法務委員会 第12号
- 発言数
- 406 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2017/04/21
会議録
○鈴木委員長 これより会議を開きます。(発言する者あり) 内閣提出、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。(発言する者あり) この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。(発言する者あり) 本案審査のため、来る二十五日火曜日、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。(発言する者あり) 〔賛成者起立〕
○鈴木委員長 起立多数。よって、そのように決しました。(発言する者あり) 次に、政府参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。(発言する者あり) まず、本案審査中、政府参考人として法務省刑事局長林眞琴君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。(発言する者あり) 〔賛成者起立〕
○鈴木委員長 起立多数。よって、そのように決しました。(発言する者あり) 次に、本案審査のため、本日、政府参考人として警察庁長官官房審議官高木勇人君、警察庁長官官房審議官白川靖浩君及び外務省大臣官房審議官水嶋光一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。(発言する者あり) —————————————
○鈴木委員長 次に、お諮りいたします。 本日、最高裁判所事務総局刑事局長平木正洋君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○鈴木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安藤裕君。(発言する者あり)
○安藤委員 自由民主党の安藤裕でございます。 ただいま議題となりました組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案につき、質疑をさせていただきます。(発言する者あり)
○鈴木委員長 御静粛に願います。 安藤君、続けてください。
○安藤委員 はい。 私たち国会議員は、国民の安心、安全を守るための法案をしっかりと審議する必要があると思っております。私たちは、この法案をしっかりと審議し、そして……(発言する者あり)
○鈴木委員長 御静粛に願います。
○安藤委員 野党の皆様方ともしっかりと議論を交わしながら、国民の皆様方に安心がいただける、納得がいただけるような形でこの法案についての成立をお願いしていく、それが私たち政権与党の立場であると思っております。 その立場に基づきまして、質問させていただきます。 まず第一に、国連の立法ガイド、パラグラフ五十一によれば、TOC条約締結にはテロ等準備罪の新設は不要であるという指摘があります。このことについて、今、外務省の見解をお伺いしたいと思います。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘の立法ガイドの記載でございますが、重大な犯罪の合意または組織的な犯罪集団の活動への参加の少なくとも一方を犯罪とすることを明確に義務づけている国際組織犯罪防止条約第五条1(a)の規定を前提としたものです。 すなわち、この記載は、重大な犯罪の合意罪に関連する法的概念を有していない国が参加罪を選択した場合には重大な犯罪の合意罪を導入する必要はない、また、参加罪に関連する法的概念を有していない国が重大な犯罪の合意罪を選択した場合、参加罪を導入する必要はないということを明示的に確認したものにすぎないということです。 立法ガイドを作成しました国連薬物犯罪事務所、UNODCに対しまして、御指摘のパラグラフ五十一の趣旨について確認しましたところ、UNODCからは、同パラグラフは、重大な犯罪の合意または組織的な犯罪集団の活動への参加のいずれをも犯罪化しなくてよいということを意味するものではないと回答を得ており、今般、同様の内容を同事務所に改めて照会いたしましたところ、口上書をもちまして、同様の内容の回答があったところでございます。
○安藤委員 ありがとうございます。つまり、この条約の締結にはテロ等準備罪の新設は必要であるという見解であるということであります。 次に、現行法でTOC条約の担保がもし不十分であっても、とりあえず条約に入ってしまえばいいではないか、もしその後に他国から指摘を受けたら、そのときにまた考えればいいのではないかというふうな指摘もあるようでございますけれども、そのことについての外務省の見解をお伺いいたします。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。 我が国といたしましては、締結した条約等を「誠実に遵守することを必要とする。」と規定します日本国憲法第九十八条第二項に従いまして、本条約の各規定を誠実に履行することができるように、国内法をしかるべく整備した上で、本条約を締結する必要があるというふうに考えております。 その上で申し上げますと、本条約第三十二条、締約国会議を設置して、締約国による本条約の実施状況を定期的に検討し、その実施の改善のための勧告を行うことなどを定めております。仮に我が国が本条約の義務を十分に履行せずに締結した場合には、今後、締約国会議において、我が国の法整備が不十分であるとの指摘を受ける可能性があります。このような指摘がなされないように本条約を誠実に履行することが責任ある国家としての適切な対応だと考えております。
○安藤委員 ありがとうございます。 これは、憲法の要請にもあり、条約を締結して、それをしっかりと国内で履行するというのがやはり責任ある国家としての態度であろうというふうに思っております。国外、海外の国においては、とりあえず入っておいて、後で言われたら考えればいいというふうな対応をしている国もあるやにも聞いておりますけれども、やはり国際社会で信頼される国家であるためには、この条約を締結した以上は、それがしっかりと履行できるような国内法の担保をする、これは、間違いなく、日本の国際的な信頼を高めるためにも大変有意義なことであるというふうに私も思います。 それでは、次の質問に移ります。 包括的な罪であるテロ等準備罪を新設しなくても、必要な罪ごとに個別に共謀罪や予備罪を新設すればこのTOC条約を締結することができるのではないかという指摘もございますけれども、このことについての政府の見解をお伺いしたいと思います。
○水嶋政府参考人 お答えいたします。 国際組織犯罪防止条約第五条は、締約国に対しまして、重大な犯罪の合意または組織的な犯罪集団の活動への参加の少なくとも一方を、その未遂または既遂とは別に犯罪化することを義務づけております。 しかし、我が国には、現行法上、参加罪は存在しません。また、重大な犯罪の合意罪に相当する罪もごく一部しか存在しておりません。そのため、我が国が本条約の義務を履行するためには新たな法整備が必要であるということで、合意罪について言えば、仮に、本条約上合意の犯罪化が義務づけられる罪の全て、すなわち組織的な犯罪集団が関与するとの要件を採用した場合における組織的な犯罪集団が関与することが現実的に想定される罪の全てについて個別に合意罪を設けた場合には本条約の義務を履行することができると考えられます。 他方、予備罪を新設することにつきましては、仮に、本条約上その合意の犯罪化が義務づけられる罪の全てについて予備罪を設けたとしても、予備罪におけます予備行為自体が客観的に相当の危険性を備えたものでなければ処罰できないとされているため、重大な犯罪の合意を犯罪化することを義務づけております本条約第五条の趣旨に反するおそれが高く、本条約上の義務を履行することはできないと考えております。
○鈴木委員長 安藤君、ちょっと待ってください。 大臣は少し所用がありますので。すぐ戻りますので。 安藤裕君。
○安藤委員 ありがとうございます。 個別法によって対応できるところもあるし、またなかなか難しいところもあるということでございました。 やはり、このTOC条約をしっかりと締結するということは、本当にこれからのテロ対策、国際的な組織犯罪を防止するためにも大事なことでございますので、今回の法律案の必要性というものもよく理解ができるのではないかというふうに思っております。 そして、皆様のお手元に、私、今回、資料をつくらせていただきました。前回の平成十七年に共謀罪として出した政府の原案、それから平成十八年に当時の民主党が提案をしておりました修正案、それから今回のテロ等準備罪、この相違点について、一覧で比較ができる表をつくってまいりました。ぜひこの資料を見ていただきたいと思います。 まず、適用対象団体であります。 平成十七年の共謀罪当時には、これは単に「団体」という定義でございました。 これが平成十八年の民主党の修正案では、「組織的犯罪集団」に変えるべきという提案が出ております。これを、今も見られる民主党のホームページから引っ張ってきますと、「組織的犯罪集団と言えば、普通は暴力団やテロ組織のこと。しかし政府案は、株式会社や市民団体、労働組合も対象にしています。」、このことを受けて「民主党は対象を条約で定める本来の組織的犯罪に限定すべきだと主張しています。」、こういうことで、民主党さんは、当時、この適用対象団体を組織的犯罪集団に絞るべきという修正案を出しているんだろうと思います。 今回、政府の提案のテロ等準備罪においても、この適用対象団体は、単なる団体ではなく、「組織的犯罪集団」というふうに限定をしております。これを見ると、かつての国会の審議を踏まえた上で、今回は新たな形で提案をされているんだろうというふうに思います。(発言する者あり)
○鈴木委員長 静粛に願います。
○安藤委員 それから、次の……(発言する者あり)
○鈴木委員長 御静粛に願います。
○安藤委員 対象犯罪のところに移っていきたいと思います。 長期四年以上の罪、平成十七年の政府原案は長期四年以上の罪、そして、今回の……(発言する者あり)
○鈴木委員長 御静粛に願います。
○安藤委員 テロ等準備罪についても、長期四年以上の罪というものを対象犯罪にしております。 民主党の修正案では、長期五年を超える罪を対象犯罪にするということにしておりますけれども、このことについての政府の見解をお伺いいたします。
○水嶋政府参考人 お答えします。 今委員から御指摘がございました、当時の民主党が国会に提出しました修正案におけます組織的な犯罪の共謀罪におきましては、その対象犯罪の法定刑を、死刑または無期もしくは長期五年を超える懲役、禁錮の刑としていたと承知をしております。 本条約第五条1の(a)の(1)は、「重大な犯罪を行うことを一又は二以上の者と合意すること」を、「犯罪行為の未遂又は既遂に係る犯罪とは別個の犯罪」として犯罪化することを義務づけておりますが、ここに言う「重大な犯罪」とは、本条約第二条によりまして、「長期四年以上の自由を剥(はく)奪する刑又はこれより重い刑を科することができる犯罪を構成する行為」というふうにされております。 したがいまして、本条約の義務を履行するためには、法定刑としては、死刑または無期もしくは長期四年以上の懲役、禁錮の刑の罪を対象としなければならず、当時の民主党修正案におけます組織的な犯罪の共謀罪のように、対象犯罪を死刑または無期もしくは長期五年を超える懲役、禁錮の刑が定められている罪とした場合には、本条約第五条1(a)(1)の義務を履行できないというふうに考えております。
○鈴木委員長 安藤君、大臣のため、少しお時間を、猶予をお願いします。すぐ戻ります。ちょっと待ってください。 続けますか。大丈夫ですか。政府参考人でいいですか。(安藤委員「はい、いいです」と呼ぶ) 安藤裕君。
○安藤委員 ありがとうございます。 長期五年を超える罪にすると、この条約に入るための義務を履行できないということでございました。 そして、もしこれを、対象犯罪を長期五年を超えるものとした場合には、例えば、人身売買であるとか電子計算機損壊等業務妨害であるとか、そういったものが外れてしまうということでございますので、やはりこれは、今回のように、長期四年以上の罪とするべきなんであろうというふうに思っております。 それから、対象犯罪の数については、平成十七年の政府原案では六百十七が罪になるということでございました。今回は、政府提案も二百七十七に削ってあるということでございます。 この数についてはまたいろいろな議論があろうと思いますけれども、しかし、前回の政府提案ではやはり余り重大犯罪と言えないようなものまで入っていたのではないか、そういった指摘があるんだろうと思います。今回、私たちは、そういったことについて検討を加えてこのように減っているんだろうというふうに理解をしております。 それから次に、国際性の要件というところについてお伺いをしたいと思います。 この国際性の要件は、平成十七年の政府原案についても、それから今回のテロ等準備罪についても、政府提案は付しておりませんけれども、民主党の修正案では、性質上国際的な犯罪に限定をしております。 このことについての政府の見解をお伺いしたいと思います。
○水嶋政府参考人 お答えします。 委員御指摘のとおり、当時の民主党が国会に提出しました修正案におけます組織的な犯罪の共謀罪におきましては、その対象犯罪にいわゆる国際性の要件が付されていたと承知をしております。 国際組織犯罪防止条約第三条の1は、本条約に「別段の定めがある場合」を除いて、「性質上国際的な」犯罪について本条約を適用する旨規定しておりますけれども、この「別段の定め」に当たります本条約第三十四条の2は、重大な犯罪の合意の犯罪化については、各締約国の国内法において、国際的な性質とは関係なく定めることを義務づけております。 したがいまして、本条約の義務を履行するためには、重大な犯罪の合意を犯罪化する場合に国際性の要件を付すことはできない。テロ等準備罪につきましては国際性の要件を付していないのは、このような本条約の義務を履行するためであります。
○安藤委員 ありがとうございます。 この条約に入るためには国際的な要件というものは備えてはならないということでありましたけれども、やはり日本国内で継続的な犯罪行為を行っている団体もあるわけです。例えば詐欺で、組織的に詐欺を行う団体もあるわけですね。したがって、ここで国際的な要件を付すということには、国内の組織的な、継続的に行われる犯罪を防ぐという意味では余り意味がないのではないかというふうに思いますし、私自身も、今回のこの法案を提案するに当たっては、国内で行われる犯罪も未然に防止をし、そして国民の安心、安全を守るためには、この国際的な要件というものは入れるべきではないのではないかというふうに思っております。 それから、次の、合意という点についてお伺いをしたいと思いますけれども、平成十七年の政府原案、それから民主党の修正案においても、この合意というものについては「共謀」という言葉で表現をしておりました。今回、テロ等準備罪を提案するに当たって、これは共謀という言葉ではなくて「計画」という言葉を使っておりますけれども、この言葉を変えた意味について、これは林刑事局長にお伺いをしたいと思います。
○林政府参考人 共謀という概念でございますが、例えば、現行法上の共謀罪における共謀というものは、これは必ずしも組織的な犯罪集団が関与することを含めて合意するということは意味しておりません。また、共謀共同正犯における共謀というものもございますが、これについても、やはりその組織的犯罪集団が関与することを含めて合意するというようなことは意味するものではございません。このように、共謀というものについては、現行法の中では組織性の要件というものが付加されたものではない形で使われているものでございます。 今回、テロ等準備罪につきまして、これはTOC条約の、重大な犯罪の合意を処罰する、重大な犯罪の合意を犯罪化する、こういうことの義務を履行するための立案でございますけれども、その際に、条約では、組織的犯罪集団が関与するということを要件としてもよいというオプションを許容しております。そのオプションを採用して今回立案したわけでございますが、そうしますと、今回、このテロ等準備罪における合意の部分につきましても、これは組織的犯罪集団の構成員らが指揮命令に基づいて、あらかじめ定められた任務に従って特定の犯罪を実行することについて、具体的な、かつ現実的な合意をすること、こういったことがこの合意の内容になろうかと思います。 そうした場合に、その合意の内容をあらわす言葉として、今回はそれにふさわしい言葉として計画という言葉を採用したわけでございます。この計画という言葉を用いることによりまして、テロ等準備罪における合意というものが、例えば現行法上の共同正犯の成立要件である共謀などとは異なりまして、犯行に関する指揮命令や任務の分担も含め、具体的かつ現実的に合意することが必要であるということが明らかになるものと考えております。
○安藤委員 ありがとうございます。 今回の合意というものについても御説明をいただきました。やはり、国民の皆さんのいろいろな不安を払拭するためにも、こういった言葉の定義をしっかりとしていくということは大事なことだというふうに思っております。 それから、この表の一番最後のところに移りますけれども、推進行為というものがあります。かつての平成十七年の政府原案では、これについての規定は全く存在しませんでした。したがって、話し合っただけでこれは処罰されるのではないかというようなことが言われたのであろうというふうに思います。 これに対して、平成十八年の民主党の修正案では、推進行為としては、予備罪に言う予備行為という提案がされております。 そして、今回のテロ等準備罪の政府提案においては、これは予備罪に言う予備行為ではなくて「実行準備行為」ということで提案がされているわけですけれども、この違いについて、政府の見解をお伺いしたいと思います。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。 当時の民主党の修正案におきます組織的な犯罪の共謀罪におきましては、「その共謀をした者のいずれかがその共謀に係る犯罪の予備をした場合」との要件を付していたと承知しております。 この条約の第五条、重大な犯罪の実行の合意そのものを処罰の対象とすることを義務づけた上で、「国内法上求められるときは、その合意の参加者の一人による当該合意の内容を推進するための行為」という要件を付すことを認めております。ここに言います「合意の内容を推進するための行為」とは、合意の成立以後に行われます、未遂に至らない何らかの行為を意味するものというふうに解されます。 予備罪の予備行為を行った場合に限り処罰するとの規定を設けた場合には、予備行為の概念について、裁判例に見られます「実質的に重要な意義を持ち、客観的に相当の危険性の認められる程度の準備が整えられた場合」といった考え方を前提としますと、そのような危険性の認められる程度の準備がなければ処罰できないということになります。これは、重大な犯罪の合意を犯罪化することを義務づけておりますこの条約第五条の趣旨に反するおそれが高いと考えております。 したがいまして、予備行為を行った場合に限って処罰をするとの規定を設けることにより本条約を締結することは、憲法九十八条二項が規定します条約の誠実履行義務に反しまして、許されないというふうに考えております。
○安藤委員 ありがとうございます。 少し林刑事局長に補足をしていただきたいと思いますけれども、やはり国民の間で、またあるいはいろいろなところで喧伝をされる中で、今でも、この法律が通ると、犯罪の計画をしただけで処罰をされるというふうな懸念を言っている方がおられるように思います。 今回、実行準備行為ということを要件に加えたわけですけれども、決して、今回の法律ができたことによって、計画をしただけで処罰をされる、また立件をされるということはないということを、これはわかりやすい形で少し説明をしていただきたいというふうに思います。
○林政府参考人 今回のテロ等準備罪の成立要件は、計画だけではなくて、まず、犯罪の主体といたしまして、組織的犯罪集団の団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を計画する、こういう要件がございます。さらに、計画に加えまして、計画に基づきまして、次にその犯罪を実行するための準備行為が行われたとき、このときに犯罪が成立するとなっています。 したがいまして、組織的犯罪集団の団体の活動として、組織によって行われるものについての計画、さらに、その計画に基づいて犯罪を実行するための準備行為が、これが行われて初めて犯罪というものが成立するということでございます。 したがいまして、当然、処罰の対象は、そういった犯罪の全ての要件を満たしたときでなければ処罰されませんし、また、捜査の段階におきましても、そういった犯罪の嫌疑がある場合、こういった場合に犯罪の捜査が始まるということでございます。
○安藤委員 ありがとうございます。 よく世間でも言われるのが、これは相談をしただけでも処罰をされる法律になってしまうんだということが言われておりますけれども、今言われたとおり、相談をしただけで処罰されるということは決してなくて、やはり準備行為というものを備えてこそ、こういったものが処罰対象になってくるということであろうと思います。 それと、もう一つ刑事局長に確認をしていきたいと思いますけれども、組織的犯罪集団とは何かというものの定義が、やはりこれは何度聞いても、いやいや、普通のサークルとかも対象になるのではないかとか、またあるいは、もともとは違う目的で集まっていたのに、目的が変わった瞬間に組織的犯罪集団に変わってしまって、これが対象になるのかならないのかみたいなこともずっと議論がされておりますけれども、この組織的犯罪集団というものの定義について、もう一度わかりやすい形で御説明をいただきたいと思います。
○林政府参考人 組織的犯罪集団というものにつきましては、これは、まず一つは、現行の組織的犯罪処罰法に「団体」という定義がございまして、その団体であること、これがまず前提となっております。かつ、その団体の中で、結合関係の基礎としての共同の目的が犯罪を実行することにあるということ、今回新しくテロ等準備罪の中で、共同の目的が犯罪の実行をすることにあるという形で限定をされております。 したがいまして、例えば通常のサークル等との比較においていきますと、まず、そういった集団が団体でなくてはいけません。団体というのは、多数人の継続的結合体である必要があります。 そして、共同の目的というものがあるわけでございますが、その共同の目的自体が今回別表第三というところに掲げてある罪を実行することにある、こういったことが認められないと、まず共同の目的というところでは当たらないということになります。 もう一つ、先ほど団体を前提としておると言いましたが、この団体という要件につきましても、これは、その団体の中に、団体の目的、共同の目的を実行する、目的を、意思を実現する行為が組織によって反復されている、こういった組織構造を持っているものでなければなりません。この場合の「組織」といいますのは、「指揮命令に基づき、あらかじめ定められた任務の分担に従って構成員が一体として行動する人の結合体」ということをいいますので、団体の中で団体の目的をそうした組織というものが反復して行う、こういった性質の組織構造を持っている、こういったことがありまして初めてこの組織的犯罪集団というものになるわけでございます。 要すれば、共同の目的というものが犯罪の実行の目的であるということ、さらには、その中にそうした強固な組織性を擁している、こういった場合に初めて組織的犯罪集団と認められるわけでございまして、一般のサークル等でありますれば、まず、目的として、それが犯罪を実行するために結合しているのかどうかということが対象となると思いますし、さらに、実際にそのサークル等がその中に、団体の目的を実行するための組織というものを備えているのかどうか、そういった組織構造を持っているのかどうか、こういったことが問題になろうかと思います。
○安藤委員 ありがとうございます。 普通のサークルとかはこういった犯罪を目的に結合している団体ではないと思われますし、普通の活動をしている、生活をしている一般の方がこの対象になるということはあり得ないということだろうと思います。 そして、今回の私の質問は、平成十八年の民主党の修正案、それからかつての共謀罪、それから今回のテロ等準備罪についての比較をさせていただきました。 私は、TOC条約に加入をする、締結をするということに反対をする国会議員はいないんだろうと思います。そのための国内法の整備が必要であるということについても、このことについては反対をする国会議員はいないだろうと思います。 私たちは国民の安心、安全を守るためにはやはり国際的な組織犯罪から日本国を守らなくてはならない、そのための条約の締結ということは間違いなく必要だ、そのことについては国会議員全員同意ができるんだろうと思います。 そして、平成十八年には、当時の民主党も、この共謀罪ではまずい、でもTOC条約に加入をすることは必要だ、だからこそこの修正案を提案なさったんだろうと思います。そして、このときの共謀罪に対する「民主党の考え方」の一番下には、小さい字ではありますけれども、「民主党は、すでに締結した国際条約に基づいてテロ組織や組織的犯罪集団に厳罰を設けること自体については当然であると考え、これを容認しています。」という文言も入っております。それはそうだろうと思います。(発言する者あり)
○鈴木委員長 静粛に願います。
○安藤委員 したがって、私たちが思いますのは、このような修正案を提出していただけるということであれば、この条約に入るための法整備というものには御協力がいただけるだろうと思います。 そして、この国会の場においては、国民の安心、安全を守るためにも、それから国際社会で協力をして、テロ等の行為が行われない、その一翼を、日本も重要な役割を果たしていくためにも、必要な国内法の整備はどうあるべきなのか、このことについての真摯な議論を与野党でしっかりとやって、そして、もし修正をすることで同意ができるということであれば同意をして、そしてしっかりとした成案を上げていく、これが私たち国会議員の責務であろうと思います。そのことをぜひ、与野党ともに提案を申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 大変ありがとうございました。
○鈴木委員長 次に、藤原崇君。
○藤原委員 自由民主党の藤原崇です。 私は、テロ等準備罪について質問をさせていただきます。二十五分ということです。議論が始まっているところですが、私の方からは主に条文の解釈、あるいは条文の文言、こういう基本的なことについてお聞きをしていきたいと思っております。 まず、一点目にお聞きをしたいのは、改正法の六条の二が規定する「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」、これについての定義は前の質問者が聞いておりましたが、これの意義についてお聞きをしたいと思います。
○金田国務大臣 まず、藤原委員の御質問にお答えいたします。 テロ等準備罪における「テロリズム集団その他の組織的犯罪集団」というのは、組織的犯罪処罰法上の団体であって、構成員の継続的な結合関係の基礎としての共同の目的が別表第三に掲げる重大な犯罪等を実行することにあるものと定義をしているわけでございます。 そして、組織的犯罪処罰法上の「団体」とは、共同の目的を有する多数人の継続的結合体であって、その目的または意思を実現する行為の全部または一部が組織、すなわち、指揮命令に基づいて、あらかじめ定められた任務の分担に従って構成員が一体として行動する人の結合体により反復して行われるものであります。
○藤原委員 ありがとうございます。 この法律について、処罰範囲が不明確であるとか、さまざまな議論、心配がなされておりますが、まず最初に行うべきことは、何となくの雰囲気、あるいはそうではない人もいるんでしょうけれども、まずは条文の文言がどういうふうになっているか、条文をまずは素直に読むということが必要なんだろうと思っております。多くの方々、いらっしゃいますが、実際にこの法律案を見たことがある人、通読したことがある人、新聞の記事を書いている方もいますが、まずは謙虚に、真摯に、まずは条文を読む、これは全てのスタートなのかなと思っております。 そういう中で、この条文の文言の意義をさらに明らかにしていきたいと思います。 この組織的犯罪集団については、六条の二が括弧書きで定義を書いております。その中には「共同の目的」、そして「結合関係の基礎」という文言があります。「共同の目的」の前に「結合関係の基礎」という文言を加えておるんですが、これの趣旨についてお伺いをしたいと思います。
○林政府参考人 「共同の目的」とは、結合体の構成員が共通して有し、その達成または保持のために構成員が結合している目的のことをいいます。 平成十七年に政府が提出していました法案では、組織的な犯罪の共謀罪の主体については、まず、「団体」と記載しておりましたけれども、この団体は、組織的犯罪処罰法上「共同の目的を有する多数人の継続的結合体」などと定義されております。この「共同の目的」は、一般に、その構成員の継続的な結合関係の基礎となっている目的と解されております。 この法案に対しまして、組織的な犯罪の共謀罪に関する国会審議におきましては、正当な活動を行っている団体も対象となるのではないかという不安、懸念が示されたところでございます。 そこで、今回の法案では、そのような団体が適用対象とならないことを一層明確にするために、適用対象団体について、組織的犯罪集団に限ることを明文化いたしまして、その定義の中で、その「共同の目的」が結合関係の基礎となっている目的であることを条文上明確にしたところでございます。 なお、平成十八年四月二十一日に提出されました、当時、与党の修正案におきましては、適用対象団体について、その共同の目的が長期四年以上の懲役、禁錮等の刑が定められている犯罪を実行することにある団体とされていたわけでございますが、これに対して、構成員の継続的な結合関係を基礎づけている根本の目的という意味を明らかに、明確にすべきであるというような指摘がなされたことなども踏まえまして、同年五月十九日に提出された与党の再修正案では、「結合関係の基礎としての共同の目的」という文言を用いてその適用対象となる組織的な犯罪集団の定義を明文化したものと我々は承知しておりますけれども、今回の法案も、このような経緯、当時の経緯も踏まえたものでございます。
○藤原委員 ありがとうございます。 この定義規定というのは、かつての、平成十八年ころに行っていた共謀罪の審議、その議論を踏まえての、ある意味の成果として積み上がった規定だという御趣旨だと思います。そういう意味では、従前の議論をしっかりと踏まえて、それに応えるような形になっているんだろうと思っております。 ただ、もう一つ問題になるのは、では、これが到達点として十分なものなのかどうなのかということが議論になるんだろうと思っております。これは当然、到達点とは別に、その到達点が十分なものかどうか、そういうところも問題になります。その点に関して、いわゆるこの組織的犯罪集団の定義規定、先ほど局長に御説明いただきましたが、結局、一般人がその対象にならないように、それは明確になっているのかどうなのか。これは最高裁の判例でも、徳島公安条例だったと思いますが、しっかりと最高裁が基準を示しています。その基準等も踏まえて、当局として、この定義は、対象とならないように、明確性に欠けないのかどうなのか、その点について御見解を伺いたいと思います。
○林政府参考人 テロ等準備罪につきましては、対象となる団体をテロリズム集団その他の組織的犯罪集団というものに限定しております。 テロリズム集団その他の組織的犯罪集団は、一定の重大な犯罪等を行うことを構成員の結合関係の基礎としての共同の目的、こういった共同の目的とする集団ということをいいますもので、このように今回明文上限定しておりますので、これに該当し得るのは、国内外の犯罪情勢等を考慮すれば、テロリズム集団のほかに、例えば暴力団でありますとか薬物密売組織等の違法行為を目的としている団体というものに限られることになろうかと思います。 こうしたことから、テロ等準備罪につきましては、まずこういった対象となる団体を明確に限定しておりますので、例えば一般の会社、市民団体、こういったものが犯罪を行うことを共同の目的としているとは考えられませんので、組織的犯罪集団に当たらないことは明らかであろうかと考えております。
○藤原委員 ありがとうございます。 共同の目的として、別表第三の罪、これを実行することがしっかりと結合関係の基礎、結合関係の基礎というのも少し解釈の必要な文言になるわけでありますが、しっかり、その団体の主なというか中心的な目的であるというところが一つの判断基準になるんだろうと思っております。 素直にこの条文の文言を読んで、その上で、明白性についてはしっかり最高裁でも基準があるわけなんですね、その基準と、この文言をまずは素直に読んで当てはめというものを考えてみれば、必ずしも、直ちに団体とか普通の会社、そういうものが入るという結論には私はなかなかならないんだろうと思っております。 いろいろな御見解、御心配もありますけれども、少なくとも、マスコミあるいはさまざまな学者の方々、議論をするのであれば、まずは、今の基準がどうなっているのか、そして条文の文言はどうなっているのか、それはしっかりと読むのは、恐らく一つ最低限必要なことなんだろうと思っております。 それでは次に、具体的な当てはめとして一点お伺いをします。 例えば、詐欺商法と一般の営業活動、この両方を並列的に行っている会社、犯罪活動と正当な活動を両方行っている団体は、結合関係の基礎としての共同目的、これが別表第三に該当するのかどうなのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
○林政府参考人 組織的犯罪集団というのは、委員御指摘のとおり、組織的犯罪処罰法上の団体のうちで、構成員の継続的な結合関係の基礎となっている共同の目的が別表第三に掲げる一定の重大な犯罪等を実行することにある、これをいうものでございます。 ある団体について、その結合関係の基礎としての共同の目的が何であるかについては、個別具体的な事案における事実認定の問題でございます。当該事案の時点において、継続的な結合体の全体としての活動実態等から見て、客観的に何が結合関係の基礎となっているか、これを社会通念に従って判断するものと考えております。 そして、一般論として申し上げれば、正当な活動を行っている一般の団体については、通常はその正当な活動のために結合していると認められますので、単に一方で犯罪活動を行っているというだけでは組織的犯罪集団に該当するとは言いがたいと考えております。
○藤原委員 並列的な関係あるいは並び立つ場合には、結合関係の基礎という要件を満たさないということだろうと思います。 今までお話として聞いたのが、組織的犯罪集団、それに該当するかどうかという基準であります。これについてはある程度、今の質疑、条文と照らして見れば、私が常に法律を見ていて思うんですけれども、条文は日本語で書かれているんだけれどもそのままの日本語ではない、どうしても、解釈ということで、少し人の手が入る余地があるんだろうと思っています。ただ、私が聞いた限りですと、十分、少なくとも今の最高裁の判例のもとでは、明確性の原則にもとることはないんだろうと思っております。 次は、特定の団体があったとして、その行為、これが対象になるかどうかということについてお伺いをします。団体の話じゃなくて行為、それの話であります。 組織犯罪処罰法上では、「団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるもの」が対象に条文上なっております。 「団体の活動として、」、「として、」という文言がポイントだと思います。それからもう一つ、「当該行為を実行するための組織により行われるもの」、この二つがポイントかなと思うんですが、この点の意義についてお伺いをしたいと思います。
○林政府参考人 まず、二つの点の一つ目でございますが、「団体の活動として、」という意義でございます。 まず、「団体の活動として、」と申しますのは、団体の意思決定に基づく行為であって、その効果またはこれによる利益が当該団体に帰属するものをいいます。ここに言う「団体の意思決定に基づく行為」とは、その団体としての意思決定に基づいて、その実現として行われる行為を意味するわけでございます。 もう一つの、「当該行為を実行するための組織により行われる」、このことの意義でございますが、計画された犯罪に該当する行為を実行することを目的とする組織によって行われなければならないというものでございます。この場合の「組織」といいますのは、指揮命令に基づいて、あらかじめ定められた任務の分担に従って構成員が一体として行動する人の結合体と定義されておりまして、例えば、このようなものは、計画された犯罪の実行部隊などがこの組織に当たると考えております。
○藤原委員 ありがとうございます。 組織的なものであって、偶発的なものは含まれないということだろうと思います。 それから、「組織的犯罪集団」、これについては、条文上、「別表第三に掲げる罪を実行すること」を目的としている。その一方で、犯罪の構成要件では「別表第四に掲げる罪」ということで、別表第三と第四に分かれております。 これは、組織的犯罪集団の定義について、別表四とは別で、別表三の罪を選んだ、この基準について伺いたいと思います。
○林政府参考人 組織的犯罪集団の目的となる罪であるところの別表第三におきましては、まず、死刑または無期もしくは長期四年以上の懲役、禁錮に当たる罪、それから、別表第一に掲げている罪、すなわち国際組織犯罪防止条約並びに人身取引議定書及び密入国議定書において犯罪化が義務づけられている罪、こういった罪のうちで、組織的犯罪集団の結合目的となることが現実的に想定されるものを別表第三の中に掲げております。
○藤原委員 ありがとうございました。 条文の点についてはこれくらいのお伺いにして、今度は捜査とのかかわりをちょっとお聞きしたいと思います。 結局、このテロ等準備罪ができたときに、皆さんが御心配している、捜査機関による恣意的な判断で、正当な活動を行っている団体、これが強制捜査の対象となる、そういうことはないんでしょうね。
○林政府参考人 組織的な犯罪集団とは、その結合関係の基礎としての共同の目的が一定の重大な犯罪等を実行することにある団体をいうわけでございます。このことを法律の明文により明確に定めております。捜査機関におきましては、組織的な犯罪集団に当たるか否かを具体的な資料に基づいて認定しなければなりません。組織的な犯罪集団を恣意的に認定することはできないわけでございます。 加えまして、捜査段階におきましても、行政処分などを行うためには裁判所による令状審査というものが必要でございますが、こういったものも裁判所による審査が機能しており、捜査機関による恣意的な運用というものはできない仕組みとなっております。 このように、今回の実体法の中で、適用対象となる団体を組織的犯罪集団に限定するとともに、その定義、内容を法律の中で明示しておりますので、捜査機関においてもこれに従って捜査を行うということになろうかと思います。
○藤原委員 今、局長、大事なことをおっしゃったと思うんですね。裁判所による審査、この国会審議で、捜査機関が暴走するのではないかというお話がたくさんありますけれども、誰も裁判所の役割に触れないんですね。 我が国は三権分立であります。捜査機関が、少なくとも強制処分については独自の判断ではできないわけであります。一般論として、仮に、捜査機関が、こいつは白だけどやろうと万が一考えて、被疑事実をテロ等準備罪に関する犯罪であると強制処分令状発付の申し立て、例えば逮捕状を請求したところ、当然、裁判所に疎明資料を提出するわけであります。それについて、当該テロ等準備罪に関する罪を犯したと疑うに足りる相当な理由がないと思われる事案であった場合、裁判所は、どうするんですか、この申し立ては。
○平木最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 令状を発付するかどうかは、個々の令状請求事件を担当する各裁判官が判断することでございますが、一般論として申し上げますと、いわゆる通常逮捕状につきましては、刑事訴訟法百九十九条二項におきまして、「被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると認めるとき」が発付の要件とされております。 したがいまして、疎明資料上、被疑事実につきまして、通常逮捕状発付の要件とされている、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があるとは認められないと担当裁判官が判断した場合には、逮捕状を発付しないということになるのではないかと思われます。
○藤原委員 結局、捜査機関がどう考えようと、強制処分については裁判所の審査があるんですね。 これについて、却下率等のお話がありますけれども、それはどういうふうに見るかですよね。検察官がちゃんとチェックをして出しているのかもしれない。山尾委員が検察官のときに、それは、当然審査をして、自分はこれは犯罪の確信がある、だから裁判所に出すわけですよ。何となく全部出すわけではないわけですよ。もし裁判所の審査に問題があるというのであれば、それは捜査機関ではなく最高裁の問題として議論をするべきだろうと思っております。 それから、次の問題です。(発言する者あり)
○鈴木委員長 御静粛に願います。
○藤原委員 任意捜査はどうなんだろうということになります。任意捜査で白でない限りは捜査をされるのではないか、そういうような懸念もあると聞いております。 ですが、私、弁護士だったときに、ある事件、クレプトマニアと呼ばれる性向を持っている人、自分ではやりたくないんだけれども無意識に窃盗をやってしまう、これは私は病気だろうと思っていて、刑事罰処分ではなじまないと思っているんですが、誰にでもそういう病気は起こり得ることだろうと思っています。ある意味、ここにいる中で誰か、お店に行ったら無意識にポケットに入れてしまう、そういう人がいないとは決して言えないわけなんですね。それは何もテロ等準備罪だけではなくて、ほかの犯罪であっても、この中には私はいないと思いますけれども、絶対に一〇〇%真っ白だ、そういうふうに確信を持って言うということはできないんだろうと思っています。 そういうふうになったときに、では普通の犯罪捜査であったとしても、任意捜査を行う場合、何らの犯罪の端緒もなく、まあ黒ではない、犯罪について具体的な嫌疑がない場合に、一般探索的かつ無選別に任意捜査を行うということはあり得るんですか。
○林政府参考人 一般に、捜査の端緒もなく、全く具体的な嫌疑もない状態で、それが任意捜査であれ、捜査を行うことは許されるものではございません。
○藤原委員 実際、そんなことができるほど人もいないわけですし、そんなに暇じゃないわけですね。テロ等準備罪以外もたくさん犯罪はあるわけですよ。ほかの犯罪だって、本当にやっているか、やっていないかなんというのは二十四時間監視しないとわからない。だけれども、そんなことは現実問題できないから、普通は、端緒があって、それを手がかりに任意捜査を積みかけて、その上で強制捜査の証拠があれば、裁判所がゴーサインを出せばやる、そういうふうになるんでしょう。 それから、もう一点聞きますと、ちょっと違う話なんですが、ある団体が特定の犯罪の実行を目的として結合している場合、客観的には組織的犯罪集団である場合、その団体が組織的犯罪集団であることを知らないメンバーについて、テロ等準備罪が成立することがあるのかどうなのか、お伺いをしたいと思います。
○林政府参考人 組織的犯罪集団とは、組織的犯罪処罰法上の団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が一定の重大な犯罪等を行う、実行することにあるものをいいます。 ある団体が客観的には組織的犯罪集団に該当するといたしましても、その結合目的を認識していない者につきましては、その組織的犯罪集団の構成員とはなり得ないわけでございます。そのような者が、当該組織的犯罪集団が関与する犯罪遂行の計画、これが今回の計画の概念でございますが、そこに加わるということは考えられませんので、テロ等準備罪の処罰対象とはなりません。
○藤原委員 ありがとうございます。 条文の文言としても、十分明白性、少なくとも今の最高裁の判例に照らせば十分明確なんだろうと思っております。 また、強制捜査については、当然裁判所による審査が入る。もしこれに疑義があるということであれば、それは具体的に何か根拠があって、九九・五%だからおかしい、これは成り立たないんだと思うんですよ。みんなが厳選をしているからオーケーしか出ないという見方もできますし、裁判所がずぼらだからオーケーしか出ないという見方もある。これはどちらにでも振れる話だと思うんですね。具体的に、九九・五なのは裁判所の審査がずぼらだからだ、やはりそういうような根拠がない限りは、最高裁あるいは裁判所の審査というのは、これは皆さん矜持を持ってやっているわけですよ。それは当然信用に値するんだろうと思っています。 また、任意捜査についても、実際問題、白か黒かわからないから捜査をする、そんなことをしていたら、黒の人だって見逃してしまいますよ。まずは黒の人をしっかりと検挙していく、それが捜査だろうと思っています。 そういう意味で、捜査の面でも、少なくとも今の刑事訴訟法を虚心坦懐に読めば問題はないんだろうと思っております。 これで私の質問を終わります。
○鈴木委員長 次に、浜地雅一君。
○浜地委員 公明党の浜地雅一でございます。 三十五分、質問の時間をいただきました。公明党としましては、國重理事の方がこのテロ等準備罪の要件をかなり細かく昨日も聞かれておりました。そこで、私としては、TOC条約、この条約との関係について党としても聞きたいというふうに思って質問を準備しておりますが、その前に、一昨日の質疑の中で、特に捜査との関係について私自身気になるところがございましたので、そこの確認から始めたいと思います。 それは、一般人が処罰の対象にはならないけれども捜査の対象になるんだ、一般人は捜査の対象になるんだというような質疑がなされたというふうに私は記憶をしております。逢坂理事の御質問だったと思います。先ほど逢坂先生には議事録を引用しますというふうにお断りをして、少し引用させていただきます。 ここにあるのは、金田大臣が答えられているのは、「嫌疑がなければその捜査が行われることはないということは何度も申し上げております。したがって、捜査が行われるときに嫌疑が存在するということでございますから、一般の方々にそれが及ぶという考え方ではないと思っております。」と。私もそれが正しいと思っていますが、それに続けて、委員の方は、「大臣、御自身の発言を冷静に整理していただきたいんですが、テロ等準備罪の嫌疑、我々の言うところの共謀罪の嫌疑が出る、嫌疑が発生する。嫌疑が発生して初めて、当該団体が組織的犯罪集団であるか否か、この捜査が始まる。嫌疑が生じない段階では捜査はしないと林刑事局長は明言している。嫌疑が発生して初めて組織的犯罪集団であるか否かを捜査するんですよ。大臣の話によれば、組織的犯罪集団にかかわりのない人が一般の人々なんですよ。」「一般の人々を捜査しなければ、その当該団体が組織的犯罪集団であるかどうかわからないということじゃないですか。」というふうに言われているんです。また、ほかにも、「テロ等準備罪の嫌疑が生ずる、生じた段階で初めて、先ほどの林刑事局長の答弁によれば、組織的犯罪集団になるか否かを判断するために捜査をするわけであります。」とあります。 ちょっと御本人に聞いてみないとわからないんですが、これは恐らく、私の考えでは、いわゆる計画があって、実行準備行為の嫌疑があって、そこから、いわゆる共謀罪と言われていますが、その嫌疑が発生して、それから組織的犯罪集団になるかを判断していくわけだからという、そういったことを言われていると思っているんです。 しかし、大臣がおっしゃったとおり、テロ等準備が成立するためには、まず、組織的犯罪集団という主体も構成要件の一つでございます。その主体が計画を行い、その計画に基づいて準備行為を行うわけでございますので、捜査を始める段階、特に任意捜査を始める段階でも、組織的犯罪集団の嫌疑が既に生じていなければ捜査はできないので、そういった意味では、大臣がおっしゃった、一般人が対象に捜査でもなることはないということが私は正しいと思っておりますが、その点について、林刑事局長に改めて確認をしたいと思っております。
○林政府参考人 捜査につきましては、犯罪の嫌疑がある場合に開始される、この点はテロ等準備罪について同様でございます。したがいまして、このテロ等準備罪についても、他の犯罪の捜査と同様に、犯罪の嫌疑がなければ捜査が行われることはないわけでございます。 そして、テロ等準備罪は、委員の御指摘にもございましたように、法律の明文により厳格な要件が定められております。一つに、まず、対象となる団体、これが組織的犯罪集団に限定されていることでございます。そしてそれについて、一定の重大な犯罪を遂行することが計画され、さらに実行準備行為が行われる、この場合に犯罪が成立するものでございます。 したがいまして、テロ等準備罪の嫌疑があると認められるためには、組織的犯罪集団が関与しているということを含むこれら要件についての嫌疑が必要になってまいります。 そして、こうした組織的犯罪集団と言えますのは、国内犯罪情勢に照らせば、テロリズム集団でありますとか暴力団など、違法行為を目的としている団体というものに限られるわけでございますが、そのような組織的犯罪集団が関与していることについての嫌疑というものがなければ、テロ等準備罪について捜査が行われることはないわけでございます。 そして、通常の社会生活を送っている一般の方々が、そうした組織的犯罪集団に関与することも、また関与していると疑われることも考えられないわけでございまして、一般の方々にテロ等準備罪の嫌疑が生じるということはなく、一般の方々がテロ等準備罪の捜査の対象になるということはないものと考えておるわけでございます。 他方、今述べましたテロ等準備罪の厳格な要件について、これがある場合には、嫌疑があるという場合については、その人物に対しては捜査の対象となるわけでございますが、捜査機関としては、そのような人物に対してはもちろん適切な捜査を行って、その事案の真相を明らかにしていくという責務があろうかと思います。
○浜地委員 ありがとうございます。 明確に、任意捜査の段階においても一般人が捜査の対象にはならないというふうに、林刑事局長はお答えいただきました。 ですので、大臣がおっしゃっているように、組織的犯罪集団とかかわりない人が捜査の対象にないとおっしゃっていることは、私はこれは正確だろうというふうに思っております。ぜひ、これを間違って報道しないようにしていただきたいというふうに、そういう意味で確認をさせていただきました。 刑事局長に聞きましたので、もう一問質問をさせていただきます。 いわゆる組織的犯罪集団に当たるであるとか、また、我々の國重理事が説明しました計画に基づいた実行準備行為、これから、例えば計画から途中で抜けた場合はどうなるのか、計画の離脱というような非常に細かいお話もされておりました。 ただ、全て、この組織的犯罪集団等々のものは、客観的な構成要件の面を今まで皆さん聞かれていたと思っています。では、私は、主観的な構成要件、いわゆる故意、認識の面についてお聞きをしたいと思います。 わかりやすく行うために、ちょっと例え話をします。私が例えば会社の末端というか平社員であったとします。ほかの同じ平社員、同僚から、殺人を計画されて、それを持ちかけられて、日にち、場所も決めて、おまえはナイフを買ってこいと言われて、私はわかったと言ってナイフを買うということがあったとします。では、それだけで故意の認識の対象は足りるのか。 例えば、それが、会社という組織が犯罪を反復継続して行うような団体であること、また、会社全体の活動として、社長以下指揮命令系統があって、自分がこの殺人の計画のナイフを用意するということはどういう役目なのかということまでも認識を故意としてする必要があるのか。 私は、そこまで必要となると、これは故意の面でもかなり限定されて、なかなか犯罪は成立しにくくなるというふうにも思うわけでございますが、故意の認識の対象について、林刑事局長にお聞きします。
○林政府参考人 一般に故意というものは、構成要件に該当する客観的な事実について必要であるとされております。 そして、テロ等準備罪の構成要件は、組織的犯罪集団の団体の活動として、一定の重大な犯罪を実行するための組織により行われるものの遂行を、これがまず第一点、そしてそれを二人以上で計画し、これが第二点目、そして第三点目として、計画に基づき実行準備行為が行われる、この場合に成立するものでございます。こういった事実全体に対しての故意が必要となります。 つまり、テロ等準備罪においては、当該犯罪の実行ということだけではなく、組織性の要件についても故意が必要でございまして、具体的に言えば、組織的犯罪集団、すなわち、一定の重大な犯罪等を実行することを結合関係の基礎として共同の目的とする多数人の継続的結合体であって、その目的または意思を実現する行為の全部または一部が組織により反復して行われるものという点。さらに、団体の活動として、すなわち、組織的犯罪集団の意思決定に基づく行為であって、その効果またはこれによる利益が当該組織的犯罪集団に帰属するものであるという点。そして、一定の重大な犯罪を実行するための組織、すなわち、指揮命令に基づいて、あらかじめ定められた任務の分担に従って構成員が一体として行動する人の結合体によって一定の重大な犯罪を行うこと。こういった組織性の要件についても故意が必要であると考えております。
○浜地委員 このテロ等準備罪、さっき林刑事局長が、客観的な構成要件について故意が全部必要だと。もうこれは当たり前のことなんですが、余りにも客観的な構成要件の要素が多いものですから、改めて聞かせていただいたんですが。 そういった意味では、客観面でも非常に絞られ、主観面、いわゆるどこまで故意があったか、このテロ等準備罪等々と言われる犯罪が成立するには、なかなかこれは主観面でも厳しい要件がかかっているというふうに言えるんだと私は思っております。 次に、ようやくTOC条約のことを公明党としても聞きたいと思っております。 これもさまざま言っていますが、このTOC条約、国際犯罪防止条約がテロも関連する条約ではないのでないかという質問が、これは議論の当初からありますので、確認をさせていただきます。あえてテロもと言ったのは、テロがと言うと、テロ以外のものではないといって批判をされますので、これは組織的な犯罪集団も含めて、その典型としてのテロも含んでいるということで、テロもという言葉を使わせていただいております。 確かに、TOC条約の五条一項(a)の(1)の文言を読みますと、やはり、先ほどほかの委員がおっしゃったとおり文言解釈が大事でございますので、「金銭的利益その他の物質的利益を得ることに直接又は間接に関連する目的のため」と書いてあるので、やはり、経済事犯や何らかの物質的利益を得ることを目的とする、条約は、これを犯罪化しろというふうに読めます。 また、御指摘が野党の皆さんからもありましたけれども、二〇〇〇年の条約交渉の段階において、日本はTOC条約からテロを除外すべきだと主張したのではないかというようなことも指摘されるところでございますが、改めて、これは交渉の、要は採択の時点で既にテロも含む条約であったのかということを外務省に確認させてください。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。 まず、一般論といたしまして、国際的な組織犯罪とテロ活動との間には強い関連性があるということは指摘をされております。本条約の起草に向けた交渉過程におきましても、重大な犯罪の具体的な内容を列挙する犯罪リストを作成し、その中にテロ行為を含むということが議論されておりました。 しかし、テロリズムをいかに定義すべきかという点におきまして合意することが困難であることなど、議論がまとまらず、リストに含むべき犯罪の選別の議論に多大な時間を要する、コンセンサスを得ることが困難であるということなどから、条約の採択自体ができなくなってしまうおそれもございました。 このような交渉の結果として、本条約の対象犯罪についてはリスト化は行われず、テロ行為が対象犯罪として明示されることはありませんでした。 その上で、最終的には、この条約の交渉を行っておりました国際組織犯罪条約のアドホック委員会の第十回会合におきまして、この条約を採択するための決議案にテロの文言を含む文章を加えるということについて議長から提案がなされました。そして、議長がこの提案により示した案文を含む決議案が第十回の会合及び国連総会においてコンセンサスで採択されたということでございます。
○浜地委員 ありがとうございます。 この交渉の経緯まで含めて、詳しく説明をいただきました。 実際、国連総会の決議の中には、全ての国に対し、国際組織犯罪とテロ活動のつながりを認識することという文言が入っております。これは、コンセンサス、全員の合意でとられたわけでございまして、その国連総会の決議の中でテロ活動が出てくるということは、これは、交渉に参加した国が全てテロ活動との関連性を認めるということにならないと国連総会の決議は出せませんので、国際社会のルールとしては。ですので、これは明らかに二〇〇〇年の段階で、TOC条約はテロ対策も含む条約であったということを改めて確認できるというふうに思っております。 では、今、TOC条約を締結していない、よく、百八十七カ国締結していて、G7で唯一締結していないのが我々のみであるというふうに言われますが、現在、このTOC条約締結に向けての我が国に対する国際的な評価に言及したものはございますでしょうか。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。 既に、百八十七の国・地域が本条約を締結し、本条約に基づく国際協力を実施しております。未締結国は、我が国を含めまして、わずか十一カ国であります。また、関連する国連の各決議やG7サミットなどにおきましても、繰り返し各国に対して本条約の締結が要請されております。 例えば、昨年我が国が議長国を務めましたG7伊勢志摩サミットの首脳宣言におきましても、「我々は、国連国際組織犯罪防止条約及びその議定書をはじめとする関連する国際文書の締結及び完全な実施を呼びかける。」とされております。 また、先般開かれましたイタリアでのルッカにおけますG7外相会合におきましては、テロ及び暴力的過激対策におけます国際協力の重要性を強調する中で、G7で唯一国際組織犯罪防止条約を締結していない我が国が現在締結国となる努力を進めていることについてG7の総意として歓迎する旨の文言が共同コミュニケに盛り込まれたところであります。
○浜地委員 そうなんです。「我々は、」と伊勢志摩サミットのコミュニケがございますけれども、我々というか、議長国は我が日本でございまして、(発言する者あり)そうなんですね、全く、我が国の伊勢志摩サミットをやっておきながら、締結できていない状況だし、また、つい最近でありますと、G7外相会合において、これは国際社会が、もう、厳しいという言い方よりも、この交渉が始まっていることも知っております、ですので、この取り組みに向かっていることを歓迎すると言っておりますので、我々委員会としては、これは国際社会も見ているんだという認識で質疑に臨まなければいけないというふうに確認をさせていただきたいと思っております。 次に、このTOC条約の締結のメリットについてもよく言われることが、捜査共助がスムーズになる、犯罪人引き渡しに非常に効果があると言われておりますけれども、実際にどういうふうな効果があるのか、具体的に深掘りをしたいと思いまして、きょうは資料一をつくってまいりました。外務省からも説明はあったんですけれども、これはTOC条約を締結していない場合の捜査依頼手法です。 これを細かく見ますと、左側、日本から始まるんですけれども、例えば担当の捜査機関がございます。これが外国に対して捜査共助の依頼をしたいというときには、日本国内でのそういった国際的な捜査共助を取り扱う機関に捜査機関が話を投げます。警察庁では国際捜査管理官、法務省では刑事局国際課などでございます。そこからすぐに外国に行くんじゃなくて、外務省の本省に行って、さらに外務省の在外公館に行って、相手方の外務当局に行って、相手方の国際的なそういった捜査共助を取り扱う司法当局に行って初めて現地の相手国で捜査をするところに依頼がかかるということで、改めて図にしてみますとかなり迂遠でございまして、左側だけでも迂遠なんですけれども、戻ってこなきゃいけませんから、右ももう一回同じルートを繰り返すということで、これは手続の流れとしても迂遠であろうと思っております。 しかし、実際、私も在外公館等々を訪問したことがございますが、日本の在外公館にある程度捜査のプロがいれば、また少しは話がスムーズになると思うんですが、私が事前にお聞きした情報によりますと、在外にいる法務省の職員の方は四十九名、公安の方は二十名程度というお答えがございました。そのうち、法務省だと検事は十一名です。この十一名のうち、日本の在外公館、海外にある日本の在外公館に所属するのはわずか七公館のみということになりますと、東京から来る情報をさばいているのは、百五十数カ国我々は公館を持っておりますけれども、ほとんど百四十数カ国はいわゆる捜査のプロでない人間が情報のやりとりをするということになりますので、そういった面でも私はデメリットになっているんだと思います。 これが、TOC条約が締結されますと、直接、捜査機関同士、当局が捜査機関同士となりますのでスムーズになるということでございますが、改めて、この捜査共助のメリットについて具体的にお答えいただきたいと思います。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。 まず、本条約を締結していない現状におきましては、例えば、我が国が刑事共助条約を締結していない国に対しまして捜査共助を要請する場合、相手国にはこれに応じる国際法上の義務はありません。 また、今委員御指摘のとおり、中央当局間で直接共助要請をするのではなく、外交ルートを通じて行うことになりますので、一定の期間を要するということになりまして、迅速性に欠けるという点がございます。この点に関しましては、金融活動作業部会、FATFからも、我が国が本条約を締結していないことを前提に、国際捜査共助法上の共助要請につき、外交チャンネルを通じてなされることが要求されていることは過度の負担であるというような指摘を受けたこともございます。
○浜地委員 今、FATFの勧告の話が出てきました。FATF勧告で、日本に対して逆に捜査共助を求める場合は過度な負担になっているということなので、我が国の捜査機関が捜査共助を求める場合も非常に迂遠であるし、過度な負担であるんですが、我が国に対して捜査共助を求める外国もかなり過度な負担というふうに感じているわけでございます。 ですので、我が国だけの問題ではなくて、これはやはり、国際社会の中でしっかり外国に応えていく、捜査共助でも応えていくという面でもこのTOC条約を締結する意義はあるというふうに思っています。 次に、犯罪人引き渡しについてお聞きをしたいと思います。 資料二は、法務省の総合研究所がつくりました犯罪白書から持ってきたものでございまして、資料二の上の段に、国外逃亡被疑者等の人数が具体的に発表をされております。これは、実際被疑者がどこに逃げたかということがわかっているだけでございますので、どこに行ったかわからない、日本にいるかわからない、外国にいるかわからないという方は除かれていますので、実態はこれより多いんだろうと思っておりますが、実際にわかる範囲で、総数として七百四十。これは、平成二十七年十二月三十一日、昨年の年末現在でございます。そのうち、外国人が六百二十一人、日本人が百十九人でございます。 右の犯罪の種類を見ますと、やはり、殺人、強盗等、粗暴犯、また窃盗犯が含まれておりますので、今回のテロ等準備罪の対象になる犯罪も含まれているということだと思います。 下のグラフを見ますと、外国人で国外に逃亡した被疑者の割合が示されておりまして、例えば、中国が一番多くて四三・五%であるとか、韓国は九・二%、フィリピン、タイ、その後、ヨーロッパ、米国と続きますが、この表の中で、我が国がバイ、いわゆる二国間で犯罪人引き渡し条約を締結しているところは、どことどこの国でしょうか。 〔委員長退席、土屋(正)委員長代理着席〕
○水嶋政府参考人 現在、我が国が犯罪人引き渡し条約を締結しております国は、米国と韓国、二カ国でございます。
○浜地委員 そうなんです。TOC条約に入っていない場合には、条約がないとスムーズな犯人引き渡しができないんですね。しかし、それを二国間でやっているのはアメリカと韓国のみということで、こういった犯罪の多い国々とは結ばれていないので、これはもう協力をお願いするしかないという状態でございます。 資料三が、協力をお願いした結果です。お願い、相手は義務ではないので、お願いをするしかない。そうなると、逃亡犯罪人引き渡しの人数ということで、平成三年からグラフがありますが、一番下は昨年の数字です。外国から引き渡しを受けた逃亡犯罪人の人数、要は日本から頼んだ人数なんですが、平成二十七年は、横線が引いてありますのでゼロです。逆に、日本が外国に引き渡した犯罪逃亡人は一人。平成二十六年は二人ですね。二十五年は三人。二十四年は一人ということで、これはかなり、七百四十人いる国外逃亡の犯罪人の中で、昨年は全く、一人も引き渡していないという現状がございます。 これは私はゆゆしき事態であって、日本は逆に、犯罪を犯しても逃げれば逃げ放題の国というふうに国際社会から判断をされることになろうかと思っています。 そこで、犯罪人引き渡しについて、このマルチの条約であるTOC条約が締結されることによってどのような効果があるかを改めて外務省にお聞きしたいと思います。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。 国際組織犯罪防止条約を締結した場合には、先ほど申し上げました、二国間で犯罪人引き渡し条約を締結しております国以外の国との間で、犯罪人引き渡しの実効性が高まることが期待をされます。 これは、それぞれの国がとっております法制度にもよりますけれども、本条約を締結すれば、例えば犯罪人引き渡しについて条約の存在を条件としていない国につきましては、犯罪人引き渡しの手続を迅速に行うよう努めるという旨、この条約に規定をしておりますので、それに基づきまして犯罪人引き渡し請求を行うことが可能となり、引き渡しが迅速に実施されることが期待をされます。 また、犯罪人引き渡しについて条約の存在を条件とする国につきましても、その国がこの条約を犯罪人引き渡しのための法的根拠とする場合には、その国に対して本条約に基づく犯罪人引き渡し請求を行うことが新たに可能となる、かつ、さきに述べたように、引き渡しが迅速に実施されるということが期待されるということがございます。
○浜地委員 しっかり我々TOC条約を締結して、昨年は引き渡しでいただいた逃亡者がゼロであったわけでございますから、これがやはりふえるように、そういった環境を整えることは我々政治の役目であるというふうに思っております。 次に、TOC条約二十条の特別な捜査方法についてお聞きをします。 資料四を私はつけておりますが、これも、一昨日の審議だったか、その前の審議だったか忘れましたが、野党の先生方から、線を引いている「監視付移転」ということを捉えられて、これが、監視的な捜査をこの条約自体が求めているんじゃないか、イコール監視社会というものを想定されるような御質問だったと思いますが、私はこの「監視付移転」というのはその意味じゃないと思っていますが、この「監視付移転」の意味について御答弁をお願いします。
○水嶋政府参考人 国際組織犯罪防止条約第二十条の「監視付移転」、これは同条約第二条におきまして、「犯罪を捜査するため及び犯罪を実行し又はその実行に関与した者を特定するため、一又は二以上の国の権限のある当局が、事情を知りながら、かつ、その監視の下に、不正な又はその疑いがある送り荷が当該一又は二以上の国の領域を出、これを通過し又はこれに入ることを認めることとする方法」というふうに定義をされております。 〔土屋(正)委員長代理退席、委員長着席〕
○浜地委員 そうですね。いわゆるコントロールドデリバリーという手法をただ単に日本語訳したのみでございまして、今現在でも、日本でもこれは行えます。要は、人を監視するんじゃなくて物を監視しているということでございまして、これはもう捜査手法として普通に使われていることでございますので、特別な捜査として、何か、監視社会になるようなものは想起されるものではないというふうに私は思います。 次に、私も所属をしています日本弁護士会等々からは、テロ等準備罪がなくてもTOC条約は締結ができて、かつ、テロ対策には十分なんだ、そのために日本はテロ防止関連条約に十三本も入っているではないかというふうな御指摘がございます。その中には、一部、準備行為を処罰する国内法もありますし、また予備行為を処罰することになっております。 今十三本の、日本が既に締結をしているテロ防止関連条約、東京条約とかヘーグ条約等々ございますが、これではテロ対策として不十分なのかどうか、外務省にお聞きをいたします。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。 我が国が締結をしておりますいわゆるテロ防止関連の条約、十三本ございます。これを締結するために、我が国の国内法、これらの条約の義務を履行できるものとなっております。ただ、幅広い犯罪行為について、これらを合意段階で処罰することができるものとはなっておりません。この十三条約は、いわゆる特定の態様のテロ活動と闘うための国際的な枠組みということになっております。 一方、この国際組織犯罪防止条約は、テロを含みます、より幅広い国際的な組織犯罪を一層効果的に防止し、これと闘うための協力を促進するための法的枠組みを創設する条約であり、そこでは、特定の態様のテロに限らず、さまざまなテロが対象となり得ます。また、この条約を締結することによりまして、テロ組織の資金源となっている幅広い犯罪行為にも対処することが可能となりまして、テロの根本を断つことができます。 さらに、この条約の締結に必要なテロ等準備罪を創設することで、テロを含む国際的な組織犯罪に対して、その着手前に未然に対処することもできることになります。
○浜地委員 きょう朝も、フランスでテロがあったという報道に接しています。まさに国際社会はテロとの闘いを行っているわけでございまして、まさに日本だけがこういったTOCを締結していないということは、ただ締結していないんじゃなくて、これは本当に恥ずかしいことだし、来ていただく外国に失礼です。そういう認識でやはり我々は審議に臨みたいというふうに思っております。 今、テロ、テロというふうに言ってきましたが、テロ等準備罪はテロ等というのが入っていて、テロだけではなくて、具体的な例で言われていますとおり、暴力団であるとかまたは組織的な詐欺集団等々が組織的犯罪集団に当たるということは、これまで本委員会で何度も出てきたことでございます。 テロ等準備罪が新設されると、当然、テロの防止にもなるんだけれども、国民の皆さんに身近にわかりやすい例としてどういったものがイメージしやすいのかということで、やはり私は振り込め詐欺の例をしっかりと表に出すべきだろうと思っております。 そこで、まず警察庁にお聞きしますが、最近の振り込め詐欺を含めた特殊詐欺の被害状況についてお聞きをしたいと思います。
○高木政府参考人 お答えいたします。 特殊詐欺の認知件数につきましては、平成二十二年以降増加を続けており、昨年は一万四千百五十一件でありました。被害額は、平成二十一年以降増加を続け、二十六年に約五百六十六億円と過去最高を記録した後、二年連続で減少したものの、昨年も約四百六億円と、一日当たり一億円を超える被害が生じており、依然として高水準で推移をしているところでございます。 警察といたしましては、関係機関、団体との連携により、官民一体となった予防活動を推進するとともに、犯行拠点の摘発等により犯行グループの検挙の徹底を図るなど、対策を推進しているところでございます。
○浜地委員 大変大きな数字が出てきて、私もびっくりしています。 今、警察庁から検挙の対策を図りたいとおっしゃっていただきました。そのための法整備が今回の法案の一部に含まれているんですね。テロ等準備罪の中の組織犯罪について、これは計画段階で、または準備行為が行われた段階で処罰をすることができます。 今の詐欺罪は未遂しか処罰できませんから、高齢者に実際に欺罔行為の着手、いわゆる電話をかけないと犯罪は成立しないんです。しかし、今回、テロ等準備罪の中に含まれます組織的詐欺の合意罪また準備罪がありますと、実際に危ない計画をしている組織的犯罪集団がいる、そして、実際にプリペイドカードを買ったり電話を用意したり、準備行為に及んだ段階で警察は検挙ができるようになるんです。 まさに御高齢の方々が電話をかけられなきゃいけないんですよ、手紙が届かないと検挙できないんだったら、まさに、すぐだまされてしまう。そこをやはり防げるのが今回のテロ等準備罪の、まさに等ですね、大きなメリットの一つだと思います。 こういったことを私は国民の皆さんにもっとわかりやすく我々を含めて説明すべきだと思いますが、最後、大臣の御所見をお聞きします。
○金田国務大臣 浜地委員の御質問にお答えいたします。 テロ等準備罪は、現行法では実行に着手をする前には検挙、処罰することができない、ただいまの例のような振り込め詐欺集団が実行する詐欺行為につきまして、その計画及び実行準備の段階で検挙、処罰を可能とするものである、だから実行に着手する前に検挙、処罰を可能とするものであります。したがいまして、振り込め詐欺の未然防止にも役立つものである、このように申し上げることができると思います。
○浜地委員 終わります。ありがとうございました。
○鈴木委員長 次に、階猛君。
○階委員 民進党の階猛です。 質問の前に、きょうの、また繰り返された政府参考人の強行採決、断じて容認できません。前回も言いましたけれども、我々国会議員は、憲法上、国務大臣に対する質問権がある、そして、それに対して、大臣は国会に出席して答弁する義務がある、これに基づいて我々は質問しているわけです。にもかかわらず、政府参考人が大臣にかわって答弁するということは極めて憲法上問題がある。 それだけではありません。衆議院規則第四十五条の二及び三の違反ということもあります。これらの規定は、法務委員会など委員会の審査においては、委員の質疑は国務大臣等政務三役に対して行うのが原則だということが四十五条の二、そして、四十五条の三はその例外を定めておりますが、細目的または技術的事項について、必要があれば、政府参考人の出頭を求め、その説明を聞くことができるという定めになっております。ですので、細目的または技術的事項についてのみ政府参考人は答弁できるというのが衆議院規則です。 そして、国会、衆議院のホームページを見てみますと、「国会改革への取組」というページがあります。その中で、今申し上げました政府参考人のルール、これは国会審議活性化法というものに基づく細目のルールでございますけれども、もともとの国会審議活性化法の主眼は、「政府委員を廃止し、委員会での質疑の中心を政治家同士の政策論議にしようということであった。」と明確に記されております。政治家同士、大臣と私とで正々堂々と議論するのがこの場ではないんですか、大臣。お答えください。
○金田国務大臣 ただいま階委員から御指摘がありました件につきましては、委員会への政府参考人の出席に関しましては、委員会においてお決めになられることでございます。法務大臣から、私の立場からコメントするべきことではない、このように考える次第であります。 加えて、先ほど申されました件につきまして、私は出席をし、答弁をし、誠意を持って努めてきたと思っておりますし、これからもそのつもりではおるわけであります。
○階委員 きょうの質問に至る経緯をちょっと御紹介させていただきますけれども、前回のあの憲政史上に残る、例を見ない暴挙に対して、私はあのような強行採決で政府参考人を招致するということが繰り返しあってはならないと思いまして、きのうの通告では、質問項目に加えて付言をしました。いずれの質問も細目的、技術的事項に関するものではなく、政府参考人の出頭は不要であるという書面を提出しました。大臣のお目にも届いているかと思いますけれども。 それに対して、その後ほどなくして、法務省の控室からペーパーが来ました。法務省の答弁者については下記のとおり登録いたしますということで、法務大臣のみの名前が記されております。ここにあります。大臣は、きょうの質疑、御自身のみで答弁するつもりでここにいらっしゃるというふうに理解しておりますが、よろしいですか。
○金田国務大臣 ただいまの御質問に対しましてでございますが、委員会におきましては委員長から指名を受けた者が答弁するものと承知をしております。いずれにしましても、国会審議のあり方、憲法との関係については国会において御判断されるべきものでありまして、政府の立場からお答えをすべき事柄ではない、このように考えておる次第であります。 いずれにせよ、私といたしましては、委員長の指名に従い誠実な答弁に努めたいと考えております。
○階委員 いや、大臣の意思を聞いています。委員会の運営と離れてですよ。 きのうの段階では、少なくとも、大臣は御自身のみで答えるというつもりでいらっしゃったんじゃないですか。お答えください。
○金田国務大臣 繰り返しになりますが、委員会におきましては委員長から指名を受けた者が答弁するものと承知しておりまして、私としては、委員長の指名に従いまして誠実な答弁に努めてまいりたい、このように考えております。
○階委員 では、委員長にお伺いします。 なぜ、私が先ほどのような通告をしたにもかかわらず、出頭する必要がないと申し上げたにもかかわらず、政府参考人がこの場所にいるんですか。お答えください。理由をお答えください。
○鈴木委員長 新たな刑罰規定を設けるという本法案の審議に当たっては、技術的、細目的、かつ実務面にわたる詳細な質疑と答弁が不可欠であり、刑事局長の常時出席が必要と判断したものであります。 そこで、衆議院規則四十五条の三にのっとって、委員会においてお諮りし、議決した次第でございます。
○階委員 私は、だから、わざわざ技術的、細目的事項については聞きませんということを言っているわけです。なぜそれを曲解されるんでしょうか。私の質問権は、委員長の勝手な解釈で技術的、細目的事項というふうに判断されていいんですか。私の質問する事項、全然技術的、細目的事項ではありませんよ。 ちなみに言いますと、前回、あの三十分をかけて、結局、大臣からは二つの質問について明確な答弁が得られなかった。 一つは、今回の法案は、従来の共謀罪法案で問題となった部分を改善したのか。これは、どうですか、技術的、細目的事項ですか。技術的、細目的事項じゃないでしょう。にもかかわらず、私が三回聞いても、明確な答えはなかった。改善したのかどうかという問いに対して何て答えていたか、今申し上げますよ。「不安や懸念を払拭する内容となったというふうに私は受けとめております。 過去の法案においても厳格な要件によって処罰範囲が十分に限定されていたということは考えているわけであります。」。 改善されたかどうかということを聞いているのに、前段の方では何か改善したような話をしておいて、後段の方では今までも問題なかったんだみたいな話をされていますよね。 改めて聞きます。結論だけで結構です。改善されたのかどうか。大臣、お答えください。
○金田国務大臣 そういう観点から申し上げるといたしますと、私は改善されたと考えております。
○階委員 こういう話なんですよ。これが技術的、細目的事項ですか。なぜ技術的、細目的なんですか。 委員長にお尋ねします。なぜ技術的、細目的なんですか。
○鈴木委員長 質問を拝聴しながら、それを指名をします。
○階委員 それでは、もし私が本質的、基本的な質問をしたにもかかわらず、これを政府参考人に答弁させたならば、私は質疑が続行できませんので、すぐに退席させていただきます。 そして、伺います。(発言する者あり)
○鈴木委員長 御静粛に願います。
○階委員 うるさい。黙っていろ。 静かにさせてください。静かにさせてください。
○鈴木委員長 御静粛に願います。冷静に願います。
○階委員 大臣に、基本的、本質的なことをお尋ねしますね。(発言する者あり)
○鈴木委員長 御静粛に願います。
○階委員 おととい、もう一つお尋ねしたのは、組織的犯罪集団という概念がなかった従来の政府案でも、犯罪が成立する団体の範囲は今回と同じなのかどうかということを私は十回聞きました。十回聞いても明確な答弁は得られず、何度も質疑が中断しました。ようやくその後の枝野委員の質問で、十一回目にして、政府参考人が内容は変わらないということを言ったわけですね。それをまず前提とします。 まず、組織的犯罪集団、確かに今まで解釈だったものを明文化した。明文化したという意味では改善かもしれませんけれども、内容は変わっていない。これをまず押さえておきたいと思います。一番最初に改善されたと言っていましたね。 もう一つ、大臣がかねがね言っていること、今回は、従来の共謀罪と違って、実行準備行為がないと処罰されない、犯罪の成立範囲は絞っているということを言っています。 そこで、お尋ねします。 今回の法案は、対象犯罪を行うことの合意を処罰するものなのでしょうか。お答えください。
○金田国務大臣 階委員の御質問にお答えをいたします。 テロ等準備罪は、組織的犯罪集団が関与をする別表第四に掲げられている犯罪の実行を計画し、その計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときに処罰の対象とするものでありまして、対象犯罪を行うことの合意が行われたとしても、それのみで処罰するものではありません。
○階委員 いや、その点ですけれども、四月十七日の決算行政監視委員会で大臣はこのような答弁をなさっています。私は、TOC条約の条件を満たすためには、予備罪、あるいはそれの共謀共同正犯などでも足りるんじゃないかという問題提起をしていたわけですけれども、それに対して金田大臣は何と答えたか。「予備罪は合意を処罰するものではありませんので、TOC条約上、その国内担保法としての要請を満たすものにはなりません。」とおっしゃっていますよ。 予備罪は、合意を処罰すると言っているじゃないんですか。合意を処罰するんじゃないですか。大臣、お答えください。大臣の答弁ですよ。
○金田国務大臣 予備罪は合意を処罰するものではない、このように考えております。
○階委員 済みません、私もちょっと言い方がまずかったです。質問の趣旨が明確ではなかった。もう一度繰り返します。 予備罪は合意を処罰するものではないので、TOC条約上、その国内担保法としての要請を満たすものにはなりませんとお答えされました。ですから、今回のいわゆるテロ等準備罪と政府が言っているものについては、合意を処罰するものだということを前提にしていますよね、違いますか。
○金田国務大臣 ただいまのような質問であるといたしますと、TOC条約は重大な犯罪の合意を処罰することを求めている……(階委員「そうですよ」と呼ぶ)のだから、テロ等準備罪は……(発言する者あり)いや、それは考えながらお話を申し上げます。だから、テロ等準備罪は、TOC条約第五条1の(a)の(1)により求められている重大な犯罪の合意を犯罪化するものであります。 もっとも、テロ等準備罪は、条約上認められているオプションを採用して厳格な要件を設けておりまして、対象犯罪を行う合意のみで処罰するものではない。そして、組織的犯罪集団が関与する別表第四に掲げられております犯罪の実行を計画し、その計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときに処罰の対象とするものであります。
○階委員 予備罪も、複数でやる場合がありますでしょう、予備罪の共同正犯という概念もありますよね。それを共同正犯でやる前に共謀がなされていた、そうすると、予備罪の共謀共同正犯ということになりますね。予備罪の共謀共同正犯でも、共謀プラス、オプションと言われる促進する行為があったということで、私はこれでも条約の条件を満たすと考えたんですね。でも、そういう問題提起に対して大臣は何と言われたかというと、「予備罪は合意を処罰するものではありませんので、TOC条約上、その国内担保法としての要請を満たすものにはなりません。」というふうにお答えされています。 やはりこれは、合意を処罰するというところがTOC条約の要件を満たすかどうかのメルクマール、分水嶺になるんじゃないですか。違いますか。
○井野大臣政務官 条約の解釈でございますので、基本的には外務省にお聞きいただいた方がよろしいかと思いますけれども、外務省の解釈によると、やはり合意を処罰することがTOCの要求される部分であるというふうに解釈をしているところでございます。
○鈴木委員長 金田法務大臣。
○金田国務大臣 今、私に委員長から指名がありましたので、そういう前提でここに立たせていただいています。 その上で、井野政務官から答弁を申し上げたとおりであります。
○階委員 それは時間の無駄ですよ。時間の無駄はやめてください。同じ答弁だったら言う必要がないです。 それで、結局、合意を処罰するものじゃないですか。本質は合意を処罰するものですよね、大臣。それでいいんですよね、大臣。合意を処罰するもの、そこは変わらないということでよろしいですね。
○金田国務大臣 先ほどもお答えをしたつもりであります。もう一度、お答えをいたします。 テロ等準備罪は、TOC条約第五条1の(a)の(1)により求められている重大な犯罪の合意を犯罪化するものであります。 もっとも、テロ等準備罪は、条約上認められているオプションを採用して、厳格な要件を設けております。対象犯罪を行う合意のみで処罰するものではなく、組織的犯罪集団が関与する別表第四に掲げられている犯罪の実行を計画し、その計画した犯罪を実行するための準備行為が行われたそのときに処罰の対象とするものであります。
○階委員 合意を処罰するということはお答えになったけれども、それだけでは処罰されないということで、実行準備行為が必要だということを言っていましたね。 実行準備行為が構成要件の要素であるというのが、前回の委員会でどなたかの質疑のときの答弁があったと思います。 そこで、私、成案が出てからお答えすると言われたものについて大臣にお尋ねしますよ。 結局、予備罪の手前で処罰するとおっしゃっています。かつ、何か、合意を処罰するものだけれどもそれだけでは足りないということもおっしゃっています。ということは、今回、二百七十七の、刑法上類を見ない、新しい犯罪類型を設けるということでよろしいですか。予備罪、準備罪という既存の類型、あるいは共謀罪、陰謀罪という既存の類型、いずれとも違う新たな犯罪類型を設けるものだという理解でよろしいですか。お答えください。
○金田国務大臣 階委員の御質問にお答えをいたします。 現行法の共謀罪や陰謀罪は、共謀や陰謀という行為を処罰するものであります。予備罪や準備罪というのは、予備や準備という行為を処罰するものであります。 他方、テロ等準備罪は、重大犯罪の計画行為に加えて実行準備行為が行われたときに初めて処罰するものであります。つまり、計画行為だけで処罰されるものでもありませんし、実行準備行為だけで処罰されるものでもありませんので、共謀罪、陰謀罪とも、あるいは予備罪、準備罪とも異なるものである、このように申し上げます。
○階委員 これは重要な答弁ですね。我が国の刑法上、今までになかった新しい犯罪類型をこの法案で設けようとしている。 新しい犯罪類型ということは、判例はない、解釈もない、したがって、刑罰の人権保障機能、すなわち、どういう行為が罰せられるかということが事前に行為者に認識されていなければ行為は制約されてしまう、萎縮してしまう。この部分が、今回新しい犯罪類型を設けるというのであれば、極めて重要な問題になってくるんです。だから、構成要件の明確性ということを私たちは厳しく問うていかなくてはいけません。 そこで、伺いますけれども、新たな犯罪類型ということを言われました。ということは、予備罪の共謀共同正犯とも全く違う類型だということでよろしいですか。
○井野大臣政務官 お答え申し上げます。 まず、ちょっと、共謀、陰謀についてでございますけれども、既に幾つかの犯罪については、共謀、陰謀罪というものはございます。だけれども、我が国においては、一般的に、いわゆるTOCが要求する、合意を処罰の対象とする犯罪類型というものがないから、今回こういう新たなテロ等準備罪等が必要になってくるということになっております。 その上で、では、予備の共謀共同正犯がもう全く要らなくなるということの理解でよろしいんでしょうか。それはまた、予備は予備で、それについては、現にさまざまな殺人予備とかの犯罪は別にきちんと規定されておりますので、それがなくなるということでは当然ないということであります。(階委員「ちょっと違います」と呼ぶ)あ、そうですか。では、もう一度。
○階委員 わざわざ新しい犯罪類型を設ける必要が本当にあるんだろうか。TOC条約に加盟しなくちゃいけない、その必要性は認めますよ。でも、新しい犯罪類型をわざわざそのために設けるのか。刑法、百年以上続いてきたものに、二百七十七の犯罪類型を一挙に設ける。たしか、立法ガイドの中にも、その国の法律の体系の中で立法の手当てをすればいいというような規定もありました。 だから、このやり方というのは余りにも事を大きくし過ぎている。新しい犯罪類型を設けるということであれば、本当に、行為の萎縮、言論の萎縮、そういう危険もあるわけです。だから、私は、新しい犯罪類型というよりも、既存の犯罪類型で対応できる道を探るべきではないかと思うわけですよ。 大臣、その考え方は間違っていますか。
○井野大臣政務官 その点については、我々はあくまでTOC条約に入るということが大前提でございまして、やはり、外務省の説明というか解釈等によると、予備だけでやっていくということではなく、なかなかそれは犯罪の処罰化につながらないということでございましたので、今回はこういうテロ等準備罪を新設することが必要だというふうに判断しているところでございます。
○階委員 大臣のお考えはどうですか。
○金田国務大臣 テロ等準備罪処罰法案というのは、国際組織犯罪防止条約を担保するためのものであるということは申し上げてきたところであります。 国際組織犯罪防止条約第五条は、締約国に対し、重大な犯罪を行うことの合意または組織的な犯罪集団への参加の少なくとも一方を、その未遂または既遂とは別に犯罪化することを義務づけております。しかし、現行法上、参加罪は存在しない。そしてまた、一方で、共謀罪、陰謀罪が設けられているのはごく一部の犯罪にすぎない。これに加えて、予備罪は予備行為を処罰するものであって合意を処罰するものではない上に、客観的に、過去の判例からいけば、相当の危険性がなければ処罰の対象とはならない。したがって、個別に予備罪を設けたとしても条約上の義務を担保することにはならない。 また、個別に共謀罪、陰謀罪を設ける場合には、条約上の義務を担保できるものとする必要があるので、本法律案のテロ等準備罪と同様の範囲で共謀罪等を設ける必要があることになると考えられるわけであります。 そうした中で、今申し上げたように、テロ等準備罪処罰法案をお出ししているということであります。
○階委員 ちょっと、私の質問の趣旨と答えがずれていますね。 私が比較しているのは、予備罪と今回の罪との違いを言っているんじゃなくて、予備罪の共謀共同正犯と今回の罪の違いを言っているわけです。予備罪の共謀共同正犯だったらTOC条約の条件を満たすのではないかというふうに私は考えております。 ここは極めて技術的なところと言えなくもないので、大臣が答えられなければ次に回しますけれども、どうですか、答えられますか。
○金田国務大臣 さすが階委員でございます。 予備の共謀共同正犯という細目的事項にわたる御質問であります。したがいまして、直ちに私からお答えすることは困難でありますので、せっかく……(階委員「いいです、振らなくていい」と呼ぶ)そうですか。
○階委員 こうですよ。委員長、私はこれが本来のあるべき姿だと思いますよ。私らも、そこまで細かいことは大臣に答えてもらおうとは思いませんので、ぜひ従来どおりの運営でお願いします。 大臣、では、今の話は別途聞きますとして、大事なこととして、これも四十の質問というか、成案が出てから答えるリストに入っている話です。 実行準備行為は構成要件の要素ということが先日の質疑の中で判明しました。 そこで、前にペンディングになった私の質問の中で、共謀罪の捜査というのは実行準備行為の後に行われるんでしょうか、あるいは、その前の段階でも計画があれば行われるんでしょうか、こういうことを前から聞いていました。きょうも通告をしていますよ。これは大臣の答えるべきことですので、明確にお答えください。
○金田国務大臣 捜査は個別具体的な事実関係のもとで行われるものであります。 テロ等準備罪につきましても、他の犯罪の捜査と同様に、捜査機関が犯罪の嫌疑があると認めた場合に初めて捜査を開始するものであります。
○階委員 そこで、あえて先ほども言った、実行準備行為が構成要件の要素である、この答弁は極めて重要で、構成要件の要素であるということは、実行準備行為があって初めて犯罪が成立するわけですよ。ということは、この実行準備行為が行われた後でなければ捜査はできないという論理的な帰結になると思いますが、大臣、違いますか。
○金田国務大臣 先ほども申し上げました。捜査は個別具体的な事実関係のもとで行われるものであります。 テロ等準備罪についても、嫌疑があると認めた場合に初めて捜査を開始することができるということになります。
○階委員 嫌疑があるというのは、刑訴法で言うと百八十九条二項にありまして、犯罪があると思料するときでなければ捜査はできないというのが百八十九条二項です。犯罪がある、嫌疑があるというためには、実行準備行為が行われないと構成要件は完結しませんから、犯罪があるとは認められないと思うんです。 だから、論理的には、実行準備行為が行われた後でなければ捜査は開始できない、このことだけ、明確に答えてください。それでいいかどうか。
○金田国務大臣 捜査手法や捜査の開始時期、非常に重要な点であります。(階委員「だから成案が出た後答えると」と呼ぶ) ですから、今その質問に対して私はここに立たせていただいておりますが、具体的な捜査手法や捜査の開始時期というものは実務的な質問でもあって、直ちに私からここでお答えすることは困難であると申し上げたいと思います。
○鈴木委員長 階君、時間が参っておりますので、御協力を願います。
○階委員 ちょっと済みません、枝野さん、ちょっとだけ。 これは成案が出た後に答えると言って、さんざん予算委員会の分科会でもやりましたよ。だから私は聞いているんです。これは明確に答えてください。 捜査は実行準備行為の後でないとできないというのが、私は、実行準備行為が構成要件要素であることの帰結だと思います。違いますか、大臣。ここだけ明確に答えてください。
○井野大臣政務官 捜査というのは本当になかなか一概に、個別具体的な事情によるので、さまざまな事情がございます。 一つ、では例を挙げさせていただきます。 例えば、飛行機等をハイジャックして……(発言する者あり)なかなか答えにくいですね。飛行機ハイジャックとか、そういうテロを考えた場合に、例えば、先に誰かしらから垂れ込みがあって、こういうやつらがそういう計画をしているという段階、その上で、例えば誰かが準備行為としてチケットを買いに行った。どちらが先かどうかというのも、それは垂れ込みが先かもしれないし、チケットを買いに来た、怪しいやつが来たというところで捜査が開始されるかもしれない。 それは、個別具体的な状況で何とも言えないというのが捜査実務だというふうに思います。
○金田国務大臣 先ほど申し上げましたが、これは実務的な側面を重視しなければいけません。 でも、私から申し上げられることは、捜査というのは個別具体的な事実関係のもとで行われるものと何回も申し上げました。その開始時期とかいうものについて一概にお答えすることは非常に困難なんですけれども、テロ等準備罪については、他の犯罪の捜査と同様に、捜査機関が犯罪の嫌疑があると認めた場合に初めて捜査を開始するものである、このように考えております。 そして、テロ等準備罪が成立するためには、組織的犯罪集団が関与する重大な犯罪の計画行為に加えて、実行準備行為が行われることが必要であるということも申し上げておきたいと思います。したがって、実行準備行為が行われておらず、テロ等準備罪が成立していない段階においては、罪を犯したとは言えない、そしてテロ等準備罪を理由に逮捕や捜索、差し押さえといったような強制捜査はできない、このように考えております。
○鈴木委員長 階君、時間が参っておりますが。
○階委員 質問に答えてください。強制捜査とは聞いていません、捜査一般ですから任意捜査も含んでいます。 最後の結論のところだけ、任意捜査も含んで答えてください。
○鈴木委員長 法務省林刑事局長。(階委員「だめだめだめだめ。だめだ。だめ。今、本質的なところです。だめです。だめです。あなたは関係ない。出ていってください。だめです」と呼び、その他発言する者あり) 私が指名しました。今は実務です。私が指名しました。(階委員「実務じゃない。私の質問に対する答えです。私は捜査について聞いた……」と呼ぶ) 林刑事局長。その後で大臣が答えます。
○林政府参考人 テロ等準備罪についても、嫌疑がなければその捜査が行われることはございません。(発言する者あり)そのことを前提としまして、個別具体的な事実関係のもとで、捜査の必要性が認められる場合には、手段の相当性が認められる範囲において任意捜査が許容され得るものと考えられます。
○鈴木委員長 お下がりください。(発言する者あり)
○林政府参考人 したがいまして、テロ等準備罪において、実行準備行為が行われていない段階にありましても、個別具体的な事実関係のもとで、例えば、テロの計画が行われ、それが実行される蓋然性があって、犯罪の嫌疑があり……(階委員「もうやめてください、あなたは。呼んでいませんから」と呼び、その他発言する者あり)
○鈴木委員長 私が指名しました。
○林政府参考人 その捜査の必要性があると認められる場合には、手段の相当性が認められる範囲におきまして任意捜査を行うことが許されるものと考えております。
○階委員 衆議院規則違反です。私はもう質問を続けられません。終わります。
○鈴木委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○鈴木委員長 速記を起こしてください。 次に、枝野幸男君。
○枝野委員 申し上げたいことはいろいろあるんですが、聞きたいこともたくさんあるので、絞って最初に申し上げたいと思いますが、自民党の皆さんというのは便利な記憶能力をお持ちのようで、民主党がやったことについての記憶は、非常に詳細にいろいろなことをおっしゃる。安倍総理に至っては、もうこれしかない。きょうも何か、大分前に修正案を民主党として出した、その修正案について一生懸命取り上げていただきましたが、自分たちがやってきたことについては全くお忘れになっているようで、この都合のよさは何なんだろうなと私は申し上げておきたいというふうに思います。 野党自民党の時代も、これは技術的な事項だから政府参考人をつけさせてくれと何度もお願いをしたけれども、だめだといって拒否された。それでも、こんな強引な形で政府参考人をつけるだなんてことはしませんでしたよ。前代未聞の政府参考人強行です。 しかも、我々、嫌がらせのように政府参考人は一切認めないなんてやっていませんでしょう。きのうだって、私は初めから政府参考人を登録すると言っていましたし、きょうもそうです。にもかかわらず、こういう形で、要求もしていない、つまり、基本的事項について尋ねると言っている質問に対して、今まで、我々の政権のときも答弁がなかなか不安定な方はいらっしゃいましたよ、それでもこんな強引なことはしなかった。それを、二回も続けて強引なことをやった。 これは、金田大臣が怒らなきゃいけないことなんですよ。つまり、歴代、少なくとも政府参考人制度ができて以降の歴代大臣の中であなたが一番能力がない、与党はそういうふうに判断をしている、そういうことなので、あなたは、怒るか、恥ずかしくなって逃げ出すか、そうしないとおかしいことなんだということをまずは申し上げておきたい。
○鈴木委員長 枝野君に申し上げます。 発言には十分御注意を願います。
○枝野委員 でも、客観的にそうでしょう。政府・与党がそう考えていなければ、先ほどだって、いや、それは技術的な事項だからここでは答えられません、そう答えればいいんです。それだと、基本的な事項についても何度もそう答えることになって、それじゃもたないと与党の皆さんがお考えになったから、こんな前例のない強引なことをやった。今までの歴代どの内閣でも、どの大臣でも、答弁が不安定で、これはちょっと何とかしないとというときは我々が与党のときもありましたよ、それでもこんなことはしなかったのに、そうした大臣よりも答弁する能力がないということをみずから認めているということ、そのことをまず指摘しておきたい。 それから、先ほどTOC条約との関連でいろいろなことをおっしゃっていましたが、我々は、TOC条約には入るべきだ、一貫をしています。入る必要はないなんて言っていません。そして、入れるというふうに考えています。 かつての民主党修正案についていろいろ御指摘がありましたが、まさに外務省がいいかげんな、事実と異なる説明、答弁をしていた時期における修正案です。しかし、これはどうもおかしいということの中で、これは日本語訳は外務省がやっているような訳ですから、私はできませんけれども、原文の英語とかに戻って、しっかりと経緯も調べて、いや、こんな法律をつくらなくても入れるということがはっきりしたので、それならば、こんな萎縮効果の大きい、濫用のおそれの大きい法律はやるべきではないということを申し上げているので、このことははっきりさせておきたいというふうに思います。 その上で、私は刑事局長とお話をさせていただきます。 前回の質疑で、私は、TOC条約との絡みのところについて、TOC条約のまず二条、「組織的な犯罪集団」の定義のところ、「金銭的利益その他の物質的利益を直接又は間接に得るため」という目的が限定をされている、こういうことについてお尋ねをしましたところ、この文言は非常に幅広く解釈をされる、非常に幅広く解釈をされるのでみんなこれに当たる、当たらないのは本当に純粋に精神的な利益だけを求めているごく一部のものが外れるだけだ、そういう趣旨の答弁をされましたね。ここに私は持っていますからね、刑事局長。
○林政府参考人 条約の今御指摘の部分は、まず二条で「金銭的利益その他の物質的利益を直接又は間接に得るため」という文言があり、さらに五条でも同様の文言がございます。 この二つの文言の意味については、私どもとしては、この条約において意味する内容は非常に広い概念である、このように考えております。 したがいまして、今回、この条約が求めるこの部分について、国内法上にそれを落とす際に、これについては、ほとんどこの部分で除外される内容、これは純粋に精神的な利益のみを求める、こういった目的、そういったもので組織犯罪が行われるということは想定しがたいと考えまして、国内法上に落とすときにこの文言は使わなかったということでございます。
○枝野委員 外務省の政府参考人、来ていますね。 どこの文言からそんなことが読めるんですか。わざわざ、ほとんどの活動は、それは幅広くこの目的を読むならですよ、「金銭的利益その他の物質的利益を直接又は間接に得るため」、幅広く見れば、純粋に精神的な満足を得るためのこと以外は全部入りますと。 そんな幅広く見るんだというのは、この条約のどこからどう出てくるんですか。どう日本語を読んだって、これは広く解するんですと、文言上は出てきません。何か根拠はあるんですか。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。 この「金銭的利益その他の物質的利益」ということにつきましては、交渉過程からこれを幅広く解釈するというふうなことで議論が進んできてございます。 ちなみに、UNODCが出しております立法ガイドにおきましても、この部分につきましては、純粋に政治的または社会的な目的を持つ集団を除外するといった反面、「物質的利益」という文言は、財政的、金銭的または同等の利益に限定されていないということで、できる限り広く解釈をするということが共通理解になっております。
○枝野委員 いや、いい答弁をいただきました。立法ガイド、外務省の方が理由を説明するのに使っていただきました。これから先は仲間にやってもらいますが、まさに立法ガイドには共謀罪は要らないと書いてあるということは、きょう私はやりません、英語のできる仲間にやってもらおうと思います。 前回の質疑で、これも刑事局長だったと思いますが、結合の基礎としての共同の目的、これは六条の二ですね、だんだんこっちも条文を覚えてきましたが。六条の二の、結合の基礎としての共同の目的について、資金獲得の犯罪を繰り返すからといって結合の基礎となっているとは必ずしも言えないという趣旨のことをして、その犯罪を行わない場合には自分たちはその団体から離れる、このような関係にはならないという趣旨のことをお答えになっています。お答えになっていますね。
○林政府参考人 御指摘、どの文脈であったか、ちょっと定かに今記憶はございませんが、基本的に共同の目的というところで言わせていただいたのは、そういった結合関係の基礎の共同の目的というものは、その構成員が共通して有し、その達成または保持のために構成員が結合している目的をいいますので、その目的がなければ結合するということにならない、あるいはその構成員がそこから離れていく、そのような関係になるものであるという意味を御説明したものだと考えております。
○枝野委員 それから、これは誰の質疑だったでしょう、きょうの午前中の質疑の中で、やはり共同の目的について、構成員が共通して有しとお答えになっていますね。
○林政府参考人 共同の目的の意義として、結合体の構成員が共通して有し、その達成または保持のために構成員が結合している目的というふうに説明をしております。
○枝野委員 そうすると、そういうふうに聞くと、ああ、何か限定されるんだな、普通の人たちは対象にならないのかなという方向に傾くんですよ。 私も、オウム真理教のあのテロ事件とか、いわゆるテロリスト集団とか暴力団とかオレオレ詐欺集団とか、こういうものが早い段階で重く処罰されるのは大賛成ですよ。だけれども、今の答弁を前提にすると、オウム真理教は、地下鉄サリン事件を起こした時点でも、この六条の二に言う「組織的犯罪集団」から外れちゃうんじゃないですか。
○林政府参考人 私が申し上げたのは、この「結合関係の基礎としての共同の目的」というのは、結合体の構成員が共通して有し、その達成または保持のために構成員が結合している目的をいいます。 さまざまな結合している目的というのは諸団体においてございますけれども、その団体における目的、例えばそれを実現するための手段につきましても、特定の手段によってその目的の実現を目指しているような場合、こういった場合には、その手段のみをそれから分離することはできないわけでございますので、一体として共同の目的になるものと考えております。
○枝野委員 また、よくわけのわからないことを言っていますね。 いいですか。地下鉄サリン事件の段階でも、オウム真理教の信者の中で、具体的に、サリンを使ってこういうやり方で人を殺傷しようというところまでは、みんなは知らなくてもいいと思います。でも、何か教義だか教義じゃないのかよくわかりませんけれども、その目的のためには人を殺しても仕方がないんだというようなことを、あの時点のオウム真理教の信者とされる人たち、共通していたんですか。ごく一部の中枢メンバーだけじゃないですか。結合の目的じゃないじゃないですか。
○林政府参考人 その時点における結合関係としての共同の目的、これが今回は別表第三に掲げる罪を実行することにある、こういったものが組織的犯罪集団の要件となっておりますが、そういった結合の目的というものを認識していない者というものについては、組織的犯罪集団の構成員ということにはならないと考えております。
○枝野委員 だから、私はオウム真理教の例を出したんですよ。 暴力団みたいな場合は、末端のぺいぺいは上の方の親分衆が何をやっているかわからぬ、わからないけれども、とにかく使いっ走りさせられる。だけれども、オウム真理教の場合、あの地下鉄サリン事件などで、おくればせながら警察が動き出し、メディアに取り上げられるまでは、相当な数の信者がいたんですよ。この中で、人を殺してでもいいんだというのは、逆に半分よりは少なかったんじゃないですか。 その人たち、つまり、オウム真理教という集団はやはり組織的犯罪集団にならなくて、その中の、これは、麻原彰晃の命のもとに、いざとなったら人も殺すんだとか、何とか省とかと名前をつけていたけれども、ああいう人たちだけをピックアップするならば余地はある。やはりだめだと思いますけれども、この条文上は。だけれども、オウム真理教全体は、人を殺してでも何か麻原彰晃の言っている教義だか何だかわけのわからないものを実現するんだなんということを思っていた人なんて、半分以下じゃないですか。違いますか。
○林政府参考人 具体的な社会的実態を想定して今回の組織的犯罪集団の定義に当てはめるということは、共通の事実認定というものがないものですからお答えはできませんけれども、少なくとも、組織的犯罪集団というふうに認められるためには、一般に言う団体の中で、それが今回の組織的犯罪集団というものの要件を満たす場合においては組織的犯罪集団ということを認定することは可能であるわけであります。そうしたときに、一般の意味での団体というものの範囲と、今回の組織的犯罪集団という範囲というものは必ず一致するものではないわけでございます。 いずれにいたしましても、社会的な実態のある団体の中で、今回、組織的犯罪集団と認められるもの、今回の要件を満たすものがあれば、それは、そこに組織的犯罪集団というものを認定することができ、また、そこにその組織的犯罪集団の構成員というものを認識することが可能であろうかと思っております。
○枝野委員 きょうのやりとりの最初の方で、これは刑事局長もお認めになったけれども、この目的をやらないんだったら、もう俺は外れるわというようなレベルのものでは、結合の基礎としての目的ではないという趣旨のことをおっしゃいましたよね。 だけれども、そもそも、人を殺してまで麻原彰晃の言っている社会をつくるんだという、この人を殺してまでということを知りもしない大多数のオウム信者は、目的になっていないじゃないですか。それが、人を殺してまでやるんだなんて言ったら、いや、やはり私はやめますわなんて人たちがたくさんいた可能性があるじゃないですか。違いますか。
○林政府参考人 組織的犯罪集団として、この結合関係の基礎として、今回の別表第三に掲げる罪を実行することが共同の目的になっているような団体となりますと、その犯罪実行の目的等を認識していない者というものについては、これは組織的犯罪集団の構成員とは認められないと考えております。
○枝野委員 認識していない者は構成員ではない。したがって、あの地下鉄サリン事件のときも、麻原彰晃とその中心メンバーは人を殺してまでやろうと思っていたということを認識していなかったあのときのオウム真理教信者の人たちを除くオウム真理教が組織的犯罪集団、こういうことですか。
○林政府参考人 具体的にオウム真理教ということでのお答えはしませんけれども、いずれにしても、その団体の中で、この結合目的というものを認識していない者、あるいは、組織的犯罪集団と言うためにはその組織構造というものが要求されますが、そういったことについての認識もない者、こういった者、すなわち組織的犯罪集団というものの存在を認識できていない者というものについては組織的犯罪集団の構成員ではないわけでございます。
○枝野委員 局長の言うことはわかりました。それをもっと明示しないとだめなんじゃないですか。少なくとも、局長の今の御答弁の趣旨でこの法律を解釈するんだ、それならば制限されるんだ、普通の人は巻き込まれないんだとおっしゃりたいんでしょうが、僕はそうはならないと思います、それは別途詰めますが。今のような解釈、この条文から読めますか。ちょっと明確にしないとだめじゃないですか。 つまり、この共同の目的、普通は、例えばテロリスト集団とか暴力団とか、あるいはよく出されるオウム真理教とかといったら、それ全体が組織的犯罪集団だと。確かに、そういうところが何か変なことをするに当たっては、それは末端の方の人たちはよくわかっていなかった人たちがたくさんいるけれども、だけれども、そういう人たちが使いっ走りしたりとか、犯罪ではないけれども、いろいろなところでいろいろなことをやって、金を上に貢いだりとかして、それが実際には爆弾に使われるとか、そういうこともあるから、やはりそこはちゃんとウオッチしてというのがもともとの組織犯罪のこの法律の根本ですよね、暴力団対策などの。 にもかかわらず、要するに、犯罪を犯す、別表第三の罪を犯すということについての認識がある人たちだけの集団ということでいいんですね。
○林政府参考人 今回の法文の条文におきましても、「結合関係の基礎としての共同の目的が」、このように明文で書いております。そしてその意味は、結合体の構成員が共通して有し、その達成または保持のために構成員が結合している目的というふうに、意味するというふうに先ほど来から答弁させていただいております。 したがいまして、その構成員というものについては、この結合目的というものを認識していない者、それを把握できていない者というものについては、この構成員の外にある、ではないというふうに考えられます。
○枝野委員 そうすると、そういう団体が、二条、大前提としてあるのは、団体の中でそういうものがここで言う組織的犯罪集団ですよね。第二条で、「「団体」とは、」「継続的結合体であって、」と言っているんですよね。 オウム真理教の例は、これは普通の、要するにだまされた、洗脳されていた信者以外のコアの、中心の人たちが継続してああいうおかしな非道なことを繰り返した、だからオウム真理教は継続的結合体なのかもしれません。 しかし、実際に我々が危惧するテロで、要するに、何か政治的、宗教的主張を実現するためにという非常に大きな団体がある、それが世界的にネットワークを張っていろいろなことをやっている、でも、犯罪を犯してまで、例えば人の命をあやめてまで実現するんだというところまでは共通の目的になっていない構成員もたくさんいたりする、その中の中心メンバー何人かが、さあ今回はここでやってやろうとか、こういう話になったら外れちゃう、こういう解釈でいいんですね。
○林政府参考人 委員が今テロと言われたテロリズム集団について、どのような社会的実態を認識されて御質問になっているかというのが、私、定かではありませんが、少なくとも私どもでテロリズム集団、テロということについては、やはりこれは、その特定の主義主張に基づいておりますが、それについて、国家もしくは他人にこれを強要したり、あるいは社会に不安もしくは恐怖を与える目的で人を殺傷したり、重要施設その他のものを破壊するためのこういった活動の団体、このように考えております。 そうしますと、その中においては、その主義主張に基づいて、そういった人の殺傷行為でありますとかあるいは重要施設の破壊とか、そういった犯罪行為ということを行う、これを目的としている団体ということでありましょうから、そういったものについては、今回の組織的犯罪集団に当たる一番典型的な例であろうかと思います。
○枝野委員 余り今の答弁は明確じゃないんですが。 大事なことだけ、もう一回、刑事局長、答えてください。これは答弁として担保できるならば一定のプラスの意味だと思いますから。大臣、これで間違いないかだけ、刑事局長が答えた後、大臣に聞きます。いいですか。 要するに、共同の目的としての別表三に掲げられた罪を犯す、それを目的としているんだということを知らない人たちはここで言う組織的犯罪集団の構成員にはならない、これで間違いないですね。
○林政府参考人 もう一度正確に申し上げれば、ここの「結合関係の基礎としての共同の目的」というものは、結合体の構成員が共通して有し、その達成または保持のために構成員が結合している目的でございますので、そういった結合目的、この目的であるところの、今回のこの共同の目的というのを認識し得ていない者、把握していない者については、この組織的犯罪集団というものが観念できるといたしましても、その構成員ではないと考えます。
○枝野委員 今の答弁で、大臣、簡単に、一言で言ってくださいね、いいですね。
○金田国務大臣 ただいま刑事局長から申し上げたとおりで、私も同じ考えです。
○枝野委員 そうすると、暴力団員でも、もしかすると、ここで言う組織的犯罪集団の構成員ではない人も出てくるんだなということはわかりましたし、本当にそれが、そういうものが継続性を持ったという認定との関係で、逆に、どれぐらい認定できるのかなというのは気になりますが、それはそちらが考えることかなというふうに思いますので。 今との流れで、今申し上げた、別表三に掲げる罪を実行するということが共同の目的である、結合の目的である、基礎である。この別表三に掲げた罪を犯すということの意味は、その別表三に掲げられた罪に当たる客観的行為であればいいのか、それとも、その客観的行為について違法性があるという認識を要するのか、刑事局長、どっちですか。
○林政府参考人 まず、前提といたしまして、違法性の意識というのは故意との関係で論じられます。刑法第三十八条三項にございます。その際に、その違法性の意識までが要るのか要らないのか、こういったことが論じられているわけであります。 そして、今回の組織的犯罪集団の結合関係の基礎としての共同の目的が別表第三に掲げる罪を実行することにあると言えるために、構成員が当該犯罪に該当する行為が違法であることを認識していることを要するか否かということについては、この故意の問題とは別の問題ではございます。 その上で、構成要件に該当する客観的事実を認識して実行すれば、違法性の意識がなくても犯罪が成立する以上、犯罪の構成要件に該当する事実を認識した上で、それが結合関係の基礎としての共同の目的となっているのであれば、それは組織的犯罪集団に当たり得ると考えます。 ただ、もっとも、ある団体の結合関係の基礎としての共同の目的が犯罪を実行することにあると言えるか否か、これは故意の問題とは別の次元でのまた論点でございまして、個別の事案における当該団体の構成員の結合の基礎が何であるかという認定の問題になりますと、仮に、構成員らが客観的に犯罪に該当する行為を反復継続しているが、当該行為が違法であることを知れば、あるいは違法性の意識がなかった者が違法であることを知るに至ればそのまま結合し続けるとは言えないような、結合し続けることがないと言えるような場合になりますと、当該団体の結合関係の基礎としての目的において、犯罪を実行することにあるとは言えない、このように考えられる場合もございます。 こういった意味で、違法性の意識を要するか否かという点につきましては、故意の要件の問題では、明確に、その故意、違法性の意識というものは要らないということに考え方は立ちますけれども、結合関係の基礎としての共同目的が犯罪の実行にあるかどうか、認定の問題の中に入ってまいりますと、かなり大きなファクターを占めてくると考えております。
○枝野委員 ようやく、何を言っているのか、整理していただきました。 その限りの考え方については一つの考え方だということは、なおかつ、一歩前進かもしれないということは私、認めます。確かに違法性の認識は必要ない、別表三の罪に当たる行為が違法だということを知りながらみんなでやるということは必要としない。だけれども、違法だと気づいたら、これはもうやめるよねとみんなが思っている状況であるならば、結合の基礎にはなっていない、非常にわかります。 つまり、後で使う例ですけれども、アマチュア合唱団が楽譜を一冊だけ買って、あとはみんなしてコピーして、それでみんなで歌の練習をして発表会をしました、これは著作権法違反です。 これは違法なんだということを気づいてやれば、当然、結合の基礎に当たり得るというか大変な問題だけれども、いや、こんなものはみんなやっているから、当たり前だから、別に問題なことではないよねと思っていたけれども、違法だという指摘をされたらやめますということであるならば結合の基礎ではない、こういうことですよね。そういうことですよね、今の答弁は。
○林政府参考人 そうですねと言われてみても、どのように言われているのかがわかりませんが、確かに、違法性の意識がその犯罪の故意として必要かどうかという問題を離れても、結合関係の基礎としての共同の目的が犯罪実行にあるかということを認定する際においては、やはり、違法性の意識というものが生まれたときにそのままその集団に残るか残らないかということは当然問われてまいりますので、そういった意味で関係があるであろうというふうにお答えさせていただきます。
○枝野委員 わかりました。 もう一回私なりに整理すると、別表の三に掲げる罪を実行することについては別に違法性の認識は求められていないけれども、だけれども、そうした目的が結合関係の基礎となっているかどうかということについては、違法だということを認識していたかどうかによっては認定は変わり得る。 それはもっともな意見のように聞こえますが、摘発されたら、あっ、違法だったんですか、気づきませんでした、でも、そんな違法だとわかっていたらこんなことはしなかったのにねと事後から言って、それは本当に、社会的にも、あるいは裁判実務においても許してもらえるんですかねというのが私はこの論点ではないかというふうに思います。 普通は、犯罪の成立には違法性の認識は必要とされません。違法であるかどうかということを知らなくても、これは適法だと思ってやっていたことであっても、客観的に構成要件に当たる、犯罪に該当する行為を実行すれば、その人が、ああ、そんなの犯罪だと知りませんでしたと言っても許してはくれません。 みんながこれは犯罪に当たるなんということは気づいていなかった、あるいは大部分の構成員は気づいていなかった、でも、それでみんなで一生懸命やっていたことが実は、それこそアマチュア合唱団の楽譜のコピー、著作権法違反、えっ、違法なんだと、気づいていなかったけれども、だけれども、個人でやった場合には、個人でやった場合には、著作権法違反の既遂罪は、楽譜をコピーしてみんなに配って、これで練習して発表会をするのは、著作権法違反なんだと知らなくても処罰されるんです。 みんなで結合してアマチュア合唱団を組んで、みんなで違法コピーで練習をしていた、その共謀があった、だから組織的犯罪集団だという摘発を受けてから、いや、私は知りませんでした、そんな法律と言って、社会的にも、あるいは捜査実務上も、いや、きっと知らなかったですねと、それが違法だということをあなたは知らなかったですねって、どうやって証明するんですか。本人が供述したら、そんなことが違法だというのは私は知りませんでしたよと証言したら、これは認めてくれるんですかという問題なんだということを申し上げておきたいというふうに思います。 もう一つ、前回の続き。著作権法違反の問題について、明確な答えをいただいていないんですが、著作権法違反は親告罪です。親告罪ということは、告訴がなければ起訴できないわけです。共謀の段階で、正確に言うと計画の段階で、計画をして実行準備行為はなされているけれども、実行には着手していないという状況では、告訴をすべき被害者、つまり著作権者はそんなことを認知していないわけです。 どうしてこんなものの共謀罪、準備罪が要るんですか、あるいはどういうふうに告訴を得るんですか。こういうのがありましたよとわざわざ御説明に行って、告訴してくださいと。えっ、そうなんだ、俺は全然知らなかったし、何の動きも外には見えないけれども、俺の著作権が侵害されるんだ、こんなものは立法の必要性はあるんですか。 この間は、未遂罪についても親告罪があると言いました。そうです。未遂罪は実行の着手があるんですから、それは、未遂の形態、いろいろな形態によるけれども、被害者自身が、自分が被害者となるような、そういう実行の着手があったということを認識し得る余地があるんですよ。 ところが、計画罪、準備罪で、被害者が自分の著作権が侵害されたなんということを知り得る余地はないでしょう。どうするんですか。
○林政府参考人 まず、親告罪が対象犯罪になっているというのについては、これはやはり組織的犯罪集団が、例えば、いろいろな海賊版のCDなどを販売して資金を獲得するとか、そういったことは現実的に想定されるというふうに考えておるものですから、この対象犯罪とまずしておるわけでございます。 その上で、親告罪という問題については、これは、テロ等準備罪の保護法益というものは、あくまでもその対象犯罪の保護法益でございますので、対象犯罪が親告罪ということであれば、このテロ等準備罪も当然親告罪である、こういう考え方に立っております。 したがいまして、今回、テロ等準備罪について著作権法違反を対象犯罪としたことに伴いまして、この著作権侵害を対象犯罪とするテロ等準備罪についても親告罪となるわけでございます。 その上で、親告罪というものは、もう御案内のとおり、それをもってでなければ起訴ができないというものでございます。 そして、そういうことで、親告罪である場合においても、先ほど未遂の例、先ほどというか、私も前回も未遂の例も挙げましたが、未遂の場合でありましても、もちろん、実行の着手があっても、実際には、自分が狙われているとか被害に遭う危険性に遭っているといったことの認識がない場合というのは当然ございます。その上でも当然捜査はなされるわけでございます。したがいまして、親告罪においての被害者の認識というものについては、これはその前から捜査は可能であるということは御案内のとおりだと思います。 そういった形でいきますと、テロ等準備罪が親告罪とされていることについて、では、具体的にどのような、被害者から告訴がなされるに至る経過をたどるのであろうかということを、これは個別具体的にまさしく異なりますので一概には答えられませんけれども、例えば、捜査機関が他の事件の捜査の過程で親告罪であるテロ等準備罪の嫌疑を認めて実際に捜査をし、その後に、その告訴権者が捜査機関からの連絡を受けてテロ等準備罪の嫌疑があることを知って捜査機関に告訴するという場合も当然あり得るわけでございます。 こういったことで、テロ等準備罪が親告罪となっていることと、このテロ等準備罪の告訴というものがあり得るのかどうかという問題については、今私が一般論として申し上げた経過というものも当然想定されるのであろうと思っております。
○枝野委員 幸いなことに、御関心のある方は、インターネット中継をごらんになっていたり、きょうも傍聴にたくさん来ていただいていますし、それどころか、速記が議事録掲載される前に、インターネット中継から文字起こしをして、インターネットで拡散してくださっている方もいらっしゃるので、今の局長の答弁、多くの国民の皆さんがわかったかどうか、納得されたかどうか。私は無理だというふうに思うんですが。 きょう、ここまで申し上げてきた話と重なるんですが、具体的な話で、先ほどアマチュアの合唱団の話をしました。 それから、四月六日の本会議で、これは國重先生の質問に対する答弁ですか、大臣自身が、自然環境や景観の保護などを主張する団体が行う座り込みについて、結合の基礎としての共同の目的が、そのような正当な目的にあるものと考えられ、重大な犯罪等を実行することにあるとは考えられませんから、組織的犯罪集団に当たることはなくと答弁をされているんですよ。 これも、先ほどの著作権法違反に当たるのかどうかを知っていたか知っていないか、違法性の認識があったかなかったかということにかかわるんですが、まず、済みません、私の知っている限りでは、アマチュアの合唱団とかオーケストラは、違法だ、著作権法違反だというのは知っていますよ。知っていますけれども、この辺まではお目こぼしだよねということで、一冊だけ買って、みんなでコピーして使っているというのが、少なくとも私の知る限りでは実態だと思います。それが僕は日本の音楽産業の振興のためにはいいことだとは思いませんが、現実に日本の文化予算その他の実態から考えると、じゃ一人一冊ずつ楽譜を買えという話が現実的な問題かということを考えると、なかなか難しい点があるんじゃないかと思います。 ということは、これも、ただでコピーしてみんなで歌おうねというのは、違法性の認識まで共有しながら組織的結合をしているのであって、これはみんなで歌を歌って発表しようという非常にすばらしい正当な目的だと私はここは力を込めて言いたいんですが、だから組織的犯罪集団に当たり得ることはないと言えますか。
○林政府参考人 まず、委員の前提となっております、違法な、楽譜を複写するなどして行う、そのこと自体が著作権法違反に当たるかどうかというのは、これは現在の著作権法違反の、ある意味既遂罪についての判断の中で行われてくるものであります。 今回のテロ等準備罪は、実行の着手があって既遂に達する、そういった場面のものではなくて、計画及び実行準備行為の段階で処罰するというものであります。そうであるからこそ、そこには組織的犯罪集団というさらに厳格な要件を付しておるわけであります。そして、組織的犯罪集団と言えるためには、やはり先ほど来申し上げている結合の共同の目的が犯罪の実行の目的であるというところが要件となっております。 私は、具体的な事案で考えなくてはいけませんけれども、アマチュアの合唱団、オーケストラなどが楽譜を複写することを繰り返しているとしても、その集団が、著作権法違反を目的として、それで結合しているという認定はなかなかできないのではないかと思いますので、そういった場合に組織的犯罪集団に当たることは考えにくいと考えております。
○枝野委員 だから、その答弁だと恣意的なんですよ。 アマチュア合唱団が、違法だとわかっていても、著作権法違反でコピーしてやっている。それは、やっていることは既遂だし、既遂を繰り返している。では、まず、既遂だから組織的犯罪集団に当たる、そこの問題なんですよ。この法律上、そういうアマチュア合唱団は組織的犯罪集団に当たり得る、ですよね。その組織的犯罪集団の認定については、まさに計画罪の話じゃないですから、当たり得る。では、当たらないのは、それが結合の基礎としての目的になっていないからとおっしゃるわけですよ。だから組織的犯罪集団じゃない。 だけれども、テロリスト集団だって、自分たちの主義主張を実現するために、間違ったことだけれども、彼らは彼らなりにこれをやるしかないんだといってテロをやるんでしょう。愉快犯的にテロをやっているわけじゃないでしょう、ほとんどのテロ集団は。愉快犯的にテロを実行するという犯罪はあると思いますが、いわゆるここで問題にしているテロリスト集団というのは、主義主張をごり押しするために凶悪な犯罪行為を行う。でも、その凶悪な犯罪行為を行うこと自体が本当の目的なのかといったら、違うじゃないですか。彼らの本当の目的は、主義主張を実現することなんですよ。 それは、アマチュア合唱団について、違法なコピーをした楽譜を使うことが目的ではなくて、みんなで歌を歌いましょうという正当な目的のために手段として違法コピーをするというのと、自分たちの主義主張をごり押しするために違法なテロ行為をするというのと、どこで区別ができるのか、普通の人にわかるように説明してください。だから、私たちは、普通の人には関係ないという話は全くのでたらめだと言っているんです。まさにここが肝なんです。どうですか。
○林政府参考人 テロリズム集団は、その主義主張に基づいて、あえて、殺傷行為あるいは重要な施設の破壊ということを行うこと、これを目的として集まっているわけであります。 他方で、今言われた、アマチュア合唱団などにおいて楽譜を複写することを繰り返しているという事態、この楽譜を複写するということ自体がもし仮に著作権法違反になると仮定いたしますと、そのような行為を行っているのは、その個々の行為について、それを、そういった場合に著作権法違反に当たるか当たらないかということは、当たり得る場合があるかもしれませんけれども、今回の組織的犯罪集団という概念は、既遂行為、犯罪の実行行為が行われているような状況においては組織的犯罪集団という概念は存在しないわけであります。あくまでもこれは、計画がなされ、実行準備行為がなされている時点、こういった段階で組織的犯罪集団に当たるかどうかという要件を付加しておるわけであります。 なぜ付加しているかというと、それはやはり、実行の着手よりも以前の段階で処罰ができるというためには、組織的犯罪集団という危険性に着目して、その強固な組織性がある集団の計画であるからこそ、危険性が高い、現実の可能性が高いということに着目して、こういった要件を付加しておるわけであります。 その場合の要件であるところの共同の目的というものを、先ほど来の意味で申し上げておりますと、やはりこれは、アマチュア合唱団、オーケストラなどが、個々の場合に、楽譜を複写するということを繰り返していると仮定いたしましても、それによってこの団体が犯罪の実行を目的として結合している団体であるということを認定することは困難であろうと思っております。
○枝野委員 言いたいことはわかるんですけれども、やはり二つおかしいと思います。 実際にこの六条の二が適用されるのは、既遂に至っていない犯罪を事前に抑止するんだけれども、まさに、結合の基礎としての共同の目的があるかどうかの認定に当たっては、同種の犯罪を繰り返してきたかどうかというのは重要な要素じゃないですか。 もちろん、最初の一回でも当たり得ることがあるというのは、この条文からそうなるだろう。それは、いいことかどうかは別として、条文の読み方としてありますが、でも、同じような犯罪を各地で繰り返しているテロリスト集団だから、今度も集まって何か下見をしているから、やはりこれは組織的犯罪集団だ、まさに、こいつらはテロをやるのが結合の共同の目的になっているんだという認定につながるんじゃないですか。 全く過去にそういった悪さを一回もしたことがないような集団が初めて何かやるときに、共同の目的を認定するのは物すごく難しい。そういう意味では、既遂行為が繰り返されているという事実というのはこの認定に大きな影響を与える問題であるということをまず指摘したい。 それからもう一つ。確かに、初めから著作権法違反をするために集まって合唱団をつくるというばかはいないと思います。だけれども、そうすると、途中から性質が変わったテロリスト集団も外れちゃうんじゃないですか。 最初は平和的、民主的な手段で政治的、宗教的主張を実現しようということで集まったけれども、そういうことを繰り返していたけれども、あるとき、いや、これじゃもう無理だ、もうテロをやるんだと変わった瞬間には、組織的犯罪集団に認定できないじゃないですか。 集まってきたのは、テロをやるために集まってきたんじゃない、政治的主張を実現するために集まってきた。だけれども、実現できないから、一回ここでテロをやってみて、何とか実現できないかどうかやってみよう、こういうものは、合唱をやるために集まってきた人たちが、お金もないし、一回、違法コピーだけれどもやっちゃおうというのと何が違うんですか。
○林政府参考人 御質問の前提として、私が考えているテロリズムというものについて、平和的な手段で主義主張を実現するというものは、これは私には入っておりませんが、いずれにしても、途中でテロリズム集団になるというような事案でのお話かなと思いますけれども、そうしますと、おっしゃるとおり、組織的犯罪集団と認めるためには、犯罪実行を共同の目的としているということが認められなくてはいけない。それ以前にはそうではなかったという団体であると思いますと、やはり、先ほど委員が言われたように、実際には、その団体というのが数々の犯罪を繰り返されている、そういったことでその組織の性質というものが変わってくる、こういったプロセスを経るのが通常であろうかと思います。 ただ、もちろん委員御指摘のとおり、それまでは全く違う目的であったけれども、あるときから犯罪実行を目的とする団体に変わるということが理論的にはあり得るものだと思いますけれども、もし、かつてそうではなかった、犯罪実行の目的でなかった団体が組織的犯罪集団になっているという、これを認定するために、また立証するためには、やはりそれは、かつて犯罪を繰り返してもいないような団体がそのように組織的犯罪集団であるという認定をするためには、何らかの組織の目的を変えるという内部での行為であるとか、あるいはそのことについての意思統一をする行為でありますとか、あるいはそのために組織構造を変えますというような内部的な組織的な行為、こういうものがあって初めてその団体の性質が変わるということでございますので、そういったことが認められなければ、なかなかそういった認定はできないと思います。 でも、そういった認定ができるような状況を想定すれば、当然、あるときからテロリズム集団という形で組織的犯罪集団が成立するということはあり得るかと思います。
○枝野委員 結局、今の答弁も、過去に同種の犯罪を繰り返している、それはもうまさにテロリスト集団として組織的犯罪集団に該当する。そういうところが準備行為をしたら、それは一網打尽に捕まえなきゃならぬ。でも、過去にそういう犯罪を犯しているんだから、既遂罪で取り締まれるじゃないですか。逆に、今までは合法的にいろいろなことをやろうと思っていたけれども、ちょっとにっちもさっちもいかないから組織的に犯罪をしましょうなんということに変わったときには、これは過去にやっているわけじゃないから、今もおっしゃったような、いろいろなことが認定できないと組織的犯罪集団には認定できない。現実に使えないじゃないですか。役に立たないんですよ、テロ対策には。 やろうとすれば、相当内部の、まさに組織がどうなっているとか、いろいろな意思決定、あるいはどういうふうに行われたかとか、そんなまともなテロ集団、まともなテロ集団というのは日本語がおかしいですけれども、要するに、実際に凶悪なテロを起こせるようなテロ集団であるならば、どこかの喫茶店でみんなで、じゃ今度テロやろうだなんて打ち合わせはしませんよ。多分、日本がやっているかどうかは別としても、どこかで検索かけられて見られるかもしれないなんて、インターネットでやっていませんよ。そういうところは、この法律をつくったってほとんどひっかからない。 一方で、まさにそれが結合関係の基礎となっているのかどうかということは、組織形態とかなんとかかんとかいろいろなことをおっしゃいましたけれども、いやもう本当にしようがない、俺たち金ないし、団員も多いし、もうみんなでコピーとっちゃわないとうちは財政成り立たないわなということをみんなで組織的に決意をしたものが絶対入らない……(発言する者あり)いや、法律、刑事法というのは、ここで答弁が幾ら入りませんと言ったって意味ないんですよ。いいですか。実際に裁判所で、こういう条文でこういう規定だから入らないということが担保されなければ、やはり拡大解釈されるんですよ。 きょうは時間のようですので、現時点で、まだ私の質問、予定をしているうちの、きょうで一二%ぐらいしか終わっていないんですが、戦前の治安維持法の話を最後の方ではやっていかなきゃならないと思っているんですけれども。 治安維持法というのは、取り締まり対象は、国体の変革を求める者と私有財産制度を否認する戦前の共産党、これが取り締まり対象だったんですが、公明党さん、ちゃんと聞いてくださいね、わかっていらっしゃると思いますけれども。国体の変革と私有財産の否定というのを対象にしていた治安維持法が、それにくっついた、いろいろ枝葉の要件はつきましたが、最後までそういう対象のもとで、一九四三年七月六日、創価学会の初代会長さん、牧口さんと創価学会の二代会長さん、戸田さんは、治安維持法違反と不敬罪の容疑で逮捕をされて、初代の会長さんは獄死をされているんですよ。 この法律の目的、取り締まり対象は、国体の変革と私有財産の否認なんですよ。創価学会というのは、私有財産を否認する目的なんですか、国体の変革を戦前目指していたんですか、違いますよね。法律上絶対入らないということの担保がとれないと、刑事法はいけないんです。 そういった意味では、きょうの御答弁からは、前進した部分もあります、認めます。ここは入らないなということが前進した部分はありますが、やはり最後に申し上げた、普通の団体も違法性の認識云々とのいろいろな絡みのところで入らないという明確な条文になっているとは到底言えないということを申し上げて、私のきょうの質疑は終わらせていただきます。 ありがとうございます。
○鈴木委員長 午後二時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十六分休憩 ————◇————— 午後二時開議
○鈴木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。山尾志桜里君。
○山尾委員 民進党の山尾志桜里です。 まずは、私の方からもこの運びに、委員長を初め、断固抗議したいと思います。 私も法務委員会に籍を置かせていただいて、例えばあの六十八時間審議をした刑事訴訟法、あのときも意見の対立は随分ありましたけれども、与野党筆頭間、私、そのとき筆頭をやらせていただいておりました、そして当時の法務委員長、審議の運びについては本当に丁寧に話し合って、相当野党の提案をしっかり受け入れて、いい質疑ができたんですよ。 そういう丁寧な運びを審議の最初からつくっていくということに最大限の努力をする、そういう痕跡もないまま、実質審議の最初の日そしてまたきょうの二日目、こういった形で政府参考人の登録を数の力で、採決で強行していく。 きょう、私は、刑事局長を自身の審議の中ではお呼びをしております。そして、枝野議員もお呼びをしていました。そうやって必要な場合にはお呼びをする、大臣に聞くというときは大臣にしっかりと答弁をいただく、私どももそういった形で努力をしているんです。 来週この法務委員会が開かれるのかどうか、参考人についても強行に採決をされましたけれども、絶対に三度目を起こしてほしくない。二度あることは三度あるということを起こしてほしくない。私は、議運の理事もやっておりますので、現場のことも議運の理事会でも伝えさせていただいております。鈴木委員長には心していただきたい。心から要求をしたいと思います。 きょうは、組織的犯罪集団が本当に限定になっているのか、時間があれば、準備行為は本当に限定になっているのか、このことをお聞きしていきたいと思います。 大臣は、組織的犯罪集団と限定したこと、そして準備行為をつけ加えたこと、これをもって昔の共謀罪とは全く違う、一般人が対象となることはない、こういうふうにおっしゃってきましたね。 大臣、改めて、成案を得てからということでお話をいただいていたんですけれども、組織的犯罪集団は構成要件であります。準備行為も構成要件ですか。
○金田国務大臣 山尾委員の御質問にお答えします。 御指摘のとおり、準備行為も、実行準備行為も構成要件であります。
○山尾委員 それでは、組織的犯罪集団も準備行為も構成要件だということですから、刑罰法規の明確性の観点で最も重要な構成要件、要するに、何が犯罪となるのかを一般市民に明らかにする、外延をしっかりと画する概念、この構成要件の射程、定義、これについて質問していきたいと思います。そして、実は、極めて不明確かつ広い解釈を許すものとなっていて、従来の共謀罪とは変わりがなく、一般人も捜査の対象に広く網がかけられて監視されるようになるということを明らかにしていきたいと思います。 この組織的犯罪集団については多数の論点がありますけれども、三つ提示をしたいと思います。一つ目、一般の団体が途中から組織的犯罪集団に変わるということがあるのかどうか。ずっと議論になってまいりました。二点目、途中で変わればなり得るとすれば、先ほどの議論にもありましたけれども、その目的が正しい目的と、そして犯罪の目的、並列していても組織的犯罪集団になり得るのかどうか。ちょっと議論が交錯していますので、この議論をしたいと思います。その上で、三点目、目的の判断主体や基準について質問をしていきたいと思います。 まず、一点目ですけれども、構成要件である組織的犯罪集団の定義について、刑事局長、そもそもその団体の結合の目的が犯罪を実行することにある団体に限られる。正しいですか。
○林政府参考人 組織的犯罪集団の定義でございますが、結合関係の基礎としての共同の目的が別表第三に掲げる罪を実行することにある多数人の継続体でありまして、その犯罪実行の目的または意思を実現する行為の全部または一部が組織により反復して行われるもの、これをいいます。
○山尾委員 刑事局長に聞いているんですから、質問にそのままお答えください。 これは、一月三十一日に局長自身がこの組織的犯罪集団の定義を聞かれて答えた答弁をそのまま引いております。刑事局長は、一月三十一日、組織的犯罪集団とは、「そもそもその団体の結合の目的が犯罪を実行することにある団体」「に限られる」、こう述べられました。これは正しいですか、誤りですか。
○林政府参考人 組織的犯罪集団の定義ということで、先ほど申し上げましたが、一つには、結合関係の基礎としての共同の目的がその犯罪を実行することにある多数人の継続的結合体であるという点、それから、その犯行の実行の目的または意思を実現する行為の全部または一部が組織により反復して行われるもの、大きく分けますと、この二つの点を定義しております。 そして、委員が御指摘になった部分につきましては、私は、組織的犯罪集団のうちの共同の目的、結合関係の基礎としての共同の目的が犯罪の実行をすることにある多数人の結合体である、この部分について申し上げた部分でございます。 ですから、全ての定義を委員の御指摘のときに申し上げたわけではなくて、共同の目的という点についてはそのように申し上げたわけであります。
○山尾委員 局長の説明がわからないのですけれども。 では、局長、そもそもその団体の結合の目的が犯罪を実行することにある団体に限られる、この発言は撤回はしないということですよね、しないですよね、撤回はしないんですよね。撤回するかしないかお答えください。
○林政府参考人 共同の目的というところに焦点を当てた説明といたしましては、犯罪の実行をすることにあるということが共同の目的、結合関係の基礎としての共同の目的ではなくてはならないという点ではそのとおりでございます。
○山尾委員 そのとおりだということなので、それでは、このそもそもという言葉を、局長、どのような意味で使ったのか教えてください。
○林政府参考人 私は、物事を言い起こす際に、そもそもと言うようなときがございます。 基本的に、私は、この共同の目的というものは、結合関係の基礎としての共同の目的でございますので、その団体の性質をあらわすに当たって、そもそもと言った上で、この団体の目的がその犯罪の実行をすることにあるような団体、このように申し上げたと、私は、振り返れば思っております。
○山尾委員 総理は、この点、基本的にという意味で使ったんだとおっしゃいました。林局長も、基本的にという意味合いでお使いになっているんですか、違うんですか。総理が、そもそもというのは基本的という意味で使ったとおっしゃいました。局長の解釈は違うんですか、同じですか。総理の解釈と同じですか、違いますか。
○林政府参考人 私自身は、総理がどのようにそもそもというのを使われるかは私はわかりません。 私がこの問題でそもそもと言ったのは、やはり、事柄を物事の根本から説き起こすときに、そもそもということをまず前置きしたんだと考えております。
○山尾委員 総理は、基本的にという言葉を使い、局長は、何ですか、根本から説き起こすという意味で使っているとおっしゃる。 ちょっと皆さんの、私、きょうは冷静にと思っていますので、冷静に目を覚ましてほしいんですね。そもそもと聞いたとき、皆さん、何と思いますか。最初から、初めから、こういうふうに思うでしょう。 そして、これは、官房長官も記者会見で、基本的にという、そうしたこともある辞書があるのではないかとおっしゃった。総理も、辞書で調べてみましたとおっしゃっていましたね。 皆さんのお手元に添付資料をつけさせていただきました。広辞苑を初め代表的な国語辞書、十五の辞書、これを調べさせていただきました。 ちなみに、参考までに申し上げると、こういった言葉の意味というのが大きな論点になるということはこれまでもありまして、例えば松島大臣はこういった場合に広辞苑を引用しております。そして、鶴保大臣も広辞苑を引用しております。 今までの国会会議録では、検索をかけると、広辞苑四百三十九件、日本語大辞典九件、大辞林二十三件、日本国語大辞典十六件、もちろんこの中には、大臣の発言だけでなく、検索ですので、済みません、そこまでできなかった。でも、国会議員の発言も含まれると思いますけれども、この国会審議の中で、この言葉の意義は何だろうというのは大事なんですよ。そういうものが論争になるときには、広辞苑が四百三十九件引かれているわけです。 広辞苑を見ました。そもそもとは、「はじまり。最初。おこり。」。日本語大辞典、「最初。もともと。」「事の起こり。」。大辞林、「最初。起こり。どだい。」。ここにあります、全部。 私が申し上げたいのは、これは構成要件の定義なんですよ、構成要件の定義なんです、組織的犯罪集団に当たるかどうかという構成要件の定義の話をしているんです。最初から組織的犯罪集団である必要があるのかないのか、それは、自分が犯罪対象になるのかならないのかを線引きする大事な生命線なんです。 局長、そもそも組織的犯罪集団である必要があるという趣旨の答弁と、一変すれば組織的犯罪集団になる、こういう答弁を両立させるのは、一般市民の常識から考えてこれは極めて困難です。何で極めて困難なことを必死に両立していると言いたいかというと、それは答弁を変えたと言いたくないからですね。この二つの全く違う答弁をブリッジさせた、無理やり橋を渡したのが、総理で言うところの独自の解釈、基本的に。局長で言うところの独自の解釈、何でしたっけ、根本から説き起こすですか。 局長、これは、罪刑法定主義、構成要件の明確性という刑罰法規の生命線です。そもそもという答弁が議事録に残っております。そういう中で、取り締まられる対象ともなり得る国民は、そういうものも信用するんですね。なので、刑罰法規というのは明確じゃなきゃいけないんですよね。自分のやっていることが犯罪になるのかならないのかは、あらかじめわからなきゃいけない、それも一般人が普通に読んでわからなきゃいけないんですよ。普通に読んではこれはわからない、通用しないです。 私は、本当に申し上げたい。私は、法律家、専門家として、リーガルマインドの矜持を持っているプロとして、検察時代の先輩でもある林局長をお呼びしております。どれだけ、一般人から見て明確であること、あらかじめわかるということが大事かということは、釈迦に説法で、こんなことを言うのは恥ずかしいぐらいです。 そういう中で、そもそもというのは初めからという意味ではない、こういう答弁を引き続き繰り返すんですか。
○林政府参考人 私、そもそもという言葉を口頭で申し上げました。これは、恐らく多義的な意味があるんだと思います。それで、それをもし法文の中に書き入れるというのであれば、そういうような言葉を使ってはいけない。それはまさしく、その構成要件の明確性を害することになるので、そういうことは使いません。 そういう意味では、言葉の中で、そのときに、そもそもと言った上で、共同の目的が犯罪実行にあるという団体に限定されますというようなことを言ったつもりであります。 この点について、そもそもにも最初からという意味があるというふうに言われましたけれども、そのような意味で使っていないことは、組織的犯罪集団という概念は、本日午前中の質疑の中にも出ていましたが、過去の政府案、あるいはそれに対する与党あるいは野党からの修正案、その中で、組織的犯罪集団という概念が提示されました。その際にも、もと正当な団体が一変した場合にはこれが入るのか入らないのかという議論がありました。その中で、一貫して、組織的犯罪集団というものを定義する場合に、正当な団体が一変した場合でも組織的集団に入るという議論は既になされておりました。 そういったことから、私どもとしては、立案するに当たりましては、組織的犯罪集団というものは、最初から、その団体が成立した段階から犯罪の実行目的というものがなければ定義されない、そういう考え方には毛頭立っておりません。 したがいまして、そのような立案をしている私が、その段階で、最初からこういった共同の目的が犯罪実行にあるということ、このことを念頭に置いてそもそもと発言したということは全くありません。そういう意味で、答弁を変えるというようなことは全く必要がないと考えております。
○山尾委員 法文に書くのであれば明確性を欠くということを明確におっしゃいましたね。私は、刑事局長の法律の専門家としてのこの衆議院の法務委員会における答弁だって、明確であることが必要だと思いますよ。一般人が普通に考えれば違う意味にとるようなことを、なぜそんな簡単に言うんですか。そして、そもそもという言葉は、局長一人が言っているんじゃない。総理も言っているんですね。 では、局長、聞きますけれども、そもそもというのは基本的なという意味と書かれている辞書を一つでも御存じですか。
○林政府参考人 私自身、口頭でしゃべる場合に、全てが辞書に何があるかということで言葉を発することは全くできません。私自身は、先ほど申し上げましたように、物事を根本から説き起こす際に、その最初の頭にそもそもということを使うことがございますということを申し上げました。 確かに、委員が言われるように、元来からとか最初からという意味もあるかもしれません。それもあると思います。その際に、それを、必ずそもそもと言った場合には最初からという意味があるのかどうか、ここについては私はそのようには思っておりません。 ですから、実際に質問された場合の、あれは予算委員会だったと思いますけれども、質問の中での口頭での答弁の際に、いろいろな説明をする際に、さまざまな表現がそこに入るのは、これはやむを得ないことだと思います。その際に、私は、意図的に最初からという思いでそもそもを使ったわけではありません。先ほど申し上げたように、物事を根本から説き起こすような際に、私としては、組織の結合関係の基礎としての共同の目的というのは団体ができる一つの土台であるとか根本であると思っていますので、そういうことを言おうと思いまして、そもそもということを、説き起こす際の言葉として申し上げたわけです。 そういう意味でも、そういう私の意図でのそもそもであったとしましても、そもそもということについて厳密な意味を込めて申し上げたつもりはございません。
○山尾委員 論点が、初めから組織的犯罪集団であることが必要なのか、そうじゃないのか、論点がまさにそのものずばりの論点だったんですよ。この質疑をしている中で、そもそもという言葉が使われたら、それは初めからそうである必要はありませんよ、こういう答弁内容に聞くのが当たり前じゃないですか。 そして、私がこれにこだわっているのは二つあります。さっき申し上げました、一つは、刑罰法規、あらかじめ何が犯罪になるのかということは一般人がわからなければいけないということです。そしてもう一つは、この国会の運びです。国会における総理大臣や法務大臣や局長の答弁の言葉の重さ、軽さの問題です。 安倍政権になって幾つかの媒体でファクトチェックというのが始まりました、本当に事実に基づいているんだろうかと。そして、私も今回辞典を調べましたけれども、メディアも調べたところがございます。辞書にあると言ったけれども、少なくとも総理がおっしゃった基本的なという言葉は辞典に一つもなかった。ファクトチェックをしたら、辞書にあるという言葉はファクトではなかった、オルタナティブファクトだったと言ってもいいのかもしれません。 これを当たり前にしたくないと思っているんです。一つ一つ、事実と違うことがあたかも事実かのように、そしてまた、何とか強弁すれば乗り切れるという前例を、諦めて、どんどん先例にしていきたくない。きょうの国会の運びもそうですよ。一回目にこうやって局長登録を憲政史上初めてやって、二回目も一回目より楽でしょうね。そういう理屈が通らないことが積み重なっていくと道理が引っ込むんですよ。法務委員会はそういう委員会であるべきではないと私は思います。 そして今、改めて、最初は普通の団体であっても途中から組織的犯罪集団になり得るという話でありました。それでは、最初は普通の目的の団体が、正当な目的の団体が、犯罪を目的とする集団に変わっていく。そのときに目的が並列することがありますね。先ほど自民党の委員がお話をされていました。 改めて局長にお伺いしますけれども、目的が並列している場合は、個別具体的にその他の事情も踏まえて組織的犯罪集団に当たるかどうかを判断するのか、それとも並列している場合は組織的犯罪集団に当たらないのか。どちらですか。
○林政府参考人 目的が仮に並列しておりまして、他方に正当な活動目的があり、他方に犯罪実行の目的があるような場合、こういった場合を前提とした場合においては、それは、その団体が正当な活動の目的を持っている以上、今回に言う、結合関係の基礎としての共同の目的が犯罪実行にあるという認定はできないと考えております。
○山尾委員 そうしますと、平成二十七年の最高裁判例とは違う解釈をするということですか。 この最高裁判例を引きますけれども、最高裁、二十七年九月十五日、まさに組織的犯罪処罰法における詐欺罪に当たる行為を実行することを目的として成り立っている組織と言えるかどうか、これが問題になりました。つまり、会員制リゾートクラブ会員権の販売という正当な目的の業務と詐欺商法が並列して行われているときに、この場合でも処罰法における対象団体に当たるのかどうかという点が問題になった事例であります。 このことについては、最高裁は、「組織の中に詐欺行為に加担している認識のない営業員や電話勧誘員がいたからといって、」、つまり正当な目的の業務だというふうに思って携わっていた社員がいたからといって、「別異に解すべき理由はない。」、団体に当たるんだと。これが最高裁判例ですけれども、これと違う解釈をとるということですか。
○林政府参考人 組織的犯罪集団として認定されるためには、その結合目的、結合関係の基礎としての共同の目的が犯罪実行をすることにある。こういったことの結合目的を認識している者、いない者がおろうかと思います。この場合に、認識をしていない者については、その目的で結合しているわけではありませんので、組織的犯罪集団の構成員にはならないと考えます。 最高裁の判例、これ自体は、今回のテロ等準備罪の構成要件についての判断ではなく、現行の組織的犯罪処罰法についての、団体に関する判断、しかも、その団体の活動として、組織により行われたと言えるかという判断でありました。その実態、その判断の対象となった会社には、詐欺を行おう、それを団体の活動として行おうと考えている、そういった構成員がいた一方で、それについてそのような認識がない、全く認識がないという場合、そういう者がある、その会社について、組織的犯罪処罰法の成否を問うた判例であろうと思います。そういった意味で、その判例において、その会社の中にそういった認識を持っていない者がいるからといって、組織的犯罪処罰法の処罰、成立が否定されるものではないといった点については、それは考え方は同じであろうと思います。 ちなみに、その場合の認識を持っていない人について、その判例において処罰されたわけではございません。そのときにそういった処罰をされなかった、そういう認識を持っていない人がこの会社の中にいたとしても、その組織的犯罪処罰法の処罰の対象となる団体、団体の活動としてというのを認定した判例であろうと考えております。
○山尾委員 それでは、局長にもう一回確認しますけれども、正当な目的と犯罪目的が並列している団体は組織的犯罪集団に当たらないと明言をされました。最高裁判例とは、今回は新法なので違うということであったと思います。 もう一回聞きます。 正当な目的の業務がどれほどその団体の中で小さい部分であろうとも、要するに、正当業務が一、犯罪目的が九、これでも組織的犯罪集団に当たらないということでよろしいんですね。
○林政府参考人 まず第一に、今言われた、最高裁の判例と違うんですねという点について、私は、最高裁の判例においてやられたものの中にも、会社の中に、そういった組織の目的、犯罪目的を認識しない者がいたとしても、その場合に組織的犯罪処罰法の適用があったという点においては、私はむしろ、それに対する、その点の考え方は違うと言っているわけではありませんので。まず一つでございます。 それから、やはり、今の、目的を数量化して、九対一とか、では六対四だったらどうなのか、こういった形で、その目的の主従、あるいはその目的の量的な部分、こういったもので今回のものを判断できるわけではないと思います。 やはりそれは、この場合の結合関係としての共同の目的が犯罪の実行にあるということ、これが認定できなければならないわけでありまして、その際に、もちろん、正当な目的が多い、あるいは正当な目的が相当部分を占めているというような社会的な実態があるとすれば、それにもかかわらず、この組織の、この団体の共同の目的が犯罪実行の目的であるということを認定することはなかなか困難だろうと思います。 その意味で、量的にどのようなファクター、どのような目的がどの部分を占めているか、そういうことで判断するものではないと思います。
○山尾委員 だから、今の答弁を聞くと、結局、個別具体的に判断をするということじゃないですか。 だから、もう一回、答弁の重さということなんですけれども、目的が並列していれば組織的犯罪集団に当たらないというふうに言い切る答弁と、個別具体的ですよね、今の話で言えば。正当業務がどれぐらいあるのかということを今引いてお話しされたじゃないですか。そういう個別具体的な事情を考えるという答弁と、これは両立しないんですよ。 まあ、それは言いたいでしょう、並列すれば当たらないんですよ、大丈夫です、皆さん、一般市民は当たらないですよと。でも、局長なんだから、もうちょっと誠実に、理屈の通る答弁をしてほしいんです。 さっきの話で言うと、結局最後、自民党の委員は、並列するときには当たらない、こういうまとめをされました。違うんじゃないですか、今の話だと。並列した場合でも、結局、正当業務がどの程度あるのかということも含めて個別具体的に判断すると。そうだと思いますよ。これを、並列していれば当たらないと局長が明言するというのは、私は、これまた、局長すらそうやって非常に雑な答弁をされてミスリードをするというのは、局長を呼んだ意味がないんですよね。 本当に、もうちょっと丁寧な議論をしていただきたいし、紋切り型、決めつけるような、大事な構成要件の範囲をしているときに、そういうミスリードをするような答弁はしないでいただきたいと思います。 三点目、これは大臣にお聞きしますね。 結局、今の話だと、一般の団体でも変わり得る、そして目的が並列していても、これは個別具体的に判断すると。だって、正当な業務がどれぐらいあるかということもファクトに入れていましたから。 そうしたら、今度、大臣、先ほど枝野委員も言っていましたけれども、本会議で、「自然環境や景観の保護などを主張する団体は、その結合関係の基礎としての共同の目的が、そのような正当な目的にあるものと考えられ、重大な犯罪等を実行することにあるとは考えられませんから、組織的犯罪集団に当たることはなく、座り込みを計画したとしても、テロ等準備罪による処罰の対象となることはありません。」、こういうふうにおっしゃいました。 目的の正当性を判断するのは誰ですか。
○金田国務大臣 山尾委員の御質問にお答えをいたします。 捜査を開始する時点におきましては、組織的犯罪集団に該当するか否かの認定及び判断は捜査機関が行うこととなりますが、テロ等準備罪の捜査についても、現在行われている他の犯罪の場合と同様の方法で、刑事訴訟法の規定に従いまして、必要かつ適正な捜査が行われることになります。 捜索、差し押さえや逮捕などの強制捜査を行うためには、令状も含めて、令状請求を受けた裁判官において、組織的犯罪集団か否かの点を、テロ等準備罪の嫌疑が客観的に認められるのか、刑事訴訟法の強制捜査の要件を満たしているかについて慎重な判断がなされることになろうと考えております。(山尾委員「はい、いいです、捜査機関と言っていただいたので。答えていただきました」と呼ぶ)はい。
○鈴木委員長 続けてください。(山尾委員「いやいや、もう座ろうとしているじゃない」と呼ぶ)続けてください。
○金田国務大臣 最終的に、テロ等準備罪で処罰されるか否かというのは、裁判所が、公判に提出された証拠に基づいて、組織的犯罪集団であるか否かの点も含めて、テロ等準備罪の要件を満たすかを判断することになります。
○山尾委員 判断するのは捜査機関ですね、目的が正当かどうか。そして、強制捜査を必要とする場合には令状は必要ですけれども、それが却下される率は〇・八二%ということをつけ加えておきたいと思います。 次に、大臣、では、目的の正当性を判断するのは捜査機関だと。その基準なんです。違法かどうかを判断するなら、その物差しは法律です。正当かどうかを判断する物差しは何ですか。
○金田国務大臣 ちょっと最後のところが聞き取れなかったので、恐縮ですが、もう一回御質問をお願いします。
○山尾委員 目的の正当性を判断する基準は何ですか。
○金田国務大臣 結合関係の基礎としての共同の目的が犯罪の実行をすることであるかを判断することになります。
○山尾委員 いや、私が聞いているのは、合法か違法かを判断する物差しは法律ですね、その目的がよき目的なのかよくない目的なのかを判断する物差しは、捜査機関にはないのではないですかということをお聞きしているんです。 座り込みというのは、もし威力業務妨害に当たれば違法な手段です。なぜよき目的が違法な手段を正当化することがあり得るんですか。
○林政府参考人 今委員のお話、座り込みの違法性について、その前提となっている目的が正当かどうかを判断する、そのような設例で御質問がありましたけれども、今回のものは、あくまでも、組織的犯罪集団に当たるかどうかということについては、先ほど来申し上げていますように、結合関係の基礎の共同の目的が犯罪実行の目的にあるかどうか、これは法律に要件として書かれているものですから、それを当然捜査段階においては捜査機関が認定する、考える、判断するということになるわけであります。 その物事の、行為の正当性、あるいは不当なのか、そういったことを捜査機関が判断するわけではありません。
○山尾委員 そうであれば、正当な目的ではなくて、合法な目的というふうになるはずなんですね。大臣の答弁が「正当な目的」だから座り込んでも今回は当たらないと、大臣がそう言っているんですよ。 だから、私が申し上げたいのは、結局、正当かどうかの判断基準は出てこないじゃないですか。物すごい大変な答弁だと思って私びっくりしたから聞いているんです。 きょうはっきりしたことは、もともと普通の団体が途中で目的が変わって、その目的を知らないで、普通の活動と並列していてもこれは組織的犯罪集団に当たる。そして、その目的を判断する主体は捜査機関であって、そしてそれが正当かどうかということで判断される。合法か違法かではなくて、正当かどうかということで判断をされる。撤回されませんでしたので。 そして、正当性の判断の物差しは、では何ですかと。合法か違法かだったら法律です。正当かどうかの物差し、今出てきませんでしたね。捜査機関が、座り込みという、仮に違法な行為に当たったと考えたときに、それが、目的がよき目的かよくない目的か正当性を判断する。これはまさに、目に見えない目的、内心を処罰することになるんじゃないですか。最後にどうぞ。
○金田国務大臣 共同の目的が重大な犯罪の実行にあるかを判断するのでありまして、ある団体の目的が正当かどうかを判断するのではないということであります。
○山尾委員 また答弁変えましたね。目的が正当かどうかを判断しないと。では、國重さんへの答弁はうそですね。目的が正当だから座り込みをしてもこの犯罪の対象にならないと本会議のあの壇上で言ったじゃないですか。どうして、そうやって答弁を変え、変えた理由も答えず、恐らく次に質問したら、変わっていないという理屈をつくってくるんでしょう。 こんな法務委員会の議論の仕方はだめですよ。法務大臣だって、刑事局長だって。大変私は、これからの法務委員会の審議、まあ、私なりに一生懸命やっていきますけれども、こんな状況で幾ら充実した議論をやろうと思ってもできない最大の原因は、申しわけないけれども、私たち野党にあるんじゃない、政府の側にありますということを申し上げて、きょうの質問は終わりたいと思います。
○鈴木委員長 次に、井出庸生君。
○井出委員 きょうも前回に引き続き、委員長の御意向で、採決という形を経て、政府参考人をきょう終日登録するということになりました。前回のときにも強く抗議を申し上げましたし、こういうことが、私は一番の問題だと思うのは、政治家同士、政治主導でやっていく、それを立法府の、法務委員会の長たる委員長がそのことを崩してしまうということについては、重ねて抗議を、時間が、時計の針が戻るのであれば撤回をしていただきたいし、そして、こうしたことはもう二度とあってはいけない。これは、法務委員会以外にも波及する大きな問題、委員長の職責、資質という問題になってまいると思っております。その危機感をぜひ持っていただきたいと思います。 きょう、犯罪の対象の団体という話がずっと出ておりますので、私も大臣に伺いたいんですが、対象犯罪の団体というのは、これまで、テロリズム集団、それから答弁ですと暴力団、詐欺集団というような三つが何度も何度も出てまいりましたが、そのほかに例示できるものは何かありますか。
○金田国務大臣 井出委員の御質問にお答えします。 テロ等準備罪は、適用対象となる団体を組織的犯罪集団に限定いたしております。組織的犯罪集団は、組織的犯罪処罰法の団体のうち、一定の重大な犯罪等を行うことを結合関係の基礎としての共同の目的とするものをいうことでありますから、国内外の犯罪情勢等を考慮すれば、条文上例示しておりますテロリズム集団のほか、暴力団、薬物密売組織など、違法行為を目的とする団体に限られることになります。 このような限定によりまして、組織的犯罪集団とそれ以外の団体との区別はおのずと明らかになる、このように考えております。
○井出委員 今、私が冒頭挙げた三つ以外に、薬物というものが挙がってまいりました。それは過去にも挙がっていたのかなと思いますが。 組織的犯罪集団が限定できるのであれば、全部例示できるものなら例示していただきたいぐらいなんですね。テロ、暴力団、薬物、詐欺、詐欺集団も一回話されていると思うんですけれども、ほかにはまだ例示できるものはあるのかないのか。
○井野大臣政務官 ほかに例示を挙げろということなんですけれども、私自身、今の時点で例示がちょっと思い当たりませんので、また思い当たったら御説明をさせていただきたいと思います。
○井出委員 思い当たらないかどうかというより、恐らく、枝野委員、山尾委員の質疑を聞いておりますと、やはりその時々で決めていくしかないから例示というものができないんじゃないかなと思うんですけれども、もし思い当たるというのであれば、では大臣。
○金田国務大臣 そういう意味で、ほかにどういうものがあるのかというお話でございます。 例えば、例として振り込み詐欺集団といったようなものがこれに当たるんだろう、こういうふうに考えています。
○井出委員 それも今までに聞いていたんですが。 まだ答弁でされていないような団体で、何か限定できる、限定的に列挙できる例示はございますか。
○盛山副大臣 井出先生の御質問でございますけれども、これはあくまで例示でありますから、例示というのをどこまで多数並べるのか、限定列挙していくのかみたいなことになりますから、これは性格を法文上は決めているもので、例というのは二、三あれば十分ではないかと私たちは考えております。
○金田国務大臣 ただいま副大臣が申し上げました。それに加えて、井出委員からのそこまでの御質問でございますので、考えてみました。人身売買組織集団というのも、これの対象になろうと思います。
○井出委員 これまでの対象団体に対する議論を聞いておりますと、対象団体の中にも、計画をどれだけ知っているかとか、いろいろなその中の温度差もあるでしょうし、私は、一般的に考えれば、暴力団でもテロリズム集団でも、大きい団体であれば、やはり共謀、あと実行準備行為をとるのであれば、実際そこに加わった、非常に限定的な人が検挙の対象にとどまるのかなと思いますし、そういう意味で、果たして例示というものが本当にふさわしいのかどうか。 今、人身売買というようなものも挙げていただきましたが、それは、対象犯罪の中にそういうものは入っていますから、対象犯罪の中の罪状に団体とつけていけば、集団とつけていけば、放火集団とか、そうやって出てくるのじゃないのかなと思うんです。 きょうは、少し実例について伺っていきたいんです。 警察庁の方で、毎年、回顧と展望、警備情勢について述べているものがありまして、その中で、例えば右翼等と書いてあるんですが、右翼等については、いろいろ抗議活動を行う、最後のところに太字で、テロ等重大犯罪を引き起こすおそれがあります、こういうことが言及されています。また、革労協。革労協についても、いろいろ、るる説明があった上で、情勢次第ではテロ、ゲリラ事件を引き起こすおそれがありますと。極左暴力集団も、同じように、テロ、ゲリラ事件を引き起こすおそれがありますと。 こうした革労協ですとか極左暴力集団、右翼といったものは、対象の団体となるのかならないのか、その辺についてちょっと、では、この具体例について教えてください。
○林政府参考人 このような場合に、例えば今、右翼と言われました、また具体名を挙げられて革労協と言われました、また極左暴力集団と言われましたが、例えば右翼というものについて、これがどのような内容のものとして委員が御質問されているかというのは、こちらからはもちろんわからないわけであります。(井出委員「テロを引き起こすおそれがある」と呼ぶ) いや、例えばテロリズムというのは、私どもは、やはり、特定の主義主張に基づいて、国家等にその受け入れ等を強要し、また社会に恐怖等を与える目的で行う人の殺傷行為あるいは重要な施設の破壊、こういったものとして考えておるわけであります。その中に、人の殺傷行為であるとか重要な施設の破壊とかそういったものが、特定の主義主張に基づいて、これが不可分のものとして目的になっている、こういったものについては今回の組織的犯罪集団に該当する一つの例であろう、このように考えているわけです。 今言われた右翼という場合について、右翼については、そのような活動を不可欠なものとして持っている場合、持っていない場合、当然ございますので、これは一概には言えないかと思います。また、仮に左翼といってみてもそれは同様でありまして、それを一概にお答えすることはできないと思います。 そういった意味において、特定のものについて、これが該当するかどうかというものについてのお答えはなかなかできないと思います。 他方で、こちらでどんなものが当たるのかという例示を出せと言われた場合には、やはり我々としては、その例示を出す場合に、我々なりの一定の組織、団体の性質を念頭に置いて例示として出させていただいているわけです。 先ほどのテロリズム集団というものについては、そういった形で、殺傷行為でありますとか重要施設の破壊とか、そういったものを特定の主義主張に基づいて行う、そういうものとしてのテロリズム集団を我々は考えておりますので、これは例示として提示ができるであろうということでありますし、例えば振り込め詐欺集団ということであれば、当然、振り込め詐欺のために、その目的のために集まって、その目的のために組織をつくり、そして存在している、そういった振り込め詐欺集団というものを念頭に置いて我々は例示として提示させていただいているわけであります。 こういう形での、やはり、それぞれ念頭に置く集団において例示を出すことはできるわけでございますけれども、委員の最初の御質問にあるように、一般的に右翼は当たるのか、あるいは左翼は当たるのかという方については、当たる当たらないということを一概にお答えすることは困難であろうかと思います。
○井出委員 念頭に置いてテロリズム集団を例示されて、テロの定義というものは何度も伺ってまいりましたが、では、念頭に置いているテロリズム集団ですとかそういうもので、念頭に置くということはいろいろ想定して、やはり何か実在するものは一つでも挙げられるんですか。
○林政府参考人 テロリズム集団と申しましても、さらに暴力団と申しましても、また振り込め詐欺集団と申しましても、そういった例示で挙げておりますけれども、それらの例示として挙げる一般的な意味でのテロリズム集団というものが社会的な実態として存在するというものは当然想定しております。
○井出委員 テロリズム集団にも、あと、暴力団にもいろいろあると思うんですね。暴力団だったら、何とか組はよくて何とか組はだめとか、そういうのがあるのかないのか、わからないんですが、ただ、やはり……(発言する者あり)今、場内からISというようなお話もありましたが、実在するものが明示的にわかりやすく示せるのか、そのことによって限定ができるのかできないのか、そこをちょっとはっきり、できるところまで答弁していただければと思います。
○林政府参考人 やはり政府として、いろいろなテロリズム集団、これはテロリズム集団であると公式に認定しているような例はございます。そういったものについてはテロリズム集団の例として、実在するものとして言うことは可能だと思います。 また、例えば暴力団というものも、実際には暴力団については、暴力団に対する規制法等ございます。中には指定暴力団、指定された指定暴力団というのもございます。そういったものを根拠に、我々として考えている暴力団というものはこのようなものを考えておりますというようなことは、それは言うことが可能です。 他方で、では、そういうものが組織的犯罪集団ですかということになると、組織的犯罪集団として認定するためには、当然、そういった指定制度というものがございませんので、これは個々の具体的な事案の中で認定されていくことになろうかと思います。
○井出委員 やはり最終的には個々の事案ごとだと思います、今おっしゃられたように。局長が今おっしゃった、テロ集団、指定暴力団、指定しているものが幾つかある、でも、そうであってもなくても、やはりそのときの事象ごとに。 そうしますと、私も何となく、テロリズム集団、暴力団、薬物、詐欺、それは大変、犯罪ですから、その例示というものをこれまで聞き流してきているんですけれども、やはり本質は、いろいろな団体を事象で捉えて、ずっとこれまでおっしゃってきたような条件を満たすかどうかを慎重に判断する。 そうやって考えると、私はいつか申し上げたと思うんですけれども、組織犯罪計画準備罪とか、あくまでもこの法案の要件に沿った、一応該当する定義はいろいろ示されているわけですよね。だけれども、必ずしも、今言っているテロリズムとかそういうものは、三つが三つとも例示されるのかなと。テロリズム集団だったら何だって該当するわけではない、詐欺集団も暴力団もそう。 そうすると、この法律の名前というものは、組織犯罪計画準備罪、特定の犯罪というよりも組織団体に特化した、そういう定義の名前をつけるのが本質的だと思いますし、まあ、別に名前にこだわりますけれども、こだわりませんけれども、本質はやはり組織犯罪計画準備というのが真っ当なところなんじゃないかな。 うなずいていますけれども、いかがですか。
○盛山副大臣 テロ等準備罪という名称につきましては、これが一般の方に一番わかりやすいということで、我々、そのように使っているわけでございます。 そして、これまでの例示の話、何度か、今御質問がございましたけれども、法律というのは、ある程度長いスパン使うということでありますし、また個別の、特定の組織といったようなものを具体的に挙げるというのはないんじゃないかなと思います。こういうものに当たるものとしてということで、省令、告示なんかで、これはこうであるというふうなことは言いますけれども。 要は、性質というもの、そこが大事なところでございまして、逆に、そうでありませんと、五年、十年たったときに、想定していないようなものが入ってくることがあり得る。そうしたら、そういうものを入れるためにも、ある程度抽象的で、それでいて物の本質をどのように書きあらわすか、ここが大事なのではないかなと思います。 例えば、先日この委員会あるいは衆議院本会議で可決をしていただきました民法債権編、これなんかは明治以来の改正ということになるわけでありまして、明治の時代には、制定した明治の二十九年当時は、飛行機の輸送ですとか、あるいは国際的なもの、あるいはインターネット、こういうのは全く考えられなかったわけでございますけれども、そういうものも含めてここまで現在の民法でやってこられたというのは、ある程度抽象的な規定でやっているからこそ、時代の変化、環境の変化にもたえるということではないかと考えております。
○金田国務大臣 補足をさせていただきたいんですが、ただいまの副大臣の答弁に加えて。 国内外の犯罪の実態を考慮した場合に、これもこれまで私も答弁してまいりましたが、組織的犯罪集団の典型がやはりテロリズム集団である、そして、テロリズム集団による重大犯罪の典型がテロである、こういう状況を、こうした罰則の実態といいますか、そういうものも含めた判断、反映というものを考えて、テロ等準備罪の呼称というのはあると思いますので。今回の法案の重要なポイントは、テロ等準備罪を新設するということにあるということも考えていかなきゃいけないんだろうと思うんです。こういう法律案の実態を踏まえたものとして、私は、テロ等準備罪処罰法案という名称は適切ではないか、こういうふうに思っている次第であります。
○井出委員 副大臣がおっしゃっていただいた話が一番理解しやすかったかなと思うんです。 わかりやすさもそうなんですけれども、おっしゃるように、長いスパンで物を見たときに、テロという言葉は割合歴史があると思いますけれども、大臣がさっき例示された振り込め詐欺という言葉は、それはまだそんなに歴史がありませんし、それはまたすぐ形態が変わるかもしれませんし。 やはり、そういう意味で、例示というもの、私の問題意識は、一般の人とそうでない人、組織犯罪集団とかかわる人、そうでない人というところから一貫しているんですが、この名前の問題、名は体をあらわすですから、非常に大事かなと思います。 外務大臣に来ていただいたのでちょっと伺いますが、TOC条約に入ると、当局同士で、外交ルートじゃなくて、警察と警察とか、同士での協力関係ができる。またそれから、犯罪者の引き渡しも、自国民は引き渡さないという原則はありますけれども、引き渡さないのであれば自国の中できちっと処罰をしてください、そういうようなメリットが再三言われてきたんですが、果たしてその実効性がどれだけあるのかな。 一例を挙げていきたいんですが、北朝鮮はこの条約に入っています。では日本もすぐ参加しようということで、参加することにしたとして、北朝鮮には、拉致事件にかかわった、加害者側のかかわった人がいると言われています。この条約に日本が入れば、当局ルートで拉致の加害者の捜査が進むのか、犯人と特定されている人は引き渡しを求めることができるのか、それについてちょっとコメントしてください。
○岸田国務大臣 まず、委員の方からは、TOC条約が結ばれた場合に、その効果が十分現実において発揮されるのかどうか、こういった御質問だったと思います。 TOC条約については、恐らく今までも委員会の中でいろいろな議論が行われてきたと承知しておりますので、締結した場合、大きく三つ効果があるということ、多分、議論は行われたのではないかと想像いたします。それが現実問題、効果につながるかということについては、これは、それぞれの国、個別具体的には、現状はさまざまであります。 ただ、一つ言えるのは、より実効性が高まる、どの国の条件の中にあっても実効性が高まる、これは間違いなく言えるのではないかと考えます。全体的な実効性を高める、こうした底上げにつながる、こういったことを考えますときに、この条約を締結することの意味は大変大きいものがあると認識をしております。 ただ、委員の出された具体的な例等、個別具体的なことについては、これは仮定に基づいて申し上げるのは控えますが、全体的な底上げについてはぜひ御理解いただきたいと存じます。
○井出委員 拉致事件の加害者が、この条約に入って、北朝鮮との間で捜査協力ができるのか、場合によってはその人の引き渡しができるのかということは、なかなかはっきりとした御答弁はなかったかと思います。 底上げされるというのは、恐らく、例えば日本と北朝鮮の間に何か捜査協力する必要があって、それは、お互いがよしと、お互いの国が協力しようと、その前提がやはり重要なんじゃないか。だから、この条約というものは、政治的な主張とかそういうものが絡むテロを外して、物質的な、マネーロンダリングとかそういうものに限定をしてやってきて、その後いろいろテロが頻発したということもありますけれども、では、北朝鮮の拉致の加害者に対して日本のできることがふえてくるか。 この間、マレーシアと北朝鮮の間でいろいろな事件がありましたね。あれも、両国とも条約に入っておりますが、到底この条約が機能したとは思えない。テロとか暗殺事件とか拉致とか、そういう重要な案件において、この条約に入っていても、条約よりやはり個別の国同士の事情なんじゃないか、個別の国の主権が優先されるんじゃないか、考え方が優先されるんじゃないか。 この条約に入って拉致の加害者が日本に引き渡されるというんだったらもう即入らなきゃいけないと思いますけれども、そういう話は何度聞いても、外務省からは、今まで、少しそのレベルが上がるという答えもないし、むしろ、いや、それは残念ながら現実的には無理ですという答えを何度もいただいていますけれども、そういうことでよろしいかどうか、再度確認します。
○岸田国務大臣 委員の方から、今、難しいのではないかという幾つかの例を挙げていただきましたが、例えば米国を考えた場合、二〇〇五年に米国はこの条約を締結しています。今日まで米国は、捜査共助の実施だけで三百回以上、これは実績があります。また、犯罪人の引き渡し請求、これも二百回近く行っていると承知をしております。 これは百八十七の国が締結しているわけですが、その中において、多くの国において、この条約の締結によって、さまざまな捜査共助ですとか犯罪人の引き渡しについて具体的なやりとりをしている、こういった例はかなり多いと認識をしております。こうした具体的な結果、これは前向きに捉えて、我が国もこうした国際的な取り組みに参加し協力をする、少なくとも、我が国がこうしたテロ対策において抜け穴になってはならない、こういったことは強く感じます。 そういった観点から、ぜひこの条約を締結することをしっかり考えていかなければならないと存じます。
○井出委員 条約に入ることはいいことだと思うんですけれども、条約に入って、何か今までよりデメリットが、国際的な連携の意味においてですよ、共謀罪の創設という大きいデメリットはあるんですけれども、そっちはおいておきますが。 ただ、アメリカの数字が今出ましたけれども、ロシアだって、アメリカにスノーデンを引き渡すということは絶対しないと思いますし、あと、日本とアメリカは今二国間でそういう犯罪の引き渡しの条約をやっていますけれども、日本とアメリカは、共謀罪においては現状双罰性がないんですね、日本は共謀罪が限定されているので、アメリカは共謀罪がかなり広くあるので。でも、実際、日本の裁判で、アメリカで何か薬物を密輸しようとした人が日本に逃げてきて、それを裁判で引き渡すべきだと、そういう裁判になった東京高裁、平成元年の判決もありますし。 やはり日本という国は、国際捜査協力というものを惜しむ、それは嫌だという姿勢は今までのどの政権もなかったと思うんです。ですから、この条約に入っていくことはいいと思うんですが、ただ、この条約に入っても、その引き渡しを求める、引き渡しても差し支えないとその両国が思ったものが、そういうところは底上げになるのかもしれないんですけれども、テロ等準備罪だ、テロだと言われている政治的な主義主張が絡むような問題というのが、やはり一番お互いの考えというものが異なる。北朝鮮と日本、マレーシアと北朝鮮、アメリカとロシア。 そうしたら、この条約にテロ対策を求めたいお気持ちは理解しなくもないんですけれども、やはり国際条約というものはそれぞれの国の考えの一致あっての国際条約ですから、テロというものに対する見解というものは、各国、一番、国際的な犯罪の中でも一致するのが難しい部分だと思うんですね。テロとの闘いといっても、国連で安保理決議がすぐにまとまるわけじゃないし。 だから、この条約というものが、やはり、特にテロに対して万全かどうかというものは個別の事例を見ないとわからないということはきょうしっかりと問題提起をさせていただいて、私の時間、大分過ぎてしまいましたので、終わりたいと思います。
○鈴木委員長 次に、逢坂誠二君。
○逢坂委員 民進党の逢坂誠二でございます。 きょうも質問させていただきますが、冒頭に、本当にこんなことを二度言わなきゃいけないのかと思うと腹立たしい思いなんですけれども、委員長に抗議をさせていただきます。 まず、きょうの委員会、与野党の合意なしに職権でセットされているということ。それから、来週火曜日、この法務委員会での共謀罪の議論はまだ二日目も終わろうとしていないのに、外からの参考人を呼んで意見を聞こうとしている、これは時期が早過ぎる、もう少し論点を深めてから、どういう論点について参考人から話を聞くんだということを丁寧にやるべきなのに、これも与野党の合意ないままに、きょう強行的に決められた。この二点に対して強く抗議をしたいと思います。 そして、重ねて、先日、憲政史上初めてと言われる、政府参考人の招致について、これを与野党合意なしに、一方的に委員長の提案で決められた、このことに対しても強く抗議をしたいと思います。 委員長にお伺いをしたいんですが、例えば、私はこういうスタイルの質疑をしたい、きょうは大臣と大ぶりなことについて議論をする、そして、そこでなかなか深まらない論点について、次の日、今度は、自分なりに論点を精査して政府参考人に聞く、こういう質疑のやり方、委員長、これは認められないということなんですか。
○鈴木委員長 そういう意味ではありません。
○逢坂委員 すなわち、こういう質疑のやり方もあるわけでありまして、一律に政府参考人を登録して、こちらがお願いもしていないのに政府参考人が答弁をするといったようなことは厳に慎んでいただきたい。そのことを委員長にお願い申し上げます。 きょうは、私自身は、政府参考人、刑事局長については登録をお願いしておりません。外務省の政府参考人は登録をお願いしておりますけれども。この点踏まえて、委員長、よろしくお願いしたいと思います。 そこで、きょうは金田大臣にいろいろお伺いをしたいと思うんですが、私は、余り法的な細かいことはきょうは聞くつもりはございません。もし、金田大臣が、これは法的で細かい、これは私ではなくて刑事局長の答弁の方がいいと思われるような事項があるのであれば、そう申し上げてください。これは個別具体の事項にかかわることだから私の答弁ではない、刑事局長から話を聞いてくれ。その際は、私は、必要があると思えば、私自身が刑事局長を指名します。でも、それは後日やった方がいいと思う案件については、それは自分なりに整理をさせて後日やらせていただきたい。そういう姿勢でこれからの審議に臨んでまいりたいと思いますので、委員長、よろしくお願いいたします。大臣もよろしくお願いします。 さてそこで、きょう、随分組織的犯罪集団の話が出てきましたので、大臣に、これは通告していないので、お答えになりにくいようであればお答えにならなくても構わないんですが、簡単なことだけちょっとお伺いをしたいと思います。 組織的犯罪集団に関して、これはおとつい、四月十九日の答弁の中で、大臣、こうおっしゃっておられるんですね。これは何度も言っていることです。「国内外の犯罪情勢等を考慮すれば、条文上例示しておりますテロリズム集団のほか、暴力団、麻薬密売組織など、違法行為を目的とする団体に限られる」、これは大臣の、いわゆる組織的犯罪集団というものに対する答弁であります。 そこで、大臣、暴力団は組織的犯罪集団というふうに言ってよいんでしょうか。
○鈴木委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○鈴木委員長 速記を起こしてください。 金田法務大臣。
○金田国務大臣 通告がない質問だというふうにおっしゃいました。そのとおりであります。 ただ……(発言する者あり)
○鈴木委員長 御静粛に願います。
○金田国務大臣 暴力団の共同の目的というものがございます。 組織的犯罪集団の該当性を、個別具体的な事実関係を離れて一概に結論を申し上げることは極めて困難であると思います。 したがいまして、あくまで一般論として申し上げれば、いわゆる暴力団は、組長の統率のもとに階層的に構成された団体でありまして、種々の犯罪行為を行うことにより組織を維持拡大し、また、構成員も、そのような組織を背景として、暴力的な威力を利用してそれらの犯罪行為を行うことにより生計を維持しているものであります。そのため、暴力団の結合関係の基礎としての共同の目的は、凶悪、重大、殺傷犯を含む犯罪行為全般を行うことであると、一般論として申し上げれば考えられるわけであります。したがいまして、一般論としては該当し得る、こういうふうに申し上げることができるのではないかということであります。
○逢坂委員 大臣、暴力団が組織的犯罪集団であるか否か、これは例示して何度も言っていることでありますから、そういう基本的なことについてはやはりさくさくとお答えいただきたいと思うんですよ。 それで、私は、暴力団だからといって、イコール即組織的犯罪集団になるとは思っておりません。この法の六条の二の定義に照らし合わせて、個々具体的にやはりそれぞれの暴力団について考えていかなければ、これが組織的犯罪集団かどうであるかというのはわからないというふうに私は思っているんです。でも、大臣、この程度のことは、答弁をいろいろ探さなきゃ答弁できないという質のものだと私は思えないんです。したがって、大臣……(金田国務大臣「委員長」と呼ぶ)大臣、私、まだ質問しています。
○鈴木委員長 まだ質問中です。どうぞ続けてください。
○逢坂委員 大臣、ですから、基礎的なところについてはぜひ自信を持ってこれからもお答えいただきたい。
○金田国務大臣 私は、誠意を持って、誠意を持って逢坂委員の御質問に答えようとして、より正確に答えるつもりで資料を探したものであります。一方で、通告をいただいていなかったということもありますけれども、そういう姿勢で対応していることを御理解いただきたいと思います。
○逢坂委員 そのとおりであります。私は、暴力団が組織的犯罪集団であるか否かは通告はしておりませんでしたので、だから、もしお答えにならなければそれでもよろしいと、それを前提にした上でお伺いさせていただきました。 さて、それでは次の話題に移らせていただきますが、私は、今回のこの共謀罪の法案、一般の方々がこの共謀罪の法案で罪になるかどうか、これも大きな論点だというふうには思いますが、一般の方々は組織的犯罪集団にかかわりがなければこの罪によって罰せられることはない、これは繰り返し答弁の中で述べられていることだというふうに理解をしております。 ただ、私が心配するのは、処罰されるかどうかよりも、捜査の対象になるかどうかというところが非常に私は大きいと思うんです。これは、要するに一般市民の……(発言する者あり)
○鈴木委員長 続けてください。
○逢坂委員 一般市民の方の感覚を思えば、確かに犯罪を犯して逮捕されてある一定の罰を与えられる、これはこれで大変重要なこと、大変なことでありますけれども、だがしかし、何らかの罪の嫌疑が湧き上がってそして捜査の対象にされる、そのことだけでもこれは非常にダメージの大きいことであります。したがいまして、一般の方々が捜査の対象になるかどうか、この点について、きょうも先日に引き続いてお伺いをさせていただきます。 大臣は繰り返しこうおっしゃっておられます。「組織的犯罪集団とはかかわりのない、そういう方々は一般の方々として受けとめてよろしい」、組織的犯罪集団に関係ない方が一般の方々だというふうに言っているわけであります。確かにそれはそうだろうというふうに一応しましょう。では、大臣、これは大臣の御発言ですから、その際に、例えばこういうものについては大臣はどうお考えになるかであります。 例えば、一般の団体に属する方々が、テロ等準備罪の嫌疑がかけられる、嫌疑がかけられて、捜査の結果、嫌疑なしというふうになった方々、これは一般の方々と言えるかどうか。大臣、いかがですか。
○井野大臣政務官 当然、嫌疑がないわけでございますから、一般の方々だと思います。
○逢坂委員 それじゃ、これはいかがですか。 テロ等準備罪の嫌疑のある団体にかかわる方、これは一般の方々と言えるんですか。
○井野大臣政務官 いわゆる組織的犯罪集団にかかわっているかどうかでございます。それはやはり、客観的に判断できるかどうかですから、疑いがある段階ではあくまでもまだ一般の方々であり、それが、捜査の結果、組織的犯罪集団に属する人々だということになった段階で、それは組織的犯罪集団の方々というふうになると思います。
○逢坂委員 ということは、井野政務官、嫌疑がある段階では、その団体にかかわる方は、金田大臣の言いぶりでいけば、一般の方々という理解でよろしいですか。
○井野大臣政務官 ですから、その嫌疑があって、それが黒か白かを判断するのが捜査でございますので、その段階でその人が組織的犯罪集団の人かどうかは確定的には申し上げることができない。捜査の結果、それが組織的犯罪集団の方々だったのか、そうではない一般の方々だったのかということが言えるんだというふうに思います。ですから、嫌疑の段階では、まだ捜査中でありますので、それを確定的に申し上げることはできないということであります。
○逢坂委員 私は、その答弁は全くそのとおりだと思うんですよ。 それで、後ろの方から副音声で、そういう一般の方々とかなんとか、そういう議論をするなよみたいな、やじのように聞こえるのがあるんですけれども、なぜ私がこれにこだわるかというと、これは繰り返し私が言っていることでありますけれども、この新しい、我々の言うところの共謀罪、政府が言うところのテロ等準備罪は、一般の方々は対象にならないと総理も官房長官も繰り返し言っているから、私はここにこだわって聞いているんですよ。一般の方々という非常に曖昧な概念を持ち出してそれで国民に説明しているから私は聞いているんですよ。だから、そこのところをはっきりさせてもらわなきゃ、私は、なかなかこの法案の議論というのは中へ進めることはできないわけであります。 そこで、一般の方々が嫌疑のある団体にかかわっている。林刑事局長はこの間こう言っていましたよね。これもこの間と同じあれなんですけれども、林刑事局長の答弁、「テロ等準備罪の嫌疑が生じていない段階で、ある団体が組織的犯罪集団になるか否か、こういったことが捜査の対象となることはないと考えております。」。これはこれでいいと思うんですよ。すなわち、テロ等準備罪の嫌疑が生じていなければ、どんな団体に属していようとも捜査の対象にはならないということであります。 だがしかし、今度は井野政務官がおっしゃっていたように、嫌疑が生じた段階で、そのある団体に属している人たちが組織的犯罪集団になるか否か、これは、捜査をしなければ、先ほどの井野政務官の言葉をかりて言うと、白か黒かわからないわけであります。 ということは、捜査の対象になり得るということでよろしいですよね。
○鈴木委員長 法務省林刑事局長。(逢坂委員「ちょっと待ってください、ちょっと待ってください。これは、もし政務が答えられないならそう言ってください。その上で私が言わせていただきます」と呼ぶ)わかりました。 金田法務大臣。
○金田国務大臣 捜査は、御承知のように、犯罪の嫌疑がある場合に開始されるものでありまして、この点はテロ等準備罪においても同様であります。したがって、テロ等準備罪についても、他の犯罪の捜査と同様に、犯罪の嫌疑がなければ捜査は行われることはありません。 テロ等準備罪は、法律の明文により厳格な要件が定められております。すなわち、対象となる団体を組織的犯罪集団に限定をする、そしてまた、一定の重大な犯罪を遂行することを計画することに加えまして実行準備行為が行われた場合に成立するものであります。したがいまして、テロ等準備罪の嫌疑があると認めるためには、組織的犯罪集団が関与していることを含むこれらの要件についての嫌疑が必要となります。組織的な犯罪集団が関与していることについての嫌疑がなければ、テロ等準備罪についての捜査が行われることはありません。 そして、通常の社会生活を送っている一般の方々がそのような集団に関与することも、関与していると疑われることも考えられないわけであります。したがって、一般の方々にテロ等準備罪の嫌疑が生じることはなく、一般の方々がテロ等準備罪の捜査の対象となることはない、このように考えている次第であります。
○逢坂委員 前回のやりとりの中で、盛山副大臣、こうおっしゃっておられましたよね。私が、テロ等準備罪の嫌疑が出てきた、そうなって初めて当該団体について捜査が始まる、その際に、私は、そのとき一般の人にこれは捜査が及ぶということではないですかということを問いかけたわけであります。そのとき、盛山大臣、私は非常に誠実に答弁いただいたと思っているんですよ。「その段階ではグレーになる、こういうことだと思います」「何らかちょっと嫌疑が少し出てきたというところでグレーになって、そしてそれが本当に組織的犯罪集団に当たるかどうかをそこから検討する、」と。 検討という言葉をお使いになりましたけれども、これはどういう言葉なのか、ちょっと御自身で御説明いただきたいんですけれども、これはこのとおりでよろしいですよね。
○盛山副大臣 私、司法試験を通ったわけではありませんので、用語その他、間違っているかもしれませんが……(発言する者あり)
○鈴木委員長 御静粛に願います。
○盛山副大臣 要は、何らかの情報その他が来て、ここが危ないんじゃないか、そういうふうな情報が捜査機関に入ったとします。そうすると、その段階で、その人たちが、あるいはそのグループが、本当に捜査をしないといけない、つまり刑事訴訟法上の手続をしないといけない、そういうことになるのかどうかを、まず情報収集を行うだろうということを私は申し上げたかったわけでございます。 そして、情報収集をして、ある程度これは危ないなということになれば、それは刑事訴訟法上の捜査、令状をとっての捜査ということになるんでしょうか、そういうことになるというふうなつもりで私は先日お答えしたつもりでございます。
○逢坂委員 これは盛山副大臣に聞いていいかどうか、私は金田大臣に答えてもらった方がいいのかもしれませんけれども、グレーになった段階の人は、先ほどと同じ質問でありますけれども、これは金田大臣の言うところの一般の方々というふうに言えるんでしょうか。グレーになる前の方々は多分一般の方々なんだと思うんですよ。グレーになった方々。
○盛山副大臣 先日、私はその辺をなかなかうまく表現できなかったので、それで、白か黒かわからないということでグレーと申し上げたわけでございますが、ただ、犯人かどうかといったような形での分け方であれば、それは黒でなければ白である、無罪推定ということですね、そういうことにはなろうかと思います。 ただ、今のやりとりをしている中での一般の方かどうかということでいうと、この人たちは、組織的犯罪集団で、例の三つの要件、これに当たる対象とまでは言えないけれども、そちらの対象として捜査をしなければならないかどうか、それをこれから検討しなければならないという点では、全くの一般の方、真っ白の人というところとはちょっと違うのかなと思います。
○逢坂委員 すなわち、テロ等準備罪の嫌疑が生じて、ある団体が組織的犯罪集団であるかどうか、これは初めて捜査になるわけですね。でも、嫌疑が生ずる、その段階では組織的犯罪集団かどうかわかっていないわけですから、大臣の定義でいえば、それは一般の人々なのではないかというふうに思いますが、この点、政務官、いかがですか、大臣の定義でいえば一般の人々じゃないですか。
○井野大臣政務官 済みません、一般の方々という、これも辞書を調べた方がいいのかもしれませんけれども、ちょっとその定義について……(逢坂委員「答弁が難しければいいです」と呼ぶ)はい。済みません、ちょっと説明が難しくて。申しわけございません。
○逢坂委員 答弁が難しいようですので、では、それはよろしいです。 金田大臣はこう言っているんですよ。「組織的犯罪集団とはかかわりのない、そういう方々は一般の方々として受けとめてよろしいのではないかと考えております。」と。私、何回も何回も聞いているんだ、これは。 だから、繰り返して言います。 テロ等準備罪の嫌疑が生じた、当該団体はまだ組織的犯罪集団であるか否かはわからない、だから、嫌疑が生じて初めてそれは捜査を行うということは林刑事局長も答弁している、ここまではよろしいですよね。 でも、組織的犯罪集団かどうかわからない方々は、金田大臣の定義によれば、これは一般の方々ですよ。一般の方々ですよね。テロ等準備罪の嫌疑が生じた段階で捜査を行うということは、一般の方々が捜査の対象になるのではないんですかということ、単純なことを私は聞いているんですよ。なぜこれがそのとおりですと言えないのかがわからない。
○金田国務大臣 組織的犯罪集団とかかわりのない人に疑いが生じることはないので捜査の対象とはならないという答弁についてのお尋ねと受けとめました。 テロ等準備罪というのは対象となる団体を組織的犯罪集団に限定しているところ、国内外の犯罪情勢等に照らせば、組織的犯罪集団と言えるのは、テロリズム集団あるいは暴力団などの違法行為を目的とする団体に限られるわけであります。 したがいまして、組織的犯罪集団とかかわりのない方々がテロ等準備罪により処罰されることはなく、捜査段階においても、組織的犯罪集団であるとの嫌疑がある団体とかかわりがない方々は捜査の対象とはならない、このように考えている次第であります。
○逢坂委員 組織的犯罪集団とかかわりのない方が捜査の対象になることはない、であるならば、嫌疑が生じた段階で、嫌疑というのはテロ等準備罪の嫌疑が生じた段階で当該団体が組織的犯罪集団であるか否かを捜査するということは不可能だということでしょうか。 もう一回説明します。 今のは、金田大臣は、組織的犯罪集団にかかわりのない方は捜査の対象になることはないと明言をしたわけであります。組織的犯罪集団にかかわりのない方は捜査の対象になることはないと明言したわけであります。 片や一方で、テロ等準備罪の嫌疑が生ずる、テロ等準備罪の嫌疑が生じてから当該団体が組織的犯罪集団であるかを初めて捜査するという答弁もあるわけであります。 それを二つ並べてみると、そのテロ等準備罪の嫌疑がかかった団体は組織的犯罪集団ではその時点ではあるというふうには判定されておりませんので、大臣の論法でいけばその団体に捜査をすることはできないんだということでしょうか。
○金田国務大臣 組織的犯罪集団とかかわりのあると疑われるようなことのない人を一般の方々と述べておるつもりであります。
○逢坂委員 組織的犯罪集団とかかわりのない方々を一般の方々と言っている、それは多分そうなんでしょう。だけれども、私は捜査の対象になるかどうかということを繰り返し聞いているんですよ。 通常の犯罪捜査として、テロ等準備罪の嫌疑がある、疑わしい、この団体はもしかしたらそうではないか、だがしかし、当該その時点では組織的犯罪集団であるかどうかはわかっていない。 そして、これは林刑事局長の別の答弁で、テロ等準備罪の嫌疑がない段階で、ある団体について組織的犯罪集団であるか否かは捜査はしないということは明言しているわけですよ。そして……(発言する者あり)少し静かにしてください。そして、このテロ等準備罪の嫌疑が出た段階で初めて、当該団体が組織的犯罪集団であるか否か、幾つかの要素について捜査をして、初めてそうであるか否かを決めると言っているんですよ。 そして、一方で、大臣は、組織的犯罪集団にかかわりのない、そういう団体は、人々は捜査の対象にならないと言っている。 だったら、テロ等準備罪の嫌疑が出て、当該団体が組織的犯罪集団でない段階では捜査ができないということになりませんかということを聞いているんです。
○金田国務大臣 組織的犯罪集団とかかわりがあるという嫌疑がある人について捜査するのでありますから、一般の方々を捜査するものではないということであります。(発言する者あり)
○逢坂委員 静かにしてください。 これは私は非常に重要な問題だと思うんですよ。国民の不安の一つはここなんですよ。(発言する者あり)
○鈴木委員長 御静粛に願います。
○逢坂委員 これは、国民の不安の一つはここなんですよ。罪になるかならないかということも不安ですけれども、捜査の対象になるかならないかというのは非常に大きな不安なんです。 しかも、この共謀罪、テロ等準備罪、これは計画段階ということが入っているわけですので、計画段階のものを私たち捜査しますと言って大っぴらに捜査はきっとしないことが私は通例多いんだと思うんですね。ひそやかに捜査が行われる。そういう状況に自分が置かれていることを知らずに捜査をされるケースも場合によってはあるのではないかと思う。だから、罪に落ちることそのものも大変重要なことだけれども、捜査の対象になるかならないかということはこの共謀罪の論点の非常に大きなところだと私は思っているんです。 したがいまして、今の政府には、私、今の大臣の答弁と林刑事局長の答弁に矛盾があるように思うんですが、ただの一点こう言っていただければいいんですよ、組織的犯罪集団にかかわりのない方であっても、テロ等準備罪の嫌疑が生じた段階では……(発言する者あり)
○鈴木委員長 御静粛に願います。
○逢坂委員 捜査の対象になり得る、なる可能性は否定できない、そういうことではないかと思うんですが、いかがですか、大臣。
○盛山副大臣 たしか一昨日の御答弁で林局長からお話ししたかと思いますが、今回のテロ等準備罪は実体法についてということでございます。実体法でこういう罪を新たに加えるということでございます。今、逢坂先生がおっしゃっておられるのは、これはテロ等準備罪が成立しても成立しなくてもそうなんですが、現在の刑事訴訟手続法、この手続の話ではないかと思います。 それで、嫌疑というものということになるわけでございますが、嫌疑という、さっきのちょっと繰り返しになりますけれども、何らかの情報があって、それで調査をするわけですね。本当にその情報は正しいの、うそじゃないのということは調査をしなければなりません。 そこで、テロ等準備罪でもそうですし、ほかの罪でもそうなんですけれども、その罪に当たる蓋然性が高いとなった場合に罪の嫌疑というものが生じるわけでございまして、嫌疑というものが生じた段階で刑事訴訟法の手続上の捜査をいたします。ですから、捜査というのは刑事訴訟手続法上の手続ということに、そこからスタートするわけでございますから、それまでのものはいわゆる刑事訴訟手続法上の捜査ではございません。情報の収集、調査ということにすぎないものと我々は考えております。 そしてまた、一般の方がそういう調査の対象になるかどうかということでございますけれども、これはテロ等準備罪にかかわらず、それぞれの罪の、そういうような、いろいろな情報その他が入ったときにそういったことに対して調べるということにすぎないわけでございますから、今回のテロ等準備罪は三つ要件を厳しくつけておりますので、そういう点で、一般の方が実際の調査の対象になるということも大変限られていると思いますし、ましてや、その次の、刑事訴訟法上の捜査ということになることも限られていると我々は考えているところでございます。
○逢坂委員 盛山副大臣、それでは、その一般の方々と言われる人々が捜査の対象になる、あるいは調査の対象になるでもいいでしょう、限られているということは、皆無ではないということでよろしいですね。うなずいていただいて。皆無ではないと。
○盛山副大臣 それは、何でもそうでございますけれども、対象にならないということにはなりません。ただ、性質として対象にならないかもしれませんが、ボリュームとしては大変限られたものになると私たちは考えているということでございます。
○逢坂委員 今の副大臣の答弁と先ほどの大臣の答弁、違っているんですけれども、大臣、修正された方がいいと思うんですが、いかがでしょうか。
○鈴木委員長 金田法務大臣、時間が参っておりますので、簡潔にお願いします。
○金田国務大臣 テロ等準備罪の嫌疑があると認めるためには、組織的犯罪集団が関与していることを含むこれらの要件についての嫌疑が必要でありまして、これらの嫌疑がない場合には捜査は開始されない、こういうふうに考えております。
○逢坂委員 大臣、残念ながら認識が多少違うようでありますけれども、私は、盛山副大臣の認識が正確だというふうに思っております。一般の方々も捜査、あるいは調査という言葉を盛山副大臣は使われましたけれども、その対象になる可能性が否定できないということを、うなずいていただきましたので、そのとおりだというふうに申し上げて、きょうは終わりたいと思います。 それから、岸田外務大臣、きょうは大変申しわけございませんでした。私の方から質問する予定でしたが、こんなありさまでございますので、御了解いただければと思います。 ありがとうございます。
○鈴木委員長 次に、藤野保史君。
○藤野委員 日本共産党の藤野保史です。 改めて、刑事局長の出席を強行した今回の委員長の発議そして強行採決、強く抗議をしたいと思います。 私が改めて感じますのは、こうまでしなければ法案審議ができないのか。こんな場に外務大臣をお迎えする、本当に情けない。 これは、与党みずから二度も、二回にわたって、みずからの行動で、大臣、刑事局長抜きでは法案審議に向かわせられない、これを示したわけで、これは、大臣だけでなく、政府・与党全体の問題だというふうに言わざるを得ないと思います。 さらに、十九日の質疑では、局長が先に答弁に立って、委員長が指されて、そして答弁を何度もされた後に大臣が立たれて、ほとんど同じ答弁をされる。これは審議も深まりませんし、私の質疑時間を潰す、こういう結果になるわけです。きょう、これからの質疑でこういうことは絶対に許さない、このことをまず申し上げたいと思います。 政府は、本法案について、テロ対策のためだ、テロ対策のためだと繰り返すわけですが、本当にそうなのか。きょうは岸田外務大臣に出席をいただいております。そこで、TOC条約の交渉過程から、同条約が何を対象犯罪としているのか、大臣と議論させていただきたいと思います。金田大臣にも、必要なところでお聞きしたいと思います。 TOC条約は、二〇〇〇年十一月の国連総会で採択されました。これに至るまでに、我が国を含む各国代表団が起草委員会という場で十一回にわたって議論を闘わせた。 起草委員会の第一回、これは一九九九年一月十九日から二十九日まで行われております。日本からは、交渉団として、外務省、法務省、警察庁の官僚らが参加されております。 私たち日本共産党は、金田法務大臣だけじゃなく、岸田外務大臣そして国家公安委員長に常にこの委員会に出席していただきたいと言っておりますが、それは、この条約起草過程でまさにこの三省庁から代表団が送られたから、これも関係しているわけであります。 その交渉団が日本国に送った公電というものがございます。配付資料をごらんいただければと思います。これは七月二十六日に出されて、ウィーン発、七月二十七日に本省着。外務大臣に対して日本政府代表団、これはウィーン国際機関日本政府代表部の阿部大使であります。この公電であります。 まず外務省に確認したいんですが、これは、我が党の仁比聡平参議院議員が要求をして、それで外務省が提出した、そういう資料ですね。
○水嶋政府参考人 委員御指摘のとおりでございます。
○藤野委員 この資料二ページを見ていただきますと、先ほど言ったように、「我が方より」というところで、法務省、警察庁そして外務省というところが紹介されております。 三枚目を見ていただきますと、ここから対象犯罪の話に入ってまいります。下の方を見ていただきますと、第二条、これが現在でいう第三条に当たるわけですけれども、これの対象犯罪、何に当たるのかということであります。「エジプトが、」というところに線を引かせていただいておりますが、これはエジプトが対象犯罪のリスト化を求めたということでありまして、そのリストの中には、麻薬取引、人身売買、通貨偽造、自動車の不正取引など、さまざまな十五項目にわたるリストがありまして、その中に、テロリズムアクトという、いわゆるテロ行為というものが含まれていた、そういう提案を、こういうものをリスト化すべきだとエジプト政府代表団が行ったということを示しております。 これに対して、その下にありますトルコ、アルジェリア、ペルー、メキシコ、エクアドル、ナイジェリア、ジョルダン、サウジ、スーダン、シリア、インド、ボリビア、ウルグアイそしてフィリピン、この十四カ国が支持した、このリスト化、テロ行為を含むリスト化。これに対して、この次のページになるわけですけれども、先に国名だけ挙げておきますと十八カ国になります。イギリス、ベルギー、スペイン、スウェーデン、オランダ、南アフリカ、イタリア、フィンランド、中国、アメリカ、ノルウェー、ドイツ、ポルトガル、マダガスカル、カナダ、パキスタン、フランス、日本、これがこのリスト化に対して反対をした。 これも外務省に確認したいと思います。間違いありませんか。
○水嶋政府参考人 この公電に記載されております内容については間違いございません。
○藤野委員 そういうことで、基本的な構図というのはそういう状況であります。 つまり、今、リスト化に反対したと申し上げた国々は、テロ行為、テロリズムアクトの処罰化、これをこの条約で行うことに反対した。処罰化の義務づけ、テロ行為を処罰化することに反対した、リスト化とあわせてですね。なぜ反対したのか、これもこの公電に書かれております。 配付資料の四ページを見ていただきますと、どれでもいいんですが、フランス大使はどう言っているか。リスト化の方は前の方に理由が書いてあります。それは省きます。フランス大使について言いますと、「テロリズムについては、他に多くの条約があり、本条約の対象にテロリズムを含めることはテロに関する既存の条約に悪影響を及ぼしかねないこと、」、こうあるんですね。 これは外務省にお聞きしたいと思います。当時、テロに関する既存の条約、これは何本あったんでしょうか。
○水嶋政府参考人 通告をいただいておりませんので、今この場で直ちにお答えすることは差し控えさせていただきます。
○藤野委員 そこでわからないんですか、この程度のことが。
○水嶋政府参考人 当時というお尋ねでございましたので、しっかりと調べた上で回答を申し上げたいと思います。
○藤野委員 当時、テロに関する既存の条約としては十二本ございます、今は十四本にふえておりますが。 フランスが主張していますのは、TOC条約でテロリズムというものを含めると既存の条約に悪影響を及ぼしかねない、こう言っているわけですね。外務大臣、これはどういう意味なんでしょうか。
○岸田国務大臣 資料で、アドホック委員会第十回会合のやりとりについて御指摘をいただき、質問いただきましたが、そもそもあの公電の中身は何が書いてあるかということですが、このTOC条約の起草段階において、この対象をリスト化するかどうか、この議論を行ったわけです。そして、そのリストの中にテロという言葉を入れるかどうかが議論されていた、これがこの公電の中でのやりとりであります。 そして、エジプト等が賛成した、そして、カナダを初め、御紹介いただいた国々が反対した、日本も反対した、こういった紹介がありました。 この賛成、反対の意味は何かということなんですが、要は、国連において条約をつくる、あるいは議論する際に、テロという言葉は定義するのが大変難しい、大論争が昔からずっと続いてきました。今現在も、国連の議論において、テロとは何なのかを議論するのは、結論が出ていない、これが国連の議論のありようです。 なぜならば、植民地から独立運動を行うとか、あるいは中東においてさまざまな動きがある、そういった動き、その動きの中で行われたことをどう評価するかというのは、それぞれの国の立場によって、これはいろいろな利害関係が絡んでくるということで、国連においてテロという言葉を条約に盛り込む、すなわち、条約に盛り込むわけですからこれは定義を明らかにしなきゃいけないわけですが、それをやるということになりますと、この議論、もう延々とやってきて、今現在も結論が出ていない議論に巻き込まれてしまう。 結果として、その議論に巻き込まれてしまったら、この大切なTOC条約をまとめることができない、こういった危機感に基づいて、一部の国はこのリストに載せろと言った、しかし、載せるといったら定義の話になって、この条約が全部ふいになってしまう、そういう危機感から、カナダ、パキスタン等幾つかの国を紹介いただきました、恐らくG7の国は全部その中に入っていたはずであります、全部が反対したというのは、テロという言葉をリストに載っけた途端にこの条約がまとまらなくなってしまう、こういった危機感に基づいて反対したわけであります。この条約を成立させたい前向きな思いが、このリスト化は問題であるという態度につながったということ、これをぜひ御理解いただきたいと思います。 そして、この議論の中で、テロというのは間違いなく国際的な組織犯罪に含まれるという議論が行われてきた、これはしっかりと確認しておかなければならないと思っています。
○藤野委員 今るるおっしゃいました。要するに、テロリズムというものはこの条約の対象ではない、こういうことですね。
○岸田国務大臣 先ほど言いましたように、今の議論は、リストに載せるかどうかということであります。 内容として国際的な組織犯罪にテロというものが含まれている、これはもう当然のことであり、これはアドホック委員会十回の議論ですが、この起草前の議論の中でしっかり議論され、それは確認され、そして、今御指摘になりましたが、二〇〇〇年の国連総会においても、テロとの関連においてこのTOC条約の重要性は指摘をされているわけですし、それ以後も、二〇一四年の国連安保理決議においても、テロとの関係においてこの条約の締結を推奨する、こういった決議が行われていますし、毎年のG7、G8のサミットにおいても、テロとの関係においてこの条約の締結を推奨する、こういったことがずっと成果文書に明記されてきた。 起草段階から今日に至るまで、この条約がテロとの深い関連の中で議論されてきた、これは間違いないと思っております。
○藤野委員 私が聞いていますのは、関連を聞いているんじゃないんです。この条約そのものが、テロリズムというものをどう議論したか、どう議論して、結局どうしたかということなんです。省いたということなんです。そのことは大臣自身がもうるるおっしゃいました、その理由も含めて。(岸田国務大臣「委員長、委員長。違いますよ」と呼ぶ)いや、今からもう一個聞きます。 フランスは、今紹介したところから続いて、こういうふうにも主張しているんです、大臣。「仏はテロリズム対策には重大な関心を寄せており、宮崎で行われたG8外相会合において、G8諸国はテロリズム対策へのコミットメントを再確認しており、決してテロ対策を軽視するものではないこと、」こう言っているわけですね。 日本です、宮崎で行われたG8外相会合は、二〇〇〇年の七月十二日から十三日。ですから、この公電、二〇〇〇年の七月ですから、少し前なんですね。 配付資料の九ページを見ていただければ、この宮崎におけるG8のいわゆる総括、共同声明、コミットメントを紹介させていただいております。そこには「テロリズム」という項目もあるわけですね。九ページ目、一番最後です。 読ませていただきますと、「我々は、実行者の動機のいかんを問わずあらゆる形態のテロリズムと闘うコミットメントを新たにする。」「すべての国、集団及び個人は、安保理決議一二六九に従って、テロリストに対する逃げ場の提供も、支援の供与も、犯罪行為の容認もあってはならないことを認識しなければならない。」「我々は、更に、テロ対策に関する国際的な協力が国際的なテロリズムを打破する上で引き続き鍵となる要因であることを強調し、同様の考えを有する他の諸国とこの目的のために引き続き緊密に協力する。」そして、こう言っております。「我々は、すべての国に対し、テロ対策に関する十二の条約の締約国となること、特にテロリストによる爆弾使用の防止に関する条約及びテロリズムのための資金の供与の防止に関する条約について、これらが発効して速やかにかつ効果的に実施されるようその締約国となることを呼び掛ける。」と言っております。 これを私読みまして、当時、国際社会がこれだけの決意でテロ対策に取り組んでいた、その熱気が伝わってくるというふうに感じるわけです。これが宮崎で行われていた、筆頭の地元で行われていた。 外務大臣にお聞きしたいんですが、これは同時並行でやられているんです。国際社会はテロリズムをこういう角度でやろうとしている。TOC条約は、さっき言ったように、フランス初めG7全ての国が、別にやれと言っているんです。これが国際社会のコンセンサスだったんじゃないんですか。
○岸田国務大臣 先ほども言いましたように、これは、内容において、テロを別にやれという議論ではありません。 このアドホック委員会十回会合の議論は、この条約のたてつけ、つくり方として、リスト化をするかどうか、この議論になったわけです。そして、リスト化するならば、その中にどんな用語を入れるのか、こういった議論をしたわけです。 その用語としてテロという用語を入れると、国連の議論においてこれはまた収拾がつかなくなってしまう、せっかくの条約が成立しなくなってしまう、こういった危機感から、この言葉をどう扱うかという議論を行ったわけです。内容においてテロを排除するというような議論ではないということはしっかり強調しておきたいと思います。 G8外相会合の内容を御紹介いただきましたが、先日、ことしのG7外相会談、イタリアのルッカで行いました。この成果文書においても、我が国がこのTOC条約締結に向けて取り組んでいる努力を評価する、こういった内容がしっかりと明記をされました。 このG7、G8の枠組みは、今日までもこのTOC条約の重要性に鑑みて、関係国に締結の推奨をし続けている、これが現実であると思っています。
○藤野委員 では、大臣、お聞きしますが、この公電にもあるんですが、この第十回交渉で日本政府はどういう発言、主張をされたんでしょうか。
○岸田国務大臣 この第十回会合においては、日本政府は、このリスト化については、問題がある、反対であるという立場、カナダを初めG7諸国とともにそういった意見を表明したと承知をしています。
○藤野委員 テロリズムについてはどのような主張をされたんでしょうか。
○岸田国務大臣 内容においては、議論の積み重ねの中で、国際組織犯罪の中に、テロ集団がみずからの資金を集めるために行うこうした行為、こういったものは大変重要であり、そしてしっかりと条約の対象にするべきものである、こういった議論が続いてきたと承知をしております。 日本も、そういった観点から、この条約の成立に前向きに、積極的に取り組んできたと承知をしています。
○藤野委員 ちょっと聞き方を変えますが、この公電には、日本政府代表団はどのように主張したと書かれていますか。
○岸田国務大臣 御紹介いただいた資料を使わせていただくならば、これは四ページの一番後ろから五行目になりますが、「テロリズムについては他のフォーラムで扱うべきであり本条約の対象とすべきでないことを主張した」、これはまさに、このテロリズムという言葉を本条約の中に盛り込むべきではない、こういった態度をとったということであります。
○藤野委員 ここで、今大臣おっしゃっていただいたように、こう書いてあるんです。「テロリズムについては他のフォーラムで扱うべきであり本条約の対象とすべきでない」とはっきりしているんです。これはもう誤解のしようがない。ですから、この条約は……(発言する者あり)まあリスト化を含めても。 私は、なぜ交渉経過を議論しているか。これは結論として、同時並行でやられていたG8ではテロが本当に熱心に議論されている。ところが、同時並行で行われていたTOC条約では、日本政府含め、日本政府そのものが、TOC条約の対象とすべきでないと主張している。これは否定できないでしょう、大臣。
○岸田国務大臣 公電の一部分を御指摘いただいていますが、TOC条約の既存の議論においては、これは間違いなく、テロリズムは大きな課題として対象とされてきました。 この公電の中身は、先ほど申し上げました第十回会合、リスト化するべきかどうか、この点について議論を行ったわけであります。リスト化に反対したというのは、先ほど言いました、条約を成立させようという前向きな態度のあらわれであるということ、間違いなくこれは確認しておかなければなりません。これはぜひ、公電も含めて、かつての起草の経緯、全体を見ていただき、日本の態度について確認をしていただきたいと思います。 結局、結果としてリスト化は行われませんでした。そして、結果として条約は成立をしました。そして、この条約が今日まで、多くの国連の議論の中にあって、G7、G8の議論の中にあって、テロリズム対策として大変重要である、ぜひこれは締結するべきであると再三推奨されてきた、こういった経緯があったことを踏まえれば、テロリズムについての扱い、これは間違いなく御理解いただけると思いますし、日本は、そうしたG7、G8の議論、あるいは国連の議論の中にあっても、テロリズムとの関係をしっかり協調しながらこの条約の重要性を認識してきた、こういった経緯をたどっております。
○藤野委員 テロリズムに関連があるということと、それをいろいろ議論した上、この条約ではやめておこう、条約の目的からは外そう、これはもう全然違います。私たちも関連があることは否定しません、当然です。 当てはめの問題として、テロリストが人を殺せば殺人罪。しかし、誰も刑法をテロ対策法とは言わないわけです。このTOC条約も、まさにいろいろな議論の結果、テロを省くも、それを外務大臣、自分の言葉でおっしゃったと私は思うわけですね。ですから、その結果、この条約を結べたんだとまでおっしゃる。ある意味そうだと思うんです。そういう意味で外された。ですから、これがテロ対策のための条約だなんというのは本当に事実に反している。 そして、大臣、先ほど、起草段階の話全体を見てほしいとおっしゃいました。私たちはいろいろな資料を要求しております。起草過程のさまざまな資料を要求しています。出さないのは外務省じゃないですか。出してから言ってください、そういうことは。 そして、本当にこの問題はもうはっきりしている。この公電からいって、政府自身が本条約の対象とすべきでないとはっきり言っているわけですね。 これは金田法務大臣にもお聞きしたいんです。 配付資料の五ページ目の下の段、新聞の記事なんですが、ちょっと字が小さくて恐縮なんですけれども、元法務省幹部という方、これは条約の起草過程に詳しいと東京新聞が紹介されている。「政府が言うようにテロ対策ならテロ条約を締結しているので十分だ。ハイジャックや爆弾犯に対する対応はできている。TOC条約は薬物犯罪や人身売買などの組織犯罪に適用することを想定している」。 金田法務大臣、この日本政府代表団には、先ほど言ったように、法務省からも三名参加されている。この元法務省幹部のコメントをどのように思われますか。
○鈴木委員長 まず、先ほどの岸田大臣の答弁から。 岸田外務大臣。
○岸田国務大臣 先ほど委員の方から、テロに関する条約が当時幾つあったかという質問がありましたが、今現在、たしか日本が締結しているテロ関連の条約は十三あったと思います。 そして、その中身は、具体的なテロの形態等を特定した形の条約等もたくさんあるわけですが、その中にあって、このTOC条約は、横断的に重要犯罪の合意罪あるいは参加罪を求めている、こういった条約であります。それぞれ、条約の役割は異なっていると思います。国際的にテロ対策において連携をする、あるいは未然にこうした犯罪を防ぐ、こういった意味で、このTOC条約は他の条約にない内容が含まれている。だからこそ、国連においても、G7、G8においても再三締結が推奨されてきた、こういった条約であると認識をしています。
○金田国務大臣 藤野委員の御質問にお答えします。 国際組織犯罪防止条約の交渉経緯の詳細について、お話が先ほどからございました。これにつきましては外務省が答弁したとおりである、このように受けとめております。いずれにしても、今回の法案は、本条約上の義務を適切に履行するものと考えております。 それからもう一点、法務省からも出席をしていたのではないかというお話がございました。 その時点での元法務幹部を確認できませんで、この点についてはお答えを差し控えさせていただきます。
○藤野委員 外務大臣は、再三各国から要請されていると。だったら、すぐ締結したらいいんですよ。私たちも、このTOC条約、すぐ締結したらいいと思っています。それだけ要請されているのなら、すぐ締結する、こういうふうに申し上げたいのと、あと、十三本とおっしゃいました。これは日本は全て締結しているわけであります。さらには、国連という話がありましたけれども、国連は、この十三本をテロ防止条約、さまざまな役割はありますが、カテゴリーとしてテロのための条約だと言っているわけですね。 ところが、国連はこのTOC条約はその中には入れていないわけです。私も二月の予算委員会で確認しました。外務副大臣に答弁いただいているんです。ですから、テロ対策というのであれば、その十三本、国際連携が必要だというのなら、その国連が指定する条約の具体化、実施、これに知恵と力を尽くすべきであります。 そして、外務大臣にお聞きしたいんですが、ちょっと別の論点になりますが、共謀罪の対象犯罪について、かつて、条約上限定できないと説明されていましたが、今回は、組織的犯罪集団が関与することが現実に想定される重大な犯罪二百七十七に限定したと説明されています。 なぜかつては条約上限定できないと説明していたのか、これは外務省にお聞きします。大臣でも結構です。
○岸田国務大臣 まずその前に、今、TOC条約、重要ならすぐ締結したらいいではないか、こういった御指摘がありました。 しかし、締結するに当たっては、しっかりとした国内担保法が必要であります。国際社会に対して、我が国はTOC条約を履行するに足るしっかりとした国内法があるということをしっかり説明しなければなりません。また、憲法九十八条二、条約の誠実な履行義務から考えましても、しっかり我が国として自信を持って説明できる、こうした国内法を整備してからでないと条約を締結できない、これは基本的な考え方であると思います。 そして、その上で今の質問ですが、かつて、絞ることができないと言ったではないかと。 これは当然御案内のことですが、このTOC条約の国内担保法については、過去何度も法律が提出をされました。(藤野委員「根拠を聞いているんです、当時の根拠を」と呼ぶ)いや、それを今説明しています。 そして、かつての法律においては組織的な犯罪の共謀罪というものが定められていたわけですが、その主体は団体ということにしておりました。これは、団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるもの、この要件を前提として対象犯罪を決めていた、こういったことであります。こうした法律のたてつけでいったならば、これはこれ以上絞ることはできない、こういったことで、かつて閣議決定した政府の答弁書等においても、これは絞ることができない、こういったことを申し上げてきたわけです。 ただ、そうした議論において、一般の方々が巻き込まれるのではないか等々さまざまな……(藤野委員「済みません、大臣、ちょっと違うんですね。申しわけないです」と呼ぶ)
○鈴木委員長 答弁中です。
○岸田国務大臣 いや、ただ、何で絞られるか、ちょっと最後までしゃべらせてください。 そういったさまざまな不安に応えるために、TOC条約五条に基づくオプションを活用する形で、新たなテロ等準備罪を含む今回の法律を提出したということであります。 今回の法律、これは主体が組織的犯罪集団、こういったことになっておりますので、そうした組織的な犯罪集団が行うことが想定されないものは当然省ける、そういったことで限定をしたということです。 これは法律ですから、もっと丁寧に説明しなきゃいけないんでしょうが、基本的な考え方は今言ったとおりであります。
○藤野委員 改めて外務省にお聞きしますが、かつて条約上限定できないと言っていた根拠、端的にお答えください。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。 過去提出しておりました法案の組織的な犯罪の共謀罪についてでございますが、これは過去の法案において、組織的な犯罪の共謀罪において定められていた要件、これを前提といたしまして、その対象犯罪を死刑または無期もしくは長期四年以上の懲役もしくは禁錮の刑が定められている罪一般としていたことを踏まえて、本条約の規定に基づかずに独自の判断で対象犯罪を選別することはできない、そういう旨を述べたものでございます。
○藤野委員 これでは通告した意味がないわけですね。私は、日時まで限定して、かつての二〇〇六年の外務省大臣官房参事官の答弁について聞くと。 これは何かといいますと、条約上限定できないというのはよくあるわけですが、なぜ限定できないのか。当時の外務省は二つ説明しております。一つは交渉時の経過、そしてもう一つは条文そのものの解釈、この二つがある。 交渉時の経過でいえば、交渉時においてさんざん議論になった、随分議論になった、長期三年以上を主張する国と長期四年以上を主張する、さまざまな議論があって、その交渉経過を踏まえて、限定することは難しいんだ、これが一つの理由であります。そしてもう一つは、条約第二条(b)に書いてあるこの文言の書きぶり。数字しかないんです。犯罪の内容は全く書いていない、長期四年以上、だからできないんだと。 この二つを、当時、二〇〇六年、るる国会で何度も説明しているわけですね。私はそれが聞きたかったわけです。 改めて端的にお答えください。この条約の解釈は今変わったんですか、変わらないんですか。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。 本条約についての解釈は変更してございません。 その上で、繰り返しになりますけれども、当時の組織的な犯罪の共謀罪におきましては、団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるもの等の要件を前提としたということで、本条約の規定に基づかずに独自の判断で選別することはできなかったということでございます。
○藤野委員 条約上限定できないという解釈は変えないわけですね。それなのに、なぜ対象犯罪は六百以上から二百七十七まで減るのか。基準、解釈、物差しは変わらないのに、当てはめだけ何で変わるんですか、大臣。
○岸田国務大臣 かつての組織的な犯罪の共謀罪の議論の中で、限定できないということについては、今答弁があったとおりであります。そして、その後、その議論において、一般の方々が巻き込まれるのではないかなど、さまざまな指摘をいただきました。そういった議論の結果をしっかり踏まえて、新たな法律を今回用意したわけであります。 その際に、このTOC条約第五条に定められているオプションを活用することによって、一般的な方々が対象とならないことをより明確にすることができるのではないか、こういった発想に至り、法律をつくったということであります。そして、その結果、今法律の中に示しておりますテロ等準備罪、こういったものを法律としてつくり、御審議をいただいているわけであります。 先ほども申し上げましたが、主体がかつては団体であったものを、今、組織的な犯罪集団ということで、主体も限定するということによって、結果として対象犯罪が二百七十七に限定されることになった、こういったことであります。
○藤野委員 基準を変えられたということですか。条約上の解釈は変わらないと先ほど答弁がありました。変わらないということは、要するに、交渉の経過、そして文言上限定できないんだ、この解釈は変わらないというわけですね。これは変わらないんでしょう。
○水嶋政府参考人 今大臣から御答弁がございましたが、今回の法案につきましては、テロ等準備罪ということで、法文上、犯罪主体を組織的犯罪集団に限るということを明記してございます。また、対象犯罪についても、組織的犯罪集団が関与することが現実的に想定される重大な犯罪というふうに限定をしています。 これは、条約の五条1に認められております組織的な犯罪集団の関与というオプションを使ったことでございまして、この組織的犯罪集団が関与するというオプションを使うことによりまして、条約が求めておりますのは組織的な犯罪集団が関与する重大な犯罪ということになります。したがって、締約国に認めておりますオプションを活用した結果として今回の法案を作成しております。
○藤野委員 要するに、条約上の解釈は変えていないんだとおっしゃいます。そうしますと、当時想定していた犯罪と今想定している犯罪、これは同じなんだという理解でいいんですか。
○岸田国務大臣 かつての共謀罪と今のテロ等準備罪、これはともにTOC条約が求めている各国の取り組みを十分満たす内容であるということでこの法律を提出してきました。 今回の違いは、先ほど申し上げましたように、TOC条約第五条の1に認められているオプション、これを活用したということです。このことによって、一般の方々が巻き込まれないことをより明確化することができるのではないか、こういったことで法律をつくり、結果として対象の法律が二百七十七になった、こういったことであります。
○藤野委員 結局、それは、交渉過程や文言上見れば限定できない、こういう条文の解釈を変えるということですね、そのオプションを加えることによって。 では、何で使わなかったんですか。
○岸田国務大臣 条約は全く変わっていません。解釈も変わっておりません。 そして、その上で、かつての共謀罪の議論においては、この条約をそのままストレートに法律に落としたわけですが、その当時は、国会で御審議いただいている法律の中身も、中身自体十分厳密なものであるという考え方に基づいて法律がつくられてきました。また、実際、オプションにつきましても、このオプションを活用している国というのが少ないという実態もありました。 そういった中で法律を提出したわけですが、その後、国会でいろいろな議論をいただきました。いろいろな指摘があり、いろいろな不安があり、こういったものにしっかり応えなければならない、少なくとも一般の方々が巻き込まれないことをより明確化することをやらないとこれはなかなか御理解いただけない、こういった考えに基づいて新たな法律を今回つくり、そして、テロ等準備罪を含むこの法律を御審議いただいているということであります。
○藤野委員 これはわからないんですね。条文の解釈は変わっていないと強弁されるんですが、では、何で対象犯罪が変わるんですか。(発言する者あり)いやいや、基準が変わらないのに、当てはめが違ってくると。 では、これは金田大臣にもお聞きしたいんですけれども、対象犯罪について、二百七十七は法務省が選ぶんだ、こういう答弁になっております。二百七十七というのは、かつての修正試案では百三十前後の案もあったと認識しております。百三十じゃだめで、何で二百七十七なのか、金田大臣、お願いします。
○金田国務大臣 ただいま岸田外務大臣から御説明申し上げていたそういう状況の中で、死刑または無期もしくは長期四年以上の懲役、禁錮に当たる罪のうち、犯罪の主体、客体、行為の態様、犯罪が成立し得る状況、現実の犯罪情勢等に照らし、組織的犯罪集団が実行を計画することが現実的に想定されるか否かという基準により、テロ等準備罪の対象犯罪を選択したわけであります。このような対象犯罪の選択は、政府部内において成案に至るまで検討をして行ったものであります。 その結果、二百七十七ということになったわけですが、このようなテロ等準備罪における対象犯罪の選択というのは、本条約の義務を履行する上で適切と考えております。
○藤野委員 今、政府部内で決めたとおっしゃいましたが、どこで決めたんですか。
○盛山副大臣 それは、政府の関係部局と検討するわけでございますので、外務省、法務省、内閣法制局その他、協議の上でということになります。
○藤野委員 では、その最終案というのは、いつどこで決まったんですか、この二百七十七というのは。
○金田国務大臣 去る三月二十一日の閣議において成案が確定した、そのときにこれが決まっております。
○藤野委員 対象犯罪を選ぶ際の条約上の根拠、かつては条約上限定できないと言っていた。それが、基準は変わらないけれども、条約上の解釈は変わらないけれども、半分以下に減る。そして、その決定プロセスとしても、どこで決まったのかはよくわからない。どこかの会議で決まるわけですか、これは。自由を奪い、新たな刑罰を生む、これはどこで一体会議をしたんですか。
○盛山副大臣 それは、この法律に限った話ではありませんが、政府部内で関係省庁、関係部局が集まって協議を行って決定するわけでございます。
○藤野委員 いやいや、共謀罪という、日本のいわゆる法体系あるいは憲法にもかかわる重大な法案を、どんな基準で、かつての基準との関係、あるいは今回どういう基準で選んだのか、どこで誰がどういうプロセスで選んだのか、全くわからないわけですね。判断基準も判断権者もわからない。現実的に想定とか、全くよくわからない。 終わりますが、全くこの法案は審議の前提を欠いているというふうに思います。私たちが要求し続けている、先ほど外務大臣自身が交渉過程全体を見てくれとおっしゃいましたが、非公式の公電なども出てこない。あるいは、二百七十七の犯罪のうちテロ対策は百十とおっしゃいますが、どれかと聞いても出さない。
○鈴木委員長 藤野君、時間が参っております。
○藤野委員 こうした審議の前提となる資料を必ず出すことを強く求めて、質問を終わります。
○鈴木委員長 次に、松浪健太君。
○松浪委員 日本維新の会の松浪健太であります。 岸田大臣、本日は法務委員会まではるばるお越しをいただきまして、ありがとうございます。感謝申し上げます。 また、冒頭ですけれども、きょうの委員会の運営でありますけれども、前回も申し上げました。これまで私も、この委員会の審議の充実のために、野党の方も細目的な、技術的な項目については政府参考人を呼ぶべきだということを主張してまいったわけであります。私自身も今まで刑事局長をずっと呼び続けているんですけれども、今回は外務大臣をお呼びするというところで、初めて私が刑事局長を指名していない中で強制的に指名をされたということは皮肉の至りであります。 きょうは特に、先般から、一昨日の法務委員会での質疑でも、また三月二十一日にも私は立法ガイドのパラグラフ五十一等を取り上げさせていただきました。この立法ガイドについては、私も、先ほどから民進党さん、共産党さんも議論にのっていますけれども、やはり、テロ等準備罪、このテロというものに本当にどれだけ実効性があるのか。まあ、私たちは全く他の野党の皆さんとアプローチが逆だと思います。 先般、総理をお呼びしたときも、我が国の捜査の方法、司法傍受の数、行政傍受の有無、それから逮捕によらない無令状捜索とか、日本では可能でないことがほとんどの先進国では可能になっている。GPS捜査についても、先般我々はその手段を失ったわけであります。 一方で、やはり、先ほどからも一般の方々を巻き込まないということで、我が党としては、取り調べの可視化については、これを法的に義務づけるべきだということを申し上げてまいりました。特に、一昨日は法務省の方からも大変いい御答弁をいただきました。これについては、現在の状況、つまり、刑訴法が改正をされて、今、公布をされて施行までには行っていないわけでありますけれども、それでも対象が二%、三%程度で、幾らテロ等準備罪の構成要件に当たるものを可視化したとしてもこれはそんなに多くならないだろうと、抽象的な質問に大変率直にお答えいただいたこと、ありがたいと思います。 こうした中で、私の方も、一昨日、総理にも、北朝鮮も加盟をしているTOC条約に、どうして日本が、これだけ我々はしっかりとした法制を持っている、我が国が加盟をできないのか、大変違和感を感じるということもお話を申し上げてきたわけであります。 そこで、外務省も百八十七カ国全部を調査するというのはなかなか大変だと思います。我々も各大使館に問い合わせをしても、答えがすぐに返ってこない、全然返ってこない、何年も返ってこない、そういう国もあるわけでありますけれども、こうした中で、TOC条約を批准している各国の法整備についてどのような調査を行っておられるのか、外務大臣に伺います。
○岸田国務大臣 まず、一般に、他国がその国内においていかなる法制度を持っているのか、立法措置を講じているのか、こういったことについて網羅的に詳細を我が国としても承知しているものではありません。さらに、法制の内容については、規定ぶりだけではなくして、実際にどのように運用しているか、さらには背景など、全体像をしっかり検討した上でその意味を考えなければならないという点もあります。 ただ、この問題については、国会でさまざまな議論をいただきました。国会の審議を踏まえて、できるだけ外務省としても調べなければならないということで、G7そしてOECD加盟国については全て照会を行い、できるだけ実態を把握するべく努力をしたということであります。 具体的には、日本以外のOECD加盟国三十四カ国の全てが、重要な犯罪の合意罪または参加罪、いずれかまたは双方を犯罪化している、こういった回答を得ました。また、本条約の締結に伴い新たな立法を行って合意罪または参加罪を創設したと回答した国、これは、オーストラリア、カナダ、ニュージーランド、ノルウェー、四カ国のみでありました。それ以外の大部分の国は、従前から必要な国内法を有していたため、新たに犯罪化を行う必要がなかった、このように考えられます。 各国の実態の把握ということについては、今申し上げましたような把握をしているところであります。
○松浪委員 今回、私も、この問題、テロという問題を調べさせていただいて先般のような表をつくらせていただくと、気づくことは、日本というのは本当にいい国だな、ある意味では特殊な国だなと。現行の、我々が持っている刑法というのは、本当に憲法九条みたいな存在だな。世界に、軍隊を持たないなんて書いている憲法を持っている国は日本ぐらいだと思います。 こうした中で、我々は、特にこの刑法においては、海外から越境してくる人たち、国境をまたいで来る人たち、海をまたがなきゃいけない、そして、民族的にもほとんど、日本語という、我々だけが使う、サミュエル・ハンチントンが一つの文明と規定するぐらいの個性的な、まさにこうした文明圏、文化圏を持っているということでありまして、これが我が国の非常にユニークで誇らしげで、そしてテロ対策というについてはちょっとひ弱なというか、さまざまな手段を持たない、先ほど申し上げた盗聴も、盗聴というか通信傍受ですね、これだけなくて、そして我々自身も、逮捕されるときも国家権力からこれだけ守られている国というのはないんだろうなというふうに思うわけでありまして、こうしたところから考えると、国連の立法ガイドというものの見方も何か少し変わってくるのかなというふうに思っております。 そこで、一昨日のやりとりで、私の方も議事録を取り寄せさせていただいて、きょう、皆さんには資料をつけさせていただきました。この口上書と、それから口上書に対する、こちらは国連の機関から回答をいただいたものであります。 UNODCから……(岸田国務大臣「済みません、委員、話が先に進む前に、一言だけちょっとつけ加えさせてもらっていいですか」と呼ぶ)はい、どうぞ。先ほどのですか。
○岸田国務大臣 先ほどの答弁で、合意罪、参加罪を新たに創設した国、四カ国申し上げましたが、その一つを私はオーストラリアと発言したようであります、オーストリアの間違いでありました。訂正いたします。おわび申し上げます。
○松浪委員 このUNODCからの回答を外務省の方で訳したものを出していただきました。 これは、三月二十一日の、私の前回の質問の後に、我が党で部会を開いて外務省の人にお越しをいただいて、そのときにやりとりがありましたパラグラフ五十一の内容、皆さんそう言うけれども、外務省はどうやってこれを確認しているんですかと。いただいた答えが、口頭ですでありました。これは、口頭じゃ、これからのこの委員会の質疑、もたないんじゃないかということを申し上げますと、翌日に外務省の担当の方がいらっしゃって、正式にUNODCとやりとりをするということで、これを持ってきていただいた次第であります。 そして、先般、飯島政府参考人に、これは戻ってきているんでしょうと。私も、残念なのは、英語のものは、戻ってきたらまず英語だけでも出していただいて、それから訳を確定していただいて持ってきてくださればいいんですけれども、審議入りしても持ってこない。どうなっているんだと言うと、きのう、ぽんと戻ってきた。非常に寂しいタイミングだったなというふうに思うわけであります。 このときに、書きぶりが、一回、二回、三回ですか、調整が完了次第出すと。完了次第、きのう出てきたんですけれども、これは調整と書いているんですけれども、実際は、私がこれを見る限りは、UNODCとのやりとりは、一回質問を出して向こうから答えが返ってきた、この一往復ということなんですけれども、この調整というのは一体どういう意味で使われたんですか。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。 今御指摘のございました立法ガイドの解釈につきましては、今月の六日に在ウィーン国際機関日本政府代表部からUNODCに対しまして口上書で照会を行いました。それに対しまして、四月十一日にUNODCから口上書により回答を得たところでございます。 その後、このUNODCからの回答について、和文仮訳を作成した上で、正確性を期す観点から、慎重に確認作業を行っていたところでありまして、今般、この一連の作業を終えて、仮訳をお示しできる状態になったということで御理解をいただければと思います。
○松浪委員 これは仮訳となっているんですけれども、完璧になるための手続というのは、あとどういうことが残っているんですか。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。 現在、特に想定しているものはございません。この仮訳で御議論いただければというふうに思います。
○松浪委員 ちょっと僕は余り外務省の用語はわからないんですけれども、仮訳というのは結構パーマネントな、恒久的な訳ということで、日本語はいつまでも仮ということなんですか。
○水嶋政府参考人 失礼いたしました。 これは正文が英語でのやりとりをやっておりますものですから、あくまでも、日本語に直したときに、こういう行政文書の場合には仮訳ということでお出しをするケースが多うございます。
○松浪委員 大変、素人な質問で恐縮ですけれども。 それでは、このパラグラフの五十一なんですけれども、先般この委員会で、私、まさに水嶋政府参考人に、わざわざ前回読み上げていただきました。今回の仮訳、このパラグラフ五十一、多少変わっているんですね。そのことを政府参考人は伺っておられますか。
○水嶋政府参考人 確かに、前回の審議の際に、委員の方からパラグラフを読み上げろという御指示をいただきまして、その場で読み上げさせていただきました。その際は、部内での資料ということでつくっておったものを読み上げさせていただきました。今回、先方から出てきました口上書をもとに、先ほど御答弁申し上げましたように、慎重に確認をした結果として今回の仮訳を作成いたしました。
○松浪委員 確かに、これを英文で読むと、アズ・イクイバレントというのがありまして、「同等のものとして」というものの場所が変わっていたりとか、「反映して」というのが「反映するために」というふうに変わっていたりとか。 でも、仮訳とはいえ、こういうふうに、いつ変わったのかというのが、恐らく政府参考人も、現場の方しかわからないということでありますので、こういうものがずっと変わっていくというのもあれなので、マージャンじゃないですけれども、普通のものが仮仮なら、これが仮で、いつどこが変わったのかというのぐらいは、ちょっと我々も、やはりそういうのは、いつまでも確定しないというのもなんですので、お教えいただける手段があればなというふうに思うわけであります。 質問に具体的に入りたいと思うんですけれども、このパラグラフ五十一、先ほどからも議論がありました。このままで条約が結べないんですかということは、先ほどからずっと話が続いているわけであります。 この中で、例えばボースかアイザーかというような表現、これは両方なくていいんじゃないかとか、それから、メーンと書くからには、メーン二つ、主要な二つですから、メーン以外の、それ以外のオプションがあるんじゃないかと日本語を読めば読めるなと思ったわけでありますけれども、今回の口上書に対する回答で、以前と違って明確になった点があればお教えをいただきたいと思います。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘の立法ガイド、パラグラフ五十一でございますが、この記載は、重大な犯罪の合意または組織的な犯罪集団の活動への参加の少なくとも一方を犯罪とすることを明確に義務づけています本条約第五条1(a)の規定を前提としたものです。 その趣旨につきまして、今回UNODCに対して照会をいたしましたところ、口上書によりまして、締約国は重大な犯罪の合意罪または組織的な犯罪集団の活動への参加の二つのオプションのいずれかを選ぶことができるが、本規定の本質が義務的であることに変わりはなく、締約国はいずれかを選択しなければならない、また、締約国は両方のオプションを選ぶこともできる旨の回答があり、これらはいずれも犯罪化しないことは許されないということが改めて確認されたというふうに理解しております。
○松浪委員 文言だけを読むとそういうふうにもとれるんですけれども、先ほど我々も憲法九条の話を取り上げたわけですけれども、我が国は正式には軍隊を持っていないという非常に変わった憲法を持っているわけでありまして、私は、刑法ぐらいは、それぐらい変わっていても、実態的に暴力団対策法等があれば暴対法とかでしっかりとグルーピングとかもされているわけですし、我が国の刑法は非常によくできていると思います。 共謀罪がないからといってテロ対策がそんなにうまくいかない、この法律が通ったとしても、現場の手足をがんじがらめにしていたら、はっきり言ってこの法律はテロ等準備罪と言うには全くもって、武器がないのに戦争をしろという、戦争してもいいけれども武器はありませんよという法案に僕は今の現状ではすぎないと認識をしているわけであります。 仮に一歩下がって、これは通告はしていませんけれども、こうした状況で条約を批准しても、文句というか国連からのクレームというのは、北朝鮮ですら結んでいるんですから、来ないんじゃないんですかというのについてはいかがですか。
○岸田国務大臣 TOC条約締約国は、いずれの国であっても、みずからの国はこの条約の義務をしっかり果たしている、これはしっかり説明できるべきであると思います。我が国においても、特に憲法九十八条の二との関係においても、我が国は、堂々と国際社会に、TOC条約を裏づける国内担保法を持っております、これをちゃんと説明できる、こういったことは行わなければなりません。 よって、これがなくてもいいのではないかというような態度は、我が国の政府として国際社会においてしっかり責任を果たしたことにはならないのではないか、特に憲法との関係においてもこれは問題があるのではないか、このように考えます。
○松浪委員 個人的には、自衛隊が軍隊でないと強弁することに比べれば、我が国には独自の、これだけの刑法があって対策があるということを言えば大丈夫なんじゃないかなというふうに乱暴に思ったりもするわけでありますけれども。 これで今回しっかりと状況が、このパラグラフ五十一、五十五ははっきり言って明確に書いておりますので、これについては、外務省として、国連とはこの書面においては初めてこれが確認できたという認識でよろしいんですか。
○水嶋政府参考人 委員御指摘のとおりでございます。
○松浪委員 それでは、次の質問に行きたいと思います。 先般の質問でも、ほかにどういう条項を問い合わせていただいているのかということで、立法ガイドのパラグラフ四十三及び六十八というものを問い合わせいただいていたということであります。 立法ガイドの四十三及び六十八というのは、この口上書は非常に見やすく、立法ガイドをちゃんと意訳の中にもしっかりきれいに入れてやっていただいているので大変見やすい状況になっているわけですけれども、この中で、「本条約の意味及び精神に焦点を合わせるべき」と、大変崇高なことが立法ガイドにも書かれていて、「新しい犯罪の起草及び実施は、締約国に委ねられる。」旨書かれている。そして次には、「新しい規定が国内の法的伝統、原則及び基本的な法と適合したものになる」ということです。 先ほどから私も、半分、なしでもいけるんじゃないかというのは、我が国の刑法体系というのは憲法九条並みに非常にオリジナルなものであろうと私は思いますので、この法的伝統というものに適合ということなんですけれども、このあたりの解釈について、今回の口上書に対するUNODCからの回答で明らかになったことを御説明いただきたいと思います。
○水嶋政府参考人 今御質問ございました立法ガイドのパラグラフ四十三及び六十八についてでございますが、御指摘のこの各パラグラフの記載は、条約の第十一条6の趣旨、すなわち、本条約に従って定められる犯罪について国内法において具体的にどのように規定するかは、他の国内法の規定等との整合性を考慮しながら締約国の国内法により定められることを示したものにすぎず、本条約を実施する上で重大な犯罪の合意または組織的な犯罪集団の活動への参加のいずれをも犯罪とする必要がないことを意味するものではないということです。 各パラグラフの内容につきまして今般UNODCに対して照会をいたしましたら、本条約第五条1(a)における要求を満たそうとする際に、締約国が重大な犯罪を行うことの合意または組織的な犯罪集団の活動への参加のいずれをも犯罪化する必要がないことを意味するものではない旨の回答があったところです。
○松浪委員 この回答書、非常に、口上書の方は大変見やすいと思うんですけれども、回答書の方は、実は、最後の「一般的な要求」ということで、この三ポツ、四ポツというのが順番になっていないという見にくさはあるんです。 「国内の法的伝統、原則及び基本的な法と適合したもの」ということが書かれているんですけれども、こうした国内の法的伝統というのはどのようなことを意味すると解されるんですか。私は、ある程度、先ほどから申し上げた憲法九条的、銃規制もこれだけ厳しい、もう本当に銃規制がこれだけ厳しくて、そして海に囲まれてというこの状況が我が国の法的伝統をつくっていると思うんですけれども、この法的伝統というものについてはどういう考え方を持っているんですか。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。 我々の方で有権的に解釈をすることはできませんけれども、ここで言っております伝統といいますのは、いわゆる法慣行、そういったようなものも含めたその国の法的な制度ということを指しているものだと考えております。
○松浪委員 私の方も、今回の、二百七十七に限定をして、そして準備行為もつくるということは、新しい類型をつくるというきょうのお話もありました。これも厳格に運用されるのであれば、それも我が国の新しい法的伝統にはなり得るのかなというふうに逆には思うわけでありますけれども。 これをやはり、これから限定的に使っていかなけりゃいけない。冒頭申し上げましたように、国民の、一般の人々を巻き込まないための方策としても、やはり可視化というものもセットにして、我が党は、この法案については、公明党さんの加憲にあやかって加法と言っておりますけれども、十分これはシンプルにできること、そしてまた法務省の皆さんもそんなにふえないんだということを明確に答弁いただいておりますので、改めて各委員の皆さんには加法に御理解をいただきたいというふうに思うわけであります。 それでは、次の設問に参ります。 立法ガイドのパラグラフ十二についてであります。これは今、この日本語の仮訳の方で(1)に行って(3)に行きましたけれども、(2)の方であります。つながりでちょっと先に(3)を行かせていただいたんですけれども。 ここに「立法ガイドの関連パラグラフ」として抜粋をいただいておりますが、「本条約及び議定書は、複数の箇所において、「必要な立法その他の措置」を用いた犯罪化について言及している。「その他の」措置への言及は、立法措置をとらずに犯罪化することを要求又は許容することを意図するものではない。そのような措置は、立法措置への追加的な措置であって、立法措置がとられていることを前提としたものである。」。 これを今回改めて外務省としてはUNODCに問い合わせをされたんですけれども、その意図として明らかになった内容についての御説明をいただきたいと思います。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘のパラグラフ、これは、この条約の第五条1等に言います「その他の措置」が、必要な立法措置がとられていることを前提としてとられる措置であり、犯罪化のための立法措置をとらないことを許容するものではないということを指摘しております。 この五条1の「その他の措置」の解釈について、今般、UNODCに対して照会をいたしました。UNODCからは、犯罪は刑法によって定められなければならず、単にその他の措置によるものであってはならない旨の回答があり、改めて、重大な犯罪の合意の犯罪化に当たり何らの立法措置もとらないことは許されないということが確認された次第であります。
○松浪委員 立法しなきゃいけないというのはわかったんですけれども、では、この「その他の措置」というのは何のために書かれているんですか。
○水嶋政府参考人 この「その他の措置」は、立法化をした後に、それに追加的に必要のあるものがあればということで、例えば政令その他のものを指すというふうに解釈をしております。
○松浪委員 やはり立法は必要だということで、では、これまで「その他の措置」については、外務省の方にはどのような懸念があったために、これは今回わざわざ問い合わすことになったんですか。
○水嶋政府参考人 外務省の方といたしましては、先ほど申し上げましたように、このパラグラフ十二に書いてありますものをそのまま解釈いたしますと、犯罪化のために立法措置をとるということが前提となっているというふうには解釈をしておりましたけれども、さまざまなところから、立法措置をとらなくても、「その他の措置」で対応ができるのではないかという意見が示されたこともありまして、今回確認を行った次第であります。
○松浪委員 この問題も解釈がやはり国連との間で明確になるということは、これから委員会審議を進めていく上で、言った言わないでないということで、大変意義があると思うんですけれども、それではもう一つ、次にこのパラグラフ二の問題を取り上げさせていただきたいと思います。 このパラグラフには、特に、「国際性と組織的な犯罪集団の関与の要件を含める必要がなく、また、組織的な犯罪集団における犯罪化においても、国際性の要件を含める必要がないことを示すことを意図するもの」というふうにあるわけであります。 一般に、我々TOCと呼んでおりますけれども、コンベンション・トランスナショナル・オーガナイズド・クライムという、まさに越境する組織犯罪に対してこういう立法ガイドが出るというのは、特に一般の方々には大変わかりにくいし、これまでの議論の中でも越境性というのはたびたび議論をされてきた問題であろうかと思います。この問題で、特にこの(4)で、国連との、UNODCとのやりとりで、何が今回明確になったのか御説明ください。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘のパラグラフは、本条約の第三十四条の解釈の注釈のパラグラフ二であります。そこでは、重大な犯罪の合意を犯罪化する場合に、いわゆる国際性の要件を付すことはできないということが指摘をされております。 今般、UNODCに対して、この趣旨について確認をいたしましたところ、同パラグラフは、本条約第三十四条2が規定するとおり、本条約第五条に規定される行為を犯罪化するに当たり、国際性の要件を付してはならないことは明白であるとの回答を得ております。
○松浪委員 この立法ガイド自身が出たタイミングが、元来、我々が今議論している法律の前の共謀罪が出た後ということもありまして、さまざまな考え方がこれにおいても巻き起こっていたところでありますし、特に、立法ガイドの日本語訳というのも統一されたものがない。英文しかインターネット上でもないのでなかなか難しかったと思うんですけれども、今回、大変御努力をいただいて、国連に確認をいただいたということには感謝を申し上げたいというふうに思うわけであります。 この国連の件、口上書の件については、これで終わりにさせていただきたいと思います。 前回、テロの実効性ということについて、先ほどから私も、武器を持たずに戦争しているようなものなんだと大変きつい言い方をしているわけですけれども、このテロに対する定義であります。 この法律の中には元来、元来といいますか、当初案ではテロの文字もなかったわけでありまして、言われているテロ等準備罪という名前とこの法律の整合性とか、いろいろ話題になったわけでありますけれども、警察庁に伺いたいんですけれども、警察庁で言うテロの定義と、それから日本で起きたテロ事案の数、また、重立ったテロの例示というものをしっかりとこの場で示していただきたいと思います。
○白川政府参考人 お答えいたします。 法令上の定義について申し上げますれば、警察庁組織令におきまして、テロリズムについては、「広く恐怖又は不安を抱かせることによりその目的を達成することを意図して行われる政治上その他の主義主張に基づく暴力主義的破壊活動をいう。」と定義をさせていただいているところでございます。 また、委員お尋ねのテロの事案の件数とか主な事案でございますけれども、まず、我が国において発生したテロ事件の戦後からの正確な統計はございません。 極左暴力集団によるテロ、ゲリラ事件といたしましては、統計のある昭和四十七年以降千百六十一件発生をしているところでございまして、その主なものとしましては、昭和四十九年八月の三菱重工ビル爆破事件、昭和六十三年九月の千葉県収用委員会委員長路上襲撃事件等がございます。 また、右翼によるテロ、ゲリラ事件といたしましては、これは統計のある昭和六十年以降でございますけれども、二百件発生をしているところでございまして、主なものといたしましては、昭和三十五年十月の社会党委員長殺人事件、平成二年一月の長崎市長殺人未遂事件等がございます。 また、オウム真理教につきましては、平成六年六月に発生いたしました松本サリン事件と平成七年三月に発生した地下鉄サリン事件等がございます。 このほか、我が国において発生した国際テロ事件といたしましては、昭和六十年六月に発生いたしました新東京国際空港におけるカナダ太平洋航空機積載貨物爆破事件がございます。
○松浪委員 前回も申し上げましたけれども、今、IS等のこれまでのテロを、アメリカが犯罪から戦争という新しいステージで、世界の情勢が変わってきた中で、我が国は、今までのいわゆる左翼、右翼そしてオウム真理教とは全く違ったステージでこのテロ準備罪等も考えていかなければならないし、それに、これだけでは対処がなかなかしようがないわけでありますので、与党の皆さんにも、今回これだけで二〇二〇年のオリンピックに対しての対応が私にもできるとは思いませんので、引き続き、テロの概念を政府の方ではしっかりと定めていただいて、そして、しかるべき手法を、一般の方々を巻き込まないように、国民の安心をしっかりといただけるように行いながらやっていただきますようお願い申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○逢坂委員 動議を求めます。 逢坂誠二、委員長に発言、説明をしていただきたいことがございますので、発言をお許しいただきますよう、動議を求めます。
○鈴木委員長 発言を許します。逢坂誠二君。
○逢坂委員 委員長、発言の機会をいただきました。ありがとうございます。 委員長から御説明をいただきたいことがございます。 本日、当委員会において、政府参考人として法務省刑事局長林眞琴君の出席を求める、その決議をきょうの朝、強行的に行われておりますけれども、その際の説明、提案案文について、委員長の方から御説明いただけますでしょうか。
○鈴木委員長 改めて申し上げます。 新たな刑罰規定を設けるという本法案の審議に当たっては、技術的、細目的かつ実務面にわたる詳細な質疑と答弁が不可欠であり、刑事局長の常時出席が必要と判断を私がしました。 そこで、衆議院規則四十五条の三にのっとって、委員会においてお諮りし、採決した次第でございます。 なお、さらに述べれば、国民の関心の高い本法案の審議に当たっては、与野党ともの充実した審議と国民への詳細な情報提供が必要であり、そのためにも、細目的、技術的事項については、刑事罰則の理論や捜査、公判の実務などに精通した政府参考人、刑事局長でありますが、それが詳細な答弁をする必要が高いと判断したものでございます。
○逢坂委員 その際に、委員長、きょうの提案の中で、本審査中、政府参考人として法務省刑事局長林眞琴君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます、このように委員長は提案されたと承知をしておりますが、間違いございませんか。
○鈴木委員長 間違いございません。
○逢坂委員 この提案の中で、本審査中の意味について御説明いただけますでしょうか。(発言する者あり)本案審査中、大変失礼いたしました。
○鈴木委員長 本法案の審査中であります。
○逢坂委員 確認でありますけれども、きょうのこの朝の強行的な採決によって、今後の委員会においては常に刑事局長林眞琴君の出席が可能になるという意味に理解してよろしいでしょうか。
○鈴木委員長 それで結構です。
○逢坂委員 この件につきましては、質疑者が望まない政府参考人の登録については、これはやってはならない、しかも、十九日に行われた採決についても憲政史上初めてのことである、これは暴挙である、そういうことを我々は主張させていただきました。 けさの理事会においても、これは絶対にやってはならない、そういう主張をさせていただいたわけでありますけれども、本委員会中あるいは本案審査中、継続して政府参考人が出席できる、そういう採決に関しては、撤回、それを強く求めたいと思います。
○鈴木委員長 抗議の意はしっかり受けとめました。
○逢坂委員 委員長、これは撤回しない、そういうことでよろしいでしょうか。
○鈴木委員長 それで結構です。
○逢坂委員 委員長の今の発言を重く受けとめ、この件については強く抗議を申し上げ、今後の審議についてもさまざま対応を考えさせていただきます。 委員長、発言、お許しいただきましてありがとうございます。
○鈴木委員長 先ほどのものは委員会の議決であります。 次回は、来る二十五日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時八分散会