文教科学委員会 第2号
- 発言数
- 195 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2016/10/20
会議録
○委員長(赤池誠章君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、朝日健太郎君が委員を辞任され、その補欠として衛藤晟一君が選任されました。 ─────────────
○委員長(赤池誠章君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局総括調整統括官芦立訓君外十名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(赤池誠章君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(赤池誠章君) 教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○堂故茂君 おはようございます。自民党の堂故です。どうぞよろしくお願いします。 松野大臣、それから水落副大臣、樋口、田野瀬両政務官には、御就任おめでとうございます。また、義家副大臣には、留年というか御留任というか、お祝いしたいと思います。 先日、大臣の所信を聞かせていただきました。大臣の座右の銘が素直ということを知りました。松野大臣の物事に真っすぐ向き合う誠実さを感じる所信だったと思います。所信で述べられましたように、現場を重視した施策を着実に進めていただき、根っこのある人づくりに取り組まれることを期待いたしております。 教育再生実行会議、私も何回か出席させていただきましたが、様々な解決すべき課題を見付けて議論し、また、実際に解決策を講じてきておりますが、今度新たに松野大臣の肝煎りで、学校、家庭、地域の役割分担による教育力の充実や、子供たちの自己肯定感が低い現状を改善するために、プラス思考に改善するために、そのための環境づくりについて議論を開始されるとお聞きしています。 この新たなテーマに対する思いとともに、教育再生に懸ける大臣の思いをまずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) 先生方、おはようございます。 堂故先生におかれましては、前文部科学大臣政務官として大変な御尽力をいただきまして、すばらしい成果をお残しをいただきました。引き続きどうぞよろしくお願いをいたします。 御質問にお答えをさせていただきます。 今般、教育再生実行会議においては、これまでの提言等を踏まえ、教育を再生していく上で根本的な課題に取り組むべきとの考えから、二つのテーマについて議論をいただくこととしております。 具体的には、第一に、学校、家庭、地域の役割分担と教育力の充実についてです。 今日の教育現場に目を向けますと、学校教育の土台となる家庭や地域の教育力の低下が指摘される中、学校での教育活動は教師の皆さんの長時間労働に支えられている状況があります。こうした状況を変えるためにも、保護者と学校との意識のずれといった問題を踏まえつつ、家庭や地域の教育力の向上や教師の皆さんの働き方、業務の在り方等について御議論をいただきたいと考えております。 第二に、日本の子供たちの自己肯定感が低い現状を改善するための環境づくりについてです。 文部科学省では、これまでグローバル人材の育成などに取り組んできましたが、一方で、日本の子供たちの自己肯定感が諸外国に比べて低いとの指摘があります。このように子供の自己肯定感が低く、自分に対して自信がないままでは、グローバル対応や主体的な学びといっても、その実現は簡単ではありません。このため、日本の子供たちの自己肯定感を高め、自信を持って成長し、より良い社会の担い手となるためにはどうすればよいのかという点について、今後様々な調査分析等を進めつつ、客観的、多角的に御議論いただくこととしております。 教育再生は安倍内閣の最重要課題の一つです。私は、我が国の将来を担う子供たちが自他のかけがえのない価値を認識しながら、協働し、様々な分野に積極的に挑戦し、自分の可能性を高めることが教育再生を実現する上で大変重要であると考えております。 今後とも、教育再生実行会議の有識者の皆さんの御意見、御知見をいただきながら、教育再生に向け、日本の教育現場を取り巻く根本的な課題への対応に全力で取り組んでまいります。
○堂故茂君 文部科学の政務官を務めさせていただきました。十か月という短い期間でしたが、文科省からやや詰め込み教育をしていただいた感もあります。資源のない日本がここまでこういう国をつくってこれたのはやっぱり教育の力だと思いますし、越えなければいけない壁にぶち当たっているとしたら、やっぱり教育の再生こそが遠回りに見えて最も近道だなと、そんなふうに考えるようになりました。貴重な体験をさせていただいたことに心からお礼を申し上げたいと思います。大臣に頑張っていただきたいと思います。 日本が豊かな社会を築いてきているわけですが、これを維持発展していくためには、各分野において飛び抜けたリーダー、言わばポイントゲッターの存在が重要であると思います。日本人の特性であり得意分野というのは、やっぱりたくみの技の分野であり、また学術研究、基礎研究の分野ではないかな、その分野で日本を豊かにし、また世界に貢献していくということが大事なんではないかと思います。 今年ノーベル賞を取られた大隅教授のお話をお聞きしますと、新しい未知の課題に挑戦することに日本の学界の中でためらう雰囲気があるともおっしゃっておられます。また、昨年ノーベル賞を受賞されました梶田教授ですね、科研費が頭打ちになっている、それから論文数もちょっと諸外国に追い抜かれる傾向にある、そういう中で、このままいくと近い将来日本からノーベル賞を受賞させることができないのではないかと、そういう強い危機感をお話しされておりました。 すぐには成果が出ないかもしれないが、本当に優秀な人材が研究に没頭できる環境を確保することが国にとって大事な仕事なんではないかと思うわけであります。我が国の知の基盤である学術研究、基礎研究の推進に向けた大臣の御決意をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) 先般の大隅先生のノーベル賞の御受賞は、三年連続で日本人としての御受賞であり、日本の科学技術基礎研究のレベルの高さを世界に示すもので、大変誇りとするところであります。 学術研究、基礎研究は、イノベーションの源泉となるシーズを生み出すとともに、社会の発展に寄与するものと認識をしております。 このため、文部科学省では、独創的で質の高い多様な学術研究への継続的な支援、世界最高水準の成果を生み出すための戦略的な基礎研究の推進、国際競争が激化する中で我が国の研究水準を発展させていくための世界最高水準の研究拠点の構築等に積極的に取り組んでいます。 特に、学術研究を幅広く支える科学研究費助成事業については、学術に変革をもたらす大胆な挑戦を促すため、一層長期かつ大規模な支援を可能とする改革の推進、応募件数の増大に対応した助成水準の確保、充実に取り組むこととしております。 今後とも、こうした施策を通じて、若手を始め研究者が研究に専念できる環境の整備を含め、学術研究、基礎研究の更なる強化に向け積極的に取り組んでまいります。
○堂故茂君 大臣のお気持ちが分かりました。 今お話しされた飛び抜けて優秀な人材の育成、存在というのは大事なんですけれども、これら新しい知識を組み合わせたり応用したりして社会に適用していくという仕事、また人材づくりも大切だと思うんですね。実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化、あるいは高大接続をうまく進めて能力を引き上げる、そんな仕事にも同時に取り組んでいただきたいなと、大臣の下でしっかりと進めていただきたいなと思います。 また、優秀な人材育成とともに、義務教育段階において様々な課題が山積しています。障害のある方あるいは外国人子弟、子供の貧困、いじめ、不登校など、学校が対応しなければいけない課題が山積しております。 そこで、学校と地域の連携、協働、チーム学校、教員の資質能力の向上、これら三位一体を向上させて問題解決していかなきゃいけないと思うわけです。それらを強力に推進するため、「次世代の学校・地域」創生プランが策定されています。その中でも、特に今言った課題の中でも、教員の資質の向上、教員のことが一番大事だと思うんですね。 そこで、教員の資質の向上と教職員定数の充実について今大きな課題となっていますが、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) 文部科学省では、学校と地域の相互の関わり合い、学校を核とした地域社会が活性化するような次世代の学校、地域の創生を目指し、本年一月に「次世代の学校・地域」創生プランを策定いたしました。この目的は、一つ目が地域と学校の連携、協働に向けた改革、二つ目が学校の組織運営改革、三つ目が教員制度の一体的改革、これらを一体的に推進していくこととしております。 本プランに基づき、教員の資質能力の向上について、教育公務員特例法等の一部を改正する法律案を今国会に提出をしており、議員の先生方の御理解を得てこれを成立させることにより、国、地方、学校現場がそれぞれの役割をしっかりと果たしながら体系的、効率的な研修システムを構築することで質の高い教員の確保、資質の向上を図りたいと考えおります。 また、学校運営改革、学校の組織運営改革に必要な指導体制の整備については、堂故先生にも政務官として議論に参加をいただきました次世代の学校指導体制強化のためのタスクフォースにおいて検討を行った結果を踏まえ、小学校専科指導やアクティブラーニングの視点からの授業改善、発達障害等の児童への通級による指導や外国人児童生徒等教育の充実、指導教員や学校事務職員の配置充実などチーム学校の実現に向けた基盤整備、これらに向けまして教職員定数の改善を要求をしており、学校指導体制の充実に向け全力を尽くしたいと考えております。
○堂故茂君 一方では、別の面から見ると、教員の働きぶりを見ると、以前に比べて残業時間が五倍に増大しているとか、国際比較では、中学校の教員、部活動やその指導への時間割かなきゃいけないということで、調査参加国の中で勤務時間が最長となっているわけで、できるだけ早くこれは改善しなきゃいけないということで、文科省の中でタスクフォースが設置され、座長をやれということで改善策を検討してきました。取りまとめました。早急に改革工程に掛からなきゃいけないというところですが、その直前で首になってしまいました。 政府全体としても働き方改革が目玉となっているわけですが、学校現場における業務改善は本当に喫緊の課題ではないかなと思います。やれるところからスピード感を持ってやっていただきたいなと思うんですが、お考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) 先生御指摘のとおり、複雑化、困難化する学校現場の諸課題に対応して、教員が子供と向き合う時間をしっかりと確保していかなければなりません。学校指導体制の整備と併せて学校現場の業務の適正化を図ることが重要だと考えております。 このため、今先生からお話がありましたけれども、堂故前大臣政務官を座長とするタスクフォースにおきまして学校現場における業務の適正化に向けた報告を取りまとめ、各教育委員会に周知を図ったところであります。本報告では、具体的な改善策として、教職員の業務の見直しや統合型校務支援システムの整備など教員が担うべき業務に専念できる環境の整備、休養日の設定の徹底など部活動の適正化、勤務時間管理の適正化や教職員の意識改革の推進等を示しており、平成二十九年度概算要求に所要の経費を計上したところであります。また、教育再生実行会議においても、教師の働き方や業務の在り方も含め、学校、家庭、地域の役割分担と教育力の充実について新たなテーマとして取り上げ、精力的に御審議をいただく予定となっております。 文部科学省としては、これらを踏まえつつ、学校現場における業務の適正化を着実に推進してまいります。
○堂故茂君 子供たちのためにも是非改善をしていただきたいと思います。 次に、ICT教育について伺いたいと思います。 人工知能を始めとする科学技術の飛躍的な進化により、社会のありようは日々大きく変化しております。ある研究では、子供たちの六五%は、将来、今は存在していない職業に就くとの予測があり、来るべき新たな時代に向けて、子供たちは答えのない社会に自ら答えを作り出す能力が求められることになります。 つくば市、かなりICT教育、先進的に取り組んでおられます。視察もさせていただきました。小学校の一年生から盛んにこのICT教育を取り入れて盛んに頑張っておられました。その中で創造性豊かな授業が展開されておりまして、先生も教壇にいながら先生のパソコンで生徒の一人一人の状況を把握する、そしてすぐに対応するということで、驚いたことに、そんなうまくコミュニケーションが取れるということで、全生徒約千六百人いらっしゃるんですが、不登校が一人もいないという現実を見まして、これが新しい時代の教育の形の一つなのかなと感銘も受けました。 しかし、学校のICT教育の整備に関しては地方交付税で措置されているということでありまして、ある意味では首長の考え方によってかなりICT教育、ICT環境に差があるというのが現実であります。したがいまして、このICT教育というのは今申し上げたように大変教育効果が上がるということと、校務改善、先生方の多忙化の解消にもつながるということで是非進めていただきたい。このまま放置していたら子供たちの教育間格差が広がり、あるいは地域間格差が広がり、社会問題になっていくのではないかと、そんな心配さえするわけであります。 是非、大臣のリーダーシップで、従来の地方交付税措置以上に踏み込んだ支援も視野に入れていただきたいなと思うわけでありますが、意気込みを伺いたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) 文部科学省において、二〇二〇年代に向けた教育の情報化に関する懇談会、ここにおきましてICT教育の充実に向けて御議論をいただき、それを踏まえ、本年七月二十九日に教育の情報化加速化プランを策定をいたしました。このプラン策定におきましては堂故先生にも大変な御尽力をいただいたわけでありますけれども、地方自治体の学校ICT環境整備を促進をするため、安心、安全な学校ICT環境整備に向けた教育版情報セキュリティポリシーガイドラインの策定、地方公共団体における計画的なICT環境整備の支援に向けた教育ICT教材整備指針の策定、教職員の負担軽減及び教育の質の向上に向けた校務支援システムの普及推進など、取組が同プランに盛り込まれており、必要な予算を要求をしているところであります。 文部科学省といたしましては、引き続き同プランの実現に精力的に取り組み、地方自治体における学校のICT環境整備支援を加速化してまいりたいと考えております。
○堂故茂君 文科の仕事に取り組ませていただいて、このICT教育を充実させるということが日本の社会をもっともっと前へ進める一番大事な視点の一つではないかなと強く思った次第です。 時間が来ました。オリンピックを機に、スポーツ、文化GDPを増やして日本を元気にしていかなきゃいけないという質問しようと思ったんですが、できませんでした。答弁作っていただいて申し訳ありませんでした。ありがとうございます。
○三浦信祐君 おはようございます。神奈川県選出の公明党の三浦信祐でございます。今回初めて質問に立たせていただきます。松野大臣の所信的挨拶に対して御質問させていただきます。 まず、無利子及び給付型奨学金制度についてですけれども、多くの国民の皆様が期待をしていると思います。安倍総理の強い御決断の下、文部科学省が中心となって奨学金の制度設計を行っていくことになり、松野大臣も、給付型奨学金の実現へ向け、具体的な制度設計を早急に進めると述べられました。政権与党として確実に実行できるように取り組んでいかなければならないと思っています。 今回の奨学金制度の政策目標は、低所得者世帯へのケアだと思います。希望を行き渡らせていくためにも、ニーズに合った実効性ある制度となっていく必要があると思います。 そこで、無利子及び給付型奨学金制度設計において、基本的な考え方、対象となる範囲及び進捗についてどのような状況にあるか、松野大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(松野博一君) 御質問をいただきました給付型奨学金については、省内に義家副大臣をトップとする有識者も参画する検討チームを設置をし、八月末にこれまでの議論の整理を公表したところであります。 本整理においては、経済的理由により進学を断念せざるを得ない者の進学を後押しする観点や、進学に向けた学生等の努力を促すといった観点等の検討を進めるべきとの方向性が示されております。 今後、関係者の意見を聞きながら更に検討を進め、家庭の経済事情によって進学を断念している者の進学を後押しできるよう、平成二十九年度予算編成過程の中で制度を具体化すべく議論を進めていきたいと考えております。
○三浦信祐君 ありがとうございます。具体的な検討を早急にしなければいけないと思いますので、この後、それについて少し御質問させていただきたいと思います。 さて、大学入学試験合格後、すぐに入学金を払う必要があります。国立大学法人に入学をしようとした場合には、入学金は二十八万二千円、これを支払えないために進学を断念してしまうようなことがあってはならないと思います。現状、学生支援機構の奨学金では、入学時特別増額は四月以降の支給であって、進学者は入学金の支払に大変苦労していると思います。 入学金の手当ての現状について、樋口政務官にお伺いいたします。
○大臣政務官(樋口尚也君) 日本学生支援機構の入学時特別増額貸与奨学金は、保護者の所得が低いなどの理由で、入学時にまとまった資金の需要に対して日本政策金融公庫や民間金融機関などからの融資を受けられない学生等に対する支援を充実するものでございます。しかし、日本学生支援機構では、大学等に進学された方を対象に奨学金の貸与を行っており、入学された大学等を通じて奨学金の申込みをしていただくこととしていることから、三浦委員御指摘のとおり、大学等に入学する前に貸与を行うことはできないこととなっております。 一方で、入学前の入学金等の支払に対しては、労働金庫と連携をし、この入学時特別増額貸与奨学金の申込みをした方を対象に、当該奨学金が交付されるまでの間、日本学生支援機構から交付される奨学金の額の範囲内で必要な資金を一括して融資をする、ろうきん入学時必要資金融資により対応しているところでございます。 また、各大学に対しては、平成二十八年度においても、高等教育局長通知により、入学料等の初年度納付金の納付時期を猶予することなど弾力的な取扱いを要請したところでございます。 引き続き、このろうきん入学時必要資金融資の周知や各大学等への要請、また、厚生労働省の事業ですが、生活福祉資金や母子父子寡婦福祉資金などの奨学金以外の支援制度の紹介等を通じて、学生等が安心して進学できる環境整備に努めてまいります。
○三浦信祐君 是非お願いしたいと思います。 その上で、学生さんにしっかり通知をしないと、結局情報が分からないまんまで諦めるというようなことがあってはいけないと思います。是非広報活動も頑張っていただきたいと思います。 さて、給付型奨学金の受給金額はどの程度になるか。これは今一番皆さんが知りたい情報だと思います。実際の給付対象の学生さんとその御家族にとって魅力的かつ現実的な金額でなければ制度倒れとなってしまうと思います。 現在の検討状況について、高等教育局長に具体的に教えていただければと思います。
○政府参考人(常盤豊君) お答えいたします。 給付型奨学金につきましては、先ほど大臣からも申し上げましたが、省内に有識者も参画する検討チームを設置をいたしまして、八月末にこれまでの議論の整理を公表したところでございます。 その中で、支給額についてでございますが、進学を後押しする観点から、他の世帯と比較して相対的に重くのしかかる負担感を解消するようなものとすることが適当であって、学校種別や設置主体、通学形態を踏まえ、必要とされる金額を設定するという方向性を示しつつ、同時に、業務面での実施可能性を含め、引き続き検討を行う必要があるということとされております。 今後、関係者の意見もお聞きしながら更に検討を進めまして、家庭の経済事情によって進学を断念している者の進学を後押しできるよう、平成二十九年度予算編成過程の中で制度の具体化を進めてまいりたいと考えております。
○三浦信祐君 是非、なるべく早めに財源確保をしっかりしていただいて、加えて、明確な金額を提示できることによって実際に学生さんたちが計算ができるような制度にしていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 また、給付型奨学金の受給資格設定に当たって、学生支援機構の無利子奨学金、また九州大学が独自に設定をしているような大学の給付型奨学金、さらには自治体、財団や企業など他の奨学金との併用が可能とした制度設計を今お考えになられるかどうか。私は是非そういうふうに併用が可能にしていただきたいというふうに考えております。 樋口政務官の御意見を伺います。
○大臣政務官(樋口尚也君) ありがとうございます。 三浦委員の御意見と同様に、省内の検討チームの議論の整理の中においても、大学等に進学する際に、給付型の奨学金のみだけでなく、日本学生支援機構が実施する貸与型の奨学金、各大学や地方自治体、民間財団等が行う奨学金等の支援制度を併用することにより、進学及び修学の費用を用意することが必要となることが言及をされております。 給付型の奨学金については平成二十九年度予算編成過程の中で制度を具体化することとなっておりますが、他の奨学金や授業料減免等との併用については、議論の整理で示された方向を踏まえて検討を進めてまいりたいと考えております。
○三浦信祐君 是非お願いしたいと思います。国全体で学生さんの未来をつくっていくという社会をつくりたいと思いますので、ここが入口になると思います。是非よろしくお願いいたします。 さて、在学中、無利子、給付型共に、奨学金受給対象者が、家庭環境の変化が生じて対象外、例えば経済的な好転状況になった、そういうケースも考えられます。一方で、受給対象外だった学生さんが受給対象環境へなってしまうような変化があることも想定がされるべきだと思います。 この場合、変化に対応して受給判断をするか、また、受給対象者をどうやって確認をしていくのか、その判断はどの機関がどのような方法で、かつ、いつ実施をしていくのかなど様々な課題があります。加えて、これらに掛かる事務的経費が増加するようではそもそも本末転倒だと思います。 この認識と取組について、高等教育局長、いかがでしょうか。
○政府参考人(常盤豊君) お答え申し上げます。 現在、給付型奨学金の検討を進めているわけでございますけれども、家計基準に基づく給付型奨学金の対象者の選定に当たりましては、今委員御指摘のとおり、例えば大学等への入学後に家計が急変し学業の継続が困難となるケース、あるいは、高校生の時点では低所得であった家計支持者が、子供が大学等への入学後に新たな職に就き所得が上昇するというケース、こういう様々なケースが想定されるということがございます。こうした在学中の家計状況の変化への対応につきましては、今後、制度設計を進める中で検討してまいりたいと考えております。 また、対象者の確認というお話もございましたけれども、マイナンバー制度の導入が予定をされておりますので、奨学金受給者の家計状況については、そういう制度の活用によりまして、これまでより容易に把握できる環境が整備されることが予定されているというふうに認識をしてございます。
○三浦信祐君 是非、セーフティーネット社会をつくるためにも御検討をいただきたいと思います。 また、マイナンバー制度を活用するという部分では、総務省としっかり連携を取っていただいて、ちゃんと手元にその理解ができるような感じで皆さんに広報していただければというふうに思います。 いずれにしましても、教育への投資というのは未来への投資であって、日本の成長戦略を支えることになります。是非、実効性ある奨学金制度となるように、大臣の下で是非制度設計しっかりやっていただきたいというふうに念願をいたします。 また、大臣は、施設整備費補助金、基盤的経費を安定的に確保し、また、研究施設設備の整備等を促進しますと述べていただきました。お手元にあります資料一を御覧いただきたいと思います。これは、大学施設老朽化の現状についてまとめてございます。上の段のグラフは経過年数ごとの施設面積であります。経年二十五年以上で未改修の面積が顕著に増えていっています。また、今後、この五年後、その割合は急増しています。下のグラフは各ライフラインの経過年数を示していますけれども、経年三十年以上の配管類が極めて多いことが分かります。経年三十年以上で事故出現率が急増することもデータが如実に示しています。先日も、ケーブルが三十五年たって整備がされていないということで、停電という具体的な例をインフラの中で経験をいたしました。 そこで、これまでの大学の施設整備費の予算額の推移について施設企画部長に具体的に伺いたいと思います。
○政府参考人(山下治君) お答え申し上げます。 国立大学施設の整備につきましては、これまで四次にわたる国立大学法人等施設整備五か年計画を策定し、計画的、重点的な整備を実施しております。平成十八年から第二次計画以降十年間の施設整備の予算の実績につきましては、当初予算では毎年約四百億円から五百億円を計上し、また、補正予算等におきましては約百億円から一千億円を超えるなど規模は様々でございますが、経済対策等の機会を捉えて計上し、整備を推進してきたところでございます。
○三浦信祐君 補正予算頼みだということがよく分かります。 それでは、予算編成過程について施設企画部長にお聞きさせていただきたいと思います。施設整備の予算成立までのプロセスと、また、本年の各大学からの要求時点と当初予算額時点での件数と金額、これについてはいかがでしょうか。
○政府参考人(山下治君) お答え申し上げます。 平成二十八年度予算では、各大学から千百五十九件、約四千億円の要求がございました。このうち、学識経験者で構成される検討会において必要性、緊急性が高いと評価された事業のうち三百件、六百三十五億円を概算要求し、結果として、平成二十八年度当初予算につきましては百八十七件、四百十八億円となったところでございます。
○三浦信祐君 件数は十分の一、予算も十分の一、そして、それが選択をされているのは緊急性のみであるというのが現状だと思います。要は、ほとんど実現が、実施ができていないというのが分かりました。 それでは、資料の二を御覧いただきたいと思います。これは、私の地元神奈川の横浜国立大学のデータです。 円グラフを見ていただきますけれども、十五年後には約六割の建物が建設から五十年を経過をしてまいります。普通なら、もうリニューアルをする、建て替えを検討しなきゃいけない。一大学でも、教育上、安全上、そして経営上に大きな課題が生じることが容易に想像ができます。一刻も早く施設整備に予算を重点的に配分すべきではないかと私は思います。 その上で、第四次国立大学法人等施設整備五か年計画が本年決定をされております。課題認識と取組について施設企画部長にお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(山下治君) お答えいたします。 施設の老朽化の進行によって生じる課題につきましては、外壁の剥落、天井の落下等安全面の課題とともに、配管類等の腐食に伴う事故発生などにより教育研究活動が停止するなど、機能面の課題がございます。さらには、エネルギーロスや修繕費等の増加など、大学の経営面においても課題があると認識しております。 このことから、今年度を初年度とする第四次国立大学法人等施設整備五か年計画に基づき、老朽化対策を中心に計画的、重点的な整備を推進し、これらの課題解消を図るとともに、教育研究の進展や変化に合わせた環境整備に向けて取り組むこととしてございます。
○三浦信祐君 具体的な例がありまして、適切な投資をすれば改善できる事例というのがあります。横浜国立大学では、中央図書館の省エネ改修を実施をされました。その結果、エネルギー使用量というのは、改修前、前年比で約四五%も低下をしたそうです。そして、それで生み出された運営費交付金の浮き分を、経費を電子ジャーナルの購入費用に充てることができたそうです。 施設整備をすることによって運営費交付金の活用の方法、また基盤的経費が変化して、教育へ直接配分、投資ができるようになります。研究費のみ重点化をしたとしても、その環境づくりを併せて実施をしなければ、結果として研究遂行に影響を及ぼす、場合によっては外国人が来ないというケースも考えられます。今こそ積極的な投資をしていかなければいけないと思います。 大学施設整備への今後の取組に対する決意、行動計画を松野大臣にお伺いさせていただきます。
○国務大臣(松野博一君) 国立大学施設は、我が国の次代を担う人材育成の場であるとともに、地方創生やイノベーション創出の拠点となるなど、一億総活躍社会の実現のためにも重要な施設であります。 これまでの重点的な取組によりまして、建物の耐震化につきましては約九八%まで進捗をしており、おおむね完了している一方、三浦委員から御指摘をいただきましたとおり、昭和四十年代から五十年代にかけて整備された膨大な施設の更新時期が到来をしております。老朽化の進行により、安全面、機能面での課題が生じているという事実もございます。 このことから、文部科学省では、今年度を初年度とする第四次国立大学法人等施設整備五か年計画に基づき、老朽化対策を中心に計画的、重点的な整備を実施しており、先日成立した平成二十八年度第二次補正予算において百八十五億円を確保するとともに、平成二十九年度概算要求においては九百七十億円を要求をしております。予算確保を含め、着実な推進に向けて努力を重ねてまいります。
○三浦信祐君 ありがとうございます。 是非、大臣のリーダーシップの下で実現をすること、そして各大学の経営面でも皆さん期待をしていると思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 大臣は、第四次産業革命等の情勢変化が急速に進む中、ソサエティー五・〇を実現する、その鍵となる人工知能の研究開発を強化すると述べておられました。 大臣に伺います。文科省の人工知能の研究支援について、これまでの取組、また研究継続性確保への予算措置、今後の見通しについていかがでしょうか。答弁をお願いします。
○国務大臣(松野博一君) 理化学研究所において本年四月に革新知能統合研究センターを新設をし、国際学会において中心的な役割を果たしている杉山将東大教授をセンター長に任命をいたしました。AI技術の進展は著しいものでありますけれども、一方、未解決の課題も多いために、当該センターにおいては、次世代に向けた革新的な人工知能の基礎研究と基盤技術の開発に取り組むこととしております。 センターの体制については、現時点で、杉山センター長の下、国際的に活躍をする国内外の研究者二十三名をリーダーとして任命し、その多くが三十代から四十代であります。今後、研究員も含め百人を超える体制を目指してまいります。 また、センターの予算については、文部科学省としてAI研究支援に十年を掛けて取り組むということとしておりまして、平成二十八年度は十四億五千万円を措置するとともに、平成二十九年度概算要求においても五十億円を要求をしているところであります。 引き続き、総務省、経済産業省との密接な連携を始め、国内外の大学、研究機関、企業と連携を通じて成果を発信してまいります。
○三浦信祐君 革新知能総合研究センターができた、一流の研究者が集まって、すばらしいことだと思います。また、若手を登用できるという、その調整に当たられた関係各位に敬意を表したいというふうに思います。 その上で、AIの研究推進に当たって行政の担当者の高度な理解と強力なサポートが不可欠だと思います。文科省でこの分野の人材確保と育成を含めた今後の計画は、研究振興局長、いかがでございましょうか。
○政府参考人(小松弥生君) AI分野の研究開発の立ち上げに当たりまして、昨年度と本年度に技術系の職員を増強いたしまして担当課の体制を強化することにより、理化学研究所や大学等の研究者との連携が図れるようにしているところでございます。また、高度な専門的知見を得るために大学や研究機関の研究者を科学官や学術調査官として委嘱をしておりまして、それらの助言を受けながら事業を推進しております。 今後も人工知能の研究をしっかりと支えていけるように、文部科学省の技術系職員の育成確保を進めてまいりたいと考えております。
○三浦信祐君 ありがとうございます。 研究者にとって一番怖いのは資金が切れること、サポートがなくなることだと思います。と同時に、成長戦略の中心にいるこのAIですから、是非省を挙げて、また人材育成も含めてトータルでバックアップをできるような社会をつくっていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。 さて、近年、障害者が被害を受ける痛ましい事件、事故のニュースが絶えません。共生社会実現のためにも教育の重要性が増していると思います。インクルーシブ教育の本来の目的を達成するためには、一層のこの取組も充実が必要だと思います。それとともに、障害者を理解する教育体制も重要だと思います。 まずは、本年四月の障害者差別解消法施行に伴う教育現場への徹底、教育の状況について、初等中等局長にお伺いいたします。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。 本年四月に施行されました障害者差別解消法の教育現場への周知につきましては、文部科学省といたしましては、第一に所管事業分野における対応指針の策定、第二に教育委員会等の関係機関への通知や各種会議での説明、第三に教育委員会や教職員等を対象とした法律の内容や必要な取組について理解を深めるセミナーの開催、第四に独立行政法人特別支援教育総合研究所における学校現場での合理的配慮の実践事例を集めたデータベースの構築などの取組を実施しているところでございます。 また、障害者差別解消法の趣旨が社会に浸透していくためには、学校における障害者理解のための教育が重要であると考えております。このため、現行学習指導要領におきましては、例えば総則で特別支援学校などとの連携、交流を図ることを示し、また道徳では、誰に対しても公正公平にし、差別や偏見のない社会の実現に努めること、相手のことを理解し、自分と異なる意見も大切にすることなどについて、発達の段階に応じて指導しているところでございます。 また、次の学習指導要領の改訂に関しましては、障害者理解や交流及び共同学習については、学校の教育活動全体での一層の推進を図る方向で検討しているところでございます。 文部科学省といたしましては、こうした取組を通じまして障害者差別解消法の周知徹底及び障害者理解教育について引き続き推進してまいりたいと考えております。
○三浦信祐君 ありがとうございます。様々な検討をされていること、感謝を申し上げます。 先日、公明党のプロジェクトチームの中で、障害者六団体からヒアリングをさせていただきました。その中で特に言われていましたのが、やはり障害者に対する理解を深めてほしい、それを教育現場で必ず実行ができるような体制を取ってほしいということでした。共生社会をつくっていくのは教育だと思います。是非、強力な推進をしていただきたいと思います。 その上で、この障害者差別解消法の教育現場での実効性と成否について発信をして、やりましたというだけではなくて、ちゃんとそれが実効性があったか、調査、検証をしっかりしていただきたいと思います。このことに関して初等中等局長にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。 障害者差別解消法の施行後半年を経過したところでございまして、まずは制度の周知とともに実態を把握していくことが重要であると考えております。文部科学省といたしましては、教育委員会の担当者を集めた会議やセミナーなどの機会を活用して、障害者差別解消法の施行に関する教育委員会の取組の状況や学校現場における合理的配慮の実施事例等について把握をしてまいりたいと考えております。
○三浦信祐君 ありがとうございます。是非お願いしたいと思います。 大臣は、社会に開かれた教育課程の実現に向けて学習指導要領改訂に向けた検討を進めると述べられました。近年、障害者のこの、先ほどのこともありましたけれども、義務教育の段階で、福祉、障害者理解教育に加えて、金銭教育であったり、納税者教育であったり、また、ブラックバイトのような今社会問題がある中で労使に関する教育など、実務の経験ある有識者の力を貸していただき教育に携わっていただくことで、効果的に実生活者として不可欠な知識を付与することができると思います。 今、教員の方、大変忙しい中で、いろいろなことを教員に教えろということよりは、ある力を存分に活用して学生さんに伝えていく、これが国家としての役割だと思います。現時点での実効性ある検討をしているか、松野大臣にお考えと決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) 御指摘のとおり、義務教育段階から、将来、国家、社会の形成者として社会に参画できるよう、消費者や勤労者、納税者といった様々な立場で必要となる知識の習得を図ることが求められております。 学校外の専門家や実務家の協力は極めて重要であると考えます。そのために、これらの教育の充実のために、消費生活センター、社会保険労務士や都道府県労働局、税理士や地方財務局などと学校の連携協力が進みつつあると承知をしております。中央教育審議会においても、次期学習指導要領の改訂に向けて、義務教育から高等学校にかけて、これまで以上に校外の専門家や実務家の活用が重要との審議が行われています。 今後、文部科学省としても、教育委員会と関係団体や関係行政機関との連携を促すなど、校外の専門家等々の活用により教育の充実に努めてまいります。
○三浦信祐君 ありがとうございます。 恐らく、現場の先生方々がしっかり学生さんに向き合える時間を十分に確保して、かつ学生さん方の未来を地域でサポートをしていく、そして本来あるべき共生社会、そして学生さんを育てるという社会のモデルをこれからつくっていく、いよいよ大事な時期に入っていると思います。 未来のためにも、この教育をしっかり基盤を整えていくこと、そして環境も整えていくこと、これが我々の政治家としての責任でありますし、行政としてもしっかりタッグを組んで、現実に前に進んで未来をつくっていくことを絶対やっていかなければならぬと思います。 教育環境を整えることを切に願って、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(赤池誠章君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十時四十九分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(赤池誠章君) ただいまから文教科学委員会を再開いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、蓮舫君が委員を辞任され、その補欠として牧山ひろえ君が選任されました。 ─────────────
○委員長(赤池誠章君) 休憩前に引き続き、教育、文化、スポーツ、学術及び科学技術に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○宮沢由佳君 民進党の宮沢由佳です。 文部科学大臣の所信を受けて質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。 大臣は、所信的挨拶の中で、子供たちの可能性を高めることが大事だとおっしゃいました。また、閣議決定された子供の貧困対策に関する大綱には、「子供たちは国の一番の宝である。」という文言があります。これは大変有り難い言葉です。 そもそも、「子供たちは国の一番の宝」の意味は何でしょうか。
○委員長(赤池誠章君) 誰に質問ですか。
○宮沢由佳君 大臣、お答えをお願いします。
○国務大臣(松野博一君) 子供の貧困対策に関する大綱では、子供たちは日本の将来を担うことから国の一番の宝であるとしております。子育ては、家庭だけでなく地域や社会全体で応援をしていくことが大切です。 このため、小中学校においては、学習指導要領に基づき、社会科、生活科、家庭科、道徳等において、少子高齢化の進展や子育て支援などの社会保障、家族、家庭の役割や幼児への関心、理解、生命尊重などについて関連する学習活動が行われています。こうした活動を通じて、義務教育段階から子供が家庭や地域の中で育まれていることを学習することができるものと考えております。
○宮沢由佳君 ありがとうございます。 その中で、その時間数というのは何時間ぐらいでしょうか。お願いいたします。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。 義務教育におきましては、学習指導要領に基づきまして、児童生徒の発達段階に応じて子育てに関する教育が実施されております。具体的に時間数に関してのお尋ねでございましたが、学校によって異なりますが、例えば中学校三年間では、生活科、家庭科、道徳などトータルしておおむね三年間で約三十時間程度を掛けているものと考えられております。また、例えば生徒が幼稚園、保育所等を訪問して幼児と触れ合う活動を行っている学校も多いという調査結果がございます。 以上でございます。
○宮沢由佳君 ありがとうございます。 子供の虐待や育児不安が多い現状が実際にあります。この要因として、親になる前に子育てをしっかりと学ぶ機会が足りないと感じておりますけれども、大臣はどう思われますか。
○国務大臣(松野博一君) 出産、育児をちゅうちょする理由については、アンケートの中では、子育てに費用が掛かり過ぎるという回答が全ての年代で最も多いとする調査結果があります。また、別の調査では、子育てについての母親の悩みとして、仕事や自分のことが十分にできないということが最も多いという結果も出ております。このため、子育てに関する経済的な負担の軽減や働き方の見直し、子育てに関する悩みの相談体制の充実なども含め、総合的な対策が求められていると考えております。 そうした支援に加え、子育てに関する教育も重要であります。小中学校では、学習指導要領に基づき、生活科や家庭科、道徳などにおいて、家族や家庭の役割の理解、幼児との触れ合いを通して幼児への理解や関心を高めること、生命の尊重などについて指導をしているところであります。
○宮沢由佳君 実際には、子供に限らず、子育てをしている人に限らず、例えば保育園を建てたいけれどもうるさいから困るとかベビーカーが邪魔だとか、一般の子育てをしていない人にもこの子供に対する教育というのは必要じゃないかと私は考えておりまして、文科省が管轄している家庭教育支援の推進検討委員会においても、全ての親の学び直しを応援するための方策について検討されています。 その基本的な学びの機会として、義務教育の中学校において子育てをしっかりと学ぶ機会を確保する責任があると考えています。また、先ほど私が申し上げたように、子育てをしていない人たちの学び、これも必要だと思います。これについてどうお考えでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 子供を取り巻く社会環境が大きく変化する中、学校、家庭、地域が連携、協働し、社会総掛かりで子供たちの育ちを支援していくことを通じて、子育てに対する社会の理解が広がっていくことが重要です。 文部科学省としては、子育て中であるかないかにかかわらず、地域の多くの人々が学校と連携、協働し、地域全体で子供たちの成長を支える活動を推進してまいります。また、身近な地域における子育てに関する相談対応等、家庭教育支援の充実に取り組み、安心して子育てできる環境整備を目指しております。 今後とも、将来を担う子供たちの健やかな育ちのため、学校、家庭、地域が連携した活動の推進にしっかりと取り組んでまいります。
○宮沢由佳君 更に踏み込んで伺いたいと思います。 虐待のニュースが後を絶ちません。毎日、新聞やニュース、報道において、子供たちの大切な命が奪われているということは、本当に、私たち、ここにいる方、また皆様、国民皆様の心を痛めていることだと思います。少なくとも、今すぐやるべきこととして、全国の親又は親になる人、そして周りの人たちに子育てを学ぶ仕組みと時間を確保する必要があると思います。 様々な取組があると思いますので、厚労、文科、両方からの御回答をお願いいたします。
○国務大臣(松野博一君) 現在でも、小中学校においては、学習指導要領に基づき、生活科、家庭科、道徳などにおいて家族、家庭の役割についての理解、幼児との触れ合いを通して理解や関心を高めること、生命の尊重などについて学ぶこととなっております。 今後、こうした教育を更に充実させ、子育てについて実感を持って学んでいくことができるようにするためには、学校、教育委員会と児童福祉担当部局等が連携して、幼児との触れ合い体験や自分の将来について具体的に考える機会を充実することが重要であると考えます。 ニッポン一億総活躍プランにおいても、義務教育段階の取組を基にしながら、全ての高校生を対象に、自分の家庭や将来について教科を超えて実践的に考えるための教材を作成、配付するとともに、都道府県単位の実行体制の構築を図ることとなっております。 以上です。
○副大臣(古屋範子君) 安全、安心に子供を産み育てることができる環境を整備し、児童虐待を効果的に予防するためにも、妊娠期から子育て期まで地域において切れ目なく支援することによって子育て家庭の不安を解消していくことが重要であります。 このため、市区町村におきまして、妊娠期から子育て期を通じて保健師等の専門職がきめ細かな相談支援を行う子育て世代包括支援センターを法律に位置付け、全国展開を進めております。これに加えて、特に集中的な支援が必要な産前産後期の支援を充実させるため、平成二十六年度から、子育て経験者が相談支援を行う産前・産後サポート事業、また、助産師等の専門職が母子への心身のケアを行う産後ケア事業について市区町村を支援しているところでございます。 さらに、大半の市区町村において実施されております妊娠中の身体管理、親となる心構えや育児の実際を伝え、安全な出産や産後の円滑な育児開始を図る両親学級、また、全ての乳児がいる家庭を訪問し様々な不安や悩みを聞き、必要な助言や指導を行う乳児家庭全戸訪問事業、こんにちは赤ちゃん事業などといった取組の確実な実施を通じて、妊娠、出産、子育てに関する必要な知識の普及とともに、子育て家庭への支援に取り組んでまいりたいと考えております。
○宮沢由佳君 ありがとうございます。 私は、二十四年子育て支援をしてきた者として、この流れを見ていてとても進んでいると思います。ただ、今実際に義務教育やそして各自治体で行われている子育て支援が子育ての方法に偏っているのではないかと思うことが多いです。 本日午前中の発言において、大臣は、国家を支える勤労者、納税者となるための教育等々の御発言がありましたが、その中に子供を産み育てる親になるための教育というのも是非入れていただきたいと私は感じたわけで、親になるための教育、また、親になるためのいろいろな心構えというものが今抜け落ちているのではないかと感じることが多いのが実際です。 たくさんの親に会ったときに、もっと早く知っておけばよかった、こんなはずじゃなかった、特に、初めての出産を迎えて、そして育てられている方の中には、こんなに大変だとは思わなかった、やってみて悩みがどんどん大きくなっていくという親とたくさん出会う中で、やはり前もって、もっと、親になるとはどういうことなのか、命を育み、命を預かり、そしてその命が国の大切な宝だ、つまり、親のものではなく、私たち個人が支配するものではなくて、社会の大切な宝を一時的にお預かりしているものだということを、もっとしっかりと、一人一人、親も含め、親になる人も含め、社会の人たちも含め認識をしていかなければいけないのではないかなというふうに思います。 特に、今では十代で親になる人もたくさんいるわけですから、中学校において、保育の仕方、だっこの仕方、遊び方だけではなく、親になるとはどういうことなのか、命を預かり、子供の人権を守り、責任を持って育てていくというのはどういうことなのか、そのために結婚があり、夫婦で協力するということ、これをしっかりと伝えていくという学びが必要だというふうに考えますが、大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(松野博一君) 現在においても、一人一人がかけがえのない存在であるとの認識の下、小中高等学校において子育てについての教育が行われています。これは、これらの内容を全国の小中高等学校の教育課程の基準である学習指導要領において国が責任を持って定めていることに基づくものであります。 また、学校、教育委員会と児童福祉担当部局等の連携による幼児との触れ合い体験の促進などの条件整備にも取り組んでまいりたいと考えております。
○宮沢由佳君 ありがとうございます。 まだこの分野は、まだまだこれからやらなければいけないことがたくさんありますので期待をしたいところではありますけれども、多くの親がまだ子育てにたくさん悩んでいる、不安を持っている、又は子供の扱い方を間違って不適切な対応から虐待に至ってしまうことが後を絶たない今の現状を踏まえて、これは緊急課題だと私は感じております。 例えば、例を挙げさせていただきますと、オーストラリアの事例で挙げますと、私が行ったところで、妊娠中のお母さんが悩みを持っていると、すぐに夫は呼び出されて、夫婦必ず一緒に指導を受ける。そして、それでもまだ母親の悩みが解決されない場合は両方の両親を呼び出す。そして、その両親ごと、この彼女が、この母親になる女性が安心して出産を迎えられるように、また、育児に対して不安を持たないようにこの両方の両親に対しての指導がなされるということは大変すばらしいことだなというふうに感じました。 また、アメリカの事例は、ある州では、妊娠したら夫とともに、二人二日間、しっかり九時から五時まで親になるための教育を受ける。これは、お風呂の入れ方とか夫が妊婦体験をするということも大切なことではありますけれども、それよりも前に、命を産む、そして子供の人権、そして子供たちを育てるために親はしっかりとしなければいけないということをきちんと学ぶ。また、ユニークなところは、母親のホルモンバランスがこういうふうに変わっていくので、いらいらしたり不安になったりすることがあるので、夫はそういったときにどういうサポートをしたらいいのかというところにまで踏み込んでいます。まだ日本における子育て支援又は義務教育の中身は、子供の遊ばせ方や子供の、つまり保育の部分が多いなというふうに思っております。 また、ニュージーランドの教育の哲学というのが大変すばらしいので紹介させていただきたいんですが、こういった文言があります。親こそが最初で最高の教育者である。つまり、親がしっかりしなければ子供を育てることはできないよと。これは日本でもよく聞くことではありますけれども、こういった文言で国民に知らしめていく、親こそが最初で最高の教育者である。であるから、まず親がしっかりしなければいけない。ということは、親が親になる前にしっかりと教育機会を与えていかなければいけない。それは、手先のことも、いろいろな保育の内容も大切ではありますけれども、親が親になるということをきっちりと学ぶというのはとても大切なことだというふうに思います。 海外の先進事例もありますので、この日本においても、子供が国の宝である、ですから、子供の命を国民が、親になる人、ならない人、分け隔てなくしっかりと支えていくという姿勢を文言に残していくということはとても大切だと思いますけれども、以上のことを踏まえて、大臣から感想をお聞かせください。
○国務大臣(松野博一君) 今委員から御指摘があったとおり、教育基本法にも、子供の教育の第一義的な責任は親にあることが書かれています。同時に、親になるための出産、育児、子育てに関して、学校教育段階で様々な面での教育が必要だというのも委員のお話のとおりであろうかと思います。現在の学習指導要領におきましても、人権意識であるとか、それぞれ、一人一人がかけがえのない存在であるといった意識の醸成に始まりまして、具体的に各科目において子育て等に関する指導をなさるようになっているわけであります。 同時に、今核家族化等が進んでおりまして、身近に子育て経験者がいない御家庭もあります。そういった面においては、先ほど委員がお話をいただきました、身近な人、近所の人、地域の人、そういった中でお互いに教え合う、支え合う、そういった体制や環境づくりも必要かと考えております。
○宮沢由佳君 ありがとうございます。是非、国民一丸となって、新しく生まれてくる命をみんなで守れるようにお願いしたいと思います。 そして、最後にですけれども、子育て支援包括センターがこれから各地域にできていって、子育て支援がどんどん豊かになっていきますが、例えば妊娠中の母親学級、また育児中の親子教室のようなものに参加したくても参加できないという現状があります。長時間労働、そして土日も勤務、特に父親が、母親学級又は育児学級に参加するという人たちは増えてはいるものの、大変少ない状況があります。 私は、父親が育児学級に、父親学級に行くときには、休暇が取れて、そして親になるために社会全体が応援しているんだという機運を醸成していっていただきたいという意見を申し上げて、一つ目の質問を終わらせていただきます。 二つ目の質問に行きます。 森のようちえんについて質問させていただきます。 大臣は、森のようちえんというものの存在を知っていらっしゃったでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 森のようちえんとは、自然体験活動を基軸として子育て、保育、乳児・幼児教育に関する活動の総称だと承知をしております。
○宮沢由佳君 御覧になったことはございますか。
○国務大臣(松野博一君) 残念ながら、まだございません。
○宮沢由佳君 ありがとうございます。 私、山梨なんですが、豊かな森のようちえんありますので、是非来ていただければ有り難いです。 森のようちえんは、今、日本の全国にも広がっておりますけれども、その数は把握されていますでしょうか。
○政府参考人(有松育子君) お答え申し上げます。 いわゆる森のようちえんという名前の活動を行っておられる団体数については承知をしておりませんけれども、森のようちえん全国ネットワークがございます。そのネットワークに加入している団体は百七十八であると承知をしております。
○宮沢由佳君 ありがとうございます。 実は、森のようちえんというのは、実際に園舎があって学校法人で認可を受けた幼稚園が森に積極的に行っているというものから、親子が森の中でサークル的な活動をするものまで多種多様にございまして、こういった数が出てくるとは思わなかったので、ネットワークの数を拾っていただいてありがとうございます。 このネットワークに百七十もあるというような状況は、大変今、この森のようちえんが親子にとって興味があり、そして人気が出てきているという証拠でもあります。森のようちえんはドイツ、デンマークなどではとてもポピュラーな幼稚園で、森の中で自然保育を行うものです。 森のようちえんの子供たちは、一般の保育園、幼稚園の子供たちよりも随分コミュニケーション能力が高い、また問題解決能力が高いという研究の結果も出ております。なぜならば、森の中にはいろんな遊びももちろんあるんですけれども、おもちゃを取り合うとか順番が来ないというような状況ではありません。みんな自然の中で伸び伸びと遊びまして、そして、やはりいろいろなトラブルが、トラブルというのは、この丸太が危ないとかここはどうやって渡ったらいいんだろうとか、いろいろな課題が起きたときに子供同士が協力し合うんですね。ですから、積極的にコミュニケーションを取って、そしてみんなで相談し合って解決をするという、非常にその点において、今いろいろな先生が研究発表をされているという状況です。 そして、鳥取県では独自の認証制度を始めて財政援助も始めました。また、長野県では、財政支援はありませんけれども、自然保育認証制度を開始し、後押しをしています。このことについてどう思われるでしょうか、お答えください。厚労、文科両方からお答えをお願いします。
○国務大臣(松野博一君) 文部科学省が所管をいたします独立行政法人国立青少年教育振興機構において、子供たちの体験活動を推進する観点から、団体等が行う森のようちえん活動に係る経費について補助を行っているところでございます。
○副大臣(古屋範子君) 森のようちえんにつきましては詳細は把握しておらず、一般論となりますけれども、子供が豊かな自然体験の中で育まれることは、例えば保育所保育指針における保育の目標に、自然についての興味や関心を育てること、様々な体験を通して豊かな感性や表現力を育み、創造性の芽生えを培うことにあるとありますように、大変望ましいものと考えているところでございます。
○宮沢由佳君 望ましいと言われて、うれしいです。ありがとうございます。 これは、森のようちえんは環境教育、森林政策の視点からも大変良い活動だと思いますが、そちらからの、環境、森林政策の方からの御意見もお願いします。
○政府参考人(正田寛君) お答え申し上げます。 環境の保全についての理解と関心を深めるという点から、幼児期からその発達段階に応じ、自然体験などを通じた体験型の環境教育の取組を行っていくことは重要と考えております。 幼児を対象とする体験型の環境教育の取組は、地方公共団体や民間団体において既に様々な取組事例があると認識しており、環境省におきましては、環境省ホームページ内に「ECO学習ライブラリー」というサイトを設け、各種主体におけるこうした取組を収集し、その共有、周知を図っているところでございます。 今後とも、民間団体などにおける環境教育等の取組が促進されるよう、情報共有や周知を図ってまいりたいと考えております。
○政府参考人(織田央君) お答え申し上げます。 いわゆる森のようちえんの取組につきましては、将来を担う子供たちに森林や自然と触れ合う機会を与えるものと承知しておりまして、森林の役割や木材利用への理解と関心を高める森林環境教育、これを推進していく観点から大きな意義を有していると考えているところでございます。 林野庁といたしましては、森林・山村多面的機能発揮対策交付金という事業の中で、森林を利用した環境教育活動等を支援をしているところでございまして、今後ともこうした活動が広がっていくよう後押しをしてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○宮沢由佳君 ありがとうございます。環境からも森林からも大変有効な、また、子供たちにとってもすばらしい活動だということを分かっていただいている方がいて大変うれしいです。 韓国では数年前からこの森のようちえん事業に積極的に取り組み始め、法整備もされています。子供たちが自然環境の中で保育を受けられるように、週に何時間は必ず自然の中で保育を受けるようにという法整備、それから、障害を持った子供たちも積極的に森の中へ連れ出しているというすばらしい事例を見ました。また、韓国森林庁が国有林を開放し整備しているそうです。韓国におきましては、やはり非常に受験戦争など勉強に対する過熱が問題になりまして、それを自然の中で子供を解放しながら伸び伸びと育てようという方向に今、森のようちえんに興味が向いているようです。 また、私の山梨県北杜市にある森のようちえんには、そこへ入園させるためにたくさんの親子が移住してきています。今、自然保育を求めている親が大変増えていると実感しております。しかし、財政支援がないために、親の負担は大変大きく、先生の給料が低いのが現状です。 先ほど補助を出していただいているというお話でありましたけれども、今出していただいている各省からの補助はこの活動、例えば読書の活動又はこの遊び、この一つの活動に対する補助というもので、森のようちえんの運営や経営に関する補助ではありませんので、それをしている鳥取の事例というのは大変すばらしいというふうに私は感じております。 このことについて、森のようちえんにできれば補助を出していただくということを検討していただきたいと思うんですけれども、まあ先ほど私がお伝えしたように、子育てサークル的なものからしっかりと認可をもらっているものまでありますので、そこは鳥取の事例を見て精査をして、補助を出すのに値するというところに対して検討していただきたいと思いますけれども、大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(松野博一君) 先ほど、事業としての森のようちえんの活動に関しては、独立行政法人国立青少年教育振興機構において体験活動等への助成事業として実施をしているという旨申し上げました。 今委員の御質問、御提言の趣旨が幼稚園、学校法人としての幼稚園から始まって、団体等に関する、運営費用に関する補助ということであれば、それは文科省の一定の規定に応じて団体指定の条件等もございますので、それらと照らし合わせて検討していくということになるかと思います。
○宮沢由佳君 検討していただけるということで、ありがとうございます。 今、幼児教育費の無償化が耳に聞こえてくるわけでありますけれども、幼児教育費が無償化されると、大体、この森のようちえんのサークルから、しっかりと認可をもらっているところまでのこの間の、実際に保育料を払って保育を受けているという状況の中にある森のようちえんに関しましては、今は幼稚園は有料、そして森のようちえんも有料ということで、どちらかを選ぶという立場にありますけれども、認可の幼稚園が無償になった場合、この森のようちえんを選んでいた親にとっては大変不公平感、平等性に欠ける。特に、今言われている全ての子供たちの育ちを保障するという教育制度改革において、この子供の平等性というところが問題になってきますので、無償化の前に今から手を着けていくということが大変重要になっているという私の意見を申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○斎藤嘉隆君 民進党の斎藤です。 大臣含めて政務三役の皆さん、御就任おめでとうございます。また、とりわけ大臣におかれましては、これまでも様々な場面等で教育のいろんな課題について御示唆をいただいておりますけれども、引き続いて是非この委員会においても私ども野党の質問に対しても是非前向きに真摯な答弁をいただき、是非実のある議論をしたいと、そのように思っております。どうぞよろしくお願いをいたします。 私は、今日はまず、九月、先月でありますけれども、九月の二十九日に結果が発表されました全国学力・学習状況調査、このことについてお伺いをしたいというふうに思います。 そもそも、この学力調査、学力テストというふうに申し上げますけれども、全国学力テストを行う目的は何なんでしょうか。確認をさせてください。
○国務大臣(松野博一君) 斎藤委員は、教員として、学校現場、教室において様々な指導の経験を通して、教育に対する深い見識をお持ちだと常々尊敬を申し上げているところであります。加えて、与野党を通じて、こちらの委員会、御参加いただいています委員の方々からの質問に関しては、真摯に対応させていただきたいと思っております。 全国学力・学習状況調査は、国としては、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握、分析し、教育施策の改善充実に生かすこと。教育委員会としては、域内の自治体や学校の学力水準を検証し、教育委員会の施策の改善充実に生かす。学校としては、個々の児童生徒の学習状況を把握して指導に生かすとともに、学校全体として指導方法の検証、改善につながることを目的として実施をしております。 文部科学省としては、全国学力・学習状況調査が、国、教育委員会、学校において、それぞれの教育施策や指導方法の改善充実につながるよう、引き続き取り組んでまいります。
○斎藤嘉隆君 この学テの発表なんですけれども、実は九月の二十九日に発表されましたが、本当は元々の予定は八月の二十五日でありました。発表が一か月以上実は遅れています。原因は委託先でのトラブルなどというふうにお聞きをしておりますけれども、今大臣もおっしゃったみたいに、この調査の目的は、国もそうです、現場においても、子供たち個々の学習状況をしっかり把握をした上で次の指導に生かしていくと、こういうことだろうというふうに思います。 単にこれ一か月遅れたと、全ての学校ではないというふうに思いますけれども、そういうことでは済まないのではないかというように思います。一部であっても、小学校六年生あるいは中学校三年生、今回は中三であったかというふうに思いますが、卒業間近の子供がほぼ十月になって結果を受け取って、個々の指導に本人も含めて生かしていけということが、やっぱりこれは時間的なものも含めて非常に難しいというように思っています。大きな予算を掛けてこのように悉皆型で実施をすることに対しても、その必要性にも関わってくる大きな問題だというふうに思っています。 実施当初から、これ外部にいろんな調査の採点あるいは分析、こういったことを委託をすることによって生じるセキュリティー上の課題ですとか、いろいろ指摘をされていたというふうに思いますけれども、今回、この委託業者、是非つまびらかに皆さんの前でしていただきたいんですが、どういう業者であって、その業者にはどのような業務を委託をしていて、そして予算はどれぐらいで、また、こういうことが今後ないようにどのような対策を講じられたのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。 今年度の全国学力・学習状況調査につきましては、委員御指摘のとおり、当初は八月二十五日に結果を公表する予定でございました。しかしながら、八月の中旬の段階で中学校調査を委託いたしておりました株式会社教育測定研究所における学校質問紙調査に関する集計漏れが発覚したために、正しい集計結果が得られるまで結果の公表を延期することとした次第でございます。 この集計漏れを受けまして、文部科学省から株式会社教育測定研究所に対しまして、集計漏れが生じた原因について分析、報告させるとともに、ほかの数値についても誤りがないかを総点検させた上で、正しい集計作業等が速やかに行われるように指示を出しておりまして、その結果、点検及び再集計が終了した九月二十九日に結果を公表したという経緯でございます。 結果の公表が遅れまして、関係の皆様方に御迷惑をお掛けしたことについては大変遺憾に思っております。今後とも、引き続き調査結果を教育施策や指導方法の検証、改善、充実に生かしていけるように全力を尽くしていきたいと思っております。 それから、この株式会社教育測定研究所に対します平成二十八年度の委託費の契約の額は二十四億九百四十八万円となっております。
○斎藤嘉隆君 大きな、大変大きな予算を費やして委託をしている。たしか、これテストの事業費の総額は五十数億だったと思いますけれども、半分近くを委託費として業者に委託で支払っていて、その業者がこのようなトラブルがあるということですから、二度とこのようなことがないようにお願いをしたいということを思います。 これ、この全国学力・学習状況調査、導入からこれで十年ということになりまして、私は、いろんな商業紙などの社説などでも今回かなり突っ込んだ論調で書かれていましたけれども、漫然と今の調査、悉皆型で進めていくのではなくて、これまでの調査の在り方を一度しっかり総括をして、今後の在り方について一度考えていくべきだというように思っています。 といいますのも、十分分かっていただいていると思いますが、現場にとってこの負担感というのは非常に年々増しております。たとえ一日のこと、また一学年のことではありますけれども、今や時間割に余裕は本当にないんですね、現場は。子供たちが非常に楽しみにしている行事なども精選をしながら、精選をしながらこのテストを行う時間を捻出をしていると、こんな現状が現実あります。 全ての学校で毎年小六と中三を対象に国語といわゆる算数・数学ですね、この試験が行われると。三年に一度は理科がまた追加をされますし、一九年度からは中学校ではこれに英語が今度加わるということで、もうめちゃめちゃな状況になりつつあると私は思っています。県によっては、都道府県別の順位、これを気にするが余り、事前のところで、先ほど申し上げましたけれども、行事を精選をして、子供たちが楽しみにしている行事を精選をして、事前にこのテストに向けた過去問を解いて対策をすると、こういう時間の捻出までされているところもあるやに聞いています。 馳前大臣がこの問題について非常に懸念を示されて、改善を求める通知を出したということも記憶に新しいところでありますけれども、しかも五十億を超える大きな予算がこれ費やされているということなんです。 予算獲得が目的の、何というか、省益を考えた事業であるならばこれは公共事業と変わりませんので、これはそうではなくて、現場で本当にこれが必要なのかどうか、改善の方向性を、私、今議論をすべきだというように思っていますけれども、このことについてお考えを是非お聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) 本年六月十五日に全国的な学力調査に関する専門家会議で取りまとめた論点整理では、全ての市町村教育委員会や学校において、学力向上を図るためには、自らの教育施策や教育指導について具体的に成果と課題を分析し、その改善を図るとともに、個々の児童生徒への教育指導の改善、充実を図ることができるよう、全ての市町村教育委員会や学校、児童生徒を対象に調査を実施しなければならないとしています。 また、悉皆調査を行うメリットとしては、全ての教育委員会、学校、児童生徒に対して、調査問題を通して学習指導上特に重視される点や身に付けるべき力を具体的なメッセージとして提示することができること、教育委員会や学校を特定して更に詳細な調査を行えば、高い成果を上げている教育委員会や学校の取組、学習環境を具体的に分析することができること、全ての教育委員会や学校に対し、それぞれにおける教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立するために必要な数値や課題等を示すことができることと整理をしております。 委員から御指摘がありましたテスト対策に時間を費やすとは、これ本末転倒のことでありますから、それに対する改善はもう既に文科省の方から通知を出していることは御紹介をいただいたとおりであります。 また、今具体的に現場負担のお話をいただきました。この問題に関しては、私たちは、これら今申し上げた悉皆調査のメリットを考えて必要なことであると考えておりますし、今後とも継続的に行いたいと思っておりますが、委員御指摘の現場負担の問題に関しては、これはもう現場の声をしっかりとお聞きをし、調査検討を進めたいと考えております。
○斎藤嘉隆君 ありがとうございます。 マラソンでも四十二・一九五キロを走って、途中五キロとか十キロの地点の順位を競っても仕方ないわけですよね。学校現場でこの調査に関わっている皆さんはそのことは重々分かっていて、しかも、先ほどあったように、いろいろ対策のための時間の捻出をせざるを得ないというところに非常に矛盾を感じている、このことは事実だというふうに思います。 成績の上位の県は、その上位の順位を維持するために必死になるのは分からないでもありません。じゃ、小学校や中学校のときのいわゆる成績上位の県の子供たちが、その後、例えば大学進学時に同様に全国的に見て高い学力を保持しているかというと、必ずしもそういう傾向にはないというふうに思っています。 私、いろんな意味からいって、もはや悉皆での調査は必要ないというふうに思っています。当面は、当面は抽出で行って、必要であれば数年に一回悉皆で行うということができないんでしょうか。民間であれば恐らくそうしているんではないかなというように思っています。 是非そういう、私は、文科省の皆さんであれば、現場の実態を踏まえて、きっとそういう議論が省内であってしかるべきだというように思うんです、もうやることありきではなくて。その辺りはどうですか、局長、そういう議論というのは局レベルではないんですか、これまでも。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。 全国学力・学習状況調査につきましては、現在、悉皆という形で行っております。そのメリットにつきましては、先ほど大臣から御説明を申し上げたとおりでございます。 私どもとしては、現在までのところ、この調査の役割につきまして非常に意義があると考えておりまして、当面現在の形で実施をしていきたいと考えております。 なお、委員御指摘のとおり、英語について今後導入をするということで、その点については省内でいろんな形で検討を進めているところでございます。
○斎藤嘉隆君 今の英語の問題も、いや、事の真偽は分かりません、まあ、報道ベースでいうと、一人の子供に十分間面接をするというようなことも伝えられていまして、私が住んでいる例えば地域の中学校でいうと、一学年三百人ですよ、三百人。十分ずつの子供に対する面接をしたら五十時間掛かりますよ、それだけで。こんなことが本当に現実的だとは思えないんですね。 是非、こういったことこそ現場の声をしっかり聞いていただいて、今後、制度設計をしていっていただきたいというふうに思いますし、できれば、悉皆なり、全体を少し、もう少しシンプルなものにして、もし予算が捻出ができるのであれば定数やそのほか必要な部分に回すと、このようなことも是非議論をしていただきたいというふうに思いますし、それができ得る今文科省の体制だというふうに思いますので、是非御検討の方をお願いをしたいというふうに思っています。この調査の課題についてはもうこれぐらいにさせていただきたいというふうに思います。 続きまして、午前中の議論でもありましたけれども、給付型奨学金の問題について少しお伺いをしたいと思います。 安倍総理も予算委員会で、たしかこの問題について実現をしていく考えであるというように明言をされたというように思います。ただ、先日の大臣の所信をお聞きをすると、大臣は、実現に向け具体的な制度設計に努めるというようにおっしゃって、聞き方によるのかもしれませんが、若干トーンが弱い、元気がないなというふうに思うんですけれども、これは、低所得の家庭の子供たちに給付するとか、あるいは給付総額の一部を返還不要にするとか、いろいろな考え、いろんなやり方があるというように思いますけれども、一個確認をさせてください。 来年度、どのような形であれ、JASSOが主体になって大学生向けの公的奨学金、これを史上初めて導入をする、こういうことで間違いないでしょうか。このことを確認をさせてください。
○国務大臣(松野博一君) 給付型奨学金については、省内に義家副大臣をトップとする有識者も参画する検討チームを設置をいたしまして、八月末にこれまでの議論の整理を公表したところであります。本整理において、経済的理由による進学を断念せざるを得ない者の進学を後押しする観点、進学に向けた学生等の努力を促すといった観点等の検討を進めるべきとの方向が示されております。 給付型奨学金を実現するというのはもう既に政府でその方向が決定をされていることでございますから、これは確実に給付型奨学金、実行、実現をしてまいります。 委員から御質問の内容、またそのスタート、施行の時期等々に関しては、この二十九年度予算編成過程の中において制度を具体化すべきその詳細な設計を詰めていくということでございます。
○斎藤嘉隆君 じゃ、ちょっと常盤局長にお伺いをしたいと思いますけれども、これ、概算要求では、今大臣おっしゃったみたいに、事項要求ということで今具体的な検討をしているということでありましたけれども、予算編成も間近です。現段階での最新の検討状況を委員の皆さんに是非具体的にお知らせをいただきたいと思います。
○政府参考人(常盤豊君) 給付型奨学金の制度内容についての検討ということでございますけれども、この点については、義家副大臣をトップといたします文部科学省の給付型奨学金制度検討チームというものを設けて検討を進めているという状況にございます。 その中で、八月末でございますけれども、給付型奨学金制度の設計についてのこれまでの議論の整理という文書をまとめさせていただいております。その中では、例えばでございますけれども、給付型奨学金の対象者といたしまして、家計の基準という観点からは、例えば児童養護施設退所者、生活保護世帯、住民税非課税世帯、こういうものなどが考えられるというようなことが示されております。また、学力の方の基準ということでございますけれども、この点につきましては、一定の成績基準を設定することを検討しつつ、学校推薦等の方法による選定も検討するということとされております。 今後、これらの各論点につきまして、年末の予算編成に向けて、関係者の御意見を承りつつ制度設計を進めていきたいというふうに考えております。
○斎藤嘉隆君 ここは、この問題について議論をする最も重要な場だと思います。今日、昼にNHKのニュースを見ていたら、ニュースとして、もうこの給付型奨学金の制度について、児童養護施設の出身の子供たち、それから生活保護世帯の子供たちに月三万円ずつを給付をすると、そういうことで文科省内でほぼ固まったということが報道されていました。 今そういったことについては局長から言及がなかったんですけれども、これはどういう、どのように我々は理解する、なぜ報道が先でこの委員会では明らかにならないのか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) マスコミの報道において文部科学省などが給付型奨学金の制度設計について方針を固めたとの報道があったことは承知をしておりますが、方針を固めたというような事実はございません。 文科省の責任者の私が固めていないというか、この報道の内容に関して承知をしていないということでございますから、今後の予算編成過程において詳細な設計を進めるということでございます。
○斎藤嘉隆君 ちょっとNHKさんも、裏も取らずにちょっと報道が早いんではないかなというようには思いますけれども。 今の児童養護施設の子供たちや生活保護の子供たち、これは三万人まではいないですかね、二万数千人だと思いますけれども、極力幅を広く、月三万円、まあ若干少ないなという気もしないでもないので、これからまさに固めていくということですから、具体的にその辺りも含めて議論をしていただきたいというふうに思います。 今回概算要求で出ています有利子から無利子へという流れ、これは基本的に望ましいことだというように思いますが、でも、どこまで行っても貸与は貸与、借金は借金ですから、いつまでもこの延滞の問題なんかはなくならないというように思っています。皆さん御存じだと思いますが、延滞をして、一部、苦しい中で少しずつ返済を再開をしても、実は払ったお金というのは、延滞のペナルティーとして科せられる五%と、あとは有利子の場合だと利息に先に充当されていくので、元本は減らないんですよ、なかなか。 こういう状況の中で、若い皆さん、特に子育てをこれから、あるいは結婚をこれからというような皆さんが非常に苦しい状況にある、本当に金融商品化しているものですから。私、この問題についてもこの委員会で、もう七年目ですけれども、ずっとこれまでもいろいろ指摘をさせていただいてきまして、若い皆さんの生活を苦しめて日本の社会全体を私はゆがめていると、の一つだというように思っています。 一つ、これもちょっと皆さんで共有をしたいと思いますが、多くの延滞者は、信じられないことですが、奨学金を受け受給をしている間も含めて、かなり多くの延滞者がこのお金はいつか返さなければいけないという認識をしていないんですよ、認識をしていないんです。この辺り、調査をJASSOの方でしていると思いますが、概要を簡単に御紹介いただけますか。
○政府参考人(常盤豊君) まず、奨学金の返還の状況について御説明をさせていただきたいと思います。 日本学生支援機構の奨学金の返還につきましては、平成二十七年度末時点における延滞者数は、当該年度に返還を要する者の八・六%に当たる約三十二万八千人でございます。事業規模が拡大をしているわけでございますけれども、こうした中で、近年の延滞者数は減少傾向にあるということでございます。特に、現在返還中の者のうち三か月以上延滞している者の割合は、平成十七年度末の九・三%から平成二十七年度末には四・二%と、この十年で半分以下に減少しております。 日本学生支援機構が実施をいたします奨学金の返還者に関する属性調査というものがございますが、その調査によりますと、延滞して督促を受けてから返還義務を知ったと回答した者がいること、あるいは、奨学金の返還の期限を猶予できる返還期限猶予制度等の救済措置について知らないと回答した者がいるということは承知しておりまして、文部科学省として、奨学金制度について、よりきめの細やかな周知広報を行うことが必要であると考えておりまして、平成二十九年度概算要求におきましても、具体的なこの点での周知を進めるような、周知広報を充実させるような事業の充実という点での経費を概算要求に組ませていただいているということがございます。 また、なお、もう一点申し上げさせていただきますと、返還負担の軽減という観点からいいますと、もう斎藤委員よく御存じのとおり、来年度から所得連動返還型の奨学金制度ということで、返還月額を所得に連動させるということで返還負担の軽減ということを図る、この仕組みも新たに設けるということになってございます。
○斎藤嘉隆君 所得連動型の返還制度も含めて、これはもうすばらしいと思うんです。すばらしいと思うんですが、先ほど局長もおっしゃったように、制度の周知が本当に信じられないほどされていないんですね、利用者にとって。 私、今、局長がおっしゃった調査の結果、中身ずっと見させていただいて本当に驚いたんですけど、延滞をしていてですよ、延滞をしていて返せなくて困っている、困っている方が、方がですよ、これは、返還の期限猶予制度というものがありますけれども、こういう制度があること自体、延滞中の方、延滞中の方の非常に多く、三五%以上の方がその制度の存在さえ知らないんです、知らない。それから、減額返済制度というものもありますが、これも延滞者の五〇%以上の方が実は知らないというふうに回答しているんですね。 こういう状況の中で、今の所得に連動した返済制度というものを制度として幾らいいものを導入しても、肝腎の利用者がそのことを分かっていなければやっぱり活用されづらいし、その制度の利点が生かされないというように思いますので、是非この件について、今お答えいただきましたのでお答えは結構ですけれど、省としてしっかり御対応をお願いをしたいというように思っています。 いろいろこの奨学金についてまた場を改めて議論したいというふうに思いますが、一点だけ、最後に。 今、議員立法で休眠預金の利用、活用の立法について通常国会でも議論されていました。御存じだと思います。私、一つの財源として、この話題の休眠預金というのをこの奨学金に充てられないのだろうかと、政府全体としてというように思います。年間一千億ぐらいが雑収入で銀行に計上されています。実際の休眠預金としては五百億ぐらいかなというふうに思いますけれども、この例えば二〇%の百億円でもそこに回すことができれば、年間五十万円を二万人の学生に給付ができると、計算上は、こういうことになります。これは、未来への投資のまさに一環であるというように思いますし、今この給付型奨学金についてこれだけ議論が進んでいますので、国民理解も、私、得られるんじゃないかなというふうに思っています。 若干心配しているのは、このことに対して余り文部科学省として動きが見えない、見えない。ですから、これ、休眠預金、もし何かに活用しようというときに、言葉は悪いですけれども、ほかの省にいろいろ持っていかれちゃう、持っていかれちゃう、そんなことにもなりかねないし、もちろんそれは有意義なものであるというふうに思いますが、私は、この奨学金の給付、これに一部ぐらい充ててもいいんではないかというように思います。 政府として、これ、立法したらどうですか、議員立法ではなくて。いかがでしょうか。
○政府参考人(常盤豊君) 今御指摘をいただきました休眠預金でございます。 休眠預金に関しましては、現在、当該資金の活用に関する法律案が議員立法として提出をされまして、現在継続審議になっているというふうに伺っております。 この法案の内容として私ども承っておりますのは、その趣旨として、休眠預金等を、国及び地方公共団体が対応することが困難な社会の諸課題の解決を図ることを目的として、民間団体が行う公益に資する活動の促進に活用すべきであるということがうたわれているというふうにお聞きしております。 現在のこうした法案の趣旨、目的に照らしますと、この資金を財源として捉えるには課題があるのかなというふうに受け止めておりますけれども、いずれにいたしましても、今御指摘いただきましたように、幅広い視点から、私どもも文部科学省として、財源確保の方策についての検討も含めて、制度設計に関する議論を深めていきたいというふうに考えてございます。
○斎藤嘉隆君 決してめちゃめちゃなことを言っているとは思いません。もう既に一部の先進国では、休眠預金を給付型の奨学金に充てているんです。もうそういう国が幾つかあって非常に大きな成果を上げているものですから、今回の議員立法の法の趣旨はともかくとして、是非政府として検討、文科省として検討していく、そういうことはあっていいんじゃないかと、こんなことを思いますので、是非お願いをしたいというふうに思います。 この奨学金の問題については、システム上の問題とか、それから私も幾たびか指摘をさせていただきましたが、JASSOの人員の課題とかいろんなものがあって、単に導入すればいいというものではありません。このことによって、もう異常な業務の負担がそれぞれの役所に行くということもありますし、そういったことも含めて総合的にこの予算編成期に向けて議論を是非していただきたい、このことを改めて要望をさせていただきたいというように思います。 三点目は、ちょっと資料も用意させていただきました、簡単な。高校の授業料の就学支援金のことについて少しお伺いをしたいと思います。 一人のお子さんが高校に入学をして高校を卒業する、無事卒業する場合と、卒業せずに中退をする場合がもちろんあります。その後の人生は大きく変わります、大きく変わります。もちろん、中退した方がよかったと、こういうケースももちろんありますけれども、いろいろ統計上の数字を見ればその違いは明らかで、例えば男性の四十歳時点の数字だけちょっと御紹介をしますと、就業率、中卒の場合は七七%ですし、高卒の場合はもう九〇%という状況になっています。所得もそうですし、当然ながら納税額も変わってきます。生活保護を受ける率などもこのことによって大きく変化がしてくると、こういうことであります。 我が党の政権時代の高校無償化、いわゆる無償化については、所得にかかわらず学習に掛かる費用は公的に負担をしようと、このことが実は将来的に大きなリターンとなって財政上も含め様々な面で国に戻ってくる、先行投資だと、こういう思いもあってこのことを進めてきたわけであります。 全ての高校生を対象にしたこの無償制度、これが自公政権の下で一部見直しをされました。いわゆるモデルケースでいうと、年収九百十万円ほどを超える家庭の高校生は有料、有償になったということであります。十二万円の授業料を新たに徴収をするという制度になりました。これは一四年の四月の入学生が対象で始まりました、始まりましたので、実は今年、今、初めて高一から高三まで全ての高校生が新制度の対象に今年なっています。 一つの節目でありますけれども、この三年間で、新制度の下での制度の運用についてどのような課題が生まれてきているのか、明らかにしていただきたいと思います。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。 御指摘の高等学校等就学支援金制度につきましては、都道府県あるいは関係団体からも様々な御意見をいただいているところでございます。 例えば、第一に、本来、高等学校等就学支援金を受給できるにもかかわらず申請をしないなどによって支給から漏れるようなことがないようにするために、制度の周知の徹底をしなければならないという課題がございます。 また、都道府県や学校設置者における適正な事務の実施、それから、その一方で事務負担の軽減、それらを両立しなければいけないと、こういった課題があると私どもとしては認識している次第でございます。
○斎藤嘉隆君 今一部お触れをいただきましたけれども、所得制限を導入したことによる最も大きな弊害は事務的な負担の増、まあもちろんこれもあるというふうに思います。もう一個は、やっぱり必要な高校生に全て行き渡っていないと、この支援がですね、こういう状況です。今までは何もしなくても給付がされた。今回は申込みをしなければ、申請をしなければ給付がされない制度になりましたので、そこで給付漏れ等が起きて必要な支援がされていないという状況があります。 私、実は、もう一つ非常に大きな課題として、この資料の中の一か所に赤い下線を引かせていただきましたけれども、この授業料無償措置の受給月数がここにありますように三十六月であるという、このことをちょっと今日は問題として提起をしたいというふうに思います。 何が言いたいかというと、今年、制度が全ての学年で完成をしました。完成をしました。来年度には、もちろん三年生は普通は卒業していきますけれども、一部の生徒は卒業せずに残ります。いろんな事情の中で原級留置、まあいわゆる留年をしていくわけですが、この制度の下では、来年から、三年間無償であった生徒が四年目を迎えて四月から授業料が必要となるという状況が実は生まれてまいります。 私は勝手に二〇一七年度問題というふうに名付けていますけれども、これ、留年生徒は高校全体で一万七千人、全日制に限って言えば七千人ほどだというふうに思いますが、こういう子供の一部が、四年目からは家庭のいわゆる家計状況がどうであっても授業料が必要となるのではないかというふうに思っておりますけれども、この問題については認識をどのようにされていらっしゃいますか。
○国務大臣(松野博一君) 就学支援金の制度創設時に支給期間を三十六か月とした理由としては、一定の修業年限で高等学校等を卒業する者が受けられる就学支援金の総額との均衡の問題、留年した者に対して無制限に公費を支出し続けることがないようにする観点からであります。 高校生等への就学支援については、国と都道府県の支援策が一体となり教育費負担軽減がされることが重要です。三十六月を超えて在学している者に対する負担軽減策としては、各都道府県の判断によりまして授業料減免を実施することなどで対応いただいております。国としても、過去に高等学校を中退し、改めて高等学校等で学び直す者に対しては、平成二十六年度から予算補助により授業料の支援を実施をしております。 なお、平成二十五年の法律改正時に衆参両院で決議された附帯決議において、改正法の施行から三年経過後、平成二十九年度でありますが、に検証を行うこととされており、御指摘の点も含めて検証を行ってまいりたいと考えております。
○斎藤嘉隆君 是非これはお願いします。 留年といっても、何かイメージだと、勉強が嫌いでもう全然テストなんかで点が取れなくて留年してしまうとか、あるいはもう学校をサボって欠席ばかりで留年してしまうとか、そんなイメージがありますけれども、現実は不登校であったりあるいは病欠であったりですね、いろんなケースがあるわけです。病気療養で数か月間学校を休んで一年余分に高校に行くような子供でさえですよ、これ四年目から授業料が必要となってくると、こういうことなんですね。 今大臣おっしゃったみたいに、これじゃ幾ら何でも気の毒だということで、それぞれの自治体が自治体独自で四年目に授業料減免の措置などを講じているんです。ところが、国は、なかなかこのことに目を向けようとせずに、どうぞ自治体でおやりくださいと、こういう形になっているわけで、これ是非国としてもここの対応、今大臣がおっしゃったように二十九年度に議論するということでありますけれども、少しでも早くこのことに対応してはどうでしょうか。 これは内閣府の資料を見ますと、十二道県からこのことについて是非国として措置をしてほしいという要請が出ているというふうにも聞いております。私の地元の愛知からも同様の要請が出ておりますので、予算編成の中で是非早期に検討をしていただきたいというふうに思います。 それから、学び直しの制度がこれ入っているということも今言われましたけれども、大臣、学び直しというのは同じ学校ではできないんですよ。同じ学校で学び直しして、二年か何か延長されるんですが、これは一回退学をしてまた入学しないといけないですね。そういう場合に認められます。あるいは、退学をしてほかの学校に移った場合のみ認められるという、そういう制度ですので、実はほとんど活用できない。こんな状況もありますから、この点についても是非御検討をいただきたいというふうに思っています。 私、心配しておりますのは、来年四年目になって急に授業料が発生して高校の中退者が増えるんではないかと、こういうことです。やむなく中退を選択するケースが増える、結果として、冒頭に申し上げたように、国として将来的に大きな損失を被るのではないかと、このことも非常に危惧をしておりますので、是非この点についても具体的な対応を改めてお願いを申し上げさせていただきたいというふうに思います。 時間も随分来ましたので、最後に一点、科学技術の課題について少しお伺いをしたいというふうに思います。 我が国、物づくり産業が我が国の屋台骨を支えていると、こういうことについては多くの皆さん異論はないだろうというように思っております。私の地元でも、自動車あるいは航空宇宙産業等々、まさにその中心地ということでありますけれども、今自動車と並んで、あるいはそれに続いて、非常に大きくその物づくりの中核を担うとされているのが航空機産業だというように思っています。 なぜ、なぜそういう見方をされているかというと、これからはこの産業分野というのは非常に大きな伸びが期待がされています。恐らく、今後二十年間で、いわゆる航空機を使った人や物の輸送というのは二・五倍ほどに増えるだろうというように推測をされています。実は、この航空機産業の日本のシェアは今世界の僅か四%にすぎません。政府として、このシェアを二〇四〇年までに二〇%にするという計画を示されていますけれども、容易ではないというように思っています。 このことに対して、文科省として、いわゆる主に研究開発の分野、技術開発の分野でどのような具体的な支援をしていかれる予定なのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(田中正朗君) お答え申し上げます。 委員御指摘のように、我が国におきまして、現在、YS11以来、五十年ぶりの国産旅客機でございます三菱リージョナルジェット、MRJの開発が進んでおりまして、昨年初飛行が成功し、まさに我が国の航空機産業は歴史的な転換点を迎えていると認識してございます。 文部科学省といたしましては、我が国の航空機産業の国際競争力の強化のために、航空の安全性、環境適合性及び経済性に関する研究開発や、次世代超音速旅客機等の革新航空機技術の研究開発を進めることが重要だと考えてございます。 具体的には、宇宙航空研究開発機構、JAXAにおきまして、エンジンの高効率、軽量化や複合材による機体重量の軽量化、超音速機から発生するソニックブームと呼ばれる雷のような衝撃音を低減する技術など、最先端の研究開発を進めているところでございます。 今後とも、研究開発に必要な予算の確保や研究開発を支える人材の育成など、航空分野における研究開発をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
○斎藤嘉隆君 JAXA中心に、研究し開発をしというのは重要なことだと思います。これはやっぱり民間の企業では到底対応できないんですね。リスクも大きいし、それから非常に多額の予算も必要、長い、長期の時間が必要ですから、国としてやっぱり一定の分野を担わざるを得ないというように思います。 課題は、課題は、そこで研究開発した中身についてどのようにそのノウハウ、研究の成果を民間企業に広く広めていくかということであるというように思いますけれども、これはJAXAから民間へのその展開というのはどんなことを今お考えなんでしょうか。
○政府参考人(田中正朗君) 我が国の航空技術の基盤強化あるいは航空機産業の国際競争力強化に貢献するために、委員御指摘のように、JAXAにおきましては、研究開発成果の実用化に向けて民間企業との共同研究の実施など、JAXAの先端的な研究開発成果が民間企業に効果的に移転するための取組を行っているところでございます。 先ほど申し上げました三菱リージョナルジェット、MRJについて申し上げますと、JAXAの複合材料技術が機体軽量化に貢献しておりますなど、JAXAの研究開発成果が活用されてございます。また、JAXAが所有しております風洞施設の提供や、JAXAの強みでございます数値解析技術、いわゆるCFDと言われておりますが、に基づく技術支援なども行っているところでございます。 今後とも、JAXAの持っております研究開発成果の民間企業等への技術移転や技術支援を積極的に推進してまいりたいと考えております。
○斎藤嘉隆君 MRJのことに触れていただいたので、もう久しぶりですよね、YS11以来の我が国の民間旅客機がいよいよアメリカまで行って、今飛行の様々な実証をしているということであります。 ただ、歴史は繰り返してほしくないんですけれども、YS11でいうと、五九年に、これ国家プロジェクトですよ、としてスタートをし、スタートをし、これは六二年に初飛行をしたにかかわらず、これは、元々この会社は半官半民の、国がかなり主体的に関わった会社でありましたけれども、私はこれは営業の問題等々、あるいは外国に輸出をするときの、外交上の問題とは言いませんけれども、そこで買いたたかれるとか、いろんな状況がある中で、残念ながら、この飛行機が一九七二年にもう採算が合わずに撤退をしているんです、撤退をしているんです。 今回のMRJ、もちろん今回は民間が主体となった航空機開発でありますけれども、同じ轍を踏まないように、国としてしっかりした、これは、済みません、経済産業省が主体になるのかなというふうに思いますけれども、こんなことを是非お願いをしたいというふうに思いますし、今局長も言われましたように、JAXAの方で様々な技術的な開発もされていくと思います。これ、民間企業でいうと、多分数百万の部品があるんですかね、もう部品の裾野もすごく大きいですし、いろんな意味で自動車に並んで非常に大きな可能性のある事業だと思いますから、特に文科省さんにおかれては研究の分野でとりわけお力を注いでいただきたいし、民間への技術のしっかりした移転というのを計画的に行っていただきたい、連携の強化をしていただきたいというように思います。 この点を最後にお願いを申し上げさせていただいて、質問を終わります。
○吉良よし子君 日本共産党の吉良よし子です。 この夏、初めて十八歳選挙権が行使されました。今お配りしている資料のとおり、七月の参議院選挙での十代の投票率はどうだったかといえば、全国平均で見れば全体よりも十代は低いという結果ではありましたが、東京など首都圏を中心とした都市部などでは十八歳の投票率が全体を上回るという結果になっております。そして、何よりも注目すべきなのは、一定数が高校に在籍していて主権者教育をリアルタイムに受ける機会があったと考えられる十八歳の投票率が、全国で十九歳の投票率を上回っているということです。つまり、若者の政治参加を促すためには主権者教育、これは欠かせないということは今や明らかであり、その実践を豊かに広げていくことは重要な政治課題だと思います。 ここで、まず文科省に確認いたします。 昨年十月に出された通知「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について」には、主権者教育について何と書いているか、該当部分を御紹介ください。
○政府参考人(藤原誠君) お答え申し上げます。 御指摘の通知におきましては、選挙権年齢が引き下げられたことなどを契機といたしまして、まず第一に、習得した知識を活用し、主体的な選択、判断を行い、他者と協働しながら様々な課題を解決していくという国家、社会の形成者としての資質や能力を育むことがより一層求められる。このため、議会制民主主義など民主主義の意義、政策形成の仕組みや選挙の仕組みなどの政治や選挙の理解に加えて現実の具体的な政治的事象も取り扱い、生徒が国民投票の投票権や選挙権を有する者として自らの判断で権利を行使することができるよう、具体的かつ実践的な指導を行うことが重要である。その際、法律にのっとった適切な選挙運動が行われるよう公職選挙法等に関する正しい知識についての指導も重要である。 他方で、学校は、教育基本法第十四条に基づき、政治的中立性を確保することが求められるとともに、教員については、学校教育に対する国民の信頼を確保するため公正中立な立場が求められており、教員の言動が生徒に与える影響が極めて大きいことから法令に基づく制限などがあることに留意する必要があるということが示されております。
○吉良よし子君 最後の方まで読んでいただいたわけですけれども、重要なのは、自らの判断で権利を行使することができるよう、具体的かつ実践的な指導を行うことが重要だと書かれていると。また、その前には、そうした国家、社会の形成者としての資質や能力を育むことがより一層求められると書いてあるということです。 これは、十八歳選挙権が認められてからの新通知なわけですけれども、その前に出されていた、一九六九年に出されたいわゆる旧通知の中では、生徒は未成年者であり、国家、社会としては未成年者が政治的活動を行うことを期待していないとされていたことに比べれば、この新通知は主権者教育推進へと大きくかじを切ったものなわけです。 実際、これを受けて、文科省、総務省からは、昨年、副読本「私たちが拓く日本の未来」というものも出されまして、参院選前に様々な主権者教育の取組が各地で進められたわけです。 私も先日、東洋大で行われた模擬選挙研究会二〇一六に参加しまして、現場の先生方の具体的な実践発表を伺ってまいりました。その中では、模擬投票するだけじゃなくて、国政課題について討論をしてみたり、また、学校や地域の課題について話し合う、そういったところから段階的に生徒が政治を身近に考えられるようにする授業などが報告されました。 また、学校関係者からだけではなくて、例えば新潟市議会では議員の側が超党派で取組を進めていて、新潟市主権者教育推進協議会の主権者教育プログラムの中に地元議員との交流などを盛り込んで、模擬市議会とか地域課題解決ワークショップとか、市議会の傍聴、見学、議員との交流、意見交換という四つの企画案というものを提案して、これらを市内の学校長らに活用してほしいとの働きかけを始めたという報告もありました。 また、新潟だけではなくて、長野県の松本市では、実際に超党派の市議会議員四人が松本工業高校に出向いて、市議会の役割だとか議員の仕事について紹介して生徒たちと交流する授業が行われているなど、その他の地域でも同様の取組が行われているというお話でした。こういう主権者教育の様々な実践、取組というものを更に全国的な流れにと広げていくためには、やはりもっともっと条件整備というものも必要だと思うわけです。 例えば全国高等学校PTA連合会は、昨年九月、十八歳選挙権年齢引下げに関する意見を発表して、その中で、主権者教育を学校全体の教育目標に位置付けること、全ての教科、科目の乗り入れを可能にする取組を推進すること、そして大学やNPOなどとの連携についての期待を述べています。 こうした積極的な意見について前向きに検討して文科行政に取り入れるべきと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 学校においては、主権者教育に取り組むに当たり、政治的中立性を確保しながら、校長を中心に学校として指導の狙いを明確にすること、公民科での指導を中心にしつつも、総合的な学習の時間や特別活動なども利用して系統的、計画的な指導計画を立てて実施をすること、家庭や地域の関係団体等と連携、協力を図ることは重要なことであると考えております。 文部科学省としては、総務省と連携して作成した副教材の教師用指導資料や通知などにおいてもこれらの点に配慮することを盛り込んでおり、今後とも学校や教育委員会等に周知するなど、主権者教育の充実を図ってまいりたいと考えております。
○吉良よし子君 主権者教育の充実を図っていきたいということでしたけど、先ほど具体的に、全国高等学校PTA連合会というところが、主権者教育広げるためにはこういうことが必要でないかと提案をしているわけですよ。そうしたものを具体的に取り入れていく、そういう取組が必要じゃないかということを、私、申し上げているわけです。その点についてもうちょっと触れていただきたかったわけですけれども。 ただ、問題は、今そうして主権者教育、広げていくと大臣おっしゃられたわけですけど、その中で、先ほど来、政治的中立性とこの答弁の中でも繰り返し述べられているように、現場でもこの政治的中立性というのが強調され過ぎているのではないかという現状があるわけです。 もちろん、いかなる立場であっても、教員が自分の主義主張を生徒に押し付けること、これはあってはならないことです。これは日本共産党の一貫した立場であります。しかし、選挙のたびに教職員等の選挙運動の禁止等についてなどの通知が出されて、現場で読み上げられて、政治的中立性が殊更強調されることで、現場では、主権者教育にちゅうちょする声であるとか、若しくは困惑する声であるとか、実際の実践、授業に妨げがあったという例なども聞こえているわけです。 私、驚いたのは、教育研究会などで、ある若い教員の方の中では、教員は投票していいのか、政治的中立性を逸脱することにならないかと、そういう発言をする方まで出てきたということなんです。もちろん、投票するのは教員であっても当然できることだと思うわけですが。 ここで確認したいと思います。さきに紹介した、そもそも生徒の政治活動を禁止していた旧通知の方ですね、そちらには、教師がそれぞれ個人として意見を持ち、立場を取ることは自由との文言が書いてありました。が、新通知の方ではその文言が削除されてしまっておりますと。ただ、先ほど来申し上げているとおり、投票することを含め、教員であれ、個人として意見を持つ自由、それは保障されると思うわけです。そういう立場は大前提だと思うのですが、新通知においても、意見を持つ自由、保障されるという立場は変わらないということでよろしいでしょうか、大臣。
○国務大臣(松野博一君) 公職選挙法改正により選挙年齢が十八歳以上に引き下げられたことに伴い、有権者となった高校生が選挙活動を行うことが可能になったため、昭和四十四年の通知を見直し、昨年十月に新たな通知を発出しています。 教員が個人として政治的な意見を持つことは、内心の自由を保障している憲法の規定により当然であり、その点は昭和四十四年の通知と同様であります。他方、同時に、指導に当たっては、教員は個人的な主義主張を述べることは避け、公正かつ中立的な立場で生徒を指導することと明記をしており、この点も昭和四十四年の通知と同様でございます。
○吉良よし子君 憲法で定められているとおり、教員自身が主義主張を持った一人の個人であるということは何ら妨げられるものではない、思想、信条の自由は保障されている、もちろん投票もできると、そういうお話だと思うわけです。 そもそも、主権者教育ということを考えた場合、じゃ、どういうことかといえば、先ほど新通知にもありましたとおり、自らの判断で権利を行使することができる、そういう子供を育成する教育のはずなわけです。副教材の「私たちが拓く日本の未来」、これ、文科省、総務省が先ほどおっしゃったように作成したパンフですよね、の中でも、課題を多面的、多角的に考え、自分なりの考えを作っていく力、合意形成する力、根拠を持って自分の考えを主張し説得する力など、身に付けていくことが必要だと書かれているわけです。とするならば、それを指導する教員自身にも、そうした積極的な政治的な主張を持つとともに、合意形成や主張、説得する力、そういったものを持つことが求められるのは当然のことだと考えるわけです。 ところが、先ほど大臣が述べられたとおり、あっ、ところがではないですね。ただ、新通知の中では、現実の具体的な政治的事象、これを取り扱うということも書いてあります。先ほど来、政治的中立性と言われているわけですけれども、授業で政治的論争のある課題を取り上げることというのは否定されていないはずですね。 その場合、じゃ、教員はどう振る舞えばいいのかというところで、主権者教育に先行的に取り組んでいる諸外国の状況について、私、確認をしたいと思うわけです。これについては、総務省では平成二十三年、二〇一一年に常時啓発事業のあり方等研究会というものが行われていて、各国の政治教育について報告がなされているわけです。 そこで、総務省に伺いますが、ドイツについては七月二十五日の議事概要二ページ目の該当部分、四項目めです、そしてイギリスについては十月二十六日の議事概要三ページ目の一項目め、それぞれ御紹介ください。
○政府参考人(宮地毅君) お答え申し上げます。 平成二十三年に総務省で設置をしておりました常時啓発事業のあり方等研究会での議論の中で、平成二十三年七月二十五日議事概要のまず御指摘の箇所につきましては、ドイツの政治教育における政治的中立性の考え方についての有識者による報告におきまして、教員は、意見の多様性の擁護者という役割を引き受けなければならないが、これは教員自身が特定のポジションを取ってはいけないということではなく、教員も自ら意見の多様性の一部として生徒の前に立ち現れる必要があると紹介されております。 次に、平成二十三年の十月二十六日議事概要の御指摘の箇所につきましては、イギリスのシチズンシップ教育についての有識者による報告におきまして、政治的リテラシーの教育に重要なポイントは、大きく分けると三つの方法が提案されていて、一つ目はニュートラル・チェアマン・アプローチ、教師が中立的なチェアマンになり、自分の意見を言わないで議論のファシリテーターに徹するアプローチ。二つ目がバランスドアプローチ、均衡を取るアプローチで、議論が正論に流れがちなときにあえて反対意見を言うこともある。三つ目がステーティド・コミットメント・アプローチ、教師が最初から明示的に自分の意見を言い、教室の議論を活性化させる。論争的な課題を扱う際に、教師はどれか一つに偏してはならず、この三つをうまく組み合わせることが重要とされていると紹介されているところでございます。
○吉良よし子君 つまり、ドイツでもイギリスでも、教員の側が自分の主張であったり一つの立場を取って主張するということを否定しているわけではないわけです。実際、ドイツの方では政治教育の原則であるボイテルスバッハ原則というのがあって、その一項目めに、教員による圧倒の禁止というのがあるんです。ただ、それでもその主張を取るということは否定されていない。実際、今日の朝日新聞にも掲載されていたんですけれども、今月行われた日弁連のシンポジウムの中でも、ドイツの政治教育専門のゲオルグ・ヴァイセノ教授が、生徒から先生はどう考えると聞かれて、教師が中立の立場で沈黙することはあり得ないと述べられています。 こうした各国の在り方に比べ、先ほど来大臣がおっしゃっているように、日本で、指導に当たっては教員は個人的な主義主張を述べることは避けるというふうに、主張を述べることを一律に禁止するというやり方というのは余りに授業の自主性、独創性を縛るものではないかということを申し上げたいと思います。 日弁連の方も、人権擁護大会でこの点については、現実の政治課題について子供たちが学校内外で自由闊達に意見を表明したり議論したりすることが過度に制限されることになりかねないと批判をしているわけです。もちろん、授業の中で教員が自身の主張を述べることが、片方の主張を述べることが教育上の効果が出ないと考えるなら主張を述べる必要はありませんけれども、それを決めるのはあくまでも現場の教員であって、生徒を圧倒したり主張を押し付けたりしない、これを大前提としつつ、現場での豊かな主権者教育の実践を後押しする、これこそが政治の役割ではないかと、このことを、私、この場で述べたいと思うわけです。 ただ、残念ながら、こうした主権者教育の実践を後押しすることに水を差す動きがあるということ、現時点であるということが見過ごせないわけです。それが、さきの参議院選挙の際に自民党が行った、学校教育における政治的中立性についての実態調査です。その調査は、子供たちを戦場に送るなという主張が政治的中立性から逸脱するなどと例示した上で、教員の政治的な発言などについて具体的な内容にまで踏み込んで密告させようというもので、参議院選挙の後には削除されましたが、社会的にもとても関心の高い事案でありました。 ここで改めて一点確認したいんですけれども、中学の学習指導要領においては、日本国憲法の平和主義について理解を深めるという内容があります。その内容の解説には何と書かれているか、該当箇所を御紹介ください。
○政府参考人(藤原誠君) お答えを申し上げます。 御指摘の学習指導要領の解説につきまして、該当部分を読み上げたいと思います。 「(3)私たちと政治」の「ア 人間の尊重と日本国憲法の基本的原則」における平和主義の原則についての学習との関連を図り、日本国民が、第二次世界大戦その他過去の戦争に対する反省と第二次世界大戦の末期に受けた原爆の被害などの痛ましい経験から、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないように望み、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、国の安全と生存を保持しようと願い、国際紛争解決の手段としての戦争を放棄し、陸海空軍その他の戦力を保持しないことを決意したこと、そして人間が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存することを心より願っていることについて理解を深めさせることを意味している。その上で、各国が自国の防衛のために努力を払っていることに気付かせるとともに、歴史的分野における学習との関連を踏まえつつ、国際情勢の変化の中、自衛隊が我が国の防衛や国際社会の平和と安全の維持のために果たしている役割、日米安全保障条約などにも触れながら、平和主義を原則とする日本国憲法の下において、我が国の安全とアジアひいては世界の平和をいかにして実現するか、また、さらに我が国が行っている世界の平和と人類の福祉に貢献している様々な国際貢献について考えさせることを意味していると記載されております。
○吉良よし子君 後半も付け加えて言っていただいたということですけれども、平和主義については、つまり憲法に書いてあるとおり、第二次大戦等の過去の戦争に対する反省などの経験から、再び戦争の惨禍が起こることのないようにという憲法の平和主義を学習指導要領でも理解を深めるように書かれているということが確認されたと思うわけです。 そもそも、調査においてはこの政治的中立性を逸脱すると例示された子供たちを戦場に送るなという言葉があるわけですけど、この言葉は憲法の平和主義に照らして当たり前の発言なわけです。これを政治的中立性を逸脱するものだとするなどというのはあり得ないと。事実、調査においても様々な批判を受けて、この文言は削除されました。後の新聞報道の中では、調査に当たった当時の自民党文部科学部会長の木原稔氏も子供たちを戦場に送るななんて当たり前だと発言していることからも、これは明らかだと思うわけです。 その上でもう一点、この調査が問題なのはそのやり方だということを述べたいと思うわけです。 実態調査と言いながらも、ネットを通じて当事者の知らないところで事実かどうか分からない一方的な情報が他に告発されるというやり方です。これはもう政党による教育への不当な介入と言わなければならないと思うわけです。ネット上でも、一線を越えている、紛れもなく警察国家だとか、密告社会の到来だとの怒りの声が上がり、各種報道の中でも教員や生徒にネットを通じて同僚や恩師を密告することを奨励するようなものではないかと批判が相次いでいるわけです。 大臣も、この間、就任記者会見のときにこの問題について問われていらっしゃったと思いますが、この密告フォームとも呼ばれるような調査についてどうお考えなのか、国民の批判に対してどう向き合うのか、お答えください。
○国務大臣(松野博一君) 自民党が行った調査については、政党の政治活動の一環として行われたものでありまして、文部科学省としてコメントをする立場にございません。
○吉良よし子君 コメントする立場にないということですが、そもそもこの調査、問題なのは、ただ単にそれだけじゃなくて、やっぱり、私、今日議論しているとおり、主権者教育広げましょうと言ってまいりました。それに水を差す調査になってしまっていると、その点が問題だということなんです。 副教材「私たちが拓く日本の未来」の作成協力者でもある林大介東洋大学助教も、東京新聞のインタビューに答えて、模擬投票によって偏向教育が行われやすいという誤解を招く内容であり看過できないとして、殊更告げ口させ罰するやり方は現場を萎縮させるだけだと調査について批判しているわけです。 大臣は所信で現場第一の姿勢だとおっしゃいました。であるならば、主権者教育を推進する立場の文部科学大臣として、それに水を差すような、密告フォームのようなやり方はあってはならないと、そういう立場に立つべきではないのでしょうか、いかがですか。
○国務大臣(松野博一君) 政党がその政党の責任において行われている政治活動に対する評価は、その政党が責任を持つということだと思います。
○吉良よし子君 私、政党の評価をしてって言っているわけじゃないんですね。やはりこういうような、密告フォームと言われるような、そういう調査が、どこの政党であれ、どういう立場であれ、やられてしまうと、現場の教員の皆さんが萎縮してしまうじゃないかということを申し上げているわけです。 今、やっぱり、十八歳選挙権というものが導入されて、本当に、子供、若いうちから政治に対して身近に感じてほしい、主権者としての意識を持ってほしいと国として訴えているときに、それを指導する立場にある教員の皆さんを萎縮させるような、そういう事態はあってはならないと、その立場で、私、この問題などにも対応していただきたいと思っているわけです。 東洋大の研究会に来ていた主権者教育を受けたある高校生は言っていました。選挙権年齢の引下げはチャンスだと思う、若いから分からないと思われたくはない、私が投票することで政治が変わると希望を持って投票に行きたいと話していたわけです。 こうやって主権者として社会や政治に希望を持って関わろうとする若者をもっと増やしていくためにも、そういう現場を萎縮させるような調査のようなものは今後一切やるべきではないということ、各党でも厳に慎むように呼びかけたいと思いますし、それと同時に、私たち政治家も、むしろ学校や主権者教育に関わる関係者とともに、政治について自由に考え、議論できる場をどんどんつくっていくために力を合わせようということを申し上げて、この場での質問を終わります。
○片山大介君 日本維新の会の片山大介でございます。 私は、今日、議員となって初めての質問になります。これまでは国民の一人として、そして子供を持つ親として教育行政に深い関心を寄せてきました。今日はその思いを直接ぶつけさせていただきたいと思いますので、どうか丁寧で誠実な答弁をお願いしたいと、そういうふうに思います。 まず最初の質問ですが、我が党が政策の柱に据えている教育の無償化、これについてお伺いしたいと思います。 なぜ我々が、我が党が教育の無償化を訴えるのか。これは、日本は教育に対する公的支出、これが世界的に比べて極端に少ないからなんです。先月、OECDが加盟各国におけるGDPに占める教育機関への公的支出の割合を発表しました。大臣もよく御存じだと思いますが、日本のパーセンテージ、これ三・二%です。三十三か国中の三十二位、六年連続の最下位は免れましたが、相変わらず低い数字になっています。このため、日本では教育に対する家庭負担が突出して高い国になっています。 以前、文部科学白書、発表されました。これによると、一人の子供を大学に行かすために掛かるお金、これ、公立だった場合は一千万円、これが私立になると二千三百万円に跳ね上がると。こんなお金を持っている家庭というのはそうそうありません。その結果、日本では気付いてみたら低学歴、こうした国になってきているというふうに指摘されています。 大学の進学率は、アメリカは七一%、韓国は六八%、それに対して日本は平均以下の五二%になっています。この国が、教育を、子供の価値をどう位置付けているのかが分かる数字、残念ながらそうだと思っています。 この数字を聞いて、大臣、どういうふうにお思いでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 教育機関への公的支出について、例えば二〇一三年時点のOECDデータによれば、我が国の公財政教育支出の対GDP比はOECDの平均四・五%に対して三・二%、委員から御紹介をいただいたところであります。 私は、教育は未来への先行投資であり、我が国が持続的に成長、発展をするためには教育投資の充実を図っていくことが重要であるということを考えております。委員と同じ方向だと思います。そのために、広く国民の間で教育投資の効果や必要性について認識が共有をされていることが不可欠であります。現在、中央教育審議会において、第三期教育振興基本計画の策定に向けた審議の中で、教育政策の効果を社会に対して示すための方策について検討していただいております。こうした議論も踏まえつつ、広く国民の間での理解を図って教育投資の充実に努めてまいりたいと考えております。
○片山大介君 ありがとうございます。 こうした中、下村元大臣はかつて教育への公的支出について、OECDの平均並みにしたい、それにはおよそ十兆円が掛かる、だけれども、それだけのお金があれば大学の無償化も可能になるし給付型の奨学金もつくることができると、こう言ったんですね。 それで、政府だけじゃなくて自民党も、さきの参議院選挙の、私が戦った参議院選挙ですけど、政策の公約集、これJ—ファイルと言うんでしょうか、この中でも、OECD諸国などにおける教育投資の状況を参考にすると、こう書いてあったわけです。 改めてお伺いしたいんですが、このOECD諸国並みに近づけるおつもりはあるのか、その大臣の覚悟、これを聞きたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) 第二期教育振興基本計画、これは平成二十五年に閣議決定したものでありますが、OECD諸国など諸外国における公財政支出など教育投資の状況を参考とするとしております。 私個人としては、先ほど申し上げたとおり、教育予算をしっかりと確保して充実した教育政策を進めてまいりたいと考えております。
○片山大介君 そうした中、我が党は先日、教育無償化法案というのを提出させていただいたんです。今日は参考資料として皆様にもお配りさせていただいたんですが、この我々の法案だと、その対象は幼児教育から高等教育まで、すなわち幼稚園、小中高、大学、大学院まで全て授業料を無償にしよう、無料化していこうというふうに考えているものなんですが、この法案、大臣、どういうふうにお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 日本維新の会が提出をした法案は、幼児教育、高校、大学等の教育についても、経済状況にかかわらず授業料を負担させないものとすること等を内容とするものと承知をしております。誰もが家庭の経済状況にかかわらず希望する質の高い教育を受けられるということは重要だと考えております。 文部科学省ではこれまで、幼児期から高等教育段階までの切れ目のない形での教育負担軽減として、平成二十九年度概算要求において、幼児教育無償化に向けた取組の段階的推進、高校生等奨学給付金の充実、大学等における授業料減免等や大学等奨学金事業の充実などに必要な経費を盛り込んでおります。今後とも、必要な財源を確保しつつ、教育費負担軽減に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。 日本維新の会が提出をされた法案につきましては、議員立法であり御議論をいただければと考えております。
○片山大介君 そして、この教育の無償化なんですが、実は、日本政府としてはこれは公約になっているわけですね。日本は国際条約の一つの経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約、これ一九七九年に批准しているんです。ただ、その際に、規約の中の一つの規定の無償教育の漸進的導入、これ漸進的というのは難しい字なんで、段階的という意味なんでしょうか、という部分については留保していました。それを四年前の二〇一二年に、まあ二十年以上たってからなんですが、その留保を撤回したと。それによって政府全体としてこの教育の無償化、無償教育というものが公約になったんですが、これについては、大臣、知っていたでしょうか、どうでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 存じ上げております。
○片山大介君 そうすると、ただ、その後、実際に政治の中では逆行した動きが起きてきているわけなんです。日本では二〇一〇年の四月に、先ほど斎藤委員からもお話のあった高校無償化制度、これをスタートしたんですね。これは、この制度は、公立学校の年間の授業料十一万八千八百円無料に、それで私立高校の場合は同じ額が就学支援金として給付されていたんですけれども、これがおととしになって、これ所得制限を設けたんです。九百十万円以上になると授業料を払うことになった。また、私立高校の場合はこの給付がなくなったと。こうした逆行をしているんですけれども、これについてはどうお考えでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 国際人権A規約第十三条二項(b)については、教育費負担の軽減に努める方向が維持をされ、かつ、実際の施策が中長期的に見てその方向に沿ったものであると認められるのであれば人権規約に違反するものではないと考えております。 高等学校等就学支援金制度については、平成二十五年制度改正において所得制限を導入をしたわけでありますが、それによって捻出した財源によって低所得世帯への支援の拡充を行いました。この制度改正は、むしろ、より効果的に本制度を実施する観点から、現行予算を活用し低所得世帯への支援を重点的に行うことにより教育の機会均等を進めたものであり、人権規約の趣旨にも合致したものだと考えております。
○片山大介君 なかなか今の答弁というのは分かりづらいというか、所得制限を設けたということであれば、やはりそれは漸進的導入からは逆行した動きと、これは、今この話を聞いている人たち、皆さんそのように思うかなというふうに思うんですね。 それで、そのお金を、捻出した財源をほかに回すといっても、やはりそれは逆行的な動きであって、それをやるのであればほかのところから財源を回すべきだなというふうに私は思うんですけれども、これについてもう一度答弁をお願いいたします。
○国務大臣(松野博一君) 政策効果に対する評価というのはそれぞれのお立場があるのであろうというふうに考えておりますが、私は、所得制限を導入をして、その予算によって低所得世帯の支援を拡充したことは、今の日本の教育政策、教育費負担の現状から考えれば、むしろこのことがこの人権規約の精神に沿ったものであるというふうに評価をしております。
○片山大介君 確かにこの財源の問題、今財政状況がいろいろ厳しい中で、簡単にこの無償化、段階的であっても難しいのはよく承知しています。あと、文部科学省の皆さんも財務省との折衝などで大変御苦労されているというのもよく分かってはいるんですが、それでもやはりこういう教育に対する子供たちへの投資に対しては手を抜かないでいただきたいなというふうに思っているんです。 それで、我々の教育無償化法案、ちょっとここに条文についても書いてあるんですが、これの二ページ目のところに我々は書いていて、「幼児教育から高等教育に至るまでの全ての学校教育等が、学校等の設置主体にかかわらず、社会の発展の基盤であることに鑑み、教育費用について、原則として社会全体で負担するようにすること。」というふうに我々はあえてこれを明記させていただいたんですね。 言い換えれば、この教育の無償化というのが、単に保護者の財政負担の軽減を目指すものだけではなくて、そうではなくて、社会全体でこの社会の発展に寄与していくというふうな考えを持ってやっていこうというのを我々は明記しているんです。 こうすることによって、この無償化に対する国民的な理解、厳しい財政状況の中でも理解をしてもらえるんではないかというふうに思っているんですが、これについて、大臣、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 私も、教育政策を充実をする、質の高い教育を子供たちに提供することは極めて重要であり、ひいてはそれが大きな国の力になっていくというふうに考えております。 その中において、国民全体にどう御理解をいただくかということがやはり重要でありますので、文科省としても教育政策の充実に向けて、またその財源確保において国民の理解をいただけるように、しっかりと説明に努めてまいりたいと考えております。
○片山大介君 じゃ、続いては奨学金制度についてお話を伺いたい、こう思っています。 今の奨学金制度というのは、御存じのようにほぼ全てが貸与型になっていて、しかも多くが有利子になっている。このため、その返還に対する負担、これが大きな課題になっています。 こうした中で、来年の春からは、先ほどこれも斎藤委員からお話のあったように、所得連動型の制度がスタートします。この制度というのは、大学を卒業して社会人になった人が、その所得に応じて負担のない形で、最低額二千円という数字に設定されていますが、そこから返していこうという制度なんですが、この制度を導入することによる効果はどのように考えているのか、お願いできますか。
○国務大臣(松野博一君) 卒業後の所得に返還月額が連動する新たな所得連動返還型奨学金制度については、平成二十九年度進学者から着実な実施に向けて準備を進めているところであります。 本制度は、所得に連動して返還月額が決定されることとなっており、所得が低い状況でも無理なく返還することができます。例えば私立大学自宅生では貸与月額が五万四千円になり、その場合、返還月額は一万四千四百円と現行ではなりますが、所得が低ければ最低で二千円という返還月額となり、大幅に負担が軽減をされます。 以上のような効果によりまして、将来の奨学金の返還について極力不安を取り除き、意欲と能力を有する者の高等教育機関への進学機会の確保につながるものと考えております。
○片山大介君 ただ、私、この新しい制度でも課題があると思っておりまして、今の奨学金の制度であれば一定期間によって返還額が完了するというようになるんですが、この新しい制度になると、二千円から始まって、終わりがいつか見えない形で延びていく感じになると。そうすると、かえって今の問題になっている滞納というのがこれまた増えるんじゃないかなというのが一点と。 あともう一つは、連帯保証の考え方なんですが、今の制度だったら保護者がなるケースと、それから国際教育支援協会ですか、この団体の、財団の方がなる機関保証の二つ選べますが、新しい制度だとこの機関保証の方しか選べないと、財団の。しかも、こちらを選ぶと毎月保証料というのが引かれていくと。そうなると、これかえって使い勝手が悪いようなところも出てくるんじゃないかな、運用側にとってもマイナスが出るかなと思いますが、これについてはどうお考えでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) まず滞納の問題についてでありますが、私どもは、返還金額を下げて返還が可能な金額を設定することによって、むしろ滞納を防ぎたいという意図を持っております。あわせて、これも御指摘がありました、所得が低い返還者が返還期間が長期化することから、奨学金を貸与する際に設定した連帯保証人の返還能力が奨学金の返還終了まで確保されないケースが増えると、これも想定をされます。 このため、有識者会議の審議のまとめでは、保証能力を返還終了まで確保するなどの観点から、人的保証から機関保証に移行することが勧められる、併せて保証料の引下げについても検討すべきとされています。有識者会議の議論を受けまして、文部科学省としても、関係機関と協議をして適切な対策を取るべく今検討しているところであります。
○片山大介君 ありがとうございます。 だから、私も給付型奨学金の充実の方にやっぱり力を入れなきゃいけないなというふうに思っています。この給付型奨学金、導入していないのがよく皆さんも御存じのように日本とアイスランドだけで、日本は遅れていたわけなんですが、ようやく閣議決定で、次の予算編成の中で実現をしようという前向きな形になってきているわけです。 それで、私もちょっと昼のNHKのニュース気になって、これ毎月三万円給付の方針固めるというふうになっていた。これはあながちニュースでやっているからうそでもないなというふうに思うんですけれども、そうすると、大体年間の換算額だと四十万円弱ぐらい。これ、今、これまでの検討チームの検討だと大体五十万前後かなというふうな検討状況だったような気がするのと、あと、ほかの国を見ていると大体五十万台から六十万台なんですね。 そうすると、若干少ないなという気がするんですけれども、この報道には関係ないというか、この毎月三万円で帰着するわけではないというふうに言えるのかどうか、そこ、答弁をお願いします。
○国務大臣(松野博一君) 先ほども答弁をさせていただきましたが、まずNHKの報道があったことは承知をしておりますけれども、文科省によってそういうラインが固まったというような事実はございません。 金額についてでございますけれども、これは学校種によるものもございますし、その生徒の生活の形態によるものもあり、様々な検討の要素がありますけれども、これらを踏まえて平成二十九年度予算編成の中でその設計を進めるということでございます。
○片山大介君 分かりました。 一点気に掛けているのは、閣議決定もされた、安倍首相も所信表明で言われたということがあって、制度ありきになるのが怖いなというか、だから、そのために、一部分だけとか部分的にスタートするだとか、本当に救うべき人たちを救うのではなくてほんの一部の人だけを対象にしてしまうような、そういった、額にしたってやっぱり三万円は少ないのかなという気がしているんですね。 そういうことで、取りあえず制度の実績をつくろうということに走られると困るなと思うんですが、それについてはどのようなお考えか、教えていただけますか。
○国務大臣(松野博一君) 給付型奨学金の意義、目的に関しては、経済的理由により進学を断念せざるを得ない者の進学を後押しをする観点ということが第一に挙げられているわけであります。この目的に沿って設計をしていくということになるかと思います。
○片山大介君 そうすると、その選定基準が家計所得と学力の二つなんですが、家計所得の方でいくと大体規模としてどのくらいの規模を想定しているのか。そこは、大臣なのか、どなたでもいいですけれども。
○国務大臣(松野博一君) 今までの議論の中で、対象者については、例えば児童養護施設出身者、生活保護世帯、住民税非課税世帯等の低所得世帯が考えられるとされております。これらの方を対象として考え、先ほど申し上げた、経済的理由により進学を断念せざるを得ない者の進学を後押しをするということでございますが、これ対象についても、今後、二十九年度予算編成の過程において検討をするということで、現状において、対象はここからここまでというのは固まっているわけではございません。
○片山大介君 そうすると、やはりこちらの方も大切な財源の問題になってくると思います。 今、これもまだ検討中なのかもしれませんが、特定扶養控除の活用をするというのは検討段階でも出ていると思うんですが、これについてはどのようなお考えでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) その事案についても、私、報道で承知をしておりますけれども、この財源の確保についてはそれぞれの立場で様々な御議論があるんだろうというふうに思います。 いずれにせよ、文部科学省としては、必要な財源をしっかりとこの予算編成の過程で確保し、実現をしてまいりたいということでございます。
○片山大介君 政府は、今年、低所得者のお年寄りを対象に臨時福祉給付金、これを出しました。これ、金額は三千六百八十五億円なんですね。今、この給付型奨学金については数百億円ぐらいである程度行き渡らせることができるんじゃないかと言われているわけですね。そうすると、臨時福祉給付金の五分の一とか六分の一とかの額でそれができるので、是非それをやっていただきたい、充実させていただきたいと。 そして、今回のこの制度は、やはり頑張れば手が届く、そういう制度にしていただきたいと思うんですね。手が届くようになれば頑張る人がいっぱい出てくるんです。そうすると、本当に困っている人でも頑張ったら何とかなるという人が出てくると思うので、是非それを実現させていただきたいと思います。 最後に、決意を大臣から聞きたいと思います。
○国務大臣(松野博一君) 給付型奨学金に関して、これを実現することはもう政府決定をしていることでありますから、着実にその財源を確保しつつ実現をしてまいりたいと思いますし、同時に、教育費の家計費における負担軽減ということは、この給付型奨学金のみならず、今、有利子から無利子へという奨学金の流れ、無利子奨学金の拡充も行っております。無利子奨学金において実質的な成績基準を撤廃するというようなことも検討されている状況の中において、授業料減免等も併せて、これらを複合的に負担の軽減を図ってまいりたいと考えております。
○片山大介君 ありがとうございました。
○木戸口英司君 希望の会(自由・社民)、自由党の木戸口英司でございます。 科学技術イノベーションに関し、国際リニアコライダー、ILCについて御質問をさせていただきます。 ILCとは、地下約百メートル、全長三十一から五十キロメートルの地下トンネルに建設される大規模研究施設であります。世界最高、最先端の電子・陽電子衝突加速器として、世界中の研究者が協力し、世界に一つだけ建設しようと計画が進んでおります。 地下トンネル内で電子と陽電子を光速に近い速度まで加速させ正面衝突させると、宇宙誕生、つまりビッグバンが一瞬再現され、質量をつかさどるヒッグス粒子を始めとして様々な粒子が現れてくる。これらの粒子を観測することにより、どのようにして宇宙が生まれ、物質が生まれたかという人類が長年抱いてきた謎の解明に挑むことができます。また、加速器技術の応用範囲は、医療、生命科学から新材料の創出、情報通信、計量計測、環境エネルギー分野まで多岐にわたると考えられております。誘致が実現すれば世界中からILCを建設する加速器の研究者、各種技術者らが集まり、研究が始まれば三千人近い研究者とその家族が暮らすようになり、最先端の研究施設とともに国際都市がつくられると想定されております。 ILC計画については、素粒子物理学分野の国際コミュニティーによりグローバルプロジェクトとして二〇一三年六月に技術設計報告書、TDRが発表され、また、ILCに関する国際コミュニティーにおいてはILCを日本に建設することが提案されております。国内研究者による立地評価委員会は国内候補地を東北、北上山地が最適であると評価し、ILCの我が国への誘致を推進する動きが今活発化されております。 そこでお尋ねいたしますが、まずILC誘致の意義は何か、文部科学大臣の御見解をお伺いします。
○国務大臣(松野博一君) ILC計画は、今委員から御紹介をいただいたとおり、全長約三十キロメートルの直線上の加速器を造り、宇宙創成の謎解明を目指すという壮大な計画であると認識をしております。一方で、一兆円を超える巨額の投資が必要であることから、一国のみで実現することはできず、国際協力が必要不可欠であるとともに、国民及び科学コミュニティーの理解を得ることも不可欠であると認識をしています。 文部科学省においては、現在、専門家による有識者会議を設置をし、科学的な意義を始め様々な観点からILC計画そのものの意義について慎重に検討を進めているところであります。
○木戸口英司君 それでは、少し具体的にお聞きします。 我が国では、文部科学省の有識者会議において、素粒子原子核物理作業部会、技術設計報告書(TDR)検証作業部会、また人材の確保・育成方策検証作業部会などが設置されまして、それぞれ検討報告書がまとめられております。その報告書を受け、文部科学省の見解を何点かお伺いいたします。 ILCの科学的意義について、報告書は、ILCは素粒子の探索、ヒッグス粒子及びトップクオークの精密測定という方法により標準理論を超える物理を探求し、新しい物理の解明に貢献し得る点で重要である、現在の世界最大の加速器であるスイス・ジュネーブ近郊、CERN研究所のLHCでは検出が困難で、ILCでのみ検出できる新粒子が存在する可能性は否定できないとしております。 これに関して見解をお伺いいたします。
○政府参考人(小松弥生君) 議員御指摘のとおり、このILC計画におきまして標準理論を超える物理の発見があった場合には、素粒子物理学上の科学的意義は大きいというふうに考えております。御指摘の報告書におきまして、同時に巨額の投資に見合う科学的成果が得られるべきであるとの観点から、ヒッグス粒子及びトップクオークの精密測定のみならず、新粒子の発見の可能性についても見通しを得るべきとの提言をしております。 この新粒子の探索につきましては、CERN、欧州合同原子核研究機関のLHC、大型ハドロン衝突型加速器ですが、このLHCにおきまして二〇一七年末までの予定で行われております実験結果に基づいて見極めることが必要とされておりますので、文部科学省といたしましては、現在このLHCの成果の動向を注視しているところでございます。
○木戸口英司君 先ほど大臣からも事業費のお話が触れられました。確かに一兆九百十二億円とも言われております。建設期間が十年でありますので、この十年で一兆ということだと理解しております。また、年間運転経費四百九十一億円という算定も出ております。 先ほど来お話ありますとおり、この費用について、我が国の費用負担の在り方、このことをどのように考えているか、見解をお伺いします。 そして、日本学術会議、この点において、国際リニアコライダー計画における所見、ILC計画の素粒子物理学としての学術的意義は認めつつ、巨額の財政的負担が生じることから、ILCへの資源配分による諸学術分野の停滞を招いてはならないとの見解も示されております。 ILCは科学の基礎研究としての意義が非常に大きいプロジェクトであり、ほかの科学技術予算を逼迫することなく費用を確保する努力が必要と思いますが、いかがでしょうか、見解をお伺いします。また、海外からの資金分担を求めるための方策、国際調整の必要性についてどのようにお考えか、見解をお伺いいたします。
○政府参考人(小松弥生君) 御指摘のとおり、ILC計画は一兆円を超える巨額の投資が必要であることから、今御紹介いただきましたように、日本学術会議からも、ILCへの資源配分によって国家的諸課題への取組に影響が及んだり、科学技術創造立国を支えるべき諸学術分野の停滞を招いたりするようなことがあってはならないという見解が示されております。このように、ILC計画の実現に向けては、科学コミュニティーを始め国民の理解を得ることが必要不可欠でございまして、コスト削減の工夫でありますとか、議員が御指摘されたような国際協力における経費負担の在り方の検討も大変重要であるというふうに考えております。
○木戸口英司君 今触れられました国際協力について何点かお伺いいたします。 報告書によると、ILCは、先ほど来触れられておりますとおり、大規模な国際共同研究計画であり、国際的な協力により実施することが必要不可欠であるとされております。ILC建設に向けての日米協力、日欧協力、ヨーロッパですね、日欧協力の促進について、リニアコライダー国際研究所建設推進議員連盟が先導してきたものと認識しております。 また、二〇一四年には、ワシントンDCにおいて、当時の下村文科大臣と米国エネルギー省、DOEモニーツ長官とILCに関し議論が行われております。こういう取組の中で、ILCの日本建設について米欧の理解が深まり、協力の意向が示されてきていると考えております。 また、本年五月と八月に、日米ディスカッショングループ会合として、文科省とDOEとで事務レベルの会合が始まっていると伺っております。この具体的な検討内容、国際協力の進展などについて、現状と課題をお伺いいたします。
○政府参考人(小松弥生君) ILC計画につきましては、一国のみで実現することはできず、国際的な協力は不可欠でございます。この観点から、御指摘いただきましたように、今年五月に、米国エネルギー省、DOEと文部科学省の間で日米ディスカッショングループを設けて、ILC計画に関する検討や調整を行うことといたしました。このディスカッショングループにおきましては、大幅なコスト削減を目指すことが重要との共通認識を持っておりまして、特にコスト削減に向けた共同研究の実施につきまして優先的に協議を進めているところでございます。
○木戸口英司君 ありがとうございます。 先ほど来、費用の問題が出ておりますが、やはりこの経済効果ということも大きくあるわけでありまして、その点について質問したいと思います。 ILC計画に関する技術的・経済的波及効果及び世界各国における素粒子・原子核物理学分野における技術面を含む研究動向に関する調査分析というものが出ております。それによりますと、ILCにより発生する最終需要額は約二兆一千億円、生産誘発額は約四兆四千六百億円ということが分析されております。ILC計画による技術的波及効果について、過去の実績から、一定程度の波及効果を生むと期待されるということも触れられております。 ILCが日本に建設されれば、アジアで初めての大型国際研究所となります。ILCを日本がホストすることは科学技術面での大きな国際貢献であり、我が国にとって、多様で多大な波及効果も含め、有効な未来への投資であると考えます。国家プロジェクトとしての推進に期待をいたしております。 想定される課題を明らかにし、国際的知見を集めることで解決に向けていくためにも、段階に応じ、日本の立場や考え方を情報発信していくことが大事ではないかと考えます。今後の検討、取組について改めてお伺いをいたします。
○政府参考人(小松弥生君) 諸外国におきまして我が国におけるILC計画への取組に対する関心が高いことから、各国の研究動向を注視することと併せて、文部科学省における検討状況を適切に情報発信するということは重要と認識しております。 これまでも各国の関係機関が参加する国際会議や、先ほど申し上げました日米ディスカッショングループにおきまして、文部科学省における検討状況等を定期的に紹介をしているところでございます。また、文部科学省の有識者会議がまとめた報告書も英文版を文部科学省のホームページで公表しております。引き続き国際的な情報発信に努めてまいりたいと考えております。
○木戸口英司君 やはり人材の育成、あるいは研究者が日本に集まっていただくこと、それはやはり突然、建設が決まってすぐできることではありません。やはり段階に応じていろんな発信をしていくことということは、そういう意味においても国際的に今注目されているところでありますので、そのことには是非努めていただいて、建設に向けて進んでいただけるようにまた要望をいたします。 そこで、教育的効果についてお考えをお伺いいたします。 ILCが実現すれば、外国人を含む多くの研究者が施設周辺に住み、身近に国際的な研究都市が形成されるわけです。それにより、経済や雇用に好影響があるだけではなくて、子供たちの知的好奇心を刺激し、科学への興味、関心を呼び起こすという教育的効果も生じると思いますが、この点について文科省としてどのように考えておりますでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 一般論として申し上げれば、研究施設が周辺住民に開かれ、子供たちに積極的な啓発活動等を行うことによって、科学的興味を喚起するなどの教育的効果が生じる可能性はあると考えております。
○木戸口英司君 ありがとうございます。 そういった効果も踏まえて、文科大臣として誘致に向けて是非決意を伺えればと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 冒頭申し上げましたけれども、ILC計画は宇宙創成の謎解明を目指す壮大な計画であります。一方で、これも申し上げましたが、巨額な投資が必要となる計画であります。 文部科学省としては、専門家による有識者会議において、まず科学的な意義ですね、ILCの、様々な観点からのILC計画の意義について検証し、国民及び科学コミュニティーの理解を得つつ慎重に検討を進めてまいりたいと考えております。
○木戸口英司君 それでは、次の質問に入らせていただきます。 国立大学法人等の第三期中期目標・中期計画及び運営費交付金について何点かお尋ねいたします。 平成十六年度の国立大学の法人化以降、国立大学法人ごとに六年間の中期目標、中期計画を策定することが義務付けられております。平成二十八年度、今年度から第三期中期目標期間が始まっております。 各大学は文部科学省の取りまとめた国立大学改革プランや国立大学経営力戦略のほか、「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」、これは大臣通知でありますが、これらを踏まえて第三期中期計画を作成しております。国立大学改革プラン等の重要な柱の一つは各大学の機能強化でありましたが、第三期中期計画も機能強化に向けた各大学の強みや特色の明示、大学として重点的に取り組む計画の明確化等が特徴となっております。 第三期中期目標期間の初年度となる平成二十八年度から、運営費交付金についても各大学の機能強化の方向性に応じた取組を支援するとし、新たな仕組みが導入されております。 三つの枠組み、地域貢献型、強み、特色のある教育研究型、また世界で卓越した教育研究型、これらから各大学自ら選択した上で取組構想を提案し、その提案に対する評価結果に応じて運営費交付金の一部、これは各大学からの拠出金約百億円、運営費交付金の総額約一%でありますけれども、再配分をされております。 ここで、国立大学を法人化した意義、ここは自律的、自主的な環境の下での国立大学活性化などが言われております。また、グローバル化への対応など、国立大学を取り巻く環境の急速な変化、これの中で国立大学改革プラン等が示されたと聞いております。 こういう意義の中で、三つに類型化すること、大学を三つに類型化することがこれらの時代の要請に応え得る改革となっているのか、御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(松野博一君) 国立大学に対する社会からの様々な期待に応え、各大学の強み、特色を最大限生かし、第三期中期目標期間における機能強化を進めるために、国立大学法人運営費交付金において、予算上の仕組みとして重点支援の枠組みを創設をしたことは、委員から今御説明をいただいたとおりでございます。 具体的には、地域のニーズに応える人材育成の研究、分野ごとの優れた教育研究拠点やネットワークの形成、世界トップ大学と伍した卓越した教育研究の三つの枠組みを設けております。 この重点支援を通じて、各大学がマネジメント改革、学内資源再配分等による機能強化の取組を進めることで各大学の個性を明確にし、社会の変化に対応できる教育研究組織づくりなど、社会の要請に応え得る改革が進められるものと考えております。 文部科学省としては、各大学のこうした改革意欲をしっかりと受け止めて、自己改革に取り組む大学に対し重点支援を行い、国立大学の機能強化を着実に進めてまいりたいと考えております。
○木戸口英司君 そういう趣旨はよく分かりました。 その中で、国立大学の類型化、三つに分けるというその類型、その類型に基づく運営費交付金の配分、これ大学間の格差、序列化が拡大あるいは固定化するのではないかとの危機感が特に地方国立大学においてより強いのではないかと思いますが、その懸念に対し、御所見をお伺いいたします。
○政府参考人(常盤豊君) お答え申し上げます。 地方で活躍する人材の育成や大学を核といたしました地域産業の活性化、そして全国的な教育の機会均等、こういう観点から、地方国立大学が果たす役割は極めて重要だと考えております。 国立大学法人運営費交付金における、今大臣から御紹介がございましたけれども、三つの重点支援の枠組みの中でも、その一つとして、主として地域のニーズに応える人材育成、研究の推進に重点的に取り組み、地方活性化の中核拠点を目指す大学に対して重点支援を行うという類型を設けてございます。 この重点支援の枠組みでございますけれども、全ての国立大学が教育研究、地域貢献等の多様な機能や役割を担っている、このことを前提としております。したがいまして、各大学が果たす機能や役割を限定するというものではないと考えてございます。 また、社会から求められます多様な役割を果たすため、各大学が特に重点的に取り組む内容を踏まえまして、この枠組みの選択につきましては各大学が自身で選択をするということになってございますし、また、その三つの枠組みそれぞれに応じて評価がなされまして、それに基づく重点支援で自己改革を促進するということでございますので、私どもといたしましては、この重点支援を通じて各大学の強み、特色の発揮と新たな形成ということを重点的に支援してまいりたいというふうに考えてございます。
○木戸口英司君 今、人口減少対策、地方経済の再生に取り組む地方にあって、地元の地方国立大学に対する地域貢献への期待はますます大きいと言えます。松野文部科学大臣も先日の所信の中で、地方創生に向け、地方大学等の活性化などの取組を進めますと述べられています。 そこで、まず地方創生の推進における地方国立大学の位置付けについて伺います。続けて、地方創生を推進するに当たっては、地域政策に対する分析、立案、推進を行うことができる人材の育成等が急務であると思います。地方国立大学の人文社会科学系の学部、大学院の果たす役割、期待は大きいと考えますが、所見をお伺いいたします。
○国務大臣(松野博一君) 地方創生における地方大学、地方国立大学の役割でございますが、一つ目は、委員から御指摘があった、地域で活躍する人材の育成、そして地域の産業の活性化、地方への人口集積等の観点が挙げられると思いますけれども、これらに対して地方大学が果たす役割は極めて重要なものがあると考えております。 そのため、平成二十七年十二月に改訂されたまち・ひと・しごと創生総合戦略において、知の拠点としての地方大学の強化、地元学生の定着促進、地域人材の育成の三つの柱から成る取組を推進することとしております。 特に国立大学は、各都道府県に地域の教育研究拠点として設置をされ、自治体や地域の経済界からも地域の発展や課題解決に高い期待を寄せられているところであります。こうした期待に応えて、近年、各地の国立大学において、地域ニーズに対応した特色ある学部を設置をし、地域資源を活用した実践的な活動の実施や自治体と連携した地域の課題に取り組む授業の実施など、様々な改革が行われているところであり、その役割は地方創生の推進には不可欠なものであると考えております。
○木戸口英司君 国立大学法人運営費交付金についてお伺いいたします。 法人化された平成十六年度と比較し、現在一割以上減少しております。運営費交付金が年々減少するという各大学には厳しい状況を強いながら、その一%とはいえ拠出金を出させ、計画の評価により傾斜配分する、この傾斜配分を行う妥当性について所見を伺いたいと思います。 また、続けて、平成二十九年度概算要求においては運営費交付金の増額要求をしております。大学における学術研究の重要性や我が国における大学政策の在り方も含め、予算獲得に向けた大臣の基本的考え方及び決意を伺いたいと思います。
○政府参考人(常盤豊君) まず、私の方から傾斜配分についてお答えをさせていただきたいと思います。 国立大学は、第三期中期目標期間におきまして、各大学の強み、特色を最大限に生かし、自ら改善、発展する仕組みを構築することによって、持続的な競争力を持ち、高い付加価値を生み出すということを目指しております。これを踏まえて、先ほど御紹介いたしました三つの重点支援の枠組みを創設いたしまして、各大学からの拠出額を財源に、評価に基づくめり張りある配分を行う仕組みとしております。 その際、各大学の拠出額となる機能強化促進係数による影響額についても、各大学が選択する重点支援の枠組みと規模などに応じまして、過度な負担が掛からないように配慮しているところでございます。また、評価に当たりましても、自ら選択した枠組みに応じて、第三期期間の六年間にわたる具体的な取組構想について有識者検討会における評価を実施をしまして、その結果を配分に反映するということとしております。 なお、今回の評価結果によりまして結果的に配分額が減額となっている大学ございますけれども、今後の取組の見直しや進捗度合いによりまして評価結果の改善ということもあり得るものだと考えてございます。
○国務大臣(松野博一君) 予算獲得に向けた大臣の考えという御質問をいただきました。 世界が知的基盤社会へと進展する中、大学における人材育成、学術研究、基礎研究は、イノベーションの源泉となる多様で卓越した知を創出する基盤として極めて重要であると考えております。あわせて、国立大学の使命は先ほどお話をさせていただいたとおりであり、国立大学の三期中期目標期間の初年度である平成二十八年度予算では、国立大学法人運営費交付金については対前年度同額を確保したところであります。平成二十九年度概算要求においても、各大学の強み、特色を生かした機能強化、国際競争力の強化、数理・データサイエンス教育の拠点形成等を推進するため、運営費交付金等の増額を要求をしております。 文部科学省としては、国立大学が我が国の人材育成、学術研究の中核として継続的、安定的に教育研究活動を実施できるよう、運営費交付金等の基盤的経費の確保に努めてまいりたいと考えております。
○委員長(赤池誠章君) 時間でございます。
○木戸口英司君 終わります。
○松沢成文君 皆様、お疲れさまでございます。無所属クラブの松沢成文です。 まず冒頭、松野大臣、水落副大臣、それぞれ大臣、副大臣の御就任、おめでとうございます。 私は、大臣所信にもありましたが、オリンピックの成功、その会場問題について今日は伺っていきたいなというふうに思っております。 まず、ちょっと唐突ですが、松野大臣はゴルフをやられますか。それと、このオリンピックの会場問題で、今ボート会場とかいろいろ問題になっていますが、ゴルフの会場についても大きな問題を抱えているということを御存じだったでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 私が住んでおります千葉県の市原市は、市内に三十三か所のゴルフ場がありまして、日本でも有数のゴルフ場の集積地帯でありますが、残念ながら私はゴルフはやりません。 あわせて、ゴルフ場の会場問題でございますが、先般の予算委員会において、松沢委員の質問の中において、霞ケ関カンツリー倶楽部と若洲ゴルフリンクスの件について委員からの質問があったことを承知をしております。
○松沢成文君 ゴルフやらなくても全然構わないんです、当たり前ですけれども。 私がずっと追いかけているのが、このゴルフ場の会場選定は極めて問題で、このままだと大失敗するという危機感からなんです。 分かりやすく表を作らせていただきましたので皆さんもお付き合いいただいて見ていただければと思うんですが、実は、二〇二〇年のオリンピックの招致に向けて、二〇一二年二月の申請ファイルでは若洲ゴルフリンクスになっていたんですね、ゴルフ会場は。それが、二〇一三年一月の立候補ファイル、一年後の立候補ファイルでは霞ケ関カンツリー倶楽部に突如変わっていたということなんです。この間に招致委員会の部会が開かれて、そこでどどどっと変えられちゃったわけなんですね。 それで、大臣、オリンピックの一つの理念として、しっかりとレガシーを残すんだと、これ、一番大きなポリシーじゃないかというふうに思います。レガシーというのは、オリンピックの例えばハードでいえば会場、あるいはソフトでいえばオリンピックのやったことがその後にちゃんとつながっていく、もっと言えば、会場について言えば、後の国民あるいは都市住民がその会場を利用して、オリンピックですばらしいプレーがあった会場だと、自分たちもそこでプレーできるといってスポーツの普及につながっていくこと、これがレガシーだと思いますけれども、実は、霞ケ関カンツリー倶楽部、プライベートコースなんですね、高級会員制クラブ。普通の人、なかなかできないんです。これ、レガシーになりませんよね。片や、若洲ゴルフリンクスはパブリックコースで東京都所有です。ですから、会場費も掛からないんですね。 この二つを比べてみて、レガシーとなるのはどっちかと聞かれたら、大臣、どう思いますか。
○国務大臣(松野博一君) まず、東京大会における個々の競技場、競技会場の選定については大会組織委員会の権限と責任で行われるものでありまして、本来、私がお答えする立場にないと、これはもう松沢委員も御承知のとおりであり、このことを前提として御了解をいただきたいと思います。 オリンピックのゴルフ会場に関するレガシーをどのように捉えるか、このことは、人それぞれにおいて様々な評価があり、確たる定義はないものと考えております。松沢委員の方から御指摘のとおり、大会後も多くの国民が利用できることが重要だというお考えもあれば、大会後も世界のトッププロが集う国際試合が開催できるといった観点もあるのではないかと思いますが、したがいまして、どちらがレガシーとなるかについては一概には言えないものと考えております。
○松沢成文君 実は、ブラジルのリオの五輪のゴルフ会場も、実は最初はプライベートのコースしかなかったんです、リオには。決まっていたんです。でも、これではレガシーにならないということで、何とパブリックコースを建設して、それで、しっかりと国民の皆さん、ブラジルのリオの皆さんに今後使ってもらってゴルフを普及させようということでわざわざ建設したんですね。 これを見ても、もうプライベートでやるというのは、実は全ての競技の中で、東京大会、ゴルフだけですから、一般の人が利用できない施設でやるというのは。ほかは全部国民が利用できる施設でやるんです。これを見ても、全くポリシーに反していますね。 二つ目です。気象条件にちょっと行きましょう。 これ、実は埼玉県ですね、日本で一番暑いんです。いつも日本の夏の最高気温は、岐阜の多治見辺りと埼玉の熊谷辺りで三十八度ぐらいで競うんですね。この一番暑い埼玉県で一番暑い時期にやるわけですね。これ、大変なことになると思いますよ。 まず、日中の温度は三十五度を超えるとき多いんです、オリンピックをやる七月下旬から八月上旬にかけて。それで、芝生の上は四十度ぐらいになるんですね。これだと熱中症続発、救急車のサイレンが鳴りやまないと言われているんです。一方、比較的まだ風が吹いて涼しいのが、若洲は海のど真ん中にありますから海風が吹きますので、体感温度が全然違うというんです。温度自体も三度から五度低いんじゃないかと言われているんです。 これは私が勝手に作っているんじゃなくて、これ誰が言っているかというと、あの有名な気象予報士の森田さんが言っています。ですから、ゴルフをやるとしたら絶対に若洲の方がそれは楽でしょうと、霞ケ関でやったら大変なことになるんじゃないですかと言われているんですね。それから、霞ケ関の会員になっている、実は私の友人なんですが、東京都病院協会の会長、河北博文先生、この方は医師であり霞ケ関の会員なんです。このまま霞で強行すると、熱中症どころか死者が出る可能性がある、絶対にやめるべきだと、お医者さんであり会員が言っているんですね。 この気象条件を比べてみて、大臣、どちらがこれふさわしいと思いますか。アスリートファーストだと思いますか。
○国務大臣(松野博一君) 東京大会に向けた暑さ対策について検討するために、内閣官房において競技会場等の気象条件を調査したところであり、現在その調査結果を取りまとめているところと伺っておりますので、現時点でコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
○松沢成文君 是非ともその調査結果を私たちも見せていただきたいと思うんですが。 次に、会場へのアクセス、今、ボート・カヌー競技場も、このアクセス、大きな問題になっていますけれども、まず霞ケ関でやる場合、川越の近くには宿泊施設がほとんどありません。川越の駅前にビジネスホテルがあるぐらいですね。そこはとてもとても宿泊には使えない。したがって、選手村からほとんどの方、行くことになると思います。そうすると四十四キロ、遠く離れています。 これ、大変なんです。車で行くと一・五時間、渋滞したら二時間以上掛かります。高速道路で行くとしたら、首都高から東京外郭、関越通って、それから圏央道まで通っていかなきゃいけない。大変なことですね。物すごく遠いです。片や、若洲ゴルフリンクス、選手村から六キロですよ。これ、自動車使わないでゴルフカートで行けちゃう。もうコンパクト五輪で最適ですよね。それで、たくさんのギャラリーが来ます。東京駅、品川駅、羽田空港からそれぞれ車だと十五分ぐらいです。最高のロケーションですよね。 なぜ、もう一番いいところにパブリックコースの東京都所有のゴルフ場があるのに、遠くで暑くてアクセスめちゃくちゃ悪い、これ、大渋滞が起きたら、それを防ぐために首都高の専用レーン作ると言っているんですよ、組織委員会検討しているんです。その補償費だけで私は何十億だと思いますよ。 このアクセスについて、これ、どう見ても若洲の方が全く優れていると思うんですが、ここはいかがでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 選手村からの距離ということは、これはもう物理的に若洲ゴルフリンクスの方が短いと思います。他方、選手村等から競技会場までどの程度の距離や移動時間が許容されるかということに関しては、組織委員会が競技団体等と協議の上、判断するものであると考えております。
○松沢成文君 今、五輪の会場の議論ですごく前面に出てくる言葉がアスリートファーストということです。これは、五輪をする選手、あるいはもう少し広げると関係者、更に言えばそれを見に行く人たち、そういうことも考えてしっかりと運営しましょうよということだと思うんですが。 先ほどから申し上げているとおり、霞ケ関はもうレガシーにならない。もう遠過ぎて大変です。もう行くだけで時間、渋滞にはまったら二時間、三時間掛かる。気象条件はもう日本一暑くて、下手したら死者も出る。こういう、これが果たしてアスリートファーストなのか。片や若洲は、パブリックコースでレガシーにもなるし、選手村からすぐそばだし、そして気象条件も比較的しのぎやすいということでありまして、このアスリートファーストという面から見てどちらがアスリートファーストと思われますか。
○国務大臣(松野博一君) アスリートファーストの面につきましては、コースレイアウトなどの競技性の観点でありますとか選手にストレスのないスムーズな大会運営の観点、先ほども議論になりましたが、選手にとっての会場移動の容易さの観点等、様々な観点から比較する必要があるものと思います。これに関してまた様々な評価があるのであろうかと思います。 したがいまして、どちらがアスリートファーストの面から好ましいとは一概には言えないと考えております。
○松沢成文君 確かに大臣御指摘のとおり、例えばコース設定で霞ケ関の方が広いじゃないかとか、名門クラブだからレイアウトもいいじゃないかと、こういう見方もあるんですね。 ただ、じゃ、若洲はそれで絶対にオリンピックができないようなコースなのか。そうじゃないんです。これは、日本のゴルフ協会の一部の人たちがもうやっぱり名門霞ケ関でやりたいから、そっちに条件合わせちゃったんです。 例えば、国際ゴルフ連盟では規制がないのに、日本のゴルフ連盟で三十六ホールあるところじゃなきゃ駄目だと勝手に作っちゃったの、条件。国際ゴルフ連盟はそんなこと言っていない。だから、ブラジルの今度のゴルフ場は十八ホールでやっているんですね。 それから、距離の延長だって、若洲もちょっと改良するだけで、霞ケ関も七千ヤードなかったんです。これ、IOCが、できたら七千ヤード欲しいと言っていた。でも、霞ケ関も若洲もなかったんですが、両方ともちょっと改良するだけで十分距離も延ばせるし、それからギャラリースタンド、仮設ですが、駐車場、ゴルフ練習場も、実は若洲ゴルフリンクスも隣に大きな都有地がありますので、そこをちょっと改良するだけでできるということで、コース設定においても、まあ三十六ホールあって広いという意味で霞ケ関に丸を付けて、ここは若洲が三角ですけれども、この部分でも私は十分に国際連盟を説得できるというふうに思っています。 さあ、最後に、この経費の問題です。今、オリンピック会場で小池都知事も一番、お金が掛かり過ぎるじゃないかと、それを補填するのは都の税金だということでここにこだわっていますが、いや、これも莫大になると思うんですね、霞ケ関では。 まず、警備費です、警備費。これ、コンパクト五輪で東京の中心で警備やるのとどんどん会場を遠くに造ってそこで警備をやるのでは、圧倒的にコストは分散化した方が掛かっちゃいます。簡単に言えば、埼玉県警にも警備をお願いしないと霞ケ関は警備ができません。 それから、輸送費ですね。遠くですから、車も人も、これギャラリーも大会運営者も運ばなきゃいけないと。この輸送費の中には、高速道路のオリンピック専用レーンを作るのかどうか。これ作らないと、恐らく二万人クラスのギャラリーを都心部から運ぶのは無理だと思います。恐らく、行き帰り四、五時間掛かってしまう、交通事情悪いですからね。 それから、霞ケ関はプライベートクラブですから、約一か月間、オリンピック用にゴルフ場を借り上げなきゃいけないんです。これも膨大な額になるんですね。若洲の方は東京都営ですから、そんなお金は必要ない。近くですから、高速道路を借り上げる必要ない。あるいは、警備だって都心一帯の中で警備ができる。周りじゅう、三面が海ですからやりやすいんですね。 さて、ここはちょっと水落大臣にお伺いしたいんですけれども、オリンピック担当副大臣ということでありますので、この大会経費、これどう見ても、私は、若洲の方が節約できるし、霞ケ関だと膨大な経費が掛かってしまって、このままいくとまた東京都の小池さんにストップ食らうんじゃないかと、それぐらいに大きく差が出ると思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(水落敏栄君) 松沢先生の御質問にお答えしていきたいと思います。また、松沢先生には、三年間御一緒にこの文教委員会でいろいろと御指導いただいてまいりました。 大会経費につきましては、開催都市である東京都と大会運営に責任を負う組織委員会が大会の開催に直接資する業務を洗い出して、それに基づいた積算を行う必要がありますけれども、現実においては業務を確定するには至っておらず、大会経費は示されておりません。 競技会場ごとの経費を算出するためには、輸送費の算出に当たっては、あるいは高速道路にオリンピック専用レーンを設定するかどうか、あるいはその専用レーンの設置時間をどの程度にするのかとか、御指摘の警備については、競技会場周辺にどの程度のフェンスを張り巡らすのかとか、あるいは警備機材をどの程度導入する必要があるかとか、いろんな事項を検討する必要があるとお聞きをしております。 例えば仮設施設の整備については、観客動員数を踏まえたどの程度の規模のスタンドを設置するとか、いろんなことがあると思いますけれども、そうしたことを一つ一つまだ検討して判断してはいないというふうに聞いております。 今申し上げたような事項が固まっていないために、どちらのゴルフ場の方が開催経費が抑えられるのかという、そうした視点がまだ見えてきておりませんので、私の立場から今現在お答えすることはできないことを御承知いただきたいと思います。
○松沢成文君 東京に会場が決定したのが二〇一三年の九月ですよね。それで、実は、この招致委員会から組織委員会にこれは変わりました。そのときに、開催会場が東京に決定後にこの経費についてはすぐに協議に入るということになっているんです。それから三年たっているんですよね。全く幾ら掛かるか分からない。これは私は組織委員会の怠慢じゃないかと思うんですね。 それじゃないと、私たちも議論できないですよ、国会で。こんな無駄な会場費使っていいのか、交通費使っていいのか、こっちの会場でやればもっともっと経費節減できるじゃないかって、こういう議論ができるんですが、これ全部分かりませんと。 そこで、これ、組織委員会に可及的速やかに、霞ケ関で、会場でやった場合の開催経費を出していただきたいと思うのですが、それをこの委員会から政府を通じて組織委員会に資料要求をしていただきたいんですが、よろしくお願いします、委員長。
○委員長(赤池誠章君) ただいまの件につきましては、後刻理事会において協議をいたします。
○松沢成文君 大臣、オリンピックの方針を決める最高意思決定機関に調整会議というのがございます。この調整会議のメンバーには、政府の方から文科大臣とオリパラ担当大臣、それから東京都知事さん、JOCの会長さん、組織委員長、会長さん、こんなメンバーだったと思いますけれども、ここでいろいろ議論ができるんですね。 今、会場の問題になっているのは、経費が掛かり過ぎるからこれはおかしいといって東京都から問題提起がされているんです。ただ、私は、組織委員会、今の組織委員会の怠慢で、三年もたっているのに経費の計算もできていない。そして、私が先ほど指摘しているように、レガシーの面からも、アクセスの面からも、気象条件の面からも、経費の面からも、アスリートファーストの面からも、どう見てもオリンピックの理念に逆行している霞ケ関を強引に選定したんですね。これは完全な誤りだと思っているんです。 ですから、大臣の方から、これは丸川大臣にも、私、予算委員会でお願いしましたが、この調整会議の場で、ゴルフ会場このままでいいのか、国会では大変厳しい意見が出ているよと、もう一回経費も含めて議論し直そうじゃないか、こうやって問題提起をしていただきたいんです。そうしないと、これは東京都民にしても、最終的には国民にもツケが回ってきますから、無駄なお金をどんどんどんどん使って一部の人の勝手な論理で会場を決めてオリンピックを強引にやろうとする、その結果は大失敗だったと。最悪の結果をもたらしますよね。 調整会議で是非とも、大臣、問題提起をしていただけないでしょうか。
○国務大臣(松野博一君) 国会の場でこのような問題提起がなされたことを調整会議において何らかの形でお伝えをしたいと考えております。
○松沢成文君 ありがとうございます。 水落副大臣、是非とも組織委員会の会長にも、まあ大臣にも含めて伝えていただきたいんですが、実は日本プロゴルフ協会の会長、今、倉本昌弘プロですね、いよいよ声を上げてきてくれているんです。彼は実は二年前に、若洲ゴルフリンクスのすばらしさについて、オリンピックは絶対に若洲でやるべきだという提言書を東京都議会の方に送っているんですね。それに続いて、実は、元選手会長だった横田真一プロ、それから、この前ブラジルのゴルフを視察というか、コメンテーターで行った佐藤信人プロ、こういう有名プロも、もう霞ケ関は絶対におかしい、若洲でやるべきだと、もう一回見直すべきだという声がどんどん今上がってきています。霞ケ関の理事の中からも、理事側の中からも、こんなので強行したらまずいんじゃないかという意見上がってきているんですね。 実は、倉本プロはその中でこういう言い方をしているんです。大都会の真ん中にあるゴルフ場、そしてごみの島を埋め立ててそれを環境的に見事に再生して利用しているゴルフ場、これは世界に衝撃を与え、ゴルフ場の概念を変える大きな世界へのメッセージになるはずだと。つまり、私の作ったこういう比較表だけでなくて、オリンピックのソフトレガシーということを考えても、日本のアピールを考えても、好ましいのは絶対に若洲だというふうにプロゴルフ協会の会長も言い始めているんですね。ですから、もうこれは私はこのままにしておいたら絶対にまずいと思っています、レガシーのためにも。 是非とも、大臣と御相談いただいて、今後の大きな検討課題にしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○副大臣(水落敏栄君) ただいま松沢委員からのお話、国会の場でこのような問題提起があったということを何らかの形でしっかりお伝えしてまいりたいと、このように思っております。
○松沢成文君 最後に、ちょっと時間がありますので、一つだけ情報提供させていただきます。 実は、今年の八月九日、霞ケ関のカンツリー倶楽部の気温は三十七度を超えました。その二日前、八月五日、この日は三十五度ぐらいだったです。ここで実は六十名参加のゴルフコンペが行われました。その中で三人が熱中症で倒れ、病院に運ばれております。六十分の三ですよね。 今、組織委員会は、最低二万人ギャラリーを呼びたいと言っているんです。それで、大会関係者、メディア関係者、そして警備関係者含めると、霞ケ関には二万五千人ぐらいの人が集うんですね。六十分の三、つまり五%、これ単純計算はできませんが、二万五千人集まったら何と千二百五十人が熱中症で倒れる計算になるんです。そうしたら、埼玉中の救急車を霞ケ関に集めても足りません。これ、本当に考えなきゃいけないのは、霞ケ関、埼玉内陸部の夏の暑さは異常です。熱中症でばたばた倒れる。三十五度超えたら恐らく熱中症の警報が出て、競技はストップしなきゃいけなくなる。それは人命のためにです。 本気でここは考えていただかないと、私はこのゴルフ場の選定のままでいったらオリンピックのゴルフ競技は大失敗に終わるという危機感を持っておりますので、是非ともこうしたことを考えていただいて、御検討いただきたいと思います。 以上です。ありがとうございました。
○委員長(赤池誠章君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時五十九分散会