国土交通委員会 第6号
- 発言数
- 174 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2016/11/18
会議録
○西銘委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、道路運送法の一部を改正する法律案を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省総合政策局長藤田耕三君、道路局長石川雄一君、鉄道局長奥田哲也君、自動車局長藤井直樹君、観光庁長官田村明比古君、観光地域振興部長加藤庸之君、内閣官房内閣審議官向井治紀君、警察庁長官官房審議官長谷川豊君及び厚生労働省大臣官房審議官浜谷浩樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西銘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○西銘委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。津島淳君。
○津島委員 皆さん、おはようございます。自由民主党の津島淳でございます。 まず、政務官在任中は大変お世話になりました。ありがとうございます。 実は、国土交通委員会の質問は初めてということでございまして、機会をいただきました委員長そして理事の皆様に心より厚く御礼を申し上げる次第でございます。石井大臣初め副大臣、政務官、政府参考人の皆様、よろしくお願い申し上げます。 では、法案の質疑に入る前に、青函トンネル共用走行の問題について、一点、お伺いしとう存じます。 青函トンネル及びその前後区間では、標準軌と狭軌を併設し、北海道新幹線とJR貨物の列車が共用している状態になってございます。その結果、新幹線は、貨物列車とのすれ違い時の安全確保のため、現在、百四十キロ走行という速度制限がされております。 新幹線の速達効果と本州—北海道間の物流機能をしっかり両立させるため、共用走行について抜本的な対策が私は必要だと思うんです。まず、時間帯区分走行案の早期の実現を求めます。 その上で、昭和五十八年に、当時、運輸大臣の私的諮問機関、青函トンネル問題懇談会が答申した意見書にございますカートレイン構想や、現在検討中のすれ違い時自動減速、トレイン・オン・トレイン、さらには貨物列車専用フェリーや第二青函トンネルなど、さまざまな案のストック効果を検証し、早期に方針を定めるべきであると考えます。 この問題についての御認識を大臣にお伺いしとう存じます。
○石井国務大臣 青函共用走行区間における高速走行につきましては、平成二十五年三月に、交通政策審議会の青函共用走行区間技術検討ワーキンググループにおきまして、「当面の方針」が取りまとめられております。 この中で、時間帯区分案につきましては、平成三十年の春に、安全性の確保に必要な技術の検証が円滑に進むことを前提といたしまして、一日一往復の高速走行の実現を目指すとされたところであります。 その後、高速走行の実施に必要な技術的な課題について精査してきた結果、貨物列車と共用していることに伴い、保守作業時間に制約があること等によりまして、レール削正等の軌道整備等、貨物列車の誤侵入防止システムの開発などにかなりの時間を要することが判明いたしました。このため、先月二十七日に開催されましたワーキンググループにおきまして、平成三十年春の高速走行の実現は困難であり、三年程度おくれる見通しである旨を報告したところであります。 一方、ワーキンググループでは、高速走行の実施時期の前倒しを図る案として、高速走行を青函トンネル内の下り線に限定する案も提示をさせていただいたところであります。こういった案も含めまして、早期実現を目指して、引き続き検討を進めてまいりたいと存じます。 また、中長期的な抜本対策につきましては、過去にワーキンググループにおきまして、第二の青函トンネルを建設する案や上下線の間に隔壁を設置する案等、複数の案について議論された経緯がございます。これらの案のうち、「当面の方針」では、すれ違い時減速案及びトレイン・オン・トレイン案について検討を進めることとされ、これまで、その技術的な課題を検証してきたところであります。 いずれにいたしましても、高速走行の実現につきましては、委員御指摘のとおり、地元の御意見も伺いながら、国民的資産である青函トンネルの機能を最大限活用できるよう、総合的かつ幅広い視点で検討を進めてまいりたいと思います。
○津島委員 ありがとうございます。 ぜひ、地元との調和というところに御留意いただきまして、抜本的かつ総合的な対策を早期に実現されることを願います。ありがとうございます。 それでは、法案に関する質問に入らせていただきます。 本年一月十五日、長野県軽井沢町にて、乗客十三名、乗員二名が亡くなられ乗客二十六名が重軽傷を負う貸し切りスキーバスの重大事故が発生いたしました。亡くなられた乗客の方々は、いずれも前途有望な大学生でございました。改めて、亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げます。 事故後、軽井沢スキーバス事故対策検討委員会が設置され、六月三日、安全・安心な貸切バスの運行を実現するための総合的な対策、以下「総合的な対策」というふうに呼ばせていただきますが、が取りまとめられました。本改正案、今回審議されている改正案は、二度とこのような悲劇を繰り返さないために、「総合的な対策」を踏まえ所要の改正を行うものである、そういう基本的な認識に立っております。 その上で、この改正案に盛り込まれている中で確認すべき点や、それ以外で「総合的な対策」に盛り込まれていた項目などをこれから質問してまいりたいと思っております。 まず、基本的な認識、バス事業に関する規制緩和についての認識についてお伺いしたいと存じます。 ちょっと歴史をさかのぼりますと、平成十二年二月に貸し切りバスに関する規制の緩和がなされたわけです。その結果、事業者数は、改正前、平成十年には二千百二十二社であったものが、平成二十六年には四千四百七十七社と倍増しております。そして、その実態はといいますと、車両保有台数十両以下の事業者が約七割である、そういう状況にございます。また、その会社の事業環境はといいますと、長らく続いておりましたデフレというものの中、格安ツアーバス運行の拡大により、低運賃での運行といった状況にございました。 そういった中、平成二十四年四月、皆様記憶に新しいと存じますが、乗客七名がお亡くなりになるという関越道ツアーバス事故が発生いたしました。その事故を受けて安全対策の強化が図られてきたんですが、残念ながら今回のスキーバス事故を防ぐことはできなかった、そういう経緯をたどっているわけであります。 私は、規制緩和というものは、経済的規制を緩めて競争環境を導入することで消費者に有利なサービスを提供するためにあるんだと。ですから、今回こういうふうに事故が起きるということは、私は、経済的規制のみならず、本来守るべき安全、安心にかかわる規制に手をつけてしまったのではないか、あるいは、競争環境下にある消費者に適切な判断材料をお届けする方策が十分ではなかったのではないか、そういうふうな所見を持たずにはいられないわけであります。 この点、国土交通省におかれましては、このバス事業に関する規制緩和、これはよい面、悪い面があると思うんです、それらを含めてどのように総括されておるか、大臣にお伺いしたいと存じます。
○石井国務大臣 まず、お答えする前に、改めて、本年一月の軽井沢スキーバス事故でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族、またけがをされた皆様に心からお見舞いを申し上げたいと存じます。 貸し切りバス事業につきましては、これまで、需給調整の廃止や運賃等についての規制緩和を行ってまいりました。これらの措置は、サービスの多様化など、利用者の利便向上という点では成果を上げていると認識をしております。一方で、安全、安心なサービスの確保は最重要の課題でありまして、規制緩和は、安全に関する規制を緩和したものではございません。 平成二十四年四月の関越道高速ツアーバス事故を踏まえまして、高速ツアーバスの新高速乗り合いバスへの移行、一定距離以上におけるドライバーの配置人数の強化、安全コストを適切に反映した運賃・料金規制の導入など、安全規制の強化を行ったところでありますが、それにもかかわらず、軽井沢スキーバス事故が発生いたしました。 国土交通省といたしましては、この事態を深刻に受けとめ、これまでの安全対策を改めて抜本的に見直し、六月に「総合的な対策」として取りまとめたところであります。 既存事業者、新規事業者を問わず、安全確保のための措置を十分に講じないまま事業を行うことがないように、事前、事後のチェックを厳しく行った上で、不適格者については事業からの退出を求める厳しい姿勢が必要であると考えており、今回の法案の内容もそれに沿ったものとなっているところでございます。 国土交通省といたしましては、こういった悲惨な事故を二度と起こさないよう、貸し切りバス事業者に対する安全規制を改めて徹底するとともに、安全に関する情報の利用者への提供にも努めてまいりたいと存じます。
○津島委員 ありがとうございます。 利用者、つまり消費者の皆さんに選んでもらえる、信頼されるバス会社をいかに育てていくかというのは非常に重要なことだと思います。ぜひ、「総合的な対策」を踏まえた対策というものをより強力に進めていただきたいと存じます。 今回の改正案では、事業許可の更新制を導入し、事業者が安全に事業を遂行する能力を有するかどうか、五年ごとにチェックすることとされています。これに関しまして、「総合的な対策」を受けた再発防止策の具体的項目とスケジュールには、事業参入時及び許可更新時に安全投資計画と収支見積書の作成を義務づけております。それを義務づけた上で事業遂行能力を審査するということなんですね。この点、適切に安全投資を行って、人材を確保し得る経営体力を有することが重要でございます。 ですから、その点を考えますと、毎年の財務諸表などを含めた経営力の審査というものを行っていくことがより実効性を高める上で重要なのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○根本大臣政務官 安全投資計画は、次の更新までの五年間の安全投資に関する計画、すなわち、運転手や運行管理者などの体制整備、車両の新規取得、代替や経年劣化等に応じた整備、その他安全確保について必要な事項に関する計画であり、収支見積書は、その裏づけとなる収入や支出を記載するものです。これらの計画や見積書が実態に即したものであるかどうかをチェックすることは、委員御指摘のとおり、重要であると考えております。 貸し切りバス事業者には、事業報告書の一部として毎年度の財務諸表の提出を求めているところであり、これらの資料を活用し、実績についても十分踏まえながら、安全に事業を遂行する能力についてしっかり審査してまいりたいと考えております。
○津島委員 ありがとうございます。ぜひ、実態に合っているかどうかという検証を確実に行っていただきたいと思います。 次に移ります。 安全の確保という点においては、社員教育、労務管理・運行管理、それから車両管理と整備、この三点が適切になされていなければならないと思います。現行法では、安全統括管理者及び運行管理者を必置として安全の確保を行わせることとしております。 安全というものの実効性を高めるため、事業者は、人事労務責任者、運行管理者、整備責任者、この三者を置いて安全の確保を行わせるべきと考えますが、いかがでございましょうか。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 輸送の安全を確保するには、運転者に対する指導監督や労務管理等の運行管理、さらには車両の適切な整備管理が重要です。貸し切りバス事業者は、これら業務の責任者として、安全統括管理者、運行管理者及び整備管理者を選任しなければならないこととされております。 軽井沢のスキーバス事故を受け、「総合的な対策」に基づき、貸し切りバス事業者は、新たに、夜間運行時の乗務途中点呼の実施、実務訓練等運転者に対する指導監督の内容の拡充、さらに、ふぐあいの発生の予防も含めた整備、こういったことを実施することが求められることとなるところでございます。 このような取り組みに関し、安全統括管理者、運行管理者及び整備管理者は、以前にも増して重要な責任を担うこととなります。国土交通省としましても、監査等を通じ、これらの者が責任を全うしているかについてしっかりとチェックしてまいりたいと考えております。
○津島委員 ありがとうございます。監査を通じてその実効性があるかどうかをしっかり確認することは重要だと思います。 次に移ります。 この「総合的な対策」のいわば中間まとめ、中間整理において、事業参入時の許可基準として、最低保有車両数の引き上げや一定以内の車齢の義務づけについて、引き続き検討していくとされておりました。 しかし、「総合的な対策」にはその項目が見当たらないわけでありまして、この二点については、安全投資を行い得る企業規模を担保する、そして不適格者を排除するために重要であると思うんですが、いかなる検討がなされたのか、お伺いしたいと存じます。
○藤井政府参考人 お答えをいたします。 貸し切りバス事業に関する最低保有車両数の引き上げや、一定以内の車齢の義務づけの必要性の有無につきましては、国土交通省に設けた軽井沢スキーバス事故対策検討委員会において徹底的な議論を行わせていただきました。その結果、車両数や車齢と安全性との間に明確な因果関係を見出すことが困難である、これを理由として、これらに関する規制については現状どおりとするということが「総合的な対策」の中で定められたところでございます。 一方、「総合的な対策」の中では、安全に貸し切りバス事業を遂行する能力について、事業規模にかかわらず、事業参入時及び更新時に安全投資計画や収支見積書の提出を求め、必要な審査を行うこととされたところでございます。国土交通省としましては、この考え方に沿いまして、安全、安心な貸し切りバスの運行の実現を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○津島委員 総合的に安全投資をしっかり行うことで、一定の台数を確保するとか、それから余り車齢の高い車を保有し続けない、そういうところ、また、監査がいかにしっかり行われているかということが重要だと思いますので、よろしくお願いします。 次に、ランドオペレーターについてお伺いしたいと存じます。 今回の事故において、バス会社の手配においてランドオペレーターが介在していたことが問題となりました。これについては、「総合的な対策」の中で引き続き検討すべき事項とされておりますが、その検討方針と結論を得る見通しについていかがでしょうか。
○田村政府参考人 お答え申し上げます。 旅行業者の依頼を受けバスや宿泊等の手配を行うランドオペレーターにつきましては、事業者間の取引を行う者であることから、これまで、旅行者の保護を主な目的とする旅行業法の対象外でございましたけれども、旅行者の安全性をしっかりと確保するには、これを旅行業法に位置づけ、業務の適正化を図る必要があると考えているところでございます。 このため、有識者を構成メンバーとする新たな時代の旅行業法制に関する検討会を去る十月六日に立ち上げ、具体的な制度設計に向けて、観光産業等の関係者からのヒアリングを実施し、論点整理を行っているところでございますけれども、これまでの議論の中では、旅行者の安全確保等の観点から、ランドオペレーターに対し、登録制を導入するなど業務の適正化に向けた規制が必要ではないかというような意見が出ておりまして、観光庁としても、いただいた御意見を踏まえて、今後、制度設計を検討することとしております。 いずれにいたしましても、年内を目途として検討会において中間取りまとめを行い、これを踏まえ、次期通常国会に関連法案を提出する方向で検討を進めてまいります。
○津島委員 ありがとうございます。 登録制などを検討されているということですけれども、これもまた、現にスキーバスもシーズンに入っておりますし、早期に結論を得て実効ある対策を行っていただくよう、お願い申し上げます。 時間の関係で最後の質問になろうかと思います。 最後に、安全情報の見える化についてお伺いしたいと思います。 冒頭申し上げましたが、競争環境下では、利用者である消費者の皆様に対して、適切な選択を行い得る情報の提供というものが不可欠であると思うんです。この点について、「総合的な対策」の(4)という項目ですね、「旅行業者、利用者等との関係強化」の中に、「利用者に対する安全情報の「見える化」」という項目がございます。この点について、既に実施された対策や検討中の対策の目途はいかがでしょうか。
○藤井政府参考人 お答えをいたします。 「総合的な対策」においては、国土交通省が貸し切りバス事業者における先進安全自動車の導入状況やセーフティーバス認定の取得状況といった安全情報を公表した上で、旅行業者や旅行比較サイトなどが必要な情報をパンフレットやホームページなどに掲載する仕組みを構築することとされたところです。 国土交通省は、これを受けまして、貸し切りバス事業者から報告された安全情報を年内にも取りまとめ、公表する予定でおります。 また、国土交通省の働きかけにより、既に複数の旅行業者や旅行比較サイトを運営する事業者が、安全情報のパンフレットやホームページへの掲載を開始しているところです。 国土交通省としましては、引き続き、貸し切りバス事業者の安全、安心の確保についての取り組み内容についての情報を利用者が入手しやすい環境づくりに取り組んでまいります。
○津島委員 時間が参りましたので終わりますが、このような事故が二度と繰り返されないよう、対策をしっかりとっていただくことを強く求めて、終わらせていただきます。 ありがとうございます。
○西銘委員長 次に、伊佐進一君。
○伊佐委員 おはようございます。公明党の伊佐進一です。 早速質問に入らせていただきたいと思います。 公明党として、今回の事故を受けまして、一月の二十七日に再発防止策について申し入れを行わせていただきました。政府でバス事故対策検討委員会の初会合を開かれましたのが一月の二十九日でございますので、その前に、初会合の前に我々は、現場をしっかりと調査して、また申し入れをさせていただきました。 そもそもこの事故は、平成二十四年に、七名が死亡する関越自動車道での事故がありました。これを受けて、安全対策強化をまさしく取りまとめて進めている中で起こった事故でございました。同じようなことをしていちゃだめだ、二度とこのような悲惨な事故を起こさないんだという思いで、我々もこの提言を取りまとめたということでございます。 まず冒頭伺いたいのは、公明党の申し入れに対して政府がどのように受けとめて、この内容が今回の法改正であったりあるいは制度改正であったりというものにきちんと反映されているのかどうかということについて伺いたいと思います。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 本年一月十五日に発生しました軽井沢のスキーバス事故について、公明党から、本年一月二十七日に、国土交通大臣に対して、以下を内容とする再発防止策の申し入れをいただいております。 それは、五項目ございますけれども、運転者不足等のソフト面、バスの老朽化等のハード面からの検討を行うこと、シートベルト着用の徹底を行うこと、貸し切りバス事業者安全評価制度の周知徹底を行うこと、事業参入時、参入後の規制の必要な見直しを行うこと、そして下限割れ運賃対策やランドオペレーターのあり方の検討を行うことでございます。 国土交通省が一月二十九日に設置しました軽井沢スキーバス事故対策検討委員会においては、この申し入れの内容を踏まえました検討が行われ、その内容は、六月三日に取りまとめられた「総合的な対策」、さらにはそれを踏まえた今回の道路運送法改正案やその他の制度改正にしっかり盛り込まれているものと考えております。
○伊佐委員 公明党の申し入れをしっかりと取り入れられているということでございました。 我々が申し入れた中に、今回の法律事項というのももちろんございますが、今後の運用次第というような、運用が重要だというところもございまして、そういう点について幾つか質問させていただきたいと思います。 まず、規制運賃の下限割れについて伺いたいと思います。 今回の事故を起こした事業者というのは、届け出をしていた運賃の、上限、下限がありますけれども、この下限を下回っていた、下回る運賃で運行されていた。これは明らかに法令違反ということになるわけですが、合法的な下限割れ状態という例もあるというふうに伺っております。 つまり、これはどういうことかといいますと、手数料としてキックバックがなされて、料金制度というのは平成二十六年の四月一日から上限と下限というのが法令で定められているという状況ですが、ちょっと、参考に資料を一枚だけきょうは配らせていただきました。 この一番右、旅行者が旅行会社にお金を払う。旅行会社がバスを手配した貸し切りバス事業者にお金を払う。このお金は、「賃金」というところ、左の赤い丸で囲っているここの部分です。 ところが、この下の方に「手数料」というのが書いてありますが、この手数料部分が、旅行会社に手数料としてキックバックされているという状況。これは、法律で、別に法律違反じゃないと認められています。 ところが、上限、下限の設定というのは、この一番左側の赤い丸、この「売上(運賃・料金)」と書いている、ここのところの上限と下限が定められているんです。だから、手数料が大きくなってキックバックが大きくなればなるほど、実際に貸し切りバス事業者に入る料金というのは少なくなります。 そうすると、もしかすると、下限運賃を定めているんだけれども下限割れをしている場合があるんじゃないか、こういう指摘があったということですが、これに対してどういうふうに取り組むんでしょうか。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 貸し切りバス事業者及び旅行業者の間の手数料、いわゆるキックバックの収受は、民間企業同士の商取引であり、その額等について特段の規制はございません。 しかし、手数料が過大である場合には、委員御指摘のとおり、貸し切りバス事業者が収受する運賃・料金が実質的には下限を下回る状況となることがあり、そのようなケースにおいては、安全運行に必要なコストを適正に運賃・料金に反映するという制度の趣旨が損なわれ、法令違反となるおそれがあるものと考えております。 このため、六月に取りまとめられました「総合的な対策」に沿って、バス業界と旅行業界の協力のもとに、手数料について専門家が検証するための第三者委員会を設置するとともに、同委員会に手数料に関する通報窓口を設けたところです。 国土交通省としましては、この委員会における検証等を通じて、法令違反となる過大な手数料の収受を防止してまいりたいと考えております。
○伊佐委員 確かに民民の契約であるということだったと思いますが、手数料が大きくなればなるほど実際に入るお金が減って、その減った部分のしわ寄せというのが現場でハンドルを握るドライバーの人件費のカットというようなことにつながって、あるいは過酷な労働環境というものにつながるということは、あってはいけないというふうに思いますので、引き続きここはしっかりと議論していただきたいというふうに思っております。 次の質問、通告ではランドオペレーターの話をしようと思っていたんですが、先ほど同僚の津島議員の方からしていただきました。旅行業法で今後しっかり位置づける、そういう議論をしていくんだというお話をいただけましたので、ちょっと違う質問をさせていただきたいと思います。 ドライブレコーダーの話。 今回の事故を起こした車はドライブレコーダーを積んでいなかったということが指摘をされております。これを受けて、この報告書の中でも、ドライブレコーダーの搭載を義務化するということになりました。 これまでドライブレコーダーというのは、国交省も一生懸命普及させようということでやっていただいておりまして、ドライブレコーダーをつければ一定の補助を国の方から出していたと思います。これが義務化されるということは、義務化したものに対して補助を出すというのは変な話で、ちょっと今後この補助がどうなるんだろうというふうな現場の声もあります。この点についてはいかがでしょうか。
○藤井政府参考人 お答えをいたします。 ドライブレコーダーは、運行管理者による運転者への安全指導を行う、そういった場合に非常に有効な機器であるということから、今回の軽井沢スキーバス事故を受けて、貸し切りバスについてはその装着を順次義務化することとしているところでございます。 ドライブレコーダーについては、平成二十二年度に国の補助制度を創設し、その普及促進に努めているところでございます。 国土交通省といたしましては、貸し切りバスへのドライブレコーダーの義務づけ、その後の普及状況というのを踏まえながら、今後とも必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
○伊佐委員 済みません、今ちょっとわからなかったんですが、最終的にはこの補助金というのはどうなるんですか。ずっと継続するんですか。それとも、なくなるんでしょうか。
○藤井政府参考人 補助に必要な予算につきましては毎年度の予算要求に基づきますので、今ここでどうかということを全て申し上げるということは困難でございますけれども、先ほど申し上げました義務づけ、これは、一遍に義務づけをするというわけではなくて、そのための準備期間も必要でございますので、段階を経て義務づけを徐々にかけていくということで、これはほかの安全に関する装置についても同様のやり方をとっているところでございます。 その過程におきましては、補助をしていくということは少なくとも十分あり得ることだと思っておりますので、そういったことを踏まえて毎年の予算要求をしてまいりたいと考えております。
○伊佐委員 移行期間といいますか、その過程の中ではしっかりと補助するということでした。 今の現状、ドライブレコーダーを装着している、普及しているというのは、まだ貸し切りバスの場合は二割ですので、残り八割の方、もし移行期間がもうすぐ終わるとかという話になれば多分どっとたくさん申請が来るんじゃないかなと思っておりますので、これは予算措置を我々もしっかりと応援してまいりたいというふうに思っております。 では、次の質問に行かせていただきます。 今回の事故で、始業点呼をしていなかったということがございました。始業点呼というのは、一番最初、ハンドルを握る前に、健康状態に問題がないかどうか、例えば二日酔いじゃないかどうかとか、こういうのをちゃんとチェックするわけですが、この大事な作業をしなかった、これも法令違反ということでございます。 日常の健康診断はどうなっているかというと、労働安全衛生法で年一回の受診を義務づけている。貸し切りバスの場合は夜間労働者ですので、年二回の受診の義務があるということになっております。 私が問題意識を持っておりますのは、ドライバーの皆さんの睡眠時無呼吸症候群、いわゆるSASと言われるものです。ここへの対応がどうなっているかですが、その前に、この睡眠時無呼吸症候群の定義、あるいは、疾病だとして、これが保険適用される基準がどうなっているかということについて伺いたいと思います。
○浜谷政府参考人 お答えいたします。 睡眠時無呼吸症候群は、脳波等から睡眠の状態を判定する検査で、睡眠中の一定の基準を満たす呼吸の停止や弱い呼吸が一時間当たり合わせて五回以上あり、かつ、いびきや日中の眠気などの症状がある場合に診断されます。 このうち、中重度の睡眠時無呼吸症候群には、マスクを介して空気を気道に送り、常に圧力をかけて空気の通り道が塞がれないようにするCPAP療法が有効であるとされております。 このため、現行の医療保険制度におきましては、睡眠時の無呼吸の程度が中重度で、日中の眠気等により日常生活に支障を来しており、CPAP療法により睡眠の改善が認められる患者等に対しまして、診療報酬を算定できることとしております。
○伊佐委員 この診断基準というのが、一時間当たりの無呼吸の数がどれぐらいかということで、先ほどは、五以上であれば病気だということを紹介いただきました。これは保険適用されると。ちなみに、この基準は二十ということだったというふうに思っております。 航空機のパイロットはどうなっているかといいますと、ライセンスの更新があります、半年ごと、あるいは一年ごと。更新をするときに、当然身体検査があるわけですが、必要に応じて、SASの、無呼吸症候群の検査をします。このときに、この基準、一時間当たり睡眠時の無呼吸の数が十五あれば不適合だ、操縦桿を握ってはいけませんということになっています。 では、貸し切りバスの運転手はどうなっているのか。不適合となるような基準があるのかどうか、あるいは何らかの対応が必要じゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 睡眠時無呼吸症候群につきまして、貸し切りバスの事業者が運転者に検診を受けさせること、これは実は義務づけはされていないところでございます。これは、一つは、受診費用負担といった問題をどうやって解決したらいいのか、こういった問題がまず先行するということでございます。 受診が必ずしも義務化されていないということでありますので、身体検査でどういったレベルだと適合するかしないか、そういった基準についても、今設定することは困難だと考えております。 ただ一方で、国土交通省としましては、無呼吸症候群の対策につきまして、事業用自動車の運転者の健康管理マニュアルの中で、スクリーニング検査というものを推奨しているところでございます。無呼吸症候群の早期発見から治療までの一連の流れについて、運送事業者がわかりやすいように示したマニュアルも作成し、その普及拡大に努めているところでございます。 また、運送事業者の団体におきましては、傘下の事業者に対しまして、無呼吸症候群のスクリーニング検査に対する補助金を交付して、その普及に努めているところでございます。 国土交通省としましては、引き続き、これらの取り組みを推進することによりまして、貸し切りバス運転者に対する無呼吸症候群の検診と治療の普及拡大に努めてまいりたいと考えております。
○伊佐委員 さっき局長が義務化されていないからということをおっしゃいましたが、航空機も実は義務化されていません。飛行機のパイロットだって、SAS検査を受けることは義務化されていません。いないんですが、十五を上回る場合には不適合だということにしております。そこは申し上げておきたいと思います。 確かに、補助金でいろいろと支援していますよということだと思いますが、業界が独自にスクリーニングしたりとか、あるいは診断というものをされているわけですが、では、この検査がどれぐらい行われているか。七二%。従業員五十人未満になると五〇%です。 さらに、さっき申し上げた、保険適用だ、治療が必要だとなった場合でも、アンケートをとると、だからこのドライバーはちょっと休んでくださいとか配置転換をしてくださいという例は、実は数%しかありません。ほとんどの場合は、治療を受けながら、業務もずっとハンドルを握って続けているという国交省の調査の結果が出ております。 そういう意味では、飛行機ももちろんリスクがある。ただ、飛行機はちゃんと基準があって、しかも副操縦士もいるわけです。自動運転もある。貸し切りバスの場合はどれもないわけですから。そういう意味では、きょうは余りここを突っ込んでも、何か新しい、これをやりますというのはすぐには答えられないかもしれませんが、引き続きこれはしっかりと検討していただきたいというふうに思っております。 次に、実は私、関連して、この場で何度も取り上げているトラックの事業者の皆さん、トラックドライバーの皆さんの質問もしたいと思いますが、ちょっと時間も限られておりますので、一点だけ確認をさせてください。国交省に確認をします。 トラック業界の構造というのは本当に多層構造だと言われていまして、建設業よりもかなり層が厚い。つまり、どんどん下におりていっている。国交省も、トラックドライバーの皆さんのための調査をしたりとか、あるいはマニュアルをつくったりとか、ガイドラインをつくったりとか、いろいろされておりますが、実は、この一番下の、本当にハンドルを握る実運送の皆さんがどれぐらいの運賃で運行されているかというのは押さえていらっしゃらないと思いますが、ぜひ調査をしていただきたいと思います。いかがでしょう。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 国土交通省におきましては、トラック運送にかかわる取引の実態を把握するべく、本年二月に中小トラック運送事業者を主な対象とした調査を実施いたしました。さらには、本年七月から八月にかけて、大手の元請トラック運送事業者十六社を対象としたヒアリングを実施しております。これらの結果につきましては、官邸に設置された下請等中小企業の取引条件改善に関する関係府省等連絡会議、こちらの方にも報告をさせていただいているところでございます。 さらに、私ども、荷主の方も入れた形での、トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会というものを全国にあるいは各地に設けておりますけれども、こちらの中にトラック運送業の適正運賃・料金検討会というものを設置し、適正運賃・料金収受に向けた議論も開始をしているところでございます。 このような枠組みにおいて、トラック運送業界の取引環境の改善についての取り組みを進める中で、委員御指摘のような運賃・料金収受の実態、さらにはドライバーの賃金の状況を把握するための方策についても検討を深めてまいりたいと考えているところでございます。
○伊佐委員 実態調査とおっしゃったときに、高速料金がなかなか収受されないとか、あるいは荷おろし、荷揚げ、こういうお金がもらえないとか、こういう部分部分ももちろん大事なんですが、そもそも構造として、実際に運転している事業者がどれぐらいもらっているか、これを把握していただきたいというふうに思っております。 最後に、このトラック事業者の話もそうです、先ほどの貸し切りバスの話もそうですが、あんな悲惨な事故を繰り返さないんだという、これまでの議論を聞いていただいての大臣の御決意を伺いたいと思います。
○石井国務大臣 今回の法改正の目標、効果といたしまして、貸し切りバス事業者が原因となる事故について、乗客の死亡事故ゼロを目指すとともに、乗客の負傷事故を十年以内に半減することを目指すこととしております。 今回の法案に盛り込まれた事項を初め、「総合的な対策」に掲げられた事項は、これまでの貸し切りバスの安全運行確保に関する対策を抜本的に見直し、バス事業者の遵守事項の強化、徹底を図るとともに、ルール違反の早期是正、不適格者の排除を行おうとするものであります。 本年九月にG7交通大臣会合を軽井沢で開催いたしましたが、その際、改めて事故現場を訪れるとともに、御遺族の方とも面会いたしまして、こういった悲惨な事故を二度と起こしてはならないという決意を改めて強くしたところであります。 本法案の内容を初めとして、「総合的な対策」に盛り込まれた事項を速やかに実施することによりまして、貸し切りバスの安全確保を徹底し、貸し切りバス事業者が原因となる乗客の死亡事故をゼロとする目標の実現を図ってまいりたいと存じます。
○伊佐委員 大臣は、現場で遺族の皆さんとともに手を合わせられたというふうにも伺っております。しっかりとリーダーシップを発揮していただいて、前に対策を進めていただきたいと思います。 終わります。
○西銘委員長 次に、津村啓介君。
○津村委員 バス、トラック、タクシーなどの交通産業に深くかかわります道路運送法改正について質問をいたします。 まず初めに、二〇一六年一月十五日に起きました軽井沢スキーバス事故でお亡くなりになった若い皆さん、乗務員の方々、そして御遺族の方へ謹んで哀悼の誠をささげます。 早速、改正案の概要、とりわけこの実効性について検証していきたいと思いますが、今回の改正案は四つの大きな柱から成り立っております。一つは事業許可の更新制の導入、二つ目は不適格者の安易な再参入、処分逃れの阻止、三点目が監査機能の補完、自主的改善の促進、四点目が罰則の強化でございます。 一つ一つ見ていきたいと思いますが、まず、事業許可の更新制の導入について、これをしっかりとやっていくマンパワーが今の国交省にあるのか、これからどういう体制でやっていくのかということにつきまして、この間、国交省の自動車局の事務方の皆さんといろいろと協議をさせていただいてまいりました。それについて簡単にまとめたのが資料の一でございます。 簡単に御説明をいたしますと、約四千五百社の貸し切りバス事業者を五年間で一巡させていくということですから、一年間で約九百件、そして、一件当たりの所要時間は三十二時間程度を想定されているということでございます。合わせますと、約二万八千六百八時間。そして、民間指定機関に協力をしてもらう。これは後から出てくる監査機能の方でございますけれども、こちらは地方運輸局ごとに一機関を指定するということで、九カ所。一件当たりの所要時間が百四十時間。また、安全情報提供業務については八千九百二時間。合わせますと、三万八千七百七十時間の新たな事務量が発生する。 定員一人当たりの年間労働時間というのは千八百七十六時間ということでこれは決まっているそうですので、割り込むと二十・六人、つまり二十人、二十一人増員が必要だということになりますけれども、国交省さんの増員要求はこうした積算によってなされたものということで御説明を受けておりますが、大臣、御確認ください。
○石井国務大臣 平成二十九年度の増員要求におきまして、貸し切りバスの事業許可の更新制を運用するために地方運輸局に新たに必要となる職員を盛り込んでおりますが、その人数を算出した考え方は、委員から今御説明のあったとおりであります。
○津村委員 一枚おめくりいただきますと、更新それから監査の現行のスタッフの数と来年度の要求人員についてまとめさせていただいております。そして、監査の方ですけれども、こちらは、国の公務員の仕事だけでは足りないということで、民間の指定機関を設立するというのが今回の改正案のもう一つの柱となっております。その積算を、資料三、二ページ目の下側にまとめさせていただきました。 先ほども御紹介しましたけれども、貸し切りバス事業者は約四千五百、そして営業所は約六千ありますが、うち約一割は国が直接丁寧に見るということで、残りの五千四百営業所について、二人一組で一日一営業所を見ていく換算をすると、全国で指導員が九十人程度必要だということで、こちらも国交省さんからヒアリングしたものをまとめたものでございます。 こうした九十人というのは、全国ではありますけれども、必ずしも少ない数字ではありませんが、これから外部人材の活用は、どういう形でこの九十人のマンパワーを確保していくお考えでしょうか。
○石井国務大臣 今回の改正案では、適正化機関が事業の実施に必要な経費に充てるため、貸し切りバス事業者から負担金を徴収する制度を盛り込んでおります。負担金の額については、事業者の営業所数等の違いに応じて異なりますが、全国平均で営業所一カ所当たりで約十七万円、バス一台当たりで約二万円となります。 指導員につきましては、数年間で段階的に体制を整備していく予定でございます。指導員は、民間の経験者、例えばバス会社のOBやトラック会社等の運行管理経験者などを中心に採用されるものと想定をしておりますが、トラックの適正化機関でも未経験者を採用することも実施しておりますので、そういったことも想定をされるところであります。 そのほか、外部に委託をする指導員として、独立行政法人自動車事故対策機構の職員を活用することも想定されるところでございます。
○津村委員 もう一つの柱が欠格期間の延長であります。不適格者の安易な再参入、処分逃れの阻止ということで、二番目の大きな柱としてうたわれているわけです。 この欠格期間を二年から五年に延ばすということですが、現行の二年の欠格期間の後、再参入した方というのは今までいらっしゃるんでしょうか。実は実績がゼロというふうに仄聞しておりますけれども、もし今まで再参入する方がいなかったのであれば、それを二年から五年に延ばしても実効性はないというふうにも思うんですけれども、いかがでしょうか。
○末松副大臣 お答えさせていただきます。 旅客自動車運送事業の許可の取り消し処分を受けた者が現行法における二年間の欠格期間の満了後に再参入した事例は、現時点ではないと認識をいたしております。先生のお話しのとおりです。 一方、これまでは、事業の取り消し処分の件数、すなわち欠格事由に該当する件数自体がほとんどありませんでしたが、今回の法改正によりまして、更新制の導入、監査機能の強化が行われると、欠格事由に該当する者が増加すると想定をされます。このため、このような者の安易な再参入の防止を徹底すべく、現行の二年間である欠格期間を各種業法の中でも最も長い五年間に延長するものでございます。
○津村委員 ことし一月の事故を受けて、一年後のまたスキーシーズンの来る前に今回の改正案を施行、公布しようということで、一年間で国交省の皆さん、関係者の皆さんが大変な御努力をされているということだと思うんですが、先ほどもマンパワーの面でも確認させていただきましたように、やはり、これから数年間かけなければその人材を確保していけないということもありますし、また、今指摘させていただいたように、四本柱のうちの一つ、欠格期間の延長というのが、今まで事例がないものをさらに延長しても、おっしゃったように、これからさらに厳しくしていく中で該当者が出てくるのかもしれませんが、残念ながら少し実効性に乏しい内容になっているのではないかということを指摘させていただいております。 半歩前進ということで、私たち、賛成の方向で議論しておりますけれども、ぜひ、ここにとどまるところなく、安全性確保に向けてさらなるお取り組みをお願いしたいというのが質問の趣旨でございます。 ランドオペレーターの話が先ほどから質疑の中で取り上げられております。 資料を見ていただきますと、三ページ目、資料四のところが、先ほども御紹介されておりましたランドオペレーターの状況についての調査でございます。左下の円グラフを見ていただきますと、二百九十三社から回答を得て、それをもとに来年度の旅行業法改正に向けての実務的な作業が今進められているということでございます。 一枚おめくりいただきますと、旅行業者というのは大体全国に一万社ぐらいあるわけですね。こうした旅行業者というのは、BツーC、つまり、旅行業者さんは一般の個人の方との取引をされている、仕事をされているということで、ランドオペレーターはBツーBですから、そういう意味では少し趣が違うんですけれども。 もう一枚おめくりいただきますと、今回調査の対象となったランドオペレーターの都道府県別の分布でございます。これを見ると、調査としては大分偏りがあるというか、もちろん都市部に観光客の需要も多いというのはわからないでもないんですけれども、しかし、東京が三百六十五なのに京都が九、そして、鳥取、島根、山口、佐賀といったところは一社しかない。こういったところにも、申すまでもなく、山口県にしてもあるいは奈良県にしてもたくさんの観光地があるわけで、ちょっとこれは一社だけから聞いていて大丈夫かなというような心配をするんです。 今行われている検討会の中で、さらに定量的なデータを集めて実態把握をしていく努力をすべきと私は思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。
○石井国務大臣 本年六月、ランドオペレーターの実態を把握するために、ランドオペレーターの取引にかかわりの深い旅行業者、バス事業者、宿泊事業者等、約一万社を対象に調査を実施いたしました。その結果、各事業者が取引を行っているランドオペレーターとしまして八百六十四社を把握し、そのおよそ半数が従業員十人未満の小規模事業者であることが判明したところでございます。 事業者の分布につきましては東京、大阪等に集中をしておりますが、これは、手配業務の便宜上、大都市圏に本社を置くことが多いことを反映したものと考えられます。これまで必ずしも明らかではなかったランドオペレーターの状況について、ある程度実態が把握できたものと認識をしております。 現在無規制でありますランドオペレーターについて、実態を把握し、業務を適正化するため、観光庁において、ことしの十月より、有識者で構成する新たな時代の旅行業法制に関する検討会を開催しているところでございます。 今後、具体的な制度設計を進めていくに当たっては、今の委員の御指摘を踏まえまして、さらなる実態把握に向けた取り組みも行ってまいりたいと考えております。
○津村委員 貸し切りバスにつきましては、規制緩和の影響ということも一つございますが、もう一つは、やはり、今、東京オリンピックを控えて、国を挙げて取り組んでいる訪日外国人観光客の誘致あるいは拡大に向けた取り組みも一つ大きな要素として考えなければいけないと思います。都内も含めて、貸し切りバスの路上駐車による道路混雑が社会的な問題になっている。そういう中で、バスの運転手さんの不足、駐車場の不足、いろいろな問題が起きています。 皆さんにも見ていただきたいんですけれども、この資料七、八、九は新宿、浅草、銀座の路上駐車の状況でございます。時間別に見たものです。 大変偏りがありまして、一番渋滞のひどいのは新宿ですけれども、新宿は、何か買い物の関係らしいですが、十時から午前中にかけて五十台近い路上駐車がほぼ慢性化している。一枚おめくりいただきますと、浅草の方は、これはお昼御飯を食べるのかもしれませんが、大体お昼に山がある。そして、三つ目は銀座です。銀座は夕方が混んでいる。 どこも駐車場が足りないということはあるんですけれども、これは工夫をすれば、例えば、朝、午前中に銀座にもっと行った方がすいているよとか、あるいは新宿で買い物をするのは午後でもできるわけですので、平準化していくためのデータというものを旅行業者さんと共有をするとか、そういったすぐにできる工夫というのがあると思うんです。 それも一つですし、これは東京都がやっているようですけれども、横浜ですとかあるいは京都ですとか、都道府県をまたぐこうした混雑の平準化を考えていく上では、ぜひ観光庁さんとしても、こうした調査を国が主体となってやっていくべきだと思います。 また、今回、数字はない、把握していないということでしたので私取り上げていませんけれども、そもそも、こうした観光地にもともとどのぐらい貸し切りバスがとまることができる駐車場が存在して、また、その稼働率がどの程度になっているのか、そうしたことを把握した上で、これから、例えば築地、豊洲の話も出ていますけれども、移転後の駐車場をどうしていくかとか、そうしたことをトータルに考えていかなければ、これから四千万人とも言われる外国人を受け入れていく環境が整わない、あるいは、東京を含め、観光地が大変な混雑になってしまうと思うんです。 こうした駐車場政策、路上駐車対策についてしっかりと措置を講じていく、調査をしていくというお考えはございますか。
○石井国務大臣 明日の日本を支える観光ビジョンの訪日外国人旅行者数、二〇二〇年、四千万人等の目標実現に向けまして、貸し切りバスによる路上混雑緩和は非常に重要な課題であると認識をしております。 このため、国土交通省では、訪日外国人旅行者の受け入れに関する地域ごとのさまざまな課題の共有、解決の場といたしまして、自治体、観光・交通事業者等で構成をいたします地方ブロック別連絡会を全国十ブロックに設置しております。その中でも、関東や九州等、貸し切りバス駐車問題が深刻な地域では、関係者による対策協議会を設置いたしまして課題解決に取り組んでおります。 今後の課題解決に向けましては、今委員から御指摘がございましたように、各地域における駐車場の容量や駐車場の稼働率の状況調査を実施いたしまして、調査結果を踏まえた上で、貸し切りバスが集中する時間帯や訪問地を分散化させる取り組みや、いわゆるショットガン方式の実施による混雑集中の平準化を行ってまいりたいと考えております。 その上で、継続的に施策の効果を検証し、貸し切りバスによる路上混雑の緩和対策を適切に進めてまいりたいと考えております。
○津村委員 国全体のバランスのとれた定量的なデータの収集ということを御提言したわけでございます。今、前向きな御答弁をいただいたと認識しますので、今後、継続的に、また国交省の皆さん、大臣とも議論をさせていただきたいということを申し添えておきます。 続きまして、もう一枚おめくりいただきますと、運転免許の話でございます。 今回のバスの安全対策の面でも、先ほど問題提起しました観光立国を現実的に進めていくという上でも、一つボトルネックになっているあるいは問題になっているのは、バス運転手の絶対数の不足。そして、絶対数が不足していますので、高齢になられた方もちょっと無理をせざるを得ない。軽井沢のバスの事故でも、比較的高齢の方が運転をされていた、まだバスに余りなれていない方が運転されていたということも言われています。 そうしたことが起こらないためにもバスの運転手をしっかり確保していかなきゃいけないということでありますけれども、ごらんいただきますように、バスを運転できる大型二種の保有者というのは漸減傾向にございますし、先ほども議論がございましたけれども、伊佐さんが取り上げていらっしゃいましたが、大型一種、トラックの運転手さんも減っているということであります。 おめくりいただいて、今のは保有者ですからストックベースですけれども、毎年の交付件数を見ても、右下をごらんいただきますと、大型二種は減っております。今、中型免許、準中型免許ということで、トラックの方の対策は一定の取り組みがございますけれども、バスについてはそうした取り組みは必ずしも十分でないということだと思います。 自動車教習所に対する支援でありますとか、あるいは免許制度の見直しでありますとか、大臣、このバス運転手の不足の対策に取り組むというお考えはございませんか。
○石井国務大臣 バス、またトラック、いずれも輸送関係のドライバー不足が非常に深刻な状況でございます。 国土交通省としても真剣に取り組んでいきたいと思っておりまして、まず、職場環境、処遇の改善をしっかりと行いまして魅力的な職場にすることによりまして、多くの方がこういったドライバーの職に参入してくるような、そういう環境づくりをぜひ進めていきたいと考えております。
○津村委員 警察庁にも伺いたいと思います。
○長谷川政府参考人 お答え申し上げます。 大型バスの運転に必要な大型第二種免許の教習を受けることができる指定自動車教習所は全国で二百十一所設置されておりまして、昨年は一万一千三百七十七人が御卒業されております。また、昨年一年間で大型第二種免許の交付を受けた方は一万二千二百六十四人となっており、平成二十七年末現在で九十六万四千三百八十三人が大型二種免許を保有されているところでございます。 こうした中、指定自動車教習所の一所当たりの一年間の卒業生の数は約五十四人となっておりまして、現状においては、必ずしも大型第二種免許に係る自動車教習所のキャパシティーが不足しているとは言えないものと認識しております。 なお、指定自動車教習所が所有する補助ブレーキつきの教習用自動車については、多くの都道府県において自動車税が減免されており、また、自動車教習所を営む中小企業事業者が運転シミュレーターを購入する場合に固定資産税が軽減されるなど、各種税制上の優遇措置が自動車教習所にも適用されているものと承知しております。
○津村委員 警察庁に一つお願いがございます。 最後の資料でございますけれども、この資料十一は、自主返納と免許の失効の数をグラフにしたものでございます。 今、これはドライバー全体ですけれども、高齢者の皆さんが運転された車で小学生の列に突っ込んでしまうとか、ドライバーの高齢化の問題、高齢者ドライバーの問題というのが社会的な問題の一つになっていると思いますけれども、それに対して、今、警察庁さんは、免許の自主返納を各自治体とも協力しながら啓発運動をされていると思います。その成果が、この青い棒グラフの増加傾向、自主返納の増加傾向です。 いろいろ高齢者の方とお話をしてみますと、自主返納というのは、手続としていささか煩雑といいますか、一定の手続が必要ですけれども、もうこれ以上乗らないから更新に行かないということで、消極的な返納というか、もう更新をしないという形で失効するというケースの方が実は多いのではないかというふうに考えます。 残念ながら、システム上の問題で、これは警察庁さんからいただいた数字ですけれども、亡くなって失効したケースと、そうやって更新に行かないことによって失効したケースというのが、数字として数日間では分けられないということでしたので同じグラフにしておりますが、そこを分けて、高齢者の方々がどういう御判断をされているのか、高齢者ドライバーの実態をより正確に把握していくべきだ。そして、それは、システム上、時間をかければできると伺っているんですけれども、この切り分けを、データを出していただきたいと思うんですが、お約束いただけますか。
○長谷川政府参考人 お答え申し上げます。 運転免許保有者の死亡により免許が失効し、死亡を理由とする取り消し処分登録がなされた免許データと、運転免許証の有効期間の更新がされないまま有効期間の末日が経過し失効した免許のデータにつきましては、お時間をちょっといただきまして、調査をいたしまして、後日御説明をさせていただきたいと考えております。 以上でございます。
○津村委員 時間になりましたので質問はここまでとさせていただきますけれども、最後に、石井大臣に一言お願いをさせていただきたいというふうに思います。 今回の軽井沢スキーバス事故は、規制緩和後のチェック体制に改善すべき点があったということで、早速、この一年間で速やかな御対応をされているというふうに思いますけれども、今るる取り上げましたように、そもそも運転手不足であること、高齢化が進んでいることというのも事故の背景でございます。 そして、この問題は、貸し切りバスで閉じるものではなくて、乗り合いバスであったり、トラックであったり、タクシーであったり、もっと言えば一般の方もそうですけれども、非常に範囲の広い問題でございます。 今回は貸し切りバスについてのみの道路運送法改正でございますが、もちろんチェックを受ける事業者の方々の負担にも十分配慮しなければいけないわけでありますけれども、例えば乗り合いバスにつきましては、審査、監査の業務に重複するところも多いわけですし、先ほどのように二十人、三十人の増員で対応できるということもあるわけですから、ぜひ今後前向きに御検討いただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。
○西銘委員長 次に、本村賢太郎君。
○本村(賢)委員 民進党の本村賢太郎でございます。どうぞよろしくお願いいたします。 まず、四月四日に開業し、西新宿周辺に十九カ所あったバス乗り場を一カ所にまとめたバスタ新宿、正式名称は新宿南口交通ターミナルということでありますが、きのう視察に行ってまいりまして、数点御質問させていただきたいと思っています。 開業して一カ月の五月二十三日に、東京国道事務所が、国道で待機するタクシーをバスタ新宿に集約したことにより、渋滞が大幅に緩和と発表されました。これは、開業前後の休日、平日、それぞれ一日目視で確認しただけだったということでございますが、開業後一カ月の時点で東京国道事務所は渋滞が緩和したと発表をされたわけでありますが、データが不十分であり、実際はむしろ若干悪化しているという結果が出ております。 なぜこうしたいいかげんな情報を発信したのか、そして、こういった信頼を揺るがすような話であることに十分国交省は反省をしなきゃいかぬと思っておりますが、大臣の御見解をお伺いいたします。
○石井国務大臣 ことし四月に開業いたしましたバスタ新宿につきまして、整備効果を速やかに発信するという観点から、五月二十三日に開業後一カ月の利用状況の速報を公表いたしました。 具体的には、バスタ新宿前の国道二十号の渋滞状況の変化について、目視により計測をいたしました休日一日分の渋滞長データを用いて、渋滞が緩和されたと公表したところであります。その際、平日についても計測を行いましたが、渋滞長が十倍以上も増加していることから、特異な値と考えて使わなかったものであります。 この内容については、御指摘のとおり、休日一日分のデータのみで渋滞の変化を確認するというには不十分なものでありまして、また、用いたデータを丁寧に説明する観点からも不十分であったと考えております。 このため、開業後六カ月間のデータを用いまして、十月中旬から下旬に改めて詳細な現地調査、分析を行い、十一月一日に結果を公表いたしました。分析の結果、国道二十号の混雑状況は改善が見られない状況にあり、一カ月速報について訂正をし、おわびを申し上げたところであります。 今後は、整備効果の把握に当たっては、できる限り分析に必要なデータを収集するとともに、データの内容についても丁寧に説明するよう努めてまいりたいと存じます。
○本村(賢)委員 ぜひ的確な、正確な情報を発信していただき、結果的に渋滞の緩和は見られなかったわけでありますが、正確な情報を流していただくことによってまた新たな対応が進むわけでありますので、大臣におかれましては、国交省内をよく御指導いただきたいと思っております。 しかしながら、安全面では効果があったというお話もありますので、引き続きの対応をお願いしてまいりたいと思います。 次の質問に入りますが、これは各テレビ、新聞等々でも大変取り上げられている話でありますが、国道二十号、甲州街道の渋滞をどのように緩和していくのか。 この問題の一つとして、例えば、十分前にしかバスが入れない十分間ルールという要因が原因ではないかという声も聞いております。また、きのう現地を見に行きますと、レッドゾーンの整備を行っておるようでありますが、そのレッドゾーン、停車も禁止ということで、一番歩道に近いところにレッドゾーンが引かれている関係でタクシーの乗りおりも行えず、かえって渋滞を招いているというお話も伺っております。 こうした現状を見直し、実効力のある対策を行っていただきたいと考えますが、国交省の御見解をお伺いいたします。
○石川政府参考人 お答えいたします。 バスタ新宿前の国道二十号の交通状況につきましては、開業前後六カ月間の走行速度のデータ等を用いて分析を行ったところでございますが、その結果、渋滞状況についてはほとんど改善が見られなかった、特に、国道二十号の上り線につきまして、休日午後に最大約五キロの速度低下が発生しているということも確認されたわけでございます。 この渋滞の原因につきまして、渋滞の要因を確認するため、十月中旬から下旬に現地調査をした結果、都心に向かう上り線において、新宿四丁目交差点の左折の車列が、横断歩行者待ちによりまして、バスタ新宿前の直線車線まで大きく延伸しているということが確認されまして、これが全体として渋滞が緩和されない最大の要因ではないかというふうに考えております。 また、駐停車が禁止されているバスタ新宿前のレッドゾーンでの一般車やタクシーの乗降や、商業施設への搬入口付近でのトラックの停車なども確認されたというところでございます。 これらの調査結果や現在進めているさらなる調査結果を踏まえまして、交通実態を踏まえた信号現示の見直し、また、バスタ新宿前などでの路上駐停車対策の強化、バスタ新宿から都心方向に向かうバスの利用経路の見直しなどのソフトを中心とした即効対策について、関係者と協議の上、速やかに講じてまいりたいというふうに考えております。 また、委員御指摘の十分前ルールでございますけれども、発車時刻の十分前にしかバスタ新宿に入れないルール、これは、限られた容量を活用して全国各地に向かうバスをできる限り多く発車させるために、ターミナル会社と各バス事業者の間に設けられたルールでございまして、これは利用規程にも明記されているものでございます。 これによりまして、すぐにバスタ新宿に入れない、西新宿の都庁通りでの路上駐車などの問題も発生をしているというふうに承知しておりますが、これは、十分ルール自体がバスタ新宿前の渋滞の主要因になっているとは認識はしておりません。
○本村(賢)委員 私は、現地を見に行って、近隣に十分ルールで回送しているバスを目にしたわけでありますが、例えばバスのプールをJRの上に箱型で設置するとか、何か新たな検討も必要じゃないかなということを御指摘しておきたいと思います。 バスタ新宿、行き先は三十九の都府県で、一日平均一千四百六十八本、一日約三万人のお客様を運ぶ日本最大規模のバスターミナルでございますので、今後、近隣の渋滞緩和に向けて、また安全対策に向けて、さらなる御指導をお願いしてまいりたいと思っております。 次は、改正案について数点お伺いいたします。 この改正案に関しまして、現在、道路運送法の民間指定団体には、タクシーに関する適正化事業実施機関である東京ハイヤー・タクシー協会のみが指定されているというふうに承知をしておりますが、今回の改正法案の中で、民間指定機関による巡回指導等を行うとのことでありますが、この民間指定はどのように決めていくのか、天下りなどがないのかを含めまして、御答弁をお願いしたいと思っております。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 今回の法案における一般貸切旅客自動車運送適正化機関につきましては、現在、地方運輸局の管轄区域ごとに地方バス協会などが設立する新法人や、あるいは、地方ブロックによっては地方バス協会自身が指定を受ける方向で検討が進められているところでございます。 いずれの地域におきましても、申請者が事業を公正かつ適確に行うことができる者であるかどうかについて、国土交通省が、事業規程、事業計画等を厳正に審査した上で指定を行うこととしております。 適正化機関の人員体制をどうするかにつきましては、それぞれの機関の自主性に任されている、委ねられているものでございますけれども、これにつきましては、民間の出身者を初めとして幅広い者が採用されることになるものと考えております。 ただ、適正化機関が天下りの批判を受けないようにするということは重要であると考えております。そのために、適正化機関の役員に国家公務員法の再就職の届け出の対象となる者がつくことがないようにするなど、この点につきましては万全を期してまいりたいと考えているところでございます。
○本村(賢)委員 次に、負担金徴収制度についてお伺いいたします。 適正に事業を運営している貸し切りバス事業者から昨日電話でお話を聞いたんですが、今回の徴収制度、不適格事業者を排除する目的の負担金自体には賛成するというお声を数社の会社からもお聞きしましたが、他方、厳しい事業環境下においては、無理なく負担できる金額であることも求められているわけであります。 負担金徴収制度を新設すると聞いておりますけれども、どのように決めるのか、また、金額をどの程度と想定しているのか、お伺いいたします。
○藤井政府参考人 お答えをいたします。 今回の改正案におきましては、適正化機関が巡回指導その他の事業の実施に必要な経費に充てるため、貸し切りバス事業者から負担金を徴収する制度を盛り込んでいるところでございます。負担金の額及び徴収方法につきましては、事業年度ごとに適正化機関が大臣の認可を受けて定めることとしているところでございます。この前提となる事業実施につきましては、効率性をしっかりと担保するような形でしっかりチェックを行ってまいりたいと考えております。 なお、適正化事業に係る経費は事業者の営業所数の違い等によって異なるため、負担金の額についても地域ごとに差が生じることが想定されますけれども、全国平均でいえば、営業所一カ所当たりで試算すると十七万円、バス一台当たりで試算をすれば約二万円といった形で、事業者の方々に十分御負担いただける額にしていきたいと考えております。
○本村(賢)委員 次に、運賃の下限割れをなくして適正運賃を実施していくことはとても重要なお話だと思いますが、しかし他方で、その分、旅行会社から手数料を上げられて、利益はむしろ減るんじゃないかという声を、きのうバスの会社の経営者の方からお話をいただきました。こうした下請たたきのようなことが起こらないように国交省としても対処してほしいわけでありますが、いかがでしょうか。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 今委員御指摘のような旅行会社とバス事業者の間の手数料の関係でございますけれども、これ自体は民間企業同士の商取引ということでございまして、その額について特段の規制があるわけではございません。 ただ、この手数料が過大になるという場合には、貸し切りバスの運賃制度の根幹であります下限運賃制度、この下限運賃を実質的には下回った収入になってしまうということがあり、このようなケースにおいては、安全運行に必要なコストを適正に運賃・料金に反映するという制度の趣旨が損なわれ、法令違反になるおそれがあるものと考えているところでございます。 このため、六月に取りまとめられた「総合的な対策」に沿いまして、国土交通省としましては、バス業界と旅行業界の協力のもとに、手数料について専門家が検証するための第三者委員会を設置する、さらには、同委員会に、手数料に関して民間の方々から通報していただける、そういった窓口を設置したところでございます。 この委員会の活動をしっかり活用することなどによりまして、こういった法令違反につながるような過大な手数料の収受が防止できるように努めてまいりたいと考えております。
○本村(賢)委員 確かに、民間同士の商取引によるものとして、従来より違法性はないと整理されておりますけれども、運営会社の方々からもそういった心配の声が上がっていますので、よく注意をしていただきたいと思います。 次は御指摘にしておきます。 先ほどから質問が出ておりますランドオペレーターに関して、特に、インバウンド、二千万人を超える訪日観光客が来ておりまして、例えば、港に着く大きな旅客船なんかの三千人、四千人という外国人がおりた際に、バスが三十台、五十台という数で来ている中で、どこのバス会社かわからないような、会社の名前も書いていないようなバスがかなり回ってきたりとか、訪日外国人の皆さんに対しても、安全性という面で大丈夫なんだろうかというお声を随分いただいております。 先ほど、ランドオペレーターの実態と規制の話に関しては大臣からも答弁をいただきましたし、また、来年度、次期通常国会で法案提出を目指すという話もいただきましたが、ぜひとも、このランドオペレーター、インバウンド対策においてもしっかりと対応をお願いしてまいりたいと思います。 次の質問に入ります。 昨今、回送中のバスの運転手さんがポケモンGOの操作を行うなどのマナー問題が多発をしている点がマスコミ等々でも取り上げられております。運転手さんの技量チェックや始業点呼とともに、交通マナーや交通ルールの徹底を求めていくべきだと考えておりますが、大臣の御見解をお伺いいたします。
○石井国務大臣 バスの運転者が運転中にスマートフォンでポケモンGOを操作する等の事案が複数発生をしております。事故につながりかねない危険な行為でありますし、軽井沢スキーバス事故を受け、全国のバス事業者に対して安全確保の徹底について繰り返し指導している最中にこういった事態が発生していることは、まことに遺憾と考えております。 国土交通省といたしましては、問題を起こしたバス事業者について、監査を行った上で警告処分の対象としております。さらに、自動車運送関係の業界団体に対して、乗務中の携帯電話等の使用禁止について文書で徹底するとともに、日本バス協会に対しては、同種の事案の再発防止のための有効な対策を速やかに検討し、報告するよう要請をしているところでございます。 こういった取り組みを通じまして、事業用自動車の運転者の交通マナー、交通ルールの確保を徹底してまいりたいと存じます。
○本村(賢)委員 運転手さんのマナー向上も大事なお話であります。先ほど津村委員からも、バスの運転手さんの確保が今後大変大きな問題になってくるんじゃないかという御指摘もあるように、さらにこうした質の向上も大事な視点になりますので、国交省としての指導をお願いしてまいりたいと思っております。 最後の質問にいたしますが、安全面という意味から、ライドシェアについてお伺いしたいと思っております。 この問題は、平成二十八年十一月、内閣官房シェアリングエコノミー検討会議より、シェアリングエコノミー検討会議中間報告書が示されました。この中には、「業法規制により許可等が必要なものについて、政府部内に規制緩和の検討のための場を設けるとともに、規制緩和を検討するのであれば、消費者の利便性向上、安全性の確保、外部不経済、国際競争力の強化等に留意しつつ、幅広く議論を行っていくことが必要ではないか。」等の記載もございます。その記載の中に、業法規制により許可等が必要なものとして具体例が挙げられておりまして、この中に、民泊、カーシェア、ライドシェア、保育業、法律相談業務等が示されています。 また、十一月九日に行われた未来投資会議構造改革徹底推進会合において竹中平蔵会長が提出した資料には、諸分野における新たな社会に合わない規制の改革等として、シェアリングエコノミー、具体的には民泊、ライドシェアと記載をされております。 十月十九日の私の質問に対しまして、向井審議官は、「現行法上の取り扱いについて問題のあるもの、例えばライドシェアのようなサービスにつきまして、個別具体的なサービスを対象として検討しているものではございません。」と答弁をされましたが、その答弁とこの中間報告は少し矛盾している点があるのではないかなというふうに実感しておりますが、内閣官房の御見解をお伺いいたします。
○向井政府参考人 お答えいたします。 今月の四日、内閣官房IT総合戦略室におきまして開催してまいりましたシェアリングエコノミー検討会議におきまして、中間報告を取りまとめていただいたところでございます。 議員御指摘の記載内容は、規制緩和の検討についての構成員の意見や、これを踏まえた課題の整理として記載しているものでございます。 この点に関する報告書の結論といたしましては、一般論としてと明記した上で、政府の規制改革推進会議等の場において幅広く議論を行っていくことが必要とされており、ライドシェアを含めまして、何か個別具体的なサービスを対象として検討するという趣旨ではございません。 なお、本シェアリングエコノミー検討会議におきまして、現時点におきまして、今後さらに個別具体的なサービスを検討するという予定はございません。
○本村(賢)委員 それでは、十月十九日の国交委で向井審議官がお答えになったことと内容は同じということでよろしいでしょうか。
○向井政府参考人 お答えいたします。 私どもIT総合戦略室といたしましては、シェアリングエコノミー検討会議に関する考え方は変わっておりません。
○本村(賢)委員 このシェアリングエコノミー検討会議中間報告書を受けまして、国交大臣としての御見解をお伺いいたします。
○石井国務大臣 今御紹介いただいた検討会議は、現行法令上問題ないサービスであることを前提に、業界団体等の自主的な共通ルール等について検討を行い、現行法上取り扱いについて問題のあるもの、例えばライドシェアのような個別具体的なサービスについて検討は行っていないものと承知をしているところでございます。
○本村(賢)委員 ぜひ、このライドシェア、シェアリングエコノミー検討会議の中で、今、内閣官房からも、そして国交大臣からも方向は変わらないという答弁をいただきましたので、引き続き、お客様の安全、安心という視点からもこの問題を追いかけていきたいと思っております。 質問を終わりにします。
○西銘委員長 次に、横山博幸君。
○横山委員 民進党の横山博幸です。 私の予定時間は四十分まででございますので、類似質問もありますけれども、一点だけ、質問通告をしておりませんけれども、見解をお聞きしたいと思います。URの件です。 私、ここで三回ほど質問させていただいたんですけれども、先般、会計検査院の報告を党主催で聞きました。その中で、大変驚いたんですけれども、URと補償コンサルが契約していないのにお金を支払っている。しかも、その支払いの仕方が、ゼネコン、いわゆる建設工事会社、鹿島・東亜建設共同企業体、JVに頼んで、JVから補償コンサルに金を払っている。これは大変な問題だと思いますが、このことを、大臣には後で答弁を求めますが、副大臣、御存じですか。
○末松副大臣 その話は、事務方から簡単な報告、説明を受けております。(横山委員「受けておりますか」と呼ぶ)承っております。報告を簡単に承っております。
○横山委員 これはきちっと精査をしていただきたいと思いますけれども、契約のないところにお金を支払った、しかも、繰り返しますけれども、ゼネコンを通じて払って、一年半後ぐらいにゼネコンに返している。こういう問題は、本当にURが補償コンサルやゼネコンをしっかりと管理できるのかという問題が残ると思います。この件についてはしっかりと精査をしていただきたいというふうに思います。 では、時間もありませんので、本題に入りたいと思います。 大枠でお聞きしたいと思いますけれども、貸し切りバスに係る規制緩和と規制強化の経緯、この点についてお聞きしたいと思います。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 貸し切りバス事業につきましては、平成十二年の道路運送法の改正により、事業参入や増車に当たっての需給調整規制を廃止するとともに、運賃・料金の設定、変更について届け出制とするなど、規制緩和を実施いたしました。安全、安心なサービスの確保は貸し切りバス事業の前提であり、今申し上げた法改正は安全に関する規制を緩和したものではございません。 平成二十四年四月に発生した関越道高速ツアーバス事故を契機に、高速ツアーバスの新高速乗り合いバスへの移行、一定距離以上におけるドライバーの配置人数の強化、さらには、安全コストを適切に反映した運賃・料金規制の導入など、安全に関する規制を強化したところでございます。 このような対策にもかかわらず、本年一月には軽井沢スキーバス事故が発生しました。特に法令違反の早期是正と不適格者の排除を中核に据えて、「総合的な対策」を六月三日に取りまとめるとともに、道路運送法の改正案を国会に提出したところでございます。 今般の法改正で可能となる対策も含め、この「総合的な対策」を速やかに実施し、貸し切りバスの安全対策に万全を期してまいる所存でございます。
○横山委員 大変ありがとうございます。 大臣にお伺いしたいと思います。 一時期から規制緩和という言葉が金科玉条のごとく躍り回って、各省庁もその方向でさまざまな規制緩和を進めてきました。しかし、その結果、いい面と悪い面が出てきております。この弊害の結果が、前回の貸し切りバスの事故のもとにもなっているんじゃないかと思います。各種の規制緩和の検証をして、ガイドラインのようなものを策定してはいかがかと私自身は思いますけれども、この点についての答弁を求めたいと思います。
○石井国務大臣 これまで、国土交通省におきましては、国民の安全、安心の確保を前提としつつ、国民生活を向上させ、経済の活性化を図るという観点から、必要な規制改革を行ってまいりました。これによりまして、例えば交通分野では、サービスの多様化、高度化、料金の多様化、低廉化等につながるなど、利用者利便の増進に一定の成果が上がっていると認識をしております。 一方で、これに伴い、国民の安全の確保などが損なわれることのないよう、社会経済情勢の変化等に的確に対応して、絶えず見直しを行うことが必要であると考えております。今般御審議いただいている道路運送法の改正もその一環であります。 ガイドラインの御提案をいただきましたが、規制のあり方につきましては、各規制の目的や対象に応じ、個別具体的な状況を踏まえて検討する必要があると認識をしてございます。 国土交通省といたしましては、引き続き、国民の安全、安心の確保が最大の使命の一つであることを常に認識いたしまして、各規制に対し、不断の検証と見直しを行ってまいりたいと考えております。
○横山委員 大変ありがとうございます。 続きまして、監査体制についてお伺いをしたいと思います。 現在、全国の運輸局の人数は三百六十五人。それで、バス、トラック及びタクシー事業者が約十二万社。わずかな人数で十二万社の監視をしておるということで、人手不足も問題になっていると予測をしますけれども、事業者に対する現行の監査体制はどのような課題があって、今後どのような対策を打っていくのか、この点についてお聞かせいただきたいと思います。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 自動車運送事業者に対する国の監査は、全国の地方運輸局三百六十六名の体制により、約四千五百社ある貸し切りバスだけでなく、トラック、タクシーも対象として実施をしているところでございます。 こういった中で、監査の実効性を向上させるためには、要員体制の一層の充実が不可欠であり、さらに、監査業務を最大限効率化、重点化する必要があると認識しております。このため、監査要員の増員について全力で取り組むとともに、貸し切りバスに関する国の監査を補完する民間指定機関の設置を進めてまいりたいと考えております。 貸し切りバスに関する国の監査業務については、法令違反の早期是正と、安全、安心な運行を行う能力に欠ける事業者の排除といったことに重点化をし、安全、安心な貸し切りバスの運行の実現のために、実効性のある監査の実現に努めてまいりたいと考えております。
○横山委員 ありがとうございます。 続きまして、今回、民間による一般貸切旅客自動車運送適正化機関というのを、これはあくまで民間の機関でございますけれども、この民間の機関で監視機能の実効性が確保できるのかどうか、この点についてお聞かせいただきたいと思います。
○藤井政府参考人 お答えをいたします。 適正化機関は、その活動を公正かつ適確に実施することが求められることから、指定の対象は、一般社団法人または一般財団法人であって事業を適正かつ確実に行うことができると認められる者であることを要件としております。 また、今般の改正案では、活動の公正性、適確性を確保するため、適正化機関に事業規程、事業計画を作成させ、国土交通大臣の認可を受けさせることとしております。 さらには、国土交通大臣は、適正化機関の業務の運営に関し、各種監督規定に基づき、適切に監督を行うとともに、指定された者が事業規程によらないで事業を行った場合には適正化機関として不適格であると判断し、指定の取り消しを行うこととしておるところでございます。 このような制度によって、国土交通省としましては、適正化機関が公正かつ適確に業務を実施できるよう、しっかりと監督してまいりたいと考えております。
○横山委員 大変ありがとうございます。 過去の事例を見ますと、こうやって本当に真摯に法改正に取り組む、あるいは対策をとっていくということでやってきましたけれども、しばらくするとまた大事故が起きてくるということの繰り返しが起こっているような気がいたしますし、今後ともそれが皆無にはならないのではないかというふうに思いますけれども、このような現状に対して、国交省としてどんな認識を持って再発防止に努めていくのか、この点についての見解を求めたいと思います。
○藤井政府参考人 お答えをいたします。 今回の法改正の目標、効果としまして、貸し切りバス事業者が原因となる事故について、乗客の死亡事故ゼロを目指すとともに、乗客の負傷事故を十年以内に半減することを目指すこととしております。 この目標、効果を実現するためには、まず、貸し切りバス事業者や運行管理者、これらの者が安全運行の確保を何よりも優先に考え、バスの暴走や衝突を未然に防ぐため、守るべきルールをしっかりと遵守することが必要でございます。 さらに、国は、ルール違反を早期に是正させ、もしそれが改まらない場合には、毅然として貸し切りバス事業から退場させる、また不適格な貸し切りバスの事業への参入を阻止する、これが必要だと考えております。 三つ目に、バス事業者、旅行業者が安全確保を最優先に据え、両業界が協力、連携してルール遵守の環境整備を推進することが不可欠であると考えておるところでございます。 国や貸し切りバス事業者を初めとする関係者が安全、安心の確保について不断に思いをいたし、これらの事項を継続的に実施していくことが一番の課題であると考えております。国土交通省としては、今後ともそのために必要な取り組みに全力で取り組んでいく所存でございます。
○横山委員 大変ありがとうございます。 最後の質問といたします。 事業者への罰則の件、これは現行の百万円以下の罰金から大幅に強化されて一億円以下の罰金となるわけでございますけれども、この法律の施行が公布の日から一カ月、わずかに一カ月で周知できるのかどうか、また、この期間を設定した根拠について、最後にお伺いをしたいと思います。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 軽井沢スキーバス事故のような悲惨な事故を二度と起こさないという決意のもと、この冬のスキーシーズン前に不適格な事業者による事故を防止するための措置を緊急に講ずる必要があることから、事業許可の更新制の導入の部分を除きまして、改正法の施行は公布の日から一月以内とさせていただいているところでございます。 この中には罰金の額の引き上げといった規定も入っておりますけれども、これにつきましては、輸送安全命令になお従わない、こういった極めて悪質かつ例外的な場合に初めて適用されるということでありますので、一月といった周知期間の中で十分対応できるものと考えているところでございます。
○横山委員 大変ありがとうございました。 以上で質問を終わります。
○西銘委員長 次に、水戸将史君。
○水戸委員 民進党の水戸将史でございます。 四人目でございますけれども、今までもいろいろな形で議論がされましたので、それも含めてお話をさせていただきたいと思っています。 特に、道路運送法は、御案内のとおり、平成二十四年四月の関越自動車道高速ツアーバスも含めてなんですが、それ以降、いろいろな形で調査委員会や検討委員会を開いてきまして、その都度、議題には上がっているんですね。 なぜこの事故が起こってしまったのか。いろいろな要因があるでしょうけれども、その遠因となるものは、やはり、平成十二年の二月、貸し切りバス業界におきましての規制緩和、これが、いわゆる事業者や車両の増加により競争が活発化し、そしてバス一台当たりの一日当たりの収入が低下、多くの事業者の収入状況の悪化を招き、その結果、運転者の過労運転の常態化、輸送の安全確保対策が十分でない事業者が存在する、いわゆる一連のこの行き過ぎた規制緩和がこうしたものを引き起こす遠因になっているのではないかという指摘があるんですね。このときも既に指摘しています。 これについてはどういう御見解でしょうか。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 貸し切りバス事業につきましては、平成十二年二月に、需給調整の廃止あるいは運賃についての規制緩和を行ったところでございます。これらの措置は、サービスの多様化など、利用者の利便向上という点で成果を上げていると認識をしております。 一方、安全、安心なサービスの確保は最重要の課題でございます。これらの規制緩和は、安全に関する規制を緩和したというものではないと考えております。 その後、平成二十四年四月に発生した関越道高速ツアーバス事故を受けて平成二十五年四月に取りまとめられたバス事業のあり方検討会報告書においては、委員御指摘のとおり、規制緩和後に事業者数、車両数が大幅に増加したものの、需要の増加が限定的であったことにより、競争が激化し、安全性の確保が優先されにくくなってきたという構造的な問題があると指摘をされているところでございます。 国土交通省といたしましては、この報告書を踏まえまして、高速ツアーバスの新高速乗り合いバスへの移行、あるいは一定距離以上におけるドライバーの配置人数の強化、さらには安全コストを適切に反映した運賃・料金規制の導入など、安全規制の強化を行ってまいりました。ただ、それにもかかわらず、本年一月には軽井沢のスキーバス事故が発生したところでございます。 国土交通省としては、この事態を極めて深刻に受けとめております。その上で、これまでの安全対策を改めて抜本的に見直し、六月に「総合的な対策」として取りまとめるとともに、道路運送法の改正案を国会に提出したところでございます。 このような悲惨な事故を二度と起こさないように、貸し切りバス事業者に対する安全規制を改めて徹底してまいりたいと考えているところでございます。
○水戸委員 御説明いただきました。 もちろん、規制緩和全てを私は否定しているものではありませんが、やはり過ぎたるは及ばざるがごとしでありますし、今局長がおっしゃったように、そういう中において、規制をある程度強化しなきゃいけないところは強化していくんだという、めり張りのきいたような形でこれから行政的な形でもアプローチしていくことを強く要望したいと思っているんですね。 そういう中で、大臣にお伺いしたいんですけれども、やはり関越自動車道高速ツアーバスのことも含めてなんですが、その再発をなかなか防ぎ切ることができなくて、四年後のことし一月十五日、あのようなもっと悲惨な事故が起きてしまったということなんですね。 やはり、幾ら行政がああだこうだと指導をしたり、また、ドライバーの教育訓練など、省令などを改正した上におきましても、バス事業者自体が法令を遵守しなければ絵に描いた餅になってしまいます。 なぜバス事業者は守れないのか、守ろうとしないのか、どうすれば守らせることができるのかということもやはり真摯に受けとめて、国交省からも一定以上のメッセージを与える必要があると思うんですが、国交大臣、これについてコメントをよろしくお願いします。 〔委員長退席、西村(明)委員長代理着席〕
○石井国務大臣 軽井沢スキーバス事故を受けまして、例えば初任の運転者に対する実技訓練の義務づけ等、運転者の教育訓練に関するルールの強化も図っておりますが、御指摘のとおり、貸し切りバス事業者が法令遵守を徹底しなければ、こういった対策をとったとしても十分な効果を上げることはできません。 貸し切りバス事業者の法令遵守が十分でない理由といたしましては、輸送の安全性の重要性についての認識が不足をしていること、また、法令を遵守しなかった場合のペナルティーが不十分であること等が考えられます。 軽井沢スキーバス事故を契機に六月に取りまとめました安全・安心な貸切バスの運行を実現するための総合的な対策におきましては、これらの点を踏まえまして、法令違反の早期是正と不適格者の排除、そのための監査の実効性の向上、これを対策の柱に据えているところでございます。 本法案に盛り込まれております旅客運送事業者の欠格期間等の強化、バス事業者に対する罰則の強化等の措置と相まって、貸し切りバス事業者の法令遵守の徹底を図ってまいりたいと考えております。
○水戸委員 先ほどもいろいろと取り上げておりましたけれども、監査強化がやはり一つの決め手となると思うので、いろいろな形で、今、いろいろなところにお声をかけて監査強化の協力者を仰いでいるという話でありますけれども、しっかりとした、実効性の担保できるような監査強化体制を組んでいただくことを強く強く私は求めていきたいと思っております。 資料一にも御提示をさせていただいたんですけれども、やはり、事故を起こしてしまう、もちろん、法令遵守ができないとか、バス事業者自体の管理体制等々もあると思いますし、いろいろな料金設定の問題とかもあると思うんですけれども、基本的には、この業界全体の構造的な問題として、人が集まりにくい、ドライバーが確保しにくいんだ、だから残念ながら高齢者とか経験の浅い人たちをどうしてもドライバーとして登用せざるを得ない、そういう労働環境の悪化というものがかなりこういうものを引き起こしてしまうのではないかと思うんですね。 資料一、二を見てわかるとおり、貸し切りバス運転手のいわゆる免許の取得の数もだんだん減っていますよね。それは当然、労働環境が悪いからでありまして、ちょっと出っ込み、引っ込みはありますけれども、大体、規制緩和以降、労働時間は、一回下がるものの、だんだん上がってきています。貸し切りバスの所得はだんだん下がってくる。そういうことを含めて、いわゆる単位時間当たりにいただく収入が減っているということが、この人が集まりにくくなってくるという状況になってくるんですが、これについて、どのような対応策、対策が必要と思われますか。
○堀内大臣政務官 お答え申し上げます。 バス運転者を初めとする自動車運転者については、労働基準法等に加えて、その乗務の特性を踏まえ、労働時間を初めとする労働条件の向上を図ることを目的として、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準、いわゆる改善基準告示が定められており、厚生労働省といたしましては、労働基準監督署において、その遵守徹底のため、各事業所に対して監督指導を行っているところであります。また、地方運輸機関との合同の監督、監査や相互通報制度も実施しつつ、その履行確保の徹底を図っているところでもあります。 このうち相互通報制度については、先ほど来お話のございますスキーバス事故以来、平成二十八年八月八日に、通報事案に健康診断に係る労働安全衛生法違反を加える見直しを行い、国土交通省との連携を強化したところでもございます。 一方、事業主の職場環境を改善する取り組みを促進していくことも重要であり、長時間労働の削減など、労働時間等の設定改善の取り組みを自主的に行う事業主を支援する職場意識改善助成金について、業界団体に周知するなど、その活用を促進しております。 今後とも、国土交通省と緊密に連携しつつ、これらの対策を推進することにより、バス運転者の労働条件確保に努めてまいる所存でございます。
○水戸委員 お手本のようなお答えをいただきましたけれども、もちろん、厚労省側も国交省としっかりと連携をとっていただいて、やはりドライバーさん確保のために、労働条件のさらなる改善に向けて取り組んでいただくことを強く要望したいと思っているんです。 しかし、この資料三に行くと、今度は、同じ運転手でありますけれども、トラック業界はもっと深刻でございまして、三の資料を見てもおわかりのとおり、これはバスと比較はしておりませんが、しかし、若干比較してみると、トラックの所得額はバスの運転手に比べて低く、労働時間は長いんですね。もちろん、仕事の内容は違いますけれども、しかし、運転をすることに関しては、人を扱うか物を扱うかという形になりますけれども、トラック業界のドライバーさん、運転手さんも、このようなかなり厳しい労働条件下に置かれて仕事をせざるを得ないということなんですね。 大臣、ここで聞きたいんですが、やはりこれもまた、先ほど申し上げましたとおり、いわゆるトラック運転手の待遇悪化を招いたのは、平成二年段階の規制緩和によって、新規参入を促すために、トラックの最低保有台数を少なくしたりとか、自由に運賃を設定するようにした結果ということの指摘もされているんですね。もう既にこのあたりは国交省もよく御存じのことなんですよ。 こういうことについて、国交大臣はどのような御見識をお持ちなんでしょうか。 〔西村(明)委員長代理退席、委員長着席〕
○石井国務大臣 トラック運送業に関しましては、事業の活性化を目的といたしまして、平成二年以降、最低車両台数の引き下げや運賃規制の緩和を行ってきたところでございます。 これらの規制緩和の結果、競争促進によるサービスの多様化等が進み、市場の活性化という観点からは一定の成果があった一方で、事業者数の増加による競争の激化、元請、下請関係の多層化の進行等によりまして、適正な運賃の収受が困難な状況が生じていると認識をしております。 このことを踏まえまして、国土交通省におきましては、厚生労働省と共同いたしまして、荷主も構成員に含めました、トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会を中央及び全都道府県に設置いたしました。ここで長時間労働の抑制や適正運賃収受に向けた議論を進めているところでございます。 また、トラック運送事業者の取引実態の調査を行いまして、官邸に設置されております下請等中小企業の取引条件改善に関する関係府省等連絡会議に報告をいたしまして、必要な対策について検討を進めているところでございます。 国土交通省といたしましては、こうした枠組みを活用いたしまして、トラック運転者の待遇改善に向けた取り組みを進めてまいりたいと考えております。
○水戸委員 さらなる取り組みの強化を私は求めていきたいと思っているんですね。 やはり、現場で働いている事業者、これはバス事業者もそうでありますし、トラック事業者もそうですよね、なかなか人が集まらない。もちろん、これは運輸業界だけでなくて、建設業界やいろいろなところもそういう慢性的な人手不足になっているんですけれども、特に運送業界は非常に厳しい状況がずっとありまして、そういうことを含めて、何とか躍起になってドライバーさんを確保していこうという形、特に若いドライバーさんになるべく仕事に参画してもらおうという形でやっているわけですね。 もちろん、行政も、一定の中において、教育機関に働きかけをしたりとか、いろいろなPRをしたりすることを後押しされているようでありますけれども、そういう中で、平成十九年の六月に、中型自動車の免許というものが新設されまして、現在に至っております。 これは、二十以上の方々に対して中型免許を取っていただくということの、トン数の一定の枠を設定しているというものでありますけれども、これが、来年、平成二十九年に準中型自動車免許も導入していくんだと。そうなると、今まで二十以上でしか乗れなかったトン数のトラックが、ある程度、十八歳以上でも乗れるようになるという話で、ある意味、事業者レベルからすれば、十八歳から、高校を卒業されるそうした人たちも、何とか若い人材の確保という形で仕事に参加してもらえるというふうになるんですけれども、この免許改正というものが若手の人材の確保にどのような形で寄与するのかということについては、どのような認識でしょうか。
○長谷川政府参考人 お答え申し上げます。 平成二十七年改正道路交通法により新設された準中型免許制度は、来年三月十二日に施行されることとなっております。 準中型免許は、現在、最大積載量二トン以上の貨物自動車のうち、保冷設備等の架装によりまして車両総重量が五トンを超えるものがございまして、十八歳から他の免許を取得しなくても取得ができる普通免許でこの種の自動車を運転することができなくなっていたことから、全国高等学校長協会あるいは全日本トラック協会からの御要望を受けまして新設をいたしたものでございます。 この準中型免許は、車両総重量七・五トンまでの自動車を運転することができ、委員御指摘のとおり、十八歳から他の免許を取得しなくても取得することができるものであるため、これらの貨物自動車について、高校を卒業して間もない若年者も直ちに運転することが可能となり、トラック等を運転することが必要な職業の人材確保にプラスとなるのではないかというふうに認識しているところでございます。
○水戸委員 道路交通法改正がそういう形で一つの門戸を開くんだということは、私はそれはそれとして多としたいと思うんですね。 ちょっとここでいまいちわからない部分があって、私も昔、免許を取りましたから、普通免許で総重量八トンまでは運転できるんですね、今でも。しかし、今回、準中型免許は七・五トンまでという、非常に細切れ的にそこで区切っております。何か、この八トン、七・五トンという、別にこの〇・五トンがどうのこうのと言うつもりはありませんけれども、この七・五トンで区切るという意味がいまいちよくわからぬ。 これについてはどのような形で七・五トンになったんでしょうか。
○長谷川政府参考人 お答え申し上げます。 準中型免許で運転できる車両総重量の上限につきましては、法改正検討時におきまして、平成二十年から二十三年平均の車両総重量別の一万台当たりの死亡事故件数につきまして、車両総重量七・五トン以上八トン未満のものは、それよりも軽い七トン以上七・五トン未満のものと比較いたしましてその事故件数が高い値となっておりまして、交通安全対策上、七・五トン以上の車両を準中型免許の範囲に加えることは困難であること、また、今回の免許制度見直しの背景となっております最大積載量二トンの自動車につきましては、ほぼ車両総重量が七・五トン未満であることなどの事実がありましたことから、七・五トン未満といたしたものでございます。
○水戸委員 もっともらしいことを言っているんですけれども、では、表四をごらんいただきたいんですが、これは、もう既に中型自動車免許、二十以上の方々を含めての調査なんですね。平成二十年から二十三年の平均ですよ。 確かにおっしゃるとおり、七トンから七・五トンに比べれば、七・五トンから八トンの間は突出して棒グラフが上になっていますよね、ここで点線を引いておりますけれども。それ以降の八トンから八・五トンは起こっていないんですよ。 結局、いわゆる七・五トン—八トンだけが事実上突出しているけれども、八トン以上は事故が少なくなっているという形で、何も七・五トンから八トンで区切る理由にならないと私は思うんです。これについてはどうですか。
○長谷川政府参考人 お答え申し上げます。 平成二十年から平成二十六年平均の車両総重量別一万台当たりの死亡事故件数につきましても、車両総重量七・五トン以上八トン未満のものは、七トン以上七・五トン未満のものと比較いたしましてやはりその事故件数が高い値となっておりますことから、現時点において、準中型免許で運転できる車両総重量の上限を見直すことは考えていないところでございます。
○水戸委員 いや、言っている意味が違うんですよ。結局、七・五トンから八トンはふえる。八トン以上がどんどんふえていくなら話は別ですよ。たまたま七・五から八トンだけが突出して高くて、それ以降は減っているんですから。だから、七・五トンから八トンで区切る合理的な根拠には私はならないと思うんですね。 別に、事故がこれからどんどんふえていくんだったら、これは二十以上の人たちが運転するんですから、八トンから八・五トン、八・五トンから九トンとどんどんどんどん事故がふえていくんだったら、今おっしゃるとおり七・五トンで区切って、やはりそういうドライバーの技能のことも含めて、経験のことも含めてやるのならいいという話なんですね。 事故件数を見てみても、例えば死亡事故件数は確かに高い部分があるかもしれませんけれども、では事故対策なら、別な部分の事故対策、例えば、今、トラック業界も含めてなんですが、スピードを出さない、八十キロ、制限速度以上は高速道路で出さないような、そういうリミットをつくるような装置もありますし、いろいろな形で、事故対策というのは別な形からできることもあるんですよね。 ですから、ただ単に合理的に七・五トン、なぜかというと、今までは我々も八トンを運転できるにもかかわらず、七・五トン。要するにこれはEU基準ですよ。私に言わせれば、EU基準に合わせちゃった方が楽だからというような、そういうニュアンスとしてどうしても捉えかねないんですけれども、これについてはどうでしょうか。
○長谷川政府参考人 お答え申し上げます。 警察庁といたしましては、いずれにいたしましても、この準中型免許制度について、交通安全対策等の観点から、改正法施行後の効果を注視する必要があると考えておりますところ、今後、死亡事故件数についても調査をいたしまして、新制度の効果を検証してまいりたいと考えております。
○水戸委員 本当に検証が必要だと思っています。 もちろん、先ほど言ったように、トラック業界等々を含めてなんですが、やはり八トン車をかなりそろえているところもあります。そういうところは、七・五トンのリミットをつけられるとまた新しい形でやらなきゃいけないという、これは事業者レベルの実情もあるのかもしれません。 ですから、皆さん、そういうことを含めてなんですけれども、やはり現場現場の状況を踏まえて、事故対策は事故対策として考える。やはり業界全体のことも踏まえてどのような運送のあり方が好ましいかということを、ただ単に警察庁は規制するだけの話でありますけれども、そういうところ全体を視野に入れて、そして私は、国交省ともいろいろ連携をとりながらこの免許制度のあり方をやはり追求していっていただくことを強く要望して、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○西銘委員長 次に、清水忠史君。
○清水委員 日本共産党の清水忠史でございます。 ことし一月十五日、長野県軽井沢町で、乗員乗客合わせて十五名が亡くなり二十六人が重傷を負うという重大なスキーバス事故が発生し、十カ月となります。改めて、亡くなられた方々への御冥福をお祈りし、けがをされた方、遺族の皆様方に心からのお見舞いを申し上げたいと思います。 本法案は、このような悲惨な事故を二度と起こさないという決意のもと提出したと、道路運送法の一部を改正する法律案の趣旨説明で石井大臣は説明されました。 法令違反を繰り返し、安全対策をないがしろにするような不適切な貸し切りバス事業者の参入を防止するために、五年ごとの許可の更新制を導入することや、事業の許可と運行管理者の資格について、欠格期間、つまり、一度許可を取り消されて再度参入するまでの期間、これを二年から五年に延長するだとか、あるいは、安全確保命令に違反した場合の罰則を強化するなどの内容となっており、いずれも必要な措置であると考えております。 しかし、貸し切りバスの特別重大事故の大もとにある、二〇〇〇年以降に需給調整を廃止した規制緩和路線を転換するものとはなっておりません。 先ほど来、自動車局長は、安全の規制緩和まではやっていない、こう言われておりますが、私たちは、この規制緩和路線が、安全対策についても、結局は過当競争を生み出し、安全の規制まで緩和をしてきたという立場に立っております。 そもそも、この軽井沢のバス事故は、起きてはならなかった、起こしてはならなかった事故だったと思うんですね。それはなぜか。七人が亡くなり、乗客乗員三十九名が重軽傷を負いました二〇一二年四月二十九日に発生した関越自動車道高速ツアーバス事故、これを受けて政府は、そのときにも、こうした事故は二度と起こしてはならないと対策をとられたわけです。にもかかわらず、同様の事故が起きてしまった。 石井大臣に最初にお伺いします。 このような重大事故を起こさないためには、関越事故の後にとられた、高速・貸切バスの安全・安心回復プラン、これは、事故が起こった一年後、二〇一三年四月二日に発表されたものですが、それに基づく対策がどうであったのか、その検証が大前提だと思うんですが、いかがでしょうか。端的にお答えください。
○石井国務大臣 平成二十四年四月に関越道高速ツアーバス事故が発生したことを受けまして、国土交通省といたしましては、安全コストを反映した新たな運賃・料金制度の導入や、交代運転者の配置基準の強化など、貸し切りバスの安全対策の強化を図ってまいりました。 これらの対策を講じていたにもかかわらず、軽井沢スキーバス事故を防ぐことができなかったことはまことに遺憾であり、国を初め、貸し切りバスの運行に係る関係者に対し、再発防止に向けての重い課題が改めて突きつけられたものと認識をしております。 国土交通省といたしましては、軽井沢スキーバス事故を踏まえた「総合的な対策」を六月に取りまとめた上で、今回、道路運送法の改正案を国会に提出させていただいておりますが、これらの対策や法改正の内容の検討は、当然のことながら、関越道高速ツアーバス事故後の対策の効果の検証の上に行ったものでございます。
○清水委員 効果の検証のもとに行ったという御答弁がありました。関越事故の後にとられた安全・安心回復プランの対策はどうだったのか、その効果の検証、これは当然というふうにおっしゃられました。 資料の一枚目をごらんいただきたいと思います。 この安全・安心回復プランには、2の項で、「フォローアップ・効果検証」、そこには、平成二十六年度、二〇一四年度末をめどに「その効果を検証し、」こう書かれているわけであります。 自動車局にお尋ねいたしますが、ここにありますように、フォローアップにより、安全・安心回復プランの対策は検証したんでしょうか。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 関越道の事故を受けまして、平成二十五年十月から翌年の六月まで、「高速・貸切バスの安全・安心回復プラン」フォローアップ会議というものが開催されております。これは、二十五年四月に、先ほど申し上げました関越道の事故を踏まえた対策を立てまして、その内容のフォローアップのための会議ということでございます。 具体的には、このプランに盛り込まれた措置の実施状況の確認と効果の検証、措置を講じた事項の改善に係る検討、今後措置を講ずる事項に係る見直し、さらなる議論が望まれる課題に関する検討の継続、こういったことにつきまして、メンバーであります有識者に御議論いただいたところでございます。
○清水委員 フォローアップ会議を行った、そこで検証を行ったという御答弁だったと思うんですが、このフォローアップ会議、全ての開催日について日時をお答えください。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 フォローアップ会議、第一回が平成二十五年十月七日、第二回が平成二十六年一月十四日、第三回が平成二十六年六月十六日となっております。
○清水委員 最後に開かれたのが二〇一四年六月十六日ということなんですが、なぜ第四回目以降は開かれなかったんでしょうか、教えてください。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 平成二十六年六月に開催されました第三回の「高速・貸切バスの安全・安心回復プラン」フォローアップ会議におきましては、最低車両台数の引き上げ、あるいは車齢に係る制限の導入、こういった内容につきまして、一部の委員の方から提案があったと承知をしております。これらの内容をどうするかということについて、最終的に意見の一致を見ることがなかなかできず、それが、第四回フォローアップ会議がそのまま開かれなかった理由であるというふうに承知をしております。
○清水委員 今答弁されたことを資料の二につけさせていただきました。 安全・安心回復プランの効果の検証を行うフォローアップ会議が第三回で停止しているんですよね。なぜ第四回目以降開かれなかったのかということについて今お答えいただきましたが、委員の中で意見の一致が見られなかった、その後、フォローアップ会議は開催されていないと。 委員の中でさまざまな意見が出るのは当然のことでありまして、そのことが、検証を行うフォローアップ会議を開催しないことの理由にはならないんじゃないですか。 これは、自動車局、答えられますか。この答えしか出ませんか。ちょっと納得できないんですけれども。
○藤井政府参考人 先ほどフォローアップ会議の議論の内容についての項目について御説明申し上げましたけれども、具体的に、それは、新運賃・料金制度の施行状況でありますとか、あるいは新高速乗り合いバスへの移行の実態の検証でありますとか、二十五年四月に取りまとめました安全・安心回復プランという対策の中身の検証、これは着実に行ってきたものであると認識をしております。 その上で、二十五年四月のプランに含まれていなかった新たな項目についてさらにどうだろうか、そういった御提案が第三回目にあったと承知をしておりまして、そういった新しい内容をどうするかということにつきましては議論の一致がなかなか見られないということで、第四回目がなかなか開催されなかった理由になっているというふうに承知をしております。
○清水委員 そのフォローアップ会議というのは、新たな検討項目を議論するだけの場所ではなくて、まさしく安全・安心回復プラン、つまり、関越事故の後の対策をどう検証するかということで設けられた会議じゃありませんか。 では、逆に聞きますけれども、第三回で全て検証は終わったということですか。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 検証につきましては、実際にその後の実態がどうなっているかということを時系列でチェックしていくものですので、ある意味で、そういったチェックについては継続的に行われるべきものであると考えております。
○清水委員 継続的に行われると今おっしゃいましたけれども、フォローアップ会議の目的そのものを逸脱するものであり、継続するのであれば、フォローアップ会議を継続するべきだったんじゃないかということは強く指摘しておきたいと思います。 今のやりとりを聞いていただいて石井大臣にお答えいただきたいんですが、全く意味がわかりません、フォローアップ会議を開かなかったことの意味が。意見の一致を見ないことと、効果の検証のためのフォローアップ会議を開催することとは、関連しないと思うんですよね。 今、自動車局長にお答えいただきましたけれども、課題については全て解消されたわけではなく、その後、さまざまなところで引き続き検証しているというふうにおっしゃった。だったら、フォローアップ会議を開催しておけばよかったんじゃありませんか。どう思われますか。
○石井国務大臣 「高速・貸切バスの安全・安心回復プラン」フォローアップ会議は、平成二十六年六月の第三回会議以降開催されておりませんが、その第三回の会議で一部委員から提案のございました最低車両台数の引き上げ、車齢に係る制限の導入につきましては、本年一月以降の軽井沢スキーバス事故対策検討委員会の中で再度徹底的な議論がなされたところでございます。 この検討委員会が平成二十八年六月に取りまとめた「総合的な対策」におきましては、車両数や車齢と安全性との間に明確な因果関係を示すことは困難であることが判明いたしましたため、これらに関する規制については現状どおりとすることとされております。 一方、事業規模にかかわらず、事業参入時及び更新時において、安全に事業を遂行する能力等について厳格にチェックするとされたところでございます。 いずれにいたしましても、意見集約に時間がかかったことについては課題があったと考えております。
○清水委員 それはおかしいですね。 フォローアップ会議の目的とテーマは何か。これは、明確に、関越事故の後に策定された安全・安心回復プランに盛り込まれた措置の実施状況の確認と効果の検証ですよ。しかも、スケジュールは、約三カ月に一回のペースで開く、こう書かれていたわけで、意見の相違があったからといって、三回で打ち切るなんということは最初からなかったわけですよ。 私、なぜこのことにこだわるかといいますと、結局、関越事故の対策の効果の検証について、軽井沢のバスの事故が起こるまで開かれなかったということなんですよ。 関越事故の効果の検証をしないままに、いわゆる今回の軽井沢のスキーバスの検討委員会が進められたということにもなり、先ほど私、冒頭大臣にお伺いしました、対策をつくるのはいい、その効果の検証が大前提ではないかという私の問いに対して、石井大臣はそうだというふうに述べられたわけで、つまり、この効果の検証を途中で打ち切るというのは、まさしく先ほどおっしゃられた答弁にも矛盾しますし、これだったら、計画と方針とプランの出しっ放しということになるのではないか。 もっと言えば、貸し切りバスの悲惨な事故から何を教訓とし、どのような対策をどう検証するのかということがなければ、悲惨な事故を二度と起こさないと言うことなんてできないというふうに思うんです。 もっと言えば、これまでフォローアップ会議がずっと繰り返し行われていて、安全・安心回復プランの対策の強化がしっかりと図られていたら、軽井沢の事故は防ぐことができたかもしれない、こういうふうにも思えるんじゃありませんか。石井大臣、そう思われませんか。
○石井国務大臣 先ほど自動車局長から御説明させていただきましたが、関越自動車道のツアーバス事故以降の安全・安心回復プランの効果の検証自体は、事務的に継続して行っていたものと認識をしております。
○清水委員 だから、それをフォローアップ会議でやればよかったんですよ。 第十回の軽井沢スキーバス事故対策検討委員会の議事概要を読みますと、その中に、「関越道ツアーバス事故時の対策の漏れが今回の対策で埋まったのでは。」という意見が出ているわけですよ。つまり、関越事故の後の安全・安心回復プランでは不十分だった、その漏れを埋めたということが、今回の「総合的な対策」を生み出した検討委員会の中で出ているわけですよね。だから、不十分だったということの裏返しではないかと、私は厳しく指摘をしておきたいというふうに思っております。 結局、需給調整など、参入規制の強化に背を向けてきたことが軽井沢の事故を生んだ背景にあるのではないか。改めて、バス事業者に対して、今許可制にしているものを免許制に戻すとか、規制緩和路線の抜本的な転換を強く要求しておきたいと思います。 次に、軽井沢スキーバス事故の直接の原因について確認します。 ことし二月の予算委員会における私の質問に対して、石井大臣は、「事故の原因につきましては、現在警察において究明のための捜査を行っているところでありまして、その捜査の状況を注視しております。」と答えるとともに、原因究明を進めるとされておりました。 この委員会から九カ月がたちました。直接の事故の原因は究明されたのでしょうか。
○藤井政府参考人 お答えをいたします。 軽井沢スキーバス事故の原因につきましては、現在も、警察の捜査や国土交通省の要請を受けた事業用自動車事故調査委員会の調査により究明が進められているところでございます。 なお、究明の過程において、今から申し上げますような五点の事実が明らかになっております。 第一に、事故を起こしたバス事業者は、事故発生前の監査等で違反事項の是正を指摘されていたにもかかわらず、事故発生後も安全管理上の問題が確認をされております。 第二に、大型バスの乗務経験が乏しい運転者が事故を起こしたバス車両に乗務をしておりました。 第三に、事故を起こした道路は制限速度が時速五十キロでございましたけれども、事故を起こしたバス車両に搭載されたアナログ式の運行記録計によれば、事故直前の速度は時速九十六キロということでございました。 四点目に、事故を起こしたバス事業者があらかじめ届け出ていた運賃の下限を下回る運賃でバスが運行されておりました。 最後、五つ目に、事故を起こしたバス車両には、ドライブレコーダーあるいは先進安全技術、そういったものが搭載されていなかったということが明らかになっております。
○清水委員 今局長が述べられたことにつきましては、全て事故後に判明したものであり、検討委員会の報告書にもそのように記載されております。 ただ、運転手が、居眠りをしていたのか、気を失ったのか、ハンドル操作を誤ったのか、その他別の起因により事故を起こしたのか、直接の原因はまだ究明されていないわけですよね。私は警察庁にも確認いたしましたが、いまだに直接の事故原因はわかっていないということでありました。 ですから、あらゆる可能性を加味しながら再発防止策をとっていくということが重要だろうというふうに思います。 その上で、今、自動車局長がお答えになられました四番目、下限割れ運賃の問題についてお尋ねしたいと思います。 この軽井沢の事故を起こしたイーエスピーは、関東運輸局と同じ運賃・料金を届けておりました。下限運賃が二十六万四千四百四十九円であります。ところが、旅行会社であるキースツアー等への運賃請求額は、税抜きで十九万円、大幅に下限運賃を下回っていたということなんですね。 関越自動車道事故の後、新運賃・料金制度が導入されました。そのもとでも、運賃・料金の下限割れを防止する対策もとられていたはずなんですが、にもかかわらず、なぜ、この軽井沢の事故では、イーエスピーとキースツアー等との間で下限割れ運賃が発生したのか。この理由についてはどう考えておられますか。
○藤井政府参考人 お答え申し上げます。 先ほど委員から御指摘ありましたとおり、平成二十四年四月に発生しました関越道の高速ツアーバス事故を踏まえ、安全コストを適切に運賃・料金に反映できるように、運賃原価の見直しを行い、新たな運賃・料金制度への移行を行ったところでございます。今回は、事故を起こした事業者が下限を割った運賃で運行していた、これは委員御指摘のとおりでございます。 こういった下限運賃が遵守されない理由ということを考えてみますと、一つは、輸送の安全の重要性についての認識が不足していること、もう一つ、法令を遵守しなかった場合のペナルティーが不十分であること、さらには、法令遵守に向けたバス業界と旅行業界の協力がやはり不十分であること、こういったことが原因であろうかというふうに考えられております。 六月に取りまとめました「総合的な対策」におきましては、こういった点を踏まえまして、法令違反の早期是正と不適格者の排除、そのための監査の実効性の向上などを対策の柱に据えるとともに、運賃に関する通報窓口の設置といった措置を講じているところでございます。
○清水委員 だから、今言われたことをフォローアップ会議で検証するべきだったんですよ。四回、五回と続けていれば、新運賃・料金制度が本当に機能するのかどうか、これを遵守させるために現行の罰則はどうなのかとか、そういうことを検証するフォローアップ会議を停止した、中止したということが大問題だった。そこで、先ほど私、繰り返し聞かせていただいたわけなんですね。 このことは、新運賃・料金制度のもとで果たして引き続き守られるのかどうなのかということが検証されなければならないと思うんですね。事故が起こってから初めて下限割れ運賃が発覚したということではだめだと思うんです。 観光庁にちょっとお伺いしたいと思います。 この間、新運賃・料金制度、これは関越事故の後にできたものですが、バス事業者十社、旅行業者十五社について下限割れになっていると観光庁に通報があった。そのうち、観光庁長官登録第一種旅行業者は何社ありましたか。
○田村政府参考人 下限割れ運賃に関与したとして通報のあった第一種旅行業者の数は四社でございます。
○清水委員 四社あったということでありますが、その四つの旅行業者について観光庁に通報がなされたという端緒、きっかけは何ですか。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 貸し切りバス事業者に対する監査において、運賃・料金の法令違反が確認され、行政処分が行われたもののうち、旅行業者などの関与が疑われる場合、国土交通省の自動車局から観光庁に通知を行う仕組みを設けております。 今委員御指摘の点につきまして、その端緒を申し上げますと、平成二十八年一月十四日に実施した一般監査を端緒とするものが一件、軽井沢のスキーバス事故を受けて実施した集中監査を端緒とするものが二件、さらに、平成二十八年四月十九日に静岡県の掛川市で発生した列車との衝突事故を受けて実施した特別監査を端緒とするものが一件となっております。
○清水委員 四社のうち三社については、結局、事故が起こってから調査をする中で下限割れ運賃が発覚したということなんですよね。 ですから、新運賃・料金制度のもとで通報制度はあるんだけれども、事故が起きない限り、このように下限割れ運賃を是正指導することができないということのあらわれだというふうにも思いますし、結局、旅行業者による運賃の買いたたき、これは今も、ホームページを見ましたら、爆安のスキーツアーの案内をよく目にするわけですけれども、これを未然に防ぐことはできないと思うんですね。 今回は、法改正で民間指定機関に巡回指導を強化させるということなんですけれども、結局、それが本当に下限割れ運賃を厳しくチェックするものなのかどうか、この検証については、言うまでもありませんが、その大もとにある過当競争、安い運賃でも引き受けなければならないというような構造的な問題、ここにやはり目を向けるべきだと指摘しておきたいというふうに思います。 次に、八月から新たな通報窓口が国交省に設置されているとのことです。これは、運賃・料金だけではありませんで、手数料等についてもそうだと伺っております。 八月三十日以降、運賃の下限割れの可能性がある、あるいは法外な手数料を取られたと通報があり、貸し切りバス事業者に対する調査などを行った件数について、自動車局、教えていただけるでしょうか。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 国土交通省では、貸し切りバス事業者が国に届け出ている運賃・料金の下限額を下回る違法な取引について把握するため、本年八月三十日に、貸し切りバスの運賃・料金に関する通報窓口を設置したところでございます。 十月末現在で、この通報窓口には二十六件の通報が寄せられております。このうち、調査対象が特定できる五件について、現在、地方運輸局等において調査を進めているところでございます。
○清水委員 通報件数二十六件、そのうち五件については特定できている、調査中と。 では、逆に伺うんですが、なぜ、その二十六件のうち二十一件の通報については調査対象を特定することができないんでしょうか。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 国の通報窓口に寄せられた情報二十六件のうち二十一件は、調査対象を特定できない内容となっております。調査対象を特定できない理由は、貸し切りバスの事業者名が明らかにされていない情報がある、あるいは、推測や憶測の域を出ない、根拠が不確かな情報があるためでございます。 なお、調査対象を特定できない通報についても、地方運輸局等においては情報共有をし、それぞれの監査などの参考情報として扱うこととしているところでございます。
○清水委員 結局、二十一件については、業者を特定できない、手の出しようがないと。窓口を設けても、運賃・料金の下限割れの防止あるいは法外な手数料の徴収を防止するという点では、限界があるのではないかと言わざるを得ません。 下限割れ運賃とか不公正な取引を防止するためには、やはり、優越的な立場にある、買い手市場といいますか、おまえのところはこの値段でやらへんかったら仕事をやらんぞというような構造的な問題を正す必要があると思いますし、やはり旅行業者への規制を一層強化する必要があるというふうに思います。このことを指摘しておきたいと思います。 次に、バス運転者の労働条件の改善についてお伺いいたします。 これまで政府は、バス運転者の労働条件の改善のためには新運賃・料金制度を徹底させることが必要だというふうに述べてこられました。新運賃・料金制度が導入されて二年たつわけですけれども、この制度によってバスの運転者の労働条件はどのように改善されたのか、教えてください。
○藤井政府参考人 貸し切りバスについては、平成二十六年四月から、安全に係るコストを反映した新運賃・料金制度を導入したところでございます。 その上で、公益社団法人日本バス協会の調査によりますと、実働日車当たり営業収入、こちらが、平成二十五年度の六万三千三百八円に対して、平成二十七年度の速報値では、八万一千九百五十五円、二九%の増加となっております。さらに、実働日車当たり人件費につきましては、平成二十五年度の二万八千百七十二円に対して、平成二十七年度の速報値では三万一千九百四十八円、こちらは一三%増加ということで、営業収入、人件費ともに改善しておるところでございます。 国土交通省としては、この新運賃・料金制度に従って貸し切りバス事業者が適正に運賃・料金を収受することが運転者の処遇改善のためにも極めて重要と考えており、引き続きこれを徹底してまいりたいと考えております。
○清水委員 今局長が改善されているというふうにおっしゃられたのでお伺いしたいんですが、バス運転者の年間所得と、その他全産業労働者男子の年間所得について、二〇一四年度と二〇一五年度についてその金額を教えてください。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 厚生労働省による賃金構造基本統計調査によりますと、バス運転者の平均年間所得は、平成二十六年度四百五十七万円、平成二十七年度には四百二十七万円となっております。一方で、全産業の平均年間所得は、平成二十六年度五百三十六万円、平成二十七年度五百四十八万円となっているところでございます。
○清水委員 委員の皆さん、資料の三枚目をごらんください。今答弁された年間所得のこの間の推移についてグラフで紹介したものであります。 新運賃・料金制度がバス運転者の労働状況の改善になるというふうに今お答えになられたんですが、導入後、ますますこれは下がっているんじゃないですか。いわゆる全産業労働者の場合は平成二十七年度で五百四十八万円に、バス運転者については四百二十七万円、その開きは百二十一万円でございます。下がっております。労働時間については、ほかの仕事に比べてバスは三百時間長い。それから、平均年齢もずっと右肩上がりですね。全産業が四十二・九歳に比べて、バス運転者につきましては、それより約六歳高い四十八・五歳となっております。 これは、必ずしも新運賃・料金制度がバス運転者の処遇改善、所得向上に役立っているとは言えない数字が出ていると言わなければならないと思うんですね。 石井大臣にお尋ねいたします。 この法改正では、民間指定機関に対して、一両当たり二万円の負担金を徴収するだとか、あるいは、十万円、二十万円するドライブレコーダーの設置を義務づけるとか、事業者負担がかなり求められるわけですよね。しかし、この料金制度が固定化されたもとで、今でも下限割れ運賃については潜在的に存在している。こういうもとで、果たしてこの料金制度のもとでバス運転者の所得の向上につながるのかどうか、これは本当に問題だと言わなければなりません。 私は、これを改善するためには、現行の新運賃・料金制度についても、引き上げることを含めて検討することが必要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○石井国務大臣 貸し切りバスにおきましては、平成二十六年四月から、安全に係るコストを反映した新運賃・料金制度を導入しております。 国土交通省が実施をいたしましたアンケート調査によりますと、国に届け出た範囲で運賃・料金を収受している貸し切りバス事業者の割合は、新運賃・料金制度の開始前では二割弱だったのに対し、平成二十八年二月の調査時点では八割に増加しております。 このアンケート結果等から、国土交通省といたしましては、新運賃・料金制度は、貸し切りバス事業に係る労働環境の改善や安全性の向上に貢献しているものと認識をしております。 一方、軽井沢スキーバス事故を起こした事業者は下限運賃を遵守していなかったことが明らかになっているところであり、国土交通省としては、この点を重く受けとめ、引き続き新運賃・料金制度の定着を図ってまいりたいと考えております。 なお、新運賃・料金制度につきましては、貸し切りバスをめぐる状況について継続的に把握を行いまして、その結果を踏まえつつ、必要に応じて改善を図ってまいりたいと考えております。
○清水委員 必要に応じて改善を図るというふうに今答えていただきました。現状は下がっているわけですから、ここを鑑みて、やはり引き上げていただくということを強く求めておきたいと思います。 次に、自動車運転者のための改善基準告示の問題についてお伺いをさせていただきます。 この改善基準告示につきましては、自動車運転者の場合、拘束時間は一日原則十三時間、延長する場合は十六時間、インターバル、休息期間は八時間ありさえすればいい等々、残業時間についても過労死ラインを大幅に超えるようなものとなっているわけですよね。 実際、この間、過労死等の認定が、自動車運転者の場合、全就業者の三割を占めている、過労死全体の三割は自動車を運転する方だということも、二月の予算委員会で資料も示して、この改善基準告示が実態に合っていない、これのさらなる見直し、そして法制化が必要だというふうに、私、塩崎厚生労働大臣に質問したんですが、それには否定的な立場を表明されました。今もこれは同じ認識でしょうか、端的にお答えいただければと思います。
○堀内大臣政務官 お答え申し上げます。 タクシー、トラック、バスといった自動車運転者の方々にも労働基準法は適用されますが、長い手待ち時間を含めた拘束時間や、長時間労働になりやすいなどの業務の特性があるため、それらを踏まえ、労働基準法では規制がない、いわゆる拘束時間の上限とか勤務時間の休息時間の規制について、罰則のない告示という形で定めることになりました。それについて、法制化はいまだ困難な状況と思われます。
○清水委員 法制化は困難というふうにおっしゃられましたが、この改善基準告示が本当に現場の実態に合っているのかどうかということを検証する必要があると思います。 先ほど来私が問題にしてまいりました「高速・貸切バスの安全・安心回復プラン」フォローアップ会議第三回では、北陸道小矢部川サービスエリア事故も受けまして、改善基準告示等に係る運用実態調査を行うとして、事業者ヒアリング、運転者アンケートを実施したというふうに伺っております。 これは画期的なんですね。国土交通省として、改善基準告示が今どうなっているのか、現場の労働者はどんなふうにこれを受けとめているのか調査する、これは本当に画期的だと思うんですが、その調査の結果と、それに基づいて講じた措置について教えてください。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 改善基準告示等の実態調査につきましては、平成二十六年六月に開催された第三回のフォローアップ会議におきまして調査内容を決定し、同年の夏に、地方運輸局の職員により、事業者ヒアリングと運転者のアンケート調査を実施したところでございます。 ヒアリング、アンケート調査の結果につきましては、当初、第四回フォローアップ会議に報告した上で発表することを予定しておりましたけれども、先ほど申し上げましたように第四回会議が開催に至らなかったことを踏まえまして、調査結果につきましても、現時点で公表はなされておりません。
○清水委員 それは納得できませんね。大事な大事な調査をしているのに、フォローアップ会議を打ち切っておいて、打ち切ったことを理由にして改善基準告示のアンケートを発表しないなんというのはあり得ないというふうに私は思いますよ。 資料の四枚目をごらんください。 これはフォローアップ会議より抜粋したものですが、「改善基準告示等に係る運用実態調査(案)について」ということで、どのような目的を持って調査をするかということが詳細に書かれております。 もともとこの改善基準告示というのは、自動車運転者の働き方の特性に応じて、繁忙期を考慮した、めちゃめちゃ忙しいときには最低限ここまでということで、最低限の基準として設定されたものである。しかし、これが年間を通じて恒常化している場合がある。さらに、十分な休息、休憩が確保できていない場合がある。だから、運用実態調査の結果を勘案して、調べて、それに応じた必要な措置を講ずる。 めちゃめちゃ大事なアンケートじゃないですか。何でこれを発表しないんですか、措置をとらないんですか。石井大臣、これは発表し、その効果の検証に応じた措置を行うべきではありませんか、今からでも。
○石井国務大臣 改善基準告示の実態調査結果につきましては、本年度内の開催を予定しております次回の軽井沢スキーバス事故対策検討委員会に報告した上で公表したいと考えております。
○清水委員 ぜひ、公表し、その実態も把握し、改善していただくことを期待するんですが、厚生労働省にもう一問お願いしたいんです。 ちょうどこの間、電通の過労死事件などもありまして、長時間労働が非常に問題になってきているというふうに思うんですね。自動車運転者の場合は、最大百十五時間まで、残業、所定外労働が改善基準告示によって認められているということです。 先ほど石井大臣が述べられたように、軽井沢のスキーバスの検討委員会で、この改善基準告示についての調査結果を発表し、それに必要な措置についても検討されるということですので、ぜひそれを踏まえた上で、厚生労働省としてもこの改善基準告示の見直しについて検討していただきたい、このことを要望としてお伝えしておきたいと思います。 委員長、最後の質問について、これは時間もありませんので、末松副大臣にお伺いさせていただきたいというふうに思います。 どんなバスが本当に安全なのか、事故を起こさないのか。これはやはり、私たち自身が、みずからが乗車すること、そして大切な家族とともにツアーバスに参加することを想定して、身をもって考えなければならないことだと思っているんですよね。 末松副大臣がどのようなバスが安全と考えておられるかということはよくわからないんですが、私自身は、やはり保安要員、車掌、バスガイドですね。例えば、長距離運転が続く、夜間の運転になる。そのときに、うとうとしていたら、おしぼりを渡すとかコーヒーを差し入れするとか。 実は、実際、さまざまなサービスエリアで、あるいは高速道路で、運転者が急遽、心筋梗塞だとか意識を失ったときに、バスガイドや車掌がとっさにハンドルを握って路肩にとめる、あるいは駐車させるということで事なきを得たという事例がたくさんあるんです。 私はぜひ、バス事業者に対しても、この保安要員の設置、これを義務化も含めて今後奨励していくということを提案したいと思うんですが、その点についていかがでしょうか。
○西銘委員長 末松副大臣、簡潔に御答弁ください。
○末松副大臣 お答えさせていただきます。 バス運転者の体調が急変した際に、バスガイドさんや乗客の適切な対応により事故を防ぐことができたケースがあることは事実でございます。先生御指摘のとおりです。 しかし、車掌やバスガイドは、乗客との関係において必要な措置を講ずるために添乗することを本来の目的としております。安全運行の責務は一義的には運転者が負うべきものであることから、事業者が運転者の健康状態の把握に努めるよう、確実な点呼の実施や健康診断の受診を徹底することが重要と考えてございます。 運転手さんの健康管理につきましては、軽井沢のスキーバス事故を受けまして本年六月に取りまとめられました「総合的な対策」に基づきまして、夜間、長距離に貸し切りバスを運行する場合に、乗務途中点呼により運転者の体調把握を行う等の措置を講ずることとしております。 また、ドライバーが急病等により安全に運転できない状態に陥った場合に備えて、車両を安全に停止するシステムの開発が進んでいるところでありまして、今後、このシステムを搭載したバスの普及方策について検討してまいるところです。 先生御指摘の運転保安要員の乗務の義務化につきましては、これらの制度の改正の効果や技術の開発の状況、それと、やはり事業者のコスト負担も踏まえまして、慎重に検討すべきものであるというふうに考えております。 御意見をいただきましてありがとうございます。
○清水委員 今回の法改正にとどまることなく、さらに貸し切りバスの安全対策の推進を求めて、質問を終わります。 ありがとうございました。
○西銘委員長 次に、椎木保君。
○椎木委員 日本維新の会の椎木保です。 初めに、本年一月十五日に発生した軽井沢スキーバス事故を受けて、国土交通大臣を本部長とする対策本部が設置され、事故を起こしたバス事業者に対し特別監査が行われるとともに、全国の貸し切りバス事業者に対する街頭監査、集中監査等が実施されております。 さらに、再発防止策を検討するために軽井沢スキーバス事故対策検討委員会が設置され、本年三月二十九日に中間整理が、六月三日には安全・安心な貸切バスの運行を実現するための総合的な対策が取りまとめられました。 そこには「今回のような悲惨な事故を二度と起こさないという強い決意のもとに、国は貸切バスの安全運行に関する遵守事項の強化・徹底を図り、ルール違反の早期是正、不適格者の排除を行う。バス事業者、旅行業者は安全確保を最優先に据え、両業界等は協力・連携してルール遵守の環境整備を推進する。これらにより、安全・安心な貸切バスの運行を実現する。」という基本的な考え方が示されておりますが、今回の法律改正において具体的にはどのように反映されるのでしょうか。あわせて、事故再発防止に向けた石井大臣の決意をお伺いいたします。
○石井国務大臣 本年一月に発生いたしました軽井沢スキーバス事故によりまして、十三人の将来ある若者の命が突然に奪われました。今回のような悲惨な事故を二度と起こさないという強い決意のもと、安全・安心な貸切バスの運行を実現するための総合的な対策を取りまとめ、逐次実施に移しつつあるところでございます。 委員から御紹介いただいた「総合的な対策」の基本的な考え方につきまして、今回の法案は、そのうち、主に「国は貸切バスの安全運行に関する遵守事項の強化・徹底を図り、ルール違反の早期是正、不適格者の排除を行う。」との部分を実現するための具体的な措置を定めるものであります。 本法案に盛り込まれております、貸し切りバスの事業許可の更新制の導入、旅客自動車運送事業者の欠格期間等の強化、国の監査を補完する民間指定機関の設置、バス事業者に対する罰則の強化等の措置を初めといたしまして、「総合的な対策」に盛り込まれた事項を速やかに実施に移すことによりまして、このような悲惨な事故が二度と起こらないよう、貸し切りバスの安全、安心な運行を徹底してまいりたいと存じます。
○椎木委員 今の石井大臣の答弁を受けまして、私も同じ認識に立って、これまで党内で、ことしの冬のスキーシーズン前までにこの法案を通したい、そういう思いで取りまとめてまいりましたので、引き続きよろしくお願い申し上げたいと思います。 次の質問に入ります。 平成十二年二月に施行された貸し切りバス事業に関する規制緩和によって、貸し切りバス事業者が大幅に増加しました。具体的には、規制緩和前の平成十年度の二千百二十二事業者から平成二十六年度の四千四百七十七事業者へと二倍以上にふえております。その結果、今回事故を起こした事業者のような、法令違反を行っている悪質な業者が数多く参入してきたということは否定できないと思います。 再発の防止には、悪質な貸し切りバス事業者の排除が極めて重要であります。今回の法律改正において、悪質事業者の排除に関して、事業許可の更新制が導入されることになっておりますが、どのような効果が見込めると考えているのでしょうか、お尋ねいたします。 また、これまで取り組んできた交通モードに関する規制緩和についてどのような評価をされているのでしょうか、あわせてお尋ねいたします。
○石井国務大臣 今回、事業許可の更新制を導入することによりまして、貸し切りバス事業者全てについて、五年ごとに安全投資計画等が適切なものであるかどうかを確認し、事業を安全に遂行する能力等を厳しく見きわめてまいります。適切な計画を有しない、あるいは事業を安全に遂行する能力のない事業者については、事業許可の更新を行わないことによりまして不適格者を排除してまいります。 交通輸送機関については、これまで、需給調整の廃止や運賃等についての規制緩和を行ってまいりました。これらの措置は、サービスの多様化など、利用者の利便向上という点で成果を上げていると認識をしております。 一方、安全、安心なサービスの確保は、これらの規制緩和後においても最重要の課題であり、安全確保のための措置を十分に講じないまま事業を行っていることがないかについては厳しくチェックをし、不適格者については事業からの退出を求める必要があるものと考えております。貸し切りバス事業の許可の更新制についても、そのための有効な手段として活用してまいりたいと存じます。
○椎木委員 ありがとうございます。 我が党の党内の今回の法案の意見でも、ちょっと厳しいんじゃないか、厳し過ぎるんじゃないかという意見があったのは正直なところです。ただ、今の大臣の答弁にもありましたけれども、厳しくというところを本当に念を押された御答弁でしたので、しっかり再発防止に取り組んでいただきたいと思います。 次の質問に入ります。 平成二十四年四月に発生した関越道高速ツアーバス事故を受けて、自動車運送事業者に対する監査のあり方に関する検討会が取りまとめた報告書によると、現行監査の問題点として、国による法令遵守の指導が十分に行われていない、悪質な事業者を把握し切れていない、処分を受けても違反を繰り返す事業者が存在するといったことが指摘されております。 軽井沢スキーバス事故を起こした貸し切りバス事業者の事故当時の運行管理者は、平成十五年にもバス事故を起こした別の会社で運行管理者をしていたとの報道もありますが、事業の許可や運行管理者の資格者証の交付について、欠格期間を現行の二年から五年に延長することによって、不適格者の安易な再参入、処分逃れの阻止についてどの程度の抑制効果が期待できると考えているんでしょうか、お聞きいたします。
○根本大臣政務官 今般の改正案では、旅客自動車運送事業の許可の取り消し処分を受けた者や運行管理者の資格者証の返納命令を受けた者について、欠格期間を現行の二年から、各種業法の中で最も長い五年に延長することとしております。 また、現行法では、行政処分のための手続中に廃業して処分を逃れると、その者が再参入しようとした際に欠格事由に該当しません。今般の改正案では、監査後に廃業した場合を欠格事由に追加することとしております。 これらの措置により、法令違反を繰り返したり、安全に事業を遂行する能力に欠けると認められる者は、処分逃れを許さない形で、より長期間にわたってバス事業や運行管理業務から排除されることとなり、経済的、社会的に大きなダメージを受けることになることから、バス事業者や運行管理者に対する法令違反抑止効果が高まるものと考えております。
○椎木委員 ありがとうございます。 それでは、次の質問に入ります。 監査体制の充実強化について、さきの通常国会での予算委員会分科会や本委員会で指摘してまいりましたが、今回、厳しい予算状況の中で、現行三百六十六名の監査人員体制を八十二名増と大幅な増員要求をされております。このことについては評価したいと思います。それでも、まだ十分ではない体制とも一方では言えます。 人員の増強だけではなく、業務の効率化等を含めて、今後どのように監査の実効性を高めていこうと考えているのか、答弁を求めます。
○藤井政府参考人 お答えをいたします。 監査、処分の実効性を向上させるためには、要員体制の充実が必要であるとともに、国の監査業務の効率化、重点化が不可欠であると認識をしております。 このため、処分手続の合理化等により監査から処分までの期間を短縮するほか、民間指定機関制度を活用し、国の監査対象を悪質事業者に重点化することにより、効率的に監査を実施する仕組みを構築してまいります。 さらに、法令違反の早期是正や処分基準の厳格化による不適格者の排除など、安全、安心な貸し切りバス運行の実現のため、監査の実効性を図ってまいります。
○椎木委員 質問の中でも申し上げましたけれども、今回の八十二名増というのは、これは本当に私は大変評価できるものだと思っております。国交省に個別にヒアリングでお聞きしたときには、全体で五百事業者ぐらいあるんでしょうかね、現行三百六十六から八十二増ということで、まだ若干足りない部分はありますけれども、これも段階的に増員したいという御答弁だったと思うんですけれども、我々もしっかりお支えするところはしてまいりたいと思いますので、引き続き監査の増員をよろしくお願い申し上げたいと思います。 次の質問に入ります。 国土交通省では、関越道での事故を受けて、高速・貸切バスの安全・安心回復プランを策定しましたが、その中に「業界団体を中心とした適正化事業(コンサルティング)の導入」とあります。これに基づいて、各都道府県バス協会では、会員貸し切りバス事業者に対して、営業所を巡回して、安全意識の向上を図るための適正化コンサルティング事業を実施していると聞いております。業界内のなれ合いとならないよう十分に注意すべきだと思うのですが、これまでの取り組み状況と日本バス協会の果たすべき役割についてお聞きいたします。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 地方バス協会が実施している適正化コンサルティング事業は、会員事業者の法令遵守状況などをチェックし、改善を指導する会員向けのサービスでございます。平成二十五年の開始以来三年間で、二十三都道府県において延べ七百十五事業者に対し実施され、貸し切りバスの安全性向上に一定の効果を上げてきたものと認識をしております。 今回の法案を踏まえて新しく設立を予定しております民間指定機関は、この適正化コンサルティング事業をベースとしつつ、バス協会の会員、非会員を問わず、全ての貸し切りバス事業者に対して巡回指導を行うことにより、その法令遵守状況をチェックし、悪質な法令違反事業者については国に通報する仕組みでございます。これによって、国の監査機能を補完し、事業者に自主的な改善を促してまいりたいと思っているところでございます。 業界内のなれ合いにならないように十分注意すべきであるという委員の御指摘は大変重要であると考えております。民間指定機関の事業規程、事業計画について国土交通大臣の認可に係らしめるなど、公正かつ適確な事業実施が図られるよう、厳正な指導監督を行ってまいります。 民間指定機関につきましては、現在、地方運輸局の管轄区域ごとに、地方バス協会などが設立する新法人や地方バス協会自身が指定を受ける方向で検討が進められているところでございます。 日本バス協会に対しましては、これらの機関の円滑な業務のスタートに向けて、最大限の協力をお願いしたいと考えているところでございます。
○椎木委員 ありがとうございます。 次に、貸し切りバス利用者に対して事業者に関する情報を提供することは大変重要であります。 日本バス協会は、平成二十三年度から、貸切バス事業者安全性評価認定制度を導入することによって、安全に対する取り組みが優良な貸し切りバス事業者を利用者に周知するということを始めました。 国交省としても、バス協会に任せ切りにすることなく、利用者に貸し切りバス事業者に関する情報の提供を行っていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○藤井政府参考人 お答えいたします。 軽井沢スキーバス事故を受けた「総合的な対策」におきましても、利用者に対する安全情報の見える化、これが重点施策の一つとして掲げられているところでございます。国土交通省としましては、みずから情報を集約するとともに、関係者の協力も得て、利用者への情報提供を進めていきたいと考えております。 具体的には、国土交通省が、貸し切りバス事業者における、先ほど委員御指摘の安全性の評価制度、さらには先進安全自動車の導入状況、こういった安全情報を公表した上で、旅行業者や旅行比較サイトなどが必要な情報をパンフレットやホームページなどに掲載する仕組みを構築することとしています。 国土交通省は、貸し切りバス事業者から報告された安全情報を年内にも取りまとめ、公表するとともに、旅行業者や旅行比較サイトを運営する事業者に対して安全情報のパンフレットやホームページへの掲載を働きかけ、貸し切りバス事業者の安全に関する情報提供の充実に努めてまいります。
○椎木委員 それでは、最後の質問に入りたいと思います。 貸し切りバスの事業環境を考えたときに、旅行業者に対する監督強化とともに、ランドオペレーターを適切に規制しなければ、貸し切りバス事業者の適正化は望めないと考えます。ランドオペレーターに対する規制のあり方について、法律の改正を含めてどのように考えているのでしょうか。お尋ねいたします。
○藤井大臣政務官 ランドオペレーターにつきましては、旅行業者の依頼を受けバスや宿泊等の手配を行うという事業者間の取引を行う者であることから、これまで、旅行者の保護を主な目的とする旅行業法の対象外でございましたが、旅行者の安全性をしっかりと確保するためには、これを旅行業法に位置づけ、業務の適正化を図る必要があると考えておるところでございます。 このため、有識者を構成メンバーとする新たな時代の旅行業法制に関する検討会を十月六日に立ち上げさせていただいて、具体的な制度設計に向けて、観光産業等の関係者からヒアリングを実施し、論点整理を行っているところでございます。 年内を目途として、検討会において、ランドオペレーターに対する指導監督等の制度設計の方向性について中間取りまとめを行い、これを踏まえまして、次期通常国会に関連法案を提出する方向で検討を進めてまいります。
○椎木委員 今、藤井政務官からも答弁ありましたけれども、これはしっかり制度設計していただいて、次の通常国会に何とかこの関連法案を提出いただけるように私も切に願いたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。 若干時間が余っていますので、幾つか私の感想的な話をさせていただきますけれども、今回、本年一月に発生した軽井沢スキーバス事故を踏まえて、私は、これは正直、再発防止に向けて、石井大臣のリーダーシップのもと、国交省の通達、そして必要な法律改正、本当にスピード感を持って取り組んできていただいたと思っております。 また、冒頭の石井大臣の御答弁にもありましたけれども、私も本当に、この法案についてはとにかくこのスキーシーズン前に、このことを党内で繰り返し申し上げながらまとめてきたつもりでおります。それと同じ認識で、先ほど他の会派の質問の答弁で局長も同じことを申し上げていましたけれども、やはり、これは本当に、スキーシーズン前というのは一つの最後に課せられたテーマだと思いますので、できるだけ早くこの法律を施行できるように進めていただければと思います。 各党各会派はこの法案に対する認識は多分一致していると思いますし、私も、我が党を含めて、今後、この法案の成立以降もしっかり見守りながら、協力できるところはしっかり協力していきたいと思いますので、引き続きよろしくお願い申し上げたいと思います。 以上で終わります。
○西銘委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○西銘委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 内閣提出、道路運送法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○西銘委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西銘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○西銘委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時三分散会