財政金融委員会 第4号
- 発言数
- 212 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2016/11/17
会議録
○委員長(藤川政人君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、舟山康江君、大塚耕平君及び小池晃君が委員を辞任され、その補欠として風間直樹君、浜口誠君及び山添拓君が選任されました。 ─────────────
○委員長(藤川政人君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤川政人君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に白眞勲君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(藤川政人君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として財務省主税局長星野次彦君外十二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤川政人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(藤川政人君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁黒田東彦君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤川政人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(藤川政人君) 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○白眞勲君 おはようございます。民進党の白眞勲でございます。 まず、麻生大臣に今回のアメリカ大統領選挙の結果についてお聞きしたいと思います。 十一月八日の投開票のアメリカ大統領選挙は、当初の大方のメディアや評論家の予想を覆してトランプ氏の勝利となったわけでございます。この知らせに世界中で激震が走って、今でもメディアはトランプ・ショックなんていうようなタイトルで大きく、これからのアメリカ、トランプ大統領の政策がどうなるのかということを専門家の分析も含めて書きまくっているわけですけど、私も、もう何か本当にあふれるぐらいの情報がある中で、いろいろ読んではいるんですけど、そのいろいろ書いてある割には、要するに、誰も今の時点で分からないんじゃないのかなという、大体記事の最後に、という可能性が高いとかそう書いてあったり、あるいは、とのことであるがまだ見通せないなんて、だったら書かないでくれよという感じがしちゃうんですけれども、私は。麻生大臣、どのような思いを今されているか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 消費税に対する影響は分かりません。最初にお断りしておきます、消費税の質問だと思っていましたので。 少なくとも、今言われている方々がどれだけ、いつも外すアメリカの新聞の予想どおりにその人事が財務長官だ、国務長官だにはまるかについては分からぬと自分たちで言っているんだから、そんなことを当てにしてまたこっちも予想立てても無駄なことですから、実際に決まってから考えればよろしいんで、それまでの間は金払ってまで読むような記事じゃないなと思っています。
○白眞勲君 いや、全く麻生大臣のおっしゃるとおりでして、私もいろいろ読んでみても、何だか今本当に、だから消費税についてどういう影響があるかというのは、それ分からない、そのとおりだと私も思っているんですね。 今回の法案審議の議事録というのを衆議院からずっと私もざっと拾って読んでみました。議論としていろいろな議論があって大変面白かったんですが、そういう中で、麻生大臣はトランプ氏がなることを予想されていたんじゃないのかなというような感じがちょっとしたんですね。というのは、十月二十八日の議事録にはこう記してあるんですね。麻生大臣がこうおっしゃっているんですよ。アメリカも、ちょいと余りよく経済の分かっておらぬ不動産屋のおじさんが出てくるかもしれないと思えばそれなりに対応せざるを得ませんからとおっしゃっているわけなんですね。実際そうなったわけですよ。それなりに対応することにならなきゃならない、つまり、不動産屋のおじさんがなっちゃったということは、それなりに対応しなきゃいけない、そのとおりになっちゃったんですね。 ただ、麻生大臣とは別に、安倍総理は逆の何か見方をしていたのかな。というのは、この大統領選挙の直前にクリントン氏と会談をしているわけですよね。私も、選挙、ここにいる方は皆選挙をしているわけですけれども、選挙前に相手の陣営に行って握手して、こっちには来ないで相手の陣営に行ってそれで写真ぱちり撮って、そういうことをされると、私としてはちょっとやっぱり何だこの人はというふうになっちゃうわけで、その後こっちが当選しちゃったら、いや、あなたとこれからやりましょうといって握手しに行くと。ちょうど今、今日総理はアメリカ行っちゃうわけなんですけど。 これ、日本としては、私は、やっぱりクリントン氏と最初に会ったのはどうだったんだろうかというふうに思って、何かそのリベンジから今回スタートしなきゃいけなくなっちゃったのかなという部分について、麻生大臣、どう思われますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 国連総会のときにヒラリー・クリントンという民主党の候補者に、国連という場所でたまたまという形になったんだと記憶しますけれども、それで会ってトランプに会わないというのはアンフェアじゃないかと言われる批判を受ける可能性はあるだろうと、私もそう思っております。 今回、トランプに先に会うということに関しましては、少なくともこれまで外国のいわゆる首脳というか、総理とか大統領とかいう人に、アメリカの大統領が大統領就任前に会ったというのはカナダとメキシコ以外はないと記憶をしますので、その二つはお隣ですからまあそうなんだと思いますが、少なくとも今回は一番最初に会うのが日本というのは、これは甚だ異例だと思っておりますので、向こうの方から飯食おうと声掛けてきているんですから、それはいいことだと私は思っておりますので、そういう関係で波長が合う合わないというのは、やっぱりトップ同士の波長が合う合わないというのはすごく両国関係に大きな影響を与えるものだと思っていますから、そういった意味では、今回、ドナルド・トランプという方がどういう人かというのは、これはワシントンに行ったことがないのが自慢な人なんですからワシントンの人が知っているはずはないので、それと初めて会うのがどういった形になってくるのかと。これは、かかって今回の会談でどのようなきずなができるか、人間関係ができるかというのは大きな要素を占めるだろうと思っています。
○白眞勲君 私もそれは非常に、私、野党の立場だけれども、今回早く会いに行ったというのは私はよかったと思っているんですよ、これは。特に、その前に写真でぱちりなんて別の人を撮っちゃっているということになるとね。そういう面では、トランプ氏というのもなかなか面白いなと私は思ったわけです。 まして、飯一緒に食おうと言ったということも、今まさに大臣もおっしゃっていたということになれば、やはり人間というのは面白いもので、ただ応接室で会って、これはもう大臣も外務大臣も経験されていますのでお分かりだと、私が言うこともないぐらいなんだと思うんですけれども、やっぱり、ただ応接室で通訳交えて何か堅苦しい話をするよりも、食事でもしながらしっかりと、じっくりとやっぱり話をしていく。これ、個人的な関係というんでしょうか、普通の友達関係と、やっぱり外交というのもそういった面でいうと、大統領同士とかそういうトップ、首脳同士が非常に人間的にいい関係になるとその国同士が繁栄することは間違いない。そういう面においては、私はこれすごく評価しています、評価している。評価しているけれども、その前がちょっとやばかったんじゃないのかなということも私は感じているところでございます。 そういう中で、このトランプ氏の大統領選挙における公約の方をチェックしたいんですね。そうすると、麻生大臣の、ちょいと余りよく経済の分かっておらぬとおっしゃったことは本当にそうなので、トランプ氏が掲げる主要政策を見ると、例えば貿易を見れば、これ御存じのように、TPPの離脱やNAFTAの再交渉、あるいは不法移民対策の強化策なども入れている。また、法人税です、ポイントは。三五%から一五%に引下げ、あるいはインフラの積極投資なども掲げている。アメリカの皆さんにとってみれば、どれもこれもみんな耳に心地がいい話。ですから、大減税と大盤振る舞いの両方をやるとなれば、これはもう私が申し上げるまでもなく、財政規律が乱れることは明白である、そういう意見ですよね。 もちろん、トランプ氏の政策をここで議論するとしても、これはもう麻生大臣前々からおっしゃっているとおり、選挙戦のときに言ったのと終わってから言う話はかなり違ってくるのは当たり前だ、余り気にするわけではないということはそのとおり。だけれども、そうはいっても、我が国にとってみて、というか、世界経済にとっても重要なファクターとなるアメリカの経済政策、場合によっては大きく左右されるということで、その行方は非常に気になるところでもあることは間違いない。 今の時点での麻生大臣のお考えをちょっとお聞かせください。
○国務大臣(麻生太郎君) そうですね、大統領の経済政策というより、ワシントンに行ったことがないぐらいですから、ほかのところも余り行ったことはないんじゃないかと思ってはいるんですけれども、トランプタワーが建っているところ以外は余り行ったことがないのかなと思わないでもありませんけれども。 少なくとも、大統領になってやるべき話と、その前に持っておられた例えば中近東とかアジアとかいうような外交関係に関する基礎的知識が、多分一九八〇年代にニューヨークに出てきてトランプタワー建てて、日本もバブルの真っ最中で、こっちもロックフェラーセンター買ったり、何かいろいろ勇ましかった時代で、あのときの付き合った日本人の、あのときの数字から三十年間どれくらい変わったかに関しては余り御存じない。そこで、フリーライダーだ円安だ、何だかんだという話が出てきたんですけれども。あれから、三百六十円が二百四十円になり、二百四十円が百二十円になっていったという流れ、今は、今日百八円、九円というところなんですけれども、そういったところとか、変わっておられないんじゃないかなと、あの日聞いた瞬間そう思ったんですが。 次の日の記者会見というので、おまえ、昨日こんなこと言っているけれども、日本の国防に関するホスト・ネーション・サポート知っているのか、日本の防衛のおかげで何とかと、わんわんわんわん新聞記者に取り囲まれたときの答弁が最高でしてね、見られた方もいるかもしれぬが、サインしながら、アイ・ラブ・ジャパン、アイ・ラブ・ジャパン、四回言うの。後は何の質問もなし。それでクリアしたんですよ、この人は。以後、全部親日政策に変わっていくんですよ、あれ以後。物すごく頭が柔らかい人だなと、よく言えばね。悪く言えば無知だったんだなと思いますよ。アメリカ人みんなそう言っているんだから、みんな何て無知なやつだと。これはもう、ちょっと東アジアについて詳しいアメリカの政治家が何人もそう言っていましたから間違いないと思っていますけれども。 そういった意味では極めて柔軟なので、早いところ会われて、大統領になられてからもなるべく早く会われた方がええと。重ねて、オフィシャルになられてから会われた方がいいのであって、最初から、また余り新聞記者が、TPP言ったか、何を言ったかかにを言ったかと訳の分からないことを、野党みたいなことを言うんですよ、多分、新聞記者もね。だけど、そんな話よりは、まずは人間関係が、大統領になる前なんだから、それをやって、大統領になった後、もう一回正式に会われて、そこからスタートかなという感じの方が正しいと思っていますけれども。
○白眞勲君 いや、まさに、やっぱりある意味柔軟なトランプ氏というのは考え方を持っている可能性もあるなと、私も何かその記者会見とか何かを見ていて思うんですけれども。アイ・ラブ・ジャパン、アイ・ラブ・ジャパンと言ったと。だったらやっぱり安倍総理も、アイ・ラブ・USA、アイ・ラブ・USAと、食事をしながら、言いながらやるというのも一つの、まあお互いに。 何というんでしょうね、この人間関係というのは、あなたのことを好きよ、好きよと言うと、やっぱりいいものなんですよ、気持ちがいいもの。やっぱり、そういう面でいうと、私はそうやって、いや、でもそれってすごく重要でしてね。その国の関係が良くなれば、それはそれで、その言葉だけで良くなれば、それはもう一番安いわけなんだなんて思うし、また逆に、ニューヨークのトランプタワー、たしか私の記憶だとロックフェラーセンターの近くだったような気がして、そうすると、何だ、日本人というのはこんなロックフェラーセンターを、こういうことをやるのかという、そういう思いがもしかしたら今おっしゃった八〇年代の部分ではあったのかなという感じもしなくはないですが。 今ちょっとTPPの話もありましたけれども、これはもちろん大臣の担当ではないので、お答えにくい部分なんで、お答えいただければということで聞きたいんですけれども、トランプ氏がTPP撤退ということを言ったということで、もうほとんど運命は決まったのかなというようなことを言っている人もいると。 仮にアメリカ抜きで行うとなると、逆にこれ日本が、今そういう話もありますよね、アメリカ抜きでやっちゃえばいいんじゃないかみたいな論調がある。そういう中で、そうすると、もちろん日本からの巨大市場であるアメリカへの市場アクセスという部分においては余り利点はなくなるだろうけど、しかし、結局、ISD条項とか薬の問題とかそういったことを考えると、日本にとって逆に心配事も少し減るんではないんだろうか、RCEPとかいうことも含めて考えると、TPPに入るメリットとデメリットのバランスが少し変わってくる可能性があるんじゃないのかなとも思えるんです。 これは麻生大臣、もし差し支えなければで結構でございますけど、答えていただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは確かに白眞勲先生のおっしゃるとおりに、それは国際連盟をつくっておいて、自分たちで、いざ批准されるとなったら国際連盟に入らなかったんだからね、アメリカは。それが戦前でしょうが。だから、そういう国だからとまずは思っておかなきゃ駄目ですよね。外交やるやつの立場なら当然でしょう。だって、そういう国だって歴史を見ればはっきりしていますから。 したがって、このTPPも、あれまでいろいろなものを時間掛けてやった結果、今のような話に、反対ということになっていますけれども、これ今から勉強されて、やっぱりいいじゃないかと言うと、上下両院で共和党は両方で過半数を占めたという事実の方がよほど大きいんであって、法案という意味からいきますと。そうすると、TPPについてもこれは直ちにというわけにはいかないかもしれませんけれども、少なくとも上院の外交委員長を含めてこれみんな賛成ですから、そういった意味ではやった方がいいと言うだろうし。 そうですね、今回の中西部で、多くの肉を輸出している、影響力の最も強い農業ですけれども、これはオーストラリアの肉がどんどんどんどん先に入られたらアメリカの肉が終わるなと、常識でみんな分かりますよ、この話は。だから、それはとてもじゃないなということになったり、いろんなことが考えられますので、余り決め打ちしないで、数年待って、一、二年待ってから事が進み始めるという可能性も十分にあるんだと思いますので、何も焦る話じゃないという感じはしますけれども。 いずれにしても、この重要性というのは、やっぱり戦後国土が狭くなって経済力が落ちるというのは、これは第二次世界大戦まで世界の常識だったんですが、国土が狭くなったら国力が増大したという国が日本と西ドイツ、両方とも国土が半分以下になってそういうことになりましたので、その意味においては、それは自由貿易の結果、日本の場合、ドイツの場合、世界の中で経済力を大きく強くしたというのは歴史的事実ですから、その意味では、このTPPということに関しましても方向として決して間違っていないと私は思っていますので、長い時間を掛けてアメリカともこの話をきちんとやっていかないと。 太平洋地域に足を伸ばしていく、ヨーロッパじゃない、大西洋国家じゃない、太平洋国家なんだというようなことを言い始めているんだったら、そういうふうに顔の向け方を、いわゆるパシフィック、太平洋に向けないと具合が悪いとなれば、このTPPというのは極めて大きな要素になるというのがだんだん理解されていくだろうと思っています。
○白眞勲君 ありがとうございます。 今、麻生大臣から何も焦る話ではないとおっしゃられましたけど、私もこの自由貿易体制というのは非常に重要なんではないかというのは、これは私も経済の専門家ではないですけど、ヨーロッパの議員と話をしているときに、ヨーロッパの議員が、いや、物が往来してお金が往来することはすごくいいんだと、逆にこれが止まると何が来るかというと兵隊が来るという、そういうことを言ってくれた人がいました。まさに自由貿易のやっぱり平和構築のためにも非常に重要な部分だなというふうに思います。 今ずっとるる、私もこれ本当に、もう何かほんわかした話ばっかり聞いていたわけなんですけれども、もちろん心配したら切りがないと言われればそれまでなんですけど、ただ、ちょっとこれは気になる数値的なポイントがあります。それは、内閣府が十四日に発表した二〇一六年七―九月期の実質国内総生産、GDPの速報値が三四半期連続でプラス成長であったけれども、その内容は、個人消費や設備投資などの国内景気は弱いまま、米国の景気回復を背景とした輸出頼みだという内容だったんではないか。 そういう面でいうと、今後アメリカが、これ多分何か私は保護主義的な傾向が少し強くなってくるような可能性があると、その場合に日本の輸出に黄色信号がともる可能性も出てくるんではないか。その懸念については麻生大臣としてはどういうふうに思われていますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 輸出に関して、これもアメリカ以外の国でないと、ちょっとアメリカのことに関して何とも申し上げられませんけれども、少なくともヨーロッパ等々は、不良資産を抱えたままですので、なかなか経済というのは難しいだろうなとは思います。中国も、御存じのように、同様に、今までのような資源の爆買い、資源の爆消費みたいな話が止まっておりますので、その意味では、中国による経済を引っ張っていくなんという話は終わっております。 そういった意味では、明らかに状況は変わってきているのは確かだと思いますが、日本の場合は幸いにして、消費いわゆる財を輸出しているのではなくて、いわゆる生産財を輸出してこれまでなってきておりますので、日本の場合は生産財を従来どおり輸出できますと円安になって価格を下げる必要が絶対ない、なぜなら日本でしか造れませんから。だから、その分だけ利益が増える、企業の、ということになっていくだろうと思っていますので、その意味では、輸出の絶対量が変わらなければ円安になった分だけ企業の純益が増えていくだろうという感じがしないでもありません。 アメリカその他の国々は、間違いなく不動産等々、これはアメリカは景気が良くなってきますから、そういった意味では、アメリカの場合も、消費財はともかく、自動車はほとんどアメリカ国内で日本が造っております車が一番売れていますので、そういった意味ではそこが違いますし、また、アメリカが輸出している例えば自動車のプレスの機械もIHIがほとんど押さえていますので、そういった資本財の勢力の力は圧倒的に今、日本が大きいので、その意味では、輸入せざるを得ない生産財の輸出というのは変わらないだろうと思っておりますので、そこで直接すぐどのような影響が出るかというのはちょっと余り勉強したことがないんでよく分かりませんけれども、そこらのところに関して特に心配しているというわけではありませんけれども、もう少し、誰が商務を担当するのかよく見た上で考えてまいりたい、考えていかねばならぬだろうと思っております。
○白眞勲君 いずれにしましても、このアメリカという巨大市場が何かの大きな、大きなではなくても、少し変更するだけでもやっぱりいろんな経済、影響を及ぼすことは間違いない。麻生大臣も、影響するのはおまえの国だけじゃなくて、こちらも皆迷惑するとおっしゃったわけですけれども、そのとおりだと思うんですね。これがやっぱりどこかの発展途上国だった場合、別に特段気にすることはないかもしれませんけれども。 特に私が気になるのは今度の法人税ですね、アメリカの引下げ。これをトランプ氏が三五%から一五%に引き下げるという公約をしている。それも、これがどうなるかというのはこれは別にしまして、法人税減税というのがこれからアメリカで話題になることはこれは間違いないだろう、おまえ言ったじゃないかという話になってくるだろうと私は思うんですね。そのときに、やはり何らかのこの法人税に対する、アメリカの法人税に対して減税をしたときの、あるいはアメリカの法人税の操作というのかな、動きが出たときの日本の対応について僕は麻生大臣にお聞きしたいんですね。日本企業の法人税の引下げなども今後その場合には検討課題として考えなきゃいけなくなるかもしれない。そうすると、今度は税収という面でいうと、消費税増税ということともリンクもしている可能性も出てくる。ということになると、一〇%でいいのかみたいな話になる。この辺りは、麻生大臣、どういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) アメリカの場合は、これは御存じのように、今の法人税は四〇・七五%であります。したがいまして、フランスの三三、ドイツの二九、中国の二五、韓国二四、イギリスの二〇というのに比べてアメリカがぬきんでて高いというのは、これは間違いない事実でありますので、これはアメリカの企業はよく財界としてアメリカの政府に対していろいろこれまでも言ってきたところなんだと思っておりますので。 私どもの場合は、日本の法人税について、これはアメリカの大統領、これ就任前なのでこれを本当にどうするのかちょっとよく分かりませんけれども、何らかの形で触ってくる可能性があるだろうと思いますが、少なくとも、安倍政権になりましてからいわゆる成長志向型の法人税率だということを申し上げて、二十七、二十八両年にわたって、いわゆる稼ぐ力というものの向上に向けて、課税ベースの拡大というものをしっかりと財源を確保しつつ税率を引き下げるという考えで私どもとしては取り組んできたんですが、結果として法人税率は一応ドイツ並みですか、ほぼ二九%というところまで、まあ国際的に遜色ないところまで来たなという感じはしておりますので、この段階が去年でありますから、今すぐアメリカがどれだけするんだか知りませんけれども、それによって直ちに日本がどうこうするというのを考えていることはありません。
○白眞勲君 ここで日銀総裁に少々お聞きしたいなというふうに思うんですけれども、トランプ氏は景気てこ入れのために、今申し上げましたような法人税の大幅減税や道路や橋などの積極的なインフラ投資策というのを、今の時点ではこう言っているわけですね、今というか、大統領選挙のときまで。減税だけで十年で六百兆円を超える資金がそういった場合に必要とされるのではないかとも言われており、そのためにアメリカは国債を発行しなければならない。ということは、日本のようなマイナス金利よりはアメリカ国債の方が有利と思い、円を売ってドルを買う。そうなると、当然円安ドル高になる。しかし、今度は円安ドル高になったら、アメリカのいわゆる自動車などの輸出産業にとってみると影響が出てくる。なんて、私のような素人目でそういうふうになる。どうなんだこれという話になっちゃうわけなんですけれども。 総裁は、十四日の名古屋市内での記者会見で、米国経済が成長して日本にもプラスになるとの見解をお示しになったということなんですけれども、それって金融面のことだけをおっしゃっているのか、あるいは完成車の輸入みたいな、自動車の輸出等も含めた実体経済も含めておっしゃったのか、教えていただきたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) 現時点で新しい政権の経済政策の内容が明らかでないために具体的な影響について正確に申し上げることは難しいと思います。 名古屋でお話ししたときも、あくまでもこれまでの金融市場の動きを説明いたしまして、大統領選挙後、新政権の下で積極的な財政運営によって景気が押し上げられるのではないかという見方がマーケットで広がりまして、その結果、米国の株価あるいは金利が、長期金利が上昇しているということでございます。 ただ、新政権が具体的にどのような政策をどういうタイミングで打ち出してくるのかというのはまだ分かりませんので、具体的な影響について申し上げることはできませんが、やはり米国経済というのは世界最大の経済でありますし、いろいろな面で世界経済を引っ張っている経済でありますので、国際的な金融市場等にも影響が大きいということでありますので、今後とも米国の新政権の政策がどのようになっていくかということについては十分注視してまいりたいというふうに思っております。
○白眞勲君 いや、ちょっと私の聞いていることがちゃんと伝わっていないようなんですけれども、私は、トランプ氏になって米国経済が成長して日本にもプラスになると記者会見でおっしゃったことに対して、金融面のことだけをおっしゃっているのか、あるいは実体経済を含めておっしゃっているのかを聞いているんですけど、その辺どうなんでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げたとおり、記者会見で申し上げたのは、具体的な新政権の政策がまだ明らかではありませんので、あくまでも市場の反応を挙げまして、市場の反応は明らかに、新政権の下で積極的な財政運営によって景気全体が上昇する、つまり成長率も上がる、そういった見通しから株も上がり、金利も上がっているんだろうと。そういうことであれば、実際にもしそういうことで米国経済の成長率が更に加速するということになれば、当然それは日本経済を含めて世界経済にとってその面ではプラスになるということだろうと思いますが、これはあくまでも現時点における市場の反応をベースにした話でありまして、具体的に米国の新政権がどのような政策をどのようなタイミングで取って、それが米国経済あるいは国際金融市場に影響を与えるかというのは今後ともよく注視していく必要があると。 ただ、これまでのところ、非常に市場は好意的に受け止めていると。その結果、市場の米国経済に対する見方は上昇しているということは事実だと思います。
○白眞勲君 日銀の黒田総裁の御発言というのは非常に気を付けなくちゃいけないんじゃないかと、僕が言うのも変なんだけれども。そういう面でいうと、誤解を招かないように、分からないときは分からないですと、麻生さんみたいにおっしゃった方が私はいいんじゃないかなと思うんですけれども。 そういう中で、このままですと何となく長期金利はじわじわ上昇する方向性が強いんではないか。となると、日銀はどのようにこの長期金利をコントロールするおつもりなのかをお聞きしたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) これは、九月の金融政策決定会合におきまして、いわゆる長短金利操作付き量的・質的金融緩和という新しい枠組みを導入いたしました。この下では、一番短い銀行の日銀における当座預金に対する金利を、現時点ではマイナス〇・一%になっているわけですけれども、その点と、十年物国債の操作目標、これをゼロ%程度という、この二点を決めることによってイールドカーブ全体が適切な形になるように量的・質的金融緩和を使っていくと、こういう新しい仕組みにしたわけであります。 そうした下で、現時点では、今も申し上げたように、一番短い政策金利についてマイナス〇・一%、十年物の国債の操作目標についてゼロ%程度というふうになっていますが、もとより日本経済自体が非常に高い成長をする、あるいはそれを反映して物価も上がっていく、そして長期金利に対して上昇圧力が出てくるということになれば、その時点で必要があるというふうに認めれば、もちろんゼロ%程度というものを上昇させるということも可能ですし、他方で、経済に対して引き続き実質金利の大幅なマイナスという形で刺激を与えていく必要があるということであれば、ゼロ%程度というものを引き続き維持し、あるいは必要があれば更に下げるかもしれませんが。 そういったことで、この新しい枠組みの中で非常に柔軟に日本経済の動向に対して対応していけるようになっておりますので、御指摘のような形で米国の金利がどんどん仮に上がっていった場合には、当然、日本を含めて金利に対する影響が出てくると思いますが、それはあくまでも、そういう形で出てきたとしても、日本銀行としては、日本経済、物価、そして日本の金融動向に合わせてイールドカーブコントロールをいたしますので、米国の金利が上がったから自動的に日本でも金利の上昇を容認しなければならないということにはならないだろうと。それは、そのときそのときの経済、物価、金融情勢に合わせて適切と思われるイールドカーブを促すように、この二点の金利について政策決定会合で決定していくということになろうと思います。
○白眞勲君 そういう新しい枠組みと今おっしゃいましたけれども、この二つの部分をうまく調整していくんですということなんですが、これは、今までの日銀は、公式ホームページでは長期金利に関する見解を従来は思いのままに動かすことはできないとしていたんですが、今度は可能となっちゃった。これ、何で変更したんですか。
○参考人(黒田東彦君) これ、金融政策、御案内のとおり、伝統的には短期金利を動かすことによって、例えば昔であれば公定歩合という、非常に短いところの翌日物の金利を動かすことによって長期金利にも影響を与え、それが経済全体に影響を与えるということを考えてやってきたわけでありますが、リーマン・ショック後、日本銀行のみならず主要国の中央銀行はほとんど全て、短期金利の操作についてはゼロ制約が出てきたということで、長期金利に直接的に働きかけるというために長期国債などの大幅な買入れということを実施してきておりまして、その結果、日本のみならず主要中央銀行においても長期金利を直接的に引き下げることに成功しているわけであります。 こういった面から、日本銀行も過去三年半、量的・質的金融緩和を行いまして、またこの半年強のマイナス金利の経験を踏まえて、大規模な国債買入れとマイナス金利を組み合わせることによって長期金利にかなりの程度影響を与えることができるというふうに判断しまして、新しい枠組みを導入いたしました。その考え方に沿って御指摘のような従来の説明は変更したということであります。
○白眞勲君 今、黒田総裁から久しぶりに公定歩合という言葉を聞きまして、久しぶりだなと私は思ったんですね。 でも、要はリーマン・ショックからもう八年たっているわけですね。そういう中で、今年の十一月まで変えていなかったわけです、ホームページは。変えられないというふうにしていたのが、十一月になったら急にコントロールが可能だという見解になったというのは、これちょっと、やけに遅くないですか。どうなんですか、この辺。
○参考人(黒田東彦君) 遅いのではないかという御指摘に対しては、私もそのように思います。 ただ、各国の中央銀行共に、リーマン・ショック後、言わば量的緩和、QEというものをやり、それによって直接的に長期金利に働きかけて、それが成功して長期金利が下がっているという経験は踏まえているわけですけれども、それを踏まえて、イールドカーブコントロールという新しい枠組みを明示的に示したのは日本銀行が初めてであります。そういう意味で、それを示しましたのが九月であり、その下で、十一月に一番短い政策金利のマイナス〇・一%、十年物国債の操作目標のゼロ%程度というのを維持したわけですけれども、そうした時点で日銀のホームページに載っている説明というのは、ややアウトデートというか、現時点の日本銀行の考え方として正確でないということがはっきりしましたので、説明を変更したと。 ただ、何度も申しますけれども、伝統的な金融政策においても、一番短いところの金利を動かすことによってそれが経済に大きな影響を与えるというふうには考えていなかったわけで、あくまでも、それが中長期金利に波及していって貸出金利にも影響し、社債金利等にも影響して経済に影響が出るということを考えていたという意味では、金融政策の波及のメカニズムとしては、やはり超短期の金利が直ちに経済に影響するのではなくて、あくまでも中長期の金利が経済に影響すると。そういう形で金融政策が経済に働きかけるというメカニズムについては、実は非伝統的金融政策といい伝統的金融政策といい、そこは変わっていないということであります。
○白眞勲君 最初のところは何か話分かったのに、だんだんちんぷんかんぷんな話をされているような気がして、私には理解がちょっとできなくなってきたんですけれども、ただ、この中で、こういう話もあるんですよ。リーマン・ショック後というのはそもそも物価が上がりにくくなっていたんだと、だから長期金利が上がらなかったんだという意見もあるわけで、私、金融の専門家じゃないから何とも分からないんです、この辺。でも、少なくともこのような反論のあること自体が、今回のホームページの変更とか何かというのは日銀の信頼性を揺らぐことにはならないのかという部分の私は心配があるんですけど、どうでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど来申し上げておりますとおり、金融政策は金融市場に一定の影響を与えることを通じてその効果を実体経済に及ぼすということを基本的なメカニズムとしておりますので、先ほど申し上げたとおり、伝統的であれ非伝統的であれ、あくまでも中長期の金利、特に実質金利に影響を与えることによって経済に影響を与えるという点には、基本的には変わっていないと思います。 ただ、御指摘のような金融政策の金融調節方法がリーマン・ショック後、各国で変わり、日本銀行でも変わったということは事実であります。そうして、日本銀行の金融政策はやはり物価の安定を実現するということが使命でありますので、先ほど来申し上げておるような金融あるいは経済の状況の変化を踏まえてその時々最も適切な政策を行うということが重要であって、必要に応じて米国のFRBも欧州のECBも、みんな新しい金融政策手段を開発し、考案し実行してきているわけでありまして、こういった対応自体はあくまでも各国の中央銀行と同じく物価安定を目標として行っているということであって、その限りでは金融政策運営に対する信頼を、その手法が変わったからといって信頼性を損なうということはないのではないかと思っております。 ただ、御指摘の点も含めて、現時点での経済、金融、そしてそれに対応する金融政策というものの在り方というか状況というかメカニズムというか、それはしっかりとマーケットの人のみならず一般国民に対しても説明する努力を続けていきたいというふうに思っております。
○白眞勲君 いや、もちろん金融政策というのはその時々の状況に応じてそれは機動的にやっぱりやっていかなきゃいけない部分というのは私はあると思うんですけど、ただ今回、ホームページ、要は、できない、思いのままに動かすことができないから、いきなり可能になっちゃうから、ある日突然、だから何なんだということになっちゃうわけです。その辺りについて私聞いているんですけれども。
○参考人(黒田東彦君) マイナス〇・一%の政策金利は、これは銀行が日本銀行に預けている当座預金に対する預金ですから、これはまさに日本銀行限りでぴったりマイナス〇・一というのはできるわけですね。そういう金利で当座預金を預けてもらっているということです。 それに対して、このイールドカーブコントロールの下であっても、もちろん十年物国債の金利をぴったりゼロ%とか〇・一%とかマイナス〇・一とか、そういうふうに日本銀行が自在にできるということではありません。ただ、そういう意味では、超短期の政策金利のマイナス〇・一%と違って、十年物国債の操作目標をゼロ%程度ということにしているのは、そういう意味では超短期の政策金利と同じような性質であるということは言っておりません。そういう意味では、一定の幅もあるし、先ほど来申し上げておりますとおり、経済、物価、金融情勢に合わせてこの操作目標自体も変更していく可能性があるということであります。 そういう意味で、完全にコントロール、コントロールという言葉が強く響くのかもしれませんが、これまでの経験からいって、相当な程度で影響を与え、言わば一定の幅でコントロールできるということは経験から分かっておりますので、そういう意味では、イールドカーブコントロールというものを導入した、あるいは各国の中央銀行が長期金利の引下げを目指して量的緩和をし、それが成功しているということからいっても適正だと思いますけれども、御指摘のように長期金利が政策金利と同じようにコントロールできるということではありません。 ただ、そういう意味では、一定の幅、ゼロ%程度というところでコントロールできるということで、現実にもそれはコントロールできているということであります。
○白眞勲君 質問の内容と答えがだんだんずれていくような感じがしてしようがないんですけれども。 そういう中で、今の話って、「教えて!にちぎん」と平仮名で書いたいわゆる一般の国民向けの文書の中に、いきなり、何というんでしょうね、できないというところから、朝起きたら可能になっちゃったというところに対する一般国民としての日銀に対する信頼性ということで、私はちょっと聞いてみたんですね。 そういう中で、もう一つお聞きしますけど、日銀が金融緩和のために大量に買っている国債の含み損が年内に十兆円を超すという見通しになったという報道がありますけれども、それは事実でしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 日本銀行の現在保有国債は、本年の三月末時点で約十五兆円の含み益となっておりまして、現在も大幅な含み益となっております。 御指摘の報道は若干ミスリーディングでありまして、額面と買入れ価格の差、これについて、これはいわゆるアモチ損益と言われるものですが、これは含み損益とは異なる概念でありまして、そういう意味ではミスリーディングだったと思いますが、いずれにいたしましても、現時点で最新のデータでいいますと、昨年度の国債利息収入は約一・三兆円になっております。そういうことで、今後とも国債利息収入は高い水準が続いていくというふうに見ております。 その一方で、もとより、この量的緩和をしている間に収益が上振れするわけですけれども、今後下振れする可能性もありますので、そういった上振れ、下振れをならす意味で引当金を拡充して、引当金を積むようにしております。
○白眞勲君 何かミスリーディングの割には、引当金を積み上げますというと、やっぱりそれもミスリーディングになっちゃうんですよね。 そういう中で、会計検査院が、日銀は財務健全性の確保に努めることが重要との指摘を受けたというのは事実でしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 会計検査院が平成二十七年度の報告におきまして、日本銀行について財務の健全性の確保に努めることが重要という所見を含む報告を提出されたものと認識しております。その上で、先ほど来申し上げておりますとおり、日本銀行では、収益の振れを平準化する観点から、収益が上振れする局面でその一部を積み立て、将来、収益が下振れる局面で取り崩すことができるように、昨年、引当金制度を拡充するなど、財務の健全性の確保に努めております。 いずれにいたしましても、日本銀行が実施しております資産買入れなどは財務に影響を与えるわけでありまして、そういった点は十分留意しつつ、日本銀行の責務である物価安定のために必要な政策はやはり行っていく必要があろうというふうに思っております。
○白眞勲君 私は、検査を受ける立場にある公的機関、会計検査院のですね、がそのような指摘を受けるということ自体が、いや私、ちょっと驚いたんですけれども、このような指摘というのは過去にあったんでしょうか、日本銀行としましては。
○参考人(黒田東彦君) これは、私も会計検査院の検査というものについて一定の認識は持っておりますけれども、過去にそういった指摘を出されたということは私は聞いておりませんが、ただ、指摘というのは是正しなさいということなので、所見というのは何かその是正しろという前提として指摘しているわけではなくて、先ほど申し上げたような考え方を示されて、その中で引当金を拡充して平準化しようとしていること自体は評価していただいているというふうに認識しております。
○白眞勲君 いや、私は、やっぱりこの会計検査院から指摘を受けましたというのも、今、さっきの話じゃミスリーディングだとおっしゃったかもしれないけれども、やっぱりこういったことを受けているということ自体が、日本銀行に対して国民の信頼性という面において少し私は気になる部分があるわけなんですね。 もう一つ言います。このままですと二〇一八年度には損失から利息収入を除いた収支が赤字になる可能性があるのではないかという指摘がありますけれども、この辺りについてはどうなんでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) どういった根拠でそういう指摘をされているのか分かりませんけれども、先ほど申し上げたとおり、一番新しい年度で国債の利息収入というのは相当ありますので、直ちに赤字になるとか、そういうことは考えておりません。
○白眞勲君 日経新聞の十三日の記事で、このまま日銀の財務内容が悪化すれば国への納付金が減って国の財政に響くとしているわけなんですね。金融政策の独立性、通貨の信認が揺らぐ事態になりかねないという記事が出ているわけなんですね。ですから、それに対してもし何か、黒田総裁、そんなことはないんだというんだったら、そうおっしゃっていただきたいと思います。
○参考人(黒田東彦君) まず、日銀の政府に対する納付金につきましては、基本的に通貨発行益を国庫に納付するという形でありまして、当然のことながら、通貨というものが発行されている限り必ず発行益は出てくる、それを納付するという形になっている形であります。 それと別に、日銀の収支が変動するということは、金融政策によってそういうことが起こり得るわけですけれども、それ自体が通貨の信認に影響するというふうには考えておりません。あくまでも通貨の信認に影響するのは、やはり大きなインフレになったりするということが一番信認に影響するわけでありまして、そういったことは、二%の物価安定目標というものを堅持しておりますし、インフレ、ハイパーインフレというようなものは完全に排除できるというふうに思っておりますので、通貨の信認に影響するというふうには考えておりません。
○白眞勲君 いや、これはやっぱりこういう記事自体が出ること自体が非常に私は心配なんですね。ですから、そこの辺りはこれから、そういうことではないと今おっしゃってあるならば、そこはしっかりとやっぱりどんどんアナウンスをしていく必要が私はあるような気がするんですが。 ちょっとここで銀行の収益についてまた黒田総裁に聞きたいんですけれども、十一月十四日、大手銀行グループの二〇一六年九月中間連結決算出ましたけれども、マイナス金利の影響で本業のもうけが減った上、円高の影響も受け、純利益はメガバンク三行が減益になったとの報道がありました。また、全国半分近くの地方銀行、行員の人件費や資金調達などに係る経費を貸出しや投資信託など本業の収益では賄えない状況になっていることが、十月二十四日、これは日銀の出したレポートで明らかになった。 このように、金利がマイナスになって、金融機関、相当深刻な状況になってきているような感じがするんですけど、黒田総裁はどういうふうに御認識されますか。
○参考人(黒田東彦君) まず、二つのことを指摘したいと思います。 まず第一に、我が国の金融機関の収益動向を見ますと、御指摘のような基礎的収益力の低下傾向というのが、これはここ二、三年の話ではなくて、十年単位、もっと長く続いているわけであります。そういった下で、確かに御指摘のように低金利環境になっておりますので、利ざやが更に縮小して基礎的収益力が低下しているということは事実であります。今年度入り後は、当期純利益で見ても減益の先は大きくなっているということは事実であります。 ただ、これも御案内のとおり、昨年度まで金融機関の当期純利益という面では実は非常に高い水準にありまして、地銀は昨年度の当期純利益はたしか史上最高水準だったと思います。ただ、その中で依然として基礎的収益力の低下傾向は続いておりますので、その点については十分注視していく必要があるというふうに思っております。
○白眞勲君 日銀法でも、日銀は金融政策だけではなく金融システムの安定を図るというのも大きな目標だと思うんですけれども、このままいけば金融機関の再編の可能性もうわさされている。日銀としてはこの辺りをどのように考えているのか、ちょっとお聞きしたいと思うんですけど。実際に業務提携みたいな話がいろいろ新聞記事をにぎわせていますよね。どう思われますか。
○参考人(黒田東彦君) この点につきましては、経営統合その他は日本銀行というよりむしろ政府、金融庁の管轄の範囲にあると思いますけれども、やはりこの経営統合云々というのはあくまでも個別の金融機関の経営判断であって、私から具体的にコメントすることは差し控えたいと思いますけれども、ただ、一般論として、先ほど申し上げたように、金融機関の基礎的収益力というのはずっと趨勢的に低下しておりますので、金融機関にとってこの収益基盤の強化というのは非常に大きな課題であるということはそのとおりであると思っております。 そうした課題を克服するための一つの選択肢として、金融機関の経営統合、これもあり得ると思いますけれども、仮に経営統合を検討するという場合には、やはりそれぞれの金融機関の営業基盤とか収益力の展望、それから業務上の戦略などを踏まえて経営統合の意義を見極めていくと。まさに、経営統合が金融機関にとって好ましい選択肢になる場合もあるわけですので、その場合にはそういった経営統合がプラスになるように、それは金融機関にとってプラスになるというだけでなくて金融機関の顧客である個人や企業にとってもプラスになるような、そういった金融機関の再編というか経営統合というのが望ましいというふうに思っております。
○白眞勲君 今、黒田総裁が何度もおっしゃっているのは、別にマイナス金利の影響ではなくて、どちらかというと金融機関というのはずっと収益力下がっているんだよという言い方をされているんだけど、僕はそれだけなのかなと。それに、もちろんマイナス金利の影響というのは当然あったんじゃないのかなと僕は思うんですが、その辺をもう一回ちょっと聞きたいですね。
○参考人(黒田東彦君) マイナス金利の影響と言うときは二つあると思うんですけど、一つは、日本銀行の当座預金に今マイナス〇・一%という金利が付いているということですが、これは御承知のように、マイナス金利が付いているのは十兆円とか二十兆円ぐらいでありまして、昨年までの量的・質的金融緩和によって増えてきた二百兆円を超える当座預金部分については引き続きプラス〇・一%の金利を日本銀行が払っております。そういう意味で、直接的にマイナス金利が金融機関の収益に大きな影響を与えることのないようにしておるわけであります。 ただ、他方で、マイナス金利と量的・質的金融緩和の組合せによって金利が更に下がってきている、従来のトレンド上かもしれませんけれども、少なくとも金利がどんどん下がってきていることは事実でありまして、その結果として、貸出金利あるいは社債、CPの金利などが下がっている。これは企業や借り入れる家計にとってはプラスですけれども、他方で、金融機関が自分の資金を調達する際の預金の金利というのはほとんど下がっておりませんので、その意味で利ざやが縮小していると。そういう利ざやの縮小についてマイナス金利の影響はあるのではないかと言われると、それは、量的・質的金融緩和と組み合わせて全体の金利を下げていますので、そしてそれによって貸出金利が下がって、他方、預金の金利はほとんど下がっておりませんので、利ざやの縮小に影響しているということは事実だと思います。 ただ、先ほど来申し上げておりますように、利ざやの縮小あるいは基礎的収益力の低下自体は非常に長いトレンドで続いているということであります。
○白眞勲君 私が感じている深刻さと黒田総裁の今の言いぶりからの深刻さの認識がちょっと違うような私は感じがしているんですけれども。 そういう中で、黒田総裁、物価安定目標を何度も変更されているわけです。何回変更しました、これを、今まで。
○参考人(黒田東彦君) 日本銀行は、二〇一三年の四月に、物価安定の目標を、二年程度の期間を念頭に置いて、できるだけ早期に実現することを目指しまして量的・質的金融緩和を導入いたしました。 量的・質的金融緩和導入後、最初の展望レポートである二〇一三年の四月には、二%程度に達する時期について、二〇一五年度までの見通し期間を前提に、見通し期間の後半としていたわけであります。その見通しが、その後五回の見通しの修正を経て、先般公表した最新の展望レポートでは二〇一八年度頃としているわけであります。
○白眞勲君 そんなに達成時期ずらすと、それも信頼性に、やっぱり気になるところなんですよね。マラソンでいえば、四十二・一九五キロ走ってそろそろゴールかなと思ったら、あと十キロとか言われて、あと十キロ走ったらまた十キロと、五回やったら五十キロ、そうしたら四十二・一九五キロの倍走らされているみたいな感じで、国民は付き合ってられねえよという話になっちゃうんじゃないのかなと思うんです。 麻生大臣にちょっとお聞きします。 どうでしょうか、こうやってどんどんどんどんこの目標がずれていることに対して、財務大臣としてどういう御認識をお持ちでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 物価につきましては、これは私どもではなくて日本銀行の主たる業務なんですが、そもそも最初、就任された直後に、この物価目標を共同声明の中に入れるというのに対して二年目標というのをお願いをしたのは、むしろ政府の方が強くそれを主張して、日本銀行は当時、これは極めて厳しい、そんな簡単にいく話じゃないという意見を出して、これは両方でかなり意見が食い違ったという記憶があります。四年前なんで大分薄れていますけれども、大体そんな記憶だったと思うんですが。 黒田さんになられたときからこの話はもう出ていたんですが、その前の白川総裁のときからこの話はずっと出ていたんですが、日本銀行の金融政策の緩和というのは物すごく大きな政策変更ですから、それに伴って直ちにという自体、まあ石油の値段等々がいきなり下がってきましたので、全体的にいわゆるインフレからデフレというのは日本以外でも、ディスインフレとか何か訳の分からない英語を使っているのはいっぱいいますけれども、簡単に言えばデフレという、こういうことになってきていますので、そういった中において、日本の場合、物価目標というのは、達成というのにおいては難しいのは確かですけれども、というのが問題なんだと思っていますけれども。 ただ、経済全体にとりましては、輸入される石油の値段というのが百何十ドルから四十ドル切って三十ドル台におっこったというのは、日本経済にとっては、輸入する立場からいきますと極めて運が良かったんで、これは我々にとりましては経済に与えた影響は極めて大きかった、プラスで大きかったと思っておりますので、私どもに関しては、その点に関して、物価がある程度上がっていかないとこれは借金の返済等々なかなか難しい問題を抱えておりますので、私どもはしかるべきレベルの物価の上昇というのは望むところではありますけれども、二%に行かなかったから直ちにそれが日本の経済にどうこうの影響できるという形ではないというのが私どもの立場です。
○白眞勲君 今、私、麻生大臣、非常に率直にお話しいただいたような感じがします。言い出しっぺは俺たち政府なんだ、こういう二%物価安定目標、日銀はそれを一生懸命やろうとしていたんだということを言って、ほかの世界経済の様々な影響があってこういうふうになったんでしょうという話だったと思うんですけれども。でも、日銀の説明というのは逆に、何か僕から見ると人のせいばっかりにしているんですよ、人のせいばっかりにしている。 私は、子供の頃から、おまえが一番悪いんだといつも言われるわけですよ、何かあった場合には。学校でも、先生が悪い、先公が悪いんじゃないんだ、おまえが悪いんだと。おまえが直さなきゃいけない。そういう部分があるんですけど、日銀としての責任、つまり五回も延ばしていったその責任って全くないんでしょうか、見通しの甘さとか。その辺については日銀としてはどういうふうに思われていますか。
○参考人(黒田東彦君) 先日の、いわゆる三年強の量的・質的金融緩和あるいは本年の一月に導入したマイナス金利、こういったことを含めて総括的な検証で、なぜ二%が見通しどおり実現できていないのかという部分についての分析を示しております。 そうした中で、やはり原油価格の大幅な下落、七〇%を超える下落というのが相当大きく効いたということと、消費税率引上げ後の需要の弱さというものも効いたし、それから、昨年の夏以降、それから今年の初めから特に激しかったんですが、新興国発の市場の不安定といったことがあって、実際の物価上昇率が下落すると、我が国においては物価上昇予想というもの自体も足下の物価上昇率につれて下がってくるという傾向がありまして、予想物価上昇率が弱含んだというようなことが大きな要因になっているというふうに分析をいたしております。 そうしたことを踏まえまして、九月の金融政策決定会合においてこういった、もちろん石油価格そのものとかそれから新興国経済について私どもがどうこうすることはできませんけれども、予想物価上昇率が弱含んだと。いわゆる適合的な期待で実際の物価に引きずられて動くということを、もう少し予想物価上昇率を引き上げていく、そして人々のデフレマインドの転換を図っていくということのために、金融緩和強化ということで、新しい枠組みである長短金利操作付きの量的・質的金融緩和を導入したということでございます。
○白眞勲君 何か自分が悪かったんですということは余り言わないような感じがしたので。 でも、これちょっとこの辺りにとどめて、私、どうしてもこれ気になるものがあるので、具体的な条文についてちょっと財務省にお聞きいたします。今回の法律の附則の四十六条二項の条文において、これ大変恐縮なんですけれども、まず議事録に入れるために新旧の条文、その部分をちょっと読んでいただけますか。
○政府参考人(星野次彦君) 先生御指摘の四十六条の第二項の規定でございます。 条文を読ませていただきますと、旧条文が、「新消費税法第九条第一項の規定は、三十三年施行日以後に開始する課税期間について適用し、三十三年施行日前に開始した課税期間については、なお従前の例による。」という規定になってございます。 この「三十三年施行日以後」の部分を「三十五年施行日後」に直す、それから、「三十三年施行日前」を「三十五年施行日以前」に直すという規定になっております。
○白眞勲君 ありがとうございます。 これ、何というんですか、適用期間が、以降が「後」になっているんですよね、今度ね。で、「前」が「以前」になっているんですよね。そうすると、今まで私財務省からのいろいろな、消費税の今回上げるのというのは、いや、これ単純に二年半ずらすだけですからと言っていたんだけれども、これ見ると、二年半プラス一日ずれているんですよ、この部分。二年半プラス一日ずれているんだ、これ。これ、何でですか。
○政府参考人(星野次彦君) 御指摘の規定は、免税事業者が課税事業者への転換を行う場合の経過措置に係る規定でございます。 今回、インボイス制度の導入に伴いまして、インボイス発行事業者は課税事業者になるわけでございますけれども、これまでの規定、今回直す前の規定では、免税事業者が課税事業者に転換する場合、その課税期間全体で課税事業者となると。つまり、課税期間の最初に遡って課税期間になるという規定になってございました。 今回、三十三年四月一日が三十五年十月一日にずれるということに伴いまして、今申し上げた遡って課税事業者になるというその部分の課税に変わる期間が相対的に長くなるということを踏まえまして、今回登録日から課税事業者となるような改正にしております。これは事業者の利便を考えまして技術的な手直しを行っております。 登録日から課税事業者になるという規定に変えることに伴いまして、今先生の御指摘の部分については、十月一日に事業年度が開始する事業者につきまして、以前、以後という規定になりますと、九月末決算法人、これがその対象になってしまうわけでございますけれども、「以後」を「後」に直すことによって九月末決算法人をその対象から外すということにいたしまして、この登録日から課税事業者となるという規定との調整を技術的に図っているということでございます。
○白眞勲君 いや、そうしたら、平成三十三年改正のときにもそうすればよかったじゃないですか。こっちは、今の話ですと、こっちも「後」にして、「以前」にすればよかったのに、このときには置いておいて、こっちになって一日ずらすというのはどういうことなのか、教えてください。
○政府参考人(星野次彦君) 今申し上げましたのは、今回、三十三年の四月一日に制度が切り替わるというのが三十五年の十月一日になるということで、繰り返しになりますけれども、これまでの規定のままですと課税期間の適用が繰り上がる、その期間が相対的に、四月から十月に変わることによって、個人事業者もそうですし、法人のことも考えても、繰り上がる期間が相対的に長くなると。 事業者の利便を考えまして、繰り上がるというその期間が長くなるのではなくて、登録日から課税事業者となるように改正を今回しております。そこの部分が変わっているわけでございます。 したがって、それが変わることによって、九月末決算法人の適用をするかしないかということで、九月末決算法人の適用をしないように十月一日が入らないような規定ということで、以前、以後のその規定の書き方を変えているということをやっているということでございます。
○白眞勲君 ですから、私が申し上げているのは、今まで二年半単純に変わりますよといったから、単純なんだなと思っていたら、よく見たらここだけ一日ずれているんですよ、この条文だけが。それに対して何の今まで私説明受けていない。何にも説明受けていません。そして、ポンチ絵にもそんなこと一切書いていない、今のお話というのは。これ、非常に重要な僕は変更だと思いますよ。 これ、ただこのまま読むと、九月決算で十月一日から新しい課税期間が始まるものだと思っている事業者が、当然消費税を納めるものだと思っていたら、いや、違うんだと、この次の年の九月三十日までの消費税は免除だというふうにも読めなくはないんですよね、これ。これだけ読めばね。そういう誤解を招く可能性があるんじゃないのか。何でそんなことやるんですか。
○政府参考人(星野次彦君) 済みません、繰り返しになりますけれども、今申し上げたインボイスの導入に伴う課税事業者の選択の場面におきまして、繰り上がりで課税事業者になるという部分を少なくするというか、減らすために、今回登録日から課税事業者となるという、その変更をしているわけでございます。それに伴う技術的な調整を行っているということでございます。
○白眞勲君 いや、ですから非常に説明が重要ですよ、それは。これ、課税業者何社ぐらいありますか。相当な数あると思いますよ、僕は、これ適用される課税業者というのは。業者がね。 そういう中で、私、この「三十五年施行日後」ってなったらば、三十五年十月二日とも読めるし、三十五年じゃなくて三十六年とも読めるわけですよね、これ。「後」だから、その後だから。これ、ちょっと書きっぷり変じゃないですか。
○政府参考人(星野次彦君) 九月末決算法人は十月一日から新しい事業年度が始まるわけでございます。その始まる法人について適用になるかどうかというところを区別するために、「以後」であれば入るわけでございますけれども、それが入らないということを明らかにするために「後」というふうに書いているということでございまして、そこは適用関係は明確だと考えております。
○白眞勲君 この問題、こういったものを、よく見ると一つだけ違っているというんだったら、ここだけ違いますよということを言ってくれなきゃ駄目なんじゃないかなと私は思いますよ、それは財務省さんとして。私、これで相当悩んだんですよ、どうなっているんだということで。 ですから、是非これからも御説明きちっとしていただきたいということを最後に申し上げて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○古賀之士君 民進党の古賀之士でございます。 まず、今日は非常にタイミングがいい日と申し上げておきます。皆様よく御存じのように、今日、十一月十七日まで税を考える週間、今日がその最終日でございます。御提示の許可もいただいております、ありがとうございます。財務省の広報誌「ファイナンス」にも、特集の記事といたしまして、税を考える週間、この中にも巻頭言といたしまして大塚財務副大臣の巻頭言も掲載されております。(資料提示) 消費税を議論するにまさにタイミングふさわしいと考えておりますが、ただこの「ファイナンス」の中にも様々な広報活動、そしていろいろなイベント、そういったことはもう書いてあるんですけれども、この税を考える週間も含めて、もっとこの税に関する周知、こういったものが必要ではないかということで、今日主にその辺の質問をさせていただきます。 今日、資料をお手元にお配りしております。資料の一でございます。先日、十四日の政府税制調査会に提出されました経済社会の構造変化を踏まえた税制のあり方に関する中間報告に着目をいたしてまいります。 この中で、四番目、四と書いてある、老後の生活に備えるための自助努力を支援する公平な制度の構築が提言されておりますが、その前提としまして、自助努力という言葉が出てまいります。金融や租税、社会保障について、こういった自助努力をしなければならないということも含めて国民の皆様が正しい知識を持っていることが当然必要なんですけれども、しかし、本当に現実的に正しい知識を持っているのかどうか。 資料の二の一、下の方にございますAの部分でございますが、老後の生活費について必要な額を認識していない人が実は半分もいらっしゃいます。自助努力以前の問題ではないかという部分も考えまして、税を考えるに当たりまして教育の充実が必要ではないかと考えております。 まず、越智副大臣に伺いますが、金融の教育について伺います。 資料の二の一のB、その上でございますが、一番上の部分でございますが、金融教育を行うべきという六二・四%の方のうち、実際に金融教育を受けた方が八・三%ということでございます。非常に低い数値でございます。金融教育の経験者の行動に良い結果をもたらしているということを考えれば、この下のCの部分でございますが、金融教育を受けた人にとっては非常にその正答率も高くなっておりまして、その効果もやはりしっかりと数字の上でも見えているわけでございます。 こういった教育にもっと力を入れるべきだと思っておりますが、実際のところはどうお考えでしょうか。
○副大臣(越智隆雄君) 古賀委員から金融教育について御質問をいただきました。 御指摘のとおり、金融広報中央委員会が実施しました金融リテラシー調査によりますと、このグラフで示されているとおり、金融教育を受けた人は正誤問題の正答率が高い、右の方であると。また、望ましい金融行動を取る人の割合が高い、これは上の方であると。この望ましい金融行動というのは、ここにも書いてありますけれども、資産運用、借入れ、生命保険加入時に他の金融機関や商品と比較するということでありますけれども、そういうことをする人が多いということであります。こうした結果を鑑みましても、金融庁としては、国民一人一人に金融経済教育を通じて金融リテラシー、すなわち金融に関する知識、判断力を身に付けていただくことが重要だというふうに考えております。 このため、金融庁や関係団体から構成されます金融経済教育推進会議などにおきまして、金融リテラシーの向上に向けて様々な取組を推進しているところであります。例えば、教材やガイドブックなどの作成、提供。また、学校などへの講師の派遣、こちらにつきましては、昨年度、小中高校には千七百回以上、大学には千回以上、金融庁の職員や金融機関の方々が行って授業等をしているということであります。それ以外にシンポジウムの開催などに取り組んでいるところであります。 これに加えまして、今後、投資初心者を主な対象とした実践的な投資教育の推進に取り組むということを先月発表しました金融行政方針の中にも掲げておりまして、引き続き国民の金融リテラシーの向上に向けた取組を積極的に進めてまいるという所存でございます。
○古賀之士君 是非金融リテラシーの向上に向けて、より良い活動をお願いしたいと思っております。 ただ、残念な資料もございまして、資料の二の二、図表の二十四、こちらを参照いただきたいんですが、資産運用の際に他の商品と比較しない方が四割、それから商品性を理解しない、あるいはリスク性の金融商品をそうやって購入される方が二割から三割いらっしゃいます。現実的には、なかなかその周知徹底が、現実のその購入、あるいは直前、買おうか買うまいかという判断になると、なかなかそこまで知識が及ばないというのが現実の部分もあるようでございますが、その辺についてはどうお考えでしょうか。
○副大臣(越智隆雄君) まず、基本的なスタンスでありますけれども、家計の安定的な資産形成を促進するためには、投資家自らが資産形成に向けて適切な判断を行うことが重要であるということであります。 ただ、現実としまして、先ほど委員から御指摘ありましたとおり、一定割合の人が金融商品の比較をしなかったり、これは、この表でいきますと三六・九%ということでありますが、また商品性を理解しないまま購入する、これは足しますと二五・六%でございますが、そういった現実についての調査結果がありまして、この金融・投資リテラシーの浸透に向けてはまだまだ対応の余地があるというふうに考えております。 このため、金融庁としましては、先ほど申し上げた実践的な投資教育や、商品の分かりやすい比較情報の提供などを進めていくことが必要であるというふうに考えておりまして、具体的には、先月十月に発表しました金融行政方針の中で、「外部有識者の知見を借りながら、投資初心者をはじめとする家計向けの実践的な投資教材を作成し、活用の促進を図る。また、家計による資産形成の有力なツールである投資信託等について、投資家が個々の商品を比較・検討し、良質な商品を選択することが容易になるよう、商品比較情報等を判り易く提供するウェブサイトの構築等を検討する。」ということとしておりまして、こういった取組を通じて家計の安定的な資産形成を促進していきたいというふうに考えております。
○古賀之士君 御披露いただいたような様々なデータの中にもありますけれども、千何百回講師を派遣されたりとか。ただ、やはり、それぞれの例えば場所ですとかあるいは学校や教育機関なども、千何百回の中のうちの多分ワン・オブ・ゼム、一個、一回、あるいは二回、そういうものだと思われるところもあります。 ですので、先日も松川委員からの御指摘があって、それがまたきっかけであったんですけれども、単発的なあるいは一時的なものではなくて、むしろ恒常的な、そして長期的に金融教育というのが、例えば大人だけではなくて、子供さん、小学校、中学校、高校生、こういったものにまでどんどん広げていく、拡充していく。一部、確かに高校生の皆さんたちにもそういう理解を求めるようなイベントなども行われておりますけれども、必要ではないかと思われております。 例えば、アメリカなどでは、皆様よく御存じかもしれませんが、モノポリーというゲームがございます。ここにちょっと、実際御存じない方のためにも、御提示御許可いただきまして、ありがとうございました。(資料提示)これは、一九三五年、当時のあのアメリカの金融大恐慌で失業したチャールズ・B・ダロウさんという方が考案をいたしました不動産売買ゲームなんですけれども、小学校に上がる前のお子さんたちで、全世界でこれ既に三億セットが売れているという、そういうゲームでございます。 こういったものを使って、例えば、アメリカの映画にも普通に小道具などでも登場しているゲームなんですけれども、もうこの不動産のゲームの中に既に抵当という言葉が出てきたり、あるいは、皆さん小学校時代にやられたんじゃないでしょうか、人生ゲーム。この人生ゲームの中にも株という言葉が出てまいります。つまり、幼い頃からそういったアメリカのゲームなどでは株や抵当、そういったものをきちんと理解するだけのもう土壌があるというふうにも考えております。 ですので、もしよければ、こういったモノポリーによるゲームの教育、それからあと、東京と大阪にありますが、キッザニアのような、既にもうやっていらっしゃるかもしれませんが、体験型教育、それから、せっかく今、ITの分野が非常に盛んでございますので、このITを使った、楽しく自然に、そしてできるだけ広い範囲で、そして幼い頃から教育を継続的に恒常的にやっていくという、こういう考え方も必要じゃないかと思われるんですが、どうお考えでしょうか。
○副大臣(越智隆雄君) 今、古賀委員から、小さい頃から、ある意味では遊びを通じてでも生活の中で金融教育が施される、そういうチャンスがたくさんあるんじゃないかと、そういうことについてもっと進めたらどうかという御指摘があったものだというふうに思います。 ちょっと、聞くところによりますと、古賀委員はモノポリーの九州チャンピオンという御経歴もあったということで、そういう御経験の中から、幅広い視点から今日の御提示があったものだというふうに思っております。 金融庁や関係団体から構成されます金融経済教育推進会議などにおきまして、金融リテラシーの向上に向けて様々な取組を推進しております。例えば、最低限身に付けるべき金融リテラシーの内容を項目別にあるいは年齢層別に具体化、体系化しました金融リテラシーマップを策定して、これに基づいて相手方のニーズ等に応じまして講師派遣をしているということもやっておるところであります。 また、先ほど委員もいろいろと御指摘いただきましたが、ゲームなども取り入れた教材の作成、あるいは職業体験型学習、生活設計などに関するシミュレーション手段の提供などにも取り組んでいるところであります。 具体的には、先ほど委員から言及がございましたキッザニアにおきましては、日系の大手証券グループがパビリオンを提供していて、そこで投資コンサルタント業のような職種の職業体験をすると。ほかには、いろんな業種のパビリオンがあるわけですけれども、そこに行って、そこの業績ですとか業務内容をヒアリングして、それを投資をしたい方に説明するというような取組も行われているというふうに聞いておりますし、あるいは日経ストックリーグといいまして、中学生、高校生、大学生がポートフォリオを組んで、ポートフォリオのその中身の良さによってランキングを付けるというようなコンテストみたいなものがございまして、いろんな形でそういう取組が行われているところだというふうに思っております。 今後とも、金融リテラシーの向上に向けて様々な取組を進めてまいりたいと思いますし、古賀委員におかれましては、様々な形でまた御指導いただけたら有り難いと思います。
○古賀之士君 ありがとうございます。よくお調べになっていらっしゃるのでびっくりいたしました。 当然、義務教育の範囲内ということでございますので、これは文部科学省の方にも当然お伺いをしたいと思いますので、その辺についてどうお考えなのか、現行のカリキュラム含めてお話しいただければと思います。
○政府参考人(浅田和伸君) 初等中等教育の段階から経済や金融に関する教育を児童生徒の発達段階を踏まえながら充実していくことは大切だと考えています。 現在、学習指導要領に基づき、社会科や公民科、家庭科において、例えば、小学校では金銭の大切さ、物の選び方や買い方、中学校では金融などの仕組みや働き、消費者の基本的な権利と責任、高等学校では金融制度やその動向、生涯を見通した生活における経済の管理や計画などについての指導を行っています。 また、文科省として、日本銀行が事務局を務める金融広報中央委員会と連携して、教師用指導資料などの作成にも協力しています。この資料の中では、金融教育に関する体験的な学習について、例えば小学校における指導計画例の中で、児童に手作りの店を開店、運営させ、資金計画や利益金の使途について考えさせることを通して経済の仕組みや在り方に気付かせるといった取組、あるいは中学校において、望ましい会社への投資を模擬的に行い、その投資行動の妥当性を評価し合うといった取組も盛り込まれております。 なお、体験型の学習の例としては、私がかつて中学校長を務めておりました東京都の品川区では、公益社団法人のジュニア・アチーブメントと連携して、区立小学校の小学生全員が経済体験活動、スチューデント・シティ、中学生全員が将来設計学習、ファイナンス・パークというのを、これはそれぞれ実際の企業や金融機関の模擬店舗を配した施設も使って経済、金融に関する体験学習を行っております。同様の取組は京都市でも行われていると聞いております。こうした実践的な学習も非常に有意義でありまして、各自治体や学校でも地域の関係機関と連携して積極的に取り組んでいただきたいと思っています。 さらに、現在、学習指導要領の改訂に向けて議論が進んでおりますけれども、中央教育審議会が八月にまとめた審議のまとめでは、社会科等において金融を始めとする現代的な諸課題を踏まえた教育内容の見直しを行うとともに、技術・家庭科においても金銭の管理に関する内容等を充実するという方向性が示されております。 今後とも、関係省庁、関係機関と連携協力しながら、投資を含めた経済、金融に関する教育が適切に行われるように努めてまいりたいと思います。
○古賀之士君 ありがとうございます。 ですので、いわゆる実学として、将来やはり自分たちの生活、人生にとって必要欠くことのできない分野でございますので、やはり恒常的、継続的なものを更に広げていただけるように要望させていただきます。 ちなみに、モノポリー、先ほど御紹介しましたけど、あれはアトランティックシティーというニューヨークの、まあニューヨークですね、ニューヨークの郊外のある町の土地の名前を全部使って、ストリートの名前を使っているんですけれども、実はそこに行ったときに案内してくれたタクシーの運転手さんが、いや、俺はこのモノポリーを使って町の歴史を学び、算数を習ったんだ、小学校のときにと誇らしげに語っていたのを忘れられません。そういう、やっぱり取り組みやすさ、そして、それによって、例えば金融教育の下地ができたり、これから質問させていただきますが、税の下地が分かったりするんじゃないかと思っております。是非、御参考になさってください。 では、続きまして租税教育についてお伺いをいたします。 金融教育については効果が高いことが確認をされていますが、租税教育について効果の測定を行ったことがあるのかどうか、そしてまた、していらっしゃるのであればその結果はどうなのか、財務省の参考人にお伺いをいたします。
○政府参考人(飯塚厚君) お答えを申し上げます。 租税教育に関するお尋ねでございますけれども、国税庁では、次代を担う児童生徒に国の基本となる租税の意義や役割を正しく理解していただくために、様々な取組を行っております。 例えば、学校からの要請に基づく租税教室への講師派遣。これは、二十七年度で税理士、地方税職員含め延べ約三万四千人余りの講師を派遣しております。また、税に関する作文の募集。これは、二十七年度に八十二万編余りの応募がございます。あるいは、税の意義や役割、使途等の現状について分かりやすく記載した副教材の作成と、こういったことなどを行いまして、学校教育における租税教育の充実に向けて環境整備や支援に努めてきたところでございます。 租税教育の効果測定というお尋ねでございますけれども、教育関係者を中心としました国税モニターに対しまして、毎年、租税教育に関するアンケート調査を実施しております。その結果を見ますと、国税庁の先ほど申し上げたような租税教育の取組につきましては、国税モニターの約九八%の方から有益であると、あるいはやや有益であるという回答をいただいているところでございます。
○古賀之士君 資料の三を御覧いただきたいんですけれども、日本は、これはよく出てくる図だと思うんです、国際比較では、これ税の負担率は比較的低いと言ったらいいのでしょうかね、租税負担率二四・一%。そして、アメリカはほぼ変わらずで、イギリス、ドイツ、スウェーデン、フランスに比べると負担率は低い数値が出ておりますが、資料の四のように所得階層によって税の負担感が異なるということも指摘されております。これ、税への正しい理解なくしては大義によって王道を進むことはできないと考えておりますが、租税教育の充実によって負担感を軽減させていくことができるとお考えでしょうか。大塚副大臣にお伺いをいたします。
○副大臣(大塚拓君) 資料三、よく示される資料だと思いますけれども、負担率が比較的国際比較では低い割には、痛税感というか、そういうのが高いというのはよく指摘をされるところでございまして、金融教育の話をずっと聞いておったわけですけれども、租税教育というんですかね、これも非常に重要だというふうに思っております。 国税庁からも、回数こんなにやっていますというのも御紹介があったとおりですけれども、やっぱり納税しているものがどういう行政サービスにつながっているかということがしっかりとイメージできるかどうかということも、納めている税金に対する考え方の違いにもつながってくると思いますし、恐らく我々政治に対しての有権者の方々の要望の変化にもつながってくるのかなというふうにも思いますので、こういったところを、もう小中学校、高等学校、大学、あるいは社会人というところで更に強化をしていく必要もあろうというふうに思っております。 所得階層の違いによってどういうふうに認識が違っているかというのは、これは様々な要因もあろうかと思いますので一概にこうだというふうに申し上げることはできませんけれども、これは全ての所得階層、少なくとも税を納めていただいている方々については税の意義ということをより良く理解していただくということは大変重要だと思っておりますし、今後も、まあモノポリーのような体験型の納税ゲームのようなものができるかどうか分かりませんけれども、そういういろいろな工夫もやっていければいいかなとも思いますし、取り組んでいきたいというふうに思っております。
○古賀之士君 お時間がありませんので、次へ進ませていただきます。 資料一の十一月十四日の政府税調の中間報告、先ほど申し上げました自助努力の支援について提言されていらっしゃいます。 社会保障と税の一体改革の理解度も含めた御質問になるかと思いますけれども、資料、今度は資料の二の二のDですね、自分の年金についての理解。この理解度については、金額についてはもちろんなんですが、支給開始年齢を知らない人が過半数、年金の種類を知らない人も三分の一以上いるというのが二の二のDの資料の数値でございます。 麻生財務大臣にこれも含めてちょっとお伺いをしたいと思うんですけれども、自助努力の前提がこうした現状ではなかなかこれ満たされていないんではないかという意見もあるわけなんですけれども、政府として御意見を、どういうふうにお考えなのか、御所見を伺えたらと思っておりますが。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、先ほどのモノポリーの話が出ていましたけれども、こういったものに関して、読み書きそろばん、今でいえば読み書きそろばん計算機なんでしょうね、英会話が少々。それ以上の教育水準を義務教育で求める必要があるんですかと。因数分解って、失礼ですけど、国会議員でやった人います、なってから。ドント方式さえ分かれば、ほかにはそれ以上難しいのは要らねえだろうがと、これはもう随分前から文教部会なんかで私らはよくやっていた話です。 そんな話やるぐらいだったら、税金の話とか、モノポリーというのは、これ、私が子供のときはイギリスのあれだったので、ボンドストリートが一番高いところだったという記憶がありますけれども、そういったものをやらされたからといって私もあなたも蓄財がうまくなったかって、余りそんな顔もしていないし。 だから、これやったからって、すなわちそれがそのまま反映されるかどうかは別問題だけど、基礎的知識として知っておくというぐらいのことは、年齢開始が、少なくとも、今は平均寿命が延びたとはいえ、六十五になったとかいろんな話を、基本的なことを知らないという人は、やっぱりこれはある程度、自分のを知ろうという意欲がないぐらいお金がある人なのか、それとも全然そういった話を年金払っていないから知らない人なのかの情報がこれにインプットされていませんから、ちょっと判断のしようが難しいと思います。
○古賀之士君 私の心配までしていただいてありがとうございました。 そういった年金制度への広報ですとか、あるいは教育の現状のカリキュラムの中ではどんなふうになっているか、それぞれ厚労省、文科省、お尋ねをさせていただきます。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(諏訪園健司君) お答え申し上げます。 御指摘いただきましたとおり、国民のお一人お一人の方が、年金の受給に必要な加入期間、保険料額あるいは年金額など年金制度の仕組みについて正しく御理解いただくということが重要であると私ども考えておるところでございます。 このため、厚生労働省や日本年金機構におきましては、ホームページや年金事務所を通じた制度に関する周知広報にとどまらず、年金事務所と地域の高校、大学等の連携による学生を対象とする年金セミナー、あるいは私ども年金局の職員による大学等への出前講座、そして年金の日、十一月三十日でございます、そしてねんきん月間、十一月を通じた普及啓発活動などを実施しております。 今後につきましては、更に年金制度に対する理解が高まりますように、御自身の年金の記録や将来の年金の見込額などを、インターネットを介してパソコンやスマートフォンなどで手軽にアクセスできるねんきんネットを普及させるなど、日本年金機構とも密接に連携を図りながら年金制度に対する周知広報に積極的に取り組んでまいりたいと、このように考えているところでございます。
○政府参考人(浅田和伸君) 子供たちに、年金や社会保障制度についても、社会の仕組みとして、あるいは自分自身の将来に関わる問題として正しい知識、理解を得させることは大変重要であると考えております。 年金や社会保障に関しては、主に社会科、公民科、家庭科等で指導を行っています。具体的には、例えば中学校の社会科の公民的分野あるいは高等学校の公民科、家庭科などの中で年金あるいは年金を含む社会保障についての指導が行われているところです。 先ほども申し上げましたが、中央教育審議会で学習指導要領の改訂に向けた審議のまとめを八月に出しておりますが、その中でも、少子高齢化などの現代的な諸課題を踏まえた教育内容の見直しを行うとともに、そうした課題についての学習を充実するという方向性が示されています。 また、高等学校で新しく共通必履修科目、全ての高校生が学ぶ科目ですが、として、これは名称は仮称ですが、公共という科目を新設する方向でございます。この公共の中でも、現代的な諸課題の例として社会保障などを探求する学習を行うということが示されております。 今後とも、厚生労働省や日本年金機構等と連携協力しつつ、年金や社会保障制度に関する教育の充実に努めていきたいと思います。
○古賀之士君 時間がもうありませんのでまとめに入らせていただこうと思っております。 いきなり難しいことをやっても、なかなか周知徹底が進むのかどうかという御指摘も確かにあるかもしれませんが、ただ、幼い頃からやはり私たちにとってより必要な税あるいは年金、福祉、こういったものの下地になるようなことについては、やはりある程度年齢が低い段階から楽しく分かりやすい教育で、しかも、先ほどアメリカで生まれたゲームのお話をしましたけれども、日本は麻生財務大臣もよく御存じのサブカルチャーの宝庫でもございます。私もその議連の中に入らせていただいておりますけれども、そういったサブカルチャーとの連動もしながら、日本の誇るべき経済、こういったものを世界中に発信していく役割の一つとして、また日本国民がそういった私たちの経済の状況あるいは人生や年金、こういった介護、福祉、将来を考える上においても、より分かりやすいシステムをシンプルにつくっていくというのはこれから求められてくる部分ではないかと思いますので、是非、御一考と、そして更なる改善、改革に向けて私もお手伝いをさせていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。 時間になりましたので、質問を終わります。ありがとうございました。
○藤末健三君 おはようございます。民進党の藤末健三でございます。 本日は、本当に二日前に登壇しろという指示をいただきまして登壇させていただくわけでございますが、本日、この国の大きな役割であります社会保障や教育、子育てを支えます消費税の議論をさせていただくことは非常に有り難いことだと思っております。精いっぱい私の考えも述べさせていただき、麻生大臣、そして黒田総裁のお考えも伺いたいと思います。 私は、基本的に今回の消費税の増税の先送りは反対しております、自分の考えとして。安倍総理は、本年五月の伊勢志摩サミットを受けまして、二〇一七年四月から予定されていました消費税増税を二年半後の二〇一九年十月へ先送りするという決断をされました。そして、今回この消費税増税の延期法案が出されたという形でございます。 そのときに、安倍総理は、今は増税できる環境にはないという新たな判断をされたわけでございますが、確かに、当時、不安定化するヨーロッパの共同体の問題や、あとバブルや過剰設備などの問題があります中国経済、世界の大きな経済リスクが高まりつつあるという判断だったと思いますが、私は、日本の経済、潜在経済成長率は大体一%弱と言われておりますが、それと同程度の経済成長は実現できていると思っております。消費税増税が短期的には需要を奪うということはあるとは思いますけれど、中長期的には経済が混乱するということは私はなかったんではないかと思います。 私は、問題となりますのはやはり消費税の問題、この問題はやはり経済成長が低いことにあるんではないかと考えています。よく言われますのが、少子化、高齢化において国内市場が縮小するからしようがないという声がございますけれども、私は、やはりこの消費税を財源として、国内の需要が高い例えば介護、医療、そして子育て、教育といったところに資金を回すことにより、この教育の問題、介護の問題、医療の問題、そして格差の問題や貧困の問題を解決し、私は経済成長を生めると思っております。 今回、消費税増税を先送りにしたということにつきましては、私は、財政再建を先送りしただけであって、将来のリスクを高めたものだというふうに考えております。それを前提に是非議論させていただきます。 まず、麻生大臣にお聞きしたいんですけれども、アベノミクス、三本の矢というものがございますが、私は政権与党時代に、実は金融緩和政策をやるべしということを政権内で唱えていました。ただ、なかなか内部を説得することができず、実現できなかったわけでございますが、そういう意味では、私は、金融政策、初めのうちは私はうまくいったと思います。今はもう限界を超えていると思っています、正直申し上げて。後でそれは議論させていただきますが。 金融政策がある程度常識の範囲で収まっているうち、成果を出しているうちに、私は、やはり残る二本の矢、財政政策はある程度やっていただきましたけど、一番大きい成長戦略、そして産業の構造改革ができなかったんではないかと、十分には、そのために増税をできる環境じゃなくなったというふうに政府が判断したんではないかと思いますが、麻生大臣はどのようにお考えですか。お願いいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) 安倍政権でこれまで三本の矢ということでいろいろやらせていただいてきたんだと思っております。例えば、財政政策につきましては、これは財政健全化というのを確実に進めなければならぬという状況にあります一方で、時々の状況に応じて例えば補正予算をやりました。就任、安倍内閣が二回目のスタートをした後、直後の平成二十五年の一月には、いわゆる事業規模で約二十兆二千億の緊急経済対策をしておりますし、最近も事業規模で二十八兆五千億になります経済対策をこの八月にやらせていただいておりますのは御存じのとおりです。 また、構造改革につきましても、コーポレートガバナンスなどの改革でやらせていただいたり、成長志向の法人税の話もさせていただきましたし、それから、農協もいろいろ騒ぎありましたけど六十年ぶりの改革、また観光も等々いろいろ、法務省いろいろありましたし、ほかのところもいろいろあったんですが、ビザの発給条件というのを緩和して、外国人観光客は従来八百万が昨年二千万と。それから、最近で電力の小売市場も大きなものだったとは思っていますけど、いろんな分野で財政政策とか構造改革やらせていただいておりますので、十分ではないのではないかということは、十分って何をもって十分とされておるか分かりませんけれども、少なくとも、今までに比べればはるかに構造改革、財政政策というのは機動的に進ませていただいて前に進んだと思っております。 それから、消費税引上げの延期につきましては、これはもう世界経済というものが、いろいろな意味で新興国の陰りなんかが出てきておりましたし、需要が低迷しましたし、成長というものからいったら減速リスクというものがかなり懸念されるという状況の中で、これ今、御存じのように、各個人においては個人消費が低迷しているという状況にあることなどを勘案して、これはサミットにおいてもあらゆる政策を総動員するという条件が付けられて、総合的かつ大胆な経済対策を講ずるということを七か国で打ち合わせたのに併せて判断をさせていただいたと思っております。 いずれにいたしましても、社会保障の一〇%への引上げというのは、これはもう御指摘のとおり、社会保障の持続可能性というものの確保を図る上ではこれはもう必要不可欠だというのははっきりしていると、私どもはそう思っておりますので、政府といたしましては、二〇一九年の十月の消費税の引上げが可能な環境というのを確実に整えていくと、これが一番重要なところだと思っておりますので、そのためにも、未来への投資を実現する経済対策を始めといたしまして、強い経済というものを実現を目指すために経済財政運営というものを今後とも万全を期してまいりたいと考えております。
○藤末健三君 私が申し上げたいのは、構造改革も進めていっていただいていると思いますけれど、今日ちょっと、主題でございます、先ほど大臣がおっしゃった個人消費が低いということはすごく問題だと思います。 私は、今日お話ししたいのは、やはり、後でデータを見ていただきますけれど、中間層はすごく収入が落ちている、資産も落ちているという状況の中、ここに刺激を与えない限り私は消費が増えないと思っておりますので、その中間層に消費の刺激を与える、そのためには財源が必要でございますので、その財源として私は消費税があり得るという話をさせていただきたいと思っています。 私は、この七月、選挙をさせていただきましたけれど、そのとき私は、やはり消費税増税により社会保障や子育て支援、教育を支持するという主張を自分の党、所属しています民進党が出せないかと思っておりましたが、それができないという状況になりました。それはもちろん私の力不足だと思っています、正直申し上げて。 しかしながら、やはりこの社会保障を充実しますという中で何が大事かというと、財源どうするかという議論がやっぱり置き去りになっているんではないかなと思っております。実際に国民の皆様の関心事を見ますと、年金、介護、医療、教育、子育てという形がもう上位に並んでいる。じゃ、それだけの財源どうするんですかという議論がまだなされていないというのが非常に大きな議論でございまして、私はやはりある程度政治的な決断がどこかで必要になるんではないかと思っています。 例えば、二〇一六年度予算におきましては、社会保障費が三十二兆円のうち、十七兆円が消費税でございます。また、今、所得当たりの国民負担率が、二〇一三年、四一・六%のうち、社会保障の負担率が一七・五%、消費税が七・二%、あと個人所得が七・八%、法人所得が五・四%、あと資産課税が三・七%となっておりまして、この消費税がこれからある程度、ほかの国を見ますと、例えばイギリスですと消費税一四・八、ドイツですと一三・九、スウェーデンは一八・八という形で、非常に消費税、付加価値税も含めまして非常に大いに財政を支える基盤となっているわけでございますが、私はやはりこれから消費税が財政を支える基盤になるんではないかと思います。 私は、先ほど経済の問題を指摘させていただきましたのは、この消費税の増税の問題として、やはり経済活性化がマイナスになるんではないかと私は思っております。アベノミクスが始まって三年が経過したわけでございますが、実質経済成長率は大体〇・六から〇・七という形になっています。こういう中におきまして、将来安心できる社会保障制度を構築しまして、そして、私は今大きな問題は格差だと思います。今回のアメリカの大統領選挙、そして様々な国で行われている選挙におきまして、格差や貧困の問題、そしてまた教育の問題、子育ての問題、様々な問題がございます。 そこで、国民の皆様が安心できる制度をつくっていくこと、社会をつくることが大きな課題となるわけでございますけれど、私は、やはり今は、後で議論させていただきますように、金融緩和だけが先行し、お金を、マネーを供給すればデフレから脱却できるというデフレ政策はもう壁にぶち当たっているのではないかと私は思っています。 今お手元にお配りした資料をちょっと御覧になっていただきたいんですが、これは一橋大学の小塩教授が作られた資料でございます。二〇一四年の家計調査から作ったものでございまして、年間収入別にどれだけアベノミクスの期間に、この三年間、二〇一三年から二〇一五年間に収入が増えたかというパーセンテージを示しています。その比較としまして、二〇〇二年から二〇一二年、これをアベノミクス期以前と書いてございます。 これを見ていただきますと分かりますように、七百万円以上の収入の方々、この二〇一三年から二〇一五年、アベノミクス期と書きましたけれど、七百万から一千万の収入の人は一・〇%の収入増、一千万から一千五百万の方は〇・一%、一千五百万以上の方は〇・二%増えている。そしてまた一方で、三百万から四百万の間の年収の方が大体アベノミクス期間に〇・八%収入が増えているというわけでございますが、四百から五百万の間の年収の方々はこの三年間にマイナス〇・九%と減っているわけでございます。 そしてもう一つございますのは、五百万から七百万の間の収入の方々、マイナス一・一%ということで収入が落ちている。この収入の方々の所得が、消費が増えなければ、私はなかなか経済は成長しないんではないかと思います。いろんなデータがございますが、これは家計調査に基づくデータになっています。 そしてもう一つ、次のページを見ていただきたいんですが、これは資産分布の変化ということでございます。こちらの方を見ていただきますと分かりますように、貯蓄残高別の資産がどれだけ増えたか、これもまた同様にアベノミクスの期間を二〇一三年からこちらのは一四年にしておりまして、そしてアベノミクス期間の以前、二〇〇二年から一二年の間を比較しています。 これを見ていただきますと分かりますように、貯蓄残高が三千万円以上の方々は二〇一三年から一四年の間に三・三%資産が増えていると。一方で、先ほど収入別で大きく落ち込みがありました貯蓄残高が大体七百万から一千万の方々、マイナス一・〇%です、二〇一三年から二〇一四年にかけまして。また、貯蓄残高が一千万円から千四百万円の間の方々はマイナス〇・九%、そして千四百万円から二千万円の貯蓄残高の方々はマイナス〇・六%ということでございまして、ちょうど中間層の方々の資産も減っているという状況になっているわけでございます。 〔委員長退席、理事長峯誠君着席〕 この世の中に何が必要かと申しますと、やはり私は二極化がどんどんどんどん我が国でも進んでいるということのまさしく証明だと私は思います。世界的に今グローバル経済の問題、あとはIT化の進展により、なかなか高い給料の仕事と、そして機械や例えば外国人労働者に取って代わられるような単純労働の給与の格差がどんどん開いているというのは世界的な動きだとは思いますけれども、我が国におきまして、やはり政府の役割をもってこれを正していくことをしなければ、私はやはり政治というもの、そして国というものが安定しないのではないかと思っております。 こういう中におきまして、私は、ちょっとお聞きしたいのは何かと申しますと、これ黒田総裁にお聞きしたいんですが、日銀はこの九月に総括的検証をされましたけれども、是非、金融政策のみならず経済政策全体を総括するようなことをやれないかということをお聞きしたいんですが、いかがでございますか。
○参考人(黒田東彦君) 御指摘の総括的検証の中で、実は、日本銀行が過去三年半やってまいりました量的・質的金融緩和、そして今年の一月に導入を決定しましたマイナス金利、これらの効果を分析をいたしておりまして、そういう意味では包括的な分析になっておりますので、その中で実体経済の状況も分析をいたしております。ただ、政策面では確かに金融政策以外の財政政策であるとか構造政策についての分析は行っておりません。 ただ、その上で申し上げますと、やはり御指摘のように、長期的に見ますと、どのようにしてこの潜在的な成長力を引き上げていくかということが極めて重要であるということは指摘をしております。
○藤末健三君 ありがとうございます。 総裁にお聞きしたいんですけれども、その総括検証の中に、構造改革や成長力強化に向けた取組によって自然利子率を高めていくことが重要であるというふうに書かれているわけですよね。これはさっき私が言ったことと全く同じでございまして、三本目の矢、構造改革、そして成長力強化、これはまさしく成長戦略なんですよ。それが必要と、全く私と同じ考えだと思います。 具体的に何か想定されていますか。教えていただけませんか。
○参考人(黒田東彦君) まず前段の自然利子率という概念でございますが、これは特定の国の経済にとって景気を加速も減速もさせない中立的な実質金利の水準でありまして、それはその国の経済が持っている潜在的な成長力、いわゆる潜在成長率によって規定されているというふうに考えられます。 御指摘の潜在成長率を中期的に引き上げていくというために具体的に何が必要かというと、やはり三つに分類できると思います。 一つは、資本ストックを増加させる。そのためには、企業における前向きな投資を様々な形で促していくということが必要であろうと思います。二番目は、労働投入を増加させる。これは、このところかなり女性の就業率、労働参加率が高まっておりますけれども、女性や高齢者などの労働参加率を高めるということも引き続き重要であろうと思っております。そして最後に、何よりも生産性を上昇させるということが重要でありまして、これについては、やはり規制緩和あるいは制度改革というものを通じてイノベーションを促進し、さらには労働生産性を上昇させていくということが重要であろうと。この三つの策によりまして潜在成長率を高めていくということが重要ではないかというふうに思っております。 〔理事長峯誠君退席、委員長着席〕
○藤末健三君 まさしく総裁からは、教科書に書かれたような、資本ストックを増やす、労働力を増やす、あとイノベーションを増やすという経済成長の三要素をおっしゃっていただいたわけでございますが、それを日銀の方からある程度具体的な数字をもって提案できないんですかね。 恐らく、金融緩和をします、資金を増やしますよと。じゃ、後でまたさせていただこうと思うんですけれども、お金どこに流れているかというところまでウオッチしていただかなければ、金融緩和の効果って測れないんじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
○委員長(藤川政人君) 黒田総裁。
○藤末健三君 いや、いいですよ。これ、要らないです、もう答え分かっていますから、と私は思うんですよ。 ですから、金融緩和しましたよ、じゃ、お金どこに行っていますかといったら、私は、お金は血だと思っています、肉体で言うと。どこかに動脈瘤みたいなものがあって、血がたまっているんじゃないかと思うんですよね、どんどんどんどん不要なところに。じゃ、筋肉に行っていますか、筋肉に行っていませんと。設備投資はそんなに増えていない。労働者の方々の給与は増えていませんと。その中でまた金融緩和をしてどんどん血を投入しても、動脈瘤が大きくなって最後破裂するんじゃないかという、私はそう思います。 私は、実は、日銀法改正のときは、日銀法改正するべきじゃないと思っていました、正直言って。独立性は要らない、極論すると。世界の潮流と反しますけど、私はやはり財政政策と金融政策は表裏一体であるべきだと思います。資金を提供し、それがどこに流れるかというのを同じ思想の下で、同じコンセプトの下でコントロールしなければ、一方、お金どんどんどんどん流すけど、結局どこに流れているんですかと。じゃ、片方は一生懸命流れる先を変えていこう、新しい血管を作ろうと構造改革をされる、イノベーションを起こそうとしても、血が届かないんじゃないかなという、私は今それが現状じゃないかと思います。トリクルダウンということで資金供給量を増やし、どんどんどんどんお金は増えているものの、それが設備投資に行っているか、個人消費に行っているかというと、私は、答えはノーじゃないかなと。 ちょっと登録していませんけれども、私は、是非とも金融政策を担当する日銀さんと財務省の統合的なやっぱり運用みたいなものが必要じゃないかと思っています、正直言って。法律上できませんという答えになるかもしれませんが。 また、日銀法の四条にはこう書かれておりまして、政府との関係を密接に行って意思疎通を図って行え、政策をとあるんですけど、麻生大臣、いかがですか、この考えにつきまして。財務省と日銀の連携を強くするというのは……
○国務大臣(麻生太郎君) 可能性。
○藤末健三君 はい、やっていただくということについていかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 人によると思うけどね。日銀の総裁と金融担当大臣、財務担当、財務大臣との人間関係によって極めてスムーズにいったこの三年間。最初、白川総裁のときは結構大変でしたよ。その頃を知っている人いるけど、結構大変でしたよ。民主党の後を受けて、えらい迷惑しました、正直。物すごい凝り固まっておられましたから。はっきり言ってすごく時間が掛かりましたよ。 結果として、日本銀行、金融政策間違ったと認めてください、明らかに金融政策が間違いでしたと認めてくださいと、そこからスタートですから。それはなかなか大変でしたな、正直申し上げて。結果的に認めていただいて、日銀との間に共同声明というのをやらせていただいて、何かアコードとかいう名前も出ましたけれども、ホンダ自動車の広告するつもりはありません、そう言ってやめてもらいました。 共同声明という表現に変えていただいて、それで、結果としては、すんなりそれが出すことになったんですけれども、今言われましたように、日本銀行と財政を担当いたします我々との間の意思疎通が、アメリカのFRBと、ファイナンス、何というの、財務省との間の関係も、これは極めて連携を密にするというのは、今でも中央銀行総裁会議と財務大臣会議という共同で開かれる会議がよく世界中やっていますけれども、私ども、その人間関係をきちんとつくっておくというのが一番大事なので、法律だけ一緒にしても、そこの意思疎通ができなければ全然話にならぬと思っておりますので、そのコミュニケーションが大事かなと思っています。 今、日銀、金融庁、財務省、結構頻繁にいろいろやらせていただいております。
○藤末健三君 白川総裁については余り申し上げる立場じゃないんですけれども、大臣のおっしゃることもよく御理解させていただきます。 私は、先ほど麻生大臣がおっしゃいました政府、日銀の共同声明、これは平成二十五年一月の二十二日に出していただいたものでございますが、まさしく内閣府と財務省と日本銀行が一緒に出していると。 私は、ここでちょっと提案させていただきたいのは、この共同声明を出していただきましたけれど、今回、総括検証の中におきまして、私は、日本銀行は大規模な目標をセッティングというか、政策変更したと思っています、私は、正直申し上げて。もう長期金利のターゲッティングをしますよという話は、ちょっと私は正直否定的ではございますが、変更された中におきましてこの共同声明も見直すべきではないかと思っておりますが、この点につきまして、日銀若しくは政府からお答えいただければと思います。お願いします。
○参考人(黒田東彦君) 御指摘の二〇一三年一月の政府、日本銀行の共同声明では、デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のためにそれぞれが果たすべき役割というものを明確に定めております。すなわち、日本銀行は金融緩和を推進し、二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現する、これを目指す。一方で、政府は成長力の強化に向けた構造政策を進めるとともに、機動的な財政運営を行いつつ、中長期的に持続可能な財政構造を確立するための取組を着実に推進するというふうにされております。 こうした役割分担は引き続き妥当なものであり、この共同声明自体について何か見直しが必要とは私どもも現時点では考えておりません。
○国務大臣(麻生太郎君) 政府といたしましても、金融政策という面でいきますと、これは緩和的な金融環境を最大限に利用させてもらって、未来への投資を実現する経済対策を決定したところでもありますし、また、働き方改革を着実に進めるということで構造改革の推進にもしっかり取り組んでいるところでもありますので、今直ちに見直しを行う必要があると私ども考えているわけではありません。 経済成長の実現というのは、これも御指摘のあったとおりなので、政府と日銀との連携というのはこれ極めて重要なのであって、これは共同声明にのっとって、これはこれまでのところ、少なくともこの三年数か月、緊密な連携というのを取らせていただいたおかげで、金融政策、財政政策、金融の方が行き過ぎているんじゃないかとか、白眞勲先生の御指摘にもありましたように、金融政策だけが先行しているということもありませんし、財政も結構私どもとしてはそれなりに、時間が掛かるのは財政の方だと思いますので、少々効いてくるまでに時間が掛かるのは確かですけれども、そういった意味では、金融政策、財政政策、構造改革を総動員して今一体となってやらせていただいておる最中ですので、直ちに今共同声明というのを書き直すとか修正するという必要を感じているわけではございません。
○藤末健三君 そこで、経済政策と申しますか、成長戦略について申し上げますと、ちょっと資料の、ページ振ってございますかね、三ページ目をちょっと見ていただいてよろしいですか、三枚目。サービス産業の所得を上げ、輸出型産業のイノベーションを興し経済を成長させるという図でございます。これは大和総研のエコノミストの熊谷さんの資料をベースに作ったものでございます。 これは何かと申しますと、縦軸が生産性でございまして、一人当たりどれだけの言い換えれば収入があるかということになります。横軸が経済波及効果ということでございまして、数は乗数効果でございまして、この数が大きければ大きいほどほかの産業に対する波及が大きいということになります。この円の大きさが雇用の数になります。 どういうことかと申しますと、右の方に輸送用機械というのがございます。これを見ていただきますと、乗数効果が大きいところにありまして、そして生産性というのが一五〇ぐらいにあるということであります。これはもう一般的に自動車のことを指しています。何かと申しますと、自動車産業が調子よくなれば、ほかのところの産業に波及する効果は大きいということになります。一方で、乗数効果一・五ぐらいの上にありますこのピンク色の丸い円が何かと申しますと、これがサービスになります。これ、見ていただきますと分かりますように、雇用が非常に大きく、かつ乗数効果はそれほど大きくない。 もう一つございますのは、生産性が低いということでございまして、一つ私が御提案申し上げたいのは、社会保障に予算を回すということの裏返しでございまして、例えば医療や介護や教育、また環境とかいうものがございます中に、ここに政府の資本を投入することにより、この円の生産性、収入を上に上げていくと。そうすることによって、大きな規模の雇用を生んでいるこの円の部分の収入を増やすことによって、先ほど申し上げました中間層の収入を増やし、そして消費を増やすことができるんではないかというのがまず一つございます。じゃ、その原資どうするのかというときに、私は消費税ではないかなと考えています。 一方で、黒田総裁、麻生大臣もおっしゃっていたイノベーションという話でございますけれども、そこはやはり輸送用機械、化学、電機というものが乗数効果が高く生産性が高いところにありますけれども、彼らはグローバリゼーション、まさしく世界で戦っていただいているわけでございますけれども、ここでやはり世界でも唯一日本だけしか造れないようなものをどんどん造っていただいて輸出していくという、この二つが私は大きな柱になってくるんではないかと思っております。 特に、サービス産業の話を申し上げますと、政府のお金を例えば一千万円予算を使ったときにどれだけ雇用が生まれるかという統計が厚生労働省から出ています。例えば公共事業の場合、一千万円の予算を使ったときに生まれる雇用は大体〇・九人です。やはり土地を買ったり、あと建設機械のリース代とかいろいろなコストが掛かっている。一方、介護とかを見ますと二・四人ぐらいあるんですね。約三倍弱です、公共事業の。 当然のことながら、人件費の割合は非常に大きいということもございますけれども、何を申し上げたいかというと、公共事業も非常に重要ですけれども、介護とか医療とか教育という人件費の割合が大きなところに予算を付けることによって、その人件費が雇用を生む効果、そして収入を増やす効果が非常に大きいという、そういう話でございます。ですから、このようなサービスの分野に国の資金を投入し、そして中間層の収入を増やすということを私はやるべきではないかということをずっと申し上げております。 ただ、そのときに、やはり財源がどうなるのかということでございますが、今回、消費税の増税ということが先送りになったわけでございますが、私は、消費税の増税の財源をきちんとこういう介護や医療、そして教育、子育てといったニーズが高い分野に回すことにより、雇用を生み出す効果、そして働く方々の収入を上げ、消費を増やす効果があるんではないかと、そのように考えております。 私、麻生大臣に是非御意見をいただきたいなと思いますのは、私は、やはり冒頭で申し上げましたように、社会保障、教育とか、政府から有権者の国民の方々はもう与えられるものを増やしてほしいと、それは当然でありますけれども、私は、どこかでその分負担をしてくださいねということを言わざるを得ないと思うんですね。やはりいいことだけを言って、こういうものを提供します、サービスを提供しますよと言って負担を求めないということは、私はポピュリズムに近いんじゃないかと思うんですけど、麻生大臣のお考えを是非お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これは最初に、今何でしたっけ、民社党じゃない、民進党、民進党になられる前の三党合意のときも、社会保障と税の一体改革というのが大前提ですから、おっしゃっているとおり大前提なんだと思っているので、別に、その点に関して私どもも全く同じ意見であります。 それで、今この話で、前歴見ていたらボストンに住んでおられたというので、アメリカの北の方のところなんですけれども、このサービスの生産性向上という話をしているんだと思いますけど、例えば東京で伊勢丹というデパートに行ったとします、三越でもどこでもいいけど。それとボストンの、メーシーズでもどこでもいいですよ、デパートに行ったとするよ。はい、どっちが安い、ねって言いますよ。まず、いらっしゃいませと誰も言わないよな。いねえんだもの、人が、だろう。誰も聞きに来ないよ。あなた一人だけですよ。自分で探して、買ったとしても、荷物も包んでくれないし、はいと渡されて、後は自分で袋に入れて詰めて帰る。生産性が上がるってそういうことですよ。給料安いもん、それ。生産性めちゃ上がりますよ、それで。そのサービスで日本が通るかね。真剣に考えてみた方がいいよ。 僕はよくこの話をするけれども、僕はもうサービス業の生産性って、サービス業でアメリカ人に日本が負けるわけがないと思っていますよ。だけど、その求め方のレベルが全然違いますから、だから生産性が上がらないというんですよ。だけど、人を減らさせてくれと言ったら、どんとそれだけはできるよ、生産性は一挙に上がる、人が減るんだから。生産性は上がるけれども、お客はそれでというと、逆に安いから消費するかといったら、あんなサービスの悪いところで買わないわという話になったら元も子もないですから。 だから、そこのところはもう商売した方というのは、役人やったのと違うんだから、難しいのを知っているんですよ、みんな。だから、これはもう非常に難しいというものだと思っていますので、私はこの分野は、日本というのはめちゃくちゃ今後伸びていく、世界の中で、医療にしてもおもてなしにしても。例えば加賀屋が台湾に行って大成功したり、多くの会社が成功しています。セブンイレブンですら海外で成功していますから。そういった例を見たら分かるんだけど、間違いなく伸びていきますよ、この部分は、日本という国が。 だから、今までと違った状況になってきていますという点もよく考えて言っておかないといかぬなと思っておりますので、いずれにしても、雇用誘発効果というものが主要産業の中において高いという分析があるというのはよく承知をいたしております。
○藤末健三君 大臣、ちょっとこれ済みません、生産性という書き方が悪かったと思うんですけど、これはなるべく効率的にサービスを落として安くやりましょうというよりも、どちらかというと、その個人個人の収入単価みたいな意味なんですよ。ですから、生産性というと何か同じお金でもっと働けというイメージですけど、逆にこれは、同じ仕事であっても給料が上がれば実は生産性が上がるというそういう統計でございますので、そこはちょっと御理解いただきたいと思います。 ただ、私は、先ほどおっしゃっていただきましたように、デパートとかいろんな飲食店のサービスは日本が格段にいいと私も思います。これは何かと申しますと、私は、例えば介護にしても医療にしてもやはり日本はサービスがいい、教育も私は日本の方が優れていると思います、正直申し上げて。やはり優れているものに対するきちんとしたお金を、収入を得ていただくというのが、今、私は大事じゃないかということを申し上げます。 特に何が大事かと申しますと、この右側にあります輸送用機械や電気機械や化学は、産業波及効果は大きいんですけど、結局、世界と戦わなきゃいけない。ですから、全く、ここで働く方々は、何があるかと申しますと、単純な労働をしているとそれが海外の労働者に取って代わられるという世界にある。ただ、実はこの介護とか医療とか教育の問題につきましては、その代替性がない、貿易代替性がない、貿易できないものでございますので、国内に閉じていますので、実は我々がきちんとした資金を供給することによって、単純に生産性という言葉をちょっと言い換えますと、所得が増えることになります。それによって経済を回すということでございますので、是非ちょっと御理解いただきたいと思いますし、こういう、私はこのマップいつも使って人には説明しているんですけれども、やはりこの成長戦略ということの概念の大きなコンセプトを是非日銀そして財務省、そしてほかの省庁とも共有してやっていただければ国民にも分かりやすいのではないかと私は思っております。 ただ、こういう状況の中におきまして、経済成長政策は申し上げましたが、今回消費税の増税の延期ということになったわけでございますが、この消費税増税の延期により、私はこの財政が維持できるかどうかということも非常に大きな問題ではないかと思います。 この点につきまして、財務大臣、麻生大臣と日銀黒田総裁にお聞きいたします。
○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、日本の財政というものは、簡単には三分の一、約三十兆円というものはまあ借金です。したがって、社会保障関係費は予算全体の三分の一というものを占めておりまして、毎年度増加をいたしております。よく言われる一兆円とかなんとか、いろいろ増加をいたしております。大変厳しい情勢にあるのは確かであります。 今回の消費増税というか一〇%への引上げ時期というものを延長する法案を提出して御審議をいただいているんですが、二〇二〇年度における基礎的財政収支をチャラにする、黒字化するという目標はそのまま維持をいたしておりますので、その実現に向けましては、これはもう経済再生とか経済成長なくして財政健全化というのはあり得ぬ話なので、そういった基本方針をきちんと置いて未来への投資というものを実現する経済政策というものをやらさせていただいて、基本的には強い経済、この強い経済を目指して今取り組んでおります。 あわせて、これは歳入だけの話じゃなくて、歳出の話も取り組まねばいかぬところなのであって、この改革工程表に基づいて、社会保障関係の改革を含めまして徹底的な重点化とか効率化とか、いろんなことを今やらせていただいておりますので、歳出の改革というのを継続していかない限りは、歳入だけ増やしても歳出がもうだだ漏れじゃ全然話になりませんので、そこをきちんとやらせていただいて、そういった上で、私どもとしては、二〇一九年十月に消費税の一〇%というものをやらせていただき、本来の目的であった社会保障と税の一体改革というのをきちんとやらせていただきたいと、さように考えております。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど、二〇一三年一月の政府と日本銀行の共同声明にもうたわれておりますとおり、やはり持続可能な財政構造を確立するということは、これは財政にとって非常に重要だというだけでなく、日本経済が持続的な成長を達成していく上でやはり必須の課題であるというふうに私どもも考えております。そういう意味で、日本が国全体として取り組まなければならない課題であるというふうに認識をいたしております。
○藤末健三君 お二人ともお立場あるのでなかなか言いにくいことだと思いますが、私は、やはり麻生大臣がおっしゃいました、二〇二〇年、基礎的財政収支、プライマリーバランスを黒字化するという、これは国際公約になっておりますので、事実上はこれで不可能になったと私は思っています。 なぜかと申しますと、そもそも、二〇一七年四月に消費税を一〇%に引き上げる、延長しない場合においても、アベノミクスの前提、実質二%、名目三%の経済成長を実現したとしても二〇二〇年のプライマリーの黒字化にはならないという、〇・五兆円の不足というのがそのときの計算だったわけです。 二〇一七年四月に消費税を一〇%に上げ、アベノミクスのゴールを達成したとしても二〇二〇年のプライマリーバランス黒字化できないという中で、これを先送りしたということは、私はもっと傷が大きくなることは間違いないと思っております。恐らく、いろいろなこれから議論をなさると思いますけれど、これは非常に大きな私は財政的な問題として、問題を先送りしただけではないかなと思います。 お配りした資料の四枚目でございますけれど、これ、経済産業省が発表した資料をそのまま持ってきたものでございます。財政危機発生における日本経済への影響の試算ということで、これはちょっと、ある程度金額も書いてあったんですが、この財政危機、我が国の政府がお金の調達ができなくなったときどうなるかということでございまして、二つの問題が起きると。過剰な円安と長期金利の上昇で国債価格が暴落しますということになります。 過剰な円安となったときに円安による輸出産業の復活があるかというと、これはもう空洞化が進んでおり、現状でも、百二十円に円が安くなったときもなかなか輸出が増えなかった、もう工場はフル稼働でしたということもございます。もう工場は外に出ていると。その中で、円安による輸出振興による産業復活は難しいんじゃないかと。じゃ、何があるかと申しますと、結局は利払いが増え、財政が持たなくなるんではないかと。そうすると、先ほど申し上げましたように、社会保障、年金であり介護であり、医療、教育などが機能しなくなり、所得の再分配機能は低下するんではないかというのはこの図にあることでございます。そして、結局何が起きるかというと、経済的弱者、年金生活者や所得が低い方々に大きなマイナスが生まれるのではないかと。当然インフレになりますので、そのインフレの影響も出てくるわけであります。 一方、下の方にございます、長期金利が上昇し国債価格が下落するということになりますと、当然のことながら企業が経営がうまくいかなくなる、企業の成長力は落ちてくると。それは雇用のマイナスにつながるであろうということと、もう一つあるのは、やはり銀行とか金融機関が、国債を持っている金融機関が非常に経営が不安定になるのではないかというのがこの図でございます。私はこの図は正しいと思います、財政危機が起きたとき。 そこで、今日は、全体的な財政危機の話は別の機会にさせていただきたいと思いますが、私、一つございますのは、今どんどんどんどん日本銀行が国債を買っておられる状況の中、将来財政的なものが非常に不安定になり、危機とならなくとも、国債の価格が落ちることはあると思うんですね。先ほど黒田総裁は質問に答えられて、二〇一六年三月時点ですか、国債は十五兆円ぐらいのプラスになっていますよとおっしゃっておられますけれど、それは今だからだと思います。 もし国債の価格が落ちたときどうなるのかということを、どう考えているかということを伺いたいんですが、まず初めに会計検査院にお聞きしたいんですが、日銀が保有している国債の利回りが低下になったときに損失が出るのではないかという指摘をされたわけでございますが、その見解を簡単に御説明ください。お願いします。
○説明員(村上英嗣君) お答え申し上げます。 会計検査院は、平成二十七年度決算検査報告に、特定検査対象に関する検査状況として、「量的・質的金融緩和等の日本銀行の財務への影響について」を掲記しておりまして、その中で日本銀行が保有する長期国債の利回り等の状況について記述しております。 その概要でございますが、平成二十五年四月の量的・質的金融緩和の導入以降、日本銀行の資産及び負債の額が過去に例を見ない規模で拡大している中で、日本銀行が保有している長期国債につきましては、二十七年度の平均残高に対しまして〇・四九五%の利回りが確保されておりました。 一方、マイナス金利付き量的・質的金融緩和の導入決定後の二十八年二月以降、市場金利は一段と低下しておりまして、会計検査院が一定の仮定を置いて試算したところ、日本銀行が四月から六月までの間に買い入れたと見られる長期国債の利回りにつきましてマイナスとなっていることなどから、この間の長期国債の買入れは、日本銀行が保有する長期国債全体の利回りを今申し上げました二十七年度の利回りから低下させる方向に影響していると考えられるところでございます。 そして、日本銀行は、二十七年度決算におきまして、マイナス金利付き量的・質的金融緩和の実施に伴って日本銀行に生じ得る収益の振幅を平準化する観点から、拡充されました債券取引損失引当金制度の下で同引当金の積立てを行っております。 このような検査結果等を踏まえました会計検査院の所見といたしまして、日本銀行において保有する長期国債の利回りが低下してきているなどの状況も踏まえて適切に引当金を積み立てるなど、財務の健全性の確保に努めることが重要であるといったことなどを記述しているところでございます。
○藤末健三君 これにつきまして、総裁の見解を教えてください。
○参考人(黒田東彦君) 会計検査院の報告につきましては、ただいま御説明があったとおりであります。 国債金利の低下に伴いまして、日本銀行が新たに買い入れた国債の利回りが低下傾向にあることは事実でありますけれども、平成二十七年度の国債金利収入全体としては約一・三兆円の利益となっておりまして、今年度入り後も高い水準が続いているというふうに見込まれます。 なお、これは会計検査院からの御報告にもありましたとおり、量的・質的金融緩和というものは、実施中はバランスシートは拡大して収益が押し上げられ、利上げ局面では逆に収益が減少しやすいという特徴があります。したがいまして、昨年、引当金制度を拡充して収益の平準化を図っているわけであります。 いずれにいたしましても、日本銀行が実施しております資産の買入れなどは財務に影響を与え得るわけでございまして、日本銀行の責務である物価の安定のために必要な政策を行っているわけですが、その際にも、財務の健全性には十分留意しつつ必要な政策を行ってまいりたいというふうに考えております。
○藤末健三君 今総裁が御説明いただいたのは、短期的なPL、お金の出入りじゃないですか。それ、私はちょっとだんだんおかしくなりつつあると思いますし、あと、バランスシート、国債が今どんどんどんどん資産として買い入れられている、それが落ちたときどういうふうにお考えですか。 私は、これを日銀の方にお聞きしましたら、日銀のバランスシートの会計は簿価会計、時価会計じゃないから大丈夫というお答えいただいたんですよ。これでよろしいですか、理解は。
○参考人(黒田東彦君) その点はそのとおりであります。
○藤末健三君 今、企業がどんどんどんどん時価会計、今の価格で計算しなさいよと言っている中で、日本銀行が買ったときの価格をそのままずっと使っていいですよということは、私はすごい違和感があるんですが、これ、財務省が多分見ておられると思うんですけれど、どういう見解でそうなっているか教えていただけませんか。
○政府参考人(佐川宣寿君) お答え申し上げます。 日本銀行が保有しています国債につきましては、その大半が満期まで保有しているという状況でございまして、そういう実態、その保有の実態に鑑みまして償却原価法ということでございます。 つまり、この債券を額面より低い価額で又は高い価額で取得した場合に、取得価額と額面との差額に相当する金額を償還期まで毎期一定の方法で加減するということでございまして、そういう意味では、仮に金利が動きましても決算時の期間損益で評価損失が計上されることはないということでございます。
○藤末健三君 そうすると、もう日銀は満期来なければ売らないということは担保されているんですか、はっきり言って。もういいです、その答えは。 私は、是非伺いたいんですけれど、ある方から中央銀行が倒産した事例があるんじゃないかという話を聞いたことがありまして、どういうことかと申しますと、正式に法的に倒産したというよりも、例えば、中央銀行が発券しているその紙幣、完全に切り替わりました、あと、経営体制も変わりましたと、看板はある程度同じなんだけれど実質的に変わったという事例があるかどうか、それをお答えいただけませんでしょうか。これは日本銀行ですかね。
○参考人(黒田東彦君) 私どもが承知しております最近の例でいいますと、欧州のいわゆる移行国であるチェコであるとか、あるいは新興国であるイスラエルとかチリにおいて、基本的に保有外貨資産の評価損を主因にして債務超過になったという例があるようでございます。ただ、これらも、一部はその後何年か掛けてその債務超過というのはなくして、消していっていると、こういうふうに聞いております。 ただ、そのほか、ずっと前の例とか、債務超過云々よりも、例えば、御承知のように、ジンバブエのような国は天文学的なハイパーインフレになって通貨を切り替えておりますので、債務超過とかそういうことではないにしても、そういう例は途上国にはあるようでありますが、今申し上げた、中央銀行が債務超過になったという例は、最近の例は今のようなことを聞いております。
○藤末健三君 たしか私がお聞きしたのは戦後のドイツで、戦争の債務をカバーし切れなくなって、中央銀行が通貨を切り替え、様々な仕組みを切り替え、実質的にもう変わってしまったと。これは実質倒産であるというふうに言われているわけですよ。通貨の信認を失ったわけですから、通貨の番人が。 私は、ここでもう返事は結構でございますけれど、このままいきますと、私は日本銀行が本当に厳しい状況になるんではないかと思います。黒田総裁は本当に一生懸命頑張っていただいていると私も本当に思います、それは。ただ、この状況で、日銀だけのこの狭い世界で金融政策だけを唱えていますと、多分総裁のフラストレーションはどんどんどんどんたまっていくんじゃないかなと。ですから、私は、日本銀行からも是非、その成長戦略であり、様々な政策を打ち出していただくことも必要ではないかと思っております。これは私の意見として申し上げたいと思います。 私、ちょっと皆様に、特にこの財政金融委員会の委員の皆様にちょっと説明したい資料がございまして、お配りした資料の一番最後の二枚でございます。財政危機における法制度の枠組みということです。これ、自分なりに整理したものでございまして、もし財政危機が起きたとき、先ほどもありましたように、国債が売れなくなり、そして長期金利が上がって国債価格が下落し、あと過剰な円安に走ったとき、じゃ何ができますかということを、今ある法制度をまとめたものがこの資料でございます。大きいくくりでいきますと、金融を安定化するというのがまずローマ字のこのⅠでございまして、二番目が、企業がきちんと決済をできるようにしましょうねというのが二番目。そして、一番最後のページにございます個人の保護というふうになっています。 これを見ていただきますと分かりますように、金融につきましては、例えば国債の問題につきましては日銀がある程度介入できますし、政府の資金繰りは予算総則の八条により二十兆円の最高額まで一時借入金ができる。 あと、民間金融機関の資金繰りについては日銀法の三十三条、また日銀法の三十八条などを使って資金供給ができると。そしてまた、資本の強化につきましては、またこの国会で議論されると思いますけど、金融機能強化法による資本強化や、あと預金保険法による金融機関の資本強化ができるという状況になっていまして、非常に、金融機関の安定化という意味では、ある程度法制度は整備されているんではないかと思います。 一方、ローマ字のⅡにございます企業の決済機能の維持ということにつきましては、事業者の資本強化の支援というのを見ていただきますと、(1)にあります産業活力再生・産業活動の革新に関する特別措置法の出資円滑化機能というのがございますが、これは実はもう今使えなくなっているという状況にあります。一方、企業が非常に厳しくなったときに支えるシステムとしましては、産業革新機構の政府保証枠がございます。あと、地域経済活性化支援機構の政府保証枠がありまして、何か企業が非常に厳しい状況になったときにはこの機構から出資ができるようになっているということです。 そして、企業に関しましては、二ページ目にございますように、株価・不動産対策ということでございますが、日銀によるETF購入、あと銀行等が保有している株式の機構の買取り機能があるということでございまして、企業の株価、あと不動産などの対策はある程度できているのではないかと。 また、過度な円安になったときの外貨の資金繰りは大変になりますけど、JBICの業務に、国際協力銀行の業務に企業の海外展開のための資金繰りの支援、あと外為特会を使いました融資という制度も整備されているということになります。 そして、企業に関しましては、企業の資金繰り支援ということで、日本政策金融公庫などの対策、あと、日銀による貸出支援という制度がございますので、企業についてもある程度は支えられるなという状況ではないかと思います。 ただ一方で、個人を見ますと、簡単に言うと生活保護しかないような状況でございまして、先ほどの経済産業省の図でいきますと、過剰な円安になり、そして所得の政府の機能が劣化し、そしてインフレが起き、また、長期金利の上昇により企業活動が低下する中で、恐らく、誰が被害を被るかといいますと、年金生活者、あとは所得が低い方々ではないかと思います。 ただ、そこに対する支援が何かというと、生活保護しかないような状況。食管法という法律があって、一九九五年にたしか改正したはずですけれど、それまでは国が食糧を集め、そして国民の皆さんに配るという機能がありましたが、それも今はクーポン券に変わっています、これは。私は残すべきだったと思います、正直申し上げて。あと、失業保険も枠があって、多分すぐ枯渇すると思います、今の枠組みですと。 何を申し上げたいかというと、個人の保護というものが生活保護になっちゃっているという状況でございまして、金融の保護は厚い、そして企業は少し手厚くなっている、じゃ、個人をどうするのかと。恐らく生活保護だけの支援でありますと、これはもう市町村が担当していますけれど、今どんどんどんどん生活保護を受ける方々が増えている中で、今、市町村の窓口の方はもうぱんぱんです、今既に。この生活保護を受ける方が一・五倍や二倍になったとき、恐らくワークしないです、これ。オペレーションができない。 という中でございますので、これにつきまして、これは副大臣ですかね、ちょっと見解を教えてください。お願いします。
○副大臣(大塚拓君) 財政危機時における法制度の枠組みということでいろいろ、頭の体操として興味深くお聞かせをいただいたわけでございますけれども、財政が破綻しているということを前提にした御質問と思いますので、これはお答えとしては仮定の質問にはお答えできないということになるわけでございまして、このいただきました資料が役に立つようなことが決してないように頑張っていくということでございます。
○藤末健三君 まさしくそのお答えで結構だと思いますよ。これは、私は、政府に見ていただきたいというよりも、立法府の仲間に見ていただきたかったんですね。なぜかというと、将来の危機があるかもしれない、その中においてやはり立法府がきちんと法体制をつくっておかなきゃいけないということでございまして、私は、もし危機になったら、党派関係なく超党派で多分やらなきゃいけないときが来ると思うんですね。ですから、私は一つのサンプルとしてこれを示させていただきましたけれども、是非立法府におきまして、何が危機のときに必要かということは、ある程度の準備は必要だと思うんです。政府は多分対応するのはできないと思いますので、そのことを申し上げたいと思います。 最後でございますが、ちょっと消費税について、非常にマクロな議論をしましたが、ミクロな議論を一点だけ申し上げますと、郵政、私、郵政の副大臣をさせていただいていまして、この郵政、何があるかと申しますと、元々郵政という一つの組織だったものが、会社が四つに分かれました。そして、金融二社と郵政と日本郵便と分かれまして、何が起きているかと申しますと、この金融二社から郵便会社に窓口委託料を払っているんですね。約一兆円ございます。 本来、同じ会社内であれば、契約がありませんから消費税払わなくてもよかった。ところが、会社を分けましたので消費税を払う必要がありまして、約八百億円、年間払っていると。新規負担になってございます。これは、民営化法を作るときに、この消費税対策をやりましょうねと書いておりますけれども、ずっと今まで対応できていないんです。 私自身、前、消費税の議論をするときに、この郵政のグループ内取引についてはもう非課税にした方がいいんじゃないかということで提案させていただいた。ところが今、総務省は、非課税ではなくこれを税額控除でやってくれという話をしているわけでございますが、これ、財務省にちょっとお聞きします、時間がないので。どちらがいいかということを、もしよろしければ見解をお聞かせください。
○副大臣(大塚拓君) どちらもなかなか厳しいというのがお答えになるわけでございますけれども、基本的に、金利とか保険料とか非課税のものに課税をするとかあるいはその調整をするということになってきますと、ほかの金融機関にも波及をしてまいりますので、全体としてなかなかやっぱり税の世界で調整することは非常に難しい部分があるということは御理解の上で、しかし、恐らくずっと問題意識を持って取り組まれていると思いますので、敬意を表させていただきたいと、このように思っております。
○藤末健三君 是非お願いします。 今日は本当に、自分の考えを述べさせていただいて、ありがとうございました。私は、やはり消費税をきちんと使い、そして経済を活性化することを是非させていっていただきたいと思いますので、これで質問を終わらさせていただきます。
○委員長(藤川政人君) 午後一時四十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時四十二分休憩 ─────・───── 午後一時四十分開会
○委員長(藤川政人君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。 午後の最初のバッターを務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。 本日のテーマ、法案は、消費増税、一〇%への増税を二年半延期する、そしてそれに付随して行われることになっていた施策も同時に、様々、これ、ほっておくわけにはいきませんので、後ろに倒すですとか変更が加えられているというわけであります。それを一括して今日審議しているという状況です。 この消費増税のタイミングを論ずる上で、やはり欠かすことができない、避けて通ることができないのはこの景気、経済の実態が今どうなのかという点でありまして、この法案の中には今回景気条項というのはいわゆるないわけでありますが、しかし、じゃ、実際に上げるぞというタイミングが近づいてくれば、これは当然本当に今ここで上げていいのかということが議論されるわけでありまして、ここをしっかり、見極めを誤ってしまうとデフレの坂道にまた転がって戻ってしまうという可能性もあるわけですから、ここを本当にきちんと見極めていただく必要があるわけであります。 じゃ、判断材料に何を使うのか。景気指標としては、例えば先日、十四日、内閣府から発表されましたGDPの速報値、ああいったものが一般的には想起されるわけでありまして、じゃ、先日例えば発表された七―九月期の速報値はどうだったかというと、数字はとてもいいんですね。前期比で年率換算でプラス二・二%、しかも三期連続のプラスということでありますから、ここの部分だけ見ればなかなかいいのかなというふうに解釈ができる。 しかし、大きなマクロの数字だけ見ているとある意味判断を誤ってしまうということかなというふうに思うんですが、よくその中を見ていくと、例えば今回のこの速報値の中でも、個人消費ですとか設備投資というところはもうほぼ横ばいでありまして、やっぱりまだまだ景気というのは足腰決して強くなっていないなというのを同時に感じられるわけであります。ですから、同じ一つの典型的な指標を見たときにも、どういう判断をすべきかということは、これとても悩まなければいけない問題になる。 私、今日あえてお伺いしたいのは、この七―九のGDPではなくて、もう一つ、先日発表された数字で大事なものがあるなと思っておりますので、それについてお伺いしたいんですが、それが先月末発表されました、これは総務省の調査なんですが、全国消費実態調査であります。 消費実態調査は、実は二〇一四年に実施しているものでありますから、もうちょっと二年ぐらいのタイムラグがある。集計ですとか様々に時間が掛かるということで、その内容が少しずつ小出しに今発表になっていっているわけですが、この中で、先月末発表されたのが子供の相対的貧困率が初めて減少に転じたという結果でありました。これについて、政府としてそもそもこの要因をどう捉えているのか、どうして減少に転じたのか。 あわせて、これもお伺いしたいと思うんですが、いわゆる改善の兆しが見えた、何とか反転したとはいっても、この子供の貧困という問題自体は今現在も大変大きな問題である、深刻な問題であるというところは論をまたないわけでありまして、ある意味、これから特に二年半後に増税できるのかどうかという判断も含めて考えていく上で、やっぱりこれきちっとこの子供の貧困の問題というのは政府に取り組んでいただきたいというふうに思っております。ここについて、どう取り組むのかということを併せて御答弁いただけたらと思います。
○政府参考人(千野雅人君) まず、要因についてお答えいたします。 平成二十六年全国消費実態調査によりますと、子供の相対的貧困率ですが、平成二十一年の九・九%から七・九%と、二・〇ポイントの低下となっております。これまで子供の相対的貧困率は、平成十一年は九・二%、十六年は九・七%、二十一年は九・九%と上昇を続けてまいりましたが、平成十一年の集計開始以来初めて低下に転じたところでございます。その要因でございますが、近年の雇用環境の改善によりまして、子供がいる世帯で世帯主の配偶者の収入が増加したことなどが考えられます。 要因については以上です。
○大臣政務官(豊田俊郎君) お答えを申し上げます。 政府といたしましては、子供の貧困対策に関する大綱に基づき、子供の将来がその生まれ育った環境により左右をされることのないよう、教育の支援、生活の支援、保護者に対する就労の支援、経済的支援など、子供の貧困対策を総合的に推進しているところでございます。また、すくすくサポート・プロジェクトやニッポン一億総活躍プランを決定し、給付型奨学金の創設等について検討を開始するなど、多方面にわたって子供の貧困対策の拡充を進めようとしているところでございます。 社会の担い手となるはずの子供たちの未来が貧困の連鎖により閉ざされることは社会的損失につながる。子供の貧困対策は、子供自身、ひいては我が国社会への未来への投資であり、関係各省や地方公共団体、民間企業、団体とも連携し、国を挙げて全力で取り組んでまいる所存でございます。 以上です。
○平木大作君 今、豊田政務官の方からも本当に力強く御答弁いただきました。 子供の貧困というと何か消費増税と余り関係ない問題のような感じもしてしまうんですけれども、子供が貧困にあえいでいるということは、これ当然、裏を返せばその親の世代たち、つまり中心的には多分二十代から四十代の青年層の皆さんが苦しんでいる、経済状況としてなかなか改善していないなという問題なわけでありまして、この二十代から四十代の皆さんというのは、ちょうどいわゆる消費増税があったときに一番その負担感が大きいと感じる方たちそのものなわけですね。自分たちの給料はなかなか上がらないなというふうにやっぱりまだまだ感じている。実際に親の世代と比べたときに、生涯所得が七割ぐらいというふうに言われている方たちであります。 そして同時に、これ子育てを中心にして支出だけはどんどんどんどん膨らんでいくという中において、やっぱり消費増税の一番痛みを真正面から受けてしまう方たちの問題でもあるわけでありまして、今政務官から御答弁いただいたように、未来を担う子供たちの道を開くということと同時に、その親の世代の皆さんもきちっとやっぱりサポートしていただく、そういった方たちが、何とかなるなと、増税になっても何とかやっていけそうだなとやっぱり思っていただけるところ、御答弁にもありましたけれども、政府一丸でお取り組みいただきたいということを心からお願い申し上げます。 今このような形で御答弁いただきました。結局、今この子供の貧困を始めとする様々な社会的課題ということがどんどん顕在化してくる中において、政府からも頑張るぞという答弁いただいたわけでありますけれども、同時に、この課題に今一生懸命現場で向き合っていらっしゃるのは、例えばNPOですとかあるいは公益法人ですとか、そういったいわゆる民間の非営利団体の皆さんの役割というのはやっぱりすごく大きくなってきているんだろうなというふうに思っております。 そして、こうした非営利の団体の皆さんのやっぱり活動を支えているのは何かというと、基本的には遺贈と寄附でありまして、今日ちょっとその関連ということで二問ほど、この遺贈も寄附もとても税制が大きく関わってくる問題でありますので、ここについてちょっとお伺いをしてみたいと、質問をしてみたいというふうに思っております。 ちょっと質問の前提としてどういうことが問題になっているかということを説明させていただきたいんですが、例えば資産を持っている方が、じゃ、自分の持っている例えば株式だとか不動産だとかそういったものをNPOの方に是非使っていただこう、これ寄附しよう、遺贈しようということで遺贈した場合、基本的には今の税制でどういうことが起こるかというと、そういった資産を遺贈した場合というのは、もしその資産が含み益を持っていた場合には、この含み益にはいわゆるみなし譲渡課税というものが課税されるというふうに今のルールはなっております。 さらに、ちょっと複雑なんですが、いわゆる包括で遺贈するんではなくて特定遺贈、もうこの不動産、この土地と建物使っていいよみたいな形であるNPOに例えばこれを遺贈する、寄附するということをしますとどういう課税の掛かり方になるかというと、この不動産の遺贈を受けた民間の非営利団体には別に課税行かないんですけれども、実は不動産をこのときに取得をしていない遺贈された方の相続人の方のところに一気に実は全額税負担が行くということになりまして、こうなるとこれトラブルのもとになってしまうわけですね。 せっかく社会のために役立てていただきたいなという志を持った方が遺贈しようと思っても、いや、自分の子や孫に迷惑掛けてまでやっちゃうとちょっと問題があるなということでやはりここで踏みとどまるという、こういう実は問題が指摘をされているわけであります。 このままですとやっぱりちょっと寄附や遺贈というのはなかなか進展していかないわけでありますが、ここは実は例外規定というのもございまして、それが租税特別措置法の四十条で規定をされております。こういった公益法人等に対して土地や不動産を寄附した場合でも非課税とする特例というのがこの四十条で規定されているんですが、この中で、実はこの遺贈一件一件について国税庁長官が判断をする、承認をするということが要件になっているわけなんですが、ここがやっぱりちょっとハードルとして越え難いという声をNPOや公益法人の皆さんからはよくお伺いをいたします。例えば、審査の期間が二年とか三年掛かってしまって、結局、遺贈したはいいんだけれども、その課税が本当にされるのか免除されるのかということが二、三年後に分かるというのだとやっぱりなかなか怖くてできないと、こういう声があるわけでありまして、これが一つもうちょっと解消できないのかという声を私もよくいただきます。 そこで、これをちょっと御説明いただきたいんですが、そもそも国税庁長官の審査の趣旨、内容とは一体どういうことをされているのか。あわせて、この審査自体が年間どのくらいあって、そのうち承認されるものと承認されないものってどのくらい件数としてあるのか。あるいは、一件当たりの審査期間、これどのくらい掛かっているのかということ。これを御説明いただくとともに、もう結論だけ申し上げますと、これはやっぱり要件の緩和とか審査の迅速化ってもうちょっと頑張っていただいていいんじゃないかなと私は思っているんですが、この点について御答弁をお願いいたします。
○政府参考人(飯塚厚君) 租税特別措置法の四十条につきまして何点かお尋ねをいただきましたので、順次お答えを申し上げます。 まず、審査の趣旨、内容についてということでございますが、先生もおっしゃいましたように、租税特別措置法四十条の規定でございますけれども、公益法人等に対する寄附について一定の要件を満たすものとして、国税庁長官の承認を受けたときにはみなし所得課税を行わないというものでございます。その承認を受けるためには、法令上、寄附財産が二年以内に公益法人等の公益目的事業の用に直接供されるといった要件、あるいは寄附により寄附者の所得税の負担や寄附者の親族等の相続税、贈与税の負担を不当に減少させる結果とならないと認められるといったような要件、こういった要件が三つ定められております。 国税庁の審査に当たりましても、その承認要件を満たしているかどうかについて具体的に確認をしているところでございます。例えば、書面審査のほかに、寄附財産の活用状況について現地確認をするですとか、あるいは定款における親族制限規定の確認なども行っているところでございます。 次に、審査件数と非承認件数、審査期間についてでございますけれども、平成二十七事務年度におきましては、国税庁への進達件数が合計二百七十三件ございました。これに加えて、前年度からの繰越分がございますので、それらをこの事務年度に処理した件数が三百四十八件でございます。その内訳ですが、承認をしたものが三百三十八件、それから申請者による取下げがあったものが十件、それから非承認がゼロ件ということでございます。 それから、審査期間につきましては、事案により様々でございますけれども、一件当たりの平均の審査期間はおおむね一年八か月でございます。 それから最後に、要件の緩和や審査の迅速化を検討すべきということでございますけれども、申請に係る審査事務につきましては、御指摘も踏まえまして、審査担当者に対する審査事例の研修による審査能力の向上により審査の効率化を図るとともに、審査項目や申請書への添付書類の見直しなど今後検討してまいりたいと考えております。
○平木大作君 ありがとうございます。 今御答弁いただいたとおりで、審査項目自体は極めて妥当というか、いわゆるこれを使われて課税逃れみたいなことに悪用されてしまう可能性をしっかりと排除されているということであります。かつ、結果的に三百四十八件、繰越分も含めて審査されているわけですが、非承認はゼロ件だったということでありまして、時間は掛かっているんだけれども、やっぱりこれ基本的には真っ当なものであれば承認をしようという形で認めていただいているんだろうなというわけでありまして、今運用面等でいろいろ取組をしてみるということでありましたので、是非これ、この期間が短くなることでよりこの遺贈を後押しできるような形をつくっていただけたらというふうにお願い申し上げます。 もう一問、関連してお伺いします。 今お伺いをしましたのは資産、いわゆるストックから遺贈しようとするときにみなし譲渡課税が掛かりますよという問題だったわけですが、一方で、日本においていわゆる所得、フローの部分から寄附をしようとすると、実は税制上はもう極めて先進的な税体系ができ上がっている、実現しているということがよく言われております。今日は詳細もう立ち入りませんけれども、実は自分の所得の中から寄附をしようとすると、税制上は大分後押しをしてくれるような、背中を押してくれるような、そんな税の体系になっているわけであります。 例えば、本年度の税制改正の中でも、割とかゆいところに手が届くようないい改正がなされておりまして、小規模な公益法人なんかに対する寄附金の要件って、実は結構これはちょっと越えるの難しいなと言われているものがありまして、いわゆるPST要件、パブリックサポートテスト要件というのがあったんですが、これが大分現実的な見直しをされております。 これ、是非分かりやすく御説明いただきたいのとともに、こうやって、税制上は大分いい形で、ある意味寄附をされようという方を後押しするような形になっているんですけれども、もうちょっと、実際に、じゃ、寄附するときにやりやすくなっているかというと、もう一押しかなというところも実はあって、その点もお伺いしたいんですが。 例えば、個人の方が寄附されるときに、今の制度上はいわゆる繰越控除というのはできません。ですから、ある意味、上限のところまでというルールに合わせてやるにしても毎年やっていくしかないという形が一つ。 そしてもう一つは、やはり日本の働く方のほとんどがいわゆる確定申告ではなくて年末調整で納税を全部手続済ませているということでありまして、この寄附を心ばかりか毎年ちょっとやりたいなと思う方が、毎年この確定申告やらなきゃいけないとなると、途端にやっぱりハードルが高くなるわけであります。ここについて、何とか年末調整による対応みたいなことを考えていただけないか。ここ、例えばいろんなやり方があると思うんですね。各、基本的にこれ企業の負担になってしまいますので、ここを何か簡素化できるようなシステム開発の援助ですとか、いろんな形あると思うんですが、この点について併せて検討いただけないか、御答弁お願いいたします。
○副大臣(大塚拓君) 御指摘のPST要件の緩和ということですけれども、寄附文化、日本でももっと定着をさせていかなければいけないということで、いろいろ議論の長年あるところでもありますけれども、公明党さんのPTからも提言を出されておりまして、そういったことも受けて、二十八年度の税制改正において、寄附金税制の見直しということで、公益法人等への個人寄附に係る税額控除制度におけるPST要件の緩和ということになったわけでございます。 これは簡単に言えば寄附集めの努力を測る基準ということでございまして、例えば年間三千円以上寄附されている方が一定の数以上いるといったことを税額控除対象法人になるための要件の一つとしておりますけれども、小規模法人にも配慮をして、こうした法人の公益活動を草の根の寄附により後押しをするという観点から、この寄附者数を勘定する要件というものを事業規模に応じて緩和をするということにしたものでございます。 ほかにも累次控除限度額の引上げなどもやってきておりますので、主要諸外国と比べても控除限度額については遜色のない水準に達しているのではないかなと。あるいは、諸外国ではないような所得控除と税額控除が選択できるというような制度もございますので、制度としてはかなり充実をしてきているものというふうに考えております。 その上で、年末調整の対象に寄附金控除ができないかということでございますけれども、これは、年末調整の対象としますと、源泉徴収の義務者の方にとりましては、寄附金控除の対象となる法人であるかどうかということをしっかりと確認をしなければいけないということ、あるいは不正防止の観点から厳正なチェック体制をしかなければいけないといったことから、いろいろ負担が生じてくるという側面もあるわけでございます。 こうしたことも受けて、経済界からはいろいろと慎重な御意見も寄せられているということもございまして、こういう年末調整の対象にするかどうかということについては慎重に検討しなければいけないところもあるのかなと、こんなふうに考えているところでございます。
○平木大作君 今御答弁の中でPST要件、ちょっとさらっと御説明いただいたんですけれども、割と小規模な法人にとってこのPST要件って難しかったんですね。先ほどちょっと三千円以上の寄附ということがあったんですが、これまでのルールでいくと、三千円以上毎年寄附してくれる方を百人とか集めなきゃいけないみたいなところが要件として課されていて、やっぱりなかなかこれはちっちゃいところには、三千円という金額自体をクリアできたとしても、その百人必ずみたいなところが難しかったりした。ここが実は大幅に緩和されていて、とても小さなところにもすごく寄附がしやすくなったという、本当に大きくこれは評価しているところであります。 同時に、年末調整については最後ちょっとなかなか難しいということでもありましたけれども、ふるさと納税もこれある意味、今は確定申告しないでもできるようになってきているということもありまして、是非ともこれは引き続き御検討をいただきたいということだけ申し添えて、終わりたいと思います。 ちょっと時間がなくなってまいりましたので、本論の方に戻りたいと思います。 私も一問、ちょうど先ほど午前中の質疑でもあったんですが、財政再建と絡めて、トランプ次期大統領についてやはりちょっとお伺いを一問だけしておきたいなと思っております。 先ほど白理事の方から、トランプさんの政策、公約の中で幾つか御紹介があったかと思うんですが、これ、トランプさん、選挙戦のさなかからとてもいわゆるビジネス重視のこれから政策をやるんだということを公約に掲げられておりました。 私もやっぱり特に注目をしていますのが連邦法人税でありまして、現行の三五%から一気に一五%以下に下げるんだということをおっしゃっていました。この数字自体が非常にドラスチックというか大きい。大きいので、財源から考えるとまともにできる話ではないわけでありますけれども、同時に、もしかすると、実はあまた挙げられている公約の中で、私は、この連邦法人税、必ずしも一五とは言いませんけれども、大幅に引下げというのはこれ実現の可能性が結構高いんじゃないかなというふうに正直考えております。 昨今、よく解説でも出てまいりますけれども、トランプさんは別に選挙戦に繰り出してから初めてアメリカ・ファーストを言い出した方ではありません。自分のそもそもの投資哲学として、アメリカが最高の投資環境なんだということをずっと自分の不動産ビジネスの中でも実践されてきた方でありまして、ある意味、アメリカのグローバル企業のみならず、世界中にため込んだものをもう一回アメリカに持ってこよう、投資させようという形で、大幅に実はそういった法人減税みたいなことをやっても全くおかしくないんじゃないかなと。若しくは、それがある意味アメリカの景気浮揚に大きく、長期では分かりませんけれども、少なくとも中短期では大分効いてくるやっぱり政策になるんじゃないかなというふうに思っておりまして、この中で、今、日本の中では主に所得税が中心になって議論されている、そして今日は消費税なわけでありますが、一旦、一月にトランプ大統領が誕生をして、そして百日以内にやるんだといって一気にこの法人減税の話が出たときに、やはり日本として、そもそもこの法人税の在り方ってどういうことなのかということはきちんと考えとして持っておく必要があるんだろうというふうに思っております。 ある意味、アメリカ発でまた法人税引下げ競争みたいなことを世界中でやってしまうことは、私は日本はそういうところに乗っていくことはないと思っておりますけれども、改めてこの法人税の在り方について考えをお伺いしておきたいと思います。
○副大臣(大塚拓君) 午前中、大臣からも御答弁いろいろあったところでございますけれども、トランプ大統領が連邦法人税の最高税率を三五%から一五%に引き上げるという公約をしていたということは財務省でもよく承知をしているところでございますけれども、委員は、やってしまう可能性が高いのではないかと、こういう見通しをお持ちということでございますけれども、政府としましては、まだトランプ政権が発足しているわけでもないわけでございますし、日本の税制に与える影響というものは、トランプ大統領が実際に就任をされて、百日プラン、どのように実行されていくかということも踏まえた上でしっかりと対応していくということが必要であろうというふうに思っております。 当然、御指摘のように、法人税の引下げ競争というものは各国の財政事情を非常に苦しめてきているというのが昨今の事情でございますので、こういう切下げ競争というようなことを、日本がそれにくみするということはなかなかできないところでもございますし、また、課税ベースがなかなか海外に流出してしまうということで、OECDでも国際協調の枠組みなど取り組んでいるところもございますので、そうしたことも踏まえ、こうしたことが日本の財政事情に大きな影響を与えることがないようにしっかり注視をしていく必要があるものというふうに考えております。
○平木大作君 よろしくお願いいたします。 なかなか実際に税の国際協調って、やろうとすると難しいというか、国の数だけ税制があるわけでありまして、これを、じゃ、どうやって協調していくのかということがあるわけでありますが、私はこの秋に中南米三か国を回ってきたんですけれども、その中でパナマをお伺いしたときに意見交換をいろいろさせていただいて、パナマもいろいろ今課税の問題で騒がれているわけでありますけれども、その中で日本とまず最初にいわゆる租税情報の交換の協定を結ぶことができたということは、向こう、パナマの政府としても非常にいいことができたということで高く評価をされておりました。 私、結局、詰まるところは、日本が旗振り役になってという、各国に呼びかけるということもそうだと思うんですけれども、ある意味、こういう一つ一つ地道に各国政府と話し合いながらこの税の透明性というのを高めていく、そのためにやっぱり努力を続けていくということ以外にないというふうに思っております。その意味では、今、日本、大変大事な役割というか、パナマにとっては一番最初の租税情報の交換協定を結んだ国になるわけでありまして、まさに日本がそういうことを一つ一つ積み重ねていくことが、他国にこれはやはり協調を促していくことにつながっていくというふうに思っておりますので、今後ともよろしくお願いいたします。 それでは、少し各論に入っていきたいというふうに思います。 今回、この税率の引上げ実施時期が、平成二十九年四月の一日から平成三十一年十月の一日ということで二年半延期されたわけであります。これに伴って、これ軽減税率の実施の日時も同じだけ延期をされることになりました。 改めて確認したいんですが、軽減税率というのは既に法律上も消費税制度の中にビルトインされた、組み込まれた制度だというふうに私は認識をしているんですが、この点を確認させていただくのとともに、いわゆる税率の引上げと同時に軽減税率も同じタイミングで導入するということについて、その意味について確認をしたいと思います。
○副大臣(大塚拓君) これは、軽減税率制度につきましては、元は三党合意というものがあったわけですけれども、その延長の中で、与党における検討を経まして、税制抜本改革法というものに基づいて、消費税率の一〇%時の消費税率引上げに伴うこれは低所得者対策ということを目的といたしまして、平成二十八年度税制改正により創設を既にされているものでございます。 今般の法案については、消費税率一〇%への引上げの時期を平成二十九年四月から三十一年十月に変更するとともに、これに合わせ軽減税率制度についても平成三十一年十月に実施することとしているところでございます。ちょっと簡単な答弁になっておりますけれども。
○平木大作君 ちょっと簡単に御答弁いただいたんですが、もう後ろの時間もだんだんなくなってきたので更問いをすることはありませんけれども、低所得者対策として税率が上がるタイミングできちっとやっていくということでお答えいただいたというふうには思っております。 これ、本当に同時にやっていただかないと意味がないというか、私も今いろんなところでお話をお伺いする中で、まだまだ生活が楽にならないなという方は、例えばどのスーパーに行ったらツナ缶一つが十円安いかなということをやっぱり頭悩ませながら実は暮らしていらっしゃるというわけでありまして、こういう中において、低所得者対策をするのに税率が上がってしばらくしてから入れるんじゃやっぱり意味がないわけですね。きちっと同時でやっていただくということ、そのために万全の準備をしていただきたいということだけ申し添えたいというふうに思います。 もう一つお伺いしたいんですが、一方で、軽減税率とセットで議論をされてきたものの中に、適格請求書等保存方式、いわゆるインボイス方式というのがございます。これについては今回どういうスケジュールになったかというと、当初から税率引上げの四年後から導入するとなっていたわけですが、今回の増税延期を受けても、この四年間のバッファーというのはそのまま保った形で結局延期をされるということになったわけであります。このことの意味について御説明をいただきたいと思います。
○副大臣(大塚拓君) 御指摘の適格請求書等保存方式、いわゆるインボイス制度でございますけれども、これは平成二十八年度税制改正において、複数税率制度の下での適正な課税を確保するために導入を決めたところでございます。その導入時期については、事業者の準備期間を考えて、軽減税率制度の実施後三年以内を目途に準備状況等の検証を行った上で、軽減税率制度の実施から四年間の期間を確保して平成三十三年四月に導入するということとなっているわけでございます。 これは、免税事業者がインボイスを発行するために課税事業者へと転換するかどうかということを判断する必要があるわけでございますけれども、その判断を行うには軽減税率制度の実施による実際の取引における影響ということを踏まえる必要があると。実際に複数税率ということ自体運用が初めてでございますので、どうなるかというのは、特に中小事業者の方ほどやってみないと、実際に少人数で家族だけでやっているときに、経理の担当者もいないというところでどういうふうに対応していけるだろうかといったようなことも含めて、実際やってみる必要があるだろうということでございます。 この一定の検討期間を確保するということでございまして、今般の法案においては、軽減税率制度の実施時期を平成三十一年十月に変更するのに合わせて、このインボイス制度の導入時期についても併せて二年半延期をし、平成三十五年十月としたというところでございます。 制度の円滑な導入に向けて万全の対応を行っていきたいというふうに考えているところでございます。
○平木大作君 このインボイスを導入することの意味ということは、これは導入まで特に大きく時間がありますので、きちっと政府から何度も何度も繰り返しやっぱり説明をしていく必要があるんだろうなというふうに思っております。今の答弁の中に余りなかったかなと思うんですけれども、やはりインボイスを入れるというのは、消費に関する経済活動を透明化するという、そのためのインフラであるわけであります。 私、大きく二つの意義をちゃんと強調しておくべきかなというふうに思っておりまして、まずその一つ目というのは、いわゆる納税額が明確になるということで消費税の転嫁がしやすくなるわけですね。事業者間で立場の弱いところがどうしても消費税転嫁がしにくいということが一つ問題になっているわけでありますけれども、ある意味、転嫁できないという負担を小さなところは泣き寝入りをしなきゃいけなかったということが実際問題としてあったわけですが、これを防ぐ効果がインボイスを導入することによって期待できるということ。 そして、もう一つですけれども、本来、国に納めるべき消費税が事業者の手元に残ってしまうといういわゆる益税問題、これの解消につながるというわけでありまして、こういった、何のために導入するのかということと併せて、きちっとインボイスの意義、説明していただくと同時に、これ、せっかく四年間という大変長い準備期間をつくって万全の形で導入するわけでありますから、ここについても何か間違いがないようにきちっと準備していただきたいということをお願いしたいと思います。 次の問いに移りたいんですが、どうしても軽減税率の話をするときに、やはり中小事業者の負担をどう減らすのかというところが大きな課題になるわけでありまして、一つ、今回これはもう既に取られている負担緩和策に、簡易な計算方法による特例措置というんでしょうか、これがあるわけであります。中身はもう省略しますけれども、売上げの税額については四年、それから仕入れ税額については一年間、簡易な形での計算のやり方というのが認められているわけでありまして、今回の延期に際しても、この特例の適用期間というのはそのまま維持されて延期をされることになりました。 ただし、一点だけ変わったところがありまして、それは何かというと、当初はこの制度の中で大規模な事業者についても同様の特例を一年間だけ認めるとしていたわけでありますが、これは今回の延長に伴ってもう措置しないということになったわけでありまして、これ、何で大規模の事業者に対してだけは措置しないで大丈夫なのかということ、この点について説明を求めたいと思います。
○副大臣(大塚拓君) 御指摘のように、軽減税率制度を二十九年四月から実施するということとしつつ、中小事業者については、複数税率に対応した区分経理が困難な場合を想定して、売上税額の計算については四年間、仕入れ税額の計算については一年間にわたって税額を簡易に計算することを認めていると。 それから、大規模事業者につきましても、軽減税率制度の実施までにシステム整備が間に合わないだろうということを想定して、一年間は同様の特例を適用可能というふうにしていたところでございますが、今般の法案においては、軽減税率制度の実施時期について二年半、三十一年十月まで延期をいたしましたので、大規模事業者についてはシステム整備のための時間はこれで十分確保できるのではないだろうかということで、その特例については措置をしないということにしているところでございます。 それから、先ほどの質問のあった中にもいろいろ御指摘ありました、やっぱり周知広報、これを徹底していくということも、これも重要だということは財務省としてもよく認識をさせていただいております。QアンドAの公表ですとか説明会の開催といったこともしっかりやってまいりたいと存じますし、それから個別の照会についても各税務署に設置をしている専用の相談窓口で丁寧に相談に今も応じておりますし、これから一層、委員の御指摘も踏まえて、こうした周知徹底に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○平木大作君 よろしくお願いします。 今お伺いした方のこの大規模事業者のも、もうこれでシステム更改等にも十分な時間があるから大丈夫だろうという判断、私もそれはそのとおりだろうなというふうに思うわけでありますが、きちっとこれ、今回の、ある意味、法改正の中でほとんどのものがそのまま延長に伴ってバッファー期間維持したまま後ろに倒すという形になっていたんですけれども、この点は一年取っておいたものをもう必要ないだろうということで削るわけでありまして、大規模事業者だから自分でできますよね、大丈夫ですよねということではなくて、是非これも、ここ変わったんですよということの周知等含めて、じゃ、いつやるんだ、きちっとシステムの更改ちゃんとできますねということの確認も含めて、これ徹底してやっていただきたいということをお願いしたいと思います。 次の問いに移ります。 前回の五%から八%への消費増税、そのタイミングから今日に至るまでも、先ほども少し触れさせていただきましたけれども、政府としても消費増税分の取引価格への転嫁対策ということに一生懸命取り組んできていただいているというふうに思っております。この点については、先日の参議院本会議におきましても、我が党の新妻秀規議員がこの点取り上げさせていただきまして、下請取引において適正に価格転嫁できるようにちゃんと実効性のある対策をやってくださいということを指摘をさせていただきました。 質問の中では、余りこれ、対策進んでいないんじゃないですかということも含めて厳しめにちょっと指摘をさせていただいたと思うんですが、これまでの取組の成果ということをまずお示しいただけたらと思います。
○政府参考人(木村陽一君) 御指摘の消費税転嫁対策でございますけれども、これまでも政府を挙げて取り組んできたところでございます。 具体的に申しますと、公正取引委員会、中小企業庁合わせまして約六百名、全国にいわゆる転嫁Gメンを配置をさせていただいておりまして、まず毎年、網羅的な調査を掛けております。その後、Gメンの発足後でございますが、本年九月の末までの数字で申し上げますと、立入検査を四千四十件、法律上に基づきます指導を三千二十五件行わさせていただきました。このように、転嫁拒否行為に対しましては厳正に対処をしてきておりまして、また事業者団体等を精力的に訪問させていただいて、法の周知でございますとかあるいは未然防止の呼びかけに努めてまいったところでございます。 こうした取組の結果、直近の調査によりますと、事業者間取引におきまして全て転嫁できているというお答えが八五・七%、逆に全く転嫁できていないという御回答が三・三%ということでございますが、おおむね適正な転嫁が相当程度実現しているものと考えてございます。
○平木大作君 全く転嫁できていないというのが三・三%、大分取組として成果を上げているんじゃないかという御答弁をいただきました。 ただ、今ちょっと是非追加でお伺いしておきたいんですけれども、転嫁Gメン、これ六百名ぐらいの体制で頑張っていただいているというふうに答弁いただいたんですが、最近の報道で、この転嫁Gメンについて来年度から体制縮小が検討されているというようなものも出てきているようでありまして、今本当に体制縮小を検討されているのかどうか分かりませんけれども、本当にこれで大丈夫なのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(木村陽一君) 転嫁Gメンの体制でございますが、消費税率八%への引上げから既に二年半以上が経過をしまして、さらに一〇%への引上げが二年半延期されるという中で、消費税転嫁対策特別措置法の対象としております案件がどのように今後数的にも例えば推移をしていくのかといったことは見極めていかなくてはならないだろうというふうに思っております。その上で、財政当局とも御協議をして決定していくことになろうかと思います。 他方、消費税の適正な転嫁の重要性及び、また先生が今御指摘いただきました転嫁できていないとする回答、やはりございます。そういったものには厳正に対処していくという必要性ございますので、引き続き必要かつ十分な体制というものを確保していきたいと、かように考えてございます。
○平木大作君 是非よろしくお願いいたします。 最後の問いになります。ここで、住宅取得に関する負担軽減というテーマで一つ最後にお伺いしておきたいんですね。 いわゆる今回の法改正の対象ということで考えると、実は、住宅ローン減税の話ですとか、あるいは住宅取得資金贈与ということがいわゆるこの法案の中にも入っているわけでありますが、ただし、この二つについて中身見てみると、このいわゆる住宅ローン減税に関しては、例えば控除は、これ所得税額の方から差し引かれるわけでありますので、例えば所得が低くて、そもそもこの所得税額が少ない場合には余りメリットがないという問題点が一つあります。 そしてもう一つ、住宅資金のこの贈与に関していいますと、そもそもそんなものくれる人がいないという人が大半であるかなというふうに思っておりまして、これもラッキーな人には使い勝手のいい制度なわけでありますけれども、そうじゃない人がほとんどというわけでありまして、ちょっと今回法改正の対象になっている部分ではなくて、もう一つ、すまいの給付金という、今日は国土交通省に来ていただいておりますけれども、これは中所得者、低所得者の方に向けて消費増税の負担を軽減するために国から給付金を差し上げるという形の制度であります。何で今回の法改正に入っていないかというと、予算措置なのでそもそも法律の中に書いていないわけですね。これについてちょっとお伺いをしておきたいと思います。 なかなか実はこのすまいの給付金、我が党としてもこれ絶対やるべきだということで、大分力を入れていろんなところで私もお話をさせていただいてきたんですが、導入当初から余り実は実績が積み上がらなくて、なかなかちょっとスタートが遅かったかなという気がしております。 これまでの実績をそういった意味でちょっと確認をさせていただきたいということ、そして、改めて、今回この税率を引上げするに当たって、当初、これ実は、今回一〇%に上がることで、給付額の増額ですとか対象年収の拡充も含めて制度として拡充するということが決まってあったわけでありますが、これ、今回の延長でどうなってしまうのか、併せてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(石田優君) お答えさせていただきます。 すまいの給付金に関しましては、消費税の八%の適用を受けます平成二十六年四月以降の引渡しの住宅に関しまして、年収に応じてでございますが、最大で三十万円という額をおおむね年収五百十万円以下の取得者の方に支給するということでスタートさせていただいております。 この措置につきまして、先生御指摘のとおり、開始当初は思ったほどの申請が出てこなかったということもありまして、我々としては、説明会や周知を行いますとともに、住宅事業者を通じて広報を進め、また、申請のサポートをするセンターを設けたりというような措置を打たせていただきました。その効果もあったかと思いますけれども、最近は堅調に申請をいただいておりまして、先月末までの時点で累計で三十五万八千件、金額ベースにして七百四十二億円の申請給付を行わせていただいております。 今後のことでございますが、今回の税率引上げの時期の見直しに伴いまして、これまで予定されておりました給付の適用期限をやはり二年六か月延長させていただきまして平成三十三年末までとしますとともに、一〇%時に想定しております給付額を最大五十万に引き上げること、また、給付の対象の収入額の上限を、先ほどおおむね五百十万と申し上げましたが、おおむね七百七十五万まで引き上げるという措置について、一〇%時に対応させていただきたいと思っているところでございます。 引き続き円滑な執行について努めてまいりたいと思っております。
○平木大作君 ありがとうございました。 今日、様々この二年半、後ろにこの実施時期が倒れることに伴って、諸施策、ある意味、準備期間が何かちょっと余裕が出たようにも見えるわけでありますけれども、まだまだやはり一つ一つこれきちっと円滑に導入できるように詰めなきゃいけないところ、この期間をむしろきちっと活用して、政府としてもこの円滑な導入ができるように引き続き努力をいただきたいということ、これを最後に申し添えまして、私の質問、終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○大門実紀史君 大門です。 消費税については、本当に長い間、様々な角度から同じような議論が続いてきたわけですけれども、大体、税制論、財源論の議論が多かったんですけれども、今日は経済と消費税というか、経済論としての消費税について、今回の延期の理由もそういうところにあると思いますので、最初に少し議論をさせていただきたいというふうに思います。 まず、今の経済状況が一体何を原因にして消費が冷え込んで停滞しているのかというところなんですけれども、実はこの委員会でもずっと議論になってきたのは、長年デフレのことでございました。デフレ不況をどうするかというのが長い間のテーマでありました。今はもはやデフレではないとか、いろんな言い方とか、あるいはそうじゃないということもあると思いますけれども、それがどうかというよりも、そもそもなぜデフレに日本経済が陥ってきたのかという点をよく見極める必要があるかなと思うんですけれども、まず麻生財務大臣の、なぜ日本はデフレに陥ったのかという点で御見識をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう、大門先生、一言で言えば資産です、資産のデフレ。資産のデフレーションが、一九八九年の十二月の二十九日の東京証券取引所の平均株価が三万八千九百十五円だったものが、野田総理が解散を言われたときの株価が八千六百六十一円だったと思いますので、約三万円。だから、みんな四万円の株持った、三万八千円の株持ったやつがいきなり八千円になったんだから、資産がそれだけ三万円減ったんですよ。だからみんな貧乏になったんです。 土地もはっきりしていまして、土地も六大市街化地域で約六分の一というのは、これ、一九九〇年、八九年、九〇年までそこそこ土地上がっていますので、九一年からどんと下がっておりますので、大体市街化地域で六分の一、平均で半分ぐらいになったという具合に御理解いただけるといいと思うんですが。 それでどうなったかといえば、我々、昭和二十年敗戦この方、不況といえばインフレ不況しか知らない、デフレで不況をやった経験は一回もありませんから。デフレって何って学校で習ったことがあるぐらいで、デフレの経験者はいませんから、デフレって世界中にありませんから、したがって対策は間違えた。したがって、必要以上にデフレ不況なのにインフレ不況対策みたいなことをやれば長引くのは当たり前の話なんであって、結果としてそれが長引いたと、多分歴史家はそう書くと思います。 したがって、今どんなことに、分かりやすく言えばどんなことになったかといえば、簡単なことを言えば、みんなインフレ不況と思ったので、売上げをとかいったって資金繰りが付いてきませんので、結果としてインフレ不況と間違えた。そごうが倒産しダイエーが倒産し、それは皆同じ発想です。 そこでみんな気が付いて、これは全然違うんだというので、まずは借金を減らさないと、借金の額はデフレになっても減りませんから、借入金の返済を一斉に始める。これはまともな話です。借金は返さないやつが一番悪いので、返すのがまともな話なんですけど、これみんなで返したらどうなるかというと、いわゆる経済用語で言う合成の誤謬というのが起きて、結果として、みんなで借金返したから、金を借りるやつがいないと商売の成り立たない金貸しという、まあ銀行とも言うんですけれども、金貸しという職業は完全に立ち行かなくなって、まずは住専なんかの話に始まった九五、六年ぐらいからどんどんおかしくなってきて、九七年に、最初は北海道拓殖銀行だと思いましたけど、都市銀行ではこれが最初の倒産だと思いますけれども、これが倒産して、山一が潰れ、三洋証券が潰れ、翌年、長銀が潰れ、日債銀が潰れというような話になって、九七年、九八年にいわゆるアジアの通貨危機と、リャンファン掛かったみたいな話になってくちゃくちゃになっていったのがあの時代で、あの頃金融国会と言われましたけれども、今はもう都市銀行で昔の名前で出ていますなんという銀行は三菱東京銀行、三井住友ぐらいで、あとはみんな、よく言うけど、パソナかりそなか分からぬような、いろんな名前に変わって生き残ったんだと思いますね。 それで、やっとどうにかみんな借金を返して、会社用語で言えば、渡辺喜美先生のプロの話ですけれども、これは会社の決算上は債務超過というのが消してどうにかというときに、いきなり二〇〇八年のリーマン・ブラザーズというのがどんと来ましたものですから、これでまたもう一回萎縮していってというような形になっていったというのが経済から見た多分流れで、デフレの元は、資産がデフレーションしたということによって起きたのが多分一番の元の元だったと、多分後世の歴史というか経済歴史を書く人はそういう具合に書かれるのではないかと、今の現在の私の見解から言えばそういうことになろうかと思います。
○大門実紀史君 大変よく分かりました。 資産デフレも大変この委員会で議論になったんですけど、それで不良債権処理等々の問題もあったんですけれども、実は九八年の金融国会の後ですけれども、私は二〇〇一年に国会に来ましたので、その後の議論で申し上げますと、ちょうど小泉内閣、竹中平蔵経済財政担当大臣が登場して、実はその頃この財政金融委員会に、時々ですけれども、経済財政・金融担当大臣も呼べるということがあったので、まさにあの構造改革を進めた竹中平蔵さんがしょっちゅう座って私たちと議論したんです。 そのときもほとんどデフレをどうするかという議論でありまして、もちろん資産デフレもデフレの中の一つではあったんですけれども、小泉内閣、竹中平蔵さんが主におっしゃっていたのは、需給ギャップがあるんだ、開いているんだと。それをどう埋めるかというところで、彼独特の経済論なんでしょうけれども、サプライサイド、供給力を高めるんだと。何かセーの法則といって、供給が需要を生むと。もう破綻した昔の経済学だと思うんですけれど、そういうことも国会でおっしゃりながら、サプライサイド、企業側の力を付けることが大事なんだということをおっしゃって、あの構造改革があって不良債権処理があって、それでデフレは克服できるんだということをおっしゃったんですけれども、結局できなくて、できないまま国会を去られたわけですね。 当時、私なんかとデフレ論争をさせてもらったのは、私たちは、もちろん資産デフレとか不良債権処理あるんですけれど、根本的な需要と供給との関係でいきますと、需要が弱いと。これは何かといいますと、九五年に経団連の、今はもう経団連に吸収されましたが、日経連というのがありまして、新時代の日本的経営という大変方針転換の文書を出したんですね。 つまり、日本は今まで終身雇用で正社員で、家族一緒に会社と一緒になってみんなで頑張っていこうと。よく日本的経営と言われまして、それが日本の経営の強みだという言い方もされた時代があったんですけれども、もうそれやめる、グローバル化の中でそれはやめていくんだということで、これからは正社員が当たり前じゃないよ、毎年賃金上げないよ、雇用の流動化、非正規雇用も増やしますよという大方針転換があって、それに応じて政府も必要な法改正をされて非正規雇用が増えて、やっぱり賃金が下がっていったと。 その下がっていったときにまた日本の企業は麻生大臣言われたもう一つの合成の誤謬をやったと思っているんですけれども、賃金は下がりますから物が売れなくなってきます。そうするとどうするかというと、値段を下げたら売れるんじゃないか、物の値段を下げたら売れるんじゃないかということで、当時、価格破壊とかユニクロ現象という言葉が流行語になりましたけれども、みんなで値下げ競争を始めたと。その中で勝ち抜く企業はいいんですけれども、みんなでそれをやりますとコストの引下げ競争になって、一番手っ取り早いのは賃金ですから、また賃金を下げると。 だから、物の値段を下げることと賃金を下げるということが悪循環でずっとスパイラルになっていって、それがあのときの、竹中さんとよくやったのは、デフレのスパイラルの原因だということでいろんな質疑をやらせてもらったんですね。 その後、ですから、わざわざ賃下げ政策やったんだから一遍わざわざ賃上げ政策やらないと、この連鎖を断ち切らないとデフレは克服できませんよということを申し上げて、よく私なんかは最低賃金を引き上げることを民主党政権以来、安倍内閣にはずっと提案させてもらっているんですけれども、そういうことがどうして、それなしにデフレの克服はないということを申し上げてきたんですけれども、賃金引上げというのは経済界から抵抗があるということでなかなかそれには踏み込まないで何をやったかというと、デフレの反対はインフレなんだからインフレにすればいいと。金融政策でデフレを解決しようという話が出てきて、インフレターゲット論が登場して、大胆に金融緩和をやってインフレにすればいいんだというのはこの委員会でも率直に申し上げて、民主党からも物すごく強硬なインフレターゲットをやれという、その方は落選しましたけれども、そんな議論とか、舛添要一さんなんかはもう日銀総裁の首を切れとか、いろんなあって、安倍内閣になって、それとはちょっとレベルが違いますけれども、大胆なそういうところに踏み込まれたと。 デフレの原因は、私たちはずっと賃金、そこのところにあると思っているのに、こっちやったり、こっちやったり、いろんなことをやっているんですね。結局デフレが克服できないで来ているのではないかと思ったときに、安倍内閣は、その辺は、今まで何やっても駄目だったんだなという中から、やっぱり賃金だということで、恐らく自公内閣、自公政権、民主党政権も含めて、賃金についてこれほど関心を持っておられる内閣はないのではないかなと、賃上げ要請もされているのだと思いますけれども、私はそういうふうに今ずっと振り返って見ているんです。 そういう、経済がここまで長い間、失われた二十年、更に失われていくと思うんですけれども、このままだと。そういうときに、消費税というのは、やっぱり経済論としてよくよく考えないと、財源論とかいろいろな言い方ありますけれども、更に更にデフレから抜け出せないのではないかと思いますけれども、そういう点でいかがお考えですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 自民党でもなかなか今ほどの話がきちんと整理できる国会議員は聞いたことがないので、今、自民党の政調にいるんじゃないかと思うような話で、分析は極めて明確です。正しいと思います。 賃金の話は、一番ふざけていると私が思いますのは、経営者の方々にはもうこれ何回も言ったんですが、少なくとも法人税を下げろという話で、二〇%台まで下げました。そういった話をして法人税が下がったんですが、当然それは純益になりますから、会社用語で言えば。その金は、じゃ、どこへ行ったんだといえば、基本的に会社が利益を出したら、使うところは三つです。一つ、配当。二つ、賃金。三つ、設備投資。基本的にその三つのどれかに会社の経営者は金を使うはずです。 ところが、この三年間はあくまでも、この九月の一日で三年目と締め切ってみますと、三年間の間に約七十五兆円の内部留保を増やしておられます。約三百八十兆ぐらいの内部留保に増えておられるんですが、その内部留保のうち賃金に幾ら回されたのかといえば三兆です。設備投資に幾らといえば八兆。消費税わんわんわんわん言われたり、法人税わんわん言われたけれども、あなた、減らした分、何のあれもされておられないじゃないですかと、社内のためには。 これは、間違いなく消費税を上げられないような状況になった最大の理由というのは、いろいろ人が言うでしょうけれども、やっぱり消費という、GDPに占めます比率が約七割と言われるこの消費というものが増えないというのが最大の理由の一つですから、そういった意味ではやっぱり賃金というものは非常に大きいと。よく見てくださいと、労働分配率。またこれ会社用語で恐縮ですけれども、労働分配率は七七、八あったものがどんどんどんどん下がって、今七〇ないんですよ。それで、それを賃上げしろと言っているのは自民党が言っているんですよ。そして、連合の話を我々が代わりに言っている。連合は民主党やっておられるわけですから、俺たちはよっぽど人がいいと、つくづくそう思いながら、もうこの三年間、ずうっとこの話をいろんな会議で経団連の方々に申し上げ続けてきています。 しかし、問題は、間違いなく消費というのは非常に大きい。それを支えるには、大きなのは、やっぱり先行き給料が増えていくなという気分ですよ。この景気の気の部分がもう、だって、かつてもっと貧しい時代でもどんどんどんどん洗濯機だ、冷蔵庫だ、みんな借金しても買ったんですから。あの頃は先行きが上がると思ったから買ったんでしょうが。ところが、今は上がると思っていないから、買いたいものがないとか適当な理由になっていますけど、それはもう古いものを無理して使っている方いっぱいありますよ。もっと使えるようにするには、先行きというのをやっぱり経営者自身も、二十年続いた、二十五年続いたデフレというのはやっぱりかなり身にしみ込んでおられて、あの頃貸し渋り食った、貸し剥がしくらった当時の経理のいわゆる担当者が今は社長辺りになっていますから、年齢からいったら。あの支店長が今頃頭取になって金借りてくれって、ふざけろ、このと思っているんですよ、みんな。だって、個人的に会ったらみんなそう言いますから。一緒に飯なんか食いたくないですと、あの人が頭取でいる間はとか、もうそれは、個人的感情は抜け切らないものがありますよ、みんな。それはやむを得ぬです、人間ですから。 だから、これはしばらく時間が掛かるなと私は思いますので、いわゆる給料を上げたら、こういった税制とかいろんなことはしばらくの間は政府が率先してやらにゃいかぬという部分、傍ら、こちらには基礎的財政収支のという問題を抱えていますので、このバランスは、大門先生、これは最も私は頭の痛い、バランスの取り方で今悩んでいるのが正直なところです。
○大門実紀史君 賃金ですよ、本当は賃金が上がっていかないといけないんですけれども、上がらない状況で、消費税というのは何かというと、賃金といっても消費のことを考えますと、可処分所得が増えないと消費に回らないわけですね。その中で、そういう下で、増えない下で消費税の増税をやるということは、イコール物価に反映するわけだから、可処分所得は減るわけですので更に消費を冷え込ますから、今回もちょっと延期ということだと思うんですよね。ですから、やっぱり経済との関係をよく考えないと、恐らく税制論とか財源論だと、もうああ言えばこう言うで意見が合わないと思うんですけれども、経済論で考えると、やっぱり考えるべきときは考えるべきだと思うんですね。 もう一つ、本会議のときにも申し上げたんですけれど、この間、中小企業の社長さんとかいろんな方と話していると、延期と言われているというのは、二年半後に増税があると。これ、もしも一旦、もう増税しない、一遍もう断念してやりませんと、これならばいろいろやれるんだけれども、二年半後と言われると、設備投資、あそこに店出そう、何やろうと思ったのが、二年半後の様子見てからにしようということになって、設備投資を控えるとか消費も控えるとか、増税があって大変になるからということで、できるだけ今から節約しようということで、延期という意味、経済的な意味ですね、もう、一遍やめちゃうということの意味ですね、こういうこともやっぱり経済的に考えると。私は本会議で申し上げましたけど、一遍断念すべきだと、そうしないと上向かないというふうに、そういう考え方を持っております。 あと、安定財源という言い方も財務省がよく言っているんですけど、消費税だけ見ると不況でも一定の税収があると。しかし、よくよく考えてみると、消費税が増税して不況になったりしてほかの税収が減っている、ほかの税収を見てどうなのかとか、あるいは消費税増税したことによって景気が悪くなって景気対策を打つ、財政出動をすると、これトータルに見ると、必ずしもいつもいつも消費税が、消費というのは一定だから安定財源なのかということも経済の大局的なところから見る必要があるというふうに思うんですよね。そういう点から、今回はもう延期じゃなくてきっぱり断念すべきだというふうに思っているところでございます。 何よりも、もっと取るべきところがいっぱいあるんじゃないかと。前回ここで申し上げた研究開発もそうですけれど、税金は、やっぱり今庶民の皆さん苦しいですから、もうかっているところから取るべきではないかということで幾つも提案させていただいておりますけど、今日はタックスヘイブン、国際課税の問題で具体的に次の質問に入りたいというふうに思います。 タックスヘイブンについては、今年、先ほどもありましたけど、パナマ文書が話題になりました。ほかにもいろんな問題が起きていまして、お配りいたしましたけれど、九月にアップル社の大きな、追徴されたというのが載っております。 これは簡単に言いますと、アメリカのアップルの子会社のアイチューンズというんですかが東京国税局の税務調査を受けて百二十億、追徴税、追徴されたと。これは左上に図解が載っていますけど、複雑でありますけれど、要するに、アイルランドは法人税安いですから、シンガポールを通してアイルランドに利益を移して、簡単に言えば課税逃れをしていたという案件でございます。 こういうタックスヘイブンというのは単純じゃありませんで、何か国も経由したりいろんな手法を使って、例えばこのアップル社の場合は、ソフトウエア使用料、よくあるのはロイヤリティーですけれども、そういうものを子会社に支払った形を取るとか、巧妙な手法を駆使して行われているわけです。私も今年五月の決算委員会で慈善信託という、チャリタブルトラストという手法を御紹介をしたところではありますけれども、どんどんどんどんこういうふうに手口が巧妙になっていっております。 このタックスヘイブン対策はその後も大変国際的な関心も高まっておりますし、国際会議も開かれてまいりましたけれども、資料の二枚目にBEPSプロジェクトの最終報告書の概要も載せておきましたけれども、星野さん、主税局長ですね、このBEPSの、最近タックスヘイブンについてはかなり国民の皆さんも関心持っておられまして、今日はテレビ放映じゃありませんけど、インターネットでもかなり見ておられるので分かりやすく、大体BEPSという言葉もよくまだお分かりにならない方もいらっしゃるので、どういう仕組みになっていて、国際的などんな取組があって、そして日本ではこの間どういうふうにやってきたかということを、今日はたっぷり時間ありますので、ゆっくり分かりやすく説明してもらえればと。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。 先生御指摘のBEPSプロジェクトでございます。ベース・エロージョン・アンド・プロフィット・シフティング、税源浸食と利益移転というのを略してBEPSと呼んでいるものでございますけれども、一言で申しますと、各国の税制のずれ、隙間を利用しまして多国籍企業による課税逃れ、そういうものに対して各国が協調して国際課税ルール全体を見直すことで対抗するOECDを中心とした取組のことでございます。これによりまして、公正な競争条件の確保、また税制に対する納税者の信頼回復を目指しているということでございます。 昨年十月に公表されました、今先生から御指摘がありましたこのBEPSプロジェクトの最終報告書が出されておりますけれども、このBEPSに対抗するための十五の措置について勧告が示されております。 具体的には、A、B、Cということで三つのカテゴリーに分けられるかなと。一つが、価値が創造された場所と課税利益を認識する場所とを一致させるための措置、それから第二点目として、各国政府及びグローバル企業の活動に関する透明性を高めるための措置、そして三つ目が、企業にとっての不確実性を排除するための措置という三つのカテゴリーに分類できようかと思います。 現在、BEPSプロジェクトは、参加国を大幅に拡大した上で、各国が合意事項を実施に移す段階に入ってきております。日本としましては、この最終報告書の内容を踏まえまして、必要な法改正に段階的に取り組むとともに、OECDやG20等の場で参加国による合意事項の着実な実施を促してまいりたいと考えております。
○大門実紀史君 ありがとうございます。 次のページの三枚目の資料ですけれども、これ見ていただきまして、財務省は、九月の二十九日に、政府税調に具体的に現行のタックスヘイブン対策税制の見直し案を提示されたわけであります。これが一つ具体的なものなんですけれども、これについてもちょっと説明をしてください。
○政府参考人(星野次彦君) この資料は、外国子会社合算税制、いわゆるタックスヘイブン税制と呼ばれているものでございます。これは、税負担の軽い外国子会社を活用した租税回避を抑制することを目的に昭和五十三年に導入されまして、それ以降、企業のビジネスモデルの多様化、グローバル化ですとか、国際的な資本移動の変化等に応じて累次の改正が行われてきたものでございます。 今般、外国子会社の経済実体に即して課税すべきというBEPSプロジェクトの最終報告書の基本的考え方を踏まえまして今回改正を目指しておりますけれども、日本企業の海外展開を支えながら、課税回避により効果的に対応できる制度となるよう、総合的な見直しを検討しているところでございます。 例えば、現行制度には、外国子会社の税負担率が二〇%、トリガー税率と呼んでいますけれども、二〇%以上であれば経済実体を伴わないペーパーカンパニーの所得であっても合算せず、申告も求めない、その一方で、実体ある事業から得られた所得であっても合算してしまう場合があるといった問題点がございます。 こういった問題に対処するために、今般の見直しにおきましては、価値創造の場で税を払うべきというBEPSプロジェクトの考え方を踏まえて、経済実体がない受動的所得は合算対象とする、その一方で、実体ある事業からの所得であれば子会社の税負担率にかかわらず合算対象外とするとの方向性で検討を進めております。その際、企業に過度な事務負担が掛からないよう所要の措置を講ずることも併せて検討しているところでございます。
○大門実紀史君 要するに、今は外国のいろんな税率ありますけど、地域の税率ありますけど、二〇%未満の国や地域に外国子会社を置いた、その子会社の所得を課税対象にしているということですね。それだと二〇%以上のところは対象にならないから、二〇%以上でも日本より低いところで置いて税逃れとかいうこともありますので、そうではなくて、もう思い切って、恐らく日本の法人税の実効税率ぐらいを想定して、それより低い国、地域全てに一応範囲を広げて、一応範囲を広げた上で実体に応じて合算を考えていくというような、こういう仕組みを考えておられるんだというふうに思います。 全体に網を掛けようということでありますので、どういうふうに具体的に制度設計がなるかというのはあると思うんですけれども、きちっとやられれば大変前進になるのではないか、課税逃れを防ぐ効果が期待されるのではないかというふうに思います。 ただ、これについては経団連がかなり反対だという要望を出しております。具体的に言えば、企業の実務負担が増える、そのことによって国際競争力が阻害されるとか、中小企業は大変だというようなことが理由として反対をされておられますね、経団連の要望書によりますとそうなんですけれども、実際にはどうなんでしょう。海外の子会社に実際に事業実体があって、財テクじゃなくてちゃんとした実際の仕事をやっていて、現地でその仕事から利益を生み出しているとしたら、私は大した実務負担にならないんではないかと。財テクをやり始めていると大変かなというのはありますけれども。 もちろん、中小企業に対する配慮は必要ですけれども、そもそも日本より安い税率の適用を受けるんですから、事業実体について、恩恵を受けるわけだから、事業実体について説明するのは最低限企業としての責任じゃないかと思うんですけれど、財務省としてはいかが捉えておられますか。
○政府参考人(星野次彦君) 先生御指摘のとおり、今回の見直しに対して企業が懸念を表明しているということはございます。それは、今回の見直しに伴って、やはり過度な事務負担が掛かるようになるのではないかという点でございます。 今回の見直しは、ある意味、二〇%という形式的な税率、これの形式的な判断でもってある程度これまで対応できたわけですけれども、そうではなくて、実態的な所得の種類によって判断しようということで、そこの部分について判断のコストなり手間が企業に掛かるのではないかといったようなことを懸念されておられるということでございます。 その御指摘に対しては、これまでの実態も踏まえて、税率を代替、補完するような制度適用免除基準というようなものを何らか設けるかどうかということで、企業のそういった手間がなるべく掛からないようにするような方向も併せて検討しておりまして、その辺、企業の意見もよく聞きながら最終的な成案を得たいと考えております。
○大門実紀史君 先ほどアップル社のことを取り上げましたけれども、そもそも一体アップルがどれだけ日本で稼いでいるのかとか、あるいはどれだけ日本に税金を納めているのかとかは公表されておりません。この点に関わって、BEPSのプロジェクトの具体化の一つとしてこれはもう既に決まったことですけれども、多国籍大企業が各国でどれだけ税金を納めているのか報告させる仕組みが導入されました。今年度の税制改正で既に具体化されております。資料の四枚目に関わる、四枚目は違うんですけれども、四枚目に関わるところなんですけれども、要するに移転価格税制に関わる文書化制度として整備されたわけですね。 さらに、この四枚目、多国籍企業の企業情報の文書化ですね。これちょっと簡潔に説明してくれますか。
○政府参考人(星野次彦君) これは、二十八年度の税制改正で手当てをされたのでございますけれども、BEPSプロジェクトの中で、租税回避の防止には多国籍グループの活動実態を把握することが有益との考え方に基づきまして、平成二十八年に開始される事業年度から、全ての参加国が移転価格の文書化制度を導入するようにBEPSの方で勧告がなされました。 これを受けまして、我が国においては、今申し上げましたとおり、二十八年度の税制改正におきまして、連結総収入金額が一千億円以上の多国籍企業グループに対しまして、その構成会社等が所在する国ごとの収入金額、税引き前当期利益の額、納付税額等、活動状況に関する情報を親会社が税務当局に提供するといった制度を導入をいたしました。 税務当局に提供された情報は、当該企業グループが経済活動を行っている国の税務当局と共有されます。これによりまして、多国籍企業による租税回避リスクの評価に役立てられるものと期待しております。
○大門実紀史君 ここにもありますとおり、こういう報告制度がつくられたわけでありますけれども、ローカルファイル、マスターファイル、国別報告書とありますけれども、一番重要なのが三つ目の国別報告書であります。 この国別報告書ですけれども、五枚目の資料なんですけど、EUは更に進んで、この国別報告書、全部じゃないんですけれども、内容を一部について一般に公表すべきという提案がされております。これが五枚目のEUにおける税務透明化ルールの提案ですけれども、これも、星野さん、ちょっと簡潔に説明してください。
○政府参考人(星野次彦君) この資料にございますとおり、欧州委員会がEU域内で活動する多国籍企業に対しまして国別の売上高、納税額等の企業情報の公表を義務付ける制度を提案したということは私どもとしても承知をしております。 EU提案の趣旨は、多国籍企業の活動実態の透明性を高めていくことにより租税回避リスクを抑制するというものでありまして、日本としてもその考え方は重要であると考えております。 他方、BEPSプロジェクトにおきましては、プロジェクト参加国が当局間における国別報告書の交換制度を、守秘義務を遵守しつつ、実施時期を合わせて導入することに合意をしているということ、それから、現在、各参加国が制度導入に必要な法令の整備等に取り組んでいるところであることなどを踏まえますと、まずはBEPSプロジェクトで合意された取組を各国が足並みをそろえて進め、その上で必要に応じて税の透明性を高める方策を各国協調して議論していくべきではないかと考えております。
○大門実紀史君 これについても経団連等から懸念が出されているわけですけれども、その一つの理由が、機密情報が、これ、こういうものが公表されますと漏えいの可能性があると。あとは、今おっしゃったように、まず決まったことをやってからじゃないかというような意見もあるみたいですけれども。 これが機密情報の漏えいの可能性になるのかどうかということなんですけれども、EUの提案では、先ほど申し上げたように、今、国別報告書を出すことになっていて、それは守秘義務が掛かっているんですけれども、公表するのはその国別報告書の全ての項目ではないわけでございまして、この資料でいえば下の概要のところの丸のところですね、事業活動の内容、従業員数、グループ売上高、税引き前利益、納付税額となっているわけであります。公表しなくていいですよ、EUの提案も公表しなくていいですよというふうになっているところは、収入の内訳、自分の関連企業か関連企業じゃないかという区分けは公表しなくていい、総額だけ公表してくださいと、あとは資本金、出資金、有形資産額ですね、こういうものは公表しなくていいというふうになっているというふうに思います。 確認ですけど、そういうことでよろしいでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) 範囲は今先生が言われたようなことではございますけれども、ただ、税引き前利益、納付税額等々、企業にとりましては秘密性の高い情報も含まれております。これ、EUの今の提案によりますと、登記所に提出して登記されると、あと企業自身のウエブサイトで開示をしろということをEUの方は言っておりまして、今回、このスキーム自体は、やはり課税当局が守秘義務を守るという、そういう大前提で各企業も含めて提出ということを合意したわけでございまして、そこの前提が崩れる、その情報の中に今申し上げたものがやはり含まれているといったような問題があろうかと考えております。
○大門実紀史君 確かにまだ議論中のところがありますし、詳細のところは意見が、異論の出ているところはあるかというふうに思いますけれども、全体として、EUも何でもかんでも公表させてやろうと、させちゃおうということでやっているわけではないんで、全体の透明性を高める、特に市民ベースでいろんなことがチェックできるというふうにしようというのがEUの考え方でありますので、積極的なものだというふうに思いますので、政府としても積極的に検討していってほしいなというふうに思います。 いずれにせよ、麻生大臣に、日本はかなり積極的にリードしてこの問題、国際課税の問題やられてきたのは承知しております。引き続き、この課税逃れ許さないということで、幾ら取れるかちょっと分からないんですけれども、とにかくこういうところで課税逃れされたらたまりませんので、今後の取組に対する決意をお伺いしたいというふうに思います。
○国務大臣(麻生太郎君) この国際課税逃れというのは、昔は二重課税の防止というのが主流だったんですけれども、いつの間にか二重非課税の防止という方に世の中が、インターネットの発達のおかげとかいろんなコンピューターの技術の発達のおかげもあるんだと思いますが、瞬時にばっと金が移動するわけですから、そういった意味では時代とともにこの種のことが可能になったということで、フィンテックとかいろんな表現があるんでしょうけど、そういったことになっているんですが、当然のこととして、こういうのがやれる人は払わなくていいということになるとこれは明らかに税の不公平感ということになるんで、ふざけとると私、前から思っていましたので、バッキンガムシャーですから、四年前のG7の、五月にロンドンの、ロンドンというか、イギリスのロンドンの郊外のバッキンガムシャーというところでG7の中央銀行総裁会議というのが開かれて、そのときに財務大臣だったので、その他となったとき、この話を持ち出したんです。一番乗り気だったドイツを始めわあわあ発言したけど、やっぱり最後まで発言しなかったのはアメリカだったんです。必ずこの種の話で発言するアメリカがしゃべらないというのは、ああ、よほどこれはきついなというのは、それは分かりましたよ。 それで三年掛かりましたけれども、おかげさんでOECDの租税委員長が日本から出ていましたので、それが委員長として、これ選挙で選ばれていますので、選挙で選ばれたのが日本から出ていましたので、それが委員長になって、このBEPSという税源浸食、利益移動というののあれを立ち上げてやったんですけれども、私は、これがOECDで通るかなというのが正直、私自身の不安でもあったんですが、OECDどころかG20で通りましたから、これが。 それでみんな、えっということになって、今年の六月に京都で第一回のこの会議を開いたときには、G20の二十か国どころか六十何か国これに参加してきて、みんなこれをやったんですが、みんなでこうやったとき、これこそ、大門先生、一か国や五か国でやったって駄目なんですよ、これはもう。世界百九十何か国ありますので、ケイマンアイランドとかいろんなところの名前が有名ですけど、ほかにも似たようなのはいっぱいありますし、アメリカも州によって違いますので、何でしょうね、パナマ文書の中にアメリカの文書が出ていねえのはおかしいじゃねえかと言うけど、あの程度のものはアメリカの国内でできるからやらねえんだよということも分かっていないんですから。大体、日本の新聞の情報収集のレベルというのはその程度だと思っていますので。 本当にこれは深刻な話なんです、これ。だから、我々が幾ら税金集めて、どこにやって、それ、使う人は、一円も税金払っていない人が使って利益だけそっちに持っていく、そんなふざけた話がどこにあるんだというのがありましたのでこれをやらせていただいて、よう四年でここまで来たと思いますけれども、一応ここに来て、スタートに着きましたので、これはあときっちりこれやっていくということになるんだと思いますけれども、今度は行ったら行ったでもっとやれもっとやれということになって、いきなりEUみたいに突っ走ると、今度は、ちょっと待て、そんな約束はBEPSではしなかったろうがという話になりますので、これは時間掛けてゆっくりゆっくりやって確実にステップを上げておかないと、この今のBEPSだけでかなりの部分は変わってきますので、その意味ではきちっと我々も決意を持ってこれ臨んでいきたいと思っております。
○大門実紀史君 ありがとうございました。頑張ってください。 ─────────────
○委員長(藤川政人君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、風間直樹君及び鶴保庸介君が委員を辞任され、その補欠として平山佐知子君及び阿達雅志君が選任されました。 ─────────────
○藤巻健史君 日本維新の会、藤巻です。よろしくお願いいたします。 昨日、TPP特別委員会で、麻生大臣と最後、為替の話をさせていただきました。私は、農業が将来、日本の基幹産業になるか否かは為替いかんで、円安になれば日本は、農業は輸出になるし、一ドル百円が一ドル二百円になれば、一ドルの海外の農作物というのは百円だったのが二百円になって高くなっちゃって買えなくなるから、もう日本の農産物はいいぞ、だから補助金なんかも調整金もなくて済むじゃないか、円安が日本の農業にいいんじゃないかというお話をしたところで、麻生大臣が、この前の仙台G7でしたっけね、もう通貨切下げ競争はしないというふうに約束をしたからできないんだというところで終わってしまいました。 そのときに私は、あした、すなわち今日続きをさせていただきますというふうに申し上げたんですけれども、考えてみると質問通告をしていなかったんですね。昨日、TPP午後あって、その後夜の会合があったものですから、財務省のワーク・ライフ・バランスのことを考えまして午前中に出してしまった。おかげで私のライフ・ワーク・バランスめちゃくちゃなんですけれども、出させていただいたので、質問通告していませんので単に私の感想だけ申し上げますので、もしコメントをしたければしていただいて、なければなしで結構でございますので、一つ申し上げておきたいんですが。 ちょっと今の大門先生の話を聞いていてまた思ったんですけれども、労賃の問題というのも、これ政府が上げろと言うのも、ちょっと社会主義国家みたいで私はすごい違和感を感じるんですよね。労賃も物と同じように所詮は需要と供給で決まるのであって、需要が多くなれば労賃なんて自然に上がっていくわけなんです。要するに、日本人に対する需要を上げることが重要であって、それが賃上げの一番最重要というか、一番パワフルな手段だと思うんですね。 じゃ、日本人の労働需要を上げる、どうすればいいかというと、円安ですよ。要するに、円安になれば外国人の労働力が上がって日本の労賃が相対的に下がる、海外に出たものはいずれ戻ってくるだろうし、若しくはアジア企業、そしてアメリカ企業が日本に来て優秀な日本人を雇うということで日本人の労働力に対する需要はぐっと上がるわけですから、当然労賃は上がるということで、そっちに政府というのは努力するべきであって、社会主義的みたいに経営者に上げろというのは、私は間違いかなというふうに思います。一つ。 それから、もう一つ申し上げれば、昨日大臣は、先ほどG7で約束したからもう通貨切下げ競争はしないというふうにおっしゃいましたけれども、確かに介入とかをすればそれは問題があると思いますよ。しかし、例えば私、まあ私は政治家だからちょっとまずいかもしれないですが、私の息子とか家内が勝手にドルを買う分にはアメリカは文句言えないし、言ったところで私の家内は怖くないですから買いますよね。ですから、介入以外できちんと円安ドル高を進めていけば日本経済って大回復するのかなと私は思っています。 例えば、私がいつも申し上げているというのは、一つは日銀が米国債を買う。これは金融政策だから介入じゃないと言えばいいわけですし、それから、以前にも申し上げたかもしれませんけれども、マル外といって、外貨、ドル建て、ドル預金、例えば三百万なら三百万、五百万なら五百万までは為替の益に対して非課税、百円が千円になって九百円もうかってもその分は非課税。みんなやりますよ、ドル買いますよ。 ということもありますし、ちょっと難しいので説明しませんけれども、ドル建ての日本国債発行とか、その他、私はマイナス金利が非常に効くと思うんですね。マイナス金利効かないとおっしゃる方いらっしゃいますけれども、それは間違いで、マイナス〇・一%は効かないのであって、マイナス一〇%にすれば絶対効きますし、これは円預金をすればペナルティー払うんだけれども、ドル預金すればプラスだったらもうみんなドル預金するということで、幾らでもドルを上げる方法ってあると思うんですね。 国力と通貨がきちんとして合っていればそれは動かないかもしれませんけれども、私は日本の国力に比べて円は非常に強過ぎると思っているから、そういうことで簡単に円は安くなって、そうすれば日本経済は回復だというふうに私は思っています。 これは一応コメントなので、もし大臣がお答えしたいならばお願いいたします。なければ結構ですけど。
○国務大臣(麻生太郎君) 別にコメントも何も、よく言っておられる話なので、ああ、またかと思って聞いているだけなんですけれども、特にそれ以外のコメントはありません。
○藤巻健史君 質問通告をしていませんのでそれで結構ですが。 次に、まず先ほどのやはり大門委員のときに、資産価格が下落したのがデフレのメーンの原因だというふうにおっしゃいました。資産効果というのが極めて経済に重要だということは、私も同じ考えを持っています。一九八五年から九〇年のバブルのときというのは、あれ狂乱経済と言われましたけれども、あのときはまさに消費者物価指数はほとんど〇・五%ですよ。今の日銀が目標にしている二%よりもよっぽど低くて〇・五%。それなのに経済があんなに狂乱したというのは、あれは資産価格の急騰によるものですから、そういう面でいうと、資産効果、要するに資産価格の上昇というのは極めて重要だというのは大臣とアグリーします。 それで、今要するに、株価とか地価、土地の値段というのは極めて経済に重要だという認識は同じになったと思うので、それでお聞きしますけれども、株価見ていただくと、かなり上がっているんですよね。確かに、G7のときに安倍首相はリーマン・ショックのような危機がある可能性があるから消費税を増税を延期するとおっしゃったんですけど、あれは五月でしたっけね、確かに見てみますと、去年の暮れはもう世界中で何か景気が良くて、何かぶいぶいだったわけですよ。ところが、二月になってWTIが二十七ドルに下がるし、新興国、中国の新興国不安があって株価急落して、それから戻ったんですよね。去年の暮れ、要するに、世界中が景気に対して強気だったときのレベルと今のレベル、同じなんですよ、ほとんどの国は。アメリカなんていうのはもう約八・何%、おとといのレベルですけれども、八・五%上がっているわけです、去年末に比べて。去年、景気が良かったと言われていたときに比べて八・五%上がっている。イギリスも、EU離脱で景気が悪くなるぞ、大変だと言いながら、今のイギリスの株価というのは、去年のあの景気が強いと言われたときの株価よりも約八・八%高いんですよ。先進国で唯一日本だけは八%ダウンということで、ほかの国はみんないいんです。 先ほど麻生大臣がおっしゃったように、株価というのは非常に景気に重要、そして、まさに投資家ものうてんきに株買うわけじゃないんですよね。リーマン・ショックみたいなものがあるならば、絶対株なんか買いませんよ。これだけ上がっているということは、少なくとも投資家は、財務省の方より頭は悪いかもしれないけれども、多くの方は景気がいいと思っている。そんなに心配がないと思っているからこそ株を買っているわけですね。日本だけ八%ダウン。 だから、確かに日本の経済状況を見れば消費税増税延期は、日本の経済状況が悪いから消費税増税をしないというのはまだ分かりますよ。ですけれども、G7のときにおっしゃった、あれ五月でしたっけ、五月のときに安倍首相がおっしゃった、世界的金融危機がありそうだから消費税増税を延期するなんてどういう理屈が付くのか全く分からないんですけど、その辺を教えていただければと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) まず最初に、一九八五年のときにどうなったかって話を今されておられましたが、今言っておられるのと全然論旨が逆で、あのときは二百四十円だった円は百二十円に円高になったんですよ、一年間で。円高になって景気良かったんじゃないんですか。円安になったら景気良くなるんじゃない。あのときは円高になって景気良くなったんですよ。今の言っている話と全然論旨が合っていないと思うんですけれども、それがまずおかしいなと思うのが第一点であります。 それから、今の世の中で、私どもから見て、少なくともアメリカが良くなった、イギリスが良くなったって、やっぱり中国見て、アジア見て、南米のブラジル等々見て、それは何かやばいなとみんな思っておられますでしょう。だから、キャピタルフライトとは言いませんけど、アメリカのドルが、金利がちょっと上がったら一斉に金が出始めるという状況は、余り上等な、ステーブル、安定した状態ではないということを意味しているというように理解を、我々は近くにいる、アジアにおりますので、そちらの方から見れば、これ、きちんとそういったことに関しては用意、準備をしておかぬといかぬと思うのが経済を預かる立場としては当然だと思いますが。
○藤巻健史君 最初のコメントで、一九八五年から九〇年のバブルのときにドル・円が二百四十円から百二十円になった、それは確かですよ、それは確かなんですが、だからゆえに消費者物価指数が〇・五%だったんですよ。もうちょっと詳しく言うと、八五年から八八年まではほとんど〇・五です。それは、二百六十円、二百円、百六十円、百二十円と円高が進んでいたんです。でも、百二十円というのはたしか八八年だったと思いますけど、その後に百二十円から百三十五円に戻った途端に消費者物価指数、三・二%、ぽんと上がったんですよ、あのとき。 これは何を言いたいかというと、もう一つだけ、これは、今日はお話しする気はなかったんですけれども、消費者物価指数というのは為替とむちゃくちゃにリンクしているということなんですよ。だから、デフレの原因は何かとずっとさっきおっしゃっていましたけど、これはひとえに円高がずっと進んじゃったせいだと私は思っています。これは一つポイントですけれども。 それで、かつ、もう一つ、さっきの最初のコメントについてコメントさせていただくと、資産価格が上昇したからやはり景気が強くなったということだと私は思っています。 それからもう一つ、先進国は良くても新興国が危ないじゃないかというふうにおっしゃいましたが、新興国が悪いとみんなが思えば、アメリカの株とかイギリスの株とかヨーロッパの株とか、上がらないですよ。だって、上がらないからみんな、もしそういう先進国まで新興国の経済の悪化が影響するんだと思ったら、誰も買いませんよ、先進国の株なんて。日本だって同じですよ。新興国が悪くなったって、日本経済に悪影響を与えないのであれば別に心配する必要ないわけですからね、日本のこと。世界経済のことを考えて財務省がオペレーションするなら話は別ですけれども、と私は思います。ですから、やはり世界経済を理由に消費税増税を延期するという理由は今なくなっていると私は思っています。 もう一つ申し上げちゃうと、ただでさえその二月のG7のときでも、いろんな新聞を読んでいますと、結構、安倍首相のコメントがツーマッチだったというコメントがいろいろ出てきているわけですね。例えば、キャメロン氏はすかさず安倍首相にクライシスとまで言うのはどうかと反論したという報道がありました。 それから、六月六日の日経新聞のコメントにありますけれども、世界経済に関する討議ではキャメロン氏がすかさず安倍首相に反論したと。この後は、そのコラム紙、日経新聞のコラムの方のコメントですけれども、危機とまで言うのはどうか、他国に財政拡張への同情を求める前に、まず自らの財政をきれいにしてはどうか、もし本当の危機がやってきたとき日本の政策対応は機能するのか、安倍氏への反論の本音はこんなところにあるかもしれない。これ、日経新聞のコラムだったんですね。これは日経新聞の記者の方ですけれども。 ある、またほかの新聞によると、海外マスコミは更に辛辣な論評をしていると書いてあります。フランスのルモンド紙は、安倍氏は深刻なリスクの存在を訴え、悲観主義で驚かせたと報じ、自国経済の不安を国民に訴える手段にG7を利用したとの専門家の分析を紹介したそうですし、それから、アメリカの経済メディアのCNBCは、増税延期計画の一環、余りにも芝居がかっているなどとする市場関係者のコメントを伝えた。中国国営新華社通信は、日本の巨額債務は巨大なリスクで世界経済を攪乱しかねないと指摘した。 要するに、安倍首相が二月の段階でリーマン的ショックが来るというふうに最初におっしゃった……(発言する者あり)あっ、五月、失礼しました、おっしゃったときは、そのときでさえ、かなりそれはエグザジャレートしているというコメントがあった。それから株価を見る限り、日本経済大回復しているわけですよ。それでも消費税増税延期を世界経済のリスクのせいとするのは余りにも無理筋ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 各国首脳の御認識とか発言等々についてお答えする立場に私ありませんので、その点に関しましては、誰がどう言われたという話は知らないわけじゃありませんけど、コメントをするというのは控えさせていただかないかぬところだと思っております。 それから、G7の首脳会議のレベルで世界経済の見通しに対するリスクが高まっているとの認識は、これは共有されたというのはペーパーで残っておりますので、各国首脳に安倍首相ほどに危機感はなかったというのが一概に言えるかというのは疑問です。その上で、現下の経済状況につきましては、緩やかに回復しているという一方、減速が続いておりますのは、中国経済も確かですし、その影響を受けますアジアの諸国というのは当然なのであって、陰りが見えるんじゃないのかと。 それから、EUの離脱につきましてもどうなるのかよく分からぬわけですから、トランプの話みんなよくされておられますけれども、トランプの財政がどうなるかなんて予想しても何の意味もないじゃないですか。だって、誰がなるか分からないんだから。だから、そういった意味では、世界経済のいろんな話をされるのは、今の段階で英国が最終的に本当に離脱するんですかね、最高裁で否決されたらどうするんですかねというところまでみんな考えないと。だって、通る通ると本人は言っておられますけれども、司法はノーだと言ったんですからね。どうするんです、あれという話をちょっと真剣に考えられないと、何だか大変だ大変だとアジっているだけで、私ども責任ある立場におりますので、余りアジる話に乗っていくのもちょっといかがなものかと、私自身はそう思っております。 したがって、常にいわゆる世界経済のこれ発展していくためには、おもしになる、足引っ張っているものが幾つかあるというのを我々としては常に覚えておかにゃいかぬので、新興国が、いろんな国が既に瀕死の状況にあるなんていうことを申し上げているわけではなくて、新たな危機に陥る可能性があるという、これトランプのおかげで陥る可能性があるかもしれません、トランプのおかげでうまくいく可能性があるかもしれません、これよく分かりませんので、私どもとしてはそういったことを考えて対応を決めていかにゃいかぬところだと思っております。
○藤巻健史君 何かよく分からない程度で一度決めた法律を改正して先延ばしするというのは、これはちょっと弱過ぎるんじゃないかなと私は感じます。 次の質問に行きますけれども、先ほど大臣がまた触れていらっしゃいましたけれども、九七年から九八年、確かに三洋証券が潰れ、北海道拓殖銀行が潰れ、山一証券が潰れ、大変な時期だったと思います。あのときの私の認識は、あれはやっぱり九七年のアジア通貨危機とそれにつながるロシア通貨危機ですよ、景気が悪かったの。 私は、御存じのように市場におりましたから、あのときに随分金利が下がると思って、国債先物を買ったり、国債先物オプション買ったり、金利スワップのフィックスのレシーブをやったりして利益を会社に貢献しましたけど、あのときのイメージというのは、まさにアジア通貨危機とロシア危機で私はそういう勝負をしたわけで、消費税が上がったから景気が悪くなったという認識は全くなかったんですけど。 そういうつもりで、私は、景気が悪くなるという認識全くなかったんですけれども、いろいろ議論聞いていると、消費税のせいで景気が悪くなったということをよく聞くんですけど、現場にいて勝負をしていて、命懸けて勝負していた私は全くそういう認識ないんですが、財務省の方の御見解というのはどうでしょうか、九七年の原因。
○副大臣(大塚拓君) 確かに相場でずっと仕事をされておられましたので、ボラティリティーにがんと利くのはそういう金融事象であろうと思いますし、消費税のところがそんな大きな相場の変動に瞬間的につながることはないと思いますので、特に藤巻委員はそういう印象をお持ちかなというふうにも思いますけれども。 九七、九八の景気低迷が何の原因によるかというのは、諸説いろいろ国会でも議論されてきたところだろうと思いますけれども、政府としては、平成二十三年五月に内閣府による分析というのがされております。 具体的には、九七年七月のアジア通貨危機とか、同年十一月、金融システムの不安定化、先ほど来議論のあります北拓、山一、三洋の破綻、こういったこと、大きなショックが日本経済にも当時あったわけでございまして、これを消費増税の影響とどういうふうに切り分けて分析するかというのは、これはもし御疑問があれば内閣府の方に御質問していただければと思いますけれども。 結論としてなっておりますのは、消費増税が消費の落ち込みを通して日本経済にマイナスの影響を与えたという見方もあるものの、消費増税が景気後退の主因であったとは考えられないというふうに分析をされているということでございまして、私としてもこういう様々な要因が相まって景気後退につながったものというふうに考えているところでございます。
○藤巻健史君 ボラティリティーは大したことなかったというふうにおっしゃるんですけれども。 〔委員長退席、理事長峯誠君着席〕 私、別に、ちょっと誤解があるかもしれませんけど、私は短期のトレーダーではなくて、私の仕事というのは日本の銀行には余りなかったんですけれども、日本経済全体を分析して、日本経済が良ければ株を買い、債券を売り、通貨を買う、悪いと思えば逆のことで、日本経済全体で勝負していたわけですから、一種の、財務省とかいろいろは分析するだけかもしれないんですけど、私はそれで自分の信念に基づいて勝負していた人間で、その観点からして、私は誰も、少なくともモルガンでもそうだったし、私の会社もそうだったし、決して日本経済が消費税増税で悪くなったという認識は全くなかったと思います。日本経済を分析する意味で悪かったのは、やっぱりあの通貨危機であるロシア危機なんですよね。その辺は余り対立することでもないと思うので、ここでやめておきます。 次にお聞きしたいのは、九月二十八日にOPECが八年ぶりに原油の減産を決めたわけです。この減産合意というのはなぜかというと、新聞報道によりますと、年間約九兆円若しくは十兆円の赤字に陥りそうだというようなサウジアラビアの懐事情のせいだと書いてあったんですね、新聞に。だから、サウジアラビアというのは原油の減産合意で歳入を増やすとともに、彼らがやったことは、これ新聞に書いてあったことですよ、既に国民への生活費の補助金を減らし、公務員給与の大幅カットも発表している、歳出をがたっと減らしているわけです。要するに、財政がおかしい。だから、公務員給与を減らし、生活費の補助金も減らしているんです。要するに歳出縮小路線ですよ、歳出減路線なんです。 一方、日本ですけれども、補正予算で三千六百七十三億円の臨時福祉給付金を出して、それから支払っているわけですし、それから公務員給与も三年連続で上げていくわけですよ。まさに歳出増路線で、まさにサウジアラビアと逆方向で動いているわけですね。きっとサウジアラビアは、中央銀行は紙幣刷れないのに日本銀行は刷れるから、もう勝手に紙幣がばらばら出てくるから気楽なんだろうと思うんですけれども、財政規律が崩れているんだと思うんですけれども、私がやっぱり思うに、財政赤字ならば、まず歳出カットをする、私どもの党が言っています身を切る改革とか、それから公務員の給与、歳出をカットするとか、まずそれをやるのが第一じゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○副大臣(大塚拓君) 私もいろいろニュースを見ておりまして、サウジアラビアは相当国民に手厚いサービスを提供している国だという認識もありましたので、まあ石油の収入で非常に余裕があるということでいろいろやってきたということなのですけれども、そのサウジがついに歳出カットに手を付けたかということで、私も感慨をある程度持ちながら見ていたのですが、実は今回、答弁資料を見ておりまして私自身もちょっと驚きだったんですけど、サウジアラビア、どれぐらい歳出カットしたかというふうに見ますと、二〇一四年度から二〇一六年度でマイナス百五十サウジ・リヤル、日本円にして四千億円程度ということで、意外とニュースで見ているほどに思い切ったカットをしているわけじゃないのかなと、こんな印象もちょっと持ったところであるわけなんですけれども。 いずれにしても、他国のことは他国のこととして、我が国の財政も、これ毎年度の予算の三分の一以上を、三十兆円以上、これを借金に頼っているという事情もございます。それから、社会保障関係費が予算全体の三分の一、三十二兆ぐらいだったかと思いますけれども、これも毎年度かなり大きく増加をしていると、こういう大変厳しい状況にあるのも確かでございます。サウジは、去年、おととしぐらいから歳出削減ということを言い始めたかもしれませんけれども、我が国はもうずっと長年、行革のところからそういう意識も持ってきている中でも、しかしこの厳しい状況にあると。 政府としては、二〇二〇年度にプライマリーバランス黒字化を実現をするという財政健全化の目標をこれはもう堅持をしております。その実現に向けて、当然、経済の再生ということと財政健全化ということの両立を目指して、未来への投資を実現する経済対策というのをこの度取りまとめたわけでございますけれども、とにかく、強い経済の実現を目指した取組を進めていくとともに、経済成長のみでもちろん全てが解決するというふうに思っているわけではございませんで、歳出の面も含めて財政健全化の取組をやっていくことが必要だというふうに考えておりまして、経済・財政再生計画の枠組みの下で改革工程表に基づいて社会保障の改革を進め、徹底的な重点化、効率化など、歳出改革を継続していきたいというふうに考えているところでございます。
○藤巻健史君 サウジが手厚い保護を国民にしているという話をされて、さっき大臣も話出ましたけど、国債費、国債関係が三割で社会保障費三割とおっしゃっていましたけれども、日本の社会保障費って実質的には四割ですよ。 何かというと、国債費なんていうのは過去の社会保障費の後払いなんですから、あれは社会保障費ですよ、あんなものは。それから、地方交付税だって、一番大きいのは民生費ですからね。あれ、民生費は社会保障費ですよ。だから、地方交付税のかなりの部分は社会保障費であって、そういうことを考えるとやっぱり約四割が社会保障費なんですよね。だから、日本もかなり手厚いことをしているというのは事実だと私は思います。 〔理事長峯誠君退席、委員長着席〕 それで、次に、ちょっと今、強い経済があればいいというふうにお話ししたんですけれども、終わったので次の質問に入りたいんですが。 安倍首相もそうですし、麻生大臣も、経済回復なくして財政再建なしとしょっちゅうおっしゃっているんですけど、まあこれ予算委員会のときも私聞いたんですが、本当かいなと。 配付した資料を見ていただきたいんですが、経済再生ケース、これ内閣府の試算ですね、経済再生ケース、要するに、名目三%、実質二%という非常に超楽観的シナリオ、成功した例。下はベースラインケースということで、今の潜在成長率がそのまま続く、要するにアベノミクスが失敗しちゃった例だと私は思っていますけど。 見ていただきたいんですけど、二〇二〇年、二〇二四年、ここが最終年度なんですけど、国債費、国債費というのは御存じのように元本の返済プラス利息の支払ですよ、それが二十二・八兆円から四十七兆円に増えちゃうわけです。一方、税収は六十二・三兆円から八十五・七兆円に増える。 ということは、収入のうちに幾ら国債費があるかという割合が、経済が良くなっちゃうと三六・六%から五四・八%に上がっちゃうわけですよ。これは自分たちの給料で考えていただければいいんですけど、今、給料の三六・六%が銀行への元利支払金だったものが、ああ、すごく景気が良くなった、物すごいアベノミクスで景気が良くなったとしたら、給料の五四・八%、半分以上が銀行への元利金に消えちゃうということですよ、これ。これは明らかに、私にとってみると財政は悪化していると思うんですけれどもね。たった今収入の三分の一だけが元利金だったものが、もうちょっとしちゃうと、成功しちゃう、景気が強くなっちゃうと半分以上が元利金で消えちゃうんですよ。 もう一つ言わせていただくと、下の括弧の中、これはベースラインケース、アベノミクスが失敗した場合は三六・六%から四六・八%へ上がりますけれども、成功するよりはましなんですよ。だから、景気が良くなってアベノミクスが成功すると財政は一層危機的状況になると私は読めちゃうんですけれども、いかがでしょうか。
○副大臣(大塚拓君) 内閣府の中長期試算も一定のもちろん前提の下に計算をしているものでありますけれども、じゃ、経済成長しなくていいのかというと、なかなかそれで素直にうんというふうに思われる方も余りいないのではないのかなというふうに思いますけれども。 いずれにしても、この成長ケース、経済再生ケースですか、を前提にして、例えば名目三%、実質二%の経済成長を前提とした場合であっても、まあその方が悪いという御指摘かもしれませんけれども、そのケースでも二〇二〇年度において五・五兆円のプライマリーバランスの赤字が見込まれているということになっているわけでございまして、経済成長がいいか悪いかということを離れて、どっちみち経済成長だけで全て解決するということにはならないということでございますので、先ほども申し上げたとおり、歳出歳入両面からの取組が必要であると。そのために、経済・財政再生計画の枠組みの下で、改革工程表に基づいて、社会保障の改革を含め徹底的な重点化、効率化といった歳出改革を継続をしていくということと同時に、二〇一九年十月に消費税率を一〇%に確実に引き上げていくということをやり遂げようということでございます。 今後も、経済再生を進めながら、この国債費のところも、やっぱりベースが減ればそれだけ早く軽くなりますので、そういうことも目指しながらしっかりと財政健全化に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○藤巻健史君 確かに今のお答えというのは、私が予算委員会で質問したときに安倍首相が、必要条件であるが十分条件でないとかおっしゃっていた、どっちかというのは忘れましたけれども。確かに、これだけ見ると、景気が回復しただけでも決して財政は回復しないわけですよ。 この経済再生ケースというのは、要するに、名目三%、実質二%ですから、物すごく景気がいいわけです、景気は良くした。これ、二〇一九年十月に消費税が上がるという前提の計算ですから、消費税も一〇%まで上げた、でもこんなに財政が悪くなるんだったら、何かほかにしなくちゃいけないですよね、やっぱり。歳出をぼんと下げるか、若しくは消費税もその後またぼんと上げるか。何にもしなかったら、景気が良くなって消費税一〇%だけだったらば、全然駄目というか、一層悪くなるという数字を内閣府出しているわけですから、それでそのままあとは知らないよというのでは余りにも無責任かと思うんですが、いかがでしょうかね。
○国務大臣(麻生太郎君) 今のお話というのは、藤巻さんは四年前も似たような話していましたよね。覚えておられませんか。三年前か。まあ似たようなものだ。三年前だろう、あれは。ねえ、していたよ。そのときに何と言っていましたか。基礎的財政収支半減目標はあり得ないと言ったじゃないですか。二〇二七年度、基礎的財政収支半減目標は達成しましたよ、今。違いますかね。余り、悲観的な見方をされて大変だ大変だというのがお好きなようなので、分からぬわけじゃないですが、人それぞれ趣味もありますので分からぬことはないですけど、私どもが基礎的財政収支半減目標というのを立てたときに、全く各社、あなたがお好きなニューヨーク・タイムズやら何やらみんな全然信用されませんでしたが、結果的には達成しましたよ。達成して、何か一言コメント出ましたかね。一言も出ませんよ。次は二〇二〇年度は危ねえって、そうやって次の話になっちゃう。 私どもは、少なくとも財政をお預かりする立場ですから、そういったアジテーションだけに乗っていく趣味もありませんし、私どもきちっとやらないかぬ立場なので、私どもは基礎的財政収支をバランスさせるためには経済の成長をさせねばいかぬ、経済成長と同時に歳出の削減もやらないかぬということでいろんな歳出削減もやらせていただいた結果がこの半減目標の達成ですから、今後とも、そういった意味で、歳入歳出両面できちんとやっていかないかぬと思っております。
○藤巻健史君 アジテーションとおっしゃいますけど、私は、内閣府、政府の一員が作った数字を分析しているだけであって、自分が勝手に数字を作っているわけじゃないですよ。これから、内閣府が作った資料から、日本の財政が大丈夫だったら、読み取ってくださいよ。どう考えたって、数字なんですからね、内閣府が作った。私の数字じゃないんですから。読めないよということを申し上げているだけであって、大丈夫だと言うんだったら、その理由を説明していただきたいなと私は思います。 プライマリーバランスちゃんと半減したじゃないかとおっしゃいましたけど、私は、元々、プライマリーバランス、何のためにやるか分からないと。要するに、あれは、何でしたか、トロント・サミットだったかな、本来であればもっとほかの、対GDP比安定にするとか下げるとかいう、ほかの国はそれでアグリーしたものは、日本はそんなことは到底無理だからということで、何も目標にしちゃいけないからというのでプライマリーバランスができたと私は理解していますよ。 プライマリーバランスというのは何の意味もない。なぜかというと、次の資料二、見ていただきたいんですけど、これ原則としてプライマリーバランスが一応黒字化すれば、その後、ドーマーの法則で、名目GDP成長率が名目長期金利よりも高ければ、これは何とか財政が収縮していくという話ですよ。 要するに、名目成長率の方が長期金利より高いということは税収の方が、これ、名目GDPに税収の弾性値が一とかそれくらいを仮定しないと話にならないんですけど、税収一とか一・一であるならば、名目GDP成長率が金利よりも高ければ、だんだんだんだん税収の方が支払金利よりも多くて、だんだんだんだん借金が減っていきますよという話なわけですけど。 これまた内閣府、アジテーションじゃないですよ、内閣府の数字を私は見ているんですけど、これどう見たって、その後、名目金利の方が高いですよ、二〇二一年以降。これでは一度PBが黒字化したところで財政赤字拡散していっちゃうんですよ。これ、逆転させないと拡散していっちゃうわけですよ。これ、そうじゃないと言う方が私はアジテーションじゃないかと思うんですけど。 かつ、もう一つこれ問題なのは、消費者物価指数が、もう一つ言っちゃうと、アジテーションというよりも、私は、大本営発表で大丈夫、大丈夫だって言っている方がおかしいと私は思っていますよ。戦争がもう末期、敗戦末期になったのに、日本大丈夫だ、大丈夫と言っている方がおかしいのであって、負けるときは、これは駄目だよということをきちんと言わないと、国民が間違えちゃう。これはインパール作戦と同じです。どんどんどんどん奥へ奥へ行って、補給線なくて、もうみんな全滅しちゃうんですよね。これは、ある程度、撤退すべきときは撤退し、悪いときはきちんと悪いということを言わなくちゃいけないので、それをアジテーションと言われたら困っちゃうんですけどね、まあ、それはいいとして。 もう一つ問題は、この内閣府の経済再生ケースで見ると、これは消費者物価指数、二〇一九年二・五%、二〇二〇年二・五、その後二・〇なんですよ。二%を安定的に達成しているんですね。日銀は目標達成なんですよ。 目標達成したら、この前、私も黒田さんには聞きましたけれども、国債の買取りをやめるわけです。異次元の量的緩和はやめちゃうわけです。だって、そのためにやっていたわけですから。異次元の量的緩和をやったままではどうなるかという話ですけれども、今、日銀は百五十二兆円発行されている国債、新発債と借換債百五十二兆円、百五十二・六兆円かな、のうち百二十兆円買っているわけですよ。その日銀がいなくなっちゃうんですよ。 それは、中古市場、この前もちょっと申し上げましたけれども、住宅市場で考えていただきたいんですが、百五十二万戸年間に売り出されていて、そのうち中国人が例えば百二十万戸買っている。それは今年売り出された住宅もあるかもしれないし、去年売り出した住宅もあるかもしれないけど、百二十万戸買っている。その百二十万戸買っている中国人がやめたと言ったら、もうその住宅市場は暴落もいいところですよね。 これは国債市場でも同じで、二・〇%に消費者物価指数が安定的に達しました、じゃ国債買うのをやめました、これは長期金利暴騰ですよ。それこそ、ここでアジテーションをするならば、そういうときになれば、名目金利は、この内閣府の計算では二〇二一年三・八、次、四・一、四・二、四・四となっていますけど、全部黒ポチなしですよ、私がそういう、三八%、四一%、四二%、四二%ですよ、日銀が買わなかったら。そういう状況になったときに財政がもつのかと。私は決して大丈夫だとは思わないんですけど、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) まず、重ねて申し上げますけれども、今言っておられる、使っている資料は全て内閣府の資料を使っておられますので、その種の御質問をされたら、内閣府の方をまず呼んでおかれないと話になりませんよ。私は、人の作った役所の話をいろいろできる立場にないことぐらい、それくらい御理解になっておられるでしょう。 それから、日本銀行の話をされておられますけど、日銀の話をまた財務省がという話もできませんので、日銀もさっきおられたときに聞かれるようにされれば、それくらいのことが普通の話だと思っておりますので、今の私どもの範囲で答えられる範囲は極めて限られていると思いますが。
○藤巻健史君 答えられる範囲がともかくとしても、人のことだっておっしゃいますけど、政府ですからね、やっぱり。 それは例えば、麻生大臣が学習院中等科第一組出たから二組のこと知らないよと言ったって、麻生大臣は学習院中等部卒なんですよ。これは同じ組織なんですから、同じ政府なんですから、内閣府と財務省というのは。その内閣府の資料についてどう思うかと私はお聞きしているわけで、これはほかの部署だからほかの人に聞いてくれと、それは無責任だと私は思いますけどね。 次に、これは財務大臣、じゃ、適切に聞けると思うんですけど、よく安倍首相と麻生大臣も、赤字国債を財源に社会保障の充実を行うような無責任なことはしないと、赤字国債を発行して社会保障の充実を行うような無責任なことはしないとおっしゃっていますけれども、財政法第四条で禁止されている、とんでもないと言われている赤字国債を今財務省は四百七十七兆円かな、二十六年度末、発行されているわけですよ。 これ、過去の自民党政権って無責任だったんですか、それは。それとも、最近になって無責任になったわけですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 我々は、二〇二〇年度のプライマリーバランス・ゼロというのを目指しておるわけですから、そのために赤字公債を起債せぬようにするには努力するのは当たり前でしょう。当たり前じゃないですか。少なくとも特例公債の増加原因というのは、平成二年というのは、これは赤字公債の脱却が成功していますわね、御記憶はあると思いますけれども。少なくともそれ以降の主要要因というのは、これは歳出面では主に高齢化の進行に伴う社会保障関係費の増加ですよ、これは。全部、ほぼ全額と言えると思いますね。 歳入面では、景気の悪化などによって税収が落ち込むということになっているので、歳出面の差がプラスは三百八十で、歳入面の増加はプラスの百四十兆ということになっておりますので、長期にわたって赤字が継続しているという国の財政、その大宗を占めておりますのは、これは間違いなく社会保障制度ですから、現状のままでは立ち行かないことはこれは明らかなんだと思っておりますよ、私どもとしては。そのためにまさに赤字国債を財源に社会保障を充実するといった無責任なことはすべきじゃないと申し上げておるんであります。 また、政権としては、今言われたようなことを踏まえまして、社会保障と税の一体改革ということを申し上げてきておりますので、歳入歳出両方から消費税の五%から八%への引上げとか、社会保障改革プログラムに基づいて重点化、効率化等々、歳出削減などをさせていただいて、二十五年度から二十七年度までの政権交代後は年間約五千億ということになっているんじゃありませんか。その前はずっと、その前の内閣は約一兆でしたから、そこが約五千億になったんじゃないんですか。 そういったことをやって、私どもとしては、少なくとも財政再生計画の枠組みの中で二〇二〇年度の黒字化を目指しておるということなんでありまして、これまでの赤字額、当時はなかったかって、そういった次元の話とは全然次元の違う話だと思っております。
○藤巻健史君 時間がないので、もうちょっと、せっかく星野局長いらっしゃるのでお聞きしたいんですけれども、よく消費税を上げるというと反対されまして、代わりに所得税を上げて富裕層からふんだくれというような議論をされる方いらっしゃるんですけど、これ、去年五月十四日の財政金融委員会で、三三%の限界税率、すなわち九百万円以上の税率を一%上げると約五百億円の増収になると。四〇とか四五%、その最高税率の方の限界税率を上げると、一%当たり四百億円の増収になるということをお聞きしました。 ですから、これ、やっぱり人数が少ないせいで、ここのところを一%上げたって所得税ってほとんど増えないわけですよね。例えば、三三%、九百万円以上のところ、それ以上のところは三〇%上げて六三%の税率取るぞとか、それから四〇とか四五%のところは七〇とか七五%所得税取るぞと言ったってこれ二兆七千億円ですよ、そんな過激なことをやっても。九百万円以上の人、みんな、普通のサラリーマンの方でもちょっと高い給料をもらう人たちが多いと思うんですけど、その人たちの所得税率を三三から六三に上げて、あと住民税の一〇があるから七三に上げたって、二兆七千億しか入らないわけですよ。 一方、五%以下、これ百九十五万円以下の限界税率を一%上げると、これは六千七百億円増収だ、一〇%上げれば六兆七千億円ですよ。ここを上げれば何とか税収増えるわけ。 何を言いたいかというと、消費税の代わりに富裕層の所得税率、最高税率を上げようとか、高いところ、九百万円以上の人の税率をぼおんと上げようといったって、それは代替にならない。もし本当に消費税の代替を考えるんだったらば、課税最低限を下げるとか、五%のところを上げるしかないんだと、それしかほかにないんだよと私は思うんですけど。どちらがいいかの選択であって、消費税上げるのは嫌だ、あとは他人のお金で何とか社会福祉をやってくれというのは無理だと私は思うんですけど、その理解は正しいかどうか、星野局長に。じゃ、大臣でも結構ですけれども、お願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) 日本維新の会の御意見ですか。
○藤巻健史君 いやいや、私のです。
○国務大臣(麻生太郎君) ああ、そうですか。 ここは維新の会の代表としてしゃべっておられるというふうにして私は聞いていますから、藤巻さんの個人の意見なんて何の、私らとしては、へえと参考にさせていただきますとしか答えようがないので、維新の会の代表という形で座っておられるんだと私は理解していますので、これまで真面目に答えてきましたけれども、今までのお話ですと、個人の御意見ですね、全て。
○藤巻健史君 いや、そういうわけでもないですけど。
○国務大臣(麻生太郎君) ああ、そう。じゃ、はっきりしてくださいよ。自分の都合のいいことだけ勝手に決めないで、きちっとしましょうや。お願いしますよ。
○藤巻健史君 それについては、別に投票に関しては党の意見にしますよ。でも、議員というのは、一応議員に質問権があるわけですから、別に質問しちゃいけないということはないと思うので、私は個人のところで聞いていることもかなりあります。 以上です。
○国務大臣(麻生太郎君) きちんと、これは個人の意見、これは共産党じゃなかった、維新の意見ときちっと区別、大門さんの意見なんか物すごく分かりやすいですよね。はっきりしていますわ。だから、はっきりしましょうや。そうしないと、こっちも答弁の仕方が、一々真面目に答えると、ああ、個人の意見ですかと、そうしたら全然話が違いますので、今後よろしくお願いします。
○藤巻健史君 いや、個人の意見だと真面目に答えないというのは、それは非常に問題あること、発言じゃないかと私は思いますですけどね。 じゃ、個人の意見としてお答えください、質問として……(発言する者あり)いや、個人の意見でさっきの所得税のことについて、代替があるのかどうかをお聞かせください。 これ、だって数字ですからね。私は別に意見を聞いているわけじゃなくて、数字を聞いているわけですから。だから星野局長でいいと言っているんですけど。
○国務大臣(麻生太郎君) 数字をずっと挙げていけば、それは全部は、税金を納めている人、納めていない人、そういうふうに話をして、納めていない人から全部一%取ります、全種類の人から一〇%ずつ取りますと言ったら、所得税も何もみんな要らなくなるぐらい税収というのは増えますので、払っていない方、生活保護の方、そういった方の数が多いので、今の数字としては今言っておられる数字の方を、低いところのを上げた方が、税率を、増えるって、それは当たり前の話じゃないですか、数が多いんだから。 それ、別に改めてこんなもったいない席で聞くほどの話じゃありません。どなたでも知っておられます。
○委員長(藤川政人君) 藤巻君、時間が超過しております。
○藤巻健史君 分かりました。じゃ、あとはまた後日ということで、よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○中山恭子君 日本のこころ、中山恭子でございます。 今日は非常に熱の入った議論が続いておりまして、大変興味深い時を過ごしているところでございます。 まず、消費税の引上げにつきましては、我が党は、昨年、非常に早い段階から延期を主張しておりました。そして、昨年、平成二十七年十一月四日には、政府に対して、経済の現状を踏まえた緊急措置として、消費税増税の再延期と財政出動を要請いたしました。 今回の法案につきましては、消費税引上げを三十か月延期し、平成三十一年十月一日に必ず引き上げると期限を固定した法改正になっております。私どもは、消費税増税が可能となる環境は、最低でもデフレ状態から完全に脱却していること、そして日本経済の成長力が明白に回復したと多くの方々に認識される状態、さらには一人当たりの個人所得の向上が明白に実感できるような状態になっていることが必要条件であると考えております。 平成二十六年四月一日に実施したその前のところは、消費税導入は当然必要なことであったと思いますが、四月一日に実施した消費税増税の、これはある意味では失敗と言ってもいいかもしれません。この失敗を繰り返すことのないよう、まずは経済成長を確保する、そのために異次元の積極的な財政政策を取ることであると考えております。 経済成長なくして財政再建なし、先ほどそれでは成り立たないのではないかという御意見もありました。もちろん、経済成長だけで再建が成り立つわけではありません。特に社会保障費、社会保障制度の抜本的な改革、これを多くの人々としっかり議論し、改革を進めていった上でのことでございますが、まずは経済成長がなければ財政再建は成り立たないとの考えに立っております。 大門先生がおっしゃいましたが、消費税の増税、引上げは、私ども延期することに反対はいたしませんが、延期というのが日付ではなく経済情勢によって判断すべきものであると考えておりますので、この点について一言、答弁が要るわけではありませんので、一言申し上げておきます。 さて、今日は、国有財産、特に国有地について質問したいと思っております。 申し上げるまでもございませんが、国有財産に関する仕事は財務省理財局、そして各地方に置かれております地方財務局、財務局の場合には都市の名前ではなく北海道財務局、東北財務局といった地域の名前が付いておりまして、その中でも大きな都市に局が置かれております。さらに、各県ごとに財務事務所が置かれており、財務局、財務事務所が国有財産、国有地について担当しているわけでございます。 資料をお手元に配付いたしました。国有財産の現在額というのが資料一でございます。 簡単に見ていただければ、分かりやすい図であると思っておりますが、国有財産の全額は百九・六兆円となっております。この中で、国有地、土地の内訳を見ていただけたらと思いますが、これは右側の表でございます。国有地の中で、行政財産が十二・七兆円、普通財産が約五兆円、四・九兆円。ただ、こういった普通財産の中でもほとんどは使用が確定しているものでございまして、未利用国有地というのが右側の表の下半分の辺りにありますが、〇・五兆円、五千億円だけでございます。 資料二で未利用国有地のストックの推移というのをお示し、これは財務省の資料でございますが、見ていただけると思います。 平成十五年ですから二〇〇三年のとき九千億円あった財産が平成二十六年には五千六百億円まで、まあ、一旦もっと減って、三千億円台から最近また増えて五千六百億円になっておりますが、この二〇〇三年のときには物納財産が増えたというようなことも一つの要因ではありますけれども、いずれにしましても、未利用の国有地のストックというものが極めて少ないものになっているということを読み取ることができます。 さらに、この未利用国有地に関しましては、財政再建が財務省の主要目的、私は、財政再建は目的化してはいけない、財政政策や金融政策、そして日本の経済情勢の結果として財政再建が成る、そういった形の財政政策を取っていくべきと考えておりますが、これまで財政再建が第一の目的であるということから、国有地につきましても、これは資産でありますのに売り払うこと、キャッシュを国庫に入れることがよしとされて、大きな国有地につきましても相当部分が売り払われてきております。国有地は、現在の私どもにとって、また現在の私ども国民にとってだけではなく、将来の国民にとって非常に貴重な財産であり、次世代のことも考えて、相当の国有地は保有しておく必要があると考えます。 国有地に対する需要は、社会情勢によって随分と変わってまいります。私自身、もう二十数年前、国有財産を担当しておりましたが、そのとき各地で最も需要がありましたのが子供用の遊園地でございました。ただ、現在は、それももちろん需要があると思いますが、どちらかというと、高齢化社会に合わせた施設のために使いたい、そういった需要があるわけで、国有地に対する需要の種類というのも時に合わせて変わってくる、経済情勢に、社会情勢によって変わってくるということでございます。 そのためにも、利用可能な土地、公共の用に適さない土地は別としても、利用可能な大切な土地は単純に売り払ってよいものであるとは考えておりません。普通財産の国有地については、国有財産の有効活用という観点に重点を置いて、社会、地域の現在の課題に加えて将来の課題に対しても対応できるよう、国有地の有効活用を図るという観点をしっかりと持って対応していただきたいと思いますが、財務省の御見解をお伺いいたします。
○副大臣(大塚拓君) 中山先生は、以前、財務省というか大蔵省当時の四国財務局長もお務めでおられたということで、また理財の仕事、財務局の仕事に光を当てた御質問をいただきましたこと、有り難く思っているところでございます。 御指摘のように、私も、何も売り払うばかりが能ではないというふうに思っておりまして、国有地、やっぱり価値をいかに最大化していくか。その場合の価値というのは、単に金銭的価値だけではなくて、市場に任せていてはなかなか実現できないところに手を差し伸べるのも国の仕事でありますので、そういう観点からも最大価値の活用の仕方というのを考えていくべきだろうというふうに考えておりまして、財務省としても、未利用の国有地については、一般競争入札によって売却するのみではなく、地域や社会のニーズに対応して貸付けを行うなど、有効活用にも取り組んでいるところでございます。 具体的には、保育施設や介護施設などの社会福祉施設について定期借地権による貸付けを進めているなどしているところでございますけれども、今後とも地域や社会のニーズに対応した国有地の有効活用に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○中山恭子君 そのようなお答えをいただけるということ、大変うれしいことと思っております。 今、少しお話がありましたけれども、現在も財務局、国有財産グループの中で待機児童の施設等のために国有地を使っていらっしゃるという話は伺っておりまして、今日、資料三、四、五と国有地の利用実績について資料を配付しておりますが、この点について財務省から御説明いただけますでしょうか。
○副大臣(大塚拓君) 待機児童解消、介護施設、社会福祉分野における国有地の活用実績についての資料を配付をいただいているわけでございますけれども、財務省においては、現在、一億総活躍社会の実現に向けて、保育、介護などの社会福祉分野等での国有地の有効活用を積極的に進めているということは先ほども申し上げたとおりでございますけれども、保育所や介護施設等の用地として国有地を売却するほかに、定期借地による貸付けも積極的に行ってきておりまして、実績を申し上げますと、平成二十二年度から二十七年度までで、保育所で七十九件、介護施設で四十三件、その他の施設で三十八件、これも社会福祉系の施設が多いわけでございますが、さらに、平成二十八年度十月末までの最新の数字でございますと、保育所十七件、介護施設七件、その他の施設で四件という形になっております。 今後とも、地域や社会のニーズに対応した国有地の有効活用に更に取り組んでまいりたいと考えておりますし、例えば保育・介護分野においても、その土地を保育所や介護施設単独で利用するばかりではなくて、その土地の容積率を最大限活用するために、保育・介護施設と他の施設との複合施設の用地として国有地を貸し付けるなどの個々の国有地の特性を踏まえた創意工夫も更に行ってまいりたいと考えているところでございます。
○中山恭子君 これ、財務省の資料でございますが、資料三、資料四、資料五、非常に分かりやすい表になっておりまして、待機児童、資料三ですけれども、解消のために国有地がどのように活用されたかと見ますと、合計で百十件各地で使われているということでございます。特区に基づくものもありますし、又は財務局や財務事務所からそれぞれの地方公共団体に対して国有地として所有している土地の情報を提供したりしながら、地方公共団体と一緒になって待機児童のための土地、それから介護施設の場合にはそこに建物が必要なものですから相当大きな土地が必要とされるわけでございますけれども、そういったことについて、なかなか私有地を買い取れるわけでもありませんし、こういった事柄に国有地が非常に有効に使われているということであろうかと思っております。 資料五には、社会福祉分野等における国有地の活用実績というものが挙げられております。売却して地方公共団体等が社会福祉分野で使った件数といいますのは、二十二年度から二十七年度までにかけて、国有地を売却して地方公共団体等が使ったものは百件ありますし、売り払うのではなくて定期借地という形を取って社会福祉分野で国有地が使われている件数というのは六十件、二十二年度から二十七年度で六十件あるわけでございます。特に、やはり売却も定期借地も両方とも保育関係が大きな部分を占めているということを読み取ることができます。こういった形で社会保障分野に現在国有地が有効に使われているということを多くの皆様にも、余り知られていないことかと思いますので、ちょっと説明しておきたいと思いました。 さらに、国有財産を扱っている財務局の職員たちというのが、ほかの国税グループとか税関グループとは少し雰囲気が違って非常に真面目で、生真面目と言っていいほど真面目で、しかもPRを一切しない。PRもしませんし、ただただ毎日こつこつこつこつと法律と照らしながら、またその土地を見て、非常に生真面目に働いている職員グループでございまして、以前は相当数いた職員数が、国税減らせない、税関も減らせないということで、この財務局、特に国有財産グループの職員というのを、文句も言わないものですから、大幅に全体の割合を背負って職員数が減っているというのが現状でございます。 そういった意味におきましても、今新しい動きでこの国有財産グループがそれぞれの地域の需要に応えようとして頑張っているという様子が見えますものですから、その点について財務省として御配慮いただきたい、又は国としても配慮すべき事柄ではないかと考えておりますが、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今のいわゆる理財局等々の話は、これは地方の財務事務所というか、行けばもう極めて一目瞭然、よく分かるところで、地方の国税局と理財局と大分、入っただけで雰囲気が違いますものね、あれ。私もそれは全く同じ意見であります。 ただ、いわゆる総定員の枠ではめてかなり人数を減らしてきたというのは事実でありますので、そういった中で減らされた大きな要素の中に理財局が入ったというのも、これまでの経緯を見ますと間違いない事実だと思いますが。 今言われましたように、これは結構大事なところでありまして、みんな、ストックで物を考えないで、フローでしか物を考えない人が多いものですから、そういう手合いがいっぱい増えてきているんだと思いますので、何となくそれが、でき上がった建物がアセット、資産として残っていくという感じではなくて、とにかくその建物を建てるコストが幾らと、そういった話しか関心が行かないという形になってきておりますので、国としての資産という発想をきちんと入れておかないといかぬなというのは、私もそう思っております。
○中山恭子君 もう一点、この財務局に絡むテーマでございますが、資料六、国に土地等を寄附したいと考えていますが可能でしょうかという質問がよくなされます。 これについてはどのように財務省としては対応なさるのでしょうか。
○副大臣(大塚拓君) 余り芳しい答えが出ない資料をお付けをいただいているわけでございますけれども、国への不動産の寄附については、一部例外ございます、自然公園の中での民有地を譲り受けるケースなど行政目的で使用する場合において寄附を認めているというケースがあるわけでございますけれども、こういう行政目的のために使用するぞということが、予定が特段ない不動産の寄附はいろいろ受け付けていないという状況になっているわけでございまして、御理解をいただければ有り難いというふうに思っております。
○中山恭子君 こういった質問が出てまいりますと、財務局としての答えというのは非常に明快でありまして、資料六に答えが、これはもう公表されている答えでございますからちょっと読んでみますと、国が国以外の方から土地等の寄附を受けることは、強制、行政措置の公正への疑惑等の弊害を伴うことがあるため、閣議決定によって原則として抑制しておりますというのが答えになっております。この閣議決定といいますのは、昭和二十三年一月三十日になされた閣議決定を指しておりまして、まだ占領下においてなされた閣議決定が今もそのまま財務局の土地の寄附は受けられないという形になっております。 この今の状況では、全国にいろんな問題が起きております。例えば、崖地が私有地であって、だけど、このように地震が多くなってきた場合、その崖地が崩れるかもしれない、だけど、私有地ではあるけれども、そこの手当てをすることというのは非常に困難で個人ではできない、こういったことを国が引き取ってもらえないだろうかというような要望なども出てきております。 もちろん、こういったものを引き取って国がじゃ管理費を予算として付けてくれるかというと、主計局から見れば絶対受けるなというのが答えとしては見えているわけでございますけれども、でも、国全体として、個人では対応し切れないような土地を国に是非管理を願いたいという依頼があったとき、私は受けていいのではないかと考えておりますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほど副大臣の申し上げたのを少々繰り返すことになるかもしれませんが、いわゆる行政目的がない土地ということになりますからね、今の場合には。そうすると、仮に国への不動産というのを簡単に認めたということになると、その不動産を取得した人はそれを管理する義務をしょいますので、少なくとも、何でしょうね、草がやたら生えたらちゃんと清掃せないかぬとか、そういったものに始まって、逆に言えば、財産的な価値がない不動産のみを国に寄附されるということになりますと、モラルハザードはどうだという話に多分なるんだと思いますけれども。 今言われましたように、維持管理のコストが増大するので、これ主計局としてはとてもじゃないねという話になるので、これは慎重に考えるところなんだと思うんですが、一方で、ちょっと考えておかないかぬのは、今言われましたように、そうですね、場所の名前を言うと具合が悪いですね、崖地としましょう。そういったところで、日本中によく落石の多いところというのは六百何十か所あるんですが、そのうちの三百何十件はあるところに固まっているところがあるんですが、そういったようなものなんというのを考えると、やっぱり国土の強靱化とかいうような話になっていくと、それは行政目的そのものじゃないですかということになりまして、これは地方公共団体と、それを所管しているのが、その長が一番詳しいんですけれども、よく連絡をしていろいろやっていかないかぬところだと思うので、少しずつやっているところもありますけれども。 いずれにいたしましても、今言われたような問題を考えて、これはお金の話と両方の話と重なってきますので、ちょっと一概に、私どもとしては全部ノーと申し上げているわけじゃありませんし、また実際問題として相続税で物納という例も例がないわけじゃありませんし、いろんな意味でこれは検討するところは多かろうと思います。
○中山恭子君 ありがとうございました。この続きはまた次の機会にも質疑させていただきたいと思っております。 ありがとうございました。
○委員長(藤川政人君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○白眞勲君 私は、民進党・新緑風会を代表いたしまして、政府提出のいわゆる消費税引上げ再延期法案に反対の立場で討論いたします。 反対する第一の理由は、消費税引上げの再延期について、政府はアベノミクスの失敗を認めず、世界経済のリスクを踏まえた新たな判断と責任を転嫁しているばかりか、国民との約束である社会保障の充実を先送りすることです。 安倍政権が発足してから四年間、アベノミクスによって景気回復を実感している国民はどれだけいるでしょうか。いわゆる三本の矢について、当初は円安、株高により一定の効果を認める向きもありますが、恩恵を受けたのは一部の大企業と資産家です。賃上げを前提に積極的な法人減税が行われましたが、最高益を上げた大企業は巨額の内部留保を積み上げるだけで、賃上げや設備投資には消極的です。これでは消費が低迷するのは当然です。 また、日銀の金融政策も極めて問題です。黒田総裁の下で積極的に推進された異次元金融緩和でありますが、デフレ脱却の出口は一向に見えません。それどころか、二年で二%と豪語した物価安定目標の達成は五回も先送りされているのにもかかわらず、黒田総裁は自らの責任を全く認めようともしません。金融政策の限界が近づく中で場当たり的な対策に終始しているだけでは、国民の将来への不安は募るばかりで、期待が高まるわけがありません。 このように、安倍政権が推し進めてきた経済財政金融政策によって、経済は好転せず、格差は拡大し、国民の生活はむしろ苦しくなりました。そして、今回の消費税引上げの再延期によって財政健全化の道のりはより険しいものとなってしまいました。こうした安倍政権の失政について、政府は責任を認めるべきであります。 アベノミクスの行き詰まりが明らかな状況の中で消費税率を引き上げれば、国民生活に混乱を招きかねません。このため、民進党は、今回の引上げを延期せざるを得ないものと判断しましたが、国民との約束である年金、医療、介護の充実と子育て支援などの社会保障の充実については、行政改革など、税金の無駄遣いをなくすことなどで財源を捻出し、消費税の引上げを待たずに予定どおり来年から実施すべきであります。 反対する第二の理由は、本法案は、低所得者対策として多くの問題を有している軽減税率の導入を前提にしたものであるということです。 軽減税率に対しては、国会の場で何度も主張してきたとおり、中小零細企業の事務負担を増加させ、対象の線引きに政治的な介入の可能性があるばかりか、高所得者優遇に働くため、低所得者対策として極めて欠陥の多い制度であります。 民進党は、飲食料品の購入費用に係る消費税負担額の一部を中低所得者に払い戻す給付付き税額控除の導入が最も有効な手段であると考えております。二年半延期するのであるならば、三党で合意したとおり、給付付き税額控除の導入について、改めて国民の目に見える場で検討すべきであります。 以上、主な反対の理由を申し上げましたが、民進党は、人への投資、公正な分配、格差の是正によって、一人一人の可能性が発揮できる環境を整え、暮らしを豊かにする経済の実現を目指し、今後も論戦を通じて安倍政権に対峙してまいります。 以上です。
○大門実紀史君 本法案に反対の討論を行います。 消費税は、大金持ちは別にして、庶民には一利もない税金であります。 第一に、消費税は増税するたびに景気を悪くしてきました。一言解説をいたしますと、九七年増税後、事実として個人消費が落ち込み、景気が悪くなりました。二〇一四年の五%から八%への増税後、通貨危機はどこにも起きていませんが、二〇一四年、二〇一五年と二年連続個人消費はマイナスであります。消費税が不況の全ての原因とは言いませんが、大きなマイナス要因になってきたのは事実であります。 第二に、消費税は逆進性があります。所得の低い人に手厚くする社会保障の財源を、所得の低い人に重い消費税で賄うこと自体自己矛盾であり、所得の再分配に反します。本法案は、こうした消費税を一旦延期しても、二〇一九年十月には必ず引き上げるという法案であり、容認できるものではありません。 税金は、苦しい庶民から取るのではなく、もうかっている大企業や大金持ちからもっともっと取るべきであります。今重要なことは、賃金の引上げです。アメリカは社会主義国ではありませんが、大幅な最低賃金の引上げに取り組んで景気を回復してまいりました。この点での政府の一層の努力を求め、反対討論といたします。
○藤巻健史君 日本維新の会の藤巻健史です。 私は、日本維新の会を代表して、日本維新の会の考え方として、ただいま議題になりました税制抜本改革法改正案について、反対の立場から討論いたします。 まず、我が党は、消費税引上げを期限を決めて実施することには明確に反対であります。 先日、我が党は、消費増税凍結法案を提出いたしました。この法案の内容は、消費税引上げのためには国会議員の身を切る改革、公務員人件費削減等の徹底行革、そして景気回復が必要であるというものです。内閣提出の法案は消費増税延期法案であり、我が党の法案は消費増税凍結法案です。延期とは期限を延ばすことで、凍結とは一旦決まったことの実行を差し控えることで、似て非なるものです。 内閣提出の延期法案は、消費税率を平成三十一年十月一日に一〇%に引き上げるというものです。我が党の凍結法案は、税率引上げは別に法律で定める日に行うとして、それがいつになるかは経済状況や国会議員の定数や歳費の削減、公務員人件費の削減等の成果によって決めるというものです。 この消費増税凍結法案は、日本維新の会の政策を反映したものです。我が党の政策は、まず身を切る改革と徹底行革、民営化を始めとする官から民への政策を推し進め、規制改革、規制緩和、地方分権、金融緩和、財政政策といったあらゆる手段で経済を活性化させて税収を上げ、それでも足りなければ消費税を増税するというものです。 これに対し、自民党や政権時代の民主党、現在の民進党の政策は、まず消費増税を行い、その他の政策はその後にするというものです。社会保障と税の一体改革でも、消費税率の引上げだけをまず決めて、社会保障充実政策の内容は後で決められたのです。 特に我が党が問題と考えるのは、議員定数の削減であります。議員定数の大幅削減は、自民党総裁と当時の民主党政権の総理大臣が党首討論の場で国民に約束したはずです。今年、ようやく衆議院で定数を十減らすのみと決まり、その際に我が党が要求した国会改革も実現していません。 消費税とその税率は、この国の税制の基本中の基本であります。その変更は本当に慎重に行うべきところ、何の努力もなしに引上げだけ決める、そのような法案には賛成できません。 以上の理由から、私ども日本維新の会は今回の税制改革法案には反対であります。
○委員長(藤川政人君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(藤川政人君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(藤川政人君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十九分散会