外交防衛委員会 第3号
- 発言数
- 255 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2016/10/25
会議録
○委員長(宇都隆史君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、中曽根弘文君が委員を辞任され、その補欠として青山繁晴君が選任されました。 ─────────────
○委員長(宇都隆史君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 パリ協定の締結について承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府国際平和協力本部事務局長宮島昭夫君外十九名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宇都隆史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(宇都隆史君) パリ協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。 本件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤正久君 自民党の佐藤正久です。おはようございます。 関環境副大臣、当委員会に来ていただき、ありがとうございます。 まず、パリ協定でございますが、協定の中にも何回も気候変動という言葉が出てまいります。ただ、国民の一部には、気候変動と温暖化、これを混同しているような向きも見られます。 外務大臣、実は外務省には気候変動課という部署があって、環境省はこれは地球温暖化対策室と、同じような部署がやっぱり違う名前を使っているんですよ。 これは、言葉って非常に大事ですから、私は気候変動の中の一つに温暖化があると思っているんですけれども、環境省に伺います。この辺の言葉の定義、整理、これについてはどういう見解をお持ちか、お聞かせください。
○政府参考人(鎌形浩史君) お答え申し上げます。 地球温暖化と申しますのは、人の活動に伴って二酸化炭素等の温室効果ガスの濃度が上昇することにより地球全体で温度が上昇する現象でございます。この地球温暖化によりまして、雨の量や頻度が変わるなど広い意味での気候変動が引き起こされるわけでございますが、我が国では、温度が上がるという現象を端的に表すため、地球温暖化対策法など法令においても地球温暖化という言葉が用いられております。 ただ、御指摘のとおり、世界的には気候変動、クライメートチェンジという言葉を用いることが多くなってきておりますので、国民に分かりやすい説明となるように引き続き工夫はしてまいりたいと考えております。
○佐藤正久君 是非よろしくお願いします。 今回のパリ協定では、締結国はNDC、これを作成します。日本のNDC作成のためには、これは日本は二国間クレジット、JCMというものを有効な手段として使うというふうになっております。 一方、このJCMは、日本だけではなく、ほかの国においても非常に目標達成のための有効な手段だと考えます。よって、ほかの国にもこのJCM、この制度に参加を求めるべきと考えますが、環境省の見解をお伺いします。
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘のJCMにつきましても、これまでも具体的な成果、日本におけます具体的な成果などにつきまして国際的に情報発信を行っているところでおります。今後も、優れた低炭素技術による世界全体の排出削減に貢献するため、我が国の取組や経験をCOPや国際会議などを通じて積極的に発信していきたいと考えております。 例えば、今年開かれましたG7の富山で行われました環境大臣会合のコミュニケでも、日本の二国間クレジット制度、JCMの実施を通じて得たグッドプラクティスや知見などを共有することを奨励するとされていまして、そのように対応してまいりたいと思います。
○佐藤正久君 是非これは日本がリーダーシップを取って、全体としてこのNDCの目標を各国が達成できるように努力をお願いしたいと思います。 ただ、今回の温室効果ガスの排出量の数量的な削減目標の達成については、締約国に法的拘束力がありません。そのためには、この目標達成のためのメカニズム、これが必要だと思いますが、その概要について、外務省の方に見解を伺います。
○政府参考人(相星孝一君) お答えいたします。 パリ協定におきましては、実施、遵守の促進メカニズムというものが規定されておりまして、実施、遵守促進メカニズムとは、協定の規定の実施、遵守促進を図る、促進するための制度でございまして、具体的には専門家による委員会が設置されることになっております。 ただ、この実施、遵守促進メカニズムとしての委員会の具体的手続を含むパリ協定の実施指針につきましては、現在、国連気候変動枠組条約の締約国会議の下に設置されたパリ協定の特別作業部会や補助機関において、我が国を含む全ての締約国が参加する形で交渉が行われております。 我が国としては、全ての国が参加する形でのかかる交渉を重視しておりまして、今後ともそのような枠組みで行われることが重要と考えております。 引き続き、この実施指針等の策定交渉に我が国の意向を最大限反映すべく、関係国と連携しながら取り組んでいく所存でございます。
○佐藤正久君 是非お願いします。 今回、達成目標に法的拘束力がない以上、このメカニズムがいかに機能させるか、多くの国が参加するかということが大事だと思いますので、是非お願いします。 次に、COP22について伺います。 私は、COP22、非常に大事だと思っておりますが、そのCOP22が始まる十一月七日までに本協定締結は非常に大事だと思っております。その必要性、重要性を外務大臣に、そして、COP22に環境大臣が参加する意義を環境副大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 政府としましては、パリ協定を重視する立場から、早期発効そして早期締結、これを重視してまいりました。四月二十二日、署名開放日当日に署名をする、あるいは五月の伊勢志摩サミットにおいても本年中の早期発効を目指す、こういった共同声明取りまとめに努力をいたしました。 国会の日程は国会でお決めになることではありますが、十一月七日からCOP22が開催されます。その際に積極的な姿勢を示す、あるいは説得力のある形で議論に参加する、このためにも一日も早く国会において御承認いただくこと、これは大変重要であると認識をしております。是非全力を尽くしたいと考えます。
○副大臣(関芳弘君) 佐藤委員が御質問をいただきましたとおり、COP22、これはパリ協定によりまして生み出されましたモメンタムをしっかりと実施して、世界が低炭素社会、そして脱炭素社会に向けまして、いよいよ今行動を取るという、その世界に示す意味を持つ重要な会議でございます。かねて、我が国が全ての国が参加をした上で衡平で実質的な枠組みとなってまいりますように、交渉においてもしっかりとリーダーシップを取ってきたところでございます。 今後も、パリ協定の必要な指針の策定の交渉、そして佐藤委員からも先ほど御質問のございましたJCM、これを始めとしました我が国の知見や技術等を活用しました国際的な取組を通じまして、引き続き国際社会にしっかりと貢献してまいりたい、このような意義として捉えております。 加えて、パリ協定の目標達成のためには企業や自治体の取組が必要と考えておりますので、このパリ協定におきまして、数十の団体、日本の自治体や企業、大学等が参加をしまして、現地ブースを作りまして意見交換の機会等も活用しまして我が国の取組をしっかりとアピールしていきたい。 こういう中におきまして、先ほど御質問のあった環境大臣の参加の意義でございますんですが、国会がお許しいただけるのでございましたら、山本環境大臣がこのCOP22に参加をさせていただいて、日本政府団の代表としまして、世界の温暖化対策の強化に向けました我が国の立場を力強く世界に発信をしていく、このようなことが重要であると考えております。
○佐藤正久君 今COP22の重要性、また環境大臣の参加の重要性が述べられました。やはり今までのこの交渉経緯、日本の立場を考えても、やっぱりCOP22が始まる前にこの締約国になるということが極めて大事だと思いますので、私も微力ながら尽力したいと思います。どうぞよろしくお願いします。 それでは、次の質問に移ります。駆け付け警護について伺います。 安全確保任務と駆け付け警護任務は違います。ただ、混同している方も結構国民の中にも多いと思います。テレビを見てたまに驚くのは、テレビのコメンテーター等が、自衛隊が南スーダンであたかも安全確保任務をやるようなイメージで捉えている方もいる、これは極めて国民に違ったイメージを与えかねないと思います。 防衛省は、駆け付け警護任務と安全確保任務、この違いをもっと分かりやすく説明すべきだと思いますが、御見解を伺います。
○政府参考人(宮島昭夫君) お答えいたします。 いわゆる安全確保業務は、諸外国の軍隊における歩兵に相当する普通科主体で構成される部隊が実施することが想定され、地域の治安確保のため警護などを行うものであり、防護対象者はPKO要員等の活動関係者に限定されておらず、財産も防護対象です。 一方、いわゆる駆け付け警護は、平素は施設活動等の業務を行う部隊が、国連やNGO関係者等からの緊急の要請を受け、その人道性及び緊急性に鑑み、本来の業務とは別に、その人員、装備などに応じ、あくまでも安全を確保しつつ対応できる範囲内で行うものでございます。 このように、いわゆる駆け付け警護は、歩兵部隊による軍事的な色彩の濃い安全確保業務とはその主体も性格も異なります。
○佐藤正久君 ただ、それがやっぱりなかなか映像的に、絵的にも分かりにくい。やはり、どうしても自衛隊が駆け付け警護をやると、歩兵部隊みたいに全部助けに行くような、こういうイメージが強い。まさに言われたように、まさに応急的、一時的に急迫不正の侵害に対して、要請に求めて能力の範囲でやるものですから、そこは安全確保任務とは全く違いますから、そこはしっかり説明をこれからもしていただきたいと思います。 また、次は、駆け付け警護の対象について質問をいたします。 このPKO協力法の示す駆け付け警護の対象に日本のPKO隊員あるいはJICA、日本大使館は含まれるのでしょうか。
○国務大臣(稲田朋美君) 含まれます。
○佐藤正久君 よく新聞とか報道等では、日本以外の国連の部隊とかあるいは要員というものがかなりクローズアップされていますけれども、まさに法律に書いてあるように、この駆け付け警護の対象って幅が広いんです。国連関係者の中に、今大臣が言われたように、日本の自衛隊の派遣隊員も含まれます。 この資料一を見てください。この資料一の下の方に駆け付け警護の一例というものをポンチ絵で描いています。要は、駆け付け警護の対象には、派遣された自衛隊の隊員、これも入りますし、日本の大使館員とかJICAの要員も入ります。これは、まさに、法で示す自衛隊員は国連平和維持活動に従事する者、大使館員あるいはJICAはこれらの活動を支援する者として読めるというふうに思います。 ただ、今まではこれができなかった。自分の部下隊員といえども武器使用を前提に助けに行けなかった。私のゴラン高原PKOあるいはイラクでもそうでしたけれども、離れた場所で隊員が作業をしていると、いっぱいありました。そういうときに、何者かに襲われた、暴動に襲われたという際に、当然出先の部隊は本隊に救援要請を無線等でします、同じ部隊ですから。だけど、その際、本隊が救援部隊を派遣するときにも武器使用を前提として派遣できなかった。それは、正当防衛、緊急避難を超えるから。だから、行くとしたら武器使用を前提としない。 例えば、情報収集という形で行って、もしもそれで巻き込まれたら、正当防衛で、範囲でやるしかない。部隊にそういうことを押し付けてきました。実際に、東ティモールのPKOのときも、ディリの市内で暴動が起きた。日本人が助けてくれと言ったときも、当然駆け付けて警護をする任務も権限もありませんが、外出している隊員を迎えに行くという理屈をつくりながら、座席が空いていたと、いろんなことを使ってやってきた。でも、それは本来、政治は現場に無理をさせたり、迷わせてはいけないはずです。 やはり、警護対象にも幅があるんだと。どうしても、ややもすると、そういう外国の部隊とか日本以外の国連要員という部分がクローズアップされやすい。だけど、駆け付け警護の対象には、まさに自分の部下隊員あるいは大使館、JICA関係者も入るということをもっともっとPRしていただきたいというふうにも思います。 さらに、今後、自衛隊が宿営地の外で活動をする、あるいはJICAの方がまた戻って、治安が改善、戻って、また、大臣が見られたあのナイル川に架かった橋を、これを整備を始めるというときにも、この駆け付け警護はやるではなくて、できるできない、これは極めて大きな私は隊員の安全確保、リスクを下げる意味でも大事だと思っておりますので、慎重に、そして情勢を見ながら分析をしていただきたいと思います。 さらに、この活動地域です。今大臣の命令によって南スーダンのPKOは、中央、東、西、エクアトリア南部三州が活動地域となっております。ただ、実際に今活動はこの中央エクアトリアのジュバの宿営地の中に限られておりますけれども、実際上は。だから、施設活動が南部三州というふうな状況の中で、駆け付け警護、これを仮に付与された場合、北部の数百キロ離れたマラカルに行くなんということは行動命令を変更しない限りはできませんし、そんなことは実際的ではない。 私も、東エクアトリアのトリトの方に行ったことありますけれども、あれだってヘリで数時間です。車で移動するならもう一日掛かりです。そういうところに、一応活動地域といえども、その東エクアトリアの方に自衛隊の施設部隊が駆け付け警護に行くということは多分実際的でもないでしょう。よって、仮に付与する場合、行動命令示す範囲も、実際、駆け付け警護の本来の趣旨、あるいはその隊の能力ということも考えながら付与していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(辰己昌良君) 今委員おっしゃったとおり、この大臣の指定する地域へのみ自衛隊は活動するわけでございます。駆け付け警護につきましては、先ほどその性格について宮島局長の方からお話がありましたけれども、まさに限定的な場面において応急かつ一時的な措置として、緊急の要請に応じその能力の範囲内で対応するものでございます以上、その施設活動を行っている地域、限定されるものと考えております。
○佐藤正久君 しっかり検討をお願いしたいと思います。 資料一にもう一度戻ってください。次に、UNコマンドとナショナルコマンド、指揮と指図の関係について質問します。 日本の派遣隊長はデュアルハットです。派遣部隊長とUNラインの施設隊長、それを兼務しています。よって、国連の指図と日本の指揮を同じ隊長が受けます。ゆえに、このUNコマンドとナショナルコマンドがぶつかった場合、隊長は非常につらいです。私が派遣されたゴラン高原のPKO、カナダ部隊の場合は、国連のラインでUNコマンドを受ける兵たん大隊長とカナダ政府の指揮を受ける派遣部隊長を分けていました。それは、指揮と指図がぶつかる場合があって、UNラインの入っている兵たん大隊長の立場を困らないようにするため、カナダの基準も全て国連スタンダードと同じではないというふうな説明を現地で受けました。 日本の派遣隊も当然国内法に縛られます。国内法に書いていないことはできません。ゆえに、法理論上は、国連がやれと言ったことを国内法上やらないということもあれば、国連がやらないと言ったことも日本政府からの指揮や国内法でやることもあります。実際に、私もゴラン高原でこれを経験いたしました。ただ、できればこのUNコマンドとナショナルコマンドがぶつからない方がやっぱり有り難い。よって、派遣部隊長と施設隊長を兼務させている以上、継続的に日本の国内法、あるいは指揮の制限等を国連関係者に丁寧にすべきだと思います。そのための派遣隊長の努力と、これも重要だと思います。 仮に、駆け付け警護任務、これが付与される場合は更に大事だと思います。仮に任務を付与する場合、特に大使館員とかJICA職員は国連要員ではありません。国連にとっては必ずしも優先順位が高い警護対象ではない場合があります。そういう彼らに対する駆け付け警護の任務が、その必要性が生じた場合、それを国連の指図、UNコマンドの業務として行うには、特別代表やあるいはフォースコマンダー、作戦部長の理解がないとなかなか難しい。七月のあのJICAの事案にあったように、UNとのそごを回避する上からも、関係者の理解、これを得る努力が極めて大事だと思いますが、防衛省の見解を問います。
○政府参考人(宮島昭夫君) PKO法の話でございますので、私の方から御説明させていただきます。 まさに委員御指摘のとおりでございまして、国連PKOは国連安保理決議等に基づき国連が組織し国連の統括の下で行われるものでございますが、これは、国連が各国から派遣された要員に対する懲戒権等の強制手段を伴う権限である指揮監督権を有するということを意味するわけではございません。国連は、各国から派遣された部隊や要員の配置等の調整に関する権限を有するにとどまるものでございます。 したがって、指揮や指揮監督とは性格が異なることにしていることから、混乱を避けるため、PKO法第八条第二項においては国連が行う指図という言葉を使っております。 また、委員御指摘のとおりでございまして、国連PKOに参加する各国が自国の法制及び政策の範囲内で可能な貢献を行うということが当然でございます。 我が国としましては、PKO法で定められた参加五原則を堅持し、それが満たされる範囲で国連PKOに参加することを原則としております。また、この参加五原則が満たされているか否かは我が国がもちろん判断いたします。このため、従来より、我が国のPKO法のいわゆる参加五原則については、我が国が自衛隊の部隊等の国際平和協力隊を派遣する際に国連側によく説明し、理解を得ているところでございます。 いずれにいたしましても、現場の要員が安全を確保しつつ国際平和協力業務が円滑に実施できるよう、先ほどの御指摘のように、十分国連側と調整をし連携をしながら仕事をできるようにしたいと思っております。
○佐藤正久君 この新たな任務を付与する場合は極めてこの部分が大事ですので、しっかり政府を挙げて対応をお願いしたいと思います。 次に、弾道ミサイル対処について質問いたします。資料二、これを御覧ください。 ジブチにおける海賊対処、この法的根拠は公共の秩序の維持、すなわち警察権で航行船舶を守っております。自衛隊法八十二条の三のこの破壊措置命令も、警察権で領海内の航行船舶を守ることができると。その際の守れる日本関連船舶、この一例はこの資料二の真ん中に書いてあるとおりです。 ただ、現在の自衛隊法の破壊措置命令の下では、領海を航行していた日本関連船舶を守るために弾道ミサイルを迎撃はできますが、排他的経済水域や接続水域、これを航行する日本関連の船舶を守るために弾道ミサイルは迎撃できません。同じ警察権で、アデン湾の日本関連船舶は守れますが、日本のEEZの関連日本船舶は守れない、バランスが悪いような感じもします。 他方、防衛出動が下令されれば、EEZを航行する日本関連船舶を守るために弾道ミサイルを迎撃することは可能です。つまり、この図のように、能力上は防衛出動が下令されれば日本関連の船舶を守れる。つまり、能力上はできるが法律でできないように縛っています。 かつ、タンカーというものは、AIS、この船舶自動識別装置というものを付けておりますから、イージス艦のレーダーでも一定範囲のEEZ内のタンカーの位置は確認できますし、破壊措置命令が出るような情勢であれば海保や船主組合から情報を得ることも可能です。 この破壊措置命令の法律は今から十年前に作った法律で、北朝鮮のミサイルのレベルも低かった。ただ、九月五日のミサイル発射に関し防衛大臣も記者会見で述べられておられるように、同じ地点から三発の弾道ミサイルを我が国の排他的経済水域に同時にほぼ同じ地点で着水させているというように大臣は述べています。大臣の言葉を借りれば、約千キロ飛んで、同時にほぼ同じ地点に着水、これはそういうレベルにあると。 実際、九月五日の弾道ミサイル、これは奥尻島の約二百数十キロのEEZに着水したというように言われておりますが、これは、北海道の荒川副知事によれば、これ、落ちた場所というのはまさにイカ漁の漁場であり、石狩新港に入ってくる大事なタンカーの貨物船の航路に当たる、守ってほしいという話をされていました。 防衛大臣、EEZは日本の経済的権益が保障されています。そこを通るタンカーの位置も分かり、イージス艦の能力上、タンカーに危害が及びそうな場合は弾道ミサイルを迎撃することも能力上可能です。法的に縛っているだけです。アデン湾の日本船籍は守れるがEEZの日本船舶は守らない、そういう法律になっている。北朝鮮のミサイルの能力は向上している。確かに、イージス艦、それを守るための護衛艦とか戦闘機、負担は大きいと思います。でも、自衛隊が能力上守れるのに国民を守れない、守ることが許されない法律は政治的にも私は問題だと思います。 自民党の二階幹事長を長とするミサイル対策本部でも、あるいは国防部会でも、多くの自民党議員からも、何で守れるのに守らないんだということに疑義がありました。これはやっぱり法律改正含め政府の方でも検討すべき課題と考えますが、いかがでしょうか。
○委員長(宇都隆史君) どちらがお答えになりますか。じゃ、前田防衛政策局長。
○政府参考人(前田哲君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、自衛隊法の八十二条三の規定によります弾道ミサイル等に対する破壊措置、これは我が国の領域における人命又は財産に対する被害を防止するものということになってございますので、排他的経済水域における我が国船舶等に対する被害、これを防止するために、この規定に基づいて弾道ミサイル等の破壊措置を実施することはできないわけでございます。 一方で、我が国の排他的経済水域に所在する我が国船舶等に向けて落下する弾道ミサイル、これを破壊をするためにいかなる措置を講じ得るかという点につきましては、これは国際法上の観点も踏まえなければなりません。 また、先ほどAIS搭載船舶のお話がございましたけれども、日本の漁船の数というのは十五万ほど平成二十五年時点であると思いますが、このうちでAISを搭載している船舶というのは、ここに、先生の資料にございますように一定のトン数以上の船でございますので、義務付けられているのはそういうことでございますので、全ての船がAISを搭載しているわけでもないと、こういう問題もございます。こういった様々な観点を踏まえながら、先生、立法政策の問題として今御提議されていると思いますが、慎重に判断をしていく必要があると考えてございます。 ただ、いずれにせよ、我が国の排他的経済水域、これは極めて広大でございますし、多数の船舶が航行しているということは事実でございます。このことを踏まえながら、これらの船舶の安全をどのような形で図っていくのか、この点につきましては政府全体としても今後総合的に研究すべき課題であろうと、こんなふうに思っております。
○佐藤正久君 できない理由をいろいろ並べたと思いますけれども、要は、全部守るのは難しいかもしれない。でも、守れる船舶もあるわけですよ、実際に位置が分かっているわけですから、タンカーと貨物船は。守れるのに守らなくて本当にいいのかという部分です。そこはやはり政治的に大きな問題となる。全部守る、これは難しいかもしれない。でも、万が一守れるのに守らない。これは外国の船籍の貨物船もあります。それに被害が出たら、多分これは大きな国際問題にもなろうかと思います。守れるのに守らない、そういう自衛隊で本当にいいのかと。これは大きな問題だと思いますので、検討をよろしくお願いしたいというふうに思います。 次に、防衛医大について質問をいたします。現在の大綱、中期に記載された防衛医大の改革が余り進んでいない状況、これについて質問いたします。 自衛隊は、冷戦時代とは違い、まさに運用の時代、行動して評価される時代というふうに言われています。そこに防衛医科大学校が付いていっておりません。運用の時代にマッチした自衛隊の医官や看護師をつくる根本、建学の精神が揺らいでおります。ここに武見先生おられますけれども、先般のエボラ感染症対応にも防衛医大は対応できませんでした。 防衛医科大学校は、防衛大学校と違って、防衛のまさにエース、自衛隊エースのメッカの病院を抱えています。病院というのは、私は、陸上自衛隊でいえば一〇戦車、航空自衛隊でF35、海上自衛隊でいえばイージス艦のような、やっぱり最新のいい病院でなければ、いい看護師やいい医師も育たないし、戻ってもこないと思います。 しかし、その長の学校長は、自衛隊の医療の現場や衛生運用には余り詳しくない部外の方が就いています。これまで校長には、教育担当の副校長か、あるいは病院長を兼務している診療担当の副校長から学校長に格上げになっています。一九九四年以降、病院長を兼務している副校長からは学校長になっておりません。全て教育担当ばっかりです。 これはまさに自衛隊の現場というものを考えるとちょっと乖離しているような感じがします。実際、この防衛計画の大綱、中期防を作るときに問題になったのは、学校教育ではなくてほとんど病院なんですよ、病院の問題なんです。例えば、医師がどんどん足らない、看護師がどんどん辞めていって足らない、一対七看護どころか一対十看護も今危ういし、来年三月はまた大量の人間が辞めるのに、看護の課程が三年から四年になったのに、補充が、身内の補充がない。非常に危うい状況だし、また、病床も八百床から五百床への減少。医療施行費の枯渇とかあるいは病院補修工事費の増額とか工事の中断。感染症にもなかなか対応できない。自衛隊病院か地域病院かの境目が分からない。自衛隊病院の特性である感染症とか救急とかあるいはその臨床という部分が非常に弱い。延べ単的なそういう病院に今なっている。 もう中期も三年目に入ります。改革がなかなか進んでいないと多くの自民党議員もこれは問題視しております。防衛医大がこういう時代の流れ、運用に付いていっていない原因の一つに、私は、学校長のリーダーシップあるいは経験不足と、それを支える組織も問題があるように思いますが、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(稲田朋美君) 今、防衛医大の改革についての御質問がありました。 防衛計画の大綱及び現中期防整備計画においては、防衛医科大学病院等の運営の改善を含め、効率的かつ質の高い医療体制を確立する、そして防衛医学の研究教育拠点として防衛医科大学校の機能を強化するといった方針が盛り込まれているところです。このことについては、防衛力に求められる多様な活動を適時適切に行うため、単に主要な編成、装備などを整備するだけでなく、防衛力が最大限効果的に機能するよう下支えする種々の基盤も併せて強化することが必要との観点から盛り込まれたところでございます。 防衛医大については改善すべき多くの点があるというふうに認識をしておりますが、大綱、中期防を踏まえて、効率的かつ質の高い医療体制の推進や防衛医学の拠点としての教育研究機能を強化すべく具体的な対応を進めているところでございます。
○佐藤正久君 この前、大野委員も駆け付け警護の関係で救急の関係質問されましたが、やはりこの運用の時代に自衛隊の衛生、特にメッカの防衛医大が付いていっていないという部分に私は大きな問題があって、このままだと五年過ぎても全然変わらないという状況なので、しっかり大臣の方のリーダーシップを期待したいと思います。 最後に、沖縄の北部訓練場、これはいろいろな問題が起きておりますが、表現の自由、これは当然大事ですが、これはやっぱり法律を守りながらやらないとそれはおかしいと思っています。当然、北部訓練場は米軍提供施設、そこには入ってもいけないし、退去しないといけないという中での抗議活動、これは非常に問題だと思っています。そういう中で、大臣も御覧になったと思いますけれども、防衛省の職員、本当に頑張っています。頭を反対に押さえ付けられながら、あるいは帽子とか無線を取られながらも抵抗せずに必死に耐えている、あの動画を見るとやっぱり涙が出ます。しっかり耐えている。 是非隊員に対する激励、これは大臣の方からもお願いしたいと思います。
○国務大臣(稲田朋美君) 北部訓練場のヘリパッド移設の工事は、その過半、約四千ヘクタールの返還のために必要なものであり、極めて大きな意義があるものだと考えております。 今委員御指摘をいただいたように、今、酷暑の夏、慣れない場所、慣れない業務に加え、移設工事に反対する人々への対応など厳しい状況に置かれている中で、沖縄の負担軽減のために最前線で必死に任務を遂行している職員に対し、防衛大臣として深く敬意を表するとともに感謝をしており、今後も機会を捉えて激励をしてまいりたいと考えております。
○佐藤正久君 終わります。
○藤田幸久君 民進党の藤田幸久でございます。 今日は、資料をお配りしていると思いますけれども、実は小坂憲次先生御逝去されまして、大変残念に思っております。いろんな意味で私はお世話になっておりまして、御存命であられれば恐らく関心を持っておられるだろうと思う今日はパリ協定とカンボジアについて質問させていただきたいと思っております。 この一枚目の写真、これはオタワ条約、対人地雷禁止条約に向けて、議連の会長でありました小坂先生と会長代行の中谷先生と事務局長でありました私が小渕外務大臣に要請に行ったときの写真でございます。 三枚目の資料を御覧をいただきたいと思います。ある意味じゃパリ協定との比較においてこの三枚目の資料を作成をいたしました。ポイントは、パリ協定と、今回の、それからオタワ・プロセス、比較をしてみますと、やっぱり政府の意思決定でございます。当時、橋本総理、小渕外務大臣、自民党の加藤紘一幹事長が途中から非常に支援をしていただきました。それで、資料、これ関係国、議員連盟、日本政府と書いておりますけれども、日本の議員連盟ができましたのが一九九七年の六月でございます。その前後に、超党派で三百八十五名の皆さんが賛成をしていただいてこの議員連盟が発足をいたしました。自民党は最初反対をしておりましたが、最初に賛成を示してくださったのが、当時、自民党の国防部会長でありました陸上自衛隊出身の中谷元さんでありました。ここから実は制服がかなり積極的に動いてくださるようになりました。 今回との比較のポイントは、一九九七年の八月にアメリカがオタワ・プロセスへの参加を表明いたしました。それまで反対の意見が、防衛省が百万個地雷を持っておりましたので、ございましたけれども、その段階から日本もオタワ・プロセスへの参加の流れができたわけでございます。十二月に小渕外務大臣がオタワに、本当に直前に政府の決定ができまして、間一髪間に合ってオタワに駆け付けたという劇的な四か月でございました。 それとの比較におきまして、この二ページ目の今回のパリ協定のプロセスについて質問をしてまいりたいと思います。 まず、日本の動きの右側、御覧いただきたいと思いますが、四月にパリ協定署名された後、実は地球温暖化対策推進本部という安倍総理が本部長であります一番政府の中心の組織でございますけれども、開かれておりません、四月二十二日以降。一回開かれたのが持ち回り開催で、それ以降も開かれていない。 今回、この国会提出も行われたわけですが、その間にこの対策本部は何をしていたのか、環境副大臣からお答えをいただきたいと思います。
○副大臣(関芳弘君) 御指摘のとおり、本年の五月以降は地球温暖化対策推進本部は開催はされていないわけではございますが、昨年の十二月にパリ協定の採択を受けまして、政府におきましては同じ十二月に早速地球温暖化対策推進本部を開催しまして、パリ協定を踏まえました地球温暖化対策の取組方針、これを決定した次第でございます。 この本部決定でございますが、一つには、地球温暖化対策計画の策定を始めといたします国内対策の取組方針、そして二つ目には、発展途上国の支援、イノベーションから成ります新たな国際貢献策、そして三つ目には、パリ協定の署名、締結、実施に向けて必要な準備を進めるというところを決めておる次第でございますが、さらに、この本部決定に基づきまして、本年、今年の五月に地球温暖化対策計画、これを閣議決定をいたしました。関係省庁が連携をいたしまして地球温暖化対策を推進していこうと、このことが確認されたわけでございます。 パリ協定の締結につきましても、この本部決定に基づきまして、関係省庁が連携をいたしまして必要な準備を今まで進めてきたところでございます。 今後とも、関係省庁としっかりと連携をいたしまして、政府一丸となって温暖化対策、推進してまいりたいと思います。
○藤田幸久君 要するに、何も開いていないわけですよね、四月以降、つまり署名した後。署名した後開かれていないのに、これを国会に提出するような政府の意思決定できないんじゃないですか。それについて答えてください、開いていないことについて。
○委員長(宇都隆史君) 鎌形地球環境局長。(発言する者あり) 関環境副大臣。
○副大臣(関芳弘君) その閣議決定の後、詳細のいろいろな項目を作らないといけませんので、その閣議決定の後は事務作業としてしっかりと進めていきまして、十月の十一日、閣議決定が正式になされたという形になっております。
○藤田幸久君 オタワ条約のときは、さっき言いましたように、当時の橋本総理、それから小渕外務大臣、加藤幹事長、そのレベルで動いたんです。ところが、要するに事務方しか動いていなかったということがはっきりした、これでは無理な話なわけであります。 ところで、今回これに至るまでいろんな兆候があったということをこれから幾つか聞いてまいりたいと思います。 何も急に今年から、去年の十二月とか今年の秋から加速したわけじゃないので、一つは、二〇一四年に北京でAPECが開かれておりますけれども、この段階で既にアメリカと中国は気候変動問題についてこの米中合意ができていまして、そのことについて外務省はどういうふうにその分析をされておったか、お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(相星孝一君) お答えいたします。 二〇一四年のAPECにおきましては、米国は二〇二五年までに温室効果ガスの排出量を二〇〇五年比で二六から二八%削減する、また、中国に関しましては、二〇三〇年頃までに、なるべく早い時期にCO2の排出量を頭打ちにする、一次エネルギーの消費における非化石燃料の割合を二〇三〇までに約二〇%に高めるということで、京都議定書において温室効果ガスの削減義務を負っていなかった中国の排出量が非常に伸びてきていることを踏まえて、国際社会、そして特にアメリカを始めとする先進国から中国に対する働きかけがなされてきたと。中国も、それを受けてCO2、温室効果ガスの排出量の頭打ちに向けた動きを見せ、それで米中の合意に至ったと認識しております。
○藤田幸久君 いや、だから、そういう流れができたということをどういうふうに認識していたかということが重要なので。 続いて行きますけれども、この資料に基づいて、四月二十二日にパリ協定が国連で署名されたわけですが、このときに、アメリカは年内に批准、中国は九月まで批准ということを国連の演説で首脳が言っております。それから、六月にはアメリカとインドが早期発効に向けた連携を合意しています。 例えば、四月のこの三つの国の動きについては当時どう分析していたんですか。当然すぐに批准まで行くだろうということを想像していなかったんですか。
○政府参考人(相星孝一君) 中国に関しましては、批准に関する手続を中国側に照会し、その結果、全人代の常務委員会という、二か月に一回程度開催される常務委員会の承認が得れば批准手続が済むということで、中国に関しましては比較的軽い手続において批准の手続が完了するというふうに認識しておりました。 また、インドに関しましては、議会の承認にはかけないと、他方、行政府内での様々な手続が非常に複雑であるということで、批准時期に関して具体的な見通しというのは得られていなかったという状況がございます。 そういう中で、アメリカは、パリ協定の早期発効を目指すために主要な排出国に対する働きかけを強めてきており、中国やあるいはインドに対してそういう形での早期発効に向けた働きかけを行ってきたと承知しております。
○藤田幸久君 基本的に外務大臣に質問しているので、何か言い訳的なことの状況説明を事務方からされるために時間を費やされたのではもったいないので次行きますけれども、例えば九月の三日に、杭州サミットの前の日ですね、これ資料に書いてありますけれども、米中両国がパリ協定の批准を発表しています。と同時に、大臣、九月四日から始まりましたG20杭州サミットのメーンテーマなんですけれども、御承知のとおり、英語で言うと、「Towards an Innovative,Invigorated,Interconnected,and Inclusive World」という、外務省の訳によると、創造的、力のある、連結された、包摂的な世界経済を構築すべくということなんですけれども、これ、要するに、パリ合意実施に向けた、世界各国で批准しましょうということをこれ言っている。それから、グリーンファイナンスとかグリーンボンドとか、こういうことを言っているというのが非常にはっきりしていて、これ途上国は大変喜んでいるんですね。 つまり、さっきの相星さんのように議会手続の話とかそういうことじゃなくて、もう二〇一四年から中国はこういう流れで来ていて、アメリカもそれからイギリスも巻き込んでこういう流れができていると。国内手続の問題じゃなくて、もう明らかにこういう流れだということを、だってG20サミットのメーンテーマ自体がこういうことを言っているわけですね。これを大臣はどう認識されておられたんですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほどから御指摘いただいているような国際社会あるいは各国の動きを把握しながら、我が国としましては、本年中の早期発効、本年中の我が国の批准、これを目指して努力を続けてきました。だからこそ、四月二十二日の署名開放日当日に署名もしましたし、五月の伊勢志摩サミットにおいても本年中の早期発効を目指すという共同声明を議長としてまとめた、こうした方針で臨んできました。 そして、今御指摘の動きもあり、そして九月に米中が批准を行う、そして十月にはインドが批准を行う、こうした動きが発生する中にあって、国際社会全体として当初想定していたより早い動きが現れてきた、こういったことは事実だと思います。事実、EUも、あるいは来年を想定して全加盟国が批准する形で批准をしようとしていたEUでありますが、EUもこうした動きを見て、当初考えていなかったEUと一部の加盟国で批准を行う、こういった対応を行ったということであります。 こうした動きを見ながら、我が国としまして、当初本年中の批准を目指して努力をしていた我が国でありますが、是非、我が国も一日も早く国会の承認を得なければいけない、当初から臨時国会を目指して準備を進めてきたわけですが、準備を急がせ、そして十月十一日に国会に提出をさせていただいた、こうした取組を行ってきた次第であります。
○藤田幸久君 つまり、EUはちゃんと対応したと、日本は対応できなかったということをお認めになったわけでございますけれども。 つまり、そういう各国の議会のプロセスという最終段階の手続の問題じゃなくて、今日私が指摘申し上げているのは、アメリカと中国、それからイギリスと中国、このG20のメーンテーマにするぐらい着々と進めてきて、中国の企業もこういうふうにどんどん転換をしてきている中ですから、当然そういう流れは、年内と言っている場合にはもう相当加速するということをやっぱり外務省として当然情報収集して分析をしていなければいけない、その部分が基本的に欠落をしていた。プラス、その直前の段階におけるシステム的なことも含めた遅れと私は両方重なっているんではないかと。これは、その意味では、大変日本がただ単に今回のパリ協定遅れるだけじゃなくて、そういう世界の流れだということに関してこれは相当遅れてしまうと思っているんです。 この流れの中でもう一つはっきりしたことは、要するに、アメリカはTPPよりもパリ協定を重視しているというのは非常に明らかですね。これだけ中国ともやって、これだけいろんな節々で米中、米中、米中と来ているわけで、これだけアメリカはTPPよりもパリ協定を重視している。これ非常に明らかじゃないんですか、大臣。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国としましても、TPP協定、パリ協定、これは共に我が国の国益にとって大変重要な課題であると認識をしていますし、国際社会にとってもこれは重要な課題であると認識をして取り組んできました。 このパリ協定につきましても、先ほど申し上げましたように、署名から後、このパリ協定の中においては、こうした削減目標を掲げると同時にそれを維持する、そのことと併せて、国内においてその目標を達成、履行するためのしっかりとした措置が義務付けられています。そうした国内における対応の担保をしっかり検討し準備をしていく、こういった作業を続けてきました。そして、その作業を完了した上で国会での御審議をお願いする、できるだけこうした国際的な動きを見ながらも努力をしてきた次第であります。 我が国は、このTPP、パリ協定、共に重要であると認識をしています。
○藤田幸久君 アメリカはもう明らかにこのパリ協定、重視しながら相当動いてきたというのは明らかじゃないんですか。どうですか。
○国務大臣(岸田文雄君) あと、手続の面から申し上げるならば、アメリカにおいてはTPP協定は議会での承認が必要であると認識をしています。一方、パリ協定はアメリカにおいては議会の承認は必要ない、こういった違いがあるということも指摘をさせていただきたいと思います。 いずれにしましても、この両協定とも重要であるという認識の下にそれぞれの、日米とも取り組んできていると認識をしています。
○藤田幸久君 今重要なことをおっしゃっていただきました。 アメリカ大統領選挙、十一月八日に終わります。どちらの候補が勝ってもTPP反対でございます。今、議会関係ないとおっしゃいましたから、ということは、一時言われました十一月八日から来年の一月二十日までの間に議会が云々のことは関係ないということでございますから、つまりアメリカにおいてTPPが通るということはないわけですから、なおさらアメリカにとってはパリ協定はこれだけ重視しながらやってきたけれども、TPPについては可能性がなくなったということを認めていただいたということでございます。(発言する者あり)ちょっと待ってください。私が質問したことに答えずにほかのことをおっしゃっているんで、そのことについて私は確認をいたしました。 それで、次に申しますけれども……(発言する者あり)
○委員長(宇都隆史君) ちょっと待ってください。ちょっと待ってください。
○藤田幸久君 私が質問しないことに答えておられて、それに対して私がコメントしているわけですから、ちょっとそれ以上時間を使わないでください。 それから、もう一つ申し上げますと、したがって、これ、オバマ大統領は明らかにこのパリ協定というのはレガシーということをおっしゃっていると同時に、中国は一種のグリーンエネルギー、それからファイナンスを含めた、どんどんどんどんそういう形の、いわゆるアジアの投資銀行も、それから一帯一路構想も含めてそういうふうに流れている。その流れの中でパリ協定が進んでいる。そういった流れを私は日本が見誤ると、これから日本の産業構造、エネルギー政策も含めて後れを取ってしまう、そのことを指摘しておきたいと思います。 その上で、国会提出のタイミングの決断の経緯について質問したいと思います。 今、岸田大臣は、当初から臨時国会を想定にとおっしゃいましたけれども、これ、ある日経新聞の報道によりますと、自民党の国対幹部は外務省の方からパリ協定は来年の通常国会でいいと言われていたという記事がありますが、これはどなたがおっしゃったんでしょうか。
○委員長(宇都隆史君) 岸田外務大臣、先ほどの答弁の、正確に伝えるのも含めて答弁願います。
○国務大臣(岸田文雄君) はい。済みません、ちょっと……(発言する者あり)一言だけ申し上げます。 先ほどの私の答弁は、TPP協定は、アメリカにおいては議長、あっ、議会の承認が必要である……(発言する者あり)
○委員長(宇都隆史君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(宇都隆史君) 速記を起こしてください。 先ほど質疑者と答弁者の間でのやり取りで一部そごがございましたが、その中で議場整理で私が発言したことに関しては、まず訂正をさせていただきます。 議事を再開させていただきます。岸田外務大臣。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、先ほどの藤田委員の御質問について一言だけ申し上げさせていただきますが、先ほど藤田委員の方から、アメリカはTPPよりパリ協定を優先しているのではないか、こういった御質問、御指摘がありました。ですので、私の方からは、アメリカにおいてはTPP協定は議会の承認を要する、パリ協定は議会の承認は要さない、こういった違いはあることを指摘させていただいた上で、いずれにせよ、アメリカもそして日本も、TPPもパリ協定も両方重要であるという方針で臨んでいると認識をしておりますということをお答えさせていただいた次第でございます。 そして、今の質問についてでありますが、日経において外務省の関係者が御指摘のような発言をしたということについてですが、私は、そういった発言があったということは全く承知しておりません。そして、外務省において、この協定を国会に提出する責任を持っているのは私、外務大臣であると認識をしております。私自身としても、先ほど申し上げましたように、本年中の早期発効、早期締結、大変重要だという認識の下に今日まで取り組んできた次第であります。
○藤田幸久君 TPPに関して、中国にルールを作らせるわけにいかないということが一つの言われ方で来ていますけれども、パリ協定はまさに中国がイギリスあるいはアメリカと一緒にルールを実質相当作ってきたということがこういう今申し上げただけでも明らかであると。そのことをやっぱり重視しなければいけないということを申し上げておきたいと思っております。 それで、この資料の右側、御覧いただきたいと思いますが、本当に臨時国会からということであるならば、臨時国会は九月二十六日に開会しています。ところが、与党の部会で承認されたのは十月四日です。これは、別に国会が始まる前から与党の中で決めて、臨時国会の冒頭でこれは補正予算と一緒に提出をされれば、これは十月十九日まで十分間に合ったと。何で早く提出しなかったんですか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、パリ協定におきましては、その協定の内容としまして、各国に温室効果ガスの削減目標を作成し、そしてそれを維持し、そしてそれを見直していく、こうしたことを求めるとともに、これを達成するための国内措置を遂行する義務、これを定めています。 我が国としましても、署名してから後、こうした国内実施の担保に係る様々な検討を行ってきたわけであります。そして、国際的な動きも見ながらその検討、準備を急がせてきたわけですが、まず臨時国会においては、冒頭、補正予算が審議されます。これは、国会においては、まず国会開会しますと、予算あるいは補正予算、こうしたものが最優先で議論される、これが通常であると認識をしております。この日程も見ながら準備を急がせ、そして、できるだけ早く国会に提出しなければいけない。その結果として十月十一日に閣議決定を行い、そして国会への提出に至ったと認識をしております。
○藤田幸久君 その認識では済まない話で、先ほど申しましたように、例えばオタワ条約の場合も政府が意思決定をして間に合ったんです。今回も、今いろいろおっしゃいましたけれども、そういう手続の問題ではなくて、やはりこれは政府首脳、政府全体として対策本部も開かれなかった、こういう政策的、戦略的に非常に日本の将来に関わることについて、政府としてそういう決断をしなかったという不作為について、私は、非常に今後も問題が大きいので、これからしっかり時間を掛けて、遅れたなら遅れたなりに十分時間を取って、中身について是非これからも十分審議をしていただきたいというふうに思っております。 と同時に、今回のこの十一月のマラケシュの会議はオブザーバー参加でございますから、議決権も発言権もない、それから異議や申立てができない。既に様々なルールが作られてきているということの遅れに対して、日本政府として非常にこれは失態であるということを是非認識をしていただきたいというふうに思っています。 時間の関係で、ちょっとカンボジアについて質問させていただきたいと思っております。 これ、四枚目でございますけれども、これは昨年の十月に、白昼、昼間にカンボジアの国会の前で二人の国会議員が、後にこれ政府関係者じゃないかというふうに言われておりますけれども、豪打をされ、そして一人の方は、国会議員は目がかなり失明状態に近くなったと聞いております。それから、もう一人の方は腕の骨が折れている。これ、国会のど真ん前です。そして、たくさんの方が見ている前で、映像がたくさん出ております。こういうことが実はカンボジアで行われていると。 それから、今年の七月には大変有名な政治評論家が殺害をされました。それに対して数十万の市民がこの方を支えて、支援をして行動を起こしたと、支援をする行動を起こしたと言われております。 それから、九月には野党のサム・レンシー党本部の近くに演習という名前で軍隊まで派遣をされたと言われておりますが、こういう状況に対して、日本政府としてカンボジア政府に対してどういう対応策を求めたのか、大臣の方からお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘のように、カンボジアにおいては、昨年後半以降、政治情勢の緊張が高まっていること、これを認識をしております。特に本年に入ってからは与野党間の対話の文化に困難が生じ、野党や市民社会の活動に相当の制約が掛かっていること、こうした認識を持たざるを得ない、こういった状況が生じておりますし、我が国として懸念をしております。 そうした中で我が国がどう対応してきたかということですが、我が国としましては、これはこうした緊張の緩和に向けては与野党双方の努力が必要であるということで、与野党双方に対して信頼関係の回復、緊張の緩和に向けた努力を求めてまいりました。また、カンボジアの全ての利害関係者に対して、野党、市民社会が正常かつ自由に活動し、次期選挙が自由で公正に行われる環境をつくるべく最大限努力してもらいたい、こういった点を促してきた、こういった働きかけを行ってきた次第であります。
○藤田幸久君 今までは、例えば欧米と違って日本は直接内々に話をするんだと、そういうやり方が効果があるんだという話をしておりましたけれども、ちょっと度が超えていると思います。二〇一四年から私が知っている範囲で今までに十九名のカンボジアの国会議員、地方議員等が逮捕され、拘留されています。 それから、国会の真ん前で国会議員がこうされてしまう。それから、野党第一党の党首。日本と違って、実はカンボジアの野党第一党というのはかなり議席が多いんです、拮抗しています、残念ながら。その野党第一党の党首の不逮捕特権が、これが実は否定をされてしまっている、司法状況もおかしいということは、これ日本として内々に日本らしいやり方でというのは通用しない状況になってきたと思っております。 私も小坂憲次先生のことを申し上げたのは、実は佐藤正久さんほかいらっしゃいますけれども、カンボジアというのは日本にとって一種のサクセスストーリーの国なんです。PKOも実はやはりカンボジアからスタートしている。対人地雷禁止もやっぱり中谷元さんが、陸上自衛隊出身だけど、余りに民間人の被害が多いというので実はかじを切った。いろんな国際援助もカンボジア、いろんな方がいらっしゃる。 そのサクセスストーリーで来たカンボジアで一人の首相が三十一年間首相を務め、同じ体制で来て、実はここまで白昼堂々こういうことが起きているということに関しては、日本政府として長年の、岸田大臣、先輩の方々も含めてカンボジアに貢献してきたことのサクセスストーリーを一挙に崩させないためにも、もう少し違ったやり方で強い対応を示す時期だろうと思っておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず認識としまして、カンボジアにおいて緊張が高まっている、特に本年に入ってからこうした状況、緊張を感じなければならない状況が深まっている、こうした状況については強く認識をしておりますし、このことについて懸念を持っています。まず、このことは去年から今年の動きに対する我が国の認識として、これはしっかりと強調しておかなければなりません。 その上で先ほど申し上げましたような働きかけを行ってきたわけでありますが、今後につきましては、この状況をしっかりと把握しながら我が国としてあるべき対応を適切に判断をしていきたいと考えます。
○藤田幸久君 来年が地方選挙、再来年が総選挙であります。私も選挙監視に行ったこともございます。それから、九七年、かなり緊張したときに日本の様々な外交当局の方が仲介の一翼を担われて収めたことがあります。 しかし、こういう状況が続きますと、再来年の選挙、非常に公平で自由な選挙ができるかどうか分からない。そうすると、平和裏な例えば政権交代とか、ミャンマーで起こったようなことがうまくいかない可能性もある。ということは、やはりこれまでのサクセスストーリーでもありますカンボジアに対して、少し日本政府としても今までとは違ったような効果的なやり方、そして外から見ても、日本は今回違ったやり方をして、これEU議会とか国連とかいろんな国が対応しておりますので、見える形での対応の仕方というものが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○委員長(宇都隆史君) 時間を過ぎておりますので、答弁は簡潔に願います。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の二〇一七年の地方選挙、そして二〇一八年の国政選挙、この選挙につきましては、これまでも我が国としまして自由、公正な実施を重視し、選挙改革の取組、こうした取組を支援してきました。また、こうした懸念すべき状況に対し、引き続き法の支配の重視という観点から様々な支援、法整備の支援ですとか様々な法の支配の強化に向けての支援、こういったものを行っていかなければならないと思います。 こういった基本的な考え方に基づいて、具体的にどうするかにつきましては、今後の動きをしっかり注視しながら適切な対応を考えていきたいと考えます。
○藤田幸久君 ありがとうございました。終わります。
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。 本日はパリ協定の審議でございますが、午後にも環境大臣が入られまして、重点的にも審議をさせていただきたいと思います。 まず最初に、南スーダンPKOについてお聞きしたいと思います。 本日、派遣継続の閣議決定が朝なされました。十月二十日の本外交防衛委員会で、我が党の山口代表からの我が国が派遣継続するメルクマール、基準について、この質問に対しまして稲田防衛大臣はこう答弁されました。一つは、PKO参加五原則を満たしていること、もう一つは、自衛隊員の安全を確保した上で意義ある活動が行われるかが判断基準であると答弁をされまして、そして、引き続いて、現在、参加五原則は引き続き維持されているものと考えており、二つ目の基準でありますけれども、これについては今後も緊張感を持って現地情勢を注視していきたい、今申し上げたことを踏まえながら自衛隊派遣継続について検討してまいりたいと答弁されました。 そこで、実は我が国がPKO撤退を判断した例があります。民主党政権でありましたが、平成二十四年十二月、ゴラン高原PKOからの撤退であります。このときは、二つの判断基準のうち、一つ目のPKO五原則は満たしながらも、二つ目の基準が満たされていないという理由で撤退したと聞いております。 そこで質問させていただきますが、ゴラン高原PKOの場合はどのように二つ目の基準が満たされていないと判断し、今回の南スーダンPKOの場合はどのように満たされていると判断されたのか、国民にとって分かりやすく防衛大臣から答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(稲田朋美君) 今委員が御指摘になられましたように、先日の外交防衛委員会で山口代表の質問にお答えをいたしまして、自衛隊を派遣するに当たっては大きく二つの判断要素があり、一つはPKO五原則を満たしているか、そしてもう一つは、PKO五原則を満たした上で、要員の安全を確保した上で有意義な活動が行われるか、この二つの判断要素があるということを申し上げました。 参加五原則は憲法に合致した活動であるということを担保するものであり、当時のゴラン高原のPKOにおいても、また、今の南スーダンのPKOにおいても参加五原則は維持されているものと考えております。 ゴラン高原PKOについては、派遣されていたのが輸送調整部隊でありましたけれども、シリア国内の情勢等を踏まえ、要員の安全を確保することが困難となり、かつ、十分な人員、物資の輸送が行えず、意義ある活動を行うことが困難となったことから、平成二十四年十二月、要員を撤収させたということでございます。 他方、現在の南スーダンPKOについては、派遣しておりますのは施設部隊であります。そして、厳しい状況ではありますが、国連施設内において道路整備や避難民向けの施設構築を行うなど、安全を確保しつつ意義のある活動を行っており、本日、南スーダンのPKOの派遣の期間延長について閣議決定がされたところであります。 いずれにいたしましても、引き続き、現地情勢について緊張感を持って注視しながら、要員の安全確保には万全を期しつつ有意義な活動をしっかりと実施してまいります。
○浜田昌良君 今大臣が答弁されましたように、南スーダンPKOで我が国が担当しているのは施設部隊でございます。この任務は、比較的治安が安定していると言われている首都ジュバの国連施設内での施設建設が主任務でありますが、安全が確保されていると判断されている場合には国連施設外に出ての道路補修にも当たると聞いております。 このような施設外の任務については、我が国施設部隊が所属する軍事部門司令官からの要請に基づいて行われるわけでありますが、このような要請があった場合でも、施設部隊としての安全確保についての我が国部隊の判断によって断ることが可能であると、また、明らかに安全と判断できない場合などにおいては一度我が国本国に判断を仰ぐことも可能である旨を防衛大臣から確認いただきたいと思います。
○国務大臣(稲田朋美君) 今委員御指摘になりましたように、今後、UNMISSから国連施設外での道路整備等の作業の要請があった場合、その現場の状況、現場に至る経路の治安状況、そして派遣施設隊の対応能力を勘案しつつ、UNMISSと調整して作業を実施するかどうかを決めていくこととなります。 その際、安全確保に問題があれば、我が国の派遣施設隊が作業の要請を受けないということもあり得ます。また、作業の実施の可否については、派遣施設隊において判断可能なものであれば隊長の判断で行うこととなりますが、状況によっては上級部隊である中央即応集団司令官の判断を仰いだり、また、場合によっては防衛大臣の判断を仰ぐこともあり得ると考えております。
○浜田昌良君 我が国PKOの世界での活動については多くの国民が支持しているところでありますけれども、それはあくまでも現場の自衛官などの安全確保がなされていること、また、そのことについて国民が理解していることが大前提であるということを申し上げておきたいと思います。 次の質問に移りたいと思います。 現在、国連総会第一委員会がニューヨークで開催されております。マスコミでも既に報道されているように、この第一委員会にメキシコ、オーストリア等が核兵器を禁止する法的措置の交渉に入るための国際会議を明年開催するという決議を提出しており、現地時間の十月二十七日に採決が行われると聞いております。これに対しまして、米、英、仏、ロ、中などの核兵器保有国が反発しまして、急進的なこのような決議は現在の安全保障環境には適さないとして同盟国に対し反対をするよう要請しているとされております。確実なことは、この決議、国連方式の多数決で採決されますので、我が国の投票行動にかかわらず可決されることは確実であり、核兵器を禁止する何らかの法的枠組みを交渉する会議が明年早々開催されるということでございます。 米ロなどが言うように、この決議を無視しているだけでは非同盟諸国の議論は現実の安全保障環境を考慮しない、より先鋭化されたものになりかねず、でき上がる法的枠組みも最も歓迎するのは国際ルールを守る気がない国々という結果になりかねないと私は考えております。我が国は唯一の戦争被爆国であるとともに、北朝鮮という核兵器のリスクに最もさらされている国でもあります。核廃絶の議論は、今までのような単なる賛成か反対かという運動論の段階から、現実の安全保障環境の中で具体的にどう進めていくのかという政策論の段階に入っていると私は考えております。 そこで、この核兵器禁止の法的措置の交渉のための会議開催決議、これについてはスウェーデン、ニュージーランドは賛成、オランダは棄権すると言われておりますが、よって日本の投票行動が、またその理由説明がより注目されております。 そこで、岸田大臣に質問します。この決議で提案されている会議は本来どのような会議となることが望ましいと考えるか、また、その考えの下で、九月二十九日の参議院本会議での総理答弁にあった核保有国また非保有国にどのような協力を求めていくべきか、またさらに、当該会議で現実的議論が行われていくようにしていくためにも、我が国として当該会議に積極的に関与することを前提とした投票行動を考えるべくと考えますが、外務大臣の見解をお願いしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、基本的に今の現在の国際社会においては、核兵器国と非核兵器国の対立、ますます先鋭化し、厳しくなっていると認識をしています。その中にあって、委員御指摘のように、今年も国連の第一委員会に対しまして各国が決議を今提出をしています。 我が国の基本的な立場ですが、我が国は、核兵器の非人道性に対する正確な認識と、そして厳しい安全保障環境に対する冷静な認識、この二つの認識の下に核兵器国と非核兵器国の協力を得て現実的かつ実践的な取組を積み重ねていく、こうした基本方針を再三確認をしています。 この基本方針の下に、まずは我が国が提出している決議、この決議に多くの加盟国にしっかりと賛同してもらわなければならない、そして、核兵器国と非核兵器国の協力を訴えているわけですから、核兵器国の賛同をできるだけ多く集める、こういった努力をしていかなければならないと思います。 そして、我が国の決議に対する賛成をしっかり集めた上で、同じく十月の二十七日から十一月の三日にかけて各国の決議が採択されると承知をしています。我が国のこの決議をしっかりと採択をさせた上で、他の国の決議についてもしっかり考えていかなければならないと思います。 そして、御指摘のメキシコ、オーストリアの決議については、具体的な文言、今調整中だと認識をしております。この文言をしっかり確認をしなければなりませんし、その上で、先ほど申し上げました基本的な立場に基づいて我が国の判断をしていかなければならないと思います。 二つの認識の下に核兵器国と非核兵器国の協力を得るための現実的、実践的な対応がどうあるべきなのか、こういった観点から、この御指摘の決議を始め他国の決議に対しては対応を判断していきたいと考えております。
○浜田昌良君 今外務大臣から、このメキシコ、オーストリアの決議については具体的文言はまだ調整中という答弁もございました。是非調整を精力的にやっていただいて、まさに橋渡しの国として、開かれるであろう国際会議が日本の安全保障環境にとってもプラスになる、また核兵器のない国を実現していく上でも有意義なものとなるよう最後まで外交努力をお願いしたいと思います。 最後に、パリ協定についてお聞きしたいと思いますが、これについては国内承認手続が遅れたことに対して批判がされているところでございますけれども、ここで外務大臣に質問します。 日本と同様に気候変動枠組条約上は主要プレーヤーでありながら、COP22においてパリ協定の締約国の資格が得られず参加すると見込まれる国及びこれらの国々の国内手続の状況は簡単にどうなっているのでしょうか。 また、十月の十八、十九にマラケシュでプレCOPが開催されたとも聞いております。ここで、このパリ協定上の第一回締約会合で決定すべきルール、指針についてはどのような議論がなされたのか、簡単に御紹介いただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、御質問の一点目ですが、COP22が始まる十一月七日に至るまでの各国のパリ協定締結に関する今後の見通し、確定的に述べることは困難ですが、現時点でパリ協定を締結していない主要排出国、すなわち排出量一%以上の国々はロシア、韓国、英国、南アフリカ、豪州、イラン、トルコ、イタリア、こうした国が挙げられます。 そして、条約の締結手続、これは各国によって様々ですが、例えば豪州は議会承認は必要とされていません。ロシア、韓国、英国、トルコ、イタリア、これは我が国と同様に議会の承認を必要としています。引き続き締結に向けて手続を行っているものと承知をしています。そして、その中で英国と豪州については年内の締結を目指す方針、これを表明していると承知をしています。 そして、御指摘のプレCOP、十月の十八日と十九日に開催されましたプレCOPについてでありますが、この中で、実施指針等の策定交渉、これは我が国を含む国連気候変動枠組条約の全締結国の参加を得て本年五月に開催されたばかりであり、第一回パリ協定締約国会議では同実施指針の採択はできず、今後とも協定未締結の国も含め開かれた形で交渉を進める必要がある、こういったことにつきまして、このプレCOPにおいても意見の一致が見られたという報告を受けております。
○浜田昌良君 終わります。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 パリ協定承認案の国会提出、大幅に遅れまして、COP22で開かれるパリ協定第一回締約国会議に締約国としての参加はできなくなっております。 今、プレCOPのお話もありましたけれども、協定ではこの第一回の締約国会議で採択することになっている規定というのはどういうふうに定められているのか、具体的に示していただきたいと思います。
○政府参考人(相星孝一君) お答えいたします。 パリ協定におきましては、パリ協定の第一回締約国会合にて採択されることが規定されている実施方針を条文上定めております。具体的に申し上げます。 第四条の十、各国の温室効果ガス削減目標等の共通の期間の設定、第六条の七、市場メカニズムに係る規則、方法、手続、第七条の三、各国の適応の努力の確認方法、第十一条の五、能力開発のための制度的な措置、第十三条の十三、各国の削減行動等の報告、レビューの共通の方法、手続、指針、第十五条の三、実施及び遵守を促進する制度に係る方法、手続といったようなものがございます。
○井上哲士君 ですから、協定上非常に重要なのがこの第一回会合なわけですね。日本はこれにオブザーバー参加はできるけれども議決権はないと。先ほどプレCOPの話もあって、一方で早くやって説得力を持って国際社会に貢献しなくちゃいけないと言いながら、何か余り重要でないかのような言い方もされる、私はそういう姿勢が日本の今の遅れにも表れていると思うんですね。果たしてこれで国際的に積極的に役割を果たすことができるのかが問われていると思います。 本会議で、TPP優先でパリ協定は後回しだったのじゃないかと、こういう質問に対して外務大臣は、当初の見通しよりも早期の発効に至ったと見通しの誤りを認められました。一方で、本年中の発効の目標を掲げたG7の首脳共同宣言を取りまとめて、可能な限り迅速に締結に向けた作業を調整をしてきたと、こういうことも言われたわけでありますが、そうであるならば、なぜ安倍総理の所信表明演説でパリ協定には一言も触れなかったのか。外務大臣として、盛り込むようにという、こういう意見は言われたんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の総理の所信表明演説ですが、総理も、これ地球温暖化問題についてはしっかりと取り上げて、直面している困難な課題の一つとして日本としてしっかり取り組んでいく、そして世界に貢献していく、こういった決意はしっかり述べられていると認識をしています。 この認識の下に、この具体的な取組としてパリ協定にも取り組んでいる、これが政府の対応のありようであります。
○井上哲士君 今言われたように、確かに所信表明演説では、地域紛争、大量の難民、相次ぐテロ、地球温暖化、世界は多くの困難に直面していますと、こう述べられております。しかし、その後、総理は積極的平和主義の話をするだけで、地球温暖化が困難の一つと挙げながら、パリ協定一言も言わなかったんですよ、そのことが問われているんですね。一方で、TPPの早期発効にも言及をされたわけで、結局TPP優先でパリ協定を軽視したというのが今の答弁からも私は明らかだと思うんですね。 見通しの誤りを本会議でも認められたわけでありますが、そもそも、他国の対応がどうなるのかと、そういう見通しを持つという名の下に事実上様子見になっていたということが私は大きな問題だと思うんですね。 繰り返し挙げられるG7の首脳宣言、パリ協定の二〇一六年中の発効という目標に向けて取り組みつつ、同協定の可能な限りの早期の批准、受諾又は承認を得るよう必要な措置をとることにコミットするとともに、全ての締約国に対し、同様の対応を求めると。全ての締約国に日本が議長国としてこの宣言をまとめたわけですよ。そうやって世界に宣言をしている以上、むしろ日本は各国の対応を様子見するのではなくて、率先して早期に批准をしてリードをする、こういう姿勢こそ求められたんじゃないですか、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 日本は、おっしゃるように、こうしたパリ協定をめぐる議論、率先してリードをすべき立場にあると認識をしています。決して他国の様子を様子見していたということではないと認識をしています。 リードしなければならないからこそ、伊勢志摩サミットにおいても共同声明、御指摘のような内容をしっかり取りまとめたわけでありますし、本年中に早期発効、そして我が国の締結を目指すという方針の下に努力を続けてきたわけであります。 是非引き続き、我が国としまして、こうした気候変動問題、COP22をめぐる議論をしっかりとリードしていかなければならないと思います。そのために、最善の努力を政府としても続けていきたいと考えます。
○井上哲士君 そう言いながら、結局国会提出は遅れたと。言っていることとやっていることが違うわけですね。やはり私は様子見だったと思うんですよ。 去年パリ協定が締結された翌日に、日本経団連の榊原定征会長がコメントを発表しております。こう述べています。今後、米国や中国を始めとした主要排出国が確実に批准するとともに、公平性、実効性を高めていく観点から、各国の約束についての進捗状況を国際的にレビューしていく体制を整備することが求められると。世界をよく見なさいと言っているわけですが、経団連の地球温暖化ワーキンググループの村上仁一座長はインタビューでもっと率直に言っておりまして、京都議定書の教訓を踏まえますと、パリ協定の実効性を担保する上で、米中を始めとする主要排出国がパリ協定に確実に批准することが不可欠になろうかと思います、日本としても、各国の動きを十分に見極めた上で国内における批准の手続を進めるべきであり、京都議定書の二の舞にならないようにすることを強く願っておりますと、こう言っているんですね。 それから、京都議定書の際にはアメリカは合意しましたけれども批准しなかった、不公平だった、日本は損をした、今回はそうならないようにと、こういう財界の意向を踏まえて、日本が国際社会の中で積極的役割を果たすんではなくて他国の対応の様子見ということにとどまった、これが一番の問題じゃありませんか。
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほど申し上げたように、我が国としましては、本年中のパリ協定早期発効、そして我が国の締結を目指して努力を続けてきました。そして、その中で、国際社会の様々な動き、これをしっかりと把握し、我が国の対応についても検討を続けてきたところです。そして、今の状況を見る中で、我が国としましても、一日も早く締結を実現しなければならないということで努力を続けています。そして、何よりも大切なのは、今後の議論において実質的に我が国の意向が反映されない、そういったことがあってはならないということであると認識をしております。 COP22におきましても、実施指針の議論、気候変動条約の全締約国でこの議論をするという議論が今年の五月から行われているわけですが、先週のプレCOPにおきましても、こうした枠組みで議論を続けていくことが確認をされています。是非こういったこともしっかりと確認しながら、我が国として実質的に後れを取らないことをしっかりと確保する努力をしていかなければならない、このように考えております。 そして、何よりも早く締結国として説得力のある議論が行えるようになりたいと考えておりますし、国会での御承認を一日も早くお願いしなければならないと考えます。最大限努力をいたします。
○井上哲士君 担当者に説明聞きますと、国会の会館回っても京都議定書の二の舞になるなと随分言われているんだと、こういうことを言われていましたよ。 ですから、政府とともに与党が結局こういう財界の立場をおもんばかって、TPP優先、パリ協定後回しになったと、これが今回の一番の問題でありまして、この消極的な姿勢が低過ぎる二〇三〇年度の温室効果ガスの削減目標にも示されているわけでありまして、私は、こういう目標の見直しを含めて抜本的な転換が必要だと、そのことを求めまして、質問を終わります。
○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。 私は、パリ協定について質問をさせていただきます。 もう今まで質問にも出てきておりますが、パリ協定では締約国でなくても審議にはオブザーバーとして参加できる、しかし決定には加われないと、異議を唱えることはできないということであります。 この約束をどう守るか、どう進めるか、すなわち実施、遵守ルールを策定すると先ほどの御答弁の中にもありましたけれども、実施、遵守ルールを策定するというルールメーキングの場で、投票権を持たないということで我が国に何らかの不利益が生じると思われるんですが、この点に対して外務大臣の御見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、このままいきますと、我が国は第一回の締約国会議には正式メンバーとして参加することは難しいと考えられますが、この実質的なルールメーキング、実施指針の策定作業は、今年の五月から気候変動条約の全締約国が参加する形で、我が国も含まれる全締約国が参加する形で議論が行われています。そして、この議論は、第一回締約国会議においてはまだ採択される状況にはないと認識をしています。 そして、先週のプレCOPにおいても、この実施指針の策定の作業は引き続きこの気候変動条約全締約国が参加する形で議論が行われるということが確認されておりますので、こうした第一回の締約国会議に正式メンバーとして参加しないことが実質的なルールメーキングに大きな影響があるとは認識をしておりません。ただし、しかし、今後の動きもありますので、我が国としましては、一日も早く説得力のある形で議論に参加するためにも締結を実現しなければならないと思います。国会の御承認をいただくべく、最善の努力をしていきたいと考えます。
○浅田均君 そのCMA1には参加できないけれども、これまでCOPの枠組みの中でルールメーキングは行われてきていると。そのCMA1にかけられると想定される実施、遵守ルールを決めると。そのうちのどの程度今までのプレ会合で議論されていると御認識でしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 今まで、先ほど申し上げました枠組みで様々な議論が行われていますが、いずれの内容についても、今度の第一回締約国会議で採択される段階にまでは至っていないと認識をしています。引き続き議論が必要とされていると認識をしています。
○浅田均君 そうしたら、第一回会議では採択される見通しではないと。どの辺りで採択されるという見通しをお持ちでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) それは、まさに今行われている気候変動条約全締約国の枠組みで議論されている議論のありようによって決まってくると思います。引き続き、この枠組みで議論した結果としていつ結論が出るのか、いつ採択されるのか、これは今後の状況を見てみないと、今の段階でいつ頃ということを申し上げるのはなかなか難しいのではないかと認識をいたします。
○浅田均君 それで、日本の約束についてお伺いいたします。 日本政府は、昨年の七月十七日に日本の約束草案を決定して、同日付けで国連気候変動枠組条約事務局、COPの事務局に提出しているということでありますが、この日本の約束草案、パリ協定上は国が決定する貢献という表現になっておりますが、これ、条約上どういう位置付けになるのか、協定の附属書という書かれ方がありますけれども、協定の附属書の一部を構成するようになるという理解でよいのか、外務大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(岸田文雄君) パリ協定におきましては、締約国は、温室効果ガスの削減目標として自国が決定する貢献、NDCを作成し通報することとなっており、気候変動枠組条約の事務局が管理する登録簿に記録するとされています。各国の削減目標が登録簿に記録され、国際的に公表されることで各国の実効的な排出削減を促すことに資する、このように考えています。 そして、COP21決定に基づいて締約前に提出した約束草案は、自国が締結した後には自国が決定する貢献となると定められています。我が国が昨年七月に発表した約束草案、これに基づいて、我が国が締結する際に協定上の自国が決定する貢献とみなされることになります。ただし、これは自国が決定する貢献がパリ協定の一部になることを意味することではありません。そして、なおパリ協定には附属書は存在していないと承知をしています。
○浅田均君 今の御答弁ですが、このパリ協定の翻訳のところの第二十三条に「この協定の附属書は、この協定の不可分の一部を成すものとし、」というくだりがあるんですが、今の大臣の御答弁はちょっと見解が違うんではないんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のような項目、条文があるということは承知していますが、念のために設けた条文であると認識をしています。結果として、附属書は今存在していないというのが現実であると認識をいたします。
○浅田均君 何か、それやったら何でこの二十三条というのを書かれてあるのかちょっとよく理解できない部分があるんですが、次の質問に行きます。 このパリ協定の採択を受けて、先ほど申し上げましたように、地球温暖化対策計画というのが閣議決定されております。この地球温暖化対策計画あるいはさきの日本の約束草案策定に関しまして、この外務省の条約局というのはどのような関わり方をしてこれが策定されているのか、お尋ねいたします。
○政府参考人(三上正裕君) お答え申し上げます。 外務省の国際法局は、外務省設置法第四条四、五に従い、条約その他の国際約束につき締結、解釈及び実施に関する事務を所掌しております。 パリ協定の締結につきましても、我が国としての同協定上の義務をいかに実施するかにつき、国際法局として外務省の担当部局及び関係省庁と緊密に協議した上で判断しております。締結後も、我が国のとる種々の措置がパリ協定上の義務と整合的であることを確保すべく、外務省の担当部局及び関係省庁と協力していくこととなります。 御質問の我が国の約束草案及び閣議決定された地球温暖化対策計画につきましても、同様の観点から検討を行ったところでございます。
○浅田均君 確認いたします。日本の約束草案、COPに提出した日本の約束草案の中身に関しても、条約局はこれでよしというふうな判断をされて提出されたという理解でいいですか。
○政府参考人(三上正裕君) はい、国際法局の観点からそう判断しております。
○浅田均君 終わります。
○アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば何でもできる。ところが、何か私のいつも質問の声が小さいという苦情が来まして、マイクが低いんじゃないですかね。 今日はパリ協定ということで、京都議定書以来十八年ぶりで国際的な地球温暖化対策ということで、ちょうど私も当時この京都議定書のいろんな会議にも参加させてもらいました。本当に、あのとおり話が進めばもっとこの温暖化が悪くならないで済んだのではないかと思いますが、お互いの国の駆け引きあるいは綱引きがあったんだろうと思います。 日本も世界で五位という排出量の国になっていますが、京都議定書の採択時は議長国として取り組むなど温暖化対策や環境問題に積極的な姿勢で取り組んできたと思います。また、安倍総理は、先日行われたG20において、日本として今年中に協定発効に向け、早期締結に最大限努力すると明言されています。にもかかわらず、今回のパリ協定については他の主要国に比べ締結の手続が大幅に遅れてしまいました。裏の駆け引きは分かりませんが、私は一番やはり温暖化、環境問題を含めて日本がリーダーシップを取るべきだということを主張してきましたが、その点について、日本の締結手続について、先ほども質問がありましたが、なぜ遅れたのか、もう一度質問させていただきます。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国はパリ協定を重視し、そして本年中の早期発効、そして我が国の締結を目指して努力を続けてきました。 御指摘の伊勢志摩サミットの共同声明の取りまとめ等においてそうした努力を示してきたわけでありますが、一方、国際社会においては、米中の批准あるいはインドの批准、さらにはEUも当初の方針を変更して、EU本体と一部の加盟国のみで批准をする、こうした方針転換を行いました。こうした中で、国際社会として当初の見通しより早期の発効に至った、これは事実であると認識をいたします。 我が国としましては、こうした動きもしっかりと把握した上で、我が国として一日も早い締結に向けて努力を続けていかなければならないと認識をいたします。我が国は、引き続きこの課題における国際社会の議論をリードしていく、こうしたことを確保するために努力を続けていきたい、このように考えます。
○アントニオ猪木君 締約国に出るためには締切りがありましたが、その締切りに間に合わなかったのか、日本の締約国として会議に参加できる、先ほども、オブザーバー、要はその意見が言えないんではないかという質問もありました。 日本が、先ほども申し上げたとおり、リーダーシップを取ってという。実際に、いろんな大気汚染の問題から含めて、戦後、本当に渋谷の駅でもどこでも歩くとガードレールが真っ黒で、それを飛び越していくとズボンが真っ黒になる、そんな時代を乗り切ってきて、今途上国がまさに同じような状況の国がたくさんあります。 その中で、参加したときに日本はどのような発言をしていくのか、お聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、COP22の会期中に開催されるパリ協定第一回締約国会合に締約国として参加できるのは、十月十九日までに締結手続を終えた国であると承知をしています。よって、我が国はこの第一回締約国会議には正式メンバーとしては出席することができないということになりますが、そのことが、我が国がこの議論において我が国の考え方が反映されないとか、我が国がこうした実質的な議論に参加できないとか、実質的なマイナスにつながってはならないと認識をいたします。 実施指針につきましては、気候変動条約全締約国の枠組みで議論が続いています。是非この枠組みにおいてしっかりとこの議論に参加をしていきたいというふうに思いますし、一方で、一日も早く締約国となることによって説得力のある形でこの議論に参加をしていきたいと考えております。
○アントニオ猪木君 次に、温暖化、別の角度から質問をさせていただきたいと思いますが、一九八九年だったと思いますが、かつてロシアへ何度も足を運んだときに、ちょうどツンドラ地帯からマンモスの牙が発掘されたということで、それを売り付けに来た人がいまして、今でもありますが、こんなでかいマンモスの牙を持っています。今なら絶対税関が通らないだろうなと思うことが当時は割と緩やかで、そんなツンドラ地帯がどんどん変わっていく状態というんでしょうかね。 一つには、北極海から、北極海航路というんでしょうかね、氷が解けたことによってアジアからヨーロッパへ船で行けるという、前回誰かが質問したこともありますが、それについて、日本にとってメリットなのかデメリットか、その辺について日本の見解をお聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) 地球温暖化に伴う北極海の氷の減少によって、アジアと欧州を最短距離で結ぶ北極海航路の潜在性が関心を集めています。例えば、北極海航路を使いますと、横浜からハンブルクの距離も約四割近く短くなるという指摘もあります。 このため、政府としましては、北極海航路に関する情報収集を行うとともに、同航路の課題解明や解決に向けて取組を続けています。そして、同航路をめぐる国際的なルール作りにも参画をしています。 北極海航路の活用に関しては、官民の連携の協議会も存在いたしますが、是非、関係企業の意向も踏まえながら、関係省庁とも連携しながら取組を進めていきたいと考えています。
○アントニオ猪木君 次に、駆け付け警護について質問をさせていただきますが、私もスーダンも二回ほど行きました。ソマリアも自衛隊の皆さんが行く前に入ったことがありますが、イスラムの世界というのは特殊な世界、そういう中での今回の任務というのは、我々の目線だけではなく、しっかりとその辺を、向こうの目線も捉えた上で考えていただきたいと思いますが、最後に防衛大臣が、信頼関係ですから、隊員の皆さんがこの人のためなら命を懸けてもいいというぐらいの心意気があるのかないのか。今、逆に言えば、私どもは人気商売というリングで戦ってきたので、ファンの人がどういうふうに見ているかというのはもう本能的にそれを感じ取ったりしておりました。 リーダーとしてしっかり役目を果たしてもらうために、どういう隊員の皆さんが期待と目線で見られているか、お答えください。
○国務大臣(稲田朋美君) 今委員御指摘になりましたように、南スーダン、私も南スーダンに視察に行った際には自衛隊の諸君が本当に過酷な環境の中でしっかりと活動をし、しかも世界から非常に感謝をされているという状況を目の当たりにしたところでございます。 さらに、十月二十三日には駆け付け警護の訓練も視察をさせていただいたところでございます。その中で、しっかり、一連の状況の中でスムーズに訓練が進んでいるということも確認をさせていただいたところでございます。 そんな中において、委員が御指摘のように、しっかりとこの国の防衛を守っていく、そういった覚悟を持って私も職務に邁進したいと考えております。
○アントニオ猪木君 終わります。
○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一です。 パリ協定の審議の遅れは、米中が協調し、EUが特別措置で批准するという事態を想定し得なかった外交失態にほかなりません。 では、幾つか伺います。 在日米軍及び米軍基地から排出される温室効果ガスは、パリ協定上、我が国の排出量の内数に含まれるのでしょうか。
○政府参考人(相星孝一君) 在日米軍の施設・区域から排出される温室効果ガスに関しましては、必ずしも全てが我が国の温室効果ガスの排出として算定対象となるわけではございません。在日米軍の施設・区域におきましても我が国の法令は適用されますが、その執行に当たっては、日米地位協定第三条によって米国に与えられている管理権との調整が必要となるからでございます。 いずれにせよ、在日米軍の施設・区域における温室効果ガスの排出量算定につきましては、米国において適切に対応されるものと理解しております。
○伊波洋一君 パリ協定などに見られるように、環境は人類共通の財産、言わばグローバルコモンズであり、多国間の条約で規制していこうというのが国際的な流れであります。生物多様性の保全もその一つであります。 前回、当委員会で私から、日本環境管理基準、JEGS十三章の規定に基づいて沖縄県の米軍北部訓練場のオスプレイパッド建設工事の自主アセスを米国防総省環境司令官に渡したかという問いに、防衛省深山地方協力局長は、調査段階の平成十六年六月に在日米軍司令部に説明し、自主アセス案を公表する直前の平成十七年の十月に現地在沖海兵隊司令部に内容を説明したと答弁されました。それぞれ具体的にどのような説明をされたのでしょうか。
○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。 前回、御指摘のとおりの答弁をさせていただきました。その具体的内容につきましては、その細部につきましては米側との関係もあり、お答えすることは差し控えたいと思いますが、概要を申し上げますと、十六年六月、在日米軍司令部に対しまして環境への影響についての調査結果を説明し、ヘリパッドの移設数等について議論が必要となる旨を伝えまして、米側からは一定の理解が示されたところでございます。また、十七年十月には、在沖海兵隊司令部に対して環境影響評価図書案の概要を説明いたしました。これにつきましては特段の意見等はなかったものでございます。
○伊波洋一君 私、前回、委員会でも指摘をしましたが、米軍の要求に従ってヘリパッドが造られているというふうにアセスではきちんと書いております。今、深山局長がお話ししておりますのは、やはり米軍に対して、ここはとても重要な環境だから、二つ造る要求に対して一つにしたり、あるいは七十五メートルのヘリパッドに対して整備をするのは四十五メートルとか、そういうものではなかったんでしょうか。 防衛省と環境省はいわゆる自然管理計画の報告も受けておりますけれども、防衛省と環境省は米軍北部訓練場の自然資源管理計画の内容を初めて知ったと思いますが、そこで説明を受けてですね、先日。防衛省は自主アセスで判明した希少種の生息など貴重な情報を米軍に伝わっていたと考えていますか。特に、予定地G地区、H地区に希少種が多数存在すること、米軍にきちんと伝わり理解されているのでしょうか、お答えください。
○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。 米側は、日本側関係機関から得られた様々な情報を基に自然資源管理計画を作成しておると承知いたしております。同計画には、ノグチゲラ等の絶滅危惧種や植生管理等のための手順のほか、ヘリコプター着陸帯の移設計画等について記述されていることを確認しており、防衛省が行った環境影響評価による環境調査の内容も適宜反映されているものと考えております。 その上で申し上げますと、北部訓練場におけるヘリパッド移設工事に関するこれは我が方の環境影響評価図書の作成に当たりましては、適宜米側に説明しておりまして、今先生からもお話がありましたように、ヘリパッドの数、当初七つでありましたが六つの移設にとどめたこと、七十五メートルの大きさであったところを四十五メートルに縮小するなど、環境への影響を最小限にとどめる構造といたしたところでございます。
○伊波洋一君 はっきりはしないんですよね、答弁を聞いても。一体どういう図書が向こうに渡ったのか、どういう説明をしたのか、その答弁の中で明らかではありません。 JEGSには、自然資源管理計画の作成に当たり、しかるべき日本政府当局と調整を行うと書いてあります。文化庁は、しかるべき日本政府当局に含まれているんですか。自然資源管理計画の作成過程で米軍とどのように調整をしたのでしょうか。
○政府参考人(藤江陽子君) お答え申し上げます。 JEGSにつきましては、在日米軍により作成される環境管理基準であると承知しております。文化庁におきましては、JEGSの内容改定に当たりまして、環境省からの照会に対して意見を提出する対応を行ってきているところでございます。 また、文化庁におきましては、自然資源管理計画に対する直接の意見照会は受けていないところでございますが、JEGS十三章に記載されました米軍施設内に生息する可能性のある天然記念物の動物のリストについて確認を行った結果を回答しているところでございまして、こうした情報を踏まえて適切な環境管理が図られているものと考えております。
○伊波洋一君 前回確認したように、米軍オスプレイパッド建設等、オスプレイ訓練によって、沖縄県の調査で、個体数が三百二十羽から三百九十羽と言われる特別天然記念物ノグチゲラが少なくとも五羽、バードストライクで死亡しています。 二〇一四年十月二十九日の沖縄タイムスと琉球新報の報道によれば、東村ノグチゲラ保護監視員の中村氏、当時は、約四十年近く東村のノグチゲラを調査、観察してきたが短期間で四羽も死ぬのは初めて、環境の変化といえばオスプレイの飛来しか考えられず、重低音でパニックを起こしているのかもしれない、異常事態と捉えている、ノグチゲラは国の特別天然記念物だ、県民、国民全体の問題として考えなきゃいけないと話しているそうです。 G、H地区では二十七か所以上も営巣跡が見付かっています。つがいでいるとすれば、三百数十羽しかいないと言われる中、六十羽近くがG、H地区に生息している可能性があります。バードストライクの原因がオスプレイ建設工事かオスプレイの運用かはともかく、これは文化財保護法百六十八条の保存に影響を与える行為であると考えます。 文化庁は、事業者である防衛省と事前協議をいつ実施したのですか。G、H地区にノグチゲラの営巣が二十七か所あることも確認した上で事前協議は実施しているのでしょうか。
○政府参考人(藤江陽子君) 北部訓練場ヘリコプター着陸帯及び進入路の設置については、那覇防衛施設局長からの協議に対し、平成十九年五月、文化庁から回答を行ったところでございます。 協議におきましては、G、H地区内におけるノグチゲラの営巣に関する情報も確認しております。また、改変区域内に鳥類の営巣保護区はないとされていたところでございます。
○伊波洋一君 自主アセスでは建設の際はCH53ヘリの運用を前提にしておりますが、実際に運用されているのはオスプレイです。 今回、資料として配付しております資料、オスプレイの実際の騒音が百デシベルやあるいは九十九デシベルなど、そしてまた、熱排気の資料等が添付してありますが、併せて一番最後にはCH46とオスプレイの差が、およそ十五デシベルほどオスプレイが高いという調査結果も添付してございます。 前回の答弁の中で、オスプレイはCH46よりレベルが低いというそういう説明がありましたけれども、何を根拠にオスプレイが静かと言うのか、その根拠を明確に御説明ください。
○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。 北部訓練場におけるヘリパッド移設工事に関する環境影響評価におきましては、御指摘のとおり、CH53を対象機種として実施しているところでございます。これは、当時沖縄で運用されたヘリで最も騒音が大きいものがCH53ヘリだったためと承知しております。 このCH53Eとオスプレイの騒音レベルでありますけれども、これは別の工事でありますが、普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価で我々数字を挙げておりますけれども、例えば、音源からの距離が百五十二メートル離れたところでいいますと、CH53Eが八十九・三デシベルに対してオスプレイが八十八・〇デシベル、音源からの距離が約三百五メートルであるところで計測いたしますと、CH53が八十三・〇デシベル、オスプレイが八十一・〇デシベル、こうした計測結果がございますので、CH53EとMV22のオスプレイとの比較、CH53Eを対象機種として行った北部訓練場に関する環境影響評価については、これはオスプレイを導入するということでも変更の必要はないと考えておるところでございます。
○委員長(宇都隆史君) 時間を過ぎておりますので、質問をまとめてください。
○伊波洋一君 まとめますが、私の質問は、深山さん、46に比較して、これと比較しましてもオスプレイの騒音はおおむね低くなっているということでございますという答弁に対するその根拠を示してくださいということです。 ですから、そのことについて答弁をいただいて、午後につないでいきたいと思います。どうぞ。
○委員長(宇都隆史君) 時間過ぎておりますので、簡潔にお願いいたします。
○政府参考人(深山延暁君) 46との比較におきましては、当方が、防衛省がMV22オスプレイという説明資料をこれは平成二十四年に出しておりますが、この中で私どもは米側環境レビューのデータを引用しておりますけれども、これによりますと、また必要があれば資料等お出しいたしますが、例えば高さ二百五十フィートの場合にCH46は百一デシベル、転換モードの場合、ナセル角八十度で百、六十度で九十七、固定翼モードで九十三と音量は小さくなるという、などなどのデータを得ているところでございます。
○伊波洋一君 引き続き、午後、続けます。 ありがとうございました。
○委員長(宇都隆史君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十五分まで休憩いたします。 午後零時十二分休憩 ─────・───── 午後一時十五分開会
○委員長(宇都隆史君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。 この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、井上哲士君、青山繁晴君及び藤田幸久君が委員を辞任され、その補欠として武田良介君、今井絵理子君及び浜野喜史君が選任されました。 ─────────────
○委員長(宇都隆史君) 休憩前に引き続き、パリ協定の締結について承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○福山哲郎君 お疲れさまでございます。福山でございます。よろしくお願いいたします。 ちょっと盛りだくさんですので、もうさくさくと行きたいと思います。 まず、法制局長官、お忙しい中御足労いただきましてありがとうございました。部長でもいいと申し上げたんですけど、わざわざお顔を見せていただいてありがとうございます。 本日の朝刊に、読売新聞でございますが、内閣法制局が九条の解釈集、憲法関係答弁例集、第九条・憲法解釈関係というものを五百四十九ページで作られたというふうに記事が載っております。大変重要な私は答弁例集だと思っておりまして、新聞にもう出ておりますので、この答弁例集の存在について、まず事実かどうか、御確認をいただければと思います。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 御指摘の憲法関係答弁例集、第九条・憲法解釈関係と題する当局における執務資料を作成しております。
○福山哲郎君 実在するということを認めていただきました。 それでは、これはもう情報公開請求で出されているということでございますので、当然外交防衛委員会の委員のメンバーには開示されるべきものだというふうに思っておりますが、それは可能ということでよろしいですか。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 国会からの、委員会からの求めがあれば適切に対応いたします。
○福山哲郎君 基本的には国会で協議すればいいということでございますので、委員長にお願いをします。 この答弁例集について是非各委員に配付をいただけるように理事会で協議をいただければと思います。今、長官の御発言は決して否定的な話ではなかったと思いますので、よろしくお取り計らいをお願いします。
○委員長(宇都隆史君) ただいまの件につきましては、後刻理事会にて協議をいたします。
○福山哲郎君 長官、どうぞ中座いただいて結構でございます。ありがとうございます。 続きまして、午前中も核兵器禁止条約について浜田先生の質疑がありましたが、重複もするかもしれませんが、お伺いをしたいと思います。 現在、国連総会の第一委員会において、核兵器禁止条約をめぐって交渉する会議を来年から立ち上げるという決議が提出、議論されていると聞いております。この決議の内容、今の議論の状況、採決の予定、事実関係について、外務省、お答えください。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の決議ですが、国連総会第一委員会において、オーストリアそしてメキシコ等が提出を考えているものであり、二〇一七年に、国連の下で市民社会等の参加を得て、核兵器禁止条約の交渉を開始することを求める内容となると承知をしております。 ただ、文言につきましてはまだ調整中だというふうに認識しておりますし、十月二十七日から十一月三日の間に採択が行われる予定であると承知をしております。
○福山哲郎君 これは、恐らく出席国の過半数で採択をされる案件になるというふうに思うんですが、現状の賛成国の状況というのは、外務大臣、お分かりいただけますか。政府委員でもいいんです。
○国務大臣(岸田文雄君) 現状の賛成国はどうなっているかという御質問ですが、共同提案国としてはオーストリア、メキシコ、ナイジェリア、ブラジル、南アフリカ、アイルランド、この六か国が共同で決議案を提出し、現時点で約四十か国の共同提案国がいると承知をしています。
○福山哲郎君 この時点で四十か国ということですから、過半数で採択されるとなると、採択される可能性もそれなりに高いということだというふうに考えております。 私は、むやみやたらに、この核兵器の問題は難しいので、日本に賛成をしてくれと言いたいわけではありません。もちろん、先生方御案内のとおり、日本は広島、長崎に原爆が投下をされました。世界で唯一の被爆国として非人道性を世界に発信する役割はあります。今年、安倍政権が御苦労いただいたオバマ大統領の広島訪問等もその一環であったと私は思っております。我々の政権のときも、そのことについて、岸田外務大臣にしっかり引き継いでいただいているNPDIの創設も含めて、核軍縮や核の非人道性を世界にしっかり伝えていくという役割があると思います。 しかし、一方で、日本はアメリカの核抑止力に依存している安全保障政策を持っております。直近の北朝鮮の核開発を考えれば、なかなか、核の抑止を考えると、すぐに核兵器の禁止という議論に至るのかどうか非常に難しい局面だと私は思っております。直ちにコミットしにくい。 日本は、実は長期的には核兵器の縮減というか核兵器を減らすことについてコミットするということを国連の場でも何度も表明しておりますし、我々の政権のときもそうでしたし、自民党の政権のときもそうだったと考えております。 今回のこの禁止条約がもし本当に採決をされるに至れば、今のお話ですとほぼ採決されるだろうと思いますが、理屈を言えば日本は四つの道があると。一つは積極的にコミットして賛成をする。二つ目は条件付に賛成をする。例えば、世界の安全保障体制がこれが強化されるとか、核保有国の将来的な参加の動向だとか、会議の運営方法だとか、いろんな条件の中で日本が賛成をするのが二つ目。三つ目としては、なかなか難しいところですが、関与せず、いわゆる棄権をすると。そして、四つ目が反対をするという選択肢だと考えております。 私は、広島、長崎があり、今年、オバマ大統領が広島に歴史的に訪問いただいたこの年の核の禁止条約についての国連の場での採決ですから、私自身は基本的に反対を日本にしていただきたくないと考えております。それは、やっぱり日本は長期的には核兵器禁止条約に関する議論にはコミットするんだと、長期的にはですね。今の足下の安全保障状況は別にして、長期的にはコミットしていくんだということをやはり私は世界に表明していただきたいと思いますし、更に言えば、反対するようなことがあれば、国内外では日本は二枚舌なのかということで理解が得にくいと。 ですから、私としては、条件付の賛成若しくは棄権という選択肢しかないと私は思っておりますが、そのときには当然、核保有国であるアメリカとの緊密なコミュニケーション、日本の立場の理解を求めることが重要だと考えております。 今、どういう形で外務大臣がこの核兵器禁止条約について日本として対応しようと考えておられるのか、率直にお述べをいただければと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、核兵器のない世界を実現するためには、核兵器の非人道性に対する正確な認識と、そして厳しい安全保障環境に対する冷静な認識の下に、核兵器国と非核兵器国の協力を得られるような実践的な、そして現実的な対応を行っていかなければならない、これが我が国の基本的な立場です。 そして、今、国連総会の第一委員会に提出されている決議、これは十月の二十七日から十一月の三日までの間の採決を目指して、各国が今それぞれ決議の提出に向けて努力を続けています。 我が国としましては、今申し上げました基本的な認識の下に、我が国の決議を採択に結び付けるべく努力をしなければならないと考えます。より多くの賛成国を得て、そして核兵器国と非核兵器国の協力を訴えているわけですから、多くの核兵器国に我が国の決議に賛成してもらわなければならない、こういった思いで取り組んでいます。そして、その採択を実現した上で、他の国の決議に対して我が国としてどう対応するかということを判断しなければなりません。 その際には、核兵器のない世界を実現するためには、核兵器国と非核兵器国の協力なくして結果に結び付けることはできない、こういったことを訴えているわけですから、こうした核兵器国と非核兵器国の協力を実現するために、その決議に対して我が国としてどう対応するべきかを考えていかなければならないと思います。 その御指摘の決議については、文言まだ調整中だと認識をしていますが、この決議に対しては、今言った観点から我が国として具体的な対応を判断したいと思います。是非、決議を確認した上で、今申し上げた考えに基づき、核兵器国と非核兵器国の協力を実現するためにできるだけ前向きな対応を取っていきたいと考えます。
○福山哲郎君 日本の決議案の中身はどのような案なんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) これは、我が国の決議ですから、我が国が今日まで訴えてきた様々な要素を盛り込んだわけでありますが、NPT体制の強化、CTBT発効促進、あるいはFMCT早期交渉開始、こうした内容を呼びかける、核兵器廃絶に向けた新たな決意の下での共同行動、こうした題名の決議案を提出させていただいております。
○福山哲郎君 今、賛同国はどのぐらいございますか。
○国務大臣(岸田文雄君) 今確認できている賛同国、約九十だと聞いております。
○福山哲郎君 外務大臣のお話は、僕は一定、理があると考えております。核保有国と非核保有国が共同でやらなければ核の軍縮はあり得ない、もうそのとおりです。大臣が言われたNPT体制の強化等も含めて、私は、当然のことですから賛同国が多いのもごくごく私は自然なことだと思います。しかし、問題は、その核保有国と非核保有国の協働やNPT体制が現実の問題としてなかなか進まないことに多くの非核保有国のいら立ちがあり、その中でこの核兵器禁止条約の動きにつながっているんだと思っております。 我が国がその決議を出されることに対して私は多としますし、そのことに対していたずらに批判をするつもりもありませんが、そのことが動かないからこそ今の動きになっているんだということは、外務大臣も御理解いただいているというふうに考えていいですよね。
○国務大臣(岸田文雄君) おっしゃるように、昨年行われました五年に一度のNPT運用検討会議の議論を振り返りましても、核兵器国と非核兵器国の対立、誠に深刻なものがあると認識をしています。そして、その後もこの対立の構図は続いておりますし、内容も深刻な状況が続いていると認識をしています。だからこそ、この核兵器国と非核兵器国の協力を得るべく、唯一の戦争被爆国である我が国が率先してこの議論をリードし、そうした環境整備に努めなければならない、このように認識をいたします。 そのために、我が国としましても独自の決議をしっかり採択させていきたいと思いますし、他の決議への対応についても、そういった観点から前向きな結果につながるような対応を取っていきたい、このように考えます。
○福山哲郎君 今、他の決議についても前向きな対応になるようなということで、少し外務大臣、踏み込んでいただいたかなと認識をしておりますので……(発言する者あり)ちょっと、まだまだまだ。ちゃんと答弁していただきますから。 少し前向きな答弁をいただいたかなと思って若干私は期待したんですが、実は、その我が国の決議は、申し訳ありませんけど各国賛成するのは当然なんです。そこを超えたところに今回の核兵器禁止条約についての動きがあるんです。だから、我が国の決議について各国がどう動いたかによって、我が国が次の、今の核兵器禁止条約についてどうなのかではなくて、今のこの核兵器禁止条約の動きについて日本がどうコミットするかということが重要で、もちろん、我が国の決議に対して私は先ほどから何度も申し上げているように否定はしませんが、それを超えた上でこの核兵器禁止条約についてどういうポジショニングを取られるつもりなのか、もう一度お答えいただければと思いますし、何か答弁の変更があればお答えください。
○国務大臣(岸田文雄君) まず確認ですが、先ほど前向きな対応と申し上げましたのは、核兵器国と非核兵器国の協力を得るために前向きな対応を取りたいと、他の決議においても取りたい、そのように申し上げました。 そして、我が国の決議、賛同いただけるのは当然ではないかという御指摘ありました。もちろん、そういった内容もありますが、我が国がこれまで取り組んできた様々な取組、被爆地に対する世界のリーダーの訪問など、我が国独自の内容もしっかり盛り込んでいます。いずれにしましても、我が国の決議の採択、大変重要であると認識をしています。 そして、他の決議に対する対応についての御質問でありますが、まずは内容をしっかり確認した上で、先ほど申し上げました基本的な立場に立って、議論を促す上で意味のある対応をしっかりしていきたいと考えます。
○福山哲郎君 私は、きっと、外務大臣は広島でいらっしゃるし、これまでも核兵器の廃絶に向けて御努力をいただいていると思っていますので信頼申し上げておりますが、でき得れば、安全保障環境は厳しい、北朝鮮の問題もある、日米安保条約もある、核の抑止力に我々は依存しているということを理解した上で、アメリカとしっかりコミュニケーションを取っていただいて、私としては、条件付賛成か関与せず、まあ関与せずも非常に難しい選択でございますが、そういう選択を我が国の政府がしていただくことを強く望みたいと思います。 稲田大臣、全く稲田大臣にはこの議論は関係ない議論かもしれません。日本は、実は長期的には核兵器の廃絶についてコミットしています。稲田大臣が雑誌で言われている、長期的には日本独自の核保有を単なる議論や精神論ではなく国家戦略として検討すべきではないでしょうかというのは、今ある核兵器の禁止条約の議論、それから、日本がずっと非人道性と安保条約のはざまの中で、核の抑止のはざまの中で先人が努力をしてきた形とは全く懸け離れた議論が、稲田防衛大臣の、まあ野党時代とはいえ、議論がございます。 この間の国会の中で稲田防衛大臣は、この問題については、今は安倍政権の方向に従うけれども、このことについては撤回をしないと明言をされました。まさに今国連で議論をされていること、岸田外務大臣が非常に難しいお立場の中で御議論いただいていることとは真逆というか正反対の議論を稲田大臣はされています。 稲田大臣はこの核兵器禁止条約についてどういう考えをお持ちなのか、お答えください。
○国務大臣(稲田朋美君) 今御指摘の野党時代の雑誌における私の発言でございますが、この発言は、当時の状況や、また雑誌における、対談における、そして文脈の中における一政治家個人としての意見を述べたもので、予算委員会で撤回しないと申し上げましたのも、そういった文脈の中の過去の一政治家としての当時の状況の下での発言について、撤回する撤回しないということではないのではないかという意味で申し上げたものでございます。 その上で、防衛大臣としての私の考えでございますけれども、唯一の戦争被爆国として我が国は非核三原則、これを国是として堅持しております。そして、その考えに揺るぎがあるものではありません。私自身も、安倍内閣の一員として、核兵器のない世界の実現に向けて全力で取り組む所存でございます。 今御指摘の核兵器の法的禁止に関する決議案に関してでございますが、先ほど来御議論がございましたように、国連総会第一委員会には御指摘の決議案も含め様々な種類の決議案が提出され、他国の提出した決議案に対しては、核兵器のない世界を実現するためには、核兵器の非人道性に対する正確な認識と厳しい安全保障環境に対する冷静な認識の下、核兵器国と非核兵器国双方の協力を得て現実的、実践的な措置を積み重ねていくことが不可欠であるという我が国の基本的立場を踏まえて対応していく、先ほど外務大臣が申されたとおりでございます。
○福山哲郎君 全く納得できません。今のは、安倍政権というか我が国の基本的な立場です。 大臣は、国防が全てアメリカ任せという現状ではそれができない、その後に、短中期的にはアメリカの核の傘を頼る、シェアすることで乗り切る、しかし長期的には国家戦略として検討すべきだと。その当時の状況とか言われましたけど、核の状況については北朝鮮の問題も含めて余り大きな変化はありません。逆に言うと、それは悪化はしているかもしれませんけど、全体としては変わりません。 その中で、野党だから、文脈だからと。じゃ、野党時代、私たちが何を言っても、閣僚席に座った瞬間、あのときは野党だから許してくれと言ったら皆さん通してくれるんですね、自民党の皆さん、これから。もう野党時代にあんなこと言っていたという話はなくなるんですね、国会の中で。 私は、一政治家であろうが、一閣僚であろうが、私は言葉というのは重いと思いますよ。撤回しないとあなたは国会で言ったんですよ。撤回しないということは、世間は、あの防衛大臣は中長期的には日本は核を持つべきだと議論している大臣だと国際社会ではあなたは見られるわけです。 しかし、一方で、国連では岸田大臣も含めて我々は唯一の被爆国としての本当に厳しい状況と核の傘にいる中で、外務省も歴代政権も苦労されながらこの国際社会の中で対応されてこられたわけです。このことについて、あなたはどう考えるんですか。日本は、中長期的には核の廃絶についてはコミットするとずっと国連の場で主張しています。そのことについては、中長期的にはまさにあなたの意見とは真っ向からこの国の政府は対立をしています。そのことについてどう思われるか。そして、撤回されるんだったら撤回されるとおっしゃっていただいた方がいいと思いますので、もう一度御答弁をください。
○国務大臣(稲田朋美君) 何度も答弁いたしておりますが、当時の状況の日米関係における危機感の下で一個人として発言したものでございます。そして、先ほど来、防衛大臣としての私の考えは、核兵器のない世界の実現に向け、全力で取り組む所存でございます。 その上で、撤回するかしないか、これは再三委員会で質問されて、そして私は、その過去の、野党時代の、そして当時の私の危機感の下で、雑誌の中の対談、相手があるものの対談の中の文脈の中で申し上げた個人的な発言であるので、防衛大臣として国会の場で撤回するような性格のものではないという意味において撤回はしないということを述べたものでございます。
○福山哲郎君 あなたは、そうしたら、防衛大臣を離職された時点でこの考え方はあなたの中には残るということですね。個人の政治家としてはこの問題を発言した、防衛大臣としては今の安倍政権の政策を踏襲すると。ということは、あなたは、防衛大臣をお辞めになればこの考え方はずっと継続されるとおっしゃっているんですね。
○国務大臣(稲田朋美君) そういうことを申し上げているのではなくて、今御指摘の、個人的な発言をいたしました当時の私の現状の認識、すなわち日米関係に対する、日米同盟に対する大変な危機感の下で一政治家として申し上げたということを予算委員会でも繰り返し述べたところでございます。そして、私は今防衛大臣としてこの場で答弁をいたしております。そして、それを、過去のことについて撤回をする、そういったものではないということを申し上げたということでございます。(発言する者あり)
○委員長(宇都隆史君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(宇都隆史君) 速記を起こしてください。 稲田防衛大臣。
○国務大臣(稲田朋美君) 繰り返しになりますが、先ほど来申し上げていますとおり、その御指摘の発言は、当時の私自身の認識の下での、当時の一政治家としての発言でございます。現在、私はこの場に防衛大臣として答弁をいたしておりますので、今防衛大臣として申し述べさせていただいたとおりでございます。核なき世界の実現に向けて全力を尽くしてまいる所存でございます。
○福山哲郎君 全く答えていただいていないんですけど、私が質問したのは、防衛大臣を辞められた後は、あなたは一個人の政治家として、この雑誌に言われた考え方を踏襲されるんですねと申し上げているんです。私は、防衛大臣としてのあなたの答弁はもう何十回も聞いています。お答えください。
○国務大臣(稲田朋美君) 私は、ここに防衛大臣として答弁をする立場でおりますので、防衛大臣として答弁をさせていただきます。 その上で、先ほど御指摘になった発言は、当時の状況、当時の状況の私自身の認識であり、今は状況は変わっているということもまた事実でございます。
○福山哲郎君 ということは、状況認識は変わって、今考え方が変わったということですね。
○国務大臣(稲田朋美君) 防衛大臣としての私の考えは、核なき世界を目指して全力を尽くす所存だということでございます。
○福山哲郎君 当時と状況認識は変わったということですね。
○国務大臣(稲田朋美君) 日米同盟に関する、その強さに関する認識は変わっております。
○福山哲郎君 こんなくだらないことを質問したくないんですけど、なぜかというと、もし万が一この核禁止条約について日本政府が反対という立場を取られることもあり得るかもしれない、そのときに、国際社会は、あの防衛大臣がいるからだというふうに見られることもあるということです。そういう冷徹な国際政治の現実の中であなたは防衛大臣を今やられているんです。個人の意見がどうのこうのというレベルを超えているんです。 だから、もしこのときの考え方が間違っているんだったら、間違っていて認識を変えましたと言っていただければすっきりするのに、そこも中途半端だからこそ、あなたは、必ずこの核兵器の禁止条約についての意思決定のときに、意思決定に加わるんです、防衛大臣だから。だから私は聞いているんです。 もう一度お願いします。もう認識は変わったんですね。
○国務大臣(稲田朋美君) 御指摘の発言をした当時の日米同盟の強さに対する状況に関する認識は変わっております。その上で、私は今防衛大臣としてこの場におります。防衛大臣としての考えは、核なき世界の実現に向けて全力を尽くす所存でございます。
○福山哲郎君 質問を適当に変えないでください。日米同盟の認識が変わったか変わってないかなんて聞いていません。 じゃ、明確にお答えください。長期的に日本独自の核保有を単なる議論や精神論ではなく国家戦略として検討すべきという考え方は、今お持ちではないんですね。イエスかノーかでお答えください。
○国務大臣(稲田朋美君) 我が国が核兵器を保有することはあり得ず、保有を検討することもあり得ないと考えております。
○福山哲郎君 ということは、このときの考え方と変わったということですね。イエスかノーかでお答えください。今まさに変わったことをお答えになったんだから。
○国務大臣(稲田朋美君) 防衛大臣としての私の意見は、今述べたとおりでございます。
○福山哲郎君 明確に変わったということで、要は過去の発言については、誤り、間違っていたと、自分としては認識が変わったということを認められたということだというふうに思います。ほかの時間がないので、もう先に行きます。 パリ協定についてお伺いします。 お手元に資料をお配りしております。これ、本会議ではお配りできなかったので、今日あえてお配りしました。 もう皆さん御案内のとおりかもしれませんが、これが実は今年のニュートンという雑誌に載った写真です。一番上が、皆さん御案内のように、フィリピンのハイエンというスーパー台風の後の町の様子です。下が、皆さんも御記憶にあると思いますが、アメリカのハリケーン・カトリーナの後の様子です。そして、衝撃的なのが右でございまして、同じカリフォルニアの同じところの写真です。二〇一一年にはこれだけの水の貯水があったダムが、二〇一四年には同じ橋のところに全く水が残っていないという状況になっています。こういう状況はここだけではありません。世界各地で広がっています。 私も、野党時代からこの問題はずっとやってきて、世界中のいろんな気候変動の異常気象の現場に行ってまいりました。海の底で白化現象が起こっているサンゴ礁、それから沈み行く島々、それからモンゴルで砂漠化している地域、あらゆるところ、いろんなところを見てまいりました。まさに、実は異常気象は将来の問題だと思っていたのが、我々の世代にも目の前に起ころうとしています。これがこのまま温室効果ガスが増加をすれば、二〇五〇年ではなく、もう日を追うごとに全国で、世界中で被害が広がる。だからこそ、パリ協定で二度C以内に抑えるということをコミットするということを世界が決めました。これが異常気象の状況です。 外務大臣もそのことはよくお分かりだと思いますが、この写真を見て一言御感想なり御決意をいただければと、環境大臣にもいただければと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、この資料、写真を拝見いたしまして、改めて気候変動問題の現状に大きな衝撃を受けますし、何よりもこうした変化が急速に進んでいることについて強い危機感を感じますし、それから、将来の世代に対して、我々は今、この今の時代を生きている人間として大きな責任を担っているということを痛感いたします。 私も様々な国際会議等に出る中にあって、国際的にも、環境問題、気候変動問題をライフワークとする多くの政治家に接してきました。アメリカのケリー国務長官もフランスのファビウス外相も、まさに気候変動問題、環境問題こそ自分にとって最大のライフワークであるということを強調しておられました。こうした問題意識を改めて共有し、努力をしていかなければならない、こういったことを強く感じております。
○国務大臣(山本公一君) 改めまして、このフィリピンの台風も、そしてまたニューオーリンズのハリケーンも、そしてカリフォルニアのダムの写真も、のみならず、やっぱり今年は特にこの日本の国内においても、私の立場からいいますと、まさに気候変動じゃないかと思うような状況が続いてまいりました。 いろんなことを言う方がいらっしゃいます。地球温暖化を、気候変動をもたらしているのはCO2ではないという方も中にはいらっしゃいます。それを承知をいたしておりますけれども、私どもは、今の気候変動というのはまさに地球温暖化、CO2によるものだと私は固く信じております。そういう意味において、CO2を削減しようという世界的な、京都会議から十八年掛かりましたけれども、やっとその世界的な潮流ができてきたということを、今これを機にして、この気候変動問題について政治が、各国が取り組んでいくべきだと、かように思っております。
○福山哲郎君 私は、本会議での答弁やこれまでの記者会見の山本大臣の答弁を聞いて、非常に実は心強く思っています。環境省はこれまでの国内調整の中でも非常に弱い立場でした。大臣がやっぱりリーダーシップを取っていただいて、やっぱり外務省、経産省を引っ張っていただくようなことを是非お願いしたいと私は本当に期待をしております。 その中で大臣に申し上げるのは甚だ恐縮なんですが、岸田大臣がパリ協定の年内発効に向けて頑張ってきたと、さらにはサミットの首脳宣言でもまとめてきたと、議長としてとずっと言われているんですが、何と、サミットで安倍総理が早期に批准する、年内発効という目標を言った直後に、丸川当時の環境大臣が、何と、少なくとも次の通常国会中にお願いしたいと発言をしています。先ほどの藤田委員の外務省が年内の発効はありませんよと言っていたというような報道と、実はこの丸川大臣の通常国会にお願いしたいという答弁は、まさに平仄が一致をしております。つまり、環境省も外務省もやっぱり年内の発効を見誤ったと。そして、なおかつ、サミットでは年内発効をコミットして、国内では環境大臣は通常国会だと言って、国内には正直言って別のことを言ったと。 外務大臣は正直にいろんな調整に時間掛かりましたとおっしゃっておられますが、いや、これは、サミットでのコミットと国内での国民への説明が違うというのは、これ非常に問題だと思いますし、結果として環境省も外務省も年内発効を見誤って、第一回締約国会議に出席できなくなっていると。 私は、本当に外交的には問題だと思います。外務大臣は、私の本会議の、アメリカから事前の連絡が中国との批准であったかということについては明言をされませんでした。なかったと外務省も環境省の役人はおっしゃっています。私は、やっぱり官邸ないし安倍政権の消極的な対応がこの結果になったんだと考えています。非常に残念です。 第一回締約国会議は全参加国で参加をするんだというのがさっきプレCOPで議論になったと何かアリバイのように答弁されていましたが、私も国際交渉見てきました。今回は締約国にインド、中国が入ります。そう簡単にオブザーバーに参加をさせたり、オブザーバーの意見を聞きましょうという空気になるかどうか。初めての締約国会議です。空気は分かりません。行ってみなければ分かりません。私はそんな甘いものだとは思っていません。だからこそ、今回のこの批准の遅れは非常に残念だと考えています。もう時間がなかったので、質問にしないでべらべらと話してしまいました。 環境大臣、この丸川大臣の対応、それから年内発効を見誤ったのではないかという指摘についてどのようにお答えになるか、お答えください。
○国務大臣(山本公一君) 福山議員の御懸念は十分に共有できると思っております。その上で申し上げたいと思いますけれども、私は、COP22の舞台において、日本という国は私は存在感は失わないといまだに固く信じております。 いろんなことはございましたけれども、私は胸を張って、もし国会がお許しをいただけるのならば会合に参加をいたしたいな、そして日本の意見を言いたいなと思っています。このことを申し上げますことは、ここのパリ協定に至るまでの過程において、とにかく京都会議以降、全ての国が参加するという、ここまで来るのにすごい時間が掛かったと。いろんな議論があって、やっと全ての国が同じ土俵に上がってくることができたと。その過程において我が国が果たした貢献度というのは、私は、必ずや、いろんな意味において、あの舞台において各国が評価してくれるものだと、そのように思っておりますから、私は、もし国会が許していただけるならば、COPの場に参加して堂々と意見を言ってきたいなと、かように思っております。
○福山哲郎君 半ば大臣はお認めになられたと思います。 日本が貢献してきたことはもちろんですが、その中で、二〇〇九年の我が党が政権を取ってきたときの演説等が、実は、この間本会議で申し上げましたように、コペンハーゲン合意、カンクン合意、そしてパリにつながっているということも事実だということを是非皆様には御理解をいただきたいと思います。 その中で、残念ながら日本の存在感はどんどん落ちています。我が国の約束の二六%削減では、二〇三〇年までの取組で二酸化炭素の排出で約十五ギガトンもギャップがあります。二度目標達成のためにそのぐらいのギャップがあります。国際NGOのクライメート・アクション・トラッカーは、日本の削減目標は不十分という最も低い評価をしています。 是非、日本は、ギャップを埋めるために、二〇一八年には目標の引上げの対話も開かれますので、あと二年しかありません。目標を引き上げ、そしてそのためにどのように準備をするのか、そのことについて環境大臣に決意をいただきたいと思いますし、三年ごとの地球温暖化対策計画も前倒しするべきではないかと考えますが、大臣、お答えください。
○国務大臣(山本公一君) まず、先生御指摘の野心的ではないという評価があるということについて申し上げたいと思いますけれども、私どもは、二六%という数字を検討していく過程において、あらゆるものを積み上げたことによって策定をしたと、かように思っております。その上において、削減率やGDP当たり・一人当たり排出量等を総合的に勘案すると、我が国の削減目標というのはほかの国に比べても遜色のないものだと、さように思っておりますから、野心的ではないという評価は私は当たらないのではないかと、かように思っております。 その上で、先生御指摘のような温対計画に基づく三年ごとの見直し、これは今までのいろんなことを勘案しながら、また検証しながら、三年ごとに目標また施策について検討を行って、必要に応じて計画を見直すという柔軟性を持って対応したいなというふうに思っています。
○福山哲郎君 野心的か野心的でないかは、実は二度C目標に対してどれだけリアリティーがあるかです。今の二六%削減を延長して引っ張っていっても二〇三〇年、二〇五〇年の目標に立たない、到達しないギャップがあるから、逆に言うと野心的ではないという議論です。別に抽象的というか、誰かの評価で野心的かどうかと言っているのではなくて、二度C目標についてどうかということで議論をしているので、そのことについてきちっと日本がギャップをなくしていくような計画を立てたり、目標設定にするための上積みを是非お願いしたいと考えます。 実は、大臣はすばらしいことを言っておられまして、石炭火力はつなぎでも何でもない、石炭は先祖返りのような話だと、この間会見で言われました。大変勇気のある発言だと思います。 その中で、日本は石炭火力発電所が新設をされているんですが、この発電所の効率情報や設備利用率、発電実績、排出量、そういった評価がしっかり環境省に届けられなければ、その発電所が本当に適切かどうかについての判断ができないと考えます。是非、環境省としては、こういった石炭火力発電所の情報をきちっと把握できるような制度を環境省として御努力いただきたい、担保していただきたいと思っておりますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(山本公一君) 私の石炭火力に対する発言は、私、いまだに自分では間違ったことを言っていないと信じております。石炭火力というのは、いろいろ、私が知る限りにおいて、幾ら高効率のものであったとしてもCO2を発生することだけは間違いないことでございまして、それを考えていくときに、石炭火力発電所を新増設するということは私は世界の潮流に反するものだというふうに思っておりますから、あのような発言に至ったようなわけでございます。 その上で、今御指摘がございました排出量のいわゆるチェックをきっちりしろというお話なんだろうと思うんですけれども、御承知のように、環境と経産両大臣が合意をいたしております。省エネ法やエネルギー供給構造高度化法の基準の設定、運用の強化といった政策的対応等を行うことといたしておるということで、こういうことに対して環境省としては、毎年度こうした取組の進捗状況をレビューすることといたしております。その上で、経産省からの情報を踏まえて取組の進捗状況をしっかりと評価してまいりたいと思っております。 また、経産省から思うように出てこない情報等もあろうかと思いますけれども、各事業者からの、ホームページ等々を通じて各事業体の排出量その他については、取組状況については検証をしていきたいなというふうに思っております。
○福山哲郎君 山本大臣は正直な方だと思います。経産省から出てこないかもしれませんが、それを各事業所のホームページで我々調べたいと。それは駄目でしょう、日本の省庁内できちっとそれを制度的に担保してくださいと私はお願いしているんだから。冒頭申し上げたように、省庁間でそんなことやってたら世界から笑われますよ、大臣。そこを強くしていただくことが私が大臣に期待することだと申し上げました。 経産省からも来ていただいているので、一問だけお伺いします。 再生可能エネルギーですが、二〇三〇年度のエネルギー基本計画の見直しでは、再エネ比率が二二から二四になっています。しかし、今年の五月です。月間ベース、実は自然エネルギーの割合はとうとう二一%に達しました。五月の四日は九州電力管内では太陽光と風力だけで何と六六%です。 つまり、二〇三〇年に二二から二四というのはもうすぐに到達可能です。ですから、今の自然エネルギーの比率は余りにも目標として小さ過ぎる。ですから、少なくとも三〇%以上に引き上げるということも含めて、経産省としてもこの再エネの比率を三〇%、四〇%と引き上げていく、それに合わせて、先ほどから申し上げているように、温室効果ガスの削減目標を引き上げていく、そしてギャップを埋めていくということをしていただきたいと思うんですが、経産副大臣、いかがでしょうか。副大臣から。
○副大臣(松村祥史君) お答えいたします。 経産省でまとめております電力調査統計によりますと、本年五月の再生エネ比率は一六・八%となっております。ただし、これは小規模の発電事業者の電力量などを加えますと、先生御指摘のとおり、約二一%になるとの試算もあると承知をしております。これは、四月から五月は過ごしやすい気温であること、また、電力の消費量が低い一方で、日照量が大きく、太陽光発電を中心とした再エネの発電量が多くなるため、再エネ比率が年間比率よりも相対的に高くなっていることが原因と推測されます。 また、委員御指摘のとおり、九州電力管内では、本年五月四日の十三時時点におきまして、日中の太陽光、風力の出力が電力消費量の六六%を占める結果となったことは認識をしております。これは、五月四日はゴールデンウイーク中でもあり工場なども休みでございまして、また電力消費量が少なかった一方で、この日は晴れておりましたので、太陽光発電の供給量が増大するタイミングに合わせて火力発電の出力を抑制する運用を実施していたためであると、こう推測をしております。 その上で、昨年七月にお示しをいたしましたエネルギーミックスでは、御指摘のとおり、二〇三〇年度における年間を通じた再エネ導入の水準を二二から二四%としておりますけれども、季節によっては再生可能エネルギーの比率の高い時期、低い時期がございますので、足下の二〇一四年度においては一二・八%という水準でございます。これは、導入拡大の余地が大きくない、いわゆる水力を除けば足下は四%程度しかない再エネを二〇三〇年度には四倍程度にも導入拡大するという極めて野心的なものであると考えております。 引き続き、政策を総動員して再エネの導入拡大に取り組んでまいりたいと考えております。
○福山哲郎君 抽象的な決意はいただけるんですが、削減目標を大きくするべきではないかとか再エネを増やすべきではないかとか、経産省と環境省できちっと石炭火力について情報提供する制度が必要じゃないかということについては余り明確なお答えがされなかったこと自身が非常に残念だと思いますが、このパリ協定、大事でございますので、是非御検討いただきますようによろしくお願いします。 ありがとうございました。
○浜田昌良君 公明党の浜田昌良でございます。 午前中に引き続きまして、パリ協定の質問に入りたいと思います。 午前中の質問で、同僚議員から、このパリ協定の第一回締約国会合、協定上、そこの場で議論されることが六項目あるという外務省の政府委員からの答弁もございました。つまり、何かといいますと、協定四条の十のいわゆるNDCの共通の期間、協定六条の七の市場メカニズムに関する規則、方法及び手続、そして協定七条の三の適応に関する努力、協定十一条の五の能力開発のための最初の制度的な措置、そして協定十三条の十三の行動及び支援の透明性、そして六番目として協定十五条の三のいわゆる毎年の報告、この六項目があるわけでございますが、この六項目の中で特に我が国として重視するルールメーキングはどのように考えておられるのか、外務大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、パリ協定の中には、第一回締約国会合において検討、採択されると規定されている項目が列挙されているわけですが、それぞれにつきまして、今日までこの実施指針の策定を始め様々な形で議論が進められています。これ、どれを優先するというものではないと考えます。それぞれにつきまして、引き続きしっかり貢献をしていきたいと考えます。
○浜田昌良君 それぞれ重要な項目でありますが、少し聞き方を変えて質問したいと思いますが、我が国が議論を主導してきている二国間クレジット、JCMでありますが、これがまた、従来の京都メカニズムでは、類似のメカニズムでCDMとありました。それぞれパリ協定の何条何項に該当すると日本は考えているのか、それぞれの条項の市場メカニズム上の特色、違いはどういうふうに考えているのか、政府委員から御説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(相星孝一君) お答えいたします。 二国間クレジット制度は、途上国への優れた低炭素技術等の普及促進や対策実施による温室効果ガスの排出削減クレジットについて、我が国の貢献を適切に評価した上で獲得し、我が国の削減目標の達成に活用する制度でございます。本件は、パリ協定の六条の二及び三の中で、国際的に移転される緩和の成果、これが排出削減クレジットを指すわけでございますが、を国が決定する貢献のために利用することを伴う協力的な取組と規定しており、二国間クレジット制度は当該条項によって位置付けられていると考えております。 これに対し、京都メカニズムの下でのクリーン開発メカニズムに類する規定としましては、パリ協定の第六条四から七が挙げられます。そこにおきましては、温室効果ガスの排出に関する緩和に貢献し、及び持続可能な開発を支援する制度を締約国が任意で利用すると規定されておりまして、京都メカニズムの下におけるクリーン開発メカニズムのように、パリ協定の下で事業の実施からクレジットの活用に至る制度を整備することが念頭に置かれているものと理解しております。
○浜田昌良君 そうしますと、今の御答弁で、いわゆる京都議定書上のCDMは六条の四から七、JCMは六条の二から三ということですから、今回の第一回締約国会合で議論するルールである六条の七というのにはJCMは当たらないと。そうすると、JCMのルールメーキングはどういうふうに議論されていくんでしょうか。
○政府参考人(相星孝一君) JCMのルールメーキングについても、これからの、まさに今現在行われてきているパリ協定特別作業部会及び関連の会合において議論をされており、またこれからされる予定でございますけれども、二国間クレジットについて更なるルールメーキングの必要があるかどうかという点も含めて、この作業部会での議論になるかと考えております。 ここは新たなルールメーキングが、更に制度構築の必要があるという考え方もありますし、あるいはもう既にこのパリ協定の六条の中で、具体的な制度がパリ協定上規定されているという解釈もあると考えております。
○浜田昌良君 それでは、我が国が議論を主導してきました二国間クレジットについて、日本、またブラジルなどの国々の間で考え方の違いが出ているという御指摘もあるわけですが、どういう議論の状況なんでしょうか。 また、今経済産業省や環境省ではJCMのモデル事業をしていると思いますが、その主要相手国、インドネシアとかベトナム、タイ等はこのJCMについてどういう考え方をしているのか、お願いしたいと思います。
○政府参考人(相星孝一君) お答えいたします。 まずJCMに関しまして、これはパリ協定の第六条二及び三に規定されているものでございますが、各国の排出量の取引制度等、各国独自の削減クレジットの移転制度の活用を念頭に置いたものでありまして、我が国を始めアメリカ、豪州、カナダ、ニュージーランド等がこの取組を支持しております。これに対して、ブラジルやEUなどは京都メカニズムの下におけるクリーン開発メカニズムということで、これはパリ協定の第六条四から七に基づく枠組みを念頭に置いたものですが、京都メカニズムのクリーン開発メカニズムをパリ協定の下で事業の実施からクレジットの活用までの制度を整備することとして念頭に置いているものと考えられます。 我が国の二国間クレジットに対する考え方については、現在十六か国との間で二国間クレジットを実施してきておりますが、十六か国のパートナー国からはパリ協定上の位置付けについて疑問視する声は上がっておりません。我が国としては、JCMの経験を各国と共有することによって、パリ協定の下での市場メカニズムの構築に貢献していきたいと考えております。
○浜田昌良君 少し長い質問になってしまいましたが、今までの答弁を総合しますと、日本は、このJCM、二国間クレジット、六条の二に基づく割と緩やかな制度でやっていこうという考えであると。一方、ブラジルやEUは六条の四という割と固い制度、京都議定書上のCDMに近い、そういうメカニズムでやろうとしていると。これは非常に使いにくかったわけです。しかも、六条の四に位置付けられると。このルールメーキングが第一回締約会合のルールになっているわけです。そういう意味では、非常にこれについては重要なことでありますので、しっかりと日本の主張を押し通していただいて、六条の二にJCMがちゃんと位置付けられて日本の今後の活動がしやすくなるように、是非引き続き外務大臣の下で、また環境省と連動して頑張っていただきたいと思います。 ただし、このJCMについても、現在モデル事業が幾つかされておりますが、幾つか構造的課題も浮かび上がっていると聞いております。三点ぐらいあるんですが、一つは、少ないクレジット量というので、現在のクレジットの総発行量はまだ約二百トンぐらいという、JBICとかそういう公的ファイナンスの案件とか、補助上限額による制約から中規模以上のインフラ案件が全てJCMから除外されている問題。二番目には、高コストという問題で、現在で補助事業で約六十六億円を取得できる三十万トンで割りますと、トン当たり二万二千円もしてしまうという問題。これでもし、今、日本再興戦略では、JCMについて、二〇三〇年度までに五千万から一億トンを目標とするということで計算しますと、数兆円規模の予算も必要となるということも言われています。さらには、審査の長期化という問題で、削減量算出の使用量、各国間で、両国間で個別に案件ごとに決めると、こうなっておりまして、手続が煩雑であるということも指摘されています。 こういう構造的課題については今後どのように克服していくのか。それぞれモデル事業を担当されています経済産業副大臣、また環境大臣から順次御答弁をお願いしたいと思います。
○副大臣(松村祥史君) 浜田委員の御質問にお答えいたします。 JCMにつきましては、浜田委員御指摘のとおり、御指摘のような課題を克服していくことが非常に重要であると認識をしております。 そこで、本年六月に閣議決定されました日本再興戦略二〇一六では、JCM等を通じた優れた低炭素技術の海外展開について民間活力を最大限活用していくことが明記をされているところでございます。 経済産業省におきましては、これまでNEDOと連携をいたしましてJCMプロジェクトの形成に向けて取り組んできたところでございます。例えば、ベトナムの国営病院に約千台の省エネ型空調設備と統合運転する全体システムを導入する案件を推進中でございます。 今後、補助金を前提とした案件に限定せずに、民間ベースの案件を一層拡大していくことで発行クレジット量を増大させ、費用対効果を上げることにより、御指摘の課題を克服していきたいと考えております。
○国務大臣(山本公一君) 御指摘の点につきまして、環境省資金支援事業という範囲でお答えを申し上げたいと思いますけれども、JCM資金支援事業によりまして八十八件のプロジェクトを実施をしておりまして、年間で約四十六万トンのCO2の排出削減を見込んでおります。費用対効果につきましては、一トン当たりに要するコストが三千六百円であること、また審査期間はCDMと比べると約四分の一に短縮されていることなど、効率的な実施に努めてきております。 今後も、更に費用対効果を高めるための支援事業の要件の見直しや、民間資金を活用しJCMを実施するスキームについての検討を行ってまいりたいと思っております。
○浜田昌良君 是非、この構造的課題の改善を両省協力してお願いしたいと思いますが。 最後に、我が国の目標について質問したいと思います。 これにつきましては、先ほど福山委員の方から今後の目標引上げについての質問ございましたので、私は長期目標について質問させていただきたいと思います。 二〇〇九年、G8で宣言しました二〇五〇年に先進国が八〇%削減していくと。これを日本として実現していくためにはイノベーションが重要だと言われています。しかし、イノベーションというのは非常に、言葉はきれいですが、中身が何なのかとはっきりしないと。私自身は技術屋ですけれども、どういう技術なのかとはっきりしているわけじゃありません。 そういう意味では、そういうイノベーションに期待するのはあったとしても、もう一つ、やはり国際的な協力によって削減をしていく。先ほど議論しましたJCMを活発化させていただいて、しっかり日本がより活躍しやすいルールにしていって、それでその枠を日本の削減枠に取り込んでいくことによって二〇五〇年に八〇%削減を日本として達成していくことが重要と考えますが、この点につきまして、環境大臣、そして経産副大臣にそれぞれ答弁いただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(山本公一君) 長期目標につきましては、パリ協定では世界共通の長期目標として二度C目標を設定するとともに、今世紀後半に排出と吸収のバランスを達成する旨を規定をいたしております。 パリ協定の規定等も踏まえまして、我が国では地球温暖化対策計画において、長期的な目標として二〇五〇年までに温室効果ガスの八〇%削減を目指すといたしております。このような長期大幅削減を実現するためには、技術のみならずライフスタイルの変革や市場メカニズムの活用も含めた経済社会システムの変革が必要であろうかと思っております。
○副大臣(松村祥史君) お答え申し上げます。 まずは、パリ協定では、全ての国・地域が削減努力を約束をしております。このため、我が国企業が有する優れたエネルギー・環境分野の技術を積極的に海外に展開をいたしまして、世界全体での削減に取り組むことが必要であると考えております。国といたしましても、JCM等を活用しつつ、企業のそうした取組を後押ししつつ、世界全体の削減に貢献してまいりたいと考えております。 ところで、一方、こうした温室効果ガスの大幅な排出削減は従来の取組の延長では実現が困難でありますので、イノベーションによる解決も最大限追求していくことが極めて重要であると考えております。これらの視点も踏まえまして、経済産業省といたしましても、七月に産官学から成る長期地球温暖化対策プラットフォームにおいて議論を始めたところでございますので、しっかりと検討を進めてまいりたいと考えております。
○浜田昌良君 終わります。
○委員長(宇都隆史君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(宇都隆史君) 速記を起こしてください。
○武田良介君 日本共産党の武田良介です。 パリ協定の問題についてお伺いしていきたいと思いますが、日本のパリ協定の批准が遅れたことについて、先日の参議院本会議での我が党の倉林明子参議院議員の代表質問に対して山本環境大臣は、世界の流れを理解せず承認案の提出が大幅に遅れた政府の責任は極めて重大という質問をされております。そこで、山本環境大臣がこのパリ協定の批准についてどのようにお考えか、順次お聞きしていきたいというふうに思います。 今年の九月の三日にアメリカと中国がパリ協定を批准しました。山本環境大臣は、その前日、アメリカと中国の批准が決定的になった下での記者会見の中で、記者からなぜ年内合意を急ぐのかという質問を受けて、私自身のこの問題に対するトラウマというのが、京都議定書がアメリカの政権が替わった途端に離脱をしていったというのが私自身のトラウマになっておりますので、アメリカと中国が先んじて批准しようとしていることも事の重大さを認識しますというふうに述べておられます。 これを聞きますと、つまりアメリカと中国がパリ協定を確実に批准することになる、それまでは日本は批准するか否か様子を見よう、山本環境大臣がそういう姿勢だったのではないかというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(山本公一君) まず、本会議での私の答弁、ちょっと不正確であろうかというふうに思っておりますので、お調べを願いたいというふうに思っております。 その上で、今回の今御質問の件でございますけれども、本年九月の米中の締結やパリ協定早期発効促進ハイレベルイベントを受けまして、当初の見通しを上回る形で国際社会の早期発効に向けた機運が高まりまして発効に至ったことは事実であります。それは事実でございます。 政府としては、パリ協定を重視する観点から、パリ協定の署名が開放された当日である四月二十二日に即座に署名を行いました。また、パリ協定の国内実施の担保に係る政府部内での検討を迅速に進める等、環境省としましても、外務省を始めとする関係省庁と連携して可能な限りの締結を目指し作業、調整を行ってまいりました。 一日も早く締結ができるよう、全力を尽くしてまいりたいと思います。
○武田良介君 アメリカと中国がパリ協定を確実に批准するまでは日本は批准するか否か様子を見よう、こういう姿勢は経済界との関係でもはっきりしていると私は思います。 例えば、パリ協定は昨年の十二月十二日に採択されていますが、その翌日の十三日、日本経団連の榊原定征会長がコメントを発表して、次のように述べています。今後、米国や中国を始めとした主要排出国が確実に批准するとともに、公平性、実効性を高めていく観点から、各国の約束についての進捗状況を国際的にレビューしていく体制を整備することが求められるというふうに言われておりますが、山本環境大臣、パリ協定の合意に対するこうした日本経団連の意向は承知しているでしょうか。
○国務大臣(山本公一君) 経団連から、四月の八日に、地球温暖化対策計画案に対するパブリックコメントにおいて、パリ協定の締結に当たっては各国の動向を見極めるべきとの意見をいただいているということは承知をいたしております。 政府としては、パリ協定を昨年十二月の採択時から一貫して重視をいたしておりまして、パリ協定の締結に向け可能な限り迅速に準備作業を行ってきたところでございます。
○武田良介君 経団連の榊原会長のコメントにある、米国や中国が確実に批准することと。これは、京都議定書の際には、アメリカは合意したものの実際には批准をせずに日本などに削減目標が課せられた、不公平だったという思いが反映していると言わざるを得ないというふうに思います。 日本の六%削減目標を達成するために、日本政府はCDMクレジット、これ一・六%分を一千六百億円掛けて購入をし、民間では四・六%、二百四十億円を充てています。日本だけが負担を課せられないようにとか損をしないようにというのが財界の要請だということはもう明確だというふうに思います。 しかも、こうした経団連の意向を環境省に伝えるように、日本経団連と環境省の意見交換の場というのも持たれております。四月の六日、経団連会館で会合を開催されています。先ほどのコメントを発表した上で会合が開かれておりますので、環境省も様子見に陥っていたということではないかというふうに思うんです。 この会談の場では、COP21で丸川前環境大臣が発効要件に締約国の排出量が全体の五五%以上を占めることを入れさせたということも強調されています。日本経団連の環境安全委員会のワーキンググループの座長さんの村上さんも、京都議定書の教訓を踏まえると、パリ協定の実効性を担保する上で、アメリカ、中国を始めとする主要排出国がパリ協定に確実に批准することが不可欠だということも言われております。こうした姿勢を日本の経済界が取り、そして環境省との懇談までやっていると。 山本環境大臣もずっと環境分野で精力的に取り組まれてきたということでありますので、こうした経団連の意向を知らないはずはないというふうに思います。環境大臣がそういう見方もあってパリ協定の批准が遅れたのではないかと、政府の責任は明確になったんじゃないかというふうに思いますが、政府の責任をお認めになるでしょうか。
○国務大臣(山本公一君) 私のずっと一貫してこの問題に取り組んでくるときの姿勢は、経団連であろうがNGOであろうが、幅広い人の意見を聞くということが全てでございました。したがいまして、物事を決定するときに、いまだにそうでございますけれども、特定の団体の意向を酌んで物事を決めるという姿勢は私どもは取っておりません。
○武田良介君 いずれにしても、私は、政府の責任を明確にするということがあってこそ、これからパリ協定を批准するに当たってもより野心的な目標を持つことができるし、積極的に国際社会に貢献していくことができるというふうに思います。 締約国会議に関して若干お聞きしたいと思いますが、パリ協定では、第一回締約国会合で採択する規定として、二国間クレジットを含む市場メカニズムに関する事項など重要な点も採択されることになっておりますが、これはオブザーバー参加できるけれども正式には参加できないということでありました。 この国際的なルール作りを行うこと、今後のパリ協定を各国が実行していく上で私は大変重要だというふうに思いますし、日本が積極的に気候変動に対するイニシアチブを発揮していくことが必要だと思います。今回のパリ協定は、全ての参加国が自主的な削減目標を持つという画期的なものであるということと同時に、先進国や途上国が立場が違うけれども共通する責任を持っている、それぞれの国がその責任を果たそうという枠組みであるだけに、日本のような先進国がアメリカや中国の立場を気にするのではなくて、積極的に役割を果たすべきだというふうに思います。 先ほどもありましたが、締約国は今回は必ずしも多くないと、第一回会合では。今回だけで全てが決まるわけではないというような話もありましたが、しかし、こういうことは、逆に言えば、どうせ今回は決まらないという姿勢に日本が立っているという見方もされてしまう。パリ協定を実効性あるものにしようという交渉の中で日本が足を引っ張ることになるのではないかというふうに考えますが、山本環境大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(山本公一君) そのようなことはないと思っております。いずれにしましても、日本が、先ほどほかの委員の方にお答えしたように、これまでのこの地球環境問題に対する国際舞台での各種の貢献度はそれぞれの国が評価をしてくれていると私は信じておりますので、そのようなことには相ならぬと思っております。
○武田良介君 繰り返しになりますが、私は、本当に野心的な目標を持ってパリ協定の批准、それからこのCOPの会議に臨んでいくことが本当に重要だというふうに思っています。 日本は世界第五位のCO2の排出国であります。先ほどもありましたが、削減目標は二〇一三年比で二六%というふうになっておりますが、COP21の決定、この立場に立っても、二〇二〇年の報告の際には更に野心的な目標に引き上げるという決意を持ってCOP22に臨んでいくことが必要だというふうに考えておりますが、目標を引き上げたら国際社会に貢献できると、山本環境大臣はこの認識、共有していただけるでしょうか。
○国務大臣(山本公一君) 私は、二〇三〇年のいわゆる二六%削減そのものも非常に、何といいますか、高いハードルだと思っておりますけれども、できないことはないと思っておりますので、その進捗状況を見ながら更なる高みを目指して目標を設定していくことは大いに日本としては頑張っていきたいと思っています。
○武田良介君 進捗状況を見ながらということでありましたが、やっぱりこれ、世界の要請だというふうに思いますので、積極的に目標を引き上げていく方向で取り組んでいただきたいというふうに思っております。 私、この温室効果ガスの排出量の削減というのは、日本の現実に照らして本当に待ったなしの課題になっているというふうに思っています。 私のふるさとであります長野県では、二〇一二年三月の二十六日に県が長野県地球温暖化対策戦略検討会提言書というものを出しておりまして、今日も資料をお配りさせていただいておりますが、例えば松枯れが深刻な問題になっています。松枯れは、マツノザイセンチュウやマツノマダラカミキリといった虫が気温上昇によって活動域を広げているのではないか、こういう問題が指摘されています。気温が上昇することによって、資料の地図にもありますように、黄色の危険域の部分がどんどん広がっています。現在でも長野県では山がどんどん茶色になっていくとか、ふるさとの山が枯れていくということで、地元の皆さん大変心配をされています。 それから、資料の二も御覧いただければと思いますが、これはリンゴの影響であります。気温がプラス・マイナス・ゼロ度の現状から気温が二・四度上昇した場合、それから四・六度上昇した場合のリンゴの生産適地を示しています。二〇八一年から二一〇〇年を見ていただくと、もし四・六度気温が上昇したらこれだけ赤い地域が広がるというふうになっていますが、これは長野県でいえば比較的標高の低い地域、山岳地帯ではない地域ほぼ全域であります。事実上、長野県内どこでもリンゴの生産はできないということになってしまいます。 こういう気候変動による影響に対して、昨年十一月二十七日に適応計画が閣議決定をされております。この適応計画については、既に先進各国は法制化をしています。我が国においても早急に法定計画に定めていく必要があるのではないか。対策の具体化とともに、予算措置や実行のための体制も含めて実効ある温暖化対策を法定計画に定めるべきではありませんか。
○国務大臣(山本公一君) 御指摘の昨年十一月に気候変動の影響への適応計画を閣議決定をいたしました。まずは政府として適応計画に基づく取組を推進していくことが重要であろうかと思っております。 適応策の法制化については、適応計画の実施状況や課題を把握しながら引き続き検討をしてまいりたいと思います。
○武田良介君 是非、法定計画持っていくように求めておきたいというふうに思います。 パリ協定の批准が遅れた日本政府の姿勢を認識するとともに、今後更に積極的な役割を果たしていくことを心から願いまして、質問を終わりたいと思います。
○浅田均君 日本維新の会、浅田均でございます。午前中の質問に続きまして、パリ協定に関して質問させていただきます。 午前中も話題になりましたが、日本がCOPに提出しております日本の約束草案、温室効果ガス削減目標積み上げに用いたエネルギーミックスという表があります。この数値で、総発電電力量一兆六百五十億キロワットのうち、原子力が二〇から二二%、二千五百億キロワットとなっております。これは原発が何基稼働しているという想定ですか。
○政府参考人(村瀬佳史君) お答えさせていただきます。 エネルギーミックスにおける電源構成は、各電源の特性を踏まえまして、安全性の確保を大前提といたしまして、安定供給の確保、電力コストの引下げ、CO2排出の抑制という三つを同時に実現する観点から、二〇三〇年時点におきまして電源構成のあるべき姿を検討したものでございまして、個別の発電所がどの程度稼働するかということを前提として策定したものではございません。
○浅田均君 個別のどの原発が動いているかということを想定して策定していないと。でも、現実に二二から二〇%ですよね。だから、二千億キロワット以上は原子力に依存しているということになります。 私の承知している限り、百万キロワット以上の軽水炉、これほとんどが一九七〇年代に造られたものであって、原則四十年です。二十年の延長を可能にしたとしても、二〇三〇年にその百万キロワット以上の軽水炉が動いている可能性は極めて低い、廃炉に向かう段階にある大型軽水炉がたくさんあるという状況で、なおかつ、この二二%という構成割合は可能なんですか。
○政府参考人(村瀬佳史君) 今御指摘にありましたとおり、仮に前提を置きまして、原発ごとに出力規模、実際の稼働率は異なるものですから確定的なことは言えないんですけれども、二〇三〇年に原発比率二〇%を達成するということを前提に置きますと、例えば稼働率八〇%と置けば三十基程度という計算になりますので、これであれば可能だというふうに認識してございます。
○浅田均君 今申し上げましたけれども、規制委員会が一回、四十年稼働したやつも延長を認めるとしても、これあと二十年です。 だから、一九七〇年代にできていて四十年間経過して、で、二十年だから二〇三〇年頃にはこの一九七〇年代にできた百万キロワット以上の大型軽水炉というのはほとんど寿命を迎えて、廃炉に入らなければならない段階です。 こういう前提を踏まえて考えますと、原子力のここに掲げられています二二から二〇というのは、私どもは到底納得できる数字ではないんですが、この点いかがですか。
○政府参考人(村瀬佳史君) 先ほどの前提を置けばということでございますけれども、仮に稼働率八〇%といたしまして二十九基といたしますと、二〇三〇年段階でありますと四十年未満の炉は二十三基ございます。そういう意味では、六基いわゆる二十年延長がなされていれば可能ということでございますので、もちろん、これは安全規制の結果ということでございますけれども、可能かどうかということについては可能だというふうに理解をしてございます。
○浅田均君 可能かどうかというより、可能性があるということですよね。可能性があって、規制委員会の判定結果ではそうではないということになると思うんですけれども、その点いかがですか。
○政府参考人(村瀬佳史君) 御指摘のとおり、再稼働につきましては、今現在動いている炉は限られてございます。再稼働については、御指摘のとおり、原子力規制委員会の審査を経て、これをクリアしたものでなければ動かせないという状況でございますので、前提といたしましては、そういうものがクリアしていけば可能だということでございます。
○浅田均君 そこで、環境大臣にお伺いしたいんですが、今の原発の稼働状況、それから、今お答えいただきましたこれからの稼働の可能性、こういうことを考えて、原発による電力構成が二二から二〇%というのは余り現実的な見通しとは思えないんですが、環境大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(山本公一君) エネルギーミックスと整合的に策定した約束草案でございます。それを踏まえまして、本年五月に閣議決定した地球温暖化対策計画における取組を着実に進めることが重要であろうかと思っております。 そのためには、同計画における対策、施策の実施状況について毎年厳格に点検を行うとともに、少なくとも三年ごとに目標及び施策について検討を行いまして、必要に応じて見直すといったプロセスを通じまして、二〇三〇年度二六%削減の中期目標を確実に達成するよう、着実に取り組んでまいりたいと思います。
○浅田均君 着実に取り組んでいただかないとこうならないんですけれども、着実に取り組むための大前提が甚だ疑問に満ちた前提であると。 繰り返し申し上げておりますけれども、原子力、今、川内を含め、ほんまに動いているのはごく僅か。それから、原子力規制委員会のゴーサインはもらっても、四十年廃炉で、特別に二十年の許可を得て一回だけ延長できると。それが二〇三〇年代に大量に廃炉をする運命にあると。そういう前提を考えたときに、このエネルギーミックスの構成はどうしても現実的ではないと思わざるを得ないんですけれども、もう一度、環境大臣の見通しをお伺いいたします。
○国務大臣(山本公一君) 浅田先生御指摘のことは十二分に理解できるところではございますけれども、原子力発電につきましては、独立性の高い三条委員会である原子力規制委員会が環境省の外局として設置をされておりますから、環境大臣として、原子力発電の将来の稼働状況等について予断を与えるような発言は差し控えさせていただきたいと思います。
○浅田均君 お立場は分かるんですけれども、経済と、外部不経済といいますか、これ、これから一番対立するところだと思うので、環境大臣、これから非常に大変な状況下でこういう協定の取りまとめ作業に加わっていただくことになると思うんですが、CMA1ですよね、協定批准した国が参加できる会議、一回目の会議で実施と遵守に関してルールが策定されると。 そういうところで、ここで、今回の日本の約束で、原発の構成割合が二二から二〇%と、あなた、日本は約束しているでしょうと。だから、このとおり、私、あなた方が約束したとおり、逆に向こうからボールを投げられて、原発を動かしてくださいというような状況にならないか懸念しているわけでありますが、この点に対して環境大臣と外務大臣の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(岸田文雄君) パリ協定上は、第一回の締約国会議においてパリ協定の実施指針の採択が行われる、このようになっておりますが、この交渉は今年五月に開始されたばかりですので、現実問題として、この第一回締約国会議において採択が行える状況にはないと認識をしています。また、同会合において各国の削減目標の実施を更に求めるような決定、議決等が行われること、これも想定はしておりません。 よって、我が国としましては、このパリ協定の規定に基づいて、我が国のエネルギーミックスと整合的に定められた我が国の削減目標達成に向けて着実に取り組んでいきたいと考えています。
○国務大臣(山本公一君) 今外務大臣がお答えしたことに尽きるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、日本がこれからやろうとしていることに対して、世界のいろんな国についてはある程度理解をしてくれていると私は思っております。
○浅田均君 約束したことを国内的にどういうふうな枠組みで実施していくのか、そのルールを策定する必要があると思うんですが、午前中、環境副大臣は、企業とか大学、団体の取組が非常に重要になってくるというふうなお答えをされておりますし、外務大臣も、国内での実施をどう担保するかが重要であるというふうな御答弁をされております。 この実施ルールに関する交渉がCMA1で進められると、同時に、これからこの日本の約束を実現させるために国内的にどのような枠組みで実施ルールを策定することになるのか、環境大臣と外務大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(山本公一君) パリ協定及び約束草案を着実に実施をしていくため、国内の取組を着実に進めることが重要であると考えております。 このため、我が国では、温対法に基づきまして、本年五月に地球温暖化対策計画を閣議決定いたしました。同計画に盛り込んだ各対策、施策の実行状況について関係審議会等による定期的な評価、検証を踏まえつつ、総理大臣を本部長とする地球温暖化対策本部において毎年厳格に点検を行うことといたしております。さらに、少なくとも三年ごとに目標及び施策について検討を行い、必要に応じて本計画を見直し、目標達成を更に確実なものとしていきたいと思っております。
○国務大臣(岸田文雄君) 今年の五月からパリ協定の実施指針に係る交渉が国連気候変動枠組条約全締約国の参加を得て行われているわけですが、この議論こそ、まさに各国による削減行動の実施状況に係る報告の細則ですとかレビューを行うに当たっての細則など、パリ協定の実効性を高めるための議論であると認識をしています。是非、この議論、引き続き我が国も参加する形で、国連気候変動枠組条約の全締約国が参加する場で行われる見込みでありますので、この議論にしっかり貢献をしていかなければならないと思います。 各国がより透明性の高い形で自国の排出削減行動を明らかにするような制度を構築していく、このためにしっかり貢献していく、そして、併せて国内の取組を着実に実施を進めていく、このことが重要でありますので、国内においては環境省を含む関係省庁と緊密に連携をしていかなければならない、このように認識をしております。
○浅田均君 そういう御認識はよく分かるんですが、具体的に、国内的に、例えば内閣府が出している経済成長率とかあって、それに対してこういうブレーキを掛けてしまうと成長率が下がってしまうと、そういう二項対立に、これからの問題に直面されると思うんですよ。だから、そういうところで、各産業界にしても民生の電力需要にしてもエネルギーのベストミックスというのが一番重要になってくるということを申し上げておるわけであって、これからどういうふうに国内的に取組をされていくのか注目していきたいと思いますので、また次の機会に質問させていただきたいと思います。 終わります。
○アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば何でもできる。元気があれば麻薬も撲滅できるということで。フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領が来られておりますね。二千人のもう処刑をしたということで。 今日はそれとは関係ありませんが、今回、先ほど午前中にパリ協定については質問させてもらったので、再生エネルギーについて質問をさせてもらいます。 ニュージーランドでは再生可能エネルギーの開発に今力を入れています。国内総生産電気量の七五%が再生可能なエネルギーで賄われています。内訳は、五三%が水力発電、一三%が地熱発電、そして五%が風力発電。さらに、二〇一八年には最後に残った石炭火力発電所を閉鎖し、二〇二五年には全体の九〇%を再生可能エネルギーに置き換えるとニュージーランドの政府が発表しています。 私も、いろんなエネルギー関係に携わってきたというか、非常に興味があったものですから、風車あるいは効率のいい水車とか、あるいは地熱発電もいろいろ仲間と研究したことがあります。日本では、その中で発電量全体の九〇%が枯渇性エネルギーで、一〇%が再生可能エネルギーで賄っている。 ニュージーランド、先ほど申し上げた地熱発電が日本の高度な技術が採用されていると聞きますが、その内容について具体的にお聞かせください。
○政府参考人(鎌形浩史君) 地熱発電の技術に関するお尋ねでございます。 地熱発電用のタービンは、我が国のメーカー、三社ございまして、それで世界の約七割のシェアを占めていると聞いてございます。お尋ねのニュージーランドでは、例えば一基の発電能力が世界最大の約十四万キロワットの地熱発電所で富士電機社のタービン技術が使われていると承知しております。 同社によりますと、例えば、技術上の問題でございますが、通常より多くの蒸気を取り出し効率的に発電する技術、あるいは熱水や蒸気に含まれる結晶物質、結晶する物質でございますが、そのタービンなどへの付着を抑え耐久性を高める技術、そういった点で強みがあると、このように同社が言っておると承知しております。
○アントニオ猪木君 私も、水力発電について、水力というか、地熱発電、前にもここで質問させてもらったと思います。井戸を二本掘って、こちらから水を通して、地下二千メートルに行くとそれが、蒸気が噴き上がってくるという大変効率のいい、また発電力の高い発電だと思いますが、ニュージーランドでやられているということでびっくりしました。 次に、オランダで二〇二五年から電気自動車以外の販売を禁止すると法案で可決されたと聞きます。日本車は海外から評判が高いと認識していますが、電気自動車や水素燃料電池車の促進について我が国ではどのような取組をしているのか、お聞かせください。
○国務大臣(山本公一君) 環境省では、二〇三〇年までに新車販売に占める次世代自動車の割合を五割から七割とする政府の目標の実現に向けて、電気自動車や燃料電池自動車を始めとする次世代自動車の普及を促進をいたしております。 具体的には、燃料電池車、電気自動車の導入補助、燃料電池バスの市場投入等に向けた技術開発、実証、エコカー減税などの取組を行っております。これに加えて、水素供給ステーションの導入の支援なども行っております。 引き続き、次世代自動車の普及を促進してまいりたいと思います。
○アントニオ猪木君 何十年前でしょうか、大阪電気通信大学の先生と一緒にキャパシタの研究をいろいろ、私が携わったわけじゃないんですが、いろいろ話を聞いて、いずれは蓄電というものが大事であろうということで、今自動車もまさに電気自動車、それがここ何年かで急激に進歩してきまして、電気の無駄遣いをしないという、あるいは蓄電しておけば非常にまた災害に対してもいろいろ対応できると、そんなことで今回のパリ協定は非常に大事だと思っております。 次に、コロンビアの大氷原というんでしょうか、これも私が何回かカナダに行って、ロッキー最大のジャスパー国立公園にあるコロンビアの大氷原のアサバスカ氷河ですね、厚さが三百六十五メートル、長さが五・三キロ、積雪が七メートルから八メートル、毎年新しい雪が加わり、そしてまた氷河ができ、また解けていく、そういう繰り返しだと思いますが、この氷河が温暖化の影響を受けて二、三十年以内に消滅する可能性があるという話を聞きました。 私も氷河の上を歩いたことがありますが、本当に小さい川になっていまして、カラカラカラと、まあどういう表現していいのか、そんな感じの水が解けて流れる音をいまだに記憶していますが。 このような、今、進めていく一方で温暖化がどんどん進みまして、それで南極の氷が解け出したり、その辺について早急に、その対策になるのかどうか、とにかく今、日本、世界中ができる対応をすべきことはすべきだという気がしますが、環境大臣にお伺いします。 氷河がなくなれば、世界中、生態系や水質、農業、林業、広範囲に影響が出てきます。パリ協定、大枠しか決まっていませんが、これから協議するということですが、確実に温室効果ガスを減らすためには、企業の努力だけでは足らず、法制化していく必要があると思います。温室効果ガスを減らすために日本が一番取り組まなければならないと思う事案についてお聞かせください。
○国務大臣(山本公一君) 御指摘のように、気候変動によって私たちの暮らしや経済に致命的な影響や被害が出ることがないように、温室効果ガスを大幅に削減する必要があります。 このため、環境省といたしましては、LEDや省エネ家電の利用など、国民一人一人による賢い選択、いわゆるクールチョイスを促す国民運動、工場やオフィスビルなどでの大幅な省エネルギー、地域に根差した災害にも強い再生可能エネルギーの最大限の導入拡大など、あらゆる対策、施策に取り組んでまいりたいと思います。 こうした取組を通じまして、全ての主体が当たり前のこととしてCO2削減行動を実践できる環境づくりを進めてまいりたいと思います。
○アントニオ猪木君 先日、パキスタンの政府関係者とも話をしまして、何遍もこの場でも質問をさせてもらいます。 パキスタンは大変な猪木ファンがおりまして、そんな中で、いつも気になっていることがカシミールの問題で、相当の人が死んでおりますけど、何とか和解というか話合いができないのかと、歴史もちょっと勉強してみました。 そんな中で、マララ女史も話しているとおり、今使われている、相手を殺さないようにペレット銃というものがあります。目に刺さって目の中で回転をして、そして失明してしまうという、非常に手軽に手に入るのと同時に、そういうものが横行しているということについて、外務大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(岸田文雄君) このカシミール地方をめぐりましては、まず、本年七月にカシミール地方で活動するイスラム過激派指導者がインド治安部隊と衝突することによって死亡したことに伴い、地域住民と同治安部隊との衝突が発生し、複数の死傷者が発生した、こうした事案がありました。また、九月には、同地方にあるインド陸軍基地へのテロ攻撃により十八名のインド兵士が死亡する事案が発生し、その後、インド陸軍は印パ両国間の管理ラインを越えてテロリスト拠点に対する局地的攻撃等を行った、こうしたことも承知をしております。 このようにインド、パキスタン間で大変緊張が高まっている、こうしたことを認識しているわけですが、我が国としましては、この両国間の関係の安定化のために、インド、パキスタン双方が自制し、話合いによってテロ対策を含めた事態安定化に向けた取組を進めること、これが重要であると考えております。このため、我が国が有するインド、パキスタン双方との良好な関係、これを基礎に両国間の対話を促す働きかけを継続していかなければならない、このように考えています。
○アントニオ猪木君 なかなか日本にいますと、世界で起きていること、特に日本に余り関わり合いのない国だと報道はごく限られています。 本当にカシミール問題は、私も非常に勉強不足だったんですが、いろいろ調べていく中で、その中で、当委員会でも言ったワガの町というのが平和のメッセージの町ということで、インドとパキスタンが、国境を境に塀が、ゲートがありまして、そこで行進をして、観客、インド側が一万人ぐらい、パキスタンが五千人ぐらいという観客が来てイベントをやっているんですが、本当に、今言ったペレット銃じゃありませんが、そういうような、体に障害を受けてしまう、特に目が見えないということであれば非常に生活も、夢もなくなってしまう可能性があります。恨む気持ち、そんなことを、できれば日本は、遠いところですが、平和主義、積極平和主義ということを訴えている以上、日本からのメッセージというのを是非、カシミールだけじゃないんですが、世界に発信してもらいたいと思います。先日、インド大使とも面談をしまして、非常に、パキスタンもそうですが、平和を願っているという、言葉はそうなんですが、現実を見ると非常に紛争に走っていくような状況が目の当たりに見えます。 そういう中で、私もちょっといつも気になっていることは、海外で何か事故が起きると、自動車、最近、ロスですかね、カリフォルニアで自動車事故がありましたが、その中に日本人はいません、これは、当然日本人ですから、日本人がいないといいことなんですが、そうすると、じゃ、そのほかで死んだ方々はどうでもいいのかと。揚げ足を取るわけじゃないんですが、その辺の国際感覚というか、グローバルの社会の中で日本人の意識も、他国の者をあるいは日本人の心と同じように大事にしていくようなことも、これも教育の問題かもしれません。 そういう中で、是非、海外で起きている紛争、今回のスーダンの件もあります。そういう中で、グローバルな発想と同時に思い切った行動をしていくような、ひとつ世界に平和を訴え続ける日本でありたいと思います。 ありがとうございます。
○伊波洋一君 沖縄の風の伊波洋一でございます。午前中に引き続き、質疑いたします。 午前中、深山局長はCH46の騒音について米軍の資料等を説明していたようですけれども、何か、なかなか明瞭ではありませんでした。 今お手元に資料を今日提出をしておりますが、このオスプレイの記事の一番後ろの方に琉球大学工学部准教授の渡嘉敷健氏の資料がございます。渡嘉敷氏は、オスプレイ配備以来、オスプレイや普天間飛行場を離発着するヘリコプター等の騒音と、特に低周波振動を調査研究をしておりますけれども、ここにもありますように、同一地点で同一場所を飛んでいるオスプレイが、これだと八十二・六デシベル、CH46だと六十八・二デシベルと、このように明確な違いがございます。 それから、表の方を見てみますと、「オスプレイ 早朝に百三デシベル」、あるいは「夜間訓練で九十九デシベル」、さらに「低周波音 他機種上回る」とか、それから人的な感覚、それから、さらにまた高熱の排気による火災等、そういったものが県内ではよく報じられております。 特に、この報じられているデシベルについては、宜野湾市や沖縄県が測定器を置いていたりするものであります。毎年そういう報告書がちゃんと出ます。さらに、防衛省は、いわゆる普天間飛行場周辺に測定器を置いて調査をしております。そういう事実を明確に見ないで、米軍の資料等を参考にして、CH46がオスプレイよりもっと音があるんだというような答弁を国会の場でするということは、私はやはりこれは国としてあってはならないことだと思います。 現に、普天間第二小学校とか、あるいはその他の地区に置いてありますので、直下の、その直上を飛ぶような場所にもありますから、是非それを明らかにして具体的な比較を再度示していただきたいと思いますが、深山局長、よろしく答弁してください。
○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。 午前中御答弁を申し上げたときに正確に言えませんでしたけれども、私が申し上げましたデータによりますと、高度二百五十フィートの巡航時の騒音最大値、ピーク騒音で比較しますと、CH46は九十七デシベル、オスプレイは九十五デシベル、騒音暴露レベルで比較しますと、CH46は百一デシベル、オスプレイは百デシベル、高度五百フィートでの巡航時の騒音最大値で比較すると、CH46は九十デシベル、オスプレイは八十八デシベル、騒音暴露レベルで比較すると、CH46は九十六デシベル、オスプレイも同値で九十六デシベルというデータを我々としては得ているところでございます。 また、当方で設置いたしました騒音につきましてでございます。新聞報道の御指摘もありましたが、平成二十七年八月二十七日早朝、午前六時三十七分に宜野湾市大謝名で九十八・三デシベルを記録いたしたというような記録は、当方でも測定値として把握しているところでございます。
○伊波洋一君 さらに、今申し上げましたように、高熱排気の問題もあります。そういう意味では、単純にヘリでやったからオスプレイでいいというふうにはならないわけです。ところが、前回の委員会ではそのことを、CH46よりも、比較してもオスプレイの騒音はおおむね低くなっているということだから、ヘリでアセスをしてオスプレイを置いておくことに何ら問題はないという答弁になっているわけですよね。 しかし、それでは私たちは納得がいかないわけです。現実の問題として、なぜオスプレイでこれだけ、高江だけの問題ではなくて各地でいろんな被害の問題が起こっているのかということを真摯に見てもらわないと。そういう意味では、本来アメリカの国内では住宅地上空は飛行させない、あるいはハワイなどでは、そういう自然豊かなところでは飛行させない、そういうことがきちんと通っているわけですね。そういう意味で、是非これからも、今の対応についてはやはりおかしいと、このように思います。 この前回の答弁では、今後については、オスプレイについてはこれはやっていませんので、その調査を、予定をしている調査、事後調査ということを答弁をしたわけですけれども、防衛省としてはいかなる事後調査、これをやろうとしているのか。もう既にN4は提供されております。現実に飛んでいます。その事後調査なしに、そういうことを飛ばすことについての考えというのはどういうことなのかということを是非お聞かせください。
○政府参考人(深山延暁君) ただいまお尋ねのありました事後調査においてでございますけれども、既にヘリパッドが完成いたしまして供用しておりますN4地区について事後調査をしておるところでございます。 この事後調査につきましては、熱風による影響については、周辺林内、林の中の乾燥化による貴重な動植物の生息状況について、N4地区のヘリパッド完成以降その調査を実施してきておりますが、平成二十六年度の調査結果によりますと、環境影響評価を行った時点で確認できた動物の種類数は五十五種でございましたが、当初の環境影響評価を行った時点で確認された動物の種類は五十五種でありましたが、二十六年度に調査した結果、六十四種が確認されました。種類数の低下等の環境悪化の傾向は認められなかったものと考えております。 また、騒音につきましては、平成二十六年度の測定結果によれば、北部訓練場周辺において騒音結果を実施している三か所全ての測定地点において、いずれも四十デシベルを下回っており、環境基準である五十七デシベル以下の結果となっているところでございます。 また、低周波騒音につきましては、低周波音の影響につきましては調査研究の過程にございまして、個人差や建物の状態による差が大きく、また未知の部分もあることから、現時点における環境基準が定められていないものと承知しております。 防衛省としても、普天間飛行場代替施設建設事業に際して事後調査を適切に行うため、調査手法や評価指標等について検討を行っているところでございます。
○伊波洋一君 ただいま四十デシベルなどというような音が出ているようですが、どこで測ったのか分かりませんね。そもそもオスプレイは直下であれば百デシベル近くの音が出るわけです。そういうことも含めて、いずれ資料は提供いただきたいと思いますけれども。 文化庁は、このようなオスプレイが運用されるということまで認めているんでしょうか、協議をしたということでありますけれども。本来であれば、前提が全く異なる以上、再度オスプレイの天然記念物ノグチゲラへの影響を評価した上で事前協議をやり直すべきだと思いますが、再協議を求める考えはありませんか。
○政府参考人(藤江陽子君) 午前中の答弁で申し上げました北部訓練場ヘリコプター着陸帯及び進入路の設置についての那覇防衛施設局長からの事前協議への回答におきましては、文化庁からは、事業の実施に際し、工事中及び供用後のモニタリング調査の結果を適宜沖縄県教育委員会へ報告するとともに、必要に応じた対策を取ることなどの配慮事項を示し、沖縄県教育委員会と適切に協議することを那覇防衛施設局長宛てに依頼しているところでございます。 文化庁といたしましては、沖縄防衛局が行うモニタリング調査の結果を踏まえ、沖縄県教育委員会と連携を図りつつ対応を検討することが適当であるというふうに考えております。
○伊波洋一君 今、文化庁の方から答弁ありましたけれども、モニタリング調査と、そして沖縄県教育委員会との連携とを防衛省としてはやっていく考えですか。
○政府参考人(深山延暁君) 御指摘の文化庁、現地におきましては沖縄県教育委員会との協力、連携でございますけれども、当方では、防衛省といたしましては、事後調査報告書を沖縄県教育委員会へ提出いたしております。これまで二回提出いたしておりまして、二十六年十二月二十四日、二十七年八月四日、二回提出しております。 このように、引き続き、こうした事後調査につきましても県の窓口に提出して協力させていただきたいと思っているところでございます。
○伊波洋一君 今提供されているN4というのは昔から近くで運用されていたものですね、ヘリパッドが。ところが今、皆さんもう一つの資料がありますけれども、今新たに空けられているのは、この下にあるように、全く何もなかったところに大きなヘリパッドが造られているところです。実際、七十五メートルのヘリパッドが、ヘリパッドは四十五メートルですけれども、空けられている。これがまさに今指摘をしているG地区、H地区、極めて希少な生物、そしてまたノグチゲラを含めて多くの絶滅危惧種がいるわけです。 こういう中で今行われているわけでありますが、環境省にお聞きしますけれども、今、生物の種の保存法など、いわゆる環境の政策、法制等がありますけれども、パリ協定を含む環境法制は自衛隊及び基地に完全に適用されるということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(山本公一君) 一般論といたしましては、自衛隊及びその基地に対しては、個別法において例外を定めていない限り、基本的に我が国の関係法令が適用されると承知をいたしております。
○伊波洋一君 前回の外務省との質問、答弁ででも、米軍基地にも国内法が適用されるということであります。さらに、その意味では、ある意味で米軍自身がJEGSの中で絶滅危惧種の保存を義務付けているということであります。そういう意味では、私たち政府の取組こそが米軍基地内の絶滅危惧種の保全というものをやはり意識的にやっていかなきゃならないだろうと思います。 そこでお尋ねしますけれども、種の保存法の三十四条は、「土地の所有者又は占有者は、その土地の利用に当たっては、国内希少野生動植物種の保存に留意しなければならない。」と規定していますが、この規定は米軍の北部訓練場にも適用されるということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(正田寛君) お答え申し上げます。 在日米軍の施設・区域は日本の領域であり、施設・区域内においても種の保存法を含む我が国の法令は適用されますが、その執行に当たっては日米地位協定第三条によって米国に与えられている管理権との調整が必要となると理解しております。
○伊波洋一君 確かにそうですね。しかし、米軍自身も様々な形で基地内における絶滅危惧種の保護をJEGSで規定しています。義務付けています。ですから、そういう意味では、そのアクションを日本政府が起こすことは極めて合理的な話だと思います。 ですから、そのことについて、やはり政府として、日本の領土にあって、そしてそこが生物多様性に富み、そして世界自然遺産にも匹敵するとして位置付けられているエリアについて、この間私はこの質疑を通して感じておりますのは、それがほとんどなされてこなかった、現実に省庁間の連携が取れていないと、このように思っております。 最初の質疑、九月の質疑では、岸田外務大臣は、我が国としましては、御指摘の点も含めて米側がJEGSに基づいてしっかりと対応するよう働きかけていく、これはあるべき姿として重要でありますと、こう答えました。さらに、前回は、防衛省からありました具体的な取組の中でこの基準が活用されていると認識しておりますというふうに答えました。ところが、私が知る限り、明確にはそうはなっていないんです。一体どういう資料が米側に渡り、米側はどういうところからどういう情報を仕入れているかすら明らかではありません。 ですから、これが本当に行われるためには、国として、政府としてしっかりとした道筋をつくる必要があると思いますが、その件について、外務大臣そして防衛大臣に御所見を賜りたいと思います。
○委員長(宇都隆史君) 時間過ぎておりますので、簡潔な答弁をお願いします。
○国務大臣(岸田文雄君) はい。 まず、御指摘のように、外務省としては、今後とも関係省庁と連携しつつ、米側がJEGSに基づき環境保全及び安全への取組を適切に実施するよう、機会を捉えて働きかけてまいります。 米側に対してしっかりと働きかけを行いたいと思いますが、御指摘の北部訓練場ヘリコプター着陸帯移設事業については、これ日本政府が実施する事業でありますので、このJEGSの適用については直接関係するものではないという認識も持っております。 いずれにしましても、こうした基準が適切に適用されるよう努力を続けていきたいと考えます。
○国務大臣(稲田朋美君) 自然資源管理計画は、JEGSに基づき在日米軍が作成し、北部訓練場の自然資源管理計画には、当該地域の気候状況、絶滅危惧種等に係る情報及びその生息を保護するための措置等が記載されており、米側は同計画の内容に沿って北部訓練場における運用を実施しているものと承知をいたしております。 また、同計画については、防衛省として、必要に応じ米側から説明を受けており、文書自体も詳覧しながら内容の把握に努めているところでございます。
○伊波洋一君 まず、外務大臣はヘリパッド建設は防衛省の問題だと、それから防衛大臣は承知していると言うけど、実際は承知されていないんです。ですから、実際に提供したら運用は米軍がやるんですけれども、米軍自身に自然資源管理計画がないという現状があるということで……
○委員長(宇都隆史君) 質疑をおまとめください。
○伊波洋一君 是非これからも引き続き質疑をしたいと思います。 以上で終わります。
○委員長(宇都隆史君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時二十一分散会