安全保障委員会 第1号
- 発言数
- 9 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 2017/02/28
会議録
○山口委員長 これより会議を開きます。 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 国の安全保障に関する事項について、本会期中国政に関する調査を行うため、衆議院規則第九十四条の規定により、議長に対し、承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○山口委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○山口委員長 国の安全保障に関する件について調査を進めます。 この際、防衛大臣から所信を聴取いたします。稲田防衛大臣。
○稲田国務大臣 防衛大臣の稲田朋美でございます。 本日は、山口委員長を初め理事、委員の皆様に、防衛大臣としての所信を申し上げます。 我が国を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しております。 北朝鮮は、昨年、二度の核実験や二十発以上の弾道ミサイル発射を強行いたしました。また、本年に入ってからも、ICBM試験発射準備が最終段階に至った旨発表するなど、ICBM発射試験を示唆するような発言を繰り返しているほか、今月十二日にも弾道ミサイルを発射しました。こうしたたび重なる軍事的挑発行為は、まさに新たな段階の脅威と言えます。 一方、中国は、継続的に高い水準で国防費を増加させ、軍事力を広範かつ急速に強化しつつ、周辺海空域等における活動を急速に拡大、活発化させています。昨年末には、空母遼寧を含む計六隻の海軍艦艇が沖縄本島—宮古島を通過いたしました。遼寧が太平洋へ進出するのはこれが初めてです。また、昨年九月、戦闘機と推定される軍用機が初めて沖縄本島—宮古島間を通過しました。平成二十八年度の中国機に対するスクランブル回数は、第三・四半期までで六百四十四回に達しており、既に昨年度一年分の回数を超えております。これらの動向は、今後も強い関心を持って注視していく必要があります。 このような状況を踏まえ、以下の施策を積極的に推進してまいります。 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、安全保障政策の根幹となるのはみずからの努力であるとの認識のもと、我が国自身の防衛力を強化し、みずからが果たし得る役割の拡大を図る必要があります。 このような考えのもと、統合機動防衛力の構築を着実に進めており、周辺海空域における安全確保、島嶼部に対する攻撃への対応、弾道ミサイル攻撃への対応等を引き続き重視し、防衛力整備を進めております。特に、南西地域における防衛体制の強化は重要であり、昨年三月には与那国沿岸監視隊等を新編いたしましたが、今後、奄美大島、宮古島及び石垣島に警備部隊等の配置を進める所存です。 今後とも、国家安全保障戦略、防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画に基づき、国民の生命、身体、財産、我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くため、体制を強化してまいります。 次に、日米同盟の強化について申し上げます。 もはや、どの国も一国のみでは自国の安全を守ることはできない時代となっている中、日米同盟の抑止力、対処力の強化が重要です。 今月四日に、訪日したマティス新国防長官と会談いたしました。日米同盟は、我が国とアジア太平洋地域の平和と安定を守る上で極めて重要な役割を担っており、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化するとの認識で一致しました。また、さきの日米首脳会談では、日米双方が日米同盟を一層強化するための強い決意を示しつつ、米国は地域におけるプレゼンスを強化し、日本は同盟におけるより大きな役割及び責任を果たすことで一致しました。 今後とも、日米防衛協力のための指針に基づき、同盟調整メカニズムによる緊密な調整、共同訓練、演習、共同研究開発など、さまざまな分野において両国の協力を進展させてまいります。 また、日米同盟による抑止力を維持しつつ、地元の基地負担を軽減するための取り組みも重要です。 特に、現在も多くの米軍施設・区域が集中している沖縄においては、昨年末、北部訓練場の過半、約四千ヘクタールの返還が二十年越しで実現いたしました。これは、沖縄県内の米軍施設・区域の約二割に当たり、沖縄の本土復帰後最大の返還です。 今後とも、沖縄の基地負担軽減のため、できることは全て行う、目に見える形で実現するという基本方針のもと、普天間飛行場の辺野古への移設、返還など、基地負担の軽減に取り組んでまいります。 また、米軍機の飛行安全の確保は駐留の大前提です。米側には引き続き安全の確保を求めてまいります。 次に、安全保障協力の推進について申し上げます。 豪州、ASEAN諸国、インド、欧州諸国などの基本的価値や安全保障上の利益を共有する国々との共同訓練や防衛装備、技術協力、能力構築支援を含む防衛協力、交流を引き続き推進してまいります。 特に、日・ASEAN防衛協力については、昨年十一月に私が第二回日・ASEAN防衛担当大臣会合で表明したビエンチャン・ビジョンに沿って着実に強化してまいります。 欧州諸国に対しては、アジア太平洋地域へのコミットメント強化を働きかけつつ、具体的な防衛分野での協力を強化してまいります。本年初めの私の欧州訪問は、まさにこうした観点から実施したものです。 また、現下の朝鮮半島情勢を踏まえ、北朝鮮問題に関する緊密な情報共有や実践的な共同訓練の実施を初めとする日韓、日米韓の連携を強化してまいります。 中国に対しては、引き続き透明性の向上を働きかけつつ、日中防衛当局間の海空連絡メカニズムの早期運用開始に向け、協議を継続してまいります。 また、国際社会が抱える課題への取り組みとして、自衛隊は南スーダンPKOにおける施設活動やソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動を実施しています。 防衛省・自衛隊は、今後とも、積極的平和主義の旗のもと、日本らしい現地の実情に寄り添った活動の実施を通じて、国際社会の平和と安定のための取り組みを推進してまいります。 続いて、平和安全法制の着実な具体化について申し上げます。 昨年は、南スーダン派遣施設隊に新たな任務等を付与したほか、在外邦人等保護措置訓練や日米共同の統合実動演習、キーンソード17で重要影響事態における捜索救助活動についての訓練等、新たな任務に関する必要な訓練を実施しております。さらに、昨年末には、米軍等の部隊の武器等防護について、米軍を対象として運用を開始いたしました。 防衛省といたしましては、今後とも、各種の事態に適切に対応できるよう万全を期してまいります。 次に、国会提出法案について申し上げます。 まず、駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法の一部を改正する法律案は、本年三月三十一日に同法の有効期限を迎えるため、いまだ実施に至っていない米軍再編事業を円滑に実施できるよう、有効期限を十年間延長する等の改正を行うものです。 また、防衛省設置法等の一部を改正する法律案は、陸上総隊の新編、南西航空混成団の南西航空方面隊への改編や、日豪・日英ACSAに関する規定の整備、開発途上地域の政府への不用となった装備品等の無償譲渡のための規定の整備等を行うものです。 委員各位におかれましては、御審議のほどよろしくお願いいたします。 以上述べましたように、防衛省・自衛隊が直面する課題は山積しております。私は、防衛大臣として、防衛省・自衛隊のよき伝統とともに、変化する安全保障環境に対応するため、創造の精神を持って、今後とも安全保障上の諸課題に取り組んでまいりたいと考えております。 山口委員長を初め理事及び委員の皆様の一層の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
○山口委員長 次に、外務大臣から所信を聴取いたします。岸田外務大臣。
○岸田国務大臣 安全保障委員会の開催に当たり、委員各位に謹んで御挨拶申し上げ、我が国の安全保障政策について所信を申し述べます。 十二日の北朝鮮による弾道ミサイル発射は、安保理決議、日朝平壌宣言に違反するものであり、断じて容認できません。十四日、日米韓の要請で開催された安保理緊急会合で、本件発射を強く非難するプレスステートメントが発出されました。引き続き、日米、日米韓で緊密に連携して対応するとともに、安保理決議の実効性の確保に努めてまいります。 最重要課題である拉致問題については、対話と圧力、行動対行動の原則のもと、ストックホルム合意に基づき、一日も早い全ての拉致被害者の帰国に向け、あらゆる努力を傾注します。 アジア太平洋地域の安全保障環境は一層厳しさを増しています。国際協調主義に基づく積極的平和主義の立場から、平和安全法制のもと、地域と国際社会の平和と安定に積極的に貢献します。 我が国、そして地域の平和と繁栄にとって、強固な日米同盟が不可欠です。先般の日米首脳会談の成果を踏まえ、日米同盟の抑止力、対処力の一層の強化のための取り組みを引き続き推進します。 普天間飛行場の一日も早い辺野古への移設を初め、引き続き、沖縄の負担軽減に全力で取り組みます。 また、韓国、オーストラリア、インド、ASEAN諸国を初めとするパートナー国との間で、安全保障分野を含む信頼、協力関係をさらに強化しつつ、そのネットワーク化を進めるとともに、中国やロシアとの間でも信頼関係の増進に取り組み、地域の安全保障環境を好ましいものとしていきます。 韓国は、戦略的利益を共有する最も重要な隣国です。一方、昨年末に在釜山総領事館に面する歩道に新たに慰安婦像が設置された事態は極めて遺憾です。一昨年末の慰安婦問題に関する合意を双方が責任を持って実施することを引き続き韓国側に強く求めます。日本固有の領土である竹島については、引き続き日本の主張をしっかり伝え、粘り強く対応します。相互の信頼のもと、日韓関係を未来志向の新時代へと発展させていくことが重要です。 日中関係は、最も重要な二国間関係の一つです。日中国交正常化四十五周年に当たる本年、戦略的互恵関係の考えのもと、さまざまな対話、協力、交流を強化します。一方、中国の不透明かつ急速な軍事力の強化や活動の活発化は、地域共通の懸念事項となっており、引き続き信頼関係の増進に努めつつ、その透明性の向上を働きかけてまいります。尖閣諸島をめぐる情勢については、我が国の領土、領海、領空は断固として守り抜くとの決意で、引き続き、毅然かつ冷静に対応してまいります。 昨年十二月のプーチン大統領の訪日の成果を踏まえ、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの一貫した方針のもと、新しいアプローチに基づき粘り強く交渉します。 我が国として、国際社会が抱える諸課題への対応にも取り組んでいきます。 航行及び上空飛行の自由を初め、国際法の原則に基づく海洋秩序とシーレーンの安全は、我が国の海洋権益と、地域の平和と繁栄にとり死活的に重要です。他方、東シナ海及び南シナ海において一方的な現状変更の試みが続いており、国際社会共通の懸念事項となっています。 法の支配こそ、国際社会において貫徹されなければならない普遍的な原則です。全ての当事国が、地域の緊張を高めるような行動を自制し、国連海洋法条約を含む国際法に基づき、平和的解決を追求すべきです。 核兵器のない世界の実現に向け、唯一の戦争被爆国として、核兵器国と非核兵器国との協力を促し、現実的かつ実践的な取り組みを重ねることで、核軍縮・不拡散の取り組みをリードしていきます。 拡大するテロ、暴力的過激主義の脅威に対し、特にアジア地域における水際対策や穏健な社会の構築等、国際連携を強化し、国際テロ情報収集ユニットを通じた情報収集を含め、総合的なテロ及び暴力的過激主義対策に取り組んでいきます。 以上のような取り組みを推進するため、私は、外務大臣として全力を尽くす決意です。 山口委員長を初め理事、委員各位の御指導と御鞭撻を心からお願い申し上げます。
○山口委員長 外務大臣は御退席いただいて結構です。 次に、平成二十九年度防衛省関係予算の概要について説明を求めます。若宮防衛副大臣。
○若宮副大臣 おはようございます。防衛副大臣の若宮健嗣でございます。 我が国を取り巻きます安全保障環境は厳しさを増しておりますが、稲田大臣のリーダーシップのもと、防衛副大臣として、宮澤政務官、小林政務官とともに、統合機動防衛力の構築や日米同盟の強化、沖縄の基地負担軽減など、山積する安全保障上の重要な課題に緊張感を持って取り組んでまいる所存でございます。 山口委員長を初め理事、委員の皆様方におかれましては、御指導、御鞭撻のほど、何とぞよろしくお願いを申し上げます。 平成二十九年度の防衛省関連予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 平成二十九年度予算におきましては、一層厳しさを増す安全保障環境を踏まえ、国民の生命、身体、財産及び我が国の領土、領海、領空を守る体制を強化するため、平成二十六年度以降に係る防衛計画の大綱及び中期防衛力整備計画(平成二十六年度〜平成三十年度)に基づきます防衛力整備の四年度目として、統合機動防衛力の構築に向け、引き続き防衛力整備を着実に実施することといたしております。 具体的には、各種事態におけます実効的な抑止及び対処並びにアジア太平洋地域の安定化及びグローバルな安全保障環境の改善といった防衛力の役割にシームレスかつ機動的に対応し得るよう、統合機能のさらなる充実に留意をしつつ、必要な事業を計上することができたと認識をいたしております。 特に、警戒監視能力、情報機能、輸送能力及び指揮統制・情報通信能力の向上を重視するほか、島嶼部に対する攻撃への対応、弾道ミサイル攻撃への対応、ゲリラ、特殊部隊による攻撃への対応、宇宙空間及びサイバー空間における対応、大規模災害等への対応並びに国際平和協力活動等への対応を重視するとともに、技術的優越の確保、防衛生産、技術基盤の維持等を踏まえたものとなっております。 平成二十九年度の防衛関係費の一般会計歳出予算額は五兆一千二百五十一億四千八百万円となり、前年度の当初予算に比べ七百九億九千九百万円の増となっております。 継続費の総額は、平成二十九年度潜水艦建造で七百九十九億三千九百万円となっております。また、国庫債務負担行為の限度額は、武器購入、航空機購入、弾薬購入、武器車両等整備、提供施設移設整備等で二兆一千三百四十四億六千二百万円となっております。 また、東日本大震災からの復旧復興に係る経費を、平成二十九年度一般会計とは別途、東日本大震災復興特別会計に歳出予算額百二十八億四百万円を計上しております。 これをもちまして、平成二十九年度防衛省関係予算の概要の説明を終わらせていただきます。
○山口委員長 以上で説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前九時十九分散会