厚生労働委員会 第20号
- 発言数
- 222 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2017/05/17
会議録
○丹羽委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、医療法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官進藤秀夫君、消費者委員会事務局長黒木理恵君、消費者庁審議官東出浩一君、審議官福岡徹君、文部科学省大臣官房審議官松尾泰樹君、厚生労働省大臣官房技術・国際保健総括審議官福田祐典君、医政局長神田裕二君、健康局長福島靖正君、医薬・生活衛生局長武田俊彦君、雇用均等・児童家庭局長吉田学君、老健局長蒲原基道君、保険局長鈴木康裕君、経済産業省商務情報政策局商務情報政策統括調整官吉本豊君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○丹羽委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柚木道義君。
○柚木委員 おはようございます。 本日は、医療法の質問をさせていただきます。塩崎大臣、どうぞよろしくお願いいたします。 大きく二つの項目、私自身は、まず冒頭は、資料の一ページ目にもつけておりますが、これは実は、昨日提訴されました埼玉医科大、新浪博士博士らということで、たまたま本の帯には実のお兄様の新浪剛史さんの写真もついておりますが、名医ということで、「執刀かなわず死亡」というこの件と、そして、それ以降の部分については、医療法改正案の中でも、それぞれ非常に重要なんですが、特定機能病院のガバナンス強化、とりわけ東京女子医大のあの本当に痛ましい事件があったわけですが、その点を中心に質問をさせていただければと思っております。 まず冒頭、一枚目の資料をごらんいただきますと、「名医の執刀かなわず死亡」、御遺族が埼玉医科大を提訴へということでございまして、この表紙の本、私もきょうちょっと持参させていただきましたが、非常に確かに腕のいいお医者さんでいらっしゃる新浪博士博士でございます。 ただ、これは記事の中にも書いておりますが、訴状によると、手術して亡くなられてしまう六十四歳の女性なんですけれども、かかりつけ医から大動脈の石灰化が進んでいる可能性があると診断され新浪教授を紹介された。そして新浪教授からは、手術が必要だが簡単な部類に入る、私が執刀すると説明をされて、二十六年四月に入院。ところが、手術直前になって、別の医師から、新浪教授の指示を受けながら自分が執刀することになったと言われ、つまり、新浪教授がそこに、そばにいる、そういう説明を受けて、しかし、その説明というのも、実はこの女性の方が聞いて初めて説明された、こういう中で執刀をされて、五月一日に手術を受け、十六日に心筋梗塞で亡くなってしまい、実際には教授は立ち会わなかったということでございます。 この女性の御主人、名医が執刀するから手術を決めたのに直前にかえられて、立ち会いすらしてもらえなかったと話している、埼玉医科大は、大学も新浪教授もコメントしないとしているということでございます。 ちなみに、技術的には大変すばらしいドクターなんだとは思うんですけれども、ただ、やはり、この本の中を読んでいても、例えば、この本の中を若干紹介させていただきますと、「多くの手術を執刀していると聞けば、一人ひとりの患者に対するケアがおろそかになるのではないかと心配する人もいるかもしれないが、そうではない。」「私は、一般でいう「営業」のようなことをして、患者を集めることもやっている。」「世の営業マンと変わらないような日々を送ったものだ。」「数こそ質なり」「そのための労を惜しむつもりはまったくない。」「病院や医師が支持される最大の指標は患者からの信頼」というのが、第一章の四番目の章に出てきます。「患者は“物”ではないので、「取りに行く」「増やす」といった言い方をするのは好ましくないと思う人がいるのはわかる。 ただ、医師の側からいえば「売るもの」はある。」「そういうことを疑問視する人がいるとしても、それはそれで仕方がない。」「実際、埼玉医大国際医療センターは不便な場所にあるため、黙っていたら患者はやってこない。」こういうことで、とにかく患者さんをたくさん集めることに非常に熱心なお医者さんでありまして、実際、この本の裏側にも、「年間三百例以上を執刀する男の仕事の流儀」ということで、非常にそういったことで、この埼玉医科大、どんどん手術の実績もふえてきている、国内有数のそういった医療機関になっているということでございます。 ただ、私も昨日の提訴の内容をいろいろ調べますと、技術はすばらしいのかもしれませんが、やはり手術前の聞いていた話と実際に起こっていたことが非常に大きな乖離があって、記事にもありますが、新浪博士がするといったところを別の人がする、しかも、そばにいると言ったのにいない。さらに言うと、何でいなかったんですかと亡くなった後に問い合わせたら、いや、それは実の、実のですかね、お母様が、新浪博士の、お亡くなりになって、その直近ということだったんだと思いますが、直後にそういう執刀をするということは院内の規定でしないことになっているんだという説明があって、ところが、確認をしたら、その手術をした同じ日に別の患者さんの手術をしていた、そういうことがわかっている。これは本当にとんでもないことだと言わざるを得ません。 これは、やはり大臣、インフォームド・コンセントのあり方、医師法上の義務として当然なされるべきこと、この点にも非常に問題があると思いますし、そして、実際に行われた手術の日に別の患者さんの手術を実はしていた、こういうことも含めて大問題だと思っておりまして、この事案、きのう提訴されたわけですが、インフォームド・コンセントのあり方も含めて、厚生労働大臣としての見解をお述べいただけますか。
○塩崎国務大臣 御指摘の埼玉医大の事案につきましては、これは個別のことでございますので、また係争中の事案だというふうに聞いておりますから、具体的なコメントは差し控えたいと思いますけれども、一般論として、インフォームド・コンセントにつきましては、医療法、まさに今回御審議をいただく医療法において、医師、歯科医師、看護師その他の医療の担い手は、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう努めなければならないとなっているわけでありまして、法律上の位置づけとしては、いわゆる努力義務ということになっています。不十分な場合であっても、罰則の対象にはなっていません。 一方で、今回の事案が発生したのは、埼玉医大の国際医療センターというところのようでありまして、これは特定機能病院ではないという位置づけでございますが、特定機能病院の場合には、さらにこのインフォームド・コンセントについては体制を強化するということになっていまして、やはり高度な医療を提供するためにはインフォームド・コンセントをさらにしっかりやれ、こういう法の意図が出ているんだろうと思います。 患者への説明に関する責任者を配置し、説明を行う際の同席者や標準的な説明内容などについての規程を定めて患者の理解を得るようにするということを求めているわけでありまして、特定機能病院において、まずはこういう取り組みをしっかりと、高度な質の高い医療を提供する病院として模範を示してもらいたい。そして、順次その他の病院についても実施をしていただければと考えております。 今ございましたように、医療を受ける者の理解を得るように医療関係者は努めなければならないということでありますから、私どもとしては、インフォームド・コンセントというのは、医師あるいは医療を提供する側と患者との間の信頼関係にも結びつく大変大事なことだというふうに理解をしております。
○柚木委員 特定機能病院の関係はこの後させていただくんですが、やはりこの事案、私、実は、医療法の中でも広告規制の今回強化もありますが、別にここに、年間三百例がだめと言っているんじゃなくて、非常に、この埼玉医科大の新浪博士、大学のホームページをクリックすると、すぐにこの博士がいかにいろいろなメディアに出演しているかばっと出てきて、そういうことをアピールされるのもいいんですけれども、実際のやはりインフォームド・コンセントも含めたガバナンス、運営面がしっかりしていないと、今回、こういうことが起こって、手術に同席しなくて、いなかったといっていて別の部屋で手術をしていただけじゃないですよ、この手術が失敗して、この女性は亡くなってしまいます。死亡宣告のときだけ新浪医師は来られているんですよ。 やはり、幾らすばらしいドクターであっても、そして、この本の中には、まさに部下たちに対して、本当に、「年間千例にふさわしい医師や看護師に成長することが重要」とか、いろいろ後進の育成も熱心な方のようなんです。ぜひ、先ほど医療法上の努力義務ですか、医師法上の、という説明がありましたが、やはり努力義務でいいのかどうかも含めて、こういうことが実際起こっているし、この後の質問にもつながってきますので、これはやはり本当に努力義務規定が遵守される、そして、されなかった場合の本当に罰則のあり方も含めて考えないとこういうことはなくならないと正直私は懸念します。 ぜひ今後、このインフォームド・コンセントの努力義務のあり方、罰則規定のあり方についてもそれぞれ専門の場で一度御検討いただくことをお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 さっき申し上げたように、今の法律の体系の中では努力義務ではありますけれども、理解を得るように努めなければならないというこの精神は必ず守らなければいけないことだと私も思っています。日本医師会の綱領でも義務ということになっていまして、諸外国もどういうふうにされているのか、いずれにしても、患者の理解を得るという中で医療を行うということが大事なことだろうと思いますので、諸外国の法律での位置づけなども含めてよく検討してまいりたいというふうに思うところでございます。 何よりも、本当に信頼される医療でなければ患者は単なる医療の対象でしかなくなってしまう。本当は主役は患者であるはずでありまして、最近の、日本では医療事故の場合なんかでも、医療安全といいますが、今世界はペーシェントセーフティーといいます、つまり患者の安全です、患者が中心ですから。 私ども、イギリスで去年、第一回目のペーシェント・セーフティー・サミットというのがありました、ことしはドイツでありました、三月に、来年は日本でやる、そういうことで引き受けさせていただいております。 患者の安全を大事にしていくということは極めて大事でありますので、しっかりやっていきたいと思います。
○柚木委員 ぜひ諸外国の事例も参考に、このインフォームド・コンセントのあり方、努力義務、ペナルティーのあり方も含めて御検討いただけるということなので、これは本当に重要な視点だと思いますので、よろしくお願いいたします。 次に、このまさに医療法改正の中で、特定機能病院のガバナンス強化、医療安全管理、非常に重要な内容でございます。 資料の二ページ目以降、皆さん、ごらんをいただけますでしょうか。 東京女子医大で二〇一四年二月の二十一日に、二歳十カ月の孝祐ちゃん、命を失いました。 次のページには、三ページ目には、元気だった孝祐ちゃんのお写真。 そして、二月十八日、七分で終わる、間違っても死ぬことのない良性の腫瘍の手術で、プロポフォール、一日で終わる、そういうことで投与をされて、実際には小児が集中治療室で人工呼吸器をつけられた状態での使用は禁止されている、専門家の事例でも、そういったことをやっている医療機関、百人のうち一人もいません、〇・一九%。当時の麻酔科の主任教授は家族説明会で、全国で普通にやっていることだからと説明をした。 きょうは御遺族の方が傍聴席にもおいでです。御了解をいただいて、この写真を資料に提出させていただいております。 右側の、集中治療施設における孝祐ちゃんの写真。左から、全身の写真があって、下が二月の十八日、十九日が右の上の真ん中、そして右側は、亡くなった直後の二月の二十一日の白黒のお写真。まさか死ぬことがないと思っていて、慌てて呼ばれて駆けつけた家族が、この写真を一枚だけ撮っておくかと撮られた写真。地獄のさなかで撮った一枚だと言われていました。そしてその下は、もう人工呼吸器が取り外されて、亡くなられている写真。翌日、二十二日、唇の写真、もう体の様子も変わり始めている。 この事件は、皆さんまだ記憶に新しいところだと思いますし、委員の中でも御質問された方もおられるから御存じの方も多いと思うんですが、四ページ目以降をごらんください。 この法案改正の特定機能病院のガバナンス強化のきっかけになった東京女子医大病院、群馬大病院の特定機能病院の指定の取り消し、それぞれございます。 また、この東京女子医大については、九四年三月に承認を受けて、そして、実は二〇〇一年三月に、当時十二歳でしたか、女の子が亡くなっています。器材の操作を誤ってということで亡くなられた事案があって、そして翌年に承認の取り消しということになっています。しかしその後、〇七年九月、再承認を受けております。ところが、一四年二月、今回の、孝祐君が、禁止をされている薬剤を、しかも、基準の、成人の二・五倍、平均です、最大四倍、五倍投与されている、直前、亡くなる前、あるいは亡くなるにつながる時間帯の中であります。一五年四月に、群馬大病院とともにこの東京女子医大病院は二度目の承認取り消し。過去に前例がありません。そういう状態に至っております。 五ページ目をごらんください。 孝祐ちゃんが亡くなった半年後にも、薬の過量投与による死亡事故が起こっています。四十三歳の女性の方。実際に、院外処方で、その薬局に、量がかなり多いと問い合わせて疑義照会をしておりますが、問題ないということで同じ量の処方が続いて、結果お亡くなりになっている。この薬の添付文書にも、投与で中毒性の表皮壊死症、TENなどの重篤な皮膚症状があらわれることがあるとして、用法、用量を守るように警告されている。亡くなられた四十三歳の方の御主人もきょう、おいでです。 さらに言えば、六ページ。 東京女子医大の過失を認定しております、第三者委員会が。このプロポフォールの長時間、大量投与で亡くなっている、これは孝祐ちゃんの事案。そして、現在、きょうお越しになられている親御さんが麻酔科らを相手取って訴訟を起こされていて、六月の七日に二回目の公判があると。 八ページ目は、群大の検証で防げた可能性があるということを書いていますが、これは東京女子医大も私は全く同様だと思っています。 さらに言えば、九ページ。 実は、この孝祐ちゃんだけではなくて、過去の事例を調べてみると、小児が十二人亡くなっていて、当然遺族は真相の究明を求めて、翌ページをごらんいただきますと、その中で、亡くなっている五人は実際にプロポフォールの投与で病状悪化の可能性、そして死んでいる。当然、亡くなった御遺族は薬との関係を正確に知りたいということでございます。 この孝祐ちゃんの事案、四ページ目に、東京女子医大の過去の事案、二〇〇一年に女の子が亡くなった、これを受けて、平柳さん、お父さんが、当時、病院側と和解をして、非常に寛大な対応をされているんですね。そして、当時の再承認されたときの厚生労働省の資料も拝見しました。平柳さんは後悔されています、あのとき、きっちりやり切っておけばよかった、後の被害を防げたかもしれないと。 今回、初めて特定機能病院の二度目の取り消しという今さなかにあります。取り消し後も、当然、厚生労働省としての指導監督責任もある中で、私がまず伺いたいのは、今回、ガバナンス強化は当然必要ですし、私も中身は重要だと思います。ただ、今回の法律の改定、これが行われることと、この法案成立後に、これは結構省令でさまざまな面を定めることになっているんですね、特定機能病院のガバナンス強化。 当然、医療機関としては、特定機能病院の取り消しで何億円単位での減収になる、早く再承認、東京女子医大でいえば再々承認されたいわけです。しかし、この間の御遺族との間の医療ADR、あっせんのやりとり、全て読ませていただきました。申し立て書、答弁書、あるいは病院の第三者機関による調査報告書、全て目を通させていただきました。到底、今回の法改正に資するようなガバナンス強化が現段階で行われているとは全く私は認識できませんし、それは恐らく、厚生労働省でも現段階でも私は同じ認識だというふうにきのうの通告のやりとりで感じました。 大臣に伺いたいのは、この法案が仮に成立をして、この東京女子医大、特定機能病院に再々承認される、これはこういう流れになるんでしょうか、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 今回の特定機能病院に関する法改正については、これはこれとして、みずからのガバナンスとしても患者の安全をしっかりとやる体制を構築してもらうために、そもそも、医療の安全についての承認要件を加えるなど、さまざまなことをやらせていただいているわけでありまして、これはこれで強化をしていくということでガバナンスを強化するわけであります。 それと、しかし、個別の案件の問題はまた別のことであって、それはそれできっちりと見させていただくということでございます。
○柚木委員 もっともな御答弁だと思うんです。 さらに伺いたいのは、今回、二歳の孝祐ちゃんの御遺族が提訴され、もっと言えば、四十三歳の奥さんを失われた御主人も提訴されています。さらに、この小児、亡くなられた十二人、十一人の中の五人が薬の影響で体調悪化して死亡しているという中で、今後、私が仄聞しているのは、さらに四件ぐらい訴訟になると聞いています。係争中の事案がある中で、伺いたいのは、特定機能病院に取り消し中のものが再承認された事例はおありでしょうか。
○塩崎国務大臣 医療の事故、そして患者安全が守られなかったがゆえに、きょうは傍聴席にもお二人御遺族の方々がおいででございますけれども、とうとい命を落とされた方々に対して改めて御冥福をお祈りしたいというふうに思います。 今の件でございますが、特定機能病院の再承認の問題で、民事の係争中とこの再承認との関連性についてどう考えるんだ、こういう御指摘かというふうに思うわけでありますけれども、今申し上げたように、一つ一つの事故や、あるいは特定機能病院の承認するしないの問題は個別のケースとしてきっちりと見るべきことを見ていくということが大事なことであるわけでありまして、今まで幾つか、特定機能病院の停止をされ、後にまた再承認をされるというケースがございますけれども、民事訴訟の状況などを見てみますと、現時点で全てを把握しているわけではございませんけれども、東京女子医大の病院の一度目の再承認は和解後であったというふうに承知をしているわけでございます。 ただ一方で、他の、例えば横浜市立大学附属病院、東京女子医科大学病院及び東京医科大学病院が特定機能病院の再承認をこれまでも受けているわけでありまして、これらの病院における民事訴訟の状況は、先ほど申し上げたように、現時点で必ずしも全部把握ができるわけではございませんけれども、東京女子医大の一度目の再承認は和解後ということでございました。
○柚木委員 今の御答弁だと、係争中で再承認された事例はあるとは言われませんでしたね。調べていただきたいと思うんですね。 御冥福をお祈りしたいと大臣はおっしゃっていただきました。当時、亡くなった御遺族に対して当該病院の誰からもなかった言葉です。実際に謝罪に行きたい、和解を、お金を受け取ってほしいと言い始めたのは、特定機能病院取り消しの議論が始まってからです。 関係しているそれぞれの現場の医療職員の方々、もちろん、ふだん全国で頑張っておられると思います。私も両親が医療、介護の現場で働いていますし、後援会長もドクター、病院長です。現場のさまざまな課題も承知しています。しかし、ここで起こったことはあってはいけないことだと私は本当に思います。 さまざまな現場の専門家の話も伺いました。皆さんの取り消しに至るまでのプロセスでも、医療行為ではなくて、基本的なことが何らできていない、それが取り消しの理由です。調査報告書にもそう書いてあります。そこで行われているのは医療行為じゃない、そう書かれています。 そういう事案で軽々に再々承認、もちろん前例はありません、二回取り消しの前例がないわけですから。今おっしゃっていただきました、個別のケースとして、今回の法改正、成立とか、議論とはかかわらず、見るべきことをしっかり見ていく。 大臣、ぜひ、これは今後も、係争中の事案ですから、当然さまざまなやりとりがあります。私は、そのプロセスそのものが、今回の法改正で、この後議論しますけれども、特定機能病院の医療安全管理に関する承認要件の見直し、これは幾ら承認要件を見直しても、制度はよくても、現場にいる職員の皆さんの意識が変わらないと絵に描いた餅です。 そして、今回の東京女子医大のまさにこの係争中の事案のプロセスそのものが、私は、取り消されている特定機能病院、仮に再々承認という議論があり得るとしたら、このプロセスそのものの検証なくして再々承認というのはあり得ない、そう思うんです。だから、ぜひ調べてほしいんですね。なぜ調べてほしいか。つまり、係争中の事案で再承認、今回、再々承認という事案があるかどうか。係争中の事案であって再承認、そういう事例があれば、判決の内容との整合性も問われるわけですよ。 そして何よりも、平成十九年に再承認した後にこの事件が起こって、平柳さんの教訓は何も生かされていません。当時、再承認されるときのプロセスも全部読みました。患者さんにちゃんと説明をする、医療安全管理体制を強化する、現場に専門の職員を置く、ここに書かれていることは全部当時書かれています。でも同じことが起こっているんです。 御遺族のお話を伺う中で、実は、大臣、こうおっしゃっているんですよ。被害者である御遺族が、お父さん、自分は加害者だ、孝祐に対して、妻に対して。奥さんは、この子が生まれて、この子が生まれるために自分は生まれてきたんだと思えるようになったと。二歳十カ月のお子さんを失われて、もうそれ以上の歳月が過ぎて、あのときのことがもう今では夢のようにしか思えない、幸せな日々。 なぜ被害者が自分は加害者だと思わなければいけないのか。 違う病院で受けさせようと思っていたんです。ところが、この後も伺いますが、まさに医療広告の問題にもなるんです。手術の実績、これを当時、医療のネットで調べて、そして、東京女子医大がこの御遺族が住まわれていた圏内の中で非常に実績がある。別のところでやろうと思っていたのに変えたんです。ところが、それはうそだということが後ほどわかるんです、死んだ後に。初めての事例だったんです。これは御遺族から伺ったお話。実際にその教授の方が言われたそうです、家族説明会で。そういう事案の手術をですよ。 私は、伺いたいのは、塩崎大臣、もちろん調べていただきたいんですが、この御遺族にとっては、自分も加害者だと言っているんですけれども、この東京女子医大を再承認された。もちろん、当時、塩崎大臣じゃないですよ。でも、その国や行政、再承認したことが結果的に正しかったのか、間違ったのか、当時。厚生労働省が再承認に向けてのプロセスを書かれている書面を全部読みましたけれども、到底それがその後実施されているとは私は思えません。当時の再承認、現段階で、塩崎大臣、取り消しをされました、二度目の。当時の一度目の再承認、正しかったと思われますか。
○塩崎国務大臣 平成十四年の九月に特定機能病院の承認をこの女子医大については取り消しがなされて、平成十九年の八月に再承認をされた、その再承認が正しかったかどうかという御質問でございますが、そのときは私はもちろんその立場ではございませんでしたが、そのときはそのときで判断をして再承認ということになったんだろうというふうに思います。 しかし、いずれにしても、今回、私がなってから、二回目の承認の取り消しが平成二十七年六月一日に行われました。それ以降、検証を続けてまいりましたけれども、もともと特定機能病院というのは、高度かつ先端的な医療を提供する使命を有している、そういう病院であるからこそ、診療報酬も他の一般の病院よりも高く設定をされているということでありますが、一つ完全に欠落していたのは、安全の確保ということが承認要件の中に入っていなかったということであって、今回は医療の高度の安全の確保を特定機能病院の承認要件に追加をするということをまず加えるとともに、なぜこういうことが起きるのか、組織のあり方についてもさまざま今回改革をさせていただいて、やはりガバナンスの仕組みがしっかりしていない中でこういう事故が起きる、それも繰り返し起きるということがあり得るのではないかというふうに私は思いました。 ですから、今回、管理者の選任方法、つまり、日本の医療機関というのは、院長が一人で全ての安全に関しての責任を負うという体制になっていますが、では、高度な先端的な医療を担う特定機能病院のトップである院長の選ばれ方はどういうものかというと、特に、今回、群馬大学にあっても、あるいはこの女子医大にあっても、院長は選挙で選ばれるということでございます。選挙で選ばれる場合に、教授のもとにそれぞれ票を持っているわけですから、他の教授がどういうことをやろうとしているのか、院長としてもなかなかストレートなことが言えないということがあるのではないか、あってはならないけれども。そういうことはやはり仕組みとして直さなければいけないのではないかということで、今回、選任方法として、事実上、大学病院であろうとも選挙は御法度ということにさせていただき、他の病院の院長の経験、つまりマネジメントもきちっとしているという方にこういう高度な病院のトップになっていただいて、選挙も気にすることなく患者安全を最優先に考えてやっていただけるようにということでございます。 もちろん、開設者の措置義務というものも今回設定していますけれども、これは要するに、大学病院の場合には、大学が設置者になっていれば、病院の論理と違う論理でいろいろなことが言われる可能性がありますから、そういうところについても管理者の権限の明確化を図って、この医療安全、患者安全を最優先にするということが実効性あるものとして守られるようにしていくということもやっているわけであります。 いずれにしても、いろいろこれから御議論を賜りますけれども、そういうようなことで、今申し上げたように、それぞれきちっと、この特定機能病院のガバナンスとしてもきちっとしているかどうかを今後は見ていかなければならないというふうに思います。
○柚木委員 私は、結果的に再承認、間違っていたと言わざるを得ないと思っています。 今おっしゃっていただいた答弁はそれぞれ重要ですが、これは、資料の十二ページ目に、安全管理に関する承認要件の見直しで、ここだけで十項目通告しているんですね。到底時間がありません。触れていただいた答弁を受けて、ちょっと質問を飛ばして、管理者、開設者の責任強化、これについて伺いたいと思います。 この東京女子医大の事案は、過去に質問された議員の方もおられるんですが、非常に学内における構造的なさまざまな問題が背景にあって、今回、確かに管理者、開設者それぞれ、特に管理者のさまざまな要件を強化、見直しして、同時に医療安全管理部門のさまざまな、専従の医師、薬剤師、看護師の配置、死亡事故を全て報告化、あるいは高難度新規医療技術等の導入プロセスの明確化、これはプロポフォールの投与ももちろん入ります。あるいは外部監査、厚生局による立入検査、機能強化、全部通告しているんですけれども、やはり根底に、管理者についてはおっしゃるとおりなんですが、この東京女子医大の例を見ていると、開設者、理事長ということになるんですけれども、この責任強化、もっと言えば、場合によっては罰則も含めて考えていかないと、院長がもう四人かわっているんです、東京女子医大。とにかく、聞くたびに院長もかわっていたりする。あるいは、まさに取り消しの直前に嫌気が差して院長、副院長がやめちゃう。 幾ら病院長の首をすげかえても、ずっとこれは創業家で、まさに至誠、愛ということを、当時、開設者の女性の方、すばらしい理念でスタートをしたけれども、現在の受け継がれている理事長さんが果たしてそれを実行し得ているのかどうなのか。 この開設者の責任強化、罰則規定、これを強化することも同時に必要で、これは今回、改正二十九条四項を見ると、特定機能病院の開設者が規定する部分に違反をした場合には、特定機能病院の承認を取り消すことができるという規定が盛り込まれているんですが、これは、私が伺ったところ、開設者に対するそういう意味での規定は初めてだとお聞きをしております。 ぜひ、この開設者に対する管理監督責任、場合によっては罰則規定の強化が、私は今回の承認要件の見直しの中でもあわせて必要かと考えますが、大臣の御認識と今後のこの医療法改正以降の方向性を御答弁ください。
○塩崎国務大臣 開設者というのは、大学でいえば理事会、理事長ということになってくるわけでありますけれども、これまでの特定機能病院につきましては、医療安全の確保に関する責任を管理者に一人課してきたということでありまして、先ほど申し上げたように、医療機関は皆、院長が全ての安全の責任を負うという過重な責任がありますとともに、大学病院の場合には、先ほど申し上げたような、選挙で選ばれるようなことがあるということで、さまざまな問題があるわけでございます。 今回の法案の改正におきましては、管理者が病院の管理運営業務を適切に遂行できる体制を確保できるように、初めて開設者側に対しても措置を講ずることを義務づけるということを導入させていただいております。 管理者の選任方法の透明化、管理者権限の明確化、そして医療安全に関する監査委員会の設置などの措置をしっかりと講ずることを義務づけるということを開設者に対して行うわけでありまして、仮に開設者がこれらの措置を適切に講じていないということであれば、病院に対する指導や承認の取り消しなどの措置が可能となって、開設者が、特定機能病院の適正な運営に対して、これまで以上に責任を有する体制が確保されるものというふうに考えているわけでございます。 今、短期間のうちに院長がかわるという話がありました。やはりそれではいけないというふうに私も思っておりまして、この間、五月の連休の際に、テキサス州立大学のM・D・アンダーソンという世界で最大のがんセンターに行きましたが、ついこの間かわった前の院長は、十五年間ずっとやってきた、もちろん、もともとゲノム医療の最先端をやってきた方ですが、十五年間はマネジメントに徹して、安全を含めた病院の管理運営を一手に担ってきたわけでありますが、恐らく、一人でやってきたわけではなくて、それはガバナンスの仕組みのしっかりした中でやってきたのではないかというふうに思います。 いずれにしても、開設者に関しても義務を課すということを今回導入させていただいて、患者の安全を守るということを徹底できるようなふうにしていきたいというふうに考えておるところでございます。
○柚木委員 十六項目通告していて、もう時間がないので、あと二問だけ。 この東京女子医大の当時の麻酔科の主任教授、資料につけています、十一ページ目、尾崎先生、この方です、家族説明会で全国でこれは普通に使っていると言い放った方です。「プロポフォール製剤はまだまだ進化する!」。最後、ごらんください、「どしどし使いこなして行けるように支援していく」、「この小冊子は担っている。御活用あれ!」。これは二〇〇三年の雑誌です。丸石製薬。 その後、企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドラインが二〇一二年以降スタートして、二〇一五年度分はこの丸石製薬も記載があるんですけれども、この関係、麻酔科の先生とこの製薬メーカー、研究室に対して寄附があるのかどうなのかを含めて、これは私が調べただけではわかりません。ぜひ、厚生労働省として、少なくともこれは二〇一四年の事案ですから、二〇一二、一三、一四、ガイドライン以降です、この東京女子医大関連、この丸石製薬の、情報開示をお願いしたいんです。 これは、かつて我が党の岡本委員が、感染研のお医者さんたちが製薬メーカーから受け取った謝礼を厚生労働省は調査してちゃんと報告しているんですよ。ぜひ調べていただけませんか。もう一問聞きたいので、簡潔に御答弁いただけますか。
○塩崎国務大臣 誇大広告のお話を今頂戴いたしましたが、当然、虚偽あるいは誇大な広告などについて、薬事承認を受ける前の広告を禁止するなど、医薬品医療機器法に基づく規制を行っているわけであります。 今のお尋ねは、今お配りをいただいている方について、この資金的な問題についてどうかということですが、どういうふうに調べられるのか、検討していきたいというふうに思います。
○柚木委員 かつて岡本委員のときにやっていますから、ぜひお願いします。 最後に、お願いです。 今回、本当に、お二方、御遺族が来られていますが、この二歳の孝祐ちゃん、二回目の取り消しが行われていて、家族説明会、関係している人がみんな来てちゃんと説明してくれるといって、説明されていません。 亡くなるきっかけになったであろう日のカルテも見ました。最大五倍ですよ、しかも、もともと使っちゃいけない、成人で五倍、投与されていて、その地点のサインは誰もないんです。筆跡鑑定した看護師さんだってそうです。しかも、投与したであろうお医者さんは、その後、海外へ留学しています。業務上過失致死で捜査中ですよ。病理解剖だけを遺族に説明して、司法解剖の説明もせず、御葬式の後、火葬が済んで、異状死届け出。警察は怒っています、当たり前。 ぜひ、大臣、当時の家族説明会で病院が約束をした当時の関係者を全員呼んで、別に双方の弁護士立ち会いでも結構ですよ、そして、厚生労働省として、二度目の取り消しをした管理監督責任、再承認した責任を感じるのであれば、そこにぜひ担当の方も同席いただいて、御遺族の方はお金など一円も望んでいません。一億円もらって帰ってくるんだったら、一億円もらって院長先生は死ねますかと。一分一秒でいいからもう一度孝祐を抱きしめたい、それだけが願い。でも、それもかなわないことはわかっているんです。せめて真相究明、そして再発防止、これだけが願いなんです。 そのためには、まさに誰がどういうことになってこういうことになったのか、外部調査委員会の報告書も、プロポフォールが原因だとは書いていますが、なぜこうなったのかについては一切言及がありません、中身、誰がどうやったか。ぜひ家族説明会を、関係者全員同席のもとで、厚生労働省もぜひそこに出て、開いていただくこと、そのことが、私は、仮に再々承認に向けての議論が始まるのであれば、その大前提だ、そう確信をしておりますので、大臣、そのことをぜひ御検討いただけませんか。最後に御答弁をお願いします。
○塩崎国務大臣 病院と御遺族との間で係争中でございますので、厚生労働省が中心になって対話の場を設けるということはなかなか難しいと思いますけれども、いずれにしても、先ほど申し上げたように、医療を提供する側と患者の間の信頼関係というのが最も大事であるわけでありますので、そういう意味で、医療関係者、今回、今御指摘の二つの病院が御家族の皆様方と真摯に向かい合ってきちっとした対応をするということが大変重要だと私も思っているわけでございますので、それぞれの病院がしっかり向かい合ってきちっとした対応をとることを私も期待したいというふうに思います。
○柚木委員 以上で終わります。 あしたの視察でもぜひしっかりとお話を伺いたいと思います。ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、小松裕君。
○小松委員 自由民主党の小松裕でございます。 まず、質問の機会を与えていただきましたことに感謝申し上げ、質問に入らせていただきます。 本日は、医療法などの一部を改正する法律案でありますけれども、いろいろな観点がありますので、医療に関する広告規制の見直し、そして特定機能病院のガバナンス体制の強化、この二点に絞って質問をさせていただきたいというふうに思います。 まず、医療に関する広告規制の見直しでありますけれども、昨今、さまざまな形で医療にかかわる情報があふれています。特に、健康にかかわる情報というのは、今回の法案で改正項目に入っている医療に関する広告というのはそのごく一部でありまして、新聞や雑誌を見ますと、毎日必ず健康にかかわる記事や広告が載っているわけでありますし、みずからアクセスしなくても、医療や健康にかかわる情報の中に我々はいると言っても過言ではないんだろうと思います。 また、自治体などが取り組む健康講座であるとか病気の予防などへの取り組み、広報誌、これらも健康に関する情報といった意味では同様であり、病気の予防や啓発といった観点から、これも大事な情報であるというふうに考えています。 例えば、先日も、私の地元である長野市のビッグハットというところで、ほっとパルくらしと健康の博覧会というのが開催されました。これは、会場の中にさまざまな健康にかかわるブースが出ていて、そこでさまざまな健康に関する情報を発信して、それを市民が学びに来る。多くの市民たちが集まっておりまして、改めて健康に関する意識の高さを感じたわけであります。 いつもお話をさせていただいておりますけれども、長野県は、男女とも平均寿命が日本一という長寿県であります。同時に、県民一人当たりの野菜の摂取量も日本一なんですね。 このほっとパルの博覧会ではサキベジというブースも出ていまして、今、長野市ではサキベジ運動というのが大変盛んになっています。サキベジ、先にベジタブルを食べる、片仮名でサキベジというふうに書くんですけれども、先に野菜を食べる、そして毎日七千歩以上歩く、一緒に取り組む仲間とのかかわりを持つ、こういったことを目標に、長野市長を会長にしてサキベジ推進協議会というのを立ち上げて、そして、医師である内場先生という方、信州大学の寺沢教授、こういった専門家の方々の理論に基づいて、健康長寿のための活動をしています。 具体的には、先ほどお話ししましたように、先に野菜を食べるためのレシピを紹介したりとか、そしてみんなで運動を続ける、そんな仕組みを継続して、サキベジ運動を実践するための取り組みを行っているわけです。 こういったところで発信される医療情報というのも、病気の予防という観点や理論に基づいているという観点からも、正しい医療情報ということが言えるんだろうと思います。 しかし、自分自身が医師であるという、そういった経験から、世の中では余りよくない医療情報も結構あふれているな、特に、患者さんの不安をあおるような医療情報もあふれているなということを日ごろ実感するわけであります。 例えば、最近よくあるテレビの健康に関する番組、そんなところでも、本当は怖いその症状とか本当は怖いその病気、そういったキャッチをつけて、そのことを強調して、出演している医師が発言したりとか、そんなことを医者が言っていいのかなと自分自身が感じる番組も時々目にするわけであります。 また、これもテレビの製薬会社のコマーシャルで、その病気、何々かもしれません、思い当たる方は病院へ、こういったCMが流れることがあります。これは、よく言えば啓発、悪く言えば、不安を抱かせて病院に誘導する、こういったものかなということも感じるわけでありますけれども、そういった情報も流れている。 これらは、言論の自由という観点、そして特定の医薬品の商品名が明らかにされていないという観点からも、法律上は問題ないのかもしれないんですが、必要以上に患者の不安をあおるという点では、医療情報としてどうなのかなということも感じたりします。 ここにもたくさんの医療関係者の方がいらっしゃるわけでありますけれども、患者さんがさまざまな情報を見て、それに不安になって病院を受診するとか、それから、不安がますます症状を悪くするとか、そういったことは恐らく経験があるだろうと思います。 医療にかかわる者の仕事というのは、一言で言えば、不安をとるというのが仕事であるというふうに私は思っています。それは、手術であるとか投薬であるとか、そういった医療行為で不安をとったり、時として不安を聞いてあげることであったり、優しい言葉がけであったり、こういったことで患者さんの不安をとるというのが、医療人の基本的な姿勢なんだろうと思います。このような臨床の現場にいた者として、虚偽や誇大広告はもちろんのこと、不安を過度にあおるような医療情報も何とかならないのかなと、日ごろ、率直に感じるところであります。 前置きが大分長くなりましたけれども、現在、さまざまな広告媒体によって医療機関の広告が行われています。中には、虚偽、誇大が疑われる不適切な広告も散見されるわけです。 不安をあおる以前に、虚偽の情報によって患者さんが被害をこうむるということもあるわけであります。私の経験でも、なかなか医者側としていいことが言えない、治る可能性が少ないというような病気に関しては、患者さんはわらをもすがりたいという気持ちになるわけですね。そんなわらをもすがりたいという患者さんにつけ込むというか、つけ入るというか、そして、不適切な情報を得て、それを信じている患者さんが我々のところに来る。厳しいことを言わなければいけない患者さんに対して、それは違いますよとか、それは怪しいですよとなかなか言えないという経験もあるわけであります。そのような不適切な広告に対しては、規制を徹底していく必要があるというふうに考えています。 そこで今回の法案でありますが、その以前に、現在の医療法に基づく広告規制の内容、そして、特にウエブサイト、これは消費者委員会の建議でも広告規制の対象にすべきとされていると理解しておりますが、特にそのウエブサイトについてもどのような状況になっているのか、取り扱いになっているのか、まずお答えいただきたいと思います。
○神田政府参考人 お答えいたします。 現在の医療法では、医療に関する広告については、患者の保護の観点から、広告可能事項を限定した上で、虚偽、誇大な広告等を禁止しているところであります。 具体的には、どのような形での情報提示が医療法上の広告に該当するかにつきましては、患者の受診等を誘引する意図があること、誘引性でございますけれども、また、医療機関名等が特定可能であること、特定性でございます。それから、一般人が認知できる状態にあること、認知性、この三つの要件全てを満たす場合が広告に該当するというふうにしているところでございます。 医療機関等のウエブサイトにつきましては、これまで、閲覧を希望する者が検索した上で閲覧するということから、認知性がないということから、原則、医療法上の広告とはみなさず、医療機関ホームページガイドラインというものを策定いたしまして、行政指導によって規範を定めまして、関係団体等の自主的取り組みを促してきたところでございます。
○小松委員 ありがとうございます。 そのような現状から、今回はウエブサイトにも規制を加える、これは一つ大事な点であるというふうに思います。 特に、先ほど、検索しなくてもいろいろな情報があふれているというお話をしましたけれども、その検索ということに関しましても、医療に関する情報というのは、病名を入れたりとか、症状を入れたりとか、それだけで簡単にいろいろな情報を得ることができるわけであります。 私もかつて、消化器内科医、特に膵臓の専門家として大学病院に勤務をしていました。その中で、ほかの医師にかかっている患者さんから、セカンドオピニオンといって意見を求められるということがしばしばあったわけであります。 大体、そういった患者さんというのは、ウエブサイトであったりとか、いろいろな形で情報を得て、自分の治療はこれでいいのかな、そんなことに不安を持って受診するわけでありますけれども、患者さんが得る医療的な情報というのは、それをしっかりとのみ込むというのは、なかなか難しいところもあるんだろうと思います。その書かれている情報というのが、間違った情報ではない、誇大ではない、そういった情報であっても、その患者さんに本当に当てはまっているのかということに関して言うと、いろいろな状況があります。 例えば、膵臓がんというふうに検索しますと、いろいろな情報が出てくるわけでありますけれども、膵臓にできるがんといっても、通常型の膵臓がん以外にもいろいろなタイプのがんがあって、それぞれ治療法が違うわけであります。そして、その治療法ということに関して言えば、患者さんの年齢であるとか、生活の状況であるとか、そして、がんの進みぐあい、併発する疾患などによって、それぞれの患者さんに合った治療法があるわけで、それを患者さん自身が判断するのは難しいという場合もあるんだろうと思います。 一方、医療機関の広告については、不適切なものは規制する必要があると思います。しかし、実際に私の経験からも、医者の側が勉強不足で知識がなくて、適切な診断、治療を受けていなかった、こういった患者さんが自分で調べて、ちょっとおかしいんじゃないかな、それが他の医師を受診して適切な医療につながる、こういったことも経験があるわけであります。こういったことから、表現の自由であるとか、患者さんの側にとっても、患者さんの知る権利という観点から、それにも応える必要があるというふうに考えています。 そこで、今回の法案において、ウエブサイトを医療法に基づく広告規制の対象とするということでありますけれども、具体的にどのような規制になるのか。これまで患者さんが知り得た情報、それが規制されるということもあるのか。この点について、お聞かせいただきたいと思います。
○神田政府参考人 お答えいたします。 今回の改正は、平成二十七年七月に消費者委員会から、医療機関ホームページガイドラインでは、不適切な情報提供が行われたとしても、改善措置を命ずるなど法律上の措置がないため遵守されておらず、医療機関のウエブサイトに対する法的規制が必要であるという建議がなされたことを受けたものでございます。 そこで、今般の医療広告規制見直しの中では、ウエブサイト等につきましても、ほかの広告媒体と同様に、原則、医療広告規制の対象として、虚偽または誇大等の不適切な内容のものを禁止し、是正命令や罰則等の対象とすることとするものでございます。 しかしながら、先生御指摘のように、ウエブサイトについては、現行の医療広告規制と全く同様に、広告可能事項まで限定いたしますと、例えば、難病や悪性腫瘍の患者さんが、海外で承認されていますけれども国内で未承認の治療薬など、患者が知りたい治療に必要な情報を入手できなくなるのではないかという懸念が、医療関係団体や患者団体から指摘されたところでございます。 このため、今回の見直しに当たりましては、一定の条件を満たし、患者による医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合には、広告可能事項の限定の例外とすることができるという規定を設けております。 具体的には、ウエブサイトに自由診療について記載する場合には、治療内容や平均的な費用、治療回数、また、医療機関にとって都合のよい情報だけではなくて、リスクでございますとか副作用などについても記載するといったことを条件とすることが考えられるところでございまして、詳細につきましては、今後、医療関係団体や患者団体等の意見を聞きながら検討していくこととしております。
○小松委員 ありがとうございます。 冒頭、過度な不安をあおるのを問題だと感じているというような話もしましたけれども、実際にしっかりと正しい情報を患者さんが得て治療につながる、そして知る権利、そういったことに十分配慮するということで、ここの、いい情報、悪い情報という判断はなかなか難しいんだろうとは思いますけれども、特に今お話しいただいたような権利に十分配慮しながら、誇大広告、そして虚偽の広告、これはしっかりと規制する、そういったことで進んでいただきたいなというふうに思います。 次に、特定機能病院のガバナンス体制の確保についてお伺いいたします。 今回、この法案の、改正のきっかけとなった東京女子医大病院、そして群馬大学附属病院における一連の医療事故、先ほども議論がありましたけれども、特定機能病院という高度な医療機関の称号を持つ両病院がずさんな医療安全管理体制であったということも医療事故の一因であり、国民の信頼を損なう遺憾な事件であったというふうに認識しています。両病院における再発防止はもちろん、高度な医療を扱う特定機能病院については、より高度な医療安全管理体制が確保されるように対応されなければいけないというふうに考えています。 そこで、まず、先ほどの質問と重なるところもありますが、両病院の事案が発生した後、厚生労働省において特定機能病院の承認要件の見直しを行ったというふうに承知しておりますけれども、もう一度、具体的にどのような対応をとったのか、お答えいただきたいというふうに思います。
○神田政府参考人 お答えいたします。 先生御指摘のように、厚生労働省では、大学附属病院等において医療安全に関する重大な事案が相次いで発生したことを受けまして、事案が発生した病院の特定機能病院の承認を取り消すとともに、全ての特定機能病院に対する集中検査を行いまして、特定機能病院の安全管理体制についての検討を行ったところでございます。 その結果、医療安全に積極的に取り組んでいない病院があるといったことでございますとか、医療安全管理部門に専従の医師、薬剤師がいない、高難度新規医療技術に関する導入プロセスについてルールを設定していない、またはルールを設定していてもこれらのルールが徹底されていない、死亡事例について把握している病院がある一方で、把握していない病院があるといった、対応を行うべき問題点が明らかになったところでございます。 このため、昨年の六月に、医療安全管理責任者を、原則副院長を充当するということで配置すること、専従の医師、薬剤師、看護師の医療安全管理部門への配置、また、高難度の医療技術や未承認新規医薬品を用いた医療を新たに導入する際には、その医療の適否について、診療科の長以外の者が確認するプロセスを明確化すること、全ての死亡事例の医療安全管理部門への報告を義務化することなどを特定機能病院の承認要件とするという医療法施行規則の見直しを行ったところでございます。
○小松委員 ありがとうございます。 先ほど大臣の答弁もありましたが、さらに今回の法案では、特定機能病院の承認要件の見直しに加えてガバナンス改革まで踏み込んでいる、これが大きな特徴であると思うんですが、その意義についてお答えいただきたいと思います。
○神田政府参考人 先ほど御答弁申し上げましたとおり、安全対策については、昨年六月の医療法の施行規則において特定機能病院の承認要件の見直しを行ったところでございますけれども、特定機能病院は、高度の医療の提供、高度の医療技術の開発、評価、高度医療に関する研修という三つの役割を有しており、また、特定機能病院の大宗を占める大学附属病院は、病院が法人内の医学部等の教育研究のための附属施設という位置づけでありまして、複雑なガバナンス構造を有しているわけであります。そうした中にあっても、特定機能病院では、高度な医療安全管理体制を確保する必要があると考えております。 大学附属病院等において発生した一連の事案においては、医療安全管理体制にとどまらず、管理者への権限の集中について取り組みが不十分である、また、病院の管理者が権限と責任を持って病院の管理運営に取り組めるよう、大学及び大学附属病院の体制及び関係のあり方について抜本的に見直すべきであるといったガバナンスに関する問題点が指摘されたところでございます。 このため、病院の管理運営に関する業務遂行能力のある者を管理者として適切に選任し、その管理者が多数の診療科をまとめ、権限と責任を持って管理運営に取り組めるとともに、相互牽制が機能するような適切なガバナンス体制が構築されるよう、今般、特定機能病院についてガバナンス改革を行うというものでございます。 具体的には、高度な医療安全管理体制の確保について、特定機能病院の承認要件に追加をすること、特定機能病院の管理者について、多職種で構成される合議体の決議に基づいて管理運営の重要事項を決定することを義務づけること、また、特定機能病院の開設者に対しまして、管理者が病院の管理運営を適切に遂行できるよう、管理者の選任方法の透明化、管理者の権限の明確化、医療安全に関します監査委員会の設置等の義務づけを行うといった措置を講ずることとしているところでございます。
○小松委員 ありがとうございます。 今お答えいただいたとおり、医療の高度な安全確保ということを特定機能病院の承認要件に加えることであるとか、その他、今お話しいただいたさまざまなこと、ガバナンスに関して、一歩進んだ内容になっているというふうに理解いたします。しかし、医療の現場にいた者として、先ほどの議論でも管理者や開設者という話がありましたけれども、そこに権限を与えたり、しっかりした人を選ぶというだけで、この問題が全て解決するとは思えないこともあります。 例えば、専門化した高度な医療体制においては、たとえ医療安全にたけた病院長であっても、専門外の各診療科に対して、どの程度目を配らせることができるかとか、どれだけ口を出すことができるかとか、また、病院長だけではなくて、各科をまとめる診療科長にもそういった能力をつけてもらう、また、そのような能力のある方が診療科長になるという点も重要な点なのではないかというふうに思います。 本年の四月一日現在、特定機能病院の承認を受けているのは八十五病院でありまして、そのうち七十八病院が大学附属病院の本院であるというふうに承知しています。つまり、特定機能病院のほとんどが大学病院である。 これを考えると、先ほど、複雑なガバナンスというお言葉がありましたけれども、大学病院においては、大学の教授が診療科長になるということがほとんどだと思うんですね。そうした場合、診療科長を選ぶというよりも、その前の段階の、いわゆる教授選考の段階で診療科長としての能力があるような人が選ばれているのかどうか、また、そういった人を、そういった人というか、安全管理能力、そして臨床技術能力、こういったものも教授選考の基準に考慮すべきであろうというふうに日ごろから思っています。 また、高度にかつ安全に医療を行うために重要な点は、そのような技術を持った医師を育てるという視点であります。診療科長には、知識、安全管理能力、臨床技術力、これらに加えて、弟子を育てるというか、いわゆる職人の親方的な能力がなければいけないんだというふうに私は思っています。 自身の経験も踏まえて言いたいことを言わせていただきましたけれども、最後の質問であります。 特定機能病院の実態を変えていくためには、医療行為を行う医師、それをマネジメントできる医師、すなわち人が重要であります。能力のある人間を管理者として、マネジメントを実行するための権限を付与しなければ、せっかくの改革も絵に描いた餅になってしまいます。今回のガバナンス改革をしっかりと機能させて運用していくことが重要だと考えますが、特に人という観点でどのように取り組んでいくのか、お聞かせいただきたいと思います。
○馬場大臣政務官 お答えします。 御指摘のとおり、特定機能病院の実態を実際に変えていくためには、制度の枠組みを整備するだけでなく、個々の病院において、透明性が確保された選任プロセスを通じて、今、小松先生お述べになりましたとおり、医療安全の確保や組織管理に必要な能力を有する者が管理者として選任され、病院の管理運営に必要な権限を有することが重要であると考えております。 今回の改正案においては、特定機能病院の開設者に対して、病院の管理及び運営に関する業務の遂行に関し、医療安全の確保や組織管理に必要な能力及び経験を有する者を管理者として選任すること、選任手続は合議体の審査の結果を踏まえて行わなければならないことを義務づけておるところであります。 また、その上で、管理者が病院運営に必要な指導力を発揮できるよう、開設者に対し、特定機能病院の管理及び運営について管理者が有する権限を明確化するように義務づけすることとしております。 各病院の対応状況については、継続的に毎年報告を求めることとしており、今回のガバナンス改革が着実に実施されるよう指導してまいりたいと存じます。
○小松委員 ありがとうございます。 一歩進んだ内容であるとは思うんですが、まだまだ解決しなければ、課題はいっぱいあるなと私は感じています。 医療というのは、どんどん高度に進歩しています。かつては、危険で、こんな手術はできないといった手術ができるようになって、治らなかった患者さんが治るようになってくる。それと同時に、より安全性も確保されなければいけないわけでありますけれども、一つは、管理者そして開設者、こういった、権限を与えるとか責任を与えるというのも大事なことなんですが、責任を与え過ぎると、結局、危険な手術はやらないとか危険な医療行為はやらない、こういうネガティブな方向に行き過ぎてしまうというのも私は問題であると思っています。 そうなってしまうと、いわゆる医療とか医学の進歩がなくなるわけでありますから、そこら辺を、しっかりと機能するような、特に実際の治療行為や医療を行うのは、手術も含めてですけれども、医者であるわけですから、上のレベルではなくて、もっと一人一人の医師も技術力を高める、技術のある医師を育てていく、こういったことも同時にこれから行っていかなければいけないんだと思います。 厚労省も一緒に、それらに取り組んでいきたいという自分の決意も述べさせていただいて、私の質問を終わりにさせていただきます。 ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、角田秀穂君。
○角田委員 公明党の角田秀穂でございます。 本日、質問の機会をいただきまして、ありがとうございました。 医療法等の一部を改正する法律案について、順次質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 まず、検体検査の精度の確保に関する事項について質問をいたします。 近年、ゲノム医療の実用化が進みつつある中で、遺伝子関連検査も臨床現場において急速に普及が進んでいくことが考えられる一方で、この精度管理については医療機関の自主的な取り組みにこれまで委ねられてきており、法律上は基準に関する規定が未整備であったこと、特にゲノム医療の普及発展の観点から国際的な精度管理体制を確保しようとの趣旨で、品質、精度管理に係る基準を定めるためにその根拠となる規定を法律に置くということ、あわせて、臨検法の検体検査の分類、これは、今の分類は基本的には昭和三十三年に定められたものと伺っておりますが、国際基準と分類が一致しないという課題に柔軟かつ迅速にこれから対応できるようにしようというのが今回改正の一つの柱となっておりますが、ここで対象となっているのは、遺伝子関連の検査のみではなく、全ての検査が対象ということにされております。 検体検査の現状を見ますと、病院の場合、全部もしくは一部の検査を委託している病院が全体の九七・八%と、ほぼ全ての病院で何らかの委託を行っている。このうち、全部委託が四分の一程度で、残る四分の三は一部の委託となっております。 遺伝子関連の検査は多くが委託で行われているのが現状かと思いますが、本改正案では、病院等が現在自前で行っているその他の検査についても基準を定めるということで、その基準の定め方によっては、施設や設備面でも基準に適合させることが困難となり、検査の外部委託化の流れを加速させるのではないかとも考えられます。 精度管理の具体的な基準については、今後、検討会で議論されるとのことですが、検査結果の信頼性の確保という観点から見れば、厳格な基準というものが求められることになると思いますが、今後、基準をつくるに当たっての基本的な考え方について、ここでお伺いしておきたいと思います。
○馬場大臣政務官 お答えします。 検体検査は、疾病の的確な判断や治療効果の評価等のために日常的に実施されているものでありまして、その品質、精度の確保は重要と認識しておるところであります。 特に、遺伝子関連検査の品質、精度管理については、ゲノム医療の実現をオール・ジャパン体制で取り組んでいくため、内閣官房に設置されたゲノム医療実現推進協議会において、ゲノム医療の実用化に向けて、特に重点かつ早急に検討を要する課題とされているところであります。 このような状況を踏まえ、本法案では、遺伝子関連検査を含めた検体検査の精度の確保のため、精度管理の基準の明確化等を行うこととしておりますが、その具体的な基準については、今後、医療関係者等が参加する検討会で議論することを予定しております。 検討会においては、例えば、特定機能病院であるか地域の中小規模の病院であるかといった医療機関の特性、遺伝子関連検査のように高度な技術を伴うものであるかといった検査の内容等に応じ、適切な基準が設定できるよう議論することとしており、医療機関の負担等も考慮しつつ、検体検査の品質、精度が確保できるよう努めてまいりたいと存じます。
○角田委員 医療機関の負担も踏まえながら検討を進めるということですけれども、そうした負担に対する支援の考え方についてちょっとお伺いしておきたいと思うんです。 技術の進歩に伴って臨床検査技師の仕事のやり方というものも大きく変化をしてきておりますが、新しい技術を身につけた人材が活躍できる場の確保という観点からも、病院等の検査体制整備への支援ということも考える必要があるのではないかというふうに思っております。 臨床検査技師の国家試験受験者数は、直近で四千七百人を超え、ここ数年を見ても増加傾向にあります。一方で、就職先として一般的であった病院は、都市部の大規模な病院であっても、新年度の採用人数は若干名といったところがふえており、地方の中規模の病院であれば採用予定もないというところが多いというのが現状と言われております。 人材の偏在を助長することができるだけないようにする上で、基準のあり方もそうなのですけれども、基準への適合を目指した施設設備の整備に対する支援ということも考える必要があるのではないかと思っております。 検体検査の分類によって、必要な施設設備も異なってくるでしょう。例えば、微生物学的検査では、ウイルスや細菌を扱うため物理的な封じ込め施設が必要となりますし、遺伝子関連検査を行う場合は、核酸抽出を行う部屋と遺伝子増幅を行う部屋を分けるなど、実際にそれぞれの特性に応じた設備にしようとすると、さまざまな施設設備を整備していく必要があります。 病院内の検査室を新たに厚生労働省令で定める基準に適合させるように施設を整備する場合の財政的な支援について、今後の診療報酬改定に当たっての検討も含めてどのようにお考えなのか、御見解をお伺いしたいと思います。
○神田政府参考人 お答えいたします。 検体検査は、疾病の的確な診断や治療効果の評価等のために日常的に実施されているものでありまして、その品質、精度の確保は重要な課題というふうに認識しております。 これまでも、検体検査の質の向上のため、外部精度管理事業に参加しているなどの取り組みを行っている医療機関については、その体制に応じた診療報酬上の評価を行ってきているところでございます。 精度管理の具体的な基準については、今後、医療関係者等が参加する検討会で、医療機関の特性や検査の内容等に応じ、適切な基準が設定できるよう議論することを予定しておりますけれども、その基準が中小病院や診療所に対して過度な負担にならないよう配慮するとともに、費用面につきましても、診療報酬でどのような対応ができるかも含めて検討してまいりたいと考えております。
○角田委員 続きまして、医療に関する広告規制の見直しについてお伺いをしたいと思います。 この見直しの背景にあるのは、そもそもが美容医療をめぐるトラブルというのが背景にあるということですけれども、確かに、痩身のための脂肪吸引であるとか、豊胸、脱毛あるいは植毛、顔面のリフトアップなど、美容医療をめぐるトラブルは後を絶たず、全国の消費生活センター等に寄せられる相談も毎年二千件前後で推移をしており、これは一向に減る気配を見せておりません。 トラブルが多発する事態に対しては既に、平成二十三年に消費者委員会からインターネット上の表示を取り締まるよう求める建議を受けて、厚労省としても医療機関ホームページガイドラインを策定しましたけれども、トラブルはこれによって減るどころか、相談件数を見ても逆に増加をしているということから、消費者委員会が異例とも言える再度の建議を行ったことを受けて見直しを今回行おうとするものですが、消費者保護の観点から十分な内容なのかという点についてまず質問をしたいと思います。 その前に、美容医療をめぐるトラブルの最近の現状と特徴について、きょうは消費者庁にもお越しいただいておりますので、お伺いをしたいと思います。 最近の傾向としては、トラブルに巻き込まれる方の高年齢化や、金額の高額化、美容医療は自由診療のためにもともと金銭的な負担が大きいわけですけれども、支払いを求められる金額も高額化しているということなども指摘をされておりますが、寄せられた相談等について、美容医療をめぐる最近の動向、特徴についてお伺いをします。 あわせて、美容医療の施術を受けるに至ったきっかけ、インターネットのホームページを見てというほかにも、折り込み広告を見てなどさまざまなきっかけがあると思いますが、その内訳についてはどのようになっているのか、直近のデータがまとまっていればお示しいただきたいと思います。
○福岡政府参考人 消費者庁からお答えいたします。 お尋ねがございました美容医療でございますけれども、美容医療につきましては、消費者と事業者の間の情報の質、量及び交渉力の格差が大きいとか、一度施術を受けるともとに戻りにくいとか、費用が高額に及ぶことが多いなどの理由によりまして、消費者政策上極めて重要な分野であります。 美容医療に係る消費生活相談の状況ということでございますけれども、全国の消費生活センター等には、近年、年間約二千件の相談が寄せられているところでございます。その内容につきましては、広告のあり方、勧誘の状況、契約の内容、施術等の各段階のものが見られているというところでございます。 また、別にお尋ねがございました美容医療の施術を受けるに至ったきっかけということでございますけれども、平成二十八年度に相談が寄せられた案件のうち、本年四月末の情報では、ホームページ等の電子広告によるものが四百五十件、折り込み広告をきっかけとするものが四十三件、また雑誌広告をきっかけとするものが三十四件というふうになっているところでございます。
○角田委員 消費者庁にもう一点お伺いしたいと思いますけれども、美容医療をめぐる消費者トラブルの解消を目指していくためには、広告の規制のほかにも、勧誘であるとか契約等に対する規制と取り締まりの強化が求められると思います。このために、医療法のみならず、消費者法による規制の強化についても現在検討されているということですけれども、具体的な内容と今後のスケジュールについてお伺いしておきたいと思います。
○東出政府参考人 御指摘の美容医療につきましては、平成二十八年一月になされました内閣府消費者委員会の答申を踏まえまして、特定商取引法施行令を改正し、一定の美容医療契約を特定商取引法の特定継続的役務提供ということで位置づける方向で今検討を進めているところでございます。 この特定商取引法施行令の改正案につきましては、現在パブリックコメント中でございまして、今後、消費者委員会に対する諮問等を経た上で、本年十二月一日をめどに施行する予定としております。
○角田委員 その上で、今回の広告規制の見直しでは、ホームページも法律上の広告とすることで、違反に対する罰則も含めて規制の対象にしようとしておりますけれども、掲示可能な事項の例外を認めるということで、他の広告とは取り扱いが異なっており、少しわかりにくいところがあります。 その点についてお伺いする前に、美容医療をめぐるトラブルに巻き込まれるそもそものきっかけは、ホームページ以外にも、折り込み広告等、今御答弁ございましたように、既に規制の対象になっているものも一定数あります。現行、規制の対象となっている広告については、比較広告や誇大広告が禁じられ、その違反に対しては広告の中止や是正の命令、従わない場合の罰則適用、虚偽広告についてはそもそも直ちに罰則が適用されることになっておりますけれども、この広告に対する取り締まりについては現状どのようになっているのか、お伺いをしたいと思います。
○神田政府参考人 先生御指摘のとおり、現行の医療法では、医療に関する広告につきまして、患者保護の観点から、広告可能事項を限定した上で、虚偽、誇大な広告等を禁止しておりまして、違法が疑われる広告につきましては、都道府県等が指導を行い、必要に応じて報告命令、立入検査等を行うこととしているところでございます。 御指摘の、折り込み広告等、現行の医療法上の広告規制の対象となっているもので都道府県等における指導の実績がどの程度あるのかということでございますけれども、アンケート調査を行ったもので、平成二十六年度では二百二十件、平成二十七年度では百十八件の指導を行っているというところでございます。
○角田委員 それで、今回、ホームページについては掲載できる事項の例外を認めるということについては、これを幅広く認めていくと、これまでと同様に効果が上がらないのではないかという懸念があります。 そもそも、インターネットのバナー広告は広告、ホームページは広告でないという取り扱い、これは、ホームページは一般の人が検索エンジンなどを通じて検索した結果、表示されるものであるから、必ずしも一般人が認知できる状態にあるとは言えないというのが理由のようですけれども、非常に、現実から見て、この区別というのは本当につきにくくなっているのではないかというふうに思います。 私も、美容外科のサイトがどうなっているのか幾つかのぞいてみたら、もう翌日には、私のパソコンは、しわ取りであるとか二重まぶたであるとか美容医療の広告だらけになっておりまして。今、そうしたリマーケティングを自分のウエブサイトに仕組むというのはもう常識的になっておりますので。内容は同じなんですね、バナー広告になっているものも、ホームページのウエブサイトに記載されている内容も。そこを区別するというのは、どうも釈然としないところがあります。 ホームページは法律上は広告としながらも、一方で、他の広告とは別の取り扱いにするとした理由について、改めてお伺いをしておきたいと思います。
○神田政府参考人 お答えいたします。 医療広告規制を今回見直すことにしているわけでありますけれども、ウエブサイト等についても、ほかの広告媒体と同様に、原則、医療広告規制の対象として、虚偽、誇大等の不適切な内容のものを禁止し、是正命令や罰則等の対象とすることとしているところでございます。 原則としては同じ規制をかけるわけでありますけれども、ただ、一点、例外的な扱いとしておりますのは、ウエブサイトについて、現行の医療広告規制と全く同様に、広告可能事項を限定するという規制をかけますと、例えば、難病や悪性腫瘍の患者さんが、海外で承認されているけれども国内では未承認の治療薬を用いた治療など、患者が知りたい治療に必要な情報を入手できなくなるのではないかという懸念が、医療関係団体や患者団体から指摘されたところでございます。 このため、今回の見直しに当たりましては、一定の条件を満たし、患者による医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合は、広告可能事項の限定の例外とするということができることとしているところでございます。 具体的には、今後、医療関係団体や患者団体、消費者団体等の意見を聞きながら、その例外の扱いを決めていきたいというふうに考えております。
○角田委員 続きまして、今回のこうした規制の見直しを消費者保護の観点から実効性あるものとしていくためには、これは厚生労働省のみならず、消費者庁など関係省庁、都道府県、保健所、関係機関、団体の一層の連携というものも不可欠になってくると思いますけれども、この点について今後どのように取り組んでいくお考えなのか、お伺いをしたいと思います。
○神田政府参考人 この点については、先ほど先生からも御指摘ございましたように、消費者、患者の保護のためには、景品表示法ですとか特定商取引法を所管する消費者庁などの関係省庁、また実際の事務を行います都道府県等の地方公共団体などがそれぞれ主体的に法令の周知徹底や執行に取り組み、互いが積極的に情報を共有するなど、連携して対応することが必要であるというふうに考えております。 これまでも、消費者委員会の建議において美容医療サービスに関する苦情相談情報の活用が求められたことを踏まえまして、地方公共団体の消費者行政担当部局と衛生主管部局とが連携いたしまして、美容医療サービス等に関する苦情相談情報の活用を図るよう通知をして指導してきているところでございます。 また、厚生労働省と消費者庁におきましては、都道府県等の衛生主管部局の医療広告担当者の会議におきまして、消費者庁から美容医療に関する消費者生活相談の概要について説明をするとともに、美容医療サービスを受けるに当たって注意すべき事項等につきまして、厚生労働省と消費者庁の連名でチラシを作成して注意喚起を行うといった連携した取り組みを行ってきているところでございます。 引き続き、関係省庁、地方公共団体等と連携して、法令の周知、遵守の徹底に取り組んでまいりたいと考えております。
○角田委員 少しでもそうしたトラブルに巻き込まれる方が減るため、またそうした実効性を高める上でも、こうした関係機関、関係府省等の情報の共有や提供も含めて、まだまだ取り組むべき課題もあるのではないかと私自身も感じております。今後そうした連携の取り組みをさらに積極的に進めていっていただきたい、これは私からも要望をさせていただきたいと思います。 続きましては、特定機能病院のガバナンス体制強化について、一点お伺いをしたいと思います。 今回のガバナンス体制強化については、平成二十六年に相次ぎました大学附属病院での医療安全にかかわる重大、深刻な事案を契機に検討をされてきた大学附属病院等のガバナンス改革の一環として、承認要件の追加や、合議体による管理者の選任、合議体による運営の意思決定などにより、ガバナンス体制の強化、そして、それによる医療安全の確保を図っていこうとしておりますが、背景としてあるのは、特定機能病院、これはほとんどが大学附属病院、の多くで、教授会等において選挙によって管理者が選ばれており、必ずしも管理者に求められる資質、能力を有している人が選ばれていないのではないかといった問題が存在していたことがあると思います。 事人命にかかわる医療の安全性を確保する、高めていく上で、従来の閉鎖的な選考過程をオープンにする、透明化を進めていくということが特に重要であろうと考えます。その点については、管理者の資質、能力に関する基準の公表、外部有識者を含む選考委員会のような合議体での審査、さらに選考結果の公表などが予定をされておりますが、具体的には省令で規定されることになります。 ここが非常に大事なことだと思いますので質問をさせていただきますが、管理者、病院長といっても、それぞれの大学病院ごとに、現状、その立場であるとか権限というものがかなり異なっている中で、そうした資質、能力の基準、審査の方法、基準や選考結果の公表をしていくに当たって、この仕方について具体的にどのように考えているのか、お伺いをしたいと思います。
○神田政府参考人 お答えいたします。 今回の改正法案におきましては、特定機能病院のガバナンス改革として、特定機能病院の開設者に対して、病院の管理運営に関する業務の遂行に関し、医療安全の確保や組織管理に必要な能力及び経験を有する者を管理者として選任すること、選任手続は合議体の審査の結果を踏まえて行わなければならないことを法案の中では義務づけているところでございます。 さらに、具体的な内容につきましては省令で定めることといたしておりますけれども、まず一点目といたしましては、医療安全確保のために必要な能力、経験、組織管理能力など管理者に求める病院の管理運営上必要な能力、経験に関する基準を要件としてあらかじめ定めて、病院のホームページなどで公表することを求めることとしております。 また、広く候補者を募った上で、候補者が管理者に求められる基準に照らして適任かどうかについて、先ほど申し上げました選考委員会といった外部有識者も含めた合議体で厳正に審査をすること、また、選考委員会の審査を踏まえて任命権者がみずからの責任において選考を行い、その結果については、選考の過程、基準に照らした選考の理由とともに遅滞なく病院のホームページなどで公表することといったプロセスによる選任を求めることとしているところでございます。
○角田委員 基準であるとか選考結果の公表というもの、これが本当に透明化が進むという方向で実効性あるものになるように、今後検討をしっかり進めていただきたいというふうに要望させていただきたいと思います。 続きまして、持ち分なし医療法人への移行に関して質問をさせていただきたいと思います。 病院経営の安定化を図ることなどを目的に、平成二十六年の医療法改正で、持ち分ありの法人から持ち分なしの法人への移行を促進するために、移行計画の認定制度を設け、認定を受けた医療法人には相続税やみなし贈与税の猶予であるとか免除等の支援措置が盛り込まれました。ただ、盛り込まれたものの、これまでに認定件数、移行完了件数とも極めてわずかな数にとどまっていることから、認定期間を三年延長するとともに、税法改正で持ち分放棄の際の贈与税非課税措置が講じられることとあわせて、持ち分なし医療法人への移行を推し進めようとするものであります。 まず初めにお伺いをしたいと思いますけれども、平成二十六年の改正以降、ことし三月末現在で、計画認定の件数は六十七件とわずかな数にとどまっており、医療法人の八割が持ち分ありの法人と、依然として施策の効果があらわれていないように受けとめますが、当初、どの程度の移行を見込んでいたのか、伺わせていただきたいと思います。あわせて、三年という期限を切った理由についても確認をさせていただきたいと思います。
○神田政府参考人 お答えいたします。 まず、移行の見込み件数がどの程度であったのかということについてでございますけれども、この移行計画の認定制度の創設に当たりましては、当時、医療関係団体の中で移行の希望等についてアンケート調査を行いまして、その結果に基づいて推計をいたしまして、年間約百件、三年間で三百件程度の認定件数を見込んでいたところでございます。 また、三年の時限措置としている理由ということについてでございますけれども、この制度が租税特別措置として創設されたものでございますことから、恒久的な措置は認められていないという中で、持ち分なし医療法人へのできるだけ迅速な移行を促すということで、三年間の時限措置としたところでございます。
○角田委員 持ち分なしへの移行が進んでこなかった理由の一つとして、贈与税が課税されるのか課税をされないのか非課税基準が曖昧で、税務署の個別判断に委ねられていたことからなかなか移行に踏み出せないということがあったため、今回の改正では、法人関係者に利益供与しないことや、その他省令で定める要件を追加して、これらの要件に適合して厚生労働大臣の認定を受けた医療法人については、移行の際の法人への贈与税は課税をしないということが明確にされた。 これによって移行が一定程度進むことも期待をされますが、省令で定める基準について具体的にどのようなものを考えているのか、お伺いをしたいと思います。あわせて、既に認定を受けている法人についてはどのような取り扱いになるのか、お伺いをいたします。
○神田政府参考人 先生から今御指摘ございましたように、今度の改正案におきましては、医療法人が運営に関して、適切な運営を行っているという要件を設けることによりまして、贈与税の非課税措置を講ずることにしようというものでございます。 その省令で定める具体的な要件についてでございますけれども、従前の国税庁によります贈与税の非課税基準のうち医療法人の運営の適正性を審査する基準を参考に、関係省庁とも協議の上、今後検討していきたいというふうに考えております。 なお、移行を促進する観点から、国税庁の贈与税の非課税基準のうち、特に満たすことが難しいというふうにされてまいりました、法人に理事六人以上、監事二人以上を置くことといった要件でございますとか、医療機関の名称が都道府県が定める医療計画に記載されていることといった要件は、新たな制度では要件としない方向で検討しているところでございます。 また、現行の制度で認定を受けている法人の扱いについてでございますけれども、完全に持ち分なしに移行が完了している前の医療法人につきましては、法人が希望して新たな要件により再度認定を受けた場合には新制度の適用が受けられる旨の経過措置を定めているところでございます。
○角田委員 今回の改正によって持ち分なし法人への移行が一定程度進むことが期待されますけれども、これまでの実績から見て、一気に進むとも考えづらいと思います。医療法人経営の継続性、安定性を確保するという目的に対して、今回の改正でどの程度持ち分なしへの移行が進むのか、今後、施策の効果をしっかり検証していくことが大切なことだろうと思います。その上で、必要な見直しについて、これは財務省との議論という面もあるかと思いますが、より効果が上がるよう検討を進めていただきたいと要望させていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○丹羽委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十時四十七分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○丹羽委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。阿部知子君。
○阿部委員 民進党の阿部知子です。 本日午前中に、法務委員会におきまして、金田法務大臣の不信任ということが提出をされております。国会の審議のあり方、政治家同士がきちんと国民の代表として論議を重ね、国民に説明責任を果たすということが十分でないという点だと思いますが、私は、この間、さまざまな法案の審議において、やはり非常に審議がある意味では次々と加速をされておりまして、十分に果たしてこれで審議が尽くされただろうかと思うことが多々ございます。 きょうの医療法の改正につきましても、性格の異なる四つないし五つの部分が一緒に改正にかかっております。検体検査、特定機能病院、あるいは医療の広告規制、そして持ち分なしの医療法人制度、それぞれに私は重要な点を含んでいると思いますが、特に特定機能病院の見直しという点に関しては、これは、今回の改正は前向きなものと思いますゆえに、これがきちんと定着していくような、深みのある審議をしていただきたいと思うものであります。 先ほどの柚木委員の御質疑で取り上げられました東京女子医大の問題も、実は二回にわたって特定機能病院の取り消しが起きて、そうした事態というのは、患者さんたちから見ても、果たして、本当に信頼できる医療機関が特定機能というブランドを持っていながら繰り返し起こるということで、医療の信頼を大きく損ねるものであると思います。 まず冒頭、塩崎大臣に伺いたいと思いますが、先ほど柚木議員とのやりとりの中でも、この再承認というか、取り消しの後の再承認ということに瑕疵はなかったのか、問題はなかったのか、二度にわたって取り消されるような事態になった理由というものを大臣はどうお考えであるか、一問目、お願いいたします。
○塩崎国務大臣 先ほど柚木委員に対しても回答を申し上げましたけれども、平成十三年に東京女子医大病院で心臓手術を受けた女の子が術後に死亡した事故につきまして、院内の医療事故等の報告制度が機能していなかった、安全管理委員会への報告も行われていなかった、そして、遺族からの御指摘があるまで、医療事故に関する事実関係等についての原因究明や遺族等に対する説明すらなされていなかった、こういうことを初めとして病院の運営管理上の問題が数々明らかになったわけでございまして、厚生労働省として、平成十四年に、社会保障審議会医療分科会の意見を聞いた上で、この病院の特定機能病院の承認を取り消したわけでございます。 その後、同病院の改善策として、病院長権限の強化、そして医療安全管理の充実、チーム医療の推進、こういったことなどに取り組んできたということで、再度、医療分科会で御審議をいただいて、実地調査も行って、その上で、平成十九年に承認要件を満たしているという判断をして、特定機能病院として再承認をしたものだというふうに思っております。 今回、改めて承認取り消しとなったことはまことに遺憾なことでありまして、我々としては、今回、この病院もそうでありますし、もちろん群馬大学附属病院、ここにも大きな問題が横たわっているというふうに思いますので、今回、医療法の改正でもって、医療安全というよりは、私は患者の安全と言いたいところでありますが、それを徹底する、そういうことを特定機能病院の承認要件にも追加をした上で、ワンランクアップの、この病院の、特定機能病院という病院の、言ってみれば存在意義を裏打ちしてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○阿部委員 今大臣のお話にもございましたが、二〇〇一年、女子医大で起きた平柳明香さんの問題をこの委員会で取り上げさせていただいたのは私であります。また、先般、先ほど二歳の坊やの御両親が来られておりましたが、これについてもこの委員会で取り上げさせていただきました。 結局、一回承認取り消し、そしてまた再承認となった分だけ、逆に、一体承認って何なんだ、本当にこれで大丈夫かという思いが、患者さんに大きな不信をまた与えていると私は思います。 大臣のお言葉の中で、ペーシェントセーフティー、本当に大事な視点です。私は、これまでの見直しの中で一番欠けているのは、恐らく、患者さんもあるいは被害を受けた方も参加した上での再承認のあり方なんだと思います。 実は、この女子医大が再承認されるときに、先ほど柚木さんもお触れになりましたが、平柳さんのお父さん、歯科医でいらっしゃいますが、やはり体制は変わっていないのではないかととても懸念をしておられました。また今回、同じようにプロポフォールの問題が起きて、いまだに御両親は納得ができないままだと思います。 私は、この前の再承認が何が一番欠けていたかといえば、そうした患者さんたちの目から見た病院の安全のあり方、何をどこまで共有されているのか、まさに患者サイドがどう思っているかということを第一にしないと、ペーシェントセーフティーはないんだと思います。 私自身も医療者ですから、医師はどうしてもパターナリズムに成り立ちます。すなわち、よくしてあげているんだから、私たちが安全を確保しているんだというふうに思いがちですが、実は、当事者である患者さんや御家族は患者さんの状態、容体の変化を一番実感していて、あのプロポフォールの事件もそうですが、何でずっと使い続けているんだろうと一番最初に思ったのは親御さんでありました。 大臣には、ぜひ、今回の改正に当たって、私はいろいろ評価するものは多々あります、その肝の部分に、患者さんたちの意見表明や、あるいは本当にどう思っておられるか、その気持ちを受けとめるという部分を重要に考えていただきたいと思います。 大臣がおっしゃるペーシェントセーフティーとはまさにそういうもので、今度日本で開かれる会合においても、日本がこれまで患者さんと医療の間の不信が大変強いと言われた国であることを逆に乗り越えていけるような、患者さんとのしっかりしたコミュニケーションを大臣にも図っていただきたい。 そして、委員長にはお願いがございますが、実は、今回の医療法の改正は、昨年、二十八年の六月の改正の折にも、大きな素地はそのときに打たれたものであります。だがしかし、いろいろな法律を一緒くたにやるので、一つ一つ押さえられないまま次々流れていっているというところで、本来は、今回の医療法改正も、私はぜひ参考人をやっていただきたい。あした、私どもは女子医大に行かせていただきますが、患者さんサイドの、別に女子医大の患者さんという意味ではないです、声が酌み上げられるようなシステムにするため何が必要かなども含めて、参考人ということもお考えいただきたいので、理事会で御協議をいただきたいと思います。 では、もう座らないで、うなずいていただきましたので、よろしくお願いをしたいと思います。 二番目ですが、実は、先ほど申し上げましたが、今回の改正は、お手元の資料の一枚目で見ていただきますと、ここの赤字の部分は、昨年、平成二十八年の六月十日に既に改正がされておりまして、例えば、医療安全管理責任者の配置、副院長を想定とか、専従の医師、薬剤師、看護師の配置を原則義務化とか、これはもう既にでき上がった骨格でございます。 今回加わったのは、病院の院長、管理者も合議体で選ぶということが新たに加わりましたが、実は、ベースは既に二十八年六月の改正ででき上がっていると私は理解しておりますし、この改正の最も評価されるべき点は、病院の管理の第一は安全である、安全性こそ管理の一義的な大きな目標であるということが改めて確認をされたという意味で評価をいたします。 その上で、大臣にお伺いいたします。 この専従の医師、薬剤師、看護師の部分でございます。副院長は、学校でいえば教頭先生のようなもので、全体を見渡している。実動するのはここの医師であります。この医師にはどういうことが期待されるかというと、例えば、各病棟を回って、ヒヤリ・ハット事例とか、あるいは、その目の前で、麻酔薬が長く使われ過ぎているよねなどの問題を違う目でチェックする機能、非常に密に病棟の安全管理を担う機能が医師、薬剤師、看護師に要請されております。 ところが、医療というのは、例えば、手術をした、投薬をした、検査をした、そうすると診療報酬で収入が入ってまいりますが、医療安全に幾ら心を砕いても、それ自身は収入を生むものではございません。すなわち、この医師の手配は、通常、私どもの業界では、医師はお一人約一億円以上、年間に収入を病院に持ってきてくださる役割と思っておりますが、そうした診療にかかわらないということにおいて報酬でいただくということはないわけです。 その分、この方たちの評価をきちんとしていかないと、結局、お金はこの方の行為について出るわけではないわけでありますから、塩崎大臣にお伺いしたいのは、これは大変よいことですが、この方たちが安定して、そして十分な能力を発揮できる、特に、現場にフットワーク軽く行ける医師、これの処遇についてどのようなお考えを今後持っておられましょうか、お願いいたします。
○塩崎国務大臣 診療報酬の話に入る前に、去年の六月で省令改正を行って、今お話をいただいたような、お配りをいただいているこういうことが決まっているわけであります。しかし、今回、特に、特定機能病院の承認要件に安全というのが入っていなかったというのはやはり私は問題だと思いますので、医療の高度の安全の確保ということを明示するということはとても意味があることではないかと思っております。 もう一つは、やはりガバナンスがきちっときく組織でないと、安全のいろいろな手だてをつくってみてもそれが機能しない、みんなが余りそれに重きを置かないようではだめであって、そのことによって、今回、管理者の選び方、そして、管理者が責任を持っている患者安全、医療安全を、本当にその安全のために全てをかけてやるかどうかというためには、やはりきちっとしたガバナンスの改革をしなきゃだめだということでありますし、また、開設者が、大学の場合、特に大学の理事会がいろいろな形で責任をとらなかったり、あるいは安全に反するようなことをやるというようなことがないようにしていかないといけないということで、選挙で選ばれるような、言ってみれば、次の選挙を考えて安全を後回しにするということが絶対にないようにするということで、特定機能病院の八割ぐらいは大学病院ですから、そこがほとんど選挙で病院長を選んでいるということを知って、私は、やはりこれは絶対にやめさせないといかぬということでありますし、マネジメントをきちっとやれるというのは安全を含めての話なので、他の病院の院長を経験した人がやるということにしようということで、省令でそれは書き込むことになっているわけでございます。 その上で、今お話がありましたように、医療安全管理部門に専従の医師、薬剤師、看護師などの配置を義務づける省令改正を行っております。 医療機関の医療安全対策については、特定機能病院も含めて、医療安全管理者として、医師を含む医療従事者を専従で配置している場合を診療報酬で今も評価をしているわけであります。 また、特定機能病院については、高度の医療の提供など、特定機能病院に求められる機能を踏まえて、入院基本料を一般の病院よりも高く設定しているわけでありますので、特に、特定機能病院の医療安全対策に関する診療報酬上の評価のあり方につきましては、こうした現在の診療報酬の評価や昨年六月の省令改正の影響等も踏まえて、関係者の意見も伺いながら検討してまいりたいと思っております。 いずれにしても、しかし、安全を含めて病院をきちっと運営していくというのが当然であろうかと思いますので、本当は、今までそういうものが、診療報酬をつけないと安全のことを考えないというのでは本末転倒でありますので、このことはよく考えた上で、しかし、そうはいいながら、今までの供給サイドに立ったような安全の取り扱いを、患者側、つまり需要者側の論理でも考える、両方の論理で考えるということをするために、インセンティブとしてどういう診療報酬体系が必要なのかということは、検討をしっかりやっていきたいと思います。
○阿部委員 先ほど申しましたように、医療は、やった行為について報酬が払われるという基本的体系を待っております。 でも、考えようによっては、実は、ある方々の統計によれば、医療事故による死亡事故者数は四万人で、それは肺炎に次ぐ五番目の死因になる、そういう統計を出す方もおられます。すなわち、死亡に至らせない、有害事象を減らしていけば、死亡も減るし、ある意味、コスト、お金も正しく削減できるんだと思います、やみくもではなくて。 すなわち、これまで医療の問題は、常に、医療事故、被害、その後をどうするというふうに論じられてきた。患者さんの抱える悲しみと、そして病院サイドでは、やろうと思ってやったわけではない、だけれども不幸な結果を生んでしまった結果、非常にぎくしゃくしている。 私は、このたびの改正は、起こす前の、未然防止という体制をどこまで実現できるかだと思うんです。病院には理念もあり、ガバナンスもあります。しかし、実際に起こさないためには、緻密に、ふだんから点検し、大ごとに至らないための体制が必要で、その部分を担う行為をどう評価するかということであります。 診療報酬上の多少の加点あるいは入院基本料での手当て、それも否定はいたしません。でも、もっと大きな目で見たときに、こういうことに積極的に国費を使っていくということはあっていいと私は思います。それは結果的に医療費の抑制につながります。結果的です、目的にするんじゃなくて。不幸な事故が減れば、必ず悲しみも、そして、何よりも医療者も疲弊いたします、自分で、事故冷や冷やでやっている、私もそういう経験がありますから、そこを未然に防止するために、十分な人材配置と、お金の面もあると思います。 私は、今どうやったらというのはまだ提案できません。でも、大臣には、今回の改正で、ここの人材をどう遇するか、やはりお金の面もどう考えていくかということだと思っていただければ、これからさらに実りあるものとなると思います。 大臣にそうしたことを御理解いただくために、名古屋大学病院の事案を少し御紹介したいと思います。 これはよい例です。今まで、何とか病院の事案というと、東京女子医大、群馬大学、どこそこで起きた事故ということで絶えずお話をしなきゃいけない、悲しむべき実態がありますが、名古屋大学では、一九九九年に実は横浜市立大学病院が特定機能病院で事故が起きて、あそこから特定機能病院のあり方が問題になって、二〇〇〇年、学長みずから、逃げない、隠さない、ごまかさないという理念を掲げて、それを担保するために、二〇〇二年に医療の質・安全管理部というものを設置いたしました。そして、二〇一一年の四月には、医療安全のための専門の科を設けて、専任教授を置いて、教授以下、専従医師、看護師、弁護士、事務職員から成る総勢十一人の組織で、病院の中に医療安全文化をどう定着させるかということをずっとやってこられました。 ここでの特徴は、起きた事故の後じゃなくて、日ごろからクオリティーとセーフティーを両方チェックして歩くということを常時行うようにして、クオリティー・セーフティー・チェック・マネジャー、医師四十八人、看護師四十二人、コメディカル二十三人。全部が専属とは申しません、でも、そういう面を持ったヘッドクオーターに十一人、実動部隊は今私が申し上げた数だけいるくらい、病院を挙げた取り組みがございます。 私は、日本の大学病院こそ、こうした医療の質を変える最先端の取り組みをやっていただきたいと思いますが、きょうは文科省から審議官に来ていただいておりまして、さて、日本の大学の中でこういう医療安全講座、そこに専任教授を置いておられるようなところはどのくらいあるでしょう。
○松尾政府参考人 お答えいたします。 先生御指摘のとおり、医学教育におきまして医療安全を学ぶことは、極めて重要だというふうに認識しております。 医療安全に関する講座でございますけれども、医療安全を冠した講座は八大学でございます。東京大学、今先生の御指摘の名古屋大学、大阪市立大学、北里大学等々初め八大学でございまして、医療現場における医療の安全性、信頼性の確立を目指しまして、医療機器や病院設備、ヒューマンファクターなど、相互に関連したトータルシステムのリスク解析などの取り組みが実施されております。 そして、医療安全に関する専任教授の配置状況でございますが、これは全体を網羅して把握してございませんが、例えば医学教育モデル・コア・カリキュラム、これは卒業時に学生が身につけておくべき必須の実践的診療能力の学修目標を提示したものでございますけれども、この中で、医療における安全性の確保に関する項目が盛り込まれており、先ほどの八大学に限らず、全ての医学部において、担当教員のもとで医療安全に関する教育が実施されております。 また、このモデル・コア・カリキュラムでございますが、二十八年度に改訂をいたしました。そして、これは三十年度から運用予定でございますが、医師として求められる基本的な資質、能力として、新たに医療の質と安全の管理の項目を盛り込みまして、学修目標の内容や項目の充実を図っているところでございます。 そして、さらに文科省では、大学を対象とした補助事業、これは課題解決型高度医療人材養成プログラムというものがございますが、これにおきまして、例えば名古屋大学などに対しまして、医療安全を踏まえた医療の質の向上をリードする人材育成に係る取り組みを支援しているところでございます。 こういったことを通じまして、講座の設置等を含めて、医療安全に係る教育がさらに充実するよう大学に対して促してまいりたいと思っております。
○阿部委員 今御答弁いただきましたが、現実にはこのモデル・コア・カリキュラムというのはお勉強なわけです。一つの勉強内容なわけです。本当は、オン・ザ・ジョブ・トレーニングではありませんが、実際に体を動かして、医療というのは本当にフットワークです、みずからの体で学んで、臨機応変に察知してという人材をどこまで育てていくかにかかっております。 塩崎大臣には、今度ここに専従医師を置くという、この専従医師の供給源は、今大学の中でそういう教育を受け、もっと言えばOJT、そういうトレーニングも受けた医師たちがたくさんできてこないと、実は今回の特定機能病院の現実の質の向上は不可能だと思います。一つは文科省とよく連携をしていただくこと。先ほど私が御紹介した名古屋大学では、文科省の科学研究費というか補助事業で、二〇一四年から一九年の三月まで、あすの医療人材をどうつくるかという補助事業で先ほど御紹介したようなこともやっておられます。 大臣からは、いつも医学教育について、非常に興味というか深い認識がおありと思いますが、医療安全文化が、文科省における教育分野と厚労省がつかさどる医療現場との間でどう橋渡しをしていけるか、そういう観点を強く持って今回の特定機能病院の実地を担う人材をお育ていただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○塩崎国務大臣 全ての医学部において医学生に対して基礎的な医療安全に関する教育が実施されているというのはそのとおりだと思いますけれども、一方で、例えば、今お話が出ました、名古屋大学の例をお取り上げいただきましたけれども、医療安全学の講座が設置をされているということで、もう中身についてはお話をいただいたとおりでございます。 こういうようなプログラムを履修した医療安全に関する専門的な知識を持っていらっしゃるお医者さんが、大学にとどまらず、市中病院などでも活躍をして積極的な医療安全の取り組みが拡大していくことが重要だというふうに思います。 また、医療安全の資質を有する医師を医療現場に充足させて医療安全への取り組みを一層活発化させるためには、今後とも、基礎的な医学教育や、高度な医療人材養成を通じた医療安全教育に取り組んでいる文部科学省と緊密に連携をしてまいりたいと思っております。 ただ、例えば、今回、群馬大学の問題、病院の問題を見てみても、やはりどういうガバナンスになっているのか。つまり、安全ということがどの辺にこのガバナンスの中で価値として置かれているのかということが私は大問題だと思って、ですからこそ、去年の省令改正にとどまらず、このガバナンスの体制を変えて、そもそも、ふだんからの物事の決定をたった一人の院長が、おまけに群馬大学の場合は二代続けての病院長が次の学長選挙に出ているんですね。ということは、病院の院長をやっているときに票を減らそうと思う人はいないと思います。 それは安全とのコンフリクトがあるというケースが間々あると私は思ったからこそ、病院長を選挙で選ぶということは少なくともやめてほしいし、本当は私は大学の学長も学部長も選挙はやめるべしということを強くずっと言ってきた人間でありますから、そういうことでないと、やはり大学病院は、特に先端医療をやるとなれば安全が優先するか新しいことをやることが優先するか、必ずコンフリクトがあるはずですよ。ですからこそ、安全文化を大事にする、供給サイドの論理だけでやったら安全は後回しになる、それで本当にいいのか。だからガバナンスを強化することが絶対に私は必要だと思って、なおかつ、ふだんの重要事項も合議体で決めるというのは、初めてこれは特定機能病院だけに限って導入をしようということにしています。 ほかの医療法人は、院長が全部一人で責任を持ってやることになっています。さあ、果たして本当にそんな大きい病院で全てを一人でやれることになるだろうか。そんなことも含めて、ですから、教育は教育で医療安全をしっかりやる、あるいはペーシェントセーフティーで患者中心に安全を大事にする文化をしみ込まされた先生方が先端医療をやっていただくということになることが大事なんだろうと思います。 しかし、日々の運営も含めて、安全がきちっと守られていく中で先端医療も同時に発展をするということをやれるようにどう知恵を出してこのガバナンスを機能させていくかということは、よほどよく考えないと、今までのようなことではうまくいかなかった、何で繰り返されるのかというのは、私はそこにあると思ったからこそ、ガバナンスの問題にこだわってこれを今回提案しているんです。
○阿部委員 私は、今回の改正は評価しています。大臣がよくそこまで踏み込まれたなと思います。 と同時に、その理念やガバナンスを実行していくには人が必要なんです。物事は下から支えていかないと、砂上の楼閣になってしまってはいけないなと思います。その下とは何かというと、支えは何かというと、一つは患者さんたち、一つはそこで働く医師たちが常日ごろそういうフットワークを持つというこの二つで、今回大臣が提案された合議体による院長の選出というのはきっと実を結ぶと思います。私は、これがうまくいっていただきたいので質問をしているので、そこは大臣と思いは同じであります。 今のお話にある特定機能病院、この間、医療事故の報告、調査、医療事故調査報告制度が平成二十七年に始まっておりますが、これまで二百二十六件あった。この中には特定機能病院のものもあり、そうでないものもございます。なかなか報告に上がっておりませんのは残念ですが、加えて、事故の真相究明のために解剖がどの程度なされているかということで、少し問題を、新しい視点に行きたいと思います。 二百二十六件の報告のうち、解剖されたものは四十三件。解剖とAi、画像診断、両方が三十二件、一四・二%。画像診断のみ五十五件、二四・三%。解剖もAiも実施していないのが九十六件、四二・五%。報告された死亡事故の事案でも、半分は基本的な解剖がなされておりません。もちろん解剖は患者さん、御家族の同意が必要ですけれども、私は、この点に関しても、特定機能病院として率先して改善していただきたい点がございます。 そもそも、特定機能病院の報告された事故における解剖率はどのくらいでしょうか。
○神田政府参考人 特定機能病院におけます解剖の割合についてのお尋ねでございますけれども、医療事故調査制度が開始しました平成二十七年十月から二十八年十二月までの十五カ月間に医療事故調査を実施し、特定機能病院で院内調査を終了したものは二十八件ということでございます。そのうち、解剖のみを実施したものが六件、死亡時画像診断のみを実施したものは五件、両方を実施したものは四件ということでございますので、全部合わせますと、二十八件中十五件ということで、実施率は五四%ということでございます。
○阿部委員 今の数値だと、ほとんど一般病院と変わらないのですね。 特定機能病院は、基本的には、解剖のための陣容もお持ちだし、ガバナンスというのは大事だし、上からの改革も大事です、重要なことの改革で。でも、実際の現場を、より、解剖一つ、あるいは医師のそうした処遇一つ、そしてミスに早く気がつく体制など現実の動きが大事と思います。 大臣には、今即答できないかもしれません、せめて特定機能病院では剖検を義務づける。私は、やろうと思えばやれる体制、事故の事案だけであります、全例ではありません。せめて事故の真相解明に率先して特定機能病院が働くような仕組みのためにも、解剖の実施率を基本的に全例としていただきたいが、いかがでしょう。
○塩崎国務大臣 これも、恐らく先ほど申し上げたガバナンスの問題に深くかかわることではないかなというふうに思います。 お互い供給側の立場にある、医師の中でどう決めるのかという難しい問題かと思いますので、先ほど申し上げたように、名古屋大学は非常にいい安全の文化をお持ちだというお話でありますが、そういうこともやはりガバナンスの中で、今度、院長の選考だけを合議体にするんじゃなくて、重要事項、ふだんの運営の重要事項も全部合議体でやろうと私は今回の医療法で御提起を申し上げているのは、まさにそういうことについても合議で決めていく、一人で決めて、その人が次の選挙のことを考えているようでは医療の安全は、患者の安全は守られないだろうという思いがあるので、私はそう思っておりますので。 医療事故調査制度では、その報告対象となる事案が発生した際に、解剖を行わなくても臨床診断によって死因を明らかにすることができないか、あるいは、遺族が解剖に同意をしているか否かなどを考慮した上で解剖実施の必要の有無を判断しているわけであります。 特に、解剖につきましては、医療機関それから遺族とも後になって実施をしておけばよかったということがないように、解剖実施の必要性については常に検討を行っていただきたいと考えているわけでありますから、新しいガバナンスの仕組みの中で、合議体の中で決めていっていただくということが大事なのかなというふうに思っております。 特定機能病院は、病理診断を適切に実施する体制を持っているではないかというお話がございました。承認要件となっていますから、一般の病院と比較して解剖を選択しやすい環境にもあるというふうに思います。特定機能病院における医療事故調査対象となった事例の解剖の推進については、制度の実施状況も踏まえながらも、関係者とも十分に意見交換を行ってまいりたいと思いますが、一義的には、やはり一つ一つの病院がどう意思決定をしていくかということかなというふうに思います。
○阿部委員 大臣は御存じだと思いますが、実は、女子医大の二歳の坊や、亡くなった子は、最初は自然死、病死といっておうちに帰されて、火葬が終わってから、現実にはプロポフォールの問題だとわかったわけです。親御さんは後からあのときと思っても、私は、事故はまず未然に防ぐのが第一です、起きた結果で云々というのは本当に避けたい、だけれども、結果からも学ばないと医療というのはよくならないので、そういう観点で申し上げました。やはり解剖というのは医学の基本ですから、それはもちろん、合議体で了解を得ないと、実際、命令してやれるものではない。ただ、安全文化の重要な一角だと認識していただきたいと思います。 さて、こうした病院に外部監査をかけるということも昨年、二十八年六月、決まっております。この外部監査を患者さん、市民から見やすい形にするための工夫、私は二つ見ましたけれども、千葉大学と藤田衛生大学、千葉大学のホームページに出ているものは、比較的、患者さんからも、ああ、こういうことをやっているんだとわかりやすいと思います。 今、事故報告調査制度も、ほとんど患者さん、家族、知りません。そうすると、病院が何をやっているのか、患者さんの声を聞いているのかというようなことをもっと上手に発出、発信してほしいと思いますが、外部監査の発信の仕方、時間が終わって済みません、一言、お願いいたします。
○塩崎国務大臣 大学附属病院などにおいて医療安全に関する重大な事案が相次いで発生をしたことを受けて、去年の六月に省令改正を行って、特定機能病院の承認要件の見直しを行った中で、医療安全に関する監査委員会の設置、これを全ての特定機能病院に義務づけまして、監査委員会は委員の過半数について病院と利害関係のない外部の者から選任をするということで、監査結果については当然公表をするということであります。 その公表の方法は、ホームページで公表することが望ましいということを示しておりまして、患者の方々など一般の方々がわかりやすい内容として入手しやすい方法で公表されるように特定機能病院に対して働きかけてまいりたいと考えております。
○阿部委員 まだ残りがございます。またよろしくお願いいたします。
○丹羽委員長 次に、大西健介君。
○大西(健)委員 民進党の大西健介でございます。 前回の一般質疑に引き続きまして、きょうは医療法の質疑の機会をいただきました。ありがとうございます。 ただ、質疑に入る前に、前回に続いて、まず受動喫煙対策について、前回から少しまた進展がありましたので、お聞きをさせていただきたいと思います。 今週の月曜日、十五日の日に自民党の厚労部会において、大臣、厚労省案をやっと説明する機会を得たということでありますけれども、説明をされて、感触というか手応えはいかがでしたか。率直な御感想をお聞きしたいと思います。
○塩崎国務大臣 十五日に、きょうは部会長おいででありますけれども、自民党の厚生労働部会で私の方から厚生労働省の受動喫煙対策に関する「基本的な考え方の案」というのを初めて説明する機会を頂戴いたしました。改めて部会長に感謝を申し上げたいと思います。 出席された先生方からは大変貴重な御意見をたくさんいただきまして、いろいろな方向性の意見があったことは事実でございまして、そんな中で、ほとんどの先生方は、やはり、望まない受動喫煙はなくすという点、それから、今国会にこの受動喫煙対策を徹底するための法案を出すべきだという点では一致していたのではないかなというふうに私は思いました。 望まない受動喫煙をなくすということが確保されているのであれば、厚生労働省としても、党の御意見をしっかりと踏まえながら法案を調整してまいりたいというふうに考えております。 厚生労働省としても、真摯に国民そしてまた自民党の御意見もしっかりと聞いて、望まない受動喫煙をなくすための法案を今国会に提出するということを目指していきたいと思っております。 〔委員長退席、三ッ林委員長代理着席〕
○大西(健)委員 ちょっと今の確認なんですけれども、望まない受動喫煙をなくすことが確保されているのであればしっかり調整して法案を出していきたいというお話でありましたけれども、これはきのうのANNの報道ですけれども、大臣は、今の厚労省の案のままというわけにはいかないだろうと述べ、党側に譲歩する考えを明らかにしたというふうにありますけれども、譲歩するということで間違いないんでしょうか。
○塩崎国務大臣 協議をしようということで田村政調会長代理ともお話をしておりまして、協議をするということは成案を得るためにどういうことをやるかということですけれども、それはさっき申し上げたように、大事なことは望まない受動喫煙をなくすということ、これは党内でも私ども厚生労働省の中でも一致した考え方として持っているので、これをしっかり守りながら成案を得ていこう、こういうことでございます。
○大西(健)委員 それは、確認ですけれども、前回たしかこの場でも言いましたけれども、嫌々受動喫煙とか、アルバイトだとか従業員の人が受動喫煙するということ、これも含めた、望まない受動喫煙はない形を追求していくということでしょうか。
○塩崎国務大臣 嫌々受動喫煙を回避するということは、この間部会においても私は説明をさせていただきました。 大事な要素でありますので、これを守りたいというのが私どもの考え方でございます。
○大西(健)委員 さらなる協議をしっかりしていただきたいと思います。 これに関連してもう一つちょっと聞きたいことがあるんです。 これはちょっと通告できていないんですけれども、けさの毎日新聞の朝刊に記事が載っているんですけれども、我が党の初鹿委員が質問主意書を出して、その答弁書で、閣僚本人の判断で喫煙可能な執務室が九カ所、副大臣や政務官の執務室は十カ所、たばこが吸える状態にある、そういう答弁書が出たということが報道されています。 政府も受動喫煙防止の強化策の検討を進めているというのが答弁書にも書かれていますけれども、まさに一般の皆さんにこういう受動喫煙対策、厳しいことをお願いしようとしている中で、まず隗より始めよということであれば、まず、大臣室や副大臣室や政務官室で今吸えている状態というのはいかがなものかというふうに思うんですけれども、塩崎大臣、この点はいかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 厚生労働省の案でまいりますと、官公庁は屋内禁煙で、これは喫煙専用室設置も不可ということで御提案を申し上げているところでございます。
○大西(健)委員 今の御答弁によりますと、この厚労省案が成案として成立をすれば、大臣室や副大臣室、政務官室も吸えなくなる。 ちなみに、たしか参議院の予算委員会では、議員会館の部屋でも吸うことができなくなるという御答弁があったというふうに思いますので、確認をさせていただきたいというふうに思います。 それでは、医療法の質疑に入っていきたいというふうに思うんです。 私は、きょうは、医療広告、特に美容医療の問題について絞って質問していきたいというふうに思っているんですが、その前に、五月十四日、毎日新聞で大変気になる報道がありました。 資料として新聞記事をお配りさせていただいていますけれども、左の上の図をごらんいただくとこの仕組みというのがよくわかるというふうに思うんですけれども、大手のエステグループにおいて痩身のコースを受けると、コース終了前に、専門のクリニックに移れば劇的に痩せられると提携先の美容医院の紹介を受けるそうです。そして、このエステのグループが運営する医院はエリアごとに全国各地にあって、各医院には、医師が、院長一人だけがいると。そして、実際にはエステ店から派遣されたスタッフが簡単な説明と契約をして、エステでやっていたのと同じ施術をこの紹介されたクリニックでもやるそうです。そして、院長は脂肪燃焼効果があるという点滴を打つだけで、でも、料金は何とエステの十倍取られる、請求される、こういう仕組みであります。 これは、まさにこの図のところにも書いてありますけれども、「エステが傘下医院に顧客を回す仕組み」、こういう仕組みが行われているんではないか、こういう報道であります。 これは、エステについては、長期、高額の負担を伴う契約として特商法、これが適用されます。ですから、特商法が適用されることによってクーリングオフとか中途解約ができるということになるんですけれども、医療については、これは特商法の対象外になっている。こういうことを、この法のすき間をうまくついて、まずエステで客をつっておいて、それを提携先の医院に流す、こういう仕組みをしているんじゃないか、いわゆる脱法行為ではないかというふうに思います。 この点、消費者庁では、現在、今言ったように、特商法は、医療は対象外になっているけれども、美容医療についてもこの特商法の対象にすることを検討しているというふうに聞いております。本日は松本副大臣に来ていただいておりますので、この方針について御説明をいただきたいと思います。
○松本副大臣 美容医療につきましても、エステ同様に、特商法に基づいてクーリングオフや中途解約ができるようにすべきではないかというような趣旨の御説明、そして消費者庁の現在の状況ということに対する質問であろうと思います。 平成二十八年一月になされました内閣府消費者委員会の答申を踏まえまして、特定商取引法施行令を改正いたしまして、一定の美容医療契約を特定商取引法の特定継続的役務提供に位置づける方向で現在検討を進めているところであります。 具体的には、一カ月を超えまして継続して行われる美容医療契約のうち、脱毛、にきび、しみ、そばかす、ほくろなどの除去、肌のしわ、たるみ取り、脂肪の溶解、歯の漂白などにつきまして、主務省令で定める方法によるものを追加するということで今検討がなされているところであります。 具体的に、この特定商取引法施行令の改正案につきましては、現在既にパブリックコメントを行っているところでありまして、今後、消費者委員会に対する諮問などを経た上で、本年十二月一日をめどに施行する予定としているところであります。 したがいまして、改正案が施行された後におきましては、議員御指摘のように、消費者は、一定の美容医療契約につきまして、特定商取引法に基づきまして、クーリングオフや中途解約を行うことができるようになります。
○大西(健)委員 これはぜひしっかりやっていただきたいと思います。この、今、毎日新聞が報じているような事例についても、それがなされれば改善されるのかなというふうに思います。 松本副大臣、お忙しいでしょうから、ここで結構でございます。ありがとうございます。 この記事には、ほかにもこういう指摘があります。医師によるインフォームド・コンセントがない点について、これは線を引いておきましたけれども、エステ運営会社幹部が、「専門知識の乏しい医院の負担を軽減するため、エステ店が代理で説明責任を果たしている。よくあることだ」と説明をしています。これはよくあることだというのは、とんでもない話だと思いますけれども、そもそも、エステ店員と医師のどっちが専門家なのか。専門知識の乏しい医院の負担を軽減するためにというような、こういう意味のわからないコメントなんですけれども、このインフォームド・コンセントがない部分について、この事案、医療法に照らしてどのような問題があるのか、厚労省から御説明をいただきたいと思います。
○神田政府参考人 お答えいたします。 いわゆるインフォームド・コンセントにつきましては、医療法においては、医師、看護師等の医療の担い手が医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るように努めなければならないというふうにされているわけでございます。 したがいまして、この記事ではエステの店員が説明しているということでございますので、この具体的な事案につきましては、個別の情報にまだ接しておりませんので、コメントを差し控えたいというふうに思っておりますけれども、一般論といたしましては、医療機関の医師等が全く説明を行っていないということであれば、インフォームド・コンセントの観点から問題があるのではないかというふうに考えております。
○大西(健)委員 問題があるという答弁をいただきましたけれども、今、医政局長からは個別の事案には接していないという話がありましたけれども、これはこういうふうに報道がなされているわけでありますし、記事では企業名は明らかにされておりませんけれども、「大手エステグループ」というふうに書いてあります。ぜひこれはしっかり事実関係を調べていただきたいというふうに思います。 同じく線を引いた部分ですけれども、エステ運営会社の幹部はこのように言っています。「安価なエステは医院の看板として展開している。」つまり、安いエステで客をつっておいて、そして美容医療に送る、まさにそういうビジネスモデルなんですよ。ですから、そういうことを堂々とコメントしているということは問題だというふうに思います。 エステ店が痩身マッサージ先着五十人限定で八〇%オフの広告で客を勧誘して、そしてほとんど割引のない別のコースを契約させて、さらに提携先の医院に顧客を紹介して、エステの十倍の料金の契約をさせる、これはもうほとんど詐欺だと私は言っても過言ではないというふうに思います。こんなことが許されるのか。 ぜひ、これは、少なくともエステと美容医院の提携について、この、問題になっている大手のエステグループ以外に、エステの運営会社が美容医院を経営しているような、そういう提携の実態について実態調査をしていただきたいと思います。そして、実態調査をして、このような、同じような悪質な事例がほかにないか、私は実態把握すべきではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○神田政府参考人 先ほど新聞報道にありました事案については、今、関係方面に情報収集をしているところでございます。 このような件については、先ほど申し上げましたように、医療の担い手でない者が説明をしているということであれば医療法上も問題があるというふうに考えておりますので、まずは、この案件について情報収集をした上で実態の把握に努めていきたいというふうに考えております。
○大西(健)委員 医政局長、今この事案についてはちゃんと話を聞くという話でしたけれども、私が言ったように、エステで客をつって、そして医院に回すというこのビジネスモデル、まさにほかにもあるんじゃないか、エステの運営会社が美容医院を経営しているような、そういうことを実態調査されるおつもりはありませんか。
○神田政府参考人 まず、私どもの都道府県の担当部局でございますとか消費者行政の担当部局と連携しながら、どのような、今先生御指摘のような、エステと医療機関が連携をして、エステを窓口にして医療機関につなぐというような実態があるのかどうなのか把握をしたいというふうに考えてございます。
○大西(健)委員 これはぜひお願いしたいと思います。 今取り上げたのは安価なエステで客を誘引して高価な美容医療契約を結ばせるという例ですけれども、安い料金の広告で患者を引き寄せて実際には高い料金につり上げるという手法は美容医療では横行していると言われています。 テレビで盛んにCMをしている超有名な美容クリニックの医師のブログの中に次のような記述がありました。 最近は、美容クラークと呼ばれる専門のカウンセラーを雇っているクリニックも多く、美容クラークは個室で患者様と二人きりになって時間をかけて話し、括弧、これを専門用語でクロージングといいます、料金や効果の高い治療を受けるように説得し、場合によっては医療ローンを組ませるように促します。美容クラークさんは、生命保険の勧誘、セールスレディー出身の人が多く、人心掌握術にたけ、言葉巧みに勧めてきます。生命保険の勧誘と同じで、成約させた治療代金の何%かがインセンティブとして歩合給になるので、患者様の幸せよりも自分の利益を優先し、必死に勧めてきます。 これは実際にブログに書いてあるんです。有名な、テレビにも出ている美容クリニックの医師の先生が書いているブログです。その人は、うちはそういうことはやっていませんよということを書いているんですけれども。 消費者被害のパターンを実際に見ましても、無料カウンセリングを受けたらいろいろと強引に説得されて契約するまで長時間拘束されたり、廉価の、安い手術を受けるつもりだったのが、あなたの場合はこのコースでは効果が出ませんよと言われて、説得を受けて、オプションを追加するなど高額な契約に誘導されるというケースが多く見られるということであります。 私は、この後議論する広告のあり方もさることながら、こういう勧誘のあり方に問題があるのではないかというふうに思っていますが、こうした不当な勧誘行為に何らかの規制を行うことはできないんでしょうか。
○神田政府参考人 お答えいたします。 インフォームド・コンセントにつきましては、先ほど申し上げましたように、医療法に基づきまして、医師、看護師等の医療の担い手が医療提供するに当たっては、適切な説明を行って、医療を受ける者の理解を得るように努める旨、規定をしているところでございます。 厚生労働省では、美容医療サービス等の自由診療におけるインフォームド・コンセントの取り扱い等について通知等を発出いたしまして、医療を受ける者の適切な選択を阻害することがないよう、実施しようとする施術の有効性、安全性、費用等について説明しなければならないというふうにするとともに、虚偽、誇大な情報を用いて説明してはならないというふうにいたしております。 それから、その中では、美容医療というのは即日施術をしなければならないというものではございませんので、即日施術を強要する等の行為は厳に慎むべきであるということもお示しして、指導をしているところでございます。 厚生労働省としては、個々の事例について問題があれば、地方公共団体と連携をして、行政指導等の適切な対応を行っていきたいというふうに考えております。
○大西(健)委員 ちょっと何か答弁が私はずれているような気がしますけれども。 言っているのは、まさに部屋に閉じ込めてなかなか出してくれない、契約をするまで、あるいは、初めは安いものを受けるつもりで、あるいは無料カウンセリングを受けるつもりで行ったのが、どんどんオプションを追加したらどうですかと説得される、こういうやり方がおかしいんじゃないかということなんです。 これは、先ほどの特商法の改正が今検討されているということでありますけれども、そうなれば、クーリングオフや中途解約と同時に、こういう不当な勧誘行為も私は特商法の方で問題になるんじゃないかというふうにも思いますので、そこは消費者庁と連携をしてしっかりやっていただきたいというふうに思います。 さて、広告の話にちょっと入っていきたいと思うんです。 今回の医療法では、医療に関する広告規制の見直しが含まれているわけですが、そもそも医療分野は人の生命身体にかかわるものであり、また専門性が高いということで、広告が原則禁止のような非常に強い規制がかかっているということであります。 ただし、美容医療というのは、今、医政局長の答弁の中にも少しありましたけれども、普通の医療とはちょっと違う。つまり、何かすぐ治さないといけない病気があるわけじゃなくて、客観的な医療の必要性ではなくて、患者の主観的な意向に沿って施術が行われる、また、結果についても、きれいになったかどうかは患者の主観で決まる、また、美容医療を受けたことがある人は普通は他人には余り自分から言いませんから、私、美容医療を受けたのよというのは、ですから、口コミというのが余り機能しない、それから自由診療であるので非常に金額が高くなる、こういういろいろな特徴が医療の中でも少し違うんだろうなと。だから、派手な広告であったり、強引な勧誘による集客行為が行われやすい傾向があるのではないかというふうに思います。 一方で、医療分野においては、先ほど言ったように、原則広告が禁止になっていて、非常に限定的な事項しか広告することが認められていない、医療機関名であったり、連絡先であったりということでありますので。だから、非常にCMも陳腐なものが多いんですね。 皆さんよく御存じのように、例えば、イエス○○とクリニック名を連呼するだけのCMとか、若い女性が、〇一二〇で始まる電話番号とクリニックの名前を言いながらごろごろごろごろ転がっているCMというのを皆さん見たことがあるというふうに思います。あるいは、テレビでおなじみのニューハーフタレントが音楽に合わせて踊りながら○○美容外科というのをずっと言い続ける、こういうCMがよく見られるんですね。 選挙でも、我々、名前の連呼というのをやります、名前の連呼というのを。確かに、知らない人の名前は書けませんから名前連呼するわけですけれども、ただ、名前連呼だけだったら、その候補者が何を考えているのかもわからない、誰に投票していいのかわからないということがあります。 そういう意味では、こうしたクリニックの名前とか電話番号だけを連呼するこういう広告というのは、患者が医療機関や治療方法を選択する上では私は有用なものではないというふうに思うんですけれども、こういう広告というのは非常に陳腐だと思いますけれども、大臣はどのように思われますでしょうか。
○塩崎国務大臣 テレビコマーシャルで、今お取り上げをいただいたようなのを私も見たことがございますけれども、医療法の広告規制の対象にテレビコマーシャルについてもなっているわけで、医療機関の名称については現行の広告規制において広告可能な事項ということに一応なっています。 現行の広告規制の範囲内でいかなる広告を行うかというのは個別の医療機関の判断でありますけれども、そこはどういう、何というか矜持を持ってやっているのかということがそこに出るものでありますので、法律に触れていない限りはやってはいけないということにはならないんだろうなと思いますけれども、それと少し違う価値観はあり得るというふうに私も思っております。
○大西(健)委員 私はバランスが悪いと思うんですよね。 だから、一方では電話番号と名前しか連呼しない。でも、これで今回法改正が入るわけですけれども、ホームページに行けば今はホームページはもう全くフリーになっている。あるいは、後で言いますけれども、では、チラシとか、雑誌に掲載されている広告とか、フリーペーパーに出ている広告というのはどうなのかというと、これはもうまたひどいものなんですよ、後でこれは指摘しますけれども。 ですから、これは何か、ある部分で非常に厳しくしているんだけれども、その分何か別のところで非常にゆがみが生じてしまっている。 ですから、さっき言ったように、本来は、患者さんが治療方法とかクリニックを選択する上で有用な情報であれば私は別にテレビCMでも流してもいい。ただ、先ほど来言っているような、間違った誘引をするようなとか虚偽のとか、そういう内容についてはしっかりチェックをかけていかなきゃいけないけれども、今言ったように、ある部分ではすごく厳しくしているからクリニック名だけ言っているんですけれども、ある部分ではめちゃくちゃやっているわけですよ。このアンバランスというのを、大臣、どのように思われますか。
○塩崎国務大臣 なかなか難しい問題だと思いますが、やはり誇大広告とか明示的にやってはいけないことをやっていない範囲内でいろいろなことを考えておやりになっている方がおられるんだろうというふうに思いますが、そこのところをどう規制するかというと、やはりなかなかそう、違法なことをやっていない限りは規制がしづらいというのが実態で、それを見てどう思うかということは、いろいろあろうかというふうに思いますので。 実態として、人を間違った方向に引っ張っていくようなことがあればそれは当然規制をしなきゃいけないことになろうかと思いますが、そうではない範囲内であれば、なかなか直接的な規制を加えるというのは難しいのかなというふうに思っているところでございます。
○大西(健)委員 私はやはり個人的にちょっと規制の仕方を見直した方がいいんじゃないかなと思っているんですね。 というのは、派手なテレビCMを流すことで名前を刷り込みして、テレビCMでもやっているあの大手だから大丈夫というように信じ込ませるという、これはブランド戦略だと思うんですけれども、それは、できるところはばんばん金かけてやるわけですよ。ですから、これがちょっとゆがんでいると思うんですね。 この派手な宣伝広告には当然多額の費用がかかります。 例えば、これもちょっとあれですけれども、あるものに書いてあったんですけれども、スーツ姿の医師たちが、好きな言葉は向上心です、好きな言葉は感謝です、私たちは○○美容外科のクリニックのドクターです、こういうことを言っている、またこれは意味不明のCMなんですけれども、ここは、月、放映料に四千万かけている。これだけの金がかけられているわけです。それで自由診療ですよ。 ですから、美容クリニックでは売上高に対する宣伝広告費が三〇%から多いところでは五〇%に達する、こういうふうな指摘があります。こうした多額の費用をかけてこれを回収しようとするから、無理な勧誘だとかさまざまなトラブルが生じるその要因になっているんじゃないかというふうに私は思います。 この点、売上高に占める宣伝広告費の割合について、美容クリニックのまず実態調査、今私が指摘したみたいに、いろいろなものを調べると、売上高の三〇%から五〇%、それぐらいの割合を広告費にかけているという話がありますけれども、本当にそうなのか。まず、これは実態調査していただきたい。その結果、もしそういうことがあるんだったら、私が言ったように、それだけ宣伝広告費をかけたらそれを回収しようとするわけですから。ですから、必要があれば広告費の総量規制とか、そういうやり方もあるんじゃないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○神田政府参考人 広告宣伝費について実態調査をしてはどうかということでございますけれども、使途を規制するということについてはなかなか難しいのではないかと思いますけれども、美容関係の団体の連絡会をつくりまして、私ども、規制の周知ですとか、そういう取り組みを進めていきたいというふうに考えておりますので、そういった関係団体を通じて、どれぐらい広告宣伝費をかけているのかということについては調査をすることは可能かと思いますので、そういったルートを通じて把握について検討したいと思います。 〔三ッ林委員長代理退席、委員長着席〕
○大西(健)委員 よく病院の経営実態調査とかをやられるわけじゃないですか。ですから、私は、ぜひ、美容医院がどれだけ広告宣伝費を使っているのか、これを一回調べてみたらいいと思いますよ。ぜひやっていただきたいというふうに思います。 テレビCM以外でも、折り込みやポスティングのチラシ、週刊誌やフリーペーパーなどに掲載された広告なども、当然のことですけれども、医療広告の規制の対象になっています。でも、さっき言ったように、テレビのCMは名前と電話番号しか言わないけれども、この今からお話しする週刊誌とかフリーペーパーに載っている広告というのは、これはもう大変野放しの状態だと私は言っていいと思います。 きょう、私、ここに女性週刊誌、それからうちの地元で普通の店に置いてあるフリーペーパーを持ってきましたけれども、この中を見ると、さまざまな美容医療の広告が打たれているんですけれども、そのうち幾つかを皆さんのお手元に資料としてお配りしました。 まず、資料のちょうど一枚目の裏ですけれども、これは週刊女性に掲載されていた広告ですけれども、ここに書いてあるこの「アクアミド注射」というのは、そもそも法律の承認を得た治療法ではないので書けないんです。「九九%の人が非常に満足」、こういう客観的な根拠に欠ける記述もできないはずであります。あるいは、「糸リフト」「片側一本で二歳ぐらい」「片側三〜四本入れれば六〜八歳」「片側五本入れれば十歳ぐらい若く見えるようになる」、これも主観的な話なので書けないんです。 それから、次のページ、次の広告、これは私の地元のグルメ情報とかが書いてある普通のフリーペーパーです。これに入っていた広告ですけれども、これは先ほどの、女性がぐるぐる床を転がる派手なCMをしている、全国に二十七院を展開している大手の美容医院の広告ですけれども、これは、違反表示のオンパレードですよ。丸をつけたところを見てください。 まず、一番上に豊胸手術、「豊胸術」のやつが載っていますけれども、それ以外にも全部ビフォー・アフターの写真が載せてあるんです。これはやっちゃいけないことになっているんです。しかも、これは、きのうちょっと聞いてみたら、この胸のところがきらきらっとしているんですけれども、こういうのもだめだそうです。こういうのもだめだそうです。 また、あちこちに「口コミサイト」「愛知県」「第一位」という優良性を示す記述があります。これもだめです。それから、「ヒアルロン酸注入法」「バストアップ」とか「サーマクールCPT」、これも承認を得ていない治療法で書けないはずであります。あるいは、「初回特別限定価格」という、実際、標準的な価格が幾らなのかよくわからない、何かいかにも安くてお得なように誘引するような言葉が並んでいる。 これは、本当に、最大手でテレビでばんばんCMを打っているところですよ。だから、さっきも言ったように、テレビCMは名前と電話番号しか言わないけれども、このフリーペーパーに載っている広告は違反表示のオンパレードなんですよ。ですから、これが私はおかしいんじゃないかと。 次のページも、これはフリーペーパーに載っていたものですけれども、「初回トライアル半額」「リピート率No.1」「切らずに十才若返り」「人気No.1」、それから「特別技術指導医」という、この特別医というんですかね、こういうのも書けない記述になっています。また、「今まで何をしても効果のなかった目の下の小じわが気にならなくなりました(四十代女性)」、こういう意図的な体験談まで載せてある。 厚労省にはこの広告を事前に渡して、目を通してもらっているはずですけれども、今私が指摘したような記述は全て違反表示ということでいいか。また、一つの広告についてもこれだけ多くの違反表示がある。また、こうした広告は、私がきょう持ってきているこういう週刊誌とかあるいはフリーペーパーにもうあふれているんですよ。こういう現実を今厚労省はどのように受けとめているか、医政局長から御答弁いただきたいと思います。
○神田政府参考人 先ほど先生から御指摘ございましたように、ここに掲載されているものは、多くは自由診療ということでございますので、まさに広告が制限されている事項でございます。 それから、リピート率ナンバーワンですとか、そういった比較広告も禁止されているものでありますし、十歳若返るとか、そういったことも誇大な広告に当たるのではないかというふうに考えております。 それから、特別技術指導医というものも、医師の専門性に関する事項については一定のものしか広告ができないということですので、実体のないような資格については広告できないということでございますので、いずれも先生御指摘のとおりかというふうに思っております。 それから、価格が今行うと安いというような費用を強調した広告につきましては、ガイドラインの中で、適切な選択を阻害するおそれがあるということで、医療に関する広告として適切ではないとして厳に慎むべきものとしているところでございまして、今後、こうしたものについてさらに指導の徹底を図っていく必要があるというふうに考えております。
○大西(健)委員 大臣も今、これはちょっとちっちゃいですけれども、見ていただいたと思うんですけれども、御感想があればいただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 今局長から答弁したように、違反のオンパレードになっているわけでありますので、そういうところはやはり是正をしていかなきゃいけないというふうに思います。
○大西(健)委員 先ほどの繰り返しになりますけれども、お金をかけてテレビCMを打てるところは、ばんばんお金をかけてテレビCMを流して、そして名前を刷り込む。そうやってテレビでCMを打っている大手だから大丈夫だろうと思ったら、その大手が、今私が示したこの事例の二ページ目のこの表のやつ、その最大手ですよ、左の上に「TVCM好評放映中!!」と書いてあるじゃないですか。ここが、この違反のオンパレードの広告を平気でフリーペーパーに載せているんですよ。 資料の最後に東京都が行った調査というのをつけていますけれども、平成二十七年に、東京都がチラシ等における美容医療の広告調査の結果というのを発表しています。ここに「調査の目的」云々と書いてありますけれども、「調査対象」、新聞の折り込みチラシ、ポスティングチラシ、町中のカフェ、駅頭のスタンド、地下通路、郊外ではスーパーマーケットの店舗内で配布されているクーポン雑誌等のフリーペーパー、一般雑誌、今の週刊女性のような週刊誌ですね、これを調査対象としたと。 これは、右を見てください。百四十件の調査員の判断、不当と思われる表示百三十四件、不当と思われる表示なし六件ですよ。まともなやつは六件しかないんですよ、百四十件のうち。百三十四件、ほとんどが違反。これが野放しにされているんですよ。これが私は最大の問題だと思いますよ。 これを野放しにしておいて、今回、ホームページを今度規制の対象にします、そして、ウエブの監視体制を強化すると。これは、外部の業者に委託してウエブを監視してもらうと言っていますけれども、さっきから私が言っているように、私の地元で普通にどこにでも置いてあるフリーペーパーとか、みんなが、美容院に行ったら奥様方が読む女性週刊誌とかにこれだけ違反の広告が堂々と載っていて野放しになっている状況でそんなことを言っても、私は全く信憑性はないと思いますよ。信頼性がないと思いますよ。 ですから、これは都道府県がやるということですけれども、大臣、ちょっとこの個別のケースを、私が言ったやつを都道府県に伝えておきますときのう厚労省が言っていたけれども、そういう問題じゃないんです。さっきの東京都のやつに、百四十件調査して百三十四件は違反表示なんです。まともな表示の方が少ない。これをちゃんとやらないで新たにホームページを規制対象にしますと言っても、ちゃんちゃらおかしいと私は思いますけれども、大臣、いかが思われますか。
○古屋副大臣 美容医療ということで、やはり女性が受ける方が多いかと思います。御指摘、大変重要なことだと存じております。 現行の医療法では、医療法違反が疑われる広告につきまして、都道府県等の地方自治体が指導を行い、必要に応じて報告命令、立入検査等を行うことになっておりますが、御指摘のとおり、さらなる指導の徹底が必要だと考えております。 このため、広告規制の周知や遵守の徹底を推進すべく、美容医療関係団体が合同で参画する美容医療連携協議会を立ち上げまして、規制の周知徹底に取り組んでいくこと、厚生労働ホームページにおいて、医療広告に関する都道府県等の相談窓口一覧ページを開設いたしまして、患者の方々などによる都道府県等への情報提供を推進することといった取り組みを行っております。 さらに、都道府県等の担当者会議等の場を通じまして、指導事案の共有を行うことにより、都道府県等の監視機能の強化について、今後もしっかりと行ってまいりたいと考えております。
○大西(健)委員 これは、東京都は平成二十七年ですから、そんな前じゃないんですけれども、平成二十七年度にみずからやられているわけですけれども、さっきから言っているように、今回、ウエブの方を規制対象にして、それは外部に委託して監視機能強化するということですけれども、今私が指摘したような状況なわけですから、この際、一回、これを機に全都道府県に対して、しっかり自分のところで、東京都がやったように、フリーペーパーとかポスティングチラシとか、そういうものを調査してくれというふうに通知したらどうですか。そうじゃないと、今幾らやりますと言っても、私が持ってきたみたいな、これが現実なんですから、信用できないですよ。それぐらいやったらいいんじゃないですか。いかがですか、大臣。
○塩崎国務大臣 今、古屋副大臣の方からも申し上げましたけれども、都道府県などの担当者会議というのを私どもはやっているわけでありますので、そういう機会を捉えてしっかりと指導の事案の共有を、今お話にあったようなことで、それを対象とするということで、都道府県等の監視機能の強化について、私どもとしてもしっかり取り組んで、都道府県とともに、そういったことで、一般の方々が惑わされたりしないようにするために、広告を正しくやっていただくようにして指導してまいりたいと思います。
○大西(健)委員 時間が来ました。 さっきも言いましたように、テレビのCMはばんばん金かけて、名前と連絡先を連呼している、でも、フリーペーパーとか、こういうものは全くの野放しになっている、これは非常にアンバランスであるということを再度、重ねて申し上げて、質問を終わります。
○丹羽委員長 次に、中島克仁君。
○中島委員 民進党の中島克仁です。 時間をいただきましたので、私からも質問をさせていただきたいというふうに思います。 安全で適切な医療の提供が行われることを推進する目的で本法案が提出をされておるわけでありますが、先ほど、午後の一番目に阿部委員からも御指摘があったと思います。安心で適正な医療確保という内容であるわけですが、非常に多岐にわたる項目が一括して提案をされておるということで、きょうも朝から、医療広告であったり、ガバナンスの強化であったり、検体検査、その精度の確認であったり、やはり論点がばらけてしまう。 最近は余りびっくりしないですけれども、こうやって一括して法案が提案されることは論点がばらけてしまうということで、やはり問題があるということは、冒頭、まず指摘をさせていただきたいというふうに思います。 その上で、ちょっと通告は検体検査からということだったんですが、午前中から、また午後の質疑を聞いておって、重複するところもございますので、特定病院における医療安全対策のガバナンス強化からまず質問をさせていただきたいというふうに思います。 午前中、午後も、先ほども阿部委員からも、このガバナンス、きっかけというか、以前から、こういう医療安全問題、たびたび起こっていたわけであります。東京女子医大病院のプロポフォール事案、群馬大学附属病院における腹腔鏡手術後の死亡事案など、医療安全に対する重大事案、たびたび起こり、社会問題化しておる。以前から、こういった問題、不備が指摘をされているにもかかわらず、やはりたびたび起きてしまう。 特に、先進的な医療に取り組む使命を持つ特定機能病院においてこのような事案が続発することから、今回の法案、ガバナンス強化ということで、内部統制さらには外部監視の強化でガバナンス強化をするという趣旨でございまして、資料一枚目に、ほかの委員も出しておりましたが、私も、その取り組み自体、そして、塩崎大臣も昨年から検討会等々で、強い意思を持っておられることも聞いておりますので、その方向性、取り組み方には、私もぜひしっかりやっていただきたいというふうに思っております。 しかし、この資料にもございますように、見直し前の内部統制と見直し後の内部統制、以前から特定機能病院として医療安全システムがありながら、昨年の六月から九月にかけての特定機能病院に集中的に立入検査を行った結果を見ても、積極的に取り組んでいない状況であったりとか、内部監査を実施していなかったりとか、そういう実態が明らかになったわけです。 以前から、従来からあるシステムがなかなか機能していなかった。この理由についてまずどうお考えになっているのか、お答えいただきたいと思います。
○古屋副大臣 大学附属病院等におきまして医療安全に関する重大な事案が相次いで発生したことを受けまして、全ての特定機能病院に対して集中検査を行いました。 この結果、開設者、管理者が医療安全に積極的に取り組めていない、医療安全管理部門に専従の医師、薬剤師がいない、報告の対象となる事故等の基準が明確でなく、必ずしも報告が徹底されていないといった事実が明らかになりました。 このことは、特定機能病院が、組織、事業規模が大きくて、高度の医療の提供、高度の医療技術の開発、評価、高度医療に関する研修という三つの役割を有していること、特定機能病院の大宗を占める大学附属病院は、大学が、法人内の医学部等の教育研究のための附属施設という位置づけであって、複雑なガバナンス構造を有していること等の特殊性から、高度な医療安全管理体制を確立するためのガバナンス体制が十分ではなく、本来確立されるべき基準やプロセスまで未整備であったものと考えられます。 このため、平成二十八年六月に特定機能病院の承認要件の見直しを行いまして、全死亡症例の報告、高難度の医療技術や未承認新規医薬品を用いた医療を新たに導入するプロセスの明確化などを行うとともに、本法案におきまして特定機能病院のガバナンス改革に取り組むこととしたものでございます。
○中島委員 さまざま、理由についてお答えいただきました。その調査結果をもとに、医療安全タスクフォース見直し案が提示され、今お答えいただいた内容を示されておるということだと思います。 この見直し案、先ほど言ったように、これをしっかりやっていただくことは、私も確実にやっていただきたいというふうに思うわけですが、これは本当に大丈夫かなというところもあるわけです。 例えば、管理者、病院長、米書きで医療安全業務の経験を必須化するというふうになっておりますが、実際に、医療安全業務の経験をされた方が病院長として、そういう人材が本当にいるのか。それぞれ数ある特定病院で、そのような人材を確保できるのかどうか。さらには、医療安全管理部門専従の医師とありますが、先ほど阿部委員の御質問にもございましたが、この専従の定義というか、専従というからには、そこに、医療安全部門にしっかりいる、そういう人材が本当に確保できるのかどうか。また、内部通報窓口ですか、この義務化といいますが、これは、ある意味、密告にも当たるような内容であって、この体制自体が整っていただければとは思うわけですが、現実的に、今の特定機能病院でこれが本当にできるのか。 ただ、これはやらなきゃいけないことですから、これは塩崎大臣、通告していないので目安でいいんですけれども、これを急にぱっとやるというのは、なかなか現実として難しい問題もあると思うんです。この体制を一体いつぐらい、期間として、どのぐらいをめどにつくり上げようとされておるのか。目安でもいいです。
○塩崎国務大臣 今回のこの医療法の改正は、まさに特定機能病院、なかんずく大学病院が多いわけでありますが、そこの文化を変えないといけないという、その仕掛けをガバナンスの形で、法律でもって、そしてそれに基づく法令で定めていこう、こういうことにさせていただいて、多少、去年の六月の省令改正で行ったことよりも、もう少しいろいろ、正直、抵抗もありました。抵抗もありましたし、まとめるのにも随分省内の抵抗もありました。いろいろありましたけれども、やはりここぐらいまでは少なくともやらないといかぬだろうということでやらせていただいているものであります。したがって、この法律が成立をすれば、施行になれば、それぞれが直ちにそれに手がけてもらわないといけない。 そもそも、院長が一人で、何度も申し上げますけれども、安全について責任を持って、あらゆる大学病院の先生方の先端的なということは、やはり初めてやることもたくさんあるわけですね。それにはリスクがつきものでありますから、それと安全というものをどう折り合いをつけて、安全で、しかし新しいものに挑戦をすることができるか、そういう文化を病院の中につくっていただかなきゃいけないし、特にこの特定機能病院は、高度かつ先端的な医療を担う。そして今回、医療の高度の安全の確保ということも承認要件に加えるわけですから、両立をさせていく形でやっていかなきゃいけないので、今までのように病院長が二年に一遍かわるとか、そんなことでできるはずが私はないと正直思っています。 これはさっきも申し上げたように、M・D・アンダーソンのがんセンターは、先代、前の院長は十五年間やっていますから。十五年間の間に、医療安全もやらずに新しいゲノムだけやっていたかといったら、そんなことはないので、両方をやっているわけですので、そういう腰を据えた人という意味において、やはり安全を含めたマネジメントの人たちをこれから育てていかなきゃいけないし、省令で入れようと思っているのは、他の医療機関の病院長を経験して、できれば、やはり安全管理のことに特に力を入れてきた人に高度医療の特定機能病院に来ていただく。もちろん、選挙で選ばれない、何の遠慮もなく、おかしいものはおかしい、だめなものをだめと言える、そういう院長にお座りをいただいて、腰を据えてやってもらいたいと思っておりますので、これから特定機能病院のあり方は、やはりそのことを含めてしっかりやっていただかなければいけないというふうに私は思っております。 いずれにしても、法律が成立をして、実際に法律が機能するようになっても、もちろん、すぐに文化全体を変えていくというのはなかなか簡単ではありませんが、少なくともはっきりしていることは、選挙では今度は選ばれないということははっきりしていますし、他の病院の院長経験もしていないと選ばれないようにしていこうということで、方向性ははっきりしております。
○中島委員 大臣は今、医療の文化、そういったことに触れられました。私もまさにそう思います。 やはり従来から医療安全システムがあったにもかかわらず、たびたびこういう医療安全を脅かすような事案が発生してしまう。これには、この後ちょっと触れますけれども、やはり最前線である、患者さんと一番接する部分であったりとか、管理者がどこまでカリスマ性というか統率力を持ってそこに取り組めるか。そのためには、従来の、ある意味、医療文化というものが弊害になっている可能性が私はやはりあると思います。ゲノム医療の話、その次にまた質問させていただきたいと思うわけですが、当然ながら、医療技術の発展によって、これはすばらしいことではあります。 しかし一方で、先進医療というものはリスクも伴う可能性もある。インフォームド・コンセントのことも、きょう午前中、その重要性に関しても大臣に御答弁いただきましたが、そういう意味からすると、従来からある医療、診断法であり、治療法、新たな治療法が出てくるに当たって、やはり同時進行で、車の両輪で、この安全性をどう確保していくのか、こういった、従来にない、流れにはない、そういった文化をまた新たにつくり出さなければいけない、そういったことが、このガバナンス、実効性を確保する上で非常に重要になってくるんだということだと思います。 さまざまな観点がございますが、私は、期間のめどを聞いたんですが、期間については、施行後すぐ、できるだけ早くということでありますけれども、これはやはりしっかりと、区切るのはなかなか難しいと思いますが、さっきも言ったように、医療安全業務の経験がある方が、従来、大学病院とかに、本当にそういう専任の方がおられるかどうかというのは、確保するのはなかなか難しいんじゃないかと思うんです。 しかし、これは医療安全の問題ですから、五年とか十年というわけには絶対いきませんし、ただ、形ばかり整えてもしようがないということで、ぜひ、すぐにとは言いません、一年の間、二年の間ぐらいがめどになるのかなと思いますが、確実にこれは実効性あるものにしていただきたいというふうに思います。 いろいろな観点、今大臣からもお答えいただきましたが、一つの観点は、例えば中小病院なんかであれば、やはり病院長の資質によって随分病院全体が変わるということはあるわけです。病院長がかわって後、医療安全対策に非常に熱心に取り組まれた結果、いい体制が整えられたとか、そういう事例も、私、実際に近くで見ておりますし、そういう意味で、やはり上に立つ方の統率力というのは非常に大事なわけです。 しかし、今大臣からもお答えいただいたように、特定機能病院という話になると、これは多くが大学病院であって、病床数も医師数もベッド数も多くて、組織全体が非常に大きいということで、また、大学病院ですから、附属病院で、大学との関係であったりとか、さらには、各医局間のあつれきや、当然、院長ですから、経営にも携わらなきゃいけないということで、中小病院であれば、院長の資質によって大きく変えることもできると思うんですが、特定機能病院ではなかなか難しいと。 今回は、教授選とかそういったことではなくて、選挙ではなくて、合議体で決定していくということでありますが、合議体の中で、もし、話し合いで決めていくに当たって、先ほども言ったように、多くの特定機能病院が今、経営的にも非常に厳しい状況にある。どういった観点でバランスのいい病院長が必要なのか、大臣が考える特定機能病院の管理者、病院長、どのような方なのか、お答えいただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 どういう病院長がふさわしいかということでありますが、GPIFのときもそうでしたけれども、独法というのは、独任制と言われて、一人が全部の責任を負う。大きな組織をやるときには、一人で全部をやるなんていうのは、普通、企業だってあり得ないわけで、だからこそ、取締役会で合議制で決めていく。だから、GPIFも今回そうしたわけであります。 そういう意味で、一人じゃ決められないから合議体でやるということではなくて、やはり、みんなの知恵を出して、責任ある立場の人たちが合議で決めていくというのを日常からやっていくということで、一人、病院長を選ぶときの選考委員会の合議体ではなくて、病院運営をするというのは、安全を含めての病院運営に決まっているわけですから、それをやるのを合議体でやる。それを引っ張っていける人でないと、院長としてはふさわしくないということを申し上げているので。 私は、幾らでもそういう能力のある方はおられると思います。安全を考えないで医療だけやっている人は、本当に医療人とは言えないんじゃないかと私は思うぐらいであって、そういう意味では、申し上げたように、マネジメントに徹底をしてもらう。まあ大体、大学病院で、そこの大学の出身者じゃない人が病院長になっていることなんか、聞いたことがないですよね。でも、それって本当にいいんだろうかと。 多分、M・D・アンダーソンの先生は、別に、テキサス州立大学の出身の人では全くない。やはり、ゲノムの先端のことがわかりながら、安全を含めた医療を病院としてやっていけるようにし、もちろん、治験でも大体千例ぐらい毎年やっているというふうに聞いていましたから、そういうときに、ではどうやってファイナンスしていくのかというのも含めてやっているはずですよね。 ですから、そういう能力のある人は、日本人だけ能力がないなんてことはあり得ないので必ずいるはずですけれども、そういう発想になっていないし、そういうことが価値観として、優先順位がそうなってこなかった。 おまけに、通過点として、病院長をやらないと学部長になれないとか学長になれないとか、そんなような何となくの順番みたいなのがあって、すごろくじゃないんですから、そんなことで人の命を扱ってもらうわけにはいかないだろうということでありますので、少し腰を据えてやってくれる人が院長でいてくれて、先端医療と安全と、そしてもちろん、患者さんの満足度を満たしていただけるような方を我々としてはこれから育てていくということも大事なんだろうというふうに思います。そういう思いを込めて、今回の医療法は出させていただいているということでございます。
○中島委員 思いはよくわかりました。 具体的に、例えば経験年数がとかと言うのであれば、それはちょっと大臣と言おうと思ったんですが、今おっしゃったように、まさに先ほど言った、文化を変える、今までの流れを乗り越えて、医療というものは、診断、治療をやっていくに当たって、常に安全性を確保するのが医者なんだという大臣の思いだと思います。 そういう意味からすると、やはりこの管理者の選定方法、これも、合議体をつくっても、その趣旨が伝わっていないと、なかなかそういう方を選ぶことはできないのかなと。今回の法案でも、副院長が責任者に配置をされたり、いろいろな方がかかわり合いながらやっていくという体制にはなっておりますし、先ほども言ったように、この体制が本当に構築できることに対しては、私もぜひ早くできるようにしてほしいという思いもございます。 先ほど言った医療文化にかかわることではございますが、資料の二枚目、これは群馬大学附属病院での事案の記事でございます。 見出しは、「第一外科も高死亡率」ということです。今回問題になったケースは、群馬大学の第二外科。第二外科の肝臓手術の死亡率が、全国平均の約十倍に上っていた。一方で、同じ病院にある第一外科でも平均の約四倍だったという記事です。第二外科にとどまらない深刻な問題だったという記事であって、資料のその次、三枚目、「収益優先 手術数競う」「医師 問題意識なく執刀」という記事であります。 この群馬大学附属病院、手術室当たりの手術件数が全国の国立大学病院の中でも最も多くて、さらに、同病院は深刻な赤字で、収益を上げるため手術件数をふやすことが求められる中、対立する、対立すると書いてありますけれども、両科が競い合っていたことが背景にあると見られるということです。 さらに、この第二外科の肝胆膵分野、私も消化器外科出身で肝胆膵の教室におりましたけれども、医師が一人、二人と不足状態にあったにもかかわらず手術数をふやした。旧第一外科でも同じ分野の手術を手がけていて、やはり三人から六人の医師が診察していたが、両科が連携することは全くなかったと。 こういうことが、やはり同じ病院でありながら、こういう実態が起きていた。こういう医療文化というか、今、第一外科、第二外科と言いましたが、私ももともと、ある大学の第一外科。そこの専門が何かということは、患者さんたち、病院によって全然違うわけですよね。 そして、今回の群馬大学の例でいけば、そもそも、今回いろいろな事案が起こったことを病院長、管理者が把握できなかったということも問題であった以上に、その科長、大学病院でいえば医局長、主任教授、指導する立場の教授が、今回、責任をどうとらなければいけないのか。私は、そういったことが、そもそものガバナンス、一番重要な部分ではないのかなと。 例えば手術であれば、必ず、その手術症例、どういう術式にするかはカンファレンスで、そして最終的にはその科長が判断するわけです。そうなっていくと、管理者ももちろんですが、やはり大学病院ですから、その専門性も高い。そして、そこでの責任を持つ医局の長、診療科長が、もっと医療安全に観点を持った人でなければ、幾らトップダウンで全体を、体制を整えても、そこの部分がしっかりできていなければ、なかなか実効性には結びつかないのではないのかなというふうに思います。 そうなってくると、先ほど、病院長の選考方法も合議体で決めていくという話になりましたが、各科、例えば、ここでいえば第一外科、第二外科、もっと言えば麻酔科、そういった教授の選考方法にもそういった観点が必要になってくるんじゃないかなと。従来は、論文の数であったりとか医療実績等で教授選、これも選挙で選ばれるわけです。 私は、全体の体制として、医療安全管理部門に各科の診療科長がしっかり入って、そして教授も医療安全に資する人を選んでいく選考過程というものが必要なのではないかというふうに思いますが、私の考えですが、御見解をいただきたいと思います。
○古屋副大臣 先ほど御答弁申し上げましたように、特定機能病院は高度な医療安全管理体制を確保する必要がございます。 一連のお示しいただきましたような事案や、これを受けたタスクフォースにおきまして、センター間、部門間、診療科間等におきまして、連携や医療安全に係る情報の交換、共有を行う体制が十分に構築をされていない、診療科の独自性が非常に強かったために病院全体のガバナンスが機能せず、提供される医療に関する組織的な安全保証の取り組みが構築されていないといった指摘がなされ、医療安全管理体制に関する課題が明らかとなりました。 議員御指摘のとおり、各医局、各診療科の責任者が医療安全に責任を持つということは重要でございます。しかし、医療安全の確保につきましては、医局や診療ごとの問題にとどまらず病院全体の問題と捉えて、病院の管理者が多数の診療科をまとめて、権限と責任を持って高度な医療安全の確保に取り組むことが必要かと考えております。
○中島委員 繰り返しになりますけれども、やはり現場で起きている、特定機能病院は大きいわけで、各科の診療科長が、医療安全に観点がある方、まずそこの選定から始まっていかないと、トップが幾らそういった観点があっても、先ほど言ったように、専門性という観点からいくと、例えば外科、病院長が、医療安全、全体のそういうガバナンスについては非常に統率力があっても、今回のように手術・手技とかそういう話になると、やはりより専門性が求められて、この判断の基準というのがなかなか難しくなってくると思うんです。 そうなると、やはりその科の責任者である科長が安全対策に資する人でないと、その集合体がすなわちガバナンスの強化になるんだというふうに思いますので、今回もそうでありますが、こういった体制も含めて、これも文化を変えるということになってくると思います。ぜひ、こういったことも考慮していただきたいというふうに思います。
○塩崎国務大臣 それぞれの医局とか各診療科で、それぞれ特徴のある先端医療をやっているわけですから、専門性があることをやっておられることは間違いないわけでありますから、そこはそれとしてですけれども、問題は、今回、群馬大学の病院でわかったことは、やはりそこの論理だけに任せっきりにしてきたというところが大問題であったわけで、今、第一外科も全国の四倍の死亡率だという話でありますので。 そこで問題になるのは、どう考えても、ですから、院長一人でやっても、議論で負けちゃうかもわかりませんから、そこで、やはり合議体で、物事、大事なことは全部決めていくということを申し上げているのはそこであって、ただし、リーダーシップは当然院長がとらないといけない。 そのときに、例えば、かつての第二外科がやっていることが、どう見ても安全性に欠けているということをやっていたときに、それに指摘をちゃんとして、横串のルールというのがやはり安全に関してはあるはずですから、それを聞かないのを、今まで聞かすことができなかったというところが私は選挙にもあったんじゃないかと言っているので、そういうことではない、リーダーシップが本当に図れるようにするためには、やはり、私は松野文科大臣にも言いました、学部長、学長も選挙をやめた方がいいと。さっきも申し上げたように、院長を二代続けて、次の学長選挙に同時に出ているわけですから、そうしたら、看護師さんに至るまでの票が要らないと言う人はいないので、そうしたら厳しいことは言わないでおこうということになりがちなのではないかという懸念をどうしても持つ。 したがって、先生がおっしゃるように、その分野に、特定の分野にはお詳しい先生方であっても、医療の安全ということではやはりリーダーシップを横串でちゃんと貫徹できるようにする、そういう立場を院長は果たさなければいけない。ただし、物事を決めるときには、やはり、今の学科長なども含めた代表の方がおられる合議体で決めていくということが大事なのではないか。こんな考え方でありますので、先生のおっしゃっているのもそのとおりでありますけれども、問題は、腰を据えてちゃんと全体の病院を運営できるお立場で、院長は、これからは、特定機能病院は特にやっていただかないと、診療報酬も高いのを、げたを履いているわけですから、それに値するだけの安全と先進医療を同時に実現してもらいたいということでございます。
○中島委員 ありがとうございます。 私もちょっと指摘しようと思ったんですが、先ほど言った医学部附属病院、ほとんどがそういうわけですから、医学部との関係性とか、いろいろ縦割りのところ、そういったことを横串を刺すためには、これは文科省ともしっかり連携をとって、そのあり方については、全体のあり方については今後やっていく必要があるんじゃないかというふうに思います。 もう一点ですが、今回、特定機能病院のガバナンス強化ということですけれども、どなたか御質問していましたけれども、改めてですが、特定機能病院以外の病院について、そのガバナンスについては現状どう感じておられるのかと、今後どういうふうに取り組むのか、お答えいただきたいと思います。
○古屋副大臣 特定機能病院にかかわらず、全ての医療機関に医療安全の確保は主要な課題でございます。 現在、病院等の管理者は、医療安全の確保のための指針の策定、医療に係る安全管理のための委員会の開催、従業者に対する研修の実施といった医療安全の措置を講じなければならないこととされております。 大学附属病院におきましては、医療安全に関する重大な事案が発生したことを受けまして、特に特定機能病院においては、医療安全管理体制に係る承認要件の見直しを行うとともに、今回の医療法改正案において、ガバナンス改革に踏み込むことといたしました。 一方、特定病院以外の病院に関しましては、開設者と管理者が同一である場合が多いなど、特定機能病院の置かれた組織の状況と大きな違いがあること、さまざまな規模の病院があることなどから、直ちに特定機能病院と同等の要件を課すことは難しい面があります。 特定機能病院以外の病院の医療管理体制につきましては、病院の現状を踏まえつつ、どのような方策が考えられるか、検討してまいりたいと思います。
○中島委員 ぜひそこに関しても、まず現状がどういうふうになっているのか。例えば、私の地元山梨県、特定機能病院は山梨大学附属病院一つしかありません。医師派遣機能を持っているのも山梨大学附属病院です。そうなると、特定機能病院以外、派遣されていくわけですから、そこで症例、実績を積むとか、そういったケースにもなりかねない。 前回、私、一般質疑のときに言いました。公立病院に派遣された場合、公立病院は医師を派遣していただいている立場であったりする。そうなると、医師が主導でいろいろな、チャレンジと言うとあれですけれども、いろいろな診療を特定機能病院以外の病院で実践するということも起こり得るということで、ぜひ、特定機能病院のみならず、他の医療機関についても、現状把握とともに対策をしっかり講じていただきたいというふうに思います。 次に、資料の四枚目、今回のガバナンス強化と、平成二十七年十月に施行されました医療事故調査制度との関係性について、端的にちょっとお伺いしたいんですが、この医療事故調制度、これも当然ながら再発を防ぐと。今回のガバナンス強化が事前的な、要するに、医療事故を起こさないために、いろいろな体制、内部統制、外部監視を強化するんだと。一方で、事故が起こった後、この医療事故調は動き出す。 実際、事故が起こった際に、このガバナンスの強化、内部統制のことと医療事故調の関係性、どのように結びついていくのか、御見解をいただきたいと思います。
○古屋副大臣 医療法で定める医療事故は、病院等に勤務する医療従事者が提供した医療に起因し、または、起因が疑われる死亡または死産であって、管理者がそれを予期しなかったものとして定義をされます。管理者がこれに該当すると判断した場合には、医療事故調査・支援センターへの報告や、必要な調査の実施等を行わなければなりません。 このため、医療機関が医療事故調査制度に基づく報告をする前提としては、医療事故が当該医療機関において的確に把握をされることが必須であります。 平成二十八年六月の特定機能病院の承認要件の見直しによりまして、院内の死亡症例は、予期の可否にかかわらず、全て管理者に報告をされることとなりました。さらに、今般の特定機能病院の医療安全管理体制の確保とガバナンス体制の強化によりまして、管理者の権限が明確化をされ、病院運営に指導力を発揮できるようになります。 こうした見直しによりまして、特定機能病院において、管理者が主体的に院内の医療安全管理体制の整備を図り、適切な医療事故調査が実施をされることが期待をされます。 さらに、全国規模で事例を収集いたしまして、医療事故の再発防止策を分析している医療事故調査制度への貢献にもつながり、国内の医療事故再発防止にも寄与するものと考えております。
○中島委員 このポンチ絵にもあるとおり、事前的な体制強化がガバナンス強化で、実際に事故が起こってしまった後、医療事故調査・支援センターが、さまざまな起こった事故に関して調べていく。それぞれがそれぞれに動くのではなく、今、管理者が、よりうまくマネジメントですか、するような体制になるということですから、今回強化されたことが、制度としてできた医療事故調と連動して、さらに再発防止に資するようにならないと意味がないというふうに問題意識として持っておりますので、ぜひその辺に関してもよろしくお願いしたいと思います。 ちょっと、時間がもうないので、これも通告していないんですが、お答えいただかなくていいです。 今国会で臨床研究法が成立をいたしました。そのときにも指摘をいたしましたが、今回の法律では、手術・手技につきましては検討事項というふうになっております。群馬大の例を挙げても、こういうガバナンスの強化や医療事故調もですが、やはり手術・手技に関しても一定の規則、規定を設けるべきだということはそのときにも御指摘をいたしましたが、検討事項ということで、いつまでなのか、ちょっとはっきりしませんけれども、ぜひ、今回のことと同時に、その臨床研究に関する手術・手技につきましても法的整備をしていただくことをお願いしたいというふうに思います。 時間がもうないので、一点だけ、検体検査に関して。 もともと、今回、検体検査、提案されておるものは、ゲノム医療が急速に臨床現場に広がっておると見込まれることから、遺伝子関連検査について、日本において法令上の規定がないことが問題視される現状から、ゲノム医療タスクフォースの意見を踏まえて、今回の提案ということだというふうに理解しております。 今回の改正案では、遺伝子関連検査だけではなくて、全ての検体検査が、精度管理が対象となっています。この理由についてお答えいただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 検体検査は、遺伝子関連検査以外にも、的確な診断や治療効果の評価などのために、医療の現場で日常的に実施をされておりまして、その精度の確保というのが極めて重要だということでございます。 しかし、日本では、医療機関がみずから実施をする検体検査の精度管理については法令上の規定がないわけでありまして、検体検査における精度管理の基準というのが法令上十分に整備をされているということにはなっていないわけであります。 また、例えば米国では、医学目的の全ての検体検査を対象とする臨床検査室改善法というのが制定をされておりまして、法令によって検体検査の精度管理の基準が定められている国もございます。 こういうようなことから、今回、医療機関や衛生検査所等で実施をされる遺伝子関連検査を含めた全ての検体検査の精度の確保のために医療法等の改正を行おう、こういうことで御提起を申し上げているわけであります。
○中島委員 この件、私、実は私も医師でございまして、今回法案が提案されていろいろ調べていくと、そもそも、検体検査の医療法上の位置づけであったりとか、診療所等小規模施設で行われている検体検査の精度管理であったりとか、いろいろ確認したいことがございます。 きょうは時間ですので、また次回、質問させていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、井坂信彦君。
○井坂委員 民進党の井坂信彦です。 本日は、医療法の審議初日ということで、特に医療のホームページ規制について中心にお伺いをしたいと思います。 私は、毎週末、地元で一軒一軒、ずっと地元を一軒一軒歩いているんですけれども、やり過ぎて膝を壊しまして、この一年半ぐらいずっと膝が痛かったんです。 先日行った接骨院で、わずか一時間で本当に治りまして、まだそれでずっとそれが固定するかどうかわからないので、もう一回ぐらい行ってみようかなとは思っているんですけれども、何でそこに行ったかというと、我々、平日の昼間に時間があくことは非常にまれなものですから、限られた時間に、なるべく外れがないようにということで事前にホームページを片っ端から調べ倒しまして、どういう施術内容なのか、治療内容なのか、背景の理論とかまで私はよく読んで、納得できるものなのか、さらには、お客さんの体験談なんかも、普通の人は見ないような、何か何十件目ぐらいまでずっと見て回って、それで、選びに選んで行ったところが、たまたま当たりだったということであります。 これは電車で一時間近くかかる場所にあったものですから、逆に言えば、事前にそこまで自分で調べていなければ、とても、限られた時間で、ある程度の自信を持って行くことはできなかったというふうにも思いますから、かように、ホームページに十分な情報量があるということは、患者、国民の側から見ても、まさに自分に合う可能性の高い治療方法また医療機関を選ぶためには非常に重要なことではないかなと。 こういう観点から、本日、主に広告規制に絞って、特にホームページ規制に絞ってお伺いをしたいというふうに思います。 まず、単純な質問から入りますが、今回の法改正で、医療機関のホームページは医療法上の広告規制の適用対象に含まれるようになるんでしょうか。 〔委員長退席、高鳥委員長代理着席〕
○塩崎国務大臣 これまで、いわゆるウエブサイトについては、閲覧を希望する方が検索をした上で閲覧をするものであって、一般人が認知できる状態にないことなどから、原則、医療広告規制の対象とせずに、医療機関ホームページガイドラインによる行政指導という形でやってまいりました。 しかしながら、平成二十七年に消費者委員会から、この現行のガイドラインでは、不適切な情報提供が行われたとしても、改善措置を命ずるなどの法律上の措置がないということで、遵守されておらずに、医療機関のウエブサイトに対する法的規制が必要であるという建議がなされたわけでございます。 そこで、今般、ウエブサイト等についても、他の広告媒体と同様に、原則、医療法上の広告規制の対象として、虚偽または誇大等の不適切な内容のものを禁止し、是正命令や罰則などの対象とすることとしたのが今回の措置でございます。
○井坂委員 今回、医療法上の広告規制の対象にするという答弁でありましたが、お配りしています資料一をごらんいただきたいというふうに思います。 消費者庁、これは美容医療で、先ほど大西委員が取り上げたような目に余る広告、これを規制すべきだ、こういうことで、美容医療がきっかけで消費者委員会から建議が出て、それを受けて、厚生労働省社会保障審議会の、医療情報の提供内容等のあり方検討会の取りまとめが出ております。 この左側の文章がそうなんですけれども、「医療機関のウェブサイト等について、広告可能事項が限定されている医療法上の広告として取り扱うこととした場合には、患者が知りたい情報と考えられる、詳細な診療内容等の情報が得られなくなる等、医療情報の提供促進に支障が生じることへの懸念が多く示されていること等を踏まえ、引き続き、現行の医療法上の広告規制の適用対象としない」と。しないが、虚偽、誇大な表示は規制を新たに設ける、こういう取りまとめになっているんです。 この文章を概念図に書いたのがこの右側の図なんですけれども、右と左で、医療法上の広告規制とウエブサイト規制は、まず完全に現行どおり分けた上で、新たに虚偽、誇大は規制をする。逆に言えば、一番下にある広告可能事項を限定するというのは、これは取りまとめに明記されているように、広告可能事項を限定すると医療情報の提供促進に支障が生じるとはっきり書かれていますから、限定はしちゃだめだ、こういうことだと思うんです。 大臣にお伺いいたします。今回、残念ながら、そして取りまとめとは私は違うと思いますが、医療機関のホームページも医療広告規制の適用対象とするということでありますが、私はこれは反対ですけれども、しかし、対象にしたとしても、大臣にお伺いしますが、広告可能事項を限定すると医療情報の提供促進に支障が生じるとした昨年九月の取りまとめに従って、ホームページは原則的には広告可能事項の限定をしっかり解除するという理解でよろしいですか。
○塩崎国務大臣 医療広告の規制の見直しにおいて、ウエブサイトについて、現行の医療広告規制と全く同様に、広告可能な事項まで限定してしまうと、患者さんが知りたい治療に必要な情報を入手できなくなるのではないかという、医療関係団体とか患者団体からの懸念が確かにございます。これまでありました。 これを踏まえて、一定の条件を満たし、患者による医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合には、広告可能な事項の限定規制の例外とすることができる規定を設けたということでございまして、具体的には、どのような場合に例外とするかについての詳細は、今後、医療関係団体や患者団体、そして消費者団体などの意見をしっかりと聞きながら検討することになるわけでございますけれども、例えば、雑誌広告やテレビコマーシャルなどの一方的で内容が限定された情報と異なって、患者の方々が詳細な情報を求めてアクセスをして、医療機関等がみずから詳細な情報を提供しようとするものであること、それから、自由診療について記載する場合には、治療内容や平均的な費用とか、あるいは治療の回数であったり、それから、医療機関にとって都合の悪い治療等のリスクや副作用などについても記載することを条件とすることなどが考えられるのではないかというふうに思っておりますが、例外の扱いについては、引き続き検討をしていかなければならないというふうに考えております。
○井坂委員 資料二をごらんいただきたいんですが、厚労省が今考えているのは、この右側にあるように、もうホームページも既存の広告も同じ規制の対象にしてしまって、唯一、この右下にある広告可能事項を限定という部分を、一定の条件で限定解除する。まあ、取りまとめからすると、原則と例外が私は完全に逆転しているとは思いますが、ただ、あとは、大事になるのは、この一部限定解除が実際どこまでされるのか。 これは、一部しかされないのでは、私は、取りまとめと異なるというふうに思いますから、やはり原則限定解除だろうというふうに思います。まあ、ちょっと、質問通告はもうかぶるので一個飛ばしますけれども、午前中の答弁では、広告可能事項の限定が解除される条件については、費用とかリスクなどネガティブ情報の表示がされていればこれは限定解除だと。その程度のことであれば、それさえ書けば、原則は限定解除ということで理解はできると思います。 大臣にここだけ確認をしたいんですが、費用やリスクなどネガティブ情報、こういう最低限のことさえ明記されていればホームページは原則全て広告可能事項の限定が解除されて、あとは、虚偽や誇大など以外であれば現行どおり自由に何でも書ける、こういう理解でよろしいでしょうか。これは大臣に確認をいたします。 通告の、それはもう午前中にお聞きしたので、それはやめてください。それを踏まえて、その確認です。限定解除は、最低限のリスク情報を載せればもう原則限定解除で、あとは、虚偽、誇大でなければこれまでどおり書けるということでよろしいですね。
○神田政府参考人 まず事務的にお答えをさせていただきますけれども、今回のこの趣旨といいますのは、先ほど先生御指摘のように、患者さんから、どうしても必要な医療情報が、これまで入手できたものが入手できなくならないようにしてほしいという御意見があったものを踏まえたものでございます。 ここに書いてございますような、先ほど先生御指摘のあった、治療内容ですとか平均的な費用、回数ですとか、医療機関にとっては必ずしも都合のよくないリスクとか副作用というのもきちっと情報提供していただく。それから、一般的には、ウエブでありますと豊富な情報量が提供できますので、丁寧な内容が提供できるのではないかという、患者の選択に支障を生ずることのないような要件を満たせば限定列挙の規制を解除するという考え方でございます。 先生がおっしゃっているような、都合の悪いリスクだけを表示すればいいのかと。まあ、その要件については、今後、関係者、先ほど申し上げましたような医療関係者、それから患者代表の方々、消費者団体の方々の御意見を伺いながら、具体的な要件は詰めていきたいというふうに考えております。
○井坂委員 午前中の答弁では、費用やリスクなどのネガティブ情報ということのみを例示されておられますし、私もその程度で妥当ではないかなというふうに思います。逆に、そこの限定解除する条件が、あれもこれも、これもこれもというふうにどんどん積もっていくと、まさに原則と例外が逆転をしますので、そうなると昨年九月の取りまとめ違反というふうに言わざるを得なくなりますから、最低限のことが書いてあれば限定解除はするという、そこはもう徹底していただきたいということをお願いいたします。 重ねて参考人にお伺いいたしますが、これは保険診療でも自由診療でも、同じ条件で限定解除されるということですか。
○神田政府参考人 保険診療については、現在も広告可能事項ということになっておりまして、保険診療で保険収載するに当たりましては、その有効性ですとか普及性ですとか、そういったことを確認した上で保険収載されているわけでございますので、現行も既に広告可能というふうになっているわけでございます。 一方、自由診療につきましては、そういったエビデンスが必ずしも明らかでないものもたくさんありますので、先ほどから先生がおっしゃっておられるような、治療の内容とか費用ですとか、それからリスク、副作用などについても、丁寧に、適切に情報提供することを条件に認めるということでございますので、保険診療と自由診療の限定解除の条件は異なるというふうに考えておりますけれども、詳細については、先ほど申し上げたような、医療関係団体、患者団体等の意見を聞きながら検討していきたいというふうに考えております。
○井坂委員 ちょっと本当に心配なんですけれども、そこの限定解除の条件が複雑になって、結局、ホームページに余り思ったことが書けない医療機関がふえるということだけは絶対にないようにしていただきたいというふうに思います。 次に、大臣にお伺いいたしますが、医療法施行規則に基づく医療広告規制の内容、これは資料の四枚目ですけれども、四枚目の上の方にある、医療広告規制における、この施行規則に基づく内容というのは、今回の法改正で変わるんでしょうか、変わらないんでしょうか。
○塩崎国務大臣 今回の法改正では、現行では医療法施行規則において規定をしております比較広告であったり誇大広告、それから、公序良俗に反する広告については法律上規制することとしまして、その他の医療に関する適切な選択に関する必要な基準について、新たに厚生労働省令で規定をすることとしております。 規制の具体的な内容につきましては、これまでの基準を念頭に、今後、医療関係団体、消費者団体や患者団体等の意見を聞きながら検討をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○井坂委員 資料の四枚目の上の方をごらんいただきたいんですけれども、これが現行の医療広告規制で、書いてはいけないと言われている内容です。 法律に書いてあるのは虚偽、誇大等ということで、施行規則に書いてあるのも、比較広告はだめ、誇大広告はだめ、客観的事実と証明できないことはだめ、それから公序良俗に反することはだめ、この程度しか書いてありません。ただ、具体例を見ると結構いろいろなことが書いてありまして、これは実際ガイドラインもあるわけですけれども、その法律、規則以下のガイドラインを見ると、例えばこの下線を引いてあるような、比較広告、県内一の医師数を誇る。これは客観的にそうなんだろう、うそでなければですよ。うそだったら別の問題ですけれども、お医者さんの数が多いですよ、こういうことも禁止をするというふうに現行の規制でもなっております。 参考人にお伺いいたしますが、客観的事実に基づく比較というのは、このままいけば、これはホームページでも今後禁止されることになってしまうと思うんですが、これは、ホームページ上でもこういったことを、事実は事実として書いていただいたらいいのではないかと思うんですが、禁止をする積極的な理由は何かありますでしょうか。
○神田政府参考人 先生御指摘のとおり、この資料にございますように、現行の医療法の規制においては、日本一とかナンバーワンとか最高といったような、ほかの病院、診療所とみずからを比較の対象として、施設の規模、人員、提供する医療の内容等について、みずからの病院等がほかの医療機関より優良である旨を広告する比較広告については、患者の医療に関する適切な医療の選択の観点から、客観的な事実であったとしても、優秀性について著しく誤認のおそれがあるため、禁止というふうになっているところでございます。 今回、基本的には、ウエブについても現在の医療広告規制と同様の規制をかけるということですので、基本はそういったことになろうかというふうに考えておりますけれども、先生御指摘のとおり、客観的な根拠が記載されているような場合については、患者の医療に関する適切な選択を阻害することは想定されにくいということになりますので、今回の医療法改正による医療広告の規制の見直しの具体的な運用を、今後、先ほどから申し上げておりますような医療関係団体ですとか患者団体、消費者団体等の意見を聞きながら検討していくこととしておりますので、その中で、客観的な事実であるものの取り扱いについても検討していきたいというふうに考えております。
○井坂委員 前向きな御答弁をありがとうございます。 これは、平成十四年に取りまとめられた医療提供体制に関する意見以降、ずっとこの間、医療広告の規制緩和の流れがあって、その大きな方向性は、客観的で検証可能な事項については原則として規制緩和する、こういう方向でずっと来ておりますので、比較広告、だめだだめだといっても、医師数が何人いますよとか、一番多いですよということは、これは別に多いからいいとも限らないのが医療だと思います。患者さんによっては、そんなお医者さんがたくさんいて、何か行くたびに違う人に診てもらうようなところよりも、いつ行ったって院長先生が必ず診てくれる、一人だけでやっている診療所の方がいいんだという患者さんもいらっしゃるわけですから、こういうところを余り過剰に、患者保護、国民保護になるかならないかもわからないような規制というのは、ぜひ見直しをしていただきたいというふうに思います。 それからもう一つ、この資料四の上の、現状の医療広告規制でだめと言われている、波線を引いています、客観的事実であることを証明することができない内容の広告の例として、患者さんの体験談というのが挙げられております。 確かに、患者さんの体験談というのは、その患者さんの主観であるということが一つ。また、医療機関が評判のいい体験談だけを載せることが多いんでしょうから、必ずしもバランスのいい意見が載ることにはならないということで、偏りが生じるという問題点はわかります。 ただ、私なんかはそうなんですけれども、お医者さんを選ぶときも、あるいは食べ物屋さんを選ぶときも、実はお客さんの口コミ、物すごい読み込みます。やはり、お店が書いてある、あるいは商業ベースの情報誌が書いてあるようなことよりも、お客さんが書いてある、それは仮にいい情報が多かったとしても、その端々に大体、ああ、こんな感じなんだなというのが読んでいけばわかるからであります。 これも参考人に通告をしておりますが、今回の患者の体験談、これもぜひ見直しの中で検討を、本当に禁止のまま、特にホームページですよ、これまでのCMとかチラシは、これはこれまでどおり禁止でも仕方ないのかもしれませんけれども、これまでホームページにみんな自由に書いていた体験談を、今回、取りまとめに反して、医療広告規制にホームページも入れてしまっていますから、そうすると体験談も法的に書けなくなってくる、このままいくと。 これは、ホームページぐらいは体験談を一定の条件下で書いてもよいのではないかというふうに思いますが、参考人にお伺いいたします。
○神田政府参考人 お答えいたします。 体験談についての扱いということでございますけれども、患者さんが、みずからの体験を自分で出版物に公表したり、口頭で評判を広めるといったことについては、単に医療機関を推薦するというだけで、患者の受診を誘引する意図があるとは必ずしも言えないということから、医療機関からお金をもらってあえて誘引するというような記事を除いては、医療広告には当たらないという取り扱いをしております。 ただ、ここで問題になりますのは、患者の体験談の紹介という形で、患者の方々の体験談の記述の内容が、先ほど先生がおっしゃったような主観に基づくものであって、体験談の紹介に当たって、医療機関によって恣意的な選択が避けられないことから、体験談を取捨選択して紹介するようなことについては、客観的な事実であることを証明することができない内容の広告の一例として、広告を認めないこととしているところでございます。 いずれにいたしましても、先ほど申し上げましたような具体的な運用につきましては、今後、関係者の方々の意見を聞きながら検討することとしておりますので、患者の方々の体験談の取り扱いについても、この中で一緒に検討をしていきたいというふうに考えております。
○井坂委員 この点に関しては大臣に再質問をさせていただきたいんですが、今回の法改正では、虚偽、誇大広告、比較広告、それから公序良俗違反、これは法律に明記をされます。一方で、今議論した体験談のような、客観的でない内容ということについては法律には明記されておらず、今後検討の余地があるというふうに思います。 例えば、体験談をただ書くだけでなくて、これはお客様の主観に基づく体験談であり、全てのお客様が同様の経過をたどるわけではありませんなどの当たり前の注意書きをすれば、そのような感想を持った客が一定存在したというのは、これは客観的な事実でもありますから、でっち上げとかは論外ですよ、でっち上げとかは論外ですけれども、確かにそういう感想を述べたお客様がいたというのは、これはこれで一つの事実として、みんながこうなるわけではないし、主観ですがというただし書きとともに、これは掲載を検討してもよいのではないかなというふうに思いますが、大臣、検討の可否について、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 お気持ちは何となくわからないでもないわけでありますが、しかし、我々は、多くの方々がどう受け取るかということを考えてみると、やはり恣意的な書き方というのは幾らでもできるわけで、お願いをされるとか、いろいろな形のものがあり得るということで、先ほど局長の方から答弁申し上げたように、医療機関から金銭などのお礼を受けている場合とか、いろいろな形のものが入り込む余地があって、なかなか客観的な、選択をフェアにしていただくための材料としてどうだろうかということを考えてみると、客観的な事実であることを証明することができない内容の広告の一例として、広告を認めないこととしているというのが先ほどの答弁だったと思います。 それを少し広げたらどうだというお考えだとは思いますけれども、そこのところは、やはり消費者団体やさまざまな立場の、特に患者団体とか、いろいろな御経験をされている患者の方々もおられると思いますので、よく意見を聞きながら検討していった方がいいのではないかというのが私どもの考えでございます。 〔高鳥委員長代理退席、委員長着席〕
○井坂委員 次に、今回の法改正の立法事実、そもそも論についてお伺いをいたします。 先ほども答弁の中にありましたように、今回の医療機関のホームページの規制強化については、消費者委員会から、美容医療の広告がひど過ぎる、これがきっかけであります。 そこで、資料の五をごらんいただきたいんですけれども、では美容医療というのはどれぐらいあるんだといえば、これは厚生労働省の資料からですけれども、美容外科というのは、医療機関が全部で十万件あるうちのわずか千百二十八件ということで、全体のわずか一・一%であります。 厚生労働省は、あと形成外科と皮膚科のところにも丸をしてきたんですけれども、これは御存じのように、別に形成外科とか皮膚科は美を主にやっているわけではなくて、中には美をやっているところもあるでしょうけれども、基本的には皮膚科は皮膚科、形成外科も美容以外のことをやっていることが多いわけで、せいぜい一から二%ぐらいが、今回消費者委員会にそもそも問題だと指摘をされた美容医療だというふうに思います。 そう考えますと、美容医療の過剰な広告、おかしな広告による消費者被害、トラブルを防ぐというそもそもの目的に対して、今回、この十万ある全ての医療機関のホームページを規制するというのは、これは医療情報の提供促進という近年の方針に反し、この間進めてきた患者や国民の選択の支援を妨げる過剰規制ではないかなというふうに私は思いますけれども、大臣のお考えを伺います。
○塩崎国務大臣 今回の医療広告規制の見直しは、さっきお話しのとおり、消費者委員会の建議を受けてやるわけでありますが、建議を受けて医療広告規制の見直しについて議論を行った検討会、ここでは、医療機関のウエブサイト等について、美容医療や自由診療といった限定された範囲で規制することについて、美容医療以外でも同様に不適切な表示がなされ得る、それから、保険医療機関においても自由診療を行うことがあって指導上の区別がなかなか難しいというような意見があったところでございまして、このような意見を踏まえて、今回は、医療機関の広告を全体として規制する観点から、美容医療等に限定をせずに、医療機関のウエブサイト等に対して共通の規制を設けることとしたところでございます。
○井坂委員 大臣に重ねてこの点お伺いをいたします。 先ほど大西議員が厳しく指摘をされておられましたけれども、実は、今回問題となっている肝心の美容医療の方は、チラシとか雑誌、現行法でも広告規制が厳しくされているはずなのに、その違反があふれているわけであります。わずか一・一%の美容医療分野で、しかも、その中でも多額の宣伝広告費を使っている一部の業者に対して厚生労働省が現行法を徹底できていない、これが問題であるにもかかわらず、関係ない分野の九九%の医療機関のホームページを新たに規制するというのは、私は的外れだと思います。 大臣にお伺いいたしますが、これは大臣の政治信条にもかかわると思います。 先ほど、御答弁の中では、美容医療以外でも広告規制違反が起こり得ると。それは確かに、たてつけ上、起こり得るというふうには思いますが、しかし、問題となっているのは、そもそも美容医療の広告規制違反、しかも、既存の、ホームページ以外の分野での広告規制違反であります。ここに手を余りつけられていない中で、美容医療以外の残り九九%も理屈上は広告規制違反があり得る、あり得るという程度のことで、とりあえず規制はないよりあった方がよい、こういうお考えなんでしょうか。
○塩崎国務大臣 今、美容の場合に、そもそも現行の規制を守らないのがあふれているということについて、それを抑えることがまず最初だろうということは、そのとおりだと思います。 では、それだけで、仮にそこをやれば、あとはもうないのかということで、そこで考えが少し分かれるところなんだろうというふうに思いますが、美容が一番、需要側にもそういう気持ちがあるということもありますけれども、一方で、その他の、例えば、最近、注目をいい意味でされているけれども、またそれが必ずしも有効でもないけれども高額な医療につながっているというのが、一つは免疫療法というのがあったり、アトピーというのは割合ポピュラーな病気としてあって、これが治るという情報は私もよく目にするわけでありますが、これは必ずしも美容とは異なるわけでありまして、そういうところも私どもは注意をしなければいけないということで、今回こういう形になっているわけであります。 仮に、今、井坂議員がおっしゃっているような形で、美容に限ってかなり厳しくやるようなことになると、ほかの、今申し上げたようなことを含めて、どういう線引きをやれば正しい発信は救えて、正しくない発信を、言ってみれば、十分な知識を持ち得ていない一般の方々が誤って選んでしまうということになるか、そこのところの線引きをどうするのかということが問題になってくるというふうに思うわけでありますので、今回は、今申し上げたようなことで整理をしているわけでございます。
○井坂委員 線引きが難しいがゆえに、本来、一・一%の美容医療を何とかしなければいけないんだけれども、医療機関全体のホームページを規制せざるを得ないという御答弁だったと思います。 そこで、大臣に、これも通告どおりお伺いいたしますが、そうなると、先ほど、実際、一千百二十八の美容外科に対して、合計十万の施設、医療機関があるわけです。この十万の医療機関は、これは九割方が中小零細のいわゆる診療所であります。こうしたところは、法律の細かいところまで全部理解した上でホームページをつくり直すというのは、これは非常に時間がかかることだというふうに思いますが、せめて十分な経過期間を確保すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 今回の医療広告の規制の見直しは、これまでは行政指導の対象であったウエブサイトの取り扱いについて、法令上の措置に切りかえる、こういうことであるわけでありまして、その施行に当たっては、確かに、一定の期間を設けた上で十分な周知を行っていくということが国民にとっては必要なんだろうというふうに思います。こういうことで、医療広告の規制の見直しにつきましては、法律の公布の日から一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するということとなっております。 今後、広告可能な事項の条件などについて、医療関係団体そして患者団体、こういった方々の御意見をしっかりと聞きながら検討していくように予定をしておりまして、可能な限り速やかに施行に必要な事項を決定して、そして、今御心配をいただいております中小あるいは零細規模の医療機関がウエブサイトのつくりかえをするのに十分な時間がとれるようにしていかなければならないと思いますので、その問題点をしっかりと受けとめて、できる限り早く物事を決めて、施行に必要な事項がわかった上で、十分な周知を皆様方にしていただけるようにしてまいりたいと思います。
○井坂委員 ありがとうございます。 この点、参考人にもう一点お伺いいたしますが、医療機関が、今回の、ホームページが規制強化されるということで、何か、あれもだめ、これもだめらしいといって萎縮をしてしまって、適正な、患者に資する情報発信ができなくなる、阻害をされてしまう、こういうことがないように、厚労省としては、不適切なホームページの具体的な事例、具体的な表現というのを、なるべく詳しく、多岐にわたって、速やかに示していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○神田政府参考人 先ほど大臣から御答弁ございましたとおり、公布の日から一年を超えない範囲内で政令で定める日から施行するということでございます。それに向けまして、具体的な基準等、条件等を検討していくというふうになってございますので、医療機関が萎縮して適正な情報発信が阻害されることのないよう、不適切なウエブサイトの具体例を含めたガイドライン等の発出に向けて、速やかに検討を進めていきたいというふうに考えております。
○井坂委員 速やかに検討とはおっしゃるわけですけれども、もう少し具体的にお伺いをしたいと思います。 やはりこういう、本当に何を書いちゃいけないのかというのが具体的にわかって、それは医療機関、中小零細の医療機関もよくよくわかって、なおかつ、ホームページを直す業者さんだって個人事業に近いようなところばかりですから、そういったところもちゃんと、何がよくて何がだめなのかを十分に理解し尽くした上で、やっと、ではホームページをつくりかえようかということになってくるわけでありますから、そういう詳細にわたる具体例が示されてから、私が聞くところでは、やはりこの経過措置が終了するまでに最低一年は要るだろうというふうに言われております。 これは、私もホームページをいろいろつくるのでわかりますけれども、きょう頼んで来月できるなんていう、そんな簡単なものではありませんし、まして、十万の医療機関が同時にホームページの改定をするわけですから、業者だって多分、いっときになったら、もう全然足らなくなるというような気もしますので、最低一年確保する必要があるというふうに思いますが、それは大丈夫ですか。
○神田政府参考人 先ほどから申し上げているとおり、公布の日から一年を超えない範囲内で施行するということでございますので、できるだけ早く基準をつくるということとあわせまして、不適切な具体例を含めたガイドライン等をできるだけ早く発出するということで、十分な周知期間がとれるようにしていきたいというふうに考えております。
○井坂委員 最後に、柔道整復、あんま、はり、きゅうについてお伺いいたします。 今回は、これら医療類似行為のホームページも、今回の医療機関の法改正と同様にホームページ広告規制の変更が行われるんでしょうか。
○塩崎国務大臣 今回の法改正によります広告規制の見直しは、先ほどから申し上げておる平成二十七年の消費者委員会の建議を踏まえたものであります。 御指摘の柔道整復、あんまマッサージ指圧、はり、きゅう、こういった施術所につきましては、消費者委員会の建議の中でも指摘はされておりませんで、今回の法改正による広告規制の対象とはしていないところでございます。
○井坂委員 今回の法改正の直接の対象にはなっておりませんが、これまでの経緯を見ますと、医療の広告規制が進むと、この医療類似行為の広告規制も、ほぼそれに倣う形で同じように進んできているというふうに思います。 ところが、今回医療でやってしまったような、ホームページもこの広告規制に丸ごと含むということを、柔道整復やあんま、はり、きゅうでやってしまうと、これは医療よりさらに困ったことになってしまいまして、というのは、柔道整復やあんま、はり、きゅう師法では、広告可能事項というのが医療法よりさらに物すごく少なく限定されておりますので、名称や住所、電話番号、施術時間と予約、出張、駐車場の有無ぐらいしか書けません。施術者の技能とか施術方法は広告禁止になっておりますから、これがそのまま医療と同じようなやり方で、単にホームページも同じですよとなると、もうホームページに何も書けなくなる、電話帳程度のことしか書けなくなるということになってしまいます。 この点、医療法の規制変更が、今回の法改正にはもちろん含まれていませんけれども、ただ単純にこれに倣って医療類似行為のホームページが同じような枠組みで規制をされる、いつもみたいに倣ってやられるということは、これは非常に患者、国民側にとって弊害が大きいというふうに思いますが、最後、大臣にその点について御認識をお伺いして、終わりにしたいと思います。
○塩崎国務大臣 先ほど申し上げたように、今回は、あんま、マッサージ、鍼灸、指圧であったりする施術につきましては規制の対象としないということでありますけれども、大事なことは、消費者にとって紛らわしいことが起きないで、医療だと思ったら医療じゃないとか、そういうようなことが今いろいろあったということでありますので、そういうことがないようによく注意をしながら、しかし、大事なことは、やはり情報がたくさんある中で選択ができるという、先ほどの、冒頭、井坂議員が一時間かけて行かれたというところが、調べた末の正解を見つけ出したということでありますから、そういうことができるようなことに、よく配慮しながらやっていかなきゃいかぬなというふうに思います。
○井坂委員 ありがとうございます。 ぜひ、そういう間違った、うその広告は厳しく規制をする、ただし、適正な情報提供が阻害されることだけはないように、このバランスを大臣にはお願いをして、質疑を終えたいと思います。 ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、高橋千鶴子君。
○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。 先ほど大臣、井坂委員の答弁の中に、医療だと思ったらそうじゃなかったとか、紛らわしいのがあるとかいう答弁がありました。きょうはずっとその議論がされていたのかな、テーマは違うけれども、医療とは何ぞや、それと、薬事というのもあわせて何ぞやということが問われているのかなということを思って聞いておりました。きょうは、そのような趣旨の質問を二つのテーマでさせていただきたいと思います。 資料の一枚目に、五月十日付の毎日新聞、「発言」というところですけれども、薬害肝炎原告団の代表である山口美智子さんが「被害者救済に法改正急げ」というコメントを寄せていらっしゃいます。 改めて、二〇〇八年一月の薬害肝炎救済法、この成立に至るまでの国会内外の原告団と弁護団と支援者らの激しい頑張り、そして私たちも一緒に巻き込まれるように何度も何度も質問したわけですが、そのことを鮮明に思い出しております。二月二十八日にも、薬害C型肝炎は終わっていませんという大規模な院内集会が開かれました。 この記事の下から二段目を見ていただきたいと思うんですが、原因とされたフィブリノゲンを投与された患者数は、企業推計で三十万人とされている、そのうちC型肝炎に感染させられた人は、八〇年以降だけで約一万人とされるけれども、救済された方は昨年五月末で二千二百四十三人にとどまっている、ですから、まだ気づいていない方がいるはずだ、そのために救済法の期限を延長するべきだとしております。来年一月に期限が来てしまうわけです。 薬害肝炎救済法の延長をするべきだと考えますが、大臣、お願いいたします。
○塩崎国務大臣 C型肝炎救済特別措置法、これは、感染被害者の製剤投与の時期を問わない、早期、一律救済の要請に応えるために、平成二十年に議員立法でできたものでございます。平成二十四年の九月には議員立法によって請求期限が五年間延長されました。現在、給付金を請求するための提訴期限は平成三十年一月十五日となっております。 厚生労働省としては、まずは、現行の法律のもとで給付金支給の対象者の方々が期限までに請求できるようにすることが重要であると考えているわけですが、本年三月には新聞各紙へ突き出し広告を掲載するなど、集中的に周知活動を行ってきておりまして、引き続いて制度の周知を国民に向けて図っていかなければならないというふうに考えております。 なお、これまで、この法律の制定、改正は議員立法によって行われてきておりますので、厚生労働省としては、立法府での御議論の行方を注視しつつ、必要な対応をとってまいりたいと考えているところでございます。
○高橋(千)委員 やはり議員立法という答弁をされたのがちょっと残念でありましたね。 当時、福田康夫首相が、議員立法で救済します、こう宣言をしたのがきっかけだったわけですよね。本来ならば、そのこと自体、問題なんですよ。今、法務大臣の不信任が出ておりますけれども、行政が立法府に介入するということで、問題だと言わなければならなかった。だけれども、あれは本当にぎりぎりの選択で、とにかく、議員立法という形ではあるけれども、政府も一体となって解決を見よう、そういう思いがあったと思うし、それだけのやはり、原告団の訴えが政府を動かしたんだと思うんです。 ですから、だからもう政府が出さなくていいんだということにはならないわけなんですよ。議員立法で出て、その後の見直しを閣法で出したものもありますし、その逆もあります。閣法で出て、議員立法で修正したものもございます。全く理由にはならないですので、国はその責任を果たすべきだということを重ねて言いたいと思うんですね。 それで、救済法は、救済を求める全てのC型肝炎患者が裁判所に提訴、和解というスキームをとりました。この九年間で実際に和解が成立した人がどのくらいか。また、その内訳として、カルテなどの直接の血液製剤投与を証明する書類がなかった人も多かったと思いますけれども、そうした方たちでも和解に至ったこともあるわけで、その内訳を教えてください。
○武田政府参考人 ただいま御指摘ございましたように、C型肝炎救済特別措置法に基づく給付を受けるための、製剤投与の事実等の事実関係の確認につきましては、カルテなど医療記録がない場合でありましても、医師の証言などさまざまな証拠を総合して、裁判所で判断が行われているものでございます。 本年三月末現在の数字でございますが、まず、C型肝炎訴訟におきまして、和解件数をこの三月末現在で集計いたしますと、全体で二千二百七十七件となってございます。 それから、特別措置法施行後の和解件数二千六十九件の内訳を整理いたしますと、母子手帳、医師による証言、患者本人や家族による記録など、カルテなどの医療記録にかわる証拠で和解に至ったケースにつきまして、本年三月末時点では五百五十八件、二七%を占めているというふうに承知をしております。 厚生労働省といたしましては、医療記録以外の証拠によっても裁判手続の中で製剤投与の事実が確認される可能性があることにつきまして、厚生労働省のホームページなどで周知を図っているところでございます。 引き続き、C型肝炎ウイルスの感染被害を受けられた方々が訴訟を提起できるように、こういった情報の周知などに今後とも努めてまいりたいと考えております。
○高橋(千)委員 記事でも指摘をされているように、また集会でも強く強調されたわけですけれども、企業は約一万人ほどの対象者がいるんだと言っていた。そこから見ると、まだ七千名ほどの対象者がいるのではないかということを言っているわけですよね。そういう点では、さっき、引き続いて周知をしていく、あるいは、可能な限りホームページで呼びかけていくと言ってはおりますけれども、やはりそれで間に合うとは到底思えないわけなんです。 ですから、国としてまず救済者をふやすためにやってきたことは何か。あるいは、これからやろうとすることは何か。お願いします。
○武田政府参考人 これまでの私どもの周知に関する取り組みでございますけれども、先ほど、ホームページにおきまして、事実認定の場合、カルテなど医療記録がなくても裁判所で判断が行われているという事例などにつきまして、QアンドAの形で紹介をさせていただいておりますけれども、やはり目につく形で周知を図るということで、さまざまな取り組みを行っております。 ことしに入りましても、ヤフーバナー広告でございますとか、厚生労働省ツイッター、フェイスブック、さらにBS日テレの「霞が関からお知らせします二〇一七」というテレビ番組、こういったことに加えまして、先ほど大臣からも申し上げましたが、新聞の一面を使いました突き出し広告、こういったところで周知を図っているところでございまして、都道府県その他自治体とも連携いたしまして、引き続き、周知を図ってまいりたいというふうに思っております。
○高橋(千)委員 周知、今そうおっしゃいました。プラスして、さっき聞きたかったことは、二七%、カルテなどがなくても裁判の過程の中で和解に至った方がいらっしゃると報告がありました。その中で厚労省がやってきたことも報告をいただきたかったんです。 本当に一人一人がどんなに苦労をしたか。病院がもう廃業になっていて、お医者さんもいらっしゃらなくて、そういう中で、誰か血縁の方がいらっしゃらないかとか、そういう苦労をされたことがあったわけですけれども、厚労省としても、フィブリノゲンを納入した医療機関に対して書面による調査とか訪問調査を行ったということを承知しておりますけれども、いかがでしょうか。
○武田政府参考人 失礼いたしました。 厚生労働省におきましては、平成十九年度から、全てのフィブリノゲン納入先医療機関に対して書面によるアンケート調査を行っております。その中で、製剤投与の判明者数、投与事実のお知らせ状況の集計に加えまして、各医療機関ごとの診療録等の保管状況の公表を行うとともに、医療機関には、計画的な診療録の精査と、投与事実が判明した方への簡易ウイルス検査の受検勧奨を依頼して、製剤の投与を受けた方の確認の促進に継続的に取り組んできているところでございます。 また、全てのフィブリノゲン納入先医療機関といいますと六千九百九施設でございますが、特に、私どもとして、平成二十年度から二十四年度にかけましては、政府系の医療機関二百五十二施設に対しまして、直接私どもの職員が訪問をして診療録等の保管状況を確認するとともに、医療機関による診療録の確認作業を依頼してきたところでございます。 さらに、平成二十五年度以降につきましては、国立病院、政府系医療機関に加えた、投与の可能性が高い診療科などにつきましても、医療機関に情報提供を行い、二十六年度からは、新たに、公立病院、私立大学病院、それから民間医療機関につきましても訪問調査の対象に加えているところでございます。 私どもの職員が直接医療機関にお伺いをいたしまして、どういう方法であれば効率的にこういったことの確認ができるか、そういった知識経験を生かす形で、私どもとしても医療機関に対しての働きかけを行ってきたということでございます。
○高橋(千)委員 ありがとうございます。 これは、私、たまたまですけれども、二〇一五年の一月十六日、第二回肝炎診療連携拠点病院間連絡協議会の中で亀田課長補佐が掘り起こしについて報告されたものを見させていただきました。書面で、四千百十九、つまり七二・六%の医療機関が、投与が判明をして、八百一施設、一万四千百二十七名が新たに判明したと。これは非常に大きな数字だと思うんですね。 私がそのうち注目をしているのは、平成六年、一九九四年以前の診療記録が千百五の施設で保管をされていた。ですから、最初に調査をしたときは、投与判明者はなしと回答していた。ですから、個人で聞いた人は多分、あっさり門前払いされていると思うんですね。そういう施設のうち、初めてフィブリノゲン製剤を投与したということが判明したと回答したのが百五十施設、千九人もいたということなんですね。 ですから、国が関与して調査をすることによってそのような数字が出てきたということが非常に重要なことだし、それを患者の皆さんが強く望んでいたのではないか、こういうふうに思うわけなんです。 二〇一二年なんですけれども、カルテがないC型肝炎の患者の皆さんの医療と生活の実態を調査した、新潟医療福祉大学大学院、医療法人財団健和会臨床・社会薬学研究所の片平洌彦教授らの調査報告書があります。この中に、投薬証明となるカルテを得ようとしてどのような苦労をしたかという問いがあって、百二十七名の回答が寄せられております。 全部紹介したいくらいなんですけれども、本当に、そんな昔のカルテはありませんと言っておきながら、あなたの場合は使用していませんとなぜ言えるのかなと思ったんですが、そう言い放った病院が、その後廃業になり、火事でなくなってしまったという方がいました。これでは、もうそれ以上言いようがないということで、本当に気の毒なケースであります。 あるいは、病院が廃業していたのでもう先生が見つからない、それで、たまたま、その先生の親戚だという方、先生は外科で、見つかった親戚の方は内科ですけれども、その方が間に入って何度も何度も聞いてくださったという話ですとか、納入実績がないと最初に言われた、だけれども、新聞であなたの病院もリストに載っていますよと言ったら、ちょっと待ってということで、ようやく資料を見せてくれたと。この方は、直接病院に行くまで本当に怖かった、門前払いされるのではないかという不安を告げております。 それから、カルテもほかの記録も何にも残っていないと言う病院に対して、個人がつけていた書類や日記やメモ帳など、さまざま、ありったけのものを持ち込んで、事務局の方が預かってくれて、とうとう納得のいく答えをもらう、でも、それまで四年半かかっている、本当にその間何度も、悲しくて、病院へ連絡するのはやめようと思ったかわからない、そう訴えていらっしゃるんですね。 ですから、患者らが訴えているのは、もっとこういう病院や製薬会社が協力してくれれば、そこに国のプッシュがあればということなんです。それは、もう既に先ほど答弁の中でも証明されていると思うんですね。このことについて、いかがでしょうか。
○武田政府参考人 ただいま御紹介のありました例えばカルテ以外の記録につきましても、例えば、入院診療録でありますとか、手術記録、手術伝票、麻酔記録、こういったところに、フィブリノゲン製剤を使ったという記録が書かれている場合がございます。医療機関を私どもが訪問した際には、こういったところも含めて記録の掘り起こしということを医療機関に依頼しているところでございますし、お話の中にありましたが、例えば患者本人または家族がつけていた記録、それから家族の証言といったことでも裁判手続の中で確認をされた例がございます。こういった点も含めて、私どものホームページの中で、QアンドAの形でお示しをさせていただいておりますけれども、さらに一層、この点の周知については努めてまいりたいというふうに思います。 それから、先ほど御紹介をさせていただきましたとおり、国立を中心とした政府系医療機関、そして公立病院につきまして私どもの職員の訪問の個別調査ということを行ってまいりましたが、これからさらに、今後、個別調査の対象とならなかった納入本数が百本未満の医療機関に対しても、何らかの形で、訪問調査にかわる効率的な依頼方法を検討していかなければならないと思っておりまして、引き続き、医療機関によるこの製剤投与を受けた方の確認の促進に向け、私どもとしてもきめ細かく取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○高橋(千)委員 ぜひお願いをしたいと思いますし、だからこそ救済法は延長しなければ、気がついたときには間に合っていないということにならないように、ぜひお願いしたいと思います。 次に、B型、C型ともに強く要望が出されているのが、重症化したがん、肝硬変などの患者に医療費助成が欲しいということであります。 資料の二枚目に、昨年度の医療費助成の実績をつけました。甲、乙というのは、自己負担額が一万円の人と二万円の人の差があるということでありますけれども、今話題のインターフェロンフリーが約九万件交付をされておりまして、C型肝炎が治っているということが実際にあるわけでありますよね。 そこで、上の方にあるんですけれども、総事業費が百四十八億、交付決定額は九十億。では、もし重症化した肝がん、肝硬変患者などに治療助成をする場合、どのくらいかかるんだろうか。お願いします。
○福島政府参考人 肝硬変や肝がんの患者の方への医療費助成につきましては、患者の皆様から強い御要望をいただいておりまして、また、昨年の国会におきましても衆参両院で請願が採択をされていることも踏まえまして、厚生労働省では、昨年六月に肝炎対策基本指針を改正いたしましたが、その改正指針に基づきまして、現在、肝硬変、肝がん患者の方に対するさらなる支援のあり方について検討を進めているところでございます。 昨年度、医療保険のレセプト情報のデータベース、NDBを活用いたしまして、肝硬変、肝がんの患者数、治療頻度、医療費などの実態を明らかにする調査を行っておりますが、ことしの五月末までに研究班から報告書が提出されることとなっております。 この調査結果を基礎データとして活用しながら、今後さらに検討を進めていくこととしておりますけれども、お尋ねの予算の規模などにつきましては、現時点では調査結果が出ていないということに加えまして、どういう支援の内容にするのか、対象者の範囲をどうするのかということでかなり変わってくることがございますので、検討の途上で今お示しすることは困難であるということでございます。
○高橋(千)委員 予定ではもうとっくに結果が出ているはずだったんですよ。五月末になったということで、非常に待ちわびているわけであります。 実は、大臣に聞いていただきたいんですけれども、先ほど紹介した調査のきっかけは、厚労省の調査が先行してあったわけなんですね。堀内班と呼ばれた研究班が、二〇〇九年十月五日までに和解が成立した千二百五名について実態調査を行って、医療、生活、そして精神健康上の問題、いじめや差別などの対人関係、そして治療にかかる金銭的負担など、本当に多大な身体的、精神的、経済的、社会的被害を受けてきた、これを明らかにしたんですね。ですから、これを受けて、和解に至らない人も受けた被害は同じはずだという視点で調査を行ったわけなんです。 ですから、考えてみると、政府は一定のそういう調査というのは持っているわけなんですね。そういう中で、今紹介してくれたように、両院で請願が採択をされて、今レセプトデータの検証をやっているということですから、期待は高まるわけでありますけれども、私は、この予算枠が極端にはみ出ることはないと思っているんですよ。調査研究の結果は何らかの支援策に結びつくと考えてよろしいのか、大臣、ぜひお願いいたします。
○塩崎国務大臣 先ほど健康局長の方からお答えを申し上げたところでありますけれども、昨年の国会で、衆参両院で請願が採択をされた。請願が採択されるというのはそれなりの重みのあることであるということは私もそのとおりだと思っていますので、昨年六月に改正をした肝炎対策基本指針に基づいて、肝硬変や肝がん患者の方に対するさらなる支援のあり方についての検討を進めなければならないということで、先ほど、調査結果が出ていない、こういうことでありましたが、やはりこれは、どういう支援ができるのか、対象者の範囲なども定めた上で、検討の途上でお示しするというのは今は難しいと申し上げておりますけれども、基本的には、支援をしていくというのは国会の請願にあるとおりであると思いますので、できる限り期待に応えなければいけないとは思っております。
○高橋(千)委員 ちょっとさっきの特定機能病院に比べると大分歯切れが悪いですが、前向きな答弁であったのかなと受けとめたいと思います。 もう一つ、薬害はもう二度とないようにということの思いはずっと言われてきているわけです。二〇一〇年四月二十八日の「薬害再発防止のための医薬品行政等の見直しについて(最終提言)」に示された第三者組織、これはいろいろな経過があったのは我々も覚えています。でも、これは本当にやらなければと思っておりますけれども、大臣の決意をお願いします。
○塩崎国務大臣 今、最終提言ということで、これは二〇一〇年四月に示されたものでありますが、第三者組織をつくるべきということかと思います。 医薬品行政を監視、評価する組織としての提言があったというふうに理解をしておりますけれども、この設置につきましては、薬事法の改正を検討していた平成二十五年当時、議員連盟で与野党を超えて幅広く精力的に御検討をいただいたわけでございます。ただ、そのときには関係者の合意というのがまとまったということには至らなかったようでございまして、厚生労働省としては、多くの方の賛同を得ながら進めるために、議員連盟と原告団それから弁護団が意思疎通をされる中で、厚生労働省が入る形で、引き続き真摯に対応を検討してまいりたいというふうに考えております。
○高橋(千)委員 薬害肝炎の問題から端を発し、かつ、これは全ての薬害被害者の願いであります。そしてまた、薬事法は名前も変わりましたけれども、これから起こることがないようにという思いがあるわけでありますから、第三者組織は必ずつくる必要があるということで重ねて訴えたいと思いますし、何かタイミングの問題などもあるということを聞きましたので、今回、薬害肝炎救済法の期限が来るということで、ちょうどいいタイミングではないかなと思っておりますので、ぜひそれに向けて頑張っていきたいと訴えておきたいと思います。 次に、きょうは、ゲノム検査について伺いたいと思います。 ネット通販などを通して、消費者がみずから採取した検体を送り、体質や疾病リスクを解析するDTC遺伝子検査ビジネスが普及しております。これがなぜ今回、法案の対象となっていないのか。昨年十月のゲノム情報を用いた医療等の実用化推進タスクフォースの取りまとめでは、厚労省もかかわった上で、実効性のある取り組みを行うとなっているわけでありますけれども、大臣に伺いたいと思います。
○塩崎国務大臣 今回の医療法等の改正につきましては、ゲノム医療の実用化に向けて、特に重点的かつ早急に検討を要する課題でございます、医療分野における遺伝子関連検査等の品質、精度の確保のための制度改正を行っております。 一方で、今御指摘をいただきましたいわゆる消費者向けの遺伝子検査サービス、これにつきましては、関係府省と連携をいたしまして、厚生労働省が事務局を務めております有識者会議でございますゲノム情報を用いた医療等の実用化推進タスクフォース、この昨年十月の取りまとめにおきまして、医療や健康増進の観点から厚生労働省もかかわった上で、検査の質などについて一定の水準を確保するために実効性のある取り組みを行う必要があるというふうにされました。 これを受けて、厚生労働科学研究におきまして、消費者向け遺伝子検査ビジネスの検査手法や利用者への説明内容など、サービスの現状を把握するための実態調査を行っております。この実態調査の研究の成果を踏まえて、厚生労働省として、これらのサービスの質確保の方策について、必要な施策を検討してまいりたいと考えております。
○高橋(千)委員 実態調査を今行っているというお話でしたけれども、やはり、さっきの大西委員の議論ではありませんけれども、普及している今の実態からいうと、今調査をしているというのはちょっと間に合わないタイミングではないかと思うんですね。でも、実際には調査はさまざまやってきているわけです。それを踏まえて、私は、本来は速やかに今の体系に入れるべきだったとまず指摘をしたいと思うんです。 それで、きょうは経産省に来ていただいているんですけれども、まず、遺伝子検査ビジネスにはどのくらいの業者が参入しているのか、また、自主規制や認定制度などさまざまつくっているかと思うんですが、それでどれだけカバーされているのかということをお願いします。
○吉本政府参考人 お答え申し上げます。 消費者向け遺伝子検査サービスにつきまして、正確な事業者数、これは悉皆で把握をしておるわけではございませんけれども、医療機関以外でこういったサービスを展開しておる主な事業者、これにつきましての事実上の業界団体としまして、NPO法人個人遺伝情報取扱協議会、これは平成十八年、二〇〇六年に設立された協議会でございます。これに現在加盟しております企業は三十四社ということでございます。 委員がお配りになった、議場に配付されている資料にも関係の資料はございますけれども、過去五年を見ますと、二十二社、二十七社、二十五社、三十七社、三十四社と、大体、この五年間ぐらい、二十から三十の間を行ったり来たりしている、こういったような業者数になっているというふうに認識をしております。 その上で、この協議会でございますけれども、消費者向け遺伝子検査サービスを対象とした、私ども、先ほど御紹介いただきましたガイドライン、こういったものをつくっておりますけれども、これに準拠しまして、独自の事業者認定制度を設けております。二〇一六年の六月に最初の事業者の認定を実施しておりまして、これまでに十社が認定を受けているということでございます。 したがいまして、三十四社中、約三割の事業者がこの認定を受けている、こういうふうに承知をいたしております。
○高橋(千)委員 まず簡単に一言答えていただきたいんですが、個人遺伝情報取扱協議会、これは今、三十四社とおっしゃいました。だけれども、実際に、遺伝子ビジネス、いろいろなことはありますけれども、キットを売っているだけとか、送っているだけとかさまざまありますけれども、それを何かしらやっている業者というのはもっとたくさんありますよね。
○吉本政府参考人 お答え申し上げます。 いろいろな事業者がいろいろな形で関与をしていると思います。そういう意味では、その全体像につきまして全てを把握しているわけではないというのは先ほど申し上げたとおりでございます。 ただ、もしかするとということでございます。平成二十四年に私ども調査をさせていただいたものがございます。これは七百事業者ぐらいがこの事業の対象になりましたが、この中には医療機関とかそういったものも実は含まれておりまして、先ほど申し上げましたような消費者向けの遺伝子検査サービスを直接やっておられる事業者の数は、その当時では十三社であった、こういうふうな状況でございます。
○高橋(千)委員 私は、七百機関とおっしゃった中身が非常に重要だと思っているんです。それはちょっと後の方でお話をするんですけれども。 資料の三枚目に、これは経産省がつくった、啓発といいましょうか、大変、かなり緩いイラストであります。 こんな検査を受けようとしているあなたに。お医者さんに行かなくてもインターネットやお店で買って受けられる検査がいろいろあります。体質検査、肥満検査、はげの検査、アルコール代謝の検査、病気のかかりやすさ、病気にかかるリスク、運動能力、音楽の才能、絵の才能、親子鑑定、血液鑑定。気がつかないで遺伝子検査を受けることになるかもしれません。 これは、一瞬どっちかな、向きはどっちかなと一瞬思うわけですよね。遺伝子検査を大いに普及しているのかなと思ったら、そうではなくて、認定業者というのがありますから、右のこのチェックリストを全部チェックしたところだったら大丈夫ですよ、そういう意味のものなんですよね。 ところが、これは経産省のホームページなので、そもそも、認定事業者じゃないところがわざわざ自分のところがはじかれるようなものを自分のネットに紹介しているはずもないわけであります。ですから、どれだけの人が、ビジネスを受けてみたいな、このサービスを受けてみたいなというときに、この経産省の呼びかけを見るかということをまず指摘をしなくちゃいけないと思うんですね。 それから、今お話があったように、資料の四枚目に、NPO法人個人遺伝情報取扱協議会の会員企業の一覧があります。下の方が、認定サービス、認定事業者の一覧であります。 これは、あれっと思うんですよね。三十七社あるんですけれども、認定サービス、事業者は、たった九事業者、十サービスにすぎません。つまり協議会の会員企業すら認定されていないというのは、どういうことでしょうか。
○吉本政府参考人 お答え申し上げます。 この制度、先ほど申し上げましたとおり、昨年始まったばかりということでございまして、昨年段階で十三社が御申請されて、そのうち九社がとられ、ことしになりまして一社追加した、こういう状況でございます。 まだ制度自身が始まったばかりということでございまして、我々の方としても周知徹底に努めておるということでございます。
○高橋(千)委員 実際に受けた説明は、認定料が百万くらいかかるので、非常に負担だからというので受けていないところもあるという説明でありました。これではやはり名前倒れなのかなと思うし、それが自主規制の限界なのかということを言わなければならないと思います。 あわせて、消費生活センターなどに遺伝子検査ビジネスについて苦情や相談が寄せられていると思います。経産省としてはどのように把握をされているんでしょうか。
○吉本政府参考人 お答え申し上げます。 全国の消費生活センター等へ寄せられました消費者向け遺伝子検査サービスに関する消費者相談ということでございます。 当省の方で、全国消費生活情報ネットワークシステム、PIO—NETの情報を頂戴いたしまして、平成十四年四月から平成二十八年一月までの十四年間につきまして集計をいたしましたところ、三百六十五件という御相談というのを受け付けた記録がございます。 相談の内容といたしましては、解約、キャンセル等の相談、これが大体全体の五割。それから、検査キットが一方的に送ってこられたので困っているというようなお話が三割。ただ、遺伝子サービスに限らず一般的な商取引に関する場合でもあるであろうと思われるような相談、これが大部分を占めております。 その上で、遺伝子検査の結果などへの相談というものも当然ございますが、これは全体の一%というような状況になってございます。
○高橋(千)委員 資料の5に消費者相談の実態をまとめた表をつけました。 今紹介があったように、十四年間弱で三百六十五件あったということなんですけれども、例えば左下の2というところで、今お話があった遺伝子検査キットの無断送付、百二十一件もあるんですね、三三%。海外からの遺伝子検査キットの送付などということで、これは要するに、情報が業界の中で共有されているのかなという、大変セキュリティーの問題を感じるわけでありますね。こういう一端がうかがえるということなんだと思うんです。 そこで、これも経産省がつくった資料なんですが、6を見ていただきたいと思うんです。 「消費者向け遺伝子検査ビジネスの効果」、遺伝子検査は、健康意識の向上、生活習慣改善に効果、住民の健康意識向上を促すサービスとして地方自治体による活用例もあるということで、これはDeNAライフサイエンス社の事例が挙がっています。食事、栄養バランスに配慮するようになった人が四五・二%、睡眠、休養を意識するようになった方が三〇・四%、運動をするようになった方が三〇・三%、禁煙を始めた人が一〇・七%、こうあるんですけれども、正直言って、今読み上げたような例というのは、遺伝子検査で指摘されなくてもわかっていることじゃないでしょうか、生活習慣そのものですからね。 生涯不変の遺伝子ではなくて、生活環境、生活習慣の影響というのが問われているものであって、逆に本人は、運動不足だとか、食べ過ぎだとか、たばこをやり過ぎだとか、一番よくわかっていることなんですね。それを遺伝子検査で、何か売りにしているという必要はないと思うわけです。 それから、さっき紹介があった、二〇一三年の二月に経産省が三菱化学テクノリサーチに委託して行った個人遺伝情報保護の環境整備に関する調査報告書の中に、消費者のアンケートもありました。大変興味深く読みました。 確かに、今のように、遺伝子検査をやって気をつけるようになった、よくわかった、自分が疑問に思っていた体質がわかって納得した、そういうよい反応もありました。でも、大概は、肥満の遺伝子タイプを調べ、あなたは一番痩せにくい体質という結論が出てがっかりしたというのとか、タイプがわかって即座にお勧めの高いサプリを買ったけれども効果がなかったと。これはどっちのせいかはよくわからないわけなんですね。 つまり、これは信頼性そのものも問われるし、かつ、結局サプリを売るのが目的なのか、こういう印象を受けてしまうんですけれども、このような状況でよろしいんでしょうか。
○吉本政府参考人 これはあくまでも任意の、個人の健康意識を高めるためのきっかけ、人によって効果のあるきっかけは違う、そういう意味ではこういった遺伝子検査というのを一つのきっかけとされる方もいらっしゃる、こういうことでございます。これは、この検査を受けることを強制しているものでも全くございませんし。 ただ、やる以上はそういった科学的な根拠も含めた質の高いもの、また、こういった遺伝子を扱うわけでございますので、その情報の取り扱いも気をつけていただきたい、こういったようなことを定めておりますのが先ほど申し上げたガイドライン等々である、こういうことでございます。
○高橋(千)委員 なので、そのガイドラインを遵守されているんだろうかということが問われると思うんですね、規制がないわけですから。 そこで、厚労省に伺いたいと思うんです。 今は、どちらかというと、生活習慣とか、いわゆる本人の肥満だとか、そういう体質にかかわる問題なんです。今度は、一方で、がんリスクをうたっているサービスというのは非常に多いですよね。 先ほどの資料にあった神奈川県の未病市場創出促進事業というのがありますが、二〇一五年に採択をされた商品がDeNAのマイコードというものなんですね。自宅でできる簡単検査ということで、健康応援割引だそうです。三大疾病のがん、心筋梗塞、脳梗塞等あるいは長生きなどの体質、二百八十項目の遺伝的項目がわかるというのが売りで、これが二万八百六十円、がんだけのパックは一万三百六十円ということで、発症リスクが一覧でわかりますということになって、ホームページにあるわけですね。 ただし、本検査の目的、限界についてというお断りが一番最後に書いてあります。本サービスは医療行為に該当するものではありません。 つまり、診断してはならないわけですよね、診断すると医療行為になっちゃうので、あくまでもこれは情報提供ですよという断りを入れているわけです。 ですが、やはり受ける人にしてみたら、発症リスクを早期に見つけてほしいということで、一番期待が高いわけですよね。あくまでリスクはあるよ、でもそれ以上は言えないよということで、逆に不安感を抱えるわけです。例えば、五〇%などと言われたときに、安心していいのかどうか。安心しても困るのかもしれないし、過剰に反応しても、外国の女優のような過剰な反応をしてもどうなのかということが問われるわけですよね。やはりそこは、医療との境界線というのは、実はほとんどなくなっているのではないかという問題意識を持っています。 そこで伺いますが、まず、このマイコードは、東大医科学研究所との共同研究を明記しています。それが売りでもあると思うんですよね。こうした医療機関との共同で検査もやっているわけなんです。そうすると、遺伝子検査ビジネスの検査に使う機器やあるいは検査キット、これは医薬品医療機器法の規制に入るのではないのか、まず伺います。
○武田政府参考人 ただいま、遺伝子検査に用いる機器、検査キットにつきまして、医薬品医療機器法上の医療機器に該当するのではないかというお尋ねでございます。 DTC遺伝子検査に用いられる機器の一つであるDNAシークエンサーというのがございますけれども、これはもともと、疾病の診断等の用途ということではなく、大学などの研究機関における生物学の研究の用途で開発されたものと承知をしておりまして、それが最近の医学、医療の進歩によりまして、人の診断等にも用いる可能性が出てきているということではないかというふうに承知しております。 医療機器または体外診断用医薬品への該当性でございますけれども、法律上、この医療機器の定義といたしましては、「人若しくは動物の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人若しくは動物の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことが目的とされている機械器具等であつて、政令で定めるもの」というふうに規定がございますので、この法律の定義に照らしまして、疾病の診断等を目的としているかどうかということで判断をしていくことになるというふうに考えております。 具体的には、個々の機器、検査キットに関しまして、機械を使って行われる検査項目がどういう項目であるか、製品に医療機器と判断されるような表示があるのか、それから、仕様書などの機械に添付される文書、販売の際の広告の記載内容などに沿って判断をしていくことになるものと考えております。 仮に、その個々の機器に即しまして判断をした場合につきまして、これが医療機器などに該当すると判断をされました場合につきましては、医薬品医療機器法に基づきまして、医療機器としての承認をとらせるなど、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○高橋(千)委員 とても長かったんですけれども、DNAシークエンサーやあるいは検査キットなどが医薬品医療機器法にかかわる場合があるということをお答えになったと思うんです。ですから、こっちはビジネスで、こっちは医療で、関係ないよということでは、もうできなくなっているんだと思うんですね。 大臣に最後に伺いますが、本当に、この経産省の調査の中にも出てくるんですけれども、会社の名前も大変よく似たものがあって、自社検査はほんのわずかしかやっておりません。キットを売るだけとか、あるいは単なる再委託で丸投げしているとか、その間には、外国に委託したり、外国から受託したり、さまざまあるので、その過程で個人情報がどう扱われているのかというのが本当に不安になるわけですよね。なので、やはり一体となった規制を行うこと、それから、例えば、採用の条件あるいは生命保険の加入の条件に遺伝子検査を求めてはならない、そういうことはEUですとかドイツの法律などでも規制をしているわけですけれども、やはり遺伝子差別禁止法を目指すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 アメリカでもいろいろ経緯があって、真っすぐいっているわけではない規制のあり方のようなふうに受けとめておりますが、ゲノム医療を将来にわたって発展させようということは私どもももちろん考えているわけで、遺伝子異常が見つかった患者さんとかその血縁者が差別などの不当な扱いを受けるということがないようにしないといけないわけで、それが重要なポイントだと思います。 米国でも、GINA法というのがあって、採用あるいは健康保険団体への加入時などに意図的に遺伝情報を取得することや遺伝情報に基づく差別を行うことが禁止をされている。このような法律が我が国でも必要ではないかという御意見があることを、我々は認識をしっかりしています。 一方で、我が国は国民皆保険制度でありますので、ゲノム情報によって医療保険の加入制限等の差別的な取り扱いが行われることはないと考えておりますが、一方で、医療従事者には守秘義務が課せられているとともに、本年五月末には改正個人情報保護法が施行されて、本人同意のないゲノム情報の取得や第三者への提供というのは、これは禁止をされることとなっています。 今後、国民に安心して遺伝子検査を受けて、医療として活用していただくためには、社会における差別の実態とか国民の懸念事項を把握することが重要と考えられますし、厚生労働省の研究事業において、遺伝学的特徴に基づく差別等の実態調査を実施しているところでございまして、この調査結果を踏まえて、関係省庁と連携して必要な施策を検討したいと思っておりますが、いずれにしても、個人情報の保護というものについては、これまで以上に、この遺伝子検査についてはしっかりとしたものにすべきではないかというふうに私は個人的には思っております。
○高橋(千)委員 終わります。また続きをお願いいたします。
○丹羽委員長 次に、河野正美君。
○河野(正)委員 日本維新の会の河野正美です。 医療法等の一部を改正する法律案ということで質問に入らせていただきますが、もう本日最後ですし、重複する部分とかあるかと思いますが、よろしくお願いいたします。 また、たくさん通告させていただいておりますが、足りない分はまた後日というふうに考えております。 本改正案では、これまで医療法や臨床検査技師等に関する法律やその施行令で定められていた精度管理の基準や検体検査の分類を、厚生労働省令に委任することを定めております。いたずらに法律事項を政令に委任するのであれば、行政の動きに立法府の目が届きにくくなる観点から望ましいことではなく、必要最低限にとどめておくべきだというふうに考えますが、今回の政令委任の狙い、その必要性について具体的に説明をいただきたいと思います。
○神田政府参考人 今回の改正法案におきましては、検体検査の定義を「人体から排出され、又は採取された検体の検査として厚生労働省令で定めるもの」というふうに規定いたしまして、検体検査の分類について省令委任をすることとあわせまして、医療機関みずから実施する検体検査について、精度管理の基準を定めるための根拠規定を新設し、衛生検査所やブランチラボと同様に、この基準を省令委任することとしております。 まず、検体検査の分類を省令委任することについてでございますけれども、近年では、ゲノム解析など新たな検査技術が生じてきておりまして、また、今後、ゲノム解析だけではなく、新たな種類の検査方法が実用化されていく可能性があると考えられます。こうした新たな技術等に対して、精度管理の基準を迅速に整備することが今後必要であると考えております。このため、今回の法改正におきましては、時代の変化に柔軟かつ迅速に対応することができるよう、検査分類を現行のように個別に法定するのではなく、省令委任することとしたものでございます。 また、精度管理の基準についてでございますけれども、衛生検査所やブランチラボにおけます精度管理の基準の具体的な内容につきましても、技術的な事項であることから、現在も省令で細かく定めているところでございます。今回の改正では、先ほど申しましたように、検査分類が省令委任されており、この検査分類に応じた精度管理の基準を新たな技術等に対応して柔軟かつ迅速に整備する必要があることから、省令委任することとしているものでございます。 いずれの省令委任事項につきましても、法案成立後、医療関係者等が参画する検討会で議論することを予定しておりまして、検査を実施する医療機関の特性や検査の内容等を踏まえ、これらが適切に整備されるよう努めてまいりたいと考えております。 〔委員長退席、三ッ林委員長代理着席〕
○河野(正)委員 遺伝子検査のあり方について伺いますが、本改正案は、ゲノム医療実現推進協議会のもとに置かれたゲノム情報を用いた医療等の実用化推進タスクフォースが取りまとめた議論を受けて、遺伝子関連検査等の品質や精度を確保するためのものだと思っております。 そもそも我が国における遺伝子検査の実情をどのように捉えているのか、政府の現状認識を確認させていただきたいと思います。
○神田政府参考人 国内の遺伝子関連検査の実施状況についてでございますけれども、網羅的に把握できる情報はございませんけれども、平成二十七年度に国立研究開発法人日本医療研究開発機構、いわゆるAMEDが委託事業としてアンケート調査を実施いたしております。 この調査によりますと、特定機能病院等の病院、診療所、衛生検査所に対しまして、平成二十六年度における遺伝子関連検査の実績を調査しておりますけれども、病院については、回答のあった百七十一施設中百四十施設で、診療所については、回答のあった二百施設中二十五施設で、衛生検査所につきましては、回答のあった百施設中七十三施設において遺伝子関連検査が実施されているというふうに把握されているところでございます。
○河野(正)委員 経済産業省の方もよろしいでしょうか。
○吉本政府参考人 お答え申し上げます。 先ほどの高橋委員への御答弁で申し上げましたけれども、消費者向け遺伝子検査サービスにつきまして、正確な事業者数は悉皆では把握しておりませんけれども、医療機関以外で同サービスを展開しております主な事業者、これが事実上の業界団体、NPO法人個人遺伝情報取扱協議会、これをつくっておりまして、これに加盟する企業は現在三十四社ということでございます。
○河野(正)委員 昨年十月、さきのタスクフォースが、「ゲノム医療等の実現・発展のための具体的方策について(意見とりまとめ)」というのをまとめられました。ここでは、「遺伝子関連検査に特化した日本版ベストプラクティス・ガイドライン等、諸外国と同様の水準を満たすことが必要であり、厚生労働省においては関係者の意見等を踏まえつつ、法令上の措置を含め具体的な方策等を検討・策定していく必要がある。」というふうにされております。 本改正案で必要な検討を終えたという認識かどうか、確認をさせていただきたいと思います。
○神田政府参考人 お答えいたします。 今回のこの法律改正案は、今先生御指摘ございましたゲノム医療タスクフォースからの指摘を踏まえまして、医療機関と医療機関が検体検査業務を委託します衛生検査所などが実施する全ての検体検査について、国際的な水準で精度の確保を図ることを法律上の枠組みとして可能とするものでございます。また、精度管理の基準を策定する前提となります検査分類を省令委任いたしまして、分類に遺伝子関連検査を追加するなどの見直しを行いまして、遺伝子関連検査の特殊性を考慮した基準設定を可能とするというものでありまして、御指摘につきましては、一定程度対応できるものというふうに考えております。 具体的な精度管理の基準につきましては、今後、医療関係者が参加する検討会で検討することを予定しておりまして、諸外国と同様の水準を満たすことが必要とのタスクフォースの取りまとめの指摘を踏まえまして、引き続き検討を進めていきたいというふうに考えております。
○河野(正)委員 消費者向けの遺伝子検査は、全遺伝情報であるゲノムやその一部を解析することにより、疾患に罹患するリスクや体質、性格の傾向など、統計データに基づいて示すものであり、疾患そのものを診断するものではないために、医行為とはみなされず、医療関連法令の対象外と位置づけられております。遺伝子検査を受けることで、利用者自身の気づき、行動の変化を期待するという点に狙いがあるとされているのかなと思います。 しかし、その検査結果に科学的な根拠があるのかどうか、その質を確保するための取り組みが十分になされているのかどうか、消費者向け遺伝子検査を手がける事業者が参加する個人遺伝情報取扱協議会、昨年から認定制度を発足しておりますが、その根拠の科学的な信頼性が厳密に審査されているわけではないというふうにも言われております。先ほど来、この辺の質問があったかと思いますが。 利用者は、ある意味、わかりやすい結果が数字で示されることになりますが、その結果そのものの根拠が科学的に確かなものであるかどうかを判断することは極めて難しいと思います。科学的根拠の妥当性も含めて徹底して検証することが質を確保する上で重要と考えますが、政府の見解を伺いたいと思います。
○吉本政府参考人 お答え申し上げます。 消費者向け遺伝子検査サービスにつきまして、まさに委員御指摘のとおり、利用者の行動変容を促しまして健康の維持増進に寄与する可能性など、さまざまな効用が期待されておるわけでございますけれども、それらの前提となります科学的な根拠の確保、これは極めて重要な問題だというふうに認識しております。 そういった点も踏まえまして、経済産業省では、消費者向けの遺伝子検査サービスにつきまして、個人情報の保護あるいはサービスの信頼性確保について規定しましたガイドライン、最初は平成十六年、これを、平成二十九年、ことしになりまして一部改正をし、あるいは平成二十五年に、事業者向けの遵守事項、こういったものを外部の専門家の力もおかりいたしまして策定、公表しているということでございます。 委員御指摘の業界の事業者の認定制度の基準におきましても、こういったガイドライン等を踏まえた形での基準を定めていただいている、その中には質に関するものも入っている、こういうことでございますが、さらに、こういった近年の急速な遺伝子解読コストの低減、あるいは解析技術の向上、あるいは非医療分野の消費者向けの遺伝子サービスの提供、世界的にも大変注目を浴びているというようなことがございまして、消費者の関心も高まっているということで、改めて、その質の担保、規制のあり方について議論がされているということを承知しております。 現在、政府の健康・医療戦略推進本部のもとに、厚生労働省、経済産業省も参加をいたしまして一元的な検討体制が整備されておるということでございます。この本部の下、まずは諸外国の動向、事業実態等をしっかりと把握いたしまして、遺伝子検査サービスを正しく健康維持増進につなげられるように、適正なサービスの提供のあり方、環境整備を検討してまいりたい、こういうふうに考えてございます。
○河野(正)委員 若干繰り返しの質問になるかもしれませんが、例えばインターネットの検索サイトで遺伝子検査と入力をいたしますと、消費者向け遺伝子検査の広告がずらっと並んでたくさん出てきます。そこには、話題の遺伝子検査が三〇%オフであるとか、自宅でできる検査が今ならお得にできる、病気、疾患の傾向と対策が見えてくる、肥満や肌タイプ、祖先など三百六十項目が検査できますといったような言葉が躍っております。この言葉を見て、利用者は病院で受ける検査と同じような結果が自宅にいながら手に入れることができると思い込んでしまうのではないかといった懸念の声も聞こえてまいります。 こうした検査結果は、結果そのものだけでなく、その結果がどのように解釈されるものなのかを読み解くことが極めて重要です。しかし、市販されている遺伝子検査ではそこまでフォローが行き届いているものが多いとは言えず、国民に誤解や混乱を招きかねないのではないかと心配されます。 結果を解釈するに当たってのサポートや、その質をどのように確保し、利用者、国民に提供するのかという点が極めて重要と思いますが、改めて見解を伺いたいと思います。
○吉本政府参考人 お答え申し上げます。 消費者向け遺伝子検査サービスの結果、これを利用者が正確に理解し活用する、まさに委員御指摘のとおり、利用者に対する適切な情報提供あるいはフォローアップ体制、この整備は大変重要だというふうに考えております。 こういった観点から、先ほども御紹介いたしましたけれども、私ども経済産業省のガイドライン等では、検査の意義、目的、予測される結果あるいは不利益等について事前に十分な説明を行い、同意を得るといったこと、あるいは、必要に応じ利用者が遺伝カウンセリングを受けられる体制を整備すること、こういったような内容のものを求めているということでございます。また、サービスの利用者向けの啓発資料を作成しまして、遺伝子検査サービスの内容や疾患リスク、解釈方法についての情報提供を行っている、こういうことでございます。 いずれにしましても、先ほど御説明いたしましたとおり、現在、厚生労働省、内閣官房、あるいは消費者庁さん、各省等と連携いたしまして実態を把握しようとしているところでございます。こういったものを踏まえまして、しっかりと環境を整備してまいりたいというふうに考えてございます。
○河野(正)委員 医療現場では、遺伝子診断に当たって、その結果を読み解くために、医師だけではなく遺伝カウンセリングの専門家が患者さんと向き合うことで、できるだけ正確にその結果を受けとめられるような配慮がなされているというふうに思います。患者側は、医師に尋ねられなかった心配事や結果の意味することなどをカウンセラーに確認することができ、医療者側は、患者の意向や価値観、ニーズにより近づける形で医療を提供することができるかなというふうにも思います。 ゲノム医療の進展に伴い、遺伝情報を解釈し、医療者と患者を橋渡しする専門家として遺伝カウンセラーの役割は欠かせないというふうに考えますが、こうした遺伝カウンセリングに携わる者に求められる資質について、遺伝カウンセリングの意義とあわせて厚生労働省の見解を伺いたいと思います。 〔三ッ林委員長代理退席、委員長着席〕
○塩崎国務大臣 昨年、東大医科研がAIを使ってがんの種類を当てて治療をするという、この遺伝子検査を含めてやっているのをNHKが紹介していました。そのように、がんの治療に当たってもこのゲノム情報、ゲノム検査というのが活用されているわけで、先ほどもその数字が出ておりましたけれども。 このゲノム医療を行うには、M・D・アンダーソンでも、ゲノムのお話、そして免疫療法なども一緒に話を聞いてまいりましたけれども、そういった際には遺伝子検査が前提になるわけで、ただ、御本人もそれから御家族も、そういう検査結果を聞くだけでは正確に何を意味するのかというのがよくわからないということで、言ってみればそしゃくし切れないということがあり得るわけでありまして、将来の疾病の発症に関しても、むしろ大きな不安を持つようになってしまうということがあり得るわけであります。そういう際に、今御指摘の遺伝カウンセリングの役割というものが非常に重要であって、その整備がやはり求められますし、東大医科研のときにも、カウンセラーが患者さんに寄り添ってカウンセリングをしているというのを紹介していました。 ゲノム医療の実用化に当たっては必ず必要になってくるわけであって、厚生労働省では、平成二十六年度以降、遺伝カウンセリングの体制の確保のために人材の養成に取り組んできておりまして、これは引き続き充実に努めていかなければならないというふうに思っているところでございます。
○河野(正)委員 日本医療研究開発機構の調査によれば、全国のがん診療連携拠点病院や大学病院などで遺伝に関するカウンセリングを行う認定遺伝カウンセラーが一病院当たり一人もいないことが判明をいたしております。国は、がん対策加速化プランなどで遺伝カウンセラーの配置促進などを打ち出しているものの、実情が伴っていないんじゃないかなというふうに思います。 他のさまざまな政策課題でも言えることですが、厚労省が示すプランと現場の実情が合致していないということが多々あるようにも思っております。 遺伝カウンセリングの重要性は、がんだけではなく、希少疾病や、難病、生殖医療など多くの医療現場で求められており、質、量ともに充実させることがますます必要となってくると考えますが、改めて政府の見解を伺いたいと思います。
○神田政府参考人 先生御指摘のとおり、ゲノム医療の実用化を進めるに当たりましては、遺伝カウンセリングに当たる人材の質の向上を図ることが極めて重要であるというふうに考えております。 これについて、学会の取り組みといたしまして、日本人類遺伝学会と日本遺伝カウンセリング学会が認定いたします認定遺伝カウンセラーという資格がございますけれども、その認定数は昨年十二月現在で二百五人ということで、大変人数が限られてございます。こちらは大学院を出た上で試験に合格するというような資格でございます。 このため、厚生労働省といたしましては、ゲノム医療の実装を進めていくという観点から、現場でゲノム医療従事者を養成する必要があるという観点から、遺伝カウンセリングにつきまして、Eラーニング教材の開発ですとか、ロールプレー研修会の実施とその教育効果の評価などの研修事業に取り組んできておりまして、二十九年度以降も研修プログラムの改善を行うなど、現場で従事をするゲノム医療従事者の研修等の取り組みを進めていく予定にいたしております。
○河野(正)委員 いろいろな法案のときに言っておりますけれども、さまざまな専門医に任せるとか医療従事者に任せるといっても、実際はそういった人材がいないという現状がありますので、その辺、きちんと対応していただきたいというふうに思っております。 このように、医療機関でも読み解くに当たって多くの配慮が必要な遺伝情報を個人と事業者間だけでやりとりさせるサービスに本当に意味があるのか、疑問や懸念の声も聞かれているところであります。 ヨーロッパの多くの国では、遺伝子検査には医療従事者の関与が求められているので、我が国のような事業者による遺伝子検査は事実上認められていないということであります。こうした海外の動向を踏まえて、なお我が国で遺伝子検査を推し進めるメリットがどこにあるのか、より慎重さが求められるのではないかと考えますが、政府の見解を伺いたいと思います。
○吉本政府参考人 消費者向けの遺伝子検査サービスでございます。 先ほど来、健康増進に向けて気づきの機会というような話もございました。また、企業が収集したゲノム情報等を研究利用していくというようなことで、個別化医療あるいはゲノム医療の実現につなげられるといったこと、さらには、単なる遺伝子情報だけでなくて、最近注目されておりますようなビッグデータとか人工知能技術、こういったものとの融合によって、将来、今思いも浮かばなかったような有望なサービスが生まれる可能性もあるということではあるかとは思いますが、一方で、まさに検査の質、これが十分に確保されていない場合には誤った行動変容を導いたりとかそういうことも可能性がございますし、あるいは、適切な事前の知識の周知あるいは事後の丁寧なフォローアップ、こういったものと組み合わされて初めて消費者の納得ができるサービス、メリットを感じることができるサービスを提供できるということもまた事実だと思っております。 こういった成長に対する期待に見合った新しいサービス事業を成長させるためにも、サービスの信頼性確保、あるいは個人情報保護についての規律を持った形でユーザーの不安を払拭する、こういったことが最終的には業界全体の健全な発展につながる、こういうことで考えております。 いずれにしましても、厚労省、内閣官房等関係省庁と連携いたしまして、適正なサービス提供のあり方、環境整備のあり方をしっかりと検討してまいりたい、こういうふうに考えてございます。
○河野(正)委員 よろしくお願いいたします。 関連して、ゲノム編集や新型出生前診断の現状について認識を確認したいというふうに思います。 先日、ゲノム編集技術でヒトの受精卵を操作する基礎研究のルールづくりが迷走しているという報道がありました。内閣府の生命倫理専門調査会は、昨年四月、こうした研究の実施を、条件を満たす基礎研究であれば認める中間報告をまとめ、関連する四つの学会が研究を審査するための委員会を設けることとしていました。しかし、学会側が国の責任ある関与が見込めないので委員会を解散すると決めたため、事実上、研究実施のめどが立たなくなってしまったというようなことであるようです。 なぜこのような事態となったのか、事実関係を確認したいと思います。
○進藤政府参考人 お答えいたします。 総合科学技術・イノベーション会議生命倫理専門調査会では、御指摘のとおり、昨年四月に、「ヒト受精胚へのゲノム編集技術を用いる研究について(中間まとめ)」を取りまとめ、臨床応用については技術的及び社会的問題があるため容認できないが、基礎的研究においては容認できる場合があるとの考え方を示したところでございます。 これを受け、研究の審査に係る具体的な仕組みづくりについて検討を進めようとしましたが、その審査の仕組みに係る方針について、関係学会との意思疎通が不十分であったために誤解が生じる事態となってしまったと認識しております。 現在は、このようなことがないように、関係学会と意思疎通を十分に図り、これら関係学会及び関係省庁の協力を得ながら、ヒト受精胚の取り扱いに関する幅広い議論を通して、ヒト受精胚に対するゲノム編集技術を用いる研究等について、実効性のある仕組みづくりに向けて、国として責任を持って検討を進めていこうとしているところでございます。
○河野(正)委員 ゲノム編集は、海外でも、一定の条件を課した上で慎重に研究が進んでいる状況だというふうに思っております。研究が進められなくなってしまうような状況は極めて問題であるというふうに思います。今、国が責任を持ってしっかりやっていくということだったと思いますが。 今後、現状を打開して、我が国が将来的にゲノム編集技術にどのような可能性を見出し、どのように活用していこうと考えているのか、政府の認識を改めて伺いたいと思います。
○福田政府参考人 お答えいたします。 受精卵を用います研究につきましては、先ほど内閣府からお答えがありましたように、内閣府に設置されました総合科学技術・イノベーション会議生命倫理専門調査会におきまして、生命倫理の遵守とそれから研究の推進、この両立を可能とするために、厚生労働省を含めました関係省庁、関係学会などと連携をして今後の方針を検討していくということと承知をしてございます。 また、体細胞に関する疾患の治療等を目的といたしましたゲノム編集技術につきましては、御指摘のように海外ではHIVやがんなどに対する臨床試験が行われ始めておりまして、今後の発展が期待されているところでございます。 厚生労働省としては、本年四月から、この体細胞を用いたゲノム編集技術に対応できるよう、遺伝子治療等臨床研究に関する指針の見直しに関する専門委員会を立ち上げたところであり、この委員会におきまして、遺伝子治療等の適応範囲や、安全性及び倫理性の確保などについて検討してまいりたいと考えております。
○河野(正)委員 内閣府の方はいかがでしょうか。
○進藤政府参考人 私ども、今後、先ほども申し上げました生命倫理専門調査会におきまして、やり方も含めてしっかりと検討してまいりたいと思っております。
○河野(正)委員 次に、新型出生前診断について伺いたいと思います。 妊婦の血液から胎児の染色体異常を調べる新型出生前診断の臨床研究が始まり、ことしで四年となるということであります。これまでの研究の成果と課題について伺いたいと思います。
○吉田政府参考人 お答えいたします。 新しい出生前検査、先生御指摘なのは、いわゆるNIPTと言われる母体血胎児染色体検査を念頭に置いてお答えさせていただきますけれども、平成二十五年の四月から、御指摘いただきましたように、検査を適切に運用するための遺伝カウンセリングの基礎資料を作成する、あるいは、適切なカウンセリングのもとで検査が行われる体制を整備する、あるいは、検査の適応、施設条件などについて一定のコンセンサスを形成するということを目的に、検査の適応ですとか陽性率、その後の状況などについて臨床研究が実施されているというふうに思います。 ただ、この研究そのものはまだ継続中ということでございますので、成果というお尋ねでございますが、最終的な成果については、今後、私ども、その成果をお待ちしたいというふうに思っております。 この検査につきましては、そもそも、日本産科婦人科学会の平成二十五年三月の指針に沿って、一定要件の妊婦の方に、一定の日本医学会の認定を受けた登録施設で慎重に行うというものであるというふうに承知をしておりますので、今後、この検査につきまして、検査対象となる妊婦の方に、検査の内容や限界あるいは検査結果の捉え方などを十分に理解していただく、あるいは、検査結果について正確な解釈と十分な説明が行われて、専門の医師による診断、相談等の適切な対応が行われる、そして、確定的な検査のためには別途羊水検査等を受けていただく必要があることなど、こういう点について留意して進められていく必要があるというふうに考えております。
○河野(正)委員 新型出生前診断は、どこの医療機関でも受けられるわけではなく、日本産科婦人科学会が定める指針に基づいて日本医学会が認可した全国七十四カ所の医療機関で実施されてきました。しかし、昨年十月、指針に基づかず、認可を受けていない機関で新型出生前診断が行われていることが発覚しております。政府が認識している事実関係と経緯を確認させていただきたいと思います。
○吉田政府参考人 お答えいたします。 御指摘のとおり、昨年十月の一部報道を受けて、私ども、日本産科婦人科学会の方に確認をさせていただきました。そのところ、御指摘のように、認定を受けていない施設において、いわゆる学会指針を遵守せずに、今のNIPT、新しい出生前検査が実施されていたケースがあったという報告をいただいております。 このようなケースに対しましては、既に学会の方において当該医師の方々に対して処分が決定されたということでありますけれども、私ども厚生労働省としましても、これまでの日本産科婦人科学会の指針を医療機関や仲介業者の方々が遵守して実施していただくということを自治体に対して周知をさせていただいておりますけれども、今回の事案を踏まえて、重ねて、ことし二月には改めての周知を行っております。 今後とも、妊婦の方の安全、安心を確保するために、関係団体の方々などを通じまして、学会指針の遵守を求めてまいりたいと思っております。
○河野(正)委員 残り時間も余りありませんので先に行きまして、大臣に伺いたいと思います。 ゲノム編集や新型出生前診断などの生殖関連医療などの分野では、新しい技術に対して、先ほど来お話がありましたように、学会が自主的なルールを定めて、それに基づいて医療を提供するといった手法がとられてまいりました。しかし、そういった手法には問題もはらんでいるものだというふうに思っております。 国と学会の責任の所在、役割分担が不明確で曖昧にされたまま新しい技術に対応していく、やや場当たり的な印象も指摘されております。これまでの方法をこれからも続けていくべきなのか、むしろ国が、人間の生命、その源を操作する行為について、法律による基準を明確に定めておくべきではないかという意見もあります。国としての原理原則を定めることが、新しい技術の開発や応用に取り組みやすくなるのではないでしょうか。そういったことに対して、大臣から見解を伺いたいと思います。
○塩崎国務大臣 ゲノム編集とかあるいは新しい出生前検査などの新しい医療技術については、これは、安全性のみならず、やはり倫理性を確保しながら、医療現場あるいは研究において活用できるように、我々としても迅速に対応することが重要だというふうに思っております。 このため、先ほど役所の方から答弁したとおり、例えば、ゲノム編集については、厚生労働省において立ち上げた専門委員会において、新しい技術に対応したルールづくりを行っているわけでございます。また、新しい出生前検査につきましては、現在行われている日本産婦人科学会の指針に基づく運用を私どもとしても注目をしてまいりたいというふうに思っています。 いずれにしても、今後とも、新たな医療技術については、個々の技術の特性に応じたルール整備を迅速に行うことによって、安全性と倫理性を確保しつつ、適切なルールのもとで医療現場の研究において活用できるようにしなければいけないと思っております。 いずれにしても、しかし、これは命、生命にかかわる大事な問題でありますので、今お話がございましたように、国が何らかの道筋をつけるべきではないのかというお言葉でございますが、私どもとしても、広く御意見をいただきながら、そういったことが国民的にコンセンサスが得られるような方向に持っていくように努力もしなければいけないのかなというふうに思っております。
○河野(正)委員 遺伝子とか、やはり、今大臣のお言葉からも生命倫理というお話がありましたけれども、極めて繊細な問題で、我々人間が扱っていくには大変いろいろ大きな問題もあると思いますので、十分誤解のないように慎重に進めて、国が責任を持って一定の指針等をつくって、学会任せというだけではなくて、やっていかなければいけないのかなというふうに思っております。 質問時間は終わりということですので、残されたものはまた次回、機会があればやりたいと思います。 きょう来ていただいた参考人で一部お答えいただけなかった方、申しわけありませんでした。 終わります。
○丹羽委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時散会