予算委員会 第2号
- 発言数
- 354 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2016/10/06
会議録
○委員長(山本一太君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 平成二十八年度一般会計補正予算(第2号)、平成二十八年度特別会計補正予算(特第2号)、平成二十八年度政府関係機関補正予算(機第1号)、以上三案を一括して議題とし、昨日に引き続き質疑を行います。有村治子君。
○有村治子君 皆様、おはようございます。自由民主党の有村治子です。昨日に続き、二重国籍あるいは国籍法のことについて質問をさせていただきます。 昨日、総理とそれから外務大臣に御答弁を賜りました。そのことについて改めてその御真意を賜りたいと思いますので、通告をしていないということを明確にした上で、まず外務大臣からお伺いをしたいと思います。 昨日、二度ですね、外交官は二重国籍を禁じられているのに、外務大臣が二重国籍のままでなれてしまうというこの現実についてどう思われますかと、本当に二重国籍を持っている人が外務大臣になってもいいのでしょうかということを二度聞かせていただきました。残念ながら直接的なお答えはいただかなかったわけでございます。 やはり、私も大臣にならせていただいて経験をいたしますけれども、省益と国益ということが異なることがございます。例えば予算一つ取っても、それぞれの省庁としては、単体を考えれば予算はもっともっとどんどん欲しいという主張になりますし、国益を考えれば、納税者の負担ということを考えれば、まさに予算はコンパクトである方がいいと。この省益と国益のベクトルが違っていくときに、それをできるだけそのベクトルを同じようにして国家国民のために仕えることが省益であり、省益を追求することが結果として国家国民にしっかりと貢献していくことになると。そのベクトルを縮めていく、方向を縮めていくというのが政治家、閣僚の使命だというふうに思っています。 そういう意味では、本当に二重国籍で外務大臣になれるのかという質問に対してお答えをいただけていないというのは、外務省の優秀な官僚が書いた答弁としては、それは法に脆弱性がありますとは書けませんから、省益という意味ではそれぞれの省が現状維持の慣性が働く中でそういうコメントになると思います。けれども、この本質的な課題というのは、外務省の若い官僚が机に向かって一夜漬けで、外務大臣になったこともない人が答えられる質問ではないと思うんですね。まさに、何年もの間、本当に修羅場を経験して、交渉の中で、結論が見えない中で悩んで悩んで結論を出して腹をくくってその方向をつくっていく政治家、なかんずくその中でも選ばれし外務大臣こそが、外務省の中では外務大臣こそがこの質問に答えられる唯一の方だというふうに思うんです。 戦後の歴代の外務大臣の中でも最も外交の功績を上げてこられたお一人というふうに評価されている外務大臣だからこそ、外交の修羅場を経験されて、本当にその職が二重国籍であっていいのかどうか、御自身の言葉でいただければ有り難いと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、昨日も答弁させていただきましたが、外務公務員というもの、これは、職務そして責任が国際的であり対外的であるなど、その特殊性に鑑みて、他の国家公務員とは切り分ける形で外務公務員法に定める中で、二重国籍は認められない、こういった形になっています。 そして、外務大臣の方はどうかということですが、外務大臣の方は他の国務大臣と同じく日本国籍は求められている、それ以上は任命権者であります内閣総理大臣の適材適所の判断に基づく任命に委ねられている、こういった形になっている、これは現状の制度であります。 その中にあって、外務大臣のありようとして、政治家としてどう考えるかという御質問をいただきました。 やはり、外交の現場に立ちますときに、特に国際会議あるいは海外での会談を経験する中で、やはり外務大臣に課せられた責務、大変重たいものがあるということは痛感いたします。過酷な国際環境の中で大きな責任を担うこの外務大臣の重みというものを自分自身強く感じています。 その責務を実現するために、国籍との関係においても不都合が生じないためにどうあるべきなのか、これを実質的にはもちろん不都合がないように任命がなされなければなりません。一方、制度においてこれをどうつくっていくかということについては、やはり政府として、あるいは内閣として、国家としてどう考えるか、これは政府全体として考えていくべき課題ではないか、このように考えます。
○有村治子君 ありがとうございます。 今いみじくも外務大臣がおっしゃってくださったように、これはまさに政府として、内閣として考えるべき問題だとおっしゃっていただきました。 昨日、総理はもったいなくも、有村の主張には一理あるというふうにおっしゃってくださったんですけれども、それはそれ自体大変有り難い、重いお言葉だと本当に受け止めますけれども、その後に、国会議員の身分に関わることなので国会の議論にというふうにおっしゃっていただきました。 当然、国会議員の二重国籍を禁じるか否かというのは国会で議論すべきことでございますが、事大臣、副大臣、政務官というのは行政府に入る方々であり、その人たちが果たして二重国籍であっていいのかどうかというのは必ずしも国会議員の身分には直結しない場合がございます。 例えば、小泉政権のときの川口順子外務大臣は民間人でありました。調べたところでは、戦後三人の民間大臣が外務大臣になられています。民主党政権時代の森本元防衛大臣も大学教授という民間人でありました。そういう意味では、国会議員の身分ということの二重国籍の有無だけでは足らざるところが、やはり政府に入ってくる民間人のことも考えると、本当にこの方々が二重国籍であっていいのかどうかということを考えなければなりません。 政治家にとって支持率あるいは投票率というのはパワーの源泉でございます。そして、内閣の支持率というのはその内閣の体力そのものであります。その体力がたとえ奪われても、血肉が奪われても、日本にとって大事なことはやり抜くということで総理は日本の安全のために特定秘密を上げ、そして平和安全法制を歯を食いしばって、支持率を下げてでも自らを、本当に血肉を奪い取られてでもやり抜かなければならないという信念でおやりになったと思います。 そういう意味では、それだけの総理の気概があるからこそ四たび国民の皆さんは総理に信託を与えられ、そしてこれからも日本のためにやってほしいというエールを送ってくださっているのだと思います。 そういう意味では、国会の議論に委ねるというのは恐れながら総理の本心ではないような気がいたしますが、いま一度コメントをいただけたら有り難いと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいまもう既に有村議員から御指摘があったんですが、そもそも外務大臣も答弁をさせていただいたように、外務公務員には二重国籍が認められていない。その理由は、まさに国籍が二つある場合ですね、その国と国との交渉において国益がぶつかる場合があるわけでありますから、それはふさわしくないだろうということであります。それ以外にも細かい事由もあるわけでありますが、基本的にはそういうことではないかと。 しかし一方、外務大臣とか副大臣とか政務官、彼らも交渉を当然するわけであります。そして、基本的に政府の立場としては、それを総理大臣たる私が基本的にその中から適材適所ということで選んでいくわけでありますが、では、じゃ、そもそも総理大臣も首脳外交を展開するわけでありますから、それ以前に私たちはどうなんだということだろうと思います。確かに私はそれは問題点として存在すると、このように思います。 同時に、私は国会議員の身分に関わると言ったのは、これは国会議員からも選ばれてくるという議院内閣制の性格上、では、その国会議員の身分に、しかし、外務大臣や政務官、副大臣、あるいは総理大臣になる際に、この国会議員の身分としてそれが問われるということになってくるということにおいては、これはやはりある程度、政府にも関わってきますが、議会側にもこれ両方係ることでございますから、そういう意味においてはこれは議会側においても御議論をいただきたいと、こう思う次第でございますし、我々としてもそうした問題点は整理していかなければいけないと、このように考えております。
○有村治子君 総理、外務大臣、本当に言葉を選んで慎重にお答えいただいたことを有り難く存じます。 今総理がおっしゃっていただいたことは大変重いと思います。国会の身分に関することは国会で、立法府で議論すべきこと、と同時に、政府としても考えていかなければならないことだとおっしゃっていただきました。 目的は一つです。国家国民、主権者たる国家国民の皆さんの安全、安心のためにどのような環境を行政府として、また立法府として整えるかという共通の目的に向かって議論が進む、またその一翼を担ってまいりたいというふうに思います。 それでは、次に入っていきます。 現在、自衛隊・防衛省職員の二重国籍を禁じる法律はありません。現在、政府が持たれる特定秘密、直近で四百八十ありますけれども、その中で機密指定が最も多いのが防衛省でございます。暗号に関する特定秘密も防衛省が最も多い。潜水艦やあるいは航空機やレーダーの性能などについても防衛省については多くの情報機密、機密情報が集中していると考えます。 防衛大臣に伺います。国の守りを固めること、国民の生命と財産を守ることは国益の最たるものであり、民主主義国家においては国民に対する最も基本的な国の責務であると考えています。その最前線に立つ自衛隊・防衛省職員が、果たして日本以外の国籍を持っていてよろしいのでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 自衛隊員につきましては、外務公務員を除く他の国家公務員と同様、日本国籍を有する二重国籍者を排除する法律はありません。なお、防衛駐在官については外務公務員の身分となるため、外務公務員法に基づいて二重国籍の保有が禁止をされております。 今、有村委員がおっしゃった点、大変私も共通の認識を持っておりますが、二重国籍者については国籍法第十四条第一項に基づいて一定期間内にいずれかの国籍を選択することになるというふうに認識をいたしておりますので、自衛隊員が法令に違反して二重国籍を保持し続けることがないよう周知徹底を図ってまいりたいと思っております。 なお、自衛隊員については、御指摘のように、多くの秘密を扱い得る職務に就くため、自衛隊員等の国籍の保有状況についても、外国の情報機関等による働きかけがないかを調査するための参考として調査することといたしております。
○有村治子君 現在の御説明をいただきました。自衛隊・防衛省職員の二重国籍を禁じる法律はないと私の方も明確に申し上げていますので、そのことの御説明というよりも、その現状をどうトップとしてお考えになられるのか、次にお伺いしていきたいと思います。 外交官には日本以外の国籍を持つことを禁じておきながら、大臣が御指摘のように、数々の防衛機密と向き合う自衛官は二重国籍を持っていいと、あるいは持ててしまうというのは、この質疑を視聴されている国民の皆様からも、随分偏った規制だなと感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。いみじくも防衛大臣がおっしゃったように、日本の自衛官も当然スパイ工作の対象になります。二重国籍でなくてもなります。 平成十二年には、日本にあるロシア大使館の、御言及ありました駐日武官がスパイ工作をしていました。そして、その日ロの自衛官の交流の中で海上自衛官にターゲットを絞り、現金と引換えに秘密文書を持って帰ったということがあります。まさに、冷戦が終わって久しいプーチン政権になった後でもこの日本において日米の防衛機密に関して諜報が行われているという事件でございます。ボガチョンコフ事件でございます。 日本の外交官はこういうことがないというふうに思いますが、この例が示すとおり、ロシアの外交官は、表向き外交官あるいは駐在武官という顔をしながら実態は諜報部員だということがあります。そして、この諜報をしているということを日本が、警察が分かったときには、もう彼はロシアの外交官という表向きの肩書で悠々とロシアに帰っていたということがあります。 外交、防衛は表裏一体のはずであります。外交官に二重国籍を禁じる一方で自衛官には日本以外の国籍を持つことを禁止していないというこの規則の違いを教えていただきたい。この規則の合理的説明があるのであれば教えていただきたいと思います。
○国務大臣(稲田朋美君) 今御指摘になった海外に駐在をしている防衛の駐在官につきましては、外務公務員の身分となるので二重国籍の保有は禁止をされているところでございます。 その上で、自衛隊員に対して、二重国籍者が職員となることを禁止する外務公務員と同様、外国に駐在している人のみならず、今おっしゃるように秘密に接する機会もあるということでございますので、まず二重国籍の保有は一定期間内にいずれかの国籍を選択することになるということをしっかり認識し、さらには先ほども申し上げましたように、自衛隊員等の国籍の保有状況についてはしっかり調査をすることとはいたしております。 その上で、先生の御指摘の観点もございますので、そういった点、自衛隊員の職務の特殊性ですとか様々な観点からしっかりと判断をすべき問題であるというふうに思っております。その上で、自衛隊員に対しては、服務に関する義務を徹底をして、自衛隊の任務遂行に遺漏なきを期してまいりたいと思っております。
○有村治子君 稲田防衛大臣、ありがとうございました。 実は、平成二十一年の衆議院の法務委員会で、稲田代議士が法務委員として国籍法に関する質問をされたその議事録も全て読ませていただいた上でこの場に立たせていただいております。国籍法の取締りをもっとしっかり厳格にすべきじゃないか、催告をしてやるべきじゃないかと、かなり強い御主張で法務省を、政府をただしておられます。その意気の強さということを考えますと、そのような強い責任感、倫理観をお持ちの防衛大臣でございますから、本当に国家国民の安全を確保するための法制やあるいは自衛隊職務の在り方ということを真摯に向き合っていただいて検討をしていただけることを心から願います。 それでは、次に伺います。 皇宮警察官、警視庁のSPさん、また各都道府県に採用される警察官の二重国籍を禁じる法律はありません。天皇皇后両陛下や皇族方、総理大臣などを護衛するのが二重国籍であってもよいのかどうか、本当に問題はないのかどうかをお伺いしていきたいと思います。 例えば、農林水産大臣のSPさんであれば、日本政府がTPPに関してどのような交渉姿勢で臨むのか。あるいは、防衛大臣のSPさんであれば、次期戦闘機やイージス艦に対して日本がどれだけの価格までは了承しようとしているのかという書類を目にすることがあるかもしれません。あるいは、環境大臣や外務大臣のSPさんであれば、地球温暖化防止に向けて、よっしゃ、パリ協定の閣議決定は十一日になったぞということの車の中での会話を席の前にいる助手席のSPさんは聞くこともできます。警護官やSPさんは、口外してはならない情報、天皇皇后両陛下の非公式の御発言など、そういうことを把握していらっしゃいます。 この方々が外国籍を持てるという現在の法制度は適切だとお考えでしょうか。国家公安委員長にお伺いします。
○国務大臣(松本純君) 御指摘をいただいております重国籍者の件でございますが、都道府県の警察官に関し、日本国籍を有しない者は警察官になることができないというのは一連のこの流れのとおりでございますが、都道府県の警察官の任用について、この二重国籍者は除外されるものではないという位置付けにある中で、任命権者である警察本部長において、真に警察官としてふさわしい人材の任用を行っていただくということに尽きると、今の現段階では受け止めているところでございます。
○有村治子君 ありがとうございます。 続けて、国家公安委員長に伺います。 社会の転覆を謀ろうとする破壊組織、国際テロ組織、資金洗浄やあるいは麻薬取引などを行う国際犯罪組織などに向き合い、利害が複雑に絡み合う現場に身を置く公安警察官が日本以外の国籍も持てる現在の状況は果たして的確だとお考えでしょうか。
○国務大臣(松本純君) 重ねてのお答えになってしまいますが、今置かれている現状、状況の中におきまして、やはり任命権者として、警察本部長を始めとしてその立場にある方が真に警察官としてふさわしい人を任命をしていくということに今現在なっているということでございます。
○有村治子君 別の観点から伺います。 では、二重国籍の方でも警察行政のトップ、すなわち今、松本先生がいらっしゃる国家公安委員長になることができてしまうという現状は、日本の安全を守る上で果たして適切なのでしょうか。国家公安委員長の職責の重さ、職務内容に照らしてお答えいただきたいと存じます。
○国務大臣(松本純君) 国家公安委員会委員長につきましては国務大臣をもって充てることとされているところでございます。国務大臣につきましては法令上二重国籍者を除外する規定はありませんが、国務大臣の任命については任命権者である内閣総理大臣の適切な御判断により行われるものと考えているところでございます。
○有村治子君 総務大臣にお伺いします。 政治資金規正法は外国人からの寄附を禁止しています。なぜでしょうか。
○国務大臣(高市早苗君) 政治資金規正法では、外国人、外国法人又はその主たる構成員が外国人又は外国法人である団体等から政治活動に関する寄附を受けてはならないこととされています。 その規定が設けられた趣旨は、日本の政治や選挙が外国の勢力から影響を受けるということを未然に防止する趣旨であると承知をいたしております。ただし、ここで言う外国人とは、日本国籍を有しない自然人をいいます。
○有村治子君 ありがとうございました。 まさに、外国人や外国勢力、外国の政府から日本の政治家が影響を受けることを未然に防ぐための政治資金規正法でございます。 かつて菅内閣のときに、前原外務大臣が外国人から二十五万円を受け取った責任を取って外務大臣を辞任されました。恐らくこの外国人というのは日本国籍を持っていなかったこと、総務大臣がおっしゃったとおりだと思います。そのときに、世論からは、二十五万円で外務大臣を辞めるなんてそんなにきついのかというふうな指摘もありましたけれども、厳しい法律でございます。まさに外国からの影響を受けているというのは、二十五万円であろうと一万円であろうとそれはいけないことであるというふうに厳格な法律が定められています。 官房長官にお伺いします。 この政治資金規正法によって、国会議員ばかりでなく地方議員、その候補者ですら外国からの影響を受けないように外国からの献金が禁じられています。閣僚の資産公開では、持家かどうか、株を一株でも持っていたらそれを申告しなければいけない、配偶者が車を持っているかどうかということを申告しなきゃいけないですけれども、国籍がどんな状況かということに関してはノーケアでございます。 恐らく、当然閣僚だから日本国籍だけだろうという、そういう前提が暗にあるのでしょうけれども、経済的な財産についてはこれだけの公表を強いられ、そして政治資金規正法で厳しく縛られているのに、国籍に関してはノーケア。そういう中で、権力に最も近い内閣総理大臣補佐官が二重国籍を持っている人でもなれるんでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 委員御存じのように、内閣総理大臣補佐官というのは総理が任命をするわけであります。指名するに当たって、この二重国籍を除外する規定はございません。
○有村治子君 ありがとうございます。 そうですね。総理大臣補佐官も二重国籍を除外する規定がないというのが現在の状況でございます。 総理補佐官は、二十四時間厳重に警備がなされる官邸に自分の部屋を持ち、総理の執務室に自由にアクセスができます。総理が何省の誰からの情報を最も信用されているのか、総理官邸の構造がどうなっているのか、いかなるオペレーションルームがあるのか、そこにどんな設備や機能があって、何が技術的にできるのかできないのか、総理の健康状態まで機微に触れる情報に日々接することになります。外国の政府から提供された最高機密の情報など、特定秘密が集中するのも官邸だと思っています。 一国の総理を最も近くで補佐する人が外国籍を持ったままで執務できる状態である現状は、情報漏えいの懸念、国家の安全保障上問題はないのでしょうか。かつて二重国籍の方が総理補佐官になっておられた時代がありました。重大な事案が生じたことがなかったことは日本にとって幸いなことであったと思います。でも、これはあくまで結論であって、まさに官房長官がおっしゃっていただいたように、二重国籍の人が総理大臣補佐官になってはいけないという規制はありません。 官房長官、本当に情報漏えいの懸念、国家安全保障上の問題はないのでしょうか。
○国務大臣(菅義偉君) 先ほど申し上げましたけれども、内閣総理大臣補佐官は総理がこれは任命するものであります。そして、当然、御指摘のような機密の保持や国家安全保障、そうしたことにも近いというふうに思っております。ですから、その時々の内閣総理大臣が、補佐官にふさわしい、そうした者を総理大臣が適材適所でこれは任命をするということになります。
○有村治子君 総理、今までの質疑、答弁をお聞きになってどのようにお感じになられますでしょうか。すなわち、外交官は二重国籍を禁じられる一方、外務大臣は二重国籍を持ててしまう。日本の安全保障上極めて重要な自衛官や防衛大臣も二重国籍を持ててしまう。天皇陛下、皇族方、総理大臣や国務大臣を警護する警察官も二重国籍を持ててしまう。更に申し上げれば、内閣総理大臣や国務大臣、総理大臣補佐官も二重国籍を持ててしまうという現在の法体制であります。 外国の情報機関、スパイなどの諜報機関が暗躍する中、まず彼らが狙ってくる典型的なターゲットの一つが重国籍の方々という可能性があります。この状況は、日本の安全保障上万全の体制であると言えるのでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに委員御指摘のように、委員が例示として挙げられた役職に就いている方々については、確かに国家の機密あるいは交渉等に関わる人々であります。 その観点から、適切な人物を選んでいくということが当然求められているわけでありますし、我々もそのように運営してきたわけでありますが、しかし、そのように運営されない可能性も排除されないわけでございますので、我々もまずしっかりとこれ研究していきたいと、このように思います。
○有村治子君 総理も閣僚を選ぶときに二重国籍かどうかを特段チェックしていないというふうにおっしゃいました。恐らくは野田政権のときもそうだったんだと思います。 そういう意味では、報道でまことしやかに言われる身体検査、身辺検査というときに、やはりその方の国籍ということを、日本国以外の国籍があるのかどうかということを、その人のプライバシーを尊重しながらもしっかりと検査をしていただくというのは、国民に対する国家公務員、特別国家公務員としての忠誠を誓う証左ではありませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的には、国会議員になっている方々については、国籍法上の、努力義務ではありますが、その義務を果たすべくしっかりと対応していただくことが求められるわけでございます。 と同時に、この任命する上において、さらに今、有村委員が御指摘のように、大臣あるいは補佐官等に任命する際には、当該の御本人がしっかりとそれを証明していただくことも大切だろうと思います。書面をもって、国籍、戸籍等において書類をもって証明をしていただくことも必要かもしれないと、このように思います。
○有村治子君 現在の法整備が不足なかりしかという視点でなかなかに厳しい質問をさせていただきました。言葉を選んで御答弁をいただいた閣僚の皆様に敬意と感謝を申し上げます。 次に、外交問題について質問をします。 戦後、ソ連が不法に占拠した北方領土の返還に向けて熱意を持って長年取り組まれてきた総理は、この十二月にプーチン大統領と日ロ会談に臨まれる予定であります。ただ、ロシア、旧ソ連との間にはシベリア抑留という歴史的な問題がございます。 厚生労働省の発表によれば、終戦直後、約五十七万五千人の日本人が強制的にシベリアなどに連行をされました。零下四十度、五十度、極寒の地でございます。私も零下十六度というところで身を置いたことがありますが、そのくらいの寒さになりますと、寒いというよりは針が肌を刺すような、そして目以外を全部カバーしないと外に出られないという寒さですけれども、それよりも更に冷たいマイナス四十度、五十度というのは、出っ張ったところが凍ってしまう、鼻やおでこが凍ってしまう、お尻は出っ張ったところがないから凍らないという状況でございます。そして、その極寒の地で、凍った鼻はゆっくりゆっくり温めないと鼻がちぎれてしまうという寒さの中で凍死や飢え死にが相次ぎ、鉄道建設や炭鉱労働などの重労働で五万人以上の日本人が命を落としました。 抑留経験者の方々も高齢化し、亡くなった方々も多く、関連団体も解散をしています。今回、お話を伺おうと思ってコンタクトを取りたかったのは全国抑留者補償協議会でございますが、五年前にその管理ができずに、高齢化で、亡くなって解散がされています。 戦後、六十万人近い日本人が強制的に極寒の地に連れられ、深刻な人権侵害の状態が続いていたにもかかわらず、残念ながら、まず私たち日本人自身がシベリア抑留のことを余りよく把握していないようにも思います。実に厳しい状況が続いたにもかかわらず、日本の教科書にもこのシベリア抑留のことは小さな扱いでしか書かれていません。私も、中学、高校、小学校の教科書の一部を見せていただきましたけれども、欄外とかコラムに少し書かれている程度でございます。 外務大臣に伺います。なぜシベリア抑留の記憶、余りにも深刻で甚大な人権侵害なのに、このシベリア抑留の記憶が国民の間に余りよく共有されていないのか、その推察される理由を教えてください。
○国務大臣(岸田文雄君) シベリア抑留につきましては、委員御指摘のように、極寒のシベリアにおいて過酷な強制労働に従事させられた多くの方々がおられます。私も地元等で関係者の皆様方から話を聞く機会随分ありましたが、そうした方々の経験、これは誠に同情すべきものであると考えます。 そして、なぜ国民の中でこうしたシベリア抑留に対する知識や理解が進んでいないのかという御質問ですが、この理由については様々なことが考えられますが、ただ、今日までこうしたシベリア抑留者の方々の労苦について国民の理解を深めるために様々な事業、これまでも関係省庁、団体等によって実施されてきました。こうした取組は引き続きしっかりと続けていかなければなりませんし、国民の理解をより深めるべきであるということは強く感じています。 外務省としましても、厚生労働省とともに、一九九一年に日ソ間で締結された協定があります。シベリア抑留中死亡された方に関する資料の調査等についての協定でありますが、こうした協定に基づいて引き続き努力をしていかなければならないと考えます。 是非、こうした取組も進めながら、国民の皆様方の中での理解、より深めるよう努力をしていきたい、このように思います。
○有村治子君 的確なコメントありがとうございます。 私自身も今回の質問に向けて少し勉強をしましたけど、いかに理解が薄かったかということを反省させられる日々でございました。 京都の舞鶴港というのは、多くの引揚者が日本に、戦後一番長い方ですと十一年たってやっと戻ってきた、本当に恋い焦がれた郷土、祖国に戻ってきたという港でございます。その京都舞鶴には抑留資料館がございます。関心を持っていただいた国民の皆様にはまた足を運んでいただければ有り難いなと思います。私自身も早くに行ってみたいなというふうに思っています。 シベリア抑留自体が、ハーグ陸戦条約や連合国に対して日本が受諾したポツダム宣言などの国際法に違反しているのではないかと私は考えます。ハーグ陸戦法規、すなわち、平和克復の、復活の後はなるべく速やかに捕虜をその本国に帰還させなければならない。ポツダム宣言第九項、日本軍は武装解除された後、各自の家庭に帰り、平和・生産的に生活できる機会を与えられると。これは連合国としっかりと、受諾したにもかかわらず、日ソ中立条約を破棄してロシアが日本に参戦し、ソ連が参戦し、その中で五十七万人が抑留されたというのは重大な人権違反ではないかと思いますが、これに対しての国務大臣、外務大臣の御見解を伺います。 また、シベリア抑留に対して、旧ソ連、ロシアは日本国民に謝罪をしたとお考えでしょうか。教えていただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 政府としましては、いわゆるこのシベリア抑留につきまして、人道上問題であるということのみならず、当時の国際法に照らしても問題ある行為であったと、このように認識をしています。 御指摘のハーグ陸戦法規の附属を成す陸戦規則等に見られる当時の国際法に照らしても種々問題があったというふうに思いますし、また、ポツダム宣言第九項、日本国軍隊は完全に武装を解除せられたる後、各自の家庭に復帰し、平和的かつ生産的な生活を営む機会を得しめらるべしというこの項目につきましても違反したものであると考えます。 そして、これに対する旧ソ連、ロシアの対応ですが、一九九三年、平成五年ですが、当時のエリツィン・ロシア連邦大統領は十月に我が国を公式訪問しております。その際に、当時の細川総理との首脳会談において、大統領として、ロシア政府及びロシア国民を代表して、この非人間的な行為について謝罪の意を表明する、こうした発言を行っておられると承知をしています。
○有村治子君 ゴルバチョフ大統領も、一九九一年に歓迎パーティーの席において、悲しみと遺憾の念を引き起こすものがたくさんあったというふうに発言をされ、エリツィン大統領も非人間的な行為を謝罪するというふうにおっしゃっています。口頭の、スピーチの前に直前に入れられたというものでございますが、正式な書面、外交文書ではないというふうに理解をしております。 文部科学大臣に伺います。日ロ間の歴史については、日ソ中立条約を一方的に破棄してソ連が対日参戦し、ポツダム宣言に反し、戦後長い間、六十万人もの日本人が非人道的な扱いを受け、ハーグ陸戦法規にも反していたという歴史は教育の場でもしっかりと語り継がれるべきだと考えますが、大臣の御所見はいかがでしょうか。 国民の中で広く知られていない、余り広く知られていないというのは、シベリア抑留があったという事実だけでございまして、これが戦後行われた、そして国際法規に反して、捕虜の扱いにも反していたということを書いていない、あるいは教えられていないからこそ民族の記憶として残りにくかったのかなというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 第二次世界大戦に伴って生じた悲惨な出来事であるいわゆるシベリア抑留については、中学校歴史教科書の大部分、高等学校日本史教科書の全点において記述がございます。その中には、ソ連が日ソ中立条約を破棄して満州等に侵攻したこととシベリア抑留を関連付けて記述をしているもの、ポツダム宣言の規定に違反して捕虜を含む日本人がシベリアに連行されたことを記述しているものもあるところであります。 教科書において、学習指導要領を踏まえ具体的にどのような事項を取り上げ、それをどのように記述するかはそれぞれの教科書発行者の判断に委ねられているところでありますが、シベリア抑留についても、教科書等を通じ、学校教育において児童生徒がしっかりと学習をしていくことが大事であると考えております。
○有村治子君 年末に予定されている日ロ首脳会談で、総理は、北方領土の解決、そして平和条約の締結を目指されています。北方領土もロシアが戦後不法占拠した、日本の武装解除が行われた後にやったということで、ロシアが言う戦争の結果としての北方領土ではなくて、戦後不法に占拠したというふうに認識をしています。その戦後の課題を総理が本当に直接向き合っていただいて交渉に臨まれるというのは本当に有り難いですし、是非成功していただきたいと、本当に祈りにも似た思いで思っております。 ただ、ロシアや旧ソ連に私たち日本人は幾度となく煮え湯を飲まされてきたのも事実であろうかというふうに思います。日ソ中立条約の破棄による対日参戦、国際法違反でのシベリア抑留、北方領土領海での、海域での拿捕される日本の漁業者、ロシアの国境警備隊に警告なしに射殺された日本の漁業者盛田さん。このとき麻生外務大臣は陣頭指揮に当たって、盛田光広さんの御遺体や三人の拿捕された残りの船長などの交渉に当たられたかと思います。こういうことを見て、世代が上の方ほど旧ソ連、ロシアに対する不信感が強うございます。交渉相手としてはロシアはそもそも本当に信用に足るのか、疑心暗鬼になられている国民もいらっしゃいます。 戦後もなお最長で十一年間も異郷の地で強制労働に従事させられた六十万人近い方々のお気持ちを思うと、日ロ平和条約の締結に向けてシベリア抑留について言及、ロシアからの謝罪を求めるべきだと考えますが、総理の御見解を伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 有村委員が御指摘になられたように、シベリア抑留では五十万人以上の方々が酷寒のシベリアの地において過酷な強制労働に従事させられたわけでありまして、その中で五万人もの方々がお亡くなりになられたわけであります。言わば、強制労働といっても、事実上、激戦地に近い状況といっても、この死亡率を見ればあったんだろうと、こう思います。 実は、私の事務所にも、もう亡くなられたんですが、シベリアから最後に帰還された方が秘書として働いていただきまして、本当に大変粘り強い仕事ぶりに私は敬服をしていたわけでありますが、彼からいろんな話を伺いました。いかに厳しい過酷な状況であったかということを伺ったところでございますが。 先ほど岸田大臣から答弁をさせていただきましたように、当時のロシア・エリツィン大統領が一九九三年に日本を公式訪問した際に、細川総理との首脳会談において、ロシア大統領として、ロシア政府及びロシア国民を代表してこの非人道的な行為について謝罪の意を既に表明をしているということでございます。 そして、シベリア抑留問題に関しては一九九一年にソ連との間で協定が締結されておりまして、これは御承知のとおりでありますが、ロシアとの間でもこの協定に基づき、遺骨収集、慰霊巡拝、資料調査、慰霊碑建立など様々な取組を行ってきているところであります。元抑留者の方々が御高齢になられている現状を踏まえ、未提供の抑留中死亡者資料等の提供を始め、この協定に基づく協力を今後一層進めていくことが重要であろうと、このように思います。 他方、日ロ間の平和条約については現在も日ロ間で精力的な交渉が行われているところでございまして、その内容を今予断することは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
○有村治子君 ありがとうございます。 日本でシベリア抑留を経験された方々は、その多くがもう既に鬼籍に入られていらっしゃいます。けれども、民族の記憶としては忘れていないぞと、平和条約を結ぶ直前に、与党からもシベリア抑留のことを忘れてくれるなと言っている意見があるぞということは心に留めていただいて交渉に臨んでいただけたら有り難いと思います。日本のために本当に御活躍を心から念じております。 次の問題に移ります。戦後七十一年がたちました遺品について伺います。 今年の春、戦没者の御遺骨を収集することを国の責務だと初めて明記した戦没者の遺骨収集の推進に関する法律が成立しました。遺族会会長であり参議院自民党の同僚議員であります水落敏栄先生、現文部科学副大臣が先頭に立って、衆参与野党全会一致で成立した議員立法でございます。終戦後八十年までに向けて遺骨収集をしっかりとやっていこう、そしてこれは遺族の問題だけではなくて、国の命によって戦地に行かれた方々の遺骨ですから、国の責任もあるということを明確に打ち出された、七十年はたちましたけれども、本当によかったと思っている議員立法でございます。 パネルをお願いします。(資料提示) その一方、さきの大戦で犠牲となられた戦没者の遺品、寄せ書きをした国旗などが日本国内、またアメリカなどの海外のネット売買で取引されている現実がございます。今日の配付資料を御覧になってくださいませ。パネルもお願いいたします。 このヤフオクというのは日本のオークション、そしてeBayというのはアメリカのネットオークションサイトでございます。この寄せ書き日の丸というのは、戦場での無事を祈ってみんなが署名をした旗です。出征するときにその兵士の方に村がこぞって、家族、親族、村中がこぞって、その方、兵士が最期まで戦場で身に着けていたお守りでございます。そして、遺骨や遺品を一つも手にできなかった御遺族にとって、この寄せ書き日の丸が御遺族の元に返ってきたときに、兄は旗になって帰ってきてくれたというふうに、遺骨を抱けなかった親族はその旗を本当に抱き締めて涙をされる、そういう意味では魂そのものであります。 また、この今日の配付資料の左下を御覧になってくださいませ。これ、千人針でございます。千人針といっても若い世代の方は御覧になったことがないかもしれませんので、今日、実際に戦地に赴かれた……(発言する者あり)理事懇で許可取っております、はい、表示に。戦地に赴かれた実物でございます。滋賀県平和祈念館から実物をお借りしてきました。手にするのも神妙な気持ちでございます。 これは、千人の女性が玉留め、つまり弾に当たらないようにということで、それぞれに針を通して千の玉留めを作ったわけでございます。物によっては、穴の空かない五銭ということ、五銭を縫い付けて四銭を超える、死の線を越えるように、あるいは穴の空いていない硬貨の十銭を張り付けて九銭、苦しい苦戦を越えるようにと、まさに祈りを込めて千人の女性がこのような千人針をして兵士に渡しました。兵士はこれを腹巻きのようにして、数少ない自らが持てる個人所有のもので戦地に持っていかれました。このような遺品は戦没者の尊厳に関わることであり、本来は遺家族の元に返還されるべきものだと考えます。 そこで、厚生労働大臣に伺います。オークション感覚でこのように遺品が取引される状況を見てどのようにお感じになられますでしょうか。今後いかなる対応をしていただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 有村委員御指摘のように、今のような御遺品について、大変心の痛む思いをいたすところでございます。さきの大戦では、多くの方々が祖国を思いながら、愛する家族を案じつつ、苛烈な戦闘に臨まれて、そこで倒れられると、そして戦後、遠い異国の地で亡くなられた、そしてその戦没者あるいは御遺族の方々の思いの込められたこの日章旗とか、今お示しをいただいた千人針、こういった御遺品がインターネットオークションに出品されているということは、これはもう言うまでもなく御遺族の心情を害するのではないかというふうに思います。 厚労省としては、日本遺族会からも御要請がございました、ホームページにおいて出品の自粛を呼びかけているところでございます。それから、一部のインターネットオークションサイトの運営会社、ここに対しまして、遺品の出品については自主的に規制をしていただけることを検討するように要請をしているところでございます。 今後とも、これはオークションサイトの運営会社やあるいはサイトの利用者に対する周知をいたしまして、御遺族の心情に思いを致して、しっかりとまた何が更にできるのか検討してまいりたいというふうに考えております。
○有村治子君 心温かい人情派の厚生労働大臣でございます。是非遺族のお気持ちに沿って対応していただきたいと思います。 ホームページで返還要請をということで、私もホームページ、現在の厚生労働省のホームページを拝見させていただきましたが、やはりこれはアメリカにも向けて発表していただきたいものですので、外務省とも連携をしていただいて、単なるミリタリーグッズじゃないんだと、軍共有の水筒とか軍服とか、そういうミリタリーグッズではなくて、これは個人に所属する本当に思いのこもった遺品なんだということを日米両国で共有をしていただけたら大変有り難いと思います。 少し厚労大臣からも御言及をいただきましたが、やはりネットオークションを見られて、御遺族はいたたまれない、やめてほしいという率直な思いを滋賀県遺族会からもお聞きしております。商取引の自由は担保されるべきでありますが、戦没者の遺品に限って自粛してもらう、又は規制をすることはできないのかとの御遺族、遺族会からの御要望があります。 そこで、特定商取引所管の経済産業大臣に伺います。 戦没者の遺品をネットで売買することについて何らかの規制をすることはできないのでしょうか。あるいは、監督官庁として自主的な規制を促していただけないでしょうか。
○国務大臣(世耕弘成君) お答えいたします。 戦没者の御遺品がただの物としてネットで売買されているということは、もう御遺族にとっては耐え難いこととお察ししますし、私も、今配られた資料を見て、御遺品の横に値段が付いてずらっと並んでいる姿、これはもうはっきり言って見るに堪えないというふうに思います。 ただ、この問題、法律上はいろいろ難しい点があると思っています。物を売ってはいけない、あるいは売るに当たっては特定の資格が要るというのはそれぞれ個別の法律で規定をされています。例えば、ピストルを売ってはいけないというのは銃刀法であります。薬を売るに当たってのルールを決めているのは薬事法であります。それぞれの法律があって、当然それはリアルの店舗であろうとネットであろうと規制が掛かってくるわけでございます。 戦没者の御遺品については、そういう一般の取引を規定している法律はないですし、例えばの例ですけれども、御遺族で、事業に失敗をして家財を手放さなきゃいけなくなった、そういう中で、この戦没者の御遺品だけはよく分かっている方に大切に扱ってほしいという人で、特別の人に買ってもらうというような取引については心情的に理解できなくもないかなと。そういう中で、ネットの取引だけを法律で規制するというのはなかなか難しい面があるかと思います。 我々としては、やはりネット事業者の自主的な取組に期待したい。私もあるオークションサイトのガイドラインを見ました。そこでは、当然のこととして、たばこ、医薬品、人体、銃器、そういったものは取り扱わない、あるいは株主総会の議決権行使書とか宝くじ、こういったものも取り扱わないとなった上で、最後のところで、公序良俗に反するもの、またそれらの可能性があると当社が判断した商品、あるいは反社会的なもの、あるいは法令に違反している又はその可能性があるほか、独自の判断で不適当とみなす商品等と書いてあります。 こういう項目を是非使って、今厚生労働省がこういう呼びかけをされているということも踏まえて、是非ネットオークション事業者が自主的に考えてほしいというふうに思いますし、我々としては、そういう事業者ともよく意見交換をしてしっかりと考えてまいりたいというふうに思っております。
○有村治子君 経済産業大臣の心強い御答弁に本当に意を強くいたします。是非よろしくお願いいたします。 戦地で亡くなられた日本兵から例えば米兵が戦利品としてそれを押収して、その退役軍人が時を経て既に亡くなられて、その遺品を整理していた家族が例えばガレージセールの感覚でこれを出品しているような状況があるようでございます。日本でも、遺族、亡くなった方の遺品を整理しているときに寄せ書き日の丸が出てきて、それを出品しているという状況があるようでございます。それゆえに、終戦から遠ざかれば遠ざかるほど、世代が替わっていくほど今後も出品が増える可能性があります。これは単なる軍用品ではありません。 外務大臣、米国に駐在する日本の大使館、領事館でも広くこの日の丸の返還を訴えていただきたいというふうに考えます。価格を競争させるネット売買にふさわしくない形見の意義を対外的にもお伝えいただき、そして日本の大使館や総領事館など、あるいは厚生労働省に寄せてくれたら、無償で寄せてくれたら、何とか努力をして私たちはその遺族を捜し出してそこにしっかりと届けられる手だてもあるんだということもお伝えいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御遺族の中には、戦没者の方の遺品がない方もおられます。この日章旗などの遺品の返還、これは非常に重要だと思いますし、こうしたネットオークションのありようにつきましては私も心が痛む思いがいたします。こういった観点から、在米の公館におきましても、情報提供の窓口となり、そして遺品の提供の呼びかけは行ってきております。 さらには、米国において旧日本兵の寄せ書き日の丸等の遺留品を元の持ち主や御遺族に返還する活動を行っている団体、OBON二〇一五という団体がありますが、この団体に対しまして、昨年、戦後七十周年の機会に外務大臣表彰を授与させていただき活動を表彰した、こうしたこともありました。 是非、今後とも、在米公館を通じて御遺族にとって非常に重要な意味を持つ遺品の提供を呼びかけたいと思いますし、政府としましても、外務省、厚生労働省、関係省庁が力を合わせて、可能な限り遺品を御遺族にお返しできるよう取組を進めていきたいと考えます。
○有村治子君 ありがとうございます。 アメリカでオークションからできるだけ私財を投じて日の丸を買って日本に返却をしてくださっているレックス、敬子さん夫妻、OBONソサエティーの夫妻に外務大臣表彰を与えてくださったことは大変有り難いことだと思います。昨年の夏には首相も会っていただいていることを有り難く思っています。 戦後七十一年がたって、戦争を知らない世代が八割、一億人を超えています。毎年夏には全国各地で戦没者に対する黙祷をささげ、平和を祈り、戦争の風化をさせないように日本中みんなで努力をしています。にもかかわらず、日本からもアメリカのeBayに対してもこのような心ないオークション市場、出品が存在するのは残念なことでございます。これは、世代が交代して、戦争の記憶が遠のき、風化している証左かもしれません。しかし、こういうものはネット販売されるべきものではないという価値観を共有していくことこそ、戦後派世代の私たちができる大事な平和運動だと考えます。 総理は、御遺骨収集を加速されるなど、戦没者追悼に一貫して熱心に取り組まれてこられました。志を同じくします。国の命によって戦地に赴き、命をささげた方々の遺品、尊厳を守り、御遺族に返還するように努力し続けることは、戦没者の慰霊、御遺族に敬意を表する国家国民の最も基本的かつ根幹的な務めではないかと考えます。 御所見を伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国のために尊い命を犠牲にされた方々に対して尊崇の念を表する、敬意を持つのは当然のことであります。と同時に、御遺骨の帰還に向けて今を生きる私たちが全力を挙げていく、それは当然の私は責務であろうと思います。 安倍内閣としても全力を挙げていきたい、硫黄島を始め多くの戦地においてまだ残念ながら御遺骨が帰還を果たせずに眠っているわけでございますので、全力を挙げていきたいと、このように思っております。
○有村治子君 公式の席ではないところでも安倍総理は一貫して遺骨収集を加速させたいというふうにずっとおっしゃってこられました。本当に安倍内閣において、安倍内閣だからこそできること、やっていただけることがあると多くの国民の皆様、期待してくださっているんだと思います。それに是非応えていただきたい、私たちも与党の立場で貢献をさせていただきたいというふうに思っております。 最後の質問になろうかと思います。 この夏、八月八日、天皇陛下が国民に向けてお気持ちを表明をされました。今後、有識者ヒアリングを経て、政府として何らかの法案をまとめられ、内閣提出法案、閣法をお出しになると思います。 今上陛下は、初代神武天皇から数えて百二十五代目の天皇陛下であられます。世界の王室の中でも圧倒的な歴史的伝統があり、それゆえに世界各国からも日本のロイヤルファミリーには崇敬の念が寄せられます。これから安倍内閣が御準備をしていただく法案がいかなる法案になろうとも、百二十五代、営々と続いてきた日本の伝統を鑑み、今後も皇位が着実に継承される仕組み、皇位継承を確かにする仕組みを考え、歴史の評価に堪え得る法案であっていただきたいと思います。 同時に、この法案は主権者たる国民の皆様からも支持される法案でなければなりません。そのためには、国会において与野党の垣根を越えて各党各会派の賛同が得られる、可能であれば全会一致で法案が成立する姿が一番美しいと私は考えます。 憲法第一条第一項が定める象徴天皇としてのお務めを、心を砕きながら、そして私たち国民に心を添わせながら精力的に重ねられ、国民の共感や尊敬の念を集められる天皇陛下の御事でございます。よもや、法案によって国論が二分、三分することは避けたいものです。 そこで、総理にお伺いします。 法案を審議する国会で、より多くの議員、各党各会派の賛同を得るため、もちろん立法府として、与野党の国対始め、議運始め、立法府も努力をしていかなければなりませんが、まず政府としてどのような努力をされていかれるのか、御見解を伺います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 天皇陛下の御公務の負担軽減等につきましては、今般設置をいたしました有識者会議において、予断を持つことなく、国民の中にある様々な意見を幅広く聴取した上で提言を取りまとめていただくことを予定しています。 議論を経て一定の方向性が示されれば、それを踏まえ政府としてしっかりと対応していきたいと思いますが、まずは有識者会議において静かに議論を進めていただくこととしておりますが、御指摘のとおり、憲法上、天皇の地位は国民の総意に基づくとされていることも踏まえまして、一定の段階で与野党も交えた議論を行うことを考えているところでございます。
○有村治子君 全会一致の姿が美しい、そのために努力をさせていただくことを私たちも努めてまいります。 昨日に続き、本日は、二重国籍あるいは国籍法について、本当に日本が脆弱でないのかどうかということを伺いました。また、戦後七十一年を経て、戦没者の遺品をしっかりと遺骨収集と同じように大事にしていただきたい。ネットのオークションを自重していただけるような体制を臨んでいただきたい。シベリア抑留のことも、十二月の日ロ交渉に向けて、是非心にとどめて交渉に臨んでいただきたい。そして、陛下のこと、憲法にも記載される陛下のことですから、御事がしっかりと穏やかに進むように、国民の一人としても、また与党議員の一人としても願っている次第でございます。 数々の御質問に心を込めて答弁いただきましたことに改めて感謝を申し上げ、以上で私、有村治子の質問を終了させていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上で有村治子君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、西田実仁君の質疑を行います。西田実仁君。
○西田実仁君 公明党の西田実仁でございます。 まず初めに、この度の相次ぐ台風によりましてお亡くなりになられた方にお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様方に心からお見舞いを申し上げます。 この台風被害につきましては、この後、同僚の横山議員より質問をさせていただきます。 そして、本日は、私とそして横山議員と、共に、委員長、また理事の皆様方の大変な御配慮を賜りまして質問をさせていただきましたことをまず冒頭、御礼を申し上げたいと思います。 まず最初の質問は、経済の再生ということでございます。今回の第二次補正予算、それが経済の再生にどれだけ貢献するものなのか、特に財政効果ということについて、まず総理にお聞きしたいと思います。 これは、私は、財政効果というのは一般会計の歳出そして財政投融資、この実績の合計で財政効果と、こう定義付けまして、パネルにさせていただきましたので御覧いただければと思います。(資料提示) この財政効果、政権交代直後、いわゆるアベノミクスの第一幕におきましては、ございますように百十一・八兆円、一般会計歳出プラス財政投融資、大きく増えました。しかし、第二幕の一四、一五と、残念ながら財政効果としては減りましたが、今回の第二次補正予算そして財政投融資の計画補正を加えますとプラスまた三・四兆円というこの第三幕、いよいよ景気浮揚していこうという大変強い思いのこもったものではないかと思われます。 総理にまずお聞きします。この第二次補正予算の財政効果、そして今回の補正予算の早期成立、そして執行への決意をお聞きしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の補正予算は、先般閣議決定をいたしました経済対策に基づきまして、当面の需要喚起にとどまらず、民需主導の持続的な経済成長と一億総活躍社会の着実な実現につながる施策を中心としています。今回の補正予算を含め、本経済対策に基づく予算措置によって短期的に現れると考えられます実質GDPの押し上げ効果は、現時点でおおむね一・三%と見込まれるわけであります。これは短期的なものでございますが、こうした短期的な需要の押し上げ効果に加えまして、本対策に盛り込まれた各施策が具体化、実行化されていくことによって、民間投資や消費の喚起や生産性の向上につながり、更なる雇用や所得環境の改善を伴う経済成長が期待されると考えています。 本臨時国会で補正予算の早期成立を図り、財政投融資を含め円滑な執行を行っていくことで、内需を力強く下支えするとともに、未来への投資を大胆に行っていく考えであります。
○西田実仁君 大変力強い御決意をいただきました。 この経済の再生にとって目下の最大の課題は、やはり消費の回復ということをどう図っていくのかということになろうかと思います。とりわけ、中低所得層の消費回復ということで申し上げますと、今回の補正に盛り込まれております、私ども公明党も大変強く主張させていただきました、いわゆる簡素な給付措置、臨時福祉給付金、これが三千六百七十三億円計上をされて、消費税先送りの分の二年半が一括して支給をされるということであります。その効果というのは、社会全体の所得を底上げをして、そして消費も更に底上げしていく、特に所得の少ない方々にそうした所得の底上げと消費のという効果は大変に大きいというふうに思います。実際に、これまでも簡素な給付措置がなされていく中で消費が下支えしているという効果も所得の底上げによってあるわけでございます。 そこで、厚生労働大臣にお聞きしたいと思います。 今回のこの簡素な給付措置、臨時福祉給付金、補正予算が成立をいたしますと、できるだけ早く確実にお手元に届くように是非していただきたいと思いますし、また、その対象者数や一人当たりの給付金の額、その根拠、また手続やお手元に届く時期、これについてテレビを御覧の皆様に分かりやすく御説明願えればと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) お尋ねの簡素な給付措置でございますが、まず、支給対象者数でございますけれども、これは、これまでの簡易な給付措置と同様に二千二百万人の方々にお届けをするということでございます。 それから、一人当たりの支給額は、これまでの一年間の支給額六千円をベースにいたしまして、平成二十九年四月から平成三十一年九月までの二年半分ということで、一万五千円ということになっております。 支給手続でございますけれども、これまでと同様に申請書を市町村に提出をしていただくと。そして、確実に支給されるように、対象者に個々に申請書を御送付を申し上げて申請を促していただくよう市町村に働きかけをしてまいります。また、テレビCMなどを通じてももちろん広報をしてまいりたいというふうに考えております。 そして、支給時期でございますが、それぞれの市町村において補正予算に計上していただいて支給準備が始められて、来年の三月頃から順次支給が開始をされるものというふうに考えているところでございます。
○西田実仁君 ありがとうございます。 これはやはり申請をしなければもらえないと。これまでも簡素な給付措置で支給されている方も多くいらっしゃると思いますけれども、だからといって自動的に振り込まれていくわけじゃありませんので、きちんと申請いただいて確実にお手元に届くように、広報、普及等にも努めていただきたいというふうに思います。 この所得、底上げして消費を底上げしていくということに簡素な給付措置は効果があります。しかし、中間層、この簡素な給付措置が届かないところの方々の所得を底上げしていくには、何といっても多くの方が働いている中小企業の賃上げを一生懸命後押しをするということを今、政府としても行っておりますが、これが今回の第二次補正予算でどのぐらい拡充をされているのかについてお聞きをしたいというふうに思います。 この中小企業の賃上げ、また非正規雇用の方の正社員化ということについて、これまでも、キャリアアップ助成金でありますとか業務改善助成金というのが今回の補正でも拡充されているというふうに思います。 昨年の三月、この予算委員会でも私質問させていただきましたが、しかし、実はこの中小企業が利用するこうした助成金については、地域によって随分ばらつきがその利用度によってあります。よく利用しているところとしていない県では例えば十倍ぐらいの差があると、こういうことでありますので、その際私も申し上げました。 中小企業の方がもっと利用しやすいように、その手続の簡素化あるいは支給要件の緩和、こういうことも大臣に要請をさせていただいた記憶がございますけれども、この中小企業の賃上げを後押しをする支援策についてこの補正でどのように拡充されているのか、大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回御審議をいただいております補正予算、この中に、今お話のございました中小企業の賃上げをバックアップするキャリアアップ助成金とそれから業務改善助成金がございまして、この拡充などを行っております。 中小企業への支援をより一層強化をするということで賃上げをバックアップをするわけでありますけど、具体的には、キャリアアップ助成金につきましては、中小企業が賃上げ規定を改定をして三%以上の賃上げを行った場合には助成金に新たな加算を行うということで、これまでは二%以上でございました。 業務改善助成金につきましては、現在は事業場内で最も低い賃金を時給で六十円以上引き上げる場合のみを対象としてまいりましたが、三十円以上引き上げる場合も対象とするということといたしまして、いずれの場合も生産性向上の状況を加味をしながら加算を行うというふうにしてまいりたいと思っております。 また、キャリアアップ助成金の手続、それから要件の緩和でございますけれども、本年の八月から、申請に必要となりますキャリアアップ計画書、この提出期限を延長をいたします。それから、賃金を確認するための書類として、賃金規定だけではなくて、一覧表形式でも少し簡便に認めるということでいきたいと思っております。 さらに、ハローワークなどの申請書類の作成を支援をするアドバイザー、これを本年四月から増員をしておりまして、こうした取組を通じて今後とも賃金の引上げに向けた中小企業への取組の支援をしてまいりたいというふうに思っております。
○西田実仁君 様々手続の簡素化等も行っていただいておりまして、是非これによって中小企業の賃上げを更に強力にバックアップしていきたいというように思います。 この中小企業の賃上げができる環境づくりに最も大事なのは、やはり多くの下請の中小企業の経営環境を良くしていく、特に大手との取引条件の改善ということが、私もこの委員会でも何度か指摘をさせていただきました。政府の強力な後押しがありまして随分改善はされてきた例を地元埼玉でも見るようになりました。 ある自動車部品メーカーの下請やっているところについては、これまでは根拠なき原価低減要請があったと言っていましたけれども、余り言うと下請代金法に引っかかるからというようなことで、もうこれ以上言えないというようなことを言われたという下請企業の方がいらっしゃいました。その会社は元々赤字だったんです。しかし、仕事量は変わらないんですけれども、取引条件が変わる中で黒字に転換して実際にお給料を上げることができたという話をこの間朝礼でもお聞きをいたしました。そのように効果が少しずつ出てきていることは事実であります。 しかし、喉元過ぎればではないんですけれども、しばらくすると、また担当者も替わって、合理的な根拠はそちらで考えてくれと下請企業に理由を考えさせた上で半年一%低減させろなんという話がまた出てきたり、こういうことが実際には起きているわけであります。 公明党としては、パネルを用意いただきますが、これまで提言で一から七まで、下請企業の取引条件の改善ということで政府に要請をさせていただいてまいりました。ここに幾つも並んでおりますけれども、これが今回、山口代表の本会議質問でもさせていただきました際に、経産大臣からパッケージ策、未来志向型の取引慣行に向けてというところにこの提言も盛り込まれているという話もございましたが、これがどう反映され、そして先ほど申し上げましたような、やはりぶり返さないために継続的に調査するなり注意喚起するなりということがとりわけ大事だと思っておりますけれども、その点どう改善されるのか、お聞きします。
○国務大臣(世耕弘成君) お答えいたします。 下請取引の改善について、まず公明党として熱心に取り組んでいただいていること、大変我々にとってもサポートになっていること、心から感謝をしたいと思います。 下請等中小企業の取引条件改善については、まず平成二十六年の十二月、総選挙の直後でありましたが、安倍総理のリーダーシップの下、政労使合意というのが行われまして、それ以降、取組を進めてまいりました。その後、更にこれをしっかり浸透させるために、昨年末に、官邸に官房副長官でありました私をヘッドとします関係府省等連絡会議を設置をいたしまして、政府を挙げた取組を行ってきたところであります。 その中では、まず発注側の大企業、そして下請側の中小企業、両方に対して大規模な実態調査やきめ細やかなヒアリングを行いました。さらにその上で、大企業の調達責任者のところを訪ねて、きちっと政労使合意を実行していただいているか、あるいは、おたくの業界の中小企業からこういう声が上がっているけどどう考えるかなどという対話も行ってまいりました。 そういう中で、やはり一方的な原価低減要請ですとか、あるいは金型を保管させられているとかといった課題が明らかになってきたことから、制度面を含めた対応を検討してまいりました。そして、こういう政府の検討と並行して与党においても御熱心に御議論をいただきました。こういう中で、西田委員にも御尽力をいただいて公明党のこの取引条件改善に向けた提言もいただきました。本当に現場に浸透させるということ、あるいは個別の企業ではなくてサプライチェーン全体でやること、こういうことは非常に傾聴に値する御指摘だというふうに思っております。 政府といたしましては、今回、未来志向型の取引慣行に向けてというのを公明党の御提言も踏まえてまとめさせていただきました。その中では、まず公取と協力をしまして下請代金法の運用基準の改正を図ります。また、下請振興法の振興基準や手形取引に関しても通達の見直しを行います。必要な規定の見直しを年内を目途に実施をしてまいりたいというふうに思います。 また、公明党御指摘のサプライチェーン全体での取引適正化と付加価値向上に向けて、産業界に対して自主的な行動計画の策定を要請をしています。既に自動車工業会や、今朝も自動車部品工業会と懇談をしてまいりましたが、それぞれから応諾をいただいておりまして、年内に大きなプランをまとめて年度内には正式な計画を策定いただくという予定になっております。 このほか、素形材、あるいは建設機械、電機・情報通信、繊維といった業界にもしっかりと広めていって、全国にこういう運動を広げていきたいというふうに思っています。 そして、西田委員が特に今御指摘をいただいた、こういった取組は継続的に行っていかなければいけないと思います。しつこくしつこく、これで終わりというのではなくて、何度も現場のヒアリングをして、やっぱり改善できていないじゃないか、あるいは戻ってしまったじゃないかということをずっとこれからも継続的に、特に経済産業省中心になりながら関係府省とも連携してやってまいりたい。 そういう中で、私も大企業にいましたから、今年買った値段よりも来年安いと担当者は評価されるというような文化があるわけですが、こういうのを改めて、中小企業、大企業の間がフェアな取引が行われて、その結果としてアベノミクスの果実が地方の中小企業にも行き渡るように取り組んでまいりたいというふうに思います。
○西田実仁君 是非、大企業も中小企業も共にウイン・ウインでいい関係が築けるようにしていきたいと思います。 さて、次の質問でありますが、次は、全国を一つの経済圏とする地方創生回廊と、この総理が言われていることについてお聞きしたいと思います。 今年三月のこの予算委員会で、私は、地方創生の実現のためには、自治体それぞれがもちろん頑張ることは大事なんですけれども、自治体の枠を超えて広域に連携をしていくということが大事ではないか、連携が連携を呼ぶ、連携の嵐を起こしていくことこそ地方創生の鍵ではないかということを申し上げさせていただきました。総理からも、やはりその連携の嵐を起こしていくことが地方を豊かにし、元気にしていくことになるという大変力強い御答弁をいただきました。 その際、私は、広域連携の一つの例として、北陸、東北そして北海道の新幹線の結節点になります埼玉の大宮駅の機能強化ということが広域連携を進める上で非常に大事ではないかという、埼玉のプロジェクトを紹介をさせていただいたわけでございます。総理からも、この大宮駅の機能強化というのは単に大宮にとどまるものではなくて、関東あるいは東北、北陸、北海道と、こういうブロックに広がっていく、全国各地にこうした連携の嵐を起こして共にいきたいと、こういうお話も当時いただいたわけであります。 そして、今回、所信表明演説におきまして、総理は、リニア中央新幹線の全線開業を最大八年前倒しをするという決意を示されるとともに、東京と大阪をハブとしながら全国を一つの経済圏に統合する地方創生回廊、これを整えるという新たな提案をされました。 そこで、今日は、地方創生の実現に向けていかにリニアの効果を地方に波及させるのか、そのためにいかに広域連携を進めていくのかについて議論をさせていただきたいと思います。 リニアが全線開業いたしますと、東京―大阪が約一時間、一時間というのは山手線を一周している間に東京、品川から大阪に着くというそういう時間、大幅に短縮されます。しかし、その時間短縮効果は単にこの東京、名古屋、大阪というこの三大都市圏だけにとどまるものではなくて、それを全国にいかに広めていくのか、波及させていくのかということが大事だと思ってございます。文字どおり、この東京、名古屋、大阪、これが折り畳まれて、日本列島全体が、その長さが縮小するような効果がそもそもあろうかと思います。 まず、国交大臣にお聞きします。リニアによって、全線開業によってどのような効果があるのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) お答えをいたします。 リニア中央新幹線の全線開業によりまして、東京―名古屋―大阪間の大動脈が中央新幹線、東海道新幹線と二重となります。これによりまして東海地震等の災害リスクへの備えになるなどの効果が期待をされます。さらに、移動時間が大幅に短縮されるなど三大都市圏の間の高速かつ安定的な旅客の輸送が維持強化をされまして、ひいては国土構造の変革がもたらされます。 具体的には、リニア中央新幹線の全線開業によりまして、例えば名古屋と熊本、高知、山形との間の所要時間が四時間を切ることになりまして、これらの都市から名古屋への日帰り交通が可能となるなど三大都市圏へのアクセスの利便性が飛躍的に向上いたしまして、地域の活性化をもたらす可能性が高まります。最近の事例といたしましては、例えば北陸新幹線の長野―金沢間の開業に伴いましてYKKなどの企業が本社機能の一部を移転をしたと、また観光客数が大幅に増加した、こういった地域の振興や経済活性化の効果が見られるところであります。 こういった波及効果が地域活性化、ひいては日本経済の活力を高めるものと考えております。
○西田実仁君 では、パネルを立てていただきたいと思います。ただいま御答弁のありましたように、例えば名古屋から熊本というのが今までは四時間を超えていたわけでありますが、四時間を切る日帰り圏になると。私も自分なりに調べてみたのがこのパネルでございまして、名古屋から四時間で行ける県庁所在地がリニア開通によってこれだけ増えるという一つの事例でございます。 赤の丸が鉄道を使って四時間以内で行ける都市、既に四時間で行けるのは青のマークが付いておりまして、名古屋から仙台には既に四時間で行けますけれども、これまで盛岡には四時間十一分だったところが電車で三時間十七分になり、山形にもこれまで名古屋から四時間三十七分だったところが電車で三時間三十一分、徳島、高知、松江、また九州では佐賀あるいは熊本、今お話がございました、これだけ四時間を切るという、いわゆる日帰り交通圏にこれだけの県庁所在地が入ってくるということになります。 この電車で行くというのが実は一つのみそでございまして、手軽に、本数も多いですし、すぐに行けると。これはやはり、例えば岩手とか山形とかあるいは九州や、熊本、佐賀といったところにおいて、名古屋の自動車産業あるいは航空産業と取引をしたいという地域の、地方にある大変世界的なシェアを持った、そういう企業が新しいイノベーション、新しい取引を拡大するチャンスが開けてくるということではないかと思います。 新しい取引が拡大をされるということは、もちろん一つは物流の確保が大事であります。思い付くのは高速道路ネットワークでしょう。しかし、それだけで新しい取引が始まるわけではもちろんありません。むしろ大事なのは人流、人と人との行き来、人の流れというものがなければなかなか新しいものは生まれてこない。技術指導をしたり、打合せをしたり、商談をしたりという、人と人との行き来がよりやりやすくなる日帰り交通圏がこれだけ増えるということでございます。 しかし、そう言いますと、じゃ、実際に例えば名古屋の自動車産業あるいは航空産業と取引をしたい、そういう世界的な企業とかがこの三大都市圏以外にどれだけあるのかという疑念を持たれる方もいらっしゃいますので、今日は総理以下大臣の皆様にはお手元に資料を配らせていただいております。ちょっと、かなり量が多くてパネルにはできないんですけれども、私が思い付くままというか、インターネットで自分で調べてみまして、世界的なシェアを持った企業がこの三大都市圏以外でどれだけあるのかということを調べさせていただきました。 例えば、盛岡のある岩手県においても、また山形におきましても、例えば油圧パワーステアリングシャフトで世界シェア一五%の企業がございますし、また、世界で初めてクモの糸という新素材を量産化した、そして航空機産業や自動車産業への活用が期待されている大学発ベンチャーということもこの山形のところにございます。ほかにも、中国の島根にも、もちろん徳島や高知や九州にも、そうした全国に大変散らばっている自動車や航空産業などの新しい芽が人の行き来が活発になることによって一斉に花開くという可能性があるわけであります。 しかし、それは可能性でありまして、それを実現するためには黙っていてそうなるというわけじゃもちろんありません。そこで大事なのが私は広域連携という、まさに自治体の枠を超えた交流あるいは連携あるいは融合を起こす、そうしたソフト面の仕掛けが必要であろうというふうに思いますが、そのことについては後に質問をさせていただきたいと思います。 さて、このリニア全線開通によりまして劇的な移動時間の短縮が日本列島全体に及んでいくことが期待されますが、しかし、その時間短縮効果のみならず、日本の国土を変革していく可能性もあるというふうに私は強く思っております。 総理は、さきの衆議院本会議におきまして、リニアの開業により三大都市圏が一時間で結ばれ、人口七千万人の世界最大の巨大な都市圏が形成される、我が国の国土構造が大きく変革され国際競争力の向上が図られ、その成長力が全国に波及し、日本経済全体を発展させるものだと述べられました。この総理の御発言、私なりに考えてみますと、例えば関西の文化やライフサイエンスという産業、そして中部の物づくり産業、そして東京にあるIoTとか、あるいはフィンテックといった、この三大都市圏の様々な都市の持っている特徴、これが融合し、新しいイノベーションを生み出していくという、そういう可能性をこのリニアが生み出すのではないかというふうに思います。そこにその巨大な都市圏が創出されることで、海外から優秀な人材やお金も集まってきて、また新しいものが生み出され成長力が高まっていくと。 アメリカの経済学者でリチャード・フロリダという方が「クリエイティブ都市論」という本を書かれております。その本の中には、これからの競争は都市間の競争ではなくて、むしろ複数の都市を巻き込んだ、包含した、メガ地域同士の戦いになると、こういうことを言っておられます。 このメガ地域、世界のトップ四十のメガ地域を調べてみますと、もうそこだけで、人口としては一八%なんですけれども、世界全体の経済活動の六六%、イノベーションの八六%、そしてトップ科学者の八三%がそのメガ地域トップ四十の中に全部入っていると、こういうことなんです。驚いたことに、このトップ四十のうちのトップツーは年間の経済活動が二兆ドルだそうでありますけれども、その二つのうちの一つはボストン、ニューヨーク、ワシントンというボスウオッシュというこの地域、もう一つは実はこの広域東京圏ということで、世界のまさにメガ地域のトップツーのうちの一つは広域東京圏、そしてトップシックスの一つが名古屋から関西のこのメガ地域と、こういう分析であります。 そうしますと、このリニアによって東京、名古屋、大阪というのが一つの巨大な都市圏ということになりますれば、まさにトップツーに入っているところとトップシックスに入っているところが合体して、世界のまさにメガ地域に更にスーパーが付くような、スーパーメガリージョンと、超メガ地域と言えるような巨大な都市圏が誕生する可能性というものが大変秘められていると思っております。それが日本の国際競争力を高めていくということになろうかと思います。 国交大臣にお聞きします。 昨年八月に閣議決定をいたしました日本の国土形成計画の中で、このリニア中央新幹線がどう位置付けられ、今申し上げましたスーパーメガリージョン、超メガ地域というものがどう位置付けられているのか、そして、総理が提唱されている地方創生回廊づくりにこれをどう生かしていかれるおつもりなのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 昨年八月に閣議決定をされました国土形成計画の中では、リニア中央新幹線は国土構造にも大きな変革をもたらす国家的見地に立ったプロジェクトであり、これによって、世界から人、物、金、情報を引き付け、世界を先導するスーパーメガリージョンの形成が期待をされ、さらに、その効果を最大化し、それを全国に波及させることを目的にスーパーメガリージョン構想の検討を行い、それに基づく施策を推進すると、このように明記をされております。 地方創生回廊について総理は、リニア中央新幹線と整備新幹線や高速道路等により東京と大阪を大きなハブとしながら、全国を一つの経済圏に統合する地方創生回廊を整えると、このように述べられていらっしゃいます。 その実現に向けましては、異なる地域の個性のある産業が融合して新たなイノベーションが起こり、高い生産性を有するスーパーメガリージョンが形成されること、加えて、その効果を地方に所在する高い技術を有する産業にも波及をさせていくこと、それを広域的な地域、官民の連携によって実現をしていくことが重要と考えております。 国土交通省といたしましても、こういった連携の実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと存じます。
○西田実仁君 今御説明いただきましたように、大事なことは、このスーパーメガリージョンを三大都市圏のみならず全国津々浦々に波及をさせていくということでありまして、それには何が必要かと先ほど少し申し上げましたが、この三大都市圏と地方圏の橋渡しをするというこの広域連携というソフト面の仕掛けがなければ、黙っていて融合したり、交流したり、あるいは提携したりする新しいイノベーションが生まれるわけではありません。 この広域連携ということを、この三月、私は埼玉を例にして質問させていただきました。埼玉では新幹線の沿線十七都市と連携をいたしまして、東日本の玄関口としての大宮、これを首都東京圏とどう融合していくその懸け橋となるのかというさいたまプロジェクトが既に進行しているわけでありますけれども、この埼玉の位置付けも、東日本の玄関口ということから更にバージョンアップしなければならないんではないかと。今申し上げた三大都市圏、東京、名古屋、大阪という巨大な都市圏が誕生いたしますれば、そこと東日本をどうつないでいくのかというところにやはり埼玉が果たす役割というものもより自覚をしていかなければならないんではないかと。 具体的には、そういう、例えば中部圏の航空産業や自動車産業と東日本の地方圏の世界的なシェアを持った企業との商談会とか、あるいは研究会とか交流、こういうことを、例えばその場を提供していく、そういう役割が東日本の玄関口である埼玉にも求められてくるというふうに思うわけであります。 こうしたソフト面の仕掛け、特に、既に大臣に承認をされております広域地方計画、これを一つ一つ、いろんな各地にプロジェクトがございます、この広域連携のプロジェクトを絵に描いた餅に終わらせずに具体的に進めていくためにどうこれから着実に進めていくのか、大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(石井啓一君) 本年三月に策定をいたしました首都圏を始めとする全国八つの広域地方計画には、広域的な視点から官民が連携して地方創生に取り組んでいく百十六の広域連携プロジェクトが盛り込まれております。現在、これらのプロジェクトについては地域主導で順次推進されつつあります。国としても、その取組を支援をしていくために、それぞれの地域におきまして官民の多様な主体によって構想を具体化し取組を加速化していくために、平成二十九年度の概算要求において必要な経費を要求をしているところでございます。 委員御指摘の埼玉のプロジェクトについてでありますが、これは、北海道、東北、北陸、上越新幹線の結節点であるさいたま市におきまして、首都圏のみならず、中部、近畿と東北、北陸などとのビジネス連携の場を提供するなどによりましてスーパーメガリージョンの効果を東日本に波及させていくものであります。地方創生を実現していく上で大変重要なプロジェクトと認識をしております。 埼玉のプロジェクトを始めといたします広域連携プロジェクトを各地で推進することによりまして、地方創生を実現できるよう、国土交通省としてもしっかり取り組んでまいりたいと存じます。
○西田実仁君 ただいま大臣から御答弁いただきましたように、やはりこのスーパーメガリージョンの効果を地方に広げていくためには広域連携という仕掛けがどうしても必要で、そのプロジェクトを強力に推し進めていく、そういう必要があります。 前回、三月の予算委員会でも地方創生担当大臣にお聞きしました。その地方創生の実現をしていくために必要な広域連携、それを後押しをするためには、例えば地方創生交付金、これの運用等で工夫がやっぱり必要ではないかと、こういうことを三月に申し上げさせていただきましたが、その後どのように工夫されているのか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(山本幸三君) 地方創生を推進するに当たりましては、地方公共団体間で連携して取り組むことが極めて重要であると考えております。 そのために、地方創生推進交付金の申請要件として、先駆タイプというのがあるんですけれども、この先駆タイプの申請要件に、是非、地域間連携、広域連携ですね、これを条件としております。関係する地方公共団体と連携して広域的なメリットを発揮する事業であるという、そういう連携が必要だということを先駆タイプの申請要件としているところであります。 さらに、本年七月より、地方からの要望を踏まえまして、これまで複数の地方公共団体が予算を共同で実施する場合のみを地域間連携と認めていたわけでありますけれども、これを予算の共同実施以外で連携するということも広く認めるという形で運用の弾力化を実施したところでございます。 地域の実情に応じた広域連携の取組を更に推進するために、今後とも国として、地方創生推進交付金といった財政面に加えて、情報面、人材面からも積極的に支援してまいりたいと考えております。
○西田実仁君 これまで申し上げさせていただきましたように、リニアは、時間短縮効果ということに加えまして全国を一つの統合した新しい経済圏を創出する、そういう効果をもたらす可能性があるということでございました。そのためには、リニアを始め新幹線あるいは高速道路といったインフラ整備を着実に進めるとともに、経済界や自治体あるいは市民の皆様が様々な制約やバリアを越えて、更に圏域を越えて広域に連携していく広域連携、これが必要である。広域連携が活発に行われることが日本の国際競争力を高め、アベノミクスの効果を全国津々浦々へと浸透させ、そして人口減少社会でも活力を失わない日本をつくっていくことになるのではないかというふうに考えます。つまり、東京だけではなくて、日本列島全員野球でまさに強い日本をつくっていく、これこそが総理がおっしゃる地方創生回廊ではないかというふうに思います。 このような観点から総理にお聞きしたいと思います。 埼玉を始め、今後各地で進められる広域連携の取組が地方創生回廊の創出を加速していくものとしてこれまで以上に活発化していくことが重要でございます。このような広域連携が連なり、各地に連携の嵐を起こしていくことは、地方創生回廊にとってますます重要なものになってきていると考えますが、このことについての総理の御見解を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本が成長していく第一幕としてはあの一九六四年のオリンピックがあり、そして東京と大阪を新幹線でつないで、そしてそのインフラを基に日本は高度経済成長をしたわけでありまして、都市と都市をつなぐということは間違いなくその都市間の力を合わせた大きな相乗効果があるわけでございます。 ですから、今、シンガポールとクアラルンプールを高速鉄道で結ぶ、日本も新幹線をこれ、採用してもらいたいということで働きかけを行っていますが、まさに西田先生がおっしゃったようなそういう方向に今世界が動いているんだろうと思います。日本はその中でも更に一歩先を行く広域連携を進めていくということが大切ではないかと思っております。 札幌や敦賀、そして長崎への新幹線ネットワークの整備が進むとともに、リニア中央新幹線の全線開業で三大都市圏が一時間で結ばれ、人口七千万人の世界最大の都市圏が形成されます。これによって我が国の国土構造が大きく変革をされ、国際競争力の向上が見込まれるわけであります。 大事なことは、その効果を大都市圏だけにとどめず、地方に波及をさせ、日本全体で成長していくことが大切であります。新幹線、幹線鉄道のほか高速鉄道路やあるいは国内航空ネットワークなどによって、東京だけではなくて、東京も大阪も名古屋もハブになっていくということでありまして、ハブとなって北から南まで地方と地方をつないでいくということになります。地方創生回廊をつくり上げ、全国を一つの経済圏に統合していくことで地方に成長の大きなチャンスを生み出していくことになるんだろうと思います。 例えば、私の地元の山口県も、大阪で商談して、その後リニアで東京に行って、リニアでも商談して、夜に飛行機で帰ってくるということが可能になってくるわけであります。 そして、委員御指摘の埼玉の広域プロジェクトは、大宮駅においてリニアがつくる巨大都市圏と東北や北陸とのビジネス連携の場を提供することで、大都市の集積の効果を広く東日本に波及させるものであります。まさに、地方創生回廊の実現をしていく上で大変重要なプロジェクトと考えております。その際、大宮はもはや首都圏の東日本に対する玄関口であるだけではなくて、中部や近畿も含めた巨大都市圏の玄関口としての機能を果たすことが期待されると思っております。 このような各地の広域プロジェクトを効果的かつ着実に推進していくことで各地にまさに先生がおっしゃった連携の嵐を起こしていく、そして地方創生回廊の実現につなげていきたいと、このように考えております。
○西田実仁君 力強い決意を述べていただきました。是非、その連携の嵐を起こして、日本全体を元気にしていくということに一生懸命取り組みたいというふうに思います。 話題は変わりまして、子供食堂についてお聞きしたいと思います。 全国に広がるこの子供食堂でありますが、単に食事を提供するのみならず、学習支援あるいは居場所づくりにおいてそのニーズが大変高まっております。 先日、この子供食堂を運営する地元所沢の社会福祉協議会の皆さんと様々な意見交換をさせていただく機会がございました。この社協の皆さんが異口同音に言われておられますことは、子供食堂のニーズの把握が大変に難しいと。必要だということをお子さんの方から発信することはまずありませんし、親御さんからもそうしたことはない。その中で、どうニーズを把握していくのかというところが一番苦労されているというお話でございました。 この所沢では、コミュニティーソーシャルワーカー、CSWというのを、生活困窮者自立相談支援や、あるいは学校や民生委員の協力者の皆様、こども相談センターと打合せを重ねる中で情報を収集し、子供食堂というものを立ち上げておられます。立ち上げは社協が行いましたけれども、現在はもう地域のボランティアの皆さんが運営をされておられるものであります。地域の住民の皆さんを巻き込んで一緒にやることによって住民の皆さんが住民を呼んでくるという、そういう協力者も増えているということでございます。 こうした意見交換の中で、子供からの発信がないという状況で、例えば学校、もっと言えば保育所ですね、その保育所にソーシャルワーカー等が配置されていれば、もっとその家庭の状況も、発見もまた家庭の状況も把握しやすい、そういうお話もございました。 そこで、加藤担当大臣にお聞きしたいと思います。 学校や地域、地域子育てセンター、そして保育所も含めたネットワークの中で、養育に問題がある家庭の早期発見ができるよう、補正予算に盛り込まれております子供の未来応援地域ネットワーク形成事業、この中でその環境整備を進めていくべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 委員御指摘のように、貧困など困難を抱える御家庭の事情というのはなかなか外から見えづらい、把握しづらい、こういうこともございます。そういった意味で大変、早期発見というのは非常に大事でございますし、そういう意味で、今委員御指摘のように、学校に、学校等をプラットフォームとしてスクールソーシャルワーカー、スクールカウンセラーなどの配置をしていく。あるいは、妊娠期から子育て期にわたる様々なニーズに対して総合的に相談支援を提供し、切れ目のない支援を実施する子育て世代包括支援センター等の設置等も行ってきているところでありますが、こうしたそれぞれが展開をしていただく中で、やはり総合的に推進をしていく必要がある。そういうことで、学校あるいは子育て世代包括支援センターなどを含む多様な関係者が連携をして協力をしていただいて、支援を必要とする子供たちに確実に支援を届けていくということが必要であります。 そういった観点に立って、今御指摘いただきました地域ネットワークを形成するための自治体の取組を支援する地域の子供未来応援交付金というものを平成二十七年度の補正予算において、また、この度の平成二十八年度の第二次補正予算においては十億円計上しているところであります。 自治体の創意工夫によって、例えば御指摘のような所沢ではCSWあるいはソーシャルワーカー等々を配置をしていただくということは十分可能でありますし、実際にこの交付金を既に活用いただいている中にも、子供たちの居場所を整備して、心理カウンセラーなどコーディネーターを配置して福祉、教育など様々な関係者との間の情報共有を図る、こういう取組を既にしていただいているところもございます。 そういった意味でも、こうしたまずネットワークをつくっていただいて、そういう中で先行的なモデルとしての取組をしていただく、これ大いに実施をしていただきたいというふうに思います。
○西田実仁君 子供食堂という名前ですから子供のための食堂というふうに思いがちですけれども、その名付け親の方が言っておられるように、決して子供だけのための食堂ではないと。独りぼっちで寂しく食事をする、こういう孤食という問題を抱えているのは、お子さんはもちろんですけれども、例えばお独り住まいのお年寄りの方もそういう孤食に陥っておられるわけでありまして、そうしたお年寄りとお子さんとが一緒になって食事をする多世代型の子供食堂ということもやはりこれは必要になってくるのではないかというふうに思うわけでありまして、今、子供未来応援基金というのを設けてこうした子供食堂の運営支援することを行おうとしているわけでありますけれども、今私が申し上げたような、そうした孤食のお年寄りと孤食のお子さんと一緒になって多世代で食事をする、そういう地域サロンみたいなものも是非この基金で応援していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今御指摘をいただきました子供の未来応援基金は、誰もが子供の貧困対策のために行動できる仕組みとして、子供の貧困を何とかしたいという企業あるいは個人の方々が基金を通じて、草の根で支援をしておられるNPO等、今の事例でいえば子供食堂等を行っている方々を支援していくということを目的としているところでございます。 支援の対象においては、子供食堂あるいは学習支援、様々な事業が含まれております。子供たちに温かな食事と団らんのある居場所を提供して必要な支援につなげていくということで貧困の連鎖を断ち切っていく。こうした取組であれば、御指摘のように、高齢者を支えた形で運営されている子供食堂も当然支援の対象になるというふうに思います。 実際、子供たちがふだん接することの少ない地域における高齢者を含め様々な世代の方と交流するということは、地域において包括的な社会をつくっていくという意味で非常に重要だというふうに思っておりますし、既に今回申請いただいている中にも、子供たちの居場所を整備する中で高齢者などとの交流を行うというものも入っているところでございます。 まさに、民間資金の特性というのを生かして、創意工夫を生かした地域づくり、これに対するそうした様々な活動、これの支援にしっかりとつなげていきたいと思います。
○西田実仁君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上で西田実仁君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、横山信一君の質疑を行います。横山信一君。
○横山信一君 公明党の横山信一でございます。 まず初めに、このような質問の機会を賜りましたことを、委員長を始め理事の皆様方の御尽力に感謝を申し上げたいというふうに思います。 後ほど質問させていただきますが、災害対策等におきましては被災者の皆様方の声を代弁するような議論にさせていただきたいというふうに思っております。 初めに、上水道のことについて伺ってまいります。 八月二日に閣議決定をいたしました未来への投資を実現する経済対策におきまして、上水道など生活密着型インフラの整備を地方創生の推進に位置付けております。上水道施設の耐震化を進めることは上水道事業を通じて地域経済への波及効果も期待できると考えますが、最初に総理の御所見を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 水道は今やその普及率は九七・八%に達しているわけでありまして、国民生活や産業活動に欠かせないインフラになっています。一方で、近年、水道施設の老朽化が進み、計画的な更新が急務であるとともに、耐震化対策も併せて行っていく必要があります。 こうした中で、地域の生活に欠くことができない水道施設の持続性を確保するため、未来への投資を実現する経済対策では生活密着型インフラ整備として上下水道の整備などを盛り込んだところでございまして、今般の補正予算においては、水道施設の耐震化への支援等に必要な経費として四百億円を計上しています。全国の水道管、水道施設の更新と耐震化を進めていきたいと考えています。 このように水道施設の整備を進めることで、雇用などの需要を創出をし、地域経済が下支えされるだけではなくて、安全な水の供給を将来にわたって確保することで、地域において安定的な経済活動を可能とし、そして地域活性化にもつながるものと考えております。
○横山信一君 ありがとうございます。 まさに、水道の整備というのは、安全な水の確保、そしてまた老朽管を更新をしていくということにとどまらず、地域経済にも波及をしていくというふうに考えております。 この地域経済への波及ということについては課題もあるというふうに考えております。その一つは、指定給水装置工事事業者制度であります。 この制度は、水道事業者が給水装置工事の施行業者を指定するもので、以前は各地の水道事業者が独自の指定基準を持っていましたが、平成八年に全国一律の指定基準になりました。これによりまして工事事業者の指定数は九倍に増えました。 一方、平成二十五年の厚労省のアンケートによりますと、この事業者の所在不明の事業者、これが約三千、そしてまた、違反行為件数が年間千七百四十件、苦情件数が年間四千八百六十四件などという問題も明らかになっております。これに対しては、更新制の導入が今検討されているところであります。更新制が導入されれば、不適格事業者が排除され、工事の信頼性が確保されるため、地域経済への波及も出てくるというふうにも考えております。 また、高度経済成長期に整備された水道施設が更新時期を迎えておりますけれども、地方の市町村では人口減少による給水人口や料金収入の減少に直面しております。水道事業の持続性の確保というのは喫緊の課題になっております。厚労省の水道事業の維持・向上に関する専門委員会では、指定給水装置工事事業者制度の見直しと併せ、広域連携や官民連携の推進、水道料金の適正化などの検討も行っているところです。 そこで、給水工事事業者制度の更新制の導入による地域経済への効果、並びに専門委員会での現在の検討状況、さらには検討を踏まえての水道法の改正についてどう考えるか、厚生労働大臣に伺います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 給水管などの工事につきまして、水道事業者の指定を受けた事業者が施行することとなっているわけでありますけれども、この制度では、今お話がございましたように、一度指定されると事業者は指定されたままになるということで、指定要件の状況、あるいは事業の廃止、変更など実態把握が極めて困難ということが指摘をされてまいりました。 こういうことで、現在、厚生科学審議会において指定の更新制、これを導入することを検討しております。これにより、指定要件に適合しない事業者が排除をされて、利用者が地元事業者に安心して工事を依頼できる環境が整う、そのことによって地域経済の活性化にもつながっていくと、こういうことを期待がされるわけでございます。 このほかに審議会では、水道事業の持続性確保のため、今お話がございました広域連携、だんだんとこれ広がりつつありますけれども、この広域連携の推進、あるいは適切な資産管理の推進などについて御議論を賜っておりまして、年内をめどに取りまとめをしていただく予定としているわけでございます。 審議会の取りまとめを踏まえた対応については、今後適切に検討してまいりたいというふうに思います。
○横山信一君 年内をめどに取りまとめるということで、その後についてはということでありますけれども、それを、取りまとめの内容に沿ってということになろうということに思いますが、水道法の改正もにらんでということだというふうに今解釈をさせていただきます。 さて、八月の台風及び台風から変わった温帯低気圧による集中豪雨は、各地に甚大な被害をもたらしました。改めて犠牲となられた皆様にお悔やみを申し上げますとともに、全ての被災者にお見舞いを申し上げます。 公明党では、国会議員と地方議員とが連携をして、被災直後から北海道、岩手県各地で被害調査に当たりました。私も十勝地方、南富良野、岩手県の久慈、普代、野田を回りました。総理も駆け付けていただきました。国交大臣にも駆け付けていただいております。 被災者支援には、災害弔慰金支給制度と並行して設けられた貸付制度に災害援護資金というものがございます。この災害援護資金の貸付限度額は三百五十万円、利率は、三年間据置きですけれども、その後は三%ということになっております。被災者の生活再建のための制度なのに三%という、今の時代でいうと非常に高いというふうに思うわけです。この利息は市町村の運営事務費に充てられているんでありますが、これは熊本地震のときには熊本県から、また今般の台風災害においては北海道東北知事会からもこの無利子化を求める要望が出ております。 この際、被災者に寄り添う制度にするためにも、この被災者援護資金を無利子化し、市町村の運営事務費も新たな手当てを検討すべきと考えますけれども、防災担当大臣に伺います。
○国務大臣(松本純君) 災害援護資金の貸付けの利率につきましては法律で三%とされているところでございますが、国や都道府県は貸付けに必要な資金を市町村に無利子で貸し付けているところでございます。また、御紹介のありましたように、貸付利率三%相当額分につきましては市町村の運営事務費に見合うものとして扱っているところでございます。 御指摘のありましたこの貸付利率につきましては、まず市町村がこの貸付利率三%分をどのように扱っているのかにつきまして実態を調査をさせていただいた上で、現行の三%の貸付利率が妥当かどうかも含めまして、市町村や都道府県等関係団体の意見を聞きながら、十分協議を行いまして検討をしてまいりたいと思っております。
○横山信一君 是非この無利子化を目指して取り組んでいただきたいというふうに思います。 北海道では、国内有数の畑作地帯の十勝、オホーツク、上川で台風による大きな被害が出ました。この地域、畑作地帯ですので畑作物共済というのがあるんですが、この対象品目が決まっておりまして、ジャガイモ、大豆、ビート、スイートコーン、タマネギなどなんですけれども、一方でこの共済対象外の作物にも甚大な被害が出ております。 農林水産省ではこの共済対象外の作物に対して種子の購入費用の助成などの対策を検討しておりますけれども、その対象作物はどうなっているのか、また種子の購入費用の助成以外の支援では何を考えているのか、伺います。
○国務大臣(山本有二君) 今般の一連の台風災害では、北海道を始めといたしまして、バレイショ、タマネギ等の畑作物共済対象品目だけではなく、ナガイモ、ニンジン等の対象外品目でも圃場の冠水により収穫できなくなるなどの被害が生じているということを承知しております。 こうした畑作物共済対象外の品目に対して御心配の向きをいただきました。 まず、被災農業者の資金調達を支援するため、農林漁業セーフティネット資金やスーパーL資金等の災害関連資金の貸付利子を貸付け当初五年間、実質無利子化したところでございます。これらの資金の活用が可能となりました。また、委員御指摘の種子の購入等に要する経費の助成など、次期作に向けた営農継続の円滑化を図るための対策を現在検討しておるところでございます。 今般の甚大な台風災害に際し、被災された農業者の皆さんが営農意欲を失うことのないように工夫をしてまいりたいと思っております。 さらに、御指摘のありました、種子の購入等に要する経費助成の支援対象についての品目、それについて御指摘でございました。 まず野菜につきましてはナガイモ、ニンジン、ネギ、ゴボウ、大根、キャベツ、豆類につきましてはエンドウマメ、飼料につきましてはデントコーンの一部を考えておるところでございます。
○横山信一君 幅広く対象品目を決めていただいているということには評価をいたします。 デントコーンの一部というふうにありましたけれども、その一部の内容をもしよろしければお伝え願いたいと思います。
○国務大臣(山本有二君) これは、耕種農家が販売目的で栽培しているデントコーンというように考えているところでございます。 また、デントコーン等の粗飼料への被害についても言及をさせていただきたいと思いますが、この粗飼料につきましては、北海道の酪農地帯を中心に、デントコーン、飼料用トウモロコシでございますが、この倒伏や牧草の収穫遅れが発生しております。今後、品質低下や不足が懸念をされるところでございます。 餌を確実に確保するということが大事でございます。このため、サイレージに調製する場合の品質低下を抑制するための発酵促進剤の利用、あるいは輸入も含めた粗飼料の確保に対する支援が必要と考えておりまして、現在、具体的な支援内容を検討させていただいているところでございます。
○横山信一君 デントコーン、非常に私心配しておりまして、この通告するときにも随分デントコーン、デントコーンと言ってきたのでありますけれども、大分検討していただいているようで、評価をしたいというふうに思います。販売用はもちろんなんですが、やはり自給用となりますと、今おっしゃったようになかなか支援の手がないので、是非積極的に検討していただきたいというふうに思います。 専業農家が中心の北海道では、営農できなければ減収となります。これが離農に拍車を掛けることも懸念をされるわけです。営農再開には相当の期間を掛けて土作りを行う必要がありますが、災害による農地の造成による補助には上限があります。北海道の場合、これ都道府県ごとに決まっているんですが、北海道の場合は一アール当たり六万七千円。ちなみに他府県では一アール当たり三十万七千円なんですけれども、北海道は耕地が大きいので六万七千円と。これを超えた場合は農家負担となるということになるわけでありまして、これが今、被災地で大きな問題になっております。 被災農家が生活を維持し、営農継続に引き続き意欲を持てるような支援に是非ともしていただきたいと思いますが、農林水産大臣のお考えを伺います。
○国務大臣(山本有二君) 今回の台風により農地に甚大な被害を受けました北海道、我が国の最大の食料供給基地でございまして、その営農再開は非常に重要な我が国の食に関する安全の、あるいは安心の課題であると考えております。 農林水産省といたしましては、被災地域での一刻も早い営農再開が可能となりますように、農地の復旧などの現場の様々なニーズを踏まえましてきめ細かく取り組むことといたしております。このため、災害査定を待たずに応急工事に着手できる査定前着工制度を積極的に活用し、農地の早期復旧を支援しているところでございます。 委員御指摘のように、土壌は営農にとりまして最も重要な要素でございます。したがいまして、良質な品目に合った質の高い土壌が回復されるよう努めなければなりません。河川の決壊等により表土が流出した農地につきましては、河川の復旧事業と適切に連携しまして、河川の土砂を基盤の部分に活用するなど、農業者の負担軽減に配慮した工法による復旧を支援していきたいと思っております。そして、その際、客土に合わせて土壌改良資材の投入を行うなど、復旧時の土作りに配慮をすることも十分考えていく必要がございます。生産力回復のために土作りに対する支援も現在検討させていただいております。 特に北海道の復旧について、先生御指摘の限度額ということがございます。被災した農地に代わる農地を新たに造成するために、この場合必要な標準的な費用を定めております。この標準的な費用を超えた事業がどうしても必要だという場合がないとは言えません。そこで、費用対効果の観点から、災害復旧事業の対象内に入れたいものの、これはあくまで外として、今手だてはありません。 そこで、現在の北海道に関する復旧限度額は一ヘクタール当たり六百七十万円でございまして、一アールに換算しますと六万七千円でございますが、この復旧限度額を超えた部分につきましては国庫補助の対象とならないために、全額が地元自治体や農業者の負担というようになります。 しかし、冷たいじゃないか、泣きっ面に蜂じゃないかと、こういう御意見はあろうと思います。これをまあ全額国が負担したいということもありますけれども、限られた資源を有効に、しかも国民負担がないような形で何とかできないかと今現在考えておりまして、例えば復旧農地の近傍にある河川、その河川改修時にしゅんせつ土砂、これが出てまいります。この土砂を基盤部分に活用することによりまして土を購入する費用がこれで助かる、また運搬費、遠くから持ってくる運送費がこれで助かるというような工夫をいたしまして農業者負担軽減につなげていきたいと、こう思っております。 また、農地の被災箇所が百五十メートル以内で連続している場合は一か所として申請することが可能となっておりまして、筆ごとではなくて、こういうように補助対象の総額を大きくするように工夫を取ってまいりたいというように思っております。 今後とも、北海道開発局、北海道庁と連携しつつ、できる限り低コストの工法を採用し、農家負担のないように技術的支援を取ってまいりたいというように思っております。
○横山信一君 この地元被災地では、とにかく畑作地帯、大規模ですから、それが今回の洪水で本当に基盤ごと流されてしまっているという状況で、それを造成するとなるともう本当にどうしたらいいんだろうと。今大臣からできるだけ農家の負担が掛からないようにという力強い御答弁いただきましたので、その実現目指してお願いしたいと思います。 先ほど大臣からも触れていただきましたけれども、北海道の耕地面積は全国の二六%を占める国内最大の食料生産基地でございます。今回の災害が食料自給率の低下を招かないよう迅速で柔軟な対応が必要と考えますけれども、災害復旧に向けた総理の決意を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま委員が御指摘になったように、北海道は我が国最大の農業地帯でありまして、食料の安定供給の観点から一日も早い被災地地域の農産物を生産、輸送できる体制を再生する必要があります。特に、北海道には厳しい冬がやってまいります。厳しい冬を迎える前に可能な限り被災農地の復旧を図ることは大変重要な課題であります。 私も九月十四日に北海道の被災地を視察した際、農家の皆様からお話も直接伺いましたし、農地などの大変な被害を目の当たりにいたしました。おっしゃったように、北海道は大規模に営農しておられる専業農家の方々がたくさんおられるわけでありまして、それだけに大変大きな被害を受けておられます。これから先果たしてやっていくことができるんだろうかという、そういう不安の声もお伺いをいたしましたし、また、特に酪農を経営しておられる方々が、牛も死んでしまって、果たして新たに購入して、資金を投入していって大丈夫だろうかという不安に直面している、しかし自分の一生の仕事だと思っている、誇りを持ってやってきたので頑張っていきたいというお話もされました。何とかそういう皆さんの気持ちがくじけないようにしっかりと支援をしていきたいと、このように思います。まさになりわいの再建に直面しているその皆さんのお話を伺い、復旧復興に向けた決意を新たにしたところでございます。 九月十六日には、今回の一連の台風被害に対して激甚災害指定を行い、農地、農林水産施設等の災害復旧事業の支援を拡充しました。また、早期復旧が可能な農地について、災害査定の前に応急工事の着手が可能となる査定前着工制度の活用を進める取組を行っています。加えて、鉄道、道路の早期復旧を図るとともに、他の地域からのトラックの融通等、トラック輸送力が確保されるよう関係業界団体への協力要請を行っています。 引き続き、できることは全てやるとの考え方の下、被災地域の農産物の円滑な生産、出荷に必要な対策を順次実施をして、被災地域の農産物の供給力の再生を図っていく考えであります。
○横山信一君 ありがとうございます。 私も被災地に行って、南富良野で新規就農の方にもお会いをいたしました。やはり、新規就農されてそれなりに投資もされてきて、ようやくこれから本格的な経営に入るというやさきに被災に遭われたということであります。総理から今力強い御決意も述べられたのでありますが、新規就農に対しての被災者の激励も是非お願いしたいと思うんですが。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 新規就農された皆さんにとっては、農業で未来を自分の情熱と努力で切り開いていこうという大きな決意の下、新規就農されたやさきにこの被害に遭って、相当大きな被害を受けて、そしてまたさらに、営農を進めていく上においては資金も要ると、果たしてお金を借りて資金を投入して大丈夫なんだろうかという不安もあるんだろうと思います。 まさに新規就農された方々の意欲こそ我々の農業の未来につながっていくということでありますから、しっかりと新規就農された方々も支援をしていきたいと思います。
○横山信一君 ありがとうございます。 諦めないでやっていける、そういった励みになろうというふうにも思います。 次の質問ですが、北海道から離れて岩手県に行きますけれども、私、岩手の安家川のサケのふ化場にも行ってまいりました。ここは、岩手県は南部サケを県の魚というふうにしておりまして、元々サケの増殖事業が非常に盛んな地域でございます。 東日本大震災では、この下安家のサケのふ化場も壊滅的な被害を受けました。しかし、関係者の懸命な努力によりまして、平成二十六年以降、年間四億尾を放流できるところまで復旧をしておりました。それが今回の台風被害に遭ったということであります。 下安家ふ化場での今期の採卵は困難というふうに見られております。放流数が減ると将来的な回帰数に影響が出てまいります。災害復旧事業の査定前着工による早期復旧に取り組んでもらっておりますが、更にどのような支援を行っていくお考えがあるのか、農林水産大臣に伺います。
○国務大臣(山本有二君) 御指摘のとおり、岩手県では、下安家サケ・マス人工ふ化場、県北サケ・マス人工ふ化場、小本川サケ・マス人工ふ化場、松山サケ人工ふ化場、この四つのふ化場が全壊いたしました。今シーズンは使用できない見通しでございまして、漁獲への影響が懸念をされております。特にサケは、先ほど御指摘のように、主に四年で生まれた川に回帰するため、その性質を利用して百年以上前から人工ふ化放流が行われております。現在、我が国沿岸で漁獲されるサケのほとんどがこの人工ふ化による放流魚であるという認識をしております。 そういう観点に立って、農林水産省といたしましては、災害復旧事業の査定前着工によるふ化放流施設の早期復旧支援を行っているところでございますが、ソフト面において、親サケの捕獲が行われる河川での流木の回収、処理をまず行う、そして被災を免れたふ化放流施設における稚魚の生産拡大への支援を実施させていただこうと、このような支援に全力で取り組んで、一日でも早い復旧復興に努めてまいる所存でございます。
○横山信一君 ここの、下安家のふ化場は震災に遭って壊滅したところでございまして、先ほど申し上げたとおりなんですが、再びここで災害復旧になると、自分たちで立ち直るということが非常に難しいというふうに真っ先に捉えてしまいます。そういう意味では、今大臣からも御答弁がありましたけれども、これを更に、できるだけ震災復旧の、復興の止まらないような形で是非御支援をお願いしたいというふうに思います。 また北海道の話に戻りますが、これまで北海道に台風が上陸することはまれでございました。地球温暖化に伴う気候変動によって、今後、風水害や土砂災害が激甚化することが懸念をされております。災害復旧に当たっては、原状復旧にとどまらず、同規模の台風にも耐えられるように改良復旧を行っていただいております。 そこで、今般の台風被害を踏まえて北海道における治水対策の見直しが必要と考えますけれども、国交大臣の所感を伺います。
○国務大臣(石井啓一君) 気候変動の影響によりまして今後水害の頻発化、激甚化が懸念される中、昨年の関東・東北豪雨による被災を受けまして、施設では防ぎ切れない大洪水は必ず発生するとの考えに立ちまして、社会全体で洪水に備えるため、水防災意識社会再構築ビジョンの取組を進めております。 具体的には、洪水氾濫を未然に防ぐ対策の着実な推進に加えまして、住民目線のソフト対策への転換、例えばプッシュ型で洪水情報等を住民にお知らせするとか、そういった対策も始まっております。また、仮に越水等が発生をした場合でも決壊までの時間を少しでも引き延ばす、このことによって避難時間を稼ぐ、そういう堤防構造を工夫した危機管理型ハード対策の導入など、ソフト、ハード一体となった対策を講じているところであります。 北海道におきましては、今年の夏の台風の上陸、接近等による大雨によりまして、例えば道東における八月の月間降水量は平年の二倍から四倍となる五百ミリを超える大雨を観測をしておりまして、常呂川、十勝川、石狩川などにおいて河川の氾濫等により甚大な被害が発生をしております。今後も地球温暖化に伴う気候変動の影響により水害、土砂災害の頻発化、激甚化が懸念されております。 こういった状況を踏まえまして、国土交通省といたしましては、北海道と共同で有識者から成る検討委員会を設置をいたしまして、気象、治水、防災などの観点から今回の大雨災害の検証を行うとともに、今後の治水対策の在り方を検討することといたしました。年度内には検討結果を取りまとめていく予定でございます。 また、冒頭御紹介をいたしました水防災意識社会再構築ビジョンの取組は、これまでは国管理河川で進めておりましたが、これを都道府県が管理する河川にも拡大することを今年の八月に決めておりましたが、今般の災害を受けまして、北海道が管理する河川においてもその取組を加速化をしていきたいと思っております。 今後とも、災害から国民の命と暮らしを守るため、総合的な防災・減災対策を不断に見直しをしていきたいと思っております。
○横山信一君 確認をさせていただきたいんですけれども、水防災意識社会再構築ビジョンですけれども、一級河川から始めて、今後、八月の予定だったのを、これから道管理河川についてもやっていくということで、八月よりも、前倒しで進めていくということでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) この水防災意識社会再構築ビジョンの取組は昨年からスタートしたところでございますけれども、従来は国管理河川において、全国百九水系ございますが、それぞれの地域ごとに協議会等を設置をいたしまして、国、市町村、また関係者入っていただきまして、先ほど申し上げたソフト、ハード一体となった対策をこれまで講じてまいりました。 今年の八月にはこの取組を今後県管理河川にも広げていくということを決めたところでございますが、今加速化していくということを申し上げたのは、八月に決めたところなのですけれども、それを、更にその取組を今後加速化させていく、都道府県管理河川にも拡大をしていくという取組を今後加速化をしていきますということを申し上げたところでございます。
○横山信一君 分かりました。 是非、まさに加速化ということで、スピードアップしてやっていただきたいというふうに思います。 最後の質問になりますけれども、災害関連でずっと質問をしてまいりましたが、ちょっと目を国内から海外に向けて、災害救援活動ということでは、米国を中心として、今、パシフィック・パートナーシップという、これは米海軍の艦艇を中心とした事業を行われておりまして、海外で災害が発生したときに備えて、その救援活動のために日頃から訓練をしているというものでありますけれども、それだけではなく、訪問した国によっては文化交流もするし、様々な活動もしているのでありますが、日本の自衛艦も平成十九年からこのパシフィック・パートナーシップに参加をしております。言わば災害への備えを各国共同で行っている、そういったものだというふうにも言えます。 自衛隊では、今年、輸送艦「しもきた」を派遣をしたというふうに聞いております。今年の活動の中では日本が主導的に実施をしたものもあったというふうに聞いておりまして、それはパラオで行われたようでありますけれども、NPOと協力をして、眼科診療や、あるいは「しもきた」には医療設備が備わっておりますけれども、この医療設備内での白内障手術も行ったというふうに聞いております。 そこで、このパシフィック・パートナーシップ、これは日本ではどのような役割をこれまで果たしてこられたのか、総理に伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) パシフィック・パートナーシップは、米軍や自衛隊の艦艇が共同してアジア太平洋地域の複数の国々を巡回訪問をしまして、各国政府、軍、そしてNGO等の協力を得ながら現地で医療活動や、そしてまた文化交流を行う活動でありまして、我が国と米国やアジア太平洋諸国との信頼関係醸成はもとより、平素から災害対応での国際的連携の強化を図ることで地域の平和と安定に寄与するものであります。 我が国も医療機能を有する自衛隊の艦艇や医療チームを派遣するなどパシフィック・パートナーシップに積極的に参加をしておりまして、今年は、御指摘の輸送艦「しもきた」をパラオに派遣し、艦内においてNGOの医師による手術を支援するなど、その医療機能を活用して貢献を行ったところであります。自衛隊艦艇の持つ医療機能を効果的そして積極的に活用することは、顔の見える国際貢献を実施しつつ、アジア太平洋地域の安定化にも寄与するという意味で、委員御指摘のとおり極めて重要な施策であります。 近年建造している大型ヘリコプター搭載護衛艦にはより充実した医療施設を設けておりまして、今後とも、こうした艦艇を効果的に活用し、国際緊急援助活動など様々な国際協力の現場で積極的に貢献してまいりたいと思います。
○横山信一君 ありがとうございます。 私は、こうした自衛隊の持つ、自衛艦の持つ医療機能を災害等でもっと積極的に活用してもらいたいというふうにも思っております。今後の活躍に期待したいと思います。 以上で質問を終わらせていただきます。
○委員長(山本一太君) 以上で横山信一君の質疑は終了いたしました。(拍手) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十三分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(山本一太君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成二十八年度第二次補正予算三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。小池晃君。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 年金積立金の運用について聞きます。 二年前に安倍政権は、年金の運用比率、いわゆるポートフォリオを変更いたしました。国内債券の比率を六〇%から三五%に下げ、株式の比率を二四%から五〇%に引き上げました。百四十兆円を超える積立金の半分を株式で運用するように変更いたしました。 その結果、二〇一五年度の運用成績、そして一六年度四月―六月期の運用成績を示してください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 平成二十七年度の運用実績は、主に内外株式や為替の市場変動に伴う評価損の影響によりまして、収益率はマイナス約三・八%、収益額はマイナス約五・三兆円となっております。 また、平成二十八年度第一・四半期の運用実績は、六月下旬の急激な円高や国内株式市場の下落に伴う評価損の影響によりまして、収益率はマイナス約三・九%、収益額はマイナス約五・二兆円となっております。
○小池晃君 参議院選挙前にはこの数字を明らかにしなかったんですね。選挙が終わってから十兆円を超える巨額の損失が明らかになったわけであります。 この株式比率の引上げ決定したのは二〇一四年の十月末ですが、実際は半年程度掛けて変えていきましたので、二〇一五年の四月からがほぼ新たな運用による結果だと。その結果が十兆五千億円の赤字というふうになるわけであります。 総理は、この問題を取り上げると、短期の結果で議論しないでほしいと繰り返すんですけど、これは、何でこれを問題にするか、二〇一五年度以降の運用成績をなぜ問題にするかといえば、これは、安倍政権が運用方針を変えた結果がここに出ているわけですよ。株式運用比率の引上げという政策判断が正しかったのかどうか、これを議論して検証するのは私は当然だと思うんですよ。 総理、ポートフォリオの変更後にマイナスが拡大したという事実を認めていただきたい。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、基本ポートフォリオの変更というのは、経済情勢、すなわちデフレから脱却をし、あるいは長期的に見て物価が上昇局面に入っていくという想定の下で、国内債券に頼っていた従来の基本ポートフォリオではなかなか難しいということで、株式等への分散投資を進めたものでございます。長期的に見れば、変更前の基本ポートフォリオと比べて、年金財政上必要な積立金、積立金を下回るリスクというのは少なくなって、これは適切な見直しであって、あくまでもやはり長期で見るのが年金運用の常識だというふうに思います。 仮に、リーマン・ショックを含む平成十六年度から平成二十五年度までの十年間について現行のポートフォリオを運用したと仮定すると、それぞれの年度の収益のぶれ幅は大きくなるわけでありますけれども、名目運用利回りは四・三%と、従来のポートフォリオよりも一・一%高い収益率が得られているわけでございます。 加えて、今、検証がというお話がございました。 今年三月に定期的な検証が行われていまして、GPIFがマイナス金利など直近の経済市場データを織り込んで長期的な運用利回り等の試算や将来の積立金の見込みに関するシミュレーションを行っております。それによりまして、現在の基本ポートフォリオを変更する必要はないとの結論に至ったと承知をしているところでございます。 平成十三年度の自主運用開始以降、年金積立金の累積収益は約四十兆円となり、また、安倍政権の三年間では二十七・七兆円となっているわけで、このように年金財政上必要な収益を十分確保するということが大事でありまして、そういう面ではその目的は達成をされておりますので、国民の皆様方には御安心を是非いただきたいというふうに思います。
○小池晃君 自分たちが政策変更したことで十兆円の欠損をつくりながら何の反省もない、そういうことでいいんですか、これは。 私、今説明あったけれども、これからデフレから脱却する、物価が上昇する局面になる、そうすれば、債券中心の運用だったらマイナスになるから株式中心にするというふうに、そういうことで決定したと。 物価上昇なんかしないじゃないですか。いつまでたっても物価上昇の局面なんか生まれていない。その結果、運用資産別の収益を見てください。(資料提示)一目瞭然なんです。収益を生み出すだろうと言っていた株式はずうっと赤字が続くわけです。そして、以前の比率のままだったらマイナスになると言っていた債券だけが実際にはプラスを続けて、逆に三兆円黒字になっているわけですよ。 総理、だから、以前の運用比率のままなら、これ単純計算でも三兆円から四兆円損失を減らせたということになるわけです。これは、安倍政権のまさに政策判断によって変えて、その結果こういう結果になったわけですから。 総理、ポートフォリオの変更をしなければこれは株価が下がったってこれほどの損失にならなかったという事実を、これはっきり認めてくださいよ。私はこの事実を認めてくださいと言っている。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、年金の運用を議論するには一定の常識があるんですよ。それは長期なんですよ。小池さんが言っているこの一―三、四―六だけ、これ短期、すごく短期ですね。すごい短期だけの話をしても年金の運用では意味がないんですよ。 ですから、そこで……(発言する者あり)そこで、小池さん、政策について話をするんだったら長期で見なければいけないというのが年金の運用においては常識、常識なんですよ。何回も言うようですが、常識です。 そこで、そこで、私は議論についての常識は何かということを申し上げているのであって、短期で、短期で、短期で話をするというのは、常識ですから聞いている方々が誤解をするから、私は今強くお話をさせていただいております。 そこで、そこで、長期で見ましょう。では、私たちが新たに導入したポートフォリオ、新ポートフォリオ。そうしますと、従前のポートフォリオで運営されていたリーマン・ショックを含む平成十六年度から平成二十五年度までの十年間について現行のポートフォリオで運営したと仮定すると、それぞれの年度の収益のぶれは大きくなるのでありますが、名目運用利回りは四・三%になるんです、これはまさにあのリーマン・ショックを入れても。 今、小池さんがおっしゃったように、だから駄目だと私は言ったんですが、では、リーマン・ショックの間だけいけば、これはとっても損益が出て駄目だということになるんですが、でも、実際、今申し上げましたように、それを入れても、十六年から二十五年度までを入れれば四・三%となりまして、従前のポートフォリオよりも一・一%高い収益率が得られることになるわけでありまして、こういう姿勢で見ていかなければ年金の議論はならない。 政権を批判するためだけに、ここだけ取ってきて言わば年金の安定的な財源について不安をあおるような議論は慎むべきではないかと、このように思うわけであります。
○小池晃君 不安をあおるじゃなくて……(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 御静粛に願います。
○小池晃君 不安をあおるじゃなくて、この実態を見て国民は不安に思っているから、そしてその不安をつくったのは安倍政権の政策変更だから、だから言っているんじゃないですか。十年前に変えていたらもっともうかっていた、そういう捕らぬタヌキの皮算用みたいなそんな話するんじゃなくて、現実にしっかり向き合うべきだというふうに思いますよ。 しかも、私、いろいろとおっしゃった、いろいろとおっしゃった。しかし、年金の積立金というのは、これはあなたたちの持ち物じゃないですよ、国民の財産ですよ。政府はその運用を委託されているだけですよ。政府は受託者として責任を果たす上で国民に十分に説明責任を果たす、このことが私は必要だと思う。 リスク運用、大きくかじを切る、そういう決定したわけですよ。その是非はともかく、総理、これが国民にちゃんと説明したと言えますか。国民の皆さんは、このリスク運用に大きくかじを切ったことについて十分に納得されているというふうに、総理、考えますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、捕らぬタヌキの皮算用とおっしゃったわけですが、リーマン・ショックを入れているんですから、あれだけ大きな下落があったんですよ。下落があって、我々が政権取る前八千円、一万円ずっと割っていましたよね、八千円になっていた。それを入れているんですよ。それを入れても言わば従前のポートフォリオよりもプラスになっているということを申し上げているわけでありまして、この本当に、二四半期だけを取り上げてきて、殊更、殊更取り上げるのは間違っているわけでありまして、もうこれは、安倍政権になってまるでずっとこれGPIFが損をしているかのごとくの印象を与えてしまいますが、これ念のために申し上げておきますが、安倍政権の三年間では二十七・七兆円のプラスになっているわけでありますし、四十兆円既にこれは積み上がって、収益が積み上がっているわけであります。 なぜ私がこういうことを言うかといえば、十兆円だけ強調されますと見ている方々が誤解するんですよ。これはだから……(発言する者あり)いや、だからそうやってやじを飛ばすよりも、冷静な議論をしようじゃありませんか。(発言する者あり)いや、もうまた何回も、杉尾さん、やじを飛ばさないでくださいよ。何回も何回もやじを飛ばすよりも、冷静な議論が大切なんですよ、年金というのはね。お年寄りの皆さんもこれ真剣に聞いていますよ、どうなるかと。 ですから、ここはやっぱり真剣に議論をしていくべきであって、いろんな数字を合わせた上において、もちろん我々も注視をしていますよ。しっかりと状況を、運用の状況を注視をしていますが、ですから、その中で我々はこのポートフォリオを変更したということについては、先ほど塩崎大臣が申し上げましたように、我々のマクロ経済の運用が新たな政策を行うことになったわけでありますから、そこに鑑みて今回ポートフォリオの変更を行ったということでございます。
○小池晃君 全く答えがないんですね。 私は冷静な議論をしていますよ。安倍政権になってからずっとマイナスだなんて一言も言っていないじゃないですか。安倍政権が政策変更をしてからマイナスの幅が広がったでしょうと、この事実を認めてくださいと言っているのに、この明らかな事実すら認めようとしない。 私は、こういう議論こそが国民の不安をあおるんだと思いますよ。こんな政権に任せておいていいのかと、テレビを見ている方は不安に思いますよ。正直に言わなきゃ、そして国民に対してちゃんと説明しなきゃ。あなた方は、ただ預かっているだけなんだから、勝手に運用方針を変えるなんということをやっちゃいけないんですよ。 もう一つの大問題があります。GPIFは株式保有比率を引き上げて、現在、三十兆円前後の株式を保有している。そして、日銀も年間六兆円の上場株式投資信託、ETFを買い入れる。既に日銀の保有額は十兆円を超えたと言われています。GPIF三十兆円、日銀十兆円、合計四十兆円。これ、株式時価総額の一割近いわけですね。多くの企業でいわゆる公的マネーが筆頭株主になっているという、そういう指摘がされています。日本経済新聞がこれ独自に試算した結果、東証一部上場企業の四社に一社が公的マネーが筆頭株主と報じました。 私どもも計算してみた、これが結果です。今年九月末の時点でGPIFが単独で筆頭株主となっていると思われる企業は百十七社、それから日銀が単独で筆頭という企業は三十二社、そのほかにGPIFと日銀を合わせれば筆頭という企業は二十八社、合計百七十七社。これはいわゆる大企業、有名な日本を代表する日経の株価指数の二百二十五社について試算した結果です。 どんな企業になっているか。トヨタ自動車、本田技研、それから三菱UFJ、三井住友、みずほの三大メガバンク、セブン&アイ、ソニー、キヤノン、武田薬品、三菱商事。日本を代表する大企業でGPIFが筆頭株主となり、そして日経二二五の八割の大企業の筆頭株主が年金資金と日銀という事態になっている。これ、こういうことが世界のどこにありますか。余りにも異常じゃないですか。 総理、こういう経済の在り方が正常だと思われますか。総理、お答えください。日銀のことも聞いているんだから、総理じゃなくちゃ答えられないはず。
○委員長(山本一太君) 担当大臣ですから、まず塩崎厚労大臣、お答えください。(発言する者あり)
○国務大臣(塩崎恭久君) 元日銀ではありますけれども。 年金積立金の株式運用は、言うまでもなくこれは法律にのっとって、専ら被保険者の利益のために最適な運用を検討した結果としてこれは分散投資をして、先ほど申し上げたとおりのポートフォリオにたどり着いているわけであります。 国内株式の運用につきましては、GPIF法の規定に基づいて、これは第二十一条にございますけれども、二十の信託銀行等に投資判断を全て一任をしております。一任をしておりまして、その個別の投資判断にGPIFが関与する余地は全くないということ。それから、二千社以上の幅広い企業の株式に投資を行っているわけでありまして、これはTOPIXの時価総額ウエートに応じて割り振っているわけでありますが、決して一部の企業に集中をして株式投資をしているわけでは全くないということでありまして、GPIFによる民間企業への介入とか大企業優遇といった問題があるとは考えていないところであります。 それから、ちなみに、市場にどれだけのウエートを持っているのかということで、今、筆頭株主になっているところがあるじゃないかというお話ですけれども、ストックベースで見ますと、東証一部の全体に占める比率は約六%。問題は、株価に影響を与えるかどうかということにおいてはフローが大事でありますから、じゃ、フローのウエートはどうかというと、例えば、平成二十六年度は〇・七%、それから二十七年度は〇・三%ということで、バイ・アンド・ホールドといいますか、ずっと投資をしたらそのまま持っているわけでありますから、アクティブな投資で売ったり買ったりするようなことは全くやっておりませんので、御理解を賜れればというふうに思います。 それともう一つは、先ほど損失が出ているというお話ではありますけれども、これは、何度もさっき申し上げたように評価損でありまして、また株式市場や為替が変われば、これまた評価は変わってくるわけでありまして、大事なのは、先ほど総理が言っているように、長い目で見ての年金財政上必要な利回りを得られるかどうかと、ここが一番大事なことでありますから、それは全て私たちが計算をしたものをベースにつくった基本ポートフォリオの中に入っているということでございます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) GPIFについては厚労大臣からお答えをしたとおりでありますが、日本銀行についての態度でございますが、日本銀行については、政府との間で二%の物価安定目標について合意をしているわけでありまして、その中で金融政策を行ってもらうと。金融政策の具体的な手法については、これは日本銀行に任せているわけであります。
○小池晃君 あのね、特定の企業に介入しているなんて私一言も言っていないんですよ。要するに、マーケットの今六%と、年金資金だけで六%と言ったわけですよ。それで、日銀も入れたら一割近くが公的マネーになっている、このこと自体が経済の在り方として異常じゃないですかと。 これ、例えば、日経新聞は市場機能が低下すると、朝日新聞だって市場がゆがむと言っているわけですよ。総理はこの姿が正常な経済の在り方だとお考えですかと。個々の企業の経営に介入しているなんて私は言いませんよ、そこまでやるとは言っていませんよ。しかし、経済の在り方として異常じゃないですか。そういう認識はないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大胆な金融政策を行わなければデフレから脱却をできないという考え方の下に我々は三本の矢の政策を行っている中で、日本銀行はデフレから脱却するために必要な金融政策を行っているものと理解をしております。
○小池晃君 全く答えがないですね。 これが正常だと、これでいいんだと。私、本当にこれどうかしていると思いますよ。社会保障のことを議論すると持続可能性だというようなことを繰り返すくせに、株式運用でこれだけ大穴空けても何ら恥じることがない。これ、積立金運用が想定どおりの結果にならなければ、これは結果的に国民が非常に被害を被ることになるわけですから、私はこんなやり方はやめるべきだと申し上げたい。 その上で、総理は、参議院選挙中、アベノミクスの果実を社会保障に回すと言ってきた。ところが、投票箱の蓋が閉まった途端に、社会保障の伸びを抑制していくことが大変大事だと言った。これは、報道でも豹変したというふうに書かれています。実際に、選挙後の厚労省の審議会では次々、介護も医療も年金も負担増の計画が出てきて、財務省が提案した、安倍内閣が確認した、ちょっと出してくださいパネル、一覧を見ると、もうあらゆる分野での社会保障の負担増、給付減ですよ。 財務大臣、医療では、高齢者の高額療養費負担を現役世代並みに引き上げる、一般病床までいわゆる居住費を患者負担にする、七十五歳以上の窓口負担を原則二割に引き上げる。介護では、高額介護サービス費の負担引上げ、そして要介護一、二の生活援助、福祉用具などの自己負担を大幅に引き上げる、介護保険の利用料を二割に引き上げる。これ、財務省の提案で間違いないですね。
○国務大臣(麻生太郎君) 小池先生の御指摘の、あれは昨年の財政制度審議会、いわゆる財政審における財務省の提案の話だと思いますが、改革工程表を政府部内で検討をさせていただいております段階で、財政審での議論の土台として財政の当局の方から提出をさせて行ったものであります。 この提案は、今後も高齢化に伴います社会保障関係費の伸びが見込まれてまいります中で、社会保障分野の歳出改革は避けて通れない課題であると、当然のことだと思いますが、受益と負担のバランスが取れた持続可能な制度を構築するためには社会保障というものの効率化や制度改革に不断に取り組むことが必要、これは財政を預かる者の立場としては当然だと考えております。したがいまして、財政当局としての案を示したものであります。昨年末に経済財政諮問会議において決定されました改革工程表はこうした財政当局としての考え方を踏まえたものとなっていると認識をいたしております。 いずれにいたしましても、改革工程表において年末までに結論を出すこととされております事項等につきましては、今後厚生労働省の審議会において議論が進められることと承知をしておりますので、財務省としては、引き続き年末にかけて厚生省との間でよく審議をして、議論をしてまいりたいと考えております。
○小池晃君 財務省の提案どおりですと言ってくれればよかったんですけど。そういうことですよね。 総理は、参議院選挙では社会保障の充実に力を尽くすと繰り返していたのに、今提案されていることは真逆だと私は思うんですね。もちろん、総理は充実策もあると。でも、ごく一部の充実策を殊更強調するけれども、全体として見れば、実際にやろうとしていることは大半が負担増と給付削減であることは間違いないですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 個別の政策をよく見ていく必要があって、社会保障といっても、これは聖域化せずに無駄は省いていく、あるいは地方自治体においてしっかりと医療費の伸びを抑えているところがあるわけであります。そうしたところは横展開をしていくという、そういう努力をしていくのは当然だろうと思います。 大切なことは、給付が必要としている方にしっかりと届けられることが、持続的にお届けをしていくことが求められているんだろうと、このように考えております。
○小池晃君 だから、必要な人に本当に必要なものが行っているかなんですよ。 京都ヘルパー連絡会がこの七月、要介護一、二の生活援助自己負担化によってどんな影響を受けるのかのアンケートをやっています。これ事例を紹介しますが、骨・関節疾患、心疾患、糖尿病の八十歳代前半の女性、腰痛がひどくて掃除や調理ができずに要介護一だと認定されている、夫は神経難病と認知症で失禁、徘回がある、当初のプランでは複数のサービス利用可能とされたけれども、年金生活では一割負担が重いので週一回の生活援助に絞った、この上利用料が上がったら頼みの週一回の生活援助も受けられなくなると。 必要なサービスを提供すると言ったけれども、現在、生活援助一回二百五十円程度、これが原則自己負担になれば一旦二千五百円を払わなきゃいけない。必要なサービスを受けられなくなるんじゃないですか。
○委員長(山本一太君) どなたに御質問ですか。 塩崎厚生労働大臣。
○国務大臣(塩崎恭久君) ヘルパー協会からの御指摘のお話をいただきました。 介護保険制度、もう言うまでもなく高齢者の自立とそれから介護の重度化を防ぐということが理念であって、今回の見直しが今行われつつありますけれども、この理念を決して忘れることなく必要な方針を固めていくということで、サービスが効率的に提供されるようにするということが大事であるとともに、この制度の持続可能性というものをやはり同時に達成していかなければならないと、こう思っております。 軽度の要介護者に対する生活援助サービスなどの支援の在り方については、今申し上げたような理念を踏まえた上で、介護人材の確保が課題となっていることに応える観点から現在審議会でしっかり検討を行っておりまして、結論は現時点では全く出ているわけではないということをまず御理解を賜りたいというふうに思います。 私としては、高齢者の自立を支援して介護の重度化を防ぐという介護保険の理念から見れば、制度の持続可能性に配慮しながら必要な方へのサービスが確保されるということがやはり大事だというふうに思っておりますので、そういった観点からしっかり皆様方に議論をいただいて、年末に向けて答えを出してまいりたいというふうに思っております。
○小池晃君 週一回の生活援助をぎりぎりだと言っているような人に全額自己負担にして必要なサービスが提供できるんですかと聞いているんですよ。どうですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 全額自己負担にしろというのは我々厚労省が言っているわけではなくて、先ほどの財務省の財政審の中で御意見が出たりしているわけでありますので、私たちの考え方は、さっき申し上げたように、この介護保険の理念をしっかりと押さえながら、しかし制度の持続可能性というものも守っていかなきゃならないので、大事なことは、必要な方へ必要なサービスが確保されるということが大事でありますから、そういう観点で私たちは議論を深めていきたいというふうに思っております。
○小池晃君 じゃ、その財務省の提案は拒否するんですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) 議論を深めていくわけであって、我々は、その自己負担を、自己負担化するだのようなことは、提案は、私どもの方からは一切しているわけではございません。
○小池晃君 もう無責任ですよ。決まってからじゃ遅いから聞いているんじゃないですか。 福祉用具の負担増だって大変な問題ですよ。介護保険で福祉用具のレンタルを受けている人どんどん増えています。車椅子や歩行器など福祉用具のサポートがあるおかげでトイレや入浴ができる。まさに自立を保障している。ところが、これをまた原則自己負担化というような話があるわけです。 日本福祉用具供給協会が要支援一から要介護の二の福祉用具を利用している方にアンケートを行っています。もしも負担増のために用具レンタルをやめた場合にどうするか。トイレや排せつについては半数が介助者を依頼する、入浴や洗面については三割、食事は二割がその行動を諦めると回答しています。これは自立した生活に反する事態ですね。しかも、介助者を依頼すると答えた人に誰に依頼するのかと聞いたらば、五六・二%が家族、親族と回答しているんです。 総理、介護離職ゼロなんでしょう。こんなことをやったら介護離職ゼロに逆行するんじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳細についてまた必要があれば厚労大臣からお答えをさせていただきますが、まさに今、この要介護の中における、今おっしゃった要介護一、二の方々のこのサービス等々についての議論がなされているわけでございまして、その中で、最終的にはこの報告を受けて我々も適切に判断をしていきたいと、こう考えておりますが、塩崎大臣からも答弁をさせていただいておりますように、介護保険というのは、国費を半分入れて、あとは保険料と御本人の負担で成り立っているわけでございまして、言わばサービスを、我々もこれはサービスを維持をしていきたいしサービスは増やしていきたいというふうに思いますが、そうなれば保険料にもこれは跳ね返ってくるのは当然でございまして、その持続可能性と、この負担側もどれぐらい負担できるかということも勘案しながら決めていかなければならないと、このように思っておりますが、同時に、介護離職ゼロを目指して政策を総動員していくという方針には全く変わりがないということは申し上げておきたいと思います。
○小池晃君 いやいや、これやられたらば家族や親族に介助を依頼するという、圧倒的に答えているのは、介護離職ゼロと両立するわけないじゃないですか。そのことを聞いているんですよ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今具体的に御質問されているこの用具については、これまだ決まっているわけではないわけでありまして、議論が続いているわけでございます。そして、最終的には私たちが適切に判断をしていきたいと、こう考えております。
○小池晃君 じゃ、介護用具の自己負担化はやらないんですね、総理は。そういう立場で臨むんですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) これも、先ほど申し上げたとおり、理念に基づいて、そして持続可能性を守っていくということ、そして、何よりも必要なサービスは確保されるということを念頭に入れながら、どういう無駄を排除できるのか。これ……(発言する者あり)いや、この例えば用具にしてもいろいろな値段があるわけであって、それがどこまで許されるものなのかとか、そういうこともいろいろあって、それのいつも一割ということでありますけれども、それをどう考えていくのかということもありますから、何が今申し上げた理念に基づいて、なおかつ必要性に応じて改革ができるのかということをこれから議論を深めていただこうということでありますので、先生がおっしゃっているような極端なことは、これはまあ財政審のやり方は先生方にはもう御案内のとおりでありますから、社会福祉法人のときも最初に課税をするぞみたいな話だったわけでありますが、改革は何にせよ進めていくということが大事だというふうに思います。
○小池晃君 あのね、福祉用具は無駄なんですか。必死になって自立して暮らそうとしている、それが何で無駄なんですか。とんでもない発言ですよ。こういう考え方でやったらどんどん切り捨てることになるじゃないですか。無駄って言ったじゃないですか。(発言する者あり)無駄を削るって言ったじゃないですか。 私は、これ、この福祉用具をじゃ利用して自立生活必死でやっている人たちがテレビ見たら、無駄だと、本当に怒りの声が殺到すると思いますよ。これが安倍政権の姿勢じゃないですか、基本的な。 しかも、財政審の分科会では利用料の引上げもおととい提案されていますね。財務大臣、ちょっとお答えいただきたいんですけれども、こういう提案がされている、要介護度別にこの緑の線ぐらいまで軽度の人の負担率を引き上げようという提案ですね。要するに、要支援一、要支援二、要介護一、要介護二の人たちの利用料の負担は低いので、この緑の線まで、例えば三割負担にするとか二割負担にするとか、こういう検討もしているんですね。
○国務大臣(麻生太郎君) 要介護保険について、いわゆる介護保険につきましては、今後、いわゆる超高齢化社会というものを迎えることになりますので、給付のいわゆる費用の大幅な伸びというものは、これは避けて通れないところだと思っております。したがいまして、いかに今あります制度を維持していくかという構造的な問題に直面しているんだと、私どもはそう認識しております。 したがいまして、我々として対応を考えないかぬのですが、近年は特に軽度者、要介護二以下に対する介護費の伸びというものは極めて高くなっておりまして、いわゆる通所介護、デイサービスともいいますけれども、デイサービスは一四・八%伸びておるんです。伸びておるんですが、これをよく内容を見ますと、いわゆる日帰りで施設に通って食事や入浴などの日程、日程というか日常の生活を、いわゆる介護という、機能訓練を受ける等々のサービスなんかのことをいいますが、そういったものを考えていきますと、この要介護者の伸びというものは、平成二十一年から二十六年度で見ますと要介護二以下は四一%伸びております。 全体で二九%という、そういった状況になってきておりますので、私どもといたしましては、これはより高い中度また重度への給付を安定的に続けていく必要も考えないけませんから、当然のこととして、介護保険料の上昇というものを可能な限り抑制をしていく必要性を考えておかないとこの介護制度自体がもたなくなりますので、要介護区分ごとに軽度者の負担割合を引き上げるということを提案をさせていただいたのがこの間の話であろうと思います。 いずれにいたしましても、介護保険の利用者負担の在り方につきましては、今後、改革の工程表というものに沿って厚生労働省の社会保障審議会等々において議論が進められていくことだと承知をしておりますので、引き続き、年末に向けて厚労省とも私どもとしてよく議論をさせていただきたいと申し上げております。
○小池晃君 結局、こういう検討をしていると認めているんですよ。 要支援一、二に要介護一、二加えると、これは認定されている人の六五%なんですね。そこのところからサービスをどんどんどんどん制限をする、負担を増やしていく。要介護度が軽い段階で経済的な不安もなく介護を受けられるようにすることこそ介護保険の役割じゃないですか。軽い人のサービスを取り上げ、負担を重くすれば、ますます重くなるわけですよ。そうすれば、介護離職はどんどん増えるわけですよ。そして、回り回って結局悪循環で、財政だって悪化するわけですよ。そういうことをあなたたちはやっている。 医療保険ではどうか。医療保険でも負担増計画めじろ押しです。麻生大臣、おとといの財政審でかかりつけ医以外を受診した場合の定額負担の導入を提案されましたが、説明してください。
○国務大臣(麻生太郎君) 改革工程表において、かかりつけ医、かかりつけの医者以外を受診した場合の受診時定額負担の導入につきましては年末までに結論を得ることとされております。過日の財政審では、財政当局としては考え得るという一つの案を提案をさせていただいたところであります。 具体的には、外来の機能の分化というものを進めていくという等の観点から、ほかの医療機関というものを含めて、患者の受診状況を把握するといった一定の要件を満たすという診療所などについて、患者がかかりつけ医、かかりつけのお医者さんとして指定できることとして、このかかりつけ医以外の診療所や病院を紹介状なく受診した場合には定額を負担するといった案をお示しをさせていただいております。 具体的な制度設計等につきましては、今後、厚生労働省の審議会等々において議論が進められていくんだと思いますけれども、先ほどお答え申し上げましたとおり、財務省としては、我々の案と厚生労働省との案をよく議論を行ってまいりたいと考えております。
○小池晃君 財務省が大体、これ財務省の資料ですけど、パネルにしたのは、こんな具体的なところまで提案すること自体が私はおかしいと思いますよ。で、結局財務省の言いなりになって、厚労省も最後それで決めるわけじゃないですか、この間の経過を見れば。 この財務省の提案でいくと、ついに三割負担超えるわけですね。厚労大臣、二〇〇二年改正の健康保険法の附則第二条、読み上げてください。
○国務大臣(塩崎恭久君) その前に、小池議員が先ほど福祉用具をあたかも私が無駄と言ったようにおっしゃいましたが、私が言っているのは、制度全体の中で無駄があればなくそうと言っているのであって、さっき申し上げたのは、例えばレンタル料で見てみますと、一番典型的なのはベッドがあります。特殊ベッドがありますが、この一番高いのが実は、これ平均は、レンタル料は八千八百三円です。ところが、中には十万円というのもあるんです。これ、いずれでも一割負担でできちゃうんです。それで、こんなことをやっていていいのかということを言っているのであって、そういうところのいわゆる無駄はなくしていった方がいいじゃないかということを申し上げています。 そこで……(発言する者あり)いや、私が無駄と言ったということが赤旗に躍るのもちょっといかがなものかと思ったものですから、ちょっと申し上げて、そういうことは書かないようにしていただくと有り難いなと思いました。 平成十四年の健康保険法改正法附則第二条では、「医療保険各法に規定する被保険者及び被扶養者の医療に係る給付の割合については、将来にわたり百分の七十を維持するものとする。」とされております。
○委員長(山本一太君) お待ちください。 塩崎大臣に一言申し上げます。答弁は質問の中身に沿って行っていただきますようにお願いいたします。
○小池晃君 将来にわたり七割維持すると。つまり、三割負担以上には上げないというのは国民への約束ですよね。どうですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 当然のことながら、質が高く効率的な医療の提供を実現するために外来の医療機関の分化、連携、とりわけかかりつけ医の普及、定着というのが重要だということはもう言をまたないわけでありますが、かかりつけ医の普及、定着の一つの方策として、外来時に定額負担を求めることについては、昨年十二月の経済・財政再生アクション・プログラムの工程表において年末までに結論を得る検討事項となっていることは御案内のとおりでありまして、現在、審議会でかかりつけ医を普及するという観点から議論を行っているわけでありまして、御指摘の規定との関係、そして必要な法制上の観点も含めてしっかりと検討していかなければならない問題だというふうに思っております。
○小池晃君 答えていない。 三割負担、つまり七割給付、これを守る、将来にわたり守る、これは国民への約束ですよね。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、法律に書いてあるとおり、「将来にわたり百分の七十を維持するものとする。」ということでありますから、当然、厚生労働省はこの法律を守っていくことが基本であるというふうに思います。
○小池晃君 じゃ、このやり方は法律違反ですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) だから、先ほど申し上げたように、御指摘の今の規定、附則ですね、これとどういう兼ね合いになるのかということはしっかりと見ていくということで、まだ何も具体的な提案が出てきたわけでも何でもないので、そういうことをよく考えていかなければいけないというふうに思っております。
○小池晃君 具体的な提案が出ているんじゃないですか。そして、単なる規定じゃないですよ、「将来にわたり」と法律にちゃんと書いてあるんですよ。 私、この二〇〇二年のときに坂口当時大臣と議論もしましたよ。坂口大臣は、三割負担壊したら国民皆保険は崩壊すると言ったんですよ。これは国民に対する将来の約束ですよ。それを破るんですかと言っているんですよ。
○国務大臣(塩崎恭久君) それも、申し上げたとおり、この法律の附則の「将来にわたり百分の七十を維持するものとする。」ということは私たちは守っていかなきゃいけないことであります。
○小池晃君 じゃ、この提案はできないということですね。撤回してください。財務大臣、撤回してください。
○委員長(山本一太君) どなたに質問ですか。 もう一回御質問してください。
○小池晃君 法律でできないと言ったんだから、こんな提案は撤回してください、財務大臣と言っているんです。
○国務大臣(麻生太郎君) 私どもは財政を預かる立場ですから、私どもの立場としていろいろなことをやっていくのは当然のことなのであって、その話を財務省と厚生省との間で年末にかけていろいろ審議をしていく、毎年のことでありますけれども、私どもとしてはきっちりやらせていただいております。
○小池晃君 財政守るためには法律破っていいと言うんですか。おかしいじゃないですか。法治国家でしょうが。将来にわたり約束したことを壊していいんですか。こんな無責任な提案は許されない。 しかも、高額療養費制度の見直しも出ているわけですよ。これ、七十歳以上の方が外来受診したときの上限は、これは今、月額一万二千円に抑えられているのを、これをもうやめてしまう、外来特例というのをやめてしまうと。例えば、財務省の提案でいうと、今一万二千円の負担上限が五万八千円になるわけですね。大変でしょう、これ。 全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長は、全国保険医団体連合会の機関紙でこう言っています。今でも経済的負担が大きいというのががん患者の実感だと。慢性骨髄性白血病の患者はグリベックという高額な薬剤を生涯にわたって飲み続けなければならない、金の切れ目が命の切れ目になりかねないと。 総理、こういうがん患者さんの悲痛な訴えをどう受け止めますか、こういう人の、負担増を押し付けていいんですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 七十歳以上の高齢者につきましては、高額療養費制度に外来上限特例というのが設けられておりまして、外来の自己負担限度額がより低く設定をされているわけであります。 御指摘の外来上限特例を含む高額療養費制度の在り方については、さっき申し上げたとおり、経済・財政再生アクション・プログラムの工程表において負担能力に応じた負担を求める等の観点から検討事項となっておりまして、今議論しておりますが、がんの治療、今御指摘がありました、大変大事な問題だと思いますが、がんの治療については様々な方法があるために一概にはなかなか申し上げられないわけでありますけれども、御指摘のとおり、抗がん剤の使用などにより薬代が高くなるということも、とりわけ最近、外来で抗がん剤治療を行うということが増えてきているわけでありますので、そういうこともあり得るということは認識をしているわけであります。 高額療養費制度の見直し内容につきましては、現在、社会保障審議会医療保険部会、ここで、世代間の公平とか、あるいは負担能力に応じた負担等の観点から御議論をいただいておりまして、そうした中で、平均的に疾病が多いという高齢者の特性との関係についても、そしてまた、高齢化が進めばがん患者も増えるという形でありますので、しっかりと議論をしていただかなければならないというふうに思っておりまして、今後、外来上限特例の在り方を含めて、年末までに結論を出してまいりたいというふうに考えております。
○小池晃君 こういう引上げは私は許されないと思いますよ。撤回すべきです、こんな提案。 しかも、今話あったけれども、私、メス入れるべきところはこういう高過ぎる薬の問題だと思うんですよ、患者さんに負担を押し付けるということではなくて。 最近話題になっている抗がん剤オプジーボ、この問題を取り上げたいと思うんですが、これ、免疫作用のブレーキを外して、がん細胞を免疫でたたき続けるという日本が開発した画期的な薬だと言われている。ここで問題にするのは薬の価値ではありません。その価格であります。 厚生労働省、オプジーボの薬価及び一年間通して利用した場合の費用、幾らですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘のありましたオプジーボは、平成二十六年の七月に、悪性黒色腫、メラノーマでございますが、を効能、効果として世界で初めて日本において承認をされました。 ピーク時の年間予想患者が四百七十人のメラノーマでありますが、希少疾患であること、それから世界に先駆けた承認であること、作用の仕方が新しく、極めて画期的であることなどの評価を踏まえて、二十六年の九月に、百ミリグラム一瓶約七十三万円、二十ミリグラム一瓶約十五万円で薬価収載をされました。 一年間使用した場合の薬剤費は、患者の体重や使用期間によって異なるわけでありますけれども、仮に体重六十キロの肺がんの患者であれば約三千五百万円となるわけであります。 オプジーボは、我が国で薬価収載をした時点では、あっ、海外のことはまだですね。(発言する者あり)はい。じゃ、取りあえずそこまででございます。
○小池晃君 人の命は地球よりも重いわけで、私は、命を助けるためにはどんな高額であっても必要な治療はあると思います。しかし、医療保険制度で使用する薬の価格が妥当であるかどうかというのはやっぱりきちんと検証されるべきだと。 これ、昨日の中医協で最大二五%引き下げるという方向が示されたんだけど、果たしてそれでいいのか、そもそも何でこんな高額になったのか。 海外での価格を厚労省は把握していますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) まず第一に、このオプジーボは、我が国で薬価収載をした時点で海外では未承認であったわけですね。その後、順次海外でも承認をされるということになりまして、適応症も、日本ではメラノーマ、悪性黒色腫だけであったわけでありますけれども、それを適応を拡大をしている国があるわけでありまして、また、国によっては保険制度あるいは医薬品価格の設定の仕方というものが違うということもあって一概に比較はできないものだとは思っておりますが、その上で、企業に聴取をしたところによりますと、百ミリグラム一瓶について、現在、各国の代表的な医薬品リストによりますと、米国が約三十万円、英国が約十四万円、ドイツが約二十万円とのことであるようでございます。
○小池晃君 昨日は分からないと言ったんですけど、慌てて調べたんですかね。 これ、全国保険医団体連合会が事前に調査したものですが、英国を一〇〇とすると米国は一九八、日本は四八六。日本の価格はイギリスの五倍、アメリカの二・五倍。しかも、アメリカはこれ希望小売価格なので実際はもっと安いし、イギリスはこれでも高過ぎるということで、国立医療技術評価機構、NICEが五六%のディスカウントを求めていると。異常に高いわけですよ、日本は。 じゃ、何でこんなに高くなったのか。今いろいろあったけれども、例えば原価計算方式ですね。もうこれは電力料金と同じで、営業利益率が加算されるんですよ。絶対に利益が出るという仕組みなんですよ。このオプジーボの場合は、平均利益率一六・九%なんですけど、六〇%加算されて二七%の利益率設定されています。こんな加算をやっている薬はほかにありますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話しのとおり、新しい薬の場合には類似薬効比較ではなくて原価計算方式がありまして、その中に営業利益が入っているということでありますが、営業利益率につきましては、標準は一六・九%でございますが、これに対して、今回の場合には画期的な新薬ということもあって、これは、制度としては最大一〇〇%まで加算ができるということになっておりますが、今回の場合には営業利益率六〇%の加算ということでありまして、この六〇%の加算をしている医薬品はオプジーボ以外にはございません。
○小池晃君 製造原価だって研究開発費だってブラックボックスなんですよ。メーカーの言い値なんですよ。しかも、その上六〇%の営業利益率の加算までやっているわけですね。大盤振る舞いなんですね。しかも、前提となる市場規模を過小に見積もれば、これ高い薬価が設定できる。 薬価算定のときの予測患者数と販売金額は幾らですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) このオプジーボを平成二十六年九月の薬価収載をした際、ピーク時で年間予想患者が四百七十名、年間の販売額が三十一億円というふうに予想されておりました。 市場規模をちなみに現在申し上げますと、平成二十七年十二月に肺がんの適応が追加をされるという、当初はメラノーマだけだったわけでありますが、ここに肺がんの適応が追加をされました。そのことによって、平成二十八年四月の企業発表によりますと、平成二十八年度の出荷価格による予想販売額で千二百六十億円と、つまり、三十一億円と予想していたものが千二百六十億円に、適応拡大によって全体の市場が大きくなったということでございます。
○小池晃君 四百七十人に使用するということで一瓶七十二万円の薬価を設定したんだけれども、その後、一万五千人対象に拡大した。薬価引き下げたんでしょうね。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、二十八年の四月から、薬価改定が今年の四月から行われたわけでありますけれども、この調査は、そもそも薬価調査をやるときに、前年の九月ということで、平成二十七年の九月に薬価調査を実施をしております。オプジーボにつきましては、その時点では悪性黒色腫、メラノーマの承認のみでございまして、市場は現在よりも限定的であって薬価の引下げの対象とはならなかったというのが平成二十八年、今年の四月の薬価改定でございます。 さっき申し上げたとおり、オプジーボは、その後、平成二十七年の十二月、つまり、薬価調査が九月にあって十二月に肺がんの効能追加が行われまして、それが現在の市場規模、すなわち千二百六十億円という予想に至ったものでございます。
○小池晃君 薬価改定の前に市場規模が拡大することが分かっていたのに何も手を着けなかったんですよ。メーカーの思うつぼなんですね、これ。 この算定を行っている薬価算定会議、どんな議論をしたんですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) オプジーボは、先ほど申し上げたとおり、類似薬が存在をしないということで原価計算方式によって薬価算定を行ったわけでありますけれども、今御指摘の薬価算定組織、ここでは、まず第一に、原価計算方式と類似薬効方式のいずれの算定方式を選択するのかということをまず議論をし、それから製品の原価の総額、すなわち生産、販売に係るコストの総額、そして市場規模予測等の薬価算定に用いるデータの妥当性といったことを検討が行われたわけでありまして、さらに、オプジーボについては臨床的意義があることなどが評価をされて、先ほど御指摘のあった加算を行うことが適当というふうにされた上で薬価算定額の検討が行われたものでございます。
○小池晃君 いろいろ言ったけど、薬価算定組織の議事録ありますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) この議事録というお尋ねでございますけれども、議事録自体は作成をしておりません。しかし、議論の概略を記した議事概要については会議ごとにもちろん作成をしているわけであります。 また、薬価算定組織における議論の主要な論点は中央社会保険医療協議会において公開をされ、これに基づいて新医薬品の薬価を審議、そして決定をしていただいているところでございます。
○小池晃君 議事概要はありますが、一枚だけですよ、これ、五時間半会議やって。薬価の結果書いてあるだけですよ。これで十分な公開だと言えるんですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 中医協で議論をしていただくのに足るだけの情報を提供することが必要であるわけでありますが、この薬価算定組織の情報について、薬価は、これ当然、個々の医薬品については、あらかじめ公表された手続と算定方式に従って薬価算定組織において策定された薬価の原案を基に、公開の中央社会保険医療協議会、中医協において議論をして決定をしているわけでありまして、この薬価算定組織における検討につきましては、これは元々非公開でございます。当然、企業の新しい話がたくさん出てくるわけでありますし、医薬品の製造原価あるいは研究開発費など、製薬企業にとっての極めて機密性の高い情報を出していただいた上で議論を行うということでございますので、このことについては妥当ではないかというふうに考えております。
○小池晃君 かつて、一九九七年の国会でこんなやり取りがありました。衆議院の予算委員会で我が党の志位和夫議員が余りにも高い新薬の価格問題を取り上げました。志位議員はこう指摘しています。新薬の承認審査と薬価決定のプロセスに関する情報を、個人のプライバシーあるいは特許に関するものを除いて全面的に公開する、これは当然ではないか。 総理、聞いていてください。この志位議員の質問に対して当時の小泉純一郎厚生大臣は、薬価の透明性確保は重要な問題でありますので、今後透明化をいかに図っていくか、これを検討させていただきたいと。そして、当時の橋本龍太郎首相は、今、厚生大臣から積極的なお答えを申し上げました、そのとおりの方向で進んでまいりますと、こう言っているんです。それから十九年ですよ。透明性の確保どころか議事録すら残さない、そういう会議の中で異常に高い薬価が決められている、これ十九年間放置されている、これが今の薬価決定の仕組みなんですよ。 総理、これ、オプジーボの薬価を引き下げるというけれども、これ最大二五%というふうに厚労省言っているけど、私はこれでは余りに不十分だと思います。大幅に引き下げるべきではないでしょうか。それから、併せて薬価算定プロセスを全面的に見直すべきではないでしょうか。それに加えて、やはり薬価算定組織の議論の情報公開がどうしても必要だと思います。いかがですか、総理に伺います。
○委員長(山本一太君) 塩崎厚労大臣。
○小池晃君 総理、総理。これ、もう駄目です。
○委員長(山本一太君) いやいや、担当大臣からまず答えさせます。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今申し上げたとおり、できる限りの公開をしていくというのは好ましいことだと我々も思っていますが、先ほど申し上げたとおり、製薬企業にとっての機密性をどこまでオープンにするのかということとの兼ね合いが残っているので、これは小泉総理の時代でも同じだったというふうに思います。 価格を下げるのかどうかというお話でございます。オプジーボのような二十八年度の薬価改定に間に合わなかった医薬品、こういうものであって、効能、効果が追加されたことで大幅に使用が拡大されたということで今回のようなことになっているわけであります。 実はこの問題は、この間、九月の初めに神戸で行われましたG7保健大臣会合でもこの問題は取り上げられたところでございまして、この問題というのは、世界各国それぞれ、高額だけれども効果がある医薬品の値決めをどうするんだということについては皆やはりいろいろ考えているわけであって、緊急的に私どもとしては薬価を見直すとともに、最適使用推進ガイドライン、これを作成して、投与する患者の要件とか、あるいは適切に使用できる医師とか医療機関の要件はどういうものであるべきなのかといったことを示し、ということを今、中医協の方に議論をしていただいて、年内をめどに結論を得るということにしているわけでございます。 ただ、薬価の算定方式、方法を含めた薬価制度の抜本的な見直しについても、平成三十年度の診療報酬改定に向けて中医協において議論をしていただいておりまして、革新的ではあるが、さっき申し上げたように高額な医薬品、この対応については、当然、これはさきの神戸でも議論になりましたが、イノベーションの推進ということと国民皆保険の堅持、そして患者を守るということ、その両立をどうするのかということが大事であって、国際的な議論やそれから取組も十分に踏まえつつ、関係者の意見をよく伺いながら検討を進めてまいりたいというふうに思います。
○小池晃君 聞いたことと関係ないことを延々としゃべっているだけじゃないですか。 あのね、このときの、九七年の小泉純一郎さんの透明化を図る、橋本龍太郎総理は積極的な答えを答弁したと。そのとおりの方向、今の議事録のないやり方が適当だという塩崎大臣の答弁と全然違うじゃないですか。総理、これでいいんですか。私は、これは党派違いを超えても、こういったところに正面からメスを入れるというのは、これは私は当然のことだと思いますよ。総理、やっぱりこの決定プロセス見直すべきじゃないですか。どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) できる限り透明性を図っていくということは当然のことだろうと思いますし、その中で私どもも進めてきたところでございますが、しかし同時に、医薬品の製造原価そのものが企業にとっては、これはまさに企業秘密になるわけでありますし、また、研究開発費そのものも、どのようなことにどのような研究開発費を使ってきたかということについても、これは企業にとっても非常にセンシティブな事柄になってくるわけでありまして、この中において、そうした機密性の高い情報を基にしっかりと議論を行っていくということにおいて非公開としているわけでありますが、その結論については、公開の場である中央社会保障医療協議会において議論した上で、最終的に、薬価を決定する手続を通じて厚生労働省において可能な限り情報公開を図っているというふうに承知をしております。
○小池晃君 議事録も取らない、後で検証もできない、こういうやり方でいいとおっしゃるんですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 専門家が集まって、しっかりとそこで、この製造原価の積み上げ、そして研究開発費の積み上げが正しいかどうかということを議論をするわけであります。その議論を公開するというのは、今申し上げた事項そのものを公開しなければこれは意味のないことになってしまうわけでございます。その中において、この製造原価あるいは研究開発費等々につきましてもしっかりと企業からそれをその場で提供させて、そうした情報を基に議論をしていく中において、これは非公開とせざるを得ないという判断をしているわけでございます。
○小池晃君 ゼロ回答だよね。 だって、言ったじゃない、個人のプライバシーあるいは特許に関するものを除いてと言っているんですよ。だから、そういったことは除いて、議事録すら残さないということは、後世何の検証もできない。だから、このオプジーボが何でこういう価格になったのか、全くないわけですよ。 だから、こういうことでいいんですかと、議事録なしのままで本当にいいんですか。総理。総理。総理。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、オプジーボがこういう形で非常に高い価格が付いてしまって、それが改定されないままで来て市場が急拡大をしてしまったということは、先ほど経緯等については申し上げたとおりで、これに対する対処の方針も申し上げたとおりであります。 ですから、年内に答えを出すということでまいるわけでありまして、それに加えて今のディスクロージャーの問題については、先ほど来申し上げているように、企業にとっての機密性のあるものについてどうするかということとの兼ね合いでやっておりますが、世界の中で、じゃ、日本が透明性が特別に低いかというと、むしろそれはそんなことはないのでありまして、ただ、そうは言いながら、更に何ができるのかということについて検討を絶えずしていくということが大事だと思いますので、御指摘もいただいておりますから、検討してみたいというふうに思います。
○小池晃君 五時間半も会議やっていて議事録一枚もなくて紙一枚結論だけで、これで情報公開。笑わせるんじゃないよという話じゃないですか。こんなの、世界から見たって異常ですよ。国民に対しては、患者の負担に対してはあれだけ厳しく切り込むくせに、製薬メーカーのことを遠慮ばっかりして、そこの情報公開には全く触れない。 私ね、安倍政権はやっぱり大企業が世界で一番活躍しやすい国をつくると、そういう姿勢がはっきり出ているじゃないですか、これ。国民に痛みを押し付ける前にやるべきことは、こういうところにしっかりメスを入れることなんですよ。そういったことを一切やらずに痛みを押し付けるような、そんなことは許されないということを申し上げておきたいと思います。 働き方改革について。 総理は、労使のトップや有識者に集まっていただいて、働く人の立場、視点に立って働き方改革をやるというふうに言いました。しかし、働き方改革実現会議のメンバーはどうなっているか。労働組合代表は連合会長一人だけです。経営者側からは、日本経団連の榊原会長、日商の三村会頭を始め七名。労働法制を検討する労働政策審議会は公労使十名ずつ。これはどう考えても、余りに経営側に偏った委員構成になっていませんか。総理。総理。
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません。先に働き方担当大臣として。 同会議においては、総理をまず議長といたしまして、労使のトップ、有識者に集まっていただいて議論を始めたところでございまして、具体的には、日本労働組合総連合の神津会長、日本経済団体連合会の榊原会長、日本商工会議所の三村会頭、全国中小企業団体中央会の大村会長などに参加をしていただいております。その区分は、私どもは名簿しか出しておりませんので、小池委員によって区分されたものだろうというふうに思いますが、いずれにしても、この労働者側、使用者側の人数に偏りがあるということでありますけれども、大事なことは、トップの方々に集まっていただいて議論していただくということに意義があると。別にここで多数決で決めるわけでもありません。また、したがって、人数が多い少ないということではないんだろうと思います。 運営に当たっては労働側の意見もしっかり伺って、総理から御指示があります働く人の立場に立った議論を深めて合意形成をしていきたいと、こう思っています。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、まさに今、加藤大臣から答弁をさせていただきましたように、それぞれのトップ、労働団体からは連合の会長に出ていただいて、経団連あるいは商工会議所、そして中小企業の団体のトップから出ていただいている。あるいは、ほかに入っておられる方々はいろいろな取組をしておられる方々、あるいはいろんな経験をされた方々に入っていただいて、その中で我々も議論を深めていっているわけでございまして、例えばがんに苦しんだ中において仕事と両立を図ってきたと、そういう方々が病気を持ちながらどういう働き方ができるか、どういう働き方が可能にするべきかというような議論をしていただくわけでございまして、やっぱりいろんな方々、必ずしも労使だけではなくて、いろんな経験をされた方々にも集まっていただいているということでございます。
○小池晃君 労働者の立場に立った、働く人の立場に立った検討をするんでしょう。労使と言いながら労働組合一人ってバランス悪過ぎませんかと言っているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは見方の問題だろうと、このように思うわけでありまして、我々は、それぞれの代表の方には団体のトップの方、団体のトップの方々に入っていただき、かつ様々な経験をしておられる方々、あるいは経営者ではありますが経営者として働き方改革に取り組んでこられた方々に、言わば働き方改革を行えばどれぐらい生産性が上がっていくかということをその人たちの観点からお話をしていただくと、こういうことでございます。
○小池晃君 どう見たって、あれ、バランス悪いですよ。見方の問題じゃないですよ。誰が見たって悪いですよ。 しかも、経営者が何を期待しているか。これ、日経産業新聞の全国主要産業社長百人アンケート、働き方改革に期待する一位は裁量労働制の拡大、二番はテレワーク、三番は脱時間給制度、いわゆる残業代ゼロ制度です、解雇の金銭解決。経営者ばかりを集めて議論したらば、結局働く人の立場どころか、労働組合がナショナルセンターを超えて反対しているようなものを推進することにしかならないんじゃないかと私は思うんですが、総理、どうですか。
○委員長(山本一太君) まず加藤大臣に答えていただきます。いや、働き改革担当だから。その後、総理に答えてもらいます。
○国務大臣(加藤勝信君) 今御指摘いただいております下の二つは特にこの実現会議で議論の柱になるわけでありまして、むしろ経営側にとって非常に消極的な部分、これについてもしっかり取り上げていきたい。そういう意味では、経済界の方々にも十分納得をいただく、こういった意味においてもしっかり議論に参加していただく必要があるんではないかなというふうに思います。
○委員長(山本一太君) ちょっと指名を待ってください。 小池晃君。
○小池晃君 済みません。 残業時間の上限設定、同一労働同一賃金、それをやりたいんだったらば何で、だから経営者はそれを求めていないじゃないですか、これ一目瞭然で。だったらば、残業時間の上限設定、同一労働同一賃金やりたいというふうに議論するんだったらば、もっと労働側の代表を入れて議論しなければそういう議論にならないでしょうと、バランス悪過ぎるでしょうと言っているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、考え方は先ほど申し上げましたが、例えば同一労働同一賃金についてはむしろ経営者側の方々はこれ慎重な方々が多いわけでありますが、しかし、そういう方々にも納得していただき、我々と同じ船に乗っていただかなければならないわけでありまして、同時に、同じように責任を持っていただくためにもこれ入っていただいているという側面もあるんですよ。そういうことも御理解をいただきたい。 ですから、労働者側にはもう非常に発信力の強い神津会長がこれ入って大きな大きな存在感を示していただいて、積極的な御発言もこれからいただくことになると思いますよ。それと、例えば、りそなの方が入っているというのは、これは、りそなのこれ経営者ではなくて、もちろん労働界側ではありませんが、そこで働き方改革を相当実行してきたということをしっかりとそこで証明していただくと。彼女の場合は、まさに経営者ではなくて、そのときは一職員としてそれを経験した中において、それがどういう効果を生んだかということをお話をしていただいているわけでございまして、経営者を集めてそこで最終的に例えば多数決を採るとかそういうことでは全くないということは御理解をいただきたいと、このように思います。
○小池晃君 さっきも誰かがおっしゃったけど、だったら日本経団連の会長と連合の会長の一人一人でやればいいんで、これ多勢に無勢じゃないですか、幾ら発信力があったって。これではまともな議論にならないと、どう考えても説得力ない話だったと思います。 裁量労働制度の拡大は、これ見ても分かるように、大企業、一番期待している。今継続審議になっている労働基準法の改正案には、残業代ゼロの高度プロフェッショナル制度だけでなくて、裁量労働制度の拡大、緩和は盛り込まれています。 世界最大の自動車会社トヨタ自動車の裁量労働制の適用者、二〇一六年三月時点で、企画業務型が三百八十九人、専門業務型が千三百五十一人ですが、一か月の超過在社時間八十時間を超えるなどして健康診断を受けた社員は合わせて三百四十七人だそうです。 塩崎大臣、裁量労働制の対象者の五人に一人がトヨタでは働き過ぎで健康診断対象、すなわち過労死予備軍になっている。重大じゃないですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 裁量労働制の皆さん方の今お話を頂戴をいたしましたが、確かに二百時間以上の実労働時間がある方が半分近くおられるということは認識をしているわけでございます。 そうはいいながら、裁量労働制というのは自律的で創造的に働くことを可能とするための制度であって、業務の遂行手段や時間配分を自らの裁量で決定すると、そういう方を対象にしたものでありまして、今回の改正では労働時間に関する働く方の裁量を損ねるような過大な業務が課されることのないように、法律に基づく指針というものを新たに措置をするわけであります。つまり、過大な業務を与えて裁量労働制だといってもそれは駄目だよと、こういうことを指針の中で明確に新たにしているところでございます。 また、法案で、始業・終業時刻の決定も含めて労働時間について、働く方本人の裁量がしっかり確保されるように条文で明確化することとしておりまして、監督指導も含めてしっかり対応していきたいというふうに考えているところでございます。
○小池晃君 実態を全く分かっていないと思います。 労働時間、仕事の進め方は裁量に任されると、そんなふうになっていないんですよ。厚労省の調査だって、裁量労働制で働く労働者の半分近くが労働時間管理や目標の設定について裁量が与えられていないと、これが実態ですよ。幾ら指針だ指針だといったって、法改正で規制緩和して広げておいて、幾ら指針があったって何の解決にもならぬですよ。 しかも、裁量が、働くと言うけど、例えばソニーは今どうなっているか。二〇一五年、社員一万五百人のうち、裁量労働制、ソニーではエキスパート制度といっているんですが、その対象者は五千二百四十五人ですよ。実に管理職を除く社員の二人に一人が裁量労働なんですよ。こんなことあり得ないじゃないですか、自分の裁量で働く人が二人に一人なんて。労働者の訴えでも、残業代が、深夜手当が出ていないと。裁量労働では支払義務はあるんですよ。それが払われていない。残業にすると月約六十五時間、最長九十四時間、深夜労働月平均五時間、今これ、仙台労基署がソニー指導しているそうでありますけれども、私は社員の二人に一人が裁量で働くなんということが成り立つわけがないと思います。これが今の実態なんです。労働時間を正確に把握できないわけです、裁量労働制は。これが更に広がっていく。 私、総理、今、政府がやるべきことは、やはり裁量労働制の実態を詳細に調べることですよ。みなし労働時間を超えた場合の厳格な是正指導をしっかりやっていくことですよ。対象拡大なんてもってのほかだと。 そして、残業時間の上限を労働基準法で法定する、勤務が終了してから次の勤務までの休息を保障するインターバル制度を法制化する、こういうことこそやるべきで、総理、働く人の立場に立った働き方改革をやるとおっしゃるのであれば、本気でそれをやると言うのであれば、私は、今出ている労働基準法、これを通すというのは矛盾していると思います。労働組合は立場を超えて反対しているわけです。これやっぱり、これを通して、そういうことはやっぱり矛盾している。この国会で通すなどということはやっぱりこれはきっぱり断念をして、そして、本当の意味で働く者の立場に立った働き方改革をやればいいじゃないですか。決断すべきだと思いますが、どうですか。総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 多様な働き方を可能にしていく、かつ、それは働く人の立場に立って考えていかなければいけないと、こう考えておりますが、いずれにせよ、この国会で審議し採決するかどうかは国会にお任せをしているところでございます。
○小池晃君 議論を一方でやっているわけでしょう。だから、これは、今の労基法に賛成でも反対であっても、やっぱり働き方について議論を一方でしようとしているときに国会で法案通してしまうというのは、これは矛盾しているじゃないですか。だから私は、いい、厚労大臣にはもう答弁求めないけど、総理、総理ね、総理の政治的判断でやっぱりこれはもうきっぱりやめるというふうに言うべきじゃないですか。そういう報道もされているんだから、一部では。総理、認めるべきですよ。どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに、この国会で通すかどうかということについては、国会でまずは御議論をいただいて、塩崎大臣からその法案の必要性についてこれから議論の中で明らかにしていくことではないかと、このように思います。それを採決するかどうかは、まさに委員会において御判断をいただきたいと思います。
○小池晃君 残業代ゼロ法案はきっぱり撤回すべきだということを申し上げておきます。 最後に、政治資金の問題を聞きます。 総務省に、二〇〇七年十二月に政治資金規正法が改定されました。改定の中心点を説明してください。
○政府参考人(大泉淳一君) お答え申し上げます。 平成十九年の十二月に、与野党協議の結果、当時の自民党、公明党、民主党、社民党、国民新党の五党の合意に基づきまして政治資金規正法の改正案が議員立法として提案されたもので、改正法が成立しております。 その内容としては、総務省に政治資金適正化委員会を設置しまして、国会議員関係政治団体というものを定義付けしまして、この収支報告に関し、全ての支出について領収書等を徴収する、人件費を除く一件一万円を超える支出について収支報告書へ明細の記載及び領収書等の写しを添付する、それから登録政治資金監査人による政治資金監査を義務付ける、また、一万円以下の少額領収書等の公開をするというような制度が創設されたものでございます。
○小池晃君 改正の趣旨を説明してください。
○政府参考人(大泉淳一君) 法案の趣旨説明などによりますと、政治団体、とりわけ国会議員関係政治団体の支出に係る収支報告書の適正の確保及び透明性の向上のためであると承知しております。
○小池晃君 政治資金規正法第十一条で領収書の要件はどうなっていますか。
○政府参考人(大泉淳一君) 政治資金規正法上、領収書等とは、当該支出の目的、金額及び年月日を記載した領収書その他支出を証すべき書面というふうに規定されているところでございます。 この旨は総務省の作成しております収支報告書の手引にも書いてございますが、これは、一般的な見解として示している手引などを作っております。特段の事情を反映していないということで説明しているところでございます。
○小池晃君 領収書には金額が記載されていなければいけないというのは余りにも当然のことですね。だから、法律にもちゃんとそう規定しているわけです。 しかし、自民党の中では、政治資金パーティーなどで金額が白紙の領収書が横行しているようであります。 これは、稲田防衛大臣の政治資金団体の収支報告書に添付されていた領収書のうち、ここに今座っておられる閣僚の事務所が発行した領収書だけパネルにさせていただきました。ずらりと並んでおります。筆跡鑑定も行いました。しんぶん赤旗で筆跡鑑定を依頼して、金額、全て同じ筆跡で同じ同一人物が書いたものだと分かりました。 稲田大臣、これは各大臣から白紙の領収書を受け取って金額も稲田事務所で書き込んだ、間違いないですね。
○国務大臣(稲田朋美君) 今、小池委員が御指摘になったように、私が代表を務めております政治団体ともみ組が提出した政治資金収支報告書について、同報告書の中で、会費支出として計上している政治資金パーティー会費の領収証の中に稲田側で日付、宛名及び金額を記述したものが存在しており、今御指摘になったとおりであります。 それらは、政治資金パーティー主催者側の都合により、主催者側の権限において発行された領収書に対し、主催者側の了解の下で、稲田側において未記載の部分の日付、宛名、金額を正確に記載したものであります。 国会議員は、しばしば同僚の国会議員の関係政治団体が主催する政治資金パーティーに参加をいたします。その際、主催者側としては、数百人規模が参加するパーティーの受付で、特に政治家の先生方は会費をお祝儀袋、水引の付いたお祝儀袋に持ってこられますので、参加会費の入れられた封筒を開封し、金額を確認した上で宛名とともに金額を記載するとすると、受付に長時間を要してしまう、受付が混乱する等、パーティーの円滑な運営に大きな支障が生じてしまうことから、その都合上、金額が空欄の領収書を発行することがあります。 そのため、互いに面識のある主催者と参加者との間においては、領収書の日付、宛先、金額について、主催者側の了解の下、言わば委託を受けて参加者側が記載することがしばしば行われております。 その際、当然のことながら、参加者側、特にそのお示しいただいている場合ですと私ですけれども、私の側ですけれども、実際に支払った日付、宛先、金額を領収書に記載することとしております。
○小池晃君 あのね、架空の支払でないことを証明するために領収書ってあるんですよ。それ、金額を勝手に書いていたら、これは領収書にならないじゃないですか。みんながやっているからいいんでしょうって、そんな子供の言い訳みたいなことをしないでくださいよ。 これは領収書の要件満たしていないことを認めるでしょう。
○国務大臣(稲田朋美君) 今御説明いたしましたように、領収書を発行した方、作成名義人がその方の権限でもって発行をされておる正式な領収書でございます。そして、その了解の下、言わば委託を受けてこちら側で正確に日付、金額等を書き込んでいるものであって、何ら問題はないと思います。
○小池晃君 だって、今、稲田さん、さっき説明したときに、一々封筒を開けている時間がないからこうしているんだと。じゃ、二万円かどうか分からないじゃないですか。そんなの稲田さんが書いているだけということになります。全く、だから、これは領収書の要件を呈していないじゃないですか。
○国務大臣(稲田朋美君) ただいま、重複になりますけれども、作成名義人であるところの主催者側が正式に発行をした領収書でございます。そして、その了解の下で、例えばそこでお示しいただいているものであれば、主催者側が設定した会費と同額でございますけれども、こちらで正確に支出したものを、了解の下で委託を受けて、言わば委託を受けて書き入れているものであって、私は政治資金規正法の下の領収書として取り扱うことについては問題がないというふうに思っております。
○小池晃君 だって、政治資金規正法の第十一条には金額が書いてなきゃいけないと書いてあるんだから、これはどう考えたって政治資金規正法の要件を満たしてないじゃないですか。委託があったら金額は後で書いていいなんて言ったら、もう今聞いている中小企業の社長さんたち、みんなびっくりですよ。そんな領収書が通用するわけないじゃないですか。こんなばかな話はない。 こうした領収書が、これは一例を挙げただけですけれども、稲田さんは二〇一二年から一四年までの三年間で約二百六十枚、五百二十万円分あるわけですよ。稲田大臣自身も、二〇〇九年十一月の衆議院の法務委員会でこう言っています。政治家は誰でも政治資金規正法についてはきちんと認識しておかないといけない、その趣旨を理解していただかないで何が民主主義ですか、何が議会制民主主義ですか、こう大臣おっしゃっている。こんな領収書出しておいて何が民主主義ですかということになるんじゃないですか。 これは全く政治資金規正法の要件は満たしていないということを認めていただきたい。
○国務大臣(稲田朋美君) 繰り返しになりますけれども、発行された、主催者側が正式に発行したものであり、そのそちらの都合によって発行されたものでもございます。 そして、ただ、ただですね、私は、今、小池委員の御指摘、さらには赤旗でこの点指摘をされたことを受けまして、私の事務所では、例えば一般に来ていただいている方には二万円の印字のしている領収書を発行しております。そして、政治家の方については、先ほど申しましたように、ほとんどお祝儀袋の水引の付いたものに入れておられます関係からこういった形で処理しているものも、これからはしっかりとどういった形ができるか検討してまいりたいと思っております。
○小池晃君 これからはやらないということは、まずいということを認めていることになるじゃないですか。やっぱり語るに落ちたという感じがしますよ。 しかも、これ、稲田大臣だけじゃないわけですね。菅官房長官、菅さんの政治資金団体の収支報告書に添付されていた領収書のうち、安倍内閣の閣僚の事務所が発行した領収書を今日これ持ってまいりました。これ、その一部です。三年間で菅さんのところは二百七十枚、千八百七十五万円分。稲田さんのは全て二万円なんですけれども、菅さんのは十万円、二十万円というのが百枚以上ある。これも、筆跡鑑定の結果、数字は全て、金額は全て同一人物の記載であることが分かりました。 官房長官も、今、稲田さんがおっしゃったのと同じことをやっていたということを認めますね。
○国務大臣(菅義偉君) 今、稲田大臣から答弁ありましたけれども、私自身も私自身が代表を務めております政治団体において、政治パーティー会費の領収書の中に菅事務所で日付、宛名、金額を記述したものが存在をいたしております。 先ほど稲田大臣から答弁がありましたように、私自身、官房長官に就任して以来、数多くの同僚議員からパーティーの案内を受けるようになりました。その際、やはり数百人規模の参加するパーティーの受付で出席者の全員に宛先とともに金額を頂戴することになると、受付が混乱する、そしてパーティーの円滑な運営に大きな支障が来す。そういう中で、互いに面識のある主催者と参加者の間、これは事務所同士でありますけれども、そこにおいては、主催者が領収書を発行し、主催者の了解の下に参加者側が内容を記載するということがあります。 私の事務所でも、政治資金パーティーの主催者側が発行した領収書に、主催者側の了解の下に実際の日付、宛先及び金額を正確に記載して、政治資金収支報告書として提出をいたしております。このことはインターネット上でも開示をされているところであります。私はこのような処理をいたしておりますので、そこを規正法上問題がないというふうに思っています。
○小池晃君 驚くべき答弁だと私は思いますよ。宛名は政治資金規正法では義務ではないんです。だから、そこは確かに大変なのかもしれませんよ。金額の白紙のものというのは領収書とは言わないんです、世間では。しかも、数百人が来るから大変だと言うけれども、大臣じゃないですか。翌日、閣議で配ればいいじゃないですか。できるじゃないですか。全国から集まっている参加者に一々出すのと違いますよ。議員会館回ればいいじゃないですか、翌日に。数百人来るから出せませんというのは何の説明にもならないですよ。 私、こんなことをやっている、白紙の領収書を配ってそれ書いて出す、こういうことを国民の皆さんはやっぱり非常にでたらめなお金の使い方やっているんだというふうに見るのは当然じゃないかと思いますが、どうですか。このぐらいのことは処理できるじゃないですか。今私が言ったやり方で十分私対応できると思いますけれども。金額だけ書いてちゃんと渡せばいいじゃないですか、議員会館回って。それで済むじゃないですか。
○国務大臣(菅義偉君) 今申し上げましたけれども、その主催者側と私ども参加者側の間に面識のある、お互いに事務所同士でありますから、そこの了解の下にその参加者側が記載しているわけでありますし、政治資金規正法上、政治団体が徴収する領収書に際して発行者側の作成法についての規定はなく、こうした領収書を政治資金規正法上の下で領収書として取り扱うことに問題はないというふうに思っています。
○小池晃君 面識あったらお金後で書いてもいいというのが成り立つんだったら、中小企業の社長さん、みんな面識ありますよ、取引先と。こんなでたらめな話あるかって。国税庁だってこんなの認められないですよ、こんな領収書は。 こういう、だから結局、これだったら本当にその金額を払ったのかというのは誰も証明できないじゃないですか。そういう重大な問題なんですよ、これは。ただ単に便宜上の問題というんじゃなくて、実際にやり取りされていないお金のやり取りがあった可能性が否定できないでしょう。 相手との信頼関係があるから、相手は面識あるから、だから大丈夫です、私を信じてください、そういう話じゃないですか、二人の話は。稲田さんもそうでしょう、私を信じてください、菅さんだってそうでしょう、私の言うところを信じてください、それだけじゃないですか、この説明は。 全く国民は、じゃ、この数字が正しいということをどうやって証明するんですか、どう証明するのか説明してください。 後ろから一々そんなことで紙回すなよ。
○国務大臣(菅義偉君) 主催者側の了解の下に、主催者側とお互いに、これは事務所同士ですから、そこはしっかり報告をして了解を受けて提出しておるわけでありますから……(発言する者あり)
○委員長(山本一太君) 御静粛に願います。
○国務大臣(菅義偉君) ですから、この水増しだとか支出の水増しというのは一切行ってもおりません。
○小池晃君 だから、全く証明できないって今の話で分かるじゃないですか。私が言っている、信頼している、相手を知っている、だから信じてください、こういうのは信頼できないですよ、証明になってないですよ。領収書じゃないですよ、こんなものは。 総務大臣、どうするんですか、これ。閣僚の事務所がお互いに日常的にこんなことをやっているわけですよ。白紙領収書を日常的に発行して、受け取った側が金額を書き込んで収支報告書に添付して提出する。政治資金規正法の根幹ががたがたになっているんじゃないですか。所管大臣としてどうなんですか。
○国務大臣(高市早苗君) 個別の事案につきましては具体の事実関係に即して判断されるべきものですから、今先生がお挙げになった事例一つ一つについて政治資金規正法上の問題の有無についてのコメントは困難ですが、一般論として申し上げますと、政治資金規正法上、国会議員関係政治団体は、全ての支出について、当該支出の目的、金額、年月日を記載した領収書その他の支出を証すべき書面を徴さなければならないと、入手しなければならないということです。なお、領収書の発行側の作成方法についての規定は法律上ございません。 先生がお配りいただいた資料の中に、約三年前に開催しました高市早苗さんをみんなで激励する会に稲田朋美先生の関係団体から二万円を頂戴していますのであえて申し上げますが、国会議員が東京で政治資金パーティーを開催する場合の特段の事情というものもあると思います。 パーティー券の購入者につきましては、開催日前に、パーティー券を販売した日又は購入費の振り込みがなされた日に主催者側が日付、金額を記入して発行するということが可能でございます。 ところが、来賓としてスピーチなどをお願いするために来てくださる国会議員の皆様については、まず普通、当日の受付の場に封をした封筒に入れた現金を持参される場合が圧倒的に多うございます。その場で開封して金額を確認し記入していては、近接した時間帯に皆さん受付に来られますので多くの国会議員をお待たせすることになりまして、当然パーティーの前半にスピーチなどの機会が多いですから、パーティーの開始が遅れるなど、その運営に支障を来します。 よって……(発言する者あり)ちゃんと静かに聞いていただけませんでしょうか。
○委員長(山本一太君) 御静粛に願います。答弁中です。
○国務大臣(高市早苗君) よって、仮にパーティーに出席した国会議員側において必要事項を領収書に記載したとしても、領収書の金額等を記載する権限をその発行元であるパーティーの主催団体から了解されている者であれば、法律上発行者側の領収書作成方法が規定されていないことからも法律上の問題は生じないものと考えております。 そもそも、そもそも……(発言する者あり)大切なところですから聞いてください。
○委員長(山本一太君) 答弁中ですから御静粛に願います。
○国務大臣(高市早苗君) そもそも、主催者も来賓として出席した者も国会議員である場合、双方の事務所においてパーティーの日付、名称、出金額又は入金額が記録されていますから、事実と異なる必要事項の領収書への記入というものはまず発生しないと考えられることから、出席国会議員側による記入を了解する関係というものが成立すると考えられます。 ちなみに、特定パーティーの報告書ですけれども、対価に係る収入の金額の横に対価の支払をした者の数も記入しなければなりません。共に政治家の国会議員の事務所ですから、ここのところは出金もそれから入金もお互いに記録をしている、パーティー券もこれは政治資金法に基づくパーティーであることをちゃんと記した書面を交付しなきゃいけないわけですから、それによって互いに補完していると。こういったことから、出席者側による記入を了解される関係が成立すると考えております。
○小池晃君 総務省の政治資金課が発行している国会議員関係政治団体の収支報告の手引の中には後から追記しちゃいけないって書いてあるじゃないですか。それを所管大臣が公然とそんなことやらなくていいんですと。とんでもない話だと。こんなんだったら政治資金規正法なんて抜け穴だらけということになるじゃないですか。 何でああいう答弁するのか、私分かりますよ。高市大臣も同じことやっているじゃないですか。二〇一三年度と一四年度の領収書の写し、ある。自由民主党奈良県第二選挙区支部の領収書。これもやはり筆跡鑑定を行いました。六人のここにおられる閣僚から全く同じ領収書、白紙領収書を受け取って、それで金額全部書き込んでいるじゃないですか。総務大臣がこういうことをやっているんですよ。だから今みたいな答弁するんだろうと思いますが。政治資金を所管する大臣自身が、白紙の領収書に金額を書き込んでそれで提出をしていると。これ、本当に言語道断だと私は思いますよ。結局、領収書に金額書いていないということは、もう何でもあり得るわけです。やっぱり根源にはパーティー会費の問題があります。 菅官房長官の資金管理団体、横浜政経懇話会の収支報告書では、これ前年度の繰越しを除く本年収入総額のうちパーティー収入は、二〇一三年は九九%、二〇一四年は九五%です。パーティー券でお金を集める。そして、菅氏の資金管理団体は、二〇一四年、二千七百四万円パーティーで集めて、そこから千三百六十九万円、ほかの議員のパーティー券を買っているわけですよ。まさに、企業、団体にパーティー券を売って、そこからお金を集めて、そしてそのお金でパーティー券を買う、そしてその政治力を強めていく、そういったことをやってきたわけでしょう。これがやっぱり最大の問題ですよ。(発言する者あり) 私、笑っている場合じゃない、本当に今声があったけど笑っている場合じゃない。これ、国民の皆さんは、こんなでたらめな政治資金の使い方がやられていると。富山で今領収書の問題、大問題になっているけれども、国会議員がやっていることだってそれ以上にひどい問題ではないかということに私はなると思う。
○委員長(山本一太君) 小池晃君、時間になっておりますので、おまとめください。
○小池晃君 パーティー券も含めて企業・団体献金は禁止しなければいけない、このことを改めて申し上げて、質問を終わります。
○委員長(山本一太君) 以上で小池晃君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、藤巻健史君の質疑を行います。藤巻健史君。
○藤巻健史君 日本維新の会、藤巻です。よろしくお願いいたします。 まず総理にお聞きしたいんですけれども、財政というのはかなり厳しいと私は思っているんですね。それほど遠くない将来に、国民に負担を強いるような財政改革が必要になるのかなと私は思っております。 そういうときに政治家が襟を正していないと、まさに国民は負担に応じてくれないと思うんですよね。だからこそ、私どもは今、我が党が先日出しました身を切る改革を中心とする議員立法十一本、ここにありますけれども、(資料提示)その十一本を是非考慮して通していただきたいと思うんですが、総理の御所見をお願いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 御党が建設的な議論をするために十一本議員立法を提出をしておられますことに対しましては敬意を表したいと思います。 身を切る改革、我々国会議員が自らこれを省みてしっかりと正していくということは常に心掛けなければならないと、このように考えておりますが、議員立法でございますから今私がコメントすることは適当ではないだろうと思います。各党各会派において十分な御議論をいただきたいと思います。
○藤巻健史君 次に、我が党の片山虎之助共同代表が代表質問をしまして、そのときの安倍総理の回答で、経済回復なくして財政再建なしとおっしゃった。これ、しょっちゅう総理がおっしゃっていることなんですけれども、本当に景気が回復すれば財政は再建になるのか、その辺についてお聞かせいただければと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、経済の成長がこれ十分条件ではないわけでありますが、必要条件ではあると、こう考えておりまして、デフレから脱却をして経済を成長させなければ財政の再建もできない。しかし同時に、歳出の改革も行わなければならないわけでありまして、常に歳出の改革について無駄を省いていくということについてしっかりと取り組んでいかなければならないと考えております。
○藤巻健史君 内閣府が中長期の財政再建に関する試算を出しておりまして、七月に出した試算というのがこのパネルにあるやつなんですね。 これ見ていますと、どうも景気が、この試算というのは二つのケースがありまして、御存じのように、経済再生ケースという、名目三%、実質二%という非常に楽観的な見通しのシナリオ、これアベノミクスが成功したケースだと思うんですけれども、それと同時にベースラインケースというのが発表されていますですね。 そのアベノミクスが成功した例をちょっと見てみますと、これ見ている限り、経済が回復すれば財政破綻しちゃうんじゃないかと、こう見えちゃうんですけどね。これどういうことかといいますと、二〇一六年、これは一番下にありますけれども、税収等のうち、収入のうち、国債費、国債費というのは元本の返済と利子の支払なんですけれども、それが税収のうち三七%が国債費に消えちゃうんですよ。それだけでもひどいんですけれども、この試算の最終年度、二〇二四年、五四%、五五%に増えちゃうんですね。要するに、税収等のうちの半分以上が国債の元本支払と利息に消えちゃうんですよ。これ、家計で考えたら大変ですよね。給料の半分以上が銀行への元利金の支払に消えちゃう。 これ見ていると、もう一つ言っちゃいますと、ベースラインケースといって、アベノミクスが失敗した例だと四七%に終わるんですよね。 これで見ると、まさに景気が良くなったらば財政は危機的状況になる。かつ、この経済再生ケースというのは、消費税を二〇一九年十月に一〇%に上げる、かつアベノミクスが成功する、そういう前提の下でこの試算ができているわけですけれども、そうなると財政が危なくなっちゃうというふうにどう考えても見えるんですけど、いかがでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) 総理が御答弁させていただいておりますように、ですからこそ歳出改革、歳入改革、二〇一九年に消費税を上げさせていただきますが、安倍内閣ではもうこれ以上上げませんけれども、社会保障の支出がこれ以上増えてきて、もうこの間予算委員会で議論があるように、社会保障の支出というのは医療費だけでも一兆円程度年々増えていくわけです。ですから、厳しく歳入歳出を、そして御党は身を切る改革として、この歳入をいただくのであるならば歳出でしっかりと姿を示していこうということで議員立法を示されている。 そして、忘れてならないのは国債費、過去の借金に対しての返済でありますけれども、四条国債、将来にインフラという形で物を残していく、こういうものはこの予算の中で私はあり得るのではないか、御懸念のようなケースにならないようにしっかりと取り組んでいくということが肝要であると考えております。
○藤巻健史君 今お話しになりました建設国債ですけれども、今たまっている千五十三兆円ぐらいの借金のうちほとんどが、発行なんてとんでもない、財政法四条であっても発行などとんでもない赤字国債なんですからね。今の石原大臣の発言にはちょっと疑問を感じます。 それと、これ先ほどちょっと申し上げましたけど、一〇%の利上げを二〇一九年十月にやって、かつアベノミクスが成功したときの財政がこんなにひどくなるんですよ。ということは、今、政府がおっしゃっている以外に、一〇%以外にかなり消費税を上げるか、若しくは物すごく歳出をカットしないと財政は破綻状況になると、そういうことを国民に知らせないでどんどんどんどんばらまいていたら大変なことになるんじゃないかなと私は思います。 質問、ちょっと時間がないので次に移りますけれども、財務大臣にお聞きします。 五月の仙台G7で通貨安戦争をしないと各国が合意したと思いますが、その背景を教えていただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは五月の仙台の話ですけれども、この対応によって国際経済というものの不安定性というものがもたらされると、通貨切下げですよ、通貨切下げによって不安定性というものが醸し出される、そういったものを回避すべきという認識はこれまでも共有されていたと思っております。 私どもは他国の発言というものにつきましては言及しないことになっておりますので、詳しい内容については差し控えさせていただきますけれども、仙台のG7におきましてもG20におきましても改めてこの認識が確認されたものと理解をいたしております。
○藤巻健史君 世界危機を回避するためになぜ通貨安戦争をしないのかというのが非常に答えになっていないじゃないかと思うんですけれども、なぜ通貨安戦争をしないかと、合意したということは、これは各国が自国の通貨を安くすれば、切り下げれば景気が良くなるとみんな思ってそれをやっちゃうから、それを防止するためにこういう合意ができたのだと私は思っております。要するに、ほかの国はみんな通貨安が経済にいいんだという認識だというふうに私は思っているんですが。 それに関連して日銀総裁にお聞きしたいんですが、今、八十兆円ベースで長期国債増で買っていますよね。そうすると、IMFもそうですし、マーケットも言っていますけれども、あと一、二年で日銀が買える国債がもう枯渇するんじゃないかと言われているわけです。枯渇しちゃうと、これバランスシート見ていただくと分かるんですけれども、今の異次元の量的緩和というのは、負債サイドにある発行銀行券と当座預金を増やすために資産サイドの国債を買っているわけです。ということは、国債が枯渇してもう買えなくなると、量的緩和、右側の方、もう増えなくなっちゃうわけですね。 ならば、私、お聞きしたいんですが、日本国債の代わりに米国債を買うというアイデアについてはどうお考えでしょうか。ドルも、先ほどのドル高も、要するに日銀が円を発行してドルに替えて米国債買いますから、ドル高にもなって景気対策にも非常にいいんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、日本銀行は、量的・質的金融緩和導入以降、国債を買い入れておりまして、現時点で日本銀行の保有額は国債発行残高全体の約三分の一程度でございます。 これまで三分の一買ったわけですが、なお多くの国債が市中に残されておりまして、これまでのところ、国債買入れのオペレーションは円滑に行われておりますし、二%の物価安定の目標の実現に向けて緩和政策を推進していく上で、国債の枯渇が問題になるとは考えておりません。 なお、御指摘の米国債の購入に関しましては、日本銀行法上、外国為替相場の安定を目的とする外国為替の売買は国の事務の取扱いをする者として行うものとされております。そうした外国為替の売買につきましては、法律上、財務大臣が一元的に所管されているというふうに理解しております。
○藤巻健史君 今確かに、黒田総裁がおっしゃったように、日銀法四十条の二では、これは為替介入のためのドル買い、ドル債買いというのは日銀は禁止されています。ですけれども、日銀は、別にその他金融目的のための外債購入というのは許されているわけですよ。実際、たしかちょっと、五兆円ぐらいだったかな、日銀持っているはずですよね。ですから、別に買っても全然問題はない。そして、他の中央銀行もたくさん外国債買っているわけですよ。 そして、もう一つ申し上げたいことは、アメリカの中央銀行で、FRB、これはテーパリング、要するにバランスシートを膨らませるのを終えて、これ終えてはいるんですけれども、これ金融引締めの段階に入ったらば、当然のことながら、お金、市中にじゃぶじゃぶにあるお金を吸収しなくちゃいけない、負債を吸収しなくちゃいけないですから、資産サイドのバランスシートも縮めなくちゃいけないわけですね。でも、縮めるために米国債を市中に売れば、米国債が崩れ、長期金利暴騰しちゃって大変ですから、日銀が代わりにFRBから米国債を買ってあげればFRBは大喜びじゃないですか。ウイン・ウインの関係なんですよ。 ですから、これ非常にいい考え方だと思うんですが、是非、黒田総裁、その辺についてお考え方を教えていただければと思います。
○参考人(黒田東彦君) まず、日本銀行の米国債の買入れ云々につきましては先ほどお答えしたとおりでございます。 なお、ほかの国の中央銀行の政策について余り具体的に申し上げるのは適当でないと思いますけれども、今のところ、米国のFRBは非常に増えた国債の保有額を維持しておりまして、当面、デューが来て元本が返済された分については再投資をしてずっと維持しております。 その一方で、当座預金に対する金利を上げていって、FF金利を上げ、必要に応じて金融を締めていくという方策を取っているというふうに理解をしております。
○藤巻健史君 確かに、FRB、今バランスシートの残高を維持しておりますけれども、これ、インフレになったら当然のことながら早急に縮めなくちゃいけない。今、アメリカのFRBは七年から十年掛かるというふうに言われていますから、そんなことをしていたらインフレに追い付かないわけですよね、マーケットの感覚からすると。ですから、FRBというのは日銀が米国債を買ってもらえるんだったら大喜びだろうと私は思っております。 次の質問も黒田総裁にお聞きしたいんですが、二〇一三年四月に異次元の量的緩和をやった際に黒田総裁は、戦力の逐次投入はしない、あるもの全部出し切ったとおっしゃったんですけれども、その後どんどんどんどんいろんな戦力が出てきて驚く次第なんですが、今年の夏にヘリコプターマネーの議論がありました。要するに、ヘリコプターから紙幣をばらまけば紙幣の価値が下がってインフレになるよと、こういうアイデアがあったんですが、ヘリコプターマネー政策を導入する気があるのかどうかをまず黒田総裁にお聞きしたい。 それとともに、財政法第五条、要するに引受け、国債の日銀の引受禁止をこれどうして先人が財政法五条を作ったのか、その辺についての御見解を黒田総裁にお聞きしたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) いわゆるヘリコプターマネーにつきましては様々な定義で議論されておりますけれども、中央銀行による国債の直接引受けを含め、財政政策と金融政策を一体として運営するということであれば、我が国を含む先進国では歴史的な経験を踏まえて制度上禁止されているというふうに理解しております。 なお、財政法の第五条では日本銀行の国債引受けが禁じられております。これは、戦前の日本銀行による国債引受けが激しいインフレを招いたという歴史の教訓を踏まえ定められたものであるというふうに理解しております。
○藤巻健史君 パネルを見ていただきたいんですが、パネルの上が国債引受けですよね。これは、先ほど総裁がおっしゃったように、ハイパーインフレを招いたから財政法五条で禁止されているわけです、政府と日銀との一対一対応ですね。 今、日銀がやっていることってこれじゃないです、確かに。でも、下の方ですよね、買いオペ。日銀が、今年でいいますと百五十兆円、新規債と借換債、百五十兆円、マーケットに放出していますよ。入札で出しています。そのうち、国債を日銀は百二十兆も買っているわけですよ。八割買っているんですよね。これはもうフルサイズのマネタイゼーションというか、引受けそのものですよ。これ実質的に同じです。サッカーでいえば、上が直接フリーキックで、下が間接フリーキックで、ゴールはゴールなんですよ、実質的に。まさに過去ハイパーインフレを起こした引受けを、今、日銀はやっているんじゃないですか。どうでしょう。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げたように、財政法五条で禁止されております国債の直接的な引受けは行っておりません。現在日本銀行が行っておりますのは、二%の物価安定目標をできるだけ早期に実現するために必要な金融緩和の手段として、国債その他の金融資産を市場から買い入れているということでございます。
○藤巻健史君 私は、どう考えてもこれは実質的に引受けで、ハイパーインフレのリスクがあるかなと思うんですけれども。 そこでちょっとお聞きしたいんですが、今、消費者物価指数二%のためにこの下の買いオペをやっているというふうにおっしゃいましたけれども、じゃ、消費者物価が安定的に二%になったらば、黒田日銀総裁は、日銀はこの下のやっている買いオペをやめますか。どうですか。
○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、今回導入いたしましたオーバーシュート型コミットメントの下で、消費者物価上昇率の実績値が安定的に二%の物価安定目標を超えるまでマネタリーベース拡大方針を継続するという方針を明らかにしております。 今後の金融政策はこのコミットメントに従って実施していくものでありまして、もちろんハイパーインフレのようなことをもたらすことはないと考えております。
○藤巻健史君 ハイパーインフレになるリスクがないというふうに黒田総裁はおっしゃっていますけれども、これ一番心配は、私も、量的緩和をやればこれは景気良くなりますよ、こんなお金じゃぶじゃぶにやったら。誰でも分かることです。今はちょっと足踏みしていますけれども、景気良くなると思います。しかし、これ、どか貧というか、じり貧、デフレというじり貧から脱却しようと思ってどか貧になったら国民は地獄なんですよ。要は、インフレになった後ブレーキがあれば、スピード調整してインフレにならないとおっしゃる、そのとおりだと思いますよ。でも、黒田総裁が大丈夫だとおっしゃっても、ブレーキがなかったら私心配ですよ。アクセル踏み込んだ車のブレーキがないなら、私絶対乗りたくないですから。 だから、私はちょっとお聞きしたいんですけれども、黒田総裁は二%を達成するためにこの買いオペをやるとおっしゃっていました。じゃ、ちょっと時間がないようですので、黒田総裁、これでお帰りいただいて結構です。その後ちょっと財務大臣にお聞きしたいんですが、今、二%に達すると黒田日銀総裁は買いオペやめると言ったんですよ。 これ、まず一つ、いろんな言い方があるんですけれども、ギリシャのことを考えていただきたい。去年、ギリシャは財政危機大変だった。それよりも財政状況が悪い日本は騒がれていない。なぜか。ギリシャは、ギリシャ中央銀行というのはユーロを刷れません。なぜなら、ユーロというのはヨーロッパ中央銀行しか刷れないからです。だから、まさに下のことを全くできなかったから財政危機になったわけですよ。もし買いオペをやらないということになったら、まさに日本の状況はギリシャと同じになる、ギリシャ化しちゃうということだと思います。 また別な言い方をします。 今、先ほど申しましたように、政府は百五十兆円の国債を、借換債と新発債発行しています。日銀は百二十兆買っているわけですが、これ住宅市場と考えていただきたいんですが、住宅市場で百五十万戸の新規住宅が出てくる、例えば中国人が百二十万戸買っている、でも中国人が来年百二十万戸もう買うのをやめたと言ったらば、中古市場の住宅市場は暴落ですよ。それは国債だって同じですよ、暴落。長期金利暴騰。それで、そういうときに入札できますか、金利が何十%になったときに。できないですよ、そんな。予算組めない。そうしたら麻生大臣の給料だって出ないですよ。年金のあれだって出ないですよ。まさにギリシャ化しちゃうんですけれども。 もし黒田総裁がおっしゃったように買いオペをやめたときに、財政は大丈夫かどうか教えていただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) ギリシャと同じという話は昔もどこかの政党の党首にあられた方が言っておられたような記憶があるんですけれども、ギリシャと日本とまず一番違うところは、自国通貨で国債を発行しておりまして、自国の通貨、すなわち円で発行しておりまして、外国人の買っておられる比率は約一〇%少々今あろうと思いますが、全て円で買っていただいております。ユーロでやっておられるギリシャと根本的に違います。それがまず、妙な不安をあおるような言い方をされると話が込み入りますので、そこのところだけは頭にきっちり入れておいた上で聞いておいていただいた方がいいと存じます。それが一点目です。 また、ギリシャの場合と違って、私どもの場合は今デフレで悩んでおりまして、インフレで悩んでおるわけではございません。それが二つ目の違いです。 そして三つ目は、私どもは、今、この世界中、みんな通貨安競争にならないように、少なくともリーマン・ブラザーズのときのあのバンクラプシー、破綻のときに話をし合ったとき以来、我々の基本的な姿勢は全く変わらず、我々は通貨安競争はしない、関税障壁の引上げ等々は一方的なことはしない、そしてブロック経済はやらない、この三つを約束した上で計画したわけですから、その上で私どもは今日までやってきて、事実、我々は今いろいろ努力をしておりますけれども、今に至るも、デフレ、いや、正確に言うと資産のデフレーションからによる不況という状況からは脱したとは思いますけれども、じゃ、デフレというものに関してから完全に脱却して、デフレだからといって不況なわけではありません、デフレでも好況はありますから。インフレでも不況があるのと同じです。 したがって、そういう意味では、我々は今デフレからの不況からやっと脱したところまで来たと思いますが、これがもう一回デフレ不況に陥らないためにどうするかというのが日銀と財政当局とが連動して今いろいろやらせていただいている基本だと思っております。
○藤巻健史君 今大臣は、日本人が一〇〇%買っていて、円で発行しているから大丈夫だとおっしゃいましたけれども、戦争中に発行された戦時国債、円で発行されていて、それで日本人が一〇〇%買っていたと思いますけれども、でもハイパーインフレ、紙くずになったんですよ。別に財政破綻はしないかもしれないけれども、紙くずになったということは御指摘したいと思いますし、それと、先ほどデフレだからデフレだからとおっしゃっていますけれども、まさに……
○委員長(山本一太君) 時間が来ていますので、簡潔にまとめてください。
○藤巻健史君 はい。 まさに、じり貧から脱却してハイパーインフレというどか貧になっちゃいけないですねと私は申し上げているわけです。 時間がないので、あっ、どうぞ。
○委員長(山本一太君) 簡潔にお願いします、大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) このまま終わりますと、いかにもハイパーインフレが起こりそうなままの話だけ植え付けられてやられるのは甚だ世の中を惑わせますので。 明治維新のときの西南戦争のときも、また今回の第二次世界大戦の後の、あれはハイパーではありませんけれども、インフレ率一八〇%、二〇〇%とかよく言われますけれども、あのときは戦争によって生産施設のほぼ八五%から九〇%は破壊されております。したがって、生産設備ゼロからスタートしたんですから、状況は全く違っておると思います。
○藤巻健史君 反論したいんですけれども、時間がないので、これで終わります。
○委員長(山本一太君) 以上で藤巻健史君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、浅田均君の質疑を行います。浅田均君。
○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。 私は、安倍総理が所得と再分配についていろいろ御発言されておりますので、所得と再分配についてお尋ねしていきたいと思っております。 総理は、所得格差は広がっているが、再分配の結果、格差はほぼ横ばいとなるほど改善されていると発言されております。先頃の答弁によりますと、所得の格差を測る指標であるジニ係数を見ると、今月公表された平成二十六年所得再分配調査では、高齢者世帯の増加などにより当初所得のジニ係数は増加しましたが、社会保障や税による再分配後のジニ係数はほぼ横ばいを維持しました、再分配による改善度は過去最高となっていると答弁されております。 この総理の御見解、御主張が正しいのかどうか確認していきたいと思いますが、このジニ係数という言葉は広く使われている言葉とは思えませんので、所得格差という言葉をジニ係数と同義で使用させていただきたいと思っております。 パネル一を御覧ください。(資料提示)これは、多分、総理はこれを見て先ほどの答弁をされたと思うんですが、平成二十六年所得再配分調査報告書に掲げられてあります図表でございます。これを見ますと、再分配前の所得格差、ジニ係数は、平成十四年の〇・四九八三から平成十七年の〇・五二六三、平成二十年〇・五三一八、平成二十三年〇・五五三六、そして平成二十六年には〇・五七〇四まで年々拡大しております。つまり、所得格差は年々拡大してきている。総理が答弁されたように、高齢者世帯が増加したことによると思われます。 所得格差、ジニ係数が〇・四以上が社会騒乱の警戒ライン、それから〇・六以上が危険ラインとされていますから、これだけを見ますとかなり危険な状況になってきていると言えます。 この所得格差を是正するため、再分配が社会保障それから福祉制度を通じて行われているわけであります。主に社会保障給付金によるわけでありますが、簡単に言いますと、働いていた人がこれだけの所得を得ていた、もう勤めが、定年が終わって所得がなくなったと。だから、こっちの人が増えると、当然こっちが増えると格差は広まるということになります。だから、これを社会保障、まあ年金ですよね、主として、これで年金を支払うことによってその格差を縮める、こういう再分配が行われているわけであります。 問題は、その財源の多くが借金に頼っているということであります。再分配が行われ、見かけ上は所得格差、ジニ係数が縮小しているように見えますが、借金を使って、つまりその借金を返すために若者やこれから生まれてくる世代を犠牲にしているということが問題なんです。所得格差を是正するために世代間格差を広げているということが問題です。 パネル二を御覧ください。このパネル、資料を見ていただきますと一目瞭然でありますが、五十九歳以下では全ての年齢階級で再分配所得はマイナス、もちろん再分配係数もマイナスになっております。これに対して六十歳以上は全てプラス、特に七十五歳以上は一八二・一%のプラス。だから、持てる高齢者から持たざる高齢者への世代内所得再分配が必要になると思います。 所得格差を是正するのであれば、持たざる若者から財源を搾り取るのではなく、持てる高齢者から持たざる高齢者への世代内所得再配分を進めるべきだということでありますが、この問題の本質の解決策かと思いますが、総理の御見解をお尋ねいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) おっしゃることはよく私も理解できます。つまり、世代間の不公平があるのではないかと。 これは、例えば年金につきましても、年金制度をスタートしたときに、しかしそのときもう既に高齢者の方々はおられた、でもこの方々にも年金をお支払をしなければいけない。しかし、この方々はさきの大戦で大変な御苦労をされ、そしてある程度の水準まで、一九六〇年までしっかりと日本を発展させていくという貢献をしておられたこと等も鑑みて、言わば賦課方式でスタートしてきたわけでございます。 しかし、その後だんだん、この将来世代がもらう年金額と今の年金を受給しておられる皆さんの年金額とを比べると、所得代替率等についてもこれ不公平があるのではないかと、こんなことを言われていたわけでございますが、それを改善するためにも平成十六年の改革によって保険料水準の上限を固定をしたわけでございまして、マクロ経済スライド調整によって、限られた財源の中で現在の受給者と将来の受給者の間でバランスを取る仕組みとしたところでございますが、さらに今御主張の世代内の公平を図るべきではないかと。 つまり、同じお年寄りといって一くくりにせず、ある程度所得の高い方々からは応分の負担をいただいた方がいいだろうというお考えだろうと思いますが、そういう意味におきましては、社会保障の給付等におきましては、高齢者の方々についても所得制限等々についてもこれからも工夫していく必要があるだろうと、このように思います。
○浅田均君 年金制度自体についてはまた後ほどお尋ねしようと思ったんですけれども、先にある程度お答えいただいております。 それで、次のパネルに行く前に、年金債務という用語にちょっと言及しておきたいんです。 私は、二〇一四年の財政検証時における年金純債務額は幾らかということを厚労省に照会しました。返ってきた答えは、年金の純債務につきまして、日本の公的年金は賦課方式で運営しておりますので債務というものはございませんという、まあつれない返事でございました。 経済学者が普通に使っているこの年金債務という用語が厚労省では理解されない。将来これだけの年金を支払いますよと約束した額です。これを債務と言うのはおかしいですか。厚労大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 年金債務という言葉が通用しないというお話を今御指摘をいただきましたが、恐らくこれは先取りして申し上げれば、積立方式にして他の方の債務として負う形式ではないものにしていくということを指すのかなと思ったりもいたしますが、平成二十六年の財政検証に基づくと、仮に今積立方式に切り替えると現在保有する積立金百八十兆円にいわゆる二重の負担の額六百九十兆円を加えた八百七十兆円が必要な積立金となるということで、それに、今先生のお配りをいただいているものは、大体これ純債務として一千兆円ぐらいがありますが、数字として、恐らくこれは税の部分を今の私が申し上げた数字に加えておられて大体一千兆円になっているということではないかなというふうに思いますので、そういう意味では、言ってみれば積立てとして必要になってくる八百七十兆で、もう一つは先生が御指摘になっているこの税金で、さらにそれを国民の負担という形で受け入れて計算すれば約一千兆円になるということで、大体同じ数字をおっしゃっているのかなというふうに思います。
○浅田均君 大臣、ありがとうございます。 事務局に聞いたらそんなものないとつれなく言われたのに、大臣の方からそういう御答弁をいただきまして、これからも事務局を通さずに直に大臣にお尋ねしたいと思いますので、どうぞ無礼なやつだと思わずにお許しいただきたいと思います。 今厚労大臣のお話を聞いておりますと、そういう資料はあるようでございますが、そういう経緯が、経過がありまして、私どもの方で知り合いの経済学者に作っていただいたのがこの「年金純債務のうちわけ」という資料でございます。これ、これだけ年金を支払いますよと国民に既に約束してしまった額が二〇一五年で千二百三十七・二兆円。先ほど塩崎大臣は、八百七十兆円にその税金の額を加えたものである、だから大体これぐらいになるのではないかという御答弁でした。私どもの試算では千二百三十七・二兆円、積立額が二百十六・九兆円、年金純債務額が千二十・四兆円です。これが二〇三〇年になると、この年金純債務は千二百六十一・六兆円に膨らんでしまいます。 パネルの三、次のやつを御覧ください。 厚労省によると、先ほどから申し上げておりますが、そういうデータはないということでございましたので、少し古いデータになりますが、これも知り合いの経済学者と一緒に作成させていただきました。「厚生年金加入者の生まれ年ごとの生涯保険料率と生涯受給率」です。大体一九六五年生まれを境として保険料率と受給率が完全に逆転してしまうことが分かります。 年金問題の本質は何か。年金問題の本質は、世代間格差、世代間不平等であることがお分かりいただけると思います。ここでは受益と負担のバランスが完全に崩れてしまっております。この点に関しまして先ほどもちょっと言及いただきましたけれども、安倍総理はどのようにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 若者への給付と、そして、これ、年金に絞っての考え方ですか。年金に絞ってお答えをいたしますと、先ほど少しお話をさせていただいたわけでございますが、基本的には、これは積立方式ではなくて、日本の年金は賦課方式、基本的には賦課方式になっておりまして、徴収した保険料とそして税金、もちろんお年寄りも税金を払うわけでありますが、主に働く世代の方々の税金等によって年金をお支払をしていくという仕組みになっているわけでございます。 その中において、世代間の公平を図るために平成十六年に改正を行い、マクロ経済スライドを入れて調整を行っていると同時に、保険料がどんどんこれ上がっていくことを、この今の、賦課方式といっても、幾ら何でもどんどんこの保険料が上がっていくことは抑えようということで法定で上限を定めたわけでございます。 いずれにせよ、これは支払っていく方も納得していくということも、支払側も、支えていく方も納得し、持続性を確保していくということも重要であろうと、このように思います。
○浅田均君 まさしく今総理大臣が御答弁されたことに関して、公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金改革の一部を改正する法律案について議論されております。お伺いしておりまして、年金をカットしたり保険料を上げたりして年金財政を維持することも確かに重要なんですが、それだけでは今総理が御答弁されたように世代間の不公平は改善できるとは思いません。積立方式を取り入れないと、ますます若者たちや将来世代の負担は過重なものとなります。だから、日本維新の会は結党以来、積立方式への移行を提案しております。 次のやつ、このパネルが極め付けなんです。今回の年金改革法案程度ではどうにもならないというのが正直なところです。年金の支給開始年齢も上げるべきでしょう。しかし、まず賦課方式を積立方式に改めることが先決だと思いますが、塩崎厚労大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) この積立方式に賦課方式から転換したらどうかという御提案は、しばしば私どもも議論してまいりましたし、厚生労働省のむしろ中というよりは外でやってきたことの方が多かったような気がいたします。 この公的年金制度は、現役世代が負担する保険料や税金によって高齢者世代を支えるということで、先ほどの再分配効果がそこで効くわけでありますけれども、この賦課方式ではもたないのではないかというのが今の先生の御主張だと思います。 しばしば年金の積立方式への切替えの際に何が問題になるのかというのは、もう浅田委員もよく御存じだと思いますけれども、一つは、現役世代がこれから自分たちの積立てを新たに行うということになりますと、それに加えて、現在の高齢者の賦課方式で賄ってきた給付を賄う、いわゆる二重の負担というものをどう解決をするのかということが一つあります。もう一つは、今お話が最初にございました、この数百兆円規模の積立金をどのように運用するかということから、積立方式に移行することで世代間格差を解消できるということが本当にできるのだろうかということがよく問題になってきているというふうに思います。 つまり、今のこの二重の負担を誰がどういうふうに負担をするのかということの整理が付かないといけないのではないかと思いますので、もう積立てだけでこれからいくという人たちは、今、年金をもらう人たちに、じゃ、どこからそのお金を持ってくるのかということが解決できないとなかなか難しいということなので、そこについての答えも同時に御提起をいただくと、この問題についての議論が更に深まるのではないかというふうに思うところでございます。
○浅田均君 今厚労大臣から御指摘のありました提案、積立方式にしたときにその二重の片方をどう解消していくのかということに関しましても法案を提案しましたときに説明させていただいておりますので、これからまた提案させていただく際に御説明させていただきたいと思います。 今厚労大臣から、一千兆円になんなんとする年金債務、このお話がありました。これは簿外です。政府として、国として、一千兆円近くの債務を負っている、だから財政再建が喫緊の課題であるということは総理大臣も何回も言われております。財政の最優先課題は政府債務の削減ということであるということに変わりはありませんか。総理大臣の御見解をお尋ねいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 財政の健全化は極めて重要であります。そして同時に、我々は二〇一五年、プライマリーバランスの赤字半減を、これを達成をしているわけでございまして、二〇二〇年にプライマリーバランスの黒字化に向けて全力を挙げていきたいと、こう考えているところでございます。
○浅田均君 そういう御意向がおありであるならば、国債費の利払いというのは低金利のおかげでかなり不用額が毎年出ております。この不用額をどういうふうにしているのかということをお尋ねしますと、これ、借金の返済に充てるのではなしに、補正予算や翌年の歳入に繰り入れて使っているということです。 これ、本来は借金の返済に充てるべきだと思いますが、総理大臣の御見解はいかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そこが、このあんばいが難しいところでありまして、経済を成長させていく上において、まずデフレから脱却をしていく必要があるわけでございます。デフレから脱却をしていくために金融緩和を行い、しっかりとお金を市場に供給をしている。そして、政府も財政出動を行い、お金を出すことによってインフレ期待を起こそうとしているところでございまして、その結果、もはやデフレではない。 しかし、まだデフレから、デフレに後戻りしない、デフレ脱却には至っていないところでございまして、収入があって、それをまた借金に返していくということは、出回っているお金を、これを消していってしまうことにつながっていくわけでございますから、つまり、デフレから脱却する上においては、そこのところを、もちろん財政を健全化をするというために我々はこの国債の発行額を相当額これ減らしてきているわけでございますが、同時に、経済を成長させていく、デフレから脱却をしていくための財政規模がどれぐらいがいいかということを勘案しながら適切なマクロ経済運営をしていきたいと、このように考えております。
○浅田均君 時間がもう来ておりますので、最後、中小企業に関して二問続けて質問させていただきます。 中小企業の利益というのは、大企業との取引、関連企業との取引から生まれることが多くて、そういう関係上なかなか適正な利潤を乗せて取引ができないと。利潤を、もうけを大きくしてしまうと今度は値下げを要求されると。だから、今回の下請法や独禁法の運用強化というのは中小企業にとっては大変な福音だと思うんです。 ただ、この実効性をどういうふうに担保していくかが一番重要なことなので、この点に関してまず経済産業大臣にお尋ねしたいというのと、それから、事業承継税制につきまして……
○委員長(山本一太君) 時間が来ておりますので短く、短くお願いします。
○浅田均君 はい。 円滑な事業承継実現に向けた税制の抜本的な見直しが必要なんですが、この点に関し経済産業大臣の御見解をお尋ねいたします。
○委員長(山本一太君) それでは、経産大臣、短く御答弁をお願いします。
○国務大臣(世耕弘成君) まず、中小企業、下請取引の適正化に関しては、今御指摘のとおり、運用基準や下請振興法の振興基準、こういったものを見直しております。それに加えて、業界別に、もう既に自動車工業会と自動車部品工業会には策定を確約していただいていますが、行動基準をしっかりと作っていただきます。でも、これで満足はしません。元々この取組は最初から現場重視でやってまいりました。ですから、現場の中小企業の声、またその相手である大企業に対するヒアリングなどを通じて、これを何度もこれから繰り返してこの改革が実効あるものにしたいと思います。 また、中小企業の事業承継のための税制でありますけれども、中小企業の事業承継の円滑化は待ったなしの課題であります。そして、最近の、上場企業の株価に連動して中小企業の相続のときの株式が高く評価をされる場合が出てきております。これが円滑な事業承継の支障になっている可能性があるわけであります。こうした現状を踏まえまして、中小企業の実力をしっかり反映した評価方法の見直しが実現するよう努力をしてまいりたいというふうに思います。 いずれにせよ、円滑な事業承継を促進する実効ある制度の実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと思います。
○浅田均君 ありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上で浅田均君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、山本太郎君の質疑を行います。山本太郎君。
○山本太郎君 生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎でございます。よろしくお願いいたします。社民党との会派、希望の会を代表いたしまして質問いたします。 本日の質疑ですけれども、答弁者は総理のみでよろしくお願いいたします。私と総理との間の濃密な時間を邪魔されないように、是非助太刀はおやめください。よろしくお願いいたします。それではまいります。 総理、原子力発電所の過酷事故が起こった場合、原子力発電所にもしものことが起こった場合、国が責任を取る、そういうことで間違いないでしょうか。
○委員長(山本一太君) 世耕経産大臣。(発言する者あり)まず担当大臣から答えさせます。
○国務大臣(世耕弘成君) 済みません、濃密な時間をお邪魔して申し訳ありませんが。やはり万が一事故が起きた場合は、政府として国民の生命、身体及び財産を守ることは政府の重大な責務であります。関係法令に基づいて責任を持って対処してまいりたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 担当大臣から答弁したとおりでございまして、国民の生命、財産を国が責任を持って守っていくのは当然のことであろうと考えております。
○山本太郎君 そうですよね。再稼働のときにも、総理は防災会議などでもそういうことをおっしゃっております。おっしゃるとおりだと思います。原子力発電所が事故を起こした際には国が責任を取る、こういう趣旨の発言、総理はずっとおっしゃっているわけです。そして、今もおっしゃってくださいました。非常に頼もしい感じがしないでもない。 というのは、この責任を取るという言葉、余りにもざっくりし過ぎている。よく分からないと言った方が早いかもしれないですね。有事の際にはどのような責任を取っていただけるのか、総理、御説明願えますか。総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 具体的には、万が一事故が起きた場合、原子力災害への迅速な対応、すなわち、事故の拡大防止と早急な事態の収束や、自衛隊、警察、消防、海上保安庁といった実動組織による各種支援を含め、住民避難の支援、物資の円滑な供給、医師の派遣などが円滑に行われるよう、関係法令に基づき責任を持って対処していくことになります。
○山本太郎君 原子力発電所、まあこれが暴発しちゃった場合に、そこを収めるための今責任という部分でのお答えがあったと思うんですけれども、そこから抜け落ちている部分がないかなと思うんですよね。 どちらかというと再稼働される国民にとってみてはこの部分が一番気になると思うんですけれども、原発事故が、過酷事故を起こした場合、そして、それを責任を取るというのは、これ、健康を害する、若しくは健康を害するおそれがある人々に対してももちろん国が責任を取ってくれるという理解でよろしいですか、安倍総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、例えば、おっしゃっておられるのが補償等ということについてかもしれませんが、この補償等々につきましては、これはもちろん電力会社が、電力会社が当然責任を持って対処するものでありまして、それをそもそも国がということになれば、これは無責任な体制になってしまうわけでありますから、当然これは電力会社が対応していく、責任を持っていくということになるんだろうと思います。
○山本太郎君 ちょっとそれは話が違うように聞こえるんですよ。原子力発電所の暴発、この暴走を止めるためには国が責任を持つけれども、健康問題、まあもちろん賠償を含めた健康問題という部分に関しては国は責任を持たないというふうにも聞こえてしまうような。電力会社が電力会社がというふうにおっしゃっていましたけど、そこら辺をはっきりしてくれないと、水俣、そしてアスベストのように、今までのあった公害訴訟のように、要は被害者の方々が高齢になって亡くなっていかれたりとかしてからやっと国が認めるということになっちゃうんじゃないかなと。 はっきりすっきりと言っていただきたい。健康に被害がある、若しくはおそれがあると思われる人たちに対しても国がしっかりとサポートし責任を取ると。もちろん金銭面的なことには電力会社ということがあるでしょうけれども、そこの部分をはっきり言っていただきたい。
○委員長(山本一太君) 世耕経産大臣。(発言する者あり)まず経産大臣から答弁してもらいます。
○国務大臣(世耕弘成君) これは、まず、今対応をしている福島第一原発の問題と、委員がおっしゃっているような、今後こんなことはあってはほしくありませんけれども、万々々が一のことがあったときの場合に分けて考えなければいけないというふうに思っています。 福島第一原発に係る賠償あるいは廃炉等については、事故を起こした東京電力が責任を持って行うことが大原則であります。その上で、平成二十五年十二月に閣議決定をしておりますが、国としても適切に対応していくということであります。 その方針を前提とした上で、まず事故の当事者である東京電力に対しては今、更なる抜本的な改革を求めるべく、昨日第一回会合が開かれましたが、東京電力改革・1F問題委員会を設置をしました。また、もう一つは、全体論として電力システム改革の果実を国民に還元するための総合的な改革を実行するために、総合資源エネルギー調査会の下に電力システム改革貫徹のための政策小委員会を設置をして、これも最近検討がスタートしているところであります。 いずれにしても、現段階で何らかの方向性が固まっているわけではありませんけれども、有識者の御意見をいただきながら徹底的に検討してまいりたい。 ただし、福島第一原発に係る賠償、廃炉等については、事故を起こした東京電力が責任を持って行うことが大原則、そして国としても適切に対応していくということでありまして、今後、万が一ほかのところで、そんなことはないように万全を期してまいりたいと思いますが、起こった場合の賠償の在り方については、現在、原子力委員会で専門家、有識者の皆様方に御議論をいただいているところであります。
○山本太郎君 いや、何か責任取るというようなすっきりした話だったのに、これが人々の健康問題ということになるとえらく細部まで説明をしてくださるという形なんですよね。ここもすっきり、責任取るからと、もちろん電力会社に責任を取らせるから心配しないでくれといういつもみたいなキャッチフレーズで伝えてくれれば分かりやすいんですけれども、ここばっかりはキャッチフレーズにしないというところに、本当に責任取るのかな、取らせるのかな。 だって、今時点で考えてみても、東電に対する、救済、求償というものはほとんど行われていないじゃないですか。その一方で、どんどんこの原子力事故による影響と思われる人たちに対する賠償というものは打ち切られ続けています。もちろん、みなし仮設、自主避難された方々、そういう方々に対する補償というものもどんどん切られていく、そんな状況になっているんですよ。同じようなことを次もう一回やるといったらもっとうまくやれるんじゃないかなというような、うがった目で見ちゃう。まあ、分かりました。とにかくいろんなシステムを使いながらいろんな会議を通してやっていくというような姿勢は見えました。 では、有事の際に本当に国が責任を取るのか取らないのか。結局話がうやむやにされてしまう。どこかで加害者側が線引きする。加害者って誰ですか。電力会社ですよ。それだけじゃない。国策として後押しした国。被害者に対して加害者が線引きをするという今既に行われているようなことが、もし次の事故が起こったとしたらもっと上手にやられてしまうんじゃないかというふうな疑いを持った上で、有事の際に本当に国が責任を取るのか取らないのか。安倍総理が言う責任という言葉の意味を、重みを検証していきたいなと思います。テレビの前の皆さんも是非御一緒にどうぞ。 二〇一一年三月、東電が原発事故を起こしました。二〇一一年六月、福島県にお住まいの方々の健康不安を払拭するとの名の下、県民健康調査が始まりました。県民健康調査、スタートして今年で約五年半になります。 総理にお伺いします。この県民健康調査で現在甲状腺がん若しくは疑いとされた子供たちの数、総理、御存じですか。総理、お願いいたします。
○委員長(山本一太君) 山本国務大臣。(発言する者あり)ちょっとまず担当大臣から答弁させます。
○国務大臣(山本公一君) 環境大臣でございますので。 甲状腺検査の結果については医学等の専門家の御意見が重要かと思いますが、環境省が開催した専門家会議の中間取りまとめでは、先行検査で発見された甲状腺がんについては、原発事故由来のものであることを積極的に示唆する根拠は現時点では認められないということにされています。また、福島県が開催した検討委員会の中間取りまとめでも、これまでに発見された甲状腺がんについて、放射線の影響とは考えにくいと評価されています。
○山本太郎君 済みません、数について、先ほどの、総理からお伺いしてもよろしいでしょうか。現在、甲状腺がん若しくは疑いとされた子供たちの数、総理、御存じでしょうか。御存じなければ御存じないとお答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 数のようなことは事前に通告いただかないと承知をしておりませんし、今ここで答えることはできません。 ただ、今、山本大臣からお答えをさせていただいたように、絶対数よりも、言わばほかの県で、甲状腺がんが疑われるということはどこにもあるわけですから、それが果たしてほかの県と比較して多いのかどうかということなんだろうと思います。その点で、その比較に特段に当該県が多かったということにはなっていないということは承知をしております。(発言する者あり)
○山本太郎君 通告しなきゃという今お話、後ろから応援団のお話からありましたけれども、通告をせずにお答えいただいたというのが今国会で、今国会じゃない、二〇一六年度の国会で三十六件もあると。総理自身も、御自身も通告のない御質問にもお答えになられている。結構幅広いことですけれども、総理のことですから何でも打ち返すと。 例えば、SMAP解散回避についても喜々としてお答えになっている。多くのファンの方々の期待に、また願いに応えてグループが存続するということは、これはよかったのではないかなどなど、通告なしの質問にもお答えになっている。 これは通告するしないの問題じゃないんですよ。どうしてか。通告するしないの問題じゃない。なぜか。原子力事故が起こって、その影響と見られる子供たちの甲状腺がんの数がどれぐらいに及んでいるのかということは、最高責任者である総理として最低限知っておいていただきたい数なんですよ、これは。経済的なこと、例えばアベノミクスこの先どうなるのか、道半ば、そういうことに関しては霞が関のペーパーなしでも総理はすらすらとお答えになる。そして、このSMAPの問題に対してもすらすらとお答えになる。でも、本当にこの国に生きる人々の安全保障問題、特に未来を担う子供たちの、未来を担う子供たちの今、危険性が迫っている、そういうことに関して関心を払っていないということに関してこれが問題だと言いたいんですよ。 通告したらいいだろうと。通告したらいいということじゃないんですよ。日常的にどこにフォーカスを当てているかということを知りたいという意味での質問です。分かりました。ありがとうございます。 総理、先ほどのお答えをしたいと思います。今年九月の最新情報によりますと、甲状腺がん又はその疑いは百七十四人、良性を除いて百七十四人です。 続きまして、総理にお伺いします。甲状腺がんになる確率、確率です、どれぐらいか御存じでしょうか。元々何人に一人の確率で甲状腺がんになると言われていたか、総理、御存じか御存じがないかだけで結構です、お答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 基本的に、基本的に、言わば数値について聞くときには事前通告をしていただくというのが基本的なルールになっておりまして、事前通告をしていなければお答えできないということになるわけでございます。 そこで、通告がございませんからお答えできないわけでございますが、大切なことは、先ほど申し上げましたように、青森や山梨や長崎で取った、甲状腺がんですね、甲状腺がん、甲状腺に結節などが認められた比率が、青森県、山梨県、長崎県で行われた調査の結果と大きく異ならないということでございました。このことについては私も承知をしているわけでございまして、要は、そこで特段に多くなっているかどうかということも非常に重要だと思うわけでございまして、絶対数ということであれば、その絶対数がどういう意味を持っているかということについては、今のように比べなければ絶対数が持っている意味が分からないのではないかと、このように思います。
○山本太郎君 ありがとうございます。 この責任、原子力事故が起こったときの責任という問題に関して、どこまでの範囲を責任と考えるのか、そしてどのように問題意識を持たれているのかということを聞くために通告はしませんでした。総理御自身がこのことを知っているのか。例えば株価のことだったりとか為替のことだったりとかしたら、今日の数字入っていますよね。それと同じように、今、命の問題と関わることに対して総理がどのように向き合ってられるか、このことに対して知識があるのか、問題意識があるのかということを知りたかったんです。 総理にお答えしますね。先ほど、元々何人に一人の確率で甲状腺がんが存在すると言われていたか。これ、官邸に対して助言を行う方がおっしゃっています。原子力災害専門家グループの一員、県民健康調査検討委員会の初代座長、ミスター百ミリシーベルト、山下俊一さん、二〇〇九年、日本臨床内科医会の会誌でこうおっしゃっている。日本では思春期を越えた子供の甲状腺がんをまれに見るくらいです、その頻度は年間百万人に一人と言われています、これは欧米、日本、ほぼ変わりありません。東電原発事故の後、二〇一一年十月にもおっしゃっている。日本原子力学会誌においても、百万人に一人というまれな小児甲状腺がん、こうおっしゃっているんですよ。 あの山下俊一さんぐらいの方でもそうおっしゃっているぐらい超レアケース。総理、百万人に一人、百万人に一人と言われているものが約三十八万人に対して百七十四人、百万人に一人が三十八万人に百七十四人。この状況っておかしくないですか。先ほど言われていました、長崎でも青森でも調査をしたというお話をされていました。でも、それサンプル数少な過ぎて比較にならないんですよ。 率直に聞かれて、百万人に一人が三十八万人に百七十四人と聞かれて、これおかしいと思いませんか。いかがでしょう。
○国務大臣(山本公一君) 福島県が開催した検討委員会甲状腺検査評価部会の中間取りまとめでは、甲状腺検査の結果、甲状腺がんの悪性ないし悪性疑いと判定されたものが、甲状腺がんの罹患統計などから推定される有病率に比べて数十倍のオーダーで多いことが指摘されていますが、この評価としては過剰診断の可能性が高いとの意見も記載をされております。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま山本大臣が答弁したとおりであります。
○山本太郎君 済みません、その現場の医師、福島の調査会の医師の中にも、これは多発だっておっしゃっている方々がいらっしゃるんですよ。多発だと認めないのは環境省を中心とした国なんですよ。国を中心とした環境省、どっちか分からない。現場の医師は、これは多発だ、おかしいなと言っている。これをフォローアップ、ほかの県にも広げなきゃいけない。 安倍総理は問題意識持っていましたよ、今。一か所だけじゃ分からないということを言われていましたよね、さっきから。でも、青森だどこだというところでサンプル取ったけれども、それは数が少な過ぎるんですよ。これ、広げる必要あるんです。 総理、これ広げてもらえませんか、範囲を。福島県以外の範囲にも広げないと、総理、さっきおっしゃったじゃないですか、分からないって。そのとおりなんです、総理の御懸念のとおり。福島県のこの調査と同じように他県でも同じような調査を行わなきゃ、これは分からないんです。西日本、東日本、いろんなところで行わなきゃ分からない。 総理、このことに対して検討していただけませんか。いかがでしょう。総理にお願いします。
○国務大臣(山本公一君) 今般の原発事故に係る住民の健康管理は、医学等の専門家の御意見を聞きつつ進めることが重要と認識をいたしております。 今御指摘の福島県外の近隣県では、有識者会議を開催するなどして特別な健康調査は必要ないとの見解がまとめられており、また、国際機関であるWHOやUNSCEARの報告書においても、福島県外での健康調査の必要性は指摘されていない状況であります。環境省の専門家会議の中間取りまとめでは、福島県外での甲状腺検査について、施策として一律に実施することについては慎重になるべきとの意見が多かったとされる一方で、健康相談やリスクコミュニケーション事業等を通じた丁寧な説明の重要性が指摘されています。 環境省としましては、専門家会議の中間取りまとめの内容を踏まえて、福島近隣県におけるがんなどの発生動向の把握を進めるとともに、リスクコミュニケーション事業の継続、充実を図り、健康不安を抱えた方に対する丁寧な説明に努めてまいります。
○山本太郎君 環境省に聞いたって、いつも逃げなんですよ。 総理、この甲状腺検査、拡大するならまだしも、今縮小の話が出てきているんです。この状態で縮小をしていくということを、総理、どう思われます。総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 福島県を視察をした際、福島の県立病院の医学部において、ここは主に福島県内において甲状腺の検査を行ってきたところでございまして、この院長からもお話を伺っていたわけであります。多くの方々が不安を持って病院に来られて、来て、そこで、年を取ってくると結節等が見られるわけでありまして、私もそこでやったら結節があるんですが、それはしかし、四十、五十を超えればあるんですが、それが悪性かどうかというのはまた別のものになってくるわけでございますが。 そこで、多くの方々に、これはもしかして放射線由来ではないかという、多くの方々はそれは不安を持っておられますから、それはそうであるかないかということについても、これは医学的にしっかりと説明していかなければいけないと、こういうふうにおっしゃっておられたわけでありますが。 そこで、私が先ほど申し上げたのは、この福島県だけの絶対数ではなくて、果たしてそれが他県と比べてその比率が多いのかどうかということが、これが問題であるわけでありますから、そこで青森と山梨と長崎でやったところ、その顕著な違いがなかったという結論に達したわけでありまして、そのサンプル数が多いかどうかというのは疫学的に判断を下す私は専門的な知識がございませんので、それはまさにこの専門家の皆さんに判断をしていただきたいと、このように考えております。
○山本太郎君 総理に聞いていただきたい声がある。二〇一六年九月十四日、福島県民健康調査検討委員会の際に出された資料、福島県立医大などに直接寄せられた福島県民からの声。 放射線の影響は考えにくいではなく、分からないとするべきではないか。ほかにも、影響がないという結論を先に決めているのだろう。結論ありきだ。ほかにも、大人にも通知を出して検査を推奨するべき。ほかにも、事故後に生まれた子供の検査をしてほしい。ほかにも、成人後も二年置きに検査を推奨するべき。ほかにも、関東にも放射性物質が多く飛んでいるんだから、ほかの地域も検査すべき。ほかにも、甲状腺がんのみならず、白血病、白内障など、ほかの症状についても取り上げ検査すべきだと。このような声が実際にあります。 総理、いかがですか。この声に寄り添いたいとは思いませんか。福島の復興なくして日本の再生はないんですよね。その復興という言葉には人々の健康はないんですか。国が迷惑を掛けた、東電は迷惑掛けた、そのことに対する罪の意識はないですか。今の声を聞いてどう思われますか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) そうした声に耳を傾けていくのは当然のことであろうと思います。 しかし、実際に、例えば福島に住んでおられる方々はみんな不安ですから、その不安にどのように応えていくかという、医学的に正しく応えていくことも大切でございまして、結節があると結節があった段階でこれは驚くわけでありますが、しかし、それが直ちに甲状腺がんにはつながらないわけでございますし、また、この甲状腺がんはどれぐらいのこれが死亡リスクがあるかどうかということについてもしっかりとこのコミュニケーションを図っていく必要があるわけでありますが、それが果たして本当に放射線の由来かどうかということについては、それはまさにこれは医学的、科学的な見地を持って証明していく必要があるんだろうと、そのための専門家の方々のこれは判断を仰ぐべきではないかと、このように思います。
○山本太郎君 最初の検査で問題なかった人たちが二年後に検査を受けて、もうがんができていたりとかという話にもなっているんですよ、総理。情報が古い。 そして、もう一つ、総理に聞いていただきたい声。県民健康調査検討委員会の医師、専門家たちの声。 清水修二委員、現在の評価は一巡目の検査まで、二巡目の検査の評価が出るまでは甲状腺検査縮小の議論はすべきでない。ほかにも、清水一雄委員、最初は放射線の影響は考えにくいという報告をしたが今は懸念がある、放射線の影響も考慮しながら検証していくべき。そして、成井香苗委員、事故の影響がなければ安心できる、事故の影響があれば国が責任を持って補償すべきことなのだから縮小はしない方がいいと。しっかりと検査をしてほしいということなんです。 この専門家たち、この意見を聞いてどう思われます。
○委員長(山本一太君) 時間ですので簡潔に答弁をお願いします。
○国務大臣(山本公一君) はい。 二巡目の甲状腺検査は現在実施中であることから、当該検査結果について何らかの見解を述べられる段階ではございません。 いずれにしましても、福島県の甲状腺検査については継続中ですので、環境省として引き続きその動向を注視していくことが重要かと思います。
○委員長(山本一太君) 短くお願いします。
○山本太郎君 はい。最後に手短にまとめます。 とにかく、今ここをちゃんとやっておかないとまずいことになります。 それで、福島だけじゃない、それ以外の地域にも、放射線であるかないかということは後ででいいんですよ、どこら辺までの地域に対して甲状腺がん、こんなに爆発的に増えているかということを、国の責任として総理に旗を振っていただきたい。オリンピックでも約束しましたよね、プレゼンで、約束するって、この先の未来も健康被害は出ないということをお約束しました。それを守ってください。よろしくお願いします。 ありがとうございます。
○委員長(山本一太君) 以上で山本太郎君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、松沢成文君の質疑を行います。松沢成文君。
○松沢成文君 無所属クラブの松沢成文です。 私は、今日はオリンピックの準備の関係に関連して、また、それに関連してたばこ問題も、恒例ですので、質問させていただきたいと思います。総理、よろしいですか、準備は。 昨今、政府が関与する機関の間でたばこの害についての論争というのが世間を騒がせているんですね、メディアでも。これは、受動喫煙の健康被害、特に肺がんリスクを認めるか否かという問題なんです。 まず、国立がんセンターは、非喫煙者の受動喫煙による肺がんリスクは受動喫煙のない人に比べて一・三倍となり、肺がんリスクは確実と発表をしたんですね。 まず、この監督官庁であります、がんセンターの監督官庁であります厚生労働省のこの受動喫煙と肺がんリスクの見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 我が国も締約をしておりますたばこの規制に関する世界保健機関枠組条約、FCTCと呼んでいますが、この中では、「締約国は、たばこの煙にさらされることが死亡、疾病及び障害を引き起こすことが科学的証拠により明白に証明されていることを認識する。」とされておりまして、その締約をこの条約について日本はしているということでございまして、厚生労働省の専門家会議が八月末にまとめた喫煙と健康影響に関する報告書、ここで受動喫煙と肺がんとの関連につきまして、受動喫煙のある人はない人に比べ肺がんになるリスクが約一・三倍になるという結果も踏まえて、科学的根拠は因果関係を推定するのに十分であると評価をしているところでございます。 厚生労働省としても、受動喫煙によって肺がんのリスクは高まるとの認識を持っております。
○松沢成文君 厚労省はこういう認識。 次に、これに対して日本たばこ産業、JTは、受動喫煙と肺がんの関係が確実になったと結論付けるのは困難だという見解を出したんですね。 それでは、JTの監督官庁で筆頭株主でもある財務省の見解は、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 受動喫煙によります肺がんのリスクについては、厚生労働大臣からの説明に加えまして、たばこ事業を所管いたします財務大臣としても一言発言をする機会を与えていただきましたが、財政制度審議会、いわゆるたばこ事業分科会において平成十五年のたばこ製品の注意文言記載の見直しを行った際に、同分科会に設置されたワーキンググループの専門家のコンセンサスとして、受動喫煙により肺がん、虚血性心疾患の重大な疾患に影響があると報告されていると整理されております。 私といたしましても、受動喫煙の防止は重要と考えておりまして、引き続き政府における受動喫煙防止対策の取組に協力をしてまいりたいと思っております。
○松沢成文君 財務省も財政審議会等の見解に従って、害はあるということだと思います。 総理、政府が関連する機関で、片や受動喫煙と健康被害、これはあるんだというがんセンター、厚労省。そして、逆に、JTという、財務省が、財務大臣が筆頭株主になっている半国営みたいな会社はそれはないんだと、たばこ会社は言い張っているわけですね。これ、国民混乱しているんです。 ですから、ここでやっぱり政府の統一見解を出していただきたい。今後の政策形成にも非常に大きな問題ですから、受動喫煙と肺がんリスクの関係、あるいは健康被害の関係、これは関係があるというのかどうか、はっきりとお願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま厚労大臣と財務大臣から答弁をさせていただきました。 そこで、政府としては、受動喫煙による肺がんなどの疾病のリスクを踏まえ、受動喫煙防止対策の必要があると考えております。
○松沢成文君 肺がん等健康被害のリスクがあると考え、受動喫煙防止対策をやらなきゃいけない、これは政府の統一見解として出たわけで、今日、ある意味ではっきりしたの初めてなんですね。これは大変重いというふうに思っています。 それでは、ちょっと皆さん、この表を見てください。(資料提示)最近メディアでもよく出てきますが、実は、東京オリンピックをやる、東京オリンピックの前にオリンピックをやった都市、あるいはこれからやろうとしている韓国の平昌も含めて、全ての都市にはきちっとした受動喫煙対策の法律や条例ができているんですね。ですから、公共的な施設、飲食店、鉄道の駅、ほとんどが禁煙です。そして、禁煙であるということを守らなかった管理者、例えばお店だとかあるいは旅館、これ罰則があるんです。それで、守らなかった、たばこを吸っちゃった人、全部罰則があるんですね。これが世界の常識なんです。 さあ、そこで、これ内閣府にこの検討チームが、東京だけなんですね、やっていないのは、ですから東京でもしっかりやらなきゃいけないということで検討チームが置かれているんですが、その事務局は厚生労働省が務めておりますので、厚生労働大臣、これから日本も東京オリンピックに向けて恐らく法律を作っていくことになると思います。法律を作らなきゃ恐らくこれはいけないんだと思いますが、しっかりとした国際基準、つまり禁煙が原則、分煙は認めませんよということと、それから罰則付きの強制力のある法律ですよという形、これを目指すということでよろしいんですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今年の一月に官邸に、今御指摘をいただいた関係省庁によります受動喫煙防止対策強化検討チーム、これを立ち上げました。この中で、厚生労働省が中心となってこの下に設置をしたワーキンググループで関係団体からのヒアリングなどを行って詳細の検討を進めております。 二〇〇八年以降のオリンピック開催地やそれから開催予定地では罰則を伴う受動喫煙防止対策が講じられている、今パネルでお示しをいただきましたが。具体的な対応策につきましては、今御指摘をいただいた諸外国の状況を踏まえてしっかりと検討してまいりたいというふうに思います。
○松沢成文君 しっかりとお願いしたいんですが、じゃ、その進捗をこれからどうやっていくのかお聞きしたいんです。 オリンピックが二〇二〇年、その前にラグビーのワールドカップもあります。これも国際的なビッグゲームですから対象にしていただきたいんですね。それで、罰則付きの法律を作るとしたら周知期間が一年必要です。二〇一九年がラグビーのワールドカップ、一年必要だったら二〇一八年は周知期間に置かなきゃいけない。そうすると、この法律は二〇一七年、つまり来年きちっと作らなければラグビーのワールドカップ、オリンピックに間に合わないということになるんです。 ということは、厚生労働大臣、来年の通常国会に受動喫煙対策防止法というような、こういう国際基準の法案を提出、審議、成立させるという方針でよろしいんですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) IOCとそれからWHOがたばこのないオリンピックということで合意をしております。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックにつきましては、我が国の受動喫煙防止の取組を進める原動力になると思っております。 このため、厚生労働省として、東京オリンピック・パラリンピック、さらに、今御指摘のあった、その前年のラグビーのワールドカップまでに受動喫煙防止対策を講じて着実に実効性が担保できるように、可能な限り早急に必要な準備を進めてまいりたいというふうに思います。
○松沢成文君 大変力強い御答弁でした。 総理、実は私も神奈川県知事のときに、神奈川県、全国で初めて受動喫煙防止条例というのを作りました。これ三年掛かったんです。物すごいです、いろんなところから反対が出てきて。例えばたばこ産業、JTさんとかたばこ屋さんの組合とかたばこ農家とか、たばこの消費が落ちますから、こんな法律たまらないとみんな反対してきます。それから、こういう法律ですから、飲食店だとか宿泊施設だとかこういう民間のサービス業も、たばこを吸える客から文句が出ちゃうんじゃないかとか、もうあの手この手で反対してくる。そうすると、禁煙じゃなくて分煙認めてくれとか、あるいは法律で強制力持たせるんじゃなくて努力義務にしてくれとか、もうごちゃごちゃになってくるんですね。ですから、これ大変難しいです、やり遂げるのは。 是非とも、総理、内閣官房に検討チームつくったわけですから、各省庁の壁を乗り越えて、利益団体の壁を乗り越えて、必ずラグビーのワールドカップ、オリンピックまでに国際基準の受動喫煙防止法を作るという方針を、総理が旗を振って打ち出していかないとこれできないと思うんですが、総理の決意をお聞かせください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックや二〇一九年のラグビーワールドカップを視野に、受動喫煙防止対策の強化について検討を進めていきたい、こう考えておりまして、強化策については立法措置も含めて検討を進めていきたいと思います。
○松沢成文君 是非とも気合を入れてよろしくお願いします。 次に、オリンピックの会場問題についてお伺いします。 総理、ちょっとこれクイズみたくなっちゃいますが、総理は、オリンピック競技の屋外競技種目の中で、一試合の競技時間で最も長い時間を費やす競技というのは何だと思いますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) マラソンかなとも思ったんですが、ゴルフではないかというふうに思います。
○松沢成文君 そうなんです。総理も大好きなゴルフなんです。私もゴルフ大好きですけれども。 さあ、ちょっとこの今度表を御覧になってください。この表に若洲ゴルフリンクスと霞ケ関カンツリー倶楽部というのが出てきます。実はこの東京五輪のゴルフ競技は、二〇一六年五輪の立候補ファイルでは東京湾に浮かぶ都所有のパブリックコースの若洲ゴルフリンクスでやると決まっていたんですね。二〇二〇年の今度ファイルでも最初は若洲でやるというふうに決まっていたんです。ところが、それが突然、これは二〇一二年の話なんですが、突然霞ケ関カンツリー倶楽部に変更されたんですね。 まず、丸川オリパラ担当大臣、急に変更された、これは、いつ、どこで、誰が、どうして変更を決定したんでしょうか。
○国務大臣(丸川珠代君) まず、二〇一六年の立候補ファイルに関しては、御指摘のとおり、提出時においてゴルフの記載はございません。というのは、ゴルフ競技の追加が決まったのがその年の秋の、しかもリオに開催地が決定したその後だったので、ゴルフについては記載がなかったというわけでございます。 二〇二〇年招致に関する申請ファイル、これ二〇一二年の二月に提出されたものですが、これにおいてはゴルフ会場は若洲ゴルフリンクスとされております。一方、二〇一三年一月に提出された立候補ファイルにおいては霞ケ関カンツリー倶楽部になっております。 オリンピックでのゴルフ競技会場は、国際ゴルフ連盟のゴルフ競技に関するデザイン基準において、競技エリアのほか、一日当たり二万五千人の観客を収容するスペース、放送施設の設置エリアなど大会の運営に係るスペースおよそ七千平方メートル、また駐車スペースおよそ一万平方メートルなど、相当の面積が必要であると規定をされておりまして、このIGFの基準に照らして具体的に選考基準を決定した上で候補地の選定を行ったものと聞いております。 なお、若洲ゴルフリンクスは、この会場選考基準のうち、大会開催の実績や観客を収容するスペース、また大会を運営するために必要なスペースが不足をしているため、オリンピック会場としての要件を満たしていないとスポーツ庁から聞いております。
○松沢成文君 これIGFだっけ、フェデレーションですから、この会議で、今言っていた条件というのは、これそこで勝手に作っちゃったんです。実は、IOCというその上部の国際オリンピック委員会で設けているルールじゃないんですね。この招致委員会の会合で、ある日突然、若洲をやめて霞ケ関に持っていくために自分たちで条件付けてやられちゃっているわけです。 さあ、そこで、この招致委員会の会合の議事録、これ大臣、提出できますか。誰が出ていて、どういう議論があったか、議事録、これは極めて不透明でブラックボックスです。
○国務大臣(丸川珠代君) 大変恐縮ですが、競技連盟における会議録ということになりますでしょうか。(発言する者あり)あっ、招致委員会。 大変恐縮ですが、組織委員会に対しては、今存在しておりますので我々資料要求ができるんですけれども、招致委員会は今存在していない組織ですので、我々の権限として、協力を求めるということは考えられなくはないかもしれませんが、少なくとも権限として資料の要求はできないという状況になっております。
○松沢成文君 委員長、招致委員会の資料は組織委員会に引き継がれていますから、予算委員会の権限で組織委員会の、この会合の議事録を資料要求してほしいんですが、委員長、よろしくお願いします。
○委員長(山本一太君) ただいまの松沢成文君要求の件については、後刻理事会で協議することといたします。
○松沢成文君 それでは、この表をちょっと皆さん見てください。 これ、二つのゴルフコースを比較したんですね。 まず、レガシーとなるか。霞ケ関は会員制のクラブですから、その後、国民が使えません。レガシーになりません。若洲はパブリックで誰でも使えます。まず、会場へのアクセス。もう四十五キロ、遠い。若洲はすぐそばです、東京湾ですから、もう行きやすい。宿泊施設も埼玉県にはありません。若洲は都心ですから幾らでもある。最大の問題は気象条件です。埼玉県って日本で一番暑い場所。一番日本で暑い季節に大体三十五度からフェアウエーは四十度になる。これは熱中症続発だと医師も言っています。若洲の方は五度ぐらい、それよりも四、五度低いんですね。海風が吹きます。気象条件も圧倒的に若洲が向いている。ゴルフ場設定も、先ほど大臣言いましたが、確かに霞ケ関は広いですからその分有利ですが、若洲も十分対応できます。 もう一つの問題は開催経費です。霞ケ関でやるとしたら、警備費、選手やメディアの輸送費、それから施設利用費など巨額な、恐らく百億単位必要になってくるんです。若洲の場合は都所有のパブリックコースです。警備も楽です。全く安く抑えられます。 最後に、アスリートファーストを考えても、酷暑で遠隔地で宿泊施設ない、これ、アスリートファーストじゃないですよね。誰が見ても、客観的に見ても、これは霞ケ関では無理だろうと。条件がいいのは、パブリックコースである、選手村からも六キロの距離にある若洲の方がよっぽどいいだろうということになると思うんですが、総理、総理はゴルフよく御存じですよね。是非とも総理、この感想を聞かせてください。どちらのゴルフコースが向いていますか、オリンピックに。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ゴルフコースとしてどっちがいいかというのはまた別の議論があるんだろうと思います。一般的に、言わばゴルフをやる人々からすれば、確かに若洲は東京にあるということで若洲という恐らくことだったのかなというふうに思いますが、霞ケ関の場合は、非常に、言わばメンバーシップということだから後どうなのということはあるんでしょうけれども、プレステージとしては非常に高かったのは事実なんだろうと、チャンピオンコースとして。 しかし、今この比較表を出されて、ただ、私もにわかにそれを私がここで総理大臣として判断するというわけにはいきませんので、判断については組織委員会の権限と責任で行われるものと承知をしております。 東京大会のゴルフ競技場、競技会場については、組織委員会が、コースの良しあしなど競技性の観点のほか、競技者や観客への配慮、アクセスや宿泊などを含む大会運営及びコスト等の観点を踏まえ、総合的、多角的な考慮の下、国内競技団体と協議した結果、霞ケ関カンツリー倶楽部として決定し、国際オリンピック委員会の了承を得たものであると承知をしております。 私としても、このような組織委員会の決定を尊重してまいりたいと思っております。
○松沢成文君 オリパラの担当大臣、担当大臣はこの表を見てどう思いますか。これは私の主観じゃなくて、ゴルフ改革会議というゴルフの専門家も入った中でみんなで投票して決めたような評価なんですね。圧倒的にどの条件見ても、若洲は丸か三角、もう霞ケ関はバツ、バツ、バツ、バツですよ。 大臣、ゴルフやるかどうか分かりませんが、これ客観的に見て、大臣はどちらがふさわしいと思いますか。
○国務大臣(丸川珠代君) 恐らく私の立場でどちらがいいということは言えないということを前提の上で御質問なさっているんだと思いますけれども。 いずれにしても、国際ゴルフ連盟ですかね、が勝手に決めたというのは、これちょっと……(発言する者あり)あっ、そうですか、それならよかった。今ちょっと国際ゴルフ連盟が勝手に決めたというふうに聞こえたものですから。 必ずIOCはそれぞれの国際競技連盟に諮って、そこがいいと言った上で初めてIOCとして承認をするという手続を踏んでおりますので、少なくとも国際ゴルフ連盟が決めた条件に当てはまらなかったので若洲ゴルフリンクスを選べなかったという経緯があったということは御理解をいただければと思います。 いずれにしても、国会の場でこのような問題提起がなされたということについては、何らかの形で調整会議でお知らせするような機会があればとも思っております。
○松沢成文君 大臣、新国立競技場の問題、思い出してください。もうザハ案でどんどんどんどん動いていたんです。森組織委員会会長も、もうこれでやるしかないと、二千五百億ぐらいなぜ国は出せないんだまで言っていたわけですね。ところが、もう国民からバッシングですよ。何だ、この案はと。それで世論が騒いで、もう総理も、これはやり直しするしかない。 要するに、大臣、過ちは改むるにはばかることなかれなんです。間違いだと分かったら、もうここまで決まっちゃっているけれども、もう一回きちっと見直していこうという精神がなければ、オリンピック、成功できません。小池都知事はそれやっているじゃないですか。大変ですよ、今から。でも、このままやったら大変な税金の無駄遣いになってしまう、これはできないと思って改革、待ったを掛けているんですよ。 このゴルフ場の問題は、単に、今東京都で問題になっている三つの競技会場、あれはコストの問題です。建設費が掛かるとかお金が掛かり過ぎる。ただ、このゴルフ場の問題はコストの問題だけじゃないんです。東京オリンピックを開催する理念に全部が逆行しているんです。まず、レガシーにならないんです。プライベートコースじゃ一般の人、その後できないんですから。だからブラジルだって、プライベートコースで最初決めていたのをパブリックコースに造り直してゴルフやっているんですよ。それから、アクセスの問題です。遠過ぎる、暑過ぎる。これ、アスリートファーストにならないんです。アスリート、一番苦労するんです。
○委員長(山本一太君) 松沢君、時間が来ておりますので、短くまとめてください。
○松沢成文君 はい。 さらに、この開催経費だって、霞ケ関でやればもう警備費、輸送費、施設利用費、百億単位ですよ。これ絶対に判断間違っていますから。 大臣、お願いです。是非とも森組織委員会会長と東京都知事、小池知事とこの再検討を議論してみてください。実はもうお二人ともこの問題に気付き始めています。ですから、大臣がちゅうちょしてこの提起を逃げていると、改革は向こうから進んじゃいますよ。 是非ともそのことをお願いしますので、お二人にきちっと再検討の申込みをしてください。いかがでしょうか。
○委員長(山本一太君) 時間がありませんから、ここで質疑は終了させていただきたいと思います。
○松沢成文君 はい。どうもありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上で松沢成文君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(山本一太君) 次に、中山恭子君の質疑を行います。中山恭子君。
○中山恭子君 日本のこころ、中山恭子でございます。 これまでの質疑と少し肌合いが違うかもしれませんが、まず、中央アジアの国ウズベキスタン共和国に関する事柄から安倍総理にお伺いいたします。 総理は、昨年十月、中央アジアを歴訪され、十月二十五日、ウズベキスタンの首都タシケントを訪問されました。日本からも多くの企業関係者が同行し、安倍総理及びカリモフ大統領が同席されたビジネスフォーラムが開催され、両国の経済関係が新しい段階に進んだと考えられています。また、夜の総理歓迎晩さん会では、総理とカリモフ大統領が、周りにまるで誰もいないかのようにお二人だけで夢中で真剣に話し合われていた様子が印象深く思い出されます。 カリモフ大統領は去る九月二日御逝去されましたが、ウズベキスタンを始めとする中央アジア諸国とは今後もより積極的に友好関係を構築すべきと考えますが、総理の御見解をお伺いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年十月に、中山委員にも御同行をいただきましたが、ウズベキスタンを訪問したわけでございまして、亡くなったカリモフ大統領からはすばらしい歓待を受けました。特に、ソビエトによって抑留されていた日本人によって建設されたナボイ劇場に御案内をいただきまして、日本人の誠実さと勤勉さの象徴として今も現地に大切にされていることに大変感銘を受けたところでございます。 また、晩さん会においてカリモフ大統領から、出席された中山委員が大使時代の両国の友好に対する御貢献についても言及があり、改めて中山委員の多大な貢献にも敬意を表したいと思いますが。 中央アジアはアジアの中心に位置をし、東西を結ぶ結節点であります。地政学的に重要な地域でありますし、特に、ウズベキスタンは地域の連結性やテロとの闘いにおいても鍵となる国であります。現在、国内情勢、周辺諸国との関係ともおおむね状況は落ち着いていますが、引き続き大きな関心を持って注視していきたいと思います。 また、中央アジアの訪問の後、政府としては、本年八月に中山委員にもメンバーとして参加していただいた中央アジア文化ミッションを派遣するなどフォローアップに努めてきておりまして、近日中に野上副長官の下で関係省庁を集めた四度目の会合を行う予定でございます。 今後とも、中央アジア各国との友好協力関係の拡大に努め、中央アジアプラス日本の対話の枠組みを通じて中央アジアの安定と発展に貢献をしていく考えでございます。
○中山恭子君 今お話がありましたように、今年八月初旬に国際交流基金が主催する文化ミッションが派遣されました。 私も参加いたしましたが、昭恵夫人が御多忙の中御参加くださいまして、一日だけでしたけれども、日本人墓地にもお参りいただきました。このときはカリモフ大統領夫人が日本人墓地までいらしてくださっています。また、今お話の出ました日本人抑留者、今朝も委員の中でお話がありましたが、シベリアに抑留された日本の人々が、若者たちが造ったナボイ劇場で和太鼓の公演がありまして、そこでも昭恵夫人が大統領夫人と並んで最後まで鑑賞してくださいました。 ウズベキスタンを始め、これらの国々は長い歴史と伝統のある国でございますので、ビジネス関係だけではなくて文化面でも大いに友好関係を進めていく価値があると考えておりますので、今後もどうぞよろしくお願い申し上げます。 さらに、カリモフ大統領につきましては、一九九九年八月、キルギスで日本人鉱山技師四人がアフガニスタンに拠点を置くイスラム原理主義グループに拉致され、一人ずつ撃ち殺すと宣言された事件に関し、大統領としてでき得る全てのことをして四人の無事救出に貢献してくださったということがございまして、この点も決して忘れてはならないと考えております。 また、強く印象に残っておりますことは、国際情報に関することでございます。 カリモフ大統領から、これはもう申し上げていいことと思いますけれども、日本からの経済支援、各種の援助に対して深く感謝している、今、日本に経済的な面でお返しをすることができない、しかし、我々は国際テロについて世界で最も正確な情報を持っている、アメリカでのあのセンタービルについても予見していらっしゃいました、ついては、日本の情報組織と直接接触することができるであろうか、お話がそっとありました。 早速日本政府にこの旨を伝えましたところ、当時は日本では受皿となる情報組織が存在しないとのことで、この話は実現しませんでした。ウズベキスタン大統領に日本には受皿、国際情報組織がないと伝えながら、国際社会の中で日本は独立国家の体を成していない、情けない思い、恥ずかしいとの思いに駆られました。 総理は、去る九月二十九日の本会議で公明党山口代表の質問に対し、要旨ですが、テロの未然防止対策の要諦は情報にあります、官邸直轄の国際テロ情報収集ユニットを新設し、総合的なテロ対策を強力に推し進めておりますとお答えになりました。 この点について、テロ未然防止はもちろん、日本が平和を維持していくためには、世界で最も豊富な、最も正確な情報を日本政府が持ち、適切な分析力を持つことが必須であると考えています。また、諸外国の情報組織との緊密な連携協力も不可欠です。情報組織の充実について総理の御見解を改めてお伺いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま委員に御紹介をいただきましたように、安倍内閣においてカウンターテロリズムユニットを、CTUジャパンというものをつくりまして、海外にも多くの要員を派遣をし、情報の収集に当たっているわけであります。中東地域にも専門家を送りつつ、様々な情報の分析を行っております。 また、我々がこのCTUジャパンをつくったことについても、例えば米国の情報関係者も高く評価をしておりまして、情報の共有を行いながら協力して様々な分析を行い、そしてまた対応もしているところでございます。 今後とも、こうした機関をしっかりと活用しながら、テロを未然に防ぐべく努力を重ねていきたいと思っております。
○中山恭子君 二〇〇一年のあのニューヨークのセンタービルのテロの後、アメリカから主要な政府の方々がウズベキスタンを訪れてカリモフ大統領と接触しておりました。そういった意味でも、中央アジア、特に隣国アフガニスタン情勢については、言葉もある程度通じるということもありまして、非常に重要な情報を持っておりますので、是非そういった意味でも、今後、安倍総理の下で情報組織を確実なものとしていただきたいと心からお願いするところでございます。 拉致問題について伺います。 この拉致はまさにテロであります。現にテロが永続している状況です。長い年月、多くの日本人が監禁されているのに日本が救出できていないという事案でございます。他の国では一人でも拉致されたら国全体が動くというのが今の国際社会でございますが、日本はこの拉致された人々をこれまでそのままに放置してきてしまいました。 めぐみさんが拉致されたのが一九七七年十一月十五日、もうすぐ三十九年たちます。親や兄弟との連絡も取れない、全ての自由を奪われた状態に置かれています。めぐみさんが君が代を歌っていたということも伝えられております。被害者の救出は安倍総理しかできない、家族の方々も総理だけを頼りにしています。救出について総理の御決意をお伺いいたします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 小泉総理とともに訪朝いたしましたのが二〇〇二年であったわけでございますが、もう既に十四年が経過して、なお残念ながら多くの方々が北朝鮮に残されたままであるということは本当に痛恨の極みでございます。 拉致問題の解決は安倍政権の最重要課題の一つでございまして、全ての拉致被害者の救出に向けて全力を尽くしていきたい、拉致被害者の皆さんが御両親や御親族と抱き合う日が来るまで私の使命は終わらないとの決意で取り組んでまいります。
○中山恭子君 この拉致救出に当たりまして、平壌宣言について確認しておきたいと思っています。 平壌宣言、改めて見ますと、当時から問題視されていたところでございますが、また総理はよく御承知のことではございますが、平壌宣言には拉致という単語はありません。懸案事項に拉致問題が含まれていると説明されています。平壌宣言の三に、日本国民の生命と安全に関わる懸案事項については、北朝鮮は、日朝が不正常な関係にある中で生じたこのような遺憾な問題が今後再び生じることのないよう適切な措置をとることを確認したとあるわけでございまして、北朝鮮が過去に行った、この平壌宣言二〇〇二年、過去に行った日本人拉致については、金正日総書記が拉致を認めて謝罪すれば不問に付すとの考えに立っています。 平壌宣言は、元々拉致被害者を帰国させるとの前提には立っておりません。帰国した五人も、当然北朝鮮に戻すとの考えでございました。ストックホルム合意も、したがって、日本人が見付かっても北朝鮮側としては帰国させませんということをうたっているのがストックホルム合意でございます。平壌宣言にのっとっていてはいつまでたっても拉致被害者を救出できないということを明確に認識しておくことが肝腎であると考えます。 平壌宣言の二〇〇二年当時、この国会の中でも公の場で、たった十人のために日朝国交正常化が遅れてはならない、日朝国交正常化のためには被害者が犠牲になっても致し方ないというのが通説でございました。あのとき安倍官房副長官がいらっしゃらなかったら、そのままきっとその考えが続いていたことであろうと考えています。 日朝国交正常化の前に拉致被害者の帰国に向けて、また、核、ミサイルの問題解決の前に拉致被害者帰国に向けて、被害者救出に的を絞って対応していただきたいと心から願うものでございます。総理のお考えをお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 核、ミサイルについては、これは国際社会の全体の問題として共有されているわけでございまして、日本以外にも率先して行動する国があるわけでありますが、他方、拉致問題については、日本以外の国でも拉致をされた国々が存在するわけでありますが、しかし、現在においては、これはまさに日本の問題であり、日本自身が声を上げ率先して動かなければその解決はおぼつかないのは事実、厳然たる事実であります。 この拉致問題は安倍政権の最重要課題でありまして、第二次安倍政権の発足に伴い、拉致担当の国務大臣を指名するとともに、私を本部長として全ての大臣を構成員とする拉致問題対策本部を新たに立ち上げまして、オールジャパンの体制で取り組んでいるところであります。 そして、もちろん、日朝平壌宣言にのっとって、日朝の平壌宣言にのっとって日朝関係を正常化するというふうにありますが、拉致問題が解決をされなければ日朝の国交を正常化するということはもちろんないということははっきりと申し上げておきたいと思います。
○中山恭子君 国交正常化が開かれるためには拉致被害者が帰国するということが前提であるというお話をしていただきました。大変心強いことでございます。 難しい問題かもしれません。でも、また、今が最後のチャンスかもしれませんので、総理の下、救出ユニットを設けて、死亡という証拠が出ない限りは生存という立場を貫いて救出に当たっていただきたいと思っております。 あと一分ございます。 災害対策について簡単に伺いたいと思っています。 災害対策、近年の災害発生状況、大規模化している、又は災害の備えがないところに甚大な被害が起きていることについて、私自身は、予備費を大幅に増加しておく必要があるのではないだろうか、又は、例えば一定額、十兆円程度の災害対策基金を積んでおくことも検討していいのではないかと考えますが、復興大臣、どちらでしょうか、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) これは中山先生よく御存じのとおりなんで、災害復旧については今回の補正予算の中におきましても二千九百七十九億円を追加をさせていただいておりますので、熊本地震とか先般の東北、北海道の台風等々につきましてもしっかりと対応させていただいております。 このほか、二十八年度当初予算におきまして、御存じのように予備費を三千五百億積んでおりますので、大規模な災害の対応に当たりましても、過去の災害時における予備費の使用例を見ましても、一番多くて千百八十二億円が一番最近では大きかったものでありますので、そういった意味では問題のない水準にあると考えております。 仮に大規模な災害が発生をしたといたしましても、予備費での対応が困難であるなどの事情が仮に生じましたといった場合には、例えば熊本地震に対応するために第一次補正予算を速やかに編成させていただきましたように、補正予算による対応を検討すべきものだと思っておりますので、災害対策基金につきましては、補正予算の編成と比較して機動的な対応が可能になるということは確かです。 しかし、補正予算の成立までの予備費での対応も同時に可能であろうと思っておりますので、財政状況の厳しい中でありますので、巨額の、十兆円というお話がございましたけど、巨額の災害対策基金というのを計上するというのは、これは財政資金の効率的な運用という点からいたしますと少々問題ではなかろうかというのが今伺った範囲での反応、反論であります。
○中山恭子君 ありがとうございます。 基金をどこに積むかもやり方があろうかと思っております。 時間が来ておりますが、このインフラの整備、災害が起きてからでは間に合わないということが多うございますので、復興というだけではなくて、事前に安全な国をつくるというところに力を入れていただけたらと思っております。 ありがとうございました。
○委員長(山本一太君) 以上で中山恭子君の質疑は終了いたしました。(拍手) 次回は来る十一日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十二分散会