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192回国会参議院2016/11/10

国土交通委員会 第4号

発言数
227
登壇者
21
会派数
9
開催日
2016/11/10

会議録

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) ただいまから国土交通委員会を開会いたします。  理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に新妻秀規君を指名いたします。     ─────────────

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本日は、一橋大学名誉教授杉山武彦君、神戸大学大学院経営学研究科教授正司健一君及び慶應義塾大学名誉教授川村晃生君、以上三名の参考人に御出席をいただき、御意見を聴取し、質疑を行います。  この際、参考人の皆様に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多忙のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。  参考人の皆様から忌憚のない御意見を拝聴し、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。  それでは、議事の進め方について申し上げます。  まず、杉山参考人、正司参考人、川村参考人の順にお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答えいただきたいと存じます。  御発言の際は、挙手していただき、その都度、委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。  なお、参考人、質疑者共に御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず杉山参考人にお願いいたします。杉山参考人。

杉山武彦一橋大学名誉教授

○参考人(杉山武彦君) 杉山でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。  こういう機会をいただきましたこと、大変光栄なことでありまして、感謝を申し上げます。着席のまま失礼させていただきます。  本日の審議対象になっております法案は、リニア中央新幹線の整備促進、より具体的には名古屋―大阪間についての前倒し整備、その目的のために、手法として鉄道・運輸機構を通じて財投の貸付けを行うための改正と、こういうふうに理解をいたしております。  鉄道・運輸機構を介在させることでありますとか、あるいは貸付けの内容につきましていろいろの議論があるのだと考えておりますけれども、少なくとも、整備促進あるいは前倒しということに関しての是非の判断というのは、結局のところ、リニア中央新幹線そのものの是非の判断というところに依存するように思いますので、そこで、まず私は、リニア中央新幹線の意義というものについて、自分なりに、常識的な内容ではありますけれども、確認をさせていただきたいと考えてまいりました。  メモの一番目を見ていただきますと、私はここで三つくらいの視点からリニア中央新幹線の意義を肯定的に考えているものであります。それを述べさせていただきますが、その前に、私自身の交通、あるいは交通と運輸、それと経済との関係についての基本的な認識を簡単に述べさせていただきます。  人や物は何で移動するのかということですけれども、いわゆる位置の効用という言葉で説明をされますけれども、動くことによって価値が上がると、こういうことが大前提にございます。人の場合であれば、何らかの意思あるいは意図、それを満たすために動くわけでありますし、物の場合も、動かすことによってそこに価値が生ずる、あるいは価値が増えると、こういうことで物が動きます。したがいまして、人と物が活発に動くときには、人々の満足もそこで高まっているはずでありますし、物の付加価値も高まっているはずであります。そういうことで、モビリティー、動き回る力、これが向上するということと、経済活動が発展する、あるいは価値が創出されるということとは、基本的には連動する関係にあるものだというふうに考えてまいりました。  交通あるいは輸送手段の進化というのは、その連動関係を実現させていくための可能性を提供するものであって、交通の施設が提供されたから直ちに全てそれに付随していろいろな経済活動の活発化が起きるということでは必ずしもない、そこにはそれなりの努力が必要だということを最初に確認をさせていただきたいと思います。  そこで、リニア中央新幹線の意義でありますけれども、私は三点掲げてございます。  第一番目は、このリニア中央新幹線というのは、我が日本の国土の動脈、その質的、量的なグレードアップというものにつながるものであると、こういうことであります。  リニア中央新幹線の整備というのは、言うまでもなくその高速性というのが一番中心になりますけれども、高速性の向上を通じて東京―名古屋―大阪という国土軸におけるモビリティーの質を飛躍的に高める、そういう潜在力を持っているというふうに考えております。また、それが、我々が持っております社会的な財産である在来の東海道新幹線、これに更に付加されることによりまして、人や物が移動をするパイプが二重あるいは多重という観点から、質的な強化、量的な強化、その両方をもたらすものと考えることであります。  ついでながら、東海道新幹線につきましては今後いろいろな観点からリハビリが必要になりますけれども、それをつつがなく実施していくためにもリニア中央新幹線の整備というのが大変、選択肢の拡大、施工手順等々のやり方への便宜という点で大きな意味を持つものと考えます。  第二番目は、知識財生産など高付加価値産業へのシフトの支援と、こういうふうに表現をさせていただきました。  科学技術立国を目指す今後の日本にとりまして国力の源泉というのは何かということを考えますと、一般的に言われておりますように、革新的な知識、技術を基礎とした高度の資本財あるいはソフトウエア等の知識財、これを生産する産業というものが挙げられることになろうかと思います。  物財は工場で原材料がまとめられて生産されますけれども、知識財、ソフトウエアでありますとかコンテンツとかそういうものの場合には、原材料に当たるものは人々の知識、情報、アイデア、こういったものであります。工場に相当するものは、会議でありますとかコンファレンスでありますとかイベントでありますとか、要は人が集うところでございます。それらが結合するためには、国内外あるいは地域の内外、その人々の頻繁で密接な反復的な接触というのが不可欠でありまして、そのためには高速移動を支えるインフラの整備というのが重要性を持ってまいります。  三番目ですけれども、日本の科学技術と技術力の向上への波及効果という点も考えておく必要があると思います。  しばしば高速性の追求ということが批判をされますけれども、単に技術的に完成した高速交通手段でも、それが社会の装置として定着をしてくるには裾野の非常に広い関連技術あるいはシステム構築が通常は必要とされまして、その達成への広範な努力が日本のこれまでの産業の発展につながってきたという点を考えるべきであろうかと思います。リニア中央新幹線の場合にも、超電導の技術だけではなくて、磁気シールド、高速鉄道車両、運転制御、電力変換、あるいは高精度の土木技術等々を含んで、この実用化への努力、量産化への努力、そしてそれがもたらす低廉化というようなことが、直接リニア中央新幹線とは関係のない私たちの生活一般で使われるいろいろな製品への普及、活用ということも出てくると、こういうふうに考えております。  以上が私がリニア中央新幹線の整備の意義ということについて考えるときに思い浮かべる事柄であります。  そこで、以下、財投措置に関して、あるいは前倒しということについて若干のコメントを加えさせていただきます。  公的な支援をここで展開するということの論拠についてであります。  一般的に、交通運輸サービスの提供に伴いましては、付随的又は波及的な恩恵が広く社会に及びます。それは、直接の輸送サービスの利用者以外にも広く及ぶ、いわゆる外部経済ということが大変大きい。そういう認識が、古今東西を通じて、交通運輸のサービスが民間の活動として提供される場合にも公的な支援あるいは反対に規制ということが発動される背景を成してきたと考えます。  今申し上げたばかりのリニア中央新幹線の意義、これは広く社会に及ぶ、波及的な外部経済的な、そういう効果でありますから、したがって、そのリニアの意義を認める立場に立つ立場からは、外部経済というものを広く社会の中に行き渡らせるための視点から一定の支援が行われることはごく妥当であると、こういうふうに私は考えております。  続きまして、使途の適切性ということについても考えておく必要があろうかと存じます。  財投の資源というのは、これは一般の予算と違って機動性を持つ面もございますけれども、それにしても限度がございますから、それがリニア中央新幹線にも向けられるに際しては、本来であれば、他の使途に用いられた場合との比較を経たものであるということが望ましいと考えております。例えば、医療であるとか住宅であるとか福祉の分野、そういうような異分野にそのお金を使った場合とどちらがよいのかというような議論も本来はなければなりません。しかし、そういうことを真に厳密に進めることは一般的には困難でありまして、実際的な手続としては、このリニア中央新幹線の事業が費用便益分析と呼ばれているものをパスするということで一応理論上はその使途の適切性が保証されているというふうに認識をいたしております。  さらに、今回、財投措置が鉄道・運輸機構を通じて行われるものと考えられておりますけれども、そもそも鉄道・運輸機構は鉄道整備促進の支援を総合的かつ効率的に行うことを目的とする機関でございますので、この鉄道・運輸機構とそれから事業主体であるJR東海との間で適切な緊張関係、それぞれのコンプライアンス、ガバナンスということが十分に発揮をされてこの両者の間で緊張関係が構築をされる、こういうことを期待いたしたいと思います。それが公的支援の意義を確保することにもつながるというふうに考えております。  三番目の早期整備の促進についてでありますけれども、整備効果というものを早期に実現させるためには、なるべく工期が短いことは、これはもう当然に必要なことでありまして、前倒しの整備がその効果の早期実現の観点から望ましいということにつきましては、私はほぼ自明のことであるというふうに考えております。  それに加えまして、現在あるいは近年の社会状況を見ますと、自然災害が多発をしている状況の中で、リスク対応のサプライチェーン管理ということが多くの製造企業の間で喫緊の課題になっております。集中と分散というものについてどういう意思決定をするか、そのバランスに関しては、インフラ整備の進展というものが非常に重要な鍵になってまいります。意思決定主体に選択肢の多様化と安心感を与える、ひいては投資の促進に貢献をするという観点から、財投による早期整備の促進、これは望ましいことであると私は考えます。  最後に、東京一極集中ということがこのような場合によく議論の対象になりますので、その点について一言触れさせていただきたいと思います。  冒頭に述べましたように、モビリティーの向上というのはあくまでも可能性の提供でありまして、それぞれの地域においてその可能性の到来を現実の地方創生にどう結び付けるか、それをそれぞれに考えるということが非常に重要な側面であります。  国土の均衡ある発展ということが言われますけれども、その均衡ある発展というのは、どこもここも均等に整備をしていくということには現実にはならない。発展のための手法というのは常に選択的な投資として進められる。まずは、最も効率の高い、最も力のあるところ、それをトップランナーの育成という形で進めて、そしてそのトップランナーが周辺を牽引をしていく、そういう時間的経過の中で全体の発展を目指していくということが現実に取られてきた考え方であります。したがって、それは首都圏であれ中部圏であれ近畿圏であれ、今度はそのそれぞれの中での整備、発展のための投資についても同じことがそれぞれに言えることになろうかと思います。  いずれにいたしましても、ある投資が一時的に一極集中の方向に作用する懸念があるからといってモビリティーの向上そのものを疑問視するということは、言わば角を矯めて牛を殺すに等しいと、こういう考え方をいたしております。  以上が私の意見陳述の骨子でございます。ありがとうございました。

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) ありがとうございました。  次に、正司参考人にお願いいたします。正司参考人。

正司健一神戸大学大学院経営学研究科教授

○参考人(正司健一君) 神戸大学の正司です。  このような場を設けていただき、非常に光栄に思うとともに、緊張しております。また、お手元に資料等を配付できず、口頭での陳述になったことをお許しいただければと思います。  それでは、座ったままで恐縮ですが、私自身の意見を述べさせていただきたいと思います。  まず、ございましたこの法案に関して賛成ですか反対ですかと聞かれると、正司としては賛成、この考え方は前進であるというふうに思っておりますので、それが結論的な意見でございます。  その背景、いろいろなことがあって、その点はこの後御説明をさせていただきたいと思いますけれども、特に交通政策審議会の陸上交通分科会鉄道部会中央新幹線小委員会が中央新幹線の営業主体及び建設主体の指名及び整備計画の決定についてという答申を公表物として出されて、我々もそれを拝見することができます。  それを見てみますと、そこに載っている議論というのは、私自身、公表された資料の限りではありますけれども、非常にいろいろな角度から議論して詰められ、その結論として妥当であるというふうな結論を出されているというのは皆さん御案内のとおりでございます。  私自身も、この答申、資料を見れば細かな議論するべき点は多分あるんだろうとは思うんですけれども、ただ、大筋としては非常に納得性が高いものでありますので、その方向に従った議論、整備に関する話というのは特段大きな問題がないんではないかなというふうに考えています。それが一番の論拠でございます。  御案内のとおり、そこの附帯意見の中に、大阪までの早期開業の検討とか鉄道建設・運輸整備支援機構の活用といったことも出ておるわけですが、中でもその附帯意見のトップに載っております大阪までの早期開業の検討、これに資する方向での今回の法案と、前倒しという点なわけですけれども、そういう意味でもそれに資するものですから、この方向性はあるのかなと思っております。  もちろん、早期に大阪―東京間をつなぐという手法は、これ以外の手法も考えられると思います。一番極端な話では、国が全部造ってしまってJR東海に貸し与えて営業させるというのも手法としてはあり得るんだろうと思うんですが、この点については後で議論させていただきますが、我が国のこれまでの鉄道整備の在り方、この機構を使ったこういったシステムの有効性に鑑みて、今回の提案というのはうなずけるものが多いというふうに思っているところでございます。それが基本的なテーゼでございます。  そもそも東海道新幹線、開業当初は今のような運転間隔でもなかったですし、今のような正確性がなかなか当初は守れなかったというのは皆さん御案内のとおりだと思います。それが今のような姿になってきたというのは、鉄道関係者の誇りでもあるのかも分かりませんけれども、我々は日本にとっての誇りというふうな気もしております。  その技術力は高く評価されておりまして、新幹線そのものの輸出という形ではなっていないにせよ、それを支えている多様な技術が、品質の高い製造技術ないし品質の高いサービス、生産技術という形で我が国の経済に大きな効果を与えているというふうに私自身は思っております。その意味では、先ほど杉山参考人が技術の裾野の話をリニアに特化する形で御説明されておりましたが、そういう一つの要素技術だけではなく、全体のシステムとしても同じことが言えるんではないかなというふうに思っているわけです。そういった意味でも、こういった大きなプロジェクトというのは大きな意義があるんではないかなというふうに思っております。  そもそも御案内のとおり、このルート、中央新幹線ですけれども、それは御案内のとおり、全幹法上の整備を開始すべき新幹線鉄道の路線ということで一九七三年に議論の俎上にのり、それを受けて先ほどの小委員会の議論になったわけですけど、そういった形で、我が国にとって大切な路線であるということが位置付けられていた路線であることは言うまでもございません。  さらに、昨今よく言われておりますように、日本人の人口がこのままでは減少していくというか、もう減少が始まっているわけですが、その中で、社会インフラを始めとする国民の社会経済生活を支える基盤の整備を今後どうしていくのか、さらに、その基盤の更新をやっていくだけの体力が我が国にどこまであるのかというのが大きな議論になっていると思います。そういったときに、まだ相対的には、より今の生活レベルを上げる向上の施策は常に打ち続けないといけないと思うんですけど、それに貢献する一つとして、この中央リニア新幹線というのは十分価値のあるプロジェクトであろうというふうに私自身は考えております。  例えば、EUが、今またイギリスの離脱も出ていろいろ議論になっておりますが、全体一体となってEUとして大きな経済圏をつくろうというときに、トランスヨーロッパというプロジェクトがEUの中で大きく取り上げられたわけであります。今もそれは続いているんですが、それは何なのかというと、EU内の交通インフラ、港湾とか道路も入るんですが、そこに高速鉄道も入っておりまして、それをEU全体としてしっかり整備していこうという構想が出て、各国政府並びにEU政府が協力しながらその整備を進めているといった話がございます。  このように、各国交通インフラは経済力を高めるためだけでなく、その地域全体の人々の生活水準の向上に大きな価値があると認めて整備を進めているわけです。そういう意味では、我が国でも一九七〇年代からその必要性の議論がされていて、それなりに国の議論として位置付けは得ているプロジェクトとしては、これを進めるということは当然意義があるものというふうに私自身は考えております。  実は私、留学生なんかをよく教えているんですけど、留学生が日本に来て、いつも質問されて説明をするんですけれども、それは何なのかというと、何で日本には、空港とか道路の整備プロジェクトというのが過去の歴史を見ているとあるんですけど、鉄道ってないんですねという質問を受けるんですね。確かに留学生の言うとおりで、全国規模で鉄道をどう整備していくとか、都市圏内で鉄道をどう整備していくという構想図はあるんですけど、それを実際に手法をもってどう進めるかという意味での計画というのがない国というふうになっております。  交通社会インフラの中で鉄道の持つ価値というのは否定する必要は全くないと思いますので、その意味で日本のやり方というのはちょっと特殊なので、これは後で御説明しますが、それはそれなりにいいところもあるんだという説明を留学生にするんですが、その中で留学生に言うのは、昔は、昔というのは第二次世界大戦の前の頃ですけど、その頃にはあったんだけど、それでちょっといろいろ問題があったんだという説明をし、一方で、新幹線鉄道に関してはこういった議論があって、国でしっかりと造るという議論がされていると、そういうわけで、鉄道の中でも国として考えないといけないものとそうでないものを切り分けているんだという説明を彼らにしております。そんな意味でも、中央新幹線部分をこういった形で進めるというのはロジックが十分に立つというふうに思っているわけです。  先ほど申し上げた、日本では欧米に比べると政府が表に出てこない、政府が税金を鉄道に多くを投入しないというスタンスを取っていることに関してなんですけれども、そもそも鉄道だけではないんですが、公共交通整備に関しては、運輸収入というか利用者からの収入をメーンで整備を進めるという考え方と、社会インフラとして国が税金等を使って基本的に整備するんだという考え方、このどちらに多くを依存するのかというのが、昔からこの二つの考え方があると思います。これは、どっちがいい悪いじゃなくて、その二つの考え方があるという意味でございます。  御案内のとおり、日本は利用者負担をメーンに考える形であります。これは、鉄道のように運輸収入の形になっているケースもありますし、高速道路料金ということで利用者料金という形になっている形もありますが、それをメーンにしております。それに比べて、欧米はどちらかといえば税金を使っているケースということがございます。  これは、日本のやり方は、そうすると利用者収入が上がらないところはなかなか整備が進まないという難点を抱えることになりますし、逆にヨーロッパのやり方は、整備は進むんだけどそれは利用者のニーズに合っているのかという議論がそこに出てくるという問題点がございます。  そして日本も、その中で、利用者収入だけではすぐ整備できない、でも、地域社会ないしは日本全体として必要なものは公的な措置をとるという形でいろいろ整備をしてきたということは御案内のとおりでございます。ヨーロッパも、全く今度は話が逆になりまして、政府が進めるだけではどうしても、どうしてもという言い方は良くないですね、時になかなか利用者ニーズに対応した形で進まないので、そこをするためにマーケットの判断というのをどういった形で政府がインフラを造るところに入れるのかというところで苦労されているというところがございます。  これが先ほどの機構を使った、財投を使った形でやるというシステムの話につながるわけなんですけど、日本の場合は、政府が直接やるというヨーロッパ的なやり方の問題点を意識したときに、今まででも、新幹線、さらには交通局を始め公的なセクターの強い鉄道だけではなくて、民間鉄道事業者に対してもこの機構を使った形の融資という形で公的な支援をして、それがそれなりにこれまでうまく機能してきたということはございます。その意味でも、このパターンを使っての前倒しというのは納得できるかなというふうに思っているところでございます。  ただ、最後に、これは交通を研究している者として、今後の課題で、この法案に対してではないんですけれども、今回こういう措置のおかげで前倒しになったということになるんですけれども、前倒しといっても、名古屋までと大阪までの開業の間は十年の差、違いが出てくるということがございます。社会インフラとしては名古屋で止まるよりも大阪までつないだ方が大きいというのはこういういろんな報告書に出ているとおりで、正司もそのとおりだと思っているので、この点はもう少し何か別の議論があってもいいんではないかなというふうに実は感じております。  さりとて、ヨーロッパの二の舞を、日本が後から追いかけることはないので、ヨーロッパのやり方をそのまま輸入すればできるという話ではないと思いますが、鉄道というのは道路や港湾と同じように五十年、百年後も使う我々の社会にとっての大切なインフラとなる交通システムだと思いますので、それを民間の鉄道事業者の力とその判断力をうまく生かしながら日本全体としてその整備を進める、ないし維持を進める、更新を進める枠組みというのを別途議論をしてもいいんではないかなというふうに思っております。これは少し法案とは違うお話ですので、そんなところを私の研究をやっていると思います。  そもそも、古くは五街道の時代からと言ってもいいのかも分かりませんけど、杉山参考人もおっしゃっておられましたが、交通と町、地域の発展というのは密接な関係にございました。私、神戸から来ておりますが、元々、東海道本線は大阪止まりじゃなくて神戸までつながっていたわけですが、いろんな理由があったんだと思うんですが、その中の一つには、神戸港という、世界というかアジアに向けての大きな港があったということもあったんだと思います。そういう意味では、このリニアというのは一つの区間を結ぶ話ですので、これをうまく日本全体としてどう生かすのかという議論も併せて考えていく必要があるのではないかなと思っております。  非常に雑駁な、資料もなしの意見陳述で恐縮ですけれども、正司からはここまででございます。ありがとうございました。

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) ありがとうございました。  次に、川村参考人にお願いいたします。川村参考人。

川村晃生慶應義塾大学名誉教授

○参考人(川村晃生君) 川村でございます。本日はお招きいただきまして、ありがとうございました。  私は、一九九七年に山梨でリニアの実験線の開始がありまして、それ以後、私自身、山梨県甲府市に居住しながら、リニアに非常に関心を持ってきました。その中で、結局、私はリニアに否定的な立場を取らざるを得なくなりましたが、私はリニアとの関係でいえば二つの立場から関係を持ってまいりました。  一つは、研究者としてのリニアに対する考えです。これは、私は人文学系の人間ですので、人間にとってリニアとは何かという立場から基本的に物を考えてまいりました。調査室の方で御用意いただいたこの冊子の一番後ろに私のリニア関連の論文が二本出ています。一つは景観の問題、もう一つは文明論としてのリニアという、スピードというものが人間にとってどういう影響をもたらすかということを論じたものですが、今日はそこまで踏み込んでお話しする時間がありません。ただ、そういう立場からだけでは不十分ですので、技術的な問題や、それから社会経済的な問題、様々な観点を自分の頭の中に入れながら、リニアについての否定的論理の構築に努めてまいりました。  もう一つの立場は、市民運動家としての立場です。市民運動として私の意図をパフォーマンスするために市民運動家でもあるわけですが、そこで沿線住民の地域の人々と連携しながら、あるいは数多くの現場を歩きながら、リニアはやはりやめた方がいいという結論に至っております。  今日は、そういう観点から、私が今まで抱いてきた疑問点をまず申し上げ、それによって結局この財投は中止した方がいいという意見に立ち至るものだと考えています。  リニアには多くの疑問点があります。今お手元にお配りしました「リニア中央新幹線は疑問がいっぱい」という、これは私が市民運動の中で多くの皆様にリニアの問題点を知っていただくために作ったパンフレットです。一項目を除いて私が全て執筆したものですから、おおむね私の意見の反映だというふうに考えていただいていいと思いますが、幾つかの問題をちょっと摘記してお話ししますと、まず三ページにエネルギーの問題があります。  JR東海の発表でも、大体、在来の東海道新幹線の三・五倍くらい、研究者によっては四倍から五倍というふうに計算する方もおられます。問題は、これだけのエネルギーを使っても東海道新幹線の倍のスピードは出ないんですね。簡単に言うと、例えば、よく燃費の悪い車について道路にガソリンをまきながら行くものだという比喩がありますが、同様に、リニアはエネルギーを軌道上にまきながら無駄遣いしていくものだ、こういう輸送機関が二十一世紀の環境問題を抱える地球の未来にとって望ましいものかどうかということの検討がまず第一に必要であろうと思います。恐らく、これが世界に輸出されれば、世界中に原発を造らねばならないような状況に立ち至る。そういう社会が、未来の世代に対して私たちが手渡すべき社会としてふさわしいのかどうかという点がまず第一にあります。  それから、事故が起こったときのリスクの問題が余り検討されておりません。一千人もの人間を乗せたリニアが、例えば南アルプス山中で事故を起こして停止して外に出るというときに果たして可能かどうかという問題です。  先般、青函トンネルで事故が起こりました。あの事故は、百四十人の乗客でしたが、午後五時十五分に事故が発生し、五時五十分に脱出が始まり、百四十人の脱出が完了したのが夜中の十一時です。一千人の乗客がいて土かぶり千四百メートルの南アルプスの山中で事故を起こして止まったときに、果たして老若男女あるいは病人を含めて安全に無事に外に出せるのかどうかというふうな検討がこれはなされておりません。  とりわけ、近年地震があちこちで多発し、中央構造線、糸静構造線をまたぐ極めて危険な乗り物としてリニアがあります。そういうものが、事故が起こったときに一体乗客の安全は保証されるのであろうかという問題も十分に検討されていません。  それから、三番目に、四ページにリニアの採算の問題があります。  これは数多く議論されていますので私が今更申し上げるまでもありませんが、人口減少を加えていえば、恐らくリニアはペイしない。JR東海の山田当時社長がおっしゃられたようにペイしないだろうというふうに思いますので、まずその点からもリニアについては否定的にならざるを得ないと思います。  それから、五番目の自然破壊の問題です。これも十分に検討されておりません。  そこに写真がありますけれども、これはリニア実験線の笛吹市の御坂町というところの現場写真ですが、僅か数キロメートルのトンネルを掘っただけでこれだけの異常な増水、出水が起こっております。一方で、完全な沢がれが起こっております。水がめともいうべき南アルプスにトンネルを掘れば、これ約二十五キロ、全体を合わせると三十五キロのトンネルになりますが、水がめに穴を空けるわけですから、とてもこのようなレベルの出水や水がれでは収まらないであろうと。もしそうなれば、周りの住民の生活及び生態系に極めて深刻な事態をもたらすに違いないというふうに思っております。  それからもう一つは、八六%がトンネルでありますから、極めて多量の残土が出ます。この残土処理についてほとんどまだ予定が立っておりません。おおむね二五%ぐらいしか残土処理の予定が立っておりません。一体残土をどこに捨てるのかと。本来なら、トンネルを掘るのであれば、残土を捨てるところを決めてからトンネルを掘り始めるべきだというふうに思うわけです。このように様々な問題が残されています。  八ページの写真を見ていただければ有り難いですが、右側の写真は山梨実験線によって埋め立てられた谷筋であります。ここに百六十万立方メートルの土が運び出されました。ここを山梨県は何とか土地利用をしようとしていろいろ画策したのでありますけれども、現在に至っても使い道がありません。言わば塩漬けの土地になっております。こうした水がれ、それから残土の問題、こういうものが八六%のトンネル掘削によってあちこちで多分これから起きてくるであろうというふうに指摘せざるを得ないのであります。  もう一つ問題は、こうした重要な様々な問題点を抱えながらアセスが十分ではなかった。識者の多くが、史上最悪のアセスだ、こんなアセスは見たことがないと。何せ二百六十八キロのアセスを僅か三年間でやるのですから、無理があるに決まっています。私が長い間関わっている地域高規格道路は僅か十五キロに七年掛けています。二百六十八キロを三年でやるなんというのは無理です。  私は、一番最初のJR東海の説明会のときに、これは無理だということを申し上げました。ところが、JR東海は、法に従ってやるだけですと言ったにすぎません。つまり、法に従ってやりさえすればあとはいいのだというのがJR東海の本音であろうというふうに思います。  地下水にしても、南アルプスの周辺の井戸水を僅か十二か所調べているだけです。これによって一体何が分かるのかということを私は国土交通省の行政者に質問しました。何も答えてくれませんでした。黙っていただけです。こうした非常に乱暴なアセスの中でこの大規模開発事業が行われるということ自体に私たちは警告を発しなければならないというふうに思っています。  国交大臣意見に、多岐にわたる分野での影響が懸念されており、本事業の実施に当たっては、環境保全に十分な配慮が必要であるというのが環境大臣の意見を踏まえての国交大臣意見に出ていますが、およそそれとは非常に程遠い実態が現在進んでいるということです。  それから、住民の問題をお話ししておかなければなりません。  JR東海は、度々住民説明会を各地で行いました。しかし、住民の説明会という名前の割には、住民の意見を聞くという態度は非常に希薄です。時間が来れば、約二時間三十分JR東海の説明がありますが、残された一時間半が住民の質問時間になります。私も手を挙げて質問しましたけれども、質問時間一時間半が終わると、何人挙手していようと打ち切ります。これで本日の住民説明会は終わります、再質問はできません。私が質問して、相手のJR東海の答えがこれではおかしいんじゃないかと思っても、二度と質問できない。こういう住民説明会が説明会として繰り返される。  先般、長野県の大鹿村で住民に対する説明会がありましたけれども、地区の説明会に別の地区の人をオブザーバーで聞かせてほしいと区長が要望したにもかかわらず、拒否されました。JR東海はそういう方針は取っておりませんと。説明会は住民のためのものですから、JR東海のためのものではありませんから、住民の意向をできるだけ酌んで、住民の意向に対して真摯に応えるというのが説明会としてあるべき姿だと思います。  これに対しても、国交大臣意見書は、十一ページですね、JR東海が地域住民に対し丁寧に説明し、情報公開の下に透明性の確保に努めるようにとの指示が記されている。およそこの指示とは懸け離れた住民への説明がなされています。住民の不満は渦巻いております。これが後に裁判に行き着いていく、行政認可の取消し訴訟の行政訴訟に行き着いていくわけですけれども、こうした住民の不満が渦巻いているということだけは御存じおきいただきたいというふうに思います。  どうもこういうふうな議論がそっちのけにされて、インフラの問題、経済性の問題だけでこのリニアの問題が議論されている。この場もそうです。こうした議論は一体本当にこれでいいのだろうかと思います。経済性やインフラだけに特化した議論は、私に言わせれば空疎でいびつで貧しいものだというふうに思います。  こういうふうな状況に立ち至った元々は、恐らく国交省が設置した交通政策審議会鉄道部会の答申だろうと思います。是非二ページを開いていただきたいと思います。下から六行目、「鉄道審議会の答申は」というところを読みます。「新幹線は安全性、信頼性、省エネ性、速達性、ネットワーク性、定時性、建設費用等の点では優れているが、リニアの方が高速性の点で優れているのでリニアの方が適当である」。  私は長い間文学の研究に携わってまいりましたけれども、これは日本語の文章として成立しておりません。私がこの文章をいろんな市民集会でお話ししますと、会場からどっと笑い声が起こります。なぜなら、こんな文章は日本語ではないと思っているからです。この文章を正しく日本語で言うとすれば、新幹線は安全性、信頼性云々、建設費用の点で優れているが、リニアの方は高速性の点でしか優れていないので新幹線を採用すべきであると、こういう文章でないと日本語として成立しないのであります。  そう考えると、私には思い当たることがあります。それは、全ての審議はリニアを造るということを前提になされてきたのではないかということです。この答申にしろ、アセスのやり方、住民の説明を聞こうとしない住民説明会、こういうものは全て全体のスケジュールが決まっていて、最終的には二〇二七年の東京―名古屋間の開業ですが、それを前提にしてスケジュールを組まれているために、先ほど言いましたようにJR東海が答えたと、法に従ってやると。法に従ってやれば、造ることを前提としてやってもいいのだというふうな考え方がその底に流れているのではないかというふうに思います。  こういうやり方をしていると、過剰な需要を見込んでオーケーだという結論が出るに決まっているわけです。私は、全ての問題をこの国会の場で議論していただきたい。先般の衆議院の委員会で、ある委員がこういうことを言っています。私は、このリニアの議論は……

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) 川村参考人、申合せの時間が参っておりますので、御意見をおまとめください。

川村晃生慶應義塾大学名誉教授

○参考人(川村晃生君) はい。  このリニアの議論は、リニアをやるかやらないかという議論じゃない、これはやるんだ、やってこの国の将来をしっかりつくっていくんだというものだと思います。これは議論の放棄です。国会という場は行政機関の追認機関ではありませんから、当然、国会は国会としての議論をすべきだというふうに思います。  その上で、財投するかどうかという議論に移っていただきたい。私はその部分の議論が不十分であるので、したがって、私はこの財投融資というものは反対です。  以上です。

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

足立敏之自由民主党

○足立敏之君 自由民主党の足立敏之でございます。  本日は、杉山先生、正司先生、川村先生には貴重な御意見を承りまして、誠にありがとうございました。  私は、参議院の新人でございまして、今回、委員会で初めての質問になります。増子委員長、そして酒井理事を始め理事の皆様方にチャンスを与えていただきまして、心から御礼を申し上げたいというふうに思います。  それでは、質問をさせていただきます。  私は二年前まで国土交通省で勤務をしておりました。その関係もありまして、リニアにも一度試乗させていただいております。時速五百キロも経験させていただきましたけれども、本当にスムーズで、近未来というのを感じるような、私にとりましては夢のような、わくわくするようなプロジェクトでございました。  私は小学校の五年生のときに初めて東海道新幹線に乗りました。開業から半年後でございましたけれども、そのときの感動、ここにいらっしゃる方々でもお持ちの方いらっしゃるかもしれませんが、忘れることはできません。とてもきれいな流線形のあの車体、そして内装もすばらしかったですし、やはりそれだけではなくて、長大橋だとかトンネルだとか高架橋、様々な当時の最新技術を使って日本をつないでいるという、そういったことについて大きな感動を与えていただきました。今回、リニア中央新幹線が開業すると、現代の子供たちにも、車両の技術だけではなくて、土木技術、建築技術を含めた世界最新鋭の技術として大きな感動を与えることができるんではないかというふうに思っております。  私は、正司先生と同様、また関西の出身でございまして、東京―名古屋の開業から十八年遅れて名古屋―大阪が開業するという現在の予定につきましては残念に思っている一人でございます。  国土交通省では、二〇五〇年の日本の将来を見据えた国土のグランドデザインというのを、長期ビジョンを二〇一四年に策定をいたしております。私も国土交通省で一部その策定に関わらせていただきましたけれども、先ほど杉山先生から国土の均衡ある発展のためのトップランナーの育成というお話がございましたけれども、国土のグランドデザインの中で、日本が国際競争力を持って発展していくため、東京、名古屋、大阪の三大都市圏を一時間以内で有機的に結んで一体的な圏域として捉えるスーパーメガリージョンという考え方が打ち出されております。日本が世界をリードしていくためにも、リニア中央新幹線、とりわけ名古屋―大阪間をできるだけ早く整備するということは、その考え方を実現するためには不可欠であります。  しかし、先日の予算委員会での野党の先生方の御発言を聞いていますと、リニアは経済効果が乏しく財政を借金漬けにするもの、リニアのための財投発行は国の借金を莫大に増やすものなど、本当かなというふうに思うような御発言もございました。  そこで、先生方に御質問をさせていただきたいと思います。  リニアの経済効果についてでございますけれども、私は、リニア中央新幹線、名古屋―大阪間の八年前倒し整備というものは、関西のみならず日本全体にとってとても大きな経済効果があるのではないかというふうに思っておりますけれども、先生方の御見解を伺わせていただきたいというふうに思います。  まず、杉山先生にお伺いいたします。

杉山武彦一橋大学名誉教授

○参考人(杉山武彦君) まず、最後にお聞きくださいました名古屋―大阪の件ですが、この種の事柄、どれくらいの経済効果が出てくるかというのは、いろいろな計算方法、また前提の置き方もあって、一つ一つの数値に絶対の信頼を置けるというものではないと思いますけれども、しかし、既に報告をされていますように、国土形成計画について、国土交通省が調査の一環としてその試算をなさっておられるようでありまして、それは、大阪が開業されている場合とされていない場合とについて、ある時点で一体国民全体での生産額がどれくらい違ってくるか、そういう数字から我々は一応の信頼を、絶対的だとは申しませんけれども、一応の信頼を置きながら眺めるということになりますけれども、そういう数値を見ますと、やはり関西圏から西あるいは東京圏からまた東、北、こういうところとの連動関係も含めて大きな経済効果があるという認識は正しいものだというふうに私は思います。  取りあえず以上でございます。

足立敏之自由民主党

○足立敏之君 引き続きまして、正司先生にもお伺いしたいというふうに思います。

正司健一神戸大学大学院経営学研究科教授

○参考人(正司健一君) 基本は先ほど杉山参考人がおっしゃったとおりではないかと私も思っていますが、元々、その利用者効果と言われているのと、間接効果といって利用者以外の地域、国土全体に与える影響と二分して昔から議論はされています。  今御質問の経済効果はその後者の方のイメージだというふうに思ってお答えするわけですけど、以前ですと、この間接効果をつかまえるのはなかなか大変で、その把握については慎重さを要するという議論があったんですけれども、これに関して、応用一般均衡分析等の分析手法も進み、日本だけではなく各国もこれをどう捉えるのかの研究が進んでおります。今般の審議会ではその分析結果も公表されておりまして、その結果からも出ている点を見れば、大きな効果があるという結論自体は信頼に足るものというふうに思っています。  蛇足ですが、例えば名神高速道路が名古屋で止まっているのを東京まで伸ばすという議論のときに同じことがあるのかなと思ったときに、今までの日本の国の経済の在り方の中で、名古屋で止まることのロスも考えないといけないのかなというふうに思ったりもしております。  以上です。

川村晃生慶應義塾大学名誉教授

○参考人(川村晃生君) この問題は、これまでの高速道路ないし高速鉄道の在り方を見れば分かると思います。  つまり、大都市は経済効果があると思います。しかし、それに反して地方都市は衰退していくだろうと。これまで、例えば上越新幹線でいいますと、長岡のような中間駅はどんどんどんどん人口が減っていっていますし、経済効果が上がっていない。地域によって多分異なるのだろうと思います。その結果どうなるかというと、中央だけが栄えて地方が衰退するという、こういう社会が実現するだろうと考えています。

足立敏之自由民主党

○足立敏之君 ありがとうございました。  私自身は、やはり大きな経済効果が期待されるというふうに思っております。  続きまして、杉山先生にお伺いしたいんですけれども、今回の法改正と少し離れますけれども、このリニア中央新幹線の技術、これは世界でも画期的な最新鋭の技術で、日本での実績を生かして、是非世界各国でこの日本の独自の技術を活用していただきたい、そういうふうに私は願っております。日本の技術の中には、例えば土木、建築などの分野でも、高速道路やダムの建設、再生、エコタウン、環境調和型住宅、様々、世界をリードする優れた技術がございます。こうした技術は海外でも大いに評価されており、海外展開が実現しております。  リニア技術につきましては、先ほど正司先生から全体システムとして優れているんだというお話があったかと思いますけれども、日本固有の技術として極めて優れていて、積極的に海外展開を図るべきというふうに私は考えております。海外展開の可能性について杉山先生の御見解を伺わせていただきたいというふうに思っております。

杉山武彦一橋大学名誉教授

○参考人(杉山武彦君) ありがとうございます。  常々私思うことは、例えば個人の生活でのアナロジーからいいますと、自分が自分の生きている世界の中で自分なりの特色を持ち、人からある程度の敬意を持って接して、こちらも敬意を持って接する、そういうような状況がやはり望ましい。そのためには、自分として何かを持っていなければいけないと思います。それをアナロジーとして日本全体について考えますと、国際社会でやはり日本という国が肩身の狭い思いをしないで、日本独自のいろいろなものを持って行動しているという状況が望ましいものだというふうに考えております。  そういう意味でいいますと、やはりこの今私たちが直面しているリニア中央新幹線というようなモデル、これは大変貴重なものであって、先ほど来、川村参考人が大変重要なお話をなさいました。私は、その論点の一つ一つ、大変重要なものであって、これは国民全体が真摯に考えなければならない問題かと思いますけれども、しかし、私は、例えば技術評価委員会で、そこでなされている本当に真摯な議論、それから、昔、宮崎の実験線で、私、その頃から試乗をいたしましたけれども、大変なクエンチ現象というんでしょうか、がたんがたんがたんというような、もうそんな程度のものが、今は見違えるばかりの技術の水準に達しておる。そういう技術関係のいろんな努力というものを総合して考えますと、日本は沿線自治体と力を合わせて、日本がそういう景観であるとか安全であるとかそういうことにきちんとした手当てをしながら、なおリニア新幹線というものを実現させていくということが、国際社会で更に日本の発言力あるいは信頼の確保、そういうものにつながるものだと思っておりますし、このリニア新幹線のモデルというのは海外でも十分に活用してもらえるものだというふうに思っております。  以上でございます。

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) 足立敏之君、時間が参っております。

足立敏之自由民主党

○足立敏之君 はい、分かりました。  この法律の成立によりまして、リニア中央新幹線、一日も早く東京と大阪が直結されて、日本再生の大きな原動力となることを願っております。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。

野田国義民進党・新緑風会

○野田国義君 民進党の野田国義でございます。  三人の参考人の先生方、今日は本当にお忙しい中、ありがとうございました。私からも心から感謝を申し上げたいと思います。  それで、まず杉山参考人の方にお聞きしたいと思いますが、昨日ですね、御承知のとおり、アメリカの大統領、番狂わせと言ってもいいと思いますけれども、トランプさんが勝利をしたということでございまして、この理由としては、アメリカの国民の不満が爆発したということが一つに挙げられるかと思います。その不満の原因として、グローバリズムあるいは新自由主義を訴えたこれまでやってきたことが、ある意味では米国国民がノーと言ったということも言えるかと思います。  そういう中で、日本のこれからの経済のかじ取りも恐らくかなり影響してくるかなと、そういうことを今日改めて感じているところでございますけれども、そういう中にあって、今回のリニア中央新幹線の問題、当然これは経済的な効果を期待をしての今回の提案であろうと思っているところでございます。  それで、プラスの面、いろいろと杉山先生から言っていただきました。先ほどは川村先生の方からいろいろな問題点も提起がなされたところでございますけれども、強いてマイナスの面、いわゆる影の面を挙げればどういう面を心配なさっているのか。  それと、私、平成五年から十六年間市長をやらせてもらいましたけれども、ちょうどバブルがはじけて、その後、公共工事公共工事という形での経済対策が政府によってなされました。しかしながら、結果として経済対策にはならなかったというような過去の歴史を実体験として経験をしてきました。それで、公共工事によっての経済対策に本当になり得るのか、その辺りのところを併せてお聞きできればと思います。  この二点について、杉山先生、よろしくお願いいたします。

杉山武彦一橋大学名誉教授

○参考人(杉山武彦君) 私自身の基本的な考え方というのは、冒頭に説明させていただきましたように、ある種のプロジェクトをやるときに、プラスもあればマイナスも必ずある、そのマイナスの面に対して、現在でいえば国、自治体、事業主体、そういうものが本当に力を合わせてここを克服しながら成し遂げるという、そういうスタンスでありますので、今非常に具合の悪い点をとおっしゃれば、それは、先ほどまさに川村先生おっしゃったようないろいろな点がまだまだ山積している点だと思います。しかし、それを私たちは克服しなければいけないと、こういうスタンスで物事を考えております。  それから、公共工事というものの効果でありますけれども、これは、例えば一九六〇年代から日本には高速交通、新幹線でありますとか高速道路であるとか、そういうものの到来がございました。そこから先の私どもの社会の変化というのは、もう皆様方も思い起こしていただけることだと思いますけれども、業務活動も大きく変わりましたし、レジャーの旅行のパターンも大きく変わりました。また、企業の立地、そしてネットワークの築き方、そういうものも大きく変わりました。そして、結果として産業集積というようなものも、あるところにはでき、あるところは廃れてというような都市の盛衰というようなことも起きたわけです。  極めて交通のインフラがもたらす影響というのは長期的なものであって、交通インフラが人々のニーズをまず満たし、その満たされたニーズがまた新しいニーズを生んで次の交通手段の整備につながっていく、そういう順繰りの関係、これがずっと続きながら、その中で日本は今までたどり着いてきているんだというのが私の認識でございます。ですから、短い期間を見てあれは効果がなかったあったというのは、実は余りそのように即断はできないものではないかというふうに考えるのが私の考え方でございます。  以上でございます。

野田国義民進党・新緑風会

○野田国義君 どうもありがとうございました。  私も、しっかりそういったマイナスの面、いわゆる影の面を克服しながら夢に向かって努力をしていくということが大切なことではないかなと、そのように思っているところでございます。今後ともよろしくお願いいたします。  それから、正司先生の方にお聞きしたいと思いますが、もうお話の中にも出ておりますように、関西圏の方に今いらっしゃるということでございますけれども、これが六十七分でつなぐようになるんですかね。そうしますと、本当に大きく人の移動、物の移動というものが変わると思うんですね。そういう中にあって、関西圏が今ちょっと元気がないんじゃないかということが言われながら、どうかしていかなくてはいけないというようなことで皆さんが頑張っておられるわけでありますけれども、この関西圏のプラスと申しますか、その辺りのところを、このリニアでつなぐことによって、もう一度しっかり述べていただければ有り難いと思います。

正司健一神戸大学大学院経営学研究科教授

○参考人(正司健一君) 関西圏、元気がないとよく言われて、何でですかと聞かれるんですけれども、人口の伸び、それから本社機能の東京ないしはアジアへの移転という、そういうことを抱えているのは事実でございます。  そんな中で、もちろん万能薬ではないですけれども、やっぱり交通インフラがしっかりして便利な地域になっているかどうかというのは一つの大きな要素かと思います。御案内のとおり、つい五年ほど前まではなかなか飛行機が来ないと言っていた関西空港も、今はLCCがたくさん来て、ターミナルも次々造らないといけないというような形で、使えるインフラが使えるパワーのある地域にあると、ああいった形で活用されていくということになります。そういった意味では、決して鉄道だけではないですけれども、こういった交通インフラは、システムがあるとその後それをどうやって使えるのかとみんなが頭をひねれるわけですので、非常に大きな価値があるのではないかなと思っています。  ただ、一点だけお気を付けいただきたいのは、この中央新幹線構想はあくまで人の移動だけですので、物の移動の方のシステムには、交通インフラとしてはこれだけで変わるわけではございませんので、本当は経済はそれに情報を合わせたセットで考えないといけませんので、こういうものをどう生かせばいいのかというのは多方面で考える必要があるんじゃないかなというふうに考えております。  以上です。

野田国義民進党・新緑風会

○野田国義君 どうもありがとうございました。  それでは最後に、川村先生になりますけれども、いろいろ影の部分というか、これからの課題を多く言っていただいたわけでありますけれども、確かにそういった課題を私はしっかりクリアした中でこのリニアをしっかり日本国として活用をしていくということが大切なことだと思っております。  それで、川村先生、マイナスだけじゃなくてプラスも、これ当然、先生がいろいろ長年にわたって携わっておられる中で一つや二つはあろうかと思いますけれども、その辺りのところを是非とも教えていただければ、感じておることをお願いしたいと思いますが。

川村晃生慶應義塾大学名誉教授

○参考人(川村晃生君) 強いて一つ挙げるとすれば、早く行けるという、それだけのことだと思います。それが何をもたらすかということについては別の議論をしなければいけないと思っています。  私がこの調査室のこれの一番最後に書きましたものを読んでいただければ分かりますけれども、もうそろそろ今の文明のレベルは人間のレベルを超えているんじゃないか、行き過ぎた文明と私は言っていますけれども、人間の身の丈を超えているんじゃないかと。一体どこまで人間の身の丈を超えて文明を進めていくのかという議論もないわけですね。私たちの時間というものは心臓のリズムによって決められますから、その心臓のリズムを超えるようなスピードが果たして人間に幸福をもたらすのかどうか、つまり速くなるということは本当に人間を幸せに導くのかどうかという根本的な議論が本来はされなければいけないのだろうというふうに思っています。

野田国義民進党・新緑風会

○野田国義君 どうもありがとうございました。終わります。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 三名の参考人の先生、本当にありがとうございました。  私は、まず杉山先生にお伺いをしたいと思います。  資料の二枚目に、財投の措置の評価の三点目の論点として緊張関係の構築と挙げられています。今回、財投措置が鉄運機構を通じて行われるので、事業者のJRとの間に適切な緊張関係が構築されて、それが公的支援の意義の確保の担保につながることを期待したいとありました。  先生、このときにそれぞれのコンプライアンス、ガバナンスがしっかり構築されることというふうにおっしゃいました。この理想的な関わり方、また、このコンプライアンス、ガバナンス、どのような姿を想定されているのかというのをもうちょっと詳しく教えていただければと思います。

杉山武彦一橋大学名誉教授

○参考人(杉山武彦君) 鉄道・運輸機構の場合には、これまで、冒頭にも申し上げましたけれども、鉄道整備促進の支援、これをともかく本務として行っている、そして補助事業等も実施をしているために、工事ですとか工程管理とかということに関しては大変なそこに知見が蓄積をされておるわけであります。したがって、今回、そういう主体から財投機関として事業主体であるJR東海が支援を受ける場合に、工事の進め方、またいろいろその細部で起きる多くの問題、そういうものを、融資した側がまたいろいろ知識があるわけでありますから、そこはそれを十分に活用しながらチェック、モニタリングをしていただきたいと思います。  一方、今までは、鉄道・運輸機構もまた一定の使命を帯びて、工事の早期終了とかそういうことが非常に強く義務感として持たれるがために、場合によってはそのモニタリングが少し望ましくない方向にというようなこともなかったわけではないというふうに理解をしております。そこのところをそれぞれが本来どうあるべきかということを考えて、そして緊張関係を保つという、そういう意味で書かせていただきました。  以上であります。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 ありがとうございました。  続きまして、これは杉山先生と正司先生お二人にお伺いをしたいんですけれども、お二人の参考人の先生から技術についての言及がありました。先ほど足立先生から海外展開についての質問がありましたけれども、私は、例えば超電導の技術、磁気シールドの技術とか、あと高精度な土木技術、杉山先生が言及をされましたが、このような個別の技術をどのようにして海外展開ではなくて国内の産業界などに展開をしていくのか、どのようにしてスピンオフ効果を促していくのか、何かお知恵があれば両先生からお話を伺いたいと思います。

杉山武彦一橋大学名誉教授

○参考人(杉山武彦君) ありがとうございます。  今の御質問に関しては、私は余り具体的にこれまで考えたことはございませんので、本当に思い浮かぶ程度のことしか申し上げられませんけれども、例えば東海道新幹線、在来の新幹線鉄道のシステムが出てきましたときに、触れさせていただいたとおり、いきなり技術的に完成したからといってそれが社会的な装置として確立をするわけではない、そこでは切符の販売でありますとかあるいは運行に支障が生じたときの相互の連絡の取り方であるとか、いろいろな面での個別の技術を全部総合して一つのシステムにしなければならなかった。  そのそれぞれシステムというのは、どこかの製造業の工場でも使えるものであるし、大学の中でも役立つものであるものと、そういうものがいろいろあるわけでありますので、それは、いきなり新幹線の方からスタートして、こういうことにも使える、こういうことにも使えるといったわけでは多分ないんだろうと。それぞれの立場が新しく使えるようになった技術を見ながら自分のところに使えるのではないかという努力を重ねた成果だと思っております。  ですから、今回についてもそういうことで、具体的に私はこれはこういうところにということを申し上げることは、申し訳ありません、できないのですけれども、そういう同じパターンの発展というのはあり得ることであろうというふうに考えます。  以上です。

正司健一神戸大学大学院経営学研究科教授

○参考人(正司健一君) 正司も技術開発の専門家ではないのですが、学内でイノベーションを考える研究科、大学院をつくったときにそのメンバーと議論をしていた話なんですけど、鉄道というのは、よく言われるとおり、要素技術を組み合わせてシステムを作り上げているので、多様な要素技術の発展に貢献すると、それは御質問の中にもあったとおりでございます。  その要素技術なんですけど、技術というのはどれも富士山のような独立峰のようにでき上がっているわけではなくて、日本アルプスのように連山になっているというか、下がしっかりしてどんどん大きくなるといろんな高い山ができるという形になるんだと。したがって、それもいろんな、今までは全然違う分野の、例えば科学系の人が物流の分野の人と話す、そんなことでまた新しい、新結合で新しい技術が生まれるということがあるというふうに伺っています。  そういう意味では、個々の技術、パテントの問題はしっかりと守りながらでは当然ありますけれども、この技術をいろんな分野の方々が関わることでその裾野はどんどん広がっていくのではないかと、それは別に日本国内で閉じてしまうという発想では良くないと思いますので、世界の企業と仲間になりながらやっていくことが大きな効果を生むのではないかなというふうに想像しております。  以上です。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 ありがとうございます。  東京一極集中の懸念について伺いたいと思います。この点については川村先生から大変厳しい御指摘もありました。杉山先生の資料の三枚目に、四番目の論点として東京一極集中の懸念についてという論点が掲げられています。この先生の御意見では、トップランナーの育成とそれによる周囲の牽引を時間的経過の中で目指すことが現実の形態となるというふうにあります。  ただ、やはり、私も特に名古屋、私、名古屋が活動のエリアなんですけれども、相当東京に本社機能とか移転するんじゃないかとか、そういう懸念も持っていますし、また中間駅、これが本当にどの程度ストロー現象を回避して発展できるのかというのはちょっと心配なところもございます。  先生がおっしゃるトップランナーの育成とそれによる周囲の牽引を時間的経過の中で目指すというのはどういう具体的な姿なのか、もうちょっと詳しく教えていただければと思います。

杉山武彦一橋大学名誉教授

○参考人(杉山武彦君) 私がこの文言を記述しましたときに頭の中にありましたものは、日本の一九六〇年代の全総、全国総合開発計画、これは新全総、それから二から五次までございました。いずれも、あるところまで行くと世の中がどんどん変わっていくので、次々に新しく作り替える形で五次まで続いたと思います。  その過程の中で、一番最初に考えられた拠点開発方式でありますとかプロジェクト方式、そういうものは、何よりもまず日本のベルト地帯というところに目を向けて、それが、まずそこを充実させることが日本全体の発展につながると、こういう考え方で始まったと思います。それはある程度、これは統計データ等からも見て取れると思いますけれども、一定の成功があったというふうに思います。それはやはり日本全体に、ばらまき的という言葉がいいのかどうか分かりませんけれども、薄く広く投資をしてもなかなか早期にその効果が発現をしない。そこで、ベルト地帯、日本でいち早く発展の兆しを持っていたところに目を付けて、そこの強化を図る、スピルオーバー効果という言葉を使うんだと思いますけれども、それが周辺に及ぶ、そのプロセスを通じて日本は発展をしてきたというふうに認識をしております。  その場合に、私は、基本的な考え方として申し上げましたように、そのスピルオーバー効果が及ぶと言ったのですけれども、それは逆に、ストロー効果という言葉も今日も出てきておりますけれども、そういう恩恵をうまく活用することに失敗した地域もある、うまく活用した地域もある。そこはそれぞれ交通インフラなりいろいろな社会資本が整備されていくときの対応に、企業、行政、市民、そういうものの力が問われるのであって、そこは様々なケースがあり得ると。  しかし、やはり現実の世の中は、均等に薄く広く何かを手当てをするのではなくて、核になるところを先に手掛けて、その力を活用しながら効果を早く発現してもらって、それを還流させる形で実行してきたのが現実の姿ではないかと、こういう意味で書かせていただきました。  以上でございます。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 ありがとうございました。終わります。

山添拓日本共産党

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。本日は、三名の参考人の皆さん、ありがとうございました。  私からは、川村参考人にまず御質問をしたいと思います。  川村参考人自身、山梨にお住まいということで、実験線の状況についてもお見知りおきだということなのですが、そしてまた残土の問題やあるいは水がれの問題など、既に起こっている点を御紹介いただきましたけれども、そうした点以外に、実験線で今実験が行われているその中で、例えば騒音やあるいは振動、日照の問題、景観の問題など、住民の皆さんの中で出されている声など、御存じのことについてお聞かせいただければと思います。

川村晃生慶應義塾大学名誉教授

○参考人(川村晃生君) 実験線がほとんどトンネルとそれから高架を繰り返しながら現在運転しているわけですが、トンネルの場合は微気圧波という、トンネルに入るときにどんという大きな音が起こる。これはかなり、以前から見れば小さくはなっているようですけれども、まだ解消されていない問題です。  それから、騒音と日照の問題ですが、度々、居住の民家の直上に高架が通ってしまったお宅をお訪ねするんですけれども、現在は時折実験線が動くだけですから、そのときうるさいと思うことはあるようですけれども、これから営業線になって、一時間に往復十本ないし十二本、現在三両ですが、これが十両、十二両、長い車両になりますと、ほとんどひっきりなしに自分の家の上を大きな騒音を伴ってリニアが通過するということで、恐らくかなり神経的に、精神的にダメージを被ることは間違いないだろうと思います。  それから、高架の場合は同時に日照の問題がありまして、そのお宅は、大体今頃、十一月の半ば頃から一月の半ばくらいまで一切日が部屋の中に入りません。もう冬の寒いときに全く日の当たらない家で、御夫婦が二人でその家で過ごさねばならない、補償は僅かな灯油代が三十年に限って出るだけであると。これで涙をのんで、最後まで頑張ったんですけれども、了解してしまった。一時は奥様が円形脱毛症になるというふうな事態も起こっておりまして。  これは山梨の場合ですと、これからの実験線から更に延伸する営業線がほとんど高架です。山梨県中央市、山梨県南アルプス市それから富士川町、全て民家が密集しているところの上を通りますので、二十メートルから三十メートルの高架が通りますので、住民の被害は想像を絶するものがこれから起こるだろうというふうに思っています。

山添拓日本共産党

○山添拓君 実験線はまだ四十キロ程度ですので、それが更に広がっていくということかと思います。  引き続き川村参考人に伺いますが、リニアの工事認可に対して五千名以上の方がその処分の取消しを求めて異議申立てをされると。今年五月には七百三十八名の方が取消し訴訟を裁判を提起されたということで、川村参考人も工事認可の処分取消しを求める裁判の原告だということで、今日資料も配られておりますが、なぜこの裁判に立ち上がろうと御自身はお考えになったのか、お聞かせいただけないでしょうか。

川村晃生慶應義塾大学名誉教授

○参考人(川村晃生君) 一つは、先ほど来述べている様々な被害が発生している、その被害が発生してもなおかつこのリニアが必要なのだという合理的説明が一切ないんですね。あなた方の生活、あなた方の暮らしを犠牲にしてもこれが必要なんですよという説明が住民に一切なされていない、これが一つです。  それから、私たち直接住民ではありませんけれども、一般市民にとっても、例えば南アルプスのような極めて原自然が日本でも手付かずで残っているところになぜトンネルを掘って、水を抜かせて、生態系、自然環境を壊してまでこれが必要なのかという合理的説明がないんですね。しかも、なされたアセスは極めて不十分、ずさんなものであると。  こういう、住民と一般市民の様々な不満が重なり重なって五千四十八筆の異議申立書になり、そしてその結果七百名を超える原告団を結成しての訴訟になったのだと思います。  この間のことを振り返って申し上げますと、意見陳述書というのを皆様のお手元に配らせていただきました。これは今日の意見陳述ではありませんで、九月二十三日に東京地裁に七百余名の原告が、第一回口頭弁論に際して私が原告を代表して意見陳述したもの、その意見陳述書ですので、これをお読みいただければ分かりますけれども、こういうふうな様々な矛盾を抱えながら着工に至ってしまう、これは極めて不幸なことであります。少なくとも住民の合意、納得だけは得なければならない。それから、エコパークに指定された南アルプスがひょっとすると次のステップでは取消しになる可能性すら含んでいる。  そういうことを含めて、本来なら住民に対して丁寧に説明し、そして一般市民も納得できるように、国民的議論の中でこのリニアが必要かどうかということが議論されねばならないだろうと思っているわけですけれども、それが一切ないまま、私の言葉で言うと、非常に傲慢かつ不誠実な態度でJR東海が事業を進めてきた、そのことに対する住民の不満が爆発しているのだというふうに思っています。  恐らく、これから裁判の過程で、今日申し上げたような様々なJR東海の横暴的な仕方というものが法廷の場で暴かれていくことになると思いますが、そのことに期待して私はこの裁判に踏み切ったというふうに考えています。

山添拓日本共産党

○山添拓君 そうして造られようとしているリニアは、東京―大阪を一時間余りで結ぶと、そして人口七千万人のメガロポリスをつくろうと、地方創生回廊をつくるんだというふうに言われています。  これも川村参考人にお聞きしたいんですが、そこで目指されている、描かれている社会というものはどういうものになるのか。人の働き方や、あるいは物の考え方、どういうそこに問題点があるとお考えなのか、御紹介いただけないでしょうか。

川村晃生慶應義塾大学名誉教授

○参考人(川村晃生君) 私は、地域に根差した生活がなくなるというふうに思っています。例えば、名古屋から四十分で東京に行ける、それは、現実的問題でいえば、高尾から東京駅に出勤するよりも早いわけですね。現実的には旅費の問題とかいろいろありますからそれは可能ではないかもしれませんけれども、目指されているメガロポリスの問題というのはそういう社会だろうと思います。  そうなると、名古屋は名古屋でなくなります。名古屋は東京の一部になるはずです。これは、今までの大都市の形成過程を考えていると、明治時代に武蔵野というところがあった、それが全て東京の中に包摂されていく。同じような繰り返しで拡大再生産がこれまで行われてきたわけですから、リニアができれば地域がなくなる、そういう社会ができ上がっていくだろうと思っています。

山添拓日本共産党

○山添拓君 最後に、杉山参考人、そして正司参考人に伺いたいと思っております。  お二人とも、今回の財政投融資の投入について、公的支援という言葉で紹介をされました。どういう意味で支援というふうにお言葉をお使いか、また、この財投の投入によってJR東海にはどのような効果があるというふうにお考えか、お聞かせいただけないでしょうか。

杉山武彦一橋大学名誉教授

○参考人(杉山武彦君) 今回の事柄に関しましてはいろいろな議論があって、これが経営の支援ではないかとか、それから、言わば補助ということに相当するのではないかと、そういう議論がたくさんあったと思います。それは、そういうふうに呼べばそういう色合いがあることは否めないと思っております。  しかしながら、冒頭に私述べましたように、ある事柄がそのこと自体を超えて広く社会全体に外部経済をもたらすということがはっきりしているときに、その外部経済を促進させるために公的な立場から一定の支援を与えるということは認められてしかるべきだと申し上げたのが私の考え方であったわけで、まさにそういう意味での支援であって、それは相手方をただ何も根拠がないのに助けるという意味ではなくて、先ほどの一種の経済学的な理屈に基づいての促進策と、こういうふうに理解をしております。

正司健一神戸大学大学院経営学研究科教授

○参考人(正司健一君) 理屈の面は杉山参考人とよく似た論理ですので、今回の場合は、あくまでJR東海が企業として判断した投資計画の一部を前倒しにするために使うという形で、企業全体としての投資の事業判断の影響を与えているわけではないわけですね、早くなるという部分だけですね。その意味では非常に限定的な形で、そしてお互いの持分をちゃんと守った形での措置であるというふうに判断しております。  以上です。

山添拓日本共産党

○山添拓君 三名の参考人の皆さん、今日は本当にありがとうございました。  質問を終わります。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 お三方の参考人の先生方には、今日は大変お忙しい中、御足労いただきましてありがとうございます。御礼を申し上げます。  早速でありますけれども、杉山先生と正司先生にまずお尋ねをいたしますが、専門が交通経済学ということでありますので、先生も御承知のとおり、日本の人口は二〇六〇年で八千万人台になると、このようなことを言われております。そういう中で、このリニアという、そして今後の鉄道の行政の在り方、今は一億二千万、三千万人と言われておりますけれども、五十年後のことを見たときに、専門家としてこれからの鉄軌道の行政の在り方についてどうお考えなのか、お聞かせをいただきたいなというふうに思います。

杉山武彦一橋大学名誉教授

○参考人(杉山武彦君) ありがとうございます。  私自身は鉄道行政というものの必ずしも、交通経済もなかなか範囲が広いものですから、完全にそこのところは、これは正司先生御専門でいらっしゃいますけれども。  私、今後日本が予想している人口減、そういう状況の中で、今まで国でどういう議論が行われてきたかというと、それぞれの地域においても、例えばコンパクトシティーというような考え方、そしてコンパクトネスというか、コンパクト・プラス・ネットワークと、こういう考え方になっている。  国土全体を有効に使うためには、やはり分散ということをいつも考えなければいけませんし、その分散してしかる後に交流せよというのが一つの命題であろうと思っています。分散して、しかし活発な国土利用というものを今までどおりに考えていくためには、やはりそこを結ぶ基本的なネット、交通ネットワーク、移動のためのネットワークというのがどうしても必要であろうというふうに思っております。ですから、人口が減っていくから鉄道についてその有用性が薄まるというふうには考えていないというのが私の基本的な立場でございます。  取りあえず以上でございます。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 正司先生、私も兵庫県の尼崎なんですが、神戸大学にはよく友人もおりまして出入りさせていただいております。  そこで、先生が交通経営、都市交通論ということで専門的に研究をされておられるということで、今、杉山先生に御質問をいたしました、五十年後は八千万人台になる日本の状況と、そしてもう一点、冒頭に正司先生が御説明、気が付いたことで、外国の留学生からよく日本の鉄道の行政について質問を受けるんだということを少し御説明されておりましたけれども、私もちょっと聞き取りにくいところがございましたので、その部分と、二点お話をいただければなというふうに思います。

正司健一神戸大学大学院経営学研究科教授

○参考人(正司健一君) 御質問ありがとうございます。  八千万人の件ですが、日本人の人口が現在の予測でそういう規模にこのままではなるというのは皆さん御承知の話で、それで日本の全体の社会経済活動がどのようになるのかというのは非常に大きな問題だと思います。その中で交通が、だったら交通網を明治時代のレベルに落として皆さんそういうふうに我慢しましょうという話では多分ないんだろうと思います。その中でできるだけ高質な生活を、それで効率的な経済活動できるような交通システムはどうあるべきかという議論をますますやらないといけなくなるんではないかなと思っています。  御案内のとおり、交通政策基本法もでき、今まで、冒頭申し上げましたとおり、利用者負担原則、民間企業に公共交通の全運営を基本的に委ねてきた我が国も、少し政策の取り方、考え方について方向転換が始まっているところですので、その方向の上で考える必要性があるんじゃないかなというふうに思っています。  交通だけで全てが解決するわけではないですけど、交通システムが便利で、またそこに選択肢があることが大切だと私自身は思っていますけど、そういった形になることが、経済面だけではなくて、いわゆる社会的疎外と呼ばれている問題とか、健康面とか生活の質にもプラスの効果があるというふうに考えておりますし、これは別に私が個人で思っているわけではなくて、この交通政策分野、さらにヨーロッパや世界各国の交通政策でそういった議論がされて、サステーナブルトランスポートとかインテグレーテッドトランスポートというのが共通したキーワードになっているというのはその辺りかなというふうに思っています。  留学生たちの疑問というのは、やはり日本が、やっぱり彼らは昔からのモデルを持っていて、人口密度を思うと、神戸大に来ているのも東アジアからの留学生が多いので、ヨーロッパの人口密度と違うものですから、やっぱり日本のシステム、そこには交通全体のシステムがどういうふうに発展してどういうふうに運営しているのか、税金をさほど入れずにうまく運営しているのはどうしてなのかということを彼らは勉強したいといって、私の研究室なんかにはそういうので来ている者が多いですから、そういう形で話したときに、そこで出る議論が、これも冒頭申し上げましたが、政府の役割、そして政府といったときに国と地方と両方あるんですが、その役割と事業者の判断というのをどう折り合わせるのか。事業者の判断というのはやっぱり市場を見ているので物すごくいい面もあるけど、一方で政府の判断も当然合理的なところがある。ただ、一方で、どちらも問題がある。  その役割分担をどうするのかといったときに、日本のモデルというのがヨーロッパのモデルと全く違うので、その間で彼ら、彼女らとしては、いいシステム、両方のいいところを、どうやったらつくれるのかという研究を彼らはしようとしていて、もちろんまだ答えは全然ないんですけれども、そういう議論をしているのでちょっと御紹介したと。そういう留学生たちが必ず最初にする質問がそこだったものですから。  彼らは、要するに、発展しようと思ったら必ず、日本の鉄道建設も、第二次世界大戦後までしっかりとこういう順番で造っていくとか、私鉄沿線の開発するのでもちゃんと計画があってやったんでしょうと思い込んで来て、来たら違ったというところから出るみたいであります。  以上です。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 今おっしゃいましたけれども、ヨーロッパ系の留学生の方ですか。

正司健一神戸大学大学院経営学研究科教授

○参考人(正司健一君) ヨーロッパからは少なくて、ヨーロッパからも来ておりますが、今の質問は留学生みんなするんですけど、どこが多いかといったら、私が受け持っているのは東アジアからの留学生の方が非常に多いです。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 最後に、川村先生にお聞きをいたしますが、豊かな生活を求めるその裏で何を犠牲にしているのか、環境破壊、地球の崩壊、人類の滅亡を意味すると。私、この言葉、非常に気に入っておりまして、原発をフェードアウト、スピーディーなフェードアウトしていかなくちゃいけないと。日本の国には活断層が二千五百も走っておると。今回のリニアが走るのは、地雷の上を走っているんじゃないのかなという、そういう危険性もあるんじゃないのかなというふうな思いもしておるわけでありますけれども、一方、中国の台頭、いろんな世界全体的なことを考えると、非常にそのはざまに入りながら私も悩んでいるというか両板挟みになっているところでありますけれども。  この法案については私は前向きな姿勢でおるわけでありますけれども、先生の言葉、一言一句、もう人間の身の丈を超えているんじゃないかというこの言葉は非常に身に刺さるというか、つまされる思いでありまして、先生のそのお考えの中で、私も阪神・淡路大震災の直接の被災者でありますので、日本の土木技術、建設技術は世界に冠たるものだということをしょっちゅう私も口にしているんですけれども、トンネルが八六%、国交省は七〇%、これは大阪との延伸のことも含めて言っておると思うんですけれども、どうなんでしょうかね、これ。トンネルというのは、阪神・淡路大震災のような活断層のずれたことであれだけの阪神高速道路の支柱が折れるという現実を私、もうこのそばで見てきた男でありますから、トンネルがそういうものに耐えられるのか、先生、御研究されているのかなと思いますので、ちょっとお聞きしたいと思うんですけれども。

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) 川村参考人、なお時間が参っておりますので、簡潔にお願い申し上げたいと思います。

川村晃生慶應義塾大学名誉教授

○参考人(川村晃生君) はい。  私の専門分野ではありませんけれども、こういうことに詳しい方たちとの話の間では、これからの活断層のずれを含めての問題を考えると、とても耐えられないであろうと。しかも、赤石山脈、南アルプスは、年間四ミリメートル隆起しております、毎年ですね。この隆起に果たしてトンネル自体が耐えられるかどうかということすら問題になっている。それを、あたかもトンネルが通って便利になるんだというだけの議論が進んでいることに私は非常に警戒をしなければいけないと思っています。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 終わります。

青木愛希望の会(自由・社民)

○青木愛君 希望の会(自由・社民)の青木愛と申します。  本日は、三名の参考人の先生方に貴重な御意見と、また貴重な資料をいただきまして、誠にありがとうございます。  それでは、質問をさせていただきます。  そもそものこのリニア計画の是非の判断ということで質問させていただきますけれども、今回JR東海が進めていますリニア中央新幹線は今のところ低温超電導のリニアと聞いておりまして、実はこのリニア技術というのが一九六〇年代の古い技術だというふうに聞いております。かつてはアメリカが二年間ほど技術研究をしておりますけれども、物にならないという判断で早々に断念をしております。また、リニアに前向きで日本と同じように実験線まで建設をしたドイツにおきましても、確実な需要が見込めない、ほかの路線とのネットワーク性がないという理由で、二〇〇〇年にベルリン―ハンブルク間の計画を国会が中止をしたという事実もございます。  日本においては、今「もんじゅ」の見直しにようやく着手をしたという状況もある中で、今政府が予測している経済効果につきましても疑問を抱いているところでございます。人口減少もございますし、あるいは他のIT技術などの飛躍的な発展などもあって、立体テレビやバーチャルリアリティー技術の発展なども目覚ましいものがございます。平成四十九年ですか、予定ですと大阪開業ということですが、予定どおりにいくとは思いませんけれども、その間に様々な科学技術の別の分野の発展もあって、この経済効果が政府あるいはJR東海が予測しているとおりにはならないのではないかというふうに思っております。  先ほど川村先生から様々な視点からのリスクについてはお伺いをしたところでございますので、杉山先生、そして正司先生に、この計画、事業の成功の可能性は何%ぐらいとお考えか、まあ物差しは様々あろうかとは思いますけれども、その可能性をできればお伺いしたいのと、そして、あえてリスクについて、杉山先生とそして正司先生にリスク面をお伺いをさせていただきたいと思います。  そして、川村先生には、今も地震対策についてのお話もいただきましたけれども、先ほど杉山先生からクエンチ現象も大分改善されているということではあるんですけれども、やはり五百キロという高速でありますので、一たび事故が起きますと大惨事になるのではないかという懸念がございます。こうした事故は皆無とは言えないというふうに私は考えているんですけれども、こうした事故対策、事故の可能性ですね、地震あるいは火災、南アルプスの上の方で事故が起きたときの避難について先ほどもお話がございましたけれども、こういう人間に対する安全性の観点からもう一つ踏み込んで具体的なお話をいただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。

杉山武彦一橋大学名誉教授

○参考人(杉山武彦君) ありがとうございます。  私は、今、リニア中央新幹線の技術評価委員会というのの一人の委員なんですけれども、私は、そもそもそこになぜ私が加わったのかというのがよく分からないような形で、今までともかく勉強だけはさせていただいて、一人だけ全く文系の人間で、そこで飛び交っている言葉は私には正直言って外国語でありまして、ほとんど本当に細かいことは私は分からない。だけれども、そこに全部その領域の専門の先生が集まられて、そして極めて安全ということに関して二重三重四重という形で準備を考えなければいけないという議論をされているということは私は分かるわけです。ですから、そういう意味で、技術的なことについては、私は専門の方々から話を言われたらそれをもう信じるというスタンスで行かざるを得ないことであります。  安全に関しては、私が言えるのはもうそれだけのことでありまして、しかし、それを真摯にやらなければいけない、進めていくということを前提にしている。それを今まで、技術が一応その技術評価委員会で実用的な技術としてはお墨付きが与えられたというプロセスがありますから、したがって、それは、私は所与として話をいたしております。  その上で、本当にこのプロジェクトが成功する可能性ということをおっしゃいましたけれども、パーセンテージでとかそういうことになるととてもそれは言えることではないわけですけど、しかし、逆に、今まで交通政策審議会の小委員会が出した一定の結論、そういうものは、これはゴーサインを出したわけですから成立し得るという判断になっているものだというふうに私は考えておりますし、少なくとも、いろいろな置かれた相互に承認し合っている前提に基づいて言えば、一定の成立が見込まれているからこそここまで来た、こういうふうな考えであります。  あと、そのリスクの問題ですけれども、それこそ先ほどのお話になっておりました大きな地震というような、そういう大きな話になりますと、再び同じことを申し上げて恐縮ですけれども、これは専門の方の意見を尊重せざるを得ない。しかし、一定の知見に基づいてできるだけのことを全て考え、それはフェールセーフの考え方に従って用意をするということについては、今それが現実に進行されつつある、こういうふうに考えております。  以上であります。

正司健一神戸大学大学院経営学研究科教授

○参考人(正司健一君) 御質問ありがとうございます。簡潔に、感想めいたお答えになってちょっと恐縮ですけど、お答えさせていただきます。  まず、成功の確率と数字で言えるほどのデータを持ち合わせているわけではないし、おっしゃられるとおり、成功の基準を何で取るのかによって全然違うんだと思います。ただ、一つの基準として、利用者がいるのかどうかというのは一つ大きな基準だと思うんですね。造っても全然利用されなかったらやっぱりもったいないシステムと。これは国が直接するわけじゃないので企業の判断で失敗しただけやねと言えば終わりかも分かりませんけど、ただ、このシステムに関しては、それがちゃんと額面どおり、実際の運転時分は、プラットホームまで降りる時間が入っていませんので、もう少し掛かるので需要量が少しぐらいは落ちるかなとは思うんですけど、やはり利用されないということはなかなか想定できないので、それなりに皆さんが利用をするシステムになるという意味では、日本の社会にとってプラスの作用をする交通インフラになる可能性は高いのではないかなというふうに思っております。それが一点でございます。  あと、技術面の話。これも私の聞きかじりの知識ですので恐縮なんですけど、ドイツは常電導こちらは超電導という話もありますが、家から、何というか、例えば車が空を飛ぶようになっても最後は駐車しないといけないのでビルの近くで必ず渋滞するというふうに、やっぱり技術で解決できるところとできないところってあるんだと思います。やっぱり、移動していろいろな商談をするというシステムは本当になくなるのか。どこでもドアができればなくなると思うんですけれども、それができるまでは、やはりそれは、大切な話というのはやはりこういう形で皆さんで議論するというのは、そうそうは消えないんではないか。もちろんバーチャルリアリティーで代替はできても、それはあくまで代替、それは行くコストが高いから代替するという考えではないかなというふうに思っています。  リスク面は、やはり気になるのは先生と一緒で地震でございます。南海トラフの話もよくされていますが、正司自身は、一番気にしているのは首都圏直下であります。首都圏直下が本当に阪神大震災のような形で起きると、建設どころではなく、日本経済自体が大変になるんではないかという、それが一番心配なリスクでございます。  以上です。

川村晃生慶應義塾大学名誉教授

○参考人(川村晃生君) クエンチは宮崎の実験線で十四回起こっております。山梨の実験線ではヘリウムの漏れという形で一回起こっています。技術的にはかなり改良されているというふうに聞いておりますけれども、ともかく今四十二・八キロでやっているだけでありまして、編成を多くして、それから二百八十六キロでやったときにこれが大丈夫かどうかという点については、今後、私は長い長い時間を掛けての試験が必要であろうと思います。  それから、地震についてですけれども、これはJR東海の説明会で、私が地震は大丈夫なのかというふうにJR東海に質問をしましたところ、JR東海は、非常に不誠実な答え方ですけれども、リニアは浮いているから大丈夫ですという答えでした。こういう答えをするから信用されないんです。大地震が起これば軌道もそれから側壁も壊れるわけですから、幾ら浮いていたって、浮いているがゆえに制御できなくなるということがあるわけですね。こういうふうな説明の仕方でその都度切り抜けているということ自体にJR東海の問題があるだろうと思います。  多重性防護とおっしゃいますけれども、実は原発は多重性防護をしていたわけですね。それが爆発したわけです。人間が考える多重性防護というものがいかに手薄なものかということは、その一事をもっても知ることができると思います。  以上です。

青木愛希望の会(自由・社民)

○青木愛君 ありがとうございました。貴重な御意見を本当にありがとうございます。午後の質疑につなげさせていただきます。  ありがとうございました。

行田邦子無所属クラブ

○行田邦子君 無所属クラブの行田邦子です。  今日は、お三方の参考人の先生方におかれましては、貴重な御意見を賜りまして、ありがとうございます。  まず、私は最初に、杉山先生と正司先生、お二方に伺いたいと思います。三大都市圏以外の周辺地域の地域振興について伺いたいと思います。  平成二十三年に交通政策審議会が出した答申にも書かれていますけれども、リニアが通ることによって三大都市圏以外の沿線地域においても地域活性化方策と相まって地域振興に寄与するといった答申がなされていますけれども、私は、リニアができることによって三大都市圏、とりわけ東京の利便性はこれはもう高まるだろうとは思いますけれども、それでは、その三大都市圏以外の周辺地域がこのリニアが通ることによってどのように振興がもたらされるのか、御意見を伺えたらと思います。

杉山武彦一橋大学名誉教授

○参考人(杉山武彦君) ありがとうございます。  今の御質問に関しても、私は既に申し上げてきたことを繰り返さざるを得ないのですけれども、今委員が御指摘になりましたように、交通政策審議会の小委員会のレポートで、「地域が主体的かつ戦略的な活性化方策を実施することとあいまって、」という言葉が書かれています。これは、単純にリニア中央新幹線が寄与するよと言っているのではなくて、それぞれの地域がそれぞれ自分のところでどういう活用の仕方ができるかということを考えることによって初めてそこで効果が出てくるであろうと、こういう思想になっていると思いますし、私はこの二行がこの答申の中に含まれていたことは大変重要なことだというふうに考えているわけです。  いずれにしましても、今先生おっしゃったように、対東京ということでは便利になる。それはしかし、対東京だけでなくて、対名古屋もありますし、対大阪もあるし、ともかく逆にほかのところからその特定の地域にアクセスしてくることも格段の今までとはスピードの違いがあるわけでありますから、そういうことに関して個別にどういう件で役立つかということは私すぐに答えられないのですけれども、一般に、交通手段が存在をしている、それを活用という方法が必ずやはりある一定の時間の中で生まれてくるというふうに私は考えていますので、このリニア中央新幹線はそこの地域だけにとどまるものではない、必ず周辺にその影響は及んでいくということを考え方として持っていると、そういうお答えになりますけれども、申し訳ございません。

正司健一神戸大学大学院経営学研究科教授

○参考人(正司健一君) 今の杉山参考人の話に付け加えるというか、少し見方を変えて二点申し上げたいと思います。  まず一点目は、交通の中で、一つは東京へ行くシステム、行くことが便利になるということはプラスになるというのは今参考人がおっしゃられたとおりだと思いますし、逆に言うと、それは今度リニアの駅とどうほかのシステムをつなぐのかの大切な議論になるんだと思います。  それともう一つ、同じ交通の中で、これは大阪まで延ばせばという話なんですけど、東京―大阪間の飛行機とリニア新幹線の競争が厳しくなるということで、場合によっては空港の容量が少しすいて、大阪―東京に飛ばしていたフライトを減らしてほかの方面に飛ばす容量が出てくるという可能性がありますので、その場合、日本全国ないしはアジアなんでしょうか、との連携性が高まるという方の効果、だから、鉄道の中に閉じない効果の議論がそこにあるのかなと思っております。  あとは、道路との関係、東名道とか中央自動車道との関係も同じような、インフラが強化されますと、そこがすいてくるのでこれをうまく使えるという話が出てくるのではないかなというふうに考えます。  あともう一つは、これができることによって日本経済全体の社会経済活動がより活発になるということは、その活発になった成果を全部東京が吸収するというわけではないわけなので、これがない場合とある場合での日本経済の活発度の差の部分は、先ほど杉山参考人もおっしゃいましたが、うまくこの機会を捉えて戦略を立てられ運営された地域はその恩恵を多く取ることができると、それがリニアに直接つながっていることとは無関係にできるのではないかなというふうに考えております。  以上です。

行田邦子無所属クラブ

○行田邦子君 ありがとうございます。  続きまして、川村参考人に伺いたいと思います。  先ほどの御意見の中で、川村先生が山梨県のリニア実験のときの地下水の件について御懸念を示されましたけれども、南アルプスにおいての地下水あるいは河川水についての何か御懸念があれば、お聞かせいただければと思います。

川村晃生慶應義塾大学名誉教授

○参考人(川村晃生君) 南アルプスは地形的に雨が非常に降りやすい地形になっております。ここは、したがって多雨地域で、言わば水がめで、花崗岩質が多いですから水を通しやすい、水をたくさん含んでおります。その水が山梨側では早川、それから長野側では小渋川という川を中心としたたくさんの河川に注いで、その地域地域を形成しているわけです。  ここにトンネルを掘りますと、仮に成功して、成功しない可能性もあると思っていますが、成功したとして、水がどんどん抜けていく可能性は十分に考えられます。もし水が抜けたときにどうなるか。それは当然のことながら、周辺地域住民の生活用水、農業用水を含めてですが、生活用水及び自然生態系への影響ですね、南アルプスはエコパークとして登録されていますお花畑から始まって、裾野に及ぶ広大な原自然地域を抱えているわけですけれども、それがかなり大きな改変をされる、影響を受けるという可能性はかなりあるだろうというふうに考えています。  JR東海自身がトンネルは掘ってみないと分からないと言っています。つまり、全く分からないことをこれから実験的にやってみようというふうに私どもは理解していますので、その結果は、右に出ても左に出てもかなり大きなものになるのではないかというふうに考えています。

行田邦子無所属クラブ

○行田邦子君 ありがとうございました。  最後に、正司参考人に伺いたいと思います。  平成十九年にJR東海が発出した文書を見ましても、このリニアは東海道新幹線バイパスという呼ばれ方をされていたかと思います。  そこで伺いたいんですけれども、このリニアが通ることによっての東海道新幹線のこれまでにない活用の可能性ということについてお聞かせいただけたらと思います。

正司健一神戸大学大学院経営学研究科教授

○参考人(正司健一君) 御質問ありがとうございます。  まさにJR東海が申し上げているように、並行して走りますので、東京と当面は名古屋でしょうか、を結ぶ高速路線が二つできますので、その意味では、今まで「のぞみ」を使って東京―名古屋間を移動していた人の一部というか、かなりの量がこちらに移転することが想像されます。  そうすると、東海道新幹線、設備更新をやりやすくなるという利点もございますが、それ以外に、今までノンストップで走っていたこの東海道新幹線を多様な用途で、駅間で使えるというのが出てきます。  さらに、場合によっては物流への使い方という議論も出るのかも分かりませんが、これは駅舎の改造が必要になってきますのでいろいろ議論があるかと思いますが、御案内のとおり、新幹線というのは大きな荷物を持って入ることを想定されていないシステムででき上がってしまっていますから、今のインバウンドのお客様には対応ができていないというようなこともありますので、その意味では、今の四分ヘッドで「のぞみ」が八本か九本走っているという列車の使い方でなくなるので、いろんな可能性があり、それはまた利用者にとってはオプションが増えるという意味でプラスの効果があるのではないかというふうに、ある意味で期待を持っておるところであります。

行田邦子無所属クラブ

○行田邦子君 ありがとうございました。終わります。

中野正志日本のこころ

○中野正志君 日本のこころの中野正志でございます。  杉山先生と正司先生にお尋ねをいたします。  まず、JR東海は、東海道新幹線の輸送能力が限界に近い、それを理由にして中央新幹線、リニア方式の必要性を主張されてこられました。しかし、二〇一〇年春にその旗を下ろしたんですね。  その年でありますけれども、政府の審議会であの堺屋太一さんが、東京―名古屋だけでの開業では大赤字は確実だ、大阪までの延伸はできないだろう、一気に東京―大阪間を完成させなければ立ち枯れになるのは必定である、中央新幹線の開業で現行の東海道新幹線が赤字になる可能性もあると強い懸念を表明をされております。  旗を下ろしたということは、もはや大量の輸送力を増強する必要はないと判断したのであろうとも言えます。  そして、二〇一三年の九月でありましたけれども、先ほど川村先生の話にもありましたように、JR東海の山田社長が記者会見で、リニアプロジェクトは絶対にペイしない、それでも東海道新幹線の収入で建設費を賄っていけば何とかやっていけると発言をしております。ほかならぬJR東海自身が絶対にペイしないと言っておりました。  こういった堺屋先生、山田社長の発言についてどうお感じになられますか、お聞かせをいただきたいと存じます。

杉山武彦一橋大学名誉教授

○参考人(杉山武彦君) ありがとうございます。  輸送力の逼迫というのがある時期一番重要な理由として掲げられていたかと思いますが、それがその後、品川駅の開業等もあって本数が多発できるようになった、そんなことも含めて、それと人口の見通し、そういうものも併せて、そのことが一番の建設、リニア中央新幹線の理由というふうにならなくなったというのは、私もそのように認識をいたしております。  それから、しかし、リニア中央新幹線自体、それを単独事業で見た場合にペイしないということは、恐らく今の時点でそうなのだろうと思います。  しかし、問題はJR東海として、これはよく議論に出てまいりますけれども、在来の東海道新幹線と併せた経営を考えれば、採算性というのがもしそこで全体として確保できるのであれば、冒頭に私が申し上げたような社会的な意義、経済全体の意義、長期的な意義、そういうものが大きくリニア中央新幹線単独の赤字ということを上回って、大きな効果をもたらすのであろうというふうに考えていると、こういうふうに私は認識をいたしております。

正司健一神戸大学大学院経営学研究科教授

○参考人(正司健一君) 需要量逼迫の問題、先ほどの、その前の御質問のお答えとちょっとかぶるところがあって恐縮なんですけれども、確かに将来を見通して、今の輸送力増強はそれなりに対応はできていると思います。  ただ、現状のその四分間隔でどのぐらいたくさん走っていて、それも今申し上げたような特定の需要に対応しているので、本当はほかの需要のサービスの多様化の余地も制限されている状態がありますので、単純な東京―名古屋、東京―大阪の需要量の逼迫問題がクリアされたのと、システムとしてのもう少しの活用の仕方というのは少し違うんじゃないかなというふうに私自身は思っております。それがそういう御意見でございます。  もう一つのリニア単独の採算の話ですけど、そもそも日本の交通システムの場合は、昔はヨーロッパも同じような発想だったんですけど、その事業体全体として採算を事業体の判断で取ってもらうような形でシステムをつくってきております。JRならJR、東海ならJR東海の全体としてシステムが、運輸収入で全体の費用を賄うような形で事業運営をするという形で枠組みを全てつくっているわけでございます。  したがって、特定路線の黒字赤字で存廃の議論をするところというのは、特定路線ごとで全部運賃を変えていいのですかという議論になっていくので、それはそれでまた別途の議論が必要ではないかと思います。  マーケットを見ながら価格を設定するというのは、航空業界を見ても分かるとおり、私自身としては、その方向性は一つの意味のある方向性だとは思っておりますけれども、ただ、現状、鉄道に対する日本のやり方がそのやり方ですから、その考え方にのっとった御発言かなというふうに思っているところであります。

中野正志日本のこころ

○中野正志君 引き続き両先生に。  私は、実は被災地出身なんです。建設工事費が、もちろん五年八か月もたちますからですけれども、東京近郊のオリンピック特需もありまして、建設工事費は恐らくあの時代からすると三〇%、四〇%値上がりしているだろうと思うんであります。  東京―大阪間、示されております資料、二〇一〇年代の資料でありますと九兆三百億円。ところが、今そういう建設工事費の現実がありますから、コスト削減を一生懸命頑張ってこられても、もう十兆円にプラスアルファの金額は当然出てくるだろうと。そうすると、JR東海としてこの事業を遂行できるかどうか疑問だという声もあることも事実でありますし、もしかして第二の国鉄、これを懸念する声もあることも事実でありますけれども、そういう建設工事費の上昇についていかようにお考えになられますか。

杉山武彦一橋大学名誉教授

○参考人(杉山武彦君) ありがとうございました。  私は、今の時点で考えるとすれば、思わぬ資材の高騰、工事費の高騰ということが大きくのしかかってきたときには、多分、事業主体であるJR東海は、そこは今回の財投の貸付けを受けることとはまた別個に、基本的な考え方であるところの時間軸で経営を考える、つまり、そういうことで苦境に立ち至ったときにはしばらくそれをストップさせて体力の回復を図る、そういう形で進めていくという考え方に立つんだろうと思います。  私は、今の御質問に対してはそのように考えております。

正司健一神戸大学大学院経営学研究科教授

○参考人(正司健一君) 杉山参考人のおっしゃられた可能性に加えて、これはJR東海が企業として御判断されることを勝手に推測して発言するのでちょっと無責任な発言になるかも分かりませんけど、もう一つは収入側で対応を考えるということも十分に考えられるのではないかというふうに思っています。資材が長期にわたって高騰するということは物価水準が全体として高くなっているということですので、収入側の見込みも変更する余地が出てくるという話ではないかなというふうに思っています。  それともう一つ、第二の国鉄という表現ですが、一点大きな違いがあると思うんですね。と申しますのは、今回のプロジェクトはあくまでJR東海が事業判断として手を挙げて話が動き出しております。いわゆる国鉄問題というのは、旧国鉄運営事業体がなかなか採算性が厳しいと。で、対応をいろいろ求めているんだけど、そこが対応が許されなくて今までの事業体の運営方式のままでやっていることで問題が悪化したという問題だと思っておりますので、少し違うのかなと思います。

中野正志日本のこころ

○中野正志君 川村先生、短く恐縮ですが、ヘリウムのリスクについてはちょっと御説明いただきましたけれども、電磁波についてはいかようにお考えになられていますか。

川村晃生慶應義塾大学名誉教授

○参考人(川村晃生君) 電磁波については極めて曖昧な部分が多くて、それから基準値といいますか規制値といいますか、これも非常に未解明な部分が多いと考えます。  私の個人的立場で言えば、とてつもなく高い電磁波が発生しておりますから、少なくとも子供は乗せない方がいいだろうというふうに考えています。ペースメーカーはぎりぎりというふうにJR東海は発表しているかもしれませんが、この点についてもまだ十分検討の余地があろうかと思います。  いずれにしろ、電磁波の問題については未解明な部分が多いという点でいえば、やはり予防原則に立つ、できるだけ危険なものには近づかないという部分をある程度確保した方がいいのではないかと思っています。

中野正志日本のこころ

○中野正志君 川村先生と文明論的な立場は違うんですが、今の電磁波の説明、ありがとうございました。  以上で終わります。

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人の皆様には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。(拍手)  午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午後零時十分休憩      ─────・─────    午後一時開会

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) ただいまから国土交通委員会を再開いたします。  政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、国土交通省鉄道局長奥田哲也君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) 休憩前に引き続き、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

酒井庸行自由民主党

○酒井庸行君 自由民主党の酒井庸行でございます。  委員長のお許しをいただきまして、今国会に提出をされました独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案について賛成の立場から質問をさせていただきますけれども、その前に、先日、十一月の八日午前五時十五分頃発生をいたしました博多駅前の大規模な道路陥没事故について御報告をお願い申し上げたいと思います。

大野泰正自由民主党国土交通大臣政務官

○大臣政務官(大野泰正君) 福岡の陥没事件について御報告させていただきます。  福岡市交通局七隈線につきましては、博多駅前二丁目交差点付近の延伸工事現場において、御存じのとおり、十一月八日午前四時二十分頃、トンネル内の掘削面の一部が崩れ始め、五時頃にはトンネル内で出水が確認されました。そして、五時十五分頃には道路の陥没が発生いたしました。陥没箇所は、午前八時四十分頃には深さ十五メートル、幅約二十七メートル、長さ約三十メートルまで拡大し、陥没した土砂量は約七千立方メートルに達したと聞いております。その後、十四時半頃から陥没箇所の埋め戻し作業が二十四時間体制で行われ、翌九日の十九時四十分頃には地表面から約三メートル下までの埋め戻しが完了したところであります。  今後、損傷したライフラインにつきましては、埋め戻した処理土が固まった後に仮復旧作業に着手予定であります。また、道路については十四日までに復旧を目指すとしておりますし、下水道につきましては陥没地点を迂回して下水を流す応急的な処置がとられております。  国土交通省といたしましては、まずは現場の復旧を最優先とし、リエゾンの派遣等必要な支援を現在行っております。今後、復旧方法の検討や原因究明及び再発防止について全面的に支援してまいります。

酒井庸行自由民主党

○酒井庸行君 ありがとうございました。  福岡県の先生方、あるいはそこの駅前の皆さんも大変心配をされ、憂慮をされております。早急に、原因も元々そうでありますけれども、しっかりとした対応をお願いしたいというふうに思っております。  それでは、本題に入ってまいります。  私は、生まれも育ちも愛知県であります。ここにも今度のリニアの新幹線の通る先生もいらっしゃいますし、その沿線の方々もたくさんいらっしゃいますけれども、ゆえに今回の法案は、特に私どもにとっては憂慮すべき、また深慮すべき法案だというふうに実は考えております。  今回の法案というのは、本年の八月に決定をいたしました未来への投資を実現する経済対策において、現下の低金利状況を生かして財投債を原資とする財政投融資の手法を積極的に活用、工夫するとともにリニア中央新幹線の全線開業を最大八年間前倒しをし、そのために鉄道建設・運輸施設整備支援機構によるJR東海へ三兆円という大きなお金を貸付けを可能とする改正であります。  この法案を質問するに当たりまして、私はきちんと押さえておきたいというふうに実は思っております。先ほど杉山参考人からもお話がございました。今回の東京―大阪間の前倒しをするか否かというのはリニア中央新幹線自体の是非にも関わってくるという御発言がありました。そういう意味で、私はこの鉄道というものの考え方、理念といいますか、それをまず押さえておきたいというふうに思います。  国交省は、鉄道に対する理念あるいは考え方、それをちょっと述べていただいて、その考えの下に鉄道事業というものをどう考えるかということをお聞かせいただきたいと思います。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。  鉄道は、定時性、高速性に優れ、信頼性の高い交通機関でございますとともに、エネルギー効率に優れた環境に優しい交通機関であり、重要な社会基盤として今後ともますます大きな役割を担うことが期待されております。  全国をつなぎます幹線鉄道ネットワークは、旅客・貨物輸送の大動脈として、ブロック間、地域間の交流を促進し、我が国の産業の発展や観光立国の推進等に大きく寄与しているところでございます。また、都市や地域における鉄道ネットワークは、都市の国際競争力強化や地域のモビリティーの確保などに貢献するものと認識をいたしております。  国土交通省といたしましては、鉄道がこのような役割を最大限に発揮できるよう、老朽インフラの戦略的な維持管理、更新や防災・減災対策を進めることにより、安全、安心な鉄道輸送を確保するとともに、リニア中央新幹線の整備を始めとした利便性の高い鉄道ネットワークの構築に努めることが重要であるというふうに考えております。  信頼性に優れ、環境面にも優れた鉄道に対する期待はますます高まっていくものと考えておりまして、安全、安心を基本としつつ、引き続き鉄道利用者の利便性の向上や鉄道事業の発展に尽力してまいる所存でございます。

酒井庸行自由民主党

○酒井庸行君 今局長からお答えをいただきました。本当はもっと、何といいますか、自分の言葉で局長の鉄道に対する思いというのを本当に話をしていただきたかったというふうに思います。  というのが、今度のこの法案もそうですけれども、先ほど参考人の皆さんがお話をしてくださいました、いろいろ。そこには、将来に向けての大変夢あるお話もしてくださったと同時に、また心配な部分もお話をしてくださったというふうに思います。そのことがありますので、その鉄道というものを、あるいはその鉄道事業というものをどう考えているかというのをお聞きしたということを御理解していただいて、また後ほど質問したいというふうに思います。  そこで、中央新幹線は、昭和四十八年、全国新幹線鉄道整備法に建設を開始すべき新幹線鉄道の路線として基本計画が定められました。その後、地形、地質等の調査を経て、交通政策審議会中央新幹線小委員会が審議し、平成二十三年の五月に整備計画が決定をしたとあります。この時点、つまり昭和四十八年の時点で、あるいはそれ以前からだと思いますけれども、JR東海は中央新幹線を整備しなければならないんだろうというふうに考えていたんだろうと思います。  それは、今の新幹線の経年劣化に適切に対応するための大規模な大改修による影響を少しでも低減すること、そして、将来を考えたときに、三大都市圏の高速かつ安定的な旅客輸送が国民生活及び国家経済にとって極めて重要であろうというふうに考えたからであろうというふうに思います。  そして、それを踏まえて、JR東海は、中央新幹線として調査指示を受け、鉄道建設・運輸施設整備支援機構とともに、東京―大阪間における地形、地質等の調査を行って、平成十九年の十二月の二十五日の事前確認手続において、関係各位に対して、超電導リニアによる東海道新幹線バイパスについて、二〇二五年を目標に、自らのイニシアチブの下、第一の局面としての路線の建設について自己負担で行うということを前提に手続を進めたというふうにあります。  全国新幹線鉄道整備法というのは、「高速輸送体系の形成が国土の総合的かつ普遍的開発に果たす役割の重要性にかんがみ、新幹線鉄道による全国的な鉄道網の整備を図り、もつて国民経済の発展及び国民生活領域の拡大並びに地域の振興に資すること」とあります。通常の鉄道の事業の場合は、鉄道事業を経営しようとする者が主体となって、例えば民間や地方公共団体などでありますけれども、国土交通大臣の許可を受けて建設、営業するのに対して、新幹線は、全国新幹線鉄道整備法に基づいて、国土交通大臣が主体となって計画をし、その整備を図ることとなっております。  従来の新幹線の整備手法というのは、国の公共事業として地方にも負担をお願いをしつつ建設する整備スキームだというふうに理解をしております。今回のリニア中央新幹線の整備に当たっては、自己負担で建設すると、JR東海が、ということであり、それが建設主体というふうにお認めになった、指名されたこと、そしてその背景等を御説明いただきたいと思います。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。  リニア中央新幹線は、先生から今お話ございましたように、平成十九年十二月二十五日にJR東海から、今後、自己負担を前提に手続等を進めるというふうに表明をされたことを踏まえまして、整備計画に向けた手続が進められることとなったものでございます。  具体的には、平成二十二年に交通政策審議会に対しまして中央新幹線の営業主体及び建設主体の指名並びに整備計画の決定についてという諮問を行いまして、二十回にわたる審議会での議論を経て平成二十三年に答申が取りまとめられたところでございます。  この交通政策審議会におきましてはJR東海の財務的事業遂行能力の検証が行われまして、この中で、リニア中央新幹線への投資による債務は、大阪開業後のリニア中央新幹線及び東海道新幹線による営業収益を合わせることで自己負担で着実に返済できることが確認されたところでありますが、加えまして、JR東海は、昭和六十二年に発足して以来、その安全綱領におきまして、安全は輸送業務の最大の使命であるといったようなことを掲げまして業務を遂行しておりまして、交通政策審議会答申におきましても、JR東海は東海道新幹線の開業以来、安全運行の実績を積み重ねてきており、営業主体としての事業遂行能力を有するとされたところでございます。さらに、技術的な観点からは、山梨実験線で走行試験などを重ねてきており、超電導リニア方式による鉄道技術を有するとされております。  こういった財務面、安全面、技術面といった点を総合的に勘案し、JR東海を建設主体、営業主体として指名することが適当との答申も得られたことから、そのように整備計画を決定し、JR東海に対し建設の指示をさせていただいたということでございます。

酒井庸行自由民主党

○酒井庸行君 今の御説明に加えて、またちょっと質問したいというふうに思います。  まず、JR東海の経営理念というのをお話をします。一つは健全な経営による世の中への貢献、近代的で愛され親しまれ信頼されるサービスの提供、明るく爽やかで活力ある社風の樹立。それから、安全綱領。安全は輸送業務の最大の使命である、安全の確保は規程の遵守及び執務の厳正から始まり不断の修練によって築き上げられる、確認の励行と連絡の徹底は安全の確保に最も大切である、安全の確保のために職責を超えて一致協力しなければならない、疑わしいときは手落ちなく考えて最も安全と認められる道を取らなければならないというふうにあります。  先ほど局長がお話をしてくださったときのお話、鉄道とは何なんだと、鉄道事業とは何なんだということを私が質問したのは、ここに関連するからであります。JR東海は、国交省とJR東海の考え方というのが、リニアを含めて鉄道事業というのを同じ方向に向いているんだと私は考えてはおります。これから質問する幾つかの質問がありますけれども、そこをしっかりと一致していなければこの事業は成り立たないと思うからこの質問を実はしておるということを御理解をいただきたいというふうに思っております。  そうした点から、今の話からして、中央新幹線の小委員会での審議も含めたお話を含めて、参考人からもいろんなお話がありました。今回のリニア中央新幹線を整備するに当たっての政府からの意義、目的、そして開業前倒しに至っての効果というものを、経済効果も含めてですけれども、お話をいただきたいと思います。

末松信介自由民主党国土交通副大臣・内閣府副大臣・復興副大臣

○副大臣(末松信介君) リニア中央新幹線の全線開業によりまして、三大都市圏が一時間で結ばれ、人口七千万人の巨大な都市圏が形成されます。また、我が国の国土構造が大きく変革され、国際競争力の向上が図れるとともに、その成長力が全国に波及し、日本経済全体を発展させるものでございます。  具体的には、三大都市圏の利便性が高まることに加え、西日本と酒井先生の御地元の名古屋圏や東京圏との間、また東日本と名古屋圏、大阪圏との間など、三大都市圏と国内各地との移動時間が短縮され、三大都市圏へのアクセスの利便性が飛躍的に向上し、地域の活性化、地方創生に貢献する可能性が高まります。時間短縮は人にとってある種成長の可能性をもたらすと私は信じてございます。数字で示される経済効果プラス、恐らく示せない人間社会での効果が現れてくるものと、私はそのように信じているところであります。  このリニア中央新幹線の従来の計画では、JR東海は、平成三十九年の品川―名古屋間開業後、経営体力を回復させるため工事を行わない八年間の期間を経た上で名古屋―大阪間の工事に着手をすることにいたしました。  今般の財投の活用は、全線開業の効果を早期に発現させることを政策目的といたしまして、財投の長期、固定、低利の貸付けにより八年間の経営体力回復期間をなくして、品川―名古屋間開業後連続して名古屋―大阪間の工事に速やかに着手することで全線開業の前倒しを図るものでございます。  沿線各知事からも大きな喜びの声のコメント、それも拝見をいたしたところでございます、コメントにつきましても。

酒井庸行自由民主党

○酒井庸行君 ありがとうございます。  経済効果を含めて、あらゆる点で将来に向けていろんないい意味でのことが考えられるというふうに思います。  しかしながら、一方で不安材料もあることは先ほどの参考人の質疑でもあったとおりでありますけど、そこで、まず一つ目に、いわゆる環境への配慮というところでいろんな形が実はあります。南アルプスをトンネルで通過するという、いわゆる長大山岳をトンネルで通過するということもありますし、環境影響への評価、これは環境大臣が地球温暖化対策に取り組んでいる状況下で、多大な消費電力を伴う温室ガスの排出、あるいはトンネルの掘削に伴う大量に発生する発生土、多くの水系を横切るということによる地下水の河川への影響等が懸念されるという視点が出ております。  こういうことを踏まえて、本当にしっかりと国としてはJR東海に指導もしていかなければならないというふうに思いますけれども、まずその辺のところをお聞かせください。

末松信介自由民主党国土交通副大臣・内閣府副大臣・復興副大臣

○副大臣(末松信介君) 午前中、私も一緒に参考人のお話を聞かせていただきまして、特に環境問題ではいろんな御意見を賜りまして、先生方に感謝をいたしているところであります。  中央新幹線は極めて大規模な事業でありまして、トンネルの掘削に伴う建設発生土が多いことや、その運搬に伴う生活環境、自然環境への影響や、事業に伴います水環境への影響等、多岐にわたる分野での影響が指摘をされております。  このため、平成二十六年六月に国土交通大臣に提出をされました環境大臣意見を踏まえまして平成二十六年七月にJR東海に対して述べた環境影響評価書に対する国土交通大臣意見では、JR東海に対して、環境大臣意見で示された措置を講じ、環境保全への適切な配慮を求めるとともに、国土交通省も独自の観点から、河川水の利用への影響の回避、建設発生土の有効な利用、建設発生土の運搬時の環境負荷低減など、八項目の措置を講ずるように求めたところでございます。  また、平成二十六年十月の工事実施計画の許可の際にも、当時の太田国土交通大臣からJR東海の社長に対しまして、一つは地域の理解と協力を得ること、獲得すること、二つ目は環境の保全の措置、三つ目は安全かつ確実な施工、この三点を求めたところでございます。  リニア中央新幹線の工事につきましては、今後事業が本格化してくることを踏まえまして、国土交通省としては、事業の進捗状況についてJR東海からの適宜報告を受けるとともに、環境影響評価書に記載されました措置の実施状況を確認するなど、環境保全措置が着実に実施されるようJR東海を指導監督してまいりたいと思っております。  土砂につきましての掘り出しは、南アルプスルートでは山梨県側で始まってございます。ほかの地区につきましては、これ工事、まだ準備段階でございます。しっかり注視をしてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

酒井庸行自由民主党

○酒井庸行君 今の御答弁、そして、私がもう一つ危惧しておることをお話をしたいというふうに思います。  それは、大野政務官にお答えをいただきたいと思うんですけれども、先ほど参考人質問でも実はありましたけれども、私が思うのは、まず社会全体のスピード化です。そして、リニア中央新幹線という大変速いスピードで動くものであります。そうしたときに、私自身もそうですけれども、ITやIoTというAIや物がどんどん生まれてくる中で、人間の人の心というのはこれに付いていけるかというのを非常に疑問視、実はします。現実に私自身も本当に付いていけるかというと、大変心配というところがいっぱいあります。そのことを考えたときに、やはりこれはきちんとした対応をしていかなきゃいけない、ケアしていかなきゃいけないと私は思います。  ビジネスの世界でいえば、これはもうこのスピード化によってどんどん動いておりますので、これをやらないと、それこそ事業は成り立たないということも当然出てくるわけでありますけれども、一方、じゃ子供たち、これから、今育っている子供もそうです、子供たちがそうしたところに対応ができるような環境をつくってやらないと、これは本当の意味でのやはりリニア新幹線を造っていく意義にもならないんじゃないかと私は思います。それがリニア中央新幹線にはできるというふうに私は逆に発想を変えます。  それは、地方が活性化するということにもつながるということは、つまり、そこには大きな自然があったり、そこに行って少し時間を止めてやるぐらいの環境をやるという事業だって、JR東海だって国だってできるんだろうと。そういうことも考えたことをこのリニアの事業でやっていってほしいなというふうに思います。  心のケアというのは大変難しいというふうには思いますけれども、心という意味を辞書で調べました。そしたら、人間の理性、知識、感情、意志などの働きの基になるもの、働きそのものをひっくるめて言うというふうに書かれてあります。そのことを考えると、本当にやはりこのことだけはしっかりと押さえておきながらこの事業を将来を見据えてやらなければならないと思いますけれども、大野政務官、どんなふうにお感じでしょうか。

大野泰正自由民主党国土交通大臣政務官

○大臣政務官(大野泰正君) これはもう私見でございますが、今、酒井委員がおっしゃったことというのは、午前中にもいろんな議論がありました。人間にとって本当に大切な根本的な問題であり、また、ハードでは解決できないソフトの部分、見えない部分でもあると思います。そういう中で、それをどうやってケアするかという点でおきますと、なかなか簡単な話ではありません。  私たちは、常に新しいものを求めてきて、そしてそれを取り入れて進歩してきたことは事実です。そこに人間の優しさと強さ、大きさがあったと思います。しかしながら、その影で落ちこぼれる方もいらっしゃったことも事実です。そこにきっちりと光を当てる手当てをしない限り、やはりこの事業が本当に将来の子供たちにとって、そして日本の発展にとって寄与する事業にはならないと思います。  その点、先ほど来、JR東海と国交省がどこを向いているのかというお話がございました。しっかりと両輪が回るようにこれからも努力していくことが何より大切だと思いますし、また委員始め皆さんの御指導を賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。

酒井庸行自由民主党

○酒井庸行君 ありがとうございました。  そのお言葉を信じて、しっかりと私どもも応援をしていき、またこの事業をしっかりやっていきたいというふうに思います。ありがとうございました。  次に、もう一つの問題といいますか課題であります融資についてであります。  今回の補正で一・五兆円、そして二十九年度と合わせて三兆円というふうに融資を、貸付けをするということであります。伺っておかなければならないというふうに思います。  先ほども参考人の質疑のときに中野先生からもありました、建材等の資材の高騰や人件費等の高騰というのがあるけれども、本当にこれは貸倒れをしないような可能性は少ない、あるいはないと判断できるのかという点について御質問をさせていただきます。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。  リニア中央新幹線につきましては、交通政策審議会におきましてJR東海の財務的事業遂行能力の検証が行われまして、この中で、リニア中央新幹線への投資による債務は、大阪開業後のリニア中央新幹線及び東海道新幹線による収益で着実に返済できるということが確認されたところでございます。この結果、JR東海が自己負担により経営の安定性を維持しながら事業を遂行することが可能であるとの答申を得たところであります。この点につきましては、今回の財投の活用に伴いましても変わるものではないと考えておりまして、基本的には貸し付けた財投資金は確実に償還されるというふうに考えております。  さらに、貸付けに当たりましては、貸付主体となります鉄道・運輸機構におきまして、償還確実性に関する審査を行い、貸付け後も定期的に会社の財務状況の確認等を行うことといたしております。  こういった財務状況のチェックでありますとか円滑な工事の実施のチェックを通じまして償還確実性の確保を図りますとともに、償還リスクを回避してまいりたいというふうに考えておるところでございます。

酒井庸行自由民主党

○酒井庸行君 何度もいろんなところでお話をされているというふうに思います。そのことを踏まえて次の質問に移ります。  運賃についてです。貸付けは大丈夫だという話の下で、リニア新幹線の運賃設定についてお聞きしたいというふうに思います。  東京―名古屋あるいは東京―大阪間を幾らぐらいにするという御予定ですかということをお聞きをするとともに、総理は、全国を一つの経済圏にする、地方創生回廊を整えるという提案をされております。国土形成計画の中で、リニア中央新幹線は国土構造にも大きな変化をもたらす国家的見地に立ったプロジェクトであり、これによって、世界から人、物、金、情報を引き付け、世界を先導するスーパーメガリージョンの形成が期待され、その効果を最大化し、それを全国に波及させることを目的にスーパーメガリージョン構想の検討を行い、それに基づく施策を推進すると明記をされております。  そこで、リニア新幹線の運賃設定でありますけれども、JR東海の試算によると、東京―名古屋間は一万一千四百八十円、東京―大阪間は一万五千五十円ということで、東京―名古屋間は今の新幹線よりも七百円ほどアップするということであります。  先ほど杉山参考人がおっしゃいました。経済効果を確実にするためにはそのための努力がなければならないというお話がありました。ただ通せば経済効果が生まれるものではないというお話がありました。川村先生のお話ですと、大都市は発展するけれども地方は逆に疲弊をしていくというふうなお話もありました。  そこでまず、私は、第一にするということは、地方を活性化する、その意味では、まずは国土形成計画の趣旨からすればもっと運賃を下げるということが必要だというふうに考えます。多くの人が利用できることによってこそ地方の活性化につながるのではないかと。総理の地方創生回廊の目的に沿うことができるというふうに考えるわけですけれども、今までなかなか行けなかったところにいわゆる短時間で行けるようになり、旅費も余り掛からないとなれば、多くの人が動くことになるというふうに考えます。そして、地域地域のそれぞれの地域にお金が落ちて、経済の好循環につながると私は考えます。  今回の法案は、未来への投資を実現する経済対策を踏まえた融資でもあるはずです、未来への投資を含めたです。そういうと、先ほどからも議論がありますけれども、JR東海、このリニア新幹線は赤字だというお話があります。そうかもしれませんけれども、私はこういうふうに一方で考えます。国家的見地に立ったプロジェクトでやるならば、その分、国が負担してもいいというふうに考えます。理念、つまり鉄道の理念、それが中央新幹線、鉄道の果たす役割ではないんだろうかというふうに思います。  そうすることによって経済の好循環をすることによって、国が負担していく部分というのは結果的には戻ってくるということを見据えてやったらどうかなというふうに思います。これがこれからの国家的プロジェクトでやる鉄道というものの、公共事業というものの役割ではないかなというふうに考えますけれども、いかがお考えでしょうか。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。  リニア中央新幹線の運賃につきましては、先生から今お話ございましたとおり、東京―名古屋間が東海道新幹線プラス七百円、東京―新大阪間が東海道新幹線プラス千円ということで収支等の試算をさせていただいたところでございます。  そもそも、鉄道の運賃、新幹線特急料金につきましては、鉄道事業法に基づきまして、国土交通大臣が審査をして認可することで鉄道事業者がその上限を定めることというふうになっておりますが、その上限の範囲内において、先生御指摘のとおり、地域振興の観点、若しくはそういった運賃設定の仕方による需要喚起ということによって、このリニア中央新幹線の整備効果、更に高めていくといったような考え方は非常に大事ではないかというふうに思います。  いずれにいたしましても、リニア中央新幹線の運賃、特急料金の設定におきましては、そういった制度の下でJR東海が、競争関係にあります他の交通機関でありますとか、スピードアップに伴う利便性の向上、それに伴う需要喚起でありますとか、それに伴う収支見込みといったようなものを総合的に勘案して最終的に判断すると思いますが、私どもも審査の過程で、先生から御指摘のあったような視点も加味しながら対応してまいりたいというふうに思っております。

酒井庸行自由民主党

○酒井庸行君 ありがとうございます。その辺のところもよく検討していただけると有り難いというふうに思います。  最後の質問とさせていただきたいと思います。  これは大臣にお答えをいただきたいと思いますけれども、新幹線技術の海外展開ということも踏まえてお話をしたいというふうに思います。  日本の鉄道というのは本当にすばらしくて、今の新幹線の成功、フランスの成功、いわゆるフランスのTGVやドイツのICEの運行につながったという事実もあります。こうした高速鉄道のイノベーションというのは、日本の技術として世界にも発信できるという意味も含めて海外への展開もしなければならないと思います。  そこで、大臣にお聞きするのは、日本初の鉄道が新橋―横浜間に開業したのは一八七二年、明治五年でありました。日本で鉄道が産業革命の原動力となったというふうに思います。一九三九年、昭和十四年、今の新幹線の基であります東海道線と山陽本線の広軌新幹線建設と高速列車運行が計画をされて、一九六四年に東海道新幹線が開業をいたしました。先ほど足立先生からもお話がありましたけれども、私は中学校一年生のときでありますけれども、あのオリンピックと一緒に本当に感激したところであります。今では全く事故がなく運行しているというのもすばらしいというふうに思います。  昨年には北陸で初めて金沢や富山に北陸新幹線がつながって、その少し前にも大阪から鹿児島まで乗換えなしで九州新幹線がつながり、最近では北海道で新幹線が乗り入れたということであります。金沢には多くの観光客が訪れ、九州には鉄道旅客は数倍に膨らんだと言われております。今ようやく北海道から鹿児島までの一本の新幹線で結び付けられ、日本海側にも新幹線を通して、中央リニア新幹線を通す工事が日々進められておるわけであります。  いよいよこの法案によってより速やかにリニア中央新幹線の完成に向けて一歩進むことになりますけれども、最後に、大臣のリニア中央新幹線に対する思いを是非ともお願いをしたい。自分のお言葉でお願いします。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 昨年十一月にアメリカのフォックス運輸長官が来日された際に、私、御案内をしまして、山梨の実験線に初めて試乗させていただきました。時速五百キロを超えるスピードでありましたけれども、非常に快適でありまして、我が国のリニアの技術の高さを実感をしたところでございます。  このリニア中央新幹線の開業によりまして、先ほどから申し上げておりますとおり、東京、名古屋、大阪の三大都市圏が一時間で結ばれ、人口七千万人の巨大な都市圏が形成されます。これによって我が国の国土構造が大きく変革をされ、国際競争力の向上が図れるとともに、その成長力が全国に波及し、日本経済を発展させると思っています。  また、委員が今御指摘いただいたように、リニアの技術は全く新しい我が国独自の高速技術でありまして、国内での実用化にとどまることなく、今現実にアメリカの北東回廊でも導入を目指しておりますけれども、積極的に海外展開を推進していきたいと思っております。  このように、リニア中央新幹線は今後の我が国の発展の基盤となり得るものでありまして、持続可能な経済成長の実現に大きく貢献していくものと期待をしてございます。  一方で、事業の遂行に当たりましては、自然環境、生活環境への影響にも留意する必要があり、環境影響評価書に示された措置等が適切に実施されるよう、JR東海を指導監督していきたいと考えておるところでございます。  以上であります。

酒井庸行自由民主党

○酒井庸行君 委員長、ありがとうございました。  終わります。

野田国義民進党・新緑風会

○野田国義君 福岡選出の民進党の野田国義でございます。  今お話もございましたけれども、午前中、大統領の話させていただきましたが、それと同時に、本当に驚いたのが我がふるさとでありますこの陥没の問題でございます。いつも街頭演説する近くでございます。私の事務所は反対の筑紫口でございましたので被害はないわけでありますけれども、本当に大変なことが起こっておるということでございまして、この地下鉄の掘削工事中の、地下水が恐らく漏れ出したんだと思います、それからどんどん被害が広がったということだと思いますけれども、本当に地下の中は分からないんだなと、作業している中で。この世界最高水準と言われる技術でやっていてもこういった事故が起こるということでございまして、改めて都市のもろさと申しますか、それを感じたところでございます。  そこで、ちょっと順番と申しますか、もうリニアの必要性については午前中からいろいろ論議をしております。私もいろいろな懸念、この後少し指摘をさせていただきたいと思いますが、そういうことをクリアしながら、しっかり日本あるいは世界のためにリニアを是非とも成功させてもらうということが必要だと思います。前向きにこれ考えていかなくちゃいけないことだと思いますので。  それで、ちょっと関連して、このリニアのこと、先ほどからトンネルの話が再三出ているわけですが、ある意味ではこの福岡の地下鉄工事もいわゆるトンネル掘っていくというようなことでございまして、非常に、同じような技術的な本当にミスは許されないということを感じたところでございます。福岡においては以前にも、二年ほど前だったでしょうか、事故が起きておると。この事故が、教訓が生かされていないということも非常にこれは問題だなということを思っているところでございます。  これ、調べておりましたところ、専門家の方は御存じだと思いますが、シールド工法とNATM工法というのが掘る手法としてあるようでございまして、ここが何か、入札等のこともいろいろとマスコミ今調べているような状況でありますけれども、三工区ありまして、総合評価方式でやっているみたいですが、何か一者応札のところもあるんですね、区間も。ここは約四十四億ぐらいの工事でございまして、七隈線の中間駅の東工区建設工事ですか、そこがこういう状況になってしまったということでございまして。  私、そのいろいろな入札の方法もこれちょっと問題あるとは思うんですが、また後に回しまして、これ、総合評価方式の中で、工法ですね、工法のミスがあったんじゃないかなと私思っております。これはNATM工法でここのところはやっておる、工事をやっておったということなんですね。それで、いろいろと調べておりましたら、今回のリニアの方はいわゆる山岳工法という工法がNATMというようなことでございまして、先ほどまた出ておりますようにいろいろな資材の高騰などがあって結果的にNATMでやらざるを得なかったとか、何かそういうことであったならば、私はこれは人災というような捉え方もあるんじゃないかということで、非常に今後の成り行き、また調査を、また国交省辺りも福岡市役所の方に立入調査されているようでございますので、今の状況でどういうことが原因であるか、つかんでおられる範囲でお答えいただきたいと思います。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。  道路陥没事象の経緯につきましては先ほど大野政務官の方からお話があったとおりでございまして、九日十九時四十分頃、地表面から三メートル下までの埋め戻しが完了し、今後ライフラインの復旧を行って、市長の意向表明としては来週の月曜には道路を復旧したいということであったと聞いております。  私どもといたしましては、まずは現場の復旧を最優先といたしまして、現場の状況をしっかりと把握した上で、復旧についても必要な支援、また復旧が終わりましたら原因究明及び再発防止について私どもも加わってしっかりやっていきたいと思っているところでございます。  今ございました工法の選択の適切性でありますとかその実施の適切性等につきましては、今後の原因究明を待たねばならないところでありますので、ちょっと現時点でいろいろと申し上げるのは差し控えたいと思いますが、いずれにいたしましても、原因究明、再発防止にしっかり取り組んでいきたいというふうな思いでおるところでございます。

野田国義民進党・新緑風会

○野田国義君 原因調査もしっかりお願いをしたいと思うところでございます。  それで、ここのいわゆるリニアのトンネルの問題でございますけれども、ちょうど記事を探しておりましたら、本当に今世紀最大のいわゆる難工事に挑むということになるわけでございまして、相当なこれ技術力が必要であると。前から出ておりますように、何かちょっと隆起をしている、今現在もそういうところであるようでございますし、ですから、その技術あるいはリスク管理、ひいては大量に発生する土砂をどう処理をしていくのかということ。  私、今オリンピックとか豊洲の問題などを見ておりますと、何か問題が後手後手になってしまったということも言えるんじゃないかなということを思いますので、早くこういったリスクと申しますか危険な部分というのはしっかりと取り払って、ちゃんとした方向に位置付けていく、方向性に持っていくということが大切なことだと思いますけれども、その技術的なもの、そして土砂、どうするか、これなんか早く決めてもらわないといけない大きな問題じゃなかろうかなと。工事が始まってどこに捨てたらいいのかということでまたどこかに山積みとか、そんなことじゃ私は絶対駄目だと思いますので、どうでしょうか。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。  まず最初の技術的な面についての御指摘でございます。  平成二十三年五月に出されました交通政策審議会の答申におきまして、JR東海の建設主体としての事業遂行能力につきまして、技術的な観点からは、平成二年以降山梨実験線を建設し、現在も延伸工事などを行っていること、走行試験など実験を重ねてきたことなどを勘案すれば、超電導リニア方式による鉄道技術を有するものと認められるということにされております。  御指摘の難工事の箇所の中に南アルプストンネルなどの長大山岳トンネルがございますが、昭和四十九年に当時の国鉄が、また平成二年からはJR東海と鉄道・運輸機構が調査を始めまして以来、長期間かつ広範囲にわたる綿密な調査を実施してきたところでございます。この調査によりましてJR東海は地質等の状況を把握しているとともに、現在確立されております技術を踏まえまして十分な検討を行い、必要により専門家による検討委員会の助言もいただきながら適切な施工方法を選択することにより、施工は十分可能であるというふうに考えております。  また、これまでJR東海は、品川駅の新設工事でありますとか、新大阪駅の大規模改良、名古屋駅での地下鉄桜通線新設に伴う地下駅新設の工事実績などがございまして、難工事とされる品川、名古屋駅の両ターミナル駅の工事に関しても十分な技術力を有しているというふうに承知をいたしております。  あと、もう一つ御指摘がございました建設残土の問題でございます。  先生も御案内かと存じますが、リニア中央新幹線品川―名古屋間の工事によりまして五千六百八十万立方メートルの建設発生土が生じるというふうに見込まれております。  この建設発生土の活用につきましては、JR東海は環境影響評価書の中で、五千六百八十万立方メートルのうち約二六%に当たります千四百七十万立方メートルの利用先を示しております。また、これら以外に、沿線の自治体からは、建設発生土全体を超える六千五百万立方メートル分の候補地の情報提供がございまして、現在、JR東海は利用先の地元との調整や現地での環境調査を進めるなど、候補地の選定を進めているというふうに聞いております。  今後、JR東海は、有効利用先に関する情報を継続的に収集して最適な候補地を選定できるよう検討を進めるとともに、候補地についての関係先との調整により、可能な限り速やかに発生土の利用量確保に努めるとしておりますので、私どもといたしましても適切に指導してまいりたいというふうに思っております。

野田国義民進党・新緑風会

○野田国義君 この技術の問題、今大丈夫だということをおっしゃったわけでありますけれども、しっかりやっぱり、こういった博多みたいな事故も起こるわけでありますので、慎重には慎重を期してやっていただきたい。そしてまた、残土の問題については、候補地は挙がっているけれども、しかしながら、いわゆる迷惑施設というかそういう形になっていくわけでありますので、現実にそこに残土を捨てようとすると地元から反対運動が起こってくるとか、いろいろなケースがこれ考えられると思いますので、ここも早急にしっかりと場所を特定していただきたいと、そのようなことをお願いをしたいと思っております。  それから、これ八年間前倒してやるということになりますと、いわゆるJR東海の皆さんの、そこで働いておられる方ですよね、本当に大変だと思うんですけれども、この労働というか労働力的なことを含めて、そういった従業員の方が過労に、今非常に時間外とかが問題になっておりますけれども、その辺りのところを、大丈夫でしょうかね、お答えいただきたいと思います。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。  JR東海社内におけますリニア事業の推進体制ということかと思いますが、品川―名古屋間の工事を着実に進めるべく、各都県に工事事務所を設置するなど必要な体制を整備をして進めているというふうに聞いております。ちなみに、二十八年七月現在、千百人体制というふうに伺っております。  品川―名古屋間の工事後速やかに名古屋―大阪間の工事に着手するためには、その工事に着手する約四年前に名古屋―大阪間の環境影響評価を行うということになります。このため、名古屋―大阪間のルート選定でありますとか環境影響評価書の作成等の業務に携わる要員が必要となるわけでございます。  最大八年間前倒しを目指します名古屋―大阪間の工事の着手までにはなお時間がございますことから、JR東海は、品川―名古屋間の工事の進捗に応じてその一部の要員をこちらの方に充当するほか、計画的に社員を採用、養成するなどにより、十分に必要な要員を確保して業務を推進していくというふうに伺っております。

野田国義民進党・新緑風会

○野田国義君 考えてみますと、これ、かえって八年間空けるよりも継続してやった方が先が読めて人材育成等もできていいのかなということもあろうかと思いますけれども、しかし大変な事業でございますので、そういった人材の確保、育成という点でもよろしくお願いをしたいと思っております。  それから、この財政投融資でございますけれども、私の思いは、この財政投融資、第二の公共工事とかですね、昔、そしてまた小泉改革によって郵政改革というような形につながったわけでございますので、非常にちょっと悪いイメージが強いわけでございます。  非常にこの財政規律を守るという中で、今大体どのくらいの残高があるのか。ある一方では、これ先祖返りじゃないか、これを利用してどんどんどんどん広げていくんじゃないかと、公共工事等をですね、そういうことも言われております。非常に国民も懸念をしておると思いますので、その辺りの考え方を述べていただきたいと思います。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。  財政投融資につきましては、平成十三年度の財政投融資改革以降、資産、負債の圧縮を図るとともに、民業補完の原則の下、対象事業の重点化、効率化が進められてきたところでございます。  平成十三年度現在、財政投融資計画残高の推移でありますけれども、その当時四百十兆円あったものが、二十八年度末見込みで百五十四兆円というふうに重点化をされてきているというふうに思っております。一方、東日本大震災への対応等のため、必要な場合にはもちろん財投を活用するわけでございます。  今回のリニア中央新幹線事業への財投の貸付けにつきましては、昨今の経済情勢を踏まえまして、デフレから完全に脱却するとともに未来への投資を加速するということを目的とした経済対策におきまして、大阪までの全線開業の前倒しが盛り込まれまして、そのために財投を活用するものでございまして、過去の改革の流れに逆行するものではないというふうに考えております。  国土交通省といたしましては、今後とも、財政投融資改革以降の取組など政府全体の方針を踏まえまして、真に必要な資金需要に的確に対応するという形で財投を活用してまいりたいというふうに思っております。

野田国義民進党・新緑風会

○野田国義君 しっかり規律を持ってこの財投活用をお願いをしたいと思います。  それで、この財投がこういう形で使われるということになりますと、当然、政府は、国鉄時代ですよね、政治などが外部からの介入が多分に行われ、結果として巨額の財政投融資が不採算路線の建設等につぎ込まれた過去の教訓をやっぱり踏まえて、必要性や採算性を十分に今後考えて対応をしていただきたい、このことも併せてお願いをしたいと思っているところであります。  それで、ちょっと時間がもうなくなってまいりましたけれども、一つ、九州新幹線の方ですね、いわゆる長崎ルートでございますけれども、このことは、もう御承知のとおり、フリーゲージトレインですか、なかなか不都合なことが出てきたということでございまして、今、リレー方式ということで、二〇二二年ですか、武雄で乗り継ぐ、今日は長崎、佐賀の議員の方もいらっしゃるわけでございますけれども、本当にこれ苦渋の選択というか、そういう決着ではなかったかなと思っておるところでございまして、今現在、フリーゲージがもう駄目だったらちょっと諦めてほかの方法を考えるとか、いろいろな対応も取っていかなくちゃいけないと思っておりますが、今どういうふうに考えておられるのか、お答えいただきたいと思います。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。  お話がございましたフリーゲージトレインにつきましては、平成二十六年十月から二年半で試作車を六十万キロ走行させるスリーモード耐久走行試験というものを開始をしたところでございますが、三万キロ程度走行した時点で車軸の摩耗といった不具合が確認されまして、それ以降、当該耐久走行試験を休止しているところでございます。  その後、平成二十七年十二月に、開発主体でございます鉄道・運輸機構による不具合原因と対策案が学識経験者で構成される軌間可変技術評価委員会において報告、了承されたところでございます。この了承されました対策案に基づきまして、鉄道・運輸機構において改良台車の室内回転試験を本年五月から八月の間に実施をいたしまして、現在はその改良台車の分解調査、また営業車としての使用を想定したメンテナンスでありますとか経済性の検討を実施をしているところでございます。  これらの検討結果がまとまり次第、軌間可変技術評価委員会を開催いたしまして、耐久走行試験の再開について評価していただくということで開発を進めていきたいというふうに思っております。

野田国義民進党・新緑風会

○野田国義君 このことを今いろいろ検討して早く決断をするという、決めるというようなこともいただきましたので、これ早く、やっぱりできるのかできないのか、決断をしないことには前に進まないと思いますので、このことも決断を促して、私の質問を終わりたいと思います。  どうもありがとうございました。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 民進党の鉢呂吉雄です。  昨日来、トランプ・ショックが日本にも吹き荒れておるわけでありますけれども、石井大臣にまず、事前の通告はしておりませんけれども、アメリカの大統領がトランプ氏に替わるという中で、大統領候補時代の言動がそのまま大統領になってそのとおりいくかどうか、より現実主義的になるのではないかというようなことも言われておりますけれども、より日本の安全保障や経済に、あるいは世界的には保護主義、グローバリズムというようなことに対しての大きな影響があるのかなと、こういうふうに私も思うわけでありますけれども、大臣として現状でどんなお考えがあるか、感想程度でもよろしいんですけれども、お聞かせをいただきたいと思います。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 御案内のとおり、日米同盟は我が国の外交の基軸でございます。日米両国関係のみならず、アジアあるいはグローバルな課題につきましても、米国と緊密に協力をしているところでございます。  国土交通省におきましても、様々な課題について米国と緊密に協力をしているところでございまして、新しいトランプ大統領の下におきましても一層協力を深めていきたいと、このように考えておるところでございます。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 今日は衆議院段階でTPPの強行採決が本会議でなされるかのような報道もありますけれども、トランプが本当にTPP、大統領になったらこれをしないと、現大統領も今年中の議会での承認は求めないという、今日決定をしたという報道がありますけれども、日本で今これを審議するのは意味を失っておるのではないかと、こういうふうにも思いますので、是非我々としても、大統領が替わったという観点で、日本がよく、自立的な方向というのが安全保障上もあるいは経済もあるいは政治の分野でもあってしかるべきかと、私はこういうふうに思っております。  それでは、法案の方に移らさせていただきます。  九月二十六日の参議院の本会議で、安倍総理は所信の演説で、このリニア中央新幹線の建設を、東京と大阪をハブとして全国を一つの経済圏に統合する地方創生回廊だと、こういうふうに述べたわけであります。  今日の午前中の参考人質問でも、中央だけが栄えて地方は衰退すると、こういう御意見もございました。また、衆議院の国交委員会の、十月二十六日ですけれども、お二人の参考人、中川京都大学教授あるいは橋山禮治郎大学名誉教授、このお二人からも、リニア単体では地方創生とは必ずしもならない、東京集中ばかりが進んでその逆にはならない、地方の交通整備も含めてバランスの取れた整備が必要だと、こういった参考人の御意見もございました。  この総理の発言を踏まえて、国交大臣、この地方創生とリニア中央新幹線、参考人のこういった御意見も踏まえてどのようにお考えになるか、御所見を聞かせていただきたいと思います。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) リニア中央新幹線の全線開業によりまして東京、名古屋、大阪の三大都市圏が一時間で結ばれまして、人口七千万人規模の巨大な都市圏が形成されることになります。これによりまして我が国の国土構造が大きく変革をされ、国際競争力の向上が図れるとともに、その成長力が全国に波及し、日本経済全体を発展させると考えております。  具体的には、三大都市圏の利便性が高まることに加えて、西日本と名古屋圏や東京圏との間、また東日本と名古屋圏や大阪圏との間など、三大都市圏と国内各地との移動時間が短縮をされ、三大都市圏へのアクセスの利便性が飛躍的に向上し、地域の活性化、地方創生に貢献する可能性が高まると考えております。  ただ、リニアが全線開業すれば、それで自然と地方創生が成るというものではなくて、これをうまくどう生かしていくか、それぞれの地域の、地方の創意工夫ということもやはり重要になろうかと思っております。また、あわせてその地方の交通基盤を整備していくことも重要な課題と認識をしているところでございます。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 確かに、四時間コースで従来仙台まで、仙台―大阪間が盛岡、秋田に短縮される、そこまで四時間コースになると、こういった国土交通省の委員会での答弁もございました。ただ残念ながら、それはそれとして東京の一極集中という形でございます。全国、日本はいろいろなところがございます。それに外れるところが私は多いというふうに思います。そんな中で、必ずしも、全国を一つの経済圏に統合する、こういった表現は的を得ておらないのではないかと、私はこういうふうに思うわけです。  様々な識者が述べておるように、全国新幹線整備法という中では、基本計画路線と整備計画路線、昭和四十八年に作られました。私もいろいろ勉強させていただいたんですけれども、四国あるいは山陰、あるいは博多から大分、宮崎、鹿児島経由の東九州、羽越、奥州、北海道で言えば旭川あるいは苫小牧経由の南回り線、こういった基本計画が、このリニアが基本計画の中に入っておるとすればそれ以外は全く遅々として四十三年間進んでおらないと、こういう状態にあるわけであります。  整備新幹線も北海道から九州までというお話がございました。なかなか、これも四十三年たって、まだ北海道の札幌まで延伸するには十四年掛かる、これから。六十年近く掛かる。大阪まで北陸新幹線がつながるにはまだ路線も明確でないと。非常に遅れておる。四十八年に作ったものがまだ生きておるという状況で、この遅さというのはどこに起因するのか。国の予算は七百億、もうこれ、ずっとそれを少し上回るかどうかの段階だと思います。  整備新幹線のこの状況というのはどのように考えておるのか。これが順調に来ておる、計画どおりに来ておると、こういうふうに思われるのか、その辺の大臣の考えをお聞かせいただきたいと思います。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 国土交通省といたしましては、整備計画路線の確実な整備にめどを立てることが最優先の課題と考えております。  平成元年に北陸新幹線高崎―軽井沢間が着工いたしまして、平成九年にはこの区間を含みます高崎―長野間が開業いたしました。近年では、平成二十三年に九州新幹線の博多―新八代間、平成二十七年には北陸新幹線の長野―金沢間、また本年には北海道新幹線新青森―新函館北斗間がそれぞれ開業するなど、整備は順次進捗をしてきていると思ってございます。  現在、北陸新幹線の金沢―敦賀間、九州新幹線の武雄温泉―長崎間……

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 大臣、経過は分かります。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) ええ。北海道新幹線の新函館北斗―札幌間の建設を進めておりまして、さらに北陸新幹線の敦賀―大阪間についても必要な調査を行っているところでございまして、今後とも順次この整備新幹線の整備を着実に進めていきたいと考えているところでございます。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 私どもも、旧民主党政権時代に新幹線の着工を決定した経過があります。私の隣にいる羽田雄一郎国交大臣が決断をしました。あのときの一番の大きな決断は、これまではずっと十年のスキームでありました。先ほど言った七百億に見合った、財源に見合った線区を決めると。私どもこれを突破いたしまして、二十四年でしたか、という形で十年の限界を突破しました。これだけでもなかなか大変な事態でありましたけれども、羽田大臣の勇断でこれを決定したところであります。  私は、余りにも国の高速鉄道に対する予算が少な過ぎると。しかも地方自治体がその半分をまた上乗せですけれども負担をする、そして整備新幹線等の貸付料をこの財源にすると。二千二百億程度の一年間の事業費ではなかなか前に進まないと、こういう実態であります。まさに大臣、ここのところをきちんとしなければ地方創生につながらないのではないかと、こういうふうに思うんですけれども、もちろん来年、二十九年度に概算要求でこの関係の、鉄道も含めて高速交通の調査費を付けてどうあるべきかという調査をするということももう答弁しなくても分かっていますので、それ以外に大臣の基本としてどういう考えを取るのか、このお考えをやっぱり聞かせていただきたいと思います。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) それは、整備計画路線をなるべく早く進めるという趣旨でしょうか、それとも基本計画路線を着工すべきという趣旨……。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 前段の方です。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 前段の方ですか。  整備計画路線につきましては、ちょっと今、年次を失念をいたしましたが、政府・与党において、今着工している三区間について完成時期の前倒しをやったところでございます。いろんな財源の工夫もしながらそういう前倒しの決定をしたところでございますので、まずはその目標を着実に達成をするということが我々の責務だというふうに考えております。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 九月の二十六日の安倍総理の所信演説で、安倍内閣は地方創生の未来に大胆に投資していきますということで、財政投融資を活用して整備新幹線の整備も加速していきますと、加速していきますと高らかに訴えました。  八千二百七十九億円の財投を既存の整備新幹線の三区間に投入する、これは何に使われるんですか。大臣、御答弁願います。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 今回、今委員が御紹介いただいたように、八千二百七十九億円、整備新幹線に財投を投入するわけでございますけれども、これは、そもそも建設資金の確保のために行うとしておりました将来開業線区の貸付料の前倒し活用、この分を財投の長期、固定、低利の融資に置き換えるということによりまして、借入金の金利負担を縮減し、その整備をより着実に推進するものでございます。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 もう既にスキームはあって、民間資金等を鉄道・運輸機構が借りるものを財投、政府系の資金に借り換える。私の方で時間がありませんので答えますけれども、本当の微々たるものであります。  国交大臣は、今、着実にというふうに述べました。実際は、大臣は、整備新幹線について開業効果を早期に発揮させるためにと、こういうふうに委員会の所信でも述べておるわけですけれども、事務当局に聞きましたら、これは金利等の軽減であって、建設の単価が上がるかも分からないと、あるいは次の北陸新幹線のための資金というような事務段階の答えでございました。  これでは、大臣、効果は本当に限定的ではありませんか。所信で、開業効果を早期に発揮させるためと。総理は、先ほど言いましたように、整備を加速すると、加速すると言っているんです。じゃ、何年早期に開業する効果が出てくるんですか。何年、今例えば北海道は十四年です、前倒しされて。  私は、八千二百七十九億円をそのまま、リニアモーターカーの三兆円のようにそのまま建設工事、これに充てれば三年はこれは更に前倒しできると。やっぱりそのぐらいの早期発揮というものを整備新幹線に求められておるのではないか。与党の申合せ、必ずあります。この辺の十分な論議が、私は新聞報道でしか分かりませんけれども、出てきていない。  今、低金利時代です。民間よりはそれはどのぐらい金利が安くなるのか。一%です、一%です。今、低金利時代です。財投八千二百七十九億円を新たなこの整備に振り向けると。こういう中で、二、三年は最低でも全体的に、九州の佐賀、長崎まで行く長崎路線や北陸新幹線を含めて、私はこれを前倒し更にできると。大臣のやっぱりこれ決断が必要ですよ。単なる今スキームにある、既存の民間の金利よりは確かに安くなりますけれども、もっと効果を早期に発現させるための大臣の決断がリニアのように八年前倒しにできるんですよ。これが私は必要だと思うんですが、いかがですか。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 現在建設中の整備新幹線の三区間につきましては、それぞれ技術的な課題、あるいは工程的な課題がございまして、私が決断をすれば建設期間が短くなるというものではございません。ただ、工期短縮を望む地元の要望の声もございますので、国土交通省といたしましては、一日も早い開業が可能になるよう最大限努力をしていきたいと思っています。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 総理大臣は、地方創生のために未来に投資する、先ほど質問された自民党さんのとおりです。未来の地方に大胆に投資するために整備新幹線も財投を使って加速していきますと、こう述べているんです。大臣の所信表明の文言は、整備新幹線の整備の促進を図っています。文言、ダウンしています。事務当局が慌てて作り直したというふうに私聞いていますけれども、これ幸いに官邸主導でこういう華々しい言葉をつくって表明して、そして国土交通省が妥当なところに変えていく。  私は、言葉はどうでもいいんです。だけれども、大臣の決断があれば、八千二百七十九億円、そんな技術的な形ではありません。みんな財源がなくてこの間なかなか整備が進んでこられない。八千二百億を新たに付け加えるんなら、後で貸付料は平成四十五年以降も入ってくるわけですから。これ、何年ですか、償還は。大変なあれですよ、償還の期限は二十八年償還なんです、二十八年償還。据置きは二通りありますけれども。北陸とそして長崎、そして北海道と、二通りの整備区間を設けて、開業始めて二十八年後にこの償還期限を設けると。  ですから、私はそういったものも含めて、大臣、ここで決断はしなくてもいいですけれども、やっぱり一年でも早くやるという形を早急に検討すべきだ。単に既存の今でも安い一・五ぐらいのやつを〇・五ぐらいの金利にするだけでいいんです。こんな華々しく総理が加速化するなんていうことを言って、中身は本当に何にもないと、こういうことであってはならないと思いますから、新たな建設のお金として使うと。これを是非政権としても検討をして実行していただきたいと思います。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 私の認識では、現在建設中の整備新幹線の三区間については、この工期というのは事業量で制約があるわけではなくて、技術的な課題、あるいは工程的な課題でコントロールされているというふうに認識をしてございます。  したがって、年単位で短縮するというのはなかなか難しいとは存じますが、先ほど申し上げたように、地元からも大変早い、早期の完成の御要望もございますので、一日も早い開業が可能となるよう努力をしていきたいと思っております。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 これ、安倍総理は肝煎りで経済対策を、そしてリニアと同じように加速すると明言されたんです。今、大臣、そんなことを聞くんなら、この文言、総理大臣に取消しをさせてくださいよ。やっぱり大臣や総理大臣が言ったその方向で、加速の、ちゃんと言葉どおりの実を上げる財投の使い方にしていただきたい。  再度答弁願います。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 整備新幹線三区間の一日も早い開業が可能となるよう努力をしてまいります。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 それでは、リニアの話を聞いていると、もう遠い我々北海道にしてみたら、五百キロのスピードの鉄道、そういった状況の話が雲の上のような状況であります。北海道は度重なる台風で、しかも赤字路線で、廃止のその発表を秋口にするかという状況で、前回も大臣に御答弁を願ったところでございます。  もう少し具体的なものと思いましたが、時間がなくなりますので、前回、菅官房長官を是非この場にということでありましたが、なかなかそういう方向でもないようであります。時間もたちましたから、菅官房長官は、JR北海道、地域の足であり、農林水産業にとっても極めて大事な鉄道であるので、従来の対応策の枠を超える形で支援していきたいと、こう札幌で述べました。  石井大臣は、私、二、三回答弁求めましたけれども、災害復旧事業費補助制度を最大限活用することを始め必要な支援について検討するという御答弁でした。改めて、官房長官の枠を超えるという形での御支援をいただけるかどうか、お願いを申し上げます。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 今般のJR北海道の災害復旧についてでございますが、国土交通省といたしましては、災害に強い鉄道が構築されるということを念頭に置きながら、被災した施設の早期復旧に向けて、鉄道軌道整備法に基づく災害復旧事業費補助制度を最大限活用することを始め、必要な支援について検討してまいりたいと考えております。  なお、官房長官とは平素から観光政策や交通政策についてお互いによく相談をして意思疎通をしているところでございますので、官房長官との発言の内容にそごはないものと考えております。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 前回、台風被害の根室線、南富良野―新得間、これについては、まさにこの調査自体もできないという形で、来年春以降の着工になると、こういう形で大臣の御答弁もございました。このように理解をしてよろしいかどうか、改めて根室線の新得―南富良野間について御答弁を願いたいと思います。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) JR北海道の根室線の新得駅―芽室駅間及び石勝線のトマム駅―新得駅間では、三か所の橋梁が流失するなどの大きな被害が発生をいたしました。このうち、根室線の東鹿越駅から新得駅間につきましては、被災状況が甚大であり、工事着手が早くとも来年春以降となる予定と聞いているところでございます。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 前回の大臣の答弁は、新得の現地も訪問して、まずは被災した施設の早期復旧をすることを明言をされたわけでございます。  私がなぜお聞きしたかといいますと、その前に、先ほども言ったように、JR北海道は秋口に赤字路線について廃止あるいはまた地方自治体と協議をする、この路線を発表すると、こういう形で言われております。まだ発表されていない中で、NHKを始めとして各北海道のマスコミはこの詳細な当該する路線を発表すると、こういう事態で、道民の皆さんは非常に今、JR北海道は正式の発表がないにもかかわらず、もうこれが既定のような形で数週間前に発表されて、大変皆さん心配をされておるわけであります。質問する時間がありません。  今大臣が言われたその線区についても廃止の路線としてNHK等も報道しておる、そういう区間であります。日高線も同じような形で、大臣は、台風の被害があるにもかかわらず、そこの復旧については言及を、やらないというふうに前回言いました。ここは、やるんだということをはっきり言っていただきたいと思います。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 根室線ですね。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 はい、そうです。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 根室線の東鹿越―新得間につきましては、先ほど申し上げたとおり、被災状況が甚大なため、工事着手が早くても来年春以降となる予定というふうに聞いているところでございます。

鉢呂吉雄民進党・新緑風会

○鉢呂吉雄君 終わります。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 私からも、先ほど酒井先生も野田先生も言及されました博多での大規模な道路陥没事故、是非とも石井国土交通大臣には強力なリーダーシップを発揮していただいて、一日も早い徹底した原因究明、そしてまた水平展開をお願いをしたいと思います。  それでは、質問に入ります。まず、JR東海への鉄道・運輸機構の関与についてお伺いをしたいと思います。  午前中の参考人質疑におきまして、杉山参考人より、事業主体であるJR東海と鉄道・運輸機構の間の適切な緊張関係が構築されることが望ましいとの意見表明がありました。今回、債権の管理という形で鉄道・運輸機構は具体的にどの程度、またどのような形でJR東海と関わるのか。例えば、法に規定はないんですけれども、貸付金の使用状況についてJR東海に定期的な報告を行わせるようなことを想定しているのかどうか、奥田局長、お願いします。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。  今回の財投措置におきましては、財投資金を貸し付けました後、機構が定期的に工事の進捗状況でありますとか、JR東海の財務状況の把握及び貸付金の使用状況の確認を行いまして、円滑な工事の実施や償還確実性の確保を図ることといたしております。  具体的には、営業状況及び財務状況の確認を行いまして、JR東海におきまして財務上の懸念が発生していないか、また償還確実性が依然として確保されているかの確認、工事の実績及び今後の工事内容の報告を受け貸付対象事業の進捗を把握する、別途開設いたします資金管理口座の残高でありますとか実際のリニア工事に係る支出を突合し、支出の適切性の確認などを定期的に行うことといたしております。  また、仮に貸付期間中にJR東海の財務状況が万一悪化いたしました場合等におきましては、担保を設定する旨を貸付時の約定において定める、そういったことをすることといたしております。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 今局長がおっしゃったように、しっかりしたモニターを継続していただきたいと思います。  次に、建設に要する費用の中身についてお伺いをしたいと思います。  融資は建設に要する費用に充当されますが、具体的にはどのような費用がそれに該当するのでしょうか。融資額は非常に巨額であります。なので、このような細部についてあらかじめ明示をし、限定をしておく必要があるのではないでしょうか。局長、お願いします。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。  今回の財投措置は、品川―名古屋間の工事に充てるために調達が必要と見込まれます三兆円について一括で貸付けを行うことで全線開業の前倒しを図るというものでございます。  品川―名古屋間の工事に要する費用として具体的に貸付けの対象となる費目につきましては、基本的には、平成二十六年十月十七日に認可をいたしました中央新幹線品川―名古屋間工事実施計画において、同計画認可時点における総工事費の見込額とされました約五兆五千二百三十五億円を所要資金として実施される中央新幹線の建設に要する支出に限定して貸付けが行われるものと認識をいたしております。なお、この内容につきましては、法案の成立後、貸付時の約定において規定されることとなっております。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 では、その約定の中でこういうような細かいことまで規定されるということでしょうか。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) 中央新幹線品川―名古屋間工事実施計画において定められております費目、項目がございまして、例えばその項目といたしましては用地費、路盤費、橋梁費、隧道費、軌道費と様々な項目ございますので、そういった事業の実施に充てる経費ということを、その趣旨を定めるということでございます。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 続きまして、追加の支援の可能性について伺いたいと思います。  JR東海の経営環境の悪化、例えば東海地震の発生によって経営が悪化した場合など、若しくは資材や人件費が高騰したことによって工事費の大幅な増加があった場合などは、追加の支援を行うことは可能なのか、これも局長、お願いします。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。  リニア中央新幹線は、交通政策審議会の議論におきまして、JR東海の事業遂行能力等を総合的に勘案いたしました結果、JR東海が建設主体、営業主体として適当とされまして指名されたものでございまして、自己負担を前提とする民間の事業として推進されてきたところでございます。  今回の貸付措置は、品川―名古屋間の工事に充てるために調達が必要と見込まれる三兆円について、財投の長期、固定、低利の貸付けを行うことにより八年間の経営体力回復期間をなくしまして、品川―名古屋間開業後連続して名古屋―大阪間の工事に速やかに着手することで最大八年間の全線開業の前倒しを図るものでございます。  今回の一部改正法により追加されます貸付業務に係る規定では、中央新幹線の速やかな建設を図るため建設資金の一部を貸し付けるとされておりまして、法律上はこの範囲内であれば追加の貸付けは可能というふうに考えられます。  しかしながら、経営状況の悪化でありますとか、仮に東海地震などの大災害によりまして一時的な収入の低下や設備投資費用の増加などの想定外の事態が生じた場合には、東海道新幹線の安定的な収益力を踏まえれば、債務残高を一定の水準に抑制しながら投資のタイミングを適切に判断することにより、経営の安定性を維持しながら事業を遂行することが可能と考えられます。  また、万一、工事費の増加が見込まれる場合におきましては、JR東海は、中央新幹線の工事全体について一層のコストダウンに取り組みますとともに、毎年の経営努力を積み重ねることで会社全体としてこの増加分を吸収しつつ事業を遂行していくという旨聞いております。なお、現時点においてこの工事費の増加が予想される状況が生じているということは伺っておりません。  したがいまして、国土交通省といたしましては、全線開業の最大八年前倒しのために必要な財投の貸付額としては今回の三兆円で足りるというふうに考えております。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 つまり、追加の融資はしない、可能ではないということなんですか。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) 今回の貸付けの目的であります全線開業最大八年前倒しのために三兆円という貸付けでございますが、そういった貸付けを行うときの前提であります健全経営なり事業の円滑な進捗ということに現在特段の支障もございませんので、今のところそういったことは想定していないということでございます。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 続いて、環境への影響についてお伺いをしたいと思います。  まず、環境大臣政務官の比嘉政務官にお伺いをしたいと思います。  この点については先ほど酒井先生も触れられていらっしゃいました。既に末松副大臣からも御答弁いただいていますが、重要な話なのでもう一回取り上げたいと思います。  JR東海が提出をしました中央新幹線、東京と名古屋の間の環境影響評価書に対して環境大臣は平成二十六年の六月に意見を発出しております。大気環境、水環境、土壌環境、動物・植物・生態系、人と自然の触れ合い、廃棄物、また温室効果ガスなど、あらゆる環境側面についての懸念が示されておりまして、国土交通省に対して事業者であるJR東海への指導を求める、こういう文書です。リニア中央新幹線は大規模な土地の改変を伴いまして、そのため環境への影響は避けることはできません。この意見書に示された取組を国交省が事業者に遵守させることで影響を低く抑えることが可能になると考えます。午前中の参考人質疑でもこの関係への大変大きな懸念が示されました。  環境省に伺います。どのようにしてこの意見書での要望、フォローしていかれるのでしょうか。政務官、お願いします。

比嘉奈津美自由民主党・無所属の会環境大臣政務官

○大臣政務官(比嘉奈津美君) リニア中央新幹線事業は、その事業の規模の大きさから相当な環境負担が発生する懸念があると認識しており、環境大臣意見の中で事業者に対し十分な環境保全措置を講じるように求めております。また、所管の国土交通大臣に対しては、事業者が十分な環境対策を講じることにより本事業に係る環境の保全について適切な配慮がなされるよう、事業者に対する適切な指導を行うことを述べております。  また、環境大臣意見の中で指摘したこれらの点を踏まえ、環境省としても、所管省庁である国土交通省により、適切な指導がなされるよう、国土交通省と連携しつつ注視してまいりたいと考えております。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 今政務官おっしゃったように、本当に国交省と綿密に連携を取って、事業の環境への影響ではもう本当に厳しくモニターしていただきたいと思います。是非ともよろしくお願いします。  続きまして、同じことを国交省に伺いたいと、これ大臣に伺います。  中央新幹線、先ほどの東京と名古屋の間の環境影響評価書及びさきの環境大臣意見を受けまして、国土交通大臣、当時の太田大臣は平成二十六年の七月に意見を事業者であるJR東海に対して発出をしております。  総論として、地元住民等への丁寧な説明、関係地方公共団体や地方整備局、地方運輸局との連携、最新技術の導入による環境影響の低減を求めた上で、各論としては、河川水の利用への影響の回避、災害発生の防止及び河川環境への影響回避、また、建設発生土の有効利用、建設発生土の運搬時の環境負荷低減、そして磁界に対する丁寧な説明を事業者に求めています。この意見書にはさきの環境大臣意見が別紙として添付をされています。  ここで、大臣に伺います。どのようにしてこの国土交通大臣の意見及び別紙として添付された環境大臣意見を事業者に対しフォローしていくのか、大臣、お願いします。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 中央新幹線は極めて大規模な事業であり、トンネルの掘削に伴う建設発生土が多いことや、その運搬に伴う生活環境や自然環境への影響、事業に伴う水環境への影響等、多岐にわたる分野での影響が指摘をされております。  このため、平成二十六年六月に国土交通大臣に提出された環境大臣意見を踏まえまして平成二十六年七月にJR東海に対して述べた環境影響評価書に対する国土交通大臣意見では、JR東海に対して、環境大臣意見で示された措置を講じ、環境保全への適切な配慮を求めるとともに、国土交通省も独自の観点から、今委員が御指摘をいただいた八項目の措置を講じるよう求めたところであります。  また、平成二十六年十月の工事実施計画の認可の際にも、当時の太田国土交通大臣からJR東海社長に対しまして、地域の理解と協力の獲得、環境の保全の措置、安全かつ確実な施工の三点を求めました。  リニア中央新幹線の工事につきましては、今後本格化していくことを踏まえまして、国土交通省といたしましては、今後の進捗状況についてJR東海から適宜報告を受けるとともに、環境影響評価書に記載された措置の実施状況を確認するなど、環境保全の措置が着実に実施されるようJR東海を指導監督してまいりたいと存じます。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 午前中の参考人質疑では、今大臣がおっしゃる取組が不十分なんじゃないかと、こんな指摘もありましたので、報告を受けるだけじゃなくて、しっかりと国土交通省からもそうした取組を促すように、是非ともしっかりしたモニターをお願いをしたいと思います。  続きまして、戦略的な地域づくりの重要性について務台政務官に伺いたいと思います。  平成二十三年の五月の国交省の下に設置されました交通政策審議会の答申には、附帯意見でこのような意見がございました。中央新幹線の整備は、三大都市圏間及び三大都市圏へのアクセスの利便性を飛躍的に向上させ、地域の活性化をもたらす可能性のある一方、更なる東京一極集中を招く可能性も有している、新幹線の沿線地域は、中央新幹線が開業すれば地域が活性するという発想に立つのではなく、中央新幹線の開業を見据え、旅客及び時代のニーズを踏まえ、地域特性を生かした産業や観光の振興など、地域独自の魅力を発揮する地域づくりを戦略的に実施していくことが極めて重要である、こういう指摘でした。今日は午前中の参考人質疑でも、東京一極集中への懸念ということが表明をされました。  ここで、務台政務官に伺います。地方創生を進めていく上で、この大変重要な指摘をどのように地方の発展につなげていくのか、リニア効果を見据えた地方創生、地域づくりをどのように進めていくのか、御答弁をお願いします。

務台俊介自由民主党・無所属の会内閣府大臣政務官・復興大臣政務官

○大臣政務官(務台俊介君) 議員御指摘のとおり、中央新幹線が開業すれば地域が活性化するという言わば待ちの発想に立つのではなく、中央新幹線の開業を見据え、地域独自の魅力を発揮する地域づくりを自ら戦略的に実施していくことが極めて重要だと考えております。  このため、国としては、まち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、東京一極集中の是正等に向けた政策パッケージを整えるとともに、地方自治体に対して、情報、人材、財政面からの支援を展開してきたところでございます。  一方、地方におきましては、地方の総合戦略の策定はほぼ完了し、本格的な事業展開に取り組む段階に入っているところだと理解しております。  今後も、国としては、地域独自の魅力を発揮する地域づくりが戦略的に実施されるように、各地方公共団体による主体的な取組を、地方創生推進交付金を始めあらゆる手段によって総合的に支援してまいりたいと思っております。また、事業の実施に当たっては、KPIの設定、あるいはPDCAサイクルの仕組みというものを活用することで、効率的、効果的に事業が進むように促してまいりたいと考えております。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 今の地方版総合戦略の中で、KPIというお話がありました。そのKPIがしっかり達成されているかどうかをちゃんとモニターして、また必要に応じて地方公共団体と連携を取って、本当にその地域が発展するように是非とも連携を深めていただきたいと思います。  技術開発について伺いたいと思います。  まず、コストダウンの取組と研究開発の推進について伺いたいと思います。これは奥田局長に伺います。  先ほどの答申、平成二十三年の五月の国交省の下に設置された交通政策審議会の答申の附帯意見でこのような指摘もございました。技術開発等によるコストダウンは、多額である整備費用を低減させ、ひいては大阪への開業を早めることにもつながるため、また、超電導リニア方式の国際競争上の優位性の確保のためにも極めて重要であり、国等においてもコストダウンのための技術開発の支援などを行っていくことが重要である、こういう指摘でございました。  現状でのコストダウンの取組状況とその具体的な効果はどうでしょうか。また、国はどのようにしてコストダウンのための技術開発の支援を行っていくのでしょうか。また、今日のリニア技術、これは一九六二年、昭和三十七年から研究が始められて、半世紀にわたる積み重ねが花開いたもの、このように承知をしてございます。今後もこの鉄道の研究開発、推進していくことは極めて重要と思いますが、国としてどのように支援していくのでしょうか。局長、お願いします。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。  御指摘の技術開発につきましては、現在、JR東海におきまして、山梨リニア実験線において、電波を用いました位置検知システムでありますとか、営業走行中の車両からリアルタイムで車両や地上設備のデータを取得して効率的なメンテナンスを行うシステムなど、超電導リニアのメンテナンスコスト等の削減に向けた技術開発を進めております。  なお、お尋ねがありました具体的なコストダウンの効果という点につきましては、将来の営業線における保守体系がまだ明らかでないため、現時点では定量的なものは未定ということになっております。恐縮でございます。  また、国土交通省では、中長期的な観点から、メンテナンスコストの削減に資する高温超電導磁石の技術開発に対して助成措置を行っております。さらに、先生御指摘のとおり、従来から国土交通省では、より幅広い観点から技術支援を行うということは大事であるというふうに思っておりまして、早期地震検知システムでありますとか新しいタイプのホームドアなど安全性の向上に資する技術開発でありますとか、蓄電池を活用いたしました省エネ型車両など環境性能の向上に資する技術開発等に対しまして助成措置を講じているところでありまして、引き続き、我が国の鉄道の更なる発展に向けた技術開発支援を進めていきたいというふうに思っております。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 是非今局長がおっしゃった支援を継続をしていただきたいと思います。それが、酒井先生が先ほど触れられました質の高いインフラの海外展開にもつながると思いますので、是非とも積極的な支援をお願いをしたいと思います。  次に、同じ技術の面なんですけれども、鉄道・運輸機構の技術力の活用について伺いたいと思います。  同じ答申にはこのような指摘もありました。鉄道・運輸機構は、新幹線鉄道整備を含め我が国で最も鉄道建設の経験が蓄積されている機関であり、中央新幹線のように大規模な鉄道整備を円滑に進めるためにはその協力が必要不可欠である、建設主体としてはJR東海が適当であるが、鉄道施設の整備における鉄道・運輸機構の技術力等が積極的に活用されるべきである、こういう指摘でございました。  リニア中央新幹線の整備において、鉄道・運輸機構の技術力がどのように生かされていくのか、局長、御答弁お願いします。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。  平成二十三年五月の交通政策審議会答申の附帯意見におきまして、今先生から御紹介いただきましたような指摘がなされたところでございます。  このことも踏まえまして、JR東海は、品川―名古屋間二百八十六キロのうちの一部区間、合計五十八キロの土木工事につきまして、上越新幹線大清水トンネルなど山岳トンネル工事でありますとか山梨実験線の建設などの経験が蓄積をされております鉄道・運輸機構に工事を委託いたしております。さらに、鉄道・運輸機構が工事を実施する区間を中心に、用地関係業務についても同じく委託をしているということでございます。  このように、整備新幹線の建設等で培いました機構の技術力や用地取得のノウハウを活用して中央新幹線の円滑な整備を図るということにいたしておるところでございます。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 引き続き、技術開発について伺いたいと思います。  今の、山梨実験線で具体的にはどんなような試験をされているのか、またその進捗状況はどうか、局長、またお願いします。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。  JR東海及び鉄道総研によりまして、平成九年から先行区間十八・四キロで走行試験を開始いたしました山梨リニア実験線でございますが、平成二十五年に全線を四十二・八キロに延伸した上で、現在まで累積走行距離約百八十万キロを走行するなど様々な走行試験を行ってまいりました。  この間、平成二十一年には学識経験者で構成されます超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会におきまして、超高速大量輸送システムとして運用面も含めた実用化の技術の確立の見通しが得られたとの評価を受けるとともに、昨年四月には最高時速六百三キロを達成いたしまして、世界記録を更新したところでございます。  現在では、引き続き、長期耐久性の検証のための走行試験を行いながら更なる環境性能の向上に向けて、ガスタービンを用いず非接触で車内に電力を供給する誘導集電システムやメンテナンスコスト削減のための位置検知システムなどの検証が行われているというところでございます。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 最後の質問になります。国際拠点空港との結節性強化について伺います。  さきの答申の附帯意見ではこのような指摘もありました。中央新幹線の整備により三大都市圏が約一時間で結ばれる効果を最大限活用し、今後、我が国の国際競争力を維持向上させるためには、三大都市圏における中央新幹線の駅と国際拠点空港の間のアクセスの利便性を十分に確保することが極めて重要である、こういう指摘です。  成田、羽田、セントレア、関空などの国際拠点空港と中央新幹線の駅の間のアクセス利便性の確保について、今どのような検討が進められているのか、最後また、局長、お願いします。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、三大都市圏におけますリニア中央新幹線の駅と国際拠点空港との間のアクセスの利便性を十分に確保することの重要性は、交通政策審議会答申でもその附帯意見で指摘されておりまして、我が国の国際競争力維持向上の観点から大変重要な視点であるというふうに考えております。  このような観点を踏まえまして、各地域で国際拠点空港とのアクセス強化に向けたプロジェクトが検討されております。具体的には、本年四月の交通政策審議会答申、東京圏における今後の都市鉄道のあり方についてに記載されました成田空港と品川駅とを結ぶ都心直結線の新設でありますとか、羽田空港アクセス線との乗換え円滑化に向けた品川駅の改良について調査、検討が進められておりますほか、名古屋市や鉄道事業者などによりまして、中部国際空港アクセス線への乗換え円滑化を図ることを目的といたしました名古屋駅の改良について検討が進められておりまして、さらに関西国際空港と大阪都心部、新大阪駅方面とを結ぶなにわ筋線の新設についても、大阪府や大阪市、鉄道事業者によって検討が進められております。  国土交通省といたしましては、地域におけるこのような検討状況を踏まえながら、必要に応じて各プロジェクトにおける議論に参画をさせていただきまして事業スキーム等について専門的な観点からアドバイスを行うとともに、事業化に当たりましてどのような支援が可能か検討するなど、リニア中央新幹線と国際拠点空港とのアクセス強化の取組を推進してまいりたいというふうに考えております。

新妻秀規公明党

○新妻秀規君 今、設計で全てが決まってしまうと思うので、しっかり連携取って、アクセス利便性が最大になるようにお願いをしたいと思います。  以上です。ありがとうございました。

山添拓日本共産党

○山添拓君 日本共産党の山添拓です。  今回の法案は、JR東海が全額自己負担で建設するとしてきたリニア中央新幹線に対して、財政投融資という形で三兆円もの公金を投入するものです。リニアについては様々な問題が指摘されておりますけれども、融資を行うからには事業の採算性は重大な問題だと考えます。返済の確実性に直接結び付く問題であるからであります。その採算性について、二〇一三年の九月に、JR東海の当時の社長である山田佳臣氏がリニアだけでは絶対にペイしないと述べていると。この委員会でも再三指摘をされておりますが。  大臣に伺いますが、事業者であるJR東海の社長がこのように述べているのはなぜだとお考えでしょうか。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) JR東海がリニア中央新幹線だけでは採算が取れないと発言したことは承知をしております。JR東海からは、この発言の趣旨というのは、この中央新幹線開業に伴う増収ですね、増収だけで中央新幹線の建設資金を回収できないという意味であるというふうに聞いております。  いずれにいたしましても、国土交通省といたしましては、交通政策審議会において、JR東海の会社全体としての採算性、これは東海道新幹線また在来線それからリニア中央新幹線、そういったJR東海の会社全体としての採算性等を確認をして、事業遂行能力が検証されたものと考えているところでございます。

山添拓日本共産党

○山添拓君 JR東海に確認をした上でということで、そのような趣旨で社長が発言したということを国交省としても把握しているということだと伺います。  リニア計画、おっしゃったとおり、予定額で九兆三百億もの建設費、借金の返済と金利の負担があり、開業後は東海道新幹線に加えてこのリニアの維持運営費あるいは設備更新費などを負担していくことになります。リニア単独ではこれらを賄うことができない、ペイしないということにほかならないと思います。事業者が赤字と考えている事業に財政投融資で公金を投入することになる、この問題をまず指摘したいと思います。  資料の一を御覧いただきたいと思います。  JR東海は、二〇一〇年の五月にリニア開業後の収入想定を発表しています。同社の想定では、リニアの開業によってどうなるとされているのか、またその収入予想はどのように導き出しているのか、簡潔に御説明いただけますか。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。  お尋ねのJR東海作成のリニア中央新幹線の収入につきましては、名古屋開業前までのJR東海全体の収入を平成十八年度から二十二年度の五年間の平均並みで推移するとの仮定を置いた上で、リニア中央新幹線と東海道新幹線による運輸収入の合計が、名古屋開業後一〇%増、大阪開業後一五%増となるものと想定されております。その結果、この二千七百二十億円という増収という結果になっております。  開業後に収入の増加を生む具体的な要因といたしましては、航空旅客からの転移、東海道新幹線から中央新幹線への転移、高速道路からの転移、誘発効果による新規需要増加などが想定をされております。  なお、交通政策審議会の議論におきまして、経済成長率ゼロ%という最も慎重な需要予測を用いて行った政府の試算との比較によりましても、この収入想定は慎重な見通しに基づくものと評価をされているというところでございます。

山添拓日本共産党

○山添拓君 確認しますけれども、このJR東海の試算の方法というのは、リニアが開業すればどのぐらいの需要が起きるか、リニアに何人ぐらいの人が乗るか、あるいは東海道新幹線にどれぐらいの人が乗るか、こういう想定ではなくて、まず収入を、名古屋開業で一・一倍、さらに大阪開業で一・一五倍、こういう試算をした上で行っていると、こういう収入を先に想定したものだということで伺ってよろしいでしょうか。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) JR東海が行いましたこの収入想定につきましては、いわゆるモデル推計等による需要の予測値によらず、収入実績の推移でありますとか主要な競合相手であります航空機との競争の実績を踏まえて彼らなりの見積りをしたというふうに承知をいたしております。

山添拓日本共産党

○山添拓君 今、彼らなりの見積りというふうに表現をされましたけれども、まさに独自の方法で、実績を踏まえて収入はこれぐらいになるだろうと、言わば収入の期待値をここに定めたと、それを基に収入額を定めたものだと。その収入ならこれぐらい乗るだろうというふうに逆算したものにすぎないと。私は極めていいかげんなものだと思いますが、ともかく、御覧いただければ分かりますとおり、二千七百二十億円、全社で増収するというふうに考えていることがお分かりいただけると思います。  次に、資料の二を御覧ください。  JR東海が二〇〇九年十二月に国交省に提出をした調査結果では、リニア中央新幹線の維持運営費、これは南アルプスルート、超電導リニアの方を見ていただくんですが、維持運営費は年間三千八十億円、設備更新費は五十年間の累計を一年当たりに換算しますと年間一千二百十億円、合わせて少なくとも年間四千二百九十億円掛かるとしています。  先ほど御覧いただいたとおり、リニアを走らせることによる増収は二千七百二十億と見積もっている。リニアによって増える支出は少なくとも四千二百九十億円。リニアはJRにとっては減益となるものじゃないかと。  大臣に伺いますが、それでも償還確実性があると言えるんでしょうか。リニア単体での収支をどのように想定しているのか、お答えいただけますか。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 交通政策審議会におきましてJR東海の財務的な事業遂行能力の検証を行った際には、先ほど申し上げた会社全体としての採算性等を確認をし、事業遂行能力を検証したところでありまして、個別路線単独の収支の検証は行われておりません。  この際、JR東海の収入については、経済成長率ゼロ%の場合の需要予測を基に、リニア中央新幹線及び東海道新幹線それぞれの二〇四五年次の収入見込額を試算しており、リニア中央新幹線は八千二百億円と試算をされております。  一方、JR東海の支出については、当時、JR東海から提供されたデータにリニア中央新幹線に係る支出のみが整理されたデータはなく、JR東海に確認したところ、それぞれの路線ごとに整理することは困難と聞いております。  今委員が御紹介いただいたように、平成二十一年度の中央新幹線調査報告書においては、南アルプスルートにおける超電導リニア方式での維持運営費及び設備更新費として年間四千二百九十億円の試算が示されておりますけれども、これらの費用には間接部門等の共通経費は算入されておらず、この共通経費をリニア中央新幹線、東海道新幹線、在来線ごとに切り分けることは困難と聞いてございます。  このため、国土交通省としては、リニア中央新幹線単独の収支について責任を持ってお答えすることは困難であると考えているところでございます。

山添拓日本共産党

○山添拓君 いろいろおっしゃいましたけれども、結局リニア単独での収支がないということなんですよね。これは私は驚くべきことだと思います。三兆円もの投資を行うのに、そしてまた、先ほどおっしゃったとおり、JR東海の社長も自らペイしないというふうに発言していることもありながら、事業自体の採算性を確認していないと。もうこれは余りにもずさんだというふうに思います。  そこで次に、資料の三を御覧いただきます。  東海道新幹線の現在の輸送需要量は、この資料でいいますと①なんですが、二〇〇五年時点、四百四十二億人キロとされています。交通政策審議会の需要予測によれば、リニアの全線開業後、リニアと東海道を合わせた輸送需要量は六百六十一億人キロ、③の数字です。約一・五倍となる。過剰な予測だと思いますけれども、そのうちリニアが四百八億人キロ、東海道が二百五十四億人キロとしています。東海道新幹線のみを見れば、現在の四百四十二億人キロから二百五十四億人キロへ、五七%になると。JR東海の予測はそれよりも少なくて合計五百二十九億人キロです、④です。現状の一・二倍。  JR東海はリニアと東海道それぞれの需要予測を示しておりませんので、合算のものしかありません。仮に、先ほどの交通政策審議会の数字、四百八対二百五十四、この数字に倣ってこの比率でリニアと東海道を割り振りますと、⑤にありますとおり、リニア三百二十八対東海道二百一となります。東海道は四百四十二から二百一へ、現状の半分です。  政府はこの間、財投による三兆円の償還確実性について、収益力の高い東海道新幹線と一体経営だから経営的に安定するのだ、こう言ってきました。ところが、その東海道新幹線には現在の半分しか乗らなくなる、こういう試算が示されているわけです。東京から名古屋や大阪、あるいはその先への長距離の利用者というのはリニアに移ってしまいますので、運賃の収入は下がるわけです。しかし、東海道新幹線も維持運営費やあるいは設備更新費は引き続き掛かることになります。東海道新幹線の収益力、著しく低下することになり、リニアの赤字を補填するだけの収益力は持続しない、このことは明らかではないかと思います。  大臣に伺いますが、リニアの全線開業後の東海道新幹線の収支についてどのように試算をされているでしょうか。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 先ほど、リニア中央新幹線の単独の収支については責任を持ってお答えすることは困難というふうに申し上げましたが、東海道新幹線単独の収支につきましても、先ほど申し上げた理由、同じ理由から、国土交通省として責任を持って回答することは困難であると考えております。  なお、交通政策審議会での議論におきましてJR東海全体としての採算性等を確認をしておりまして、JR東海にリニア中央新幹線に関する事業遂行能力があることは検証されていると考えているところでございます。

山添拓日本共産党

○山添拓君 収益力の高い東海道新幹線と一体経営だから経営が安定すると言いながら、その東海道新幹線の収支について何の根拠もないということではないかと思います。  今、一体で、全体で見れば収支は大丈夫なんだということをおっしゃいました。先ほど、リニア新幹線の収入については八千二百億というふうに想定をされていると御説明あったと思います。全社的な収入額は幾らなのか、幾らと想定しているのか。そこから今御説明いただいたリニアの収入額を差し引けば東海道新幹線のおおよその収入額というのは御説明いただけるんではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) 交通政策審議会の財務的検証におきまして私どもでいたしました検証の中では、二〇四六年、大阪開業後の営業収益一兆四千六百七十億ということになっておりますので、その八千二百億を差し引きました額が御指摘の額になるということかと思います。

山添拓日本共産党

○山添拓君 大体六千億ぐらいを見込んでいるということになるでしょうか。  ここにJR東海の昨年度の損益計算書があります。そこでは、営業に掛かっている費用、七千九百億というふうにあります。JR東海というのは、九割が東海道新幹線によって収入を得ていますし、営業の費用も同様に掛かっておりますから、基本的にはこれぐらいの額が今後も掛かり続けると。リニアの開業後も掛かっていくということになります。  今、収入が大体六千億ぐらいになると、東海道新幹線の収入がですね。ところが、現在既に八千億近く東海道新幹線を運営するために営業費が掛かっている。東海道新幹線の方がむしろ赤字になるんじゃないですか。この点はいかがでしょうか。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) 先ほど大臣からも答弁させていただきましたけれども、それぞれ新幹線単体での収支は、収入は見積もれるものの費用が見積もれませんのでお答えすることはできませんが、るる申し上げておりますとおり、交通政策審議会では、リニアと東海道新幹線合わせて健全経営を保ちつつリニア事業は推進できるということにされております。

山添拓日本共産党

○山添拓君 ですから、一体経営だから安全なのだ、安定経営なのだということの根拠は、リニアの方についても東海道新幹線の方についても何ら示されていないんですよ。リニアは単体で収支が黒になるのか、あるいは東海道新幹線は単体でどうなのか、こういうことを分析すらしてきていないということだと。  私が今御説明したとおり、東海道新幹線の収益力が低下するというのは、これは間違いないことだと思います、人が乗らなくなるわけですから。その中で三兆円の元本と金利を返済していくということになっていきます。国交省やJR東海の需要予測は過剰なものだと私考えますけれども、仮にそれによって利用者が増えるとしても、リニアは赤字だと、これは東海の社長がそう言っていた。大臣もそれを確認された。東海道新幹線は利用者が激減する。全体で減益となるのは避けられないと言えると思います。リニアと東海道新幹線の一体的経営ゆえに経営が安定し、だから償還確実性があるという、安倍首相以下この間答弁をされてきましたが、そのことに根拠がないということははっきりしたのではないかと思います。そして、減益となる事業だからこそ、減益分を補填するために財政投融資投入するものだと言わなければならないと思います。  リニア新幹線につきましては……

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) 山添拓君、時間が過ぎておりますので、まとめてください。

山添拓日本共産党

○山添拓君 はい、まとめます。  安全面、技術面、環境影響など問題が山積しており、この間この建設についての国民的な合意はないと考えます。ましてや、全額自己負担を公言してきたJR東海に対し、ずさんな需要予測しか行わず、まともな収支予測を行うことなく安定経営だから大丈夫だと吹聴し、経営支援ともいうべき三兆円もの財政投融資を行おうとしています。  JR東海による全額自己負担の前提が崩れた以上、本来は整備計画決定あるいは工事実施計画の認可も取り消すべきであり、公金の投入などもってのほかであることを指摘して、質問を終わりたいと思います。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 維新の会の室井邦彦です。  これだけの大事業、恐らく後にも先にもリニアのような、鉄道業界、鉄道行政ではこのような大事業がこれが最後かな、このような思いで聞いておりました。特に、今日は参考人質疑の中で私なりにいろいろ感ずるものが新たにございました。やはり、経済優先、国民の生活が豊かになるということは本当にすばらしいことでありますし、一分一秒早く東京、大阪に行けるということもすばらしい夢にもつながりますし、決して悪いことじゃありません、このように思っております。  しかし、そういう中で、間違いなく少なくとも自然破壊、環境破壊はありきと、全くなくこの事業が進むということはあり得ない、このように私は感じております。苦渋の選択をしていかなくちゃいけないなというふうな思いの中でお尋ねをいたしますが、国立社会保障・人口問題研究所の推計人口が二〇六〇年八千六百七十四万人になる、このような数値が出ております。ここで、このような環境を背景に、大臣、この人口減少社会における新幹線鉄道整備の今後の考え方の方向性についてお聞かせいただけないでしょうか。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 新幹線のみならず、鉄道の計画をする際には将来需要を予測するわけでありますけれども、その際、今後の人口動向、動態予測を基にして需要を予測するわけでございます。整備新幹線につきましても、今委員が御紹介いただいた人口、将来的に人口が減少するという中においても整備効果があるという前提で整備をしているところでございます。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 このリニアの安全対策、これはいろんな角度から切り込んでお尋ねをしなくちゃいけないわけでありますが、時間が限られておりますので、私なりに資料を二枚今日は提出をさせていただいております。  少し表現力に語弊があるかも分かりませんが、地雷の上にリニアが走っているのかなというような感もあるわけでありますし、そして南海トラフが起きるということももう既に想定はされております。また、火山大国でもあります。こういう中で、トンネルが七〇%以上を超える、そこで時速五百キロのものが走ると。何両編成になってどうなるか分かりませんが、五百人、六百人、千人近い人たちが、老いも若きも子供もそれに乗車していると。そのところに事故が起きると、こう想定した場合、この今時代、想定外のことが多々多く起こっております。  当然、こういうことを質問するのもいかがなものかと思いますが、こういう事態になったときに国土交通省としてどう緊急停止をするというか、五百キロのスピードで緊急停止というのは我々素人では考えられません、どのようになっていくのか。そういう状態と、地震等によってトンネルが崩壊したときに、どういう状況を想定されて、その長きのトンネルの中で五百人、千人近い老いも若きも子供もどのように救出していくのか、その辺のシミュレーションというか、どう想定されてどう対応しようと考えておられるのか。  ここで言われてもなかなか難しいことであるかも分かりませんが、少しでも安心感、そういうものをやはり持たなくちゃいけない、そういうところからお考え方をお聞かせください。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。  鉄道構造物の整備に当たりましては、従来から、阪神・淡路大震災でありますとか中越地震などにおけます被災状況を踏まえまして新たな対策を講じ、さらに、その効果を検証しながら地震対策に関する知見を深める取組を積み重ねてまいりました。また、それらの知見は、鉄道構造物の設計施工の際に用いられます鉄道構造物等設計標準・同解説に反映されておりまして、リニア中央新幹線の工事に当たりましてもJR東海はこれに基づき地震に対する安全対策を講じることとしています。  リニア中央新幹線を安全に緊急停止させるための措置として、JR東海は、沿線の地震計により初期微動、いわゆるP波を検知いたしまして、解析の結果大きな地震波の到来が推定された場合、又は一定の大きさを超える地震波を検知した場合には、大きな地震波が来る前に列車の速度を低下させる早期地震警戒システムを中央新幹線でも導入することとしております。  さらに、中央新幹線で導入されます超電導リニア車両では、電力回生ブレーキ、ディスクブレーキ、さらには車両上部からブレーキ板を張り出す空気ブレーキを併用いたしまして、新幹線と同等の時間、九十秒以内で列車を非常停止させることが可能となっております。  あと、トンネル内等での事故につきましては、まず火災についてマニュアルがございますが、火災時には原則としてトンネルの外まで走行して停止をすると。万一トンネル内で停止した場合は、乗客は乗務員の誘導により最寄りの非常口を通って地上に避難をする、また、大深度地下トンネルの場合は、乗務員の誘導によりトンネル下部の安全な通路に移り、最寄りの非常口、立て坑から地上に出るなどの方針が示されておりまして、JR東海はこれに基づいて避難対策を行うというふうに承知をいたしております。  これから開業に向けまして、そういった実際の避難のマニュアルでありますとかそういったことを、訓練を経た要員等を養成いたしまして、先生御懸念のようなところに十分しっかり対応できるように東海が取り組んでまいるように促してまいりたいというふうに思っております。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 少し心配なので細かくなりますけれども、その乗務員が何人乗られてどうこうというのはまだまだこれから先のことでしょうけれども、乗務員が事故によってそういう対応ができない場合もあるでしょうし、また、その長いトンネル、何百キロというトンネル、どれだけの長さでどうかというのは私は想像はできませんが、やはり、非常口非常口と簡単におっしゃっているけれども、どれだけの非常口があるのか、これもこれからの、もう設計にはそういうものが既に入っているのかどうか私は分かっておりませんけれども、そういうところはどうなのか。  それと、もう一点、くどいようでありますけれども、JR東海と国交省との連携、これをやっぱりしっかりとしていかないといけないと思っておりますが、その点はいかがなんでしょうか。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) 避難坑の間隔、ちょっと手元に資料ございますのが大深度地下トンネルの場合でございますが、大深度地下トンネルの場合の非常口は五キロ間隔で設けられるというふうに聞いております。  あと、私どもとJR東海との連携ということでございますけれども、今後、トンネルにおけます安全対策、避難対策というようなものを具体的に講じていく中におきましては、様々な有識者を交えての検討等を行っていくわけでありますけれども、私どももその場にしっかり参画をいたしまして、JR東海とともに連携図って取り組んでまいりたいというふうに思っております。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 是非その点はきめ細かく、五キロ間隔といっても、実際たまたま五キロと五キロの間で、その間で事故が起きたらどうなのかという、そういう不安もございますので、これからまたそういう機会もあろうかと思いますので、是非その点はしっかりと対応していただかないといけないなというふうに思っております。  時間の関係上、もうちょっとスピードアップさせていただきますが、二枚目の資料で、我々日本維新の会はこのような法案を提出をさせていただいておりまして、土砂に対する決め事をしていかないと、今後、このリニアの以前にこういう残土の置場に関していろんな事故も発生しておるということで、新たにこのような法案を提出をさせていただいております。  そこで、先ほどもどなたか議員が御質問されておりましたけれども、実際この残土という、どれだけの量になるのかということ、これは本当に想像する以上のものになるというふうに私も思っているところでありますけれども、国交省としてリニアの建設発生土、この管理をどう徹底させようとしておられるのか。また、その処理、置場に対してもどのように対応していこうとしておられるのか。末松副大臣がお答えいただけるようでありますので、是非、かなり質問をカットしておりますけれども、お答えの方はまとまっておると思いますので、ひとつお願いをしたいと思います。

末松信介自由民主党国土交通副大臣・内閣府副大臣・復興副大臣

○副大臣(末松信介君) 室井先生御指摘の質問でありますけれども、リニア中央新幹線の工事におきましては、品川―名古屋間で五千六百八十万立方メートル建設発生土が生ずることが見込まれておりますので、これは東京ドーム四十六杯分の量となります。また、東京―大阪間につきましては、これルートが全く決まっておりませんので、これからであります。  それで、いろんなこの資料、維新の会で議員提案のお話、この提案もちょっと拝見をいたしました。  現在のところ、リニア中央新幹線の建設発生土の管理につきましては、まずは既存の法令を確実に遵守して行われるべきであるものと考えてございます。その上で、平成二十六年六月の環境影響評価書への環境大臣の意見も踏まえまして平成二十六年七月にJR東海に対して述べた環境影響評価書に対する国土交通大臣意見において次のように求めております。  発生土置場での発生土の管理について、濁水の発生防止や土砂の流出防止その他周辺環境に影響を及ぼさぬよう、発生土置場ごとに管理計画を作成した上で適切に管理をすること。発生土置場への運搬又は事業場外への運搬については、飛散流出等により周辺環境に影響を及ばさないよう、必要に応じて流出防止策を実施し、適切に運搬をすること。建設発生土の有効活用先に関する情報を継続的に収集し、最適な利用先を選定できるよう十分検討すること。  これらを受けまして、JR東海は、補正後の環境影響評価書の中で、管理計画につきましては、発生土置場の調査や影響検討の結果、環境保全措置の内容と併せて公表する、そして発生土の運搬に当たっては、飛散流出等により周辺環境に影響を及ぼさないようにダンプ、トラックへのシート設置等の流出防止策を実施し沿道への影響を低減する、有効利用先に関する情報を継続的に収集して最適な候補地を選定できるよう検討を進めていくとしております。  現在、沿線の自治体からは、建設発生土全体を超える六千五百万立方メートル分の候補地の情報提供もございまして、JR東海は、利用先の地元との調整や現地での環境調査を進めるなど候補地の選定を進めていると聞いております。  また、JR東海は、山梨リニア実験線の工事に伴う建設発生土については全て指定処分としておりまして、中央新幹線の工事においても同様の処理方法を基本に、より一層きめ細かな管理を行うこととしております。  国土交通省といたしましては、環境影響評価法に基づく国土交通大臣意見で求めた発生土置場の適切な管理や有効利用先の確保、既存法令を確実に遵守しながら、建設発生土の適切な処理がなされるようJR東海を指導監督してまいりたいと思います。  貴重な御意見、御質問をいただきまして、本当にありがとうございます。

室井邦彦日本維新の会

○室井邦彦君 新たな法整備も含めてよろしくお願いをしたいと思います。  終わります。

青木愛希望の会(自由・社民)

○青木愛君 希望の会(自由・社民)の青木愛です。  早速質問に入らせていただきます。  政府は、このリニア中央新幹線に関しまして、三大都市圏が一時間で結ばれ、人口七千万人のスーパーメガリージョンが誕生し、国際競争力の向上、その経済成長は全国に波及すると、まさにバラ色の将来像を宣伝しています。しかし、実際には政府の説明どおりにはいかないのではないかと考えております。そのことにつきまして、以下質問をさせていただきます。  まず、利便性、快適性についてお尋ねをいたします。  品川―名古屋間が途中の駅をノンストップで最速約四十分ということでございます。そのことだけを取り上げますと速いとも感じますけれども、品川駅、名古屋駅は地下三十メートルから四十メートルのとても深いところにございます。乗り継ぎや地上に出るためにはエレベーターやエスカレーターを使うことになりますが、一機で一千人を輸送するために、利用者があれば、到着時あるいは出発時、相当の混雑が予想されます。  また、八六%がトンネルで、時速五百キロメートルでございます。万が一にも事故や事件があった場合、大惨事になることが予想されます。テロあるいは火災を防ぐためには、航空機並みの手荷物検査、こうしたことも必要だと考えられます。そうすると、更に時間が掛かります。本数も多くなく、実は決して利便性が高いとは言えないと考えております。  また、快適性についてでございますが、資料を用意をさせていただきましたけれども、これは縦横、距離の比率、長さの比率はそのとおりではありませんけれども、分かりやすいので御用意をさせていただきました。  リニアは、水平の移動だけではなく、上下にも移動をいたします。トンネルの上の土の重さに耐え得る現在の技術のぎりぎりの高さにレールを設置しなければならないため、海抜約二百五十メートルの仮称山梨県駅を過ぎると急勾配を駆け上がり、西に四十キロメートル、そして南アルプスのトンネルの中に設けられます海抜一千二百九メートルを目指します。その後、急降下をいたします。このような上下移動が全体で四回ほどございます。  車体を航空機並みの気密構造にするといたしましても、乗客は耳鳴りあるいは体の不調など、気圧変動の影響を受けることが考えられます。しかも、ほとんどがトンネル内移動となりますので、大変閉鎖的な空間の中であり、外の風景を楽しむこともできません。  このように、リニア新幹線は、実は宣伝以上に時間も掛かりますし、乗り心地も決して良くはないと思います。このようなリニアの利便性また快適性に関しまして、大臣の率直な御意見をお聞かせください。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) リニア中央新幹線の品川駅や名古屋駅におけます地下ホームから地上までのエレベーターやエスカレーターなどの移動設備の詳細につきましては、現時点においては定まっておりませんが、JR東海によりますと、想定される利用者数に対応した適切な移動設備を整備し、円滑な移動を確保する予定であると聞いております。  この点に関しましては、交通政策審議会中央新幹線小委員会におけます需要予測の前提といたしまして、名古屋駅における東海道新幹線への乗換時間はおおむね三分から九分で可能であり、余裕分を含めて十五分の乗換時間があれば乗換え可能であると想定をしております。  また、リニア車両の快適性につきましては、私も、先ほど申し上げたとおり、昨年の十一月に山梨リニア実験線において試乗いたしましたが、時速五百キロでの浮上走行は、超高速でありながら大変静かな車内であり、快適な走行でございました。  このリニア中央新幹線の縦断勾配は最大四〇パーミル、パーセントでいいますと四%でありまして、新幹線とほぼ変わりございません。ちなみに新幹線は最大三五パーミル、三・五%でございます。  いずれにしましても、高低差による気圧変化に伴ういわゆる耳がつんとする現象への対策などについては、現在、標高差が約四百メートルある山梨リニア実験線における試験を通じてより一層の快適性の向上に向け検討されていると聞いております。ちなみに、私が昨年試乗したときには、四百メーターもの標高差は全く感じなかったところであります。  こうした取組によりまして、超電導リニアの利便性や快適性をより一層向上していくことが重要であると考えております。

青木愛希望の会(自由・社民)

○青木愛君 御指摘は御指摘として受け止めさせていただきますが、やはり想像以上に時間が掛かるのではないかというふうに考えられることと、また、感覚的なものは人それぞれでありますし、通常の新幹線ともまた異なるだろうというふうにも私は考えております。  次に、安全性についてお尋ねをさせていただきます。  科学技術の振興という面については私は肯定的に捉えてはおりますけれども、科学技術の過信は禁物だというふうにも思っております。絶対に安全と言い聞かされてきた原子力発電所が、この度、津波とそして地震、津波の影響で制御不可能となりまして、メルトダウンという大惨事を起こしております。リニア新幹線に関しましても、絶対に安全と断定することはできません。  ここで三つの危険性を指摘し、大臣の御答弁を求めたいと存じます。  まず第一点目はテロでございます。そして、余り考えたくありませんが、自殺者などによる火災あるいは爆発事件でございます。これを防ぐためには、先ほども申し上げましたが、航空機と同様に手荷物の検査が絶対に必要だというふうに考えております。  そして、第二点目といたしまして、これは午前中の参考人質疑から指摘もあったところでございますけれども、超電導のクエンチ現象です。何らかの故障でクエンチ現象が起こりますと、超電導状態は直ちに消え去って、リニア新幹線は浮上することができず、側壁にぶつかったり、故障した車両は時速五百キロメートルの状態で地面にたたきつけられるということが予想されます。大火災あるいは想像を超える大惨事になることも考えられますが、この点について大臣の御認識をお伺いさせていただきます。  三点目は大地震の影響でございます。新潟から静岡まで南北にフォッサマグナが走っております。西の縁にございます糸魚川―静岡構造線上では、マグニチュード七規模の地震が繰り返し発生しています。南アルプスには、そして南北に並走する七本の構造線があります。中央新幹線はそこをぶち抜いてトンネルを掘っていきます。工事の難航も予想されます。さらに、この地域には南に南海トラフが接しており、活断層の存在も事前には分かっておりません。  一九三〇年、折しも東海道本線の丹那トンネル掘削中に伊豆半島北部でマグニチュード七・三の地震が発生し、トンネルの地層が上下に二・四メートル、南北に二・七メートル移動しております。トンネルは地震の揺れに比較的強いという説もございますけれども、このような複雑な地層であり、トンネル自体が活断層を横切っている場合は決してそうではないと思っております。  以上三点について、果たして大丈夫と言い切れるのかどうか、大臣の御所見をお聞かせください。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) まず、一点目のテロに対する安全対策につきましてですが、万全を期す必要があると考えております。一方で、高速鉄道としての特性上、利用者の利便性の確保についても考慮する必要がございます。  いずれにいたしましても、手荷物検査の導入の可否につきましては、海外における高速鉄道等における手荷物検査の実施状況も参考としつつ、鉄道事業者や関係省庁とともに今後検討してまいりたいと考えております。  二点目の超電導磁石特有のクエンチ現象、これは振動等により超電導コイルが発熱し、極低温状態を維持できなくなることによって超電導磁石としての機能が失われる現象がクエンチ現象でございますが、これにつきましては、これまでの技術開発の過程において様々な改良がなされ、実際に山梨リニア実験線で走行試験を開始してからはクエンチ現象は一切発生していないなど、現時点ではクエンチ現象に関する問題は解決されたものと承知をしております。  ただ、万が一何らかの理由でクエンチ現象が発生いたしたとしましても、リニア車両の左右、それから車両の下部、下の部分のストッパーの車輪でガイドウエーとの直接衝突を防止する構造になっておりますので、車両自体がガイドウエーやあるいは下の床板等に激突するということはない、車両自体の安全性は確保されているものと承知をしております。  三点目の地震時のトンネルの安全性についてでございますが、鉄道構造物の整備に当たりましては、従来より、阪神・淡路大震災や中越地震等における被災状況等を踏まえて新たな対策を講じ、さらに、その効果を検証しながら地震対策に関する知見を深める取組を積み重ねてまいりました。それらの知見は、鉄道構造物の設計施工の際に用いられる鉄道構造物等設計標準・同解説に反映されておりまして、リニア中央新幹線の工事に当たってもJR東海はこれに基づき活断層部分におけるトンネルを含め地震に対する安全対策を講じることとしております。  さらに、活断層と交差する箇所の具体的な構造につきましては、先進ボーリングなどによりまして更なる地質の調査を行った上で、必要により専門家による検討委員会の助言を踏まえるなど、JR東海において慎重に検討がなされるものと承知をしております。  JR東海に対しましては、リニアの安全確保に向けて、想定される事象ごとに万全の対策を行うよう、引き続き指導監督してまいりたいと存じます。

青木愛希望の会(自由・社民)

○青木愛君 やはりまだまだ分からないことが多過ぎて、全てが想像以上のことなものですから、こうした事故が全く起こらないということは言い切れないだろうなというふうに思いますし、そのことは指摘をしておきたいと思います。  最後に、経済面についてお伺いをしたいと存じます。  このリニアの利用は、やはり一分一秒を争うビジネス利用に主たる利用があるのではないかというふうに考えております。しかし、このビジネス利用につきましても、今後のIT技術の発展、例えば三次元立体テレビ、バーチャルリアリティー技術など、こうした飛躍的な進歩を考えますと、空間的距離を超えたビジネス様式というものが実現する可能性があると思います。  今、医師が国境を越えて遠隔操作で手術ができる時代となっております。物理的に人間が移動しなければならない必然性がなくなると考えております。そうなったときに、このリニアは採算が合わないどころか、負の遺産になる可能性も否定できないと考えています。  トンネル工事の難航のため、工事期間が長引き、建設費が九兆円で収まらないことも当然あり得ます。この度の補正予算で三兆円の財投貸付けを決定いたしましたけれども、返済可能性の根拠はどこにあるのか。楽観的予測が外れた場合、リニアが抱える負債をまたもや国民の税金で補填することになるのでしょうか。それとも、運賃の大幅な値上げにつながるのでしょうか。  リニア建設の前提が全額自己負担となっておりましたけれども、この度の財投貸付けによりまして、低利長期返済など優遇策を講じることになります。二〇一四年度の税制改正では、開通に要する用地取得に使用される登録免許税三十三億円及び不動産取得税百五十一億円、これらを非課税にする優遇措置も決定しております。これらは建設の前提であります全額自己負担を既に崩しております。  これら経済面に関しまして、国土交通大臣の見解をお聞かせください。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 交通政策審議会におきましてJR東海の財務的事業遂行能力の検証が行われまして、この中で、リニア中央新幹線への投資による債務は、大阪開業後のリニア中央新幹線及び東海道新幹線による営業収益で着実に返済できることが確認をされております。この結果、JR東海が収益力の高い東海道新幹線と一体的に経営を行うことで、経営の安定性を維持しながら事業を遂行することが可能であるとの答申を得たところでございます。この点につきましては、今回の措置によって変わるものではなく、貸し付けた財投資金は確実に償還されるものと考えております。  さらに、今般の貸付けに際しましては、貸付主体となる鉄道・運輸機構におきましても、償還確実性に関する審査を行い、貸付け後も定期的に会社の財務状況の確認等を行うこととしております。  なお、工事費が今後増大するのではないかという御指摘でありますが、建設費の増大の可能性を全て否定することは難しいと考えておりますけれども、JR東海は、いずれにいたしましても、中央新幹線の工事全体について一層のコストダウンに取り組むとともに、毎年の経営努力を積み重ねることで会社全体として事業を遂行していくということを聞いてございます。  また、人口が減少するのではないかという御指摘でありますが、その人口減少を織り込みましてこのリニア中央新幹線の需要予測をしているところでございます。

青木愛希望の会(自由・社民)

○青木愛君 ありがとうございます。  やはり人間は夢に引き付けられます。しかしながら、政府が正しい根拠に基づかない夢を提示したときに、国民をミスリードしたときに、失望するだけではなくて大きな負担を国民が背負うことになります。夢が悪夢にもなり得るかもしれない、そうした可能性を否定できない現状では、このリニアの計画そのものの見直しも期待を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

行田邦子無所属クラブ

○行田邦子君 無所属クラブの行田邦子です。よろしくお願いいたします。  今日の法案の審議は、鉄道・運輸機構改正法案ということで、リニアの整備促進のために財投を投入すると、そのための改正法案ということでありますが、私は賛成でございます。けれども、地域住民だけではなく、少なからずの国民の皆様が安全面に不安を覚えていたり、また環境面で疑問の声があったり、そしてまた事業赤字のツケを国民が負うことになるのではないかといった不安のお声もありますので、国土交通省におかれては、丁寧な説明をしていただくということと同時に、また、鉄道輸送の第一はスピードの追求よりも安全だと考えておりますので、安全の確保ということに努めていただきたいと思います。  質問に入ります。私は、鉄道インフラの輸出について伺いたいと思っております。  まず、大臣に伺わせていただきます。鉄道産業の世界市場規模というのは、これは二〇一九年までの間で年率二・七%程度成長すると見込まれています。約二十兆円規模の世界の鉄道市場ということであります。これ、ここに参入するということは、日本経済にとって私は大変大きなチャンスだと考えております。  鉄道インフラの輸出について、まず大臣の御所見を伺いたいと思います。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) インフラの海外展開は、海外の旺盛な需要を取り込み我が国経済の活性を図るため、現在、政府を挙げて取り組んでいる課題でございます。鉄道インフラにつきましては、都市化への対応、経済成長、環境問題への対応等を目的といたしまして多くの国がその整備を検討しておりまして、安全、高頻度、大量輸送等の面で優れた我が国の鉄道インフラに対する国際的な期待は高いものがあると考えております。  このため、我が国鉄道インフラの海外展開を推進すべく私自身先頭に立ちまして、新幹線を始めとする我が国の鉄道の高い安全性と信頼性について説明するとともに、ファイナンスや人材育成、沿線開発に関する協力を提案をいたしまして低廉なライフサイクルコストといった我が国の強みをアピールするなど、積極的にトップセールスを行っているところでございます。  昨年十二月には、インドのムンバイ―アーメダバードを結ぶ高速鉄道路線につきまして、新幹線システムの導入が日印間で合意をされました。今年の八月には、タイのバンコク―チェンマイを結ぶ高速鉄道路線につきまして、新幹線システムにより整備することを前提に二国間の協力を具体化する旨の覚書を私とタイのアーコム運輸大臣との間で締結をいたしております。アメリカにおきましても、テキサス州のダラス―ヒューストンを結ぶ高速鉄道路線につきまして、我が国鉄道事業者が現地事業主体に技術支援を行うなど積極的な展開を図っているところでございます。  また、都市鉄道につきましても日本の車両や信号システム等が数多く導入されておりまして、本年八月にはこれらを導入したバンコクのパープルラインが開業いたしまして、私も開業式典に出席をいたしました。  この間、マレーシア、シンガポール等におきましても日本の新幹線システムや都市鉄道が導入されるよう、各国への訪問等を通じ、相手国の閣僚等に直接働きかけております。  今後とも、世界の膨大なインフラ需要を取り込むべく、各国のニーズを踏まえながら、我が国の強みを生かしまして、関係省庁、また海外交通・都市開発支援機構、JICA、JBICといった関係機関、鉄道事業者や車両メーカー等の関係企業と連携をいたしまして、鉄道インフラの海外展開に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。

行田邦子無所属クラブ

○行田邦子君 今御答弁にありました日本とインドの間での合意ですけれども、報道によりますと、明日詳細が確認されるということで聞いておりますけれども、総事業費が規模として一・八兆円ということであります。そして、今回、建設だけではなくて、日本が持つ運営ノウハウもパッケージで提供するということで聞いております。是非大臣、これからも先頭に立って鉄道技術、鉄道インフラの輸出に努めていただきたいと思います。  そこで、日本では一昨年の十二月にリニアは着工したわけで、まだまだこれからの話ではありますけれども、超電導リニアの技術の輸出についても伺いたいと思います。  この超電導リニアの技術を日本だけに閉じ込めておくというのは私はもったいないと思っております。世界で進行中のリニアプロジェクトの状況についてお聞かせいただけますでしょうか。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。  超電導リニア技術は我が国が誇るべき革新的な技術であると考えておりまして、政府といたしましても海外に積極的に展開してまいりたいというふうに考えてございます。  その点、海外におきましては、アメリカに対しまして、これまで日米首脳会談の機会を捉えまして、累次にわたり総理から、米国東海岸、ワシントン―ボルチモア―ニューヨークへの導入を提案をしてまいりました。  また、昨年十一月には、米国フォックス運輸長官に超電導リニア技術の導入を直接大臣から働きかけますとともに、大臣とフォックス長官、山梨リニア実験線に試乗いたしまして、このようにあらゆる機会を通じて各国要人に積極的にリニアの技術をアピールいたしておるところでございます。  現在、米国東海岸への超電導リニア導入に関しましては、今年度から日米両国が協調する形で計画策定に向けた調査を実施いたしておるところでございます。    〔委員長退席、理事長浜博行君着席〕  国土交通省といたしましては、引き続きJR東海とも連携をいたしながら、超電導リニア技術の海外展開を推進してまいりたいというふうに考えております。

行田邦子無所属クラブ

○行田邦子君 日本の鉄道技術というのは、ニーズが途上国だけではなくてアメリカにもあるということでありますし、リニアとなりますと相当規模の大プロジェクトになるということであります。  トランプ政権に替わりましてもこの事業が停滞することがないように、是非大臣もカウンターパートである新たになられる運輸長官とのコミュニケーション、緊密な関係を維持していただきたいと思います。  続いて質問させていただきますけれども、高速鉄道、新幹線の輸出について再び質問させていただきます。  日本は世界で初めて新幹線を導入した国であります。五十年を超える実績が日本にはあって、世界に誇るものであると私は考えておりますが、ただ、ライバルの国もあります。フランス、ドイツなどヨーロッパでも実績があります。そしてまた、最近では中国も国外での受注に力を入れているという状況です。中国は類型的には日本の新幹線方式だと思いますけれども、ヨーロッパ型は日本とは方式が違う、様々な規格が根本的に異なるというふうに承知をしております。  そこで、国際競争で優位に日本の新幹線が立つためには、ISOやまたIECといった国際標準化への対応が、これが大きな課題となると思いますけれども、取組状況についてお聞かせいただけますでしょうか。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) お答え申し上げます。  新幹線始め我が国の鉄道インフラの海外展開を促進するために、日本の鉄道技術の国際標準化というものは極めて重要であるというふうに考えておりまして、この取組を積極的に展開することが重要であるというふうに考えております。御指摘のとおり、ヨーロッパでは国際市場での優位性確保のためヨーロッパ地域規格を国際標準とするよう積極的な提案がなされるなど、戦略的な動きを繰り広げております。  こうした動きに対しまして、我が国では、鉄道に関する国際規格に一元的に対応するため、鉄道事業者、メーカーなどの幅広い関係者の協力によりまして、平成二十二年に公益財団法人鉄道総合技術研究所に鉄道国際規格センターを設立いたしまして、日本の鉄道技術の国際標準化に向け、諸外国との情報交換及び国際標準化審議の場への専門家の派遣などに積極的に取り組んでいるところでございます。  この結果、御指摘がありましたISOでありますとかIECといった会議の場におきまして日本からの国際標準化提案をいたしまして、言わば攻めの対応といったようなものを強化しておりますとともに、日本固有の技術、規格が排除されるなどの不利益を生じないための言わば守りの対応につきましても、これら両面から標準化活動に取り組んでおります。こうした取組によりまして、ハイブリッド車両システムに関する日本の提案が国際標準化されるなど、一定の成果が上がってまいっているところでございます。  我が国といたしましては、先生御指摘のとおり、引き続きISO及びIECの国際会議における規格提案など、鉄道技術の国際標準化を推進してまいりたいというように考えております。

行田邦子無所属クラブ

○行田邦子君 WTOでは、規格の違いが貿易への妨げになる場合には国際規格を使うように義務付けているということでありますので、国際標準を制する者は国際競争を制するということでありますので、この標準化ということ、新幹線においても極めて重要だと思っておりますので、これからもしっかりとお取組をお願いいたしたいと思います。  大臣に伺いたいと思います。年内の大筋合意を目指している日本とEU間での経済連携協定なんですけれども、ここで、報道によりますと、EU側は鉄道分野を含めて政府調達分野に強い関心を示しているということであります。鉄道分野を含めてということであります。WTOでは、運行の安全に関わる事業や調達については日本は内外無差別を留保していると。つまり、外資系であろうと国内の企業であろうと同じ対応をしますよということを約束をしていないということでありますけれども。  仮になんですけれども、この日EU・EPAの交渉の中で、仮になんですけれども、この内外無差別を留保しないと約束をするということになる可能性も私はあるのかなというふうに勝手に思っているわけでありますけれども、そうした場合においてでも、一方的にEUが日本の市場に参入するということだけではなく、むしろ逆にこの機会に日本側もEUの方に参入をしていくと、積極的に参入をしていくという、双方が開放すべきであるという、そのための日本も努力をすべきであると考えていますが、大臣はいかがお考えでしょうか。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) WTOの政府調達協定におきましては、政府関係機関として、鉄道分野ではJR北海道、JR四国、JR貨物、東京メトロ等が調達する際は国際入札によらなくてはならないとされております。しかしながら、御指摘のとおり、日本は、鉄道車両等運転上の安全に関する物品等を調達する場合は国際入札によらなくてもよいとされておりまして、一方で、EUは、鉄道に関する物品等を調達する場合は日本企業を含めなくてもよいとされているところでございます。  日EU・EPAについては現在交渉中でございまして、その具体的な議論についてのコメントは差し控えさせていただきますけれども、本年七月十五日の日EU首脳会談では、本年のできる限り早期の大筋合意に向け最大限努力することが確認されております。    〔理事長浜博行君退席、委員長着席〕  国土交通省といたしましても、鉄道分野を含めまして、日EU相互の貿易を活性化すべく、政府一体となって引き続きしっかりと交渉に取り組んでまいりたいと考えております。

行田邦子無所属クラブ

○行田邦子君 双方に市場を開くということの前提は、もちろん言うまでもなく、日本の新幹線が国際的な競争力をしっかりと確保しているということが、これが前提であります。  最後に、ホームドアについて質問させていただきたいと思っております。  ホームドアにこの度の補正予算で財政投融資が使えるといったことが盛り込まれています。これでホームドアの設置が進むのかなと期待をしていますけれども、ホームドアの問題というのは、コスト面だけじゃなくて技術面の問題もあります。その技術面の問題についてどのような解消策が今進んでいるか、お聞かせいただけますでしょうか。

奥田哲也国土交通省鉄道局長

○政府参考人(奥田哲也君) お答えいたします。  ホームドアの設置推進につきましては、先生御指摘のとおり、技術的な側面、すなわち車両の扉位置が異なるということが整備推進における一つの課題となっております。  このような課題に対応いたしますため、戸袋が移動することで異なる扉位置の車両に対応する戸袋移動式でありますとか、ドア部分を昇降するバーやロープとすることにより開口部を広くいたしまして異なる扉位置の車両に対応する昇降バー式、昇降ロープ式、またホームドアの開閉位置を任意に変えることにより異なる扉位置の車両に対応するマルチドア対応ホームドアなどの技術開発が民間を中心に進められております。こうした結果、JR西日本の高槻駅などを始め昇降ロープ式ホーム柵が既に実用化されるなど、一定の成果も出てまいっております。  国土交通省といたしましても、こういった技術開発への助成措置を講じておりますが、鉄道事業者に対して最新の研究成果などの技術情報の提供を始め、新しいタイプのホームドアの普及促進に努めてまいりたいというふうに考えております。

行田邦子無所属クラブ

○行田邦子君 終わります。

中野正志日本のこころ

○中野正志君 日本のこころの中野正志でございます。  十一月六日の読売新聞に、JR東海名誉会長の葛西敬之氏が一文を寄稿されております。それによりますと、「政府はこのたび、成長戦略を強化する一環として、長期・固定・低利の資金三兆円を市場で調達し、財政投融資の仕組みを活用してリニアプロジェクトに融資するという新政策を打ち出した。三兆円は想定される東京―名古屋間での前借り分と同額である。」と書いてあります。  まあ正直に言って大変違和感を持たざるを得ません。まるで、名誉会長、人ごとであります。融資を受ける立場の人が言うことなんだろうか、率直に思いました。これはもう、貸してもらうではなくて借りてやる、そんな姿勢が見て取れるわけでありまして、甚だけしからぬと。  そもそも、この案件はJR東海からの要請なのか、それとも政府側の配慮、申入れによるものなのか、これを確認をしておきたいなと。どうあれ、この委員会で法律改正をしてまで実現しようとしている財政投融資を受ける当事者がこういった姿勢では、政府も本当に甘く見られたな、そんな実は思いを抱いておるんでありますけれども、国交大臣、どうお感じになりますか。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) リニア中央新幹線につきましては、平成二十三年の交通政策審議会答申の附帯意見におきまして、名古屋―大阪間の整備については、今後、経済社会情勢等を勘案しながら継続的に早期整備、開業のための具体策を検討すべきとされていたところでございまして、国土交通省におきましては、その後の国会における御議論や沿線地域からの御要望も踏まえながら、全線早期開業のための検討を行ってまいりました。  今般の財投の活用による全線開業前倒しの方針につきましては、本年六月二日に閣議決定いたしました経済財政運営と改革の基本方針二〇一六等を踏まえ、国土交通省を中心といたしまして関係者間で具体的な調整を進めた結果、八月二日に経済対策として閣議決定されたものでございます。具体的には、財投の長期、固定、低利の貸付けを行うことにより八年間の経営体力回復期間をなくし、品川―名古屋間開業後連続して名古屋―大阪間の工事に速やかに着手することで全線開業の前倒しを図るものでございます。  なお、JR東海は、今般の財投の貸付けにつきまして、大変有り難い旨、また、これにより名古屋開業後連続して速やかに名古屋―大阪間の工事に着手できるよう全力で取り組める旨表明されているものと認識をしております。  JR東海には、全線開業の前倒しの実現に向け最大限努力していただきたいと考えております。

中野正志日本のこころ

○中野正志君 大変有り難いとお話しされたようでありますが、大変有り難いと思ったらこういう文章は書かないんであります、大臣。これはもう本当に、もしかして大臣は怒りの気持ちを持ちながらもお立場上言えないんだろうなと、こうあえて推し量りますけれども、こういうことを言わせるようでは駄目だと率直に思います。  前にも言ったことがあるかもしれませんが、私は、三塚博代議士、自民党の交通部会長として、運輸大臣として、国鉄民営化、主導的に役割を果たしたんですよ。その三塚代議士が今日の状況を見ていたらやっぱり怒りますよと、私は勝手ながら実は確信をいたしております。  国鉄民営化三十年ですよ、皆さん。三十年の間、一人の人が実質上の経営の最高責任者として君臨をする、しかも代表取締役名誉会長ですよ。こんなのは、一部上場企業、あったものじゃありません。これはやっぱり絶対そうなんでありますよ。JR東海にだって優れた人材がいるはずなんであります。今、このリニアの問題でなぜこういった形でいろいろな批判があるかというと、JR東海のその基本的な姿勢が、結果的には実質上の最高責任者のところだけ見ておりまして、このかいわいの、例えば国交省であれ、あるいは政界であれ、丁寧な対応をしていない、まして地権者、地域住民にも丁寧な対応をしていない、そういう批判を受ける原因がまさにそこにあるんであります。  これも独り言を言いますけれども、国から三兆円引き出した功績を多としながら、あとは、工事やリニアの実質的なこれからいろいろ経営をしていかなくちゃならない、自分が責任を取れる立場じゃないわけですから、もうあとは後輩の責任に委ねるということで、代表取締役、せめてその立場は外してもいいんではないかなと。あえて個人の批判をいたしておきます。  JR東海、東海道新幹線の輸送能力が限界に近いことを主たる理由にして、いろいろ言われるように、中央新幹線リニア方式の必要性を主張してきたんであります。しかし、御存じのように、二〇一〇年春にその旗を下ろしているんであります。  その年、政府の審議会であの堺屋太一さん、こう言っております。東京―名古屋だけでの開業では大赤字は確実だ、大阪までの延伸はできないだろう、一気に東京―大阪間を完成させなければ立ち枯れになるのは必定である、中央新幹線の開業で現行の東海道新幹線が赤字になる可能性もあると強い懸念を表明しております。  JR東海が、輸送力が限界に近づいているから、早急に輸送力を増強するためバイパスを建設する必要があるという主張をやめたということでありますから、もはや大量の輸送力を増強する必要はないと判断したのであろうともある意味言えるんであります。  二〇一三年九月には、先ほどもありましたように、また参考人質疑で申し上げましたように、JR東海の山田佳臣社長、当時、記者会見で、リニアプロジェクトは絶対にペイしない、それでも東海道新幹線の収入で建設費を補っていけば何とかやっていけると発言をしております。ほかならぬJR東海自身が絶対にペイしないと言っていたのでありますから、リニア中央新幹線の建設費が正直一体幾ら掛かるのか、現時点でも修正された建設工事費というのは実は不透明でありまして、これは深刻な問題だなと思うんであります。  建設工事費は後で触れたいと思いますが、堺屋太一さんが指摘したようなこういった懸念について、また山田社長の発言について、現時点でどのように大臣考えられますか、お伺いをいたしたいと思います。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 堺屋太一氏が交通政策審議会において今委員が御紹介いただいたような発言をされたことにつきましては、早期に東京―大阪間を全線開業すべきとの趣旨であると理解をしております。また、JR東海がリニア中央新幹線だけでは採算が取れないと発言したことは承知をしておりますが、これにつきましては、JR東海からは、中央新幹線の開業に伴う増収だけで中央新幹線の建設資金を回収できないという意味であると聞いているところでございます。  いずれにいたしましても、リニア中央新幹線につきましては、交通政策審議会におきましてJR東海の財務的事業遂行能力の検証が行われまして、この中で、リニア中央新幹線への投資による債務は、名古屋開業後におきましてもまた大阪開業後におきましても、リニア中央新幹線と東海道新幹線による営業収益で着実に返済できることが確認をされております。この結果、JR東海が収益力の高い東海道新幹線と一体的に経営を行うことで、経営の安定性を維持しながら事業を遂行することが可能である等の答申が取りまとめられまして、これに基づき、JR東海に対してリニア中央新幹線の建設主体、営業主体の指名を行ったものでございます。

中野正志日本のこころ

○中野正志君 建設工事費についてもお伺いをしておきますけれども、東京―大阪間ではリニアで九兆三百億円だと。一キロ当たり二百六億円になるわけですね。私たちは被災地でありますけれども、もう被災してから五年八か月、実は大変に資材費、人件費、上がっております。恐らく最低でも三〇%上がっております。  このJR東海の試算によりますと、これは大震災の前の試算なんでありますね、数字は。ですから、その後の五輪関係の特需もあって、私は、この資材費、人件費の高騰を受けて建設工事費、まさに上昇傾向にあることは間違いないと思うんでありますけれども、この上昇傾向が加味されれば建設工事費は幾らになるのか、この辺をお伺いをしておきたいと思いますし、当然建設中に発生する長期の借入金に対する支払金利が建設費の中に含まれていないのではないかなと思うんでありますけれども、これはどうなのかと。それから、長期金利を三%としておるんでありますけれども、長期金利、これから三十一年間も低利のまんまで推移するのかどうかと。  また、先ほども話がありましたが、リニア中央新幹線、いわゆるフォッサマグナの西の縁の糸魚川―静岡構造線や中央構造線といった活断層線を横切る形となります。リニア中央新幹線の全線区間のうち、実に八六%が深いトンネル工事を必要とするということでありますけれども、青函トンネルのときも、正直、度々異常出水で工事がストップいたしております。地中の掘削ゆえ予測できない難工事も現出するであろうことは当然予測されると。  そういう意味で、リニア中央新幹線も同じように工期の延長もあり得るのではないか、あるいは建設工事費、結果的に経営の大きな足を引っ張ってしまうということにならないか、こういったことどもなどについて御説明、御答弁をいただきたいと思います。

末松信介自由民主党国土交通副大臣・内閣府副大臣・復興副大臣

○副大臣(末松信介君) お答えさせていただきます。  まず、先生から三点の御質問をいただいたと存じます。  一つ目は、リニア中央新幹線の建設工事費についてでございます。中央新幹線、東京都から大阪市間、全線の建設につきましては、平成二十一年、鉄道・運輸機構及びJR東海から公表された中央新幹線調査報告書におきまして、概算額として九兆三百億円とされました。その概算額は、交通政策審議会の議論を経て平成二十三年五月に決定した整備計画において、建設に要する費用の概算額として記載しているところでございます。  また、総事業費のうち、品川―名古屋間の建設費四兆百五十八億円、これは土木関係部分だけでございますので車両費も設備費も何も入っていません。平成二十六年十月の工事実施計画の許認可に際してその妥当性を判断をいたしております。具体的には、交通政策審議会での検証を十分踏まえた上で、他の公共事業における建設費や山梨実験線の延伸工事の実績も参考にしながら、建設費の内訳や考え方について確認を行ったところでございます。  現時点では、これらの建設費について増加が予想される状況が生じているとは聞いてございません。今そういう状況でございます。先生、被災地でございますので、いろいろと情報が入っているとは思いますけれども、現時点においては聞いてございません。  それと、二つ目の支払金利の考慮、長期金利三%の理由でございますが、全線の建設費の概算額である九兆三百億円につきましては金利支払額は含まれておりませんが、交通政策審議会におけるJR東海の財務的事業遂行能力の検証におきましては金利支払額も含めた確認を行っております。具体的には、交通政策審議会におきまして、JR東海が提出いたしました長期試算見通しにおいて金利三%の試算とされておりますが、これは当時の調達実績でございます借入金、五年で金利一%前半から半ば、十年で一・六%程度、二十年で二・二%程度で、より堅めの想定であり、これに基づき、JR東海の事業遂行能力について確認がなされております。  まとめに入りますので、手短に早口でやります。  工期延長につきまして。工期延長の可能性につきましては、大規模な事業であるため、一般論としてその可能性がないとは言えませんが、国土交通省として、予定のとおり開業に向けまして、JR東海において工程管理がしっかりなされるように、工事実施計画に基づいて着実に整備が進められるものと考えてございます。  先生の御指摘のとおり、長期かつ大規模なプロジェクトに内在するリスクの全部御懸念であると思いますので、しっかり腹に収めてこれから事に臨んでまいりたいと、大臣、我々みんなで頑張っていきたいと思っております。よろしく御指導のほどお願い申し上げます。  以上です。

中野正志日本のこころ

○中野正志君 終わります。

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

山添拓日本共産党

○山添拓君 日本共産党を代表して、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。  第一に、リニア中央新幹線の建設事業そのものに大義がありません。自然豊かな南アルプスを長大トンネルで貫き地下水脈を寸断する、大量の発生残土の搬出先もほとんど未定、環境大臣の意見書でも本事業の実施に伴う環境影響は枚挙にいとまがないとされ、自然環境に甚大な影響を与えます。日本有数の活断層地帯を通過するにもかかわらず、断層のずれなど地震や事故のリスクについてほとんど対策が取られない、安全対策が置き去りにされる、技術面での問題も数多く指摘をされています。山梨実験線では、異常出水、水がれや騒音、振動、日照、景観あるいは電磁波など、沿線の住民から不安や怒りの声が上がっていますが、JR東海は真摯に向き合おうともしていません。  第二に、本法案による財投資金の投入は、長期、固定、低金利で国がJR東海を経営支援するものであり、かつ返済不能のリスクは国民負担となりかねません。JR東海の全額自己負担という前提が崩れる以上、中央新幹線の整備計画決定、工事実施計画の認可を取り消すべきです。  リニア計画は、九兆円もの建設費、過大な維持運営費、設備更新費等を要し、単体では赤字です。政府は、東海道新幹線との一体的経営によって安定的に経営できると言いますが、肝腎の収支予測が個別にはされておらず、根拠がありません。過剰な需要予測、建設費高騰の可能性などを考慮すれば、JR東海の財政が悪化するおそれは十分にあり、今回の財投投入はそうした場合の追加投入にも道を開くものです。  政府は、全線開業で三大都市圏が一時間で結ばれ、人口七千万人の巨大都市を形成し、日本経済全体が発展するとバラ色の未来を描いています。しかし、人口減少に進む中、更に大都市圏に人口と産業を集中させれば、一層の地方衰退をもたらし、いびつな人口分布、社会構造となるのは明らかです。地方創生どころか地方を消滅に導くものと言わざるを得ません。  以上の理由から反対とする旨を申し述べ、討論といたします。  終わります。

青木愛希望の会(自由・社民)

○青木愛君 私は、希望の会(自由・社民)を代表しまして、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。  リニア中央新幹線は、バラ色の未来を約束するものではなく、負の遺産となることを懸念しております。その理由を説明いたします。  第一は、利便性、快適性の問題です。大深度のホームと地上との移動時間が、万が一の事件、事故防止のための手荷物検査の導入を考慮しますと予想外に時間が掛かり、利便性を損ないます。また、八六%のトンネル内移動や高低差一千メートルの気圧の変化は、乗客にとって快適な移動とは言えません。  第二は、安全性の問題です。テロや自殺者が乗客を巻き込む事件が発生すると、大惨事になります。超電導に何らかの不具合が起これば、故障車両は時速五百キロメートルで走行したまま側壁にぶつかったり地面にたたきつけられます。南海トラフで大地震が起こった場合、南北に並走する構造線を直撃し、トンネルを破壊する可能性は絶対ないとは言えません。  第三は、環境適応性の問題です。地下水への影響、大量の発掘残土の処理、生態系への影響などを無視できません。リニアは住民の暮らしと環境を犠牲にしたプロジェクトです。  第四は、経済性の問題です。工事の難航などで建設期間が遅れる可能性があり、建設費が九兆三百億円を上回ることが予想されます。開通しても、今後、人口が激減することを考えますと、リニアの赤字は更に拡大いたします。  利便性、快適性、危険性を考えますと、リニアを利用する乗客は一分一秒を競うビジネスマンと予想されます。しかし、最近のIT技術の飛躍的な発展、例えば医師が遠隔操作で手術ができたり、8Kテレビや立体テレビ、バーチャルリアリティー技術の発展により空間的距離を超えたビジネス様式が出現する可能性があります。そうしますと、リニアはペイしないどころか不採算部門として経営を圧迫いたします。  この度の三兆円財投貸付けは、リニア建設の全額自己負担という前提を崩すものです。また、リニアによる経営の圧迫が、楽観的な返済計画を成り立たなくいたします。  以上、リニアの計画そのものの見直しも含め、本法律案に対する反対討論といたします。

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これより採決に入ります。  独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、長浜君から発言を求められておりますので、これを許します。長浜博行君。

長浜博行民進党・新緑風会

○長浜博行君 私は、ただいま可決されました独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民進党・新緑風会、公明党、日本維新の会及び無所属クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。  一 政府は、中央新幹線が民間企業により推進されるプロジェクトであることを踏まえ、外部からの働きかけによってJR東海における「経営の自主性」が損なわれることのないよう、十分配慮すること。  二 政府は、JR東海が独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構から貸し付けられる資金を活用し、中央新幹線における東京・大阪間の開業年度の前倒しに向けて積極的に建設を推進できるよう、必要な環境整備に努めること。  三 政府は、国鉄時代に経営上の重要事項について政治的解決が図られることがあり、その結果として、一部の財政投融資が採算性が不確実な路線の建設等に用いられた過去の教訓を踏まえつつ、インフラ整備に対する財政投融資の活用に際しては、政策的必要性や対象となる事業の採算性を十分考慮すること。  四 全国新幹線鉄道整備法に基づく建設主体は、引き続き労働災害の防止を始め、工事作業の安全性が十分確保されるよう万全を期すとともに、適宜施工状況の把握に努めつつ、実行可能な工事実施計画の履行に努めること。また、政府は計画の推進に関して、建設主体の安全性確保に係る判断を最大限に尊重しつつ、環境の保全や、安全かつ確実な施工に努めるよう指導・監督すること。  五 政府は、幹線鉄道ネットワークが地方創生に重要な役割を果たすことを踏まえ、既存の整備新幹線計画に加えて、基本計画路線も含めた幹線鉄道ネットワークの構築に向け、努めること。あわせて、政府は、交通政策基本法の理念や総合交通政策の推進という観点から、公共交通全体を見据えた輸送の在り方について、主体的立場で地域と連携して検討を進め、地域の持続可能な移動・輸送手段の構築を図ること。    右決議する。  以上でございます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) ただいま長浜君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) 多数と認めます。よって、長浜君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、石井国土交通大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石井国土交通大臣。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま可決されましたことに深く感謝を申し上げます。  今後、審議中における委員各位の御意見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。  ここに、委員長始め理事の皆様、委員の皆様の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表します。  誠にありがとうございました。

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

増子輝彦民進党・新緑風会

○委員長(増子輝彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時十六分散会

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