責任を果たしていくべきだという考えでありまして、もしかしたら見解の相違があるのかもしれませんが、私はそういう考え方を述べさせていただいたところでございます。
○逢坂委員 東京オリンピック・パラリンピックに限らず、いろいろな国際大会や国際会議を誘致する、開催する、あるいは国内の中でいろいろなことをやるときに、安全、安心の中でやるというのは当然のことですよ。誰が考えたって当たり前のことですよ。だから、そんなものは要らないんだと言っているみたいなニュアンスの答弁をされることは若干心外ではありますけれども。 そこで、総理、私は、総理のやり方はこそくだと思うんですよ。何がこそくか。 条約の国内担保法を整備し、本条約を締結することができなければ東京オリンピック・パラリンピックを開けないと言っても過言ではありませんと。すなわち、東京オリンピック・パラリンピックを口実にしてこの共謀罪を成立させようとしているかのように聞こえるわけですよ。先ほどのスノーデンの話じゃないですけれども、テロを口実にしてというのと全く同じではないかというふうに、こそくだと私は思うんですね。 だから、総理、こんなこそくなやり方はやめて、真正面から、日本の安全対策は必要なんだ、共謀罪というものも要るんだ、共謀罪は共謀罪なんですから、そういうふうに言わなければ国民は判断を誤りますよ。 こういうこそくなやり方をしていると、せっかく長い間総理をやられているのに、大物総理ではなくて小物総理だと言われてしまいますよ。私はそのことを厳しく指摘したいと思いますし、こういう、ほかのことに口実、理屈をつけて何かを実現させるということはやめるべきだ、私はそのことを強く指摘したいと思います。 さて、そこで、岸田大臣。岸田大臣は最近、共謀罪とおっしゃらなくなって、何か合意罪とおっしゃっているように感じるんですね。それから、総理はテロ等準備罪というふうに言っている。 TOC条約が国内法に求める要件、これについて外務省として何か解釈の変更はあったんでしょうか。
○岸田国務大臣 まず、使っている言葉、用語についての御指摘については、TOC条約第五条に記載されている表現をそのまま使っているということであります。 そして、解釈の変更があったのかという御質問をいただきました。これにつきましては、結論から言いますと、解釈の変更は当然ありません。 今行おうとしていることは、過去の我が国の国会の審議の中でさまざまな御指摘がありました、一般の方々が対象になるのではないかなど、御指摘をいただいたことに対してどう応えるのか。新しい法律を用意して、一般の方々が対象にならないことを明らかにすることができないだろうか、さらには、準備行為等がなければ処罰することはできないということを明らかにすることができないだろうか、こういった検討を行っています。そして、その検討がTOC条約の担保法として十分かどうかも、あわせて検討しています。 要は、TOC条約を前提として、過去のさまざまな指摘に応えられないかどうかを検討しているというのが今やっていることであります。よって、条約の解釈、全く変更はないということであります。
○逢坂委員 条約の解釈に変更はないということは理解をいたしましたが、なぜ合意罪に変えたのかというのはちょっと意味がわからなかったのであります。 それで、確かに条約にはこう書いてあるんですね。重大な犯罪を行うことを一または二以上の者と合意すること、それから当該合意の内容を推進するための行為というようなこともあって、合意ということが書かれていることは事実であります。 それで、今度は、法律の中身になりますので、金田大臣にお伺いします。 この条約における合意とは、あらゆる合意が対象になるんでしょうか。例えば、金田大臣に、金田大臣の誕生日だ、私が我々の予算委員会の仲間とケーキを贈ろうじゃないかと合意をした、これは、この条約で言う合意の意味に含まれるんでしょうか。
○金田国務大臣 現実的な合意ということで、それは含まれるというふうに考えております。
○逢坂委員 現実的な合意ということで含まれると。 そうじゃないですね。これは、金田大臣、ここで言うところの合意というのは、重大な犯罪の合意なんですよ。 要するに、合意というのは、あらゆる合意をこの条約の対象にしているわけではないんですよ。重大な犯罪の合意なんですよ。だから、ここの条約で言うところの合意は、あらゆる合意が該当するわけではなくて、重大な犯罪に対する合意だということなんですね。 この理解でよろしいですか。これは岸田大臣。これは条約の解釈ですから。
○岸田国務大臣 御指摘のように、TOC条約第五条、金銭的利益その他の物質的利益を得ることに直接または間接に関連する目的のため重大な犯罪を行うことを一または二以上の者と合意すること、このように記載されております。御指摘のように、重大な犯罪を行うことの合意であります。
○逢坂委員 そこで、改めて金田大臣に伺いますが、要するに、あらゆる合意がこの罪の対象になるのではなくて、重大な犯罪の合意がこの条約上の対象になるという理解でよろしいですか。
○金田国務大臣 お答えします。 そのように考えております。
○逢坂委員 そこで、改めて考えてみたいんですけれども、今回のこの条約が対象にしているのは単なる合意ではないんだ、重大な犯罪につながる合意がこの条約の対象なんだということであります。 すなわち、我々は、物事をいろいろと相談し合うときに合意という概念をいろいろな場面で使います。しかしながら、よいことをやるときに、この合意という言葉、共謀という言葉は実は使わないんですよ。岸田大臣にクリスマスケーキを贈ろうと我々は共謀したとは言わないわけですよ。言っている意味、わかりますよね、これは。共謀という言葉は、要するに、悪意のあることを合意するときに共謀と言うわけですよ。 ということは、この条約の解釈を変えていないということは、この条約の中に共謀という概念が含まれているということでよろしいですか。
○岸田国務大臣 過去の国会の審議の中において、TOC条約五条が求めている内容、これが我が国の国内法において十分満たされているかどうか、こういった議論が行われてきました。ですから、そういった議論の中で、共謀罪という言葉、法律の中で共謀罪というものが必要だという御説明をさせていただきました。ですので、共謀罪が必要だという説明を政府としてずっと従来行ってきたわけであります。そして、今回、過去の指摘を踏まえて、新たな法律を今検討して準備しているということであります。 いずれにしましても、この第五条の求めているものに応えるものをしっかり用意しなければいけない。そして、その中で、今、テロ等準備罪、こういったものを検討できないか、こういったことを行っております。 共謀罪が必要なのかという御質問だったものですから、共謀罪という言葉、用語を過去の法律では使っていましたが、新しい法律においてはそういった言葉を使っておりません。そういったことを説明させていただいております。
○逢坂委員 意味不明の答弁をだらだらされても困るんです。時間が限られているんです。 要するに、この条約の中に共謀という概念が含まれているのかどうかということをただ聞いているだけなんですよ。共謀という概念があるのかないのかということなんですよ。ただそこだけなんですよ。 要するに、重大な犯罪を行うことを合意するということは、日本語で言うところの共謀という概念なのではないですかという、私はただその質問をしているだけなんですよ。
○岸田国務大臣 過去の審議の中で、共謀罪というものについてはしっかり御説明はさせていただいたと思います。 ただ、共謀という概念が含まれるかどうか、このことについて御指摘をいただきましたが、共謀という概念というものの定義、これは確定したものを承知しておりませんので、それが含まれるかどうか、これは今明確に答えることはできないと思っております。(発言する者あり)
○浜田委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○浜田委員長 速記を起こしてください。 岸田外務大臣。
○岸田国務大臣 委員の御質問の中で、委員が言われる共謀の概念ということについて、明確な定義を承知していないので答えられませんとお答えしましたが、ただ、このTOC条約第五条の条文の中に一般論として言われている共謀の概念、これが含まれている、これは当然のことだと思います。
○逢坂委員 当初からそう答えていただければ何の問題もなかったんですが。 それで、共謀という概念はやはり含まれているんですよ。共謀という概念が含まれているのに、なぜ合意罪にしたのか、なぜ合意罪と呼んでいるのかということなんです。 それで、これは、合意で罪になるのかならないのかというと、合意では罪にならないんです、合意だけでは。合意というのは、広く一般的な合意ですから。そこに重大な犯罪に関する合意、すなわち共謀という概念が入って初めて罪になるんですよ。それを合意罪と言うことは、私は逆に国民に誤解を与えると思いますよ、あらゆる合意が罪になるのかななんて。共謀罪だったら、ああ、そうかと。あるはかりごとをする意図を持って合意することであれば、ああ、罪になるんだなと。ああ、それは共謀罪、それはだめだよと。 でも、合意罪と言えば、逆に、岸田大臣、これは、犯罪を合意しなければ罪にならないというやじがありましたけれども、そのとおりなんですよ。だから共謀罪と言うべきだと私は言っているんです。それを合意罪と言うのはおかしいんじゃないかということです。
○岸田国務大臣 まず、過去の法律の審議において共謀罪という言葉を使ってきました。そして、今、新しい法律をつくる中で、改めてTOC条約五条について御説明をさせていただいています。 そして、ぜひ議事録を確認していただきたいと思いますが、五条を説明するに当たりまして、私は、重大な犯罪を行う合意罪、そして組織的な犯罪集団に参加する参加罪、こういった言葉を使っていたと思います。単なる合意罪という言葉は使っていません。重大な犯罪に対する合意罪そして参加罪、こういった用語を使っているということはぜひ御確認いただきたいと思います。
○逢坂委員 そういうことを、実は世間一般では共謀と呼ぶんですよ。 例えば、これは二〇〇五年十月二十八日、当時の大林刑事局長の答弁で、共謀というのは、ある犯罪を計画して実行しようということで、具体的に相談することであるということを言っているんですね。だから、今、岸田大臣が言った、重大な犯罪を犯すことを意図して合意する合意罪というような言い方をしているのは、まさに共謀罪のことなんですよ。それをなぜ合意罪というふうに言うのか、私は理解できないんですよ。 だから、言葉としてひとり歩きしているのは、合意罪がひとり歩きしているわけですよ。(発言する者あり)だったら、そこをちゃんとわかりやすく説明しなきゃ。言葉には括弧はつきませんから。文章では括弧がついて、ここからここまでが罪の名称だなということはわかるけれども、言葉で言ったら、合意だけがひとり歩きするわけですよ。逆に私は心配しているんですよ、岸田大臣の立場を。 だから、過去の議事録も、私、全部ではないですけれども、いろいろ読ませていただきました。やはり合意を罪というふうに言うのは少し無理があると思う。やはりこれは、条約の筋からいっても共謀罪だというふうに私は理解せざるを得ないんです。 そこで、この議論ばかりやっていられないので、次にちょっと移りたいんです。 総理にお伺いしたいんですけれども、総理は今回、テロ等準備罪だというふうにおっしゃっておられる。テロ等準備罪というのは、何でテロ等準備罪なんですか。テロ等のところまではわかります。テロとテロ以外のものも、何となくそれは、防ごうということなんだろうということはわかるんですが、なぜ準備罪なんですか、総理。
○安倍内閣総理大臣 テロ等準備罪とした、なぜこういう名称にしたかということだと思います。 それにおいては、まず、国際組織犯罪防止条約は二〇〇〇年の十一月に国連総会で採択をされました。その後、アルカイダによる九・一一テロが発生し、さらにISILのような……(発言する者あり)ちょっと前段を一応させてください。これはやはり前段を押さえておくということを議事録上も。一応、ちょっと待ってください、説明させてください。 アルカイダによる九・一一テロが発生し、さらにISILのような凶悪な組織も登場して、こうした組織が、さまざまな犯罪行為で収益を上げ、それを資金源に暴力的な活動を行っているという中において、今こそ国際社会が一致結束してこうした現状にしっかりと対処しなければならない。今日の国際社会においては、テロ行為そのものへの対処に加えて、テロ行為を可能とする資金源を断つことがテロの最終的な根絶に向けて効果的な方策となっているようなわけでございます。 ということの中において……(逢坂委員「いいかげんにしてくださいよ」と呼ぶ)それはちょっと失礼じゃありませんか、少し。私も誠実に……
○浜田委員長 答弁を続けてください。
○安倍内閣総理大臣 では、答弁を続けさせていただきますよ。答弁をしている最中に、やめろとか失礼だと言うのは、それはちょっと、幾ら何でも私は言い過ぎだと思いますよ。それはここでちゃんと説明をしているんじゃないですか。大切な時間をお互いに使い合っているんですよ。だから、そういう中においては冷静に。ここで私と委員が言い合うということはやめましょうよ。 そこで、その上で、今、前段としてどういう背景があるかということにおいて、ですから、テロ等ということについても御質問の中でありましたから、それについて説明をさせていただいて、だって、テロ等準備罪について全体を聞いておられるんだろうと。(逢坂委員「テロ等は理解するけれども、準備罪はと今聞いているんです」と呼ぶ)でも、一応、テロ等についてもお答えをさせていただいているわけでございます。(発言する者あり)余り長くしゃべってはいけないなと思って、時計を見ているわけであります。 その上において、基本的な考え方を申し上げますと、現在検討しているテロ等準備罪は、テロ等の組織犯罪を行う合意に加えて、実行準備行為が行われた場合に初めて処罰されるものであるというところからそういう名称とした、このように承知をしております。
○逢坂委員 今の総理の答弁、最後のところをもう一回聞きたいぐらいなんですけれども、準備行為を加えることによって初めて処罰をすることにしたというふうに答弁されたんでしょうか。そこのくだりだけをもう一回おっしゃっていただけますか。重要なくだりです。
○安倍内閣総理大臣 これは、実行準備行為が行われた場合に初めて、この準備行為が行われたということをもって、全体として、今申し上げているんですが、実行準備行為が行われた場合に初めて処罰されるものであるとしたことから、そのような名前をつけたわけでございます。 恐らく質問している御趣旨は、ネーミングについて御質問されたかもしれませんが、であるとすると、いわば合意をしたグループの中で、準備を実際にした人物が、露見した人と、まだ準備が露見していない人たちも含まれて処罰されてしまうのではないかという意図があるのではないかと思って、ちょっと前もってお答えさせていただこうかと思った。それはよろしいですか。どうも失礼しました。
○逢坂委員 合意した、加えて準備行為があって初めて処罰できるという答弁がありました。 それでは、金田大臣に聞きます。この準備行為というのは、これは、いわゆる共謀罪、あるいは皆さんが言うところの準備罪の構成要件ですか、処罰要件ですか。どっちですか。
○金田国務大臣 ただいまお尋ねの、構成要件であるか処罰条件であるかという点につきましては、この法案の成案を得て御説明する機会をいただければと思います。
○逢坂委員 金田大臣、では、もう一つあわせて聞きますけれども、準備行為が構成要件であるか処罰要件であるかはまだ検討中であるということは、それはそういうこともあり得ると思います。だけれども、それでは、事前の合意なくして準備行為だけで処罰ということは可能ですか。
○金田国務大臣 それはできないと思います。
○逢坂委員 そうなんですね。合意なき準備行為はできないんですよ。しかも、この合意というのは、条約上、重要な犯罪を犯すということを合意したという合意であります。 すなわち、そういうことから考えると、準備というものが必ずしもこの条約が求めている罪の主眼ではないんです。合意が主眼なんですよ。しかも、その合意というのは、犯罪を犯すことを意図した合意なんです。すなわち、やはりこれは共謀ということが主眼にならざるを得ないんですよ。それを、テロ等準備罪と言ったり合意という言葉を使うということは、私は極めて適切ではないというふうに思うんです。 条約に合意と書いてあるだろうという話がありましたけれども、先ほどから私は何度も述べているとおり、単なる合意では罪にならないんです。犯罪を犯そうとする合意だからこれは初めて合意が罪になって、しかも、犯罪を犯そうとする合意のことを共謀というふうにいうということは、これは過去の答弁からも明らかなんです。 その観点で、準備罪あるいは合意罪、岸田大臣は合意罪の前に修飾語をつけているという説明をされていましたけれども、単なる準備罪では、これはやはり私は条約の真意を解したものにはならないというふうに思うんですが、総理、いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 岸田大臣がいわば合意罪の前につけているものは、これは単なる修飾語ではなくて、そこは非常に重要なことであって、重大な犯罪なんですよ。ケーキをつくろうなんて思ったことは、そもそもそれは、はなから対象ではないわけでありまして、それに対して、金田大臣が答弁したことは、これはいわば国語の合意という意味においての答弁をさせていただいたわけでございます。 この条約が求めている合意は、そもそもこれは重大な犯罪を犯すということでございまして、かつ、そしてそれは、今委員がおっしゃったように、まさにそれを合意するということでありますから、当然その合意、そういう重大な犯罪を合意するということについて、それが条約上の要請であるということを説明させていただいたわけでございます。 そこで、我々は、それを今回さらに、この法案の中においていわばそういう犯罪を行うことを目的としている組織ということに限定していくということでありまして、実際そういう組織がどういう組織として考えられるかということは、これは法務委員会でまさに御議論をいただきたい、こう思うわけでありますが、その上において、やはり準備行為をして、そして準備行為が行われたことによって、先ほど申し上げましたように、これが明らかになったときにまさに処罰の対象となる、こういうことを申し上げたわけでございます。 そしてまた、先ほど御下問のあった、構成要件か処罰条件かは、これは講学上の極めて専門的な概念でありまして、そのような専門的な議論を行う必要があれば、ぜひ政府参考人を呼んでいただきたい。参議院では、刑事局長が出席をさせていただき、専門家的な観点から結構しっかりと深まった議論がなされたもの、こう承知をしているわけでございます。そういうときにはぜひ参考人も呼んでいただきたい、こう思うわけでございます。 だから、今申し上げましたように、準備行為が行われたときに処罰の対象とすることを検討中であるということでございます。ですから、今、準備罪ということは、決してこれは何かごまかそうとかそういうことではなくて、より明確に実態を示したものではないのだろうか、このように申し上げているところでございます。
○逢坂委員 外務大臣、今の準備行為、条約で言うところの当該合意の内容を推進するための行為、これを多分、準備行為というふうに読みかえているんだと思うんですが、この当該合意の内容を推進するための行為は、条約上は、必ずこれを実現しなければいけないということで国内法に求めているものでしょうか。それとも、これはオプション、これも入れてもいいよということなんでしょうか。どっちですか。
○岸田国務大臣 TOC条約第五条が求めているもの、これは、先ほど申し上げましたように、一貫して変わっておりません。ですから、過去の法案の審議においても、これに応えるために、今御指摘があった、全体に応えるために十分かどうかということで国内法を用意し、そして審議をさせていただきました。今回、新しい法案についても、それは全く変わりはございません。(逢坂委員「だから、オプションかどうかと聞いているんです」と呼ぶ)これは、国内法上求められているときはこうしたものをという記載になっております。このとおり、国内法上求められたときはこうしたものについても犯罪化する、こうしたことが求められていると考えます。
○逢坂委員 すなわち、事前の準備行為というのは、これは必須の条件ではないんですね。国内法上求められるのであれば、それは準備行為をつけてもいいよということなわけであります、条約上は。であるにもかかわらず、あたかも準備行為を前面に出すような名称で呼ぶのは、私はやはり本筋を外していると。 このTOC条約が求めているのは、あくまでもコアの部分は共謀なんですよ。共謀を罪にしてくださいというのがTOC条約が求めている本質なんですよ。これは、誰が読んでも明らかとまでは言いませんけれども、ちょっと勉強すれば誰でもわかることだと私は思いますよ。だから、私は、それをなぜ準備罪と呼ぶんですか、その理由を御説明くださいと言っているんだけれども、長々長々とほかのことをしゃべっている。だから私は、不誠実だと申し上げているんです。 総理、改めて伺います。準備罪、この名前に合理性がありますか。準備罪と呼ぶことの説明をもう一度、端的にお願いします。
○安倍内閣総理大臣 端的に言いますと、例えば、いわば重大な犯罪行為、テロ行為を行おうということで合意に至ったという犯罪グループがいます。それを十分に捜査当局が把握していても、そこでは検挙できない。これだけではできないんですね。しかし、いわば共謀罪のときにはここで要件が整えば検挙できるということになるわけでありますが、今回は、まさにここから、準備しなければ、準備ということが認定されなければ検挙に入れないことになるわけでありますから、ここからここに行ったということを明確にするのは、不誠実な態度ではなくて、実態をより示したものではないだろうか、こう思うわけでございます。 そこで、今、逢坂委員は、そう言ったってここがあるじゃないかということ、いわば合意があるからじゃないかというような趣旨のことをおっしゃった。ここが主体じゃないかということであります。 もちろんこれが大事であって、犯罪行為を行うという、いわばそれを目的とした組織が合意に至るということは当然重大でありますよ。しかし、それは今までの議論の経緯があったわけでありますから、今度は準備行為というものをここに伸ばした、ここまで来なければだめですよということにしたということを明確にしたということではないか、こう思うわけでございますね。
○逢坂委員 総理、確認しますけれども、本当にそのとおりでよろしいですか。今、これまでの答弁の重大な転換ですよ。合意だけで検挙できないとおっしゃいましたよね。それでいいんですか、合意だけで検挙できないと。従来の答弁は、合意があれば逮捕も可能であるというような答弁もあったように記憶しています。いいんですね。
○安倍内閣総理大臣 それは、もう既に共謀罪は存在をしますから、既にあるものについては、それはそうであります。 しかし、今まで、それを適用できないものについてはそうだということでありまして、しかも、その前のときには準備行為というものがなかったのは事実でありますから、これは私の議論において当然の帰結であろう。だって、そうでなければ全く変化がないということになっちゃうでしょう。だったら、我々が今考えていることは、そもそも全く準備行為というものを考えていないということになってしまうわけでありますから、準備行為を今度そこに置いた、こういうことでございます。
○逢坂委員 総理のお考えは十分了解いたしました。 私がなぜこういう質問をするかというと、以前の共謀罪議論の中で、政府提出法案に対して多分あれは当時自民党からも修正案が出ていたのではないかと思っているんですが、その際に準備行為が入ったんですよ。そして、準備行為が入ったときに、これはどなたが誰に質問したか忘れましたけれども、合意と準備行為、逮捕はどこでできるんだといったときに、合意だけで逮捕できるという答弁をしていたように記憶しているんですね。 でも、今の総理の答弁は、合意だけでは逮捕できないんだ、準備行為がなければそれは検挙できないという答弁をして、再度確認してもそうおっしゃっていただきましたので、これはこれで総理の答弁として非常に重く受けとめさせていただきますし、私は、これはある種前進だと思うんです。今まで、合意だけで逮捕できるということは、これは極めて危ういということで、多くの人が心配に思っていたんです。だから、準備行為も含めなければ逮捕できないんだというのは非常に大きな変化であります。このことはしっかり確認をさせていただきます。 ただ、ここで問題になるのは、本当はきょうはもっとやりたいんですが、合意と準備行為の境目はどこかということなんです。これはなかなかわからないんですよ、実は。 これについては、きょうはもうやる時間がありませんので、後日また確認をさせていただきますけれども、私は驚きました。合意だけで逮捕できない、検挙できないと明確に総理が二度言い切りましたので、これはしっかり確認をさせていただきたいと思います。 しかも、総理はこう言いました。これまで法律にある共謀罪ではそういうことはしなかった、でも、今後考えるであろういわゆる共謀罪、テロ等準備罪では、合意プラス準備がなければ検挙ができない、こういうことを改めて確認させていただきました。 そこで、岸田大臣、もう時間がないので、最後にちょっと。 今回の条約の適用範囲、これは第三条によって条約の適用範囲というか、性質上国際的な犯罪しか対象にしないんだというのが今回の条約の決めだというふうに思います。 ところが、セントクリストファーネービスという国では、いわゆる内国の犯罪を法律で定めずに、越境犯罪だけを法律で定めて今回の条約を批准しているというふうに承知はしているんですが、なぜそうなっているのかということは、私は内容を承知はしているんですが、ちょっとそこを説明していただけますか。これは国が小さいからとかなんとかという議論があるようですが、そんなことは全く関係ないですからね。
○岸田国務大臣 まず基本的に、TOC条約三十四条の2において、重大な犯罪を行うことの合意の犯罪化については国際的な性質とは関係なく定めることを義務づけておりますので、国際性の要件を付すことはできないというのが条約の解釈であります。 その上で、今、セントクリストファーネービスの件はどうかという御質問をいただきました。 委員は御案内だということではありますが、あえて申し上げさせていただくならば、セントクリストファーネービスにおいては判例法をとっています。判例法の中において国内における犯罪についてしっかりと条約に対応できるということは確認をできていたわけですが、国際的な犯罪については判例法で対応できるかどうかが明確でないという事情があったことから、あえて念のために新たな法律をつくって国際的な犯罪には対応していることを明確化するという対応をとったということ、これをセントクリストファーネービス政府に確認させていただいております。
○逢坂委員 国内のテロ犯罪については判例法があるからだということは私も理解をいたしますけれども、大臣、それは具体的に確認されましたか。どの要件で例えばセントクリストファーネービスでそういう判例法を適用した事例があるかというのを確認されましたか。多分確認されていないんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○岸田国務大臣 これは先方政府に対して我が国政府として確認をしておりますが、この確認の中身については、今、手元に詳細を持ち合わせてはおりません。ただ、確認をしたという事実はしっかりあったと承知しております。
○逢坂委員 質問の時間が終わりましたのでこれでやめますけれども、今の国際性のところについても、セントクリストファーネービスについてはいろいろな方が指摘をしているんですけれども、ぜひ、岸田大臣、それは正確な発信をしていただきたい。それは判例法理によるんだということで理解は一定程度しますけれども、具体的にはこういう適用事例があるんだというところまで言っていただかなければなかなかわかりにくいところもありますので、この国際性の議論がこれからもどんどん出てくるのであれば、私はそれは時間の無駄だというふうにも思っておりますので、そこはもうクリアされているんだということであれば、しっかりとした事例をもって説明していただければというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 以上で終わります。
○浜田委員長 これにて逢坂君の質疑は終了いたしました。 次に、山尾志桜里君。
○山尾委員 今、総理は、合意がなければ逮捕できない、それが今回の法案だ、こういうふうにおっしゃいました。 法務大臣、伺います。 合意、私たちの言う共謀、共謀プラス準備行為がなければ逮捕できない、総理はこうおっしゃいました。こうおっしゃいましたね。法務大臣、法務省としても同じ考えですか。今検討中の法案は、共謀プラス準備行為がなければ逮捕できない、こういうふうに決まっているんですか。
○金田国務大臣 テロ等準備罪の、実行準備の行為を必要とする以上、嫌疑がある場合に逮捕ができるというのは、捜査機関としては実行準備行為が行われていない段階では逮捕できないというのは当然である、このように考えております。
○山尾委員 法務大臣は、実行準備行為がなければ逮捕できない、今こういうふうにおっしゃいました。総理も同じ考えですか。
○安倍内閣総理大臣 先ほど私は検挙できないというふうにお答えをさせていただいたわけでございますが、基本的にはもちろん処罰できないということでありますが、捜査当局において実務的にそれは検挙ということにはならないというふうに今までも述べているもの、このように思います。
○山尾委員 総理、答弁を変えないでください。 基本的には処罰できないということと検挙できないということは全く違います。そして、法務大臣は、逮捕できないと明確におっしゃいました。 統一見解をちゃんと答弁してください。
○金田国務大臣 統一見解を出せというお話でございます。 私としては、逮捕できないということで統一見解を出したいと思います。
○山尾委員 統一見解であれば、総理、同じことをおっしゃってください。
○安倍内閣総理大臣 私は、先ほど検挙できないというふうに答えておりましたが、法務省の立場として逮捕できないということを今明確にいたしましたから、それはそのとおりだろう、このように思います。
○山尾委員 それでは、政府の統一見解、検討中の今回の共謀罪については、合意だけでは逮捕できない、合意プラス準備行為がなければ逮捕できない、これが統一見解だというふうに伺いました。 法務大臣、このことは実務上の運用ではなくて法文上当然明らかになっている、こういうことでよろしいんですね。
○金田国務大臣 前から申し上げておりますが、テロ等準備罪につきましては、現在、私どもは、成案をつくるべく検討中でございます。そういう状況でございますので、成案を得てこういう議論をしっかりとやっていきたい、このように思っております。
○山尾委員 それだけはっきり政府としての統一見解であると言いながら、実務上の運用の話をしているのか、法文上、今度つくる制度の話をしているのか、それも明確に答弁できないというのはおかしいと思います。私たちは今、これからつくる法制度の話をしています。実務上の運用の話をしているのではありません。 法務大臣、もう一度伺います。 はっきり統一見解としておっしゃいました、準備行為がなければ逮捕できない。これは、実務上の運用でそういうことにするということなのか、それとも今検討中の法制度の仕組みとしてはっきりとそのように明確にするということなのか、どちらですか。
○金田国務大臣 テロ等準備罪につきましては、合意に加えて実行準備行為が行われたときに処罰の対象とすることを検討中であります。実行の準備行為が行われていない段階で逮捕することはできない、そういう考え方でございます。 逮捕状を請求する際にも、実行準備行為の嫌疑があることを疎明する必要があります。実行準備行為が行われていない場合にはその疎明ができないからということになろうかと思いますが、現在検討中でございます。
○山尾委員 実務上の運用の話をされているのか、法文上明確にされるのか、どちらですかということを伺っています。 なぜなら、これまでの三度の共謀罪の議論の中でも、刑事局長や大臣が繰り返し、実務上、共謀だけで逮捕、捜索なんということはないんだ、こういうことをおっしゃいながら、大臣も言っているんですよ、ずっと、三度、そのように説明をしてきたんです。だから、新しいとおっしゃるから、その新しさはどこにあるのかということにかかわる問題です。実務上の運用ではなくて、法制度として明文上はっきりさせるということなんですか。
○金田国務大臣 準備行為が行われなければ逮捕できないものとして立案することを現在私どもは検討いたしております。
○山尾委員 検討中ということは、その結論が変わる可能性もあるということですか、その可能性はないということですか。
○安倍内閣総理大臣 決まっているのであれば検討というふうには申し上げないわけでありまして、どのような書き方にするのかはまさに検討しているわけでございますし、そしてまさにそれを提出させていただいてから御議論を、まさに逐条的な話に今入っているんですよ。逐条的な話を出していない中においてはお答えのしようがないわけでありますし、どういう条文になって、それを有権解釈を持つ法務省がどう答弁していくかというのはまさに法務委員会でやっていただければいいんだろう、こう思うわけでございます。 そして、まさにそういう話になっていく中において、例えば実務上どうなのかという話をいただいたわけでありますが、実務上どうなのかという話についても、これは、例えば刑事局長を呼んでいただいた方が私はよかったと思いますよ。なぜ刑事局長が出席できないかどうかは、私は理由がわからない、そこは本当にわからない。政治家同士の議論ではなくて実務上の議論をするのであれば、今までずっと実務経験を延々と重ねてきた刑事局長に答弁させるべきなんですよ。その刑事局長から説明を受けた大臣が、いわばこれは……(発言する者あり)
○浜田委員長 静粛に願います。
○安倍内閣総理大臣 政治家としての判断とはこれは違いますよ、実務上のことも今聞いているわけでありますから。実務上のことを聞いているというのは、政治家は実務をやっていないんですから、それは当然、刑事局長を呼ぶべきだ。それを呼ばないというのは別の意図があるのかなということを推察されますよ。やたら委員会が混乱することを目的としているのではないかなという疑念を招かないように、私が言っているのではないですよ、そういう疑念を招かないようにしていくことが大変大切ではないか、私はこのように思います。
○山尾委員 総理、政治家としての発言が揺れているから、その発言をおっしゃっている政治家に直に聞いているんです。わからないまま、揺れていないとおっしゃらないでください。これまで……(発言する者あり)
○浜田委員長 静粛に願います。
○山尾委員 ちょっと静かにしていただいていいですか。 どこまで皆さんが総理の本会議での演説や大臣のこの共謀罪についての答弁を真剣に聞いていたか私にはわかりませんが、これまで、先ほどの逢坂委員の質問に対する答弁までは、総理も大臣もかなり慎重に、準備行為があって初めて処罰をされると。処罰をされるというふうに、かなり慎重に言葉をそろえていたんです。 罪が成立すること、罪が成立して処罰をされること、そして、それよりもっと手前に、罪の成立を証明するために捜査をすること、その中には逮捕も含まれます。逮捕すること、検挙すること、罪が成立すること、処罰の対象とすること、それは全く違う概念なんです。そして、これまで総理も大臣もずっと、処罰をされるんだ、これまでとの違いは共謀だけじゃない、準備行為があって初めて処罰をされるんだと。これまでは、ずっとそうやってそろえてきたんです。 でも、逢坂委員の質問で、突然、総理は、準備行為があって初めて検挙できる、こういう答弁が出た。そして、続いて法務大臣は、準備行為があって初めて逮捕ができる、こういうふうに変わってきた。局長の答弁じゃありませんよ。法務大臣、総理大臣の答弁が揺れている、変わっているから、大臣や総理大臣に答弁を伺っているんです。 先ほどの、これだけの大きな差異がある中で、法務大臣そして総理大臣も、準備行為があって初めて逮捕できる、それが今回の法案だ、これが統一見解だ、そういうふうにおっしゃいました。ただ、それが今後、実務上の運用でそのようにするという話なのか、それとも出てくる法案の中できちっと書き込むのか、それは今の段階では答えられない、そういうことでありました。 指摘しておきます。実務上の運用という話であれば、これまでと同じです。三度廃案になった共謀罪と同じだということを申し上げて、きょう私が質問をしたい大事な三つの穴、この議論をさせていただきたいと思います。 総理は、きのうの階委員とのやりとりの中でこうおっしゃいました。穴があるということについては、民進党とも大体合意できているのではないかと。その前の江田委員とのやりとりの中でも、現行法でテロを阻止できない、そういう穴があるのも事実であります、先般、山尾議員との議論の中でもそれはお互いの共通認識にあったんだろう、このように思う中において、今回法案を提出させていただく予定にしているところでございますと。 名前を挙げて共通認識と言っていただくのは光栄なんですけれども、間違っているので、この議論をしっかりしたいと思うんですね。 私は、そして私たちは、穴があるなら個別に埋めることをしっかり検討しようと。しかも、この数日、質問を重ねるほど、この三つの穴、唯一出ている、共謀罪じゃないと埋まらないんだということで法務省がみずから出してきたこの三つの穴、共謀罪じゃないと埋まらない穴じゃないんじゃないの、そもそも穴じゃないものまで無理やり穴をあけているんじゃないのか、こういうふうに思いますので、総理、きょうは三つの穴についてじっくり議論したいと思います。この三つの穴こそが今回の共謀罪の立法事実そのもの、必要性そのものですから、大事な議論かというふうに思います。 まず一つ目、これはまさに、一九九五年、地下鉄サリン事件を想起させるような事案であります。テロ組織が殺傷能力の高い化学薬品を製造し、これを用いて同時多発的に一般市民の大量殺人を行うことを計画した上、例えば殺傷能力の高い化学薬品の原料の一部を入手した場合、こういうことであります。 総理御存じのとおり、この事件をきっかけに、サリン等による人身被害の防止に関する法律というのができました。この法律には予備もあります。にもかかわらず、この法律があっても対応できないというのはなぜですか。
○金田国務大臣 お答えいたします。 サリン等に当たらない薬品を用いた大量殺人を計画することも想定されるわけであります。常に殺傷能力の高い化学薬品の入手が犯罪になるとは限りません。すなわち、サリン等以外の薬品を用いて大量殺人を計画する事例におきましては、原料となる化学薬品の入手行為がサリン等の製造等の予備に当たることにはならないということなのであります。 サリン等以外の殺傷能力の高い化学薬品というふうなことを想定していただきたい、このように思います。
○山尾委員 では、サリン等に当たらないけれども殺傷能力の高い薬品の名前を一つでも挙げてください。
○金田国務大臣 具体的な薬品を想定して申し上げているわけではありません。
○山尾委員 具体名が一つも出てこない幻の薬品を規制するために、六百だか、三百になるのか、百五十になるのかわかりませんけれども、包括的な共謀罪をつくる必要性の事例として挙げているんですか。具体的な薬品名が一つもないのに。具体的に今法務大臣が把握している、サリン等に当たらないけれども規制しなければならないよね、こういう薬品名を一つも把握せずにこの事例を法務省は挙げてきたんですか。
○金田国務大臣 かつてから、三つの事例について法務省から出しましたねと言われるわけでございます。その大前提として、お示しをいたしました三つの事例につきましては、現在政府において検討中のテロ等準備罪につきまして、その成案を得られていない現段階で、その検討の方向性を誤解なく、少しでもわかりやすくイメージしていただくためにお示しをしたものであります。
○山尾委員 質問に答えてください。具体的な、規制をすべき薬品名は一つも把握されていないということですか。
○金田国務大臣 通告はいただいておりませんが、お答えをいたしますとすれば、いずれにしても、現在成案を検討中でございますから、そのための理解を求める、そういう話でございますということと、お示しいたしましたのは、具体的な薬品を想定したものではありません。
○山尾委員 答弁いただきました。具体的な薬品は想定していない、そういうことでありました。今話がありましたように、具体的な薬品を想定していないなら、まさに架空の穴じゃないですか。穴はないじゃないですか。具体的な穴ではないじゃないですか。どこに穴があるんですか。私は……(発言する者あり)
○浜田委員長 静粛に願います。
○山尾委員 少し静かにしてください。 私は、ちゃんと具体的に、例えば、これは、サリンの事案は一九九五年なんですよ、その後一カ月でつくられた法律なんです。何とか規制しなきゃいけない、ああいう犯罪を二度と起こしちゃいけないと。 そのときにはまだ、サリン等の中に何を入れるかこの国会では議論にならず、それは政令に委ねましょう、こういう法律になっているんです。そして、その後、政令で指定をされています。実際に、ソマン、タブンなどのG剤、VXなどのV剤、そしてイペリットなどのマスタード系びらん剤。これは、その後の捜査の過程で、実際に事件を起こしたオウム真理教の団体の方がつくっていた、こういうもので政令で指定をしたんですね。 そこから二十二年がたっています。こちらからやじでありましたけれども、確かに年月がたっているんです。いろいろな薬品が、もしかしたらできているかもしれません。だったら、それをしっかり検討して、何が穴になっているのか。そして、もし具体的な薬品名でこういうものが穴になっているとおっしゃるなら、総理、これは政令事項なんですよ。だったら、法律は要らないんです。総理の指示で、あすにでも政令で指定すればいいんです。 総理に聞きたいと思います。 なぜ、政令で追加をすれば足りることについて、法律、しかも共謀罪、しかもこの一事例、プラス合わせて三事例ですね。それにもかかわらず、六百を超える共謀罪、それが三百になるのか、百五十になるのか、いまだ明らかじゃありませんけれども、なぜそれが必要だとおっしゃるんですか。
○安倍内閣総理大臣 追加で言わせていただきますと、先ほど、処罰といわば逮捕等々で揺れたではないかということでありますが、先般の参議院の予算委員会のやりとりの中で林局長が逮捕というふうに、いわば実務者としてそのようにおっしゃっているわけであります。我々はそれまでは処罰という言い方でありましたが、実務者としては逮捕ということはできないということを述べられたわけであります。その上に立って法務大臣は述べられたわけでありまして、私はそれを検挙という表現をさせていただいたということでございますから、揺れているということではないということでございます。 そこで、今の御下問でございますが、確かにサリン等でありますから等については限定列挙されていて、これは化学式等が既に示されているわけでございます。 ただ、化学兵器ともなるこうした毒性の物質についてはさまざまな、残念ながら開発をしている人たちもいるわけでございまして、ひそかに開発をしているわけであります。ひそかに開発をしているのは当然のことだろうと思いますし、残念ながらテロ組織あるいは国ぐるみ的にそういうものを行っているところもあるかもしれないわけでありますが、秘密裏に行っている中においては、なかなかそれは今の段階では私たちはわからないということでありますから、今わかれば政令に載せればいいではないかとおっしゃったんですが、それはできないわけでございます。ということもあって、寸前にわかったからといって、政令に載せなければタイムラグがあるのは事実……(発言する者あり)後ろから恥ずかしい答弁と言いましたが、恥ずかしくないですよ。これは起こり得るじゃないですか。それは寸前に……
○浜田委員長 静粛に願います。不規則発言は慎んでください。
○安倍内閣総理大臣 寸前に、準備行為に入った段階で我々が把握したら、そこで、それから実行までの間に政令に載せてできるんですか。 つまり、そういう可能性があるのであれば、そんなはずはなかったと言っても遅いんですよ。今そこで、恐らくそんなはずはないということで議論を立てているかもしれませんが、そんなはずはなかったということであってはならないというのが私たちの考えであります。 ですから、そこで大切なことは、今申し上げましたように、サリン……(発言する者あり)よろしいですか。つまり、今、その段階において、限定列挙をしていない中においてまさにそれはできないということでありまして、つまり、我々はそういう意味において、これは法務省が例として挙げたわけでございます。さらに詳しくは法務大臣から答弁をさせたい。 繰り返しになりますが、先ほど申し上げましたように、サリン等の部分においては既に化学式等で政令に載せられておりますが、今申し上げましたように開発等を行っているところもあるわけでありますから、そこのところについて、これはいわば、罪刑法定主義を否定するとおっしゃっていたけれども、つまり、サリン等ということにおいてのこの法律の……(発言する者あり)
○浜田委員長 静粛に願います。
○安倍内閣総理大臣 準備罪ではできないということでありますが、まさに今度の場合は、毒物を使ってやろうということについて、それが新たな我々の未知のものであったとしても、その準備を行っているということが明らかになれば検挙できるということでございます。 これについては、今、ひどいという声とか、やじが盛んに玉木さんからも上がっていますが、ひどいかひどくないかは、まさに法文としてちゃんと出してから法務委員会で御議論をいただければいいことではないのかなと。法務委員会において我々もしっかりと専門的な観点からお答えをさせていただきたい、こういうことでございまして、簡潔に申し上げればそのとおりでございます。(発言する者あり)
○浜田委員長 静かに。
○山尾委員 驚きました。未知の薬品を含めて可能性があるなら、まさに、この間の総理の言葉をかりれば、一網打尽にしなければならない、だから、今わかっていないけれども、具体名は一つも挙がらないけれども、でも規制の網をかけなければならないと。要するに今の総理の答弁はそういう答弁でありましたが、私も法学部を出ていますし、検事として多少の経験があります。今の総理の答弁は、我が国が積み上げてきた刑法典の根本を覆すような答弁ですよ。罪刑法定主義、明確性の原則、国民に予測可能性を担保する。本当にそんな答弁を維持されるつもりですか。 今の答弁を前提にすると、これから出てくるであろう共謀罪というのは、そんなに曖昧な、未知の薬品も含めた、今政府が把握していない、したがって危険性もわからないような薬品を入手する行為も含めて、全部に網をかけるような、そんな共謀罪をつくろうとしているんですね。私たち、びっくりしましたよ。 もう一つ申し上げますけれども、そういった捜査の必要性をおっしゃるのであれば、何も共謀罪を検討する必要はないんです。百歩譲って、サリン等による人身被害の防止に関する法律、皆さんのお手元にもその法律の第二条を配らせていただいております。 まさにサリン等、あるいはこの法律で縛りをかける薬品は何なのかということを要件で示している構成要件です。ここでもう少し絞りをかける、あるいは拡大をする、そういうことを考えればいいんじゃありませんか。このサリン等の二条の改正を検討されたんですか。二条の改正では足りなくて、六百もある共謀罪にしないとサリン等に含まれないこういった事案に対応できない理由は何ですか。 このサリン等による人身被害の防止に関する法律は、まさにこの一の事案のようなものを再発させないために国会でつくった法律ですよね。それで範囲が狭過ぎるともし総理がお考えなら、でも具体名は一個も挙がらないわけですけれども、未知のものも含めて何としても規制しなきゃならないという話ですけれども、これは予備罪があるんですよ、二つも当たるんですよ。 サリン等を発散させて公共の危険を生じさせる目的でサリンの原材料になり得る物質を入手する行為、五条三項、サリン等発散予備罪。もう一つ、サリン等を発散させて公共の危険を生じさせる目的でサリン等を製造するために原材料を入手する行為、発散目的サリン等製造予備罪、六条四項。行為態様は間違いなくこの事案で、予備罪に当たりますから。 サリン等の対象となる範囲の部分を何とかしなきゃいけないとおっしゃるなら、そして、もしその立法事実をちゃんとこれ以降お示しになることができるなら、この二条を検討し直せば、私は、最も適切で、最も実効性があり、そして最も人権制約が少ない、そういう対応方法だと思います。 この一つ目の穴、共通認識と言っていただきましたけれども、余りにも差があるというか、罪刑法定主義についてこれだけ差があるとは思いませんでした。 二つ目の事案について申し上げます。ハイジャックの事案であります。 この二つ目の事案ですけれども、もう一回聞きましょう、総理。なぜ、この二つ目のハイジャックの事案、この事案にハイジャック防止法では対応できないというふうに答弁されているんですか。
○安倍内閣総理大臣 今の質問については、後で金田大臣がお答えをさせていただきます。 先ほど、未知の薬品というふうに申し上げたわけでありますが、我々が出している例としては、法務省として出した例は、テロ組織が殺傷能力の高い化学薬品を製造し、これを用いて同時多発的に一般市民の大量殺人を行うことを計画した上で、例えば殺傷能力の高い化学薬品の原料の一部を入手した場合ということを申し上げているわけでございまして、その中で、限定的に列挙した中の化学式に当たらないものもあり得るわけでございます。 さまざまなものが考えられるわけでありますから、そこで政令として挙げる上において時間的なラグがあるのではないかというのが法務省の見解であるわけでございまして、それを私が申し上げたわけでありまして、それは何か全くわからないのに勝手に恣意的に一網打尽にするということでは全くないわけでありまして、今この例を前提に私がお話をしているということは一応申し上げて、例を出していて、この例を前提に山尾委員も今おっしゃっているわけでありまして、その上にのっとって私はしゃべっているわけでありまして、この例からもちろん外れているわけでは当然ないのは御理解をいただけるのではないだろうか、こう思うわけでございます。 その上において、今の御下問については担当大臣から答弁をさせたいと思います。
○金田国務大臣 まず、大分、委員のお話を伺いました。 ただ、私が思うのは、犯人は、例えばテロリストは人を殺すためにどんな薬品を使用するかというのを……(山尾委員「違う違う、ちょっとおかしい。総理もそれを話したんだから」と呼ぶ)さっきの話をまず聞いてください。いやいや、ちょっと待ってください。先ほどの指摘については……(山尾委員「時間稼ぎはやめてください」と呼ぶ)時間稼ぎではありません。これ一言だけは言わせてください。(発言する者あり)二番目。わかりました。その上で、一番目に一言触れますから。やはり答弁ぐらいは聞いてくださいよ。それは……(山尾委員「ハイジャック」と呼ぶ)いやいや、ハイジャックに移ったから前の答弁ができなかったところはどうしようもないなんて言われては困りますよ。
○浜田委員長 答弁。
○金田国務大臣 はい。それでは、ハイジャックについて言います。 航空機の強取等の罪の予備罪というものの成立時期の問題であります。個別具体的な事例における事実認定の問題であって、やはり一概に申し上げることは非常に困難だというふうに、予備罪の成立時期についてですね、一概に申し上げることは困難だ。 それから、具体的な事例において、航空機の強取といったような、ハイジャック等が実現する相当の危険性が認められる、航空機を強取するためのですよ、いろいろなものを準備したりしてやろうとするその実現が、相当の危険性が認められるか否かによって判断されるものと私は承知をしております。 したがって、個別具体的な事例における事実認定の問題であって、逮捕できるか否かについても一概に申し上げることは困難である、このように考えるわけであります。 したがって、この問題を、これまでも申し上げているように、準備罪の方の……(発言する者あり)違います。これは、航空機の強取等による逮捕の時期の問題があるということを重ねて申し上げておりますが、一点目についてだけ、一言だけ言わせてもらいます。 犯人、テロリストは人を殺すためにどんな薬品を使用するのかあらかじめ予測できない。そして、先ほどまでの議論にもありましたように、政令に後から加えても対処できません。そういう中で、テロ等準備罪についても必要性を踏まえて明確な法案をつくるべく現在検討しているのであります。 したがって、それが出てきた段階で、しっかりと実務家を入れて議論しようじゃありませんか。お願いします。
○山尾委員 一言だけとおっしゃったので、私も一言だけお返ししますね。 犯人は何を持っているか予測できないと。その裏を返せば、これから国民は何を持っていれば逮捕されるか予測できない国家になるということです。そういう危険性をしっかりと踏まえていただきたい。当たり前のことでしょう。 そして、ハイジャックのことに入ります。(発言する者あり)
○浜田委員長 静粛に願います。
○山尾委員 申し上げますけれども、法務大臣にお伺いします。 自分の声も聞こえないので、静かにしてもらっていいですか。
○浜田委員長 静粛に願います。
○山尾委員 委員長、ありがとうございます。 大臣、今の、予備に当たるかどうかは、実害が起きる相当の危険性があるかどうかと。この規範は何に基づいておっしゃっているものですか。
○金田国務大臣 昭和四十二年の東京高裁の判決であります。
○山尾委員 それは総理大臣も引いている判例というか裁判例ですね、最高裁ではありませんので。 しかし、この昭和四十二年の高裁判決が出た後に、刑事局の刑事局長はまさにこの二番目の事案について明快な答弁をしております。それが皆さんのお手元にある、昭和四十五年五月十二日参議院法務委員会、法務省刑事局長答弁です。これは、よど号ハイジャック事件をきっかけにハイジャックに関する法律をこの国会で審議したときの議事録から引いてきたものです。 このハイジャック処罰法、これに関して、航空券を購入する行為について刑事局長はこう言っています。航空券を買ったという場合にも、ハイジャックをやるというその目的でその当該の航空券を買ったというような場合が、第三条の予備に当たるわけでございますと。何の留保もついていません。言い切っています。これ以上ないほど明確に答弁をしています。 したがって、この二つ目の例、今あるハイジャック処罰法で対応できるんですよ。なぜこの明確な刑事局長の答弁を必死に無視して、百八十度答弁をたがえるのですか。
○金田国務大臣 山尾委員にお答えをいたします。 この答弁は、予備罪が成立する場合の例として、航空機に乗り込む前の行為を処罰することが思想の取り締まりに当たらないことを確認するなどの文脈で述べられたものであるというふうに受けとめておりまして、具体的な事例を設定して航空券の購入が予備に当たるか否かについて検討したというものではない、このように考えております。その意味において、この答弁は、航空券の購入が予備罪に当たる場合があるという一般論を述べたにすぎないと言えるわけであります。 一方、実務における予備罪の成否は、裁判例に従って判断をされております。既に林法務省刑事局長が去る二月一日の、おとといでございますか、当委員会で答弁をしておりますとおり、航空券の予約または購入という行為それ自体に、構成要件実現のための客観的な危険性という観点から見て、実質的に重要な意義があり、客観的に相当の危険性があるとまでは言えず、予備罪は成立しない事例も多いと思われる。 したがって、御指摘の答弁は去る二月一日の刑事局長の答弁と矛盾せず、御指摘の答弁があるからといってハイジャック目的で航空券を購入する行為が常に予備罪に当たるとは言えず、個別具体的な事案にもよりますが、現行法の予備罪等で適切に対処することができない場合の一例であるものとも言えるわけであります。
○山尾委員 この四十五年の答弁の後に新しい判例が示されて、この結果が変わるというならまだ理解できるんですよ。でも、なぜ、この四十五年、明確に航空券の購入は予備に当たる、こういう答弁があるにもかかわらず、この答弁よりも前の裁判例にさかのぼって弁解をするんですか。 しかも、この四十二年見解ですけれども、これは国会を襲って占拠しようとした破防法の事案であって、ハイジャックの事案でもなければ、ハイジャック防止法の事案でもありません。それどころか、その裁判例が出た四十二年にはハイジャック防止法は存在していなかったんです。 なぜ、その当時に存在していなかった法律の解釈にその高裁の裁判例を必死に使おうとするんですか。なぜ、ハイジャック事案を議論しているのに、ハイジャック防止法の政府の従来の明確な解釈を一生懸命無視して、ハイジャック防止法が存在しない時代の、全く異なる事案の、最高裁でもない高裁の裁判例を持ち出すんですか。
○金田国務大臣 私から山尾委員にお答えをいたします。 おととい答弁をしました刑事局長を呼んでいただければ、もっといい答弁になるかもしれません。その上で申し上げます。 申し上げましたとおり、当該答弁は、航空券の購入が予備罪に当たる場合があるという一般論を述べたものにすぎないものと受けとめております。 本裁判例というのは先例として一般的基準となり得ないのではないかという御指摘だったと思います。本裁判例は予備の意義を明確に判示しておりまして、先例として実務上参考とすることは適切であると考えておるわけであります。
○山尾委員 では、法務大臣にお伺いします。総理でも結構です。 昭和四十二年の、国会を襲って占拠しようとしたハイジャックとは全く関係ない破壊活動防止法の事案でありますけれども、この被告人らは結局、予備では処罰をされませんでした。では無罪になったんですか、御存じですか。御存じでなかったら結構です。御存じですか。
○安倍内閣総理大臣 予備においては無罪になっているわけでありますが、他の罰則において有罪判決がなされているわけでございます。 ただ、同時に、先ほど金田大臣が答弁をさせていただいた件は、四十五年に刑事局長が答弁をしたわけでありますが、そもそも思想の取り締まりに当たらないことを確認するの文脈において局長が一般論として述べたわけでありまして、当たる場合があるという一般論を述べたにすぎないわけでございまして、参議院でもそういう議論を行ったわけでございますが、いわば実務上そういう中において当局が検挙、逮捕に至るかを判断できるかどうかということについては、まさに今申し上げた裁判例については、予備については一応裁判所が判示しているわけでありますから、そこの中においては実務家たる局長がそれはできないということを今までも述べてきている、このように承知をしております。
○山尾委員 昭和四十五年、ハイジャック防止法についての法務省の刑事局長答弁ですけれども、もう一回見てください。当該の航空券を買ったというような場合が第三条の予備に当たるわけでございますと言っているんですね。当たることがあるわけでございますと言っているのとは違うんです。そして、法務省の刑事局長というのはそこは厳密に使い分けるはずです。使い分けた答弁でなければ困ります。 したがって、なぜ、ここで明快に当たると言い切っているものを、その後の判例もないのにもかかわらず、今回、当たる場合もある、当たらない場合もある、対応できるものを、できない場合があるんだ、できない場合もあるんだと、なぜそんなに一生懸命おっしゃるのか。この法律ができる以前の、全く事案の違う高裁判例を金科玉条のように使いながら。きょうの議論を聞いても、それは全く皆さん首をかしげることだというふうに思います。 総理、先ほどのまさに三無事件というのがこの昭和四十二年の事案ですけれども、ほかの罪では有罪になっていると承知しているという答弁でした。細かい罪名じゃなくてもいいですけれども、何の罪で有罪になっているか。御存じじゃなかったらそれでも結構です。御存じですか。
○安倍内閣総理大臣 それは陰謀罪でございますが、と同時に申し上げますと、いわば、四十五年でしたか、その当時の刑事局長がどういう趣旨で答弁したかということについて今の法務省の刑事局としての見解として述べたのは、まさにこの答弁については予備罪に当たる場合があるという一般論を述べたにすぎないというのは、法務省の刑事局としての見解を述べているわけでございまして、その当時の、今は逐語的におっしゃったわけでありますが、それはそういう趣旨であったというのが刑事局の見解ということになるわけでございます。そのことは申し上げておきたいと思います。
○山尾委員 今総理が言っていただいたとおり、この昭和四十二年の裁判例の事案は、予備では無罪になっていますが、正確に言うと、政治目的殺人陰謀罪では有罪になっております。 そして、これまでの三度の共謀罪の議論の中で、数々の先輩議員が議論を法務省とする中で、共謀と陰謀というのはほぼその中身において同じである、こういう答弁も出てきております。 私の疑問は、いわゆる陰謀、そしてほぼ同じと答弁がある共謀ですね、共謀罪で有罪になっている事案を殊さらに持ち出して、その後の予備罪では無罪になっていることを捉えて、だから共謀罪が必要だ、こういう理屈には私はならないと思うんですけれども、その点、いかが説明をされるんですか。
○金田国務大臣 陰謀罪は少数の罪にのみあるものでございます。したがって、陰謀罪のないものというものに対しては予備罪で対処できないというふうに考えております。
○山尾委員 時間もないので、全く答弁になっていないんですけれども、申し上げますね。 幾らこの昭和四十五年の刑事局長答弁を否定しようとしても、ハイジャック防止法の予備に当たる、一般のハイジャックでも予備に当たると刑事局長が明快に言っているのに、今回の事案は、見てください、テロ組織が複数の飛行機を乗っ取って高層ビルに突撃されるハイジャックの計画ですよ。一般のハイジャックでも予備に当たるのであれば、飛行機に乗っている方のとうとい命、これに加えて、激突されるビルの中、そしてそのビルの近隣にいる人々、こういう多くの、さらに多くの人のとうとい命を奪う危険が高いこの事案で、なぜ、予備に当たらない場合もあるんだ、こういうふうに必死におっしゃるんですか。なぜ、法務省がきちっと積み上げてきた判断をかなぐり捨てるんですか。 穴をつくらないと共謀罪の必要性が語れないから、ない穴を、一生懸命穴を掘るのは私は国益も害すると思いますよ。 法務省刑事局長が我が国はこういった場合は対応できるというふうに明快に言っているにもかかわらず、なぜか一生懸命、できない場合があると。しかも、どういう場合ができないのかもはっきりおっしゃらずに、できないんだ、できないんだと。 今回テレビ中継はありませんけれども、国会の議事録というのは広く公開をされています。こういう論のねじ曲げ方は私は大変国益も害すると思いますので、やめていただきたい。 そして、きょうで、この二つの穴、ほとんど穴になっていないということがはっきりしたと私は思います。三つ目の穴について次回しっかり議論をしていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○浜田委員長 これにて山尾君の質疑は終了いたしました。 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時八分休憩 ――――◇――――― 午後一時開議
○浜田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。大串博志君。
○大串(博)委員 民進党の大串でございます。 早速質疑に入らせていただきたいと思います。 予算委員会冒頭の質疑、私、二回目でございますけれども、いろいろな論点がございます。 まず、二月十日に総理がトランプ新大統領と面会されるときに関してでございますけれども、いろいろな報道が既に飛び交っております。資料にもつけさせていただきましたけれども、二月十日にトランプ大統領とお会いになられたときに、昨日は、日経新聞でしたけれども、公的年金、米インフラ投資という記事が出、また、きのうの読売新聞の夕刊でも具体的な数字も出てきました。きょうの朝刊でも、軒並み、アメリカで七十万人雇用創出、首相、首脳会談へ提案へということで、四千五百億ドル、五十一兆円の規模で、七十万人の雇用を生み出す、こういったことを日米の首脳会談で提案するというような、非常に具体的な内容も、米国へのインフラ投資十七兆円、世界のインフラ投資二十二兆円、ロボットと人工知能六兆円、サイバー、宇宙空間六兆円等々、極めて具体的な報道が相次ぎました。 ここまでいろいろ出てくると、そういうことなんだろうなというふうに思わざるを得ませんし、私も、こういうことかなと思って、あれっと思ったのは、この間の茂木政調会長のこちらでの質疑のときにこの点の話になった。 そこで茂木政調会長の方から、御指摘のように、日米がこれから協力をしていく分野、AIであったりロボット、こういった新技術もあると思います、エネルギーの分野もあります、そして、アメリカは今、東海岸で高速鉄道を計画しておりますが、これには日本の技術が必要であります、こういったインフラ投資の分野、狭い貿易ではなくて、日米がより幅広い枠組みで協力をしていく、こういったことが重要なんだと思っています。 えらく具体的なことをおっしゃるなというふうに、私、あれっと思ったことがあった。それに引き続いてのこれだけの具体的な報道であります。 私、特に非常に気になったのは、公的年金、米インフラ投資へと。公的年金というのは、国民の皆さんのお金ですよ。将来の年金の給付に充てられるべきお金ですよ。これをトランプ新大統領の面会のときに、日本からお土産のように、安倍総理の財布がわりかのごとく出していくというのは、私、どういったことなのかなというふうに思いまして、まず、少し事実確認をさせていただきたいと思います。 きょうは、GPIFの理事長さん、来られていると思います。事実確認をさせていただきたいんですけれども、公的年金、GPIFの積立金、百四十兆円ありますけれども、これは、要するに、安倍政権になってから、かなりリスクをとる運用に変わりました。その中で、特にオルタナティブ運用というのができるようになった。ここの中で、実は、オルタナティブ投資というのは、インフラとか不動産とかこういうものにも投資していこう、年金のお金をそういうところにも突っ込んでいこうということなんですけれども、私たちはこれには反対です。 私たちはこれには反対ですということを申し上げた上で、今のこの安倍政権になってからの仕組みの中で、このGPIFの百四十兆円、オルタナティブ投資に幾ら投資ができて、今の段階で幾ら投資されているのか、そして、それがアメリカのインフラ投資に使われるということが可能であるのかどうか、GPIFの理事長に答弁を求めます。
○高橋参考人 GPIFが行っておりますオルタナティブ投資のうち、インフラストラクチャーに関する投資は、現在、投資信託のスキームを活用いたしまして、平成二十七年度末の時価総額は八百十四億円、収益額はプラス六億円という状況であります。 想定している投資対象は、収入の安定している稼働中のインフラストラクチャーでありますが、昨日、理事長コメントを出させていただいておりますが、お伝えしたかったことは二つでありまして……(大串(博)委員「いや、質問に答えてください」と呼ぶ)失礼いたしました。 今後とも、被保険者の利益のために、長期的な観点から運用をしたいというふうに考えております。
○大串(博)委員 理事長、質問をよく聞いてください。あと二問、答えてください。 オルタナティブ投資でどれだけの投資ができる枠があるのか。そのうち、今、八百十数億円という規模を言われましたけれども、全体で幾らまで投資できるのかということと、かなり余白があります、この余白を使って、この報道にあるようなアメリカのインフラ投資に投資できる可能性があるのか、お答えください。
○高橋参考人 今のところ、認めていただいておりますのは全体の五%ということでありますので、恐らく七兆円前後の金額が投資可能だというふうに考えております。 想定しております投資対象は欧米の先進国が中心でありますことから、あらかじめ予定されておりますガイドラインに従って運用を指図しております運用者がアメリカのインフラを対象とした場合には、理屈の上では、結果としてアメリカのインフラへ向かうということもあり得るというふうに考えております。
○大串(博)委員 このとおり、仕組み上は七兆円もオルタナティブ投資ができるようになっちゃったんですね、安倍政権のもとで。 それで、このオルタナティブ投資というのはどういうものかというと、伝統的ないわゆる株とか債券とかじゃない、非伝統的な、代替的な投資先ですよ。だから、ファンドを組んで、プライベートエクイティー、不動産、あるいはインフラ、天然資源、そういったものに投資をする。 これは、ニッセイ基礎研究所のある専門家がネットの中に書かれています。オルタナティブ投資とはそういうものであって、これらは総じてハイリスク・ハイリターン型であり、その仕組みも非常に複雑であるため、ファンドの選択には高度な専門知識と経験が必要とされる、目先の高い期待リターンに目を奪われて安易に投資を行えば、大損をこうむるリスクがあるため、専門家のアドバイスも参考にしながら綿密な準備を行うことが不可欠となる。こんなリスクの高いものなんです。 そこに百四十兆円のうち七兆円も投資できるようにしちゃったわけですね。そのうち、今、先ほどお話がありましたインフラ投資には八百十四億円、実はかなりのすき間があるわけですね。 今言われたように、アメリカでのインフラ投資も、その仕組みが組まれれば可能であるというふうに言われます。まさに報道どおりじゃないですか。まさに報道どおりで、公的年金をアメリカのインフラ投資に投じて、しかも、それを今回、二月十日のトランプ大統領との面会のときに、全部で四千五百億ドル、五十一兆円の市場をつくり出す貢献を日本としてしますと。まさに私たちの公的年金のお金を使ってトランプさんにお土産を持っていっているようなものじゃないですか。 安倍総理、ぜひ、年金のお金を使ってトランプさんにお土産を持っていくようなことはしない、これを約束していただけますか。
○安倍内閣総理大臣 まず、報道というのは、報道のとおりになることもあれば、全く報道と違うこともあるんです。それは大串委員も御承知のとおりなんだろうな、こう思います。日米首脳会談における議論の詳細については、現時点では何ら決まっていません。 いずれにせよ、GPIFについては、先ほど参考人から御説明がありましたが、GPIFによる年金積立金の運用は、法律の規定に基づき、専ら被保険者の利益のために行われるものであり、実際にGPIFでそのように判断して運用を行うものと考えているわけでありますが、政府として今おっしゃったようなことを検討しているわけでは全くございません。これははっきりと申し上げておきたいと思います。
○大串(博)委員 政府として、今、この報道にあったような、公的年金のお金を使ってアメリカのインフラ投資に投ずるということを考えていないということをはっきりおっしゃった以上は、そうしたら、ぜひお約束してください。 五十一兆円、この貢献策をトランプさんとお約束される、これはこうなるかどうかわかりませんよ、わかりませんけれども、何がしかの貢献の話をされるんだと思います。その中に公的年金を原資とするものは一円たりとも入らないということをお約束いただけないですか。
○安倍内閣総理大臣 そもそも、この記事については、何ら決まっていないわけでありますし、GPIFの話は、今、大串委員から言われて初めて聞きました。そんな計画があるのと私は……(発言する者あり)いや、実は新聞でも読んだんですが、耳で聞いたのはきょう初めてなんです。新聞では読んだのですが、耳で聞いたのはきょう初めてでございますが、新聞では読んだので。 そこで、そんなものがあるのかと言いましたら、それはないということでございまして、今、大串さんが初めてさらにこの場で公にされて、私初めてお伺いをしたんですが、新聞で読んで知ってもいましたが、でも全くそれは考えているわけではないということ。 あと、このGPIFの運用については、私は、ここにはやめろとか、ここに入れろということは指図できないというのは御承知のもとにおっしゃっているんだろうと思います。ということでございます。
○大串(博)委員 これだけ実は関心がすごく高いんです。きのうから私たちのところにも、年金のお金がトランプ大統領へのお土産みたいに流れるのかと物すごい勢いで、あたかもゴルフセットみたいに公的年金のお金が使われてしまうのかと物すごい意見が来ているんですよ。関心が高いんです。だから申し上げているんです。 かつ、年金の運用に関して私たちはこうしろああしろと言えないとおっしゃいましたけれども、でも、国民はみんな知っているんですよ。公的年金の運用比率を、株、二割五分から五割に、本来であれば専門的に決まっていく話を、安倍総理を含めた総理官邸の意向で、中期計画の改定を前倒ししてまで変えたじゃないですか。みんな安倍総理の意向で動いていると思っていますよ。 そこで、安倍総理、そうおっしゃるのであれば、安倍総理の意向として、トランプさんとディールを、ディールというか話をされるときに、公的年金のお金を使ってアメリカのインフラに投資することを約束する、あるいは、事後的にも、何がしかのパッケージが成り立っていった、これを検証するときにも、公的年金のお金がこれだけ使われて米国のインフラ投資に役立ちましたなんということを説明するということが一銭もないようにしていただきたい。これは国民の願いだと思うんです。いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 官邸の指図で、いわば公的年金のポートフォリオ等々について、私が今まで、国内の株の比率が低いだの何だの言ったことはないですよ。 結果としてそれはふえているかもしれない。しかし、デフレから脱却する中においては、いわばフォワードルッキングの投資をしていくという中においては、国債に重点が置かれていたものを、そうではなくて、株式市場ということも視野に入れるということは一つの考えであろうということを私は申し上げたことはありますけれども、だからといって私が指図するということはないわけでありまして、これは専門家が現在の経済状況から将来を見据えながら判断していく。詳しくは塩崎大臣から答弁させてもよろしいですが。 そこで、繰り返しの答弁になってしまうんですが、いわばGPIFは独立して運用しておりますから、そもそも私が、これをやるな、これをやれと言うことはできないわけでありまして、専ら年金の受給者のために運用をしているということでございますから、今ここで申し上げることはできないわけであります。 そこで、トランプ大統領との間において、お互いにどういう経済協力ができるか。 経済協力というのは、これは途上国ではありませんから、我々が協力を一方的にするということはないわけでありまして、基本的にはウイン・ウインの関係の中において、我々は、例えば雇用においてはどういう貢献ができるのか、あるいは、それは米国のGDPを押し上げていく中においてどういう意義を持っているのかということは、もちろん話はしますよ。しかし、それは同時に、投資するというのは、民間企業もありますから、民間企業は、投資してリターンがなければ投資しないのは当たり前のことでありまして、そういう中において、米国側の理解を進めるためにも、そういうパッケージの話をしていくべきだと私は思っているわけでございます。 鉄道の話もございましたね。鉄道の話は、東部において、またあるいは西部において、そしてあるいは南部において、それぞれ新幹線の計画がございますが、この新幹線の計画を我々はODAで行うわけではもちろんないんですね。しっかりと、まさに我々のすぐれたインフラの技術を米国で使っていただければ、そこで起こり得る投資あるいは雇用において大きなプラスが生まれますね、そして、移動が短時間になることによってGDPにどういう影響があるか、どういうプラスがあるかということもお互いの協力の中の一つですね、こういう話をしようとしているわけであります。 我々が、お土産というのは、これはどういう意味でおっしゃっているのかよくわからないんですが、そういう関係では全くないということは、日本が途上国に支援をするという関係ではもちろん全くないというのは、これは御存じのとおりだろう、このように思います。
○大串(博)委員 いやいや、何を言われているかよくわからない答弁でありましたけれども、私が聞きたいのは、公的年金の原資を使って、国民の年金ですよ、皆さんのお金です、それを使って、トランプ大統領とこれから面会されると思います、これは長い関係になられると思いますよ、いろいろな貢献策を話していくことになられると思います、その中で、まさか公的年金のお金がアメリカのインフラ投資に使われることが日本の貢献策としてカウントされるということはないでしょうねという国民の皆さんの素朴な声なんです。そこだけなんです、総理。 約束してください。国民年金のお金がアメリカのインフラ投資に使われるということが、アメリカとの経済協力、これは一方的な協力じゃなくて、協力の中の一環としてカウントされるということはありませんということだけ約束していただければいいんです。
○安倍内閣総理大臣 GPIFの記事はどこから出ているんでしたか。二つでしたか。 そこで、先ほど申し上げましたように、私の先ほどの答弁に尽きているんですが、なぜ尽きているかといえば、そもそも私は、GPIFにこうしろああしろと言う権限がないんですよ。こうしろああしろと言う権限がないにもかかわらず、大統領のところに持っていって、私の指示でGPIFからこれを入れますよと言うのは、これは詐欺じゃないんですか。権限がないんですから、権限がないことを私が約束するような人間でないことは、大串委員もよく御承知のとおりだろうと思いますよ。 ですから、そういう意味において……(発言する者あり)次、質問の時間で十分しゃべっていただければいいと思いますよ。 そこで、今申し上げましたように、そもそも権限がないことでありますから、権限がないものについて私が今ここでパッケージと言うのはそもそもあり得ないということではないか。そもそも検討しておりませんから、ですから検討していないということにつながっていくわけであります。
○大串(博)委員 事前に明確に否定されないということを感じ取ると、事前にはああしろこうしろと言えないということを言われるわけですけれども……(発言する者あり)
○浜田委員長 静粛に願います。
○大串(博)委員 では、総理、いろいろな経済協力をこれからされていくんでしょう。その中で、トランプ大統領との間で、日本とアメリカとの間で、公的年金のお金がこういうところに投じられて、アメリカのインフラが建設された、雇用を生み出した、事後的にも一円も使われていないという状況をつくっていただく、いいですね、これで。
○安倍内閣総理大臣 GPIFのこのオルタナティブの新しい投資については、塩崎大臣から正確に答弁させていただきますが、今私が申し上げているのは、私が指図できないわけであります。ですから、今私がパッケージとして持っていくことはできない。その後、ではそこでどういうことが起こり得るかということは、だから私はわからないんですよ。わからないんですね。ですから、どうなっていくかということは、今、塩崎大臣から答弁させます。
○大串(博)委員 塩崎大臣、では明確に答えてくださいね。 トランプさんと長い関係になられるかもしれません、何年かわかりませんけれども。塩崎大臣、後からでも、年金のお金を使って米国にインフラ投資をこれだけしましたということを、アメリカの政府に事後的に報告できるような形にもなりませんね。いいですね、それで。
○塩崎国務大臣 御理解した上で言っておられることばかりだろうと思いますが、先ほど、冒頭、総理から御答弁申し上げたように、例えば、専ら厚生年金保険の被保険者の利益のために、安全かつ効率的に運用を行うというのがGPIFの方針であるわけで、これは法律で書いてあるわけであります。 したがって、これは、他事考慮を禁止しているとよく言うわけですね。つまり、被保険者の利益以外のことを考えてはいかぬということであります。したがって、GPIFの運用方針そのものの中に政治判断が入るということはないわけであって、専ら被保険者の利益のためになる運用方針を選ぶということしかないということを言っているわけであります。その方針にのっとって、GPIFに私は厚生労働大臣として運用をお願いしているわけでありますので、そのとおりやっていただくということであるわけであります。 結果的にどうのこうのというお話ではありますけれども、大事なことは、専門家にこの方針にのっとって運用をしていただいて、被保険者、つまり国民の皆様方のことだけを考えて、その利益だけを考えて運用してください、こういうことであります。
○大串(博)委員 そもそも、今、このGPIFのお金は半分株に投資されるようになっちゃったわけですよ。本当に受給者のためだけを考えてやるのかというのが非常に怪しくなってきているわけですよ。だから言っているんです。 しかも、先ほど、受給者のことだけを考えて運用するとおっしゃいましたけれども、私たちがここに疑念を持っているのは、GPIFが独自の判断だとしながら、結果として、アメリカのインフラ投資にこれだけ投資しましたということになっていくんじゃないか。表向きの世界ではいろいろなことを言われるかもしれませんよ。表向きの世界では、GPIFの独立した判断ですというふうに言われるかもしれない。しかし、結果として、アメリカのインフラ投資に使われてしまう。さっき言ったように、七兆円の枠があるわけですから、それで今八百億円なわけですから、かなりの部分の余白があるわけですね。それを非常に危惧するわけです。 この問題は、安倍総理、これから、二月十日に行かれて、いろいろなフォローアップをされるんだと思います。私たち、よくフォローアップしていきたいと思いますので、ぜひ、年金受給者の皆様のことのみを考えて結果も出していただくように、よろしくお願い申し上げたいと思います。 さて、マティス国防長官が来られます。初めての重要閣僚ということで来られるわけですけれども、私たちにとっても非常に関心のあるところでございます。 安倍総理、きょうマティス長官と会われるというふうに聞いていますけれども、あすまでのスケジュール、大変重要な会談だと思いますけれども、今回のマティス国防長官が来られることの意義、そして何をこの訪日の間で達成、得るものとしていこうというふうに考えていらっしゃるのか、総理の考えをお聞かせください。
○安倍内閣総理大臣 トランプ政権発足後、マティス国防長官が最初の訪問先として日本と韓国を訪問することは、アジア太平洋地域における米国の揺るぎないコミットメントを示すものとして大きな意義を有することであり、心から歓迎したいと思います。 米国との間では、累次の機会に、尖閣諸島には日米安保条約が適用されるとの立場を確認してきておりますが、我が国としては、日米安保条約に対する米国のコミットメントを信頼しているわけでありまして、マティス国防長官との意見交換においては当然このことも確認をしていきたい、こう思っている次第でございます。 基本的には、日米同盟は揺るぎないというものをしっかりと示していきたい、あるいは、米国の日本のみならずアジア太平洋地域に対するコミットメントは変わらないということを確認し、そして内外にそれを示していきたいと思っています。
○大串(博)委員 ぜひ、日米同盟の中において米国のコミットメントを確認していただきたいというふうに私たちも思いますし、かつ、米軍の駐留経費も含めた日本の負担が多いのか少ないのか、こういう話もありましたけれども、私は、日本は米軍の駐留に関して十分な貢献も行ってきているし、かつ、例えば安保法制の議論もありました。いろいろな国内の厳しい議論も経ながら、私たちは違憲部分は白紙という立場は変わりませんけれども、いろいろな、共同での、地域と世界の平和に日本も貢献している部分は多々あると思うんです。この辺もしっかり訴えていただきたいというふうに思います。 そういった中で、今、安保法制の話もしましたけれども、この年末に、日本の安保法制を通じたいろいろな動きの中で、予算の陰でひっそりしていましたけれども、非常に重大な決定が政府でなされています。 十二月二十二日、去年です、NSC、国家安全保障会議の決定として、いわゆる自衛隊における武器等防護、これは私たちは大きな疑念を持って、武器等防護が日本の自衛隊の武器のみならず、アメリカ軍、それ以外にも膨れ上がっていくということに対する懸念を安保法制の議論の中で言いました、これの運用指針が十二月二十二日に決定されて、実際実施されるという段階についになりました。 武器等防護というこのあり方は、非常に、自衛隊の武器を使える規定の中ではある意味限定的、受動的と言われているんですね。つまり、武器が壊されてしまったらどうしようもない、だから、武器を守るために武器を使うことは仕方ないんだという判断で憲法上もよしとされているわけです。それが、私たちの武器のみならず、アメリカ軍の武器まで日本の自衛隊が守るということになった、ここに大きな疑念があるわけです。 資料に、武器等防護をする場合のいろいろな限定的な内容、受動的あるいは必要最小限度ということを担保するためにいろいろな項目があるということを定番で言われています。コピーをとってきただけですけれども、一から二、三、四、五とありますけれども、特に私が心配しているのは二なんです。 これは、日本のことではなくて相手方、武器等の退避によってもその防護が不可能である場合等、他に手段のないやむを得ない場合でなければ武器を使用できない、つまり、まず、相手が武器を壊しに来たらその武器を退避する、それでもどうしようもないときには、武器を守るために攻撃することができる、武器を使うことができる、こうなっているんですね。アメリカの艦船なりなんなりを守るというときに、まずアメリカの艦船が自分の艦船を守る、逃げる、守るというか、そういう行為をしてもらわなきゃならないわけです。 ところが、このNSCの決定には、アメリカ軍がまず自分の武器あるいは艦船を退避させるということをやった後でしか日本の自衛隊は武器を使わないということは何も書いていないんです。だから、受動的、必要最小限度という要件は何も書かれていないんです。 このような中で、武器等防護、あるいは米艦の防護もできる、こういうことが始まるのは、私、かなりの問題があると思いますけれども、いかがでしょうか、総理。
○稲田国務大臣 今委員お尋ねの、新たに設けられた自衛隊法九十五条の二による米軍等の武器等の防護は、自衛隊と連携して情報収集、警戒監視や共同訓練など我が国の防衛に資する活動に現に従事している米艦、米軍艦艇などを武力攻撃に至らない侵害から防護するものでございます。 今お尋ねのこの九十五条、そもそもの九十五条のときの要件……(大串(博)委員「三のところね」と呼ぶ)その三、それも、米軍防護の際にも適用になります。 そして、この運用を開始するに当たっては、その適正な運用を図るため、あらゆる機会を捉えて米側に必要な説明、調整を行い十分な理解を得ているところでございます。 具体的には、自衛隊法九十五条の二は、従来の九十五条と同様に、御指摘の、武器等の退避によってもその防護が不可能である場合等、他に手段のないやむを得ない場合でなければ武器を使用できないなど厳格な要件を満たさなければならないという、極めて受動的かつ限定的な必要最小限の武器の使用を認めるものであることについて、米側には必要な説明を行い十分な理解を得ているところでございます。 また、自衛隊法九十五条の二の対象となる米軍等の部隊は、自衛隊と連携して我が国の防衛に資する活動に現に従事をしている部隊であり、相互に緊密に連絡をとりつつ警護が行われることとなります。 このため、武器等の退避によっても防護が不可能かどうかや、他に手段のないやむを得ない場合かどうかについても……(大串(博)委員「ここのところは聞いていないんです。ここは聞いていないですから」と呼ぶ)いや、今その要件についてお伺いですので。当該部隊と緊密な連絡を踏まえた状況判断に基づいて、主体的かつ的確に判断することが可能であると考えております。
○大串(博)委員 答弁は的確にお願いしますね。 この三、ごめんなさい、三じゃなくて二ですね、二のところ、退避によっても避けられないというところは、先ほど、累次米軍との関係で意見交換を行って了知してもらっているというふうなことを言われましたけれども、紙、ドキュメント、約束書、そういった形で、まず退避します、それでも避けられないときには武器を守ってください、そういった形になっていますか。
○稲田国務大臣 先ほど申し上げましたように、あらゆる機会を捉えて米軍に必要な説明、調整を行って十分な理解を得ております。 また、九十五条の二を適正に運用するため、警護に係る日米間の連絡調整の要領を日米間で交わしているところでございます。
○大串(博)委員 今おっしゃったその要領、紙には、まず退避をするということが書かれているんですか。
○稲田国務大臣 要領の詳細については、その性質上、お答えを差し控えさせていただきますが、そもそも、攻撃の態様がいかなるものかにもよりますけれども、一般的に、攻撃を受けた場合に、部隊の安全を確保するためにまずは退避行動をとることは当然のことだと考えられます。
○大串(博)委員 内容は言っていただけないわけですけれども、実は、この退避するというのは武器等防護の規定の根幹なんです。言えませんという話で納得できるような話じゃないんですね。 このように、この武器等防護も含めて安保法制、いろいろなテンションの中で、今まだあるこういった日本の大きな苦しみの中でやっていることも、マティス国防長官とはよく話し合っていただきたいというふうに思います。 さて、次に、雇用、働き方に関してちょっと確認をさせていただきます、総理。 働き方改革に関して、まず、長時間労働、総理の答弁が少し変わってきているんですね。最初は、答弁においては、必要な法制を罰則つきで長時間労働に設けるというふうに言われていたのが、その後、総理の答弁、誰に対して何時間というのがつけ加わっているんですね。 すなわち、例外がたくさんついてくるんじゃないかという懸念を私たちは持ち始めているわけです。上限をつけても例外がたくさんついちゃったら、例えば裁量労働制、これが例外になっちゃったら、全部すっぽり上限規制から外れる。裁量労働制ではいろいろな方が働いていらっしゃいます。マスコミの方々もそうです。記者さん方もそう。あるいは運輸関係、裁量労働制じゃないけれども、例外とされています。こういった例外がたくさんできてくると、いわゆる長時間労働の抜け穴になってしまう、これを非常に懸念するんですね。 この例外、これはないんだ、少ないんだ、極めて限定するんだと。どうなんですか、総理。
○加藤国務大臣 今の御質問、適用除外についてということでありますけれども、これについても、働き方を進めていくことの必要性、またあるいは長時間労働を是正していくことの必要性、それをしっかり念頭に置きながら、働き方改革実現会議で、これは従前から申し上げているんですが、実効性のある規制になるように、有識者、労働界、あるいは使用者側に予断を持たずに議論をしていただきたい、今こういう姿勢で、前回、そして次回においても議論をしていただきたい、こう思っています。
○大串(博)委員 不明確なんですね。いかにも、この答弁を聞いていると、例外がたくさん出てきそうな感じがするわけです。 この点は私たちもきっちり見させていただきたいと思いますし、この長時間労働規制をやるときに、いろいろな働き方の方がいらっしゃいます。公務の世界で働いていらっしゃる方もいらっしゃいます。教員の皆さん、一週間の労働時間が六十、八十という方々が民間の方に比べると一般的には多いというような調査結果も出ています。あるいは、公務の場で働く方々には例外規定が置かれていて、三六協定、いわゆる一般民間の方の規定が該当しないということもあります。こういった公務の世界の皆さんの長時間労働が必要じゃないかと私は思います。 このことと、もう一つ、解雇の金銭解決、これに関して厚生労働省でも議論を進められているという話が報道に出ていました。これは今、働き方を安心にしていこうというふうにされていると私は思っていたんですけれども、その中で、一方で解雇を金銭で解決できるようにする制度を進めるとしたら、これまたちぐはぐではないか。残業代ゼロ法案が真反対の方向に向かっていると私が思っているように、同じく、この解雇の金銭解決の問題を並び並行して議論するというのは、ちぐはぐなんじゃないかと思うんですよ。 総理、先ほど申しました公務の世界の長時間労働もあわせて、かつ、解雇の金銭解決は、ここはやはり検討をやめていただきたい。このことに関して、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 先ほどお話のあった公務部門においてもしっかりと検討していく必要がある、こう思っておりますが、例えば、この予算委員会、七時間やっておりますが、私は、この七時間やった、これは総理大臣として答弁するのは職責でありますが、それ以外にも総理大臣としての仕事がありますから、これは長時間労働を前提としている。 まあ、これは、私というよりも、私のスタッフですね。予算委員会の間、すごい時間が、これは残業時間にもなりますし、時には夜中の十二時近くに質問をいただくと、後は全部深夜勤務になっているという実態。こういうことはなるべくお互いに協力し合うことも大切だなということを申し上げておきたい。 その上において、お尋ねの解雇無効時の金銭救済制度については、厚生労働省において検討しておりまして、厚生労働大臣から答えさせたいと思います。
○塩崎国務大臣 これは既に、日本再興戦略二〇一五、つまり二年前からもう決まった路線で、今、検討会が厚生労働省において開かれているわけであります。これは、解雇が無効となったものの、本人が職場に戻りたくない、こういうような場合に、どのような形で円満解決ができるんだろうかというようなルールなどについて、これは今申し上げた成長戦略の日本再興戦略に基づいて検討会で議論を進めております。 この検討会では、解雇無効時の金銭救済制度のあり方とその必要性について、本年一月三十日から個別の論点の議論を開始しております。今後、さまざまな論点について幅広い観点から議論を深めてしていただきますけれども、金銭救済制度の必要性も含め、現時点で特定の方向性が決まっているものでもないわけでございます。 この金銭救済制度については、今お話し申し上げた再興戦略で、雇用終了をめぐる紛争処理の時間的、金銭的な予見可能性を高めることによって働きやすくする、そしてまた、結果として、人材の有効活用や個人の能力発揮に資するとともに、中小企業労働者の保護を図る、そして、対日直接投資の促進にも資する、こういうようなもののために議論をしていただいているわけでありますから、透明かつ公正、客観的でグローバルにも通用する紛争解決システムについて鋭意検討を進めるということは、働き方改革として非常に意味のあることだというふうに思っております。 使用者申し立てのお話を今お触れいただきましたが、一月……(大串(博)委員「それはしていないです」と呼ぶ)していない、まだ。そうですか。ちょっと触れたでしょう、さっき。(大串(博)委員「していないです」と呼ぶ)では、後にしましょう。
○大串(博)委員 この解雇の金銭解決は、私はやはり、長時間労働規制を今しようと総理がされている、雇用の安心をつくり出そうという方向からすると、真っ向から反対の方向に進むと思うんです。これは考えないで、ぜひ、むしろ今は長時間労働規制、同一労働同一賃金、この法案を早く出すべし、そっちにまず集中していただきたいというふうに思います。 デフレの問題にちょっと触れさせていただきたいと思います。 日銀総裁、きょう来ていただいていますけれども、昨年九月に、十年債の金利をゼロにするという方向性を打ち出されました。これは前提条件はないわけですね。つまり、絶対に十年債の金利はゼロにするということ。 マーケットは荒れます。トランプ・ショックと言われ、ショックとまでは言わないけれども、トランプさんが大統領になられたときに金利がわっと上がりました。今回も、トランプさんの為替に関する発言で金利が上がりました。こういった、金利はやはりボラタイルになることがある。 黒田総裁にお尋ねしますけれども、ゼロ%に十年物の金利を抑えるということは、どんなに金利が仮にマーケットの変動要因で上昇、下落して、上がったとして、そうだとしても、前提条件なしにこれをゼロに持っていく。すなわち、何が何でもゼロにする。 なぜこれを聞いているかというと、究極の財政ファイナンスじゃないかと思うんです。つまり、金利がばんと上がって、赤字国債を発行できない、そういう場合でも、とにかく無制限に日本銀行は買えますというような内容なんです。究極の財政ファイナンスにこれは足を踏み込んでしまっているんじゃないかというふうな気がします。 最近、シムズさんという教授が出てこられて、金利が上がらないという前提のもとでは、金利だけではなくて、財政出動を、赤字を大きくふやすということをコミットすればデフレから脱出できるという理論。私は懐疑的なんですけれども、そのような極めて究極の財政ファイナンスの約束を黒田総裁はされたことになってしまっているんじゃないかと思いますけれども、総裁、いかがですか。
○黒田参考人 委員御指摘の点につきまして、二つお答えしたいと思います。 まず第一に、日本銀行の金融緩和政策は、あくまでも二%の物価安定目標をできるだけ早期に実現するために行っているものでありまして、政府による財政資金の調達を手助けすることを目的とする財政ファイナンスではありません。この点は、二〇一三年の四月に量的・質的金融緩和を導入した際の公表文でも明確にしておりますけれども、その後も一貫して繰り返し申し上げている点でございます。 次の点は、御指摘の長短金利操作つき量的・質的金融緩和のもとで、経済、物価、金融の情勢を踏まえつつ、二%の物価安定の目標に向けたモメンタムを維持するために最も適切と考えられるイールドカーブの形成を促すということにしておりまして、具体的には、御指摘のこの長期金利操作目標については、このような考え方に立って、毎回の金融政策決定会合において判断していくということになるわけでございます。 現状では、二%の物価安定の目標までにはなお距離がありますので、これをできるだけ早期に実現するためには、現在の金融市場調節方針のもとで強力な金融緩和を推進していくことが適切であるというふうに考えております。
○大串(博)委員 デフレは、今でもこんな、私は究極の財政ファイナンスだと思いますけれども、こういうことをやらざるを得ないぐらい、やはりまだデフレなんです。 デフレであるがゆえに、資料の三番目を見ていただきますけれども、年金、年金カットルール。去年の物価の平均はマイナス三%減、低下ですよ。だから、この三枚目の資料をつけましたけれども、物価変動率はマイナス〇・一、名目手取り賃金実質変化率はマイナス一・一。これは、年金カットルールがもし今施行していれば、発動しちゃっているんですよ、来年から、いきなり。 塩崎大臣は、めったにないことではありましょうけれどもと言われました。総理は、万が一そういうことが起こったときにはというふうに言われました。しかし、いきなり来年から年金カットルールを発動しているじゃないですか。 こういうデフレの状況がまだ続いているということを誠実に認めた上で私は年金の制度は議論しなきゃいかぬと思うし、その意味では非常に誠実な目線からの抜本改革がやはり必要だと思うんです。年金カットルールは解ではない。 やはり、総理、デフレがいまだに継続しているという前提から、誠実な抜本改革をしませんか。いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 現在デフレから脱却はできていないということは再々申し上げているわけでありますが、デフレではないという状況はつくり出すことはできた、こう思っております。その中において確固たるものにしていきたい。まだ確固たるものにしてはいません。確固たるものにしていないわけでありますが、しかし、これからさらに黒田総裁のもとにそういう努力を進めていくわけでございます。 そして、我々の年金改革法案が成立をし、それが効力を発揮するのはまだ先の話でありますから、その段階において、こういうことが万が一にも起こらないようにさらに努力を重ねていきたいと思うわけであります。 根本改革、抜本改革ということであれば、抜本改革の大体の姿は示していただかなければそもそもこれは議論にならないわけでありまして、年金は、一番大切なことはやはり政策そのものでありまして、どのように年金を改革していくのかというのは実際難しいわけでありますから、抜本改革というのは、言うのは簡単なんですが、決して、そこではバラ色の未来が果たしてあるのかどうかということであります。 これは給付と負担のバランスしかないわけでありますから、その中でどうしていくかということで、これは大串さんもよく承知の上におっしゃっているんだろう、このように思うわけでありますが、お互いに切磋琢磨しながら議論を高めていくことが大切ではないか、このように思います。
○大串(博)委員 お互い年金の対案を出しながらと言われていますけれども、私たちも年金の計算をしようと思って、去年の秋以降、年金局の方には、こういう場合にはどういう数字になるのか、こういう場合にはどういう数字になるのか、さんざん求めを、仮定を与えてお願いしたんです。ところが、年金局は一回も自分たちのモデルなり情報なりを開示してくれなかった。 これからまた議論したいと思いますけれども、ぜひ、私たちも年金の対案をつくれるように、年金局の数理情報、数理システム、私たちにも使わせていただくことをお願いして、質問を終わらせていただきます。
○浜田委員長 これにて大串君の質疑は終了いたしました。 次に、金子恵美君。
○金子(恵)委員 民進党の金子恵美でございます。よろしくお願いいたします。 東日本大震災そして原発事故からの復興について、その課題について、被災地の声、そして被災者の方々の声を届けながら質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 まず、東日本大震災以降も自然災害が発災し、昨年は熊本地震そして台風十号など、多くの方々が被害に遭われました。昨年末の糸魚川の大規模火災などの被害も記憶に新しいものでございます。改めて、これまで災害等に見舞われました皆様方にお見舞いを申し上げますとともに、そして、亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げたいと思います。 そして、東日本大震災から丸六年が過ぎようとしております。震災、原発事故からの教訓というものをぜひ生かしていただきたいというふうに思っております。昨年の通常国会では、民進党は被災者生活再建支援法改正案を含めました復興加速四法案を提出させていただきましたが、この四法案の必要性についてもぜひ御理解をいただきたいというふうに思っているところでございます。 そこで、総理にまずお伺いしますが、現状、この東日本大震災からの復興の進捗状況についてはどのようなお考えをお持ちでしょうか。 例えば、一つ申し上げますと、海岸対策では、平成二十八年六月現在は八八%着工、三一%完了、漁港では七九%完了の進捗率であります。 復興のまちづくりの進捗状況については、平成二十八年八月末時点で、被災三県で高台移転が五〇%、災害公営住宅が六六%が完成です。 なりわいの再生については、水産業は、漁港の八割が機能が回復しておりますが、水揚げ量も八割が回復、そして水産加工施設も八割回復です。 しかし、震災により失われた販路確保等の問題もありまして、実際に売り上げが八割以上回復したところというのは四八%、八割以上回復した水産加工業は四八%にとどまっている、そういう状況でありまして、売り上げが本当に回復していないという状況にもあります。 それも含めまして、総理の御所見を伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 東日本大震災から間もなく七年目を迎え、復興・創生期間も二年目に入ろうとしているわけであります。 私自身、被災地を訪問し、被災者の方々が置かれた厳しい状況を直接受けとめながら、被災者支援の充実や住まいの再建などの復興の加速化に取り組んでまいりました。 これまでの取り組みの結果、東北三県では、来年春までに九五%を超える災害公営住宅が完成し、高台移転も九割で工事が完了する見込みであるほか、既に、津波で被災した農地の八割で営農の再開が可能となり、水産加工施設についても九割で業務が再開するなど、復興は着実に進展していると考えています。 今後とも、切れ目のない被災者支援や住まいと町の復興、なりわいの再生を一層加速してまいる考えであります。 また、福島の復興再生は中長期的対応が必要であり、引き続き、国が前面に立って全力で取り組んでいく考えであります。 東北の復興なくして日本の再生なし。あの大震災、そして困難の日々を胸に刻みながら、被災者の皆さんと力を合わせて新しい東北の未来を切り開いてまいりたいと考えています。
○金子(恵)委員 来年の春までにはそこまで来るけれども、この一年間で本当にそれが実現できるかということも含めまして、当然予算をしっかりと上げていただいているわけですけれども、現状はまだまだのところがあるということです。なりわいについては、先ほども申し上げましたように、まだ戻っていない状況にあるわけです。 そしてまた、先ほどの数字というのは、福島の数字は入っていない、避難指示区域等は入っていない数字でありまして、当然、福島の避難指示区域の解除の問題、そしてまた、きょう後ほど質問させていただく帰還困難区域をどうするかということも含めまして、光もあれば影もあるこの復興の状況であるということでございます。福島県では、まだ約八万人の方々が避難をしているという状況であります。 総理、例えはよくないんですけれども、もしフルマラソンにこの復興というものを重ねてみたときに、今どの地点にいるでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 これはまだ何とも申し上げることは、四十二・一九五キロのうち何キロまで来たかという御下問でございますが、直ちにお答えすることはできない、このように思っております。 それは、地域地域によってかなり差がありますし、今、福島は特に避難指示が解除されていない地域もあるわけでございますから、また、その人のいわばなりわいにおいても大分違いがあるでしょうし、いずれにいたしましても、皆さんが希望を将来に感じることができるように全力を挙げていきたい、まだまだ厳しい道は続いていくというふうに申し上げます。 私は今、今までこれだけ進んだということを申し上げましたが、委員が御指摘するようなさまざまな課題があることは十分に承知をしています。いい光の面も見詰めながら、かつ、厳しいところもしっかり見据えながら進めていきたい、このように考えております。
○金子(恵)委員 特に、私は、福島の復興をフルマラソンに例えるというのは、本当にまずいことだというふうに思っています。なぜならば、ゴールが見えないわけです。 ですので、総理からは確かにどの地点にいるかということはお答えいただけなかったわけですけれども、ある意味そこは正しい答弁だというふうに私は思います。 しかし一方で、総理が任命されました今村復興大臣は地元でどのように発言をされているかということでございますけれども、資料の二ページのところにありますけれども、地元紙でも取り上げています。 復興大臣が、マラソンなら三十キロ地点だという発言をしたんです。そこで、知事はそれに対して、スタートもまだである、そういう地域があるのにということで反論しています。復興認識にかなりずれがあるだろうということでございます。 当然、これは地元紙ですけれども、中央紙でも随分取り上げられておりまして、このような形でお考えになられている復興大臣を任命された総理としての任命責任はどうなるのかなというような気もします。 前の高木大臣のときは、またさらにいろいろな問題もありました。下着泥棒の話もありましたし、またさらには、原発推進派の復興大臣でありましたので、大変厳しい言葉といいますか、福島の第二原発についても再稼働があるような、そういう発言をされた時期もありました。 そういうことで、総理、いかがですか、どういう方々を復興大臣にすべきだというふうに思いますか。
○今村国務大臣 ただいまの質問でございますが、私が福島におきまして協議会でそういう発言をしたのは事実でありますが、その趣旨をきちんと説明させていただきます。 復興には、地域別あるいは事柄別にいろいろなバージョンがあります。そういう中で、一つにはインフラ整備、道路だとか高台移転でありますとか鉄道でありますとか、そういったものは着々と進んで姿をあらわしつつあります。 もう一方、二つ目、福島の原発絡みの除染、廃炉、そういったものに絡むものはまだまだこれから、大変困難、そして長期にわたるものだという認識をしています。 それからもう一つ、三つ目は、いわゆる時間との闘い、風評、風化との闘いなんですね。これをとにかく、一日も早く帰還できるような生活環境の整備でありますとか、あるいはなりわいの再生、そういったものを緊急にやって、そして福島のそういったところに帰ってこられる体制をやらないと、これはもう時間との勝負でありますから。 だから、そういう意味では一番大変な時期であるという意味で、マラソンに例えて三十キロと言ったということを御理解願いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 真意については今大臣が答弁したとおりでありますが、今村大臣というのは非常に真面目にこつこつと向き合っていくタイプでありまして、何かパフォーマンスをしようというタイプでは全くないわけでありまして、私は今村大臣の能力と、そして人格と人柄を信用しておりますので、これからもしっかりと福島の皆様の苦しみに向き合いながら、寄り添いながら、しっかりと復興に全力を尽くしてまいりたいと考えております。
○金子(恵)委員 私も、今村大臣の人柄とかそういうことを申し上げているのではないんですけれども、発言と、そしてやはり認識にずれがある、そういう思いはあるんです。 ただ、私が申し上げさせていただきたいのは、そのときにどのような発言をするかによって、被災地の受けとめ方、本当にそれぞれありますけれども、傷ついたり、そしてまた誤解を招く中で不安になったり、そういうことがあるということを理解していただきたいと思うんです。 以前には、実は、富岡町の避難指示解除の時期について一月をという提案をされたことについて、ある意味それはアピールだったというような発言をされていたことがたしかあったというふうに思うんです。それは委員会の中でそういう発言をされました。そして、その後、富岡町の議会も含めて町民の理解を得ることができない状況で、今は三月三十一日解除というようなことで進めているということでありまして、一つ一つの言葉にどうか本当の復興の意味合いを入れながら御発言をいただきたいというふうに思っているところであります。 帰還困難区域に関する総理のお考えを伺いたいというふうに思います。 総理も施政方針演説で、帰還困難区域でも、復興拠点を設け、五年を目途に避難指示解除を目指し、国の負担により除染やインフラ整備を一体的に進めるというふうにおっしゃっているわけです。 それで、昨年の十二月二十日に閣議決定されました原子力災害からの福島復興の加速のための基本指針には、帰還困難区域における特定復興拠点等の整備が盛り込まれているということであります。このように書かれています。 たとえ長い年月を要するとしても、将来的に帰還困難区域の全域を避難指示解除し、復興再生に責任を持って取り組むとの決意のもと、放射線量を初め多くの課題があることを踏まえ、可能なところから着実かつ段階的に、政府一丸となって、帰還困難区域の一日も早い復興を目指して取り組んでいくこととすると明記されています。 資料の一枚目にありますのがこの帰還困難区域を示している地図でありますけれども、赤い縁取りの部分が帰還困難区域であります。それ以外の居住制限区域や避難指示解除準備区域につきましては、政府としてもこの春までに避難指示を解除したいということでありますが、今、浪江町や富岡町についても協議が進められているということで、網目になっているところは、飯舘村はこの三月三十一日に解除、そしてまた川俣町の山木屋地区は三月三十一日に解除ということはもう既に決定をしているところでもあります。 帰還困難区域、ここに定義が書いてありますけれども、年間積算線量二十ミリシーベルトを下回らないおそれのある、立ち入り原則禁止、宿泊禁止、そういう線量の高い地域でもありますが、ここを何とか再生させたいというそれぞれの首長の皆さんの思いや、そして住民の皆さんの思いもあると思います。 具体的に、除染、そしてインフラ整備、避難指示解除に向けた計画時期といった、帰還困難区域全体の復興に関する総理のビジョン、お答えいただきたいと思います。
○今村国務大臣 帰還困難区域の件でありますが、これにつきましては、今お話がありましたように、たとえ長い年月を要するとしても、復興再生に責任を持って取り組むという決意をまず披瀝したわけであります。 その上で、まずは復興拠点という手がかり、足がかりをそこにつくって、そして一日も早い復興に向けて頑張るということで今考えているわけでありまして、今国会でも福島復興再生特別措置法の改正案を提出して、そして五年を目途に避難指示を解除し、ここに居住が可能となる、そういったことをつくっていこうじゃないかということで、予算措置等々を含めて今対応しているところであります。 ですから、先ほども申しましたように、とにかく一日も早くふるさとに帰ってほしい、そのための環境整備をこういったことを踏まえてしっかりやっていきますという決意を改めまして申し述べさせていただきます。
○安倍内閣総理大臣 この帰還困難区域については、先ほども御紹介をいただいたんですが、たとえ長い年月を要するとしても、将来的にその全てを避難指示解除し、復興再生に責任を持って取り組むとの決意のもと、まずは、復興拠点から着実かつ段階的に、政府一丸となって、一日も早い復興を目指して取り組んでいく考えであります。
○金子(恵)委員 総理は、福島入りされました十二月十日も、私、その場におりましたけれども、実は、JRの新地駅の開構セレモニーでこのようにおっしゃっているんです。東京オリンピック・パラリンピックまでに常磐線を東京までつなげて、生き生きと復興している姿を世界に発信していきたいと思いますと。 常磐線は帰還困難区域を通っているわけです。そうしますと、帰還困難区域の今後のあり方と、一つの路線ではありますけれども、常磐線をどのように再生していくかということを一体となって考える必要もあるというふうに思うんです。例えば駅です。駅はまちづくりの中心となるものでありますけれども、先ほど来お話があります復興拠点とのかかわりというものをしっかり考えていかなくてはいけないというふうに思うんです。 総理が常磐線は絶対通すというふうにおっしゃっているわけですから、その辺のことも含めてビジョンをお持ちではないかと思いますので、ぜひお聞かせいただきたいと思います、総理。
○今村国務大臣 私も鉄道の出身でございますので、説明をさせていただきます。 今言われましたように、ぜひオリンピックまでには常磐線を復旧させたい、そして立派に列車を通したいというふうに思っております。 そして、具体的な復興拠点の、どこにどうするかということは、地元ともよく協議をしながら見てまいりますので、そういうようなことも含めて、恐らく常磐線は最優先でということで地元の方も言ってこられると思いますので、そういったことを総合的に勘案しながら、全力を挙げて皆様方の期待に沿えるように頑張っていきたいというふうに思います。
○安倍内閣総理大臣 もちろん私の発言ではありますが、これは、復興大臣、今村大臣を中心に、スタッフみんなでビジョンを考えていく中において、私の発言になっているわけでございます。 そこで、今申し上げましたように、常磐線を開通させていくというのは地域のなりわいにとっても極めて重要であろうと思います。先般も駅舎が竣工した場面に立ち会ったわけでございますが、やはり地域の皆様が非常に活気づいていたのは事実であろう、このように思います。そうした重要性からも、その発言に基づいてしっかりと進めていきたい、こう考えております。
○金子(恵)委員 十二月十日の新地町の新地駅のセレモニーのときにこの発言をしたということで、さかのぼれば、実は昨年の三月十日の記者会見で、オリンピックが開かれる前の二〇一九年度中に全線開通を目指すことを決定いたしましたと述べられて、同日、国交大臣に指示をされているわけですね。ですので、そこから、いかに全線開通を目指すかということで動いているんだと思います。 ただ、新地町の駅で、本当に活気づいていた、たくさんの方々がそこにいらっしゃったという御発言がありましたけれども、今質問させていただいているのは、帰還困難区域をどうするのかという話なんですね。ですので、新地町は避難指示区域でもありませんでしたので、福島県にとっては北の復興のシンボルなんです。ですから、たくさんの方々がそこにいらっしゃるのは当然だというふうに思っております。ですけれども、それ以外の地域、避難指示区域そしてまた特に帰還困難区域では、本当にどのような路線になっていくんだろうかと不安を感じている人たちもいると思うんですね。 このことについても、総理、ぜひ御答弁いただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 この帰還困難区域の一日も早い復興を目指して、可能なところから、着実かつ段階的に、政府一丸となって取り組んでいくわけであります。 そのため、新たな制度のもとに、帰還困難区域に復興拠点を設け、避難指示解除後の土地利用を想定した整備計画に基づき、除染、解体事業についてもインフラ整備などと一体的に実施することとしております。これにより、五年を目途に避難指示を解除し、ふるさとへ戻って住めるようにすることを目指していくというのが基本的な考え方でございます。 常磐線の区域について、今委員が御指摘になられたような区域も存在するわけでありますが、そうしたところももちろん含めて、我々は、もう既に私がお約束したことを実行していきたい、こう思っているところでございます。
○金子(恵)委員 お話が余り出ていないんですが、この帰還困難区域は、当然除染もしなくてはいけないわけです。復興拠点をつくる上で、インフラ整備そして除染を一体的に進めるということになっていくのだというふうに理解をしておりますけれども、実は、この除染費用の負担のあり方というのが、帰還困難区域はほかの避難指示区域とは違うということが示されております。 先ほどお話をしました基本指針には、帰還困難区域の復興拠点の除染は国の負担で行うということが明記されております。今国会に提出を予定されている福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案では、帰還困難区域に設定されているこの復興拠点について、除染や廃棄物の処理を国が実施し、費用も国が負担するというふうにされているわけです。 一方で、今までの除染は放射性物質汚染対処特措法で行われていて、事業者、東電にその負担を求償することができた仕組みでありました。しかし、今回は、帰還困難区域については、復興拠点の除染について、国の負担で行うということを言っている。 どのような理由で、どのような経緯でこのような考え方になったのでしょうか。総理の見解を伺いたいと思います。
○今村国務大臣 これにつきましては、まさに、先ほども申しましたが、とにかく足がかりをつくって、帰還困難区域に少しでも光を当て、そして人が戻ってくるようにしようじゃないかということで、新しいステージを地元の要望等も受けて今設定し、取り組んでいるわけであります。 そういう意味では、一旦、東電への求償ということでこれは決めたわけでありますが、新しい、さらに前向きの取り組みということで、これはもう国が前面に立ってやらないといかぬだろうということで、国費でもって取り組むということにしたところであります。 とにかく、最初から言っておりますように、一日も早く、時間との闘いという、緊急を要する課題でありますので、そういったこともぜひ御理解願いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 放射性物質汚染対処特別措置法に基づく除染費用については、復興予算として計上した上で、事業実施後に環境省等から東京電力に求償することとなっており、その方針は平成二十八年十二月の閣議決定でも明記されています。 政府としては、事業が完了したものから順次求償しているところであり、これに対して、東京電力において適切に処理が進められていると承知をしております。 〔委員長退席、菅原委員長代理着席〕
○金子(恵)委員 そうしますと、今まで、除染をした、そしてかかった経費についてはしっかりと東電に求償し、そして支払われているということを今総理が答弁されたということであります。 そうすると、その仕組みでなぜいけないんでしょうか。 先ほどお話がありましたけれども、今村大臣は、とにかくしっかりと進めるために、国が責任を持って進めるためにという趣旨をおっしゃいましたけれども、今までの仕組みでも問題ないわけですよね。なぜ変わるんですか。なぜこういう変更があるんですか。
○今村国務大臣 先ほども申しましたが、いわゆる帰還困難区域というものは、将来にわたって居住を制限することを原則とした区域ということでやっておりまして、これについての賠償等も対象にしたわけであります。 しかし、今回、こういった新たな取り組みをするのは、先ほども申しましたように、もう一度、新たにやはり住民の居住を目指す復興拠点を整備して、とにかくこの地域を人が戻れるようにしようじゃないかという新たな取り組みということでありますから、新たな取り組みだからこういった支援のスキームを国が前面に出てやろうということで方針を決めたところであります。
○金子(恵)委員 帰還困難区域は新たなステージで復興再生を目指すという御答弁ばかりなんですけれども、帰還のめども立っていない場所ではあるわけですね。 一言で言いますと、地元の被災者の方々の中では、やはり加害者である東電を救済するような仕組みになっているのではないか、そういう声があります。もしこれが誤解であるのであれば違うということをおっしゃっていただけるのかということでありますけれども、このような懸念があることについては御理解を多分いただいていることだと思います。 それに対して、総理から御説明をいただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 ただいま今村大臣から答弁をさせていただいたのは、いわゆる帰還困難区域は、当初、将来にわたって居住を制限することを原則とした区域として設定されたわけであります。そして、今回は、この従来の方針から前に踏み出しまして、住居の、居住を目指す復興拠点を整備することとしたわけであります。 いわば、今までの見解から一歩前に出たということでありまして、これは、国として新たな政策的決定を踏まえて、復興のステージに応じた新たなまちづくりとして実施するものであることから、私たちが今までの考え方から一歩前に出て新たなまちづくりをするということから、国の負担で行うということでございます。したがって、東電の救済を目的としたものではございません。
○金子(恵)委員 東電救済ではない。それでは、それをしっかりと地元の皆さんに伝えたいというふうに思いますが、まずは、復興再生については、とにかく国が前面に出るということだというふうに思います。 しかし、一方では、意向調査等でわかるように、例えば、帰還困難区域が町の面積の一二%しかない富岡町であっても、戻らないと決めている方は五七・六%なんですね。そして、戻りたいと考えている人は一六%ということであります。二十九歳以下の数字でいえば、四・九%の方だけが戻りたいと考えていますというふうにも答えているんです。 私は、意向調査というもの、出していらっしゃるこの調査の数字ということだけにこだわるつもりはないんですけれども、もっと丁寧な形で多くの方々の意見を聞いて、そして、本当にまちづくりがどのような形でできるのかということを判断していっていただきたいということをまず申し上げたいと思います。 なぜならば、帰還困難区域の住民の皆さんの意向、そしてほかの避難指示区域の皆さんの意向、ここが多分違っているということと、それから、将来世代の方々でこれだけ、戻りたいと考えている人たちの数字が低いということを考えると、本当に、どんなまちづくりができるのだろうと考えてしまうところもあります。 当然、福島の人間ですから、私としては、それぞれのふるさとを守りたいと思います。でも、現状、本当に厳しいところもあるということは否めませんので、ぜひその辺の判断、例えば双葉町は帰還困難区域が九六%を占めているという状況もあります、ですので、ぜひそこら辺の判断をしていただきたいと思います。 時間がありませんので次の質問に行かせていただきたいんですが、先ほど来、もう既に国が前面に出るということをおっしゃっていただきました。 そうであれば、私は、この復興の妨げになっている第二原発は廃炉にすべきだというふうに強く申し上げさせていただきたいと思いますし、これは福島県民の意思であります。 もう御存じのとおり、資料の三枚目につけさせていただいておりますけれども、これは福島県議会の意見書でございますが、全会一致で可決されている意見書でございます。 昨年の十一月二十二日に福島県沖の地震がまた発生した折には、第二原発でもトラブルがあったということでございまして、ちょうどそのときに、使用済み燃料プールの冷却浄化系ポンプが停止したわけです。それによって、福島県民の皆さんは、不安感だけじゃなくて恐怖心、恐怖感というのを抱いたわけです。それだけではなくて、やはりこういうトラブルがあるたびに、復興や風評払拭を目指す福島県の取り組みに水を差すという状況にありまして、ぜひ、第一原発だけじゃなくて第二原発の全基廃炉を国の責任で早急に実現してほしい、そういう強い意見というのを示されています。 総理、いかがでしょうか、この声にぜひ応えていただきたいと思います。
○世耕国務大臣 これは、法律をまず御説明させていただかなければいけませんが、原子力災害対策特措法では、原子力緊急事態が宣言されている場合は、内閣総理大臣が事業者に必要な指示が行えます。 福島第一原発については、現在も緊急事態宣言がなされたままでありまして、この宣言のもとで、平成二十五年、安倍総理が第一原発の五号機、六号機については廃炉の要請を行って、廃炉ということになっているわけであります。 福島第二原発については、平成二十三年十二月、これは民主党政権のときですが、緊急事態宣言がもう既に解除されておりまして、法律上、内閣総理大臣に必要な指示が行える権限はありません。 ただ、福島第二原発については、私もこの間、知事、議長から、先週の土曜日、直接お話を伺いました。福島県の皆様の御心情を察すると、これまでに新規制基準の適合性審査を申請しているほかの原発と同列に取り扱うことは難しいと認識をしています。 ただ、この原発の扱いについては、まずは東京電力が地元の皆様の声に真摯に向き合った上で判断を行うべきだと考えております。
○金子(恵)委員 私たち民進党は、今、この第二原発の廃炉をしっかりと促すことができる法案をつくり上げようとしています。法的根拠を持って、東電の皆さんにちゃんと県民に寄り添った形での判断をしていただくことをしたいというふうに思っています。 ぜひ、このことについても御理解をいただいて、そして御賛同いただくことを心から祈りまして、私の質問を終わりたいというふうに思います。 ありがとうございます。
○菅原委員長代理 これにて金子恵美さんの質疑は終了いたしました。 次に、宮崎岳志君。
○宮崎(岳)委員 民進党の宮崎岳志でございます。 私も、初当選以来初めて安倍総理への質問をさせていただきます。大変気が弱いものですから、総理を前にすると常に萎縮をしてしまう私でございますが、私ごとになりますが、しばらく前に亡くなった私の祖父が常々、わしは終戦前に商工省に奉職していて岸信介さんの部下だったんだ、わしと岸さんは親友だったと言っていたんですね。ただ、孫から見ても非常に発言の大げさな方でありまして、真偽のほどは少々わからないのでありますが、安倍総理との個人的な御縁も感じつつ、かつ心を鬼にして、国民のために心ならずも厳しいことを言わせていただくということでございます。 さて、文科省の天下り問題について、まず伺います。 元高等教育局長の吉田大輔氏が文科省側のあっせんで早稲田大学に教授として天下った問題については、再就職等監視委員会が、組織的な天下りと見られる少なくとも三十八件について、文科省にこれを調査するようにという指示を行っております。 省庁によるあっせんは大問題なんですが、天下り後ということにも私から見ると問題があると思います。吉田元教授が早稲田大学で週何こまの授業を持っていたか、これは文科大臣でよろしいでしょうかね、御存じでしょうか。
○松野国務大臣 吉田元高等局長が大学において何こまの授業を持っていたのか、今現在、資料を手持ちしておりません。
○宮崎(岳)委員 吉田教授は、前期が週一こま、後期が週二こま、年間通算で週一こま半です。常勤の教授としては、やはり正直少ないと言わざるを得ない。 もう一人、例を挙げさせていただきます。 この方は、別に組織的なあっせんがあったというふうに言われているというか決まっている方ではございませんが、立場が非常に高い方なので例として取り上げさせていただきますが、高等教育局長から事務次官を経て明治大学の特任教授をお務めになっている、清水潔さんという方がいらっしゃいます。研究・知財戦略機構特任教授ということで、かつ弁護士としても仕事をしていらっしゃる。特任教授で弁護士もやっているということなので非常勤かなと思ったら、大学側に問い合わせましたら、常勤だ、こういうことなんですね。 講義については年間七こまである。年間七こまということは、通常、前期十五回、後期十五回ということでしょうから、週にならせば四分の一こま、こういうことになります。 もちろん、教授の仕事は授業だけでなく、例えば研究などもあるわけですが、文科省OBは行政のプロではあっても研究のプロということではないわけですから、正直これで、こういうことでいいますと、この天下りというものは実態としてどうなんだろう、本当にしっかりとした仕事をしていただいていたのかという疑いを持たざるを得ないんです。 私はかなり網羅的に、ほぼ全ての、少なくとも教授になった方については調べておりますので、そういった結果は次の機会に御質問させていただきますけれども、まず、総理、今のような話を聞いて、授業数、ほとんど授業をやっていないような方が教授になっているという現状を聞いて、これは問題あるかなしや、どういう感想を抱かれますでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 今回委員から、不規則な御質問はいただいておりますが、面と向かっての質疑は初めてになりますので、誠心誠意をもってお答えをさせていただきたいと思います。 今お話を伺っておりまして、まずは、先般の文部科学省における公務員法に違反する再就職については極めて遺憾であり、徹底的な調査をし、再発を防止しなければいけない、こう思っている次第でございます。 個々の例については、詳細をにわかに私も承知をしておりませんし、その人物が果たして何か専門性を持っておるのかどうかということもお答えはできませんので、これについては今の段階ではコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
○宮崎(岳)委員 さて、今の清水さんという方についてなんですが、ちょっとフリップを用意させていただきました。文科省のホームページ等から私の事務所で作成したものです。 私がびっくりしたのは、この元事務次官の清水氏が、明治大学の特任教授という肩書で文部科学省のさまざまな、いわゆる有識者会議の委員に名を連ねているんです。 まず、私立大学等の振興に関する検討会議、国公私立大学を通じた大学教育改革の支援に関する調査検討会議、卓越研究員制度検討委員会。このような会議は、外部有識者とかあるいは現場の意見を聞くという趣旨の会議だと思うんですが、事務次官が外の名前で、特任教授という名前で古巣に戻ってきて有識者会議のメンバーになり、中立的な学者であるとかあるいは私学を代表する立場とか、そういう立場で意見を述べる、これはまさにお手盛りそのものじゃないですか。 文科省の立場からすれば、有識者とか私学の代表とか、意見をまとめたという体裁を整えて、OBを使って自分たちの望む方向に議論をリードして、結論を出させてお墨つきを与える、こういう考え方でやっていると見られても仕方がないと思う。有識者会議の根幹を揺るがす問題だと私は思うんです。 こういった文科省OBが名前を連ねているような会議は、ほかに幾つぐらい文科省は持っていらっしゃいますか。
○松野国務大臣 平成二十七年四月一日から平成二十八年三月一日までに存在した審議会、懇談会等の合計は百六十九でございます。百六十九会議の延べ委員数は二千四百六十七名でございますが、うち延べ十四名が文科省のOB、全体の約〇・六%でございます。
○宮崎(岳)委員 これは、数が少なければいいってものじゃないですよ。(発言する者あり)いやいや、それはそうでしょう。だって、私立大学等の振興に関する検討会議ですよ。 例えば、内容について、私も事前に聞いたんですよ。そうしたら、大変こういう教育について詳しい方でございますと。当たり前ですよ、元高等教育局長なんだから。元事務次官なんだから教育について詳しいのは当たり前。でも、外の意見を聞くために会議をやっているのに中の人を連れてきたら、それは何の意味があるんですかというのが私が言いたいことです。 退任して二年間は、もといた省への働きかけはしちゃいけないんですよね。局長以上は前省に対しての働きかけは禁じられている、少なくとも。そういった人が一年以内にそういう委員会の委員になっているというケースもあります。そして、そこで何が話し合われているかというと、例えば補助金のあり方を検討して、補助金を優先的につけるべきはどういうプログラムがいいのか、そういう検討をするような会議にも名前を連ねているんですよ。その補助金の交付要件について議論していれば、どこの大学がとりやすくなるということも必然的に関係してくるじゃないですか。 そんなところに文科省OBを入れて、しかもその人を天下りで押しつけているということがもしあるとすれば、これは大問題ですよ。逆に私立大学の方から見れば、ロビイストを雇っているような感じになるわけですよね、こういうことがあれば。 私は、全ての会議でやっているとは限りませんし、例えば充て職みたいなもので、いても別にいいという会議もあるかもしれないけれども、しかし、文部科学省のOBを検討会議に出すというようなことはもうやめるべきだというふうに思うんです、これはいろいろな省庁で。 総理、どのように思われますか、こういったことを。
○安倍内閣総理大臣 それは個々で見ていく必要があるんだろうと思いますが、例えば安倍政権で進めている教育再生については、教育再生実行会議には愛媛県の知事であった加戸知事に入っていただいております。加戸さんは元文科省の官僚であったわけでありますが、私が加戸さんのさまざまな御主張に共感をしておりまして、非常に高い見識を持っておられますから、これは私が加戸さんにお願いをして入っていただいたわけでありまして、文科省から言われたものでも事務局が選んだものでもないんですが、その中において、別に事務局寄りの意見を言うということでは全くなく、高い見識を示していただいたと私は大変感謝をしております。 ですから、これは人それぞれで、もし今委員が御指摘になられたそういうラインで、ストーリーで、問題や課題があるかどうかということは一つ一つ見ていかなければいけないと思いますが、同時に私たちもそういうOBを入れる際にはそれはよく注視していく必要がある、このように考えております。
○宮崎(岳)委員 これは完全に事務局がやっていることだと思うんですよ。文科大臣も一々の検討会議のメンバーを把握されていないですよね、その経歴までは。だって、メンバー表を見て、名簿を見て、そこに元文部科学省事務次官とか元高等教育局長と書いてあればわかりますよ。でも、そんなことは書いていないんですよ。明治大学特任教授・弁護士としか書いていなければ、やはりそれは私学の代表として民間から入っていただいた方だなと思いますが、しかし、そこにいる事務局はみんな元部下ですよね。総理が言ったようなケースとはやはり根本的に違うと思うんです。ですから、私は、これはきちんと直していただきたいということを改めてお願いします。 そして、もう一つ、この関連で、平成十九年の現在の天下り規制に向けての改正についてちょっと考えてみたいと思います。 現在の天下り規制は、第一次安倍政権のもとで平成十九年に行われた国家公務員法の改正がもとになっております。表をごらんいただければと思うんですが、その改正以前は事前規制だったんですね。つまり、関係ある企業には二年間は行ってはいけませんよ、こういうことです。このときは営利企業だけなので、学校法人等は入りません。株式会社とかそういうものです。 ただし、この規制を撤廃して、そのかわりに府省庁によるあっせんというものを禁止した。官民人材交流センターにあっせんを一元化し、また同時に、ここには書いてありませんけれども、二年間出身省庁とか関係した者への働きかけを禁止するというものを入れて、さらに再就職等監視委員会というのを設置する。こういうのが、前回、第一次安倍政権で行われたものですね。 当時、今はないんですけれども民主党という政党がありまして、その民主党という政党から出た案がこの右側で、つまり、この根本は、もともと二年間の事前規制があったものを、今の案というのは、事後規制にしました、行くのはいいけれども厳しく監視はしますよというふうにしたというのが第一次安倍内閣のやった改正で、当時民主党が主張していたのは、禁止期間を五年に延ばすとか、あるいは対象を非営利法人、今でいう学校法人みたいなものも含めて拡大するとか、そういうものであったということです。 もう一つ紹介したいんですが、当時の記事です。 当時、安倍内閣がやったものについては批判もあったんですね。真ん中の二段目に赤線を引いてありますけれども、国会審議では、野党側が、OBや企業、団体側が調整行為を代行する可能性があり、法案には抜け穴が多いなどと批判を集中させた、こういうことです。 実際、今回のケースになると、いわゆる別団体、文教フォーラムとかあるいはOB、そういった方がやった。ただ、今回問題になったのは、現役の方と意を通じてやったからそこは違反だよというふうになりましたが、今の制度では、OBだけで自主的にやるということは適正だ、こういうルールになっております。 私は、今回、やはり平成十九年改正というものはいま一つ方向性が正しくなかったんじゃないか、あるいは不十分だったんじゃないか、そういうふうに考えております。その平成十九年改正の担当者というか、政権を担っておられた総理は今、そのときにもうちょっとこうすればよかったかなとか、ちょっと物足りなかったかな、そういう思いはございますか。
○安倍内閣総理大臣 担当者は渡辺喜美大臣であり、私は責任者であったと思いますが、先ほどの審議会への任命にちょっと追加をさせていただきますと、平成十一年の閣議決定において、審議会等の各府省出身者の委員への任命については、厳に抑制することとしつつ、属人的な専門的知識経験から必要な場合などに限って委員に任命することができるということになっております。その観点から答弁をさせていただいたところでございます。 国家公務員の再就職について、問題なのは、官民の癒着につながりかねない公務員OBの口ききや、予算、権限を背景とした再就職のあっせん等の不適切な行為である、これは従来から、第一次政権のときも申し上げてきたとおりでありますが、一方、法令に違反することなく再就職し、公務部門で培ってきた能力や経験を活用して社会に貢献することには意味がある、このため、密接な関係にある営利企業への再就職の原則禁止にかえて、平成十九年の国家公務員法改正により、各府省による再就職あっせんの禁止等、厳格な規制を導入するとともに、監視体制として再就職等監視委員会を設置したところでございます。 何回も申し上げておりますように、今回の現行法制による厳格な監視が機能したからこそ本事案が明らかになったものではありますが、本事案で生じた国民の疑念を払拭するため、国家公務員制度担当大臣に対して、同様の事案がないかどうか、全省庁について徹底的な調査を行うよう指示をしたところでございます。 と同時に、もちろん我々は、さまざまな制度について、課題があるかどうか、問題があるかどうかということは常に検討しなければいけない、このように思っております。
○宮崎(岳)委員 前回改正のことについて今ちゃんと御答弁をいただいていないと思うんですけれども、前回改正で、普通でいえば、さっき表で出しましたけれども、二年間の規制があるんだから、その二年間を広げたり、期間を延ばしたり、そういうふうに規制するのが常道だと思うんですね。別にイデオロギーとかなんとかということじゃなくて、普通に考えれば、そもそもある規制をそのまま拡大して厳しくするというふうになる。なぜそれにならなかったかといえば、それはやはり、私は一つは安倍総理の思いがあったんじゃないかというふうに思う。当時、そのように報道もされていました。 一つ、パネルはありませんので、資料の中にあると思うんですが、整理されている新聞なのでこれを載せました。朝日新聞の朝刊ですが、でも、同様の記述は当時いろいろ行われています。つまり、官と民が互いの知識経験を生かせるよう官民の人事交流をさらに推し進める、これが当時の安倍総理の思いだったんですね。 施政方針演説を見てみても、平成十九年の施政方針演説では、公務員制度改革については、新たな人事評価を導入して能力本位の任用を行うとともに、官と民が互いの知識経験を生かせるよう、官民の人事交流をさらに推し進めます、予算や権限を背景とした押しつけ的なあっせんによる再就職を根絶するため、厳格な行為規制を導入します、こういう言い方をしているんです。 つまり、まず人事交流、次が天下り規制、こういう順番なんですね。本来はこれは別々のものだと思うんですけれども、それが合体をして検討が始まったのが、当時の平成十九年の公務員制度改革だったというふうに思うんです。 渡辺喜美さんが非常に熱意を持って大臣としてやられた、それに対して、参院幹事長であった片山虎之助さんですかね、猛反対をして抗争を繰り広げられて、とうとう政府が協議をしようとしても党側がボイコットして会議に出ないというような大騒ぎまで当時あったことはよく覚えられているでしょう。まあ、渡辺さんと片山さんが今同じ党にいるというのもなかなか不思議なえにしでありますけれども、そういった歴史がある。 しかし、ここで言いたいのは、事前規制が事後規制になった、これが、私は、今回の天下りが防げなかった、発生してしまった本当の根本的な原因だと思うんですけれども、それはやはり、官民交流というものと天下り規制という違うものを一緒にくっつけて実現しようとしたという、総理の根本の思いがあったんじゃないか。 だから、私は、今、官民人材交流センターも事実上機能しないようになっていますけれども、総理に、その当時のこととして、当時はわからなかったけれども今としてはやはりちょっと甘かったかなとか、方向性が違ったのかな、そういう心なしかの反省はないのかなと思ってお伺いしているんです。いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 我々は、外形の基準から行為規制に切りかえたわけでございますが、これは、外形的にこうだと決めることではなくて、やはり、癒着がある、いわば、天下りにいたしましても、省庁の権限を背景とした押しつけ的な天下りはいけない、そして、元OBということをもって癒着の状況をつくっていく、そういう形になってはならない、このように思ったわけでありまして、それは同時に、外形を基準とすることから行為に変えた以上、しっかりとそれを監視する監視委員会をつくったわけでございます。 そこで、同時に、委員が挙げられたように、官民が交流する、民と官の人材がどんどん交流していくという状況については、残念ながらまだそうなってはおりませんが、しかし、前よりは大分、若い段階から民間に出ていくということは起こり始めています。そこからまたこちらにも入ってくるということは、まだ非常にポストは少ないんですが、各省庁にそういうポストも全くないわけではないわけでございます。 ですから、そういう形で動き始めていますが、まだダイナミックに官民の交流がどんどん進んでいくという状況にはないのは事実だろう、こう思うわけでありまして、これが車の両輪のように進んでいけばいいというのが一番最初の、当初の私の考え方ではあったのは事実であって、それがそのとおりにはなっていないだろうと言われれば、確かにそういう一面があることも事実ではございます。 しかし、今の問題というのは、監視委員会があってしっかりと摘発は行った、同時に、今までもさらにその他にも例があるのかどうか、あるいはまたOBに情報を提供していたということがあって、それは今までも法制度をすり抜ける形で行われていたという問題もある、我々はこれからそれを行わないようにしていきますということを申し上げたところでありますが、そういう意味におきましても、しっかりと山本大臣のもとにおいて調査を徹底して、そして二度とこうしたことが起こらないような対策を考えていきたい、こう思っているところでございます。 〔菅原委員長代理退席、委員長着席〕
○宮崎(岳)委員 私は官民交流のことについて言っているんじゃなくて、今回の天下りが見逃されてきた、あるいは発生したその背景には、この当時の平成十九年改正の方向性の誤りあるいは手ぬるさがあったのではないかというふうに言っている。 総理は、再就職監視委員会がきちんと機能したから摘発できたんじゃないかというような言い方もされますけれども、例えば治安が悪化したときに、市民から治安が悪化しているじゃないかと警察署長が言われて、うちの警官が捕まえているんだからいいじゃないか、こういう言い方をする人はいないわけですよ。やはり発生すること自体を抑えなきゃならないわけです。 特に、今回のは非常に根本的な天下りコネクションですよね。本当に個人的な、散発的なものじゃないんですよ。天下りコネクション、これが温存され、しかも、今回は摘発できたけれども、現職が絡まない形でOBだけでこのコネクションをつくったら全部合法ですよ、こういうことなんだから、やはり事前規制を強化するなり、あるいはさらに監視するなり厳格化するなり、根本的な再発防止策をとらなきゃだめじゃないか。監視委員会が機能しているからいいじゃないかでおさまる話じゃないでしょう。 どうやってこれをなくすんですか、総理。総理、どうやってなくすんですか。
○山本(幸)国務大臣 御指摘のように、今回の文科省のような事案は言語道断でありまして、根絶しなければいけません。 しかも、もともとの十九年の国家公務員法改正の真意は、まさに各府省によるあっせんを全面禁止だ、一切やってはならない、そこに意味があるわけでありまして、期間を、前は二年というのがありましたけれども、しかし、各役所は、あっせん行為をやるということが行われたわけですね。これを五年に延ばしたからといって、それがもし残っていれば、私はやはり役所のやるあっせんというのは続くと思いますので、これを全面禁止した、そういう法律の本旨は間違っていないというふうに思います。 ただ、それが逸脱されたということは大変遺憾なことでありまして、これは根絶しなければいけません。そのために、全力を挙げて全府省について調査を行い、その上で、どういう対策をとれば実効の上がる対策がとれるかを検討していきたいと思います。
○宮崎(岳)委員 前回改正で根絶できなかった。総理は当時の答弁で、押しつけ的な天下りを根絶する、あるいは天下り問題を根絶するという言い方をしていて、これを導入すればそれができるんだと言った。しかし、根絶は結果としてできていないことが今回わかった。だからこれからどうするんですかということを、当時の責任者であった総理に、当時の思いも含めて、これからどうするんですかということを意気込みを含めてお答えいただきたいんです。
○安倍内閣総理大臣 まさに第一次政権のときも、この天下り問題というのは大変なことでありました。いわば、我々は役所の機能を生かしながら行政を前に進めていくわけでありますが、そこで、これは大変な摩擦が起こるような出来事であったのも事実で、大議論でございました。 そこで、その中で、いかに役所の皆さんの能力も生かしていただきながらこうした癒着体質を変えていく、そして権限を背景とした押しつけ的な天下りをなくしていくということの中で我々はそのとき考え得る最善のものを考えた、こう思っておりますし、その中で監視委員会が機能したのは事実であります。これが機能していないときには摘発はできなかった。しかし、機能したことによって、摘発したことによってこれは大きな抑止力になっていきますし、こういうものを、今回の摘発事項を参考に、さらに委員会の皆さんが摘発を進めていく上においてパワーをアップしていただくことも期待したい、こう思います。 今後についてどうするんだということでございますが、イタチごっこにはならないような、しっかりとした対応をしていかなければいけないわけでありますから、我々は今回、山本大臣のもとにおいて強い意欲を持って、こうしたものを根絶していくという決意を持ってまずはしっかり徹底的に再調査をし、大分さかのぼって再調査をするわけでございますが、再調査をしながら、この再調査の結果を見て今後の対応を考えていきたい、こう思っております。
○宮崎(岳)委員 結局、何にもおっしゃっていないのと同じだと思うんですよね。 当時の議論があって、事前規制か事後規制かという話があって、そして総理の思いで今回の形になって、それで確かに今回は一件摘発されましたね。十件あるものが十件摘発されているんだったら、それは機能したと言ってもいい。でも、実際は何件発生しているかわからない。一件摘発されました、裏に十件あるのか、百件あるのか、一件しかないのか、これはまだ全然わからないわけですよね。ですから、監視委員会があるからいいという言い方は私は全然的を射ていないというふうに思います。 時間がありませんので、一件、別の問題についてお話をさせていただきます。 日本とEUの経済連携協定です。TPPの陰に隠れて余り報道されませんでしたが、日本社会にはTPPと同レベルの大変革を迫るという可能性もある。農業分野でも、米には余り影響がないかもしれませんが、酪農や畜産にはTPP以上の大打撃があるというふうに言われています。 そして、この条約には、TPPと違って秘密保持条項がないんですね。ですから、秘密を表に出してはいけないとか、国会で答弁してはいけないとか、そういうことはございません。現にEUからは幾つか情報が出ておりますし、そういったものが記事にもなっているというふうに聞いています。 まず、聞きますが、例えばチーズの関税撤廃を求められている、豚肉の関税の大幅引き下げを要求されている、こういうところでもめたり、あるいは合意したりしているというような報道がありますが、これは事実でしょうか。また、関税交渉で、どの品目を除外、再協議するように交渉を行ったんでしょうか。山本大臣、お願いいたします。
○山本(有)国務大臣 まず、日・EU・EPA交渉の情報開示の点でございます。 交渉状況につきまして、公開できるものは交渉の進展に応じて可能な限り開示していく方針でございます。そして、交渉中のものにつきましては、相手に知られてしまうという不利がございますし、また相手側との信頼関係を損ないかねないという面もございます。こうした意味において、交渉中のものにつきまして、これについては開示を全てするというわけにはまいりません。 また、TPP以上に譲歩しないというように言っているかどうかという点でございますが、これは交渉中の具体的な内容でございますので、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。 しかし、農林水産省といたしましては、引き続き、豚肉、乳製品などを初めとする農林水産物につきまして、貿易、生産、流通実態等を一つ一つ勘案して、そのセンシティビティーに十分配慮しながら、しっかりと交渉に取り組んでいく所存でございます。
○宮崎(岳)委員 今、TPP以上に譲歩しないかどうかはお答えを控えるというふうに言われました。 TPP以上に譲歩するというところも場合によってはある、そういうことですか。
○山本(有)国務大臣 現在交渉中でございますので、具体的な内容について、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○宮崎(岳)委員 具体的じゃないですよね、全体像ですよね。 一応資料にもつけさせていただきましたけれども、これは、平成二十年二月の、日豪EPAについてのときの紙なんです。若林さんが大臣だったんですけれども、例えば、重要品目については除外、再協議を粘り強く求めている、具体的に言うと米、小麦、砂糖、牛肉、乳製品だ、こういうふうに言っているんですよ。 過去の交渉では、もちろん細かいところは言いませんよ、しかし、こういう方向でこうするとか、こういうところは譲れないとか、そういう話はきちんと言っているんです。これが出ないのは、やはりTPPのときの悪い癖ですよ。あのときに言わないで済んだから今回も言わないでいいだろう、こういうふうに思っているんだと思いますが。 総理、今回は秘密保持条項はありません。自民党の農水族の方も、ちっとも情報が出てこないと言って嘆いていますよ。ですから、総理、国会に対して、少なくとも出せるものは出してもらいたい。交渉に差し支えないものというのはもうあるはずですから、出せるものは出すように指示をしていただけませんか、総理。
○岸田国務大臣 一般に、条約交渉を含む外交交渉ですが、その際には、交渉の結果はもちろんしっかりと明らかにする、これは当然のことですが、外交交渉の経過については明らかにすることが少ないというのが現実であります。 なぜならば、交渉の際に我が国が何を譲ったか、何に関心を示したか、こうした経緯が明らかになりますと、我が国が他の国と今後経済連携交渉などをした際に、手のうちが全部明らかになってしまいます。そして、これは交渉の相手方の国にとっても同じでありますので、外交交渉においては、お互い信頼関係に基づいて、国益の観点から、交渉経過は明らかにすることが少ないというのが現実であります。 ただ、日・EU・EPA交渉、委員御指摘のように、これは大きな関心を国民の中にも起こしております。こうした関心には極力応えなければなりません。よって、こうした相手方との信頼関係あるいは国益の観点から見て、できる限り情報を公開していく、これがあるべき姿ではないかと思います。 そうした国際交渉における制限はありますが、できる限りの情報公開、説明には努めていくべきであると考えます。
○宮崎(岳)委員 総理からも一言だけ言ってもらいたいんです。 例えば、一月三十日の日経新聞とかで、これこれこういう交渉で、中身はこうだぐらいの話が出ているんですよ。そういうものは、日本側からリークされたのか、相手側から出ているのか知りませんけれども、少なくとも国会に対して、今みたいに何も出さないというような状況は改めるように、出せるものは出すというふうに、総理、言っていただけませんか。出せるものだけで結構ですから。
○安倍内閣総理大臣 交渉について手のうちを明かす問題、あるいはまた相手との信頼という課題については、答弁させていただいたとおりでございます。 その中において、今、出せるものは出せと。それは、従来もそうでありますが、要請されたものにおいて、我々も、情報公開の要請について、特に議会の要請についてはできる限り応えていくのは当然のことである、このように思っております。
○宮崎(岳)委員 出せるものは全然出していないということを御指摘申し上げ、質問時間が終わりましたので、終了させていただきます。 ありがとうございました。
○浜田委員長 これにて宮崎君の質疑は終了いたしました。 次に、神山洋介君。
○神山(洋)委員 神山洋介でございます。 前段の宮崎議員を初めとして、三日間、基本的質疑が行われてまいりましたが、私、我が党の本日の最終バッターとなりますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。 折しも、きょうマティス長官が来日をされて、総理もこの予算委員会の後、会談をされるというふうにお伺いをしておりますので、そういった関連であり、また、この予算委員会、この三日間でも何度か議論されましたが、IR、カジノをめぐる議論もさせていただきたいと思っておりますが、前段の接続もありますので、まずは、ここまでるる議論がありましたが、天下り問題についても大事なポイントを何点か議論、確認させていただきたいと思っております。 この予算委員会に予算として提示をされている例えば私学助成、今年度予算と同様に、来年度予算でも三千百五十億円が提示をされているわけです。その中で、平成二十七年度でいえば、今回問題になっている早稲田大学に対しては約九十億円、お金が行っているという状況です。 天下りそのものが法律違反であるということがもちろん問題ではあるんですが、なぜこれがだめかといえば、ここまでも議論がありましたが、そのことによって、このお金の問題であるとか、もろもろの意思決定であるとか、そこに恣意性が生まれて、曲がって、ねじ曲がるという、そこがあるから問題なのだということは、これは異論がない部分ではないかと思うわけです。 ここはまず松野大臣に御確認させていただきたいわけですが、午前中の議論でも、中間報告をされるというお話もありました。今はまだ調査中ということだと思いますが、その調査の中に、例えば早稲田大学であれば、この大学に対しての公金の支出、ここは天下り等と関連をしてゆがみがあったのかなかったのか、この点も検証の中身に入っているという理解でよろしいでしょうか。
○松野国務大臣 まず、私立大学等経常費補助金、私学助成について、その事実関係を先にお話しさせていただきたいと思います。 私立大学等に対する基盤的な助成として、平成二十八年度予算として三千百五十三億円が支出されております。このうち約八六%に当たります二千七百一億円は、教職員数、学生数をもとに、教育研究状況や財務状況等に関する客観的な指標に応じて配分する一般補助という形になっております。また、残りの約一四%に当たる四百五十一億円は、各大学の特色に応じて配分する特別補助でありますが、この特別補助については、海外からの留学生や社会人学生などの人数に単価を掛けた金額で算出をされ、残りの事業評価に関するものは外部有識者による審査を経て決定されております。 今御説明をさせていただきましたとおり、私学助成に関しては一定の客観的な指標によって配分をされていると承知しておりますが、委員御指摘があった今回の事案に基づいて国民の疑念の思いがあるというのは、これはもう当然のことだと思います。特に、何点か現行指摘されている大学等の関係に関しては、しっかりとその点も踏まえて調査を進めさせていただきたいと思います。
○神山(洋)委員 今まさに大臣からもお話がありましたように、国民の疑念があるわけです。それを晴らさなければいけないわけです。 そのために、粗相はありましたが、まずはそれをきちっと調べて調査をする、これは当然のことだと思います。これは、役所であろうが、会社であろうが、どんな団体であっても同じだと思うわけですが、何かそういうことがあった場合には、やはり事実を事実としてきちんと明らかにし、広く公表する。それはやはりスピーディーであるべきであり、時間がかかる場合には、一定の年限、一定の時限をもって、ここで公表しますというその見通しを提示する。これは当たり前のことではないかなというふうにも思うわけです。 午前中の委員会で、松野大臣からも、初めてだと思いますが、二月六日に第一弾で御報告が、中間報告ですか、されるという話がありまして、ようやくここまで来たかという思いです。それまでは、お時間をいただきましてみたいな、そういう話ばかりでした。 同時に、これは文科省マターではなくて、内閣府の方で全府省に対しての調査が行われているということであります。ここ数日の議事録を改めて確認しても、スケジュールありきではなくて、いつまでにやるのかという話に対しては、中間報告をするということは想定をしておりません、そういう言葉が何度も何度も続けて来るわけです。 文科省は、おくればせながらではありますが、中間報告を月曜日に出されるということ、これは前向きな私はワンステップだと思います。一方で、この全府省に対しての調査、いつまでにやるのかもわからない、中間報告もするつもりはない。足並みがそろっていないわけですよ。 膨大な量があるからいつまでかかるかわかりません、それはそうかもしれない。百歩譲って、そうであったとしても、ではいつまでにやるんだ、そこまでにできる限りの情報はきちんと公開をするんだ、これはやはりやらなきゃいけない話じゃないですか。なぜかといえば、それは国民の疑念を明らかにする、そのためですよ。 これは修正した方がいいと思うんですが、大臣、いかがですか。
○山本(幸)国務大臣 文科省の場合は、もう事件としてはっきりしているわけであります。一方で、全府省に対する調査は、まさに何があるかわからないという部分の調査でありまして、しかも、これは、厳正で、徹底してやらなきゃいけないと思っております。 その意味で、調査の中身をしっかりと充実させることが一番肝要であると思っておりまして、まずスケジュールありきということではない。しっかりやっていきたいと思います。
○神山(洋)委員 スケジュールありきなんですよ、こういうのは。一週間でやります、物によっては一日でやります、どれだけ頑張れるかわからないけれども、早く明らかにするというのは当たり前じゃないですか。信頼を回復させなきゃいけないわけですよ。一カ月かけてやります、二カ月かけてやります、それは、最終的な結果を全部というのはそうかもしれませんが、そこまでに、まずはでは一週間でできるだけのことを調べてオープンにする、こういう真摯な態度であるべきじゃないでしょうかということを申し上げているわけです。 だから、どういう調査をするかということも公表できませんとか、事ここに至ってまだ何か隠そうとしているんじゃないかという、百歩譲っても、こういう疑念をやはり抱かせるようなことをするべきではないですよということを申し上げているわけです。 これは総理に一点伺いたいんです。 今、文科省が来週にというお話もありました。でも、これは内閣府の方ではまだしばらくかかりますと。ちょっとばらばら感があります。もう一回ここは総理の方でリーダーシップを発揮していただいて、ぴしっぴしっと、やはりできるだけ情報は国民の信頼を回復するために早く明らかにせよと指示を出していただくべきじゃないですか。
○安倍内閣総理大臣 今回の文部科学省における再就職規制違反事案は、国民の信頼を揺るがすものであり、あってはならないことである、こう考えています。 今般の事案で生じた国民の疑念を払拭するため、私から山本国家公務員制度担当大臣に対し、同様の事案がないかどうか、全省庁について徹底的な調査を行うように指示をしたところでございます。全省庁でありますから、これは大きな調査になるということは御了解いただきたいと思います。 大事なのは、国民の疑念を払拭するため、しっかりとした調査を徹底的に厳正に行うことであり、最初からスケジュールありきではないと考えているわけでありまして、一方で、調査結果が出次第、これはもう速やかに結果を明らかにしていくことも重要でありますので、山本大臣の指揮のもと、スピード感を持って進めていくように指示をしているところでございます。
○神山(洋)委員 スピード感を持つというのは当たり前であって、だからこそ、全部が終わるまでは一カ月かかるかもしれない、二カ月かかるかもしれない、でも、スピード感は大事だから、ではとりあえず一週間、二週間でできるところは、きっちり出せるところは出しましょうというのが、これは役所であるとか会社であるとか関係なしに、一般的なある種のクライシスマネジメントじゃないですか。 そんなに難しい話じゃないと思いますよ。洗いざらい、全てを一週間でやれなんて、そんな無理難題を言っているつもりはないですよ。出せるところを、国民の信頼を回復するためには早い方がいいに決まっているじゃないですか。出せる部分はあるだろう、出せる部分だけでも出せと総理から一言おっしゃっていただければ、全部は無理かもしれないけれども、ではここだけは出せるようにしますといって現場はできるんじゃないですか。 総理、もう一度御答弁をお願いします。
○山本(幸)国務大臣 まさに国民の信頼を回復するためには徹底した調査をやらなければいけないわけでありまして、その中身を充実することが大事でありまして、スケジュールありきであるとは考えておりません。
○神山(洋)委員 こんなことで水かけ論をやってもしようがないんですけれども、中身を充実させることと同時に、早く国民の信頼を回復させることもあわせて、同じぐらい大事であると私は思いますよ。本来はこの場で明言をすべきだと思いますが、できないようであれば、それはぜひ今後は改めていただきたいと思います。 資料をきょうお配りしております。一と二とあります。これはセットです。 総理は、今のお話も含めて、どこまでそれを実行されようとしているのか、いまだにわかりませんが、しかし、言葉の上では、必要なことは何でもやるというふうに何度も繰り返していただいておりますし、それはそうであると私も信じたいというふうに思っております。 その意味で、これは、必要なことは何でもやるという大きな話レベル以前の問題で、すぐできることがありますよという話をさせていただきたいと思います。 三日前ですが、我が党の方の部門会議で、各府省に対して、どういう調査をしているのかということを聞きました。 どういう調査というのは何かというと、一枚めくっていただいて、資料二をごらんください。この資料二は、再就職をしようとした人、役所OBとなった方が、再就職をすることになりましたといって各所属省庁に提出をするときのフォーマットです、何も書いてありませんが。なので、今回問題になった文科省の件であれば、問題になった方は、この書類に自分の名前なり必要事項が記載をされ、文科省の人事課を経由して、内閣府の人事局の方にこのペーパーが回っている、そういう事務帳票のうちの一つです。 非常に私は疑問だったし、だからこそ、この部門会議で確認をさせていただいたわけですが、今回、最終的に監視委員会の調査、確認で事が明らかになったわけですが、そもそも、高等教育局長をやっていらっしゃったような方がこういうところに行くというのは危ないんじゃないのというのは、そんなところでチェックするまでに、文科省の中で、こうやって見た人が、ううんと普通は思えるはずなわけですよ。 内部でチェックできているのかなというところで、全府省に対して、この書類が出てきたときに、怪しいもののフィルタリングも含めて、どういう確認をしているんですかということをある意味では機械的に聞いた上で結果をまとめたものです。ちなみに、マル、バツ、三角は、これはわかりやすいように私の方で便宜的につけたものですので、我が党として公式に何か認定したとかそういう話ではありません。全部ここで読みませんが、一個一個拾っていただくと、結構各省ばらばらです。 試しにここで、厚生労働省のところ、文字数が多いので読めませんが、なかなかこれはよくやっているんじゃないのという話にもなります。 塩崎大臣、ちなみに、厚生労働省はこの紙が出てきたときにどういう対応をされているか、御答弁いただいてよろしいですか。通告させていただいていますが。
○塩崎国務大臣 職員の再就職につきまして、国家公務員法に基づく届け出の書類の種類に応じて、適正かどうか確認を厚労省でしておるということでございまして、具体的には、在職中に再就職の約束をした際に提出する届け出につきましては、全ての届け出を対象に、所属部署の人事担当者に対して、利害関係の有無を確認する、そして、離職後の届け出につきましては、離職日から再就職日までの期間が一カ月以内の者を対象に、本人に対して、在職中に再就職の約束をしていなかったかの確認をしておるということでございます。
○神山(洋)委員 だから、厚労省は、そういう意味でいうと、まあまあそれなりに内部チェック、自己チェックをやっているということがこれだけだったら言えるのかなという気もします。 一方で、これは全部挙げませんが、例えば法務省がたまたま目に入ったんですが、これまで、これは不審だということで詳細について書面提出してくださいとお願いしたことはありません、ヒアリングも特に行っていませんということを伺っています。 要は、何もしていません、紙が来たらそのままスルーでやっていますということだと思いますが、大臣、こういう理解でよろしいですか、現状は。
○金田国務大臣 法務省におきましては、これまで、職員に対しまして、再就職規制の周知及び徹底に努めておりますし、それとともに、管理職職員であった者から再就職に係る届け出が、ただいま御指摘のものですね、提出された場合には、その記載内容についての確認も行ってはきておりますが、それらを超えて当該再就職者からのヒアリングなどの独自の調査は行っていないものと承知をしております。
○神山(洋)委員 大臣にそうやってお認めいただいたように、やっていないということでしょうし、ほかの省庁も、この場でうそをつくとは思えませんので、やっているところはやっているでしょうし、そうじゃないところはそうじゃないんだと思うんです。 ここで申し上げたいのは、つまりは、一国のトップにこんな事務の流れをどうこう言うつもりは私はそもそもないんですが、やれることを何でもやるというときに、能動的なチェックを内部でやるなんて、こんなものは言わなくても当たり前の話だと思うんです。法律でそう定められているからやるとかいう以前の問題だと思いますが、事実としてやられていないのであれば、今、総理が各大臣に、こんな当たり前のことを今までやっていないのではだめだから、今すぐやれと一言おっしゃっていただければ、少なくともそれをおっしゃらないよりはいいと思うんですが、総理、それを一言おっしゃっていただけませんか。
○浜田委員長 その前に、総務省から手が挙がっていますけれども。総務大臣。(神山(洋)委員「いやいや、お願いしていません」と呼ぶ)これがあるから。とりあえず一言。
○高市国務大臣 しかし、公的に配付される資料ですから、誤りだけ正させてください。 もしかしたら部門会議で説明した職員の言い方が悪かったのかもしれませんが、総務省では、離職後に営利企業等に就職をするということで届け出があった場合には、本人の職務内容と再就職先の業務に利害関係がないか、秘書課を通じて本人に事実確認をしっかり行っております。これは、改正国家公務員法が施行された平成二十年十二月三十一日以降、全て行っているということです。 また、離職後二年間に営利企業等に再就職した元職員から届け出があった際も、再就職日までの期間が一カ月以内と短期間である場合には、秘書課から在職中に再就職の約束をしていなかったか、本人に事実関係を行っております。 説明に行った職員の表現力がなかったのであればおわびいたしますが、資料は間違っております。
○神山(洋)委員 もしそうであれば、それはぜひ続けていただきたいし、それはだから全省庁、そういう形でやっていただければいいと思うんです。一言そう言っていただければ、まずこれは改善しますよ。
○山本(幸)国務大臣 当然そういうことをやらなきゃいけないし、事実上、これまでもやってきております。 人事局としては、各省に対して、そういった届け出があった場合にはきちんとチェックするようにという要請を数次にわたってやっておりまして、これが本当にそうかどうかというのは改めてチェックしたいと思いますが、そういう姿勢でこれまでも臨んできております。
○神山(洋)委員 いやいや、やってきていますというのは、大臣は何をもとにしておっしゃっているんでしょう。 きのうも事務方とも話をさせていただきましたし、このヒアリングをしたときにはまさに担当の方もこの場にいらっしゃってこの話は聞かれていたはずです、各省庁がどういうふうにその場でコメントをしたのか。それをぜひ確認してください。そんなに間違っていないはずですよ。そのおっしゃった方が事実に反することを言っていたら、それは私の知るレベルではありませんが、テープからこれは全部起こしていますから。 だとしたら、やってくださいという要請はしていたのかもしれません。しかし、少なくともそれが各省庁において、紙が出てきたときに怪しいのは、これはどうなの、大丈夫なの、だめだよということを、内部でチェックするなんて当たり前のことすらやっていなかったということであれば、誰がとか、本当はやっていたんだとかなんとかと言う前に、全省庁、ぴしっと、そんな当たり前のことはやってくださいねの一言で済むじゃないですか。 そんな難しい話じゃないですよ。総理、それを一言だけおっしゃってください。すぐできると思いますよ。
○安倍内閣総理大臣 今、高市大臣から答弁させていただいたように、若干ちょっと事実と違うこともあるようでありますが、当然、総理大臣として、しっかりとチェックをするように、山本大臣の指示のもとに各省庁がしっかりと対応するように、もう既に申し上げているわけでありますから、私の指示にはしっかりと従っていただきたい、このように思っております。
○神山(洋)委員 もうこの話を繰り返すつもりはありませんが、これは三日前ですから。三日前の時点で、多少違っていたとしても、そう大ずれはないはずですよ。みんなが二重丸だったらいいなと思いますが、違いますよ。すぐやるようにしてください。 このことをあえて申し上げたのは、このことも含めて、できることはすぐやる、何でもやるとおっしゃっているんだから、どんどんやるべきだと思うんです。 先ほど前段でもお話がありましたが、法改正をするかしないかみたいな話もあると思います。それが、どこに原因があってどうだこうだという、いろいろな分析とかそういう話はもちろん大事ではありますが、大事なことは、今回、事実としてこういう問題が起きたわけですから、それが再発しないためにいかなる手を我々立法府が下せるかということが問われているんじゃないかというふうに思うわけですよ。 だとしたら、我々はやはり、ここまでの検証の中で、十年前、十数年前の経緯も含めて考えたときに、もう一度、いま一度法改正を考えるべきじゃないかということを考えているわけです。 一旦、あの当時取っ払った二年ないし三年というその時限の規制、これをやはりもう一度再検討するべきだろうというのもありますし、刑事罰についても議論がありました。ここは、いずれにしても、再度議論を重ねる中で、法改正も含めて私は検討するべきじゃないかと思っておりますし、我々の中で、恐らくそういう形で国家公務員法改正案を取りまとめていくことになると思います。 総理の中では、今の時点では、先ほど前段、宮崎さんとの議論の中でも多少そういう話があって、検討しなければならないというお話はありました。それは、場合によっては、その調査結果も含めたときに、法改正も含めて考えなければならないとお考えだという理解でよろしいですか。先ほどの総理の御答弁についての認識を伺っています。
○山本(幸)国務大臣 私どもは、十九年改正法で各省によるあっせんを全面禁止した、これは大きな変革であると思っております。事前規制で二年が延びればいいということで各省のあっせんが残っているということは望ましくないというふうに思っておりまして、これを全面禁止したということは大きな改革だと思っております。 そういう意味で、今回不祥事が起きたことは大変遺憾なことでありまして、これを全省庁もう一度再チェックして、そして、その結果を見て、今後何をするかということはその後検討したいと思います。
○安倍内閣総理大臣 我々が第一次安倍政権においてこういう改正をする前には、まさに人事の一環として皆堂々とやっていたんですよ。人事の中に組み込まれていたのは事実でありますし、それを大きく変えたのは事実であります。 残念ながら、まだこうした形が残っていた、それを監視委員会をつくったことによって摘発をされたのも事実でありますが、そうしたこと等も含めましてしっかりと調べて、再発防止のために適切な取り組みをしていきたい、このように考えております。
○神山(洋)委員 なぜ前段で、小さなこととはいえ紙一枚の処理の話をしたかといえば、この問題は、やはりきちっと処理を早くするべきだと思うんですよ。そのために我々ができることがあれば、きちっとやはり平仄を合わせられるのであれば合わせなきゃいけないと思っていますよ。だからあえて申し上げたわけです。 別に、第一次安倍政権のときにやったのがよかったか悪かったかという議論はもちろん別途あるのは知っていますけれども、あえてその議論をここで持ち出さなかったのはそのためですから、ぜひそこは御理解をいただきたいというふうに思います。 この問題は、やはり国民の信頼を早く回復しなきゃいけないでしょう、そこからのスタートじゃないとおかしいでしょうということを私は申し上げているということで御理解をいただければと思います。 余りこればかりやっていて終わっちゃうのもなんですから、ちょっと話を別のところに移します。 きょう、韓国からマティス長官が、もう来日されているんでしょうか。いずれにしても、この予算委員会の後、総理が会談をされるということも伺っておりますし、官房長官、外務大臣、防衛大臣でしょうかも、それぞれ、きょうないしあしたということで伺っていますが、会談をされるというふうに聞いております。大変大事な場だと思いますし、それは、私がここで言うまでもなく、そういう御理解をいただいているというふうにも思います。 今回のトランプ新政権の発足に伴って、きょう現在もそうですし、今までもそうですが、いろいろな波風が立っているということは事実です。日本とアメリカの関係を考えれば、やはりここは、きちっとおさめるべきはおさめなければなりませんし、一方で、主張すべきこと、きちんと認識を共有すべきこと、それはあらかじめやはり伝えなければいけないという意味でも大事な場じゃないかなと思います。マティス長官は、そういう意味では、そこは大丈夫じゃないかという評価もあるやないやという話も伺っているところです。 まず一点目は、在日米軍の駐留経費の話が、これは大統領選中からずっと出ていたわけです。 最近、トランプ新大統領はそこは少しおさまってきたのかなとも思いますし、今回は余り大きな議論になるのかならないのかよくわかりませんが、いずれにしても、今年度予算でいえば、これは見方にもよりますけれども、少なくとも三千八百三十六億円、在日米軍の駐留に関する経費が計上されているわけです。そこにSACOの経費を入れたり、米軍再編に関連をしている部分を入れたりということでいえば、それも合わせれば六千億円近い、大変大きなお金になります。ここに対して、応分の負担ということが何を意味するのかは別として、何らかの意図を向こうが持ってくるのか否か、大事なことだと思います。 我々の立場は、きっちりとやはり主張すべきことは主張する、これは、ここまでの予算委員会でも総理はおっしゃっていたと思います。 もう一度ここは確認なのですが、そういう前提でこの会談にも臨まれるということでいいですよね。裏を返せば、ここで四千億なのか六千億なのかという数字が出ていますが、そのことはちょっとどうなるかなという腰だめの数字とかそういう意味ではないですよねという、まずここを確認させてください。
○安倍内閣総理大臣 トランプ政権の在日米軍駐留経費に係る立場については、予断することは差し控えますが、大統領に就任されて以降は余り発言をされていないのではないか、こう思うわけでありますが、この日米安保体制は日米いずれかのみが利益を享受するような枠組みではなく、したがって、在日米軍の駐留経費についても日米間で適切な分担が図られるべきものと考えているところでございます。 今まで、この特別協定を改定するたびに、そうした観点から米側と調整をしてきたわけでありまして、政府としては、現在の駐留経費負担は、両政府の合意に基づき適切に分担されていると認識をしています。
○神山(洋)委員 その適切に分担されているというところをぜひ大事にしていただければというふうにも思うわけです。 報道によれば、オーストラリアの首相と大分電話会談がもめたみたいな話も出てきますし、最初のところはいろいろあるのかもしれませんが、でも、そこは非常に大事かなというふうにも思うわけです。 同じく、ここも既に報道されている部分もありますが、やはり大事なのは核の傘の話であり、日米安保の五条の適用ということも、きのう菅官房長官がこれは会見でもおっしゃったという話があります。恐らくこの後の会談でも、どういう形かはともかくとして、確認をされることになるのかなと思いますし、外務大臣、そして防衛大臣に連なる会談の中でもそんな議論はされていくんだと思うわけです。 これは、二月の一日ですから二日前のこの予算委員会で、稲田大臣の御答弁を確認していましたら、これはマティス長官との議論についてということですが、日米同盟における諸課題について忌憚なく意見交換をして、日米同盟の深化につながるよう信頼関係を築いてまいりたいというふうに書いてあります。午前中の記者会見で、そこの少し中身でしょうか、日米同盟の抑止力、対処力の強化や米軍再編など、諸課題について率直に意見交換をしようというふうにおっしゃったということであります。 これは具体的に何を意味するんでしょうか。
○稲田国務大臣 個々の具体的な事柄についてあらかじめ申し上げることは差し控えますけれども、地域情勢の認識、日米同盟の抑止力、対処力の強化、在日米軍再編の着実な進展など、日米同盟の諸課題について率直な意見交換を行いたいと思っております。
○神山(洋)委員 詳細な部分とか言えない部分がたくさんあるのはわかってはいるんですけれども、もう少し具体的なところが言えないですかねというところなんですよ。 そうじゃないとは思ってはいるんですが、このトランプ新政権がどういう形で日本及び諸外国に対しての立場を貫いてくるのか、まさにこれからの判断になるとは思います。ただ、やはり一部に懸念があるというふうにも報じられていますし、私もやはりそれが気になるのは、かつて、日本が通商交渉でもめて、通商赤字、貿易赤字を埋めるために、例えば政府専用機を何機か買ったとか、そういったようなある種の交渉というか、ある種の取引があったような時代がありました。 トランプ新大統領がやはりすごく気にされているのは、アメリカという国内の雇用であるとか、生活であるとか、ある種の産業であるとか、伝統的な産業も含めてというところになるんだと思うわけです。そういう中でいえば、ここ数年は影を潜めていたような要求すら出てくる可能性というのは否定できないんじゃないのかなというふうにも思うわけです。 稲田大臣にもう一点お伺いをしたいわけですけれども、安全保障委員会でも一度議論させていただいたかもしれませんが、ミサイル防衛の話です。 我が国は、この十三年ぐらいですか、十四年ですか、BMD関連、新規の設備投資であり、あとはそれの維持経費を含めて約一・五兆円という予算を使ってこのBMDを整備してきたわけです。北朝鮮の核であるとか、さまざまな周辺の安全保障環境を考えると、これはある程度やむを得ないこととは思いますが、今の防衛費の現状、充足率の向上にすらなかなか予算を回せないという状況を考えると、かなりこの一兆五千億というのは大きな額であり、この額は恐らくこれからもふえていくことが予想されるわけです。 今回、これは報道ベースであり、一回議論でもさせていただきましたが、THAADの導入を考えているというお話もありました。今二系統でやっているミサイル防衛を三系統にした方がより安全性が高まる、それは素人でもわかると思います。しかし、果たして、その三系統にするということの予算、我が国の防衛費の体系の中でたえ得るレベルですかということの検証を私は厳しくしなきゃいけないと思うんです。 トランプ新大統領であり、マティス長官との会談の前にあえてその話をしたのは、そういうディールにはくれぐれもこの話は使わないでくださいということだけは念押しをしておきたいんです。大臣、いかがですか。
○稲田国務大臣 昨年の北朝鮮の二十発を超える弾道ミサイルの状況、新たな脅威の段階に入ったと認識をしており、ミサイル防衛、しっかりしたものにしていく必要はあると思います。しかしながら、我が国の防衛がどうあるべきかということは、他国から言われてやるものではないというふうに思っております。 また、我が国の防衛費については、御承知のとおり、平成二十五年の十二月末の閣議決定に基づいた大綱、そしてそれに基づく中期防に基づいて、着実に質も量も充実をさせているところでございます。 今お尋ねのTHAADについてでございますけれども、御指摘のTHAADのような新規の装備品を導入する具体的な計画はなく、導入に向けた検討を行っているというわけではございません。
○神山(洋)委員 最後に総理に。総理との会談で今みたいな具体論の話が出てくるとまでは思いませんが、しかし、冒頭申し上げたような、ここまでも何度か予算委員会の中で議論にあったかと思います、経済問題に絡めて、安全保障の話であるとか、場合によっては装備品の取引であるとか。そういったことを、まあ一〇〇%全てリンクしないと言うことができるかどうかは別として、基本的にはやはりこれはリンクさせちゃいけないと思うんです。 そういう原則で、総理もこの後、今回であり、また今後も、トランプ新政権との関係構築も含めて臨まれるということであるべきだと思いますが、そういう理解でよろしいですか。
○安倍内閣総理大臣 先ほど大臣から、THAADについては、導入することの妥当性について、今検討を行っておりませんので、妥当性も申し上げることはできないということでありますが、いずれにせよ、今委員がおっしゃったように、貿易問題と防衛をリンクさせて取引するというのは、極めて非生産的であって、間違ったアプローチであるということを私ははっきりと申し上げておきたいと思います。 安全保障については、いわば、安保条約の五条、六条において、我々が侵略をされた際には共同対処しますが、極東地域の平和と安定のために日本の基地を米軍に提供しているわけでありまして、それによって米国も前方展開戦略をしっかりと維持することができ、そしてそれはアジア太平洋地域の米国の権益を守っているのも事実であります。 ですから、そういうことの観点の中から、お互いにその力を、さらに抑止力を上げていこうということの議論はするのはいいんでしょうけれども、今おっしゃったような、貿易がだめだからこっちで、日本は何か安全保障上のことで言うことを聞けという議論は極めて非生産的なものであって、そういうアプローチを同盟国として私はとるべきではない、このように考えております。
○神山(洋)委員 終わります。ありがとうございました。
○浜田委員長 これにて神山君の質疑は終了いたしました。 次に、畠山和也君。
○畠山委員 日本共産党の畠山和也です。 日ロ首脳会談の結果と、今後の領土交渉の姿勢について質問します。 日ソ共同宣言から六十年がたちました。領土問題における日ロ交渉の行き詰まりをどう打開するかは大きな問題です。元島民の平均年齢は八十一歳を超えました。 我が党は一貫して、平和的な領土交渉の到達点を国境画定の土台に据えるべきと主張してきました。すなわち、北海道の一部である歯舞群島と色丹島については中間的な友好条約によって速やかな返還を求めること、そして、ヤルタ協定の不公正とサンフランシスコ条約での千島関連条項を廃棄、無効化して、平和的な日ロ間の領土交渉の結果として全千島列島が日本の歴史的領土となった一八七五年の樺太千島交換条約を土台にすること、以上の段階的解決による平和条約締結を主張してきました。 一旦結んだ条約でも、沖縄の本土復帰が実現したように、国際的な道理に照らして問題点があれば是正していく経験を我が国は持っています。戦後処理の不公正を正すという立場こそ必要ということが、日ソ共同宣言から六十周年の歴史の教訓だと思います。 この立場から、昨年十二月の首脳会談について初めに聞きます。 資料の一枚目をごらんください。これは、外務省ホームページ「北方領土問題とは?」というところより抜粋したものです。 日本の北方領土に対する基本的立場は、「北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する」であり、解決に当たっては、「北方領土の日本への帰属が確認されるのであれば、実際の返還の時期及び態様については、柔軟に対応する、」とあります。 まず、総理に確認します。基本的方針として、これは間違いありませんね。
○岸田国務大臣 御指摘の文言につきましては、我が国の基本的な方針そのものであると承知をしております。
○畠山委員 総理にも確認します。
○安倍内閣総理大臣 外務省のホームページについてでもございましたから、外務大臣から答弁させていただきましたが、こうした記載、今御紹介いただいた記載は、我が国の北方領土交渉の方針そのものであります。
○畠山委員 我が国の方針であるという答弁で確認いたします。 それで、両首脳が合意した内容のプレス向け声明、これは資料の三枚目につけているものですが、四島については、共同経済活動にかかわり協議を開始すると触れていますが、領土交渉の内容としては触れられておりません。 資料の二枚目をごらんください。ロシアがプーチン大統領になってからの日本との共同声明における領土問題についての部分の抜粋を、二〇一三年の共同声明も含めてまとめたものです。 二〇〇〇年の九月五日、二〇〇一年の三月二十五日、二〇〇三年一月十日、いずれも、択捉島、国後島、色丹島及び歯舞群島の帰属に関する問題を解決することにより平和条約を締結すると明記されてきました。 安倍政権になってからはどうなのか。 そこで、二〇一三年四月二十九日の共同声明です。ここの第七項目で、四島の名前はありません、「その問題を、双方に受入れ可能な形」での解決が記述されて、八項目めで「これまでに採択された全ての諸文書及び諸合意に基づいて進める」と書いているところで、辛うじて到達点を踏まえてきていると読むことはできます。なお、この共同声明は、両首脳のサインはないという事実は一言述べておきます。 そして、今回です。四島について、先ほどの三枚目のプレス向け声明ですが、領土交渉の内容としては触れられておりません。 一日の本委員会で、この点に関する質問に対して、重要なのは会議全体の成果であり、両首脳で今までの成果文書を踏まえた上で協議を行うことを確認したとの答弁がありました。 それならば、総理に確認いたします。先ほど初めに聞いた、日本政府の方針である北方領土の日本への帰属について、今回の会談で言葉にして確認したのかしていないのか、お答えください。
○安倍内閣総理大臣 二人のやりとりについて、詳細についてお話を申し上げることは差し控えさせていただきますが、日本の基本的な立場について主張しているのは当然でございますし、四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する、これが基本的な日本の立場であります。 これは詳細について述べることは差し控えさせていただきますが、今、基本のところでございますから申し上げれば、当然その主張はしている。これは当たり前のことでございまして、再々その主張はしているところでございます。 いわば、その意味において、四島の帰属問題を解決して平和条約締結交渉をする、平和条約を締結する、その平和条約をまさに私たちの手で締結しようではないかということを申し上げているわけでありますが、その前提についてももちろん申し上げているところでございます。
○畠山委員 なぜこのことを質問したかといいますと、プーチン大統領が交渉の前に、日本の報道を通じて、ロシアには領土問題は全くないと思っていると発言したからです。読売新聞、二〇一六年十二月十四日付で、これは総理も御存じのことと思います。 総理は、領土返還のための信頼づくりが必要だと、四島での共同経済活動の意義を述べてきました。しかし、相手が領土問題は全くないと言っている以上、それでは何のための共同経済活動なのかとなるのではないのでしょうか。 四島での共同経済活動は、一九九八年の小渕・エリツィン会談後に、共同経済活動に関する委員会が設置をされました。このときには、あわせて国境画定に関する委員会も設置されました。つまり、日本政府の基本方針を踏まえるならば、領土交渉や国境画定に関する取り組みを担保してきたということではないのでしょうか。 だから、今回、事前にプーチン大統領が領土問題は全くないと言ったことに反論なく共同経済活動を進めるのであれば、懸念が生まれるのは当然です。特に元島民や根室など近隣地域では、そのような歴史を知っているからなおさらです。 そこで、総理にもう一度、事実として確認します。今度は、プーチン大統領の、領土問題は全くないと言っていたその発言に対して、何か指摘はしたのでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 中身についてはつまびらかにできませんが、二人だけで九十五分間、会談をしているわけであります。基本的には、そのほとんどは領土問題と平和条約の締結でありますから、平和条約の締結の核心は領土問題でありますから、大体、そのことについてこちらは大統領にこちらの立場をずっと申し上げてきているわけでありますから、そこから推察をしていただきたいと思うわけであります。 こちらの立場を主張しない交渉はそもそもないわけでありますから。当然、私が九十五分ずっと相手の言うことを聞いていたわけではありませんから。私は、口を開けば、日本の基本的立場を申し上げているわけでございます。 そこで、小渕総理のときの取り組みについてお話をされたわけでありますが、あの取り組みは取り組みとして、努力で終わりましたが、結果としては全然そこは進まなかったわけであります。共同経済活動についても進まなかったのは事実でありますし、帰属の問題も進まなかったのは事実であります。 要は、進めていくことが大切であるということが一つと、特別な制度のもとでの四島での共同経済活動も平和条約締結への一環であるということについては、私は、日ロで、プーチン大統領との間で合意ができている、このように考えております。
○畠山委員 全て明らかにしろとはもちろん言っておりませんが、今私が質問したことは、先ほど総理も述べたように、基本的な方針のことであり、元島民や根室の皆さんが知りたい中心点であるわけです。それが、共同記者会見、プレス向け声明の後にはそういったことはありませんでした。私、記事を全部読みました。だから、きょうの質問もそうですけれども、元島民の方などが注目しているわけです。 私、選出は比例北海道ですが、改めて、先日、根室市へ行って、元島民の方などから話を伺いました。 率直に言えば残念だったという深い落胆の声などが出されてきて、なぜかといえば、領土が返還されないことで元島民や根室市などで何が起きてきたか、その歴史を聞いてほしいというふうに言っているんですよ。樺太経由で引き揚げさせられた方もいたし、船の吹きさらしの甲板で耐えた元島民の方もいらっしゃったし、樺太に抑留されて亡くなった方もいたし、島で多くの方も亡くなりました。このような話を元島民の方がするだけでも胸が苦しむと言っている方もいらっしゃいます。 水産の町である根室市など周辺自治体で、一九四六年から二〇一五年までの漁船拿捕数は、外務省が認めた数によれば千三百四十一隻です。銃撃を受けて亡くなった漁民もいらっしゃいました。たった十年前のことです。 昨年は、サケ・マスの流し網漁がロシアで禁止されたことによって、水揚げ量は前年比八千トン減りました。根室市の一般会計予算は約百七十億円ですが、昨年の十二月二十一日付日経新聞地方版によれば、流し網漁禁止の損失は二百億円と報じられています。 根室市長は町の存亡問題と述べて、地元の水産加工業や運輸業では仕事がない、地域経済が落ち込んでいくと、危機感だらけです。何度も私も根室へ行きましたが、島さえ返ってくればと、行くたびに話を聞いてきました。 総理、この苦しみの根源は領土が返ってこないゆえだ、そうですよね。
○安倍内閣総理大臣 それはまさにそのとおりであると私も思います。 私も、十二月十五日のプーチン大統領との会談を行う前に、島民の皆様と昼食をともにしながらお話を伺いました。その際に、島民の皆様からは、総理大臣と食事をしながら自分たちの考え方を述べるのは実は初めてだった、よくこういう機会をつくっていただいたと言われました。私も、第一次政権もありますし、今までの四、五年間、そうした機会をつくらなかったことは大変申しわけないと思いました。しかし、長い長い間そういうチャンスがなかったのも事実であります。 そして、今回、島民の皆様からお預かりしたお手紙と写真をプーチン大統領にお見せしたわけであります。私の目の前で読んでいただいた。七十歳から勉強したロシア語で書かれていた手紙を読んでいただいたんです。これは、初めて島民の気持ちが直接大統領、ロシアの最高権力者に伝わったと私は思いました。プーチン大統領も、胸を打たれる思いだということをおっしゃったのは事実であります。 そこで、しかし、今まで七十年間返ってこなかったのは事実でありますから、今までのやり方で返ってこなかったんですから、どうやって取り返すか。それはやはり新しいアプローチしかない、このように決意をしたわけでございます。
○畠山委員 新しいアプローチについては別個に議論したいと思っているんですが、手紙や写真を渡されて、しかし、その結果、先ほど述べたように、共同記者会見では中心的な部分でさえ、全部つまびらかにしろと私はさっき言っていないけれども、そこも言われていないことに現地ではがっかり感が強いと先ほど言ったじゃありませんか。 総理に要請したいことがあります。 先ほど、考え方を元島民の方と総理が話し合うのは初めてだ、総理としてですかね、これまでの歴代総理としてということでしたので、ぜひ根室市へ行ってほしいんです。もちろん、私が紹介したような話を聞いてほしいというのもありますし、四島での共同経済活動で深刻な地域経済が少しでもよくなればという一縷の望みを持ってもいます。 この点についてはいろいろ意見があるので別の機会に質問したいと思っていますが、元島民や根室市などでは総理に聞きたいことがたくさんあるんです。だって、七十年待ってきたわけですよ。 先日行われた日ロ次官級協議では、墓参の拡大も議論されております。高齢で時間もない中、急ぐべき課題であり、これは拡充を強く求めておきます。そして、総理には重ねて、根室市への訪問を強く要望しておきたいと思います。 後半は、では、どのような道理で交渉するのかについて質問します。 総理は、先ほどから私が述べている首脳会談後の共同記者会見で、あるいは本委員会でも、領土問題について、日本の立場の正しさを確信していると言いつつも、互いにそれぞれの正義を何度主張し合っても、このままではこの問題を解決することはできませんと述べました。 では、ロシア側の正義というのは何なんでしょう。プーチン大統領は、その共同記者会見のときに、一九四五年の戦争の後、向こうの言葉ですが、南クリル列島の島々をも取り戻しましたと述べています。その根拠の一つとしているのがヤルタ協定だと思います。一九四五年二月に、当時のソ連の指導者スターリンに千島の引き渡し、これを対日参戦の条件として、米国、英国が認めた秘密協定です。 外務大臣に確認いたします。このヤルタ協定についての日本の考え方、立場を御説明ください。
○岸田国務大臣 御指摘の、米英ソによるヤルタ協定ですが、樺太の南部及びこれに隣接する全ての諸島がソビエト連邦に返還されること、及び千島列島がソビエト連邦に引き渡されること、こうしたことが記されております。 他方、このヤルタ協定は、当時の連合国の首脳者の間で戦後処理方針を述べたにすぎないものであり、関係連合国間において領土問題の最終的処理につき決定したものではないと考えます。 そして、我が国はヤルタ協定に参加しておらず、いかなる意味でもこれに拘束されることはないというのが我が国の立場であります。
○畠山委員 ヤルタ協定の法的効果は否定するということです。 国際社会の戦後処理の大原則は、言うまでもなく領土不拡大です。第二次大戦で数千万人が命を落とし、多大な犠牲の上に成り立っている国際秩序です。それを一方的に破ったのが、この密約であるヤルタ協定です。 総理に認識を問います。このヤルタ協定、密約自体が領土不拡大という国際原則に反するという認識を総理もお持ちになっていますか。総理の認識です。 〔委員長退席、宮下委員長代理着席〕
○安倍内閣総理大臣 外務大臣からも答弁をさせていただきましたが、そもそもこのヤルタ協定は、当時の連合国の首脳の間で戦後処理方針を述べたにすぎないものであり、関係連合国間において領土問題の最終的処理について決定したものではない。また、ヤルタ協定は、一九四六年二月まで秘密にされており、また、そもそも我が国は参加しておらず、いかなる意味でもこれに拘束されることはないわけであります。 その当事国でない我が国は、ヤルタ協定の内容と領土不拡大原則の関係につき説明する立場にはないわけでございますが、要すれば、大西洋憲章及びカイロ宣言で明確にうたわれたいわゆる領土不拡大原則は、第二次世界大戦における重要な原則となり、その後、ポツダム宣言にも継承されています。このポツダム宣言は、ソ連を含む連合国と我が国との間での戦争終結のための基本的な合意であり、その中に引用されている領土不拡大原則は、戦争終結のための一つの条件としての性格を有しています。 いずれにせよ、北方四島は日本固有の領土であるというのが我が国の一貫した立場であり、そして、この四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するというのが基本方針でありますが、先般のプーチン大統領との会談の後の記者会見においては、プーチン大統領自体が、大事なのは平和条約だと明確に述べているわけでありますし、この問題を解決していく真摯な決意を両首脳が示す、これは声明にもうたわれているところでございます。
○畠山委員 まだそこまで何も聞いていませんから。 私が聞いたのは、まだ、プーチン大統領と何をどうしたかということではなくて、一般的に、このヤルタ協定、密約自体が領土不拡大という国際原則に反するという認識を総理が持っているかと聞いたんです。明確にお答えはありませんでした。 私、今手元に、外務省の「われらの北方領土二〇一五年版」があります。よく記録としてまとめているものだと思って読みました。日本側から指摘や反論をしたときには、きちんと記録としてそれも残っているわけです。 総理は先日、相手を論破して領土が戻るのかと言っていましたが、そもそも、歴史的事実や国際原則に基づいて反論するのは当然のことです。総理もよく、国際社会における法と正義、法による支配の重要性、こう述べているではありませんか。 総理に確認します。このヤルタ協定の不公正について、先日の首脳会談でプーチン大統領に指摘や反論はしたのですか。 〔宮下委員長代理退席、委員長着席〕
○安倍内閣総理大臣 私は、もう第一次政権のときから十五回首脳会談を行っています。その経験に基づいて私は申し上げているんです。 今まで日本は、歴史的な経緯、国際法との関係について、我々の主張の正しさをずっと述べてきました。私も述べてきましたよ、ずっと。私以下のところで行う次官級あるいは審議官級、局長級のときの議論というのは、ほとんどそこに焦点が当たって、延々と議論するんですよ、延々と。延々と議論して、まさに、例えば一八五五年のプチャーチンが来たときから始まって、ずっと議論して、またそれから始まるんですよ。延々と議論するんですね。 しかし、そこで議論して、こちらの主張は述べます。我々は当然、ロシア側が、ただしこれは戦争の帰結の問題であるということをよく主張するわけでありますが、それに対してこちらとしては、今委員がおっしゃったさまざまな論点もあります、そういう論点も含めて反論しております。 しかし、そこで反論していても、これは一ミリも動きませんよ、はっきりと申し上げて、私の経験上から。私も、五六年の交渉のときから、ずっと交渉の記録を全部、極秘の交渉も全部見てきました。ずっとこれをやっているときには、実は一ミリも動かないんですよ。 では、どうやってお互いに一歩踏み出せるかということを一緒に考えるときに初めて議論は建設的なものになるわけでありまして、私はそういう意味で申し上げているのであって、我が国の立場の正当性を主張するのは当然のことであります。でも、私が言いたいのは、これを主張して、向こうが、わかりました、ではお返ししますということになるような単純な問題ではないということは申し上げておきたいと思います。
○畠山委員 ヤルタ協定について中心的に今お聞きしております。さまざまなことが、総理、そのようにされてきていること自体としては承知はしているつもりです。 二〇〇六年二月一日の日経新聞で、ヤルタ協定について、プーチン大統領がこのときに初めて公式の場で述べたのではなかったかと思います。 そのときの新聞によれば、プーチン大統領は記者会見で、両国が受け入れ可能な解決策を探り始めたと述べて、国際的な合意に基づき解決策を探ると言明、当時、ロシアが北方四島を含む千島列島を自国領とする根拠であるヤルタ協定、ポツダム宣言などを挙げたとの報道です。 今述べたように、このときがプーチン大統領がヤルタ協定を根拠として言明した最初のことではないかと思うし、総理は当時官房長官でしたから御存じだと思います。 今私がずっと述べてきたヤルタ協定の言明に対して、総理はいろいろという形で述べたけれども、日本政府の反論や指摘などはこれに、「われらの北方領土二〇一五年版」にも出てこないわけですよ、最初に外務大臣がヤルタ協定についての日本の政府の立場を括弧書きで書いているだけで。そういうことが、プーチン大統領が今回に至るまで日本政府に、領土交渉は全くないとまでの発言につながってきてしまったのではないのでしょうか。 総理、それならば、ヤルタ協定の不公正をプーチン大統領に明確に、今までだって反論や指摘をしたことはきちんとここに、外務省の公式文書として記録に残しているではありませんか。今度またロシアに早いうちに、前半に行くというのであるならば、きちんとこのヤルタ協定、戦後処理の不公正について指摘や反論することを求めますが、いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 今申し上げましたとおり、領土不拡大原則は戦争終結のための一つの条件としての性格を有しているわけでありますが、先ほど申し上げたとおりでありまして、当事国ではない我が国は、ヤルタ協定の内容と領土不拡大原則の関係について説明する立場にはないわけであります。 しかし、いずれにせよ、根本として、北方四島については我が国固有の領土であるということはもう既に申し上げてきているとおりでございまして、その立場は変わりがないわけであります。 そこで、もう既にさまざまな議論をしてきたということは繰り返し述べてきたとおりでありまして、また、例えば私とプーチン大統領との間でその議論に戻ったら、延々とまさにヤルタのときから今日に至るまでの議論をまたしなければいけなくなって、これは三日ぐらいかかっちゃいますから、そんなことよりも、既に今決めている新しいアプローチにおいて少しでも平和条約締結、四島の帰属の解決に近づく方がプラスであって、私たちの主張が間違っているということではありませんよ。 今委員がおっしゃっていることを私は否定するものでは全くないわけでございまして、そうしたことは今までさんざんやってきたということは申し上げておきたいと思います。
○畠山委員 時間ですので終わりますが、戦後処理の不公正、領土不拡大の原則を破った事実を主張すべきであるし、これまでの日本政府の領土交渉の方針の抜本的な再検討を改めて強く求めて、質問を終わります。
○浜田委員長 これにて畠山君の質疑は終了いたしました。 次に、清水忠史君。
○清水委員 日本共産党の清水忠史です。 本日は、カジノ法について安倍総理大臣を中心に質問したいと思いますので、よろしくお願いいたします。 衆議院内閣委員会での質疑時間はわずか五時間半でありました。般若心経も悪い意味で脚光を浴びたのではなかったでしょうか。参議院では突然修正案が持ち出されました。実は、この中身につきましては我が党は本会議での質疑を求めましたが、これさえ拒否をされたわけでございます。つまり、カジノ法の修正案は一秒たりとも審議されないまま成立した法律であるということであります。国民の強い反対を押し切って強行されたことに抗議をしたいわけですが、日本再興戦略で、統合型リゾート、IRの検討を進めると書いています。 そこで、安倍総理、どうして刑法違反として処罰されてきたカジノをみずから推進本部長となって政府として解禁し推進していくのか、教えていただけますか。
○石井国務大臣 IR担当大臣としてお答えをさせていただきます。 日本再興戦略二〇一六では、観光立国の実現という中で、「統合型リゾート(IR)については、観光振興、地域振興、産業振興等に資することが期待されるが、その前提となる犯罪防止・治安維持、青少年の健全育成、依存症防止等の観点から問題を生じさせないための制度上の措置の検討も必要なことから、IR推進法案の状況やIRに関する国民的な議論を踏まえ、関係省庁において検討を進める。」こういうふうにされているところでありまして、日本再興戦略自身には、検討を進めるという立場でございます。 一方で、昨年秋の臨時国会で成立をいたしましたIR推進法におきましては、政府に対して、必要な法制上の措置を法律の施行後一年以内をめどとして講じなければならないとされておりまして、内閣府に特定複合観光施設区域整備推進本部を今後設置いたしまして、この本部で必要な法律案、政令案の立案等を行うとされているところでございますので、これに基づいて今後行われるところでございます。
○清水委員 この法律が通りまして、いわゆる整備推進本部を立ち上げ、その推進本部長は安倍総理大臣自身ですよ。安倍総理自身も、かねてからこのIR、カジノを含む統合型リゾートには非常に熱心で、どうしてこのよさがみんなわからないんだというふうに述べていたということもこの間報じられているわけであります。 推進本部長ということでありますし、この間、本会議の代表質問でもこのIRの必要性について述べておられますので、民間賭博を禁じられてきたわけですね、総理自身がこれを解禁して進めていく、なぜそうするのかというふうに聞いていますので、総理自身のお言葉でお願いいたします。
○安倍内閣総理大臣 IRについては、プールや水族館など家族連れで過ごせる施設があったり、あるいはビジネスの国際会議を世界じゅうから招致し、家族連れで会議に参加してもらえるなど、まさに総合的なリゾート施設であり、日本再興戦略において、観光振興、地域振興、産業振興等に資することが期待され、そしてIR推進法案の状況やIRに関する国民的な議論を踏まえ検討を進めるとしているところでありまして、シンガポールでは、経済情勢などの要因もあるかとは思いますが、開業後四年で国全体の観光客数が六割増、観光収入が九割増となったと聞いております。 我が国においてもその効果が十分に発揮されるよう、検討を進めていきたいと考えております。
○清水委員 なぜカジノがなければ家族連れで会議に来られないのかというのはよくわかりませんね。面積の三%だというふうにもよくおっしゃるんですが、IRというのは、総理自身よく御存じのとおり、カジノがIR全体の収益の八割をたたき出しているというのが常識であります。 それから、今いろいろ言われたわけですけれども、いずれにしても、民間賭博を合法化するというこの重み、これについてやはり国民の皆さんは懸念あるいは反対の思いを持っているわけなんですね。 私は、昨年十二月二日の内閣委員会で法案提出者の方に伺いました。カジノを統合型リゾート、今の安倍総理の言葉で言いますと、例えばプールとか水族館、あるいは会議室ですか、それと一緒に設置すれば合法だ、ところがカジノ単体でつくるとそれは違法だ、間違いありませんか、こう聞くと、おっしゃるとおりでございますという答弁が返ってきたんですね。これは安倍総理自身も同じ認識ですか。
○金田国務大臣 いわゆるIR法におきましては、ただいまお話の出ました特定複合観光施設、これは、カジノ施設及び会議場施設、それからレクリエーション施設、展示施設、宿泊施設その他の観光の振興に寄与すると認められる施設が一体となっている施設として定義がされておりまして、カジノ施設が単体で設置及び運営されることは予定されていない、このように承知をしております。 カジノに係ります実施法がどうあるべきかという観点も踏まえての御質問だというふうに思いますが、今後設置される推進本部におきましては、既に行われた国会審議や附帯決議の内容等を踏まえまして、刑法の賭博に関する法制との整合性を含めて、適切に立案、検討がなされるものと承知をしております。
○清水委員 総理を初め、今の金田法務大臣の答弁も、先ほどの石井大臣の答弁もそうなんですけれども、もっとカジノ反対派をうならせるような、そういう答弁ができないんですかね。ずっとこういう答弁ばかり続くんですが、世論はどうですか。この法案を審議しているとき以上に、今、この法が施行されて以降も、カジノを含む統合型リゾート、IRには反対だという人がどんどんふえているじゃありませんか。私は、そこをやはりもっと謙虚に説明する義務が内閣にあるのではないかというふうに思います。 私、質問をかえますね。 石井大臣に伺いますが、先ほど、観光振興に資する、こういうふうに言われました。 資料の一をごらんください。 資料の一は、観光庁作成のものでございまして、最新の訪日外国人の消費動向でございます。訪日前に何を期待して日本に来たんですかということをつぶさに聞いているんですが、トップは何ですか、日本食を食べることですよ。和食、世界遺産にもなりました。二番は何ですか、自然・景勝地観光。さらに、ショッピング、温泉もありますね。 ところが、この項目の中には、パチンコしたいとか、あるいは競馬をしたいとか、賭博施設に行きたいとかという項目は全然ありません。なぜこんなものがないのかというふうに観光庁の職員の方に聞きますと、そもそもリクエストがないと。そもそも、パチンコとか競馬とか、そういうものを目指して来るのではないというふうに言っているから、ないということなんです。 例えば、開店前のパチンコ屋さんに訪日外国人の方は並んでいますか。場外馬券場に外国人の方々が列をなして来ますか。和食を食べに来るんですよ。日本のそういう観光資源を求めて来るわけです。シンガポールのように、人口五百五十万人で、淡路島ぐらいのスペースで、日本に比べて観光資源が乏しいところと比べて、日本でやったらもっともっとふえるという考え方は私は間違っていると思いますよ。 それで、観光庁にお伺いしますが、観光立国推進基本法の基本理念、この第一章第二条第一項には何と書いていますか。そこを読み上げてください。
○田村政府参考人 お答え申し上げます。 観光立国推進法におきましては、基本理念として、豊かな国民生活を実現するために、住んでよし、訪れてよしの国づくりの認識の重要性、国民の観光旅行の促進の重要性、国際的視点に立つことの重要性、関係者相互の連携の確保の必要性の四つが第二条に規定されております。 具体的に、今お尋ねの第一項では、観光立国の実現に関する施策は、地域における創意工夫を生かした主体的な取り組みを尊重しつつ、地域の住民が誇りと愛着を持つことのできる活力に満ちた地域社会の持続可能な発展を通じて国内外からの観光旅行を促進することが、将来にわたる豊かな国民生活の実現のため特に重要であるという認識のもとに講ぜられなければならないというふうに書かれているところでございます。
○清水委員 誇りと愛着ですよ、誇りと愛着。 資料の二をごらんください。グラフをつくりました。 カジノを中心とするリゾート施設をあなたの住んでいる地域につくる計画が持ち上がったらどう思いますかという共同通信社の世論調査に対して、七五%の人たちが、つくらない方がよいと思う、こう答えているわけですね。誇りと愛着など持てないと。 いわゆる台湾澎湖島というところでは、実は、カジノを誘致するかどうかで住民投票をやりまして、八割が反対、圧倒的多数で否決をいたしました。 現在、どの世論調査を見ましても、IR、カジノ解禁に反対だという国民が圧倒的多数ですよ。 今言いましたように、日本食を食べに来る、ショッピングをする、温泉に来る、自然や文化を楽しむ。ところが、こういうふうに訪日外国人が来ているのに、カジノをつくって、それで訪日外国人がどんどんふえる。観光振興どころか、地元の皆さんがつくってほしくないというものをつくって、愛着や誇りを損ねて、それで観光振興ですか。 石井大臣、どうですか。理念に反するんじゃないですか。
○石井国務大臣 IR推進法におきましては、カジノを含むIRの整備の推進は、地域の創意工夫及び民間の活力を生かした国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現し、地域経済の振興に寄与することを基本といたしまして、これはあくまでも地方公共団体の申請に基づき行うこととされております。 また、昨年の衆参の附帯決議におきましては、地方公共団体が認定申請を行うに当たっては地方議会の同意を要件とすること、また、地方公共団体による公聴会の開催など、地域の合意形成に向けた具体的なアクション等々を国の認定に当たっては十分に踏まえることとされておりまして、地方公共団体が手を挙げる際には、議会の議決、また地方の十分な合意形成、こういうものを踏まえた上で申請をされるということでございますので、観光立国推進基本法第二条第一項の、地域における創意工夫を生かした主体的な取り組みを尊重しつつ、地域の住民が誇りと愛着を持つことのできる活力に満ちた地域社会の持続可能な発展を通じて国内外からの観光旅行を促進するとされた理念に沿うものであると考えております。
○清水委員 地域住民が反対するカジノを誘致してまで過大な目標を押しつけるというやり方は、住んでよし、訪れてよしというこの観光政策の理念に反するということを私は指摘しておきたいと思います。 次に、総理にお伺いをします。 先ほど総理も、地域振興に資するというふうにおっしゃいました。 総理は、韓国人が唯一入場できる韓国の江原ランドというカジノを御存じでしょうか。十七の施設があるんですね、韓国には。ところが、国内人、韓国人が入れるのはその江原ランド一カ所だけなんです。この一カ所が他の十六カ所のカジノの売り上げを上回るんです。そういう江原ランドというのがあります。 開設以来、ここは、五万人が賭博中毒管理センターを訪れてケアを受けています。このカジノ内で自殺をした方が四十八人。さらに、二万五千人いたこの地域の住民は、家族層を中心に転居を繰り返し、今、半減に向かいつつある。 私は、カジノができるということは地域振興どころか地域を疲弊させることになるのではないかというふうに思うんですが、総理の見解はいかがですか。総理です。地域振興とおっしゃったんだから、総理です。 〔委員長退席、菅原委員長代理着席〕
○石井国務大臣 IR推進法第三条の基本理念におきまして、IRの整備の推進は、地域の創意工夫及び民間の活力を生かした国際競争力の高い魅力ある滞在型観光を実現し、地域経済の振興に寄与するとともに、適切な国の監視及び管理のもとで運営される健全なカジノ施設の収益が社会に還元されることを基本とするとされております。 IRは、カジノのみならず、国際展示場や会議場や娯楽、宿泊施設等が一体となった施設であり、多額の投資や大規模な雇用が期待されるものでございます。シンガポールの事例で申し上げますと、約一兆円の初期投資がなされ、約二万二千人の直接雇用が生まれたと聞いております。 政府といたしましては、IR推進法の国会審議における御議論や同法の附帯決議の内容も十分に受けとめながら、同法の基本理念にある地域経済の振興への寄与が実現できるように、制度設計に取り組んでまいります。
○清水委員 聞いていないことをずっと言われると困るんですよ。公明党支持者も八割は反対ですよ、石井大臣。山口代表が反対しているじゃないですか。なぜ違法なカジノが統合施設に入ると違法性が阻却されるのか十分語られていないといって、反対票を投じたんですよ。その石井大臣が指名もしていないのにつらつらつらつら同じことを言うのは、時間の無駄ですからやめてください。 私は、地域振興になるというのであれば、総理にお伺いしたいことがあるんです。 皆さん、資料の三を見ていただけますか。警察庁に最新の統計を出していただきました。パチンコ依存、ギャンブル依存が動機、原因の犯罪件数でございます。 これを見ますと、平成二十八年、二〇一六年の一年間で、パチンコ依存による犯罪件数が千三百二十九件、ギャンブル依存というのが九百九十九件、合わせて二千三百二十八件、強盗、窃盗、横領、住居侵入などの犯罪が起こっているわけであります。二〇一五年は千七百二件でありましたので、ふえているんです。 賭博による悪影響というのは、今述べました犯罪の誘発だけではありません。勤労意欲の減退、多重債務者の増加、離婚などの家庭崩壊、果ては自殺、多岐にわたります。 カジノは、勝負が早くて、動く金も大きいです。そもそも、政府として、経済効果とか地域振興を言われましたが、現在の賭博、現在の既存ギャンブルによる社会的、経済的損失コスト、これを把握していますか。総理、どうですか。
○石井国務大臣 IR推進法に係る国会審議の中で、IRの整備により、雇用創出効果や経済波及効果といったプラスの効果だけでなく、御指摘のようなマイナスの側面に対する懸念があるとの議論がなされ、附帯決議が付されてございます。 政府としては、こうした御議論も十分に受けとめながら、今後、必要となる法制上の措置を検討する中で、御指摘のような負の側面への対応に万全を尽くしてまいりたいと考えております。
○清水委員 結局、統計していないということですよ。 資料の四枚目をごらんください。これは、韓国の賭博中毒者の年間社会・経済的費用という表を皆さんにお持ちいたしました。 これは、見ていただいたらわかりますように、職場内の生産性低下、失業、犯罪費用、法執行費用、例えば刑務所に入れたり裁判をやったりとか、あるいは依存症になった人の医療費、自殺関連費用、リハビリ費用等々で、一年間にかかった費用が七十八兆ウォン。これは日本円に換算いたしますと七兆七千億円にも上るんです。 あなた方は、成長戦略とか地域振興だとかあるいは財政の改善とか、いい部分ばかり言いますけれども、韓国のように、社会的損失、経済的損失を全く把握していないじゃないですか。韓国では経済効果の五倍の損失が生まれているということであります。 私は、いい部分だけを国民の皆さんに示して、そしてこういうマイナスの部分は全く把握していない、全く無責任だと言わなければなりません。 総理、今後、こうしたマイナスの要因、既存ギャンブルによる犯罪の統計を私は示しました。さらには、失業だとかあるいは離婚だとか多重債務の返済だとか、そういうコストを韓国のようにつかむべきじゃありませんか。これは責任じゃありませんか、総理。いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 先ほども大臣からも答弁があったように、法制上の措置を検討していく上においては、先ほど申し上げましたように、適切な国の監視及び管理のもとで運営される健全なカジノ施設の収益が社会に還元されることを基本とするとされているわけでありますが、この中において検討していくわけでありますし、この審議の中においてさまざまな指摘もございましたし、そしてまた同時に附帯決議もございました。依存症の問題もございます。そうしたこともしっかりと検討しながら法制上の措置を検討していくことになるんだろう、法案を作成していくことになるんだろう、このように思います。 それを、まさに……(清水委員「統計をとるんですか、マイナスの」と呼ぶ)ちょっとここでやりとりするのもなんなんですが、先ほど御指摘になったように、マイナスの点があるじゃないか、それはまさに、ギャンブル依存症等々あるいは犯罪が起こって、そうしたものに対するコストがかかるじゃないか、そういう御指摘があるのは当然だろうと思います。 しかし、そういうものに対してどのような対策をしていくべきかということは当然考えていくことになるんだろう、こう思うわけでありまして、統計についてどのように考えていくかということについては、まさにこの検討をする中で考えていくべきものであろう、このように思います。
○清水委員 いろいろ対策をとるというふうにおっしゃいましたけれども、対策がとれないから現在これだけ依存症患者と言われる人がいて、その周りでたくさんの家族が苦しみ、そしてこのように犯罪がパチンコやギャンブル依存を原因として起こっているわけですよね。 ギャンブル依存症対策という場合、例えば、依存症に陥った人を治療に結びつけたり、相談やカウンセリングに結びつけたり、あるいは回復施設、自助グループ、そういうところに行ってもらうということはあると思いますよ。しかし、その依存症をつくり出している既存ギャンブル、やはりここへの業務規制がないと、幾ら依存症対策をやっても、後から後から依存症になる人が生み出されるわけじゃないですか。 シンガポール、シンガポールとおっしゃいますけれども、シンガポールでは二十五万人もの方々が入場規制を受けています。つまり、それだけ依存症になったということです。事後対策をとることはできても、カジノをつくる以上、カジノ依存になる人が生まれるということは火を見るより明らかです。 総理、これはお答えいただきたいんですけれども、結局、違法としてきた民間賭博、もうずっと民間賭博は禁止ですよ。公設公営、収益は公的な使途に限る、違法性阻却要件に合致するということで公営ギャンブルは認められてきました。今回は、日本で初めて、民間賭博ですよ、これを解禁する。そして、まともな説明も議論もされてこなかった。国民を不幸に陥れるというのは今示したとおりです。日本経済に害悪をもたらす、私はそう思います。 総理、成長戦略のためには幾らか国民が犠牲になっても構わないというお考えですか。そういう思いでIRを推進されるんですか。お答えください。
○安倍内閣総理大臣 そういう考え方はもちろん全くございません。 いわば、先ほども申し上げましたように、ギャンブル依存症については、IRの推進法の審議の過程で対策の重要性が指摘をされて、また附帯決議においても言及されたものと承知をしております。 今、委員から、既に競馬や競輪や競艇等々があるじゃないかという御指摘だろう、こう思いますが、政府としても、ギャンブル等への依存症により不幸な状況に陥る人をできるだけ少なくするための対策をしっかり講じていくことが肝要と認識をしています。そのため、昨年末に関係閣僚会議を立ち上げて、政府一体となってギャンブル等依存症全般についての包括的な対策を強力に推進していくこととしたところでありまして、健全な社会を構築するための取り組みに力を注いでまいりたいと思います。
○清水委員 他人の不幸の上に富を築くなんというのは、私はおぞましい考え方だと思いますよ。倫理が問われるんじゃないですか。そう思いますよ。 もともと、規制するというふうにおっしゃいますけれども、規制できないから刑法で禁じてきたわけです。 成長戦略というんだったら、総理、例えば中小企業支援、商店街振興、最賃の引き上げ、社会保障の充実、さらに現役世代がばりばりと親の介護を心配せずに働くことができるような環境、誰も不幸にならない、国民みんなが明るく幸せになれるような経済成長をやるべきですよ。 ところが、カジノをやれば、できるだけ依存症を減らすとおっしゃいましたが、ゼロにはならないんですよ。人の不幸は必ず生まれるんです。そういう経済成長はいいのかというふうに今問われていると私は思いますよ。 最後に、一問聞きたいと思います。万博についてですね、二〇二五年の万博。 総理は、大阪府の基本構想の検証と立候補に向けた国としての検討を進めるというふうに答えましたが、実はこの計画はカジノ万博ということを御存じでしたか。(安倍内閣総理大臣「知らない」と呼ぶ)知らなかった。 総理が知らなかったというのはびっくりしましたけれども、資料の五枚目を見てください。 実は、夢洲という人工島、これはまだ埋め立てが終わっておりません。今、埋め立て中でございます。ごみの島なんですけれどもね。この夢洲にIRと万博ゾーンをつくるということになっております。これは大阪府の基本構想であります。大阪市も、夢洲まちづくり構想で、万博が二五年ですから、二四年までにIRを持ってきたい、セットでやりたい、こうおっしゃっています。関経連の森会長も、セットでやるしかない、こういうふうに紙上で語っておられます。 それで、この大阪万博のテーマが人類健康・長寿の挑戦となっているんですよね。病気になるかもしれないカジノとセットで、よう言うなと私は思うんですね。 資料の六枚目をごらんください、総理。 「市民は無関心「アホちゃうか」」と書いているんです。そんなお金があるんやったら福祉や暮らしをよくしてほしい。 こういうカジノ万博を推進する立場ですか。知らなかったということであれば、もう一回検討されたらどうですか、総理。基本構想、よく見きわめるべきじゃありませんか。 〔菅原委員長代理退席、委員長着席〕
○世耕国務大臣 大阪府の基本構想では、今委員御指摘のとおり、健康、医療を軸としたテーマを考えております。 また、この夢洲にIRの誘致も大阪市が目指しておられるということは認識していますが、万博と御指摘のカジノの間には直接関係はありません。 また、「市民は無関心「アホちゃうか」」と、東京新聞という大阪で余り読まれていない新聞を挙げておられますけれども、読売新聞の調査によれば、賛成は大阪府民で五九%。安倍内閣の支持率に匹敵する賛成であります。
○清水委員 たった五九%ですよ。フランスのパリは八割以上が賛成していますよ。それだけ無関心だということです。 大阪は食い倒れの町です。カジノ依存症で行き倒れになるようなカジノ万博反対、このことを申し上げて、質問を終わります。
○浜田委員長 これにて清水君の質疑は終了いたしました。 次に、河野正美君。
○河野(正)委員 日本維新の会の河野正美でございます。 私もIR関連でいわゆるギャンブル依存症を後でお聞きしたいと思いますが、まずは、我が党の提案している法案等についてお尋ねを申し上げます。 昨年、原発再稼働の是非が争点となる二つの県知事選挙が行われたかと思います。鹿児島県と新潟県それぞれで、再稼働反対の主張を展開した候補が当選されました。新潟では、東京電力の柏崎刈羽原発の稼働が難しくなり、エネルギー政策全体や東電の経営に与える影響が指摘されているところであります。一方の鹿児島県におきましては、川内原発の再稼働を事実上容認したという形になっております。法や科学ではなく、政治的な力が再稼働の是非を左右しているのではないかと危惧されるところであります。 我が党は、原発については、即時ゼロという立場はとっておりません。エネルギーに関する市場競争と技術革新を促進し、旧来型の原発は自然にフェードアウトさせるべきと考えております。市場原理により原発はフェードアウトするものと考えているところであります。それまでの間、原発を動かすためには、原発再稼働責任法によって国と自治体の役割を明確にし、国民の理解を得ることが必要だと思います。 安全規制については、客観的、科学的な安全基準と、主観的、心理的な安心の問題、この二つをバランスよくとっていく必要があると思います。そのためにも、最低限、原発再稼働については、国の法律でルールを明確化して、即時ゼロでも安全神話でもない、合理的で、しかも民主的な制度をつくっていくべきだというふうに思っております。 以上の観点から質問をさせていただきます。 現在、知事や国に原発再稼働の是非を判断する権限があるのかどうか、経済産業大臣に伺いたいと思います。
○世耕国務大臣 お答えいたします。 原発の再稼働の是非を判断する権限が知事にあるかどうかということでありますけれども、どこにそういった権限が存在するかといいますと、まず、原発の再稼働については、いかなる事情よりも安全性を最優先して、高い独立性を有する原子力規制委員会が科学的、技術的に審査をして、そして、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発のみ、その判断を尊重して、地元の理解を得ながら再稼働を進める、これが政府の一貫した方針であります。ですから、規制委員会の判断に基づいているということになってまいります。 そして、原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めた原発については、これは電力事業者が原発の運転主体として再稼働を行うか否かを判断するということになります。 その上で、エネルギー政策を推進する立場から、経済産業省は、再稼働を進めるべく関係省庁と協力して、地元の御理解を得るように取り組んでいきます。 また、今御指摘の、知事初め自治体の同意は法令上の原発の再稼働の要件ではありませんけれども、一方で、避難計画は地域の実情を熟知している地元の自治体が中心になって策定をいただきます。ただ、その策定と充実強化には国がきめ細やかに関与をしていくという形になっております。
○河野(正)委員 もちろん国の機関がいろいろな審査をするわけでありますが、事実上は事業者が判断をされるということになると思います。 個別の原発再稼働について、自治体も国もそういった権限がないということを十分に国民は理解されていないのではないかと思います。原発再稼働を唯一の争点とする知事選挙がこういったことから行われてしまっているのではないかなという思いがするところでございます。 現に原発再稼働の是非が大きな政治問題になっていることから、やはり国や自治体の権限と責任をはっきりと定めておくべきではないかと思いますが、安倍総理の見解を伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 原発については、いかなる事情よりも安全性を最優先し、高い独立性を有する原子力規制委員会が科学的、技術的に審査をし、そして、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発のみ、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら再稼働を進めるというのが政府の一貫した方針であります。 その上で、万が一事故が起きた場合には、政府として、国民の生命、身体及び財産を守ることは重大な責務であり、原子力災害への迅速な対応、すなわち、事故の拡大防止と早急な事態の収束や、自衛隊、警察、消防、海上保安庁といった実動組織による各種支援を含め、住民避難の支援、物資の円滑な供給、医師の派遣などが円滑に行われるよう、関係法令に基づき、責任を持って対処します。 そして、避難計画は、住民の状況や具体的な避難経路、避難先など、地域の実情を熟知している地元の自治体が中心となって策定するのが適切であります。 しかし、これは地元の自治体任せにするということではありません。原子力規制委員会が作成した原子力災害対策指針に基づき、初期段階から国がきめ細かく関与し、そして、地域原子力防災協議会において議論しながら、関係自治体と一体となって策定をしています。 今後とも、国がしっかり関与しながら、自治体とともに避難計画を継続的に強化していく考えであります。 一方、事業者は、原発の運転主体として、再稼働を行うか否かを判断し、そして炉を安全に運転する責任を有するわけであります。万が一事故が起きた場合、事業者は、迅速な事故収束に当たるなど、その責任を全うしなければならないことは当然であります。 このように、政府や地方公共団体、事業者は、政策を推進する責任や炉を安全に運転する責任など、それぞれが担っている責任を全うすることが求められていると認識をしております。
○河野(正)委員 踏み込んで答弁いただいておりますので、次の問題に行きたいと思います。 最終処分プロセスについても、原発再稼働責任法案では、その手続が停止したら原発の稼働を禁止するといった仕組みを我々は提案しております。 政府は、おととし十二月の関係閣僚会議で最終処分場の科学的有望地を二〇一六年中に公表するとされていましたが、今に至っても公表がされておりません。政府みずからスケジュールを示し、責任ある議論が進むと思われましたが、経済産業大臣自身がスケジュールありきではないというふうにおっしゃっているかと思います。 このように、約束したことが実行されず、ただ先送りが重なっていったというふうに思います。こういったことは、最終処分の議論が進まないということで、反省しなければならないんじゃないかというふうに思っておりますし、このまま同じようなことが繰り返されるようになってもいけないと思っております。 約束した期限までに公表できなかったのはなぜか、いつまでに公表するのか、今後の最終処分場建設に向けた取り組みがさらにおくれるのではないか、きちんと国民に説明をしていただきたいと思います。
○世耕国務大臣 お答えします。 まず、高レベル放射性廃棄物の最終処分の問題というのは、現世代の責任で解決すべき重要な問題だというふうに思っています。 このため、一昨年の五月に、最終処分法に基づく基本方針を改正いたしました。そして、科学的に適性が高いと考えられる地域、科学的有望地と言っていますが、これをお示しして、国民に関心と理解を深めていただくことにしました。その後、専門家の皆さんにお集まりいただいて精力的に検討を進めてまいりました。また、昨年八月から九月にかけてパブリックコメントもとらせていただいたところであります。 そういった中、十月に原子力委員会の方から、パブリックコメントでいろいろな意見も寄せられたことも踏まえて、国民目線に立って、もう一段注意深く慎重に検討すべきだという御指摘をいただきました。それを受けて、十月には放射性廃棄物ワーキンググループを開いて、さらに論点の精査をしてもらいました。 また、パブリックコメントの中には地層処分に関するコメントが多かったものですから、十一月には地層処分技術ワーキンググループというのを立ち上げまして集まってもらいまして、そこで、さらに地層に関して絞った議論もしていただいているということであります。これは専門家の集まりですから、日程だけ決めればいいというものではなくて、専門家がそれぞれいろいろな理論的、数値的準備をしていただきますので、今、次回へ向けての準備を続けていただいているというところであります。 有望地を提示するということは、何十年とかかるいろいろな長い道のりの最初の非常に重要な一歩だというふうに思っています。確かに、お約束した、公言していたスケジュールよりおくれているということは申しわけないという面がありますけれども、スケジュールありきではなくて、丁寧な議論を尽くすことを優先してまいりたいというふうに思っております。
○河野(正)委員 私、以前、環境委員会の理事をさせていただいているときにフィンランドのオンカロも行ってまいりましたし、あと、超党派の先生方と北海道の幌延も行ってまいりました。そういったことから、本当に、最終処分地、科学的有望地が我が国の国内にあるのかどうか、懸念を持っておりますし、早急に考えていかなければならないと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 次の項目に移りたいと思います。 東京都の豊洲市場の問題に関連して伺います。 ことし一月、東京都の豊洲市場の土壌汚染対策をめぐり、都が続けている地下水検査の最終結果で環境基準の最大七十九倍に上るベンゼンなどの有害物質が検出されたということが判明しました。東京都の専門家会議は、地上で生鮮食品を扱っても影響はないとの見解を示されております。 そこで、環境大臣に伺いたいと思いますが、一般的に言って、環境基準の数十倍でも問題ないということは、基準自体にまず何らかの問題があるのではないかということが一点目。そして、市場の地下水について国には基準がないという理解でよいのでしょうか。直接地上で使うのでなければ、市場の地下水は地上で生鮮食品を扱う際には通常は影響なしというのが現在の土壌汚染対策法の考え方という理解でよろしいのかどうか。環境大臣に伺います。
○山本(公)国務大臣 豊洲新市場において東京都が二年間にわたり実施をしてきた地下水モニタリング調査において、環境基準を上回るベンゼンなどが検出されたことは承知をいたしております。 東京都は、濃度が急に上昇した原因が不明であることから、今回の測定値を暫定値として取り扱い、今後、専門家会議の監督のもとで、複数の機関によるクロスチェックを実施しつつ地下水の再調査を行い、原因究明を進める予定と聞いております。 その上で、東京都において土壌汚染対策の安全性の検証等を実施しようとされているところですので、環境省としては、引き続き東京都の対応を注視してまいりたいと思います。 なお、環境基準ということがございました。 環境基準というのは、政府の施策の目標として、人の健康の保護及び生活環境の保全の上で維持されることが望ましい基準を定めたものであり、地下水環境基準については、生涯にわたって毎日地下水を飲用することを前提として基準が設定されています。 地下水の安全性については、地下水環境基準や地下水の利用方法等も踏まえて評価する必要があり、豊洲市場の地下水については、測定値が急に悪化した原因の究明も含め、東京都において科学的な検討が行われているところであるため、その対応を注視していきたいと思っております。
○河野(正)委員 次に、築地市場の安全性について伺いたいと思います。 平成二十八年一月に農林水産省が発表した卸売市場整備基本方針では、コールドチェーンの確立を含め、低温の卸売場や荷さばき場、あるいは温度別冷蔵庫等の低温管理施設等の整備、配置を計画的に推進することを定めております。この観点に立てば、現在の築地市場を使い続けることに問題があるのではないでしょうか。 また、平成二十五年六月の日本再興戦略では、二〇二〇年の農林水産物、食品の輸出額を一兆円にすること、そのためにも国際流通食品のグローバルスタンダードであるHACCPシステムの普及を図ることについて記述がございます。HACCPの基準で考えても、築地には問題があるのではないか。 これらの点について、農林水産大臣の見解を伺いたいと思います。
○山本(有)国務大臣 まず、現在の築地市場でございますが、衛生管理等について問題があるわけではありません。 特に、開設者である東京都が、まず、業務規程や規則で卸売業者、仲卸業者ごとに品質管理の責任者を置くことを義務づけております。そして、温度管理の確認や施設の清潔保持につきまして、掲示等によりまして意識醸成に努めておられます。 こうしたことのソフト面の取り組みを行っておるほかに、卸売市場の一部を空調によりまして低温施設とする取り組みを進めるなどのハード面での品質管理対応等を行っておりまして、現在、一般的な衛生品質管理において問題はないというように考えております。 しかし、委員御指摘のとおり、第十次卸売市場整備基本方針でコールドチェーンの確立を求めておりますし、また、再興戦略二〇一六でも、できるだけ東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けてHACCP導入等を推進するように、これをうたっております。 HACCPは、御存じのとおり国際的基準でございます。FAO、WHOのコーデックス委員会が後押しをしておりまして、この基準に合ったそういう市場をつくることが輸出拠点になるということは間違いがありません。
○河野(正)委員 問題はないということでありましたが、我が党としても、これはしっかりと現場を見て、今後、考えて政策提言していきたいと思っております。 卸売市場の土壌や地下水について、東京都の豊洲に限らず、姫路市や京都市の卸売市場についても問題となっています。 我が党といたしましては、安全面で合理的な市場をつくろうとしても、いろいろな理由で住民の心理的な安心が得られず、かえって安全面で不安のある古い市場が使われていくことを危惧しております。 安倍総理に伺いたいと思いますが、国として、各地の市場における食の安全、食品衛生のあり方について何らかの調査や検討をするべきではないでしょうか。
○山本(有)国務大臣 食の安全確保という面におきましては、卸売市場法に基づいて認可基準、そういったものを定めております。関係法令の適合性を審査することで目的は達することができる、そう現行法でも思っております。 ただ、御指摘のように、農業競争力強化プログラム等で将来についてうたっておりますのは、卸売市場法で抜本的に見直されるべきは、合理的な理由がなくなっている規制を廃止する、あるいは農産物の生産から流通、加工、小売に至る各段階について思い切った改革をして、消費者に渡る鮮度管理等、これをもっと合理的にしたい、そして食の安全の確保、こうした面についても、もっともっと、二重三重に安全性を確立したいというような理想を掲げておりまして、これに向けての考え方でいきますならば、豊洲あるいは築地、こういった今ある市場、さらには将来あるべき市場というものについての検討を深くやっていきたいと希望しておるところでございます。
○河野(正)委員 総理にコメントをいただきたかったところでありますが、次に行きたいと思います。 最後の問題として、先ほど来お話があった依存症対策についてお伺いをいたしたいと思います。 私、精神科医で、長く依存症治療の現場にもおりました。約七百名国会議員がおられますが、現在ただ一人の精神科の専門医であるというふうに思いますので、そういった観点から問題を提起していきたいというふうに思っております。 最初に、政府の考え方をまず確認していきたいと思います。 まず、安倍総理にお伺いいたします。 安倍総理は精神科医療に関しても造詣の深い方であると私は認識いたしておりますが、今、巷間言われておりますいわゆるギャンブル依存症は、医学的には、WHOであるとかアメリカ精神医学会などの分類で病的賭博とか病的ギャンブリングと言われているものが想定されているのではないかなと思います。 ギャンブル依存症について、政府の定義というのがありましたらお示しいただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 いわゆるギャンブル依存症は、ギャンブルを行うことにより生活に支障が生じ、治療を必要とする状態と考えられています。 適切な治療とその後の支援により回復が可能な疾患であり、以前より、治療や相談体制の整備など、対策を講じてきたところであります。IR推進法の審議の過程で改めて対策の重要性が指摘され、附帯決議においても言及されたものと承知をしています。 政府としても、ギャンブル等への依存症により、不幸な状況に陥ることをできるだけ少なくするための対策をしっかり講じていくことは肝要と認識をしています。 このため、昨年末に関係閣僚会議を立ち上げ、政府一丸となって、ギャンブル等依存症全般についての包括的な対策を強力に推進することといたしました。健全な社会を構築するための取り組みに力を注いでまいりたいと思います。
○河野(正)委員 ちょっと先に行きますが、いわゆるギャンブル依存症は、我が国が既に抱えている問題と考えておられるのか、または、IR導入、先ほど来カジノということが出ておりますが、これから生じる問題と考えておられるのか。捉え方を、安倍総理の見解を伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 これは、既に存在するものというふうに考えております。
○河野(正)委員 ありがとうございました。 先ほど清水委員の質問でもありましたけれども、総理は治療が必要なものというふうにおっしゃいましたけれども、ではどういった人を治療対象とするのかというのが一番大事な問題でありまして、やはり、先ほどのお話にあったように、社会生活が困難になっている人、借金の問題であるとか家庭生活が破綻するとか、そういった方が治療が必要な対象ではないかなと私は考えております。 IR推進法案への反対、懸念の声の中で、いわゆるギャンブル依存症をその理由として挙げておられる方がたくさんおられました。 しかしながら、いわゆるギャンブル依存症は、我が国においても、今おっしゃったように既に生じている問題であり、残念ながらこれまで注目されてこなかったし、精神科医療の中でも取り扱う医師というのが極めて少なかったというふうに思っております。依存症といえば薬物依存であるとかアルコールがメーンでありまして、ギャンブルは対策がほとんど進んでこなかったというのが実情だというふうに思います。 したがいまして、IRの開設、実施を待って依存症対策を進めるのではなく、可及的速やかに、できることは政府を挙げてどんどん進めていくべきではないかと考えます。 政府におかれましては、昨年十二月二十六日、ギャンブル等依存症対策推進閣僚会議を開催されました。その後、通常国会にも依存症対策法案を提出の見通しという報道も散見されています。 今後、何を検討して、どのような見通しを持って進めていくのか、会議を主宰されている菅官房長官の見解を伺いたいと思います。
○菅国務大臣 ギャンブル依存症対策については、厚生労働省において、これまで、依存者への専門的な治療や相談支援、さらに家族等への相談支援、こうしたことを行うほかに、支援に当たる人材への研修や、依存症への正しい理解を広めるための普及啓発を行ってきました。 また、IR推進法の成立を契機に、幅広くギャンブル等依存症全般について政府一体となって包括的な対策を推進する必要がある、そういう考えのもとに、十二月二十六日にギャンブル等依存症対策を推進するための関係閣僚会議を開催したところであります。 具体的には、今後、関係省庁が連携しながら検討していくことになりますけれども、例えば、ギャンブル等依存症に関する実態把握や、必要なときに早期に相談や治療を受けられる環境を整備すること、さらに、既に既存の公営競技や遊技においてギャンブル等依存症の問題がある、先ほど議論にありましたけれども、安易な依存を招かないように徹底した対策を構築する必要がある、こういう問題について、法整備も含め、あらゆる選択肢を排除せずに、さまざまなことを視野に入れて、必要な対策を徹底的に行っていきたいというふうに思います。
○河野(正)委員 我が党におきましても、一部報道されておると思いますが、依存症対策基本法案の検討を重ねているところであります。政府が法案を提出するのであれば、ぜひ我が党の提案も反映していただきたいというふうに考えております。 ことし一月二十三日の日本経済新聞に「公営競技、ネットの神風」という記事が掲載をされました。スマホ投票や若年層開拓によって売り上げが伸び、赤字団体が五年で半減したという趣旨の記事であります。 公営競技、ギャンブルも、事業者である以上、売り上げ拡大に全力を挙げていかなければならないというふうに思います。そのためには、新たに市場に入ってくる若者をターゲットにして、投票券を買いやすくするために夜のレースを多くするとかネット中継、スマホの活用などに取り組んでこられ、その結果が出てきて売り上げが伸びたということかなと思います。 こうした取り組みは、依存症対策とは相反し、摩擦が生じてくることになります。今後、IR法案が推進されていけば、公営競技にとっては新たな競合相手となるカジノ等が出てくる可能性があり、さらなる競争の激化も予想し得ることであります。事業者から依存症対策に係る費用を一定程度負担してもらうような仕組みをつくっていく必要があるのかもしれません。 また、現在のように、所管する省庁が、競馬であれば農林水産大臣、競輪やオートレースは経済産業大臣、競艇が国土交通大臣、パチンコ、パチスロは国家公安委員会委員長、totoが文部科学大臣と、各省庁の縦割りが続いております。公営ギャンブルを振興する観点と依存症対策との間で議論が停滞し、対策が一向に進まない可能性も危惧されます。したがいまして、いわゆるギャンブル依存症対策については、各省庁をしっかりと動かせる一元的な体制が不可欠というふうに思います。 これらの点について、菅官房長官の見解を伺いたいと思います。
○菅国務大臣 このギャンブル依存症対策については、IR推進法の附帯決議において、ギャンブル等依存症に総合的に対処するための仕組み、体制を設けるとともに、関係省庁が十分に連携し、包括的な取り組みを構築し、強化することになっております。 それを受けまして、政府としては、こうした附帯決議や国会での御審議を踏まえ、政府一体となった包括的対策を推進するためにギャンブル等依存症対策推進関係閣僚会議を立ち上げました。さらに、内閣官房に、関係省庁の局長や、さらには実務担当者から成るギャンブル等依存症対策推進チームを設置し、実務的な検討も行うことにいたしております。 今後、ギャンブル等依存症に総合的に対処するために必要な対策を徹底的に、そして包括的に行っていきたいというふうに思います。
○河野(正)委員 依存症対策に係る来年度予算を見ますと、厚生労働省において、今年度予算のほぼ五倍、五・三億円が計上されております。治療拠点や相談拠点を拡充することが大きく掲げられております。これ自体は非常に画期的なことと、私、ずっと依存症の治療現場におりました人間としては、個人的には評価したいというふうに思います。 けれども、いわゆるギャンブル依存症は、これまで政府としての取り組みが進んでこなかったために、自助グループや家族会、医療や福祉現場など民間の取り組みがほとんどだったというふうに認識をしております。むしろ、民間の取り組みが抱える財政や人員不足といった課題を公的に支えることで、支援活動の持続性、安定性を担保することが求められているのではないかなと思いますが、塩崎厚生労働大臣の見解を伺いたいと思います。
○塩崎国務大臣 ギャンブル等依存症対策を行うに当たりまして、自助グループ、あるいは回復を図るための共同生活の場を提供している民間団体、地域の精神科病院や福祉施設、さらには医療、保健、福祉のそれぞれの役割に応じた患者支援が重要ではないかというふうに思っております。 このため、今お触れをいただきましたけれども、二十九年度予算におきまして、全国の都道府県・指定都市に依存症の専門医療機関を確保するなど、医療提供体制や相談支援体制の整備に必要な予算として、平成二十八年度予算の一億一千万円の五倍ということで、もともと金額はやや小粒ではありますけれども、これを五・三億円に引き上げたということでございます。 これらに加えて、ギャンブル等依存症の問題に取り組む民間団体の活動費を都道府県等が支援する事業を新たに創設するというふうにしております。 厚労省としては、これらの取り組みを通じて依存症対策を充実強化させてまいりたいというふうに思います。
○河野(正)委員 公的機関で人材育成、研修等も大事でありますけれども、喫緊の課題、既にあるというふうに総理もおっしゃったところでありますので、喫緊の課題といたしましては、やはり今動いている民間の団体等々にもしっかりと予算をつけていっていただきたいなと考えるところであります。 平成二十二年度厚生労働省研究班の調査によれば、精神科病院のうち、ギャンブルの問題を抱える方、家族等から相談を受けたことがあるのは七割ほど、診療や相談対応、関連機関への紹介を行っているのは四割ほどとなっております。 実際の臨床現場においては、ギャンブル依存などの問題を抱えている方は、ほかの精神障害に重複する形でギャンブリングの問題が表面化していることが多いというふうに言われております。そのため、精神障害の治療や社会生活の適応支援等を適切に行うことでギャンブル依存から脱却することができます。 したがって、精神科病院を初め、ギャンブリングの問題に気づく機会の多いところに公的支援を投入することで、早期介入とギャンブリング依存の進行を抑えることが可能となるかと思います。 また、医療機関において、早期診断、早期治療介入するためのスクリーニング手法の開発、評価が重要であります。そして、医療、福祉を初め、問題行動を修正し、生活支援に結びつけていくための地域での連携体制の構築といったことが求められると思いますが、改めて塩崎大臣の見解を伺いたいと思います。
○塩崎国務大臣 ギャンブル等依存症というのは適切な治療や支援によって回復が可能である、こういう病だということでございますので、依存症の方が早期に治療を受けるということが非常に大事であって、そういう環境整備が必要となるわけでございます。 現在、モデル的に、依存症の治療拠点となります病院を五カ所、神奈川県、岐阜県、大阪府、岡山県、佐賀県、この五カ所に指定をいたしまして、そこで得られた診断、治療あるいは支援の手法などに関する知見を一カ所に集めるということで、全国の拠点でございます国立病院機構久里浜医療センター、ここに知見を集めて評価、検討をしておるところでございます。 この評価、検討の結果を踏まえて、平成二十九年度には、先ほども申し上げたとおり、全国の都道府県・指定都市に依存症の専門医療機関を確保する、それと同時に、医療や相談支援の指導者を都道府県ごとに養成して、その指導者がさらにギャンブル等依存症の方の治療などに当たる方を指導するということを通じて、依存症のおそれのある方々などが早期に治療や相談を受けられる体制を整備していかなければならないというふうに考えております。
○河野(正)委員 これまで国全体の取り組みが十分でなかったこともあり、依存症に関する専門人材が十分にいるとは言えません。先ほど拠点をつくるということをおっしゃっていましたけれども、本当に人材がいないというのが大きな問題だと思います。 私自身も、大学病院で研修を受けていたときに、依存症患者さんを診る機会というのはほとんどありませんでした。民間病院に移り、当時はアルコール依存症で強制的な形態で入院している方も多い時代でしたので、多くの患者さんを診て勉強しましたし、極めて悲しい最期を遂げた方というのも本当に多く経験をいたしました。また、依存症ということで、買い物依存という方を診て、買い物依存症で家族生活に大変な影響を及ぼした方の精神鑑定をやったこともございます。 依存症患者さんは金銭トラブルを抱えた方が大変多く、主治医が脅迫されるということも多数あります。薬を買ったり、そういった借金を抱えた方を入院させると、その病院の院長なりがおどかされたり、早くその患者さんを奪還しなければ彼らは商売になりませんので、そういった意味では、極めて大変な怖い思いをしてきたところでもあります。 そういったことから、なかなか人材は育っておりませんので、人材育成というのが極めて大変な問題になってくるんじゃないかなと思います。拠点をつくっていても、そこで教える人もまずいないんじゃないかと思います。 医療や福祉の専門職教育における依存症に関する教育の拡大、充実が欠かせないというふうに考えておりますが、こういった医学教育という観点から、松野文部科学大臣に見解を伺いたいと思います。
○松野国務大臣 医学部教育において依存症の治療、回復支援について学ぶことは極めて重要であると認識をしております。 依存症については、卒業時までに学生が身につけておくべき必須の能力の到達目標を提示した医学教育モデル・コア・カリキュラムの中で、薬物の乱用、依存、離脱の病態と症候を説明できることが設定されています。これに基づき、各国公私立大学医学部において、例えば神経精神医学に関する科目の中で、覚醒剤、アルコール、ギャンブルなどの依存症及びその治療法について教育が実施されていると承知しています。 文部科学省としては、今後、各種の医学部長会議等において周知、要請を行うなどの取り組みを通じて、依存症に関する教育の充実に努めてまいりたいと考えております。
○河野(正)委員 医学部で教える前に、まず教える先生がいないというのが大変な問題だと思いますので、本当にしっかりと考えて対応していただきたいなというふうに思います。 最後の質問に移りますが、依存症というと、世の中では依然として、本人の認識、意識が甘いとか意志が弱い、自己責任だという意見も根強く聞かれるところであります。芸能人やスポーツ選手の薬物使用のメディアの取り上げ方もそうした傾向や論評が見られるのではないか。社会に誤解や偏見を助長しているおそれもあります。 しかし、依存症は誰もがなり得る病気であり、病気である以上は、適切な治療を受ければ改善し得るというのが病気であります。世の中が依存症を抱える人に対して甘えだ、気持ちが弱いなどと追い込むことは、本人の回復を妨げるだけではなく、回復できる人たちを社会生活から排除する方向になり、社会全体としても大きな損失となってまいります。 依存症対策の充実を通じて、社会全体を覆うそうした見方を変えていくことが何よりも大切だと思います。この点について、安倍総理のコメントをいただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 ギャンブル依存症については、適切な治療とその後の支援により回復が可能な疾患であります。しかし、ギャンブルをやめられないのは本人の意思が弱いからだといった偏見が御指摘のようにあるのも事実であります。 このような偏見ゆえに、ギャンブルから脱したいと願う御本人が、正しい知識を得ることなく、自分は弱いんだな、こう思ってしまう、適切な治療の機会を逃してしまうことがあれば問題であります。偏見の除去と正しい知識の普及は、ギャンブル依存症対策の推進に不可欠であると考えています。 現在、依存症に関する正しい理解を広めるための普及啓発を行っておりますが、引き続き、こうした取り組みを進め、ギャンブル依存症に対する社会の意識を変えていきたいと考えています。
○河野(正)委員 IR法案に関連しましていわゆる依存症対策についてお話を伺いましたけれども、やはり、今まで依存症対策というのは本当に置き去りにされていたところがありますので、これを機に我が国の依存症医療、薬物であるとかアルコールも含めて、あるいはギャンブル依存、パチンコ等でも既にいろいろな問題があって、既にある問題と総理もおっしゃっていただきましたけれども、大変に苦しんでいらっしゃる患者さん、御家族がおられるわけですので、そういったことがこれを機に解決することを願っております。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○浜田委員長 これにて河野君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして基本的質疑は終了いたしました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時一分散会