厚生労働委員会 第8号
- 発言数
- 243 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2017/03/24
会議録
○丹羽委員長 これより会議を開きます。 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房働き方改革実現推進室次長小林洋司君、文部科学省大臣官房総括審議官義本博司君、厚生労働省大臣官房年金管理審議官伊原和人君、医政局長神田裕二君、健康局長福島靖正君、医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長北島智子君、労働基準局長山越敬一君、労働基準局安全衛生部長田中誠二君、雇用均等・児童家庭局長吉田学君、社会・援護局障害保健福祉部長堀江裕君、保険局長鈴木康裕君、農林水産省政策統括官付参事官小川良介君、観光庁次長蝦名邦晴君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○丹羽委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。角田秀穂君。
○角田委員 おはようございます。 まず、本日、質問の機会を与えていただいたことを心から感謝申し上げたいと思います。 それでは、早速、順次質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 初めに、年金の受給資格期間短縮に関して質問をいたします。 昨年十一月に成立をした改正年金機能強化法により、無年金者対策として、公的年金の受給資格を得るのに必要な加入期間、受給資格期間が、ことし八月以降、二十五年から十年に短縮をされ、十月支給分から新たな受給対象者に年金が支給をされるということになりました。 日本年金機構から対象者への請求手続の書類の郵送が開始をされておりますが、新たに対象となられた方が漏れなく年金が受け取れるよう準備段階から万全の体制を整えて臨んでいただきたいと本委員会でも要望をさせていただきましたが、まず、現在までの作業の状況について、申請書類の発送件数、予約受け付け件数、申請件数と今後のスケジュールについて伺いたいと思います。またあわせて、これまで郵送したもののうち、宛先に尋ね当たらずに返ってきたものがあるのか、あればその件数についてもお伺いしたいと思います。
○伊原政府参考人 お答え申し上げます。 二月末に年金請求書の郵送を開始いたしまして、先週までに、生年月日が大正十五年四月から昭和十七年四月までの方、合計約十一万人の方に送付をいたしました。 その結果、今週前半までに、年金事務所の窓口の予約件数は累計約五千人、それから、既に年金請求書の受け付けを行いました方は累計約五千人となっております。 請求書の提出に当たりましては、戸籍謄本や住民票など必要な書類をそろえていただくことが必要でございまして、今後、書類が整い次第、請求手続をされる方がふえてくる、このように考えております。 今後の郵送スケジュールでございますけれども、生年月日の古い方から順次、七月上旬までかけまして、段階的に年金請求書を送付することといたしております。 なお、御質問のございました未送達の件でございますけれども、郵送した約十一万件のうち、未送達となったものは約四百件ございます。これらの方々につきましては、これから住民基本台帳の住所情報をもう一度再確認いたしまして、住所がわかり次第再送付するというふうにしていきたいと考えております。
○角田委員 今回の対象者のうち、全ての期間を通じて一号被保険者だった方は市町村でも手続できるということになっておりますが、それ以外の方も、ただいまのお話にもありましたように、申請に必要な戸籍や住民票、課税証明書など、市区町村の窓口に出向いてとらなければいけない方も多数いると思われます。 一方で、新たに対象となった方のうち最も高齢の方は何歳なのか、また年代別の割合を、昨年の委員会で質問した際には調べていないということでしたが、その後お聞きしたところでは、最高齢は九十九歳、全体の三割以上が七十歳以上の方だということでした。 まず、この年齢構成は間違いないかどうか、確認をさせていただきたいと思います。
○伊原政府参考人 お答えいたします。 今回の年金受給資格期間の短縮によりまして初めて老齢基礎年金を受けられると思われる方の年齢の構成ですけれども、六十歳代の方は約六九%、それから七十歳代の方は二七%、八十歳以上の方は約四%と考えております。
○角田委員 これらの全ての方が、足腰も達者で、私が読んでも難解な申請書類を仕上げることができて、その他必要な書類を整えて、ねんきんダイヤルで申請の予約をして、年金事務所に出向いて申請手続できればよいと思いますけれども、やはり、特に地方においては年金事務所まで行くことも一苦労であって、そもそも年金事務所がどこにあるかよくわからないという方も多数いらっしゃるのではないかと思います。 そうした方にも漏れなく申請をしていただくために、市町村にも協力を仰ぐべきではないかと申し上げたわけですけれども、この点について市区町村との連携はどのように図っているのか、お伺いをしたいと思います。
○伊原政府参考人 市区町村との連携についてのお尋ねでございますけれども、今回の受給資格期間短縮に当たりまして、市区町村におきましては、全ての加入期間が国民年金の第一号被保険者期間の方の年金請求書の受け付け事務をやっていただく必要がございますし、あるいは、先ほど先生から御指摘のありました方を含めて、例えば生活保護の受給者の方の年金裁定請求手続、こうした方々への支援、これをやっていただくことが必要であると考えております。 こうしたことを踏まえまして、まず、市区町村の国民年金担当部局に対しましては、受給資格期間短縮に伴うこうした手続についての職員向けの手引というものを送付させていただいております。それから、生活保護担当部局に対しましては、生活保護受給者の方の手続が円滑に進むように協力の依頼、要請などを行わせていただいております。 それから、こうした市区町村の取り組みを効果的に進めるためには、日本年金機構の年金事務所の方と市区町村の間がよく連携していただく必要がございます。そういう中で、年金請求書の、実際どういう人に送付したかといった情報を市区町村に提供するなど、緊密な連携を図るように指示を行っております。 さらに、市区町村を通じまして、今回の制度の改正の趣旨とか手続について、きめ細かな点につきまして住民の方に御理解いただけますように、市区町村に対しましてリーフレットを約四十六万部、ポスターを約三万部配布しましてPRを行っているところでございます。
○角田委員 対象者の中には、要介護であるとか、そうしたことから本人が申請に出向くことは難しい方も相当数いるのではないかと思われます。そうした方の場合は家族等が代理で手続を行うことになろうかと思いますが、平日は仕事等で時間がとれない方のためにも、土日、休日も対応できる体制を整えることも必要ではないかと考えておりますが、現状の体制はどのようになっているのか、お伺いをしたいと思います。
○伊原政府参考人 お答えいたします。 全国に年金事務所は三百十二カ所ございます。その受け付け時間につきましては、平日は八時三十分から十七時十五分となっておりますけれども、お勤めの方などの便宜を考えまして、毎週月曜日は全て十九時まで延長して行っております。 さらに、御家族でというお話もございましたけれども、ウイークデーでの手続が難しい方を考慮しまして、毎月第二土曜日につきましても九時半から十六時まで開庁し、対応を行っております。予約相談につきましては、延長時間帯や第二土曜日でも行っております。 現時点におきましては受給資格期間短縮措置に伴う混雑というものは見られておりませんが、円滑な相談対応には予約相談が効果的であるということを踏まえまして、これをまず周知したいと思います。その上で、受け付け状況や年金事務所の窓口の混雑状況などを見きわめながら、受け付け時間を延ばすというようなことが必要かどうか、そうしたことも見きわめてまいりたい、このように考えております。
○角田委員 これから順次申請件数もふえてくると思います。そうしたことにしっかりと対応していくためにも、土日についても受け付けできるように体制の充実を図っていただきたいと要望させていただきます。 さらに、みずから動くことが困難で、代理で手続してくれるような身寄りもいないといった方への対応も真剣に考えていただきたいと思います。 年金に限らず、こうした制度の変わり目で必ず出てくるのが詐欺で、この注意喚起もしっかりやっていただきたいと望みますが、移動が困難で身寄りもない高齢者のために、こうしてくださいとか、こうしますといった具体的な答弁を求めることは、かえって悪意を持った人間に利用されるおそれもありますので、あえて申し上げませんが、要は、無年金の解消が確実に進むよう、対象者が一人も漏れなく申請をして年金を受給できるよう、しっかり体制を整えていただきたいということを強く要望させていただきたいと思います。 具体的なお答えは今申し上げたように結構ですので、そうした対応をしっかり整えるということについて、今後に向けての御決意を最後にお伺いできればと思います。
○伊原政府参考人 御指摘いただきましたように、今回の受給資格期間短縮に際しまして、年金請求書が送付される対象者の方の中には、相当御高齢の方もいらっしゃいます。こうした御高齢な方も含めまして、必要な手続が円滑に進み、年金を受給していただくことが何より重要な課題だと認識しております。 そうしたことから、まず、お一人お一人に確実に年金請求書をお送りするとともに、日ごろから高齢者と接する機会が多い市区町村や介護事業者の御協力も得て、対象となる方の手続が円滑に行われるよう、万全な配慮、きめ細かな対応を進めていきたい、このように考えております。
○角田委員 次の質問に移らせていただきたいと思います。 ここで、医療費の返還について少し質問をさせていただきたいと思います。 後期高齢者の方の具体的な事例を挙げて質問をさせていただきたいと思いますけれども、後期高齢者が広域連合の保険証を使って医療機関を受診した場合、原則一割、場合によっては三割の自己負担分を支払う、こういう仕組みになっております。 例えばここで、高齢者の方が他県に住む子供と同居するために引っ越した、まだ転出の届けは出さないうちに、もともと住んでいた広域連合の保険証を使って引っ越した先の医療機関を受診した、その後、引っ越した日にさかのぼって転出と転入の届けを出して、引っ越した先で新しい保険証の発行前に古い保険証を使ってしまう、こういう事例は決して珍しくはないことだと思います。 このような場合、不当利得として、旧住居地の後期高齢者医療広域連合から、本人に対して保険者が負担した分の返還が請求をされる、この請求に対して本人が支払った分は、引っ越し先の広域連合に申請することで本人に返還をされる、こういう仕組みになっておりますが、ここで、本人に請求書が送られてきたのは平成二十八年三月で、請求の内容は、引っ越した直後の平成二十三年五月に医療機関を受診した際の保険者負担分を返還せよというものでありました。 そこで、まず伺いますが、不当利得返還請求で本人が支払った保険者負担分を現住居地の広域連合に請求できるかどうか、時効の関係を御説明いただきたいと思います。
○鈴木政府参考人 後期高齢者が引っ越した後、古い保険証を使用した場合の新旧の広域連合に対する支払いと請求の関係についてお尋ねがございました。 関係につきましては、先生御指摘のとおりでございます。 具体的に申し上げますと、引っ越し直後の平成二十三年五月に旧住居地の広域連合の発行した保険証を用いて受診した際の保険給付分の返還請求が四年十カ月後の平成二十八年三月に行われたとするとというお尋ねでございますが、不当利得返還請求の時効は五年間であるために、被保険者は返還金を支払わなくてはならないということになっておりますけれども、保険給付を受ける権利の時効は二年間でございますので、返還金として支払った分を現居住地の広域連合に療養費として請求することはできないということになっております。
○角田委員 結局、この場合、医療費十割全額自己負担しなければいけないということになってしまうわけですね。こうしたことは後期高齢者の医療保険に限った話ではありませんが、そもそも、なぜ受診してから五年近くもたって請求書が送られてきたのか。 こちらでお話を伺ったところでは、制度がスタートをした平成二十年度当初、後期高齢者医療広域連合の中にはこうした不当利得をチェックして請求する仕組みが未整備だったところもあって、このことについて会計検査院の検査の際に指摘をされた。この広域連合では、法令にのっとって、時効にかかっていない医療給付費分の返還を請求した結果、五年近くも前の請求が届いた。どうやらそういうことのようです。 この広域連合の場合、既に時効が完成して回収できない平成二十年から約三カ年の件数が約一千件あったとのことですから、請求書を送付した件数も相当数に上るのではないかと推測をされます。中には百万円の請求を受けたという方もいます。しかも、この場合、請求の時点で本人は亡くなっておりまして、話はさらにややこしくなると思います。 これはあくまでも一つの広域連合に限った話ですが、全国的にも同様の事例はあるのではないかと推測します。厚労省としてはこうした実態を把握しているか、把握していればお答えいただきたいと思います。
○鈴木政府参考人 お尋ねの実態把握でございますけれども、実態を把握していないというのが現状でございます。
○角田委員 ぜひとも実態を一度調べてほしいと思います。 ただ、これは件数が少なければよいというものでもありません。そもそも、七十五歳、八十歳の高齢者に支払いを求めて、改めてレセプトの写しを添付して、加入している保険者に払った分を本人にまた請求させるという煩わしい手続を強いていること自体、早急に見直す必要があると考えます。本人を通さずに返還金を保険者の間で調整できるようにすれば、こうした問題もクリアできると思います。 実際、会計検査院の平成二十五年三月二十六日付、厚生労働大臣宛て意見表示の中で、実地検査で、百八十四保険者のうち百三十八保険者で、被保険者資格喪失後の受診等によって発生した返還金に係る債権の把握、管理が適切に行われなかった結果、国庫負担金の算定が適正に行われていなかったということから、このうち、二十六広域連合のうち二十三の広域連合で返還金に係る債権の把握、管理が行われていなかったとなっております。 こうしたことから、保険者に対する周知とともに、被保険者資格喪失後の受診等による返還金に係る医療費相当額を保険者等の間で相互に調整できる体制を整備することについて、関係府省とも調整するなどして、具体的な検討に着手するということを求められておりますけれども、こうした意見に対してその後どうなったのか、対応についてお伺いしたいと思います。
○鈴木政府参考人 保険者間の調整についてお尋ねがございました。 御指摘のとおり、平成二十五年三月の会計検査院による意見表示におきまして、被保険者資格喪失後の受診等により発生した返還金について、医療費相当額を保険者等の間で相互に調整する体制を整備するよう、具体的な検討に着手するよう求められたところでございます。 厚生労働省としては、この意見表示を受けまして、平成二十六年十二月五日に後期高齢者医療主管課もしくは部長等に対して通知を出しまして、当該返還金に係る医療費相当額を保険者の間で調整できるように体制を整備したところでございます。
○角田委員 体制を整備したということで、そもそもこの時効の問題がクリアされない限りは、なかなか体制を完全に整備するということは難しいと思うんですね。 やはりこの時効の問題というのはみんなおかしいと感じていることでありまして、保険者の側も、二年以上経過していれば本人は保険者に請求できないことはわかっているけれども、請求しなければ不作為に問われるから、請求書を送って、その後督促をするなどして、やらなければいけないことをやって、最終的に不納欠損で落とすことはやむなしと考えているから、本人に対して、払いたくなければ払わなくて結構ですと答えたりしているわけです。 ただ一方で、請求されたら、当然のこととして医療給付費分を支払っている人もいる、これも考えられますし、こうした現状を放置しておくことはやはりおかしいと思います。悪意もなく、保険料もちゃんと納め続けてきた人が、ある意味、保険者側の怠慢によって医療費を十割負担しなければならないことになってしまうことを改めるため、制度を早急に見直していただき、さらに保険者間の調整で全て完結できるよう、早急に対応を求めたいと思いますけれども、このことについての御見解をお伺いしたいと思います。
○馬場大臣政務官 お答えします。 不当利得返還請求権の時効が五年なのに対し、被保険者の保険給付請求権の時効が二年とされていることから、この違いによって委員御指摘のような事例が生じること自体は承知しておりますので、厚生労働省としては、保険者等の事務負担も考慮しつつ、債権の把握、管理及び回収を速やかに適切に行うためにどのような対応が可能か、不当利得返還請求権の時効を見直すことでどのような影響があるかについて、しっかりと検討してまいりたいと存じます。
○角田委員 しっかりと検討していただいて、早急に対応を図っていただきたいということを要望させていただきたいと思います。 次の質問に移らせていただきます。 児童相談所について質問をさせていただきます。 昨年の児童福祉法改正では、児童相談所設置自治体を拡大できるよう、政令で定める特別区においても児相を設置できる旨の規定を追加されました。 そもそも、児童相談所の設置義務が課されていたのは都道府県、政令指定都市だったものを、平成十六年の児童福祉法改正で、平成十八年四月から、それ以外の市でも、政令で定める市、これは中核市程度、人口三十万人以上を念頭に設置できるようにしたわけですが、このときの法改正に呼応して児相を設置したのは金沢市と横須賀市の二市のみで、その後十年以上、後に続く自治体は出ておりません。最近、一団体が、中核市移行後に、平成三十一年になりますかね、児相を開設する方針を示していますが、それ以外では具体的な動きは見られていないようであります。 金沢市と横須賀市、二市が児相を開設した平成十八年当時、児童虐待件数は現在の三分の一程度でありました。その後、虐待の件数は右肩上がりでふえ続けている状況に対して、各地への児相の整備も急がれなければならないと考えますが、そのために、一方では、財政的な問題、さらには専門的人材の確保、育成といった課題など、越えなければならないかなり高いハードルが存在するために、今後の国の検討の推移を見守っているというのが実情ではないかとも思います。そうしたことから考えても、国としても、早急に財政、人材確保のための支援充実を図る必要があると考えます。 そこでまず、財政的支援の現状について伺いたいと思いますが、例えば人口規模が三十万人程度の市が児童相談所を開設するとした場合、当初の施設建設費は除くとして、運営のために毎年どれだけの費用が新たにかかるようになるのか、大ざっぱなところで構いませんので、お示しいただきたいと思います。その上で、そのうち交付税が措置されている金額は大体どの程度になるのか、また、そのほかの児童相談所の運営に係る補助金はどの程度かという点をお示しいただきたいと思います。 さらに、今後のこうした支援の充実に向けてのお考えをあわせてお伺いしたいと思います。
○吉田政府参考人 お答えいたします。 私どもといたしましても、地域における虐待問題を初め子供、家庭の問題にきめ細かく対応するためには、児童相談所の設置を進めていくことが大変重要だというふうに思っております。 その上で、お尋ねの費用の問題でございますが、児相、児童相談所の運営に係る年間の費用につきまして、先ほども御指摘いただきました中核市で先行して設置をしている金沢、ここは人口四十六万六千人と聞いておりますし、横須賀、ここは人口四十万七千人と承知をしておりますが、伺ったところ、金沢において児相に係る経費が年間約十一億、横須賀市が児相において約十三億円の支出があるというふうに承知をしております。 これら、どういう形で財源内訳をしているかというところ、あるいは全国の児相一カ所当たりの平均的な運営費用というところについては、現在把握できておりませんで、いろいろと分析が今後課題だと思っておりますけれども、全国規模の支出を想定いたしますと、まず一つには、今御指摘いただきました交付税、措置されております二十八年度の地方交付税におきまして、人口百七十万人当たりを前提にした場合、児童福祉司等が三十九人分、児童心理司が十五人分、保健師が三人分、その他職員十人分という合計六十七人分の人件費を計上しているところでございます。 また、交付税以外に補助金という形で、児童相談所が配置をしております弁護士さんの費用、あるいは安全確認を行う費用、その他専門性を確保するための研修の費用などなど、一時保護の運営費用に関しての国庫補助につきましては、二十九年度予算案におきまして、これは、メニュー化予算として千三百八十一億円を計上しておりますその内数として執行させていただいているところでございます。 今後どうするかという御指摘もございました。 それぞれ、二十九年度予算においては、この移行を進めるという意味で、移行を進めるに当たって準備のための職員を抱えていただかなきゃいけない方の費用ですとか、あるいは、人材の専門性を高めるという意味では、今後、設置を希望されているところが、その地域の、例えば都道府県とか地域の近隣のところに人事交流をして学んでいただくということも必要だと思っておりまして、そのための代替職員補助の費用などを新規に盛り込んでおります。 また、児童相談所そのもの、これは全国でございますけれども、今の虐待例の増加も含めまして、児童相談所の強化プランという形で交付税においても逐年強化をさせていただくようなことを進めておりまして、こういう取り組みを通じ、また、個別の中核市あるいは特別区のお話も伺って、どういう課題があるのか、またどう克服されているのかということを聞いて丁寧に対応させていただきながら、できるだけ多くの中核市、特別区ができるだけ早く進めていく、我々としては、全ての中核市、特例市、そして特別区が設置をしていただくように向けて取り組んでまいりたいと思っております。
○角田委員 これは、これまで日本経済が厳しい中で財政運営を強いられてきたということもあると思うんですけれども、なかなか財政の見通しというものが将来的に立たないために児相開設に踏み出すことをためらっているという声も聞きます。そうした中で、開設を後押ししていくためにも、財政的な支援をどれだけ講じられるのか、講じてもらえるのか、そうしたさまざまな支援というのをパッケージ化して、はっきりとわかる形で示す工夫も必要だろうと思いますので、ぜひこの点も検討いただきたいと思います。 それから、もう一点、最後になりますけれども、専門的な人材の確保と育成ということについてお伺いしたいと思います。 児相を開設するに当たって必要な人材をいかに確保するか、児童福祉司を指導、教育するスーパーバイザーがやれるように、できるようになるのも五年以上はかかると言われている中で、こうした人材確保を市単独で行っていくのはやはり極めて困難なことであろうと考えます。 こうした問題を克服していくためには、何よりも、既に児相を設置している都道府県の協力というものが不可欠になってまいると思います。開設準備段階から、これは開設した後も含めて、密接な連携が確保される枠組みづくりがぜひとも必要と考えますし、そのために法律にしっかり規定することも考えるべきと考えておりますけれども、こうした都道府県との連携確保についてどのように進めていこうとお考えになっているのか、御見解をお伺いしたいと思います。
○吉田政府参考人 お答えいたします。 私どもとしても、中核市、特別区が児童相談所を設置する際の大きな課題が専門職員の確保ということであり、そのために都道府県あるいは先行している指定都市との間の協力あるいは交流というのは非常に重要だという認識は全く一致をしてございます。 私ども、これまでも都道府県などに対しまして、児童相談所設置準備の段階から、設置した後も少しフォローしていただくという意味で、人事交流を実施していただくこと、あるいは研修を受け入れていただくことなど、必要な協力について依頼を行っておりますし、また、特に、設置に向けた協議の場をまず設けていただいていろいろな意見交換をしていただきたいということも、通知をもってしてお願いをしております。 さらに、先ほどちょっと申し上げましたように、二十九年度の予算案において、人事交流をする際に必要な代替職員の確保などの手当てもさせていただいておりまして、交流が進むように、そして、都道府県、指定都市側に受け入れをしていただくようにお願いをしているところでございます。 今後とも、あらゆる機会、いろいろな会議の場等を通じて働きかけてまいりたいと思っております。
○角田委員 いまだに急増している児童虐待、こうした問題に的確に対応するためにも、児相の整備がしっかりと各地で、また必要なところで進むよう、ただいま財政面の問題、財源の問題、それから人材確保の問題で質問をさせていただきましたけれども、ほかにも越えるべきハードルというのはたくさんあると思っていますし、この問題についても、きょうは時間がありませんので、改めて議論をさせていただきたいと思います。 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、阿部知子君。
○阿部委員 民進党の阿部知子です。 本日は、委員長初め与野党の筆頭理事の皆さんが一般質疑の場を設けてくださって、また感謝をいたします。 と申しますのも、先回も申しましたが、厚生労働委員会は、時に法案をめぐって与野党の対立が激しくなることもございますが、基本的には、国民の暮らしには政治の、政党の色もないんだと思います。命をしっかりと守って、本当によい医療やあるいは保育、子供たちのためのものを提供していくということにおいて、与野党を超えた論議が行われることをまず希望しますし、委員長にはこれからもそうした御采配をお願いいたします。 そして、さはさりながら、実は今、森友問題で昨日も証人喚問等々ございまして、私は、長年子供にかかわる者として、子供の問題、特に幼児教育、大事な幼児教育の問題が、時の総理やあるいは御夫人がそれに関与したか否かというような形で取り上げられるということは大変悲しいし、本来ではないと思っております。 また一方で、民主党時代に進めましたこども園、これは自民党政権、自公政権になっても続けておられますが、その中で、子供の給食の量まで減らしてやっているような園がある。一体子供たちを守るということをどう思っているのだと、本当に問われております。 ここで委員長にお願いがありますが、子供の保育とか、保育園不足もあります、保育の質もあります、内容もあります、そういうことでまた、理事とも御相談の上、集中審議等々をお考えいただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○丹羽委員長 理事会で諮らせていただきます。
○阿部委員 では、以上二つ、一般質疑や集中審議の充実をお願いした上で、本日の質問に入らせていただきます。 きょうは、理学療法士、いわゆるPTの育成問題、養成問題を取り上げさせていただきます。 私はもともと医者でありまして、PT、理学療法士や作業療法士、OTは大事な仲間であり、その養成は、時代の、今のような少子高齢社会、御高齢者が大変ふえてニーズも高まっている中で極めて重要と思いますが、そうした背景の中で起きた事案であります。 きょう御紹介したいと思いますのは、実は、大阪府にございます理学療法士の養成学校において、資格取得のためには理学療法士さんには臨床実習というものが課せられておりますが、その臨床実習中にみずから命を絶たれたケースが二例続いております。平成二十年と平成二十五年ということで、一例目の事案、二十年の事案については、既に、実習先の担当者によるいじめとして裁判で判決が確定をしております。二例目の事案は、近畿厚生局によって事情聴取も行われていますが、現在係争中であります。 係争中であるということで、個別の事案についてはお答えづらいということは理解をした上で、しかし、リハビリにかかわる人材教育ということの中で、はっきり言って、見よう見まねの非科学的指導や、現代に合わない徒弟的な対応が大変多いということも浮かび上がってまいります。その点をぜひ是正していただきたく、質問いたしました。 きょう、お手元のチラシに、この亡くなった二例目の大野輝民さんの事実経過というものがございます。この事案は二〇一四年の十一月に奥様が提訴された。亡くなったのは一年前です。そして、そのとき新聞にも載りましたが、その後、裁判が進んでおりまして、その中でわかったことなども含めて、私の事務所で責任を持ってまとめたものであります。 この大野さんは、二〇〇九年でしょうか、三十六歳で近畿リハビリテーション学院に入学いたしまして、大変成績は優秀で、一年生の後半は学級委員も務めておられたという方です。 二〇一二年、三年次になったときに、総合研修というのを受けましたときに、この研修先で睡眠不足になり、この方が非常に強いストレスにあったということで、一回実習を中止しております。それゆえに、結果的に、就職も内定しておりましたが留年ということになり、翌年再び、再チャレということで、また実習にチャレンジいたします。ところが、この実習先が、ここに行きなさいというのは学生は選べないので、言われたところに行くことになるのですが、この病院が生徒間で極めて評判の悪い研修先であったので不安を漏らしておられたと。 ここに、十一月五日から二十五日余りの時系列がありますが、その実習先で、レポートを提出するために毎夜三時までかかるとか、指導者から激しく叱責され、もうやめて帰れと言われるとか、都度、リハビリテーション学院の方の教官とは連絡をとりましたが、うまく調整されないまま、最終的には、中間発表というのがあって、この実習が終わる終わらない、めどというのが出される日に、実はこの方は、その実習先から近くの公園に行って亡くなられたという事案であります。 実習というのは、マンツーマンに近い形、あるいは指導者は絶対的権限を持ってやるので、非常にストレスの起こりやすい現場であるということで皆さんにちょっと御紹介をいたしました。 引き続いて、二枚目の資料を見ていただきますと、この方が亡くなった年に大変近いのですが、この方は、先ほど申しました、平成二十五年に亡くなっておられますが、リハビリテーションの関係で一例目の死の事案が起きた平成二十年の後、関係諸団体においても実習のあり方を見直そうということで、リハニュースというのを取り上げて、ここにお示しをしております。 こうした事態が起こる背景には、実は、一九八九年からの二十年をとっても、リハのOT、PTなどの養成は約十倍以上の定員に膨れ上がっております。一番下段の図で、定員の増加がウナギ登りになっているのがわかると思います。 そういう中で、急増して、はっきり言えば粗製乱造になりかねないからということで、各所属団体が厚生労働省に対して申し入れをいたしております。これもお手元の三枚目につけてございますが、平成二十一年五月十四日の申し入れです。一例目の自殺が起きた一年後のことでございます。 ここでは、リハビリテーション学校協会や理学療法士協会、日本作業療法士協会、三者の連名で、厚生労働省の医政局、当時、外口さんでしたが、に対して要望が出ております。簡単に要約すれば、実習課程をしかるべく、例えばガイドラインをつくったりマニュアルをつくったりして向上させてくれ、臨床実習施設の要件を厳密にしてくれなど、当然の要望であります。 さて、こういう要望を受けた厚生労働省としては、いかなる対応をとられたでしょうか。一問目、お願いいたします、医政局長。
○神田政府参考人 お答えいたします。 先生御指摘の、平成二十一年五月に日本理学療法士協会などからいただいた要望書の扱いについてでございますけれども、その内容や背景、事実関係などを確認する必要があるということから、医政局の担当課におきまして関係団体と話し合いを進めておりました。平成二十二年の六月には、全国リハビリテーション学校協会の会長と当時の局長が面会いたしております。 その後、担当課において、要望内容を裏づける実態のデータの提出依頼や、今後の対応方針について、関係団体と継続的にやりとりを行ってきたところであります。 こうしたやりとりを踏まえまして、担当課におきまして、教育内容の改正に向けた理学療法士の養成施設の実態調査について、本年一月にその調査を実施したところでありまして、現在、その集計作業を進めているところでございます。
○阿部委員 今の御答弁を要約すると、一例目の自殺事案が起きて、平成二十一年に申し入れがあって、今年度からの調査。今、平成二十九年であります。その空白のというか、面接はしていた、あるいはお話を聞いていた、でも具体的なアクションは何もなかった中で、二例目の事案が、悲しいことに起きてしまっているということであろうと思います。 実は、この間にも、養成校の許認可にかかわることは厚労省から県におろされております。では、県におりる段階で、果たして、こういうバックがいろいろ起きていることで、要請も上がっていることで、厚労省としては、県に何か指導をなされたか、あるいは、こういうことが重要ですとかお伝えになったでしょうか。
○神田政府参考人 平成二十六年に制定されました第四次地方分権一括法に基づきまして、平成二十七年四月に、養成施設の指定ですとか、変更承認、届け出、報告徴収などの権限が都道府県に移管されたところでございます。 その際には、地方分権を進める観点から、これまで国が定めてきました指導要領を廃止した上で、実習施設における生徒に対する指導者の割合でございますとか、教育上必要な機械器具等に関する詳細な事項などを、指導要領と同様の内容をガイドラインとして平成二十七年の三月末に都道府県知事宛て通知によりお示ししているところであります。 これにあわせまして、それまで厚生労働省が行ってきた養成施設の指定や変更等の具体的な業務内容をまとめました事務処理マニュアルにつきましても、各都道府県に対して通知をしたところでございます。
○阿部委員 私が伺いたいのは、厚労省がやってきたことの中でいろいろな事態が起きた、このことも含めて、改善されたものとして手渡さなければ、それはよりよい養成にはならないということです。 厚生労働省に対して平成二十一年に申し入れがあって、二十九年まで、今日までほとんど何もせず、地方移管についても、少し書きかえた程度のものでお茶を濁してきた。もうはっきり言って、私は、この間の厚労省の不作為というものは、本当に日本にとって非常に大きなマイナスであると思っております。 さて、そうはいっても、何もやらないよりはこれからやっていただく方がいいので、皆さんがやろうとしている、平成二十九年、これから養成校にアンケートを発出しようということで、アンケートの中身をいただきました。 お手元のを開いて資料四の一ですが、ここには、理学療法士、作業療法士等の養成学校施設における実態調査ということがアンケートとしてこれから予定されております。 先ほど申しましたように、こういう事案があるので、何もやらないよりはやった方がいいんですけれども、果たしてこれが十分に、起きていることの事態を把握できるものであるかどうかということで、私は大臣にも提案をしたいと思います。 お開きいただきました四の一には、実は養成学校では退学者、中途退学が大変多いので、中途退学の理由を問うたものが、経済的、身体的、精神的、留年というふうにラフに挙がっております。 それから、一枚開いていただいて、では、先ほど申しましたようなパワハラ、あるいは実はセクハラが大変多うございまして、そういうものに関して、臨床実習施設を含んで指導側と学生側にあったトラブルについて聞かれておりますが、実は、セクハラ、パワハラ等はトラブルではございません。トラブルではなくて、加害側と被害側がある中で起こることで、トラブルはどうですかといって学院側に聞いたり養成施設側に聞いても、ほとんど、パワハラ、セクハラの実態は上がってまいりません。 厚労大臣に伺いたいと思いますが、そもそも、今ちょっと私の説明が長々して恐縮でしたが、こういう現状、そしてそこの中で、特にパワハラ、セクハラは、実は、学生と指導者の間のセクハラの比率は、学会などでは一六%と言われております。大変高いということで、きちんと把握して臨んでいただきたいが、こういうアンケートの改善などについて、大臣はどうお考えであるか。
○塩崎国務大臣 まず第一に、当然のことながら、教育現場、養成施設ですが、パワハラ、セクハラ等々あってはならないことはもう言うまでもないわけであって、そもそも、今御指摘のように、理学療法士の皆さん方にとって大もとになるのが、理学療法士及び作業療法士法という法律があって、これはもう既に五十二年たっています。直ったことはほとんどない。こういうことで、目的規定も不明確で、資格は書いてあるけれども、何のために何をするんだ、こういうことがやはり必要なんじゃないか。 私どもは今、医療の将来のあり方、働き方のビジョン、両方ともビジョンを考えようということでやっていますが、その中で、タスクシェアリング、タスクシフティング、つまり、チーム医療をする際に理学療法士の皆さん方には何を担っていただいたらいいのかというようなことを考えていくと、この理学療法士の皆さん方、あるいは作業療法士もそうですけれども、何を期待して、何をやっていただくかということをまずやはりきちっと据えることが大事なんじゃないか。それがあって初めて養成の中身が決まってくるということだし、また、他の関係医療職種との協調の仕方、協力の仕方も変わってくるのかなというふうに思っておりますから、そういうことも含めて考えていくべきかなということを、まず大きな話として申し上げたいというふうに思います。 理学療法士の養成施設の教育内容の見直しに向けて、本年一月に養成施設に対する実態調査を行っていますが、この中では、臨床実習時におけるセクハラ、パワハラを含むトラブルの件数について調査の対象となっているということで、現在その集計を行っているというのが、きょうお配りをいただいたものだろうというふうに思います。 一方で、養成施設からだけ聞いていたのでは不十分ではないかという御指摘は、そのとおりだと思います。やはり生徒さん、学生さんに対してもアンケートを行うということは、養成施設の現場の実態を立体的に、供給サイドじゃなくて需要サイドの方がどう思っているのかということを正確に把握することの上では大変重要なことだというふうに思いますので、今後、生徒さん、学生さんたちを対象とした調査を実施することも含めて、検討しなければならないというふうに思います。 平成二十五年十一月に、理学療法士の養成施設である、先ほど御指摘をいただいた大阪の専門学校における自殺事案、これは現在、養成施設や実習先の施設を運営する法人と御遺族との間で係争中であるということでありますから、個別のことは私も触れるわけにはまいりませんが、しかし、やはり健全な形で養成が行われるということ、そして新しい医療のビジョンにのっとって行われるということが大事でもございますので、そういうようなことで、アンケートについても改善を図っていきたいというふうに思います。
○阿部委員 極めて本質的で、かつ前向きな御答弁をありがとうございます。 理学療法士というのは大事なパートナーです。本当に、これからの時代、病院でも、地域包括ケアでも、あるいは私のやっている小児神経の分野でも、彼らを欠いていい医療はできない、いいケアはできないという大事な人材ですので、ぜひ、悲しい死、あるいは中途で退学などが起こることのないよう、よろしくお願いしたいと思います。 そして、きょうは文科省にも来ていただいていますが、実は、養成校には厚労省系と文科省系と両方ございまして、厚労省系ではない文科省系では、文部科学省全体にかかわることでもあるので。 文科省におけるセクシュアルハラスメントの防止に関する規程の制定というのを平成十一年にお出しであります。 昨日、あらかじめの段階で当局とお話を詰めた段階では、こういう指令は発出したけれども、実際、現場ではアカデミックハラスメントが多いわけですし、また、個別の指導になるようなこういうもので、どのような事案が上がってきているか、あるいは指導されているかなどについてお尋ねをいたしたいと思います。
○樋口大臣政務官 先生今御案内いただきましたけれども、十一年に、全国の大学に対して、ハラスメント防止のための啓発、相談体制の整備を行うようにまず通知をいたしました。 その後、文部科学省では、お尋ねの理学療法士の養成大学も含めて、全国の全ての大学でのハラスメント防止の取り組み状況を調査しております。 その調査結果によりますと、相談窓口の設置や調査、対策機関を設置するなどの取り組みが進んでおりまして、平成二十四年度以降は、全ての大学でハラスメント防止のための取り組みが実施されていることを把握しております。 また、大学の担当者が集まる会議がございますけれども、文部科学省から各大学に対しまして、ハラスメント防止の取り組みの充実を毎年促しているところでございます。 以上です。
○阿部委員 全般的状況はそうだと思うのですが、昨日お願いしたのは、特にこういう理学療法士の養成、作業療法士の養成、あるいは看護師の養成などで、文科系にかかわるところで実際はどうなっているのか。他の、大学のほかの部分とちょっと違うと思うんです。生身の人間同士の接触がすごく多い部分ですので、そういうことにも心を砕いていただけたらと思います。 引き続いて大臣にお願いをしたいと思いますが、実は、理学療法士の教育課程で、実習時間って、養成されるのは八百十時間もあるんですね。すなわち、養成の中で実地研修のウエートがすごく高いのが理学療法士であります。それをクリアしていかないと国家試験も受けられないということになって、非常にそこにプレッシャーが高まる構造がございます。 そして、この八百十時間という、過度のというか、非常に時間の多い臨床実習の中で、実は事故が多発をいたしております。ある関西の養成校では、百七十六人の学生の臨床実習で、転倒六件、骨折一件、転落一件、脱臼一件、痛みの誘発一件など。 やはり人を相手にやる実習なので、先ほど大臣もおっしゃいましたが、どんな理学療法士を求めるか、技量も高く、患者さんに接することができる理学療法士を求めるといいながらも、今、過度に、学生段階におろされた実習というのが多くて、何を学生段階にするか。 私たち医者は、例えば、卒後研修といって、学生時期にも研修しますが、卒後の研修カリキュラムというものも非常に厳密にチェックをされております。看護師さんもそうであります。理学療法士においては、実は、卒後教育というものはほとんど何の規定もなく、卒前教育のカリキュラムについても、具体的なものが明示をされておらないという状態であります。 このことについて、先ほど大臣は包括的にお答えくださいましたが、私は、特に、カリキュラムとか、何を身につけるべきか、どういう指導であるべきかなどにフォーカスを当てて厚生労働省として検討をしていただきたいと思いますし、なおかつ、先ほどのアンケートでは、どれだけ事故が起きているかということも養成校に問いかけていただきたいです。これは、起きてはならないことだけれども、また、隠してもならない、改善のためのものでございます。 医政局長には、ちょっと一問飛ばしましたが、時間の関係でお許しいただいて、大臣にお願いいたします。
○塩崎国務大臣 カリキュラムを中心に、どういう養成の中身をこれから詰めていくかということかと思いますが、理学療法士の養成につきましては、理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則というのがあって、そこで学校または養成施設の指定基準を規定しておりまして、大学と同様に、教員の数だったりその質、あるいは必修とされる教育内容とその単位数などを定めているわけであります。 また、実習施設における生徒に対する指導者の割合、あるいは教育上必要な機械器具等に関する事項については、養成施設と大学に共通した、理学療法士作業療法士養成施設指導ガイドラインというのを定めております。 今後、高齢化の進展に伴って地域包括ケアシステムを構築する中で、リハビリテーションの専門職種の活躍というのが期待をされるわけでありますから、教育内容の充実を図るということは先生おっしゃるとおりだと思います。 理学療法士の養成施設のカリキュラムにつきまして、外部有識者を交えた検討会を立ち上げるということにしておりまして、この中で、議員の御指摘も踏まえて、総単位数の見直し、それから臨床実習のあり方、いろいろトラブル、事故があるということですが、そういうことも踏まえて議論してもらわなきゃいけないと思いますし、それから、御要望が既にかねてから来ておりました専任教員の要件であったり、能力担保をどうするんだ、そういうことだろうと思いますが、こういうことをしっかり議論していただいて、養成施設の指定規則とガイドラインの改善や、カリキュラムの具体的な見直しを検討しなければならないと思います。 さっき申し上げたように、五十年以上も前につくった法律にのっとってつくられるのではいかがなものかなとも思いますし、また、地域包括ケアシステムといっても、例えば、地域包括支援センターに必ずしも理学療法士は必置でもないし、特に触れられているわけでもないのかなと思いますが、そういうような、これから地域包括ケアシステムをつくるという新たに加わってきている私たちの大きなテーマ、これにふさわしいカリキュラムをつくっていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思いますので、さまざまなことを一緒に考えていきたいと思います。
○阿部委員 ありがとうございます。 実は、柔道整復師に関してもカリキュラムの見直しというのがもう既に進められていて、この次が理学療法士となっております。大臣が言われたように大変重要な職種ですので、カリキュラムをしっかりして、そして卒後の教育にウエートを置いていく。 そして、プラス、最後の質問になりますが、大臣が先ほど少しお答えいただきましたが、五十年前につくられた法律で、実は、この理学療法士は名称独占であって、業務独占じゃないんです。理学療法士という名前は独占なんだけれども、業務は他の人がやってもいいという。当時、業務独占にしなかった理由は、理学療法士が足りないから、はっきり言って手伝ってもらおうということで名称独占でした。 ここも含めて、大臣、ここはちゃんと理学療法士さんの地位を確立して、そして社会を支えていただくというふうに、業務独占ということも検討していただきたいが、いかがですか。
○塩崎国務大臣 今は、理学療法士というのは名称独占になっているわけでありますが、医行為として行われる理学療法、病院で行われるような理学療法については理学療法士の業務独占となっているわけであります。 一方で、医行為に当たらない、生活機能の維持を目的とした体操とかそういった類いの行為につきましては、介護予防等の現場で介護職員などによって広く行われている。これは理学療法士が指導した上で行われていることが多いんだろうと思いますが、そういう実態を考えてみますと、こういった行為自体を理学療法士の業務独占とするということになりますと、それについては少し、介護職員が行えなくなる可能性とか、そういうことも含めて、慎重に検討すべきなのかなというふうに考えております。 いずれにしても、これから自立支援介護ということを進めようという大きな流れがある中で、理学療法士の果たすべき医学に基づいた能力というものは最大限生かしていくべきではないかというふうに思いますし、今介護のデータベースをつくり直そうとしていますが、そのときにも、理学療法士の皆さん方の知見は非常に重要な貢献をしていただけるのではないかと私は思っております。
○阿部委員 ありがとうございます。 確かに、いろいろな人が介護にかかわってはくださっています。それを危険のないよう指導していく人がいないと大変不幸な結果も招きますので、ぜひよろしく御検討ください。 ありがとうございます。
○丹羽委員長 次に、初鹿明博君。
○初鹿委員 おはようございます。民進党の初鹿明博です。 きょうは、平穏な感じで委員会が開かれていて、非常に議論がしやすいなというふうに思っています。 そうはいっても、昨日、籠池理事長の証人喚問があり、まだまだ真相解明には至らないなというふうに思いまして、やはり、一方の当事者だけの話ではなくて、もう一方の当事者の話も聞かないと何も実際のところには行き着かないのかなというのを感じているところです。 この委員会でも、森友問題にかかわって質問がされておりました。その質問を聞いていて一つ気になることがあったので、きょうは、まずは最初にそれだけちょっと確認させていただきます。 この籠池理事長は、森友学園以外にも、社会福祉法人肇国舎という法人で保育園をやられておりますよね。こちらの保育園の園長を夫人である諄子夫人が務めていて、塚本幼稚園の副園長も務めている。本来、園長は専従でなければいけないのに、両方務めているということで、運営費補助金の不正受給なのではないかという指摘がされました。このこと自体は、今、大阪市が調査をしているということですので、それの結果を待つということになるんですが、仮にこれが不正受給だということになって、悪質だということになれば、認可を取り消すとか、そういう事態になるのかもしれません。 また、そもそも、塚本幼稚園自体も今後どうなるのかわからないですよね。卒園式で、籠池諄子副園長は挨拶の中で、園長はもうブタ箱に行くから塚本幼稚園は今年度で終わりですというような発言までしているということですね。 このことを見ていてちょっと感じたんですけれども、何らかのペナルティーがあって認可取り消しになりました、理事長は、今後娘さんに理事長を譲るとかそんなことを言ったりしていますけれども、この森友学園の問題ということではなくて一般論として、認可取り消しになった後に、全く同じ経営者が別法人を立てて同じ幼稚園や保育園をやろうとしたときに、現状だとつくれるんですよね。仮に不正受給があるということで補助金の返還をしていたとしても、別の法人をつくってやろうとしたら、できる。また、同じ法人だったらどうかわかりませんけれども、それこそ、経営者は基本的に、この森友学園だったら籠池理事長だとしても、代表者を娘さんにして、代表者をかえたらできるということもあり得るというふうに伺いました。 これは国民感情からすると、やはりちょっと違うんじゃないかなと。せめて一定期間、例えば五年なり三年なりこの認可を受けられないとか、そういう措置を設ける必要があるんじゃないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 少なくとも、この森友学園の問題については、大阪市が当然監督官庁でありますので、不正受給を行っているかどうかということを含めて実態把握をして、三月中に立入検査をすると言っていますので、その結果を待ってどうするかということは、まずは大阪市が考え、それが正しいかどうかは我々もまた考えるということだろうと思います。 一般論として、今、不正手段によって補助金の交付を受けた法人の代表者が刑法上の詐欺罪により懲役刑に処せられた場合等に、別の法人を立ち上げて、その代表者として保育園の認可の申請を行った場合に、できるかどうかということでございますけれども、都道府県知事などは、児童福祉法第三十五条の規定によりまして、この代表者が、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、または執行を受けることがなくなるまでの者であること等を理由に認可をしてはならないこととされています。 また、法人内において、代表者ではなくとも、名称を問わず、取締役等と同等以上の支配力を有するものと認められるような者の場合には、刑法上の詐欺罪によって懲役刑に処せられた場合等にも、同じ規定によって、認可をしてはならないということとなっているというふうに理解をしております。
○初鹿委員 今大臣が答えたとおりなんですが、つまり、刑法上の詐欺罪で実刑というか禁錮刑以上にならないとできてしまうということですし、仮に、別の人を立てて、そこで実質的な経営者として経営に携わったとしている場合でも、全く何の役職にもつかないで実際には経営に携わっている場合はつくれるということになりますので、やはり少し、もうちょっと要件を厳しくするように考えていただきたいなということを御指摘させていただきます。答弁はいいです。 では、次の質問に移らせていただきます。 今皆さんのお手元に資料を配付させていただいておりますが、「「SOGIハラ」って、何ですか?」というこちらのチラシを見ていただきたいんです。これは、三月九日の日に国会で開かれました院内集会、性的指向や性自認に関する公平と平等を求める、そういう趣旨で行われた院内集会のレインボー国会で配付をされたものです。 LGBTに対する差別や偏見をなくしていこう、そういう趣旨のイベントで、そういう方々に対するハラスメントをSOGIハラというふうにいって、こちらが配付されたんですが、まず大臣、この言葉、今は私が質問すると言ったので知っているんだと思いますが、私が質問通告する前に御存じでしたか、大臣。
○塩崎国務大臣 知りませんでした。
○初鹿委員 そうですよね、私も知らなかったんですよ。 SOGIは知っていますよね。そもそもソジと言うのかソギと言うのか、どちらなんだろうと思っていたんですが、ソジにするということでありました。SOGIハラです。SOGIというのは、性的指向、セクシュアルオリエンテーション、そして性自認、ジェンダーアイデンティティー、この頭文字をとってSOGIです。 このSOGIハラというのは、そういう性指向や性的自認についての嫌がらせというか、からかい行為だとか、そういうハラスメント行為をSOGIハラということなんです。 ここの右側に、国の対応はというところ、書いてあるので見ていただきたいんですけれども、二〇一七年一月一日、ことしの一月から、人事院が、国家公務員の就業規則に、性的指向もしくは性自認に関する偏見に基づく言動を防止及び排除の対象と位置づけ、規則に違反した場合は懲戒などの処分対象としました、こういうふうに書かれているんですね。 これにあわせて、実は、セクハラ指針の方でも、改めてLGBTの人も対象に加える、そういう指針の改定というか徹底がされているんです。 ただ、確認をしたところ、このセクハラ指針において対象にしたということなんですが、セクハラということに関して、男性、女性、またLGBTの人も対象にするということだけで、からかい行為みたいなものは該当しないというようなお話もありました。 実は、きょうたまたま朝日新聞の朝刊に、性的少数者の六割がいじめを経験、そういう記事が載っておりました。ここで、調査をした日高教授、宝塚大学の看護学部の先生なんですが、こういうコメントをしているんですね。「教室に当事者がいると思わず、笑いを取るために性的少数者について差別的な発言をする先生もいる。その一言で生徒が不登校になったり、命を落としたりするかもしれない。だからこそ、学校現場での取り組みが必要だ」、そういう指摘をされているんです。 ちょっと改めて確認ですけれども、セクハラ指針では、こういう嘲笑だとか、からかいのような言動は対象とならないですよね。
○堀内大臣政務官 対象にならないと思います。
○初鹿委員 対象にならないんですよね。ですので、やはり私は、セクハラ指針ではなくてSOGIハラ指針をつくった方がいいんじゃないかと思うんですよ。 ただ、担当の方とも話しましたが、実際どういうもの、どういう言動を当事者の方々が不快に思っているのかとか、その辺のことをもう少しきちんと事例を集めてみないとわからぬということでしたので、ぜひ、そういう事例を集める研究というんでしょうか、してもらいたいし、やはり当事者の皆さんから聞くと、そういうハラスメントがあってもなかなか相談する場所がないというんですよ。 セクハラですと、都道府県の労働局に雇用環境・均等部というのがあるんですか、そこに相談窓口がありますよね。でも、先ほど言ったように、これはセクハラには当たらないよねと当事者の方が思っていたりすると、なかなかそこに相談しづらい。ですので、やはり相談窓口をつくって、そういう方の受け入れもきちんとやる。セクハラの窓口でもやっていますよというんだったら、それをやはりもうちょっとPRしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 〔委員長退席、三ッ林委員長代理着席〕
○堀内大臣政務官 初鹿委員の御質問にお答えします。 ただいま、都道府県労働局などに設置している総合労働相談コーナーにおいて、性的指向や性自認に関連する問題を含め、労働関係に関するあらゆる分野について相談等に応じております。その中で、性的指向や性自認を理由として職場で無視された例などを把握しているところでございます。 こうした相談などを通じて、引き続き実態の把握にしっかりと努めてまいりたいと思っております。
○初鹿委員 ぜひ浸透するようにしてもらいたいと思うんですよね。 特にSOGIハラの問題が難しいのは、当事者がカミングアウトしていないと、その場に当事者がいるかどうか知らないで、つい、例えば、同性愛者は気持ち悪いよねとか、目の前にいるのに、その人がそうだと言わずに、言ってしまっていて、本人はすごく傷ついているとか、そういうこともあり得ると思いますので、ほかのセクハラだとかマタハラだとかそういうことと違って、当事者が誰なのかということをわからないで不用意に発言をしてしまうということがあるということをぜひ認識していただきたいというふうに思います。 今、SOGIハラということを取り上げましたけれども、やはり、この言葉が浸透していくことによって、ああ、こういう行為は当事者にとっては不快に感じるんだなとか、傷ついているんだなということにやっと気がついてくるんだと思うんですよ。セクシュアルハラスメントも、数十年前まではそれがいけないことだという認識がなく、平気で職場で、飲み会で女性に酒をつくらせたり、隣に座らせたりとか、性的な言動をしたりとかされていたのが、言葉が浸透していって、ああ、こういう行為はいけなくなったんだなとなったわけですよね。パワハラもそうだと思いますし、最近ではマタハラというのも出てきましたが、それもそうだと思うんですよ。 ぜひ、大臣、これは流行語大賞になるように広めていきましょうよ。これは笑い事じゃなくて、セクハラという単語も一九八九年に流行語大賞の新語部門で大賞になっているんですよ。そして、パワハラはないんですが、マタハラは二〇一四年にトップテンに入っています。やはりこういうことがあると、みんな気がついて、ああ、それはいけないんだということになるので、ぜひことしは、大臣、SOGIハラを流行語大賞に載るぐらいに広めていくように努めていただきたいんです。ぜひ表彰台に乗ってもらいたいと思いますので、御見解をお伺いいたします。
○塩崎国務大臣 性的指向、いわゆるセクシュアルオリエンテーションと、それからジェンダーアイデンティティーに関する差別とか偏見とか、こういうものをなくさなきゃいけないというのは、比較的、認知された問題としては新しい課題であるわけでありますが、これは、しかし、そうはいいながら、世界の大きな流れであることも間違いないというふうに思いますし、人事院ですらこういう、今お配りをいただいたような認識を持っている。厚生労働省でも、採用に当たって、そういう差別がないようにということを配慮しながらやっています。 やはり、性的指向あるいは性的自認に関する言動がセクハラ、パワハラ、あるいはSOGIハラと呼んだらどうだということですけれども、こういうようなことにつながるようなことがないようにしていくということで、パンフレットなどで明確化をして、性的指向あるいは性自認に関する理解を進めるために事業主へも啓発、指導などを既に厚労省は行っているわけであります。 SOGIハラという言葉がいいか悪いか、こういう問題も含めて、国民の皆様方になじみやすい言葉として定着していくこと自体は私も大事なことだと思いますし、今後の啓発活動の中でどういう言葉がいいのかというのは、今、御提案はSOGIハラでいいじゃないか、こういうことでありますけれども、そもそもこれは厚労省だけの問題なのかどうかというのはちょっとわからないところでもございますが、我々としては、いずれにしても、こういうハラスメントにつながらないようにしていくというための努力はしていきたいというふうに思っております。
○初鹿委員 ぜひ、これからいろいろな文書だとか、あと、審議会とかでセクハラだとかパワハラだとかの議論をするときだとかにこのSOGIハラというワードを使うようにして、そして広めていっていただきたいと思います。そうやって広まっていった結果、年末に流行語大賞とかにノミネートされればいいんじゃないかなと思いますので、ぜひ、大臣が率先して発信していくことが大事だと思いますので、よろしくお願いいたします。 それでは、次に、生活保護について質問いたします。 きょうは生活保護の基準の見直しについて質問をさせていただくんですが、本年、二十九年度、この基準の見直しが行われるということで、生活保護基準部会での議論が始まっているということであります。 前回、二〇一三年度に改正がされたわけですが、三カ年かけて大幅な生活扶助基準の引き下げが行われました。合計で六百七十億円、生活扶助で六百億円、一時扶助等の加算を加えて七十億円、六・五%、期末一時扶助を加えると七%を超えているんですよね。これは制度が始まって以来最大の下げ幅です。小泉政権下でも引き下げというのは行われました。社会保障の抑制ということが言われて行われたんですが、そのときでも、〇三年は〇・九%で、〇四年が〇・二%ですから、この七%を超える引き下げというのはいかに大きいかということがわかると思います。 これが余りにも過大であったために今どういうことになっているかというと、全国二十九の都道府県で九百人を超える受給者の方々が国を訴える訴訟を提起しているんですね。生存権を保障した憲法二十五条に違反するということで訴訟になっている。こういう現状を踏まえて、今回、改正が行われるということであります。 この改正に当たって基準部会が開かれているわけですが、去年の十月七日に岩田部会長代理がこういう発言をしているんですよ。 皆さんのお手元に資料をお配りしていますが、実際に部会が開かれるごとに何かを下げているのです、つまり、生活保護基準が、全体が下がっている、引き下げ部会みたいなイメージがありますね、都合よく毎年毎年、予算編成前に、何を下げたらいいだろうかということで出てくるのではないかと疑いを持つほどです、こういう指摘をしているんですよ。 基準部会をつくったのはいいけれども、引き下げをするための部会じゃないか、そういう発言をしているんですけれども、これについて厚生労働省はどうお考えになっていますか。
○堀内大臣政務官 初鹿議員のお配りになられました資料の二枚目の下の方の下線部の件についてのお尋ねかと思っております。 その当時の議事録の続きを拝見していても読み取れますことは、まず、その基準部会というものは、結論ありきということではなく、いろいろな科学的見地、さまざまなことを部会で議論していくための部会であると思っております。
○初鹿委員 それはそうなんですけれども、そこで議論して報告書を出して、報告書で出てきた数値を使わずに違う数値を使って、そして引き下げをしたから岩田部会長代理はこういう発言をしているんじゃないんですか。何のために我々専門家が集まって議論をしているのかと。部会で報告書を出したら、この部会の了承も得ずに数値を変えて、そして引き下げを行っている、これに対して怒っているんだと思いますよ。そういう認識はありませんか。
○堀内大臣政務官 初鹿議員が先ほど来お尋ねの、いわゆる生活保護の基準というものにつきましては、生活保護法に基づいて厚生労働大臣が定めることとされており、部会での専門的かつ客観的な検証結果も踏まえ、この基準を定めることとさせていただいております。
○初鹿委員 厚生労働大臣が定めることに八条でなっています。ただ、何でも裁量を認めているわけじゃないですよ。 皆さんのお手元に、こちら、資料を配らせていただきました。すごく古い資料なんですけれども、生活保護制度を制定したときの保護課長だった小山進次郎さんという方が書いている、生活保護制度の解釈を書いた本なんですけれども、そこに、線を引いているんですけれども、「政治的色彩の混入することは厳に避けらるべきこと、及び合理的な基礎資料は社会保障制度審議会の最低生活水準に関する調査研究の完了によつて得らるべきこと」と書いてあるわけですよ。 基準部会で出た数値、それを使って厚生労働大臣が定めるということであって、政治的に、引き下げを前提にして下げていいということはどこにも書いていないと思いますよ。 でも、前回の引き下げは、明らかに、自民党が一二年の選挙で生活保護を引き下げるという公約を立て、それに基づいて与党のPTが引き下げを前提の議論をしていった、それに合わせるかのように行われたと言わざるを得ません。 当時、制定時のときに、この小山さんという方が回想録とかでも述べているんですが、法律にきちんと書くか、それとも今のように大臣が告示で基準を決めるのかどうか、相当な議論があったそうです。最終的に告示で決めるようになったのは、小山さんが言っているんですけれども、当時は異常なインフレだった、そのインフレに対応するためには、議論が非常に時間のかかる法律改正では間に合わない、受給者の利益を考えて、これは法律事項ではなくて裁量にしたということであって、先ほどもこちらの資料で見せたように、政治的な色彩を入れてはいけないということなんですよ。 ぜひ、今回の改正では、引き下げありきのような議論ではなく、きちんと、検証した結果に基づいて、引き下げるのか引き上げるのか決めていただきたいと思いますが、いかがですか。
○橋本副大臣 そもそも、今回のというのは平成二十九年度、次の改定に向けて検討をこれからするということを指しておられるんだと思いますが、前回の改定についても、いろいろ御指摘はございましたけれども、堀内政務官が答弁をしましたように、結論ありきということではなくて、科学性をもとに部会で議論をしていただいている、そして、それを踏まえて厚生労働大臣として定めたものということでございますので、政治的色彩の混入すること云々ということは当たらないのだろうというふうに思っておりますし、当然ながら、次回の改定に向けてことしその議論をするわけでございますけれども、科学的に客観的な数字等に基づいて御議論いただき、そして、それをもとにきちんと定めさせていただくということであります。
○初鹿委員 前回そうなっていないから指摘をさせていただいているんです。 では、具体的に前回の問題点を指摘させていただきます。 前回、六百七十億円引き下げております。生活扶助については六百億円で、九十億円がゆがみ調整部分ということで、年齢とか世帯人口、地域差などで一般消費者世帯と比較をして、それで給付条件を下げている。あと五百十億円は、デフレ調整部分ということで、物価の下落に合わせて下げているということなんです。 このゆがみ調整部分なんですけれども、皆さんのお手元に新聞記事、ちょっと見づらいんですけれども、つけておりますけれども、このゆがみ調整部分が部会での報告書の数値のなぜか二分の一になっているんですよ。 このゆがみ調整だと、世帯によって、プラスになって引き上げになるような層と、引き下げになる層がいるんです。 大きく引き下げになって、引き下げ額が一〇%以上になったら、それは生活に非常にダメージが大きいということで激変緩和だということはわかるんですけれども、なぜかプラスになる人まで二分の一にしているんですよ。それで、デフレ調整が入ってくるから、結局その人たちはマイナスになっていく。本来プラスになる人を下げたら、デメリットじゃないですか。最低生活費を保障するのが生活保護だとしたら、それは下回るということになるんですよね。 ここの記事にも書いてありますけれども、六十歳以上の高齢単身者の場合は、一般低所得者世帯と比べて四千円少ないということだったから、本来だったら、四千円がゆがみ調整で上乗せされて、デフレ調整のマイナスを加味して金額が決まるのに、四千円じゃなくて二千円にされているんですよ。これはおかしいと思うんですよね。 なぜちゃんと報告書に出ていた数字を使わなかったのか、お答えいただきたいと思います。
○橋本副大臣 ゆがみの分の調整をなぜ半分しかしなかったのかという問いでございます。 生活扶助基準については、社会保障審議会生活保護基準部会の検証結果を踏まえ、一般低所得世帯の消費実態等を勘案して見直しを行ったところでございますが、年齢の階層別、世帯人数別、地域別の三つの要素において一般低所得世帯の消費水準と生活扶助基準の比較を行ったところでございます。 その結果、先ほど御指摘がありましたように、例えば年齢階層別に見ると、一般低所得世帯の消費水準を生活扶助基準が上回っている年齢階層もありました。そして、下回っている年齢階層がありました。いずれにしても、一般低所得世帯の消費水準から生活扶助基準が乖離をしているという部分があるということが明らかになったというわけでございます。 それを調整するということにするわけでございますが、その検証結果を完全に反映させると世帯によっては大幅に減額になる、要するに、今、扶助基準の方が高過ぎるという世帯もあったわけですから、そこを合わせると大変な減額ということになります。やはりそれは生活に与える影響も大きいということで、激変緩和措置を講ずるということにした。できるだけ公平に反映をしつつ、生活保護受給世帯への影響を一定程度に抑えるという観点から激変緩和措置を講じたところでございまして、それが、改定幅の二分の一の適用、そしてなお、一〇%以上を超える場合はそれ以内にするという限度を設けたという理由でございます。 だから、今、上がる分が、上げ幅を二分の一にしたところについて問題にされました。だけれども、下がらなければいけないところについても二分の一にするという措置を講じて、要するに、その乖離幅を減らすというところについてバランスをとって、上がる人も下がる人もそれは改定しなければいけないだろう、どちらか一方だけということをやるということは公平を欠くのではないか、そういうことで、いずれにしても二分の一の改定にした。 かつ、それで下がってしまったというのは、それは物価の変動の調整によって下がったということにつながってくるんだと思いますが、そういう面があるということは御理解いただいていると思いますが、そういうことでございます。
○初鹿委員 でも、激変緩和で、下がる人は生活に影響があるから、これはどこかで歯どめをかけないとというのはわかるけれども、本来上がる人を二分の一にするというのは聞いたことがないですよね。ほかの制度でそういうことをやったことはありますか。年金とかでも、下げ幅が大きいとき一定程度のところでとめるというね。下がるときにはわかりますけれども、上げるのを抑えるなんというのは私は聞いたことがないので、これはちょっと考え方としていかがなものかなと指摘をさせていただきます。 激変緩和と言うんだったら、では、期末一時扶助はどうなのかということですね。十二月、年末に支給されるものです。 これは、級地ごとに単価を決めて、そして世帯人数を掛けて今まで決めていたんですね。例えば、一級地の二の札幌の例でいきますと、単身世帯で一万三千五百四十円だったんですよ、改定前。二人になると二倍で二万七千八十円、三人だと三倍の四万六百二十円。 ただ、基準部会の報告だと、一般世帯で見ると、スケールメリットが働いて、単身世帯を一とすると、二人世帯だと一・六三、三人世帯だと一・六八、四人世帯だと一・八九、五人世帯だと一・九七。五倍にならないで、五人世帯だと二倍を切るぐらいにしかならないんだ、そういう報告書なんですよ。それによって二〇一三年度に改定をした金額だと、単身で一万二千八百九十円、二人世帯だとそれに一・六三倍をして二万一千十円、三人世帯は一・六八倍にして二万一千六百六十円ということになるんですね。この計算でいくと、四人世帯、五人世帯だと、五〇%を超える削減幅になるんですよ。 さっきの、ゆがみ調整で激変緩和をしたとして、こちらの方は五〇%を超えても激変緩和措置をしないでそのまま引き下げているというのは、整合性がつかないと思いますが、いかがですか。
○橋本副大臣 改定につきましては、委員御指摘のとおりの改定をさせていただいたということで、これは繰り返しません。 ただ、これについては、結局、期末一時扶助の減額ということでございまして、先ほどの毎月の基準額の改定と比較をして、激変のインパクトがやはり余り大きくないのではないかということが言えるのではないかと思います。
○初鹿委員 激変のインパクトが大きくないんじゃないかと言いますけれども、今までの額よりも五〇%を超える削減というのは大きいと思いますよ。やはり整合性がついていないということは指摘をさせていただきますし、そもそも、この水準の決め方自体もいかがなものかなというふうに思うんですね。 比較をする対象なんですが、この対象については、今回の議論の中でも、どういう所得水準の人を対象にするかというのは検討課題として論点整理の中でも出てきております。前回の対象となったのは、年間収入階級の第一・十分位の層なんですね。一番所得の低い一〇%なんですが、ここを対象にすることが妥当かどうかですよ。 我が国は、生活保護の捕捉率が低いです。一五%から一八%ぐらいだと言われております。つまり、一番下の階層の人は、生活保護を受けることが恥だとかそういう意識があったり、さまざまなスティグマがあって受けていない、そういう層があって、生活保護基準よりも低い水準で生活をしている、そういう方が多いわけですよね。 その人たちの水準に合わせて、そっちよりも今の保護基準が高いから引き下げるんだということをしていったら、生活保護の水準がどんどんどんどん下がっていってしまうのは当たり前だと思うんですよ。 私は、それを考えると、この第一・十分位をターゲットとして比較をするのは誤りだと思うんですよね。その前までは、大体四〇%ぐらいの消費支出で比較をしていたはずですよ。それが、最後一〇%で、しかも生活保護基準よりも低い生活水準の人たちの消費支出と比較をするというのは、私は明らかに誤りであったと思いますので、ここは見直していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 〔三ッ林委員長代理退席、委員長着席〕
○橋本副大臣 今御指摘のように、前回の改定では、生活扶助基準について、先ほどの第一・十分位の比較というのは、昭和五十八年の検証以降、これを比較するという方式でやっております。 なぜ五十八年の検証でそれを使ったかということは、ある年収以下になると急激に消費支出が減少する点が最低限度の生活が維持される水準であろう、そういうような想定をした上で、その水準が年収の第一・十分位の世帯の平均の消費支出と同程度であったということから、それ以降は、生活扶助基準の検証において、年収第一・十分位の世帯の消費支出との比較を行ってきているということでございます。 前回についても、第一・十分位の世帯は、平均消費水準が中位所得者階層の消費水準の約六割には達しているということ、また、生活に必要な耐久消費財、これは冷蔵庫とか炊飯器とかそういうものですが、普及状況が中位所得者層とおおむね遜色がなかったことから見て、消費水準が生活扶助基準の比較対象として妥当だということとはされております。 ただ、委員の御指摘等、あるいは委員以外からもやはり御指摘があったということはありますので、検証するようにということが言われておりますから、次回の改定に向けた検討においては、そこの点も検証はさせていただきたいと思っています。
○初鹿委員 ちょっと時間がなくなってしまったので残してしまいましたが、それ以外にも、比較をする消費支出、生活扶助相当CPIというのを使っているんですが、これも私は恣意的だというふうに思っております。ぜひ、そこも、今度の改定のときには恣意的だと言われないようにしていただきたいと思います。 ちょっとこの問題はまた次回にでも質問させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ありがとうございます。
○丹羽委員長 次に、郡和子君。
○郡委員 おはようございます。民進党の郡和子です。 まず冒頭、宮城県の栗原市で、養鶏場で鶏が死骸となって発見され、その後、検査を行った結果、毒性の強いH5亜型が検出をされたということであります。県は、対策本部を設置して、自衛隊にも派遣要請を行ったということでありますけれども、厚労省としても、ぜひ関係省庁と連携して対応に当たっていただきたいというふうに思います。冒頭お願いをさせていただきます。 では、質問です。 きょう、私は、かつて日本にあった優生保護法の問題について取り上げさせていただきます。 遺伝性疾患を持つ障害者や精神障害者、知的障害者などに対して強制的な優生手術、いわゆる不妊手術を合法的に行っていたというものであります。 この優生保護法というのは一九四八年に施行された法律です。九六年には、この優生保護法の優生思想、第一条、きょうは皆さんにもお配りしておりますけれども、「優生上の見地から不良な子孫の出生を防止する」ということが障害者に対する差別だという深い反省と人権尊重への思いから、母体保護法へと改正をされたわけであります。この優生思想に関連する規定を全て削除したわけです。 その優生保護法のもと、知的障害があるとして強制的な不妊手術をされたのは人権侵害だとして、宮城県の女性が、日弁連に対して人権救済を求め、国に対して謝罪とそしてまた補償を求めているということ、もちろん大臣も御承知のことと思います。 この女性は、私の体を返してほしいんだというふうにして声を上げましたけれども、強制的な不妊手術をされたと声を上げる人はほとんどおりませんで、大変まれな例でございます。私も何人か御本人とお会いをさせていただいておりますけれども、がんを患ってもいらっしゃって、体調に波がおありなんですけれども、これは、自分自身のためだけではないという強い思いで活動されているということです。 この問題で、国連の人権委員会あるいはまた女性差別撤廃委員会が国に対して勧告を行っております。昨年の女性差別撤廃委員会からの勧告を受けてでしょうか、厚労大臣は、昨年の三月二十二日の参議院の厚生労働委員会で、被害者本人から要望があれば事情を聞くというふうに御答弁なさいました。ようやく、厚労省の母子保健課によって、この女性のヒアリングが始まりました。しかし、大臣はまだ会っていただけておりません。 この女性、一九六三年に、家事手伝いをしていた住み込み先の雇い主に、何も告げられずに県の診療所に連れていかれて、卵管を縛る手術を受けさせられたということです。当時、十六歳でいらっしゃいました。退院後、実家で御両親がお話をされているのを聞いて、あっ、これは不妊手術だったんだと初めて知るわけです。しかも、実際は知的障害ではございませんでした。手術後、ひどい痛みが続いて、体も疲れやすく、仕事も続けられなくなりました。結婚されましたけれども、残念ながら、子供を産めないということを理由に離婚をされています。 七十歳を超えたこの女性と厚労省の母子保健課の方々、会っていただいて、いろいろやりとりはさせていただいているところですけれども、なかなか前に進みません。宮城県議会でも、超党派でこの問題に対する勉強会を立ち上げて対応に当たるということになりました。大臣に、ぜひ誠実な対応をお願いしたいということであります。この問題について改めて整理をさせていただくということで質問をさせていただくわけです。 旧優生保護法、その第四条と十二条によって、本人の自由意思に基づかない不妊手術を、障害者の方々におよそ五十年間にわたって合法化してきたわけですね。 この条文に基づく不妊手術、優生手術に関して、旧厚生省は、一九五三年に各都道府県知事宛てに通知を出しておられます。優生保護法の施行についてのガイドラインでありまして、資料もつけております、ごらんいただきたいと思います。二ページ目ですけれども、「強制の方法」ということで、「身体の拘束、麻酔薬施用又は欺罔等の手段を用いること」、つまり、だますということ「も許される場合がある」というふうな指導です。 まず、一問目は、この四条と十二条に基づいて実施された不妊手術の件数、厚労省、どう把握しているか、お答えください。
○吉田政府参考人 お答えいたします。 御指摘いただきました旧優生保護法、昭和二十三年の議員立法でございますが、その中には、お尋ねの第四条及び十二条におきまして、都道府県優生保護審査会の申請により実施されるというものがございました。 これに当たりましての実施件数のお尋ねでございますけれども、旧優生保護法の第二十五条におきまして、この手術を実施したまずドクター、お医者さんから、理由を付して都道府県にその旨を報告いただいて、その上で、旧優生保護法の施行規則二十七条に基づいて、手術の実施件数等を今度は都道府県から国に報告するという形で、私ども、この件数については承知をしております。 このルートによってまとめました衛生年報等を、私ども担当課の方で、御指摘いただきましたように、昭和二十四年から平成八年までの期間にかけて調査をさせていただきましたところ、第四条につきましては一万四千五百六十六件、第十二条に基づくものにつきましては千九百九件が行われたものというふうに把握をしてございます。
○郡委員 きょう、資料にもつけさせていただきました。合わせて一万六千五百件に上るということであります。 もはや戦後ではないと言われた高度経済成長期、国は、高い生産性を実現するために、厚労省がこういうような決議を出しています。人口資質向上対策に関する決議であります。この中身は、「人口構成において、欠陥者の比率を減らし、優秀者の比率を増すように配慮することは、国民の総合的能力の向上のための基本的要請である。」 今聞くと、大変驚きを皆さんもお持ちになるかと思うんですが、この決議によって、優生保護法に基づく不妊手術が全国各地で積極的に行われていくわけです。地域や家族も優生手術を勧めたわけです。仮に本人やその家族が嫌だと言っても、親族みんなで同意をさせました。あるいは、同意をさせなくても無理やりこの手術をさせたわけです。 私、かつて報道の現場におりました折に、障害者施設の入所のときに、この優生手術を済ませているかどうか、要件になっていた、この記載の書類を見せてもらいまして、そのときの衝撃というのを今も鮮明に覚えております。 この優生保護法には、第三条、本人の同意について規定されておりますが、今申し上げましたように、同意が必要でない者として、未成年者、精神病者、精神薄弱者、遺伝性身体疾患、遺伝性奇形などを挙げているわけです。障害を持つ女性が、生理時の介助が面倒だなどの理由によって、子宮あるいは卵巣の摘出や卵巣への放射線照射をされるケースも数多くありました。 旧優生保護法の優生手術というのは、実は生殖腺を除去することなしにしなければならないというふうに第二条で定められているんですけれども、また、同法の規制に反して、ゆえなく生殖を不能にするということを目的として手術またはレントゲン照射を行ってはならないという二十八条の規定もあって、この二十八条に違反した場合には懲役あるいは罰金という罰則規定も設けられていたんですけれども、これらに照らせば、優生保護法にさえ違反している手術が堂々と行われていたんです。なぜなら、第一条に「優生上の見地から不良な子孫の出生を防止する」という優生思想があって、間接的にも合法化されて続けられてきたということです。 本人の同意を得ることなく、遺伝的に劣った性質とみなされた障害者などに対して、身体拘束、麻酔薬を使い、あるいはだますなどによって、強制的に不妊治療が行われ続けました。大変な人権侵害であります。直接そして間接的に正当化する形で実施された人権侵害の疑いがある不妊手術及び子宮、卵巣摘出手術や卵巣への放射線照射についての実態解明を行うべきではないでしょうか、お答えください。
○吉田政府参考人 お答えいたします。 今委員も御指摘いただきましたように、旧優生保護法に基づいて行う優生手術の術式につきましては、この施行規則第一条におきまして、精管切除結紮法を初め、四つの術式に限定してございました。御指摘のような、子宮を摘出しちゃう、あるいは卵巣へ放射線を照射するというのは、この四つには該当しないというふうに思います。 その意味で、お尋ねのような手法により優生手術が行われたという事実を国としては把握しておりません。これにつきましては、厚生労働省が調査や実態把握を行うべきものではないというふうに考えてございます。
○郡委員 第三条に基づく優生手術の実施数というのを教えていただいております。八十三万件ほどあるんです。なぜ調査ができないのでしょうか。 この飯塚さんという、仮名の女性ですけれども、声を上げてくださった。そして、人権救済を求めておられる。国に対しても、せっかく母子保健課で、厚労省も重い腰を上げていろいろと話を聞いてくださっている。 ぜひ大臣、女性と会っていただいて、全国的に調査をかけて、厚労省の中に、この問題について事例の書類を各自治体にとどめるように、それこそ通達なりなんなり出していただいて、徹底的な検証、実態究明に当たるべきだというふうに思うんです。 優生学的理由に基づく強制的な不妊手術、優生保護法の話ですけれども、これは、ナチスの断種法の流れにあって、これを模範とした国民優生法の延長線上にあるものです。 戦後、ドイツでも、この被害者に対して政府が公的な謝罪と補償を行うようになっております。また、スウェーデンでも、一九九七年にこの問題が明らかになって、迅速に実態の解明に着手して、さらに被害者に対する公的補償を九九年に開始しているんです。 これらの海外の動向を見ましても、日本政府は、旧優生保護法のもとで強制的な不妊手術を行ってきたというこの問題に対して、誠実な対応をすべきだというふうに思います。いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 先ほど来お話が出ております、もともとの根拠法は、昭和二十三年、一九四八年に、超党派で、議員立法で成立をしたということが経緯としてまずございました。 そして、平成八年、一九九六年、この際も議員立法で、たしか委員長提案だったかというふうに思いますが、いずれにしても、母体保護法という形に改正をされて、優生手術は不妊手術に改められて、本人の同意を得ない優生手術は廃止、こうなったわけでございます。 各国において過去の強制的に行われた不妊手術に関しまして調査、補償を行うかについては、各国の状況によって異なるものだろうというふうに思います。一概に比較をするということは、今の、法律のつくられた、あるいは廃止をされた経緯などを踏まえて、必ずしも適当ではないのかなというふうに考えているところでございます。 日本においては、今申し上げたとおり、議員立法によって制定をされた旧優生保護法に基づいて執行をしてきたという事実がございます。そして、新たに、平成八年に、これまた議員立法で、これをとめる母体保護法という形で新しいものができて、補償やその前提となる調査を行うことについては、先ほど局長から御答弁申し上げたとおり、必要はないのではないかというふうに考えているところでございます。 これは、議員立法ということであれば、議会で御議論いただくということも大事なことだというふうに思います。
○郡委員 今大臣は、議員立法だ議員立法だということを何度もおっしゃいました。議員立法だからできないというのは、言い逃れでしかないと思うんですよ。 この旧優生保護法というのは、ちょっと過去をひもといてまいります。 戦前、断種法を制定しようという運動が起こりました。日本民族衛生協会で医学者や法律家から成るプロジェクトチームが結成をされまして、一九三三年制定のドイツの遺伝病子孫防止法の影響を強く受けた断種法案が一九三六年につくられるんです。ですけれども、この断種法案を修正した民族優生保護法案が、これも議員立法として、一九三七年からたびたび帝国議会に提出をされるんですけれども、厚労省がこれをたたき台にして国民優生法案をつくって、閣法ですよ、国民優生法案をつくって一九四〇年に成立させたんです。閣法が旧優生保護法の根底にあるということを認識いただきたいんです。 優生保護法は、今申しましたように、閣法の国民優生法の流れをくむものであります。政府としても厳しく対応していただきたいと思うんですよ。今の大臣の御答弁は、それこそ言い逃れでしかありません。私は、そういうふうに強く思いますし、対応を図っていただくべきだというふうに思います。 ちょうど一年前に、参議院の厚労委員会で、福島みずほ委員の質問に対して厚労省はこういうふうに答弁をしております。同意のない手術については現在行われておらないわけでございますが、当時行われたことに関しましては適法に行われたという前提で制度が動いておりますので、当時のものに関してさかのぼって損害賠償するということはなかなか困難であろうかと思っております、こういう趣旨の答弁でございます。私は、これを聞いてまた矛盾があるなというふうに思いました。 二〇〇一年、ハンセン病問題について、我が国では、かつては合法であったけれども、ここに、らい予防法の非人道性に対する反省がなされたじゃないですか。そして、不遡及原則を超えて対応したじゃないですか。ハンセン病患者の方々に対する中絶手術や不妊手術を含めて、私たちは猛省したからこそ不遡及原則を超えて対応したんです。 先ほど議員立法だからというふうな、私は言い逃れだというふうに思います。同じことは、この優生保護法に対してもなされるべきだと思います。できない理由はないというふうに思いますが、いかがでしょう、大臣。
○塩崎国務大臣 先ほど御議論をいただいたところで、民主党政権のときにどういうふうに対応されたかはよくわかりませんが、ハンセン病の問題については、元患者の方々からの国家賠償請求訴訟、この判決におきまして違法性が認められたために、政府として反省の意を談話としてあらわしたものというふうに理解をしてございます。 一方で、御指摘の優生保護法につきましては、ハンセン病とは経緯などが異なっていることから、単純に同じように対応するべきものとは捉えられていないというふうに考えられているところでございます。
○郡委員 確かにハンセン病の方々の訴訟がございました。それは、大臣がおっしゃったこともあるんだろうというふうに思います。 しかし、大臣、ちょっと想像してみてください。この優生保護法のもとで人権侵害を疑われるような手術を受けたそのほとんどは女性たちなんです。しかも、障害を持たれた方々がほとんどなんです。訴訟を起こしていないんじゃないかと言われますけれども、女性の方々、とりわけ、こういう手術を受けたことは知られたくない事実ですよ。そういう中で声を上げるというのは難しいんですよ。なぜそのことを想像していただけないんですか。私は、そのことを理解して、そういう方々に寄り添う役所が厚労省だと思っておりますけれども、違いますか。大臣、答えてください。
○吉田政府参考人 大臣にお答えいただく前に事実関係を御報告させていただきます。 先ほど委員からも御質問の中で触れていただきましたように、先ほど来おっしゃっておられますその宮城の女性の方につきましては、私ども、これまで担当課をして三回お話を聞かせていただいて、その間には、その方から直接的に御自身の人生を幾つかお話を伺っておりますし、また、同行された方からは幾つか過去の事実関係についての御紹介をいただき、私ども、なかなか全部を、記録の問題あるいは記録保存の問題もございまして、お示しはできておりませんけれども、最大限お示しをするなど、誠実に対応させていただいているというのが経緯でございます。
○郡委員 大臣はお答えいただけない。本当に残念です。 そして、今役所の方でこの女性と面会をしていただいているんですけれども、大臣はまだ一度も会っていただいていないんですよ。会ってください。会ってお話を聞いてください。声が上げづらいところをわざわざ声を上げて、自分自身のためだけじゃないんですよ、ほかの多くの多くの方々のために頑張っているんです。声を聞いていただきたいと思います。どうですか。
○塩崎国務大臣 去年、参議院で福島委員に対してもお答え申し上げたように、厚労省として誠意を持ってお話を聞くということで、実際にそれもやってまいりました。 私が会うべきかどうかということについては、今御意見を頂戴いたしましたので、考えてまいりたいというふうに思います。
○郡委員 ぜひ会っていただいて、そして、大分時間もたっています、各自治体が持っている資料の保存を求めるとともに、徹底的な調査を行って、そういう思いでおられる皆さんたちに寄り添うべきだと思います。 二度とこういうような、優生思想を認めるような、それこそ優生保護法はなくなったわけですけれども、それを認めないということは、今申し上げたことをやっていただけないというのは、法律上の文言はなくなったけれども優生思想はそのまま残し続けるというふうに言われても、生きているというふうに言われても、弁解の余地はないというふうに私は思います。 国連の人権委員会の日本政府に対する随時の勧告、それから女性差別撤廃委員会の勧告、これらの勧告も誠実に受けとめて、しかるべき対応を行う義務を負っているというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 女子差別撤廃条約の実施状況に関する国連の女子差別撤廃委員会、この最終見解というのが平成二十八年三月七日に出ておりますが、そこでは、旧優生保護法に基づき女性の同意なく行われた優生手術について調査をすること、それから、男女を問わず同意なく優生手術が行われた方に対する補償等を行うことが示されている。 旧優生保護法第四条と第十二条に基づいて同意なく行われた優生手術は、昭和二十四年から平成八年までの間で合わせて約一万六千件となっているわけでありますが、当時の法律、いわゆる旧優生保護法に基づく手続に反し、具体的に、違法に優生手術が行われていたとの情報は承知をしておらないわけでございます。 厚労省としては、調査や補償等を行うことは先ほど申し上げたとおり考えていないわけでありますが、昨年三月の、先ほど申し上げたように、役所としては、御本人からの事情を聞くということで適切に対応したいと答弁したとおり、担当職員が御本人と三回お会いをするなど、誠実に対応させていただいているところでございます。
○郡委員 それを誠実と言って御答弁を終えられる大臣を、私は本当に残念に思います。本当に残念に思います。 リプロダクティブヘルス・ライツ、性と生殖に関する権利、これは、障害を持つ方々にも十分に保障されるべきものですよね。障害を持つ人も妊娠、出産、子育てができるための社会的な支援を整えていって、障害のあるなしによって子供を産むかどうか差別されない社会を目指すということこそ私は重要だというふうに思っていますし、同じ思いで皆さんおられるのだというふうに思っております。 障害者の施設、津久井やまゆり園で起きたあの大量殺人事件、相模原事件も、これも優生思想が強くあらわれたものでありました。障害の有無や人種などを基準に人に優劣をつけようとする優生思想、いわゆる生産性を重視して、生産性が高くないのであれば生きている価値がないというふうにされてしまう社会、想像したくありませんよ。障害者差別解消法が昨年の四月施行され、六月には改正障害者総合支援法が公布されました。障害者の方々の生活支援を進める中で起きた事件でありました。大変な衝撃が日本じゅうに広がったわけです。 この事件について、日本障害者協議会の藤井代表がインタビューに答えております。 今回の事件は、日本社会が積み残してきた障害者にかかわる問題や課題を一気に噴出させました。それは、知的障害者の入所施設偏重政策、社会的入院の問題を含む精神医療のあり方、障害者個々の経済基盤の脆弱さ、家族の過剰な負担、根強い障害者差別などです。これらの問題現象ですが、このこと自体が、障害者はかわいそうとか、障害があればやむを得ないのではないかといった偏見を助長し、ひいては優生思想的な考え方を醸成するのではないでしょうか。 だからこそ、私は、優生保護法をめぐる過去の問題に対してしかるべき対応をとることが必要なんだと思っているわけです。そうでなければ、優生保護法は撤廃されたといっても優生思想が残されたままじゃないかという、このことに対して弁明できない、弁解できないと思うんですが、大臣、いま一度、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 過去に起きた、優生保護法によって本人の同意なく不妊治療を受けさせられるということがあったこと自体は大変問題だというふうに私も思っています。 だからこそ、平成八年にこれを議員立法でまた廃止をする、そして新しい母体保護法という形で対応していくということになって、本人同意が必要になる、こういうことになって、間違いが起きないようにするという手だてを立法府としてもおとりになったということでございまして、先ほど来申し上げているように、ですから、平成八年以降はそういうことはやらないということをかたく決めてやってきている、そして差別の思想は持たないということも同時にしっかりと据えた上で、私どもはもちろん、行政では行政対応をしてきているわけでございますので。 繰り返して恐縮でございますけれども、前を向いて進んでいくということが大事なので、今回のやまゆり園の問題などについても、時々そういうことを触れられる方がおられますけれども、むしろ今まで、措置入院などについての、障害者に対して何をすべきかということもきちっとできていなかった、こういうことを我々は改めて今回の事件でもよくわかったわけでありますので、だからこそ、改正法を出してしっかりと、そういった障害者の人たちには支援を切れ目なくやっていくということをやるわけで、私たちにとって大事なのは、そういう支援が必要な方々にきちっとした支援が行くことを担保するということが大事なんだろうというふうに思っています。
○郡委員 ところで、日本婦人科学会が、人工授精させた受精卵の染色体を調べて異常がなかったものだけ子宮に戻す着床前スクリーニングの臨床研究を開始したとの報道がありました。既にこれまでの間、夫婦のいずれかが重い遺伝病を持つ場合などに限って受精卵を調べる着床前診断を求めてこられてきて、この間、生命倫理の観点からも議論、検討がいろいろと行われてきたわけであります。 今回の日本産婦人科学会の決定について、どのようにお考えになっているのか、お尋ねします。
○吉田政府参考人 お答えいたします。 着床前診断につきましては、平成十六年に総合科学技術会議が取りまとめられました「ヒト胚の取扱いに関する基本的考え方」で、優生的措置の当否に関する検討の必要性等の指摘がございました。また、日本産科婦人科学会の「着床前診断」に関する見解、これは平成二十二年に会告として出てございますが、これにより、重篤な遺伝性疾患等に限って適用されるということにしております。 今般、日本産科婦人科学会で着床前スクリーニングで臨床研究が行われるということでございましたので、私ども担当課から経緯や内容を、任意ではありましたけれども聞き取らせていただきました。それによれば、今回の研究、習慣性流産や繰り返しの不妊治療にもかかわらず妊娠に至らない方などへの治療方法の研究の一環として着床前スクリーニングを行うということで、政府としましては、文部科学省、厚生労働省で共同告示を、人を対象とする医学系研究に関する倫理指針として示してございますけれども、これに基づいて各研究施設の倫理審査委員会において適切な審議を経た上で承認を受けて実施をされるというふうに聞いております。 このように、今回聴取いたしました範囲におきまして、これまで国として示してきた倫理指針に沿った臨床研究であると考えております。
○郡委員 御自身も不妊で悩まれたNPOのスタッフの方が、着床前のその診断というのは、障害のない子供を望む人が受ける特別なものではなくて、妊娠の可能性が上がるという理由で進められたらば、深く考えることなく受けるでしょう、着床前の診断を受ける、受けないとの選択を、不妊治療中真っただ中の患者本人が冷静に判断できるのかどうか疑問である、生まれてきてよいかどうかを、親があるいは医療者が選択していいのかというようなさまざまな疑問も呈しておられます。 ぜひ、不妊症、不育症の患者さん、また遺伝性の疾患を持つ人たち、障害者の方々、女性の方々の活発な議論をつくっていくということが必要だろうと思いますし、これに対する規制をする法律をつくるべきだというふうに思います。学会のガイドラインや指針等に任せるだけでなく、立法を急ぐべきだということを申し上げたいと思いますし、旧優生保護法の問題に対応することが、国として優生思想を排除するその一番の近道だということを宣言させていただいて、質問を終わります。 ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、水戸将史君。
○水戸委員 民進党・無所属クラブの水戸将史でございます。 今回、特に介護保険制度の中の、とりわけ施設運営につきましてのこの論点を、そこにある程度当てながら、そして大臣初め皆さんの見識を確認していきたいと思っております。 もう御案内のとおり、平成二十七年度の介護報酬改定、三年に一回見直しをして、これから平成三十年度に向けて、今、鋭意準備を進められていると思いますけれども、今回、二十七年度の報酬改定は、マイナス二・二七%の改定となってしまいました。 資料一をごらんいただければわかるとおり、その結果、老人福祉や介護事業の倒産件数、非常にこれが急増しておりまして、平成二十七、二十八年度は過去最多を更新、そして、特に特別養護老人ホームは約三割が赤字となっている、そうしたデータもございます。 また一方、約半数は非常に人手不足なんですね。人手不足の施設のうち、およそ一割の施設で受け入れ体制が非常に制限を行わざるを得ないというわけでございますので、非常に、押しなべて、かなり厳しい経営状況じゃないか、こう言わざるを得ませんね。 これについて、そもそも大臣はどのような、この報酬改定等々を含めての、施設経営に関しての御認識はいかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 平成二十七年度の介護報酬改定では、全体として事業者の安定的な経営に必要な収支差は残るようにしながら適正化を行う、その一方で、介護職員の確保を図るために処遇改善加算の拡充を行って、中重度の要介護者等を受け入れる場合に加算をする、こういった、サービスの質を上げていくということを努力する事業者にはできる限り手厚い報酬が支払われるという、めり張りを持った改定を行ったというのが私どもの方針でございました。 昨年十二月に公表した報酬改定後の介護事業経営概況調査、この結果を見ますと、特養を含め多くのサービスで、収支差率は低下はしておりますものの、おおむねプラスとなっているところでございまして、例えば、特別養護老人ホームの収支差率を見てみますと、平成二十六年度が三・〇%であったところ、平成二十七年度、一年度後ですが、プラスの二・五%、こういうふうになっているわけでございます。 報酬改定から昨年九月までに介護報酬の請求事業所数、これを見ますと約一万五千件増加をしておりまして、介護サービスは安定的に提供はされているというふうに考えるべきかなというふうに思っております。 介護人材につきましては、引き続き人手不足ということは今御指摘のとおりでございますので、今後とも将来のニーズに対応した人材の確保というのがやはり重要だということで、本年四月から、月額一万円相当の介護職員の処遇改善など、人材確保対策には一段と力を入れて取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○水戸委員 いろいろな取り組みは多としたいと思うんですけれども、特にこれは釈迦に説法かもしれませんけれども、介護報酬改定を三年に一度行うに当たりましては、やはり経営実態をしっかりと把握をした上、そして適正な改定数値というのを出していく必要があると思っているんです。そして、特に質の高い、適正なサービスが提供されるように、事業者の安定的な経営とか、また介護従事者の適正な賃金水準を確保できる、そうした水準にする必要があるというのは、もうこれは言をまたない話であります。 そして、これはまたこれから改めて問いただしますけれども、今までの経営実態を把握する中において、確かに介護事業経営概況調査とか介護事業経営実態調査というのをやっているんですが、非常にその見方が随分と、全体的に経営実態を把握するような見方はしていないで、スポット、スポットで、例えば三月、一カ月だけを一つのものとしてやっていったことについて、全体的な経営実態が把握をできていないんじゃないか、そういうことが今までもあったのではないかと思うんですけれども、それについてはどう認識をされていますか。
○塩崎国務大臣 調査が大事だというのは、そのとおりだと思います。 介護報酬改定に当たりましては、介護サービス事業者の経営状況、これをできるだけ立体的に、正確に把握をするということが重要でありますので、改定後二年目に介護事業経営概況調査を行うとともに、改正後三年目には、さらにサンプル数をふやした介護事業経営実態調査、これを行った上で、社会保障審議会介護給付費分科会、ここの議論をいただいた上で報酬改定を行ってきておりまして、私どもは、これまでの改定は適切に行われてきたものではないかというふうに考えております。
○水戸委員 それでは、今までの、経営実態を把握するような概況調査とか実態調査を行っているんですけれども、私が申し上げたとおり、非常にスポット的で、余り全体的な像を把握をし切れていない。だからこそ、今般、これを見直すということに、今、動きになっているんですよ。 今までの反省というか、今までの過去の経過を踏まえて、やはりもっと改善をしていこう、これはいいと思うんですよ。ですから、来年度に向けて、これから恐らく、この平成二十九年度中に新たな形の報酬改定の数値を出そうと思ってやっていると思うんですね。今までは、御案内のとおり、介護事業経営実態調査は、三月の一カ月の収支のみを調査していたということなんですね。いわゆる実態を反映していないということだ、そのことを踏まえて、これを改善するということで今やっている、そういうことを聞いております。 具体的にどのような形で改善をしようとしているのか、さらには、これをいつまで、具体的に、ことし中のどの程度までに、この報酬改定の具体的な数値を厚労省としてはまとめ上げるつもりですか。そのスケジュール感も含めてお答えください。
○塩崎国務大臣 この問題については、中島委員を初め、大勢の方々からいろいろな問題提起をいただいて、それを踏まえて、できることから順次やってきたことの一つの分野が、この調査のあり方だったかというふうに思います。 平成三十年度の介護報酬改定を控えているわけでございますので、ここに向けた調査については、介護事業者の経営状況の実態をより丁寧に、立体的に把握ができるようにするために、社会保障審議会介護給付費分科会での議論を踏まえて見直すこととしたわけでございまして、そのもとには、この委員会での議論というのがあったということでもございます。 具体的には、介護事業経営概況調査につきましては、改定前後の影響を把握するために、調査対象期間を報酬改定後一年分から報酬改定前後の二年分に変更するということとし、昨年五月に調査を行って、昨年の十二月に結果を既に公表したところでございます。 また、介護事業経営実態調査につきましては、季節変動とか特殊要因の影響を受ける可能性があるために、今お話がございましたように、単月の数値ということで、いろいろ問題点の指摘がございましたけれども、この調査対象期間を単月分から一年分に変更するということをいたします。そして、本年五月に調査を行って、ことしの十月にその結果を公表する予定としているところでございまして、こういった調査結果をしっかりと分析した上で次期介護報酬改定に向かいたいというふうに考えております。
○水戸委員 今までの議論の結果が、より改善の措置をとろうということは、私は一歩前進だと思いますので、鋭意努力をしていただきたいということを強く要望していきたいと思います。 そして、資料二なんですけれども、これももうよく御案内のとおりの資料でございますが、いわゆる介護報酬におきましては、人件費が一つのものとなりますね。この人件費でも、やはり地域差があるという形で、それを調整するための地域区分を設けております。この真ん中から下の表が地域区分の新旧表でもありますし、また、一番下がその人件費割合ということの表なんです。 各サービスの種類ごとに上乗せする人件費率が決められておりますけれども、例えば特別養護老人ホームの人件費率というのは、この一番下の表の人件費率何%のサービス、これは四五%のサービスの区分の中に入っているんですね。ですから、人件費率は一番低く見積もられているわけであります。 しかし、さはさりながらも、特に都市部なんていうのは、この経営実態を把握すると、人件費率が大体平均六五%ぐらいに達する、そうした調査結果もあるぐらいでございまして、四五%は非常に低過ぎるんじゃないかというようなこともあるんですね。ですから、もっと高めるべきである。これが、いわゆるこの上の表の四五%。 やはりどうしても、人件費率が高いとその割合の金額も下がりますし、これがかなり経営を随分と圧迫する、そうしたことになってしまいますから、この人件費率に関して、大臣は今どのような御見識を持っていらっしゃいますか。
○塩崎国務大臣 いろいろな地域でいろいろな御意見をお聞きするわけでありますが、介護報酬において一単位当たりの単価を設定する際に、人件費の地域差というのを、今お示しいただいているように、勘案しているわけでありますが、具体的には、この単価の算出に当たりまして、公平性、客観性の観点から、原則として公務員の地域手当の区分に準拠して、そして市町村ごとに設定をした上乗せ割合に、さらに介護サービスごとの人件費割合を掛け合わせる形で算出をしておりまして、同一サービスにおいても、人件費の地域差を勘案したものとなっているわけでございます。 また、サービスごとに設定をされている人件費割合につきましては、これまでも介護報酬改定の際に、調査に基づいて見直しを行ってきておりまして、平成三十年度の介護報酬改定に向けても、当然、必要な検討を行って決めていくということを行ってまいる予定でございます。
○水戸委員 何度も申し上げますとおり、もちろんこれは都市部と地方、そういう中においての人件費のかかる割合というのは違ってくる、人件費の単価も違ってくるわけでありますから、やはり施設経営に関しましては、通り一遍ではなくて、地域差というのは当然あるわけですね。ですから、そういう中においては、このような級別も設けているんでしょうけれども、しかし、そもそもその実態の把握は非常に、このような形で、この表を見ても、ごらんのとおり、反映をしていないんじゃないか、私はそれを恐れるんですね。ですから、この改定に当たりましては、やはり人件費割合を四五%にとどめるのではなくて、都市部はもっともっとかかるということを含めて、それをぜひ勘案していただくことを強く強く要望したいと思います。 そして、またさらに、この地域差の上乗せ分というのは、人件費だけにこれはなっているんですね。しかし、実際には、大都市部と地方では、人件費以外にも、物価とかいろいろな、部屋を借りる賃借料とか土地代とかを含めてなんですけれども、こういうものは非常にやはり格差があるわけですよ。ですから、そういう格差も含めて、やはりこういう地域差というものは勘案をする必要があるんじゃないか。 介護報酬の地域差を決めるためには、こういうことも含めて、そして介護報酬改定をすべきだと思うんですけれども、こういうことについてはいかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 人件費についてはさっき申し上げたとおり、地域差、これを反映しているということで、いろいろな御意見があるということは御指摘をいただいたところでございます。 一方で、平成二十一年度の介護報酬改定の際に、介護事業経営実態調査に基づいて分析をいたしましたが、そうしてみたところ、介護サービスの提供に要する物件費につきましては、これは地域ごとには余り差はないということで、報酬上、勘案はしていないということでございます。 また、賃借料とかあるいは土地代などについては、特別養護老人ホーム等の施設サービスにおいて、居住費として利用者に請求をすることが可能となっておりまして、原則、介護給付の対象外となってございます。 平成三十年度の介護報酬改定に向けて、調査等について、適切に実態を把握しながら必要な対応を行ってまいりたいと考えております。
○水戸委員 大体そういう答えで返ってくるんですね。結局、介護保険のいわゆる給付対象外だから、これは地域差は関係ないよという形で、もし、どうしても欲しければ利用者に負担を求めた方がいいよ、恐らくそういうことを厚労省は言いたいと思っているんですよ。 皆さん、この居住費とか食費と言われる分野は、確かに介護保険の給付対象外なんですけれども、しかし、そうはいうものの、その居住費を決める、または食費もそうなんですけれども、やはりこれはそうした利用者負担の中においても、例えば所得階層別におきましては軽減措置を設けているわけですよ。 厚労省が一定の基準額を定めて、その基準額に見合った形で、では、所得の低い方は段階的にこの分だけ差っ引きましょう、この分だけ、いわゆる補足給付というんですか、そういうものをしましょうということで決めているんですけれども、やはりこの基準額を定めている以上、なかなかそれを超えて、都市部だから、土地代が高いから、賃借料が高いから、では上乗せをして利用者から負担をとるというのは、なかなかこれは限界があるんです。 だからこそ、そういうことを含めて、やはり都市部と地方では地域差があることを勘案して、こういうものも含めて介護報酬に反映をしなきゃ、ますます都市部の経営は非常に厳しくなるという実態がありますから、これについて、もう一度、御見識を問いたいと思いますけれども。
○塩崎国務大臣 先ほど申し上げたように、いろいろな御意見があって、基本的な考え方は先ほど申し上げたとおりであります。 いずれにしても、さまざまな御意見をしっかりと受けとめた上で、調査のあり方についても、絶えず考えることを怠ることなく、どのようにしたら一番適切な介護報酬を決められるか、そして、一人一人の方々の負担というものをできる限り最小化するということも同時に考えていくということは大切なことだと思っておりますので、御意見を承ったので、そのことも念頭に入れながら対応してまいりたいというふうに思います。
○水戸委員 それは前向きの答弁としてしっかり受けとめさせていただきますので、よろしく、この十月までという話でありますから、それに向けて鋭意努力をしていただいて、そういう地域差があるんだということをしっかりと把握をした上で、そして介護報酬を見直していただきたいと思っております。 それで、続きまして、今度は資料三をごらんいただきたいんですけれども、これもよくごらんになるものですね。 今は、特に特別養護老人ホームにつきましては、やはり厚労省の方針といたしましては、在宅に近い環境で日常生活を送りながら、その中でケアの提供を受けられるようにしていくという考えから、この右側、この図の下段のユニット型個室の設備を推進していると承っておりますが、しかし、そうはいうものの、この御時世の中において、ユニット型の施設よりも、この左側、多床室型の方がやはり費用が安いというのは、これを見れば、この一覧表にも書いてありますけれども、費用が安い。低所得者の方も入所しやすいということもあります。また、多くの入所希望者を入所させることができるということを含めて、やはり従来型の多床室型を評価する意見も少なくはございません。 実際、こういう状況下について、この多床室型とユニット型ということの、もちろん厚労省はユニット型をどんどん原則としてやろうという話なんですけれども、これについて、これからもこのような方針を貫くつもりですか。
○古屋副大臣 特別養護老人ホーム等におきまして、入居者の生活環境の改善を目指すという観点から、居宅に近い環境のもとで日常生活を送りながら、なじみの人間関係の中でケアが提供できるということが重要だと考えておりまして、国としても個室ユニットケアを推進してきたところでございます。 一方で、各自治体におきましては、地域の実情を踏まえまして、プライバシーの保護などに配慮をした多床室の整備も行われているということを承知をいたしております。 特養における居住環境のあり方等について、さまざまな御意見があるということを承知しておりまして、今後、多様化する高齢者のニーズも踏まえつつ、引き続き、入居者の居住環境が向上していくように取り組んでまいりたいと思います。
○水戸委員 もう一回、副大臣に確認したいんですけれども、いろいろと意見がある、いろいろな状況もあるから対応するという話なんですが、基本的には、厚労省はユニット型を推奨し、それを原則としているんですね。 しかし、先ほど資料一もごらんいただいたとおり、やはり人手不足があるんですね。入れたくても、もちろんある程度、ユニット型に入りたいと言っても、やはり人手不足もあるわけですね。ですから、ユニット型の方がどうせ手間暇かかる、そのような職員の方も配置しなきゃいけない、看護師さんも配置しなきゃいけないということで、これは、多床室型に比べれば、ユニット型の方がその分だけ人の手配もしなきゃいけないということで、非常にこれはジレンマに陥っているわけですよ。 ですから、いわゆる低所得者の方々のとか、いろいろな評価をする向きもあるけれども、一方では、施設経営をする中においての、ユニット型をやればやるほど人手不足があって、それに入所させることができないというジレンマがあるということも踏まえて、もう一度、両方、両にらみでやるのか、いわゆるユニット型を基本的にやっていくのか、多床室型をある程度ウエートをかけていくのか、どういう方向でいくんですか、これから。
○古屋副大臣 先ほど答弁をしたとおりでございますが、ユニットのよい点というものもある一方で、また、現場のニーズとしても多床室というものがあろうかと思っております。 こうしたさまざまな御意見を踏まえつつ、また高齢者の方々のニーズも踏まえながら、引き続き、入居者の居住環境というものも向上していくように、両方バランスよく考えてまいりたいと思います。
○水戸委員 バランスよく、もちろんその現場の状況に応じて、人手不足というものも相まって、いろいろな形で施設経営が苦しくなっているという状況でありますから、しっかりと現場を踏まえていただいての、そうした方向性を出すことを強く要請していきたいと思います。 そして、資料四でございますが、これも新聞記事です。もちろん、こんなことはもう皆さん御存じのとおりでございますけれども、平成二十五年度の厚労省調査では、特別養護老人ホームの入所待機者、五十二万人とされておりました。その後、平成二十七年四月から、特別養護老人ホームの入所条件が、原則、要介護三以上と厳しくなりましたね。このためか、全国の特別養護老人ホームの待機者数が大幅に減少しているという報道があります。これもその一つであります。 この報道もその一つでありますが、しかし、そうはいうものの、要介護度一、二であっても、認知症などの、在宅生活が難しいなどの条件を満たす、本来入所できる人を門前払いしているという実態もあります。また、平成二十七年八月から自己負担が二割になったという影響もありまして、やはり費用を負担できずに入所を諦めている人も少なくない。いわゆる、ここに言うような介護難民というものですか、これがどんどんと。 実際、待機者が減るということはいいこと。いわゆる在宅で、要するに介護をしていこうということの、厚労省もそういうようなことを促す部分もありますから、そういう形で、いい意味に解釈すれば、介護の待機者が減るということはいいことなんですけれども、実際的にはそうではないよということですよね。この記事もそう書いております。 現状、どのような形で認識をされていますか。
○古屋副大臣 特別養護老人ホームにつきましては、在宅生活が困難な中度の要介護高齢者を支える施設としての機能に重点化するために、平成二十七年四月から、新規入所者は、原則、要介護三以上の方に限定されることとなりました。 また他方で、要介護一または二の方であっても、認知症や、おひとり住まいである等、やむを得ない事情があると認められる場合につきましては入所が可能となっておりまして、必要な方が必要なサービスが受けられるよう、こうした制度が適切に運用されることが重要と考えております。 厚生労働省といたしましても、特養への入所を希望する方が適切なサービスを受けられるよう、引き続き、在宅、施設サービスの確保に努めてまいりたいと考えております。
○水戸委員 結局、要介護度一、二は、なるべく在宅で介護をしていただくということで、それはいい意味で解釈すれば、その方が介護者の、介護をされる側にとってもいいことであるということの、それを目指して、その方針を厚労省も出しているようでありますけれども、しかし、そういう中においてわからないのは、平成二十七年の十一月時点で、一億総活躍社会の実現を目指して、二〇二〇年代初頭までに介護受け皿約五十万人を整備する、従来方針よりも十二万人分前倒し、上乗せをした経過があるんですね。また他方では、平成二十七年九月でしたか、アベノミクス第二弾、三本の矢というものですか、これで二〇二〇年代半ばまでには介護離職者をゼロにする、ゼロを目指すとありますよね。 しかし、今言ったように、現実には、いわゆる施設を敬遠する要介護者が在宅生活を余儀なくされているということで、非常に家族の大変な負担になっている。これでどんどんどんどん介護離職者もふえていくという、非常にこういう結果になっているんですね。 ですから、先ほど言ったような形で要介護度三にして、そして、いわゆる待機者が減ったといっても、これは喜んでばかりいられないという話もいたしましたけれども、こういうような政府の方針は、在宅を目指すのか、いわゆる施設介護を目指すのか、このちぐはぐさが非常に現場に混乱を巻き起こしているんじゃないかと私は危惧しているんですけれども、こういう、いわゆる在宅サービスや施設サービスの役割分担とか、サービスの整備にかかわる方針、どのような形で在宅と施設のバランスをとっていくのかということなんですね。 今言ったように、アベノミクスは介護離職者をゼロにするというんだったら、どっちかと言えば、施設介護を重点的にやっていくのかというようなことで解釈されるわけでありますけれども、果たしてこれが本当にいいことなのかということを含めて、もっとぴしっとした政策を打ち立てていく必要があると思うんですけれども、どうなんでしょうか。
○塩崎国務大臣 高齢化が、二〇二五年の、団塊の世代が全て七十五歳を超える、そういう時点になるわけで、そこに向けて、今、地域包括ケアシステムを構築しようということで、言ってみれば、医療と介護を一体的にサービスとして提供ができる体制をつくる。 その際の受け皿としては、在宅とそれから施設あるいは病院、こういったものをうまくバランスができるようにということで、これは、都道府県ごとに医療構想もつくっていただく際には、当然そういった介護もしっかりと踏まえた上でつくっていただいている、供給体制を考えるということに今なってきているんだろうというふうに私たちは考えながら進めているわけであります。 そのバランスは、それぞれの地域によって、年齢構成やあるいは産業の構成、経済のあり方等々がございますので、それぞれが考えて、ベストのものをつくっていくということを皆で考えるということで、医療に関しても、供給体制に関しては協議会をつくってしっかりと皆さんの合意のもとでやっていただくということにしておりますので、全国的にひな形としてこれでいけというような形になっているわけでは必ずしもないということでありますが、それぞれの地域でいい組み合わせを、ベストな組み合わせをつくっていくために必要なものを、今、私ども、総合確保基金、医療と介護と両方ございますが、そういうものを使いながら整えていくということを今やっているわけでございますので、トータルのやはりプランとして進めていくということをそれぞれの地域で考えていただき、また、国はできる限りの支援をそれぞれに行うということではないかというふうに考えます。
○水戸委員 申し上げましたとおり、やはり要介護度原則三以上だよ、入所は三以上の方に入所してもらいましょう、なおかつ二割負担ですよというと、先ほど言ったように、非常に施設入所を敬遠する方が、どうしても敬遠せざるを得ないという方がどんどんふえてくるわけですね。そういう方は、しようがないから在宅だという話になりますよ。そうなると、今言った、非常にジレンマに陥るわけですね。 政府は、なるべく介護離職はゼロにしていこうとか、一億総活躍の中においては五十万人分の受け皿をつくっていこうと言っているにもかかわらず、片方では、いや、在宅でやってくれ、在宅でやってくれと。こういう非常に矛盾を抱えたような施策が非常に現場を混乱させることを、しっかりと受けとめていただくことを強く私は言及したいと思っております。 そして、何よりも、今後の施策の中において、これも一つの要因ではないかと思うんですけれども、やはり現在の介護報酬制度というのは、原則として要介護度が軽いほど報酬が下がる仕組みですよね。これでは、幾ら介護事業者が頑張って、利用者の方々にもっともっと健康になってもらおうとか、できれば自立した生活を営んでもらおうといって、そういう要介護度状態を改善しようという、取り組もうというインセンティブは、どうしても、こういうような報酬単価でありますから、働かないことにつながっているんじゃないか。 やはり、質の高い介護を行う介護事業者に対して一定の配慮というか、介護報酬上評価することも必要ではないかと思うんですけれども、こういうような、いわゆる体系的に介護報酬制度のあり方を見直す必要があると思うんですが、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 今回、できるだけ早く御審議をいただきたいと思っている介護保険法の改正などの中でも、私どもの考え方として、今御指摘をいただいた、いわゆる最近よく言われる自立支援介護、そのことについて、やはり方向性としてはそちらに各保険者が行っていただく。そのためには、やはり介護も科学できちっと分析をして、データも整えて、そして何をやることがプラスなのか、きょう理学療法士のお話を阿部先生からいただきましたけれども、そういった運動学とかいろいろな形で、しっかりとしたエビデンスベースで介護を提供することで、自立支援介護、つまり介護度が軽くなる、つまり自立の、もともと介護保険は自立ということが一つの大きな柱でございますので、そちらの方向に行くようにということで、法改正の中にもそのような考え方を入れ込んでいるわけでございますので、まさに先生が今おっしゃったように、介護のあり方というか、自立のあり方というんでしょうか、そういうことも当然同時にやっていかないと、この高齢化社会を乗り切るということはできないんだろうというふうに思います。 その際に、やはりデータ分析ができるように、そもそもの介護のデータというのは余り整ってこなかったというのが正直なところでありますので、今回、それを今データヘルス改革の中で、介護もしっかりとしたデータベースのサービスにして、科学で高齢者の方々にアウトカムがよくなるようにしていくように努力をしていけるように、体制を整えたいというふうに思っております。
○水戸委員 もう時間がありませんので、最後、コメントで終わらせていただきますが、やはり平成三十年度の改定に向けて、これから順次もっともっと具体的なデータを集めて、そして具体的な報酬改定の基準を定めていくと思います。 ですから、やはり、今言ったように、現場の地域差もある、当然、現場現場の経営実態もあるということをしっかりと把握、認識していただいた上で、ある程度は、ああ、これでよかった、こういうような形でやってくれたんだということで、多くの施設経営者が持続的な形で改善をしながら施設経営に取り組むことができるような、そうした改定を望みながら、私の質問を終わります。よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○丹羽委員長 次に、岡本充功君。
○岡本(充)委員 民進党の岡本です。 きょうは、一般質問ですので、幾つか、私が気になる課題について質問をしていきたいと思います。 まず一点目は、指定難病のあり方です。 資料をお配りしていますけれども、指定難病に指定をされることは医療費助成の対象となるということで、さまざまな難病で御苦労されている皆さん方から、自分の疾病は難病じゃないのか、難病に指定をしてほしい、こういう声を私は聞くわけでありますけれども、現状は、難病指定の進め方というのは、この厚生労働省からいただいた図にありますように、難病に関する基礎的な情報を、厚生労働科学研究費補助金事業における研究班及び関係学会で収集、整理する、まずこれがスタートになるわけです。 患者さん側からすると、自分の病気は現在指定難病に指定されていない、だけれども、これはぜひとも医療費助成の対象にしてほしいと思った場合に、残念ながら、主体となれるのは、患者さんではなくて、医師側。難病の研究に当たっている医師の側は、情報収集を行い、最初の難病指定に向けたステップを踏めるわけですが、医師がそうした取り組み、なかなか日ごろの診療が忙しいということで取り組まないと、患者さん側から自分の病気を難病指定してもらうということが、事実上閉ざされています。 この認識で正しいか、まず現状をお答えいただきたいと思います。
○福島政府参考人 お答えいたします。 私ども厚生労働省では、まず、難病とは、発病の機構が明らかでないこと、治療方法が確立していないこと、希少な疾病であって、長期の療養を必要とすること、この要件を満たす疾病について難病としておるわけでございます。その上で、難病の中で、患者数が人口の〇・一%程度に達しないこと、客観的な診断基準などが確立している、こういう要件を満たすものについて、指定難病として指定し、医療費助成の対象としているということでございます。 この指定難病の検討に当たりましては、厚生労働科学研究費補助金事業による研究班とそれから関係学会により収集、整理された当該疾病に関する情報をもとに、審議会において各要件を満たすかどうかを検討し、厚生労働大臣が指定難病として指定する、こういうことでございまして、患者さんの方からの申し出というものについてはスタートにはなっていないということは、御指摘のとおりでございます。
○岡本(充)委員 最後、語尾が聞き取りにくかったかもしませんが、現状は、患者さんの方からアプローチすることができない、この状況ですね。 それで、自分の病状が難病に当たるんじゃないか、そう思った皆さん方が、要するに、先生に働きかけるけれども、先生は忙しくてこうした手続をとるのが大変だ、できない、こう言われてしまうと、そこで今は扉が閉ざされてしまうわけですね。 たまたま陳情で国会議員と出会った人は、例の話じゃありませんけれども、国会議員が働きかけて、結果として門戸が開かれる、こういう話がないとは言いません。しかし、これは非常に希有な話であって、やはり患者さんからアプローチする道をつくるべきではないかと私は考えています。 そういう意味で、これからぜひ検討を進めていって、こうした患者さん側から、自分の病気は難病に当たるのではないか、そして、こうした知見を自分の力で集めることももちろん一つの方法でしょうし、それから集めてくれる先生のあっせんをどなたかがするというのも一つの方法だと思います、方法は検討の対象だと思いますが、検討をして、患者さん側から申し出て、こうした指定難病に指定をされ、結果として医療費助成の対象となる道をつくるという検討をするべきだと考えますが、検討をしていただけるかどうか、御答弁をいただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 今御指摘のように、指定難病というのは、客観的な診断基準が確立をしていることなどが指定の要件となっていることから、研究班が収集した医学的情報をもとに審議会で要件を満たすかどうかを検討の上で指定をしているということでありまして、この研究班が立ち上がらないといかぬ、こういうことです。 しかし、難病は、今お話しのように、たくさんあり得るわけでございますし、疾病によっては研究班が存在しないということで、取り上げられていないという難病の可能性があって、その場合には指定難病の検討が行われないということが十分、今御指摘のとおり、考えられるんだろうというふうに思います。 医者が忙し過ぎるという問題はこういうところにもやはりあるので、そういう意味で、本来の医師のやるべきことに時間が割けるような医療供給の体制、サポート体制も大事なんだろうと思いますが、今のように研究班が立ち上がらないというような場合でも、研究者を介さずに指定難病の検討の俎上にのせる、この方法をどうするのかという御指摘でございます。 御指摘のように、確かにそういう形で研究班ができないという難病の可能性は十分ありますので、指定難病の要件判定に必要な情報収集についてどういうような形があり得るのか、今幾つか具体的な提案もございましたけれども、そういうことを含めて、しっかりとした体制として難病の可能性があるものについての申し出が受けとめられる、そういう体制を含めて議論を行って、その検討の結果で適切な方法があると明確になった場合には、適切な対応を私どもとしてもやっていかなければならないのではないかというふうに思います。
○岡本(充)委員 要するに、検討してまいるということですよね。早く、短く答えていただければ、それでいいんですよ。 それで、要点その二です、ポイント。一体、これをいつまでに検討をして、そして実施をしていくのか。いつ検討をして、いつごろ実施ができるのか、これについて一定の御答弁をいただけると聞いておりますので、お答えください。
○塩崎国務大臣 プリサイスな、いつというのを言えということを言われても、なかなかそれは難しいと思いますが、できるだけ早くやっていきたいと思っております。 今、しかし、どういう可能性があり得るのか、つまり、受け取る体制のあり方、そういうことについても具体的な提案もございましたが、そういうことを含めて、しっかり、できるだけ早くやっていきたいというふうに思います。
○岡本(充)委員 きのうの役所との議論の中では、二十九年度中に検討をしていただいて、結果が出たらできる限り速やかに、可及的速やかに実施に移す、こういう説明でありましたが、これでよろしいですか。
○塩崎国務大臣 もちろん、その二十九年度中に何らかの答えを出していくということについて、私もそのとおりで結構だと思います。
○岡本(充)委員 ぜひ、できるだけ可及的速やかにやっていただきたいと思います。 その上で、ちょっと農水省に今度は聞きます。農水省に次の観点で少し質問したいことがあります。 ページをめくっていただいて。 ちょっと気になる話がありました。高病原性鳥インフルエンザウイルスが鳥肉から分離をされた。 スーパーマーケットで売っている鳥肉から鳥インフルエンザになることはないですよという周知をこれまで政府としてやってきました。ところが、飛行機で持ち込まれた鳥肉から鳥インフルエンザウイルスが出てきたというのは、やはりこれまでの常識的な考え方からするとにわかには信じがたい話なんですが、これは一体どういう理由で持ち込まれたのか。しかも、食肉処理されてからかなりの時間がたっているにもかかわらずこうしたウイルスが分離をされた、これはどういうことなのか。それと、もう一つここで明らかにしてほしいのは、ここで分離されたウイルス量はどのくらいのウイルス量であって、現にこれを食べた場合に感染をする可能性があると考えているのか、これについて御答弁をいただきたいと思います。
○小川政府参考人 お答え申し上げます。 先生御存じのとおり、鳥インフルエンザの侵入を防止するため、現在、韓国、中国など鳥インフルエンザの発生が報告されている国や地域からの家禽の肉、卵の輸入を停止しております。 一方、近年、これらの国からの訪日客の数も増加傾向にございまして、旅行者の手荷物での持ち込みによる病原体の侵入リスクが高まっているものと考えております。 このため、旅行者の手荷物につきましては、持ち込みできないことにつきまして機内アナウンスにより周知しつつ、到着後、入国者に対して肉類を所持しているかどうかの質問を行ったり、手荷物の中から肉製品を嗅ぎ分けて発見する検疫探知犬を活用することにより、違法に持ち込まれないように取り組んでいるところでございます。 こういった持ち込みをとめた鳥肉につきましてどのような状況になっているのかを調べるため、体制を整え、二十七年六月からウイルス分離検査を行っているところでございまして、その結果が、先ほどお示しになられました資料に書いてあるところでございます。 このウイルスの分離検査でございますが、加熱されていないいわゆる生の鳥肉につきまして、骨それから肉を混合して乳剤にしまして、ウイルス分離を行っているところでございます。 これによりまして分離されたウイルス量でございますが、動物検疫所の検査の結果に基づきますと、鶏に対して感染が成立するのに必要な量ではなかったというふうに報告を受けておりますが、質問等々、あるいは、持ち込みを阻止する際におきましては、鳥肉を持ち込もうとした旅客に対し周辺事情等の事情聴取を現在の調査では行っていないため、不明でございます。今後は、鳥肉の入手経路、持ち込みの目的等、より効果的な施策が講じられるよう聞き取っていくよう、改善を図っていきたいと考えております。 また、持ち込まれた鳥肉が鳥インフルエンザに感染していたとした場合の考え方でございますけれども、今回、国内でも鳥インフルエンザは発生しておりますが、その際、食品安全委員会からは、ウイルスが人の細胞に入り込むための受容体は鳥の受容体とは異なること、あるいは、ウイルスは酸に弱く、胃酸で不活化されると考えられることから、鳥肉や鶏卵を食べることにより鳥インフルエンザウイルスが人に感染する可能性はないということで周知、広報されているところと承知しております。 以上でございます。
○岡本(充)委員 それは正確性を欠いているんじゃないですか。やはり、現にこうして食肉処理された鳥肉からインフルエンザウイルスが出てきた、一体どういう機序でこれが分離可能な状況でウイルスが出てきたか突きとめなきゃいけないですよ。それは国内でのウイルスの蔓延をどう防ぐかということにもつながるし、もっと言えば、家伝法上も、ほかの鳥類へのウイルスの蔓延を防ぐという観点からもやらなきゃいけない、何でこんなことが出てきたのか。 もちろん、おっしゃられるように、水際対策も必要ですよ。飛行機に乗ってからというんじゃ遅いと思いますよ。搭乗手続するときに、日本行きの航空会社にちゃんと周知させるべきで、飛行機に乗っちゃってから、手荷物を預けてから、今さら鳥肉は持ち込めませんと言ったって、下に行って荷物を出すわけにいかないんですから。だから乗る前に言わなきゃいけない。 それはもちろんそうですが、そうした水際対策とは別に、本当に食肉でインフルエンザウイルスに感染することがないのか。胃酸でどうのこうのと言われましたけれども、今回のこの事案はたまたまウイルス量が少なかったとは聞いておりますが、これからもっと多いウイルス量が来るかどうかについてもきちっと検討するべきであり、きょうは食品安全委員会には来てもらっていませんが、もう一度、農水省、この点について、きちっと協議をして結果を得るべきだと考えておりますので、対応をとっていただけるか、お答えをいただきたいと思います。
○小川政府参考人 お答え申し上げます。 旅行者の手荷物による持ち込みのリスクに対応していくためには、これまで明らかになった事実についてさらに科学的な検証を行っていくことが必要と考えております。 現在、今回発見された鳥インフルエンザウイルスを活用して、鶏に対する感染実験等を動物検疫所などで実施しているところでございます。この科学的な検証結果を踏まえ、委員も御指摘ございました、より効果的な鳥インフルエンザの侵入防止策が講じられるよう、PDCAサイクルにより、調査ですとか検査をよりよいものにしていきたいと考えております。 いずれにいたしましても、また委員御指摘のとおりでございますが、鳥インフルエンザ発生国からの鳥肉の輸入は禁止しているところでございまして、これを徹底させるためには、水際の摘発だけでなく、まず、発生国の旅行客が日本に鳥肉を持ってこないようにするという取り組みも必要と認識しております。 以上でございます。
○岡本(充)委員 ぜひ、この話は、人への感染の可能性についても考えていかなきゃいけませんし、きょうちょうど健康局長もお越しでありますから、しっかり協力して、この事案が、結局、国内の小売店の店頭でも、やはり鳥肉でインフルエンザに感染するんじゃないかという疑念を持たれないようにきちっと整理をする、この話だけ流れたら誤解をする人がいますから、きちっと整理をするということをやっていただきたいと思います。 続いて、同じく鳥の話ですけれども、もう一つめくっていただいて、最近気になるニュースがありまして。 ブラジルで食肉不正問題があって、いろいろ国が対応をとっている、チリは全ての鳥肉輸入を停止したと聞いていますし、それから中国やメキシコはこの工場からの輸入停止もしている、それ以外の国でも、EUなどでも対応をとった、こういうふうになっています。 この案件について、今我が国は、輸入される食肉のうち、当該対象となった工場、二十一の加工場で捜査が進められているといいますが、その中で我が国に輸出をしている実績のある一つの工場についての食肉、これは六ページの方に今回幾つかの報道された食肉工場がポルトガル語で書いてあります、ポルトガル語ですのでなかなか理解は難しいですが、この中の一つが対象ということであります。ここについては今、輸入手続を保留している、つまり水際でとめている。もちろん、ブラジルの方も今出荷をとめている。したがって、現状では、次々荷が来て積み上がっていくという状況にはない。ブラジルの方もとめている。日本も保留している。 私が気にしているのは、日本で既に通関をして中に入ってしまったもののうち、この工場から出荷をされたものが今まさに売られんとしているものがある。それはスーパーマーケットの店頭か、食品加工をする加工工場かはわかりませんけれども、結果として消費者の手に渡るということがないようにするべきだ。 厚生労働省ときのう議論しましたら、こういう答弁をされました。恐らくするんでしょう。まずはそれぞれ通関手続をした後のその伝票から追っかけていく、つまり通関手続の方からずっと末端の小売の先を追っかけていく、この手続をやっていますのでしばしお待ちくださいというのがきのうの夜の話でした。 いや、そうじゃないんだ、その間も売られちゃうから、とにかく小売の方で、今現在ある鳥肉のうち輸入鳥肉で、なおかつブラジル、さらに言えば、それぞれ二キロぐらいでパッキングされて、どこの工場由来かシールも張っていると聞きました。つまり、シールが張ってあって、その工場からではないということがわかれば、これはその工場の対象じゃないから販売が可能でしょうけれども、そのシールを見たら、この指定されている工場だということがわかれば当然売らないし、何かの理由でシールが剥がれていてどこ由来かわからないような鳥肉であれば、輸入の肉ですよ、冷凍の肉、これは売らない、そして加工食品にしない、この対策をとるように厚生労働省で直ちに通知を出すべきだ、こういう話をしましたが、これについては対応策をとっていただけますでしょうか。
○北島政府参考人 ブラジル政府からの情報によりますと、今般の事案は、食肉検査の不正行為に関連してブラジル国内の二十一施設が捜査の対象となり、ブラジル農務省がこれらの施設に対して操業停止や輸出停止の措置をとったものと承知しております。 現時点におきましては、これらの施設から出荷された鳥肉等の安全性についての情報は得られておりませんが、厚生労働省では、三月二十一日以降、新たに輸入される鳥肉等については、捜査対象となった二十一施設から出荷されたものの輸入を認めないこととしたほか、ほかの施設から出荷されたものについても、衛生状態の検証を行うため、輸入時の検査を強化いたしました。 また、捜査対象となった二十一施設のうち、輸入実績が確認された二施設から出荷された鳥肉、蜂蜜、プロポリスにつきましては、輸入業者に流通状況の調査を要請し、在庫が確認された場合には詳細な情報が確認されるまで販売を見合わせるよう指導しております。 さらに、これまでの調査の結果、輸入業者や販売先において三百六十四トンの在庫が確認されたため、二施設から出荷された鳥肉等に加え、処理施設が不明なものにつきましても販売を見合わせるよう指導するとともに、指導内容について関係団体及び都道府県に対して周知したところでございます。 厚生労働省といたしましては、ブラジル政府からの情報、輸入時検査の結果等を踏まえて、引き続き食品の安全性確保に万全を期してまいります。
○岡本(充)委員 厚生労働省が全ての販売店や、小売店や、それから飲食店にそうした周知をする直接的な手だてはないですよ。ただ、保健所なり関係団体に改めて通知を出して、こうした肉がありやなしや、もしくは出元のわからない鳥肉であればしばらく待つように、もう一度改めて周知を図るべきだと言っているんですが、周知をしていただける、それでよろしいですか。そこだけ答えてください。
○北島政府参考人 御指摘のとおり、出荷施設が不明な鳥肉等についても販売を見合わせるよう、関係事業者に指導を行うよう通知するとともに、都道府県及び業界団体に対しましてもその旨を周知したところでございます。
○岡本(充)委員 それはいつ行いましたか。
○北島政府参考人 本日でございます。
○岡本(充)委員 一刻も早くという話でありましたから、私の質問、きのうこの話をしたので、きょうの午前中にやっていただいたということだと思います。 ぜひ、これからもこういう事案はあると思います。これまでの厚生労働行政というのは、どちらかというと、通関手続の書類から追いかけて、まず商社、倉庫を捜しに行って、そして倉庫を捜しに行ってさらにその次の問屋に行って、問屋はどうかと捜してとやっているうちに、一番消費者に近いところからどんどん売られていっちゃう、こういう状況にあったわけですから、今回の手法を、大臣、次またそういう事案が、厚生労働行政、どうしても起こり得ますから、そういうときにはこうした類似の対応をとっていただけるようにお願いをしたいと思いますが、いかがですか。
○塩崎国務大臣 一番大事なことは、消費者にこういうものが行ってしまわないようにすることが大事でありますので、先ほど部長から答弁いたしましたように、関係団体及び都道府県に対して周知はしていますけれども、やはりこれが確実に小売段階に行く、徹底されるということが大事なので、その点をよく注意をしながら、またさらに働きかけをしてまいりたいというふうに思います。
○岡本(充)委員 いやいや、今回の事案だけじゃなくて、これからも同様に、幹の方から調べていく、要するに、大量に輸入されるもの、商社なり根元のところから調べていくというのも重要ですけれども、現に通関して国内に流通しているものはどういうものがあるのか。最も一般消費者に近いところ、今回の場合でいえばスーパーマーケットであり、から揚げで売っているかもしれません、フライドチキンになっているかもしれない、わからないけれども、こうした加工食品も含めた最も一般消費者に近いところに周知をまずかけて、そこもとめるということをやることが重要だということを指摘していて。 これまでの厚生労働行政はどちらかというと幹の方から見ているから、今回、きょう私の指摘をもとに通知を出してもらいましたけれども、同様のことがあった場合には対応をとるべきだ。 今回はそうした通知、要するに、通関の保留の手続は行われていましたよ。皆さんのお手元にもあるように、五ページにあります、三月二十一日に通関の保留の手続は既に各検疫所宛てに出しました。これは食品安全部から出したんです。だけれども、末端の小売店に届いていなかった。次からはこういった対応を同時に行えるようにやってくださいね、このお願いなんです。端的にお願いします。
○北島政府参考人 今御指摘いただきました点も踏まえまして、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○岡本(充)委員 ぜひよろしくお願いします。 さて、今度は、また話ががらっとかわって、働き方改革実現会議の状況について聞きたいと思います。 七ページにあるような九つの項目が安倍総理から出た課題であって議論をされていて、一と三は大変今注目を集めていますが、賃金引き上げと労働生産性の向上など、それ以外のテーマ、課題について法律改正を伴うような何か大きな結論が出てくるのか、ちょっと気になるんです。 ちなみに、今年度中に取りまとめると聞いておりますので、近々開かれる会議で一定の結論を得る、こういう理解でよろしいんだと思いますが、その中で、こうした一と三以外のものについて法改正を伴うような結論が出てくる、こういう理解でよろしいんでしょうか。
○豊田大臣政務官 お答えを申し上げます。 働き方改革実現会議は、総理みずからが議長となり、労働界と産業界のトップと有識者が集まって、これまでよりレベルを上げて議論する場として設置し、今月中の働き方改革実行計画の取りまとめに向けて議論を行ってきたところでございます。 この会議の中では、同一労働同一賃金の実現に向け、ガイドライン案の提示や法改正のあり方についての議論を行うとともに、長時間労働の是正については、上限規制についての労使合意を経て、政労使による提案を行ったところでございます。さらに、全体で九つの分野について具体的な方向性を示すための議論を行ってきたところでございます。 実行計画はこの集大成であり、実効性のある取りまとめを行い、早期に関係法案を国会に提出したいと考えております。
○岡本(充)委員 全然私の質問に答えてもらっていないんですよ。みんなわかっている。政務官、私の質問に答えていただきたい。 九つのテーマがあるのは知っています。この九つのテーマで法改正につながるような結論が出ることが、だって、実行計画ができるのはもうすぐなんですよ。今さら法改正を伴うような大きな玉は出てこないでしょう。確認です。
○丹羽委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○丹羽委員長 速記を起こしてください。 豊田内閣府大臣政務官。
○豊田大臣政務官 実行計画の取りまとめを判断した上で、法改正も含めて検討してまいりたいということになります。
○岡本(充)委員 違うんですよ。 この会議での議論で出てくる玉で、もう残り、できる回数は限られているんだから、そんな大玉が出てくることはあり得ないんですよ。 だから、基本的にこれまでの線でいくから出てきた結果で法改正、私が答弁するのもおかしいんだけれども、その答弁はおかしいんです。これまでの議論でこうだったから、これまでの議論を踏まえていくと、結論として言うと、一と三は確かに法改正事項は入る可能性があるけれども、二と四から九については大きな法改正事項が含まれない予定である、こういう見込みだ、これでいいですね。今、私がかわりに答えたんですけれども。
○丹羽委員長 速記をもう一度とめてください。 〔速記中止〕
○丹羽委員長 速記を起こしてください。 豊田内閣府大臣政務官。
○豊田大臣政務官 確定的なことは申し上げられませんけれども、現時点では、そのような検討をしてまいるということになろうというふうに思います。
○岡本(充)委員 そのようなって何ですか。私の言ったようなでいいですか。
○豊田大臣政務官 法改正も含めてということです。(発言する者あり)
○丹羽委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○丹羽委員長 速記を起こしてください。 豊田内閣府大臣政務官。
○豊田大臣政務官 どうも済みません、何度も。 一と三ですね、労働、賃金、非正規雇用の処遇改善、それから三番、一と三以外のものについては、法の変更に対する考えはないということでございます。
○丹羽委員長 補足で、塩崎厚生労働大臣。
○塩崎国務大臣 今、内閣府の方からお答えがありましたけれども、もちろん、行動計画が決まってからということであることは間違いないんですが、しかし、これまでの議論で、当然、法改正も伴うものは、中に、一と三以外にもあるというふうに私どもは思っていますし、それでなければなかなか変わっていくということがございませんので、そういうところはやはりしっかりと考えていかなきゃいけないんじゃないか。 ただ、これは行動計画にどう入るかによって決まるので、そういう意味では、政務官がおっしゃっているのは、それはそれとして、そのとおりだというふうに思います。
○岡本(充)委員 それは答弁が違いますから、ちょっととめて、ちゃんと整理してください。
○丹羽委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○丹羽委員長 速記を起こしてください。 豊田内閣府大臣政務官。
○豊田大臣政務官 先ほどの答弁は訂正したいというふうに思います。 一と三以外のものでも法改正をするものはあり得るということでございます。
○岡本(充)委員 現時点で、ここまでの議論で、では、法改正をしなければならない議論、どういうものがありましたか。
○丹羽委員長 豊田内閣府大臣政務官。(発言する者あり) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○丹羽委員長 速記を起こしてください。 豊田内閣府大臣政務官。
○豊田大臣政務官 どの項目がということではございませんけれども、あり得るということで御理解をいただければというふうに思います。
○岡本(充)委員 あり得るのはいいんですよ。それはさっきから、絶対ないと言っているわけじゃないです。これまでの議論で出ましたかと聞いているんです。どういうところが法改正の話で出たんですかと聞いているんです。(発言する者あり)
○丹羽委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○丹羽委員長 速記を起こしてください。 豊田内閣府大臣政務官。
○豊田大臣政務官 個別の議論はあったわけでございますけれども、現時点においては決まったものはないということでございます。
○岡本(充)委員 違う。私が聞いているのは、ちょっと、ちゃんと答弁してください。決まったものはないのはわかっていますよ。どういうものが俎上に出ましたか、こう聞いているんです。それを聞いているんです。(発言する者あり)
○丹羽委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○丹羽委員長 速記を起こしてください。 豊田内閣府大臣政務官。
○豊田大臣政務官 全ての項目の議論の中で議論をしてきたということでございますけれども、今現在決まったものはないということでございます。
○岡本(充)委員 ちょっと、答弁になっていないのはわかると思います。ちょっと、きちっと整理してください。
○丹羽委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○丹羽委員長 速記を起こしてください。 豊田内閣府大臣政務官。
○豊田大臣政務官 何度も申しわけございません。 税制など女性や若者が活躍しやすい環境整備等についての議論は行われたということでございます。
○岡本(充)委員 委員長、ちょっとお願いです。 私の持ち時間が限られている中で、結構とめなきゃいけなかったり何だかんだで大分時間をとりました。改めて、ちゃんと加藤大臣に来てもらってこの話をしようじゃないですか。 やはり、こういうとまるような感じで、せっかく政務三役に来てもらっても議論にならない。この入り口のところでこの状況を、皆さんは見たと思います。これでは議論にならないし、やはり加藤大臣にぜひ来てもらいたい。 私の持ち時間はこういう形で、本来、これから先、この次の質問をしたかったけれども、今委員部に聞いて、もう私の持ち時間がないということであります。この浪費した時間を含めて、もう一回やらせていただきたい。それを、委員長、お取り計らいをお願いしたいと思います。
○丹羽委員長 ただいまの件につきましては、後刻理事会で協議いたします。
○岡本(充)委員 きょうは持ち時間が来ましたのでこれで終わりますが、もう一回これはやらせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○丹羽委員長 午後一時二十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十六分休憩 ————◇————— 午後一時二十分開議
○丹羽委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。高橋千鶴子君。
○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。 初めに、長時間労働規制問題について何点か伺います。 資料の1は、二十三日付、つまり、きのうの東京新聞でありますが、「運輸業 五輪後まで除外」と大きな見出しがございます。記事の三段目に、「厳しい競争で運転手の賃金も低く抑えられがちで、人手不足につながり、長時間労働に拍車がかかる悪循環が繰り返されている。」と指摘をされています。同じく左側には、医師も五年猶予とあるんです。 働き方改革実現会議が、現在、時間外労働の大臣告示基準の適用除外とされてきた自動車の運転業務や建設事業について五年間猶予するという報道、また、医師についてもこのように報道されているわけですが、事実でしょうか。お願いします。
○小林政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘の自動車運転業務、それから建設業の関係につきましては、三月十七日の第九回の働き方実現会議におきまして、総理から次のような御発言がございました。長年の慣行を破り、猶予期間を設けた上で、かつ、実態に即した形で時間外労働規制を適用する方向としたいという発言でございます。 現在、この方向に沿いまして、国土交通省及び厚生労働省とも協力をしながら調整を行っているところでございますが、何年間猶予といった、具体的にどのような形で時間外規制を適用していくかにつきましては、まだ内容が決定しているということではございません。 また、医師につきましてでございますが、検討の対象になっているということは事実でございます。ただ、医師の働き方に関しましては、一方で、過重労働の問題も指摘されるわけでありますが、他方で、法律で、治療、診療を拒んではならないというふうにされておりますこととか、あるいは医師不足といった問題など、さまざまな論点もあるところでございまして、引き続き調整を図っているところでございます。 いずれにいたしましても、働き方改革を進めるという方向性は共有した上で、実態を踏まえて対応のあり方を検討する必要があるというふうに考えておりまして、実行計画の取りまとめに向けて、さらに最後の調整に努めてまいりたいというふうに考えております。
○高橋(千)委員 小林次長に、もう一問伺います。 働き方改革の必要性という方向性については共有しているとおっしゃいましたが、それは余りにも範囲が広過ぎますので、それは幾ら何でも、必要だねということは方向性が一緒かもしれません。しかし、具体的な中身について、やはりさまざまな意見があるんだろうと思うんです。 総理が、今紹介があったように、十七日の実現会議で、猶予期間を設けた上でというふうにおっしゃっています。その背景が何かということを考えたときに、三月七日に、石井国土交通大臣と自動車運送事業関係団体との意見交換会をやっているはずです。トラック、バス、ハイヤー、タクシーなどの団体ですけれども。また、九日には連合が、加藤働き方担当大臣に宛てて、時間外労働の上限規制の例外業務の扱いに関する要請書を出しております。これは、実態を踏まえて罰則つきの上限規制を義務づける、そして上限規制の施行までの措置として、労働時間等の改善のための措置を設けるとあります。 これは、この流れをどういうふうに解釈すればよいのかなと。つまり、三つ確認したいことがあるんです。つまり、罰則つきの上限規制はやむなしというのが、意見交換会だとか、この議論の流れなのか。二つ目は、しかし、それはほかの業務とは違う規制を求めているのか。それから、猶予期間が必要と、これはもうみんな一致しているということだと思うんですが、その三つを確認します。
○小林政府参考人 お答えいたします。 まず、御案内のとおり、今後、一般的には、現在、告示で定められておりますものを法定化していく、そして、上限規制を設けて、罰則の対象にしていくということでございます。 その大きな方向性というのは共有した上で、一方で、実効ある規制にしていかなければならないということがございます。そういうことで、実態を十分踏まえる必要があるんだろうということであります。 御指摘のような自動車あるいは建設につきましては、施主あるいは荷主との関係等々ございまして、それらの関係もあわせて改善を図っていかなければ、実効ある長時間是正につながっていかないだろうということで、そういう問題を解決していくためにも、一定の猶予期間が必要になってくるだろうという考え方に立っております。
○高橋(千)委員 ということは、私が聞いたことを全てお認めになったということですよね。上限規制は必要だという方向だ、向きは一緒だと。ただ、ほかの業種と一緒ではない、実態に合わせてと。そういう意味でしょう。
○小林政府参考人 現在、上限告示で、建設それから自動車運送の業務というのは適用除外となっております。 これは先ほども御答弁申し上げましたが、施主との関係、荷主との関係というのがあって、そういった関係性全体を改善していく必要があるということで、そういった取り扱いになっていると理解しておりますが、そういった改善を図りながら、最終的には同じ方向に沿ってやっていけるように改善を図っていく。そのために一定の猶予期間が必要になるだろう、そういう考え方でございます。
○高橋(千)委員 やはり、今まで除外だったものを除外でなくするんだ、一定の規制は設けるんだ、それはまず多としたいと思うんですね。 ただ、今回の案は、そもそも今回の案だって繁忙期に百時間未満、我々議論しているように、いわゆる過労死ラインを認めることは許されないということが議論されている。つまり、今、まず一般の業種に適用しようとするものすらがゆるゆるの規制だと思っているのに、それを、実態に合わせてという形でもっと違うものになっていくのか、あるいは猶予をさらにするのかということは、やはり絶対にやってはいけない、私はこのように思うんです。 それで、資料の二枚目に、これは、実は昨年十月十二日の予算委員会で使った資料と同じであります。過労死白書が出され、過労死等の請求件数の多い職種のトップが自動車運転であるということ、平成二十七年度の労災の請求件数百五十三件、支給決定件数が八十七件。そして、三番目に多いのが建設従事者なんですけれども、これは六番目にも建築・土木等とあって、若干、内容で分けているんです。これを足し算すると七十七件ということで、二番目に多いということになるんですね。 ですから、過労死あるいは重度の労災が最も多いとわかっていながら、規制を緩和する、あるいは猶予する、こうしたことはやはりやるべきではないと思いますが、これは大臣に伺います。
○塩崎国務大臣 今、小林次長の方からお答えをいたしましたが、建設業と自動車の運転、今御指摘のように、労災でも死亡事故が一番多いのが運転ということで、それはもう私どももよく認識をしているところでございます。 しかし、今回、総理が決断をして、猶予期間を設けた上で、かつ、実態に即した形で、長年の慣行を破って、時間外労働規制を適用する方向としたい、これは罰則つきということが前提だろうというふうに理解しておりますけれども、こういう発言があって、いわゆる改善基準告示でしかなかった規制を、行政指導にとどまっていたわけでありますから、これを、規制を罰則つきで適用するということがこれで決定づけられたということは、やはり大きな前進だというふうに考えておるわけであります。 建設業については、天候不順など、作業日程が圧迫されるということが間々起きる、それから、施主から工期を一方的に厳格に守ることを求められてしまうというようなこと、あるいは自動車の運送業務について、荷主とか配送先の企業の都合によって労働時間が振り回されて、手待ち時間が発生してしまうというようなことが数々あって、業務の特性あるいは取引慣行等、それぞれの課題があって、これについてもしっかりと取り組んでいかなきゃいけないと思っておりますけれども、法的な規制、時間規制、労働時間規制だけでは、あるいは企業の努力だけでは改善できない問題があるということだと思います。 したがって、実態に即した形で時間外労働規制を適用していく、そのためにはこのような問題も含めて解決をしていこうということが大事で、労働慣行や、企業の仕事のやり方の慣行ということなので、これを直す際には多少やはり時間がかかるのかなということでありますので、具体的にどのような形で時間外労働規制を適用していくかについて、引き続いて、石井国土交通大臣ともしっかり協議をしてまいりたいというふうに考えております。
○高橋(千)委員 済みません、さっき足し算を間違えました。三番と六番を足すと七十三件でありました。失礼しました。訂正します。 時間がかかるというのは、そうおっしゃるんですけれども、これは今に始まった問題ではないわけですよね。ずっと議論されてきた。だとすれば、猶予期間を五年とか何年といっても、余り変わらないんじゃないかと思うんです。 しかも、私は、実際には、たった今ではない。というのは、質問しますが、実現会議の資料を見れば、法律が施行されてから五年後の見直し規定を設けるとあります。そうすると、そこに合わせて猶予期間五年というふうな案もあると報道をされています。だけれども、三月十三日の労使合意案には、上限規制に関する詳細については労政審で検討するとあるんですね。つまり、労政審をやるんだ、きちっとした条文を整えるためには。そして、法案が成立し、施行するというと、ここで書かれているような、オリンピックまでにはと言っているうちに、これはもう、法律が施行されるころがオリンピックと同時か、その後くらいになるんじゃないでしょうか。
○山越政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘をいただきました自動車運転そして建設事業でございますけれども、上限規制をどのような形で適用すべきかにつきましては、この実行計画の取りまとめに向けて、現在、調整がされているところでございます。 こうした業務につきましては、大臣からも御答弁がありましたように、自動車運転業務につきましては、例えば荷主の都合で手待ち時間が発生するといった業務の特性、あるいは取引慣行の課題もございます。そういうことから、何らかの形で一定の猶予期間を設けることが必要であるというふうに考えておりますけれども、それを具体的にどのような期間とするかにつきましては、全体で、どのような形で適用すべきかの中で調整が続いているところだというふうに承知をしております。
○高橋(千)委員 そういうことを聞いているんじゃなくて、労政審をやって、法律ができて、施行するまでにも何年もかかりますよねと。最初から、見直し規定五年だから、五年が最短の案だみたいなことを言っちゃうと、実は、今から五年ではなくて、今から八年くらいになっちゃうこともあるんですよ。そういうことではないですよねということを聞いている。
○山越政府参考人 今申し上げましたように、自動車の運転業務などについては、その業務の特性から、一定の猶予期間を設ける必要があると考えておりますけれども、いずれにいたしましても、上限規制をどのような形で適用するかというのは、まず実行計画の取りまとめが行われるわけでございます。この取りまとめが行われましたら、これを踏まえまして、私ども、再度労政審などで検討していくということになるというふうに考えております。
○高橋(千)委員 ですから、なかなかお答えにくいんでしょうけれども、今、取りまとめがあってから労政審を行うというふうにおっしゃいましたので、そもそもそこに時間がかかるわけなんです。猶予期間、猶予期間と言いますけれども、今から五年という意味ではないんだということで確認をさせていただきたいと思うんですね。 実は、業界の申し入れ文書、昨日、二十三日です、石井国土交通大臣宛てに一斉に要望書が出されています。私は、それを読みました。 全日本トラック協会は、「方向性としては賛成であり、業界としても労働時間短縮に向けて一層努力して参ります。」こう述べているんですね。 それで、その上で、具体的な提案をしています。荷主に対する指導、取引環境の改善、トラック輸送の生産性向上のための支援、高速道路の十分な活用、これは、それぞれ意味があると思うんです。 そして五番目に、「東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、トラック運転者がますます不足することも懸念される」云々ということで、「猶予期間の設定や、段階的な適用を図っていただきたい。」こういうふうに書いているわけですから、何か五年がひとり歩きするということはおかしいなということを重ねて言いたいなと思うし、業界自身がこういうことが必要だと言っているように、取引条件などはやはり社会全体で取り組まなければならないし、労働力を確保するためには賃金アップが絶対必要であります。 ですから、丁寧な議論をしている時間が必要だと。当然ですけれども、でも、それが、今言ったように、計画を経て労政審ということで十分なるわけですから、そこからまた先送りするというふうなことはしない、全体で取り組むということをしながら、いつまでも曖昧にしないということを、ぜひお願いをしたいと思います。 これは質問にしたいですが、時間がないですので、次に進みたいと思います。 今回の実現会議では、私がこの間繰り返し取り上げてきた休日労働の問題なども、結局、年七百二十時間には入っていないだとか、そういう指摘したいことがございます。これからも引き続き取り上げていきたいと思います。 それで、きょうは、本題である改正労働契約法の無期転換ルールと雇いどめ問題について質問したいと思います。 資料の3にありますけれども、平成二十四年の九月十九日、国立大学協会が平野当時文部科学大臣に宛てて、「改正労働契約法の適切な対応に向けた支援について」という要望書を発出しました。 全部読めませんが、2のところを見ていただきますと、「国立大学法人においては、従前より上記任期法の趣旨に基づき、多数の教員等に任期を付して雇用してきたところでありますが、この度の改正労働契約法を硬直的に運用した場合には、任期法の趣旨が損なわれ、教員の流動性を高められなくなるばかりでなく、教育研究の活性化にも支障を来すことになります。」かなり重大なことを言っていると思うんですね。 この改正労働契約法とは、同年八月に成立し、翌平成二十五年四月から施行されました。第十八条で、通算五年を超えて有期雇用契約労働者が反復更新された場合に、労働者の申し込みにより、無期労働契約に転換させる仕組みをいうわけですけれども、施行日から五年、つまり来年、平成三十年四月に初めて、五年を超えて、無期転換の対象となる労働者が生まれる。 そういうことを予測して、こういう要望書が出されたと思うんですが、文科省は、この要望にどのように対応したのでしょうか。また、現在、各大学の調査を行っているということですが、どのような内容で、結果がいつごろわかるのでしょうか。
○義本政府参考人 お答えいたします。 二十四年に国立大学協会の方から要望が出た上において、教員につきましては、特に、国立大学協会の方から文部科学大臣への要望書におきまして、委員御指摘のとおり、教員の流動性の向上や教育研究の活性化への懸念が示されまして、大学の特性に即した制度の弾力的な運用や解釈の明確化についての要望がされたと承知しております。 平成二十五年におきましては、研究開発の能力の強化及び教育研究の活性化等の観点から、研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律及び大学の教員等の任期に関する法律の一部改正が成立いたしまして、改正労働契約法では、無期転換申し込み発生までの期間が原則五年とされているところ、大学等及び研究開発法人の研究者及び教員等につきましては、十年の特例が設けられたところでございます。教員につきましては、この趣旨に沿って運用しているところでございます。 一方、事務職員につきましては、従前どおり五年が適用されるわけでございますが、平成二十七年九月三十日に厚生労働省労働基準局長から出されました、無期転換ルールへの対応に関する早急な検討のお願いについての文書を、各国立大学法人に情報提供を行うとともに、本法律の趣旨を踏まえまして、適切な対応をいただくようお願いしているところでございます。
○高橋(千)委員 質問の二つ目のところですが、調査のことを答えていただいていないと思うんですが、昨年の十二月九日付で、各国立大学法人並びに大学共同利用機関法人人事課長宛て、担当課長宛てに対応方のメールを行っていると思いますが、その目的と結果について、まとまれば御報告いただけるのか、伺いたいと思います。 また、そもそも調査する前に、任期つきなどの非常勤がどれだけいるかというのは当然わかっていると思うんですが、およそどのくらいいるのか、お答えください。
○樋口大臣政務官 平成二十八年十二月の調査でございます。この調査におきましては、対応方針がおくれている国立大学法人に対しまして、平成二十九年四月の五年目の契約更新時に各労働者に明示できるように早急に無期転換ルールへの対応方針を検討いただくこと、通算五年到来時の雇いどめについては都道府県労働局と相談の上適切に対応をしていただくこと、厚生労働省から提供していただいている無期転換ポータルサイトや無期転換ルールの導入の手順やポイントをまとめたパンフレット等を参考にしていただくことなどについて、各法人に対して周知をし、調査を行ったところでございます。 しかし、その際に、いまだ検討中という大学法人が多くございましたので、改めまして、今週、平成二十九年三月の二十一日火曜日に、全国立大学法人に対して、厚生労働省が各独立行政法人における無期転換ルールへの対応状況に関する調査を行った内容に準じた調査を行っているところでございまして、四月中旬を目途に取りまとめる予定でございます。取りまとめが済みましたら、開示をさせていただきたいと思います。 人数につきましても、その中で聞いておりまして、今は掌握できておりません。
○高橋(千)委員 わかりました。 最初は年度内と聞いていたわけですけれども、四月ということでありますが、開示をしていただけるということですので、しっかりと御報告をいただきたい、このように思います。 それで、国大協は、先ほどの資料の3にあるように、「任期法による有期労働契約を適用除外とするなど大学の特性に即した制度の弾力的運用や解釈の明確化について文部科学省のご支援が不可欠」と述べているわけですね。 適用除外とせよと。よく出てくる言葉ですが、しかし、国立大学協会として、厚労省が監修したQアンドAを発表しておるわけで、その中を見ますと、大学の教員等の任期に関する法律の位置づけについて、労働契約において任期を定めることの合理性があることを法律上明記したものにすぎず、国立大学法人や公立大学法人と大学の教員との間の関係は、かつては任用だったと思うんですが、労働契約であると整理されたものであるため、労働契約法の規定は適用されると明快に答えているわけで、除外云々という話にはならないと思いますが、いかがでしょうか。これは厚労省に。
○山越政府参考人 国立大学法人、そして公立大学法人で働いている教員につきましては、おっしゃいましたとおり、基本的には労働契約法の規定が適用されます。
○高橋(千)委員 当然のことながら、解雇濫用法理も適用されるということで確認をしたい。
○山越政府参考人 労働契約法に定める解雇に関する規定は、適用が当然されるということになります。
○高橋(千)委員 確認しました。 そこで、無期転換ルールが発生することを免れるために、期限が来る前に雇いどめをしたり、あらかじめ無期転換申込権の放棄を同意させるようなことは、労契法第十八条の趣旨に照らして望ましいとは言えない、特に、労契法の趣旨を没却させるものであり、公序良俗に照らし無効とされる、そういう厳しい表現も使って厚労省は通知をしていたと思います。 改めて聞きますけれども、ここで言う労働契約法十八条の趣旨、何でしょうか。
○山越政府参考人 労働契約法第十八条でございますけれども、これは、同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約の契約期間を通算した期間が五年を超える労働者が、使用者に対し、無期労働契約の締結の申し込みをしたときは、使用者が当該申し込みの承諾をしたものとみなすとした規定でございます。これは、有期労働契約の濫用的な利用を抑制し、有期契約で働く方の雇用の安定を図るため設けられた規定と承知をしております。 こうした規定が設けられました背景といたしましては、有期労働契約は、期間の満了時に当該有期労働契約が更新されずに終了する場合もありますけれども、他方で、労働契約が反復更新されまして、長期間にわたり雇用が継続する場合も少なくないわけでございます。このために、更新による雇用の継続を希望する有期契約労働者にとりましては、雇いどめの不安があることによって、年次有給休暇取得などの労働者としての正当な権利の行使が抑制されるといった問題があったことから、このような規定が設けられたものでございます。
○高橋(千)委員 ありがとうございます。 実態が、長期間にわたって雇用が反復更新されているにもかかわらず、やはり有期という契約であるがために雇いどめの不安が絶えずつきまとうわけで、だからこそ、この無期転換権によって雇用の安定を図るということが趣旨として言われたのかなと思います。当時の質疑を思い出していたわけですけれども。 そこで、大臣にもぜひ答えていただきたいと思うんですが、厚労省がつくった無期転換ルールの啓発リーフといいますか、ハンドブックと書いているんですけれども、これは資料の4にあるんですが、この下半分のところを見ていただきたいと思うんですね。 赤で書いているところを中心に読んでいきますが、「なぜ「無期転換」への対応が必要なのでしょうか?」今日、有期社員の約三割が通算五年を超えて有期労働契約を反復更新している、だけれども、有期社員が戦力として定着している。仮に一年契約で働いたとしても、実質的には会社の事業運営に不可欠で恒常的な労働力であることが多く、ほぼ毎年自動的に更新を繰り返しているだけと言えますと。だから、大きな矢印があって、このような社員を期間の定めのない労働契約の社員として位置づけ直すことは、むしろ自然なことであり、実態と形式を合わせる措置と言えます、このように考えれば、無期転換は特別なことでも、また大変なことでもなく、より適切な雇用関係にしていくための取り組みなのですと。大変ポジティブなメッセージが書かれていると思うんですね。 雇用の安定というだけではなくて、もうずっと繰り返してきたからこそ会社にとって必要な戦力なんだ、だからこそ無期転換というのは自然なことなんだという打ち出しをしているというのは、私は、これは自分がずっと思っていたことですけれども、これを書いてくれたなと思うんですが、大臣にぜひ、これは認識を共有していただけるか、伺いたいと思います。
○塩崎国務大臣 これは我々、野党のときにできた法律で、自民党も賛成をしたわけでございますが、先ほど局長からも答弁しましたけれども、労働契約法の第十八条には、同一の使用者との間で締結された二以上の有期労働契約の契約期間を通算した期間が五年を超える労働者が、使用者に対し、無期労働契約の締結の申し込みをしたときは、使用者は当該申し込みを承諾したものとみなす、こういう規定ぶりであるわけでございます。 これは、有期労働契約の濫用的な利用を抑制し、有期契約で働く方の雇用の安定を図るために設けられた規定と承知をしておって、今御紹介をいただいた厚生労働省がつくったリーフレットの中に、ポジティブに書いてあるというお話がございましたけれども、まさにそういう趣旨であったというふうに思います。
○高橋(千)委員 ありがとうございます。 そういう趣旨でやはり無期転換を図っていくべきだ、必要な人材を確保するために短期の雇用を繰り返すのではないということで、転換をしていただきたいなと思っております。 時間の関係で、少し質問を飛ばします。 資料の5を見ていただきたいんですが、これも厚労省がつくった紹介のリーフであります。「安心して働くための「無期転換ルール」とは」というふうに書いています。大体真ん中のところを見ていただきたいんですが、「対象となる方は」「契約期間に定めがある有期労働契約が五年を超える全ての方が対象」と書いています。そして、「書面で行うことをお勧めします」、書面で申し込みをしなさい、した方がいいですよというふうに書いています。それで、その申込書のひな形が右にありまして、申込書、受理通知書ということの案も右についてあるわけです。 それで、この矢印をずっと見て、はたと気がついたわけなんですけれども、申込書にもあるように、「通算契約期間が五年を超えますので、」こう書いているんですね。だけれども、一年契約を繰り返している人は平成三十年四月に五年目を迎えるわけなんですけれども、この平成三十年四月の時点でもう一度契約をしてもらわないと申込権が発生しないことになりますよね。
○山越政府参考人 平成二十五年四月一日から一年の有期労働契約を締結した方についてでございますけれども、契約期間を通算した期間が五年を超えていなければ申込権が発生しませんので、平成三十年四月一日以降に新たな契約を結んだ形になりませんと、無期転換申込権は発生しないということになります。
○高橋(千)委員 これは結構ショックで、一年一年繰り返して、もう五年になるよといっても、もう一回、有期だけれども契約を一旦結んでもらわないと契約申込権が発生しないということで、非常にやはり雇いどめの不安というのが出てくるなということを指摘したいわけなんです。 それで逆に、この資料をもう一回見て、例えば平成二十八年から三年契約を結んでいる、こういう場合は平成三十年をまたぐわけですよね。そうすると、もしかして既に申込権が発生しているということでしょうか。
○山越政府参考人 無期転換でございますけれども、二回以上有期労働契約を締結しないといけないということになっておりまして、その期間が五年を超える場合でございますので、平成二十八年からではなくて、平成二十五年四月から三年間の有期労働契約を仮に結んでいたとしまして、同じくその方が三年間更新したということになれば、それは通算期間が六年ということになりますので、二十八年の時点で無期転換申込権が発生することになるのではないかというふうに思います。
○高橋(千)委員 もちろん、そういう意味で言いました。二十五年から三年契約していて、二十八年四月にもう一回三年を契約すれば既に申込権が発生している、そういう方がいるんだということですよね。これは周知していく必要があると思います。 そこで、東北大学は、昨年五月一日の数字で、正規教職員五千百十三名に対し、准職員、時間雇用職員など非正規職員合計が五千二百五十九名、五〇・七%なんです。そのうち、来年三月末で契約期間満了となり、雇いどめのおそれがある職員が千五百二名にも上ります。 実は、ここの大学は、これまでも三年雇用契約でした。しかし、大学総長の判断で、四年目以降の更新がされてきました。規則にもそう書いてあります。 ところが、現在は二〇一八年三月末までの五年契約となり、突如、更新の上限あり、つまり、今言っている平成三十年四月の前で更新が切れる、こういう契約になったわけであります。 それで、資料の六枚目を見てください。 これが就業規則ですけれども、右側が改正前なんですね、今言ったことが書いてあります。「三年を超えない範囲内で、」と決まっているんだけれども、「総長が特に必要があると認めるときは、」ということで、実際には超えて雇用が続いていたということです。左側に、これを五年とするということが書かれてあるんですね。 無期になった方も若干いらっしゃいます、昭和五十五年から続いた方たちが無期になっているので。一人一人の契約書に初めて、更新上限がありなしというのを書かせるようになって、それを認めないと更新できないという格好になるんですね。 私が問題にしているのは、この下の附則のところなんです。「この規則は、平成二十六年四月一日から施行する。」四月一日から、平成二十六年。しかし、その二番目です。「改正後の第六条第三項の規定は、平成二十五年四月一日以後の日を初日とする期間の定めのある労働契約の期間について適用する。」 つまり、規則が施行する一年前にさかのぼって契約を結んだことにしちゃったんですよ。それで五年なんですって。そうすると、平成三十年の四月でちゃんと終わるわけです。 これはおかしくないですか。契約を一年さかのぼって、今いる一年前から契約していたことにする。あり得ますか。明らかに無期転換ルールを避けるための変更ではないでしょうか。
○山越政府参考人 個別の事案についてのお答えは差し控えさせていただきたいと思いますけれども、労働契約を変更する場合にどの時点から変更を適用するかということについては、特段法令上の制限はないところでございます。 変更が合理性を有しているかどうかは、就業規則の不利益変更の法理等に照らして、個別に司法において判断されるべきものであるというふうに思っております。
○高橋(千)委員 不利益変更を組合が全く知らなかったんです、これは。一年たってから、後で、えっ、一年さかのぼって契約していたのと、知らなかったんです。これはもう完全に不利益変更になりますよね、労使合意がないんですから。 これは一般論で、もし労使合意がなく、こうしたことが行われたら、やはり無期転換ルールを避けるための変更だと言えるのではないでしょうか。そこを確認したいし、啓発指導に取り組む旨を、これまでも局長自身が答弁されていますので、当然その対象になると思いますが、いかがでしょうか。一般論で聞いています。
○山越政府参考人 お答え申し上げます。 労働契約の労働条件の変更でございますけれども、そういった変更が合理性を有するかどうかは、今申しましたように、個別に司法において判断をされるべきものでありますけれども、他方で、労働者保護を厚生労働省は使命としておりますので、無期転換ルールを避けることを目的として雇いどめをすることは、厚生労働省として、法の趣旨に照らして望ましいものではないというふうに考えております。 そうしたことでありますので、そのような事案を把握した場合には啓発指導をすることとしておりまして、今後ともこうした取り組みを行ってまいりたいと思います。
○高橋(千)委員 労働者保護を使命という言葉を言っていただきました。 大臣も、その立場で啓発指導を当然行うべきだということで、一言決意をお願いします。
○塩崎国務大臣 個別のことはともかくとして、一般論で申し上げれば、働く方の保護を使命とするのは厚生労働省として当然のことでありまして、無期転換ルールを避けることを目的として、無期転換申込権が発生する前に雇いどめをすることや、更新年限や更新回数の上限を一方的に設けるといったようなことは、労働契約法の趣旨に照らして望ましくないというふうに思います。そのような事案を把握した場合には、都道府県労働局において、しっかりと啓発指導を行ってまいりたいと思います。
○高橋(千)委員 終わります。
○丹羽委員長 次に、河野正美君。
○河野(正)委員 日本維新の会の河野正美でございます。 きょう、大きく三つのことを伺いたいなと思っておりますが、最初に、精神保健福祉法の改正について伺いたいと思います。 確認でございますが、今回改正を予定されている一つの大きな要因として、精神保健指定医の不正取得という問題があったかというふうに思っております。そもそも、告示で定められた取得のためのケースレポート八症例、これがなかなか集めにくい、一カ所の病院に勤めていたのではなかなかそういった症例にめぐり会うことがないということで、症例数、対象症例を減らしてほしいとかいろいろな声があったかと思います。 そのよしあしは別といたしまして、今回、この部分を変更される予定があるのかどうか、確認したいと思います。
○堀江政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘のとおり、現行では、精神保健医として必要な実務経験を確認するために、指定申請に当たりまして、統合失調症、躁うつ病等の六つの分野において、措置入院等の症例を中心としたケースレポート八症例以上を書面で提出することを求めてございます。 ただ、御指摘ございましたように、分野によって症例数が少なくてなかなかケースレポートを書きようにも経験するのが難しいというものもあるというのが実情でございます。 精神保健指定医は、措置入院の判断を行うなど、個人の人権にかかわる医療的判断を行う上で重要な役割を担っているものでございまして、そうしまして、指定医としての業務を適切に行えるという資質を備えていただくことが大前提ですが、その上で、分野別の入院患者数の実態や精神科医療に携わる有識者の意見を踏まえながら、経験すべき症例要件の見直しなどについて検討したいと考えてございます。
○河野(正)委員 そういった精神保健指定医の質という問題もありますし、また、難しいからそういうふうにケースレポートを使い回していたというのが今回の実情でしょうから、その辺をしっかりと鑑みて判断をしていただきたいなと思います。 障害保健福祉部長はこれ一問ですので、退席されて結構でございます。 次に、受動喫煙対策について伺いたいと思います。 まず、いまだ成案となっておりませんが、三月八日の厚生労働委員会における大臣所信質疑に続いて、受動喫煙対策について伺っておきたいと思います。 報道でも、飲食店に対する原則屋内禁煙、喫煙専用室設置可という規則がどうなるかが注目を集めているように思います。厚生労働省が三月一日に公表した案では、主に酒類を提供する小規模なバーやスナック等は喫煙禁止場所としないと整理されているかと思います。 まず、規制する理由と小規模とはどの程度の面積となるのか、確認させてください。
○福島政府参考人 お答えいたします。 我が国は、これまで、平成十五年以来十四年もの間、健康増進法に基づいて、施設の管理者に受動喫煙防止の努力義務を設け、自主的な取り組みを推進してまいりましたけれども、たばこを吸わない国民の割合が八割を超えているにもかかわらず、いまだ約四割もの方が飲食店などの公共の場で受動喫煙を受けている現状にございます。 飲食店では、受動喫煙によって、国民の八割を超える非喫煙者や、妊婦、子供、患者などが利用できる飲食店などの選択肢が狭まっていることに加え、職場の歓送迎会や取引先との接待での望まない受動喫煙を強いられる事態や、従業員やアルバイトの大学生、高校生が煙にさらされる事態が生じております。 先日お示しをいたしました「基本的な考え方の案」では、小規模のバー、スナックなどにおきましては、通常、子供や妊婦は利用せず、観光客が団体で利用することもなく、また、経営者以外の従業員やアルバイトはいないか、いても一人程度であり、未成年者が働くことも通常想定されていないことから、例外扱いとしても、望まない受動喫煙は最小限にとどまるものと考え、喫煙を可能としたものでございます。 受動喫煙の健康影響を最小限にとどめるためにも、例外の内容につきましては、できるだけ小規模のものに限定することが必要だと考えております。
○河野(正)委員 済みません、具体的に何平米ぐらいを想定されているのかお答えいただきたいと思います。 〔委員長退席、三ッ林委員長代理着席〕
○福島政府参考人 今申し上げましたように、例外の内容につきましては、できるだけ小規模のものに限定することが必要と考えております。 この具体的な基準につきましては、東京都や関係団体が行った実態調査などを参考にして慎重な検討を行い、「基本的な考え方の案」では、私どもは三十平米程度を想定して御説明を申し上げております。 いずれにしても、受動喫煙の健康影響を最小限にとどめる観点を基本として成案を得てまいりたいと考えております。
○河野(正)委員 今、三十平米ということでお答えをいただいたんですが、その根拠についていろいろ議論しなきゃいけないんじゃないかなと思いますし、我が国では坪単位で取引をするという考えもあります。十坪という仕切りで考えていきますと三十三平米となって、今お答えになった三十平米を超えてしまうことになります。 ちなみに、ドイツでは七十五平方メートル未満というふうにされているそうですが、どこで線引きをしていくのか。今おっしゃった三十平米をわずかに超えるお店にとっては大変な問題かなと思います。 面積基準を検討するに当たって、我が国の実際の飲食店の規模や営業実態、先ほどちょっと御答弁もいただきましたが、どのように把握してきたのか、また、実情を把握して規制をしていくことが大切だと思いますが、いかがでしょうか。
○福島政府参考人 日本も締結しておりますたばこの規制に関する世界保健機関枠組条約、このガイドラインでは、屋内の職場、飲食店を含む公共の場は全て禁煙とすべきという考え方が示されております。また、日本は屋内全面禁煙義務の法律がないために、WHOからは、受動喫煙対策は世界最低レベルという分類になっておるわけでございます。 厚生労働省案では、まずプライベート空間は規制対象外にいたしておりますけれども、公共の場につきましては、その施設や場所の性質を十分に考慮して、限定した場所で禁煙としております。 その中で、小規模のバー、スナック等は、先ほども申し上げましたが、通常、妊婦、子供の方が利用しない、また、経営者以外の従業員やアルバイトがいない、あるいは、いても一人程度である、こういうことから、望まない受動喫煙は最小限にとどまるものと考えて、例外的に喫煙を可能としておるわけでございます。受動喫煙の健康影響を最小限にとどめるためにも、その例外の内容については、できるだけ小規模のものに限定することが必要であると考えております。 具体的な基準につきましては、これは東京都や関係団体が行った実態調査がございまして、こういうものを参考にして慎重に検討していくべきものでございますけれども、「基本的な考え方の案」では、私どもは三十平米程度というものを想定して御説明をしておるわけでございます。 いずれにしても、受動喫煙の健康影響を最小限にとどめる、こういう観点で成案を得てまいりたいというふうに考えております。
○河野(正)委員 私の実感としては、三十平方メートルをわずかに超える店舗というのが意外に多いんじゃないかなというように思っております。先ほど言ったように、日本流に考えると、十坪ということだと三十平米を超えてしまうということであります。これらに喫煙スペースを設けるとすると、かなり大変な作業というか、経費もかかるし、問題は大きいのかなと思います。 ここで確認したいんですが、店舗面積にかかわらず、喫煙室をどのようなイメージでお考えなのかを伺いたいというふうに思っております。 実は、私は精神科の病院をやっておりますので、ちっちゃなデイルームなんですが、そこで精神科は喫煙できるということで喫煙室をつくったところ、二重扉にしなさいと。一つの扉をあけると、一つの扉では煙が出てしまうということで、風除室を設けるなど、二重扉にしなさいという指導もあったわけなんですが、政府の考えている喫煙室というのがどういったものなのかを伺いたいと思います。
○福島政府参考人 私どもの「基本的な考え方の案」では、飲食店などの一部の施設におきましては、原則屋内禁煙とした上で、飲食などをすることができない喫煙専用室の設置を可能とするということとしております。 諸外国におきましても、煙が外部に流出することを防ぐための構造を備えた喫煙専用室の基準を定めている事例がございます。 喫煙専用室の基準につきましては、受動喫煙の防止に当たって実効性のあるものとなるように、諸外国の基準や、現行の受動喫煙防止対策助成金の対象となる喫煙室の基準など、さまざまな事例を参考として、今後検討してまいりたいと考えております。
○河野(正)委員 今後しっかり検討していただかないと、二重扉をつけていると、三十二平米ぐらいのお店ではそれが大部分を占めてしまうということで、営業が事実上困難になってしまう可能性もありますので、三十平米という考えをお持ちであるのならば、こういったところをどのような対策をするのか、排煙装置をしっかりつければいいのかとか、二重扉にするなりとか、いろいろ検討していただけたらなというふうに思います。 ところで、ちょっと触れましたけれども、医療施設は、小中高と同様、敷地内禁煙と考えられているかと思います。私も以前サーベイヤーをしていたんですが、日本医療機能評価機構の病院機能評価、ここでの考え方が何となく今病院の基準となっておりまして、緩和ケア病棟や精神科病院というのは除外対象になっていたと思います。今回、これら緩和ケア病棟や精神科病院をどのように考えているのか、政府の考えを伺いたいと思います。
○福島政府参考人 厚生労働省の「基本的な考え方の案」では、プライベート空間は規制対象外にしておりますが、公共の場については、施設や場所の性質を十分に考慮して、限定した場所で禁煙としております。 医療施設につきましては、特に健康上の配慮を要する患者さんが利用される、こういう施設でございますので、受動喫煙による健康被害を防止する必要性が高いということから、緩和ケア病棟や精神科病院含めて敷地内禁煙としております。なお、医療機関であっても、個室などのプライベートな場所であれば、これは規制の対象外というふうにしております。 また、「基本的な考え方の案」では、施設利用者に対する激変緩和の観点から、法施行時点で既に設置されている喫煙専用室につきましては、一定の基準に適合することを前提として、五年間は存続できる、存置できる経過措置を設けることとしておりまして、医療機関においても、一定の基準に適合する喫煙専用室での喫煙は可能とするという案にしております。 御指摘の緩和ケア病棟あるいは精神科病院につきましては、関係団体から、終末期の患者に配慮してほしい、敷地外で喫煙させるのは困難である、こういう声も頂戴しております。このような御意見を踏まえ、成案を得るまでに、どのように扱うかについては検討してまいりたいと考えております。
○河野(正)委員 そうなりますと、例えば今、病院では、個室、差額ベッドを使って、非常にVIPルームみたいな病院の個室等々ありますけれども、こういったところであれば除外ということでよろしいんでしょうか。
○福島政府参考人 お答えします。 私どもが考えております「基本的な考え方の案」では、法的な規制の対象にはしないということで考えております。 もちろん、管理者の方がそれをどういうふうに扱われるかはまた別の問題ではございますけれども、法律上の規定としては、規制の対象には考えていないということでございます。
○河野(正)委員 それでは次に、働く方々に対する受動喫煙をもっと考慮しておかなければならないのではないかという観点からお尋ねをいたします。 先日の委員会質疑でも、労働安全衛生法で事業者の努力義務を課していると答弁をいただきました。平成二十七年六月から義務が課せられ、間もなく二年を迎えることになりますが、労働環境における受動喫煙対策は具体的にどの程度改善していると認識されているかを伺いたいと思います。
○田中政府参考人 職場におきます受動喫煙防止対策につきましては、厚生労働省として、平成二十三年度より、中小企業事業主を対象としまして、喫煙室などの設置のための費用の助成や、受動喫煙防止対策に係る無料相談窓口の設置などによりまして、その取り組みを進めてきております。 その後、御指摘のとおり、労働安全衛生法を平成二十六年に改正しまして、二十六年六月に改正法を公布し、受動喫煙防止対策を事業主の努力義務とする規定を盛り込み、これを平成二十七年六月一日から施行しております。 その前後の状況について、労働者数十人以上の事業所を対象とした安全衛生に関する調査の中でとっておりまして、その状況を申し上げますと、事業所で全面禁煙あるいは喫煙室の設置による分煙を実施している割合は、両方合わせて、平成二十五年には六五・五%であったものが、少し数字はふえておりますが、平成二十七年には六九・四%ということで、七割未満にとどまっております。 全面禁煙の措置だけで見ますと、平成二十七年でも平均五割に届かず、四六・七%です。業種別で見ますと、全面禁煙の割合は、医療、福祉で八割を超えておりますが、教育業では七割台、そのほかの業種を見ますと、学術研究、専門・技術サービス業、情報通信業、宿泊、飲食サービス業、不動産、物品賃貸業などでは、五割程度の水準にとどまっておりまして、そのほかの業種はもっと低いという状況でございます。
○河野(正)委員 こういった機会に労働者の受動喫煙対策というものもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 先ほどもちょっとお話が出ましたけれども、飲食店は十代の若い人たちが初めてのアルバイト先として選ぶ場所となっていることも多いかと思います。こうした青少年の方々が、受動喫煙にさらされる環境で働かされている、働かなければならないということは避けていかなければならないと思います。 十代の若者はどのような環境でどの程度働いていると認識されているのか、彼ら、彼女らが働く環境を禁煙とするよう義務づけるといった対応も考えられると思いますけれども、政府の認識を伺いたいと思います。
○福島政府参考人 現状として、飲食店では、受動喫煙により、妊婦、子供、患者などが利用できる飲食店等の選択肢が狭まっていることに加えまして、職場の歓送迎会、取引先との接待での望まない受動喫煙、いわば嫌々受動喫煙というものが強いられている事態がありますし、また、今先生御指摘のように、従事者やアルバイトの大学生、高校生、こういう方が煙にさらされている事態が生じているというふうに認識をしております。 このため、三月一日に公表した「基本的な考え方の案」では、今、飲食店などの公共の場につきまして、その施設や場所の性質を十分に考慮し、限定した場所で禁煙としておりましたが、飲食店等の施設につきましては、喫煙専用室の設置は認めつつも、原則屋内禁煙ということにしておるわけでございます。 〔三ッ林委員長代理退席、委員長着席〕
○河野(正)委員 そういった未成年の方々がやはり喫煙室の中に出入りしなくていいような配慮というのもしっかり考えていただかなければいけないのではないかなというふうに思っております。 細かく論点を見てまいりますと、もう本当にいろいろな議論がある、賛否両論がたくさんあるのかなと思いますし、この話題についていろいろ研究を重ねていくといろいろ取材も来たりとか、関心の高さというのがわかります。現状は、政府案は示されているものの、与党内での議論もまとまらないというように伺っております。 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック、あるいはその前年にありますラグビーワールドカップ、またそれ以外でも多くの外国人を受け入れるべき我が国の立場として、早急に道筋をつけておく必要性はあるんじゃないかなと思っております。このような状況をいつまでも続けるべきではないというふうに思っておりまして、早く結論、道筋をつけなければならないと思いますが、改めて、塩崎大臣の見解を伺いたいと思います。
○塩崎国務大臣 先ほどもお話が出たように、これは、十四年前に健康増進法の中で努力義務という形で施設の責任者に対して義務をかけたわけでございますけれども、どうもやはりこれではなかなか効果が上がらないということで、受動喫煙の被害が続いているものですから、今回、特にオリンピック・パラリンピックを控えているということももちろん一つのきっかけでありますけれども、安倍総理から所信表明演説の中で、受動喫煙対策の徹底ということを指示いただいているわけでございます。 私ども、正式な事前審査にはまだ入っておりませんで、今事前説明を広くやらせていただいているわけで、つまり、それは今まで十四年間、正直、厚生労働省も努力が足りなかったと言わざるを得ないと思うんですね、効果が上がっていないんですから。そういうことで、今、私どもの考えを徹底しようということで、皆様方に御理解をいただけるように丁寧に御説明に回っているわけであります。 いずれにしても、はっきりしていることは、八割を超えるたばこを吸わない方々、あるいは妊娠されている女性、子供さん、がん患者、あるいは受動喫煙禁止になれている外国の方々が今やもう二千万人、四千万人にまでなろうか、そういうこと、それから、先ほど来お話があったように、従業員の皆さん、アルバイトの高校生、あるいは歓送迎会とか取引先との接待なんかでよく居酒屋なんかにも行くときもあります、係の歓送迎会で行かないというわけにもいかない、そういうときに吸わざるを得なくなる、今言ったようながんの方々とかあるいは女性の方々、そういった方々がいや応なく吸わされるということがないようにしていこうじゃないか、こういうことだと思います。 東京オリンピック・パラリンピックといいながら、競技は、神奈川、千葉、埼玉、宮城、そして福島、場合によっては北海道もあるかもわからぬ、こういうことでございますので、ひとり東京だけでかかわるわけでは決してないわけでありますし、もちろんついでに旅行される方がいっぱい、外国の方もおられると思います。そういう方々にとっても、やはり日本のイメージというのはどうなのかということはしっかり考えていかなきゃいけないというふうに思っております。 まずは与党の法案の理解をいただくことが大原則でありますので、とかしき部会長にも今いろいろとお願いをしているところでありますけれども、党内の御意見と国会の御意見もしっかりと踏まえながら、そして何よりもやはり国民の声をしっかり踏まえるということで、社説では、読売、朝日、毎日、産経あたりは私どもの案に賛成をいただいておりますけれども、やはり広く国民の皆様方の声を聞きながら、そして懸念を持っていらっしゃる、たばこの販売関係者、耕作の関係者、あるいは飲食店の経営の皆さん方にもしっかりと理解をしていただくということが大事なので、私どもとしては丁寧に御説明を時間をかけてしていこうというふうに思っております。
○河野(正)委員 私の提起した問題点は幾つか、きょう述べさせていただきましたので、しっかり御検討いただきたいと思いますし、余りかける時間がないのかなとも思いますので、しっかり頑張っていただきたいと思います。 次に、先日、時間切れで質問できなかった民泊ですけれども、またきょうも時間が短くなってしまいましたので、もう端的に行きます。 まず初めに、特区民泊のこれまでの利用状況についてどのように政府は評価されているのか、伺いたいと思います。
○北島政府参考人 お答えいたします。 いわゆる特区民泊は、平成二十七年に外国人旅行者の急増に対応するため、外国人旅行者の滞在ニーズに応じた施設の有効利用を目的として創設されたものです。 この特区民泊は、既に大田区、大阪市、大阪府、北九州市において実施されておりまして、三月二十一日時点で、八十一施設二百十一居室において実施され、七百六十八人が利用するなど、一定の成果を上げているものと認識しております。
○河野(正)委員 先に進みたいと思います。 国会に提出された法案では、民泊可能な日数が年間百八十日という上限を設けた上で、自治体がその上限を引き下げることも可能にする条例制定を認める仕組みにされているというふうに伺っております。 事実関係の確認ですが、なぜ年間百八十日とされているのか、連続した期間なのか、細切れでもよいのか、上限の設定が必要な理由を伺いたいと思います。
○蝦名政府参考人 お答えいたします。 昨年六月に閣議決定をされました規制改革実施計画では、「既存の「ホテル・旅館」とは異なる「住宅」として扱い得るようなものとすべきであり、年間提供日数上限による制限を設けることを基本として、半年未満(百八十日以下)の範囲内で適切な日数を設定する。」こととされていたところでございます。 これを踏まえまして、三月十日に閣議決定をされ、国会に提出させていただきました住宅宿泊事業法案におきましては、住宅宿泊事業とは、住宅において一時的に人を宿泊させる事業を実施するものであり、住宅としての性質が失われることのないよう、年間の半分以上の宿泊が行われないこと、すなわち、人を宿泊させる日数を年間の半分である百八十日以内としたところでございます。 また、この年間提供日数につきましては、連続して宿泊させなければいけないというものではございません。
○河野(正)委員 自治体が上限を引き下げる条例の制定が可能ということでありますが、逆に上限を引き上げることというのはできるのかどうか、確認したいと思います。
○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。 先ほどお答えしましたとおり、昨年六月に閣議決定された規制改革実施計画を踏まえまして、住宅宿泊事業法案におきましては、人を宿泊させる日数を年間の半分である百八十日以内、こういうふうにしたところでございます。 このため、年間提供日数につきましては、百八十日を超えるものとすることはできないというふうに考えております。
○河野(正)委員 時間もありませんので、先に行きたいと思います。 三月一日、厚生労働省は、全国民泊実態調査の結果を公表されております。無許可が三割を占めているということも問題でありますが、物件を特定できないといった事例が五割以上に上ることも大変な問題だと思います。 このような現状をどう受けとめているのか、今回の法整備によってどのように変化すると考えているのか、政府としての考えをお示しください。
○北島政府参考人 お答えいたします。 昨年十月から十二月にかけて、いわゆる民泊仲介サイトに掲載されている物件について、厚生労働省として、各自治体の協力を得ながら全国横断的な実態調査を行いました。 今般の調査結果では、調査件数約一万五千件のうち、旅館業法の営業許可を受けている施設が約二千五百件で一六・五%、無許可で営業を行っていたものが約四千六百件、三〇・六%、物件の特定ができなかったものや自治体において調査中のものが約八千件で五二・九%となっております。 厚生労働省といたしましては、このような違法な民泊の広がりに対応するため、現行の旅館業法のもとにおいて、民泊サービスが旅館業法の許可のもとに適切に提供されるよう、昨年十一月に営業許可取得の手引を作成し、公表するとともに、各自治体における無許可営業施設への対応状況の把握に努め、現行法の遵守や悪質な民泊を対象とした取り締まり等の強化について、昨年九月に警察や自治体に協力を要請するなどの対応を行っております。 その上で、違法民泊へのさらなる対応のため、無許可営業者に対する都道府県知事等による立入検査権限の創設や、無許可営業者に対する罰金の上限額の引き上げ等を内容とする旅館業法の改正法案を今国会に提出したところです。 また、主務官庁である国土交通省と連携し、届け出制を初めとする民泊サービスに関する一定のルールを定め、その実態把握と適切な指導監督を行い得るように措置することを盛り込んだ住宅宿泊事業法案を今国会に提出したところであり、引き続きこの問題に全力で取り組んでまいります。
○河野(正)委員 最後の質問に行きます。 宿泊施設の不足を補うため、いわゆるラブホテルを一般ホテルへ転換することを促していくことも検討されているというふうに伺っております。また、レンタルルームでの宿泊利用など、法制度のすき間を縫うようなサービスが広がっているというふうにも報じられております。 今回改正が予定されている旅館業法では、旅館営業とホテル営業が統合されると聞きますが、そもそも現在の法体系が社会の実情に合わなくなっているのではないでしょうか。 住宅宿泊事業という新たな類型ができることで、さらに制度が複雑になり、使いにくくなってしまうことも懸念されます。 宿泊をなりわいとするに当たって確保すべきことは何なのか、宿泊者の安全確保、感染症対策など公衆衛生の面、あるいは地域環境との調和など、一つ一つの要素を明確にし、網羅的でより抜本的な制度改正が必要なのではないかと思いますが、最後に政府の見解を伺います。
○馬場大臣政務官 お答えします。 人を宿泊させるために営業を行う場合は、原則として旅館業の営業許可を取得する必要がありますが、実態としてはさまざまなケースが見られることは御承知のとおりであります。 このため、旅館業法の改正によって、無許可営業者に対し都道府県知事等が立入検査を行う権限を創設するとともに、無許可営業者に対する罰金の上限額を引き上げることなどの無許可営業者に対する取り締まり強化を図ることとしております。 一方で、近年のいわゆる民泊サービスの増加等を踏まえ、住宅宿泊事業を一つの類型として位置づけ、その実態把握と適切な指導監督を行うために、住宅宿泊事業法案を今国会に提出しているところであります。 今後も、社会の実情に応じて、宿泊サービスを求める方々のニーズの多様化に対応することも重要であり、今般の旅館業法の改正法案には、旅館営業とホテル営業の一本化により類型を整理するとともに、構造や設備基準の見直しなど政省令以下のレベルでの大幅な規制緩和も検討しておるところであります。 こうしたことを通じ、今先生からも御指摘のありましたように、社会の実情に合った制度運営に努めてまいりたいと存じます。
○河野(正)委員 時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。
○丹羽委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時三十一分散会