北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 99 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2017/04/24
会議録
○城内委員長 これより会議を開きます。 北朝鮮による拉致問題等に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として預金保険機構理事長三國谷勝範君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として内閣官房内閣審議官永井達也君、内閣官房内閣審議官横田真二君、警察庁長官官房審議官白川靖浩君、警察庁刑事局組織犯罪対策部長中村格君、金融庁総務企画局審議官西田直樹君、消防庁国民保護・防災部長杉本達治君、法務省大臣官房審議官佐々木聖子君、公安調査庁調査第二部長横尾洋一君、外務省大臣官房参事官飯島俊郎君、外務省アジア大洋州局長金杉憲治君、外務省領事局長能化正樹君、文部科学省国際統括官川端和明君、海上保安庁警備救難部長奥島高弘君、防衛省大臣官房審議官土本英樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○城内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○城内委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。斎藤洋明君。
○斎藤(洋)委員 昨日、日比谷では、拉致問題の一刻も早い解決を広く国内外に訴える国民大集会が開かれました。また、北朝鮮をめぐる情勢は極めて緊迫をしているということを、私も含めて全国民が今ひしひしと感じている状況であります。そんな中、貴重な質問の機会をいただきましたことに感謝を申し上げます。 早速、質問に入らせていただきます。 まず第一に、先般、北朝鮮の当局の関係者が、拉致問題に関して、世間の注目が集まっていない、関心がないというような主張をしたという報道があります。これは事実であればとんでもない話でありまして、拉致問題に関する全世界の注目が今集まっている状況であるということを再確認しつつ、必ず解決をするんだという意気込みをぜひ、まず冒頭、お伺いしたいと思います。
○加藤国務大臣 御指摘の報道については承知をしているところでございますけれども、そうした対応一つ一つについては我が国としてはコメントは控えております。 ただ、いずれにしても、拉致問題は安倍内閣の最重要課題である、そして最優先で取り組むべき課題である、この姿勢に全く変わるものはございません。 また、拉致問題は、きのうも総理が申しておりましたけれども、我が国が主体的に解決していくべき問題でありますし、そのためには、日本国民一致団結して全ての拉致被害者の早期帰国への強い意思を示していくということが大変肝要であるというふうに思います。 そういう意味で、今お話ありましたきのうの国民大集会には多くの方がお集まりをいただきまして、御家族を初め国民の皆さんが、拉致に対する強い怒り、そして一刻も早い被害者全員の帰国を切望する声を結集する機会になったというふうに思っております。 私、拉致担当大臣としてもそうした方々の強い思いをしっかりと受けとめて、大事なことは国民が一体となって、もちろん政府も一体となってでありますけれども、対話と圧力、行動対行動の原則のもと、一連の北朝鮮に対する厳しい措置、これをある意味ではてことしながら、全ての拉致被害者の一日も早い帰国につながる具体的な行動を北朝鮮から引き出すべく、最大限の努力をしていきたいと考えております。
○斎藤(洋)委員 ありがとうございます。 ぜひ強い意気込みのもと、必ずことしじゅうに解決をするということで、我々もしっかり取り組んでまいりたいと思っております。 少し具体的な話としまして、朝鮮総連が日本の特定のマスメディアに対しまして、マレーシアにおける北朝鮮の関係者の殺害事件に北朝鮮当局の関与を認めるような報道は差し控えるような要請をしたという報道が一部であります。これが事実であるとすれば、朝鮮総連は依然として強い北朝鮮の影響下にあるものとして取り扱っていかなければいけないと感じておりますが、この件に関しまして政府の見解をお伺いしたいと思います。
○金杉政府参考人 お答えいたします。 朝鮮総連につきましてはさまざまな評価、判断というのがあろうかと思いますけれども、全体として見ますれば、朝鮮総連は北朝鮮当局や北朝鮮を支援する在日朝鮮人などと密接な関係を有する団体であるというふうに認識しております。 朝鮮総連の動向につきましては、引き続き、関係省庁間で連携し、重大な関心を持って注視していきたいというふうに考えております。 以上でございます。
○斎藤(洋)委員 ありがとうございます。 この朝鮮総連でありますとかいわゆる朝鮮学校に対する補助の問題につきましては、さまざまな課題があると考えております。ぜひ政府からこの問題にしっかり取り組んでいただきたいと思っております。 きょうは、ぜひ早期全面解決ということを目指すに当たって、少し具体的な交渉の姿勢について何点かお伺いをしたいと思って参りました。 まず第一に、二国間交渉というものが今表面上停滞をしておるかのように見えるということは否めないと思います。そこで、改めて問題提起をしたいんですが、私、前回もこの拉致問題特別委員会で質問させていただいたんですが、この拉致問題を解決するためには、第三国、日本でもない北朝鮮でもない第三国を関与させなければなかなか解決は難しいのではないかということを考えていますが、この点に関しまして政府の見解をお伺いしたいと思います。
○金杉政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘のとおり、拉致問題の早期解決のためには、日本の努力は大前提といたしまして、国際社会の協力も不可欠でございます。このような観点から、これまでも政府としては、あらゆる機会を捉えて各国に対し拉致問題を提起し、協力を要請してきております。 具体的には、先般のG7の外相会合の際にも、岸田外務大臣から各国の外相に対して拉致問題の早期解決に向けた理解と協力を呼びかけて、賛同を得ております。また、先般の安倍総理とペンス・アメリカ副大統領との会談でも、拉致問題の解決に向けた連携を確認したところでございます。 今後とも、このような第三国との連携というのを進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○斎藤(洋)委員 ありがとうございます。 今おっしゃっていただいたことは引き続きぜひお取り組みをいただきたいと思っておりますが、特に、私は、中国、ロシアはこの問題に関しては、北朝鮮と周辺諸国との関係に極めて強い利害関係を有するという意味では、ある意味、第三国たり得ない部分があると思っております。また、アメリカもこの件に関しましては、第三国というよりは当事国としてかかわっていると感じております。 その点で申し上げれば、地理的にも、あるいは国際情勢からいいましても少し距離のある、例えば、私、前回の質問でも申し上げたんですが、北欧の国であったりですとか、そういったある程度距離のある、それでいて北朝鮮と独自のパイプを有する国の関与を求めることが適当ではないかというふうに感じておりますが、政府の御見解をお伺いしたいと思います。
○金杉政府参考人 お答えいたします。 あらゆる機会を捉えてという観点から、もちろん東アジアの各国も排除をしておりませんけれども、委員御指摘のとおり、人権、人道に高い関心を有する欧州諸国、こういった諸国については積極的に巻き込んでいきたいというふうに思っております。 具体的には、例えばでございますけれども、スウェーデンを含むEU及びスイスとともに、北朝鮮に対して拉致問題を含む全ての人権侵害を終わらせるための措置を要求する北朝鮮人権状況決議を人権理事会に提案し、この決議は本年三月に無投票で採択されております。 このような努力につきましては、引き続き、国際社会と緊密に連携しながら、北朝鮮に対して拉致問題の解決に向けた具体的な行動をとるよう強く求めてまいりたいと思っております。 以上でございます。
○斎藤(洋)委員 ありがとうございます。 今具体的に挙げていただきましたEUのスウェーデンでありますとかあるいはスイスといった国に、私は強く関与をしていただきたいと思っています。特に、今お話ありましたように、人道問題の解決のためにコミットするんだと。安全保障であったりですとか、東アジアの、国際平和ももちろん重要なんですけれども、人道問題として取り組んでいただけるような国が適当であろうと、私個人としては考えております。 もう少し具体的な話としましては、この日朝交渉に関しましては、今までもこれからも、やはり幾つかの制約があります。その制約を、第三国とのかかわりの中で、問題解決に向けていかにクリアしていくかということが重要であろうと思っております。 具体的には、拉致被害者の早期全面帰国ということはもちろん最優先でありますし、あたかもこの交渉が北朝鮮を免罪するかのような交渉には、やはり今までのいきさつからしましても、拉致被害者の方々のお気持ちからしても当然できないと思っております。免罪ということはできないということが一つ。 それから、あえてこの言葉を使いますが、今まで、見返りということにつきましてはどちらかというとタブーであったと考えておりますが、いわゆる見返りという表現が適当かどうかは別にして、北朝鮮に対してどのようなインセンティブを付与することができるのかというのも極めて微妙な問題であると思っております。 かつ、もう一つ、これも最重要の問題として、拉致被害者を全員帰すと言っておきながら、実はまだ相当数、国内にとめ置いていたというようなことがあってはならないものであります。 ですので、こういった諸課題をクリアするような交渉を第三国も巻き込みながらやっていかなければいけないということを感じております。 その観点から、私から改めて政府のお考えをお伺いしたいのは、北朝鮮は拉致被害者全員を、全員です、全員を、一旦第三国に対して身柄を引き渡さなくてはならない。それに対して我が国は、見返りという表現がいいかどうかは別にして、何らか日朝交渉の材料となるものを第三国に寄託する。現物そのものを運ぶかどうかは別にして、例えば所有権を移転する。この第三国に一旦移送されました拉致被害者全員と、我が国が寄託をしたものを交渉の中で入れかえる形で帰国を図るべきではないかというのが私の今の考えなんですが、これにつきまして、ぜひお考えをいただきたいと思います。
○薗浦副大臣 お答えいたします。 政府としては、拉致問題の全面解決に向けて、拉致被害者としての認定の有無にかかわらず、全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国、また拉致に関する真相究明並びに拉致実行犯の引き渡しのために全力を尽くしてまいります。 一方で、さまざまな御提案を今もいただいておりますし、今申し上げたような目標を実現するためにいろいろな検討をしています。あらゆる角度で検討しておりますけれども、今何を検討しているかというのは、ここでつまびらかにすることはちょっと差し控えたいと思います。 一点、その上で申し上げれば、今の段階では、北朝鮮が拉致被害者の帰国に向けた具体的な進展というものを示しておりません。また、核・ミサイル開発に邁進しているということでございますので、現時点においては北朝鮮に対する経済支援というものを行う考えはありません。
○斎藤(洋)委員 ありがとうございます。 これは私個人の見解を述べるにとどめたいと思いますが。拉致問題は解決をしなければいけない、これは言うまでもなく至上命題であります。一方で、経済支援と海外にとられる、あるいは我が国の国民から見て経済援助をするかのようにとられるような交渉は一切できない、これも全くそのとおりだと思います。 私が第三国、第三国と言っておりますのは、例えば、第三国そして国際機関をかませることによって、我が国は人道問題の解決に取り組んでいただいた国際機関への物品の供与を行うのであって、それは、その後、その国際機関が当該人道問題の解決のためにその物品をどのように使用したかは、我が国としては関与をしない。 あるいは、北朝鮮から見た場合と言うことが適当なのかどうかわかりませんが、北朝鮮の側から見た場合に、拉致問題というものについて、今正面から認めないというのであれば、国際機関の人道問題の取り組みに対して協力はしたけれども北朝鮮として拉致問題について正面から何か態度を表明するものではないというようなことが、向こうから見たときに言えるのではないかということを私は考えて、今申し上げました。 これにつきましては、御見解はいただきません。ありがとうございます。 さらに、具体的な交渉材料ということにつきまして一言申し上げたいんですけれども、現金あるいは換金性の極めて高いものというのは、供与はすべきではないと私も考えます。なぜかと申しますと、核、ミサイルの開発という国際平和に対する重大な脅威が今現実のものとなっている状況下において、核、ミサイルの開発に直ちに転用されるようなものを供与する、あるいは、第三国経由であれ、結果的に提供されるということはあってはならないということを考えております。 といたしますと、あるいは人道問題の解決というアプローチだということからも親和的だと考えますのは、米の供与ではないかということを考えております。 この米というのは、換金性、換金というのはもちろん時間をかければできるんでしょうが、それは容易ではないという点と、それから、もう一つ、米ということを申し上げたいのは、一回こっきりのバーターだと、私は、必ず北朝鮮は拉致被害者全員を帰すということをしないと考えております。つまり、国際的な人道問題が全面的に解決されるのであれば、それに対して、国際機関によって、結果として、例えば向こう十年間米の供与ということはあり得る、ただし、一部をとめ置いて、一部の拉致被害者を帰すようなアプローチをした場合にはこの提供は受けられない。一年、もしごまかせたとしても、二年目以降は供与は受けられないということによって、拉致被害者全員救出ということに向けた力としていただきたいと思っておるんですが、これにつきまして、ぜひ一言コメントいただきたいと思います。
○金杉政府参考人 お答えいたします。 現時点で北朝鮮に対する経済支援を行う考えはないというのは、今、薗浦副大臣からも御答弁申し上げたとおりでございます。 その上で、委員から、米という御発言がございました。北朝鮮に対する経済支援については、委員御指摘のとおり、核・ミサイル開発などに転用されないことを確保する手段、あるいは、現在あります関連する安保理決議との整合性といったようなことも慎重に考えながら検討する必要があるかと思います。米という点については、念頭に置いておきたいと思います。 以上でございます。
○斎藤(洋)委員 ありがとうございます。 本日、質問を行うに当たりまして、さる拉致被害者の関係者の方と意見交換させていただきました。その中で、何か見返りを与えるかのような印象を与えるかのような発言をすれば、当然批判もあるし、あるいは被害者の関係者の方々にとって意に沿わないかもしれない、その点についてはお考えはいかがでしょうかと伺ったところ、その方個人の見解としまして、拉致問題が解決するのであれば、拉致被害者が早期に全部帰ってくるというのであれば、たとえ世間が批判したとしても我々はそれを受け入れられるのではないかというコメントをいただきましたことを御紹介申し上げたいと思います。 以上、申し上げたようなことは、非常に機微にかかわる内容であるということは理解をしております。また、北朝鮮の当局の目から見ても、果たして、そういった交渉が行われたとして、実際そういう成り行きに進んでいくのであろうかという疑念を抱かせる可能性はあると考えております。 そこで、私からぜひ御提案を申し上げたいのは、一般的な交渉であれば事務レベルから交渉を積み上げていくのでありましょうけれども、事の内容がこういうことでありますので、たとえ一回や二回、結果として空振りに終わってしまうとしても、批判を恐れずに、政治家、それもかなり、彼らの目から見ても政府高官と言える立場の方を派遣していただきまして、こういった交渉を、もちろん秘密でも結構ですしオープンでも結構です、交渉を行っていただきたいと考えておりますが、お考えをお伺いしたいと思います。
○薗浦副大臣 今政府高官というお話がございましたけれども、今後、私どもは不断のさまざまな検討をした上で、さまざまな解決、拉致、核、ミサイル、この諸懸案の解決に向けて何が最も効果的かというものを考えながら、委員の御提案も踏まえて対応を考えていきたいと思います。
○斎藤(洋)委員 ぜひよろしくお願いします。 結果として、一度や二度、直ちに交渉が妥結しなかったとしても、それは国民は理解していただけると私は思いますので、ぜひそういった取り組みをお願いしたいと思っております。 最後に一点お伺いしたいのが、今申し上げたのは交渉による解決、どちらかといえばソフトランディングということになるかと思うんですが、北朝鮮をめぐる情勢が緊迫している中で、北朝鮮国内で混乱が起きて、例えば拉致被害者の方々が結果として三十八度線を何らかの手段により越えることができたとして、韓国国内にて日本国に対して保護を求めてくるケースがあると考えております。 そういった場合に、今現状では日本政府としてはどういった取り組みができるのかをお伺いしたいと思います。
○土本政府参考人 お答え申し上げます。 先般の平和安全法制におきまして、領域国の同意に基づく武力の行使を伴わない警察的な活動といたしまして、新たに自衛隊による在外邦人等の救出や警護などの保護措置というものが実施できるようになりました。これは一歩前進だと我々の方は考えております。 他方、自衛隊による救出活動には、国際法と我が国憲法の制約があるため、これ以上の自衛隊の活用には限界があることは事実でございますが、今後とも、政府全体として、拉致被害者の方々の救出のために何ができるかにつきまして不断の検討を継続してまいりたいと考えておるところでございます。
○斎藤(洋)委員 ありがとうございます。 質疑時間が終了しましたが、最後に、何でこの件を質問したかと申しますと、北朝鮮、朝鮮半島をめぐって、どんな状況になるかわからないのが現状であります。そんな中で、拉致被害者の方々がせっかく身の安全を確保されたと思ったら、韓国国内にも各界各層に当然北朝鮮シンパは浸透しておるという前提で身柄の保護を図らなければいけないと考えておりますので、この質問をさせていただきました。 拉致被害者の早期全面、全員の救出に向けて、全力で政府に取り組んでいただきますことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○城内委員長 次に、上田勇君。
○上田委員 公明党の上田勇でございます。 政府認定の拉致被害者の最初の事件が発生をして、四十年の歳月が流れました。平成十四年に五名の被害者の方そしてその御家族の帰国がかないましたけれども、その後は、まことに残念ながら、目に見える形での成果というのは全くないのが現状であります。被害者そして御家族や関係者の皆様方の悲しみ、憤りを思うに、本当に心が痛むばかりでございます。 一刻も早いこの拉致問題の解決に向けまして、政府としても全力で取り組んでいただきたいし、また、私たち国会に身を置く者としても、その政府の取り組みを全面的にバックアップしていかなければならないという決意を持っているところでございます。 きょうは何点か質問させていただきますが、最初に、先般拉致議連から提出をいたしました提言について御見解を伺いたいというふうに思います。 これは議連の提言ではあるんですけれども、超党派の議連でございますし、また各党が出席しての会議で、総理また大臣の方にも提出したものでございますので、質問させていただきます。 この提言は、拉致被害者の御家族など関係者の御意見も踏まえて、超党派の議連でよく検討して取りまとめたものであります。 北朝鮮によります核実験、弾道ミサイルの発射といったたび重なる挑発行為は国連決議に違反する、これはもう明らかでありますし、また到底許容できるものではありません。我が国が国連等で議論をリードし、国際社会が一致して厳しい姿勢で臨むのは当然のことだというふうに考えております。 他方、こうして情勢が緊迫をしてきますと、拉致問題の優先度が、これはどうしても低く扱われてしまうのではないかという懸念があるのも事実でありますし、そうしたことが絶対あってはならないというふうに受けとめております。 お示しをいたしました提言の中には、北朝鮮への技術、資金の流出を防止する目的の措置が数多く含まれております。例えば北朝鮮を渡航先とした再入国禁止の対象者について、核兵器やミサイル開発に寄与し得る技術者の範囲、これをかなり拡大するということであります。また、第二には、いわゆる朝銀信組を経由した朝鮮総連関係の不正な資金の流れの解明、第三には、朝鮮総連の保有資産の差し押さえや債権回収の徹底などの措置でございます。 これらの措置は、法務省や金融庁など、さまざまな行政機関が協力をして対応していかなければできないものであります。大臣が中心となりまして、内閣のこうした各機関が一体となって、措置の有効性、実現性も含めて検討して、それを実行できるように取り組んでいただきたいというふうに思っております。 こうしたことを踏まえて、政府として提言の実行を要請したいというふうに考えておりますけれども、大臣の御見解を伺いたいというふうに思います。
○加藤国務大臣 御指摘の超党派の拉致議連の皆さんによる提言に関しては、家族会の方々の大変切迫した思いを共有する中で、委員を含む皆さん方が、全ての拉致被害者の早期帰国実現に向けた具体的な方策、十項目にわたって御提言をいただいたところでございます。 二十日に開催いたしました政府・与野党拉致連絡会において安倍総理に手交していただきまして、政府としてもしっかりと受けとめさせていただいているところでございます。 また、その政府・与野党拉致連絡会において安倍総理の発言もございましたが、このような与野党一致団結した取り組みを行うことは北朝鮮に対する強いメッセージとなり、拉致問題の全面解決に向けた大きな力になるというふうに考えております。 これまでも申し上げておりますが、拉致問題は安倍内閣の最重要課題であり、最優先で取り組むべき課題であります。政府としても、今回拉致議連からいただいた提言も踏まえながら、政府一体となって、関係省庁連携して、全ての拉致被害者の一日も早い帰国の実現に向けて、そして、そのために何が効果的か、何をやるべきかという観点から、しっかりと検討してまいりたいと思います。
○上田委員 ぜひよろしくお願いしたいというふうに思います。 次に、先ほどの質問にも出ていたんですけれども、北朝鮮高官が、拉致問題には誰も関心がないというようなとんでもない発言をする一方で、人道問題として、残留日本人問題に取り組む用意があるというような発言もされているというふうに報道されています。 この人道問題というのは、それ以外にも、これまでいろいろ扱われてきたものとして、日本人の遺骨や墓地、墓参の問題、いわゆる日本人配偶者といった人道問題があります。いずれも重要な問題ではあるというふうには理解をしています。しかし、最も重要な拉致問題が後回しになるようなことがあっては絶対になりません。拉致問題を含まない交渉には絶対に応ずるべきではないというふうに考えますけれども、御見解を伺いたいというふうに思います。
○金杉政府参考人 お答えいたします。 政府としましては、北朝鮮側が報道機関に対して述べた発言の一つ一つに振り回されることなく、日本の立場に基づき、毅然とした対応をすべきだというふうに考えております。 また、今、加藤大臣から御発言がありましたとおり、拉致問題は最重要課題、最優先で取り組むという観点から、一日も早い全ての拉致被害者の帰国を実現すべく、全力を尽くしてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○上田委員 次に、経済制裁の実効性を高めていくため、中国への働きかけ、これが重要だというふうに考えております。 中国が北朝鮮と最も経済関係が深いのはもう周知のとおりであります。これまで、国連決議等はあったものの、その辺の対応が随分曖昧な面もあったんじゃないかというふうに思いますが、やはり責任ある対応をとってもらうことは重要であります。 二月には、北朝鮮からの石炭の輸入を本年末まで停止するということが発表されました。これは前向きな動きだというふうには受けとめております。しかし、海外メディアの報道などによると、四月にも、羅先から中国向けに石炭が輸出されたというようなことも報じられておりますし、いかに、どれだけ実効性が確保されているのかということが極めて重要だというふうに考えております。 アメリカも、中国に対しては、中国の責任を強く求めているところであります。 我が国としても、アメリカももちろんのことでありますけれども、国際社会としっかりと協力をして、中国に対して、経済制裁の実効性を高めること、またさらに強化するよう働きかけていくべきだというふうに考えますけれども、外務省、御見解を伺いたいと思います。
○金杉政府参考人 お答えいたします。 北朝鮮問題への対処に当たりましては、国連の安保理の常任理事国であり、かつ六者会合の議長国、加えて北朝鮮との貿易の九割を占める中国の役割は極めて重要だということは委員御指摘のとおりでございます。 そうした観点から、二月の日中外相会談を初め、さまざまなレベルで中国に対して責任ある建設的な役割というのを求めてきております。 累次の日米間の会談あるいは先般のG7の外相会談におきましても、北朝鮮問題への対処に当たり、中国の役割が重要であるということを指摘しております。 石炭につきましても、委員御指摘のような報道がございます。 こうしたことも踏まえて、政府としては、引き続き中国による北朝鮮問題への対応というのを注視してまいりますし、中国側には継続的に呼びかけていきたいというふうに考えております。 以上でございます。
○上田委員 ありがとうございます。 もう時間も来ておりますので、これで終わらせていただきますけれども、何としても、ことしじゅう、そして早期にこの問題を前進させていくために、あらゆる方策をとりながら進めていかなければならないというふうに考えておりますので、政府としても、先ほど最優先で取り組んでいくというお話もございました、ぜひその姿勢を堅持していただき、また私たちも、議会にできることというのは限界もある面もありますけれども、しっかりと政府の対応をサポートしていきたいというふうに思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。 以上で終わります。
○城内委員長 次に、松原仁君。
○松原委員 一つ、最初は、前回質問もいたしましたが、国連決議の二二七〇、二三二一においてスクリーニングということが議論になったわけであります。 このスクリーニングに関して、既に諸外国ではそのことを実行している国があるわけでございまして、例えばルーマニアのブカレスト工科大学では、国連決議二二七〇の採択後、四名の学生全員をバイオ技術工学部の農業食料分野に異動させた、それまでは電子通信技術学部に在籍したものを変えたということであります。また、イタリアにおいても、北朝鮮から現に来ている学生及び将来来る学生の専攻を数学に変更させた、こういうことであります。 日本において、このスクリーニングはどのように現在行っているのか、行われているのか、やってきたのか。実績を含めて、これは、川端国際統括官、お伺いしたいと思います。
○川端政府参考人 お答え申し上げます。 大学や研究機関において、国家の安全保障の観点から、重要な技術の流出等が生じることは決してあってはならないことであるということから、文科省では従前から、外為法に基づく厳格な輸出管理の観点や安保理決議を踏まえて、所管の大学、研究機関に対して累次の通知による周知を図っております。 特に、機微技術の研究開発に従事する教職員を外国から採用する際には、経産省がおつくりになっています安全保障貿易に係る管理ガイダンスにおいて、これまでの所属、それから研究内容などをチェックして、採用後の研究開発が海外における大量破壊兵器の開発などに決して転用されることがないよう確認することが推奨されておりまして、本ガイダンスについて、委員の御指摘を受けた以降も、全国の説明会等で引き続き周知しております。 また、外務省からの安保理決議の厳格な実施に係る協力要請を受けまして、本年二月、現職の教職員についても、外為法に基づく輸出管理体制の強化に向けた取り組みの徹底を依頼しているところでございます。
○松原委員 川端統括官、川端統括官に言うまでもなく、今のはそれは当然のことなんですが、実際どういうふうな具体的な成果があったか。今、ルーマニアの事例、イタリアの事例がありました。そういった実績がどうなっているかを簡潔にお答えいただきたい。
○川端政府参考人 お答え申し上げます。 我が国においても、教職員の採用については、研究教育業績に鑑みて各機関の責任と判断で行われているものでございますけれども、関係機関から所要の情報提供が行われ、その結果、例えば国家の安全保障の観点から考慮が必要であるというような場合においては、各機関において必要な対応がとられるべきものというふうに考えてございます。
○松原委員 川端審議官、要は、日本でスクリーニングをやって実際どういうふうな異動があったとか、そういうことを聞いているので、中身のことはもうわかっているんですよ。今の答弁を二回聞いて、具体的な数字とか事例を挙げないということは、スクリーニングをやって全く大丈夫だったという話になってしまう。 私は、これが今の現実の実態だと。ルーマニアやイタリアはやっているけれども、一番拉致問題に対して熱心である日本において、文部科学省、もうちょっと頑張ってもらわなきゃいけないというふうに思います。 時間がないので、先に進んでまいります。 次に、朝鮮大学校というのがあるわけでありますが、朝鮮大学校の理工学部。これは国連安保理決議の二二七〇にしても、言っている内容というのは、こういった原子力もしくは核、ミサイルに関連する技術というのは非常に広範でありまして、多くのものがそこに含まれているわけであります。その多くのもの、科学技術、宇宙工学、航空工学、生産技術、さらに、もうこれは山のようにいろいろな材料がありまして、応用コンピューターシミュレーション及び関連するコンピューター科学、地理空間ナビゲーション、原子力工学、それから関連する教育または訓練を含むと。ここまで二二七〇号の十七には書いてあるわけですよ。 これを考えると、朝鮮大学校で北朝鮮籍の人を含めて勉強しているとすれば、これは明らかにこれに抵触するわけであります。朝鮮大学校の理科系の存在自体が、国連決議の二二七〇号に抵触をすると言わざるを得ないわけであります。 朝鮮大学校のホームページにもこういうことが書いてあるわけでありまして、朝鮮大学の公式ホームページですね、「在学期間に学生は祖国での短期研修を行うことになっており、これは共和国の学術文化の成果を摂取し民族的自負心を高める、またとない機会」と。これは公式ホームページに書いてある。 私が言いたいことは、これは別の日本の報道機関では、三カ月ぐらいそういった基礎研修で朝鮮、平壌といいますか、北朝鮮を、朝鮮大学校のメンバーは全員ではありませんけれども訪問していると。こういった極めて深いきずなが北朝鮮の御当局とある朝鮮大学校、この朝鮮大学校の少なくとも理工科系に関しては、私は国連決議に抵触をしていると思っております。 これに関して文部科学省はどうお考えか、御答弁をいただきたい。
○川端政府参考人 お答え申し上げます。 委員も御案内のとおり、朝鮮大学校といいますのは各種学校でございまして、都道府県知事が所轄庁でございます。こういった個別の各種学校の認可の妥当性につきましては、国が示す規定を踏まえつつ、各都道府県が具体的に設定した認可基準に基づいてやられていますので、所轄庁である都道府県において適切に判断されていくべきものというふうに理解してございます。
○松原委員 そうであれば、文部科学省として、こういった国連の決議があることも含め、担当である東京都、小池知事はこういった議論に関しては極めて熱心にする可能性があります、文部科学省の方からこのことについて東京都と協議をするぐらいのことはしてもいいと思いますが、その意思はありますか。
○川端政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたように、東京都が認可する各種学校でございますので、東京都において必要な監督が行われているというふうに理解してございます。
○松原委員 川端審議官をこれ以上追及しても、なかなかその後の答弁が出てこない感じでありますし、時間もありませんから、ここはここで寸どめにしておきますが、これはとんでもない話ですよ、とんでもない話。文部科学省は、このことは、国連決議もあるし、我々日本は拉致問題があるわけですから、きちっとこういったところを深掘りしてもらいたいということを強く要請しておきたいと思います。 次に、ちょっと時間がないので飛ばしていきますが、朝鮮総連中央本部ビルの議論であります。 朝鮮総連中央本部ビルの動産を、まあ、不動産は結果的に競売になったということであります。ここでちょっとひねって質問したいわけでありますが、朝鮮総連というのは法人格を持っていないわけであります。朝鮮総連は法人格を持っていないけれども、厳然としてその組織的な実体は存在をしているということは認識しているわけであります。朝鮮総連の実体は何かというときに、私は、朝鮮総連の関係団体、関係組織、こういったところが朝鮮総連の実体をなしているというふうに認識をいたしております。 何が言いたいかといえば、朝鮮総連会館の競売というものは何によってなされたかといえば、いわゆるこの朝鮮総連の朝鮮中央会館管理会がそこを所有している、しかし、その朝鮮中央会館管理会は朝鮮総連と一体であるという認識の中で、朝銀の一兆四千億円の一部を、まあ六百億、これを取り立てる中の一つとして朝鮮総連会館を競売に付したということであります。 つまり、それは最高裁判所、裁判所の認定があったにしても、そこは朝鮮総連という法人格なき実体の実体部分は、この会館、総連会館を運営している管理会社であったり、例えば朝鮮総連関係の人たちの生命保険をやっている会社もあるわけであります。そういう会社がその実体であるという認識のもとに朝鮮総連会館の競売をなされたと私は思っております。 私は、もしそういう考えに立つならば、いわゆる不動産等の差し押さえが不十分であり全然目標額まで達していないという中において、きょうは預金保険機構から誰か来ていると思いますが、この総連の実体をなす下部組織の不動産、下部組織の持つ金融資産、こういったものの差し押さえを裁判を起こしてするべきだと思いますが、所見をお伺いしたい。
○三國谷参考人 お答え申し上げます。 朝鮮総連中央本部は、権利能力なき社団とされているものでございます。 それぞれの組織、いろいろなことがございますが、私ども、一概に一般論を申し上げることは困難でありますが、預金保険機構と整理回収機構は、これまでも丹念に各般の情報を収集し、名義にかかわらず、実質的に朝鮮総連中央本部の資産であると認められる資産があれば、必要な法的手段を積み重ねて朝鮮総連中央本部に対する債権の最大限の回収に努めてきたところでございます。 今御指摘がありました朝鮮総連中央本部ビルにつきましては、平成二十四年に競売を申し立て、平成二十六年にはその配当金等から二十七億円を回収したところでございます。 私どもは、今後とも、丹念に事実を積み重ねながら、必要な法的な手段を駆使しまして、債権の最大限の回収に努めてまいりたいと考えております。
○松原委員 私が言っているのは、総連会館はその下部組織が所有しているが、実体のなき、法人格のない朝鮮総連の実体がそこにあるという一つの認定の中で総連会館の競売というものが行われた。これについても私はいろいろと言いたいことは山のようにあるけれども、きょうは議論は時間がありませんからいたしません。 私が言っているのは、朝鮮総連という法人格なきこの怪しげな組織、我々にとってはよくわからないという、その実体をなすのは、今言った管理会であったり、そこにあるさまざまないわゆる朝鮮総連傘下の団体であるというふうに当然みなすことができるわけであります。やる気があるかないかの議論だと思っている。私は、そういったものに関して、当然これは訴訟を起こし、彼らの持っている動産、不動産、預金、差し押さえをする努力をする。裁判所に行ってそれが認められるか認められないかは司法の判断ですが、債権を回収する側としてはそれぐらいのことをやらなければ、日本人の血税が一兆四千億使われているわけであります。本気で取り返しに行っているのかということになる。 会館に関してはそれをやったではないか、なぜそれを、他のさまざまな総連傘下の団体の動産、不動産、金融資産に対してやらないのか。やると今言ってくださいよ。答弁をお願いします。
○三國谷参考人 お答え申し上げます。 私どもは、これまでさまざまな手段を駆使しながら、朝鮮総連中央本部に対します債権の最大限の回収に努めてきたところでございます。 ただいま朝鮮総連中央本部ビルの話を申し上げましたけれども、それ以外のことでございますけれども、一般的には、私ども、個別の案件につきましては答弁を差し控えているところでございますが、民事訴訟等を起こした案件ということでお答えしますと、例えば、朝鮮総連中央本部が有します財団法人名義の東京都内の不動産の共有持ち分権について、そういう共有持ち分権に対します賃料分配請求権を差し押さえる、あるいは、その共有持ち分の買い取りの対価を回収するなどの措置を講じてきているところでございます。 こういったことによりまして、私ども、現段階では合計で五十九億円を回収しているところでございます。 引き続き、私どもといたしましては、最大限の努力を積み重ねてまいりたいと思っております。
○松原委員 個別の案件は個別の案件だとおっしゃるのであれば、少なくとも総連の関係団体、総連は法人格がないんですから、その関係団体が実体であるという思いの中で、総連の関係団体に対し、動産、不動産、金融資産、差し押さえのための努力をする、裁判は勝てるかどうかはやってみなきゃわからない、しかし、それをやるぐらいの努力、それは、日本の国民の税金を守るという点からも、拉致問題解決のために日本が厳しいということを示すためにも、私はぜひともお願いをしたいと思っております。 時間が極めて限られてまいりましたので、幾つかの質問をしてまいります。 警察庁もきょうは来てもらっているわけでありますが、警察庁は、暴対法を含め、民間事業者に対してどのような暴力団排除の手法を行っているか、御答弁をお願いします。
○中村政府参考人 お答えをいたします。 暴力団を社会から排除することは、治安対策上、極めて重要であると認識をしております。 そもそも、民間事業者から、暴力団排除に関しましては、建設業法を初めとしまして、各種業法によって事業主体から暴力団を排除しておりますけれども、そのほかに、都道府県の暴力団排除条例に基づき、あるいは、企業が反社会的勢力の被害を防止するための指針を踏まえた企業等の自主的な判断によりまして、幅広い分野におきまして、各種民間取引からの暴力団排除が推進されておりまして、警察といたしましても、積極的に必要な協力を行っているところでございます。
○松原委員 言ってみれば、例えば、暴力団関係者に対して、約款の中で、預金通帳をつくらせないとかそういうことが行われている、こういったことであります。 時間も来まして、最後に三大臣にお伺いしたいわけでありますが、今の、文科省は大臣はここにおられませんが、文科省の朝鮮大学の件にしても、国連安保理決議の履行にしても、なかなか省庁は及び腰である。いわゆる預金保険機構に関してもさまざまな議論がある。 私は今、最後に、暴力団に関する約款の話をいたしましたが、この意味において、我々は、それぐらい強烈な、いわゆる北朝鮮の総連関係に対しては新法をつくっていくという決意がなければならないと思っております。家族会や救う会においても、そういった新法の要請は昨年来既に行われているわけであります。 私は、特に加藤大臣を中心として、外務大臣、また、ここにはいわゆる国家公安委員長もおられますが、こういった政治のリーダーシップをとる皆さんがこの点について、いわゆるその官庁の職員の皆さんが思い切って働けるような環境をぜひとも今つくっていただきたいと思います。 それぞれに御答弁いただきたいと思います。
○加藤国務大臣 今委員、幾つかの点についてお話がありましたけれども、総じて私どもの立場は、今委員からもお話がありました全ての拉致被害者の一日も早い帰国につながる具体的な行動をどう北朝鮮から引き出していけるのか、そして帰国をどう具体的に実現していくのか、この点にかかるわけでありまして、そういった意味において、どういった政策が効果的か、そうした観点に立って、あらゆる政策というものを我々は不断に検討して、そして必要なものを実施していくということが必要だろうというふうに思っております。 御指摘の点については、それぞれいろいろな議論があるんだろうと思いますけれども、私どもとしては、今申し上げた立場で対応させていただきたいと考えております。
○岸田国務大臣 先ほど委員が御議論されましたスクリーニングの議論、文科省から答弁がありましたが、あの議論につきましても、文科省の対応に加えて、我が国独自の措置として、再入国の禁止等さまざまな措置を行っています。 その合わせわざとして、御指摘がありました決議二二七〇ですとか二三二一、こうした決議の要請している中身をできるだけ担保するような形になっているかとは思いますが、ただ、こうした個々の措置はもちろんですが、全体として結果として全ての拉致被害者の方々の帰国に向けて、より効果的なものは何なのか、こういったことは不断に検討しなければなりませんし、そのための政治の役割は大変重たいものがあります。私の立場からも引き続きしっかり検討を続けていきたい、このように考えます。
○松本国務大臣 拉致問題は、安倍内閣の最重要課題でありまして、最優先で取り組んでいくべきだと認識をしております。政府としてのあり方につきましては、加藤大臣から御答弁ございましたが、全く同じ認識でございます。 なお、警察といたしましては、公共の安全と秩序を維持するという責務を果たす観点から、朝鮮総連の動向について重大な関心を払って情報収集を行い、違法行為を認知した場合には、法と証拠に基づき、厳正に対処してまいりたいと思います。 今後とも、引き続きこのような活動を実施していくよう、警察を指導してまいります。
○松原委員 岸田大臣がおっしゃった点で、国連のこの決議というのは、北朝鮮国民と書いてあるんですね。北朝鮮籍を持っていない人間であっても、韓国籍に移った人間でも、日本国籍になった人間でも、同じように情報を北に持っていく人間がたくさんいるわけです。だからこそ、新法でもって全体を覆わない限り実効性はないということを最後に申し上げて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○城内委員長 次に、鷲尾英一郎君。
○鷲尾委員 民進党の鷲尾でございます。 時間もありませんので、早速質問に入りたいというふうに思いますけれども。 あしたが朝鮮人民軍の創建日だということでありまして、随分緊張感が高まっておりまして、国民の皆さんもそれを肌で感じていることと思います。 とりわけアメリカのペンス副大統領も、平和は力により達成されることを知っているという発言もありましたし、あるいは、電話会談で、軍事力行使も含むあらゆる選択肢を北朝鮮にとり得るんだということをおっしゃっておられ、それに対して、安倍総理もそれを評価されたということでございます。 そういう中で、当然、拉致被害者及び特定失踪者等の救出にも我が国政府としてはあらゆる選択肢をとり得るんだろう、こう思うわけでありますけれども、きょう少し議論に入りたいのは、北朝鮮の有事になった場合にどのような選択肢を我々はとり得るのか、そしてどのようなことを想定しているのかということをお聞かせいただきたいわけであります。 まずは、有事の際どれほどの覚悟かというところをお聞かせいただきたいと思います。あらゆる選択肢をとり得るということを安倍総理も高く評価しているわけですから、我々も有事の際に拉致被害者及び特定失踪者等を救出するためにどれほどの覚悟なのかということをお答えいただきたいと思います。
○岸田国務大臣 まず、有事の際に拉致被害者そして特定失踪者の方々の安全を確保する、そして帰国を果たす、これは国の責任であります。国の責任としてあらゆる事態を想定して、しっかり対応を考えておかなければなりません。その際に、米国の役割は大変大きいものがあると思います。 拉致被害者の方々の情報については全て米国にしっかりと伝えておるところでありますし、その際の対応については具体的に米国の対応を依頼している、こういった状況にありますし、また、北朝鮮には大使館を設けている国が二十四カ国一地域が存在いたします。こういった国々との連携も重要であります。 こうした国々との連携をしっかり確保しながら、国としての責任をしっかり果たさなければならない、強い覚悟を持って臨まなければならないと考えます。
○鷲尾委員 そこなんですけれども、あらゆる選択肢をとる覚悟を持っていただきたいなと思うんですね。相当困難な状況だと思います。平時でも今膠着しているわけですから、有事であればなおのこと、我々は困難な状況を覚悟しなければいけないというふうに思うわけであります。 救出に当たっていろいろな選択肢をとり得る、いろいろな状況を想定していく、それが一つの責任のとり方であり、覚悟の持ち方だというふうに思うわけですけれども、実際に救出するということに対してどういう事態を想定されていくのか、もう少し具体的に教えていただきたいと思います。
○岸田国務大臣 まず、米国が今、北朝鮮政策の見直しを行っています。そして、その米国が北朝鮮政策の見直しに当たってあらゆる選択肢をテーブルにのせている、こうした方針で見直しを行っているということは、抑止力という観点からこれは我が国は評価しなければならないと思います。 そうしたことを申し上げているわけですが、あらゆる選択肢がテーブルにのっているということであるならば、我が国もそうした米国の対応に応じて対応を考えていかなければならないわけですが、具体的に米国が何をしたらこうするか、これは、当然のことながら、こういった公の場で申し上げるわけにはいきませんが、だからこそ政策のすり合わせが大事だということで、政策のすり合わせをトランプ政権発足から今日までさまざまな形で行ってきております。 きょうの午前中も日米電話会談を行ったわけですが、外相レベルにおいても、二カ月の間に四回、直接顔を合わせて日米の外相会談を行っていますし、二回電話会談を行っています。 首脳はもちろんですが、あらゆるレベルにわたって政策のすり合わせに丹念に取り組んでいるというのは、そういった理由であります。 ぜひ、米国としっかり政策をすり合わせた上にあって、北朝鮮の動向をしっかりと注視していきたい、このように思います。
○鷲尾委員 我が国として、拉致被害者、特定失踪者等を救出するためにしっかりと政策のすり合わせは行っているもの、今の答弁を聞きながらそう思わせていただきましたので、ぜひそこはしっかり取り組んでいただきたいというふうに思います。 我が国としてできることとして、先ほど斎藤委員からも若干指摘がありましたけれども、北朝鮮から難民として、日本、あるいは、それこそ三十八度線を越えて韓国、他国の方にやってくるということがあるでしょう。大量難民が発生した中に、もう少し具体的に言うと、拉致被害者や特定失踪者等が入ってくるということは当然あるわけでありまして、その大量難民が、当然ですけれども、日本に来るということも想定しなければならないというふうに思います。これは我が国がしっかりと想定してやらなければいけないことの一つですけれども。 実際、大量難民が生じた場合ということの想定を行っているのかどうか。それは、恐らくは船で上陸をしてくるんだろうなというふうに思いますけれども、そういった場合にどういう事態を想定しているのかということも含めて御答弁いただきたいと思います。
○永井政府参考人 お答えいたします。 政府といたしましては、海を渡って我が国に大量の避難民が流入してくる場合を想定し、関係省庁が連携して対応の方策を検討してきているところであります。また、その対応方策につきましては、情勢の変化に応じ、随時見直しを実施いたしております。 我が国に避難民が流入した場合の基本的な手順といたしましては、第一に、避難民の身柄の確保、応急物資の支給、身体検査の実施、第二に、入管、税関、検疫といった上陸手続、第三に、収容施設の設置及び運営、そして、我が国が庇護すべき者に当たるかどうかについてスクリーニング、審査を行うといった対応をとることを想定いたしております。 今後とも、事態に応じて関係機関が連携して的確な対応ができるよう、引き続き検討してまいりたいと考えております。
○鷲尾委員 想定をしていただいているということで、それはそれですばらしいことだなというふうに思いますけれども、実際、避難民であるということを認識するに当たっては、恐らく、船舶で来る場合は、洋上で海上保安庁が立入検査をするというのが、まずそういう形になると思います。これは相当海保の皆さんも緊張を強いられる業務だというふうに思っているんですが。 そこで、きょうは海保さんにも来ていただいておりますので、そういった訓練、想定等を行っているかどうか、具体的にお答えをいただきたいと思います。
○奥島政府参考人 お答えをいたします。 海上保安庁では、さまざまな事態、これに対応できますよう平素から各種訓練を実施いたしますとともに、関係省庁と連携し、情報収集に努めるなど、状況に応じ必要な体制を確保いたしております。
○鷲尾委員 もうちょっと膨らませて御答弁いただけたらありがたかったんですが。せっかく、海保さん頑張っているねと申し上げたかったわけですけれども、しっかり対処しているということなんでしょうというふうに受けとめさせていただきました。 時間もありませんので、次に移りたいというふうに思います。 そもそも大量難民が生じる際というのは、これはもう、日本が場合によってはミサイル攻撃を受ける等、そういった事態も想定し得る環境に置かれる可能性があるということであります。 私も今回質問するに当たって調べさせていただいたんですけれども、国民保護法という枠組みで、武力攻撃事態や緊急対処事態については国民が保護されている、そういう枠組みが動くことになっているそうでございます。これが、私も今回レクチャーを受けて初めて知ったんですけれども、国民保護法のパンフレットで、「武力攻撃やテロなどから身を守るために」という内閣官房のパンフレットがあるんですけれども、私、初めて見たんです。 これはもうちょっと国民に周知徹底しなきゃいけないというふうに思いますし、その過程で国と地方自治体との関係性、連携というのはしっかりできているのかと私は思った次第でありまして、この点につき御答弁いただきたいと思います。
○横田政府参考人 お答え申し上げます。 今御指摘いただきましたパンフレットのほかに、政府としては、これまで、内閣官房のホームページの中に国民保護ポータルサイトというサイトを置いておりまして、武力攻撃やテロなどに際してどのように行動するべきか等について、国民の皆様への周知を図っているところでございます。 また、昨年の十月には、我が国に弾道ミサイルが飛来するおそれがある場合のJアラートによる情報伝達の流れや注意点について、その国民保護ポータルサイトに掲載したところでございます。 政府といたしましては、国民保護ポータルサイトへの国民の皆様のアクセス数が今急増しているという状況にございますので、それも踏まえまして、より一層国民の皆様の理解が進むよう、当該ホームページの内容を充実いたしましたり、一層の広報の実施に取り組むこととしております。 こうした中、国民の皆様の関心が特に高いのは、かつ、問い合わせが多く寄せられておりますのは、弾道ミサイル落下時の行動についてでございますので、それについて取りまとめまして、四月二十一日、先週金曜日でございますが、そのポータルサイトに掲載をいたしたところでございます。 あわせまして、金曜日、同日に、地方公共団体に対してその旨を通知いたしまして、住民の方々への広報について協力を要請し、また、都道府県の担当者向けの説明会も開催をいたしまして、これを報道機関に対しても公開するということにしたところでございます。これによりまして、テレビ、新聞等でも取り上げていただいたところでございます。 今後とも、国民の皆様の理解がより一層進みますよう、当該ホームページの内容の充実や広報の実施に取り組むとともに、地方公共団体から住民への広報がより一層進みますよう、引き続き地方公共団体に協力を要請するなど、国民の皆様への周知についてさらに取り組んでまいりたいと考えております。
○鷲尾委員 ぜひ、またしっかり熱心に取り組んでいただきたい。 こういう環境ですから、国民の関心が高まっているという状況だと思うんですけれども、やはり政府からしっかりと、これをポータルサイトに載っけていますというだけでは周知と本当に言えているのか。そこはもうちょっと考えていただかなきゃいけないし、国民保護計画については、国が都道府県、都道府県から市町村、市町村までしっかりと計画を立てることになっているというふうに聞いていますけれども、その状況について一言触れてください。
○杉本政府参考人 お答えを申し上げます。 平成二十八年四月一日現在で、都道府県の国民保護計画につきましては、四十七団体全てで策定を終えているところでございます。一方、市町村の国民保護計画につきましては、千七百四十一団体中、現在のところ四団体がまだ未策定という状況でございまして、現在も都道府県を通じながら、策定を急ぐようにということで助言を行っているところでございます。(鷲尾委員「四団体を具体的に」と呼ぶ) 具体的に申し上げますと、新潟県の加茂市、沖縄県の読谷村、伊平屋村、与那国町でございます。
○鷲尾委員 国民に周知していて、自治体が国民保護計画をつくっていないところがあるわけですよ。これは十年前にできた法律でしょう。それはどうでしょうかね。国民に周知する前に自治体がつくっていないんですから、これはおかしいですよ。しっかり原因を把握して、政府一丸となって取り組んでください。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○城内委員長 次に、笠井亮君。
○笠井委員 日本共産党の笠井亮です。 北朝鮮が進めている核・ミサイル開発は、国際平和と安全に深刻な脅威を及ぼす行為であり、国連安保理決議、六カ国協議の共同声明、日朝平壌宣言に違反する暴挙でありまして、断じて許されない。同時に、トランプ米政権は、全ての選択肢がテーブルの上にあるということで、北朝鮮への軍事力行使に踏み切る可能性を公言していることは、私は極めて危険な動きだと思います。これに対して、北朝鮮がさらなる挑発行為で応じれば、軍事対軍事のエスカレーションが起こって、最悪の事態になりかねない。 岸田大臣に伺いますが、やはり今何よりも必要なことは、国際社会が一致結束をして、経済制裁を厳格に実施して圧力を強めることと一体に、外交交渉を通じて北朝鮮に非核化を迫って、核・ミサイル開発の手を縛って、その放棄に向かわせるという対応を行うことではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○岸田国務大臣 まず、北朝鮮による核・ミサイル開発、これは新たな段階の脅威であると認識をしております。こうした核実験あるいはたび重なる弾道ミサイルの発射、これは我が国を含む地域、国際社会に対する明らかな挑戦であり、断じて容認はできません。 そして、外交によって平和を守っていく、これが基本であるということは言うまでもありません。そして、平和的な方法によって朝鮮半島の非核化を実現するためには対話が必要であると認識をします。 ただ、対話のための対話では意味がないということも事実ですし、北朝鮮が真剣に対話に応じるよう、まずは圧力をかけていくことが重要であるということで、今、国際社会が協力し合っているところであります。累次の安保理決議の履行、そして、我が国独自の措置、こうしたものもしっかりと徹底していかなければならない、このように考えております。
○笠井委員 岸田大臣は、外交を通じて平和を守る姿勢が基本だというふうに今も言われました。 しかし、トランプ米政権は、先日、来日したペンス副大統領が、平和は力によってのみ初めて達成されると述べたように、北朝鮮への軍事的対応も辞さない立場を繰り返し表明をしております。 こうした米国の先制攻撃を含む軍事的選択肢を容認、支持するということは、大臣の言われる、外交を通じて平和を守る姿勢とは全く矛盾するんじゃないかと思うんですけれども、その点、いかがでしょうか。
○岸田国務大臣 まず、御指摘のペンス副大統領の発言につきましては、今、米国が北朝鮮政策を見直している、そして、その際に、あらゆる選択肢がテーブルの上にある、こうした方針をあらわした言葉であると認識をしています。 先ほども申し上げましたが、こうした米国の考え方、あらゆる選択肢がテーブルの上にあるということは、事態に対する抑止力を強化するという意味においては意味があり、そして評価している、これが我が国の立場であります。 そして、その際に、日米の政策のすり合わせが重要であるということ、これは言うまでもありません。今、日米間でしっかり政策のすり合わせを行っている、これが我が国の対応であります。 米国においても、こうしたあらゆるオプションがテーブルにあるという方針を示している一方で、北朝鮮から建設的な対話を引き出すためにあらゆる努力も続けなければいけない、こうした方針も示されています。 基本的に、我が国の対話と圧力という方針と整合的であると考えています。
○笠井委員 大臣は、あらゆる選択肢が俎上にある、テーブルの上にあると言われましたけれども、日本政府が評価しているのは、結局は、米国の外交的選択肢ではなくて抑止力と今言われました。 つまり、先制攻撃を含む米国の軍事的選択肢に期待をしているということじゃないですか。
○岸田国務大臣 我が国が申し上げているのは、米国の今の政策の見直し、そして、あらゆる選択肢がテーブルの上にある、こうした方針について、抑止力の観点から評価すると申し上げているところであります。 米国の具体的な行動について、予断を持って何か申し上げるのは適切ではない、このように考えます。
○笠井委員 報道によりますと、今月上旬に行われた日米高官協議で、米国務省の高官が、中国の対応によっては北朝鮮への軍事攻撃に踏み切る可能性に言及したということであります。 この日米高官協議で、米国務省の高官は、中国が北朝鮮への圧力を強化するか、米国がストライク、攻撃するかの二つに一つの選択肢しかないと明言したということでありますけれども、この報道は事実でしょうか。
○岸田国務大臣 日米の間においてはさまざまなやりとりが行われています。報道で報じられている一つ一つについて何かコメントするのは控えさせていただきたいと思います。 いずれにしましても、さまざまなやりとりを通じて政策のすり合わせは今後とも続けていきたい、このように思います。
○笠井委員 コメントしないと言われましたが、四月五日の日に、外務省の金杉アジア大洋州局長が、アメリカの国務省のジョセフ・ユン北朝鮮政策担当特別代表と電話協議を行っているんじゃありませんか。やったかどうか。
○岸田国務大臣 御指摘になられた具体的な電話のやりとりについては一々今手元で確認できませんが、局長クラスにおいても六者会合の代表レベルにおいても、さまざまな形でやりとりを行い意思疎通を行っている、これは当然のことであると考えます。
○笠井委員 四月五日の日にそういう電話会談があったかどうかは事実かどうかです。
○岸田国務大臣 今確認しましたら、五日の日に電話会談をやったというのは事実であります。
○笠井委員 その日の夜には、谷内国家安全保障局長とマクマスター大統領補佐官との間でも電話協議が行われております。 この四月五日といえば、トランプ米大統領と中国の習近平国家主席との首脳会談を直前に控えていた日だと思うんです。この日の電話協議で北朝鮮に関する中国政府の対応についても意見が交わされたことは容易に想像できるわけですが、しかし、外務省の報道発表を見ますと、金杉局長とユン特別代表は北朝鮮に対して断固たる姿勢を示していくことで一致したということぐらいしか明らかにされておりません。 そこで、大臣、この日の電話協議では具体的にどのようなやりとりが行われたのか、米側からは、中国への対応、北朝鮮に対する行動についてどのような考えが具体的に示されたんでしょうか。
○岸田国務大臣 御指摘の電話会談においては日米韓の連携が重要であるということを確認させていただきました。それ以上の詳細については、外交上のやりとりですので、明らかにすることは控えます。
○笠井委員 それ以上はコメントしないと言われましたが、日米高官協議に関する報道が事実なら、極めて重大な問題が含まれております。 それは、一つは、トランプ政権は全ての選択肢がテーブルの上にあると言いながら、実際は、中国が北朝鮮への圧力を強化するか米国が攻撃するかの二つに一つの選択肢しかないというふうに言ったことであり、また、二つ目に、相手の米国務省の高官がユン特別代表なら、彼は六カ国協議の首席代表であります、その立場にある人が軍事攻撃しかないと述べたということは、米国が六カ国協議を事実上放棄したに等しいということになっている。 実際、ペンス副大統領は、十八日に行った記者会見で、過去二十年、対話の失敗を見てきた、六カ国協議などの対話路線は北朝鮮の挑発行為をとめられなかった、失敗したというふうに述べているわけですが、このペンス副大統領の認識というのは、岸田大臣も同じ認識でしょうか。
○岸田国務大臣 米国が北朝鮮政策を見直しているということ、我が国は承知しておりますし、その御指摘の発言につきましては、そうした趣旨をあらわした発言であると考えています。 同じ認識かということでありますが、我が国としましては、対話と圧力、行動対行動の原則のもとに、核、ミサイル、拉致、諸懸案を包括的に解決するために、引き続き最善の道を絶えず検討していきたい、従来の方針をしっかり守りながら努力を続けていきたいと思います。 その上で、具体的な対応については、さまざまな状況を勘案し、最適なものを具体的に選択していきたいと思います。
○笠井委員 ペンス副大統領が六カ国協議などの対話路線は失敗したというふうに記者会見で言われた。岸田大臣も同じ認識かと私は伺ったんです。
○岸田国務大臣 御指摘の発言については、今現在、北朝鮮の核実験、そして核開発、あるいはミサイル開発をとめることはできていない、こういった事実を指摘したものであると認識をいたします。 今現在の北朝鮮の状況、核実験を続け、そしてたび重なる弾道ミサイルの発射を行っています。こうした事態は決して容認することはできない、我が国はそのように考えています。
○笠井委員 では、大臣は、六カ国協議というやり方、路線について、これについての評価は今どうなんでしょうか。失敗したなのか、それとも、これは重要だというのか。
○岸田国務大臣 六者会合につきましては、あす二十五日も日米韓の六者会合代表協議を東京で開催することを予定しています。 六者会合の枠組み自体は有効な枠組みであるとは認識いたしますが、対話のための対話では意味がありません。北朝鮮から非核化に向けて建設的な対応が示されることが重要であると認識をしています。
○笠井委員 最後に伺いますけれども、米国の軍事的選択肢を容認、支持するということになりますと、拉致問題の解決にとってもマイナスでしかないと思うんです。岸田大臣は、北朝鮮による拉致被害者の再調査などを盛り込んだ二〇一四年五月のストックホルム合意の履行を引き続き求めていくというふうに言われておりますけれども、米国の軍事力行使というのはその方向をも断ってしまうんじゃないかと思うんですが、その関係についてはいかがでしょうか。
○岸田国務大臣 拉致被害者の方々の全員の帰国を果たすということ、これは国の責任として果たさなければならない目標であると思います。ぜひそれは、この目標を果たしていかなければならないと考えます。 そして、拉致被害者の方々の全員の帰国を実現するためには、どうしても対話という要素をなくして実現することはできません。そのことから、我が国からストックホルム合意を破棄するということは考えておりません。ストックホルム合意の履行を引き続き求めながら、拉致被害者の方々の全員帰国を実現するべく努力を続けていきたい、このように考えます。 米国の対応についても、米国との政策のすり合わせをしっかりと行いながら、諸懸案の包括的な解決に向けて努力を続けていきたいと存じます。 何が最も適切なのか、具体的な検討を不断に続けていきたいと考えます。
○笠井委員 米国の軍事力の行使というのは、今大臣が強調されたような、ストックホルム合意の履行を求めていく上でも、その方向を断ってしまうということになるということははっきりと認識をいただきたいと思います。 今、日本政府に強く求められているのは、米国の軍事的選択肢を容認、支持する姿勢を改めて、外交交渉で北朝鮮の核・ミサイル開発を放棄させるようにトランプ政権に強く働きかけることだと思います。そして、中国を含む国際社会による制裁の厳格な実施強化を通じて、北朝鮮の手を縛って、その放棄を迫る、そうした自主的外交戦略を持つことだと思います。 そのことを強く指摘して、私、きょうの質問を終わります。
○城内委員長 次に、松浪健太君。
○松浪委員 日本維新の会の松浪健太であります。 加藤大臣、昨日は、国民大集会、お疲れさまでございました。また、岸田大臣には、先週から委員会で顔を合わせるのは三度目となるかと思いますが、お疲れさまでございます。 先ほどからこの拉致特の議論を聞いていて、やはり小粒な話が多いなという思いをいたします。私自身、昨日の国民集会で申し上げましたように、昔のよど号の山村議員ではありませんけれども、我々政治家はこの身にかえても拉致の被害者の皆さんを救出したいという思いであります。 そんな思いで、私も金正恩委員長が就任してから二度北朝鮮を訪朝させていただきました。かの国に渡っては率直に話をしなければならないという思いで、私はいつも憲法九条の話をいたします。憲法九条、こんな、軍隊も規定をしていない国はおかしいんだという話も、私はそうした考えの持ち主だということも率直にお話をして、北朝鮮の幹部とも懇談をいたしました。 そうした中で、現場を、いろいろな町にも寄せていただきました。我々に対しては、思ったよりも、本当に行動規制というものもありません。今は、いろいろな町を歩き、そして、向こうの幹部と話をするときも、ビデオカメラを持っていても、日本なら、普通は、もうこれはやめてくれ、頭撮りだというふうになるんですけれども、北朝鮮では、別にビデオカメラをとめろという話も、どんな幹部としても、言われたことはありません。 そうした中で、いろいろな常識、非常識の違いがあろうかと思います。 先ほどから聞いている議論では、朝鮮総連に圧力をかけろとか、こういうことも被害者家族の方がおっしゃるのはわかりますけれども、既に経済面では日朝の関係は断たれて久しい。中国から余ってくるというか回ってくる物資がある程度だというのが我々の実感でありますし、北朝鮮もデノミを行っておりますので、もはや我々も、かの国では北朝鮮元などというものよりも、中国元を使った方が物がスムーズだというのも、実際の実感であります。 こうした中で、経済は、やはり先般の、羅津からロシアとの交流を強化していくという話もありました。また、中国の話もあります。もはや我が国は、我が国で制裁もこれだけやり切っていただいておりますので、もはや効果的な制裁の余地は私はなかろうと思います。まあ、北朝鮮というバケツに、日本という閉じた蛇口からちょろちょろ出ている水をどうしようかというよりも、中国やロシアという土管から水が流れることをどうするかと。それが我が国の経済にたとえマイナスであってもやるかどうかということの方が私は問題なのではないかなと思います。 そこで、時間も余りありませんので。 外務省の現場の皆さんとお話ししても、日本からの朝鮮学校の皆さんもこうやって北朝鮮にお越しになっていますね、どういう対応ですかと。先般もマラソンでも、平壌マラソンがあって日本の方も参加をされている中で、北朝鮮に渡航している日本人の実態、及び在日の方、それから、向こうへ行けば白人の方も結構普通に旅行していたりするんですね。 ですから、こうした外国人がどういうふうに入っているかという実態についてどのように把握しているのか、まず伺います。
○能化政府参考人 北朝鮮に渡航している日本人の実態の部分についてお答えさせていただきます。 我が国は対北朝鮮措置の一環といたしまして、我が国から北朝鮮への渡航の自粛を要請してきております。しかしながら、政府による要請にもかかわらず、北朝鮮に渡航する邦人が存在することも事実であります。 ただし、それを直接確認する手段がないことから、確定的な情報は有するに至っておりません。
○松浪委員 何もこういう寝ぼけた話を聞きたいわけではありません。向こうに渡っている方を公式、非公式、さまざまな形でやはりチェックをすることも大事だと思います。 一方で、朝鮮労働党においては、朝日友好協会という、私も前々回伺ったときには、小泉総理が金正日さんとお話をなさったときにその場にいらっしゃった姜錫柱さんという方が、国際部長として党の側近になっていらっしゃった、この方が我々の窓口でありました。そして、今回は、前外務大臣だったリ・スヨン氏が今国際部長になっている。 こうした皆さんが日本の窓口というのをつくっているわけでありますけれども、政府において、この朝日友好協会について、朝鮮労働党におけるこの協会についての認識というのは今どのようになっていますか。
○金杉政府参考人 お答えいたします。 委員御指摘のとおり、北朝鮮にはさまざまな各国との友好協会がございます。そのうちの一つが朝日友好協会ということでございまして、その顧問を務めているのがリ・スヨン、前の外務大臣、現在は党の国際部長兼国務副委員長兼最高人民会議外交委員長だということは私ども承知しております。ただ、この協会がどういう活動をしているのかについては、必ずしも把握できていないところでございます。 以上でございます。
○松浪委員 リ・スヨン顧問の話がありましたけれども、その構成自体は認識をしているということでよろしいですか、その下の。
○金杉政府参考人 お答えいたします。 この協会の活動それから構成員についても、私どもとしては承知しておりません。
○松浪委員 名前は挙げませんけれども、この朝日友好協会、朝鮮労働党の外交部の副部長が今会長をされていて、そして長年、アジア太平洋の関係、向こうは一部門が日本のように局が分かれていませんので、外交部はアメリカまで広くありますけれども、その方が今事務局長をされているというのが現状でありまして、この程度のこともやはり外務省としてしっかりと把握をしておくべきだろうと私は思います。特に、この事務局の方は、拉致問題のときに日本との折衝、それこそあなた方の先輩であります田中さんとか斎木さんとのカウンターパートであった方がこうしたことをやっているわけですから、僕は、こうしたことは逐一しっかりと認識をすべきだと思います。 外務省の北朝鮮についての情報体制というのはどうなっているのか。情報収集体制をちょっと伺いたいと思いますけれども、端的に。
○岸田国務大臣 外務省の北朝鮮問題における情報収集体制ですが、アジア大洋州局が中心となって、在外公館等を通じて、北朝鮮に公館を有する関係国、二十四カ国プラス一地域ですが、こうした国などとも緊密に連携しながら情報収集、分析に努めている、こうした体制をとっております。
○松浪委員 外務省、これは不思議なのは、私、一回目に行ったときは議員の皆さん四、五人お連れして、前回はアントニオ猪木さんと二人で行きました。前の姜錫柱さんがお亡くなりになったので、その後の国際部長にリ・スヨンさんがなられたわけですけれども、我々が会談をしたというようなこと、報道にもあるんですけれども。一回目は外務省を呼んでいろいろ情報提供いたしましたけれども、二回目に伺った後は、各国の大使館は情報収集に来るんですけれども、外務省は我々のところに話も聞きに来ない。こういう情報収集体制とは、岸田外務大臣、いかがなものなんですかね。
○岸田国務大臣 御指摘の点について、具体的なこと、済みません、私は把握しておりませんでしたのでコメントは控えますが、あらゆる事態において敏感に情報収集に向けて努力するということは大切なことであります。 さまざまな情報収集のルートを大事にしていかなければならない、これは御指摘のとおりかと考えます。
○松浪委員 北朝鮮にいる皆さんも、すさまじい、激烈な政治闘争というか、まさに我々と違って命がかかった政治をしている政治家たちが向こうにもいるわけで、そうした人間と本当に腹の底から話をして、やるということも、私は政治家の大事な仕事であろうと思います。 外務省の皆さんとおつき合いをして、先ほど申し上げましたように、向こうの事情を全く知らない皆さんもいる。そして、情報収集についても、先ほどの朝日友好協会の構成とか、こういうものは我々に聞いてもわかるわけですし、これはこれから拉致問題を解決していく上では本当に大事な窓口にもなろうかと思いますので、こうしたことを、政府には、口だけではなくて、本当に真剣に細やかにやっていただきますよう重々お願い申し上げまして、質問を終わります。
○城内委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五分散会