環太平洋パートナーシップ協定等に関する特別委員会 第4号
- 発言数
- 159 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2016/10/18
会議録
○塩谷委員長 これより会議を開きます。 第百九十回国会、内閣提出、環太平洋パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件及び環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案の両案件を議題といたします。 この際、お諮りいたします。 両案件審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官澁谷和久君、法務省入国管理局長井上宏君、外務省経済局長山野内勘二君、厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長北島智子君、厚生労働省職業安定局長生田正之君、農林水産省大臣官房総括審議官山口英彰君、農林水産省大臣官房総括審議官水田正和君、農林水産省消費・安全局長今城健晴君、農林水産省食料産業局長井上宏司君、農林水産省生産局長枝元真徹君、農林水産省経営局長大澤誠君、農林水産省政策統括官柄澤彰君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塩谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ―――――――――――――
○塩谷委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐々木隆博君。
○佐々木(隆)委員 おはようございます。民進党の佐々木隆博でございます。 私、TPPでは初めて総理と質疑をさせていただく機会をいただきました。 多くの地方の皆さん方や農民の皆さん方のみならず、消費者の皆さん方も、このTPPの行方というのは大変注目をしているというふうに思っております。そんな意味でも、十分な審議が必要だというふうに私自身も肌で感じているところであります。 そこで、最初に総理にちょっと御質問させていただきますが、今聞くところによると、二十四日に公聴会で、二十八日にはもう採決だというような話が流れております。きのう総理は、結党以来、強行採決は考えたこともないとおっしゃっていたんですが、よもやそのようなことはないということをここでお約束をしていただきたいというふうに思います。
○安倍内閣総理大臣 これはもう委員も御承知のとおり、委員会運営は委員会においてお決めになることであり、行政府側である私があれこれ言うことは慎まなければならない、このように思っておりますので、委員会においてしっかりとお決めいただいて、いずれにいたしましても、熟議を重ねた上、採決をしていただきたい、このように思っております。
○佐々木(隆)委員 総理はどう考えているかということを今お伺いしたのでありますが、きのうは強行採決はしないとおっしゃったので、その総理の考え方を今お伺いしたのですけれども、総理はそういうことを考えていますか。
○安倍内閣総理大臣 結党以来、我々自民党は、強行採決を念頭に審議会運営をしたことはないということは重ねて申し上げたいと思います。
○佐々木(隆)委員 今、総理がそういうお答えでありますので、この審議はまだまだ十分に尽くされてはいませんし、当然のことながら、SBSの調査に関してもまだまだ不十分と言わざるを得ません。そんな状況の中で多くの国民の皆さん方の不安に応えているとはとても言えないという状況であるというふうに思いますので、そのことはぜひそのように進められるように、委員長にもお願いを申し上げておきたいというふうに思います。 次、最初に山本農水大臣にお伺いをさせていただきます。 最初に、北海道は御案内のように、八月末から九月の十二日にかけて大変大きな台風に直撃をされました。今、きょうは農業の問題だけお伺いをさせていただきますが、合わせて二万四千四百五ヘクタールの農地が被災をしております。まだこれは途中の集計でありますが、御案内のように、私も全ての被災地を回らせていただきました。 最初に被害を受けたのは北見の常呂というところでありますが、ここは、御案内のようにタマネギの産地であります。その次に被害を受けたのが十勝であります。十勝は二度被害を受けておりまして、最初は北の方、その次は上川寄りの方というところで二回被害を受けているんですが、御案内のように、十勝はジャガイモの一大産地であります。その後に、旭川を中心にして美瑛あるいは東川というところが被害を受けているんですが、ここはお米の産地であります。その直後に南富良野というところが被害を受けておりますが、ここはニンジンの一大産地であります。 言ってみれば、タマネギもバレイショもニンジンも大変なことになっていて、カレーライスは食べられないという状況になるかもしれないというほどの大きな被害を受けております。 そういう状況の中で、とりわけ農地の被害状況が大変深刻でありまして、もとの作物の上に五十センチぐらい泥が押し寄せたところやら、あるいはまた、根こそぎ表土が持っていかれて砂利原になっているようなところもあります。しかも、大変な面積でありますから、これを復旧するためには、一年で回復するところもあるでしょうけれども、十年ぐらいかかるのではないかというふうに言われてございます。 そんな状況の中で、ことしは共済が対象になりますから、共済でことしの被害については救われます。しかし、来年以降の収入がなくなるわけですよね。そういう状況の中で、これをどう対策していこうとされているのか。ぜひこの対策を、大臣も現地もごらんいただいたというふうに思うんですが、ぜひ、その感想を含めてお伺いをしたいと思います。
○山本(有)国務大臣 佐々木委員の御地元北海道、この北海道は日本有数の農地を抱いておりますし、また、売上高が一兆四千億に上る大変な日本の食料供給基地でございます。その意味において、我々は、国家的な立場からこの被害に対処しなければならぬというように考えており、総理も御視察をいただきました。その上で、被災農家等に対する幅広い支援対策を取りまとめて、現地に職員を派遣し、現場で御苦労されている皆さんに丁寧に支援策の御説明をさせていただいているところでございます。 まず、御指摘の農地の復旧でございますが、北海道庁に対する技術的支援を積極的に行いつつ、査定前着工制度を積極的に活用しまして早期復旧を促進することにより、できる限り早い営農再開につなげていくこととしたいと考えております。 また、農家の皆さんがみずから復旧作業に取り組むことは生活への支援にも資すると考えておりまして、まず、災害復旧事業等におきまして優先的な雇用に努めていただくよう、文書にて要請しているところでございます。 あわせて、農地あたりの小規模な水路等につきましては、多面的機能支払交付金を活用することで、共同活動での復旧作業に対する日当を手当てするなどの支援も考えております。加えて、農地等の復旧と一体的に行う除れき、客土等におきまして、被災農家の労力や保有機械を活用することによりまして、農家の作業対価への支払いができ、また、金銭負担を軽減できる定額助成による支援を実施するようにしております。 さらに、被災農家の皆さんの一日も早い営農再開を支援するため、まずは、農業共済につきまして、損害評価を迅速に行い、共済金の早期支払いに努めます。 次に、農林漁業セーフティーネット資金等の災害関連資金の貸付利子につきまして、貸し付け当初五年間を無利子にするつもりでございます。 三番目に、被災農業者向け経営体育成支援事業を発動いたしまして、農業用ハウス、畜舎、農業機械等の再建、修繕に要する経費の助成をいたします。 四番目に、共済対象外の作物を作付しておられます被災農業者の種子の購入等に要する経費の助成を考えております。 こうしたことによりまして、被災農家の皆さんが希望を持って営農を継続できるように全力で取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
○佐々木(隆)委員 いろいろ事業をやっていただいていることは、それは感謝を申し上げたいというふうに思うんですが、例えば、復旧事業に農家の皆さん方がそこで働いていただくというのは、いわゆる失対事業みたいな話ですが、収入が丸々なくなっちゃう人がいるわけですよね。そういう状況の中で、その事業だけではとても、生活が救われる、生活費を全部賄えるというようなことにはならないわけですし、融資はあくまでも融資ですから。 そういうことも含めて、作付しないのに共済の対象にしろというのはかなり乱暴な話かもしれませんが、やはりそれぐらいな対策をしていただかないと営農自体が成り立たない。しかも、一年ぐらいで回復するところはいいですけれども、そうでないところというのは全く離農しなきゃいけないというようなことになるので、まずやはり農地を回復させていただくということについて御検討いただくように要請をさせていただきたいと思います。 次に、いわゆる輸入米でありますが、SBS米についてお伺いをさせていただきます。 あのSBS米のそもそもはMA米であります。MA米というのは、当初四十二・六万トンぐらいから始まって、今は約七十七万トンというふうに言われているわけでありますが、このふえてきている、まあふえたり減ったりもしていますが、そのMA米というのは、その用途あるいは流通というものについて、この長年の経過の中で変化をしてきているのかどうか、できるだけ簡潔にお答えをいただければと思います。
○山本(有)国務大臣 MA米は、ガット・ウルグアイ・ラウンドの交渉におきまして、最終的に、我が国が、全体としての経済的利益等を考慮しながら、一九九三年にぎりぎりの決断として受け入れたものでございます。 このMA米の大部分につきましては、国産米に極力影響を与えないように、国が一元的に輸入し、加工用や飼料用等、主食用以外の用途に限定して販売してきております。 このうち、用途別の販売数量は、その年々の加工用等の需要量で変動しておりますけれども、直近五カ年の平均販売数量は加工用で十五万トン、飼料用で四十五万トン程度となっておりまして、その水準で推移しているというように考えております。 また、SBS米につきましては用途限定がありません。その数量を最大十万トンに限定するとともに、政府が国産米を政府備蓄用に十万トン以上買い入れることによりまして、国産米の需給に影響を与えないように措置しているところでございます。 以上でございます。
○佐々木(隆)委員 今、SBS米についても御答弁をいただいたんですが、MA米の内数であって、そのMA米を入れるときにSBS米を導入するについて、なぜSBS米を導入しようとしたのかというのがあるはずなんですよね。そこをぜひ御説明いただきたいと思います。
○山本(有)国務大臣 MA米七十七万トン、うち十万トン、これはあくまでも、市場アクセスを要求されてまいりました。この市場アクセスの中で、いわば主食用米について限定的に、世界各国、WTOの皆さんが主食用でも機会を与えろというような強い圧力があった。その中で、我々としましては、限定十万トン以内にすることによって、できるだけ主食用への影響そして生産農家の不安というものを解消するということで、ぎりぎりいっぱいの、そのことによってSBSが誕生したというように思っております。 そして、国家貿易の中で、マークアップをすることによりまして、また財政負担がやや軽くなるというような措置でもありますことから、このSBSが誕生したものというように思っております。
○佐々木(隆)委員 導入した政府側からすればそういうことかもしれないんですが、あそこにはもう一つ理由があって、SBS米を導入することによって、外国から主食用として販売をするアクセスについて市場の動向を見るということが導入したときの理由の一つになっていたはずであります。ですから、SBS米というのは常に市場の動向というのを見てくるということになっているわけですよね。 ですから、それからすると、今のSBS米、今問題になっておりますが、SBS米の市場動向がわからないということの方がおかしい話なんです。市場動向はずっと見てきているはずなんですよね、そうでなければマークアップを決められませんから。 ですから、そういう意味からすると、そのことはずっと調査をし続けてきていたはずなのでありますが、そしてそれがマークアップのもとになっているはずなんですが、その点についてお伺いします。
○山本(有)国務大臣 市場価格動向を見ながら、世界の米業者の皆さんが日本市場を目指して輸出しようという力は当然でございます。また、予定価格、買い受け価格あるいは売り渡し価格につきましての規定は食糧法で厳格に定められているところでございまして、この点におきましても国際的に周知の事実でございます。 そんな中における市場でございますので、この乱高下は激しくあるものの、それはあくまで国内市場、需給、米の品質によって定まるものというように、世界の米関係の皆さんもこれは御存じのとおりでございます。その意味において、市場での位置づけがほぼ確立されて円滑な貿易が行われているというように認識しておるところでございます。
○佐々木(隆)委員 そんなことをお伺いしたわけではなくて、価格は常に調査をし続けることになっているんですから、し続けてきたはずなんですね、そうでなければマークアップは設定できませんから。だから、そういう状況の中でやってきていたはずなのに、SBSの今回の課題についての調査は、私は非常にそういう意味からするとずさんだと思うんです。もとがあるのに、それが初めて今度改めて調査をするというような仕組みでなくたって、いろいろな方法でやれたはずだというふうに私は思うんですね。 もう一つおかしいなと思うのが、皆さん方からいただいた報告の中で、いわゆる価格に影響がないというような報告もあったわけでありますが、市販されているのは十万トンのうちのほんのわずかですよ。それに影響がないと言われても、ほとんどは中食、外食に行っているわけですから、そこのところの市場も多分調査しているはずなんですね。そこのところは価格は出さないで量だけで、こっちは価格だけで量は出さないというような、そんな調査は非常に不誠実な調査だと思うんですよ。 ここをやはり、ちゃんとした数字と価格、両方しっかり出してもらわないと、全く今度のSBSの調査報告というのは誰も納得していないと思うんですね。生産者だけじゃありません、消費者も納得できない話でありますので、この点についてぜひ御答弁をいただきたいと思います。
○山本(有)国務大臣 SBS米の小売業者等への販売価格調査のやり直しということでございますが、卸売業者からの米の販売先は、小売業者に加えまして、コンビニ、弁当、レストラン、米菓子、加工、その他多岐にわたっております。農林水産省としましては、国産米について出荷業者と卸売業者間の価格、相対取引価格のみ調査、公表しておりまして、卸売業者から先の取引価格の把握は困難でありまして、行っておりません。 SBS米につきましては、国家貿易の主体である国と……(発言する者あり)
○塩谷委員長 御静粛に願います。
○山本(有)国務大臣 卸売業者との間の契約の平均価格を公表しておりますけれども、これは国産米の相対取引価格の調査と同じレベルでありまして、卸売業者から先の取引価格について把握することは、国産米同様、困難でございます。したがいまして、調査のやり直しをすることはできません。 また、今回の調査におきましては、買い受け業者に対するヒアリングにおいて、SBS米の販売価格を決定する際は国産米価格の水準を主な考慮事項に挙げています業者が四十二者中三十一者ございます。また、中食、外食事業者に対する聞き取りでは、平成二十四年産の国産米高騰時には、SBS米と国産米のブレンド米を使用しておりましたけれども、平成二十六年から二十七年の国産米の価格水準であれば、SBS米を使用するメリットは少ないという意見もございました。 さらに、国産米の価格が低い年ほどSBS米の輸入量が減少したり、SBS入札の時期の前後で国産米価格はほとんど変動していない等の分析結果が得られております。 というようなことが明らかになっておりまして……(発言する者あり)
○塩谷委員長 答弁を聞いてください。
○山本(有)国務大臣 SBS米の価格水準が国産米の需給、価格に影響を与えている事実は確認できておりません。
○佐々木(隆)委員 大臣のその答弁は、何度も聞いています。その結果として、まだまだ十分でないというのが、ずっとこの委員会での審議ですよ。ですから、私の前にそれぞれ質問をいただいた皆さん方も再調査を要求しているはずであります。 とても、今の状況でこの審議を続けるというのは非常に難しいということを申し上げて、再調査を私の方からも要求させていただきますので、委員長、よろしくお願いをいたします。
○塩谷委員長 また理事会で協議したいと思います。
○佐々木(隆)委員 山本大臣に最後に申し上げておきたいんです。 〇八年に事故米が起きておりますよね。そのときに、米トレーサビリティーというのをつくりました。ちょうど私が農水省に行ったばかりのときで、後始末に大変な思いをした記憶があるんですが、あの米トレーサビリティーというのは、事故米を受けて、要するに、トレースできるようにしたわけですよね、流通を。ですから、実はあれは、安全性のためにつくったのではありますけれども、安全性に限定しているわけじゃないんです。何でも調べられるようになっているんですよ、あれは。 そういう調査の仕組みがあるにもかかわらず、しかも、今の幹部の皆さん方は、そのときの当事者ですよ、みんな。だから、そのときの反省が全くないのではないかと言わざるを得ない。 これは、米トレーサビリティーというせっかくの仕組みがあるんですから、そういうものも使って、やはりもう一度、きちっと出すということについてもう一度。
○山本(有)国務大臣 委員御指摘の米のトレサ法、これについて御発想されたことは大変炯眼だと私も思います。 しかし、事業者に対して、米の名称、産地、数量等に対する取引記録の作成、また、消費者に至るまでの事業者間における産地情報の伝達、これを義務づけております。SBS米についてもその対象となっております。 しかし、残念ながら、このトレサ法では、事業者に対して米の価格についての記録を保存する義務はかけられておりません。SBS米の国内市場における価格水準について、米のトレサ法の活用により確認することは困難でございます。 今回の調査におきましては、過去五年、SBS米を落札し、廃業者や連絡がつかない業者を除く全業者を対象にヒアリングを行いました。過去のSBS米の取引実績といった客観的なデータをもとに分析を行っております。 というようなことでございますので、調査が不十分というような御指摘もありますけれども、精いっぱいの可能な限りの調査でございまして、これ以上精緻な調査は、事実上これは困難だというように私は思っております。
○佐々木(隆)委員 調査をして公表しろと言っているわけではなくて、そういう調査の仕組みがあって、そして、トレサは、全部伝票を保存しなさいというのがトレサですよね。 だったら、そこに領収書はあるんですよ。だから、それをどうやって、強制的に見せろと言うかどうかというのは別ですよ。しかし、今回のような事件が起きたときには、そういうことを活用するということを考えるべきではないかということを私は申し上げているのであって、ぜひ御検討いただかなければならない。 同時に、この再調査の結果が出ないと、我々の審議、これ以上深いところに入っていけないわけですよね。ぜひ、そこは改めて申し上げておきたいというふうに思います。 次に、総理にお伺いをいたします。 総理にも台風被害について最初にちょっとお伺いをさせていただきたいと思うんですが、総理も現地を視察していただきました。先ほど申し上げたような状況なのでありますが、早速激甚災害の指定もいただきました。そのことには感謝を申し上げたいのでありますが、激甚災害というのは、激甚災害になったからといって、項目がふえるわけではなくて、今ある項目の補助率といいますか、地元負担が減るという仕組みであります。 よって、その中で、ほかにもいろいろあるんですが、例えば芽室町にあるスイートコーンの缶詰工場、これも被災をしました。ほとんど一階が水についてしまって、電算機が一階にありますので、まるっきり起動しなくなっていて、しかもスイートコーンの収穫のさなかであって、収穫がこれからというものは全部投げざるを得なかったという事態になっております。 それから、南富良野町というところにはポテトチップスの工場がありまして、いずれも数百人の雇用を抱えているところであります。今は電算で工場を制御しておりますので、電算が泥水につかっちゃうと全く使い物にならないという状況になっちゃうわけですね。 ところが、こういうところに対しては、融資の制度はあります、しかし、補助の仕組みがありません。 そこで、全くないのかというとそうではなくて、東日本大震災のときにグループ補助金という新しい仕組みができました。もちろん復興計画を立ててということが前提になるわけでありますが、今回の被災の大きさから見て、こういうこともぜひ、総理、検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 今般の台風によって被災された全ての被災者の皆さんに改めてお見舞いを申し上げたいと思います。 私自身、北海道や岩手県の被災地を視察してまいりました。東日本大震災や熊本地震のような広範囲ではないためグループ補助金の要件には該当しないのでありますが、特定の地域に被害が集中し、被災した中小企業がなかなか立ち直れない状況も見てとれたわけでございまして、被災地の一日も早い復興を目指し、既存のあらゆる中小企業、小規模事業者向けの支援策を総動員して、きめ細かな対策を講じていきたいと考えております。 具体的には、先般拡充した金融政策そして信用保証により資金繰りの支援をしていくとともに、また、二次補正予算に計上した設備投資や資機材の購入に活用できる各種補助金を柔軟に組み合わせていくことによって、被災した中小・小規模事業者の実情に即した支援を提供していきたい。 これは北海道だけではなくて岩手県もそうでございますが、被災した企業に、それぞれ状況によって違うわけでありますが、この状況に合わせながら、柔軟に今ある仕組みを組み合わせて対応していきたい、このように思っております。
○佐々木(隆)委員 融資を低利にしていただくことは、それはそれで一つの方法でありますが、被害の大きさ、当然、南富良野だとかあるいは清水町などというところは町自体が機能しないような状況になっておりますので、町の復興という視点から、産業復興が中心になっていますが、ぜひ、町の復興、村の復興という視点で、今総理からお答えいただきましたが、できればグループ補助金を検討いただきたいんですが、柔軟な対応ということでありますので、ぜひ、これからも少し、さらに深い議論をさせていただければというところであります。 次に、TPP関連で総理にお伺いをいたします。 総理は、きのうも少し論議になりましたが、TPPで国益という言葉をよく使われます。石原大臣も使われておりますが。 ところが、国益という言葉ほど曖昧な言葉はなくて、何をもって国益と言っているのかというのが、どうもよくイメージが湧かないんですが、その国益というのは、何をもって国益と言われているんでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 TPP交渉における国益について申し上げれば、TPPによって、自由や民主主義、そして基本的人権、法の支配といった普遍的価値を共有する国々と新たなルールをアジア太平洋地域につくり上げていくということ、そしてもう一つは、地域の活力を取り込むことで我が国の力強い経済成長を実現すること、そして同時に、美しい田園風景や農村の伝統文化、国民皆保険制度を基礎とした社会保障制度といった世界に誇るべき我が国の国柄を守っていくということを念頭に言っているわけであります。 そして、世界の自由貿易システムが現在岐路に立っているわけでありますが、日本の戦後の復興そして成長はまさに自由貿易のルールの中でかち取ってきたものであるということは、これはもう明確なんだろう、こう思うわけでございます。 しかし、その中において、今、世界の自由で公正な貿易・投資ルールを牽引する意思を示していかなければいけない状況、それはつまり、保護主義が蔓延し始めているわけでございます。この保護主義が蔓延し始めている中において、我々がしっかりと、自由貿易、日本が経済成長を果たしてきた源泉である、礎であるこの自由貿易をしっかりと守っていくという意思を示していく必要がある、こう考えたわけであります。 そしてまた、TPP協定で定めているルールは、もちろんこれは文化を壊すようなものではないわけでありまして、WTOや既存の経済連携協定などで定められてきたルールを改善し、そしてまた途上国にも参加を拡大するものでございます。
○佐々木(隆)委員 今総理がお答えをいただいたのは基本的な話であって、今その言葉から、では誰が守られて、どういう場合に守られるのかというのがイメージできない。そこが国民の皆さん方の中に、国益って何だろうという話になるわけですよ。 今、他国の文化を壊すものではないと言ったんですが、稲田大臣は壊すものだという発言をされたりもしてございますが、かつて野党のときではありますけれども。 何が一番問題なのかというと、WTOもそうなんですが、今のラウンドがもう十数年漂流をしているわけでありますが、市場アクセスだけのときは何とか妥協点を見つけてきた。しかし、どんどんどんどんルール分野に今入っていっているわけですね。今回のTPPで申し上げても、三十章のうちの二章を除いて、全部これはルール分野ですよ。 こういうルール分野に入っていくということは何を意味するかというと、お互いの国の文化に入り込んでいくということですよ。だから非常に困難になってきているのであって、お互いの文化を守ると今総理は答弁されたんですが、とても今のこのTPPの状況からいうと、これはお互いの文化に入り込まざるを得ないという状況になっているというふうに思うんです。ここが一番TPPを困難にしている、もっと言いかえれば無理をしていると言えるところだと思うんですね。 もともとこのTPPをやるにおいては、今、経済の保護主義という話がありましたが、TPPもある種のブロック化であるわけでありますけれども、そうした意味からいうと、非常に今危険な状態にこの世界の経済貿易は入っているのではないかと言わざるを得ません。 本来、経済連携は二国間でやるべきだと私は思っています。それは大変手間がかかります。しかし、海外との貿易が手間なしにやるということ自体が無理な発想であります。お互いの国の文化を認めつつやるというのは、二国間であればそれはある程度可能です。しかし、それを無理やり一定のルールの中でやっていくという仕組みを無理に通そうとすることに、そもそもTPPの無理があるんだというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○石原国務大臣 冒頭、佐々木委員のお地元北海道を初め多くの方々が被災され、また総理も力強く支援に対して柔軟に対応されるということに、私も第二のふるさと北海道でございますので、大変心強く思ったところでございます。また、お見舞いを申し上げます。 本質的な問題でございますので、まず私が御答弁させていただいたのは、実は、ルールを共通につくるというところに私どもはこのTPPに価値観を見出しているわけでございます。そして、TPPではなくてバイの交渉は、残念ながら、私どもがアメリカに要求をしたときにも先方から断られている。これからはやはり、今ブロックと言われましたけれども、GDPで四割、人口で八億、大きなブロックかもしれませんが、それは、この環太平洋、アジア地域に共通のルールの自由貿易圏をつくる、そういうものが大きな流れになっております。EUはその先見的な例だと思いますが、次は、このTPPの後は、EUという大きな経済圏と日本とのEPA、FTAに進んでいく。 そんな中で共通のルールを互いにつくっていかないと、やはりルールを勝手に変更する人たちがいるわけですね、バイでまいりますと。そうしますと、表に出ていこうという皆さん方が非常に不安に思う。その点が、今私どもの推し進めているこのTPP交渉、また、佐々木委員が御指摘の、ルールをつくるということが文化を侵すというようなこととの相入れない考え方の相違点ではないかと思いました。 しかし、御理解いただきたいのは、十一本の関連法案を出しております。特に、日本の農業を守るために、また今回の補正予算だけでも三千四百億円のTPP対策費を出させておりますが、この十一本以外にルールを変える必要は全くありません。ですから、この後も、このTPPが発効した後、ルールを変えろと、昨日も食の安全あるいは皆保険等々で議論がありましたけれども、先方からルールを変えろと言ってきて変えるようなことはないということだけはぜひ御理解をいただきたいと思います。
○佐々木(隆)委員 今、石原大臣が、アメリカとバイをやろうと思って断られたという話があったんですが、もともとTPPの発端、P4の後ですが、アメリカが参加してきたわけでありますが、アメリカ自体が、リーマン・ショック後、大変景気が悪くなった、雇用と経済を何とかしなきゃいけないというところから発想が始まっていて、私は、これは日米でバイでやるべきだったと思うんです。ところが、これはTPPというものを私は隠れみのに使ったんだというふうに思っています。 そういった意味でも、TPPという、かなり無理をした仕組みだと私は思っておりますので、ここは今の石原大臣の話とは私はちょっと違う発想でございますので、ぜひ今後もここは論議をさせていただきたいと思います。 そこで、総理は、TPPに参加するとき、これは成長戦略の一環だというふうに言っておられます。今は何と言っているかというと、成長戦略の切り札だと言っているんですね。ある意味で、成長戦略とTPPは非常に似ているところがあります。最も大きなターゲットになっているのは、農業と労働とそれから雇用です。そういった意味では、TPPも成長戦略もある意味非常に似ているわけでありますが、結果としてそこに生じる一番怖いことは格差の問題なんですね。今の石原大臣の答弁も総理の答弁もマクロの話なんですよ、全て。 もう一つ言えば、世界の需要を取り込むというお話があったんですが、きのうも多分升田委員から話があったと思うんですが、日本は、外需国じゃない、内需国なんですね。 今グラフを示させていただきましたが、世界の中で日本やアメリカというのは、いわゆる先進国と言われるようなところは、外需依存度というのは極めて低いわけであります。P4と言われるようなところは、百数十%、二〇〇%というようなところもあって、それはもう丸々外需に依存しているというような国もあるわけです。そういうところであれば、これはがんがん貿易を進めるというのは、貿易でしか成り立ちませんからそういうことになるわけでありますが、日本やアメリカというのは極めて外需依存度、輸出依存度とも言えるかもしれませんが、低いわけであります。 そういうことからいうと、世界の経済を取り込むということにばかり走っていって、日本の内側の経済をどう循環させるかということが置き去りになっていくのではないかということを皆さんとても不安に思っているわけですよ。それについて、総理はずっと成長戦略、成長戦略と言っているんですが、それになぞらえてこれは成長戦略の一環だと言っているんですが、総理のその辺のお考えを伺いたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 もちろん内需は極めて重要であり、今委員がお示しになった数値のとおりだろう、こう思うわけでありますが、であるからこそ、我々は、デフレから脱却してしっかりと経済を成長させていかなければならないという考え方のもとに、この四年間取り組んできたわけでございます。内需を拡大し、そしてまた競争力を高めていく上においても、輸出競争力が上がっていくことによって国内の産業の空洞化を防ぎ、そして雇用を確保しているのは事実でございます。 ですから、この四年間、中小企業の倒産件数は三割減少いたしましたし、大切なことは、やはり働く場所ですね。政治が責任を持たなければいけないことは、働く場所を確保する、高校や大学を卒業してしっかりと働く場所がある、これを確保することは私たちのまさに責任であろう、こう思うわけでありますが、ことしの四月、高校を卒業した皆さんの就職率は過去最高の水準になってきているのは事実でございます。 また、有効求人倍率においても、例えば東京は二倍を超えたわけでありまして、一人の求職者に対して二人分以上の仕事があるという状況をつくり出すことができた。みんなが選べる状況。そしてこれは、日本全体に目を転じてみても、四十七全ての都道府県で一倍を超えているわけであります。輸出ばかりに目が転じていて内需がおろそかになっていたらこんな状況はつくり出すことができないわけでございまして、民進党政権時代には八つの都道府県でしか一倍を超えていなかったのが四十七に広がったのは事実。これは事実を申し上げているのであって、これは、高度経済成長時代にも、あるいはバブル時代にもなし得なかったことをやってきているわけでございます。 そこで、果たしてTPPが切り札かどうかということでございますが……
○塩谷委員長 総理、簡潔にお願いします。
○安倍内閣総理大臣 その中でTPPについて言えば、先ほど石原大臣から答弁をさせていただきましたように、これはルールが大切なところでございまして、ルールによってしっかりとこれは知財等も守られるわけであります。また、行政手続が外国企業を排除するために恣意的に運用されることがなくなっていくわけでございまして、そうなれば、中小企業等も小規模事業者も安心して進出していくことが可能となっていく。サービス貿易や電子商取引など、物品貿易以外の障壁も削除していくものになっていくわけでございまして、そういう中において、我が国の成長に資するものとなっていくのではないか、このように思います。 かいつまんで説明させていただきますとそういうことでございます。
○佐々木(隆)委員 そんなことまで答弁を求めていないですし、私は、総理とTPPの問題では初めてやらせてもらっているんですから、もう少し私にもしゃべる時間をいただきたいというふうに思うんです。 先ほど、そこはもう、この答弁は要りません、要りませんが、倒産件数が減ったというのはそのとおりだと思うんです。ところが、新しく開業する数も減っているんです、今この国は。倒産が減っていることは間違いないんですが、開業も減っているんです。ということは、地域の中の活力がなくなっているということを意味しているんですよ。だからここは、倒産の方だけ今おっしゃいましたけれども、両方減っちゃっているというところに実は深刻な問題があるんです。それともう一つ、有効求人倍率は、人口が減ってくればこれは上がるんです。そのことは答弁を求めません。 もう一つが、もう一つの心配が国内の格差の問題なんです。 今ちょっと表を示させていただきましたが、これは上位十市町村と下位の十市町村をここにグラフであらわさせていただきました。 一人当たりの格差も拡大しているんですが、この市町村の所得も実は拡大をしていまして、しかも、上位は、北海道と兵庫県の芦屋が入っておりますが、そのほかは全部東京です。下位の方は、御案内のように沖縄、九州、北海道です。これだけやはり格差が広がっていて、百九十万というのはワーキングプアよりもひどい状況にあるわけであります。 こうしたことも、総理がTPPが地域の活力になると言うのであれば、こうした所得の極めて低いところに対して一体どんなことが支援できるのか、そして、ここにこそやはり注目をし、付加価値を上げるということにTPPが結びつかなければ意味がないわけでありますので、その点についての御見解を伺います。
○安倍内閣総理大臣 確かに、地方で頑張っている皆さんにこのTPPの恩恵が結びついていくように政府としても全力を挙げていきたい、こう思っているわけであります。いきなり中小・小規模事業者や農家に輸出しろと言っても、それはそう簡単にはできないわけでありまして、そういう支援は全力でしていきたい、こう思うわけであります。 ただ、先ほど人口が減少すれば有効求人倍率がよくなるというお話だったけれども、人口がふえている沖縄において、〇・五から今度沖縄が初めて一を超えたわけでありますから、また、高知においても求人数がふえているという事実があるわけでありますから、そういう努力もしているところも評価していただきたい、こう思います。
○佐々木(隆)委員 大変丁寧に答弁をいただくものですから、時間がなくなってまいりました。 実は、農政を考えるときに、今、新しい、食料・農業・農村基本法という法律になりました。これは何を意味しているかというと、この三つを同時に進めましょうということのために食料・農業・農村基本法という法律ができたんですね。そのもとは何かというと、ドイツの農業法なわけです。 ドイツは、戦後ですが、一九六〇年代にどんどんといわゆる合理化を進めてきたわけです。ところが、それではドイツ農業はだめになってしまうということで、いわゆるバイエルンの道というのが出されて、これは、家族農業を大切にする、そして環境を大切にするというのがドイツ農業の基本でなければならないといって、大きく転換したわけですよね。 今のこのTPPの一連の進め方を見ていると、どうもそれとは全く真逆の、農業をどんどんでかくしていけば何とかなるんだというような発想では、結局それは農村から人がいなくなることを意味するわけでありますので、時間が参りましたから答弁は求めませんが、しかし家族農業あるいは地域というものをもっと大切にしていただくということを申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。
○塩谷委員長 次に、斉藤和子君。
○斉藤(和)委員 日本共産党の斉藤和子です。安倍総理に初めて質問をさせていただきます。 安倍総理は所信で、TPPの早期発効を大きなチャンスとしてと述べ、代表質問などでも、答弁で、TPPが拡大していく機運を積極的につくっていくことこそ我が国の役割でありますとし、さらに、国会でTPP協定が承認され、整備法案が成立すれば、TPP協定の早期発効に弾みを与えることができると答え、早期批准することを繰り返し強調されています。 また、参議院選挙後の九月十九日にニューヨークで開かれた対日投資セミナーでも、安倍総理は、日米それぞれができるだけ早く国内承認を得てTPPを早期発効させる、臨時国会でTPPの国会承認と関連法案の成立を図ります、日本は全力で取り組みますとまでおっしゃられています。 総理は繰り返しこうしたTPPの早期批准をおっしゃられているわけですけれども、七月の参議院選挙の公約の中にTPPの早期批准を掲げていたのでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 自民党は、本年七月の参議院選挙で、農業など守るべきものは守りつつ、TPPの活用などにより、近隣アジアの海外市場を我が国の経済市場に取り込むことを公約に掲げ、改選議席の過半数という目標を大きく上回る信任を国民の皆様からいただくことができた、このように思っております。 TPPの活用は、TPP協定の早期承認をその前提としているわけでありまして、承認されなければ活用ができないのは、これは誰が見てもわかるとおりでございまして、その中において活用ということを掲げさせていただいたところでございます。 今国会において、御承認について民意の一定の支持を得たものと認識をしているところでございます。
○斉藤(和)委員 活用という言葉をおっしゃられましたけれども、自由民主党の比例代表選挙の公報には、TPPという記述は一切ございません。その事実はお認めになりますか。
○安倍内閣総理大臣 ちょっと私も今、急な質問でございますから、それを詳しく調べているわけではございませんが、しかし、我が党が既にこのTPPの承認については通常国会で示しているわけでありますから、そこでもう承認をしたいという私の意欲は十分に示しておりますので、我々がそれを考えていないとは誰も思わない、みんな知っていて、もう周知の事実であろうと。我々がTPPを、既に国会に出しているんですから、それをやらないとはもう誰も思っていない。 TPP、我々はやりませんと言って選挙で勝ったわけではなくて、既に国会で、これの承認をお願いします、こう申し上げている中においての選挙であったということは御理解をいただきたい、このように思います。
○斉藤(和)委員 総理、やはり自分の党の、しかも比例代表の選挙公報を見ていらっしゃらないというのは、私は問題だと思います。私は、参議院選挙の自民党の候補者の選挙公報を見させていただきました。ほとんどの候補者の方はTPPに触れていらっしゃいません。早期発効など触れていないというのが実態です。 こういうときに、選挙後になれば、早期発効だということをアメリカにまで行って言うような、そういうことにもかかわらず、これだけ重要な問題を選挙のときにはほとんど触れない。にもかかわらず、選挙が終われば、最大の課題だとTPPの早期批准に突き進むということは、私は非常に国民に対して失礼だというふうに思います。やはり、国民に正面から信を問えないTPPの早期批准など絶対にあり得ないということを改めて強調させていただいて、次の本題である質問に入らせていただきます。 TPPと食の安全についてお聞きします。 きょうは安倍総理が出席されています。主に総理に質問をさせていただきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。 まず、昨年十一月の総合的なTPP関連政策大綱には、「TPP協定により、」「我が国への海外からの輸入食品の増加が見込まれることから、」「食の安全・安心を守るため輸入食品の適切な監視指導を徹底するための体制強化に努める。」とあります。この点、安倍総理の見解を明らかにしていただきたいと思います。
○山本(有)国務大臣 御指摘のように、一般論として食品の輸入がふえることは十分あり得ることでございます。 訪日外国人の増加等に伴う海外からの家畜伝染病や植物の病害虫の侵入を防がなければなりません。そのために、これまでも、家畜防疫官あるいは植物防疫官の増員とか、あるいは検疫探知犬の増頭など、こうした輸入検疫体制の強化に農林省としましても努めてきたところでございますが、先生の御指摘のように、なお一層この体制を整備してまいりたいというように思っております。
○安倍内閣総理大臣 販売または営業上使用することを目的として輸入される食品等は、輸入の都度、届け出が義務づけられています。 近年の輸入届け出件数は年々増加しています。我が国の安全基準に適合しない食品が輸入されないよう、全国の港や空港の検疫所で、食品添加物、残留農薬、遺伝子組み換え商品などを検査するためにサンプルをとって行うモニタリング検査などの結果、食品衛生法の違反の可能性が高いと判断された食品を対象に、輸入者の経費負担で全量を検査する命令検査など、違反のリスクに応じた検査を実施しています。このため、全国の検疫所に四百八名の食品衛生監視員を配置しているわけであります。 食品の輸入動向等を踏まえ、輸入食品の検査が着実に実施できるような体制を確保してまいります。
○斉藤(和)委員 輸入食品の増加に見合って着実に検査体制を強めるというお話がありました。 前回、四月のこの委員会で、私、この問題を取り上げさせていただいて、石原大臣から、GDPの〇・六一%、すなわち、二〇一四年度のGDPで換算すると三・二兆円程度の輸入が増加する、この中に食品等々が含まれているというふうに考えていただきたいと答弁がありました。 TPPで食品の輸入が増加するということは明らかだと思いますが、農林水産大臣と厚労大臣は、それぞれTPPによる輸入食品の増加の見通しをどのように想定されているんでしょうか。
○山本(有)国務大臣 これにつきましては、先ほど先生御指摘のように、TPP政府対策本部において行った経済効果分析において、TPP協定による品目別等の影響分析は行っておりません。 実質GDPの増加等により輸入全体がふえると分析している中で、石原大臣が、御指摘されましたように、マクロ的にGDPの〇・六一%、これが二〇一四年のGDP換算で三・二兆円ふえるというように解説しておりまして、一般論として、先ほど申し上げましたように、食品の輸入がしたがって増加するというような理解をしているところでございます。
○塩崎国務大臣 基本的には、先ほど総理から御答弁申し上げたとおり、ふえた場合の体制については申し上げたとおりでありますが、今農水大臣の方から輸入の量についてのお話はあったとおりでありまして、我々、食品安全に責任を負っている立場として、食品への、まず輸入業者には輸入の都度に届け出が義務づけられているということを先ほど総理からも答弁申し上げ、そして検疫所でこれはしっかりと審査、検査を行って、先ほど申し上げたようなモニタリングの検査あるいは命令検査ということでやっておるわけです。 厚生労働省としては、今後の輸入食品の増加の可能性を踏まえて、検疫所の職員の資質の向上、必要な職員そしてまた検査機器の確保による検査の実効性の向上といったところなど、適切な監視指導を徹底するための体制の整備を図っていくということが大事だと思っておりますので、引き続き、輸入食品の安全確保に万全を期してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○斉藤(和)委員 一般論として増加するだとか、増加の可能性があるという、その見通し自体がいかがなものかなというふうに思うわけです。 やはり、もう政府の関連政策大綱でも増加が見込まれるというふうに言っているわけで、つまりこれは、どういう見通しを持って、国の、要は、輸入された食品の安全を確保していくかという立場で、しっかりと品目も含めて明らかにしていく、どれだけ輸入がふえる見通しを持っているのかということを明らかにしていくということはこれからの体制をつくっていく上でも必要だというふうに私は思うわけです。 問題は、その輸入食品が、要は、誰もふえるということは認めているわけで、減るとは言っていらっしゃらないわけです。そのもとで、食の安全は本当に大丈夫なのかということが問われてくるわけです。 日本の食料自給率は現在三九%、カロリーベースで実に約六割を輸入食品に依存しているという、輸入食品の大国になっているわけです。全世界から三千百九十万トン、国民一人当たり年間二百五十キログラムの食品を輸入しています。一人当たりの年間の米の消費量は約六十キログラムですから、その四倍に当たる食品を世界から輸入しているということになります。 こちらのパネルをごらんいただきたいんですけれども、しかも、現在でも、このTPPに加盟している十一カ国から輸入されている量というのは全体の六一・八八%。六割を超えている、占めているわけです。これが、TPPによってほとんど関税がなくなったり全くなくなるような状況の中で、さらに輸入がふえる。 こういう状況の中で、安倍総理は、この輸入の増加にどう対応しようというふうにお考えでしょうか。
○山本(有)国務大臣 輸入の増加に対しましては、まず水際作戦が大事でございます。水際で伝染病や植物の病害虫の侵入を防ぐということを徹底的にやっていかなきゃなりません。 平成二十八年の家畜防疫官あるいは植物防疫官の定員をふやすという意味からお願いしておったわけでございますが、確実に、植物防疫官が九百一名、家畜防疫官が四百十六名、これに達することができました。 というようなことからしましても、水際で徹底的に輸入食品に対する防備を完全にしていくということをまず始めていきたいというように思っております。
○塩崎国務大臣 どういう備えでいくのかという御質問でございますので、今は農産物の輸入の立場からお話がございましたけれども、私の方は安全を守るということで、先ほど申し上げたとおり、輸入業者にまず輸入の都度に届け出を義務づけ、そして我が国の食品の安全に関する基準に適合しない食品が輸入されないように、今水際の話がありましたけれども、全国の港、空港の検疫所で、一つは、食品添加物それから残留農薬、遺伝子組み換え食品等を検査するためにサンプルをとって行うモニタリング検査というのがまず第一にあって、そして、モニタリング検査などの結果、食品衛生法の違反の可能性が高いと判断される食品を対象に輸入者の経費負担で全量をとどめ置いて検査をする命令検査などの、違反リスクに応じた検査というものをやって備えるということが基本だと思っております。 そのために、今後の体制を整備するということについては先ほども申し上げたとおりでありまして、いずれにしても、輸入食品の安全確保、これには万全を期していかなければいけないというふうに思っております。
○斉藤(和)委員 ぜひ総理にお答えいただきたかったんですけれども、ちょっと次に進みます。 要は、水際作戦だとか、水際対策でしっかりチェックするというふうなお話がありました。現在、輸入食品の監視指導がどうなっているのか。 こちらの表をごらんいただきたいと思います。最新のデータに基づいて、二〇一五年度の輸入食品の検査率です。一昨年の二〇一四年度よりもさらに下がって八・七%。二〇〇二年以来最低の検査率になっています。つまり、九一・三%の輸入食品が無検査の状態で輸入されている。この検査率の低下というのは、輸入食品の届け出件数が増加している一方で、実際に検査をする食品衛生監視員の増員がままならない状態にある。 そこで、お聞きします。厚生労働大臣にお聞きしますが、二〇一六年度、この食品衛生監視員は何人増員されたんでしょうか。
○塩崎国務大臣 近年の輸入の食品の届け出件数の増加を踏まえまして、食品衛生監視員の増員を図ってきております。二〇一五年度は七名増、そして今お尋ねの二〇一六年度、これにつきましては二名増を行って、現在の食品衛生監視員は、先ほど総理からも御答弁申し上げましたけれども、四百八名でございます。 引き続き、適切な監視指導を徹底するための体制整備を図って、我が国に輸入される食品の安全性の確保に努めてまいらなければならないというふうに考えております。
○斉藤(和)委員 体制を強化するといいながら、わずか二名なわけです。 安倍総理、このTPPで輸入食品がふえると言われている中で、現場からはもう悲鳴にも近いような声が出ているわけです。食品衛生監視員をふやしたといっても二名。この今の輸入食品の検査体制、監視指導のままでいいとお考えでしょうか。総理、いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 先ほど厚生労働大臣から二十八年度は二名という御説明をいたしましたが、二十七年度は七名増員をしております。 なお、来年度は厚生労働省では十九名の増員要求が出ている。まだこれは要求が出ているということでございまして、政府としてよく考えていきたいと思います。
○斉藤(和)委員 十九名の要求が出ている、これは非常に私は重要ですし、これをしっかりふやしていくということが大事だと思うんです。 同時に、輸入の監視体制を強化していくということには皆さん変わりはないと思うんですけれども、現在でも輸入の届け出は二百二十五万件、それを、先ほど来あるように、四百八人の食品衛生監視員で処理しています。しかも、ほぼ毎年、輸入届け出件数はずっと増加傾向にあるわけです。必然的に検査率は下がっていくというのは当然のことです。 国がやっているモニタリング検査、これは先ほどのパネルでいいますと、八・七ではなくて二・五%です。輸入食品の監視統計が一九六五年に公表されて以降、国が行っている行政検査、これは過去最低の検査率となっていると思いますが、厚生労働大臣、間違いありませんか。
○塩崎国務大臣 数字のお尋ねでございますけれども、検査率につきましては、二〇一五年度の輸入食品の検査率は八・七ということでございますので、そのとおりでございます。また、モニタリング検査の二・五、これもそのとおりでございます。 しかし、そうはいいながら、数字だけで判断をするというのはいかがなものかということを私たちは考えているところでありまして、違反リスクに応じた検査を実施するということが極めて大事だというふうに思っております。 検査において、モニタリングがあり、そしてまた命令検査、これは違反の可能性が高い食品と違反の可能性が低い食品について使い分けていくわけでございますので、科学的根拠に基づいて違反リスクに応じた検査を実施するということが大事であります。 こうした検査において、仮に違反食品が減少して、リスクの高い食品の全届け出を検査する命令検査が減少していくということになれば、結果として輸入食品全体に対する検査の実施率が減少するということもあり得るわけでありますので、したがって、検査の実施率の値だけを捉えて安全確保の取り組みが十分かどうかを評価するということは、必ずしも適当ではないのではないかというふうに考えております。 引き続いて、違反リスクに応じた適切な検査の実施に努めてまいりたいと思いますし、先ほど申し上げたように、検査機器の確保なども、スピードアップをする、そしてまた、より多くサンプリングをするということにもつながるわけでありますので、また職員の資質の向上も極めて大事でありますので、人員がふえていけばもちろん、よりやりやすくはなりますけれども、今申し上げたように、機器の改善なども含めて総合的に食品安全の確保に努めてまいりたいというふうに思います。
○斉藤(和)委員 いろいろ言われましたけれども、実際に検査率は下がっているわけです。 安倍首相、輸入食品の安全性の検査を実際に行っている検疫所の現場というのは、ごらんになったことがございますでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 ございません。
○斉藤(和)委員 輸入食品の検査というのは、先ほど検査機器の能力を上げるとかありましたけれども、検査機器に入れる前の前処理過程というのが全て人の手で行われているわけです。つまり、人をふやさなければ検査率を上げることはできません。 全国に二カ所、神戸と横浜にありますが、輸入食品・検疫検査センター、私も行ってまいりました。食品衛生監視員の皆さんが、例えば、衣つきの魚のフライ、冷凍食品、これを一つ一つ手作業で衣を剥がす作業をやっていたり、冷凍のブロック肉をトンカチとのみを使って細かく砕いているだとか、そういう幾つもの人の手による過程を経てようやく検査機器にかけることができるわけです。 しかも、食品衛生監視員の六五%が若い女性によって担われています。業務は、検査によっては休日出勤だとか深夜になることもあり、大変な職場になっています。 だからこそ、現場の食品衛生監視員からは、率直に言って、TPPによって輸入食品がふえたら怖い、こういう声が出されているわけですけれども、総理は、この現場のTPPが怖いという声をどう受けとめていらっしゃいますか。
○安倍内閣総理大臣 TPPが怖いという発言について、これは今委員から御紹介をいただいておりますから、私も何ともコメントのしようがないわけでございますが、いずれにせよ、しっかりと現場においてさまざまな状況に対応できるように、我々もしっかりと考えていきたい、こう思っているところでございます。
○斉藤(和)委員 しっかり輸入食品の安全確保をするということですけれども、やはり、そのためにも体制を強化していく、食品衛生監視員を抜本的にふやしていく必要がある。来年度の要求で十九人というお話がありましたけれども、現場からは、以前から、三千人体制ぐらいないと輸入食品の安全性を確保できない、そういう声を聞いております。この声に、やはりまず真剣に受けとめて、応えるべきではないでしょうか。総理、いかがですか。
○塩崎国務大臣 ちなみに、先ほど二〇一六年度の数字についてお尋ねがございましたが、これは、新規増員数は二十七年度が十八人、そして二十八年度は十二人ということでありましたけれども、定員合理化の減というのが必ずついてまいって、それで七名と二名ということになったわけでありまして、私どもとしては、おっしゃるように、来年度に向けては十九人の増員について、総理からお答えを申し上げた食品衛生監視員でありますけれども、検疫所全体では、検疫官二十一名と合わせて四十名の増員を要求しているわけであります。 ですから、食品はもとより、検疫所の体制を整備するということは私どもにとっても大変大事な問題だというふうに捉えておりますので、できる限りの定員確保は図っていくつもりでございますが、それとあわせて、さっきも申し上げたとおり、人材のやはり資質を上げていくことによる効率性、そしてまた検査機器の開発などもやっているわけでございますので、そういうことをあわせて、総合的に食品安全の確保を図るための体制整備をしっかりとやっていかなきゃいけない大事な問題だというふうに思っております。
○斉藤(和)委員 人手が足らないからといって、パートやアルバイトで食品衛生監視業務というのは補うことはできません。検査施設の国際標準規格からも、正規職員でなければならないというふうになっているわけです。食品衛生監視員を抜本的にふやす、こういう政府の姿勢が求められていると思いますが、総理、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 おっしゃるように、人員が必要であるということはもう間違いないことで、先ほども答弁申し上げたとおりでありまして、方向としては同じ方向を向いていると思いますが、やはり全体の政府としての人員の定員の問題等々を含めて、その中で私たちがどれだけ食の安全のための人員を確保できるかということで、最大限の努力をして確保を図っていくというのが私たちの基本的な考え方でございますので、先生がおっしゃるように、確かに手作業でやらなきゃいけないことがたくさんあることはよくわかっているところでございますので、その辺はよく考えた上で対処してまいりたいというふうに思います。
○斉藤(和)委員 人員にかかわる問題ですので、ぜひ総理にお答えいただきたいんですけれども、食品衛生監視員を抜本的にふやす、そういう必要性があると思いますが、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 実際にどれぐらい輸入食品がふえていくか、これは来年からということではなくて、発効してから、まだこれは先の話でございますが、それに備えていくということは当然必要でございます。しかし、現在、それで大きな問題が出ているということではないわけでございますが、だんだんふえていく食品の輸入に対応しながら、人員は、先ほど私からもまた厚労大臣からも御説明させていただいているように、増員はしているところでございます。また、さらに、検査機器等の開発等ということについても大臣からも御答弁をさせていただいたわけでございますが、不断の強化の努力は重ねながら、しっかりと万全を期していきたい、こう考えているところでございます。
○斉藤(和)委員 大きな問題がないということを言われましたけれども、私は今でも問題があるというふうに思っているわけです。 国が行っているモニタリング検査には欠陥があります。こちらのパネルをごらんください。 これは、二〇一四年、国が行っているモニタリング検査で食品衛生法違反とされた輸入食品のうち、全量消費、つまり食べられてしまったものの一覧です。 まず初めに安倍総理に認識をお聞きしたいと思いますけれども、残留農薬違反の生鮮トマト八・四トン余り、一人当たり百五十グラムと仮定しますと、実に約五万六千人分の口に入っている。それ以外にも、残留農薬違反の生鮮キャベツが八百人分。残留農薬違反の生鮮マンゴーが三千四百五十人と千八百二十五人で五千人分を超えます。残留農薬違反の生鮮青トウガラシが九千人分と百人分。食中毒菌の汚染がある冷蔵むき身アカガイが三百人分。これが全量消費ないし全量販売されてしまっているわけです。これ以外にも一部消費済みのものがあるわけですけれども。 安倍総理、これらの残留農薬基準違反のものが、流通されるだけではなくて食べられているという実態がある、こういうことは御存じでしょうか。
○塩崎国務大臣 きょう資料をお配りいただいておりまして、これは私どもの方からお出しをした資料でございますので、このこと自体はそのとおりでございますが、モニタリング検査のことについての御懸念をいただいたわけでございます。 過去の検査結果などから違反の可能性が低い食品について、検査終了を待たずに流通をさせながら、国際的にも認められた統計学的な手法に基づいて、違反食品が含まれていた場合、効率的にその違反を発見することができる、いわゆるサンプリング件数を設定して実施をしているというのがサンプリング検査でございます。 違反の可能性の低い輸入食品等について、検査終了を待たずに国内流通を認める手法は、米国あるいはEUなどの諸外国においても広く行われているものであります。これは、科学的な根拠に基づいて、必要な限度においてのみ食品安全に関する措置を適用するということ、そして、同種の国内産の食品との不当な差別的な取り扱いをしないという、これは従来からの国際的な共通ルールでありますWTOの食品の安全に関する協定、いわゆるSPS協定に基づく対応だというふうに私たちは理解をしております。 したがって、モニタリング検査の対象となる違反可能性の低い食品についてまで全量をとどめ置いて検査を実施するということは、むしろ、SPS協定に照らしても必ずしも適当ではないというふうに考えております。 また、TPP協定は、SPS協定に基づく我が国の権利義務を確認しているのみでございまして、TPP協定の締結によっても対応方針に変更が加えられるわけではない。 そして、今、全量消費をされた、あるいは一部消費をされているじゃないか、こういうことを御指摘いただきました。違反食品を消費したことによる影響はどうなのかということを御指摘になっておられたというふうに思っておりますが、農薬などの食品中の残留基準は、人がある物質を一生涯にわたって毎日摂取し続けても健康への悪影響がないと推定される一日当たりの摂取量、それから、基準値を著しく超過したものでない限り、当該食品を摂取しても直ちに健康被害が発生する可能性は低いと考えられるということであります。 なお、平成二十七年度以降に消費をされた違反食品によって摂取をされたと推定される残留農薬の量は、健康への影響がないと推定される一日当たりの摂取量の数%以下、試算値の最大値は一・六%でございまして……
○塩谷委員長 答弁は簡潔にお願いします。
○塩崎国務大臣 健康影響は必ずしもないというふうに考えているところでございます。
○斉藤(和)委員 健康の影響はないと言いましたけれども、国が定めている残留農薬基準を違反しているんです。本来出回ってはいけないという要は決まりのもとでやられている、それが出回って消費者に食べられているというこの実態を真摯に受けとめないということに、私は非常に怒りを覚えるわけです。 この二〇一四年度だけではありません。昨年度、二〇一五年度も出ています。残留農薬違反の生鮮のパースニップというニンジンですとか、例えば生鮮オクラ、これは一人百グラムとして二万三千百人分ですけれども、これは二十六倍の残留農薬の基準以上が出ているわけですよね。例えばタマネギなんかも、何と二十四万百二十人分も食べられてしまっている。こういうものが出ているわけです。 しかも、こういう、あってはならない、要は基準違反のものが流通するだけではなくて食べられてしまっている、こういうことを、総理、このまま放置していいんでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 ただいま厚労大臣から答弁させていただいたわけでありますが、違反の可能性の低い輸入食品等について検査終了を待たずに国内流通を認める手法は、米国、EUなどの諸外国においても広くとられておりますが、これは先ほど大臣からも答弁させていただきましたが、科学的な根拠に基づいて、必要な限度においてのみ食品安全に関する措置を適用すること、そして、同種の国内産の食品との不当な差別的取り扱いをしないことを求めている、従来からの国際的な共通ルールであるWTOの食品の安全に関する協定に基づく対応であります。 したがって、モニタリング検査の対象となる違反の可能性の低い食品についてまで全量をとどめ置いて検査を実施することは、SPS協定に照らしても、これは適当でないわけであります。 しかし、そこで、そのSPS協定に従ってやっている検査において出て、国民の、消費者の皆さんが食べてしまっているではないかという御指摘でございますが、それに対しましても先ほど大臣から答弁をさせていただきましたが、確かにそれは流通をしてしまっているわけでございます。 しかし、これは先ほど申し上げましたように、米国においてもEUにおいても同じことが起こっているわけでございます。では、なぜそれを認めているかといえば、御指摘の違反食品を消費したことによる健康影響についてでありますが、これは科学的な分析をしておりましての結果でございまして、農薬等の食品中の残留基準は、人がある物質を一生涯にわたって毎日摂取し続けても健康への悪影響がないと推定される一日当たりの摂取量でありまして、いわばその摂取量を超えているということでありまして、基準値を著しく超過したものでない限り、当該食品を摂取しても直ちに健康被害が発生する可能性は低いと考えられるわけであります。 なお、平成二十七年度以降に消費された違反食品により摂取されたと推定される残留農薬の量は、健康への影響がないと推定される一日当たりの摂取量の数%以下であります。健康影響はないと考えているところでございます。
○斉藤(和)委員 いろいろ言われましたけれども、私、大事なのは、食料自給率三九%、各国と比べても六割を輸入に依存しているという現実があるわけですね。そのもとで、健康に影響がないから、そういう考え方でいいのかということを問うているわけです。基準を守らなくていいのかということです。 先ほども、TPPの協定により我が国への海外からの輸入食品の増加が見込まれることから、食の安全、安心を守るため、輸入食品の監視指導を徹底するための体制強化に努めるという政府の立場を確認いたしました。私は、そうであるならば、以前やっていたように、検査結果が出るまでは輸入を認めないという本来の検疫検査に戻すべきではないか、そう思うわけですけれども、総理、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 先生御指摘のように、違反している食品を口にしないということは大事なことであります。 したがって、モニタリング検査によって違反食品が発見された場合には、既に流通してしまっている違反食品をいかに速やかに回収するかということが大事であります。そしてもう一つは、検疫所において全量をとどめ置いて検査をする命令検査に切りかえるということも大事でありますので、そういった措置で食品の安全性の確保を図ってまいりたいと思っておりますし、消費される前に速やかに回収ができるように事前に販売計画などを提出させておく、それから、従来よりも検査結果が判明する期間を短縮できるような新たなDNAの試験法とか、そういうものを導入することによって、これは十月七日付で全国の検疫所に既に新しい試験法についても指示をしております。 したがって、御指摘のとおり、違反した食品については速やかに回収して、できる限りこれは食にしないということが大事でありまして、しかし、今申し上げた体制自体は国際的に認められている、大体やられているやり方であるということでございますので、なお改善方を図っていきたいというふうに思います。
○斉藤(和)委員 輸入している量が違うというところに立ってしっかり検査率を上げていかないと、現に二・五%なわけです。こういう検査結果が、先ほども言いましたけれども、違反率の低いものを検査した結果、二十六倍の残留農薬が出ているものまで検出されて、しかも食べられているというのが実態なわけです。 こういう現実にある実態を改善することなしに、TPPの批准などを言う資格は私はないと思います。消費者、国民の食の安全は到底守れない。輸入食品の増大につながるTPPの早期批准など到底許されないということを強く指摘して、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○塩谷委員長 次に、畠山和也君。
○畠山委員 日本共産党の畠山和也です。 総括的な質疑ですので、総理にしっかりとお答えいただきたいと思います。 TPPの審議は始まりましたが、協定文などの誤訳の問題、またSBS米の価格偽装疑惑などが発覚をしました。しかし、総理はTPPの批准を急いでいます。 アメリカ大統領選挙でTPPが一大争点になりました。候補の二人が反対姿勢の中、総理は本会議で、国会でTPP協定が承認され、整備法案が可決すれば、再交渉はしないとの立法府も含めた我が国の意思が明確に示されますと答弁しました。しかし、まだ批准の手続を完了している国はありません。日本だけが前のめりで、後ろを振り返ったら誰もついてこなかったということはないのでしょうか。 また、国民の声を聞いても、早い批准を望んでいないというのが多数です。資料にありますが、共同通信による世論調査においても、慎重審議を求める声は七割を超しています。また、NHKの世論調査でも、賛成、反対、どちらとも言えずよくわからないという方が半数を超えています。 政府は約三百回の説明会を行ったときのうも答弁がありましたが、その結果がこれです。説明をすればするほど、慎重に考えたい、判断すべきだということなのではありませんか。先にこのことを総理に聞きたい。
○安倍内閣総理大臣 慎重に審議をすべきだという世論調査が出ていることは十分に承知をしております。ですから、この委員会においても熟議を尽くしていくということだろう、このように思います。 一方、各種の世論調査で、TPPについては賛成の方が反対よりもおおむね上回っているということも承知をしております。
○畠山委員 肝心なことは、早く承認するかではなくて、日本国民にとってTPPがどのような協定か、徹底審議をして明らかにすることではありませんか。 批准の手続を完了していない国もただ様子見ではない状況にあることを、総理、御存じでしょうか。国民から意見を聞くなどの機会を行っている国があるのは、総理、御存じですね。
○安倍内閣総理大臣 パブリックコメントの実施ということだろうと思いますが、政府としては、交渉会合のたびごとに、関係団体等からの意見募集を十三回にわたって実施をしてきておりまして、これまでに約二百件の御意見等を承っております。 なお、オーストラリアやニュージーランド及びカナダでは、TPP協定自体の国会承認手続が不要でございます。その不要であることに鑑みてかもしれませんが、パブリックコメント手続によって国民の意見を聴取することとしているわけでございますが、まさに私たちの場合はこの国会において御審議をいただいているということで御理解をいただきたい、このように思います。
○畠山委員 国会の審議はもちろんです。他国はそれ以上に心も砕いて説明会やパブリックコメントを行ってきているということを日本政府としても学ぶべきであるし、その前のめりの、批准が先にありきのような姿勢に国民が不安を持っているということは指摘しておきたいと思うんです。 先週、私は新潟県へ行きました。農業団体の方とも懇談をしましたが、TPPはもとより、農協改革、あるいは農地の企業所有、生乳の指定団体制度の廃止などに対して、現場のこともわからずに頭ごなしに決めつける、あるいは、総理や規制改革会議に言われるたびに意欲をなくすという声を本当に聞いてきました。知事選挙で米山候補が勝利した背景にTPPや安倍農政への審判もあったのは明らかだと思います。 審議が始まる前に、強行採決かの発言もありました。また、月内に衆議院通過かの報道もあります。審議は始まったばかりです。拙速な審議や採決は許さないことを初めに強調しておきたいというふうに思います。 それで、中身に入りたいわけですけれども、改めて基本に立ち返って、国会決議にかかわって質問します。 自民党は、政権復帰を果たす前の二〇一二年総選挙で、「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。」とのポスターを張りめぐらせました。それに対して総理は、聖域なき関税撤廃が原則でないことを確認できたから交渉入りを決断し、今日まで至っています、交渉においては衆議院、参議院の農水委員会決議を後ろ盾に交渉してきたとも述べてきました。 その決議を守れたかどうか。決議の第一番目には、米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物などの重要五項目を除外または再協議の対象としています。 この間、春の通常国会も含めた議論では、一般論として、経済連携協定には除外や再協議の規定はない、交渉の中で決まっていくものだとの答弁がありました。総理も同じ認識でよろしいですね。
○石原国務大臣 総理も同じ答弁だと思いますが、その認識でございます。
○畠山委員 総理は同じ認識ですか。
○安倍内閣総理大臣 同じ認識でございます。
○畠山委員 それでは、米で見てみましょう。 これまで日本が結んだ経済連携協定の中で大きなものが日豪EPAでした。このときも同じように決議が上がっていますが、重要五項目は除外または再協議の対象と決議をされています。 交渉の結果、米は日豪EPAでどのような扱いになったか、総理、御存じですか。
○山本(有)国務大臣 日豪EPAにおきまして、米につきましては関税撤廃等の対象から除外されております。
○畠山委員 日豪EPAでは除外であります。 TPPでは、除外ではなく新たに七・八四万トンの輸入枠が設けられたことは事実です。本来なら、何でそうなったかと甘利前大臣に聞きたいところですが、報告を逐次受けていたという安倍総理にしたがって聞きたい。米は除外とするように交渉したんでしょうか。
○石原国務大臣 これは何度も委員会で御答弁させていただいているのでありますが、全てが決まったのは締結したときなんですね。ですから、そのときに全て決まったということで、その途中の経緯、例えばアメリカ側から自動車部品の問題はいつ決まったのかという話は公になっていないように、全てのことは最後のところで決まったというふうに御理解をいただきたいと思います。
○畠山委員 途中の経過については今求めていません。日本において除外または再協議と委員会で決議が上げられて、そのように米は除外してほしいと言ったかどうかだけを聞いているわけです。 先ほど述べたように、報告を甘利前大臣から聞いていた総理、どうなんですか。
○安倍内閣総理大臣 従来から答弁をさせていただいておりますように、我々は、国会決議を背景に、国会決議は当然相手側も、米側も他の国々も知っているわけでございますが、それを背景に厳しい交渉を行ってきたわけでございまして、一々のやりとりについては、ここでつまびらかにすることはできないわけでございますが、その結果、我々としては国会決議にかなう結果を得ることができた。しかし、国会決議にかなうかどうかは国会が御判断されることではありますが、我々としては国会決議にかなう結果を出すことができたのではないか、このように考えております。
○畠山委員 日本側が除外してほしいと言って、相手側がこう返してやりとりがあったみたいなことまで聞いていないんですよ。後ろ盾にして交渉してきたと言うんだったら、その証明を見せてほしいというのは当然の思いじゃないですか。きちんと国会決議を後ろ盾に交渉したと言うのであるならば、きちんと除外を相手国に言いましたと、そう言えないんですか。
○石原国務大臣 大筋合意の前についても資料は提示させていただいておりますけれども、国会決議がなされた後、国会決議の原文を訳して、その中に示させていただいているように、相手国に示しているという事実は確認しております。
○畠山委員 政府としてやったのかということです。
○石原国務大臣 既に公表させていただいている資料の中に、委員が今御指摘の衆議院、参議院での国会決議なるものを英訳をさせていただいて相手国にお示しをさせていただいたということは、もう既に資料の中で公表をさせていただいております。
○畠山委員 資料として示したということですが、きちんと口で言ったかどうか。資料を示しただけで、大事ですよ、ただの参考資料なのか、その資料の位置づけがわからないじゃないですか。 総理、改めて最後に伺いたい。 先ほど述べたように、この決議が守られたかどうか、この交渉過程はつまびらかにできないということは言ってきました。しかし、先ほどからあるように、国会で判断するにおいては、きちんと除外の、または再協議と政府は言ってきたかどうか。全部出せと今言っているわけではないんですよ。その最初のところで言ったのか言わなかったのか、はっきりさせてください。
○安倍内閣総理大臣 国会において、我々が国会決議を守ることができたかどうかについては、まさに結果についてそれは御判断いただくことであろう、このように思うわけであります。 先ほど、我々は、当然国会決議を背景として、しっかりと相手側にそれを示しながら交渉をしてきたわけでございまして、交渉者が何を言ったということになれば、相手側の方も、ではそれに対してどう答えたかということを問われていくことになるわけでございまして、そうなれば、例えばこれについては何を言ったのかということになっていくわけでありますから、それについては、我々としては結果をお示しをしているところでありまして、一々のやりとりについては発言を控えさせていただきたい、このように思います。
○畠山委員 一々のやりとりではなくて、政府がもともと後ろ盾にしてきたと言うんだったら、除外を求めて当たり前のはずじゃないですか。そうしたんですかと聞いただけですよ。 ですから、その後ろ盾にぎりぎりの交渉をしてきたと言いますけれども、その証明はわかりません。本当にそのようにやってきたのかわかりません。国会決議にこれでは反しているのではないかと改めて断じざるを得ないと思います。 そこで、例外をかち取ったということも総理は言ってきました。続けて、この問題について聞きたいと思います。 農業分野では関税撤廃を二割にとどめて、国家貿易も維持した、また、セーフガード措置も獲得してきたなどと総理は述べてきました。 セーフガードについて伺います。セーフガードとは、輸入量が大幅にふえたら、関税をもとに戻して輸入を抑えるという措置です。 牛肉について聞きますが、牛肉は現在関税が三八・五%です。この関税が十六年かけて九%まで減りますが、セーフガードをかち取れたから大丈夫だという趣旨の答弁で、その間に農家の経営体質を変えるという話です。そこで問題は、では、セーフガードの発動基準のとき、農家がどういう状況になっているかということを伺いたい。 牛肉に関してですけれども、直近の国内供給量と、うち国産と輸入量と比率について答弁してください。
○山本(有)国務大臣 二〇一五年の牛肉につきまして、供給量は八十二万トンでございます。うち国内生産量は三十三万二千トン、供給量に占める割合は四一%。輸入量は四十八万七千トンで、供給量に占める割合は五九%でございます。
○畠山委員 今、実際、国産が、供給量、在庫もあると言いますが、消費に占める割合は大体四割ぐらいということになるわけです。 十六年後、輸入量がセーフガードの発動基準でふえていくことになりますが、十六年後に輸入量が幾らになればセーフガードは発動されるのでしょうか。また、あわせて、その時点での牛肉の国内消費量は今よりふえるとお考えでしょうか。
○山本(有)国務大臣 現行の牛肉関税緊急措置の発動水準が前年比一七%増とされている一方で、TPPの牛肉セーフガードの発動基準数量につきましては、あらかじめ数量が決まっておりまして、発効一年目は近年の輸入量の約一割増に相当する五十九万トンでございます。二年目以降は毎年一、二%増加しまして、十六年目には七十三万七千五百トンとなっております。 発効後の牛肉輸入の見込みにつきましてでございますが、TPP交渉の結果、牛肉につきましては、関税撤廃ではなく、十六年目に最終税率九%として長期にわたる関税削減期間を確保しております。 我が国以外の牛肉の需要が急激に現在伸びておりまして、他の輸入国との買い付け競争が激しくなるという予測でございます。当面、輸入の急増は、現在のところ見込みがたいと考えております。 しかしながら、関税削減等により長期的には国産牛肉の価格が低下することが懸念されておりますため、総合的なTPP関連政策大綱におきまして、生産コスト削減などの体質強化対策を講じるとともに、セーフティーネットとしての経営安定対策の充実強化を図ることとしております。 これらの対策を講じることによりまして、関税削減後におきましても、外国産牛肉との競争が可能となるものでありまして、国内生産量は維持されると考えております。
○畠山委員 今、対策の中身までを聞いているわけではなく、セーフガード発動基準がどのような意味を持つのかということを問いにして聞いていたわけですよ。 セーフガードが十六年後発動される基準というのが七十三・八万トン、よろしいですよね。そして、私が聞いて、答弁していなかったかと思うんですけれども、その当時、十六年後に牛肉の国内消費量はふえるとお考えですか、大臣。もう一度聞きます。
○山本(有)国務大臣 牛肉の消費量につきましては予測がありませんけれども、二〇一一年を契機としまして、牛肉の消費は徐々に国内では伸びております。さらに、人口の減少等もございますけれども、今の食味からいたしまして、牛肉の消費は少しずつ増加する傾向にあるように思っております。
○畠山委員 人口減少の中、牛肉だけが、現状少しずつふえてきたというふうに言っていますけれども、大幅に伸びることは普通ではやはり考えられないと思います。 そこで、仮に現時点と同じ消費量、供給量八十二万トンとした場合の資料、グラフなどをお渡ししています。 最大輸入、十六年目のときに七十三・八万トンですから、消費量八十二万トンに占める割合は約九〇%と数字上はなります。つまり、このとき牛肉の自給率は一〇%ということになります。これ自体は、もう多くの畜産農家が淘汰された状況になるのではありませんか。つまり、こんな状況でセーフガードを発動する意味があるのか。 総理は、セーフガードでかち取れたものをこの間言い続けてきました。このセーフガードだってそうです。これをかち取れた、なぜそう言えるんですか。 〔委員長退席、うえの委員長代理着席〕
○安倍内閣総理大臣 関税撤廃が原則というこのTPP交渉の中で、特に農業分野について国会決議を、先ほど申し上げましたように、後ろ盾に粘り強く交渉しました。その結果、牛肉については関税撤廃を回避することができました。そして、十六年目に関税が九%になるという長期の関税削減期間を確保したところであります。 また、アジア地域を中心に、我が国以外の牛肉需要が急激にこれは伸びていくわけでありますが、他の牛肉輸入国との買い付け競争が激しくなる可能性も踏まえて、当面、牛肉の輸入急増は見込みがたいと考えているわけであります。 例えば、二〇〇四年、世界の牛肉の輸入量全体は三百四十二万トンでありますが、二〇一四年は五百八万トンにふえております。これが二〇二四年には恐らく七百七万トンにふえていくだろう、こう考えられているわけであります。 例えば中国も、二〇〇四年は一万トンなんですが、二〇一四年は七十八万トン、つまり七十八倍になっていったわけでありまして、それがさらに百五十一万トンになっていくだろう、こう見られているわけであります。 こういう状況分析に基づいて、今私が申し上げましたように、牛肉の輸入急増は見込みがたい、このように考えているわけでございますが、万が一輸入が急増するような事態が生じることに備えて、厳しい交渉の結果、セーフガード措置を獲得したわけでございます。 これについては、初年度の発動水準が近年の輸入量の約一割増、こうなっているわけでありますが、前年比一七%の牛肉輸入増で発動する現行制度に比べても、これは現行制度が牛肉輸入増一七%でありますから、これが一割、一〇%となるわけでありまして、現行制度に比べて発動しやすくなっていること等から、輸入急増を抑制する効果は十分にある、このように考えているところでございます。
○畠山委員 今の答弁を聞きますと、諸外国などで牛肉の需要がふえているから、ここまでセーフガードが下がっても大丈夫ですから安心してくださいというように聞こえますよ。自給率一〇%になるまで、セーフガードがこの年まで発動されない場合、そういう結果があったときに、例外をかち取れたと胸を張って言える結果かというふうに農家は思っていると思いますよ。 そこで、さらに聞きたい。セーフガードですが、農業セーフガードは、この牛肉以外に豚肉やオレンジなども対象になっているはずです。この農産品セーフガードはずっと保障されるのか、あるいは何年か後に撤廃されるのか、お聞きします。
○山本(有)国務大臣 TPP交渉におきまして、重要五品目の牛肉、豚肉・豚肉調製品、ホエーのほか、オレンジ、競走馬につきまして、セーフガード措置を確保いたしました。 これらのセーフガードにつきましては、まず、オレンジについて発効後八年目でございます。豚肉・豚肉調製品につきましては発効後十二年目でございます。競走馬につきましては発効後十六年目に、それぞれ終了することとなっております。 牛肉につきましては、十六年目以降もセーフガードが維持されるわけでございますが、四年間連続で発動されない場合は終了となるわけでございます。 ホエーにつきましては、二十一年目以降、三年間連続で発動されない場合、終了することとなっております。 〔うえの委員長代理退席、委員長着席〕
○畠山委員 つまり、全て期限つきであります。期限が来れば、セーフガードがなくなることなどで明け渡すということになりはしないか。 しかも、これは前の通常国会でも議論しましたが、十六年目を待たずして見直しとなる可能性はあります。セーフガードについても、市場アクセスのところで設置される小委員会、あるいは日本と五カ国によるいわゆる七年目の再協議では協議の対象にはなり得ることはお認めになりますね。
○山本(有)国務大臣 もちろん、再協議ですから、どの分野を再協議してもいいわけでありますが、これは相手国があるわけでありまして、再協議するといっても、合意するかどうかはこちらの権限でございます。
○畠山委員 そこで、最初になるわけですよ。交渉において、例えばお米のことでも、重要五項目で除外を本当に求めたのかどうかもわからない。結果は除外なしだったではありませんか。 総理の言う例外なるものも期限つきで、しかも再協議が迫られる対象にもなっているわけです。総理はよく、結果を見て判断してほしいというふうに言います。結果を見れば、このように、中身がわからない、決議違反は明らかでないか。それでも守られたと、総理、言えますか。
○安倍内閣総理大臣 このTPPにおいては、いわば関税撤廃が原則でありまして、農作物においては九八%、ほぼ一〇〇%が関税撤廃にほかの国々はなっている中において、我が国は、約二割の例外をこれは獲得することができたわけでございます。また、セーフガード措置も獲得することができたわけでございますので、我々としては国会決議にかなうものだ、我々はこのように考えております。
○畠山委員 ただ、きょうの質疑では、そのセーフガードにおいても、実質的にそれが発動されるときに支えになっていないのではないかと私は指摘しました。その例外なるものが農家の支えになっていなければ、これは国会決議に反しているということを私は指摘させていただきたいというふうに思います。 日本共産党は、経済主権、食料主権を脅かすTPPからの撤退を一貫して訴えてきました。 最後に、転換の方向について、きょうは質問したいと思います。 政府は、TPPのもとでは競争力が必要だ、また、輸出で稼ごうと呼びかけています。先日の委員会で総理は、北海道の十勝川西長いもが台湾などで人気だと例に出して、いわば輸出の優等生のように紹介もされています。 総理、お聞きしたいんですけれども、では、この川西長いも、どんどん輸出できるとお考えでしょうか。
○山本(有)国務大臣 議員御指摘の長芋の輸出でございますが、台湾、アメリカの西海岸を中心に薬膳料理の食材として人気が高く、平成二十七年には二十六億円と、この三年間で五〇%増と順調に増加をしております。 こうした農林水産物、食品の輸出につきましては、本年五月に策定いたしました輸出力強化戦略に掲げた施策を着実に実施しておりまして、ハード、ソフト面でインフラ整備を行う予算も計上しております。 その意味におきまして、我々にとりまして戦略的な商品である長芋、これが伸びることを期待するところでございますけれども、平成二十年に選果場についてHACCP認証を獲得しております。安全、安心の面でも輸出先国での信頼を得ていると思っております。 そういう意味で、今後、全米やシンガポールなど新たな輸出先を開拓するなど、さらなる輸出の拡大に全力を挙げてまいる所存でございまして、薬膳料理のほか、品質の高さ、積極的なPR、滋養強壮によい食材、大衆への売り込み等々で私は伸びるというように思っております。
○畠山委員 農畜産業振興機構、ALICが「野菜情報」という冊子を出して、そこで各地の調査報告を出すんですよね。ちょっと古いんですが、二〇〇九年にこの川西長いもについて調査をして、このように書いています。 輸出先の開拓に取り組んではいるが、輪作体系の中に高収益作物を取り入れるというのが基本的な方針であるとして、JAとしては、特別な生産体制をとるなどして輸出を重点に伸ばしていくのではなく、あくまで国内市場への通年安定出荷に軸足を置き、過剰生産に陥って値崩れしやすい国内市場の需給バランスを維持して価格の安定を図るというのが現地の方針なんです。 日本は土地利用型農業であります。土地に制約されます。しかも、同じものを続けてつくれば連作障害というものが起きるのは大臣御存じだと思いますが、長芋はその輪作体系の一作物なんですよね。だから、長芋だけをつくり続ければもちろん連作障害は起きるし、急激にたくさんつくれるというものではもちろんありません。特別な生産体制はとれないわけです。 だから、基本は国内の安定供給だ、現地はそのように言っていて、農産物の輸出というのは戦略上の話であって、農業政策の基本は、国内への安定供給、自給率向上にこそ基本に立つべきではないのでしょうか。 そこで、農業に多面的機能があることは先日の委員会で総理も述べていました。そうであるなら、暮らし、雇用、環境を壊すものでなく、各国の実情を踏まえたルールづくりをすることで、我が党は、貿易においても平等互恵の原則が必要だということを訴えてきました。 かつて日本政府も、WTO加盟後に国際社会へ提案する動きがあったのではないでしょうか。私、手元に、二〇〇一年ですが、農水省がまとめた「WTO農業交渉」という文書があります。その前書きに、「行き過ぎた貿易至上主義へのアンチ・テーゼとして自信を持ってこの提案を世界に示す。」と、五つの提案をしています。「1農業の多面的機能への配慮、2食料安全保障の確保、3農産物輸出国と輸入国に適用されるルールの不均衡の是正、4開発途上国への配慮、そして5消費者・市民社会の関心への配慮を求めるものである。」と書いています。食料安全保障の確保ですよ。 最後ですから総理に聞きます。 行き過ぎた貿易至上主義には日本政府がみずから警鐘を鳴らしていたのではありませんか。総理はTPPのメリットばかりを強調しますが、進むべき道はTPPではなく、食料自給率の向上、食料安全保障、この道ではないのですか。
○安倍内閣総理大臣 まず、我々は輸出とか貿易至上主義ではないということは申し上げておきたいと思います。 食料の安定供給を将来にわたって確保していくことは、国民に対する国家の基本的な責務であり、国内農業生産の増大を図り、食料自給率と食料自給力をともに向上させていくことが重要であると考えています。 安倍内閣では、農業の成長産業化を実現するため、農地集積バンクの創設、また、輸出促進や六次産業化、六十年ぶりの農協改革など、農政全般にわたる抜本的な改革を進めてきております。 そして、TPPでございますが、関税撤廃が原則というTPP交渉の中で、先ほど申し上げましたように、農業分野においては、重要五品目を中心に関税撤廃の例外を確保し、さらには、セーフガード等の措置も獲得をしたところであります。 それでもなお残る農業者の方々の不安を受けとめ、安心して再生産に取り組めるよう、総合的なTPP関連政策大綱に基づきまして、攻めの農業への転換に必要な体質強化策を順次講じるとともに、重要五品目の経営安定対策の充実を図ることとしたところでございます。 またさらに、TPPによりアジア太平洋に巨大な経済圏が生まれることは、これは日本農業にとってはチャンスであるわけでありますが、先ほど長芋についてお話がございました。供給量に制限がある。農業は工業製品と違うのは事実でございます。しかし、販路がどんどん拡大されていく中においてブランド化が進めば、これは、そこで品薄になれば、当然、需要と供給でありますから、価格が伸びていくということも十分に考えられるわけでございます。 量としてふやすことはできなくても、収入はふやすことは十分に可能なのではないか、こう思うわけでありまして、平成二十四年、我々が政権をとる前から平成二十七年と比べますと、例えば、牛肉においても五十一億円の輸出が百十億円、これは倍になっておりますし、お茶も五十一億円から百一億円、リンゴは三十三億円から百三十四億円、三〇〇%増となったわけでございまして、しっかりと挑戦しなければ結果が得られないということではないかと思うわけでありますが、引き続き、農政改革を進め、農業の成長産業化を実現していくと同時に、農業の多面的機能をしっかりと我々も重視していきたい、このように思っている次第でございます。
○畠山委員 最初に言いました。新潟でその農政全般改革に対して厳しい目が向けられていると私、初めに言ったばかりですよ。 ことしの農業白書に次のように書いています。「我が国は、引き続き「多様な農業の共存」を主張し、食料輸出国と輸入国のバランスの取れた農産物貿易ルールの確立を目指していくこととしています。」と。TPPとは明らかに違う道だと思います。 農業だけでなく、林業、漁業、そして、暮らしに直結する医療や保険、共済など、たっぷりとTPPは質問しなければいけないことがあります。徹底審議を求めつつ、経済主権、食料主権を奪うようなTPPには反対であることを表明して、質問を終わります。
○塩谷委員長 次に、小沢鋭仁君。
○小沢(鋭)委員 日本維新の会の小沢鋭仁でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。 まず、きょうは総括の集中審議でありますので、維新の会の基本的なスタンスを申し上げたいと思います。 お手元に資料をお配りさせていただいております。日本維新の会のところを見ていただいておわかりのように、二〇一二年以前、交渉に入る前には、いわゆるTPP交渉参加を行うべきという方針を立てました。そして、実際に交渉が行われ、ある意味では条約ができてきたその段階では、この前の参議院の公約は、TPP協定の早期批准を行い、そして、積極的にリーダーシップをとる、こういうまさに公約を掲げて選挙戦を戦いました。でありますので、我々は、嫌々賛成というような話ではありません、積極賛成であります。 ですから、例えばアメリカの大統領選で両候補が余り前向きではないというような話が出ておりますけれども、我々は積極賛成ですから、そんなことは関係ないということはありませんが、これからそれを、何とかアメリカにも加わってもらわなきゃいけないんですけれども、要は、我々は進めていくということをまず申し上げたいと思います。(発言する者あり) その民主党です。今、民主党という声が出ましたが、二〇一二年以前、二〇一一年一月を見てください。今、民進党と書いてありますが、当時の民主党の菅総理、それは平成の開国です、環太平洋パートナーシップについて関係国との協議を行っていきたい、こういう言い方をされております。そして、今、後ろからそういう不規則発言がありましたけれども、今の民進党は反対である、こういうことでございます。 これは、自民党の皆さんにも実は申し上げたいんです。自民党を見てください。二〇一二年衆院選の選挙公約、TPP交渉参加に反対します。聖域なき関税撤廃を前提にという言葉がついておりますが、反対です。そして、今日は大いに賛成、推進、こういうことでありまして、もちろんその前提条件やなんかはあるんですが、大きな流れの中で、要は、野党だったときは反対、与党になったら賛成、逆に、与党だったときは賛成、野党になったら反対、政策判断が大きく変わっているんですね。 私は、今これは日本の政治の大きな問題の一つだと思っています。立場によって政策判断が変わる、これはやはり政治の貧困だろう、こう私は思っておりまして、そういった意味では、我田引水で恐縮ですが、維新の会は一貫していわゆる政策的にTPPを支持、推進をしているところであります。 是々非々と我々言っております。いろいろ冷やかされたりもしますけれども、まさに国民本位、国民にとってこの政策はプラスなのかマイナスなのか、その一点で我々は政策判断をしていく、立場によって意見を変えない、これが維新の会だということを申し上げたいと思います。 それから、二点目。政治のあり方の話でちょっと恐縮ですが、先ほど来、先週からいろいろな議論がありましたけれども、要は、大事なことは、日本にとって、国民にとって大きな意味でプラスであるならば、それは推進すべきだ。そして、そうした改革の中でつらい立場に置かれる産業や人々に対しては、できるだけ温かい言葉で個別対応を行っていく。これが政治の基本だと思います。 勇気ある改革を進め、温かい気持ちで個別対応を行う、こうした政治が私は必要だと思っているんですが、総理、御見解をいただけますか。
○安倍内閣総理大臣 私も基本的にその考え方に賛成でございますが、改革を進めていく、世界が大きく変わっていく中において、改革を進めていかなければ、成長し続けていくことはできない。成長し続けていかなければ、伸びていく社会保障費にも対応する財源を確保できないということになっていくわけでございます。 しかし、そこで、改革等を進めていく中においては、なかなか、今までのルールの中で生活を営んでいた人たちに対して、それはある程度の衝撃がある場合もありますから、そういうところにしっかりと目配りをしながら、そこで生活の基盤にどういう影響が出る人たちがいるのかということについては、しっかりと目配りをしていくことが政治の役割の重要な点でもあろう、このように思います。
○小沢(鋭)委員 中身に入らせていただきたいと思います。 維新の会は賛成だというふうに申し上げました。いろいろな理由がありますが、最大の理由は、今総理もおっしゃられましたが、いわゆるこのTPPが日本の国の成長に対して大変寄与する、成長にプラスである、こう判断しているからであります。これは、要は自由主義貿易、そういったものを拡大していけば、古くはリカードの比較優位論から始まって、経済学の世界では、それぞれの国にとって成長に寄与する、こういうのが定説だ、こういうふうに思っています。 さらにまた、今回のTPPに関しては、具体的にGTAPモデル、内閣府の方でそういったモデルでの分析をして、二・九%ですか、そういう数字も出てきています。 国民の皆さんにわかりやすいように、GTAPモデルにおけるいわゆる成長への寄与、それを御説明いただけますでしょうか。
○石原国務大臣 先ほど来御議論をいただいておりますとおり、御党の政策判断というものには大変敬意を表させていただきたいと思います。 今、小沢委員が御指摘になりましたGTAPモデルは静態的なモデルでございまして、いつ、個々のものがどうなるという指標ではないということはもう御存じのとおりだと思いますので、マクロ的に説明をさせていただきますならば、TPPを通じまして、先ほども議論があったように、輸入食品がふえる、貿易投資が拡大をいたします。そして、生産性がそれによって高まり、生産性が高まることによって、働いている人の実質所得が高まる。実質所得が高まり、賃金が押し上げられて労働供給も促される。こういうことによりまして、実質GDPの水準はプラス二・六%増、二〇一四年度のGDPを用いて換算をいたしますとおよそ十四兆円の拡大効果が見込まれるなど、TPPは我が国の成長戦略の重要な柱となると考えております。 そして、これもこれまでの御議論の中で、関税が下がる、そういうお話も多かったわけですけれども、非関税措置による効果も含めまして、貿易・投資がさらに拡大していく。そして、ルールが共通になることによって、外に出ていこうとする弱者の方々も、確実性や先見性が高まることによって事業がしやすくなる。多々にわたる経済メリットがあるものと見込まれております。 しかし、その一方で、立場の弱い人たちには、政策大綱によってきめの細かいフォローをしていくということが肝要であると認識をしております。
○小沢(鋭)委員 ありがとうございます。 こうした分析の中で、私、もう一つ重要なことがあるという話を、気がつきました。いわゆる貿易の話になっているわけですけれども、当然、TPPは投資の話も入っております。 これは、対GDP比で日本に対する対内直接投資の残高の数字です。これを見ていただいておわかりのように、日本は桁違いに少ないんですね。三・八%です。諸外国は二桁ですね。特にシンガポール、これは二五二%です。世界から日本にお金が入ってきていないんですね。 これは、どうしても貿易だとか生産という話に目が行きがちですが、この投資のことを考えると、これを拡大していくということは極めて重要だ、こう思っているんですが、総理の御見解、いただけますか。石原大臣、どうぞ。
○石原国務大臣 この点は私も、今委員が御指摘されました対内直接投資の残高、日本が極めて低い。その理由というのは、いろいろなものがあると思います。働きにくい環境であるとか、子供さんを連れてきたとき言葉が不便だとか、いろいろなことがあると思いますけれども、やはり、お金が入ってくるだけじゃなくて、人材、技術、ノウハウを呼び込む、これによってまた生産性の向上というものは図られていくんだと思っております。 そういう意味からも、委員御指摘の対内投資をさらに高めていく、安倍内閣でも取り組ませていただいております。働く人が外国から入ってくるわけですから、企業が活躍しやすい国を目指す、経済連携、法人税改革もやりました、あるいはさまざまの規制改革も行いました。こういうことをさらに、お知恵を拝借させていただきまして、進めていくことが肝要だと思います。 総論については総理がお話があるかもしれません。
○安倍内閣総理大臣 日本は長い間、海外からの日本への投資については、どちらかというと消極的だった時代がずっと続いてきたんですが、小泉政権の時代から、海外からの直接投資をふやしていこうという基本的な流れになってきたわけであります。 そのためにはさまざまな改革が必要であり、しかし、海外から投資が入ってくるということは、それによって日本で新たな雇用が生まれていくことにもつながっていくんだろう、このように思います。 先般、アップルのCEOとお目にかかったんですが、アップルが研究拠点を横浜に置いた。これは、いわばアジア、世界の研究拠点をほかの場所ではなくて日本にするようになった、置くことになったということは、これはいわば我々がそういう体制を整えつつあるということの証左ではないか、こう思っております。 それは、日本人の仕事を奪うことではなくて、むしろ雇用をつくっていくということにつながっていくと考えております。
○小沢(鋭)委員 海外からのいわゆる直接投資を恐れることはなく、受け入れるべきだと思いますね。この数字を見て、純粋に日本の国産でやっているからいいじゃないか、こういう議論が一方ではあるかもしれませんけれども、対内直接投資をふやすことによってこれまた経済成長が伸びていく、こういうGTAPの分析もありますね。ですから、それを恐れることなく受け入れるべきだ、こういうふうに思います。 それから、具体的な話に入らせていただきます。農業政策の話でございます。 時間がないのでちょっとかいつまんで申し上げますが、昨日の自民党の小泉委員の質問を聞いておりまして、農業基盤が、TPPがあろうとなかろうと、弱体化している、そこを前提に質問がスタートした、こういうことでございまして、ああ、自民党の中にもこういう意見があるのか、こう思って聞いておりました。しかし、やはり自民党の委員だからでしょうか、途中でとまっちゃって、具体的な提案がないんですね。 維新の会は具体的な提案を申し上げたいと思います。 まず、今の、高齢化の問題等で外から人が入ってこない、これはどうするんですか。例えば農家の人たちの子供は全部農業を継げというような立法ができれば、また話は別かもしれませんが、そんなことはできないですよね。外から人を入れていくしかないじゃないですか、今の時代で。 我々は、今回のこの国会に、株式会社等の農地所有解禁法案というのを提案させていただいています。外から人を入れていく、そのためにはやはりそれなりの装置をつくっていかなければいけない、こういうことだと思いますが、総理、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 安倍内閣においては、農業分野の規制改革に積極的に取り組んできているところでございます。 特に、農地を所有できる法人については、販売や加工への進出といった六次産業化等を行いやすくするため、企業も含め農業関係者以外の者の総議決権を、四分の一以下から二分の一未満に引き下げる等の大幅な見直しを行い、本年四月から実行に移したところであります。 さらに、先月一日に施行された改正国家戦略特別区域法において、企業に農地の所有を認める試験的な事業を行うことといたしました。 農協改革についても、六十年ぶりの抜本的な改革を行い、地域農協が創意工夫を発揮して自由な経済活動を行うことにより、農業者の所得向上に全力投球できるようにしました。 独占禁止法については、小規模の事業者による組織である等の実態から、組合による共同販売や共同購入といった行為を引き続き適用除外としており、常に農業者の協同組織であるという原点に立ち返って農業者を引っ張っていく組織であることが重要であると考えているわけであります。 これは、今、御党の議員立法との兼ね合いで、加えて述べさせていただいたところでございます。
○小沢(鋭)委員 農協の役割はこの後質問しようと思っていまして、一緒にまさに総理に答弁をいただいたようでございます。 これは、農地法の改正に関しては、総理の御答弁、私は、それでは不十分、こう思っているということをまず申し上げたいと思います。ぜひこの改正に御賛同いただきたい、こう思います。 それから、農協の役割ですけれども、今お話がありました、協同組合であるということを前提にというお話でありました。昨日の小泉委員も同じようなお話でありました。 しかし、であるならば、なぜ、ホームセンターの方が価格が安く売れるのか、こういう疑問を呈していましたが、要は、それの方が経営が効率的だからです、一言で言って。 農協が協同組合でスタートしたのは昭和二十二年だと思いますけれども、古い時代の大変小規模な協同組合として意味があったんですね。今の全農は、極めて巨大産業です。我々は、この巨大産業が独占禁止法の適用除外になっているという話はこれは極めて問題だ、こう思っておりますが、総理、若干その辺の御答弁、今なさいましたけれども、いかがですか。 きのうの総理の答弁は、生まれ変わるつもりで農協にもやってもらいたい、こうおっしゃった。つもりじゃだめなんですよね。生まれ変わってもらわないとだめだと思っていますが、いかがですか。
○山本(有)国務大臣 平成二十三年に公正取引委員会が指摘している点がございます。市場シェアを含めた全農の事業実態というところでございます。 農業者は依然として大企業に伍して競争または大企業と対等に取引を行うことができる状況にはない、農業者や単位組合は農畜産物販売及び生産資材購入についてみずからの判断で取引先を選択できること、適用除外制度があるために規制できない農協等の問題行為は特段認められなかったなどと指摘しておりまして、連合会を含め農協等の適用除外制度を直ちに廃止する必要はないとの結論に至っております。 しかし、競争原理を取り入れて農家所得を上げるという観点から、我々は改革に全力で取り組んでいくつもりでございますので、御意思のとおり、我々も改革は同じ原点に立っているという認識でございます。
○小沢(鋭)委員 これまた、またこの後の委員会等で深めさせていただきたいと思います。きょうは総括的質疑ですから、そういった問題点の指摘だけさせていただきます。 最後に、人の移動について御質問したいと思います。 昨日の答弁の中で、総理は、TPPが発効すると、物や人やお金、これが自由に飛び交う、そして一定のルールのもとで仕事ができるようになる、こうあっさりおっしゃったんですね。二回おっしゃったんですよ。私はそれを聞いて、えっ、大丈夫かな、こう思いました。 自由化の議論というのは、御案内のとおり、物、金、人の順番ですよね。日本は依然として人の自由化はまだ踏み込んでいません。このTPPが進めば、本当に人の自由化が進むんでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 私が申し上げたのは、EUにおける、例えば自由に行き交うという意味ではなくて、現状よりも自由になるという意味で申し上げたわけでございまして、当然、移民ということは全く念頭にないわけでございますが、TPP協定では、一部の国について、締約国間のビジネス関係者の一時的な入国の際、半年までの滞在を確実にし、そしてまた企業内転勤の場合、十年間滞在できることを確実にするなど、既存の経済連携協定を上回る約束を結んでいるわけであります。 また、今後、TPP協定とは別に、外国人労働者の受け入れについては、これまで、高度外国人人材の受け入れ促進に加えて、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会に向けて建設分野等における外国人材の受け入れを進めているところであります。 いずれにいたしましても、人という意味においては、今言った意味において、ビジネスにかかわる人たちの移動について今までよりも自由になっていくということでございます。
○小沢(鋭)委員 ちょっと、半分いいんですけれども、半分僕は違うと思うんですね。 というのは、EUのお話を出されましたが、移民だけじゃないんですね、EUの場合は。移民の問題というのは、これは今、国際紛争のもとで大変な問題になっております。ただ、いわゆる人の移動ということで考えたときには、国を超えてワーキングビザが要らなくなるんですね。ですから、移民の問題ではないんです。 今、総理が、建設現場で必要だ、こういうお話がありました。介護の現場でも必要ですよ。農業の現場でも必要ですよ。中小企業の方々は、海外に出ていくに当たって水先案内人になるような外国人がいてくれたらありがたい、こういう要望もありますよ。ニーズはあるんです。 だけれども、それを決断するかどうかというのは極めて重要な問題だということだと思うんですが、石原大臣、TPPを進めれば自動的にそういったことができるようになるんでしょうか、そういう規定になっているんでしょうか。確認したいと思います。
○石原国務大臣 当然、人、物、金、これが盛んに動くようになる。 そして、総理がお話しになられましたとおり、ビジネスの分野においては、先ほどの直接投資と一緒なんですけれども、日本が必ずしも海外から入ってきて仕事のしやすい国とはなかなか思われておりませんので、そういうところにも直接投資の問題がある。 TPPが発効した後は、規制緩和等々を通じまして、委員の御指摘になりました点について、もっともっと働きやすい場所になっていくものと信じているところでございます。
○小沢(鋭)委員 違うと思いますよ。人の移動は今回のTPPの中でそこまで決めていないと私は理解していますよ。そこは答弁が違うんじゃないですか。 ここは極めて重要なポイントなので、確認させてください。
○安倍内閣総理大臣 それは私が先ほど答弁させていただいたように、私は、EUのようにはならないというのは、今、小沢委員がおっしゃったように、ビザなしで行くようなことはない。プラス、また、移民とよく誤解されますので、移民政策ということのみをもって言ったわけではなくて、EUのように人が自由に行き交えるようなことはないということを申し上げたわけでありまして、また、移民政策についても毛頭考えていないということも、これは別途、あわせて申し上げたわけでございます。 そこで、TPPについて、自由に行き交えるようになるということについては、今よりもという答弁をさせていただき、そして、このTPPによって、どういう、いわば人が行き交うことが今までよりも柔軟に、自由になっていくかということについては、締約国間のビジネス関係者の一時的な入国の際、半年までの滞在を確実にするわけでありまして、これもかなり大きな変化でありますし、また、企業内転勤、これはよく要望されることでありますが、企業内転勤の場合の、十年間滞在できることを確実にする、こういう既存の経済連携協定を上回る約束を結んでいるということにおいて人が自由に動けるようになるということを申し上げているわけでございます。
○小沢(鋭)委員 時間でございますから終わりますが、追ってまた議論したいと思いますが、人の自由化の問題、これは極めて深刻、重大な問題でございますので、どうぞよく御検討いただきたいと思います。 ありがとうございました。
○塩谷委員長 次に、松浪健太君。
○松浪委員 日本維新の会の松浪健太であります。 ただいまは同僚の小沢議員から、TPP賛成の立場で、一貫した立場で、我々はTPP推進の立場で行ってきたということをお話しさせていただきましたけれども、プラスをいたしまして、日本維新の会のコンセプトは、供給者の目線ではない、消費者の目線で政治をしていこうということであります。 昨日までの議論を見ていますと、九割方、農業、しかも農業生産者のお話に終始をしてきたのではないかなというふうに思います。このTPPの議論が始まる前に、いろいろ医療のお話とか、いろいろな面の話がありましたけれども、昨日までの議論で、どうして農業ばかりになるのかと。 私も厚生労働関係が長いものですから、今回、医療機器の認証のやり方なんというのも変わるということで、これを質問しようと思って、実は厚生労働省も呼んでかなり議論をしましたけれども、まあ余り、本当にこれは影響が出ないなと。私も、問題意識を持って役所を呼んで、質問しないということも珍しいんですけれども。 こうして、本当に今皆さんが懸念を持っているのは、やはり農業生産者の問題、そしてさらには、国民の皆さんにとっては、これはやはり食、健康の問題なんですね。自動車の部品とか、こういうものは一旦取り下げればルール変更してもいいですけれども、健康の問題は、我々の子供たち、孫の代まで非常に大きな影響力を持つものであります。 こうした意味から、消費者目線の質問をまずさせていただこうと思います。 やはり、政府は、こういう健康の問題に私は謙虚にならないといけないと思います。日本人の体もどんどん変わっていますね。見た目が変わっているのはよくわかる。私もびっくりしますね。娘がおりますけれども、私より身長が低いのに何で僕より足が長いんやろうと。これは随分大きな、足長い子がふえたなあと。皆さん、それはもう承知のとおりだと思います。 しかしながら、例えば、余りテレビの前で言いにくいんですけれども、一般に言われるのは、日本人の、我々の世代もそうですけれども、男性の精子の数が親世代の半分ぐらいになっている。こういうことは、私が二十年近く前、新聞記者をしていましたけれども、報道が多くあったんですけれども、今回こういうことがあって、原因は厚生労働省わかっていないだろうなと思って、塩崎大臣に質問をしようとしたら、役所から驚く答えが返ってきました。 これだけいろいろ報道されている、常識になっている、ネットでは一九八〇年代、九〇年代そして二〇〇〇年代、精子の数がこんなに減っていますという表まで出ているのに、厚生労働省の方ではまとまった見解がないということでありますので、まずもって、謙虚に、こういう問題というのを、厚生労働省、これからしっかりと御認識をいただきたいと思いますが、いかがですか。
○塩崎国務大臣 今、松浪先生の方から、日本人の精子の濃度が下がっているのではないか、こういうことでありますが、精子の数などに関する研究につきましては、例えば日本では、平成十三年度から平成十五年度にかけて、男性の生殖機能に関する疫学調査研究というのを実施しております。その中で、日本人の精子の数が減少している傾向は認められないなどと指摘をされております。 また、諸外国では、一九五〇年代から八〇年代にかけまして、成人男子の精子数の減少が見られたなどの報告もある一方で、必ずしも減少が見られなかったとする報告もありまして、さらに、環境ホルモンとの因果関係、よく指摘をされるわけでありますが、必ずしも明らかになっているとまでは言えないというふうに承知をしております。 いずれにしても、こうしたことについては、今後とも、科学的知見というのは科学で見るのが大事でありますので、収集、蓄積をしていくことが大事だというふうに思っておりますので、まずは関係学会等を通じて、情報収集を厚労省としてもしっかりやっていかなければならないというふうに思っておりますし、その把握に努めてまいりたいというふうに思います。
○松浪委員 大体こういうものは、気づいたときには遅かったということになろうかと思います。環境ホルモンのときも、多摩川のコイの精巣が小さくなっているとか、さまざまなことが見られたわけですから。ただ、人間の体に対しては、我々も、一つの原因ではなくて複合的であろうと思います。そういう意味からも、私は、特に食の問題は謙虚でなければならないと思います。 そして、本日、私も、ラクトパミン等はきのうも玉木議員等からありましたので、ラクトパミンも後で触れますけれども、まずは遺伝子組み換え食品について触れたいと思います。 大豆の遺伝子組み換えなんというのは、皆さんよく伺うんですけれども、どうして遺伝子を組み換えるか。一番多いのは、グリホサートという、日本ではあぜ道に使う、あぜ道の除草剤ですね、草取りの薬、これを、言ってしまえば作物にぶっかけて、それでも枯れない、除草にするようなものを作物にぶっかけても枯れないようにしようという、ある種本末転倒な発想からこういう遺伝子組み換えのGMというのができているんですけれども、まず端的に、遺伝子組み換え大豆とこのグリホサート等の危険性についてどのように認識されているのか、端的でよろしいので伺います。
○塩崎国務大臣 遺伝子組み換え食品の安全性についてお尋ねがございましたが、我が国では食品衛生法において、食品安全委員会のリスク評価を経ていない遺伝子組み換え食品の輸入とか販売とかは禁止をしているわけでございます。 遺伝子組み換え食品の安全性の確認は、グリホサート耐性の遺伝子組み換え大豆を含めて、品目ごとにリスク評価を専門的に行う食品安全委員会、ここで科学的な評価の結果を出してもらって、それを踏まえて厚生労働省が当該品目を公示して、食品としての流通を認めるということになっております。 その上で、厚生労働省や地方自治体において、安全性の確認がなされていない遺伝子組み換え食品が流通をされないように監視指導、取り締まりを行っておりまして、食品の安全性は確保されているというふうに考えているところでございます。
○松浪委員 今、少し長い答弁をいただきましたけれども、しかし、これは国民は信じていないんですよ。どこに遺伝子組み換えがあるかどうかというのがわかっていない。 実際問題、非常にわかりにくい状況ができているということを今このフリップにまとめました。 しょうゆと植物油、ほとんど大豆が多く入っているもの、そして豆腐、これはDNAがたんぱく質で破壊されているかどうかということで表示義務が違います。つまり、豆腐は遺伝子組み換えがあると表示義務がある。しかし、しょうゆにはないわけであります。 ただし、しょうゆにも豆腐にも、遺伝子組み換えでないですよということは任意で書くことができるわけでありますけれども、松本大臣、今まで遺伝子組み換えと表示した食べ物というのは何か見たことがありますか。
○松本国務大臣 本来、八品目と、農作物として……(松浪委員「実際に見たことがあるかどうか」と呼ぶ)表示自身をですか。(松浪委員「表示自身を何かで見たことがあるか」と呼ぶ)私自身は直接はございません。
○松浪委員 大臣、見たことがないのは、それはもう当然ですよ。 私も、この間スーパーマーケットをはしごして、遺伝子組み換えと書いてある食品を探して探して探しました。それを探している途中に、近くですから、自民党の西村議員にもたまたま会って、一緒に探してもらいました。どこにもないですよ。 これは非常に今矛盾した状況ですよ。しょうゆは、品目がない、これはなしになっている。今、九割方、大豆の九割は輸入、そして輸入されている九割は遺伝子組み換え、つまり、日本に入っている大豆の八割は遺伝子組み換えなんです。八割遺伝子組み換えなのに、私たちは遺伝子組み換えというのは見たことがない。 そして、例えば豆腐を見ます。遺伝子組み換えです、遺伝子組み換えの大豆を使っていませんと書いています。しょうゆを見ます。全部そう書いていますよ、遺伝子組み換えでないですと。僕は、ようやく一つ、お得用で、ただ大豆と書いているものを見ました。それは遺伝子組み換えですよ。ですから、主婦が両方、理論的には、しょうゆで表示なしは遺伝子組み換えを使っている、豆腐でもし何も書いていなかったら、これは遺伝子組み換えを使っていない、こういうややこしい状況が出てくるわけであります。 総理、これは今、消費者にとって本当にわかりやすい表示だと思いますか。(発言する者あり)では、大臣で結構ですよ。
○松本国務大臣 食用油やしょうゆに関して、食品表示法に基づく食品表示基準におきましては、遺伝子組み換え農作物及び当該遺伝子組み換え農作物を使用する一定範囲の加工食品を対象に表示することなどを義務づけしているところでございまして、食品表示基準違反は罰則の対象となることから、義務表示の対象となる加工食品につきまして、当該食品が遺伝子組み換え農作物を含むものかどうか科学的に検証できることが前提となります。 このしょうゆ等につきまして、組み換えられたDNA、それによって生じたたんぱく質が加工工程において除去、分解、最終製品において検出できないというようなことから、これを表示することができないという判断となっているところでございます。
○松浪委員 大臣、ありがとうございました。 しかし、今大臣がおっしゃったことは、フリップを一枚出してください、これは各国の遺伝子組み換え食品の表示制度を一覧にいたしました。当事務所でつくらせていただきましたけれども、EUについてごらんいただきます。EUについては、三つ大きく並んでいる、丸が一つついている部分、DNA、たんぱく質が残存しないもの、EUでは一番右に、これが丸になっている。つまり、今大臣がおっしゃったものもしっかりとEUでは表示をしている。 そして、意図せざる混入率というのを見ていただいたらいいんですけれども、これは日本は五%だけれども、EUは〇・九まで、非常に厳しくなっている。これは何を意味しているかというと、要は、たんぱく質が残存しなくても、流通過程をしっかりとウオッチして、それをしっかり出しましょうよと。逆に言えば、三%程度入っている食品は、日本では遺伝子組み換えではありませんよ、EUに行きましたら遺伝子組み換えですよと、国によって変わってしまう。 こういう食品の基準とかそういったものは、やはり厳しくなければ消費者の信頼を得られない。特に日本人は、非常にこうしたことに感性を細やかに持っていると思います。そして、米国は全部未定であります。下に書かせていただきましたけれども、平成二十八年七月に法改正があって、その内容を二年間かけてアメリカはまだ決めている。これに関して私は後進国だと思いますよ。 そして、ここでTPPについて私は触れたいと思います。 我々、TPP推進の立場ですけれども、これについて私は、TPPは総理も先ほどから答弁されております、TPPを導入することによって、既存の、今の制度が変更されることはありません。これは何度も何度も聞いています。しかし、もしヨーロッパ型の基準を日本に新たに導入する場合に、これはTPPに、我々の世界ではねるといいますけれども、これははねるのかどうか、大臣、伺います。
○石原国務大臣 一般論として申しますと、WTOと同じで、科学的な根拠に立脚したものであれば、我が国で独自に変えることは可能だと認識しております。
○松浪委員 では、大臣、EUは科学的であると思いますか、ないと思いますか。
○石原国務大臣 その点につきましては、どのような分析をしたということを今ちょっと調べておりませんので、私の口から科学的か科学的ではないというようなコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
○松浪委員 もう科学的とかこういうことを言っている時点で、私はこれは間違っていると思うんですね。恐らく、我々日本人の感性から考えて、農薬で除草剤のようなものを食べ物にかけるという感覚が間違っている。もはや生物倫理を私は誤っていると思いますよ。 ですから、日本人として我々は、こういう無理やり除草剤に耐えるような食べ物をつくるということが間違っているんだという、政治家は私はやはり倫理は必要だと思いますよ。 次に、ラクトパミンとホルモン剤の話に移らせていただきたいと思います。 このホルモン剤なんですけれども、アメリカなんかではオーガニックスーパーマーケットというのが最近すごく伸びているそうです。このホルモンフリーを買おうとすると高くても、心配だから買うというんですね。 これは東洋経済の記事で、山本謙治さんという農畜産物流通コンサルタント、ジャーナリストの方が書かれているんですけれども、向こうの人の言葉ですけれども、こちらでは牛肉や豚肉などにオーガニックを求める人がふえています、彼らが気にしているのは肥育ホルモンの影響なんです、ローカルニュースを見ていると、まだ幼い女子が早過ぎる初潮を迎えたり、男子なのに乳房が膨らんできてしまうという報道が出る、そこで、お金に余裕がある層はオーガニックスーパーで肥育ホルモンフリーの畜産物を買う、だから伸びるんですということを書いているんですね。 だから、ホルモンフリーの牛肉は、日本はすばらしいと思いますよ。国産牛肉というだけで、日本の場合はホルモンフリーであります。 総理、日本の国産牛肉にプレミア、非常にブランド力がこういうことにあるんだということを、私はこれからの貿易においても重要だと思いますけれども、短く、いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 まさに日本の牛肉も含めて、日本産品の質の高さ、この質の高さには当然、安心、安全というものも入るんだろう、このように思います。
○松浪委員 影響力というのがどの程度か。これは、また塩崎大臣に伺うと非常に時間がないので、短縮したいと思います。 この肥育ホルモンというのは、エストロゲンという、環境ホルモンなんかでもよく出てきましたけれども、このエストロゲンを耳からちょこちょこちょこちょこ注入していく、注入して一気に太らせるということでありまして、枝肉なんかでも、雌は非常に成長が遅いらしいですけれども、これがもう何カ月も、下手したら一・五倍ぐらいのスピードで筋肉がついてしまう。こんなのを人間に、あっという間に一・五倍のスーパーマンをつくろうと思ったら、すごいドーピングですけれども、このドーピング肉を食べている。 ですから、ある種の、日本癌治療学会で、がんに関係があるというのが出て、アメリカ産の肉にはエストロゲンが、赤身、脂身で、それぞれ六百倍、百四十倍の濃度が出たというようなこともあります。 こうしたことにも、私は、これはもう答弁いただくと長くなりますのでやりませんけれども、これについては大臣に、厚生労働省としてこうした実態をしっかりとやっていかないと、このラクトパミンの問題、たまに、きのうも出ました、その前の国会でも出ました、これについては国民は今非常に不安に思っています。 これは不安ですよ。それはなぜかというと、このドーピング肉はどうなっているか。国内ではつくっちゃだめだけれども、輸入はしてもいいですよという表。これはきのう玉木先生も出していらっしゃいましたけれども、私はEUは載せましたけれども、中国、ロシアはちょっと政治的な背景が見えましたので、私は、EU、日本とカナダ、オーストラリア、米国に限って書かせていただいております。 これに加えて、私はこのrBST、これは何かというと、ホルモンを入れて牛の乳量を、これを入れると二割ぐらい多くとれるという、非常にグロテスクなものですね。もし人間で使ったら、これは大変なことですよ。奥さんのお乳の出が悪いからこれをやってと。でも、牛乳も、飲むのは我々の子供であります。 これ自体も、米国ではオーケーだけれども、ラクトパミンとかそれから肥育ホルモン剤と違うのは、カナダやオーストラリアでも、この図、輸入のところだけは私確認できていないのでちょっと正確じゃないんですが、少なくともカナダ、オーストラリアもこのrBSTはつくっていないわけであります。 これも水かけ論になります、アメリカとTPPの話をすると水かけ論になりますので、私は、これについて、先ほどの遺伝子組み換えと一緒で、まず、牛や豚といえども、この場合はお乳ですから牛ですけれども、そういう遺伝子組み換えのホルモン剤まで使って、そして無理やりお乳を出す、これも一種の興奮剤らしいんですけれども、こういうことを、私は、人道的というか、牛道的というか、豚道的というか、彼らの立場に立って、今アニマルウエルフェアという言葉がありますけれども、こういうものは日本人の感性に合わないんだということを、まず政府でしっかりこれを共有するというのが貿易のこれからの対外貿易政策として大事だと思います。 そして、EUでは先ほどのラクトパミンとかも入らないようになっているんですよ。日本は入れるからだめなんです。EUの場合は、でも、入っているんです。EUが入るのは、特別プログラムがある。どういう特別プログラムかというと、ホルモンフリーのお肉は入れていいですよという特別プログラムをオーストラリアやそれからアメリカと結んでいるんです。 日本もこれを結べば、ホルモンフリーで、もう何もこれはホルモンフリービーフですと書いてもらう必要もない、消費者みんなが安心できるんですけれども、こういう特別プログラムをもし結ぶとしたら、これはTPPにまたはねますか、いかがですか。
○石原国務大臣 先ほどもWTOのTBT協定のお話をさせていただきましたけれども、そういうことで、目的があって必要な範囲で定められていることであるならば、TPP協定もこのWTOのTBTルールに立脚しておりますので、そういうことが科学的に立証されれば、それを排除することは十分可能であるというふうに解しております。
○松浪委員 それはそんなに甘いものじゃないんですね。 EUだってアメリカから提訴されていますよ、WTOで。でも、頑としてこういうものを入れないという姿勢をやって、それで渋々プログラムを組んでいるわけで、今大臣がおっしゃったような優しい姿勢で、甘い姿勢でアメリカとオーストラリアとやったって、それは私は通らないと思います。もっとしっかりとした姿勢でやらなきゃいけない。 それに含めて、私もう一度申し上げたいのは、既存のルールが変更されることはないTPPで、もしこういうことを、特別プログラムをやるときに、TPPは何らかの我が国の阻害要因になりますか。
○石原国務大臣 ちょっと誤解があると恐縮なのでお話をさせていただきますと、ルールとして認められている以上は、これは日本人のメンタリティーに関係する非常に重要な点だと思います。 その所管は厚労省でございまして、この点については審議会等々でたしか、再確認していただきたいんですが、年内に結論を出すと。そして、年内の結論が委員の御指摘のようなものでありましたら、これはしっかりと対応していくということが消費者また国民のメンタリティーに合うという考えにおいては、私も同考えでございます。
○松浪委員 このフリップで私は何が言いたいかといいますと、日本だけがダブルスタンダードでいるということ。 この中で最も問われるのは、消費者の知る権利というのをいかに確保していくかということに私は尽きるんだろうと思います。そして、消費者の知る権利というのは日本人らしい文化でもありますし、昨日も江藤拓先生が棚田のお話をされていましたけれども、こういう美しい棚田も守りながら、そして食文化も守っていく。 そして、我々の生命観というのがあると思うんですよ。畜産動物というのは、動物愛護管理法で、愛玩動物、実験動物に並んで、畜産動物を我々はどういうふうに守ろうかということで入れています。 愛玩動物にしたって、海外からしたら、人間様とは全く違います。これは死んだら物として、物としてと言うとなんですけれども、生き物として、普通に死んだら。でも、日本の場合はペットロスというのがありますね。家族として受け入れる。まさに生命観が少し違うわけであります。 アニマルウエルフェアの観点からいっても、日本人が日本国内で、牛にホルモン剤まで入れてこういうことをやる、私はこれは一種の動物虐待だと思いますよ。 ですから、これは農水省の生産局畜産振興課が「アニマルウェルフェアをめぐる国内外の動き」ということで、アニマルウエルフェアで、五つの自由という、飢餓の自由とか苦痛の自由とか恐怖の自由、そして正常な行動ができる自由。興奮剤を打ち込んで無理にお乳を出させる、私はこういうことは違うと思いますし、アニマルウエルフェアをめぐる海外の動きというのがあって、これはずっと、一九九一年、子牛の保護のための最低基準とか、二〇〇七年には肉用の鶏の飼育密度、三十三キログラム毎平方以上とか、農水省はしっかりとこういう基準をやっている。 日本が、特にこういう遺伝子組み換えの畜産動物は使わないでおこうじゃないか、こういうアニマルウエルフェアとか、あらゆる角度からやれば、逆に、アメリカ人とかオーストラリアの皆さんもそういうところに関心が行って、私は世界が健康になると思う。そういった対外貿易戦略を組んでいくべきだというふうに思います。 ですから、今回、マルキン等があって百億積んで、これがひっくり返ってどうだというより、消費者の意識を変えて、そして、鯨をとっちゃだめだと言っているような人たちがこんなにひどいことを容認するのか、それはおかしいじゃないですか、これには私は与野党どちらも同じ価値観を共有できるものだと思いますけれども、こうした対外貿易戦略について、大臣、いかがですか。
○山本(有)国務大臣 我が国の畜産物につきましては、国内外で消費者に高く評価をされております。その原因は、安全性あるいは健康面に資するというような評価でございます。これはブランド化になっているものと考えております。 このような国産畜産物の強みを生かすため、赤身がふえ、脂肪交雑が入りにくくなったり、消費者の嗜好の問題などにより、飼料添加物や成長ホルモン剤の使用が畜産業者から求められている状況には現在は全くありません。その結果として、増体効果のあるラクトパミンや、乳量の増加を促すrBSTにつきましても、飼料安全法の指定や医薬品医療機器等法の承認が行われていないところでございます。 いずれにいたしましても、畜産業の成長産業化を図る上におきましては、日本の畜産物の安全性やブランド化、これに徹する必要があるというように思っております。
○松浪委員 今、大臣から、ブランド力というのはしっかり守るんだと。これは国家戦略として今後しっかり守っていただく。 そして、これに加えて、我々日本人の精神文化として、逆にこの戦略を世界に広めていただきますことをお願いします。ですから、今回の問題は、TPPにそんなにかかわらずとも、表示をしっかりとする、そして対外に、いかに我々の食肉が安全でおいしいかということ、それから日本人の精神文化も加えて、複合的にやるという新たな戦略をしっかりと政府にはとっていただくことをお願い申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○塩谷委員長 この際、休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 ――――◇――――― 〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕