環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会 第14号
- 発言数
- 173 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 9
- 開催日
- 2016/12/08
会議録
○委員長(林芳正君) ただいまから環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、福島みずほ君、中野正志君、新妻秀規君、辰巳孝太郎君、岩渕友君、藤末健三君、相原久美子君、高野光二郎君、平野達男君及び藤巻健史君が委員を辞任され、その補欠として山本太郎君、中山恭子君、佐々木さやか君、武田良介君、吉良よし子君、舟山康江君、宮沢由佳君、大沼みずほ君、柘植芳文君及び石井章君が選任されました。 ─────────────
○委員長(林芳正君) 環太平洋パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件及び環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案の両案件を一括して議題といたします。 本日は、TPPと農林水産業、食の安全等についての集中審議を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山田修路君 自由民主党の山田修路です。 今日、十二月八日は真珠湾攻撃の日であります。その日に、日米間で懸案になっているTPP協定の審議が行われるわけでございます。総理は近々、真珠湾に訪問されるというふうに聞いております。日米の友好関係が深まることを大いに期待をしているところであります。 私にとってもこの委員会で三回目の質問ということになります。これまでの質問もまとめながらお伺いをしたいと思います。 これまでこの委員会では、与野党共に参議院らしい専門的な、そして深い内容の質疑が行われてきました。その中で、与野党から、TPP協定に代わる選択肢があるのではないか、そういった質問がありました。この点について総理にお伺いをしたいというふうに思います。 第一の選択肢は、トランプ氏が主張する日米二国間の交渉です。 これについては、多分、本委員会のほとんどの委員の方は与野党を問わず反対なんではないかと思います。その理由は、第一に、日本の農林水産業に大きな影響があるのではないか、また、食の安全、安心、例えば食品の添加物であったり、あるいは遺伝子組換え食品であったり、あるいは食品の表示の問題であったり、そういった食の安全、安心に対する影響が大きいのではないか、また、国民皆保険制度や公的医療保険制度、こういったものが崩壊するのではないか、こういった懸念があるということでございます。 しかし、実はこのような懸念、これはTPP交渉参加前に心配されていた事項と同じことなのであります。こういった心配、二国間で交渉をするということになると、アメリカ・ファーストということで標榜してきたトランプさんの下で二国間交渉をする、そうすると、こういったアメリカのむき出しの要求が表に出てくる。そういう意味では、この二国間交渉、大変危険なものではないかと私は思っております。そのような意味で、この日米の二国間交渉はやはり回避すべきものだと思います。 第二の選択肢は、よく議論になっております、アメリカを除いて十一か国でTPP協定のような協定交渉をやったらどうだという話でございます。 総理もこれまで述べておられますけれども、アメリカというTPP参加国のGDPの六割を占めるような国が抜けた協定というのはその価値が非常に小さくなるだろうということ、そしてまた、ガラス細工でできているこのTPP協定の大きなパーツであるアメリカを除いて本当に成り立つのかどうかという問題があります。そういう意味で、安易に十一か国でやればいいということでもないんだろうというふうに思います。 そしてもう一つ、三番目の意見は、ここで少し立ち止まって考えたらどうかという意見もございます。 立ち止まって考えるのもいいんですが、立ち止まったままでは止まったままになります。その後どうするのか、このことが大事でございます。立ち止まったままなら何もしないということになりかねないわけであります。TPP交渉、TPP協定も進めない、十一か国交渉も進めない、二か国交渉も進めない、つまり、これは日本とアメリカの間でEPA、FTAという、そういった自由貿易協定あるいは経済連携協定が何もない状態が続くということであります。我が国がアメリカの市場でほかの国よりも不利な条件で、例えば韓国などに比べて不利な条件で競争をしなくちゃいけない、そういった状況が続くということであります。我が国の経済にとってはマイナスであるということは間違いないと思います。 そういった状況から抜け出すためということで、最も避けなければならない二国間協定に、その道に入っていくということはやっぱり最も回避をしなければならない。すなわち、立ち止まって何もしないということはやはり危険な選択肢だと思います。 総理は、TPP協定の国会承認などこういった国内手続を進める意義について、自由貿易体制をしっかり守っていくという我が国の姿勢をはっきりさせる、あるいはTPP協定で結実した新しいルールを世界のスタンダードにしていくと、こういったことも強調されております。まさにそのとおりだというふうに思います。 それに加えて、ほかの選択肢をいろいろ考えても、やはり今の時点では、このTPP協定について国内での手続を進めて諸外国にも発効のための働きかけをする、この今やろうとしている方針が一番いい方針であるというふうに思います。他の選択肢と比較するというのは、総理はなかなか難しいんだというお話もこれまでありましたけれども、是非総理の見解をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 山田委員から様々な選択肢について大変分かりやすく解説をしていただいたと、このように思います。我々は、今この委員会で御審議をいただいているTPPについて、もちろん状況は米国の政権移行に伴い厳しくなっているのは、大変厳しくなっているのは事実でありますが、我々はあくまでもこのTPPをしっかりと国内手続を進めていく、批准すべきだと、このように今でも強く確信をしているところでございます。 二国間のこのFTAでいけばどうかという議論がございます。それについて、既に山田委員からもその点についての課題等についてお話をいただいたと思いますが、言わば多国間でやる意味については、今まさに、製造業においてはサプライチェーンが幾つかの国にまたがっているというのが今の現状であります。その中において、幾つかの国にまたがってサプライチェーンを構成をしている中において、こうしたTPPのような十二か国が参加する枠組みによってまさにこのサプライチェーンのコストを一気に引き下げていくという大きなメリットがあります。一国一国のFTAであればそれは望めないわけでございますし、また中小企業にとっても一々国別に煩雑で複雑な手続等に対応しなければならないわけでありますが、TPPであれば一つのこのルールで、これは中小企業にとっても大きな負担の軽減になっていくという利点もあるわけでございます。 何よりも、この十二か国が、普遍的価値を共有するこの十二か国が集まって一つの言わば二十一世紀型の模範となるルールを作っていくというところに大きな意義があるんだろうと、こう思うわけでございます。 そして、立ち止まって考えるべきかどうかと、こういう考え方もあるというお話もいただきましたが、ただ、立ち止まったままでは駄目でしょうと、まさにそのとおりでございますし、そして同時に、では十二か国、米国のトランプ次期大統領がああしたメッセージを発する中において、ではなぜ十一か国どこも国内手続を進めるのをやめようと言わないかといえば、それはやはり、このTPPのルールこそ二十一世紀の新しい貿易のルールとすべきだ、こういう固い信念があるからであろうと、こう思うわけでございます。その中で、まさに自由民主主義国家の中で第二位の経済力を持つ日本がこれをやめてしまえばそうした意思もくじかれてしまうと、こう思う次第でございます。 TPPというのはまさに戦略的そして経済的な大きな価値があるわけでございます。そして、日本がTPP並みのレベルの高いルールをいつでも締結する用意があるということを国家の意思として示すものであり、今後の我が国の通商戦略の基盤となると思います。これは他の交渉を加速させる力にもなっていくと、このように考える次第でございます。
○山田修路君 ありがとうございました。多国間協定の意義なりサプライチェーンの意味、お話しいただきまして、ありがとうございます。 そして、今お話がありましたTPPの国内手続を進めているわけですけれども、トランプ氏がTPP交渉から離脱をすると言っていると。もう離脱をすると言っている以上、TPP協定はもう死んだのではないかと、死んだも同然だというようなことをおっしゃる方、無駄な国会審議じゃないかとおっしゃる方がおられますけれども、そうではないと私は思います。離脱の意味というのを少し明らかにしたいというふうに思います。 TPP協定は、御存じのように、今年の二月に各国の閣僚が集まって、ニュージーランドで署名をいたしました。ここで、もう一字一句まできっちりとでき上がったということであります。しかし、まだ発効していない。これは、料理はでき上がったけれども冷蔵庫の冷凍庫に入れてあって、これを解凍して引き出して食べる、もうその段階、もういつ解凍して食べるかというような状況になっているということだと思います。 大統領に就任されて、トランプさんが、その日かどうか分かりませんけれども、TPP協定から離脱をすると言っているけれども、そこで別に消滅してしまうわけではなくて、法律的に考えれば、まだ署名が終わっていないような段階であれば、交渉から離脱をする、交渉から席を立って出てくるということはあると思いますけれども、もう既に署名が終わっていると。そうすると、しかしまだ発効していない、発効していない協定から脱退することもこれまたできないというふうに思います。各国ができるのは、まさに発効のための国内手続をするか、あるいはしないかというだけの選択ということだと思います。 外務大臣にこの点まず確認をしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 委員御指摘のように、TPP協定、各国の署名は終わっていますが、発効していない、この状況にあります。そして、TPP協定上、発効前の離脱、脱退に係る規定、これは存在しないというのが協定のありようであります。よって、TPPにつきまして、トランプ次期大統領、離脱を表明しているわけですが、この離脱ということがいかなる行為を意味するのか、この点について今予断を持って申し上げるのは困難だというのが実情だと思っています。 ちなみに、米国が今後TPP協定を締結するために何が必要なのかということを確認いたしますと、今後、貿易促進権限法、TPA法に従って米国の上下両院でTPPの実施法案が承認され、大統領が同法案に署名する、こういった手続が必要であると承知をしております。 いずれにしましても、我が国としましては、TPPの重要性、意義をしっかりと今後とも粘り強く訴えていきたいと考えます。
○山田修路君 ありがとうございました。 もう一つ確認したいことがございます。 TPP協定に署名をした十二か国が、今外務大臣からアメリカの国内手続のお話がありましたけれども、各十二か国が手続を終了しなければならない期限というものが協定上あるのかどうか。これは、私の理解ではないというふうに理解をしておりますけれども、その辺を石原大臣に確認したいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) 山田委員の御指摘のとおりであると私も考えております。 協定の中にいつまでに期限を定めるというような規定はございません。あくまでTPP協定の第三十章の第五条に協定の効力発生の要件についての規定があるだけでございます。
○山田修路君 ありがとうございました。 まさに、先ほど言いましたように、TPPという料理はできていて冷蔵庫の冷凍室に入っていると、これを各国が手続をして引き出して食べるかどうかということになっているということであります。TPPについてはもう議論する意味がないということではなくて、まさにそういう意味で、先ほど総理が言われたように、TPPの価値というのは十分ありますし、更に国会でよく議論をしていくということも大事なことだということでございます。 前回、前々回質問したことも含めて、ちょっと総括をさせていただこうと思うんですけれども、まず第一に、TPP協定については我が国経済に大きなメリットがあるということ、そして国際経済についてもメリットがあるということ。 そして二番目に、各党が心配をされているような様々な懸念、例えば農林水産業に大きな影響があるのではないかとか、あるいは食の安全、安心、あるいは国民皆保険制度、そういった様々な心配事についてはこれまでの交渉あるいは政府が取ろうとしている対策によって十分小さなものになったか、あるいは、全然関係のないTPP交渉、TPP協定以前の問題を心配されている方とか、そういうことはありますけれども、TPP協定自身には非常にそういった懸念はなくなっている状態だということです。これが二番目のことであります。 そして三番目には、トランプ氏が離脱を宣言したとしても、そこでTPP協定が全くなくなるわけではなくて、これからまたアメリカなりに意見を変えてもらうことも必要ですし、各国に働きかけていくということも必要ですし、我が国が優先して、率先してこの国会で手続を終える、このことが大事なことだということであろうと思います。 そして、もう一つ質問をしたいと思います。 トランプ氏が大統領当選されて、TPPの発効、容易でなくなったということはありますけれども、しかしながら、だからといってTPP関連対策が必要なくなったのかというと、まさにそんなことはないというふうに思います。 TPP交渉の結果、総合的なTPP関連政策大綱を決定をいたしました。この中身は三つあります。第一が新輸出大国になっていこうということ、第二番目がグローバルハブ、つまり貿易・投資の国際的な中核拠点を整備していこう、そして第三番目が農政新時代を開いていく、この三つであります。これらのことは、我が国の産業が海外に展開をしていく、あるいは事業拡大をする、そして生産性向上をしていく、あるいは農林水産業の成長産業化を促す、こういう意味で、TPPの発効が契機となりながらも、しかし新しい日本を築いていくと、そういった対策であると思います。こういったことについて基本的にしっかりと認識をして実施をしていくということが必要だと思います。 総理のお考えをお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年十一月に決定をした総合的なTPP関連政策大綱は、TPP協定を見据えて、輸出促進、対内直接投資の活性化、そして農林水産業の成長産業化といった、TPPによる貿易・投資促進の効果を真に我が国の経済再生、地方創生に直結させるとともに、TPPに関する国民の不安を払拭するために必要な政策の目標を提示したものであります。 これらは、いずれも我が国にとって経済の生産性を高め、我が国を新たな成長軌道に乗せるために必要な政策です。TPPはアジア太平洋の世紀の幕開けを告げるものでありまして、その先にはRCEP、さらにはFTAAPというアジア太平洋の国々とともにもっと大きな経済圏をつくり上げていくことが期待されています。したがって、政策大綱に基づく政策は言わば国家百年の計として中長期的な視点も含め実施していく必要があるものであります。 今後とも、この政策大綱で示された政策目標に沿って政策を展開することで、各国との経済連携の効果を生かして経済再生に取り組んでいきたいと思います。
○山田修路君 ありがとうございます。中長期的な目標ということで取り組むというお話でございました。 農林水産業についてもお伺いをしたいと思います。 平成二十七年度、二十八年度の補正予算でそれぞれ三千億円余りの予算を確保して、農林水産分野での改革に取り組んでいくということになっております。地域でも非常に期待が高い政策でございます。また、今年の十一月には農業競争力強化プログラムというものも決定をされました。これから農業資材の価格の引下げや流通加工分野の改革に取り組んでいこうというような内容、あるいは収入保険制度の創設なども盛り込まれております。 こういった施策を引き続きしっかり実施していっていただきたいと思いますが、農水大臣の決意をお伺いします。
○国務大臣(山本有二君) 委員おっしゃるとおり、TPP関連政策大綱に体質強化、経営安定、さらに成長産業化、こうした提案が盛り込まれておりまして、それを受けて補正予算が三千億以上、二十七年、二十八年にわたって獲得することができました。これによって我が国農業の体質強化がかなり図られてきたというような実感を得ているわけでございます。さらにその上に、この度、農業競争力強化プログラムを設定いただきましたので、これによって、農家それ自身では、その農家の御努力だけでは解決できない構造的な問題、この改革に取り組むことができたというように思っております。 そんな意味で、本プログラムの施策の実現に全力を尽くしまして、農業や関連産業、国際競争力の強化、効率的な流通加工構造の確立、こうしたことによって新しい農業が実現できるように努力したいというように思っております。
○山田修路君 どうもありがとうございました。 このTPP交渉は、民主党政権の菅総理が検討開始をするということを表明されて、野田総理のときに交渉参加に向けた協議を開始したということです。そのバトンを受け継いで、安倍総理がゴールに到達したということだと思っております。こういった経緯も踏まえて、是非、今国会で承認そして可決をしていただきたいというふうに思います。 ありがとうございました。
○徳永エリ君 お疲れさまでございます。民進党、北海道の徳永エリでございます。 今日、まずはTPP対策、農家の強化策にもつながるんでしょうか、農協改革についてお伺いをいたしたいと思います。 十一月十一日、悪名高き規制改革推進会議のワーキング・グループが農協改革に関する意見などをまとめました。今年の四月一日から改正農協法が施行されておりまして、農協の皆さんは農協の自己改革案に沿って今まさに改革を進めているそのさなかにあります。そこに、この規制改革推進会議農業ワーキング・グループは、それではまだ足りないんだと、もっとこれをやれ、あれをやれと、過剰介入というか異常な介入をしているんではないかというふうに私は感じております。 そこで、これ質問通告していないんですが、答えられることですから、山本大臣にお伺いいたします。農協改革の目的は何でしょうか。
○国務大臣(山本有二君) 農家の所得が向上すること、これが最大の目的でございます。そのために、様々な観点からいろんな光を当てて、そして総合的に、客観的にこれを進めたいというように思っております。
○徳永エリ君 農家所得、生産者所得を一円でも増やしていくと、これが最大の目的ですよね。 そこで、規制改革推進会議農業ワーキング・グループのこの農協改革の意見の中身にちょっと触れたいんですけれども、全農改革についてなんですが、農協の人員の配置転換、それから事業の譲渡、また売却にまで言及しているんですね。農産物販売に関しては、全農は、農業者のために、自らリスクを取って農産物販売に真剣に取り組むことを明確にするため、一年以内に委託販売を廃止し、全量を買取り販売に転換するべきであるとか、あるいは、地域農協の信用事業の農林中金等への譲渡を積極的に推進し、自らの名義で信用事業を営む地域農協を三年後を目途に半減させるべきであるとか、それから、北海道とか一部の地域である制度なんですけれども、組合員勘定制度であります、この組勘制度に関しては、農業者の経営発展の阻害要因となっており、当該仕組みをいまだ有している農協は直ちに廃止するべきであるというふうにまとめているわけでありますね。 これに対して、農業関係者の方々や与党の中からも相当これ反発の声が上がったというふうに聞いております。 そこで、十一月の二十九日に政府と与党が取りまとめをしたということでありまして、この内容からは、政府・自民党がまとめたのは農林水産業・地域の活力創造プランでありますけれども、ある意味今お話しした非常に刺激的な内容は削除されていると、大幅に修正された形になっているんですね。 しかし、先日、民進党の農林水産部門会議の中で、削除されたけれども、例えば地域農協の信用事業の半減、あるいは組勘の廃止、これはやるんですねというふうに内閣府の規制改革推進室の担当者の方に聞きましたら、はっきりとやりますと、こう言いました。これは大変に重たい発言だと思っています。 総理も、十一月七日、規制改革推進会議農業ワーキング・グループの提言をまとめる過程の中で、規制改革推進会議において、本日打ち出した方針に基づき、真に農業者の立場に立った提言を早急にまとめていただき、そして、農協組織は真摯に受け止めて実行していただきたいと思います、皆さんからいただいた提案を私が責任を持って実行してまいりますと御発言されておられます。 総理は、規制改革推進会議、この提言を農協改革集中推進期間、二〇一九年の五月までということでありますけれども、これ、七日の日はまだ提言もまとまっていない、それから、政府と与党の農林水産業・地域の活力創造プランもまとまっていないその段階で総理が、私が責任を持ってこの規制改革推進会議の農業ワーキング・グループがまとめたこの内容を実行していくというふうに言ったということは、これは大変に重たいと思うんですけれども、二〇一九年までに信用事業の半減も組勘の廃止も、それから五年後というふうになっているこの准組合員の利用規制も、これ総理はやるということなんでしょうか。お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(山本有二君) 委員御指摘の今回の農業競争力強化プログラムに盛り込まれました全農改革の内容につきましては、全農とも合意をさせていただきました。その上で定められたものでございます。 政府としましては、全農がこのプログラムに従って自己改革を行うことを促すという立場にあるものでございます。その意味におきまして、様々なこの合意までの過程に交渉経過あるいは考えの相違というものが浮き彫りになったこともありますけれども、要はこれからでございます。一つ、これから農業者所得の向上に向かって、政府も全農も共にこの一致点を見出しながら推進していくということが大事であろうというように思っております。
○徳永エリ君 そうしますと、我々の農林水産部門会議の中で規制改革担当室のこの担当者が信用事業の半減も組勘の廃止もやると言ったのは、これはどういうことなんでしょうか。総理にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(山本有二君) まず、信用事業につきましてでございますが、代理店スキームを活用することについて二十六年六月に政府・与党取りまとめにおきまして方向性が出されました。そして、農協改革はあくまで自己改革であって、信用事業譲渡は単協自らが選択するものであるということに立って、二十六年六月のこの政府・与党取りまとめの方向に従って改革を促していくという政府の立場に変わりはありません。
○徳永エリ君 それでは、ちょっと質問の仕方を変えたいと思います。 かつて総理に、規制改革会議、そのときは推進と付いていなかったんです、規制改革会議はどういう役割を担っているんですかというふうに伺ったことがあります。そのときに総理は、民間議員の方が規制改革について闊達に考えを述べていただく場所であると、そういうふうにおっしゃったんですね。 ところが、このTPPと同時に交渉されていた日米の並行協議、この日米の交換文書の中に、これまでの議論の中でもありましたけれども、この規制改革会議というのが入っているわけですね。規制改革についてはこの規制改革会議がしっかりとこれを受け止めていくという形になっているわけでありますけれども、そうしますと、単なる総理の諮問機関というのではなくて、この規制改革、今、推進会議ですけれども、今はどういう役割というふうに受け止めたらいいんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この規制改革推進会議は、これは今、徳永議員から私のかつての受け止め方を紹介をしていただいたわけでございますが、それは基本的にそうでございまして、まさに有識者の皆さんに集まっていただいて、自由闊達に有識者の立場から我々が進めていくべき規制改革について議論をしていただく機関でございまして、それを重く受け止めながら、しかし実際に行政の場で政策に移していく段階においては、関係者等との調整を重ねながら最終的に私が判断をしていく、与党と相談しながら判断をしていくということになるわけでございます。
○徳永エリ君 先ほどの規制改革推進会議の農業ワーキング・グループの提言については総理からはお答えをいただきませんでしたけれども、総理のコメントを見ておりますと、責任を持ってやるということでありますので、恐らくおやりになるんでしょう。今、自民党の北海道の衆議院の方々は、地元に帰って、自分たちが反対したから信用事業の半減もなくなった、それから組勘制度の廃止もなくなったと言っているようでありますけれども、これはやるんだというふうに私は受け止めております。 そして、先ほどの二国間並行協議の中、交換レターの中にある規制改革会議ですけれども、投資というところで、両国政府は、コーポレートガバナンスについて、社外取締役に関する日本の会社法改正等の内容を確認し、買収防衛策について日本政府が意見等を受け付けることとしたほか、規制改革について外国投資家等からの意見を求め、これらを規制改革会議に付託することとしたということですから、これはどこからどう読んでもただの諮問機関ではないということだということも確認をしておきたいと思います。 さて、時間がありませんので、漁業と水産業についてお伺いをしたいと思います。 TPP協定では、この漁業、水産業に関してはどの章に規定されていますか。
○政府参考人(澁谷和久君) まず、水産品の関税など貿易に関する事項につきましては、第二章、物品の市場アクセス章に規定がございます。このほか、環境章、環境というチャプターが二十章にございますが、この環境章におきまして海洋における捕獲漁業に関する規定が設けられているところでございます。
○徳永エリ君 今、環境というお話がございましたけれども、我が国が締結済みのEPAにおいて環境に関する規定が設けられた例はこれまでもありますけれども、TPPでは環境に関して独立の章が設けられました。その中で、漁業の保存及び持続可能な管理に関するルールについて規定されていますが、山本農林水産大臣、なぜこの漁業、水産業が環境の章に設けられたというふうに受け止めておられますか。
○国務大臣(山本有二君) 今、世界の漁業資源の枯渇が問われております。そして、漁業の保存及び持続可能な管理の重要性がますます高まっているわけでございます。TPP参加国の共通認識の中に、水産資源の保護、これを確保しながら持続可能な漁業を実現したいという気持ちが込められております。 他方、地域漁業管理機関における議論におきましても、水産資源の保護を強調した議論がなされることもございますけれども、我が国としましては、科学的根拠に基づいて管理していくべき、それが漁業であるというように位置付けておりまして、今後とも、関係国・地域と連携しつつ、この議論を主導してまいりたいというように思っております。
○徳永エリ君 水産業、漁業、資源管理ということで、国際的にルールを作って海洋資源をしっかり守っていこう、復活をさせていこうと、そういう流れの中で環境の章にこの漁業が入ったんだと思います。 最近は魚群探知機の精度が上がったりとか、それから集魚装置なんかもありまして、大きな網で魚が集まっているところに行って一網打尽にしてしまうと。その中にサメが入ったりとか亀が入ってしまったりということもあって、こういった一網打尽に捕ってしまうという漁業にも問題があるんではないかとか、あるいは日本ではウナギが問題になってきていますけれども、違法、無報告、無規制、こういったIUU漁業というのも問題になってきています。それから、国によっては資源管理、漁獲規制が甘いと、海洋資源を国際的に守って持続的な水産業を確立していこうという流れの中でもっと厳しく資源管理をしていこうと、こういう意見もあるわけであります。 TPPの第二十章の十六条なんですが、海洋における捕獲漁業の四項の(a)、「さめ類については、種別のデータの収集、漁業による混獲の緩和のための措置、漁獲量の制限及びひれのみを採取する漁の禁止」となっています。 捕獲したサメから高価な食材であるひれだけを切り落として残りは捨ててしまうという、そういうフィニングというこのサメ漁に対して、残酷だとかそれから乱獲につながると国際的な批判が高まっています。 日本では、サメ漁といえば宮城県の気仙沼が水揚げ日本一でありますけれども、気仙沼はサメを捕獲して全部を加工しているということですから、このフィニングには当たらないんですね。それでも、環境保護団体とか動物愛護団体から様々な圧力が掛かってきているという話も聞いています。 捕鯨やイルカの漁など、我が国の特定の地域にとって歴史や伝統があって地域の食として根付いている沿岸漁業に対して、IWCの反捕鯨国など、こういったTPP締約国の中には非常に批判的な国が幾つかあるわけであります。シーシェパードや環境保護団体、動物愛護団体などが現地に入って、悪意を持った写真を撮ったり動画を撮って流したりして間違った世論を形成しようとしているところも最近は見られるということであります。 日本はこのフィニングは大丈夫ということではなくて、TPP協定に抵触しないように、国としても、捕鯨もそうですけれども、TPP締約国に更なる、この沿岸漁業、歴史と伝統のある漁業なんだという理解を求めていく取組が必要だと思いますが、この点に関してはいかがでしょうか。
○国務大臣(山本有二君) 一言で言うと、委員おっしゃるとおりでございます。 我が国は、これらの水産資源につきまして、食習慣など、国際会議の中で、多様性が尊重されるべきという主張をしてまいりました。また、地域漁業管理機関によって国際法や科学的根拠に基づいて管理していくべき、そういう主張もしてまいりました。TPP締約国に限らず、国際社会に今後とも丁寧に説明、浸透を図るべきというように考えております。 なお、IWCの話が出てまいりましたが、持続的利用を支持するベトナム、このベトナムが捕鯨につきましてオブザーバーとして参加していただけることになりました。これは朗報でございます。また、ケニアは反捕鯨の立場を転換しまして、持続的利用支持の立場でまた参加していただきました。安倍総理の俯瞰外交がここに、ややこの水産の面でも結実しているのではないかというように思って、心強く思っている次第でございます。 以上です。
○徳永エリ君 是非とも、日本のこの沿岸漁業は本当にしっかり守っていかなければいけないんだということと、それから、乱獲をしたりとか残酷な漁はしていないということをきちんと根拠を持って伝えていかなければいけないと思いますので、これまで以上の取組を捕鯨の方も是非ともよろしくお願い申し上げたいと思います。(資料提示) そして、こちらのパネルを御覧いただきたいと思いますけれども、日本は四方を海に囲まれていますから、水産業は非常に盛んだというふうに多くの皆さんが思っていると思います。かつては水産王国日本と言われた時代もありましたけれども、御覧のように、日本の水産資源は低位水準で推移しているんですね。 TPPのこの条文ですけれども、この条の規定の適用上、ある魚類資源の水準が、最大持続生産量を実現する水準又は入手可能な最良の科学的根拠に基づく代替的な基準値に当該魚類資源を回復させることを可能とするために漁獲量を制限する必要が生ずる程度にまで低い場合には、当該魚類資源は乱獲されているものとするという乱獲の定義があるんですけれども、この乱獲の定義に日本の漁業が当たるのか当たらないのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 今先生の方から御質問がありました我が国水域内の主要魚種資源の中には、例えばスケトウダラ日本海北部系群などといったようなものが資源水準が低くて、TPP協定で定める乱獲された状態にある魚類資源に該当するものと考えております。 なお、これらの資源につきましても、先ほど山本大臣の方からお話ありましたように、その回復を目指しまして、漁獲上限設定等の厳しい管理措置が導入されているところであります。
○徳永エリ君 厳しいというふうにおっしゃいましたけれども、日本のこの資源管理は甘いという声も研究者の中にもあります。太平洋クロマグロ、未成魚の乱獲などで資源が低下していて、一九九六年に六万一千七百九十二トンだった成魚の資源量が、二〇一四年には一万六千五百五十七トンと大きく減少しています。 このパネル、見てください。手の上に乗っかっている、これ、マグロですよ。こんな小さなマグロを、このパネルの下にもありますけれども、もう九割近く捕ってしまっているということですから、資源はどんどん減っていくということであります。 私の地元北海道では、スケトウダラ、それからホッケ、マガレイなど、こういった資源がどんどん減っていって、低位で推移しているということであります。 乱獲であるならば、五項の(a)、漁獲に対する補助金であって、乱獲された状態にある魚類資源に悪影響を及ぼす補助金は禁止されるということになりますが、この補助金は禁止されるということにはならないんでしょうか。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 TPP協定の交渉の結果、漁業補助金につきましては、TPP協定の第二十章、環境のところにおきまして、漁獲に対する補助金であって、乱獲された状態にある魚類資源に悪影響を及ぼすものといったことで禁止されることになったところでございます。 我が国の漁業が漁獲対象としている魚類資源の中には、先ほど申し上げました乱獲されているものに該当するものがあるわけでございますが、しかしながら、我が国の漁業者の漁獲活動におきましては、漁業法とかいった漁業関係法令、あるいはこれに基づく漁業許可、あるいは漁業権免許等の制度によりまして管理されておりまして、我が国の漁業者を支援する補助金は乱獲された状態にある漁業資源に悪影響を与えるものはないと、このように考えておりまして、したがいまして、現行の我が国の漁業補助金はTPP環境章で禁止される漁業補助金には該当しないと、このように考えているところでございます。
○徳永エリ君 乱獲に値する資源はあるということですよね。でも、大丈夫だというお話でしたけれども、私たちがそう思っていても、ほかのTPPの締約国はそうではないと思うかもしれませんから、どうして断言できるのか、どうやって担保するのかというところなんですけれども。 米国、オーストラリアなど十三か国、そのうちの七か国がTPPの締約国、WTOの枠組みを使って過剰な漁業補助金を国際的に規制をしようという、そういう動きが出ていることは御存じだと思います。世界の漁業の三一%が乱獲で持続不可能だと指摘をして、補助金規制に向けた取組が成長やそれから環境保護に重要だというふうにUSTRのフロマン代表も訴えているわけであります。新たなWTO交渉はTPP合意の成果を上げる取組になると、ほかの国の皆さんも参加してくださいというふうに呼びかけているわけでありますが、ここに日本が参加していないんですよね。 なぜ日本は、しっかりと漁業法とか資源管理やっているんだというのであれば、ここに参加しないのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 先ほどお答えしたとおりであるんでございますが、この漁業補助金が悪影響を及ぼしているかどうかといったようなところにつきましては、このTPPの協定の中でも、これにつきましては、補助金の悪影響は、入手可能な最良の科学的証拠に基づき決定するものとするということになっておりまして、やはりこの科学的根拠に基づいて一つ一つ解決していくということになっているところでございます。
○徳永エリ君 分かるようでよく分からないんですけれども、科学的根拠を示して、そして資源管理をきちんとやっているんだと、低推移であるものを徐々に回復させていくんだということをしっかり示していくということなんだと思いますけれども。 先ほどもちょっと言いましたけれども、この日本の水産管理というか漁獲管理に関しては、本当に多くの研究者の方々、様々意見がありますけれども、大変に甘いんではないかというような話があります。環境の変化に対応できていない過剰漁獲、乱獲が主たる要因で、成長する前に捕ってしまっている加入乱獲の状態が日本では続いているんだと。水産庁も、魚がどれだけ減っても、減った水準を基準にして漁獲を継続しているという状況でありますから、このままでは水産資源は回復するどころか減少していくばかりであります。 資源回復、そして持続可能な水産業、これを確立するために更なる厳しい取組が必要なのではないかと思いますけれども、最後に大臣にお伺いをしたいと思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(山本有二君) 水産物の供給を安定的にするためには、委員おっしゃるように、資源管理なくしてはできません。このため、我が国は、漁獲可能量、TAC制度に基づいて、サバ、マイワシ等の七魚種につきまして漁獲量の上限を定めております。この範囲で漁獲するように努めておるわけでございますが、平成二十三年から、地域の関係者の話合いを通じて策定されました資源管理指針と資源管理計画、これに基づきまして漁業者が、操業区域の制限、休漁による漁獲量の削減、こういったものに取り組んでまいっております。 水産庁といたしましても、計画的に資源管理に取り組む漁業者を対象にしまして、資源管理・漁業経営安定対策によりまして、当該対策に加入する漁業者の収入が減少した場合の減収補填を実施しているところでございます。いわゆる積立ぷらす、このような取組を通じまして、我が国の漁業実態に即した資源管理を推進しまして、沿岸漁業が持続的に利用されるように、継続されるように努力してまいりたいというように思っております。
○徳永エリ君 積立ぷらすを御紹介していただいて、ありがとうございました。民主党時代につくった制度でございますので。是非ともしっかり取組をしていただいて、TPPの他の締約国、ほかの国から、日本の漁業は乱獲だ、資源はどんどん減少していっているんだ、補助金をカットしろと言われないように取り組んでいただきたいということ、そして、もう環境問題ですから、やっぱり環境問題という認識をしっかり持っていただいて、国際的なルールの中で取組を進めていただきたいということを改めてお願いをさせていただきたいと思います。 先ほど、違法な漁業も問題になっていると、IUU漁業というお話をしましたけれども、こういうところや、それから農業、農業も日本で年間、農作業中の事故で三百人ぐらいの方が亡くなっておられるんですね。こういう危険な仕事に実は発展途上国では子供たちが強制的に働かされているという現状があります。 TPP協定の第十九章の六条には、強制労働に関し、各締約国は、あらゆる形態の強制労働、児童の強制労働も含む、これを撤廃するとの目標を認める、各締約国は、締約国が第十九章三条、労働者の権利の規定に基づき関連する義務を負っていることを考慮しつつ、自国が適当と認める自発的活動を通じ、全部又は一部が強制労働、児童の強制労働を含む、によって生産された物品を他の輸入源から輸入しないよう奨励すると規定されております。 この条文の、自国が適当と認める自発的活動を通じ、全部又は一部が強制労働、児童の強制労働も含む、によって生産された物品を他の輸入源から輸入しないように奨励するとありますけれども、我が国は強制労働や児童労働による生産物を輸入しないということを奨励をすることを意図した法律が現在ありません。TPP協定が承認、発効した際には是非ともこの法律を作っていただきたい、取り組んでいただきたいということをお願いをしたいと思います。 これは、発効しなくても、もう日本は先進国なんですから、やはり強制労働や児童労働を世界からなくしていくためには世界の先頭に立ってこういう取組をするべきだと思いますけれども、これは私、是非とも総理にお答えをいただきたいんですが、総理、お願い申し上げます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 是非ともということでございますのでお答えをさせていただきたいと思いますが、TPP協定の第十九章は、労働条件の切下げによって貿易・投資を促進することは適当でないとして、締約国間での健全な競争を促しているわけであります。 御指摘の十九章の六条は、各締約国が、自国が適当と認める自発的活動を通じ、強制労働によって生産された物品を輸入しないよう奨励することを定めており、新たな立法措置を求めるものではないということは既に御紹介をいただいたところでございますが、我が国はこれまでも、海外のサプライチェーンにおいても強制労働が行われることがないように、企業が自社の取組を点検するためのチェック項目を整理して公表するなど、企業に対して社会的責任の取組を奨励してきています。 TPP協定は、まさにこのような取組を各国に促しているわけでございます。ある意味では、日本が既にやっていることを各国にそれを促していこうということでございますが、さらに我が国は国際的な強制労働や児童労働の撤廃に向けて、ILOへの拠出を通じて、企業や行政関係者に対して児童労働の廃止等に向けた意識の啓発を行うなど、アジア地域の発展途上国における労働分野での技術協力を行っていますが、引き続きこうした取組を推進していく考えでございます。
○徳永エリ君 是非とも法律を作るという方向で御検討いただいて動いていただきたいということをお願いさせていただきたいと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に今まで私どもが行っている取組について御紹介をさせていただいたところでございますが、このTPPについては法律を作ることは求められていないわけでございます。今、徳永委員の御意見としては、法律を作って、しっかりとそういうところのものは輸入しないという規制を掛けるべきだということでございますが、今の段階においては、我々はしっかりとこの取組を日本では進め、また各国にも求めていきたいと、こういうことでございます。
○徳永エリ君 そういった製品が入ってこないということも大事ですけれども、製品が入ってこなくなれば強制労働や児童労働がなくなるということにつながっていきますので、これからもお願いをしていきたいと思いますし、私たちも取り組みたいと思いますので、是非ともよろしくお願い申し上げたいと思います。 最後ですけれども、今回のTPPの特別委員会の審議の中で一番多く質問されたのは、やっぱり食の安全、安心の問題だと思うんです。 私は、これからどんどん入ってくるであろう米国産の牛肉、これに肥育ホルモン剤が使われているということが大変に心配なんです。米国から入ってくる牛肉に肥育ホルモン剤が使われている、成長ホルモン剤が使われていて、もうこれは私たちは既に食べているわけです。でも、日本の国産の牛肉は肥育ホルモンを使われていない、禁止されているんだと。ダブルスタンダードだというお話がありましたけれども、これ、肥育ホルモン剤は禁止されているんでしょうか。
○政府参考人(今城健晴君) 国産牛についてのお尋ねでございます。 我が国におきましては、肥育ホルモンにつきましては、医薬品医療機器等法に基づく承認を受けた肥育ホルモン剤、これは現在国内ではございません。したがいまして、国内では現在使用は認められてはおらないということでございます。
○徳永エリ君 今、安倍政権の農政は企業参入と規模拡大をしているわけであります。北海道にもメガファーム、ギガファームという、そういった畜産牧場があるんですけれども、これ、国際基準に合わせていくという流れになったときに、なぜアメリカが九割も肥育ホルモンを使っているかというと、やはり短い時間で成長しますから、飼料代の削減につながってコストが下がるということがあるんですね。それから、成長ホルモンを使うと赤肉の部分がすごく多くなるということで、これ皮肉な話ですけれども、健康志向が高まっている米国消費者のニーズに合致するということなんですよ。私たちの北海道でも、赤肉生産をPRしているような企業があるんです。 こういう流れの中で、禁止されていないということでありますから、肥育ホルモン剤を使いたいということで申請があって、そして安全性が確認されれば認可されるということも十分に考えられるわけであります。ここは、何としてでも消費者が選択する権利を残すためには、米国産の牛肉はもう使っているから仕方がない、でも国内産は禁止と、こういうことがTPPでできるのかどうかということだけ伺いたいと思います。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいまの御指摘は、TPPの条項に抵触してできないんじゃないのかという視点で御質問されたと思うんですが、日本がそれを禁止するということは、日本が行うことは可能でございます。
○徳永エリ君 可能だということでございます。 WTOのSPSには予防原則が入っていて、TPPのSPSには予防原則が入っていないと言う方もおられましたけれども、石原大臣の御答弁では入っているということでありますので、ISDSのこともちらちら気になりますけれども、予防原則にのっとって、あくまでも国民の安全、安心を守るという立場で、今後も是非とも、この食の安全、安心の問題に関しては強い思いを持って対応していただきたいということを各大臣にお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。
○舟山康江君 舟山康江でございます。 早速ですけれども、TPP関連予算についてまずお伺いいたします。 アメリカ次期トランプ大統領がTPPからの離脱を宣言したということで、多分多くの人はTPP発効厳しいんじゃないかと思っておりますし、総理も、そう簡単なことではないということをこの特別委員会の審議の中でも何度か言及をされておりました。 そういう中で、私は十月五日の予算委員会で、まだ発効するかどうかも分からない、承認されるかどうかも分からない案件についてあらかじめ予算に計上するという事例は過去にあったのかどうかという質問をいたしまして、通告がないからということでしたけれども、改めて麻生財務大臣に、国会での未承認条約に対する予算措置の過去の事例があったのかどうか、教えていただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のありましたように、過日の御質問、通告がありませんでしたので、私ども調査不足ということだったので、私どもとしては既に書類はお届けしたと思いますが。 国会の承認に先立って関係予算、関連予算というのを計上して国会審議をしたことがあるのかという事例としては、ハーグ条約の中で、国際的な子の奪取、子供を取り合う話の民事上の側面に関する条約というのが例がありまして、このときは解散等々が入ったものですからそういう前例になったという、過去に例があります。
○舟山康江君 ハーグ条約ということですけれども、これ御承知のとおり、もう条約自体は世界で発効していたと。そういう中で、日本が承認するかどうかが問われていたわけであって、今お話しいただきましたとおり、解散等があって少し予算の計上と条約の効力発生にずれがありましたけれども、基本的にはもう発効が前提で、我が国がどうするかということだけだったと思います。 この質問に対して、ハーグ条約しか事例がなかったということは、逆に言えば、発効するかどうかも分からない案件に対してあらかじめ予算を計上したという事例はないということだと思いますけれども、そういう中で、TPP関連予算、これまだ発効していない、国会での承認もまだというこの段階で、今まで幾ら計上されたんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 二つ御質問なんだと思いますが、条約の発効に先立って関連予算を計上して御審議をいただいた事例としては、水銀に関する水俣条約というのがありますのは御存じのとおりです。 それから、今御質問のありました、TPP対策本部がこれ発表しております数字によりますと、総合的なTPP関連政策大綱を実現するための予算として三回、平成二十七年度補正予算において四千八百七十五億、平成二十八年当初予算において一千五百八十二億、平成二十八年度第二次補正予算において五千四百四十九億円を計上しておるというように理解しております。
○舟山康江君 その二年間の予算、三回の予算で合計一兆一千九百六億円の計上となっております。 TPP関連予算という以上、さらにはこれ、今回もTPP関連法案というものが審議されておりますけれども、TPPの発効は相当絶望的だと言われる今、私は、これを前提とした予算、念頭に置いている予算と言ってもいいかもしれませんけれども、予算はやはり執行停止にするべきではないか。また、関連法案は、やはりこれも、発効を待って予算、法の執行が実行できるわけですから、発効の見込みがない以上やはり廃案にして、それでもなお本当にそれぞれの法律が必要であれば、十一本ばらばらにして再度しっかりとした審議をする、やり直すということをするべきではないでしょうか。総理、お願いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 昨年十一月に、TPPの発効を真に我が国の経済再生や地方創生に直結させるとともに、TPPの影響に関する国民の不安を払拭するため、総合的なTPP関連政策大綱を決定しましたが、これまで、政策大綱を踏まえて海外展開を行おうとする中小企業等への支援や、我が国の農林水産業の体質強化が待ったなしの状況の中で、農林水産分野において緊急に実施していくべき体質強化策などの各種施策を実施をしてきました。 これらの予算は、TPP協定の、TPP協定の発効を前提としたか、あるいは念頭に置いたかというふうに言われたんですが、これはまさに、これは見据えたものでというのが正しい表現ではないかと思うわけでありますが、TPP協定の発効を見据えたものではありますが、しかしTPP協定の発効を前提としたものではないわけでございまして、執行を停止することは想定をしていないわけでありますが、いずれにせよ、中小企業が、海外に展開をしようと考えている中小企業の競争力、生産性を上げていくための予算でありますから、いずれにせよ、そうした中小企業が輸出をしていくために資する予算でございますので、TPP協定が発効するかいかんにかかわらず、例えば農業者においても、言わばそれは見据えてはいますが、TPP発効が前提でなくても、農業の体質を強化をして、例えば山形の農家がもっと強化をしていこうと、青森の農家が頑張っていこうというものをこれは応援するためのものでありますから、いずれにせよ、この農家は、この予算は大切なものではないかと、こう思うわけでございまして、TPP協定の整備法案はTPP協定を実施するために必要不可欠なものとして関連する国内法の規定の整備を総合的、一体的に行うものでございまして、同法案のいずれの改正事項が欠けても我が国としてのTPP協定締結の準備は完了しないということでございますので、御了解をいただきたいと、このように思う次第でございます。 法案につきましても、法案につきましても今申し上げましたように、同法案のいずれの改正事項が欠けても我が国としてのTPP協定締結の準備は完了しないということでございますので、これは、我々としては国内手続は進めるということでございますので、これはしっかりと批准をしていただいて、また、この関連の法案についても可決をしていただきたいと、こう思う次第でございます。また、予算については、先ほど申し上げましたように、執行を停止することは想定をしていないということでございます。
○舟山康江君 これ、今御説明いただきましたけれども、TPP関連政策大綱に基づいた予算ですから、まあ前提でも念頭でも見据えたでもいいですけれども、でも、TPPというものをやはり頭に置きながらの予算だということだと思うんですね。それで、TPPがどうも見通せないとなったら、やっぱりこれ、名目、目的が変わるべきなのかなと思うんですけれども、じゃ、それでもやるんだ、TPPを見据えてやるんだということであれば、二十九年度予算にもTPP関連予算というものを計上するつもりなんでしょうか。財務大臣、お願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的にまだ予算編成をしている最中でありますので、今はまだ決まってくる段階の前でありますので、今の段階でお答えするのは差し控えさせていただきます。
○舟山康江君 私、夏の、これ一つ、農林水産省ですけれども、概算要求の概要というものを持っているんですけれども、この中にも、TPPに関しては今後の予算編成過程において検討する、ということで、まあ、まさに検討されているんだと思いますけれども、一方で非常に不思議なんですね。 これまで、TPP発効するかどうかはともかく、ちゃんと見据えてやるんだということで、廃止はしないということで、恐らくそうなると二十九年度予算にも入ってくるのかなと思うんですけれども、これ与党の予算編成大綱、どうも今日決定予定だと聞いておりますけれども、昨日の新聞に、TPP記述が全て削除されているということで、私も入手いたしましてちょっとぱらぱらと見ましたけれども、確かに昨年の予算編成大綱にはTPPというのが幾つも書いているんですが、今年のには一つも書いていないということですね。これは今の御答弁と少しずれるのかなと思います。 いずれにしても、与党の方向と政府は違うはずですから、与党がTPPを抜いたからといって関係ないかもしれませんけれども、しっかりと、今の理屈でいえば恐らく二十九年度予算にもTPP関連予算が入ってくるのかなと、そんなことを思いながら聞いておりました。私は、やはり発効の見込みがない以上、予算も取り下げて、そして法律案についても一回取り下げるということをすべきだと思いますけれども、このまま続けるということで承りました。 さて、今日のテーマであります農業、農林水産業。農業への影響についてお聞きしたいと思います。(資料提示) パネルを御覧いただきたいと思いますけれども、これ何度もこの委員会でも取り上げられていますけれども、二〇一三年度と二〇一五年度、これ農林水産省、内閣府の方でその影響試算をしております。これ、なぜこれほどまでに、二〇一三年では合計二兆九千六百億円、二〇一五年では多くて二千億円ちょっとということで相当違う、十分の一ぐらいだということですけれども、前提が変わったというお話もありましたけれども、とりわけこの黄色で示したところですね、黄色で示したところは、結果的に関税がゼロになり、双方で条件が変わっていないものであります。 にもかかわらず、どうしてこれほどの大きな試算の違いがあるのか、大臣、教えてください。
○国務大臣(山本有二君) 御指摘の二十五年試算、これにつきましては、もう御存じのとおりでございますが、全ての関税が即時撤廃される、追加的な国内対策が行われない極めて単純化した前提で試算したところでございまして、生産減少額が三兆円。一方、今回の試算、二十七年度試算につきましては、対象品目は前回同様でございます。しかしながら、交渉結果によって関税撤廃の例外を二割獲得しておりますし、また長期の関税削減期間や……(発言する者あり)そういうように、関連政策大綱に基づく国内対策をすることによりまして生産減少額が一千三百から二千百億円に下がっております。 そうした基本的な試算のやり方の違いによって、こうした大きな額の差になってきております。
○舟山康江君 今、私、事前に説明させていただきましたけれども、この黄色の枠の部分は双方で関税撤廃という条件は変わっておりません。一部少し時間を掛けてというのはありますけれども、おおむねほぼ数年以内には関税撤廃という状況ですけれども、これだけ違うと。説明を見ますと、国内対策で体質強化をするから大丈夫ということですけれども、果たして、こんなに試算額が、影響額が違うと。しかも、生産減少率、加工用トマトに至っては一〇〇%なくなるというものが生産減少率ゼロ%。今の生産が維持されるというのはちょっと余りにも現実を見ていない数字ではないのかなというふうに感じております。 そして、今、対策を行うから影響がないと言われましたけれども、果たして財源は本当にあるんでしょうか。財源の問題ですから、これは農水大臣でも財務大臣でも結構ですけれども、財源を確保する見込みがあるのかどうか、お答えください。
○国務大臣(山本有二君) 加工用トマトについて例を挙げさせていただきますと、関税……(発言する者あり)一言で言いますと、もう財源につきましては、これは政府で決めましたTPPの発効に基づいて、合意に基づいた結果、国内対策をすることによって私はこれが可能になる、減少額が低くなるというように考えています以上、きっちりとした国内対策、産地パワーアップ事業、これを推進していきたいというように思っております。
○舟山康江君 やっぱりお金、支援をしたくても財源があるのかどうかというところなんですね。 そして、対策をするといっても、既存の農林水産省の予算を使われてはこれ困ると思うんですよ。やはりそれぞれにいろんな地域振興策ですとか農村整備とかいろいろ必要があって今予算が組まれているわけであって、そこを食ってなおTPP対策をされると、これ本来やれることがやれなくなると思うんですよね。 ですから、今の既存の予算とは別に、TPPのための予算がきちんと財源も含めて確保できるんですかということをお聞きしております。
○国務大臣(麻生太郎君) 総合的なTPP関連政策大綱というのを読まれたと思いますが、この中で、農林水産分野の対策の財源につきましては政府全体で責任を持って毎年の予算編成過程で確保するものとされておりますので、したがって、今言われたような御心配はあろうかと思ってこの部分ができているんだと思いますが、したがいまして、この方針に沿いまして、必要な取組に係る予算につきましては毎年の予算編成過程の中においてしっかりと検討していくということになります。
○舟山康江君 ちょっと改めて確認ですけれども、既存の農林水産関係予算とは別枠でというような理解でよろしいですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今申し上げたのは、そういう意味で答えたというふうに御理解いただければ。もう一回申し上げてもいいですが。
○舟山康江君 大変力強いお答えをいただきました。 さて、財源について私は本当に心配をしているんですけれども、これ、TPPの合意によりまして関税が下がるということは、つまり関税収入もなくなるということであります。関税収入は一体どれだけ減ると試算しておられるんでしょうか。財務大臣、お願いします。
○国務大臣(麻生太郎君) TPP協定の実施が関税収入に及ぼす影響ということですけれども、この発効後の輸入動向とか為替の動向も関係すると思いますが、これ予測することは極めて困難ですので、正確に見積もることはこれは極めて困難、当然のことだと思いますが。 その上で、日本を除きますTPPの交渉参加国十一か国からの輸入が将来にわたって一定であるという前提というか仮定において機械的な試算だけでやらせていただきますと、TPP協定による関税収入減少額というのは、TPP協定発効初年度で約九百六十億程度、そしてTPP協定に基づく関税引下げ等が全て終了する最終年度、発効後約二十年だと記憶しますが、それで二千七十億円程度になると予想しております。
○舟山康江君 もう一度パネルを出していただきたいんですけれども、かなり関税収入は、まあ前提がいろいろありますけれども、これ、内閣官房、財務省、農林水産省、経済産業省合同で出された試算を基に表を作ってみましたけれども、相当大きなマイナスとなっております。更に言えば、これにマークアップというものもありまして、麦などは例えばマークアップ四五%削減という約束をしておりますから、合計するとこれ、鉱工業品も含めた合計では二千五百億円、農産品だけでも二千百億円以上の大きなマイナスが出るということですね。これ、相当大きなインパクトがあると思うんですよ。 といいますのは、様々な農産品の生産振興等に、マークアップの収入ですとか関税収入が充てられているということで、果たしてこの経営安定対策ですとか生産振興対策の予算が確保できるのかなというのが疑問なんですけど、農水大臣、大丈夫でしょうか。
○国務大臣(山本有二君) 関税の減少、またマークアップについて、ALIC等への補給金等、また一般財源に頼るというようなバランスでいいますと、一般財源に頼る割合は増えていくだろうというように予測しております。
○舟山康江君 そうなんですよ。実は関税が下がる、いろんな日本の支援の水準が下がるということは、逆に言えば収入も下がるということですから、それに充てられる対策費そのものも減っていってしまうと。その中で、でも、先ほど心強い御答弁いただきましたので、それでもなおしっかりと政府を挙げて予算を獲得するということだったので、私はある意味では安心しておりますけれども。 次のパネルを御覧いただきたいと思います。 これ、豚肉、例えば今日は豚肉の例をお持ちしましたけれども、豚肉も、まず三枚目のパネル、これが一般的に政府が説明しているパネルです。これを見ますと、差額関税下がるけど、まあ何とか維持できたな、従価税も何とか維持できたなというような錯覚を与えるんですけれども、もう一枚、次のパネルを出していただきたいんですが、実はこれ、縮尺を本当の数字に合わせて作り直すと、今の図がこのようになります。 実は、差額関税守りましたと言っておりますけれども、これほとんど薄っぺらで、差額関税はなくなると同じなんですね。政府の説明では、分岐点価格、いわゆる従価税に代わる部分の価格が維持できたということで、大丈夫、維持できましたと言っていますけれども、そういった意味では高価格帯については何とか余り変わらない状況かもしれませんけれども、低価格帯については御覧のとおり差額関税がほとんどなくなる。非常に、これはしっかりと関税守れたと言うには程遠いんではないかというふうに思いますが、こういった現状になって、まあ印象操作ですよね、図による印象操作があったのかなと思うんですけれども、やっぱり示すときには正しい縮尺でしっかりとお示しいただきたいなと思います。 その上で、実際には差額関税がほとんどなくなる中で、果たして輸入価格低下とか輸入量増加等、そういったおそれはないんでしょうか。そしてまた、その場合に、今回法律出していますけれども、補填率をアップする、いろいろありますけれども、それでもきちんと手当てができるのか、その辺、もう一度お答えください。
○国務大臣(山本有二君) このまずお示しいただいた図につきましては、誤解を受けることのないように訂正いたしました。 そして、次の御質問でございますが、輸入に係るものについての低価格帯が増えれば、非常にこの従量税の獲得等、なかなかそう簡単にいかないのではないかということでございますが、我々の予測では、コンビネーションという制度で豚肉は輸入されておりまして、このコンビネーション価格五百二十四円、この前後でほとんどが輸入される、低価格も高価格帯も一緒になって輸入されるわけでございますので、現在は平均課税額がキロ当たり二十三円でございまして、従量税を五十円にしておりますから、言わば二倍の税金を取るという予測をしておりまして、しかも、低価格帯が増えたといいましても、TPP参加国におけますそのシェアは、低価格帯であれば一割程度でございますので、これにつきましては十分、豚肉については財政的にも今の状態で守ることができるというように予想しておるところでございます。
○舟山康江君 コンビネーション輸入のやはり一つのメリットは、差額関税がきちんとあったからというところで効いていたと思うんですね。それがあれだけ薄っぺらになってしまった中で果たして今のことが言えるのか、私は大変疑問だと思っています。 そして、TPPのこの二章に関しましては、いわゆる物品市場アクセスですね、これに関して、これも何度かこの委員会でも取り上げられていますけれども、再交渉規定というものがあります。今日ちょっとパネルはないんですけれども、お手元に資料を準備させていただきました。この再交渉規定というのは、輸出五か国ですね、オーストラリア、カナダ、チリ、ニュージーランド、そしてアメリカ、あちら側の要請に基づいて市場アクセスを増大させる観点、つまり維持とか低下じゃないんですね、増大させる観点から、七年を経過する日以降に協議すると、こういった規定になっております。 同様の約束、つまり、ある国が輸出国なりそういった国と同じような約束をしているという国はほかにあるんでしょうか。石原大臣、お願いします。
○国務大臣(石原伸晃君) ただいま委員が御指摘の再三御議論になった七年後の再協議、五か国御説明いただきましたけれども、この五か国の間でなぜこういうものができているかというと、まあ凸凹はあるんですけれども、例外的な関税の撤廃の例外を勝ち取った品目について再協議を行う、もうこれも再三再四御答弁させていただいておりますとおり、WTOの同じような協定の中でもこの再協議規定がございます。 そして、委員の御質問は、日本とニュージーランド、日本とアメリカ、日本とチリ、こういう関係以外に、例えばアメリカとチリとか、ほかのものがあるのかないのかという御質問というふうに聞かせていただきましたが、それはございません。
○舟山康江君 つまり、日本だけが一方的にこういった再交渉の約束をしているということで、しかも、関税除外ちゃんと守ったと言っていますけれども、これも何度か出ていますが、先日の作山参考人からもありましたが、いわゆる枠外・枠内合わせた品目ベースで見ると守ったものはないということですから、私はやはりこの時点で国会決議違反、そうなると脱退も辞さない、あの約束がもう一度生きてくるのではないかと、そのように思っておりますので、やはり、もう終盤を迎えておりますけれども、最後に是非総理にしっかりと御決断いただきたいなと思っております。 次に、もう一つの今日のテーマであります食の安全確保ですけれども、パネルを御覧いただきながら質問をさせていただきたいと思います。 日本の遺伝子組換え作物の承認件数、これカルタヘナ法に基づくもので結構ですので、農水大臣、件数を教えてください。
○国務大臣(山本有二君) 御指摘の我が国でカルタヘナ法に基づいて承認されている遺伝子組換え農作物は、現在、九作物百六十四品種でございます。
○舟山康江君 実は、これはある機関が、国際アグリバイオ事業団というところがまとめた数字なんですけれども、日本は遺伝子組換えに関してかなり厳密な制限を加えているのかなと思っていたら、実は日本はアメリカよりも多い承認件数だということで、遺伝子組換え大国と言っても過言ではないのかなというふうに思っております。しかも、驚くべきことに、ここでは二百一件となっていますけれども、私も農林水産省のホームページでカルタヘナ法に基づく承認件数、十一月二十五日現在で二百六件というものを見たんですけれども、この中で、百二十二件については一般に輸入、流通、そして栽培もできるというふうになっておりまして、びっくりいたしました。 実は、単に製品を輸入できるだけではなくて、認められたものは栽培もできるということなんですけれども、再度大臣に確認します。一般的な使用が許可されたもので栽培可とされたものは、国内栽培も可能だという認識でよろしいでしょうか。
○国務大臣(山本有二君) 申請をいただいて、それで、申請に対してこの栽培許可をしたものについて、それは栽培は可能でございます。
○舟山康江君 今御答弁ありましたとおり、栽培もできるということで、私たちはやっぱりこの遺伝子組換えについてもっともっと関心を持っていかなければいけないなというふうに、本当に強く感じました。 そして、この遺伝子組換え食品に関しては、実は現代のバイオテクノロジーとして、市場アクセスの第二章に規定されているんですね。つまり、貿易促進の観点から規定されているわけであって、そういった意味でも、もっと遺伝子組換えを日本でも利用しろという圧力が強まるおそれがあるのかなということで心配しております。 その上で、安全確保とか表示に関してTPP協定、これ第七章の衛生植物検疫措置の章と、第八章、貿易の技術的障害の章と、どちらの適用を受けるということで理解したらいいんでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) 今お話しになっておりますいわゆる遺伝子組換え食品の安全基準、この検疫措置については、外から入ってくるものでございますね、TPP協定第七章、今委員が御指摘になりました衛生植物検疫措置、いわゆるSPS章というところが適用されます。 また、そういうものを消費者の方が見る場合には、それが入っている、入っていないの表示の部分があると思います。遺伝子組換え食品の表示に関する措置につきましては、次の章の八章の、いわゆる貿易の技術的障害章、TBT章に規定をされて、両方でございます。
○舟山康江君 ありがとうございました。 七章、八章、両方の規定を受けるということですけれども、もう一度石原大臣にお聞きしたいんですが、その際に、もしかしたら遺伝子組換え危ないかもしれない、そういった予防原則、まあ科学的根拠、科学的知見とよく言われますけれども、まだ新しい技術ですから、よく確立されていない部分があると思うんですよ。そういった場合に、予防原則に立つことが可能なのか、また日本独自の規制を設けることは可能なのか、その辺を教えてください。
○国務大臣(石原伸晃君) TPP協定のSPS章の四条一項におきまして、WTO・SPS協定に基づく権利及び義務を確認するとともに、その次の二項におきまして、この協定のいかなる規定もWTO・SPS協定による各締約国が有する権利及び義務を制限するものではないと根本的に規定をされています。ですから、自国がいろいろなことができるというふうに御解釈いただきたいと思います。 したがいまして、TPP協定のSPS章は、WTOのSPS協定と同様に、各国に科学的根拠に基づく適切な措置を採用してもよいと認めるものでございます。我が国の食品安全に関する制度に、先ほど申していますように、何ら変更を強いるものではございません。また、我が国が必要と考える、これが今委員御指摘のような点だと思うんですけれども、食品安全に関する制度の変更をする場合にその締約国から新たな制約が加わるものではございません。 そして、今委員御指摘のような、そうはいっても科学的知見というものが追い付かない場合もあるではないかという御指摘のように聞かせていただきましたが、それはいわゆる予防原則として、WTOのSPS章に、暫定的措置をとることと承知しております。 したがいまして、TPP協定のSPS章第九条第三項において、WTO・SPS協定上の締約国の権利及び義務を認めつつ、この章のいかなる規定も、締約国が衛生植物検疫措置を暫定的に採用し、又は維持することを妨げるものとは解してはならないというふうに書かれておりますので、委員の御指摘のとおり、暫定的にですね、科学的知見がまだ追い付いていなくても、危険性が予見される場合はその措置をとることができる、このように解釈をしているところでございます。
○舟山康江君 遺伝子組換えについて、少し安心をいたしました。といいますのは、やはりまだ分からないというところで、しっかりと安全性の検査体制、その辺の審査体制というものをもっと厳密にやる、こういった方向が一つきちんと取り組んでいかなければいけないと思いますし、もう一つは、安全かどうかは、仮に安全ということが担保されたにしても、やはり消費者の選択権、知る権利という意味で表示をきちっとしていくと、こういった必要性があるのではないかと思うんですよ。 そういう中で、今、日本はかなり遺伝子組換えに関しての表示制度が私は緩いと思うんですね。かなり限られた品目しか表示がされていない。それから、意図せざる混入、五%ということで、ほかの、ヨーロッパは〇・九%しか許されていませんし、例えばしょうゆとか油とか、DNA、たんぱく質が変わったものに関しても、原料が遺伝子組換えを使っているのであればトレーサビリティーをきちんとして表示をしろということになっていて、それはまさに知る権利、ちゃんとどういうものを我々消費者が食べているのかということを知らせる必要があると思いますけれども、その辺の表示の強化ですとか知る権利の担保というものはどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(松本純君) まず、表示義務についてでございますが、我が国の遺伝子組換え食品の表示制度は、実効性を担保するため、当該食品を分析して遺伝子組換え農作物を含んでいるかどうかを科学的に検証できるものを表示義務の対象としております。今は表示義務の対象となっていないものについても、分析技術が向上して組み換えられたDNA等の検出が可能になった場合は新たに表示義務の対象とすることとしております。 現在、最新の分析技術を用いて、組み換えられたDNA等が検出できる食品が、更に存在していないかを検証する調査を実施しているところでございまして、調査終了後、速やかに有識者等による検討の場を設けることを考えているところでございます。 なお、このTPPとの絡みの中でいえば、遺伝子組換え食品を含め我が国の食品表示制度に何ら影響を及ぼすものではなく、我が国が必要と考える食品表示制度の変更に新たな制約が加わるものではないと受け止めております。
○舟山康江君 技術の問題ではなくて、EUは原料が遺伝子組換えであればそれをちゃんとトレーサビリティーをしっかりして表示義務があるわけですよ。そういった方向に検討をしていただきたいと、そういうお願いであります。 この質問をさせていただいたときに、実は厚生労働省と消費者庁と非常にこのどちらが答弁するかということでもめておりました。これが、私、この表示の問題の大きな落とし穴ではないのかなと思うんですね。どちらが担当するのかはっきりしないと。そういったところで、そういったもめ事のないようにしていただきたいと思いますし、最後に、時間が来ましたので一言だけ。 総理は、TPPから脱退するとかTPPやらないとなると保護主義だと言っていますけれども、そんなことありません。WTOという大きな規定の中で今動いているわけで、決して保護主義に戻るということではないということを最後に申し上げ、また、ほかの選択肢もたくさんありますので、そういった意味でTPPだけに固執することについて考え直していただきたいなということをお願い申し上げまして、質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○河野義博君 公明党の河野義博です。 充実した議論が参議院では進んできたと承知をしております。改めまして、TPP協定、世界の人口の八億人、またGDPの約四割を占める自由で公正な大きな巨大な市場をつくる議論を、日本はこのTPP協定の交渉参加、遅れて参加はしましたけれども、実質的にリードすることで合意にこぎ着けた、これは非常に意義深いことでありまして、関係者の努力に改めて敬意を表するものであります。 交渉結果も、日本政府が主導的な役割を果たしたからこそバランスの取れた合意に至ったものと評価をしております。国際交渉ですから、日本だけに都合のいい結果というようにはなり得ようがないわけであります。攻めるところはしっかりと攻める、守るところはしっかりと守る、守り切れなかったところにはしっかりと国内対策をやっていくというこの政府の方針も、この道しかないんだろうなというふうに思っております。 関税撤廃だけではありませんで、様々な統一ルールを作ることができた、これも非常に重要な点だと思っております。これは個人的な見解ですけれども、日本は従来、あらかじめ決められたルールに沿ってビジネスをやっていくということにはたけていたんだろうというふうに思いますけれども、あらかじめ自分たちにとって有利なルールを作って、そのルールに基づいて楽にビジネスをする、こういうところには余り得意でなかった、こういう印象を持っておりますが、今回のルール作りを含めまして、大きな一歩を踏み出したんじゃないかなと思います。 次の一歩は、是非、日本のルール、基準や認証といったものを世界のルールに広げていく、こういったことが課題なんだろうというふうに思っておりまして、この点は議論の後段で質問させていただきたいというふうに思っております。 さて、アメリカの次期大統領が離脱表明をしている状況下、批准手続自体が無意味だというふうな議論もあるわけでありますけれども、私は全くそうは思いません。アメリカに入れと言われたからTPP交渉入ったわけではありません。日本にとってメリットがあるというふうに判断して参加したわけであります。その結果、議論をリードした。この委員会でもしっかりと議論が行われてまいりましたので、参議院としての意思表示も行っていく、これは本当に大切なことなんだろうと思います。 そこで、総理に伺います。改めて、TPP協定批准手続を進める意義とその御所見、伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに、このTPPは、米国に強要されたから参加するものではなくて、我が国の利益になるからこれは参加をするわけであります。それは、どの国も全て自国の利益になるという判断の下に参加をしたわけでございますが、しかし、そこで交渉を重ねてきた結果、これは、戦略的にも経済的にも大きなこれはそれぞれがメリットを得るという理解の上に非常に進化した自由貿易のルールができた、こう思うわけでございます。言わば十二か国が理解した、言わばこれはルールとして認められるというものを作り上げることができたわけでありまして、それは大きな成果であったんだろうと、このように思います。 まさに、これは関税だけではなくて、むしろルールに大きなウエートがありました。中小企業にとっても安心してこの十二か国の中においては進出していけるルールができたということにもなるわけでありまして、物が交流する、そして知財が自由に行き交うことによって間違いなくそれぞれの国が利益を享受することができるという世界になっていくわけでございます。 新しいこの世界において経済の模範となるルールを作ることができた、それを確定させていく。これは、極めてこれは意義があると考えているからこそ米国の次期大統領がああしたコメントを述べてもなお十一か国はどこも、では国内手続をやめようというところはないわけでありまして、むしろ、先般ペルーにおいて、それぞれの国が国内手続を進めていくことによって世界にメッセージを発信していこうということで一致をしたところでございます。
○河野義博君 WTOも自由貿易のルールであります。一歩進んだ、進化したルールという意味で、TPPは非常に重要な意義があると私も思います。 当初、日本が交渉に参加する前はアメリカ対その他の国というふうな交渉の構図であったわけですが、日本が交渉参加して以来、全体を見てバランスの取れた協定にしていきましょうというふうに主張を日本がしてきたわけであります。その結果、アメリカとも率直に議論する中で合意を得ることができました。 このルール作りでは、日本がリーダーシップを持って当初の条文の内容を大きく変えてきたということも事実であろうと思います。交渉参加当初、六百ページに及ぶ協定の案文というのは、日本がリーダーシップを持って中身をほぼ書き換えたというような答弁も実際政府側からこの国会内でもあったわけであります。日本の事務局体制、これも非常にしっかりとした強い体制があったため、ほかの国も日本の事務局に頼っていたという話もあるわけであります。 四年にわたる長い交渉の過程で日本が果たした役割、総理から改めて御評価をいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) TPPについては、我が国が参加する前から、二十一世紀型で高い水準の協定を目指して交渉が行われてきました。しかし、我が国が参加したことによって、参加して以降は、これに加えて、バランスの取れた協定という目標も加わったわけであります。我が国が参加する前は、圧倒的に経済規模が大きいアメリカとアジアの国々であったわけでありますから、まさに俺に付いてこいという中においてこの高い目標という理想が掲げられていたわけでありますが、我が国が参加することによって、まさにアジアの国々の、それぞれの国々の様々な事情等も、そして特徴等も踏まえた上でバランスが取れるものにしていこうということになったということではないかと思います。言わばその趣旨は、先進国、大国の意向だけを通すのではなく、全ての参加国がウイン・ウインの関係になるようにすることであります。 また、物品の関税交渉だけではなく、サービス、投資、電子商取引、国有企業等、幅広い分野のバランスを取って全体として高い水準を目指すが、各国のセンシティビティー、センシティブな分野には配慮することであります。それがまさにバランスを取ることでありまして、その意味においては、このWTO等々と比べても、大変進化した新たな貿易のルールができた、自由でフェアなルールができたと、このように思います。 この結果、例えば国有企業の規律について一定の例外を認めることで、これまでのEPAになかったような二十一世紀型のルールに合意ができたと思います。電子商取引についても、国境を越える情報移転は原則自由とする一方で消費者保護の規定も設けるなど、全体としては高い水準を確保しつつ、バランスの取れた内容で合意ができたところであります。 これは我が国が各国との交渉を通じて主導してきたことであって、全体としてバランスを取るという考え方によって農産品関税交渉においても我が国の立場を強く主張することができたものであると、このように思います。これはまさに、米国がずっと強く主導していくわけでありますが、それだけでは、アジアの国々全体がまとまって最後は合意に至らなかったと思います。まさに日本が米国とアジアの国々との間を橋渡しをしていくという役割、あるいは日本の事務方の高い事務処理能力も大変生かされたと思うわけでございます。 そういう中において、日本がかなり主導的な役割、ルールメーキングにおいては初めてと言ってもいいと思うんですが、日本が主導的な役割を担いつつ、バランスの取れたこの新しい自由貿易のルールを作り上げることができたと、このように思っております。
○河野義博君 まさに二十一世紀のスタンダードになっていくような協定ではないかというふうに思っております。 食の安全に関するテーマに議論を移したいと思っております。パネルの一枚目を御覧ください。(資料提示) 委員会審議におきまして、食の安全、様々議論がありました。検疫体制、食品添加物、食品表示、遺伝子組換え、肥育ホルモン、様々な問題提起がなされたわけですが、まず、そもそもの立ち位置、TPP協定との関係性はやはり確認しておくべきだろうと思うんですけれども、我が国は、これら食品の安全に対する対策というのは、我が国として独自に行うことが現在も認められておりまして、これはTPP協定によって新たな制約が受けられるものではありません。 したがって、TPP協定が批准されたら直ちに安全性が確認されていない食品が入ってくるかのような議論や、また、他国のルールに従わなかったら訴えられるというような指摘は全く当てはまらないものであります。当然、科学的根拠に基づく独自の輸入制限を取っても、そもそもTPPの制約の外の話ですから、ISDSのような仲裁手続に訴えられることもないわけであります。 改めて、TPP協定が批准されたとしても、食の安心、安全が脅かされるということは直接に関係がない話だということを石原大臣に確認しておきたいと思います。お願いします。
○国務大臣(石原伸晃君) もう河野委員が今御意見を御開陳されたとおりであると私も理解をさせていただきます。若干重なる点はお許しいただきたいと思うんですけれども、やはり輸入品にしろ国産品にしろ、安全性が確保されたものでなければ流通させてはいけないというのは、もうこの審議の中でも共通のコンセンサスができたと思っております。 TPP協定には、我が国の食品の安全を脅かす、今委員が御指摘されたように、これをやっちゃ駄目よ、やらなきゃ訴えられるよ、そんなことは一切入っておりません。TPP協定のSPS章、先ほども御紹介させていただきましたが、WTOのSPS協定と同様に、各国に科学的根拠に基づく適切な措置をとることを認めておりますし、我が国の食品安全に関する制度にそれによって何ら変更を求めるものでもございません。我が国がこれから更に必要だと考える食品安全に関する制度を変更する場合にも、新たにこれをやっちゃ駄目よ、あれをやっちゃ駄目よといったような制約は加わりません。 また、表示の方でございますけれども、TBT章では、WTOのTBT協定と同様に、表示ルールなどを定める際の手続や透明性の確保についても定められておりますし、我が国の食品表示制度に何ら変更を及ぼすものではないということを改めて申し述べさせていただきたいと思います。また、我が国が必要と考える食品表示制度の変更をする場合、先ほど御同僚の舟山委員が更に厳しいものにしろという御指摘がありましたけれども、そういうものをやるときにも、そういうことをやっては駄目だと海外から制約が加わるということは一切ございません。 食品の安全や表示に関するルールはTPP協定のSPS章とTBT章に規定されているのはもう委員の御指摘のとおりでございますし、ISDS、投資家が訴えるということでございますけれども、これらの章に規定される義務の違反を訴えるものではなく、これは投資に関するものであると、これも再三再四御答弁させていただいてきたところでございます。
○河野義博君 明快に御答弁をいただきました。TPP協定とは別の文脈で食の安全というのはしっかり議論されていいものだというふうに思っております。 不安の声が上がっておりますので、その点に関してはしっかりと政府側の答弁を求めていきたいと思いますけれども、検疫体制の拡充、肥育ホルモンの安全性確認、遺伝子組換え食品の表示方法をどういうふうに拡充していくのか、また、外食産業において食品表示、これも充実を求める声がある。こういった様々な要望、意見に対して、これらの課題にどう対応していくのか、政府の方針を確認させてください。
○政府参考人(北島智子君) お答えいたします。 輸入食品に対する検査につきましては、今後の輸入食品の増加の可能性を踏まえ、検疫所職員の資質の向上、必要な職員や検査機器の確保等、適切な監視指導を徹底するための体制の整備を図り、引き続き輸入食品の安全性確保に万全を期すこととしております。 また、肥育ホルモンにつきましては、国際的なリスク評価機関、JECFAが定める、人が一生涯にわたって平均量を摂取し続けたとしても健康への悪影響がないと推定される一日当たりの摂取許容量を踏まえ、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会において安全性について厳正に評価した上で食肉中の残留基準を設け、これに適合するもののみ輸入や販売を認めることで安全性を確保しております。 なお、EUにおける肥育ホルモンが使用された食肉の輸入禁止措置は、過去に米国及びカナダがWTOに提訴した結果、科学的根拠に裏付けられたものではないとしてEUが敗訴したと承知しております。
○国務大臣(松本純君) 消費者の健康を守るため、国産品であれ輸入品であれ、安全性が確保されたものでなければ流通は許されません。これは食品行政上の大原則でありまして、今後もこの原則は堅持してまいります。 このため、適切な検査体制の整備も含め、食品供給プロセスの各段階において必要な措置が適切に講じられるようにすることが必要であり、消費者庁の総合調整の下、厚生労働省、農林水産省、食品安全委員会など関係行政機関が相互に密接に連携をし、それらを実現し、食品の安全を確保してまいりたいと存じます。その上で、食品表示制度が消費者にとって食品を自主的かつ合理的に選択する機会の確保に資する制度となるよう整備し、適切に運営していきたいと存じます。 さらに、消費者庁が関係府省の協力を得ながら、食の安全に関する情報を分かりやすく整理しウエブサイト等を通じて広く提供するなど、国民にとってより分かりやすい情報発信を行うことにより安心の確保に努めてまいりたいと存じます。
○河野義博君 各省連携をして万全を期すという御答弁でありましたので、引き続きよろしくお願いいたします。 次に、農林水産品の輸出拡大に向けて質問したいと思います。パネルの二枚目を御覧ください。 先日改訂された政府の農林水産業・地域活力創造プランにおきまして、農林水産物・食品の輸出一兆円の達成を従来から一年前倒しをいたしまして、二〇一九年に達成するという目標を掲げました。この目標、農林水産物・食品の輸出促進にTPPがどのように貢献していくのか、確認をしていきたいと思います。 TPPが発効すれば相手国の関税は撤廃をされますので、当然輸出量が増えることは想像に難くないんですけれども、ルールの分野でも、例えば関税手続の簡素化、短縮化というのは生鮮食料品などの輸出にとって大きなメリットと考えられますけれども、政府はどのように認識しておられるか、見解を伺います。
○国務大臣(山本有二君) TPP合意によりまして、輸出拡大はかなり進んでいくように考えております。 重点品目の全てで相手国の関税撤廃を獲得しております。例えば、牛肉の北米への輸出でございますが、平成二十七年の輸出実績二百六トン、これに対しまして、将来六千二百五十トン、約三十倍の無税枠を獲得しております。そのほか、水産物、茶、みそ、しょうゆにつきましても関税撤廃を獲得しておりまして、御指摘のルール分野、これにおきまして、通関手続の円滑化、流通サービスにおける外資の導入規制緩和、こういったことによりまして、言わば青果物など鮮度が重要な産品の販売機会の拡大や納期の短縮、コストの管理が容易になるというような、そういうメリットがかなりあるように思っております。 その意味で、TPPは今後輸出の大きなチャンス、これになるというように思っておるところでございます。
○河野義博君 その大きなチャンスを生かしていきたいというふうに思います。 日本の農林水産品・食品が高品質であるということは疑いの余地はないんだろうと思いますが、従来輸出が余り注目されておりませんで、ここ数年しっかり輸出を取り組んでいきましょうということになったんだろうというふうに思います。原因として、輸出というそもそもの障壁が高かったことというのは大きな要因の一つではあると思いますが、そもそも旺盛な国内需要がありますので余り関心が向かなかった、生産も、どんどんいいものをたくさん作って輸出しようという、そういったマインドがそもそも余り強くなかったんだろうなというふうに思います。 そんな中、一兆円を前倒しでやるんだと政府が決めた。そして、政策を作って予算を付けて実施していく、後押ししていくんだというこの政府の姿勢というのは高く評価をするわけであります。輸出の増加の鍵は、生産拡大、シンプルにたくさん作るんだということ、そして、うまく売る、販路を拡大していくというこの二点に政策としては尽きていくんだろうというふうに思います。 その上で、まず初めに、生産拡大に関して伺います。 先日、北海道の余市町を訪れまして、トマトを生産しておられる新規就農者を訪ねました。その方は、北海道には縁のない方でしたけれども、北の大地に魅せられて五年前脱サラして、ビニールハウスを自分たちで建てて五年間頑張ってこられまして、青年就農給付金も受給しながら、今ではビニールハウス三棟、トマトを作っておられる農家の方でした。試食させていただきますと、今まで食べたことのない、本当にこれがトマトかというような甘い甘いトマトでありまして、これはもう海外で高く売れるんじゃないかな、そういう話もしたわけなんですけれども、まずは生産を増やしたいと、買手というのは幾らでもあるので、このビニール三棟を何とか増やしたいというお話でありました。収穫期には人手不足であります。地域は高齢化が進んでおりまして、なかなか手伝ってくれる人もいない、夫婦二人ではビニールハウス三棟がやっぱり限界だということでございました。 労働供給が一番の課題でありまして、これは全国的にも就農者の高齢化や人手不足、問題になっているわけでありますけれども、担い手の確保に向けた取組、これを改めて農林水産大臣、山本大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(山本有二君) もうそこが非常に大事な点だろうというように思います。農業就業者や農村人口が減少、高齢化する、労働力不足が進行する中でございます。特に産地において、経営者である担い手の確保に加えて、収穫時の作業ピークあるいは規模拡大に合わせた労働力の確保、これはかなり難しい大きな課題でございます。 このため、二十八年度予算で農業労働力最適活用支援総合対策事業というものを位置付けまして、産地において農業労働力の確保を推進する体制を整備いたしました。それは、産地が必要とする労働力の把握、まず把握、それから労働力の募集、研修、産地とマッチングさせること、農作業を受託する事業体を活用した労働力の提供、あるいはアシストスーツ、こういったものの、労働負荷を軽減する機械等の共同利用、こういった取組を支援しております。 このような農作業の分業化、外部化や、地域の内外での労働力を融通する仕組み等の取組を通じまして、農業労働力が円滑に確保できる環境整備をなお図ってまいりたいというように思っております。
○河野義博君 是非、実態把握はすぐやっていただいて、募集、マッチングに速やかに移行できるようにお願いをしたいと思います。 生産拡大とともに両輪を成すのが販路拡大であります。昨年の輸出額は御覧のように七千五百億円ですから、三年間であと二千五百億増やす、三割増やす。具体的な商談、契約に結び付けられるようなマッチングの支援が不可欠です。 一方で、農林水産業者が輸出に取り組むためのサポート体制も充実していかなければなりませんし、また、輸出へのハードルが高い地方の小規模の農林水産業者が輸出を相談できる体制というのも明確にしておく必要があると考えます。 TPP対策としてつくられた新輸出大国コンソーシアム、これとどのように協業してサポート体制充実していくのか、方針をお聞かせください。
○政府参考人(井上宏司君) お答え申し上げます。 輸出に取り組まれる農林漁業者の方々へのサポート体制でございますけれども、全国各地に農林水産省と日本貿易振興機構、ジェトロの相談窓口を設置をしておりまして、ここで農林漁業者の方々などからの相談に対応しておりますが、最近では年間一万件を上回る相談対応を行わせていただいております。また、その際、相談に来られた事業者の方の中で更に継続的な支援が必要な方につきましては新輸出大国コンソーシアムにつなぐということで、連携、一体的に支援をさせていただくこととしてございます。 こうした取組に加えまして、ジェトロにおきましては、輸出に初めて取り組まれる、あるいは不慣れな方に対するマーケティングの基礎講座でありますとか、商談会に出展する際の商談スキルセミナーといったようなセミナー、研修会につきましても幅広く行っております。 以上の取組に加えまして、十一月の二十九日に政府において決定をいたしました農業競争力強化プログラムにおきまして、日本産農林水産物・食品の輸出サポート体制を強化するために、輸出促進に機能を特化した組織を整備をするということにしておりまして、こうした取組も含めまして、更にサポートを充実強化しまして輸出の拡大を図ってまいりたいと考えてございます。
○河野義博君 輸出のサポートを、従来、自治体がやっておりましたり農協がやったり、商工会、ジェトロ、それぞれがワンストップサービスを提供して、ワンストップになっていなかった。一つに是非ともおまとめいただいて、ここに行けば輸出のサポートを受けられるんだということをより一層明確に知らしめていただけたらなというふうに思います。 続いて、ハード面での支援も必要だろうというふうに思います。 例えば、牛肉を輸出する際、相手国が認定した食品加工処理施設にて加工されていなければ相手国に輸出できないような仕組みになっております。特に、EU向けに輸出可能である施設というのは全国に五か所しかありません。私、地元、九州でありますけれども、畜産王国でございますが、鹿児島県にしかその施設がありませんで、畜産が盛んな九州各県でその施設整備が求められているわけであります。 政府は農林水産物輸出インフラ整備プログラムに基づいて施設整備も進めていくというふうにされておりますけれども、どのように進めていかれるのか、今御指摘申し上げた問題点も含めまして、農林水産品の輸出に対応した施設整備の進め方を説明していただきたいと思います。
○政府参考人(井上宏司君) 委員御指摘の輸出インフラ整備プログラムにおきましては、ハード面のインフラ整備につきましては、輸出先の検疫、食品規制等への対応、また品質や鮮度を保持し得る集荷、出荷を行い得ることなどの機能を重視をいたしまして、当面、国内におきましては四十一か所の輸出対応施設の整備を進めることとしてございます。 その中で、例えば委員御指摘の食肉分野につきましては、現在は、特に米国、EU等の高い衛生水準を求められる国や地域に牛肉や豚肉を輸出できる施設が国内には限られておりますし、地域的な偏りも見られるということがございますので、こうした課題に対応するために、今回のインフラ整備プログラムの中でも、例えば、宮崎県内における牛肉及び豚肉の輸出対応加工施設でありますとか、あるいは京都府内における牛肉の輸出対応加工施設の整備などを進めることとしてございます。
○河野義博君 具体的な施設整備を御答弁いただきました。ありがとうございます。しっかりと引き続きサポートをお願いしたいと思います。 最後の質問になりますけれども、冒頭申し上げましたとおり、農林水産品・食品輸出のために、今件に限りませんけれども、日本の基準、認証、この枠組み自体を活用していくことは大変重要なんだろうと思います。ただ単においしいとか、ただ単に安全だというだけでは海外では理解をされません。どのような生産、製造を行っているのでおいしいのか、安全なのか、特定の基準に合致させることによって説得力を持って説明することができるわけであります。 農業競争力強化プログラムにおいては、海外の事業者へアピールする手段として、戦略的にJASを活用するためJAS法を見直しすることというふうにされておりますけれども、具体的にはどういう見直しを検討されているのか、お聞かせください。
○国務大臣(山本有二君) 御指摘の現行のJAS規格の対象でございますが、これは品質に限定されております。と申しますのは、産品の成分とか色などでございます。例えば、産品の大事な作り方とか保管や輸送の方法などについてアピールすることは困難でございます。 そこで、御指摘の農業競争力強化プログラムにおきまして、こうしたJAS規格について国際標準化を見据えた形での検討を図ると、こうしておるところでございますが、現在、JAS制度を見直して、日本産品のアピールにつながる多様なJAS規格を制定、活用できるよう、規格の、対象産品の生産方法あるいは管理方式、これに広げるように検討を加えております。これが実現できますと、我が国の伝統的な抹茶の生産方法を規格化し、海外の類似品と差別化することができます。また、鮮度を維持する保管管理方式を規格化することで、我が国の産品の鮮度の高さをまたアピールすることもできます。 こういう戦略性に基づいてJAS規格を見直すというように検討に入っているところでございます。
○河野義博君 世界中で、JASが認定していれば安心、安全、おいしいものなんだというふうな、ブランド力を高めていくのは非常に大事だと思っております。 例えば、ウールマークといえばもう日本では九割以上の認知をされておりますけれども、元々はイギリスの羊毛組合が独自に作ったマークであります。それが世界中に広がっていって、ウールマークが付いていれば安心だというような認識がされているわけでありまして、日本のルールに適合しているから安全なんだというこの日本のブランド価値を高めていく。日本の基準、認証を世界に広げていって、日本企業、日本の生産者が仕事をしやすくする環境をつくるということは非常に大事な点だと思いますので、政府を挙げての御努力を期待をいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 この間、我が党は、TPP委員会の役割やISDSの危険性、薬価、民泊問題、遺伝子組換えの表示や添加物の規制緩和などを取り上げてきました。それで、今日は、非関税措置に関する日米並行交渉の書簡、いわゆるサイドレターと、TPPと農業問題について質問いたします。 非関税措置に関する日米並行交渉で確認した書簡、いわゆるこのサイドレターについてお聞きします。 岸田外務大臣は、サイドレターについて、これは日米双方に受入れ可能な形でまとめたのがサイドレターですというふうに言われました。そこで、改めてサイドレターの性格について確認をいたします。国家間の約束になるもので、これは誠実に履行しないといけないと、また、これを履行するための取組は既に始まっているという理解でよろしいでしょうか。簡潔にお願いします。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のサイドレターですが、まず、国際約束を構成しない文書であって、法的拘束力を有しないというのがこの文書の性格であります。 そして、中身についてですが、我が国のこれまでの取組や今後自主的に行う取組、これを確認したものであります。
○紙智子君 国際約束ではないんだという話をされるんですけれども、でもやっぱり誠実に履行していこうと、既にそうした取組が始まっているということでよろしいですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 法的拘束力はありません。そして、内容については、既に我が国が行っている取組、そして今後我が国として、我が国の企業等に対する利益など、そういった観点も総合的に勘案して自主的に行う内容、これを取りまとめたという文書になっています。
○紙智子君 日米並行交渉は、二〇一三年の四月に確認をし、その後十二回行われてきました。今年二月に書簡が交わされました。 ちょっとパネルを見てください。(資料提示) 日本側の書簡では、九分野についてアメリカ合衆国との対話に取り組む用意がありますと書いています。それから、アメリカ側の書簡は、対話を行う見通しを歓迎しますとあるわけですね。九分野というのは、ここにあるように、赤い字で書いてあります、保険、透明性・貿易円滑化、投資、知的財産権、規格・基準、政府調達、競争政策、急送便、衛生植物検疫です。 総理、これ、アメリカが何かを用意するというのはなくて、日本が用意しますと、で、アメリカが歓迎するというように言っているわけですね。なぜ九分野もわざわざ用意する必要があるんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、これは対話に取り組む用意がありますという記述があります。これは、何もこの分野において何か協議を行うとか、こういった内容ではありません。対話を行って両国の間でしっかり意思疎通を図る、こういった内容を記しているものであると理解をしております。
○紙智子君 アメリカのトランプ氏はTPPからの離脱を表明したということでは、これ発効の見通しがないわけですけれども、このサイドレターは生き続けているんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) このサイドレター、今、内容において、先ほど申し上げましたこれまでの取組、あるいは今後自主的に行う取組、これを確認したものであります。そして、このサイドレターにおいては、TPPが発効するまで等の記述がなされているわけですが、これは実施の期限を記したものであります。 ただ、逆に、これ実施の期限が到来しないということになったならば、そもそも我が国が今日まで行っていることでありますので、これを逆に廃止するということはないと思っておりますし、自主的にこれから行うということでありますから、このタイミングについても、我が国が自主的にタイミングを考え、実施していくことになると考えております。
○紙智子君 つまり、生きているということですよね。 それで、九分野のうち保険では、アメリカの要求に応えて全国の郵便局でアフラックのがん保険の販売を認めた上、今後新たな要請に基づいて行動を実施することが確認をされていると。また、投資分野では、わざわざアメリカの投資家や利害関係者が介入できる仕組みをつくりました。 そこで、衛生植物検疫、SPSについてなんですけれども、もう一度ちょっとパネルを御覧ください。一の収穫後の防カビ剤、いわゆるポストハーベストですけれども、厚生労働省は、農薬及び食品添加物の承認のための統一された要請及び審議の過程を活用することにより、合理化された承認過程を実施すると書いています。薬事・食品衛生審議会における審議の過程においては、農薬・動物用医薬品部会及び添加物部会が合同で審議を行うとあります。 塩崎大臣は、防カビ剤の使用については、アメリカでは収穫前も収穫後も関係ない、日本では収穫後の防カビ剤使用は禁じているので、収穫後は日本では食品添加物として扱っているんだと。この扱いの違いを簡略化して一緒に扱うというふうに答えられているんですけれども、なぜ簡略化するのでしょうか。簡潔にお願いします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 御指摘の、かんきつなどに使われる防カビ剤でありますけれども、米国では、収穫前後を問わず、今お話しいただいたように農薬として扱っておりますけれども、我が国では、昭和四十六年以降現在に至るまで、収穫後に使用されるものは食品添加物として扱ってまいっております。このため、サイドレターにおいて、防カビ剤について引き続き収穫後については食品添加物として取り扱うことを前提に、収穫前の農薬の承認手続と収穫後の食品添加物の承認手続を効率化するということにしたものでございます。 具体的には、収穫前及び収穫後に同じ防カビ剤を使用するものについて、それぞれ農薬と食品添加物の部会で審議をしていたわけでありますが、これを合同で開催をすることとし、それから、農薬と食品添加物それぞれの申請を一つの申請として提出することを可能とすることによって手続を迅速化することを考えているわけでございます。 したがって、審査の簡略化や食品安全に関する基準の緩和を行うものではないというところが一番大事なところでございまして、基準の緩和は行っているわけでは全くありません。今後とも、防カビ剤については科学的根拠に基づいて適切に対応していきたいというふうに思います。 なお、農薬と食品添加物の部会においては、従来よりそれぞれの専門性のある審議を行ってきていただいておりまして、これを合同で開催したとしても、引き続きそれぞれの委員が専門性を持って審査をすることには変わりはないわけで、審査が簡略化されるものとの懸念は当たっていないということでございます。
○紙智子君 基準が変わるわけじゃないという話されたんだけれども、日本では、ポストハーベスト農薬は食品添加物として扱われると。添加物部会で審議をされてきたわけです。農薬は農薬・動物用医薬品部会で扱っていると。部会の位置付けに応じて二つの部会で慎重に審議をしてきているわけですよね。アメリカはポストハーベストとか農薬なんかは一体で審査をしてきたと。ここでアメリカのやり方とかアメリカの企業に合わせた審査にする必要はないというふうに思うんですよ。 その下の二を見てください。食品添加物は閣議決定を誠実に実施するとあるんです、誠実に実施すると。なぜアメリカのために誠実に実施しないといけないんでしょうか。そして、その下の三のゼラチン、コラーゲン、ここでは輸入規制を緩和したというふうに、日本自ら規制緩和したことをアピールしているわけですね。 日本は、TPP交渉に入るために、既に牛肉の輸入できる月齢を二十か月から三十か月に緩和するなど、いわゆる入場料を払ってきたわけですよ。そして、並行協議では、アメリカの長年の要求、積み残しの課題を解決するためにこれ九分野も差し出しているんじゃないかと、こう言われても仕方がないんでしょうか。総理、いかがですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 済みません、二点御質問いただきましたので、一点目のこの誠実にという部分について私の方からお答えさせていただきます。 御指摘の部分、これは我が国が国際汎用添加物の指定に関し、二〇一二年七月十日付けで既に行っていた閣議決定を実施する旨を確認したものであります。そして、この誠実に、フェースフリーという言葉ですが、この文言、これ国際的な文書において一般的に使用される修飾語であり、その有無によって実質的な内容を変更させるものではないと理解をしています。 今申し上げましたように、これは我が国の閣議決定に基づいて行うわけですから、我が国政府として自分たちのこの閣議決定、誠実に実施する、これは当然のことでありまして、結果として何ら問題はないと考える次第であります。
○紙智子君 わざわざ誠実にと言う必要はないんじゃないのかなと、我が国のことを決めるのにというふうに思います。 それで、トランプ氏は二国間交渉を強めると言っているわけです。これ、生きているということで、サイドレターは二国間交渉の足場になるんじゃないかということでいえば極めて有害だということを指摘を申し上げておきたいと思います。 次に、TPPと農業についてお聞きします。 国会決議は、農林水産物の重要品目は除外するというふうになっているわけです。三月七日の私の質問で除外を求めたんですかと言ったら、安倍総理は除外というこの区割りはないみたいなことを言いました。全てのものをテーブルにのせて行うのが原則になっているから、初めに重要品目を外してほしいと言ったらTPP交渉に参加できなかったんだと言われたわけですよ。しかし、交渉に入っても除外は求めていないわけですよ。だから、農家だけではなくて、どこに行っても国会決議は破られたと言われるんです。いまだに国民は納得していないんじゃありませんか。いかがでしょうか。大臣。
○国務大臣(山本有二君) 除外という概念は一般的なものとは考えておりません。TPP協定の関税に係る品目ごとの約束において、この区分、カテゴリーは用いられていないわけでありまして、TPP協定……(発言する者あり)分かりました。 関税撤廃の例外を数多く確保したことや国家貿易措置とか差額関税制度、いわゆる除外概念に代わる措置が国会決議、特に営農を継続するというその冠に沿って実質的に除外という概念のその成果は得られたものというように考えておるところでございます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国会決議に沿うものかどうかは最終的には国会において御判断をいただくものでございますが、ただいま農林水産大臣からも答弁をさせていただきましたように、政府としても、我々は国会決議の趣旨に沿うものであると、このように考えております。
○紙智子君 全く納得できないんですよね。だって、除外言っていないんですから。除外というのは外してほしいということですよ。それ言わないで、例外を確保したから守ったなんていうのは、それを言っているのは皆さんだけですよ。 この間、参考人質疑でおいでくださった中で、今日、東京新聞にも載っていましたけれども、作山さんという方は、実は農水省で事前協議のときの交渉官だったと。その方も、初めから除外などできないのは分かっていた、それなのに国会決議に入れたのは疑問だと指摘されているんですよ。当事者がそういうふうにはっきり国会決議違反明確だというふうに指摘しているんですよ。しっかり受け止めていただきたいと思います。 それで、あなた方は、この関税撤廃の例外を認めさせることができたといって約束を守れたというふうにすぐ議論をずらそうとするわけです。 そこで、重要五項目のパネルを見てください。 これの上の方は、これ五項目のタリフラインなんですけど、五百九十四項目、赤い字のところですね。タリフラインというのは関税品目、関税を課すことができる品目のことです。例えば米のタリフラインは五十八ありますけれども、玄米とか精米、穀物調製品、あられ、煎餅など、ラインがあります。タリフラインの数は全体で五百九十四ありますけれども、このうち百七十を撤廃すると。撤廃率は二八・六%となっています。米は二五・九%の撤廃率。牛肉を見てください。牛肉は七三・六%なんですよ、残るのは四分の一だけ。豚肉においては六七・三%、半分以上が撤廃なんですよ。 何でこれで国会決議を守ったと言えるんでしょうか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わば無傷の品目はないという御指摘だろうと、このように思うわけでありますが、一つの品目に関税割当ての枠内と枠外の複数の税率が設定されている場合、双方共に変更を加えなかった品目がないため、守り切れた品目は一つもないという御主張がこの委員会においても度々展開をされてきているわけでございますが……(発言する者あり)しかしながら、政府としては、そのような機械的な基準でその品目を守ったかどうかを判断することは適当でないと、こう考えているわけでありまして、例えば枠外の高率関税を維持するために枠内の輸入枠を増やすなど、国内生産に影響を与える重要なタリフラインに影響が出ないよう措置をしておりまして、言わば実際に生産者に影響が出るかどうかということにしっかりと注目をしながら交渉し、そして勝ち取ってきたわけでございまして、品目全体として影響が出ないようにしているわけでございまして、そういう意味におきましては、我々はしっかりとこの国会決議に沿う交渉ができたと、このように考えております。
○紙智子君 影響が出ないようにとおっしゃいましたけど、ちょっともう一度、表を見てくださいね。関税撤廃率が七三・六%になるわけですよ。この牛肉の関税撤廃ということですけれども、ラインが五十三ある、そして関税撤廃三十九と。撤廃するもの、例えば牛タンなどは関税率を初年度に半減する。牛肉調製品のミートボールは、現在の関税率五〇%ですけれども、撤廃と。関税を残すという牛肉は、現在関税率三八・五%、これを十六年目には九%まで削減すると。 二〇一〇年度のTPPの輸入実績を見てください。これ、農水省は最近の資料を出さないので少し古いんですけれども、二〇一〇年度の関税を削減するのと関税撤廃するものの、削減と撤廃ですね、この輸入実績は合計すると二千四百二十三億円です。 TPP協定で関税を撤廃、削減するわけですから、これ、輸入額も輸入量ももっと増えるんじゃありませんか。
○国務大臣(山本有二君) まず、牛肉においてタリフラインの撤廃率が高いということでございますけれども、これは、そのラインだけで見れば、機械的に見ればそうかもしれません。しかし、農家が生産するという上におきまして考えていく必要がございます。 まず、輸入実績が極めて少ないもの、それから国産品と代替性が低いもの、こういったものについて撤廃したわけでございまして、先ほど御指摘がございましたタンとハラミ、例えばタンは需要の三%しか国内で生産されておりませんので、タンを食べるためにはほとんど輸入に頼らざるを得ないという実情がございます。また、ハラミは一〇%しか国内生産がありません。こういう二つしかないようなものにつきましては、撤廃しても何ら国内生産に影響はないというように思えるわけでございまして、さらに牛肉の調製品、ミートボールにつきましては、輸入品が牛肉本体に比べてごく僅かでございます。 そんな意味で、生産者の目から見てこの撤廃が妥当かどうか、適切か否かということを判断してきたわけでございます。
○紙智子君 大きいもの少ないもの、確かにあると思いますけれども、影響はやっぱり大きいんですよ、全体として。 牛肉は、一九九一年に自由化されて、その後、ウルグアイ・ラウンドを受けて関税を自主的に引き下げたと。自由化と関税率の削減によって牛肉輸入率が増加をして、価格が安い輸入牛肉が出回ったことで国産の割合が低下した。農家は、自由化後で、五年間で三割減少した。これは実は農水省が当時分析した中身です。さらに、関税による一定の国境措置がなければ国内生産は壊滅的な影響を受けるんだと、そこまで言っているわけですよ。そこまで言ってきたのに、今回の影響試算というのは、生産量の減少率ゼロ%、生産減少額は最大で六百二十五億円と。これを信じてほしいというのは余りにも無理があるんじゃないかというふうに思うんですよ。 私は、TPPについて、北海道で酪農家やあるいは肉牛の農家や自治体関係者とずっと懇談していますけれども、十勝地方で約八百トンの肉牛を飼っている肥育農家というのは、ホルスタインの雌から生まれる雄の子牛を引き受けて育てると。肉質では輸入肉に負けない自信と誇りを持って生産しているわけなんですね。関税が下がってホルスタインと競合する輸入肉が増えれば、価格が下がってホルスタインでは経営が成り立たなくなると言われるんですよ。酪農家はホルスタインの雄牛を肥育農家に育ててもらう、畑作農家は酪農家から堆肥を提供してもらって逆に麦わらを提供すると。だから、肉牛の生産者と酪農家と畑作農家は連携し共同しながら生産をして地域を守っているわけですよ。肉牛生産者の経営が成り立たなくなったら、これ、地域の共同が崩れることになるんですね。 世界では牛肉の需要が急激に伸びて買い付け競争とか価格競争が一層激しくなっている中で、このTPP協定というのは畜産経営を国際競争に放り出そうというものだと思うんですよ。アメリカの全米肉牛協会は、日本への輸出は倍に増えるというふうに喜んでいるわけですね。それから、オーストラリアは、日豪EPAで不十分だった内容が改善できて、日本への輸出が期待できると言っているわけですよ。言わば、TPP参加国の中で、日本への輸出をアメリカとオーストラリアが競い合う状況が生まれたとすると、これは日本の畜産経営や地域農業の共同が崩されていくんじゃありませんか。総理、見解を求めたいと思います。
○国務大臣(山本有二君) 特に牛肉については、我々としましてはきめ細かに対応をさせていただいております。特に体質を強化してもらう、これによってブランド化が進んだり国際競争力が付けられたりするような施策でございます。畜産クラスター事業を強化する、生産コストを削減する、また、受精卵移植の計画的な活用により乳用種から肉用種への転換、先ほど御指摘のとおりでございます。また、マルキンの法制化等につきましても、これはその対策を講じることとしております。 そして、大事なことは、輸入の量が増えることのないようにということを我々も念掛けておりまして、特に、発効後、セーフガードにつきましては五十九万トンでセーフガードが発効されるわけでございます。今の生産量、輸入量が五十三・六万トンですから、一〇%の増加で発動されるわけでございます。今現在は一七%でございますから、言わばTPP発効の方がセーフガードがよりきつくなる、パーセントが低くなるということで、国内生産を守っているわけでございます。 そして、セーフガードは年二%ずつ増えるわけでございますが、最終的に十六年目までこのセーフガードは続いておりまして、七十三・八万トン、過去最高の輸入量を、これを上限にしております。つまり、過去最高の輸入量ということは生産者が経験をした輸入量でございまして、この経験した輸入量が上限となるわけでございますので、このセーフガードがある限り、私は過度な、輸入量が予測に反して増えるということはないというように思っております。
○紙智子君 急速に増えないとかいろいろ言うんですけれども、輸入は確実に増えるんですよ、増えるんです。そして、輸入、一旦入ってくると、価格下落には歯止めできないんですよ。セーフガードやったって価格下落は止められないんですよ。しかも、十六年やった後四年間発効しない場合は、セーフガード、廃止ですよね、なくなるんですよ。 もう一つ、ちょっと豚肉の話もしたいのでパネルを見てほしいんですけれども、関税撤廃には四十九のラインのうち三十三ライン、撤廃率は六七・三%。日本は、高い豚肉に課している四・三%の従価税を一年目に半減し、十年目以降は撤廃すると。低価格の豚肉に課している従量税は、現行一キログラム当たり四百八十二円を、一年目、百二十五円に下げて、十年目以降は五十円に下げると。二〇一〇年のときの撤廃、輸入の実績というのは約二千八百億円です。関税率二〇%の税金掛けていても二百三十億円分輸入されていた豚カツの関税も撤廃と。TPPで更に輸入肉が増えて打撃を受けるんじゃないかと。 一言どうですか。長くならないように。
○国務大臣(山本有二君) 豚肉の輸入のライン撤廃については、国産品との代替性が低いものについて撤廃しております。 しかし、TPP諸国からは、恐らくオーストラリアから入るだろうと予測されておりますが、既にこの部分につきましてはタイ産のものがオーストラリア産に代替されるというように予測しております。その意味においては、豚肉の輸入によって、低価格部位についてこれが影響を受けるということはありません。 そして、国産豚肉で作られた豚肉調製品、特にハム、ベーコン、ソーセージ、こういったものについては既にかなりの国際競争力と差別化が図られておりまして、これにつきましては輸入には決して負けないというようになっております。
○紙智子君 そう言いますけど、私、現場を回って歩きますと、本当にもう批判が相次いで出されています。 千葉の養豚団地に行きました。ここは、母豚五百頭、年間の出荷頭数は一万頭を超える大規模なところです。畜舎を建てたときの借金がまだあって、価格下落、低下した場合は、再生産できなくなったらもう立ち直れないと言われていました。TPPによって関税が下がって安い豚肉が海外から入ってきたらとてもやっていけない、TPPは何とか止めてほしいというふうに訴えていました。これ、TPPをやめることが農家の声に応えることだと思いますよ。 国会決議違反と試算のいいかげんさというのは、農民の怒りと不信感を広げているわけです。北海道から九州、全国各地を私、歩いて調査してきました。改めて、生産現場の影響の大きさを痛感しました。重要五項目の影響はもちろんなんですけれども、野菜とか果樹についても影響が大きいわけです。 愛媛のミカン農家を訪ねました。温州ミカンや伊予カンなどのかんきつ類は全国一の生産規模です。愛媛のミカン農家は、一九九一年のオレンジの自由化のときに安い輸入オレンジに押されて、一九九〇年には十三万九千七百戸あったんですけれども、二〇一〇年には五万七千二百戸まで減りました。輸入自由化後、生き残りのために品質改良の努力をしてきたけれども、それでも離農は止められない。農家戸数が半減しています。 政府は、温州ミカンと輸入オレンジは差別化が図られている、国産ミカンの果汁は品質が高いから影響ないんだと言うと。しかし、ミカンにしてもオレンジにしても果汁にしても、結局これ、六年後には関税が撤廃されるわけですよ。輸入オレンジがこれまで以上に入ってくれば、国産ミカンの果汁の価格も下落して離農が進みかねない。 ミカンは、苗木を植えてから実がなるまでの間は五、六年たつわけですけれども、六年目に関税撤廃に、なくなると言われたら、これ続けるかどうかためらうというふうに言っているんですね。ミカンというのは愛媛の基幹産業ですよ。TPPで関税が撤廃されれば更に影響を受けて、地域経済や地域雇用を壊すことになるんじゃないでしょうか。総理、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 関税撤廃が原則という中において、TPP交渉の中で、国産ミカンと同じかんきつ類であるオレンジについては、国産ミカンが最も出回る時期である十二月から三月に適用されている三二%の関税について、即時撤廃を回避をしまして、段階的に削減した上で八年目に撤廃をすることとされました。その上で、関税削減期間中に輸入量が一定量を超えて増加した場合は関税を引き上げるセーフガード措置も獲得しました。 加えて、国産ミカンは、食味や食べやすさが輸入オレンジとこれは異なるわけでございまして、ミカンはすっとむけるんですよ、これ。なかなかオレンジは大変ですからね。差別化が図られていることから、TPPによる国産ミカンへの影響は限定的と見込んでいるわけであります。 事実、今なぜ私がそういうことを申し上げたかというと、事実、平成三年のオレンジの輸入自由化の際に国内ミカン生産が壊滅するのではないかと、こう言われておりましたが、そのようなことはなくて、現在でも高品質なミカンの生産は続いているわけでございまして、こたつに入りながら食べるのはやっぱりミカンだなということでもあろうと、こうも思うわけでありますが。 他方、関税撤廃によって長期的には国産ミカンについて価格の下落も懸念されることから、総合的なTPP関連政策大綱に基づいて、高品質な果実の安定生産を可能にする生産システムや生産コスト削減につながる高性能な共同利用機械の導入、外食業者や加工業者による国産ミカンを活用した新商品の開発等を支援していくこととしておりまして、今回の補正予算にも必要な経費を計上したところでありまして、引き続きこれらの対策を着実に実施をしまして、ミカン農家が安心して営農を継続できるように万全を期していく考えでございます。
○紙智子君 ミカン農家の方はそんな安閑としていませんよ。本当に必死の思いで、どれだけ大変な思いをしてきたか、今まで、WTO以降もですね。そして、それを一生懸命生き残って、必死の努力続けて今まできたわけですよ。その努力というのは本当に大変なものだということを私は思いましたよ。そういう中で、今、先祖から受け継いだその土地を自分の代で切らすわけにいかないという、涙ながらにそういう話を訴えられたんですよ。そういう気持ちを本当に分かっているのかということを言いたいと思いますよ。それで、どこを歩いても、農業は日本の宝だと、農業を目指す若い人たちの希望が本当に生かされるように、誇りを汚さないようにしなければいけないと私は訴えたいと思いますよ。 最後になりますけれども、各地、農業地域を歩きますと、農政に対する批判が出されますよ。一つはTPP、もう一つは規制改革推進会議への批判です。 安倍総理はかねてから、日本を世界で一番企業が活躍しやすい国にする、そのために、その障害となる岩盤規制を自分がドリルになって破壊すると言ってきた。そのために、農業改革、農政改革について、現場からは、改革といいながら、狙いは農協潰しなんじゃないのか、地域の助け合いの役割まで壊そうというのか、協同組合が自主改革への議論を進めているのに何で部外者から横やりを入れられなければならないのか理解できないと、こういう声が出されているのを、総理、どう思いますか。
○国務大臣(山本有二君) 規制改革推進会議、これにつきましては、この間、十一月に意見が取りまとめられまして、全農等とも合意の上で今後の農政の展開方法を農業競争力強化プログラムとして取りまとめることができました。引き続き、農協の自己改革あるいは生乳流通の改革、こういった意欲を受け止めて、今後、JAグループと一緒になって更なる生産者の所得向上に努めてまいりたいというように思っております。
○紙智子君 安倍総理、お答えになっていないんですけれども。 安倍総理は、改革推進会議に出席して、それで、そういう意見が出ているということに対して、私が責任を持って実行するというふうに言ったら、農家の人たちは一層不安になるんじゃないですか。農業者のためと言うけれども、本当は企業が活躍しやすい国づくりのために農政改革をやろうとしていると。全農や農協は単協や農業者を組合員として、自主的な組織なわけですけれども、協同組合なわけですけれども、外からあれこれ指示するというのはこれは不当な介入だと、協同組合を理解していない異常な議論だと思いますよ。 農政改革というのは、農業をアメリカの多国籍企業と農業の大企業のもうけの場にするTPPと一体の農業改悪だと。これは私は絶対許すわけにいかないと思います。一部の多国籍企業の利益のために国民を不幸にするようなTPPの推進には断固反対を表明して、質問を終わります。 ─────────────
○委員長(林芳正君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、行田邦子君が委員を辞任され、その補欠として松沢成文君が選任をされました。 ─────────────
○儀間光男君 日本維新の会の儀間でございます。 〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕 安倍総理にTPP関係を質問したいんでありますが、その前に申し上げたいと思います。 総理は、来る十五日、ロシアのプーチン大統領を山口に迎えて首脳会談があります。さらには、二十七、八日ですか、真珠湾を訪問されて、オバマ大統領共々慰霊を、途に就くそうであります。これで対アメリカと、国際法上も戦後処理は最後になるかと思います、間違いなくですね。ただ、沖縄に不発弾などがまだあって戦後処理は続いておりますが、国際法上、主権の問題という意味では、ハワイに行かれることによって戦後処理は完了するのかなと思います。 ところが、対ロシアについては、ソ連、ロシアについては戦後処理は一つも解決されていません。北方領土がそのままであってみれば戦後処理はこれからだというようなところでありますから、どうぞひとつ、そういう意味で、せめて主権を認める、潜在主権を認めるような話、あるいはその入口、もうやっているとは思いますが、それを確固たるものにして北方領土の返還を促進していただきたいと。 もとより、昨日、我が党の片山代表から話があったように、また答弁があったように、一朝一夕ではいきませんけれども、粘り強い交渉の中で北方領土の返還を勝ち取っていただきたいと、わざわざ北方領土返還のバッジを付けてその熱意を示したところです。 さて、我が党は、もとよりTPPは推進派でありました。ところが、来る一月二十日にアメリカの大統領就任予定のトランプさんのあの発言には正直驚きを覚えました。内向きで保護主義でいくのかなというように思いまして、今までどおり我々がTPPを推進して果たしてよいものなのか、一抹の不安を覚え、一瞬ではありましたが、ちゅうちょいたしました。 ところが、今日までの我が国の歴史をかいま見るときに、我が国の明治から今日まで至るまでの国の成り立ちを客観的に考察すると、資源に乏しい我が国が世界に冠たる貿易大国あるいは経済大国まで成長、発展遂げることができたのは、要因は、まさに貿易そのものにあったといたすのであります。これを否定する人は何人もいらっしゃらないだろうと、こういうふうに思います。 我が国は、地理的条件が四面海に囲まれた島国であり、また、少子高齢化の到来で将来的には人口は一億人を切ると予測され、国内市場は縮小されることが間違いなく進んでまいるわけでありまして、これを否定する何人もまたいないのではないかと思います。そのようなときに、我が国の先人たちの先見性でもって築かれた貿易立国を持続発展させるためには、TPPの推進以外ないと考えているのであります。 我が国の地理的特性や非資源国という条件は、過去も現在も、そしてまたこれからも変わるものではなく、この際、残されたTPP加盟十か国を始め安倍総理がそのトップリーダーとなって、強力なリーダーシップを発揮してアメリカの翻意を促していただきたいというふうに思うのでありますが、総理の新たなる決意を伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 残念ながら今の状況において、確かに、委員が御指摘になったように、次期トランプ米国大統領がTPPから脱退をするという趣旨の発言をしておられるわけでございますが、しかしこのTPPというのは、我々もこの四年間交渉をしてきたわけでございますが、まさに交渉を進めてきたことによってTPP自体が進化をし、そして自由貿易のルール、新たな経済圏をつくっていく、公正でフェアな経済圏をつくっていく中において大変大きな成果が出たと、こう考えているわけでございまして、言わば自由でフェアなこのルールの中で、物やお金が自由に行き交う中において地域を間違いなくこれ発展させていくわけでございますし、また、日本と米国がこれはリードしてきた、言わば普遍的価値を共有する国々の中において日本がルール作りの中においてもリードしてきた結果、バランスの取れたこれは協定ができたと、こう考えております。 〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕 米国政権が移行期にあり、また、世界の中において保護主義が台頭しつつある中において、こうした新たなルールを世界に示していく、そして日本がこの水準の高いルールをしっかりと国内において批准する、これは、そういうことができる国であるということを示していく、そして、この方向が世界が目指していく方向だということを国会においても示していくことは大きな意義があることであろうと、このように思います。
○儀間光男君 今日、今朝の産経新聞、タイムリーに記事が出ておりましたが、アメリカの元在沖米海兵隊の政務外交部次官だったロバート・エルドリッジという人が、コメントがあります。日本が主導権を取って米国を除く十一か国をまとめるべきだと。それから、自由と民主主義を共有するアジアの各国、国々の参加を広く求める、歓迎すべきだというようなことも言っておりますし、米国がTPPを批准しないのは、百年前の第一次世界大戦後の国際連盟を提唱しながら入らなかったような失敗になっている、恥ずかしいことであると、こう述べているんですが、それに対する御感想があれば。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今までも、今おっしゃったように、米国がリードしながら、しかしその後、議会において参加が見送られた例というのは、これはまさにウィルソン大統領が主導しながら、当時の国際連盟に残念ながら議会が反対して加盟することができなかったという例もありますし、また、京都議定書においては当時のゴア副大統領がリーダーシップを発揮をしたわけでございますが、残念ながら議会で承認されなかったということになってきたわけでございます。 しかし、その後、その後まさに米国は、この第二次大戦後の国際秩序をこれは形成していく上において、国際連合において主導的な役割を果たすことになったわけでありますし、また、パリのCOP21におきましても、米国が、またオバマ大統領が主導的な役割を担ったわけでございまして、つまり、そういうところからすれば今回も、TPPにおいても私たちがしっかりと意思を示していく、他の参加国もこれはみんなそうで、米国以外は今全部そうでありまして、国内手続を進めていこうというのは、まさにこの方向こそ私たちが目指すべき方向だということを世界に示していく、あるいは米国に示していく価値は十分にあると、こう考えているからであると思います。
○儀間光男君 恐らく米国国内においてもTPP賛成派もおると思うんです、世論形成はよく分かりませんが。そういう人がおる限り米国への働きかけは十分可能だと思います。 次に行きます。パネルをお願いします。(資料提示) 先ほど紙智子委員は肉の話をやっておられましたが、私は、肉になる以前の飼料の話を少しさせていただきたいと思います。 パネルを御覧いただきたいんですが、円グラフがありますが、配合・混合飼料の原料使用量、これ日本、我が国のです。平成二十五年度、二千三百九十四万トンが飼料原料として外国から輸入されております。その中の、円グラフの中の右肩側にグリーンのグラフがありますが、トウモロコシ、これが全体の実に四四%、四割から五割の間を行ったり来たりしているんです。数量にして一千四十六万トンがアメリカやアルゼンチン、諸外国から来ているのであります。 次のパネルをお願いします。 それでは、この飼料の原材料としてその四十数%を占めているトウモロコシが日本にどんな旅をしてきたか、これを少し順を追って見たいと思います。左上に飛行機マークがありますが、これは船との間違いです。 さて、生産国は、主力の生産国は、アメリカ、ブラジル、アルゼンチン、ウクライナ、南アフリカ、左側の、これピンクの四角でしょうか、あります。これからオレンジの四角に、右側に矢印がどんどん進んでまいって、港湾・荷揚げサイロ、最後にありますが、これは、トウモロコシが輸入されて、穀物メジャーから輸入商社、あるいはいよいよ船に乗って大西洋からパナマ運河でも越えるんでしょう、太平洋を出て日本に着くまでの過程です。この過程で、既に日本の畜産用の飼料のコストは高めにこの分吸収していかなければならないわけであります。 さらに右側に、備蓄サイロから右側にグリーンの矢印で四角がありますが、自家配合飼料工場あるいは自家配合施設、これは直接農家がやって農家に直接届けますから、この長い矢印になっております。 備蓄サイロから配合飼料工場に原料が移されて、いよいよ配合飼料を作るわけですが、これが作ったら、今度は薄いブルーの四角が四つありますが、工場の支店とか営業所あるいは特約店を通じて農家へ届くコースと、経済連・総合農協、県連・専門農協、特約店を通っていくシステムがありますが、ここまで、つまり七つの過程を経てコストがアップしていくわけです。そして、小売店、農家に入れる手数料を入れて、農家が取る飼料は全てこの七つ、八つの過程、セクションの手間暇賃、それを上乗せした飼料を買って取っているわけです。 大臣、ここまで間違いありませんか。
○国務大臣(山本有二君) 御指摘のように、国際化の進展に伴って、我が国畜産農家を守るためには、生産コストの削減、それが重要でございます。牛については四割、豚については七割を飼料の費用が占めているわけでございますので、その意味におきまして、御指摘の飼料の原料、これをいかに安く買い付けて、また実需者、畜産農家に提供できるか、これが言わば問われているというようにも思っております。
○儀間光男君 先に答弁されてしまいましたけれども、事ほどさように飼料を外国、国外に依存している間は、原料をですね、依存している間は、我が国の畜産物のコストの軽減なんてかなり厳しい。なかんずく、TPPで東アジアその他に出よう、あるいは国際的に競争をしていこうというこれからの形態としては極めて弱い立場に立たされる、これが一目瞭然なんですね。なぜなら、飼料の四〇%、生産コストの四〇%、五〇%、豚は七〇%に至るのがコスト、費用であってみれば、それは当然の話である。 さて、この全てのコストを飼料に上乗せして、畜産農家が製品を作って出荷するんですが、そのときにこの全てのコストを吸収されておりますか。実際はどうなんですか。
○国務大臣(山本有二君) 幾つかそうしたコスト低減、あるいは可能な限り国内の飼料原料、こうしたものの生産、利用というものを図っているところでございます。 輸入原料に代替するものとしましては、御存じのとおり、飼料用米を作っておりますし、また、トウモロコシの子実と芯を同時に利用することができるイアコーンサイレージというのも栽培し、そして食品残渣の利用飼料であるエコフィード、こういったものを活用していただいて、外国産に頼らない体質強化を図っているところでございます。 そして、先日制定いたしました農業競争力強化プログラム、ここでも生産資材の価格の低減というものを大きな目標としておりまして、その意味におきましても今後こうした努力を重ねていきたいというように思っております。
○儀間光男君 もうおっしゃるとおりでありまして、これを、この飼料資源の国内の自給率をいかに高めていくか。例えば牛ですというと、草を食べますから、その草にも、何というんですか、単収の非常に上がる草類があるんですね。そういうのを求めて、草地を規模を拡大して、その政策はあるんですが、そういうあらゆる手段を尽くしてコストダウンを図っていかぬというと、TPPで十六年間守られているからなどといっては通用しないと思うんですね。 なぜなら、日本の肉の質の技術は、アメリカもオーストラリアもニュージーランドも、もう大体追い付きつつあるんですね。証拠に、オーストラリアが神戸WAGYUとして東アジアで流通している。中国だって雪龍黒牛とかいって大分出ているんですね。 そういうことで、コストで勝負しないというとなかなか大変ですから、コストを下げるようなことを努力をしていただきたい。 さて、このまま私の地元である沖縄にこれを移してみたいと思います。 沖縄は、このトウモロコシの旅の地図にあるように、更にもう一回船に載せるんですよ。沖縄の穀物は、原料、トウモロコシは、鹿児島県の志布志港に荷揚げされて、そこで備蓄されて、必要な分、志布志港からもう一回船へ載せて沖縄へ行くんですね。その備蓄サイロ料がトン五百円を払っているといいます。さらには、もう一回船に載りますから、その運賃も重なって、沖縄に届くときは沖縄の畜産業者は更にコストアップになるわけです。 ですから、なかなか沖縄では肥育牛を育成するというのはコスト的に、経営的になかなか厳しい。したがって、繁殖牛、黒毛和牛の子牛を中心に農家はやっておるんですが、今後は肥育牛もやっていかなければならない、こういう形になっております。 沖縄の繁殖牛、黒毛和牛の子牛の取引頭数でありますが、全国で四番目に多いですね。鹿児島が圧倒的に多いです、七万三千頭ですね。宮崎が五万四千頭、北海道三万八千、沖縄県が二万五千ということで、繁殖牛を主にやっておりますが、TPPやあるいは東アジアのマーケット展開となるというと、もっともっと肥育牛も繁殖牛も、それを増やすには母牛ももっともっと増やしていかなければなりませんが、今言うコストの問題、さらには大量の、多くのロット、ロットの大きい取引しないといけませんから、それを荷揚げする施設、インフラですね、あるいはサイロ、そういうものを造る中で飼育頭数を相当増やしていかなければなりません。太刀打ちできないんですね。 そういう意味では、総理が常々おっしゃる、沖縄は日本の南のフロントランナー、トップランナーとして振興していくという力強い言葉があるんですが、このインフラには港湾の整備が必要です。 今、中城湾港といって、東側にありますが、ここは港湾整備進行中でありますけれども、七万トン、六万トンの船の接岸には不向きであると。ここを整備しなきゃならぬ。何が不向きかというと、水路が狭くて水深が小さい、回頭水域が確保できませんから、これを整備していかなきゃならぬといって、内閣府の沖縄総合事務局の那覇港湾・空港整備と沖縄県とあるいは飼料工場とJAという四者でいろいろ打合せしておって、今そのインフラ整備をどうしようかというようなことをやっているんですが、山本大臣、この沖縄の現状についてどう御理解され、どのような手を打とうとされているか、教えてください。
○国務大臣(山本有二君) まず、沖縄県の農業産出額は九百一億円でございます。そして、そのうち畜産業では四百十一億円、つまり、全体の農業の四割が畜産業であるという認識をしております。その中で、特に御指摘がありました輸入飼料穀物につきましては、鹿児島の志布志港での積替えが必要でございます。そしてさらに、沖縄県内に入りましても、離島に向けては更に輸送コストが掛かってしまうわけでございます。 そんな中で、沖縄県は努力をされておられまして、今までは豚あるいは鶏用のみの飼料工場はありました。しかし、牛用の飼料工場がなかったということにおいて、中城に新しいエコフィードの会社をつくられて、またそうした飼料のコスト削減に向けて努力をされておられます。 そこで、中城港において船舶の大型化が必要だという話でございます。現在、港湾整備等の計画が策定されておりますが、明年の三月にはこの計画が着実に成果を得られるだろうというように期待をしておるところでございます。
○儀間光男君 明年三月じゃないんです。明年度の新年度予算で水深を深くして水路を開けようということが始まるんです。岸壁はこれから。 総理大臣、お疲れのところ恐縮ですが、今のやはりインフラ整備は、大臣の下で陣頭指揮、タクトを振らぬとなかなかいけません、予算の要ることですから。中城湾港の強化、あるいは今言う飼料原料の荷揚げとして耐久できる岸壁、そういうものをこさえていただきたいと思うんですが、総理の決意のほどをいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 畜産の重要性についてはTPPの下においてもこれ全く変わらないわけでありますが、このため、総合的なTPP関連政策大綱に基づいて畜産の体質強化を図る施策や経営安定対策を積極的に講じていくこととしております。 ただいま御質問をいただいた件等もこれも含めまして、沖縄における競争力について我々もしっかりと考えていきたいと思います。
○儀間光男君 ありがとうございます。終わります。
○山本太郎君 自由党の山本太郎です。 これまでの審議によって、TPPが発効すると、食の安全、健康、環境といった公共の福祉を守るための規制がISDSなどにより難しくなることが明らかになりました。しかし、政府は有り難みのない、まるで有り難みのないお経のように問題ないと繰り返すTPPについて、会派を代表し質問します。よろしくお願いします。 まずはそもそも論から。この一本を見ればTPPが何となく分かるというような内容にしたいと思います。 TPPに日本語の正文、正文は存在しますか、しませんか。澁谷審議官、二択でお答えください。
○政府参考人(澁谷和久君) 日本語は正文になっておりません。
○山本太郎君 ありがとうございました。 日本語の正文、TPPには存在しません。 正文とは何ですか。協定の公式言語です。そうとも言えるのが正文です。条約や協定を作る際、基本となる解釈を他国と共有できるように、後から解釈でもめないように、それぞれの言語で準備するのが正文。先々解釈でもめた場合でも、日本語の正文ではこうなっていますよという共通の認識を基に闘えるんですけれども、今回のようにただ英文を翻訳しただけのものではそれができません。 TPPには、日本語の正文はありませんが、英語、スペイン語、フランス語による正文は存在します。フランス語の正文は、TPP参加国カナダのある地域のために作られました。カナダ国内でフランス語が話されているのは、ケベック州とニューブランズウイック州などの地域。GDPで見てみると約三千六百億米ドルぐらい、日本のGDPと比べると約十三分の一。日本の経済規模の十三分の一の地域のためにフランス語での正文が準備される一方、TPP参加国の中でGDP第二位の日本のために日本語での正文は用意されていない。おかしな話ですね。 シンガポール、メキシコ、ペルー、オーストラリア、モンゴルなどなど、今までもそのような協定、二国間とかでいろんな協定を結んできましたが、日本語の正文が存在するものはあります。ほかの多国間協定でも日本語正文がないものがあるじゃないかとおっしゃりたい方いらっしゃるかもしれない。けれども、あれもこれも秘密のTPPで協定文だけを頼りに審議するんだから、誤解が生じないように日本語の正文、用意するぐらいは最低条件じゃないでしょうか。 日本語の正文がないと、どんな問題が生じるでしょうか。具体的な例で聞いていきたいと思います。(資料提示) 環境や健康などに影響を及ぼす企業活動の歯止めになる条文ありますかと以前質問いたしました。その際、投資の章九・一六条と附属文書九のBについてお答えをいただきました。九・一六条については、投資の章に違反しないという条件付、限定付きで健康、環境に関する規制を掛けることを許してあげましょうという代物だった。つまり、論理的には何の歯止めにもならないことが明らかになりました。 今日は、以前の答弁でおっしゃったもう一つの方、附属文書九のBについてお聞きします。 附属文書九のBって何ですか。投資の章に規定された投資財産の収用の原則禁止に関連し、締約国の行為が間接収用に該当するかどうかについての条文。要はどういうことでしょうか。何が収用、間接収用に当たるか書かれたものです。 収用、間接収用、ざっくり説明します。収用。かつてイランやベネズエラのような産油国で、外資系企業が開発した油田を突然国有化する、財産を完全に取り上げてしまうといったことが起こりました。こうした行為が投資の章が禁止する収用の典型例。直接財産を取り上げてしまうような収用だけではなく、規制の強化や新たな規制を設けた結果、財産を制限したり使えなくしたりすることも収用の一部だよ。これを間接収用という。 例えばメキシコ政府が、メキシコ国内でスペイン企業が運営する廃棄物処理施設が環境及び公衆衛生に対する脅威になっていると施設の許可の更新を拒否した事例、この許可の更新拒否が間接収用に当たるとされた。政府が人々の健康や環境を守るための判断や規制を行えば間接収用としてISDSで訴えられる状況って、これ異常ですよね。しかし、仲裁に関わり巨額の報酬を得る弁護士や投資家はこれまで間接収用という魔法のつえで数々の訴えを実際に起こしてきた。多くの投資仲裁事例でもそれははっきりしています。それに対する歯止めはどうなんでしょうか。簡単に間接収用じゃないかと言えない作りにTPPはなっているんでしょうか。 附属文書九のB第三項(b)を見てみます。これは、原則として公共の福祉を目的とする規制措置は間接収用に該当しないと言っています。前回の答弁で附属書九Bを挙げたのはそういう理由からだったと思うんですよね、そちら側が。しかし、条文の下の方、黄色いライン部分をちょっと拡大してみますね。条件限定、これやっぱり付いていることが分かるんですね。どういうことなのか。「極めて限られた場合を除く」と。どういうことか。つまり、公共の福祉を目的とする規制措置でも間接収用に該当する場合があると認めているわけですよね。じゃ、どんな場合に間接収用なんですか、極めて限られた場合ですと。極めてですから、単なる限られた場合よりも限定された、本当にレアなケースを指していると考えるのが普通ですよね。 該当部分、英文でも確認いたしました。同じく黄色い部分ですね、ライン引いてあるところ。すると、エクセプト・イン・レア・サーカムスタンシーズ、「except in rare circumstances」と書いてある。辞書で確認しました。エクセプトは除いて、レアはまれな、サーカムスタンシーズは状況という意味らしいです。つまり、まれな状況を除いてという意味の英文。日本語訳のうち、限られた場合を除くという部分は何となく英語に対応していると言えると思います。間違ってないよねって。でも、極めてと強調するニュアンス、英文のどこにもないんですが。(発言する者あり)レアに入ってんじゃんじゃないです、まだ続きがあるんです。聞いてくださいね、自民党の皆さん。極めて限られた場合を除くと強調するならば、クワイト又はイクシーディングリー。だって、レアだけだったら、まれという意味ですから、普通はそのような言葉が付け加える必要があると。 なぜ、限られた場合を除くという日本語訳ではなく、極めてという原文には見られない修飾語を入れて強調するような翻訳を行ったのか、簡単に教えていただいていいですか。短めにお願いします。審議官の方でいいですよ。
○政府参考人(澁谷和久君) 御指摘のレア・サーカムスタンシーズ、極めて限られた場合というふうに訳しておりますけれども、日豪EPA投資章あるいは日中韓の投資協定においても同様の文脈で用いられているレア・サーカムスタンシーズを極めて限られた場合というふうに訳しております。リミテッド・サーカムスタンシーズじゃなくてレア・サーカムスタンシーズということでございますので、この和訳は適当だと考えております。 ちなみに、英英辞典でこのレアという言葉を引いてみますと、ウェブスターの辞書でございますが、レアというのはセルダム・オカーリングとあります。セルダムというのを同じウェブスターの辞書で引きますと、オールモスト・ネバーということでございますので、ほとんど起こり得ないと訳すのが正しいのではないかというふうに思います。 ちなみに、オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書の改正においてレアケーシスという英語が使われておりますが、これも極めて限られた場合というふうに訳出しているところでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。勉強になりますね。 ほかの協定でもやってきたと、そんなふうにも読めるんだよ、よく勉強しなよ、山本君と。分かります。でも、今回、多国籍企業などの投資家がISDS使うことできるようになると。でも、なおさら、極めて限られた場合という日本語訳を使いたい気持ち分かりますよ。でも、実際にちゃんと書き込むべきだったら慎重を期して記入するべきだと思うんですよね。でも、日本語の正文が存在しない以上、そのようなこと、国内向けの説明、ただの印象操作でしかないと思うんですよ。正文ないんですもんね、訳文しかないんだから。実際に、それもしも仲裁廷に持ち込まれた場合に、念には念を入れた正文を作っていれば、これはレアだということで極めてということも読めるんだよという解釈を間違いのないものにしておく必要がある。どうしてか、国益が懸かっているからですよ。 そういう話なんですけど、実際、ISDSで日本が訴えられてしまった場合、政府が主張するような極めて限られた場合かどうかではなくて、レア・サーカムスタンシーズ、つまり限られた場合かどうかで間接収用に当たるかを判断する。解釈としてはそれすごく問題になると思いますよ。それで押し切れるかどうか分からないじゃないですか。しかも、正文がないんですもんね。仲裁廷でジャッジされる場合、日本政府が勝手に付けた極めてという話になるかもしれない。印象操作のための修飾語は無視されますよ。こういった翻訳文を根拠に政府が幾ら安全だと主張しても、正文である英語の解釈と異なっていれば相手にすらされないと。私たちは、政府が作った正確とは言い難い、むしろ国内世論向けに印象操作が施された翻訳を前提に審議を行っているのです……(発言する者あり)これからですからお待ちください。 さらに、ほかの協定文でもやってきたとおっしゃった。じゃ、ほかの協定文、同様の箇所見てみましょうよ。先ほども出されましたっけ、例を。オーストラリアとの間、日豪EPA。措置がその目的に照らして過度に厳しいものであるために誠実に適用されたものと合理的にみなすことができない場合等、などの極めて限られた場合。極めて限られた場合という言葉はそのまま同じですよね。でも、その手前、よく見てくださいよ。どのように限られた場合なのか、どのように限られた場合が間接収用だと認められるのか、説明、限定、ちゃんと書かれているんですよ。 パネルに、今皆さんの資料にお配りしてあるウルグアイとの投資協定も同様ですよ。これだったら、投資家が限られた場合に該当すると主張して、それ、間接収用という魔法のつえを振りかざすこと、より難しくなる。今だったら、レアという言葉がどこまでの範囲を示すかということがまず問題になる。そこに対して、ちゃんと言葉付け加えなかったんでしょう、念には念を入れて。それをしていなかった上に、このように、事前に、極めてとかという前にちゃんとした説明を入れてなかったという話なんですよ。 最近の投資協定では、間接収用という魔法のつえが濫用されないように、こうした説明、限定を加える例が増えているそうです。米韓FTAでも同様の規定が存在する。しかし、TPPではそういった説明、限定をあえて意図的に外してしまっている。どうして魔法のつえを振りかざす余地、あえてつくっているんですか。 質問します。交渉過程で、ほかの協定で加えたような、目的に照らして著しく厳しい場合とか著しく均衡を失する場合といった文言をTPPでも設けることについて実際現場で話し合われたんですか。
○政府参考人(澁谷和久君) 何回かこの委員会で政府の方から答弁申し上げておりましたが、ISDSというのは、我が国の企業、我が国の投資家が海外で投資活動を行う上で必要なツールだというふうに私どもは考えております。 世界の国々を海外に投資をする余力のある国と受け入れる側というふうに分けますと、我が国は投資国であります。したがって、これまでどちらかといいますとISDSは必要な立場だと、そういうことで主張してきたわけでございます。日米以外の十か国は投資を主として受け入れる側だといたしまして、先ほど総理から御答弁ありましたように、それぞれの立場のバランス、十分考慮しながらこの条文で合意に至ったと、こういうことでございます。
○山本太郎君 いいかげんにしてくださいよ。一言で返せる話を何の話しているんですか。 ISDSでどのような目に遭うかということを、全く危機感もなく、アメリカの巨大企業が、多国籍企業が日本でも商売をやって、そしてISDSで訴えられる可能性があるから念にも念を入れなきゃいけなかったのに、政府がうそと欺瞞でデコレーションを施したこのような協定を参議院で採決すること自体が参議院の恥であり、参議院不要論につながる話です。自然成立、上等じゃないですか。送り返しましょうよ、衆議院に。 党派を超えて、参議院での採決を阻止することこそが国民の生命、財産を守ることにつながると申し上げて、終わります。 ありがとうございました。
○松沢成文君 無所属クラブの松沢成文でございます。 私は、TPPに関連して、国営企業の在り方について総理の見解を伺いたいと思います。今日は、多くの国民の皆さんがテレビを見ておりますので、できるだけ分かりやすく、簡潔にいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 TPPの一つの方針に、国営企業を民営化してイコールフッティングの競争市場をつくっていく、こういう方針があるわけですね。これは、五〇%国が株式を持っているような半国営企業が対象であります。実は日本にもそういう企業がたくさん残っています。例えば、日本郵政、日本郵便の関係の企業、あるいはJR、JR九州は完全民営化しましたが、JR四国とかJR北海道、JR貨物、あるいは政策投資銀行等々であります。こういう国営会社は、国が株式を持って監督したり経営指導をする必要性、公共性というのは分かるんですね。 私は、日本の、今、半国営会社で最も大きな問題企業というのはJTだというふうに思います。確かに、JTは三四%しか国は株式を持っていません。というよりは、三四%なので五〇%の規制には掛からないんですが、ただ、これは日本のたばこ市場を極めて閉鎖的なものにしていて、下手したらISDS条項で他国のたばこ会社から閉鎖市場を訴えられる可能性もあるんですね。 さて、総理、まず総括的に伺いますけれども、たばこという財、これは民間で生産できて民間で流通できます。なぜ、このたばこという健康を害するような製品を製造する企業を国が法律で保護し、国が三四%の株式を抱えて、半国営企業としていく必要があるんでしょうか。OECD諸国の中で、中国以外でたばこ会社を半国営、国の監督下に置いているなんていう国は日本しかありません。何でJTは半国営のままじゃなきゃいけないんでしょうか。民営化できるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これはもう委員は大変JTにお詳しいですからあえて御説明することもないと思いますが、言わば、今の委員の御質問は、たばこ事業法で政府は何を実現しようとしているのかという趣旨だと思います。 たばこ事業法は、たばこ関連産業の健全な発展を通じて地域の雇用や経済の発展に貢献することや、国及び地方の財政収入の安定的確保に寄与することを目的としております。この目的を達成するため、たばこ事業法において、葉たばこ農家の経営安定を図るためJTによる全量買取り契約を実質的に義務付け、これと一体の関係にあるJTの国内たばこの製造独占を認めるとともに、製造独占の弊害を防止し、小売店の経営安定に資するため卸売価格及び小売定価の認可制を認めているわけでありまして、そこで、政府がJT株式を保有しているのはこうしたJTの全量買取りや適正な業務運営等を担保するためであります。 なお、TPP協定にもちょっと言及させていただきますが、TPP協定における国有企業は、政府が五〇%超えの株式を保有している企業とされているところ、JTについては政府が保有する株式は三三・三%と過半数に達していないことからTPP協定における国有企業には該当しないと、このように承知をしております。
○松沢成文君 総理、たばこ事業法の解説を私、聞いたんじゃないんですね。たばこという財は国が法律で規制を掛けたり保護したり、国がたばこ会社の株式を持つ必要は全くないんですよ。それが世界の常識なのに、それができていない。つまり、たばこ事業法自体がおかしいんです。これ、廃止するべきなんです、JTを完全民営化して。それで初めてイコールフッティングの市場ができるんですね。ですから、そこをまず指摘したいと思います。 さあ、JTを半国営にしておく危険の二つ目は、たばこ訴訟なんです。実はもう今、海外ではJTI、訴えられているんです。たばこの健康被害を過小評価していた、それで私の夫はたばこを吸い続けて死んでしまったと、たばこ会社はばんばん訴えられています。一兆円以上の賠償をしなさいというような判決がたくさん出ているんですよ。さあ、このままでいくとJTも、海外で訴えられていますから、日本でも訴えられる。そして、JTの後ろには国がいて、国がオーナーです、筆頭株主です。そうすると、国もたばこ訴訟で訴えられて大変な損害賠償を求められるという可能性が出てくるんですね。そうなると、国民の財産、税金、大きく毀損するわけです。 このたばこ訴訟に対応するためにもJTは一刻も早く民営化すべきだと思いますが、総理はいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに米国等でたばこに対する訴訟が行われておりますが、確かにこれ、三三・三%ですか、国が保有をしておりますが、しかし会社法上、株主の責任は出資額を限度とする有限責任とされておりまして、仮にJTに対してたばこによる健康被害の訴訟が提起されたとしても、株主である政府が損害賠償責任を負わされることにはならないものと考えております。
○松沢成文君 いや、私はそれは違うと思います。 実は、国はJTに対してたばこの害をしっかり認めろという指示出していないんです。受動喫煙の害もまだないと言っているんです、JTは。そんなたばこ会社はJTだけです。こういう指導もしっかりしていない政府、それによって健康を害されて亡くなってしまった、政府にも責任があると、当然政府は訴えられる可能性は大だと思います。 さあ、三つ目であります。年金積立ての独立行政法人GPIFが実は大企業の株をばんばんばんばん買っている。その中で、JTの株、四・二%買っていて、三千二百億円も所有しているんですね。これ、厚生労働省、何考えているんでしょうかと。まず、一方で、受動喫煙防止対策の法制化を目指してたばこ規制を強めたいという厚生労働省が、他方で健康被害をもたらすたばこ会社であるJTの株式を間接的にGPIFが保有してその値上がり益に期待しているというのは、こういうのを大きな矛盾というんじゃないですか。 これ、厚生労働大臣今日いませんから、ちょっと、総理はどうお考えでしょうか。こんな大きな矛盾ないですよ。
○政府参考人(諏訪園健司君) お答えいたします。 年金積立金の運用につきましては、厚生年金保険法あるいは国民年金法におきまして、これは将来の保険給付の貴重な財源となるものであることに特に留意し、専ら厚生年金保険の被保険者の利益のために、長期的な観点から安全かつ効率的に行うということが規定されているところでございまして、言わば他事考慮の禁止ということが規定されているところでございます。 そうした中、GPIFは、国内株式の運用に当たりまして二千社以上の幅広い企業の株式に投資を行っておりますが、法律の規定に基づき、信託銀行等に投資判断全てを一任するという形で二十の信託銀行等に一任しており、個別の投資判断にGPIFが関与する余地がないという現行法令上の枠組みの中で資産運用を行っておりますので、したがいまして、GPIFやその監督官庁である厚生労働省が個別の株式の購入や売却について指示したりその対象から外したりすることはできない仕組みとなっていることについて御理解を賜りたいと思います。
○松沢成文君 時間がないので次に行きますけれども、JTは海外市場でMアンドAをばんばんやって稼ぎまくっているんですよ。驚くべきことですよ。 一九九九年、米ナビスコの海外たばこ事業買収九千四百億円。二〇〇七年、イギリスのたばこ大手ギャラハー社を買収、これは空前の額でした、二兆二千億円。そして二〇一六年、アメリカのたばこ大手のレイノルズ・アメリカンからナチュラル・アメリカン・スピリットというものの海外事業を六千億円で買収ですよ。 海外の市場では、いかにも民間企業だといってもうばんばんMアンドAやりまくる。この市場に入っていくの、一からやるのは大変だから買っちまえ、ばんばん資本主義の権化みたいなことをやっているわけですよ。それで、国内市場はたばこ事業法、JT法でこうやって守られている。生産独占ですよ。流通だって財務省とJTが全部仕切っているわけですよ。こんないいとこ取りってありますか。海外でばんばんMアンドAやってもうけるのであれば、完全な民間企業ですよ。国内だって、民間企業としてほかの会社と競争しながら自由にやるのが、これがイコールフッティングというものじゃないでしょうか。 このいいとこ取りについてはいかがお考えですか。
○政府参考人(北村信君) お答えいたします。 先ほど総理の答弁にもございましたけれども、たばこ事業法は、たばこ関連産業の健全な発展を通じ、地域の雇用や経済の発展に貢献することや、国及び地方の財政収入の安定的確保に寄与することを目的としております。また、政府によるJT株式の保有は、たばこ事業法に基づくJTの全量買取りや適正な業務運営等を担保するためのものでございます。 JTは、基本的に自由に経済活動を行う民間企業でございますけれども、たばこ事業法の目的を達成するために一定の法規制等の下で企業活動を行っております。海外事業の展開もこのような企業活動の一環で行っているものであると承知しております。したがいまして、いいとこ取りとの批判は当たらないものと考えております。
○松沢成文君 海外で民間企業としてばんばんMアンドAやりまくっていて、国内で保護されているのはおかしいと言っているんですよ。答えになっていませんけれども。 総理、やはり総理、改革を目指すのならこういう決断しなきゃ駄目ですよ。こんな既得権ないですよ。財務省、JT、たばこ農家、たばこ流通、これがみんな既得権を持って、みんなで仲よく発展していきましょうとやっているわけです。これはTPPの精神にも反する。そして、JTの事業は、公共性はなし、訴訟リスクを抱える、MアンドAをやって国内では守られ、いいとこ取り。 そして、最後に聞きますけれども、JT自身が、もうこれはまずい、早く民営化してくれと政府に頼んでいるんです。それなのに、政府はなぜ民営化という決断を下せないのか。これは総理、総理がなさる決断です。このままJTをずっと半国営で守っていくのか、それとも将来民営化に向けてきちっと検討していくのか、はっきりとお答えください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 最初の御質問にお答えした際にも申し上げたところではございますが、言わばこのたばこ事業法、当法において、この事業法の目的を達成するために、葉たばこ農家の経営を安定を図るためにJTによる全量買取り契約を実質的に義務付けているわけでありますが、この実質的に義務付けている上において政府がJT株を保有しているわけでございまして、こうしたJTの全量買取りやあるいはまた適正な業務運営等を担保するためであるということでございまして、御理解をいただきたいと思います。
○松沢成文君 時間ですので、終わります。
○中山恭子君 日本のこころ、中山恭子でございます。 十二月八日、この日が来ますと、米国で勤務しておりましたときのことをいつも思い出します。米国ではこの日を合衆国屈辱の日としており、小学校では全ての教室で真珠湾の映像を流し、また勝利の映像を流し、日本がいかにひどいことをしたかについて教えておりました。 そのような両国の関係でございますけれども、これまでにも申し上げていることですが、国と国の関係は人と人の関係に尽きると考えております。総理がトランプ次期大統領とテタテでお話しされたこと、頭を寄せ合って二人だけでお話しされたこと、これを私は高く評価しております。 総理はその価値を実感されていることと思いますが、いかがでございましょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) トランプ次期大統領ですね、トランプ次期大統領に対しては、この会談の中身について詳細に述べさせていただくことは控えさせていただきたいと思いますが、私の考え方については述べさせていただいたところでございますが、まさに日本と米国は、今委員がおっしゃったように、今や和解の上に立って同盟関係となり、世界の様々な課題に共に取り組む希望の同盟となったわけでありまして、世界の中の日米同盟であります。この価値等について、私なりの考え方等についても述べさせていただいたところでございます。
○中山恭子君 やはり国と国が平和を維持していく上で、トップの方々が二人だけで話ができる、こういったことは非常に重要なことであると考えております。 報道によるトランプ氏の発言からは、トランプ氏は日本を普通の独立国として扱っていると感じ取ることができます。TPPもそうですが、いろんな面で日本自体が自立した対応を取ることがこれから求められると予見されます。トランプ大統領の出現は、日本が真の独立国として歩み出すことを促すことになるだろうと考えられますが、総理はどのようにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) トランプ次期大統領は、日米の関係あるいは日米同盟を非常に重要なものとして捉えておられるのだろうなと思います。そうでなければ、世界の指導者に先駆けて日本の総理大臣と会談を行うことはないだろうと、こう思う次第でございます。その中において、今までのトランプ次期大統領の発言を見てみますと、安全保障の分野においても、言わば同盟国の相手国がまさに自立的な防衛努力等を重ねるべきであるという趣旨の発言もしておられるということであります。 いずれにせよ、日本はこの同盟関係を、これを発展をさせていく、あるいは対等な同盟として維持をしていく上においても、安全保障分野においても日本も努力を重ねる、そしてお互いが協力し合うことによってお互いが利益を得ることができる、あるいは地域や世界のために貢献するということにつながっていく、そういう日本としての努力を重ねていくべきだと、そういう考え方を持っておられるのではないかと、このように思います。
○中山恭子君 これまで日本は、やはり国際社会に対して余りにも甘えた国家であったと言えると思います。 日本は、敗戦シンドローム、敗戦病から快癒して、国際社会の中で平和を維持して友好関係をつくり上げる、信頼される国となるために変わらなければならない時期を迎えていると考えております。言わば階段の踊り場にいるように考えられます。これからの七十年を見据えて、日本も新しい日本として歩み出さねばならないと思いますが、お考えはいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 安倍政権においては、積極的平和主義の考え方の下に、地域あるいは世界の平和と安定のために日本も積極的に貢献をしていくという考え方を既に示しているわけでございます。また、世界で取り組まなければいけない課題、問題についても日本も主導的な役割をこれからも果たしていきたいと、このように考えております。
○中山恭子君 安倍総理に期待しております。 さて、TPPに関してですが、TPPの最も大きな役割は、参加各国の間で幅広い各種のルールを作り、経済的な安全保障体制を確立することであると考えます。総理は先ほど、TPPルールこそ二十一世紀の新しいルールであると述べられましたが、このTPPのルールがひな形となって、更に他の各種の協定にも広がっていくことが期待されます。 そう考えますと、今はできっこないと言われておりますけれども、米国を除く十一か国でTPP協定を発効できるように協定を変更してでも進めることが有意義であろうと考えますが、総理はどのようにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは委員も御承知のとおりで、米国抜きでありますとこのTPP協定は発効要件を満たすことができないわけであります。 また、米国抜きでTPPと同じ内容の協定の発効を目指すという意見については、先月、ペルーで開催されたTPPの首脳会合ではそのような議論にはならなかったところであります。これは、TPPは米国抜きでは根本的な利益のバランスが崩れてしまうというのが共通の認識ではないかと、このように思うところでございまして、十一か国がしっかりと国内手続を進めていくことによって米国もこのTPP協定において批准するという方向に促していきたいと、このように思います。
○中山恭子君 トランプ氏がビデオメッセージで来年一月二十日の大統領就任初日にTPPからの離脱を通告すると述べていると報道されております。米国がTPPから離脱すると明示したにもかかわらず日本がTPP協定を批准する意味というのは、先ほど申し上げましたが、やはりこのTPP協定のルール、これをしっかりと維持していくことにあるだろうと考えております。 そういった意味でも、日本が中心となって、十一か国であっても、アメリカが加入してくることを誘いながら、まずは十一か国で進めていくということも有意義ではないかと思いますが、もう一度いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 考え方としては、今委員が御指摘されたような、アメリカが国内手続を行わないのであれば残りの十一か国でこれを推し進めていこうという考え方もあるんだろうと思いますが、一応このTPPについては米国が国内手続を終えて批准することが発効要件になっているわけでございますが、そもそも、それを変えなければいけないわけでございますが、しかし、先般、ペルーにおいて米国以外の国々の首脳、全ての首脳等ともお話をしたところでございますが、米国抜きで進めていこうという議論にはならなかったわけでございます。 それはまさに米国抜きだと基本的な利益のバランスが崩れてしまうと、これはガラス細工のようになっているわけでございまして、米国が、新たな大きな市場があるということを前提に今回の協定ができ上がったということでもありまして、我々としては、他の国々もそうなんですが、国内手続を終えて米国に粘り強く働きかけを行っていきたいと、このように考えております。
○中山恭子君 米国が不参加の場合であっても、日本では目安として経済効果が半分程度になるというように石原大臣から御答弁をいただいておりました。そういった意味でも、他の国のことも考えないといけませんが、まずは、今回このTPP協定のための批准を行うということであれば、日本が中心となって、さらに十一か国を原点として進めていくと。そうでないとなかなか意味が通らないと思いますので、そういった意味で、日本が今後も中心となって動くということを是非御検討いただきたいと思っております。 一言だけお答えいただければと思いますが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今まさにこの条約、そして関連の法案を御審議をいただいているところでございまして、今まさに御審議をいただいているこのTPP条約あるいは関連の法案につきましても是非成立をしていただきたいと、こう考えているわけでございますが、現在議論していただいているこのTPPについては、米国が入っていなければこれは発効しないというものでございます。 そして、先ほど申し上げましたように、米国の存在は極めて大きいという中において、他の、日本も含め十一か国が交渉を重ねてきた結果の合意でございますので、米国が入らないということになりますと大きくこれ利益のバランスが崩れるということがございますので、まずは十一か国で国内手続をしっかりと終え、そして米国に粘り強く働きかけていくということで今一致をしているところでございます。
○中山恭子君 成功をお祈りしております。 ありがとうございました。
○委員長(林芳正君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時三十五分散会