厚生労働委員会 第2号
- 発言数
- 288 件
- 登壇者
- 35 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2016/10/25
会議録
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、伊藤孝恵君が委員を辞任され、その補欠として川合孝典君が選任されました。 ─────────────
○委員長(羽生田俊君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医政局長神田裕二君外十九名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(羽生田俊君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(羽生田俊君) 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○三原じゅん子君 自民党の三原じゅん子でございます。本日は幅広いテーマで質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。 まず、先日のニューヨークで行われました日米韓保健大臣会合について、大臣にお伺いをしたいと思います。 これまで本委員会でも何度も述べさせていただきましたけれども、世界のがん研究や治療というのはゲノムに基づくものへと向かっているのではないかと思っております。特にオバマ大統領は、大統領就任前からゲノムとオーダーメード医療法案に取り組み、昨年はプレシジョンメディスン、本年一月の一般教書演説では米国のがん撲滅ムーンショットイニシアチブ、こういうものを立ち上げられまして、これまで一貫してゲノム医療を推進しておられました。この流れというのは世界の潮流となっていると思っております。 ゲノム医療の推進というのは、新たな産業の創出、創薬につながるということも言えると思いますし、経済、産業の効果というものも期待されるところでありますけれども、やはり私といたしましては、今この瞬間、がんと共に生きておられる患者様、そういう方々に本当に合った治療、抗がん剤を届ける、こういったことが使命なのだと思っております。私は、この度の日米韓保健大臣会合の記事を読みまして、我が国のがん撲滅への取組というのが加速化をするのではないかなという希望を抱きましたけれども、しかしながら、多くの国民の皆様は、この合意によってどのようなことが起こるのか、その理解が深まっているとは思われません。 そこで、大臣に、この度の共同声明の内容と今後の取組方針についての御説明、御決意というのを伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、三原委員の方から御指摘がございましたように、オバマ大統領は、去年プレシジョンメディスンというのを一般教書で言い、そして今回一般教書でこのムーンショットイニシアチブというのを唱えて、昨年御子息を失ったバイデン副大統領にこのムーンショットイニシアチブの中身をしっかり詰めるようにということで、作業を今重ねているわけでございます。 今お話しのように、ゲノム医療が中心であって、今回、バイデン副大統領と意見交換をした際にも言っていたのは、今やもうゲノム医療を中心に、あるいは人工頭脳を中心に手段は得た、ですから、がんを終わらせる、今までで言うがんというものを終わらせようと、こういうことをやるんだという強い意思を感じてまいったところでございます。 がんの治療法の改善、それから予防と早期発見を可能とする取組を今バイデン副大統領を中心にやっているわけでありますが、三月三十一日にワシントンで日米韓首脳会談がありました。その際に、オバマ大統領、朴槿恵大統領、そして安倍首相は、がん研究に向けたイノベーションを進めるために三か国の協力について実は合意をしておりました。一回、七月に日米韓の保健大臣会合をやろうと呼びかけがありましたが、こちらは参議院選挙があったり、いろんなことで日程調整がうまくいかなかったわけでありますが、いずれにしてもこの三首脳が協力をするということは、強力かつ建設的で未来志向の関係を推進をするという日米韓の共通のコミットメントに基づく大きな意味での日米韓の協力、その中でがんを取り上げようということがもう既に決まっていたわけであります。 今回、国連総会で、韓国そして私も含めて保健大臣三人そろうという機会を捉えて、バイデン副大統領から呼びかけがあって、九月十九日にバイデン副大統領参加の下で日米韓保健大臣会合がニューヨークで開催をされました。我が国は私とそれからAMEDあるいは国がんから参加をしたほか、米国は保健福祉の長官、さらにNIH、NCI、ナショナル・キャンサー・インスティチュートですね、そして韓国も同様のカウンターパートから出席をいたしました。 会合において、今共同声明ということでありましたが、これはジョイントメディアノートということになっていまして、プレスに対してこの三大臣からのということでお出しをしたものでありますけれども、何しろがんに終止符を打つ、これが一番のメーンメッセージ、そして共通の目的として以下について合意をいたしました。 一つは最先端の生物医学センターが参画をする統合的な国際共同体の設立、そして研究データと分析結果を世界に公開することを通じて、遺伝子及びたんぱく質の解析を含む国際的なプロテオゲノミクス研究への貢献、三番目に個々の患者の腫瘍特性に応じた治療効果、まさにプレシジョンメディスンですね、や副作用に関する臨床的検討、そして四番目にプロテオゲノミクスのデータ解析に深層学習アルゴリズム、いわゆる人工頭脳ですね、AIの利用、そして五番目にデータの標準化と共有化、極めて大事な問題だと思いますが、これらについて合意をしたところでございます。 今後、日米韓を始めとする国際連携を通じて、がんの治癒につながる取組に全力を尽くしてまいりたいと思いますし、日本に関しては、日本についてもがんを終わらせるということで、何がこれからできるのか、何が今まで足りなかったのか、今検討を進めているところでございます。
○三原じゅん子君 力強いお言葉ありがとうございます。 ゲノム研究、治療の進展と、最近話題になっております、今大臣おっしゃいましたように人工知能、いわゆるAIの利活用、こういったもの、これまでのがん治療に革新的な効果が期待できる一方で、これまでの考えをお持ちの方々と議論を闘わせるという、こういうこともまた必要になるかとも思っております。 ただ、我々がまず大事にすべきは、国民の命と健康を守る、この一点であり、私はこれからも大臣のそうした取組、しっかりと応援をさせていただきたいと思っておりますので、どうぞ引き続きよろしくお願いを申し上げたいと思います。 次に、地域医療に関わる問題として、現在、日本専門医機構が新たな専門医養成の仕組みとして取り組んでいるいわゆる新専門医制度、これについてお伺いをしたいと思います。 新たな専門医の仕組みの構築に当たっては、全国どこにあっても患者、国民が質の高い医療を受けられるようにするという制度本来の目的のため、医療関係者、日本専門医機構及び各学会がお互いの立場を超えて協力し合って、プロフェッショナルオートノミーの理念の下、地域医療の担い手、地方自治体はもとより、患者や国民の声をしっかり踏まえながら、同時に、研修医を含む医師の不安も払拭しつつ、我が国の将来の医療を担う、患者、国民のニーズに応えることができる医師の養成に貢献されることを求めるとした六月の大臣談話のとおり進めていただくべきだと思っております。 しかしながら、地方自治体や現場の医師、研修医からは、本当にこの制度このまま進めてもらっては、大学病院に研修医が集中してしまって現在地域の病院で研修している研修医がいなくなってしまう、あるいは地域医療が成り立たなくなるのではないかという悲痛とも言える声がたくさん寄せられているというのも現実であります。 そこで、厚労省に伺いたいんですが、この新専門医制度では、基幹プログラムを持っている病院と事前に指定された協力病院での研修が認められているようでありますが、施設基準が相当厳しく、今計画されている内容を多少変えたところで、大学病院かそれなりの大病院でないと専門医取得ができなくなるそうです。 機構はこの制度の開始を再来年からと決めたという情報も入ってきております。この制度が開始すると、これまで人材を研修医に頼っていて協力病院に指定されていない病院は一体どうなるんでしょうかということ、そして厚労省はこの地域医療人材の確保という観点から何らかの対処をしないのか、この二点について伺いたいと思います。
○政府参考人(神田裕二君) 新たな専門医の仕組みにつきましては、平成二十九年度からの養成開始を目指しまして、日本専門医機構が研修プログラムの認定基準を定めまして、研修医を受け入れる基幹施設と連携施設を含む養成プログラムの認定に向けて準備を進めてきたところでございます。 しかしながら、先ほど先生御指摘のように、基幹施設の要件が厳し過ぎるのではないかなど地域医療への影響が懸念されたことから、養成開始を一年間延期するということにいたしまして、現在、日本専門医機構において、平成三十年度からの養成開始に向け、プログラムの認定基準を柔軟にすることなどの見直しを検討しているところであります。 地域医療の確保の観点から、これまで研修医を受け入れていた施設が新たな仕組みにおいて研修施設から漏れることのないよう、各都道府県の協議会において研修プログラムに必要な施設が漏れていないかどうかチェックをしていただくことを考えております。
○三原じゅん子君 この新専門医制度は、女性医師のキャリアパスという観点からも非常に問題があるというふうに思っております。 具体的には、カリキュラムが厳し過ぎて研修の中断が認められていないという点であります。例えて言えば、現行の制度ではこれまで、大学の単位というものをイメージしていただけると分かりやすいと思うんですけれども、一年、二年、三年生のうちに授業を集中して単位を取って四年生のときは遊ぶといった、こういう自分で取得単位のスケジュールの調整というのができると思うんですけれども、現行の研修医制度もそういった調整ができるようになっております。 しかしながら、女性の研修医は、結婚ですとか出産といった、そういう予定に合わせて最初のうちに頑張って単位を集中的に取得することができるようになっていて、そしてまた、研修期間に出産が重なった場合には、初期の臨床研修では九十日まで休止というのが認められているようであります。しかしながら、今度の新専門医制度になると、九十日間の研修の休止は認められず、仮に休んだ場合にはそれまでの研修期間が全く認められなくなるそうであります。さらに、新専門医制度では週三日以上の常勤が条件となっているので、保育園に預けることができれば何とかなるかもしれませんけれども、乳飲み子を抱えて勤務できるような環境ではなくなるようなんですね。 厚労省に伺います。 私たち自民党は女性活躍というものを訴えておりますけれども、女性医師が活躍しづらい環境になるようなこういう制度、いかがなものかと思いますが、厚労省の見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(神田裕二君) 新しい専門医制度につきましては、平成二十九年度からの実施に向けまして、平成二十七年の十一月に日本専門医機構が定めたプログラムの認定基準がございますが、その中において、出産、育児休業で研修を中断した場合の取扱いについて診療科ごとに明示をされていたところでございます。 この新しい認定基準におきましては、産休、育休で中断した場合でも休み前の研修実績をカウントできるということにするとともに、一定期間までの中断であれば、残りの研修期間で集中的に実績を積み、症例数等の埋め合わせを行うことにより研修を延長せずに修了できるよう配慮されているところであります。 従前、現行でも中断期間についてはそれぞれの診療科によって異なっておりますが、新しい制度では六か月までという比較的長い中断期間のところが十診療科という状況でございます。 平成三十年度からの養成開始に向けては、日本専門医機構において、地域医療に配慮する観点からプログラムの認定基準を見直すこととしており、厚生労働省においては、日本専門医機構に対し、中断期間において女性に十分配慮したものにしていただくとともに、女性医師を始めとする関係者に十分仕組みの周知が図られるよう求めてまいりたいと考えております。
○三原じゅん子君 本日はほかの質問もしたいのでこれぐらいにさせていただきますが、この新専門医制度、様々な問題点が多くあると伺っておりますので、これからも引き続き何度も何度もこのことに関しては取り上げていきたいと思っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。 次に、ビール税についてお話をさせていただきたいと思います。 誰でもお酒は安ければ安いほどうれしいのかもしれません。ただ、お酒の愛好家の皆さんであっても、もしお酒が水やジュースよりも安い必要があるのかということを問われれば、いかがなものでしょうか。お酒が安過ぎれば、当然、未成年の皆さんが簡単に手に入ってしまう、大人でいえば安いからたくさん買って飲み過ぎて健康を害してしまうリスクも高くなる、そういうふうに安過ぎるお酒というものは私は考え物なのではないかと思っております。 我が国も、平成二十五年十二月にアルコール健康障害対策基本法が成立するなど、不適切な飲酒によるアルコール健康障害対策、これは国として取組が求められております。また、国際的にも、随分前の話になりますけれども、これ二〇一〇年五月二十一日ですね、WHOの総会がいわゆるアルコール世界戦略という勧告、厚労省は提言というふうに捉えていると思いますけれども、この勧告の中では、酒類の値上げはアルコールの有害使用低減の最も効果的な介入法の一つであるとした上で、アルコールの有害使用低減政策において価格関連政策が成功するための鍵は、妥当な徴税と法施行による効果的、効率的な課税システムであるとしております。つまり、お酒の飲み過ぎや未成年飲酒というものを防止するために税制上の措置、我が国でいえば酒税というものがキーになるということであります。 しかしながら、WHOからこうした勧告が出ているにもかかわらず、我が国では、例えば第三のビール、私調べたんですけれども、三百五十ミリリットル缶で八十円台、下手をすると六十円台というような、水やジュースよりも安いビール類が店頭に並んでいるというのが現状であります。これを国として、特に国民の健康をつかさどる厚労省として見過ごしてはいけない問題なのではないかなと思えてなりません。 昨今の新聞報道を拝見しますと、現在、我が自民党の税制調査会と財務省では、ビール、発泡酒、第三のビールとあって、それぞれ税率がまちまちになっているビール類について、一本化に向けて第三のビールの税率を上げるということを検討しているとのことであります。 水やジュースより安い第三のビール、こういったものの価格を適正化して、不適切な飲酒を防止するという意味でもすばらしい取組だと思っておりますので、是非実現していただきたいと思いますが、私ももちろん党の税調にはお願いしていきたいと思っておりますけれども、是非厚労省としても、このビール税制改正、こうしたものを必ず実現するように財務省にしっかりと申入れを行っていただきたいと思いますが、健康局長、いかがでしょうか。
○政府参考人(福島靖正君) ビールに関する税制改正の議論が行われていることにつきましては報道等で承知をしておるところでございます。 私ども厚生労働省では、飲酒に関して、健康日本21、第二次におきまして、生活習慣病のリスクを高める量を飲酒している者の割合の減少、これを目標として掲げております。さらに、未成年者が臓器の機能が未完成であるために成人よりアルコールの影響を受けやすいこと、あるいは妊婦については飲酒することによって胎児への発育への影響が懸念されると、こういうことから、健康日本21におきましては、未成年者の飲酒をなくす、妊娠中の飲酒をなくすと、こういう目標も掲げておるところでございます。これらの目標の達成に向けまして、ウエブサイトやアルコール対策担当者講習会などを通じまして、飲酒に伴うリスクに関する知識の普及を図っているところでございます。 アルコールに関しましては、たばこと異なって、その少量の摂取、これは疾病リスクを下げるとも言われておりまして、また、お酒の種類によってアルコールの含有量が違うということもございまして、どういう形でその消費量の減少を目指していくのがよいのか、これは今後検討していく必要があると考えておりますけれども、いずれにしても、アルコールの過剰摂取が健康に悪影響があるということがございますので、今後とも健康日本21に基づく取組を始めとして様々な施策を推進してまいりたいと考えております。
○三原じゅん子君 では、次の質問に行かせていただきますが、今年は映画「シン・ゴジラ」というのが大ヒットいたしましたけれども、今日は「シン・ゴジラ」ならぬシンタックスについての話をしたいと思いますが、英語でシンタックスとは、たばこ、お酒、賭博、競馬、こういうものに課せられる悪行税のことをいうそうであります。 今月の十一日、WHOは非感染性疾患の予防及び食品向け財政政策と題する報告書を公表いたしました。非感染性疾患とは、分かりやすく言えば、不健康な食事や運動不足、喫煙、過度の飲酒などの原因が共通しており、生活習慣の改善により予防可能な疾患であるとWHOでは定義しているようであります。 報告書の概要について御紹介いたしますと、砂糖を含む飲料への課税は、特に二〇%以上の小売価格の上昇を伴う場合消費量が減少する効果があり、肥満、2型糖尿病、歯の齲蝕、こうしたものを減少させ得ることを示唆しております。とりわけ、低所得者や若者など不健康な飲料や食品を頻繁に消費する人ほど、価格変動に敏感で健康増進効果が高いと言われております。そして、不健康な食品への課税の代わりに、その財源を使って、野菜であるとか果物、そうしたものの購入へのインセンティブを進めていく、これについても、一〇%から三〇%の価格低減を支援することで購買が増加するとしております。さらに、課税による価格上昇が消費量に与えるインパクトについては、飽和脂肪酸、トランス脂肪酸等を過剰に含む食品についても共通する効果が認められるとのことであります。一方で、政策を実際に実施した国においては、どの食品に課税するのか等について明確な基準がないということも課題になるといった等の内容が書かれてございました。 報告書によれば、二〇一四年には世界で十八歳以上の三九%が過体重、つまり肥満まではいかないけれども正常の体重と肥満の中間にある状態だそうであります。肥満人口につきましては、一九八〇年から二〇一四年の期間で何と倍以上になりました。そして、糖尿病の患者さんの数、これはびっくりです。一九八〇年に一億八百万人だったのが二〇一四年には四億二千二百万人に増えているということだそうです。 こうした状況につきましてWHOは、砂糖入り飲料などの消費が肥満や糖尿病に苦しむ人々を世界で増やす主の要因であると指摘し、そういった不健康な食物の価格が上がれば消費が減る明確な証拠があるとして、政府が課税すれば人々の命を救えることを各国に訴えたんです。WHOでは既に世界行動計画が採択されており、砂糖税や野菜、果物の購入支援等が生活習慣病予防のために各国政府が取り得る財政政策上の選択肢の一つとして位置付けられております。これを受けて、政策を実際に実施するためのガイダンスを求める加盟国もあったことから、昨年五月に専門家による会合が行われて、その成果物として本報告書が各国の政策の導入実施に資する情報として公表されたものであります。 そこで、私は、まず重要なことは、健康に生きていく上で何がいい食べ物なのか、きちんと理解をしてバランスの取れた食習慣を身に付けることではないかと思っております。しかし、それには時間が掛かります。砂糖入りの飲料、ジャンクフードと言われる食べ物、長期間摂取することで生じる命のリスクというものをどう啓発していくのか、そしてまた所得にかかわらず健康的な食べ物へのアクセスをどう確保するのかといった課題も挙げられるのではないかと思っております。 私たちの命は食べ物によって支えられているわけですから、国民の健康政策を預かる厚生労働省はもちろんのこと、場合によっては農林水産省ともしっかり連携を取って啓発活動というものをしっかり行っていく、こういうことも必要だと考えますけれども、厚生労働省の見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(福島靖正君) 御指摘のとおり、私たちの命というものは食べ物に支えられておりまして、栄養バランスの取れた食生活など健全な食生活、これが重要であると考えているところでございます。 私ども、国民の健康増進の観点から、健康日本21、第二次におきましては、適切な量と質の食事を取る者の割合の増加、こういうことを目標としておりまして、この目標の達成に向けまして健康寿命を延ばしましょうということをスローガンにスマートライフプロジェクトというものを実施をしておりまして、毎日野菜をプラス一皿という呼びかけも行うなど、健全な食生活の実現に向けて関係団体などとも連携して国民の皆様への啓発に努めているところでございます。さらに、文部科学省それから農水省とともに、国民お一人お一人が自ら食生活の改善に取り組むための具体的な目標を示しました食生活指針、これを策定をして普及啓発を図っているところでございます。 こういう取組を通じまして健全な食生活を実現するための環境づくりを進めて、引き続き国民の健康の維持増進と健康寿命の延伸を目指してまいりたいと考えております。
○三原じゅん子君 啓発活動を行っていくというのはもちろん大切なことでありますけれども、私はそれだけでは限界があるんだと思っております。既にもう幾つかの国はこうした政策をしっかり打ち出しております。イギリスなども、二〇一八年から糖類を多く含む飲料に課税するという意向をしっかりと表明しておりますので、我が国もそうしたことを具体的にいろいろと検討に入る、そういう時期に来ているのではないかと思います。 今回のWHOの報告を契機に、我が国の実態というものに合うような過剰な砂糖入り飲料を含むいわゆるジャンクフード課税、あるいは有機野菜等の健康志向の食べ物へのインセンティブの具体的な検討、今局長お答えいただきましたけれども、こうした具体的な検討にしっかりと入っていただきたいということをお願いをさせていただきたいと思います。 続きまして、ワクチン政策について伺いたいと思います。 昨年三月に、WHOの西太平洋地域事務局が、ブルネイ、カンボジア、そして日本、三か国に対して麻疹排除状態にあると認定をいたしました。この麻疹排除の認定を受けたということは喜ばしいことでありますけれども、我が国の感染症対策として認定が去年でよかったのかどうかというと、遅過ぎの感が否めないなというのが実感であります。 そのような中で、先日、関西空港とか幕張メッセなどで麻疹の患者さんが相次いで確認されたということでございます。このような報道に接するたびに、我が国の感染症対策は脆弱だなと思わざるを得ません。 その麻疹ワクチンでありますけれども、厚労省は、九月九日に、「麻しんの広域的発生に伴う乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチンの供給に係る対応について」という通達で、MRワクチンの不足は生じない見込みで、一部の地域や医療機関においてMRワクチンの偏在等が懸念されると言っておられました。ですが、私の元には、現場の医師たちから、MRワクチンが全く入ってこないので海外からMMRワクチンを個人輸入しているという声が届いているんです。 MRワクチンが不足してMMRワクチンが相当数輸入されているということについて、厚生労働省はこの状況を把握しているんでしょうか。是非このことを伺いたいと思います。
○政府参考人(福島靖正君) MMR、海外のワクチンを薬監証明で入れていらっしゃる方がいらっしゃるとは承知しておりますけれども、どれくらいの量があるかということについては把握をしておりません。
○三原じゅん子君 実は、昨年三月三十一日に、厚労省は、「医療機関外の場所で行う予防接種の実施について」という通知を発出いたしました。この通知が発出されたことで、企業などへの巡回健診の一環でワクチン接種がやりやすくなったので、平日、仕事でワクチン接種のために医療機関へ行けないサラリーマンの方々や、社員の感染症対策としてワクチン接種を福利厚生に盛り込んでいる企業や団体、現場の医師たちからは非常にこれは評判が良くて、規制緩和をしていただいてよかったというふうに伺っております。 ところが、この制度、予防接種法に記載されている疾病のみが対象となるんですよね。MMRワクチン、つまり、麻疹、風疹、おたふくの三種混合ワクチンの場合、おたふくは予防接種法の対象疾病ではないんです。なので、巡回診療では接種できないんだそうです。 御存じのとおり、先進諸外国では、おたふく風邪を含むMMRワクチンは主流であります。私は、WHOが推奨するこのワクチンが幅広く定期接種化すべきであると考えているんですが、長きにわたって検討し続けているこのおたふく風邪ワクチンの結論、これがいまだに出てきておりません。この結論を早く出していただきたいと思っているんですね。 一方、この巡回健診を活用したワクチン接種には、接種する側も接種される側にも一定のメリットがあるので、円滑に進めていくのが望ましいのではないかなというふうにも思っております。かつても、おたふく風邪のワクチンが定期接種ではないのにMMRワクチンを定期接種で使用したことがあると聞いております。 厚生労働省令予防接種実施規則を改正すればMMRワクチンは使用できるのではないかと思いますが、この巡回健診を活用した予防接種の対象ワクチンについて、安全性に対して明らかな懸念がなければ、対象を定期接種ワクチンだけではなく薬事承認を受けている任意接種ワクチンも含めてはどうかと思いますが、この点について厚労省の見解を伺わせていただきたいと思います。
○政府参考人(神田裕二君) まず、接種の場所についての問題についてお答えをさせていただきます。 御指摘の巡回健診等に準じて行う場合ということについてでございますけれども、医療法上は、公衆又は特定多数人のために医業を行う場所は診療所として届出をしていただき、管理者責任を明確化するということにいたしております。 御指摘の通知につきましては、既存の病院、診療所の事業として巡回健診等を行う場合であって、その病院、診療所の管理者の指揮監督の下に行われる場合には、なおかつそれが定期的に反復継続して行われることのないもの等であること等を条件として、公共的な性格を有する定型的な健康診断のみを実施するものについては、診療所の開設届出を不要として実施計画等の提出を求めるという運用上の措置を講じているということでございます。 インフルエンザの予防接種につきましては、平成二十七年三月に、診療所の開設届出を求めないようにするべきであるという御指摘を踏まえまして通知を改正いたしまして、予防接種法に基づく予防接種について診療所の開設届出の提出を不要としたところでございます。この取扱いについては、先ほど申し上げましたように、従来から公共的な性格を有する定型的な健康診断を対象としていたことから、予防接種についても、まず法的な位置付けが明確である予防接種法に基づくものを対象としたものでございます。 予防接種法に基づくもの以外の予防接種につきましては、先生の今いただいた御指摘、それから公的関与等の接種の実態、関係者の意見を伺いながら検討してまいりたいというふうに考えております。
○三原じゅん子君 是非前向きに検討していただきたいと思います。 関連でもう一つお願いしたいことがございます。 先ほど御説明したとおり、巡回健診というのは、届けを保健所に提出すれば実施可能となっております。しかしながら、都市部では、医療機関が十分にあるので集団接種は必要ないとして届けを受理しない保健所があるそうです。保健所が届けを受理しないとする権限はないはずだと思いますが、こうしたことを速やかに受理するように御指導いただけないでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) 先ほど申し上げたような通知の趣旨に従って、その範囲で、本来巡回診療等で行うのか、あるいは診療所の届出をしていただくのかという個々のケースに応じて自治体等で指導をされているものというふうに考えております。
○三原じゅん子君 是非いろいろと前向きに御指導いただけるようにお願いを申し上げたいと思います。 次に、バイオ医薬品とバイオシミラーについて質問をさせていただきます。 先日、予算委員会でも、この増え続ける医療費の削減策として、ジェネリックと同様に、バイオシミラーの使用については国の政策的な誘導が必要だということを質問をさせていただきました。具体的には、高額なバイオ医薬品は高額療養費制度に含まれるために、現状では、使用する側も使用される側もバイオシミラーを使用するという意識につながっていない、だから国の政策的な誘導が必要だということ、バイオシミラー独自の使用目標の設定、また、国民への正しい情報を提供するという観点から、医療費削減効果の金額ベースでの把握が必要ではないかということをお願いをさせていただきました。その際、大臣からは、バイオシミラー独自の使用目標値の設定や金額ベースでの削減効果の把握について大変前向きな御答弁を頂戴いたしました。これに関して、本当に感謝を申し上げたいと思います。 その後、医政局の大西経済課長が、大臣の答弁を受けて、今後、具体的な検討をやることになると述べられたとの記事がございました。 ここから、私からの要望としてお願いをさせていただきたいんですが、ジェネリックの目標値の設定に十年以上要したんです。これは機会損失が非常に大きかったと思っております。この度のバイオシミラーについては、是非年度内には国民へ方針や現時点での金額ベースでの効果を公表できるような、こうしたスピード感を持って取り組んでいただきたいと思っておりますので、是非要望としてよろしくお願いを申し上げたいと思います。 そこで、厚労省に伺いたいと思いますが、このバイオシミラーの使用を促進するには、ジェネリックと同様に様々な施策が必要であります。例えば、高額療養費制度が適用されるバイオ医薬品については、高所得者の自己負担額を上げることも必要でしょう。また、医療機関でジェネリックを処方した際に適用される外来後発医薬品使用体制加算と同様に、バイオシミラーを使用した場合にも医療機関に対して加算するインセンティブを与える制度をつくるべき、私はそのように考えております。 さらに、先日の予算委員会で大臣が御答弁されましたように、保険者機能を強化するという仕組み、これも非常に大切なことだと思っております。保険者は、加入者がバイオシミラーを使用した際に、先行バイオ医薬品との差額、これを還付金として加入者へ付与することも大いに検討し、速やかに対処すべきだと思っております。 最も望ましくないのは、今回オプジーボに対して行ったような、通常の薬価改定スケジュールではない改定を行うというような場当たり的な対応に見えてしまうということ、これは産業を萎縮させてしまうということになりかねないのではないかと思っております。これは、私が最も懸念している、いわゆる新薬が早く患者に届かなくなってしまう可能性を生み出してしまうのではないかなという心配をしております。ですから、厚労省は、医療効果を犠牲にせずに医療費削減につながる政策、この間も何度もこれをお話しさせていただいたんですが、あらかじめ計画的に行うという必要があると思っております。 厚労省はバイオシミラーの使用促進策についてどのような見解をお持ちなのか、御説明をよろしくお願いをしたいと思います。
○政府参考人(鈴木康裕君) バイオシミラーの使用促進についてお尋ねでございます。 バイオ後続品、いわゆるバイオシミラーでございますけれども、これにつきましては、医療保険に新規収載する際に先行バイオ医薬品よりも三〇%程度安いということから、使用を促進することによって医療保険財政の改善が期待できるというふうに承知をしております。 バイオ後続品でございますけれども、これは人体を対象とした治験を実施するということがございます。有効性について先行品との比較、評価を行った上で承認をしているということでございますし、また、製造方法や分子構造が複雑であるということから、必ずしも後続品と先行品が全く同じというものではないということがあるため、いわゆるジェネリック医薬品、後発医薬品とは若干異なる扱いが必要ではないかというふうに感じているところでございます。 御指摘の医療保険制度における促進策でございますが、一つは、御指摘のような高額療養費制度、これにつきましては、平成二十七年の一月から、負担能力に応じた負担をお願いするという観点から、七十歳未満の方の所得区分を細分化して、特に高額所得者の方の上限額の引上げを行いました。 二つ目は、診療報酬制度においては、これはバイオ後続品、それから後発品、同じですけれども、それを使用頻度が高い医療機関等に対する加算、これを設けておりますが、今年度の、二十八年度の改定においてそれを更に強化をさせていただきました。 さらに、御指摘がありました保険者機能の強化でございますけれども、大臣からもお答えをしましたように、ICT、ビッグデータを活用して、こうしたものを是非使用を促進していくということだと思います。 バイオ後続品の使用促進については、やはり委員御指摘のように場当たり的対応にならないようにということが大切だと思いますので、関係者の意見もよく聞かせていただきながら、普及目標の設定等も含めてしっかりと検討していきたいというふうに思っております。
○三原じゅん子君 ありがとうございます。 先ほど御紹介した施策は、いずれももう前例があるものであります。ジェネリックとバイオシミラーとは使用環境が異なるので、バイオシミラーに合った制度にすべきだと私は考えております。どのような施策も国民、医療関係者の理解というものが必要だと思います。 ドイツやオランダでは、もう早い段階からバイオシミラーの安全性や使用の指針に関する情報提供というものを行って、患者さんにも医療関係者などの理解も高める努力をしているということでございますので、厚労省にも、国民への情報提供、繰り返しですけれども、丁寧に丁寧に行っていただくことをお願いをし、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○高階恵美子君 自民党の高階恵美子でございます。 私は、塩崎大臣の所信に対し、女性に着目した政策を体系的に推進することの意義、そしてその波及効果という切り口から質問をさせていただきます。 去る九月三十日に公表された労働力基本調査速報値によれば、本年八月の就業者数は六千四百六十五万人と前年同月比で八十六万人増え、二十一か月連続の増加となりました。女性就業者数は二千八百二十二万人に達しています。このうち雇用について推移を見ると、二〇一二年二千三百七十五万人だったのが、三年後の二〇一五年には二千四百七十三万人へ百万人規模の増加となっています。非正規雇用の割合が高いものの、働く女性の数は着実に増えています。 厚労省は、女性活躍の現況をどのように評価しておられますでしょうか。この変化の要因を分析しておられるとすれば、その概要と社会経済効果についてもお尋ねいたします。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 女性の活躍推進施策、これには、働き方改革だけではなくて、保育あるいは子育て支援という施策の充実も含めてでございますが、このような活躍推進施策を取り組ませていただく、そして雇用情勢の改善全体が図られているということから、今委員御指摘のように、平成二十四年から二十七年の三年間で女性の就業者数は約百万人増加をしております。 このほか、この三年間のデータを見ますと、例えば子育て期でございます二十五から四十四歳の就業率について言えば、三・八%ポイントの上昇をして七一・六%になってございますし、また民間企業百人以上のところを見ますと、管理職に占める女性の割合について一・八%ポイントの上昇、八・七%という形で女性の就業促進が進んでいるというふうに理解をしております。 このように、就業関係のデータは改善しておりまして、総じてこれまでの取組の成果は上がっているというふうに私どもとしては考えております。 一方で、欧米諸国に比べると、かねて問題視されておりますM字カーブの存在など、まだまだ改善が必要な部分もございますので、引き続き子育て支援策の充実、そして働き方改革を進めるとともに、今年の四月に全面施行されました女性活躍推進法などによりまして女性の活躍を更に推進してまいりたいというふうに思います。 また、御質問の中で、経済的なといいましょうか、部分の御指摘もあったやに伺っておりますけれども、正直私ども、まだどのような手法あるいはアプローチがいいのか、もう少し既存の先行研究などで勉強してまいりたいという段階でございます。
○高階恵美子君 そうですね、是非、スタートした新法を基軸としながら、女性就業支援と登用機会の提供及び職業能力の向上に資する情報提供や教育研修制度の充実、さらにはキャリア形成と就業継続のための温かな相談支援体制の整備など、行政サイドでも女性の労働現場に沿った取組を進めてください。 ところで、正規雇用者における仕事からの年収分布ですけれども、男性では五百万以上六百九十九万未満が二二%と最も多いのに対し、女性では二百万以上二百九十九万円未満のところに二八・二%が集中しておりまして、仕事からの年収には歴然と差があります。職位や職務内容あるいは経験年数による相違があるにしても、それだけで説明付けることの難しい男女の処遇差があるように感じます。 この点に関し大臣は問題意識を共有しておられると拝察します。女性雇用者の年収引上げについて積極的に取り組むお覚悟はあるでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、同一労働同一賃金の話が議論の中心的な課題の一つとして働き方改革で議論されておりますけれども、元々は、同一労働同一賃金という際には、やっぱり男女の同一労働同一賃金ということもあっていろいろ議論をされていたと思いますが、そのくらい世界の中で昔からあった問題であって、日本にもまだ根強く残っているという認識をしながら、これにどう答えを出していくのかということが大事だというふうに思っております。 要因は、当然のことながら、一つは、勤続年数と管理職比率というのが二つ表面的には出てくるわけでありますが、このために、出産、子育てと仕事をどう両立をさせていくかということで、それをやりやすくするために、例えば、まずは女性の勤続年数が延びるということが大事であります。そしてもう一つは、女性の管理職への登用が進むということも同時に大事であって、男女間の賃金格差は、この二つが進みますと相当程度解消されるというふうに思っています。 女性の活躍を一層推進するために、先ほど来お話が出ている、本年の四月から施行されております女性活躍推進法、この中で、各企業に対しまして、勤続年数の男女差それから管理職の女性比率等、自社の女性の活躍状況を把握、分析した上で女性活躍に向けて具体的に取り組むということを求めております。 こうした取組を通じて女性の活躍を推進しなければならないと思っておりますし、また、育児休業制度あるいは育児のための短時間勤務制度を定めた育児・介護休業法の周知徹底などによって、働く方が育児を理由に離職をするということがないように、働き続けられる職場環境の整備を進めるということも極めて大事なことでございます。 こうしたことを併せ行うことによって、女性の活躍を促進をし、男女間の賃金格差の解消を目指してまいりたいというふうに思っておりますが、正規雇用、非正規雇用の問題にも今正面から取り組んでいるわけでありまして、この男女間の格差について同一労働同一賃金を含めてしっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○高階恵美子君 女性就業について、量的拡大は起きている、しかしその要因とか社会経済的効果の分析はまだこれからで、例えば男女の待遇差などの質的な改善、それにこれから取り組んでいくという位置付けになるんだろうと思います。 次に、産業別では、医療福祉分野において就業者数の増加が顕著であります。この分野は元々女性比率が高いですし、六十五歳以上人口が最も多くなるのは二〇四二年頃とされていますから、医療福祉分野は今後も引き続き女性の主なる就業先の一つとして堅調に求人が伸び、就業数も増えると見込まれます。こうした分野における集中的な取組を推奨することは、押しなべて女性雇用者全体の年収引上げに寄与することになると考えられます。 大臣は、保育人材の処遇改善策として、技能や経験に応じた給料引上げの仕組みを新たにつくるとの考えを示されました。趣旨に賛同し、大いに期待しております。 同時に、その仕組みは、保育人材のみならず、女性の多い医療、介護、福祉分野の働き手に共通して必要であると申し上げたい。中でも、入院・入所施設には、職員が二十四時間三百六十五日交代で勤務に当たるケア提供部門があります。平日日中、深夜早朝、土日祝祭日と通年で八千七百六十時間分人員を配置しています。こうした部門では、労働者一人当たり年間総実労働時間を千八百時間と仮定しても、一勤務帯に配置する人員の五倍に相当する職員の確保が必要とされます。 加えて、それぞれの職場では、深夜労働の強度が健康に及ぼす影響の軽減、あるいは出産、育児、介護に係る定期、不定期の休暇や短時間勤務への対応など、働き手の状況に合わせた様々な工夫が求められています。予想以上に多くの人材を必要とし、その人事労務管理は非常に複雑です。 看護や介護の現場で常に人手不足が叫ばれつつ離職防止の取組が奏功しないのは、こうした現状が十分に改善されないためです。技能や経験に加え、勤務形態の特殊性にも目を向けるべきと考えます。入院・入所施設のケア提供人材の勤務形態の特殊性に着目した処遇改善に取り組み、働き手が魅力を感じられる職場風土づくりに手を尽くしていただきたいのです。いかがでしょうか。
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。 少子高齢化が進展し、人材確保が難しくなっていく中で、先生御指摘のありました介護や保育、さらには医療の現場で働く方々につきまして、それぞれの状況に応じて処遇改善あるいは勤務環境の改善といったことを図ることは極めて大事であるというふうに認識しております。 まず、介護職員でございますけれども、賃金が相対的に低い状況にあることから、これまでも財源を確保しつつ処遇改善を着実に行っておりますけど、平成二十九年度には、ニッポン一億総活躍プランに基づきましてキャリアアップの仕組みを構築し、月額平均一万円相当の処遇改善を行うことといたしております。 また、先生お話ございました保育士等の処遇改善につきましても、これまでの取組に加えまして、同じくニッポン一億総活躍プラン等に基づいて、一つは、更なる質の向上の一環として二%程度の処遇改善、また保育士としての技能、経験を積んだ職員について四万円程度の追加的な処遇改善を行うということにしております。 また、看護職員を含みます医療従事者についてでございます。これは、勤務環境の改善の促進ということに向けまして、一つは、個々の医療機関がそれぞれの実態に応じまして医療従事者の勤務環境改善に計画的に取り組むということにしております。また、これを支援する形で、各都道府県に勤務環境改善支援センターを設置いたしまして、そうした医療機関を総合的、専門的に支援する体制をつくるということとしておりまして、地域の実情に応じた対応ということをやっているところでございます。 今後とも、介護、保育、医療の現場で働く方々につきまして、処遇改善あるいは勤務環境改善等を通じまして人材の確保といったことを総合的に取り組んでまいりたいと、このように考えております。
○高階恵美子君 ラグビーワールドカップあるいは続く二〇二〇オリパラ東京大会の開催に向けた様々な取組、そして、その時期を目指した年間四千万人の外国人観光客誘致が進んでいます。国内外の人の移動や滞在に伴い、従来の予想を超える多様な医療需要が今後数年の間で急速に広がると考えられます。 具体的には、医薬品や医療材料の開発、流通、医療系ベンチャー事業の活発化によって、予防的医療や補助的医療、スポーツリハビリ医学などのサービスイノベーションが急速に進展する可能性があります。言い換えれば、社会保険、公衆衛生、社会福祉、公的扶助、これら国民のための社会保障の枠組みの外側にも革新的な変化が起こり得るわけです。この大きな需要の変化や供給市場の拡大を見越した上で、私たちは次代にふさわしい強靱な社会保障制度体系を構築していかなければなりません。 必要な社会保障人材の確保について私は強い危機感を感じているのですが、大臣の見解はいかがでしょうか、現行の需給見通しでは甘いと思うのですが。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話しのように、医師あるいは看護師、そしてまた、今、地域包括ケアシステムと言っているわけでありますから、介護も広い意味では大変重要な医療関係の人材にもなり得るわけでありますし、保育の話も今お話があったと思いますが、いずれにしても、社会保障を担う方々をどうしっかりと予想をしながら間違いなく供給をしていくか、質の高い方々をというのが大事な問題だろうと思います。 今後、予防あるいは健康管理、こういうことの推進、それから多死社会を迎えるということもしっかりと踏まえた上で、このみとりニーズの増加というのも避けて通れない問題になります。社会保障を取り巻く環境が大きく変わるわけでありますから、いかに質の高い人材を確保していくか、間違いなく、そして少子化が進展する中でどのように対応していくかということが重要な問題だと思います。 厚労省として、こうした危機意識の下で、医師あるいは看護職員、そしてまた広くは介護に関わる方々も含めて、新しい働き方、確保の在り方、需給の見通し、そういったことを議論を行うために、新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会、この等というところに今申し上げた介護とかそういうものが入っているわけでありますが、これを先般立ち上げて、今議論をしていただいています。 その前に、医師需給を報告をした、医政局の方からいたしましたけれども、例えばその際に、女性を、十年前の需給見通しのときには男性一、女性も一と数えていましたが、今回は〇・八にするということでしたけれども、そんなしゃくし定規なことで、働き方も変わる、需要も変わる中でなかなか難しいんじゃないかということで、このビジョン検討会をつくったわけでございます。 女性の医療従事者など、多様な生活あるいはキャリアコースに対応した医療従事者の働き方はどういうものなのか、あるいはAIなどの活用、技術進歩を見通して、医療従事者に求められる能力、役割はどうこれから変わっていくのかなどについて問題意識を持っておりまして、ビジョン検討会の検討結果も踏まえて、今後、医療従事者の需給推計や具体的な対応策の検討を介護の問題を含めて深めてまいりたいと思っております。
○高階恵美子君 社会保障を実現するこのコア人材の確保、本当に待ったなしの課題だと思うので、是非積極的な取組をお願いしたいと思います。 効率的で質の高い医療提供体制を整備する際に、医療福祉分野の労働者の働き方改革がほかの産業分野の労働者に比して後れを取らないよう十分な対策を講じていただきたいと考えます。 御承知のとおり、過労死事案で特に多い職種は医師ですし、二十代で過労死した看護師の例もあります。殊に、医療分野は専門性が高く、どちらかというと閉鎖的で外部の目が入りにくい側面もあります。専門性に立脚した自律と内部統制に委ねられるべき部分ももちろんあるわけですが、その一方で、労働実態がつぶさに把握されず、一般的な視座からの改善策をタイムリーに取り入れていくことがなかなか難しい、こういう特徴がございます。 例えば、相模原の障害者入所施設での事件、横浜の医療施設での事件は余りにも凄惨で受け入れ難い、しかし現実です。労働環境の改善に資するべき要件は何か、改めて入院、入所ケア従事者の労務実態を調べて、ケアの質向上に資する改善策を講じるとともに、再発の防止にも努めていただきたいと思います。お考えを伺います。
○政府参考人(山越敬一君) お答えをさせていただきます。 委員がただいま御指摘をなされましたように、医療分野で働く方々の勤務環境の改善に向けては、まずその実態をきちんと把握していくことが重要な課題であると考えております。 このため、厚生労働省といたしましては、平成二十七年度に続きまして本年度におきましても病院に対するアンケート調査を行いまして、医師及び看護師の労働時間、休日、休暇の取得、当直、夜勤等の状況、あるいは医療機関における勤務環境改善の取組などの把握に努めまして、これに基づきまして必要な対策を行っていく考えでございます。 また、介護分野につきましても、その勤務環境の改善について、介護労働実態調査などを行いましてその実態を把握いたしまして、それらによりまして勤務環境の改善に向けた取組を行っているところでございまして、引き続きこうした取組により対策を講じていきたいというふうに考えております。
○高階恵美子君 二十一日に公表された高年齢者雇用状況によりますと、企業の九九・二%で高年齢者雇用確保措置が実施済みであります。このうち、定年制の廃止又は定年の引上げを行った企業はおよそ二割ですが、医療福祉分野について分析はしているでしょうか。 というのも、昨今は看護職においても定年制の問題は深刻で、まれに定年の定めを廃止した施設や六十歳以上を最優先ということで正規雇用してくださる施設も出てきましたけれども、今なお六十歳、六十二歳を定年と定める施設が大勢を占めています。 今後は毎年新たに三万人を超える就業看護師が六十歳に到達すると見込まれますし、現に大都市以外の地域では新規採用だけで不足する人員を補うことが難しくなっています。社会保障の維持に欠くことのできない有資格者については、少なくとも六十五歳以上への定年の引上げを行った場合の補助を創設するなど、年齢による不合理な待遇差の生じることがないような優先的な高年齢者雇用安定の措置に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(坂根工博君) お答え申し上げます。 まず、実態を申し上げますと、今委員御指摘の調査、去年十月に公表しました厚生労働省の高年齢者の雇用状況に関する調査と承知しておりますが、六十五歳以上への定年の引上げ又は廃止を行った企業の割合は一八・三%になっております。御指摘のとおりだと思います。その中で、医療福祉分野について見ますと、二三・七%と、全体と比較して高い状況になっております。 高年齢者に活躍していただくことを含め、今後の社会保障を担う医療福祉人材の確保を行うことは大変重要だと考えております。このため、看護職員につきましては、都道府県のナースセンターが定年退職後の高年齢者を含めて就職あっせんを行うことなどにより人材確保を行っているところでございます。また、介護職員につきましては、福祉人材センターによる就職あっせんのほか、中高年齢者を始めとした介護未経験者に対する入門的な研修あるいは職場体験、こういったものを実施することによって人材確保に取り組んでいるところでございます。 厚生労働省といたしましては、六十五歳を超えても現役で活躍していただくことは非常に重要だと考えております。このため、今年度の補正予算におきまして、六十五歳超雇用推進助成金を創設いたしました。この中で、六十五歳以上への定年の引上げあるいは定年の廃止を行った事業主への支援を重点的に行うこととしております。 こうした取組を通じまして、医療福祉分野におきましても高年齢者に更に活躍していただける環境を整えていきたいと考えております。
○高階恵美子君 我が事・丸ごと地域共生社会、これを実現していくためには、地域における包括的なサービスマネジメント人材を配置して平常時の健康管理と予防的な保健活動ができるようにするシステムの整備や、第四次産業革命の効能を有効に生かした地域づくりが重要と考えます。 未就業のコメディカルや生活衛生分野の有資格者など、地域の幅広い人材を軸に据えた地域健康力の引上げ事業の企業支援も有効ではないかと思います。御検討いただけますでしょうか。
○政府参考人(定塚由美子君) お答え申し上げます。 地域共生社会の実現についてのお尋ねかと存じます。 地域共生社会の実現に向けては、有識者の方々も含むあらゆる地域住民が役割を持ち、支え合いながら自分らしく活躍できる地域コミュニティーを育てていくということ、また福祉など地域の公的サービスと協働して助け合いながら暮らすことのできる仕組みの構築が重要と考えております。 有識者の方々は、先生御指摘のように、医療や福祉などの専門知識あるいは複合的な世帯の課題のアセスメント力などをお持ちでございますので、そうした知識やバックグラウンドを生かしながら地域で公的サービスの担い手として有識者の方々に是非活躍をいただく、また同時に、それだけではなく、地域での支え合いなどにも有識者の方々に力を発揮していただくということで地域共生社会の実現に向けてその一翼を担っていただきたい、このように考えております。
○高階恵美子君 二年七か月前に改正いたしました雇用保険法、これに基づいて新たに設置した教育訓練給付の現況についてもお伺いしたいと思います。 一旦社会に出てから何らかの資格を取るための学習をし、そしてキャリアアップをする、今ならではの制度だと思うんですが、利用状況どうでしょうか。そしてまた、今後の展望についてもお伺いしたいと思います。
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。 委員御指摘の教育訓練給付、専門実践教育訓練給付と申しますけれども、これにつきましては、働く方の中長期的なキャリア形成を支援するために、業務独占資格に関する講座など就職に結び付きやすい訓練を対象としております。平成二十八年十月現在で二千二百四十三講座が指定されておりますけれども、この中には人手不足分野でございます医療福祉分野の講座も多く含まれてございます。 それから、制度の活用状況を見ますと、平成二十七年度の給付の受給者数六千人でございますけれども、このうち看護師、准看護師の講座を受講する方が千四百人おられまして、それから社会福祉士の講座を受講する方が九百人おられます。医療福祉分野を中心に働く方の中長期的なキャリア形成に資する分野が多く含まれてございます。 また、受講者の方にアンケートを取りますと、この専門実践型教育訓練があるということで講座を受講することにしたという方が七割おられまして、評価はいただいているということでございます。 今後、働き方改革が非常に重要な課題でございますけれども、それを進めていく中で、我が国の労働生産性を向上する、させるというためにも人材育成は非常に大事だというふうに考えてございます。教育訓練給付制度につきましても、あるいはその運用の在り方につきましても、現在、労働政策審議会で御検討いただいてございまして、必要な対応を今後していきたいと考えてございます。
○高階恵美子君 利用されているその指定施設の先生方にお伺いしますと、非常にこれを利用している方々は熱心に学んでおられてよいという、そういうお話なんです。人材育成、これからも是非力を尽くしていただきたいと思います。 働き方改革を進める上では、時空に制約されないテレワークの普及、浸透も重要な鍵となってくると考えます。先進的な事例によるメリットの紹介や具体的な情報交換の場の設定など、更なる努力が必要と考えます。また、過重労働とならないための方策など、短所を克服するガイドラインの普及、活用も重要です。 働き方改革実現会議の議論にも注目しておりますけれども、厚労省としての取組方針はいかがでしょうか。あわせて、十一月、来週からテレワーク月間となりますので、重点的な取組を行う予定があれば説明をお願いします。
○政府参考人(山越敬一君) お答えをさせていただきます。 テレワークは、働く方の様々な生活の必要に応じた働き方を可能にするものでございまして、その推進を図ることが働き方改革を進める上で重要なことと認識をしております。このため、総務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省等の関係省庁が連携をいたしまして、合同シンポジウムを開催するなどその普及促進に取り組んでいるところでございます。 厚生労働省におきましても、テレワーク相談センターの設置による相談対応や訪問コンサルティングの実施等を行っているところでございます。テレワークにつきましては、御指摘もございましたように、長時間労働につながりやすくなるといった指摘もありますことから、労務管理の在り方を示すなど、適正な労働条件の下でのテレワークの普及促進にも努めているところでございます。 現在、テレワークを導入する企業は増加傾向にございまして、テレワークに関する調査によりますと、企業からは、テレワークが業務の効率あるいは生産性の向上や家庭生活との両立に有効であるというような声も得られているところでございます。昨年からは、十一月をテレワーク月間といたしまして、関係省庁や民間団体とも連携をいたしましてテレワークを集中的にPRをしておりまして、本年におきましても、テレワークを活用している企業や個人を総務省と合同で表彰し、その取組事例を紹介する取組や、テレワーク普及のためのセミナーの集中開催などの取組を実施することとしております。 さらに、昨日、働き方改革実現会議におきまして総理からの御発言もいただきましたので、在宅勤務ガイドラインの見直しなども含めまして更なる対策について今後検討をしていきたいと考えております。
○高階恵美子君 テレワーク月間を前にして、自民党におきましても明日十三時から党本部でテレワーク推進のためのシンポジウムを開催いたします。地方創生や一億総活躍社会の実現に必須の働き方改革に向けて、普及啓発と環境整備にしっかり取り組んでまいりたいと思います。 ここで、女性の就業に話を戻させていただきます。 人々のライフスタイルの変化に応じて、女性の深夜労働に関する規制はなくなってまいりました。一方、同時に付与すべきだった女性特有の健康リスクに対応する諸施策は不十分なままであることを憂慮しています。 例えば、ここ十年ほどの間に、夜勤従事者や交代制で夜間勤務する女性では、他に比して乳がん、大腸がんになる危険度が数倍高く、また、高血圧や心臓病、うつ、糖尿病など、幅広い疾患に罹患する可能性の高いことが学術的にも明らかになってまいりました。欧州の一部の国では、既に夜勤労働に従事する女性の乳がんに対し労災補償されています。 女性活躍推進をうたい、男女の暮らし方、働き方が多様化する中で、女性の生物学的な特性に着目した健康リスクの低減について私たちはもっと関心を持つべきであります。とりわけ、二十二時から早朝五時の時間帯に勤務する労働者については、現行の方策に加え、画期的な安全衛生対策を講じていただきたい。 我が国ではこれまで、がん検診受診率を高めるべく様々な取組を進めてきましたが、女性の乳がん検診受診率は今なお低水準であります。全ての女性が自ら行動を起こせるよう努力を続ける一方で、例えば宿命的に夜勤勤務をしなければならない看護職や客室乗務員については、一定の条件に該当する場合、雇用形態のいかんにかかわらず年に一度乳がん検診を行うことを義務付けるなど、ハイリスクな労働環境にある女性を対象に、従来にはなかった踏み込んだ予防策を取り入れてはどうでしょうか。早速来年度からまずは予備的調査や試行的事業だけでも着手いただきたいと思いますが、副大臣、前向きな答弁をお願いいたします。
○副大臣(橋本岳君) 御指名ありがとうございます。 御指摘いただきました夜間勤務あるいは交代制勤務とがんの発症との関連性につきまして、海外における研究においてその可能性を肯定するものが見られるというのはそのとおりでございます。具体的に言えば、国際がん研究機関においても、二〇〇七年に、交代制の仕事を、人に対して恐らく発がん性があるものに分類をしているところでございます。 現在、我が国においては、夜間勤務あるいは交代制勤務と発がん性との関連についての明確な知見があるわけではございませんが、こうした海外の研究を踏まえて、昨年度から、労働安全衛生総合研究所に対して、関連する文献の収集やその内容の精査といったまず予備的な調査、そうしたものを依頼をして行っているところでございます。 厚生労働省としては、その結果も踏まえ、また、あるいはいただいた御指摘も踏まえまして、更なる調査も含め今後の対応を検討してまいりたいと考えております。
○高階恵美子君 健康寿命の概念が普及しまして、我が国はその延伸を目指しています。とりわけ、平均寿命との間の長さにおいて男女差が大きいという問題がありますけれど、取組を始めてから現在までの間に女性の健康寿命は何歳延びましたでしょうか。より効果を上げる観点での厚労省の取組についてお伺いいたします。
○政府参考人(福島靖正君) 健康寿命の延びでございますけれども、女性につきましては、平成十三年、健康日本21を始めたのが十二年でございましたけれども、十三年当時、七十二・六五歳でございましたけれども、平成二十五年では七十四・二一と、一年半ぐらいの延びを示しております。 ただ、健康寿命と実際の寿命との差が十二・四歳と、これは余り縮まっておりませんで、男性に比べ、男性は九歳ぐらい差があるんですけれども、これに比べると女性の方がまだ長いという状況にございます。 健康寿命と平均寿命の差を縮める、これを健康日本21の目標にしておるわけでございますけれども、特に女性につきましては、幼少期、思春期、それから妊娠・出産期、更年期、高齢期と、そのライフステージごとにそれぞれ特有の健康課題もあるわけでございまして、それぞれ女性の生涯にわたる健康の確保のためには、それぞれのライフステージに応じた施策の展開が必要であると考えております。 様々な施策を厚生労働省としても行っておりますけれども、例えば妊娠・出産期における周産期医療機関の整備であるとか、産前産後ケアの充実であるとか、あるいは更年期における女性健康支援センターでの相談事業、こういういろんな施策を展開しております。 今後とも、女性の生涯を通じた健康支援にしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○高階恵美子君 この点に関しましては、省庁間の連動による取組促進が重要とも考えられますので、大臣所信ということではありますけれども、内閣府の取組姿勢についても重ねてお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(大塚幸寛君) お答えをいたします。 この女性の健康、これは女性が活躍する上での基盤でございまして、極めて重要であるというふうに認識をしてございます。このため、昨年末に閣議決定をいたしました第四次の男女共同参画基本計画におきましても、生涯を通じた女性の健康支援を一つの分野として位置付けをいたしまして、男女別の健康寿命などにつきまして成果目標を定めた上で、幼少期、思春期から老年期に至るまでのライフステージ別の健康支援策ですとか、それから生涯を通じた健康づくりのための身体活動の推進に関する関係府省の具体的な施策を盛り込んだところでございます。 私ども内閣府といたしましては、生涯にわたる女性の健康づくりを包括的に支援をしていくということでございまして、この計画に基づきまして、関係する府省庁と連携をしながらしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○高階恵美子君 特にこれからは女性のフレイル予防と幼少期からの栄養、運動に着目して、より効果的な施策の推進をお願いしたいと思います。 せんだって、大手企業の女性新入社員の過労死自殺の報道がありました。夢ある世代の尊い命が失われたことは痛恨の極みでありまして、心から御冥福をお祈りしたいと思います。就任後、真っ先に過重労働撲滅に取り組み、通称「かとく」を創設するなど大変熱心に取り組んでこられた塩崎大臣の心中はいかばかりかとお察しいたします。 ところで、自殺企図者の多くが抱えているとされるうつ病性関連疾患の罹患について、男女の年齢階級別に見た差はあるでしょうか。
○政府参考人(定塚由美子君) うつ病の発症数でございます。厚生労働省の患者調査におきまして、平成二十六年のうつ病を含めた気分障害の患者数は、男性が四十一万八千人、女性が七十万人でございます。いずれの年齢階級でも女性の方が多くなっております。 なお、うつ病の悩みによる自殺の数でございますけれども、平成二十六年の警察庁の自殺統計におきましては、男性が二千七百八十九人、女性が二千六百五十人となっております。年齢階級別に見ますと、二十歳未満や六十歳代以上では女性の方が多く、二十代から五十代までは男性の方が若干多いという状況となっております。
○高階恵美子君 患者数で見ますと全ての年代を通じて女性の方が多いんだということでありまして、大臣には、産後ケアを受けるための新たな事業の検討など産後うつにも取り組んでいただいているわけですけれども、女性は全ての年代についてこうした課題があるということ、これは意外に知られていないのではないかと思っています。女性ホルモンの変動に影響される女性特有の健康リスクの側面でもありまして、産後のみならず、女性は生涯を通じてそうした変化や心身の揺らぎに対処しながら社会生活を送っています。こうした点を科学的にも説明付け、社会が共通に理解を深めてこそ女性の社会参加や自己実現が進んでいくと考えます。 まずは、母子健康支援の立場から現在の取組姿勢についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 平成二十五年度の厚生労働省母子保健課の調査によりますと、今御指摘いただきました全体の女性に対するヘルスが大事だという中でも、特に御指摘いただきましたうつについて、産後四週までの産後うつが疑われるものの割合が八・四%というデータがございます。妊産婦のメンタルヘルスケアのためには、妊娠期から子育て期まで地域において切れ目なく支援することによって子育て家庭の不安を解消することが重要という点につきましては、御指摘のとおりかというふうに思います。 このため、このような機能を地域において担っていただくための子育て世代包括支援センターというもの、これ現在、二十八年四月一日現在、二百九十六の市町村、七百二十か所整備をしてございますけれども、このセンターについて今後全国展開を目指してまいりたいというふうに思っております。 これに加えまして、特に集中的な支援が必要な産前産後期の支援という面では、それを充実させるために、子育て経験者が相談支援を行います産前産後のサポート事業、あるいは助産師等の専門職が母子への心身のケアを行っていただく産後ケア事業というようなものについても実施をさせていただきまして、それぞれの事業、今年度においては、重複している市町村もございますけれども、箇所数でいえば百八十、それぞれが百八十の市区町村で行っていただいていて、国としてもそれを支援しているという状況でございます。 さらに、来年度の概算要求に向けましては、産後うつの予防などを図る観点から、産後の初期段階における母子に対する支援を強化するために産婦の健康診査の費用を計上してございまして、こういう取組を通じまして、妊娠・出産期から子育て期、今おっしゃいました母子保健という切り口も、そして長期にわたるという女性の視点も両方併せながら、女性のメンタルヘルスケアについてしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○高階恵美子君 世界一の長寿国を誇る一方で、我が国では、人生各期における女性特有の心身、社会的な健康問題に対応する取組は遅々として進まず、いまだに包括的な支援を講じる基盤法すらありません。この点については、参議院から超党派での議員立法を目指しています。良識ある参議院厚生労働委員会の先生方と共にこれまで足掛け三年にわたり丁寧に議論を積み重ねてまいりましたので、ここは気持ちを一つに早期成立に向けた第一歩を踏み出していきたいと願っています。 また、政府におかれては、女性活躍を強力に推進する立場から、その前提となる女性の健康の包括的支援について取組方針を明確に示し、省内外でそれを戦略的に推し進めるための仕組みを整えていただきたいと考えます。例えば、女性健康科学の学術基盤を醸成し、情報収集や情報提供の仕組みを整えるための努力、省内の関係部局を横断するプロジェクトチームの設置、大臣級を配した省庁間連絡会議の設置と有識者ヒアリングの定期開催など、生涯を通じた女性の心身、社会的な健康課題に目を向け、包括的に支援する、これらの具体的な取組は今すぐでも始めることができると思います。進めていただけますでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) まず私の方から、事実関係として、今御指摘いただきましたような視点を持って、関係省庁の中でも十分相談をしながら、挙げて、一歩でも二歩でも今のような施策を進められるように私どもとしては取り組んでまいりたいと思います。
○政府参考人(福島靖正君) 研究につきましては、これまで女性の研究につきましては、妊娠、出産、あるいは疾病に注目した研究を行ってきたわけでございますけれども、平成二十七年度から女性の健康の包括的支援総合研究として健康施策を総合的にサポートする観点からの研究を進めております。 女性ホルモンの変動が将来どういう疾病の発生に影響を及ぼすかといった実態把握や、子宮内膜症や骨粗鬆症の年代ごとに重要度が異なる健康問題についての研究、あるいは女性のスポーツ障害に関する研究、あるいは疾患の性差、あるいは至適薬物量の性差に関する研究などを取り組んでおるところでございます。 この研究の成果に基づいて施策を推進していくことで、女性の健康の維持増進、健康寿命の延伸、そして女性の社会参加を後押しすることができるということを目指して研究を進めてまいっております。
○高階恵美子君 研究助成の促進、是非お願いしたいと思います。 先ほど吉田局長からもう既にお答えはいただいているんですけれども、さきの国会で法定化した母子健康包括支援センター、これは全市町村への設置を目標に急速に普及、浸透しております。先行して事業を実施されている地域ではいずれもすばらしい成果を上げていただいておりまして、利用者や関係者から大変いい評価をいただいております。 地域の実情に照らし知恵を絞って活動いただく中で、今後の展望としては、産後一月ないしはお母さんの体調が不安定な時期はしっかり母子に寄り添うケアが求められ、人件費も含めた更なる手厚い補助が必要との声を各地で聞きます。また、思春期から青年期に至る過程で相談先が身近にないといった声もあります。 授かった命を安全に迎え、健やかに育むことのできる養育環境を実現していくために、財政措置も含めた更なる事業の拡充を求めたいと思います。大臣の御決意をお聞かせください。
○国務大臣(塩崎恭久君) いわゆる、かねてから言われてきた日本版ネウボラのことであろうかと思いますが、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援を提供するという地域での相談支援などを行う子育て世代包括支援センターでございますけれども、平成二十七年度から子ども・子育て支援新制度に基づく交付金を活用して実施をしておりまして、平成三十二年度末までの全国展開を目指して今進めているわけでございます。 先ほど我が事・丸ごと地域共生社会というのがありましたが、それぞれの地域はそれぞれ特徴がある構成になっておりますし、年齢も、そして若い人がどのぐらいいて高齢者がどのぐらいいるか、それぞれ違うので、それぞれのやり方というのがあるんだろうと思うんですけれども、いずれにしても、それぞれのやり方でこの子育て世代包括支援センターが設置できるように私どもとしても支援をしなければいけないというふうに思っておりますし、そのベースはやはり我が事のように地域づくりをしていただく、町づくりをしていただいた上でそれらが機能するんじゃないかというふうに思っております。 全国展開に向けた今後の課題でありますが、地域によってはこのセンターの趣旨あるいは必要性、事業の実施方法について必ずしも十分な理解をいただいていないというところもございます。それから、新たに保健師等の専門職を確保していくことが難しいという場合もあるわけでありますので、こういうようなことも踏まえて、昨年九月にこのセンターの意義あるいは役割などについて改めて自治体に周知をいたしました。 平成二十九年度の概算要求におきましては、このセンターを立ち上げるための職員の雇い上げ、あるいは協議会の開催などに要する経費というものを新たに計上をして、有為な人材をしっかりと集めるということを支援していきたいというふうに考えております。 また、センターの事業の実施方法などを分かりやすくガイドラインの策定を行うとともに、引き続き必要な財源の確保に努力をいたしまして、子育て世代包括支援センターの全国展開をしっかり進めていくことによって、子育てがしやすい、全国津々浦々どこへ行ってもできるというようにしてまいりたいというふうに思っております。
○高階恵美子君 この事業は、今地域保健の分野では一番ホットな領域だと思います。是非、丁寧に現状を見て、地域の中に潜在しているアイデア、生まれくるアイデアを活用できるような環境の整備にも御尽力を賜ればと思います。 日本医療政策機構が発表した働く女性の健康増進調査結果では、婦人科系疾患のある女性の医療費支出と生産性損失額合わせますと六・三七兆円に及ぶとの試算が公表されています。検診の受診勧奨を含め、働く女性への健康啓発に力を入れることは、女性活躍を後押しする有効な手だてと言えるでしょう。働く女性の収入が増え、家庭に潤いがもたらされ、家族の笑顔も増えるという好循環は、日本を元気付けることにもつながるのではないかと考えます。 一人一人の人生をより豊かにしていくためにも、全ての女性のためのエンパワーメント策を総合的に検討し強力に推進していくことが、ひいてはこの国の子育て支援強化を更に動機付けることにもつながると信じています。夢ある未来をつくるために、今こそ国民一人一人が新たな成長を目指して知恵を出し合うときと思います。私も、引き続き女性政策を重点的に推し進めることの意義と波及効果の大きさを様々な場面を通じてアピールしてまいります。 質問を終わります。
○石井みどり君 自由民主党の石井みどりでございます。 今日は大臣所信に対する質疑でありますが、初めにちょっと学校歯科保健からお伺いしたいと思います。 と申しますのも、十月六日に、中国五県でつくっております、これ、県行政、教育委員会、そしてそれに労働局も入って、中国地域の口腔公衆衛生協議会というのがございます。これ四十回を迎えておりますが、そこで大きな議論になったテーマでありますので、これからちょっと、文科省からも来ていただいておりますので、お伺いしたいと思います。 歯の喪失原因として歯周病というのは皆様よく御承知のことでありますが、この予防のためには学齢期間の歯周病対策が必要であると思います。学校病である齲歯、齲蝕ですね、についてはクローズアップされてまいりましたが、歯周病についてはいまだに軽視されている状態であります。 例えば、学校歯科健診の場において使用される児童生徒健康診断票、歯、口腔のものでありますが、こういうものでありますが、これの中で、歯周病関連の項目は、歯肉の状態として〇が異常なし、一が要観察、二が要精検で判定を行うこととなっております。現在、歯肉炎などの歯周病罹患者としては、この判定で二、要精検を受けた者とされています。しかし、実際の学校健診の現場において、一、要観察と二、要精検との差は炎症の程度の差で判定しておりまして、現実にはGO、オブザベーションですね、GOとGのいずれも歯周病罹患者であると学校歯科医の多くが指摘をしております。 私も、もう十年以上前ですが、学校健診に行ったその実感として、齲蝕自体は非常に減っております。もうカリエスフリーを達成したのかというぐらい皆さん本当に虫歯がありません。ただ、中に少数、多数の重症齲蝕を持っている子供がいる。この子供はネグレクトの非常に可能性があるので、我々健診検者も非常に気を付けているところでありますが。そのときに、歯肉炎の罹患者が非常に多い、学校によっては半分、少なくとも三分の一いたという、私はそういう実感を持っているのでありますが、現状はこういう現状であります。 そして、現場においては今、歯周病罹患率は非常に上昇していると認識されています。二の要精検のみにより判定される罹患率、データとしては五%というような数字が出ておりますが、これは実態、現実と乖離しているのではないかと思います。GOとGを合わせた数値が真の歯周病罹患率だと仮定するならば、二〇から三〇%になると学校歯科医の方は指摘をしております。 現場の声を踏まえて、真の歯周病罹患率を把握するために、今後、歯周病に関する一、要観察、二、要精検の取扱いを変更すべきと考えておりますが、国としての見解をお聞きしたいと思います。
○政府参考人(瀧本寛君) 学校現場におきます歯や口の健康づくりは、心身の成長の著しい児童生徒等にとって生涯にわたる健康づくりの基礎となるものであり、学校保健活動の重要な領域と私どもも認識しております。 学校におきます歯科健康診断において使用される児童生徒健康診断票においては、ただいま御紹介ございましたが、かみ合わせた状態で前歯部、前の歯の部分の歯肉の状況を検査をして、異常なしは〇、定期的観察が必要、いわゆるGOの場合は一、専門医による診断が必要、Gの場合は二と記入をして、その結果について学校は本人及び保護者へ報告をすると、こういうことになってございます。このうち、定期的観察が必要、GOにつきましては、平成二十七年、昨年でございますが、八月に、日本学校歯科医会の意見を踏まえて改訂をしました児童生徒等の健康診断マニュアルにおいて、養護教諭や学校担任等による学校での観察やブラッシング指導と併せて、学校歯科医による臨時の健康診断を行うことや、地域の医療機関、いわゆるかかりつけ歯科医等の専門家による継続的な管理指導により歯肉の改善を図るのが望ましいと、具体の経過観察と対応が示されているところであります。 これらも踏まえまして、歯周疾患については、食習慣等を含みます生活習慣の改善や適切な歯磨き指導によって進行を止めたり、あるいは歯肉の改善を図ることができると考えられておりまして、各学校におきましては、養護教諭等によりまして歯の健康のため歯磨き指導等を行うなど、予防に努めているところであります。 文部科学省としましては、日本学校歯科医会及び学校歯科医と連携をいたしまして、学齢期からの歯周病対策に一層努めてまいりたいと考えております。 以上です。
○石井みどり君 今申し上げましたとおり、実質的な歯周病罹患者が一と二の双方であるとするならば、歯周病の学校保健統計調査の報告の中に一も統計結果として追加すべきであると思っております。今後修正するお考えはあるでしょうか。また、現場に対して、単なる調査にとどまらず、有用なデータ提供が国、地方公共団体からなされるべきだと思いますが、国としてどのようにお取り組みになるんでしょうか。
○政府参考人(佐藤安紀君) 学校における健康診断によりまして要観察あるいは要精検等の判定結果にかかわらず、全ての児童生徒に対して歯の健康のための指導が行われることが重要であると考えております。 学校保健統計調査におきましては、要精検、すなわち学校生活に支障が生じる程度の疾病、異常と判定をされ、専門医による指導が必要な児童生徒数を集計する調査となっております。集団としての結果を客観的に評価する指標として用いられているものと考えてございます。
○石井みどり君 統計調査に加えればいいだけの話なんですね。そこのお答えがなかったんですが、いかがですか。
○政府参考人(佐藤安紀君) 文部科学省といたしましては、学校保健統計調査がどのように学校の保健指導の充実に役立てられるかを含めまして、現場の声や日本学校歯科医会及び学校歯科医と連携し、学齢期からの歯周病対策に努めてまいりたいと考えてございます。
○石井みどり君 やっぱりよく分からない御答弁ですが。 各学校の学習指導要領、学習指導要領解説におきまして、幼稚園教育要領の健康の中で食育が記載されています。そして、小学校学習指導要領の保健の中で口腔の衛生を保つと記載されています。しかし、歯周病あるいは歯肉炎については全く触れられていません。高等学校指導要領の解説の保健体育の中で歯周病が触れられているにとどまっています。 私の経験では、思春期性歯周炎って、これ非常に特異な、骨吸収まである、そういう特異な歯周病もあったりします。特に中学校、高校生に至っては、ホルモンの影響だと思うんですけど、歯肉炎が増えるという実感を持っているんでありますが、現状はこういうところであります。 歯周病予防、これはもう成人になってからの非常に大きな問題であります。これは学齢期、特に小学校、中学校などの幼少期からの教育が必要であると思っています。特に、学習指導要領の中に歯周病を記載するなど、学齢期の学校での更なる歯周病対策が必要だと思いますが、国としてどのようにお取り組みになるんでしょうか。
○政府参考人(瀧本寛君) 学習指導要領及びその解説におきましては、小学校の保健では、生活習慣病など生活行動が主な要因になって起こる病気の予防には、栄養の偏りのない食事を取ること、口腔の衛生を保つことなど望ましい生活習慣を身に付ける必要があること、中学校の特別活動においては、心身共に健康で安全な生活態度や習慣を形成するための具体例として口腔の衛生等が挙げられているところであります。 また、具体の教科書におきましては、例えば小学校では、歯垢は、歯茎が腫れる、歯茎から出血する、歯がぐらつくといった歯周病の原因にもなりますといった記述が全ての教科書にされておりますほか、中学校でも、歯と歯茎の間に歯垢をためたままにしていると、そこに含まれている細菌が歯茎に感染をして、歯茎が腫れたり歯茎から出血したりする病気ですとの記載があるなど、学校現場において発達段階に応じた歯周病についての指導がなされているところでございます。 文部科学省としましては、今後とも学校におきます歯、口の健康づくりに関する指導の充実に努めてまいりたいと考えております。 以上です。
○石井みどり君 何ら変えないということですね、今の御答弁は。さっき申し上げました協議会の場で非常に議論になりまして、じゃ、厚生労働委員会始まったら文科省もおいでいただいて御質問しようと思っていたんですが、何か、皆さん期待して多分ネットを見られていると思うんですけど、大きな失望を今覚えておられるでしょうね。 これ、二〇一一年の十二月一日にも御質問したんですが、当時民主党政権でありましたが、副大臣、非常に前向きな御答弁いただいて大変喜んだ記憶がございますが、歯周病と学校病について御質問をいたします。 学校病の制度というのは、もう先生方御承知のように、就学援助を受けなければならないほどの経済的な困難を抱える世帯のための制度でありまして、就学援助の対象者は生活保護法第六条第二項に規定する要保護者と自治体の教育委員会が独自に資格要件を定める準要保護者とございます。 歯肉炎の検査、治療においては、要保護世帯、一人親家庭では歯肉炎治療に係る医療費の自己負担はございませんが、各自治体が独自に資格要件を定める準要保護世帯では、要保護に準ずるほど経済的に困窮しているにもかかわらず、歯肉炎の検査、治療には相当額の自己負担が生じているのが現状であります。歯肉炎が学校病に指定されていないことから大変な負担増となっており、受診抑制とともに重症化が懸念され、将来的な医療費の増大や健康寿命の問題とも密接に関係していることは、様々なエビデンスが証明をしております。経済的な困難を抱える要保護、準要保護世帯の児童生徒が平等に学校病として歯周病の治療を受けることができる環境整備を行う必要があると考えています。 このような状況を踏まえて、齲歯のみならず歯周病や歯肉炎についても学校病と指定すべきと考えますが、国としてこれまでどのように検討してこられたのでしょうか。そして、これ、今後はどのようにお考えなんでしょうか。
○政府参考人(瀧本寛君) お答えします。 学校保健安全法施行令におきましては、齲歯など、感染性又は学習に支障を生ずるおそれのある疾病として大きく六つの疾病が定められております。これらのいわゆる学校病の取扱いについては、早期発見、早期治療が効果的なものを中心に定められたものでございます。 御指摘の齲歯や歯周病、歯肉炎について学校病に指定すべきかどうかについては、学校医や学校歯科医等で構成されました今後の健康診断の在り方等に関する検討会、平成二十五年十二月でございますが、この検討会において検討がなされ、学校病の制度は、法律上、感染性又は学習に支障を生ずるおそれのある疾病について定められており、具体的には、授業を受けられないほどに重い症状であるにもかかわらず医療にかかることができない子供に対しての援助という趣旨で始まったこと、他方、近年の子供たちに見られる生活習慣病などの健康課題の中には授業を受けられないほどに重い症状であるという疾病は少なく、学校病の制度の趣旨からすると、これらの疾病は学校病にはなじまないのではないかといった意見がこの検討会において取りまとめられたところでございます。 文科省としては、歯周病や歯肉炎予防として、引き続き各学校におきます指導、具体的には歯磨き指導を促すなど、歯、口の健康づくりに努めてまいりたいと考えております。 以上です。
○石井みどり君 子供たちに健診結果の表が、もらって家庭に持って帰らなきゃいけないんですね。それで要精検になっていても、準要保護世帯の子供たちはなかなか受けられないという実態があって、そういうことが、学校生活も非常にやっぱりつらい思いをする状況があるので御質問しているんですが、全く実態は変わらないということなんですね。あのときに、質問したときに、民主党の先生が副大臣で御答弁いただいたときには本当に前向きな御答弁いただいたので、今平成二十五年とおっしゃった、少しこの間に動いたのかと思いましたけれども、全く動いていない。本当に、はっきり申し上げて失望いたしました。 文科省の方、ここまでで結構です。ありがとうございました。済みません、委員長、お願いします。
○委員長(羽生田俊君) 退席、どうぞ。
○石井みどり君 次に、国の介護支援専門員実務研修の実施要綱について御質問したいと思います。 今日、資料を出させていただいております。それも見ながらちょっと御質問したいと思いますが、これ、古屋副大臣に御答弁いただくのですかね。古屋副大臣とは、一番最初にお目にかかったときは、私、日本歯科医師会の常務理事をしておりまして、公明党の中に口腔ケア、歯科医療の勉強会が立ち上がって、本当に熱心に勉強していただいた、我が党よりもはるかに熱心に公明党の方が勉強していただいたという記憶があるんですが、古屋副大臣にお答えいただくので大変期待をいたしております。 日本人の死因の順位としては、これ二〇一四年の調査でありますが、肺炎は三位であります。しかし、その肺炎死亡者の九六・九%が高齢者であります。その実態を踏まえてちょっと御質問します。 現在、国の介護支援専門員実務研修実施要綱には口腔ケアに関する具体的な項目がございません。例えば、広島県におきましては、平成十年度から十四年度まで、口腔ケアの重要性を介護支援専門員に御理解いただき、居宅療養管理指導が介護サービス計画の中に組み込めるようにするために、広島県と連携しまして口腔ケアの重要性に関する内容を実務研修の項目として入れていただきました。しかし、国の介護支援専門員実務研修実施要綱の変更により時間が取れなくなり、平成十五年度から中止されています。要介護高齢者に対する口腔ケアの重要性は既に明らかにされており、介護サービス計画に位置付けることは要介護高齢者のQOLの維持向上に大変有益であると思っております。 ここで資料一でありますが、これは厚生労働科学研究の中の研究の一つでありますが、要介護者の約九割に歯科治療又は専門的口腔ケアが必要とされています。しかし、実際にその受診あるいは受療した要介護者は極めて少ないという状況があります。 そして、資料二であります。当然、介護を受ける高齢者の方、生活の大きな喜びはやはり食べることだろうと思います。この食べることに対して歯科専門職が介入したらどういう結果になったかというデータであります。体重も当然介入すると増えています。そして、摂取エネルギー量もこれも増えています。口腔ケアあるいは歯科医療が介入することによって、こういう高齢者にとって大きな変化が現れているわけでありますが、残念ながら、ケアマネジメントをするマネジャー、ケアマネジャーの実務研修からはなくなったわけであります。 国の介護支援専門員実務研修になぜ口腔ケアが研修項目として入らなくなったのか、この経緯と現状、お聞かせください。
○副大臣(古屋範子君) 今、石井委員、資料を用いてお述べになりましたように、口腔ケアにつきましては、高齢者にとって自立支援や介護の重度化防止の観点から大変重要なケアであると認識をいたしております。 こうした中、介護支援専門員実務研修は、ケアマネジャーが利用者の自立支援に資するケアマネジメントに関する必要な知識及び技能を習得することを目的として実施しておりまして、これまでもケアマネジャーの資質向上の観点から必要に応じて研修科目や時間数を拡充してきたところでございます。 ケアマネジャーの実務におきましても口腔ケアに関する視点の重要性は認識をいたしておりまして、加えて、利用者の心身等の状態を適切に把握し必要に応じて医療職等との連携を図るようにするためには、口腔ケアや服薬、栄養等の視点を持ちつつ高齢者のケアマネジメントを行うことが重要であります。 このため、研修科目にケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の意義等を設けて、ケアマネジャーから歯科医師等への、医療職への利用者の生活状況の情報を提供する方法等について習得をしてもらうこととしております。
○石井みどり君 それでは、各地方自治体において、介護支援専門員実務研修に自主的に口腔ケアを取り入れてこられているケースもあると思いますが、この実態はどう把握されているでしょうか。
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。 介護支援専門員実務研修でございますけれども、国の実施要綱に基づいてやっております。実施要綱の中では各講義の項目だとか実習について決めているわけでございますけれども、それを踏まえて、各都道府県あるいは各都道府県知事が指定した研修実施機関において具体的な研修内容を検討し研修を実施するということでございまして、個別具体的な、各自治体における具体的な研修内容のところまでは現時点で把握をしておらないということでございます。 ただ、今お話がございました口腔ケアに関する研修についてでございますけれども、先ほど副大臣からの答弁にもございました研修の科目の中でケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働の意義という項目がございまして、こうした項目などの中で各都道府県等において盛り込んでいただくということは当然ながら可能であると、こういうふうに認識しております。
○石井みどり君 当然ながら可能であるとおっしゃるんですが、現実は後退しているんです。広島県でもずっと長い間本当にやっていたんですね。しかし、それがなくなった。後退しているのが現実なんですね。 これ、再度ちょっとお聞きします。この実施要綱の中に口腔ケアを位置付けるとか、そういうことをお考えなんでしょうか。今後どのように見直しをされるのか、お聞かせください。
○副大臣(古屋範子君) 先ほどもお答えいたしましたけれども、ケアマネジャーが利用者の心身等の状態を適切に把握し必要に応じて医療職等との連携を図るようにするために、口腔ケアのみならず、服薬や栄養等の視点を有することが重要であります。 実施要綱の科目にケアマネジメントに必要な医療との連携及び多職種協働等を設けております。この実施要綱に基づきまして、各都道府県等において研修時間の中で提供すべき研修内容を検討して実施しているところであり、引き続き各都道府県等において適切に御判断をいただきたいと考えております。 なお、口腔ケアにつきましては、高齢者にとって自立支援や介護の重度化防止の観点から非常に重要なケアであるとの認識に立ち、ケアマネジャーと歯科医師等の保健医療関係者との多職種協働の重要性について、今後、都道府県等に対し周知徹底を図ってまいります。
○石井みどり君 古屋副大臣、非常に口腔ケアに関してもかねてから随分勉強していただいて御理解が深いと思っておりますので、厚生労働省の中で是非今の件を取り組んでいただきたい、お願い申し上げます。 今年は本当に台風が多い年でありました。日本は災害が多い国だとつくづく思います。台風あるいは大雨、あるいは火山噴火、地震と、本当に国民の方々が困難な生活を強いられていると思うと胸が痛むところでありますが、ちょっと日にちは遡りますが、八月三十日に台風十号により岩手県岩泉町にて認知症高齢者グループホームの入居者が洪水被害でお亡くなりになるという痛ましい事件が起きました。これは、入所者九人の方全員がお亡くなりになられました。心からの御冥福をお祈りをいたします。 〔委員長退席、理事島村大君着席〕 ただ、この日、朝九時には避難準備情報が発令をされていました。本件を教訓として再発を防止するために、災害のソフト面での体制づくり、これも非常に重要だと思います。限られたスタッフで、じゃ、認知症の高齢者の方をどう避難させていくのか、地域社会との連携、これが非常に私はキーになってくるんだろうというふうに思っています。 そういうソフトのところもそうでありますが、防災面でのハードとしての施設の基準の見直しも必要ではないかというふうに考えています。 認知症の患者さんという高齢者の方がいらっしゃるところは、施設であったりあるいは医療機関であったり、様々な場が考えられますが、どうも精神科病床における基準とグループホーム等の施設の基準が、私は余りにもその差があり過ぎるのではないかというふうに思っています。 このグループホームの代表者というのは、認知症対応型サービス事業管理者研修というのを受ければいいということになっております。資格要件としてはこれのみであります。 かつて、これ真偽のほどは確かめておりませんが、暴力団が運営していたグループホームもあったというふうに聞いております。それぐらい要件が非常に緩い。そして、今、本業が苦しい事業者、今はまあ建設業はいいんでしょうけれども、建設業者とか、悪いと言っているのではありません、不動産業者とか、そういう方々が随分このグループホームの運営に入ってこられています。参入されています。 これは、グループホーム、こういう高齢者施設というのは代表者の経営理念によって運営実態が非常に左右されます。この質の担保、介護の質の担保のためには、代表者というのは、研修を受講しただけということではなく多軸による要件が私は必要ではないかと思っておりますが、現行の要件のみで十分だとお考えでしょうか。
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。 認知症の高齢者グループホームにおきましては、認知症の方が日常生活を快適あるいは安心して過ごせるように、介護の質ということを確保することが極めて大事であるというふうに認識しております。 今委員から話がありました研修の件ですけれども、すごく正確に申し上げますと、管理者と代表者と二つありまして、それぞれ研修を受けるということになっております。話がありましたとおり、代表者については認知症対応型サービス事業開設者研修と、管理者はまた別の研修ということを受けることになっています。 代表者の方でございますけれども、この研修を受ける前に実は一定の実務経験の要件がありまして、代表者については、認知症高齢者グループホームを設置する法人の代表者について、これまで認知症の方の介護に従事した経験や、あるいは保健医療サービス等の経営に関わった経験があることといったことが一つプラスの要件になっております。また、管理者についても同様に、一定の経験を踏まえて管理者研修ということになっております。 〔理事島村大君退席、委員長着席〕 多軸という言葉がございましたけれども、代表者、管理者通じて、きちっとした人材を確保してもらって、サービスの質の確保に努めるということだと思います。 あわせまして、介護従事者についても、現在、認知症の介護に関する実務研修を行っておりますし、もう一つ、この認知症のグループホームにつきましては、地域密着型サービスということでございますので、先ほど地域に開かれたという言葉がございましたけれども、利用者、家族、あるいは地域住民の代表者等により構成されます運営推進会議というのを設けるということになっておりまして、そうした目も入れながら、総合的な形で介護の質の確保ということを図っていきたいというふうに思っております。
○石井みどり君 資料三をちょっと、お手元にあろうかと思うので御覧いただければと思います。これは、新聞報道等を私どもの事務所の方で、国会図書館から資料を頂戴してまとめたものであります。これを読むと本当に胸が悪くなります。 一から三十三までが被害者が認知症の高齢者の方です。そして、三十四から四十九までが、これが認知症ではない被害者のケースであります。 一番直近では、三十三番目、これが十月一日に報道されたんですけれども、この被害者の方は要介護五で寝たきりの女性でありましたが、非常にあざができたりしているので、息子さんが会いに行くと非常にあざがあるので気が付いて、それでビデオカメラを設置されたんですね、御長男が。そうすると、職員の女性が夜勤中に虐待行為を繰り返していた、七月、八月、九月と。そういう実態があってやっと分かった。早く死んでしまえとか、非常に暴力も振るわれていたという、ビデオカメラを設置して初めて分かったというようなケース。 ただ、認知症ではない障害者施設でももうこれだけ起こっているんですね。四十五、四十六、もう先生方は御記憶も新たと思います、あの川崎のSアミーユのケースとか、こういうことが本当にたくさんございます。 例えば、グループホームですけれども、人員基準は一見すると手厚く見えるんですね。小規模でありますが、二ユニットで、ツーユニットで総員六名となります、スタッフが。ただし、こういうときに、スタッフやあるいはその家族がインフルエンザ等に罹患して、あるいはけがをしたりとか、いろんな事情で欠勤が多発した場合、たった一人で二ユニットをケアしているという実態は決して珍しくありません。この絶対人数が少ないことが私は高齢者虐待の素地になっているのではないかと思っています。 介護労働が過重になることから、あるいは介護への抵抗を本来ならば集団で受け止めて、カンファレンス等でその対策を協議するということが必要なのでありますが、そういうこともできない、困難である、あるいは密室性ということが高齢者虐待の原因ではないかというふうに思っています。 小規模施設の設立を国は推進されておりますが、このような実態に対してどうお考えか、またどのように改善していかれるのか。これは、よかったら大臣お答えいただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、認知症高齢者グループホームについてのお尋ねでございますけれども、この指定基準の上では、日中は利用者三人に対して一人以上の職員を配置することに加えて、夜勤職員を一ユニットに一人以上の配置を義務付けておりまして、他のサービスと比較し、どちらかといえば手厚い水準を確保しているということになっております。 また、認知症の方の支援に当たりましては、医療と介護の連携を進めていくことも当然重要であるわけでございまして、こうしたことから、日常的な健康管理そして医療ニーズに対してしっかり対応ができるように、看護師の配置や、医療機関等との連携によって看護師を確保している場合につきましては、医療連携体制加算、この加算によって報酬上の評価をしているということでございます。 加えて、事業所で働く職員につきましては、認知症の方に対する介護に関して一定の専門的な知識を身に付けられるように、まず、管理者に対しては、認知症に対応したサービス事業管理者の研修を受講する、これが義務付けられているわけでありますが、それに加えて、介護従事者に対しましても認知症の介護に関する実践者研修というのを実施するなどの方法を通じて質の確保を図ろうとしているものでございます。 これは、いずれにしても、認知症の方やその様態に応じた適切なサービスを提供していくということが大事でありますので、そうした取組について引き続いてしっかりやってまいりたいというふうに思います。
○石井みどり君 先ほど申し上げましたように、一見手厚いんです、基準としては。しかし、実態は、欠勤なんかがあったりすると本当に少数でケアをされているという実態、これは日常茶飯事、見られることなんですね。よくその実態を、塩崎大臣、認知症はライフワークだとおっしゃっておられますから、是非その実態を把握していただきたいと思います。 この認知症高齢者を入所させている施設、グループホームだけではありませんが、ここで非自発的な入所あるいは行動制限などについて全国的な実態調査を行っておられるかどうか、そしてあればデータを開示をしていただきたい。行っておられなければ、なぜ実態調査をしないのか、お聞かせください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 行動制限などについての実態調査、これをやっていればということでお尋ねをいただきました。 認知症高齢者に限定した調査というわけではございませんが、平成二十一年度、若干古くなりますが、介護保険関連施設の身体拘束廃止に向けた調査というのを実施をしております。これ、各施設において拘束をされている利用者の割合などを調査をしているわけでございますが、その後、その追跡調査というのを平成二十六年度に行っております。 拘束されている者の全入所者数に占める割合は、特別養護老人ホーム、これにつきましては、平成二十一年度当初の調査のときには二・二%でありました。それが二十六年度の追跡調査時では一・五%ということで、若干改善をして、改善というか、数が減っているという格好でございます。グループホームにつきましては、平成二十一年度の調査が二・〇%、平成二十六年度は一・八%と減少傾向にあるという形になっている調査があるところでございます。
○石井みどり君 実態と乖離した数字を今お聞かせいただいたのでありますが。高齢化の進展に伴って、認知症の患者数というのは非常に大変増加しています。特に、BPSDや内科的理由による行動制限も増加しているのではないかと推測をしています。 介護保険施設においては、原則として身体拘束は禁止をされています。しかし、緊急避難による身体拘束のみは許されています。緊急避難による身体拘束というのは、切迫性、非代替性、一時性を要件としておりますが、しかし現実は適切性が疑われるような拘束が漫然として日常行われている実態がございます。先ほどお見せした資料三にあるとおりであります。これは氷山の一角だと思っています。 また、介護老人福祉施設や介護老人保健施設でも、玄関などへの外部の出入口や病棟の出入口にテンキーなどの施錠をして、閉鎖病棟化している実態が多く見られています。 言うまでもなく、日本国憲法は国民の基本的人権の享有をうたっておりまして、抑留、拘禁についての原則と、それを行う際には法律の適正手続によらなければならないことを日本国憲法第十八条、第三十一条、第三十四条に規定をしています。医療において行動制限を規定しているのは精神保健福祉法のみであります。これによる以外は全て緊急避難とされています。しかしながら、緊急避難の運用実態に極めて疑問が持たれます。 精神科においての行動制限というのは、精神保健福祉法を根拠としているため、行動制限のスキームあるいはチェックのシステムが整備されています。人権の制限に対する担保が確立されていると言ってもいいかと思います。 高齢者施設においては、行動制限の根拠となる法律がないために、そのスキームやチェックシステムが未整備であります。人権の保障が確立されていないと言っても言い過ぎではないと思います。行動制限の適切性が疑われている例が多く見聞きされます。 御記憶もあろうかと思いますが、二〇〇九年、平成二十一年三月十九日、群馬県老人施設「たまゆら」の火事において入所者が焼死をするという痛ましい事件がありました。これは出入口に突っかい棒をして閉鎖の状態になっていました。「たまゆら」の事故においても、根拠とする法律があれば、閉鎖処遇というようなことはなかった、そしてチェックができたのではないか、被害を防止できた可能性があると思います。 在宅においては、いかに家族が介護者であっても虐待の問題は同様であります。こういう状況の中で高齢者虐待が多く見られるようになって、高齢者虐待防止法の制定が必要となった一因だと思います。 繰り返しますけれども、憲法三十一条は、何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪われ、またその他の刑罰を科せられないと適正手続の保障を定めております。緊急避難という概念のみを根拠として、実行のための根拠となる法律が存在しないため不適切な実態が広く見られることは、私は憲法違反に当たるのではないかというふうに思っています。精神保健福祉法に倣い、高齢者保健法を制定すべきであると思っています。高齢者保健指定医あるいは高齢者医療審査会などを創設して、人権の制限の適切性に対する担保が図られるべきであるというふうに思っています。 行動制限の適切性に対する担保をどのようにお考えになっておられましょうか。担保する法令とスキームが必要と思いますが、これについてどのようにお考えか、お聞かせください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、行動制限の適切性の担保についてのお尋ねをいただきましたが、入所者などへの行動制限あるいは身体拘束は、当然のことながら、これは身体的弊害、精神的弊害、社会的弊害など多くの弊害がもたらされるわけでありますから、当然、身体拘束ゼロというのが当然目指すべき目標であるわけで、この取組を進めるということが極めて大事だというふうに考えております。 今どういうふうに整理をされているのかということでございますが、厚生労働省においては、各施設などの設備運営基準、ここでまず緊急やむを得ない場合を除いて身体拘束その他入所者の行動を制限する行為を行ってはならない旨を規定をしております。そして、緊急やむを得ない場合についての整理でありますが、まず切迫性、そして非代替性、そして一時性というこの要件を示すとともに、その判断は慎重に行わなければならないと、容易に身体拘束を行ってはならないというのが原則ということになっています。 身体拘束を仮に行った場合には、その様態あるいは時間、やむを得ない理由などを記録をして残さなければならないということを大原則としているわけでございまして、また、緊急やむを得ない場合以外の身体拘束、これにつきましては高齢者虐待防止法の高齢者虐待に当たることになるわけでありますので、発見者の通報の対象になって、指定権限を有する都道府県あるいは市町村の指導対象となるわけでございます。 引き続き、より一層制度趣旨を周知徹底するなど、自治体と連携をして施設入所者などの権利利益の擁護に努めなければならないというふうに考えております。
○石井みどり君 結局、運営基準だけなんですね。そうすると、先ほど資料でお示ししましたような高齢者の虐待の実態、もちろん在宅で家族が介護していても虐待の実態は多くあるわけですが、しかし施設においてはこの運営基準だけではチェックする仕組みもないんですね。そのスキームもない。余りにも医療機関と介護施設ではこの差が大き過ぎる。そして、記録を取っている、これも取っていないところが圧倒的に多い。これをどうやって虐待を防止する担保にしていくんでしょうか。私はこのことはまだ引き続き御質問していこうと思っています。 本来はちょっとあれだったんですが、余り長くなってもあれなので、残された質問は、大臣のライフワークである、私もライフワークでありますので、引き続き御質問してまいりたいと思っております。 ありがとうございました。
○委員長(羽生田俊君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十三分休憩 ─────・───── 午後一時二十分開会
○委員長(羽生田俊君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○足立信也君 民進党の足立信也です。 三度目の選挙も終わりまして、立法府として三たび、厚生労働行政に携わることができました。よろしくお願いします。 私どもの民進党は、五十名、今副議長を除いて五十名いるんですが、常任一種の委員会の第一希望が二十七と聞いていますけど、過半数が第一希望が厚生労働という中で今回五名になってしまいました。自民党、公明党の方は新しいお顔の方がいらっしゃいますけど、うちの民進党はもう見慣れた顔ばっかり五人で大変申し訳ないんですが、それだけ非常に関心の高い分野ですので、理事としては委員会でいろんな方に発言してもらいたいと、そのように臨んでいきたいと思っています。よろしくお願いします。 大臣の所信的挨拶で、経済成長の成果を子育てや介護などの社会保障分野に分配すると、そう発言されました。まだそんなことを言っているのかなという感じが私はします。人口減少社会、特に労働力人口の減少する社会にあって、成長の果実を原資とする社会保障という考え方は私はもう持続しないと思っています。 これは羽生田委員長も以前からよくおっしゃっていますが、特に地方、人口減少社会においては、地域に密着した成長産業として、私は、この厚生労働分野は特に福祉や健康、医療、介護、この分野を充実させることが次の雇用を生み、新しい産業を生み、技術革新や新規産業が創出されて更に雇用が増えていくという好循環を生むんだと、特に地方はそうであると、もう産業構造が違いますからね、これは自民党の方々もずっとおっしゃっている、もうそういう時代になってきたんだと思うんです。 成長の成果を回すというのは非常に古い考え方でして、私たち、特に私、政務官のときに、二〇一〇年、新成長戦略というのを定めまして、今まさに私が申し上げたこの分野を充実することによって雇用が生まれて、新規産業も生まれて、更に雇用を生んで海外へも進出していけると、それが成長産業になっていくんだと。もう一つ、壊れ始めてきたコミュニティーがこれによってまた再生できるんだということで、ライフイノベーションという言葉をつくって新成長戦略に定めたんです。 お聞きしたいんですけれども、また政権が替わって安倍政権になって、成長の果実がないと社会保障は充実しないのかというやっぱり根本的な考え方がまた元に戻ったような気がしてならないんです。大臣としては、成長の果実がないと社会保障は充実しないと、そのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今いろいろ、旧民主党時代のお話を含めてお考えを聞かせていただきました。 社会保障の産業としての側面という意味においては、今おっしゃったようなことも考え方としてはあり得る話としてよく取り上げられておりますし、そのこと自体を否定するつもりもございませんけれども、産業としての社会保障関連産業という意味においてはそうだろうと思うんですが、私どもが申し上げているのは、社会保障をどうファイナンスしていくのかということを考えたときに、これはもう釈迦に説法でございますけれども、保険方式であれば保険料と税と自己負担、保育のようなところであればこれは税とそしてまた自己負担というか利用者負担、こういうことになってくるわけでありまして、これは政府が支払うわけではなく、やっぱり民間の個人ないしは企業が折半で払うというような形で保険料などは払われますし、もちろん税金も企業が払うと。しかし多くは個人が負担をされるわけでありますので、その保険料、そして税、自己負担と、これは取りも直さず所得の中から支払われるわけであるわけで、そのことを考えてみると、やはり所得がしっかり増えていくということが社会保障の充実分をカバーしていくためにも必要になってくると、こういうことではないかというふうに思っております。 そういう意味で、この社会保障の費用を賄っていく負担の部分について見てみれば、経済成長をしていくことが充実にもつながっていきますし、今現状を維持するためにも当然経済がしっかりしていることが大事であるわけで、その成果を、果実を社会保障に使っていくというのは、ごく普通に考えてもそういう筋道ではないかというふうに考えておりますし、となれば、社会保障の持続可能性を考えてみると、経済を全体としても強くしていくことによってこの負担が支え切れる、あるいは負担を負担感をなく負担できるということにつながるのではないかというふうに思っておりまして、そういう意味で、成長とそれから分配の好循環というのはそのような意味で申し上げているわけでございます。
○足立信也君 この分野、健康や医療や介護や福祉の分野というのは、地域に密着した産業であるし、普遍的な産業であるし、今求められている産業でもある、この辺は共通認識だと思いますが、恐らく初期投資の原資がないという話になってくるんだと思うんです。そこは考え方の相違だとやっぱり思いますね。初期投資のために成長が必要だと。しかし、それをもう四年待っているけどなかなか初期投資の原資が出てこないというような話になっているし、私たちはその初期投資の部分を消費税の増税によってやろうということで社会保障と税の一体改革、これを進めてきたわけですから、恐らくこれが考え方の違いで、現政権と我々の、民進党あるいは皆さん、ほかの党もいらっしゃると思いますが、根本的な考え方の違いじゃなかろうかと、私はそう捉えています。 ところで、十月十九日、読売新聞にアンケートが出ておりました。今の社会保障の給付サービスに満足している、三五%、満足していない、六五%。この今の日本の社会保障に対して満足していないというパーセントが六五%というのは、私、過去最高じゃないかと思います。今までそんな数値は出なかったと思います。それに加えて、今の社会保障制度を維持できなくなるという不安、これ九三%です、不安を持っている。さらに、将来希望する介護サービスを受けられないのではないかという不安、八七%です。かつてない数字だと思いますよ。 今私、例示として、社会保障制度が維持できなくなる、あるいは介護サービスが受けられなくなる、希望するですね、これが九三%、八七%、これを率直に聞かれてどう感じられますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 私ども、地元でもよくいろんな方々、年代層それぞれですが、社会保障に関してのお話をよく聞くわけでありますけれども、なかなか皆さん、一〇〇%安心しているというような人に出会うことはなかなかないわけでございまして、御指摘の世論調査、これ読売新聞の結果を私も拝見をいたしますと、不安を大いに感じるという方が現役世代の方が高くなっているということでございまして、これは、今後高齢化が進行する中で、社会保障制度の持続可能性に対する将来への懸念というか、こういうものを表しておられるんだろうなというふうに思います。 大いに不安を感じるというのを改めてこれ年代別に見てみますと、七十代が三〇%、六十代が四八%、五十歳代が五割台、そして四十歳代が五七%ということで、若い方に行く方が心配の度合いが重くなってくると、こういうことでありますので、これはこれとして正面から受け止めなければいけない心の中の事実ではないかなというふうに思っております。 こうした不安をやはりなくしていくというのがこれ政治の役割であり、政府の役割でもあるわけであって、社会保障と税の一体改革もそういうことで行われた三党での合意であったかというふうに思いますし、いわゆる全世代型の社会保障、ここに転換をすることでどの年代にとっても先が見えるということにしていくことが大事なことだろうというふうに思っております。 社会保障の持続可能性を揺るぎないものとすると、そして世界に冠たる社会保障制度、少なくとも保険、皆保険制度でできている医療、あるいは介護の問題にしても、介護保険は皆保険ではございませんけれども年代が決められていますから、いずれにしても年代を限ってみれば全て入るということにもなるわけで、そういった良さをどうつないでいくかということがとても大事でありますが、一方で、特に学生などに年金の問題などを聞いても更に将来不安を感じていらっしゃる方が多いということでありますので、私どもはその不安をなくすようにするための努力を引き続き重ねていかなければならないというふうに考えているところでございます。
○足立信也君 さらに、今大臣も若い世代ほど不安を感じているとおっしゃいました。そこが表れているのが、保険料負担が重い、これがやっぱり六三%。子育て支援の占める割合を増やすべきである、六九%、七割ですね。そうはいいながら、じゃ、負担をどうするのかということになると、やはり当然のことながら、社会保障の費用負担を高齢世代、現役世代共に増やす、これが五一%。 世の中、これも読売新聞のをなぜ出したかというと、与党寄りと一般的に言われていますから、その方々もこういうアンケート結果だということなんです。世の中の方々は、国民の多くはもうそういう時代になっているという認識はしっかりあるんだと思います。 そこで大切になるのが、消費税増税が二年半延期されて三十一年にですか、なりますが、この使い道だと思うんですね。そこで、消費増税の延期は悪い影響が出るという不安が、これもアンケートで五九%、約六割ですね。 現時点で今お考えがあるかどうか分かりません。これ、消費増税五%分は、五%のうち一対三対一という形で、社会保障の充実は一%という形になっているわけですが、残された二%分、これに軽減税率分が入ると更に減額になるわけでしょうが、この五%のうちの一%の充実という考え方をまだこれからも踏襲するかどうか。このことについて、現時点で答えがないかもしれませんが、あるいはロードマップに沿ってそのままやるとおっしゃるかもしれませんが、私はこの使い道がかなり近い十年先の将来を決める大きな問題だと思っています。現時点での大臣のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは三党合意で、民主、自民、公明、この三党間での公党の約束として決まったことを私どもは引き継いでやっているわけでございまして、結論から申し上げれば、その三党合意は守っていくということであるわけでありまして、さっき申し上げたように、社会保険方式で成り立っていて、なおかつ税財源を入れた混合型というか、そういう形になって、保険料の負担能力の低い方でも制度に、この税の投入によってより享受をされやすいという、そういうことになっている仕組みだというふうに思っています。 こういうような社会保障への公費投入というのは国費だけで三十兆円を超えているわけでありまして、国の一般歳出の半分以上を占めているということで、しかも年々これが増加を、高齢化に従って増えているということでございます。こういうような状況を踏まえると、社会保障制度が、今後も高齢化が進展をするわけでございますので、必要な機能を果たし続けるためには、社会保障の充実と、それとともに、税財源によって賄われている部分についても安定的な財源というものが確保されることが極めて重要だというふうに思っています。それがゆえに三党合意で、先ほどお話いただいたような割り振りで充実分を賄っていこうと、こういうことで決まっていたんだろうというふうに思います。 社会保障と税の一体改革では、社会保障の充実、安定化と、それから財政健全化の同時達成を目指すということが明記されていたと思いますが、持続可能な社会保障の構築のためには、財政健全化も、これは当然長もちさせるためにも大事な要素でありますので、消費税率の引上げによる増収分の全てを社会保障の充実に充てることはなかなか適切ではないんではないかというこの三党合意の考え方はそのまま踏襲すべきかなというふうに思っております。
○足立信也君 予想された答弁です。 私たちは、三党合意はほごにされたと判断しています。ですから、これからは残る二%の使い道をどう考えるかというのが国民の選択になってくるんだと、そのように思っています。そのことを予告しておいて、今日は私と石橋委員とで分けていますので、私は年金、医療、介護、そして石橋委員は雇用、労働、年金ですか、というふうになっております。ただ、ちょっと順番を変えまして、私、年金、介護、医療の順番でちょっと聞いていきたいと思います。 まず、年金ですが、これは一年半、二年半、消費増税が延長されて、結局四年間延長された形になるわけですが、消費税一〇%に上げるときの低年金者、無年金者に対する対策として主なものは三つあったと認識しています。 一つは、低年金、低所得者対策として月マックス五千円で年間六万円という年金生活者給付金でした。これは、今年六月、一回こっきり三万円という形に化けたかどうかは分かりませんけれども、まあそれなりの取組はされていると私は思います。 そして、もう一つは介護保険料、これも低年金者対策ですね、介護保険料の軽減、これは当初、約三割の方、一千百三十万人の想定でした。しかし、現在、二十七年度からこれは行われておりますが、聞くところによると、六百五十万人、半分ぐらいにその対象がなっている。ただ、行われていることは行われている、範囲も額も縮小されたけど行われている。 それに対して、やっぱり無年金者対策というのが極めて遅れているという認識であるわけです。今般、元々二十七年の十月、去年ですね、一〇%のときに無年金者対策と考えられていたものが、一年半延びて二十九年四月、そして二年半また延びたわけです。これはやっぱり心待ちにされていた方は相当多いと思いますし、今般、それで新法、年金に対する新法を提出されたわけですけれども、やっぱり元々一年半遅れた時点で二十九年四月一日だと想定されて準備もされてきたと思うんですよ。ここに来て六月に再延期が決まって、しかし、総理の所信で九月に、二十九年度中にやるんだと言って、いきなり二十九年八月一日施行が出てきたと。せっかく準備していたはずなのに、もっと早くできないかと、率直な話なんです。 そこで、これ、質問四はちょっと飛ばします、五なんですけど、なぜ遅れたのかということと、これ違いは、八月一日施行だと九月から対象者が広がって十月の支給からになるわけです。準備期間等々という話がありますが、これ、四月一日から施行したら、五月から対象者が増えて、その方々が本来、六月、八月と年金をもらえる可能性があったわけですね。 だとしたら、まずお聞きしたいのは、私たちはこの無年金者対策だけが遅れたというふうに考えているんですが、その遅れた理由、それをまずお答え願いたいと、そう思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今の御質問は、なぜ八月なんだ、なぜもっと早くできないのかという質問であると理解してお答えを申し上げれば、これは、今御指摘のように、今回、消費税の引上げを再び二年半延ばすということになったわけでありまして、正直それまでいろいろこの準備をしていたわけでありますが、そこで一回引上げを延期するというところで手続を止めました。 しかし、そうはいいながら、今回、私ども政権としても、この二十五年、十年は今回の法律でお願いをして通すということを政権として決めたわけでありますが、そうなると、いつ最短でできるのかということを私どもも事務的に詰めてまいりました。その結果、最速でやっても八月一日ということでございますので、私どもとしてはこの八月一日ということで今回法律を出してお願いをするということにさせていただいたわけでございますので、事務的にできないで年金機構の窓口においでをいただいて不測の事態を招くというのは決して好ましいことではないので、私どもとして最善の努力をして最速のタイミングでいくのが八月一日ということで、今回こういうことで御提案を申し上げて実施していこうということになっているわけでございます。
○足立信也君 昨日、部門会議で議論しました。私は今年の三月に消費増税の再延期を決めたと認識していたんですが、正確には六月だと。六月に延期決めたと。じゃ、それまでは準備していました。それで、九月に総理が二十九年度中にやるんだと言ってこの法案出てきた。三か月間中断したら四か月遅れるという話になるんですか、今のは。 私、提案したいと思います。四月一日に施行すれば五月から対象になります。準備が間に合わなくて六月に支給できないんであれば十月の支給で構わないですよ。六月分、八月分、十月以降に支給したらどうですか。そういう修正案を私ども準備します。あくまでも施行は四月一日、皆さんそう思っていたわけですから四月一日にして、その対象となる方は五月から確定させていく、準備をする。間に合わないんであれば十月以降の支給でも構わない。六月分、八月分、しっかりそこで支給できるように、十月以降にできるように私たちは求めたいし、その修正案を出したいと思います。準備期間が足りないということであれば、それでできると思います。答弁されるというんであれば答弁結構ですが、私はそういう提案をするということを申し上げておきたいと思います。いいですね。
○委員長(羽生田俊君) 大臣、よろしいですか、答弁。
○足立信也君 されますか。──はい、分かりました。 可能だと思います。ですから、今準備をしています。 ちょっと、医療よりも先に介護の問題に行きます。 今、地方を見ていますと、やっぱり介護人材の不足で、以前は入所施設が足りないということが大きな話題でしたが、今は人材が足りなくてなかなか入所できないということがメーンになっています。そこで、地方の事情としては、冠婚葬祭もほとんど外部化されて、個々の家庭が孤立するような状況に今なっています。そこで一番影響を受けるのが家庭内介護だと私は思っているんです。これは、老老介護のこともありますし、お嫁さんが家庭に縛り付けられるというようなこともございます。要するに、家庭内介護ですね。その結果、介護自殺であるとか、あるいは殺人というような話も聞かれます。心中ということもございました。 そこで、私が今、大分県内のいろいろな市長さんと相談していることは、我々はそれで介護の社会化が必要だということはもう全党一致、挙げてそう判断したわけですけど、家庭内介護で困っている方々を、介護が必要な方は入所されて、介護を家庭でやってきた方は臨時職員として施設に雇って、そして、正規な国家資格もないわけですから給料は安いかもしれませんが、幾ばくかの給料がもらえる。何よりも大切なことは、家庭内介護で二十四時間三百六十五日縛られていた方々が週一日でも二日でも休みがもらえる、レスパイトになる。この新しい働き方といいますか、入所の仕方といいますか、これを県下でやってみませんかという話を市長さんに僕はしているんですけれども。 そこで、これ、前もって検討したんですが、このやり方、家庭内介護の代わりに、要介護者は入所者、介護していた方は職員として施設に迎え入れる、これは現行の制度上できないという問題があるでしょうか。あるいは、これをやるために注意しなければいけない点があるでしょうか。教えてください。
○政府参考人(蒲原基道君) 今お話のございました点でございますけれども、介護保険施設につきましては、法律あるいは運営基準等におきまして留意すべき事項を想定しているところでございます。 とりわけ、今の話について言うと、入所側のところをまず一つどう見るかということでございますけれども、入所については、例えば介護老人保健施設につきましては、医学的管理の下における介護及び機能訓練の必要性を勘案して、必要性が高いと認められる者を優先的に入所させるというのがまず基準でございます。 また、介護老人福祉施設でございますけれども、こちらについては、要介護三以上を原則としている。ただし、要介護一、二であっても居宅における日常生活を営むことが困難な方ということであれば可能だということになってございますし、実際には、介護の必要の程度あるいは家族等の状況を勘案して、必要度が高いと認められる者を優先的に入所させるということになっておりまして、このような優先的な入所の取扱いについては透明性及び公平性が求められているところであります。したがって、こういう基準に入所者のところが合っているというところが一つのポイントであろうかと思います。 また、もう一つ、一般的に、職員として雇用する場合でございますけれども、これは、事業所の側が、職務内容や雇用の形態につきまして十分にその方に説明をして、雇われる御本人の理解を得て行われるということが必要であるというふうに考えております。 そうした留意する点はございますけれども、御提案につきましては、こうした事項のほか、特に各自治体の条例の規定に抵触するものでもなく、いずれにしても、こうしたことで、利用者あるいは御家族の意向を十分に聞いた上で行われるということであれば、現行法上、それが問題があるということではないというふうに考えております。
○足立信也君 労働力人口の不足、それから、人が人の世話をする職業の人材不足ということが顕著です。外国人の必要性というものも当然出てくると私は思いますが、その前に、家庭内介護で困っている方々をいかに、入所される方も、そして介護していた方もウイン・ウインになるような制度ができないかということで、仕組みができないかということでこれを提案しているわけです。 今の説明ですと、入所者に必要度があればいい、あくまでも透明性を保ってという点、介護者に対しては強制的にならないようにと、そういう注意のことがありましたけれども、制度的には問題ないということでございましたので、これを少しずつでも広げていって、私はこれ、冒頭ちょこっと申し上げましたように、今家庭が孤立化しているんですね。こういうセットで入所するというのがもし増えていった場合に、ある意味、そこにまたコミュニティーができるような気がするんです。これが一つの再生だと思っておりまして、是非進めていきたい。今局長の方から、これは制度的には大丈夫なんだと言われましたので進めていきたいと思います。 そこで、私たちの政権のときに、国交省とセットで、サ高住ですね、サービス付き高齢者住宅、これをかなり進めました。今の入居者の九割が要介護認定を受けているという調査もありますし、そもそもサ高住に入れば医療も介護も全部そろっていると勘違いされている方が非常に多いですね。逆にそのことが介護の行き場のない高齢者の受皿みたいになっていて、ですから介護サービス不十分だし、入っている人の思いと提供する側の人のできることが違うわけですから、ちょっとそこにモラルハザードが生じていると私は思います。せっかく進めた仕組みなのに、これが誤解があってはやっぱり良くないなと思いますので、そこは厚労省から国土交通省にも話し合っていただいて、しっかりその意義を、役割というものをしっかりしてもらいたいと思います。 そこで、介護保険法の改正のときに、これも我々の政権のときでしたが、地域包括ケアということをつくりました。これは今ほとんど国民の皆さんは聞いたことはあるという単語だと思いますが、これは一体どういう意味なんだということを明確におっしゃられる方が余りいらっしゃらない。そこで、地域包括ケアとは一体一言で言えば何なのか、これをお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘のこの地域包括ケアでございますけれども、これにつきましては、重度な要介護状態となってもずっと住み慣れてきた地域でまさに自分らしい暮らしが続けられ、そして人生の最後までそれが続け得るということ、そのために、医療、介護だけではなくて、予防あるいは住まい、そしてまた生活支援、こういったことが包括的に準備をされて提供されるという体制を築き上げていくべきではないかということではないかというふうに思っております。 厚生労働省としては、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年というのを当面のターゲットにあらゆることを考えておりますけれども、地域包括ケアシステムの構築についてもこの二〇二五年を目途としまして各種施策を並行的に進めているということでございます。 これは先ほど高階委員のときにお話が出ていましたが、高齢者に限らず、これから、地域ということであれば、地域共生社会と我々呼んでいる、障害者あるいは高齢者、子供、生活困窮者、難病の方々、もちろん健常者、元気な方々、こういった方々丸ごとの支援をし合う関係を深化をさせていくということをやるとともに、住民が自らの、我が事の問題として地域づくりをする、コミュニティービルディングというか、地域力を養っていくという、そういうものに参画をする仕組みを構築をして、国民一人一人の暮らしと生きがいを共につくって高め合う、助けたり助けられたり、いろんな方々の組合せがあり得る地域共生社会の実現を目指すということにもつながる考え方が地域包括ケアシステムではないかなというふうに私どもは今考えているところでございます。
○足立信也君 一言でと申し上げたんですが、気持ちはよく分かりますが、単語としてちょっと重要なところが抜けておったと思うのが、聞き漏らしたかもしれませんが、やっぱり教育もそこに入っているということです。中学校単位ということですね。 これは一言で言えば、今、特に地方では、コミュニティー、人間関係が壊れつつあって、人も少なくなっている。これ、二十一世紀型の地域コミュニティーの再生なんですよ。そういう概念で私たちはつくったんです。是非その概念を、まあ忘れることはないと思いますが、そういう目的の地域包括ケアというのは、介護保険法の中の地域包括ケアの中に医療も入れているわけですからね、そして教育もその中に入っている。これは、二十一世紀型のコミュニティーの再生です。是非、その意図をしっかり持ってやっていただきたいと思います。 残る時間が医療のことなんですが、ちょっと申し訳ない、六番、七番、時間があれば後でということにします。その次から行きますね。 理化学研究所、理研、これが十月一日に特定国立研究開発法人になりました。グレードアップしました。これは、皆さん御存じのように、STAP論文事件でもう二年以上、最初に決まっていたけれども、それが延びたわけです。 それに加え、東大で八月に内部告発があって、今、論文不正問題がかなりの疑惑になっています。これはSTAP研究をはるかに超える問題じゃないかという指摘もあります。 そこで、これはどういうことかというと、脂肪を燃焼させるたんぱく質、これ、アディポネクチンと言いますが、この研究です。さらに、その物質の作用を強化する化合物、アディプロンと言います、これも発見したというようなことで、痩せる、血糖値を下げる、動脈硬化を予防する、生活習慣病の治療薬と、夢のような薬の話の一連の研究です。そこで、これは武田薬品から資金提供をかなり受けて、年間の寄附額は三千万円なんですが、二〇一一年にこの教室、今のこの研究グループ、武田医学賞を受けています。 そこで、去年、私は、AMEDの法案の審議だったと思うんですが、ブロプレスの関係で武田と京大の問題点、指摘しました。そこで業務改善命令が厚生労働省から出されました。その内容は誇大広告です。その誇大広告という内容を簡単に説明してください。
○政府参考人(武田俊彦君) 誇大広告についての御質問ございました。 まず、誇大広告、一般的にどういう定義になっているかということでございますが……(発言する者あり)あっ、恐れ入ります。 具体的な業務改善命令について御説明いたします。 武田薬品の事例についてのお尋ねでございます。 平成二十七年六月十二日に、同社の高血圧症治療薬ブロプレスの広告が医薬品医療機器法で禁止している誇大広告に該当するとして業務改善命令を行ってございます。この事案におきましては、同社製品と他社製品による脳卒中等の発現率のグラフにおいて、統計的有意差がないにもかかわらず、あたかも他社製品より優れるかのような表現で強調を行ったほか、糖尿病など承認された効能効果でない副次的な効果を提示するなどの広告が行われたものでございまして、これについて業務改善命令を行ったものでございます。
○足立信也君 そうなんです、二点。有意差がないのにあるように見せかけた。そして、ゴールデン・クロスという言葉を使って、長く服用すれば本来効能効果ではない糖尿病や慢性腎不全などに効果があるように、読めるように誇大広告をした。この二点なんです。 そして、今、糖尿病の話、私しましたけれども、まさにその内容が、降圧薬、今誇大広告で注意された降圧薬には、先ほど研究されているというたんぱく質、血糖値を下げて糖尿病を予防するような薬につながるんじゃないかというアディポネクチンの濃度を上げるということも書かれているわけです。ここで、この誇大広告の件と、先ほど、東大の論文不正の問題がリンクしてくるんです。東大だけではなくて、さらに、作用を強化するというアディプロンの発見、これについては、理研と東大が二〇一三年にアメリカに特許申請をしているんです。ここで理研が絡んでくるんです。元々共同研究をやられているんだと私思いますし、東大と理研、そして武田に対する誇大広告のその根拠になった研究、一連の研究が論文不正の可能性があると今言われているんです。 そこで、十月一日に理研が特定国立研究開発法人にグレードアップされた。もし、今内部調査、八月、九月と内部調査をやっているということですが、もし論文不正が明らかになったら、東大のことですが、理研もそこに関係している。論文不正があった場合に一体理研はどう対応するんでしょうか。ワングレードアップされたんです。二年以上STAPの関係で待ったけれども、しかし、今、この論文不正はもっと大きな問題じゃないかと指摘されている中で、その中で、渦中でグレードアップされたんですね。 文科省としては、まず、理研は論文不正があった場合どう対応しようと思っているのか、文科省はそれに対してどう対応しようと思っているのか。もしあった場合で、仮定の問題で申し訳ないですけれども、極めて大きな問題だと私は思っています。お答えを願いたいと思います。
○政府参考人(小松弥生君) 御指摘がございました東京大学における論文不正の疑いに係る告発につきましては、現在、申立ての事実関係を明らかにするため、東京大学において調査をしていると承知しております。現在調査中の事案でございますので、本件に関する具体的な言及は申し訳ないのですけれども差し控えさせていただきます。 仮にという御質問でございましたので、仮に東大の研究者に何らかの論文不正が認められた場合には、研究に参画いたしました理化学研究所の研究者が研究上どのような役割を果たしていたか、その事実関係をまず詳細に確認をいたしまして、その上で、特許の取扱いも含めて適正に対応することとなります。 理化学研究所におきましては、御指摘のように特定国立研究開発法人として指定されておりますので、理事長のリーダーシップの下、自らが行う研究のみならず、外部の研究者との共同研究においても適正な研究開発等の実施を確保する必要がございますので、仮に研究不正が明らかになった場合には、きちんと、どういうふうな関与をしたかということ、そしてそれに対する対処法を考える必要があると思っております。そのため、文部科学省といたしましても、理化学研究所に対してその対応方について指導をしてまいりたいと考えております。
○足立信也君 仮定の話で意外と答弁していただいたと思っています。 でも、これ国内最高の研究開発法人と位置付けたわけですよ。STAP細胞で待ちに待って、しかしあれよりも大きな話だと思いますよ、この一連の研究がもし不正だったら。これは、指定そのものが私は勇み足じゃないかと思いますよ。これ見届けてからでも遅くなかったなという気がしますし、これ、ノーベル賞で今年もおめでたいことですけれども、日本の研究に対して相当な外国からの目が厳しくなるし、当然疑いのまなざしで見られるようになると思いますね。慎重にやられた方が私は良かったと思うし、まだ間に合うと、そういう気はしています。問題は隠さないことです。そして、亡くなる人を出さないようにしっかり調べていただきたいと、そのように思います。 もう残された時間が僅かですので、ちょっと懸念だけ、戻って申し上げますが、午前中、三原委員が高額医薬品、ソバルディやハーボニー配合剤に続いて今度はオプジーボ、場当たり的だという表現されました。 私、五月のこの委員会で、これは制度的に診療報酬改定の期中の適応拡大されたものについてはそこで単価を見直すべきだ、その仕組みをつくるべきだと、仕組みをつくらないと場当たり的と言われても、指摘されてもしようがないと思うんですね。ここでは、今回は特例的引下げをやるけど、次の改定でという話になっています。 そこでお聞きしたいんですが、前回の改定、これは診療報酬改定なんだけれども、市場拡大再算定の部分は枠の外で計算されましたね。で、今の話ですと、次はしっかり診療報酬改定の中で収めるんでしょうか。もう一つ、医師会は、これに対して適正な使用を担保するということで、ガイドラインをしっかり作りなさいと。聞くところによると、これは医薬局になるんでしょうか、そこを作るのは。診療報酬に入れるかどうか、そして、今までは施設の基準や使用基準というものは医政局なり保険局なりが作っていたと思うんですが、今回は医薬局がそれを作ろうというふうにしている。これ、縦割りで本当にうまくいくのかなという心配があります。 その二点について、ちょっともう時間が来て申し訳ないんですが、お答え願いたいと思います。
○政府参考人(鈴木康裕君) お尋ねの高額医薬品、特にオプジーボの問題でございますが、現在の検討状況、中医協におきましては二つございます。一つは、緊急的対応として、当面の対応としての薬価をまず下げるという問題、これは程度については今議論中でございます。それからもう一つは、先ほど委員が御指摘いただいた、正しい対象に適正に使用する。これは医薬局の方でガイドラインを作っていただきますが、それを中医協できちっと検討させた上で留意事項通知として保険局から出させていただいて、そこはそごがないようにさせていただきたいと思っています。 最後は、三十年改定のときに新たなルールを作らせていただいて、こういうことが二度と起きないような手当てをしたいというふうに思っております。
○足立信也君 終わります。
○石橋通宏君 民進党・新緑風会の石橋通宏です。 私もまたこの場に帰ってくることができまして、こうして塩崎大臣と再び相まみえることができて大変うれしく思っております。塩崎大臣も同じ気持ちでいただいていると思いますので、いい、建設的な議論をまたさせていただければと思いますので、引き続きどうかよろしくお願いをしたいと思います。 今日は、最初にILO総会について是非伺っておきたいと思います。 塩崎大臣、第百五回ILO総会、御出席をいただきました。我々もかねてから、是非厚生労働大臣にILO総会出席をして、きちんと日本の役割を果たしていただきたいということをかねがね言っておりましたので、今回大臣が御出席をいただいたこと、評価をさせていただきたいと思います。ただ、出席すればいいというものじゃなくて、一体どういう貢献をされたのか、また何を持ち帰ってこられたのか、それがやっぱり気になるところなんですけれども。 大臣、まずお伺いしたいのですが、今回ILO総会行って、総会の全体会合でスピーチをされました。それ以外に何をされてきたでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) まず第一に、今回、私が大臣として行ったのは二十一年ぶりでございまして、これは村山内閣の浜本労働大臣……(発言する者あり)いやいや、大事なことですから。 今御指摘をいただいて、お褒めをいただいたような気もしたものですから申し上げますが、二十一年ぶりでありますけれども、もう一つは、厚生労働委員会でありますので皆様方に御理解を是非賜りたいのは、WHOの方にはさっぱり行けていないということも申し添えておきたいというふうに思います。 今回、総会での演説以外に何をしたんやと、こういうお話でございますが、今回、六月八日に私はILOに赴きまして、ILO総会政府代表演説をまず行いました。大事なものとしては、もう一つ会合がございました。これは、アジア太平洋労働大臣会合というのがございまして、これにはガイ・ライダーILO事務局長自身も参加をしていただきましたが、その場で私の方から演説をさせていただきました。そのほか、ガイ・ライダーILO事務局長との会談というものも、昨年も行いましたが、今回、総会時に時間を取っていただいて、意見交換をしっかりさせていただきました。 そのほか、他の国で、インドの労働・雇用大臣との会談、それからシンガポールの人材開発大臣との意見交換をさせていただくとともに、今回、日本側から、これは労働側、そしてまた使用者側、そして政府というこの三者から参加をしているわけでありますけれども、この方々と一堂に会して昼食を取りながら意見交換をさせていただくということをさせていただきました。 これが主な私がILO総会でやらせていただいたことでございますが、もちろんそのほか、通りすがりでいろいろな労働大臣の方々とお話をさせていただいたということも、それは立ち話程度でありますが、外交においては立ち話も極めて重要なことであることは、石橋先生、国際派でありますからよく御存じのとおりでございます。
○石橋通宏君 大臣、相変わらずですが、質問に端的に答えていただければと思いますので、重ねてよろしくお願いいたします。 大臣、今るる説明をいただきましたけれども、各種、立ち話も含めて、ごく手短な会合だったと聞いておりますが、例えば大臣、総会の条約勧告適用委員会を傍聴されましたか。
○国務大臣(塩崎恭久君) しておりません。
○石橋通宏君 大変残念だなと思うのは、大臣、せっかく総会へ行かれて、まさにILOの政労使、これが現場で、国際労働基準の適用ですとか新しい様々な課題に対する対応ですとか、それを現場ですごい議論をしているんです。それを現場を御覧にならずに、総会でスピーチをされた、あとは個別の会合をされた、それで帰ってこられたということだったので、それをお聞きして、私はせっかく行っていただいたのに残念だなと正直思いました。 大臣の総会でのスピーチ原稿も読ませていただきました。これまた、大変残念だなと思いました。安倍政権の政策の宣伝をされただけにとどまっておられまして、いかに日本で今ディーセントワーク・デフィシットがあるのか、いかに非正規雇用の問題、様々な課題があるのか、どうやって日本が世界のディーセントワークの課題に貢献できるのか、そういうことには一切触れておられませんでした。正直、非常に残念です。 大臣、今回ILO総会に出席されました。二〇一九年がILOにとってどういう年か、大臣御存じだと思います。確認させていただきます。
○国務大臣(塩崎恭久君) 百周年だと思います。
○石橋通宏君 二〇一九年にILO創設百周年を迎えます。今からいろんな準備も進んでいきますし、十二月には、五年に一度のアジア太平洋地域会合もバリ島で開催される予定になっています、政府も参加されることになると思いますが。 是非大臣、その二〇一九年に向けて、御存じのとおり、いまだにILOの中核条約百五号、百十一号、日本は批准をしておりません。何としても百周年までに、先進国からも世界の趨勢からも遅れている、もし安倍政権が本当に本気で働き方改革、国際法の遵守、そういうことを対外的にも対内的にも言われるのであれば、まずこの未批准の中核条約の批准を一つでも全部でもやるんだという御決意を述べていただいて二〇一九年を迎えていただきたいと思いますが、大臣、総会に出席されて、その上でこの決意、約束していただけないでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話をいただいたように、日本が、ILO条約の数は百八十九のうちの批准は四十九ということで、今残っているものでございますが、八つの基本条約に未批准ということで今御指摘をいただいたわけでございます。 それなりの理由があってそういう状況になっているわけで、国内法制との整合性などが課題だというふうに理解をしておりますけれども、その批准について検討は慎重に行うべきだろうというふうに思いますけれども、当然その議論が国会などで行われることについて、当然私どもとしても正面から受けてまいりたいというふうに思います。
○石橋通宏君 全く決意になっていない決意、ありがとうございました。 理由があって批准できないというふうに言えば、全ての国が同じことを言うわけです。そうしたら何のための国際労働基準か、何のための国際条約か、何のために政労使が世界から集まって、あの場で国際労働基準を決め、みんなで守っていこうと。中核条約はまさにその中核なんです。それを日本がいまだに二つ批准をしていない。しかも、百十一号条約は差別撤廃の条約です。これを批准していないという、これが世界的にも恥ずかしい状況だというのは大臣御存じだと思います。 今の答弁を聞けば、働き方改革、本気なのかなと、重大な疑義を挟まずにいられません。そのことなくして余り威張らないでいただきたいということも含めて、この後の質疑進めさせていただきたいというふうに思いますが、これ、超党派のILO議連でも議論をさせていただいておりますので、是非今後またこの問題については御提言させていただきたいと思います。 続いて、働き方改革にも関わる問題なんですが、過労死の関係について改めて取り上げさせていただきたいと思います。 今月、過労死等防止対策推進法に基づく初めての白書が月の頭に公表されました。改めて現状についての認識をまた確認をさせていただくとともに、多くの関係者の皆さんの御努力で一歩一歩こういう形で取組、対策が進んでいることについて、改めてみんなでこの思いを共有していきたいと思いますが。 ただ一方で、残念ながら、過労死、大変残念な事案なくなりません。いまだにあちらこちらで起きている。この状況がありますし、今、メディアでも大きく取り上げられました、厚労省も対応いただいていますが、昨年十二月、電通での過労自殺の案件、この件について、本当に衝撃的ですし、私たちも改めてしっかりと対応していかなければなりませんが、これ、報道によりますと、今日お手元の資料の四のところに新聞記事をお付けしておりますが、電通、元々一九九一年に伝えられるところでは過労死案件が起こって、そしてこの記事によりますと三年前にも過労死案件が起こっていた、そういうふうに伝えられております。 この間、一体、厚労省、何をされてきたんでしょうか。一旦過労死事案が起これば、継続的に臨検なり定検なりしっかりと入られて、いろいろと指導をされ、改善がされているのかどうか、これ確認をされてきたはずです。にもかかわらず、三年前にもそういう事案が起こっていた。そしてまた、昨年、この事案が起こってしまった。これについて、厚労省、どういうふうに反省をされているのか。塩崎大臣、まずその見解をお願いします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘のように、電通ではかつて最高裁まで行った事案もございました。過去に業務に起因する自殺事案というのがあって、社会的にも大変大きな問題として認識をされたわけでございまして、そういう電通において同じような問題が起きたということは極めて私どもとしても遺憾なことであって、この件に限らず、当然過労死はあってはならないわけであります。 電通については、まさに今回立入調査を、本社、それから支社、地方の支社、そういうところに入っているわけでありますけれども、今後の監督指導など取締り業務への影響も考慮する必要がありますので、過去の監督指導の状況についてつぶさにお答えを申し上げるというのは差し控えたいというふうに思っているところでございます。
○石橋通宏君 この新聞報道によれば、昨年の夏、八月に是正勧告を出されています。十二月のこの過労自殺の案件、伝えておられるところによりますと、秋以降業務量が爆発的に増えて、十二月、こういうことになったというふうに聞いております。とすると、昨年八月に是正勧告を出された、そのときにもっときちんとした対応をしていただいていればその後の状況は変わっていたのではないかと、そういうふうにも思えるわけです。なぜ昨年の八月の段階で、既に繰り返しこういう事例があった、また是正勧告をすべき事案があったにもかかわらず、昨年の段階で今回やったような特別臨検やられなかったんですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたとおり、今進行している事案でもありますし、今後の取締りの影響も考えてみて、さっき申し上げたとおり、過去の監督指導の中身について申し上げるというのは差し控えたいというふうに思っているところでございます。
○石橋通宏君 大変残念なのは、これまでも厚労省、繰り返し、特定の事案については言えないと、それを繰り返し、企業名の公表ですとかそういうのにも非常に慎重な態度を取ってこられた。でも、その結果こういうことを招いているんじゃないんでしょうか。繰り返しこの種の事案を起こす、そういう企業が結局また同じことを繰り返してしまう、それを止められなかったことについて、厚労省、どのようにこれまでの政策、態度、立場を反省されておられるのかというのが全く分かりません。 塩崎大臣は二年前に、まさに塩崎大臣の下で長時間労働撲滅のための推進本部を立ち上げられたはずですね。で、強化をされた。我々、繰り返し、それじゃ駄目なんじゃないでしょうか、単に看板掲げて強化強化って言ったって、抜本的な労働基準法の規制強化をしなければ結局は改善できないとずっと言ってきた。でも、大臣、いや、大丈夫大丈夫と言って対応されてきた。全然大丈夫じゃないじゃないですか。結局この種の事案を止めることができなかった。その件についての、大臣、反省というのはあるんでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたとおり、一つ電通の例を取ってみれば、かつて最高裁まで行ったような事案がありながら同じことが起きたということは極めて遺憾であって、私どもがもう既にこれは明らかにしていることとして、十月十一日に東京労働局長が電通の幹部を呼び出して、二度と同じことが起こらないように、労働時間管理の適正化、実効ある過重労働防止対策のほか、パワハラを予防するための環境整備についても指摘をして指導しているところでございます。 今、本部をつくってまでやっていながらこういうことが起きるのにどう考えるんだということでありますが、私どもは、本部をつくるだけではなく、例えば今お話をいただきました社名公表の問題についても、これまでの労働基準法等の違反の疑いで送検した事案については原則公表してきたわけですけれども、これに加えて、昨年五月から、一歩踏み込んで、全国的に複数の事業場で違法な長時間労働を行う企業については是正指導をした段階で公表をするという取組を新たに導入をしてきているわけでございます。 そのような形でやってきている中にあって、既に、まだこのような問題が起き、そして、過労死につながるような長時間労働が文化として変わらないということについて、今、働き方の改革実現会議でもって私どもは議論しているわけでございまして、長時間労働の文化を変えるというために何をどういうふうにしていったらいいのかということについては、来年の三月末までに計画を作るべく今議論を重ねているところでございますので、決してやってきたことが全て良かった、十分だなどというようなことは申し上げたことはないというふうに思っております。
○石橋通宏君 是非ちゃんと、何が悪かったのか、その反省も踏まえてこれ見ていただかないと正しい政策を打つことができません。 提案も兼ねてですが、一つお伺いしておきますが、厚労省、電通とこの五年間様々な事業契約の実績があると思います。この五年間の数字でいいですが、どれだけ電通と契約実績あるか、数字を教えてください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 事前通告いただいていませんので今手元にはございませんので、また追って調べてお答えを申し上げたいというふうに思います。
○石橋通宏君 事務方はどうしているのかなと思いますが。 この五年間で約十億円電通と契約実績があるというふうに資料として今回いただいております。しかもこの三年間で増えています。そこまで考えると、僕、一つこれ、大臣、考えていただきたい。公契約条例とか公契約基本法という議論もあります。せめてやっぱり厚労省として、まあ政府全体ということもあるかもしれませんが、まずは厚労省として、残念ながらこういう事案を繰り返される若しくは過労死事案が発生する、そういった企業については、状況が改善するまでやはり契約を見直しをするとか、一旦そういう関係を改めて取っていただいて、その上でしっかりと対応いただく、厚労省だからこそそういう対応考えていただく必要があるんじゃないか。先ほどの企業名の公表というのは一つの施策だと思います。それだけでは不十分なので、そういう対応をまず厚労省として考えていただきたい。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今建設的な御提案をいただいたわけでありますが、今の御提案を含めて、今後何が更に必要なのか、この文化を変えるためにですね。ちょうど今、先ほど申し上げたとおり、働き方改革実現会議を行っておりますので、しっかり今の御提案受け止めて考えていきたいというふうに思います。
○石橋通宏君 働き方改革実現会議という話もありましたが、是非厚生労働大臣の責任においてそういう施策をしっかりと考えていただきたいというのが私の今の御提案です。ですので、ほかの会議体なりほかの人に押し付けるのではなくて、大臣の責任においてしっかりとこれ前に進めていくべくやっていただきたいということは申し上げておきたいと思います。 時間がありませんので、いろいろと聞きたかったですが、進めさせていただいて、まさにその働き方改革について、今日、石原副大臣においでをいただきましてありがとうございます。 働き方改革の関係で何点かお聞きをしてまいりたいと思いますが、実は今日、本当は加藤大臣をお呼びをしたんですけれども、加藤大臣、いろいろ理事会でも協議をいただいたようでありますけれども、今日は来ていただけないということで、石原副大臣に急遽でしたけれどもおいでをいただきました。 その件で一つ改めて確認をしたいんですね。何で今回、働き方改革を議論するに当たって、厚生労働大臣が大臣の責任においてこの議論をせずに、別に加藤大臣を担当大臣として置いて、また労政審とは別の会議体をわざわざつくって、労働者の代表が一人しかいない会議体で議論を、大切な厚生労働大臣若しくは厚生労働省ないしはこの厚生労働委員会で所掌すべき案件について別の場で議論を進められているのか、全く分からないんです。まず、石原副大臣、そのことを御説明いただきたい。
○副大臣(石原宏高君) 働き方改革は、本年六月に取りまとめたニッポン一億総活躍プランの中でも、強い経済、子育て支援、社会保障という新三本の矢に関わる横断的な課題として位置付けられております。 したがって、働き方改革実現会議における議論についても、各府省横断的なものとなると考えまして、総理の御指示を受け止めて議論をまとめるということで、加藤大臣並びに私の一番の仕事ということでこの会議が設置をされたところであります。
○石橋通宏君 今横断的なという話がありました。九月二十七日の第一回会合で安倍総理が九つのポイントについて指示をされておりますが、この九つのポイントの中で厚生労働省所管でないもの、それを教えてください。
○副大臣(石原宏高君) 九番目の外国人材の受入れの問題、法務省とも関わってまいりますし、また、学び直しのような形で一度会社を辞められてMBAを取るような方々、そういう学び直しをして新たな職業を選択されるということで、こういうことも文部科学省の、この前の会議にも松野大臣が参加されておりましたけれども、こういうことも関わってくるというふうに考えております。
○石橋通宏君 これ、何かすごい答弁ですね、石原副大臣。 最初に言われた外国人材の受入れって、これ、労働・雇用問題に関わる外国人労働の受入れ、これであればまさに我々が議論すべき課題ですね。今後の外国人労働者の問題をどうするのか、そういったことも我々ここで議論をしなければいけないはずです。 二つ目に言われた点も、これ、要は人材育成の問題ですね。今の人材不足、さらには新しい時代にどうやって職業訓練をしていくのか、そういったことも含めた話です。もちろん、教育の分野も関わるかもしれませんが、それ、九つの課題の多く掲げられた中のほんの一つです。しかも、それは文部科学省が議論されている話であって、何でわざわざ、副大臣、これ、ここで議論すべき課題を別の会議体をつくられるのか、今の御説明では全く説明になっていません。 まさに、この安倍総理が掲げられた九つの課題、これ全部我々の所掌ですよ。何でそこに、じゃ、加藤大臣が来れないのか、それも全く分かりません。 我々と関係がない、我々が議論できないところで勝手に議論をして、勝手にいろんなことを決めて、厚生労働外しですか、労政審外しですか、それが狙いですか、副大臣。
○副大臣(石原宏高君) これから会議の中で議論をしていく中でいろんな法制化の必要性等起こってきた場合に、厚生労働大臣と緊密に連携を取りながら、法案の提出等については厚労大臣にお願いするような形になるというふうに考えております。
○石橋通宏君 だから、それ順序が全く逆でしょう。 これは、塩崎厚生労働大臣が大臣の所掌で議論し、そしてこういう重要な課題に、まさにここに挙げてあるような課題、これまで労政審三者構成で議論をしてきた課題なんです。だから、そこにちゃんと議論を委ねればいいじゃないですか。何でわざわざそれを外すんですか。これ、どこかの誰かが、労政審じゃ物事が決まらないから、だからという話もあったやに聞いていますが、これまさに労政審外し、厚生労働省外し。我々厚生労働委員会、是非与党の皆さんも怒っていただきたい、これは。 そのことは申し上げておきたいと思いますし、であれば、これは、加藤大臣を我々呼んだときには是非ここに来ていただいて、ちゃんと大臣の責任として我々の質疑に答えていただく。これは是非、委員長、お取り計らいをお願いしたいと思いますし、また理事会でしっかりと確認いただきたいと思いますが、よろしいでしょうか。
○委員長(羽生田俊君) 後日吟味させていただきます。
○石橋通宏君 その上で、今日是非お伺いしたいのが、石原副大臣、安倍総理がもうこれ最初のどこかの会合で非正規という言葉を一掃するという発言をされております。非正規という言葉を一掃するというのがよく分からない。何で言葉を一掃するのか。 非正規という今の現状の不安定、低賃金、こういった働き方をなくしていくんだという表現なら分かりますが、言葉を一掃する。言葉だけなくして実態はなくさないのかと、そういうふうに我々は受け止めるわけですが。これ、非正規、言葉を一掃する、どういうことですか、これ。
○副大臣(石原宏高君) 総理の御発言の趣旨は、有期雇用あるいは短時間雇用などの働き方をなくすということではなく、どの働き方を選択してもしっかりとした処遇を受けられるようにし、人々が自分のライフスタイルに合わせて多様な働き方を処遇の差を気にすることなく選べる社会を実現するということを意図した発言として理解をしております。
○石橋通宏君 ということは、現状我々が非正規雇用と称している様々な働き方、それはなくならないわけですね。
○副大臣(石原宏高君) 有期雇用とか短時間雇用などの働き方をなくすということではなくて、処遇の改善を図っていくということです。
○石橋通宏君 だから、お認めになっているんでしょう、非正規雇用、現在の様々な不安定な雇用というのはなくならないと。あくまでその処遇をどうするかと、合理的な処遇はどうあるべきかという議論はするけれども、働き方そのものを、不安定な雇用そのものをなくすわけではないということを副大臣、今ここでお認めになったわけですね。 とすると、是非、そういうふうに正確に国民にもお伝えをいただきたい。何かあたかも今の不安定な非正規雇用は全部なくしていくんだというのがこの働き方改革のような印象をイメージ操作をされているように思えてしようがない。なので、そこは是非、正しい、いや、非正規雇用をなくすわけではありません、それはこのままずっとですと、ただ処遇をもう少しどうするかを考えるだけです、そういうことだということですね。改めて確認をさせていただきました。 ということは、昨年派遣法の大改悪がありましたが、派遣労働という間接雇用の不安定、低賃金な働き方、これもこのまま残るということですね。
○副大臣(石原宏高君) 派遣をなくすということではなくて、派遣で働かれる方々の処遇も改善していこうということです。
○石橋通宏君 ですから、派遣も結局このままずっと残るんだということをまたこれもお認めいただいたと思います。 今、処遇云々という話もありましたけれども、同一労働同一賃金ということを盛んに言われておりますが、これ、石原副大臣、なぜ同一価値労働同一賃金ではないんでしょうか。
○副大臣(石原宏高君) 今の点、いろんな議論があるものですから、今、これから実現会議の中で議論をしているところであります。
○石橋通宏君 いや、政府は堂々とずっと同一労働同一賃金と言い続けられていますので、明確に意思があって同一労働同一賃金と言われているんだと思います。なぜ同一価値労働同一賃金ではないんでしょうか。
○副大臣(石原宏高君) 同一価値同一賃金という考え方もありますが、それも含めて議論をさせていただいているところであります。
○石橋通宏君 いや、だから、考え方をお聞きしているんです。なぜ同一価値労働同一賃金、これは、塩崎大臣、多分お答えいただけると思います。なぜ同一価値労働同一賃金ではないのか、お願いします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 私どもとして、今、同一労働同一賃金に踏み込むという総理の所信表明、あっ、施政方針演説だったかな、今年の通常国会でございましたように、そこで初めて正式に方針として打ち出したわけであります。 御指摘の、まず第一に、同一労働同一賃金については随分議論をこの委員会でもさせていただき、もちろん、今お話しの派遣労働の法改正のときにも随分議論がありました。そのとき、職務待遇確保法ということで職務に応じた待遇の確保が課題となる中で、同一労働同一賃金の問題が議論になってやりましたが、そのときは、たしかこの職務待遇確保法、これを御提案になった方も同一労働同一賃金というふうに言っておられて、同一価値労働同一賃金ではなかったと思います。 それは、今、石原副大臣からお話がありましたように、同一価値労働同一賃金という言葉も、考え方ももちろんあり得るわけでありますが、我々は、同一価値労働同一賃金になりますと、違う職種との間での価値を同じだという考え方で同一賃金にすべきじゃないかということになれば、今まで同一労働同一賃金と言ってきた、同一労働の賃金が同じであるべきだという考え方よりも少し広くなってくるわけでありますので、我々はまずは同一労働同一賃金を実現をしていこうじゃないかということを申し上げているわけでございます。
○石橋通宏君 塩崎大臣、ILO百号条約は同一労働同一賃金ですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) たしかILOの今御指摘のものは男女の格差の問題から出てきたもので、それは同一価値労働同一賃金を指しているものだというふうに理解をしているところでございます。
○石橋通宏君 なぜILOが男女の賃金格差の差別の解消のために同一価値労働同一賃金にしたのかは御存じですね。
○委員長(羽生田俊君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(羽生田俊君) 速記を起こしてください。 石橋通宏君から説明をお願いをいたします。もう一回質問をお願いします。
○石橋通宏君 これ、同一労働同一賃金という議論をこれまでずっとされてきた、そしてなぜ同一価値労働同一賃金とあえて政府は使われないのか。今、先ほどの議論の嫌いで、これ、いろんな議論をされてきたと副大臣も言われた、塩崎大臣も言われた。であれば、なぜ同一価値労働同一賃金を使われないのか。国際的には同一価値労働同一賃金ということについてやっている、それを御理解をされているという前提で聞いてみましたけれども、なかなか答えが返ってきません。 本当に男女の賃金格差の解消なりを言われるのであれば、これ同一労働同一賃金では駄目だと。これは、ヨーロッパ先進国の歴史でそれを踏まえられて、だから同一価値労働同一賃金にしなければ男女間のとりわけ差別はなくならないという歴史的な経験の下に百号条約というのはできているわけです。そのことをしっかりと踏まえられた上で、我々、民主党時代に、同一労働同一賃金というのは実は一つのステップとして、将来的には同一価値労働同一賃金を目指さないといけない、でも一足飛びにそこには行けないので、まず同一労働同一賃金を実現して、そして同一価値労働同一賃金に進んでいこうと、実はそういうことを明確に申し上げていたんですね。でも、今の政府の議論からは、どこにも同一価値労働同一賃金という言葉が聞こえてこない。 だから、なぜあえて同一価値労働同一賃金を全く使わずに、同一労働同一賃金で男女間の賃金格差も含めて女性の活躍もできるのか、そのことを伺っているわけです。でも、お答えになれないということは、何か別の意図を持って、何か都合よく使われているのかなというふうにしか思えません。ですので、是非、塩崎大臣、これ改めて、僕らは同一価値労働同一賃金ということを、やはりILO百号条約の精神も含めて目指していかなければいけないと。でなければ、今政府が言われているようなことは実現できないというふうに思っています。 今後、是非、同一価値労働同一賃金の実現も含めた議論を、まさに、石原副大臣おいでいただいています、働き方改革会議でもしていただきたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。
○副大臣(石原宏高君) 制約なく幅広く議論をさせていただきます、九項目を含めてですね。
○石橋通宏君 曖昧ですが、イの一番に同一労働同一賃金など非正規雇用の処遇改善というのが安倍総理から下命があっているはずです。ですので、非正規雇用の処遇改善、とりわけ女性の活躍といったときに、これは本当に同一価値労働同一賃金を目指さなければそれ実現できないのじゃないか、そういう議論はやはりしていただかなければいけないというふうに思いますので、いろんな議論含めてということで、それも含めて議論していただけるというふうに受け止めましたので、これは是非よろしくお願いしたいと思います。 いろいろともっと聞きたかったんですが、ちょっと時間がなくなってまいりましたので、この働き方改革の関係は、今の点確認をさせていただいて終わりにさせていただきたいと思いますが、今日、副大臣せっかくおいでいただきましたけれども、やはり大臣に来ていただいてしっかりとこれ議論しないと駄目だということも改めて痛感をしました。先ほど、委員長、議論いただけるということでしたので、再度そのことをお願いをさせていただいて、残りの時間、最後、年金の方、済みません、飛ばして、少し頭出しの議論をさせていただければと思いますので、年金制度改革法案について少しだけ議論させていただきたいと思います。 先ほど、足立理事が十年短縮の件については議論をいただきました。私は、もう一つのより議論が多い方の法案について、少し考え方をお聞かせいただきたいと思います。 塩崎大臣、僕も衆議院の方の議論ずっとフォローさせていただいておりますが、なかなか議論がかみ合っていないなというふうにちょっと感じているんですけれども、改めて今日大臣にお伺いしたいのは、私たちが議論したいのは、一つは、現行制度の下での年金財政の維持、これは大事なことですね。百年安心とかつて言われた、それぐらい長期を見て年金財政を維持していく、財政検証をやりながら、そして今の現役世代、将来の給付がどうなるのか、そういうことも含めて財政の維持を図っていく、これは大事なことです。ただ、同時に、年金機能の維持、年金が持つ本来の役割、年金法第一条に規定をされている年金の目的、これをやっぱりしっかり維持していかないと、高齢者の方々の生活の安定が守られないわけです。 ですので、年金財政の維持は一つ大事だけれども、年金機能の維持というのも併せて本当に守られるのかということを議論していかなければいけない、これは大臣も同じ立場だと思いますが、そういう理解でよろしいでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今の年金機能をどう守っていくかという観点は、恐らくこれは衆議院の方でも出ていましたけれども、最低保障機能の維持といったような、生活を言ってみれば守る最後のとりでとしての年金の機能をしっかり守れるのかという問題意識かなというふうに思っておりますが、このことについては先ほども足立先生の方からも御議論がありましたが、あの三党合意の際の中で、一つは低所得、低年金、そして無年金、こういった方々の、高齢者への保障機能を強化するということが社会保障・税の一体改革の中でメニューとして幾つかあったと思うわけでございます。 これは、足立先生の方からもありましたように、一つは、今回、衆議院の方で法案審議が始まりました年金の受給資格期間の短縮であり、それから、これは年間六万円の年金生活者支援給付金の創設が決まっておりました。それから、医療、介護の保険料の負担軽減など、これは年金のみならず社会保障全体で支えていくというまさに最低保障機能の維持の一つとして考えられていたもの、こういったことを指しておられるのではないかなというふうに思っておりまして、そのことは十分私どもも意識をした上で全体を描いているわけでありますので、今回、二十五年を十年にするというのは無年金者をなくすこと、そして、今回のスライド制の改革の問題については、これについては、やっぱり将来の世代の受取の年金が不当に下がってしまわないようにしようというようなことでもあったかというふうに思うわけでありますので、そういったことを一体改革の精神にのっとってやっているというのが私たちの今進めていることでございます。
○石橋通宏君 ちょっと問題意識を聞きたかったんですが、大臣も御存じのとおり、今年の数字データで、生活保護受給世帯の過半を高齢者世帯が超えたというふうになりました。残念ながら、高齢者世帯の生活保護を受けざるを得ない世帯の方々が増えて、そのほとんどが単身世帯という状況です。 どうなんでしょう。厚生労働省としては、今のままではこのまま高齢者世帯の生活保護受給、増えていくという、そういう予測を立てておられるでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 将来どうなるかということについては一概には申し上げることはなかなか難しいわけでありますけれども、一つ年金制度を取ってみれば、今回、これは月五千円、年間六万円の福祉的給付というのは、少なくとも基礎年金だけの方については全て適用になるというようなことをもって、高齢者世帯がこれからはもちろん増えてくるのは明らかであるわけで、これは予想できるわけでありますから、そういう際にこういうセーフティーネットをかますというのはあの一体改革の中で既に決まっていることでありますので、そういう意味で、この年金の制度の中でできることは何なのかということと社会保障全体の中でどう生活をサポートしていくかということを申し上げているわけでございます。
○石橋通宏君 大臣がそういう答弁をされると聞かざるを得ないんですが、今回、二十五年から十年ということで要件が変更になる。これによって、今無年金の方でも年金受給できる。これ、基礎年金だけだと四十万人です。厚生年金部分を含めて約六十四万人ということだと聞いておりますけれども、大臣、今五千円なり一年六万円の給付と言われました。これを大臣がこういう場所で言われると、何かあたかも全員が六万円もらえるかのように伝わってしまいます。なので、大臣、正確に言ってください。全員が六万円もらえるわけじゃないですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) 最大六万円という意味でございます。
○石橋通宏君 これ、だから、正確に分かっておられない方々もおられるかもしれません。これ、四十分の○○ですから、十年しか保険料納付されていない方は四十分の十なんですね。六万円もらえるわけじゃないんです、一万五千円です。 そのことも含めて、十年保険料払っておられる方、今年金もらえてないわけですから、これによって生活が安定していただければそれはもう我々の本旨ですけれども、ただ、じゃ十年の保険料の方、年金額幾らになるでしょうか。それで、この給付金、四十分の十いただいて、それで月幾らになるでしょうか。それで、じゃ生活保護をもらわずに安定的に暮らしていける水準なんでしょうか。そのことを我々ちゃんと議論しないと駄目だということを申し上げているんです。 一歩一歩そういう様々な改革を打つ、これは大事なことです。でも、これから、ちょっと時間なくなりましたのでもうあれですけれども、マクロ経済スライド、もし安倍政権のGDP六百兆円なる、まあ我々は不可能だと言っていますが、政府はやると言っておられる、それが本当に実現されれば、これからマクロ経済スライドがフルに連続で発動されるわけです。そうなれば、物価は上昇するけれども年金は物価上昇分ほどには上がっていかない時代が来るわけです。そうすれば、必ず年金が切り下がる。さらに、今回の法案通ればデフレでも年金切り下がるわけです。確実に年金が切り下がるということを大臣考えて、だから、それをきちんと出していただいた上で我々議論させていただきたい、このことを最後にお願いをして……
○委員長(羽生田俊君) おまとめください。
○石橋通宏君 しっかりとしたシミュレーション出していただいて、これからまた法案議論始まっていくと思いますので、お願いして、私の質問を終わりにしたいと思います。 ありがとうございました。
○熊野正士君 今回、比例区で初当選しました公明党の熊野正士でございます。議員になりまして、厚生労働省の皆様の奮闘を間近で拝見いたしまして、改めて敬意を表するとともに、本日は……(発言する者あり)いえいえ、敬意でございます、本日は質問の機会を与えていただきまして、委員長始め関係各位に感謝を申し上げます。 〔委員長退席、理事島村大君着席〕 まず、がん対策についてお尋ねをいたします。 がん対策の大きな柱は、早期発見、早期治療でありますけれども、早期発見のためには何といってもがん検診、非常に重要であります。 今日配付させていただいた資料のグラフを御覧ください。子宮頸がんと乳がんの検診受診率が向上しているのが分かります。この要因は様々あろうかと思いますが、平成二十一年度から実施をされました検診手帳と無料クーポンの配付事業も大きな要因の一つであったと思われます。 このがん検診手帳と無料クーポン配付事業について、受診率向上の成果、有効性について、古屋副大臣に答弁をいただければと存じます。
○副大臣(古屋範子君) 熊野委員、長年医師としてがん治療等に携わってこられ、専門家としての立場からがん検診の質問をいただいたものと思います。 がんについての正しい知識を分かりやすく記載し受診を促すがん検診手帳と市区町村が実施するがん検診を無料で受診できるクーポン券の配付には、がん検診受診率向上に一定の効果があるものと認識をいたしております。 がん検診手帳とクーポン券の配付は、子宮頸がん、乳がんについて、これまで検診を受診したことがない方にも受診をしていただくため、普及啓発施策として平成二十一年度から開始をいたしました。私も推進をした一人でございます。 平成二十五年八月にまとめられましたがん検診のあり方に関する検討会中間報告書では、がん検診手帳とクーポン券の配付前後で、市区町村のがん検診の受診者は子宮頸がんでは百三十三万人から二百八万人と七十五万人増、乳がんでは百二十七万人から二百一万人と七十四万人増を示しておりまして、増加をしていることが報告をされているところでございます。
○熊野正士君 効果があったとの御答弁、大変にありがとうございます。ただ、このグラフで二十四年から二十六年のデータを見ますと、子宮頸がん、乳がん共に受診率が横ばい状態ということで、がん検診受診率向上に向けた新たな取組も必要というふうに考えます。 〔理事島村大君退席、委員長着席〕 そうした中、個別の受診勧奨、再勧奨の有効性が指摘されております。厚生労働省では、従来からこの受診勧奨、再勧奨に着目をして、先ほどのがん検診手帳の配付といったことも個別勧奨に相当すると思いますけれども、その有効性について、調査結果やデータがあれば是非お示しをしていただきたいというふうに思います。また、今後の個別勧奨、再勧奨に向けた取組内容、さらには各市町村で実施する際の円滑な運用のための工夫などについても併せて答弁をお願いいたします。
○政府参考人(福島靖正君) がん検診受診率向上の施策としての個別受診勧奨、再勧奨の研究でございますけれども、我が国の地域保健・健康増進事業報告などのデータを用いて分析をしたもの、あるいは米国の疾病管理施設、CDCが大学や研究機関の文献を調査した結果から見ますと、がん検診の受診率向上には個別の受診勧奨、再勧奨が効果的であると、こういうことが示されております。 そこで、平成二十八年度、今年度でございますけれども、市区町村が一定年齢のがん検診の対象者に対しまして個別の受診勧奨、再勧奨を行う事業に対して、私どもとして直接補助をしておりまして、その促進を図っておるところでございます。 このほか、より多くの市区町村で個別の受診勧奨、再勧奨、これを実施していただくために、全国健康関係主管課長会議を通じまして、受診勧奨、再勧奨の重要性、これを周知をしているとともに、市区町村職員を対象とするセミナーにおきましても、こういう事業に取り組んでいる市区町村の事例を紹介して、そのほかの市区町村での取組を促しているということでございます。 以上でございます。
○熊野正士君 がん検診の実態調査についての問題点、二つ挙げたいと思います。 一つは、総務省の調査でも指摘されておりますけれども、がん検診受診率の算定方法が各市町村でばらばらで非常に分かりにくいという点であります。二点目は、職場でのがん検診も行われておりますけれども、その実態がつかめていないという点でございます。 この二点について、今後の対策等についてお教え願えればと思います。
○政府参考人(福島靖正君) 市区町村が実施するがん検診の受診率向上の取組を進めていくためにも、その市区町村が実施するがん検診の受診率を的確に把握する、こういう必要があると考えておりますけれども、委員御指摘のように、現在のがん検診の受診率の算定方法は市区町村間で統一されておりませんで、がん検診の受診率や、あるいはその受診率向上のための取組を比較する、こういうことが難しくなっているわけでございます。 このため、がん検診のあり方に関する検討会におきまして、市区町村間で比較可能な受診率の算定方法について御議論をいただいておりまして、大体これでほぼまとまりつつありますけれども、これを用いることによりまして、市区町村間でがん検診の受診率あるいは受診率向上のための取組の比較が行えるようになると考えておるところでございます。 また、職域におけるがん検診の実態把握でございますけれども、昨年の十二月に健康保険組合に対しましてがん検診の実施状況を調査をいたしまして、どれくらいの受診率かという、実施状況かということの調査を把握をいたしました。 今後もこうした調査を進めまして、職域におけるがん検診の実態を適切に把握してまいりたいと考えております。
○熊野正士君 実態調査は施策の効果を判定する上でも非常に重要ですので、どうかよろしくお願いをいたします。 次に、肺がん検診についてお尋ねをいたします。 肺がん検診では、胸部単純写真を撮影しまして、リスクの高い方には喀たん細胞診を加えるというふうにされておりますけれども、この喀たん細胞診を加えることの意義について簡単に説明をお願いいたします。
○政府参考人(福島靖正君) 市区町村で行いますがん検診につきましては、健康局長通知で定めておりますがん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針におきましてその項目を定めておりまして、肺がん検診についてはこの指針の中で胸部エックス線検査と喀たん細胞診を実施するとしておるわけでございます。 この喀たん細胞診につきましては、厚生労働省の研究班が肺がん検診の検査に関する様々な既存の研究を評価して、その検査の推奨度を示しました有効性評価に基づく肺がん検診ガイドラインを作成しておりまして、このガイドラインを根拠としてこの指針の中に取り入れているということでございますけれども、具体的に言いますと、このガイドラインでは、肺がんリスクが高い方に対して胸部エックス線検査と喀たん細胞診を併用した検診を行うことは死亡率減少効果を示す相応な証拠があると、明らかなということの次のグレードでございますけど、相応な証拠があるとされておりまして、これらの根拠に基づいて、現行の指針では原則として五十歳以上で一日の喫煙本数に年数を掛け合わせて算出される喫煙指数、ございますけど、これが六〇〇以上の方に対して喀たん細胞診を行うように定めておるところでございます。
○熊野正士君 ありがとうございます。 その上で、今の肺がん検診ではなかなか検出できない早期肺がんがあることも事実でありまして、いかにして早期の肺がんを発見するのかと。近年、被曝量の少ない低線量CTによる肺がん検診が有用という報告がありまして、このCT検診を肺がんに使ってはどうかという議論があるわけですけれども、CT検診の活用について見解をお聞かせください。
○政府参考人(福島靖正君) 市区町村が実施しますがん検診、対象者や検査項目については、先ほど指針で定めておると言いましたけれども、この指針を作るに当たりましては、がん検診のあり方に関する検討会、ここで検討をいただいて、その検査によってがんの死亡率が減少するという科学的根拠や、そのがんの罹患率、死亡率、こういうものを踏まえて、検診として行うメリットがデメリットを上回ると総合的に判定された場合にこの指針に位置付けるということにしております。 検診における低線量CTの利用につきましては、現在の時点では過去の研究の成果ではまだ証拠が十分でないということでありましたけれども、さらに現在、その有効性に関する研究を引き続き行っていただいておりまして、一定の成果がまとまった段階でこの検討会でどういうふうに位置付けるべきかどうかということについて検討してまいりたいと考えております。
○熊野正士君 次に、緩和ケアについて質問したいと思います。 緩和ケアは、がん対策基本法、またがん対策推進基本計画において重要な柱の一つに位置付けられております。この緩和ケア医療で重要な役割を果たしているのが、各がん拠点病院を中心に配置されております緩和ケアチームであります。しかし、一般にはなかなか周知されていない部分もございます。緩和ケアチームの充実のための取組について、これまでの緩和ケアの経緯を含めて古屋副大臣に答弁いただければと思います。
○副大臣(古屋範子君) がん患者が質の高い生活を送るためには、副作用を和らげる等の緩和ケアが大変重要であると考えております。 第二期がん対策推進基本計画におきまして、がんと診断されたときから緩和ケアの推進を重点課題と位置付けておりまして、全てのがん診療連携拠点病院への緩和チームの設置などに取り組んでいるところでございます。 緩和ケアチームの病院内での周知につきましては、緩和ケアチームが様々な診療科と連携が必要であることを踏まえまして、がん診療連携拠点病院については、病院内の全ての医療従事者に対し、担当する患者を緩和ケアチームに依頼する際の手順を示すことが指定要件として定められております。 一方、がん診療連携拠点病院のがん患者のうち約三割に体に痛みがあるという調査結果もありまして、緩和ケアチームの質の更なる向上が必要であります。 こうしたことから、昨年十二月に作成したがん対策加速化プランでは、具体策として、診療機能の高い緩和ケアチームが他病院の緩和ケアチームの医療従事者を受け入れて実地研修をすることを掲げ、今年度から開始をしております。 このような研修を通じて、緩和ケアに従事する者の更なる技能向上を図ってまいりたいと考えております。
○熊野正士君 ありがとうございます。 あと、緩和ケアを進めるためには、緩和ケアチームの充実に加えまして、広く医療従事者に緩和ケアの重要性を理解してもらう必要があろうかと思います。厚労省として、がん医療従事者への研修を実施しているというふうに伺っております。私の知り合いのドクターも、この緩和ケア研修に参加して、非常にいい内容で目からうろこの内容でしたと、すばらしいですというふうに言っておりました。 この研修について、今までの進捗状況も含めまして、今後の対策について厚生労働省にお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(福島靖正君) 緩和ケア研修につきましては、がん診療連携拠点病院におきまして、自らの施設のがん診療に携わる全ての医師が緩和ケア研修を修了すると、これを目指しておりまして、この研修の受講者数でございますけれども、平成二十年に開始して以来、平成二十八年九月末現在で約八万二千人となっております。更なる受診促進のために、私どもとしては、拠点病院幹部や都道府県のがん対策担当者と意見交換の場を設けまして、それぞれの施設の医師の受講促進やホームページで研修会開催の最新情報の掲載をしていただく、こういう協力を求めております。 また、平成二十八年度の診療報酬改定におきましては、がん性疼痛緩和指導管理料を研修修了者だけが算定できるということにしております。 現在、がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会を開催しておりまして、その中で研修の在り方についても御議論をいただいておりまして、この議論の結果を踏まえて更なる緩和ケアの充実に努めてまいりたいと考えております。
○熊野正士君 緩和ケアは非常に大事だと思いますので、今後とも更なる取組をよろしくお願いをしたいと思います。 あと、次に、介護従事者の方の処遇改善について質問いたします。 私も処遇改善を望む悲痛な声を本当に至る所で伺いました。本年度の補正予算及び来年度予算の概算要求で、来年度から月一万円相当引き上げることが盛り込まれております。財政安定化基金への特例的積み増しなどの措置を講じてとのことでございますので、是非とも着実に実施していただけるよう切に念願をいたします。 その上で、現場の特に若い男性の介護従事者の方からは、本当は介護の仕事をもっと続けたいんだけれども、将来給料が増える見込みがないのでどうしてもほかの仕事に移らざるを得ない、そういった声も多く伺いました。介護の仕事を頑張って続ければ将来は給料が増えていく、そういったことが実感できることが非常に大切じゃないかと思います。 そのために、厚労省は以前からキャリアアップの仕組みづくりに取り組んでおりますけれども、このキャリアアップの仕組みづくりの現状、そして今後の促進に向けた対策について、塩崎大臣に答弁をお願いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話がありましたように、介護現場で働く方々がなかなか定着をしない、あるいは集まらないということで、人手不足で大変困っていらっしゃる方が多いということは私もよく存じ上げて、地元でもよく話を聞くわけであります。 そういうことで、今日まで、まずは処遇を改善するということをやってまいりました。これには当然財源が要るわけでありますから、財源を確保しながら順番にやってきたことでございまして、平成二十一年から、二十一年の介護報酬改定でプラス九千円、二十一年度の補正予算でプラス一万五千円、そして二十四年度の介護報酬改定でプラス六千円、さらに二十七年度の介護報酬改定でプラス一万三千円、合計四万三千円相当の処遇改善を行ってきたわけでありまして、これに加えて、今御指摘のように、平成二十九年度には、ニッポン一億総活躍プランに基づいて介護報酬を改定をし、技能や経験に応じた給料アップの仕組みを構築し、月額平均一万円相当の処遇改善を行うこととしているわけであります。 この技能や経験に応じた給料アップの仕組みというのが今後のステップアップの言ってみれば基盤になるわけでありまして、そういう意味で、今回、明示的にこの技能や経験に応じた給料アップということを申し上げているのはそういう意味があって、今御質問のキャリアアップの仕組みということを御指摘をいただきましたが、まさにここに将来の更なる処遇改善に向けての道筋が埋められているというふうに考えるべきかなというふうに思っております。 今その具体的な制度設計につきましては、社会保障審議会介護給付費分科会、ここで議論をしておりまして、予算編成過程の中でしっかりと検討してまいりたいというふうに思います。
○熊野正士君 ありがとうございます。 介護従事者の処遇改善に向けて、大臣からも力強い答弁をいただきました。私たちも処遇改善に向けて全力で応援してまいりたいと、そのように思っております。 次に、最後に認知症についてお尋ねをいたします。 平成二十七年に新オレンジプランが作成されまして、七つ大きな柱が掲げられております。その一つに、若年性認知症施策の強化というふうにございます。若年性認知症は四十代、五十代に発症する認知症で、働き盛りの男性に多く見られます。全国で約四万人と推定されておりますけれども、年代的には中学生や高校生といった子供を抱え、家のローンも払っている最中といった方も少なくありません。 厚労省として、若年性認知症に着目をして、相談から医療、福祉、就労といった総合的な支援に取り組んでおられます。現在の状況と今後の取組について厚労省に答弁を求めたいと思います。
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。 話がございました若年性認知症の方々は、お話しのとおり、働き世代、働き盛りの世代である場合が非常に多くて、就労あるいは経済的な問題があるということで様々な支援が必要であるというふうに考えております。 お話ございました新オレンジプランの中では、七本柱のうちの一つの柱ということで位置付けておりました。二十九年度末までに全都道府県におきまして若年性認知症施策総合推進事業というのをやろうということにしております。 具体的な事業の中身でございますけれども、例えば、若年性認知症の方とその家族が相談する窓口の設置、それをまた周知するということ、さらには、若年性認知症のコーディネーターを置きまして、この方が医療、福祉、就労のネットワークづくりをするということ、さらには、やはりこれ働き続けることというのが結構大事なので、事業主の方に認知症というのはこういうものだということをきちっと分かってもらって就労を継続してもらう、さらには若年性認知症の方やその家族が集まる居場所づくり、このようなことを総合的にやることにしております。 現在、今年度、四十二の都道府県で実施される予定ということになってございますけれども、引き続き、若年性認知症の方々あるいはその家族の方が地域で暮らしていけるようにこの事業を積極的に広めていきたいというふうに考えております。
○熊野正士君 大変にありがとうございました。 これで私の質問を終わりたいと思います。
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。よろしくお願いいたします。 それでは、一番最初に里親支援についてお伺いしたいと思いますが、児童福祉法につきましては、先日の大臣の御挨拶にありましたとおり、さきの国会におきまして、子供の権利を初めて法律上明確に位置付けるなど、制定以来の抜本的な改正が行われました。その中で、家庭と同様の環境における養育の推進というものが明記されましたけれども、この里親委託率というのはまだまだ低いと。この背景には、社会的な認知度が低いということもありますけれども、里親をサポートする体制が整っていないということも大きな要因だと考えております。 法改正を受けまして、今後、里親をサポートしていく体制を具体的にどう拡充していくのか、大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 保護者のいない子供さんとか虐待を受けた子供さんなどが社会的養護が必要な子供たちとして大事に温かく養育をされていく、それも家庭の中で養育をされていくというのが一番望ましいわけでありますが、必ずしもその家庭がそのようなことをできない状態の場合も間々あるわけでありますので、そういうこともあって児童福祉法の改正を先般行わせていただいたわけでございます。 今回の改正法においては、家庭における養育が困難又は適当でない場合、その場合には、まず家庭における養育環境と同様の養育環境で養育されるようにということで、これが今御指摘をいただいた里親、そして並んで特別養子縁組など養子縁組、これを指して家庭における養育環境と同様の養育環境ということで、これをしっかり伸ばしていこう、つまり、本当の生みの親に次ぐ家庭に近い養育環境ということでございまして、ここにサポートをしっかりやらなきゃいけない。しかし、今お話しのように、里親必ずしも伸びていないじゃないか、こういう問題があることはよく分かっているところでございます。 里親制度の広報啓発などによる里親開拓から委託児童の自立支援まで一貫した里親支援を都道府県の児相の業務として位置付けておりまして、こうした業務が確実に実施できるように、本年四月に策定をした児童相談所強化プランにおいて、児童福祉司等の専門職の配置の充実や資質の向上を図ることなどを盛り込んでいるわけであります。 今まで里親支援員ということで、特に児童養護施設にお願いをすることが多かったわけでありますが、児童養護施設はそれなりに、施設は施設としてもういっぱいいっぱいに、子供さんのお世話をするので手いっぱいでありまして、必ずしもそこの予算を増えたらうまくいくかといったらそんなことはない。やっぱり一義的には児相が責任を持ってやるということが大事で、私が見た幾つかのところ、特に例えば福岡市の児相などには、かなり専任のスタッフが里親の担当を担って責任を持ってそこはやっている。もちろん、NPOやあるいは児童養護施設と連携をしてやる、これは当然すばらしいことだと思いますが、しかし、やはりどこかが責任を持ってマッチングをするということをやっていかなきゃいけないので、やはりこれは児相がやるだけの体制を用意をしなければいけないということで、当然、そのことについては必要な財源、この確保が必要になってくるわけでございますので、より充実した里親支援が図られるように、実態も踏まえながら予算獲得に向けて努力をしなければいけないというふうに思っております。
○山本香苗君 是非よろしくお願いしたいと思います。 早急に取り組んでいただきたい点を何点か御質問させていただきます。 まず一点目、里親証明書です。 現在、里親登録されても、対外的に里親であるということを証明するものがありません。ですので、例えば熱が出て子供を病院に連れていったとき、必ずどういう関係ですかと、そのように聞かれて、里親であることを名のったとしてもけげんな目で見られると。子供も不安になっていると。こうしたことがないように里親証明書を作ってもらえないだろうか、それも持ち運びできるようなカードの形で作ってもらえないかと、そういう声が里親さんたちから上がっておりますが、作っていただけますか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 現在、里親として登録されるために必要な研修を修了した方に修了証書というものを交付をしておりますけれども、これは書類でございまして、一部の自治体においては、今御指摘いただきましたように、児童相談所の養育里親名簿などに登録されていることを公的に証明するものとして独自にカード形式の里親証明書を発行しているというふうに承知をしております。 今お話ございましたように、この証明書、病院ももちろんですけれども、市役所とか学校などにおいて里親さんが子供との関係で手続を行う際に非常に理解されやすいというようなこと、また、公的に里親であることを証明することで里親さんに対する社会の理解が深まって、この制度の普及啓発にもつながるというふうに利点があるというふうに私ども受け止めております。 委員からの御指摘でもございます、当事者である里親の方々のニーズ、あるいは既に証明書を発行している自治体の様式ですとかあるいは取組内容、工夫した点などを把握させていただいて、できる限り多くの自治体で証明書の発行が行われるように取り組んでまいりたいと思っております。
○山本香苗君 いや、できる限りじゃなくて、全都道府県でやっていただきたいんです。かつ、ばらばらじゃなくて全国統一したもので、持ち運びしやすい方式でお願いしたいと思いますが、もう一回お願いします。
○政府参考人(吉田学君) 今御指摘いただきました点よくよく踏まえて、まず実態を把握した上で自治体の方々に御協力を求めて、私どもとしては今先生のおっしゃったような趣旨が実現できるようにしたいと思います。
○山本香苗君 二点目は受診券についてであります。 里親家庭、養護施設で生活している子供は病気やけがをしたときに、児童福祉法に基づいて児童相談所が発行した受診券、これを持って医療機関で受診をします。医療機関で受診券を提示すれば、初診料や薬代といったものは一切里親の負担になりません。 しかし、この受診券を病院で提示したら、これは何ですかと、うちでは使えませんと診察を拒否されるケースが大変多いと。また、病院で治療を受けられたとしても、今度、処方箋を持って薬局に行ったらまた同じように、これは何ですかと、うちでは使えませんと。そういう形で何軒も何軒も薬局を回って、走り回ったと、こういう話はもう山とあるわけなんです。 また、受診券のこの氏名欄のところに、里親さんの名字を使用している都道府県もありますけれども、戸籍上の名字しか認めていない都道府県もあります。そもそも受診券というものは、通常の健康保険証と異なるために、使うときに子供たちが引け目を感じています。身分証明書にも使えないそうです。銀行でどうのこうの言われて何となく傷ついたとか、また、普通にみんなと同じがいいと、そのような子供たちからの声も寄せられております。大人からすると小さなこと、ささいなことかもしれませんが、虐待経験等を受けた子供がこうしたこと一つ一つで心の傷を深めている可能性があります。 子供たちと里親さんたちが是非この受診券を薬局を含めた医療機関で安心して使えるように、是非周知徹底していただきたいと思います。と同時に、受診券への記載等につきまして、今申し上げましたけど、通称氏名を認めている、認めていない、ばらばらじゃなくて、一様にきちっと通称氏名を認めると。こうすれば診察券のところに通称が書かれて、違う名前で呼ばれなくていいんですよ。是非この二点やっていただきたいと思いますが、お願いします。
○政府参考人(吉田学君) 今御指摘いただきました里親に委託されているお子さんの医療費、受診券の点についてでございますけれども、まず、今御指摘いただきましたように、医療機関あるいは薬局においてこの受診券を知らなかったために受診に当たってのトラブルがあるというお話いただきました。これにつきまして、まず私どもとしては、改めてではありますけれども、医療機関がきちっと配慮していただきますように、自治体ですとか医療機関などを通じて、きちっとこの受診券の意義や機能について周知徹底をさせていただきたいというのが一つでございます。 それからもう一つは、受診券の記載の問題、御指摘をいただきました。私ども、受診券の様式については課長通知という形で示しておりまして、その中の氏名という欄があって、そこには、今お話ございましたように、子供の氏名の欄に里親の姓の記載を認めないと、要するに通称を認めないという例があるということも承知をしております。別途、逆に通称を認めるというか、併記をするという形で行っている自治体もあります。なかなかどうしても、公的に同一性を確認するという意味では、ある程度併記という形でこの人はどういう人かということが認められないかなというのがこれまでの考え方でございますけれども、今申し上げたような、子供の氏名の欄に、戸籍上の氏名に加えて里親の姓による氏名を記載できるようにして、例えばその場で呼ぶときにはそちら側で呼んでいただくとか、そういう配慮をしていただけるということを改めて自治体に通知をして徹底をしてまいりたいというふうに思っております。
○山本香苗君 ある里親さんからこんな話を聞きました。休みの日に七歳の女の子を連れて食事に行ったら、お店でたまたまぶつかって、熱いみそ汁を掛けられてしまって大やけどを負ったと。すぐに病院に連れていって治療してもらって、休み明けに児相に報告したら、それは事故じゃないかと、何ですぐ連絡しないのかと、受診券を勝手に使っちゃいけないと児相からきつく叱られたというんですね。でも、土日、児相は休みなんですよ。大やけどをしているのに児相に報告してからじゃないと医療機関にかかっちゃいけないって、余りにひどいと。女の子なので体に跡が残っちゃいけないと思って、形成外科にも連れていったと。そうしたら、また、勝手に使うなと。 このようなことを言われたそうでありますが、受診券を使うに当たって、今医療機関の話をしましたけれども、医療機関との間だけではなくて児相との間でもトラブルがある、こういう実態を是非把握していただきまして、受診券を本当に安心して利用していただける、そういう環境をつくっていただきたいと思います。 もう一つ、里親には手当が支給されております。プラス国から養育に係る費用というものも支給されています。しかし、例えば高校生の教科書代や通学費は含まれていません。大学入学費も支給対象外です。制服代も支給上限を超えると里親が負担しています。つまり、いろんな生活している中で不足した費用は全て里親さんが負担しているわけなんです。都道府県によっては独自にいろいろ助成している場合もありまして、自治体間の差というのがいろいろ調べてみますと四倍から五倍ある感じなんです。 是非お願いしたいんですが、実際どれだけ里親さんたちが子の養育するに当たって費用負担しているのか、実態をまず把握していただきたい、調査していただきたいと。その上で、現行の養育費の水準や項目等が妥当なものなのかどうか是非検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 里親の方に委託されている場合の子供の養育費用につきましては、里親手当月額七万二千円、あるいは一般的な日常生活経費としての一般生活費として月額四万九千六百八十円、かてて加えて、義務教育に必要な学用品とか学習塾の費用などについては措置費として支払わせていただいております。 ただ、今御指摘ありましたように、いろいろなそれ以外にも実態があるということを伺いました。里親委託の現状、あるいは養育に係る費用なども含めまして課題をまず調査をさせていただいて、大臣からお話ございましたように、児童福祉法の改正の趣旨からして里親委託を進めるという流れでございますので、事務方としても検討してまいりたいと思っております。
○山本香苗君 ありがとうございます。 大臣、お伺いしたいんですが、法改正をしましたけれども、十八歳を超えて児童虐待等を理由に保護されたとしても、養護施設に入れません、里親委託もできません。この問題はまだ依然として残っております。 この夏、十八歳の高校三年生の女の子が親からの虐待によって保護されました。相談を受けた児童相談所は、十八歳なので自立援助ホームの入所を勧めましたけれども、自立援助ホームというのは、ホームにもよりますけれども、月数万円の自己負担があります。そのために、彼女は結局自立援助ホームに入らないで友人宅に今身を寄せています。でも、友人宅にいつまでいられるか分かりません。こんな不安な状況でありますけれども、高校だけは卒業したいといって頑張っています。 今回のケースには残念ながら間に合わないかもしれませんが、同様のケースが起きた場合に、せめて高校を卒業するまでは自己負担の部分をぐっと抑えていただいて自立援助ホーム等で生活ができるようにしていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、十八歳で打ち切られるということの問題点についてお話をいただきました。 自立援助ホームにおいては、食費、光熱費など日常生活に必要な経費の一部を確かに入居者本人に一部負担をしていただいているということがあります。この入居者の負担額については入居者の経済状況等に十分配慮した額としなければならないこととしておりまして、収入の少ない高校生などが経済的な理由で入所できないことのないように運用しているというのが制度でございます。 さきの通常国会において成立したこの児童福祉法の改正法におきましては、個々の子供の状況を踏まえて必要に応じて自立のための支援を継続して行うことができるよう、大学等に通っている学生について、二十二歳の年度末までの間、引き続き自立援助ホームに入居し続けることができるようにするということにいたしたところでございます。児童養護施設も同様に、ケース・バイ・ケースではありますが、二十二まで可能ということに制度としてはしたわけでございます。ただ、措置というのは二十歳までであります。 このような考え方から、自己負担額の軽減につなげられるように、二十九年度概算要求において、これは就労や就学が困難な入居者であって収入がない方の措置費の増額を盛り込んでいるところでございます。 こうした取組を通じて、自立援助ホームでの支援が必要な子供が過度な費用負担を強いられて友達の家に居候しないといけないというような不自然な形で負担が掛かるようなことが、しわ寄せが行くようなことがないようにきめ細かな対応を図っていかなければならないというふうに考えておりますし、それまでいた施設にもそのまま場合によってはいられるということも可能になるようにという方向で私たちは議論しておりましたので、そうなるように実現が図られればというふうに考えております。
○山本香苗君 やっていただける御答弁だったと理解して、次に行きたいと思います。 未成年後見人というのがございますが、この制度の重要性を厚生労働省としてはどう認識されていますか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 未成年後見人、これは民法の規定に基づいて、親権を行う者のいない未成年者の財産管理、契約等の法律行為のみならず、監護あるいは教育を行う権利義務を負っておる、そういう子供の権利擁護を図る上で重要な制度だというふうに私ども思っております。
○山本香苗君 民法の制度でありますが、児童福祉法三十三条八で、児童相談所長は、親権を行う者のない児童等について、その福祉のために必要があるときは、家庭裁判所に対し未成年後見人の選任を請求しなければならないとあります。この必要があるときというのはどういう場合でしょうか。
○政府参考人(吉田学君) 御指摘の児童福祉法に基づきます福祉のために必要があるときということにつきましては、児童相談所の運営指針という形において事例を示しております。 具体的には、三つ挙げてございますが、一つ目が、子供らが住居、就労先を確保したため、例えば入所措置とか里親委託が解除されます。その場合に、独立して生計を立てるために未成年後見人による親権の行使が不可欠な場合、これが一つ目。それから、二つ目として、施設入所等の子供たちの多額の財産の管理あるいは法律上の手続を行うために親権の代行ではない未成年後見人の選任が必要な場合。それから、三つ目として、医療ネグレクトの事案のように、親権喪失等の審判があった場合、その後、子供たちに継続的に治療を行うことが必要な場合というものを示しております。
○山本香苗君 確認しますが、すなわち財産のあるなしにかかわらず、児童等の意思表明を支援したり施設等との間の調整を図ったりする場合も必要があるときと考えてよろしいですか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 今、既に示しているものを申し上げた中にも、例えば医療ネグレクト事案に対する治療確保というのを挙げてございますように、私どもとしては、この児童福祉法に言う福祉のために必要があるときとは、財産管理が必要なケースに限られるものではありませんで、委員御指摘のありましたような児童の意思表明などの支援が必要な場合なども当然入り得るというふうに考えております。
○山本香苗君 財産のあるなしで判断しないと、身上監護の必要性があるだけでも当然必要なときと判断するということだと思います。 未成年後見人の大半は親族でありますが、弁護士や司法書士、社会福祉士等、専門職が選任されるケースも増えてきていると伺っております。こうした専門職の後見人は家裁の決定により報酬を得ることができますけれども、事実上報酬を得ることは不可能で、ほとんど報酬をもらっておられません。 こうした実態を踏まえまして、平成二十四年度に報酬の一部を、一か月二万円というのを補助する事業を厚生労働省におきまして未成年後見人支援事業という形で創設をされました。 しかし、児童相談所長が選任申立てを行った事案以外は支援対象外となっております。先ほど局長の方から、財産のあるなしにかかわらず必要があれば後見人の選任申立てをしなければならないという話がありましたけれども、実際の運用におきましては、実は、被後見人、すなわち子供に財産がない場合、こういう場合は、例えば児童養護施設から自立するために賃貸借契約をしなければならない等必要なときであったとしても、なかなか児童相談所長がこういった選任を行わない。こうした場合はこの事業の支援対象外になっちゃうわけなんです、せっかくつくってもらったのに。 また、未成年後見人の、未成年者の資産評価額の合計というのが一千万円を超える場合は一律対象外となっているために、専門職後見人の選任が必要であったとしてもこの事業の支援が受けられないという児童が実際出てきています。 被後見人の子供たちの権利を守るために、専門職後見人の選任がふさわしいケースというものに専門職後見人がちゅうちょするなく就任できるようにするため、当該事業の支援対象の拡大、また今申し上げた資産要件、ここの見直し、是非図っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(吉田学君) お答えいたします。 今御指摘いただきましたように、あるいはこの前に御質問いただきましたように、未成年後見人そのものを選任いただくために児童相談所長が請求をするに当たりまして、子供の財産の要件などについては問うているものではございませんし、そこはひとしく私どもとしては必要だというふうに思っておりますが、御紹介いただきました平成二十四年度から始めております未成年後見人の支援事業、それを財政的に支援するという仕組みにおきましては、今委員御指摘のような形で一定の要件を課しているというのが実態でございます。 児童相談所長以外の方の申出による家裁による選任というのも当然ございまして、司法統計によれば、平成二十七年に新たに未成年後見人とされて任用された方、二千七十二人ですが、そのうち、福祉行政報告例によれば、二十六年度に児童相談所長による請求によって承認されたのは四十五件ということで、ここに差がございます。 今の仕組みではございますけれども、今御指摘いただきましたように、児童相談所長以外の方が未成年後見人を請求する場合、あるいは被後見人である未成年者の資産が一千万円を超える場合であっても、その選任という意味では児童福祉法の観点から望ましいというふうに私ども思っております。 そういう意味では、その選任を支援する未成年後見人支援事業につきましても、例えば現状において、親族等であるか否か、あるいは選任されたときの被後見人である未成年者の年齢とか資産ですとか、その辺りの詳しい実態を私どもとしてはまず把握させていただいて、その上で、その詳細な実態を踏まえて、どのような支援の拡充があるのか検討してまいりたいと考えております。
○山本香苗君 今日は大臣にこの件についてはお伺いしませんけど、是非これ御関心を持っていただきたいなと思っているんです。せっかくの支援制度が使われていないと。これから専門職後見人というのは更にやっぱり必要だと思うんです。そのときにこの支援制度を是非拡充していただきたいと思います。 もう一つ、専門職の方が未成年後見人になることをちゅうちょする理由があるんです。それは何かといいますと、戸籍の記載です。 未成年被後見人の戸籍の身分事項欄のところに未成年後見人の氏名、本籍等戸籍事項が記載されることになっていますが、これが非常に心理的に大きな負担になっていると伺いました。例えば、親権を喪失させられた親が生存している場合などは、未成年後見人に対して攻撃的な行動に出るおそれがあります。また、親が生存していなくても、親族との間で専門職後見人が対立関係になるという可能性もあり得ます。そもそも、戸籍というプライベートな情報を開示することに対するちゅうちょもあると伺いました。 他方、被後見人、子供にとっても、自分の戸籍のところに後見人の戸籍事項が掲載されることに対して抵抗感があるわけです。例えば、結婚するときにこれ何という話になるわけで、これ、今複数の後見人が認められていますから、ずらずらずらっと並んだりするわけなんですね。 それが問題があるというわけではないんですけれども、でも何か問題視する方もいらっしゃるわけでありまして、こういうことも両方にとって望ましくないことでありますので、後見人の戸籍事項が記載されないような仕組み、例えば専門職として登録された事務所の情報を登記すれば足りるような仕組み等、今申し上げたことでなくてもいいですが、何らかの工夫をしていただきたい、是非検討していただきたいと思って今日は金子さんに来ていただきました。よろしくお願いいたします。
○政府参考人(金子修君) 未成年被後見人の戸籍に未成年後見に関する事項を記載する理由についてまず御説明します。 未成年後見が開始するのは、未成年者に対して親権を行う者がないとき、今御説明にあったとおり、例えば親権喪失の審判があったような場合ですが、こういう場合などに開始されるものです。親権に関する事項と同様、未成年後見人は、親権と同様、子の利益のために子の監護及び教育する権利と義務を負っています。言わば親代わりということになります。したがいまして、親権に関する事項と同様、親族的身分関係を登録する戸籍に記載することになじむ、こういう考え方からです。 また、未成年後見について、戸籍でなく、例えば成年後見登記のような別の方法で公示するという方法も考えられますが、このようにしますと、当該未成年者について、親と同様、親権を行使したり、したがって監護、教育したり、それから法定代理権を行使するという者が戸籍を見ただけでは判明しないという不都合が生じることになります。 以上のことから、未成年後見に関する事項について新たな登記あるいは登録のような制度を導入するということについてはいろんな方面からの検討が必要であるように思われます。
○山本香苗君 済みません、せっかく来ていただいたのに、全く分からないんですね。 実は、平成二十三年に法務省の副大臣の方が御答弁されたのが、かつ、事前のレクでも聞いたときにそう言われたんですけれども、要するに、取引相手の方に二重の手間を掛ける、そういう負担が生じるからということをおっしゃられたわけなんです。法務委員会での議事録にもそういうことが載っているんですが、負担が掛かるという話じゃなくて、違う意味での弊害があることにしっかり着眼していただいて、このときも副大臣の方は検討させていただきたいと思いますとおっしゃっているので、是非検討していただきたいと、検討するという御答弁をいただいて、終わりたいと思います。
○政府参考人(金子修君) 今、この子について親は誰なのかということは、戸籍を出すと出された方は分かるということになります。親であっても実は親権を行使できない場合に、未成年後見人という人が別にいるということになりますと、戸籍を出しただけでは全く親権の制限が掛かっていないのと見た目同じ、しかし、この方は親権行使できない、実は別の方が親権を行使するということが戸籍見ただけでは分からないという現象が生じます。 そういうような、今、社会的に戸籍というものがどういうふうに使われているかということも考えながらこの問題を検討しなきゃいけないというようなことがあろうかということで、いろんな方面での検討が必要ではないかと申し上げたわけでございます。
○山本香苗君 引き続きまたやらせていただきます。 終わります。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。 まず、原発の新規制基準適合申請審査、これに関する業務を労働基準局が公益事業として労基法の定めによる労働時間の時間外制限を外す通達を出していたと、これ大変な話だと思うんですけれども、これ資料で付けております。一枚目、二枚目とありまして、対象となりましたその適合審査の原発が三枚目、一覧として記載されているものになっております。 そこで、これ、衆議院でも質疑ありまして、九電の要望によってこれ出したんだというやり取りだったわけですけれども、新聞の取材に対して九電はどう答えているかといいますと、二〇一三年七月に適用除外の可否について問い合わせたという回答なんですね。ところが、衆議院での大臣答弁は、適用除外の要望があったと、違うんですね。どっちが事実か、これは確認させていただきたいのと、九電以外の事業者から要望はなかったという説明ですけれども、可否についての問合せもなかったのか、よろしくお願いします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘の、衆議院の予算委員会でこの問題が取り上げられまして、それが今月の十二日、それから二十一日の衆議院厚生労働委員会、ここで取り上げられたわけでありますが、通達発出の端緒は九州電力からの要望があったことだと私の方から答弁を確かにいたしました。具体的には、九州電力からは、新規制基準への適合性審査に関する業務を、公益上の必要により集中的な作業が必要とされる業務として、厚生労働省労働基準局長が指定するものの一つとして限度基準を適用させないこととしてよいか確認をしたいとの問合せがございました。今先生から御指摘があった、この確認したいという問合せということでございますが、厚生労働省としてはそれを要望として受け止めたというふうに理解をしております。 通達発出前の検討段階で他の電力会社などからの同様の要望や相談、問合せはあったのかなかったのかということでありますが、これはなかったと承知をしております。
○倉林明子君 よいかと、可否を聞いたという対応について要望があったという受け止めだったんだという説明だったかと思います。他の事業者からは要望はないということははっきり答えられました。 つまり、当時の適合審査申請事業者、一覧になっておりますけれども、ここに進んで時間外労働の規制を規制当局が外したと、これが重大だと思うんですね。労働基準局が自ら、要請もないけれど、拡大して規制外しやったということだと思うんですよ。 高浜原発の適合審査、これ担当していた関電の職員が、これ実際、通達の対象ではありませんけれども、残業時間が最大月二百時間、過労死ライン超えて自殺していたと、これ報道で明らかになっております。適用除外ということは、これ三百六十時間、年間の残業時間規制は残るという適用です。ところが、これ、原発の適用になっている一覧見ていただきますと分かりますとおり、いまだ申請、この適合審査、合格していないところの方が多いんですよ。三年も出し続ける根拠というのは私はないと思うんです。 改めて求めたいと思います。この通達については、既に一年を経過した時点でもう撤回すべきだったものだと思う。遅いとは思うけど、今からでも撤回したらいかがかと。決断を求めたい。
○国務大臣(塩崎恭久君) 平成二十五年の通達に基づく取扱いについて、この福島第一原発における事故を受けて、原発の再稼働に当たっては原子力規制委員会による新規制基準に基づく審査を受けることが必要になったこと、そして、こうした審査に対応する必要があるとの電力会社からの要請が九州電力からあったということを踏まえて、当時の厚生労働省の労働基準局長が、公益事業の安全な遂行を確保する上で集中的な作業を必要になると認めて、こうした業務のうちの平成二十五年時点において原子力規制委員会に申請されたものに限り、三六協定の限度基準告示の適用を除外することとしたというのが経緯でございました。 このように、御指摘の今通達につきましては、こういった公益事業の安全な遂行を確保する上で集中的な作業が必要だとの当時の状況を踏まえての判断でございまして、発出がなされたわけでありますけれども、今御指摘をいただいて、今からでも遅くないから撤回しろということでございますが、この御指摘は御意見として受け止めてまいりたいというふうに思います。
○倉林明子君 これが実際に長時間労働の規制を外すということになっているわけですよ、三百六十時間残っていても。短期間的には集中業務で、実際に過労死ライン超えるような労働を認めますよということになっているわけですよ。三年もそんな状況を放置するというようなことは規制当局がやるべきことじゃないと思います。長時間労働を是正するというんでしょう。それやったら、さっさと撤回、重ねて求めておきたいと思います。 次に、介護保険について質問します。 大臣は、給付を必要としている方にしっかりと持続的にサービス届けられることが求められるというふうに答弁もされていました、予算委員会。そこで、実態はどうかということで、二〇一四年の法改正及び介護報酬、これはマイナス改定であったわけですけれども、現場の状況なども私、紹介したいと思うんです。 そこで、まず最初に確認したいのは、二〇一五年の介護事業所の倒産、事業の休廃止、状況どうなっていますでしょうか。
○政府参考人(蒲原基道君) お答えを申し上げます。 平成二十七年の介護事業者の倒産件数でございますけれども、東京商工リサーチが行った調査によりますと七十六件というふうに承知しております。また、同年の介護事業者の廃止の届出の件数ですけれども、これは厚生労働省が行った調査では二万六千四百二十八件ということになってございます。ちなみに、二十八年四月現在の請求事業所数は約二十万件ということになっておるということでございます。
○倉林明子君 資料を付けております、四枚目。介護事業所の倒産件数、今御紹介あったように、二〇一五年の実績、そして直近のデータも、これ東京商工リサーチのデータを基にグラフにしました。これ、特徴をよく分かるように、介護報酬の改定実施年度が分かるように印してあるんですね。そうしますと、これ、マイナス改定のときには倒産件数が上がると、プラスになったら倒産件数減ると、物すごい関連性が明らかだというふうに思うんですね。これ、二〇一六年のデータはまだ途中にもかかわらず七十七件、過去最高を今更新中であります。このままこのペースでいくと、今年百件超えるんじゃないかという規模になっているんです。 私、廃止の状況も、二万六千件超えているんだというお話でしたが、今とりわけ小規模事業所、ここに事業継続困難だという状況が広がっているというのが特徴になってきていると思うんです。加えて、介護の現場で大きな問題になっている、これが、要支援一、二の方に対する訪問・通所介護サービスが来年四月に終了して地方自治体の地域支援事業に移行すると、この問題です。移行の進捗状況はどうなっているでしょうか。
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。 平成二十六年の介護保険法の改正で、話がございました要支援者に対する訪問介護と通所介護につきまして、市町村が地域の実情に応じてサービス提供ができるように介護予防や日常生活支援のためのサービスを総合的に実施できる事業を創設したところでございます。現在の移行状況でございますが、市町村は二十九年度、四月までに新しい事業を実施する必要がありますけれども、今年の四月時点では約三分の一に相当する五百十六の市町村が新しい事業を実施していると、こういう状況でございます。
○倉林明子君 来年四月から移行するということで、京都市も準備進んでおります。私、京都市出身でございまして、その状況を聞きますと、訪問介護の報酬額、これを地方自治体が決めるということになるわけですけれども、生活援助がどうなるか、現行のマイナス一五%という設定になっております。さらに、通所でも入浴がない場合、これマイナス一二%という額が示されておりまして、新たな事業の対象になる方どのぐらいいるかというと、二割ぐらいになるというんですね。じゃ、事業所はどうなるかと。マイナスですから大幅な減収が想定されているわけです。結果、事業所では、こうした要支援の方々については、受け入れれば経営難、新規はとても受けられない、こういう実態、広がっているんですよ。 要支援の方々に必要なサービスが提供できる体制、大臣よろしいか、こういう、提供できる体制へ移行すると言っているんだけれども、京都市非常に大変やということになっているわけです。そこで、体制整備できたというふうに大臣お考えでしょうか。どうですか。──いや、大臣に聞いていますので。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、地域支援事業への移行の問題について御懸念を頂戴をいたしたわけでございますが、この新しい事業につきましては、市町村に対して、高齢者のニーズを把握して、既存の介護サービス事業者にサービス提供や担い手の養成を検討した上で地域の支え合いの体制づくりをするというのが重要であるという認識で行っているわけでありますが、新しい事業においては、二十七年四月に事業を開始をした七十八の自治体に本年四月の施行状況を確認をいたしました。全体の事業所数は、事業開始後、訪問サービスと通所サービスのいずれも三割強増加をしているということが分かっておりまして、必要なサービスの提供体制が確保はできているんだということをこれについては確認をしているわけでございます。 したがって、厚生労働省としては、来年の四月から完全移行するわけでございますが、今後も引き続き事業に関する検証をしっかりと行って、御懸念のようなことがないように、その結果を踏まえて市町村に対して必要な支援を行ってまいりたいというふうに考えております。
○倉林明子君 ちゃんと、答弁の準備するよりも話聞いておいてほしいと。同じ答弁していますよ。 あのね、今、四月からこうしよう思うているところが大変になっているんですよという話を紹介したんですよ。万全じゃないんです。その上、老人クラブとかボランティアも巻き込んでやってもらうという仕組みになっています。 しかし、この地域支援事業、ここでもう一つ重大な懸念出ているのが介護の質です。これ、介護の質が確保できないと、これまで維持できていた軽度な状態が維持できなくなって重度化が進むんじゃないかと、重度化が進んでいったら逆に給付費が増大するんじゃないかと、こういう懸念も出ているわけで、これに対する私、検証が必要だと思うんですよ。されていますでしょうか、大臣。
○委員長(羽生田俊君) まず、蒲原局長、答えてください。
○政府参考人(蒲原基道君) ただいま話が出ましたサービスの質についてでございますけれども、新しい事業につきましては、先生のお話ございましたとおり、これまでの言わば専門的な事業者から同様にサービスを受けるという場合もあれば、それ以外にそのほかNPOだとか民間企業とか多様な主体によるサービスを提供する、話がございましたボランティアも含めてということでございます。 その上で、新しい事業を二十七年四月から開始した七十八の自治体に対して今年の四月の状況を確認したところ、一応事業利用者の状態像については、総合事業への移行を理由とする状態の悪化は見られていないということが当初の七十八については言えます。ただ、これはあくまで当初の段階でありますので、引き続き事業に対する検証を行って、あるいは市町村に対する適切な支援といったことを行っていきたいと、このように考えております。
○倉林明子君 検証はまだやっていないということがはっきりしたということだと思います。 それで、一四年度のマイナス改定と同時に、法改正、この影響も今現場は大きく出ておりますよ。一定所得以上の方の二割負担導入、更に補足給付の要件の厳格化ということで、認知症の人と家族の会、これ京都市内に本部もありまして、お話もよくお聞きしております。 ここで言うと、二割負担の例はどうなっているかといえば、ちょっとの所得オーバーで二割負担になった。三人の親を入所させていると、要は四人になりますでしょう、義理の親も含めて。うち、三人入れていると。ところが、もう五・四万円増えたと。もう、引き揚げるというか退所を考えざるを得ないという方が出ているんですね。 さらに、給付の要件厳格化というのは、負担増の規模が違うんですね。二倍から四・五倍という規模で増えて、六万円から八万円の負担増という、その負担の規模が大きく増えたという方の声をたくさん聞いております。十一万円負担増になったという例も出ているんですね。 私、認知症の人と家族の会が要望書で出しております、今回の費用負担余りに過酷だと、この声、大臣、どう受け止めますか。大臣の受け止めを端的にお答えください。
○国務大臣(塩崎恭久君) そもそも法改正がなぜ行われたのかということを考えてみれば、それは当然のことながら保険料の上昇というものをどうやって最小限に抑えて制度の持続可能性を高めるかということが大事で、これは当然、負担能力に応じた負担ということを負担に関しては言っているわけでございまして、こうした趣旨から今回の改正が、法律改正が行われたわけでございます。 サービスの受給者数の伸び率につきましては、平成二十八年八月の見直し実施前後においてこれまでの傾向と比較をいたしまして顕著な差は見られていないということでありますが、もちろん一部負担が増えている方がおられることは、今申し上げたように負担能力に応じた負担の実現ということを考えてみればそのとおりでございますが、しかし、きめ細かく見ていくことも同時に大事だということはよく理解をしているところでございます。
○倉林明子君 いや、きめ細かく見ていかなあかんというようなことと違うと思うんですよ。 過重な負担になっているという声に対して今政府が進めてやろうとしていることはどういうことですか。更に給付は減らす、負担は増やすと、こういう方向じゃないですか。私は、さらに、この介護保険、これ強制加入ですからね、強制的に保険料は徴収しながら利用者からも家族からも介護の給付を外すみたいなやり方はもう国家的詐欺やと、こういう批判免れないという指摘を強くして、引き続き続きの議論はさせていただきたいと思います。 終わります。
○東徹君 日本維新の会の東徹でございます。 まず、今日もいろいろと話がありましたけれども、厚生労働省の予算ですけれども、これは、もう全体の一般会計の三分の一をこれは占めておるわけでありまして、歳出というのがこれから年々やっぱり増えていくということは大変明らかなことだと思います。 そんな中で幾つか質問させていただきたいと思いますが、まず最初に、ちょっと後で順番変えさせていただきますけれども、まず最初に、通告どおり、契約の在り方についてまずお伺いをさせていただきたいと思います。 平成二十七年度におけます厚生労働省の少額随意契約、少額随契を除いた全体では七千三百四十四件あります。今日、資料を付けさせていただいておりまして、契約件数、少額随契を除くと七千三百四十四件ありまして、そのうち一般競争入札、これが六割の四千二百六十八件あるわけでありまして、残りの約四割に当たる三千七十六件につきましては随意契約という形になっているわけですね。 平成二十二年度ですけれども、当時、恐らく民主党政権だったと思うんですが、厚生労働大臣からは公共調達の適正化ということについての通知が出ております。その通知には、全ての調達は原則価格のみを基準とした一般競争入札とすることというふうにありまして、まだまだこれは随意契約が非常に残っておるというのが現状です。 これを見ていきますと、一般競争入札と随意契約とではやはり落札率、平均落札率でいきますと一六%差が出てくるわけですね。国民の税金をやっぱり効率的に使っていかなきゃならないわけでありまして、一般競争入札へ更にこれシフトしていくべきというふうに考えますが、なぜ随意契約がこのように四割も残っているのか、まずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 国が行う契約につきましては、平成十八年の財務大臣通達に基づいて、今お話のありました一般競争入札、これによることを原則とする一方で、公共料金など契約の相手方が限られるもの、あるいは新規の研究開発、調査事業など入札のための仕様が確定できないものなどを随意契約によって調達をするということになっています。 厚生労働省におきましては、調達の適正化を図る観点から、省独自の取組として一定額以上の調達については調達方法等を事前審査をするということとしております。この委員会の審査では、随意契約が真にやむを得ないものであるか、より競争性の高い契約へ移行することができないかなどについて確認を行っております。こうした仕組みの活用も含め、引き続き適正な調達の実施に努めてまいりたいと思っております。
○東徹君 審査をやっているということでありますけれども、これ、一般競争入札の総合評価方式と随意契約の企画競争と比べますと、平成二十六年と二十七年、総合評価方式の件数が二百四十二件増える一方、企画競争の場合百七十件減っているわけですね。これは、落札率においては、総合評価落札方式の方が企画競争よりも一一%低いわけですから、これはいい傾向ではあるというふうに考えるんですけれども、先ほどおっしゃった、平成二十七年度における企画競争の一者応札の契約件数、契約二百二十二件を確認していきますと、総合評価方式でも実施可能と思われるような契約が企画競争の形で、随意契約というふうな形でなっております。 例えば、通年雇用促進支援事業委託契約とか、生活保護基準の検証に資するデータの整備及び分析業務とか、こういったものが企画競争の形で随意契約となっているわけですけれども、やはりより価格における競争を推進するためにも、企画競争の契約について総合評価方式へと変えていく必要があるというふうに考えますが、御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(宮川晃君) お答えいたします。 国が行う契約につきましては、一般競争入札によることは原則でございますが、今先生が御指摘いただきましたような二つの事業、例えば通年雇用促進支援事業のように、効果的な取組に地域差があり、画一的、標準的な内容で対応できない、あるいは生活保護基準の検証に資するデータの整備及び分析業務のように、どのようなデータ整備あるいは分析が必要とされるか、具体的な業務内容、業務量が確定していないなどの理由によりまして入札のための仕様が確定できないとされている事業につきましては、企画競争により調達しているところでございますが、ただ、先ほど大臣からも御説明申し上げましたように、外部の有識者による事前の審査ということを今後も進めていきまして、できるだけこの企画競争のものを総合評価方式へ変えていくという努力を続けていきたいと考えております。
○東徹君 是非そのようにしていただきたいと思いますけれども、細かく見ていくと、毎年やっているのに、えっ、何で随契なのかと、これはありますから。是非それは一般競争の方へしていっていただきたいというふうに思います。 一者応札についてお伺いいたしますけれども、平成二十五年から二十七年度までの一者応札の件数、これは毎年一千五百件以上ありまして、平成二十七年度では総合評価方式の五割以上、企画競争の四割以上がこれ一者応札になっているわけですね。落札率を見ますと、企画競争の一者応札の方がそれ以外よりも高くなっております。適切な競争をこれは進めていかなきゃならないというふうに考えます。一者応札を更に減らす必要があると思いますが、どのような対策を行っていくのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘を一者応札につきましていただきました。 これまで価格による競争がない企画競争、これを中心に見直しを進めてまいりました。その結果、平成二十七年度の企画競争における一者応札、これは前年度の半分以下となっておるわけでございますが、やはり引き続きこれは、一者応札は減らすということが必要であるというふうに考えております。 応札者を増やすということをどう実現するかというための具体的な取組としては、公示期間を十日間以上とする、あるいは仕様書を具体的で分かりやすくすること、過去に説明会に参加したものの応募しなかった事業者への声掛けを行うといったようなことなどについて、公共調達委員会の事前審査においても指摘などを行っているところでございます。 今後とも、適正な調達の実施に取り組んで、一者応札を減らす努力をいたしたいというふうに思います。
○東徹君 是非、一者応札の割合でいきますと、随契の場合は四四・三一%が一者応札でありますし、一般競争入札、総合評価落札方式でも五六・七%と非常に高いわけですから、是非減らす努力をしていただきたいと思います。 続きまして、ちょっと順番を変えさせていただきまして、診療報酬請求に関する調査のことについてお伺いをしたいと思います。 今日付けさせていただいております資料の三枚目、個別指導の実施状況でありますけれども、厚生労働省、以前から、近畿厚生局など全国八つの厚生局というのがありまして、その厚生局を通じて不適切な請求をした疑いのある医療機関を選定して調査をしております。その選定に当たっては、保険者からの情報提供があったものとか、前年の指導結果が再指導であったものとか、そういったものから全体の保険医療機関の四%程度のみを対象としておるわけですけれども、しかし、そのように選定された中で、実際に調査が行われているのは、平成二十六年度では、全国では選定数の五六%、約二分の一、大阪なんかだと選定数の一六%しか調査を行っていないというのが現状になっています。 実際にその程度の調査しか行っていないということになっていくと、これ、不正請求しても大丈夫だ、安心できるじゃないかと、そういったことが働くのではないかというふうに思います。その原因と対策、これ、どのように考えていくのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘をいただいた個別指導、保険医療機関に対する個別指導でございますけれども、不適切な診療報酬請求に関する情報提供があった場合、あるいは前年度の個別指導結果が再指導であった場合、それから患者一人当たりの請求点数が多い、高い、こういったことに該当する医療機関を総医療機関数の四%程度選定をするということにしております。 平成二十六年度においては全国で約八千件を選定をしておりますが、その中から情報提供があった医療機関と、それから前年度の個別指導結果が再指導であった医療機関を優先的に選びまして、四千五百件の個別指導を実施をいたしております。今御指摘をいただきましたけれども、大阪府など医療機関数の多い都市部におきましては、地方厚生局の厳しい定員状況もあって、結果として選定数に対する個別指導の実施割合は低くなっているところでございます。 なお、地方厚生局においては、こうした既存の医療機関の個別指導のほかに、請求誤り等を予防する観点から、新規に指定をされた医療機関に対して別途個別指導を実施しているところでございます。 個別指導の実施率を向上させるために、厳しい定員状況ではございますけれども、引き続き地方厚生局の指導体制の強化に努めなければならないというふうに考えております。
○東徹君 これ、しっかりと個別指導の強化を図っていっていただきたいと思いますけれども、東京では結構頑張って、まあ頑張っているといっても二一・八%、神奈川が四五・八四%、ところが大阪になってくると一六・二%ということになるわけですけれども。 これ、二〇一四年の五月十一日の新聞の記事でありますけれども、ここには厚生局が不適切な請求の疑いがあるとして医療機関を個別指導する際に立ち会う人がいるというふうに書かれているんですね。都道府県の医師会や歯科医師会など各関係団体が指定する医師、この立会いは実は健康保険法や厚労省局長通知で制度化されていると、医療機関の調査に身内の医師が介在すれば調査が甘くなるのではないかというふうに指摘されていまして、立会人が、まあ医師会とか歯科医師会の方だと思うのですけれども、立会人が医療機関の弁護人のようだったというふうなことが記事に書かれております。厚生局の元指導医療官は、振り返ると、医療機関に請求の問題点を指摘したとき立会人の医師からなぜそれが問題なんだというふうに責められることがよくあったというふうなことが書かれております。 利益団体の医師会の立会いを認める制度はおかしいのではないかと、厚生省も医療者側も古い規定に安住しているというふうなことが書かれているんですけれども、これ、今でもこういう状況になっているわけですか。
○政府参考人(鈴木康裕君) 御指摘の新聞記事、平成二十六年五月十一日のものだと思いますけれども、一つは、やはり第三者の方にきちっと公平にも見ていただくという観点で立会いをお願いしているという経緯がございます。中には御指摘になったような例があるかもしれませんが、それは我々としては厳に慎まなきゃいけないというふうに思っていますので、しっかり見ていきたいというふうに思っております。
○東徹君 現実にそういったことが起こっているんだったら、やっぱりここはちょっと見直した方がいいんじゃないのかなというふうに思いますので、医師会とか歯科医師会とか、僕、実際にそういう現場を見ているわけではないですけれども、そういったことがあるというふうな指摘がかなりこれ津々浦々もう書かれておるわけでして、そうであるならば、やっぱりまずは、医師会とか歯科医師会の立会いなしにまずやるところから始めてはどうかと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(鈴木康裕君) 基本的にやはり第三者の方に立ち会っていただいて公平性を担保するということも大事だと思いますので、御指摘のような偏りというのがないような方策を、どういう方策が取れるのかということをしっかりと見ていきたいというふうに思います。
○東徹君 ちょっと非常にそこはなかなか理解できないところでありますけれども、じゃ、個別指導の中でも改善されなかった医療機関などに対してより厳しい監査を行うことになっておるわけですけれども……(発言する者あり)
○委員長(羽生田俊君) 御静粛にお願いします。
○東徹君 何ですか。もう一回言ってもらっていいですか。
○委員長(羽生田俊君) いや、お続けください。どうぞ続けてください。
○東徹君 いや、何かあるなら手を挙げて質問してくれて結構ですよ。質問していただいて結構ですけれども。
○委員長(羽生田俊君) 御質問を続けてください。
○東徹君 個別指導でも改善されなかった医療機関などに対してより厳しい監査というものが行われるわけですけれども、二十五年、二十六年行われた監査の件数、これ、まず伺いたいと思います。
○政府参考人(鈴木康裕君) 保険医療機関等に対する監査の実施件数でございますが、平成二十五年度が九十四件、二十六年度は八十七件というふうになっております。
○東徹君 このように、監査の実施についてですけれども、全国的にもこれ少ないんですね。都道府県によってまたこれ差が、まちまちでありまして、このことについてなぜこうなっているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(鈴木康裕君) 御指摘の保険医療機関等に関する監査でございますけれども、まさに個別指導の結果、診療内容や診療報酬請求に不正等が疑われると、監査を行う必要があると判断された保険医療機関に対して行うということでございます。 この実施につきましては、指導のように年間の予定件数とか前もって言うわけにはいかないということでございます、実際の個別指導の結果に基づいておりますので。それぞれの医療機関について個別に監査を行う必要性を判断するということで、その結果として県によって若干の違いが出てくるということだと思います。 今後とも効率的かつ公平な監査、指導の実施というのに努めてまいりたいというふうに思います。
○東徹君 結構ゼロ件の都道府県もありまして、是非そこはしっかりとやっていただいているのかどうか、より厳しく検討していただきたいと思います。 指導とか監査などによって、診療報酬の不適切な請求であるため返還の対象となった金額が平成二十六年度で百三十三億円というふうに言われておりますけれども、実際に医療機関へ返還請求をするのは審査支払機関等でありますけれども、現在の医療費財源の四割が国と地方の負担によってこれ賄われておるわけですから、きちんと返還されるべきというふうに考えますが、厚生労働省として返還されているかどうか確認しているのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(鈴木康裕君) 平成二十六年度において指導や監査の結果に基づく返還を求めた診療額、御指摘のように、百三十三億円余でございます。このうち実際に返還された金額については、基本的には、おっしゃっていただいたように、各保険者の管理に属するというものでございまして、厚生労働省において現時点では把握をしていないということでございますが、実際の返還は、その金額を保険者にきちっと通知をした上で、二つの方法がございます。一つは医療機関等が保険者へ直接支払を行う方式、それからもう一つは審査支払機関が支払う診療報酬と相殺する方法でございまして、いずれにしても、各保険者で適切に対応していただいているものというふうに考えております。 把握についてでございますけれども、実際に保険者が約三千四百ございますので、かつ保険者を通じて把握するということになりますと、各保険者の事務負担もかなり大きくなるということで、なかなか難しい課題があるというふうに認識しております。
○東徹君 三千何百といいますけれども、やはりこれ不正請求が行われたわけで、税金を使ってこれ保険制度が賄われているわけですから、ここはやはりきちんと把握できる方法を考えていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 続きまして、もう余り時間がありませんので、一点だけ質問させていただきたいと思います。 生活保護についてでありますけれども、この生活保護、住宅扶助がこれ増えてきておりまして、住宅扶助が増えた原因と生活保護者の持家の在り方についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(定塚由美子君) お答えいたします。 住宅扶助費の割合が増加した原因でございますが、様々ございますが、まず単身世帯の増加を背景として、生活保護を受給する人より世帯数の伸びが大きくなっていること、また借家や借間世帯の割合が増えていること、さらに公営住宅より民営住宅の居住割合が生活保護受給者に増加していることなどが影響していると考えております。 また、生活保護受給者の持家の在り方についてという点につきましては、生活保護制度は利用できる資産、能力その他あらゆるものの活用を要件としておるものでございますので、居住用家屋については、原則として、そのまま居住する利用価値より売却する処分価値の方が著しく大きい場合、このような場合には売却をし生活費に充てていただくという考え方に基づいておりまして、このような考え方で地方公共団体において指導していただいているところでございます。
○委員長(羽生田俊君) 時間ですので、おまとめください。
○東徹君 はい、これで終わらせていただきます。 是非、住宅扶助についてなぜ上がったのかもう少し分析をしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。 以上です。
○福島みずほ君 希望の会、社民党の福島みずほです。 介護について、まず質問いたします。 要支援一、二の介護予防訪問介護と介護予防通所介護の地域支援事業への移行は今年度中に完了するのでしょうか。四月時点で三二・七%と聞いておりますが、現在移行中の市区町村においてどのような課題が出ているでしょうか。
○政府参考人(蒲原基道君) お答えいたします。 二十六年改正における市町村の事業への移行についての御質問でございました。 お話がありましたとおり、二十四年四月から施行しておりまして、二十九年四月までに全市町村ということでございます。その間において、現在は約三分の一、今年の四月時点で三分の一ということでございますけれども、やはり市町村で幾つか取り組むべき課題があって、現在移行の過程にあるところです。 例えば、一つはやっぱり住民の方だとかにきちっと丁寧に趣旨を説明する、あるいは事業所の方に対してよく相談をすること、さらには実施要綱を作ること、そうしたことに一定の時間が掛かったのが一つございます。 もう一つは、この趣旨は地域におけるいろんな多様なサービスというのを盛り込むということでございますので、そうした新しいサービスの充実には一定の時間が掛かると、こういったことが課題でございまして、そうした課題を踏まえ、現在、来年四月までの全市町村への移行に向けて取り組んでいるところでございます。 厚生労働省としては、是非、きちっと移行できるように、各市町村を対象に必要なセミナーの開催等を通じて支援を行っているところでございまして、引き続き円滑な移行が進むように取り組んでいきたいと、このように考えております。
○福島みずほ君 要支援一、二の通所と訪問がなかなか地域へ移行するのに困難であるというのはあるんですが、今、審議会の中で、御存じ、軽度者に対する生活援助を介護保険給付から外すかどうかという議論になっております。 厚生労働省は、軽度者というのを要介護一、二と考えているんでしょうか。
○政府参考人(蒲原基道君) 軽度者に対する生活援助サービスの在り方につきましては、昨年十二月のいわゆる改革工程表の中で示されておりまして、それに基づいて検討を行っていると、こういう状況でございます。 この検討に当たりましては、軽度者の範囲も含めて生活援助サービスの在り方等について、現在、関係の審議会、これは介護保険部会ですけれども、ここで御議論いただいていると、こういう状況でございます。
○福島みずほ君 でも、要支援一、二はもう既に外すことを決めているんですから、軽度者って要介護一、二、まさか三は入れないだろうと。要介護一、二というのはやっぱり結構重いんですね。これを生活援助から外すことをやめていただきたいというのが、この間も予算委員会で質問しましたが、私の本当に強い強い要望です。 厚生労働省は、長年、訪問看護員の養成研修を実施しておりますが、訪問介護の生活援助について、民間家事代行サービスと同じと考えているんでしょうか。違いがあるとすればどのような違いでしょうか。
○政府参考人(蒲原基道君) お答え申し上げます。 介護保険におけます掃除や洗濯などの生活援助サービスにつきましては、これはケアマネジャーによる自立支援の視点を踏まえたケアマネジメントを実施した上で、利用者の方の意向やあるいは心身の状態あるいはその人の環境等を踏まえて御本人にふさわしいサービスにつなげると、こういう流れの中でのサービスであります。 一方で、民間の家事代行サービスでございますけれども、これは当事者間の自由な契約によってサービス提供がされるものでありまして、両者にはそのような違いがあるというふうに認識をいたしております。
○福島みずほ君 介護保険部会において、厚生労働省は、生活援助を中心にサービス提供を行う場合の人員基準の見直し等を行うことも考えられると論点を提示をしています。これは、介護保険法改正で生活援助を給付から外さなくても、介護報酬の見直しで人員基準の緩和、つまりホームヘルパーの有資格者でなくても提供できるとして実質的に給付から外すことを考えているという理解でよろしいでしょうか。
○政府参考人(蒲原基道君) 御質問の軽度者に対する生活援助サービスの在り方につきましては基本的な考え方がございまして、高齢者の自立を支援し介護の重度化を防ぐという介護保険の理念を踏まえつつ、一方で、現在の高齢者及び将来の高齢者にも必要なサービスを提供するといった意味では、やはり制度の持続可能性ということを一つ観点として考えます。さらには、介護人材の確保が課題となっているといった観点も踏まえて、そうしたことを総合的に踏まえた上で介護保険部会において論点として提示したということでございます。 ただ、現在は、委員御案内のとおり、あくまで論点に基づいて議論を継続しているという段階でございまして、何らかの結論が出ているわけではございません。今後ともしっかりとした議論をお願いしたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 財務省、厚生労働省は、要介護一、二の生活援助を給付から外した場合、認定者の介護生活は維持できると考えているでしょうか。
○政府参考人(可部哲生君) 今委員お尋ねの軽度者に対する生活援助サービスの在り方につきましては、厚生労働省からお答えがございましたように、現在、改革工程表に沿いまして社会保障審議会において議論が進められているものと承知しております。現時点で何らかの結論が出ているわけではないというふうに認識をいたしております。 したがいまして、仮定の御質問にお答えすることは差し控えたいと存じますが、政府内におけるこうした検討は、一つには介護保険制度の持続可能性を確保する、また高齢者の自立を支援する、さらには真に必要なサービスが提供されるようにしていく、そうした観点から行われているものであると考えておりまして、財政当局といたしましても引き続き年末に向けて厚生労働省ともよく議論してまいりたいと考えております。
○福島みずほ君 厚労省、いかがですか。
○政府参考人(蒲原基道君) 今財務省から話がございましたけれども、現在、審議会において何か結論が出ているわけではございません。ただ、基本的なスタンスで申し上げますと、高齢者の自立を支援して介護の重度化を防ぐという基本的な考え方にのっとって、その上で制度の持続可能性というのを確保しながら必要なサービスを提供していくと、こういう考え方の下でこれから検討を更にしていただきたいと、こういうふうに考えております。
○福島みずほ君 要介護一、二で生活援助が外れたら独り暮らしできないですよ。生活援助してもらわなかったら独り暮らしは本当にできなくなる。介護離職ゼロなんてあり得ないですよ。実際そういう人たちがたくさんいます。だから、今日の質問は、財務省、厚労省に、介護保険給付から、というか、要介護一、二の生活援助外すのをやめてくれと、厚生労働大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは予算委員会などでも随分御指摘をいただいてまいったところでございますけれども、先ほど来繰り返し申し上げているように、介護保険の理念は、やはり自立を図り、そして重度化を回避し、しかし同時にこれは長もちする制度でないといけないということでありますし、さらに、厚生労働省にとって大事なのは、それぞれの一人一人にとって必要なサービスはやはり提供していく、最大限、というのが基本でありますので、この四本の連立方程式をきちっと解けるように頑張らないかぬと、こういうことだろうと思います。
○福島みずほ君 今、四立方程式とおっしゃったので、自立支援と介護としてちゃんとやっていくということでいえば、生活援助を外すことはできないというふうに考えます。こんな介護保険四十歳からお金取っていて、要介護一、二で生活援助しないよって、何かもう詐欺商法に遭うのか、やらずぼったくりというのか、介護保険の意味ないじゃないですか。というか、自立支援、今、四立方程式の一つが自立支援とおっしゃったじゃないですか、大臣が。自立支援ができなくなるんですよ。 だから、これは、厚生労働省、財務省も今日来ていただいているので、生活援助を要介護一、二で外すことをしっかり審議会で決めてください。こっちは外すことはやめたけれども、一方でそれは審議会……(発言する者あり)あっ、それは違うんですね。まあ、そうですね。強い要望として、国会議員の一人としてそのことを強く要望いたします。また……(発言する者あり)あっ、違う、外さない。 それと、仮に生活援助から外さないとしても、ほかのいろんな緩和をしないとか、そういうことも強く要望したいというふうに思っています。もうこれ以上介護保険の悪化をしないでくれというふうに思います。自立支援のためによろしくお願いします。 次に、過労死の問題について、労働法制についてお聞きをいたします。 電通の過労死自死事件は大変ショッキングでした。ただ、このことを踏まえてどういう改革をしていくのか。労働基準法上、労働時間の把握義務は明定されていません。三六協定が締結されて七十時間以上は駄目でしたけれども、この会社では、労働時間集計表にて日々の労働時間を記録、しかしこれは自己申告、三六協定の限度時間は七十時間内を意識した過少申告です。時間外・休日労働につき、十月は六九・九時間、十一月は六九・五時間、十二月は六九・八時間、全部ぎりぎりで、自己申告なんですね。本人は、違法にならないように、過少申告といってもすごいですが、していると。弁護士などの計算によると、発病日を十一月七日とした場合、例えば一か月前は百三十五、六時間じゃないか、あるいは、労働基準監督署がこれは頑張っていただいたんですが、百時間を超えているというのが明らかになりました。 何が問題か。このような法制が実態を覆い隠して、長時間労働を放置させる温床になっている。客観的な方法で毎日の始業・終業時間を把握する義務を明定する方向で法律改正を今こそすべきではないか。いかがでしょうか。
○政府参考人(山越敬一君) お答えを申し上げます。 働く方の健康確保を図る観点から、その前提として、労働時間の把握を徹底することは重要であるというふうに考えております。このため、通達によりまして、使用者は、労働者の労働日ごとの始業・終業時刻を確認し、これを記録すること、そして、この記録する方法としては、原則として、使用者が、使用者の現認又はタイムカード等の客観的な記録を基礎として確認し、記録することを求めているわけでございます。また、自主申告制による場合には、労働者に対して適正に自主申告を行うことなどについて十分な説明を行うことも求めているところでございます。 さらに、現在、継続審議となっております労働基準法の改正と併せて省令を改正することとしておりまして、全ての人の労働時間を客観的な方法その他適切な方法により把握することを使用者に義務付けることとしているところでございます。
○福島みずほ君 ホワイトカラーエグゼンプションはまさに自己申告じゃないですか。健康管理時間といいながら自己申告で、この亡くなった二十四歳は自己申告ぎりぎり七十時間超えないように書いているわけで、自己申告では駄目だというふうに思います。これをきちっと労働時間管理ができるしっかりした義務を、客観的な方法で毎日の始業・終業時間を把握する義務を明定する方向でやるべきだというふうに思います。ましてや、ホワイトカラーエグゼンプションなんて論外であるということを強く申し上げたいと思います。 あと、労働時間の例外なき上限規制こそ必要ではないか。さっきも言いましたが、ホワイトカラーエグゼンプションは健康管理時間で歯止めにならないというのがあるんですが、例外なき労働時間の上限規制、いかがですか。踏み込まないと駄目だと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(山越敬一君) 時間外労働の上限規制についてのお尋ねでございますけれども、この上限規制の在り方につきましては、これを含め、長時間労働の是正につきまして、現在、働き方改革実現会議において議論が進められているものと承知をしております。 また、現在、国会に提出をしております労働基準法の改正案におけます高度プロフェッショナル制度におきましても、過重労働の防止策といたしまして、在社時間等の客観的な把握を使用者に義務付けた上で、健康確保のための措置をとることを使用者に求めているところでございます。
○福島みずほ君 ホワイトカラーエグゼンプションは労働時間規制をなくす法制だから、なおさら駄目ですよ。現行法で過労死者が出ているから、ホワイトカラーエグゼンプションなんて論外ですよ。そして、きちっと例外なき長時間労働の規制をやるべきだ。それは是非、厚生労働省、今こそ踏み込んでください。 職場におけるメンタルヘルス対策指針、それから職場のパワーハラスメントの予防・解決に向けた提言があります。でも、これはあくまでも指針と提言でしかありません。 この亡くなった女性は、君の残業時間の二十時間は会社にとって無駄、女子力がないとか、いろいろやっぱり言葉で言われている。これ、何とか法制化をすべきだ。指針、提言の法制化が急務なのではないでしょうか。
○政府参考人(山越敬一君) 御指摘をいただきましたメンタルヘルスに対してでございますけれども、職場におけるメンタルヘルス対策指針につきましては、個々の労働者の置かれた多様な状況やニーズに応じまして、事業者による主体的な労働者の心の健康の保持、これを増進することを目的とするものでございます。 したがいまして、メンタルヘルスについて事業者が取り組むべき事項につきまして、既に法で定められている事項を含めて総合的に定めているものでございますので、これ自体を義務付けていくことは難しいのではないかというふうに思っているところでございます。
○福島みずほ君 会社の中でパワハラやメンタルヘルスに苦しんでいる人がいることを会社が把握できていないんですよ。問題があるじゃないですか。つまり、こういう事件は今の制度に問題があるということをやっぱり厳しく言っているわけだから、そのことを踏まえるべきだと思います。 大臣、大臣は過労死の白書が出たときに、過労死をゼロにすると記者会見をされました。非常に力強いです。いかがですか。少なくとも例えばパワハラの法制化、セクシュアルハラスメントは法制化されています、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 過労死をなくしていくということについては、これは超党派で、法律も皆様方のお力で打ち立てていただいているわけでございますので、その法の精神を大事にして、実際の執行の面で我々もしっかりやっていかなきゃいけないというふうに考えているところでございます。 また、パワーハラスメントの問題についても、これは当然セクハラと並んで大変な問題であることも事実だと思っておりますので、これについての有効な方策というのは一体何なのかということを、今さっき局長の方からもお話を申し上げているところでございますけれども、我々としては、何ができるのか、どういうふうにすることがこういったパワーハラスメントを阻止できるのかということを、有効打を考えていくということが大事だろうというふうに考えておりますので、今、問題意識は受け止めさせていただいて、何ができるか考えていきたいというふうに思います。
○福島みずほ君 労働基準監督官は少しずつ増えているのですが、労働基準監督署の定員、職員の数は減っております。事前にお聞きしたら、二〇一一年度の四千九百五十人をピークに、二〇一六年度では八十一人減の四千八百六十九人と聞いていますが、これでよろしいでしょうか。 それから、労働基準監督署全体の仕事量が増える一方で、労働基準監督官は、監督課業務のみならず安全衛生課業務も担う場合が多いことから、負担が高まっています。この電通のケースも、事前に過労死の事件もあるわけですから、労働基準監督署の職員を増やすことで、実際今までもここの是正勧告も発しているわけですから、やっぱり労働基準監督署の職員を増やすべきだ。いかがでしょうか。
○政府参考人(山越敬一君) お答えをいたします。 平成二十八年度の労働基準監督署の定員は、おっしゃられましたとおり、四千八百六十九人でございます。労働基準行政につきましては、今御指摘もありましたように、過重労働対策や労働災害防止対策、様々な課題に的確に対応できる、そうした執行体制の確保が必要だというふうに認識をしております。 労働基準監督署の定員は、平成二十三年度と比べますと二十八年度は八十一人減になっておりますけれども、他方で、労働基準監督署で支払ってまいりました労災給付につきましてシステム化によりまして本省への集中化をするとか、あるいは再任用短時間勤務職員として定年退職後の職員を活用する、そういったような工夫によりまして、定員の合理化などを図りながら行政課題に対応しているところでございます。 二十九年度の労働基準監督署の定員につきましては、安全衛生業務を担う専門職の増員とともに、長時間労働対策を担う労働基準監督官の七十五人の増員などによりまして、合計百二十九人増員する要求を内閣人事局に提出をしているところでございます。 今後とも、労働基準行政の諸課題に対応できますよう執行体制の確保に努めてまいります。
○福島みずほ君 労働基準監督官と職員の増員をもっともっともっと積極的にやってくださるようにお願いします。 五年たったら無期に転換するという五年ルール、労働契約法の改正は私たちは歓迎したのですが、今逆に雇い止めが起きている。様々な大学で、様々な職場でそのことを聞きます。 資料をお配りしていますが、平成三十一年……
○委員長(羽生田俊君) 時間ですので、おまとめください。
○福島みずほ君 はい、分かりました。 是非、この点につきまして、逆に無期雇用転換が五年雇い止めにならないように、不更新条項が書かされないようにしっかり法制度を是非つくっていただきたいということを申し上げ、質問を終わります。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。今日もトリを取らせていただきます。 本当に皆様方お疲れのところだと思いますが、とても大事な過重労働のところを質疑させていただきますので、どうぞ一緒に考えていただきたいと思います。先ほど大臣もおっしゃっていただきましたように、長時間労働をどうやって是正させていくのかということを検討する、それに当たりまして私から幾つか提案をさせていただきたいと思います。 お手元に資料も届いていらっしゃるかと思います。 実は、塩崎大臣、私、大変感謝をいたしております。昭和四十七年、本当に産業医制度ができてから初めての抜本的大改革を今してくださろうというところで、産業医の在り方についてもこれから法整備がなされてまいります。今年の十月七日には政府が初めての過労死白書も閣議決定をしていただいた、もうこれで私は何か一歩進むんじゃないのかなと思っていたところが、この連日の報道でございます。産業医として怒り心頭でございます。 実は、資料一を御覧ください。面接指導というものがあるということを皆様方御存じでいらっしゃいますでしょうか。長時間労働者へのこの面接指導、二ページ目を御覧ください、百時間を超えるとこれ義務化されております。しかし、ここで一つだけ問題がございます。このフローチャートを見ていただいて、この三番目の括弧のところ、労働者からの申出がないとこれができないということです。 どのくらいの方々が、じゃ実際に申し出て受けてくださっているのか、資料二に付けました。これもようやく厚生労働省が調査をしてくださったところです。百時間を超えたときに申出があったということで事業所をカウントしていったら、何と労働者の申出があった事業所は二〇%に満たないと、こういう状況です。お粗末過ぎます。 私も、これ実は面談を今何社かでしているものなんですけれども、これ、なかなか手を挙げづらいという状況がございます。それでなくても忙しいのにわざわざ面接に行かなきゃいけない。面接に行くということが上司に分かれば、上司は自分のマネジメントの失態だということでなかなか許可をしてくれない、これが現実です。 また、これはまだいいです。実施しなかったという、これ九・六%も。本当にこんな状況でこの面接指導というものが有効に働いているか、私は大変これを見て疑問に思いましたが、本当にこの原因というものを追求してくださっていますでしょうか、田中部長、お答えください。
○政府参考人(田中誠二君) 議員御指摘のとおり、平成二十七年の労働安全衛生調査では、時間外・休日労働時間数が一月当たり百時間を超える労働者から面接指導の申出があった事業場の割合は一九・七%となっております。 労働者からの申出の比率がこのような比率になっているという理由については十分に把握できているわけではございませんけれども、一つには、そもそも労働者の申出を待つことなく百時間を超える全ての労働者に対して面接指導を行っている事業場が相当割合に上るのではないかというふうに一つの理由としては考えております。ただし、そのほかにも、事業者や労働者が制度を十分理解していなかったり、あるいは様々な理由により労働者が申出をちゅうちょされる場合もあると考えられております。 厚生労働省としては、長時間労働者に対して適切に面接指導が実施されることは過労死等の防止のために大変重要なことだと認識しておりますので、引き続き事業場に対する制度の周知、指導を図ってまいりたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 制度はあるんです、実施されていないんです。ここが一番大きな問題ではないでしょうか。厚生労働省は制度をつくるのはとても上手ですが、じゃ、それを実施する、いわゆるPDCAサイクルがいつも回っていないじゃないかという指摘をさせていただいていると思いますけれども、まさに、これを調査をした、ここで終わるんではなく、じゃ、一体なぜこの申出が少なかったのか、本当におっしゃられるように全員が申出があるなしにかかわらずやっているのかどうかという調査と、それからこの実施しなかった九・六%をいかにこれから指導していくのか、ここが大きな問題ではないでしょうか。 こういう穴を空けていたらまた次の報道へとつながってしまう、残念な命の失い方になってしまうということを私たちは肝に銘じなければならないということを是非是非、この事実を重く、この数字を重く受け止めていただきたいと思います。 それから、この資料三を準備させていただきました。 実は、本年九月に日本財団からも自殺意識調査というものが発表がなされております。若者だからもっともっと働かせてもいいだろうとか、もっともっと厳しくしてもいいだろうということではなく、実は自殺のリスクが高い年代というのが若年層、二十代から三十九歳代だということが発表がなされました。 この資料三にも御覧いただけますように、この上の表、精神疾患の労災補償の請求件数、これ、二十から二十九歳代、多いですよね。ほかの世代と比較しても余り変わりないじゃないですか。その下を御覧ください。じゃ、この精神疾患による死亡数、これはいわゆる過労自殺というやつですよね。過労自殺も、実は二十から二十九歳、こんなに多いんです、申請件数として。だから、若者だからほったらかしてもいいだろうなんてことは一切ございません。 厚生労働省の調査によると、大卒の新卒者というものは一年以内に一二・八%、三年以内に三一・九%が辞めてしまっているんだよという事実もございます。これをある企業さんが調べました、その理由でございます。退職に至った理由の半数以上が時間外の労働が多過ぎるから辞めたんだと、やはりこういう現状がある。 やはり私たちもこの事実を重く受け止めるためにもしっかりと、なぜこのように多くの若者が早期に退職をするのかという理由を厚生労働省も調査していらっしゃるのか、鈴木部長、教えてください。
○政府参考人(鈴木英二郎君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、本日発表させていただきました平成二十五年三月卒業生の卒業後の離職率の調査によりますと、卒業後一年以内の離職率が一二・八%、三年以内が三一・九%となってございます。この調査の中では離職理由までは把握してございませんけれども、厚生労働省が行っております別の調査でございます若年者雇用実態調査、これは平成二十五年に調査したものでございますが、この結果によりますと、初めて勤務した企業を辞めた主な理由としまして、これは複数回答で答えておりますが、第一位が労働時間、休日、休暇の条件が良くなかった、これが二二・二%、二番目が人間関係が良くなかった、これが一九・六%、三番目が仕事が自分に合わない、一八・八%となっておるところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 いろいろな調査があり、今回、若者が命を絶ってしまった、そして過労死をしてしまったという報道、これ、将来がある本当に若者にとっては不幸な結果、そしてそれを取り巻く皆様方にとっても大変不幸な結果に終わってしまったんだと思います。私たちは、これを、じゃどうしたらいいんだということをみんなで知恵を集めながら対応していかなければならないと思っております。 それに対しまして、一つ、産業医制度の在り方検討会においても指摘された点について私も提案をさせていただきたいと思います。これは本当に有意義な私は検討会だったと思っております。今まで工場というようなところがベースとして産業医の在り方が検討されてきた、しかし、時代の流れとともに産業医の在り方も変革していかなければならないよねという中におきまして面接指導の在り方の重要性です。 今までは職場巡視という、工場だからこそ職場を見て回る必要があった、安全そして衛生について指導する必要があった。しかし、今回も分かりますように、かなりなストレスというものを抱えた職場の皆様方をどうケアしていくかということに対しては、やっぱり面接指導って大変有効でございます。やはり皆様方が今まで面接指導というものをしていらっしゃったんだろうかということでドクターの方々にも伺ってみましたけれども、その経験がないんですね。診察をした経験はあります。 病院やクリニックで診察をするということは、症状があるからこそいらしていただけるんです。こういうところが悪いんだ、こういうことに困っているんだということを自主的にいろいろと訴えていただくんですけれども、なかなか産業医として面接指導を行うために座っていただいてもカミングアウトはしていただけません。座っても、いや、何でもないです、大丈夫です、その連続ですよね。一言でも何か漏らそうものなら、上司に何か言われるかもしれない、おまえちょっと疲れ過ぎじゃないかとか、若しくはそうやって上長の皆様方から逆に口止めをされていらっしゃるという方もいらっしゃいます。 ですから、いかにその裏に隠されたもの、本当にその仕事が適量配分をされているのか、若しくはやはり仕事の何か律速段階として別の部署が問題になっているんじゃないかとかいろんなことを、そこの中で産業医というものは、そのバックにあるものを少しでも聞き出そうと思って面接指導をしていかなければならないんですけれども、やっぱりそういう手法というものがいつもの診察の手法とは全く別のものという、そのスキルが必要なんですね。しかし、それを受けたことがないドクターがただ座って面接指導してしまったのでは、その点数表だけ見て、あっ、全く問題がないですねというところですっと帰されてしまう、こんなに残念なことはありません。せっかくそこに座っていただいたんでしたら、座っていただいたなりの対応というもの、助言を、その会社に対して、企業に対して与えていかなければならない。 ということは、これからの産業医の研修であったり、若しくは、その講座の中でもいかに面接指導というものが重要であって、それを、スキルを獲得していくというような内容の講習にそちらも変革をしていただきたいんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃるように、変わり行く職場あるいは働き方、そしてまた社会全体的にストレスが多くなっている、そんなことを踏まえますと、産業医等の医師が一定の長時間労働を行った方々に対する面接指導を的確に行うというのは極めて大事であり、また、私どもとしては産業医をしっかりこういったことに対応できるようにしていくということが大事だと思って、まず、この研修、産業医を養成するための研修におきまして、面接指導やカウンセリング等の科目を必修とすると、そして現場での実践力を身に付けていただく、そういう工夫をするということ。それから、産業医となった後においてもこの能力の維持向上が図られるように、長時間労働者に対する面接指導マニュアルを作って産業医向け研修に活用するなどの対応を図っておりますが、マニュアルは作るだけでは駄目なので、これがどう周知徹底されて行動に移されるか、産業医によって、そこのところをしっかり図っていかなければいけないんじゃないかというふうに思っております。 いずれにしても、今後とも、面接指導が的確に医師によって行われるように、研修医等の卒前卒後、併せて充実を図っていかなきゃいけないというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 今までなかなか産業医の専門性を発揮してというような職場が少なかったということも伺っておりますが、今回、大企業でもやはりまだまだ、専属産業医がいるところでも起こってくるんだということは、私ももう一度認識を新たにしたところでございます。今までは、どちらかというと中小企業で、産業医を雇用するようなことが義務付けられてないところでこういう問題が多く発生しているのではないのかなと思っておりましたけど、やはり専属産業医がいるところでさえもこういう問題が起こってくる、そういう穴をしっかり埋めていくためには教育研修というものが欠かせない問題だと思っておりますので、御協力お願いしたいと思います。 それから、これを産業保健の中だけで問題をとどめておくのは大変残念でございます。なぜならば、自殺対策というところで、この新しく厚生労働省管轄となった、また私ども、さきの国会におきましてしっかり自殺対策基本法につきまして改正をしたものでございますので、責任を持って自殺対策という意味においてもこの問題を捉えていただきたいと思っております。 実は、先日、議連でも説明を受けましたけれども、私ども、この自殺総合対策大綱の在り方に関する検討会というものが開催をされるという大変うれしいお知らせもございました。しかし、この会議の中に四名ドクターの参加がございます。三名は精神科のドクターでいらっしゃるんですけれども、やはり産業医はこの中に含まれていないんですね。どうしても精神的なというところだけで走ってしまっているんですけど、実は、平成二十七年度に精神疾患で労災申請した千五百十五名の中でも、過労死ラインに達するような月八十時間以上残業していた方が四割、月百六十時間以上も残業していた方が一割もいらっしゃるということです。 資料四を御覧いただいても、現在の仕事や職場生活に関することで強いストレスとなっていると感じるという方々が、やはりこの二十四年から二十七年見ていただいても半数以上の方がいらっしゃる。やっぱり、この職場環境によっても、もしかしたら自分の命を無駄なことで本当に失ってしまうような形になってしまってはなりません。 この新たに厚生労働省の管轄となった自殺対策において、やはり産業保健というものもしっかりと連携をしながらやっていただきたいんですけど、大臣、いかがでいらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これまで産業保健の分野で、平成十八年に策定をいたしました事業場向け指針というのがございますけれども、過労死対策としてラインによるケア、上司との関係ですね、を含む四つのメンタルヘルスケアの推進を事業場に対して求めてきたわけでございます。全国四十七か所の産業保健総合支援センターにおきまして、ラインケアに関する研修などを行っています。 本年三月に成立をいたしました自殺対策基本法の改正法、これによりまして、自殺対策は保健、医療、福祉、労働などの関連施策との有機的な連携を図るということが新たに基本理念として示されたわけでありまして、この四月に内閣府から厚生労働省へ総合調整の権限を含めた自殺対策の業務が移管をされたところでございますので、省内の体制として、産業保健を担当する部局を含めた関係部局が連携をして一元的な指揮の下で施策を進めることができるように、私を本部長といたします自殺対策推進本部というのを直ちに設置、開催をいたしまして、自殺対策に省を挙げて取り組むことを確認をいたしております。 こうした体制の下で、法改正の趣旨を踏まえ、産業保健と自殺対策についてしっかり両者を連携させて、私自身先頭に立って自殺対策に全力で取り組んでまいりたいというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 まず、内閣府にあったということは、省庁横断的に、その調整機能もしっかりこれから引き継いでいただいて、かつ厚労省の中もしっかり横軸を通してください。そこはお願いを申し上げます。でないと、自殺対策は自殺対策、産業保健は産業保健、また別個のものとして幾つもの制度が確立してしまうことになってしまいますので、そこはお願いをしたいと思います。 最後に、今回のこのような事件、なかなか個別事案として今日も質疑していただけないような場面もございました。 しかし、こういう一つ一つのことをじっくりと掘り下げていかないと、本当に何が起こったのかというのが分からないまま制度化されてしまう、制度がそのまま置き去りになってしまうということがございます。 私は、一人の産業医としても、一体なぜ誰も止められなかったのかということが知りたいです。あれだけSNSでいろんなものが発信をしてくださっていました。その彼女を止めることが誰かができたんじゃないか。だから、そのために何をしなければならないのかということを徹底的に調査をしていただきたいと思っております。そして、それをしっかりと制度として確立していただきたいと思っております。 パワハラのような問題ですとか、やはり勤務間の中でのインターバル制度なんかも、先日発表されてもまだまだ二・二%しか導入されていないようなこんな現実ですとか、できることはもっともっといっぱいあるはずなんです。 ですから、しっかり厚生労働大臣として塩崎大臣が自殺も責任持つとおっしゃっていただいたんですから、この過労自殺等々につきましてもしっかりと自分が責任を持って前進させるというふうにおっしゃっていただきたいんですが、いかがでいらっしゃいますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 言うまでもなく、今回のようなケースを含めて、この労働基準監督署により個別に原因の調査などを詳細に行うということは当然でありますし、また健康管理などの問題があれば、当然その事業場や会社に対して厳しく指導していくということは当然であります。 厚生労働省では、この二十六年の十一月に施行された過労死等防止対策推進法の下で、より幅広い研究を進めるということになっています。具体的には、独立行政法人労働者健康安全機構の労働安全衛生総合研究所において、平成二十二年一月から二十七年三月までの過労死等で労災認定された約三千五百件、それから過労死等として労災請求を受けたものの認定をされなかった六千件、この資料をデータベース化をしておりまして、平成二十九年度をめどに業種別の過労死等に関する詳細な分析を今後行う予定でございます。 当然今の、今回起きているような具体的な目の前の事案についてもしっかり分析の対象にしていくということも大事でありますので、この長時間労働とそれから健康の関連につきましては、この研究所においても約二万人の労働者を対象とする約十年間の疫学研究を今年度から開始をするということにもしておりますので、調査研究の成果を政策にきちっと生かして、産業保健あるいは自殺対策にしっかり反映をさせなければいけないというふうに思っております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 過労死という英語はKAROSHIです。こんな不名誉なことはありません。是非払拭してください。よろしくお願い申し上げます。 以上で終わらせていただきます。
○委員長(羽生田俊君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時四分散会