農林水産委員会 第1号
- 発言数
- 7 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 2017/02/14
会議録
○北村委員長 これより会議を開きます。 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 農林水産関係の基本施策に関する事項 食料の安定供給に関する事項 農林水産業の発展に関する事項 農林漁業者の福祉に関する事項 農山漁村の振興に関する事項 以上の各事項について、実情を調査し、その対策を樹立するため、本会期中調査をいたしたいと存じます。 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○北村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○北村委員長 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、農林水産大臣から所信を聴取いたします。農林水産大臣山本有二君。
○山本(有)国務大臣 農林水産委員会の開催に当たりまして、農林水産行政に関する基本的な考え方について申し述べます。 第一に、さらなる農業の競争力強化です。 昨年十一月、農業競争力強化プログラムを取りまとめました。このプログラムは、農業者の所得の向上を図るため、農業者が自由に経営展開できる環境を整備するとともに、農業者の努力では解決できない構造的な問題を解決しようとするものでございます。 本年は、この農業競争力強化プログラムの実行元年であり、プログラムに示されました施策を着実に実行に移してまいります。 具体的には、生産資材価格の引き下げや流通、加工構造の改革については、これらに関する国が講ずべき施策等を明らかにするとともに、当該事業について事業再編、事業参入等を促進するための支援措置等を講ずることとします。 土地改良制度につきましては、農地の利用集積の促進を図るため、農地中間管理機構が中間管理権を設定した農地での農家負担を軽減する措置等を講ずることといたします。 収入保険制度につきましては、農業者の農業収入の減少が農業経営に及ぼす影響を緩和するための事業を創設するとともに従来の農業共済事業の改善を行うこととしております。 生乳の生産、流通につきましては、需給状況に応じた乳製品の安定供給の確保等を図るため、生産者補給交付金等の交付対象となる事業者の範囲を拡大する等の措置を講ずることといたします。また、酪農経営体生産性向上緊急対策事業を措置し、農業従事者の中でもとりわけ過酷な労働条件にある酪農家の働き方改革を進めます。 農林水産物の輸出体制を強化するため、日本産品のプロモーションやブランディングなどを行う輸出サポート機関を創設するとともに、新たに物資の生産方法や取り扱い方法等のJAS規格を定められるようにするなど、制度を見直します。 また、平成三十一年の輸出額一兆円目標に向けて、農林水産業の輸出力強化戦略の実践と、農林水産物輸出インフラ整備プログラムに基づくハード面とソフト面のインフラ整備等を着実に進めてまいります。 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会は、日本食や国産食材あるいは国産木材の魅力を世界にアピールする絶好の機会です。多くの国産食材や国産木材が東京大会に供給され、大会終了後も輸出拡大につなげていけますように、農畜産物のGAP認証の取得等の取り組みを進めてまいります。 食の安全、安心の面で消費者の関心が高まる中、科学的知見に基づく安全性の向上等に万全を期し、安全で良質な農林水産物、食品の供給に努めてまいります。 また、今年度は全国七道県十農場で鳥インフルエンザが発生しておりますが、家畜の衛生対策につきましても引き続き万全を期してまいります。 経済連携につきましては、引き続き、農林水産品について、貿易、生産、流通実態等を一つ一つ勘案して、そのセンシティビティーに十分配慮しながら、しっかりと交渉に取り組んでまいります。 米政策改革につきましては、三十年産以降、行政による配分に頼らずとも、生産者みずからの経営判断により、需要に応じた生産が行われますように、引き続き、水田活用の直接支払交付金による飼料用米等への支援を安定的に実施していくとともに、需給に関する産地銘柄ごとのきめ細かい情報提供等を進めます。また、県、市町村や関係団体が構成員となる農業再生協議会が地域営農の戦略本部として機能するよう、環境整備に努めてまいります。 中山間地域の農業を振興するに当たりましては、地域の特色を生かしていくことが重要です。このため、中山間地農業ルネッサンス事業を創設し、実践的な計画のもとで、さまざまな地域資源を生かした取り組みにより、中山間地域に光を当てていきます。この中で、収益性の高い農産物の生産、販売、六次産業化の取り組み、都市農村交流等、地域の人々が一体となって所得を向上させる取り組みを優先的に支援してまいります。 また、地域の共同活動等の支援により、農業、農村の多面的機能の維持、発揮を図るとともに、ジビエ利活用の推進等、鳥獣被害対策の内容を充実させてまいります。 農山漁村の振興の重要な柱となる観光につきましては、農泊をビジネスとして実施する地域を五百地域創出することに向けまして、現場の実施体制の構築への支援や古民家の改修等による魅力ある観光コンテンツを磨き上げることへの支援を行うこととしております。また、関係省庁と連携して優良地域の国内外へのプロモーションを強化することにより、訪日外国人も含めた農山漁村への旅行者の大幅拡大を図ってまいります。 農村の美しい田園風景や伝統文化を守りつつ、次世代の農業を担う若者や女性などが上質で豊かな暮らしを送ることができますように、魅力的な農家住宅などの生活環境の整備に向け、モデル地区の選定及び支援を進めてまいります。 第二に、森林・林業政策の改革です。 林業成長産業化の動きを、点から線、線から面へと広げていくために、新たに林業成長産業化地域創出モデル事業を立ち上げ、地域の森林資源を循環利用する中で、地元に利益が還元され、地域の活性化に結びつく取り組みを重点的に支援します。 また、従来からの施策が最大限の効果を発揮するように、森林・林業施策の総点検をしながら、施業の集約化、間伐、路網整備や主伐後の再造林、技術力を備えた人材の育成、確保、木材の生産、加工、流通体制の整備などを進めてまいります。 木材の需要拡大に向けては、関係省庁が連携して、CLT等の利用を促進し、これまで木造によることの少なかった中高層建築物等も含めた幅広い木材利用を進めるほか、木質バイオマスのエネルギー利用、セルロースナノファイバー等の技術開発、実用化、内装材等の高付加価値の木材製品に重点を置いた輸出の拡大を推進いたします。 さらに、国民的な理解のもとに森林環境税(仮称)が創設できますように、森林の有する公益的機能、森林整備の必要性などにつきまして広く周知するとともに、制度設計を進めます。 第三に、水産政策の改革です。 本年、新たな水産基本計画及び漁港漁場整備長期計画を策定し、意欲ある担い手に対する政策支援を今まで以上に強化するなど、水産業の構造改革を図ってまいります。 具体的には、地域ぐるみで収益性の向上や浜の機能再編を図る浜の活力再生プランや広域浜プランの取り組みを進め、漁業者の浜単位での自主的な取り組みを促進することとします。あわせて、外部からの参入により浜の活性化を促すための措置を講じ、効率的かつ安定的な漁業経営体が大宗を占める漁業構造を確立いたします。 また、水産物の輸出を一層拡大するため、流通や輸出の拠点となる大規模な漁港等における高度な衛生管理対策、HACCPに対応した流通加工施設の整備や重要品目の安定生産対策等を推進いたします。 さらに、クロマグロを初めとして国内における資源管理を進めるとともに、国際的な資源管理や漁業交渉において、捕鯨をめぐる議論を含め、二年から三年先を見据えた戦略的な全体方針のもと、主導権を確保しつつ効果的に対応してまいります。 第四に、災害からの復旧復興です。 東日本大震災につきましては、津波、原子力災害からの農林水産業の再開支援、福島県産農林水産物の生産から流通、販売に至るまでの総合的な風評対策、輸入規制の緩和、撤廃の働きかけなど、単なる復旧にとどまらない、将来を見据えた復興に引き続き全力で取り組んでまいります。 昨年来発生している熊本地震やたび重なる台風などの災害につきましては、被災した農地や森林、農林水産関連施設の調査や復旧、再建のための対策を講じているところでございます。引き続き、被災されました皆様が希望を持って取り組んでいただけますように全力で支援してまいります。 以上、農林水産行政に関する基本的な考え方を申し上げました。施策の展開に必要な法整備につきましては、御審議をよろしくお願いいたします。 北村委員長を初め委員各位の一層の御指導、御鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます。 以上でございます。(拍手)
○北村委員長 次に、平成二十九年度農林水産関係予算の概要について説明を聴取いたします。農林水産副大臣齋藤健君。
○齋藤副大臣 平成二十九年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。 平成二十九年度農林水産予算の総額は、関係府省計上分も含めて、二兆三千七十一億円、その内訳は、公共事業費が六千八百三十三億円、非公共事業費が一兆六千二百三十八億円となっております。農林水産予算の編成に当たっては、農林水産業・地域の活力創造プランに基づき、農林水産業の成長産業化に向けて、強い農林水産業と美しく活力ある農山漁村を実現していくための施策の展開に必要な予算を重点的に措置したところであります。 以下、予算の重点事項について御説明申し上げます。 第一は、担い手への農地集積、集約化による構造改革の推進であります。 農地中間管理機構による担い手への農地集積、集約化を加速するとともに、農地利用の最適化に向けた農業委員会の積極的な活動を支援してまいります。また、次世代を担う人材など多様な担い手の育成、確保に向けた支援を実施してまいります。 第二は、水田フル活用と経営所得安定対策の着実な実施であります。 飼料用米、麦、大豆等の戦略作物の本作化による水田のフル活用を進めていくため、飼料用米等の数量払いなどの支援を実施するとともに、水田地帯における収益性の高い野菜生産への転換を支援してまいります。また、安定的な農業経営ができるよう、経営所得安定対策を講じてまいります。 第三は、強い農林水産業のための基盤づくりであります。 農地中間管理機構との連携等による農地の大区画化や、老朽化した農業水利施設や漁港施設の長寿命化、耐震化対策、山地災害対策等を進めるとともに、強い農林水産業づくりに必要な施設の整備を支援してまいります。また、農業従事者の中でもとりわけ過酷な労働条件にある酪農家の労働負担軽減、省力化につながる取り組みを支援するなど、畜産、酪農の体質強化を進めてまいります。このほか、品目別生産振興や、農林水産分野におけるイノベーションの推進に向けた取り組みを支援してまいります。 第四は、農林水産業の輸出力強化と農林水産物、食品の高付加価値化であります。 農林水産業の輸出力強化を一層進めるため、オール・ジャパンの輸出サポート機関を創設し、国内での事業者発掘や輸出相談窓口のワンストップ対応、海外での商談支援など、輸出に取り組む事業者を継続的かつ一貫して支援するとともに、輸出促進に資する動植物検疫等の環境整備を進めてまいります。また、食育の推進や食品ロスの削減、六次産業化支援対策を講じてまいります。 第五は、食の安全、消費者の信頼確保であります。 国産農畜水産物の安全性の向上や、農作物の病害虫や家畜の伝染病の発生予防等の取り組み、畜産、水産分野における薬剤耐性対策を進めてまいります。 第六は、人口減少社会における農山漁村の活性化であります。 中山間地の特色を生かした多様な取り組みを後押しするため、地域コミュニティーによる農地等の地域資源の維持、継承や、多様で豊かな農業と美しく活力ある農山村の実現に向けて総合的に支援してまいります。また、増大するインバウンド需要を農山漁村に呼び込み、所得向上を図るため、農泊等の取り組みを推進してまいります。このほか、多面的機能支払交付金など日本型直接支払いを着実に実施するとともに、鳥獣被害対策を講じてまいります。 第七は、林業の成長産業化、森林吸収源対策の推進であります。 間伐、路網整備や木材加工流通施設の整備など、地域の実情に応じた川上から川下までの取り組みを総合的に支援するとともに、林業の成長産業化を実現するため、地域が提案する明確なビジョンのもとでの取り組みを重点的に支援してまいります。また、林業の低コスト化に向けた施業集約化の取り組みや多様な担い手の育成、確保を支援してまいります。さらに、森林吸収源対策を推進するため、森林整備、保全を進めてまいります。 第八は、水産日本の復活であります。 浜の活力再生プランの着実な実行を推進するため、地域の創意工夫に基づく漁業収入の向上、コスト削減の取り組みや担い手の育成、確保を支援してまいります。また、資源管理、資源調査の強化を図りつつ、漁業の構造改革を推進するとともに、漁業経営安定対策や増養殖対策を講じてまいります。このほか、就労環境の改善や漁港施設の有効活用等につながる漁港機能の増進を図ってまいります。 次に、特別会計については、食料安定供給特別会計等に所要の予算を計上しております。 最後に、財政投融資計画については、株式会社日本政策金融公庫による財政融資資金の借り入れ、株式会社農林漁業成長産業化支援機構への出資など、総額二千五百六十四億円となっております。 以上で、平成二十九年度農林水産予算の概要の説明を終わります。
○北村委員長 以上で説明は終わりました。 次回は、明十五日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十九分散会