法務委員会 第7号
- 発言数
- 120 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2016/11/02
会議録
○鈴木委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案及び裁判官の育児休業に関する法律の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。 他に質疑の申し出がありませんので、これにて各案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○鈴木委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。木下智彦君。
○木下委員 日本維新の会、木下智彦です。 私は、我が党を代表して、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案と検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案に反対、裁判官の育児休業に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の立場から討論いたします。 公務員給与は、消費増税の行われた平成二十六年に大震災時の削減が終わり、もとに戻りました。それ以来、平成二十七年、二十八年と公務員給与は上がり続け、本法案が成立すれば三年連続の引き上げとなります。所要額は三年間で千四百億円に上ります。財政状況が厳しく、国民負担も重い中、公務員給与を上げ続ける政策は見直すべきです。 我が党は、九月二十七日に、国会議員の身分や待遇を厳しく見直す八本の法案とともに、国家公務員総人件費を二割削減する法案を提出いたしました。国の出先機関の統廃合等で人員削減を進めるとともに、人事院勧告方式の見直し等で国家公務員の給与等を削減するというものです。 公務員給与については、我が党が国会で一貫して主張しているとおり、まず、人事院勧告の方式自体を見直すべきです。人事院による民間給与実態調査の対象は、事業所規模で民間事業所の上位一%のみで、対象は大企業のみと推察されます。 その他に、五段階評価の人事評価で上から三段階で九九%を占めている点、同じ仕事でも上がり続ける年功序列賃金等、改善すべき点は幾らでもあります。現に、大阪府人事委員会が先月行った勧告では、民間との給与比較のあり方を見直した結果、月例給が引き下げとなりました。 公務員給与の安易な引き上げが財政再建の点でも問題であるのは言うまでもありません。昭和五十七年、鈴木善幸内閣のときに、財政状況が非常に厳しいという理由で人事院勧告の実施は見送られました。当時よりもはるかに厳しい財政状況の中で、漫然と人事院勧告に従って三年間も公務員給与が上がり続ける現状は、過去の日本政府の財政運営からいってもおかしくないでしょうか。 以上のように、人事院勧告の問題点を何ら見直しもせず、国民の理解のないままに、財政再建にも逆行する本法案に、我が党は到底賛成することができません。 以上をもって、本法案への反対討論といたします。
○鈴木委員長 これにて討論は終局いたしました。 —————————————
○鈴木委員長 これより採決に入ります。 まず、内閣提出、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鈴木委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、内閣提出、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鈴木委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、内閣提出、裁判官の育児休業に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○鈴木委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました各法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○鈴木委員長 次に、裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。 この際、お諮りいたします。 各件調査のため、本日、政府参考人として総務省大臣官房審議官佐伯修司君、総務省自治行政局公務員部長高原剛君、法務省大臣官房司法法制部長小山太士君、法務省民事局長小川秀樹君、法務省刑事局長林眞琴君、法務省人権擁護局長萩本修君、外務省大臣官房審議官水嶋光一君、外務省大臣官房審議官川崎方啓君、外務省大臣官房審議官滝崎成樹君、外務省大臣官房審議官宮川学君、外務省大臣官房参事官三上正裕君、文部科学省大臣官房総括審議官関靖直君、文部科学省大臣官房審議官神山修君及び文部科学省大臣官房審議官瀧本寛君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○鈴木委員長 次に、お諮りいたします。 本日、最高裁判所事務総局刑事局長平木正洋君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○鈴木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉田宣弘君。
○吉田(宣)委員 おはようございます。公明党の吉田宣弘でございます。 本日も、前回の委員会の開催に引き続き、このように質問の機会を賜りましたこと、委員長、理事の皆様、また委員各位の皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。 それでは、質問に入らせていただきます。 さきの通常国会で改正総合法律支援法が成立をいたしました。この法律に基づいて、先般発災をした熊本地震において、無料の法律相談が実施をされているというふうにお聞きしております。この実施状況についてお聞きをしておきたいと思います。相談件数や主な相談内容について、法務省の方からまず御説明を賜りたいと思います。よろしくお願いします。
○小山政府参考人 お答えを申し上げます。 法テラスでは、さきの国会で成立いたしました改正総合法律支援法に基づきまして、本年七月一日から、熊本地震の被災者を対象に、資力を問わない無料法律相談を実施しているところでございます。 この無料法律相談の本年七月一日から本年九月末日までの実施件数でございますが、速報値で合計二千六百八十六件でございまして、そのうち巡回相談や出張相談など相談担当弁護士が出向いて実施した件数が、やはり速報値で千百四十六件でございます。 また、主な相談内容でございますが、相続、遺産分割などの家事問題、損害賠償請求などの金銭問題、あるいは多重債務問題等でございます。 以上でございます。
○吉田(宣)委員 無料の法律相談を数多く実施されているということで、被災者に寄り添う対応について心から感謝を申し上げたいと思います。 熊本地震、私も生まれ故郷が熊本でございまして、被災地にも何度も足を運ばせていただいて、その現状を見てまいりました。先般、益城町に伺いましたけれども、いまだに、もう壊すしかない家屋というのが立ち並んでいる状況でございます。まだ復興の緒に、スタートにつけておられないような状況だなというふうに、私は非常に心配をしておるところでございます。 先ほど、相談内容、相続、家事等とありましたけれども、地震の後というのは、時の経過によってさまざま、いわゆるニーズが異なってくるというか変化してくるというふうに思っております。 これから、もう解体するしかない家屋というのは解体をしていき、新しい家屋というものを建てていくという状況に転じていこうかというふうに思いますけれども、熊本地震、非常に激しい地震でございまして、地盤が割れたり、ゆがんだり、陥没したりと、さまざまな状況が見られます。そういった中で新しく家を建てようと思っても、今度は、建てる土地についてはっきりとしておかなければ、隣地との問題が発生したりと、さまざまトラブルのもとになってくるかと思います。 そういった意味においては、これからは境界確定の相談というのもふえてこようかと思っておりまして、まだまだこの無料法律相談に関するニーズというものは今後もあるのだろうというふうに思っております。 そういう意味におきましては、法務省として、被災者の皆様にやはり親身になって寄り添う政策というものを継続していただきたいというふうにお願いするところでございますけれども、金田法務大臣のお受けとめをお聞かせいただきたいと思います。
○金田国務大臣 吉田委員から御指摘ございましたただいまのお話、私も同じように思いを持つものであります。 法テラスでは今後も引き続いて、熊本地震の被災者を支援するために、改正総合法律支援法に基づきます、資力を伴わない無料法律相談の実施を初めとしまして法的なトラブルを迅速に解決をするための情報提供あるいはサービス、そういったものを提供していくものと認識をしております。 私ども法務省としましても、法テラスにおきますこのような取り組みを支援いたし、そして、被災者の需要にしっかりと応えられるよう適切に対処していきたい、このように思っております。
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。 最近発災した鳥取地震においても、やはり同じように、法律のことに関して相談をしたいという被災者の皆様のニーズが考えられます。鳥取地震におきましても、法務省として最大限の被災者に寄り添った仕事というものを実行していっていただきたいというふうにお願いするところでございますが、金田法務大臣から、いま一たび御決意をお願いいたしたいと思います。
○金田国務大臣 さらに委員から、ただいま鳥取県の中部地震の件についてお尋ねがございました。 ことしの十月二十一日に発生しました鳥取県の中部地震につきましては、多くの方が被災されている、このように承知をしているところであります。 法テラスにおきまして、今後も被災者の法的ニーズの把握に努めていただきたい、そして、情報提供業務あるいは民事法律扶助業務を活用しました被災者の支援を適切に実施していくものと認識をしております。 したがいまして、法務省としても、この法テラスが被災者に寄り添って、被災者の需要に応えた法的支援を実現することができるように、私どもも支えてまいりたい、このように思っております。
○吉田(宣)委員 よろしくお願いいたします。 次に、裁判員裁判の裁判員についてお聞きをしたいと思います。 裁判員は、市民の方に裁判に参加をしていただいて、いわゆる市民感覚での裁判というものを実施していくというふうなことでございますけれども、昨今の調査、「裁判員裁判の実施状況について」という速報版が出ておりまして、これに目を通させていただきました。 すると、実施を始めて七年というふうなことでございますけれども、いわゆる平均の実審理期間というふうなものについて、平成二十一年度では三・七、平成二十二年度、四・九、平成二十三年、六・二、平成二十四年、七・四、二十五が八・一、二十六が八・二、二十七が九・四というふうに、徐々に徐々に長くなってきているわけです。とすれば、裁判員の皆様にかかる負担というのも物理的に時間的にだんだん重くなっているというふうなことが推移として見てとれます。 また、裁判においては、裁判官がこれを担うということであれば、それは訓練をされた方ですから、この重責に十分たえ得るというふうな資格、立場のもと、これを担っておるわけでございますけれども、裁判員の場合は、そういったことではなくて、まさに一般人がそういった重責を担っているというふうなことからすれば、そこにかかってくる精神的な不安というものは、やはり我々は、大変な思いをされているということを想像するにかたくないところでございます。 そういう意味におきましては、この裁判員の方に対するケアについて、裁判所としてもしっかり意識をして取り組んでいかなければならないというふうに思うところでございますが、この裁判員の方へのケアに対して、裁判所の取り組みについて確認をさせていただきたいと思います。
○平木最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 公判審理が長期間に及ぶ事件におきましては、連日の開廷とはせずに、間に休みの日を設けるなどして、裁判員に負担のかかりにくい審理スケジュールを組むよう工夫したり、審理期間中に裁判員の方々の体調に変化がないか声がけをするなどして、裁判員の方々の負担軽減に努めているものと承知しております。 また、精神面でのケアが必要となる場合に備えまして、制度施行当初から裁判員メンタルヘルスサポート窓口を開設しております。この裁判員メンタルヘルスサポート窓口では、電話やインターネット、さらには対面カウンセリングによる相談を行っておりまして、臨床心理士等の専門家が相談に応じております。 裁判員の皆様方には、選任された当日に、メンタルヘルスサポート窓口の連絡先等が記載されたパンフレットをお配りして利用方法等を御説明しております上、その後も裁判所から重ねて説明をするなどして、裁判員の皆様が十分理解されるよう努めております。 今後も、引き続き、こうした取り組みをすることによりまして、長期審理事件の裁判員の方々の負担軽減に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○吉田(宣)委員 裁判員の皆様は本当に大変な思いをされているということだと思いますし、今御説明いただいたようなサポート体制もありますが、より一層、裁判員の立場に立ったサポートの充実に努めていただければと思います。 次に、私は今北九州に在住をしておりますが、先般、あってはならない事件が起きたことは、委員の皆様も御承知だと思います。すなわち、反社会的な勢力に属する人間が裁判員と接触をしてしまうという事件でございました。 大変な重責を担っている裁判員の方にそういった反社会的な勢力の人間が接触をするということは、司法の適正な執行といいますか運用というものを著しく害する危険のある話だというふうに思います。 こういうことは断じてあってはいけないというふうに私は考えておりますけれども、その点につきまして、反社会的存在の接触を許したことに関する裁判所の受けとめと、このことに関する対策について確認をさせていただきたいと思います。
○平木最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 これまでも、各庁におきまして、裁判員の安全確保に関しさまざまな方策を講じてきたところではございますが、今回の事件が発生したことはまことに遺憾であり、裁判員の安全確保のための方策が十分ではなかったと言わざるを得ないと考えております。 今回の声がけが帰宅途中の裁判員に対し裁判所の構外においてなされたものであることから、まず、最高裁におきまして、接触のおそれが認められる事案については裁判員の方々を送迎することが考えられることを、全国の高地裁に対し改めて周知いたしました。その後、最高裁におきまして、裁判員の方々の送迎以外の対策も含め、裁判員の安全確保に関して講じることが考えられる方策を取りまとめまして、全国の高地裁に対し、裁判員の安全確保に遺漏がないようにすることを求めました。 その中では、日ごろから講じることが考えられる方策としまして、第一に、庁舎内の動線、庁舎出入り口、共用スペース等の確認や工夫、第二に、裁判員に対する接触が禁止されていることの傍聴人への告知、第三に、警察との連携方法を確認するなどの、接触事案の発生に備えた体制整備を周知いたしました。 また、接触のおそれが認められる事案における具体的な方策といたしまして、先ほど申し上げました送迎のほか、第一に、庁舎内の動線の変更や一般来庁者とは別の出入り口の利用、第二に、庁舎内の移動時における裁判所職員の付き添いあるいは見守り、第三に、金属探知機による所持品検査、第四に、法廷等における警備要員の配置などを周知いたしました。 これらを受けまして、各地裁におきましては、新たに、裁判員に対する接触が禁止されていることを傍聴人に対し告知するなど、改めて安全確保に関する方策を検討して実施し、裁判員の方々の安全確保に遺漏がないように努めておるものと承知しております。 裁判所といたしましては、これらの方策を適切に実施し、裁判員が過度の負担を感じることなく安心して審理に参加していただけるよう、万全を期してまいりたいと考えておるところでございます。
○吉田(宣)委員 大切な裁判を担う裁判員の皆様については、今答弁ございました、本当に安心して審理に臨めるように万全を尽くしていただきたい。二度とこのようなことが起きてはならないことを強調させていただきたいと思います。 最後に、裁判員裁判、これは一つの尊重すべき結論であろうというふうに思いますけれども、やはり三審制のもと、控訴審においてはその判決が変わるということもあり得ることだというふうに思っております。 一方で、市民が市民感覚で裁判に携わった結果ということについても大変重く尊重すべきところであろうかと思いますが、上訴審を担う裁判官の皆様は、こういったことについては日々研修等々で見識を深めていただくような取り組みをしていただければなというふうに思うところでございますけれども、裁判所からこの点について見解をお伺いしたいと思います。
○平木最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 これまでの裁判官同士の議論などにおきましても、裁判員裁判においては第一審の判断を尊重するという議論が行われているところでございますが、委員御指摘のとおり、裁判員裁判における控訴審のあり方は大変重要な問題でございますので、事務当局といたしましても、引き続き、裁判官同士の意見交換の場を設けるなどしまして、議論がより一層深まるよう必要な支援をしてまいりたいと考えております。
○吉田(宣)委員 今後も裁判員裁判がより適切に行われるよう、これからもこの点については私自身も勉強してまいりたいというふうに思います。 以上をもちまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○鈴木委員長 次に、井出庸生君。
○井出委員 民進党、信州長野の井出庸生です。本日もよろしくお願いをいたします。 きょうも、前回に引き続きまして、結婚をした方の旧姓使用について伺っていきたいと思います。 初めに、総務省に、公務員部長高原さんに来ていただいているんですが、お配りしている資料をごらんください。これは、私の地元選挙区内の市町村、十七ありまして、多いところは人口十五万人、少ないところは一千人弱と、さまざまな市町村がありますが、そこの総務課と教育委員会関係、要は、役場の職員と、学校の教職員、先生について、旧姓使用について聞いたものでございます。前回も触れましたが、ざあっと見ますと、旧姓で働くという発想がないですとか明文規定がない、これは思いのほか多いなというのが私の率直な感想だったのですが、まず、総務省の感想を伺いたいと思います。
○高原政府参考人 御答弁申し上げます。 地方公共団体における職員の旧姓使用の実態でございますが、私どもも個別に聞き取りを行ったところでは、都道府県・政令市は全団体で旧姓使用が可能となっておりますが、政令市以外の市町村の状況につきまして、網羅的に把握しているわけではございませんが、複数の団体に個別に確認したところ、先生御提出の資料のように、これまで職員から旧姓を使用したいという相談や申請を受けたことがなく、検討したことはないといったような、なかなか旧姓使用について十分に浸透していない市町村はあるのかなというふうに思っております。 以上でございます。
○井出委員 総務省では、平成十三年だったでしょうか、国家公務員の旧姓使用を認める通知を出し、その際に、各都道府県に、国家公務員の通知をしたことをお伝えして、都道府県でも順次取り組みをというようなお知らせをしていると。では、市町村はどうなのかというと、都道府県からそういった連絡をしていただくようにしている、そういうふうに聞いているんです。 都道府県ですとか政令指定市、大きいところはそうやって、今御答弁があったように旧姓を認めるということがある程度きちっと表明をされているのかと思うんですが、さはさりながら、それ以外の市町村が、規模の小さいところもございます、しかし規模が小さいからといって、旧姓を使用したいという方がいた場合にその妨げになるような環境であると、政府の趣旨、方針とは異なる、本末転倒になるのではないかなと思うんですが、その件について再度お願いします。
○高原政府参考人 御答弁申し上げます。 本年五月に女性活躍加速のための重点方針二〇一六が決定されておりますが、その中で、「地方公務員が旧姓使用しやすくなるよう地方公共団体に働きかける。」とされております。 私ども総務省では、平成十三年に地方公共団体に周知を行ったところですが、本年の重点方針を受けまして、この八月に、地方公共団体の人事担当者や市町村行政の担当者が参加する会議の場を設けまして、職員が旧姓をしやすくなるような環境づくりに向けて取り組みを進めていただくよう要請したばかりでございます。 総務省といたしましても、引き続き各種会議の場などを通じて、地方公共団体に対し、地方公務員の旧姓使用についてしっかり働きかけを行ってまいります。 以上でございます。
○井出委員 大臣にもちょっとコメントをいただきたいんですが、前回、前々回の質疑の中で私が申し上げているのは、人数の多い少ないにかかわらず、やはり使いたい人が使いやすい環境を整えていくということがこの旧姓使用においては大事かと思います。 私が調べたところ、特に、下の方の、村ですね、簡単に言ってしまうと市町村の規模が小さくなればなるほどそういう発想自体がなかった。総務省の趣旨が行き届いていないのかなと思うんですが、私が申し上げたいのは、今回三回目の質問なんですが、通知のレベルでやっていくのか、それとも法制化をして、制度として認められているよということをきちっと担保していくのか、そこにかかってくるところでございますので、この市町村の現状について大臣からもコメントをいただきたいと思います。
○金田国務大臣 委員からの御指摘といいますか御質問は、前回に引き続いての御関心であり、私、前回も申し上げたんですが、一般論として、旧姓の使用が認められていない場合に女性がこうむる社会生活上の不便というものを解消していく上で、やはり、旧姓の通称使用というんでしょうか、それが認められる場面が広がっていくのが私は望ましいことだ、こういうふうに考えておるわけであります。 ですから、今さまざまな状況が出ている局面かもしれませんが、そういう方向で努力をしていくことで、女性の不便の解消、そういうものを考えていきたいな、私はこういうふうに思っているところであります。
○井出委員 そうしましたら、次に教育関係、文部科学省に来ていただいておりますので伺いたいのですが、先日、東京地裁の方で、私立学校の先生が旧姓使用を認めたい、学校は、それはちょっとまかりならぬと。裁判をした結果、先生側の敗訴ということになりました。 その判決を受けて、この一覧、地元の市区町村を調べてみたのですが、真ん中ら辺のRと書いてある町の教育委員会なんですが、一応何か通知をして取り扱っている。しかし、その後なんですが、「本人の申請にて期限付き(年度内)で認めている。実態調査は行っていないが、学校長より都度報告を受けている。」。 この「期限付き(年度内)で認めている。」ということは、恐らく学校業務の関係で、年度内は旧姓でいてもいいよ、年度が変わったら仕事も変わるだろうから新しい名字にしてくれということなのかなと推測をしているんですが、文部科学省はこの問題をどう捉えていらっしゃるのか。 私は、これは本当に旧姓使用を認めていると言えるのかなという疑問を持っているんですが、文部科学省に答弁をいただきたいと思います。
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど教育委員会のデータを示していただきましたけれども、公立学校の教職員に対して旧姓の使用について規定した法令というのは存在をしておりません。 先ほどもございましたが、総務省さんにおいて、各地方公共団体に対しまして、平成十三年の旧姓使用に関する政府におきます各省庁申し合わせを周知してきたところでございまして、文科省としては、教職員の旧姓使用について、引き続き教育委員会への働きかけを行ってまいりたいと考えております。
○井出委員 市町村の教育委員会の中には、私でいえば長野県ですから、長野県庁の規定に沿ってそういうことをやっています、そういう回答をされているところもあるんですが、総務省が各自治体にそういう通知をしてくれているということはさっき答弁をいただきました。文部科学省の方は独自に教育委員会へのそういう呼びかけということはやったことがあるのか教えてください。
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。 文部科学省から直接各県教育委員会に対して通知等でお願いしたということではなくて、教育委員会部局も各自治体の中のセクションですので、各自治体の中で周知をされて、先生お調べいただいたとおり、それぞれの教育委員会で、全体としては旧姓使用が認められているところが多いかと思いますけれども、こういった実態があるんだと思います。 ただ、文科省としては、引き続き、旧姓使用を御本人が望まれた場合にどういう対応をするかということは、政府として考え方を各省庁申し合わせをしているわけですから、これも踏まえながら各教育委員会で対応していただきたいということでお願いをしてまいりたいと思います。
○井出委員 政府の方針は女性の活躍ということで、これからマイナンバーでも女性の旧姓を併記することが認められる検討がされているという話もございます。ですから、教育現場においても旧姓使用が広がっていくことが望ましいということが一定のお考えであると思うのです。はっきりは言っていただきませんでしたが。 その際、今私が申し上げました、本人の申請があった場合に期限つき、年度内で認める、これは私の地元の一つの町の話だけではありませんで、まさにその東京地裁で判決のあった私立の学校でも同じことがありました。 この学校は、裁判の判決文を見ますと、旧姓使用というものをもともと認めていない、そういう御主張をされております。それは学校の何か就業規則を根拠にされているんですが。ただ、この学校も、慣例として年度内は旧姓の使用を認めている、そういうことが原告に対して示されているということが裁判の判決文を読むとわかるんです。 年度内だけは認めるというのが果たして政府の方針に沿うのかどうか、そこを端的に伺いたいと思います。
○瀧本政府参考人 お答え申し上げます。 御指摘の、教育委員会における年度内というものがどういう実態になっているのか、年度の途中で変更することについてはさまざまな支障があるでしょうから年度内は認めて、それを更新することも認めているのかどうか、定かにわかりませんので、事情を確認させていただきたいと思います。 政府としては、先ほどの各省庁申し合わせ、あるいは女性活躍加速のための重点方針二〇一六というものを踏まえて、公立学校の教職員の旧姓使用については文科省としても働きかけをしてまいりたいと考えているところでありますので、事情を確認し、その上で適切に対応させていただきたいと思います。
○井出委員 所管ではございませんが、大臣にも一言、プッシュをしていただく意味でコメントをいただきたいんです。 学校の先生が結婚をされて、名字を変えたくないという方のケースを今お話ししましたが、変えたいという方もいらっしゃると思います。ただ、そのときに、これは逆の意味から捉えて、年度内は旧姓でいてくれというような学校もあるやもしれないということをちょっと私は懸念しているんです。 本来、今の制度で、結婚をしたら名字がどちらかの姓になる、そういう法制度になっている。また、旧姓の使用が認められている。その結果、先生の名字が変わった、変わらないということも、それはその事実そのものが一つ子供への教育といいますか、戸籍ですとかそういうものの法体系もきちっと子供心ながらに理解してもらう一助になると思っておりまして、そういう意味では学校の先生、年度に限らず、ぜひ希望をかなえることこそが教育、少し法教育にもかけさせてお聞きしますが、ふさわしいと思いますが、いかがでしょうか。
○金田国務大臣 今委員から御指摘があって議論をさせていただいております。こうした形で、委員から旧姓使用の現状について御意見をいただく、旧姓使用について議論をさせていただくということは非常に大事なことである、このように考えております。
○井出委員 大事なことであるということはおっしゃっていただきましたが、もう少しプッシュしていただきたかったんですが。 文部科学省は、今、確認をして適切に対応していただくということをおっしゃっていただきました。 どのように確認をするのかというところ、問題はいろいろあると思いますが、恐らく、学校の職務上の年度という仕切り、そういうものを意識した事例であると思いますので、この一校、二校だけでは決してないと思いますし、私が今大臣への質問の中で触れさせていただきましたが、名字が変わる、変わらない、どういう制度になっているかということもやはり子供に知ってもらうことも教育だと思います。 ぜひ、旧姓を使いたい人、使いたくない人、それぞれの希望がかなうように、少し調査をして、指導というとちょっと強いんですかね、改善を求めたいと思いますが、改めて答弁を求めます。
○瀧本政府参考人 委員御指摘いただいた方向で、確認の上、本人の望まない姓を強要されるということは必ずしも適切ではないと思いますので、実態をきちんと把握した上で働きかけをしてまいりたいと思います。
○井出委員 東京地裁の判決で、先ほども申し上げたんですが、この学校は就業規則で旧姓の使用を認めていない、ただ、その就業規則を見ると、就業規則には「教職員は、氏名、住所又は家族等の変更、異動があった場合は、速やかに届け出なければならない旨規定している。」と。 これは、別にこの学校に限った話じゃなくて、どこの会社にでもあるような就業規則だと思うんですね。そこで、総務省に再度伺いたいのですが、この裁判は学校なんですけれども、当事者が所属する団体とか、この届け出というのは当たり前の、どこの組織にもあるような規定だと思うんですが、そんなどこにでもあるような届け出の決まりで旧姓の使用というものがだめだ、認められない、そういう考え方というのが旧姓使用の趣旨、旧姓使用を広めていく立場として想定されるのかどうか、ちょっとそこのコメントをいただきたいと思います。
○高原政府参考人 御答弁申し上げます。 当該学校の就業規則等、私も十分把握していないので何とも言えませんが、地方公共団体で、氏名の変更とかがあれば当然任命権者の方に届け出ていただくということになるんだろうと思いますが、その上で、女性が望む姓を選択するということで、私ども、旧姓使用の働きかけをやっておるところでございます。 以上でございます。
○井出委員 学校のことは文部科学省、公務員のことは総務省、それからまた民間のことはほかの省庁に聞かなきゃいけないのかもしれませんし、ただ、それを法制化するかどうかというところは法務大臣に伺わなければいけないので、大変質問がしにくいところではあるんですが。 この旧姓使用、夫婦別姓の問題は、昨年の十二月十六日、最高裁判決が出ておりまして、もうこれはニュースになっているんですが、結論としては合憲である、ほとんどの場合、女性が受けている不利益というものは通称使用が広まることによって一定程度緩和をされている、ただ、夫婦別姓の法制化については国会で議論をするようにというような判決であったんです。 きょうは学校の先生の話で、その前は裁判官の話をしました。旧姓使用というものは、大臣、法律ではないわけですね。ですから、法律、法制化がない中での、結婚された方の意向を尊重するための運用であるかなと思うんですが、裁判官の例は、端的に言えば判決文が書けない、裁判官の仕事の根幹にかかわるところだ。それから、教職員の方は、きょう議論したところなんですけれども。 この判決も、一定程度の緩和がされている。大臣も、広く旧姓使用の制度が広がっていくのが望ましいというお話を先ほどされていましたけれども、本当に望ましいのかというところが私の問題意識であって、やはり法制化、制度化をすればもう教職員のような運用もないし、裁判官だって法制化すればきちっと旧姓のまま判決文が書けるようになるし、私は、これは多い少ないの問題じゃなくて、言葉は悪いですけれども、運用でごまかしていくのか、法制度できちっとそれを認めるのか、そこのところを問題提起させていただきたいと思うんです。 果たしてこれは緩和措置が広がっていくことで本当に望ましいのかどうか、大臣にお考えを伺いたいと思います。
○金田国務大臣 旧姓の通称使用について今議論していただいておるわけでありますが、国や地方そしてまた企業などがそれぞれの部門において旧姓の通称使用というものを拡大するための措置を適切に講じていくことがまずは重要、こういうふうに思っております。そういう認識でおります。よろしいですね。
○井出委員 適切に講じていくことがまずは重要、そういうお話だったんですが。 十二月十六日の最高裁の判決では、婚姻前の氏を使用することは、法律ができた当時、昭和二十二年の民法改正時と比べて、女性の社会進出の推進、仕事と家庭の両立によって社会生活を継続する女性がふえている、また、現在進行している社会のグローバル化や、インターネット等で氏名が検索されることがあるなど、いわば氏名自体が世界的な広がりを有するようになった、そういう社会においては、婚姻前からの氏の使用の有用性、必要性というのはさらに高くなっていると言わなければならない、こういうことを少数意見で付言されている裁判官の女性の方がいらっしゃいます。 今、大臣は、旧姓使用の方を適切に講じていくことがまずは大切なんだということをおっしゃられたんですが、発言者をかえて、インターネット世代の政務官にちょっと御見解をいただきたいんです。女性の旧姓使用は、この判決で指摘されているように、婚姻前からの有用性、必要性が高くなっている、政務官の世代からしたら当たり前だぐらいの御答弁がいただけるのではないかと期待しておりますが、いかがでしょうか。
○井野大臣政務官 先ほど来の井出議員と大臣とのやりとりを聞いておりまして、確かに通称使用の拡大は大事なのかなと思っています。 他方で、先ほど井出委員の資料を私も拝見させていただきまして、地方ではまだまだ、それほど旧姓使用を認めているところは少ない、そういう要請も特にないという実態がある。これも私は、他方での国民の意識というか、今の現状を映したものなのかなというふうに感じている次第であります。
○井出委員 そうなんです。このお配りしている資料は、調査をすると、今政務官がおっしゃるとおり、ここに書いてあるとおりの答えが返ってきているんです。 まめでない私がなぜこんなに調査をしたのかというと、判決以外にもう一つ理由がありまして、個別には申し上げられないんですが、実はこの中の自治体の役場に勤めている女性の職員の方が、私の周りの女性はみんな旧姓使用をしようとして撃沈をしたと。そういう話を私は直接伺いまして、それで全部調査をすることにしました。 その女性がいる職場はどう回答しているかというと、やはり、旧姓使用を認めてほしいという申し出がないと。そういう認識なんですね。 それは都会と地方の問題なんだか何だか私にはよくわからないんですけれども、この資料からもう一つ私が問題提起をしたいのは、例えば、言いたいけれども言っても無駄かとか、あとは、受け取る側も、ちょっと最初聞いておけば、やり過ごしておけばおさまるだろうとか、そういうところもあるのではないかなと思いまして、そこはもう人生経験の長い大臣に、私の思いに同感してもらえるかどうか、ストレートにお聞きしたいと思います。
○金田国務大臣 最初にも申し上げましたが、通称使用が認められないために女性がこうむる社会生活上の不利益というものを少しでも解消していくということを考えた場合には、やはり、より多くの場面で通称使用を拡大していくことが望ましいというふうに考えるんです。 こういう観点から考えた場合には、今の資料の状況の中で、これを踏まえた場合には、やはり、私ども政府としても、女性活躍加速のための重点方針二〇一六というものをつくりまして、御承知のようにすべての女性が輝く社会づくり本部というのがございまして、そこでこれを決定しているんですけれども、その中に、旧姓の通称使用を拡大するためにしっかりと取り組んでいくということを書いてありますので、私は、政府全体としてもここにそれぞれの立場で取り組んでいくことによってそういう意識が改革されていくんじゃないのかなという感じはしておるわけであります。
○井出委員 意識改革の部分は私も同じ思いなのでありますが、総務省にもきょう来ていただいているので、今私が申し上げました、言っても無駄じゃないかとか、受け取る側、役場がどう捉えているかというところは正確なところは聞いていないんですけれども、そういう環境をどう払拭していくかというのは雲をつかむような部分ですので、私は法制化をするしかないと思っているんですが、現時点ではそうはなっておりませんので、意識改革の面でも構いません、ぜひその辺も力を入れていただきたいとお願いだけしておきます。 最後に、これは、きょう答弁者に女性の方がいたらぜひ伺いたかったのですが、昨年の十二月十六日の最高裁判決、ここでその少数意見を述べている女性の方は、通称使用について、 通称は便宜的なもので、使用の許否、許される範囲等が定まっているわけではなく、現在のところ公的な文書には使用できない場合があるという欠陥がある上、通称名と 旧姓ですね、 戸籍名との同一性という新たな問題を惹起することになる。そもそも通称使用は婚姻によって変動した氏では当該個人の同一性の識別に支障があることを示す証左なのである。既に婚姻をためらう事態が生じている現在において、上記の不利益が一定程度緩和されているからといって夫婦が別の氏を称することを全く認めないことに合理性が認められるものではない。 恐らくこれは、旧姓使用を御経験された方の思いではないかなと思います。 夫婦別姓の法制化の議論になると、やはり子供の氏の問題というものが出てきます。法制審の答申は、たしか、結婚時に子供はどちらかの姓に決める。野党の方で提出している案は、子供が生まれたときに決める。そこは恐らく、議論をすればうんといろいろな議論があるかと思うんです。 ただ、それと切り離しても、旧姓使用を今広げようとしている、その一方で、その現状に決して満足がいっていない、そういうことが実態としてあるということをこれまでの質問で改めて問題提起させていただいて、今後の議論につなげていきたいと思います。 時間が参りましたので終わります。きょうはありがとうございました。
○鈴木委員長 次に、逢坂誠二君。
○逢坂委員 民進党の逢坂誠二でございます。 それでは、きょう、少し質疑をしたいと思うんですが、まず冒頭に、私の趣味には余り合わないんですけれども、山本農水大臣のことにちょっと言及させてください。 山本農水大臣が、きのうのパーティーですか、そこでこんな発言をしている。先日、森先生から電話で、人のパーティーで冗談を言うなよと言われた、この前冗談を言ったら首になりそうだった、だからこの辺でやめておく、こういう発言をしたということなんですね。 これは、皆さん御承知のとおり、強行採決に絡む発言でありますけれども、前回、強行採決に絡む発言をした際にも相当に問題になったわけでありますけれども、今度は、それは冗談だというふうなことを言っている。これは余りにも国会をばかにした発言だというふうに私は思いますし、今TPPという、国家の先行きがどうなるかわからない重大事項を議論、審議しているその最中に重ねてこういうことを言うというのは、私は、ちょっとどうかしているのではないかというふうに思わざるを得ません。 そして、実は、今入ってきた情報ですけれども、この発言の後にこういうことも言っているんですね。JAの皆さんがいっぱい来ているそうだが、あす、田所さんの紹介で農林水産省に来たら、いいことがあるかもしれないと。 田所さんというのは田所前法務大臣政務官のことだというふうに思いますけれども、この発言、よくよく読んでみると、利益誘導にもとられかねない発言だというふうに思うんですね。冗談めかした話をしつつ、今度は利益誘導の発言をしている。これは権限を持つ大臣として、いかにも脇が甘い、とんでもない発言だというふうに思わざるを得ません。 このことについて答弁を求めるとかということはここではいたしませんけれども、与党の皆さん、少し襟を正してさまざまなことに当たっていただきたい、そう思います。この件については、多分TPPの特別委員会の場でもいろいろ議論になるんだというふうに思いますので、ここではこれ以上言及しませんが、ぜひ、しっかりとした態度で国会運営あるいは行政運営に当たっていただきたい、そのことを申し上げさせていただきます。 それでは、次の問題に入りたいと思うんですが、私、この間、昨年の通常国会から法務委員会の委員として仕事をさせていただいて、法務省の所管というのは一体何なのかなということを思わざるを得ないんです。 きょう、実は条約について議論をしようと思っています。そして、条約について議論をした後に、最後に金田大臣の感想を伺いたいということをきのう質問通告の場でいたしました。そうしたところ、条約は所管外であるので答えられない可能性があるということだったわけです。私は、それはおかしいのではないかというふうに感ずるわけです。 私は、法務省というのは確かに個別所管法を受け持っているということ、それはわかります。しかし、個別所管法以外にも法制度全般を見守っているのは法務省ではないかなという認識を私は持っておりましたし、だから法務省という名前がついているのではないかというふうに思うんですね。しかしながら、個別所管法以外のことは答えられないと。 それともう一つ、法務省の所管の中に人権というものが一つ入っています、人権の擁護。人権というのは何かということを議論し出したら奥が深いのでありますけれども、例えば参政権、これは人権の一つになるかならないか、議論はあると思いますけれども、私は、参政権ももちろん人権だというふうに思います。では、参政権も法務省の所管であるとするならば、公選法の話をしたときに、大臣は、それは法の所管外だから答えられないというふうに言うのかどうか。 あるいは、国民が政治へ参加をする権利、国民主権の国家でありますから、国民は当然、政治に参加をする、政治に物を申す権利がある、これが阻害されたときに、それではどこの役所がこの権利を守ってくれるのか。私は、これは法務省が守る以外にないんじゃないかという気がするんですけれども、それも、例えば法務省の法の所管外であるから、これは答えられないと言うのか。 私は、それでは法務省の仕事がどんどん狭まっていって、本当の役割を果たせないんじゃないかという気がするんです。この点については冒頭の時点では質問いたしませんけれども、この後、外務省と条約のやりとりを多少させていただきますので、その中でまた、最後に大臣の方から。大臣は、事務方が何と言おうと答えてくれると私は思っておりますので……(発言する者あり)後ろからかけ声もかかりましたけれども、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 冒頭、問題意識を二点お話しさせていただきました。 さてそこで、外務省に来ていただいております。まず、条約についてお伺いしたいんですけれども、条約というのは一体どういうものであるのかということを簡潔に御説明いただきたいと思います。
○三上政府参考人 お答え申し上げます。 国際法上、一般に条約とは、国等の国際法上の主体の間において文書の形式により締結され、国際法によって規律される国際的な合意のことをいいます。これは一般的な意味での条約ということですけれども、その名称といたしましては、条約のほかに、例えば協定というような名称が使用されることも多いということでございます。
○逢坂委員 そうなんですね。条約というのは、条約という名前がついていなくても、例えば協定とか、取り決めとか、規約とか、憲章とか、規定とか、宣言とか、議定書とか、いろいろな名称があっても、それは条約と法的拘束力を有するもの、そういうものがあるということなんだと理解をしております。今、外務省からもそれに類するような答弁があったかと思います。 そこで、この条約などと国内法とが矛盾するような場合、こういう場合はどっちが優先するのかということと、あわせて、もし条約などと憲法が矛盾するような取り決めがされるというような場合にはどっちが優先するのか、このことについてお教えください。
○三上政府参考人 お答え申し上げます。 憲法と条約のどちらが優位するのかについては、我が国においては、一般には憲法が条約に優位すると解されております。 その理由といたしましては、まず、憲法は国の最高法規であるという憲法第九十八条一項がございます。そして、憲法の尊重擁護義務を負っている国務大臣から構成される内閣が憲法に違反する条約を締結できるとすることは背理すること。それから、三番目としまして、条約締結手続が憲法改正手続に比べて簡易である。このような理由から、憲法が条約に優位すると解されております。 また、条約と国内法令との関係でございますけれども、我が国においては、憲法第九十八条二項は「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。」と規定しておりますので、条約と国内法令が抵触した場合には条約が優位するというのが従来からの政府の立場でございます。
○逢坂委員 これも、何も新しいことではなくて、これまでもずっと言われていることなんだというふうに思いますが、条約というのは法律に優位をする場面があるんだということでありますので、国民にとってみると、法律以上に条約というのは重視しなければならないものだということだと思います。さまざま異論、学説はあるんだというふうには思いますけれども、一般論としてはそういうことなんだろうと思っています。 そこで、まず一つ、この条約に類する類いのもので、国会で批准すべきものと批准しないものというのが中にあろうかと思っておりますけれども、これの区分け、基準というのは何か明確なものがあるんでしょうか。
○三上政府参考人 我が国が締結した国際約束のうち、締結に当たり国会の承認を得たものが国会承認条約と呼ばれます。それから、内閣の権限の範囲内で締結したものを「行政取極」と呼んでおります。 この分類の根拠となるのは、いわゆる大平三原則というものがございます。具体的には、昭和四十九年二月の大平外務大臣答弁に基づき、三点ほどございますが、まず第一に、いわゆる法律事項を含む国際約束、二つ目に、いわゆる財政事項を含む国際約束、それから三つ目として、我が国と相手国との間あるいは国家間一般の基本的関係を法的に規定するという意味において政治的に重要な国際約束であり、それゆえに発効のために批准が要件とされているものについては国会の御承認が必要と整理されてきております。
○逢坂委員 久しぶりに大平三原則を聞いたのでありますけれども。私、きょうはここは深入りしませんけれども、今の大平三原則が最近少し緩んでいるのではないかという気が若干しております。それはまたいずれ外務委員会などの場でお伺いしたいと思います。いずれにしても、そういうルールがあって、批准するしない、批准する対象にするしないが決まっているんだということを改めて確認させていただきました。 それで次に、条約の成立のプロセス、過程、これはどのようになっているかということと、時間の関係もございますので、これに国民はどういうふうに関与できるのかというところについてお伺いをしたいんですけれども、いかがでしょうか。
○武井大臣政務官 お答えをいたします。 一般に、条約の交渉経緯を開示するということは、相手国との信頼関係もございます、また、我々の、みずからの手のうちを明らかにすることにより類似の交渉で国益を害しかねない等の観点から困難であると考えております。 そうした制約がある中におきましても、政府といたしましては、条約の交渉状況につきましてもできる限り丁寧に説明をいたしてきておるところでございまして、引き続き、国民の皆様の信頼が得られるように努力をしてまいりたいと考えております。 以上であります。
○逢坂委員 武井政務官、御答弁ありがとうございました。 私は、その前に、条約の成立のプロセス、過程はどのようなものであるかということをちょっとお伺いしたかったので、その辺、事務方、教えてもらえますか。
○三上政府参考人 お答え申し上げます。 条約締結のための手続でございますが、二国間条約の場合とそれから多数国間条約の場合で違いはございますが、例えば二国間条約の場合であれば、まず相手国との間で条約の交渉を行って、署名により条約文を確定させるという段階がございます。その後、国会で条約の締結について御承認を得た後に、条約に拘束されることについての国の同意の表明である締結を行い、その上で効力が発生するというプロセスとなります。
○逢坂委員 その上で、国民はどこで参加できるのですかという質問をしたかったのでありますけれども、政務官、もうお答えいただきましたので、条約交渉のプロセスを公開することは、手のうちを見せることになるのでまずいということと、国益を害することになるという発言があったわけですが、これは本当にいいんでしょうか。主権者は国民であります。政府は、全ての条約に関する権限、白紙委任状をもらっているのかどうか。私は、白紙委任状をもらっているとは思えない。 このあたり、政務官、政治家としてどう考えますか。国民をないがしろにしているのではないかという気がしてしようがないのでありますけれども、いかがですか。
○武井大臣政務官 もちろん、そのように国民の皆様に思われないような丁寧な取り組みを、対応をしていかなければいけないということは言うまでもないことでございますが、これにつきましては、ことしの十月十四日のTPP特別委員会でございましたが、岸田外務大臣も、このような、交渉経緯を明らかにしないということは国際社会におきましても一般的にとられているということでございますから、国際的に見ても、我が国の現状の対応というものは妥当なものであるというふうに考えております。
○逢坂委員 妥当なものであると。主権者である国民に知らせないことが妥当だということでよろしいんですか。
○武井大臣政務官 ですから、プロセスにおきまして丁寧に、先ほども申し上げましたけれども、説明でき得るものにつきましてはできる限り取り組んでいかなければならない、これはもう言うまでもないことであるわけでございますけれども、この過程につきまして公表するということにつきましては、今申し上げたとおりであります。
○逢坂委員 国際交渉になれば急に、鉄のカーテンといいましょうか、それが閉ざされるということなんですけれども、私は、かつての国際交渉はもっとオープンだったような記憶があるんです。 例えば、日米繊維交渉でありますとか、オレンジの交渉をやったとか、半導体の交渉をやったとか、自動車の交渉、過去に個別分野でいろいろな交渉があったわけでありますけれども、それはもっと情報が表に出ていて、国民的な議論も巻き起こす中で、これはいたし方がないなというような世論が形成されていったり、これは厳しいなということがあったりする中で、私は、いろいろなことが決まっていったのではないかというふうに思っています。 だから、その時代から比較すれば、情報開示しないことが当たり前のようにだんだん変わってきているのではないかという気がして、それは主権者である国民をないがしろにする方向へ来ているような気がしてしようがありません。 今回、TPPのことをあえてここでは大きく言いませんけれども、その最たるものがTPPだというふうに思っておりまして、私は、少しここは見直す必要があるのではないかという気がしております。政務官には、また後に個別具体の中でお伺いしたいと思います。 そこで、今回、国連で、核兵器禁止条約に関する決議が行われまして、日本政府はそれに最終的には反対をしたわけでありますけれども、核兵器廃絶に対する我が国の基本的立場というのはどんな立場なんでしょうか。これは事務方で構いません。
○川崎政府参考人 お答えいたします。 核兵器廃絶に関する我が国の基本的立場いかんというお尋ねでございますが、核兵器のない世界を実現するためには、核兵器の非人道性に対する正確な認識と厳しい安全保障環境に対する冷静な認識のもと、核兵器国と非核兵器国双方の協力を得て、現実的かつ実践的な措置を積み重ねていくことが不可欠である、これが我が国の基本的立場でございます。
○逢坂委員 今回の国連の核兵器禁止条約に関する決議、日本は反対をしたわけでありますけれども、この決議のどこが今の日本政府の基本的立場と違っていて相入れないということで反対されたのでしょうか。どこが相入れない部分だったのかということであります。
○川崎政府参考人 お答えいたします。 先ほど御答弁申し上げたとおり、我が国といたしましては、核兵器のない世界の実現のためには、核兵器の非人道性に対する正確な認識及び厳しい安全保障環境に対する冷静な認識に基づき、核兵器国と非核兵器国との間の協力による具体的かつ実践的な措置を積み重ねていくことが不可欠であるというふうに考えているわけでございます。 他方、北朝鮮の核・弾道ミサイル開発が我が国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威となっている中で、今先生御指摘いただきました決議案につきましては、ただいま私が申し上げたような我が国の基本的な立場に合致しない、また、核兵器国と非核兵器国との間の対立を一層助長し、その亀裂を深めるものであるという理由から、慎重に検討を重ねた結果、反対ということを選択したものでございます。
○逢坂委員 今回の決議は、核兵器禁止の法的措置を国連としてとっていこうということで、その交渉をするための会議を国連で始めようじゃないかということを言っているものだというふうに私は理解をしているんですけれども、こういうことについても賛同できないということなんでしょうか。
○武井大臣政務官 先ほどお答えを参考人からさせていただきましたが、我が国は、核兵器のない世界の実現、これは本当に今委員から御質問あったとおりでございますが、この実現のためには、核兵器の非人道性に対する正確な認識及び厳しい安全保障環境に対する冷静な認識に基づきまして、核兵器国と非核兵器国が協力をして現実的かつ実践的な措置を積み重ねていく、これが不可欠であると考えております。 御案内のとおり、北朝鮮の核・弾道ミサイル開発が我が国の安全に対する重大かつ差し迫った現実の脅威となっている中におきまして、御指摘の決議案につきましては、このような我が国の基本的立場と合致せず、核兵器国と非核兵器国の対立を一層助長してしまう、また、その亀裂を深めるものになるという理由から、慎重に慎重に検討を重ねた結果、反対という結論に達したものでございます。 以上であります。
○逢坂委員 今回の決議というのは、直ちに核兵器を禁止しろということを決議の中で言っているものではないんですね。直ちに核兵器を禁止しろということであるならば、核を持っている国と持たない国との間の亀裂が深まるというようなことも考えられますし、国際社会に対して相当な激震をもたらすということもあると私は思うんです。でも、今回の決議はそういうことは書かれていないわけです。直ちに禁止するということは言っていないわけですね。それであるにもかかわらず、なぜ日本が賛成できなかったのか、あるいは反対だったのか、私はやはりここがわからないんですよ。 そして、核を持っている国と核を持っていない国との亀裂を生むんだということを言っているんですが、私は、亀裂を生むのではなくて、日本が逆に、今回反対したことによって、核を持っている国の立場を鮮明にしたんだという気がしてしようがないんですね。 そこで、政務官にお伺いしますけれども、日本には核の抑止力が及んでいるというふうに考えておられますか。
○水嶋政府参考人 お答え申し上げます。 我が国といたしましては非核三原則をしっかりと堅持しておりますけれども、抑止力ということで申し上げますと、米国の核を含みます抑止力、これは我が国の安全を確保する上で極めて重要な役割を果たしているというふうに考えてございます。
○逢坂委員 すなわち、日本は核の抑止力の影響下にあるということなんだろうと思うんですけれども、今回の決議に対する日本の姿勢は、核を持っている国と持たない国との間を世界唯一の被爆国として取り持つという姿勢よりも、核保有国の立場に立った判断をしたんだというふうに思わざるを得ないような印象を私は受けるんです。でも、きょうはその内容に深く踏み込みません。 私がここで問題にしたいのは、この件について、十月の二十六日、これが国連で決議されたのは日本時間の二十八日と承知しておりますけれども、二十六日に私どもの議連にお越しをいただいて、この決議に対する政府の考え方、認識はいかがですかということをお伺いさせていただきました。そうしたら、基本的には、外務省の事務方は、このことについて一切答えられないと。言葉ではそう言いませんでしたけれども、賛否については全く言えないというような状況だったわけであります。二日前でも言えない。 だから、結果を見て、国民の皆さんあるいは我々政治家も、ぎゃっと驚くわけですよ。これで本当に政治に参加をするという機会が開かれているのかどうか。国際交渉だから表へ出せないんだ、そういう性質のものなのかどうかですね。なぜこんなに言えないのか。 私は、政治の世界へ入ってことしで二十数年になりますが、この間一貫して、国民主権や自治のレベルでの住民参加というものを非常に大事にしてきました。住民参加というものがなければ民主主義はうまく機能しません。そこで国民を議論から排除するようなやり方をしているということについて、私は相当おかしいと思うんですよ。 なぜこれを早い段階で開示できないんですか。議論のプロセスあるいは思考のプロセスをなぜ国民に説明できないんですか。これは事務方でも政務官でもよろしいですので、いかがですか。
○川崎政府参考人 今回の決議案の採択につきましては、私どもも、ただいま先生からお話がございましたとおり、各種の部会あるいは先生方のお集まり等でいろいろな御意見を頂戴しているところでございます。また、報道、あるいはその他いろいろな方々から、この問題に関するお考えを伺う機会もあったところでございます。 そういったことも私どもの中ではるる考えつつ、慎重に慎重に検討を重ねた結果としてぎりぎりこういった判断をしたということでございまして、この点何とぞ御理解いただきたく、お願い申し上げます。
○逢坂委員 民主主義で大事なのは、結果が白であるか黒であるか、賛成であるか反対であるかということも大事なことですけれども、民主主義はプロセスです。プロセスがしっかりしていなければ民主的とは言えないというのは世界の常識であります。 我々もこの問題について幾つか意見を発しましたけれども、声のしない壁に向かって叫んでいるようなものなんですよ。国会議員に対してもそういう姿勢であり、国民に対してはましてやもっとひどいのかどうかわかりませんけれども、何にも言わずに、そしてその当日になって実は反対でしたと。これは民主的とは私は思われません。 そこで次に、もう一つです。 今、今月の十日から十二日にインドのモディ首相が来日をすると言われております。政府もこれは公式に発表したようであります。そして、これに関連して、日印原子力協定、この場で締結をされるのではないかという報道も流れておりますし、外務省の次官も、こうしたことについて、直接締結するとは言っておりませんけれども、原子力協定に言及するかのような発言をしているわけであります。 まず、昨年の十二月、安倍総理がインドに行って、インド側とどのような確認をしてきたのか、これを教えていただけますか。
○滝崎政府参考人 お答えいたします。 昨年十二月の日本とインドとの首脳会談、日印首脳会談におきましては、日本とインドの間の平和的目的の原子力協力全般に基礎を与える協定の重要な要素について原則的な合意に達しております。 この合意は、日本の原子力基本法を踏まえ、日本から供給される原子力関連資機材等について平和的目的に限定するとの政策に合致した内容を確保したものであります。 現在、必要な国内手続に関するものを含む技術的な詳細についてインド側と調整しているというところですので、報道では署名を行う方針を決定したというふうにされておりますけれども、現段階では、署名については何ら決まっていないという状況であります。
○逢坂委員 署名については決まっていないという答弁なんですけれども、今回の日印原子力協定は結構大事な中身が入ってくるんだろうというふうに推測をします。それから、原子力に関する資機材という言い方をしましたけれども、最終的には原子力発電所の輸出も可能になり得るというふうにも理解されるわけです。 そこで、現時点で、私がこれから述べる点、それについてどのような内容でその協定が検討されているのかをお知らせください。 まず一つは、使用済み核燃料の再処理の方針について、インドとどのような方向でこの協定を結ぼうとしているのか。あるいは、日本が輸出した原子力発電所由来の使用済み核燃料についての取り扱い、これについてはどのような方向になる予定なのか。あるいはまた、インドは核実験をこれまでに行っている国であります。一番最初は一九七四年だったと思いますけれども、独自の技術でプルトニウムを分離して核実験を行っている国でありますけれども、今後、インドが核実験を行った場合に、この原子力協定による日本の協力は一体どうなるという見込みなのかといったようなことについて、現時点で、いろいろ協議をしているわけでありますので、お話しできることについて説明いただきたいと思います。
○滝崎政府参考人 お答えいたします。 日印原子力協定につきましては、先ほども申し上げたように、技術的な詳細を引き続きインド側と調整しているという状況にありますので、御質問のありました点につきまして、現在、インド側との関係もありますので、協定の具体的な内容とか文言を含めて、詳細に立ち入って説明することは差し控えたいというふうに思いますけれども、先ほども申しましたように、日本の原子力基本法を踏まえて、日本から供給される原子力関連資機材などについて平和的目的に限定するという政策に合致した内容を確保したものになるように交渉は進めているということで御理解いただければというふうに思います。
○逢坂委員 基本的には、今私がお願いした項目についてはお話しできないということなんだと思いますけれども、これは、先ほど政務官が説明していただいた、あらかじめ開示することで手のうちがばれてしまうという性質のようなものでしょうか。あるいは、あらかじめ開示することで国益に反するというような性質のものでしょうか。私にはどうもそうは思われないんですね。 何でもかんでも、外交交渉だからこれは鉄のカーテンに包み込むんだということは、私はやはりおかしいと思うんですよ。これは完全に国民主権に反していますよ。そして、締結をしたら突然、その日あるいはその直後に、こういう内容で締結しました、あとは国会で批准してくださいと。これはどう考えてみても、私は民主的とは思われないんです。これは、政務官、いかがですか。
○武井大臣政務官 御指摘の御意見でございますけれども、提示が可能なものにつきましては、もちろんこれからしかるべき開示をしていかなければいけないというふうに考えております。 日印原子力協定につきましては、今政府委員から申し上げましたけれども、繰り返しになりますけれども、本協定の技術的な部分はまだ引き続き調整中でございます。また、これにつきましてはインド側との関係もあるわけでございますので、現段階におきまして詳細に立ち入って説明をすることは差し控えなければならない点は御理解をいただきたいというふうに思います。協定の文言が確定いたしました際には政府としてしかるべき説明をさせていただきたい、そのように思っております。 以上です。
○逢坂委員 こんなことを住民に身近な自治体の現場でやっていたら、そこの首長はすぐ失職ですよ。決まったことだけを報告して、あとは御了解くださいなんてやっていたら、これは失職なんですよ。でも、国政レベルではそういうことが簡単に行われるし、条約というふうになれば特にその傾向が強い。これは、私は非民主的だというふうに思います。 大臣、最後に。今のやりとりを踏まえて、私は、条約のあり方についても、もっと国民の政治への参加の権利というものをしっかりすべきだというふうに思うのでありますけれども、御感想だけ。いや、所管外だから答えられないという答弁でもよろしいかとは思いますけれども、よろしくお願いいたします。
○金田国務大臣 逢坂委員から、先ほどから、最初の御指摘も踏まえて、ただいま質問があったことに対してお答えをさせていただきたいと思います。 幾つかの御指摘があったのですが、その中で私ども法務省の所掌事務ということに対して、最初に、私がこれまでの法務委員会でそういう言葉を使っておりましたことに対しての疑問の御指摘もあったので、それも含めて申し上げます。 法務省設置法というのがございます。法務省設置法の第四条に法務省の事務が全て掲げられております。一般に、答弁を求められた事項については、それがその設置法に規定されております所管外のものである場合には答弁を差し控えさせていただく場合というのはあるのだということ、許容されることも承知しておるわけでありまして、もちろん、答弁すべき事項についてはしっかりと責任を持って誠実に答弁をすべきことは当然である、このように思っておりますことをぜひ御理解を賜りたい、このように思っているわけであります。 かつて私が、憲法の行政府としての一般的解釈について、内閣がお答えすることになるけれども、法務大臣は内閣を代表する立場にないものであることを御理解いただきたいと申し上げたのもこういう流れの中にあるわけでございます。 そして、きょうの議論、国民主権という立場で御指摘された、あるいは住民参加ということで御指摘された点については、常に私たちも、例えば所管する事務についてのパブリックコメントを求めたり御意見を伺ったり、できる限り国民の皆様からの理解を得て施策を実施していくべきものだ、このように思っておりまして、その限りにおきましては、やはり委員と問題意識は相通ずるのではないのかな、私はこのように思っております。 以上であります。
○逢坂委員 大臣、厳しい中での答弁ありがとうございました。相通ずるかどうか、ちょっと悩ましく思っております。 あと、外務省の皆さんに日ソ共同宣言等についても質問を用意しておりましたけれども、これについては時間の関係で割愛となりました。質問主意書などでまた教えてもらいたいと思っています。それから、法務省の所掌についても質問主意書などで、多分、今国会、一般質疑はもうこれで終わりかなと思いますので、やらせていただきたいと思っています。よろしくお願いします。 終わります。
○鈴木委員長 次に、藤野保史君。
○藤野委員 日本共産党の藤野保史です。 私は、部落差別解消法案について、政府の認識をお聞きしたいと思います。 十月二十八日に当委員会でこの質疑が行われました。発議者からこういう答弁がありました。「部落差別というのは、法律上の定義規定を置かずとも、部落の出身者であることによって差別をされるということで理解ができる」、「これは行政においても一義的に明確に理解できる」、こういう答弁でありました。 私は本当に耳を疑ったわけであります。定義はないということを認めつつ、部落の出身者であることによって一義的に明確に理解できる、これはどういうことかと思うんですね。 これは、部落というものが存在しているんだということを前提にしていると思うんですが、まず総務省に、部落という定義はあるんでしょうか。
○佐伯政府参考人 お答えいたします。 現在では総務省では関係する事務を所掌しておりませんので、部落差別に関してお答えする立場にはないと考えております。 以上です。(藤野委員「定義です、定義」と呼ぶ) 現在、総務省が所管する法律や過去の同和関係の特別措置法におきまして、部落差別という用語を使用したり定義しているものはないと承知しております。
○藤野委員 ないわけですね。 これは文科省にも確認したいと思いますが、同じ質問です。
○関政府参考人 お答え申し上げます。 現在、文部科学省が所管する法律に、部落差別という用語を用いたり部落差別を定義したりしている法律はないと承知しております。
○藤野委員 ですから、これはないわけですね、日本の法体系に部落差別という言葉は。 ところが、先日の当委員会で、発議者は、部落の出身者であることによって行政も一義的に明確に理解できると言ったわけです。 大臣、これは法律ができますと、法務省もさまざまな啓発、教育、かかわってくるわけですが、部落の出身者であることによって一義的に明確に理解できると。これはできるんでしょうか、大臣。
○金田国務大臣 本法律案は議員立法であります。そして、国会に提出されまして審議中でありますから、法務大臣として所感を述べることは差し控えたいと思います。
○藤野委員 いや、これは、実際、法が成立して執行していくのに責任を持たれるのは、法務省が非常に大きな責任を持つわけですね。ですから、これは現時点でしっかり御所見を持っていただかないと責任を持てないということになります。 私はいろいろ調べてみたんです、部落という言葉に定義があるのかと。いろいろ調べました。唯一見つけることができました。それが配付資料の一でお配りしているものであります。 これは、部落解放同盟のいわゆる綱領、二〇一一年に決定されたものでありまして、綱領で線を引っ張っているところなんですが、「部落民とは、歴史的・社会的に形成された被差別部落に現在居住しているかあるいは過去に居住していたという事実などによって、部落差別をうける可能性をもつ人の総称である。」、こういう定義であります。これだけなんですね。同和関係の主要団体は幾つかありますけれども、ほかは持っていないんです、こういう定義は。解放同盟だけがこういう定義を持っている。ですから、特定団体の定義を法律に、しかも恒久法の定義に盛り込もうというのが今回の法律だというふうに思うんですね。 先日の当委員会で、提案者の門議員は私の質問に対してこう答弁されました。「特定の民間団体の主張を我々が聞き及んでこの法律をつくろうということではありません」と答弁されたんですね。しかし、定義はまさに部落解放同盟の定義であります。 そして、二十八日の質疑の前の日、二十七日には、星陵会館で、本法案の成立を求める集会が開かれました。そして、その集会で開会挨拶を行ったのは部落解放同盟の中央執行委員長であります。そして、基調提案を行ったのは部落解放同盟の中央書記長であります。まさにそういう集会でこういう法案をつくってくれという主張がされた。 ですから、大臣、提案者は特定の民間団体の主張ではないと言うんだけれども、この法案はまさに部落解放同盟の主張に基づくものであって、それを法的に担保しようというものだと思うんです。 大臣、政府が今までにこういうことをしたことがあるんでしょうか。
○金田国務大臣 先ほども申し上げましたように、議員立法として審議中の法律案でございます。したがいまして、定義規定の点につきまして見解を述べることは差し控えたいと思います。
○藤野委員 私は、これは絶対許せないと思うんです。部落の出身者というものを行政が勝手に決める。これは江戸時代の人別改めのようなものだと、人権連の皆さんは本当に怒りに震えているという状況であります。せっかく今まで国民が話し合いの中でこの問題を解決しようと、その道を切り開いてきた。その切り開いてきた道を行政が、政府がこの法案によって閉ざして、それで部落問題を固定化、永久化していく。これは本当に許されない。 この法案第六条で実態調査ということをやるんだと言っているんですね。部落の出身者、提案者はこれで一義的に明確に理解できると言っている。その実態調査というのがどのようなものになるのかということですね。 かつて総務省は調査をやっておりました。何を調べていたか。人口動態として、同和地区の世帯数、その中での同和関係者の世帯数も調べる、詳細に調べております。そして、同和地区内に居住する夫婦について、年代別に、夫婦とも地区の生まれだとか、夫は地区の生まれだが妻は地区外の生まれだとか、夫は地区外だが妻は地区の生まれ、夫婦とも地区外の生まれという比率まで調べているんです。これはまさに、生まれ、出身者、そういうラベリングを行って調査をしてきた。それは本当に人権侵害だということで、これはもうやめたわけです。 大臣にちょっとお聞きしたいんですが、こういう調査、生まれ、出身者、部落の出身者、これをラベリングしていく、こんな調査はまさに日本国憲法が禁止する人権侵害、憲法違反だと思うんですが、大臣、いかがですか。
○金田国務大臣 何度も申し上げて恐縮ですが、本法律案は議員立法として国会に提出されて審議中でございますので、法務大臣としての所感を申し述べることは差し控えたいと思います。
○藤野委員 いや、本当にこういう調査をやるということになれば、これはまさに憲法違反になるわけです。 先日私も紹介したんですが、大臣、これは生の声ですのでちょっと聞いていただきたいんですけれども、鳥取県の四十代の男性の声が人権連に寄せられております。「この法案は、未来永劫、私たちとその子孫に「部落」の烙印をおすことになります。これは、到底容認できることではありません。いつまで私たちを「部落」に縛り付けるのですか。もう、解放してください。お願いします。」、こういう声なんです。 大臣、この法案は、未来永劫部落の烙印を押す。恒久法です。「いつまで私たちを「部落」に縛り付けるのですか。もう、解放してください。」、こういう声なんですが、大臣、やはりこういう声をどう受けとめるのか、そして、こういう声を無視してこの法律をつくって実態調査、こんなことは許されないんじゃないかと思うんですが、重ねて大臣の御所見をお聞きしたいと思います。
○金田国務大臣 繰り返しになりますが、議員の立法として国会に提出されて審議中でございます。法務大臣としての所感は差し控えたいのですが、強いて申し上げるならば、さらに御質問は、議員立法の解釈を前提とするものと受けとめますので、やはり差し控えさせていただきたい。
○藤野委員 解釈といいますか、これは発議者の答弁なんですね。発議者が、部落の出身者であること、それは一義的に明確だと。部落の出身者という本当に許しがたいメルクマールを法案の根幹に据えているわけです。それが運用されていく、調査もやるんだ、教育も啓発もやるんだと。定義がないじゃないかと言ったら、部落の出身者であること、これが根拠になっているということですから、これは解釈ではなくて、発議者の、まさに発議理由の根幹なわけですね。ですから、お聞きをしているわけであります。 これが恒久法として、まさにその出身者であることを政府なり地方公共団体が調査をしていく、未来永劫、あなたは部落の出身者ですと烙印を押す、こういうことは絶対に許されないと思うんです。 大臣、この点について重ねて答弁をお願いします。
○金田国務大臣 繰り返しになってしまいますが、議員立法の内容と解釈、そういったものを前提とする御質問でございますので、法務大臣としてのお答えは差し控えさせていただきたいと思います。
○藤野委員 そういう意味で、この問題は絶対に許すことのできない法案の中身だということが先日の質疑で明らかになりました。こうした法案をまさに現場に押しつけるということはもう絶対に許せないと思うんです。 よく発議者もインターネットの問題を挙げております。インターネットでさまざまな問題が起きている、例えば地名総鑑というものも起きているということが指摘をされております。しかし、この問題についても私はさまざまな到達点があるというふうに思うんです。 配付資料の二を見ていただきたいと思うんですが、これは自由同和会という団体の資料であります。御存じかと思うんですが、まさに自民党の友誼団体の一つでありまして、同和問題についての主要団体の一つであります。 この自由同和会の二〇一一年の運動方針を御紹介しているわけですが、真ん中あたりを読んでいただきますと、「したがって、」とある後ですが、 同和地区の所在をあえて公開する必要はないが、部落地名総鑑を発見しても、差別の助長になると大騒ぎするのではなく、淡々と処理すればいいことで、未だに差別があることの根拠にすることは差別の現状を見誤る危険な所業といわざるを得ない。 同和地区に住む人達を差別しようとする悪意を持った確信犯的な人は絶対になくならない。そのような差別を好む者が部落地名総鑑を作成してインターネットに流すなど悪用した場合には、毅然として対処することは当然であるが、今や混住化が進み半数以上は同和関係者以外の人達であることを広報することのほうが部落地名総鑑を無意味にする近道ではないだろうか。 こういう指摘であります。 大臣、主要団体が、自民党の友誼団体でもあるそういう団体の認識がある意味ここまで到達しているわけです。同和の特別対策を二〇〇二年に政府が終結して十年たった段階で、こういう認識に到達している。 大臣、これは私は大事だと思うんですが、この点についてはどのように思われますか。
○金田国務大臣 委員御指摘のただいまの御質問については、議員立法の内容、解釈にかかわる、前提とする御質問ですので、お答えは差し控えさせていただきます。
○藤野委員 総務省にもちょっと確認したいんですが、地対協、地域改善対策協議会の報告書、一九八六年八月に出ていると思うんですが、差別投書や落書き等についてどのように指摘をしておりますか。
○佐伯政府参考人 お答えいたします。 委員お示しの報告書における、差別投書、落書き、差別発言等への対処について言及した記述としては、五の4、「差別行為の法規制問題」において、 差別投書、落書き、差別発言等は、現刑法の名誉毀損等で十分対処することができる。対処することができないもの、例えば、特定の者を対象としない単なる悪罵、放言までを一般的に規制する合理的理由はない。特に悪質なものを規制するとしても、その線引きを明確にすることは著しく困難である。 との記述がございます。
○藤野委員 そういうことなんですね。政府の認識としても、そうした落書きや差別発言等は、まず現行法に当てはまる場合は現行法でやる、一般的に特定できないような放言までは規制する合理的理由がない、こう言っているわけでありまして、そのとおりだというふうに思います。 自由法曹団なども、こうしたネットへの差別的書き込みについては、いわゆるプロバイダー責任制限法という法律もあるわけで、これに基づいて「削除請求するなど、既存の法律で対応することが可能である。」というふうに提案しております。ですから、やはりこうした方向で到達点を築いてきている。自由同和会自身も、そういう方向で解決すべき問題だと言っているわけですね。 ですから、私は、こういう方向でこの問題は対応していくべきだ。 新たに法律をつくって、調査し、教育し、啓発しと。国が差別の存在を前提にして、あなたは差別に侵されているでしょうという前提で教育、啓発をするということは、日本国憲法の内心の自由、ここにもかかわる重大問題なんですね。こういうこともこの法案は含んでいる、構造的に含んでいる法案だ。ですから、これを通すことは、全国民にとって、その内心に踏み込んで、あなたは差別意識に侵されているから教育、啓発するということになるわけで、まさに憲法上許されないと私は思うわけです。 そして、大臣にちょっとお聞きしたいんですが、そういう意味では、これは特定の団体、部落差別解放同盟の定義を含め、経過からいっても、その主張に基づいてつくられる法律であります。他方で、自由同和会のような、皆さんの友誼団体のような方は違う方向で解決すべきだという提案をしている。ですから、いろいろな議論があるわけですね。私は、まさに人権にかかわる、全国民にかかわる重大問題ですから、本当に多くの方の意見を聞く必要があると思うんです。 先日、福岡県に行ってまいりました。私、福岡の生まれなんですが。一部残っている特別扱いの実態も聞いてまいりました。そのときに現場の方がおっしゃったのは、この法案が通って一番困るのは地方自治体の職員と学校の教員だとおっしゃるんですね。実際の相談や施策あるいは啓発、教育、この矢面に立つ、実際やるのはこうした方々だ。それでどれだけ私たちが苦労してきたかという話を私は聞いてまいりました。ですから、そういう点での話をそうした方からも聞かないといけない。 あるいは、私は長野の御代田町の茂木町長からもお話を聞いたんですが、これは行政の自主性にかかわる問題なんです。定義がないもとでどう判断するか。結局、判断できずに特定の団体の言いなりになって不公正な行政が行われた、こういう歴史、行政の自主性、これを痛感している町長からもやはり話を聞くべきじゃないか。 あるいは自由同和会、解放同盟を含め、そして人権連を含め、長年にわたって血の出るような運動をやってきた方々がいらっしゃるわけです。そうした方々からまさにお話を聞く、そういう参考人質疑が絶対にこれは必要な法案だというふうに思いますし、西日本を初め全国各地での現地調査や公聴会というのもやってしかるべきだ。ですから、法案審議の大前提として、そうした参考人質疑や地方公聴会、現地調査というのをやるべきだ。そういうこともやらずに、そういうこともやらずに一部の推進勢力、まさに特定の団体の圧力に押されて、まともな審議もないまま法案を通すということになれば、これはまさに国会が国会でなくなってしまう、こういう重大問題だというふうに思います。 そういう意味で、大臣に最後、そういう問題だと思わないかというふうに思うんですが、御所見をお聞きしたいと思います。
○金田国務大臣 ただいまの御指摘、お尋ねは、この議員立法の適否そのものを問うものだと伺っておりました。したがいまして、本法律案は、何度もお答え申し上げておりますが、議員立法として国会に提出され、審議されているものでございますので、法務大臣としては所感を申し述べることは差し控えたいと思います。
○藤野委員 まさに適否そのものを聞いたわけであります。 私は、本来やるべき審議もやらずに、聞くべき意見も聞かずにこうした法案を通すということは、本当に国会にとって自殺行為だ、絶対採決は許されないということを強く主張して、質問を終わります。
○鈴木委員長 次に、木下智彦君。
○木下委員 日本維新の会、木下智彦です。本日もお時間をいただきまして、ありがとうございます。 きょうは、前回、大臣の所信に関する質疑のところでちょっと触れさせていただいたことをもう少し掘り下げてお話しさせていただきたいと思います。死刑制度なんですけれども、この間、私、言いっ放しで終わっているので、もう少し聞きたいなというところなんです。 大臣に、死刑制度について、確定判決後、一応、刑事訴訟法の中では六カ月以内に刑の執行をしなきゃいけないというところについて御答弁いただきまして、ちょっとそれを読ませていただきます。 刑事訴訟法第四百七十五条第二項では、死刑の執行の命令は、判決確定の日から六カ月以内にしなければならない旨が規定されているが、これは訓示規定と解されている、六カ月以内に死刑の執行の命令がなされなくても、裁判の執行とはいえ、人の命を絶つ極めて重大な刑罰の執行に関するものであるため、その執行に慎重を期していることによるものであって、違法であるとまでは考えていない、こういうふうにおっしゃられています。 事務方の方に、では、この訓示規定というのは何というふうに聞かせていただいたんですね。そうしたら、各種の手続を定める規定のうちで、専ら裁判所や行政機関への命令の性格を持って、これらの機関がそれに違反しても行為の効力自体には影響がないような規定と理解されている、こういうふうにおっしゃられた。 ここで、私、ではこの死刑制度に関して言うとどういうことなのかなと。これらの話から、私は、確定判決が出てから執行までは、実質的にはいつまでも待っていいというふうなことを解釈できるんじゃないかなと思うんですけれども、この解釈で間違っていないでしょうか。極めて重大な刑罰に関するものだから、いつまでも時間があってもよい、そういうことになるということなんでしょうか。ここをちょっともう一度教えていただけないですか。
○林政府参考人 あくまでも、刑事訴訟法四百七十五条第二項において、死刑の執行の命令は、判決の確定の日から六カ月以内にしなければならない、こういう規定がございます。したがいまして、この規定自体は当然法規範として存在しているわけでございます。 その上で、それが一つの死刑の執行の時間的な制約ということになろうかと思いますが、他方で、この六カ月というものを経過した死刑の執行というものの効力を考えた場合には、やはりそれは、この規定が訓示規定であるので、死刑の執行の効力が否定されるものではない、このように理解しております。
○木下委員 今ので理屈は通っているようには見えるんですね。ただ、現実問題についてちょっとお話しさせていただきたいんです。 まあ、言いながら、ちょっと最初に断っておかなければならないことがあって、今回私が質問していることは、自分の考え方がどうこうではないと思っているんです。自分の考え方というのは、死刑制度について賛成か反対か、そういう問題ではなく、現行の法律上実際にどうなっていて、現実がどうなのかという、そこに絞ってお話をさせていただきたいなと改めてお断りをした上でお話しします。 今の話でいうと、何か理屈は通っているように思うんですね。ただ、では、現実を見てみたときに、私、ちょっと手元で計算したんです、確定判決から刑の執行までの期間、これは二〇一〇年以降で、私、個別のものを全部計算してみたんです、そうすると、平均して四年十カ月、確定してから刑が執行されるまで平均して四年十カ月たっている。六カ月以内に刑が執行されたものは一つもないらしいです。これは、訓示規定というふうに言いながら、私は、この六カ月という期間は形骸化しているんじゃないかと思うんですね。 それで、改めてちょっとお聞きさせていただきたいんですけれども、では、一体この期間に大臣は何をされているのか、確定判決後に大臣が判断する要素というのは具体的に何があるのかということです。 そして、もう一つ聞くならば、死刑執行自体は、大臣の、これはちょっと難しいかもしれませんが、権限なのか、義務なのか、この辺はどう解釈すればいいのかということについて教えていただければと思います。
○林政府参考人 まず、死刑の執行に関しましては、個々の事案につきまして関係記録を十分に精査しまして、刑の執行の停止、あるいは再審、あるいは非常上告事由、こういったことの有無、あるいは恩赦を相当とする情状の有無などを慎重に検討し、これらの事由等がないと認めた場合に初めて死刑執行命令を発するものと理解しております。 以上でございます。
○木下委員 今の話でいうと、いろいろありますと、恩赦等々も考えなきゃいけないということなんですけれども、その期間を設定しているのが六カ月じゃないんですか。なぜ平均四年十カ月になるんですか。では、何のために六カ月という規定をとっているんですか。それがよくわからない。 それからもう一つ、もう一度聞かせていただきますが、これが大臣の権限なのか、義務なのか。実際に本当にやらなきゃいけないことを六カ月以内に大臣がやられていないということなのかどうなのか、その辺も含めてお話しいただければと思います。
○林政府参考人 まず、死刑執行命令を行うのが法務大臣である、こういうふうに刑事訴訟法で規定しておるわけでございますが、これは刑事訴訟法の四百七十五条第一項におきまして定められておるわけです。他方で、一般の裁判の執行は検察官の指揮のみをもって行い得るとされております。これが刑事訴訟法第四百七十二条でございます。そうしますと、死刑の執行だけは法務大臣の命令によるという形で、一般の裁判の執行に比べて例外を設けておるわけでございます。 この例外を設けた趣旨というものは、やはり、死刑が人の生命を奪う極刑でありまして、一旦執行されると回復が不能でございますので、その執行手続を特に慎重にして、法務の最高責任者である法務大臣において、死刑判決に対して、改めて、再審、非常上告等の非常救済手続をとる必要の有無などを確かめるなど慎重な手続をとった上で執行に移ることが相当である、このような考えがあってこのような法の規定があるものと考えております。 そういった意味におきまして、通常であれば、検察官の指揮で裁判というものが速やかに執行されるわけでございますが、さらに慎重を期すために、法務大臣の命令に基づくという形で裁判というものを執行する、こういう権限といいますか、こういった職務を法務大臣に与えているというふうに理解しております。
○木下委員 今の話を総合して聞くと、私の解釈では、これは法務大臣の権限だというふうに解されるんじゃないかな。これはちょっと勝手な解釈なのかもしれませんが、そういうふうなものに近いんじゃないかなと思うんですね。 そうはいいながら、ではここからはもう少し、余りきついことを言ってもしようがないので、ただ、やはり、現実問題を見てみて、そのために六カ月ということが形として設定されていながら現実としてはそういうふうなことができていない。結局、その長い期間、二〇一〇年から考えたら四年十カ月、そこで今言われていたようなことを検討されているんだと仮定します。そうしたときに考えられるのは、この四百七十五条第二項、これはもう実質的に形骸化しているんじゃないですかということなんです。ここに法的安定性があるのかどうかということなんです。 これを考えたときに、必ず、きょう私がこうやってしているような議論が出てきてしかるべきだと考えておりまして、これをやはり、早急に、もう少しクリアになるように見直しを引き続き検討していただきたいというふうに私は思っているんです。これは、死刑制度は反対なのか賛成なのかという問題ではなく、法律をしっかりと明確にするべきだ、そういう観点で質問させていただいております。 大臣、ちょっとそれについて一言コメントをいただければと思います。
○金田国務大臣 ただいまの委員の御指摘に対しましては、死刑のあり方の一部だと思うんですね。 四百七十五条については、第二項でるる書いております。その六カ月の中に、「これをその期間に算入しない。」という期間がただし書きで出ております。この部分は委員も御理解いただけるんだろうと思うんですね。ですから、さまざまな、「上訴権回復若しくは再審の請求、非常上告又は恩赦の出願若しくは申出がされその手続が終了するまでの期間及び共同被告人であつた者に対する判決が確定するまでの期間は、これをその期間に算入しない。」となっております。そういう規定もあることも御承知の上でお尋ねだと思います。 死刑のあり方に関しましては、やはり我が国の刑事司法制度の根幹にかかわる問題だというふうに思います。ですから、多くの国民の皆さんがみずからその議論の必要性を感じて議論をしていく、そういう姿勢が大事なのかな、こういうふうに考えております。
○木下委員 ぜひとも、引き続き、その辺も含めて、御検討それから議論が続けられればと思います。 きょう、本当はもう一つ用意しておりました。前にも言いました、日弁連の死刑制度反対という宣言についてということがあったんです。これはまた次回お話しさせていただきますけれども、ちょっとさわりだけお話しさせていただくと、弁護士法というところに、第四十七条だったかな、ここに書いてあるんですけれども、「弁護士、弁護士法人及び弁護士会は、当然、日本弁護士連合会の会員となる。」。弁護士法に「当然、」と書いてあるんですね。そういう人たちが死刑制度反対と宣言したというところは、もう少しこれは議論が必要だと思いますし、私は、弁護士法自体の見直しももう少しやっていくべきだと思いますので、またこれは次回させていただきたいと思います。ありがとうございました。
○鈴木委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時十二分散会