厚生労働委員会 第7号
- 発言数
- 90 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2016/11/22
会議録
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、伊藤孝江君、浜野喜史君及び山田宏君が委員を辞任され、その補欠として熊野正士君、川合孝典君及び石井みどり君が選任されました。 ─────────────
○委員長(羽生田俊君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長吉田学君外六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(羽生田俊君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○牧山ひろえ君 民進党・新緑風会の牧山ひろえです。 私は、民進党の子どもの社会的養護(特別養子縁組)制度検討ワーキングチームの事務局次長として、二月の上旬に、社会的養護の問題に取り組んでこられた児童相談所の方や里親会の会長などと家庭の中での養護推進の先進国とも言えるイギリスに視察に行ってまいりました。イギリスでは、社会的養護について、インスティテューショナライゼーション、施設養護の終えん、こういったテーマが共通認識として定着しておりました。 ちょっと資料をお配りしたんですけれども、参考、諸外国における里親等委託率の状況と書いてあるんですけど、一番上を御覧ください。里親を始めとする家庭での養護の比率を示したグラフなんですけれども、イギリスは七一・七%、そして一番下が日本ですね、一二%、これが現状でございます。 今回は、そのイギリス視察から得た知見も含め、社会的養護や特別養子縁組について質問させていただければと思います。 さきの通常国会で行われました児童福祉法の改正では、理念として一条で、児童の権利条約の精神にのっとることが規定されております。また、新設された第三条の二のところでは、全ての子供を養子縁組、里親を含む家庭で育てるという新しい家庭養護原則をうたっているんですね。施設入所はこれが適当でない場合のみに限定して、しかも、その場合でもできる限り良好な家庭的環境の施設にすることを義務付けました。加えまして、児童福祉行政の中で養子縁組がほとんど活用されていない現状、これを改めるために、養子縁組を法律上より明確に位置付けたんですが、さらにその利用促進に向けて検討するとしています。 社会的養護の理念として、児童の最善の利益ということが要請されます。その結果ですが、家庭養護原則が明定されたわけですけれども、日本も採択している国連のガイドライン、これにおいては、パーマネンシーといって、養育の恒久性という意味ですけれども、これが要請されています。このパーマネンシーの理念というのは、法的に安定した一貫した永続的養育者の確保、分かりやすく言いますと、子供が法的に安定した家庭で継続的に暮らす権利保障ということなんですね。つまり、何らかの事情で生みの親の元に帰る見込みがない子供にとっては、愛してくれる親の家庭でずっと育つことのできる養子縁組が最善の福祉であり、養育の永続性のない里親よりも優先されるべきであるという考え方なんです。 大臣は、さきの第百九十回国会の三月二十二日の参議院厚生労働委員会の質疑の中で、こういうふうに答弁されております。私はあるべき姿の順番は、実の生みの親であり、次に養子、それも特別養子縁組を含めて、そして、それがかなわなければ里親、ファミリーホームということで、その後、施設の中でもやっぱりできれば家庭的な小規模なところで接してもらうということが大事だと思いますというふうに答弁されているんですね。 つまり、子供の育つ環境として望ましいのは、第一に実の父母又は親戚、それから二番目に養子縁組の家庭、それから三番目に里親の家庭、そして四番目に施設というふうにされているんです。私はすばらしい御見識だと思うんですけれども、是非この御見識を児童相談所などが養護措置を行う際の優先順序の指針として、告示なり省令なりの公的文書で明確に定めるべきだと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 通常国会で御議論いただいて改正法が成立をしたこと、大変うれしく思っております。保護者のない子供、そして虐待を受けた子供など社会的養護が必要な子供たちにつきましては、やはり今お話をいただいたように、温かく安定した家庭の中で養育をするということが一番だというふうに思っております。 今申し上げたような考え方から三月の答弁を行っているわけでありますけれども、今回成立させていただきました改正児童福祉法においても、まずは子供が家庭において健やかに養育されるように保護者を支援をする、そして、家庭における養育が困難又は適当でない場合には養子縁組や里親、ファミリーホームへの委託など、家庭における養育環境と同様の養育環境という表現を使っておりますが、そこにおける今お話があった継続的な養育を優先をするということを明確にさせていただいたところでございます。 厚労省としては、今後、児童福祉法の改正内容を踏まえて児童相談所運営指針あるいは里親委託ガイドラインを見直すこととしておりまして、特別養子縁組については今議論中で、最終的には民法ですから法務省の問題として対応していただかなきゃいけないことになろうかというふうに思っておりますから、それが実現した際には、またそれを受けて厚労省として考え方を明確にしていくべきだと私は今思っておりますけれども、そういうようなことで見直しをしようというふうに思っておりますので、今御指摘をいただいたように、考え方を今後も国民に向けた周知とか都道府県あるいは関係団体の会議においてやはり繰り返しお伝えをする、政府としての意図を明確にお伝えをするということは大変大事だというふうに思っておりますので、改正児童福祉法の理念を徹底するということを今お話あった形で明定したらどうだという御提案ですけれども、基本的にはそういう方向でいきたいというふうに思います。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。是非、御見識を生かした政治家としてのアクションをお願いしたいと思います。 さて、児童が心身共に健やかに養育されるように、より家庭に近い環境での養育の推進を図ることは非常に重要であると私も考えております。その中でも特別養子縁組は、保護者のいない子供や実親による養育が困難な子供に温かい家庭を与えるとともに、その子供の養育に法的安定性を与えることができる、こういった制度であり積極的な活用が望まれます。 ですが、現状はと申しますと、法務省の平成二十六年度の統計で、普通養子縁組のうちで家庭裁判所の許可で成立した養子縁組の件数が七百十件、そして特別養子縁組の成立件数が五百十三件にすぎないんですね。この年だけではなくて、日本では、社会的養護を受けている子供が約三万九千人のうち、お配りした資料にもありますとおり、この裏を御覧ください、養子縁組をするのは年間約三百人から五百人しかいないんです。ということは、一%にも満たない数値なんですね、一番上にございます。 ほかの国も見てください。アメリカでは、社会的養護を受けている四十万人のうち一二%にも当たる五万人、これは行政を通した子供だけを取った数字なんですけれども、そういった数字が出ております。五万人養子縁組が成立している。ですが、全体を見ますと十二万近くいるんです。今言った数字は、行政を通した子供だけで五万人。ですから、全体で十二万人近くいるということがこの一番下に書いてあります数字でも分かります。私が視察に行ったイギリスでは約四千七百人、それからドイツは三千八百人、こういった実績があるわけです。 特別養子縁組を推進するためには、社会的養護に占める割合などについてやはり数値目標を設けるべきだと考えるんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 養子縁組制度というのは、子供の健全な育成を図る仕組みであって、子供の最善の利益になると認められる場合には積極的な支援を行うことが重要だと考えており、とりわけ特別養子縁組というのが重要ではないかというふうに考えております。 改正児童福祉法におきましては、家庭における養育が困難又は適当でない場合には、まずは特別養子縁組を含む養子縁組、それから里親、ファミリーホームと、こういう先ほど申し上げた優先順位を考えながらこれらを進めるということでありますし、また、児童相談所の業務として、今回、法律の中で養子縁組に関する相談支援を位置付けたということであります。 これまで、社会的養護につきましては、平成二十三年の社会的養護の課題と将来像というのがございましたが、これに基づいて、各都道府県等において里親等委託児童、それからグループホーム入所児童、本体施設入所児童、この割合をおおむねそれぞれ三分の一、三分の一、三分の一と、こういうことで計画を作っていただいて取組を今日まで進めてきたわけでありますけれども、この課題と将来像には特別養子縁組を含む養子縁組が入っていないという中で作られておりました。 したがって、この割合にも考慮されていないということになっていたので、私どもとしては、厚労省として新たな社会的養育の在り方に関する検討会というのを進めております。この中で、社会的養護の課題と将来像につきましては、今般の児童福祉法改正の内容に合わせて全面的に見直すということを検討していただいています。この検討結果を適切に今までの都道府県推進計画の見直しに反映をしていくということが大事で、それぞれの地域、都道府県がしっかりとした新たな推進計画を作っていただいて、それに基づいて、特別養子縁組を含めて家庭養護を計画的に推進をするということが子供たちにとって何よりも大事だというふうに考えております。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。 児童福祉法の改正で、養子縁組が社会的養護の一手段として位置付けられました。パーマネンシーの理念からも養子縁組の成立件数は増やしていくべきで、その実現のためには明確なやはり目標数値というものが設定されるべきだと思います。 大臣が今おっしゃっていた検討会ができたというふうに、立ち上げたと承知していますが、この検討会では、新たな社会的養護の在り方の検討を行った上で、これを踏まえて、平成二十三年七月に出された社会的養護の課題と将来像、これを全面的に見直すというふうにされていますが、社会的養護の課題と将来像では、日本の社会的養護を施設、グループホーム、里親などの家庭的養護、それぞれおおむね三分の一とすることを目指していたんです、大臣が今おっしゃっていたとおり。つまり、現在一五%にすぎない里親率を十五年掛けて三分の一に増やしていく、そして施設を三分の二に抑えるという、そういった計画です。 この検討会の議論によって、これをどのように見直していくことが想定されるんでしょうか。また、その中において特別養子縁組や児童を養子とする養子縁組はどのように位置付けられるのか、お伺いしたいと思います。
○大臣政務官(堀内詔子君) 保護者のいない子供や虐待を受けた子供など社会的養護が必要な子供については、温かく安定した家庭の中で養育することが望ましいということを認識しております。 先ほど大臣からも御答弁がございましたので、詳しくは重複となりますので避けますが、社会的養護の課題と将来像については、今般の児童福祉法改正の内容に合わせた全面的な見直しに向けた検討を行っているところでございます。その見直しに当たっては、特別養子縁組を含め家庭養護を計画的に推進していくこととし、都道府県推進計画に反映することが考えられますが、その具体的な内容につきましては今まさに検討会で議論中でございます。その検討会における議論を待ちたいと思っております。
○牧山ひろえ君 現在の計画では、三分の一という目標値はともかく、達成に十五年を掛けると言っているんですね。達成目標は、そうすると二〇二九年になってしまうんです。子供は当然ながら毎日育っております。十五年掛けて達成するということになりますと、当然ながら三歳の子は十八歳になっていく、それからゼロ歳の子は十五歳になっていく。ですから、今三歳の子が十八歳になるまでに、までにというか、もう本当に即、すぐにでもこれを検討をし終わって、お願いしたいと思います。 さて、施設養護に偏っていることのもう一つの表れとして、日本の施設養護においては長期の入所が一般化しているという、こういった問題点もあるんですね。施設の入所期間を調べてみましたら、イギリスでは五年以上の入所期間を持つ子供は僅か一%しかいなかったというふうに聞いております。それに対して日本では約四〇%にも上るんです、これは五年以上いる子供だけでですね。 検討会での見直しに当たりましては、家庭養護の比率だけではなく、施設への長期の入所比率にも着目していただきたいと思います。これについても数値目標を設定するべきではないかと思うんですが、それによって世界共通の問題意識となっている脱施設化へ向けて多面的なアプローチが可能となるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(堀内詔子君) 社会的養護が必要な子供については、温かく安定した家庭の中で養育することが望ましいことから、個々の児童の状況に応じて、できるだけ早期に養子縁組や里親、ファミリーホームへの委託など家庭養育に移行することが大切だと考えております。 このため、さきの通常国会において成立した改正児童福祉法においては、子供を家庭で養育することが適当でない場合には養子縁組や里親等への委託を優先することとしており、施設での専門的な支援の必要性が解消された折にはなるべく早く里親委託を検討するということが明確化されています。 一方、個々の子供については、施設での専門的支援が必要となる期間を考慮するに当たっては、それぞれの子供が抱えている課題に応じて、どのような体制によってどのような支援を行うことが適当であるか、またどの程度課題が解決されたかなど、そのケース・バイ・ケースの状況を踏まえて判断していくといった必要があると思っております。 このような点を踏まえた上で、日本全体の望ましい施設入所期間については、具体的な数値目標をもって定めることについては今様々な角度から議論を深めていく必要があると、そういうふうに考えております。
○牧山ひろえ君 ありがとうございます。 乳児院から児童養護施設へ移り、そしてそれから満年齢で施設から出されるといった子供は少なくないんですね。施設の入所期間の長期化についても、是非明確な問題意識を共有していただきたいと思います。 民法では、請求時に子供の年齢が六歳に達している場合は特別養子縁組の養子となることができない旨が規定されているんです。年齢制限の理由としましては、当局の国会答弁ではこういうふうに述べています。一般に、実の親子と同様の実質的親子関係の形成を期待することができますのは、養子となる者が幼少のときからその監護養育を始めた場合であると考えられております、また、養子となる者が六歳に達している場合には、実親との関係が実質的なものである可能性があり、既に就学しているなどある程度の分別も生じているため、養親子間にそのような関係を形成することが困難であるばかりではなく、実の親子関係の断絶が子の利益の観点から相当ではない場合も少なくないと考えられておりますというふうに答弁されているんですけれども、こういった理由の中には、一般的という言葉ですとか、可能性という言葉ですとか、あるいは場合も少なくないという、こういった表現が使われていますことからお分かりのとおり、必ず問題があるというわけではないので、実の親子関係の断絶が不適切なケース、これを裁判所が判断して棄却すれば済む話ではないかと思うんですね。むしろ、子供のために必要と裁判所が判断したら、何歳であっても審判で特別養子縁組を可能にするべきではないかと思うんです。 裁判所が不適切な事例について縁組を認めないという前提で、それでも年齢制限がどうしても必要という理由付けはあるんでしょうか。そうであれば教えていただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) この問題は、先ほど申し上げた新たな社会的養育の在り方に関する検討会というのがありますが、その下に三つ専門的なものを、検討会を設けておりまして、その中の一つが司法関与と特別養子縁組に関する検討会がございます。そこでまさに今のような問題意識を含めて御議論をいただいておりまして、司法関与とも特別養子縁組も非常に密接な関連が出てくるのではないかと私は思っておりますが、おっしゃるように、今六歳未満ということになっているわけですけれども、この問題も含めて大いに議論していただこうというふうに思っています。 特別養子縁組は、養親と養子の間に実親子間と同様の親子関係を形成するというのが目的で、愛着形成をつくっていこうということで子供の健全な養育を図るというのが目的だというふうに思っておりますが、現状では、六歳以上の問題については、養子となる子供が六歳以上となる場合には、さっき御説明いただいたように、就学し社会的分別も生じているなど、養親と養子の間で実親子間と同様の親子関係を形成することが困難であるなどの理由から、対象となる子供の年齢は民法上原則六歳未満とされているというのが現状です。 年齢要件につきましては、本年三月の新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会の報告書において、十八歳未満までに引き上げるべきという意見が示されています。それから、さきに成立をいたしました改正児童福祉法の附則、ここで特別養子縁組の利用促進の在り方について検討を加えて、その結果に基づいて必要な措置を講ずるということですから、今申し上げたようなことで司法関与と併せて議論をいただいているわけですが、これを踏まえて、厚労省としては、児童福祉の観点からのこのような問題についてさっき申し上げた検討会を立ち上げ、特別養子縁組の年齢要件についても議論をしていただいているということであります。 いずれにしても、特別養子縁組に関する検討に必要な情報について幅広く関係者からの御意見を聞くなど、あるいは客観的な事実、つまり八歳というのが民法に書いてありますけれども、じゃ六歳以上八歳未満でどれだけ行われているのかとか、そういうような客観的なこれまでの数値もしっかりと踏まえた上で御議論を更に深めていただこうというふうに思っております。
○牧山ひろえ君 遺棄児など父母が知れない子供又は深刻な虐待を受けた小中学生が、六歳を超えたために普通養子縁組の選択肢しか取れない、こういった子供もいらっしゃるわけですね。これはやっぱり子供の福祉に反すると思うんです。また、欧米の方に目を向けますと、未成年養子は完全養子のため、年齢制限はもっと緩やかになっているということが分かりました。 是非、子供に永続的な家庭、パーマネンシーとさっきから言っていますけれども、これを与えるためにも、六歳以上であるからといって一律に禁止するのではなく、年齢制限について是非再検討をしっかりとお願いしたいと思います。 さて、里親や養子縁組など家庭養護の実施に向けて子供を措置する場合に、実親に反対されるあるいは実親の同意が取れない、こういったことが里親委託や養子縁組が進まない原因の一つだと指摘されています。養育を放棄していても養子縁組に同意しないケースですとか、あるいは実親が犯罪によって長期間の服役をしており養育が見込めない、こういったケースもあるわけですね。それでも同意はしないケースも多々あると聞いております。 民法の第八百十七条の六、これには、父母がその意思を表示することができない場合又は父母による虐待、悪意の遺棄その他養子となる者の利益を著しく害する事由がある場合は実の親の同意を不要としていますと書いてあるんですけれども、でも、この言葉を正確に細かく読みますと、実の親の同意なしで認めるケースも極めて悪質な虐待や遺棄などの場合に限られているんですね。その対象は余りに狭い傾向があると思うんです。特別養子縁組制度の運用は、子供の永続的な家庭の保障という観点から程遠い状況なわけです。 この日本の強過ぎる親権が子供の最善の利益につながっていないケースがあるという問題意識は、大臣におありでしょうか。所感をお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) まず今回、改正児童福祉法の第一条に日本の法律の中で初めて子供の権利を明定をしたわけでありまして、御指摘のように、民法には親権が明記されている、しかし子供の権利というのはどこにも日本の法律にはないという状態で今日まで来てしまった。このことを重く受け止めて、第一条に子供の権利、特にこの心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉をひとしく保障される権利を有するということを明記したわけでありまして、まさに委員今御指摘のような問題意識を私たちも共有しながら法改正をさせていただいたと、こういうことだろうというふうに思います。 特別養子縁組につきましては、民法において、子供の利益のため特に必要があると認めるときには家庭裁判所はこれを成立するというものとされているのがまず原則があって、父母がその意思を表示することができない場合や今御指摘の虐待、悪意の遺棄など養子となる子供の利益を著しく害する事由がある場合に限って実親の同意なく家庭裁判所は特別養子縁組を成立させることができるとされていますが、これが、じゃ、どういう場合にどのくらい実際家庭裁判所が著しく害すると判断をして特別養子縁組が、年間五百件ぐらいですけど、まだ、あったのかということも実は統計上まだはっきりしていません。こういうこともやっぱりちゃんと調べた上で議論しようというふうに思っています。 今お話しのように、検討会では同意の要件が厳し過ぎるという意見も出ておるわけでありますので、こうした御意見も踏まえて、特別養子縁組制度の改善や利用促進の在り方について議論を深めていきたいというふうに思っております。 里親についても、著しく子供の福祉を害する場合には、児童相談所が家庭裁判所の承認を得ることにより親権者等の同意を得ることなく措置できることとされており、改正児童福祉法においても子供の最善の利益を優先することを明記したことを踏まえて推進していくことが大事ではないかというふうに思っておりますし、これは司法関与の問題と先ほど申し上げたように非常に密接な関係のある問題として議論を深めていただきたいと思っているところでございます。
○牧山ひろえ君 特別養子縁組が子供の永続的な家庭を保障するという観点から現実に機能するように、前に述べました要件を緩和するなど、子供の永続的家庭保障を重視した内容に見直すべきだと考えますので、よろしくお願いします。 さて、お配りしました、子ども虐待による死亡事例等の検証結果等についての第十二次報告、これを御覧ください。 これによりますと、都道府県等に対する調査により把握した平成二十六年度の死亡事例の中で、子供の年齢はゼロ歳が六一・四%、それから、ゼロ歳のうち月齢ゼロか月が五五・六%と高い割合を占めているんですね。これの裏の方の一番上のところに数字が書いてあります。ゼロ歳が六一・四%と最も多く、それから、ゼロ歳のうち月齢ゼロか月が五五・六%と高い割合を占めていることが分かります。また、実の母親の抱える問題として、望まない妊娠、計画していない妊娠が五四・五%と最も多くなっているということが分かります。 こういった虐待によるゼロ歳児死亡事例の背景に鑑みますと、実母が特別養子縁組をもしも知っていれば子供の命を救えたケースもたくさんあったのではないかと思うんですね。そういう観点からも、特別養子縁組の制度の周知が私は重要になってくると思うんです。 現在、望まない妊娠ということでいいますと、予期しない妊娠の場合、退学に追い込まれるケースが多くて、そのために苦労したり悩んでいる人が本当に多い。私も視察で何人かのそういう方々に会いましたけれども、妊娠した子供を退学にする現状については今別途取組中です。 人工妊娠中絶をしようとする妊婦の方などに対し特別養子縁組制度を教示するという取組も、やはり必要なんではないかと思うんですね。このような方々に接する機会の多い医師ですとか、あるいは特に産婦人科のお医者様が教示する役割を担うこととし、国や地方公共団体がこれを支援する体制を設けてはいかがでしょうか。 また、妊婦健診も行かない、あるいは母子手帳ももらいに行かない、こういった方々いらっしゃるんですけれども、特別養子縁組の告知を行うためにどのような腹案をお持ちでしょうか。
○大臣政務官(堀内詔子君) お母さんのおなかの中に宿った命は大変大切ではあるというものの、様々な経緯、また様々な状況によって人工中絶をしようとする妊婦の皆様方に対し、特別養子縁組という選択肢があることを知っていただくということは大変大切なことだと思っております。 このため、妊婦については、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を行う子育て世代包括支援センターにおいて状況を継続的に把握し、必要に応じて養子縁組に関する相談支援を行う児童相談所とをつなぐなど、関係機関と連携した取組を行うこととしております。 また、人工中絶を実施する医療機関においても、患者の個別の状況に応じ、必要な場合に子育て世代包括支援センターなどの行政機関を紹介するなど、医療機関と行政機関が適切に連携していくことが大切だと思っております。現在策定中の子育て世代包括支援センターのガイドライン等の中でも、こうした視点を明確にして周知を徹底してまいりたいと思っております。 さらに、これと併せて、御指摘の妊婦健診も行かない又は母子健康手帳も受け取りに行かない女性に対しては、気兼ねなく匿名で電話相談を受けられる体制を都道府県などにおいて整備していくとともに、その相談窓口の周知に取り組んでいるところであります。 こうした取組を進めることにより、予期せぬ妊娠等により産んだ子供を育てるのが困難な方に特別養子縁組制度に関する情報が届くようにしてまいりたいと思っております。
○牧山ひろえ君 社会的信用の高い医療機関の協力は非常に効果的だと思いますし、また、学校の教育の中でこの特別養子縁組制度についてしっかりと教育の中に取り入れていただくこと、これもやはり周知への手段だと思うんですけれども、是非、この特別養子縁組制度の周知のための措置、これを積極的に講じていただき、特別養子縁組制度が広く実際に利用されるようにしていただきたいと思うんですね。 改正児童福祉法でも明記されましたように、家庭養護は推進するべきだと思います。とはいっても、当然ながら、既存の乳児院ですとか児童養護施設には現在も多くの子供たちがおります。すぐに施設を廃止するということは当然できません。ですが、乳児の場合は特に家庭養護を前提に考えるべきだと思うんですね。ゼロ歳から二歳までの子供の愛着形成の期間に家庭的な関わりの空白がありますと、後からそこを埋めるということは非常に難しいと思います。大変だと思います。 イギリスの視察でも報告がありましたけれども、そのような場合、脳の発達に遅れが出るということも分かりました。私、レントゲンというかMRIというか、いろんなものを見てまいりましたけれども、医学的な映像ですとか医学的な根拠も見てまいりました。説明も受けました。施設で育った子供たちの脳の活性化と施設でなく家庭で育った子供の脳の活性化の違い、これも見てきたんですけれども、ネグレクトされている子供たちに関しましても施設で育った子と同じような結果が出てきたということも分かりました。 これにもかかわらず、お配りした資料にもありますとおり、日本の現状は乳幼児といえども施設養護が圧倒的です。これを御覧ください。こうした観点からも、まずは乳児段階での家庭養護を推進するべきだと思います。 ですので、国連の子供の代替的養護に関するガイドラインにありますように、少なくとも三歳までの乳幼児につきましては家庭養護を原則とし、家庭養護への一〇〇%移行について目標達成日をきちんと定めて、達成に向けて優先的に取り組むべきと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) ドイツは、去年ドイツに行ったときに会った人が、日本に児童相談所に匹敵するような組織におられる方々が来られて、教えていただいてなるほどなと思ったのが、法律ではありませんけれども、就学前は施設には入れないということを原則にしていると。先ほどのを見ますと五〇%、ドイツは施設収容率がなっています。この間行っていただいたイギリスは、小学校の間は施設に原則入れないというふうに聞いています。 そういうことを考えてみると、今、三歳というお話がありましたが、本当はやはり、就学前はできる限り施設は避けて家庭で、あるいは家庭と同様の環境で育つということが、子供の発育にとっては、愛着形成にとっても一番望ましいのではないかと私は思っています。 もちろん、小学校まで、六年生までということになればもっといいでしょうけれども、どういうことになるかは先ほど申し上げた検討会で御議論をいただくことになりますが、他の国々がやっていることをよくまた見ながら、私どもはやっぱり子供たちにとって何が一番大事なのかということを考えていかなきゃいけませんし、法律ではなくても、やはり我々の目標はどういうことかということは頭の中に入れながら児童福祉の行政を進めていくべきではないかというふうに思います。
○牧山ひろえ君 ドイツでもイギリスでも乳幼児は原則施設に入れない、今大臣がおっしゃったとおり。日本にも、三十年以上にわたって特別養子縁組を前提とした新生児の里親委託を里親委託の一つの方法としている、愛知県の愛知方式という好事例があります。是非、乳幼児につきましては優先度を上げて、家庭養護への移行について取り組んでいただければと思います。 児童を養子とする養子縁組に関しまして、民間事業者が果たす役割は大きいです。積極的な支援が望まれると思います。政府は、民間事業者による養子縁組のあっせん事業に対してどのような支援をされているんでしょうか。 民間事業者が適正な養子縁組のあっせんを継続的かつ安定的に行うためには、財政上の措置あるいは業務に常時従事する者に対する研修、こういったことなど国による様々な支援が必要であると考えられます。民間事業者に対して今後政府はどのような支援をしていくおつもりなのか、併せてお伺いできればと思います。
○大臣政務官(堀内詔子君) 養子縁組制度は子供の健全な育成を図る仕組みであり、子供の最善の利益が図られるよう、政府としても関係機関が積極的な取組を行うための支援を行うことが必要であると考えております。 今般の改正児童福祉法においては、養子縁組に関する相談支援を都道府県業務として位置付けたことから、今後、児童相談所と民間養子縁組あっせん事業者とが連携しながら更なる家庭養育の推進が図られるものと考えております。 現在、厚生労働省としては民間養子縁組あっせん事業者に対する財政的な支援は行っておりませんが、新たに財政支援を行うことにつきましては、あっせんがスムーズに行えるケースもあれば、また、複雑な事情により、より多くの負担が生じるケースがあるなど様々な場合が想定されること、財政支援の方法によっては実親の中立的な意思決定に影響を与えるおそれがあることなど、更なる課題の整理や検討が必要であると考えております。 民間あっせん機関が事業を継続する上での財政支援の方策については、こうした論点や運営の実態などを踏まえつつ今後検討してまいりたいと思っております。
○牧山ひろえ君 民間あっせん機関というのは、現行制度では養親となった人に経費の実費を請求することになるんですね。ですので、アプローチはしても養親とならなかった人から費用を徴収することは実務上困難だという声が現場からあります。養子に託すことを検討しましたけれども自身で育てることを選択するという、そういったケースも多くあるんですね。 誠実に業務に当たる民間業者は、家庭訪問を数回行う、そういったことをやったり、あるいは安全な環境で安心して子育てができるように地元の役所と掛け合ったり、あるいは地域の保健師と連絡したり、あるいは児童相談所のカンファレンスに出向いたりすることがあるんですね。 つまり、民間業者というのは、丁寧に対応すればするほど赤字になってしまうというケースが多いんです。赤字になってしまう構造で、それも成約率の低下につながっているという指摘もあるんです。このような指摘についてどうお考えでしょうか。現場の声を踏まえて、是非御所見をお願いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話がございましたように、養親希望者に対する財政的な支援とか、あるいは税制面での優遇というのは、もちろん現在ないわけですね。したがって、何らかの財政支援が必要じゃないかという御意見があることはよく分かっております。 ただ、先ほどちょっとお話し申し上げたとおり、いろんなケースがあるということ、それから、中立的な意思決定に影響を与えないだろうかと、つまりモラルハザードの問題もあり得るということなので、いずれにしても、子供たちの健全な養育が一番大事な目的でありますから、それでそのために何が必要なのかということを課題をきちっと整理をして対応を考えていきたいと思っておりますし、また一方で、養子縁組の利用促進のためには養親希望者に対する支援が重要であることは、これは間違いないわけで、さきの通常国会で成立した改正児童福祉法において養子縁組の相談支援を児童相談所の業務に位置付けたことを踏まえて、民間あっせん機関を利用する養親希望者への支援や、それから児童相談所との連携、関与の在り方、こういったことは今後実態をよく見ながら検討をしっかりやっていかなきゃいけないというふうに思っております。
○委員長(羽生田俊君) お時間ですので、おまとめください。
○牧山ひろえ君 はい。 ありがとうございます。現在提出の協議中の養子縁組のあっせんに関する議員立法は、児童の最善の利益を最大限に考慮し、これに適合するように行わなければならないとされています。是非これを最大限に考慮していただきたいと思います。 ありがとうございます。
○熊野正士君 公明党の熊野でございます。 まず初めに、養子縁組につきまして、この点だけはということで質問をさせていただきたいと思います。 養子縁組のあっせんについてでありますけれども、このあっせんには児童福祉に関する高い専門性と倫理意識が求められます。しかし、現在は第二種福祉事業に届出さえすれば誰でもできる制度になっております。このため、一部の民間あっせん事業者が営利を図るなど不適切な事案が発生しております。 したがいまして、この事業者を許可制にするとともに、先ほど牧山委員の方から御指摘ございましたけれども、民間のあっせん機関が適切な業務を行えるように財政的な支援なども必要だと思いますけれども、大臣の御所見を伺いたいと存じます。
○国務大臣(塩崎恭久君) 社会的な養護が必要な子供たちにつきまして、温かく安定した家庭の中で養育されることが望ましいということでこの改正児童福祉法を成立させていただきました。児童相談所の業務として養子縁組への支援を法律上位置付けてこうした支援を進めていくことにしたわけでありますけれども、現在、民間あっせん機関が行う養子縁組のあっせんにつきましては、社会福祉法に基づく届出制、今御指摘のとおりでありまして、これによって実施をされていまして、近年、民間あっせん機関による養子縁組の成立、特に特別養子縁組の成立が増加をしているところでございます。 このため、この事業運営の透明化それから適正化、これが課題であって、厚生労働省としては、これまで自治体に指導基準を示して事業運営の状況調査を実施して公表してきたところでありますけれども、しかし、残念ながら、特別養子縁組のあっせんを行う事業者が金品による優先的なあっせんを行ったり、実親への不十分な意思確認といった不適切な事案が見られているわけであります。大変残念な、遺憾な事態が起きていると。 そういうことで、現在、与野党の議員で検討が進められているこの養子縁組のあっせん業に許可制を導入するといったことを始めとする議員立法は、児童が適切に養子縁組を受けられる上で大変重要であり、成立をした際には、自治体とも協力をしてしっかり機能するように厚労省としても対応してまいりたいというふうに思っております。 民間あっせん機関に対しまして新たな財政支援を行うことにつきましては、あっせんがスムーズに行えるケースもあれば複雑な事情によって多くの負担が生じるケースもあって、ケース・バイ・ケースいろいろあるということ、それから、財政支援の方法につきましても、実親の中立的な意思決定、先ほど申し上げたモラルハザードの問題、こういったことも否定できないかも分からないといったようなことで、更なる課題の整理、検討が必要だろうというふうに思っております。 民間あっせん機関が事業を継続する上で、財政支援の方策については、こうした論点や運営の実態などを踏まえて今後更に検討していきたいというふうに思います。
○熊野正士君 ありがとうございました。 次に、がん対策について、先日改正されましたがん対策基本法に関連して幾つか質問させていただきます。 まず、がんと就労についてお尋ねをいたします。 がんの予後は格段に改善をしまして、それに伴ってがん患者さんの就労の機会が増えております。安心して仕事が継続できる体制づくりが必要だと思いますけれども、厚生労働省の就労支援への取組についてお教え願えればと思います。
○政府参考人(福島靖正君) お答えいたします。 がん患者の就労支援につきましては、第二期のがん対策推進基本計画の分野別施策の一つとして位置付けられておりまして、がん診療連携拠点病院のがん相談支援センターに社会保険労務士などの就労の専門家を配置する事業や、ハローワークが拠点病院などと連携して就労支援を行う事業などを進めております。 現状としては、社会保険労務士などの専門家が配置されている拠点病院は平成二十八年度で百二十一か所、拠点病院と連携するハローワークは、平成二十八年度から全国展開しておりますけれども、今全国で四十八か所となっております。また、今年の二月に公表しました企業向けの治療と職業生活の両立支援ガイドラインに基づきまして、全国の産業保健総合支援センターにおきまして企業の取組の周知啓発や個別のケースの調整などの支援を行っております。 さらに、十月二十四日に開催されました働き方改革実現会議において、治療と仕事の両立を実現する施策についてお示しをしておりまして、厚生労働省におきましては、経営トップの意識改革など企業文化の抜本改革、あるいは専門人材の育成など企業と医療機関の連携強化などを柱として、治療と仕事の両立が普通にできる社会の実現を目指していくための具体的な取組について検討を行っております。 現在、第三期がん対策推進基本計画の策定に向けて議論を進めておりますけれども、がん患者の就労支援につきましても、ここでの御意見を伺いながら更に進めてまいりたいと考えております。
○熊野正士君 更なる取組をよろしくお願いしたいと思います。 一方、厚生労働省の調査によりますと、がんと診断された方のうち約四割の方は、治療が始まる前にもう既に仕事を辞めていらっしゃると、そういう実態があります。 私も長らく病院に勤めておりまして、その経験から申しますと、医師や看護師などはがんに罹患しても辞職せずに仕事にとどまっているケースが多いと思います。これは一つには、がんに対する知識がありますので仕事の継続について冷静に判断ができることが大きな要因ではないかと思います。もう一つは、職場が病院ですので、がん治療に対する理解が深く、がん患者さんが働きやすい職場環境であるということも関係しているかと思います。 そう考えますと、就労継続の鍵を握るのは正しいがん知識を得ることであり、広く国民の皆様に理解していただく意味からもがん教育が重要と思われます。特に、中学校、高校で教えるということは、がん予防の観点からも非常に意義のあることだと思います。学校教育の中におけるがん教育の取組について、文部科学省にお伺いをいたします。
○政府参考人(浅田和伸君) がんに関する教育については、小学校の体育、中学校、高等学校の保健体育において発達段階に応じた指導を行っているところです。また、平成二十四年六月に閣議決定された第二期がん対策推進基本計画においてがんに関する教育の充実が盛り込まれたことを踏まえ、文部科学省として、平成二十六年度からがんの教育総合支援事業を実施し、一つには有識者から成る検討会で今後のがん教育の方向性に関する報告書を取りまとめるとともに、地域の実情を踏まえたモデル事業を行っています。 今年四月には、文部科学省において、小中高等学校向けに外部講師を用いたがん教育のガイドライン及びがん教育推進のための教材を作成し、各都道府県・指定都市教育委員会に周知して活用を促しております。 今後とも、このモデル事業の成果も踏まえながら、教材の改善充実や外部講師を活用したがん教育の全国展開を目指して、各都道府県・指定都市教育委員会に対して働きかけていきたいと思っています。
○熊野正士君 ありがとうございました。 私は、放射線科の専門医としてGISTという疾患の画像診断の研究に携わっていた経験があります。GISTというのは胃とか小腸などの消化管に発生をする悪性腫瘍でありまして、人口十万人に一人から二人といういわゆる希少がんに相当いたします。CTが診断に有用なんですけれども、まれな疾患ですので診断に難渋することも多々ありました。 従来、長期生存が難しいとされていたGISTですけれども、最近の研究によりまして、外科的な切除が第一選択で、グリベックを始めとする分子標的薬、非常に治療効果が高いということも分かってまいりました。ただ、まれな疾患ですので、治療の最適化あるいは副作用への対応などについてのエビデンスが出しにくいと、そういう状況であります。GISTの第一人者で、一緒に私も仕事させていただくことのある国立がん研究センターの西田院長にお話を伺いますと、外科治療とそれから病理診断の集約化が必要ということでありました。 今はGISTという希少がんを例に挙げましたけれども、百種類以上ある希少がん全てを含めますと、がん患者さん全体の約二〇%を占めると言われております。希少がんの研究について御答弁をお願いしたいと思います。
○政府参考人(福島靖正君) 希少がんに対する研究でございますけれども、希少がんにつきましては、平成二十六年度に作成されましたがん研究十か年戦略に基づきまして、ライフステージやがんの特性に着目した重点研究におきまして、この中では小児がんであるとか高齢者がん、あるいは難治性がん、あるいは希少がんなどに関する研究を行っておりますけれども、この中で特に希少がんに関しましては、標準治療の確立、あるいはその革新的治療法の開発、発生のメカニズムに関する研究などを推進しております。 今後、遺伝子とたんぱく質の解析やデータ共有などを通じて、その症例の少ない希少がん研究をより一層推進してまいりたいと考えております。
○熊野正士君 是非とも、希少がんというのはなかなか治療が難しいがんもたくさん含まれておりますので、本当に研究が進むようによろしくお願いをしたいと思います。 あと、その希少がんの研究のためにも大事になってくるのががん登録であると思います。がん登録の推進法が平成二十五年に可決をされまして、自民党では塩崎大臣や、また公明党では秋野議員らが法案の制定に尽力されたというふうに承知をしております。 いよいよ本年一月からがん登録が実施をされております。もう十一か月経過したわけですけれども、順調に進んでいると思いますけれども、今の状況をちょっと教えていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 超党派でできました議員立法であるがん登録等の推進に関する法律、今御指摘のように今年の一月に施行になりました。全ての病院とそれから各都道府県知事により指定された約三千九百か所の診療所から、診断をしたがんの種類や進行度などの情報が都道府県を通して国へ提出され、そして国で一元的に管理をされることになっておりまして、十月の二十八日現在で五千五百七件の情報が全国がん登録に登録をされております。 これまで我が国のがんの罹患数等の情報というのは、一部地域のデータに基づく推計値、五年生存率もそうですが、実数による把握ができていなかったわけでありましたが、全国がん登録によりましてがんについての情報の網羅的な収集が可能になりました。希少がんも含めて、日本全国のがんの発症あるいは予後などについての実数による正確な把握ができるようになるわけであります。これによって、各地域の実情に応じたがん対策やがんの予防法、そしてがんのリスクについての解明などが推進をされるというふうに考えております。 がん対策基本法改正案では、がんに係る調査研究の推進のためにがん登録により得られた情報の活用等を推進するとされておりまして、政府としては、科学的根拠に基づいたがん対策の実施、がんの研究の推進のためにがん登録データの活用を進めてまいりたいというふうに考えております。
○熊野正士君 ありがとうございます。 あと、今回のがん対策基本法におきまして、予防医学の観点が非常に大事だということで、感染症に対する対策ということも盛り込まれておりますし、また事業者の責任ということもその中で唱えられておりますので、この辺も含めまして、今後しっかりとがん対策が前に進むことを念願いたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。 特別養子縁組について質問したいと思います。 民間あっせん事業者が、生みの親の同意もないまま営利目的でやっていたということで事業停止、そして強制捜査というような報道もございました。昨日もテレビで特集がありまして、子供の受渡しは駅前で僅か十分と、そのときだけ会っていた。これは、ネットのサイトを使ったあっせんをやっている事業者の紹介でした。もう本当にちょっと胸が詰まる思いをして見せてもらいました。 養子縁組を行う事業者をそういう意味では本当に規制していくという法律は、喫緊の課題になっているというふうに認識をしております。 改めて、そこで、日本の養子縁組の状況ですね、普通養子縁組、そして特別養子縁組、先ほども御指摘ありましたけれども、国際的に見て日本における状況というのはどうなのか、御紹介いただきたいと思います。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 我が国における特別養子縁組が申し立てられた事案のうち、平成二十七年の一年間に家庭裁判所で認容された件数は五百四十四人でございます。それから、未成年、二十歳未満の普通養子縁組につきましては、同じく平成二十七年の一年間に家庭裁判所で認容された件数が七百二十八件となっております。 諸外国ということでございますが、諸外国の縁組の人数につきましては、制度とか歴史が異なります。若干統計の年数も違いますので一概に正確には比較できませんが、手元にある資料からいえば、ドイツにつきまして、十八歳未満の養子が三千八百五人、フランスは、原則十五歳以下及び年齢制限なしの養子の方を合わせて一万三千三百七十六人、イギリスは、十八歳未満の養子で四千七百三十四人、アメリカは年齢制限がなく、十一万九千五百十四人ということでございます。 ちょっと人口比で比較をさせていただきますと、各国の人口比で比較した場合、人口十万人対比で、日本は一人、ドイツは五人、フランスは二十二人、イギリスは八人、アメリカは三十八人ということかと思います。
○倉林明子君 御紹介あったとおり、国際的に見て、まあいろいろ歴史も違うし比較するの難しいところもあるということですけれども、子供が主体とされる養子縁組でいえば、実親との関係を解消する、特別養子縁組という中身になってこようかと思うんですけれども、こういう利用の促進こそ進められるべきだと思うし、本来ここは公的責任を果たした格好で進めるべきものではないかというふうに思っております。 厚労省に確認したいと思うんですが、先ほど来議論もありました改正児童福祉法、この附則二条ですね、ここでは検討していくということでなっているわけです。改めて、検討状況を少し詳しく御説明をいただければと思います。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 今般の改正児童福祉法附則第二条第一項で、特別養子縁組制度の利用促進の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるということとされました。 このため、有識者の方々に御参集をいただきまして、児童虐待対応における司法関与及び特別養子縁組制度の利用促進の在り方に関する検討会というものを本年七月に立ち上げさせていただきまして、これまで六回開催をさせていただいています。 これまで、この検討会、司法関与と特別養子縁組という二つの仕組みを掲げての検討会でございまして、司法関与についてどちらかというと先行して集中的に御議論いただいたところもございますが、現在、特別養子縁組に関する検討に必要な情報を把握するために、児童相談所あるいは民間団体の方々に対する実態把握の調査、あるいは関係者の方々のヒアリングというものも行わせていただいております。 今後、この辺りの実態把握、また幾つかの統計的なものもきちっと精査をさせていただきながら、引き続き検討会においてスピード感を持って議論を行うということで今お願いしているところでございます。
○倉林明子君 スピード感を持ってということでありますけれども、調査、実態把握の取りまとめの方については一定のめども立っているということですけれども、具体的な措置というところまではいまだ至っていないというのが現状だというふうに思います。 その上で、民間あっせん機関の実態については一定つかまれているというふうに思うわけですが、一つ、このあっせんに係る経費をどの程度として把握しているか。児童福祉法では、さらに、営利目的でのあっせんは禁止ということにしているわけですが、この営利目的とする経費、一体幾らぐらいと、この判断の基準ですね、それはどういうふうに考えているのか。三つ目、公的支援の枠組みが、要は無料で負担なしで使えるという枠組みがある、しかし民間あっせん事業者は自らその財源を確保しなければならないという状況にあるわけで、先ほど来御意見もありましたが、財政支援の在り方の方向性、どう考えているか。それぞれにお答えください。
○政府参考人(吉田学君) 三点についてお尋ねをいただきました点、御報告させていただきたいと思います。 一つ目は、まず、あっせん事業者が現在徴収している手数料でございます。民間養子縁組あっせん事業者が養親希望者又はその親族から受領した金額について、平成二十五年度の実績を我々は把握をしておりまして、その時点、二十五年度の具体的にあっせん成立があった当時十五の事業者さんのデータを拝見しますと、手数料が最低ゼロ、取っておられないところから最高三百九万二千円というところまでございまして、十五業者を平均という形で取ると六十九万六千円という数字になってございます。 それから二つ目に、営利目的を禁止している中での受領できる金品の基準という御質問でございますが、養子縁組あっせんにつきましては、営利目的として行うことは、先ほど御指摘いただきましたように、児童福祉法第三十四条第一項八号の規定によりまず禁止をされております。 その上で、じゃ営利を目的としているかどうかについては、それぞれの事案ごとに具体的に判断するという必要があろうかとは思いますけれども、個別のあっせんに関連して事業者が養親希望者又はその親族から受け取ることができるのは、交通、通信等に要する実費又はそれ以下の額ということを限定しておりまして、それ以外の金品はいかなる名称、名目であっても受け取ることができない旨を通知によりこれまでも周知をし、指導をさせていただいております。 さらに、この通知にあります交通、通信等に要する実費について、さらにその判断基準としての範囲といたしましては、これまた本来それぞれの事案ごとに個別に判断されるものではあるとは思いますけれども、逆に費用に含めることとしても差し支えないものというものを例示的に規定をしておりまして、一つは実親への相談支援に要した交通、通信に要した費用、それから二つ目に養親希望者への研修、家庭調査及び相談支援の実施、児童の安全確保や家庭調査の実施等の活動に要した交通及び通信経費、それから三つ目に出産に要した費用、四つ目に養親希望者の児童の引取りまでの間養育等に要した費用と、こういうものを例示をして、この通知で申し上げている交通、通信等に要する実費の範囲としてお示しをしているところでございます。 最後、三つ目でございます。あっせん事業者に対する財政支援についてのお尋ねがございました。 民間あっせん事業者に対する財政支援につきましては、あっせんがスムーズに行えるケースもあれば複雑な事情により多くの負担が生ずるケースもあるなど、様々な場合が想定されること、また、財政支援の方法によっては実親の中立的な意思決定に影響を及ぼすおそれがあるなど、更なる課題の整理や検討が必要ではないかというふうに考えております。
○倉林明子君 実費問題では、先ほども御指摘があったとおり、今御説明もいただきました。 養子縁組が成立した場合というのは非常に分かりやすい実費が計算できるのかなという一方で、全て成立するわけではないし、支援があれば実親でも頑張って育てようかという、こういう可能性を切り開ける場合もあろうし、養親が本当に育てていけるのかどうかということでいえば、そういうリスクに対する丁寧なやっぱり説明やフォローというのが本当に必要になってくると思うんですね。 いずれも、子供の利益、子供の幸福最優先にということで、丁寧な取組というのが私は期待されると思うんですね。ところが、結果として縁組が成立しない、丁寧にやるほどそういうケースもあり得るということにもなるんだけれど、事業者にとって、実親、そして養親、いずれにとっても過度な負担、これは特別養子縁組を促進するという観点からも阻害要因になりかねないというふうに思うんですね。公的特別養子縁組の枠組み、それとのやっぱり格差がここには生じてきているし、是正すべきものだというふうに思います。こういう観点からも、それぞれの財政的な負担軽減ということについては積極的に取り組んでいかれるべきだろうということは指摘をしておきたいと思います。 また、民間あっせん事業者が所有する子供の実親に関する情報の管理、ここは非常に、どう管理していくのか、現状も大変心配されているところですけれども、どう管理していくのか。かなり長期にわたっての管理が必要になってまいります。私、こここそ公的な管理が必要になってくる部分ではないかというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 養子縁組後、成立したお子さんの実親の情報あるいは養子縁組をした経緯などを知るというためにあっせん事業者に問い合わせる場合が想定されます。今おっしゃった中でいう出自に関する資料というものがそのあっせん事業者において適切に保管、保存されることは重要であるという認識は、私どもも共通しております。 このため、平成二十六年五月の、局長通知ではございますが、この通知において、養子縁組成立後の養親及び児童に対する相談支援を適切に実施するため、事業者に対し記録の保管というものを行うように求めておりますと同時に、養子縁組あっせん事業を廃止する際には、そのあっせんを行ったケースに関する文書、それまでその事業者において保管をお願いしていた部分でありますけれども、これを管轄の都道府県に引き継ぐということを求めております。この旨、都道府県等に周知をし、今後も徹底してまいりたいと思っております。
○倉林明子君 子供の出自を知る権利を保障すると、そういう観点からは、今は局長通知ということになっていますけれども、やっぱりこれは法的にもしっかり担保し管理していくということが求められようかと思いますので、意見として申し上げておきたいと思います。 そこで最後に、実際に取り組んでおられる民間の事業者の方々からお話を伺いました。様々な御意見あったわけですけれども、やっぱり特別養子縁組ということに絞った法整備が必要ではないかという御意見もいただきました。特別養子縁組を促進していくということに対する大臣の認識を、最後伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 保護者のいない子供や家庭に恵まれない子供さんに温かい家庭を与えて、その子供の養育に一つは法的安定性を与える、そしてまた愛着形成をしっかり確保していく、そのことによって子供の健全な育成を図ると、こういう観点から特別養子縁組は大変大事だというふうに思っております。 先ほど来出ているこの改正児童福祉法におきましては、家庭における養育が困難又は適当でない場合は、まずは家庭における養育環境と同様の養育環境で養育されるように、子供の福祉の観点から、特別養子縁組や里親等への委託を進めることにいたしました。また、養子縁組の相談支援を行うことを都道府県の業務に位置付けるということで、こうした業務が確実に行われるように、児童相談所強化プランにおいて児童福祉司等の専門職の配置の充実や資質の向上を図ることなどを盛り込んでいるところでございます。 とりわけ、特別養子縁組につきましては、社会的養護を要する子供たちへの永続的な家庭の保障という観点から重要な仕組みだというふうに思っております。我が国の現状から見ますと、制度を更に改善をし、利用を促進していく必要があるというふうに思っております。 こういうことで、この児童福祉法の附則第二条第一項の規定に基づいて、特別養子縁組制度の利用促進の在り方について有識者による検討会で議論を進めておるわけでございまして、この結果を踏まえて必要な措置を講じてまいりたいというふうに思います。
○倉林明子君 民間事業者、本当に現場で苦労されているところの意見もしっかり踏まえて対応いただきたいと思います。 終わります。
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。 私の方からも、養子縁組に関して一点だけお聞きさせていただきたいと思います。 今回、参議院の方で養子縁組のあっせんに関する議員立法を提出をしていこうというふうな運びなんですけれども、この養子縁組に関する民間のあっせん機関、今どれぐらいあるのか教えていただきたいと思います。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 養子縁組に関する民間あっせん機関は、私ども厚生労働省の調査によりますと、平成二十七年十月一日現在で二十二団体となっております。
○東徹君 ありがとうございます。 事前にお聞きさせていただいて、二十二団体、どれぐらいの事業開始が行われているのかとか、どういった地域にあるのかとか、そういったことを教えていただきました。二十二事業あるんですけれども、そのうちやはり六割ぐらいは平成二十年代に入ってから急にぼこぼこぼこと出てきているんですね。だから、最近になって急に増えてきたというところがあるんだろうというふうに思います。もちろん、昭和二十年代とかからもこういったものがあったわけですけれども、最近になって急に増えてきているということがあるということが一点言えるんだろうというふうに思っております。 先ほどからも話がありましたけれども、営利目的のみで事業をやる悪質事業者、こういったものをやっぱりきちっと排除していく、規制していくということは大変大事だというふうに思っておりまして、養子縁組のあっせん事業を行う者に対して許可制度を導入していくとか、そしてまた都道府県知事への報告ということで、あっせんの各段階において報告義務を行ってもらうとか、そういったことは是非大事だというふうに思っています。 ただ、これ見ておりますと、東京都なんかだと六か所ぐらいあって、全国どの都道府県にもあるわけではないわけですし、この中には愛知県とか福岡県なんかも入っていないわけでありまして、恐らくこれから各都道府県でもしっかりとした事業者が許可を受けて、そして適切な対応がしっかりとされていくことを是非願うところでありまして、今回の出そうとしています法律案、大変大事だというふうに思います。 それでは、続きまして次の質問に移らせていただきます。 前にも質問させていただいたわけですけれども、医療機関の不正請求があるというふうなことで十月二十五日の委員会で質問させていただいたわけですけれども、その中では、個別指導を行っていくわけでありますけれども、そのことに関して厚生労働省の方から、第三者の方に立ち会っていただいて公平性を確保することも大事であるというふうな答弁がございました。 この公平性というのは一体どういうことなのか、まずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 保険医療機関などへの個別指導につきましては、保険診療それから診療報酬の請求に関するルールについて周知徹底をすることを主眼としておりまして、地方厚生局がカルテなどに基づいて指導を行うというものでございます。 指導の際には、健康保険法に基づいて診療又は調剤に関する学識経験者に立ち会っていただくということになっております。この指導の立会いにつきましては、保険診療のルールや診療の実態を熟知した立場から、診療の実態に照らして、一つは行政側の指導が妥当、適切に実施をされているか、つまり行き過ぎた指導をしていないかどうか、それから保険医療機関の診療内容が医学的に適切なものとなっているのかなどの観点に基づいて発言をしていただいて、保険医療機関等への指導の公平性を担保するというものでございます。
○東徹君 恐らく、ルールとかそういったものは厚労省の方の方がよっぽど詳しいだろうというふうにも思いますし、それが公平性というのはよく分からないなというふうに思います。 次に、不正請求に対する診療報酬の返還についてお伺いしたいと思います。 先ほどと同じなんですが、十月二十五日の委員会においてもこの点質問したんですけれども、平成二十六年度におきまして指導や監査の結果に基づく返還を求めた診療額なんですけれども、百三十三億円余りあるわけですね、百三十三億円余り。各保険者の管理に属して厚生労働省としては把握していないとか、それから、実際に保険者が約三千四百あるので、保険者を通じて把握することとなると保険者の事務負担も大きくなるという、難しい課題があるというふうな先日答弁をいただいたわけなんですね。 前回も申し上げたわけですけれども、医療費の財源の四割は国と地方の負担によるものでありますし、厚労省としてはこれ百三十三億円不正請求があったと。返還を求める額があるのであれば、もうこれは、きちんと返還されたのかどうかというのはやっぱり把握するべきだというふうに思うんですね。 この点、保険者ではなくて、審査支払機関にまず確認したら分かるんではないのかなというふうに思うんですが、是非、確認したのかどうか含めてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(鈴木康裕君) 指導や監査の結果に基づく診療報酬の返還額についてお尋ねがございました。 社会保険診療報酬の支払基金におきまして、診療報酬請求に係る過去一年間分の支払データから抽出した結果、平成二十七年十一月から平成二十八年十月までの一年間で、診療報酬からの返還金控除額、これは支払うべき医療費から返還してもらうものを引いたその額でございますが、この額が約二十三・九億円でございました。 国民健康保険団体連合会における返還控除額については、現在鋭意確認中でございます。
○東徹君 これ、私の質問を受けて多分確認されたというふうに思うんですけれども、これ、今まで確認していなかったということ自体が、一体何をやっていたんですかというふうに思うんですね。 今、これから医療保険財政が厳しくなってくるという状況じゃないですか。そんな中でこれから患者さんに負担を更に求めていかないといけないという今状況が起こってきているわけじゃないですか。そんなときに、返還してもらうべきお金が百三十三億円もあって、それを厚労省として把握していなかったというのは、これ一体どういうことなのかなと本当に思っておるんですね。 是非、きちんと全体をしっかりと把握すべきというふうに思いますので、きちっと全体を把握するかどうか、もう一度御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(鈴木康裕君) 返還金の回収額の把握についてでございますが、現在、各保険者を含めて検討しているところでございまして、事務負担も考慮させていただきながら、どのような方法でどうやって把握できるのかということについて、しっかりと検討してまいりたいというふうに思います。
○東徹君 是非、全体をしっかりと把握していただいて、きちんと返還されているのかどうかというところを把握、確認をお願いをしたいと思います。 これ、こんなことでは、本当に不正請求されていて返還すべきお金があって、片や一方では医療費が患者の負担も増えていくというのでは、これはもう医療保険に対して信頼感というのはどんどんと薄れていくわけですから、是非ここは塩崎厚生労働大臣の方からしっかりとやれということを述べていただきたいなと思うんですけれども。
○国務大臣(塩崎恭久君) このICTの時代にコンピューターですっと出ないというのが不思議なぐらいでありまして、これは今、支払基金改革ということで、そういった面も含めてデータヘルスがきっちりできるように、それは審査、それから支払の実態も把握をする中でやっていかなきゃいけないことだろうと思いますので、そういうことがちゃんとできるようにしていきたいというふうに思っておりますので、そういう意味で指示をしていきたいと思います。
○東徹君 ありがとうございます。 そうしましたら、次に、先日、十一月八日の委員会でもちょっと質問した精神保健指定医の資格の不正取得についてなんですけれども、今回八十九名の不正取得ということで指定医資格の取消処分を行ったわけでありますけれども、私がやっぱりどうもこれ納得いかないのは、将来に向かってのみ効力を有して過去には遡及しないということなんですね。精神保健指定医の取消しになったのは今回なったわけですけれども、過去からずっとこれ資格要件を満たさなかったわけですから、言ってみれば、取得したときから資格要件を満たしていなかったということは、これは明らかなわけです。 厚生労働省として、この資格の取消処分の効力をやはりなぜ遡及させないのか、もう一度御答弁をいただきたいと思います。
○副大臣(橋本岳君) まず、今回の処分につきまして、指定医の取消しが八十九人、それから新規指定申請の却下四人ということになったわけでございますけれども、今不正取得というお話がございましたが、申請をした人で要するに一旦取得をしたけれども取り消された人というのは四十九人ということになります。 その人たちについての御質問だというふうに理解をいたしますけれども、不正な申請によって指定をされた指定医について、指定時に遡って御指摘のように指定を取り消すということも法律上は考え得ることではあります。ただし、その場合、法律関係が変わりますので、患者や医療機関が自後に予期せぬ負担や損害を負う可能性もあるということを私たちは考えなければならないというふうに思っております。 例えば、不正に取得をしたということで処分を受けた指定医だった人が関与した措置入院患者について、過去に遡ってこれは措置入院ではなかったという取扱いになってしまうという場合が考えられるわけですが、その場合、実際に、さはさりながら、患者さんは入院をしてその治療を受けているわけですから、措置入院であったらその患者の負担とならない負担が、生じてしまうというようなことが考えられるだろうというふうに思います。それから、病院、医療機関は、その指定医は当然正しい指定医だと思って雇用していたわけですから、そういう適法に指定された指定医であると認識して治療等を行わせた第三者である医療機関に予期せぬ損害が生じるおそれがあるというようなことも考えられるかと思います。 そういうような患者、医療機関等の関係者間の法的安定性を確保する、そして患者、医療機関に予期せぬ負担や損害が生じないようにということも考えなければいけないという観点から、指定の取消しの効力を将来に向かって発生させるということとしたものでございます。 なお、不正なケースレポートの作成に関わった指定医が行った措置入院の診察等については、実際にその方々がいろいろな診察をしていたわけですから、患者さんの権利擁護の観点から、その妥当性についてしっかり検討する必要があるということは私たちも考えておりまして、今後、都道府県と政令指定都市に依頼をしてこれは検証してまいりたいと、このように考えております。
○東徹君 確かに、措置入院した患者は一体どうなるのという問題も出てくると思いますし、そしてまた、この人はちゃんとした資格を持っているんだと思って雇用した医療機関に損害が生じるという言い方をされましたけれども、そういったこともあるかもしれません。 百歩譲ってそうであるならば、私は思うんですけれども、これやっぱり指定医取ることによって言ってみれば一・五倍の診療報酬もこれ受けれるわけなんですよ。一・五倍の診療報酬でもって今までずっとやっていた、何年も何年もやっていた、そういう方もおられると思います。この指定医は、確かに取消しになっても、五年たったらまた取得することだってこれはできるわけですよ。非常にやっぱり甘いと思うんですね。 是非、そこはやっぱり何らかの、何かこういう不正に資格を取得した場合は罰金を取るとか、是非そういったことを御検討いただきたいなと思います。 時間だということですので、これにて終わらせていただきます。ありがとうございました。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 まず、国保についてお聞きをいたします。 国保制度改革として二〇一八年度、平成三十年度から都道府県が財政運営責任など中心的役割を担うことになっております。施行に向けた進捗状況はいかがでしょうか。
○政府参考人(鈴木康裕君) 都道府県と市町村の国保における役割分担につきましては、国民健康保険制度の基盤強化に関する国と地方の協議会において整理が行われまして、平成二十七年二月に議論がまとまり、五月に改正法が成立をいたしました。その中で、都道府県は財政運営の責任主体ということで、安定的な財政運営、効率的な事業運営の確保をするとされた一方で、基礎自治体である市町村は、地域住民と身近な関係の中、資格管理や保険給付等、地域におけるきめ細かい事業を引き続き実施するということになっております。 この役割分担を前提といたしまして、平成三十年度の施行に向けて、現在、地方団体と協議をしながら施行の準備を進めておりまして、持続可能な国保制度の確立に向けて、地方団体の意見を十分に伺いながら進めていきたいというふうに思っております。
○福島みずほ君 現場をよく知っている基礎自治体、市町村を中心に運営していくべきだと思いますので、よろしくお願いします。 国保制度改善強化全国大会が過日行われました。県知事会や市町村会などたくさんの方たちから決議が出されております。来年度からの三千四百億円の公費投入を遅延なく確実に実施するよう強い要望が決議文として出されております。財務省、厚労省、いかがでしょうか。
○大臣政務官(杉久武君) お答えいたします。 国保に関しましては、財政基盤の強化の観点から、これまでも消費税増税分を活用して、低所得者の多い国保への財政支援の拡充や都道府県に設置された財政安定化基金への積み増しなどの財政支援を行ってきたところでございます。 国保への財政支援も含め、来年度における社会保障の充実につきましては、今後、年末に向けた予算編成の中で検討していくこととなりますが、いずれにせよ、優先順位を付けながら最大限努力をしてまいりたいと考えております。
○政府参考人(鈴木康裕君) 厚生労働省としての財源確保の在り方について御質問がございました。 今回の国保改革は、財政支援の拡充により国保の財政上の構造的な問題を解決を図りつつ、都道府県に新たに財政主体の運営主体となっていただくということで、国民負担の増加を抑制しつつ制度の持続可能性を確保するという非常に重要な改革でございます。また、国と地方との間でしっかりと今まで協議をしてきて、この改革を着実に実施していくという方針に全く変更はございません。 このため、必要となる予算については厚生労働省としてしっかり確保していきたいというふうに思っております。
○福島みずほ君 これは頑張ってください。 また、決議文の中に、「子どもの医療費助成等の地方単独事業実施に係る国庫負担金・調整交付金の減額措置を直ちに廃止すること。」と、いわゆるペナルティー問題としてこの委員会でもよく議論になってきました。 この自治体へのペナルティー見直しに関する方針、厚労省、総務省、いかがでしょうか。
○政府参考人(池田憲治君) お答えいたします。 総務省といたしましては、子供の医療費助成に係る国民健康保険の国庫負担金の減額調整措置について、地方自治体から廃止すべきという御意見をいただいており、厚生労働省に対しまして廃止するなどの見直しを行うことを要請をしているところでございます。 この要請の中でも触れているわけでございますが、ニッポン一億総活躍プランにおきまして見直しを含め検討し、年末までに結論を得るとされたことを踏まえまして、厚生労働省におきまして地方の意見を十分に聞きながら検討を進めていただきたいと考えております。
○国務大臣(塩崎恭久君) 子供に対する医療費助成に係る国保の減額調整措置、これにつきましては、厚生労働省の子どもの医療制度の在り方等に関する検討会というのがありまして、ここで幅広い観点から検討が行われておりまして、本年三月二十八日に取りまとめが行われました。 その中で、この減額措置につきましては賛否両面から様々な意見がありましたけれども、今触れられておりましたが、一億総活躍社会に向けて少子化対策を推進する中で、地方自治体の取組を支援する観点から早急に見直すべきとの意見が大勢を占めたわけでございまして、その際、医療費無償化による受診拡大などが医療保険制度全体の規律あるいは医療提供体制に与える影響、それから負担能力に応じた負担とする観点や過度な給付拡大競争の抑制と、こういった観点も踏まえて検討を行うべきという意見がございました。 今後、本年六月二日に閣議決定されたニッポン一億総活躍プランに記載されたとおり、この検討会の取りまとめを踏まえて、また現在、社会保障審議会医療保険部会で御議論いただいているところでありますので、同部会での御意見も踏まえながら、国保の減額調整措置について見直しを含めて検討をし、年末までに結論を出したいというふうに思います。
○福島みずほ君 配付している資料が、総務省から厚労省に対して、年末までに結論を得るとされていることを踏まえ、地方の意見を十分に聞きながら検討を進め、廃止するなどの見直しをされたいという、今日も答弁していただきましたが、あります。是非、厚生労働省が年内に、いわゆるこのペナルティーとしてきたことを廃止されるように強く要請したいと思います。 まずそれが第一段階ですが、その次に、是非国が自治体に任せることなく一定の医療費助成に踏み切ってほしいというのを第二段目として要請をいたします。 厚労省保険局が調べた子ども医療費助成の実施状況、十月六日付けによれば、入院に対する助成は全市町村が未就学児に対して行っております。また、九八%の市町村が小学生に、九三%の市町村が中学生に助成をしています。一方、外来についても、全市町村が未就学児に行っております。九〇%の自治体が小学生に、八二%の自治体が中学生に助成をしております。 この間、埼玉県滑川町で、給食費の無償化と十八歳医療費の無料化に取り組んでいる自治体に話を聞いたりしてきました。各地の自治体、結構頑張っているんですね。子供医療費の全額助成、年齢は低年齢から始まるとしても、是非、自治体ではなく厚労省にやっていただきたいと思います。 次に、バリアフリーの新法についてお聞きをいたします。 障害者権利条約は第九条で、都市及び農村の双方でバリアフリー化を進めることを求めております。法は、駅は一日の乗り降り客が、乗降客がというんでしょうか、三千人以上の駅を対象とするなど都市部に重点を置いた法律となっております。地方でのバリアフリー整備を進める法改正が必要ではないでしょうか。
○政府参考人(篠原康弘君) 国土交通省といたしましても、都市部のみならず全国各地で高い水準のバリアフリー化を進めることが重要と考えてございます。 バリアフリー法の現在の基本方針におきましても、地域の実情に鑑み、高齢者、障害者等の利用の実態等を踏まえ可能な限りバリアフリー化するということになっておりまして、利用者数が一日当たり三千人未満の駅を含めて整備を進めております。 また、今、国交省では、公共交通機関のバリアフリー基準あるいは建築設計標準について見直しを開始しておりまして、このような取組によりまして全国各地で高い水準のバリアフリー化を進めてまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 障害者権利条約に合わせて、国際的なバリアフリー整備ガイドラインとしてIPCアクセシビリティ・ガイドが作られております。これを基に、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピックのアクセシビリティ・ガイドラインの作成が進められておりますが、バリアフリー新法は、整備基準がIPCアクセシビリティ・ガイドより大きく遅れております。 国際的な整備基準に合わせて、バリアフリー新法の見直しが必要ではないでしょうか。
○政府参考人(篠原康弘君) 今御指摘いただきましたアクセシビリティ・ガイドラインですけれども、これはオリンピック・パラリンピックの開催都市を対象としておりまして、一方でバリアフリー法は全国を対象にしているということですので、オリンピック・パラリンピックのガイドラインをそのまま全国に適用することについては慎重な検討が必要かと考えておりますけれども、一方で、先ほど申し上げましたバリアフリー基準の見直しに際しましては、東京アクセシビリティ・ガイドラインの内容も踏まえながら十分に検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○福島みずほ君 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックでたくさんの方が来られると。そうしたらもうバリアフリーを積極的にやらないと、何やっているんだではありませんが、問題が起きるわけです。 東京を変える、東京だけではなくて開催地はほかにもありますけれども、東京だけではなくて、是非、これを機会にバリアフリー法、新法を検討していただきたいということを強く要望をいたします。 次に、障害者差別撤廃条約を日本は批准し、その前に障害者差別解消法を作り、今年の四月から施行になっております。これが本当に進むようにと思っておりますが、学校で、例えば普通学級などでの先生の加配、先生を加える、補助をする、補助というか、障害のある子供に対する教員の加配というものが、是非、施行に伴ってより強化されるべきだというふうに思っております。 ところで、この合理的配慮に関する内訳の予算などを示していただいたんですが、しかし教師の加配に関して言えば、例年より少し増えているだけなんですね。特別支援教育に係る教員の加配、平成二十七年度は六千二百七十六人、その前年度、平成二十六年度は六千百七十六人です。平成二十八年度は六千三百二十六人。結局、二十八年度と二十七年度では五十人しか変わらないんですね。一県に一人じゃないかという。 ですから、これは障害者差別解消法が施行になれば、学校の中のバリアフリーももちろんですが、やっぱりいろんな子供がいるわけですから、先生の加配は必然だと思います。せっかく合理的配慮と言っているのに、先生の加配が五十人しか増えていない。是非、来年度の予算で先生の加配、加える配置ですけれども、増やしていただきたい。いかがでしょうか。
○政府参考人(浅田和伸君) 平成二十八年四月からの障害者差別解消法の施行等により、各学校においても障害のある子供が十分に教育を受けられるための合理的配慮の提供が求められることになりました。 文部科学省としても、障害のある子供たちが必要とされる合理的配慮を受けられるよう、支援体制の整備、教員の専門性の向上、学習上の支援機器等の教材の開発など、特別支援教育の一層の充実に努めております。 御指摘のありました教員の体制ですけれども、特別支援教育の充実の観点から、これまで通級による指導への対応、あるいは特別支援学校のセンター的機能の強化のための教職員の加配措置というのを行っています。これが平成二十八年度予算では六千三百二十六人、御指摘のとおりでございます。平成二十九年度の概算要求においては、通級による指導について、加配ではなくて基礎定数化をしたいと、基礎定数化による八百九十人の定数改善を要求しているところでございます。 文部科学省としては、こうしたことは多様な教育ニーズを抱える子供一人一人の状況に応じたきめ細かい教育を実現する上で不可欠だと思っています。是非、実現に向けて取り組んでいきたいと思います。
○福島みずほ君 八百九十人というのは今までになく増えるわけですが、でも、全国の学校の規模からいえばほんの一握りです。障害のある子供もない子供も一緒に勉強するというのは両方にとってとてもいいことで、せっかくその合理的配慮をやるんだ、でも、合理的配慮をするのに先生が、加配がなければできません。是非、八百九十人と言わず、これは文科省に言うことではないんですが、もっともっと増やして頑張っていただきたいということを申し上げます。 また、学校の先生で、中途で障害が出る、例えば目が不自由になったり、突発性難聴で耳が不自由になるとか、先生の問題点も、障害になるということも聞きます。これについての配慮、加配など、いかがでしょうか。
○政府参考人(浅田和伸君) 教員が障害を途中で抱えた場合の加配というのは、済みません、今のところないと思いますけれども、私も、例えば河合純一さん、全盲で中学校の教員をしておられた、そういう方もおられますし、ほかの自治体でもそういうケースがあると聞いています。そういった先生も、適切な支援があれば教員としての仕事をきちっとこなせますし、むしろ生徒にとって教育上非常にいい影響といいますか、そういう教育効果があるという事例も聞いておりますので、そういうことが普通に行われるようにしていければなと思っています。
○福島みずほ君 ありがとうございます。 是非、ペナルティーを年内に廃止すること、バリアフリー新法に向けて、あるいは障害のある子供たちのための加配、合理的配慮で教員増員など是非積極的に行ってくださるよう、国保もよろしくということを申し上げ、質問を終わります。 ありがとうございます。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。 私、昨日、NHKの番組を見ていて、大変気持ちが悪くなりました。ネットでいわゆる特別養子縁組のマッチングをやり、そして子供が駅で受渡しをされる、そういうような実像が映って、とてもではないですけれども、やはり一刻も早く悪質なあっせん業者という皆様方にはこの世界からしっかりと退去していただきたいと、心新たにしたところでございますので、まず一問目、大臣、教えていただきたいことがございます。 実は、先日も愛知で赤ちゃん養子縁組の講座が開かれました。そこで、矢満田先生、是非大臣に問うていただきたいということがございましたので、私がここで代わりに大臣に問わさせていただきたいと思います。 大臣は、愛知方式、スタディー、視察もしていただいたということで、大変皆様方喜んでくださっておりました。今回、この特別養子縁組は原則として、子供たちの年齢が六歳になるということがこれ原則だということになっておりますけれども、やはり、児童虐待の死に至るケースで一番多いのはゼロ歳ゼロか月ゼロ日の赤ちゃんです。これを考えると、六歳まで待っていられない。 やはり、特別養子縁組というものの中でも一番大事にしなければならないのが、この愛知方式と呼ばれる、妊娠からお母様方に関わって、そして赤ちゃんのうちに養子縁組を組む、いわゆるこの赤ちゃん縁組というものを推進すべきであって、決して、赤ちゃんが生まれてそこですぐに乳児院だよというように、自動的に送り込まれないようにするようなシステムをしっかりと構築していただきたいというお願いがございましたけれども、大臣の見解をいただけますでしょうか。お願い申し上げます。
○国務大臣(塩崎恭久君) 愛知にお邪魔したときに、三組の親子、特別養子縁組ででき上がった親子の皆さんとお会いをさせていただいて、本当に実の親子と同じようにお互い愛し愛されている姿を見て、大変感動いたしました。 予期しない妊娠によって未婚や若年で出産をして自分で養育できないようなケースについて、妊娠中や出産直後に丁寧な相談対応を行った上で特別養子縁組を行うことは、子供の健全な育成に有効な方法の一つであるというふうに思いますし、三組の方々は大体こういうケースでありました。 愛知県では、元々県産婦人科医会が昭和五十一年から赤ちゃん縁組無料相談というのを実施をしていたと聞いておりまして、こうした取組を参考に、児童相談所の矢満田さんたちが養子縁組を前提とする新生児の里親委託に積極的に取り組んだ、そして実践の成果をマニュアル化して県内の各児相の皆さん方でまた共有したということで、全国でもまれに見る特別養子縁組が進んだ地域として継続的な取組が行われてきたわけであります。 一方で、新生児の里親委託につきましては、出産前からの、心理的に不安定な実母に寄り添って子供を養子縁組するか否かなどの意思を手助けする必要があるなど、特にきめ細かな支援が必要、それから、出生後に子供の発達状況を把握した上で養子縁組に取り組むことが望ましいと考える児童相談所もあるなどから、他の地域ではなかなか取組が十分進んでこなかったというところがあると思います。 このため、今回の改正児童福祉法において、家庭における養育が困難又は適当でない場合には家庭と同様の養育環境、これが特別養子縁組を含む養子縁組を進めることを明確にしたところでございまして、養子縁組の相談支援を都道府県の業務に位置付けた。改正法に位置付けられた業務が確実に行われるように児童相談所強化のプランというのを今度作りますが、プランの中で児童福祉司などの専門職の配置の充実や資質の向上を図ることを盛り込んでおりまして、また今後、児童相談所運営指針等を見直して具体的な相談支援の在り方をお示しすることになっています。 今後、改正法に基づいて児童相談所が積極的に特別養子縁組の業務に取り組むように、厚労省としてもしっかりと自治体を支援しながら一体となって取り組んでいきたいと思いますが、何よりもやはり、ゼロ歳ゼロか月ゼロ日の赤ちゃんが犠牲になるということは絶対にないようにしていきたいというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 赤ちゃんの顔を見たら、もうやっぱりこの子が欲しい、この子を育ててみたいと皆さん思われるそうなんですよ。ですから、やっぱり人見知りが始まってというよりも、しっかり赤ちゃんとして本当にそのおうちの子供として受け入れられる、そういう時期を大切に考えていただきたいと私からお願いしておきたいと思います。 それから、今日は新たな視点として、親になりたくてもなれない方々の話も併せてしてみたいと思います。 実は、がん患者さん、小児がんの皆様方、本当に今化学療法も進みまして、しっかりと生存期間が延びて、親になれる年齢というまでも、もうこれは奇跡ではありません。そして今、子宮頸がんだったり乳がん、これAYA世代の皆様方大変増えてきております。ということは、そういう皆様方、実は全く妊孕性ということを考えずに治療を受けてこられた方々は、親になりたくてもなれないんだと。しかし、この特別養子縁組というものを申し込んでも、どうしても一つハードルがある。健康ではないだろうというところではじき落とされてしまうらしいんです。 このがん患者さんの経験者、いわゆるサバイバーである皆様方、一律に健康でないという、そういう判断がなされていないということを、済みません、吉田局長、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 特別養子縁組の養い親、養親になる場合でありますけれども、児童相談所では、特別養子縁組を含めまして、養子縁組里親の認定等に当たりましては、里親希望者の健康状況を申請書に記載すると同時に、必要に応じて健康状態を調査するための健康診断書等を提出していただくということで、客観的な事実に基づいて健康上養育に支障がないかを確認させていただいております。 これは個別の、個々の具体的なケースに応じて判断するということでございまして、特定の疾患の罹患経験があることのみをもって一律に健康ではないというふうに判断するものではないというふうに考えております。
○薬師寺みちよ君 今の一言、大変心強く多分皆様方受け取ってくださったと思います。 今までは、がん患者だったということだけで、そこでハードルが越えられなかった。しかし、そういう方々、たくさん今悩んでいらっしゃいます。もっともっと今度は、今後がん治療を受ける皆様方にとっても、しっかりとしたこの妊孕性という情報ももっと治療を受ける前から知っていただきたいという願いもございます。 実は、皆様方に資料も用意させていただきましたけれども、この妊娠をする力というのが化学療法を受けるにつれてだんだん落ちてきてしまうんですね。早期に閉経をしてしまったり、そしてまた卵巣の機能というもの自体が低下してしまうような方々もいらっしゃるようです。 ちょっと今日は時間がございませんので、これは詳しく説明できませんけれども、やっぱりこういう方々、小児がんの方々、AYA世代のがん患者さんの皆様方のそういうニーズというものは、厚労省、把握していらっしゃいますか。福島局長、教えてください。
○政府参考人(福島靖正君) 小児期や若年期にがん治療を受けた場合に様々な晩期合併症が生ずることがありますけれども、その一つとして妊孕性の低下の問題があるということは認識をしております。 このため、厚生労働省では、厚生労働科学研究費補助金におきまして、平成二十六年度から、小児・若年がん患者への情報提供や生殖医療ガイドラインの作成を目的として、小児・若年がん長期生存者に対する妊孕性のエビデンスと生殖医療ネットワーク研究を行っております。 また、平成二十六年から、若年乳がん患者の妊孕性温存情報の提供と意思決定の支援を目的として、若年乳がん患者のサバイバーシップ向上を志向した妊孕性温存に関する心理支援体制の構築に関する研究を行っております。 今後、これらの研究を通じて小児期、若年期にがん治療を受けた女性のニーズを把握して、必要に応じた支援をしてまいりたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。このような研究をしっかりと施策に落とし込んでいただきますよう、お願いを申し上げます。 この中で、私、実は厚労省のこの通知、先ほどお示しいただきました通知を見ていました。健康診断書を提供しなければならないような事態ということで、東京都のホームページを見ましても、やはり里親の条件として心身共に健全であることということを書いてございます。やはり皆様方、これを見られた途端に、もうあっという間に、ああ、私たちはその権利もないし、里親に対してすぐにまたはじかれてしまうんだわといって門前払いのように諦めてしまわれる方と、やはりそこで、このような基準によって、自分たちがどんなに申告をしたとしても、そこで申請をしたとしても里親として認定を受けられない、こういう現状というものを、私、一刻も早く解消していかなければならないと思います。 そこで、大臣にもお願いなんですけれども、やはりこういった疾患を持って、そのために妊孕性を失われた皆様方のためにも、厚労省としてその疾患の一定の基準というものを設けて、こういう方々であれば健康上問題がないので里親としても大丈夫ですよということを考えていただきたいと思うんですけれども、御意見いただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 小児がん、若年がんに罹患した方々は、治療成績の向上に伴って生存率は高まっているわけでありますけれども、こういう中で、こういう方々が、がんに罹患したことをもって特別養子縁組のような社会制度から排除されるようなことはあってはならないというふうに思います。 今御指摘の点については、吉田局長から答弁申し上げたように、やはり健康状態を確認すること自体は、それは必要かも分かりませんし、そうだろうと思いますが、やはり個々の具体的なケースに応じて判断をしなければいけないので、特定の疾患の罹患経験があることのみを理由として一律に健康ではないとか、そういう判断をすることは適当ではないと。 その旨を、今後、やはり児童福祉法の改正に伴う里親制度運営要綱とか、それからさっき申し上げた特別養子縁組についてもこれから議論しますから、それについての考え方も当然追って明らかにしていかなきゃいけないと思うので、そういう際の見直しの機会に、今のようなことで一律に排除されることでは決してないということを、都道府県など児相を持っていらっしゃるところにもはっきり分かるように、そして一般の方にも分かるようにお示しをしていきたいというふうに思っております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 ところで、血縁として親になることの可能性もまだまだ残されております。実は、妊孕性の温存、先ほどガイドラインなども提出してくださっているということで、大変私も心強く、その一部として今日は皆様方にも資料をお配りさせていただいたんですけれども、実はまだまだこれ自費でございます。不妊に対しては助成があるんですけれども、この妊孕性温存に対しては補助がまだ出ておりません。一部出ているのは滋賀県のみです。ですから、年間にも、保存をしたとしても二万から六万円、そして保存をするためにも三十万から六十万、かなり高額なものを要求されます。 厚労省としてもこのような妊孕性の温存についてもしっかりと補助をしていくべき、助成すべきだと考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今資料でお配りいただいたように、この妊孕性の温存の方法として三種類挙げていただいて、卵子凍結、胚凍結、卵巣組織凍結と、この三つがあるわけで、現時点ではいずれも十分なエビデンスは確立されてはいないわけであります。 例えば、平成二十五年度の厚生労働科学研究で作成をいたしました乳がん患者の妊娠出産と診療の手引きにおいても、三つの手法は全て推奨グレードC1というので、これは科学的根拠はないが行うよう勧められる、こういう位置付けになっています。また、卵巣組織の凍結温存につきましては、欧米での実施数が平成二十七年で四千例以上ある、一方で、しかし平成二十六年の米国ガイドラインでは試験的な治療法として位置付けられるにとどまっていると。 一方で、未成年、若年者のがんの治療による妊孕性低下は、妊娠、出産を希望するがんを治療した女性にとって大変大きな問題であると承知をしておりまして、このため、厚労省としては、例えば先ほど申し上げた乳がん患者の妊娠出産と診療の手引きを作成をし、がんの治療前に生殖細胞の採取や温存をし、将来の妊娠に備える選択肢をお示しをしたところでございます。 がん治療を受けた女性が子供を持ちたいという希望を踏まえて、今後、がん治療における妊孕性の温存について、患者本人の生命を救うというがん治療の原点と、それから妊孕性の温存の必要性とも併せて考えながら、確立した手法とするための研究を進めてまいりたいというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 以上で終わりますが、デンマークでは無料でございます。やっぱり日本もしっかり医療先進国としてデンマークに学ぶべきものもあるかと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
○委員長(羽生田俊君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後零時三分散会