環境委員会 第5号
- 発言数
- 273 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2017/03/17
会議録
○平委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日は、本案審査のため、参考人として、東京大学大学院工学系研究科原子力国際専攻教授・総長特任補佐関村直人君、認定特定非営利活動法人原子力資料情報室共同代表伴英幸君、公益社団法人日本アイソトープ協会常務理事二ツ川章二君、元原発技術者小倉志郎君、以上四名の方々に御出席いただいております。 この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 次に、議事の順序について申し上げます。 まず、関村参考人、伴参考人、二ツ川参考人、小倉参考人の順に、それぞれ十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。 なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。 それでは、まず関村参考人にお願いいたします。
○関村参考人 関村と申します。 私は、東京大学大学院工学系研究科の原子力国際専攻で教授を務めさせていただいております。私は、原子力発電所のような複雑なシステムの安全性それから長期的な保守管理やマネジメント、これを研究課題とさせていただいております。 まずは、このような場で参考人としての意見陳述の機会をいただきましたことに厚く御礼を申し上げたいと思います。 私といたしましては、今般の改正法案による原子炉等規制法の見直し、この内容につきましては賛同させていただきたいというふうに考えているところでございますが、しかしながら、具体的な制度の運用を行う際には、あるいはその準備段階として考えられる期間の間に、これから幾つかの項目に関して述べさせていただきますような事項につきまして十分な注意をして、法改正の目的が達成されて効果的な制度の運用が行われていくように、これは、規制機関と、被規制者としての事業者、それからさまざまな専門を有する方々が努力を惜しまないということが極めて重要と考えている、こういう立場からお話をさせていただければと思います。 まず第一に述べさせていただきたい点が、国際原子力機関、IAEAによるIRRS、総合規制評価サービス、この意義がどのようなものであるかという点について意見を述べさせていただければと思っております。 私は、原子力規制委員会に設置されております原子炉安全専門審査会の会長を務めさせていただいている、こういう立場にございます。 この審査会に対しましては、平成二十八年一月にレビューを受けたIRRS、これはIAEAの総合規制評価サービスでございますが、これにおいて指摘された事項に対して原子力規制委員会の取り組み状況の評価や助言を行うこと、こういう指示を原子力規制委員会より昨年三月にいただいているということでございます。これを受けて、学識経験者で構成をされております原子炉安全専門審査会及び核燃料専門審査会におきまして、取り組み状況の評価や助言を議論してきている、こういう状況にございます。 この議論のベースでございますが、まずは、二〇〇七年の段階で原子力規制機関が受けたIAEAによるIRRS、これに対しましては、そのフォローアップができなかったということ。このフォローアップをする中で、本来であれば、東京電力福島第一原子力発電所の事故につながるような要因を規制機関として見出し、それを排除していくということにつながったのではないかというふうに考えているところですが、それができなかった。その反省に基づいて議論をしているという点が非常に重要な点だというふうに考えて、議論を進めさせていただいているということでございます。 もう一点、IRRSの意義についてどのように考えるかということでございますが、IRRSで指摘された勧告、提言等は、IAEAの基準に基づいているというものでございます。しかし、さらに重要な点は、国際的な原子力安全の水準というものには、その背景に、基準としては明示されていないような国際的なすぐれたエクセレンスといいますか、こういうものがあるということでございます。 したがって、IRRSというものは、そのエクセレンスと現状の規制の間のギャップ、これを勧告及び提言として具体的に示していただいた、こういうふうに考えているところでございます。 次に、特に検査制度に関しまして、いかに安全水準の向上を図るかという観点でございます。これは、原子力事業者が行う安全確保、この責任をいかに浸透、定着していくかという点でもございます。 原子力事業者が安全確保の最も重要な責任を負っているということは、IAEAの基本安全原則、この第一番目に、事業者が第一義的な責任を負っているというふうに明示をされておりますし、これは国際的ないわば常識というふうに考えていいものというふうに思っています。 これに対しまして、規制機関によるチェックあるいは規制の仕組みというのは、事業者がこの責任を果たすことを促すものでなくてはならない。このために、事業者のあらゆる保安活動に対する監視と評価の仕組みを検査制度として確立する、これによって、規制機関それから事業者、これらがお互いに安全水準を高め合っていくんだということを進める、スパイラルアップというふうに私は呼んでいるところでございますが、安全水準の向上をお互いに目指していくんだということが検査制度に要請されるものであるというふうに考えております。 事業者は、検査制度の中で罰則があるからということではなくて、みずからの主体的な取り組みによって期待をされている役割を果たすんだ。このために、実際に意識改革を進め、業務改善を進め、組織体制や実務を行うというこの領域において、安全を最も大切にするという取り組みが継続的に行われていく、このためのマネジメントシステムあるいは安全文化の構築をさらに進めていくということが要請されるというわけでございます。 このために、安全確保に関する第一義的責任を浸透、定着していくということが必要なわけですので、これがなされることを強く希望すると同時に、国会や政治家の皆様の意識や情報発信、これも極めて重要でございますので、私は研究や教育という立場でこれを進めておるところでございますが、国民の各層が同様の認識を持てるように展開を考えていただければというふうに思っております。 三番目に、品質マネジメントシステムに関する取り組みについてお話をさせていただければと思います。 検査制度の中では、継続的な安全性の向上を図るためにマネジメントシステムが必要である、こういうことを申し上げました。品質マネジメントシステム、これを改善していくためには、例えばISOの9001の最新版、二〇一五年版でございます、これを取り込んでいくということが必要でございます。 IAEAにおきましては、昨年、福島第一原子力発電所の事故を踏まえて、その教訓を取り込んだ形で改訂された全般的な安全要件、GSRパート2というふうに呼んでおりますが、これがリーダーシップと安全のためのマネジメントということでございますが、この国際標準を積極的に取り入れていくということが重要でございます。 このようなマネジメントシステムの確立に基づいた安全対策の強化は、事業者に加えて、IRRSでも指摘されているところでございますが、規制機関にも求められるというものでございます。 一方で、事業者の取り組みに関しては、より具体的な現場レベルでの取り組みに適用するためのガイドライン、具体的にはこのように技術者が進めるべきだというガイドラインを、事業者はもちろんでございますが、学協会とか関連の機関、あるいは国際的な機関の力もかりながら環境整備を進めていくということが必要であろうというふうに思っておりますし、もともとの設計の思想、これが運転段階になった段階で改善を進めていくわけですが、運転の段階で品質マネジメントシステムが動き、それをきちっと引き継いだ形で運転段階でも安全性の向上が図れるようにしていく、こういう考え方が重要であろうというふうに考えているところでございます。 四番目に、原子力の安全を脅かすリスク、これに関する情報を活用していくということ、それから、安全水準の実績をどのようにはかって効果的な監視、評価のシステムを動かしていくか、安全水準というのを実績としてどのようにはかっていけばいいか、こういう問題について意見を述べさせていただければと思います。 安全上の重要性を共通認識というふうにしていくためには、客観的な物差しが必要でございます。あるいはレベル感という言い方も言えるかと思います。 リスクに関する情報の活用というのは、米国の前例を見ても、リスクに対処していく方策とその重要性、あるいは優先順位というものを議論するために最も重要な手法であるというふうに考えております。 しかし、リスクという言葉はなかなか難しい概念でございまして、どのような影響があるのか、例えば、ある放射性物質が容器の中に入っているとすれば、この容器がもし壊れたとすればどのようなレベルの放射性物質が外に出るのか、深刻度というものをしっかりと評価する。それから、この事象がどのような確からしさで起こるのか、確率であれば定量的に言えるかもしれません。さらに、どのような順序でこのような事故、トラブルが起こっていくのか、シナリオでございますね。こういう三つの要素を検討していくということが必要でございます。 その結果として、より高いリスクがあるものに対して対策をとって、それを継続的に進めていくということは、規制機関それから事業者、その双方にとって、限られたリソースを安全性の向上に有効に活用するためには必要な要素でありますし、このためにリスク情報に基づいた重みづけが必要になってくるというふうに考えております。 しかし、そのリスクの情報を扱おうとしますと、不確実な情報が出てくる。その不確実な情報の幅をどのように考えていくかという大きな課題があることは確かでございます。例えば、計算機シミュレーションによってリスクを評価しましたというわけですが、これには適用性に限界があるという場合もあるということです。 したがって、定量的な、あるいは確率論的なというふうに言ってもいいと思いますが、こういう手法を活用することに加えて、定性的な、比べるとどっちがリスクが高いんですかという定性的な重要度区分、それから、従来的な、基準はここですよという決定論的な手法の取り入れ、これらをうまく組み合わせていくということが必要だというふうに思っております。 さらに、安全対策のレベルをその後の対応に反映させていくためには、リスク情報の活用を通じてその実績を評価していって、規制機関による監視と評価を効果的に進めるということも重要だというふうに考えております。 さらに、評価された実績がわかりやすい形で、国民にもコミュニケーションという形で議論の輪が広がっていくということを切に希望するわけでございます。 その意味で、五番目に、多様なステークホルダー間のコミュニケーションの強化、これが必要だというふうに考えております。 安全規制や保守管理に関する規格や基準、さらに、よりブレークダウンしたガイドラインというものを整備していくというものは、規制機関の力だけでは不十分であるという可能性が十分あるというふうに思っておりますし、これに対して、学協会等の場あるいはもう少し広い国際的な場で一層議論が進み、実効性の高い規格や、よりブレークダウンした規格基準が学協会の規格としても提示をされていって、それをうまく使いこなしていただくということも必要だというふうに思っております。 それから、新しい知見が出てきた場合、リスクを考えていく上で、このデータは警告を発しているんだということをしっかりと理解して、今まではわからなかったリスクが生じているのであれば、それをうまく取り込んでいくような仕組み、これも必要になるのではないかなというふうに考えているところでございます。これに関しましては、自由な議論が進められる場というものが非常に重要だというふうに思っているところでございます。 以上で私からの意見陳述を終了させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)
○平委員長 ありがとうございました。 次に、伴参考人にお願いいたします。
○伴参考人 おはようございます。 このような発言の機会を与えていただきまして、非常に光栄に思っています。 私は、一九七九年のスリーマイル島原発事故のときから原子力の問題に関心を持ち、九〇年に今の原子力資料情報室に移籍しまして、そして二〇〇〇年から共同代表として今日に至っております。 今回提案されている炉規法の一部改正案は非常に多岐にわたっています。炉規法そのものに関すること、それから放射線審議会関係に関すること、また、炉規法について言えば、使用届を出している事業者の問題、そして廃止措置、あるいは放射性廃棄物の処分問題、それから定期検査というふうに多岐にわたっています。 そこで、きょうは二点について私の意見を述べさせていただきたいというふうに考えています。まず一点目は定期検査に関することであり、二点目は廃棄物の処理処分に関することであります。 〔委員長退席、冨岡委員長代理着席〕 そこで、一点目の定期検査に関することですが、提案されている法案は、これまでの事業者検査及び国、原子力規制庁による検査を変更し、事業者による定期検査、定期事業者検査に一本化し、規制庁はそれを監視、評価するというふうな制度変更になっています。しかし、こういう制度の導入はかえって原発の安全を損なうことになるというふうに私は考えますので、この部分については反対の意見を述べさせていただきます。 以下に、その理由です。 まず第一点目ですが、これは、事業者が、性善説といいますか、きちっと検査をするということを前提に書かれているもののように思いますが、これまでの過去の不正やトラブル隠しを繰り返してきた現状を見ると、今もこの状態は変わっていないのではないかというふうに考えています。次のページに一覧表を掲げておきましたが、これはほんの一部です。一九七六年から二〇一〇年まで、さまざまな不正やトラブル隠しがあったということです。 なお、東京電力の福島原発事故に対する根本原因分析というのを東京電力はホームページで発表していますけれども、それを見ますと、稼働率優先の状態であったがために事故への備えは十分ではなかったということです。そして、定期検査関係について言うと、技術力というところで反省をしているのですが、過度にメーカー依存体質であって、自社の能力が不足していた、こういうふうなことが書かれています。 そういうことから考えていきますと、今もなお、不正、トラブル隠しの温床、そういう状態は変わっていないというふうに思いますし、今後、二〇二〇年からは発送電が分離されて、そして電力の自由化がいよいよ完成するわけです。そうすると、結局、発電事業者は、やはり稼働率向上、コストパフォーマンスを追求せざるを得ない状況になっていくと思うんです。そんなふうになると、ますます、やはり不正やトラブル隠しということがベースとしてあるというふうに考えられるわけです。 非常に急いでいる場合あるいはコストパフォーマンスを上げるためにちょっとしたことについては隠すとか、あるいは準備ができていない交換工事等については先送りするとか、そういったことが過去にも行われましたし、これからも行われる可能性が高い、そういうふうに思われます。そうすると、一層安全を強化すべきところ、それが損なわれる可能性が高いというふうに考えているわけです。 他方、法案の中には、罰金として法人に対しては一億円という、非常にそれ自体は金額は高い罰金の制度の導入というのが掲げられていますけれども、この一億円というのは、例えば、原子力発電所百二十万キロワットが一日運転して、平均二十円で売れたとしますと、一日で五億七千六百万円の売り上げというふうになります。そのうち、例えば販売利益が一キロワットアワー当たり四円あったとすれば、もうこれで一日で一億円の利益を上げるという、そういうふうに、集約的に発電をするために利益等も大きいわけですね。そうすると、一億円のその罰金が、果たして不正の防止につながるようなインセンティブといいますか、そういうのになるかというと、やや疑問を持っているところであります。 そこで、こうした状況を考えてくると、現行の原子力規制庁による定期検査、これは維持すべきであるというふうに考えています。さらに、そうすることによって、規制庁職員の、検査官の能力の向上とか、それから検査官の訓練、そういったものにつながり、人材の育成等にもつながってくるというふうに思います。もちろん、現場に行って見ることはできる状態ですが、やはりペーパー上の監視、評価では不十分ではないかというふうに考えます。 そこで、改めてIRRSというレビューの結果を考えてみますと、このレビューの中には、簡素化という言葉は使われていますが、これは政府による定期検査を前提にした構造になっていて、事業者検査に一本化していいというふうには書いていないわけです。 さらに、勧告の九番のところを見ますと、定期検査に関する勧告ですが、この中には、事前通告なしの検査が行えるように制度を整備すべきだというふうに勧告しているわけです。リコメンデーションという言葉が使われていますが、リコメンデーションというのは、権限を持った個人もしくは組織が使う言葉では非常に厳しい要請だというふうに考えられます。したがって、むしろここでは、事前通告なしの検査、そういったものを法の中にきちっと位置づけて対応していくべきではないかというふうに考えています。 また、事業者が行う検査あるいは国が行う検査、これが二重になっていて非常に二度手間ではないかという意見がありますが、それに対しては、むしろ、事業者検査ではなく、第三者による検査もしくは国による検査、そういったことに一本化していくのが改革の方向ではないかというふうに考えている次第であります。 以上で、最初の方の意見一については終わりにして、意見二について。 廃棄物の埋設に関する改正法案、これは基本的に私は賛成なんですが、二つの懸念する事項があって、その懸念する事項について述べたいと思います。 一点目は、掘削禁止区域。埋めた放射性廃棄物、その埋めた場所を掘削して、人為的に、これは意図的であるか偶然であるかは別として、人間が掘っていっていわば穴をあけてしまうというような事態になることを禁止するというものであって、これは、埋設廃棄物の将来の安全性を考えたときの大きな欠点になるわけです。 したがって、これを禁止するということは非常に重要なことなんですが、提案されている法案は、地上施設及びその周辺施設の地下というふうになっています。しかし、おおむね地下施設の方が大きいわけですね。 第二種放射性廃棄物の中深度処分というのが今計画されていますが、これについて、処分場のこの概念というのが明確に示されていないと私は記憶していますので、ちょっとそれについてはわかりませんが、例えば、これも適用されるはずの高レベル放射性廃棄物でいいますと、地上施設は一平方キロメートルですが、地下施設は十平方キロメートルというふうに概念設計上なっています。そうすると、三キロ強の正方形のエリアが処分される場所になるわけです。そこにアクセスしてしまったらいけないわけです。したがって、その範囲を掘削禁止区域にしないといけないというふうに思います。 提案されている内容は地上施設から地下へということなんですが、むしろ、地下施設のエリアから地上部分の範囲を掘削禁止区域を決めないと、法が目的とする安全というのは担保できないのではないかというふうに考えています。 二つ目は、第一種の廃棄物の処分事業者、これは具体的にはNUMOですが、NUMOが高レベル廃棄物の処分場に、第二種廃棄物、中深度処分と呼ばれて、百メートルぐらいのところに処分する廃炉の廃棄物、これを埋設するときには、第二種廃棄物としての事業許可は要らないというふうになっています。 それ自体はあり得ることで、よいと思いますが、ここで問題は、ただ、高レベル廃棄物でも、社会的合意、場所を決めるのに非常に苦労しているのが現状です。その中に新たな廃棄物が次々とやってくるという事態になると、社会的合意というのが得られる、処分場を決めるということがますます困難になってくるのではないかというふうに考えられます。 処分場が決まってから、後で、いや実はこういう廃棄物も捨てたいですということでは、これではせっかく合意に達しつつあっても御破算になってしまう可能性があります。後出しじゃんけんにならないように、きちっと初めから計画を提示して社会的合意を求めていかないといけないのではないかというふうに考えています。 なお、最後に、賛成の部分で、埋め戻しについてのきちっとした規制をかけるということについては大いに賛成で、結局、その埋設した放射性廃棄物から、それが人間環境に出てきて将来の被曝につながるということが、安全評価で一定の範囲内におさめなさいということが、多分、将来その範囲は規制で決まってくるというふうに思いますが、先ほど言った人間侵入は一つの可能性であり、もう一つは、かたい岩盤に穴をあけて坑道を掘った、その埋め戻しが不十分ですと、そこが水の通り道になって、地表に放射性物質が想定よりも早く出てくる可能性がある。 そういう意味から、埋め戻しするときにきちっと規制委員会の許可を得てやるということについては非常に重要なことだと思っています。 簡単ですが、以上で発言を終わります。どうもありがとうございました。(拍手) 〔冨岡委員長代理退席、委員長着席〕
○平委員長 ありがとうございました。 次に、二ツ川参考人にお願いいたします。
○二ツ川参考人 アイソトープ協会の二ツ川と申します。このような機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。 私は、放射線障害防止法等の改正について発言をさせていただきたいと思います。お配りいただきました資料に従い、説明をさせていただきます。 資料のスライド番号二番をごらんください。 最初に、アイソトープ協会について若干御説明をさせていただきます。 日本のアイソトープ利用というのは、昭和二十四年に、日本現代物理学の父であり、アイソトープ協会の創始者である仁科芳雄先生の尽力により、アメリカから仁科先生へアイソトープが寄贈されたことから始まります。昭和二十五年には輸入が開始され、その段階では、当時の理研仁科研究室が配分等の業務を行っておりました。翌二十六年に、政府の指導のもと、アイソトープの一括輸入、配分の実務、安全取り扱いの教育等を行うために、当アイソトープ協会が設立されました。二十九年には社団法人となり、平成二十四年には公益法人としての認可を受けております。 スライド番号三をごらんください。 ここには、アイソトープ協会の役割を記載させていただきました。 アイソトープ協会は、利用者、研究者、教育者等により成り立つ公益社団法人でありまして、アイソトープ、放射線技術の向上と普及啓発の推進を目的といたしております。放射性医薬品、アイソトープの供給から廃棄までの一貫した体制を支えており、実業といたしましては、アイソトープの輸入、線源の製造、供給、アイソトープ廃棄物の集荷、貯蔵、処理等を行ってございます。 スライド番号四には、アイソトープ協会の利用普及活動を記載いたしております。 放射線安全取扱部会は、放射線取扱主任者、放射線管理者等による部会でありまして、放射線安全に係る情報共有を行っております。また、理工学部会、ライフサイエンス部会、医学・薬学部会は、それぞれの分野におけるアイソトープ利用技術の普及啓発を行っており、そのほか、一般の方々へのアイソトープ、放射線に係る啓発活動等も、当協会の事業として行っております。 スライド番号五番をごらんください。 これは、アイソトープ、放射線が、今、医療、産業、工業、研究、教育等さまざまな分野で利用されているところを記載しております。 医療分野であれば、非侵襲的な診断技術として、また、機能を温存し、治療後のクオリティー・オブ・ライフを高める治療として、がん治療にもアイソトープが使われております。産業、工業分野では、紙、鉄等の厚さ計、または溶接等の非破壊検査として、日本の高品質な工業製品の品質管理のために利用されております。ジャガイモの芽どめとしては食品の保持にも使われており、さらには、研究、教育分野では、基礎研究の発展のためにアイソトープが利用されております。 スライド六には使用事業所数を記載いたしております。 放射線取扱主任者を必要とする事業所は、今、全国で約三千事業所あります。その多くは、アイソトープをカプセルの中に封入して使用する密封線源という利用の仕方をしておりますが、その利用方法は、比較的、中小企業の民間企業で多く利用されてございます。 スライド番号七には、当アイソトープ協会が現在稼働の準備を進めている川崎技術開発センターの写真を載せております。 今まで、当協会は東京の駒込でアイソトープ取扱施設があったわけですが、それらが老朽化してきたため、川崎に移転するよう準備を進めております。アイソトープ線源の製造、品質検査とともに、新しい利用技術の研究開発をする施設でございます。 スライド八に、川崎技術開発センターのセキュリティー対策を記載しております。 セキュリティー対策としては、遅延、検知、対応というものがあるわけですが、遅延といたしましては、施錠でありますとか、防犯性の高い扉とかシャッターの使用、検知も兼ねておりますが、ID番号による、許可された人間だけが入室できるような仕組み、その他の検知システムとしては、監視カメラであるとか人感センサーを備えております。また、対応といたしましては、セキュリティーに対する防護計画の作成であるとか、関係団体を含めた緊急連絡体制の整備等が挙げられてございます。 セキュリティーには、同時に、輸送についてのセキュリティーもございます。 スライド九には、現在の輸送の個数を記載いたしております。 若干古いデータではありますが、約三十万個の放射性輸送物が輸送されており、ごらんのように、かなりの部分は放射性医薬品として輸送が実施されてございます。 スライド番号の十には、それらのうち、A型、L型と言われる輸送物の写真を掲載しております。 L型というのは、少量のアイソトープを運搬する場合に使われる容器でございまして、ごらんのように、牢固な段ボール箱が使用されております。A型は、L型よりも若干多い数量のアイソトープの輸送の場合に使われまして、同じく、段ボールであるとかペール缶であるとか、そういう容器が使われております。上にありますように、放射性輸送物も同じ基準が使われております。 次のスライド番号十一には、B型輸送物を掲載しております。 鉛等で十分に遮蔽されている容器でございますので、大量のアイソトープを輸送することができます。B型輸送物の場合には、容器の承認であるとか、輸送の事前届け出等が必要になります。 十二ページには、放射性輸送物を使用しようとする者、これは輸送の委託を受けた者を含みますが、それらの必要事項を記載しております。 放射性輸送物を輸送する場合、輸送物実施体制等に関する輸送に係る放射線防護計画を作成し、さらには、輸送にかかわる人たちに放射性輸送物の取り扱いに係る教育訓練等を実施する必要があります。これらの教育訓練には当協会も協力をいたしております。 スライド番号十三には、B型輸送物の運搬の基準を示しております。 原子力規制委員会による輸送容器の承認、原子力規制委員会及び国土交通大臣による運搬の確認、運搬日時等の都道府県公安委員会への届け出等が必要になります。A型を含め、運搬時には、運搬物及び緊急時の措置について、運搬従事者に十分認知させることが必要になります。 次に、アイソトープの廃棄物について御説明いたします。 スライド番号十四には、アイソトープ廃棄物の発生事業所を記載しております。 放射線障害防止法に基づく大学、研究機関等からの廃棄物、医療法に基づく病院、診療所等からアイソトープ廃棄物が発生し、これらを当協会が集荷をいたしております。集荷対象事業所としては約二千事業所が対象になります。 スライド番号十五には、アイソトープ廃棄物のフローを示しております。 各事業所から集荷したアイソトープ廃棄物は、当協会が貯蔵、処理、保管をいたしております。将来的な処分については、日本原子力研究開発機構が実施することとなってございます。 スライド番号十六には、当協会の集荷実績を示しております。 代替技術の進歩により、非密封アイソトープの使用数量の減少、また、各使用者による放射性廃棄物の発生を減少させるための努力等により、集荷本数は年々少量ながら減少いたしております。 スライド番号十七には、当協会が集荷をして保管をしている状況の写真を示しております。 スライド番号十八は、当協会の貯蔵数量の推移でございます。一昨年から減容処理施設が本格稼働を開始することができましたので、貯蔵数量がこの数年、少しずつ減少をしてきております。 スライド番号十九には、放射性廃棄物を規制する法律を示しております。 今回、放射線障害防止法に基づく放射性廃棄物が原子炉等規制法に基づく放射性廃棄物とともに取り扱いができることになりましたが、放射線障害防止法、医療法、獣医療法で利用された、そこから発生するアイソトープ廃棄物は、現在ではそれぞれの法律で規制されなければなりません。発生形態はどのようなものであろうと、発生された廃棄物の内容物、核種及び数量で取り扱うことができるようになれば、より合理的で有効的な取り扱いが可能になるのではないかと思っております。 スライド番号二十では、放射線審議会の機能強化について記載をいたしております。 現在、放射線審議会は、関係行政機関から諮問を受けた内容について、それを審議し、それに答申をするということになってございますが、今回の法令改正により、放射線審議会がみずから技術的基準の取り入れを調査し、提言を行う機能が強化されるというふうに聞いております。 スライド番号二十一には、新しい放射線審議会への期待について記載をいたしてみました。 いち早く国際基準にのっとった規制の検討を開始することができるのではないか、また、関係行政機関における検討事項でもありますが、より科学的で合理的な規制についての検討が進められることが期待できます。例えば、アルファ核種を含む短半減期核種の減衰を考慮した合理的な取り扱いであるとか、臨床研究用試薬に関する規制の一元化、また、短半減期核種を含む放射性廃棄物、また加速器等から発生する廃棄物のクリアランス制度の充実強化等が期待されるところでございます。 最後に、スライド番号二十二でございますが、これらのまとめをしてみました。 繰り返しになりますが、アイソトープは、医療、産業、工業、研究、教育等、幅広い分野で利用され、私たちの生活を支えております。今回の改正により、国際基準に対応した危険性の高い線源についてのセキュリティーの確保ということは非常に重要な項目だろうと考えております。また、放射性廃棄物については、内容物、核種と数量等により合理的な取り扱いができるようになることが期待されます。 最後にですが、放射線審議会の機能を強化することにより、より科学的で合理性のある規制の基盤ができるのではないかというふうに大いに期待しているところでございます。 以上で私の意見を終わらせていただきます。(拍手)
○平委員長 ありがとうございました。 次に、小倉参考人にお願いいたします。
○小倉参考人 おはようございます。小倉志郎と申します。 私は、実は、ちょうど五十年前、一九六七年に大学を卒業しまして、そして、原子力産業の会社に就職しました。二〇〇二年、満六十歳で定年退職するわけですが、三十五年間、一貫して原子力発電所関係の仕事をしてまいりました。 ですから、日本が原発を導入して、そして五十何基の原発ができ、その日本の原子力発電所の歴史と私の青年期、壮年期の人生がぴったり重なっておりまして、その体験からきょうは私の意見を述べさせていただきたいと思います。こういうチャンスを与えてくださったことに深く感謝いたします。 まず、その前に、参考資料として「BWR概略フローシート」というA4一枚の図があると思いますが、これをちょっとごらんください。 これは、福島第一原発の二号機、八十万キロワットクラスのBWRのシステムをあらわした図面です。そこに出典が書いてあると思います、上の方に。この図が出ているのは、一九七三年十月一日発行の「流体工学」という雑誌に私と私の上司が書きました論文に使った挿絵でございます。 それで、この図で何もBWRのシステムを説明しようと思っているわけではなくて、実は、この図に描かれていない安全にかかわる重要なシステムがあるのです。なぜそれが描かれていないか。それは、当初はこういうシステムで建設が始まったんですけれども、その後、一九八〇年代の末あるいは九〇年代になってから、アメリカからいろいろな情報がありまして、重要なシステムが追設されることになりました。 例えば、格納容器の中の水素の濃度を下げるためのフラマビリティー・コントロール・システム、FCSといいますけれども、これが追設になっております。とても重要なシステムです。それから、SGTS、これは非常用のガス処理系、これは原子炉建屋の中に放射性のガスが漏れ出したときに、それを大気に放出するのは危険だから、それを要するに処理して、そして排気筒から出すというような新しいシステムが追加になっています。 それから、もっと大事なのは、この左側の半分のところに格納容器の図が描いてあります。電球のような形。ここには、この図では、ベントラインはついておりません。つまり、私がこの福島第一原発二号機を建設することに携わっていたころは、格納容器にはベントラインはありませんでした。普通の容器は必ず、その圧力容器の設計圧といいますか最高使用圧力を超えたときには、容器を守るために安全弁とかそういうのがついているはずなんですけれども、この格納容器にはそういうものがついていなかった。なぜか。それは、絶対に放射性の物質を格納容器の外に出さない、そういう設計思想から、普通の容器とは全く違う設計思想で、ベントラインがついていなかったんです。それが、九〇年代に入りまして、今までの設計では格納容器がもたない、だからベントラインを追加する、そういう設計変更が行われたわけです。 私は、うかつだったんですけれども、実は、定年退職して三・一一福島事故が起きるまで、ベントラインが追設されていたということに気がつかなかったんですね。 そういうことで、私が今言いたいのは、要するに、放射性物質を閉じ込めなきゃならない、そういう目的でつくった格納容器にベントラインを追設しなければならなくなったという時点で、設計が破綻したんだと思うんですね。それがなぜ許されたのか。 実は、過酷事故、つまり、炉心が損傷し、被覆管が破れ、核燃料がメルトダウンして、そして放射性物質が格納容器にたまり、その結果、格納容器がもたなくなる可能性があるということでベントラインを追設するわけですけれども、それが、私が聞くところでは、どうも、要するに過酷事故対策として事業者の判断に任された。 つまり、そういう設計を規制当局が、当時としては安全・保安院がチェックをする、その設計思想とか設計の内容についてチェックをして規制するということをしなかった、そういう経過があったんですね。このフローシートで示したかったのは、実は大事なことで書いていないことがある、それをちょっと知っていただきたかったんですね。 与えられた時間が十五分。それで、今回の、私が話したいことはたくさんあるんですけれども、時間がないので、本当に限られた項目とその骨子だけになりますことをお許しください。 それで、今一例を挙げましたけれども、規制のあり方についての私の認識をちょっと紹介しますと、一つは、二〇〇六年に耐震設計新指針というのができました。これも阪神・淡路の大地震を考慮して、非常に厳しい、要するに、基準地震動の決め方などがそれで決まったんですけれども、実は、二〇〇七年、その翌年に柏崎刈羽原発が中越沖地震に襲われます。これで、その七基ある原発の地震計の記録によると、設計加速度を全部超えてしまったんですね。 そしてその後、二〇〇九年の二月二十四日に、安全・保安院と内閣府安全委員会とそれから文部科学省、三者の共同主催によって、東洋大学の白山キャンパスで大きなシンポジウムが行われました。そして、そこでパネル討論があって、日本の代表的な地震学者たちがパネル討論をしたんです。 そのとき、私も、もう定年退職していましたけれども、自分のつくった原発にかかわるということで聞きに行きましたら、そのパネル討論で、結局、結論はこういうことだったんですね。今後起きる地震の大きさは基準地震動を超える可能性がある、そういう結論だった。 では、そういう大きな地震はどのぐらいの確率で起きるだろうかということも議論された。だけれども、地震の回数が少なくて、確率が幾らだと決められるような、そういうことはできない。つまり、基準地震動を超えるような地震がどのぐらいの大きさで、かつ、どのぐらいの確率で起きるかということは、そこでわからないという結論が出た。二〇〇九年の二月です。そして、その二年後、わずか二年後に三・一一、福島の原発事故が起きたわけですね。 非常に大きなシンポジウムでした、東洋大学の。約千人ぐらい入るところに七百人ぐらいの背広を着た方々が集まって聞いていました。多分、電力会社の方々もいっぱいいたと思うんですが、そういう結論が出たにもかかわらず、柏崎刈羽の原発は立ち上がり、そして福島の原発は運転を継続し、そしてあの事故になってしまいました。 そのときのシンポジウムで、当時の安全委員会の鈴木篤之さんでしょうか、委員長でしたが、中越沖地震で得られた新知見に基づき、今後、原発の安全に万全を尽くしますという御挨拶がありました。私は、ああ、これで将来は安全が確保されるかなと思いましたけれども、それが二年後に裏切られたわけですね。私は、要するに、あの三・一一の事故の前後の規制のあり方についてそういう認識をしているわけです。 もうあと四分ぐらいなので急ぎますけれども、今回の改正法律案についての意見なんですけれども、私は、ここで賛成とか反対とかちょっと申し上げにくい。なぜか。それは、安全確保とか安全向上という言葉がもう頻繁に出てくるんです、この参考資料の中に。しかし、安全という用語の内容ははっきりしないんです。というのは、要するに、二〇一三年の規制委員会がつくった新規制基準、この中の冒頭のところに用語の定義がありますけれども、そこに安全の定義は書いてありません。 そのときに、規制庁の方に私は聞きました。そうしましたら、安全確保の第一義的責任は事業者にある、我々は規制基準を満たしているかどうかをチェックするだけだ、規制庁からはこういう回答でした。私は、第一義的責任があると言われた東京電力の方に聞きました。そうしましたら、東京電力の原子力センターの所長は、住民の安全を守る第一義的責任は自治体にある、我々はその自治体に協力するだけだ、こういう回答です。つまり、両者ともに私の質問した安全という言葉の中身については答えませんでした。規制庁の方も、それから東京電力の方もですね。 今、私が懸念するのは、国民が期待している安全の中身と、規制庁が考えている安全の中身と、それから電力会社が考えている安全の中身が、私には違っているんじゃないかなと。これは私の想像ですけれども。これをもっと、客観的な共通認識をつくることがまず大事じゃないかと思うんですね。それなしにこういう施策がいいの悪いのと言っても、本当にそれがいい結果を生むかどうかというのはわからないと思うんですね。 そういうことで、まだまだお話ししたいことは残っておりますが、時間が来ましたので一応ここで終わらせていただきます。後で御質問がありましたら、ぜひしてください。 ありがとうございました。(拍手)
○平委員長 ありがとうございました。 以上で参考人の方々からの意見の開陳は終わりました。 ―――――――――――――
○平委員長 これより参考人に対する質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木村弥生君。
○木村(弥)委員 自由民主党の木村弥生です。 参考人の皆様、貴重な御意見をありがとうございました。 さて、今回の改正に至った経緯を簡単に振り返らせていただきます。 平成二十三年三月の東京電力福島第一原子力発電所事故を受けて、まず、平成二十四年に、重大事故対策等を事業者へ求める新規制基準が原子炉等規制法の改正により整備された。翌二十五年七月から、新規制基準への適合性審査が行われてきました。しかし、その一方で、運転段階の検査制度については今後の検討課題とされてきました。 このような中、平成二十八年四月に公表された国際原子力機関による日本への総合規制評価サービス、IRRSとも言いますが、この報告書の勧告の九番目を読み上げさせていただきます。 「政府は、効率的で、パフォーマンスベースの、より規範的でない、リスク情報を活用した原子力安全と放射線安全の規制を行えるよう、原子力規制委員会がより柔軟に対応できるように、原子力規制委員会の検査官が、いつでもすべての施設と活動にフリーアクセスができる公式の権限を持てるように、可能な限り最も低いレベルで対応型検査に関する原子力規制委員会としての意思決定が行えるようにするために、検査制度を改善、簡素化すべきである。」と、検査制度の見直しの必要性が指摘されました。 このIRRSの報告書の公表後、原子力規制委員会では検討チームが設けられまして、検査制度の見直しが進められました。この検討チームが昨年十一月に取りまとめた検査制度の見直しに関する中間取りまとめでは、1事業者の安全確保に関する一義的責任が果たされ、みずからの主体性により継続的に安全性の向上が図られること、2事業者及び規制機関の双方の努力により、より高い安全水準が実現されることが基本理念として示されました。 この基本理念のもとで見直しが進められ、今回の改正法案の国会提出に至ったものと承知しております。 そこで、まず、この検討チームのメンバーであり、検査制度の見直しに御尽力をいただきました関村参考人、そして伴参考人、二ツ川参考人、小倉参考人は、今回の法改正に期待するところを改めて伺いたいと思います。
○関村参考人 ありがとうございます。 今お話がありましたように、新規制基準ができて、その後、私としては、次の段階に進む原子炉が、要するに運転を進める原子炉が当然出てくることを想定して、運転段階の規制、これは検査制度がその骨格になるものです、これを早急に整備すべきであるということを学会ベースでは議論をしてまいりました。その準備を進めてきたわけですが、そのスタートが規制委員会、規制庁で十分早かったかというと、必ずしもそうではなかったというふうに考えております。 しかしながら、IRRSのところでも、二〇〇七年、従前の指摘とほぼオーバーラップする形でこのような指摘を重ねていただいたということを踏まえて、議論が加速してきたというふうに考えているところでございます。 これにつきましては、米国でのすぐれた経験に基づいて、これを日本としてどのように活用していくかということが、検査制度に関する検討チームの非常に重要な議論のポイントでございました。 検査をするということについては、ハードウエアが、原子炉の本体がどのようになっているか、それから、新規制基準で追加されたさまざまな設備がどのような役割を果たしていくか。しかし、これに加えて、これらの設備全体、それから組織、あるいはトップマネジメント、これがどのように機能するのかというところについても、個々のハードウエアだけではなくて横断的な評価をしていくという仕組みが入っている米国の制度、これをベースにしながら議論をしていきましょうということができたことについては、非常に重要な我々の成果であるというふうに考えております。 その仕組みが、マネジメントシステムという話を先ほど使わせていただきましたが、そのようなことを含めて監視、評価をしていくんだ、これが検査制度の骨格になってきているということが非常に重要な論点だったというふうに私は考えているところでございます。 以上でございます。
○伴参考人 私の意見は、最初にも申し上げましたように、この勧告九番のところに書いてある、これをやはり忠実に守っていく、導入していくことが必要だというふうに思います。 そして、この勧告九、あるいはこのIRRSの報告書全体を見まして、政府が行う定期検査を省いてよいというふうには書いてなくて、むしろ、その定期検査を前提にした上で、いかにそれを簡素化していくのかというようなことに言及されているというふうに考えています。 その上で見ますと、パフォーマンスベースというのは、既に、例えば定期検査の間隔等において言えば、十三カ月、あるいは十八カ月、二十四カ月というふうに変化をしているのが導入されています。ある意味、そういう制度は導入されているというふうに考えています。 他方、ちょっと省略しますが、この勧告九の最後のところにあります、読み上げますと、「原子力規制委員会は、等級別扱いに沿って、規制検査(予定された検査と事前通告なしの検査を含む)の種類と頻度を特定した、すべての施設及び活動に対する検査プログラムを開発、実施すべきである。」というふうになっていて、日本で今導入されていない部分について言うと、この事前通告なしの検査制度というのが導入されていないと思います。したがって、それを導入することが非常に重要であって、安全性向上のためにはこれは不可欠だというふうに考えています。 以上です。
○二ツ川参考人 アイソトープの利用というのは、先ほどもお話ししましたように、さまざまなレベルがあるわけです。例えば、非常に少ない例からいいますと、大学、研究所では、本当に、動物とか植物に使うようなトレーサーレベルのアイソトープの利用から、ある面、今度は大きな量からいいますと、がん治療であるとか医療器具の滅菌であるとか、非常に大量な放射線を使う場合もあります。それらのレベルに応じた規制がやはり必要ではないか。今回、IAEAも、線源の基準、レベル分けというのをやっておりますが、やはりそれに応じて規制をやっていく必要があるだろうというふうに思っております。 また、もう一つ、レベルだけではなくて、利用形態が問題になるのではないか。例えば、病院で大量の線源、がん治療等に使う場合は患者様がいらっしゃるわけです。そういう患者様に対して、例えばセキュリティーの問題である場合にはどのように取り扱うのが適切なのか。通常の、民間企業で照射利用で使う場合とやはりちょっと異なってくるのではないか。 ですから、まずは放射線源のレベル、また多様な利用形態に応じた柔軟な規制の方法が求められているのではないかというふうに考えております。 以上でございます。
○小倉参考人 お答えします。 要するに、原発の安全というのは、一つの要素だけではなくて、例えば検査の体制とか品質管理とか、そういう面と、もう一つは、やはり原発の設計そのもの、そういうものがそろわないと安全は確保できないわけですね。 これは私が体験したんですけれども、どんなにいい検査を、本当にもうこれでもかというほど高級な検査を何度やっても、検査の対象のものはよくならないんです。対象がよいもので、かつ検査も合格して初めてよい性能が出たり安全が確保できるわけですね。 今の状態は、検査制度以前に、原発の設計そのものが矛盾しているわけです、先ほどちょっと御紹介したように。ですから、検査だけでこれで安心というわけにはいかない。 ただ、今回の改正についてちょっと意見を申し上げると、いつでもどこでも規制庁がアクセスできるというようなこと、運転中の原発に。これは非常な改善だと思うんですね。 ただ一方で、一義的責任が事業者にあるということで、検査の実務は事業者が行い、その報告を受けて監視、監督するというようなことになっていますけれども、私としては、原発の中の複雑な、多様な設備の重要な部分については、やはり規制庁がみずから現場に赴いて自分で検査をするというのが残っていていいと思うんですね。それが、何か様子を見てそういうこともできるというような書き方になっていますけれども、やはり、こことここはというものをあらかじめ、規制庁がやるんだということをはっきりさせておいてもいいんじゃないかなと感じました。 以上です。
○木村(弥)委員 ありがとうございました。皆様方の貴重な御意見を今後の検査制度の詳細設計に反映させていただければと思います。 続きまして、新たな検査を行うための人材育成についてお尋ねいたします。 十四日の環境委員会では、我が党の石川議員が人材育成策について質問いたしまして、政府からは、アメリカの原子力規制委員会、NRCの検査官訓練制度を参考として研修体系を充実し、資格を認定するための新たな研修プログラムを整備すべく現在準備に着手していること、また、原子力規制庁の職員をアメリカのNRCに派遣し、派遣の成果を現在整備中の研修プログラムにも反映することとすること等々、答弁がございました。 IRRS報告書では、「原子力規制委員会は、検査、関連する評価そして意思決定に関わる能力を向上させるため、検査官の訓練及び再訓練の改善について検討すべきである。」と提言されております。 そこで、関村参考人、伴参考人、小倉参考人に、この検査制度に対応した人材育成のあり方についてちょっと簡単に教えていただければと思います。お考えをお聞かせください。
○関村参考人 ありがとうございます。 大学に勤務する人間としては、まさに、人材をどのようにこのような領域に役立つ形で送り出していくか、あるいは、今いろいろな領域で活躍されている方が原子力安全のためにうまく活躍できる仕組みをつくっていけるかということが非常に重要なポイントだと思います。 まずは、狭い意味で、規制庁における検査官、この力量をどのように考えていくかということについては、お話がありましたように、現在、米国の例を勉強するというミッションが継続的に行われている。これは、個々のプラントにいらっしゃる方々、あるいは、リージョナルオフィスといって、いろいろな地域で考えていらっしゃる方々、それからNRCの本省全体、いろいろなレベルでの議論があるだろう、これを踏まえたことが進んでいるというふうに考えております。 私、人材育成という観点で少し意見があるんですが、いわゆる原子力の技術というものを、従前の原子力工学といいますか、理学、工学のものに狭く考えるべきではないというふうに考えているところでございます。やはりコミュニケーションが重要であり、あるいは心理学的な観点も必要でしょうし、社会学的な観点も必要だ。こういう人材をうまく、規制であれ、あるいは学術の場であれ、こういうことを進めていくということが必要であるというふうに思います。 そのために、さまざまな知識というものをどのようにうまく生かしていくのか。従前の設計に関するデータがあり、それをどのように改善していって、新しい地震であったり津波であったり、新しい構造のあり方、こういう新しい知見が今研究開発の段階では生まれてきています。 これをうまく取り込むという活動、知識ベースの活動、これらと、人材を確保していく、人材をさらに検査制度の中でも伸ばしていく、このような多様な人材のプログラムということが必要な状況になっておりますし、そのための、検査制度に関しては、規制庁が的確なプログラムを今つくっていただいている。それを我々、私は原子炉安全専門審査会という立場もございますので、第三者的な立場で監視をする、助言を与えるということを進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○伴参考人 人材の育成ということで大事なことは、やはり現場に出てきちっと実態を把握しているということだと思います。 したがって、育成プログラムの中には、やはり施設の現場に行って、一つ一つ具体的にその目で見てチェックをする、検査をする能力を獲得していくということが重要な要素であるというふうに考えています。 以上です。
○小倉参考人 お答えします。 先ほど、私、自己紹介したときに、三十五年間実務に携わっていたものですから、経験というのが実力に本当に影響するなと実感しております。 一つは、検査の理論ですね。科学的な理論、そういうものを勉強するということも必要ですけれども、実際の現場の製品というのは非常に多様で、検査の実務をすることによって、そういう多様なものに接することでいろいろな応用力がつくわけですね。ですから、ただ教科書を読んで理論を勉強しただけでは、やはり本当に役に立つ実力はつかないと思います。 それではどうやって育成するのというと、規制庁のお役人さんが実務をするということは、なかなか機会がないわけですから、非常に難しいと思いますね。実務を一回やるだけでは、とてもそれで身につかないわけです。 私がサラリーマン時代には、オン・ザ・ジョブ・トレーニング、OJT、OJTということで、若い人に実務経験を積ませるということが奨励されたわけです。それはやはり時間がかかるんですよ、いろいろなケースについて経験させるということですから。 だから、人材育成というのは、言うのは簡単なんだけれども、時間がかかる。そして、原発の場合には、非常に高度な検査が多種類ありますから、これは、例えば一応一人前の検査官になるためには、何年かという年オーダーがかかると思います。
○木村(弥)委員 ありがとうございました。 本当は放射性廃棄物の現状について二ツ川参考人に伺いたかったのですが、持ち時間がオーバーしてしまいましたので、申しわけありません。 私の質問はこれで終了させていただきます。ありがとうございました。
○平委員長 次に、阿部知子君。
○阿部委員 本日は、原子力規制のあり方について、おのおの深くそのことにかかわった人生をお過ごしの皆様の貴重な御発言をいただきまして、私は本来この委員会の所属ではございませんのですが、この機会を得て、きょうはラッキー、よかったなと思いました。そして、そういう観点から御質問をさせていただきます。 三・一一、二〇一一年のあの原発事故の後、原子力と私どもはどう向き合っていくのかというのは、大きな国民的関心事でもございます。その関心事の中心はやはり安全性ということにあって、まず関村参考人に伺いますが、恐らく最も長く原子力規制のあり方にかかわってこられて、三・一一事故が起きた原因は、多様な、いろいろな組み合わせというか、複合的、あると思いますが、規制上、何が最も問題で三・一一に至ってしまったのか。多様ですけれども、一つと言われたら、一番肝の部分は何か、お答えをいただきたいと思います。
○関村参考人 ありがとうございます。 一つということでは済まされないというのがまず第一、一つ目の重要な点になってしまうわけですが、規制という立場でということでございますので、やはり規制だけで安全性が向上するわけではなく、事業者がどのように物を見ているかということについてきちんと入り込んでいかなくちゃいけない、これは、検査制度という観点できょうはお話をしておりますので、そのような観点で申し上げさせていただかなくちゃいけないというふうに思います。 もし安全性を向上するということが共通認識になっていかないのであれば、これは厳しく、どうしてあなたたちは安全性向上をできないのかということを指摘し、国民にもしっかりと提示をしていくという役割が規制側にあり、かつ、安全性を向上していくという意図があるのであれば、あなたたちはどうしてそういうことが気づかなかったのか、気づいたところはどうやって具体化しようかという問いかけ、それに対してちゃんと答えを出していくプロセス、このような、コミュニケーションという言葉で言うと非常に陳腐に聞こえるわけですが、このようなインタラクションをきちんと持っていくことによって安全性が向上するんだという考え方が決定的に不足をしていたという観点が極めて重要な一つのお答えになろうかなというふうに思っております。
○阿部委員 ありがとうございます。 一九五五年に原子力基本法が制定されて、自主、民主、公開でしたけれども、おっしゃったように、コミュニケーションの前提には公開、情報が公開されてコミュニケートしていくということがあると思いますので、その点でいろいろな隠蔽体質と呼ばれるようなものも大きく影響していたのかなと思います。 引き続いて、伴参考人にお伺いいたします。 伴参考人が今所属、代表を務めておられる原子力資料情報室は、高木仁三郎先生が、市民とのコミュニケーションというか、国民と原子力ということをずっと考えて、そのための資料情報を提供しながらあり方を考えていこうという長い歴史のあるものであると思います。お取り組みにも敬意を表します。 その上で、伴参考人から見て、先ほど関村先生はコミュニケーションの問題が大きかったとおっしゃいました。一番、一つ挙げるとすると、三・一一が起こった原因、何と思われますでしょう。
○伴参考人 規制との関係でいいますと、私は、規制委員会、以前は原子力安全・保安院になりますが、それがきちっと独立した活動をできていなかった、ちょうど国会事故調査委員会の報告書にもありますように、事業者の言いなり、規制のとりこになっていたということが規制の関係では一番大きな原因であろうかというふうに思います。 その反省を踏まえて今の原子力規制委員会ができたわけですが、今般の改正案、定期検査の改正案は、むしろその流れに少し逆行しているのではないかというふうに受けとめています。 というのは、やはり独立した規制としてそれをきちっと強めていかないといけない中にあって、事業者の善意あるいは自主性に任せてしまうというのはよろしくないというふうに受けとめていて、違うシステムをつくるべきだというふうに考えています。
○阿部委員 引き続いて、小倉参考人に伺います。 先ほど、長年原子炉の技術分野にかかわられて、設計自身が、ベントをつくらなくちゃいけなかったり、あるいは水素を逃すような、圧を下げるようなものを付加しなければいけないということの構造的問題がそもそもあったということの御指摘はありましたが、それを踏まえた上で、さて、三・一一について、お立場から、最も原因と考えられることは何であるとお思いでしょう。
○小倉参考人 お答えします。 先ほど私、冒頭にお話ししましたけれども、二〇〇七年の中越沖地震で、要するに、基準地震動を超える地震が起きる可能性があって、その大きな地震が、どのぐらいの大きさでどのぐらいの確率で起きるかがわからない、そういうことをお話ししました。そういう、非常に危険がある程度見えていたわけですね。 それと、二〇〇六年に耐震設計新指針を安全委員会が策定し、それを保安院が各電力会社の社長さん宛てに送った手紙に、万一基準地震動を超える地震が来て大量の放射能が環境に漏れたときのその影響を定量的に検討し、速やかに報告しなさい、こういう文章が入っているわけです。ところが、その保安院の問いかけに対して、ちゃんと回答した電力会社はないんですよ。 例えば、当の柏崎刈羽原発で、三・一一と同じような、三月という、季節風が北から吹いているときに同じような事故が起きたら、関東平野はもう全滅ですね。あの福島の経験を見ればわかりますね。ところが、その恐ろしさ、怖さ、そういうものを理解する想像力、これが私は電力会社の経営者に足りなかったんだと思うんですね。それだけのデータあるいは情報があれば、想像力を働かせれば、このままで運転したらどういうことが起きるか、それがどれほど恐ろしいかということは理解できたはずなんです。 もしそれがあれば、わずか二年後にあれが起きたんですから、三年ぐらい安全かどうかを確認する、つまり、原発の運転をちょっと待って、三年ぐらい待って、そしてそれが確認できてから再稼働すればよかったんですよ。そこに私は原因があったと思います。
○阿部委員 御指摘ありがとうございます。 ちょうど二ツ川参考人にお伺いしようと思っていたことなのですが、実は、三・一一の福島事故の後、私の後輩に当たる、東大のアイソトープ研究所の所長の児玉龍彦さんが、私も三月の下旬に福島に参りましたら、もう既に拡散してしまった放射能をどうやって人々の生活から取り去るか、特に子供さんの保育園とかそういうところで、既に一生懸命活動をしておられました。 私も医者ですが、ここほどの、こんなに飛散する放射能の状態、特に霧のようになって飛んでいくというのはなかなか経験がなく、それまでアイソトープ管理というのは、厳重に閉じ込めて、逆に言うと隔離していくということを旨としてきたことから見ると、真っ逆さまの事態が起きてしまったと思うのです。 先生の直接の御専門、医療分野で特に重要であったり、さまざまに今アイソトープは生かされますけれども、と同時に、これが事故により拡散する場合の問題も多々あると思いますが、先生は、この三・一一事故について、先生御自身のかかわりという意味ではなくて、どのような要因が問題であったと思っておられますでしょうか。
○二ツ川参考人 私が直接的に原子炉等の設備に関係していないので、その原因等はわかりかねるんですが、やはりおっしゃられたとおり、放射線というのは、本来、私どもは、規制された管理区域の中で放射性物質を通常取り扱っております。ですから、このように大量に飛散されたものについて、それをどう取り扱っていいかということは、通常我々は、施設の中で廃棄物が飛散した場合には除染という形をやるわけですけれども、それはごく限定されたものでやっておりますので、今回のようなものに対してどのように除染に取り組めば本当に原状回復ができるかというところには、ちょっと知見を有してはおりません。 ただ、やはり我々としては、放射性物質を有効に利用するには、きちんとした、限定された中で安全に取り扱う、それが基本であろうというふうには思ってございます。
○阿部委員 では、引き続いて、主に関村参考人と伴参考人にお伺いをしたいと思いますが、お二方とも、事業者による規制と原子力委員会の規制がどうあるべきかというところで、それぞれのお考えがおありであると思います。 関村参考人には、私は、今回、事業者が第一義的に定期検査を行うということは、それは必要ではあるのですが、と同時に、ある意味では、並行して規制委員会による検査がないと、やはり、小倉参考人もおっしゃいましたが、いろいろな複雑な重要系統も含めて、むしろ規制緩和になってしまうのではないか。 NRCなどの陣容と比べますと、正直言って私は、今の原子力規制委員会が、人数もそうですし、スキルもそうですし、もっともっと直接検査にもかかわって、みずからも高めながら規制水準を上げていくべきで、今回の改正はそれにはちょっと後退してしまうように私は懸念しますが、いかがでしょうか。
○関村参考人 ありがとうございます。 現状で、米国の規制委員会で四千人ぐらいの人員を有していらっしゃる。それに対しまして、現在の規制庁が、従前のJNESという組織をマージしましたので、千人という規模になっているということを考えますと、まだ十分な人材が確保できていないのではないかという御指摘はそのとおりであるというふうに考えております。 しかしながら、それをカバーするような仕組みというのをこれからつくっていかなくちゃいけない。それが不十分であれば、原子力を進めるということに関して懸念が生じるのは当然のことであろうというふうに考えているところでございます。 しかしながら、米国の、例えばROPというような検査にかかわる制度も、スリーマイル島の事故を経ていろいろな取り組みをした結果として、二十年間程度の取り組みが着実に実ってきた結果としてあのような仕組みができ上がってきたというふうに考えております。 しかし、日本は、二十年間ということを待てばいいというわけではなくて、米国の例、それからIAEA等の基準をうまく取り込むことによって、人材の運用、これはベースとしては技術者等のベースがしっかりあるわけですし、我々も教育機関としての役割を果たしていかなくてはいけないというふうに考えていますので、現状を踏まえながら、そこをどうやって継続的に改善していくかという努力を傾けていく。そのために、いろいろな方々と議論をする場が必要であり、そのきっかけとなるような制度的なフレームワーク、これについては、今回の原子炉等規制法の改正がきっかけになるのではないかな、そのように考えております。
○阿部委員 私は、三・一一の直後、五月に、塩崎現在の厚生労働大臣と二人でアメリカのNRCに行かせていただいて、サイトごとに人を配置して、非常に精度高く、正直言って口もきかないほどの、独立性を持って検査しておられるというのを見てまいりました。 それからすると、人材的にも、今の原子力規制委員会は、本当に、再稼働の審査のために残業も多くしておられて、もうきちきちの中で、果たして、今ここで事業者の監督、監視というふうに上げてしまってスキルも成り立つだろうかと、直截に私は不安であります。 先ほど伴参考人のおっしゃったのは、そういうスキル、技術上の問題もあるけれども、勧告九に従っていけば、IRRSのもともとの要請が、この規制委員会の方にも独自に、事業者とは独自な管理監督をすべきだという観点からという御指摘がありました。 もう一度、ここは本当に日本の規制行政の大事なところと思いますので、伴参考人に御意見を求めます。お願いいたします。
○伴参考人 アメリカの規制が、長い期間をかけて今日のようになってきて、それを日本は参考にするというふうなことのようなのですが、アメリカの規制が今日になってきたその背景としては、例えば、事故が起きたときに事業者に課せられるペナルティー、罰金といいますか、それが非常に高額な金額が、事故の程度にもよりますけれども、課せられているとか、あるいは事前通告なしの検査ということも可能になっているとか、そういう仕組みの中で今日の状態があるというふうに思います。 日本がまねをしようとしているのは、何となくいいところだけをとってきて、厳しい部分について言うと、まだ導入していないというふうな、あるいは導入の計画がないというふうな状態ではないかというふうに受けとめています。 そういう意味から、非常に厳しいシステムとして、罰金なら罰金はもっと厳しくするとか、あるいは事前通告なしの検査制度を導入するとか、そういったことが片方ではどうしても必要ではないかというふうに考える次第です。
○阿部委員 私も、今回の改正で、事前通告なしの検査の立ち入りの権限の付与というのは法定化されるべきだと思います。やはり、そこに向かう人たちを保護するためにも、例えば内部告発のような形で言わなくちゃならないような立場にも置かれかねませんし、検査上、これは担保された、あなたたちに付与された権能であるということを、私ども国会が意思として決めていくべきではないかと思います。 きょうの参考人の御発言を生かさせていただきまして、またよりよい原子力規制の取り組みをいたしたいと思います。 ありがとうございました。
○平委員長 次に、斉藤鉄夫君。
○斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫でございます。 きょうは、四人の参考人の方、本当にありがとうございます。 それでは、早速質問をさせていただきます。 まず、関村参考人にお伺いいたします。 今回の新しい検査制度の改革につきまして、参考人は、電力会社に対し、意識や行動の変革を促すことになる、また、電力会社と規制当局がお互いに物を言い合い、安全を高め合う関係になることが重要だということで、おおむね評価されている御発言を読ませていただきましたけれども、先ほど来御指摘もあるように、検査の第三者性が損なわれるのではないかという意見もあります。これについてどのようにお考えでしょうか。
○関村参考人 ありがとうございます。大変重要な点を御指摘いただいたことにまず感謝を申し上げたいと思います。 検査の結果というのは客観性が必要ですし、その結果を広く国民にも共有していくというプロセスが必要なんですが、これを担保する仕組みをつくっていかなくちゃいけないということも一方で検討していただくべき点があろうかと思います。 その観点から、私、最初に申し上げました五つの項目のうちの最後、第三者性を確保するような、学会、学術界、学協会の仕組みが、検査というものがどのように行われるべきであるか、これはどのような規格基準に基づいてやっていくのがいいですよ、こういうことをきちんと提示していく、そういうような形の、技術的な、それから仕組みを補完するようなガイド、こういうものをつくっていくということが非常に重要なポイントだというふうに思っています。 そこでは、どのような形でこういう規格基準というのを学協会がつくっていくか、このプロセスも当然オープンな形で進めていくということが必要ですし、忌憚のない議論を許容するといいますか、皆さんの意見をちゃんと聞く、それに対して、どのように技術的に根拠あるものをつくり上げていくか。本来のあり方なんですが、こういう仕組みが担保できるようなものをつくっていくということが必要になってくると思っていますし、実際、それが規格類に関する協議会という形で今現在でき上がろうとしているというふうに理解をしております。
○斉藤(鉄)委員 この質問、問題点について伴参考人にお伺いいたします。 伴参考人の御意見も本当に説得力を持って私も聞かせていただきました。今の関村参考人の御意見も踏まえながら、どのようにお考えになるかお聞きしたいんです。 私、一つの例として、こういう例を挙げるのがいいのかどうか、不謹慎にならないか、ちょっと心配しながらあれするんですが、H2ロケット、H2Aロケットの開発で、当初は、NASDA、宇宙開発事業団、それに対してメーカーが対応している、それぞれがそれぞれの検査体制で臨んでいたわけでございますけれども、発注者としての検査、それからメーカーとしての検査、うまくいかなかったわけです。失敗しました。体制を変えて、打ち上げについては全てメーンコントラクターであるメーカーに一元化する、発注者であるNASDAは別の観点からそれをチェックするという体制になってから、事業者の態度が変わり、真剣度が変わり、それ以来、全て打ち上げは成功。 こういう例も聞きますと、今回のように事業者の責任をより強くするというのも一つの方法ではないかと思うんですが、伴参考人のお考えをお聞かせいただければと思います。
○伴参考人 事業者の一義的責任というものは、それは非常に強いものであり、事業者がそれを自覚することは絶対に必要なことだというふうに考えています。 しかし、それに任せっきりになっていいのかということに大きな疑問があります。私が添付させていただきました表は、一九七六年に最初のトラブル等々の事例があって、本来であれば、そういった事例が起こるたびに、ほかの事業者も他山の石としてきちっと反省し、それを自分たちの活動の中に生かして、そういうことが二度と起きないように、不正、トラブル隠しが二度と起きないように対応してきていたはずですよね。 しかし、それが直近の二〇一〇年ぐらいまで事あるごとに繰り返されてきたということを考えますと、事業者の自覚というものは非常に重要ですが、それに任せっきりになることは危険ではないかというふうに考える次第です。
○斉藤(鉄)委員 ありがとうございます。 次に、今回の法改正とは直接関係ないんですが、四十年運転規制について、関村参考人、伴参考人、小倉参考人にお考えをお聞かせ願えれば、このように思います。
○関村参考人 四十年の運転の制限ができ上がり、結果として、我が国においても廃炉という判断をされた原子炉が非常に多いということです。一方で、幾つかの原子炉については、三基でしょうか、六十年までの運転の延長を申請されてきたという経緯があるということでございます。 海外の事例について、やはり、米国に関しましては、六十年までの運転をNRCとして認めていくということ、さらにそれに加えて、八十年の運転という動きがあるというふうに聞いております。 しかし、それを支える活動というものは非常に大きな活動が、研究あるいは規制のあり方に関する件、さらに、六十年までの運転を認めるというNRCのプロセス、その中に、極めて多段的に公聴会を開いていくというようなシステムができ上がっている。 それから二つの点、知識ベースというものがどのようにしっかりと培われてきたかということに関する件については、米国の例に見るように、少し我々は勉強をしなくちゃいけない面があるということが一つ。 それから、そのプロセスをどのようにきちんと説明していくかということに関しましては、現状の規制委員会が行っている審査というのは、短期間にそれを集中して行うというプロセスになっていますので、これについては、米国等の例を見習いながら、どうやって説明を加えていくかという、先ほども申し上げているような、コミュニケーションのプロセスをきちんと取り込んでいくということが必要であろうというふうに考えております。
○伴参考人 まず、四十年間は確実に安全が確保できるというふうな前提に立つことはできません。それは、三十年たった時点で総合的なチェックが行われるとか、そういう安全チェックの仕組みの中である種安全性を確保されていくものという前提に立って、その上で、四十年運転については厳格に守るべきであるというふうに考えています。 というのは、結局、いろいろなチェックをしても、施設の老朽化が起きてくるわけですね。老朽化のその全てを全部チェックし切ることはできない状態であるというふうに私は受けとめています。 そう考えると、四十年で廃炉にしていくという方向を確実にするのがよりよい方式だと思いますし、事業者も、原発の減価償却期間は十五年ですので、基本的に十五年で減価償却、まあ、追加設備があるので厳密に十五年で全て終わるというわけではないのですが、あらかじめそういうことを前提にして施設の運用計画をつくれば、四十年で運転をとめるということは十分可能であるというふうに思います。 六十年運転というのは、関西電力等が幾つかは申請し、通りましたけれども、一つ一つの施設を見ると、本当に大丈夫かなと。特に、原子炉等の脆性劣化というか、中性子を浴びて劣化してもろくなり、そういう現象ですけれども、その脆性劣化をチェックしていましても、ちょっと、本当に安全かどうかというのは、在野の私たちにとっては疑問に思っているところがあります。 したがって、わからない部分もあるわけだから、厳格に四十年を守っていくような、あらかじめそういうことで施設の計画を立てる方向に進んでいくべきだというふうに考えています。
○小倉参考人 お答えします。 私が最初に原発の仕事に携わったときは、まだ日本のメーカーは原発を設計する能力がなくて、そして、私の場合にはゼネラル・エレクトリック社の設計を学ぶ、具体的には、メーンコントラクターであるゼネラル・エレクトリック社からうちの会社が注文を受けた機械を納める。そのときに、ゼネラル・エレクトリック社の購入仕様書、この中に、設計寿命、デザインライフは三十年と書いてあったんですよ。 それで、私はまだ新人でその意味がよくわからなかったんですけれども、具体的にそれでどういう設計への反映があるかというと、私がやっていた機械はポンプとか熱交換器でしたので、要するに腐食速度ですね、一年間にどのぐらいの肉厚が減っていくのかという腐食速度が与えられていまして、ですから、三十年なら三十年分の余裕をつける、腐食代といいますか、だから、三十年後に、その腐食分が失われてもまだ十分な強度を持っているというような、そういう単純なことで私は担当の機械はそういうふうに対応していました。 しかし、その後、いろいろな部門を回りまして、現場を回って原発の中を見ると、そう単純ではない。いろいろな機械があって、例えばケーブルのように、高分子材料、つまりゴムとかプラスチックの絶縁体があるとか、そういうものはそんな金属の腐食のような感じでは判断できないわけですよね。 その類いのものがいっぱいありまして、設計寿命は幾らだと言われても、本当に、プラントの、原発全体の寿命はどうなんだというと、私の今の感覚では、はっきりとそれを科学的に出せるような代物じゃないと。人間の体でもそうですね。寿命は何年だと言われても、長生きする人もあれば、短命な人もいます。 原発というのはまさにそれに似たところがありまして、そんなに科学的に、四十年とか六十年なんて出せるものじゃないんですよね。 一般の機械では、最初は初期故障というのがあって、お金がかかる。しかし、ある程度安定した使用期間が過ぎると、今度、劣化がいろいろなところで起きてきて、ランニングコストが上がってくる。それがバスタブカーブといいましょうか、そして経済性が合わなくなってきて、ああもう買いかえるかというのが、大体使う側の寿命だと思うんですね。 原発の場合には、もっともっと、先ほど伴さんがおっしゃいましたように、原子炉圧力容器が中性子を照射されることによってだんだんだんだん脆性破壊が起きやすくなってくるというような、そういうものもありますし、やはり私は、慎重な判断をした方がいいと思うんですね。 だから、それはどういうことかといったら、やはり最初に設計寿命四十年ということでスタートしたのなら、それを守るというのが、国民にとってもいいことだと思います。
○斉藤(鉄)委員 ありがとうございます。 二ツ川参考人にお伺いいたします。 御説明ありがとうございました。 それで、御説明の中にいわゆるアイソトープの製造についてのところがなかったので、我々に、普通どうやって製造しているのか、それはアイソトープ協会さんの所掌の範囲なのか、法的にはどうなっているのかということが一つと、それからもう一つ、御説明の中で、最近、取扱量、運輸量が減少してきているというお話がございました。これはなぜなのか。つまり、利用が減ってきているという理解でいいのか。この二点についてお伺いします。
○二ツ川参考人 まず、RIの製造についてでございますが、アイソトープをつくる場合には二つの方法がございまして、一つは原子炉でつくったものから分離する場合、あとは加速器を使って合成する場合、この二つがございます。 今、アイソトープのかなりの部分、大部分と、どういうふうに分けるかは別なんですけれども、かなりの部分は輸入をしております。特に、原子炉での製造については、御承知のように、今国内では研究炉が動いておりませんので、ですから、原子炉で製造するものについては全て輸入をしております。加速器につきましても、短半減期、非常に、医療で使う、また半減期の短いもの等については国内の加速器でつくっておりますが、それ以外のRI、アイソトープについてもかなりの部分が輸入をされております。 特に最近、最近といいますかこの数年問題になりましたのは、今、医療で使われているのは、テクネチウム99mというものが医療のRIとしては約半分ぐらいが使われているわけですが、その原料が原子炉でつくられます。その原料が、実は世界的にも原子炉が非常に老朽化して、供給が非常に少なかった、そういう場合に、日本でもそれをどうやって安定的に供給するかということが非常に問題になる。 そういう形を考えましても、できればやはりそういうものについては国産化ができるような仕組みが必要ではないかということで、当協会等も皆様と御相談をしながら進めているわけでございます。 それと、RIの減少というのは、ちょっと全体的な部分でと誤解があったかもしれませんが、アイソトープの廃棄物が発生する場合には、非密封という、密封をされていないアイソトープを利用することから発生いたします。大部分が大学とか研究機関で使っているものなんですが、そういうことについては、アイソトープ以外にも、いわゆる蛍光物質でそういう検査をする技術が進歩してきました。そういう意味で、アイソトープの部分がそちらにシフトしたという面がございます。 ただ、アイソトープ全体といたしましては、これは、医療を含めまして、今、全体のRI利用が減少しているというわけではございません。
○斉藤(鉄)委員 きょうは本当にどうもありがとうございました。 しっかり御意見を承って、法案の審議の参考にさせていただきますので、心から御礼申し上げます。ありがとうございました。
○平委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。 きょうは、それぞれの御専門のお立場から貴重な御意見をいただき、本当にありがとうございます。 私は、今回の法案の審議で、火曜の質疑の際に、やはり原子力事業者が過去さまざまな事故やトラブル隠しを行っていた、いわば隠蔽体質と申し上げてきましたけれども、その重大性について指摘をしたところであります。それに関連して皆さんにもお尋ねしたいと思っております。 最初に、関村参考人にお尋ねいたしますが、お話の中で、この検査制度について、事業者が第一義的な責任を持つというのが国際的な常識だ、その際、罰則ではなく安全文化の構築が重要だというお話をされました。 こういう点で、日本の原子力事業者、例えば東電をとっても、私も経済産業委員会で議論したことがありますが、二〇〇二年のシュラウドのひび割れデータの改ざん問題もありましたし、密閉性試験についての捏造の話もありました。また、二〇〇七年には、原発検査データの改ざんですとか一F三号機での臨界事故隠しが判明をしたということもありました。柏崎刈羽周辺の活断層についての隠蔽の話もありましたし、私は、それが大きく言って福島の原発事故につながったと考えております。 それ以降も、では、隠蔽がなくなったかというと、広瀬社長自身も隠蔽だと言わざるを得ないというようなメルトダウンの話もありましたし、免震重要棟の耐震性不足、柏崎刈羽において三年近くも公表しなかった。私は、これは、率直に言って一貫しているんじゃないのかという強い危惧を持っているわけですね。 そういったときに、どうなんでしょう、国際的にもこれは常識なんでしょうか。つまり、日本が非常に、事業者の姿勢というのが、世界を知りませんけれども、日本が特異なのか、世界的にもこういうのがまかり通っているのか、その点はどうお考えでしょうか。
○関村参考人 これも非常に重要な点の御指摘、本当にありがとうございます。 先ほど私、安全文化というものをどのように醸成していくかという観点から、具体的なことについては申し上げませんでしたが、マネジメントシステムの話は申し上げました。それから、御指摘のように、トップマネジメントが重要である、これは言をまたないわけです。 しかし、例えば、WANOという機関がございますが、そこが、健全な安全文化の醸成という観点で幾つか指針を挙げているところでは、マネジメントシステムをつくる、トップマネジメントをする、この前提としての、個々の、あらゆる人材、あらゆる方々が、自分自身が原子力の安全にかかわるのであれば、しっかりと説明をしていくという態度をとれるようにする、もし疑問があったら、それは質問をしていく、クエスチョニングアティチュードという言葉を使っています。 このように、個の、個人の力量の充実、個人が研さんをしていく仕組みというものが、マネジメントシステムであったり、トップマネジメントの中でさらにいい原子力安全を充実させていく仕組みをつくっていく、この前提であるということがうたわれております。 一方で、日本の、ある意味では和を重んじる組織文化というものが、それに対して個々の方々が、例えば質問をするということをためらうような文化がありはしないかということについては、日本の、あるいはアジアの特徴としてこれから検討を加えていく必要があると思いますし、そういう意味では、今回の、例えば検査制度の中でも、個別に御担当の方々に対して規制庁の検査官が質問を加えていく、こういうような仕組みがうまく導入されていけば、このような安全文化を醸成するという仕組みの、一つ欠けているのではないかというふうに考えられるような部分が補われていく、こういうことも考えなくてはいけないというふうに思っております。
○塩川委員 和を重んじるというのはいい意味では結構なんですけれども、それが実際の職場の中において隠蔽体質につながるようなことになれば極めて重大であって、そういう点で、そこに日本的な特徴があるとすれば、何らか、国際標準でいきましょうと言うにとどまらない、日本独自の対策も当然求められてくるんだと。 ですから、IAEAのIRRSのさまざまな評価について、これに適合的にという趣旨もわかるわけですけれども、しかし、日本における過去のトラブル隠し、事故隠しを踏まえた独自の対応策というのが求められているんじゃないのかという点で、私は、この法案も考える必要があるなと思っております。 続いて、伴参考人にお尋ねいたします。 お話の中で、原子力事業者の不正、トラブルは今も変わっていない、コスト意識が強まる電力自由化のもとで規制強化こそ必要ではないのかというお話については、私も同意をするところであります。 そこで、具体的なこの法案についてのお考えで、規制機関の定期検査を維持すべきだという理由について、その意味するところをもう一度御確認をしたいと思っております。
○伴参考人 その理由は二つあると思います。 一つは、結局、そのことによって事業者との緊張というものが出てきますし、そのことによって、客観的な検査における安全の、安全はどういうものかという定義もあるんですが、とりあえず規制に合格しているということの客観的な証左になっていくということから必要であるということが一点です。 二つ目は、これまでの幾つかの質問にありましたが、結局、現場での対応、現場での、実際物を見て、そして実際に検査をして、規制庁の検査官が能力を高めていかないと、ペーパー上のチェックと、もちろん、それで疑問があれば現場に行くことは可能のようになっていますけれども、基本的にペーパー上のチェックだけでは規制庁の検査官の能力の向上にはつながらない。したがって、どうしてもやはり現場でチェックをするということを残しておかないと、どちらの面からも、つまり、検査の客観性の面、それから規制庁の検査官の能力の向上という面からも必要であるというふうに考える次第です。
○塩川委員 ありがとうございます。 定期検査の問題では、これは、一F事故以前、ずっと電力会社の定検の期間の短縮競争というのが問題になりまして、そういうのがあの美浜の背景なんかにも問われたところだったわけですね。 そういう意味でも、今回の見直しが結果として定期検査期間に規制機関が検査をするということを除くというふうになる場合に、定検の短縮に資するような、率直に言って、安全対策に対して、それを担保することに逆行するようなことになるとしたら極めて重大だということも言わざるを得ないと思っております。その点でもコスト優先というところがまさに問われてくるところだと思うんですが、そのことは指摘をしたいと思います。 もう一点、伴参考人にお聞きしたいのが、IRRSの勧告との関係で、規制庁はフリーアクセス、いつでもどこでも事業者の検査をチェックできるという説明をしているわけですけれども、先ほど伴参考人のお話ですと、IRRS勧告の事前通告なしの検査というのと規制庁が言っている今回の措置が違うのじゃないかという趣旨として受けとめたんですが、その点についてもう少しお話、説明いただけないでしょうか。
○伴参考人 参考資料の中には、既にフリーアクセスとか、エスコートなしのアクセスができるような体制になっているというふうな説明があります。実は私も、その実態、一体どれぐらいの頻度でそれを行ったのかとか、抜き打ち検査もやったというようなことも書いてありますが、それがいつどういうふうに行われたのかという具体的なことがわかりませんので、これについてはどう考えたらいいのか、どう受けとめたらいいのかというのは、正直なところ、わからないです。 しかし、このIRRSの報告書が昨年の一月にまとめられて日本に提出されているということから考えますと、それ以前においては、そういう制度が十分ではなかったということが推定されます。そうすると、この一年の間にそういった制度が充実してきたのかということを考えると、実際問題として、動いている原子炉は今は三基しかないわけですから、本当にそのことが書かれているように実践されてきているというふうにはとても思えない状態です。 したがって、フリーアクセスとか書いてありますけれども、それは、IAEAが勧告に言う事前通告なしの制度とはちょっと違う内容を規制庁は言っているのではないかというふうに考えざるを得ないということです。そして、今の原子炉等規制法を見ましても、そのことについて、つまり、事前通告なしの検査については一言も言及されていない。規則の中にも、全部は調べ切れていないんですが、書かれていなかったというふうに思います。 その意味から、それを明記することが必要だというふうに考える次第です。
○塩川委員 ありがとうございます。 次に、二ツ川参考人にお尋ねいたします。 この間の原子力事業者のトラブル隠し、事故隠しの話があるんですが、アイソトープに係る事業者においてこういった事故、トラブル隠しを起こしたような事例というのがあるのか、その辺について御存じのところで教えていただけないでしょうか。
○二ツ川参考人 RIの面だけに限りますと、特別何か重大な事故があって、それを届け出なかったというようなことを聞いてはおりません。 今の障害防止法上からいいますと、事故また危険時の措置、そういうところがありますと、速やかに原子力規制庁への届け出ということがございまして、それが原子力規制庁の中でまたホームページで公開するという仕組みができておりますので、今、私どもが認識している限りでは、そのような事例があったというふうには認識しておりません。
○塩川委員 ありがとうございます。 次に、小倉参考人にお尋ねいたします。 原子力の技術者としての現場のお話の貴重な御意見、本当にありがとうございます。 そこで、やはり原子力事業者の事故隠し、トラブル隠し、隠蔽体質の問題について、この点で、小倉参考人がみずからプラントの設計、建設にかかわってきた体験を通じて、具体的にそういった原子力事業者の事故隠し、トラブル隠しに接したことですとか、あるいは、職場の中でそういうことが問題となったとか、その辺の体験等がありましたらお聞かせ願えないでしょうか。
○小倉参考人 大変微妙な御質問なんですよね。 というのは、私が働いていたときは、あくまで東電さんがお客さんで、私は注文を受ける側でありましたから、答えにくいんです。でも、なかったわけじゃない。それはありました。そうですね、何例かあるんですけれども、どうしましょうね。恐らく本邦初公開みたいになっちゃうんですね。 例えば、再循環ポンプというのがありますね。再循環ポンプで原子炉の炉心冷却水の流量を調節するわけですよ。それはどういうふうにやるかというと、ほとんどの場合が、再循環ポンプの回転数を変動させて、それで流量を調節する。では、再循環ポンプの回転数はどうやって変動するかといったら、MGセット、モーターと発電機を組み合わせたMGセットというのがあるんですね。だから、福島第一も第二も、それから柏崎も、そのほか全部同じなんです。そのときに、要するに、一定回転数で回っているモーターで発電機の方の回転数を変えるために、そこに油を使った流体継ぎ手を持ってきて、そしてその回転数を流体継ぎ手によって変える。そうすると、発電機側の回転数が変わって、周波数が変わって、再循環ポンプの回転数が変わっていくということです。 ところが、流体継ぎ手というのは、非常に、要するに、物すごい枚数の薄い羽根が向き合って油の中で回っているものだから、すごい、繰り返し荷重を受けるわけですよ。羽根が疲労破壊したんですね。それが何かといったら、要するに、羽根を溶接しているところが弱くて、結局それをどうしたかといったら、溶接じゃない、削り出しの一体物の羽根にするというようなことで、その改善というのは間違ってはいないと思うんですけれども、それは結局公表しない形でそういう処置をしていますね。そういう例があります。よろしいですか、この程度で。
○塩川委員 ありがとうございます。本当に現場の話で。 実際、ですから、本当に現場の中で、本来は、安全文化というのであれば、こういうことについて公表して、水平展開をするとか、当然求められる。それこそ全体の安全を確保することにつながる。そういうのを行わないというところに、逆に言えば、さまざまなトラブル隠し、隠蔽体質を通じての重大事故につながるというところは、やはり厳しく戒めとしなければならないと思っております。 それで、小倉参考人がお話の中で、安全という場合に、それは立場によって違うという話がありました、事業者の立場、あるいは規制機関の立場。しかし、やはり国民の立場ということが重要ではないかというお話がございましたが、その点で、この間、小倉さんとしてお考えのこと、お話しされているようなことがありましたら、御紹介をいただけないでしょうか。
○小倉参考人 お答えします。 塩川さんがおっしゃったように、行政府が電力の政策を進める上で、原子力というものをある程度位置づけて、それで安定な電力源を確保する、そういう方針で進んでいる。電力会社はまた株式会社として電力事業で経営を成り立たせる。そして、国民はその電力を使って安全な生活をする。ですから、三者の立場が違うわけですよね。立場が違う、その間で使われる安全という言葉がはっきりと統一されていない。そして、立場が違うがために、例えば電力会社は、もちろん安全を無視はしないけれども、経営の目標としては、半期ですか、あるいは一年間を通して安定した利益を上げる、そういう目標を持っているわけです。 問題なのは、いろいろな価値がある、安全が大事だというのと、それから、利益を上げるという価値と矛盾するんですね。コストを下げるために、例えばさっきから出ていました定検を短縮する、そうすると、原発をとめている時間が少なくなって稼働率が上がって利益が上がる、そういう株式会社としての動機があるわけですよ。だけれども、それによって安全性が低下されたんじゃ困っちゃうのが国民の立場ですよね。 では、政府はどういう立場に立つのか、そういうことですよね。どっちに。政府としてもなかなかそれは難しいと思うんですね。電力源を確保するためには電力会社の経営がよくなってほしいし、そして、国民も事故で被害があっちゃ困る。 だから、非常に割り切りにくい。政府の立場は本当に割り切りにくいんだと思います、私も同情したいんだけれども。しかし、あの三・一一の事故をとにかくもう経験しちゃったわけですね。そして、国民がもう大被害をこうむっているわけですよ。直接、避難する人たちばかりではなくて、放射能で、今まで全然含有放射能が少なかったのに、今では百ベクレルですか、一キログラム百ベクレルの放射能を含むものが流通していって、合格したといっても安心できないというような不安感を持って暮らさなきゃならない。 だから、そういう状況の中で、政府は、行政は、やはり国民の方にもう少し寄った、そういう政治をやっていただく。そういう考え方から、定検における検査もどういうふうにやったらいいかというふうに考えていただきたいと切に思います。
○塩川委員 終わります。ありがとうございました。
○平委員長 次に、小沢鋭仁君。
○小沢(鋭)委員 日本維新の会の小沢鋭仁でございます。 まず、四人の参考人の皆さん方の貴重な御意見、拝聴させていただきました。ありがとうございました。 まず、関村参考人にお尋ねしたいと思いますが、ちょっと最後まで聞き取れなかったんですが、二〇〇七年の勧告とおっしゃったのか、あるいは先ほど小倉さんもおっしゃっていた中越沖地震なのかわからないんですが、フォローアップがきちっとできていなかったので、福島第一の事故を防げたのではないかという反省のもとに規制のあり方をずっとその後考えてきた、こういう御発言があったやに思います。 そこで、お尋ねしたいわけですけれども、先ほども議論がありましたが、いろいろな原因があったのはそのとおりなんだろうと思いますが、一つ、最も直接的な原因としては、冷却装置、非常用電源が海側の建屋のところにあって、それがきかなくなって、いわゆる原発事故の大原則である、とめる、冷やす、閉じ込める、この冷やすができなかったという話は、これは大変重要な、直接的な原因だと思うんですけれども、なぜこれがそういう規制の中で見抜けなかったのか。技術的な話ではなくて、ある意味では非常に単純なミスのような気がするんですけれども、それに対するお考えをお聞かせいただきたい。 小倉参考人には、同じ質問で、二〇〇九年のやはりシンポジウムでその地震があることがわかっていた、確率はわからないけれども、基準値を超える地震があることはわかっていた、こういうお話があったんですが、その際に、いわゆる非常用電源の、今の同じ質問ですけれども、それをなぜやらなかったのか、その質問をお願いします。
○関村参考人 まず、二〇〇七年という件でございますが、これはIRRSを当時の原子力規制機関であった原子力安全・保安院及び原子力安全委員会が受けたということでございます。検査制度に関しましても同様な指摘を受けている。しかしながら、その指摘をどのように具体的に生かして、仕組みを変えていくか、組織をどのように変更しながら進めていくか、そのようないわゆるフォローアップ、IRRSのフォローアップ、これができなかったというふうに考えているということです。 もちろん、それは、今御指摘がありましたように、中越沖地震がIRRSを受けた後数カ月で起こって、それに忙殺をされていたという説明はあるのかもしれません。しかし、それとこれとは切り離してきちっと考えるべきであったというところがまず第一の御質問に対するお答えでございます。 それから、もう一点、今、冷却という観点から福島第一原子力発電所の事故の直接的な要因をお話しいただきましたが、まさにそのとおりであるというふうに思います。 しかし、もう一つ違った言い方で今の冷却機能が失われてしまったということを考えてみますと、要因として考えられるものが、まずは、非常に大きな自然現象が起こるということ、外的な要因で原子炉の安全機能が失われるということを考え、想像し、それに対して対策を打っていくということができなかった。まず、これが第一の、我々欠けていたというふうに言わざるを得ないものだと思っています。 さらに、そのような事態が起これば、炉心が溶融するというシビアアクシデント、過酷事故と言われる状態になるわけですが、その過酷事故の環境においても、何とか冷却をしていきましょう、何とか閉じ込めをしましょうということを実現できるような、シビアアクシデントというのが起こること、さらに、それを前提としてさまざまな安全対策を現場で実行できるような体制、要するに、シビアアクシデントを現実のものと考えなかったということによって、仮想的な対策しかできていなかったというところが非常に重要なポイントではないかなというふうに思います。 それが、冷やす、閉じ込めるというところを十分できなかった、福島第一原子力発電所の事故のように、大量の放射性物質を環境に放出してしまうような事故になってしまった要因であろうというふうに考えているところでございます。
○小倉参考人 お答えします。 二〇〇七年の中越沖地震を経験し、そして二〇〇九年の、政府の三つの部門が共同で開催したシンポジウムで、これから先の地震、それはどういう地震が来るかわからないというような、そういうことがわかった。なのに、それにちゃんと対応した対策がなぜ立てられなかったのかということなんですけれども、やはり、そういう事態、そういう自然現象が起きて過酷事故が起きたら、要するに国民の生活にどんな影響があるかということまで想像できなかったんじゃないかと思うんですね、事業者の経営者たちが。 これは、東京電力をやめた若い人の本なんかを読みますと、現場をパトロールしていて、そして、ここは水が入ってきたらこれはやばいですよねというような会話をすると、それはそうなんだけれどもその話はタブーなんだよというような返事をもらったというようなことも書いてあります。 ですから、必ずしも経営者レベルだけではなくて、中間管理層というんですか、そういうことも含めて、論理的にはそういう過酷事故が起きる可能性があるということがわかっていても、それが実際に起きるという実感を、想像ができなかったんじゃないかと思うんですね。 だから、論理に続く、その影響の大きさを本当に心配する、そういう気持ちがちょっと足りなかったんじゃないか、対応ができなかったのは。
○小沢(鋭)委員 ありがとうございます。 本当に冷却ができてさえいれば、こう今でも思うわけで、福島第二と女川は本当に直近のところですけれども、まさに非常用電源が高いところにあって冷却ができたので事なきを得ている、こういう話でありまして、本当に悔やんでも悔やみ切れない、こういう思いでいるわけです。 そのとき、だから、すぐに僕が保安院を呼んで、冷却装置を、全国のものをとにかく高いところに上げろという話をしたら、はい、わかりました、三年かけてやりますと言うから、ばかやろうと言って怒った記憶があるんですけれども、今の小倉さんのお話のように、そういった話を切実に受けとめていないというところがあったのかもしれないですね。 さて、伴参考人にお尋ねしたいと思います。 伴参考人の、性善説では安全を確保できない、こういう表現は本当にどきりとしまして、でも、まさにそうなんだな、こう改めて思いました。ただ、この問題は先ほど来何度も出ていますので、埋設の方の話をお尋ねしたい、こういうふうに思います。 原子力規制委員会が、炉内等廃棄物の埋設に係る規制の考え方、こういうものを出していまして、これによりますと、要は、事業者には、少なくとも十万年間は火山活動や断層活動、隆起等に伴う侵食作用といった事象が施設に著しい悪影響を及ぼすおそれのないことを考慮するよう要求している、こういうことですよね。 ただ、そういったいろいろな不確実性が残る中で、事業者に十万年を保証するという話が本当にできるんだろうか、こう思うんですが、お考えをお聞かせください。
○伴参考人 これは非常に難しい問題だと思いますが、今の仕組みの中で、ある種、例えば火山活動等とか、それから断層活動等について、それなりに想定することが、そういう仕組みができているというふうに私は考えています。ただ、それが十分かどうか、十分安全側に働いているかどうかについては疑問があり、それは、候補地となった個々のケースの調査に依存するところがあるというふうに思っています。 したがって、その候補地となったところで十分な調査をし、そのデータがつぶさに公開され、そして、それが評価として妥当かどうかというのを、いわば、事業者と規制委員会だけではなくて、社会的な目にさらした中で評価をされていくべきものだというふうに考えていて、これは、できないと言っちゃったら何もできないことになりますので、それはそういう方向できちっと対応していかないといけないんじゃないかなというふうに考えています。
○小沢(鋭)委員 ありがとうございます。 二ツ川参考人にお尋ねしたいと思います。 今回の法案の中では、危険性の高い放射性同位元素を取り扱う事業者に対し、防護措置を義務づけ、テロ対策を充実強化していくこととしております、こういう話になっています。 前回、私は質問でテロ対策の話を政府の方に聞いたんですけれども、きょうの参考人お四方の中からは、残念ながらテロという言葉が一つも出てこなかったわけです。 ただ、今回の法案は一つそれを目標にしているわけでありますが、特に、放射性同位元素を扱う業者に対するテロ対策が今回の話で万全なのかどうか、御意見をお聞かせください。
○二ツ川参考人 お答えします。 RIの取り扱いについては、今まで、事故が発生したとか危険物が発生した後で対応するというのが法律にはあったわけですけれども、今御指摘のあるように、テロの対策ということで、先ほどちょっとお話ししましたが、セキュリティーが今整備されてきております。 ある一定のレベルの高い放射線源を使う施設については、先ほどの遅延、検知、対応というところが今度義務づけられてくるわけですけれども、やはり、RIの線源については、それらのことが整備されて、きちんと各施設が充実していくということは非常に重要なことでありまして、今おっしゃられたように、テロに対する対応として今のセキュリティーがあるんだろうというふうに考えております。
○小沢(鋭)委員 具体的にどのようなことをお考えになっていらっしゃいますか。
○二ツ川参考人 それは、ちょっと先ほどの御質問の中でもお話ししましたけれども、RI利用の場合はいろいろな事業形態がございます。 一つの例として、きょう、私、川崎のRIの技術開発センターを示させていただきましたけれども、あのように、まずは遅延させるために、防護のためのそれ用の、普通よりももっと強度な扉をつけたり、シャッターにする。あとは、放射線を使う施設はかなり今は進んできていますけれども、IDカードを使って、一定の方しか立ち入れない、また、誰かが来た場合にはすぐ検知ができる、そういうふうな仕組み。それと、ソフトという面では、周辺の警察とかいろいろなところとの事前の連絡体制の整備、そういうものが求められてきている。 今度の法令が改正されることによって、そういうことがさらに整備されてくるのではないかというふうに思っております。
○小沢(鋭)委員 それと同時に、RIの輸送の規制の区分の中で、これはRI法以外にもいろいろな法律があります、先ほどこういう説明がありました。 いわゆる所管法令が異なっているという話で、それが十分なのか、ある意味では煩雑、こんがらがってしまうようなケースはないのか、それに関しての御意見をお聞かせください。
○二ツ川参考人 輸送につきましては、RIにつきましては、今、原子力規制委員会と国交省が所管しているわけでありますが、医薬品の場合は放射性医薬品として医療法で輸送されるとか、そういうふうな面がございますので、おっしゃられるとおり、やはりどこかが集中した形で管理をしていただくと、より、さらにきちんとした輸送が実施できるようになるのではないかというふうに思って、所管が一元化されるというのは非常によろしいことだろうと思っております。
○小沢(鋭)委員 ありがとうございます。 最後に小倉参考人に、安全性に関する御意見、先ほどありました。いわゆる国民、規制庁、事業者の安全性に関する考え方がそれぞれ違うんじゃないか、こういうお話があって、共通認識を持つべきだ、こういう御指摘でございましたが、具体的な中身として、どういう共通認識を持つべきだと、小倉参考人の御意見がありましたらお聞かせいただければと思います。
○小倉参考人 実は、ある電力会社との間で市民グループの窓口として対話会を開いていて、その席上で、私たち市民の考える安全とはこういうものだというのを出してあるんです。きょうはちょっと資料を持ってこなかったんですけれども。 何項目かあるんですけれども、一つは、やはり過酷事故は起こさない、要するに原子炉が。過酷事故を起こせば、放射能がとにかく漏れてくるんですよ。それと、住民に避難を余儀なくさせるような事故は起こさない。 それから、発電して、その結果出てくる使用済み核燃料、これをどこかに保管しようとすると、今の伴さんとの話でありましたけれども、これは結局一世代では片づかない話ですね、使用済み燃料というのは。ということは、我々の子孫に対して物すごい負担をかけるということですよね。ですから、我々のかわいい子供や孫やそのまた孫たちに、彼らに責任のない負担をかける、そういうことはないようにしよう。我々現世代の人間も放射能で脅かされないようにというような。 そういうことで、炉心が壊れる、メルトダウンするような過酷事故は起こさない、そういうようなことを市民側としては一応まとめまして、某電力会社には渡してあります。ただ、いい返事は来ておりません。そういうところです。
○小沢(鋭)委員 終わります。ありがとうございました。
○平委員長 次に、玉城デニー君。
○玉城委員 自由党の玉城デニーと申します。 午前中の参考人の皆さんからの貴重な御意見、本当にありがとうございました。 私が最後のバッターですので、どうぞよろしくお願いいたします。質問も重複するところがあるかと思いますが、その点も考慮していただいて、また貴重な御意見をお聞かせいただければと思います。 では、最初に関村参考人からお伺いいたします。 大地震と津波による甚大な被害を受けまして、事故後の放射性物質による汚染の拡大が収束していないのが東京電力福島第一原発ですが、原発事故発生以前と以後において、特に自然由来の災害の事故に対する事業者及び規制当局の認識がどのように変化したと受けとめられるか、あるいは、認識がまだ不十分ではないかと思われる点はどういう点でしょうか。
○関村参考人 自然現象というのは、一旦起こればシビアアクシデントにつながり得るような、そういうものが可能性として否定することはできないということを前提にして進めるという考え方が明確になってきたという点は、私としても評価をしたいというふうに思っています。 それを違った言葉で言いかえますと、自然現象に関してもリスクをちゃんと考えて、それを原子力を使っていくという中で評価していきましょうということです。 原子炉の本体のリスクだけではなくて、それに自然現象がどのような影響を及ぼすか、リスクの全体像が把握できるようになってきた。その中で、リスクが高いものについてはそれを潰していきましょうねということが、ある程度明示的な議論ができるようになってきたということについては、一歩の進歩といいますか、そういうことであったのではないかなというふうに理解をしています。 一方で、では、そのような考え方を定量的に示さなくちゃいけないのか、あるいは、ここが基準の津波、基準の地震動だから、これ以上は必ず原子力の安全が確保される、炉心溶融の事故はゼロであるという考え方をとる、従来型の考え方がまだ残っていて、リスクという考え方をどのようにそしゃくしていいのかどうか、これはまだまだ不十分な段階だろうと思っています。 でも、それを事業者だけに、あるいは規制だけに求めるのはなかなか難しくて、だからこそ、リスクを評価する方法論であり、どのリスクとどのリスクをこういうふうに比較するというやり方、これについては、まだまだ我々研究をする人間にとっても努力をしなくちゃいけないところが多くあるなというふうに思います。 そういう意味で、リスクの観点から、検査を定期的にやるというのはリスクの観点はないかもしれません。リスクの状況が変わる時点でちゃんと見ていきましょうというところが今回の例えば検査制度の改革という意味では入ってきたというところは、今度は規制側からは一歩前進をしてきたのではないかなというふうに考えております。
○玉城委員 では次に、伴参考人にお伺いいたします。 きょうは、事業者の不正に対する非常に厳しい指摘がございましたが、性善説では安全を確保できないということ、それから、法人に対する一億円という罰金では不正防止にはつながらないということも御示唆をいただいたわけでございます。 では、法人に対する、事業者の認識や意識に制度の点からさらに必要なものを加えるということがあるとすると、どういうところから、不正逃れをさせない、あるいは不正をするという思想そのものを取り去るということが、制度の補充の点でどういうことが考えられますか。
○伴参考人 電力の競争環境下において、それを達成することは極めて難しいのではないかというのが直観的なお答えです。 つまり、どうしても、原子力発電も、先ほど小倉参考人のお話にもありましたように、片方は経済性の中にありますので、それを無視して安全を強化するということについては、なかなか難しい問題があるのではないかということです。 意識の点でいえば、結局、十分な安全対策を行えば、それには費用がかかるんですが、最終的にはよい結果が得られるんだ、安定なパフォーマンスが得られる可能性が高いということを事業者が十分に認識をすることが意識としては必要だと思います。福島原発事故のようなことが起きてしまえば、電力会社自体が破産するような事態になるわけですよね。したがって、ふだんから十分な費用をかけ、安全側、安全側に対応していくということが最終的にはよいパフォーマンスにつながるということを意識としては持っていただくことが非常に重要であるというふうに思います、事業者の意識としては。 その上で、やはり繰り返しになりますけれども、それをもってしても、今の競争環境下の中、これからもっと激しくなる中で、本当に事業者任せで安全が確保できるのか、事業者の意識だけで確保できていくのかについては、非常に深い疑問があります。
○玉城委員 ありがとうございます。 では、続いて二ツ川参考人にお伺いいたします。 今、伴参考人から、やはり事業者側のさまざまな、経済性、安全性、いろいろな御指摘がありましたが、公共の安全を確保するために、放射線障害防止法によって、使用、販売、廃棄など、厳しい規制は現在も行われておりますが、危険性の高い放射性同位元素、特定放射性同位元素を施設内で取り扱う事業者へは、先ほども小沢委員からありましたが、テロ等防護措置の実施、テロという、より厳しいといいますか、万全な防護措置の義務がつけられたわけですね。しかし、きょうの御意見の中にもありましたが、民間企業の密封線源の利用は約三千者いるものの、その多くは、比較的中小規模事業者が多いということです。 私は、実は、前回の環境委員会でも、事業者の負担が重くなるのではないかということを質問したんですが、もし支援を必要とするという事業者が出てくるのであれば、どのような支援策を望まれるとお考えでしょうか。
○二ツ川参考人 三千事業所がありますが、やはりグレードが違いますので、先ほどの御質問にありましたように、本当に特定放射性同位元素を使う施設となると、それのうちの、今、個数としては五百個ぐらいかなというふうに言われてございます。比較的、そういう事業所は大きな事業所が多くございます。 これからテロに対してきちんとした整備をする上ではどういうふうな支援ができるかという御質問ですけれども、やはり一つ一つの事業所ではなかなか整備ができない。ですから、事業者の横のつながりで、どういうことが有効性があるのか、それらの協議機関とか、そういうことを国が指導して、きちんとしたマニュアルとか、そういうものの整備をしていくということが重要になってくるかなというふうに思っております。
○玉城委員 では次に、小倉参考人にお伺いいたします。 お話を伺いますと、原発の建設に携わった経験、非常に貴重な経験から御示唆を頂戴しておりますが、その経験から見まして、主に技術力の点で質問をしたいと思いますが、建設、施設の管理、それからもろもろの制御ですね。 きょうお持ちいただいたこのBWRの概略フローシートも、これは一九七三年十月の「流体工学」の資料ということですが、これ以降もまたさまざまな手が加えられているというふうなことを聞きますと、非常に複雑な構造や部品構成から成る原子炉や周辺の機器に対しての管理や制御など、もちろんですけれども非常に専門的なそういう技術、知識が要求されるだろうなというふうに思います。 万全な安全体制を構築するために、事業者の取り組み、それについて、やはりまだ甘いのではないかとか、あるいは、ここはもう少し技術力を高めないと今の状況ではじきに限界が来るのではないかとお感じになるような点はございますか。
○小倉参考人 お答えします。 私は、二〇〇七年に、「リプレーザ」という季刊誌、季節季節で発行する雑誌に論考を載せたことがあるんです。その中ではっきり書いたんですけれども、私の経験からすると、今お配りしてあります原発全体のことを一人の技術者が理解するということは不可能だろうというふうなことを書きました。それは私の実感から書いたことなんですね。科学的に証明された、そういう事実としてではありません。 というのは、私自身は、原発メーカーに就職してから十三年間、主にECCS、非常用の炉心冷却系統のポンプとか熱交換器、そういう機械関係を専門にずっとやってきたんですね。ほかの、例えば制御であるとか、電気関係の設計であるとか、水質を管理する水処理関係とか、あるいは放射性廃棄物処理施設とか、そういうようなものについては全くど素人です。それから建築についてもですね。これを全ての分野にわたって一人の人間が知り尽くすということは、もう不可能だと私は思います。 ですから、よく言いますね、これはいいのかな、差別用語になるのかな、群盲象をなでるという、差別用語になるんでしょうかね、もしそうだったら議事録は消してください。要するに、部分部分は一人一人のエンジニアはわかるんだけれども、全体はわからないんですよ、はっきり言って。 原発の運転をしているグループがありますね。そこで一番よくわかっているのは当直長。これはまさに全体のことを把握しながら運転をしていると思われるんですけれども、しかしながら、個々の機器がどんな弱点を持っているのかとかいうことは恐らくわからないと思うんですね。 だから、本当に、全体がわからない人間が集まって運転している非常に危ういものなんですよ。だから、何か便覧、ハンドブックに書いてない事態が起こると大混乱になっちゃうわけですよね。この間の三・一一もしかりです。もう大混乱だったわけですよね。 そういう難しい原発の問題を、こうやって国会の皆さんが、どうやって安全性を向上させるかということで頭を使ってくださることは、本当にありがたいことだと思います。 それで、一言お願いをすると、放射能というのは、党派は関係ない、その人が何党を支持しているとかは関係なく襲ってきます。それから宗教も、どんな宗教をしても救われません。とにかく平等に襲ってきます。ですから、国会議員さんは党派の壁を超えて協力して、協力できるテーマだと思うんですね、だから、よろしくお願いいたします。
○玉城委員 まさに党派を超え、我々が持てる力を結集させるということについては、国会の、まさにもっと頑張れと激励をいただいているものと思います。本当に、これからも我々真摯に議論をし、よりよき国民の生活と、今被害に遭われていらっしゃる方々、あるいは復興途中で頑張っていらっしゃる方々にもぜひお支えになれればというふうに思います。ありがとうございます。 では、恐らく最後の質問になるかと思いますが、関村参考人にお伺いをいたします。 IRRSミッションによる提言や勧告は、二〇〇七年にも指摘を受けていましたが、それにもかかわらず改善されてきませんでした。それについて、また今回のミッションチームが厳しく指摘をしています。 そこで、最後にお伺いいたしますが、この十三の提言、十三の勧告が今回示された中で、ほとんど、原子力規制委員会はということで、規制委員会に対する提言なり勧告なんですが、その中で幾つか政府に対して勧告をしているものがあります。 その中でも、関村参考人が冒頭で出したのが、七の検査の勧告九ですね。「政府は、効率的で、パフォーマンスベースの、より規範的でない、リスク情報を活用した」という、政府に対して、一、二、三点、これについて、「すべての施設及び活動に対する検査プログラムを開発、実施すべきである。」ということで、政府に対してこのように非常に強い勧告を出しています。 規制委員会に対しては、二つの良好事例ということで、それも出しておりますけれども、この政府に対する勧告をしっかりと受けとめるために、きょう恐らく最後の御参考意見になるかと思いますので、そのことを改めてお伺いしたいと思います。お願いいたします。
○関村参考人 ありがとうございます。 まさに、その点について私からも申し上げなくてはいけないというふうに考えていたところです。 先ほどより、安全の定義といいますか、これがそれぞれの立場によって異なってしまうということがありました。それは従前は確かにそういうところがあったのかもしれません。しかしながら、このような審議を通じまして、我々の言葉で言いますと、安全というのは、受けとめられない、受容できないようなリスクがない状態なんだ、こういうことを、どのような形できちっと国民に、それから事業者に対して、規制機関に対して、それから研究をやっている人間に対してちゃんと伝えていくかという役割が、やはり政府には、国会にはあるのかなというふうに考えております。 リスクをそれぞれの段階で適切に下げていくということを、それは定期的にやることだけではなくて、一番状況が変わるところ、例えば核燃料が原子炉に入ったところ、こういうところで下げていくんだというのが検査制度であるべきだ、こういう考え方に基づいて進めていかれるようにお願いをしたいということと、それを支えるような、人材という言葉は非常に短絡的になるんですが、ガイドラインをつくったり、今まで経験したことがなかったことについては、訓練をあらかじめやることによってそれに対して備えるということをしてみたり。 こういう全体像の中でリスクを皆さんで下げていくことによって、国民に対しても、原子力を利用するためのリスクがここまで低減をされているのだ、こういう環境が整っていくのではないかなというふうに考えているところでございます。
○玉城委員 貴重な御意見をありがとうございました。 終わります。ニフェーデービタン。
○平委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 この際、参考人各位に一言御礼を申し上げます。 参考人の皆様におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。(拍手) 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 ――――◇――――― 午後一時二分開議
○平委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 午前に引き続き、内閣提出、原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官平井興宣君、文部科学省大臣官房審議官板倉周一郎君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長村瀬佳史君、国土交通省大臣官房審議官七尾英弘君、原子力規制庁次長荻野徹君、原子力規制庁長官官房緊急事態対策監大村哲臣君、原子力規制庁長官官房核物質・放射線総括審議官片山啓君、原子力規制庁長官官房審議官青木昌浩君、原子力規制庁原子力規制部長山田知穂君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○平委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。助田重義君。
○助田委員 自由民主党の助田でございます。金曜日午後のトップバッターとして、しっかりと議論いたしたいと思います。 本日は、質問の機会をいただきましたこと、平委員長を初め、理事、委員の皆様方に感謝申し上げます。また、田中原子力規制委員長を初め規制庁の皆様には、いわゆる規制行政の先頭に立ち御尽力されていること、この場をおかりしまして、心より敬意を表させていただきます。真摯な議論をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 では、早速、検査制度について何点か質問させていただきます。 今回の法改正により検査制度を見直すということですが、従来の検査制度にはどのような問題点があったと認識しているか、改めて原子力規制庁にお伺いします。お願いします。
○山田政府参考人 原子炉等規制法では、事業者には施設を基準に適合するよう維持する義務を課すとともに、各施設が実際に基準に適合している状況については、法律上に定められた各種の検査を通じて確認する仕組みとなってございます。 現行の検査制度は、さまざまな対象ごとに、国が行う検査と事業者が行う検査が混在していること、検査の内容や実施時期が限定されていること、基準等への適合性を確認することに主眼を置く余り、検査の結果としてその適否を指摘するという、いわゆるチェックリスト方式にとどまっているというふうに認識してございます。 こうした制度では、ともすると、事業者にとって検査の対象が規制上の最低限の要求を満足してさえいればよく、それ以上の対策は必要ないという意識を生じさせないといった、そういったものになっているのではないかと考えてございます。 今回の見直しにおいては、このような懸念を払拭するため、検査の実施義務を事業者に課した上で、この実施状況を含めた事業者の保安活動全般を規制機関がチェックする仕組みとし、事業者による主体的かつ継続的な安全性向上への取り組みを促進するものとしたいというふうに考えてございます。
○助田委員 ありがとうございます。しっかり取り組んでいただきたいと思います。 次に、新しい検査制度は、従来国が行っていた検査を事業者検査化し、安全確保に関する一義的な責任が事業者にあるということを明確化するということを今お話しいただきました。概要はどのようなものか、また、保安活動の質はさまざまでありますが、事業者検査化によって安全性は向上するのかを地元の方にもわかりやすい説明を、規制委員長、よろしくお願いします。
○田中政府特別補佐人 原子力委員会が事業者に対して行ってきたいわゆる検査、保安活動の全般を常時チェックする仕組みというのは、先ほど部長の方からも説明ありましたように、ある程度決められた範囲でやってきたというところがあります。 今回御提案させていただいていますのは、いつでもどこでも何にでも規制委員会のチェックが行き届く仕組みにするということを法的に位置づけるということであります。発電所ごとに、保安活動のレベル、安全のレベルを総合的に評価して、それを次の検査に反映させるということです。その検査結果については、定期事業者検査、今までやってきたことプラス、事業者が自主的に行う検査、それから無通告の検査、そういったものを総合的に評価して、それを公表するということも含めて今回は法改正をお願いしています。 そのことによって、事業者にとっては、自分たちのやっていることがきちっとできているかどうかが公開されるということも含めまして、非常に大きい負担になるはずであるというふうに私どもは狙っています。ですから、そういう意味で、事業者はより安全な安全対策を求め、レベルを上げることを求めて努力していただくということです。 それから、本当に模範的というかきちっとできていれば、次の検査の際にそこのところをきちっと評価して、より安全上重要な点に絞って検査を重点的に行う、そういったところで、全体として高い安全水準を保っていこうというのが今回の狙いでございます。
○助田委員 ありがとうございました。 次に、現在、三基の原発が廃止措置中、六基が廃止措置計画の認可申請中であります。今後も廃止措置段階に移る原子力施設が増加してくることが考えられます。 新たな検査制度では廃止措置中の施設はどのように検査を行っていくのか、原子力規制庁にお伺いを申し上げます。
○山田政府参考人 今回の検査制度の見直しでは、施設の種類や状態などの特徴を踏まえた検査を行い、安全上の重要度に応じた評価をするということとしてございます。 廃止措置中の原子力施設に対する原子力規制検査では、例えば核燃料が装荷されていないといったような点で通常の原子力発電所とはリスクの状況が大きく異なるため、そうした実情を踏まえつつ、廃止措置段階に入っておりますので廃止措置計画ですとか、廃止措置状態にあることを前提とした保安規定、こういったものに基づき、安全性が確保された状態で各種の作業が行われているか、必要な対策が講じられているか、そういった点について、監視、評価をしてまいりたいというふうに考えてございます。
○助田委員 ありがとうございます。よろしくお願いします。 次に、関連で、「もんじゅ」についてお伺いしたいと思います。 私の地元福井県は、全国最多の四原発、十三基に加え、高速増殖原型炉「もんじゅ」が立地する福井県でございます。我が県は、国のエネルギー政策に基づく原子力発電所の建設、運転と、それに必要な研究開発の促進に、五十年にわたる、長期にわたって協力し、日本経済の発展に貢献してまいりました。特に「もんじゅ」は、ウラン資源の有効利用や高レベル放射性廃棄物の減容化、有害度低減等の観点から、核燃料サイクル政策のかなめとして、国のエネルギー基本計画においても明確に位置づけられているものであります。 福井県としても、エネルギー研究開発拠点化計画の中核施設と位置づけ、県の発展に貢献する研究開発段階の原子炉として受け入れてまいりました。このため、過去のナトリウム漏えい事故やトラブルに関しましても、福井県内の立地地域は、厳しい風評被害などにも耐えて、運転再開を支援し続けてまいりました。 しかしながら、昨年九月二十一日の国による唐突な廃炉を含めた抜本的見直し方針の表明から、わずか三カ月の議論による「もんじゅ」の取扱いに関する政府方針の決定は、これまでの福井県と立地地域の協力と貢献を無視するものであります。甚だ無責任で説明もなく、何の了承も得られないままでの拙速な決断と断じざるを得ません。 国は今後も高速炉開発を進めるとしておりますが、国の原子力政策に対して、失われた県民と立地地域の信頼を図るべきであると考えます。 そこで、何点か質問させていただきます。 「もんじゅ」を廃炉とする政府方針が決まる前の昨年十二月九日の原子力問題調査特別委員会で、「もんじゅ」のあり方に関する議論に際しては、「国策に長年協力してきた立地地域の意向を十分に酌み取りながら進めることが重要である」と指摘をさせていただきました。その際、文科省は、「もんじゅ」の廃炉を決めたわけではない、「地元からの御意見をしっかりと踏まえ、年内に結論を出すべく検討を行ってまいりたい」との御答弁をいただきました。しかしながら、その後で地元での受けとめを見ますと、地元の意向を十分に酌み取って政府方針が決められたとは決して言えません。 この点につきまして、文科省の見解を伺います。
○板倉政府参考人 お答え申し上げます。 昨年九月に、原子力関係閣僚会議におきまして、「もんじゅ」については廃炉を含め抜本的な見直しを行うとの方針が示されて以降、今後の高速炉開発の進め方について議論する高速炉開発会議におきまして、「もんじゅ」の運転再開や代替手段等にかかわる議論がなされた際には、毎回その内容につきまして地元に説明に伺うとともに、県知事からの要請を受けまして、地元との意見交換の場であるもんじゅ関連協議会を開催し、さらには、自治体等、地元からの要請に対し、さまざまな事務レベルで地元に直接伺い、「もんじゅ」にかかわる状況を随時説明するなど、地元への説明、透明性の確保には最大限努めてきたところでございます。 昨年十二月の原子力関係閣僚会議における「もんじゅ」の取扱いに関する政府方針等の決定に関する地元の方々への説明についても、昨年末に文部科学大臣より直接説明するとともに、年明け以降も、文部科学省の担当局長等から福井県議会や敦賀市議会等での説明する機会をいただいてきたところでございます。 地元の御理解を得ながら廃止措置を進めることは重要であると認識しておりまして、今後とも、引き続き丁寧に対応してまいりたいと考えてございます。
○助田委員 ありがとうございます。今後とも地元と密に連絡をとっていただきたいと思います。 しかしながら、地元は「もんじゅ」の廃止措置が安全に進められるか、非常な不安を感じております。文科省は、原子力機構に対し、廃止措置に関する基本的な計画を平成二十九年四月を目途に策定し、安全かつ着実に廃止措置を実施するための体制を整備する、このように求めておりますが、これが示された昨年末から既に三カ月が経過しております。四月まで残すところ半月でございます。原子力機構に丸投げするのではなく、監督省庁がしっかりと指導し、地元の負担に応える必要があると考えます。地元自治体には全く説明がないままマスコミ報道で初めて知らされるなど、地元は懸念を抱いております。 現在の検討状況や地元の調整状況についての説明を文科省よりお願いします。
○板倉政府参考人 お答え申し上げます。 「もんじゅ」の廃止措置に当たりましては、安全かつ着実に実施するため、まずは、本年四月をめどに原子力機構において基本的な計画を策定するとともに、新たな体制を構築し、計画的に廃止措置を実施することとしております。 組織体制につきましては、原子力機構が安全確保を最優先に「もんじゅ」の廃止措置を実施できるよう、文部科学省のみならず、内閣官房、経済産業省も参加した、政府一体となった体制を整備して、国内外の有識者による評価や地元の体制も強化しつつ、しっかりと指導監督してまいります。 また、さらに、原子力機構におきましても、国内外の専門家や企業の支援を得つつ、地元で安全かつ着実に廃炉を実施できる体制を整えられるよう指導してまいります。 「もんじゅ」の廃止措置に係る体制や計画につきましては、現在、政府部内及び原子力機構において必要な検討を行っているところでありまして、福井県等の地元に可能な限り早くお示しできるよう、検討を進めてまいりたいと考えております。
○助田委員 ありがとうございます。 政府一体となって取り組んでいただきますように改めてお願い申し上げます。 規制委員会は、「もんじゅ」の運営主体として原子力機構は適当ではないと勧告しました。「もんじゅ」の廃炉は、これまでに前例がない取り組みであります。また、長い期間を要する難しい作業となることが予想されます。原子力機構が本当に「もんじゅ」の廃炉を安全に進めることができるのか不安視する声も実際ございます。 「もんじゅ」の廃炉作業における安全確保について、規制委員会は今後どのように取り組んでいくのか、規制委員長にお伺いします。
○田中政府特別補佐人 まず初めに、私どもから出した勧告ですけれども、これは、「もんじゅ」の出力運転を前提とした場合に、その運営主体として不適切であるということを指摘したものでありまして、廃止措置の実施主体についてまでは言及しておりません。 「もんじゅ」の廃止措置は、その設置者である原子力機構が原子炉等規制法に基づく認可を受けた廃止措置計画に従って的確に実施する義務を負っております。これは、事業者が廃止措置まできちっとやらなきゃいけないという、ある意味では当然のことですけれども、そういう義務を負っております。 その上で、「もんじゅ」の廃炉を考えた場合に一番大きなリスクは、やはり、原子炉の炉心に燃料があるということ、それから、「もんじゅ」特有の、高速増殖炉ですのでナトリウムの問題があります。その二点です。 通常、軽水炉の廃炉の場合には、まず、燃料を取り出した段階で廃止措置計画が出されて、私どもが審査して認可をするというプロセスなんですが、「もんじゅ」の場合には燃料を取り出すだけで五年半かかるということなので、ちょっと、普通の軽水炉だと一カ月とかそこらで全部取り出してやれるんですけれども、「もんじゅ」の場合は五年半ということですので、これは非常に看過できないというのが私どもの考えで、そういうことでありますので、前例もないという先生御指摘のとおりでありまして、多分、地元の方も不安だということも、それも当然だろうと思います。 私どもとしては、その安全をきちっと確保するために、もんじゅ廃止措置安全監視チームを発足させて、それで、普通は燃料の取り出しのところからは廃止措置については我々は関与しないんですけれども、燃料を取り出す段階からきちっと見ていこうということで、そういう規則改正も、今パブリックコメントをかけて、大体もう終わりましたので、今月中には規則改正も行って、随時、柔軟に、「もんじゅ」の廃止措置については安全確保を最優先にして私どもとしては対応していきたい、このように考えております。
○助田委員 ありがとうございます。くれぐれも安全最優先でお願いいたします。 今御説明にありましたように、「もんじゅ」の廃炉には長い期間を要します。その間、残念ではありますけれども、これまでの経緯で非常に不安がございます。原子力機構が予定どおり廃炉作業を進めるか、そう考えると、非常に不安なものがある。そう考えるべきではない、むしろ考えるべきではないと思います。遅延措置が生じることも考えておくべきでございます。廃炉措置が遅延すれば、その分リスクの低減もおくれることになることから、優先順位をつけて柔軟に進める必要があります。 この観点から、規制委員会は、目下どのような取り組みが必要か、また、それを着実に進めるためにどのように対応していくのか、原子力規制庁にお伺いします。
○青木政府参考人 お答えいたします。 先ほど委員長から説明がありましたように、まず最初に、全ての燃料を炉心から使用済み燃料貯蔵槽に搬出する工程を速やかに実施する必要があると考えております。 規制委員会としての取り組みですが、先ほど御紹介しましたように、もんじゅ廃止措置安全監視チーム、私もメンバーになっておりますが、そちらを廃止措置計画の前から実施しておりまして、工程が円滑に進むよう指導しているところでございます。 また、先ほども委員長から御紹介がありましたように、特例、今までの発電所とは違いまして、炉心から燃料を取り出す前から廃止措置段階と位置づけまして廃止措置計画を申請してもらえるということで、改正を進めております。廃止措置計画が出てきた場合には、我々は、その中で、ほかの発電所とは違って、燃料の取り出しやそのための機器設備の機能や性能、そういったものについても確認するということにしたいと考えております。 そのような方法によりまして、規制委員会としましては、「もんじゅ」の廃止措置が安全かつ着実に進められるよう、厳正に対応していきたいと考えております。 以上でございます。
○助田委員 ありがとうございました。 次に、昨年十二月二十一日に決定された政府方針では、将来的には「もんじゅ」サイトを活用した新たな試験研究炉を設置することで、今後の原子力研究や人材育成を支える基盤となる中核的拠点となるよう位置づける、このようにしておりますけれども、地元との対話を含め、今後どのように具体化していくのか。また、「もんじゅ」の廃炉にも多額に費用を要することと考えられますけれども、これらの取り組みを確実に遂行するために必要な人材や予算をどのように確保していくのか。文科省にお伺いします。
○板倉政府参考人 お答え申し上げます。 委員が御指摘のとおり、昨年十二月の原子力関係閣僚会議におきまして「もんじゅ」の取扱いに関する政府方針が決定されまして、この中で、「将来的には「もんじゅ」サイトを活用し、新たな試験研究炉を設置することで、「もんじゅ」周辺地域や国内外の原子力関係機関・大学等の協力も得ながら、我が国の今後の原子力研究や人材育成を支える基盤となる中核的拠点となるよう位置づける。」としているところでございます。 これを受けまして、「もんじゅ」を含む周辺地域や国内外の原子力関係機関、大学等の協力を得ながら、今後の原子力研究や人材育成を支える基盤となる拠点を構築していくよう、全国の大学、研究機関が参画するコンソーシアムが運営する試験研究炉を「もんじゅ」サイト内に新たに設置することを目指してまいります。 新たな試験研究炉の詳細につきましては、文部科学省の科学技術・学術審議会のもとに設置されました原子力研究開発基盤作業部会におきまして検討することとしておりますが、国内外から研究者等が集結するようなニーズのある試験研究炉のあり方や試験研究炉の外部利活用を担う運営コンソーシアムの構築等につきまして検討するための有識者会議を設置し、試験研究炉にかかわる調査を今後実施してまいります。 なお、これまでも、地元福井県から試験研究炉の整備については要請があったものでございまして、今後、地元とも対話をしつつ進めてまいりたいと考えてございます。 また、財政当局や関係省庁等とも調整しながら、これらの取り組みに係る必要な人材や予算を確保できるよう努めてまいりたいと考えてございます。
○助田委員 しっかりと人材、予算等を確保していただきますよう、よろしくお願い申し上げます。 質問が前後いたしますけれども、法改正について、ここでもう二、三点お伺いさせていただきます。 今回の法改正では、廃止措置や放射性廃棄物の処理処分が適切に進められるための制度整備が行われると認識しております。今回の改正法案によって、廃炉に対応するものとしてどのような制度整備を考えているのか、原子力規制庁にお伺いします。
○山田政府参考人 廃炉に関する制度でございますけれども、まず、事業者に早期から廃止措置を検討してもらい、準備を促すことにより、施設の運転停止から廃止へのより円滑な移行を図るため、原子力事業者に対しまして、運転開始段階から、放射性廃棄物の発生量の見込みや廃止措置に要する費用の見積もりなど、廃止措置を実施するための方針を作成、公表することを義務づけるということとしてございます。 また、廃炉に際して発生する放射性廃棄物の処分が安全に行われるための規制の整備として、炉内等廃棄物の埋設地について、高レベル放射性廃棄物の埋設地と同様に、坑道の埋め戻しに関する規制を整備するとともに、炉内等廃棄物及び高レベル放射性廃棄物の埋設地について掘削等の行為を制限する、こういったものを設けようとしてございます。
○助田委員 ありがとうございます。 次に、今回の法改正では、危険性の高い放射性同位元素のセキュリティー対策の要求が盛り込まれていると認識しております。特定放射性同位元素の防護措置の対象となるRI事業者の範囲と義務づける防護措置の内容はいかがなものか、原子力規制庁に再度お伺いします。
○片山政府参考人 お答えいたします。 今回の法改正で防護措置を義務づけられるのは、放射線障害防止法の全規制対象事業者約八千事業者のうち、国際基準で定められた危険性の高い放射性同位元素を取り扱う約五百事業者でございます。 具体的な防護措置といたしましては、監視カメラの設置、堅固な扉の設置などを要求するほか、防護措置の細目を定める防護規程の作成、それから、防護関連業務を管理する防護管理者の選任などを要求することとしております。
○助田委員 まだ若干時間がありますけれども、最後に、今回の改正で、廃止措置や放射性廃棄物の処理処分が適切に進められるための制度整備が行われますように要望いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 本日は、ありがとうございました。
○平委員長 次に、細野豪志君。
○細野委員 民進党の細野豪志です。 原子力の規制という極めて重要な法案について質疑の機会をいただきましたので、気になる点もございますのでしっかりと質問していきたいと思います。 具体的に質問に入る前に、きょうは資源エネルギー庁の電ガ部長の村瀬さんに来ていただいていますので、原子力にかかわることで、正直言うと一番気になっていることをまず聞きたいと思います。東芝の問題です。 ウェスチングハウスについては売却をしていくということのようでありますけれども、これは日米関係にも非常に重要な影響を及ぼし得るテーマですね。 一方で、国内ということに関しますと、東芝が主力になって運転をしている原発というのはたくさんあるわけですね。特に気になっていますのは、私が直接かかわったところでいうと、やはり福島、東京電力の福島第一原発ですけれども、改めて確認をいたしますと、東芝がかかわっている原発、炉で見ますと、二号機、三号機、五号機、六号機と、四つの原子炉の廃炉にかかわっている。 部長にぜひお伺いしたいのは、本当に東芝は、現場を持つ原子力メーカーとして、もちろん電力会社もやるんですが、実際にはメーカーが非常に大きな役割を担っていますよね、本当に大丈夫なのか。この点について、直接やっておられる責任者としてどう見ておられるか、まずお伺いしたいと思います。
○村瀬政府参考人 お答えさせていただきます。 東芝の第三・四半期決算につきましては正式にまだ確定したものはございませんで、現時点では、同社の損失について、また、オンゴーイングでいろいろな検討が進められているという中で、制約があるという前提でありますけれども、御質問についてお答えさせていただきます。 東芝につきましては、委員御指摘のとおり、我が国にとって、半導体や原子力事業など幅広い分野において非常に重要な事業を展開してきた企業だと認識しております。 半導体部門では、フラッシュメモリーという、日本の成長戦略上非常に重要な技術を保有している。NANDのフラッシュメモリーは世界第二位のシェアだといったように、非常に高い競争力を有している企業だと思っております。 また、御指摘あった原子力につきましては、これまで国内において、御指摘のとおり二十基以上の原発の建設に関与いたしまして、原発の安全確保に必要となる技術を初めまして高い技術力を有した企業ということで、この技術力を生かして日本の原子力事業に貢献してきたと認識しております。 特に、福島第一原発では、廃炉・汚染水対策に参加をいたしまして、多くの社員が携わってこれに貢献してきたということだと認識もしてございます。 例えばでございますけれども、廃炉・汚染水対策につきましては、放射性物質の除去という意味で技術的貢献もしている。それから、使用済み燃料プールの燃料取り出しにおいては、遠隔操作の設備において、燃料取り出しの中で大きな役割を果たしている。それから、燃料デブリの取り出しにおきましても、そこに向けたロボット開発、これは二号機で、この前サソリ型と呼ばれるロボットが入り、初めてデブリらしきものの写真が写せたわけですけれども、ここにおいても東芝の技術が活用されているということで、さまざまな分野で貢献している企業だという認識でございます。 こうした取り組みは我が国の原子力事業にとって重要な事業であるということで、そのような認識でございます。 今大臣はアメリカに行っておりますけれども、議員御指摘のとおり、日米関係の中でも、本日、ロス商務長官、ペリー・エネルギー庁長官とも会談をし、その中でも東芝の案件は出たというふうに、速報ですけれども、承知しております。その中で、両国政府間でよく情報交換を進めていこうという話もあったというふうに聞いております。 このような認識に立ちまして、我が国の原子力技術基盤それから人材の確保の観点も含めましてしっかりと見てまいりたい、このように考えております。
○細野委員 村瀬部長も私も、原発の事故の直後、直接対応していますので、東芝が果たしてきた役割の重要性については共通認識があると思うんですよ。 私も、何人もの技術者の名前と顔が思い浮かぶぐらい東芝の皆さんにお世話になった。ただ、現実的にここまで、それこそ決算が固まらない、さらには公的支援も要請せざるを得ない、入らざるを得ないという状況になってくると、これは本当に、福一だけじゃなくていろいろなところに影響を及ぼしますので、どういう方針でいくのかということについては、ある時期に、やはり経産省として、こういう部分は動かざるを得ないところがあると思うんですよね。 一つの選択肢としては、東芝をあくまで救済して、しっかり仕事をやれるような状況にする、これは一つ選択肢としてあると思います。もう一つの選択肢としては、日本の原子力のメーカーというのは三つありますね、三菱重工と日立と東芝ということになるんですが、そこの再編も含めて、場合によってはこれはしっかり考えていくということぐらい大胆なことを考えないと、ちょっと東芝の現状というのは、私は簡単に乗り越えられないんじゃないかというふうに思っています。 官僚という中で、お答えできるかどうかということはありますけれども、いろいろな選択肢も含めて検討していただいた方がいいというのが私の意見ですが、簡潔に一言御答弁いただけますか、短目で結構ですから。
○村瀬政府参考人 お答えさせていただきます。 経済産業省といたしましては、現時点で東芝に対する支援策を検討しているという事実はございませんけれども、一方で、先ほど申し上げましたとおり、東芝が日本の成長戦略上果たす役割、それから非常な技術を持っているという実態、それから、国内における、今御指摘があったとおり、原子力事業、特に廃炉・汚染水対策にも関与している企業であること、この辺も踏まえまして、今後の対応についてはしっかりと見ていきたい、このように考えております。 先ほど再編という御議論ございましたけれども、いわゆる一般論でございます、これは、電力産業全体の話としては、例えますと、昨年末に東京電力委員会で東京電力の抜本的改革ということで提言をいただいております。これも踏まえまして、今、東京電力には、競争力のある、グローバルに太刀打っていける企業になっていただくということで、大胆な改革を求めているところでございます。 広い意味で、エネルギー産業、電力産業がグローバルな中で強靱な、競争力のある事業体に発展していくということについては、エネ庁の人間としてしっかりと対応していきたい、このように考えております。
○細野委員 経産省が電力会社について、特に原子力部門に、できる限り競争力を高める、しっかりやれるようにということで、かなり働きかけをしているのは承知をしています。ですから、それはしっかりやっていただきたい。 一方で、やはりメーカーについてもここから本腰を入れてやっていかないと結構厳しいと思いますよ。ですから、ここで言えること言えないことがあるというふうに思いますけれども、しっかりとメーカーについても対応していただきたいということをお伝えしておきます。 部長はもう結構ですから、どうぞ仕事に戻ってください。 さて、法案の審議に入りますが、私は、この法案についてはやはり質問する責任があるかなというふうに思いました。といいますのは、今から五年前、原子力規制について大改革をやらなければならない立場に政府はなったわけですね。当時の担当大臣が私でございまして、五年前の今ごろはもう、この法案と格闘して、官僚の皆さんと議論を積み重ねて、まさにやっている最中でありました。 法案をつくる作業も非常に難しかったですけれども、最後に一番悩ましかったのは、その新しくつくる組織のトップを誰にするか、これが一番悩ましかったわけですね。きょう田中委員長に来ていただいていますが、私が田中委員長にお願いをいたしました。 理由は幾つかあります。まず一つは、あの原発事故が起こった後に、専門家が非常に強い批判にさらされた。その中において、一番早く、たしか三月の末だったと思うんですが、専門家を募って、提案をすると同時に、まず国民に謝罪をするということをやられました。その呼びかけ人が、私が記憶しているところでは田中委員長であった。これが一つ。もう一つ非常に印象に残っておりますのは、専門家がかなり萎縮している中において、田中委員長が、福島御出身だということもあって、いち早く除染に取り組まれた。一緒にスコップを持って除染をしたことを今でもよく覚えておりますが、そういったこともやられていた。 この事故の反省を踏まえてしっかりやっていただける方であれば委員長をお願いできるのではないかと思って、田中委員長に私の方でお願いをいたしました。 お受けをいただくのは相当覚悟が要ったと思います。迷われたということも承知をしておりますが、就任をされて五年たちました。 今回、この法案の大改正、実質的な責任者として提出をされているわけでありますけれども、この五年間を振り返って、やれたこと、やれなかったこと、いろいろおありだと思うんですが、御自身のイメージとしてはどれぐらいまで来たというふうにお感じになっているか、まずその御所見をお伺いしたいと思います。
○田中政府特別補佐人 細野先生から、いろいろ何でも御存じなのでなかなかお答えしにくいところもあるんですけれども、確かにこの九月で五年を迎えます。今まで四年半。四年半前に、私ども原子力規制委員会と規制庁が発足するときに、随分、どうしたらいいか、どういうふうに私たちは振る舞ったらいいかということを議論しました。 まず第一に反省しなきゃいけないことは、東京電力の福島第一原子力発電所の事故が起こって、原子力に対する国民の信頼は全く損なわれてしまった。これをいかに回復させるかということがまず第一だ。 そのためにどういうことが大事か。幸い三条委員会として発足させていただきましたので、独立性がないと国際的にも言われていたんですが、そこのところはかなり確保できたと思っています。それから、審査、いろいろな判断の上で、科学的、中立的にやりましょう、これもやってきました。それから、国民に対する発信、これは全ての会議を全部透明にしようということで、今でも全てユーチューブで我々の会議の様子は国民皆さんにごらんいただけるようにしています。 その上で、使命は何だということなんですけれども、まず、原子力に対する確かな規制によって人と環境を守らなきゃいけないということです。 人と環境を守るというのは一体何だということなんですけれども、やはり、これも福島第一の反省で、これは私の意見もかなり強いんですが、福島第一、非常に多くの放射能が外に出ました。それで、しかし、幸いと言ったら語弊があるんですけれども、放射線被曝による急性障害という国際的に避けるべきと言われているような症状は見られなかった。そのかわり、環境が非常に汚染されてしまったことによって、長期の避難を余儀なくされてしまったということです。 ですから、もちろん人の被曝を避けるということは第一義的ですけれども、それだけではだめで、環境の汚染を防ぐ、長期避難を必要とするような汚染を防ぐ、そのためにどんな規制が要るのかということで議論をして、それでつくり上げたのが新規制基準と言われるものであります。 発足したのが九月の十九日ですけれども、翌年の七月には新規制基準をつくりまして、その後、今までいわゆる申請のあった二十六基の原子炉の規制の審査を行ってきまして、今までに十基が終わりまして、二基は今パブリックコメント的な、ほぼ十二基、そのうち稼働を始めたのが三基です。 その途中で、我々のやっていることが本当に国際的に見てきちっとしているのかどうかということで、IAEAのIRRSのレビューを受けました。そこでいろいろな、独立性とかそういうことについては良好事例として評価されたんですが、足らないところをたくさん、リコメンデーションとかということでいただきました。それをきっちり踏まえて今回の法改正に至っているということであります。 それで、これは原子力行政の一つの大きな一歩ではありますけれども、まだまだこれから、実際に審査も改善しなきゃいけないところもあると思いますし、それから、稼働という段階で、検査によって本当に原子炉の事故を防ぐということが大事だということで、今回、法律を無事通していただいたらば、それに基づいて、きちっと私どもとしては引き締めて対応をしていきたいと思います。 もう一点、個人的に申し上げますと、もう少し早く福島の復興は進むかな、そのために私が何ができるかなという意味もあってこの仕事を引き受けたということもあるんですけれども、なかなか思うようにいかないなというのが実感です。ただ、私ども規制委員会、規制庁の役割として、ミッションとして、福島第一の廃止措置を安全に進めるということについてはきっちりやらせていただいています。 それで、なかなか皆さんから不安を払拭するまでには至っておりませんけれども、当初のころは労災事故で死亡事故なんかも起こりましたけれども、このところはそういうこともないようにしていただいていますし、廃炉措置が、非常に難しいと思いますけれども、計画的に進められるような段階になってきておりますので、そういった点で、福島にこの春には多くの方が戻られる予定ですので、ぜひ安心していただけるように最善を尽くしていきたい、そんなふうに思います。 長くなりまして申しわけありません。
○細野委員 今委員長がおっしゃったように、あれだけの過酷な事故があったんだけれども、急性被曝による死亡者が発生しなかったというのは、これは現場の努力ということもありますけれども、いろいろな幸運も重なりました。この事故において特筆すべき点だというふうにも思います。 また、委員長が非常に現場の環境、被曝はもちろんですが、実際は、労働環境という本当は厚生労働省の領域に近いところまでいろいろな御配慮をされたことについても承知をしておりますので、その中で作業環境がよくなったことも評価をされていいだろうというふうに思います。 今回、法案が提出をされていますので、五年たって、本当に国際的にも規制という面でも遜色がないというか、一流のレベルに達しているかどうか、この後、少しそこは個別に議論をさせていただきたいと思います。 委員長にはもう一点お伺いしたいのが、さまざまな審査をしておられるわけですけれども、一つ積み残しているかなと思いますのがBWRの審査なんですね。 PWRについては、九州や四国の原発が動いていますので、審査は委員長のもとで確立をした、当然、危険性があるものについてはしっかりチェックをするということになるわけですから。一方で、BWR、これは東京電力福島第一原発はBWRですから、大変な問題が起こった原発でもあるわけだけれども、この審査についてはまだ一つも終了していない。 ここは率直に委員長に、BWRの審査についてどんなスケジュールでこれから、いつ確立をするのかということについてどうお考えになっているか、ぜひ聞かせていただきたいというふうに思います。
○田中政府特別補佐人 私自身も、BWRの審査が非常におくれていることを気にはしています。 ただ、客観的に見ますと、BWRが立地されているサイトというのは、新しい規制基準で非常に、地震とか津波とかいろいろな火山とか、そういったことも含めて、厳しい基準になっております。そういう意味で、BWRサイトというのはどういうわけか全て非常に厳しい条件にありまして、そこの立地条件としての審査がなかなか進まないというのが非常に大きいところがあります。 その中でも東京電力の柏崎刈羽六、七号機が少し先行していたんですが、御承知のように、免震棟の問題とか液状化の問題とかが終盤になって起こってきて、今そこがちょっと足踏みしている状態です。ほかの、日本原電の東海二号炉とか女川とか、幾つか審査を進めていますが、今、BWRの事業者は、どちらかというと東京電力の状況を見ているようなところがありまして、なかなかPWRのときの事業者みたいに積極的に今審査対応がないというところがあります。それで、当然、そういう状況が来れば私どもとしても審査の体制をもっと強化してやろうとしていますが、今のところ、そういう状況にはありません。 ですから、いつごろになるだろうかということを今一概に申し上げることはできないんですが、審査から二年以上たっていますので、そんなに遠くない時期には一定の結果は出るというふうに考えています。
○細野委員 私は、慌ててやってもらいたいとは全く思っていません。特にBWRの場合には事故が起こっているわけですから、より、いろいろなことを心配する方もいるでしょう。ですから、そこはしっかり委員長の目で見きわめていただいて、本当に安全性が確保できているのかどうかということは慎重にしっかり御判断をいただきたいという思いで質問をいたしましたので。御答弁ありがとうございました。 山本大臣に一つお伺いしたいことがございます。 山本大臣は環境大臣をやっておられるわけですが、原子力防災担当大臣も兼務をされているわけですね。私も実はそれをやっていまして、当時、環境大臣と、原子力の事故の収束担当もやっていたということもあるんですが、原子力との自分の力のバランスでいうと、正直言うと五分五分か、率直に言って私の場合には環境の方が三か四ぐらいで原子力が六か七ぐらいのときも結構あったんですね。 それと比較すると、当然、時間もたっているので相当バランスが変わっていることは理解をするんですが、大臣にぜひ意識として持っていただきたいのは、原子力防災大臣というのはまさに危機管理の担当大臣でもあるわけですね。環境省というのは、従来余り危機管理には適していない官庁だと言われていたのが、私は、あのころから大きく変わって、今は相当対応できる役所になっているというふうに思います。 ですから、大臣の中で率直に、環境にかけるエネルギーと防災にかけるエネルギー、今どんなふうに考えておられて、どういう意識でやろうとしておられるのか、せっかくの機会ですので、ぜひそのことについてお伺いしたいと思います。
○山本(公)国務大臣 ありがとうございます。 福島、私が就任以来たびたび訪れさせていただきまして、現状を目の当たりにしてまいりました。見るにつけ、やはり、原子力事故というのは起きてしまうと大変な被害をもたらすものだということを改めて思っておりまして、今、比重がどうだということはなかなか数字をもって言いにくいんですけれども、ただ、私の気持ちの上では、環境大臣として、とにかく福島の皆さん方の復興のために少しでもお役に立ちたいという思いで、かなりの比重をかけていることは間違いございません。 一方、原子力防災担当大臣ということで、これは、とにかく私自身が、伊方が地元にございます。そのことを考えていくときに、住民の方々が少しでも安心をされるように、防災担当大臣として避難計画が特に中心になっていきますけれども、どうやって安心できるような避難計画をつくり上げていくのかということを、私は地元の立場でございますから、住民の視線に立ってこの計画をこれからもつくり上げていきたいな、そういう思いで頑張らせていただいております。
○細野委員 やはり、原子力防災ということを考えた場合に、何が起こり得るかとか、どういう人がそこにいるかということについて、イメージを持てるか持てないかで随分違うと思います。そういう意味では、大臣、福島に頻繁に通っておられますし、伊方の地元でもあるということですので、そういう明確なイメージを持ちながらお仕事をされているということについては、お伺いして安心をいたしました。 ただ、環境省の仕事もたくさんありますから、なかなか、原子力防災ということになりがちですので、別に割合として何割ということは申し上げませんが、常にそこは確認を怠らずに、万全を期していただきたいというふうに思います。 法案の中身に入りたいと思うんですが、まず、これは原子力規制部長の山田部長にお伺いしたいというふうに思いますが、この規制の肝ですね、これまでさまざまな個別の検査、審査をしていたものを、総合的な監視、評価に変えるというこの部分、この部分についてはかなり質問者からもさまざまな問いかけがありましたし、あとは、きょうの午前中の参考人質疑の中でも、伴さんの方から、むしろこれは懸念が多いという話がありました。 それで、ぜひ確認をさせていただきたいんですが、これは、今回、監視、評価をするということは、個別のチェックがなくなるということなんですか。私の理解では、例えば、これまでやってきた溶接安全管理審査であるとか、さらには定期検査、それがいつでも直接できる、つまり、事業者に任せておいてそれを監査するということではなくて、原子力規制庁としてはいつでもその検査をできるんだ、つまり検査がなくなるわけではないというふうに私は理解しているんですが、これは正しいのかどうか。 審査とか監査ということになると、まさに事業者に任せて後ろでチェックをする、見ているという誤解が一部あるように思いますから、誤解なのかどうか、そこを山田部長に御答弁いただきたいと思います。
○山田政府参考人 今回の検査の制度の見直しでは、事業者検査というものとそれから原子力規制検査、この二つの種類のものを設けることになります。 事業者検査というのは、施設の基準などへの適合性を確認するという検査で、現行の制度では国が行う検査という形でやってございます。今回、事業者検査として義務づけるのは、国がやっていた、まあ、国がやっていたといっても、実際には事業者が設備を動かして検査をしているのを国が立ち会って確認する、そういう形での検査でございますけれども、これは、今の制度では国が検査をするということしか法律上ございませんでしたので、本来、第一義的責任を持っているはずの事業者がみずからの責任でやるべきだということで、事業者検査ということで法律上しっかりと義務づけるという形にしてございます。 その上で、新しく設けます原子力規制検査というのは、国がやる検査でございますけれども、これで、事業者が事業者検査をやっているところへの立ち会いも含めて、事業者がきちんと検査をやっているかどうか、事業者がやった検査の結果として基準への適合性がきちんと実現できているかどうかといったようなものをこの原子力規制検査の中で見るということで、その検査自体は、従来でしたらば、国が行う検査のそのタイミングだけでしか検査を行いませんでしたけれども、原子力規制検査では、事業者が事業者検査をする準備をする段階から、事業者の保安活動という形で現場に見に参りますので、そういったことも含めて、事業者がきちんとした保安活動をやっているかどうかということを確認するということですので、先生の御指摘のとおりのことだというふうに私どもは認識をしております。
○細野委員 つまり、これまでは、検査しますよということで、原子力規制庁の職員が、実際常駐していますよね、検査のときには一部増強するんでしょうけれども、常駐していて検査をする。まさにその検査そのものを、白黒でチェックして、よかったですねということでやっていた。これからは、その検査をいつでもできる、これまでやる検査はなくならないという理解でいいんですね。もう一度お願いします。
○山田政府参考人 結論から申し上げますと、原子力規制検査という形で検査、確認をするということは変わりはございません。
○細野委員 そのことが確認できたというのは、これは非常にこの法案の大きなポイントですので、重要なことだと思います。 ただ、一方で、これは荻野次長にお伺いしたいんですが、実際は、これまで相当マニュアル化されていた検査というのがあったと思われますから、それを単純にやる検査官の仕事と、事業者が日々やっていることを常にチェックできるという、ある意味、どこに問題があるのかというのを見抜く目を持つ必要があるという意味においては、これは、これまで求められているのとは違う、相当高いレベルの資質が求められると思うんですよね。 原子力規制庁の場合には、JNESから数百人の新しい人材を入れて増強した。実際に今長官をやっている安井さんもまさに福島原発のときの事故の当事者だし、櫻田審議官もそうですから、上の方の部分については、私も相当能力が高い人がいるのを十分承知している。 ただ、本当に、現場の検査をする職員も含めて相当レベルを上げないとこれはしっかり仕事ができないというふうに思いますが、そこは、次長、どのようにお感じになっていますか。
○荻野政府参考人 お答え申し上げます。 まさにいつでもどこでもという検査になりますので、現場の検査官に要求される能力がポイントですし、それがこの制度の実際運用段階で一番の肝となるものだと思っております。 そういった意味で、検査官には、基本的に、基本的な素養は、もちろん理工系の知識があって、一定の実務経験があるということが重要でございますけれども、それに加えて、例えばシビアアクシデントの状況でありますとか、プラントの挙動でありますとか、各種の知識が要るんだろうと思います。また、事業者と適切にコミュニケーションをとる能力といったものも必要になってくるんだろうと思います。そういった高度な知識も必要になってくるんだろうと思います。 そういった意味で、現在、米国に五人、現役の職員を派遣いたしまして、実際にNRCのまさにサイトにおける、駐在検査官と同行して、駐在検査官が現実にどのような検査を行い、どのような日常を行っているか、あるいはリージョナルオフィスにおいてどのような検討会議を行っているかといったことも含めて、つぶさに、研修というよりも、まさに実際に一緒に仕事をする形で向こうの実態を知っております。 また、並行いたしまして、向こうにおける研修の仕組みといったものも周到に学んでおりまして、日本のような、どちらかというと、オン・ザ・ジョブ・トレーニングといいますか、経験で習うというよりも、非常に精緻に体系化されて、一人前の検査官になるためにはどのような技能がどの程度必要かといったことが、かなり精緻な、ジャーナルと呼ぶそうなんですけれども、そういったものができ上がっております。 そういったものも日本に取り入れて、例えば、二年間なら二年間みっちり実務をやりながらきちんとした教育も行って専門知識をつけていくという研修の仕組みも、この法律が成立いたしましたら、二年ぐらいかけてきっちりつくり上げていきたいと思っております。 あわせまして、プラントシミュレーターといったものも装備しておりまして、これで、BWR、PWRを含めまして、いろいろなシビアアクシデントの状況を再現できる装置なんかもございまして、そういったものを活用した研修なども行うといったことによりまして、おっしゃるように、検査官のレベルの引き上げといったものを図ってまいりたいと思っております。
○細野委員 荻野次長は、法案をつくったときに担当していただいた方でもありますから、よくよく仕組みは熟知した上で取り組んでいただいているというふうに思うんですが、これは若干個人的な見解も含めてなんですけれども、やはりどこかで待遇も考えていかなきゃいかぬ面はあると思うんですね。 NRCの場合は、ほかの米国の国家公務員と比較しても、非常に年俸の待遇がいい。その分非常に優秀な人材も集まりますね。日本の場合にはそういう形になっていない。やはり特に技術職の場合については、どうしても待遇が人材ということにもつながります。そこも含めて、警察御出身ということもありますから組織運営にもたけておられるので、しっかり人材を集めて、育てて、そして待遇も上げていくということも含めて、やはり規制庁として相当努力いただく必要があるというふうに思います。 せっかくですから、一言ちょっと御答弁を。
○荻野政府参考人 御指摘のとおり、基本的には公務員制度の中での処遇ということでございます。 それで、処遇ということではございませんけれども、現在、原子力規制庁は、技官中心の仕組みになっておりまして、技官の方が大変多いわけでございます。技術職の方が多いわけでございますけれども、本年度、今御審議いただいている予算案の中で組織要求をしておりまして、原子力規制技監という技術系のいわばトップの職をお願いしているところでございまして、長官を支える次長的技官というような形でございまして、技術系のキャリアパスという意味でも一つの意味を持つのではないかと思っております。 それから、いろいろな意味で魅力のある職場づくりということで、留学制度等も設けているということもありまして、採用なんかを見ましても、非常に、いわゆる総合職等も含めて、大学院卒の方なんかも含めて若い人が応募してきて、優秀な人材が採れておりますので、引き続きこういった、若い人からちゃんと我々の職場に加わっていただけるように、職場の魅力づくりといった点でも配慮してまいりたいと思います。
○細野委員 では次に、もう一度山田部長にお伺いしたいと思うんですが、今回新しく、廃止措置、つまり廃炉についての規定が入りました。やはり、これがなかったというのは法律的な部分でいうと穴があいていたということでございますので、よかったと思うんですね。 ただ、一点気になるのが、廃炉措置というのは、例えば原子炉が四十年運転するとすると、つくったときから四十年たつと、もう大きく技術も変わるわけですよね。すなわち、廃炉の技術も当然大きく変わるし、当然社会的な要請も大きく変わってくる。 そういう中において、実施方針を変更したときは届け出ろとなっていて、原子力規制庁の方から、規制委員会の方からもっと新しい知見でやれというようなことが必ずしもこれは言える仕組みになっていないんじゃないかということが気になります。 ですから、常にやはり廃炉措置について更新をさせるような、法律に基づいてということが一番望ましいんですが、法律にはそれは書いてないので、そういう取り組みをしていただきたいと思いますが、この点、山田部長、いかがでしょうか。
○山田政府参考人 廃止措置そのものにつきましては、先生御指摘のとおり、技術進歩等もありますし、社会環境も変わりますので、恐らく、運転開始段階で考えたものが何十年かたつと変わってくるということもございますし、当初想定できなかったようなことも、運転を継続していくうちに、計画自体も詳細化していくというようなこともあるかというふうに考えてございます。 したがいまして、今後、制度については詳細検討をさせていただきたいと思っておりますけれども、一定の期間ごとに見直すですとか、いわゆる見直しについては求めていくということを考えてございまして、改定したものについてはあわせて公表するということも、最初の段階と同じような形で進めていきたいというふうに考えてございます。
○細野委員 部長、私が言ったのは、待ちではなくて、規制庁の側から、やはり更新についてしっかり取り組むようにそこは指導していくという必要があるんじゃないかというのが私の意見です。それについてはどうですか。
○山田政府参考人 これも今後の検討になるかと思いますけれども、提出の仕方について、定期的に見直して提出をするといったようなことも一つの案として考えていきたいというふうに考えてございます。
○細野委員 そこは、廃炉については国民の関心は今非常に高まっていると思いますので、ぜひしっかりやっていただきたいと思います。 最後に、テロ対策について、これは警察御出身ということでありますので、荻野次長に伺います。 今回、さまざまな防護措置について対応が加わったというのは、これはよかったと思います。率直に言って、五年前つくったときには、スリーSと言われるものの中でいうと、実際、セキュリティーが非常に難しかった。そこを今回しっかりやっていただいたという意味では前進だと思うんですね。 ただ、テロ対策ということを考えたときに、専門家に聞くと誰しも言うのは、一番はやはり個人のクリアランスの問題なんですね。つまり、どんなに監視カメラをつけたところで、セキュリティーの施設を充実させたところで、中に、例えばそういうテロを誘発するような人物であるとか、情報漏えいなんかが生じた場合については、全て無駄になってしまう可能性があるわけだから。 そこについては、まさに五年前は、ほとんどまだこれは難しいねと。つまり、公務員ですら、特定秘密保護法もありませんでしたから、そういうクリアランスに対する仕組みがほとんどない中で、事業者に個人のさまざまなことについて調べるのは非常に難しいねということで、正直言って、そこは当時はやり切れなかったというところがあります。 昨年から導入されたということを聞いていますが、どこまでできているというふうに次長としてはお考えなのか、まず概略について御答弁いただきたいと思います。
○荻野政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘のように、クリアランスの問題は、非常に重要かつ困難な課題であります。 御指摘なさいましたのは、個人の信頼性確認制度のことかと存じます。これは原子力発電所等に対する内部脅威対策の一環でございまして、防護区域等に常時立ち入る者でありますとか、核物質防護に関する秘密を知り得る者について、妨害破壊行為等を行うおそれがあるか否か、あるいは秘密を漏らすおそれがあるか否かについてあらかじめ確認をする制度でございます。 これに関しまして、原子力規制委員会規則の改正を昨年行いまして、この制度の実施については、実施の細目は、事業者が核防護規定というものを定めて、それは今年度末までに申請されるわけでございますけれども、その内容を規制委員会でチェックをして認可をする。認可をすると、認可に基づいて順次その確認制度が具体的に、実際に本格実施されていくという運びになります。 こういった確認をするに当たりましては、対象者の本人から、学歴、職歴といったもののほか、海外渡航歴、それから犯罪や懲戒の経歴、精神疾患の有無、アルコール及び薬物の影響の有無などについて申告をさせます。また、当該申告内容を証明する書類として、例えば海外渡航歴については旅券の写しの提出を求めるということとなります。 このようないわば機微にわたる個人情報の提供を受けた上で、対象者一人一人について面接を行っていろいろな質問をする、その回答ぶりを見る。さらに、対象者の性格等に関する適性検査を行ったり、あるいはアルコールや薬物の影響に関する検査などを行う。あわせて、事業者の有する各種の人事情報などを活用することとして、対象者について総合的な判断を行うということになります。 おっしゃるとおり非常に困難な課題ではあるんですけれども、こういったことは、やはりこういった制度を設けて申告をさせる、誓約をさせていくといったことは、妨害破壊行為等に加担する懸念のある者をあぶり出していくという意味で効き目がある、実効性があると思っておりますし、内部脅威対策の有力な手段の一つとして有効ではないかと考えております。 もとより、内部脅威対策というのは個人の信頼性確認制度だけでできるものではなくて、そもそも原子力発電所の敷地に立ち入る時点での本人確認というのは非常に厳重にやっておりますし、また、重要な区域につきましては、御案内のツーマンルールというのがございまして、一人では行動させない、相互牽制をさせる、あるいは、防護区域内には職員を監視するカメラを置いて、不審な行動がないようにチェックをするといったようなことを重層的にやっていくということでございます。こういったことを一つ一つを積み重ねていくということがリスクを下げていく道なんだろうと思います。 こういった制度の実効性、有効性につきましては、今後、原子炉等規制法に基づくこういった核防護規定については遵守事項の検査といったものを行います。こういったことで確認をしておけますし、また、この検査につきましては、治安機関であります警察、海上保安庁もそれぞれ権限を有しておりますので、それら治安機関との連携も含めて内部脅威対策を進めてまいりたいと考えております。
○細野委員 原発の中に入ると、ちょっと印象として受けるのは、電力会社だけじゃなくて建設業者、メーカー、下請、いろいろな会社の方が実際は中に入っているんですよね。それをどこまでクリアランスするかというのは本当に難しいと思います。 ただし、やはり私も相当諸外国の原発を見ましたけれども、さまざまな国々の取り組みと比べても、多分ここが一番日本はおくれてきたところだというふうに思いますので、新しい取り組みが去年から始まったということですので、ぜひしっかりやっていただきたいと思います。 一点だけ最後に懸念を申し上げると、このガイドラインも見たんですけれども、確認対象者のプライバシーに配慮するとなっている。これは、一般規定ということではいいんだけれども、例えば、テロの思惑を持っている人が、実は私はテロリストなんですと自分から気持ちを吐露することはないわけですね。ですから、半歩、一歩立ち入らないと、そういうリスクというのは顕在化できない。しかも、自己申告書がベースになっていて、例えば特定秘密の取り扱いの担当者は照会できますから、各省庁に問い合わせもできますから、それと比べると随分差がありますね、実際は。 ここはさらに厳しくしていくことも含めて御検討いただきたいとこの点については思いますが、次長、どうでしょうか。
○荻野政府参考人 御指摘のとおり、いろいろ困難な課題があろうかと思います。 もちろん、テロリストがテロリストであるということを自認するということは考えにくいわけでございますけれども、これは、この種の仕組みにどうしても伴ってしまうものかとは思います。 いろいろなケースがあろうかと思いますが、運用を始めて、いろいろ工夫をしてまいりたいというふうに思います。
○細野委員 テロ対策、最後に質問いたしましたけれども、非常に重要な役割を皆さんに担っていただいているので、本当にこれは国民のためにしっかり仕事をやり切っていただきたい、このことを最後にお願いして、質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○平委員長 次に、福田昭夫君。
○福田(昭)委員 民進党の福田でございます。 きょうは、先日時間切れで質問できなかった課題について、十分ほど時間をいただいたので、政府の考えをただしてまいりたいと思いますので、簡潔にお答えをいただきたいと思います。 テーマは、原子力発電所の最終処理についてであります。 まず、福島事故にかかわる総費用については、先日経産省が示した費用、二十一・五兆円には、帰還困難区域の復興拠点の整備、燃料デブリ等の取り出し以降に生ずる廃棄物の処分、中間貯蔵後の除去土壌等の最終処分等に要する費用は含まれていないということでしたが、そのとおりでいいですね。イエスかノーかでお答えください。
○井原大臣政務官 お答えいたします。 そのとおりでございます。
○福田(昭)委員 それでは次に、四番までは私が一方的にしゃべります、時間がありませんので。 まず、核燃料サイクルの失敗についてであります。そのうちの一つ、「もんじゅ」にかけた年数と総費用については、昭和五十五年度から平成二十八年度までの三十六年間に一兆四百十億円をかけましたが、見事に失敗をし、今後、約三千七百五十億円をかけて、三十年ぐらいかけて廃止をする計画でありますが、合わせると一兆四千百六十億円の大失敗の費用ということになります。 それから、東海再処理施設ですけれども、廃止に向けて七十年かかるそうでありますが、当面十年間の計画に必要な費用については約二千百七十億円を見込んでおりますが、十一年目から管理区域を解除するまでの七十年まではまだ幾らかかるか見通しが立っていない状況であります。 それから、六ケ所村の再処理工場にかける年数と総費用については、一九九三年に着工して二〇一八年、来年度まで約二十五年かけて建設をし、約二・二兆円の費用がかかる予定であります。 予定どおり完成すればよいわけでありますが、しかし、二〇一六年の五月、アメリカのホワイトハウスの国家安全保障会議、NSCのウルフソル上級部長、軍縮・不拡散担当は、日米原子力協定の効力延長について、日本が核燃料サイクルを見直すなら支持すると述べており、プルトニウム量削減の見通しが立たない限り、六ケ所再処理工場を稼働しないように求め続けるだろう、こう言われております。 そんなことを考えると、六ケ所村の再処理工場の稼働も、完成したとしても稼働できない可能性もあるということでありますから、これも先行き大変不透明であります。 次に、放射性廃棄物の最終処分場についてでありますけれども、先日明らかになったように、炉内等廃棄物等の低レベルの廃棄物の最終処分の責任は原子力事業者にあります。高レベル廃棄物の最終処分の責任は原子力発電環境整備機構、NUMOにありますけれども、しかし、それぞれ最終処分場はまだ決まっておりません。 それぞれの原子力事業者は、それぞれが所有する敷地で埋設をするほか方法は多分ないんじゃないかなと思っておりますが、さらに、NUMOについても最終処分場を決めるのは難しい。いずれも最終処分場が決まらない中で、どうしたらいいのかということになるわけであります。 これは、小泉元総理がトイレのないマンションだと言っていますが、まさにトイレのないマンションを今後とも続けていく考えなのかどうかと大変疑問が高まるわけであります。 次に、原子力発電所及び原子力事業は不良債権だということについてでありますが、今まで見てきたとおり、東京電力福島第一原発の事故処理を見れば、原発がいかに危険で費用がかかり、不良債権だということは明白であります。 東電も、みずから立っていくことができなくなって、実質、今国有化されてやっているわけであります。そういった意味では、実質破綻をしているという状況であります。 また、原子力事業についても、「もんじゅ」や東海の再処理施設、六ケ所村の再処理工場の状況、及び、先ほども指摘がありましたけれども、東芝も米国での原子力事業から撤退をする、そして東芝の会社そのものの存続も危うくなっている、こんなことを考えると、原子力事業も不良債権だと言えるのではないかと思っています。 それらの不良債権は、それぞれの企業だけではなく、銀行、金融機関にも影響を与えますし、国家財政にも大きな影響を与えるということであります。 したがって、この原子力発電所及び原子力事業は不良債権であって、この不良債権をこれからも続けるのかどうかというのが大きな解決すべき課題となっていると思っております。 次に、原発を国有化して廃炉にすることについてであります。 平成二十六年度は、原発稼働ゼロ、石炭火力が代替しておりましたけれども、しかし、CO2、二酸化炭素の削減もまた実現をした画期的な年でありました。我が国は、原発なしでもエネルギーを賄うことが十分できます。 したがって、原発を国有化して廃炉にしていくことが求められていると思っております。その方が電力事業者にとっても助かる、こう考えておりますけれども、経産省及び原子力規制委員会の田中委員長の考えをお聞かせいただきたいと思います。よろしくお願いします。
○井原大臣政務官 質問の答弁が少し後先になりますが、まず経産省側からお答え申し上げます。 まず一つ目の、原子力発電所及び原子力事業は不良債権と考えるか、いかがかということで……(福田(昭)委員「いやいや、原発を国有化、それだけでいいですよ、廃炉にすることについてどう考えるかということ」と呼ぶ)はい、わかりました。 廃炉についての考え方でありますけれども、安全対策、使用済み燃料の処理処分、万が一の事故対応、賠償、廃炉などの課題に対応する必要性が原子力事業に当たってはあります。これらは、炉の設置者でありまして、現場に精通している原子力事業者がみずからの責任のもとで担っていくべきと考えております。 仮に原発を国有化すればこうした取り組みが適切になされるわけではなく、逆に、行政の肥大化とか事業の非効率化等、新たな懸念も生ずると考えております。
○田中政府特別補佐人 先生からのせっかくのお尋ねですけれども、私どもの立場から原子力の利用に係る政策について意見を述べることは控えさせていただきたいと思います。
○福田(昭)委員 田中委員長は、せっかく三条委員会として発足したので、ここはやはりしっかり大胆な提言をしてほしいと思いますし、それから経産省に対しては、国有化しても、その従事していた社員を雇ってやればいいんだから、別に困ることはないと思うんですよ。 問題は、今まで、参考人の質疑を聞いてもそうだし、いろいろな先生方の質問を聞いてもそうだけれども、これは与野党を超えて解決しなきゃならない課題であって、しかも、政府が責任逃れをした、経産省にしても文科省にしても規制委員会にしても。大体、政府でどこの部署がリーダーシップをとってこの原発問題に取り組んでいるのか。私にはそういう、どこが責任を持ってやっているんだか、全く感じられない。経産省も逃げている、そして文科省も逃げている、規制委員会も逃げていたらば、この問題は解決しないですよ。 ですから、ここはしっかり、一番は経産省でしょうけれども、しっかり主体的に解決をする。それは、やはり国有化をして廃炉にしていくということしか私は解決の道はないと思いますよ。 そろそろ時間かな。脱原発、脱炭素社会を実現するには、やはり、我が国だけではなく、これは今、我々人類が解決すべき大きな課題の一つだと考えておりますので、それこそ世界じゅうの次の世代のために、しっかり英知を集めて解決すべきことを提案して、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○平委員長 次に、木内孝胤君。
○木内(孝)委員 民進党、木内孝胤でございます。 質問が既に集中している分野ですが、検査体制につきまして質問させていただきたいと思います。 今回の法改正の一つの大きなポイントは、事業者がみずから検査をする義務、これが一つ。もう一つが、原子力規制委員会が事業者の保安活動を常時チェックする仕組み。いつでも何にでも国のチェックが行き届く仕組みとなっております。 きょうの午前中の参考人質疑でも、事業者の信頼性の回復がされたか否かという点、あるいは、性善説に立って検査するのか、性悪説に立って検査するのかという点がございますけれども、やはり多くの国民がまだ十分に信頼回復していないのではないかと言われるところで、いずれにしても、信頼を回復していようといまいと、こういう検査は、ある意味、性悪説に立って厳しい形で臨むというのが基本的なスタンスであるべきだと考えております。 その中で、今回、みずからが検査をするというところで、おやっと思った方も多いかと思いますし、私もそう思った一人でございます。ただ、もし全体として改善するのであるならば、常時チェックできる仕組みが本当の意味で担保されているのであれば、もしかしたら一歩前進するのではないか、そのように考えているわけでございます。 今回の法改正によって、具体的な情報開示の体制、どういうタイミングでどういう形で開示されるのか、あるいは情報へのアクセス、これは若干重複するところもございますけれども、情報開示の体制につきまして、改めて規制庁の方にお伺いいたします。
○山田政府参考人 まず、常時チェックについてでございます。 規制庁の職員による現場での監視ということにつきましては、原子力発電所のような原子力施設には検査官が常駐をしております。この常駐しております検査官が、事前に事業者の検査や工事等の計画を入手した上で、事業者検査の現場への立ち会いや、運転状態や機器の作動状態を示す計器の表示の確認、それから従業者へのインタビュー、こういったようなものを通じて、安全に関しての必要な情報はいつでも入手できるような形にいたします。その結果として、検査官が事業者の保安活動の実態を適切に把握して、その中から把握した気づきの点などについて、その重要性に応じて対応していく、そういう考え方でございます。 それから、公開についてでございますけれども、検査における指摘事項やその指摘事項を踏まえて評価した評定の結果につきましては、セキュリティーに関することを除いて原則全て公開をするということで、どういう周期になるかわかりませんけれども、検査が終わった後には、その結果については公表したいというふうに考えてございます。
○木内(孝)委員 この検査官の方は、例えば放射線の線量計、あるいは、気圧、水位、さまざまな定量的な数値をリアルタイムで監視できる体制になっているのか。あるいは、検査官の、中にいらっしゃる方もそうですけれども、外にいらっしゃる方がこうしたさまざまな数値をリアルタイムで確認できる体制になっているのかということと、あと、例えば社内のEメールとかそういったやりとりというのは、何でもかんでもアクセスできるというのは危機管理上おかしいとは思いますけれども、一定のタイムラグを置いて、あるいは、何か問題があったときには外から一定のアクセス権を持ってアクセスができるのかどうか。 この点、お伺いいたします。
○山田政府参考人 計器の監視についてでございますけれども、検査官は、発電所の中に、原子力施設の中に常駐しておりますので、事業者がいろいろな計器を中央制御室ですとかいろいろなところに置いておりますので、そこへはフリーアクセスをいたしますので、そこで確認をするという形でチェックをしていくことになるというふうに考えてございます。 それから、情報へのアクセスでございますけれども、現時点におきましては、まだそこまでの法律に基づくアクセスはできておりませんけれども、現時点では、事業者との合意によって可能な範囲でアクセスすることができることになってございます。 新しい制度になりましたらば、これは原子力規制検査という形で検査に入りますので、事業者に対しては法的な権限に基づいて情報にアクセスをするという形になりますけれども、具体的に、Eメールですとか情報システムにどうアクセスできるかといったようなことについては、今後、事業者との間でも相談をしながら、どういう形でアクセスをしていくのかについては、制度の詳細検討の中で明らかにしていきたいというふうに考えてございます。
○木内(孝)委員 原子力事業の検査と例えば金融事業の検査と全く違うものではありますが、私も銀行とか証券に長くいたものですから、さまざまな形で検査を受けます。証券会社ですと、例えばインサイダー問題とかあるいは検査に来たときに情報を大きく組織的に隠蔽した問題とか、いろいろな問題がございます。これを回避するのに最も有効だったのかなと私が考えておりますのは、やはりメールを常時社内の人間、あるいは、場合によって社外の人間すらこれが管理できる状態にあるということが、最もいろいろな意味での防止策になると思っております。 ぜひ、メールのやりとり等々の管理、これは常時監視をされているんだということが社員が全員わかりますと、非常に大きな抑止力となりますので、いま一度ネットの状況について、その御決意というか。今から検討するといいますと、私としては正直言って不安なんです。これは、パッケージとして常時チェックできるからぎりぎり進歩しているのかなという印象を持っていましたけれども、今からその点すら検討するというのではちょっと心もとないというところでございますけれども、このネット対策、いかがですか。
○山田政府参考人 私どもの行います検査は、原子力の施設ですとか、その施設に関するメンテナンス、これをどういうふうにやっているのかといったようなことですので、こういうものについては、一部の事業者では、データベースとして社内のイントラネットのようなところで恐らく管理をしていると思います。 今、アメリカに私どもの職員が検査の状態を勉強しに参っておりますけれども、米国では、そういった施設の情報については社内のネットワークに載っかっていて、そのネットワークに対してはNRCの検査官はアクセスができるといったような形になっております。 そういったような状況になっているということも私どもとしては参考にして、どういったような形でのネット内アクセスができるのかということについては、事業者のデータベースとかの整備の状況によりますので、今後確認をした上でということになりますけれども、情報については十分アクセスできるような形で制度については検討してまいりたいというふうに思っております。
○木内(孝)委員 ぜひ御検討いただければと思います。 今、米国に人を派遣しているという話がございましたが、検査体制の人材育成の仕組みについてお伺いしたいと思います。 今まで検査をされてきた検査官がいらっしゃると思うんですが、今後、人材育成の観点からどういう点を変更していくのか、あるいは、従来どおりの形での人材育成を踏襲するのか、必要な資質や経験はどうなのか、こうしたことをお伺いいたします。
○荻野政府参考人 お答え申し上げます。 新たな検査制度を担う検査官につきましては、幅広い知識、高度な資質が必要となります。 現状では、検査官となるためには、前提条件として、原子力に関する理学、工学系の学科を修了した職員を対象に、原子力施設の設計や保守管理等に対する業務に一定の経験を有する、一定の期間の研修をして実務経験を積んで検査官をやるということになっているんでございますけれども、新たな検査制度につきましては、米国の制度を参考に、もうちょっと抜本的にそこは体系化しようと思っております。 一種の、内部的なものではございますけれども、資格制度といったものを設けて、検査官補と正式な検査官といったようなグレードを設けて、そこに至るためには、例えば、原子炉工学、核燃料サイクル工学、放射線防護、シビアアクシデント等々についてきめ細かく必須の項目あるいは段階を決めまして、アメリカ、米国ではそういった非常に体系化された仕組みもございますので、そういったものを参考にした研修の仕組みあるいは資格認定の仕組みをつくりまして、そこは、例えば二年間みっちり学んで正式な検査官になる、のようなイメージで、NRCの検査官訓練制度などを参考にして、現在の研修体系あるいは資格認定のプログラムの準備を開始しているというところでございます。
○木内(孝)委員 ありがとうございます。 事業会社は、現在、国が大株主となっているような状況でございますけれども、検査官が厳しい厳正な検査をすればするほど時として人事上マイナスに働くというケース、これはちょっとみずからの経験といいますか、私がいた金融機関ではよくある話というか、今回は非常に独立した組織で、そうしたことも含めて担保されているという理解ではあるんですけれども、やはり真面目にやると空気が読めていないとか、元上司がそこにいるところに検査に行って、本当に公正な人事がなされているのか等々というのが、やはりある意味、検査をいい形でする肝でもあると思うんです。 そうした人事の公平性というのはきちんと担保されているのか、念のために確認の意味でお伺いいたします。
○荻野政府参考人 まず、前提といたしまして、あくまで事業会社、電力会社と規制庁職員という関係でございますので、基本的にはそこは完全にもともと分離をされていますし、人事上の関係はないということでございます。 それと同時に、比較的現場の検査官に大きな権限が相当与えられるようになりますので、新しい検査制度の構築に当たっては、職務執行に当たって適正に行われるように、米国の例にも倣って検査のマニュアルとかをきちんと整える、あるいは、検査内容をどう評価するかといったことも組織的に評価をするという、検査の仕組みとして不公正が起きないように、まず仕組んでまいります。 その上で、人事配置でございますけれども、現在の例でございましても各原子力発電所に常駐の検査官はおりますけれども、数年程度で異動するというのが例になっておりまして、そういった意味で、特定のところとの癒着といいますか、そういったことは構造として起きないように、それはもう現在もしておりますし、事業者との関係でそういう問題は生じないことは確実だと考えております。
○木内(孝)委員 わかりました。 ちょっと次の質問に行きたいと思いますけれども、東京電力の支援スキームについてお伺いをしたいと思います。 原賠支援機構の資金枠が十三・五兆円、廃炉も合わせると二十一・五兆円ということでございますけれども、これはスキームが若干複雑ではございますが、原賠機構が資金を回収する方法、見通しということで、七・九兆円程度が被災者賠償ということで、一般負担金、特別負担金ということで、原子力事業者全体が負担する部分と東電のみが負担する部分とございます。 一般的に考えますと、事業会社がこれだけの資金を負担するということは、普通に考えたら、事業会社、東京電力さんは事実上債務超過ということになると思うんです。ただし、今回は、あるとき払いみたいな形の支援スキームに変えているものですから、いわゆる条件つき債務ということで債務認識をしなくていいというようなことになっておりますので、ちょっと表現がきつければ失礼になりますが、金融機関に長くいた人間からすると、事実上の飛ばし、あるいは粉飾的スキームだと私は考えております。 こうしたスキーム自体が事業会社に甘過ぎたりあるいは過度に厳し過ぎたりすると、それ自体がモラルハザードになるケースが非常にあると思っておりまして、よく処分等々が甘過ぎることでモラルハザードが生じている場合もありますけれども、東京電力の原賠機構廃炉スキームに関しては、国が本来負うべき責任を一切負っていないスキームになっております。本来であれば当時銀行団が負うべき負担も、これも負っていないスキームになっている。普通であれば、一〇〇%減資あるいは一部減資ということで株主も責任を負うはずにもかかわらず、非常に、ある意味、複雑怪奇なスキームを導入して、これが今も続いている。これは、当時の民主党政権のときにつくったスキームですし、今も金額等を変えて継続している。 私は、そういう意味では、政治家、官僚、そして、銀行、株主、こうした人たちが全ての責任を過度に東京電力という事業会社一社に押しつけている、非常に不健全なスキームだと考えておりますし、どう考えても、普通であれば、私は継続企業として監査法人がサインしているということ自体に物すごい違和感がございます。 当然、ガラス細工的なスキームだということは認識していると思いますが、この原賠機構スキームが持続可能なきちんとした制度だというふうにお考えなのか。これは経産省さんにお伺いしたいと思います。
○村瀬政府参考人 お答えさせていただきます。 先生よく御承知かと思いますけれども、機構法が二〇一一年に制定されまして、機構は、国から交付された交付国債を原資といたしまして、事故を起こした事業者に資金援助をする。一方で、事業者は、自己責任と相互扶助の考え方のもと、原子力事業者から一般負担金、事故を起こした事業者から特別負担金を徴収して、一定期間をかけて国庫へ納付するという仕組みということでございます。これは、法律に基づいたスキームということで、今も有効だというふうに考えております。 先生御承知のとおり、交付された資金の実際の回収に当たりましては、一般負担金、特別負担金に加えまして、原賠機構法六十八条に基づく国からの資金交付など複数の方法がございまして、この負担金の額は、事業年度ごとに機構の運営委員会の議決を経て国が認可するということで毎年決まっているということでございます。 先ほど御指摘のあった監査法人でございますけれども、監査法人が毎年度会計検査を行っておりまして、適正な会計処理を行っているとの判断がなされている、このように承知しております。
○木内(孝)委員 スキームの資金の回収の方法でいいますと、機構保有の東電株式の売却益、これが四兆円程度ということになっております。今、時価総額、七千億円を切っていると思いますが、これを売却すると一体どうやって四兆円の売却益になるのか。 現時点で事実上破綻しているスキームだと思うんですが、この四兆円の根拠をお示しください。
○村瀬政府参考人 除染の四兆円のことを御指摘されているかと思います。 除染費用は、まず国が予算をつけて事業を実施した上で、これを東京電力に求償していくという形になっています。 今機構は、東京電力に一兆円、これも二〇一一年当時出資を行っておりまして、これは将来、株式、東京電力は上場されている株式会社でございますので、この株式を将来市場で売却するということになってございまして、そこにおける売却益、これは新総特と言われる新・総合特別事業計画を策定いたしましたときには二・五兆円の売却益を見込んでおったものですけれども、今回の東京電力の改革をさらに昨年東電委員会の中で議論する中で、東電委員会における提言がなされました。さらなる改革を求めるという中で、この二・五兆円の売却益を四兆円に、上回るような、そういう改革を求めていく、このような方針になったということでございます。
○木内(孝)委員 国会議員がその責任から逃れて、官僚も責任から逃れて、銀行も、私も銀行出身ですけれども、銀行も責任から逃れて、株主も責任から逃れて、一社に全て押しつけて、私は事業会社に物すごく厳しく追及してきた立場ではございますけれども、これだけの負担を一社に集中させてモラルハザードが起きないのか、モチベーションが維持できると考えているのか。 これはちょっと大臣に通告はしておりませんけれども、この原賠支援機構のスキームはよく御存じだと思いますのでお伺いしますけれども、大臣は本当にこれが機能しているスキームだとお考えかどうか。これはぜひ大臣に、細かいところは結構なんですけれども。破綻したスキームをベースに、こんな検査体制をいろいろ話していても、私は事故の再発防止にはつながらないと思っているんです。ぜひ大臣から一言お願いします。
○村瀬政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、機構法スキームによって資金交付がなされるわけでございます。事故事業者としてその責任をしっかり果たしていただけるように資金を援助して、その中で賠償といったような事故事業者としての責任を果たしていただくために二〇一一年にできた法律がこの法律と理解しておりまして、事業者は資金を交付されることによってその責任をしっかり果たしていけるスキームだ、このように考えてございます。
○木内(孝)委員 先ほど細野委員から東芝の質問も出ておりましたけれども、やはり原発市場はなかなか難しい問題を抱えておりまして、私も、二〇一五年の八月からずっと、予算委員会でも東芝の件も質問し続けてまいりました。 その中で、やはり、こうした粉飾的、飛ばし的スキームをやっているということは絶対将来に大きな形で国民負担を増大させる、本来責任をとるべき人たちが責任を回避していますので、当然、事業会社のモチベーションも大きく落ちる、その中で検査をまともにやれといっても、私はうまくできるわけがないというふうに感じております。 ぜひそこの点につきましては、このスキームが大いに問題があるということを御認識いただいて、きょうどうこうという話ではございませんけれども、常にこれは大きな問題をはらんでいるスキームだということを心していただきたいと思います。 次の質問に移ります。 本改正によりまして、国際規制物資使用者間の少量核燃料物質の平和的利用が担保されるためにも、国際規制物資使用者による計量管理の強化及び効率化が進展した体制を整備する必要があります。その体制の整備状況についてお伺いをいたします。
○片山政府参考人 お答え申し上げます。 国際規制物資使用者の所有する核燃料物質の所在、在庫量、変動量等は、基本的には、これまでと同様、原子炉等規制法に基づく核燃料物質管理報告書を年に二回提出させることで把握することとしているところでございます。 今後、少量核燃料物質の移動の増加に対しましては、同報告内容の整合性を確認するための作業が増大することは想定はされますけれども、現行の計量管理規制で十分対応できるのではないかというふうに思ってございます。 また同時に、国際規制物資使用者の輸出入ができるように今回の法改正で手当てするわけでございますけれども、輸出入につきましては、関連規則の改正によりまして、事前に輸出入実施計画を提出させ、また、事後の在庫変動報告の提出をそれぞれ求めることで、さらに管理に万全を期していきたいというふうに考えてございます。
○木内(孝)委員 ありがとうございます。 同じく規制庁さんにお伺いしたいんですが、原子力施設の廃止措置の実行可能性を担保するため、廃止措置実施方針の定期的な見直し、更新を発電用原子炉設置者等に求める具体的な方針はございますでしょうか。
○山田政府参考人 先ほども御答弁をさせていただきましたけれども、制度の詳細については検討中ではございますけれども、定期的な更新を求めるといったようなことで考えていきたいというふうに考えているところでございます。
○木内(孝)委員 ぜひこの点、検討というと何か後ろ向きな印象も受けるときもありますので、ぜひ真摯に御検討いただければと思います。 次の質問は、中深度処分を行う第二種廃棄物埋設施設につきましては、放射性濃度が比較的高い廃棄物を数百年にも及ぶ長期間取り扱うことから、その間、事業者によって安定的に事業が継続されるよう、当該事業者の体制強化を図る施策の実施も含め、必要な指導監督を行うこと、また、事業者による管理終了後に放射性物質の漏えい等が発生した場合においては、国がこの責任を持って対処に当たるようにしていただきたいと思いますが、これは、国が持つのか事業者が持つのかということも含めて、規制庁さんにお伺いいたします。
○青木政府参考人 お答えいたします。 廃棄物埋設施設の廃止措置を行うに当たりましては、原子力規制委員会としまして、事業者が行った離隔や閉じ込めの措置に問題がないこと、規制期間終了後において防護上の問題を生じるような状態に至ることは合理的に想定し得ないこと等を確認した上で、事業者に対する規制を終了することとしております。 また、炉内等廃棄物の中深度を行う廃棄物埋設施設につきましては、事業を開始してから規制期間が終了した以降においても、埋設地を含む一定の範囲の掘削を制限するための制度というのを今回の法改正で設けることとしております。 したがって、まず前提としまして、事業者に対する規制終了後において、防護上の問題を生じるような放射性物質の漏えい等が発生することは考えがたいと考えております。 その上で、まず、御質問がありました漏えいに対する制度につきましては、今回、漏えいを生じる一番可能性のある事象としては、人の侵入というのがあると思います。地中に、七十メートル以深に埋めたにもかかわらずそこから漏えいするということは、人の侵入によって漏えい経路ができるということでございますので、その点に関しましては、先ほど紹介しましたように、原子力規制委員会の許可を得ずにまたは許可の条件に違反して掘削を行った者に対しては、その掘削の中止や原状回復を命ずることが可能という制度にしております。 それで、最後に御質問のありました、万一生じた場合の対応でございますが、こちらにつきましては、まず、どの主体が対応するかというのは、原因によりますので、直ちに具体的にお答えすることは困難でございますが、適切な対応がなされるように、規制当局としてはしっかり対処していきたいと考えております。
○木内(孝)委員 ぜひ、国が前面に出てということでお願いをしたいと思います。 次の質問ですが、放射性廃棄物を取り扱う埋設施設の立地選定に当たりましては、埋設施設の立地選定及び処分が円滑に進むよう、国として立地の選定に積極的に関与していただきたい。そして、具体的には、放射性廃棄物の埋設の事業を円滑に実施するためには、立地自治体及び地元住民の協力が欠かせないことから、事業者と立地地域の合意形成が進むよう国も積極的に働きかけていくこと、これをお願いしたいんですが、先日、火曜日、この件は御答弁いただいておりますけれども、結局、こういった立地、合意形成するのは非常に難しい、今までやろうとしてきて実現していないわけでございますけれども、この間も御答弁はいただいていますけれども、合意形成に向けての具体的なプログラムについてお伺いをいたします。
○村瀬政府参考人 お答えさせていただきます。 まず、高レベル放射性廃棄物の最終処分につきまして、委員御指摘のとおり、現世代の責任で解決すべき重要な問題と認識いたしまして、この実現のためには自治体や地域の方々の理解と協力が不可欠、このように考えます。 このため、一昨年五月に、最終処分法に基づきます基本方針を改正いたしまして、単に自治体の応募を待つだけではなくて、国も前面に立って取り組むということとさせていただきました。 具体的には、地下深部の科学的な特性が地域ごとにどのようになっているのかといったような情報を全国マップの形で科学的、客観的に示すことによって国民に関心と理解を深めていただく、このようにさせていただきたいということで、具体的検討を進めているところでございます。 また、その際、国から全国の自治体に対する情報提供を緊密に行うといったようなことなどで地域理解の醸成に取り組むという方針も示されておりますので、これに基づきまして、全国各地での説明会などを定期的に開催しているところでございます。 現在、先ほど申し上げた全国マップの提示に向けまして、審議会で専門家に、国民目線での準備をするという観点から御議論をいただいているところでありまして、マップを提示することができました後は、これも活用しながら、処分事業の実施主体であります原子力発電環境整備機構、いわゆるNUMOと連携いたしまして、全国各地できめ細かい地域の方々との対話を重ねていきたい、このような方針で対応させていただきたいと思っております。 低レベルの放射性廃棄物につきましても、これもいわゆる発生者責任の原則のもとで、廃棄物を発生させた事業者が処分場の確保等に責任を持って取り組むことが不可欠でありますけれども、国としても、政策上の重要性を丁寧に説明していくといったようなことなどによって、地域の理解に向けて適切に対応をしてまいりたい、このように考えます。
○木内(孝)委員 もう質問時間が終わっておりますので、規制庁の皆さん、経産省の皆さん、いろいろ真摯に、安全性が高まるということで取り組んでいただいていることには感謝と敬意を表すると同時に、もともとの、今のあり方の原賠支援機構のスキームが非常にいびつになっているということはぜひ皆さん御認識をいただいて、将来どういう形で改善できるのかということをぜひ御検討いただきたいということをお願い申し上げて、私の質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○平委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。 きょうは、まず、今回の法改正における放射性廃棄物の埋設施設の規制の見直しについてお尋ねをいたします。 この放射性廃棄物の埋設施設の規制の見直しの内容について、まず、ポイントの説明をお願いしたいと思います。
○田中政府特別補佐人 原子炉の廃止に際して発生する、炉内等廃棄物と称しておりますけれども、その処分が安全に行われるための規制の整備として、炉内等廃棄物の埋設地について、まず、坑道の埋め戻しに関する規制を整備するとともに、炉内廃棄物及び高レベル放射性廃棄物の埋設地について掘削を制限することを求めています。 坑道の埋め戻しについては、地下の埋設地への坑道が適切に埋め戻されることの確認をより確実に行うため、坑道の閉鎖に係る計画の認可や、認可された計画に沿って工程ごとに原子力規制委員会の確認を受ける義務等を課すものでございます。 また、掘削の制限については、人為事象による埋設地の擾乱の可能性を低減するため、事業が開始してから、規制期間が終了した以降においても、一般の人々に対して、埋設地を含む一定の範囲の掘削を制限するものでございます。
○塩川委員 お配りしました資料にありますように、数万年の長期間にわたって管理が必要な高レベル放射性廃棄物の地層処分と、炉内構造物などや制御棒等を埋設する中深度処分について、区域指定や掘削禁止等の規制制度を設けようとしているものです。 きょうお聞きしたいのは、そこに入っていない部分で、この図の上の方でいえばピット処分、トレンチ処分に当たるところ、いわゆるL2、L3に相当する部分のところですけれども、操業中の、青森県六ケ所村の、日本原燃、低レベル放射性廃棄物埋設センターのピット処分地や、日本原電の東海原発放射性廃棄物埋設地、トレンチ処分地ですけれども、こういった浅地中処分の見直しは行いません。 このような浅地中処分について、今回見直しをしない理由は何なのかについてお答えください。
○田中政府特別補佐人 埋設地の坑道埋め戻しに関する規制については、坑道というのは、地下の埋設地と地上をつなぐためのトンネルを意味しております。地表または地表付近につくられる浅地中処分には坑道が存在しないということで、適用しておりません。 埋設地を含む一定の範囲の掘削を制限する制度については、浅地中処分の対象となる廃棄物の放射能は、事業者の規制が終了するまでに十分に減衰すると考えられていることから、適用しておりません。
○塩川委員 そういう御説明ですが、文科省の方にお尋ねしますが、浅地中処分に相当する、原子力研究開発機構の動力試験炉、JPDR解体に伴う放射性廃棄物の処分に関してですけれども、このJPDR解体に伴う放射性廃棄物が、内訳がどんなふうになっているのかが、L1、L2、L3相当ということでわかりますでしょうか。そのうち、埋設廃棄物の内容と、埋設施設の概要について説明をしてください。
○板倉政府参考人 お答え申し上げます。 JPDRは、昭和三十八年に我が国初の原子力発電に成功した動力試験炉でございまして、昭和五十一年に運転を終了するまで、原子力発電技術の構築や技術者の養成等に重要な役割を果たしました。その後、昭和五十六年度から平成七年度まで、解体技術の開発と実地試験を行いました。その結果、発生した解体廃棄物量は全体で約二万四千四百トンでありまして、そのうち約一五%が放射性廃棄物、残りの約八五%が非放射性廃棄物でございます。 発生した放射性廃棄物約三千七百七十トンのうち、放射能レベルが極めて低いコンクリート廃棄物約千六百七十トンにつきましては、廃棄物埋設実地試験としてトレンチ処分を行っております。また、残りの約二千百トンの金属等の放射性廃棄物につきましては、ドラム缶や遮蔽容器等に収納して保管施設で管理しております。 また、その保管施設で管理している放射性廃棄物につきましては、L1相当の廃棄物は、金属廃棄物が四トンでございます。L2相当の廃棄物は、金属廃棄物が三十七トン、コンクリート廃棄物が六十トン、付随廃棄物が四十トン。L3相当の廃棄物は、金属廃棄物が千百四十八トン、コンクリート廃棄物が四百十六トン、付随廃棄物は三百九十七トンとなってございます。
○塩川委員 JPDRの埋設施設、廃棄物埋設実地試験に使用されているということですけれども、そういうことでよろしいんでしょうか。
○板倉政府参考人 廃棄物埋設実地試験として用いてございます。
○塩川委員 そこでは、いわゆる埋めているのがL3相当のコンクリートということで、L3相当の金属廃棄物を入れていないということなんですが、その理由は何なんでしょうか。
○板倉政府参考人 お答え申し上げます。 埋設を行った当時は、まだ法整備をしている段階でございまして、この段階におきまして、規制側でコンクリートのみという判断をしたということでございます。 現在は法制化されておりまして、申請すれば基準値以下の金属も埋設できるということになってございます。
○塩川委員 規制側の何か基準があったんですかね。
○板倉政府参考人 失礼いたしました。 当時、政令に基づきましてこのような基準で埋設を行っております。
○塩川委員 そういう点で、JPDRが、L3相当の埋設施設といいますか、廃棄物埋設実地試験地ということですけれども、金属廃棄物については埋めていない。その後、法規制ができて、現状ではL3相当の金属廃棄物も含めて処分の対象ということだということであります。 そこで、あわせて、規制庁の方に、東海原発の廃止措置についての状況を、まず簡単に説明していただけますか。
○青木政府参考人 お答えいたします。 御質問のありました日本原子力発電株式会社東海発電所につきましては、平成十八年六月三十日に原子炉等規制法に基づく廃止措置の計画の認可を受けて、現在、廃止措置を実施しているところでございます。 廃止措置の進捗状況ですが、現時点では、放射能レベルの高い原子炉領域以外の解体撤去を進めておりまして、平成三十一年度から原子炉領域の解体撤去に着手する計画と聞いております。 解体に伴って発生する放射性固体廃棄物でございますけれども、そちらにつきましては、放射能レベルに応じて分別管理しておりまして、廃止措置期間終了までに廃棄事業者の廃棄施設に廃棄することとしております。 このうち、放射性レベルの極めて低いいわゆるL3、低レベル放射性廃棄物につきましては、発生量は約一万二千三百トンと記載されております。 以上でございます。
○塩川委員 L3についてですけれども、東海原発のL3廃棄物埋設施設計画というのはどのようなものでしょうか。
○青木政府参考人 お答えいたします。 御質問のありました、東海発電所で発生した放射性廃棄物のうち放射能レベルの極めて低い廃棄物につきましては、東海発電所の隣接地であります東海第二発電所の敷地内に埋設処分、我々トレンチ処分と呼んでおりますけれども、トレンチ処分される予定でございまして、その事業につきましては、平成二十七年の七月十六日に、日本原子力発電株式会社から、東海低レベル放射性廃棄物埋設事業所の第二種廃棄物埋設事業許可申請が行われたところでございます。 当該施設は、金属、コンクリート殻、コンクリートブロック等について、合計約一万六千トンを容器に収納またはこん包した状態で埋設、管理することとしております。我々は現在、原子力規制委員会として、同申請について審査中であるところでございます。
○塩川委員 このトレンチ処分というのが、いわゆる素掘り埋設と言われるように、地下水よりも上のところだということですけれども、何らかコンクリートの擁壁とかを設けるのではなく、直接、土質、土壌と接するような格好での処分形式というふうに聞いていますが、そういうことでよろしいですか。
○青木政府参考人 お答えいたします。 現在、個別の案件については審査中でございますので、お答えはちょっと今用意しておりませんけれども、いずれにせよ、我々としては、そうした設備が、周辺住民等の安全を確保するために、埋設した放射性廃棄物による人への被曝線量が一定の水準を超えないということを審査で確認したいと考えております。
○塩川委員 そもそも日本原電の方は、いわゆる素掘りということでコンクリート擁壁をつくらない形で申請をしているんですよね。その点、もう一回。
○青木政府参考人 お答えいたします。 先ほど御説明しましたように、素掘り、トレンチ処分をするということで申請を受けているところでございます。
○塩川委員 トレンチ処分というのは素掘りということです。 文科省の方にお聞きしますが、JPDRの関係なんですけれども、日本原電が、L3の廃棄物埋設施設、トレンチ処分の計画について説明している資料の中では、L3廃棄物は既に埋設処理した実績があります、JPDRの解体実地試験においてL3廃棄物の埋設が実際に行われていますとありますけれども、実績と言うんですけれども、現状は実地試験中なんじゃないんですか。
○板倉政府参考人 お答え申し上げます。 現在は実地試験中でございます。
○塩川委員 そうしますと、この原電の説明というのが、あたかも、JPDRのL3の廃棄物埋設施設というのが既に終了していて、それを踏まえた実績だ、そういう実績があるから大丈夫ですよという趣旨の資料になるわけですよね。これはまずいんじゃないかと思うんですけれども。 この点はやはり、埋設処理して、いわゆる安全とされるような実績という形になっていないんですから、こういう誤解を与える記述については改めるべく事業者を指導する必要があるんじゃないでしょうか。
○青木政府参考人 お答えいたします。 トレンチ処分につきましては、我々は、平成二十五年に策定しました原子力規制委員会の基準に基づきまして、周辺住民等の安全を確保するか否か、そういう点から審査しているところでございます。 規制当局としましては、事業者がどのような説明をするかということについてコメントする立場ではありません。
○塩川委員 いや、規制庁として、この廃棄物埋設実地試験については、これは規制の対象として監督する立場なんですよね。ですから、JPDRの廃棄物埋設実地試験について、現段階というのは、その試験は終了しているという判断なんですか。
○青木政府参考人 お答えいたします。 試験が終了か否かということは、ちょっと規制当局からコメントはできませんけれども、規制の観点からいいますと、JPDRにつきましては、いわゆる覆土、土をもう一度かけまして、その後の保全段階に入っております。その保全段階についてはまだ規制の対象でございますので、原子力規制委員会として規制を行っているところでございます。
○塩川委員 試験中というのは文科省が言っていましたので、継続中。そういう点で、規制庁的には保全段階だ、規制委員会の管理下にあるという点では、要するに、安全です、オーケーですという立場に立つのか立たないのか。
○青木政府参考人 お答えいたします。 原子力規制委員会としましては、我々は安全か否かということよりも、我々が決めました規制基準に基づいた基準を満たしているか、そういう観点から検査等を行っているところでございまして、その観点からは、我々は問題ないと考えております。 安全という言葉になりますと、皆様主観的な印象を持ちますので、この場ではちょっと使うのは差し控えさせていただきます。
○塩川委員 規制委員会の管理下にあるということですので、そういう点でも、この事業者の説明というのは誤解を招くものということは指摘をせざるを得ません。こういうことで住民の信頼を得ることができるのかということは指摘をしたい。 そこで、規制委員長に伺いますけれども、こういう素掘り埋設であるトレンチ処分を行うL3廃棄物埋設施設に対して、やはり近隣の水田への影響ですとか土壌の汚染ですとか海洋への汚染など、住民の不安の声があるわけです。こういうのについて、例えばトレンチ処分ではなくピット処分にするような、より安全のサイドに立った対策をとるということというのは考えませんか。
○田中政府特別補佐人 廃棄物の種類、レベルによってそういう判断をさせていただいていまして、L3の廃棄物というのは極めて放射能レベルの低いものであるということで、トレンチ処分が可能という判断をさせていただいておりますので、それをピットにしなければいけないとかということかどうかは、放射能のレベルによって判断すべきものと思います。 もちろん、処分地についての問題というのはありますので、御指摘のように、地下水の問題とか、地下水を利用されているのかどうかとかいろいろなこともありますので、そういった点について全て考慮した上で、仮にトレンチ処分するとしても、その立地についてはきちっと判断するということになります。 ちなみに、日本原電が今やろうとしている、多分、東海村、自治体でいろいろ議論されていると思いますけれども、あそこは海岸のところで、陸から海側に地下水が流れていて、トレンチ処分地の下の方を地下水が流れているというふうに私は承知しておるんですけれども、その点も含めて、きちっと判断していきたいと思います。
○塩川委員 水は浸透しますので、それが、地下水の流れそのものを全て確認できているわけではないわけで、その表層の部分が海側だとしても、さらに地下水の流れに行った場合に、そのすぐ北側には水田地帯もあるわけですよね。そういったところへの懸念がないのか、そういう住民の皆さんの不安の声というのは当然出てくるわけであります。 そういったときにも、やはりJPDRの例も挙げて、実績だとかと言っていますが、実地試験中であるわけですし、まだわからないことも多いわけですから、何か起こっても対応できるように、コンクリート擁壁で外的環境と遮断した施設をつくるなど必要なコストをかけるべきじゃないかと思うんですが、そういうふうな立場での規制措置はお考えになりませんか。
○青木政府参考人 お答えいたします。 先ほどの繰り返しになりますけれども、我々はやはり、我々の決めた規制基準に基づいて、周辺の方々に影響を与えないということをきちんと証明してもらうことが大事だと思っています。 そういうことで、具体的には、例示がありました地下水の利用によるシナリオ、そういったものも含めて、規制期間が終了すると申しますか覆土した後の期間も含めて、そういった被曝線量が一定の水準を超えないということをきちんと確認していくのが規制当局の役目でございます。 もちろん、そういうことを満たさないのであれば我々は許可を与えない、そういうことでございます。
○塩川委員 東海村の村議会でも議論が行われておりまして、昨年十一月には、このL3廃棄物埋設計画についての参考人への意見聴取などが行われておりました。その際には、原子力の廃止措置、放射性廃棄物の処理処分を専門としている研究者の方もいらっしゃったわけですが、その議論の中では、ピットがいいのかトレンチがいいのか、放射性廃棄物の廃止措置は利益を生まない、安全だ安全だといって過度の対策をとることは疑問に思う、コストだけで判断するとそのお金を別のところにもっと有効に使えることもあり得るのではないか、そういう趣旨の発言があったところです。 利益を生まない廃棄物の処理にはお金をかけないという意味と受け取れるわけですけれども、規制委員会がそういう立場に立っているということではありませんね。
○田中政府特別補佐人 繰り返しになりますけれども、私どもは、コストがかかるからということではなくて、あくまでも安全上の観点から評価させていただいております。
○塩川委員 その点でも必要な安全対策を講じるという形で、このトレンチ処分についての、ピット処分に相当するような措置を行う、こういうことこそ必要だということを申し上げておくものであります。 東海原発は廃止措置に入っておりますが、東海第二原発の再稼働をめぐる、あるいは四十年を超える時期にも来ております、三十九年ということですから運転の延長の話というのも事業者サイドでは当然視野に入っている。そういう中で、東海第二原発の避難計画についてもさまざまな心配の声があるところです。 内閣府の原子力防災の担当にお聞きしますが、東海第二原発における茨城県の広域避難計画というのはどのようなものでしょうか。
○平井政府参考人 お答えいたします。 茨城県が策定した原子力災害に備えた茨城県広域避難計画は、東海第二発電所からおおむね三十キロ圏内の十四市町村、約九十六万人を対象としております。 具体的な避難先としては、県内の三十市町村及び茨城県外とされております。
○塩川委員 資料の二枚目に、茨城県が作成をしました原子力災害に備えた茨城県広域避難計画の避難先地域の地図があります。東海第二発電所から破線で描かれた円の部分が三十キロ圏で、この内側に十四市町村、九十六万人の方がお住まいであります。ですから、UPZ、この三十キロ圏に相当する人口というのは全ての原発の中で一番多いという地域になるわけであります。そういう点でも、実際に避難できるのかという声は、あの三・一一のときから多くの住民の皆さんが懸念を訴えているところであります。 そこで、十四市町村の避難計画の策定状況はどのようになっているのか、なかなか進んでいないと聞いていますが、その理由は何なのかについて御説明ください。
○平井政府参考人 お答えいたします。 東海第二地域については、災害対策基本法等に基づく地域防災計画はひたちなか市を除いて策定されているものの、避難計画は茨城県内十四市町村全てにおいて策定されておりません。 現在、各市町村の避難計画の策定に向け、東海第二地域原子力防災協議会の枠組みのもと、関係自治体等と一体となって検討を積み重ねているところでございます。 現在策定されている状況ではありませんが、国と一緒になって策定に向けて今努力しているところでございます。
○塩川委員 これらの地図を見ていただいて、このように、茨城県内では三十キロ圏内の市町村の避難先というのを、県内の他の市町村と相談しながら受け入れの体制をつくるということでやっているわけで、例えば東海村の場合には、南の方にありますつくばみらい市、守谷市、取手市、こういう地域への避難計画になるわけです。 もちろん県内ではおさまりませんで、九十六万人の住民の方のうち、県外が五十二万人にも上るわけですね。五県に及ぶ百自治体相当のところに避難をということが県の想定ではあるんですが、県内もいろいろと課題があるわけですけれども、県外避難のこういう具体化の状況、それは実際なかなか進んでいないわけですけれども、その課題というのはどのように把握をしておられますか。
○平井政府参考人 お答えします。 県外避難については、現在、避難先として、福島県、栃木県、群馬県、埼玉県、千葉県と協議を進めているところでございます。 県外避難先の確保に向けて、具体的な避難施設の確保や避難者の受け入れのための必要となる準備など、さまざまな課題がございます。国が前面に立って、茨城県と受け入れ先の自治体との調整や必要となる物資等の確保など、強力に一緒になって推進しているところでございます。
○塩川委員 実際には、こういう原発に伴うようなさまざまな手続等について、県外の自治体、原発もないわけですから、なかなか認識が及ばないという点での御苦労も大変多いということも聞いているところです。 そこで、実際の避難ということになりますと、特に入所施設の入所者の方の避難というのが困難だということが常々言われております。福島第一原発の事故においても、入所者の方の痛ましい事例なども取り上げられているところであります。 こういった入所施設の入所者の方の避難計画の検討状況と課題について御説明ください。
○平井政府参考人 お答えいたします。 先生御指摘のとおり、福島の事故の教訓といたしまして、病院の入院患者さん等の要支援者の健康リスクを高めるような避難が実施されたことなどから、国会事故調査報告書あるいは政府事故調査報告書等によって、その点が福島の教訓として挙げられているところでございます。 そのため、新たな原子力災害対策指針に基づく避難計画においては、こうした教訓を生かして、早期の段階、全面緊急事態に至る前からPAZ内の要配慮者の避難を開始すること、その際には十分なケアができる施設を避難先とし、移動手段も要配慮者の方の体の状況に応じたものとすること等としております。 また、避難によって健康リスクがかえって高まるような方につきましては、安全な搬送の準備が整うまで、放射線防護対策を講じた施設に屋内退避をしていただくこととしております。 非常に人口が多い地域でございますので、この辺のところを、関係自治体、関係県と一緒になりながら、国が前面に立って支援してまいりたいと思っております。
○塩川委員 避難先の確保の必要性の話と、一時的な屋内退避という選択肢もという話でしたけれども、実際に現場の声としてお聞きするのが、例えば、これは東京新聞が紹介をしている例ですが、高齢者百八十人が入所をする常陸東海園というところが東海第二原発からわずか三キロのところにあるそうです。 東日本大震災で特養ホームのスプリンクラーが壊れ、一棟が水浸しになる。停電でエレベーターが動かず、歩けない入所者を職員が一人一人抱えて階段を移動した。停電と断水が続く中で、何とか三日間を乗り切った。入所者は、百四歳の三人を最高に、九十歳以上が三分の一を占めている。寝たきりの人は乗用車なら一人しか乗せられない。東海第二原発で福島と同じような事故が起きれば全員の避難は不可能だ、しかし、逃げる順番を決めることはできない、こういう声があるわけです。 こういうのに本当に対応できるような避難計画になるのかということなんですが、改めて、どうですか。
○平井政府参考人 お答えいたします。 先ほど申し上げましたとおり、この東海第二の地域については、現在、詳細な避難計画を含めた緊急時対応を取りまとめているところでございますが、既に内閣府と、ほかの地域では、例えば伊方でありますとか、玄海でありますとか、泊でありますとか、現在五カ所で緊急時対応を取りまとめております。そこにおきましては、それぞれの地域で要配慮者の方がございまして、その方一人一人がどのように対応したらよいかということを細部まで詰めまして、いざとなったときに、緊急時には行動を起こしてもらうようにしております。 この東海第二の地域におきましても、そのような緊急時の対応について、一人一人の要配慮者まで配慮した形で作成していくこととしております。国が前面となって支援をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○塩川委員 実際にそういうのが本当にできるのかというのはいろいろな施設で出ているわけです。 例えば、原子力研究開発機構、旧動燃がある場所のすぐ隣にありますある病院の場合は、一病棟にベッドが六十床あって、二棟あるという場所です。ただ、百二十床が重症心身障害児の施設で、では、その際にどうするのか。実際にすぐ避難というのも、本当に体調を崩す場合もありますから、一時的に屋内退避という場合に、二つの病棟のうちの一つの方をシェルター化するという形、そこに全員を移す。ですから、二棟ある入所者の方を一棟に入ってもらうという作業そのものが大変な困難を伴うわけですよね。仮に屋内退避でシェルター化をしたところに入ったとしても、それこそ目の前が東海第二原発のところですから、では避難しましょうかといったときに、それが本当にできるのかというのは切実な声になっているわけです。 ですから、みずから動くことも困難で、食べることも困難で、たんを取ることも困難な、そういう入所者の方々が、本当に全介護が必要な方々の移動には、一人の入所者に二人、三人の介助者が必要なんですよ。ですから、膨大ないわば介助者の方も現地にとどまるということを想定する。こういう計画になるのでいいのかということが問われてくるのではないでしょうか。 私は、その点でもこういった現状について本当に考慮しているのかと思うんですけれども、こういう具体的な話というのは聞いていますよね。こういう具体的な話に対して、こうやればできますという説明ができるんですか。
○平井政府参考人 お答えいたします。 先ほど申し上げましたとおり、他地域で緊急時対応を既に取りまとめられたところにつきましては、一つ一つの施設につきまして、一人一人の方がどのような形で屋内退避あるいは避難できるか、詳細に検討しております。 今後、現在この茨城・東海第二地域につきましてもそのような形で詳細な計画をつくるとともに、もちろん、つくっただけではなかなか動くかどうかというのがわかりません、それで、訓練を通じて本当にそれがきちっと機能するかどうかをチェックしながら、さらによい計画をつくっていく、そういう形で進めてまいりたいと思っております。
○塩川委員 本当にそれができるのか。 実際に今茨城県がつくっている計画そのものは、原発事故だけを想定した単独災害想定なわけです。ですから、実際にはその原発事故が津波や地震などと一体に起こるという複合災害となる可能性があるわけで、そういう複合災害となった場合の避難計画が本当につくれるのかという話になってくるわけです。 茨城県も東日本大震災で大きな被害をこうむりました。津波の被害もありました。液状化でも大変な被害をこうむった地域で、そういう方々の避難所というのも大きく確保する必要があったわけですよね。そういったときに、例えば海沿いの方の地域などでも液状化の地域がたくさんあったわけですから、ではそういうところに原発近くから避難、行けるかといったら、実際には避難所がもういっぱいとかいう話になってくるわけですよ。 ですから、複合災害を想定したことについて、いつまでにどんなふうにできる、そういう見通しとかというのはわかるんですか。
○平井政府参考人 お答えいたします。 原子力災害対策指針に基づく避難計画では、複数の避難経路を設定しており、また、自然災害等により使用できない場合、代替経路の設定、道路等の管理者による復旧作業、警察、自衛隊等の実動組織による支援など、複合災害にも備えた対応を検討しております。 また、地震により家屋が倒壊したり、相次ぐ余震の発生により家屋による屋内退避が困難であるような場合には、自治体により設定される近隣の避難所等に屋内退避をすることを検討しております。 現在、東海第二地域の避難計画策定においては、内閣府が設置しております地域原子力防災協議会のもと、関係省庁とも連携し、複合災害時の対応を含めた避難計画の策定、充実化を行っております。
○塩川委員 そもそもそれが実効性あるものになるのかというのが問われているわけです。 大臣にお尋ねいたします。 原子力防災担当大臣として、今の現地における現状についてどのように受けとめておられたかをお聞きしたいんですが、先ほど紹介しました常陸東海園でも訴えておられるのが、全員避難は不可能だ、でも、逃げる順番を決めることはできないと。当然のことだと思います。そうしましたら、逃げられないんだったら再稼働を許してはいけない、行政は、逃げられない人がいることを前提に原発再稼働の是非を考えてほしい、このように訴えておられます。 三十キロ圏、九十六万人が避難するという計画は本当に現実的なものなのか、そのことについての大臣の御認識を伺いたいと思います。
○山本(公)国務大臣 東海第二地域については、原子力災害対策重点区域内に先生御指摘のように約九十六万人、そのうちPAZ内でも約八万人と、非常に人口が多いことが特徴の一つでございまして、現在、国としては、特に県外避難先や移動手段の確保など、避難計画の策定、充実化に向け、東海第二地域原子力防災協議会のもと、地域の実情を熟知している関係自治体と一体となって検討を重ねているところでございます。 また、原子力防災体制の整備に必要な資機材や放射線防護施設の整備などに対しても財政面で支援をしております。 今後とも、国がしっかり関与しながら、関係自治体とともに地域の原子力防災体制の充実強化に取り組んでまいりたいと思っております。 先生の御懸念の意味、よくわかります。私どもは、とにかく地域の実情を一番よく知っている方々と相談しながら避難計画というのはつくり上げていきたいというふうに思っております。
○塩川委員 ですから、現場の皆さんが本当に避難できるのかといったときに、こういった避難計画そのものが現実的とは言えないというのが率直な状況だということを指摘しなければいけません。 こういった要配慮者への対応の問題もあるし、県外避難の困難さもあるし、もちろん複合災害を想定したような実際の具体的なやりとりというのは現時点でもできていないわけですから、私は、こういう避難計画が成り立たない、逃げられないのであれば、再稼働そのものをやるべきではない、東海第二原発の再稼働は行うな、廃炉こそ住民の声だということを申し上げて、質問を終わります。
○平委員長 次に、玉城デニー君。
○玉城委員 自由党の玉城デニーです。 きょうは、午前中、参考人の皆さんから貴重な御意見もいただき、本法律案の改正についての、さまざまな立場、そして有識者としての御意見も頂戴いたしました。 今回は、炉規法改正というふうに言ってはおりますが、その中でも、例えば放射線障害防止法の一部改正では、危険性の高い放射性同位元素を取り扱う事業者に対して、防護措置の実施などを義務づける、安全水準の向上に向けた共通的な取り組みの見直しを図るということも見直されております。 ですから、我が国における原子力発電所のみならず、核原料物質、核燃料物質、それからさまざまな放射性物質を含む機器を取り扱う事業所においては、しっかりとセキュリティー対策を構築せよということで、いわゆる諸外国並みの安全対策をとりなさいということなのだと思います。 諸外国では、それぞれの原発に、例えばアメリカでは、州の警察あるいは私的な警備員が銃を携行して原発の周囲を警護するというふうなこともあります。日本ではなかなかそれができないので、事業者に対してテロ対策のための防護体制をとりなさいということがあってもなかなか厳しい状況があるのではないかというふうなことも、午前中の参考人の方々からの御意見で、そのように拝聴される部分もありました。 他方、核燃料物質等を含む放射性物質は、そこで使われて、例えば廃棄をする場合あるいは施設間を移動する場合、当然ですけれども、陸上あるいは諸外国に出すのであれば航空路、海路というふうに、その輸送がなされるわけです。しかるに、IAEAが放射性物質安全輸送規則などを策定し、加盟国にもその採用を勧告しているというかつての経緯もあります。 きょうは、この点について、特に輸送に関する安全性についての質問をさせていただきたいと思います。 まず、我が国がこの勧告を受け入れたのはいつからか、お答えいただきたいと思います。
○青木政府参考人 お答えいたします。 核燃料物質の輸送に関しましては、議員からも御説明ありましたように、現在、IAEAが定める放射性物質安全輸送規則、IAEA輸送規則でございますけれども、そちらに基づきまして、各国とも、輸送の安全規制を実施しているところでございます。 同IAEA輸送規則は、最初に、一九六一年に初版が発行されておりますけれども、我が国では、一九六八年時点で、原子力委員会が核燃料物質輸送容器の安全審査基準を作成する際、当該一九六七年版を参考にしているということを確認しております。 また、大幅な取り入れとしましては、その後、一九七三年にIAEA輸送規則が大幅に改正されたのを契機に、翌年、原子力委員会におきまして、輸送専門部会を設置し放射性物質に関する技術的な基準の検討を行い、その結果を踏まえ、当時、放射性物質の輸送を担当しておりました科学技術庁、運輸省等が、一九七七年から一九七八年にかけて関係法令の改正、整備を実施したところでございます。
○玉城委員 この勧告の受け入れから法令を整備した、一九七三年にIAEAが大幅な改定を行い、我が国では七七年から七八年に法整備を行ったということでよろしいですね。 この勧告によって法律を整備する前後、受け入れ前と受け入れ後で、つまり、法律を整備する前と後で、輸送に関する安全体制は具体的にどのように変わりましたでしょうか。
○青木政府参考人 先ほど説明しましたとおり、一九七三年にIAEA輸送規則が大幅に改正されたことを契機に国内法令を整備したところでございます。 それ以前におきましてもIAEA輸送規則を参考とした輸送に関する規制を行っておりまして、一九七三年版の取り入れ、その前後で変わったということにつきましては、IAEAの輸送規則の一九七三年版における改正点、それらが国内規制に取り入れられたということでございます。 改正内容はかなり技術的で多岐にわたるため、全てを説明させていただくのは難しいですけれども、主な改正点としましては、輸送容器に収納する放射性物質あるいは核燃料物質の放射能量の基準を放射性物質ごとに定めて定量的な基準を明確にした、それが一つ大きな変更だったと考えております。 以上です。
○玉城委員 今回の改正案では、危険性の高い放射性同位元素を取り扱う業者に対して、先ほど申し上げましたように、テロ対策を義務づけるとあります。 このテロ対策を義務づける上で、もちろん、既設の設備それから装置などの防護体制は、今でも十分、さまざまな取り決めによって行われていると思いますが、では、このテロ対策を義務づけるとある、危険性の高い放射性同位元素を取り扱う業者に対しての輸送面においてはどのようになっていますでしょうか。
○七尾政府参考人 お答え申し上げます。 現在の放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律におきましては、テロ等を想定した防護措置は講じられておりません。そういう状況を踏まえまして、今回法律を改正し、国際原子力機関、IAEAの勧告で要求されている、危険性が高い放射性同位元素を陸上輸送する場合の具体的な防護措置を義務づけることとしております。 具体的な防護措置につきましては省令等で定めることとしておりますけれども、荷室への施錠ですとか封印、位置情報による追跡装置の装備、及び輸送セキュリティー対策ですとか緊急時対応等を定めた防護計画の策定等を義務づけることを検討しております。 以上でございます。
○玉城委員 冒頭で、諸外国の、アメリカの原子力施設についてのお話を少しさせていただきました。例えば通常のセキュリティーが、事業者としてとり得る、つまり、放射性物質を外に出さないための工夫でありますとか、あるいはそのための手順でありますとか、さまざま輸送物の違いによって、放射性輸送物を輸送しようとする者に対しての取り決めがあると思います。当然、それに応じて訓練なども行われていることというふうに思っております。 しかし、事業者が、例えばこれは公益社団法人日本アイソトープ協会の資料なんですが、L型輸送物、B型輸送物などを運搬するときにはさまざまな規制によってきちんと取り決めてやっていますというふうな資料を見ているんですが、ところが、いざ危険性の高い放射性同位元素の入っている物質を物理的に車で、例えば陸上で運ぶということになると、一般的に考えると、輸送上のテロ対策が、どうしても、事業者の安全確保や取り決めにのっとった輸送力だけではなくて、国が何らかの責任体制をもってそれをサポートするような仕組みも必要であろうと考えるのが一般的だと思うんですね。 では、国が責任を持つべきだと考える現状はどのようになっておりますでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○片山政府参考人 お答え申し上げます。 現状で輸送時に防護措置を義務づけておりますのは、特定核燃料物質、炉規法に基づいて行っております。その場合のことをまず述べさせていただければというふうに思っております。 原子炉等規制法、あるいは、輸送の場合には、輸送手段、輸送方法などによって規制体系が違いますけれども、それに応じて原子炉等規制法、船舶安全法、航空法に基づいて規制をしているところでございます。 具体的な防護措置につきましては、輸送する物質の性質や量に応じて、段階的に、容器の施錠、封印でございますとか、発送者、運搬者、受取者間の確実な引き継ぎや寄港地での防護区域の設定の取り決めなどを義務づけて、これを規制委員会や国交省が確認をするという制度になっております。 また、このほか、陸上輸送に関しましては都道府県公安委員会、海上輸送に関しましては管区の海上保安本部に届け出を義務づけておりまして、この届け出を受けた都道府県警察や海上保安庁が、輸送する物質の性質や量、その時々のテロ情勢に応じて適切な対応をとっていただいているものというふうに承知をしております。 なお、改正する放射線障害防止法におきましても、ある一定レベル以上の特定放射性同位元素を輸送する場合には、都道府県公安委員会の届け出などを義務づけているところでございまして、同様に、その時々の情勢などに応じて適切な対応をとっていただけるものと考えております。
○玉城委員 どういう状況を想定してマキシマムなセキュリティーの体制を組むかということは、それぞれの国柄によっても法律によっても異なるものであるということは私も思料いたします。 例えば、これは、ある種こういうふうな情報が流れているということで、日本における原子力発電所の警備体制についてというコメント欄に、ウィキリークスにより流出した文書でアメリカ政府が問題とした点というのが載っていました。日本の原子力発電所に武装警備員、武装警察官が常駐していないこと、テロ対策訓練が筋書きどおりで実戦的ではないということが載っていたそうです。 ですから、筋書きどおりにテロが行われるのであれば、それは想定訓練の範疇ですから、ミニマムな予算と人間で対応することは可能だと思います。何が起こるかわからないのがこの集団的犯罪組織、いわゆるテロに対する防護だと思うんですね。 かつて、高市総務大臣は、政調会長のときにこういう発言をしています。原発の警護も基本的に自衛隊ができるように法改正を急がなければならない、北朝鮮の原発へのテロ行為を想定し、自衛隊による原発警護が必要との認識を示したということがあります。 つまり、そのように、どう考えても、原発の既存施設全体、あるいは、個体のみならず、それを運んでいる途中にテロが想定されるということに対する警備体制は非常に甘いのではないかなというふうに思うわけです。ですから、万一、輸送中にテロ事案等が発生した場合の警察、消防及び自治体などとの関係機関との連携が当然図られてしかるべきだと思いますが、そのような具体的な計画はあるんでしょうか。
○七尾政府参考人 お答え申し上げます。 万が一、陸上輸送、海上輸送中にテロ事案等が発生した場合の連携というお尋ねでございました。 現行法上、事業者が一定量以上の放射性同位元素を輸送する際には、関係法令に基づきまして、輸送に係る計画について国土交通大臣の確認を受けることとなっております。この計画の中には、陸上や海上におきまして放射性同位元素を輸送する折、非常事態が発生した場合の連絡体制を含んでおります。 これによりまして、事業者と国交省、原子力規制委員会及び最寄りの警察といった関係機関とは情報を共有できる体制がつくられておりまして、関係者間の連携は適切に図られることとなっております。 以上でございます。
○玉城委員 ありがとうございました。質問を終わります。ニフェーデービタン。
○平委員長 次に、河野正美君。
○河野(正)委員 日本維新の会の河野正美でございます。 議題の法案について質問をさせていただきますが、当初は三十分と思っておりまして、通告分の質問を完了することができないと思います。途中飛ばしながら質問させていただきますので、よろしくお願いいたします。 まず、原子力規制委員会が発足してから四年半を超えました。この間、文科省からの放射線関係部門の移管や独立行政法人原子力安全基盤機構との統合など、原子力規制委員会の業務は徐々に広がってきたものと思います。本改正案が成立すれば、原子力規制委員会は、事業者の保安活動全般を常にチェックできるようになるなど、さらに業務量の増大があるのではないかと思っております。 そこでまず、これまでの業務の拡大に対して原子力規制委員会がどのように対応してきたのか、業務の移管や統合に困難や課題はなかったのか、四年半を振り返っての御認識をお聞かせください。
○田中政府特別補佐人 御指摘のように、平成二十四年九月に発足して、翌年四月には文部科学省から放射性同位元素の規制にかかわる業務を統合しました。それから、その翌年の三月には原子力安全基盤機構を統合するというようなことがありまして、かなり人数的にも相当大きくなってまいりました。また、原子力防災体制ということで、逆に内閣府の方に地域原子力防災充実強化に係る業務を担う専任の体制が整備されるというようなことがありました。 こういった、一緒になる部分と別になった部分とありますけれども、基本的には、違った組織が一緒になった場合、往々にして人間関係とかいろいろなことが問題になりますけれども、できるだけ協力してできるようにということで、もともと私どもの組織というのは、経済産業省、文科省それから警察庁とか、いろいろなところの組織が一緒になってやっていますので、比較的、皆さん、非常にそういう点では融合しやすい、融合というか、気持ちがおおらかというか、お互いにプラスの面を発揮していただいていると思います。 さらに、中途採用についても、年四回中途採用を行うなど、専門人材の拡充にも努めてまいりました。 同時に、最も大事なのは、私どもの職員が使命感を持って、活動原則を決めておりますけれども、そういった組織理念をきちっと守って活動していただくということ。それから、安全文化の醸成、これは言葉で言うのと実際はなかなか難しいところがありますけれども、専門能力を高めながら安全文化を醸成するということを図ってまいりました。 今回、検査制度の見直しによりますと、検査能力ということについて、より高いレベルを求めていくということで、組織的に今取り組んでおります。 いずれにしても、きちっと与えられた職務を遂行できるように、組織を挙げて取り組んでまいりたいと思います。
○河野(正)委員 よろしくお願いいたします。 原子力に関する技術や安全規制に当たっては、我が国だけにとどまることなく、広く世界的な知見を積極的に収集して取り入れていくことが重要だと考えております。 現在、原子力規制委員会では、国際協力として、条約や多国間、二国間での情報交換等の協力の枠組み、国際機関等への参加、情報発信などの連携、国際アドバイザー等有識者との意見交換といった取り組みを進めていることと思います。 今回の法改正案では、IAEAによる日本への総合規制評価サービス、IRRSミッション報告書に示された内容を踏まえて必要な法改正措置を行ったものですが、このIRRSチームのメンバーは、十七カ国のIAEA加盟国出身の規制に関する専門家で構成をされており、世界じゅうの知見を得られる貴重な機会となったのではないかと想像されます。 これまでのIRRSミッションによってもたらされた成果がどのようなもので、今後もこうしたミッションを定期的に受け入れていくお考えかどうか、お示しいただきたいと思います。
○荻野政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘のとおり、IRRSミッションは、各国の規制機関の幹部、専門家等から成る方々でありまして、昨年の一月にお見えになりましたが、実は、その一年以上前からいろいろな準備をしていましたり自己評価をしたり議論をしたりして、その結果、昨年一月には二週間ほど実際のレビューがあったというものでございます。 成果というお話がございました。報告書の内容としましては、二つの良好事例、それから十三の勧告、十三の提言をいただいているわけでございますけれども、私どもとしましては、もちろん良好事例は評価していただいているんですけれども、それ自体が目的というよりも、むしろ、いろいろな改善点を指摘していただくということが重要なことだというふうに考えております。 そういった観点から、昨年一月にミッションを受け入れた直後から、四月の報告書を待たずに、こういった勧告、提言の項目、さらにそれ以外に、いろいろな議論の過程で浮かび上がってきた問題点につきまして、三十一の項目に整理して直ちに検討を始めました。 その結果、法改正案として今御審議いただいている法律案もございますし、その他、組織体制の整備など予算措置を必要とするものにつきましては、所要の予算要求を盛り込む。それ以外にも、いろいろ、原子力規制委員会のマネジメントシステム、あるいは許認可の審査ガイドなどの運用上の事項もございまして、そういったものにつきましても、いち早く対応を進めているところでございます。 また、今後、数年中にはフォローアップミッションを受け入れまして、再度レビューを受けたいというふうに考えております。
○河野(正)委員 ことし三月、韓国・古里原子力発電所で深刻な事故が発生したとき日本が受ける影響について取り上げた記事が出ております。古里から長崎県の対馬までは約七十キロ、私は福岡ですが、福岡まで約二百キロ、広島三百キロという距離のようであります。私は福岡なんですが、福岡―北九州が約七十キロぐらいですから、その程度の距離しかない。新幹線一駅程度ということになります。 韓国だけではなく中国も同様であり、北東アジア地域で深刻な原発事故が発生すれば、広域的な被害が想定をされます。日中韓の三カ国の間では、日中韓上級規制者会合という協力体制があるようですが、こうした実際の原発での事故を想定した訓練なども行っているのでしょうか。協力体制の現状と課題を確認させていただきたいと思います。
○荻野政府参考人 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、日本、中国、韓国の三機関、三国の規制機関内では、上級規制者会合、TRM、トップ・レギュレーターズ・ミーティングといったものを年一回開催しております。 この会合の枠組みの中で、緊急時対応に対する作業部会も設置されておりまして、緊急時対応に関する情報交換もやっておりますし、各国持ち回りで他国の原子力防災訓練にオブザーバーで参加をするという取り組みを二〇一四年以来、毎年一回実施しております。 また、原子力災害発生時における相互の情報交換が極めて重要でございます。そういったことから、各規制機関が緊急時における連絡窓口を設定し、緊急時に発災国が他国に情報提供をするということになっておりまして、二〇一七年には韓国で合同防災訓練が開催予定でございますけれども、こういった通報訓練といったものも実施してまいりたい、そんなふうに考えております。
○河野(正)委員 先ほど委員長より、原子力規制委員会、非常に仲よくやっているというような御趣旨の発言でしたが、人材育成という面から、原子力規制委員会を支える人材の採用、育成に当たっての現状と政府の問題意識を確認させていただきたいと思います。
○荻野政府参考人 お答え申し上げます。 やはり人材確保は非常に重要でございます。原子力規制委員会といたしましても、発足直後から継続的に民間等からの実務経験者を公募し採用しておりますし、また、新規学卒者につきましても、国家公務員採用者、合格者からの採用に加えて、原子力規制庁独自に実施する原子力工学系採用試験、あるいはその研究職員の公募といったものを実施しておりまして、定員につきましては、ほぼ充足しているという状況にございます。 また、採用した後の職員の人材育成につきましても、力量向上に向けて、研修用プラントシミュレーターの活用などを通じて、より実践的にやろうと考えております。 また、原子力人材といいますのが日本国全体として足りているのかという問題がございますけれども、そういった問題意識も含めまして、大学等と連携した、大学における一種の寄附講座的なものですが、原子力規制人材育成事業などにも取り組んでおりまして、引き続き、必要な人材の確保に努めてまいりたいと思います。 ありがとうございます。
○河野(正)委員 安全研究の分野においては、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構、JAEAの強化、人材育成の観点からの協力の強化が課題として挙げられていると思います。こうした安全研究に注力することは有意義なことだと思っております。 ただ、JAEAは、安全研究だけではなく、高速増殖炉「もんじゅ」や「ふげん」、東海再処理施設など、いわば事業者としての立場も有しております。 平成二十七年十一月、原子力規制委員会は「もんじゅ」の出力運転を安全に行う主体として必要な資質を有していないので、機構にかわる主体の選定を勧告するなどしてきております。JAEAに対し、一方では運転能力の欠如を指摘し、他方、安全研究では協力を強化し人材交流するというのは、はた目から見ると相反した対応のようにも見えます。むしろ、安全研究分野をJAEAから切り離すといった方法もあり得るのではないでしょうか。 安全研究におけるJAEAとの協力体制の考え方を含めて、政府見解を伺いたいと思います。
○大村政府参考人 お答え申し上げます。 安全研究分野におけるJAEAとの協力体制についてのお尋ねでございますが、原子力規制委員会は、JAEAの組織のうちの安全研究センターという組織がございまして、ここを規制の支援機関として位置づけて、同センターと連携して安全研究を行っているところでございます。 この連携につきましては、二十八年度の対応といたしましては、研究の一部の当センターへの委託であるとか、あと、原子力規制庁の研究職の職員が多数おりますけれども、その研修を目的として、JAEAの安全研究センターへ派遣をするといったことを実施しているところでございます。 それで、御指摘の、推進と規制の分離というところでございますけれども、JAEAに対しましては、その中長期目標におきまして、安全研究センターを原子炉等規制法の規制を受ける原子力施設の運転管理部門から区分をさせるということ、それから、JAEA内に外部有識者から成る規制支援審議会を設置して、その意見を尊重し、同センターの中立性、透明性を確保しつつ業務を進めるということを指示しているところでございます。 いずれにしましても、今後とも、さらなる連携強化の方策につきまして、JAEA安全研究センターと継続的に協議をして行ってまいりたいというふうに考えてございます。 以上です。
○河野(正)委員 原子力規制委員会では、原発再稼働の是非を判断する審査業務に大きな負担がかかっていると思います。事業者や経済団体からも、審査に時間がかかるという批判もあるようですが、かなり、こういった負担によって長時間労働があるんじゃないかということで、原子力規制委員会における長時間労働の実態、病気、休職、離職の状況等、対応策についてお示しいただきたいと思います。
○荻野政府参考人 お答え申し上げます。 原子力規制庁職員の労働時間の実態でございますけれども、まず、超過勤務でございますが、平成二十七年度の超過勤務の平均は一人当たりおよそ月三十五時間でございます。平成二十八年度はおよそ月三十三時間ということになっております。 原子力規制庁で、こういった超過勤務の削減対策としまして、水曜日の一斉退庁でありますとか、金曜日にはリフレッシュ定時退庁日を設けるでありますとか、毎月水曜日には幹部が各部屋を巡回して定時退庁を促すとか、あるいは、いわゆるゆう活を行う、あるいは、最近では、モバイルパソコンを使用したテレワークを推進するといった取り組みを進めまして、超過勤務の縮減に努めてまいっているところでございます。
○河野(正)委員 時間もありませんので、先に行きたいと思います。 廃炉に関して伺いたいと思いますが、本改正案では、発電用原子炉設置者等が、事業の開始段階から、施設を廃止するに当たっての実施方針を作成し、公表しなければならないとする規定が新たに設けられております。 この改正案が成立した後、発電用原子炉設置者等はそれぞれ廃止措置実施方針を作成していくことが求められますが、どのくらいの時間をかけて公表されると考えているのか、現時点での見通しをお聞かせください。
○山田政府参考人 廃止措置実施方針に係る規定につきましては、附則におきまして、法律の公布の日から起算して一年六カ月を超えない範囲において政令で定める日から施行されるとなってございます。 また、施行の際、既に許可または指定を受けている者に対しては施行の日から三カ月の経過期間を置くこととしておりますので、大体そのころに提出がされるものというふうに考えているところでございます。
○河野(正)委員 この方針には、放射性廃棄物の発生量の見込み、廃止措置に要する費用の見積もり、資金の調達方法といったことを記載するよう求めていくとの答弁もあったかと思います。 そこで、お尋ねですが、想定される放射性廃棄物の処分の方法については記載を求めることとなるんでしょうか。
○山田政府参考人 廃止措置実施方針の具体的な記載項目につきましては、原子力施設を廃止する際に策定する廃止措置計画の記載項目及び添付資料の項目を基本として、今検討させていただいているところでございます。 放射性廃棄物の処分方法にかかわる記載については、廃止措置計画の、核燃料物質または核燃料物質によって汚染された物の廃棄、こういった項目に記載がございまして、廃止措置の終了までに放射能レベル区分に応じて廃棄事業者の廃棄施設に廃棄するといったような、一つの例でございますけれども、このような記載がございますので、これらの内容を踏まえつつ検討を続けてまいりたいというふうに考えてございます。
○河野(正)委員 以前、JAEAが廃止措置を進めている「ふげん」を視察してまいりました。狭い建屋を区切って廃棄物を取り出し、仕分けする作業、大変手間のかかるものだと実感したところであります。 しかしながら、放射能レベルを確実に見きわめて厳格に仕分けを進めることというのは解体作業の肝であります。そうした手間のかかる作業の現場では、作業員によるミスなども起こり得るでしょうし、複雑な作業から逃れるために手抜きが起こるリスクもないとは言えないように思います。 廃止措置が適切に実施されていくか監視することは、廃炉作業や放射性廃棄物の処理への信頼性を高めるためにも重要と考えますが、原子力規制委員会の関与のあり方をお聞かせいただきたいと思います。
○山田政府参考人 原子力施設の廃止措置につきましては、原子力事業者が、原子力規制委員会の認可を受けた廃止措置計画に従って的確に実施するという義務を負ってございます。 原子力規制委員会では、実際に廃止措置が行われる際には、廃止措置計画の認可を通じて、あらかじめ、その実施内容が災害の防止上適切なものであることを確認するほか、廃止措置期間中におきましては、施設定期検査ですとか保安検査、こういったものを通じて、廃止措置工程における安全確保がしっかりと行われているかどうかについて監視をしてまいってございます。
○河野(正)委員 時間がありませんので、最後に、ちょっと大臣に一言コメントをいただきたいなと思うんです。 我々日本維新の会は、原発については即時ゼロという立場はとっておりませんが、市場原理により原発はフェードアウトしていくものだというふうに考えておりますし、原発再稼働責任法というのを参議院の方に提出をさせていただきまして、やはりしっかりと最終処分場の立地見通しを立てていくというか、立たないまでも、考えて、検討していかなければいけない。 次世代にこういった放射性廃棄物の処分を先送りするのではなくて、しっかりとこれを、道筋をつけていかなければいけない。また、こういった核のごみ、トイレのないマンションなどとやゆされることもありますので、しっかり道筋をつくらなければいけないと思っておりますし、再稼働に当たっては、避難経路、さまざまな問題もございます。また、都道府県知事等々の権限を法律で定めておくべきではないか。 いろいろな提案をさせていただいておりますが、こういった再稼働に関しましても大臣のコメントを一言だけいただければと思います。
○山本(公)国務大臣 再稼働等につきましては、御承知のように、私、環境大臣という立場もございますので、三条委員会の独立性を重んじるときに、コメントは差し控えさせていただきたいと思っております。 その上で、御党が原発再稼働責任法案をお出しになっていらっしゃいますことも承知をいたしております。 このため、私どもは、内閣府として、原発の所在地域ごとに、原子力規制委員会も含めた関係省庁、関係自治体等が参加する地域原子力防災協議会を設置いたしております。私は、ここが一番大事なことだろうと。避難計画を策定するときに、やはり地域の実情を御存じの方がまず御意見を出していただく、これが大事だろうと思っておりますので、この協議会において、避難計画を含む緊急時対応が、原子力災害対策指針に基づいて、具体的かつ合理的なものであることを確認することといたしております。さらに、その内容を総理が議長を務める原子力防災会議で了承するという段階を踏むわけでございますから、ぜひ御承知おきをいただきたいと思います。
○河野(正)委員 時間が来ましたので、通告した分、十分質問できなかったかもしれません。申しわけありませんでした。 終わります。
○平委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○平委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。塩川鉄也君。
○塩川委員 私は、日本共産党を代表して、原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 反対の第一の理由は、本法案にある原子炉等規制法の改定が、原子力発電所等の検査を事業者任せにし、事故防止のための国の責任を後退させるものだからです。 改定では、施設の安全確保に対する事業者の一義的責任を明確化するという理由で、事業者みずからが検査を行うよう義務づけ、国は事業者が行った検査をチェックし、その結果に基づいて総合的な評定を行うというものです。 福島第一原発事故の根底にあるのは、重大事故に至れば炉心溶融が起きることを知っていながら、その対策を事業者任せにしてきたことです。国会事故調査委員会報告書も、規制当局が事業者のとりことなり、規制の先送りや事業者の自主対応を許し、国がみずからの責任を回避してきたことが事故の背景にあると指摘しました。しかし、審議の中で、福島原発事故の教訓がどのように反映されているか、明快な答弁はありませんでした。 また、国が直接検査を実施してきた背景には、東京電力に代表される検査記録隠しやデータ偽造など、事業者が、これまで検査時の不正行為を頻繁に引き起こしてきたことがあります。国は、その都度、検査の方法や対象や体制を改めてきました。不正が発覚し、是正措置をしても、法令違反は繰り返されています。事業者任せの検査の見直しは、福島原発事故の教訓をないがしろにし、過去の検査制度の改定の経緯にも逆行するもので、認められません。 第二は、放射性廃棄物の埋設処分規制が不十分だからです。 今回の法案では、低レベル放射性廃棄物の浅地中処分、トレンチ処分とピット処分についての見直しは全くなく、公衆への被曝防止や環境汚染防止の対策として問題があります。浅地中処分に対して、遮断型構造による施設建設、強化を図るといった規制を加えない改正は不十分です。 第三に、放射性物質であるRI防護は当然です。 本改定では、物的防護に加え、二〇〇五年に原子炉等の核物質防護の強化で原子炉等規制法に導入された国家公安委員会との関係が持ち込まれています。警察による人権侵害、大学、研究機関の自治への介入が懸念されます。研究活動の自主、民主、公開の原則にも反するものであり、認められません。 最後に、本法案は、原子炉等規制法、放射線障害防止法、放射線基準法の三法を束ねた法案となっています。本来、法案ごとの慎重な審査を要するものであり、このような法案の提出のあり方を改め、委員会における慎重審議を行うことを申し添えて、反対の討論を終わります。
○平委員長 これにて討論は終局いたしました。 ―――――――――――――
○平委員長 これより採決に入ります。 内閣提出、原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○平委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○平委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、冨岡勉君外三名から、自由民主党・無所属の会、民進党・無所属クラブ、公明党及び日本維新の会の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。太田和美君。
○太田(和)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。 趣旨の説明は、案文を朗読してかえさせていただきたいと存じます。 原子力利用における安全対策の強化のための核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。 一 本改正により国際規制物資使用者間での少量核燃料物質の譲渡し又は譲受け、国際規制物資使用者による少量核燃料物質の輸出入が可能となった場合、取引の増加に伴い核燃料物質の移動が活発になることが予想され、これにより少量核燃料物質の所在等の把握が煩雑になることも考えられることから、少量核燃料物質の平和的利用が担保されるためにも、国際規制物資使用者に係る計量管理の強化及び効率化の検討を速やかに行い、必要な体制を整備すること。 二 原子力施設の廃止措置の実行可能性を担保するため、廃止措置実施方針の定期的な見直し・更新を発電用原子炉設置者等に求めるとともに、あらかじめ適切な公表の方法を定めた上で、定期的に公表すること。 三 中深度処分を行う第二種廃棄物埋設施設については、放射能濃度が比較的高い廃棄物を数百年にも及ぶ長期間取り扱うことから、その間、事業者によって安定的に事業が継続されるよう、当該事業者の体制強化を図る施策の実施も含め、必要な指導・監督を行うこと。また、事業者による管理終了後に放射性物質の漏えい等が発生した場合においては、国が責任を持ってその対処に当たること。 四 放射性廃棄物を取り扱う埋設施設の立地選定に当たっては、有害物質であるポリ塩化ビフェニルのように、民間主導の処理の計画が頓挫したケースも過去に見られることから、立地選定及び処分が円滑に進むよう、国として立地の選定に積極的に関与すること。また、放射性廃棄物の埋設の事業を円滑に実施するためには立地自治体及び地元住民の協力が欠かせないことから、事業者と立地地域の合意形成が進むよう、国も積極的に働きかけていくこと。 五 指定廃棄物埋設区域制度の創設に伴い、発電用原子炉及び試験研究炉施設の規制基準策定に向けた検討が今後進むこととなる一方で、再処理施設等から生ずる放射性廃棄物など、炉内等廃棄物以外の放射性廃棄物の中深度処分についてはこの検討の対象とされていないことから、当該廃棄物に係る規制基準についても早急に検討を進め、その結果を国民に分かりやすく、丁寧に説明すること。 六 今回の原子力事業者等に対する検査制度の見直しは、国際原子力機関による総合規制評価サービスの指摘や福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえたものであることから、見直し後の検査制度に基づく取組状況について、国民に分かりやすく説明するとともに、国会に定期的に報告すること。 七 原子力事業者等の保安活動全般を包括的に常時監視・評価するに当たっては、その具体的な方法をマニュアル等で明確化するなどにより十分な体制を整備すること。特に、この検査制度の運用においては高い能力が検査官に求められることから、その能力向上のための必要な措置を講じること。 八 放射性同位元素、放射線発生装置及び核燃料物質等は、研究機関、大学、医療機関、民間企業等において幅広く使用されており、多様な放射性廃棄物が発生している状況にあることから、これらの施設を所管する関係各法律においても、早期に処理・処分の合理化に係る規定を整備すること。 九 特定放射性同位元素防護規程の届出制度が創設されるに当たり、放射線障害予防規程との内容の重複等により、事業者からはセキュリティとセーフティの内容が重複し混乱を来すのではないかとの懸念が示されていることから、事業者に対し過度な負担を強いることとならないよう制度を構築すること。 十 防護措置の対象となる血液照射装置は現在では使用されなくなってきているものの、同装置を廃棄するには多大な費用がかかり、廃棄されずに各施設に保管されている状況にあること等を踏まえ、防護措置が義務付けられることとなる装置の廃棄に対し、必要な支援策を検討すること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○平委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○平委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。山本環境大臣。
○山本(公)国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして努力してまいる所存でございます。 ―――――――――――――
○平委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○平委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○平委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時二十一分散会