予算委員会 第4号
- 発言数
- 331 件
- 登壇者
- 37 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2016/10/13
会議録
○委員長(山本一太君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 予算の執行状況に関する調査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本一太君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(山本一太君) 予算の執行状況に関する調査についての理事会決定事項について御報告いたします。 本日は、内政・外交の諸問題等に関する集中審議を行うこととし、質疑は往復方式で行い、質疑割当て時間の総計は四百十四分とし、各会派への割当て時間は、自由民主党九十一分、民進党・新緑風会百五分、公明党五十五分、日本共産党五十三分、日本維新の会五十分、希望の会(自由・社民)二十分、無所属クラブ二十分、日本のこころ二十分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(山本一太君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(山本一太君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、内政・外交の諸問題等に関する集中審議を行います。 これより質疑を行います。西田昌司君。
○西田昌司君 おはようございます。自民党の西田昌司でございます。 今日は、私は総理に新幹線の整備の問題につきまして質問させていただきたいと思います。 じゃ、一枚目の資料を御覧になってください。(資料提示)総理も是非御覧になっていただきたいんですが、今、新幹線、全国の新幹線、実はこの色で付いているところが今整備中の新幹線、また、できた新幹線ですが、それ以外に、これ見ていただきますと分かりますように、全国で、日本海側も、それから山陰地方も四国も九州も、東九州も含めて、あらゆる地域で新幹線の基本計画があります。これは昭和四十八年、田中内閣の時代に作られたわけでありますが、しかし、このときは昭和六十年ぐらいに新全国総合開発計画で六十年を一応完成目途としてこういう計画が実はあったんです。しかし、残念ながらこれは全く整備がされてこなかったと。 その原因は、一つは、そもそも四十七、八年からオイルショックがありましたし、そしてドルショックということもありました。それから、狂乱物価と言われた時代もありました。また、田中内閣が退陣するということもありました。そして、そういういろんな政治の混乱、そして何よりもJRが、国鉄が事実上経営破綻してしまったと、そのために頓挫してしまっているわけです。 今、この中で十一の基本計画があるんですけれども、実は一つだけ整備されるのがあると。それが中央リニアなんですね。 これは、中央新幹線がリニア方式でJR東海が自らの事業としてやるということでこれ認可がされたんですけれども、そして、そのリニアを前倒しで大阪までやるということで今回の補正予算でも三兆円投入して、財政投融資で投入して早くやろうと。これは本当にいいことだと思っているんですけれども、私は、このリニアだけじゃなくて、全国の新幹線網をやっぱりしっかりやらなきゃならないと思うんです。 特に、安倍内閣が一番目指しておられるいわゆる地方創生ですね、一億総活躍、そのためには地方を活性化させなきゃならないんですが、これ見ていただいたら分かりますけれども、例えばこの山陰新幹線というのがありますが、全く手付かずです。それから、四国新幹線、全く手付かず。その結果、何が起こるかというと、例えば山陰地方では鳥取県と島根県の合区ということになりました。そして、徳島と高知の合区というのも行われています。つまり、新幹線がないところでは非常に廃れてしまっているんですよ。よく、代表なくして課税なしという言葉がありますが、新幹線なくして代表なしなんです、これは。新幹線がないところでは代表さえ選べないというとんでもない状況になっているんですね。 そういうことも考えましても、私は新幹線を全国で整備していかなきゃならないと思うんです。しかし、これには幾つものハードルがあることも事実であります。 まず、一番大きなハードルが財政ですよね。財政で、これ今、新幹線は公共事業方式でなってしまっております。新幹線のこの予算幾らかというと、大体六兆円ぐらいの公共事業予算あって、一千億円が鉄道局、そのうちの七百五十億円しか新幹線の予算ないんですね。この調子では、例えば今、北陸新幹線、北海道新幹線、九州新幹線やっていますけれども、北陸新幹線の私は検討委員会の委員長をやっているんですけれども、これ何年たっても、四十年たってもできませんよ、こんな調子では。要するに、この枠を四千億、五千億というふうに十倍増近くやっていかないと、実は新幹線は計画があっても、整備計画があっても完成できないんです。 なぜこうなったかと。まさに公共事業悪玉論というのがはびこってしまったわけなんです。しかし、新幹線の整備計画があるところは、これはもう採算取れると思ってやっているんですから、一日も早くやる方がこれは経済的にもいいし、効率の理にかなった話なんですね。だから、まずその公共事業費を増やしていかなきゃならないということなんです。 それからもう一つ、私、北陸新幹線やる場合に、ちょっと二枚目のパネルお願いします、関西空港まで同時にやるべきだということを申し上げてきたんです。 これはどういうことかといいますと、私が提唱していますのは、北陸新幹線、小浜から舞鶴まで行って、京都まで行って、そこから関西学研都市、そして新大阪に行って、更に関空まで行くべきだという案を言っているんですが、これは、何も我が田に水を引く、我田引鉄の話で言っているんじゃなくて、それは結果的に何が起こるかというと、舞鶴に行くということは、その先、この山陰新幹線に延伸しますと、そのための意味なんですね。そして、学研都市に行くという意味は、これは中央リニア、これは奈良市付近を通るということになっていますから、ここで中央リニアと接続することができるというネットワークの話なんです。そしてさらに、この関西空港というのは、関西空港に行った後そのまま伸ばしていくと、これいわゆる四国新幹線そのもののルートになるんですね。 こういうふうに、まず敦賀、舞鶴、学研、そして関空というルートをやることによって、大きくそれらの新幹線ができると。私は、近い将来、この北陸新幹線がやった後、舞鶴から取りあえず松江までは山陰新幹線つなげるべきだと。そして、松江から岡山まで中国縦貫新幹線をやって、そして高松まで行く。そして、高松から徳島、そして和歌山を通って関空、こういう循環ラインを造ると、恐らく一時間少々で全ての地域から関空までこれ行けるんですよ。北陸地方からも一時間少々で全部関空につながります。 ということは、これはいわゆる観光インバウンド、これをこれから伸ばしていくという意味でも、私はIRをやるよりもよっぽど大きな効果が出ると間違いなく思うんですね。ですから、そういうことも含め、本当にこれ、経済を良くするためにはまずこういう整備をすべきだと思っております。 そして、もう一つ大事なのは、これやるためには運営主体、これ要するに、四国なんかやるとしてもJR四国ができるのかと、こういう話になるんですよ。これを解決するためには国鉄の私はもう一度再編、再統合をやるべきだと思っています、JRの。三十年前にこれ、国鉄改革が行われて七つの会社に分割されました。それはそれでそのときに意味があったんですけれども、三十年たって分かってきたのは、結局七社の格差が非常に大きくなってしまった。格差が大きくなっただけじゃなくて、要するに、七社がばらばらの会社になっていますから、JRグループといっても全くダイヤのこの協調性がない。一緒に自分たちがやろうという話になっていないんですよ。これでは国民にとって何のための改革だったのかということになります。 そこで、私が是非提案したいのは、JR株を今もう一度買い戻すんです。そんなことできるのかといいますと、できるんですよ。最近のこの時価、このJR三社、この時価総額を調べますと大体八兆二千億ぐらいです。ほかの会社は全部国有ですけれども、もう少し高くなるということも含めて、十兆円あれば全部これ買い取ることができます。そして、その買い取るための資金は国債でいいんですよ。国債は今金利ゼロですからコスト掛からない。コスト掛からないどころか、JR上場三社の年間配当額は三社で一千億円あるんですよ。ということは、十年間、例えば国債でこのJR株を買い戻すと、そしてその間に再編、再統合していくと、そうすると、政府は一銭のコストも掛からずに一兆円の配当収入があるんですよ。これは様々なものに使えますよ。そして、十年たてば、もう一度再上場すれば、まさにコストなしなんです。 そのことによって、この新幹線、できるだけじゃなくて、もう一つ大きいのは、新幹線に、全国にこれ造っていくときに、いわゆる貨物の新幹線やるべきだと思っています。この全国の新幹線整備する場合、東海道新幹線のような複線でやる必要はないんですよ。いわゆる過疎地域を通りますから取りあえず暫定単線でいいんです、暫定単線でやっていくと。そして、フル規格で単線でやっていっても、これはダイヤ的には十分機能を果たせます。そしてさらに、そこに貨物新幹線、カウリングを付けた中にコンテナ、もうトラック何百台分の貨物が積めるんですよ。そうすると、たった一人の運転手で九州から北海道まで全部これ三百キロで輸送ができる。いわゆる大型トラックの運転手がいなくて物流業界大変困っておられますけれども、これ一挙に解決します。そして、三百キロで運びますから物すごく物流の時間短縮、経済的にもいいと。これは物すごく大きな物流革命を起こすことになるんですが、それもただでできるんですよ。政府がJRを再統合させて、もう一度そういうコンテナヤードなどを造る投資をすれば、これできちゃう話なんですね。ですから、こういうことも含めて、私は、国鉄、JR改革、そして全国の新幹線の整備はすべきだと思うんです。 もう時間がありませんので、もう一度言いますと、要するに、まとめてもう一度言いますと、まず、全国の新幹線の整備をやるべきだと思うんですけれども、総理の御所見。 そして公共事業の枠を、今八兆円の国債を償還して六兆円の新規発行です。つまり、財政的には二兆円貢献し過ぎているんですよ、これ。せめて、八兆円償還しているんだから、あと二兆円の枠は公共事業費を増やせば新幹線もこれできちゃいます。 それから、先ほど言いましたように、関空、ここはまず北陸新幹線と同時にやるべきだと思っています。これはさきの国会、四月二十五日でしたか、麻生大臣に私、決算委員会で質問しましたら、西田君、今の君の質問いいと、是非関空には新幹線やるべきだとはっきりとお墨付きもいただいて、議事録も持ってきております。 そして四番目は、JRの再統合、これはもう一度考えるべきだと思います。 以上四点、是非総理の御所見をお願いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま西田委員から壮大な構想について御紹介をいただいたわけでありますが、政府としての見解を述べさせていただきたいと思います。 今年三月、北海道新幹線が函館まで開業し、北の大地が初めて新幹線ネットワークで結ばれたところであります。新幹線は、東京オリンピックの年に開業して以来、五十年余りにわたって我が国の経済や国民生活の発展を支えてきました。安全性や信頼性、環境面に非常に優れた交通機関であり、観光やビジネスなど地方創生にも重要な役割を果たすものであると認識をしています。 このような観点を踏まえ、新幹線については、整備新幹線について、札幌や敦賀、長崎へと整備を着実に推進するとともに、敦賀―大阪間のルートを決定し、財源の確保を行うことで整備計画路線の確実な整備にめどを立てる、そして、リニア中央新幹線について、財投の活用により大阪までの全線開業を最大八年前倒しすることに取り組んでいきたいと思います。 公共事業については、未来への投資により次の世代に引き渡すしっかりとした資産を形成するものであり、我が国の経済成長を支えてきたものと認識をしています。公共事業予算は、厳しい財政事情を踏まえ、選択と集中の下、効果が最大限発揮されるよう、国民の生活を守り、未来への投資を実現するインフラ整備への重点化、効率化を進めていくことが重要と考えています。 関西国際空港へのアクセス強化と北陸新幹線との関係については、与党検討委員会の中の中間取りまとめにおいて、関西国際空港へのアクセスは北陸新幹線の整備計画の範囲外であるが喫緊に調査すべき課題とされており、昨今のインバウンド需要の増加等を踏まえ、国土交通省において調査を行うこととしていると承知をしております。 また、JR七社の再編についてのお考えを表明していただきましたが、この再編、再統合については、国鉄改革の趣旨を踏まえ、残る三社の完全民営化に向けた取組を進めるとともに、かつて一つの組織であった会社間の連携及び協力が確保されるよう取り組んでいきます。 また、近年、企業の環境意識の高まりやトラックドライバー不足を背景として貨物鉄道への期待が高まっていると考えており、引き続き貨物鉄道へのモーダルシフトを推進していく考えでございますが、基本としてお考えとしては今承りました。まあ今、私のお答えは、十分にお答えをさせていただいているという状況にはまだございませんが、一つの考え方をお示しをしていただいたことは敬意を表したいと、こんなように思うわけでございますし、久々に今、山陰新幹線の構想も見せていただきまして、あれはやっぱり、私も山陰でございますが、勇気を与えていただきますが、新幹線より先に山陰本線を単線から複線にまずしたいということが最初の希望でもあるということも申し添えておきたいと思います。
○西田昌司君 ありがとうございます。 もう時間がないんですけれども、山陰新幹線は議員連盟をつくっておりまして、総理が最高顧問であります。よろしくお願いします。 それで、やっぱり一番大事なのは、私、公共事業費の枠を縮小したために、この今の整備新幹線ですら、これはこのままでは四十年掛かっちゃいますよ。これは駄目なんだ、どこのルートを決めてもこれじゃ意味ないんですよ。皆さん方が生きている間に乗れませんから、これは本当に。 だから、乗れるようにするためには十年で完成させると、取りあえず。そういうやっぱり方向付けが大事で、そのためには予算があればいいんですよ。それを総理が命令していただくことを麻生財務大臣は待っておられるんです。公共事業としてやりたくて仕方ないんだけれども、なかなか、総理がおっしゃっていただくとできると、麻生大臣はそういう顔で今うなずいておられるわけなんですね。 ですから、もう一度、このやっぱり公共事業費は実は何にも財政にマイナス要素なしですから、これは。今二兆円、財政を助けているんですよ。せめてあと二兆円、イーブンまでやるべきだと思いますが、もう一度、総理、お願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現在、金融緩和を行っており、そしてゼロ金利、マイナス金利になっているときこそ、言わば国債のコストが非常に安いわけでありますから、こういうときこそ必要な未来への投資をやりたい。そのための今回、補正予算であります。 その考えを今非常に分かりやすく御説明をいただいた。国債でJRの株を買えば、将来それを、また民営化したときに返ってくるし、その間の配当もあるじゃないか。そういう意味では、一つのお考え、立派なお考えだと、このように考えております。
○西田昌司君 時間がないので、また是非機会がいただけましたら、この問題、総理にまた御要望させていただきたいと思います。 終わります。ありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上で西田昌司君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、長谷川岳君の質疑を行います。長谷川岳君。
○長谷川岳君 自由民主党、北海道の長谷川岳です。 まず、北海道の台風についての、被害についての質問をさせていただきます。 まず、政府の素早い激甚災害指定に大変感謝をしておりますが、農地、農業用施設以外にも、今、南富良野町のポテトチップス工場あるいは美瑛町の野菜集出荷施設などの共同利用施設も被害が出ておりますが、これ、一定程度の年数の経過した施設なんです。こういった施設に対する助成というのは非常に少ないというふうに理解をしておりますけれども、大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(山本有二君) 今般の一連の台風災害を受けまして、農林水産省といたしましては、十月七日金曜日に支援対策を取りまとめたところでございます。 この中で、被災した先生御指摘の共同利用施設の再建、復旧についてこれを定めました。激甚指定を受けた地域におきましては、農林水産業共同利用施設災害復旧事業により、被災した施設の残存簿価に対して補助率最大十分の九で支援する、また、強い農業づくり交付金によりまして、残存簿価のあるなしにかかわりませず補助率二分の一で支援するというように考えております。このように、被災した施設の残存簿価や事業内容により適切な事業が異なることについて、効果的な事業選択となるように丁寧に助言して指導してまいりたいと思っております。 そこで、これら支援対策につきまして、本日から、特に被害の大きかった北海道、岩手県などに本省職員を派遣しまして、自治体や関係団体の皆様を対象とした説明会を行うこととしております。被災された農業者の皆さんが今後の営農意欲を失うことのないように支援対策の周知に努めてまいりたいと考えております。
○長谷川岳君 よろしくお願いいたします。 災害によって被害を受けた農地復旧に当たって、やはり非常に北海道広大でございますし、今回はもう農地そのものが川に流されるという事態が起きております。更なる自己負担軽減に対してお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山本有二君) 特に、農地が流された点にかなりの農家負担費用が掛かるというように見込まれております。 そこで、この災害復旧に対して復旧限度額がございます。被災した農地に代わる農地を新たに造成するために必要な標準的な費用として定めております。これを超える事業費は費用対効果の観点から災害復旧事業の対象外ということになってしまいます。 現在の北海道に関する復旧限度額は一ヘクタール当たり六百七十万円となっておりまして、この復旧限度額を超えた部分につきましては、国庫補助の対象とならないため、全額が地元自治体や農業者の負担となってしまうことになります。
○長谷川岳君 更に伺います。 現在、全道規模による被害によって、復旧に必要な業者の皆さんの人手あるいは技術者が大変不足しております。農家自らが土砂の排出、排水対策など施工を行う自力施工をしないと、もう北海道は雪ですから、冬までに間に合わない、来年の営農ができないという状況になりますけれども、政府のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(山本有二君) 農地、農業用施設の早期復旧のために、市町村等が事業主体となる災害復旧事業を速やかに実施することが重要でございます。これと併せまして、農家の皆さんに身近な復旧作業に自ら取り組んでいただくことがまた一方で重要であると考えております。したがって、農林水産省といたしまして、十月七日付けで取りまとめました被災した農家等への支援対策におきまして、こうした取組に対する支援を位置付けたところでございます。 具体的に申し上げれば、まず、災害復旧の円滑な実施と就労機会の確保の観点から、災害復旧事業等におきまして被災農家の優先的な雇用に努めていただくよう文書にて要請しております。また、損壊等の被害を受けた農地周りの小規模な水路等につきましては、多面的機能支払交付金制度を活用することによりまして、集落の共同活動での復旧作業に対し日当を手当てするなどの支援を行うことができます。また、農地等の復旧と一体的に行う除れき、客土等におきまして、被災農家の労力あるいは保有機械を活用することによりまして、農家の作業対価への支払や金銭負担を軽減できる定額助成による支援を実施することとしております。 農林水産省としましては、農家の皆さんが自ら取り組まれる復旧活動が効果的に行われますように、全力で取り組んでまいりたいと思っております。
○長谷川岳君 今回の被害は、共済対象外の作物というのも結構出ているんです。こういった共済対象外の作物への支援をお願いしたいというふうに考えておりますけれども、来年以降の営農継続に向けて、これは衆議院の予算委員会では種子購入等の助成とおっしゃっていただいたんですけれども、さらに、この種子購入等と、ここを更に詳しくこれはおっしゃっていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(山本有二君) 今般の支援対策におきまして、ナガイモ、ニンジン、ネギ、大根、ゴボウ等の畑作物共済対象外の品目につきまして、種子、種苗のほか、先生御指摘のところは、基肥、マルチ、流失したナガイモの支柱といった次期作の栽培開始時に必要な生産資材の購入に要する経費を助成することといたしました。
○長谷川岳君 ありがとうございます。 続きまして、観光のキャンセルについてお話をさせていただきたいと思います。 今、この大雨、台風の被害によりまして、道東地区、十勝地区の観光キャンセルというのが続出しております。具体的な支援策について、風評払拭に対する対策を観光庁長官にお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(田村明比古君) お答え申し上げます。 北海道には、世界遺産の知床や富良野を始めとして魅力的な観光地たくさんございます。観光客にも人気の旅行先の一つでございますことから、風評被害の防止が急務であるというふうに考えております。 そのため、北海道観光に関する正確な情報を知っていただくために、関係者と連携しながら、宿泊施設の営業状況、それから交通機関や道路の運行状況等につきまして情報発信を実施しておりまして、引き続き正確な情報発信に努めてまいりたいと考えております。 また、今後、観光需要の回復を図るため、風評被害の払拭を念頭に、海外に向けて北海道の観光魅力の発信を実施しまして外国人旅行者の誘客を図ります。それから、国内旅行者の誘客を図るためには、これは旅行業協会等を通じまして旅行会社が旅行商品を造成するよう働きかけを強化してまいりたいと考えております。 道東地区の観光需要の回復に向けまして、これらの施策をより効果的に推進していくために、しっかりと最新の状況というものも確認しつつ、地元の関係者とも力を合わせて取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○長谷川岳君 長官自ら来道していただくという認識でよろしいでしょうか。
○政府参考人(田村明比古君) 私も含め、しっかりと確認をさせていただきます。
○長谷川岳君 よろしくお願いいたします。 台風の被害についてもう一つ、今日はパネルを持ってまいりましたけれども、(資料提示)実は今回の台風による河川の氾濫が原因による被害が相次ぎました。これは国交省に問いたいと思いますけれども、資料一を皆さんも御覧になっていただきたいと思います。 特にこの十勝川水系の糠平ダム、電力ダムなんです。これは発電ダム、つまりは水をためておくことが大前提なんですけれども、この度の台風によって大雨はかつてない規模になりました。したがって、今後は、河川法に基づき、これは予備放流水位と書いてありますけれども、ダムの放流を行う目安になる水位なんですが、これを思いっ切り下げていく必要があるのではないかと。あるいは、洪水を避けるためにより多くのダムの水を放流するというためにも、ダムの操作規定の見直しを今後していかないといけないと、私はそう思っています。 また、今回、ダムの地元の流域協議会には気象庁のメンバーが入っていないということがありまして、是非今後気象庁のメンバーに入っていただくべきではないか、さらには、電力ダムといえども洪水調整の機能を持たせるべきではないかと、そのような考え方を持っておりますが、国交省、国土大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 今委員から御紹介いただきましたが、一般に、発電専用のダムで洪水の前の操作によって水位低下させるためには、下流の安全管理を行いながら長時間を掛けて放流を実施する必要がございまして、現在の降雨予測の精度等から技術的な制約がございます。 このため、発電用の糠平ダムにつきましては、洪水を貯留する効果を高めるよう操作方法を見直すに当たりましては、予備放流の水位を下げることを含めて十分な技術的な検討を行う必要がございます。その上でダム管理者が作成する操作規定の見直しを行う必要があるわけですが、河川管理者である北海道開発局には、このダム管理者と連携してこれに取り組ませることといたしたいと思っております。その際、十分な技術的な検討が必要であることから、音更川の流域連絡協議会には関係気象台も参加をさせるようにしたいと思います。 また、洪水調整機能の確保についても重要であると認識をしておりまして、全国的に実績を重ねつつあるところでありますが、個別の既存ダムの有効活用のための方策につきましては、関係者の意向等を踏まえつつ適切に対処していきたいと思っております。 十勝川流域の水害対策につきましては、ソフト、ハード、あらゆる手段を駆使しながら、被災地の一日も早い復旧復興に向け全力を尽くしてまいりたいと存じます。
○長谷川岳君 利水ダムと治水ダムの多目的ダムとして人の命を守る、十勝の農業を守っていただくということをお願いを申し上げたいと思います。 次の問題、JRの問題に入らせていただきます。 今、JR北海道、この台風によって被害を非常に受けておりますが、これは重要交通インフラであるJR北海道も同様であります。しかしながら、災害復旧費というのは、国道は全額国が負担しますけれども、民間というだけでJRは二分の一の補助になってしまいます。このままではJRは復旧できない路線が生じるのではないかという懸念がもう既に地域では非常に大きな懸念材料になっておりまして、自治体も大変な状況であります。 国はどのようなお考えをお持ちか、伺いたいと思います。国交大臣、お願いします。
○国務大臣(石井啓一君) 今回の一連の台風災害によりまして、北海道では、現在、JR北海道の石勝線トマム駅から新得駅の間、根室線富良野駅から芽室駅の間の二路線で運転を休止をしております。このうち根室線の富良野駅から東鹿越駅間は、十月中の運転再開を目指し復旧作業が行われておりまして、その他の区間につきましては、被害状況の把握や復旧方法の検討が行われているところでございます。まず、JR北海道におきまして復旧方法の調査等をしっかり行っていただき、その結果を伺いたいと思っております。 私自身も九月の三日に、新得駅の構内で鉄道橋梁等が流出した現場を訪問いたしまして、非常に大きな被害が発生したことを実感をしたところでございます。こういった被害の状況を十分に踏まえた上で、災害に強い鉄道が構築されることを念頭に置きながら、まずは被災した施設の早期復旧に向けまして、鉄道軌道整備法に基づく災害復旧事業費の補助制度を始め必要な支援について検討してまいりたいと考えております。
○長谷川岳君 原形復旧というのが原則でありますけれども、やはり、これだけ雨や気候変動ということを考えますと、やはり併せて強化工事というものが必要になってくると思いますので、その点も御認識をいただきたいというふうに思います。 続きまして、JR北海道、今現在、鉄道路線の抜本的見直しを行っておりますけれども、そもそもの要因、このような事態に至った要因について国の見解を問いたいと、そのように思います。
○国務大臣(石井啓一君) JR北海道は、北海道が面積が広大である中で、利用者が少ない路線が多く、また、冬季の厳しい条件の下で様々なコストが掛かる。例えば、除雪の費用が掛かったり、あるいは鉄道のポイントであれば、ヒーター等を設置して凍結しないようにしておくと。そういったことから、内地に比べると相当な費用が掛かることがございまして、JRのほかの会社と比較をいたしましても輸送人数当たりのコストが高いと、こういう厳しい環境の下で経営を行っていると認識をしてございます。 また、国鉄改革から約三十年が経過をいたしまして、その間の地域の人口減少、特に北海道は全国に先駆けて人口減少進んでいる状況でございます。また、高速道路の整備等、それからマイカー等の他の交通手段の発達に伴いまして、JR北海道は路線によっては鉄道の利用者が大きく減少しております。 鉄道は、大量の旅客を高速で輸送できる反面、多額の固定費用が必要であるという特性がございます。JR北海道は、利用者の減少に伴ってこういった鉄道の特性を発揮しづらい路線が増加をし、厳しい経営環境に置かれております。 JR北海道に対しましては、会社が発足をしたときに六千八百二十二億円の経営安定基金を設置をいたしましたが、長期的な金利動向からその運用益も減少してきております。こうした状況を踏まえ、国としても、平成二十三年度から経営安定基金の二千二百億円実質的な積み増しを行いまして、年間五十五億円の利息収入を入れるなどの支援措置を講じてきているところであります。 国としては、JR北海道の鉄道事業の運営を含めて、北海道において持続可能な地域交通を構築できるようしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○長谷川岳君 今日、表二を、ちょっと皆さん、資料を御覧いただきたいと思いますけれども、ユニットコストって、これ飛行機で普通使われる言葉なんですが、今回は鉄道にも当てはめてみましたが、旅客一人を一キロ輸送するのに掛かるコスト、見ていただくと、JR北海道二十六・九円、全国一番でございます。また、経営安定基金をしていただいておりますが、金利が下がっておりまして、当初七・三%の利回りの予定がこのように下げて、今現在、こういった運用益が大幅に下がっているという状況があります。 国が運用益に関して一定の下支えをしてきていただいていることは承知しておりますけれども、JR北海道単独で維持することが困難な路線を抱えて、経営的に本当に困窮をしております。地方自治体の財政も厳しい中で、今後、JR北海道が単独で維持困難な線区と位置付けて、かつ地元の自治体だけで路線維持のために費用が賄い切れないといったときに、やはり国がこれは資金的な支援を行う必要があるというふうに考えますし、また、やはりきちっと地方自治体との取りまとめを国がリーダーシップ取っていただくべきだというふうに思いますけれども、いかがお考えでしょうか、国交大臣。
○国務大臣(石井啓一君) 国はJR北海道に対しまして、これまで累次にわたって経営安定基金の実質的な積み増しや、また設備投資に対する助成、無利子貸付けなどの支援を行ってきておりますが、依然として大変厳しい経営環境に置かれております。 そういった中で、JR北海道は、単独で維持困難な線区については、当該線区の地域における持続可能な交通体系の構築のために、地域の実情に即して地域と協議を行いたい意向であると承知をしております。 こういった検討を行う中で、JR北海道が置かれている状況を地域の皆様に御認識していただくとともに、国といたしましても、北海道庁とも連携をしながら、これらの協議に参画をいたしまして、地域における持続可能な交通体系の構築のために何ができるのか検討してまいりたいと考えております。
○長谷川岳君 是非、今現在、日高線も、地方自治体の話合いといいながら二年間塩漬けになっているという状況がありまして、是非とも国のリーダーシップ取っていただきたいというふうに思っております。 続きまして、北海道新幹線、今、課題は時間距離の長さであります。新幹線、今、盛岡以北は最高時速が実は二百六十キロに制限をされております。東北新幹線は三百二十キロで走っているんですが、盛岡を越えると二百六十キロに制限されている。これはなぜかというと、これは整備新幹線法のそういった縛りがあるからであります。現在、この盛岡以北の既に開業している整備新幹線の最高設計速度、これ見直されるべきと考えるが、いかがお考えでしょうか。 それからもう一つ、この最高設計速度を見直すに当たっては、地上設備等の改修も含めて、鉄道・運輸機構とともにこれはやはり行うべきだというふうに思いますが、その考え方を国交大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 委員御指摘いただいたとおり、整備新幹線の最高設計速度は全国新幹線鉄道整備法に基づく整備計画で定められておりまして、既に開業した路線や現在整備中の路線では時速二百六十キロとされております。この整備計画に基づき、整備新幹線では防音壁等の地上設備が時速二百六十キロに対応して整備をされておりまして、最高速度を向上させるためには、防音壁のかさ上げですとかあるいはトンネルの緩衝工などの騒音対策、追加の騒音対策が必要となります。また、高速走行に伴う軌道や架線等の維持管理費も増加することとなります。さらに、北海道新幹線の場合は、東北新幹線に比べて、より低温で雪の多い区間を走行することから、積雪寒冷地対策についての検討も必要となります。 このため、速度向上を図る場合には、追加の施設整備費や維持管理費などを精査した上で、その費用対効果や収支採算性等を検討する必要があると考えます。 いずれにしましても、東北新幹線の一部区間では、東京―盛岡間では北海道新幹線も走行している車両により時速三百二十キロの営業運転が行われるということも踏まえまして、交流人口の増加や地域の振興、利用者利便の向上等の様々な課題にどういったことができるのか検討してまいりたいと考えております。 地上設備の改修については、その検討をした上で次のステップでの課題というふうに認識をしてございます。
○長谷川岳君 是非、地方に交流人口を促すためにも、こういった整備新幹線の最高速度の設計、再検討をお願いしたいというふうに思います。 続きまして、ロシアの対ロシア経済協力、それから北方領土隣接地域の活性化について問いたいと思います。表三を御覧になっていただきたいと思います。 実は、北海道はこの十年間で観光客、外国人観光客十倍に増えました。非常に増加の一方、肝腎なこの北方領土隣接地域が、これは平成十四年からずっと下がっておりまして、まあ一時盛り返しているんですが、七割にとどまっています。非常にこれ低迷しています。領土教育の拠点、それから四島交流のこれからの拠点とするためにも、修学旅行あるいは教育旅行、若い方々の交流人口の増加が是非とも必要であるというふうに考えております。 これ、今までの施策ではなかなか難しいという状況になっておりまして、全く異なる画期的な形で施策を打つべきだと考えております。例えば、この隣接地域対策としてLCCの導入によって中標津空港を拠点とする路線開設などの後押しが、こういった安倍政権が掲げる四島の帰属を解決して、平和条約締結して日ロ交流に貢献できると、そのように思っておりますが、内閣府特命担当大臣と国土交通大臣にそれぞれ思いを持って伺いたいと思います。
○国務大臣(鶴保庸介君) 長谷川委員御指摘のとおり、私も先日、北方四島隣接地域の方へ行かせていただきまして、同感でございまして、その隣接地域の振興こそがまずはこの北方四島に対する認識、啓発につながるものであるというふうに痛感をいたしました。 したがいまして、内閣府におきまして、御指摘のようなLCCの就航も視野に入れた北方領土隣接地域の交流人口拡大に向けた関係省庁の連絡会議を近々立ち上げる予定にさせていただいております。
○国務大臣(石井啓一君) 委員御指摘いただいたように、北方四島との交流拠点、領土教育の拠点である北方領土の隣接地域について、交流人口を増やすことは重要であると考えております。 LCCは、低運賃で観光等の新たな旅客需要をつくり出しまして、航空ネットワークの充実を通じて地域の活性化に寄与するものと考えております。 国土交通省としては、中標津空港へのLCC就航につきまして、関係府省庁の取組と連携をしつつ取り組んでまいりたいと考えております。
○長谷川岳君 鶴保大臣始めとして、LCC就航を視野に入れたという力強い答弁をいただきましたので、我々もしっかり自民党の北海道として後押しをできるようにしてまいりたいというふうに思います。 また、北方領土の状況も踏まえまして、これからは四島交流の拠点として中標津―四島内の空路の確保も重要になってくると思います。今「えとぴりか」が出ておるんですが、これ「えとぴりか」で行きますと、寄って、着くには大体十一時間ぐらい掛かってしまっておりますので、大変時間が掛かる状況になっております。 そこで、これからの、今後の状況も踏まえた上で、四島内の空路の確保が大きなテーマとなると思いますけれども、将来を見据えた検討を始める、そういった必要があるのではないかと思いますが、いかがお考えか、それぞれ大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(鶴保庸介君) 先ほど御答弁申し上げましたとおり、関係省庁との連絡会議を立ち上げますので、それも踏まえた上で、今後何ができるか、今後のことでありますから、情勢を見極めつつ取り組んでまいりたいというふうに思います。
○国務大臣(石井啓一君) 中標津空港と北方四島とを結ぶ航空便の就航は重要であると考えておりますが、実現に当たりましては外交上の各種課題が解決されることが必要でございます。 国土交通省といたしましては、関係府省庁の取組と連携をしつつ取り組んでまいりたいと思います。
○長谷川岳君 続きまして、対ロシアの経済協力について伺いたいと思います。 今回、大きな目玉になっております安倍政権の八つのこの対ロシア経済協力の協力プランにつきまして、ロシア経済分野協力担当の世耕大臣からポイントを伺いたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) お答えいたします。 今提示をいただいている八つの協力プランというのは、これは五月に行われました日ロ首脳会談で安倍総理の方からプーチン大統領の方に提示をしていただいたものであります。 これは、もう見ていただいたとおり、町づくり、都市環境整備から農業、医療、あるいは人的交流に至るまで、非常に多岐にわたる内容になっております。私も首脳会談の現場に同席しておりましたが、ロシア側からもその場で高い評価と大きな期待が示されました。 また、この内容には、ロシア国民の生活に大きな影響を与える、あるいは生活環境を向上させるという内容が多数含まれているものですから、ロシアのマスコミでも報道をされて、ロシア国民世論の期待も高まっております。 今後は、どちらかが一方的に与えるということではなくて、お互い日ロがウイン・ウインの成果を上げられるようなプロジェクトにしていかなければいけないというふうに思っています。 今、具体的には、この八つのプランの中にはそれぞれ具体的なプロジェクトが、候補が幾つもあります。そして、ロシア側からも、こういうことをやってほしいというのが複数の閣僚から私に直接提示をされています。今、それを事務方で、関係省庁の事務方が担当大臣である私の下で精査をしておりまして、そしてロシア側ともいろいろ協議をしておりまして、そのうちどれがどういうスピード感でやっていけるかというのを今組み立てているところであります。 次回、十一月にはペルーで安倍総理とプーチン大統領の首脳会談が予定をされております。そこまでには何らかのまず最初の一定の成果を出したいというふうに思っておりまして、国会にお許しをいただけるなどの諸般の事情が整えば、私は、総理がペルーに行かれる前にモスクワを訪問して、ロシア側の関係大臣とよく調整をしてまいりたいというふうに思います。 今、十二月の山口での首脳会談に向けて日ロ関係は更なる発展の機運が盛り上がっているというふうに思います。それを更に盛り上げるために経済分野の協力でしっかりとした成果を出してまいりたいというふうに思います。
○長谷川岳君 是非ともお願い申し上げたいと思います。 そして、表四を御覧になっていただきたいと思いますが、これは、実は北海道も、政府が掲げる八つの協力プランを踏まえて、この五つの協力パッケージというのをもう既に、地域、北海道としてどうロシアと協力し合うかということを打ち出させていただいているわけであります。 例えば、ロシアの安い電力をロシアから買い入れて、例えば道東とか道北の電力特区つくるとか、あるいは、道産の農水産物の輸出あるいは飲料の輸出、これを進めていくこと、あるいは北海道で培った寒冷地仕様の道路建設、あるいは4K、8KというICTの技術を、クラウドを導入しまして、このクラウド活用による遠隔の医療連携など、これ地域とそれから経済協力というのは十分可能だというふうに思います。 今後、このような地域あるいは中小企業を含めた政府後押しの経済セッションを是非行っていただきたいというふうに思いますが、大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) お答えします。 長谷川委員御指摘のとおり、安倍総理がプーチン大統領に提示された八つのプランに即応する形で北海道が早速五つの協力パッケージというのを提示をしていただいているということ、これは本当に高く評価をしたいというふうに思います。 元々、北海道は極東地域との経済交流に熱心に取り組んできていただいていますけれども、まさに、これから日ロの経済協力が更に進展することで北海道の地域経済にとって大きなチャンスがあるという機運が盛り上がっておられるというふうに感じております。その中で、やはり特に農業を含む北海道地域の中堅・中小企業にとって大きなチャンスがあるんではないかなというふうに思っておりまして、これは、国全体として日ロの間で中小企業交流、協力について非常に重視をしております。 先日、ウラジオストクの東方経済フォーラムというのが行われまして、総理に同行して私も行ってまいりましたが、その際には、ロシア側のウリュカエフ経済発展大臣との間で中堅・中小企業分野における協力のためのプラットフォーム創設に関する覚書、これに調印をいたしました。 これはどういうことかといいますと、中堅・中小企業がロシアでビジネスをやるに当たってどういうニーズがあるのか、なかなか中堅・中小企業じゃ分からない、あるいは何かトラブルが起こったときにどう解決していいのか分からない、あるいはロシアの法制度がよく分からない、そういうのを全部この一元的プラットフォームでそういう中小企業の疑問や不安を解消する、そういうために立ち上げさせていただきました。 九月二十九日には、このプラットフォームの日本側の初会合を開催をいたしまして、北海道からも辻副知事に早速御出席をいただくなど熱意を示していただいております。そして、このプラットフォームの活動として全国で中堅・中小企業向けのセミナーを開催してまいりたいというふうに思っていますが、最初のセミナーを十月三十一日に札幌で開催をさせていただく予定であります。 北海道やジェトロ、あるいは札幌市、札幌商工会議所などとも連携をして、北海道の中堅・中小企業の今後のロシアでのビジネス展開を国としても支援してまいりたいというふうに思っております。
○長谷川岳君 ありがとうございます。どうぞ力強くお願いを申し上げたいというふうに思います。 四番目、日ロの平和条約締結に向けた総理の思い、伺いたいというふうに思います。 いよいよプーチン大統領との会談もございますけれども、安倍総理、この日ロ平和条約締結に向けた総理の思い、伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先般、元島民の代表の皆様とお話をいたしました。それぞれ大変お年を召されていて、何とか元気なうちに自由に行き来できるように、そして自由に墓参ができるようにしてもらいたいという切実な思いが伝えられたところでございます。 この日ロの平和条約については、また四島の帰属の問題については、五六年の宣言以来、それ以降は、ソビエト時代は領土問題は存在しないというソ連側の日本側への返答がずっと続いたわけでございますが、その後、エリツィン大統領が登場し、そして橋本さんとの間で、例えば川奈における会談等で打開されていくかと、こう思われたんですが、これがなかなか難しかった。そしてまた、プーチン大統領が登場し、そしてイルクーツクで森総理と会談をし、また更に機運が高まってきたんですが、その後いろいろなことがあり、しかし、なかなか、残念ながらずっと停滞をしてきたわけでございます。この停滞を打ち破るために、ソチにおいて、突破口を開くために、未来志向で、そして今までの発想にとらわれない新しいアプローチで解決をしていこうということで一致をしたところでございます。 先日、ウラジオストクにおいて、プーチン大統領とは十四回目の首脳会談を行うことができたわけでございます。その首脳会談においては、約五十五分間、一対一のテタテの会談を行いまして、相当突っ込んだ議論を行うことができたと思います。交渉を具体的に進めていくという道筋が見えてくるような手応えを感じたところでございます。 また、プーチン大統領には、この領土問題について、平和条約の交渉について、あなたもあなたが言っていることは一〇〇%自分は正しい、そういう確信の下述べておられるんだろうと思うし、私もそうですよと、しかし、お互いがそういう議論を続けていけば、あとまた七十年たってもそれは、この問題は解決できないのではないか、お互いに責任感を持って、自分たちのときに解決をするという強い意思を持って交渉を進めていこうではないかということを申し上げたわけでございますが、今を生きる世代として、この問題を解決をしていく強い決意を持って臨みたい。 先ほど、世耕副長官からも御紹介がございましたが……(発言する者あり)副長官じゃなくて今は経産大臣、失礼いたしました。世耕経産大臣からも、また担当大臣からも答弁をさせていただきましたが、ペルーにおいてこの進展ぶりを、しっかりとこの八項目を含めてチェックをしながら、十二月のプーチン大統領の訪日に向けて準備を進めていきたいと、このように思います。
○長谷川岳君 プーチン大統領との会談、十二月十五日を予定されておりますが、この日は、くしくもあの高杉晋作が功山寺にて挙兵をした日でございます。明治維新に直結した重要な日なんです。二〇一二年の総選挙、これ十二月十六日、高杉晋作が馬関を襲撃した日なんですね。それから二〇一四年、総理が決断した総選挙、これ十二月十四日、これは高杉晋作が長府に戻って遊撃隊を仲間に入れると。 これ、十二月の十三、十四、十五、十六というのは高杉晋作の、明治維新にとっては最も重要な四日間であると私は認識をしております。行動によって風景を一変させるという高杉晋作の行動は、まさにこの吉田松陰先生の猛を発するということに尽きると思います。 総理、今回のプーチン大統領との会談で、人生二十一回猛を発すると決められた吉田松陰先生の残されたうちの一回を是非とも発していただきたい、そのように思いますが、総理、一言思いをよろしくお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 十二月十五日がそういう日だったということは、私、残念ながら知らなかったのでございますが、こういう話をすると、馬関襲撃等々、小倉側の人たちはちょっと不愉快になったりとかすることがございますので余りお話をしないところでございますが。 しかし、松陰先生が二十一回猛を発する、強い決意を持って今までの発想にとらわれない行動を取っていく。松陰先生は残念ながら二十一回まで行かず三回目でこれお亡くなりになられたわけでございますが、私もしぶとくこの交渉は続けながら何とか結果を得ていきたいと、このように決意をいたしております。
○長谷川岳君 是非とも日ロ平和条約締結に向けて御尽力をいただくことをお願い申し上げまして、質問といたします。 ありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上で長谷川岳君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、三原じゅん子君の質疑を行います。三原じゅん子君。
○三原じゅん子君 自由民主党の三原じゅん子でございます。 七月の参議院選挙で再選させていただき、二期目の重責を担わせていただくこととなりました。私は、その選挙戦の中で、自らががんを患い死を覚悟したこと、あるいは日々満員電車で仕事に通う、あるいは家族と食事をするといった、そういう本当に当たり前の日々の生活にこそ大事な幸せがある、こうしたこと、あるいは、命を守り、お一人お一人の大切にしている小さな幸せを守っていきたい、こうしたことをお訴えをさせていただきました。そして、弱きを助け強きをくじく政治家でありたい、こういう心をしっかりと持った政治をこれから続けていきたいと、そんなこともお訴えをさせていただきました。 また、グローバル企業栄えて国滅ぶ、こういうことにならないように、様々な問題をはらむマネー中心のグローバル資本主義に取って代わる命の資本主義、こうしたものを実現していく、そういう方向へと日本が世界をリードしていく、こういうことができる政策をつくり上げていきたいと思っております。 さらには、日本が昔から受け継いでこられた美徳というものを大切にしながら、どんなときでも助け合って、世界が一つの家族のようにむつみ合う、こういう実現に向けて一生懸命に取り組んでまいりたいと思いますので、本日は、その思いを胸に、関連した質問を幾つかさせていただきたいと思います。 それでは、まず医療財政について質問させていただきたいと思います。 先日、二〇一四年度に国民が医療機関で治療を受けるのが、お金が掛かるのが、国民医療費、総額四十兆八千億円を超えたという報道がございました。医療費の増加が続いている背景には高齢化がございます。医療費の試算の中には、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年度には五十四兆円に達するという推計もあるようです。 我が国には、世界に誇る優れた制度として国民皆保険制度がございます。この制度のおかげで国民の皆様は安心して優れた治療を安価で受けることができるというものであります。しかしながら、このまま毎年四十兆、五十兆と湯水のごとく使い続けては、すばらしい保険制度を子供や孫の世代にまで引き継ぐことができなくなるのではないかと心配になります。 私がこの問題を考えるきっかけとなりましたのは、オプジーボという抗がん剤に対する報道でございます。オプジーボは、たんぱく質をもとに作られたバイオ医薬品というもので、これまでにはない革新的な治療効果が期待されているお薬でありますけれども、治療費がとても高くて、一年間に約三千五百万円も掛かると言われております。このオプジーボのような効果は高いけれど価格も高いバイオ医薬品が薬剤費に占める割合、これは今のところ二〇%程度です。しかしながら、今後はこのバイオ医薬品が医療機関での治療の主流となっていくと言われており、それに伴って医療費は加速度的に増大すると言われております。 このバイオ医薬品ですが、数年前から徐々に特許が切れ始めており、バイオ医薬品の後続品、いわゆるバイオシミラーが出始めております。なぜ本日バイオシミラーを取り上げたかと申しますと、バイオシミラーは、バイオ医薬品から三〇%安い価格が設定されておりますので、治療効果を全く犠牲にしないで医療財政の改善につながるという可能性がございます。したがって、国は、ジェネリックと同様に、バイオシミラーへの切替えを積極的に推進すべきだと私は考えております。 ただ、バイオシミラーへの切替えの議論になりますと、現在流通しているバイオシミラーの多くは価格が比較的安いもので、大きな医療費の削減効果にはつながらないという意見があることも承知をしております。 しかしながら、実はバイオ医薬品には二種類あります。分子構造が単純なもの、そして非常に複雑なもの、この二つに分かれます。今バイオシミラーとして承認されている薬は、どちらかというと分子構造が単純なバイオ医薬品が多いんですね。ほとんどがそれらの価格、比較的安いんです。しかしながら、今後はオプジーボのように複雑な分子構造を持つ高額なバイオ医薬品の特許が切れる予定になっているので、バイオシミラーの切替えが進めば医療費削減への貢献度も大きく高まると私は考えております。 具体的にどのくらいの費用が削減できるのか、この点を識者の方から教えていただきました。仮に、二〇二五年時点で、高額なバイオ医薬品のうち六〇%の特許が切れ、バイオシミラーへの切替え率がジェネリックの目標八〇%と同様にした場合の前提での推計ですが、医療費は約三千億円節約できるそうであります。まして、これは一年限りではありません。繰り返しますが、治療効果を犠牲にせずに毎年約三千億円節約できるわけです。 しかしながら、複雑な分子構造を持つ高額なバイオ医薬品は高額療養費制度が適用になりますので、処方する側もされる側もバイオシミラーを使うという意識につながっていないのが現状であります。現に、高額なバイオ医薬品ではたったの現在一、二%しかバイオシミラーが使われておりません。ですから、国が主導してこのバイオシミラーの使用を積極的に促す仕組みが必要なのではないかと思っております。 厚労省は、バイオ医薬品と同様に、バイオシミラーについても医薬品としての品質を保つため独自の制度をつくり、安全性と品質を維持しております。したがって、バイオシミラーは、先行品であるバイオ医薬品と同様の治療効果と安全性が確認されて医療財政の改善が期待できるものと理解しておりますが、大臣はどのように考えておられるか、お聞きしたいと思います。 バイオシミラーの使用促進につきまして、これまでも国会でさんざん議論されてきたんですが、そのたびに厚労省は、バイオシミラーはジェネリック医薬品の使用促進策として従来から進めており、ロードマップにも含まれている、つまり、もうやっているというものでありましたけれども、私はジェネリックとバイオシミラーの取扱いというのは別々にすべきだと思っております。 その理由は、バイオシミラーはジェネリックとは明らかに違う点がございます。つまり、バイオ医薬品はほとんどが注射製剤なんですね。ですから、医師がバイオシミラーを処方すると決めなければ決して使われないということであります。 そこで、国は、現状のジェネリックの枠ではなくて、高額なバイオ医薬品が適切にバイオシミラーへ切替えができているのか、実態を正しく把握して、国民へ情報公開して、国民皆保険制度の実情を理解していただくという必要があると私は思っております。 そのために、バイオシミラー独自の普及目標値の設定、バイオシミラーへの切替えで幾ら節約できたのかを金額ベースで把握する、このことが必要と考えておりますが、この点について大臣はどのようにお考えでしょうか。簡潔で結構です。治療効果を犠牲にしない医療財政改善政策への取組、御決意、これを伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 結論的に申し上げれば、先生のお考えに私も基本的に賛同をいたすところでございます。 バイオシミラーにつきましては、まだ余りジェネリックほど名前が定着をしていないわけでありますが、バイオ医薬品と同様に、治験を実施した上で、有効性などについて先行品との比較、評価を行って承認をするというプロセスを経ています。 したがって、今お話がございましたように、バイオシミラーはバイオ医薬品と同様の治療効果と安全性が確認されたものであるわけでありまして、医療保険に新規収載する際にはバイオ医薬品よりも三〇%価格が安いということであります。したがって、医療財政の改善が期待ができるというふうに私どもも認識をしております。 バイオシミラーへの使用促進につきましては、これまでジェネリック全体の取組として、その中に含んだ形でやってきました。今、しかし、御指摘のように、バイオシミラー独自の普及目標値の設定、あるいはバイオシミラーへの切替えによる削減効果を金額ベースで、御指摘のように金額ベースで把握する点については、国民へ正しい情報を提供する、それから医療財政改善の観点からも前向きに検討すべきだと思っております。 なお、これからは保険者改革を進めよう、保険者機能を強化しよう、医療の質をつくるのは保険者だ、そういうような姿勢で私ども、支払基金などの役割について、を含めて今見直そうと思っておりますけれども、まさに医師がそういうことを認識をきちっとした上で使っていただく、バイオシミラーをということを含めて、保険者もやっぱりそういう考え方で臨むということが私は大事なんではないかというふうにも思っておりますので、そういった点、今先生の御指摘を踏まえて改革を進め、医療は、医療の中身は向上するけれども、財政的には抑制ができ、持続可能な医療制度が続けられるというふうにしたいと思います。
○三原じゅん子君 ありがとうございます。 この問題は引き続きまた委員会等でも取り組んでまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 次に、これも私のライフワークの一つであります自動車問題についてお伺いをしたいと思います。 日経ビジネスオンラインの「なぜ日本人ばかりが米国で投獄されるのか?」という、何ともショッキングな見出しの記事に目が止まりました。米国におきまして、過去五年間にカルテルや談合で投獄された日本人は三十人を超えるなど現地政府から厳しい制裁を受けており、その厳しい制裁を受けるのは群を抜いて日本企業が多いというものです。 実は、この問題、昨年の三月のこの参議院予算委員会のこの場で私の方から、自動車部品メーカーがアメリカの司法省により反トラスト法上の価格カルテルの罪を問われて摘発され、三十社五十一名にも上る方々が起訴又は収監されており、何とその対象の九割が日本企業ということで、これは異常事態ではないかと指摘をさせていただいたものであります。 私の地元である神奈川では、本社が県内にある自動車部品工業会の会員企業だけでも二十社、自動車部品を製造する事業者では県内で百を超えており、全国有数の自動車部品産業の集積地ということが言えると思います。そういう意味でも、私はこれに大変な関心を持っております。 この記事では、米国の反トラスト法専門の弁護士の方がコメントをしておりますけれども、アメリカの弁護士でさえ、本当に理解し難い、信じられないほどの数、反トラスト法は正しく執行されるべき、この状態は法の過剰執行につながりかねず、ちょっと行き過ぎ、対象となっている部品の種類、関与した企業の数、実際にカルテルをしていたとされる期間の長さを考えても、それだけの規模と期間で価格を操作し続けるのはとても難しいとおっしゃっているほどであります。 昨年には、一時は自動車の世界販売台数で一旦首位に立ったドイツのフォルクスワーゲン社が、無論、燃費不正、これ自体は許されることではありませんが、こちらも米国司法省に指されたことがきっかけで経営が暗転し、あえなく首位陥落となりました。自動車分野での覇権奪還を狙う米国によって、この国際経済戦争ともいうべき事象、これは決して他人事ではないと思っております。 我が国を代表する自動車メーカーであるトヨタが、二〇〇九年から一〇年にかけて、結果的に無実の罪により、豊田社長がアメリカの議会の公聴会にまで引きずり出されて追及を受けていた、そして大いに苦しめられたということ、これは私たちの記憶にも新しいところであります。 そして、今また我が国の自動車部品メーカー、世界に冠たるエアバッグメーカーがアメリカの当局から責任を問われ、現在進行形で土俵際いっぱいまで追い詰められております。不良品でユーザーの命を脅かしたのだから当然だろうと、そう突き放す方もおられると思います。 ただ、本年九月十五日付けの日経新聞の朝刊でも、JAXA、火薬学会の自動車用安全部品専門部会の部会長をお務めの堀先生がこう指摘をされておられます。火薬は経年劣化すれば一般に燃焼速度が遅くなるものだが、逆に燃焼速度が異常に上がって破裂に至った、開発時には火薬の専門家も予見しなかったことだとおっしゃっております。では、誰の責任なのか。堀先生は、最も肝に銘ずべきこととして、完成車メーカー、部品メーカー、当局が密に連携し、もっと早く対応できなかったのかということを挙げておられます。 しかし、今回の米国のケースでは、早い段階でアメリカの当局は部品メーカーのみを名指しで批判し、責任を追及するという対応を取りました。そして、現在に至るわけであります。 この問題の異質さ、これを測る上で重要な尺度となるのは、製造物責任の三つの原則であります。平たく言えば、誰が物を組み立て、誰のブランドで物を消費者に売り、そして誰がそれで最終的にもうけているのかというのが、誰が責任を負うのかの判断のポイントだと思っております。 この原則からすれば、今回のエアバッグ不具合問題でアメリカの当局は、製品ではなくてその製品に使う部品を供給した言わば下請である部品メーカーを直に名指しで悪人呼ばわりした上に、リコールを迫り、巨額の罰金まで科しています。こうしたアメリカの政府のやり方は少々行き過ぎなのではないでしょうか。 一四年十二月二十日付けの日経新聞の朝刊記事では、この問題の裏には共和党の影があると指摘をしています。この記事によれば、今回のケースにおいて、当初アメリカの当局は当該エアバッグメーカーに一定の理解を示しておりましたが、しかし、アメリカ自動車ビッグスリーの一角のロビーによる共和党の動きを受けて、当局は急転直下、当該社を厳しく対応するようになったといいます。 部品メーカーである同社を窮地に追い込むことで、ひいては日本車を追い込もうという動きがあると分析をしており、まさに他国自動車産業を牽制しようと仕掛けてきたものと理解ができるのではないかと思います。 先ほど私は国際経済戦争と申しましたけれども、極端な例としては、九五年日米自動車協議の折に、国家安全保障局が日本の通産省、当時の通産省の交渉担当者と自動車企業幹部との間の通信を盗聴していたという、ニューヨーク・タイムズが報じたことも過去にありました。 グローバル化が進んだ世界経済で活動する企業というのは、大なり小なり、陰に日になり、それぞれ自国政府を味方に付けて、言わば生き馬の目を抜く世界で日々戦っております。今回のエアバッグ問題についても、表面的には一部品メーカーの問題のように見えますけれども、その実、我が国の自動車産業全体をターゲットにしたものと理解することもできるのではないでしょうか。そうであれば、政府には、国として戦い、我が国の産業、そして国益を守っていく責務があると思います。 苦境にある当該部品メーカーは現在スポンサーを募集していますが、アメリカそして中国系の企業も触手を伸ばしており、まさに外資の食い物にされようとしています。もちろん、安全のための装置であるエアバッグで死傷事故を起こしたこと、これは批判されるべきでありますけれども、所管官庁の経産省として、過去にも高い技術を持ったこの我が国企業が外資に買収された事案は幾つかありましたけれども、今回、エアバッグで世界シェア二〇%を占めた我が国優良企業が今回のようなやり方で外資の手に落ち、みすみすその技術やノウハウが流出していくのを許してしまって本当にいいんでしょうか。 私がなぜこの問題を危惧しているかと申しますと、今回の問題というのは、個社の問題を超えて我が国の基幹産業である自動車産業全体に悪影響を与えるのではないかと心配をしているからなのであります。というのも、今回のように部品メーカーに直接責任を求めるような運用を行政がした場合、立場の弱い自動車部品メーカーは経営リスクというものを恐れて萎縮してしまいます。これにより、自動車メーカーと部品メーカーの強固な信頼関係にひびが入ってしまう、ひいては我が国の自動車産業全体の国際競争力というのが失われてしまうおそれさえあるのではないかと非常に心配をしておりますので、どうか経済産業大臣に、このところを見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) お答えいたします。 大変傾聴に値するお話だったというふうに思います。 ただ、アメリカ政府司法当局の法執行について日本の経産大臣としてはコメントできないということは御理解をいただきたいと思います。 あと、事実関係として申し上げますと、部品メーカーが直接リコールの請求先になるわけではありません。あくまでも完成品の自動車メーカーがリコールの対象でありまして、その自動車メーカーが部品メーカーに請求をするという構造になっているということだけは御理解をいただきたいと思います。 私は、委員と考え方は全く一緒であります。日本の経済の根幹は自動車産業であり、そして、その自動車産業の屋台骨を支えているのが部品業界だというふうに思っております。この部品業界は私も大変重視をしておりまして、今月の六日に、経済産業大臣として初めてということでありますけれども、自動車部品工業会と懇談会を行わせていただいて、いろいろと意見交換もさせていただきました。今御指摘の独禁法で身柄を拘束されている事案が多数出ているという話も、つぶさにその懇談で聞かせていただきました。そういう中で私が感じたのは、部品業界というのは物すごく、何兆円という、一兆円を超える売上げのある大企業から本当に零細な企業までいろいろあるということもよく分かりました。 そういう中で、私は、経済産業省として、製造産業局に今回新たに十月から自動車部品・ソフトウエア産業室を設置をいたしました。これによって、今まで部品業界を専門に見る部署というのはなかったんですが、経済産業省の中にそういう部署をつくってきちっと対応していきたい。 そして、今御指摘のアメリカでの独禁法違反で身柄が拘束されているような事案に関しても、これはやはり中小企業は大企業と違って高額の法律事務所との契約とかができませんから、そういったところの法律の解釈とか対応もできる限り我々の方で丁寧に支援をして、今御指摘のような事案が起こらないようにしていきたいと思いますし、この部品産業全体もいろんな形で盛り上げて、日本の屋台骨の屋台骨としてしっかりと持続発展できるように経済産業省として取り組んでまいりたいというふうに思います。
○三原じゅん子君 ありがとうございます。是非しっかりとお願いをさせていただきたいと思います。 次に、二重国籍について改めて取り上げたいと思います。 何が本当に問題なのか、まだ国民の皆様は御理解いただけていないのではないかと思っております。我が党の議員と民進党の蓮舫代表との間には根本的に大きな違いがあると思いますが、いかがでしょうか。今日はそのことを国民の皆様の前で分かりやすく議論をしていきたいと思います。先般、衆議院でもこの問題取り上げました。極めて分かりやすかったと思っております。 二重国籍の問題に関し、国籍法十四条と国籍法十六条という二つの重要な条文があります。二重国籍の場合に、国籍法第十四条は一項で、外国の国籍を有する日本国民は、二十二歳に達するまで又は二重国籍となったときから二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならないと規定し、二項では、日本の国籍の選択は、日本の国籍を選択し、かつ、外国の国籍を放棄する旨の宣言をすることによってすると規定しています。 そこで、法務大臣にお伺いします。国籍選択届を行うことが、外国籍を放棄し、日本の国籍を選択する手続であると理解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(金田勝年君) お答えいたします。 ただいまの三原委員の御指摘のとおり、国籍選択届を行うことは、国籍法第十四条第二項における外国籍を放棄をし、日本の国籍を選択する手続に当たるものであります。
○三原じゅん子君 国籍法第十六条に規定する外国の国籍の離脱は努力義務であると理解しています。つまり、国籍法第十四条が必ずやらなければいけないのに対して、十六条は外国の国籍の離脱に努めなければならない努力義務規定にすぎず、できるだけやるように努力しなさいということなんですね。 したがって、仮に外国での手続を行っていなくても、先ほどから申し上げている第十四条に基づく国籍選択届を日本の市役所や区役所で行いさえすれば、その段階で外国籍を放棄し、日本国籍を選択するという意思が明確に表明されたものと言えると思いますが、そういう理解でよろしいですね。
○国務大臣(金田勝年君) お答えをいたします。 ただいまの三原委員の御指摘のとおり、日本の役所に国籍選択届を出すことは、国籍法上、外国籍を放棄し、日本国籍を選択したことの意思を明確に表明したことになるということであります。
○三原じゅん子君 我が党の小野田議員は、確かに時期は遅れたんですけれども、第二十四回参議院通常選挙に立候補する前に、立候補する前に十四条の義務手続を既に済ませておりました。このことは本人が戸籍謄本を公開して国民の皆様の前に明らかにいたしました。 一方、蓮舫代表はいまだに、国籍法第十四条の義務を果たしたか、いつの時点で日本国籍を選択したのかを明らかにしておりません。安倍総理、この事実をどう思われますでしょうか。 蓮舫さんは野党第一党の党首であります。過去の手続ミスは手続ミスで仕方ない。しかし、蓮舫代表の問題は、自身の説明が二転三転したことから国民に不信感を持たれたということなのではないでしょうか。かつて蓮舫代表は閣僚や内閣総理大臣補佐官まで歴任されました。少なくとも、こうした役職に就く前に国籍法十四条の国籍選択の宣言を行ったのか、明らかにされていないとしたら、私、これ大問題だと思います。 蓮舫代表は当初、台湾籍を抜いたとおっしゃっておりましたが、九月十三日の朝、急遽記者団を集めて、台湾籍が残っていたと発表し、以前の発言が間違いだと認めました。ただ、その際、蓮舫代表は、違法性はないと言い切られたんです。しかし、その時点で十四条の国籍選択の宣言が行われていなければ明らかに国籍法に反しています。これは政治の信頼に関わる極めて深刻な問題です。先週、蓮舫代表は、戸籍は極めて個人的な話だと言い訳して説明を避けたそうでありますが、国民の信頼を取り戻す方法はただ一つだと思います。政治家として戸籍謄本を示し説明責任を果たすこと、これしかないと思っております。 蓮舫代表が法律を守る政治家としてのありようを問われる大きな問題であると思いますが、総理の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 三原委員が御指摘になったように、まさに我々国会議員は国民の負託を受けているわけでありまして、我々政治家は、これは内閣、与党、野党にかかわらず、自らの言動等について国民に疑念を持たれぬよう常に襟を正していかなければならないことは当然のことであろうと、こう承知をしております。 御指摘の問題についても、我が党の小野田議員は、戸籍謄本を示して選択という義務を果たしたことを証明されたわけであります。国会議員として国民にまさに自らのこの問題に対する対処を明確にされたんだろうと、こう思うわけでございますので、蓮舫議員御自身の責任においては、国民に対して小野田議員が自ら証明をされたように努力を払わなければならないものと、このように私は考えております。
○三原じゅん子君 ありがとうございます。 政治家の二重国籍問題というのは、法律の条文上の問題というのももちろんいろいろあると思いますけれども、国政を預かる国会議員として、日本に対して愛着を持っているのか、また国益というものに真摯に向き合えるのか、そこに疑念を持たれるようでは私は話にはならないと思います。日本人としてのアイデンティティーを語れる、このことはとても大切なことだと思っております。これを語れないというのは問題だということを、この際改めて指摘をさせていただきたいと思います。 最後になりますが、天皇の生前退位について、本日は余り時間がありませんので、質問というよりはお願いをさせていただきたいと思います。 この問題のポイントは、八月八日の天皇陛下のお言葉にもございました、「象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくこと」、これに尽きるんだと思っております。万葉集の最初の巻の二つ目の歌は、天の香具山登り立ち国見をすれば国原は煙立ち立つ、千四百年前の第三十四代舒明天皇の御製があります。そうしたお姿は、天皇皇后両陛下が全国各地においでになるお姿と重ね合わさります。 憲法上の国事行為はもちろん大切でありますけれども、それと同様に、天皇陛下は昔から国民の傍らに立ち、声に耳を傾け、思いに寄り添い、そして祈る。それを誰かが取って代わることができない大切なものとされてきたのであります。 一方、私たち国民も、天変地異や原発事故のような災害の多い時期だからこそ、今改めてそのかたじけなさに涙がこぼれるような尊さを大切に受け止めるべきではないかと私は感じております。 こうした象徴天皇としてのお務めが常に途切れることなく安定的に続いていくことについては、持統天皇時代、この前後、皇位継承が極めて不安定化した時期、ここに様々な工夫がなされたこと、これに私はヒントがあるのではないかなと思っております。天皇の葬儀に火葬を取り入れるなどして、長期間御遺体を安置する重い殯というものを簡略化し、以来千二百年にわたって続いた仏式葬、これによって大嘗祭、すなわち天皇霊の継承を短期に完了する、さらには、より安定した皇位継承のための生前譲位の恒常化、こうした考え方や慣行は明治期に至るまで続いたと聞いております。 報道によりますと、野党民進党も党内に皇位検討委員会の設置を決めたと聞いております。 我々自民党は、真の保守政党として、皇室典範等の立法措置に取り組む際には伝統的な天皇の在り方に思いを致していくこと、このことが重要だと考えております。それは、欧米の契約によるようなものとは全く異なり、互いが自律的に一体感を醸し出す君民一体のお国柄であります。どうしたら国民総意の下、日本ならではのお国柄を維持していけるかに考えをはせることこそ伝統国家の本質だと考えます。総理、どうかよろしくお願いをしたいと思います。 これで私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上で三原じゅん子君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、徳永エリ君の質疑を行います。徳永エリ君。
○徳永エリ君 おはようございます。民進党・新緑風会の徳永エリでございます。 まずは、災害支援についてお話を伺いたいと思います。 我が国は、近年、大きな自然災害に見舞われております。台風、地震、火山の噴火、局地的な豪雨、人々の暮らしやそれから観光、農業などに大きなダメージを受けている。そして、復旧復興には莫大なお金も掛かりますし、そして時間も掛かります。その陰で元の暮らしに戻れずに不安な気持ちを抱いておられる方がたくさんおられるということ、そのことをいつも心に留めておかなければいけないと思っております。 北海道の紙智子委員そして長谷川岳委員も質問をしておりましたけれども、総理も御案内のように、八月、北海道を次々と台風が襲い、そして接近をいたしました。北海道でも川が氾濫して堤防が決壊し、畑に水が流れ込み、家が流され、そして橋が流され、道路が陥没し、鉄道も破壊され、そして何よりも収穫を目の前に控えた農産物に大きな被害が出ました。農地にも大きな被害が出ています。こういった被害からの復旧に関しては、もう与野党を超えてオール北海道でしっかりと国の御支援をお願いをしていきたいと思っております。 パネルを御覧いただきたいと思います。(資料提示)皆さんのお手元には資料があると思いますけれども、北海道の今回の三つの台風の上陸、そして二つの台風の接近、どれだけ深刻な被害状況であるかということが報道を通して余り皆さんに伝わっていないのではないかと、そのことを大変危惧をいたしております。 まず、一番目の写真ですけれども、これ、何だか分かりますか。泥がもう何十センチも堆積しているんです。これ、ジャガイモ畑なんですね。何が作付けしてあるのか全く分からないような状況です。 そして、二つ目、小石がきれいに並べられているように見えるかもしれませんけれども、これ、別に昆布の干場ではありません。これもジャガイモの畑であります。この小石を全て撤去する、そしてこの上に客土をしていかなければなりません。 それから、三つ目の写真は鉄道です。鉄橋が流されました。今回の台風で三つ鉄橋が流されたんです。これは新得町の写真であります。 そして、四つ目の写真、これ、もう台風が去った後の河原に見えるかもしれませんけれども、何だったと思いますか。これは一面青々としたビート畑だったんです。全くビート畑だったという、そういう面影もないような状態であります。 九月十四日に総理も十勝に入っていただきまして、一番被害の多かったその十勝をヘリコプターで上空から視察をしていただきました。そして、その後、知事や関係自治体の首長さん、また農業関係者の皆さんと意見交換をしていただきました。そして、九月十六日に今回のこの一連の台風被害について激甚災害に指定していただいたことには、北海道の一人として心から感謝を申し上げたいと思います。 今回の被害、その面積は三万八千九百二十七ヘクタール、それから浸水、冠水箇所は二千三百七十か所、農業被害の総額は百四十市町村で約五百四十三億円であります。そして、写真御覧いただいたように、流れ込んだ流木を撤去する、そして石を撤去する、さらには広大な面積の農地にこれから表土を入れていく、そして作付けができるまで、もう何十年も掛かってきた表土が流れてしまったわけですから、作物が育つようなその土をまたしっかり作っていかなければいけないわけであります。 この激甚災害指定では、最大で復旧費用の九五%を国から補助していただけますけれども、農地の補助は十アールで六十七万円が上限ということでありまして、それを超えると自治体やそれから農家の皆さんが負担をしなければいけないということになります。これ、農家の皆さんも、御自身が持っている農地だったらいいんですけれども、規模拡大政策に伴ってもう離農した方から農地を借りたりしているわけですよね。農地を貸している人たちが自分で負担してまで復旧するかどうか、復旧費用を負担するかどうかと。そうすると、復旧できなければ、もう作付けもできませんし、農家の皆さんは自分たちが農業を営む面積が縮小していくということにもなりかねません。 そこで、これからこの復旧まで長い道のりが掛かって、これから北海道、雪も降りますし、それから技術者も足りない、あるいは重機も足りないという中でなかなか作業が進まないということもありますので、来年作付けができるかどうか分からない、もしかしたら再来年もできないかもしれないという方もたくさんおられます。これからも長期的な支援をしっかりとお願いをしたいと思いますけれども、まずは総理が十勝に視察に入られたときの御感想と、そしてこれからどう対応していただけるのか、改めてお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 改めて、今回の一連の台風被害によって大きな被害を受けられた皆様に対してお見舞いを申し上げたいと思います。 九月の十四日に、御紹介いただいたように被災地を視察をいたしました。ヘリコプターでずっと知事とともに視察をさせていただいたんですが、本当に広い地域において農地が大きな被害を受けている、あるいは道路また河川や橋が被害を受けている、家屋も被害を受けているという状況を目の当たりにしたところであります。また、農業施設も大変な被害を受けていた。 その後、農家の皆さんとお話をしたわけでございますが、皆さん専業農家、そして規模も大きくやっていて、投資もしている、当然借金もあるという中において、これから頑張っていこうというときにこの大規模な被害を受けて、頑張っていこうという気持ちが折れそうだという話を伺ったわけであります。 まさに、担い手として頑張っていこう、この皆さんを我々は、国、北海道一体となって支援をしていかなければいけないと決意を新たにしたところでございます。 九月の十六日に、これも御紹介いただいたように激甚災害の指定を行い、そして、農地、農林水産施設等の災害復旧事業の支援を拡充いたしました。 また、来年の作付けのためには、厳しい冬を迎える前に可能な限り被災農地の復旧を図ることが重要であることから、早期復旧が可能な農地について、災害査定の前に応急工事の着手が可能となる査定前着工制度の活用を進める取組を行っております。 また、被災した農家の収入を早期に補うため、農業共済の損害評価を迅速に行うことにより共済金が早期に支払われるようにいたしました。 さらに、被災農家の皆さんが早期に営農を再開できるよう、広く経営の再建のため活用できる農林漁業セーフティネット資金等の融資を行うとともに、貸付当初五年間の実質無利子化する措置を講ずることといたしました。 加えまして、被災した農業用ハウス、畜舎、農業機械等の再建、修繕や、共済対象外の作物を作付けしている被災農業者の種子の購入等に要する経費の助成を実施することといたしました。 引き続き、できることは全てやるとの考え方の下に、農家の皆さん、それぞれ事情が違うと思います、そうした事情、それぞれの状況をよく見ながら柔軟に対応するように指示をしているところでございますが、被災地域の農業の復旧復興に必要な対策の実施に全力を尽くしていく考えでございます。
○徳永エリ君 是非ともよろしくお願いしたいと思います。 いろいろ話を聞いていますと、いろいろ支援策を検討していただきましたけれども、支援を受けられない方々もいるんですね。そういう方々の声もこれからしっかりまた委員会などで伝えていきたいと思いますけれども、心配なのは、これを機に収入が減少して、あるいは復旧費用が負担が重くのしかかって、高齢の農家の方などはもう農業をやめてしまおうというお気持ちになられたり、あるいは大きな投資をして新規就農した若い人たちもいるんですね。こういう方々の気持ちが折れないように、そして希望が持てるように是非ともお支えをいただきたいと思いますが、農林水産大臣にもお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山本有二君) 北海道は、良質な農地に恵まれ、かつ広大な面積がありまして、我が国最大の食料供給基地であるという位置付けをしております。そのため、この復旧におきましては国挙げて全力で取り組まなきゃならぬというように思っております。 十月七日には、農林水産省といたしまして、被災農家等に対する幅広い支援対策を取りまとめて公表したところでございます。また、被災農家の皆さんの一日も早い営農再開を支援するため、先ほど総理がお話しになられましたように、共済金の早期支払、あるいはセーフネット貸付けの無利子化、あるいは畜舎や農業機械の再建、修繕に要する経費の助成、さらに共済対象外の作物を作付けしています被災農業者の種子の購入等に関する経費の助成など、きめ細かく対応していこうと思っております。特に、本日、十三日木曜日から現地に職員を派遣いたしまして、この細かな点について現場の皆さんにしっかりと把握していただくために説明会を開くところでございます。 ひとつ御指導よろしくお願いいたします。
○徳永エリ君 よろしくお願いいたします。 そして、鉄道の復旧に関しては、先ほど長谷川委員からも御質問がございまして、国交大臣から御答弁をいただきました。 JR北海道が大変に経営が厳しいということは国交大臣も御存じだと思います。今回、民間企業ということで復旧費用の半分をJR北海道が負担することになるわけですけれども、厳しい経営状況の中でこの半分を負担するというのははっきり言って困難だと思います。手厚い国の支援をお願いしたいと思います。 貨物で農林水産物も本州、関東やそれから関西に運ばなければなりませんので、一日も早い復旧が農業関係者からも願われております、望まれておりますので、是非とも御対応お願いしたいと思いますが、国交大臣、一言だけよろしくお願い申し上げます。
○国務大臣(石井啓一君) JR北海道が二分の一の負担ということでありますが、鉄道事業者が災害受けた場合は全て二分の一負担というわけではなくて、赤字の会社の場合二分の一の負担ということでございますが、今JR北海道において復旧方法の調査等を行っておりますので、まずはその結果を伺いたいと思っております。 被災した施設の早期復旧に向けまして、鉄道軌道整備法に基づく、今おっしゃいました二分の一の支援を始め必要な支援について検討してまいりたいと思っております。
○徳永エリ君 よろしくお願いいたします。 本当に一日も早くこの鉄道の復旧が望まれるところでありますし、もし復旧ができなければ、今JR北海道は路線の見直しが検討されております、復旧できないということで廃線につながるようなことがあっては大変なことになりますので、是非ともしっかりと御支援のほどよろしくお願い申し上げたいと思います。 それでは、SBSの問題についてお伺いをいたします。 まず、テレビを御覧になっている方やラジオをお聞きになっている方はSBSって一体何なんだろうと思っている方もおられると思いますので、御説明を簡単にさせていただきたいと思います。 日本は、一九九三年のガット・ウルグアイ・ラウンド貿易交渉によって、その合意を受けて米の国内消費の一定割合を輸入することになりました。一九九五年から、ミニマムアクセス、国家貿易の下、現在毎年七十七万トンを政府が輸入業者から買い入れています。その後、加工用や牛や豚などの餌として飼料用米として販売。また、発展途上国への援助米として使われています。その中の十万トンをSBS、売買同時契約で主に主食用として輸入しているというわけであります。 パネルを御覧いただきたいと思います。この下がSBS輸入でありますけれども、SBSは、商社などの輸入業者と卸売業者などの実需者がペアとなって入札をいたします。国を含めた三者で契約をして、国は買入れ価格を設定し輸入業者から購入、売渡価格で実需者に販売をするということになっています。 入札の際は、一定の買入れ価格と売渡価格の差額、マークアップを付けます。最大で一キロ二百九十二円のマークアップが許容されています。入札はマークアップの大きなところから落札していきます。このマークアップという差額は事実上の関税であります。どれだけ高い関税を国に払うことができるかという競争、関税率のオークションが行われていると御理解をいただければいいと思います。それによって国内産のお米の価格にできるだけ影響が出ないようにということであります。 今回のこの問題はどういうことかということでございますけれども、次の資料を御覧いただきたいと思います。こちらを御覧ください。 輸入業者が百七円で調達した輸入米を国が百四十五円で買い入れ、マークアップは五十五円付けて二百円で実需者に売りました。公表されている売渡価格は二百円、しかし、実際にはこの二百円の中に輸入業者から受け取った調整金三十八円が入っているので、実際には実需者は百六十二円で輸入米を買ったということになるわけであります。 このパネルを御覧いただきますと、調達コストと国の買入れ価格の差額三十八円と、それからこの調整金が同じということで、横流ししているかのように見えてここにも疑義を感じるところであります。つまり、公表されている価格よりも実際には安い、要するに輸入米を高く見せかけていたということが今回の問題で、このことが国産米の価格に影響しているのではないか、国産米と輸入米の価格は同水準だと言っていた農林水産省の説明が違っていたのではないかということが今回の問題であります。 これまで政府は、国家貿易制度や、七七〇%、一キロ三百四十一円の枠外関税率を維持することから、日本がTPPに参加して廉価な輸入米が更に入ってきても、国産主食用米のこれまでの生産量や価格、農家所得に影響はないと説明をしてきました。今回、この国家貿易制度の運用が正しく行われていなかったことで、米の生産者、農家の皆さんはこの制度に対しても不信感を抱いておりますけれども、国に対しても大変怒りを抱いております。 七日、農林水産省から今回の問題の調査結果が報告されました。調査では、調査対象となった二十六件の輸入業者の七割、百十三件の実需者の四割が過去や現在に、呼び方はいろいろですけれども、調整金、販売促進費、販売協力費と、取引上の金銭のやり取りはあるということが分かったわけであります。 しかし、この調査では、こういった調整金なるものがいつからあったのかということが分かりません。つまり、SBS米、輸入米の価格はずっと以前から実際よりも高く見せかけていた可能性もあるということだと思います。国家貿易であるSBS米の取引によって価格の偽装が発覚したということは、民間の業者間の取引上の問題とはいえ、国の管理責任において大変に重大なことだと思います。 この調査結果を受けて、山本農林水産大臣、どのようにお感じになりましたでしょうか。
○国務大臣(山本有二君) 先生御指摘のように、調整金があることにおきまして国内米価に影響があるのではないかという不安が走りました。そこで今回の調査をしたわけでありますけれども、米の価格決定メカニズムはこれまで、まず品質、そして需給、この二つで決まると、こう考えておりました。ここにもし誤りがあるならば、これは改めなきゃなりませんので、あえて徹底した調査を行ったわけでございます。 米農家のSBS入札に関することについて、買受け業者と輸入業者とヒアリング及び関連データの分析などをしっかりやらせていただきまして、この結果、民間事業者の金銭のやり取りはある程度あったものの、SBS米が国産米の需給、価格に影響を与えている事実は確認できなかったものでございます。特に、SBS米と国産米の価格の関係につきましては、買受け業者におきましてSBS米の価格が国産米価格に影響を与えているという認識はありませんでした。関連データと照らし合わせましても、国産米の価格水準を見据えてSBS米の価格形成がなされているということが明らかになりました。 このように、SBS米が国産米の需給及び価格に影響を与えているということを示す事実が確認できなかったわけでございますけれども、民間事業者間の金銭のやり取りがあること自体が、これが不信感を生む淵源になりかねないというように反省いたしまして、落札業者との間の国の契約内容を改善することといたしました。 また、TPP合意の下で、備蓄運営の見直しにより国内の需給及び価格への影響を遮断して、確実に再生産が可能となるように米農家の不安を解消したつもりでございます。
○徳永エリ君 大臣、徹底した調査をしたとおっしゃいましたけれども、あの調査結果を見ると無回答の業者も見られまして、徹底した調査とは言えないと思いますよ。国の真剣度とかこの問題に対する深刻度みたいなものが全く調査結果からは伝わってきておりません。 調査した農林水産省の方々にそのことを指摘しましたら、民間業者のやり取りなので国は介入できないという、そういう御回答でありましたけれども、別に業者の名前を出すわけでもありませんし罰則があるわけでもないわけですから、要するにSBS制度の信頼を取り戻すためには、やっぱり業者にちゃんとそのことを伝えて、無回答の業者があるなんということは、これ、とんでもないことですから、しっかりと改めて調査をしていただかなければ、あの調査内容では、影響がないという御回答は、とてもじゃないですけれども承服することはできないと思います。 それから、SBS三者契約の改善というお話がございました。輸入業者及び買受け業者との間で金銭のやり取りを行っていけないということを明記すると。そして、違反した場合は、資格の停止又は取消し等と書いておりますけれども、これ、民間業者のやり取りに調査で介入できないのに、どうしてこんなことができるんですか、違反した場合は資格の停止又は取消しなんて。こんなことできるんだったら、調査ちゃんとできるじゃないですか。 大体これ、どうやって調査するんですか。問題があるかどうか、調整金の有無は今後どうやって調査していくのか、お答えください。
○国務大臣(山本有二君) まず、今回の調査でSBS米が国産米の需給、価格に影響を与えている事実は確認できなかったものでございます。民間事業者間の金銭のやり取りがある程度あることが確認されました。このため、SBS入札をより適正に行い、農業関係者等のSBS入札に関する不信感を生じないようにする観点から、先ほど申しましたように契約内容の改善を行うということを考えております。 具体的に言いますと、SBS契約書の契約事項といたしまして、個々のSBS取引に係る三者契約に関連して、輸入業者及び買受け業者との間で金銭のやり取りは行ってはならないということを契約書に明記いたします。これに違反した場合、SBS入札につきまして、資格の停止又は取消し等の措置を講ずることとしております。 また、これらの実効性を確保するため、現在例えば報告を聴取する等の運用上の工夫を検討しているところでございます。この見直しによりまして、個々のSBS契約に関連して、実質的に買受け業者のSBS米の入手単価を引き下げる目的で行う金銭のやり取りは違約となることでございまして、これで解消できると考えておるところでございます。
○徳永エリ君 調査すらしっかりできていない及び腰なのに、どうして今後、この調整金のあるなしをしっかり民間業者のところに入っていって確認をして、そして資格の停止、取消しまで農林水産省ができるのか。全く今お答えになっていないと思いますよ。どういうふうに調査するんですか、調査の仕方を教えてください。
○国務大臣(山本有二君) まず、今回の調査では、まず公文書の保管義務期間であります五年間を徹底的に調べさせていただきました。千七百ございます。その一つ一つを洗っていき、調整金なるものの授受があるかどうかについても回答を得ました。 ただし、この調査は、食糧法等の法令違反があるためではないということが一つ、国家貿易でありましても輸入業者と買受け業者、卸、この三者の契約関係でございまして、民事上の契約に信義誠実の原則というものの、この中でお聞きさせていただくという種類のものでございます。 その意味におきまして、我々としましては、あえてこれを公表し、かつ数字的に正確なもの以外は公表できないということでございますので、その意味において、私ども、調査にまだ不備があると言われましても調査自体に限界があるものでございますので、これで我々としましては、十分この調査結果が得られ、SBS米が国内価格に影響がないという確信を得ました。 しかし、先ほど申し上げましたように、契約書の中に、授受してはならないということにおいて資格要件を剥奪、将来はいたします。もし授受するならば、将来SBS米に入札できないということの畏怖感あるいは威嚇効果が十分あるだろうというように思っております。
○徳永エリ君 全くお答えになっていないと思います。 簡単なこの基本的な調査すら厳しい姿勢でできないのに、今後この契約の改善について、要するに調整金なるものがあるなしの調査をどういう姿勢でもって農林水産省がやるのかと、そこが問題だと思うんですよね。厳しい姿勢で臨めるのかどうかということでありますので、時間がありませんので、また農林水産委員会の中でここはしっかり確認をさせていただきたいと思います。 改めて伺います。山本大臣は、平成二十六年十月、二年前に、豪州産、オーストラリア産のSBS米の品質に関する民事訴訟をきっかけに調整金のことを知ったとおっしゃっておりました。それまで本当にこの調整金があるということは、農林水産省、大臣は知らなかったんでしょうか。もし知っていて、これも民民のことだからと思って黙って見ていたんだとしたら、これもう生産者や国民への背信行為だと思いますよ。ましてや、輸入米、その価格とそれから国産米の価格水準を同じように見せかけるために意図的な調整があったんだとしたら、これもう本当に重要な問題だと思いますけれども、本当に知らなかったのかどうか、改めて確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(山本有二君) まず、二十六年十月に輸入業者と卸売業者で紛争がございました。その点におきまして、一方当事者から情報が入りました。その中において調整金というものを知ったわけでございます。しかし、この両者の紛争にあえて踏み込む必要は国としてはないわけでございます。そして、この調整金の存在自体を認識したことと、行政的にそれを、組織的に何か行政対応をする必要がある認識とはまだ至ってないわけでございまして、そのために今回あえて大規模な調整金に係る事項についてお調べをさせていただいたということでございます。
○徳永エリ君 大臣にお伺いいたしますけれども、どうしてこの調整金なるものが存在するようになったというふうにお考えですか。
○国務大臣(山本有二君) これは、調査結果におきまして、まず背景というものを調査したところ、入札後の調整、コストの変化に伴う調整のためにこれを支払ったという業者が数件ございます。また、長年の付き合いの顧客対応、あるいは取扱数量を増やす販売促進のためだということにも使われているようでございます。また、この得た資金、これを直接値引きに使わずに一応プールした、会社にプールした上で他の米も含めて様々な経費に活用したという場合もございますし、また、入札後に国産米価格の低下等が生じた場合の調整財源に活用したという報告もございました。 以上、調整金なるものは多種多様でありまして、逆調整金と言われるものも卸から輸入業者に支払われているケースもあったということでございます。 以上です。
○徳永エリ君 もうとにかく、こういったものがあったということを全く把握していなかったということは本当に重大な問題だと思いますし、今回のこの問題の最大の論点は、国産米の需給及び価格に影響を与えているかということなんだと思います。今後、日本がTPPに参加しても、国産米の生産量や価格を維持できるのかどうかということが問題です。 改めて、大臣、伺いますけれども、農林水産省の今回の調査の結果でも、SBS米の国内市場における価格水準が国産米の需給及び価格に影響を与えていることを示す事実は確認できなかったとおっしゃっていますけれども、なぜ影響がないと言えるのか、その理由と根拠が全く説明されておりませんので納得ができません。 なぜ影響がないと、先ほどからもおっしゃっていますけれども、言えるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(山本有二君) 調査結果を既に御案内のとおり御覧になっておられるというように思っております。 この調査結果でございますけれども、この結果、まず今般、二十三年度以降の全てのSBS契約について確認した結果、落札結果のとおりに契約が締結されるとともに、契約どおりに履行されており、事故品があった場合も契約に基づき適正に処理されていたというのがこの調査結果のまずの結論でございます。その意味において、我々としましては、この調整金が不当に価格を下げるというような機能を持っていないということが確認できたわけでございます。
○徳永エリ君 SBSの導入の理由の一つとして、多様な外国産米に対する適正な市場評価を得ることということがあるんですけれども、今回のことがあっては、正しい適正な市場価格を得ること、評価を得ることというのはなかなか難しいんじゃないかと思います。 今回の調整金の問題、国の設定する予定価格が市場評価に適合しなかったことから生じたのではないかと。しかも、予定買入れ価格も予定売渡価格も落札後にも一切公表されていないので検証することができないという状況であります。これがSBSの大きな問題だと思います。 そして、我が国の米の消費量は八百万トン程度です。MA米全体で一〇%、SBS米に至っては一%。僅かだから影響はないと総理もおっしゃっておりましたけれども、今、食の外部化に伴って、この三十年で市販のおにぎりやお弁当などの中食、そしてレストランや回転ずしなどの外食産業の市場規模は二六%も拡大しているんです。つまり、業務用の米の需要が年々増えていて、主食用米消費の約三分の一、二百五十万トンが業務用なんです。この量が、ここの価格が輸入米と競合するわけですよね。 中食・外食産業が卸売業者から幾らで米を買っているのかということは、農林水産省で調査はしておられるんでしょうか。
○国務大臣(山本有二君) 今回の調査で、契約当事者ではない第三者たる中食・外食事業者からの聞き取りも行っております。しかし、不公表そして任意であるということが前提でありまして、その意味で細かく開示ができませんけれども、この業者におきます返答に当たりましても、SBS米は業務用米価格への影響をしていない、むしろ業務用におきましても、国産米の、業務用米の価格に影響していないというように答えていただいているところでございます。
○徳永エリ君 先ほども申し上げましたけれども、別に企業の名前が出るわけでもないわけですし、問題があったからって処罰されるわけでもないわけですから。やはり、今回本当に不信感を抱いてしまったわけですから、分からないところを一つ一つ明らかにしていって、徹底的に分析をして、そして、もう一度このSBS米、この制度に対する信頼を取り戻していく、そういった努力をしていかなければいつまでたってもこの不信感は拭えないということを改めて申し上げておきたいと思います。 そして、TPPで影響がないとされているもう一つの理由、枠外関税率についてもお伺いしたいと思います。一九九九年に米の関税化を行った理由、これは何でしょうか。
○国務大臣(山本有二君) ガット・ウルグアイ・ラウンドで我が国は初めて米輸入を解禁いたしました。しかし、このMA米の範囲の中で我々は米輸入をぎりぎりこれを許したところでございます。その意味におきまして、このMA米が入るという量について非常に重大な関心を持っておりました。そこにおいて、一九九九年に関税化することによって量が入らないという決断をしたところでございまして、ミニマムアクセス数量は、関税化しない場合より数量が縮減したところでございます。 この判断は、私は、かなり米農家にとって、守るという意思の判断で、適切な判断だったというように思っております。
○徳永エリ君 確かにこれまでの御説明でも、TPPから日本の国産の米を守るためには、この国家貿易制度とそれから枠外関税率が維持できることが重要だというお話をしてきたと思います。 ところが、七七八%、一キロ三百四十一円の高い関税率、これが、日豪FTAでは米は除外だったのにもかかわらず、TPPは、TPP協定の第二章四条に、原産品について、附属書の自国の表に従って漸進的に関税を撤廃するというふうに書かれておりますし、また七年後には、日本はアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、カナダ、チリからの要請があれば協定の見直しに応じなければならないという見直し条項も入っているわけですね。関税それから関税割当てなど国内生産を守るための、政府の言うところのこの例外というのも全て含まれていることになります。 さらに、SBSの特別枠を設けて、米国、豪州からの米の輸入を徐々に増やして、十三年後には七万八千四百トン、米を追加輸入することにもなります。 また、TPP協定の二国間交換文書を見ると、新たに設けられるSBSは、SBS米について一定の輸入量の確保を目的とするかのような制度の運用の変更を行うというふうになっています。既存のSBS枠にも適用するということにもなっているんですね。今のSBS、米国やオーストラリアにとって都合の良い制度に変わってしまうということなのではないかということが懸念されます。 二〇一六年のUSTR外国貿易障壁報告書にも、米国から、業界の調査によれば、日本の消費者は米国産の高品質米を買うと見込まれるのにもかかわらず、米国産の米が日本の消費者に届く量は僅かである、TPPの下、新たな国別枠の導入及び国別枠に関する運用方法の変更により、米国の米輸出にとって市場アクセスが改善するというふうに書かれているんです。 このような状況で、ましてや今回の問題で、TPPから本当に日本の米の生産量や価格を守れるのかというのは極めて疑わしいというふうに思っております。 いずれにせよ、もう政府は今回の問題ももっと厳しい姿勢で徹底的に調査をしていただきたいと思いますし、このTPPの問題も含めて、もう一度TPPの影響試算というのを見直していただいて、私たちが納得いくような結果を出していかなければ、明日にでもTPP特別委員会を開いて審議に入りたいというふうに政府・与党はおっしゃっているようですけれども、このことがきちんとしない限りはTPPの審議には入れないということを改めてお話をさせていただきたいと思います。 そして、そのTPPについて御質問させていただきたいと思います。 TPPは、民主党の菅総理が言い出したTPPであると、民主党の野田総理が参加交渉を決めたTPPだと、そうおっしゃる方がおられますが、政治家で初めてTPPのことを口にしたのは、二〇〇八年、ペルーのリマで開かれたAPECの閣僚会議で、当時の二階俊博経済産業大臣であります。はっきりとTPPを進めると、そうおっしゃっています。それから、当時の総理大臣でありました麻生財務大臣もこのことはよく御存じだと思います。そして、日本のTPP交渉参加を決めたのは、二〇一三年の三月十五日、安倍総理だと、そのことをしっかりまずはTPPの審議に入る前に国民の皆さんにも御理解をいただきたいというふうに思います。 なのに、民主党政権時代は、多くの自民党の議員の方々がTPPに反対をしていました。二〇一二年の政権交代の選挙では、有名なこのポスターでございますけれども、自民党のTPPポスターとインターネットで検索すると一番最初に出てきます。「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。」、このポスターを二〇一二年の選挙のときに自民党はいろんなところに貼って選挙を戦ったわけであります。 確かに時代は変化していると思います。社会構造の変化や経済と安全保障の問題、TPPの協定の内容の全てを否定するわけではありませんけれども、TPPによって参加国で企業利益の拡大のための共通のルールを作ること、規制改革、制度の変更によって失われるものや痛みを負うものがあるということは否めないと思います。TPPに反対する人たちは、そのことをとても心配しているわけであります。 それで、ここに二〇一二年の月刊「ウイル」の記事があります。当時TPPに反対しておられた稲田防衛大臣と田中康夫元衆議院議員との対談記事であります。このタイトルは「TPPは日本壊国宣言だ!」と。壊す国です。壊れる国の壊国宣言であります。このことを覚えておられますか、稲田大臣。
○国務大臣(稲田朋美君) 御指摘のとおり、野党時代、一政治家として様々な発言をしていたことは事実でございます。
○徳永エリ君 この記事の中で稲田大臣は、農業だけの問題じゃないんです、日本の文明、国柄の問題なんですとおっしゃっています。これ、どういう意味ですか。
○国務大臣(稲田朋美君) TPPは、農業だけでなくて、三十項目に及ぶ様々な日本の課題、日本の分野についての難しい交渉であるということを述べているということでございます。
○徳永エリ君 稲田大臣は、自民党の中でも先頭に立ってTPP反対の署名を集めておられました。その姿が今も目に浮かびます。それから、憲政会館で行われたTPPの反対集会でも、自民党を代表して、国益を守るためにはTPPは断固反対だと力強く演説をなさっていて、私は本当にすばらしいなと思って聞いていたのを思い出します。 この「ウイル」の記事なんですけれども、どういうことをおっしゃっているかというと、アメリカ型の何でもありの市場原理主義は人々を幸福にも豊かにもしないことは、ウォール街のデモを見れば分かります。そういうカジノ資本主義を規制して、真面目に物づくりをしている中小企業を守ろうと言っていたときにTPPをやるなんて、矛盾もいいところだと。TPPは日本をアメリカの価値観で染めるということですから。そんなことをしているうちに、日本は潰れてしまいますよ。そうおっしゃっています。 そして、地方公共団体も、公共事業など地場の企業に発注することでその地方にお金が落ちるようにやっているわけですが、それも非関税障壁と言われれば許されなくなってしまいますと。どうしてこれだけ問題が懸念されるのに、TPPでバラ色の未来とばかりに突っ込んでいこうとするんでしょうか。そこまで言っているんです。 今、改めてこのときの稲田大臣の御発言を聞かれて、どのように思われますでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 御指摘のとおり、TPPは国益が懸かった大変難しい交渉です。それゆえ、そのときに、国益を守る基準なくしてTPPに突っ込んでいくことについて大変危機感がありました。反対運動をして、そして……(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 御静粛に願います。
○国務大臣(稲田朋美君) 自民党の中で何を守るかというルールを決め、また公約において聖域なき関税撤廃ではないという公約を掲げ、安倍政権になって、安倍総理とオバマ大統領との間で聖域なき関税撤廃ではないということを確認をしてTPP交渉に入り、また二年間タフな交渉を続けて国益を守ってきたということでございます。
○徳永エリ君 かつては民主党はTPP交渉には入っておりませんでした。これからどういう交渉が行われるかも分からないという状況であって、要するに、TPPがどういう貿易協定であるかという原則を恐らく大臣はお分かりになっていたので、もうTPPは駄目なんだと。これ、どこが交渉するという問題じゃないと思うんですね。TPPの仕組みそのものが問題だということをあのとき論じておられて、そして反対をしていたんだと思います。例えば、じゃ、自民党が交渉したからといってISD条項は変わりましたか。変わらないと思いますよ。その中身は変わっていないはずです。 ですから、なぜ、稲田大臣がここまでTPPは反対だと、国柄が守れなくなると、文明が守れなくなるんだと本当に心配しておられたのに、今、TPPを賛成されるのか全く分かりません。もう一回お伺いします。
○国務大臣(稲田朋美君) 繰り返しになりますけれども、当時、民主党政権が何を守るかという基準をなくしてTPP交渉に入ることについては大変危機感を持っておりました。そういった意味において、その反対運動を受けて、自民党の中でルールを決め、そして聖域なき関税撤廃ではないということを公約に掲げ、安倍政権が誕生し、安倍総理とオバマ大統領との間で聖域なき関税撤廃ではないということを確認をし、二年間にわたる日本の国益を守る交渉をし、さらには経済対策等々を打ってこのTPP交渉の発効を目指して今国内手続を前進をさせているということでございます。
○徳永エリ君 だって、前の国会、さきの国会のTPP特別委員会でブルネイ交渉会合の真っ黒黒の資料が出てきたじゃないですか。どういう交渉をしているのか全く分からないんですよ。全く分からなくて、そしてTPPそのものが大変に問題のある協定だということはみんな懸念しているはずなのに、私たちは、自民党がきちんと、当時と違った交渉内容、国益をしっかり守ったのかということはとても今確認できるような状況でありません。 稲田防衛大臣だって、二十一分野三十章をきちんと全部把握しておられるかどうかも分かりませんし、それから、先ほどお答えいただいておりませんでしたけれども、ISD条項だって、ISD条項そのものは変わらない。TPPの中に入っている。大変に毒素条項と言われ危険な条項であると。なぜお心変わりしたのか、全く理解できないです。 それから、二〇一一年の産経新聞、ここでもインタビュー記事があります。弁護士、衆議院議員稲田朋美、普天間のツケをTPPで払うなというタイトルになっております。 ここで、日本は、もうけた者勝ち、何でもありを是正し、カジノ資本主義を正す責務がある。TPP参加はそういう役割を自ら放棄することになる。なぜなら、TPPは米国の基準を日本が受け入れ、日本における米国の利益を守ることにつながるからだ。それは、日本が日本でなくなること、日本が目指すべき理想を放棄することにほかならない。TPPバスの終着駅は日本文明の墓場なのだというふうにおっしゃっているわけです。 私たちは、こんなに情報の足りない中で特別委員会で審議をして、しかも数の力で押し切られて、強行採決というお話もございましたけれども、数の力で行き先の分からないバスに無理やり乗らされて日本文明の墓場には行きたいと思っていませんから。ですから、本当に、TPP特別委員会がいつスタートするのか分かりませんけれども、時間を掛けてしっかりと慎重審議をしていただきたいということを改めてお願いをさせていただきたいというふうに思います。 TPPのパネルを出していただきたいと思います。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 御静粛に願います。
○徳永エリ君 さて、TPPですけれども、TPPは二十一分野三十章あります。改めて皆さんに確認をしていただきたいと思います。 総理に伺いますけれども、日本はTPPの交渉の中で……(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 御静粛に願います。
○徳永エリ君 何を攻めて何を守ったのか、もう一度確認をさせていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、TPP、言わば自由貿易圏をつくっていく。戦前と戦後を比べますと、まさに経済の規模というのは、かつては領土、これは植民地も含めて領土の広さが経済規模であったわけであります。しかし、戦後、領土を大幅に減らしたドイツと日本がはるかにそれをしのぐ経済規模を誇るに至ったか、それはなぜかといえば、これは自由貿易の恩恵を受けたということ以外にはほとんどないんだろうと、こう思うわけでございます。 その中において、アジア太平洋地域に自由なGDP世界の四割の経済圏をつくっていく。そこで人や物、あるいは知財等が自由に行き交い、そしてそこにしっかりとルールが作られるということに大きな我々はメリットがあると、こう思う次第でございます。また、基本的価値を共有する国々がそうしたルールを作っていくということは、世界のルールをその方向に持っていくということにおいても大きな意義があると。これは、大きな今意味としてこのTPPの利点を申し上げているところでございます。 その中で、日本の強みは、当然これは工業製品でもあります。そして、それに付随する知財でもあるわけでございます。そして、それは大企業のみではなくて、中小企業あるいは小さな規模の事業所もノウハウを持っている。でも、ルールが定かでない地域に出ていくと、突然ルールを変えられたり、あるいは小さな会社であるがためにハラスメント的なことを受ける危険性がありますからちゅうちょするのでありますが、このTPPで一定のルールで守られているということになれば、そこはむしろそうした小さな企業等にも付加価値を正しく評価される市場が出てくるということになるのではないかと、こう思うわけでございます。 そしてまた、同時に、域内においては低い関税が適用されることになるわけでありまして、国内にいながらにして域内市場にサプライチェーンの一環として進出できるようにもなっていくということであります。それは、まさにそういう意味においてこれはメリットになっていく。(発言する者あり) 一方、また、今、どこを守るかという催促の場外発言がございましたが、どこを守るかということにつきましては、特に農業分野においては、海外の農産品が安いという価格競争力においてこれは劣後しているという、そういう指摘もある中、農家の皆さんは御心配をされている。でありますからこそ、農林水産分野においては、重要五品目を中心に関税撤廃の例外をしっかりと確保し、関税割当てやセーフガード等の措置を獲得したところであります。 それでもなお残る農業者の方々の不安を受け止め、総合的なTPP関連政策大綱に即して、重要品目が確実に生産、再生産可能となるよう、交渉で獲得した措置と併せて、攻めの農林水産業に転換していくための体質強化対策や経営安定対策など万全の措置を講じていく考えであります。 これがメリット、デメリット、簡潔に申し上げますとこういうことになるわけでございます。
○徳永エリ君 抽象的で全く分からないと思います。 例えば、自動車の関税が撤廃できたとか、あるいは農業の関税は守ったとか、そういう具体的なはっきりした、何を攻めて何を守ったのかということをお伺いしたかったんですけれども、抽象的で分かりません。 もう、まさに、まさに抽象的であるということがこのTPP協定の大変に問題だと思っています。二十一分野三十章もあって、協定文の日本語訳も約三千ページもあるんですね。そして、そこには附属書があったりとか日米間の二国間の交換文書などもあって、協定文を見て条約が非常に理解が難しいので、二国間交換文書に飛んでみたり附属書を見てみたり、いろんなものを併せて分析しなければならないというので時間も大変に掛かるというふうに思っております。 そして、一つだけ、もう時間がないのでお話だけしておきたいと思いますけれども、多くの人たちが食の安全、安心に関して心配をしています。SPS、衛生植物検疫の分野であります。 ここでは、米国との二国間文書を見てみると、かねてから米国から日本に対して要求されていた農薬と食品添加物の双方に用いられる防カビ剤について、農薬及び食品添加物の承認のための統一された要請及び審査の過程を活用することにより、合理化された承認過程を実施するとされています。また、同じように米国から承認を迅速化するように求められていた、日本では許可されていなかった四品目を添加物として認めることとしています。また、二〇〇三年十二月に米国で狂牛病と言われたBSE陽性の牛が確認されたために、日本は米国の牛由来のゼラチンやコラーゲンの食用としての輸入を禁止していましたけれども、この輸入も緩和いたしました。これが日本にとって不利益になるのではないかということを心配しているわけであります。 政府は、これまでこういったことを御質問すると、安全の基準に沿っているから大丈夫だというお答えでありましたけれども……
○委員長(山本一太君) 徳永君、時間が来ておりますので簡潔にまとめてください。
○徳永エリ君 基準が徐々に下がってきていて安全性が確保されないのではないかということが大変に心配されているわけでございます。 先ほどパネル御覧いただきましたけれども、とにかくTPPは二十一分野三十章、もう多岐にわたっています。もうじっくりと委員会で議論をしてTPPの実像というものを浮かび上がらせていかなければいけないと思っておりますので、是非とも拙速な批准ということだけは避けていただきたい。そして、先ほど申し上げましたけれども……
○委員長(山本一太君) 時間が来ておりますので。
○徳永エリ君 SBSの問題を明らかにしていただかなければTPPの審議には入れないということを改めて申し上げまして、私からの御質問とさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上で徳永エリ君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、礒崎哲史君の質疑を行います。礒崎哲史君。
○礒崎哲史君 民進党・新緑風会の礒崎哲史でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。 本日は、国内の産業基盤の強化という観点で一つ大きな論議をさせていただこうかというふうに思っております。 ちょうど昨日のニュースになりますけれども、トヨタ自動車とスズキが技術開発分野を中心に様々な連携を図っていこうかということで検討を始めるというようなニュースが流れました。大変大きなニュースだったというふうに思います。具体的な中身はこれから詰めていくということだと思いますが、こうした民間企業の中では、競争力を上げていくためにどうするのか、あるいは自分たちが生き残っていくためにどうするのか、いろいろな工夫をしながら、様々な戦略を練りながら今戦いを繰り広げているということでもあります。そうした現場の実態をしっかりと見ながら、把握をしながら、様々、私たちも政治の場でそうした現場に何ができるのかということを考えていかなければいけないんだというふうに思っております。 その意味で、今、徳永議員の方からもTPPの件でお話がありましたので、私の方からも、一点、まずTPPに関する論議を何点かさせていただこうかと思っております。 まず、今回、このTPPを進める上において、やはり三十項目に及ぶ大変広い範囲での締結の内容ということになっております。仕事だけではなくて、多くの暮らしにも影響がする内容だとすれば、やはりこれは一つ一つの不安に対して丁寧に答えを導いていく、内容を理解をしていくということが大変重要だというふうに思っています。仕事の実態であったり生活の実態に照らし合わせて評価をしていくということが大変重要なんだと思います。 このTPPが大筋合意されましたのが一年前です、二〇一五年の十月五日。署名式がもう今年です、二〇一六年の二月の四日でありました。その間、我々野党も内容についての把握がしたいということで省庁の皆さんにもお話をしましたけれども、膨大な資料でもありましたので日本語訳がなかなか出ないということもありまして、なかなか内容の把握を努めるのも難しかったということでもあります。 その後の国会の中の審議においては、誤訳の問題が最近出てきました。あるいは、交渉過程については秘匿の問題でなかなか出せない、非開示の問題もありました。我々としてはもっとオープンな論議をしたいという思いでもありますが、正直言いまして、私たちの思うとおりには進めることは難しい状況にあるのかなというふうにも思っております。 あわせて、例えば農業の分野でいけば、重要五品目に関しては、これは衆議院、参議院共に農林水産委員会でも決議が行われました。恐らくこういう決議に対しても実態はどうなっているんだという丁寧な審議は必要だというふうに思います。 そういう中で、参議院ではありませんが、衆議院のTPPの特別委員会の理事さんに就任の方が強行採決をもって進めていくというふうな御発言もされました。結果的には辞任をされましたけれども、事もあろうに、この国会でどうしても採決したいという総理の思いを申し上げたにすぎないというようなことも何か記者の方に語っていたということで報道がされていました。 私は、よもやと思いました、まさかと思っておりますけれども、先ほどの稲田大臣の過去の御発言の言葉を借りれば、やはり地獄行きのバスには乗ってはいけないということだと思いますので、是非しっかりとブレーキ掛けながら、周りの景色見ながら慎重な審議をしていくべきだというふうに、実態に照らし合わせた丁寧なやり取りを私はしていくべきだというふうに思っております。 まず、この点について、総理のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、分かりやすい丁寧な議論をしていくのは当然のことであろうと、このように思います。我々も、先ほども御指摘がございましたが、どのような利益があるか、消費者も含めてどのような利益があるか、生活にどういう影響があるかということも含めて分かりやすく御説明をさせていただきたいと、このように思います。
○礒崎哲史君 総理からも丁寧な審議をするということでお言葉をいただきましたので、実態に照らし合わせた形での審議をまずは進めてまいりたいというふうに思います。 今回のTPPに関しては、大きく農業の分野、それと工業の分野、その中ではやはり特に自動車分野ということで二つ論議があったかというふうに、ほかにも多くありましたけれども、その二つあったかというふうに思います。 その中で、まずは乗用車や大型車の関税の撤廃に関して、これはもう報道でもされております、乗用車については二十五年、トラックについては三十年、キャブシャシーというものについては二十五年の撤廃期間が掛かるということで、大変長い期間を掛けての撤廃ということで内容がまとまったというふうに報じられております。 やはり、特に対米ということでは輸出は大変重要な分野でもありますので、これ、これだけ期間がやはり長期化したということでの締結になったということは、交渉の内容についてはこれは大変な不利益が発生するのではないかという疑問が浮かぶのは当然のことだというふうに思います。 この点について、まずはTPPの担当大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいまの礒崎委員の御懸念は、自動車並びにトラックの関税の撤廃が期間が長いと、そういう点ではないかというふうにお聞きをさせていただきました。 しかし、もう自動車の専門家である委員は御承知のとおり、日本の自動車メーカーというのは地産地消、ある意味ではアメリカで車を造る、メキシコで車を造る、ヨーロッパで車を造る、それが基本でございまして、なぜそうなっているかといったら、やっぱり輸送コストというものも今は生じている。日本のメーカーが米国で販売をしております車は六百六十万台程度、そのうち四百九十五万台が北米で生産され、日本から輸出をしておりますのは百六十万台でございます。 我が国のメーカーの生産実態を踏まえますと、北米での生産のために日本から輸出する自動車部品の関税、実は昨日、自動車工業会の西川会長以下がおいでになって、TPPの早期承認に関わる要望書というものを受け取らせていただいたんですけれども、今回の合意内容というものは自動車業界のみならず全体で国益にかなったものであると、大きなマーケットになって自由に経済活動ができるということを私たちはこれから訴えていきたいというような強いお言葉をいただいたところでございます。 先ほどの徳永委員との議論の中で総理が申しましたとおり、守るべき農業についても、他の国々は関税率の即撤廃が九九%、一〇〇%でございますが、全体で見て九五%の関税を、九五%を撤廃、そしてまた農業分野については二割程度例外措置をとった、そのことをもってみても今回の交渉は日本の国益に資するものであるというふうに考えているところでございます。
○礒崎哲史君 今、現地生産と輸出というようなお話もされました。もう少し細かくお伺いしたいとも思うんですけれども、今の数字は恐らくは乗用車の部分を主に取り上げられたのかなというふうに思います。 トラックあるいはキャブシャシーというところも、これもっと長いんですね、乗用車よりも、三十年。しかも、トラックにおいては二十九年間、二五%の関税維持ということです。段階的な減少もないということですから、こちらの影響も大変大きいというふうに思いますけれども、このトラック、キャブシャシーの部分についてもう少し詳しくお聞かせいただきたいんですけれども、影響についてお聞かせいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。経産大臣にお願いします。
○国務大臣(世耕弘成君) おっしゃるように、トラックについては、現行税率は二五%、これを三十年で撤廃していくという形になっております。ただ、これ、トラックは、対米輸出額という金額で見ますと二〇一五年ベースでは八・四億円ということであります。 一方で、大きいのはキャブシャシーであります。いわゆるトラックの後ろの箱が付いていない先頭の部分というか、これがキャブシャシーということになりますが、これは対米輸出額が約六百四十三億円ということになります。これの現行税率は四%でありまして、これは二十五年掛けて撤廃という形になる予定でございます。
○礒崎哲史君 そうしますと、トラックについては二五%、三十年継続であるけれども、まあ絶対額としての大きさを今御説明をされたんだというふうに思います。 先ほど石原大臣の方から四百九十五万台、百六十万台というお話ございましたが、そうはいってもおよそ三割ぐらいになるんでしょうかね、は輸出ということでありますから、これはほかの国との対比において、やはり日本が輸出部分が大きいんだとすれば、これは輸出の競争力を上げていくという意味では、やはりこの二十五年というのは大きく長く影響としては響いてくるというふうにも捉えられるかと思いますので、実態の把握ということで、自動車市場全体に対して輸出と海外生産の比率が今どうなっているのか。日本と、できればヨーロッパですとかアメリカのデータもあればと思いますけれども、その辺の実際の海外生産の比率について具体的な数字を教えていただきたいと思います。経産省の方からお願いします。
○委員長(山本一太君) 糟谷製造産業局長、指名を待ってから発言してください。 糟谷製造産業局長。
○政府参考人(糟谷敏秀君) お答え申し上げます。 日系自動車メーカーの海外生産比率でございますけれども、全体で二千七百三十七万台、二〇一五年において販売をしているうちの千八百九万台、約六六%が海外の生産でございます。このうちTPPの域内について見ますと、九百十四万台の販売に対し六百六十万台、約七二%ということになるわけでございます。 アメリカでありますが、手元にアメリカのGMとそれからフォードの例を持っておりますけれども、GMについては海外の生産比率が七八%、フォードは六二%、いずれも二〇一五年でございます。
○礒崎哲史君 日本は、そうしますと、海外が六六ということでいけば、国内からは残り三四%が対外的な輸出ということ。今、アメリカ含めて海外のデータも御紹介をいただきましたけれども、その点でいくと日本だけが特異的な輸出環境にあるとか海外生産環境にあるということではないのかなと、海外メーカーも同じような状況にあるのかなというふうには受け止めました。ただ、そうはいいましても、やはり三割という数字が輸出にあるということからすれば、その部分の競争力というものはしっかりとやはり注視はしていかなければいけないんだろうというふうには思います。 今、完成車の部分と併せて、石原大臣の方からは部品というようなお話もあったかというふうに思います。現にこの工業製品全般のお話でいけば、今回のTPP交渉によって品目ベースではおよそ八七%というものが即時撤廃をされている内容になっています。金額ベースでいけば七七%が即時撤廃という締結の内容になっています。 日本を抜き出してみますと、日本の市場はこれ本当に今オープンになっておりまして、即時撤廃率としては、品目ベースでは九五%ですね、金額ベースでいきますと九九%が即時撤廃ということで、私たちの日本は本当に開かれた市場環境にあるという、これが実態です。 その一方で、アメリカは、品目ベースでは九〇行っているんですけれども、金額ベースでいくと六七%という数字ですから、まあこの数字を取り上げて、いい悪いというふうに言うつもりはありません。ただ、相当交渉は厳しかったんだろうなということは察しは付きますけれども、最終的には、ただ、関税の撤廃率、最終的な数字はこのアメリカも一〇〇%に、品目ベース、額ベース、なりますので、そういう意味ではこれは一つメリットとしてあったのではないかなというふうには思います、受け止めます。 ただ、その一方で、いわゆる成長分野と言われる部品、例えばセンサー類ですとか、あるいは電気自動車に使いますリチウムイオン電池、あるいは光ファイバーといった、こういった部品です。今後ITをますます進めていく、ロボット化、自動化、自動運転、電気自動車、様々な分野で市場が拡大をしていくということが予見されるものについては、例えばセンサー類であれば撤廃まで十年掛かります。リチウムイオンについては十五年掛かります。光ファイバー、様々な通信網に大きな影響を与えます光ファイバーも十二年、撤廃には時間が掛かるという内容になっておりますけれども、これ、撤廃が長期化されたことについてやはり影響があるのではないかというふうに考えますけれども、この点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) まず、事実を御報告させていただきます。 御指摘のセンサーなども含むと思いますが、ECU、エレクトロニック・コントロール・ユニット、これについては、必ずしも自動車用に限らず農業機械とか家電、産業用機械などにも用いられるものも含まれますが、交渉の結果、十年での関税撤廃となっております。 また、電気自動車とかハイブリッド車に使用される電池のうち車載用リチウムイオン電池、これにつきましては、関税撤廃期間は十五年となっておりますが、これらについてはもう既に現地生産とか調達といったものがかなり進んでいると認識しております。また、そのリチウムイオン電池の関連部品であります電極の素材などの関税については即時撤廃となります。これによって現地市場における車載用リチウムイオン電池の競争力は強化されるというふうに考えています。 また、こうした品目に加えて、例えば日本車の、日本製の自動車の電気自動車、ハイブリッド車に使用されるインバーターですとか、あるいはハイブリッド自動車用のトランスミッション、あるいは今後需要が伸びる可能性のある燃料電池自動車用の一次電池などの多くの部品については、粘り強い交渉の結果、関税が即時撤廃となったというふうに思っています。 また、今御指摘の光ファイバーについては、実はこれ通信用と医療用に分かれていまして、通信用についてはもう既に今無税になっています。医療用については六・七%の関税が掛かっておる。これは十二年掛けて関税撤廃ということになります。 光ファイバーがこれ車に載るかどうか、逆に委員の方が御専門だと思うんですけれども、これからセンサーなどが増えてくると当然光ファイバーが車に載ってくる可能性はありますけれども、その光ファイバーは基本的には私は通信用、医療用とは全然素材が違ってくると思いますから、通信用ということで無税になるのではないかというふうに思っているところであります。 そのように、今回の交渉結果は我が国産業のビジネス実態に即して考えれば決して不利益になっているということはない、どちらかというと輸出の強化、輸出力の強化につながっていく部分があるんではないかというふうに認識をしております。
○礒崎哲史君 センサー類あるいは電池というものについては既に現地化がされているということで、先ほどのトラックと同じような観点でしょうかね、既に現地化されているので影響は少ないだろうというようなお話だというふうに思います。 ただ、光ファイバー、今、通信用がゼロ、医療用が十二年残るというお話でした。医療用の光ファイバーもやはり様々医療機関で使われることは多いと思いますし、日本の国内、私も器具、実際に見させていただきましたが、本当に光ファイバー使ってカメラの小型化ですとかあるいは医療の高度化を進められる、まだまだ医療分野で日本の中小企業が攻めていける分野というふうにも私感じることできたんですけれども、ちょっと自動車とはまた、全体的な観点でお伺いしたいと思います。もしそこで補足の説明あれば。
○国務大臣(世耕弘成君) 今アメリカの話という意識でお話ししましたけれども、実は我が国産業界は特にこれから需要が増大する新興国での光ファイバー市場の開拓に力を入れております。 TPP加盟国のうち、実はアメリカ向けの医療用の光ファイバーの輸出額というのは二十四億円なんですが、アメリカを含まない新興国の医療用の光ファイバーの輸出というのは今二十八億円。アメリカに輸出しているよりも多い額があるわけでありまして、これまで二国間のEPA交渉なども踏まえてこのTPPが締結されていますので、実はこういった新興国では医療用の光ファイバーの関税は既に撤廃をされておりますので、こういった国で輸出が拡大することを期待したいというふうに思います。
○礒崎哲史君 少し今話が広がったところで、新興国の話もありました。要は、それ以外の二国間のEPAの交渉等々にもしっかりと注視していかなければならないんだと思うんですが、今回、この対米に関して、例えば乗用車、バス、トラック、こうした分野での長期のこの締結の内容というのが、例えばほかの二国間交渉やそれ以外の経済連携に関する交渉に影響が及ぶ可能性というのはどうかというのを懸念しています。 日欧の例えばEPAでいけば、ヨーロッパには、今乗用車でいけば一〇%の関税が掛かっています。さきに既に締結をしています韓国とEUのFTAでいけば、この一〇%の関税、五年間で撤廃というような契約内容にもなりました。二〇一一年にたしか締結がスタートしたと思いますので、もう関税撤廃になっているタイミングなんだというふうに思いますけれども、ジェトロが分析をした結果でいきますと、このEUと韓国のFTAによって、乗用車でいきますと倍近い輸出が韓国としては増えているということで、相当な効果があったというようなこともそこには分析がされておりました。大変大きな影響があったんだというふうに思います。 その意味で、もう一度元に戻るんですが、アメリカと結んでしまったこの長期の契約というものが、EUとの交渉あるいは日中韓ですね、三か国の交渉、こういったところにも大きな影響を及ぼすのではないかというふうに考えますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) 今御指摘のあった自動車についてお答えをさせていただきたいと思いますが、日EU・EPAによって、今一〇%あるヨーロッパの自動車の関税、これが撤廃されるということになれば、これは自動車産業にとって、日本の自動車産業にとっては大きなビジネスチャンス、輸出の機会の増大だというふうに思っております。 それぞれの交渉については、それぞれの相手国によって交渉の状況が違います。今、日EUについては担当者が今精力的に年内の大筋合意を目指して交渉しているところであります。 それぞれの状況によって変わってくるというふうに思いますが、いずれにしても、やはり我が国の国益を最大化すべく、一番いい関税をしっかり取っていくように頑張っていきたいというふうに思っております。
○礒崎哲史君 当然、実態として国益にかなったものと、国益にかなうための交渉をされているというふうに思いますので、そこはある意味、信用はしたいんです。 ただ、実態として、今回、乗用車が現にアメリカでは非常に長い形で締結がされているということに対しての不安ということでありますので、この点については、今後、今、年内というようなお話もありましたけれども、この点についてはまだまだしっかりと、不安がこれで拭い去られるということではないと思いますので、しっかりとまだ継続の論議をさせていただきたいというふうには思います。 今、最大の効果を生むというようにお話がありました。今回の内容で実際にどれぐらい、この工業分野に関してどれぐらい効果額が期待できるというふうに試算をされていますでしょうか。数字がありましたら教えていただきたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) 自動車ということじゃなくて工業製品全体ということでお話をさせていただきたいと思うんですけれども、経済効果分析では、TPP協定により我が国の輸出額の総額の拡大をおよそ三兆円と見込ませていただいております。 工業製品に関しましては、二〇一四年におけます我が国の工業製品のTPP域内向けの輸出の推計額でございますけれども、およそ二十四兆円でありまして、このうち貿易額及び品目数共に、最終的には、期間はまちまちでございますけれども、九九・九%が関税が撤廃されます。 また、現在分析できます最新のデータに基づきますと、我が国からの工業製品の輸出額の七六・六%の関税が即時に撤廃される、この乗数を、どういう企業がどれだけ輸出化するかということがこのTPP協定が発効することによって起こったとき、推計値、もう少し詳しいものをお示しできるのではないかと思っております。
○礒崎哲史君 そうしますと、大臣、今の時点ではTPP総額としては三兆円ということですので、これは農業ですとかほかの分野も含んでというお答えだったということで、そこら辺については理解をいたしますけれども、やはり今回、この工業分野も輸出については大変大きな輸出額捻出している、利益を上げている分野でもありますので、じゃ、この分野でどれぐらい効果があったのか、まさに工業の実態に合わせてどれぐらいの効果があったのかというものがやはりないと、今、この後そういう試算はまた出てくるといいますか、実態を見てというお話されていましたけれども、実際に事が終わってから実績として見るのは当然なんですけれども、やはりその手前でどれぐらいの効果があるのかという予測があって最終的な判断が本来はあるべきだというふうに思います。 是非、この点については、今からでもその効果額の試算、今全体二十四兆円の取引というようなお話はいただきましたけれども、どれぐらい効果額が出るのか、そうした試算については引き続き御検討をいただければなというふうに思います。そうしないと、最終的な判断、総合的な判断ということはなかなか難しくなるのではないかなというふうにも思います。 今、全体的なお話をさせていただきました、TPPについてのお話をさせていただきましたが、そもそもやはりこのTPP、国益にかなうということもありますけれども、国益を生み出す源泉はやはりどこにあるのかというふうにいけば、これはやはり国内の様々な事業体だというふうに思っています。国内のそれぞれの産業や企業に力があるからこそ、TPP、あるいは二国間の経済連携でも結構です、それによって契約した内容が自国の利益につながってくるというふうにも思います。 その意味でいけば、今私は工業を中心にお話をしましたが、工業だけではなくて農業、サービス業含めて国内事業にしっかりと力を付けていくということが、これが前提条件になるのではないかなというふうに思っています。この国内事業にしっかりとそれぞれの産業で、工業で、農業で、サービス業で力を付けていくという観点について、その重要性について、まず総理のお考えを確認をさせていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国は、食料やエネルギーなど国民生活にとって不可欠な資源の多くを輸入に今依存をしております。このため、外貨を獲得できる国際競争力のある産業が国内に立地をしていることが重要でありますが、これは、工業、農林水産業、サービス業に至るまで共通の課題であると考えています。日本が世界で最もビジネスがしやすい国となるように、事業環境の整備に努めつつ、産業の生産性向上や付加価値化、高付加価値化を支援していきたいと思います。 そして、国内産業の競争力が強化されることが経済連携協定を締結することの前提であるとの御指摘については、経済連携協定が締結されることで、海外市場へのアクセスが改善し、ルールが整備され、国内産業の競争力強化の誘因となる点も御指摘しておきたい。当然、今委員が御指摘になったように、しっかりと競争力を高めていく、言わば、発効して、いよいよ海外からも入ってくる、低い関税で入ってくる前に競争力を付けていくということは当然でありますが、と同時に、海外への同じルールで低い関税で輸出ができるということになったことによって大きな競争力を得ていく、生産性を高め付加価値を付けていけば、しっかりとそれが評価されるマーケットがあるということによるインセンティブによって競争力も付いていくんだろうと思います。 付加価値が正当に評価される世界の四割経済圏を一日も早く我が国の成長の起爆剤とするために、他国に先駆けまして日本の国会におけるTPP協定の承認を得て早期発効に弾みを付けていきたいと、このように考えております。
○礒崎哲史君 今の総理のお話の中でも、しっかりと地力を付けてということもありました。その意味では、先ほど冒頭のところで、少しブレーキを掛けながら、景色を見ながらというお話もさせていただきましたけれども、国内産業の状況がどうなっているのかということも今回のこの論議の中ではしっかりとやっぱり論議をしていく必要があるというふうに思います。これは、工業だけではなくて農業分野も私は一緒だというふうに思います。 私の直接の専門ではありませんけれども、農業に関しても詳しい方はたくさんいらっしゃいます。平均年齢がどんどん毎年上がっていく、農家を離れていく人たちがいく、収入が不安定である、あるいは後継ぎ問題であったり、収益をどうやって上げていくのかということについては、農業は大変大きな分野だというふうに思います。 食の部分についての安全保障という観点では、やはり農業をしっかりと、国内の農業としての、産業のその体力を付けておく。今どれぐらいの体力にあるのかということもしっかりとこれ論議をしていかないといけないのではないかというふうに思っておりますので、この点についても、重ね重ねになりますが、慎重かつ丁寧な審議をお願いしたいというふうに思います。 この後、工業の分野についての、では、今足下がどうなっているかというお話をさせていただこうと思ったんですが、ちょっと午前中は時間が来ておりますので、この点については午後の審議の中でお話をさせていただきたいと思います。
○委員長(山本一太君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十三分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(山本一太君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 予算の執行状況に関する調査を議題とし、内政・外交の諸問題等に関する集中審議を行います。 休憩前に引き続き質疑を行います。礒崎哲史君。
○礒崎哲史君 民進党・新緑風会の礒崎哲史でございます。午前中に引き続き、よろしくお願いを申し上げます。 本日は、国内の産業基盤の強化という観点で午前中から質疑をさせていただいておりました。午前中は主にTPPに関する様々な事実関係の確認させていただきましたけれども、午前中もお話をしましたが、やはりTPP含めて様々な経済連携も国内の事業基盤があってこそということでもありますので、この後、午後は、その国内の事業基盤にしっかりと力を付けておくためにどうすべきなのか、そういった観点で論議を進めさせていただきたいというふうに思います。 全般的なお話でも分かりにくいかと思いますので、今日は自動車産業を例に取ってお話をさせていただきたいというふうに思います。 こちらの方にパネルを一つ用意をいたしました。(資料提示)このグラフには四本、線がございますので、細かいところは少しはしょらせていただきますが、まず緑色の線、国内の産業の今の実態ということで御説明をさせていただきますが、緑色の線、これが今、日本の国内で造られている自動車の生産台数を示したグラフになっております。ちなみに、横軸は、小さくて分かりづらくて恐縮ですが、戦後から、一九四六年から現在、二〇一五年までのデータをまとめたものになっております。大変長いスパンになっておりますが。 緑色の線、戦後からずっと生産台数、徐々に徐々に増え、高度経済成長期を越えて、ピークはバブル景気のタイミングになります。一千三百四十九万台が日本の国内の生産台数のピークでありました。その後は残念ながら国内の生産台数というのは減っていきまして、現状、足下では九百二十八万台という数字になっております。およそ四百万台が生産がなくなってしまったという数字になります。三分の一がなくなった。 別の言い方をしますと、実は昨年のトヨタ自動車の生産台数、国内生産台数が三百十九万台、日産自動車が八十七万台ですので、これ足しますと四百六万台ということになります。つまり、昨年一年間のトヨタと日産が国内で造った車分がこの二十数年間の間に生産台数としては消失をしてしまったというのが、今、自動車産業の置かれている生産台数から見た状況ということであります。 では、なぜ四百万台減ってしまったのかということで、その下の紫色と赤い線になります。一つは、赤い線、これが国内の販売の台数ということで、国内の販売台数のピークは同じくバブル景気の頃の七百七十八万台でありました。それが現行、足下では五百五万台ということで二百七十万台減です。ですから、四百万台のうち二百七十万台は国内の販売がおっこってきたために生まれているもの。また、紫色の線がこれ輸出台数ということになりまして、これもピークはバブル景気の少し前にあります。八〇年代の前半になりますけれども、それが六百数十万台。そこから今、足下では四百五十万台ということでもありますので、百五十万台、百六十万台減ったということになります。その二つが大きく減ってしまった要因ということになります。 一つ、今輸出台数の減ということで見てまいりましたけれども、代わりに今度は青い線です。青い線、これが海外の生産台数ということで、八〇年代、一九八〇年代から一貫して右肩上がりで伸びてきた線ということになります。見ていただければ分かるとおり、輸出台数が減って現地生産が増えてきたという構図になるんですが、そもそもこの輸出台数が減り現地生産が増えた要因としては、八〇年代前半にありました、日本が、日本製品が余りにも強過ぎたと。特に対米輸出に対して大幅な黒字が出て、アメリカが逆に輸出入の関係においては赤字になっていったということから、ジャパン・バッシングという言葉もありました。日本製品に対する風当たりが大変厳しくなったということで、業界として輸出の自主規制をしていったのがこの八〇年代の前半のタイミングということで、輸出台数が減ったというよりも自主規制として減らしていったというのが正しい見方になります。 代わりとして、産業として生き残り、勝ち残りを目指していくために現地生産を大幅に増やしていき、現状では一千八百万台まで現地生産が増えたというのが、これが今の自動車産業が置かれている実態ということになります。 今お話をいたしましたが、国内の、じゃ産業として、これをどのようにして力を蓄え、さらに勝てるような産業にしていくのかという観点でいきますと、先ほど、もう一度緑の線になりますが、九百二十八万台、およそ一千万台のレベル、この一千万台のレベルというのが大変重要だという認識を持っています。一千万台の車を造れる設備であり人員であり規模を持っている、その体制をもって様々な新しい技術開発をしていく、そのための設備を国内にきちんと整え、人員もしっかりと確保をしていく。これから様々な開発進めていく上でも、この国内の一千万台を製造できる、車を開発できる規模を整えていくということが大変重要だというのが業界の中では一つの認識として成り立っております。 国内のその一千万台レベルをキープするためにということでいきますと、その赤い線と紫色の線、国内の販売と輸出の台数それぞれ、まあざっくり言いましてそれぞれ五百万台レベル、やはりこれをキープしていくことが大変重要だろうというような認識をしております。 質問の順番、レクのときから少し入れ替えさせていただいて、ちょっと国内の販売のところを少し注視をしていきたいと思いますので、ちょっと次のパネルをお願いします。 こちらには、今の国内の自動車の販売を、同じく戦後、一九四六年から現在まで並べたものと併せまして、自動車関係諸税の税収の総額というものを同じく戦後から現在まで並べたものになります。赤い線は先ほどと一緒、ピークはバブル期であって、今、二百七十万台減りまして五百万台ということになります。 こちらを見ていただければ、戦後から一貫して右肩上がりでありまして、少し赤い線が折れ線になっている部分が途中にあります。これはオイルショックのタイミングです。オイルショックになりまして、当然国内の景気にも大きな影響がありました。あわせて、少し税収も、このときぐっと伸びたタイミングというのはグラフの中でお分かりいただけるかというふうに思います。 このタイミングで税の関係では何が起きていたかといいますと、例えば揮発油税に関する、ガソリン税を含めた燃料に関する課税と、あとは自動車の重量税ですとかあるいは取得税というものが設定されていったのがこの時期ということになります。ですから、自動車の売行きについては停滞をするんですけれども、同時に、税収については、ここはかなり大幅に伸ばしていくということになったというふうに見て取れるかというふうに思います。 その後、バブル景気を過ぎて国内の販売台数は低迷をしていくんですが、税収についてはある程度の規模感を維持できていると。単純に考えれば、物が売れていないんだから税収も減るのではないかという見方もあろうかと思いますが、実態としてはある程度の規模感が、レベルが維持できているということになります。これは、確かに新車の売行きは落ちてはいるんですけれども、いわゆる保持をしている車ですね、日本全体の車のボリュームとしてはその後も一貫して伸びておりましたので、いわゆる新車を買ったときの税というよりも、保有税、保有している段階で掛かっている税、自動車税や軽自動車税、ここの部分がしっかり効いてきて、ある程度の規模感が維持できているということになっております。 ただ、その後、やはり新車の売行きがどんと落ちてきたところで保有の台数についてもある程度頭打ちになってきているというふうに見ていいんだと思います。結果として全体の税収も落ちてきているというのが見て取れるかというふうに思います。 一概に税収で車の販売が決まるという乱暴な言い方は私もするつもりはありませんが、やはり税の設計の在り方によって国内の販売の状況であったり消費者のそうした購買の行動には少なからず影響があるのかな、少し長い目で見た図ではありますけれども、そういったことがここから読み取れるのではないのかなというふうに私は考えておりますけれども、この点に関しまして、まず経産大臣の方で御所見いただければと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) お答えいたします。 今の委員の自動車の売上げ、販売台数と税の関係、興味深く聞かせていただきました。確かに、消費税の影響を受けている面はあると思っていまして、消費税が五%になった平成九年度、あるいは八%になった平成二十六年度は、前の年に比べましてやはりそれぞれ約百万台、約四十万台それぞれ減少しているなど、税制が国内販売に影響を与えてきたことは確かだと思います。 しかし、一方で、初めて消費税が導入された三%のときですね、このとき八九年四月なんですが、九〇年、九一年とは何とか踏ん張って、九二年にどんと落ちています。やっぱりこれはバブルで景気が良かったということもあるんだろうというふうに思います。そして、今、足下での国内販売台数の落ち込みについては、税率引上げ前の販売競争による反動減というのも出ているというふうに思っております。 しかし、一方で、長期的に見るとやはり国内販売台数は平成二年度の七百五十万台をピークに落ち込む傾向にあって、これは税も影響していると思いますし、一方で若者の車離れとか、あるいは、もう最近は車、非常に長もちします、私も地元の車、三十万キロ超えていますけれども、まだ全然元気に走っていますので、そういう意味で自動車の保有期間が長期化しているとか、いろんな要因が複合的に入っているのではないかというふうに思います。
○礒崎哲史君 是非、買換えに貢献をしていただいて、市場の活性化に大臣自ら活動をいただければと思います。 もう一つ、同じ観点で、私、先ほど保有税というお話をさせていただきました。保有に関する税ということでいけば所管、総務省になりますので、総務大臣からも御所見をいただければと思います。
○国務大臣(高市早苗君) 税制に関しては、今、世耕大臣が答弁されましたとおり、一定の影響というのはあると思います。例えば、税負担が重くなる直前に駆け込み需要というものも生じるでしょうし、それからまたその反動減ということ、こういった影響はあると思います。 例えば、自動車税のグリーン化特例ですとか自動車取得税のエコカー減税、これを導入したことによって自動車メーカーの技術開発というのが促されて、新車の燃費値というのも向上して、次世代自動車や環境性能に優れた自動車の普及は急速に進展したと評価できると考えております。これから新たな需要を生み出す一つの起爆剤となっていく分野でもあると考えております。
○礒崎哲史君 もう一つ、ちょっと直近の自動車の、これは長いスパンですけれども、直近の数字について確認をしたいというふうに思います。 消費税が五%から八%に上がりました以降の国内の販売の状況について、ちょっと数字を経産省の方から御紹介をいただければと思います。
○政府参考人(糟谷敏秀君) 平成二十六年四月の消費税率の八%への引上げ以降の国内新車販売台数でございますが、その前年の平成二十五年度が約五百六十九万台でありましたのに対して、平成二十六年度約五百三十万台、平成二十七年度は約四百九十四万台となっております。 月次で見てまいりますと、平成二十六年四月以降今年の九月までの三十か月について、そのうち二十六か月は対前年同月比で減少をしておるという状況でございます。
○礒崎哲史君 今、二十六か月が対前年比マイナスということでお話もありました。 先ほど高市大臣の中で、駆け込み需要ということで販売見込めるというようなところもコメントございましたけれども、であれば、その反動減ということであれば、およそ一年、十二か月、前後あろうかと思いますが、すると、ほぼほぼその駆け込み需要の影響というのは影響としては少なくなってくる、そういう見方が前年度比という見方ではできるんだろうというふうに思いますけれども、今ありましたとおり、二十六か月という数字が前年比マイナスということは、駆け込み需要に対して当然翌年は減るんですけれども、その減った前年に対しても更にその翌年が減っているという状況であります。 あわせて、軽自動車の方も、これは二〇一五年の四月から軽自動車税が値上がりをしました。年七千二百円から一万八百円です。やはりそのタイミング、当然その前の年には駆け込み需要というものはあったというふうに数字からも見れますが、やはりその後から十九か月連続の前年比マイナスということで、大きく売上げが落ち込んでいるというのもデータとしてあります。先ほどの長いスパンで見たときに、その保有税である程度のレベルがキープができていたものが、やはり最近その効果も薄れてきているということをデータとしては御説明をさせていただいたつもりです。あわせて、直近で、今、消費税増税後、やはり大きなマイナスの影響が数字として如実に出てきているということを併せてお話をさせていただきました。 やはり今このタイミングで消費税の影響は大きかったということは考えるべきでありますし、今後の税制を設計していく上では、やはりこの販売、特に国内の販売についてどれだけの影響があるかということを大変慎重に考えなければいけないというふうに思います。それは、先ほど申し上げました企業の、国内の産業としての地力を付けるために、やはり五百万台の輸出と国内の販売という、そのレベル感を保つためにも、大変この税制の設計については慎重の上に慎重に決めていかなければならないんだと。特に、その販売という観点も含めて、あとは保有という段階も含めて慎重な設計が必要だというふうに思います。 我々は従来から、消費税増税に合わせて取得税の廃止、取得税については即時廃止、重量税についても当分の間の税率廃止、これを訴えさせていただいておりました。改めてこの税制、もしや増税という話はないと思っておりますけれども、思い切って減税の方向にこそ動きを取るべきではないかというふうに考えますけれども、総務大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(高市早苗君) 今年の通常国会でも、自動車税の御議論で様々御示唆をいただきました。消費税率一〇%への引上げ時にこの自動車取得税を廃止すること、また自動車税及び軽自動車税にそれぞれ環境性能割を創設することなど御了解をいただいたんですけれども、しかしながら、消費税率引上げの延期に伴ってまた変更をするべき法律案を今国会に提出するということになりました。 しかしながら、自動車産業というのは我が国経済や雇用を支える非常に重要な基幹産業だと思っております。そしてまた、自動車の販売台数が減ってしまえば、結果的には自動車を客体とする地方税収も減少するという結果を招きかねませんので、この国内市場に係る縮小に歯止めを掛けるということは非常に重要だと思っております。 先ほど申し上げました環境関連税制におきましても、燃費基準を適切に切り上げてきたということがエコカーの普及や燃費値の向上に一定の成果を上げてきたということも踏まえながら、与党税制改正大綱に沿って適切に取り組んでいきたいと考えております。
○礒崎哲史君 与党の税制大綱の中にもユーザーの負担軽減についての検討ということは記載をされておりました。是非、早期にそうした検討も含めて話合いを進めていただきたいというふうに思います。 今、車の販売という観点でお話をしましたが、日本の産業、特に工業関係において地力を付けるということは、イコール、すなわちそれは、やはり中小企業の皆さんがしっかりと事業基盤が強固になることだというふうに同時に考えます。 そこで、経産大臣になんですけれども、先日、平成二十八年度の補正予算について採決が行われました。その中でも、中小企業向けの支援策というものは予算として積まれていました。私なりに過去五年間ぐらいの予算、年度予算それから補正予算でどれぐらい中小企業に対しての予算が積まれているかなというのをチェックしてみたんですが、傾向として、年度予算よりも補正予算の方が三倍から五倍多く積まれるというような予算の組み方がここ数年来続いているように見受けられます。 当然、そのときそのときの御判断で予算については申請をされているというふうには思いますが、やはり中小企業の皆さんが長期的な展望を持って投資ができる、あるいは事業計画を立てられるということであれば、補正予算ではなくて年度予算の中でしっかりと予算を組んで中小企業の様々な支援をしていくということの方が市場の安心感にもつながるのではないかなというふうに考えますけれども、そうした予算の組み方について、私は逆転現象ではないかなと思っているんですけれども、その点について世耕大臣のお考え、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(世耕弘成君) お答えいたします。 当初予算というのは、その年度に必要と見込まれるいろんな事業を的確に手当てをして当初予算というのは編成をしています。一方、補正予算というのは、特に中小企業対策に関しては、当初予算編成のときには見通せなかったその時々の経済情勢や政策課題に対応した経済対策を実施するため緊急に措置をするもの。その結果が、今おっしゃるように、委員は逆転現象と捉えられているわけですが、確かに当初予算よりも補正予算の方が大きいという状況になっているわけであります。 特に今年に関しては、平成二十八年度、先日可決されました平成二十八年度の第二次補正予算でありますが、これは、まず伊勢志摩サミットにおいてG7が強い危機感を共有をして世界経済のリスクに立ち向かうためにあらゆる政策を総動員していくことが合意をされて、それを受けて今年八月に未来への投資を実現する経済対策が閣議決定をされ、それを受けて緊急に実施する必要が生じた事業を計上したものであります。
○委員長(山本一太君) 礒崎哲史君、時間が終わっておりますので、簡潔にお願いします。
○礒崎哲史君 はい。 やはり国内の事業をしっかりと足腰固めていってこその海外への、海外との闘いができるわけでありますから、今後も引き続きこの点について、委員会の中でも詳細、論議をさせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上で礒崎哲史君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、竹谷とし子君の質疑を行います。竹谷とし子君。
○竹谷とし子君 公明党の竹谷とし子です。 まず最初に、子ども・子育て支援に関連して、産前産後のお母さんのケアについて質問をさせていただきます。 二〇一四年までの十年間に自殺で亡くなった妊産婦が東京二十三区で計六十三人にも上るということが東京都監察医務院などの調査で分かったという報道がありました。出血などによる妊産婦死亡率の約二倍に上り、妊娠・出産期の死因として自殺が最も多いことになります。大変痛ましいことです。 資料一を御覧ください。(資料提示)産後の母親支援に関するアンケートによりますと、六割の人が出産直後から四か月の間に不安や負担を感じていると回答しています。一昔前は、産後は実家で実母やしゅうとめ、家族、御近所の親切なおばさんなど家族、地域によるサポートがありましたが、今は、実家が遠い、近所との付き合いがない、高齢出産による親世代の高齢化などで妊産婦が孤立し、昔であれば当たり前にあった妊産婦の支えが不足しているという時代になっています。 産後うつも決して珍しい症状ではありません。妊産婦自殺の原因は様々だと推察されますが、少なくとも最も厳しい時期に温かな支えがあることで救える命があると思います。また、妊娠から出産、育児に至るまで相談ができて適切な支援が受けられる環境を整えることは、日本が安心して子供を産み育てることができる社会になるために必要なことだと思います。産後うつの防止、自殺の防止、児童虐待防止、さらに少子化対策のためにも非常に有効な支援だと考えられます。 公明党の女性局では、二〇一四年五月に、母子保健拠点の整備、産後ケアを含む女性の元気応援プランを安倍総理に提出いたしました。これを受けて厚生労働省は、平成二十七年度から、子育て世代包括支援センター、いわゆるネウボラ事業、そして産前産後サポート、産後ケアの事業に対する国の補助を制度化しました。これを活用して徐々に各自治体でスタートしています。 制度の実施状況を厚生労働大臣に伺います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援につきまして、公明党からの提案を数々いただいておりますことに改めて感謝申し上げたいと思います。 これを、今お話も出ましたけれども、子育て世代包括支援センターと、それから産前・産後サポート事業、それから産後ケア事業、この三つにつきましては、二十九市町村におけるモデル事業として平成二十六年度より取組を開始をいたしておりまして、その普及に努めているところでございます。 これらの事業を実施している市区町村の数は、子育て世代包括支援センター、これは平成二十八年四月一日現在で二百九十六市区町村七百二十か所、産前・産後サポート事業、それと産後ケア事業につきましては、平成二十八年九月十五日現在でそれぞれ百八十市区町村となっているところでございます。 平成二十九年度概算要求では、子育て世代包括支援センター、これを立ち上げるための職員の雇い上げや、それから協議会の開催等に要する経費として新たに百五十市区町村分を計上しているほか、産前産後のサポート事業、それから産後ケア事業につきましては、それぞれ二百四十市区町村での実施に必要な予算を計上しております。あわせて、対前年度十四億円増の三十七・八億円を要求しているところでございます。
○竹谷とし子君 この制度の導入で、専門の産後ケアセンター、また助産院、産院の空きベッドを利用した宿泊やショートステイで、出産後のお母さんに専門家が寄り添い、栄養ある食事を取り、産後の疲れを癒やし、子育ての技術も習得して、状況が厳しい方には特に必要に応じて地域や専門機関の支援へつなげる体制ができ始めています。 また、アウトリーチ型で産後のお母さんの家を訪問する産後ドゥーラという職業が今できています。資料二を御覧ください。専門の研修を受けた産後ドゥーラ、産前産後の女性の暮らしを支える専門家で、出産後のお母さんに寄り添い、家事や育児を支える技術を持っています。出産、子育て経験のある女性の新しい仕事として、女性活躍の場にもなっています。 総理に伺います。産後ケアセンターの宿泊や産後ドゥーラを利用したお母さんたちから話を伺う機会がありました。この産後ケアやサポートのおかげで育児をする自信と元気が出てきた、また子供を産みたいという気持ちが出てきたというお声を伺いました。ネウボラで妊娠から出産、育児まで切れ目ない子育ての相談ができるようになり、さらに、産後ケアに国の補助制度ができたおかげで、支援が必要な妊産婦がいた場合にも必要なサポートにつなげられる、以前は切れ目になっていたところがしっかりとサポートできるようになってきた、大きな前進だと思っています。総理の後押しもありました。 一方で、今後も国の補助が続くかどうか、自治体や現場から不安の声があります。日本の将来を支える子供が健やかに育つためには、お母さんが元気で幸福でなければなりません。産前産後のお母さんを支える子育て世代包括支援センター、いわゆるネウボラ、産前産後サポート、産後ケア事業を自治体が安定して続けていくことができるように国の支援を今後も続けていく必要があると考えます。総理の御答弁をお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 産前産後のケアの必要性は、まさに委員の御指摘のとおり、安定的な支援の必要性は委員の御指摘のとおりだろうと思います。 妊産婦のメンタルヘルスケアや児童虐待の効果的な予防のため、妊娠期から子育て期まで地域において切れ目なく支援することによって子育て家庭の不安を解消していく考えであります。このため、市区町村において、保健師等の専門職がきめ細かな相談支援等を行う子育て世代包括支援センターを法律に位置付け、全国展開を進めています。これに加えまして、特に集中的な支援が必要な産前産後期の支援を充実させるため、平成二十六年度から、市区町村による子育て経験者が相談支援を行う産前・産後サポート事業、そして助産師等の専門職が母子への心身のケアを行う産後ケア事業の実施を支援をしております。 これらの事業をより多くの市区町村が実施できるよう、引き続き必要な財源の確保に努めてまいりたいと考えております。
○竹谷とし子君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。 続いて、子供の貧困対策について伺います。 相対的な子供の貧困率は一六%を超え、六人に一人が貧困状態にあります。特に高いのは一人親家庭の貧困率で、五割を超えています。 資料三を御覧ください。一人親家庭の就業率は一般世帯に比べて高いです。母子世帯は八割、父子世帯は九割が就業しながら頑張って一人で子供を育てている状況です。しかし、収入は平均より低く、特に表にあるように母子世帯は平均百八十一万円と、大変厳しい経済環境で生活をやりくりされているということが分かります。 子供の貧困対策として低所得の一人親家庭への支援が欠かせないと思います。総理のお考えを伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 子供たちの未来が家庭の経済状況によって左右されてはならないと、このように思いますし、望めば全ての子供たちが大学や専修学校に進学できるような状況をつくっていきたいと思います。そして、確かに、今委員が御指摘になったように、一人親家庭、経済的に厳しい状況であるということは、そこのお子さんたちも将来にわたって厳しいスタートになっていく可能性があるということではないかと思います。 このため、昨年十二月に取りまとめたひとり親家庭・多子世帯等自立支援応援プロジェクトに基づき、一人親世帯などを支援する児童扶養手当の第二子以降への加算額の倍増、そして、就職に有利な資格の取得を促進する高等職業訓練促進給付金の充実と、その支給期間の二年から三年への延長、そして求職者支援訓練を受ける際の託児サービスの提供、また、一人親家庭特有の課題にワンストップで対応する自治体の相談窓口の整備、どこに、いろんなところに相談に行かなければいけないということではなくて、ワンストップで様々なそういう悩みに応じることができるようにしております。また、一人親家庭の子供が安心して過ごせる地域における居場所づくりなどに取り組んでおります。 今後とも、一人親家庭等の自立を支援をし、そして子供の貧困対策に全力で取り組んでいきたいと思います。
○竹谷とし子君 是非よろしくお願いいたします。 自公政権で児童扶養手当の第二子以降の増額など給付を今増やしてきているところであると思いますが、税制面でも私は配慮が必要であるというふうに思っております。 資料四を御覧ください。一人親になった理由、厚生労働省の資料でございますが、二十五年間で離婚が二〇ポイント増加、また未婚の母も増加をしています。未婚の母だけではなくて、未婚の父という家族構成もあります。 税金について伺いたいと思います。 一人親世帯の多くが収入が限られている中で、少しでも税金が安くなる所得控除、これは大変重要な役割を果たしています。一人親家庭の所得控除については、特定寡婦控除、これも重要です。これがある場合とない場合があります。結婚の経験が過去にある場合には、本人の基礎控除のほかに特定寡婦控除というものがあります。所得税と住民税が低くなる、抑えられるという役割を持っています。しかし、これは結婚したことがない未婚の母子、父子の場合にはありません。税制上の格差があります。 二百万円、例えば二百万円の勤労収入がある一人親世帯でどうか、寡婦控除適用の有無による所得税、住民税の差は幾らになるかということを、まず財務省、そして総務省に伺いたいと思います。
○政府参考人(飯塚厚君) お答え申し上げます。 御質問の給与収入二百万円の一人親家庭のケースで、一定の前提の下で復興特別所得税を含む所得税等を計算いたしますと、三十五万円の寡婦控除の適用を受ける場合で九千六百円、適用を受けない場合で二万七千五百円となりまして、その差は一万七千九百円となるところでございます。
○政府参考人(林崎理君) お答え申し上げます。 給与収入二百万円で扶養親族である十六歳未満の子供が一人いる一人親家庭の場合、個人住民税の税負担でございますけれども、一つ、死別又は離婚の場合は寡婦に該当する方の合計所得金額が百二十五万円以下となる、こういう制度が住民税にございまして、非課税ということになります。それから、未婚の場合は六万一千五百円ということになりまして、その差額は六万一千五百円でございます。
○竹谷とし子君 資料の五を御覧ください。今、財務省と総務省に、年収二百万円の場合に所得税と住民税が一人親家庭で十六歳未満の子一人がいるケースで幾らになるかということを伺いました。 所得税では、死別、離婚の寡婦控除がある場合には九千六百円、そして未婚、結婚したことがない、寡婦控除が受けられない場合には二万七千五百円、二百万円の収入で二万七千五百円の所得税。さらには、住民税で大きく差が開くことになります。寡婦控除があればゼロ円ですが、未婚の場合、寡婦控除がないので六万一千五百円。さらには、社会保険料も引かれます。そして、保育料あるいは公営住宅の賃料などが住民税の大きさに比例をして決められる自治体が多くあります。そこでも差が出てきます。例えば、ある自治体では保育料が寡婦控除を受けている方はゼロ円で、未婚の場合は同じ所得であっても四万六千八百円というふうに。それらを足すと年間十二万六千二百円、ほかの行政サービスも受けていることを考えると差はもっと大きくなることが考えられます。 この問題は自治体の現場では広く認識され始めています。厚労省の直近の調査では、二割以上の自治体で未婚の一人親家庭でも寡婦控除があるとみなして所得を計算し、保育料や公営住宅の賃料などを算定して、差が生まれないように何らかの対応を取っているということが分かっています。 現在、政府税制調査会で所得税の税制改正について検討がなされていると思います。総理に伺います。今後の検討の中で忘れてはならない、むしろ最も配慮すべき立場の家庭は、生活が苦しい中で一生懸命に働いて子供を育てている低所得の家庭、特に一人親家庭であると思います。今、未婚の母子、父子家庭が非常に厳しい状況に税制面でもあるということを見ていただきました。中でも、子供の貧困対策として、例えば未婚家庭の所得税の控除を大きくするとか、寡婦控除と同等の控除を適用するとか、さらには低所得の子育て世帯全体に所得税の控除をもっと大きくするなど、子育てに重点を置いた税制面での具体的な検討が必要だと思います。総理のお考え伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは竹谷先生もう御存じのとおりですが、寡婦控除は、これは夫との死別とか離婚等々、家族の生計を支えていかなければならないという人に対して税制上の配慮を行うものでありますから、まあ簡単に言えば未婚の母には適用されていないと、まずこれが第一なんだと思いますが。 今お尋ねの寡婦控除につきましては、これは今年ですから平成二十八年度の与党の税制改正大綱において、これは家族の在り方にも関わる事柄なので、今問題になっております配偶者控除とか扶養控除との関係にも留意をしながら、これは夫との死別、離婚等々の事情に基づいて配慮ということなんでしょうが、制度の趣旨というのも踏まえながら、所得税のいろいろな控除の在り方等々につきましては、これは議論の中で検討を行おうということにされておりますので、与党における検討も注視しつつ、これは今年度末にかけてということになろうと思いますが、必要な検討を行ってまいりたいと考えております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 政府の立場として今財務大臣からお答えをさせていただきましたが、与党で今検討しておられますので、その検討を政府としてはしっかりと注視をしながら必要な検討を行っていきたいと、こう考えております。
○竹谷とし子君 子供という立場からすると、親がどういう事情で一人で育ててくれているかというのは関係がないと思います。子供の貧困対策という視点で、是非与党の中でもしっかりと議論をして考えていきたいと思います。 次に、統合失調症など精神疾患の患者様、御家族への支援について厚生労働大臣に伺いたいと思います。 うつ病、統合失調症、不安障害、認知症など精神疾患の患者さん、そして御家族、大変な負担を持ちながら生活をされています。 統合失調症のお子さんを持つ親御さんからお声をいただきました。統合失調症は、早い場合は中高生から発症します。最初は病名が分からず、病院を転々として月日がたってしまったそうです。早期に治療を始めれば症状が重度化することを抑えたり改善する可能性があるそうですが、相談窓口が保健所であるということがなかなか分からず、御苦労されたそうです。 確かに、厚生労働省のホームページを見ても、なかなか保健所や精神保健センターに行けばよいということが分かりにくいなということを私も検索をして感じました。例えば、精神疾患名をパソコンであるいはスマホで検索したときに画面の上の方に相談窓口の案内を表示するなど、できることはあると思うんです。 窓口の周知、そして御家族へのケアの充実に取り組んでいただきたいと思います。厚生労働大臣の御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 精神障害者やそれから御家族の皆様方からの精神疾患に関する相談窓口としては、全国四百八十か所の保健所、それから都道府県、それから政令市が設置をしております精神保健福祉センター、これ全国で六十九か所ございます。こういったところで保健師あるいは精神保健福祉士、PSWなどの専門職が対応を行っているわけでございますが、今御指摘をいただいたように、なかなか探しにくいという御指摘があることは私どもも認識をしているところでございます。 厚生労働省のホームページにみんなのメンタルヘルス総合サイトというのを設けまして、相談窓口の所在地、精神疾患の特性、活用できる支援策などに関する情報を掲載をし、その周知に努めているわけでございますけれども、なかなかたどり着かないという御指摘を間々受けるわけであります。 御指摘を踏まえて、精神障害者あるいはその御家族が相談窓口の情報にアクセスしやすくなるように、例えばこれ、メンタルヘルス総合サイトのトップページから相談窓口の一覧に直接すぐにリンクができるような、そんな工夫もしながら、各自治体に対しても同様な配慮をするように、私どもの方から積極的な情報発信を促さなければならないというふうに考えております。
○竹谷とし子君 中学生、高校生で精神疾患が発症すると、それまでと同様に学校生活を送るということが困難になってきます。 続いて、青少年の医療デイケアの充実について大臣に伺いたいと思います。 家にこもったきりになりがち、そして人と会わずに気分転換もしにくくなって、御家族の負担も大変増えていきます。学校に代わる居場所というものが中学生や高校生には必要だと思います。 東京国分寺市にある青少年の精神疾患を専門に診ているクリニックの併設の医療デイケア施設を視察いたしました。英会話教室が入っているような普通の商業ビルに開設されていて、明るくオープンな環境で、敷居が低い、通いやすそうな施設という印象を受けました。擦れ違った御利用者の方も大変明るく、挨拶を私と交わしてくださいました。そこでは、精神疾患を持つ青年の就労の準備にも対応をされていました。精神疾患は、患者が病気を受け入れて治療に協力的であるほど改善しやすいと伺いました。医療デイケアという形で、できるだけ緊張せずに自然な形で専門家と接し、グループワークなどで認知行動療法やボランティアを行ったりして気持ちを整えられる場所があるということは、症状の改善、治療に前向きに取り組む姿勢、御家族の負担軽減にも大変役立つと視察をして感じました。 しかし、余り青少年向けの医療デイケアは東京にもないということを伺いました。適切な治療と対処でそれ以上重症化させない、そして改善に向かうということは、御本人、御家族の生活の質を向上するとともに、長期的には医療費の低減にもつながります。財政上もメリットがあります。精神疾患を持つ青少年の医療デイケアの充実について、厚生労働大臣に伺います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今年の通常国会で、児童福祉法の改正をやる過程の中で一つ分かったことは、日本の医学教育の中で児童精神医学を教える時間というのが極めて少ないということ、そしてまた、児童精神医学の専門家の医師も極めて少ない、時間数にすると六年間で二十分しか教えないという説もあるぐらい少ないということでありまして、そういう意味で、今先生御指摘のようなこの青少年の医療デイケアなどについての配慮がこれからまだまだ課題があるということは、そのとおりだと思います。 精神科デイケアは、精神疾患をお持ちの方の症状の安定あるいは社会生活機能の回復などを目的とした効果的な外来治療の一つだということは明らかでありますけれども、このうち青少年に対するデイケアを充実させるには、医療従事者等が思春期における複雑な心の動き、それから就労への不安といった特性をよく理解をすることが重要であって、そういう意味で医学部での教育というのがもっともっと大事だということだと思います。 こうしたことを踏まえて、厚生労働省においては、医療従事者等に対して思春期における精神疾患の特性あるいは就労支援等についての研修を行っております。昨年度は二百九十九名を対象に実施をいたしまして、今年度も同等規模の研修を予定をしておりまして、医師、看護師等、医療職の皆さん方に対して研修を行っているわけでありますが、今後とも青少年が利用しやすい精神科デイケアが普及していくように引き続き取り組んでいかなければならないというふうに考えます。
○竹谷とし子君 是非よろしくお願いいたします。 自立支援医療、精神科通院医療費の公費負担、これ非常に助かっているというふうに言われました。しかし、年に一回役所に出向いて申請が必要になっています。これ、大体長く治療に掛かるので、毎年毎年行くのはそんなに必要がないんじゃないか、そう思いながら手続をされておられます。年一回ぐらいだったらいいじゃないかと思うかもしれませんが、重度の患者様を支える御家族からすると、それでも役所に年一回行くというのは大変な負担です。仕事を持っていればなおさらです。 マイナンバー制度で、所得や税金、住民情報、また健康保険情報が関係機関で共有できるようになると思います。御本人や御家族の負担を少しでも減らすために、自立支援医療の申請等の手続の簡素化をしていただきたいと思います。厚労大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 精神通院医療の申請手続について今御指摘をいただきましたけれども、通院医療が必要かの確認、あるいは世帯の所得状況に応じた自己負担の上限額の設定などが必要ということがあって、診断書あるいは課税証明書などの添付書類の提出を今求めているわけであります。 ただし、法令上、窓口となる市町村において証明すべき事実を住民基本台帳などの公簿等によって確認ができるという場合には添付書類を省略をできるということになっているわけでありますが、そういう意味では、例えば課税証明書などについては、マイナンバーの活用によって市町村で確認ができる場合があるというふうに思われますが。 こういったことで、実施主体であります都道府県等に対しまして、省略できる添付書類を更に明確に特定をして、その内容を幅広く住民に明示をしていくということを徹底していくようにすることによって、使われる方の負担をできる限り減らしていくということを更に努力をしてまいりたいというふうに思います。
○竹谷とし子君 続いて、食べられるのに捨てられている食品ロスの削減について伺います。 日本では、六百三十二万トン、魚介類の生産高と同じくらいの食品ロスが年間発生しています。大変もったいないことです。本年五月十八日に、公明党は調査を重ねてまとめた食品ロス削減に向けた取組を総理に申し入れました。提言を受けて政府としていかに対応しているか、消費者担当大臣に伺います。
○国務大臣(松本純君) 我が国で発生しております食品ロスは、世界全体の食糧援助量、約三百二十万トンでございますが、この約二倍の年間六百三十二万トンと推計されております。その削減は重要な課題であると認識をしているところでございます。 したがいまして、消費者基本法に基づく基本計画において食品ロスの削減を位置付けているとともに、食品ロスの削減に向けた関係省庁の様々な取組について、消費者基本計画の工程表において進捗管理を行っております。公明党からの御提言の内容につきましても、消費者基本計画工程表に可能な限り取り込み、消費者政策会議において七月十九日に決定をしたところでございます。 今後とも、工程表に基づき、関係省庁と協力し、食品ロスの削減に向けた取組を進めてまいりたいと存じます。
○竹谷とし子君 食品ロスは家庭から半分、企業から半分出ているというふうに言われます。企業では、小売段階で三分の一ルール、生産者から流通、小売に至るまでで三分の一ルールというのがあって、大量に、まだ期限が残っているのに捨てられているというものが発生しています。消費者に消費期限、賞味期限を短い商品を積極的に買ってもらえる取組ができれば、売れ残りも減り、また三分の一ルールももっと長くしていくことができます。 私たち消費者は、スーパーやコンビニでついつい日付が新しいものを求めて、一番後ろから取ってしまいます。それを手前から取っていってもらえるようにするとすごく助かる、コンビニのオーナーさんが言っていました。そうすると利益が増えるわけです。それを従業員の方の賃金にも回していける。今、政府が目指す生産性の向上ということにもつながるわけであります。 私たち消費者が、今日食べるんだったら期限が近くても大丈夫だから棚の前から買おうじゃないかという寛大な気持ちになればいいわけですが、何かインセンティブがあるともっといいと思うんです。そうした取組をできるように、参加できるように消費者の背中を押す取組があればと思うんですけれども、農水大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(山本有二君) 先生御指摘のとおり、食品ロスの削減を図るためには、食品を扱う事業者における商慣習の見直しに加えまして、消費者に食品ロス削減の意義を御理解いただくことが大切でございます。また、その際には、国、地方公共団体、食品を扱う事業者、またそれを買う消費者等が様々な連携をして取り組むことが必要だと認識しております。 このため、農林水産省におきましては、消費者への啓発が進みますように、平成二十六年度に、食品流通業者と連携して、期限の近づいた商品を買い求めやすい価格で提供し、食品ロス削減に貢献する取組、もったいないキャンペーンを複数の小売店舗で実施してきたところでございます。このほか、地方公共団体、特に東京都では、つれてってキャンペーンあるいはフードレスキューキャンペーンというようなことも鋭意事業を行っておられます。 今後、こうした取組の効果も検証しつつ、幅広い関係者と連携しながら、消費者に対する効果的な啓発に取り組んでまいりたいと考えております。
○竹谷とし子君 公明党でもプロジェクトチームをつくって調査検討を重ねております。 欠品ペナルティーというものがあって、小売が強くて、生産者側、流通側が欠品するとペナルティーがあるので多めに作って入れなきゃいけない、そういうような商習慣もあるというふうに伺っております。様々な視点からこれをなくす取組というのをやっていく必要があると思っております。今後も是非、農水省もまた消費者庁も協力をして推進をしていっていただきたいと思います。 続いて、高齢者の方々の活躍について伺います。 政府の調査によると、六十歳以上の方で働く意欲があるという方が仕事をしている割合は二割程度にとどまっています。世の中全体が人手不足の状況で、お元気な高齢者の方々に活躍していただくことができれば、人手不足も解消に向かって、所得が増えて、消費にそれが回っていけば経済が活性化して、大変有り難いことです。 ハローワークでは生涯現役窓口を設置して七割の方が就業に結び付いていると聞きました。マッチング機能を更に高めて、高齢者の方々にもっと活躍していただける可能性があるのではないでしょうか。もっともっと力を入れていくべきと思いますが、厚労大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 極めて大事なことだと思います。特に、労働人口が減っていく中にあって、生き生きとした高齢者が頑張って働いていただくということは大変いいことだと思いますが、年齢に関わりなく活躍できる生涯現役社会、この実現が当然重要なわけでありますけれども、このことは、今後我が国の人口が減少し、労働人口も減っていくという予想の中で、成長力を確保するためにも極めて大事な課題だと思います。 全国の主要なハローワークに高齢者の方を重点的に支援をいたします生涯現役支援窓口というのを設置をいたしまして、本人の意欲と能力に応じた職業相談あるいは職業紹介を行っているところでございます。高齢の求職者の利用が多いハローワークには今年度から高齢者向け求人開拓を行う専任スタッフを置くことといたしまして、再就職支援を強化をいたしたところでございます。さらに、平成二十九年度概算要求におきましては、生涯現役支援窓口の機能強化に関する予算を盛り込んでいるところでございます。 このような施策を講じながら、今後とも高齢者の再就職支援に一層の努力を続けてまいりたいと思っておりまして、これから、この今の生涯現役支援窓口の増設につきましては、来年度に向けて三十か所増やそうということにしておりますし、また、その専任のスタッフの方についても三十人から百十人に増やすというようなことで頑張っていきたいと考えているところでございます。
○竹谷とし子君 最後に、地方創生、離島振興に関連して財務大臣に伺いたいと思います。 東京都の青ケ島、御蔵島、行ったことありますか。鹿児島県の三島村など人口の小さな地域で、特産の芋など原料を使って希少な焼酎や原料アルコールを造りたいという御要望があります。地域の特産をつくって観光の呼び水にして村おこしをしたい、所得向上にもつなげたいという思いです。しかし、最低生産数量が法律で定められており、実現には規制緩和が必要です。是非来年は実現したいと、島の方々が今か今かと待っておられます。 内閣府から特区申請が出ていると思いますが、酒税法の所管の財務大臣にお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のように、お酒というものは最低生産数量というのが十キロリットルでしたかね、たしかそういう具合に決められているはずだと思いますが、お酒をいただくと酒税もいただく関係もございまして、これはなかなかいろいろあるんですけれども、いずれにいたしましても、内閣府の国家戦略特区内で焼酎とか原料用アルコールを製造する場合においてはということで、酒類の製造免許を付与する際の、今言われました最低製造数量要件というものを緩和しろという話が今提出されてきております。 これは、製造コスト、掛かりますコスト、コストを回収して、その上で採算が取れる程度の、ある程度の規模の業者に限って酒類の製造免許を認めるという趣旨で設けているんでして、先ほど申し上げましたように、酒税を頂戴するということにも関係するんだと思いますが、いずれにいたしましても、今後の税制プロセスの中で、今申し上げたような制度の趣旨も踏まえながら、地方創生という一つの大きなお題目というのがありますし、そういった地域に住んでおられる方々というののおかげでそこは無人島にならずに、いろんな問題が起きない、ましてや国境に接しておる無人の町、無人の島などというものに関しましてのこと等々いろいろ考えますと、これは特区制度の枠組みなどを考慮して検討させていただきます。
○竹谷とし子君 想像以上の前向きな御答弁をいただきました。ありがとうございます。 私の質問を終わります。
○委員長(山本一太君) 関連質疑を許します。平木大作君。
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。 私の方からは、残りの時間を使いまして、日本の年金制度について何問かお伺いをしていきたいというふうに思っております。 この年金制度、日本の年金というのは、基本的には世代間の支え合いで成り立っている制度でございます。ですから、この年金を議論するときには、当然これは、今受給されている世代の方たち、この方たちの安心感につながるのと同時に、支え手になってくださっているこの若い世代の方たち、この方たちの納得感につながって、きちんとその制度の中に参加していただく、この視点が大変重要なわけであります。 今国会、大変、これ衆参の両院におきまして予算委員会、この年金の議論、今活発に行われておりますけれども、どうしても、今拝見していて、とても細かいところに入っていって、しかもそこが誇張されて議論されてしまっている。年金の知識のない方にとっては大分分かりにくい議論になってしまっているんじゃないか、こういう懸念を持ちました。短い時間でありますけれども、ちょっとこの全体像も含めて御理解いただけるような、そんな議論にしてまいりたいというふうに思っております。 まず、じゃ、全体像というところなんですが、資料一を御覧いただきたいと思います。(資料提示)結局、この年金制度をきちんと持続可能なものにしていくためには、この今図の中でも示させていただいておりますが、左側の財源と右側の給付というところをきちっと、このてんびんをバランスさせていかなければいけないわけですね。 このてんびんの上には四つの項目が並んでいまして、まず右側、ローマ数字のⅣは、これ年金額のところなわけであります。年金、当然たくさんもらえれば、これはもらえるにこしたことはないわけでありますけれども、これはてんびんの左側であります財源の範囲内でしか当然給付することはできない。そして、じゃ、給付を支える財源にはどういったものが乗っているかというと、まず一番目が年金保険料、二番目が国庫負担、つまり税金ですね、そして三つ目がいわゆる給付せずに積み立てている積立金、この三つなわけであります。 ですから、例えばもしこの年金の給付をしっかり手厚くしたいということであれば、まず真っ先にやらなければいけないのは、じゃ財源どうするのかと。このⅠ、Ⅱ、Ⅲをどうやって、これ御負担に基本的にはなっていくものでありますから、これを手当てするのかということを考えなければいけませんし、逆に、財源はもういじれないなということになったときには、これは給付の在り方というものにも影響してくる。 そして、忘れてはいけないのが、この現時点でこれをバランスさせればいいということだけではなくて、年金制度というのは長期にわたって、将来にわたってこれ維持していかなければいけないわけでありますから、もう一つ議論の軸がありまして、この四つの項目が、そもそもバランスが現時点のことを語っているのか、将来のことを語っているのか、こういうことを、そもそも今どこを議論しているのかなと分かっていただかないと、なかなか年金の議論には、恐らく今日、中継見ていただいている方も付いてこれないというふうに思います。 現在の年金の制度は、あの平成十六年、二〇〇四年の年金大改革を経てでき上がったわけでありますが、その改革の眼目って一体何だったかというと、これ端的に言えば、冒頭申し上げたように、今の年金受給世代の皆さんに安心していただくのと同時に、支え手である若い世代の皆さんにもきちんと納得をしていただけるような、そういうものにして、将来世代にも責任を持ってやっぱり引き継いでいかなければいけない、そういう制度設計をあのときにしたわけであります。そして、設計も大事なわけでありますが、その後きちんと、これ大丈夫なのかということで、五年に一度ずつこれは制度を検証するんだと、こういう形でこれまで年金を運用してきたわけですね。 この年金に関して今国会で俎上に上っている法案が基本的に二つございます。私の理解でいきますと、基本的には、このてんびんの中でいくと主に給付について様々重点がある法案が二つ並んでいるというふうに考えております。 まず一つ目が、年金の受給資格期間、これをこれまで二十五年だったものを十年に短縮するという法案でありまして、公明党としても何としてもこれを実現していただきたいと政府に再三申し上げてきたわけでありますが、これが、仮にこの法案が通りますと、今無年金であります高齢者の皆様は六十四万人、ここに年金をお届けできるようになるというわけであります。 そして、継続審議となっているもう一つ法案がありまして、二つ目が年金改革法であります。これも今様々議論を呼んでおりますけれども、そのコンセプトは何かというと、若い世代の皆様が将来受け取る年金をきちっと守っていくための私は法案であると思っておるわけであります。 ここでお伺いしたいんですが、改めて、この今後の年金制度において、今の高齢者の世代の皆さんと、そして若い世代の皆さん、現役世代の皆さん、この双方の安心と信頼、この二つの法案でどうやって築いていくのか、見直しの意義や内容について総理から分かりやすくお答えいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま平木委員が御指摘になった点は非常に重要な点でございまして、年金というのはそもそも、そこに書いていただいているように、支え手と受け手側でありまして、賦課方式によって積立金と保険料とそして税金から成っているものでございまして、それ以外には魔法のつえはないわけでございます。これ、みんな、なるべく年金額は増やしたいと思っておりますし、保険料はなるべく下げたいと思っておりますが、しかし、それはバランスの中でお互いに納得できる持続可能な仕組みにしなければいけないということだろうと思います。 平成十六年の改革が、まさに平木委員が御指摘になったように持続可能なものにすると。それまでは五年ごとに年金を再計算をしていく、そして出生率が高位推計、中位推計、低位推計とあったんですが、中位推計を中心に計算をしているんですが、大体これは低位推計になって予測が変わって、そしてまた、そのために法律を改正しなければいけないということで、年金に対する信頼が毀損されている危険性があったものでありますから、マクロ経済スライドという新しい考え方を入れまして、平均寿命と年金を支払っている加入者の人口等を加味しながらこれを給付に反映させていくという仕組みを新たに入れたところでございます。 今回の改正も、より持続可能性を確保すると同時に、細部に目配りをしながらの対応としたところでございまして、一つは、今、平木委員が御指摘になったように、これは公明党も強い主張をしておられたところでありますが、年金の受給資格期間の短縮であります。 現在の法律では消費税率一〇%への引上げ時に行うこととされておりましたが、無年金の問題は喫緊の課題であることから、できる限り早期に実施すべきであると判断し、今国会に関連法案を提出をいたしました。この受給資格期間の十年への短縮で新たに六十万人を超える方々が年金受給権を得ると見込んでおります。また、納付した年金保険料を極力給付に結び付けることにより国民の年金制度に対する信頼を一層高めることができると、このように考えました。 次に、現在継続審議中の年金改革法案は、まさに将来世代の給付水準の確保を図るため、中小企業の短時間労働者への被用者保険の適用拡大、そしてまた国民年金の産前産後期間の保険料免除、そして年金額改定ルールの見直しなどを内容としているものであります。 この年金額改定ルールの見直しに当たっては、低年金の方にも十分に配慮をし、先ほど御説明をいたしましたマクロ経済スライドは、未調整分を繰り越して好況のときに調整する仕組みを導入するものの、前年度よりも年金の名目額を下げない配慮措置を続ける。 これはちょっと分かりにくいかと思いますが、マクロ経済スライドというのは、これはインフレによって、例えば一%インフレ率が上昇しましたよ、しかし、先ほど申し上げましたように、平均寿命と年金を支えている方々の人口比を加味した数値によって、例えば〇・九であれば、一%上がっても〇・九は調整させていただきますよというものであります。そして、それが十分にそれを発揮、発動できないものはキャリーオーバーをしていくんですが、このキャリーオーバーをマイナスにはしませんよと。年金額をこのキャリーオーバーによってマイナスにはしませんよということも含める措置をするわけでありまして、前年度よりも年金の名目額を下げない配慮措置を続けるということになっております。 また、賃金の動向に見合った年金額の改定は、低年金、低所得の方に対する最大月五千円の福祉的な給付を平成三十一年十月までにスタートした後の平成三十三年度から実施することとなっております。 これは、今まさに議論になっております、インフレ率がプラスであったとしても賃金が下がった場合はその賃金に合わせて下がっていくというものでございますが、これはまさに平木委員がおっしゃったように、これをやりませんと将来世代、こういう状況が常に起こるとは限りませんが、こういう状況が起こらないように経済運営をしてまいりますが、万が一こういう状況が起こったときに、これを行いませんと将来受給する世代の基礎年金の方々の所得代替率が低下をしてしまうということが起こってくるわけであります。 事実、我々、特例水準ということで、マクロ経済スライドが発動されなかったがために、言わば本来よりもより以上の年金を、本来の制度よりもより以上の年金をお支払いしていたがために、このマクロ経済スライド調整が長引いてしまいまして、かつ、基礎年金のところにおきましては所得代替率が落ちた、これを繰り返さないようにしよう、我々この責任を果たしていこうという改正を行い、そして持続可能なものにするものであります。 しかし同時に、今申し上げましたように、低年金の方々に対しましては、これを実行するときには消費税が一〇%に上がっておりますから、年間六万円の給付は行えますよということと併せて実行するということは申し添えたところでございます。 もとより安倍政権では、デフレ脱却、賃金上昇を含む経済の再生に全力で取り組んでいることから、賃金が下がり、それに応じて年金が下がるということを前提としているわけではないが、非常に長期にわたって、これ非常に長期にわたって運営されるわけでありますから、持続可能なものにしていくためにあらゆる事態に対応できるものにしていきたいと、こう考えているわけであります。支え手である現役世代の負担能力に応じた給付を行う仕組みにしておく必要があると、こう考えたところであります。これによって世代間の公平性が確保され、年金制度に対する若い世代の信頼を勝ち取ることができると、このように思う次第でございます。 今日も限られた期間でございますので十分に御理解いただけるかどうかということはありますが、年金の仕組みは大変複雑なものではございますが、できる限り分かりやすく説明をしていきたい。 いずれにいたしましても、年金改革全体を見ていただきまして、何のための改正かということが重要でございまして、細部だけを拡大して見ればかえって年金の信頼性を危うくすることになってしまうと、このように考えている次第でございます。
○平木大作君 今総理から大変詳しく説明していただきました。 特に、この年金額の改定ルールの変更でありますけれども、ここについては、この図の中でいくとまさに給付のところで、現在、といっても平成三十三年度からなわけでありますが、現在の給付をいざというときには調整する、でもそれは今度は将来の給付の部分をしっかり手当てするためだという形で今御説明をいただいたわけであります。 少し、残りの時間、財源についてもお話をしていきたいと思います。左側でありまして、もう一枚、資料二の方を御覧いただきたいんですけれども、この平成十六年度の改革以降、将来世代にきちんと年金制度をつないでいくためにこの財源の充実ということにはこれまでずっと取り組んできたわけであります。 もう簡単に申しますと、一の年金保険料、それまででしたらどんどん青天井で上がっちゃう制度だったわけですが、ここにきちっと上限を設けて、今まで段階的に上げてきた。もうこれは来年度で終わりますから、ある意味手当てが済んでいる。そして、二つ目の国庫負担、これについても以前は三分の一だったものを二分の一に手当てが済んでいるわけでありまして、この三つ目の積立金、これをどうするかというわけであります。 この積立金って何かというと、これは百年という大変長い期間にわたって将来世代に給付ができるように安全かつ効率的に運用する、こういうふうに法律でも定められているわけでありまして、じゃ、何が安全なのか、効率的なのか、ここが今議論になっているわけであります。 報道でも、今、国会で、この積立金の評価損益が四半期で増えたとか減ったとか、そういうところにばかりちょっと注目されてしまっているわけでありますが、一つ申し上げておきたいのは、高齢者の皆さんが私の年金が減っているじゃないとおっしゃるんですが、積立金というのは、そもそもこれ、本格的に取崩しを行うのは二〇四〇年以降なんですね。つまり、どちらかというと今の現役世代の皆様の年金をどう準備していくかという、その長期の観点から運用をしているのが積立金であります。 一昨年のこの基本ポートフォリオを変更した、国債の比率を減らして株式を増やしたということでありますけれども、これで不安を感じている国民の皆様もいらっしゃいます。 最後に、このポートフォリオの変更、どういう問題意識で行われたのか、また、どのようなリスクを減らす、そういう意図があったのか、見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘のように、年金積立金の運用というのは、この年金の制度からしても、やはり長い目で、長期的な視点で安全かつ効率的に行うことが重要だということであります。 株式や国債といった各資産は、それぞれ資産としての特性とかリスクがあって、単一の資産で運用するよりも複数の資産を適切に組み合わせるということが大事で、これを分散投資というわけでありますけれども、全体としてのリスクを抑えながら分散をする、年金財政上の必要な利回りをしっかり確保すると、こういう考え方でございます。 国内債券だったら安全じゃないかと言う方がおられますけれども、これは、実は現在、歴史的な低金利の状況にあって、デフレから脱却をし、物価が上昇していく局面を想定をいたしますと、むしろこの国内債券運用は金利上昇によって保有債券の価格が下落をするというリスクも同時に抱えているわけでありまして、このことも含めて、一昨年十月の基本ポートフォリオの変更は、こういった想定の下で、国内債券に偏っていた従来の基本ポートフォリオから……
○委員長(山本一太君) 時間が終了しておりますので、短くおまとめください、塩崎大臣。
○国務大臣(塩崎恭久君) 株式等への分散投資をより進めて、長期的に見て年金財政上必要な積立金を下回るリスクを少なくするために行われたと。したがって、適切な見直しであったというふうに理解をしているところでございます。
○平木大作君 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上で竹谷とし子君及び平木大作君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、辰巳孝太郎君の質疑を行います。辰巳孝太郎君。
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。 今日は、リニア中央新幹線についてお聞きします。 今世紀最大のプロジェクトと言われているのがリニア新幹線であります。時速五百キロ、東京―大阪間を六十七分で結ぶ夢の超特急だと言われております。バラ色のように描いておりますけれども、しかし、事業そのものの必要性、採算性などに大きな疑問があります。私は国会で何度もこのリニアの問題を取り上げてまいりました。 かつて、英仏共同開発でマッハ二という超音速機コンコルドが巨額の費用をもって開発をされたことがありましたけれども、これは結局頓挫いたしました。ドイツにもリニア計画はありましたけれども、結局、経済性や環境への影響を無視できずに議会が英断をして中止をいたしました。日本のリニアも同様、電気消費量が東海道新幹線の三倍以上、リニア単体ではペイしないとJR東海自身が認めているほど採算性に乏しいわけであります。 また、安全面での不安も大きくて、南アルプスという日本有数の山岳地帯に穴を空け、都市間の移動時間を短縮するためだけに、例えば糸魚川―静岡構造線など、マグニチュード七を引き起こす活断層帯を七つも回避せずに突っ切るというものであります。 こういった懸念は私だけではありません。(資料提示)環境大臣は、二〇一四年にこのJR東海の環境アセスを審査し、意見を国交大臣に送付をしております。環境大臣、主なもの、水量や電力消費も含めてどういったものか述べてください。
○国務大臣(山本公一君) 平成二十六年六月に提出した環境影響評価書に係る環境大臣意見では、本事業は、その事業規模の大きさから、本事業の工事及び供用時に生じる環境影響を最大限回避、低減するとしても、なお相当な環境負荷が生じることは否めない。本事業により、地下水がトンネル湧水として発生し、地下水位の低下、河川流量の減少及び枯渇を招き、ひいては河川の生態系に不可逆的な影響を与える可能性が高い。現在我が国があらゆる政策手段を講じて地球温暖化対策に取り組んでいる状況下、これほどのエネルギー需要が増加することは看過できないことなどに触れて、これらについて十分な環境保全措置を求めています。
○辰巳孝太郎君 このほかにも、環境大臣は、発生残土、希少動植物の生息地、大気汚染、騒音・振動対策等、本事業の実施に伴う環境影響は枚挙にいとまがないと、ここまで言い切っているわけであります。これがリニア新幹線の持つ顔だということで、私たち日本共産党はリニア建設そのものに反対をしてきたわけであります。 さて、そもそも新幹線というのは、通常ですと、国のプロジェクトとして整備をされてきました。しかし、この中央新幹線は、事業主体は国ではなくてJR東海となりました。 国交大臣に確認をいたします。国が中央新幹線の整備計画を決定できなかった理由、そしてリニアは全てJR東海が自己資金で建設することが条件で認可をされた、これを確認したいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) これまでの新幹線整備につきましては、全国新幹線鉄道整備法に基づきまして昭和四十八年に整備計画が決定をされました整備新幹線につきまして、政府・与党の申合せに基づき順次進めてまいりました。現在も北海道新幹線、北陸新幹線、九州新幹線西九州ルートの三区間の整備を行っておりまして、また北陸新幹線、敦賀―大阪間の整備も課題として残されております。 一方、中央新幹線につきましては、山陰新幹線や四国新幹線などの路線とともに、昭和四十八年に基本計画路線として位置付けられた路線であります。整備計画路線を確実に整備することが最優先の課題であることから、これらの基本計画路線についてはその後の議論とされておりました。 そういった状況の下で、中央新幹線の整備につきましては、平成十九年十二月にJR東海が今後は自己負担を前提に手続等を進めると表明したことを踏まえまして、整備計画に向けた手続が進められることになりました。 具体的には、平成二十二年に交通政策審議会に対して中央新幹線の営業主体及び建設主体の指名並びに整備計画の決定についての諮問を行いまして、二十回にわたる審議会での議論を経て、平成二十三年に答申が取りまとめられ、これに基づき、JR東海に対し建設主体、営業主体の指名を行うとともに、整備計画の決定及び建設の指示を行ったものでございます。
○辰巳孝太郎君 要するに、元々国は中央新幹線はお金を入れて造る気はなかったということであります。そして、国はJR東海には資金援助はせずに、そしてJR東海もその資金援助は求めることなくと小委員会に対して資料を提出して、JR東海が自己資金で貫徹をするからこそ認可をされた、これがリニア新幹線であります。 ところが、政府は今リニア新幹線に三兆円もの財政投融資という公的資金の投入を進めようとしております。これ、明らかな支援ではないですか。 総理、どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、このリニア中央新幹線については、現下の低金利環境を生かした財投の活用によって、大阪までの全線開業を最大八年間前倒しをして整備効果を早期に発現させていくことを目的としているわけでございます。 かつてはこんな低金利ではないわけでありますから、JR東海としてはそれはもう自己資金でいきますよということを考えていたわけでございますが、公的な融資といえども今よりは金利が高かったわけであります。しかし、現在はこの低金利の状況が出現をし、かつ八年間前倒しをすれば、今申し上げましたように、その効果が出てくると。これは利便性がはるかに高まり、経済の生産性を高めていく効果もあるだろうと、このように思うわけでありますし、全線が開業されれば、三大都市圏が一時間で結ばれて、人口七千万人、巨大な都市圏が形成されるわけでありまして、国土構造が大きく変革されまして、成長力の全国への波及により日本経済全体を発展させていくものだと、このように考えているわけであります。
○辰巳孝太郎君 総理は私の質問には答えておりません。 このリニアの事業認可というのは、そもそもがJR東海が全て自己負担で貫徹する、これで認可をされたわけでありますけれども、三兆円もの財政投融資は支援ではないか、このことにははっきりとお答えはしなかったわけであります。 これ、JR東海のメリット、これ今回の財政投融資で大層なものになると思いますけれども、国交大臣、どういうメリットがありますか。
○国務大臣(石井啓一君) その前に、前のちょっと御質問に補足して申し上げたいと思いますけれども、今般の財投活用は、交通政策審議会において確認をされましたJR東海の自己負担での事業遂行能力を前提としつつ、総理から答弁申し上げましたとおり、現下の低金利状況を生かして、財政投融資を用いることによりリニア中央新幹線の全線開業を最大八年間前倒しをするものでありまして、開業効果を早期に発現させるということを政策目的として貸付けを行うものであります。 貸し付けた財投資金はJR東海より利払いもされ、元金も全額償還されるものでございますので、全額自己負担の前提が変わるものではございません。すなわち、JR東海の経営支援を目的とするものではないということでございます。 冒頭申し上げましたように、これによりJR東海は、品川―名古屋間開業後、名古屋―大阪間の工事に速やかに着手することとしておりまして、大阪までの全線開業を前倒しをする、このことが最大のメリットだというふうに思っております。
○辰巳孝太郎君 今回の融資の条件というのは、これ四十年の財投債なんです。しかも、そのうち三十年間は返済の猶予がされるという、これ破格の条件なんですね。 これ総理、ちょっと聞きたいんですけれども、超低金利だといいます。しかし、この四十年債を三十年間据置きで、しかも低金利の固定金利、固定でやると。これがどういった意味を持つのか。これ、もし景気が良くなっていけば、安倍政権の下ではいつになるのか分かりませんが、金利は上昇するでしょう。そうなれば政府が払う財投債の金利も上がるでしょう。しかし、JR東海は、これ四十年固定金利ですから、超低金利のままであります。もらう利息より支払う利息が多くなり、結局その穴埋めが国民負担になるおそれがあります。また、裏を返せば、JR東海にとっては、そのときの市場金利より低い金利で多額の資金を借り続けられることになるわけであります。 総理、そうなれば、これはもう利益供与じゃないですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的なところが少し、インプットが少し違っておられるんだと思いますが、今般の経済対策においていわゆる総額約三兆円という、リニアに対してのいわゆる貸付総額約三兆円というのを考えておりまして、一・五兆円は二十八年度の補正において貸し付けることといたしております。 貸付期間については四十年以内、据置期間は三十年以内としておりまして、その後十年掛けて元本を均等に償還していくことになっておりますので、財投の貸付金利は実際の貸付日によって適用される金利は異なりますから、当然のこととして現時点で決まっているわけではありませんが、仮に十月十三日以降に適用されます金利水準を基に、今般のリニア中央新幹線に貸し付ける貸付けにおいて適用される金利を算出すると〇・六ぐらいになるんだと思いますが、これはずっと固定されておりますので、変動するわけではございません。
○辰巳孝太郎君 ですから、答えていないわけですよ。それは分かっているんです。 麻生大臣、今おっしゃいましたけれども、〇・六という数値がありました。それが一体どれぐらいの数値になっていくのか、これがもし金利がどれぐらい上がれば国民負担としてどうなっていくのかという資料を改めて要求したいと思います。 これ、財政投融資改革というのがありました。この財政投融資は、赤字国債や建設国債とは違って、これバランスシートに載ってきません。かつて第二の予算とも呼ばれ、九〇年代には社会保障費の二倍にも膨らみました。不要不急の大型開発などに使われ、国民からのばらまきだなどとの批判もあり、財投改革と称して縮小されてきた経緯があるわけであります。 この財投改革、これ、財投は事業の償還確実性の精査、政策コスト分析の導入、情報開示の徹底などを行うことが大前提だと思いますけれども、大臣、どうですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 重ねて申し上げますが、調達金利が固定されておりますので、三十年債も四十年債も金利がどうたらって変わるということはないという前提でちょっと話を聞いておいていただかないと話が、何となく逆転するかのごとき話を、話をあおらんどいてください。 財政投融資につきましては、平成十三年度に抜本的な改革が実施をされたのは御存じのとおりです。具体的には、御指摘のとおり、郵便貯金、年金積立金の預託義務の廃止、償還確実性の精査、民業補完を踏まえ、必要とされる資金を財投債により調達、政策コスト分析の導入や財投機関を含めた情報開示の徹底などが実施されたと。御存じのとおりです。 財投改革以降、資産、負債の圧縮を図るとともに、民業補完の原則の下、対象事業の重点化、効率化に取り組んできたのは御存じのとおりでして、その結果、フローで見ますと、改革前の平成十二年度の三十七・五兆円から二十八年度では十三・五兆円に減ってきております、財投計画規模。ストックで見ましても、平成十二年度では四百十八兆円から平成二十七年度末には百五十四兆円まで縮小をいたしております。 そういった意味でありますし、また、いわゆる償還ということに関して言わせていただければ、少なくとも、JR東海の財政収入等々を見ますと、経常利益で見ましても年間四千九百億円の経常利益が平成二十七年度で出されておりますので、少なくとも、JR東海が赤字のリニアモーターを抱えても、私どもが貸し付けます三兆円の金に関しまして、その四千九百億の中から十分に調達可能、返還できるだけの、償還されるだけのものが確保されていると理解していただけてよろしいんじゃないでしょうか。
○辰巳孝太郎君 大臣、今、リニアの事業そのものは赤字になるということをお認めになったと思いますね。 じゃ、償還の確実性がどのように精査されたのか。財投に当たっては、この事業費の規模こそが私は問題だと、重要だと思います。 JR東海は、リニアの建設費を名古屋までが五・五兆円としております。大阪まで合わせますと九兆円。これがこの償還の確実性の前提になります。しかし、本当にそれで済むのか。過小な見積りで進めたこれまで数多くの公共事業や大型開発が失敗をしております。二〇二〇年東京オリンピックに向けた国立競技場などは典型であります。 パネルを示しましたけれども、過去の新幹線事業でも認可時と、最終額はこれ跳ね上がっているわけであります。リニア新幹線の積算額は妥当なものなのか、公的資金を投入するというなら政府は確認をする必要があります。 ところが、驚くべきことに、本村伸子衆議院議員の先日の質問で、この採算性や事業費の見積りの妥当性、償還の確実性を、通常の財政審、財政制度等審議会を二度開催して意見を聞いて確認するプロセスはやらずに、政府は持ち回りの説明だけで済ませていたということが明らかになりました。これでは償還確実性を精査したことにはなりません。 大臣、本当に名古屋までで五・五兆円で済むということをどうやって確認したんですか。
○国務大臣(石井啓一君) 今パネルでお示しをいただいておりますけれども、例えば上越新幹線の場合は工事実施計画認可時点と比べて最終的に三・五倍に大きくなっていますが、これは昭和四十六年当時なんですね、工事実施計画というのが。その後、昭和四十八年、五十四年と二度のオイルショックによる物価高騰がございました。それが、増加した要因の約半分はそういった要因でございます。 そのほか、トンネルの地質不良による工法変更等々がございますけれども、必ずしも全部の新幹線が実施計画認可時点で、最終額が増えているというわけではございませんで、例えば直近の事例で申し上げますと、東北新幹線の中でも八戸―新青森間、これは平成十年に認可をして開業が二十二年でございますが、当初事業費は四千七百億円でございましたが、最終額は四千五百四十七億円、最終額の方が減ってございます。 また、九州新幹線、新八代―鹿児島中央間、これは平成三年に認可をいたしまして平成十六年に開業いたしました。当初事業費は六千四百一億円でしたが、最終額は六千二百九十億円ということでございまして、必ずしも整備新幹線が当初の事業費と比べて高額になるということではございません。 品川―名古屋間につきましては、工事費につきましては、これ工事実施計画認可時点で私どもの方が審査をしているところでございます。
○辰巳孝太郎君 質問に大臣、答えていただきたいんです。 二〇一四年の工事認可計画、この認可で確認をしたと言っております。それでは、この認可計画、一体幾らになる、そして整備計画の決定のときには名古屋まで幾らになる。それぞれお答えください。
○国務大臣(石井啓一君) 工事費として認可をいたしましたのが、合計、これは品川―名古屋間の二百八十五キロですが、これが四兆百五十億ということでございます。これが工事費ということでありまして、参考で、そのほか車両費等々を含めて五兆五千二百三十五億ということがJR東海から示されているところでございます。
○辰巳孝太郎君 これ奇妙なことに、二〇一一年と二〇一四年の段階で工事費の積算、予算額というのは、これほとんど変わっていないんですよ。五・五兆円なんです。この二〇一一年に計算したときの基となるデータというのは、これ二〇〇八年のものなんですね。仮にこの二〇〇八年の積算の金額が二〇一四年の認可のときに使われていたとすれば、私はこれほどずさんな計算はないと思いますよ。 実際、今日パネルに持ってきましたけれども、二〇〇八年と現在、二〇一六年ですから、比べますと、公共工事設計労務単価、いわゆる人件費ですね、これは三三%も値上がりをしているんです。二〇一一年の東日本大震災によって日本全国の公共事業が、工事単価、これはもう値上がりをしているというのは、これはもう常識なんですね。 財務省、これちゃんと確認したんですか。二〇一六年、この財投の投資の段階で、決定をする段階で、本当に名古屋まで五・五兆円で済むのかどうか、全体九兆円で済むのかどうか。これ財務省、確認したんですか。
○国務大臣(麻生太郎君) あの品川―名古屋間の工事計画の認可に際しましては、これは国交省において工事費の内容や考え方について確認し、妥当であると判断をしておられるということだと思っております。 また、現時点において工事費の増加が予想される状況が生じているというのは聞いておりませんので、JR東海によって着実に整備が進められていくものと考えていると、国交省からさように聞いております。 また、いわゆる鉄運機構につきましても、これは毎年定期的にモニタリングを実施しておられますので、事業の進捗状況やその把握を行っておられるのであって、必要に応じてJR東海に対して指導、助言等は行っていきたいとは考えております。
○辰巳孝太郎君 結局、確認していないということですよ。工事費の高騰の状況は生まれていないと言いますけど、これはもう本当に常識とは懸け離れていると思います。 既にJR東海は昨年から今年にかけて幾つかの工事区間の発注を済ませてゼネコンと契約をしております。認可前の算定がおよそ正しいものなのか、それとも甘いものなのか、今となっては甘いものなのか、それぞれ一体幾らで契約したかを確認すれば分かります。 国交省、それぞれ幾らですか、金額公表できますか。
○国務大臣(石井啓一君) 公共工事の場合は、工事の入札や契約等に関する情報は関係法令に従って公表することとされておりますが、民間企業であるJR東海が行う工事は公共工事には該当しないため、JR東海は工事の契約金額を公表しておりません。 なお、JR東海によれば、個別の工事の予定価格が推定されると今後の契約に影響があるため、契約金額については公開していないとのことでございます。
○辰巳孝太郎君 三兆円もの公的資金入れるのに公表しないなんてあり得ないじゃないですか。それこそが問題なんですよ。 二〇一五年、品川駅の本体工事が入札不調となりました。これJR東海が示した金額よりもゼネコンの応札金額が高かったからではないかと言われております。一鉄道事業に三兆円というのはかつてない規模であります。公的資金である財投を入れる以上、本当に五・五兆、名古屋まで、済むのか、全体九兆円で済むのか、お金を貸す方が、財務省が、政府がこれちゃんと精査するのは当然であります。将来金利上昇となれば国民負担のおそれも出てくる。これが財投であります。これでは償還の確実性の検証もなく、融資を決定したのも同然であります。 一九九七年、財投の抜本的改革について資金運用審議会懇談会がまとめた文章が財務省のホームページにも掲載をされております。財政規律の問題としてこう書かれております。 政策コストを十分に分析しないままに融資という手法が用いられたため、結果として後年度の負担の増大を招いたと考えられる。今後、財政投融資が景気対策などのために安易に利用されることがあってはならず、また、このことは、将来の財政負担を抑制し、財政の健全性を確保するという点からも重要である。 総理、今回、景気対策、成長戦略という名の下に、大型公共事業のばらまきに財政投融資を活用しようというのが安倍政権じゃないですか。全く反省ないんじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、このJR東海の経営支援を目的とするものでは全くないということは最初に申し上げたとおりでございます。 そして、財投を投入することによって、何かこれは財政負担が国民の中に生じるかのごとくの御議論をされておられますが、先ほど麻生総理から説明をさせていただいたように、三十年債、四十年債の調達金利と、それも固定でですね、その調達金利とJR東海からもらう金利は同じですから、将来金利が変わっていって、将来金利が変わっていって、その分が我々が負担になって差額が出るのであれば、確かにおっしゃるとおりでありますが、それはそうではなくて、調達金利と彼らから返してもらう金利は同じだということでございますから、これはまさに、我々が申し上げておりますように、経営支援をするものではなく、JR東海がしっかりと償還をしていただければ、これはその八年前倒しで発現される経済効果によって、これはまさに経済成長によって、例えば税収が上がっていく、国民活動が盛んになっていく、経済活動が盛んになっていくということによって、まさに経済が上がり、そして賃金が上がっていくという成長に寄与するものであると、このように考えるわけでございます。 そして、基本的に、先ほど麻生大臣が答弁をいたしましたように、JR東海の収益力は極めて高いわけでありました。経常利益が年間四千九百億円というのはこれ相当の額が出ているわけでございまして、このリニアと一体の経営でございますから、我々はそこは確実に償還されるものと考えているところでございます。
○辰巳孝太郎君 総理、過去の財政、財務諸表がどうであれ、かつてのJAL、日本航空見てくださいよ。優秀企業であったにもかかわらず破綻をしたわけですよ。財投、公的資金投入するんだったら、じゃ、この企業がどういう収益持つのか、リニア大丈夫なのか、これ精査するのは当たり前じゃないですか。大体、自民党の参議院の公約では、経済再生の項目で、今後五年間で三十兆円の財投と掲げております。過去の反省なく、無秩序な融資に道を開くものだと言わなければなりません。 既にこの財投を活用しての大型開発の旗が自治体から振られようとしております。八月二日付けの中日新聞では、中部国際空港の二本目の滑走路の早期整備を目指す期成同盟会が、リニア新幹線で用いようとしているこの手法をこの滑走路建設でも使ってくれという要望を政府に行い、稲田朋美当時政調会長は成長戦略に資するプロジェクトと理解を示しました。 JR東海がそこまで利益を上げている会社であるなら、今やるべきは、東海道新幹線の老朽化対策、在来線では一つもないホームドアの設置、そして無人駅の拡大をやめて安全、安心の人員配置を進めることではありませんか。 今日の質問で、リニア建設は……
○委員長(山本一太君) 辰巳君、時間が終わっておりますので、まとめてください。
○辰巳孝太郎君 自己負担原則の事業認可の大前提が崩れたと私は思います。過去の反省もなく財政の投入をしようとする安倍政権の姿勢もあらわになりました。 リニア建設の認可の取消しを求めて、質問を終わります。
○委員長(山本一太君) 以上で辰巳孝太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、倉林明子君の質疑を行います。倉林明子君。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。 今日は、原発のコストについて質問したいと思います。 原発のコストが今膨らむという見込みで、今後の費用負担をどうしていくのか経産省で検討が始まっているということです。一つは、通常の原発の廃炉費用。原発事業者がこれまでは積み立ててきた分で賄うとしていたものが、これが足らなくなった、賄えなくなったというものが一つ。もう一つが、福島第一原発の事故処理、そして廃炉費用、この負担の問題です。賠償、除染、そして廃炉費用、それぞれがこれまでの見込額を超えるということだと。 一体それぞれどれだけの金額になるのか、増えた負担はこれは一体誰がするのか、経産大臣に答弁を求めます。
○国務大臣(世耕弘成君) お答えいたします。 まず、今御指摘の一般の原発の廃炉費用につきましては、これは電気事業法に基づいて、電気事業者に対して毎年度一定額の積立てが義務付けられております。現在、それぞれの年数の経過に従って着実に積み立てられてきておりまして、予定どおりに積み立てられず積立て不足が生じるという状況ではありませんと認識しております。なお、今後積み立てられる予定額は約一・二兆円ということになります。 次に、福島第一原発に係る賠償、除染等の費用に充てるための総合特別事業計画でありますけれども、これは原賠機構が九兆円の交付国債を受けることとされております。これらの実際の費用は増加してきていますけれども、現時点での支払は約六・三兆円でありまして、九兆円までまだ二・七兆円残されております。したがって、直ちに資金に不足が生じて賠償に支障が生じるものではありませんけれども、今後必要に応じて費用の見極めを行うことになろうかと思います。 これらの費用の負担については、関係法令に基づいて事業者が適切に負担すべきものと考えております。
○倉林明子君 というものの、報道ベースでは様々な数字が既に躍っております。 通常の原発の廃炉費用は順調に積み立てているということですけれども、既に不足が出ているということで、新電力にも負担を求めるという方針が伝わってきております。こうなりますと、原発を持たない新電力に負担を求めることになるわけですから、一般の利用者、全ての電気利用者にその負担を担わせるということになるわけです。私、電力自由化、この基本的な考え方からも逆行することになる。つまり、電気を選びたい、原発でない電気を選びたいという消費者の選択は完全に奪うことになると、これはくぎを刺しておきたいと思います。(資料提示) もう一つは、電力業界団体である電事連が、福島原発の費用は当初計画、少なくとも八・一兆円上回るという試算を行って、国費での負担を政府に非公式に要望している、こういう報道ございました。内部資料ではという報道では八・三兆円と、こんな数字も出ているんですね。 私、廃炉費用のところを注目しますと、ここは今まだ見通しも立たない、つまり青天井で増える可能性があるという部分になっているということです。事業の責任、事故の責任、一体どこにあったのか。それも曖昧なままに、原発ありき、こういう際限のない国民への負担のツケ回し、絶対認められないと強く申し上げておきたいと思います。 次に、川内原発の避難計画について質問したいと思います。 震度七が立て続けに二回発生、余震と活動が拡大していったのがあの熊本地震でございました。これでやっぱり川内原発に対する不安が大きく広がっております。熊本地震による住宅被害、これ全壊が八千百九十八棟、半壊が二万九千七百六十一棟、一部破損は十三万八千百二棟と、もう甚大な被害でした。 総理が了承された川内原発の緊急時の避難計画、これは放射性物質が放出されるような原発事故が発生した場合どうなっているか。五キロ圏内の人は直ちに逃げるということになりますが、その避難の状況を見ながら、五キロから三十キロ圏内の方々はどうするかと。一週間程度をめどに、原則閉め切った家の中、屋内でとどまることとされているわけです。熊本地震では余震が続いて、被害を免れた住宅でも自宅に戻れない、屋外、車中泊をする被災者が大変多かったです。 私、住民の安全な避難ができるのかと思うんですけれども、了承された総理の見解、伺いたいと思います。
○政府参考人(山本哲也君) ただいまお尋ねになりました屋内退避、五キロから三十キロ圏のUPZの方々の防護対策でございます。 全面緊急事態になりますと屋内退避を実施するというのが基本でございますが、今先生御指摘のありましたように、屋内退避をされようとする自宅などが地震などで被害を受けて、そこへとどまることがもし難しいということになりましたら、地震などであらかじめ用意されております指定の避難所にまず御移動いただくという対策もございます。それから、原子力災害の対策としましては、UPZの方々については三十キロ圏外に住民の方々の避難先をあらかじめ用意してございますので、そういったところに早めに避難をいただくという手だてもあろうかと思っております。 いずれにしましても、そういう自然災害の状況を見ながら、人命を最優先にその対策を立案し、実施をしていくということになるかと思ってございます。
○倉林明子君 この避難計画はまだ見直しされていないんですね。原則屋内退避、五キロから三十キロ圏はそのままなんですよ。これを了承した総理として認識、いかがですか。
○政府参考人(山本哲也君) この屋内退避の考え方は、まず全面緊急事態では屋内退避をしていただきますが、その後、放射線のモニタリングを実施をいたしまして、空間線量が一定以上になりますと、その地域を特定いたしまして三十キロ圏外に避難をいただくという対策を併せて組み合わせているところでございます。
○倉林明子君 避難計画を了承した責任が私は総理にあると思いますので、しっかり答弁をいただきたいと思います。 そこで、今お話あったんだけれども、避難所だって壊れたりしているんですよ。実際に五キロから三十キロ圏内避難ということになる場合は、既に二十ミリシーベルトを超えているんじゃないですか。住民に被曝をさせる、こんな避難計画でええのかということですよ。どうですか、総理。
○政府参考人(山本哲也君) 避難の判断基準は、二十ミリシーベルトじゃなくて二十マイクロシーベルトでございます。 それで、避難所が仮に被災して、そこに避難することが困難といった場合には、先ほど申し上げましたように、原発から三十キロ圏の外、これは相当な距離があります、そのところに原子力災害用の避難所を別途用意してございますので、もちろん、その中で地震などの影響のないところをもちろん選んで避難をいただくというのが基本的な考え方であろうかと思っております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今政府委員が答弁をさせていただいたとおりでありますが、しかし、この避難計画にしても常に万全はない、つまり完全はないという気持ちで常に改善について検討し続けていくことが大切であろうと、このように考えております。
○倉林明子君 計画はいまだそのままだということが重大だと思っております。熊本地震と同規模の地震が起こりますと、屋内退避そのものが命の危険に直結する計画になっている、危ないということを申し上げておきたいと思います。 次に、八月二十七日に高浜原発の事故を想定した訓練が福井県、京都府、滋賀県及び関西広域連合と合同で実施されることになりました。総理が議長である原子力防災会議でこの避難計画を確認、了承、そして八か月がたっての初の訓練ということになりました。三十キロ圏内約十八万人が一体安全に避難できるのかと、ここが問われた訓練でもありました。 この訓練の目的は何だったかといいますと、広域避難等を検証すると、これが大きな目的でありまして、ポイントはというと、実効性を検証する、同時に、検証結果から教訓事項を引き出して緊急時対応の改善を図るためだということでした。 そこで、質問をしたいと思います。 この避難訓練を取材に入ったマスコミが各紙書いたのは、共通していたのは課題山積ということです。実際、対象者十八万人に対して実際に避難行動を行ったという住民は千二百人足らずでありました。安全な避難が可能なのかどうかということが問われたわけです。 そこで、これ、関電高浜原子力発電所周辺の地図を今用意して、資料でもお配りをしておりますので、御覧いただきたいと思います。 高浜町の音海地区、右の上の方にあります、福井県です。ここでは陸上自衛隊のヘリで避難という段取りになっておりました。また、その左上の方ですけれども、これ舞鶴成生地区というところですが、ここではヘリが飛ばないという想定をしまして、民間船舶による避難が計画されておりました。これ、実際の訓練ではヘリ及び船舶による避難訓練どうなったのか。これは内閣府、御説明ください。
○政府参考人(山本哲也君) お尋ねありました音海地区と成生地区の訓練の状況でございます。 御指摘のありましたように、音海地区ではヘリコプター二機、それから成生地区では船舶一隻による訓練を予定したところでございますが、悪天候によりまして予定どおりの訓練は音海地区のヘリコプター一機による訓練ということで、別の形の訓練を実施をいたしました。 具体的に申し上げますと、音海地区では、中止となりましたヘリコプターの一機は、避難行動要支援者を最終的には病院まで運ぶ訓練ということにしてございましたけれども、ヘリコプターの代わりに救急車による搬送を実施するなど、あらかじめ想定していた代替手段について訓練を行ったところでございます。 それから、成生地区についても、船舶による避難訓練を行う予定でございましたが、これを天候不順により中止をいたしまして、陸路での避難を行うために、実動組織に対して道路啓開を要請するという形の訓練を行いました。 いずれもこれは、こういう実動が対応できないことを想定して、あらかじめ代替手段を用意し、そして、天候不順などでできない場合はこの代替手段で訓練をするという想定の下で実施をしたものでございます。
○倉林明子君 じゃ、そこで、悪天候だったその日の天気はどうだったか、気象庁に確認したいと思います。 当日の若狭湾沖の波の高さ、波高の推定値はどうだったか。若狭湾付近、これ、最高風速はどうだったか。端的にお答えください。
○政府参考人(橋田俊彦君) お尋ねのありました本年八月二十七日の若狭湾の波高、波の高さでございますけれども、それと風速でございます。 気象庁では、福井県高浜町の沖合約三十キロメートルの若狭湾沖の地点における波の高さにつきましては、八月二十七日〇九時に二・五メートル、同日二十一時に一・九メートルと推定しております。 また、八月二十七日若狭湾周辺の最大風速につきましては、福井県の敦賀市で毎秒七・九メートル、美浜町で毎秒四・九メートル、小浜市で毎秒八・六メートル、京都府の舞鶴市で毎秒八・九メートルをそれぞれ観測しております。
○倉林明子君 これ、なぜ聞いたかというと、日本海、特にああいう岬部分なんかは非常に風も波も高いんですね、通常から。参加した住民の方が、このぐらいで中止になるんだったらどうなるんだろうという声が出たんですよ。実際に年間どうなっているかというのをちょっと分かりやすく表にしました。 今御紹介があったように、若狭湾付近でいうたら最大風速七・九、強いように思いますけれども、これ年間、去年百八十二日超えているんですね。波の高さはどうか。二・五メートル、確かに高いように思うんだけれども、これも年間でいうと五十三日間これ超えているんですよ。だから、通常でもこういう状況というのはあるということですね。 代替輸送もしたんだということでした。もう一回、距離を見ていただきたいので、原発との関係を見ていただきたいので地図を見てください。 音海地区というのは高浜原発の北側にあります。これ、ヘリも飛ばない、船も行けないとなりますと、避難道路はただ一本、高浜原発に向かうんですよね。 これ総理に伺いたいと思うんですけれども、これも総理が計画を確認し、了承された緊急時の対応なんですね。これがこのままであれば、音海地区の人たちというのは一体事故が起こったときにどうやって逃げたらいいんでしょうか。
○政府参考人(山本哲也君) この避難手段は、できるだけ多様性を持たせるということで、先生がおっしゃいますような陸路による避難、海路による避難、空路による避難、これをあらかじめ全て用意してございます。 そして、陸路による避難も、あらゆる避難が困難な場合は、この地区に屋内退避施設を設けてございます。これは、放射線を防護するフィルター付きの施設が用意してございますので、そういったところに、道路啓開あるいは天候の回復がなされるまでの間、一定期間とどまっていただく、その上で住民の方の避難、救助に当たると、こういう考え方を取っているところでございます。
○倉林明子君 いや、逃げられないということですよ、つまり。それが施設で待っておけという話じゃないんでしょうか。私、これじゃ逃げようがないと思うんですよ。 この計画を了承した総理、認識はいかがですか。
○国務大臣(山本公一君) 本年八月末の高浜地区の訓練では、複合災害等により陸路による避難が困難となる場合を想定して、実動部隊によるヘリや船舶を活用した避難などを予定しておりましたが、御指摘のとおり、悪天候により中止をいたしました。 一方、高浜地域の避難計画では、あらかじめ複数の避難経路を設定しておりまして、かつ避難道路が使用できない場合には道路啓開を行うことといたしております。これに沿って、現場において、例えば実動部隊が重機で道路上の障害物を除去した後にバスによる避難を実施するなど、あらかじめ想定していた代替手段についての訓練を行ったところでございます。 今回の訓練では、当日の波の高さや風速などの気象状況を考慮いたしまして、訓練に参加する住民の健康面での負担などが生じないように船舶等の利用を中止しました。しかし、万が一の原子力災害が起きた場合には、実動組織による対応を含め、人命を最優先に全力で住民の避難に取り組んでまいりたいと思っております。 原子力災害の備えに終わりや完璧はありません。一旦策定した計画であっても、今回の訓練によりまして抽出された教訓を踏まえて、継続して避難計画の充実強化を図ってまいりたいと思っております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、中止したじゃないか、この天候状況で中止したじゃないかと、こういう日にちはいつでもあるのではないか、そこで避難できないのではないかという御指摘でございますが、それは、今大臣、また政府委員から答弁をさせていただきましたように、これは訓練でございますから、この訓練に参加する住民の健康等も考慮をしながら今回は中止したところでありますが、しかし、実際、万が一本当に事故となったときには、そのときにはまさに実動組織による対応を含めて、人命を最優先に全力で住民の避難に当たっていくことは当然のことであろうと、このように考えております。
○倉林明子君 じゃ、避難道路についても伺いたいと思います。 福井の高浜地域から京都、兵庫へ向かうという避難計画になっているわけですけれども、この避難路というのは、御覧になっていただいたとおり、オレンジで染めています国道二十七号、そして緑であります高速道路の舞鶴若狭自動車道、この二本だけです。この高速道路は、実は片側一車線という状況にあります。これ、季節的には渋滞が発生するという状況は内閣府防災担当は御存じのとおりだと思います。状況どうですか、端的に御説明ください。
○政府参考人(山本哲也君) この高浜地域の周辺のまず国道二十七号線でございますが、まず、夏季の、夏場の海水浴シーズンに交通集中によります渋滞が発生しておりますが、平成二十四年一月に大雪によります立ち往生で渋滞して以降、冬季には渋滞は発生しておりません。 それから、もう一つの舞鶴若狭自動車道でございます。これは高浜町から京都府方面への渋滞でございますけれども、平成二十七年においては年間で十四回、このうち夏場の、夏季ですね、六月から八月の間に六回、冬季、これは一月、二月、十二月でありますが、合計四回発生をしております。それから、高浜町から敦賀方面への渋滞は平成二十七年においては発生してございません。 以上でございます。
○倉林明子君 通常でも夏、冬に渋滞が発生するという避難路になっているというのが実態なんですね。だから住民は、事故が起こったら、まして渋滞期に一体この道路は使えるのかという声が出た。当然だと思うんです。 高浜原発四キロ、ここに老人ホームがありまして、この訓練、実態どうだったかといいますと、入所者の避難を開始してくださいと連絡が入って終わりだという訓練でした。ホームの経営者は、それでは心配だということで、十四人の入所者、これ痴呆を持つ方々もいらっしゃる、指示が入らない、でも車に乗せるという自主訓練されたというんですね。車に乗せるだけでも三十分掛かった、実際の避難では毛布、食料も積まないといけない、スタッフも入所者もパニックになるだろう、想定どおりには絶対いかないという感想を語っておられています。私、福井県の試算でも避難所まで最大七時間三十分掛かるんですよ、こういう状況でどうやって住民の安全な避難ができるでしょうか。 総理、どうですか、認識をお聞かせください。
○政府参考人(山本哲也君) 要支援者の方が避難には大変時間が掛かるというのは御指摘のとおりでございます。そのためには、こういう病院、施設に入っておられる方々については早期の避難の指示をすることにしてございます。 具体的に言いますと、原子力災害対策基本法の十条事象、いわゆる施設緊急事態の段階で要支援者の方は避難の準備をまず開始をしていただくという形で避難行動をやっていただくという形を対策として用意しておるところであります。もちろん、そのときには福祉車両とか車椅子が乗れる車両をあらかじめきちっと用意をしておりまして、そういったもので円滑に避難をしていただくことにしているところでございます。
○倉林明子君 実際に、訓練の予定にはなかったけれども、やってみたらできないと言っている。これをしっかり受け止めないと見直しもブラッシュアップもないですよ。これははっきり言っておきたい。 さらに、福井県の試算によりますと、国道二十七号、これ、複合災害が起こって津波が発生した場合どうなるか。三キロ水没です。さらに、この二十七号、平たんに見えますけれども、両脇は全部山なんです。地すべり、土石流の警戒区域がずっと道路沿いに散在しております。自動車道は、避難道にしているんだけれども、震度六、この地震が発生したら完全に止まります。避難道として全く機能しないということを想定しないといけない道路なんですよ。 総理、国道二十七号、そしてこの高速道路使えなくなったときに住民一体どう逃げたらいいのか、これ住民の声ですよ。しっかり答えていただきたい。いかがですか。
○委員長(山本一太君) 簡潔にお願いします。
○国務大臣(山本公一君) はい。 高浜地域の避難計画においては、避難経路上で混雑しやすい地点をあらかじめ抽出しておりまして、これらを中心に交通誘導等の渋滞対策を実施することといたしております。今年の八月末の訓練におきましても、実際に福井県警察が交通状況を把握するために県警ヘリ……
○委員長(山本一太君) 簡潔にお願いします。
○国務大臣(山本公一君) 県警ヘリコプターを活用した渋滞状況の把握を、主要交差点等における交通整理、誘導など、円滑な避難のための交通対策の訓練を行っております。
○委員長(山本一太君) 総理、一言だけ最後に御認識をいただけますか、一言だけ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いずれにせよ、常にこれ完璧はないわけでございまして、常に我々強化をしていく努力を重ねていきたいと思います。
○倉林明子君 ありがとうございます。
○委員長(山本一太君) 以上で倉林明子君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、室井邦彦君の質疑を行います。室井邦彦君。
○室井邦彦君 日本維新の会の室井邦彦です。 もう御承知のとおり、総理、我々の政党は、提案型責任政党、そして、まずは身を切る改革、さらには徹底した行財政改革を行った下で、更に精査をして法案の提出をさせていただく、こういう方針でこの臨時国会に臨ませていただいているところであります。百本の法案を出すということで、九月二十七日に十一本の法案を提出をさせていただきました。引き続き、十月の十二日に十三本の法案を提出をさせていただきました。どうか会派の皆様方におかれましても、どうか政府におかれましても、この法案がそれぞれスムーズに審議ができるように是非皆様方の御協力をお願いをまず申し上げるものであります。 先日、先日というか昨日のことでありますけれども、急な質問で申し訳ございませんが、五十八万戸の都民が停電によって戸惑ったと。また、もちろん、エレベーター、電気を動力とする、エネルギーとする各ものが停止をしたということで、我々も非常に驚きを隠せなかったわけでありますが。 この原因は、高圧線、電線から発火したと聞いておりますけれども、その原因の究明と再発防止、今後の対策を、早速でありますけれども、どのように考えておられるのか、まずはお聞きをさせてください。
○国務大臣(世耕弘成君) お答えいたします。 昨日十四時四十九分頃、地中送電線における事故が発生をして、これを原因とした停電が都内で発生をしました。瞬間最大で三十六万七千戸、延べで約五十八万六千戸の大きな停電が発生をいたしましたが、十六時二十五分に解消したとの報告を受けております。 本日午前に、東京電力ホールディングスの廣瀬社長、そして東京電力パワーグリッドの武部社長を経産省に呼びまして、早期の原因究明と再発防止を徹底して行うよう、そしてまた国民への自発的かつ丁寧な説明と情報提供を行うよう、私から直接指示を行ったところであります。 原因につきましては、今詳細を調査中ではありますけれども、新座変電所近くの洞道内で火災が発生をして内部の超高圧送電ケーブルが損傷したものでありまして、三十五年以上同じケーブルを使い続けたこと、そしてその点検が年に一回目視点検ということで、経年劣化を点検で見抜けなかったことにあるというふうに考えております。 今後、早急に再発防止に向けて古いケーブルの緊急点検を行うこと、そして、目視での点検に限界がある場合には常時監視のために例えばIoTを活用するなどの工夫を行うこと、そしてさらに、その保守、交換などが適切に行われることなどについて、今日、全ての電力会社に対して本日中にしっかりとした指示を行うことにしております。 経済産業省としても、しっかりと指導監督を行ってまいりたいというふうに思います。
○室井邦彦君 私はこのことをなぜ取り上げたかと申し上げますと、もちろん原因を究明していただいて、このようなことが二度と起こらないように、都民が不安を、そして安心して生活できる環境づくりに徹していかなくちゃいけないということでありますが、もう一つ私が申し上げたいのは、もちろん霞が関の官庁関係も非常に戸惑い、仕事がストップしたと、このようなことも耳にしておりますが、一時間で復旧したということは良かったなというふうには思っております。 想定外のことが起きる昨今であります。まあこの程度でよかったと言うとお叱り受けるかも分かりませんが、もっと大きなことが起きたときに東京が壊滅状態になったら、東京がそういうふうな状況を世界に報道されて、もう日本は駄目よというふうなことにならないように、我々は、この首都の東京のその脆弱性が改めて明らかになったんじゃないのかな、このように受け止めております。 ここで、今回のトラブルを踏まえて、首都東京の危機管理上の、西日本で首都機能のバックアップが担えるように二極構造での国土の形成を、早急に考え方を転換すべきじゃないか、このように思っております。 どうか総理、申し訳ございませんが、そういうことで御所見があれば是非聞かせていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 首都圏の停電の原因究明については経済産業大臣の答弁のとおりであります。東京電力には早期の原因究明と再発防止、そして国民への自発的かつ丁寧な説明、情報提供を徹底させるとともに、他の電力会社も含めて、古いケーブルの緊急点検を実施をさせ、そして、同様の事案が生じぬよう政府としてしっかりと指導監督してまいりたいと思います。 そして、首都機能の移転については、一貫して国会主導で検討が行われてまいりました。平成十六年十二月に国会等の移転に関する政党間両院協議会において座長取りまとめがされた後、国会での議論自体が止まっている状況であると承知をしております、御党はこの平成十六年以降にできた政党ではございますが。 これまでの議論では、分散移転や防災、とりわけ危機管理機能、いわゆるバックアップ機能でありますが、の中枢の優先移転などについて考え方を深めていくことが課題とされているものと承知をしております。 政府としては、国会での議論が進むことがまず大事であると考えておりますが、国会等の移転に係る調整事務を担当する国土交通省を中心に、国会からの要請に基づいて必要な協力をしていく所存でございます。
○室井邦彦君 前向きな答弁をいただいたと思っております。よろしくお力添えのほどというか、一極集中の、東京一極集中では日本の国の、各隅々の日本の国までの、地域の新たな発展はない、このように我々は確信をしております。よろしくお願い申し上げます。 続きまして、先日、我が丸山議員から十月の四日の衆議院の予算委員会においてこのような質問がありました。これは我々も今後出す法案でありますが、安全保障上重要な土地取引の規制法案についての質問でありました。 丸山議員から、北海道の水源地では外国人や外国資本による買収問題が起きていて、過剰取水や水質汚濁が起きていても行政指導が及びにくい状態であると指摘をいたしました。安全保障や生活に必要な水の安全管理上ゆゆしき事態になりかねないと政府に対応を求めた質問でありました。これに対して安倍総理は、安全保障上重要な国境離島や防衛施設周辺での外国人や外国資本による土地取引、取得に関しては国家安全保障に関わる重要な問題として認識している、水源の保全についても重要な観点と思っており検討していきたいと、このように答弁をいただきました。 そして、昨日十二日に、丸山、そして椎木両衆議院議員が北海道に行き、外資の土地買収の実態調査を行ってまいりました。その報告の一部を紹介をさせていただきたいと思います。 早速でありますけれども、まず、航空自衛隊千歳地区に、かつて滑走路近くに中国の要人訪来時に飛行機を収納する格納専用地に使うための買収計画があったと、こういう話も聞いております。これは幸いにして計画は中止になったようでありますが、さらに、小樽港を見下ろす平磯公園、これは小樽市にあります、この小樽港は米軍艦や海上自衛艦の重要拠点となっておりまして、ここを見下ろす高台を今年の三月に札幌市内の中国系企業が買収をしておると、こういう現状であります。 まだ幾つかございますけれども、時間の関係上割愛させていただきますが、このヒアリングの内容で、北海道庁はここ毎年、国に対して土地買収に関する規制強化をするよう要望しているということなんですよね。こうした声が国会に全く届いていない、このようなことをお聞きをいたしました。これは更にもう立法化に向けて早急に進めていただきたい、このように要望をしておきます。 続きましての質問でございますが、先日も、公職に係る二重国籍禁止法案、これについて我が党の、十月三日の衆議院予算委員会におきまして下地政調会長からこのような質問をさせていただきました。大臣を選ぶときには二重国籍についてチェックすることはあるのかとの質問に対し安倍総理は、殊更我々はチェックをしておりませんが、我が党の議員は二重国籍ではないという認識に立っておりますと答弁をされました。しかし、翌四日、自民党議員から二重国籍を有することが明らかとなり、五日の新聞に報道をされたということがございました。 我々は前向きに、この日本維新の会、公職選挙法を改正する公職に係る、先ほど申し上げました二重国籍禁止法案をこの九月二十七日に国会に提出をさせていただいているところであります。外国籍を有する日本国民は国会議員の被選挙権を有しないという要件に改めることによって二重国籍の問題を解決することができる内容であります。二重国籍かどうかチェックする必要がなくなるわけであります。 この質問につきまして、我が党のこの法案について、総理、どのように感じておられるか、御所見をお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 午前中に三原議員との質疑もあったわけでございますが、我が党の議員につきましては、言わば義務であるこの国籍の選択については、選挙、国会議員の選挙に出る前にこの義務は果たしていたということでございました。ただ、米国との関係の手続がまだ残っていたということでございました。これは、自主的に戸籍謄本を示しながら、示しながら、しっかりと宣言をしたという証拠を示しながら説明責任が果たされたと、このように私は理解をしているところでございますが、そして、二重国籍者のこの国会議員としての立候補要件等につきましては、これは国会議員の身分に関わることでございますので、各党各会派において御議論をいただきたいと、このように思います。
○室井邦彦君 ありがとうございます。 どうか、我がこの法案に対して、各会派の皆様方には、この法案が審議できるように、どうか環境を整備して、御協力といいますか御努力のほどお願いを申し上げさせていただきます。 続きまして、パネル、ちょっとお願いできますか。(資料提示)これは通告しておりません。ただ、またかということになると思いますが、私は二十一年前の阪神・淡路大震災の被災者であります。もうここ、こうして先生方を見渡しても、当日、阪神間、神戸で議員として直接にこの恐ろしい体験をした国会議員というのはもう私とあともう何人かしかおられないのかなというふうな感を受けます。その当時四十八歳、鴻池先生は、お住まいはちょっとそちらではなかったもので。 いずれにいたしましても、そういうことで、これだけは私が国会議員をさせていただいている間に、こういうチャンスがあるたびに、この恐ろしい体験をこういう場で皆さん方にもう一度、災害は忘れた頃にやってくると申しますけれども、東日本大震災は津波と言われておりますが、日本の国には、御承知のとおり、二千を超えるカクダンソウ、これはカクダンソウが、この活断層ですね、どうも今日は滑舌が悪い、活断層ですね、これが二千を超えるものがあると、そして今、百十に及ぶ活火山があると、島国で常に津波に襲われると、そして地震大国であると、絶体絶命という災害大国であるということ、これをしっかりと皆さん方にまず御認識をしていただきたい、このように思っております。 このように資料を先生方のところに配付されておると思いますが、この自然のパワーというものは、日本の国は世界最高水準の建設技術、土木技術があるといっても、到底自然の力にはかないはいたしません。そういうことで、この資料に、これ二十九万四千九百七十八回、マグニチュード四以上、深さ百キロ以下、こういう地震がこれだけの回数であるわけでありまして、アメリカの東海岸、そして御承知のとおり、イギリス、フランス、ドイツ、ここはもう地震がないと言ってもよいぐらい皆無なところであります。ここに原子力発電所はたくさん建設されておると。日本の国はこの大きな地震の真っ黒けになった上に五十四基の原子力発電所があるという、ここに、しっかりと御記憶に是非とどめていただきたい、このように思います。これ以上はくどく申し上げません。 そういう中で、阪神・淡路大震災は六千四百三十四人の死者、そして負傷者が四万三千七百九十二人出たということでありますが、この教訓を生かしていろんな法案が、十七本の災害復興法制が整備をされました。非常に現場の被災者として心強く感じております。災害対策基本法や自衛隊法が改正されました。そして、自衛隊への派遣要請に関する市町村への権限、そして災害派遣に従事する自衛官の権限など、阪神・淡路大震災での教訓を踏まえたこのような法案を整備されたということは感謝をさせていただきます。 それでは、次の質問に入ります。高浜の原発のことになります。 この自治体同意法案、これはこれから国会に法案の提出をさせていただきます。反対ばかりじゃなく、こういう対案をしっかりと我々は出させていただきますので、しっかりと御検討をいただきたいと、このように思います。 この対案は国主導による実効性の高い避難計画の策定についての関係の法案で、これに触れさせていただきますが、この高浜原発、先ほども出ました三号、四号機について、平成二十八年三月、大津地裁が、避難計画などには疑問が残る、住民の人格権が侵害されるおそれが高いなどとして、これ運転差止めを命じたということでありますが、まさに稼働中の原発が司法判断で停止する事態になるのは、これは異例なこと、初めてのことであります。 そこで、我々は、この高浜三号機、これは平成二十八年一月二十九日に再稼働し、二月二十六日から営業運転をいたしました。四号機は、二月二十六日に再稼働したが、三日後の二月二十九日に発電、送電作業中のトラブルで緊急停止をした。 ここからであります。原子力災害に係る地域防災計画と避難計画との策定と、の計画に基づく訓練は平成二十七年から実施されていたが、平成二十八年八月二十七日に高浜原発の重大事故訓練を実施した。ここにいろんな報道がありますけれども、数値は、私が捉えている数値は、七千人が参加をする初めての広域避難訓練となったと。大人から高齢者、子供までが、住民が真剣に訓練に参加している。私もテレビを見ました。しかし、こんなことまでしてまで経済優先の豊かな生活を求める必要があるのかなという、私自身は疑問を感じました。皆さん方が必死に駆けたり右往左往しているところがテレビに映っておりました。 ここで、重大事故を想定した訓練は、事故が起きてから訓練するのではなく、再稼働前にしっかりと実施しておくべきであるということです。初歩的なことさえ指導を徹底できない原子力規制委員会の組織に、指導に不安を感じております。 そこで、原子力対策本部長として、安倍総理、是非御所見をお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 避難計画は、住民の状況や具体的な避難経路、避難先など、地域の実情を熟知している地元の自治体が中心となって策定するのが適切であります。しかし、これは地元の自治体任せにするということではありません。我が国では、避難計画を策定する仕組みについても福島第一原発事故の教訓を踏まえています。 具体的には、原子力規制委員会が作成した原子力災害対策指針に基づきまして、初期段階から国がきめ細かく関与をいたしまして、地域原子力防災協議会において議論しながら関係自治体と一体となって策定をしているところであります。こうして策定した避難計画に沿って国と自治体が連携し、高浜原発等において住民の参加を得て避難訓練を実施をし、計画の実効性を検証しています。 今後とも、国がしっかり関与しながら、自治体とともに避難計画を継続的に充実、そして強化をしていく考えであります。
○室井邦彦君 ありがとうございます。 我々の維新の会は、この原発問題、これに対し、政策に対しては、あくまでもフェードアウト、それもスピード化をしていかなくちゃいけない、このような考え方の下で進めさせていただいております。 続いて質問をさせていただきます。 先ほどの質問を踏まえての質問でありますが、原発再稼働に係るUPZ、都道府県の同意の法定化についての質問でございますが、この立法趣旨をまず説明をさせていただきます。 原子力災害発生時には、避難又は一時移転の対象となる住民は多数に及ぶわけでありますが、三十キロ以上の長距離を経て広い範囲に避難することが当然想定されるわけであります。避難元市町村だけではなく、関係市町村間や関係都道府県間の更なる連携が非常に重要であります。 そこで、関係市町村や関係都道府県への正確な情報を提供するということをまず担保しておくために、三十キロ圏内にある都道府県の同意を再稼働のまず条件にする、そして、都道府県は市町村の意見を聞き、地域防災計画の整備状況等を考慮した上で同意、不同意を決定するという地方の権限を法定化しようとする法案であります。 世耕大臣、どうぞ御所見を。
○委員長(山本一太君) 時間でございますので、手短に、極めて手短にお願いします。
○国務大臣(世耕弘成君) 国としましては、再稼働については、原子力規制委員会によって新規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し、原発の再稼働を進めることにしています。 地元自治体の同意につきましては、法令上、再稼働の要件とはなっておりませんが、立地自治体のみならず周辺自治体も含めて理解活動を丁寧に進めることが重要だと考えています。国が法律等によって一方的、一律に決めるのではなく、各地とよく相談して対応することが重要だと思っていまして、これは、世界的に見てもイギリスやフランスも同じような形になっております。 以上です。
○室井邦彦君 ありがとうございます。
○委員長(山本一太君) 以上で室井邦彦君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、儀間光男君の質疑を行います。儀間光男君。
○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。 総理、連続の国会答弁、お疲れさまです。これから更なる激論が期待されておりますから、どうぞ御自愛しながら頑張ってください。 私ども日本維新の会は、先ほどの室井委員からあったように、今日まで二十三の法案を提案しております。その中から拾い上げまして、私は、国境警備法、まあ政府は領海警備法と、こう言っているんですが、これを少し取り上げてみたいと思います。 今年の八月六日以降、尖閣の周辺は大変な波高いことになっております。この八月というのは、毎年のことなんですが、それはちょっと意味がありまして、ちょうど中国が、夏季の漁業の解禁が八月、夏季解禁がありますから、その漁船が一気に尖閣へ来るわけですが、これいろいろ裏があるとされておりますので、時間があれば後で説明をしたいと思いますが。 この尖閣周辺の中国公船や漁船の活動が物すごく活発化しているんです。かてて加えて、九月二十五日には沖縄本島と宮古島の間の公海上空を中国軍八機が往復飛行をいたしております。往復とは、東シナ海から同上空を通って太平洋へ出て、Uターンして東シナ海へ行くという往復飛行がなされております。そのたんびに自衛隊がスクランブルを組むわけでありますが、今、自衛隊のスクランブルは、ロシアやその他の国はほとんどありませんから、もうスクランブルは中国機に対するのがほぼ九九%です。それぐらい中国の緊張度が増してきているわけであります。 昨年成立をいたしました平和安全法制、これは、軍事的衝突に至らないいわゆるグレーゾーンの事態について自衛隊が治安出動や海上警備行動を迅速に行う、そのためには閣議を、電話で閣議決定する方式を定めたわけであります。仮に当時と今を比較すると、比較にならないぐらい脅威はレベルアップをいたしております。したがって、私は、その閣議決定を少し見直しをして、もっと迅速にできる方法を取る時期に来ているのではないかというような気がしますね。 例えば、この地域でこのレベルの脅威を受けたとすると、閣議決定でもって、その今の法案で言う閣議決定を待たず、閣議でもって地域とレベルを先に決定しておいて、そのレベルに至ったら防衛大臣はすぐ下令を出す、命令を出せるというような方法をもって対応すべきでないかと、こう思っているわけです。 それは、今まで申し上げたように、これまでのものが、これまでではいいんですが、今では、中国公船や漁船共に、さっき言ったように活発な活動が去年のレベルじゃないということを認識をされておって、中国の領海侵犯や接続水域の航行は新たな段階に入った危機を感ずるものでありますが、政府見解を賜りたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このグレーゾーンのポイントは、適切な対応をするということだろうと思います。もちろん、この領海につきましては、第一義的には海上保安庁がこの対応をするわけでございます。 そこで、海上保安庁が十分に対応できない相手であるときに、直ちにスムーズにこれは海上自衛隊に移行できるようにしていくということが極めて重要であろうと。そのために、切れ目のない対応を可能とするために、昨年五月、武力攻撃に至らない侵害に際し、いかなる不法行為に対しても切れ目のない十分な対応を確保するため、海上警備行動等の発令手続の迅速化のための閣議決定を行ったところでございます。 私も官房副長官等々も経験をいたしましていろいろ考えてきたわけでありますが、こうした切れ目のない対応が可能になったということと同時に、要は、総理大臣なりあるいは防衛大臣が適切な正しい判断を瞬時に行えることができるかどうかということに大きなポイントが私はあるのだろうと、こう思う次第でございまして、この区域をあらかじめ限定をしているということは、つまりそれはあらかじめ、我々の防衛体制をあらかじめ示していくものともなっていくわけでございまして、その我々の言わば防衛上の関心、あるいは、ある意味では相手方がそこが脆弱性があると考えるかもしれないわけでございまして、あらかじめその地域を限定することはどうかという議論もそういう意味においてはあるわけでございまして、要は、的確に適切に対応していく、そのためには電話によって閣議決定を行えるという状況を整備をしておけば、これ事実上は、事実上は、では閣議決定を行って海上警備行動を行うといっても、例えばもうその段階で自衛艦が遠くにいたら、そもそもこれはそれを迅速にやっても直ちに対応できない、それはあらかじめ見越して、例えば威力配備等々によって近くに、近傍に待機しているという正しい判断を事前にちゃんとしておけば、それは、今の制度によって私は十分にこれは切れ目のない対応は可能ではないか。 いずれにいたしましても、常に緊張感を持って対応していきたいと、このように考えているところでございます。
○儀間光男君 防衛上見せてはいけない力、そういうのはあると思うんですね。敵の誘発に乗ってうっかり手のうちを見せてしまったりということだって、いろいろ深謀遠慮あると思うんですが、やはり迅速に対応する、今総理おっしゃったので、それがそれだけ決意ありますから、また補正を作ったばかりですから、それはそうなのかなと思ったりしますが、もう一つ申し上げたいと思います。 この中国の公船や漁船が尖閣周辺を航行するのはもう常態化しているんですね、常態化している。今年の六月、尖閣諸島の接続水域にロシア艦が入ったのはもう記憶に新しいと思うんです。ところが、びっくりしたのは、中国艦艇が接続水域に入ってきて、その後ロシア艦と並走して出ていくんですよ。 これを総理、どう読み取っていくのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、今年六月ですが、今委員から御紹介があったような状況の中で、中国海軍艦艇が尖閣諸島周辺の我が国接続水域に入域したわけですが、中国艦艇が接続水域に入域するのは、尖閣諸島周辺の接続水域に入域するのは、これは初めてのことであります。 八月には異例の数、最大で十五隻の中国公船が同諸島の周辺海域に押し寄せ、中国漁船に続いて領海侵入を繰り返すなど、こうした行動を行っています。 こうした行動は中国側による一方的な行動のエスカレートであるというふうに受け止め、我が国としましては、深刻に受け止め、累次にわたり抗議を行う、こうした対応を取っております。
○儀間光男君 中ロのこの行動、僕はしっかりと読み取らぬと、恐らく両軍が提携をして、深層の部分で提携をして、自衛艦の動きや我が自衛隊の我が防衛力を推し測っているというような共同作戦だったりするような気がしてならないんですね。全く偶発、偶然じゃないと思うんですよ。これは、後で北朝鮮との関連も出ますから申し上げますが、こういうことを、この意図は、どうあっても既成事実をつなげていって領有権を以前より強く主張していく、そういう意図があるのではないかと疑いたくなる、また疑うべきだと思うんですね。そういうことであります。 それで、今申し上げたのが、北朝鮮との関係も一つ紹介しますけれど、九月二十五日、中国軍八機がいわゆる沖縄と宮古島の上空を往復したその日その時間、同時刻に北朝鮮は航空ショーをやっているんです、アクロバットをやっているんですね。ちょうど同じ時期です。ここに米軍のヘリコプターも出動しているんですね、米軍じゃない、米国製のヘリコプターも出動してびっくりしたんですが。 これも、中国軍と北朝鮮軍が何もしないで偶然に日本に力を誇示するような、そんなようなことをやったようには思われない、ストーリーがちゃんと書かれていて、中、ロ、北、これが日本に対する威圧をやっているんじゃないかというようなことが思えてならないんですが、その辺どうですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 北朝鮮あるいは中国の意図について確たることを申し上げる立場にはありませんが、様々な動きが存在、そして発生しています。我が国としましては、特に北朝鮮をめぐる情報については大きな関心を持って情報収集、そして分析に努めています。 引き続きまして、我が国としまして、我が国の安全保障上しっかりとした対応をし、情報収集を行っていかなければならないと考えます。
○儀間光男君 もちろん大臣の方が私より情報量もはるかに多いし詳しいわけですから、私の言うのは大したことないとは思うんですが、この地域に住む人たちの恐怖心、これが、その海域へ行って漁もできない、怖くてしようがなくてその海域で漁もできないんです。既に被害は地域にもたらされているんですね。そういうことを国はやっぱり何らかの形でやってくれなきゃならない。 また、このことを、私、九月に、去った六月七日に施行した真珠法ができたので、これを、竹富の西表島の舟浮湾で黒真珠やっていて、川平湾で黒真珠やっていて、これの調査をしながら行って、海上保安庁へ寄らせていただきました。 海上保安庁、誰とは言いませんが、ある数名の乗組員と会話する中で、皆さんが日頃向こうで活動する中において、いわゆる尖閣の領海、日本の領海の外に我が国のものじゃない別の国のものであろうと思われるグレーの船を視認することできるかいと、見たことがありますかと、こう聞いたら、あると言うんですよ、容易に確認できますと。ということは、ここも特定はしないわけですが、恐らく我が国にとっては脅威のグレーの船だろうと、こういうふうに思うんですね。 そういうこともあるので、しっかりとやっぱり、向こうの立場で答弁するんじゃなしに、国民の立場で答弁をしていただきたいと、向こうの弁解ちっとも要らないと、こう思っているんです。 〔委員長退席、理事二之湯智君着席〕 それと、もう一つ危惧する、なぜそんなことをしつこく言うかというと、一連の中国の行動が年々エスカレートしてきて、意図的にそのレベルを上げてきているということが感じ取れるわけですから、治安の出動や海上警備行動の下令を迅速化すべきだと、こう言っているんですが、その辺も含めて、しっかりとひとつ、ここについては頑張っていただきたい。地域の皆さんが安心してあの海域航行できて、漁もできて、やってくれることを担保をしていただきたいと思っております。 関連しまして、普天間の基地の移設の問題にちょっと触れたいと思います。 普天間基地の移設問題については、辺野古埋立取消し訴訟で福岡高裁は国の主張を認めまして、翁長沖縄県知事が承認取消しの撤回に応じないのは違法だという判決が言い渡されました。しかし、翁長知事は最高裁に上告する方針で、埋立工事は今止まっておりますね。止まっている、進捗していないんです。 そこで伺いたいんですが、これは衆議院でも我が党の政調会長下地がやりましたけど、本件を裁判で競うことの当否はともかくといたしまして、事態がここまで複雑化した原因はどこにあるのか、あるいは政府はどう認識しているのか。安全保障上の要請と沖縄県民の意思の調和を図るために二十年前に一旦戻したらどうかと思うんですね、原点に戻る。ここまで来てなかなかにっちもさっちもいかない、しかも国と県が信頼関係もない、あるいは、いつまで続くか分かりませんが、最高裁が、国が勝訴しますというと、恐らく国は強行、強行というか、法律でオーケー出たんだからどんどんやっていこうという強硬な姿勢に仮に出るとすると、大変な事態が起こると思うんですよ。 そういう意味で、どうなんでしょうか、一旦SACO以前に戻して、普天間の訓練の回数を減らしていく。これ、今、二万幾らかやっているはずですが、これを一万とか七千とか八千、五千、それ以下に行くと当分は我慢できるのではないか。その間にいろんなことを考えてみたらどうだ。つまり平場の中で検討、さしでいろんな次なる検討をしてみたらどうかと、こう思うんですね。 私たちは、具体的な提案として、辺野古の移設の埋立てを一旦断念をして、暫定的に訓練場として鹿児島県の馬毛島を活用し、これにより普天間基地の離発着回数を五千回以下に抑える。そうしますというと、既に困難になっている完全移設よりも、普天間をある程度使いつつ使用頻度を減らす、事実上の運用停止状態を早期に実現する、つまり、五年以内に閉鎖状態へ持っていくという政府の方針、政策、これにかなっていくと思うんですよ。その辺どうお考えかを見解を賜りたいと思うんです。 〔理事二之湯智君退席、委員長着席〕
○国務大臣(稲田朋美君) まず、最も大事なことは一日も早く普天間飛行場の危険性の除去を実現することであり、この点は沖縄県と認識を政府は共有をしていると思います。 その上で、現在、委員が御指摘のとおり、裁判手続が行われており、翁長知事が今上告、県が上告をしている。そして、三月の和解条項に従って、同主文及びそれを導く理由の趣旨に沿った手続を実施するとともに、その後も同趣旨に従って互いに協力して誠実に対応することとなるというふうに思います。 そして、平成八年以来様々な、普天間の移転については、平成八年当時は代替施設を滑走路千三百メートルの撤去可能な海上施設とし、その三年後の平成十一年には辺野古の沿岸域に決定をいたしました。さらに、平成十四年、埋立てによる滑走路二千メートルという海上案の基本計画が決定をされ、その後、平成十六年にはL字案が出、そして平成十八年、現行のV字案になったということであります。 その後も、海外移設、最低でも県外移設という発言による鳩山政権での移設先検討もあり、そして、平成二十七年十月には翁長知事の、その前に、二十五年十二月には移設に必要な埋立承認があり、その後、翁長知事による取消しがあり、今に至っているわけでございます。 そういう状況を勘案をいたしますと、今委員がおっしゃいました鹿児島県の馬毛島という案も、先日も下地委員からいただいたわけですけれども、そういった、今日に至るまで必要な土地を確保するには至っていないわけでございます。 現在、政府は、和解条項に従って司法手続と協議の手続を迅速に進めるなど、問題解決のために誠実に対応もしているところでございます。政府としては、辺野古移設については、米国といった相手があることであるけれども、できることは全て行うという方針の下、負担軽減にも取り組んでいく考えでございます。その中で、普天間の危険性の一刻も早い除去のための施策について様々な検討を進めていく、そういった今までの経過をすれば、辺野古が唯一の解決策であるというふうに考えております。
○儀間光男君 今、経過を説明してくれましたが、そんなの知っていますよ。これだけやっていて一ミリも動かぬじゃないですか。そこに、詰まったときは原点に戻ってみろということを申し上げている。今の話、全部知っていますよ。 ですから、そういうことをおっしゃらず、私が言っているのは、一旦原点に戻して、あれしか唯一でないと総理もおっしゃいますけれど、そうおっしゃりながら一ミリだって一歩だって動きはせぬのですから、これからも動く、動かす、どうして動かすんですか。何か改革があって、何か対案があって、双方が寄り合うことが大事なことだと思うんですね。それを唯一だなんと言って、県も、いや、反対が唯一だと言い合っている間は何も進歩しませんよ。 安倍総理、勇気を持って総理の時代にこれを元に戻して、今の総理ならできますから、戻して、もう一遍原点というのを平場でお話合いすることは考えられませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 辺野古への移転ということにつきましては、これは先ほど稲田大臣から答弁をさせていただきましたように、鳩山政権のときに一旦これ白紙に戻して、これは最低でも県外ということで、あらゆるオプションをベースに幅広く検討をしたんですね。した結果、結局、結局これは辺野古しかないという結論が出たわけでございます。こうした中において、米軍の、あるいは米国側の不信感も増しまして、海兵隊のグアム移転についても米議会で予算が凍結をされていたわけであります。 そこで、安倍政権ができて、辺野古への移設、普天間の危険性を除去するにはこれしかないということで、確実に、着実にそれを進めていることによって、今一ミリも動かないとおっしゃったんですが、この凍結をされていた予算が実は復活をしまして、これが予算が付いてグアムへ移転すれば九千人の海兵隊が国外へ移転するということができるわけでございます。 また、嘉手納以南につきましても、我々が進めているがゆえに、これは日米七年越しの課題でありましたが、普天間飛行場や牧港、キャンプ・キンザーの一部の返還前倒しが日米で合意されたわけでございますし、また、地位協定にはもう指一本触れられないという状況がずっとこれは続いてきたのでありますが、環境補足協定をこれ締結をしたわけでございます。これは、我々が今努力をしていることに対する米側の対応でもあると言ってもいいんだろうと思います。 北部訓練場も、これ返還をされるのは御承知のとおりであります。四千ヘクタールでございますから、沖縄県全体の米軍基地の二割に当たる、これはもう史上初めての規模の返還がなされている中において進めているわけでございまして、これをまたゼロに戻せば、ゼロに戻せば米国が、言わば私たちが進めていることに対して、誠意を示していることに対して、これ、まさにそれを裏切ることにも、また不信を持たせることにもつながっていくわけでございまして、しかし、儀間委員からは、ある種御地元の立場で建設的な考えとしてお示しをされたというふうには了解をしておりますが、私どもの立場として、今、負担軽減に向けて一つ一つ着実に前進をさせているということでございます。 また、普天間の空中給油機の十五機につきましても、これは山口県の岩国基地に全機移駐をしたわけでございます。また、訓練の一部は佐賀で行うということでこれは進めているわけでありますし、また、整備は、このオスプレイの整備は、これは千葉県木更津ですね、木更津で行うということも進めつつ、一つ一つ着実に負担の軽減は進めているわけでございますので、その上において、稲田大臣が答弁をさせていただきましたように、我々と知事との間で合意ができた、和解ができたわけでございまして……
○委員長(山本一太君) 安倍総理、時間が終わっておりますので、簡潔にお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) その上において、この裁判の結果が出れば、それにお互いが従っていくということを進めていく必要があるのでは、誠実に対応していく必要があるのではないかと、このように考えております。
○儀間光男君 すぐ終わります。
○委員長(山本一太君) 時間ですので。
○儀間光男君 はい。 通告した三番、四番、林業については、農林大臣、済みません、私、農林水産委員ですから、そこでやりたいと思います。 教育の無償化については、法案もう出してありますから……
○委員長(山本一太君) もう時間終わっていますので、ここで。
○儀間光男君 どうぞひとつ御理解いただきますように申し上げて、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上で儀間光男君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、福島みずほ君の質疑を行います。福島みずほ君。
○福島みずほ君 希望の会(自由・社民)の福島みずほです。 まず、給食費の無償化についてお聞きをいたします。 今年の三月、この予算委員会で、私は給付型奨学金の問題について質問をしました。当時、文部科学大臣が前向き答弁をしてくださいました。現在、文科省内に設置された給付型奨学金制度検討チームで議論が行われています。多くの人が期待をしています。給付型奨学金の創設と無利子奨学金の拡充を本当によろしくお願いいたします。 今日は、給食の無償化について質問をいたします。小学校、中学校の給食費を無償化にするのにどれぐらいお金が掛かりますか。
○国務大臣(松野博一君) 学校給食に要する経費につきましては、給食施設整備費や人件費は学校の設置者が負担し、残りの食材費を保護者が負担することとなっております。この保護者負担分については正確な所要額を算出するのは困難でありますけれども、仮に公立の小中学校について学校給食費の平均額に完全給食を実施している児童生徒数を乗じて計算いたしますと年間四千四百四十六億円となります。
○福島みずほ君 小学校、中学校の給食費全部無料にするのに大体四千四百四十六億円、やれない金額ではないんじゃないかというふうに思います。 給食費を無償化している自治体は、現在四十五ほどあります。私は、先日、埼玉県滑川町に視察に行ってきました。吉田昇町長や職員の方に話を聞き、小学校の給食風景も見させていただきました。滑川町は、十八歳以下の医療費の無料化と給食費無償化を実現をしています。給食の無償化は、子育て支援にもなりますし子供の貧困対策にもなります。給食費を払っていないので学校に行きたくない、あるいはお代わりができない、そういう話なども実はよく聞くんですね。みんなが就学援助をきちっともらっているわけでもありません。 どうでしょうか、文部科学大臣、是非、給食費の無償化、自治体でやれているところがある、子供たちを応援する、いかがでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 先ほど、学校給食費の無償化に向けて年間四千四百四十六億円の追加経費が必要だというお話をさせていただきました。 まず、財源確保の問題がございます。さらに、無償化した場合には学校給食を実施していない学校の児童生徒との公平性の問題も生ずると考えております。一方、生活に困窮をしている要保護、準要保護等の児童生徒約百五十四万人に対しましては、生活保護による教育扶助や就学援助によりまして学校給食費の援助が実施をされているところであります。 文部科学省といたしましては、学校給食費の一律無償化については財源確保の必要性などの観点から慎重に検討する必要があると考えており、まずは小学校、中学校における学校給食の実施率の向上、学校給食の普及充実に努めてまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 おっしゃったとおり、中学校で給食がないところがまだ少し残っているんですね。でも、逆に、お弁当がないから学校に行きたくないという話も聞くんですね。 今、全国は、子供食堂など本当にボランティアで一生懸命やっています。自治体で頑張っているところもある。でも、これ、もう政府がやるべきではないか。 食、食べ物、大事ですよね。一日に最低一回はバランスの取れたおいしいもの、栄養のあるものを子供たちがやっぱり食べることができる。貧困対策にも、子供の貧困は重要なテーマですし、子供は、子育てはお金掛かりますから、子育て支援にもなると思います。是非、文部科学大臣、進めてください。 財政のことをおっしゃいました。でも、例えばパナマ文書が明らかにしたようなタックスヘイブンにおける個人や法人のその税逃れというか、まあ節税かもしれませんが、そのお金は何十兆円にも上ると言われています。国際金融取引税をきっちり課すとか、お金の取り方とお金の使い方を変えて、今こそ子供たちを応援してほしい。 是非、この給食の無償化、自治体で四十五自治体ほどやっていますので、そのことも、私たちもずっと視察に行こうと思っていますし、実際滑川町に行きましたが、是非文部科学省で子供を応援してくださるように、財務省も是非、もう四千四百四十六億円で全ての子供たちが小中学校、子供、給食食べれるんであれば、是非応援していただきたい、そう思っております。 次に、介護保険の問題についてお聞きをいたします。 昨日、十月十二日の社会保障審議会介護保険部会で、軽度者、これは要介護一、二のことだと思いますが、軽度者の生活援助の介護保険適用をやめるのか継続するのか、はっきりしませんでした。軽度といっても、要介護一、二、この生活援助、これを介護保険給付から外して、地域に、自治体に移管しないように是非よろしくお願いしたい。厚生労働省の決意をお聞かせください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生、報道のお話をお触れになられましたが、まず第一に、今やっていることは、御案内のように、経済財政諮問会議で取りまとめた経済・財政再生計画の改革工程表、ここに、軽度者に係る生活援助、福祉用具貸与及び住宅改修等に係る負担の在り方について、関係審議会等において検討し、二〇一六年末までに結論と、こう書いてありまして、今社会保障審議会の介護保険部会において議論をしているところでございます。現在はこの部会での議論が進んでいるというところで、何ら結論が出ているわけではまだございません。 今後ともしっかりとした議論をしていきたいと思っておりますし、今軽度者というのは何だと、こういうことでありますけれども、これも、この範囲も含めて御議論をいただきたいと思っておりますが、私たちが大事にしたいというのは、やっぱり介護保険は、言うまでもなく高齢者の自立を図り、そしてまた重度化を防ぎ、さらにこの制度を持続可能なものにすると。同時に、必要なサービスはやっぱりしっかりと提供できるようにするということを同時にやっぱり解決をしていかなければならないと思っておりますので、そういう観点からしっかり議論をしていただきながら私たちも考えていきたいと、こう思っております。
○福島みずほ君 介護保険の改悪、二〇一四年で要支援一、二の通所と訪問サービスが介護保険給付から外れて地域包括ケアセンターに行くことになりました。来年の三月で完全施行になります。現在、四月時点で三二・七%しかまだ移行していません。まだこんな状況なのに、これに加えて要介護一、二の生活援助までも介護保険給付から外して地域移行となったら大混乱だと思います。 そして、要介護一、二の生活援助って本当に大事です。私は、両親もそれから義理の母も、みんな介護保険のお世話になってきました。だから、まさに女の独り暮らし、男の独り暮らし、あるいは高齢者の生活を支えるのにこの生活援助が大きな役割を果たしています。全国の皆さんは、これが外れるんじゃないか、そうしたらもう独り暮らしができない、あるいはもう死ねというのかという声も本当にお聞きします。これは、要介護一、二の生活援助を外さないでくれということを強く要請します。 もう一方で、生活援助の報酬引下げも報じられています。報酬引下げは事業者の廃業や撤退の原因となって、最終的には利用者が不利益を被るといった問題が生じます。また、昨日の分科会の中でも、保険給付の割合を大幅に引き下げる、つまり利用者負担を引き上げろという提言もあります。 これは是非、年収二百八十万以上の人は一割負担が二割に二〇一四年の改正でなりました。これでもう、またみんなひいひい、本当にひいひい言っています。利用者の負担増、これは起きないように、介護保険、今こそ守ってほしい。厚生労働大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたとおりであって、やっぱり我々、こういうときは原点に立ち返るということが大事でありまして、介護保険の理念というのはさっき言ったとおりで、高齢者の自立を支援し、介護の重度化を防ぐと。そして、制度は長もちをしないといけませんから、そのことも考えながら、同時に、今お話があったように、必要なサービスというのはやはり確保されなければならないということも同時に達成しなければいけないというふうに思っておりますので、さっき申し上げたとおり、まだ審議会では議論が進んでいるところであります。 いろいろな御意見がありますし、財政審の方は財政審でいろんな御意見が出ていますが、私どもの審議会ではしっかり今の原点を踏まえながら答えを出していきたいというふうに思います。
○福島みずほ君 要介護一、二の生活援助を介護保険給付から外さないでほしい、そのことも強く要請します。 憲法二十四条についてお聞きをいたします。(資料提示) 自民党日本国憲法改正草案は、憲法二十四条で「家族は、互いに助け合わなければならない。」としています。さらっと読むといいことじゃないかと思うかもしれませんが、今実際、社会保障の中では、生活保護の引下げと改悪、年金の抑制、介護保険の切捨て、そして医療の負担増が起きています。家族が互いに助け合ったら家族共倒れ。 私も子育てしてきましたから、学童クラブにも保育園にも介護保険にも、全部お世話になってきました。家族が助け合うことは当然としても、社会保障の切捨てのためにこの条文が使われるんじゃないか。どうでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 社会保障は社会保障としてしっかり議論をしていきますので、今のことと直接つながる話ではないと思っております。 家族というのは、やはり社会の基礎、基本であります。個人の生活のベースとなる大切なものでありまして、しかし、経済的に苦しい、あるいは子育てや介護など支援が必要など、家族をめぐる状況はそれぞれ様々であります。社会保障制度は、そういうような家族のいろんな状況がきめ細かく対応をされないといけないというふうに思っています。 家族、そしてまた個人を支え、そして一人一人が安心して暮らしていくことができるようにするのが社会保障でありますので、こういったことを踏まえてしっかり社会保障について議論をしていきたいと思っております。
○福島みずほ君 家族の中には、DVがあったり児童虐待があったり、助け合いたいと思っても問題を抱えているところもある。今厚生労働大臣おっしゃったように、家族も様々です。また、独り暮らしの人もいて、家族という形を持っていない人もいるかもしれない、身寄りのない人もいるかもしれない。家族は互いに助け合わなければならないと憲法改正案に書くことは、私は問題だというふうに思います。これは、社会保障の切捨て、自己責任の強化になってしまうのではないでしょうか。 次に、雇用についてお聞きをいたします。 電通の二十四歳の女性が月に百時間以上の残業で過労自殺をされてしまいました。労災認定が認められました。余りの長時間労働、そして労災認定、本当に問題であるというふうに思います。 例外のない極めて厳格な長時間労働の規制をしっかりやるべきだ。いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 電通の問題についてお触れをいただきました。このことについては昨日も質問が出ましたが、まず、お亡くなりになった新入社員の方、今回女性でありましたが、御冥福をまず心からお祈り申し上げたいと思います。 私どもは、この長時間労働をなくす、意に反して長時間の労働を強いられるというようなことは決してあってはならないということで、私たち、今働き方改革を更に進めていこうというふうに考えているところでございまして、これは実現会議が、もう既に働き方改革の実現会議が始まっておりますので、これについてしっかりやっていきたいと思いますが。 今回の事件については、平成三年に業務により発病した精神障害を原因とする自殺事案が発生をした、そしてその企業の責任が争われた民事訴訟で最高裁まで争われたことがございました。この同じ企業でこういうことが起きたということでありまして、これは十月の十一日、おととい東京労働局長が電通の幹部を呼んで、こうしたことが再び起きることがないように、労働時間管理の適正化あるいは実効ある過重労働対策を講ずるようにしっかりと指導したところでありまして、厚生労働省としても過重な労働による過労死等に係る労災請求が行われた事業場に対する監督指導を行ってきてはおりますけれども、今後とも更にこれを厳しくやっていきたいというふうに思っております。
○福島みずほ君 労働基準監督署が頑張るのは当然で、その決意は有り難いんですが、労働時間規制をしない限り、企業の責任もあります、でも、長時間労働の規制、三六協定が例外が認められていたり青天井になる場合がある、これを規制しない限り悲劇は繰り返しますよ。 そして、そうおっしゃりながら、大臣が、ホワイトカラーエグゼンプション、一定の年収の人であれば労働時間規制を一切なくしてしまう、そんな法案、継続しているじゃないですか。一方でやりますとおっしゃいながら、一方で殴り付けているようなものですよ。労働時間規制なくしたら本当に過労死が出ますよ。その意味で、まさにホワイトカラーエグゼンプション、廃案にすべきだということを強く申し上げます。 次に、稲田大臣にお聞きをいたします。 「正論」の中でこうおっしゃっています。「核に限った話ではないですが、私は国防全体を、アメリカの進む道と日本の進む道はそもそも違うという観点から考えなければならないと思っています。」。どう違うんでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 一昨日の委員の質問もそうなんですけれども、一体いつの、どの私の発言であるかということは全く質問通告をいただいていないわけです。あらゆる政治家の発言は、その当時の状況の下で、そして文脈の中でそういった発言をしていて、一行だけを取り出されて、しかも、多分野党時代の私の一個人の発言であろうかと思いますが、全く文脈なく、状況の説明もなく、今の質問についてお答えすることは差し控えさせていただきます。
○福島みずほ君 駄目ですよ、そんなんだったら。 これはずっと白眞勲さんも取り上げて、私も言った「正論」の二〇一一年三月号で、繰り返し同じことを聞かれているじゃないですか。この中で発言されています。 では、続けます。 今の発言の続きにこういう発言が続きます。 「経済政策でもアメリカ流の金融グローバリズムや弱肉強食の自由主義、市場万能主義が日本の国柄に適うとは思えないし、世界を混乱させてしまうのではないかということを日本として言っていく必要があると考えています。しかし国防がすべてアメリカ任せという現状では、それができない。」。 防衛大臣にお聞きします。国防は全て現状でアメリカ任せなんですか。
○国務大臣(稲田朋美君) 当時の、野党時代の発言であり、私自身は日本らしさを主張すべきであるということをその中で言っているのだろうと思います。もう全部読んでいないので分かりませんけれども。 そして、アメリカ任せって、日本の場合は、我が国自身の防衛力、そして日米同盟の強化、さらには関係諸国との関連を強化する、この三つが必要だろうというふうに思います。そして、その発言をした当時に比べればずっと、安倍政権になってから、平和安全法制の成立等、日米同盟は大変強化されているというふうに認識をいたしております。
○福島みずほ君 これ、ひどい発言ですよ、防衛大臣。「国防がすべてアメリカ任せという現状では、それができない。」、この後にこう続きます。「短・中期的には、アメリカの核の傘を頼る、あるいはシェアするということで乗り切るにしても、」、これ、核保有ということですよね、「長期的には日本独自の核保有を、単なる議論や精神論ではなく国家戦略として検討すべきではないでしょうか。」。 私は、別に切り取って言っていません。これは、あなたが実際発言しているんですよ。あなたの信念だったんじゃないですか。 TPPに関したって、アメリカと違うんだったら、グローバリゼーションが間違っているんだったら、瑞穂の国は守れないじゃないですか。TPP反対で信念貫きなさいよ。 そして、ここもひどいですよ。アメリカの進む道と日本の進む道は違う、しばらくはアメリカの核の傘に頼ってシェアするけれども、長期的には日本独自の核保有をやるべき、議論や精神論ではなく国家戦略として検討すべきではないでしょうか。 核武装論を言っているじゃないですか。これは、野党とか与党とか関係ないですよ。あなた自身の信念じゃないですか。それが、あっという間に変わるんですか。しかも、答弁すらしないじゃないですか。
○委員長(山本一太君) 福島みずほ君、時間が終わっておりますので。
○福島みずほ君 はい。(発言する者あり)はい。
○委員長(山本一太君) ここで終わってください。
○福島みずほ君 アメリカ任せが国防であると言う防衛大臣は、防衛大臣としての資格はない、辞めるべきだということを申し上げ、私の質問を終わります。
○委員長(山本一太君) 以上で福島みずほ君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、薬師寺みちよ君の質疑を行います。薬師寺みちよ君。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。 まず、総理、お尋ねをさせていただきます。 総理は障害者スポーツを体験なさったことはございますでしょうか。お願い申し上げます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 体験したことはございませんが、先般もパラリンピック、リオのパラリンピック、観戦させていただきました。障害者ラグビーあるいは障害者バスケット等を観戦させていただいたところであります。また、障害者バスケを描いた、これ漫画でありますが、「リアル」という漫画のファンでもございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 私も車椅子バスケットも体験いたしまして、びっくりいたしました。私どもが使うあのバスケットのゴールと同じ高さのゴールを使うんですね。車椅子からあそこまで届く。男性でも届かなかったぐらいでございまして、本当にその障害者スポーツのやっていらっしゃる皆様方のすばらしさというのを再確認をいつもいたしております。 そのような中でも、今年も全国障害者スポーツ大会、あと十日余りで開催となります。今年は岩手県でございます。二〇〇一年から国体終了後に同じ開催地で行われておりますこの大会も十六回目を迎えることとなりました。 この障害者スポーツ大会、各県で持ち回りで行われておりますけれども、開催された地域にどのような変化がもたらされているのか、松野大臣、教えていただけますでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 全国障害者スポーツ大会は、障害のある選手が競技等を通じスポーツの楽しさを体験するとともに、国民の障害に対する理解を深め、障害者の社会参加の推進に寄与することを目的とし、各都道府県、指定都市での予選会や各都道府県持ち回りの全国大会が開催をされております。 全国大会は、その前身となる大会を含めれば五十回以上の歴史を刻んできた国内最大の障害者スポーツ大会であり、予選会や全国大会を通じ、広く国民に対して障害者に対する理解の促進が図られるとともに、日本全国の各地域における障害者スポーツの推進や障害者の社会参加の促進等の役割を果たしてきたものと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 今大臣御説明いただきましたように、障害者のためというよりも、本当に地域の活性化のためにも大変私は重要な大会だと考えております。まさにそのパラリンピックというものがこのような効果をこの日本にもたらすことを私は願っておりますし、これから国民の障害に対する考え方というものもどんどん打ち破っていく、そんなきっかけになってほしいと思っております。 ところで、この障害ということについて塩崎大臣にお尋ねをさせていただきます。 日本における障害者、そして障害という概念というものが時代遅れなのではないか、制度疲労を起こしているのではないかと何度も議論をさせていただいているところでございます。 平成二十八年度の障害者白書では、身体、知的、そして精神障害者、合計いたしましたら八百六十万人でございます。これ、単純計算で申しますと、国民の十五人に一人、何らかの障害を持っているということになります。もちろん、これは重複していらっしゃる方々もいらっしゃいますし、精神障害者については医療機関の調査であるため正確ではないということもございますが、この十五人に一人というこの数字、皆様方の身近にも障害をお抱えになって普通に暮らしていらっしゃる方がいらっしゃるということになります。 全国障害者スポーツ大会、先ほども御紹介いたしましたけれども、手帳の交付というものを基に参加資格を考えられております。 一つ、低身長というものを挙げてみます。軟骨無形成症という難病は、手足が少し短くて、そして成人になっても平均身長は百三十センチ。これで低身長、実はパラリンピックの参加資格オーケーなんです。今回も水泳競技で大変に大活躍していらっしゃるこの病気の皆様方、私も応援をさせていただきました。しかし、日本ではこの低身長だけでは障害者手帳を取ることができません。疾患によっては重症度と障害等級の関連が全く認められないといったものも前回も指摘をさせていただきました。 日本において、この障害、障害者という考えや、手帳の在り方が制度疲労を起こしているのではないか、何度も見直しをお願いしておりますけれども、厚労大臣、御意見いただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) この問題につきましては、平成二十八年、今年の三月三十一日の参議院厚生労働委員会で先生から御指摘があって、軟骨無形成症による低身長の方の障害認定の見直しについて問題提起をいただきました。 身体障害、知的障害、精神障害、それぞれの認定については、もう先生からお話がございましたとおり、一定の客観性や明確性を確保するために障害特性に応じて主として医学的な観点から定めた認定基準、これを物差しとして判断をしてきたというのがこれまでの軌跡でございます。 これらの認定基準については、昨年、例えば肝臓機能障害の対象範囲を広げるなど、専門家あるいは当事者の御意見などを伺いながら各機能障害について必要な見直しを行ってきているわけでありますが、御指摘の低身長の方の認定については、これまでは低身長かどうかにかかわらず、関節や筋力などの機能障害、これによって判定を行うという取扱いで来たわけで、それについていろいろな御意見を頂戴をいたしております。 しかしながら、低身長の方の場合は、背中を洗うとか、いろいろな日常生活における動作に困難がないかといった状態も考慮した上で判断することが必要だというふうに考えておりまして、現在、先生からの御指摘も受け、専門家や当事者の御意見を伺いながら低身長の障害認定の取扱いとその周知内容について検討をしているところでございまして、今後とも、障害者の方々に必要な支援が提供されるように、障害認定の基準の在り方などについて不断の見直しに努めてまいりたいというふうに考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。 もうこの低身長だけではなく、やっぱり医学モデルから社会モデルへとしっかりとこの日本も考え方を切り替えるときに来ているんではないでしょうか。四年後の東京オリンピック・パラリンピックを盛り上げるためにも、障害者スポーツ、しっかりと私たちも国民的な理解を得るように努力をしていかなければなりません。 最近、テレビでも様々な障害者スポーツ、目にするようになりましたけれども、残念なことにこのパラリンピックの陰に隠れて忘れてしまいそうな大会、活動もございます。それが、知られざるオリンピックと称されることが多いデフリンピックとオリンピックスです。 ここからは簡単な手話を交えまして質問させていただきます。たどたどしい手話でございますので、聞き苦しいところがありましたら大変申し訳ございません。 まずは、このパネルを御覧いただきたいと思います。(資料提示)パラリンピックに全ての障害者が参加できるわけではないんです。聴覚障害者はパラリンピックに出場することさえできません。聴覚障害者のためのデフリンピックというものが別に開催をされております。知的発達障害者もパラリンピックの競技の一部に参加が認められているだけで、パラリンピックと別にスペシャルオリンピックスというものが開催をされております。 次のパネルを御覧ください。十年前に内閣府が行った調査においても、デフリンピックという言葉は二・八%、スペシャルオリンピックスは一二%の方々にしか認識をされておらず、まだまだ一般的とは言い難い状況でございます。そのために、周囲から理解を得られにくく、聴覚障害や知的障害をお持ちの皆様方がスポーツ活動を行うにも十分な協力が得られにくい現状がございます。 この現状について、松野大臣、どのようにお考えになっていらっしゃいますでしょうか、お願い申し上げます。
○国務大臣(松野博一君) 委員から御指摘がありましたとおり、パラリンピックの認知度が約九八%と高い一方で、スペシャルオリンピックスやデフリンピックの知名度、認知度がそこまで至らないという状況であります。このような状況を踏まえまして、今後、デフリンピックやスペシャルオリンピックスの認知度を高めることを含め、障害者スポーツの普及や障害者に対する理解促進を一層強めてまいらなければいけないと、そう考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 現在、パラリンピックは、国家プロジェクトとして国や企業を挙げて大会開催のムードが高まってきております。障害者スポーツの普及そして啓発、経済的な支援などの施策も強化されてきております。しかしながら、その支援はパラリンピックに偏りがちでございます。 聴覚障害者は、お住まいの地域のスポーツクラブに参加を断られてしまうこともしばしばあると伺いました。全国のスポーツ施設、スポーツクラブに聴覚障害者が日常的にスポーツ活動に参加できるよう振興策、対応を講じる必要があると考えておりますが、松野大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 聴覚障害者の方を含めた障害者のスポーツ実施率は成人全般と比較して低調な状況にあり、その原因の一つとしてスポーツのできる場の不足が挙げられております。 文部科学省としては、特別支援学校を活用した障害者スポーツの拠点づくりや地域スポーツクラブへの障害者の参加促進など障害者スポーツの場づくりに向けた取組を行っているところであります。特に、地域スポーツクラブについては、障害者スポーツ導入のためのガイドブックを作成をしており、その普及、活用を図るなど聴覚障害者の方も含めた障害者のスポーツの場の確保に努めてまいりたいと考えております。 あわせまして、本年四月に施行されました障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律に基づき、文部科学省では所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針を策定をしております。この指針では、不当な差別的取扱いの具体例として、障害のみを理由としてスポーツ施設等のサービスの利用をさせないことを挙げております。 文部科学省では、この指針の内容を各都道府県や関係団体に通知をしたところであり、指針に基づく対応が図られるよう今後とも周知徹底に努めてまいります。
○薬師寺みちよ君 よろしくお願いいたします。 デフリンピックは選手が力を競うだけではありません。その大会を通して社会へ聴覚障害への理解を啓発していくことに大きな意義があるんです。 デフリンピックは、一九二四年、フランスのパリ大会から長い歴史を誇っております。しかし、夏季大会、冬季大会とも日本で大会が開催されたことが今まで一度もございません。昨年の冬季デフリンピックでは金メダル三個獲得している、輝かしい成績を上げているんです。聴覚障害に対する理解を進めるためにも、総理が先頭に立ってデフリンピックを日本に招致していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 障害者スポーツの国際的な競技大会を我が国で開催することは、障害者のスポーツの振興、さらには障害者に対する国民の理解を深める上で大きな意義があると、このように思います。聴覚障害者のための大会、デフリンピックは、パラリンピックとは別に、御紹介いただいたように開催されており、これを日本に招致するという趣旨についてはすばらしいと私も思います。 他方、大会招致に当たっては、開催地となる自治体との調整、主催する国内団体の体制の整備などの課題もあるものと承知をしております。デフリンピックの日本招致については、関係団体や自治体との間で調整が進み、具体的な御相談があればその内容に応じてしっかりとバックアップをしていきたいと思います。 今後とも、デフリンピックへの国民の関心が一層高まるよう関係団体と協力して取り組んでいきたいと、このように思いますし、今日は薬師寺議員にこのように取り上げていただき、大変このデフリンピックに対する知名度、理解も進んだのではないかと、このように思います。私からもお礼を申し上げたいと思いますし、私も大変うれしく思います。ありがとうございました。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。私も諦めずにこれからも努力してまいりますので、よろしくお願いを申し上げます。 では、次に、スペシャルオリンピックスについてもお尋ねをさせていただきます。 オリンピックというこの名称が付いている大会の中でも、スペシャルオリンピックスだけはSが付いております。これ、関係者の方、とても大切にしていらっしゃるんです。それはなぜなのか、そして文科省はこのスペシャルオリンピックスの活動をどのように応援してくださっているのか、松野大臣、お答えいただけますか。
○国務大臣(松野博一君) スペシャルオリンピックスの語尾にSが付いている理由でございますが、世界大会の開催のみならず、日常的なスポーツトレーニングから世界大会まで様々な活動が年間を通じて世界中で行われていることを意味していると聞いております。 文部科学省においては、スペシャルオリンピックスの世界大会に係る選手派遣への財政的支援や、各種大会、行事への文部科学省からの出席等を通じて支援を行っているところであります。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 これも実は、私も説明会に行ってまいりましたけれども、だんだん規模が縮小してきているのではないかというふうに心配をいたしております。 なぜならば、このスペシャルオリンピックス、先ほども御説明いただきましたけど、競技会だけを示す言葉ではないんです。スポーツを通じた知的障害者の皆様方の自立と社会参加の促進、そして知的障害をお持ちの皆様方の、生産的な市民として認めていただくための社会活動というものを示すからこそ、このSというものが付いている。このSというものが付いているがために、日々日々の活動には大変な人的そして金銭的な負担が掛かっていらっしゃるようでございます。 このような活動は、制度ができ、国の予算が付けば成功するものでもないということは、私、身にしみて分かっております。身近な地域の皆様方の地道な活動があってこそ初めて成り立つムーブメント、社会運動の一つでございます。 総理、このようなムーブメントこそしっかりと主導していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは全ての人々の権利であり、知的障害者を含めて障害者のスポーツ振興を図ることは障害を持つ方々に対する理解を深めていく上でも重要と思います。 スペシャルオリンピックスの活動については、社会全体の理解促進が必要であります。私自身、スペシャルオリンピックスについて、国内大会、世界大会の際に応援メッセージを送っております。また、政府として世界大会への選手派遣について財政的な支援を行ってきたところであります。 また、キャロライン・ケネディ大使もこのスペシャルオリンピックスを支援をしてこられたことは多くの方々が御存じだと思いますが、今後ともスペシャルオリンピックスを始め障害者が活躍する活動への社会の関心が高まるよう努めてまいりたいと思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 スペシャルオリンピックスは、ユニファイドスポーツ、障害がある方と障害がない方と一緒にトレーニングをしたり競技会をして活動をもっと盛り上げていこうじゃないかということで、今熱心な私もその一人として活動したいと思っていろいろ勉強しているところでございます。 先生方も是非、大会に呼ばれて挨拶するだけではなく、一緒に走ったり一緒に運動したりすることによってもっともっとこういう運動を盛り上げていただきたいと願っております。そうしましたら、きっと分かるはずなんです。障害者の皆様方、知らないのではなく知る機会を与えられていなかったんだな。障害者の皆様方は、できないのではなくそういうことをやることのチャンスさえも与えられていなかったんだな。 ですから、そういうことから一つ一つ、氷を解かすように、私は次の四年後に向かって日本ができることを着実に進めていくべきだと思っております。貧富の格差というもの、大切ですけれども、このように情報の格差が既にある方々もいらっしゃるんだ、そういうことにも着目しながら、これからも政府の皆様方そして国会でも議論を続けてまいりたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。 今日はどうもありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上で薬師寺みちよ君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、中野正志君の質疑を行います。中野正志君。
○中野正志君 ラストバッターでございます。日本のこころの中野正志でございます。 私どもは、野党第一党の民進党始め一部の野党とは一線を画しまして、平成二十八年度第二次補正予算案、賛成をさせていただいております。 未来への挑戦を掲げられ、もうアベノミクスの加速へ向けて、国際協調、そして政策の総動員だ、私どもも訴えてきた中小・小規模企業への手だて、あるいは農水産業の輸出、その支援、あるいは働き方改革、介護離職ゼロ、子育て支援、教育と、一々施策について申し上げませんけれども、国民の皆様の御期待に応えられる予算編成であったと、そう率直に評価をして賛成をしたわけであります。 とりわけ、何より第一に、安倍総理の所信表明、第一に災害からの復旧復興を掲げられました。民進党の代表の質問にはなかったことであります。 もう災害からの復旧復興、そのために防災対策、減災対策、国土強靱化対策、このことにしっかり目配りをしていくという決意を示されて、なおかつ私たち東日本大震災のことにもしっかりと言及をされました。なおかつ、私は感激いたしたのは、観光先進地、観光先進地・東北とうたい上げいただいたことでありまして、予算もしっかりと増額をいただきました。被災地に対する安倍総理の思い入れあるいは優しさ、それが表れたんだろうと、これまた率直に評価をいたしたいと思うのであります。 でき得ればもっと大型の補正予算でもよかったかなとは思うものの、思うものの、石原大臣にまずお伺いをいたしますけれども、本予算、そして一次補正、二次補正、成立をいたしました。だとするならば、この二十八年度下期の景気、経済、あるいは雇用の見通し、どうなっていくのか、それを率直にお示しをいただきたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) 中野委員にお答えしたいと思っております。 もう総理が再三お話しされておりますように、デフレではない状態をつくり出すことはできておりますけれども、デフレ脱却には至っていない。そういうことで、しっかりとした成長を支えるために経済対策として二十八兆円を組ませていただきました。その中で、先般まで当参議院の予算委員会で御議論をいただいたこの補正予算案、これが成立をさせていただきましたことでGDPをおよそ一・三%かさ上げする。 そんな中で、今委員が御開陳されておりましたように、東北の復興、あるいは東北地方を震災の後、また大変豪雨が襲う等々の大きな被害がございました。こういうものに対しての対策、こういうものも公共投資を行うことによって強いインフラ、安心して暮らせる復興の町東北をつくっていく、こういうものに資する予算が多々入っていると思っております。そして、それによりまして生産性が向上されて、生産性が向上されることによって働く方々の賃金も増えていく。 具体的な数字につきましては、予算が通ったばかりでございまして、これから実際に箇所付けが行われていって、年末ぐらいにはどこにどういう分野でどういう経済的な影響があるかというものをお示しさせていただきたいと考えております。
○中野正志君 そこで、これからの政治日程、喫緊の課題について、安倍総理にお伺いをいたします。 この場でも本会議でも、やっぱり喫緊の課題、私たちは憲法改正とTPPだと、そのように考えております。憲法改正の問題、いろいろ議論もありました。ただ、地元で懇談会をいたしますと、違和感を持っておられる人がたくさんおります。 これは、例えば、例えば民進党の幹事長、もうかつては新しい憲法を作るという論者であったにもかかわりませず、今回、今回……(発言する者あり)変なやじ飛ばすなよ。今回、自民党の憲法草案を撤回しなければ議論はできないと発言をされております。とんでもない。公の政党に対するこれは失礼な話だと私たちは思います。 同時に、代表、二重国籍問題でこれぐらいに騒がせておいて、国民の皆様に丁寧な説明もないくせに、このとりわけ憲法改正の問題については安倍総理にもう逐条的な説明を求める。むしろ、聞いておられる国民の方々はいちゃもんだと、こう断じておられる。それぐらいなら、民主党も独自の憲法案を提出すればいいじゃないか。私たちは、少数政党ながら既に憲法草案、原案をもうオープンにいたしております。 そういう意味で、安倍総理、一々申し上げませんけれども、やっぱり安倍さんの時代でなければ憲法改正はできないと多くの国民の方々も感じておられるようであります。大くくりの議論でいいのでありますけれども、憲法改正について改めての覚悟を国民の皆様にお示しをいただいておきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大変御激励をいただいたことに感謝申し上げたいと思うわけでありますが、我が党は、立党以来、憲法改正を言わば党是として掲げてきて今日に至っているわけでございます。そこで、谷垣総裁の時代に憲法改正草案を党内で議論をした末取りまとめたところでございまして、この草案については逐条的な解説も含めて国民の皆様にお示しをしているところでございます。 従来から、私、申し上げてきたように、憲法に指一本触ってはいけないというのは、これはおかしいではないかと、自由な議論を妨げてはならないというのが私たちの考え方でございます。そこで、そこで、言わば我々の草案を撤回しなければいけないということは、自由な議論をそもそも否定している、あなたたちの議論は駄目だよと言っているのに等しいわけであります。私が申し上げているのは……(発言する者あり)済みません、小西さん、静かにしていただけますか、私と今、中野さんがやっているんですから。あなた関係ないじゃないですか。(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 静粛に願います。静粛に願います。総理の答弁中ですから。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そこで、そこで、言わばこの憲法改正については、私たちは私たちの考え方を示して、しかしそこで、憲法審査会においてどういう議論をしていくかということは憲法審査会で決めていくわけでありまして、我々はこの草案を丸ごと憲法審査会に出しているわけでもありませんし、そもそも逐条的に国民投票はなされるわけでございますから、それを我々が、言わば自民党が出した上で御議論をいただければと。それが、これがおかしいということであれば自由闊達に議論をしていただければいいんだろうと思うわけで、そもそもそういう考え方を持っていること自体がおかしいという考え方は、まさにこれ言論の自由を封殺するかのごときの議論ではないかと、こう思う次第でございますが、いずれにいたしましても、今私がここに立っておりますのは、再々申し上げておりますように行政府の長として立っておりますので、まずはしっかりと憲法審査会において議論が国民の前で進んでいくことを期待しているところでございます。
○中野正志君 安倍総理、ありがとうございます。もう共々、憲法改正に向けて、もちろん院の憲法審査会で議論をしていかなければなりませんけれども、しっかり頑張り合ってまいりたいと思います。 また、大きなテーマとなっておりますTPPについてもお伺いをいたしたいと思います。 政権を一度担った政党とは思えないような議論がこの場でもよく出ております。いわゆるSBS米と言われる問題について、あれはウルグアイ・ラウンド、ミニマムアクセス米ということで七十七万トン輸入、そのうちの十万トン、主に主食用の米ということでSBS米になっておるわけでありますけれども、いわゆる国産米が高いときは十万トンちゃんと落札されて、落札されておりますけれども、日本の国産米価格が低いとき、例えば一キロ二百二、三十円ぐらいのときは、去年の例でいうと二・九万トンの落札、おととしなんかは一・二万トンの落札です。今国内の消費量は恐らく七百五十万トンでありますよ。この七百五十万トンのうちの二・九万トン、一・二万トンが国内の米の値段に影響が与えるなどと主張される方はどうかなと。正直な感想であります。 TPPで確かに十三年掛けてアメリカ、オーストラリア、七万八千四百トンこれは増えますけれども、それにしたってその手だてはちゃんとされると総理始め皆さんが答弁をされている。当然ながら、TPPでありますから、一部正直弱い産業の部分、農業の一部を含めてそれはちゃんと手だてをしていかなければなりませんけれども、国家戦略としてTPPはやっぱりしっかり私たちはやり上げていくのでなければならない、こう考えております。 そういう意味で、安倍総理、このTPPの国会承認の覚悟のほどをお聞かせをいただいておきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさにこの自由貿易というのは日本が戦後発展してきた礎であろうと、こう思う次第でございます。 言わば、今度は、このTPPは、新たにアジア太平洋地域にGDPの四割を擁する新たな四割経済圏ができるわけでございます。ここで自由に物やお金や、あるいは人やそして知財が行き交う、そしてしっかりとしたルールが確立をされるということになるわけでございます。 例えば、これは大企業だけのものではなくて、中小企業にとっても、又は零細企業にとっても、今までなかなか外に、海外に出ていくのは怖いと、こう思っていた企業がルールによってしっかりと守られるわけでありますから、知財も守られる、小さいながらもつくり上げてきた付加価値が守られるわけでありますから、安心して出ていくこともできます。そしてまた、国内にいながらにして関税が下がっていきますから、サプライチェーンの一角を担っていくこともできるわけでございます。そうしたことも含めて、しっかりと中小零細企業も準備をしながら競争力を高めていけば大きなチャンスに変えていくことができるわけであります。 農業というのは多面的な機能を持っておりますから産業面だけで切り取ることはできませんが、しかし、産業分野ということで発展をしていける農業の分野においては新たに付加価値が評価される世界が出てくるわけでありまして、日本の農作物、今まで積極的な輸出はなされていなかったわけでありますから、日本の農作物に対しましても大きな可能性が関税が下がっていくことで広がっていくわけでございます。 もちろん、入ってくるものもありますから、それに十分な対策をしていくのは当然のことであろうと思うわけでありますが、我々はまさに新しいこの経済圏を活用してしっかりと経済を成長させていき国民を豊かにしていきたいと、このように考えております。
○中野正志君 続きまして、時節柄のテーマ、お話をさせていただきます。 連日メディアで報じられておりますけれども、いわゆる東京都の五輪開催見直しの検証チームですか、三会場、会場見直しだと、競技会場見直しだという報告がされました。以来、連日いろいろあります。読売新聞の世論調査によりますと、見直しに賛成する人は八五%に上るといいます。 その中で、ボート、カヌースプリント会場に擬せられましたのが、私ども宮城県登米市の長沼ボート場であります。地元では俄然開催を期待する声が高まっておりまして、十二日、昨日も宮城県の村井知事が東京都の小池知事に会われました。いろいろ会談、中身は詳しく承知いたしておりませんけれども、いい会談であったと、こうは聞いております。 この長沼ボート場、常設の二千メートルコースが八本ありまして、日本で最高峰の競技環境が整っている競技場だと、こう言われておりまして、各種大会でも高い評価を得ております。交通アクセスも自民党議員さんからいろいろ御懸念の声がありましたけれども、実は問題ないんであります。東北縦貫自動車道路、築館インターから僅か十分であります。そして、東北新幹線くりこま高原駅から車で二十分。また、瀬峰飛行場というところが近くにありまして、そこから車で二十分、瀬峰飛行場まで仙台空港からはヘリコプターで十五分なのであります。そういうすばらしい交通アクセスであります。景観も優れた地域でありますし、正直、食材の、まさにうまい食材の宝庫であります。人情味豊かで、おもてなしの心がしっかり発揮できる地域でもあります。 何よりも、総理、そして担当大臣丸川さん、この元々東京五輪、復興五輪、これが基本コンセプトの一つであったと思うのでありますね。ですから、私たちは、今回の五輪の理念は大震災からの復興である、これをあえて強調しておきたいと思うのであります。 平成十五年、私たちは北部大地震に見舞われました。平成二十年、岩手・宮城内陸大地震に見舞われました。そして、あの平成二十三年の東日本大震災。もう東北、岩手、宮城、青森、福島、一生懸命復興のために頑張っておるところであります。必ず、こういった復興五輪の一つの競技が東北で開かれるということであれば、予選大会でなくて本大会が開かれるということであれば、東北の皆さん、ますます力付けをされるということになろうと思います。 長沼ボート場では、知事いわく、被災者の質の高い部分のいわゆる仮設住宅をリフォームして、もうバリアフリーにしてしっかりリフォームして、選手の皆さんや大会関係者の皆さんの住宅にしたいと、宿舎にしたいと、こうも言われております。また、このせっかくの競技場でありますけれども、オリンピック終わった後、毎年毎年、もう恒久的に高校総体、インターハイですね、これを我が宮城県で開催していい。そうすれば、よその県の方々の財政負担は減るわけでありますから、宮城県が責任を持つと言っておるんでありますから、将来にとってのレガシー、遺産になると、こういう理解になるんだろうと思うんです。 確かに、あの西田委員さんの御発言によりますと、いろいろ設備費、建設費の問題が提起されましたけれども、実は観客席、メガフロートを使えばいいんです、メガフロート。人工浮き島ですよ。わざわざ、一か月やそこらの大会でありますから、本格的な一万人の観客席も造る必要はない。仮設でいいんです。人工浮き島、メガフロートです。 そんなことどもなどをあえて私は提案をしておりますけれども、正直、今日まで御苦労いただいておりますオリンピックの組織委員会の皆様、今更これは困難だ、厳しいよ、こう言われておるのは私たちにも当然ながら聞こえておりますけれども、復興五輪、このことに眼目を置いていただきながら、丸川大臣、御感想をお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(丸川珠代君) 復興五輪というお話をいただきました。復興を成し遂げつつある被災地の姿を世界に向けて発信するということは、政府のオリパラ基本方針においても大会の大きな目的の一つとして掲げておるところでございます。東京都や組織委員会、また関係府省庁ともしっかり今後連携をして取り組んでまいりたいと存じます。 一方で、ボート、カヌーの競技会場ということになりますと、これ、まず都政改革本部は都知事に対しての中間報告でございますので、私どもは都知事がどういう判断をなさるかということをまず注視をしなければなりません。そして、仮に知事が変更を判断された場合においても、ボート、カヌー、それぞれの国内の競技連盟と国際競技連盟とのやり取り、また大会組織委員会との協議が必要になりますので、このような状況の下で……
○委員長(山本一太君) 丸川大臣、時間終わっていますので、簡潔にお願いいたします。
○国務大臣(丸川珠代君) 現時点での仮定のお話についてお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。 復興五輪は大切なことだと思います。
○委員長(山本一太君) 時間ですので、短く一言だけお願いします。
○中野正志君 どうぞ今後ともの御支援、御協力、よろしくお願いを申し上げます。 残余の質問、各大臣、大変失礼いたしました。 ありがとうございます。
○委員長(山本一太君) 以上で中野正志君の質疑は終了いたしました。(拍手) これにて内政・外交の諸問題等に関する集中審議は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時七分散会