環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会 第11号
- 発言数
- 123 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2016/12/02
会議録
○委員長(林芳正君) ただいまから環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、吉良よし子君、片山大介君、藤末健三君、森ゆうこ君、進藤金日子君及び中西祐介君が委員を辞任され、その補欠として山添拓君、清水貴之君、川合孝典君、福島みずほ君、朝日健太郎君及び森屋宏君が選任されました。 また、本日、河野義博君が委員を辞任され、その補欠として佐々木さやか君が選任されました。 ─────────────
○委員長(林芳正君) 環太平洋パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件及び環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案の両案件を一括して議題といたします。 本日は、両案件の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。 御出席いただいております参考人は、学習院大学経済学部教授遠藤久夫君、北海道がんセンター名誉院長・北海道医薬専門学校学校長西尾正道君及び東京大学名誉教授醍醐聰君でございます。 この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙のところ本委員会に御出席いただき、誠にありがとうございました。 皆様から忌憚のない御意見をお述べいただき、今後の審査の参考にいたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 議事の進め方でございますが、遠藤参考人、西尾参考人、醍醐参考人の順序でお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、各委員の質疑にお答え願いたいと存じます。 御発言の際は挙手をしていただき、その都度委員長の許可を得ることとなっておりますので、御承知おきください。 なお、御発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず遠藤参考人にお願いいたします。遠藤参考人。
○参考人(遠藤久夫君) 学習院大学経済学部の遠藤でございます。医療経済学を専門としております。 時間が限られておりますので、ちょっと文書の読み上げで失礼させていただきます。 本日は、このような場に意見陳述する機会を与えていただきまして、大変光栄に存じております。 私は、二〇〇五年から二〇一一年までの六年間、厚生労働省の中央社会保険医療協議会、いわゆる中医協の委員を務めておりまして、そのうち後半の二〇〇八年から二〇一一年の三年間は会長を務めさせていただきました。現在は社会保障審議会の医療保険部会と介護保険部会の部会長を務めております。そういう関係で、我が国の医療保険制度及び診療報酬あるいは薬価制度について知見があるということで今回参考人として意見を述べる機会をいただいたと、このように考えております。 まず初めに、我が国の国民皆保険について述べさせていただきます。 御案内のとおり、昭和三十六年、一九六一年に国民皆保険体制が発足し、全ての国民が公的な医療保険に加入し、医療の保障を受けられるシステムになっているわけであります。また、我が国の医療保険では、有効性、安全性が確認され、必要かつ適切な治療は基本的に保険給付することとされております。また、高度な医療技術や革新的な医薬品が開発された場合、それらのほとんどは順次保険収載されて公的医療保険の対象となります。つまり、我が国の公的医療保障制度では、提供される医療の有効性や安全性を担保するだけではなく、新しい技術や革新的新薬も積極的に保険給付の対象としているわけであります。さらに、高額療養費制度等々によりまして、高額な費用が掛かる治療においても一定額の自己負担で受けられる仕組みになっているわけであります。このように大変恵まれた医療保険の仕組みは世界にも類がなく、まさに世界に冠たると言える国民皆保険体制だと考えることができると思います。 しかしながら、その一方で、高齢化の進展に伴って医療費が急速に伸びていることもまた事実でありまして、様々な制度改革が現在も求められて進行しているということは御案内のとおりであります。 さて、TPPとの関連でお話をさせていただきたいと思います。 TPPの議論が起きた当初は、TPPの締結によりまして、いわゆる混合診療が解禁され、我が国の皆保険体制が崩壊するのではないか、あるいはアメリカの要求で我が国の医薬品や医療機器の保険償還価格が高くなり、医療費を高騰させるのではないかという、そういう議論あるいは懸念が巻き起こったわけであります。 私は、まず申し上げておきますと、いわゆる混合診療の解禁には反対の立場であります。混合診療の禁止というのは、御案内のとおり、一連の医療の中で自由診療と保険診療を併用した場合には保険診療部分も自己負担となると、こういう仕掛けでございますけれども、この仕組みの評価は様々で、いろいろな意見もございますけれども、私は高く評価しておりまして、我が国の国民皆保険制度の土台を支えている重要な要素の一つだと思っております。 保険診療であれば有効性と安全性が担保された医療しか対象とされませんし、保険診療であれば患者の自己負担は軽減されて、医療へのアクセスが保障されます。さらに、この混合診療を禁止している、こういう体制の下では、新薬を保険収載せずに自由診療として提供することは、患者の自己負担が非常に大きくなるため、製薬企業は新薬を速やかに保険収載しようといたします。その結果、患者は革新的な新薬でも保険診療として少ない金銭的負担で利用することが可能となると。もし混合診療禁止の仕組みが全くなければ、有効性の高い革新的な医薬品がいつまでも保険の対象とならない可能性もあるわけでございます。 したがいまして、TPPの締結が混合診療の解禁をもたらすという懸念が現実のものとなれば、ゆゆしき問題だと私自身も思っておりました。さて、その実態はどうだったのか。こういう関心を持っておりましたので、TPP協定の関係条文、私の能力の範囲において読んでみたわけでありますけれども、混合診療の解禁につながるような内容は見受けられませんでした。その意味で、TPPの締結に伴い、混合診療が解禁され、ひいては我が国の国民皆保険体制を揺るがすという意見は杞憂であったのではないかと、このように思っております。 一方、医薬品は公的医療保障制度の重要な要素を形成しておりまして、一体不可分な存在でありますから、社会保障の一環だとは言えるわけですけれども、一方で、工業製品であることから、TPPのような貿易のルールの議論との親和性は高いというわけで、こちらの方はTPPの議論の俎上にのるだろうとは思っておりました。実際に、TPP協定には医薬品の保険収載の手続に関する規定、あるいは締約国での協議の枠組みに関する規定が設けられております。 この内容に触れる前に、まず、我が国の薬価制度について簡単に述べたいと思います。 私は、先ほど申し上げましたように、中医協委員六年を務めたのですけれども、そのうち四年間は、薬価専門部会という中医協の中の薬価基準を決める部会でありますけれども、そこの部会長を務めておりまして、個々の医薬品の薬価収載のみならず、薬価制度の改革に関わってきたという経験もございます。 まず、我が国の薬価算定プロセスは、歴史的に累次の見直しを行いまして、その結果、他国よりも透明かつ公平公正な仕組みになっているということを申し上げておきたいと思います。薬価そのものは健康保険法に基づいて厚生労働大臣が定めるものでありますが、算定に当たってのルールには、算定基準という形で保険局長が通知の形で広く公開されておりますので、誰でも見ることができます。もう企業も当然これを自由に閲覧して、そのルールを十分把握した上で薬価収載の希望を提出することになっております。 また、薬価算定の手続も透明かつ公平公正に運用されております。まず、新薬の薬価を決める場合には、中医協の下部組織であります薬価算定組織というところにメーカーが申請を出しまして、そこで議論がされて薬価の原案ができます。そのプロセスにおいて、現在は申請企業は二回意見を表明することができます。つまり、不服意見を表明して、そこでまた再検討するというプロセスになっております。この薬価算定組織は、ほとんどの審議会は全て公開になっておりますが、薬価算定組織に関しては、企業秘密の事項に基づいた議論もあるということでこれは非公開となっておりますが、企業秘密を公開しないということは他の国も同様であります。 また、これも重要でありますけれども、薬価の算定においては外国企業と内資企業は一切差別はしておりません。全く同列に取り扱っております。そういう意味で非常に公平公正な仕組みになっているということでございます。 次に、今度は薬価制度そのものを見直す場合はどうするか。これは、先ほどの薬価算定組織ではなく、中医協の中にあります薬価専門部会、それと中医協の総会、この二つで議論をするわけであります。 薬価の見直しというのは二年に一回行われます。これは薬価改定、診療報酬のない奇数年に必ず議論されて何らかの改革が行われるわけでありますけれども、この見直しに際しては、見直しによって影響を受ける製薬企業の代表者あるいは卸業者等々、こういう方たちの意見陳述を一年間に二回行います。その中にはアメリカやヨーロッパの医薬品業界の団体の代表者が必ず含まれております。そういう意味で、日本だけで決めているのではないということであります。 確かに、TPP協定には医薬品等に関する附属書がありまして、医薬品の保険収載及び保険償還価格決定に係る透明性及び手続の公正な実施について定められております。具体的には、この附属書の第三条で三つのことを言っておりまして、医薬品の保険収載の検討を一定期間内に完了させること、手続規則や方法、指針等を開示すること、それから申請者に意見提出の機会を与えることが求められているわけですが、これらを我が国の先ほどの薬価算定のプロセスに当てはめて考えてみますと、まず、医薬品の薬価収載は原則六十日間、遅くとも九十日以内ということになっております。また、先ほど御説明いたしましたように、薬価算定の基準は広く公開されておりますし、申請者に意見提出の機会も、二回あるというふうに申し上げましたけれども、ございます。 以上のように、我が国の薬価算定プロセスは既にTPP協定が締約国に求める内容をクリアしているわけです。したがって、TPP協定によって我が国の薬価算定プロセスを何か変えなければいけないということはないというふうに考えます。 次に、そうはいっても、TPP協定によって外国政府から様々な要求が強まるのではないかという懸念もよく聞かれます。 そもそも我が国は、薬価制度や医薬品、医療機器について米国政府などとバイで様々な交渉協議をしてきた経緯があります。外交交渉自体は政府が行っておりますので私がその詳細を知る立場にはありませんけれども、薬価制度や医薬品、医療機器に関する交渉結果を見ますと、これは是々非々で対応しているということが分かります。我が国の国民の利益になるもの、あるいは我が国の医療保険制度の持続可能性を高めるもの、あるいは医薬品、医療機器業界の発展のため内資企業も含めて切に切望しているものなどについては制度変更を行うことがありますが、国民皆保険制度に悪影響を及ぼすものや不当な要求は再三要望があっても拒否し続けているというふうに思います。TPP発効後、もし外国政府と協議することがあったとしても、日本政府はこれまでどおりこのような姿勢で臨めば、外国政府の不当な要求を受け入れることにはならないと思います。 今まで申し上げましたとおり、私としては、TPP協定の発効によって我が国の国民皆保険が脅かされたり薬価が高騰するといったことは生じないと思います。また、我が国の制度はTPPが求める水準を既にクリアしておりまして、むしろ締約国間で統一的なルールを定めることによって我が国の医薬品産業の海外への進出にとってプラスになることが期待されると考えます。 これからも国民皆保険をしっかりと堅持していただいて、また、先進国として外国政府との協議には誠実に応じつつ、その要求には是々非々で対応していただくという、このようなこれまでの対応を日本政府にはお願いしたいというふうに考えております。 私の意見陳述は以上のとおりでございます。どうもありがとうございました。
○委員長(林芳正君) ありがとうございました。 次に、西尾参考人にお願いいたします。西尾参考人。
○参考人(西尾正道君) 北海道がんセンターの名誉院長をやっております西尾と申します。 私は、放射線治療で四十年ほどずっと一線の病院でやってまいりました。原発問題なんかでもいろいろ発言しているんですけれども、日本人のこういった放射線の健康被害も非常にうそだらけで塗り固められているので、大変僕は危機意識を燃やしているんですけれども。 TPPに関しては、水曜日の午後にこの参考人のお話、電話を受けまして、昨日一日でちょっと資料を作りました。以前書いたものなんかを集めて四つの資料を作っております。 一番目は、講演なんかでスライドとして使っているスライド、ポイントになるものを十六枚ほど用意しました。今日はその内容だけで説明になると思いますけど。 二番目は、医療がどういうふうに変わるかというようなことを、ちょっと長文ですけれども書いたものがありましたので、持ってまいりましたので、後ほど読んでいただければと思います。 それから、三点目と四点目の原稿は、北海道医師会の雑誌に、お医者さんもTPPのことに関しては余り問題意識がないということと、それから、実は福島の原発事故の健康被害というのはこれから出てくるとして、本態は微粒子の取り込みによる内部被曝であるということで僕自身の頭も大分整理付きましたので、それをちょっと医者向けに書いた原稿でございます。三、四は投稿原稿ですけれども、一応医師会の雑誌に載った原稿でございますので、これもまた直接関係ないかもしれませんけど読んでいただきたい。特に、三番目のTPPによって医療はどう変わるかということに関しては、実は経済的な問題だけじゃなくて、健康被害が本当に深刻になるというふうに僕は思っています、最後、ちょっとお話ししますけれども。 それとあと、よく調べてみますと、このTPPというのはとんでもなく不平等な条約なわけですね。例えば、ISD条項というのは皆さん御存じだと思いますけれども、そのほかにラチェット条項というのがありますね。これは、一回取り決めたらもう後戻りできない、とんでもなく日本が不利になってもとにかく変えることはできないとか、それから、ノン・バイオレーション・コンプレインツ、とにかく思うようにアメリカの企業が利益を得れなければ日本を訴えることができるとか、それから、スナップバック条項といいまして、アメリカに不都合なことがあればアメリカだけが一方的に関税撤廃ができるとか、大変な不平等な条約がたくさんちりばめられております。 こういうことだけじゃなくて、医療を中心にしてちょっとお話ししますけれども、このスライド原稿の一枚目ですけれども、かつて自民党は、選挙でうそはつかない、TPP断固反対と言っていました。今の稲田防衛大臣はかつて、TPPのバスは終着駅は日本文明の墓場だという発言をしているんですけれども、もうころっと、とにかく皆さん、個人がうそをつくというレベルじゃなくて、党としてうそをついている、百八十度態度を変えちゃう。一体国民は誰に投票したらいいんですか、これ。こういう党の公約そのものも破棄しちゃう。修正どころか百八十度違うようなことを言う。これはもう、うそとしか言いようがない。これらの倫理的な、道義的な問題って一体どうなっているんでしょう。恥ずかしくないんですかね。TPPを推進している、何年か前に断固反対していたのが。とにかく、こういった形で息を吐くようにうそをつかれたら、やっていられません、国民は。 それで、そもそも六千ページに及ぶこの内容を本当に皆さん読んでいるんですか。情報を出してくださいと言っても、のり弁当の段階です。こんなことで、知らないで、とにかく赤信号みんなで渡れば怖くないといって今皆さん賛成しようとしているわけです。冗談ではない。こんな条文が、まともにチェックもしていないわけですから、実際には赤信号も見ないで今渡ろうとしているわけです。これが今の現実です。 実際にTPPというのは、基本的には、歴史的には、昔戦争、今TPPです。昔は戦争を仕掛けて国益を取りました。戦争をするのは国益を取るためです。ところが、公然と核兵器を持つ時代になったら、お互い面と向かって戦争はできない。そうなると、地域紛争はもちろん起こりますけれども、国家として国同士がぶつかり合えないですから、国益を取る、国益というよりもむしろグローバル企業ですけれども、国を動かしているグローバル企業の利益を取るために、貿易上の仕組みを変えて利益を取ろうというのがまさにTPPでございます。これがTPPの本質でございます。 それから、三ページ目ですけれども、米国の医療というのはとんでもない高い。GDPの二〇%以上を占めていますし、日本の七倍の医療費が使われている。実際にですけれども、TPPに入るということは、結局アメリカナイズされた医療になるということでございます。もうお互いに助け合うとか共に生きるなんという発想はないんです。もうとにかく医療も完全に金もうけの道具になるというふうに考えてください。 実際に、四枚目のスライドですけれども、これは米国のロビー活動費、これ、この活動費見たら、何がターゲットですか。農業とかそういうものじゃないです、実際には。ターゲットは医療です。医療であり医療産業の、保険も含めた医療業界の仕掛けなんです、最大のターゲットは。これは、二〇一三年の三月四日付けのタイム誌に、二十八ページにわたる米国医療の驚愕、医療ビジネスという特集号が出ていました。まさにこの中から取った記事であります。こういうことによって、日本の医療は多分かなり大幅に変わると思います。 ちなみに、米韓FTAが二〇一二年に締結されましたけど、韓国の医療費は二年間で二倍になりました、二倍になりました。多分、日本は韓国の医療規模の四倍ぐらいありますから、恐らくあっという間に膨大にお金が飛び上がる。今、オプジーボで半額にしようなんという議論をやっていますけれども、そんな話じゃ全然なくなります。本当に深刻です。遠藤先生の意見とは僕は全く反対の考え方をしていますけれども、そういうことです。 五枚目ですけれども、従来、一九八五年以来、とにかく日本の医療市場を開放するようにアメリカはずっと働きかけてまいりました。最近では、新薬創出加算のようなものをつくったりして、非常に製薬会社が有利な形で日本市場に参入してまいりました。しかし、このTPPが、まさにこういった米国の日本の医療産業の開放を行う最後の仕上げがTPPだというふうに僕は考えております。 ちなみに、米国業界と保険業界の標的は日本市場であるということは、これは全国保険医団体連合会の寺尾さんの論文からサマリーを取ったものです。これ六枚目です。後から詳細は読んでください。時間がありませんので飛ばします。 七枚目は、抗がん剤の価格が今こういうふうになっています。私が医者になった頃は、一か月の抗がん剤は数千円でした。九〇年代になって数万円になりました。二十一世紀になって数十万円になりました。そして、三年前の免疫チェックポイント阻害剤が出たら数百万円になりました。ですから、これでもう桁三つ違っているんですね。桁三つ違っていますけれども、TPPが締結されればどうなるか。要するに、アメリカの製薬会社のほとんど言いなりの値段になりかねない。 中医協ではチェックできません。それから、中医協のやっていることが透明性とか公平性を欠くといってISD条項で訴えられたら、もうそれはできませんので、かなり製薬会社の意向を酌んだ価格になる。これは今、本当に日本の医療費というのはもうとにかくパンクしつつありますけれども、そんな話じゃ全然ありません。もう断トツにとにかく日本の医療費は飛び抜けます。ですから、最終的には皆保険も実質的に崩壊するというふうに考えております。 実際に、六枚目ですかね、TPPで日本の医療はどう変わるかということになりますと、患者負担が増大しますし、混合診療が解禁されます。民間医療保険の拡大があります。それから、営利団体が、営利の会社が医療産業に入ってきます。そういうことで、今でさえ薬剤費、医薬品は三兆円以上の輸入超過になっていますけれども、もっともっとこれが広がっていくというふうに考えられます。 それとあと、次ですけれども、このままでは、ですから日本の医療が崩壊して、日本人の健康は守られません。その下は、具体的にどういうことも例えば想定されるかというと、例えば先進医療みたいなことが今やられていますけれども、それが医学的に効果があるということで保険診療にしようとしたときに、先進特約なんかをやっている保険会社が利益を損ねるということで、保険診療にしたらそれは企業としては非常に損をするからということで、訴えられたら負けます。ですから、新しい新技術が保険診療にできないというような事態も考えられますし、もっと言いますと、実際の手術の術式まで特許料を取るというような事態になります。そういうことで、医療費も高くなりますので、国民はみんな医療保険に入らざるを得ないというような社会にもなりかねないというのがございます。 あと、十枚目ですかね、TPPの根底にある思考というのは本当に正しいのかと。 基本的に、TPPの本質は、グローバル企業が一般国民を犠牲にした金もうけでございまして、それから、自由貿易というのは善であるという前提なんですけど、これはやっぱり国の状況とか経済格差みたいなのを考えてやるべきであって、これ自体が本当にいいかどうかというのは話が別ですね。 いわゆる産業革命以来、富の源泉というのは労働力でした。しかし、今は労働力じゃなくなった。ロボットも使える、AIも使える。そうしたら何が富の源泉かというと、科学技術を持つか持たないかです。それがまさに富を生み出すものになった。そうすると、科学技術の持つ負の側面は隠す、隠蔽するということになりますし、とにかくそういうことが金もうけになっちゃうと、とんでもない格差ができます、経済的に。 それをどう社会正義だとか公平性を保って再配分するかということが、僕は本当の意味でのこれからの政治家の仕事だと思います。こういった本質的にやるべきことをきちっとやらないで、どんどん企業がもうけるようなところに世界をどんどん誘導していくというのは、僕はとんでもないことだと思います。そういう点では、議員としてというよりは一人の人間として、共に生きるような日本の社会をどうつくるかということを本当に真剣に考えていただきたい。 それで、最後になりますけれども、生命を脅かすTPPの二つの大きな問題というのがございます。これは今、医療問題を言いました。もう一つは健康問題です。 例えば、この四十年間、ホルモン依存性のがん、女性は、僕、医者になった頃、乳がん一万五千人でした。今九万人です。前立腺がんもほとんどいなかったけど、今、前立腺がんも九万人で、男性の罹患者数のトップになりました。卵巣がんもどんどん増えている、子宮体がんも増えている。ホルモン依存性のがんが五倍になっているんですよ。この四十年間でアメリカの牛肉消費量は五倍になりました。まさに、エストロゲン入りの、女性ホルモン入りの餌を与えて一割生産性を高めて、そういう肉を食べている日本人もアメリカ人も五倍になっているんです、ホルモン依存性のがんが。 それから、例えば耐性菌もそうですね、豚や鳥には抗生物質入りの餌を与えて生産性を高めている。そのため、人間が肺炎になってもなかなか効かないという問題もございます。 それから、残留農薬がとにかく世界一緩和されている。とんでもない話だ。実際に今一番使われているネオニコチノイド系の農薬が自閉症の原因であるということが突き止められています。小児の神経発達障害の原因であるアスペルガー症候群も含めたトータルな子供のそういう精神発達障害の原因がこの農薬である。最近、WHOは、今のネオニコチノイド系の農薬は発がんにも関係しているとBランクにランキングされました。それから、認知症にも関係している、うつ病にも関係しているという報告がどんどん出てきている。このままいけば、アメリカの若者が、子供たちが二人に一人は自閉症になるよというハーバード大学から去年論文が出ました。本当にこういうことが深刻なんですね。 遺伝子組換えも日本は一番食べている。アメリカにとって大豆やトウモロコシは家畜の餌です。ところが、日本人は納豆で大豆食べます。みそやしょうゆの原材料です。一番食生活で遺伝子組換えの影響を受けるのは日本人の食生活なんです。こういうものが全くチェックされないで、世界一遺伝子組換え食品が普及している。これはもうまさに日本人の健康そのものが保てません。 がん患者さんが増えているというのは、高齢者だけではないです。こういう食生活を含めて増えているし、更にもっと深刻なのは、昔六十以上になってがんになったのが、今四十代ざらです。約二十年間、若年化してがんになっています。これが現実です、僕の実感として。 こういう健康問題というのが、自分たちの国で農薬を規制したり遺伝子組換えの表示がちゃんとできるようにしたり、そういったことがTPPに入った場合にできなくなっちゃうんです。日本の国の決まりよりもTPPの方が上位にあるわけです、位置されているわけです。こういう現実をやっぱり冷静に考えていただきたいと思います。 最後の二枚ですけれども、最近では遺伝子組換えでサケなんかも五倍ぐらいの大きいものが作られていますね。これがもう本当に規制しなくていいのってことですよね。本当に何があるか分かりませんよ。 例えば子宮頸がんワクチンだって、今までワクチンというのは、不活化ワクチンか弱毒化ワクチン、この作り方で作っていたんです。だから、大きな問題は起こらなかった。弱毒化か不活化にして作っていた。子宮頸がんワクチンというのは、遺伝子組換えを作っているんです。遺伝子組換え技術で作って、さらに効果を高めるためにアルミニウムのようなアジュバントを加えて作っているから、ああいう予期しない問題が起こっちゃうわけです。 もう少し冷静に、命をやっぱり重視する、とにかくお金よりも命を大事にするという発想にやっぱり切り替えるべきだと思います。 僕は、最後のスライドですけれども、大変深刻なのは、今福島から出ている放射性物質、これは微粒子として浮遊しています、残念ながら、四番目の資料の論文に書いてありますけれども。そういうものと化学物質が、農薬も含めた化学物質が人間の体に入った場合に相乗的に発がんするということが動物実験で分かっています。こういう今、多重複合汚染の社会になってきて、恐らく今二人に一人はがんになると言われていますけれども、多分、二、三十年たったら三人のうち二人はがんになります。僕はとっくに死んでいますから、若い議員さん方、是非確かめてください。この場で西尾がうそを言ったかどうか確かめてこいと。本当にがんがどんどん増えるという社会になります。 そういう点では、自分たちの国できちっと法律である程度規制できるような体制をつくるためには、決してTPPに加入すべきではないというふうに私は思っております。 ありがとうございました。
○委員長(林芳正君) ありがとうございました。 次に、醍醐参考人にお願いいたします。醍醐参考人。
○参考人(醍醐聰君) 醍醐と申します。 こういう機会をいただきまして、ありがとうございます。 私用の資料は、パワーポイントバージョンで用意しました縦長でスライド二こまずつを入れました資料、もう一つ、横長で、私の名前をちょっと入れるのを忘れてしまったんですが、一番最初のページが表一、高額新医薬品データ一覧、このちょっと細かい数字の入った表、これが私の参考資料です。主にこの縦長のパワーポイントバージョンの資料で進めさせていただきます。 私が申し上げたいことは、大きく言いまして二つでございます。 もはや発効が見込めなくなったTPP協定、それでも国会で承認するということは、ただ無意味であるというにとどまらず、危険な行為だということをお話をしたいと。では、どこが危険なのか、協定案をスタートラインとして二国間協議に入っていくことがどうして危険なのか、そのことを少しお話ししたいと。その場合は、本日の主なテーマである医療、薬価問題を中心にお話をしたいと思っております。 TPP協議に参加入りを決めましたときに、全国の大学教員が非常に将来を危惧しまして、約八百五十人の様々な分野の大学教員、私のような名誉教授も含めまして、TPP参加交渉からの脱退を求めようという会をつくりました。今回、この二十八日に緊急声明を発表しました。今日のこの私のお話と関わるところを少し読み上げさせていただきます。死に体のTPP協定を我が国が国会で承認しようとするのは無意味であるというにとどまらず、危険な行為である。協定文書を国内で承認すれば、仮にTPPが発効に至らないとしても、日本はここまで譲歩する覚悟を固めたという不可逆的な国際公約と受け取られ、日米二国間協議の場で協議のスタートラインとされるおそれが多分にあると。この点を私は強調したいと思っております。 次ですが、これは実は大学教員の会だけが言ったのではなくて、安倍首相御自身が国会で実はおっしゃっているわけです。二十八日、そして昨日、実は私もテレビで見ましたが、この特別委員会の場で安倍首相はこういう答弁をされています。協定案が国会で承認されるならばということで、日本がTPP並みのレベルの高いルールをいつでも締結する用意があるという国家の意思を示すことになると、こういうことを明言されております。解釈は全く逆ですけれども、将来の見通しについてはくしくも何か同じになっているような気がしました。 しかし、その解釈の違いなんですが、つまり、TPPバスの行き先が全く違うということですね。協定案はそれほど、安倍首相がおっしゃるほど胸を張れる内容なのか。バスの行き先は墓場から至福へといつ変わったのか。私は変わったとは思っておりません。むしろTPPの原理主義である例外なき関税撤廃に向かってひたすら走り続けるということだと思っております。そのようなTPP協定を国会が承認するということは、そもそもなぜ危険なのかというときに、その危険に警鐘を鳴らした国会決議に背いているということです。 これにつきまして、実は次のページの画像を見ていただきたいんですが、昨日、このTPPの特別委員会を私テレビで見ておりまして、その録画をカメラで撮ってちょっと貼り付けさせていただきました。 ある議員がこういうことをおっしゃっていました、他国に比べて多くの例外を確保したと。これはよく頑張ったというおっしゃり方でした。しかし、この他国に比べてというときに、他の国はほぼ一〇〇%関税を撤廃したのに対して、日本は全品目では九五%、農林水産品では八二%という数字をパネルで紹介されました。問題はこの八二%から外れたのが一体何なのだと、そのことを触れられなかったのを私は奇異に思いました。 一つスライドを戻りますが、重要五品目は五百九十四ラインです。そのうちの二八・五%、百七十品目で関税を撤廃しております。また、二百六十九品目、四五・三%で税率削減か新たな関税割当てをしております。このような内容抜きによくやったと、とても言えるものではないと思っております。 しかも、強調したいことは、この協定案がファイナルではないということです。これからがむしろどんどんとTPPバスが先へまっしぐらに走り続けると。そのことが協定案の、皆様方はもう言うまでもないことですが、附属書を御覧になればもう随所に協議協議という言葉が登場いたします。しかもまた、セーフガードにつきましても、牛肉は十六年目以降四年間連続で発効されなければ廃止、豚肉は十二年目で廃止と、軒並みこれは廃止です。 次のページの映像の下に移っていただきますが、安倍首相は再協議には応じないということを繰り返しおっしゃっています。私はこの言葉がすり替えだというふうに思うわけです。そもそもTPP協定案で明記されている、再協議ということではなくて協議協議です。つまり、継続協議を約束するということがTPP協定のこれが根幹だと思っているわけです。協議を継続するというふうに明記されていることを、あたかも任意でやったりやらなかったりできるかのような再協議というふうに呼び方を変えるということは、私はすり替えだと思います。 しかも、継続協議といいますけれども、逆戻りができるのかどうなのかです。 次のスライドを見ていただきましたら、片道切符のバスと書きましたが、例えば第二・四条一では、いずれの締約国も現行の関税を引き上げ、又は新たな関税を採用してはならないとなっているわけですから、もう逆戻りはできないということを、これはもう好き嫌いではなくて約束しているわけですね。これは安倍首相といえども、これを変えることはもう離脱しない限りはできないわけです。免れないわけですね。それから、同じ第二の四で漸進的に関税を撤廃するということも明記しています。また、三項では、関税の撤廃時期の繰上げについて検討する、そのための協議を継続するということを、これをもう明記しております。 さらに、附属書の二—D、日本の関税率表の中で九の(a)、オーストラリア、ニュージーランド又はアメリカ合衆国の要請に基づき、原産品の待遇についての約束にセーフガードも含むと、検討するため、この協定が効力を生じる日の後七年を経過する日以降に協議するとなっております。協議といいましても、どちらにも向けるんじゃなくて、関税を下げる撤廃の方向にひたすら走る協議だということは、もうこれは動かせない事実となっております。 この後は、少し医療をめぐって意見を述べさせていただきたいと思います。 協定の二の六、もうここの辺りはちょっと時間がございませんからやめますが、その中の第五条で、各締約国はこの附属書に関連する事項について協議を求める他の締約国による要請に好意的な考慮を行い、協議のための適当な機会を設けると。つまり、TPP協定全般じゃなくて、医療の分野でもこのような約束が明記されております。 また、その下ですけれども、これは日米両国間が交わした書簡というのが含まれております。今年の二月四日、日米が交わした書簡で、フロマン氏からこういう書簡が出されております。日本国及び合衆国は、附属書二十六のA五に規定する協議制度の枠組みの下で、附属書に関するあらゆる事項、この中には保健医療制度を含む、について協議する用意があることを確認する、本代表は、貴国政府がこの了解を共有することを確認されれば幸いでありますと書きましたところ、同じ日に、高鳥修一副大臣名で、本官は、更に、日本国政府がこの了解を共有していることを確認する光栄を有しますと述べております。 次へちょっと飛ばさせていただきます。 私が、このような協議に入ることを約束している日米の、つまりこれはTPPの中にその入口がリンクされているわけですね。ですから、この点でTPPと二国間協議はもう連動しているわけです。TPPを承認するということは、このような協議に入ることをもう約束するということになるわけです。あるいは、発効はしなくても、安倍首相の言葉を借りれば、それを国際公約として、胸を張ってこれを約束するということをおっしゃっているわけですね。 そのことがどういう懸念があるのかということですが、二〇一一年二月に発表されました日米経済調和対話の中の米国側関心事項ということがございます。その中で、先ほどからちょっと出ました、新薬創出加算を恒久化する、加算率の上限を廃止する、それから、オプジーボでこの後出てきます、市場拡大再算定ルールが企業の最も成功した製品の価値を損なわないよう、これを廃止若しくは改正すると、こういうことを米国は要望事項として出しております。 その市場拡大再算定ルールを前倒しで使って半額にしたのが、御承知のオプジーボです。詳しいことは、もう時間がございませんから触れられません。これが前倒ししたことで、オプジーボは緊急でしたが半分に下がったわけです。 ちなみに、これオプジーボだけではないということを申し上げたいので、この横長の表一、高額新医薬品のデータ一覧を御覧いただきたいと思います。オプジーボだけでは決してないと。例えば、一瓶当たりとか、あるいは一日薬価とか、十二週間とか、一日薬価でも万単位のものがこれはもうざらに出てまいります。このようなものが軒並みにあるわけですね。 これらをどうするのかというときに、予想よりも市場が拡大した、あるいは効能が拡大した、そのことをもって、それに市場が拡大したものに見合うだけ薬価を下げるという仕組みを、これはもう今後の薬価の高止まりを抑える決め手になると私は思うわけですが、アメリカは、それやると成功した医薬品の価値を損なうという言い方でそれを廃止を求めてきているわけです。これは物すごく脅威だと私は考えております。 それから、ちょっと時間もございませんから先へ飛びますけれども、私がそういうことを言うと必ず、それやると新薬開発のインセンティブを損なうんじゃないかという指摘がございます。しかし、私、会計学を専攻している者として、これにはどうしても一言、二言申し上げたいと思うわけです。 開発費の回収は薬価加算の理由にならないということを書きましたところですが、今回この準備をする過程で、二〇〇五年から一四年度の売上高営業利益、売上高を一〇〇としたときに営業利益として幾ら残るかということを、製造業の加重平均三・四%でした、それに対して東証一部上場二十七社の製薬企業は一六・三%、約五倍弱でした。大事なことは、この営業利益というのは試験研究費を費用として差し引いた後の数字だということを是非御理解いただきたいと思います。 次のページですが、今度は製薬企業十六社、これは製薬工業会が出しているデータですが、これの財政状態を二〇一〇年三月期から一六年三月期の六年間で見ますと、留保利益は七・五兆円から八・七兆円へ一・二兆円増えています。じゃ、留保利益、全部設備投資等に使ったのか、そうじゃないと。この間、現金預金は一・六兆円から二・七兆円へ、つまり留保利益が増えたのとほぼ同じ額だけ手元の現金預金として持っているわけです。開発費になぜ使わないんですか。もっと薬上げてほしいんだったら、そんなことを言う前にこれなぜ使わないんですか。こんな状態で、お金が足りない、値下げされたらインセンティブが損なわれますなんということが社会的に通用するのかということを是非とも申し上げたいわけです。 最後に、私が非常に感銘を持ったのは、二〇一三年七月四日、ちょっとこういう場で写真入りで紹介するのはいかがかと思ったんですが、自民党の長老の尾辻秀久議員が選挙の出陣式でこういう演説をされているのをユーチューブで聞きまして、メモを取りました。アメリカでは四千万人が医療保険に加入していない、WTOは世界の医療保険制度で文句なしに日本が一番と太鼓判を押した、何で十五番の国、アメリカから世界一の日本が偉そうに言われるんですかと。続きまして、私たちの宝をアメリカの保険会社のもうけの走狗にするためになくすなどという愚かなことを絶対にしてはいけない。私は、この言葉を聞いて本当に感銘を覚えました。 これを受けまして最後に申し上げたいのは、多国籍製薬資本の営利に国民皆保険制度を侵食されてよいのか。国民皆保険制度を財政面から揺るがさないためには、TPPバスから下車するのが唯一最善の道だと私は考えます。結局、今、国会議員の皆様、あるいは国民一人一人、有権者一人一人に問われているのは、尾辻さんがおっしゃる貴重な財産、宝物を未来の世代にしっかりと引き継ぐことができるのかどうなのか、その引き継ぐ責任が問われているというふうに私は考えまして、終わらせていただきます。
○委員長(林芳正君) ありがとうございました。 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 なお、質疑の時間が限られておりますので、御答弁は簡潔に行っていただくよう御協力をお願いいたします。 質疑のある方は順次御発言願います。
○吉川ゆうみ君 自民党、吉川ゆうみでございます。 参考人の皆様におかれましては、本日は貴重な意見をお伺いできましたこと、誠にありがとうございました。御礼を申し上げたいと思います。 TPPに関しましては、特にアメリカの大統領選の決着が付いてから様々な意見がございますけれども、私自身、我が国が地方創生あるいは国力を上げていく、国全体でみんなで頑張っていくんだという現在において、TPPが発効すれば、我が国の例えば中小企業、多くの企業が、これは零細な企業も含めて、小規模事業者も含めて海外に進出するハードルを下げていく、そして安心して、レギュレーションの問題、あるいは税関の問題、あるいは模倣されるんではないかという様々な問題を心配することなく海外で頑張っていくことができる、あるいはこれまで事務所を持たなければ出ていくことができなかったというようなハードルも下がるということで、地元で様々な企業とお話をいたしておりましても、TPPに対する期待が非常に高かったがために、今、どうなるんだろうというような形で逆に心配をする声も多く聞かれるのも事実であろうかというふうに思っております。 このような中、二国間のFTAでいいのではないかというような声も多く聞かれますけれども、私は、マルチであるからこその意義ということが非常に多くあるかと思いますし、長い時間を掛けてこれまで我が国の国益のために勝ち取ってきた、しっかりと培ってきたものをこれから二国間で始める、白紙に戻すということになれば、それはそれで非常にハードルが高く、また膨大な時間も掛かり、同じような結果を出すには困難なものがあろうかと思っておりますので、私は、まさに今後、我が国が様々な意味でイニシアチブを取っていくためにも、是非ともこの議論をしっかりとして、日本はまだこういったしっかりと議論をしているんだということをほかのTPP参加国に見せていくことも重要であろうというふうに思っております。 そのためには、様々な、国民の皆様が思っておられる誤解や不安を解いていく、そういったことが必要であろうと思っておりますので、今日はその観点から特に医療の分野について御質問させていただきたいというふうに思います。 実は、いろいろとお伺いしたかった、事前に勉強させていただいたことを今まで参考人の皆様、かなりお話をいただいてしまいましたので、ちょっと限られた質問になることをお許しいただければと思います。 まず、ISDS条項における訴訟についてお伺いをさせていただきたいと思います。 私も、遠藤先生のお話にございましたように、我が国の薬価算定プロセス、これは内資、外資を差別することなく公平で、そして公正なものであると考えております。その中で、新薬の薬価決定時におけるISDS条項との関係についてお伺いをさせていただきたいと思います。 事前に拝読をさせていただきました西尾先生の資料の中では、平成二十七年の北海道医報の中において、TPPが妥結をされれば製薬会社はISDS条項を盾にして自分たちの増益のために薬価上限は撤廃され、製薬企業の言いなりになり、薬価は青天井になってしまうのではないかというふうに御心配をしていただいたというような記事があったかと思います。 実際に、我が国の薬価制度において損害を被ったとして、TPP協定のISDS条項に基づき外国企業から訴えられるというようなことが想定されるのか、これを遠藤参考人の方からお伺いできればと思います。
○参考人(遠藤久夫君) 日本の薬価の問題等々でISDSで訴えられるかどうかということでありますけれども、基本的には、私は、結論からいうと、訴えられない、あるいは仮に訴えられたとしても日本が負けることがないというふうに思っております。 それは、一つには、この協定の中でありましても、公共の福祉に係る正当な目的のために必要かつ合理的な措置を講ずることは妨げられないという条文がございますので、これはまさに医療保障制度の持続可能性ということが薬価制度にも入っております、薬価制度はそういう枠の中に入っておりますので、そういう中で基本的にそれは対象にはなり得ないだろうというふうに思います。 しかも、元々これは、今の薬価基準制度、例えば市場拡大再算定も含めてなんですけれども、薬価制度を変えるときには非常に公開性を重視して、しかも、その議論の中で外資系企業も入れて制度を変えていると。その制度によって逸失利益が生じたから訴えるということが果たしてどこまで適切なのかどうかということもあるわけでありますので、訴えるか訴えないかは先方の問題であるから、場合によっては訴えるかもしれませんけれども、それで負けるというようなことは私はないというふうに思っております。 私は法律の専門家じゃありませんからよく分かりませんけれども、もし訴えようとするのであれば、現行であっても、外資系企業の日本法人が今の薬価基準制度によって逸失利益を生じたからといって国家に賠償請求をしてもいいわけでありますけれどもと思うんですが、そういうことは一切聞いたこともないということもありますので、今回のTPPを承認したことによって訴訟が増えてくるというようなことは、私は十分理解できないわけであります。もし増えてくるのであるならば、そこのところをむしろお聞きしたいかなというのが私の意見でございます。 お答えになっているかどうか分かりませんが、以上でございます。
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。 訴えられることがあっても敗訴することはないというような形で、これまでも政府からの答弁でも同様なことがございましたけれども、遠藤先生といたしましてもどのようなお考えかということをお伺いをさせていただきました。 また、薬価改定において市場拡大再算定制度がございます。先ほども醍醐参考人の方からもお話がございまして詳細な資料も拝見させていただきましたけれども、まさにちょうど先般、オプジーボへの適応の告示があったところであるかと思いますし、これは国民の広く知るところになったのではないかなというふうに思っております。 次に、この薬価制度の市場拡大再算定について、これはこれまで米国からも再三廃止要望がありましたけれども、我が国はここを堅持してきたというところがあるかと思いますけれども、この再算定によって薬価を下げることにより、外国の製薬会社から同じように、同様にISDS条項で訴えられ、あるいはまた我が国が敗訴することがこちらもあると思われますでしょうか。西尾先生、醍醐先生はちょうどお話の中にございましたので、こちらも遠藤参考人の方からお聞かせいただきたいと思います。
○参考人(遠藤久夫君) 遠藤でございます。 先ほど申し上げたのは薬価基準制度全体の話でありますので、当然その中にもただいまのもの入っております。 市場拡大再算定というのは従来からあった制度でありまして、これについては、アメリカ企業のみならず日本企業の製薬業界もずっと反対をしていた、要望があったというものでありますけれども、これは現実にはそのまま継続しているわけであります。今回はそれを少し内容を変えまして、特別に市場拡大再算定をより厳しくしたということでありますが、いずれにしても、その決定プロセスには外資系企業も、PhRMAとかEFPIAといったような外国の団体も入れた中での議論を二度やって、そして変えているということもありますので、そういう意味では非常に合理的なものであるというふうに考えますし、先ほど申し上げましたように、公共の福祉に正当な目的のある合理的なものについては基本的にはそれを妨げることができないという大きな前提もありますので、そういう意味では、先ほどと同じように、まあ訴えられないだろうなと思いますし、訴えられても負けることはないと、このように考えております。
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。 次に、TPPと日米協議についてお伺いをさせていただきたいと思います。 先ほども、市場拡大再算定制度のお話で、アメリカからはいろいろと言われてきたけれども、我が国はここは堅持してきたというところを触れさせていただきましたけれども、その関係におきまして、衆参でこれまでこの委員会の中でも本件における質疑が非常に多く出ていたかと思いますので、それについて参考人の皆様からの御意見もお伺いさせていただきたいというふうに思います。 TPP協定では、多国間で一定の手続を確保し協議の枠組みを設けていくというものである一方、我が国においては、歴史的に米国を始め各国との協議を行ってきたというところも事実でございます。薬価制度につきましても、これも過去、歴史的に是々非々で、しっかりと必要なものは必要である、駄目なものは駄目であるというところで対応してきているかと思います。 TPP協定が発効したからといって、私は、外国企業や外国政府の意見を受け入れていく、いかなければいけない、そういったことに押しやられていくということは考えられないというふうに思いますけれども、こちらは参考人の皆様はどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。時間がございますので、是非とも三人のお方から、簡単で結構ですのでお教えいただければと思います。
○参考人(遠藤久夫君) これまでも日米の間では、医薬品、医療に関してはバイでずっと議論をしてきたわけであります。その中で、一貫して米国側が要求してきたものでそれをずっと拒絶しているものも多々あるということでありまして、これが、この日米の関係がTPPに入ることによって日本側の交渉力が弱くなっていくというその理屈がよく分からないのでありまして、従来と同じような状況ではないかということで、これは殊更、TPPに入ったからといって何か日本が押し切られるという方向になる、その辺のところがよく分からない。むしろ、ほかの先生方がそこら辺をどう考えておられるのかお聞きしたいぐらいでございます。
○参考人(西尾正道君) 遠藤先生は大変オプティミスティックな考え方していますけど、自分が中医協の委員でやっていましたので、中医協自体が透明性とか公平性を持ってやっていたという自負の中でお考えなんでしょうけれども、透明性があるとか公平にやっているとかという判断はそれは中医協のメンバーだけの判断であって、外から見たって、僕だって、非常に透明性はないと思っていますし、これは決めるのは訴える方ですから。ですから、今までISD条項で訴えられた国は全敗していますよ、全敗しています。アメリカが全部勝っています。冗談じゃない、それはもう本当に楽観的過ぎるというふうに僕は思いますよ。 まさに今まで日本の薬価制度が堅持できていたのはこういうTPPのような条約がなかったからできていたんであって、これTPPになったら、これからはそれを盾にしてどんどんどんどん入ってきます。何でこんなに製薬会社が五千三百億円のロビー活動、使っているんですか。ミサイル産業だって、それこそ軍需産業だって千五百億ですよ。そんな、ターゲットは何かということを冷静に考えていただきたい。無理です。
○参考人(醍醐聰君) 医療の問題を考えるときは、例えば農業と違うところがあるのは、国同士、日米政府間でも、それから製薬メーカーの間でも基本的に利害の対立はないんです。そこのところをしっかり押さえないと。むしろ、市場拡大再算定ルールは、これはやめてほしい、それから新薬創出加算制度については、これは恒久化してほしいというのは、もう共通のこれは願いです。ですから、アメリカから言われて日本が押されるとか押されないとか、それは利害が対立していたらどうなるんだろうという話はあるんですけど、そもそも対立がないんです。そこのところを押さえないと。 例えば、新薬創出加算制度というのは、自民党の今年の、一六年の総合政策、J—ファイルで、新薬創出加算制度の本格導入、恒久化ということがうたわれています。アメリカから言ってきていることと全くこれ同じです。そういうものですから、私は、ここでTPPを結ぶということは、むしろアメリカからの圧力を追い風にして国民皆保険制度、医療保険制度を揺るがすような、そういう薬価の高止まりということが、それがなかなか改まらないという状況が生まれてくる可能性が随分と高いということを感じております。
○吉川ゆうみ君 ありがとうございました。 一つの御質問、事象に対しても、参考人の皆様、様々な視点からの御意見いただいたかと思いますけれども、西尾参考人と醍醐参考人のその御意見について、遠藤参考人、どのような形で思われたか、お話をお伺いできればと思います。
○参考人(遠藤久夫君) 先ほど申し上げたと同じでありまして、私の乏しい理解力でこの条文を読む限りにおいては、これまでバイで交渉してきたというのと、TPPに加入することによって日本側の交渉力が乏しくなるというその辺の理屈がよく分からないというのが正直なところであります。 今後どうなのかという話になってくるとあれですけれども、しかしこれも、ただ、いろいろと先ほど申し上げましたように、公共の福祉に関するものは云々というようなことも書いてあるわけでありますので、細かく読んでいくと、いま一つ納得がいかないというのが正直なところであります。
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。 過去いろいろとあったとしても、このTPP協定の各決め事のルールの中で交渉力が弱くなっていくというようなことがどうして言えるのかというのが分からないというような形であるかと思いますけれども、どうしてそのような形が決められるのかが分からないというのは、私も遠藤参考人と同じように思うところでございます。 最後に、医薬品の特許期間とTPPとの関係についてお伺いをさせていただきたいと思います。 医薬品の特許期間が延長されることによって、医薬品の価格が上がり、医療費の上昇につながるのではないかという懸念があるとも言われてまいりました。これは私は、ある意味誤解であり、TPP協定によるデータ保護期間や医薬品の特許期間延長制度の変更というものはないので、それに伴う薬価の影響もなく、特許期間の延長についてTPP協定によって我が国が新しく何か措置を講じなければいけないという必要はないというふうに私は思っております。 むしろ、多くの海外に展開する我が国の新薬メーカー、アメリカも多いですけれども、我が国も新薬メーカー非常に多いですので、を抱える日本においては、TPP協定を結ぶほかの国々において我が国で開発された新薬の知財の部分が適切に扱われていくというようなメリットの方がむしろあるのではないかというふうに思っておりますけれども、そのような理解で間違いがないでしょうかということと、また、このような様々言われている懸念につきましてどのようにお考えか、遠藤参考人に最後お伺いができればと思います。
○参考人(遠藤久夫君) 確かにTPPでは特許期間の延長に関する項目がございますけれども、大きく分けて二つございますが、これは実はもう日本では済んでいる話でありまして、適用されている話でございますので、そういう意味では、TPPの要請に合わせてこちら側の制度を変えるという必要性はないというふうに考えております。 また同時に、これから特に新興国を中心に社会保障が進んでまいりまして、そういう意味で医薬品の需要というのも増えてまいりますので、我が国の製薬メーカーがそういうところへ進出する上で非常に知的所有権が安全に守られるということで、適切な流れだろうなというふうに理解はしております。
○吉川ゆうみ君 ありがとうございます。 非常に様々この医薬の部分に関しては、懸念、臆測、あるいは不安ですとか誤解というものがまだまだあるのではないかというふうに思っております。実際、先ほど遠藤参考人がおっしゃっていただきましたように、もう我が国のルールとして既にあって特に変えなくてもいいというようなものが非常に多い中で、それに何か影響を受けるのではないかというような懸念も出ているのが私は不思議でならないというところもございます。 是非とも、冒頭申し上げたような形で、私は、我が国で議論をしっかりとしていく、続けていくということにも大きな意味がある、他国に対しての意味もあるというふうに思っておりますので、また是非ともこういった国民の誤解あるいは不安というものを払拭していけるように尽くしてまいりたいと思います。 本日はありがとうございました。
○川合孝典君 民進党・新緑風会の川合孝典と申します。 三人の先生方には、大変貴重なお話を頂戴いたしまして、誠にありがとうございました。 いよいよTPPの特別委員会も大詰めに向かってまいりまして、私たち参議院ではかなり幅広な議論をこれまでさせていただいてまいりました。ただ、どうしても神学論争と申しますか、やっても大丈夫だというのとやっちゃ駄目だというところの最後のところは理屈抜きにしたところで対立してしまっておりますので、何となく空回りの状況がずるずると続いているように残念ながら感じております。 私の方からも幾つか、私自身がまだ疑問が解けていない問題について三名の先生方にちょっとお伺いをしたいと思います。 先ほど吉川委員が御質問されましたが、ISDS条項についてであります。 私、このISDS条項について、元々、自由貿易協定の中で取引のルールをきちんと守らせるためにということでISDS条項が他のFTAにも組み込まれているということであり、そのことが日本がバイで結んでいる自由貿易をこれまで円滑に運営してきたということについてはこれ理解しておるんです。だから、これがあるから駄目なんだということは決して申し上げるつもりはないんですが。 実は、先ほど遠藤参考人がお話をされましたときに、大丈夫ですかという質問に対して恐らくおっしゃったのは、第九章の投資の章に書かれている文言、大丈夫だという根拠になっておりますのは、TPPや他の国際協定で違反があったとしても公正衡平待遇義務違反にはならない、投資家の正当な期待を裏切っただけでは義務違反にはならないという実は文言が書き込まれている、TPPの中にこれ書き込まれております。これまでNAFTAで大変なことがあったとかといったことも議論されておりますが、それよりは踏み込んで実はISDSに記載が入っているのは事実なんです。 ところが、義務違反にならないという書き方にしかなっていないわけでありまして、では、その義務違反というのが一体何を定義にして義務違反と言っているのかという、義務違反自体の言葉、文言の定義が実はないんです。何かこれも訳の分からない話になるんですが、したがって、何が義務違反なのかが分からない以上、恣意的な認定が行われることでISDS条項違反として何らかの形で日本がアメリカに訴えられる可能性があるのではないのかということを実は十一月十五日のTPPの特別委員会の集中審議で質問させていただいたんですけれども、何をおっしゃっているのか分からない答弁しか返ってまいりませんでした。 したがって、これ遠藤参考人にお伺いしたいのは、何をもって義務違反と定義付けるのかということについて、先生はどう捉えていらっしゃるのかということをお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
○参考人(遠藤久夫君) 適切なお答えはできないかもしれませんけれども、基本的に社会保障制度あるいは医療保障制度というのは、それぞれの国が固有の理由と資源を使って、かなりそれぞれの国、異なるものを持っているわけであります。それはそれなりの合理的な根拠があり、それぞれの国の非常に福祉のためにできているものでありまして、そこの差があることが貿易のグローバルスタンダードから見て瑕疵があるだろうという議論はおのずと制約が掛かるというふうに私は思っておりますので、そういう意味では、医療保障、あるいはもう少し広く社会保障制度のかなり根幹に影響を及ぼすような、そういうような内容であればそれは決して義務違反にはならないという。それは個々の国が本来主体的に行うべき内容で、つまり、個々の国の教育の制度に対して貿易のルールでもって何か修正しろというようなのに近いものでありますので、その辺のバランスで考えていくのが適切ではないかと。 これは私の私的な考え方です。私は法律家ではありませんので分かりませんが、社会保障を研究している人間としてはそういうふうに思います。当然、貿易のルールが言及できる制約というのは当然あるだろう、そこの辺のところが一つの境界になるだろうと、そんなふうに考えております。
○川合孝典君 ありがとうございました。 おおむね実は政府の御答弁と同じようなお答えを頂戴したわけでありますが、私も、実はと申しますか、ずっと思っておるんですが、日本の医療保険制度は世界最高のものだと思っております。したがいまして、このシステムをどう守っていくのかということについては全力でその取組をしていかなければいけない。したがって、このTPPを進めていくことが我々日本にとって本当にメリットになるのかどうなのかというところをやはりきちんと検証しなければいけないと思っております。 これまでの日本は自由貿易で損はしなかった、間違いはなかったということを繰り返し政府もおっしゃっているわけでありますが、あくまでもそれは日本よりも経済規模の小さい、日本の方が優位の状況でのバイの協定でありますので、アメリカと実際に協定を結ぶということを考えたときに、済みません、これはもう情緒的なことを申し上げることになるのかもしれないんですが、アメリカの大統領選挙で一連のどたばたがあって、そのことに対して、APECの前にトランプさんのお宅に行かれているにもかかわらず、その後TPP離脱だという話が突然起こってしまったというような、いわゆる外交を行っていく上での情報収集、リスク管理も含めて、ああいう状況の中では、本当に日米のFTAというものを進めていったとき大丈夫なのというのが素朴な私の実は危機意識ということであります。 済みません、私がしゃべっていても仕方がありませんので、ISDSのお話で先ほど遠藤参考人がおっしゃいましたことに関連してということなんですが、ここまでは守られてきたというのは間違いない事実でございます。ただ、ここから本当に守られるのかということをどう想定して、リスクがあるのであればそのリスクをどう防いでいくのかということを議論していかなければいけないと思うんですが。 では、続きまして、国民皆保険制度のことについて、これは三名の参考人に同じ質問にお答えいただきたいと思います。 国民皆保険制度は守られるんだということについては、一旦TPP交渉では確認はされているわけであります。しかしながら、サイドレターにこうしたいわゆる国民皆保険制度も含めた将来の保健制度、日本の場合には国民皆保険制度を指すわけでありますが、将来の保健制度について協議する用意があることを確認したという実は書きぶりになっておりまして、これ明記されております。 したがいまして、現状、国民皆保険制度は大丈夫な状態で協定は結んだけれども、今後、数年後、国民皆保険制度の在り方自体もどう見直していくのかということが協議で今後変わっていく、流動的になっていくということを前提として考えると、これまで御説明いただいた前提条件が崩れてしまうことになるわけでありまして、協議する用意があると、国民皆保険制度、保健制度について協議する用意があると記載されていることについて、そのことの意味をどう捉えていらっしゃるのかということを三人の参考人にお伺いしたいと思います。
○参考人(遠藤久夫君) 私は、まさにそのまま、医療保険制度について両国で協議をするということであろうというふうに思って、これはあくまでも協議をするということだということでありまして、そこに何がしかの義務を双方負うというような話ではなくて、協議をすることは義務かもしれませんが、その結果をどちらかが受けなければいけないということではないということだと思います。 むしろ私は、教えを請うのはアメリカが日本の制度を学ぶという意味では意味があるかなというぐらいには思っております。私は、基本的には日本の医療保険制度は冒頭申し上げましたように最高だと思っていますし、アメリカの医療制度は非常に問題があると思っています。 ただ、一言言っているのは、このTPPによってアメリカのシステムが日本に入ってくるというところがちょっと十分理解できないということを先ほど来申し上げているわけでありまして、そういう意味では、日本の医療保障制度のいいところを米国に教えてあげればいいと私は個人的には思っているということであります。
○参考人(西尾正道君) 基本的には自分だけ良ければいいという大変身勝手な米国の考え方、主流です、それが。そういうものが日本の皆保険を取り入れるわけがない。オバマ・ケアだってパンクしていますよね、いろんな抜け道つくって。それが現実ですよ。 実際に例えば、先ほど吉川議員が言っていましたけど、ジェネリックの問題にしても、知的財産権でとにかく八年、最短八年になりましたね。さらに、ジェネリックをその後作ろうとしても、とにかく特許を持っている会社の許可が要るとかいうことになって、ずっとジェネリックも作れない。確実にこれは薬剤費上がりますよ、間違いなく。そうしたら、それだけでももう医療費はパンクしますよ、多分。 実際に、ターゲットは日本の薬事制度そのものがターゲットなんだと、個別の何ぼ高くするとかという話じゃなくて、制度そのものがターゲットになる。これが障害になっている、障壁になっているということで崩しに来ているわけですから、いずれ、その附属文書に書いているように皆保険も見直しされるでしょう。それが形ばかり維持されたとしても、結局新しい治療法がどんどん保険診療に入っていかないという形に僕はなると思います。 実質的に名ばかり残るかもしれないですけれども、どんどんどんどん給付範囲というか、保険で見れる範囲が縮小していく、本当に最低限の医療しか受けれないと。それ以外は全部自費でお支払いください、ないしは保険会社から払ってもらってくださいという形になります。それがもう本当に、病院だけじゃなくて、金融、投資、保険会社含めてトータルに仕掛けられているというふうに考えていただきたいと思います。 確実に駄目になります。もう医療費はパンクします。そして、それが皆保険を実質的には崩壊していくという道につながると思います。余りにも楽観的過ぎますね。そんな日本人のようなお人よしじゃないです、アメリカ人は。本当に自分だけ得すればいいというような連中です、言葉は悪いですけど。まさにそうですよ。(発言する者あり)いやいや、普通はそうじゃないけど、今仕掛けている企業家の発想というのはそうです。だから、公共性に鑑みるなんてとんでもない話です。 昔、レントゲン博士は、エックス線を発見しましたけど、これは人類共通の財産だからといって特許申請しませんでした。今そうじゃないです。もうとにかく特許を取って知的財産権で大もうけしようという、そういう社会です。重々そういうことをやっぱり自覚すべきだと思いますね。余りにもお人よしです、日本人は。 そして、公共性だとか透明性を侵しているかどうかというのはアメリカが決めることで、中医協の委員が決めることじゃないです、これは。
○参考人(醍醐聰君) TPPで国民皆保険制度なんというのはこれは誇張だというときに、私自身は、財政面から揺るがすとか、そういうことをずっとこれ言っているつもりです。日本の公的医療保険制度をアメリカなり民間にも委ねてしまうとかいうふうな意味でTPPが国民皆保険制度を壊すというふうなことを私は言っているつもりはありませんし、日本でもそういうことを言っている人はいないと思います。ですから、神学論争しているのは誰がやっているんだろうと。そういう土俵に話を移している方が私は神学論争をやっているんじゃないのかと、問題の核心をそらしていると。 先ほどちょっとありましたけれども、じゃ、アメリカが実際に何かやってくるなんということが、その足場があるのかということですけど、透明性、腐敗防止のところに附属書二十六のAがあります。 最近、薬価制度をめぐって非常に問題なのは、日本もアメリカもコストと言わないで価値ということを言っているんですね。価値を維持しなくちゃいけないという言葉をよく使います。 例えば、この二十五日、経済財政諮問会議に塩崎大臣が提出されたペーパーというのを私は見ましたが、イノベーション推進、費用対効果による価値に基づき、上市後の薬価引上げを含め価格設定の本格導入をすると。日本政府自身が引上げもあり得るということを明記、明言しているんです。そのときの土台になるのが価値なんですね。一見、価値というと、イノベーションを大事にしようというふうな印象を与えます。そのことが、先ほど言った附属書の二十六のAの原則のところにこういう言葉があることが私は非常にこれは問題だと思っています。 その原則の(d)のところで、これは協議に入るときの話の原則ですよ、協議に入る、「競争的な市場の作用を通じて、又は医薬品若しくは医療機器の客観的に示された治療上の意義を適切に評価する手続を採用し、若しくは維持することにより、医薬品及び医療機器の価値を認める必要性」、これを原則としてシェアしましょうと言っているんですね。この辺りが非常に、アメリカがいろんな主張をしてくるときの、原則として入っているわけですから、大いにこの辺りは私は要注意だと思っております。
○川合孝典君 ありがとうございました。 薬価制度自体がターゲットだと西尾参考人がおっしゃいましたが、実は民主党が与党だったときの、今から四、五年前になりますが、当時、私、薬事法の改正作業チームの委員長をやっておりまして、現在の医薬品医療機器等法案を元々仕込んだ人間ということでありまして、したがって、この薬価の在り方ということについては、安全性の確保とイノベーションの両立をどう図っていくのかという観点から、あらゆる検証を半年以上掛けてやらせていただいたことを今お話を聞いていて思い出したわけでありますが。せっかく遠藤参考人いらっしゃいますので、繰り返し繰り返しモノクローナル抗体のお話が出てくるわけでありまして、話題のオプジーボ、ヒト型抗ヒトPD—1モノクローナル抗体医薬品という訳の分からない名前が付いておるものなんですけれども、これほどまでに医療費が増大した理由は、元々悪性黒色腫だけを適応にしていたのを適応拡大して、非小細胞型肺がんと、たしか腎細胞がんだったと思いますが、六十倍ぐらいにたしか適応症例数が増えたと、対象症例が増えた、そのことによって一気に総額の薬剤費が膨らんでしまったということを理解しております。 私、日本の薬価の制度の計算の在り方についてなんですが、従来の医薬品の薬価の考え方というのは、これまで積み上げてきたものということで問題ないと思っているんですが、オーファンドラッグや今回のようなウルトラオーファンドラッグと呼ばれる薬の研究開発を行って上市していったときに、従来の医薬品のような薬価設定のやり方をしていると、当然企業もボランティアで薬を作っているわけではありませんので、研究開発費、数十年の期間と数百億円のお金を掛けて、かつ二万分の一から三万分の一の確率でしか売れる薬が作れないという、ばくちのようなビジネスをやっていることを考えると、一定の期間内に薬価を回収しなければいけないという製薬企業の気持ちは分かりますし、それがなければ、そもそも研究開発しない、こういう話になることも理解はできるんですが、少なくとも、ウルトラオーファン、オーファンというカテゴリーの医薬品については、薬価を設定するに当たって、適応拡大に連動させて薬価の見直しをどう行っていくのかということの装置が元々組み込まれていなければいけなかったんだと私は実は理解いたしております。 そういう意味で、これまで積み上げてきた仕組みというものとは別に、今後、希少疾病に対して、患者さんが少ないからもう薬はないよと言われている分野がいっぱいあるわけであります。それを、薬を医薬品会社が作ろうとしたときに、お金掛けなければ作れないのであれば、そのお金を国が負担するのか、若しくは製薬企業が負担するのだったら、一定期間で最低限赤字だけは出ないような枠組みというのをどう守っていくのかといったことのやっぱり議論はしていかなければいけないと思っております。 そうした枠組みも含めて、アメリカの場合にはそんなデリケートな判断せずに、国民皆保険制度もなければ医療保険制度もろくなものがないということでありますので、そういう、今、日本も大丈夫だとおっしゃいますけれども、突っ込もうと思えば突っ込める、突っ込まれる余地というのはゼロではないという状況の中で今後アメリカとどう向き合っていくのか、自由貿易の枠組みの中でどう向き合っていくのかということが求められているわけであります。 薬価制度の今後のいわゆる高額医薬品の在り方について、場当たり的な薬価の見直しということではなく、システマチックな薬価の見直しということが今後求められると思いますが、この点について最後に遠藤参考人にお伺いをします。
○参考人(遠藤久夫君) 御指摘のとおりだと思います。 類似薬効比較方式、原価計算方式という方法を使って新薬の値段を決めておりますけれども、いろいろと改良も加えているのですけど、今回やはり非常に大きな問題点が浮き彫りになりました。 原価計算方式の場合は、最初に予定されている予想販売量というものをベースに値段を決めますけれども、これが後で効能追加になりますとマーケットが大きくなるので、それでは非常に会社側にとって利益が多過ぎるということで今回は引き下げているわけですが、もう一つ、類似薬効比較方式の場合は、途中で適応拡大をすると、これまた市場拡大再算定の対象になるという仕組みになっておりますが、その二つを組み合わせるというような考え方というのは、今委員からお話ありましたけれども、そういうものもあり得るだろうと思います。 いずれにしましても、薬価基準の考え方については今後真剣に検討していく必要があるというふうに思っております。これは何もアメリカがどうのではなくて、日本固有の課題、日本の財政状況からいっての課題、こういう意味で考えるべき話だろうというふうに思っております。 以上でございます。
○川合孝典君 どうもありがとうございました。これで終わります。
○熊野正士君 公明党の熊野正士でございます。 本日は、御多忙のところ三人の参考人の方に御出席をいただき、そして大変貴重な御意見を賜りまして感謝申し上げます。誠にありがとうございます。 それでは、幾つか質問をさせていただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。 ただいま西尾参考人の方から、今国民の関心が非常に高い食の安全についてお話がございました。私も多くの方から、今の食品の安全性は大丈夫ですかというお声をお聞きをしております。そこで、まず西尾参考人にこの食の安全ということに関して質問させていただきたいと思います。 先ほど肥育ホルモンであるとか遺伝子組換え作物などのお話がありましたけれども、今回のTPPの議論を通しまして、実はこうしたホルモンを投与された牛や遺伝子組換えの作物といったものは、TPPとは関係なくもう既に日本国内で流通をしているわけであります。では、このホルモンを投与された牛肉や遺伝子組換え作物が本当に安全なのかと、そこが一番国民として知りたいところだと思います。 日本では食品安全基本法という法律がございまして、その法律にのっとって食品安全委員会という組織を別につくって、そこで科学的に食品のリスク評価というものを行っています。このリスク評価に基づいて厚労省などが監視をする、こういったルールなわけでありますけれども、本日の陳述の中で、それでもやっぱり安全性に対する疑念があるという御指摘でございました。 今後、今の制度の見直しも含めて講ずべき施策などがあれば、是非、西尾参考人の方に意見を賜りたいというふうに思います。
○参考人(西尾正道君) 基本的に今の状態だったら無理ですね。要するに、実際には官僚の人たちが意向に沿ったような意見を持っている人たちを集めて委員会をやっているわけですから、無理です、それは。ですから、ないしは国の中立的機関がきちっと動物実験をやったり、そういうことをしない限りはデータとしては出てこないですよね。これはもう放射線の健康被害も全く同じです。放医研にしても、国の機関で、内部被曝の研究しようものならいずれ研究費が削られていく、そういう状況の中で正しい科学的な真実というのは出てこないです、今の状態では。 ただ、言えることは、例えば今日お配りした最後の二枚目ですけれども、フランスのセラリーニという教授が四億二千万ほど民間からお金を寄附してもらってラットで実験やったら、農薬もアウト、遺伝子組換え食品もアウト、両方ともとにかくアウトという、動物実験でもう見事に毒性を証明している。その遺伝子組換え食品なんかを、世界の最大手のモンサントというのは、自分たちの職員食堂では遺伝子組換え食品食べていないんです。だから、韓国の船長よりもっとひどいことをやっている、実際には。緊急のときに逃げ出すというのなら気持ちは分かるけれども、毎日の食事で食べていないです、彼らは。そのくらい実際の毒性は考えておかなくちゃいけない。それを実験的に証明するということは、本当に健康を重視した視点でちゃんとやらない限りは駄目です。そういう委員会の委員の人たちも、書かれた都合のいい論文を採用してやっているだけですから、僕は全然信用していません。 実際にとんでもなくなりますよ、今これから。本当に、先ほど言ったように、二十年、三十年たったらもっともっと健康被害が出ます。一億総活躍どころじゃないです。一億総がん罹患社会になり、一億総奇病難病社会になります。僕が医者になった頃なかった奇病、難病が今三百六認定されています。四十年間の生活の中でそれだけ奇病、難病が増えているんです。医学が進歩したから、そういう疾患が分かるようになったから増えているというだけじゃないです。まさに生活習慣の中で人間の体はつくられています、病気もつくられていますというふうに僕は思います。 だから、非常に抜本的にもうちょっと、政府寄りじゃなくて、要するに中立な機関で動物実験を含めてちゃんとやらなきゃ駄目ですよ。そういうフェアな社会正義みたいなものがきちっと担保されない限りは駄目ですね、と僕は非常に残念に思います、日本の社会そのものが。
○熊野正士君 ありがとうございました。 科学的な調査をしっかりと日本でもやるべきだということだというふうに承りました。 次に、今すごくずっと話題、議論されておりましたTPPの医療保険制度への影響ということで、幾つかもう既に質問がされていましたけれども、先ほども川合議員の方からございましたサイドレターの中に、附属書に関するあらゆる事項(関連する将来の保健医療制度を含む。)について協議する用意があることを確認すると、こういったことがサイドレターに書かれておりまして、ここが非常に医療制度そのものを、いろいろ変更をアメリカ等から要求されるんじゃないか、協議の場を持たないといけないんじゃないかというところでの医療保険制度への懸念というものがあるということで、ちょっと先ほど僕聞き逃したのかもしれないんですが、醍醐参考人の方に、ここのサイドレターの(関連する将来の保健医療制度を含む。)について協議する用意があるという、ここのところについての御懸念というか、をちょっと詳しく教えていただいてよろしいでしょうか。
○参考人(醍醐聰君) 私も最初の意見陳述のところで、そこのところを注目というか強調させていただいたつもりです。 私が思うには、先々はともあれ、まず前提として、この表一の高額新医薬品データ一覧を御覧いただきたいのは、今、日本で、例えば中医協に薬価収載の申請を出してきている企業は、もう既に外資系企業とかその日本子会社がこれ上位ずらっと並んでいるんですね。ですから、これからTPPが発効したら入ってくるだろうというんじゃなくて、もう現に今いるわけです。そして、もう現に今、中医協にどんどんどんどんと高額医薬品を始め申請してきているわけです。ですから、今ストレートな利害関係者に特にアメリカ系の医薬品メーカーはもう入っているということですね。 〔委員長退席、理事福岡資麿君着席〕 だから、その意味で見れば、今本当に彼らが考えていることといえば、この先、拡大再算定というのが、オプジーボのようなことがこれからどんどん出てくるんだろうかと。逆に、今度は新薬創出加算が、今試行的なものですけれども、これを恒久化してほしいということは、もうこれは喉から手が出るような利害関係を持っていると思うんですね。ただ、これまでは、例えば中医協にいっても、パブリックコメントがあったときに意見は言えた程度ですけど、御承知のとおり、透明性という、協議というところで意見を述べたり、場合によってはそこに参加することもできるということがうたわれているわけですね。そうしたら、今までのようなパブリックコメントで意見を出してきたというのとはちょっと質的に違う状態が起こってくるわけですね。 しかも、私が申し上げましたとおり、日本の医薬品メーカーさんとアメリカのメーカーが利害対立があれば、それと交渉力で、簡単にやられないよというようなことを、言い方を議論してもいいんですけど、そもそも利害の対立がないどころか同じ方向を向いているんです。だから、その意味では非常に怖い。 かつ、私が申し上げましたとおり、今の日本政府あるいは行政も、先ほどの塩崎議員のところでも私は非常にこれ注目したんですけれども、自民党のJ—ファイルでも薬価の上げもあり得るという、あるいは新薬創出加算制度は恒久化するということをもう現にうたっているわけですね。ですから、何か国民皆保険制度を壊すんじゃないかとかという、そういう議論というのはリアリティーが余りなくて、もっと生の話じゃないのかと。そこのところについては、これは本当に、日本でそれを止めようとする力は誰だといったら、正直言ったら、国会議員の皆さん方、あるいは国民一人一人、患者団体の方々しかいないわけですね。そういうふうに私は認識をしております。
○熊野正士君 ありがとうございました。 ただいま医薬品のことについて意見を頂戴いたしました。 先ほど遠藤参考人の方から薬価算定の仕組みということで本当に詳しく分かりやすく述べていただきました。そこで、遠藤参考人に質問をさせていただきたいわけですけれども、この医薬品について、先ほど来御懸念のあります、アメリカの高い価格の医薬品を買わされるんじゃないかと、そういった懸念があります。 附属書二十六—A、第三条に、意見を提出するための時宜を得た機会を与えることであるとか実質的な再検討を行うことを条件とするであるとか、さらに第五条の協議の項目では、協議のための適当な機会を与えるとありまして、これらの条文から、例えば日本の薬価算定に関してアメリカ政府から意見をどんどん言われるんじゃないかとか、決定された薬価を再検討しろと要求が強まるんじゃないかとか、あるいは新たな協議の場が設定されて、そこで圧力が加わるんじゃないかと、そういった危惧があるわけでございます。 こうした懸念について改めて遠藤参考人の方から意見を賜ればというふうに思います。
○参考人(遠藤久夫君) ありがとうございます。 まず、先ほど醍醐参考人がおっしゃられましたように、最近、高薬価の薬がどんどんと上市されております。これは、実はDPCという急性期の病院の包括払いがあるんですけれども、その中で非常に高い薬が、一年間に四回入れることができますので、高い薬が入りますと包括の中では使えないので、一々中医協にこんな高い薬が出ましたのでDPCから外していいですかとお伺い立てるんですね。したがって、高い薬がどれぐらい出てきたのかというのを時系列で追うことができます。私やってみたのですけれども、確かに高い薬はどんどん増えています。しかも、外資系、それから抗がん剤系が多いという傾向が出ております。そういう意味では、今後高薬価の薬をどうするかというのは極めて重要な問題であって、薬価制度はそういう意味で十分な検討が必要だと、私も別のところでもそういうことを主張しております。 その中で、米国の圧力ということでありますけれども、基本的には私は、何だかんだ言いましても、先ほど日本とアメリカのメーカーは対立はしていない、事実なんですが、例えば中医協は、それほど効果ないとおっしゃる意見もありますけれども、中医協などは実は製薬会社に対して、主に支払側、診療側双方が高薬価の薬に対しては対抗勢力として動きますので、それなりの引下げの圧力というのは大変強く働きますし、役所的に言うならば財務省もそう思っていますから、そういう意味合いもありますので、決してそう簡単にアメリカの力が強くなるというふうには思っておりませんし、ならないという、これもオプティミストだと言われればそうかもしれませんが。 と同時に、既にアメリカの企業が意見を言うことができるわけで、申請者がアメリカである場合には、当然、薬価算定組織で新薬のときに二回文句が言えます。制度そのものを変えるときには、これは一年間に二回、奇数年に、アメリカ、ヨーロッパの企業団体も入れて議論をされますので、そういう意味ではきちんとそういう条件は整えているというふうに思っておりますので。 以上でございます。
○熊野正士君 ありがとうございます。 今回のTPP協定でありますけれども、十二か国という多国間での協定であるわけですが、その懸念の多くが米国に対する懸念のようであります。 〔理事福岡資麿君退席、委員長着席〕 それは、一つには米国における医療体制への懸念と思います。富裕層には高度な医療が提供されていますけれども、そうでないとなかなか十分な医療を受けることができないといったことが要因の一つに挙がるのではないかと思います。 一方、アメリカにおける医学の研究や教育レベルというのはほかに類を見ないほど高度でありまして、新しい医薬品や医療機器も米国で生み出されたものが圧倒的に多く、全世界に輸出をされております。C型肝炎のあの革命的な薬も米国で開発をされたわけであります。 こうした医学の進歩に合わせて日本の医療制度の中にうまく組み入れていくということも非常に日本国民にとっては希望につながる大切なことじゃないかなと思うわけでありますが、こうした観点からの御意見を遠藤参考人の方から是非伺えればと思います。
○参考人(遠藤久夫君) まさしく、我が国の医療保険制度を堅持するためにあらゆる努力をしていただきたいと、そんなふうに思うわけであります。
○熊野正士君 ありがとうございました。 これ、恐らく最後の質問になるかなと思いますけれども、今回のTPPの議論の中で、日本の皆保険制度というのはこれ維持しなければいけないということについてはもう与野党を問わず共通の認識だろうというふうに思います。TPPの協定がこの医療保険制度に何らかの影響を、悪い影響を与えるんじゃないかということでありますが、足下のこの日本の医療保険制度ですが、TPP関係なく今岐路に立たされているのも大きな認識の一つだというふうに思います。 そこで、直接TPPとは関係ないところも含まれるかもしれませんが、遠藤参考人の方に是非伺いたいんですけれども、これまで中医協の中でも御活躍をされてきたわけですが、医療制度のエキスパートとして、この極めて世界に誇るべき日本の皆保険制度、公的な医療保険制度というものを維持していくために、ちょっと時間足りないかもしれませんが、何が必要なのかということを是非教えていただければなというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。
○参考人(遠藤久夫君) 一言で言うのならば、医療提供の効率化と財源の確保、この二つ、いかにバランスを取ってやるか、もうそれに尽きるわけであります。 これは非常に利害関係が絡みますし、非常に難しい問題であるんですけど、ある意味これをずっとやってきているわけなんですが、大変難しい問題なんですが、そこのところをできるだけスピード感を持ってやっていくということではないかというふうに考えております。
○熊野正士君 医療提供の体制と、ちょっともう少し、済みません。
○参考人(遠藤久夫君) 医療の提供の効率化と適正な財源の確保ということのバランスですね。極めて当たり前のことですけど、極めて当たり前のことをやっていくしかない。この辺は難しいわけです、非常に利害対立があるわけですし。それから、弱者、それから低所得者への当然配慮が必要だと、これは社会保障である以上当然であるということであります。 以上でございます。
○熊野正士君 ありがとうございました。 本当に、今回TPPの議論を通していろんなことが分かってまいりました。先ほどの食の安全ということにつきましても、実は多くの国民の方が、既にホルモンの投与された牛肉が入っていることであるとか、あるいは遺伝子組換えの作物が日本に広く入っているといったことをまだ知らなかった、正直知らなかったという方もいらっしゃいました。今回、TPPのこの議論を通してそうだったのかというふうに理解された方もたくさんいらっしゃいます。 先ほどの遠藤参考人の方からも、医療保険制度、大事にしていかないといけないということは、今回のTPPの議論を通して、本当にみんなが共通してやっていかなければいけないんだというふうに私も認識を新たにいたしました。 今日は、お三人の参考人の方、本当にありがとうございました。 これで私の質問を終わります。
○大門実紀史君 大門でございます。 お忙しい中、ありがとうございます。 まず、具体的な中身をお聞きする前に、TPP協定をこの委員会で今審議しているんですけれども、審議、批准する意味についてまずお聞きしておきたいというふうに思います。 アメリカが、もう何度もこの委員会で議論あるんですけど、TPP離脱を明言して二国間交渉に入るということを言っております。これは日米FTAか、あるいは一旦TPPを見合わせて再交渉をしてアメリカに有利な条件が出てくれば後から入る、これぐらいしか考えられないわけでありますけれども、この状況で先に前のめりに、このアメリカの要求が既に入っている、かなりのまされているこの協定案を国会で批准するというのはどういう意味があるのかということでありますけれども。 実は、昨日、我が党の吉良よし子議員が、これからアメリカが二国間協議を求めてくる、先にこの協定を独り前のめりで批准すると、醍醐先生からもありましたけれども、この協定がスタートライン、最低ここまでは受け入れますと、そういうラインになって、今以上協議をやれば更に要求をのまされる、今までだってさんざんのまされてきたんだからということになるので危ないですよと、これは批准しないで一旦白紙に戻して、交渉してくるなら一から交渉すべきだと、国益のためにもという質問をしたんですよね。そうしたら、驚いたことに、安倍総理は、もうかなり状況は変わっているにもかかわらず、それは逆だと、再交渉はしないんだと、これを批准することで再交渉しない意思表示をするんだということを、前にはおっしゃっていたんですけれども、まだおっしゃっていて、私、ちょっとぽかんとして聞いていたんですけれども。 これが、トランプさんが離脱宣言をする以前ならば、あるいはクリントンさんが大統領になって、いろいろ背景はあるけどTPPは進めると、しかし再交渉かなという状況ならば、先に批准して再交渉に応じませんよという姿勢を示すとおっしゃるのは分からなくはないんですけれども、今はアメリカは入らないと。総理もアメリカ抜きにTPPはないとおっしゃっているわけですね。だから、アメリカをどうつなぎ止めるかということになるわけで、当然、アメリカの要求を再交渉に応じて妥協するしかない、応じるしかないということだと思っていたんですけれども、再交渉をしないと。 もう大変な自己矛盾で何を言っているか分からなかったんですけれども、ひょっとしてもうやけくそで、再交渉しない、アメリカ入らなくていいんだと、ただ安倍内閣の気構えを示したいだけなんだということならば、勝手に一人で記者会見やってくれればいいわけですけれども、もうこの委員会巻き込むことないんですけれども、もう何言っているか分からない状況なんですね。 ちょっと昨日驚いたのは、自民党席からそういう総理の答弁があったことに対して拍手が出ると。私は、何か最近、安倍さんが元気に物を言うともう反射的に拍手をする、そんなことになっているようなんです。もうちょっとよく考えた方がいいと思うんですよね。本当に自民党、参議院の自民党は特に、やっぱり総理が何を言おうと骨がありましたよ、前は。もう最近どうなっているのか、今やもう尾辻さんと山田さんぐらいで、山田さんはちょっと丸くなりましたけれども、本当にもう何を議論しているか分からないような状況なんですね。 そういう点で、改めてこの協定を批准する意味について三人の参考人の方に御意見を聞きたいというふうに思います。
○参考人(遠藤久夫君) これは私にとって、申し訳ないんですけれども、私、国際貿易の専門家ではないので、非常に多角的な話であって、私は、この問題が日本の医療政策にどう影響を及ぼすかということについては責任持ってお答えできるんですけれども、この多角的な話でどうするかというのは、ちょっと考えがまとまっておりませんので、スキップさせていただければと。
○参考人(西尾正道君) 全く困ったものですね。もう論外ですね。それ以上に、短期間でほとんど内容を吟味しないで、中を本当に読んでいるんですか、国会議員の人は。とんでもないですよ、これ、このまま行ったら。多分安倍さんも読んでいないでしょう、ちゃんと。とにかく、属国にするような、僕から言わせれば国を売るようなものですね、今のTPPというのは。 これ本当に、それより今やらなきゃいけないことは、トランプさんがとにかくやめようと言っているんだったら、ほかの国がどう動くかということを見てからだって全然遅くないし、その間ゆっくり、どうするかというものをきちっとみんなに、国民に、のり弁当じゃなくて、ちゃんと情報を出して、正しい判断ができるような、そういう時間的な余裕をせっかくもらったんですから、そういうことをやっぱり僕はすべきだと思う。 本当にこのまま参議院も賛成多数なんといったら、良識の府なんて言っている参議院が本当に幼稚園児の集まりみたいなものだなというふうに僕は思いますよ、このままだったら。本当に僕は論外だと思います。
○参考人(醍醐聰君) ここはちょっと冷静に考えさせていただきまして、再協議は応じないということと国会で承認するということは論理的に全くこれ分裂していると私は思います。国会で承認するとしたら、これ、再協議という意味は、これ以上日本は悪い状態になるので絶対しませんよということですよね。国会承認しますと。承認したら、これフィックストできるんだったらいいんですよ。いいと言ったって、これ別に、本当は良くないんですけど。再協議には応じないという言葉は論理的に分裂はないです。 でも、何度も言っていますけど、承認するということは、附属書も含めて書いてあることを認めます、受け入れますということですよね。じゃ、どういうことが書いてあるかといったら、片道方向じゃないですか、何度も言いますけど。どこを読んでみても、もっと関税を下げる、もっと規制を撤廃しますということ以外どこにもないですよ、これ。今よりもっと悪くなることを約束させられるだけのことですよ。だから、これ全く論理的に分裂しているんですね。ちょっとそういう議論はやめていただきたいなというお話と。 それから、これまでの議論も、じゃ、どうだったのか。本当に聖域なき撤廃ということはないということをオバマさんが言ったので参加したとおっしゃいますけど、例の西川公也さんが出されるとか言われた「TPPの真実」の中にこういう言葉があります。フロマンがこう言いましたと。二〇一三年二月の日米共同声明の時点では、フロマンは、日本は関税の完全撤廃に合意したはずだと主張しましたと書いてありますよ。フロマン代表は、センシティビティーでも関税撤廃が前提であり、長いステージで対応すべきものだと応じましたと、西川さんがそういうやり取りをしたということを書いていらっしゃるじゃないですか。 安倍首相は確かにおっしゃったかしれません。しかし、交渉って相手のある話でしょう。自分が一方的に言っただけで、何の意味もないじゃないですか。相手がそれに応じてくれて、そこで合意ができて初めて話が、センシティビティーがありましたということを言えるんですけど、フロマンさん、全然これ、そんなの通じていないんじゃないでしょうか。そういう議論で本当に国益を守れたというのは、私は。 それから、ここで協定に応じるときの、じゃ、メリットは、何にも言わないからどうなんだと聞かれたときに、ちょっとまず農業分野のことについて考えるんですけど、よく攻めの農業、輸出力強化と言われます。しかし、事実はどうなのか。日本の農業生産総額は八・四兆円です。農水省が発表している農産物の輸出目標額は最上限値で一千億円です。農業総生産の全体の一%もないじゃないですか。この目標を達成したからといって日本の農業が何か力が付くんですか。こういう事実をもっと私はきちんと押さえて是非とも議論していただきたいなと思っております。
○大門実紀史君 よく分かりました。 具体的な質問をいたしますけれども、二国間FTA、二国間協議に入るということになりますと、私は、米韓の、アメリカと韓国のFTAをよく研究しておく必要があるといいますか、国会みんなで知っておくべきだと思います。 その点でいきますと、先に、じゃ、遠藤参考人、お伺いいたしますけれども、混合診療は今回表立って触れられていないとありますけれども、米韓FTAを見ますと、具体的に混合診療を解禁するということになっていなくて、しかし、そのFTAの中で経済自由区域というのが設けられて、そして営利病院、保険外診療をやれる営利病院、アメリカの資本ですね、そして、特に富裕層を中心にやっているということで、その部分では皆保険が崩れているということがあるわけですけれども、あるいは日本でももう既に国家戦略特区という形で混合診療の審査のスピードを速くするという形ではありますけれども、日本全体でやられていないことがやられるということで、混合診療を何か制度として解禁するという形ではなくて、違う形で、アメリカの要望を聞いて実現していくという流れで今来ているんですけれども。 そういう点でいきますと、日米のFTAといいますか、日米協議に入りますと、当然、直接に混合診療を解禁しろといったら大変な問題になりますから、そういう形でより進めてやれるのではないかと。ですから、混合診療大丈夫だということには今後ならないんじゃないかと思いますが、遠藤参考人の御意見を伺いたいと思います。
○参考人(遠藤久夫君) 失礼しました、こちらはお答えできますので。 二つのことをおっしゃっていると思います。今後のアメリカとの協議の中で混合診療の圧力が強くなってくるのではないかという問題と、もう一つは国内での特区の問題、特区という形で入ってくるのではないかという話。 これは二つとも重要な課題なんですが、まず前者の問題について。私は先ほどもお答えはしているんですけれども、これまで米国とのバイでかなりいろいろな議論をしてきていると、向こうの主張の中でもほとんど応えていないものも多々あるということもありますので、今回このTPPに入ることによって協議をするという形になると、より向こうの交渉力が強くなるということが私にはちょっと理解ができないので、今後、今までどおりのスタンスでやっていけばいいだろうというふうに思って、またそれを期待するということであります。 もう一つの特区は、これはなかなか難しい問題。特区というのは、我々研究者からしてみると、とても魅力的な仕組みでもあるんです。非常に限定をして、どうなるのかというのを調べたいというところもあるわけで、うまくいけばそれを広めていくというところもあるので、あながち特区を私は否定するつもりはないのですけれども、ただ、問題は、その限定の仕方と、それからどういう目的でやるのかとかあるいはその期間をどうするのかとか、それからデータをどういうふうにして解析してそれを政策にどう生かしていくのか、そういうことをきっちり決めた上でやっていく必要がある。つまり、あくまでも社会実験であるという視点の下でやっていくべきではないかというふうに思いまして、単なる規制の穴を空けるためにやっていくというのは適切ではないと、こんなふうに考えておりますので、一つ一つ慎重な議論が必要だろうと、こんなふうに考えます。 以上です。
○大門実紀史君 米韓FTAでいいますと、先ほどの経済自由区域、特区ですけれども、最初三か所から始まって六か所、八区域というふうに広がっておりまして、これはやっぱり穴を空けて広げていこう、そこで一つの制度としてはめ込んでいこうという流れの中で広がっているというのはやっぱり注意深く見ておく必要があるのかなと思っております。 今日は医薬、薬価関係でいきますと、米韓FTAではまだそこまで行っていないですけれども、西尾先生に、お詳しいようですので、この米韓FTAにおける薬価、医薬品の関係で、かなりこの間、米韓FTA、入った以降、韓国の医薬品が値上がりして、医療機器もですかね、値上がりしておりますけれども、その背景と、もう一つちょっと関心がありましてお聞きしたいんですけれども、アメリカがカナダ、オーストラリア、シンガポールなどと、認可・特許連携制度という言い方をするらしいですけれども、つまり、特許権を持った製薬企業がジェネリックの製薬会社に対して特許権侵害を申し立てると、そのジェネリックの製薬会社は医薬品販売ができなくなるという、言い方はいろいろあるみたいですけど、認可・特許連携制度といって、特許制度をはめ込んで安い医薬品を売らせないというようなことがカナダ、オーストラリア、シンガポールとアメリカの間では結ばれてきております。 こういうアメリカの製薬会社が自分たちの高い薬価を守るための新しい仕組みを含めていろんなことが反映されてくるんじゃないかと、日米間でもですね。そういう心配も含めて、米韓FTAにおける医薬品の引上げの背景と、そういう今後の、今言ったような形も含めて懸念される点を教えていただければと思います。
○参考人(西尾正道君) それは、今のことが二つとも絡んでいるんですね。やっぱりジェネリックがなかなか作れなくなるという知的財産権の問題で、それからもう一つ、直接的には薬価がやっぱり上がっている。トータルとして二年間で二倍ぐらいに上がったというふうに聞いております。実際に、僕は、日本の場合はもう韓国の医療規模よりずっと大きいですから、影響はもっともっと大きくなるだろうと思います。 だから、いわゆる知的財産権のその保護期間が最短八年、なおかつジェネリック作る場合には製薬メーカーの許可が要るというようなことからいうと、先ほど言ったように、ジェネリック自体がとにかくなかなか普及しにくくなりますので、実際には薬剤費は高くなりますね。極端に言えば、五百円ぐらいの薬を七万円にしたとか、そういうようなことが、例えば投資ファンドの人が社長になってその会社を買い取って、出している薬をそのぐらいにして売ったとかね。アメリカなんかではそれは非難して値段は下がりましたけど、そういう実例がやっぱり現実的にあるんですね。 タミフル一錠七万円とかそういうような時代に、僕は、本当に突入し出す。それが規制できない、TPPになっちゃうと。本当に、製薬会社の利益を損なうということでISD条項を使って幾らでも訴えられると。いや、公共性とか社会保障の観点からそういうことはないんだよといっても、それは自分たちが思っているだけで、相手があることですから難しいと思いますよ、実際に。
○大門実紀史君 また遠藤参考人と醍醐参考人にお聞きしたいと思いますが、いろんな議論があって、薬価にしろ食の安全にしろ保険制度にしろ、アメリカがずっと長い間、USTRが日本に要求を貿易障壁報告書でずっと出してきて、何だかんだ言っても、もちろん言われたまま全てやってきたという意味じゃありませんが、いろんなやり取りがあった上ですけれども、長い歴史で見ると、結局、保険でも医療でも食の安全でもアメリカの要求を受け入れてきた、農産物もそうですよね。 このことについて政府と大臣と幾らやり取りしても、自分で判断してきたと。それは、判断するのは自分だと思うんですけれども、何を基に判断しているかのところに、アメリカの要望というのはやっぱり長い歴史で見ると反映してきたのは事実だと思うんですけれども、遠藤参考人と醍醐参考人の御意見を簡潔にお聞きしたいと思います。
○参考人(遠藤久夫君) 最後のところだけ質問をもう一度お願いできますか、ちょっと不十分だったので。
○大門実紀史君 アメリカのいろんな要求が、日本の薬価の決め方、食の安全とかに反映してきたのではないかと言っているんです。
○参考人(遠藤久夫君) それは、それをどう判断するかですけれども、いろいろ調べてみると、要求したものは必ずしもアメリカだけではなくて、先ほど醍醐参考人もおっしゃられたように、日本のメーカーも共同で業界としてやっておりますので、どこまでがアメリカの意向なのかというのはなかなか分かりませんが、しかし業界の人たちからいうと、相当要求しているけれども返ってくるのは少しだなという非常なあれがありまして、そう簡単にはいかないだろうという感じがします。 先ほど来言われておるように、日本のメーカーとアメリカのメーカーが共同で主張しているものが大半なんですね。したがいまして、それはアメリカの影響なのかどうかというのは微妙なところで、いずれにしても、日本の利益とあるいは社会保障制度の存続のために適切なような対応をともかくやっていくしかないということだと思います。 以上です。
○参考人(醍醐聰君) 私は、先ほどから例えばアメリカとかのISDSと言われているのを聞いておりまして、自分の方に質問が向いてこなかったのでちょっとお答えができなかったんですけど。 大事なことは、実際にISDSがまず発動するかどうかはもちろん大事ですけど、そういう仕組みがあるということが、例えば米韓FTAであの地産地消の問題で、政府がアメリカからそれについてクレームが付くおそれがあるから地産地消という言葉を条例から外せと言ったら、九割のところが外しましたですね。あれ、何もアメリカ、実際に訴えたわけじゃないんですよ。でも、変わりました。地下鉄だって公共交通だって、これ安過ぎるということ言われたら困るから値上げしているわけです。 ですから、こういう装置があるということ自身が一つのやっぱり強力な圧力になっているということを注意しないといけないのと、もう一つは、裁判でまさかそんな裁判が通らないでしょうと言うんですけど、どこの裁判所を想定してそういうことを言っているんですかと、日本の裁判所を想定して言っているんじゃないでしょうねということをちょっと私はどうしてもやっぱり申し上げたいと。ちょっと日本とは勝手が違うと。英語で全部これ書かなきゃいけません。本当にそれを訴えるだけでも大変なことですし、そういうところをやはり私は考えてみると、何か直感的に、そこまで日本は言うことを聞くこともないでしょうという考え方は私は楽観に過ぎるんじゃないのかということを事実からも思います。 薬価についても、オーストラリアがあの薬価制度を、本当にこれも手を突っ込まれたのも協議機関に入ったからですね。 失礼しました。
○大門実紀史君 どうもありがとうございました。 ─────────────
○委員長(林芳正君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、浜口誠君が委員を辞任され、その補欠として宮沢由佳君が選任されました。 ─────────────
○清水貴之君 日本維新の会の清水貴之と申します。 参考人の皆様、今日はお忙しい中、貴重なお時間とお話、本当にありがとうございます。 まず、私から、今回のTPPに厳しい御意見をお持ちの西尾参考人、醍醐参考人にまずはお聞きしたいというふうに思います。 お話を聞いておりまして、このまま進みますと、日本の医療の崩壊につながっていく、医療費がどんどん上がっていくという話です。今、とはいえ、政府も、ほっておいていても日本の医療費というのはどんどんどんどん上がっていって、何とかそれを抑えよう抑えようとしているわけですね。そういう作業をしていながらも、お二人がおっしゃるように、今回このTPPに進んでいくに当たって、更に医療費が増えていく可能性があることを進めようとしているのは、もう単純な疑問なんですが、なぜなんだろうというふうに思ってしまいまして、そこに何か日本政府が考える、これを進めることによって別に何かメリットが生まれてくるのか、若しくはそういうことが全く分かっておらず、アメリカに言われるままにこういったことを進めてしまっているのか。 どういったところに、日本政府がやろうとしていることとお二人が主張されていることが矛盾しているような気がしまして、どこにその本質があるのかなというのを疑問に思ったんですが、その辺りについてはどのようにお考えになられるでしょう。西尾参考人と醍醐参考人にお願いいたします。
○参考人(西尾正道君) 基本的に厚労省が考えているのは医療費抑制だけなんですね、別に。医療の質をどう担保するかということももちろんあるでしょうけれども、それはそこそこで、一義的には医療費をどう抑制するかということだと思います。 しかし、高齢社会になって、どんどんどんどんそれは値上がりしていきますよね。一番お金使っていないのは高校生ぐらいの年代で、一年間に直すと十五万ぐらいです。ところが、七十五歳以上になったら九十万ぐらい使っているわけですね。高齢者が増えれば増えるほど桁違いにとにかく増えていく。これをどうやって抑えるかということでいろんな画策をしているわけです。日本政府がやっていることは基本的にはそういうことです。 それがたまたま製薬会社を含めた医療産業の攻勢でTPPが仕掛けられたときに、それに対して余り深刻に考えないでただ乗っかっているだけというのが今の現状だと思います。だから、もう本当にみんなで渡れば赤信号も怖くない、信号も見ていないというような状態で進んでいるのが今のTPPに対する日本政府の対応だろうというふうに思っています。だから、本当に深刻ですよ、これは。 だから、一番肝腎なことは、先ほど言ったように、弱肉強食の社会をつくっていいのということが一つと、もう一つは、共生する、共に生きるという社会がもう破壊されますよと。本当にお金がもう命を決めちゃうというような社会にどんどんどんどんなっていくという。だから、高齢社会がどうのこうのとかという議論より、もうとっこして、そっちの方がずっと大きな問題になるというふうに僕は思いますね。 それと、今言ったように、制度そのものが障壁になっているわけで、それを崩そうとしてきているわけですから、単なる医薬品がちょっと上がったとかなんとかということ以外に、日本の医療制度そのものが崩れていくということが大事なことで、それを、いわゆるこれ支障があるからといって日本政府が勝手にシステムを構築したりということができなくなっちゃうと。 これは司法権もそうです。日本の司法権も含めて、もうTPPが上位になっていくということが本当に深刻なんですね。それが一番の僕は、だから日本政府が勝手に物事を決めれなくなっちゃうんだよ、日本の社会に合ったような社会づくりというものができなくなりますよということが一番ポイントだろうと思いますよ。それを皆さんやっぱり気付いてほしい。これは本当に日本の裁判所もほとんど気付いていないかもしれませんね。司法権も恐らく侵害されますと思っていますけど。
○参考人(醍醐聰君) 政府のやろうとしていること、何か違っているとおっしゃったが、残念ながら事実としては私もそういうふうに自分は認識しておりますが、事実の問題を私は申し上げたくて、何か非常に危機感をあおっているというふうに取られるのはちょっと私は本意ではないんです。 端的に、例えばオプジーボでいったら、高額療養制度は今ありますけれども、七十五歳以下の方で年収三百七十万から七百七十万、そこそこの、これ単身の方ですから結構な所得者な方だと思います。でも、その方が、今、月額にしたら八万円プラスアルファですよ。そうすると、月額ですから年間にしたら約百万円です。年収、例えば中間の五百万の方だとしたら、五百万のうちの二〇%が一つの医薬品で、ほか、もっと病院行ったりありますよ、消えてしまうと。本当にこれ負担できるのですかということです。 国民皆保険というのは、形が残るかどうかじゃなくて、それを実際に使って国民の命と健康のために機能することが守ったという意味なんですね。そのことをやっぱり理解しないといけないんじゃないか。 そして、一年間、もし今のオプジーボのままでいきましたら、三千五百万、それが肺がんまで拡大したところで、五万人の方が使われたらこれは一兆七千万円ぐらい掛かるんですね。これ本当にそのままだったらこれはどうなるのかということを考えてみたら、何か誇張をしているのか。 かつ、私は申し上げたいのは、何か無理難題言っているかと。例えばC型肝炎でも高額医薬品と遠藤先生おっしゃいました。私の図表の二を御覧いただきたいんですが、一番それで大手はギリアド・サイエンシズ社ですね。そこのところが、ソバルディとかハーボニーという非常によく効く、十二週間使いましたら五百万、七百万と掛かるわけですね。表二を御覧いただきたいんですが、ギリアド・サイエンシズ社の過去三年間の売上高に占める営業利益率の割合を見ていただきましたら、四一・九、六二・四、六九・〇ですよ、これ。ここまで本当に患者さんとか医療保険財政が苦しい中で、これだけの利益を与える薬価制度というのが合理的と言えるのかというような、私はそういう議論を立てたいなというふうに思っているんです。
○清水貴之君 西尾参考人からお願いします。
○参考人(西尾正道君) 今のことと関連して、僕はずっとずっと現場でやってきましたけど、オプジーボを使っても、例えばメラノーマ、悪性黒色腫、五年生存率一七%が三四%になったと。つい最近の報告です。倍になった。だから、確かに成績はいいわけです。今までの新薬の抗がん剤といったって、例えば五年生存率一五%が一八%になったとか、そういうレベルのドングリの背比べだったんですけれども、倍近くなったと。 だけど、知っておきたいことは、それで治っているわけじゃないんです。抗がん剤で治るのは血液のがんだけです。白血病や悪性リンパ腫は治る時代になりました。だけど、例えば肺がんにしたって胃がんにしたって乳がんにしたって、普通の固形がんは治りません。一回り小さくなることによって延命になると。奏効率二割あれば、奏効率というのは、半分になれば部分的に良くなったと、そういうものが二割あれば認可されるというのが抗がん剤なんです。だから、薬の概念とはちょっと違うんです。眠剤飲んだらみんな眠たくなるし、痛み止め飲んだら痛みが少し楽になるというのが薬だと皆さんは思っているけど、抗がん剤の定義は違うんです、二割の奏効率で認可される薬。だから、治るわけではない、多くのがんは、固形がんは、血液がん以外は。そういうことが皆さん、余り国民にはよく説明されていないということがありますね。 それで、実際にがんの三大治療法の中で、治療費の八割は薬なんです。放射線治療は三%です、たった。手術代は一七%です。そういうことからいうと、何がコストに見合うような形で治しているのという、いわゆる効果比みたいなものをきちっと導入して薬価というのを僕は決めていかなきゃ、もうどうしようもなくなる時代になってきた、これだけ高額なもの。 だから、昔、例えば陽子線治療で、先進医療で三百万掛かりますと、随分高いなと言っていたけど、あれはああいう治療をしたら治る人も結構いるわけですね。今だったら、感覚としては、C型肝炎だって六百七十万、あれも治るからまあいいでしょう。ところが、抗がん剤のこういうオプジーボ、じゃ、治るのといったら、治るわけでもないですよね、生存率は上がるかもしれないけど。じゃ、それが三千五百万使うのが本当に意味があるのかどうか。今一番よく使われている、大腸がんの再発に対して、アバスチンという血管新生阻害剤あります。アメリカでは、実際にそれ使って、二年が二年三か月になる。三か月ぐらいの延命効果だけど、それを一年間使ったというふうに換算したら五千万ぐらいになります。 そういう値段がTPPになった場合にもろに日本にもかぶってくるという可能性もあるし、要するに、これからの薬価というものも、診療報酬全体ですよ、診療報酬そのものもまさにそういうコストパフォーマンスというものを導入せざるを得ない。そうしたら、日本人の死生観というものを共有化して、ある程度ベースをつくって、どうするのという議論を僕は本当にすべきだと思いますね。 僕がずっとやってきたのは、セシウムとかラジウムというのを患部に埋め込んでいったわけです。日本一被曝している医者なんですよ、だから。国立病院でしたから、いい機械買ってもらえませんでしたから。それで、だけど、その治療は線源を使って直接がんの病巣に埋め込むような治療で、二十人やったら十九人治せます、その治療は。だけど、被曝して、一千万の鉛で囲まれた、設備投資してベッドを使って、診療報酬六万円だったら誰もやらぬです。今やれるのは北海道がんセンターだけです、その治療は。僕は捨てません。なぜならば治るからです。 だけど、医療というのは、やっぱりもうからなければ全部どんないい治療でも廃れるんです。社会の流れというのはそういうことで動いているわけです。だから、もう本当に、もうけてもいいけれども、もうけるに該当するだけの効果というものをきちっと出すと。それが単なる一か月、二か月延命という話じゃなくて、もうちょっとそういうコストパフォーマンスを考えた費用効果分析というものを導入して僕は医療の在り方というのをこれから考えていかないと、今オプジーボと同じような類似した薬がどんどんどんどん出ます、これからは。だから、本当に難しい時代ですので、本当に真剣に取り組まないと大変なことになりますね。
○清水貴之君 西尾参考人から、日本の社会に合った形の制度づくりができなくなるというような懸念の御発言がありまして、そう考えると、お二人にもう一度お聞きしたいんですけれども、そもそも、多国間でもいいですしバイでもいいですけれども、こういったルールの統一化とか制度づくりそのものをするべきではないと考えていらっしゃるのか、今回の内容がちょっとやっぱり余りにも日本に良くないんじゃないかということで反対されていて、ちゃんと整備をするならばこういった協定とか条約とか作っていくことはいい、いいというか、日本にもメリットもプラスの面もあるのではないかというふうに考えられるのか、この辺りについてはいかがでしょうか。
○参考人(西尾正道君) お互いの国にとって弱い面も強い面もあると思うんですよ。だから、それをお互い補うような形で、お互い利益があれば僕はいいと思いますよ。 ただ、今仕掛けられているTPPの本質というのは、グローバル企業の金もうけのために仕組みをつくっているということなんですね。これが本当の根底にある本質なんですよね。それは決して普通の一般の人にとっては有利な、いいものには僕はならないと思っていますので。しかも、なおかつ、それに入ることによって、日本独自の文化や考え方や特殊性みたいなもの、こういったものをちゃんと生かした社会づくりの法律なり制度なりというものがつくれなくなるんだということが僕は一番の深刻な、これからずっと尾を引いていく問題になるだろうと思っています。
○参考人(醍醐聰君) 私は、例えば日本とアメリカではもう医療財政制度が全く違うわけですね。全く違う。例えば、アメリカのような公的保険制度がない国が日本のそういう制度に対してそれを、例えば私から言えば財政面から揺るがすようなことを本当にやるということは、これは私は、尾辻議員じゃないですけど、やっぱり基本的にはあってはいけないんじゃないかと。ここはもうそれぞれの国が、医療保険制度、国民の命に差を付けないよという原則ですから、それを守ることは国の政治の責任だと思うんです。主権です、これは。決して何かこれは保護主義とかなんとかという話は全く関係ない話だと思うんですね。 私は、尾辻議員がおっしゃっているのを省きましたが、日本がアメリカを主導しなきゃいけないんですとおっしゃっているんですよ、ちょっとそこまでは書かなかったんですけど。ただ、やっぱり、アメリカだってオバマ・ケア、クリントンさんやろうとしたわけでしょう、何かのそういう日本的な公的なもの。それはなかなかできない。だったらもう少し、日本は今までどうしてこういうものできたんだということを、日本にクレームを付けるよりか、逆に勉強してほしいなと。 そういうことをお互いに、自立を尊重し合いながら各国の経験を交流し合うというのが本当の国際的な関係だと私は思うんです。それが何か営利企業の利益が間に入ってきて、本当に学び合うべきことがきちんと学ばれないというところが私は不幸な今の現状じゃないのかなと思っております。
○清水貴之君 関連して、遠藤参考人に今度お聞きしたいんですけれども、こういったことが整備されることによる、今アメリカからいろいろなものが逆に来るんじゃないかというお話なんですけれども、日本も大きな製薬企業はいっぱいありますし、醍醐参考人が今おっしゃったとおり、制度でも日本の方が優れているだろうということも多々あるわけですね。こういったものが日本から出ていくことによって、ルールが統一化されることによって日本にとってメリットが生まれるようなことというのはどういったものが考えられますでしょうか。
○参考人(遠藤久夫君) 遠藤です。 それは、特に新興国が今、社会保障制度がだんだん充実しておりますので、そういう意味で医薬品の利用ということが進んでおりますから、唯一新薬が作れるのはアメリカとヨーロッパの幾つかの国と日本だけでありますから、そういうところへ進出をするという意味では、非常に安心して行けるという意味でそういうメリットはあるということだと思います。 関連して、先ほど薬価の話が大分出ておりましたので私も一言言わせていただきたいのですけれども、基本的には醍醐参考人のおっしゃることとほぼ同じでありまして、特に、最近、高薬価になっている。その高薬価の対応の仕方としては、一つはやはり、費用対効果というお話が西尾参考人から出ておりましたけど、これは既に試行的に入れようとしておりますけれども、これはなかなかデータが集めないと難しいというところもあるものですから、新規の医薬品というよりも、既に上市されている医薬品の再算定に使おうというような話になっているぐらいですね。 もう一つは、やはり今の制度は問題がありまして、一旦高い値段で上市すれば、あとは少しずつ薬価改定のたびに下がるんですけれども、実際、製造コストがうんと安くなっても、あとは類似薬効で似たような薬もみんなその値段をベースに付いていきますから非常に高いんですね。だから、そういう何かコスト削減のインセンティブもメーカーには与えておりませんし、その辺はやはり今後きっちり議論をしていく必要があるだろうというふうに思っております。
○清水貴之君 食の安全についても西尾参考人に是非お聞きをしたいんですけれども、先ほどまで出た話ですと、アメリカでそれこそいろいろ先端の技術を使ったもの、遺伝子組換えであったりとか、我々日本人からしたらよく分からないものが入ってくる恐怖心があるというのを、それは非常によく分かります。 その一方で、具体的に名前を出すとよくないかもしれませんが、中国とか、それ以外の途上国と言われるような、後進国と言われるような国で、逆にもうそれこそ何を使っているか分からないような野菜であったりとか、検査はもちろんしているんでしょうけども、でもどこまでか分からないところもあります。 こういうところで逆にルールをしっかりと統一してくれと、安心、安全なものを日本で手に入るようにしたい、口に入れたいと思っている方も多いと思うんですね。こういった面のルール面での統一というのはどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか。
○参考人(西尾正道君) それは本当に国がきちっとやるべきことですね。今はもう個人のレベルとか、一つの研究機関で何か研究して論文を出すというような、そういうレベルでは全然解決付かないですね。もう広範な、物すごいお金の掛かる動物実験なんか含めてやらざるを得ませんね。 ただ、もう明らかにデータとしては、例えばネオニコチノイドの農薬が神経細胞と神経細胞の伝達物質、アセチルコリンとかグルタミン酸とか、その動きの、化学物質そのもののオンとかオフとかという信号をブロックしたり障害するということまで分かっている。原因がそこまで分かっているんですね。 ヨーロッパなんかはもうタスクフォースが、明らかに生物にそういう影響を及ぼすということを、というのは、モンサントなんかはそんなことないとかと反論したものですから、それに対してヨーロッパの科学者が集まってタスクフォースで再検討したけど、結局、無脊椎動物みたいなものも含めて全部そういう生物に影響があるということを正式に証明して、今ネオニコチノイドの三種類ぐらい規制が始まっています。 そういうのが現実に国際的な動きはそうなっているんだけど、日本は余りにもそういうものに対しては無頓着です、無頓着です。これはやっぱり本当にそれこそ国際的な感覚で健康というものを見ていく必要が僕はあると思いますよ。何とかそれは本当に国が本格的に取り組まないと大変なことになると思っています。
○清水貴之君 国際的に取り組むというよりは、日本がしっかり取り組むということですか。
○参考人(西尾正道君) 国際的にも取り組むのが最も好ましいですよね、日本だけじゃなくて。もうヨーロッパではそういう動きが今されていますからね。EUではそういうのも動き出してきている。日本は全く蚊帳の外ですね。だから、農協さんなんかも、農薬を売った利ざやがあって農薬をやめれないわけですよね。 そういう問題も含めて、いろいろやっぱりトータルに考えなきゃいけない時期になっていると思いますよ。本当に大変です。深刻です、実際に。
○清水貴之君 以上で質問を終わります。 どうもありがとうございました。 ─────────────
○委員長(林芳正君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、中西哲君が委員を辞任され、その補欠として足立敏之君が選任されました。 ─────────────
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 私も、冒頭、TPP協定はトランプ次期大統領が大統領就任の日に離脱を宣言すると言ったので、TPP協定は死んだと思っています。 安倍総理は何を考えているのか。アメリカに再度翻意を促すために努力をするのか。あるいは、仮にこれが効力を発揮しなくてもいいんだ、再提言を示すからいいんだと。これは極めて問題だと思います。 今まさにTPP協定について参議院で特別委員会で議論しているわけで、この点についてまた改めて、西尾参考人、醍醐参考人、お願いいたします。
○参考人(西尾正道君) いや、普通は、ですから、感覚としては分からないですよね。アメリカが入らないと言ったら、もうそれで終わるわけですからね。何を今更日本だけ焦って議論しなくちゃいけないのかと思いますね。理解できません。
○参考人(醍醐聰君) これもう本当に、ちょっと私も頭静かに考えると、主義主張じゃなくて客観的事実として、TPPが成立しなかったら、日本は交渉でこれだけ勝ち取った、攻めるところは攻めてとおっしゃいますけど、承認しなかったら発効しないんですよね。発効しなかったら、誰に向かってこれ成果だと言うんですか。ないじゃないですか。おかしくないですか、これ。私はおかしいと思いますね。余り、これ以上申し上げませんけれども、得るものはないと思います。 じゃ、失うものもないのかというと、もうこっちの方はまた非常に強気で、国際的に決意を固めたことを知らせる意味があるとおっしゃるんですけど、具体的に日米二国間ですけど、じゃ、これから、安倍首相に私はお伺いしたいんですけど、日米二国間交渉に臨むに当たって、日本はアメリカにどういうふうな積極的なメリットを獲得できる、私は余りそういうことは好きじゃないですけど、獲得できるというふうな、そういう見通しと確信を持っていらっしゃるんだろうと。それを語っていただかないことには、これ幾ら日本は決意を固めたとおっしゃっても、何か宙ぶらりんな気がするなという。 むしろ、危険がある方は私はもう申し上げましたのでそれは言いませんけど、TPPは成立しなくても対外的に約束したというふうに公言されましたら、じゃ、日本はこういうことは、もう市場開放、ここまで開放したんだよねということになります。それでいいんですか、そこをベースラインにされていいんですかということを私は申し上げたいなと思うわけです。
○福島みずほ君 先ほど醍醐参考人が、安倍総理の再交渉に応じないというのは意味がなくて、附属文書で継続的協議、あるいは様々なTPPの委員会の下で協議がたくさん進むわけですから、まさに現在進行形が、というか進行が始まる、要するに、バスが片道切符で走り始めるということで、再協議に応じないなんて全く意味がない。むしろTPP、もしこれが仮にですよ、発効したとすれば、協議ばかりになってしまう、しかもそれは規制緩和と関税撤廃の方向だと思いますが、その点について再度お願いいたします。
○参考人(醍醐聰君) 交渉によって状況が、例えばこういう方向に向けて変えられるとか、日本政府がコントロールできる状況にあればいいんですけれども、もう書き込まれているわけですね。かなりもう手を縛られている。少なくとも方向性だけは、もう関税下げの方向しかない。それから、ガイドラインも下げるしかない、本当にもう。何年後まで書き込まれているじゃないですか。前倒しをやりなさい、やることは大いに結構ですよなんて書かれてしまっているわけですね。 ここまで本当にもう外堀埋められた状態で、交渉力を発揮するとかいっても、どういう交渉力を発揮するんですかということで、むしろ、もっとこれ以上の開放が求められていく。そうすると、今ここまで守りましたと、関税除外しましたとおっしゃっていることだって、実は本当に一過性の話ということにもなってくるということは決して誇張ではないなと。どうしてそういうふうな国会承認をするのかなということは、無意味であると同時にやはり非常に危険なことだと私は思っております。
○福島みずほ君 安倍総理は自由貿易と言うけれども、この自由貿易は私は新自由主義貿易のことだと思っています。対立している概念は、グローバル企業、大企業の利益のためにとことんやっていくのか、あるいは人々の生活を守るという観点からやっていくのか、その対立だというふうにも思います。 TPP協定の特色を一番表すものは、ISDS条項ではないでしょうか。投資が害された、要するに、企業が投資をするのに投資が害される恐れがあるとして訴えることができるわけです。原告対被告という普通の裁判ではありません。生活が害されるということで裁判を起こすわけではなくて、投資が害されるとして企業が訴えるわけですから、それをまたさっきも醍醐参考人おっしゃいましたが、ある意味恫喝で、これを牙を持っているから相手国政府は変えてしまうという状況もあるわけです。 このISDS条項そのものの問題点、あるいはTPP協定のそもそもの問題点についてどう思われますか。西尾参考人、醍醐参考人、お願いいたします。
○参考人(西尾正道君) 実際に、アメリカの世界銀行傘下のところに提訴されて、ほとんど全部勝っていますよね、日本で裁判するわけじゃないですから。実際には、まさに牙ですよね、そういうものを持ってとにかく企業が利益を取る仕組みをつくっている。 ただ、もっと極端な例は、そういうことをやらなくてもノン・バイオレーション・コンプレインツというNVCという項目もあって、思うような利益が取れなければ国を訴えることができるとか、こういう条項もあるわけですよね。だから、実際にはISDだけじゃなくて、たくさんのとにかく何重にも企業がしっかりともうかるような仕組みをつくり上げているというのがTPPの今の内容だろうと思いますね。 個別の何かいろんな農産物だとか医療とか、それから労働関係とか、たくさんの分野、二十一分野と言われていますけれども、その分野に関わっていると言いますけれども、それは個々の問題であって、トータルとしては、全てを縄を掛けているのは、その大企業の利益ということが本質的に守られる仕組みをつくり上げていると。昔戦争、今TPPです、まさに。
○参考人(醍醐聰君) ちょっと具体的に考えてみますと、先ほど出ました特許リンケージ制度ですけど、これはもう内容は御存じだと思うんですけれども、後発メーカーさんからできたときに侵害しているということを先発メーカーが訴えれば、仮にその訴えが認められなくても、その裁判が終結するまでの間は後発品の審査も市販も始められないわけですから、言ってみれば、新薬創出加算のような既存の先発薬の薬価がそれをずっと維持されていくということなんですよね。そういうこと自体が、これがもうメリットというふうになってしまうわけです。結果的に裁判負けても、その間延びるわけですから、その間は既存の薬価水準が維持されるわけですね。 そういう怖さがあるのと、それから、八年で、現状と何も変わっていないということをよく厚労省の方とかおっしゃっているんですけれども、不合理な遅延、審査に遅延があったときはこれは延長できるという仕組みがあります。これなど私は、まさに何をもって不合理と見るのかなんて、本当に個別の事例でしか言えないような、事前のルールなんてほとんどないですから、こういうものがやっぱりあったということを申立てされるということはもう大いにあるべきなんですが、この場合も、申立てが認められなくても、それが何年間にするんですかということについて、紛争が解決するまでは特許期間これ切れないと思うんですよ、続くと思うんですよ、これは。裁判で決着付かない限りは、それが合理的か不合理的か決着付くまでは。結局、これだって訴えること自体で、結論はどうであれ、その間は特許が生きてしまうということになるんじゃないかということは私は非常に気にする。 ですから、訴えたって、それは日本負けることはないよという、これも私は楽観もあると思いますけど、そういうところで話を終わらせてしまうということはちょっとリアリティーがないんじゃないかなと感じております。
○福島みずほ君 今、醍醐参考人もおっしゃいましたが、政府は、安倍内閣は、石原大臣は、訴えられることはありません、例えば合理的にちゃんとやります、あるいは客観的に科学的根拠を示せばとか、いろいろな理由から訴えられることはありません、それから敗訴することはありませんという発言は私は分からないんですね。この裁判は絶対に負けませんなんという弁護士は信用できないですよ。それはあり得ないですよ。 ですから、その意味でいえば、その発言は一体何なのか、西尾参考人、醍醐参考人、お願いいたします。
○参考人(西尾正道君) いや、僕も分からないですよ。どうしてそんなことを言うのか僕も分かりません。普通はそういうことは言えないはずです。とにかく、ああいう訴訟社会で、その感覚ですからね、米国は。病院の前に弁護士さんが立っていて、今日何か訴えるネタありますかといって患者さんに聞く、こういう社会ですよね。企業だって、もう企業弁護士がとにかく稼ぎまくる。訴訟当たり前という社会です。ですから、訴えられませんと、何の根拠でそんなことを言うのか、全然信じられませんね。分かりません、僕は。
○参考人(醍醐聰君) 訴えられることはないというのと、負けることはない、二つおっしゃいましたけど、後ろの方、じゃ逆に、勝つことは絶対ないというふうに、私そこまで言う自信もありませんから、安倍首相かどなたかが負けることはないとおっしゃっていることについて、私はここでそれについて正面から批判するとか、そういうことまではちょっと申しませんが、訴えられることがないというのはこれは私は違うなと。かつ、訴えること自体で十分なメリットがあるということを是非とも私は一度お考えいただきたいなというふうに思うんです。
○福島みずほ君 醍醐参考人にお聞きします。 今日、お三方、薬価のことについて本当に詳しく専門家の立場から説明をしていただきました。国民皆保険制度が要するに形骸化してもう実質が壊れるという話だったんですが、それ以外にこのTPPで国民皆保険制度が壊れる、あるいはこういう点が問題になるということについて御教示ください。
○参考人(醍醐聰君) 直接的な国民皆保険制度の影響、私はちょっと自分が会計とか財政やっているものですから、財政面からのお話をさせていただきましたけれども、財政面についても、非常に薬価がなかなか下がらない、先ほど言ったように、もう具体的に高額療養費制度を取っても、本当にそれ手が届かないものになってしまったんでは、これ何のための皆保険なのか分からなくなってしまうという意味で私は申し上げるんですが、結局、保険制度というのは、持続可能性というのは、やっぱり財政というものの持続可能性ということが切っても切れないと思うんです。 そうしましたときに、やっぱり日本の医療費全体の中で薬剤費の占める割合が国際的には極端に高い、だからこそアメリカの製薬さんは日本市場、非常に進出してきているわけですね、さっきから申しましたように。 そうなってきたときに、保険財政を、維持可能性をどうやって確保するかというときに、後発医薬品ですけど、実は世界で一番比率が高い使用率がアメリカなんです。八五%ぐらいが後発医薬品なんですよ。ところが、交渉相手国には後発医薬品をなかなか使いにくくしている。 今、私は、保険財政を立て直すときに薬価を下げるというのは一つの直接ですけど、やはり厚労省の人がやっていますように、後発医薬品の使用率をこれから伸ばしていくということ、現実的にはそういうことがかなり大きいと思うんです。そういうときに、今のTPPの中にある、さっき言ったような、私は特許リンケージ制というのはかなり怖い制度だなというふうに考えているんですけれども。 それから、薬価の下げの方向の調整、これも非常にブレーキが掛かってしまうということも財政面からは非常に大きな打撃になるんじゃないかなと。そういうことで財政の持続可能性が崩れて、それでまた保険料が上がることによって、実際的に国民皆保険が国民に広く伝わるということができにくくなってしまうということを私は恐れております。
○福島みずほ君 西尾参考人にお聞きをいたします。 今日は、遺伝子組換え食品やネオニコチノイドや肥育ホルモンの話をしていただいて、本当にそのとおりだと、今、日本にもたくさん入っていると。では、この規制を強化しようとなったときに訴えられる可能性があるんじゃないかという質問をこの委員会でしました。 お聞きしたいことは、TPPの協定では科学的根拠となっているんですね。でも、EUは予防原則を言って、予防原則で例えば遺伝子組換え動物も禁止していると。一つは、科学的根拠ということが逆に立証が難しかったり、むしろ予防原則なら百歩譲っていいけれど、科学的根拠と条文がしていることが問題ではないかというのが一点です。 二点目は、科学的根拠といっても、先ほどおっしゃったとおり、日本ではBSE始めずっと譲歩をしてきたという歴史があるので、科学的根拠の立証をそもそも日本政府はできないんじゃないか、しないんじゃないか。この点についていかがでしょうか。
○参考人(西尾正道君) それは大変、やるとしても膨大な時間とお金が掛かりますね。ですから、実質的にかなりできないんですよね。だから、もう予防原則でやっぱり対応するというのが僕は筋だと思います。ですから、立証責任がどっちにあるかということですよね。だから、遺伝子組換え食品なら遺伝子組換えで作って、それを食べさせても何ともないということをむしろメーカー側が立証するというんだったらまだ話分かるけれども、実際に食べている人が立証するというのは非常に難しいですよね。 だから、そういう抜本的な科学技術の使い方に関してやっぱり考え方をちょっともう改めるべきだというふうに僕は思いますよ。あくまでもやっぱり可能性のある場合には予防原則を採用するという考え方にしていかなければ、これからもっともっといろんな危険なものも出てくる要素がありますので、社会全体がそういう考え方をすべきだと思います。そういう点では、EUの人たちはまだ非常に文化性が高いと思いますね、そういう点では。野蛮ですよ、日本もアメリカも考え方が。
○福島みずほ君 西尾参考人のレジュメにラチェット条項とそれからスナップバック条項について記述があります。余りこの委員会で議論になっていないので、御説明をお願いいたします。
○参考人(西尾正道君) スナップバック条項ですけれども、これは基本的には、アメリカが例えば関税なんかを決めて、ちょっと不利になっちゃった、不利益を被るといったら、アメリカだけは自動的にそれを破棄できるという非常に身勝手な項目です。これは日本はできません。そういうことが一つありますね。 それから、ラチェット条項というのは、一回入ってしまったらもう抜けれませんよと、もうずっとそのまま続くということがありますね。 それから、今日何も議論されていないですけれども、基本的に対象になるのがネガティブリスト方式ですから、どんどんどんどん時代に応じて新しい技術や新しいものが出てくると思うんです。そういうものがネガティブリストに入っていなければ、どんどんどんどん野放しでオーケーになっちゃうという可能性もやっぱり考えておかなくちゃいけないというふうに思います。 ですから、非常に一方的にアメリカ有利の不平等な条約なんですよ。アメリカだけは、俺やめたと言うことできるし、勝手に関税を撤廃もできるしというような項目が入っていて、日本がそれはできないと。対等じゃないですよ、条約そのものの内容が。こんな本当にアメリカが身勝手に作られた条項そのものが何で問題にならないのかというふうに僕は思いますよ。
○福島みずほ君 先ほどもちょっと質問がありましたが、西尾参考人に。 米韓FTAで韓国の医薬品が二倍ほどなったというのは、私はやっぱり、えっというか、大変なことだと思いました。それについて、また一言お願いします。
○参考人(西尾正道君) だから、直接的には薬剤費の高騰というものが一番絡んでいるというふうに聞いております。
○福島みずほ君 西尾参考人、ポストハーベスト農薬など除草剤が書いてあります。また、ネオニコチノイドや遺伝子組換え食品も今日議論になりました。既に日本でネオニコチノイド農薬は大量に使われ、遺伝子組換え食品もあるわけです。ですから、TPPに入ることで、より規制を強化することができなくなるんじゃないか。ポストハーベスト農薬などももっともっと蔓延するんじゃないか。いかがでしょうか。
○参考人(西尾正道君) だから問題は、毒性がはっきりと分かったときにそれを日本の法律で規制するということはできなくなっちゃうということですね、TPPの方が上位になるわけですから。それから、米国で使われている農薬、日本で禁止されている農薬もあります、そういうものも入ってくるでしょう。そういうことが現実として想定されるということですね。
○福島みずほ君 一分残っているので、被曝の問題について一言お願いします。
○参考人(西尾正道君) 被曝に関しては、原子力政策を進めるために、ICRP、国際放射線防護委員会がかなり科学的な体裁を整えた物語を作っているんです。あれはもう科学じゃありません、うそだらけです。実際にレントゲンで写真撮ったりCT撮ったりといっても、そこだけしか当たらない。ところが、それを全身当たったような等価線量に直すようなインチキをやって、単位自体が全くナンセンスですね、信用できない。 だから実際は、ああいう事故が起こった場合に、放射性物質というのは微粒子として必ず何かとふっ付いて、例えば空気中のほこりでもちりでもいいです、福島の場合は原子炉の構造体の鉄だとかそういうものと一緒になって、微粒子になって、プルームに乗って飛んでいると。それが空気中に浮遊しているのを吸い込んだり食べ物から口に入れるというようなことがあって、その微粒子を体内に取り込むんですね。それが本態です。その微粒子というのは、言ってしまえば、近傍の当たっている細胞というのはとんでもない量が当たっているんです。 だから、今、放射線物理学というのは、一ccにも満たない指頭型の線量計で空気中の、気体中の放射線の平均線量を測って放射線の量を測っているわけです。そこから全て理論を構築しているんですけど、実際には微粒子としての放射線があるということなんです。その毒性を全く考慮していないのが今の放射線防護学の体系なんです。 それから、線量計算に関して言えば、こういうことです。目薬は皆さん……
○委員長(林芳正君) 西尾参考人、恐縮ですがそろそろおまとめください。
○参考人(西尾正道君) はい。 目薬は目に差しますよね。だから、二、三滴でも効果も副作用もあるんですよ。ところが、目薬を口から二、三滴飲ませて、あなたの内部被曝量は二、三滴だから心配ないですよという、そういうインチキな計算の仕方をしているわけです。それともう一つ、外部被曝というのは暖を取ることです。内部被曝は燃えたぎっているものを口から飲み込む。どっちが危険か分かるでしょう。 こういう、総体的、全てのそういうトータルとしてインチキだらけなんです。それが教科書になっているから深刻なんです。
○福島みずほ君 どうもありがとうございました。
○行田邦子君 無所属クラブの行田邦子です。 私で最後の質疑となりますが、質問が重ならないように努めていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。 まず、先ほどの清水委員の質問への御回答での、ちょっと重なるかもしれませんが、確認のために聞かせていただきたいと思っております。西尾参考人と醍醐参考人に伺いたいと思います。 お二人ともTPPは反対ということでありますけれども、TPPの内容そのものに反対である、ただ、TPPのような複数の国でのいわゆるメガFTAと言われているようなものそのもの自体には反対ではないのか、また、更に言うと、アメリカを含んだものであっても内容が国民のためになれば決して反対するということではないのか、お聞かせいただけたらと思います。
○参考人(西尾正道君) 各国の、先ほど言ったように、強いところも弱いところもありますから、それを補うような平等なものであれば、僕は決して何でもかんでも反対するということではありません。ただ、今回のは、あのTPPは確実に医薬産業が仕掛けた大企業がもうけるための仕組みがかなりちりばめられているということで、僕は具体的に反対というふうな立場を取っております。
○参考人(醍醐聰君) 私は、まず後の方の、アメリカが入っていても中身次第というのは全くそのとおりで、アメリカが入っていること自体が何かもうよろしくないとか言うつもりは全くありません。私も、国際的なそういう何かのルールというものは、この必要性は誰も否定できない。例えば本当に不合理な紛争が起こってしまわないような事前のルールがきちんとできるのであれば、これは私は非常に望ましいことではないだろうかと思っております。 じゃ、その紛争が起こらないようにするルールを誰がどういう手続で作るのかということがやっぱり大きな意味を持つんじゃないのかなというふうに思っています。大国、小国等も本当に交渉としては同じ立場でテーブルに着けるような、そういうスタートラインがまずきちんとできるということがありませんと、例えばトランプさんが、これは二国間ですけど、アメリカ第一主義でというふうな言い方で拳を振り上げられちゃいますと、これはちょっとなかなかまとまらないんじゃないんだろうかなと、そういう意識を初めからむき出しにされてしまうと。これは、自分たちの利害をいかに押し込むかというふうな考え方はちょっとやっぱり私はよろしくないと思っております。
○行田邦子君 それでは、続けて西尾参考人と醍醐参考人に伺いたいんですけれども、先ほどからTPPの内容はいかに問題があるのかということをいろいろお聞かせいただきました。そこで伺いたいんですけれども、あえて伺いたいんですけれども、このTPPの内容で何か国民にとって評価すべき点、良い点というのが、医療、医薬品の分野以外でも構いませんけれども、何かありますでしょうか。
○参考人(醍醐聰君) TPPと言っていいのか日米二国間と言っていいのか、別に相手がアメリカでなくてもどこでもいいんですけど、できればどの国と言わずにオープンがいいんですけど、先ほど、ちょっと薬でいいますと、遠藤先生がおっしゃっていました、日本で薬価を決めるんですけど、薬価算定組織というのがありまして、私も情報公開請求したんです。そうしたら、出てきたのは、委員の名前といつ会合を開いたというだけです。だけど、薬価算定委員会ってありますね、遠藤先生がずっと出ていらした。あそこに、何でこんな数字が出てきたのかということについて議論しているわけですけど、これが議事録が何もないんですね。もちろん、マスコミ等の傍聴もできない。こういうことが本当にあっていいんだろうかと。 そういう点で、例えばこれはアメリカですけど、そういう意味でいろんな透明性ということを言っています。私、アメリカに言われなければできない、アメリカに言われてやるというのは情けないなというふうに思うんですけど、これは誰が言ったかという原理主義的な話じゃなくて、誰であれ、その透明性ということを確保するというふうなことは、やはりこれは私は非常に大事なことだなというふうに思っております。それが、例えばTPPの中で誰もがイコールアクセスできるような形でつくり上げるというのであれば、私は、そういうものはお互い同士、国と国との間で交渉し合ってルールをすり合わせて、より良いものにつくり上げていくということはあっていいんじゃないかと思っています。 以上、長くなりました。
○行田邦子君 それでは、遠藤参考人にも、あとそれから西尾参考人にも同じ質問を伺いたいと思います。
○参考人(遠藤久夫君) ありがとうございます。遠藤でございます。 醍醐参考人が、薬価の算定のプロセスについて不透明ではないかというような、印象付けるようなお話があったものですから、それについては少し事実誤認だというふうに思いますので、お話しします。 基本的には、中医協に関連するものは全て公開です。ただ、二つだけありまして、一つは、最初の値段を決める薬価算定組織という、これは中医協の組織ではないんですけど、その下部組織なんですけど、そこがやはり申請企業のかなり秘密が入るものですから、申請企業のことを思って開示していないと。同じように保険医療材料といって、医療機器ですね、そこの同じように価格を決めるところ、この二つだけは公開していない。それ以外は全て公表されているというものでありまして、そういう意味では、プロセスについては極めて透明性が高いというふうに言えると私は思っております。 以上です。
○参考人(西尾正道君) 僕も、国際間でいろんな契約をしたり取決めをするというのは別に否定するものじゃありません、むしろそういうグローバルに。ただ、その基準が、社会正義だとか公平性だとか、社会全体をやっぱり維持できるような、みんな共に生きれるような、そういう社会づくりを前提にして、それはまさに公共性だとか社会福祉だとか社会保障だとかというものが担保されるような、いい方向でそういう取決めができるというんであれば僕は全然大賛成ですよ。だけど、今のTPPに関してはどうもそうはならない。むしろ、どんどんどんどん格差が広がっていくだろうというふうな内容になるというふうに考えていますので、反対しているわけです。
○行田邦子君 それでは、遠藤参考人に伺いたいと思います。 この度のTPPで、医薬品の知的財産保護については、日本にとっては日本の現行制度内ということだと思いますけれども、ただ、参加国全体で見ますと医薬品の知財保護が強化されるということになります。そうしますと、ジェネリック医薬品の普及が遅れるのではないかということが懸念されます。 参加国の中に既にもう経済格差がある、そして、ジェネリック医薬品の普及が遅れますと、更に新たな経済格差や新たな貧困が生まれてくるのではないかということを懸念していますけれども、いかがでしょうか。
○参考人(遠藤久夫君) 日本以外の国ということでございますね。知的所有権が守られるためにジェネリックがそこでは新たに開発されなくなるということでありますけれども、これは可能性はあるかなというふうに思います。そこは非常にまた重要な課題ではないかなというふうには思います。
○行田邦子君 続いて、西尾参考人と醍醐参考人、お二人に伺いたいと思います。 先ほどから、日米経済調和対話などでのアメリカからの日本への様々な要求がなされ続けていたというお話があります。薬価制度やまた保険収載などについての要求が続いているということでありますけれども、そこで、私の理解を深めるために伺いたいんですけれども、こうしたアメリカから日本への要求というのは、TPPが発効されても発効されなくても、TPPがそもそもなくても、関係なく、無関係に続くのではないかと思うんですけれども、TPPがあるからより一層こうしたアメリカからの要求が強まるという理由をお聞かせいただけますでしょうか。
○参考人(西尾正道君) 基本的には、医療の場面だけでいえば、医療産業のもうけというものを優先していろいろ攻勢を掛けてきたわけです。一九八五年ぐらいからかなり露骨に出てきた。TPPというのはその最後の仕上げなんですよ。ISD条項なんかを使えばどうにでもなるわけです、脅しの武器を取っているし。それに対応するために日本の国内でもいろいろな準備して、それに対応できるように法律を改正したり対応も変わっていくだろうという前提の中で、製薬会社を含めた医療産業がよりもうかるような仕組みをつくり上げているというのが今のTPPですから、これが今までの要求の最後の仕上げなんだというふうに考えればいいと思います。それでもまだもうけが足りなかったら、次の要求を更に出してくるかもしれないけれども。 だけど、僕は、本当に深刻なのは、そういうものに対して日本の国内で法律作っても、それがもう全然意味がなくなっちゃう、TPPの方が上位に位置しているということが本当に深刻な事態を生みますよということなんですねと思います。 だから、例えば、極端に言えば、保険の問題なんかほとんど今日は議論されていませんでしたけど、Aという最先端の治療があると、それはまだ保険では認められていないけれども、保険へ入ってその治療を受けれますよという特約みたいなものがあったとしても、今度は保険に入れようと思ったら、保険診療になっちゃったらその特約がなくなりますから、保険会社は損するということになりますから、訴えられたら負ける可能性はありますよね。だから、いろいろな共済も含めたそういうこと自身も壊滅的な影響を受ける可能性もあるんですね。僕はそういうことを言っているわけです。 ですから、そういうことによって訴えられたら困るから保険診療にしないでそのまま混合診療なりなんなりでずっと拡大していくという、医療の質そのものが全く担保できないような状況が生み出されるリスクが非常に高くなるというふうには僕は思っています、このまま行ったら。
○参考人(醍醐聰君) 私のプレゼンテーション用の資料の五枚目にも書いたことですが、医療をめぐるTPPと日米協議のリンケージというところ、今の御質問に対する私のお答えになるんです。 おっしゃるとおり、別にTPPが発効しなくても、アメリカは二国間のこれまでやってきたような同じルートで様々な要求を提出してくるということはこれはもう間違いないと思います。ただ、このTPPの中にこういう附属文書とかサイドレターも含めてあって、お互い同士が確認し合ったというふうに、一札を取られているという言い方をするのはちょっと言葉としてはどうかと思いますけれども、約束をさせられていることは事実ですから、その意味では、アメリカが二国間の交渉に臨むに当たっても、このTPPにある附属文書、サイドレターがアメリカにとってはやはり非常に交渉力を付ける追い風になることは、これはもう間違いないことだと思います。 なお、ちょっと先ほど触れられましたけど、今朝の新聞で、安倍首相が日米FTAの協議について、やるかやらないかは明言しなかった、否定的だという報道がされました。これも、私は安倍首相のお気持ち、意向はそれはどうか知りませんが、文書からしたら、もう高鳥さんとフロマンさん、サイドレターでやっておりますし、協議という事項でも書き込まれていることに合意するということになるんです。逆に言うと、国会で承認するということは、安倍首相がFTAやるのは否定的だともしお考えだったら、こんな約束をしているTPPを承認することは逆向きなんですねということを私は申し上げておきたいと思います。
○行田邦子君 それでは、続きまして遠藤参考人に伺いたいと思います。 遠藤参考人は、混合診療については反対ということをおっしゃっています。今回のこのTPPの交渉結果を見ると、混合診療が入ってくるというか導入される懸念は回避されたとおっしゃっています。 そこで、ちょっと伺いたいんですけど、今年四月から開始された患者申出療養制度なんですけれども、これは、患者申出療養制度は混合診療に道を開くものであるというような見方をされている方もいますけれども、この患者申出療養制度についての遠藤参考人の御意見を伺いたいと思います。
○参考人(遠藤久夫君) ありがとうございます。 混合診療禁止といっても、余りがちがちにやるということはいろいろ問題もあるということで、患者の利便性ということを考えまして、保険外併用療養という、個別個別にある種の医療行為は混合診療を認めようという特例を設けているわけですけれども、その中にこれまでは大きく分けて二つのものがあり、一つは選定療養といって、これは患者のアメニティーといいますか、便益を高めるというもので、もう一つは、例えば治験であるとか先進医療であるとか、半ば実験をしつつデータを集めて、そして薬事承認に堪えるだけのデータを集めているプロセスですね。これは厳密に言うと保険の外にありますから、基本的には混合診療禁止をダイレクトに適用すると全額誰かが負担しなきゃいけない、患者か製薬会社が負担しなきゃいけないということになるんですけど、これは特別に、やはりいずれ保険になるかならないかはっきりする経過なので、これは混合診療の特例を認めようということでやってきたわけなんですね。 実は、患者申出医療というのはそれの特例みたいなものでありまして、それは評価療養というんですけれども、その評価療養をやるときの主体が、患者さんに大きな権限を持たせましょうというような形で、その便益に比較的アクセスしやすいように、患者さんに、しましょう、こういう流れのものでありますから、評価療養の一つだというふうに考えられると私は思いますけれども。 ということでありまして、今のような考え方の下で特例的に個別に認めているものでありますから、これがなし崩し的に混合診療の解禁になるということは全然私は考えておりません。これまでも特例的にやりました。どれを入れるかということについては個別に審議をしながら決めていくという、こういうことをやっておりますので、そこのところは特段問題ないというふうに考えております。
○行田邦子君 ありがとうございます。 それでは、三人の参考人に伺いたいと思うんですけれども、この臨時国会でも外国人技能実習制度の改正する法案が成立いたしました。そこで介護についても対象となるということになったわけでありますけれども、今後の話でありますけれども、介護の現場に従事されている方のお話を聞きますと、本当に人が足りないと。もうこの待遇では、少し待遇は良くなっただけであったとしても、日本人だけではなかなかこの介護の現場は回らないという意見が増えてきていると私は考えています。 そこで、介護の現場に外国人の人材を増やすというようなことについてどのような御意見をお持ちか、三人の参考人にそれぞれ伺いたいと思います。
○参考人(遠藤久夫君) 私は介護保険部会の部会長で、まさにそういう議論をするわけですけれども、様々な課題はありますけれども、そこは、トレーニングをするなりなんなりしながらでもやはり入れる道というのは一つ考えるべきかなというふうに私は思っております。若者が非常に少なくなる中で、基本的になかなか対応できないと。ロボットを使う等々ありますけれども、私はそれはいろいろ検討していく価値がある話だと個人的には思っております。
○参考人(西尾正道君) 現場は、もうそういう人、介護だけじゃなくて、病院で例えば二人体制で夜勤しているというので、一つの詰所、四十人ぐらい入院しているところを受け持っているわけですね。それで今までは事足りたんです。ところが、認知症なんかの人が一人いれば、これ、二十四時間体制でとにかく介護しなくちゃいけない。だから、極端に簡単に言えば、三倍のマンパワーが必要になってくるという計算になりますよね。八時間勤務のところだけ見ていればいい、あとは、夜勤は準夜、深夜にしても二人体制で何とかできるというのではもう全然現場はいかなくなっちゃった。だから、認知症の人はもう夜中に車椅子に座らせて詰所に連れてきて見張っていながら仕事するというのが現実です。ですから、マンパワーは、認知症なんかの人を含めてこれからちゃんとやろうと思ったら三倍の看護マンパワーが要ると。大ざっぱにそういうふうに僕は考えています。 そのためには、やはり外国からのそういうヘルパーさんなんかを含めて大量に受け入れるということを本当にしなきゃいけない。ただし、例えば看護師さんもそうですけれども、非常に難しい日本語を覚えさせて、それで国家試験受けてもらうような、できないんですよ、実際に。二十歳前後の人が東南アジアから来ても、まず日本語の勉強から、それで、とてもじゃないけどできなくて、随分帰っている人が現実にいる。 そういうものをちゃんと、例えば母国語で、英語でやったりという形で国家試験をちゃんと、日本語でなきゃ駄目だなんという。難しい褥瘡なんて皆さん書けますか、今。書けないでしょう、床擦れのことですけれどもね。そういう漢字まで覚えないと国家試験が解けないようなそんな試験じゃなくて、それこそ国際的な感覚で、英語でもオーケーよみたいな形ないしは母国語でいいですよみたいな形で出題するとかという形で、もうちょっとやり方を緩和してマンパワーを導入するということをしなければ僕は駄目だと思いますよ。東南アジアの人がせっかく来ても、結局帰っていっているんですよ、現実は。やっぱりちょっと余りにも門戸を閉め過ぎていますね、日本の社会は。
○参考人(醍醐聰君) 今の西尾参考人とちょっと私はこの点に関しては違っているなと思ったんですけど、基本は、やっぱり介護を受けられたりする患者の方、入所者の方の考え方が、考え方というか、そのサービスがやっぱり基本じゃないのかなと。 語学というんですけど、例えば何か容体が、ここがおかしいとか病状を訴えたいときに、言葉が通じないということが起こってしまって本当にいいのかなということは、ですからむしろ受け入れることを非常に優先して試験のハードルを逆に下げたりとかそういう形をすることが本当に本来の在り方なのかということについては、私はちょっと疑問を感じるところがあって、何か閉鎖するという意味じゃないんですけど、やっぱりきちんと、そのために例えば日本に来て就学の援助制度をするとか、そういう仕組みを取った上で受け入れるということにしないで、何か初めから、何人受け入れることが初めにありきだ、人、物、金の自由な流れというふうな言い方の例をつくるみたいなことはいかがかなというのと、もう一つ、私は、日本で、介護のところで、別に内外の差別という意味じゃないんですけど、有効求人倍率ということを調べるんですけど、非常に最近良くなったというんですけど、あれはかなり幻なところがあって、離職する人がすごく多いと、離職した人が離れてまた求人出しますから……
○委員長(林芳正君) 醍醐参考人、そろそろおまとめいただけますでしょうか。
○参考人(醍醐聰君) それで循環していくんですよ。そういうことがやっぱり介護の現場で起こっていると。本当にそれで日本の雇用の問題がいいのか、その辺りをきちんとしないまま何か外国から受け入れたことが非常にいいことだというふうな考え方に流れていくことは、ちょっと私としては危惧を感じております。
○行田邦子君 ありがとうございました。
○委員長(林芳正君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。本委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手) 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十一分散会