予算委員会 第7号
- 発言数
- 622 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 2016/03/02
会議録
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成二十八年度総予算三案審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(岸宏一君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 平成二十八年度総予算三案審査のため、必要に応じ日本銀行総裁黒田東彦君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岸宏一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(岸宏一君) 平成二十八年度総予算三案に関する理事会決定事項について御報告いたします。 本日及び明日は基本的質疑を三百三十一分行うこととし、各会派への割当て時間は、自由民主党八十四分、民主党・新緑風会九十五分、公明党三十二分、日本共産党二十四分、維新・元気の会二十四分、おおさか維新の会二十四分、日本のこころを大切にする党十二分、社会民主党・護憲連合十二分、無所属クラブ十二分、新党改革・無所属の会十二分とすること、質疑順位につきましてはお手元の質疑通告表のとおりでございます。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(岸宏一君) 平成二十八年度一般会計予算、平成二十八年度特別会計予算、平成二十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 これより基本的質疑に入ります。小川敏夫君。
○小川敏夫君 おはようございます。民主党・新緑風会の小川敏夫でございます。 この時期になるとマスクをする人が大変増えて、いわゆる花粉症でございますが、私も花粉症なんですが、今日はマスクを外して、頭もシャープにして質問するために花粉症の薬も飲んできませんでした。 総理、質問通告していないんですが、花粉症対策をしっかりと本腰を上げて取り組んでいただけたらと思うんですが、簡単でございますが、お答えいただければと思いますが。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私も花粉症でございますが、かつて小野晋也さんという代議士がいたときにハクション議員連盟という議連ができまして、保利耕輔先生が会長だったかと思います。私も一員で、杉をどんどん植えていったという過去の経緯から杉の花粉が異常にあると、これを何とか抑制できないかということも含めて議論をしたことを覚えているところでございますが、医療費にも直結する話でございますので、今、小川委員からの御提案もございましたので、よく研究してみたいと、このように思います。
○小川敏夫君 研究だけでなくて、是非、私も全力でお力を貸しますので、取り組んでいただきたいと思います。 では、通告しました質問をさせていただきます。 総理、集団的自衛権の行使は憲法違反なのではないでしょうか、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 集団的自衛権の行使については、既にこれは閣議決定をしているところでございますが、言わば四十七年見解において、必要な自衛の措置として我々は認めることができるというその中において、当時の安全保障環境の中においては、結論として、集団的自衛権の行使は認められないという結論を導き出しているわけでございますが、しかし、その中において、三要件が当てはまる中においての限定的な集団的自衛権の行使については認め得ると閣議決定し、我々は政府としてそう考えているところでございます。
○小川敏夫君 総理、自由民主党のホームページを見ましたら、この憲法改正草案のQアンドAというものが載っています。今も載っています。(資料提示)そこに、この赤で線を引いたところなんですけれども、「現在、政府は、集団的自衛権について「保持していても行使できない」という解釈をとっています」と、こういうふうに書いているんです。つまり、集団的自衛権の行使は憲法違反だと自民党が広く言っているのと総理の説明とは、ちょっと食い違うんじゃないですか。
○国務大臣(中谷元君) 自民党のホームページに日本国憲法改正草案QアンドA載っておりますが、これは平成二十四年当時に、自民党が改正草案を発表した際に同時にQアンドAを作成しまして、これで掲載をされているものでございます。 このQアンドAというのは、当時の憲法についての考え方におきまして、その根拠になるのがこの昭和四十七年の政府見解と昭和五十六年に出された政府見解によるものでございまして、当時はこの考え方でございましたが、一昨年閣議決定をした際に、この見解につきましては、るる説明をいたしているように、三要件の下に憲法上容認できると、限定的に集団的自衛権は容認ができるということにしたわけでございます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま防衛大臣が答弁をさせていただきましたように、これは、当時総裁であった谷垣総裁の下で新しい憲法についてこれは草案を作成したのでございますが、当時の事務局長が現中谷防衛大臣であったわけでございまして、当時作成したQアンドAによれば、当時の解釈においては、これは政府が一貫して答弁をしてきたところでありますが、四十七年見解から導き出される結論として集団的自衛権の行使はできないという解釈でございましたが、その後、一昨年の閣議決定において政府の解釈は変わったということでございます。
○小川敏夫君 これは平成二十五年十月の増補版というふうにホームページに載っていますが、だから、平成二十五年十月にこのように整えて載っているんですよ。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは恐らく古いものをそのまま載せているんだろうと。私も今党務を行っておりませんのでつまびらかではございませんが。 いずれにいたしましても、今申し上げましたように、政府の見解としてはもちろん合憲であると、それは言わば、その合憲の根拠として、まさに一昨年議論をし、そして閣議決定をしているということでございます。
○小川敏夫君 じゃ、党は憲法違反だと言っているものを政府は合憲だと解釈して立法をしてしまったと、こういうことになるわけですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはたまたま、たまたまですね、載っている、QアンドAとして載っているのにすぎないわけでございまして、それはホームページの担当者に新たなQアンドAを、QアンドAがそのまま載っていたというだけの話であろうと、このように思います。
○小川敏夫君 結局、無理な憲法違反の解釈をしたからこういう矛盾が露呈したんだと思いますがね。 総理はこの検討会の最高顧問でいらっしゃいますよ。やはり、総理が全く知らない、無関係ということはないと思いますが。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、それを、新しい憲法草案を作ったときにはもちろん顧問として関わっております。あと、QアンドA等についてはこれは事務方が作っていくわけでありますし、かつまた、そのときに載せたものがその後ずっと載っているかどうかということについては、これは事務的な話でございまして、これは党全体の能力ということではなくて、事務処理能力等々に少し課題があったのかなという感じはいたしますが、それは削除すればいいと。 何もこれ、我が党が違憲であるということをこれは考えているのであれば、平和安全法制を変えるということは、つくるということはあり得ないわけでございます。
○小川敏夫君 別のことを聞きますが、総理、海外派兵は憲法違反と、今でも憲法違反であると、このように考えていらっしゃいますね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは変わりません。
○小川敏夫君 総理が存立危機事態について武力行使ができると言ったホルムズ海峡の機雷掃海、これは他国の領海に入って武力行使の一類型を行うわけですから海外派兵の類型に当たるわけですが、そうすると海外派兵は憲法違反だという見解と相入れないと思うんですが、いかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 海外派兵は一般に認められていないというのが我々の考え方でございます。そして、これはもう何回もここで議論した話でございますが、極めて受動的、限定的なものであって、言わば一般に認められていないものではないと我々は考えているところでございます。
○小川敏夫君 だから、一方で海外派兵は憲法違反だと言いながら、受動的であるのならば認められるというのは、少し憲法解釈が恣意的だと思うんですが。 そのホルムズ海峡の例でいえば、じゃ、掃海中に他国から攻撃を受けたらどういう対応をするんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それももう既に何回もお答えをさせていただいておりますが、掃海を行うということは、事実上平穏性が確保されていないと掃海作業はできないわけでございます。掃海艇は、そもそもこれは木でできているということもあって、これは攻撃能力というのは備えていないわけでございまして、そういう不穏な状況になれば直ちに中止し帰国するということになるんだろうと、このように思います。
○小川敏夫君 帰国するといったって、攻撃されちゃったら帰国する前に沈められちゃうんじゃないですか、どうなんですか。
○国務大臣(中谷元君) 様々な状況がございますが、自衛隊法の中に九十五条の規定がありまして、武器等防護、これの規定によって自らの艦艇等を守れる規定はございます。 ただし、我が国に対する武力攻撃であるのかどうか、はたまた存立危機事態であるかどうか、これは法律に要件が規定されておりますので、それの認定によるものでございますが、基本的には九十五条の規定によって自分の身は守るということでございます。
○小川敏夫君 今の説明、ナンセンスですよ。武器等防護じゃないので、武力行使に当たるということで議論しているんですから。武力行使なんだから、武器等防護、関係ないじゃないですか。戦闘行為が、武力行使できるということなんですから。総理の説明は、まあ同じ答えをするでしょうから。 ただ、憲法論じゃないですよ。憲法違反だという、だけど、こういう場合は憲法に違反じゃないんだと、こういうことを言っているわけで、憲法違反の行為を実際上、事実上やらないからいいんだと言い張っているだけで、全く合理性がないということを指摘しておきます。 次に質問、移ります。 自民党のこの日本国憲法改正草案ですが、前文にこのような規定がございます。「日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、」と、このように書いてあります。 総理、これはどういう意味なんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今私は政府を代表する立場で内閣総理大臣としてここに立っております。憲法改正草案は、御承知のように、これは閣法ではないわけでありまして、政府として提出するものではないわけであります。まさにこれは議会において提出をしていただくものであろうと。だからこそ、憲法審査会がつくられ、そこで各党各会派がそれぞれ今見識を述べているということではないかと、こう思いますので、自民党の憲法草案の一々について私が解説することは差し控えさせていただきたいと思います。
○小川敏夫君 総理、あなたは総理大臣であるけれども、総理大臣としてのことだけではなくて、あなたの政治姿勢、あるいはこれまでの政治活動そのものについてやはり説明する義務があると思うんですが、ましてあなたは、自民党総裁という立場であるから今総理大臣の地位におるわけです。ですから、この自民党憲法改正草案についてコメントする立場にないということでは到底納得できません。 改めてお尋ねします。今は、これはどういう意味なんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさにそうした議論をするために憲法審査会が置かれているわけでございまして、人員も予算もこれはそこに充てられているわけでありますから、そこにおいて議論をするべきであろうと。私がここで説明するという責任を負うのは、まさに政府として閣法として出しているのであれば、それについて詳細について説明する責任を負うのでございますが、これはまさに、院において御議論し提出をしていただく、そのための憲法審査会でありますから、そこにおいてしっかりと御議論を重ねていただきたいと、このように思う次第でございます。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 速記止めて。 〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) じゃ、速記を起こして。 じゃ、総理、もう一回。 安倍内閣総理大臣。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ここでは、今委員長に御指名をしていただいたように、まさに総理大臣として私はここに出ているわけであります。総裁ということではないわけでありまして、つまり、これはもう各党が出して、そして憲法審査会の場において議論をしていくことが求められているのであります。その場において各党がそれぞれの見識を示していくことが求められているのでございまして、我々は今、党といたしましてもどの条文から憲法改正について御議論いただくかということも決まっていない中において、一々ここで私が各条文についてこれは次々と説明するという立場にはないということは重ねて申し上げたいと思います。
○小川敏夫君 あなたが総理大臣としてそこにいらっしゃる。総理大臣としてふさわしいかどうかという資質を確認するために、御党が、所属する自民党の憲法改正草案についてあなたがどれだけ理解して説明できるかということの趣旨でお尋ねしているわけです。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 衆議院の審議におきましても逐条的な御質問をいただいたのでございますが、私はこのように答弁をさせていただいているところでございます。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 静粛にお願いします。
○小川敏夫君 衆議院で説明したからというお話は全く通りません。参議院で独自に議論しておるわけです。 この憲法改正案をまとめた推進本部、安倍総理は最高顧問として加わっておりますよ。いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当時はもちろん最高顧問として加わっておりますが、しかし、今この場に立っているのは内閣総理大臣として立っているわけでありまして、閣法として出していくものにつきましては私は責任を持ってお答えをさせていただくところでございます。 まさに党としてお示しをしているものは、これはまさに党として示しているものでございまして、その党として示しているものについては、これは憲法審査会において議論されるべきものであろうと、こう思っているわけでございまして、中身につきましてはそこで御議論をいただきたいと思いますし、先ほどQアンドAも既に見ておられるわけでありますから、QアンドAの中には自民党の考え方は既に述べられているんだろうと、このように思います。
○小川敏夫君 いや、この部分について明確な解説がないからお尋ねしているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一々については私はお答えする立場にはないというのは申し上げたとおりでございます。
○小川敏夫君 この推進本部の事務局長は中谷防衛大臣ですが、中谷さんはお答えできますか。
○国務大臣(中谷元君) この案をまとめる上におきましては、四、五年掛けて自民党で議論をしたものでありますし、またその前提となる草案もございます。様々な議論を経まして党内で取りまとめはいたしましたけれども、これ草案でありまして、これから更に検討する必要もございますし、目的というのは、この草案を基に国民の皆さんに憲法について考えていただき、また議論をしていただく、そして、国会においても各党においてそれぞれ憲法議論がやる必要があるという目的を持ちまして発表した文章でございます。一つの考え方として自民党で取りまとめた案でございます。
○小川敏夫君 いや、私が聞いているのはこの文章が意味する意味ですが、これを見ますと、やはり国民が国防義務を負うというふうに読めるんですよ。そうすると、徴兵制を総論的に背景に考えているのかなと、こういうふうに思うわけですが、私のこの考えについて総理はどう思いますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたように、政府の立場として、徴兵制は憲法違反であるという考え方には変わりはないということでございます。
○小川敏夫君 どういう根拠で、現行憲法上、徴兵制は許されないんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは憲法十八条ですが、意に反する苦役に当たると、こういうことでございます。
○小川敏夫君 そこなんですよ、意に反する苦役は強いてはならないと。しかし、国防義務は苦役ではなくて、崇高な誇りと気概を持って行う国民の義務だと書いてあるわけですよ。崇高な誇りと気概を持って行う国民の義務を行うことが苦役というふうに解釈はできないんですよ。 例えば、通告していませんが、石破大臣、もし答弁いただけるんでしたら、そこについてお考えいただけますか。
○委員長(岸宏一君) 石破大臣、お答えしますか。 小川敏夫君。
○小川敏夫君 では、次の質問に移らさせていただきます。 TPP条約のことについてお尋ねしますが、合意内容を見ますと、日本の農業が滅びるんではないかというような内容でございますが、一方で、我が国の輸出産業が大変伸びるという内容、しっかりとしたものを勝ち得たのかなと、このようにも思うわけであります。 そこで、担当大臣にお尋ねしますが、我が国の最大の主要品目である自動車の対米輸出に関してはどのような取決めになりましたでしょうか。
○国務大臣(林幹雄君) TPPの合意内容は、自動車部品及び完成車の双方にとってメリットがあるというふうに考えております。 自動車部品につきましては、例えばアメリカですけれども、約二兆円の輸出総額の八割以上が即時撤廃、関税がですね、即時撤廃されます。これ、米国市場で販売する完成車の七割強を現地生産している日本の自動車メーカーにとっては競争力の向上につながるものであります。また、自動車部品メーカーにとっても、日系完成車のメーカーのみならず、アメリカの完成車メーカー向けの輸出機会の拡大につながるものであります。 加えて、完成車一台で約三万点の部品が必要とされているわけでありますが、これらの自動車部品メーカーに部素材などを納入する中堅・中小企業の受注拡大も期待されているわけでありまして、完成車についても、比較的高いカナダの関税は六・一%でありまして、五年目で撤廃されることになっております。原産地規則も我が国自動車メーカーが現在サプライチェーンの下で十分に対応できる内容を確保したということでございまして、自動車関連分野については、今般のTPPにおいては大きな成果を得ることができたものと考えております。
○小川敏夫君 何か虫食い状態に説明しただけで、一番肝腎な答えは答えませんでしたね。 完成車の輸出についてのこの関税についてはどうですか。
○国務大臣(林幹雄君) 完成車の関税二・五%は二十五年ということになっております。
○小川敏夫君 我が国の最大の輸出品目である自動車の輸出に関して二十五年目に関税が撤廃というのは、余りにもこの勝ち得た条件としては不十分なんじゃないでしょうか。 例えば、どうですか、石原大臣、御自身が交渉されたわけじゃないけれども、その責任者でありますから、これについて、二十五年目では余りにも不十分と思いますが、いかがですか。
○国務大臣(石原伸晃君) 小川委員御存じのことだと存じますけれども、このTPP交渉は自動車だけの自由貿易を進めるというものではなくて、世界共通のルール、十二か国での共通のルールを作って、今経産大臣がお話をいただきましたとおり、日本から完成車で輸出しているのは百五十万台でございます。七割が現地生産でございますので、こういうような交渉をした。さらに、農業分野においては八二%、この即時撤廃でございますけれども、そこのところは重要五品目を中心にしっかり守った。トータルで御判断をいただきたいと思います。
○小川敏夫君 そうすると、石原大臣、今のお話の御趣旨は、七割が現地生産だからもう完成車の輸出に関しては我慢していいんだと、こういうことですか。
○国務大臣(石原伸晃君) TPPは原則関税撤廃でございます。しかし、私たちの国には守るべき農業というものがございます。こういう農業をしっかりと守る中でぎりぎりの交渉を行って、部品については経産大臣から御答弁をいただきましたとおり八割、二兆円のうち八割がもう即時撤退でございます。それが現地で生産をする日本メーカーにとってどれだけのプラスになるのかということを是非御理解いただきたいと思います。
○小川敏夫君 だから、自動車部品が即時完全撤廃だから、完成車については現地生産が七〇%だからそれでいいんだと、自動車の輸出に関しては二十五年目という不利益な条件でもいいんだと、こういう御趣旨ですか。
○国務大臣(石原伸晃君) 何度もお話をさせていただいておりますとおり、これは全ての貿易に関する十二か国による自由貿易圏をつくろうという交渉でございます。そんな中で、百五十万台のこの輸出する自動車については、二十五年目に関税が撤廃されるということで御理解をいただきたいと思います。
○小川敏夫君 石原大臣、日本からアメリカに完成車を輸出する、その輸出代金はどのくらいの規模だと思いますか。
○国務大臣(林幹雄君) 完成車の輸出額は二兆八千四百四十二億円でありまして、百五十三万台でございます。
○小川敏夫君 財務省の貿易統計で、財務省からあらかじめいただいた資料と数字が違うんですが。確認してください。
○委員長(岸宏一君) じゃ、速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。
○国務大臣(林幹雄君) 先ほど申し上げました二兆八千四百四十二億円は二〇一〇年の数字でございまして、TPP交渉のときの基になる数字でございまして、今資料をいただいたものは二〇一五年の資料でございます。
○小川敏夫君 随分不親切な答弁だと思いますがね。 石原大臣、見てください、この輸出実績を。我が国の輸出のうち、自動車が圧倒的なんですよ。しかも、対米輸出四兆三千八百六十三億円もある。大変な日本の経済を支える最大の輸出品目の輸出先なんです。その完成車の輸出がこれ以上関税撤廃されない、これでよろしいんですか。
○国務大臣(石原伸晃君) 何度もお話をさせていただいておりますけれども、TPPはやはりトータルで物を考えていただかなければ御理解がいただけない。 自動車のことを一〇〇%関税を撤廃しろという交渉を行えば、必ず違う反応が返ってくる。そんな中で、私たちはやっぱり農作物というものをしっかり重要五品目を中心に守っていかなければならない。そういうことを中心に交渉を行った結果、部品においては即八割、この二兆円の輸出の中の八割が関税が撤廃されることによりまして、完成車七割、六百二十万台の七割がすぐにサプライチェーンができまして、大変日本のメーカーの方々も喜んでいらっしゃる。これを是非御理解いただきたいと思います。
○小川敏夫君 日本のメーカーだけで見ると、現地生産しても完成車を輸出しても同じように利益が出るかもしれない。しかし、現地生産では日本に雇用が生まれないんですよ。完成車を日本で生産して輸出するから日本で雇用が生まれるんですよ。TPPの目的はそこにあるんじゃないですか。
○国務大臣(石原伸晃君) そこが今度のTPPのルールの部分で優れた点でございまして、日本にいながらにしてメード・イン・TPPという形で、中小企業の方々も含めてメリットを受ける。そういうルールを作ったからこそ、自動車メーカーの方々もあるいは自動車部品メーカーの方々も、今回の結果に対して満足をされているんだと認識しております。
○小川敏夫君 満足しているという証拠を出してください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、自動車工業会においては、完成品、完成品については七割が現地生産をしているというのは、そもそもこれは自動車業界の基本的な戦略であります。その戦略においては、これはもちろん為替に左右されない、あるいは使用する消費者の近くで造っていくということと同時に、かつて日米の大経済摩擦を経験した中においてやはり雇用の話をされました。現地の人々の雇用も確保しながら、これは友好な関係を維持しつつ、しっかりと輸出を確保していこうという中において、その中で七割は現地で生産をしていくということであります。また、為替が円安局面になったとしても値段を下げてシェアの拡大を図らなかったのもそうした考え方に基づいているわけであります。 一方、部品、これ部品というのは完成車一台に対して三万点の部品が必要であります。 先ほど部品について、二兆円弱に迫る輸出総額の八割以上、対米ではですよ、そしてカナダでは二千四百億円、輸出総額の九割の関税がこれ即時撤廃される。今申し上げました、完成車に対しては三万点の部品がある、これが即時撤廃される。これは大変大きいんですよ、これは裾野が物すごく大きい。先ほど雇用はどうなのかというお話があった。まさにこれは、雇用においては大きな、これは中小零細企業もたくさんありますから、部品工業は、そういう意味において、我々は極めてこれは重要であるということを申し上げているわけであります。 そして、自動車工業会、自動車部品工業会、これ、自動車工業会は完成車を造っている工業会でありますが、米国の自動車部品関税の大部分が即時撤廃されること、カナダの自動車関税が短期間で撤廃されること、そして、原産地規制について、現行のグローバルなサプライチェーンの下で十分に対応できる内容となったことなどを歓迎する声明を出しているわけであります。 完成車を造っている企業も、あるいはもちろん部品を造っている企業も、また部品がこのように即時関税撤廃になることは現地で生産している企業にとってもこれは大きなプラスになっていくわけでありますし、また米国の企業にとっても、日本の部品が安くなり、それが使われるということにもつながっていくわけでありますから、十分に雇用においてもいい影響が出てくるんだろうと、こう考えているところでございます。
○小川敏夫君 自動車工業会のコメントは、部品の関税撤廃を歓迎すると、その部分だけを歓迎したので、完成車の関税撤廃、二十五年目については一言も歓迎していないじゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々は、こうした交渉を続けていく中において、言わばそうした業界とも話合いを進めながら議論を進めてきたわけでございます。そういう中において、了解をしていなければ抗議の声明が出るわけでありますが、抗議の声明は出さずに、今部品ということをおっしゃったんですが、言わば総体の中において、この部品ということについても大いに歓迎をしたということであり、部品についての、言わば、部品については、ではなぜ完成車のメーカーがそれを支持したかといえば、それはまさに彼らが造っている、現地で生産をしている部品にもこれは関わってくるわけでございまして、そういうところを総体的に我々判断して、この決断をしたところでございます。
○小川敏夫君 石原大臣、部品の輸出が二兆円という数字が出てきたんですが、財務省の貿易統計いただきましたら、アメリカへの自動車部品の輸出は八千八百四十四億円ですよ。数字が違うんですが、ちょっと説明してください。
○国務大臣(石原伸晃君) 先ほど経産大臣から御答弁があったとおり、この二兆円という数字はそもそもの交渉の基になります二〇一〇年の数字だと承知しております。詳細についてはもっと細かい数字がございますので、もし必要でございましたら二兆円弱と申し述べさせていただきたいと思います。
○小川敏夫君 石原大臣、あなたは衆議院でも自動車部品の輸出が二兆円ということを言っていました。これ、財務省からいただいた貿易統計では八千八百億円なんですよ。どうして違うんですか。
○国務大臣(石原伸晃君) 先ほどお話をさせていただきましたとおりで、私どもはうその数字を言っているわけではございませんで、自工会の統計で、二〇一〇年、米国向けの自動車部品は、細かい数字を申させていただきますけれども、一兆八千二百五十三億円でございます。
○小川敏夫君 じゃ、平成二十七年はどうですか。
○国務大臣(林幹雄君) 二〇一四年の数字になりますけれども、自動車部品は二兆六千五百四十七億円でございます。
○小川敏夫君 財務大臣、これ、財務省の貿易統計から引いているんですが、確認していただけませんか。私があらかじめいただいた資料では、自動車の部分品、アメリカ合衆国、八千八百四十四億円。
○国務大臣(麻生太郎君) 急な御質問なので、調べて御返事申し上げます。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。 ただいまの小川敏夫君の質問に対しては、至急、その資料を取り寄せて説明をいたすと、こういうことでございます。 小川さん、質問を続けてください。
○小川敏夫君 部品の関税がゼロになれば、現地生産するメーカーがそれを購入する価格の関税がなくなるわけだから若干のメリットはある、それは事実です。その現地生産する日本企業が、日本製、日本からの輸出品の部品ではなくて現地で調達する部品は五百十三億ドル、百二十円にすると六兆円あるというんですよ。すなわち、現地生産する車の部品の主要部分は日本からの輸出ではないので、日本からの輸出はあるけれどもそれほど大きなウエートを占めていないと、このような数字があるんですが、石原大臣、いかがですか。
○国務大臣(石原伸晃君) 先ほどもお話をさせていただいておりますとおり、これは貿易交渉でございますので、日本の企業が全て満額の回答を得る、こういうことはなかなか交渉である以上は難しい。そんな中で、日本の国益はどこにあるのか、こういうことを中心に議論した結果、部品、あるいは鉱工業生産品で見ますと、十四兆円弱、実はアメリカにございます。このうちの量の八割、金額の七割が、トタでですと、失礼いたしました、即関税撤廃でございますので、その他の鉱工業生産品でも大きなメリットがある。トータルの中で是非、自動車の輸出ということについても御理解をいただきたいと思っております。
○小川敏夫君 様々な中で多くのものがもう既に関税がない。やっぱり日本の主要な貿易品の中で圧倒的に大きなウエートを占めているのが自動車。 例えば、自動車の部分品ですよ、八千八百億円、関税が二・五%、それがゼロになったときに、では、受ける利益は二百何十億円じゃないですか。一方、完成車の輸出、四兆三千八百六十三億円ですよ。これが、日本から輸出するそれが増えることの利益はそのはるか、何十倍よりももっと多い金額じゃないでしょうか。 自動車の部分品が関税即時撤廃、ゼロになったからといって、完成車の輸出に関しては何の恩恵も受けない。はるか二十五年先でゼロになる。小型貨物自動車は三十年目でゼロになる。こんなので、交渉を勝ち得た、あるいは満足を得る交渉を得たと言えるんですか、石原大臣。
○国務大臣(石原伸晃君) これも小川委員は御存じのことだと思いますけれども、古くは繊維交渉あるいは自動車交渉あるいは電化製品、こういう分野をめぐって日米の間では大きな摩擦があったことも事実でございます。そんな中で、日本の自動車がアメリカの市民の皆様方の手によって壊される、そういう歴史を重ねて自動車メーカーが現地で生産を行う、そして日本にとっての大きなマーケットとして、自動車の輸出品としての北米マーケットがある。こんな中で今回の交渉が繰り広げられたということも是非御理解をいただきたいと思います。
○小川敏夫君 何か答えになっていないですよね。 では、更に細かい話をしまして、小型貨物自動車に関してはこの関税撤廃、どうなったでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) 三十年後でございます。
○小川敏夫君 小型貨物自動車の関税率は幾らですか。
○国務大臣(林幹雄君) 二五%でございます。
○小川敏夫君 小型貨物自動車の関税率は二五%という非常な高関税なんですよ。 石原大臣、アメリカの国内で販売されている自動車、乗用車と小型貨物自動車、どちらが多いと思いますか。
○国務大臣(石原伸晃君) 委員が御念頭にあるのは、全て日本の車をアメリカで販売した方が国力に資する、しかしそれは交渉でございますので、アメリカにもアメリカのすばらしい自動車メーカーがある、そこが何を中心に造っているのか、ピックアップトラックを中心に、今委員が御指摘のこの小型貨物トラックというものを造っている、そういうものにも配慮をするということが外交交渉では肝要なことだと思っております。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 林大臣。
○国務大臣(林幹雄君) 関税とは別に、アメリカの分類ではアメリカの方が多いです。(発言する者あり)失礼しました。小型貨物の方が多いです。
○委員長(岸宏一君) 小型貨物の方が多い。いいですか。(発言する者あり)今、小型貨物の方が多いという答弁をしました。
○小川敏夫君 議論を進めるために、パネルを見てください。 アメリカの市場においては小型貨物自動車の方が主力商品として売れているんですよ。だけど、日本からのアメリカへの輸出見てください。ほとんど乗用車であって、貨物自動車はほとんど輸出していないんです。なぜか。関税が二五%だからですよ。 だから、交渉してこの関税を下げる、撤廃時期を早めれば、日本も日本で生産した貨物自動車がアメリカに輸出できる。それで初めてTPP交渉、日本の貿易がそれで勝ち得たと言えるんじゃないですか。二五%の高関税が三十年間残る。これでTPP交渉、勝ち得たと言えるんでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) 小川委員の議論を聞いておりますと、貿易交渉でアメリカが一番得意分野とするところのピックアップトラックに関税をすぐ撤廃しろ。日本の米をすぐ撤廃しろと同じ議論なんですね。 やはり、フォードというメーカーが、日本で一円の円タクに始まったあのフォード自動車、フォード自動車が日本で代理店を失うというような世の中の中で、やはり我々貿易交渉を行う上でアメリカは大事なパートナーでありますので、配慮すべきは配慮する、日本の得意の分野のものを輸出する、こういう形でこの交渉が取りまとまっていると御理解をいただきたいと思います。
○小川敏夫君 石原大臣、全く的外れですよ。 じゃ、その議論を前提とする上にお尋ねしましょう。 日本の自動車メーカーがアメリカで販売している自動車、乗用車と貨物自動車の比率はどのぐらいだと思いますか。どういう認識を持っていますか。
○国務大臣(石原伸晃君) 詳細な台数については是非経産大臣にお聞きいただきたいと思うんですけれども、実はこのSUVの分類についても違うんですね。ですから、委員の意図されているピックアップトラック、小型トラックについて言わせていただくならば、日本から輸出しているのは百五十台でございます。
○小川敏夫君 じゃ、アメリカがこの二五%の関税を課す車種はピックアップトラックだけですか。
○国務大臣(石原伸晃君) トラックも入っております。
○小川敏夫君 トラックのほかにはどうですか。
○国務大臣(石原伸晃君) 委員の質問の御趣旨が分からないんですね。トラックといっても、大きいトラック、小さいトラック、いろいろあるわけでございます。ですから私はトラックとお答えをさせていただいているわけでございます。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) ちょっと静粛に。答弁が聞こえません。答弁が聞こえないので静かにしてください。
○小川敏夫君 大事なことですよ。二五%の関税が入る車種は何ですかと聞いているんです。非常に大事なことですよ。
○国務大臣(石原伸晃君) 関税表でいうところの八七〇四でございます。
○小川敏夫君 じゃ、ミニバンやSUVは入るのかどうか。どうですか。
○国務大臣(石原伸晃君) SUVというものにもいろいろなものがございます。日本のいわゆる多分委員が念頭にありますSUVはトラックの中には入りません。
○国務大臣(林幹雄君) 今、石原大臣が答弁いたしましたけれども、SUVにつきましては、そもそもトラックではなくて乗用車に分類されておりまして、アメリカの関税は二五%ではなくて二・五%になっております。
○小川敏夫君 文献によりますと、アメリカが二五%の関税を掛ける車という範疇に入る車として車種を取り上げました。この文献によりまして、これが二五%の関税が掛かるアメリカの小型貨物自動車というふうに紹介されているんですが、石原大臣、いかがですか。
○国務大臣(石原伸晃君) 車が詳しく分かりませんけれども、私どもの範疇では乗用車だと思います。
○小川敏夫君 思うという、クイズじゃないんだから、もう少し的確に、アメリカの分類ではどちらなのかということをもう少し明確に答えていただきたいと思いますが。
○国務大臣(林幹雄君) アメリカの分類では乗用車になっております。
○小川敏夫君 これは、アメリカの分類では商用車、要するに小型貨物自動車に入るという扱いだと思うんですが、間違いないですか、今の答弁で。
○国務大臣(林幹雄君) アメリカでの分類は、小型貨物車は商用車ですけれども、それは乗用車の分類になっておりまして、先ほど答弁したとおりでございます。
○小川敏夫君 石原大臣、アメリカ市場で売れている乗用車七百七十四万台、小型貨物自動車九百七十二万台。ピックアップトラックとトラックだけでこんなに売れますか。売れている状況からいって、ミニバンやSUVが小型貨物に入るからこういう数字が出るんだと思うんですが、どうでしょう。
○国務大臣(石原伸晃君) これは経産大臣がお答えしたとおり、関税上の分類は乗用車に入ります。
○小川敏夫君 押し問答してもしようがありませんからね。しかし、これについては明確な答弁を、改めて統一的な答弁を求めます。 それで、(発言する者あり)いやいや、答えているといっても、しかし正しいかどうかはなかなか大臣の顔を見ていると分からないから。私の方でいただいているこの東京大学ものづくり経営研究センターの解説では、これらが全部小型貨物自動車に入るということなんです。 それで、また議論は戻りますが、アメリカで日本の車が、日本のメーカーがアメリカで販売している乗用車と小型貨物自動車の比率はどうですかとさっきお尋ねして、その答えが出ていないんですが、どうでしょう、石原大臣。
○委員長(岸宏一君) じゃ、速記をちょっと止めて。 〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こしてください。 林大臣からお答えいたします。
○国務大臣(林幹雄君) それでは、お答え申し上げます。 全体では一万七千四百万台、アメリカ全体でですね。(発言する者あり)千七百四十万台。失礼しました。千七百四十万台でございます。そのうち日本の車は約六百二十万台でございまして、トラックが三十七万から三十八万台でございまして、乗用車が五百八十万台で、その中にSUVが含まれておりまして、アメリカ産のものでは商用車というカウントになっているようでございます。
○小川敏夫君 だから、今最後に大臣言ったでしょう。アメリカ産では商用車というカウントになっていると。アメリカでは商用車になっているんですよ、今、日本の感覚では乗用車と言っているけどね。そこがポイントなんですよ。アメリカ産のカウントでは商用車。商用車というのは小型貨物自動車のことをいっていると思うんですが、そこが大事なんですよ。だから聞いているんです。アメリカ産のカウントで乗用車と商用車の配分、区別はどうなっていますかと聞いているんです。
○国務大臣(林幹雄君) 先生御指摘のとおり、商用車、アメリカでは商用車ですけれども、関税上の分類では乗用車ということで、関税は二・五%になるわけでございます。
○小川敏夫君 車でも、例えば同じ車種であっても構造が違えばまた違うのでもっと議論が必要かと思いますが、政府の説明は私は正しくないと思いますよ。 ただ、その数字を今ここで議論してもしようがないから先に行きますが、石原大臣、私が言いたいのは、乗用車と小型貨物自動車がある。日本のメーカーは、アメリカでは小型貨物自動車を数多く販売している。それは日本から輸出しているんじゃないんですよ。ほとんどが現地生産か若しくはそれ以外の第三国で生産したものをアメリカに運んでいるわけです。 ですから、この二五%の関税を下げれば、あるいは乗用車並みにすれば、そうした第三国から製造してアメリカに輸出して販売しているもの、あるいはアメリカで現地生産しているものを、国内で生産してそしてアメリカに輸出することが可能になるじゃないですか。それを勝ち取るのがTPP交渉だと。それを勝ち取っていないから、何という下手な交渉をしたんだと、こういうふうに聞いているわけです。どうですか。
○国務大臣(石原伸晃君) 自動車メーカーがなぜアメリカで現地生産をしているのか。これは、先ほどもお話をさせていただきましたとおり、数々の貿易摩擦が日米の間ではありました。しかし、日米は大切な同盟国でもあり、友好国であります。そんな中でメーカーが判断をされて現地生産をされている。そんな中でTPP交渉が行われ、我が国にとって、自動車に関連する部品メーカーにとって、即時に八割近い関税が撤廃されるという選択を政府として取った。トータルの中でのこの経済連携交渉、十二か国の連携交渉だというふうに御理解をいただきたいと思います。
○小川敏夫君 だから、それぞれ、日本も農業という分野で守らなければいけないけど、農業が滅びてしまうという声もあるような、そういう内容で譲ったわけですよ。交渉というのはギブ・アンド・テーク、譲ったものがあると同時に、日本の輸出で得るものが大きくなくちゃいけないでしょう。 そんな部品だけの、私の、財務省の統計によれば八千八百兆円の輸出が二・五%の関税が即時撤廃されたと、(発言する者あり)あっ、億です。失礼、億の単位が付きます。というだけで、もっと本体の乗用車の輸出に関して二十五年、あるいは二五%の高関税が掛かっている小型貨物については三十年もこの関税が維持されるという交渉をまとめてきたのは余りにも日本に不利益な内容じゃないですかということを指摘しておるわけであります。
○委員長(岸宏一君) ちょっと待ってください。 小川さん、何か林大臣が先ほどのやつでお答えしたいと言っているけど、いいですか。
○小川敏夫君 どうぞ。
○国務大臣(林幹雄君) 先ほどの統計についてでございまして、貿易統計は関税分類上八十七番に分類されているものでありまして、これは八千八百四十四億円でございます。エンジンやタイヤなど重要部品が入っていないために数字が異なるというふうに考えております。
○小川敏夫君 だから、エンジンやタイヤなどの重要部品が入っていない、それ関税が即時撤廃されないものでしょう。関税が即時撤廃をされたのは今の八千八百四十四億円の部分だけじゃないですか。それを入れて二兆円というのは説明の仕方がおかしいですよ。
○国務大臣(林幹雄君) エンジンもタイヤも関税撤廃に入っております。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 林大臣。
○国務大臣(林幹雄君) 失礼しました。エンジン及びエンジン部品でございまして、タイヤは入っておりません。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。 じゃ、林経産大臣。
○国務大臣(林幹雄君) エンジン並びにエンジン部品は入っておりますけれども、タイヤは入ってございません。
○小川敏夫君 外務大臣、アメリカと韓国の米韓FTAというのがございます。この米韓FTAでは自動車の輸出に関してどのような約束事になっているか、今答えられますか。
○国務大臣(岸田文雄君) 済みません。事前に通告をいただいておりませんので、細かい数字を手元に用意しておりません。
○小川敏夫君 私の方で、事前に外務省から米韓FTAの資料をいただきました。 乗用車、韓国の乗用車は五年目にゼロになるんですよ。何で日本は二十五年目なんですか。石原大臣。
○国務大臣(石原伸晃君) 自動車メーカーも、韓国のメーカーと日本のメーカーとで台数も違いますし、性能もニーズも違う、そんな中で日本にはやはり守るべき農産物重要五品目がある、こういう中で総合的な外交交渉で今回の結果が決まり、利益を得ている。 そして、御存じのとおり、関税は、日本はもう既に大変大きく開いております。そんな中で、アメリカがなぜかたくなに先ほど来御議論のあるピックアップトラックを含む部分に高関税を掛けているか。まさに、アメリカに行っていただければ分かりますように、そこの部分はアメリカ人にとって大きな大きな誇りなんですね。この車に乗っているということが、アメリカ製の車に乗っているということが誇りなんです。そういうことも配慮をして外交交渉が行われたと御理解をいただきたいと思います。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 静粛にお願いします。
○小川敏夫君 私が聞いているのは、アメリカは、韓国に対しては乗用車の関税五年目で撤廃すると、このように言っているわけで、約束、もう合意して、今月、この三月から関税ゼロになるんですよ。いいですか。日本は二十五年目なんですよ。なぜでしょうか。
○国務大臣(石原伸晃君) 詳細は外務大臣から御報告をさせていただきますが、韓国とアメリカのFTAの場合は、米以外の農産物は全て開けているわけであります。日本の場合は重要五品目をしっかりと守った、そういうところもトータルの外交交渉であるということを御理解いただかなければ、この議論は永遠に平行線だと思います。
○小川敏夫君 米以外は全て開けているという表現をもう少し具体的に説明してください。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 農林大臣、いいですか。森山農水大臣。まず、分かる範囲のことを。
○国務大臣(森山裕君) 日韓の農産物の関係でございますが、米は守られておりまして、ほかの分野は全部開放しております。(発言する者あり)あっ、失礼しました、米韓でございました。
○小川敏夫君 米韓FTAの概要を外務省からいただきました。米以外の除外品目、たくさんありますけど、答弁違うんじゃないですか。でたらめ言わないでくださいよ、石原大臣。
○国務大臣(石原伸晃君) 詳細は外務大臣からお答えをするということを言って、米を守ったということを私はお話しさせていただいたわけで、間違っているわけでも何でもございません。
○小川敏夫君 石原大臣、あなたが御自分の言葉で米以外は全部開けたと言いましたよね。そのことについて具体的に言ってくださいと言っただけです。
○国務大臣(石原伸晃君) 先ほど来お話をさせていただいておりますとおり、私は今、韓国とアメリカのFTAの資料は持っておりません。私の知識の中で米以外のものを開放したということを申し述べたわけで、外務大臣が申しているとおり、詳細は後ほど御報告するということでございます。
○小川敏夫君 じゃ、最初に言った答弁がうそだってことじゃないですか。だって、あなた、米以外は全部開けたって言ったじゃないですか。全然開けていませんよ。どうですか。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) どうぞ答えてください。
○国務大臣(石原伸晃君) 韓国は米以外の農産物は原則的に関税撤廃をしたということを言っていて、残念ながら私は韓国とアメリカのFTAの資料は持ち合わせておりませんので、後ほど外務大臣が詳細にお話をするというふうに先ほどお話をさせていただいたわけでございます。
○小川敏夫君 質問の初めに戻りましょう。つまり、アメリカは韓国に対しては五年目で撤廃している乗用車の関税を日本は二十五年目という非常に遅い、貨物自動車、韓国は十年目で撤廃するものを日本は三十年目に撤廃という非常に不利益なこういう条件で合意している。だから、この交渉内容が余りにも日本に不利益なそういう交渉をまとめてきてしまったのではないですかという、そういう視点でお尋ねしているんです。そのときに石原大臣は言ったわけですよ、韓国は農業で米以外は全部譲っているからと。そうじゃないでしょう。
○国務大臣(石原伸晃君) よろしいでしょうか。 詳細は持っておりません。しかし、韓国とアメリカのFTAで米以外の農産物については原則関税を撤廃したと、そういうことを先ほど来申し上げているので、それ以外にどういうものがあったかということについては持ち合わせないというのが私の一貫しての答弁でございます。
○小川敏夫君 じゃ、持ち合わせていないと言うんだったら議論できないじゃないですか。 石原大臣、先ほどの答弁の中で日本と韓国の車を比較してお話ししました、値段も違うし性能も違う、販売台数も違うと。現代・起亜グループは、昨年、生産台数、世界の販売台数は何台ぐらいだと思いますか。(発言する者あり)
○国務大臣(林幹雄君) 通告がありませんでしたので、後ほど調べて御報告いたします。
○小川敏夫君 アメリカ市場で日本の自動車が競合する相手は、やはり小型自動車を製造するメーカーなんですよ。具体的にはドイツとか韓国とか、そうした車なんです。その競争相手の韓国の車に対してはもう早い期間に関税を撤廃する、日本には関税が残っている、これじゃアメリカ市場で日本車は韓国車に価格競争で負けてしまうじゃないですか。 大臣は言われた、韓国車は販売台数も大したことないと。大臣が言われたから私は聞いているんです。それを、知りませんよと、私が聞いたら答弁に立たないで席で言いましたよね、そんなこと知りませんよと。無責任じゃないですか、答弁が。あなた、今、販売台数を私が質問したときに、席に着いたまま、そんなこと知りませんよと言いましたよね。今言ったかどうかを聞いているんですよ。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 速記を止めて。 〔速記中止〕
○委員長(岸宏一君) 速記を起こして。 小川敏夫君。
○小川敏夫君 石原大臣は知らないよと独り言を言ったそうですけれども、昨年の現代・起亜グループの生産台数は七百七十六万台です。トヨタが一千万台、ホンダや日産よりも多いんですよ。大変な競争相手じゃないですか。そういう認識はないですか。
○国務大臣(石原伸晃君) 現代の車は、昔、私覚えておりますけれども、三菱自動車のノックダウンを現地で造っておりました。それが技術革新を遂げて、アメリカで大変評判がいい。しかし、残念ながら日本の市場では多くの支持を得ることができなかった。アメリカ市場でも日本の車を愛好される方、韓国の車を愛好される方がいらっしゃると認識しております。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) じゃ、もう一回言って。じゃ、石原大臣、もう一回お答えください。
○国務大臣(石原伸晃君) 私の理解力が足りないのか分かりませんけれども、現代もトヨタもすばらしい企業であって、日産もすばらしい企業である、ホンダもすばらしい企業である、互いに切磋琢磨をしているいいライバルだと認識しております。
○小川敏夫君 だから、大臣、いいライバルだ、そこが問題なんですよ。 アメリカ市場で競合する、日本のメーカーが競合する主たる相手はアメリカのメーカーじゃないんですよ。小型自動車を製造するドイツなどのヨーロッパと韓国なんですよ。しかも、韓国の現代・起亜グループ、韓国車が物すごい勢いで伸びている。その状況下において、韓国車は日本よりも二十年先に、あるいはこれは交渉が遅れればそれ以上先に関税が撤廃される、競争で負けちゃうじゃないですかということを言っているわけです。そんな競争で負けちゃう、日本の自動車メーカー、危機に陥れるような、そんな不利益な交渉をまとめてきたのかと私は聞いているわけです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは全体を、TPP交渉はやはり全体を見ていただかなければならないわけでありますし、日本の自動車工業会の戦略というものがあるわけでありまして、先ほども申し上げたように、消費地に近い場所で完成車を生産する地産地消を基本としているわけでありまして、日本国内の技術、生産能力、現地の市場規模、あるいは輸送コスト等も考慮をするわけでありますが、各社の経営判断でどこで供給するか、すなわち現地で完成車の生産を行うのか、あるいは日本又は第三国から輸出するのかといったグローバルに最も最適な生産供給体制の構築を進めているわけでありまして、大きなマーケットである米国市場においても販売している自動車の七割強を現地で生産する一方、日本からも百五十万台の輸出を行っているわけでありますが、このような産業実態を踏まえて、完成車の関税の引下げに加えて、完成車の生産のために日本から輸出する自動車部品の関税の引下げにこれは大きな意味があると我々は判断をしたわけでありますし、また、例えばピックアップトラックについては、基本的に国内でほとんどこれは需要がないわけでありますから、国内で需要がないものについては、しかしアメリカでは大きな需要があるという経営判断から米国で造っているということでありまして、そこで、我々は交渉上、ここでの関税引下げあるいは年数を短縮するということには力を余り入れなかったわけでございます。 それと、そもそも日米の自動車の交渉については、日本はもう関税を張っていないわけでありますから、アメリカが日本から取れるものは実はないんですよ。日本がアメリカから取るものしか実はないわけでありまして、そこで、他方、農産物において米国は、その代わり農産物において米国は取りたいという中において、我々は重要五品目を守らなければいけないという中において、ほとんどの国々が九八%これ関税撤廃している中で我々は八二%にとどまるというこれは交渉の勝利を得たんですが、全部がこれは勝利はできませんから、そこで自動車部品は確保する。あるいはまた、サプライチェーンを、日本は様々なサプライチェーンで自動車を造っているんですが、原産地についてはこのサプライチェーンをしっかりと確保することはできた。原産地規制については現行のグローバルなサプライチェーンの下で十分に対応できる内容となったわけでありまして、このサプライチェーンの中が言わばTPPから外へ出ても、これは大丈夫な対応をこれはまさに勝ち取ったわけであります。 また、米韓については、そもそも韓国は関税を張っていたわけであります。韓国は自動車で関税を張っていますから、自分たちの関税をこれは撤廃をしていくことによって米側にも撤廃を迫るということはできるんですが、日本はそもそも関税張っていない中での交渉であったということは御理解をいただきたいと、このように思います。
○小川敏夫君 東芝が半導体、シャープが液晶、それぞれ世界をリードするメーカーだった、しかし韓国の企業を中心として価格競争で負けた、それが今のこの半導体や液晶の衰退を招いているんじゃないですか。自動車も価格競争で韓国の自動車に負けてしまう、そういう危険があるからお尋ねしているわけです。 次に、石原大臣にお尋ねします。 ECU、電気自動車用リチウム電池、これについてはどのような条件になりましたか。関税撤廃を聞いているんだよ。合意内容を聞いているんだ。(発言する者あり)
○国務大臣(林幹雄君) ECU・センサーにつきましては、必ずしも自動車用に限らず、農業機械や家電、産業用機械等に用いられるものも含まれますが、交渉の結果、十年目での関税撤廃となりました。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 経産大臣。
○国務大臣(林幹雄君) 失礼しました。リチウムイオン蓄電池につきましては十五年目での撤廃になっております。
○小川敏夫君 石原大臣、念のためお尋ねしますが、ECUって何ですか。
○国務大臣(石原伸晃君) 私どもの内閣は、ちゃんと農産物については専門家の農林大臣が、また経産大臣もしっかりいらっしゃるわけでございますね。何がお聞きされたいのか。 エレクトロニックなユニットであると承知しております。
○小川敏夫君 まあ大体そのぐらいの答弁でいいですよ。 いずれにしても、このECU・センサー類、それから電気自動車用リチウム電池、これからの、日本が最も進んでいる、そしてこれから最も世界に多く輸出する、広げる非常に重要な戦略部品ですよ。しかし、韓国も大変な競合する企業がある競争相手ですよ。その韓国メーカーには即時撤廃、しかし日本は重要な戦略部品、ECUあるいはリチウム電池について十年、十五年目撤廃。これも、交渉で得た結果としては余りにも不十分じゃないですか。石原大臣、どう思いますか。
○国務大臣(石原伸晃君) 先ほど総理の方から、TPP交渉というものは包括的に見ていただきたいと。攻めるところ、守るところ、やはりあるわけですね。委員の御指摘はそこの部分を攻めろと、私どもは農産物を守るというところに焦点を置いて今回の交渉を行わせていただきました。 そんな中で、先ほど部品の話をさせていただきました。あるいは、工業製品全般については十四兆円弱のもので、製品ベースで、量ベースで九割がアメリカの場合は即撤退なんですね。そういうことも併せて、是非この交渉を御理解いただきたいと思います。
○小川敏夫君 量ベースで九割というふうにおっしゃいました。では、価格ベースで何割ですか。
○国務大臣(石原伸晃君) およそ七割でございます。
○小川敏夫君 七割弱ですよね。
○国務大臣(石原伸晃君) 詳細につきましては経産大臣が数字を持たれておりますので、私の知識の中にあるのはおよそ七割だと覚えております。
○小川敏夫君 これで質問はそろそろまとめに入りますが、農業についても、日本の農業はこれで滅びるという声が出るほど譲り過ぎているのではないか、守るものを守っていないのではないかという声が非常に強い。一方で、得るべきであるこの輸出品目に関して、得ていない、非常に不十分、あるいは、まさに日本の不利益を招くような交渉結果ではないかということを示すために質問いたしました。 日銀総裁にお尋ねします。 金融緩和で物価二%を二年で実現するというお約束でした。なぜできなかったんでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 量的・質的金融緩和を二〇一三年の四月に導入いたしました。その際、二年程度を念頭に置いてできるだけ早期に二%の物価安定目標を実現するということを申し上げまして、量的・質的金融緩和を導入いたしました。その後の状況を見ますと、実際にも、その下で企業や家計の経済活動が刺激されて、企業収益の改善あるいは雇用、所得の増加を伴いながら物価上昇率が高まっていくという経済の好循環が生じております。 そういった意味では所期の効果を発揮しておりまして、例えば企業にとってみますと、中小企業も含めて過去最高水準の収益を上げております。失業率は三・二%ということで、ほぼ完全雇用の状況にございます。そうした下で、一昨年の労使間の賃金交渉において約二十年ぶりにベースアップが実現して、昨年も多くの企業で一昨年を上回る賃金上昇が生じております。 物価につきましては、確かに足下、生鮮食品を除く消費者物価の前年比はこのところゼロ%程度で推移しておりますけれども、これは二〇一四年夏以降の原油価格の大幅な下落の影響によるところが大きいわけでして、物価の基調という意味では改善していると思います。 例えば、生鮮食品とエネルギーを除くベースで見た消費者物価の前年比というものは、量的・質的金融緩和導入以前はマイナスでずっと推移していたんですけれども、二〇一三年の十月にプラスに転じた後、二十八か月連続でプラスを計上しておりまして、最近では一%を上回る水準で推移しております。このように物価上昇が持続するのは、九〇年代後半に日本経済がデフレに陥って以来初めてのことでございます。 今後とも、まだ二%の物価安定目標については道半ばでございますので、しっかりと経済を支え、物価安定目標の達成に全力を挙げてまいりたいと思っております。
○小川敏夫君 長々と都合のいいことだけ言いましたけど、一言だけ反論させていただきます。経済が好循環している、しかし、アベノミクスになって勤労者の実質賃金五%も下がっていますよ。好循環なんかしていないじゃないですか。 私が質問したのは、日銀総裁、なぜ二年間で二%の物価を上げるという約束が実現できなかったのかということを聞いているわけです。もう一度お答えください。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げたとおりでございまして、企業収益の改善あるいは雇用・所得環境の改善、こういうものを通じて物価上昇率が高まっていくという好循環が成立しております。そうした下で、生鮮食品を除くところで見て足下ゼロ%程度となっておりますけれども、これは、主として二〇一四年の夏以降、石油価格が七割以上下落したということを反映したものでありまして、物価の基調は改善していると。 ちなみに、欧米においても全く同様な状況になっております。
○小川敏夫君 関係ないことを言わないでくださいよ。 石油価格が原因だというような趣旨のようですが、約束した二年、平成十七年の春頃を基準にしますと七割も原油価格は下がっていませんよ。それから、足下で原油価格が七割下がるといっても、それの物価に及ぼす影響は大体一%じゃないですか。その一%をカウントしたって二%の半分にも行っていないじゃないですか。だから聞いているんです。 じゃ、原油以外には理由はないんですか。
○参考人(黒田東彦君) 先ほど申し上げたように、経済の好循環の中で物価の基調は改善しておると。生鮮食品とエネルギーを除いたところで見ますと二十八か月連続でプラスで、一%台に乗っているわけでございます。ただ、確かに二%の物価安定目標に向けての道筋としてはまだ道半ばでございますので、現在の金融緩和を推進して二%の物価安定目標をできるだけ早期に達成したいということを従来から申し上げております。 物価につきまして原油価格の影響が非常に大きいということは、従来から申し上げているとおりでございます。
○小川敏夫君 質問に答えていないですよ。(発言する者あり)
○参考人(黒田東彦君) 先ほど来申し上げておりますとおり、このところ物価上昇率がゼロ%程度で推移しておりますのは、主として原油価格の下落であることはそのとおりでありますけれども、さっき申し上げたように、それを除いたところで見ても一%台に乗っているというところでありまして、まだ道半ばであると。そういう意味では、他の要因もあったというふうに思います。 例えば、二〇一四年の四月には、実は生鮮食品を除いたところで一・五%まで物価上昇率は上がっていたわけです。その後、一つには消費税の引上げの駆け込みの反動減というものがありまして、消費が弱めに推移したということもありますし、それから様々な天候要因というものがありまして、消費に一定の影響があったと。 それに加えまして、二〇一四年の夏から原油価格が下落し始めまして、それに対応して物価上昇期待が低下するおそれがあったものですから、二〇一四年の十月末に量的・質的金融緩和を拡大して、それによって物価上昇期待自体はある程度維持されていたとは思いますけれども、その後、更に原油価格が下がって、そして全世界的にインフレあるいは物価上昇率は日米欧とも足下でゼロ%程度になっているということでございます。 そういう意味では、委員御指摘のとおり、原油価格だけだということは言えないと思いますが、最近の動向はほとんど全て原油価格で説明できるということでございます。
○小川敏夫君 いろいろ言いましたけど、そういうようないろんな変動状況があることは当然踏まえた上での二年二%のお約束じゃないですか。 この国債買入れによる金融緩和、麻生財務大臣、財務大臣は以前、私の質問に対して、金融緩和やっても当座預金が積み上がるだけで余り効果が出ないのが歴史的事実だと、このように答弁されましたけれども、今も同じお考えですか。
○国務大臣(麻生太郎君) いつのときに答弁したか記憶はありませんが、間違いなく、マネタリー、サプライというか、日銀が金融緩和をいたしましても、その金は日銀の当座預金に増え上がるだけです。それから先の当座預金というものから市中に金が散っていくためには、間違いなく資金を借りたいという需要、すなわち実需が出てこなければマネーサプライは増えない、これは原理中の原則ですから、そのとおり申し上げたんだと記憶します。
○小川敏夫君 全くそのとおりなんですよ。日銀が国債をどんどん買い入れても、日銀の当座預金、つまり国債の売買代金をもらった銀行は、そのもらったお金を日銀の当座預金に置いているだけで、町に回っていないんですよ。 つまり、ただ単に日銀と銀行の帳簿の科目が変わっただけで、お金は銀行から先の町場に流れていない、だから何の経済浮揚効果もないんですよ。そういうことを麻生大臣はおっしゃりたかったんですよね。
○国務大臣(麻生太郎君) よくお分かりの上で聞いておられるので、見ておられる方々にとか、若しくは分かっていない方に説明をしたいと思って聞いておられるんだと思いますが。 三本の矢のうちの金融緩和が今の日銀の資金のいわゆる供給であります。これが量。それから、内容は、国債に限らず、CPとかETIとかいろいろやっておられますので、それが質です。そして、今回のマイナス金利というので、三つの金融を緩和されるというので、これ第一の矢というものなんだと思いますが。 二本目の、いわゆる財政の方といたしましては、間違いなく今年も九十六兆七千億の予算を組ませていただいたり、補正予算も組ませていただいたり、いろいろいたしておりますので、それなりに我々やらせていただいていると思いますが、三番目の、三本目の矢と言われております民間の需要というものの伸びがいま一つ期待できていないというところでありますので、民間の需要が起きない、その民間の需要が起きない限りは金を借りるという需要が減ると、若しくは少ないということを意味しますので、市中に金が出てくるというのが出てこないということになっているんだと思いますので、私どもとしては、財政というものを、今のような財政再建をやりながら、いわゆる経済成長を刺激するためにいろんな形でいろんなことをやらせていただいておりますけれども、なかなかそこのところは民間の反応まで出てこない。 例えば、企業が、二十四の二十五、約四十九兆円ぐらいを、去年がまだ出ていませんけれども、おととし、さきおととしと出ているはずですが、その金がたまった割に、少なくとも企業の中で、労働分配率でいきますと、労働分配率は七〇切っていると思いますね、もう。ちょっと正確に今数字持っているわけじゃありませんので、下がっていると思いますので、そういった意味からいきますと、その分に関しましては、企業は、五十兆の内部留保が増えた割には労働分配率というのは、賃金は最初の年は三兆減らしていますので、次の年に四兆増えています。プラスマイナス一兆円ぐらいしか賃金を上げていないということは、なかなか消費に回りにくいという状況にあるということは事実だと思っています。
○小川敏夫君 このように、日銀のこの財務状況は非常に異常な状態になっている。 日銀総裁、いつまでこの日銀の国債買入れを続けるんですか。
○参考人(黒田東彦君) これは、量的・質的金融緩和を導入したとき以来一貫して申し上げておりますけれども、二%の物価安定目標を実現し、これを安定的に持続できるようになるまで継続すると申し上げております。 なお、先ほど来申し上げておりますとおり、それから委員のパネルにもありますとおり、マネタリーベースが年間八十兆のペースで増加しておりますが、それは長期国債、短期から非常に長いところまで含めて八十兆円買い入れておりまして、その結果、国債のイールドカーブは下落し、そして貸出金利も下がり、それが投資等にプラスの影響を与えるということで、実際にも投資が増加をしております。 そういう意味で、量的・質的金融緩和政策というのは効果を上げておりますけれども、先ほど来申し上げておりますとおり、まだ道半ばでございますので、二%の物価安定目標の実現を目指し、これを安定的に持続できるようになるまで金融緩和を続けていく必要があろうと。その二%の達成の時期については、現時点での見通しでは二〇一七年度前半頃になるという見通しでございます。
○小川敏夫君 原油もこれ以上下がるということは考えづらいでしょうけど、原油の価格が上がるかもしれない、そんな偶然的な要素以外に日銀のおっしゃったようにいくということは何も考えられないんですけれども、こんな異常な状態が更に続くということは異常であるということを述べて、まだ聞きたいことはたくさんあるんですけれども、ほかのことに移ります。 総理、経済の好循環、日銀総裁も言うし、総理もアベノミクスが成功したかのようにいろいろ言うんですけれども、勤労者の所得、収入が減っているんですよ。これは決して成功だなんということはないんで、むしろ国民の生活を悪くしているんだからアベノミクスは失敗しているというふうに思うんですが、総理、この勤労者の収入が減っているということについてどういうふうに思いますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、勤労者の収入、言わば名目の、実際に給料として、あるいは銀行に振り込まれるお金、あるいは現金として得るお金については、これは増えているのは、これは御承知のとおり、名目では増えているわけであります。そこで、一人当たりの実質賃金です。実質賃金というのは、物価が上がっていけばその支出が増えていくわけでありますから、可処分所得も減っていくということになっていくわけであります。 そこで、なぜそうなったかと。それは、一人当たりの実質賃金が減っていることについては、それは言わばデフレではないという状況をつくり、物価が安定的に上昇に転じている、そしてまた、何といっても三%消費税は上げましたからこの消費税の三%が上がった。そしてまた、言わば一人一人に割っていったこの実質賃金ということで今お話があったわけでございますが、それは言わば新たに、景気が回復していく中において、パート等で新たに低い賃金で働き始める方もおられれば、それまではこの割る対象には入っていなかったものの中に入ってきますから、その低い賃金の方々が入ってくるとそれを入れて割っていきますから、平均するとそれが減っていくという側面もあるわけであります。 そこで、では実際に国民みんなの稼ぎが減ったかどうかということを実質で見ていく必要があるんですが、それはまさに総雇用者所得で見れば、名目はもちろんでありますが、実質においても増えて増加傾向にあるということを申し上げておきたいと思いますし、また、パートで働く方々の時給は、安倍政権になって最低賃金を三年連続で大幅に上げましたから、過去二十三年間で最高の水準になっているということは申し上げておきたいと思います。
○小川敏夫君 安倍総理、名目で勤労者の賃金が増えていることは御存じですよねと私に確認求めましたけれども、総務省のこの二人以上の世帯のうちの勤労者世帯の世帯主の推移、一番上の表を見てください。実額です、減っているんですよ。名目で増えている、ですよねと私に言われても、それはうんとは言えません。だって、減っているんですから。実額そのものも減っているんですよ、アベノミクスに入って。どうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げたのは、この総雇用者所得においては、名目ではもちろんこれは増えているわけでありますし、実質においてもこれは伸びているということを申し上げたわけでございます、この総雇用者所得においてはですね。 また、例えば所定内給与については十か月連続のプラスになっておりますし、暦年で見ると二〇一五年は十年ぶりのプラスに転じたわけでございます。そして、パートで働く方を除いた一般労働者においても二十か月連続のプラス、暦年で見ると二〇一五年は七年ぶりにプラスに転じているわけでございます。 そしてまた、正規雇用の労働者についても全体的なトレンドは好転をしているわけでありまして、具体的には、平均の推移を見ると、平成十九年の第一次安倍内閣以来、八年ぶりに前年比でプラスに転じて、総数で正規社員は二十六万人、これは増えているわけであります。 日本の生産年齢人口がこの三年間で三百三十五万人減っている中で実数において二十六万人も増えているということは国民の皆様にも是非知っていただきたい、こう思うわけでございますので、こうした実態を見ても、アベノミクスは失敗しているという指摘は当たらないということは申し上げておきたいと思います。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 安倍内閣総理大臣。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは既にお答えをしているんですが、総雇用者所得ではプラスになっているのと、毎勤統計においては、これは平成二十六年もプラス、そして平成二十七年もプラスになっているわけでございまして、そして小川委員が挙げられているのは今私が出している資料とは違う、これは家計調査ですか、家計調査については、これは給与以外のものも入れてということであろうと。 給与について申し上げれば、毎勤統計で見れば、現金給与総額で見れば、これ、私が言ったとおり、名目では二十六年〇・四%、そして二十七年〇・一%、これ上がっているのは事実でありますから、私が言っていることは間違いないだろうと、このように思います。
○小川敏夫君 毎勤統計は、従業員が五人以上の企業の事業主に聞いているという統計です。こちらの総務省の家計調査は、そういう会社の規模にかかわらず、個人、零細のところで働く人も含めた数字です。ですから、この家計調査の方が実態に合うと思うんですよ。 この総務省の家計調査ではグロスの実収入金額がアベノミクスになって減っているという、これは統計事実ですから、総務大臣、これは正しい事実でしょう。
○国務大臣(高市早苗君) 家計調査に基づくデータを申し上げますが、先ほど対象の違いについてお話がございました。家計調査は一世帯当たりの収入ということで、世帯主のほか、配偶者、子供などの収入も、また短期のパート、アルバイトなど常用労働者以外の場合であっても含まれます。常用労働者の方の統計ですと、これは厚生労働省でございますが、これは長期的な常用労働者五人以上の事業所の数字でございます。 さて、家計調査の方の実収入の年次の推移ということで動きを出していただいたかと思いますが、二〇〇六年から二〇一五年の十年間の推移で見ますと、二人以上の世帯のうち勤労者世帯の一世帯当たり一か月の実収入についても、同じ期間の、この期間の変化率で見ますと、名目では〇・〇%、実質では三・八%の減少となっています。 なお、直近の二〇一五年の勤労者世帯の実収入については、前年、二〇一四年と比べますと、名目一・一%の増加、実質〇・一%の増加となっております。
○小川敏夫君 この表、総務省の家計調査の表ですが、この数字は違うんですか。
○委員長(岸宏一君) 総務大臣、どうですか。一五年が上がったという。どうぞ。
○国務大臣(高市早苗君) 今その委員の表が世帯主になっていますか。 私が先ほど申し上げたのは、二人以上の世帯のうち勤労者世帯の一世帯当たりの実収入でございました。ですから、その数字については先ほど申し上げたとおりでございます。
○小川敏夫君 パートで働く人が増えましたよ。だから、世帯全体を平均すれば増えているかもしれない。私は、勤労者世帯の世帯主、つまり勤労者の賃金が下がっていると言っているわけで、この勤労者の世帯主の賃金が名目でも下がっているということは、総務大臣、統計上、これ、よろしいわけですね。
○国務大臣(高市早苗君) それはそのとおりでございます。比較的収入の少ない高齢者世帯が増えていることも影響していると存じます。
○小川敏夫君 それで、総理、総理はこういうふうにおっしゃいましたよね、夫が五十万円だとします、生活が豊かになってきたから、じゃ、奥さんもそろそろ働こうかなといってパートに出て二十五万円になりましたと、だから平均すると平均賃金は下がりましたよと、だけど全体では増えていますねと。 だけど、家計調査のこの表を見ますと、世帯主の夫の賃金そのものが減っているんですよ。豊かになったから奥さんがパートに働きに出るんじゃなくて、世帯主、大黒柱の収入が減ってしまうから、それを補うためにパートに働きに出ると。これが実際の現状じゃないですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今まで、どちらかというと民主党の皆さんは毎勤統計をずっと議論してこられたから、先ほど毎勤統計で二年連続増えていますよということを申し上げた。これ、増えたものだからとは申し上げませんが、今度はその表を出してこられた。世帯で見れば、先ほど申し上げましたように、言わば世帯の所得としては増えています。 確かに、これはこういう傾向になっておりますから、我々もよく注視をしていきたいと思っておりますが、しかし、この二十七年、これ安倍政権の中でちょっとこれ減ってしまいましたが、我々、政権交代前の二十三年、二十四年よりはいい水準であるということは申し上げておきたいと思います。
○小川敏夫君 リーマン・ショックと東日本大震災が起きたというそのことを比較して言っては、総理、余りにも情けないですよ。 それから、毎勤統計の話ししました。実質では下がっています。それから、総理が何回も何回もおっしゃる総雇用者所得、これも表に表しました。上がっていると言えるんでしょうか、これ。せいぜい好意的に見ても横ばいですよね。そうじゃないですか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もちろん、これは多々ますます弁ずですから、もっと上がってもらいたいと思っておりますが、そうした動きを我々もよく注視をしながら、しっかりと経済政策を進めていきたいと考えております。
○小川敏夫君 進めていきたいというお気持ちは分かりますが、進めてきた結果が賃金下がっているという事実の上で、どのような対策を取るのか。是非有効的な政策を取っていただくか、もう辞めてほかの政権に替わっていただくか、考えていただきたいと思います。 丸川大臣、何か松本市内の発言を撤回されたそうですが、どういう発言をしたんですか。
○国務大臣(丸川珠代君) まず、二月七日に講演をいたしました発言について、福島に関連する発言について撤回をさせていただいたものでございます。 発言の内容といたしましては、要旨を申し上げますと、ICRPの考え方では年間一から二十ミリシーベルトの範囲内で地域の汚染状況等に応じて参考レベルを設定すべきとされており、政策的見地から最も厳しい値が選択されたことや、追加被曝線量年間一ミリシーベルト以上の地域について面的除染を実施することを決定する過程において、専門家の議論の場で具体的な数字についての説明がなかったことなどでございました。 いずれにせよ、私の発言については撤回をさせていただきまして、福島を始めとする被災者の皆様方には多大なる御心配をお掛けし、誠に申し訳なく思っております。
○小川敏夫君 発言についての大臣の解釈を聞いているんじゃないんです。どういう発言をしたのか、その発言の生の内容をお尋ねしているんです。
○国務大臣(丸川珠代君) 追加被曝線量が二十ミリシーベルトを超えている地域については、除染の目標をまず二十ミリシーベルト、これは御承知のように避難の基準でございますけれども、これを目標にしましょうと決めましたと。一方で、二十ミリシーベルト未満の地域では、専門家が議論をして、除染は面的に五ミリシーベルトのところまでやりましょうと提案をしたところ、これを取り下げて、一ミリシーベルトの範囲までやると決めました。専門家の議論の場では、この取下げについて具体的な数字の議論はございませんでした。その結果、受け止めが、除染も含めて総合的な対策によって長期的に目指すべき追加被曝線量の一ミリシーベルトが、除染によってのみ達成される目標でなければならないという認識が広がってしまったという趣旨の発言でございます。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 丸川環境大臣。
○国務大臣(丸川珠代君) 撤回した部分は、とりわけ私、今福島の仕事をしているから、本当にひどかったんだなと思いますというところから、そういった結果、帰れるはずのところにいまだに帰れない人が出てきているという文面でございます。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 丸川環境大臣。
○国務大臣(丸川珠代君) 済みません、少々時間掛かりますが、全文読ませていただきます。 とりわけ私、今福島の仕事しているから、本当にひどかったんだなと思います。私、何で福島の仕事をしているかというと、環境省の仕事をしていますから、除染の仕事をやっているんですね。今まで環境省というのはエコだ何だと言っていればよかったんですけれども、あの震災から五年間ずっと除染の仕事をやっています。どれだけ除染するからという議論がいつもあるんですね。百ミリシーベルトを下ったところ、年間百ミリシーベルトを下ったところというのは基準がないもので、ずっと国際的にも二十から百の間のところで、いいところで切ってください、その現場現場で何から線量を受けるかというのは違いますから、森にいるのか、平地にいるのか、岩場にいるのか、海のそばにいるのか、全然違いますから、地域地域に合った線量を決めてくださいというのでやってきたんです。 ところが、その一番低い二十ミリシーベルトに合うように除染しましょうねと言っても、反放射能派と言うと変ですけれども、どれだけ下げても心配だと言う人は世の中にいるんですよ。そういう人たちがわあわあわあわあ騒いだ中で、何の科学的根拠もなく、そのときの細野さんという環境大臣が一ミリシーベルトまで下げますって急に言ったのです、誰にも相談をしないで、何の根拠もなく。そういった結果、帰れるはずのところにいまだに帰れない人が出てきている。 以上でございます。
○小川敏夫君 大臣、お尋ねしますけれども、この一ミリシーベルトというものは何の根拠もないものと大臣は思っていたんですか。
○国務大臣(丸川珠代君) 度々申し上げさせていただいて恐縮ですが、御指摘の点も含めて、私の福島に関連する発言は既に撤回させていただきました。 なお、私がこの根拠もなくというふうに申し上げているのは、これは科学的根拠もなくという発言をしたというふうに私申し上げたつもりでございまして、この科学的根拠というのは、疫学調査などの統計的分析に基づく客観的な裏付けを指しております。 なお、この科学的根拠というものについては、例えば、平成二十三年七月七日の予算委員会における枝野官房長官の御答弁、被曝した放射線量が百ミリシーベルト未満では放射線ががんを引き起こすという科学的な証拠はないということでございますであるとか、あるいは平成二十三年七月二十六日の環境大臣の会見での御発言ですが、百ミリシーベルト以下については他の要因に隠れてしまって明確な影響が疫学的には出ていないというのはICRPも含めた様々な専門家の間の前提になっているといったものを踏まえて、私なりに理解したものでございます。
○小川敏夫君 要するに、大臣の発言は、何の根拠も、何の科学的根拠もなく時の大臣が決めたということで一ミリシーベルトについてはお話ししているわけですよね。ですから、その一ミリシーベルトということについて何の根拠もないと、このように認識していたんですか、発言の当時は。
○国務大臣(丸川珠代君) ですので、科学的根拠、つまり疫学的調査などの統計的分析に基づく客観的な裏付けを指していることについては、先ほど私が御答弁申し上げたような、さきの民主党政権でも行われた答弁等を踏まえて、私なりに理解をしておったということでございます。
○小川敏夫君 何か随分後から付けた難しい弁解のように思いますがね。 この、反放射能派と言うと変ですが、どれだけ下げても心配だと言う人は世の中にいると、そういう人たちの声で一ミリシーベルトに下げたという趣旨に取れるんですが、そういう趣旨で発言されたんじゃないですか。
○国務大臣(丸川珠代君) まず、この点も撤回はさせていただいておりますけれども、例えばICRPの考え方においても、地域の汚染状況に加えて、住民生活の持続可能性、住民の健康等の多くの要因のバランスを慎重に検討して適切な参考レベルを選択すべきとされています。放射能についてこのような議論を全く受け付けずに、リスクがどれだけ低くても全くのゼロでないと受け入れないという方も中にはいらっしゃるということをイメージして申し上げたものですが、少なくとも福島で被災をされて放射線に対して不安を抱えていらっしゃる方々について申し上げたものではございません。
○小川敏夫君 じゃ、誰に対して申し上げたんですか。
○国務大臣(丸川珠代君) ですので、一般論として先ほど申し上げましたけれども、放射能について、この参考レベルというものの考え方についての議論を全く受け付けずに、リスクがどれだけ低くても全くのゼロでなければ受け入れないという方も中にはいらっしゃるということをイメージして申し上げたものでございます。
○小川敏夫君 でも、イメージじゃなくて、反放射能派と言うと変ですがと、そういう人たちが騒いだ中でというふうに言っているんですよ。 だから、そういう人たちが騒いだ、だから、どういう人たちがどういうふうに騒いだんですか。
○国務大臣(丸川珠代君) ですので、放射能についてのリスクの議論というのは、ICRPにおいてはある考え方、理論に基づいたモデルを基にしてあくまで放射線防護の目的である一定の目安を置いているものですが、この目安という考え方について御理解がいただけず、一ミリシーベルトが安全と危険の境目であるというような考え方を持たれているか、あるいはさらに、ゼロでなければならないと、リスクは絶対にゼロでなければならないという極めて現実的に実現するのが難しい状況について、そうでなければ受け入れられないのだということをおっしゃる方たちのことでございます。
○小川敏夫君 そういう人たちがどうやって騒いだんですか。騒いだと言っているからね。
○国務大臣(丸川珠代君) いろいろなところでいろいろな御発言があったという意味でございます。
○小川敏夫君 じゃ、いろいろなところでいろんな発言を、幾つか例を挙げて言ってください。
○国務大臣(丸川珠代君) 私もつまびらかに、どの時期にどなたがどのようなことをおっしゃったかということまで具体的に今申し上げることができませんけれども、当時の世論の中にそういう考えが大勢を占めていたということを申し上げております。
○小川敏夫君 とても納得できる説明ではありませんが、時間がなくなったので最後に法務大臣、今、刑事訴訟法改正で、新たな捜査手法で司法取引というものが導入をされます。これについてちょっと説明してください。
○国務大臣(岩城光英君) お答えをいたします。 このことは証拠収集等への協力及び訴追に関する合意制度のことだと存じますが、それでよろしいですね。 一定の財政経済犯罪等を対象として、首謀者の関与状況を始め、組織的な犯罪等の全容の解明に資する供述等を得ることを可能にするものでございます。
○小川敏夫君 何かよく理解できないような説明ですが、一言で言うと、被疑者が第三者の犯罪をしゃべれば、被疑者本人の刑を免除、軽くしてやるよと、こういう取引をする制度ですね。
○国務大臣(岩城光英君) お答えをいたします。 ただいまお話がありましたとおり、被疑者が弁護人とともに検察官等と様々な合意内容について相互にやり取りをし、その結果、協力内容の確認のため被疑者、被告人に供述を求めることも可能でありますが、他人の刑事事件、これにつきまして様々な証言等をして、その代わり自分が、検察等から要するに自分の立場を配慮していただくと、こういう内容であると承知しております。
○小川敏夫君 いや、だから、人の罪をしゃべれば自分の罪は免除か軽くしてやるよという、そういう制度だと思います。 これじゃ冤罪が増えると思うんですが、総理、いかがですか、こういう冤罪が増えかねないような捜査手法は要らないと思うんですが、総理の所感はいかがでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) もう法務大臣から答弁しているとおりでございますが、刑事訴訟法等の一部を改正する法律案では、一定の財政経済犯罪等を対象として、被疑者、被告人が他人の犯罪を明らかにするための協力をし、検察官がこれを考慮し、被疑者、被告人の事件につき特定の求刑等をすることを内容とする合意ができるとする証拠収集等への協力及び訴追に関する合意制度が盛り込まれているところでございます。 一般に、この種の制度については、被疑者、被告人が自己の事件について有利な取扱いを受けるために他人の犯罪について虚偽の供述をするおそれがあるとの指摘があることも事実でございますが、そこで、合意制度においてはそのようなことが生じないように、制度上次のような手当てをしています。 合意の成立に至る過程には弁護人が必ず関与する。合意に基づく供述が証拠として用いられるときには、合意内容が裁判所で必ずオープンにされ、その供述の信用性が厳しく吟味される。そして、合意をした者が捜査機関に対して虚偽の供述等をした場合、処罰の対象となると。 したがって、この合意制度においては虚偽の供述により第三者を巻き込むなどという懸念はこれは当たらないというふうに考えておりますが、合意制度の導入を含む刑事訴訟法等の一部を改正する法律案は、衆議院において一部修正の上、民主党の御賛同も得てこれは可決していただいたところでありまして、参議院においても御審議の上、是非御賛同いただきたいと思います。
○小川敏夫君 総理の説明について不十分なところ、また法務委員会で質問させていただきます。 本日の質問を終わります。
○委員長(岸宏一君) 以上で小川敏夫君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、蓮舫さんの質疑を行います。蓮舫さん。
○蓮舫君 民主党の蓮舫です。 総理はこの三年間、女性が輝く日本、二〇二〇年にあらゆる分野で指導的地位の女性が三割を占めると公言してきました。この思いは変わりませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) その思いで政策に取り組んでいきたいと考えています。
○蓮舫君 ところが、この目標ですが、総理が言った目標、国家公務員の課長室長相当職に占める女性の割合三〇%は七%になりました。民間企業の課長相当職の女性比率も三〇%が一五%に半減しました。 これ、目標を下げたのはなぜでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今ちょっと全て聞き取れなくて恐縮だったんですが、例えば民間企業の場合でいいますと、今、前計画では課長相当職以上が一〇%となっていたものを、この四次計画、昨年決めました四次計画では、課長相当職と部長相当職をそれぞれ分けて、課長相当職は更に一五%、部長相当職も一〇%というふうにしたところでございまして、下方修正したということではないというふうに認識しております。
○蓮舫君 あらゆる分野で三割、三〇%にすると言ったものを七%、一五%にしているんです。これを下方修正と言わないんですか。
○国務大臣(加藤勝信君) これまでの計画の中でも、今申し上げた数字をそれぞれ計画の期間の中の目標として、そして今回更にそれを引き上げたということでございます。 ただし、先ほど総理お話がありましたように、約十三年前の二〇〇三年に、社会のあらゆる分野における二〇二〇年までに指導的地位に女性が占める割合が少なくとも三〇%程度になるよう期待するという形で、二〇二〇年三〇%目標と言われているわけでありますけれども、それには、大変高い目標ではありますけれども、引き続きその目標の達成に向けて努力をしていきたいと、こう思っています。
○蓮舫君 総理は、二〇二〇年までに指導的な地位を女性が三割を占めるように期待と言っていません、進めていくと会議や施政方針演説で言っています。違うんじゃないですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、今の総理の一つ一つの答弁についてフォローさせていただいていませんけれども、その期待するという目標を掲げてそれを進めていくと、そういう趣旨だろうというふうに思っております。
○蓮舫君 下方修正したというのは認めますか。
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほどから申し上げていますように、それぞれの目標について、各年次、五年ごとの計画について数字を提示をしてきたわけでございまして、その数字そのものは、第三次、前回に比べて第四次はむしろ上方にしているものもあるということでございまして、下方修正しているものではございません。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、蓮舫委員がおっしゃるように、これ全て三〇ということを達成できれば、それはもちろん、それは当然でございますが、しかし、現実問題として、社会のあらゆる分野において二〇二〇年までに指導的地位に女性が占める割合が少なくとも三〇%程度となるよう期待するという目標は、これ第二次安倍政権が初めて政府の最重要課題に位置付け、強力に推進をしてきたところでございまして、民主党政権のときのことは分かりませんが、自民党政権、まあ第一次安倍政権もそうなんですが、その段階ではこれは正直に申し上げて最重要課題ということに位置付けていなかったのも事実でございまして、その中において、十分にその幹部候補ということのそもそもこの母体がなかなか言わば十分にないという状況の中においては、現実的な目標に、それは下方修正ということについては我々は下方修正をしたところでございますが、この目標に向かってしっかりと進んでいきたい。 ちなみに、国家公務員については、今年度から採用における女性の割合を政府全体で三割以上とする方針を決めまして、将来の幹部候補生となる総合職については三四・三%と、前年度から一挙に一〇・四ポイント上昇させ、こうした目標に向かってしっかりと人材を育成していきたいと考えております。
○蓮舫君 総理が女性が輝くと声を高めてくださったことは、数少ない私の総理への評価の一つなんです。そういう部分では、数値目標を下げたのは非常に残念なんですが、実は下げた理由がやっぱり問題なんです。 加藤大臣、なぜ下げたんですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 下方修正という意味で、二〇二〇年三〇%を期待するというそのもの自体は引き続き目標として掲げて、大変高い目標であるけれども……(発言する者あり)いや、それで努力していきたい。 ただ、委員御指摘のように、この……(発言する者あり)いやいや、一つ一つの成果目標で、それが二〇二〇年の段階でどうなっているかということをおっしゃっておられるんだろうというふうに思います。例えば、部長相当職は一〇%程度という形でありますから、じゃ、その一〇%程度になったときに最初に申し上げた二〇二〇年の三〇%が達成できるのかといったら、それはなかなか難しいということでございます。 下げているという意味においては、これまでの三次の計画に比べて先ほど申し上げた四次の計画については、むしろその水準を、成果目標というものを上げているところでありますが、ただ、その目標自体が、委員御指摘のように、それを全部トータルすれば二〇二〇年三〇%が達成できるかといえば、なかなか難しいという状況はそのとおりだと思います。
○蓮舫君 私が伺っているのは、現実的な目標に数値を下げたその理由を男女共同参画会議は何と指摘していますか。
○国務大臣(加藤勝信君) 指摘というよりも、引き続き更なる努力を行うのは当然であると、ただ、その上で、女性の参画が遅れている分野については、まず、将来指導的地位に成長していく女性の人材プールを厚くするため、就業継続、ワーク・ライフ・バランス等の環境整備はもちろん、研修、育成等を含めた幅広い支援等の取組を大胆に進め、将来の三〇%に着実に結び付けていくことが重要であるという指摘を受けているところでございます。
○蓮舫君 「四次計画において改めて強調している視点」が大変現実的なんです。つまり、総理の諮問を受けて女性の輝きを調査審議した男女共同参画会議が二〇二〇年の目標値を下げなければいけなかった、達成困難だと判断したのは、女性の長時間労働、働き方の二極化、非正規や一人親など困難な女性が増加、だから更に踏み込んだ政策が必要だと答申で明言をしているんです。 そういう理由ではないんですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今ちょっと委員がどこの部分を引用して読まれたのかちょっとにわかに分からないところでありますが、ただ、御指摘があるように、そうした状況が進まない背景の中には、一つは、先ほどちょっと申し上げましたけれども、そこの任用されるべき世代に今それだけの女性の数が足らない。やはりそういう意味では、採用を多く採って、そしてそういう方々に引き続きステップアップしていただく必要がある。しかし、今そうなっていない状況の中には、一つは採用が少ないということ、それからもう一つは、今委員御指摘があるように、引き続き両立して働きにくい、こういう環境があるのは事実だというふうに思います。
○蓮舫君 大臣、どこに私の指摘があるか分からない。これは、総理が男女共同参画会議に輝く女性はどうなんだと諮問をして、答申書の最初のページですよ、最初のページに「安全・安心な暮らしの実現」、「改めて強調している視点」ですよ。なぜ読み落とすんですか、そこを。
○国務大臣(加藤勝信君) 失礼いたしました。 先ほど私が申し上げたのは、基本計画そのものの中から抜粋させていただきました。 ちょっと済みません、答申そのものを今手元に持っておりませんのでそのまま引用することはできませんが、先ほど申し上げたように、そうしたことが進んでいない背景として、先ほど申し上げた採用をしっかりやっていくということ以外に、引き続き女性の方々がそうした職場において働き続ける、そういう環境が十分に整っていない、そういうことは御指摘のとおりだと、こういうふうに思います。
○蓮舫君 いや、大臣、採用の問題じゃないんですよ。特に強調しているのは、女性の働き方の二極化、非正規の増加、一人親の女性の困難さ、ここが指摘されているんです。この認識しないでどうやって女性政策進めるんですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 女性全般のそうした意味での輝きをしっかり増していくという意味においては、おっしゃるように、女性の場合、特に非正規という形で働いている方も多いわけでありますから、そういった形での処遇改善をしっかりしていく、あるいは、非正規から正規化を望む方に関しては正規化をしっかり図っていく、そして、特に非正規の待遇改善については、これまでも総理が申し上げていますように、同一労働同一賃金に対して踏み込んで議論をしていかなきゃいけない、こういうふうに認識をしているところでございます。 先ほどちょっと申し上げたのは、指導的地位ということで申し上げて、そこへ多くの方に行っていただくためには、やはり採用の問題もあるのではないかということで申し上げたところでございます。
○蓮舫君 いや、この担当大臣の女性政策の意識の薄さを今非常に不安になりました。 この答申では、女性が置かれている現実が厳しいから、より真に実効性のある取組が求められると強調したのにもかかわらず、総理は女性担当大臣を一億担当相に包含してしまった、薄めてしまった。総理、それでこの女性政策、本当に輝く女性になるのでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは決して薄めているということではございません。一億総活躍社会は、女性も男性も、そして若者もお年寄りも、障害や難病のある方も、誰でも活躍できる社会でありますが、一億総活躍社会に向けて一人一人の事情に応じた多様な働き方が可能な社会への変革に取り組んでいくわけでありまして、このような社会が実現していけば女性が輝ける環境が整っていくと確信をいたしております。
○蓮舫君 総理のおっしゃる女性活躍、本当に全面賛成です。何でも協力したいと思っております。その中でせめて目に見える成果、一つは出してもらいたい。 例えば、去年末、最高裁、働く女性からの要望の高い選択的夫婦別姓制度、これは国会で論じられるべきだと立法府に対応を委ねました。総理、法案出されますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 夫婦のこの氏の問題については、単に婚姻時の氏の選択にとどまらず、夫婦の間に生まれてくる子の氏の問題も含め我が国の家族の在り方に深く関わる問題であると考えております。 選択的夫婦別氏制度については国民の間で様々な意見があるのも事実でありまして、例えば、直近の世論調査を例に取ってみますと、反対が三六・四%、容認が三五・五%、通称のみの容認が二四%といった結果になっています。そのため、最高裁判決における指摘や国民的な議論の動向を踏まえながら慎重に対応する必要があると、こう考えております。
○蓮舫君 賛成より反対が多い、その調査はいつのですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは平成二十四年の内閣府世論調査でございます。
○蓮舫君 三年前なんです、そのデータ。去年、最高裁の判決が出る直前、朝日新聞、賛成五二%、反対三四%、毎日新聞、賛成五一%、反対三六%、産経新聞でも五一%が賛成、反対が四二%。賛成が上回っているんですよ。何でこれ、三年前の調査で判断しているんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ちなみに、今朝の読売新聞に掲載されている世論調査、これが一番直近かと思いますが、夫婦別氏制度の導入について、反対が六一%、賛成は三八%でありまして、大幅に上回っているということであります。
○蓮舫君 都合よくお互いが新聞のいいところを使うのではなくて、内閣府で調査、すぐしてもらえませんか。
○委員長(岸宏一君) 担当大臣はどなたですか。
○国務大臣(岩城光英君) 私がお答えする立場でないかも分かりませんが、内閣府の調査は、これ大体五年ごとにやってきておりますので、そのことにつきましては御了解いただきたいと思います。
○蓮舫君 ちょっと意味が分かりませんでした。 総理、やっぱりこれ早く調査をしてもらって、最高裁が国会の議論に委ねるとしたわけですから、我々は選択的夫婦別姓の法案を出し続けています。今回は政府が、妻の離婚禁止日程を圧縮する法案を出してくると思いますので、そこに合わせて私たちはもう一回出します。ならば、自民党は与党として我々の法案を審議に応じてくれますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この問題については、先ほど申し上げましたように、国民の中でも様々な議論があるところでありまして、また、我が党の中においてもずっと議論してきている問題なんだろうと、このように思います。 今後も議論が深まっていくものだろうと、このように考えております。
○蓮舫君 随分後ろ向きな答弁でした。残念です。 日本の人口です。 昨年、大正九年に統計を開始以来初めて減少しました。生産年齢人口は、二〇一三年に既に八千万人を切っていて、このままいったら二〇四〇年に五千万人になります。一人一人の労働生産性を高めることももちろん大事なんですが、働きたいけど働けない人を支援する政策が最も大事になると思います。 今、希望はしているけれども働いていない、四百二十八万人。その三分の二が女性です。三百十五万人。この方たちが働いていない最大の理由は出産と育児です。どうされますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々、この結婚、妊娠、そして出産、子育てに至るまできめ細かな支援をしていきたいと、こう考えております。 そこで、出産、育児において、一度仕事を辞められた方もおられるわけでありますから、そういう方々が復帰できるような支援もしていく、あるいはまた、同時に、産み育てながら仕事は続けたいという方々もおられるわけでございまして、そういう方々にとっての環境を整備していきたいと考えております。
○蓮舫君 希望出生率一・八は私賛成です。できれば二にすると。そうすると、二〇六〇年に十九歳以下の人口と七十五歳以上の人口、ここの世代が均衡するんです。初めてそこで社会保障の持続可能性が担保されます。ただ、残念ながら今、出生率はそんなに伸びていない。 ちょっと総理に感覚をお伺いしたいんですが、この二月というのは、各基礎自治体で待機児童、自分が保育園に入れるか入れないかというのが発表されました。入れなかった人たち、入れなかったお母さん、お父さん、どういう思いだと思いますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、是非お子さんを入れたいという強い気持ちでしょうし、あるいはまた、自分は仕事をして続けていきたいというお母さんあるいはお父さんがおられたら、それは相当これは落胆されるんだろうなと、このように思います。
○蓮舫君 落胆ではなくて絶望に近いと思うんです。つまり、もう仕事は諦められないけど子供が預かってもらえない、シッターやほかに頼むにはお金がない、近くに親が住んでいない。どうするか。仕事辞めるしかないんです。(資料提示) こういう絶望の思いに対して、総理は去年十一月、民間のスピーチでうれしい悲鳴とおっしゃっているけど、これ、どういうことですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、私の講演のところでの、読売新聞の講演を引かれたというふうに思うわけでございますが、これは当然、お子さんが先ほど生まれて喜んでおられる御夫婦が、その後、子育ての中において仕事はどうしても続けたいという中において預けられないというお母様にとっては、今おっしゃられたような絶望的な気分になる方も当然おられると、このように思います。 ですから、もちろん、私はこの待機児童が増えてうれしいというわけはもちろんないわけでございまして、そこでは、私がその講演で申し上げておりますように、この原因においては、平成二十七年の四月時点での待機児童が増えてしまったと、こう申し上げた上で、その理由として、安倍政権発足以来女性の就業者が九十万人以上増えたことを挙げて、ここからが重要でございますが、その意味でと断った上でうれしいというふうに申し上げたわけであります。つまり、うれしいとは、これはあくまでも女性の就業者が増えたことについて申し上げているところでございます。 安倍政権が発足してから女性活躍に政権を挙げて取り組んできたために、より多くの女性が働く場を得ていること自体は前向きに捉えているわけでありますが、ポイントはそこにあるわけでございます。もちろん、安倍政権になってから、保育の受皿については二十万人、四十万人、そして五十万人に上積みすることとしたわけでございまして、以前に比べて約二倍のスピードで保育所は増やしているということでございます。
○蓮舫君 分かりました。とにかく言葉に慎重にしていただきたい。待機児童を抱えている親の気持ちというのはそれだけ切実だということは是非理解をしていただきたいと思います。 ここで確認をしますが、総理は、待機児童が増えたのは、今、女性の就業者が増えたからという説明がありましたが、そういう理解でよろしいですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この就業者が増えた、もちろん、基本的に保育施設をどんどん造っていくことによって、では預けようというきっかけになる方もおられるのも事実でございますけれども、申込みが増えていくということもありますが、しかし、我々は、就業者が増えた、安倍政権発足以来九十万人以上増えたと、こう申し上げたのは、政権交代が起きた平成二十四年十—十二月期と直近同期の平成二十六年十—十二月期を比べた数字でありまして、全体で九十一万人増加をしていることを申し上げたわけでありまして、年齢別で見ても、二十五歳から四十四歳の女性の就業者は十九万人増加をしておりまして、この変化がその直後の平成二十七年四月時点の待機児童数の増加につながったという考え方を申し上げたところでございます。
○蓮舫君 二〇一二から一五、十—十二月期を比較すると、確かに女性の就業者は増えています。これ、正規、非正規は別として。ただ、総理が言うように、働いて子供を産む人が増えたとなると、今、一人目を産む平均年齢が三十歳です。二人目を産むのが三十二歳。待機児童の八六%はゼロ歳から二歳なんです。そうすると、増えていなければいけないのは、三十歳から三十四歳の就業者が増えていなければいけないのに、ところがマイナス十二万人。その世代は減っているんです。広げて二十五歳から四十四歳に上げても一万人しか増えていない。つまり、最も女性就業者が増えているのは五十五歳以上なんですね。まず、この認識を、安倍政権になって働く女性が増えたから待機児童が増えたという認識を改めないと処方箋を間違います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは今、通年で示しておられるんだろうと思いますが……(発言する者あり)いや、十—十二月、これは、議員はこの平成二十七年の四月の待機児童を論じるに当たって平成二十七年の女性就業者の一年の平均の数字を挙げておられるんではないかと思いますが、四月からの保育所の利用申込みは一般的に前年秋以降にこれ行われることが多いわけでありまして、そうした意味で、平成二十七年四月の待機児童の増加の理由を考えるならば、平成二十七年の平均の数字で考えるより保育所の申込みを行う手前の数字で論じる方が適当であると、こう考えているわけでありまして、その前年の十—十二の数字を見ているということでございまして、そこで今私はそのように申し上げたところでございます。
○蓮舫君 いや、総理、同じ数字で言っていますよ、私。十—十二月期で言っていますよ。十—十二月期で二十五から三十四歳の女性の就労者は十二万人減っています。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、蓮舫委員の方からございましたこの二十五から三十四歳、これが一番大事だということでございます。そのとおりだと思いますが、一方で、この二十五歳から四十四歳という組み方で見た場合の女性の就業者のうちで大事なことは、ゼロ歳から三歳の子供さんを持っていらっしゃる方々がどうかということが一番待機児童にとっては大事なことでございますが、このゼロ歳から三歳までの子を持つ共稼ぎの世帯に絞ってみますと、平成二十五年の十—十二からの一年間で一万人増加をしています。そして、その前の年、参考までに申し上げると、二十四年から二十五年にかけてはこれは五万人増えております。 ですから、やっぱりこのゼロ歳から三歳までの子供さんを持っていらっしゃる、そういう方々にとってこの待機児童にならないようにするということが一番大事なのでありまして、そういう意味で、就業者が増えているここのところでちゃんと保育園を用意をするということを早急にやらなきゃいけないということを今申し上げているところでございます。
○蓮舫君 いや、同じことを言っているんです。一万人増えていますね。ただ、最も増えているのは、五十五歳から六十四歳、四十七万人、六十五歳以上が五十一万人。そう考えると、本当に保育所が必要な人が就業者として増えているのではない。つまり、ここを見誤ると待機児童の原因はほかにあるというところに目を覆ってしまうんですよ。 待機児童の原因はほかにあるんだと、総理、これ認識していただけませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かに、今そのブレークダウンについては塩崎大臣が答弁したとおりでございまして、私もその認識の上で答弁をさせていただいているわけでございますが、私が先ほど答弁いたしましたのは、二十五歳から四十四歳の女性就業者で見ると十九万人増加をしていまして、また待機児童の多いゼロ—三歳の子を持つ親に絞ってみても六万人増加をしており、さらに平成二十七年四—六月期では十六万人増加をしているということでございますが、いずれにいたしましても、まさに子育ての世代のお母さんたちが、保育所に預けるお母さんたちにとって、またお父さんたちにとって預けられる環境をつくっていくことが大切であろうと。そのために、我々、二十万人、四十万人、更に十万人という形で保育所の受皿を増やしているところでございます。
○蓮舫君 加藤大臣、今総理が言った保育所の枠を五十万に増やす、そのことによって待機児童が確実に減少するという根拠は何ですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 待機児童、先ほど総理がおっしゃったように、整備をするとその分だけ当然その収容人数が増えるわけでありますけれども、またそのことが地域において、言わば潜在的な保育所に預けたいというニーズが顕在化をしていくということで、更なる、何といいますか、対応が必要になってきたと、これがこれまでのずっと対応だったというふうに思います。 しかしながら、今我々が考えているのは、各市町村からいろいろとお話を聞いた、その数字を踏まえながら、それに必要な整備をこれまでに更に上乗せして整備をしていこうと、こういうことでございます。
○蓮舫君 その収容人数が増える、でも、箱を増やしても働く人がいなければ機能しないという視点が全然ないんですよ。保育所は国が決める公定価格で収入が決まります。つまり、民間と違って利益率をアップすることができない。そうすると、支出の七割から八割を占める人件費を上げていくのが実に限られているという極めて難しい福祉施設なんです。 厚労大臣、保育士の有効求人倍率、全国平均、東京は幾つでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 保育士の有効求人倍率、二十八年一月でございますけれども、全国で二・四四倍、東京都では六・二四倍ということで、昨年に比べても高い水準となっているわけでございます。 このことについては、保育士として働く人数が毎年増加してきていることを考えると、待機児童解消に向けて従来にないペースで受皿を拡大していかなければならないということであります中で、より多くの保育人材が必要となっていることの主な理由だというふうに思います。
○蓮舫君 ありがとうございます。厚労大臣がおっしゃったように、全国平均で保育士の有効求人倍率二・四四、東京は六・二四。 加藤大臣、何でこれ、保育士、こんな絶対的な不足なんですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 不足というか、これをどう補っていくのかということ……(発言する者あり)いや、もちろん不足をしている現実があるということは私どもよく認識をしております。 そういう意味では、先般、十一月にまとめた緊急対策の中にも、保育人材を確保していかなきゃいけない、またそういう中では処遇改善も図っていかなければならない。また、それらを踏まえて、平成二十七年度補正予算、また当初予算でもそのための施策も展開させていただいているところでございます。
○蓮舫君 いや、確認させてください。保育士が絶対的に足りない理由は何だとお考えですか。
○国務大臣(加藤勝信君) それは、ライセンスを持っている方は、潜在的な保育士さんと言うべきでしょうか、はかなりいらっしゃると思いますが、そういう方を含めて、現実にそうした保育園で働こうと、そういう方が今の時点では少ないということだと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、主な理由としてはやはり処遇に課題があると、このように考えています。
○蓮舫君 そのとおりです、総理。賃金が低いんです、重労働なんです。何でこんな単純なことを大臣、答えられないんですか。
○国務大臣(加藤勝信君) ですから、先ほど申し上げた保育士確保の対策の中でも処遇改善ということは申し上げたところでございまして、そして今、処遇改善に関しては今回の予算対応の中でもさせていただきましたし、さらに、やはり今、実際、処遇というと一番なのは賃金ということになろうかと思います。 そして、これまでも、例えば平成二十七年度については子ども・子育て支援制度の中において三%の加算もさせていただきました。そういったものが実際どう現場の中でなっているのかというのを早急に調査をしてこの処遇改善についても検討させていただきたい、こう思っております。
○蓮舫君 私、親切に資料をその後付けていますので、お昼よく読んでいただいて、午後引き続き質問させていただきます。
○委員長(岸宏一君) 残余の質疑は午後に譲ることといたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十三分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(岸宏一君) ただいまから予算委員会を再開いたします。 平成二十八年度総予算三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き質疑を行います。蓮舫さん。
○蓮舫君 民主党の蓮舫です。 午前中の審議の、保育士が絶対的に足りない理由は賃金の低さだということを指摘をしました。資料に付けましたが、保育士資格を持ち求職する半数が実は保育士を希望しない。理由が賃金です。責任の重さです。問題は、この理由が改善されれば六割を超える人が保育士になりたいと希望しているんです。 一億担当大臣、加藤さん、なぜ一億活躍のために保育士処遇改善を緊急対策予算案に入れなかったんですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 御指摘のように、この委員御提出の資料でありますように、一番大きいのが、賃金が希望と合わない等々という理由が挙げられております。 今回の対策においても、やっぱり処遇改善ということは意識をしていたわけでありますが、ただ、処遇改善するというときに、今の現状がどうなっているのかというのをやっぱり認識しておかなきゃならないと思っております。そういう意味で、それを早急に調査を、今調査しておりますので、それを踏まえてこの処遇改善については対応していくと。 一方で、今やれるということで何があるかということで、確保対策、もう申し上げることもないと思いますけれども、修学資金等、あるいは今やめている方が改めて入る場合の支度金みたいな形のものなど、あるいは保育補助者等の支援策を入れさせていただいたということでございまして、処遇改善についてやらなくていいということではなくて、むしろやっていかなきゃならない、しかし、今どのぐらいの差が現実の今の段階であるのかということをしっかりと把握したいと、こう思っているところでございます。
○蓮舫君 まだ把握していなかったんですか。 今年度予算で保育士の人件費を一・九%、公務員並みに改善するとしました。月々幾ら加算しますか。
○国務大臣(加藤勝信君) 失礼いたしました。 二十七年分の人勧分で、保育士一人当たり月額六千円相当の増加になるというふうに計算しております。
○蓮舫君 私がいただいたデータでは月二千六百五十二円とありますが。
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、それはどちらからどういう形で入手されたデータでしょうか。申し訳ありません。
○蓮舫君 内閣府からいただいた人件費の改定額です。
○国務大臣(加藤勝信君) 失礼いたしました。 今の御指摘のやつは、本俸基準額、保育士の方が二十七年度改定後二千六百五十二円ということだと思います。加えて、私が申し上げた六千円というのは、それ以外にもボーナス等もございます。それをトータルして積算すると六千円と、こういう数字でございます。
○蓮舫君 保育士の平均月収、御存じですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 平成二十七年の賃金構造基本統計調査では、男女計で保育士は二十一・九万円と、こういうふうになっております。
○蓮舫君 平均月収が二十二万、そこに今回プラス一・九で六千円上乗せされる。でも、全産業計の平均は三十三万です。十万近く違うんですよ。だから、絶対的に保育士が足りない。 希望出生率一・八のために安倍総理は五十万人に箱物を増やすとしました。でも、箱を増やしても人がいなければ待機児童は解消されません。元々、社会保障に組み入れるメニューを三党合意で私たちは決めました。七千億消費税増税分、これ、総理、頑張っていただいて確保していただいています。でも、それ以外に時の政権は三千億を育児に確保する責任がありますが、去年聞いたときにはまだなかったと言いました。今年はどうですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この三千億円につきましては、これはまさに子育ての支援としてこうした保育士の待遇改善という考え方もあるでしょうし、また、我々は幼児教育の無償化ということを考えているわけでございまして、そうした様々な対策の中から財源を確保しながら進めていきたいと考えております。
○蓮舫君 いや、その幼児教育の無償化は自民党のマニフェストです。三党合意には入っていません。今言っているのは三党合意をしてメニューを決めた育児支援の三千億、政府がこれを集める責任がある。どこにありますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この三千億というのは、三党合意の中においては、まさに三党合意というのはあの法案を作るときに協議をして法案ができたわけであります。今はあの三党合意にのっとって税と社会保障の一体改革を進めているところでございますが、我々は連立与党の下、政策を進めてきているわけでございまして、その中におきまして、我々は与党としてこの三千億円の中において様々なメニューを考えている。これは確かに自民党のメニューではありますが、非常に重要なものと考えているところでございます。 その中から、それも、そのとき民主党の皆様は幼児教育の無償化ということについては選択肢として考えておられなかったかもしれませんが、我々は、この幼児教育の無償化も含めて、この三千億円の財源を得る中においてどういうメニューを、優先順位を付けてこれを進めていくかということについてはしっかりと考えていきたいと思います。
○蓮舫君 いや、もちろんメニューの弾力性があってもいいし、幼児教育無料化を新たに入れるんだったら三千億にプラスをしてもらいたいと思いますが、三千億はどこにあるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この三千億については、これはまさに一〇%に引き上げていくものの外でございますから、我々は、この財源を確保する中において進めていきたいと考えているところでございます。
○蓮舫君 いつ確保するんでしょう。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ですから、まさに確保することができ次第そうした政策を進めていきたい。今の段階で、いつ、どういう財源だということは申し上げることはできません。
○蓮舫君 去年聞いたときには来年頑張る、今聞いたら確保する、全部先送りじゃないですか。 この三千億、資料に付けていますが、法律に書いてあるんです。時の政権が安定財源を確保する、メニューも決まっている。このメニューは、先ほど来私が指摘をしている保育士の人件費を上げる、処遇改善、労働環境改善、最も必要なものなんです。なぜこれを先送りするんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 子ども・子育て支援については、平成二十七年度の補正予算や二十八年予算において、消費税率引上げ財源を活用した充実分を含めて公費ベースで七千億円の子育て支援の拡充を行い、幅広い支援を行っているところであります。 そしてまた、希望出生率一・八の達成に向けまして、御指摘の残りの三千億円超えの、保育の質の確保や幼児教育無償化の推進を含め、様々なメニューの中から何をやっていくべきかを考えながら安定財源を確保した上で取り組んでいきたいと、こう考えているわけでありますが、今回、例えば保育士につきましては、一旦保育士の仕事から離れている方々に対して、これ復職していただければ二十万円の準備金を出す、あるいはまた短大や専門学校に通っておられる方々に対して月五万円の、これは返済免除の給付金を出していくということもしておりますし、就業した際に就業に対しての一時金として二十万円を出す、そういう支援も行っていくことにしているところでございます。
○蓮舫君 復職したら手当をあげるといっても、賃金そのものを全産業計の平均並みに戻さないと、求職していても保育士の免許を持っている人は保育士にならないと言っているじゃないですか。だから、その周りを少しだけ補助するといっても根本解決にはならないんです。メニューを考えながら財源を見付けるんじゃないんです。財源を見付けてメニューを実現していくというのが私たちの考え方ですけど、全く違いますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、当然財源を見付けなければメニューは実施できません。今でも既にメニューはあるわけでありますが、あの三党合意をしたときも、三千億円というメニューはありますが、どういう財源ということはこれ決まっていないわけでありまして、七千億円分は、これは消費税を引き上げていく中において実行できる、我々は前倒しでこれを実行しているんですが。 ですから、あのときと同じように、まだ残念ながらこの三千億円ということについて財源が確保されていないわけでございますので、我々もこれからしっかりと議論をしていきたいと、こう考えているところでございますし、また、財源を確保し次第、今蓮舫委員がおっしゃっているこの待遇の改善が重要であるということは我々も十分に認識をしておりますので、そうした対応ができるように、財源を確保した上において実施をしていきたいとは考えております。
○蓮舫君 財源を確保するのは政府の責任です。確保するんだったらどんな協力も私たちはします。 ただ、メニューは決まっているけど財源はないというのを去年も言われて、今年も言われて、来年も言うんでしょう。非常に残念です。子供は育っていくわけですから、子供政策先送りされたら、困っている人たちは仕事を諦めざるを得ないと午前中も指摘をしました。 約束をしたことを先送り、約束をしていないことを実現する姿勢が安倍内閣は目立つんですが、例えば軽減税率、これ、なぜ行うんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 軽減税率をなぜ行うかということですけれども、これは、もう三党合意というのができましたときに、いわゆる複数税率というものを採用するに当たっては、複数税率を採用すれば必ず低所得者というものに対してのいろいろ影響が大きい、したがって、その対策として三つ出てきたうちの中で、給付付き税額控除、総合合算制度等々いろいろありましたけれども、我々としては、いろいろ制度上、低所得者に対象を絞ることは困難ですけれども、低所得者に対していろいろ、我々としては、幅広い消費者が商品の消費税負担を直接軽減できること、また痛税感等々を考えて、私どもとしては、この総合合算制度や給付付き税額控除に比べて軽減税率を取らせていただいたということであります。
○蓮舫君 痛税感を取り除くというのは同じ認識です。ただ、高所得者に恩恵があるのが軽減税率なんですね、今財務大臣もおっしゃっていました。OECD消費税グローバルフォーラムでも、軽減税率は低所得者支援の方策としては、対象者を限定した給付措置に比べると極めて非効率だと指摘をされています。私たちは、消費者が、低所得者が払い過ぎた消費税を戻す給付付き税額控除を主張していますが、時の政権が軽減税率を選んだ、それはもう仕方がないんです。 ただ、問題は、その軽減税率の財源に社会保障の充実として私たちが充てたいとしていた総合合算制度の財源四千億を使うことなんです。 済みません、厚労大臣、総合合算制度って何でしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) この総合合算制度は、三党合意を経て成立をした税制抜本改革法においても、給付付き税額控除や軽減税率と並んで、消費税率引上げに伴う低所得者対策、今お話がありましたが、検討事項の三つのうちの一つということでございますが、このため詳細な内容が固まっていたものではございませんでしたけれども、社会保障・税一体改革大綱によれば、制度単位ではなく家計全体をトータルに捉えて、医療、介護、保育等に関する自己負担の合計額、これに上限を設定するものというふうに理解をされているところでございまして、総合合算制度の実施には、家計ごとの正確な所得の把握とか自己負担額の制度横断的な把握が必要となるために、税制抜本改革法においても、この制度の導入にはマイナンバー制度の導入、定着が前提というふうにされていたというふうに理解をしております。
○蓮舫君 ありがとうございます。 家計を支える人が急に脳梗塞とか重い病気にかかる、あるいは介護や認知症など想定外のリスクに遭遇をする、そういうことが人生絶対ないとは言い切れないんです。リストラや賃下げリスクもあります。そうしたときに、介護保険料や医療保険料が払えなくなったときに、消費税の上げた分から四千億をいただいて、その困っている方たちに補助をしてあげよう、支え合いが私たちは社会保障の充実だと、それを決めました。 ところが、安倍内閣は、この四千億を高所得者にも恩恵の厚い軽減税率に使うと決めました。なぜですか。その方が国民が納得するという理由はどこにありますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは先ほど財務大臣から既に答弁をいたしましたが、三党合意の中において、この三つの中から選択をしていこうということであったわけでありますが、その中で我々は軽減税率を取ったわけでございます。 これは、税収、財源との関係もありまして全てを取るというわけにはいきませんから、我々はその中で軽減税率ということで一兆円ということにしたのでありまして、その中で、比較的これは言わば多くの方々が毎日消費をされる食品等々に対して軽減税率を充てていくということを決めたのでありますが、また、総合合算制度についてはそんな観点から今回は取らなかった。そしてまた、厚労大臣が答弁をしたように、マイナンバーが定着をしているということも総合合算制度においては必要であろう、所得や資産の把握が難しいといった問題もあるんだろうと、このように思います。
○蓮舫君 社保の充実じゃなくて、豊かな方に恩恵のある軽減税率に四千億を使う、それは政府の判断でしょう、私たちは反対ですけど。 さらに、六千億財源が足りないんですが、これはどこにあるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、まさにしっかりと政府の中において議論をしながら、政府・与党において安定的な財源を確保していく考えであります。
○蓮舫君 まだ財源のない六千億、それと三党合意で法律に書き込んで政府が準備する責任がある三千億、子育て支援です。どっちを優先しますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) この三千億というのは、これは例えば来年全てをやらなければいけないということではなくて、三千億の中において、財源を確保しつつ、その中のメニューにおいてできるものからやっていくということでありますが、この一兆円の軽減税率については消費税引上げと同時に行っていくことを既に決めているわけでございますから、当然、この残りの六千億については実施までに確保していくのは当然のことであろうと、こう考えております。
○蓮舫君 いや、結局、こうやって子供の予算って先送りされるんですよね。輝く女性と言いながら、それもどんどん下方修正されていって、口先だけ、そういうふうに国民が受け止めてしまうのが、どれだけ期待が失望に変わるのか、非常に残念です。 私たちは、約束もしていない、財源もない、高所得者に恩恵の多い軽減税率に消費税一〇%に上げたときに充てるというのは、これは認められません。 確認をしますが、総理、来年の春、消費税一〇%に引き上げるんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、従来申し上げておりますように、リーマン・ショックや大震災という事態が発生しない限り、予定どおり消費税を引き上げていく考えでございます。
○蓮舫君 前回総選挙のときには、消費税増税を先送りすると言って解散しました。じゃ、今の答弁だったら、そういうことはもうないということですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 解散は全く考えておりません。
○蓮舫君 アベノミクスは成功して地方の隅々までその恩恵が行き届いている、経済の基礎的条件は良いままだ、税収が増えていると総理は言われるんですね。その景況感は私とは全く真逆なんですけれども、総理が自画自賛する経済状況の中で残念ながら進んでいってしまっているものがある。それは、私は貧困だと思います。中でも子供の貧困。 分配の考え方が現政権と私たちは大きく違うんですが、子供の貧困、相対的貧困率は一六・三%で、OECDの平均より高い。一人親に限って見れば、子供の貧困は五四・六%、二人に一人の子供が貧困、この現実をどう見られますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 相対的貧困率につきましては、国民生活基礎調査というのとそれから全国消費実態調査という二つの数字があって、OECDには国民生活基礎調査というのが提出をされて計算をされているわけでありますけれども、この国民生活基礎調査では、二〇一二年のデータに基づくと、今先生がおっしゃったように、全体で一六・一、子供で一六・三ということで、一人親家庭で五四・六というふうになっておりまして、確かに、数字自体は今お示しのとおりでございますけれども、国内の所得の分布とか格差を表す指標の一つがこの相対的貧困率であるわけであります。 医療とか保育などの現物サービスが加味をされていないので、先ほど来お話が出ております保育の現物サービス、これが豊かか豊かじゃないかということは全く反映をされないということになります。そういう指標であって、その国全体の所得の水準などによって基準となる貧困線の額というのがまた変わってくるわけであります。このため、本来、経済事情や、社会保障制度が全く現物が多い、現金が多い、そういう国がそれぞれ子育てだけ取ってみてもあるわけでありますので、一律にこれだけで全部を判断するというのはいかがなものかというふうに思いますが、OECDの平均は一一・三%であります。 我が国の数字も、確かに低いものと高いものがいろいろ数値を見ますとありますけれども、しかし、傾向として見ると、やはり今御指摘のように、この数値自体は上昇を緩やかにしているということでありますから、ここはしっかりと見ていかなきゃいけませんし、それがために、私どもも年末に一人親家庭を中心としてどういうサポートができるのかというパッケージを発表させていただいて、虐待問題を含めて、子供の貧困問題と言われる様々な問題について我々としてもしっかり対応していかなきゃいけないというふうに考えているところでございます。
○蓮舫君 厚労省のその姿勢は賛同します。もっともっと足りないと思っているぐらいなんですが。 日本は、所得から税と社会保険料を引いて、児童手当とか、今、年金等、そういう現金、現物給付を含めて再分配した後の姿、見事に子供から現役世代はマイナスなんです。ジニ係数が上がっている。だから、特に子供の貧困を改善するために何が必要かというと、現金給付、これが最も効果が高いんですね。 今回、安倍内閣は児童扶養手当を増やす、この方針、大賛成です。これ、加算額、厚労大臣、幾らになるんですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 支援が必要な多子家庭に重点的にこの児童扶養手当をお届けするというのが今回の措置でございますけれども、特に支援が必要な経済的に厳しい状況にある低所得者については第二子以降の加算額が倍額となるものでございまして、具体的には、第二子加算、これは三十三万世帯でございますけれども、については約六割が、そしてまた第三子の加算については約八割が倍額となるということになるものでございます。
○蓮舫君 手当を倍額、聞こえはいいんですね。第二子五千円を一万円、第三子三千円を六千円。でも、ここはマクロ経済スライドを入れたり所得制限を入れて、全世帯に倍額にはなりませんよね。
○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃるとおりでございまして、これまで、多子加算につきましては所得制限というか所得に応じて逓減させるという仕組みは持っていませんでした。一人だけの四万二千円の場合には、これは一人であれば百三十万円を超えるとだんだん逓減されてきて、三百六十五万まで支払われるということでございましたが、今回の倍額にすることにつきましては、例えば二人の場合は百七十二万円から少しずつ減らさせていただいて四百十三万まで出ますけれども、そういう意味で制限は掛かるということでございますが、例えば第三子までおられると、これ四百六十万円までの所得の方に行くということでございまして、それぞれ、いずれにしても、多少逓減したとしても今よりは多くなるということでございます、はるかに。
○蓮舫君 第一子満額四万二千円に比べて第二子、第三子の児童扶養手当の額が低過ぎるから、だからこれまで所得制限を入れてこなかった。しかも、今進んでいるのは、そこのお子さんたちの二人に一人以上が子供の貧困状態になっているから、ここをしっかり現金給付で改善していこうという姿勢までは分かるんですが、でも、これを結局切ってしまって、第二子満額受け取れるのは六割、第三子満額受け取れるのは八割。 これ、全世帯に全額支給した場合、財源幾らでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) その場合には百五億掛かるということでございます。
○蓮舫君 この百五億が、財源が確保できなくて、貧困の子供たちの多い一人親家庭への児童扶養手当の倍額が削られていく。他方で、百五十億の予算で、総理の指示で国交省が三世代同居を助成すると決めました。これ、どういうものでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 希望出生率一・八の実現のためには、結婚、妊娠、子育ての希望をかなえる環境整備を推進していくことが必要であります。様々な世帯がそれぞれの暮らし方に応じた住宅を確保できるよう多様なニーズに応じた住宅政策を展開することといたしまして、三世代の同居など世代間の助け合い、大家族で支え合う生き方も選択肢として支援をしてまいります。 三世代同居住宅の支援措置は、三世代同居など複数世帯が同居しやすい住宅ストックの形成を促す住宅政策の観点から、いわゆる二世帯住宅仕様とするに当たり、割高になる工事費に対する支援を行うものであります。具体的には、複数世帯が同居する場合に一般的に行われる工事の内容として、キッチン、浴室、トイレ又は玄関のいずれか二つ以上が複数箇所となる工事を要件としております。こうした住宅は親世帯と若い夫婦世帯の同居を目的とするのが一般的でありまして、若い夫婦世帯が子育て中であるか子育て予備軍であることが多いと考えております。 以上でございます。
○蓮舫君 三世代同居で祖父母の育児支援が受けられる恩恵は否定はしません。ただ、もう一方のリスクとして、妻に育児と介護が押し付けられるということもこれは慎重に頭に入れておいていただきたいんですけれども、三世代同居、出生率一・八の政策ですから、祖父母世代、親世代、孫世代、三世代が同居している家への補助が要件ですか。
○国務大臣(石井啓一君) 世代間で子育てを支え合う在り方といたしましては、親と本人夫婦と子供という典型的な三世代同居の場合のほか、例えば出産を予定している夫婦の場合、おじ、おばなど他の親族と同居する場合等を含め様々なケースが考えられます。また、家族の構成や間柄、出産の予定や意思などはプライバシーに関わることから、慎重に取り扱うべきものと考えたところでございます。 このため、家族の構成や間柄などについては一律に要件とせずに、子育てしやすい環境づくりという観点から、三世代同居など複数世帯の同居に必要となる工事に着目して支援を行うこととしております。
○蓮舫君 家族の構成や間柄などについては特に要件とせず、つまり、三世代同居していなくても、二つのバスルーム、二つのキッチン、二つの玄関、新築・改築費用二百五十万円、助成するんですね。
○国務大臣(石井啓一君) 先ほどのパネルでちょっとお示しをしていただいていたと思いますが、建築・改修費最大二百五十万円というふうになっていますけれども、これは、省エネ改修ですとか耐震改修、長期優良化の改修分が二百万円で、三世代同居に対応する改修分は五十万円が上限でございます。
○蓮舫君 いや、私が聞いているのは、三世代同居を促すために百五十億円を使うわけですから、その工事の助成要件は三世代が一緒に住んでいるということですかと聞いているんです。
○国務大臣(石井啓一君) まず、百五十億円というのは、先ほど申し上げましたように、根っこが耐震改修ですとか省エネ改修の部分が多うございまして、そこに三世代同居分の改修費も加えて合計百五十億円ということでございます。 それで、要件をするのかどうかということですが、先ほど申し上げたように、世代間で子育てを支え合う在り方というのは、典型的な三世代同居以外にもたくさんございます。ただ、家族の構成や間柄や出産の予定や意思などはプライバシーに関わることから、これは慎重に取り扱うべきということで、外形的に三世代同居など複数世帯の同居に必要となる工事に着目して支援を行うこととしたところでございます。
○蓮舫君 つまり、三世代が住んでいなくても、トイレ二つとかバスルーム二つとか玄関二つ、新築、改築する世帯には補助のお金が流れるんですね。
○国務大臣(石井啓一君) 先ほど答弁したところでございますけれども、政策の効果をよく検証しなければいけないということから、この三世代同居の支援措置については、事後的に、この支援措置を利用された方がどの程度同居を実現されたのか、また本支援措置が同居を行うきっかけになったのかといった調査を行うなど、政策効果について検証を行っていく予定でございます。(発言する者あり)
○委員長(岸宏一君) 国土交通大臣。
○国務大臣(石井啓一君) 先ほども答弁したかと思いますが、家族の構成や間柄や出産の予定や意思などはプライバシーに関わることから、これを実施する段階でそれを確認するということは慎重に取り扱うべきものと考えております。 したがって、支援は、三世代同居など複数世帯の同居に必要となる工事に着目して支援をするということで、三世代同居であるということを本人から確認をした上でやるものではございません。
○蓮舫君 つまり、三世代が一緒に住んでいなくても、二世帯同居に新築、改築ができる豊かな方たちに百五十億を流すという予算、それと、本当に子供の貧困で困っている児童扶養手当の第二子、第三子加算、ここは百五億が足りなくて削られているんです。どっちが、総理、より現実的な今の国民の困っている方たちの声に応える育児支援の予算だと思われますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、相対的貧困率が安倍政権のときにアベノミクスでこれは悪くなっているということではないわけでありまして、それは、まだ安倍政権ができてからはその言わば調査はされていないわけでありまして、先ほどの御紹介いただいた資料は、これは二〇一二年、民主党政権時代の数値であるということは申し上げておきたいと思いますが、いずれにせよ、そうした数値の変化には目配りをしていきたいと考えております。 そして同時に、それと、掛かるお金と、百数億円とこの百五十億円という比較をしておられますが、この百五十億円の大半は、先ほど国交大臣が答弁をしたように、省エネ機能や耐震性等の向上に必要な予算でありまして、言わばその上に、その上にこうした三世代のための改修をしたものを乗せていくということでございまして、例えば二百五十万円助成する中の二百万円は今申し上げましたような省エネ、耐震性のため、これはまさに民主党政権のときに行ったものでありますが、その上に上乗せの五十万円でありますから、約五分の一程度であろうと思いますので、百五十億円ということではない。ここから、二百五十万円から導き出されれば、この五分の一ですから三十億程度ではないか。これは、正確な数字を今申し上げることはできませんが、二百五十万円の中の五十万円とすればそうだなということで申し上げたわけでございますが。 いずれにせよ、三世代住宅を造っていく中において、子育てをおじいちゃん、おばあちゃんと一緒に行うことによって女性も仕事に、お子さんをもちろん保育園に預ける、あるいはまたその後に両親に見てもらうということも可能になっていくということも含めて、我々、この三世代住宅ということも一つの選択肢として取り上げているわけでございます。
○蓮舫君 子供の貧困は、どの政権であろうとどの政党であろうと最優先で取り組むということは変わらないと思うんですよ。自分の政権でまだ数値が出ていないから、民主党政権の数字じゃないかという、そんなちっちゃいことを言わないでくださいよ、総理大臣が。事は大きな問題なんですから。 その上で、厚労大臣、ちょっとこれ教えてください。児童扶養手当、第二子、第三子加算することによって子供の貧困は何%改善されますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、子供の貧困率がどれだけ改善されるかということでございますけれども、一人親世帯の相対的貧困率は、先ほど申し上げたように五四・六%でありますけれども、今回の児童扶養手当の多子加算の拡充による一人親世帯の相対的貧困率の変化を貧困線の額が変わらないものとして機械的に試算をいたしますと、五四・六%から五三・七%、マイナス〇・九%と、こうなる試算が可能なわけでありますが、実際には、多子加算の増額によって所得水準が変化をします。 したがって、それによって貧困線の額自体も変化をしていくわけでございまして、この点は留意をしないといけませんし、また、そもそも、先ほど来申し上げているように、相対的貧困率というのは世帯ごとの可処分所得に基づいて計算をされるわけでございますので、先ほど来申し上げている現物サービスとか、それが反映されていないというようなこともありまして、さっきちょっとお話をまだ十分できなかったんですが、例えば、今回、年収三百六十万円未満の子供がおられる方々、一人親の方の場合には、今までは第一子が半額、そして第二子は満額払わざるを得なかったのが、ごめんなさい、逆ですね、第一子が満額で第二子が半額だったのが、今度は、第一子が半額で第二子は満額払わなくていいということにもなりますが、こういう現物が反映されないということも御念頭に入れていただければと思います。
○蓮舫君 前提は全部理解しています。 ただ、貧困率がどれだけ改善されるかとしたら〇・九%。これ、一〇%改善をするには幾らお金が掛かるか厚労省に試算してもらったら、第二子、第三子、一律三万円に児童扶養手当を上げて初めて一〇%の子供の貧困率が改善をされると。だけど、これやっぱり予算が掛かるんです、一千四百億。ただ、子供の貧困は、放置しておくと大人になっても抜けられない、その子供たちも貧困になるという連鎖があるから、私はこれは最優先の財源確保だと思うんです。 選挙の前に御高齢者に一人三万円、四千億ばらまくお金があるんだったら、こちらにお金を使いませんか、総理。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど私は、二〇一二年の数値であるということは、これは事実として申し上げたわけでありまして、これは、どの政党であろうと取り組んでいくことは大切であろうと。しかし、どの段階での数字かということは、これは小さなことではなくて、やっぱり大切なことではないかと、こう思っている次第でございます。 そこで、そこで今、塩崎大臣からも答弁をさせていただいた、言わば現物の支給がこれは入っていない。それはその国々のやり方があるわけでありまして、この相対的貧困率だけを見ていくよりも、日本でこれは行っている、例えば、もし生活保護になれば、これは医療費は完全に無料になるわけでありますし保育園料もこれは無料になっていくと。これは言わば現物の給付をしていくということになっていくわけでありまして、現物の給付が悪くて現金でなければならないということではないんだろう、これはうまく組み合わせていく必要があるだろうと、こう思っているところでございまして、教育費に対する、あるいは幼児教育の無償化に向けての努力についても、今、塩崎大臣から答弁をさせていただきました。 こうした形で少しずつ、少しずつというか、財源を確保しつつ対応していきたいと、このように考えております。
○蓮舫君 考え方が違うなと改めて今思いました。 先ほどこれ厚労大臣から御紹介をいただきましたけれども、厚労省が主に行ってきた子供の貧困対策のプロジェクトを一括してまとめて進めていく、いい取組だと思います。それを一億総活躍担当相がまとめてボトムアップしていく。 加藤大臣にお伺いします。一億総活躍会議でこのプロジェクトの実効性を高める、何を行うと決めましたか。
○国務大臣(加藤勝信君) 子供の貧困対策として、ひとり親家庭・多子世帯等自立応援プロジェクトの内容を着実に推進するとともに、その実効性を高めるため、民間資金による基金の活用や地方公共団体等を通じた支援を行うと、こうされているところでございます。
○蓮舫君 ありがとうございます。 今おっしゃった二つ、地方の公共団体、それを支援する、つまり公共団体と地域企業とNPOとの連携を促すそのプロジェクトには二十四億円が措置をされました。ところが、実際に貧困の子供たちを助けるための活動をしているNPO等には国費はゼロ円です。何でここ国費入れなかったんですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 一つは、今回、この子供の未来応援基金というものを設立させていただいて、民間の寄附を集め、それによってよりきめ細かい対応をしていこうということで、そうした基金の設置を求めているところでございます。 政府においても、今回の基金の中に、失礼、交付金においても、地方においてまず実態を把握していただく、計画を策定していただく、あるいはコーディネーターをつくっていただくとともに、また、いろんな施策をつくっていただくことも念頭に置かせていただいているところでございます。
○蓮舫君 何で国費がゼロなんですかと質問させていただきました。
○国務大臣(加藤勝信君) さっき申し上げましたけれども、地域子供の未来応援交付金というのを予算で計上させていただきました、二十七年度補正予算でありますけれども。その中においても、地域において計画を策定し、体制整備を前提として、地域の資源を生かした先行的なモデル事業、これをやっていただける場合には、そういったものもこの地域子供未来の応援交付金ということで対象とさせていただいているということでございます。
○蓮舫君 いや、今の説明は上の事業の説明です。私は、下の事業が何で国費ゼロ円なんですか。 いいですか。今、子供の貧困というのは本当に深刻になってきて、自治体も取り組んでいますけれども、民間が頑張っているのは子供食堂ですよ。食べられない子供が、御飯が食べられない子供が出てきている。それを支援する、大事なNPOの活動を支援しようという、その視点はいいんですけれども、何で国費がゼロ円なんですか。
○国務大臣(加藤勝信君) そこを御説明いたしましたが、今、上の方でもそういった対応は考え得る中身になっております。下の方は、逆に言うと民間資金ということでより弾力的に活用していただく、そういう意味から民間資金による基金ということにさせていただいているところでございます。
○蓮舫君 民間資金の弾力性というのは、これは否定しません。どうしても国のお金だと、こっちには使えるけれどもこっちには使えない、貧困の子供には使えるけれども、そこにそうじゃない世帯の子供がいると使えないという部分もありますから、それは否定はしません。 ただ、この民間基金で五年間のモデル事業、モデル地域をつくっていく。民間資金は安定財源ですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 御指摘のように、これからどれだけの寄附金が集まるか、そういった中身によって事業のボリューム感あるいは中身は変わっていくんだろうと思います。
○蓮舫君 安定財源じゃないんですよ。国費がゼロで民間資金頼みで、お金が集まったらできる、集まらなかったらできない、こんなあやふやな財源でどうやって一億総活躍で子供の貧困対策を高めようとしているんですか。 最新で幾ら集まっていますか。
○国務大臣(加藤勝信君) 二月二十八日時点では一千九百四十九万円でございます。これは決して十分でないというふうに認識しておりまして、いわゆる経団連等にも基金の協力について具体的な相談をさせていただいて、前向きな検討もいただいております。 また、先般、イトーヨーカドー等も御自身のやっておられる寄附の通年募金の中にこれを一つ入れていただけるということで、そういった取組も進んでいるところでございます。
○蓮舫君 増えました。有り難いことです、千九百四十九万。やっぱり子供の貧困を何とかしたい、社会的貢献をしたい、大変尊い思いで寄附をいただいている、これはもう本当に有り難いことです。 ただ、そのお金の使われ方なんですが、次を見てください。一千九百四十九万円を集めるために既に二億円以上を、税金で広報活動が使われています。去年は、大手広告代理店に調査、ポスター、リーフレット制作、二回百五十人規模のフォーラムをするので、それで六千五百万円、ウエブ制作、ホームページですね、それに三千万円、そしてそこにネットで、インターネットの広告をするので七千万円、これに二億円使う。民間基金募るんだったらこの二億円を基金に入れればよかったじゃないですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 広報は、子供未来応援国民運動というのがございまして、趣旨としては、貧困の連鎖によって子供たちの将来が閉ざされることは決してあってはならない、子供たちと我が国の未来をより一層輝かしいものとするため、今こそ国民の力を結集して全ての子供たちが夢と希望を持って成長している社会の実現を目指していこうという、こういう趣旨で行われておるわけでありまして、そういう意味での国民運動、そういったことに対する広報啓発、そういったことを含めているわけでありまして、これ自身、単に基金に対する募金集めというのみ、広報はですね、のみだけではなくて、今申し上げた広報啓発活動等に使っている費用でございます。
○蓮舫君 行革担当大臣、このお金の使い方、適切ですか。
○国務大臣(河野太郎君) 済みません。その予算については行革でまだ見ておりません。
○蓮舫君 適切だと思われますか。
○国務大臣(河野太郎君) 一つ一つ調べないでお答えするのは差し控えたいと思います。
○蓮舫君 閣外にいたときの行革担当大臣が懐かしく思えます。非常に残念です。 総理は、今年一月二十一日決算委員会で、もう少したてば数億円のお金が入ってくることは間違いないと断言しました。力強いです。どこにいつ幾ら入ってくるんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今は経済界と交渉中でございまして、その結果、必ずしっかりとした額が入ってくるものと期待をしております。
○蓮舫君 根拠はありますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいまは交渉をしている最中でございますが、その交渉をしている中において我々の要望は出しているところでございます。
○蓮舫君 子供の貧困対策にちゃんと取り組んでくださる、一億総活躍でそれをしっかりと実効性を高めようとしてくださる、全て賛成です。でも、中身を見たら、こんなお金の使い方をされて、頼みは民間の善意の寄附。数億円入ってくると総理自体が言っているけれども、今の答弁では期待しているという話です。国費でちゃんと担保をしないからこういうあやふやな財源のない子供の貧困対策になる、それが私はまさに政府の姿勢だと思うんですが、一方で、安倍内閣はこれまで国費の基金をとにかくつくってきました。そこに潤沢にお金を入れてきました。 これ、去年も麻生財務大臣と議論をしましたけれども、発足直後の補正で一・六兆、二十五年度補正二・五兆、二十六年度補正で二兆、もう今の子供の貧困対策のレベルが違う額が基金に積み上がっているんですが、安倍内閣になった二十四年補正、二十五年補正で十一の基金を新設しています。ここに二年間で五千八百億円の税金を入れました。使い切りましたか。
○国務大臣(麻生太郎君) 各省庁が公表しています基金ルートによりまして、御指摘のありました、多分それは十一じゃなくて十二だと思いますけれども、十二基金のうち……(発言する者あり)でしょう、十二基金のうち経産省所管の五基金につきましては、平成二十四年度補正で三千五百八十億円を計上、これらの基金から二十六年度末までに五百四十八億円を支出、また二十七年度には一千六百四十七億円を支出する見込みである一方、二十六年度から二十八年度までの間に一千四百二十七億円がいわゆる国庫返納する見込みであります。 農林水産省、五基金でありますけれども、平成二十四年度補正で百九十八億、これらの基金から平成二十六年度末までに九十六億円支出、平成二十七億で二十億円支出する見込みである一方、二十六年度から二十八年度までの間に八十三億円を国庫返納する見込み。 国交省所管二基金につきましては、二十四年度補正で三百五十億、二十五年度補正で一千六百億を計上。これらの基金から、平成二十六年度末までに二百二十六億円を支出、また平成二十七年度に五百二十億円を支出する見込みである一方、平成二十七年度の間に七百五十億円を国庫返納するということになっております。 個々の基金の状況につきましては、各省庁大臣に直接お尋ねいただいた方がいいと思います。
○蓮舫君 二十四年度補正で組んだものを二十七年度に使ったと堂々と答弁しないでください。財政法では年度内消化なんですよ。補正予算というのは緊要性があるから組めるんです。麻生大臣は、去年、緊要性というのは、年度内じゃなくて年度初め、例えばその翌年度の四月、五月に必要があるから、そこまでは緊要性だと答弁しましたけれども、調べました。 二十四年度補正でつくった基金で二十五年度の四—六月期で使われているのは、十一基金のうち平均で〇・〇六%です。ほとんど要求がなかったんですよ、しかも、需要が、五千八百億積んで、四割の二千三百億が国庫に戻ることになりました。さっき話したのは子供の基金、千九百万の話ですよ。こっちはもう億単位、数千億の話です。しかも、この二千三百億はフローです。出して、使わなくて戻した。 だったら、これをまた来年度の予算額に計上するんではなくて、しっかりと安定財源で確保すれば子供支援の三千億、総理、これ準備できるじゃないですか。こんな回転な、出して入れて出して入れてじゃなくて、それをしっかりと子供のために確保する努力をなぜしていただけないんですか。
○国務大臣(麻生太郎君) これはその時々の判断によるところなんだと思いますが、おっしゃる意味はよく分かるところですけれども、各省庁からの予算の要求というものに対応して、私どもはそれに対応してまいりますので、その使用の内容について問題があると、問題があるから返納させておるわけですから、私どもとしては、そういったことは次のときの予算要求のときに、よくよく検討してもらわぬと、こちら側としても、査定としては、前回返納しましたね、覚えておいてくださいよ、その返納分だけ今回また返納なんということはないでしょうねというような話をきちんと使わせていただきたいと思っています。
○蓮舫君 いや、返納させているからいいじゃないかと、そう開き直られても困りますよ。査定の段階でもっと厳しくしろと、しかも、そのお金をまた来年度の予算に入れるんじゃなくて、そこは政府として〇・三兆確保する、子供予算に手当てをするのが私たちの考え方だということは伝えさせていただきます。 次のフリップなんですが、子供の貧困というのは、一番大きいのは教育格差です。それが結果として、自分のスキルにもつながって仕事の格差にもなる。 これは非正規と正規の有配偶率、つまり結婚している人の比率です。二十五歳から二十九歳の男性、非正規の場合には結婚しているのが一三%、正規の場合には三一%。三十歳から三十四歳はもっと開きます。結婚している非正規が二三%、正規の人が五七・八%。職の待遇が結婚格差にもつながって、当然これは収入格差にもつながって、子供の貧困の連鎖になって、教育格差のみならず栄養格差にもなる。だから、やっぱりここはしっかりと私は対応しなければいけないと思う。 安倍総理は、衆議院の答弁を見ていても、例えば無利子奨学金を増やした、いいことだと思います、一万人増やす。でも、今、有利子奨学金を持っている人って八十八万人いるんですよ。昨日出た民間の調査、奨学金を返済している若者の三割がローンがあるから結婚ができないと答えている。こんな切ない声が出てきているんです。 あるいは働き方にしてみても、生涯派遣とか裁量労働制とか、ずっと低賃金で働けるようにする人を増やす労働政策はそろそろ変えた方が次の世代の貧困改善に私は有効だと思いますが、いかがですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、私たちの経済政策によって、正規雇用においても、これは有効求人倍率、正規の有効求人倍率は過去最高となっているわけでございますし、長い間ずっと減ってきた正規雇用自体がこれ増加したわけでございます。 これは、言わばその分母となる労働生産人口が百三十万人これが三年間で減っている中においてこれを増やしていくというのは、絶対数で増やしていくということは大変なことでありますが、正規社員が増えている。また、今後、同一労働同一賃金ということにもしっかりと踏み込みながら、今、正規で、不安な思いで働きながら正規へ何とか変わりたいという思いの方々の希望がかなうような政策を進めていきたいと考えております。
○蓮舫君 これ、日本財団が昨年十二月に衝撃的な試算を公表しました。 今の六人に一人という貧困、特に子供の場合には、一人親家庭の場合には二人に一人という貧困を放置した場合に、現在十五歳の子供一学年だけ、その一学年だけを切り取って、その子たちが大人になって六十四歳になったとき、格差、貧困を放置した場合と、教育、進学、就学支援を行って格差を是正した場合、生涯所得は二・九兆円の差が出る、税と社保負担は一・一兆円の差が付くことが分かりました。一学年の今の子供の貧困を放置しただけでこれだけの額です。もっと大きな子供の貧困を放置したら、社会的損失は本当に想像ができないぐらい大きく膨らみます。 私は、安倍内閣の、経済成長がいいんだ、大企業がトリクルダウンを引き起こすんだ、それも一つの考え方でしょう。でも、今、世界的には格差是正は経済成長を邪魔しません。むしろ、格差を取り除くことが経済成長であり、将来の税と社会保険料の収入増につながる。思い切って考え方を、再分配の考え方を変えていただきたいということを強く申し上げ、私の質問にします。 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で蓮舫さんの質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、大塚耕平君の質疑を行います。大塚耕平君。
○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚でございます。 本題に入る前に、総理に、甘利前大臣の問題についての所感を、感想を一言お伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国会議員、政治家、これは政府にある者も、与党、野党に限らず、しっかりと自ら襟を正していく必要があるわけでございまして、そうした疑いを掛けられたときには説明責任を果たしていくことが大切であると考えております。 甘利大臣が辞任に至ったことは、極めて遺憾なことであります。もちろん任命責任は私にあるわけでございまして、しっかりと国民の期待に応え、責任を果たしていくことによってこの任命責任を果たしていきたいと、こう考えているところでございます。
○大塚耕平君 甘利前大臣は、辞任の記者会見の席において、逃げも隠れもしないのでちゃんと説明するとおっしゃいました。総理は、甘利前大臣は国会に出席をして説明をされるべきだと思われますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 甘利大臣は、辞任の際に、自ら記者会見を開き、その段階で承知をしておられる事実についてつまびらかに御説明をされたと、このように承知をしておりますが、新たな状況が分かり次第説明すると、このように約束をしておられますから、約束を果たしていかれるものと考えております。
○大塚耕平君 約束を果たしていただけるものと思うと今総理がおっしゃいましたので、委員長にお願いを申し上げます。 甘利前大臣におかれては、予算委員会に御出席いただいて、参考人か証人のお立場でつまびらかにしていただくことを理事会で御検討いただきたいと思います。
○委員長(岸宏一君) 後刻理事会において協議いたします。
○大塚耕平君 それでは、今日は、通告させていただいた内容に沿ってお伺いをしますが、憲法問題から入らせていただきたいと思います。 総理は、在任中に憲法改正をしたいというふうにお考えでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 憲法改正については、自由民主党は今年で立党六十一年を迎えるわけでありますが、立党当初から党是として憲法改正を掲げているわけでございまして、私は、当然、自由民主党の総裁であり、さきの総選挙でも訴えているわけでございますから、それを目指していきたいと、こう考えております。
○大塚耕平君 もう一度お伺いします。 在任中に憲法改正を成し遂げたいとお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) しかし、この憲法改正については、衆議院、参議院それぞれ三分の二の多数がなければ発議もできないわけでございまして、我が党だけでこれは三分の二それぞれ獲得することは、ほぼこれは不可能に近いんだろうと、こう思っているわけでございまして、そういう意味におきましては、自民党だけではなくて、与党、そしてさらには他の党の方々の御協力もいただかなければそれは難しいんではないかと、こう思っております。 私も、私の在任中に成し遂げたいと、こう考えておりますが、これは、まさにそういう状況がなければこれは不可能であろうと、このように考えております。
○大塚耕平君 憲法について有意義な議論をするためにも、自民党さんの改正草案、私も読ませていただきました。小川議員との質疑も聞かせていただいておりましたが、あえてお伺いします、大変興味深い草案ですので。 草案において自衛隊を国防軍と呼び変えていることの真意は何でしょうか。そして、自衛隊と国防軍の違いは何かを教えていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほども申し上げたんですが、私はこの場に内閣総理大臣として立っておりますので、この我が党の草案の一々について解説するのは控えさせていただきたいと考えております。
○大塚耕平君 それでは、中谷大臣にお伺いします。 自衛隊と通常の軍とは何が違うんでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 自衛権という問題がありますけれども、憲法草案におきましては自衛権の規定を追加をしております。これは従来の政府解釈によっても認められておりますが、主権国家ですね、これの自然権としての自衛権を明示的に規定をしておりまして、この自衛権は国連憲章が認めている個別的自衛権、集団的自衛権が含まれているということは言うまでもございませんが、この点が曖昧であったということで、はっきりとこれで自衛権を規定をするということでございます。 そして、軍ということにつきましては、世界中どこを見ても、都市国家のようなものを除きまして、一定規模以上の人口を有する国家で軍隊を保持していないのは日本だけでありまして、独立国家がその独立と平和を保ち、国民の安全を確保するための軍隊を保有するということは世界では現代では常識でございまして、そういう意味でこの国際的な標準に合わすという意味がございます。 こういった名称につきましてはいろんな意見が出たわけでございますけれども、最終的に多数の意見を勘案して国防軍としたわけでございます。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、大塚委員は、いわゆる軍隊と自衛隊はどこが違うかということについて聞かれましたのでそこを申し上げますと、これは必要最小限度に限られるということと交戦権がないということをもってこれは軍隊ではないということになっているわけでございますが、しかし、海外からは自衛隊は軍隊として扱われているということは申し添えておきたいと思います。
○大塚耕平君 もう二、三お伺いします。 現行の第十三条の個人というところを人というふうに草案では呼び変えられたことについては、何か意味があるんでしょうか。総理にお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは一々お答えすることは差し控えたいと思いますが、今のところでございますので、それはさしたる意味はないというふうに私は承知をしております。
○大塚耕平君 いや、これ議論を深めるために可能な範囲で御答弁いただきたいんですが、例えば第十九条、思想、信条の自由はこれを侵してはならないというのが現行憲法ですが、自民党さんの草案では、思想、信条の自由を保障するとなっています。誰が誰に対して保障するんでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど申し上げましたように、今、私はここに内閣総理大臣という立場で立っておりますので、それを閣法として出すのであれば私もお答えをさせていただきますが、まさに党としての立場を示していることについては、そのために、そのために憲法審査会ができましたので、そこで我が党の議員とちょうちょうはっしのやり取りをしていただきたいと、このように思います。
○大塚耕平君 審査会で議論したくても、審査会に必ずしも適した方ばかりではない御発言が審査会で起きておりますが、その件について総理の御感想をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 審査会は、まさに日本の憲法について、新たな、新しい憲法について議論する場でございますので、格調の高い議論が求められるのではないかと、このように思います。
○大塚耕平君 総理のこの憲法問題、特に草案についての御発言のスタンスは重々今朝からのお話で理解はしておりますが、もう一点だけお伺いします。 現行憲法の九十七条、基本的人権は侵すことのできない永久の権利であるという条文を削除しておりますが、これはどうしてでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) これは、私、憲法、自民党の事務局長をしておりましたけれども、このQアンドAにその理由等を書いておりますが、十一条、憲法十一条で基本的人権の規定をいたしておりますので、これと内容的に重複をするものでもあるというようなことでこの条規を削除をいたしまして、改めて十一条の規定を重視をしたということでございます。
○大塚耕平君 中谷さんの方がかみ合う議論をしていただけそうなので、中谷さんにお伺いしますが、草案には知る権利は入っていますか。
○国務大臣(中谷元君) 一応、自由民主党は長年の議論をまとめた形で草案というものを提案しておりますが、これはあくまでも国民的に皆様方に憲法を考え議論をしていただく、また、各党とも議論をする必要があるということで提示したものでございます。 やはり国民の権利義務につきましては、現行の憲法が制定されてからの時代の変化に的確に対応するために国民の権利の保障を充実していくということを考えまして新しい人権というものを幾つか設けたわけでございまして、そういう人権の中で、個人の情報の不当取得の禁止、また国民への説明の責務、また環境保全の責務、また犯罪被害者等への配慮などにおきまして国を主語とした人権規定としているわけでございます。 突然の御質問でございますが、その内容等につきましてはこのQアンドAに書かれておりますが、正しい説明につきましては、これは党が考えてこれからいろいろと主張するわけでございますので、党の代表者を通じてお話を伺っていただきたいと思います。
○大塚耕平君 いや、党の体質が当然政権の運営姿勢につながっていくわけですから、だからこの問題をお伺いしているんです。 知る権利は草案には入っていないんですよ。それで、QアンドAを拝読しました、私も。いや、すごいですよ、解説は。知る権利を含むこれらの人権は、まだ個人の法律上の権利として主張するには熟していないと書いてあるんです。こういう理解でよろしいですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 中谷大臣は防衛大臣としてこの場にいるわけでございまして、先ほど申し上げましたように、一々逐条的な解説あるいは議論におきましては、まさにそうした議論を、我が党は示しておりますから、それぞれの党が示していただきながら、憲法審査会での御議論、そのために憲法審査会をつくったんですから、この場はまさに予算の議論ではないのかなと、このように思う次第でございます。
○大塚耕平君 この知る権利の問題はほかの問題とも関係が深いのでこの後質問をさせていただきますが、憲法について最後ですが、来年度の当初予算案において憲法改正をめぐる何か調査等の予算項目は計上しておられますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、憲法に係る調査等に関する経費だけに充てられるものとして計上されているものはないわけでございますが、例えばこれ、衆議院、国政調査活動費四億九百四十九万円、議員旅費三億一千五百六十一万円、証人等旅費の千八百万円の中に、これ中に含まれている、これ全部、衆議院の全部の中で。 参議院の場合は、国政調査活動が二億四千九百六十五万円、議員旅費が一億六千九十七万円、証人旅費一千十八万円、この中に含まれているということでございます。
○大塚耕平君 ということは、それらの予算項目を活用して憲法改正に向けた何がしかの行政としての、あるいは政府としての行為も行う可能性があるという理解でいいですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今のは行政府の予算ではございません。これは全て衆議院、参議院、立法府の予算でございます。
○大塚耕平君 了解いたしました。 それでは、その知る権利との関係でお伺いをいたしたいと思います。 我々は特定秘密法には反対の立場でございますが、施行されてしまいましたので、情報監視審査会が実際に去年からスタートしております。昨年の情報監視審査会への提出資料の作成、同審査会からの資料要求への対応に政府はどのような体制、手続で対応しているのか、所管大臣にお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(岩城光英君) 担当の国務大臣としてお答えをさせていただきます。 情報監視審査会は、行政における特定秘密の保護に関する制度の運用を常時監視するための特定秘密の指定等の状況についての調査等を行うものであります。そこで、情報監視審査会に提出する資料の作成、同審査会への資料提出等については、各行政機関に対して行われ、各行政機関において対応しているものでございます。さらに、特定秘密の指定等の適正を確保するための事務の公正かつ能率的な遂行を図るため、内閣に内閣保全監視委員会を設置して、これを適宜開催しております。 私としましても、特定秘密の保護に関する制度に関する事務を担当する国務大臣として、法律の適正かつ円滑な施行に今後も努めてまいりたいと考えております。
○大塚耕平君 参議院の事務総長にお伺いをします。 昨年の審査において、特定秘密指定の適否を判断するために情報開示を求められたものがありましたでしょうか。
○事務総長(中村剛君) お答えいたします。 昨年、情報監視審査会において提示要求を議決し提供を受けた特定秘密は以下のとおりであります。 まず、十一月二十六日に内閣衛星情報センターに委員派遣を行い、現地において内閣衛星情報センターが収集した画像情報等の提示を受けております。次いで、十二月三日の審査会において、警察庁から平成二十六年までに得られた国際テロリズム関係情報等を、また、外務省から平成二十六年に外国の政府から提供のあった情報を、また、防衛省から航空自衛隊が保有する戦闘機の性能に関する情報をそれぞれ提供を受けております。 以上です。
○大塚耕平君 適否を判断するために情報開示を求めるという行為自体が否決された事案はありましたでしょうか。事務総長にお伺いします。
○事務総長(中村剛君) お答えをいたします。 昨年の十二月の二十二日になりますけれども、一部の委員から、これは情報監視審査会のことでありますが、一部の委員から、国家安全保障会議及び警察庁の特定秘密各々一件、合計二件でありますけれども、その特定秘密の提示要求の動議が提出されてございます。 その動議に対しては、反対討論、賛成討論が行われた後に採決の結果、同動議は否決されて、結果的に提示を要求するに至らなかったという事例がございます。 以上です。
○大塚耕平君 総理、ひもを結ばれながらでも結構なんですが、結局、審査会で適否を判断するために資料を開示して見せてくれたら、それは秘密会ですから、適とすれば秘密のままにする、そういうことを審査するためにこの審査会はあるにもかかわらず、審査会がその適否に疑義があるから資料を開示を要求することすら議決で否決されるという、このことについて議会人としてどう思われますか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、まさにルールの中において、院において判断をされたのだろうと、このように思います。
○大塚耕平君 しかし、国権の最高機関たる議会の、しかも秘密会として設営をされた審査会がこういう状態では、国民の知る権利にとって大きな障害になると私は思いますけれども、もう一度お伺いします、いかがお感じですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私は今、行政府の長としておりますので、立法府でお決めになったことについて論評することは差し控えさせていただきたいと思います。
○大塚耕平君 私は、さりながら、議会には当然御党の議員の方もいっぱいいらっしゃる中で、御党のお考えが議決にも当然反映をされているものというふうに私は思います。したがって、御党御自身が、国民の知る権利、国民に対する情報公開に対してどういう体質を持った党であり、そして政権なのかということを今お伺いしているわけであります。 それとの関係で防衛大臣にお伺いします。 前国会で、安保特別委員会で私が、防衛省規格目録掲載物品のうち、他国へ提供可能かどうか可否を分類した資料を当時の委員会の委員長に要求をし、提出するということになっておりましたが、どうなりましたでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 昨年の八月十一日の参議院の特別委員会におきまして大塚委員の方からこの要望がございまして、理事会で協議事項とされております。 それにつきまして、御要望におきまして、この資料の内容等で四千以上の非常に多い多様な物品が掲載されておりまして、その一つ一つの提供の可否について精査を行うために膨大な時間を要したということでございます。この委員会の理事会が最後に開かれたのが昨年の九月十七日でございましたので、この十七日までの間に提出までには至らなかったということでございます。
○大塚耕平君 それは今後の審議にも当然役立ちますので、提出していただけますか。
○国務大臣(中谷元君) それにつきまして、今日、予算委員会でございますが、理事会等から御指示がありましたら、所要の検討を行った上で適切に対応させていただきたいと思います。
○大塚耕平君 いや、ちょっと今の答弁は承服しかねるんですが、特別委員会の中で理事会協議となり、提出しますと防衛省担当官から言われて私はずっと待っていたわけであります。だから、予算委員会の委員長の御指示がなくても提出をしていただけますね。
○国務大臣(中谷元君) 委員会そのものがなくなってしまったわけでございますが、御要望がありましたら、所要の検討を行った上でなるべく速やかに提出をさせていただきたいと思います。
○大塚耕平君 その資料を開示していただかないと、来年度予算案に例えば他国に提供が否とされる品目が例えばどのぐらい計上されているかとか、そういうことを我々は予算チェックしようがないわけですよ。 もう一回お伺いします。もうこれは提出すると当時の防衛省審議官がおっしゃって、待っていたわけでありますので、提出していただけますね。
○国務大臣(中谷元君) その本体の特別委員会がなくなってしまったわけでございますが、改めて御要望がございました。 したがいまして、予算委員会から御指示がありましたら、所要の検討を行った上で適切に対応させていただきたいと思います。
○大塚耕平君 それでは、委員長に、今の事案は十分御理解いただけているものと思いますので、予算委員会としても要求をしていただきたいと思いますが、私は当然予算委員会の要求がなくても提出していただけるものと思っております。 委員長にはよろしくお取り計らいいただきたいということをお願いしつつ、大臣にもう一回お伺いします。予算委員長の別に御指示がなくても提出していただけるということでいいですね。
○国務大臣(中谷元君) 原則といたしまして、委員会の要望がありましたら委員会に提出するということでございますが、その委員会がなくなってしまいました。改めて大塚委員から御要望がありましたけれども、これまでの経緯も含めまして、御要望があれば、所要の検討を行った上でなるべく速やかに提出をさせていただきたいと思います。
○委員長(岸宏一君) 委員長に要求するわけですか。 どうぞ、大塚耕平君。
○大塚耕平君 委員長にもちろん要求します。で、予算委員会として処理していただくのはそれで結構なんですが、大臣に、それに至らずとも御提出いただくのが本来の筋ではないですかと聞いているんです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、平和安全法制の特別委員会において、大臣がその平和安全法制特別委員会の要望において提出をするということでございました。しかし、その委員会がなくなっていて、今この予算委員会で質疑をしているわけでありまして、この予算委員会の質疑に必要だというのが大塚耕平委員の御趣旨だろうと思いますので、委員から、委員会から、恐らく理事会で議論されるんでしょうけれども、そこから要請されれば、当然政府としてはその義務を果たしていくということでございます。
○委員長(岸宏一君) 後刻理事会において協議いたします。
○大塚耕平君 いや、総理、事はこれで決着という簡単なことではなくて、知る権利との関係でこの質問をさせていただいているんですが、あの安保特別委員会も、審議に必要だから出してください、分かりました、出しますと言った資料を出さないまま強行採決をやったということを私はお伺いしているんです。 これは、やはり国会の審議に対して余りよろしくない対応だと総理は思われませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはまさに委員会において判断をされたんだろうと。恐らく委員会において議論が熟したということで採決に至ったと、こういうふうに私は承知をしております。
○大塚耕平君 聞いていただいている国民の皆さんの御判断にお任せをしたいと思いますが、知る権利はまだ国民に保障するに足る権利として熟していないという解説を公にしている御党のお考えがどういうものであるかということについては、しっかりと理解をさせていただきたいと思います。 その上で、消費税についてお伺いします。 私どもは、軽減税率導入を前提とした消費税率の再引上げには反対ということを二月二十三日に党として機関決定をいたしました。総理は、引き続き消費税率は一〇%に引き上げる方針で変わりはないということでよろしいですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) リーマン・ショックあるいは大震災の事態が発生しない限り、消費税を引き上げていくという考え方に変わりはございません。
○大塚耕平君 一部では、軽減税率導入をやめるためにも、消費税率再引上げを断念して三方一両得みたいな話にしようという説も流れておりますが、そういうことはないですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 三方一両得というのは何か非常にいい話のようでございますが、そんな話は私まだ聞いたことがございません。
○大塚耕平君 分かりました。 繰り返しですが、私どもは二月の二十三日に党の方針として今の状態では消費税率の再引上げには反対という立場を明確にさせていただきましたので、その前提でお話をさせていただきます。 先ほども財務大臣から御答弁がありましたが、税制抜本改革法第七条に明記された三つの低所得者対策のうち軽減税率を選択した理由を改めてお伺いします。
○国務大臣(麻生太郎君) この軽減税率制度というのは、そもそも制度上、複数税率というものを採用ということにいたした場合は、低所得者というものに何らかの対策を講じる必要がある。いわゆる低所得者層にいわゆる負担が大きいということであるので、私どもとしては、三党合意で三つのいろいろな選択肢が出されたんだと記憶をいたしますけれども、私どもはその中で軽減税率制度というものを採用させていただきました。 これは、御存じのように、低所得者というものに絞るということは、効率的にというか、なかなか困難であるということはもうはっきりしております。しかし、日々の生活において幅広い消費者の方々に、いろいろ消費とか活用しておられる商品の消費者の税負担というものを直接軽減するということが一点、また、これによって、買物をされるたんびにその痛税感というものを緩和を実感できるといった等の利点があるんだと思っております。 傍ら、いわゆる給付付き税額控除とか総合合算制度というのは対象を低所得者に絞れるというところに極めて利点があるんだと、私どもその点はそう思っておりますが、給付が実際の買物のタイミングや購入の額と関係なく、消費税そのものの負担が直接軽減されるものではないということでもありますので、私どもから見ますと、消費者にとって痛税感の緩和は実感しにくいということが問題。 また、所得とか資産というものの把握とか、また執行の可能性の問題等々いろいろの問題が原因になって生じる問題が出てくるんですが、海外を見ましても過誤支給の問題とか不正受給とかいった問題などがありますので、いずれも、この制度三つとも一長一短あるんだとは思いますけれども、今般軽減税率を導入するということにいたしましたのは、消費税の逆進性の緩和というものを図りつつ日々の生活の痛税感というものを和らげるということが我々としては特に重要と判断したのがその経緯であります。
○大塚耕平君 麻生大臣にお伺いしますが、逆進性の緩和と今おっしゃったんですけれども、新聞は別にして、外食以外の食品に限定したので、食品を対象にするということはむしろ購入金額の大きい高所得者を優遇することになりませんか。
○国務大臣(麻生太郎君) いや、総理がお好きですから、総理、総理と言われるのかと思いましたので。 食品と食品以外の食品とかいろいろありますけれども、私どもとしては、いろんな意味で高額な方々の方により消費税の負担が、入りが大きいというのはもう間違いない事実であろうと思いますが、同時に、低所得者、また高所得者、一千五百万で切ったりいたしますと、一千五百万ぐらいの方々で切りますと、いわゆる消費税というものの率で勘案いたしますと大体消費の一五%ぐらい、傍ら二百万、三百万以下の方でやりますと約三〇%ぐらいの、ジニ係数等いろんなものが出てきますので、そういったもので高いということでありますので、率でいきますと極めて高いというのが実態だと思っておりますので、私ども、その感覚としては私どもとしてはその点は極めて大きい要素だろうと思っております。
○大塚耕平君 私どもは、軽減税率導入、しかも、それが対象が食品だけということであれば十分な低所得者対策にはならないという観点から、マイナンバー制度の定着を前提に給付付き税額控除で対応すべきだという立場でありますが、マイナンバー制度及びマイナンバーシステムの準備状況、あるいは浸透状況等について担当大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(高市早苗君) マイナンバー制度は、これは公正な社会保障、税制の基盤、それから情報社会における行政の効率化や国民の利便性向上を実現する上で必要な基盤として導入され、平成二十七年十月五日に法律が施行されまして、今まで九五%以上の方々にマイナンバーを通知済みでございます。本年一月から、社会保障、税、災害対策の各分野において順次マイナンバーの利用を開始したところでございます。 さらに、平成二十九年以降になりますが、行政機関間で、法令に基づき、マイナンバーとひも付いた個人情報連携を開始します。また、マイナポータルの運用によってプッシュ型のサービスも順次開始する予定でございます。 現在でございますが、平成二十九年からの情報連携及びマイナポータルの運用開始に向けて、内閣官房及び各行政機関において必要なシステムの整備を進めています。おおむねこれは順調に推移をしております。マイナンバーカードの申請につきましても、想像以上の速いペースでございます。 今後の一つの課題として、マイナンバー制度に対するよりしっかりした周知、広報、詐欺対策も含めてでございますが、こちらも進めてまいりたいと存じます。
○大塚耕平君 マイナンバーシステムの稼働に伴って、住基ネットシステムはどうなりましたでしょうか。
○国務大臣(高市早苗君) 住基ネットは、本人確認情報を利用して行政機関などが全国共通の本人確認を行うことができるようにするための情報基盤でございますので、住基ネットはこのマイナンバー制度に不可欠な基盤でございます。 住民票コードを用いて、今後も新たに生まれるお子さんもいらっしゃいます、また海外から日本に入ってこられる方もいらっしゃいますので、マイナンバーを生成するために必要であります。それから、情報連携に必要な符号を生成するために住民票コードを情報提供ネットワークシステムに提供するということから、マイナンバー制度の施行後はこれまで以上に重要な役割を果たすものとなっております。
○大塚耕平君 大臣は今答弁書を読んでおられたんですけど、率直に言って住基ネットシステムが残ったということについて私はちょっと驚きだったんですが、要するに、国民の皆さんは二つずつ固有番号を持っているということでよろしいですね。
○国務大臣(高市早苗君) 住基ネットはそのまま残っていて、それを基にマイナンバーを生成するわけでございますけれども、先ほど私が申し上げましたのは、行政機関間のやり取りは、マイナンバー、番号そのものを使うのではなくて、暗号化された符号を使って行うことになります。それにしましてもマイナンバーを生成するために住基ネットの情報を提供していくということになります。両方とも大切な基盤となってまいります。
○大塚耕平君 この点については意見が違いますので、またゆっくり議論させていただきますが。 大臣にお伺いしますが、今、国民の間で、皆さんの間で困り始めているのは、個人事業主は一体マイナンバーをどういうふうに使ったらいいのかというのがお困りなんですね。法人は法人番号がありますけれども、個人事業主はどういう扱いを今後されたらよろしいんでしょうか。
○国務大臣(高市早苗君) お商売をされていらっしゃる方々も税、社会保障の手続にマイナンバーは必要でございます。そして、人を雇っていらっしゃる場合に、手続におきましてマイナンバーを利用することになるんですけれども、現在、紙媒体によってそういった人事管理をしておられる事業者の方に対してシステム化を絶対してくださいということを求めるものではありません。また、市販の会計ソフトを利用されている方もあるんですけれども、その場合、ソフトのアップグレードを行っていただくということになるかと思います。 各事業者の方々の実情に応じた対応をお願いしているところでございます。
○大塚耕平君 いや、大臣、ちょっと問題の論点が御理解いただけていないようなんですが、個人事業主は個人としてのマイナンバーを事業主として使うのはおかしいのではないかという御意見があるわけですよ。法人は法人番号があって、個人事業主の事業主としての立場は法人としてのお立場ですから、個人事業主が十二桁の個人番号、マイナンバーしか使えないのは問題ではないかということをお伺いしているわけです。
○国務大臣(高市早苗君) 問題ではないかという御指摘もございましたけれども、法人番号がない場合にはやはり個人の番号で対応していただくほかございません。
○大塚耕平君 それがおかしいんじゃないですかと聞いているんです。
○国務大臣(高市早苗君) おかしいとは思っておりません。 また、きちっと法人の形をつくっていかれるという場合には、またそれに従って法人番号の付与等もございます。今、個人事業主ということで個人のナンバーを使っていただくということについては、これはそれで対応をお願いするしかないかと思っております。
○大塚耕平君 今テレビを御覧になっている全国の税理士の皆さんや個人事業主の皆さんが大臣の答弁に驚いていると思います。 総理、個人事業主の皆さんがマイナンバー制度をどういうふうに使うかということについては若干これ今後工夫の余地がある、ないしは工夫をしなければならないという理解でよろしいですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今委員の御指摘の点については、既に高市大臣が答弁したとおりでございます。
○大塚耕平君 財務大臣、いかがですか。財務大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、他省庁の所管の話をこちらの方から、野党じゃありませんので、同じ閣内にいて他省庁の話に差し込むのはいかがなものかとは思いますが、といってこの後すらすらしゃべるようなこともありません。
○国務大臣(高市早苗君) 申し上げにくいんですが、税に関しては国税庁の対応ということになってしまうんですけれども、この小規模零細事業者の方々を含めてやはり準備を着実に進めていただくために、私どもの方からも社労士会ですとか税理士会にも御協力をお願いして、サポートまた周知をお願いしております。 もう是非ともそれで御理解ください、法の立て付けの問題でございますし。現在の段階ではこれ以上のことは考えておりません。
○大塚耕平君 もうこれ以上はやりませんけど、考えておりませんと言うけど、事務方はもう既に考えているんですよ。これ、個人事業主のマイナンバーの対応については工夫をしなければならない点がありますので、それを政府に強く求めておきます。 その上で、法人税改革についてお伺いしますが、法人住民税の国税化等々の法人税改革の概要について担当大臣にお伺いします。
○国務大臣(高市早苗君) 今回の地方法人課税の偏在是正措置でございますけれども、これは、民主党政権時代の平成二十四年八月に成立した税制抜本改革法の規定を踏まえまして、「消費税率一〇%段階においては、法人住民税法人税割の地方交付税原資化をさらに進める。」としました平成二十六年度与党税制改正大綱に沿って実施するものです。 具体的に申し上げますと、消費税率一〇%段階において、暫定措置であります地方法人特別税・譲与税を廃止し、これを法人事業税に復元をします。そして、法人住民税法人税割の税率を引き下げるとともに、地方法人税の税率を引き上げまして、その税収全額を地方交付税原資化いたします。そして、地方法人特別税・譲与税の廃止に対応した法人住民税法人税割の税率を引き下げ、これに伴う市町村の減収補填を図る観点から、法人事業税の一定割合を都道府県から市町村に交付する制度、つまり法人事業税交付金を創設するものでございます。
○大塚耕平君 今、減収となる自治体に対してとおっしゃいましたが、減収となる自治体はどのぐらいありますか。
○国務大臣(高市早苗君) 減収となる自治体は恐らく出てくるだろうということなんですが、今回、地方税収全体では増加します。大半の市町村において地方消費税交付金の増収が法人住民税法人税割の減収などを上回り地方税収が増加するということなんですが、この法人住民税法人税割の税収の割合が非常に大きい団体においては減収が生じることもあり得ます。 これに対する配慮措置もしっかり講じているわけなんですが、その自治体数などを具体的に聞かれましても、各団体の法人住民税法人税割の税収構造がまずまちまちであるということと、個別にまた特殊な増減収要因もあるということ、それから引下げ後の法人住民税法人税割の税率ですとか、それから法人事業税交付金の交付率や交付基準は既に各自治体にお示しをしておりますので、一定の仮定を置いて各団体自らに試算をしていただくということは可能でございます。ですから、総務省として減収となる団体の具体名及び数をお示しするということは差し控えたいと思います。愛知県が二十六年度の決算ベースで独自に試算を行われたことは承知をいたしております。
○大塚耕平君 総理、地方住民税を、ちょっと言葉がきついですが、国税として召し上げた上で、足らざる部分は法人事業税を都道府県から再配分したり消費税の地方分が増えるからいいじゃないかという改革が今行われているんですが、その結果、プラマイで従前に比べて歳入の一割近くに穴が空く自治体が愛知県に幾つか出るんですよ。例えば豊田市なんかはそうなんですよ。こういう対応は地方分権に対する考え方と逆行すると思いませんか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 詳しくは、個別の自治体について御紹介いただいたわけでございますが、それに対しましては総務大臣の方からお答えをさせていただきますが、我々は、まさに地方創生という中において、地方の創意工夫を生かしていきたい、そしてまた地方分権を進めていきたいということの下に政策を進めていきたい、また、税源につきましても、偏在を是正しながら、地域がしっかりと自立できるようなバランスを取っていきたいと、こう考えているところでございます。 個別につきましては、総務大臣から答弁をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(高市早苗君) 地方分権に逆行するんではないかというお話なんですが、まず、法人住民税を交付税の原資化するということにつきましては、これは地方消費税の税率引上げにより地方の税財源が拡大する中で行うものでございまして、交付税原資化ということですから、これが地方固有の財源であるという性格が失われるものではありませんので、分権に逆行するとは考えておりません。 委員が御指摘の愛知県の自治体、特に豊田市でございますけれども、このほかにも愛知県で大きな減収になる団体があるだろうという試算を出しておられることを承知いたしております。やっぱり多くの市町村において、企業誘致ですとか産業振興に本当に熱心に取り組んでこられて税源の涵養につなげていただいた、その御努力には深く敬意を表したく存じます。 しかしながら、やはりこの地方公共団体が安定的な財政運営を行うということを考えますと、税源の偏在性が少なく、税収の安定的な地方税体系の構築が必要だということで、これも民主党政権時代に税制抜本改革法を作っていただいて、しっかりとやはりその方向を示していただいたと思っております。また、税制調査会、政府の税制調査会の答申でも何度もこの件は指摘をしていただいております。 ただ、御理解をいただいた上で、今回の措置に当たりましては、法人事業税の交付金なんですけれども、各市町村の従業者数を基準に交付するということにしておりますので、各市町村の産業の集積度合い、すなわち税源の涵養努力が一定程度反映するという形にしているということと、法人事業税交付金に係る経過措置を設けております。それで、これが激変緩和措置となります。 それから、これは幾らか批判もあるんですが、減収額を対象に、どうしても運営が難しいなという場合には特例的に地方債を発行できる措置も加えております。しかしながら、冒頭に申し上げました、従業者数を基準にというところで、特に産業集積の進んだ自治体には一定の配慮をさせていただいているところで、何とか日本全国が元気になるために御理解を賜りたく存じます。 また、地方も元気になることで、愛知県で作っておられる様々な製品を皆さんがお買い求めになり、また愛知県を訪れる、そんな機会も増えていく、そのためにも頑張ってまいります。御理解をお願いいたします。
○大塚耕平君 愛知県を連呼していただいて有り難いことでございますけれども。 ただ、総理、豊田市とか、みよし市というところでは、歳入の六%から五%の穴が空くんですよ。国家予算考えてみてください。歳入に五、六%の穴がいきなり空いたら、これは予算組めませんよ。だから、今回の考え方、理屈は、一応のストーリーはできていることは理解しますけれども、法人住民税等の地方税を国税化するという考え方自体が地方創生や地方分権の考え方とは実は相入れない部分があるということだけ申し上げておきます。 その上で、次は法人実効税率の引下げの方針についてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今般の法人税の改革は、これは単に日本の法人税率がヨーロッパ等々に比べて高いからというので税率を引き下げるということだけではなくて、いわゆる昨年、たしか大塚先生とこれ質疑をさせていただいたんだと記憶しますけれども、日本の法人税の課税ベースの扱いが狭いという指摘をされている点も頭に入れまして、法人課税をより広く負担を分かち合うという構造へと変えるために改革を行おうとするものという面も強くあります。 具体的には、二十七年、八年度の税制改正におきまして、国税では、課税ベースの拡大としていわゆる欠損金の繰越控除制度を見直すとか、生産性設備向上のためのいわゆる投資促進税制といったようないわゆる租税特別措置、租特のこれは見直しを行うとか、また地方税でも、法人事業税の外形標準課税の拡大を行うなどによって財源をしっかり確保して税率を引き下げるということにいたしております。 この改革を通じて私どもの狙っているところは、稼ぐ力のある企業の税負担を軽減することによって、企業に対して収益力の拡大というものに向けた前向きないわゆる国内の投資、もうしばらく投資をしていないところ多いですから、国内の投資とか、また継続的、積極的な賃上げ、これ三年というのを、今まで少しずつ少しずつ上がってきているんですけど、賃上げ可能な体質へ転換してもらわないと、少なくとも、今までの間の長いデフレのおかげで気分的に、デフレマインドという言葉がありますけれども、そういった形で、早い話が金を持ってさえすれば何もしなくても物価が下がっていくので金の値打ちが上がるという時代が長いこと続いていたというのとは少し違ってきているので、我々としては、設備投資を長いこと止めていた分は是非設備投資を今してくださいと、そうしたら促進税制というような形で、私どもは経済の好循環の定着につなげていきたいというのが今回の法人税改革の主たる狙いであります。
○大塚耕平君 皆さんのお手元に資料としてお配りさせていただいた一番ですが、(資料提示)結局、法人実効税率を下げたいというその気持ちは分かるんですが、実は実効税率は巷間言われているほど高くないということを去年も議論をさせていただきました。 ここに書いてあります租税特別措置による軽減等々を含めて、その際、財務大臣には、やはりこれ、見直しをしないと、三〇%の法人実効税率を何とか二〇%台にするためにという大義名分の下で、実際はその水準より八%ぐらい低いのが法人実効税率の実態なんですよ。 したがって、ここのグラフにありますような租税特別措置による軽減等々について、見直しを今回行ったんですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘をいただいておりますこの一六・二、一五・六なんだけど。あっ、これ、あれですな、あれの〇・六をこっちに繰り込んであるんですな、これは。だから〇・六違うんだ、ああ、分かりました。 財務省の法人税の負担割合の推計というのは、様々な前提を置いているほかに、今回推計方法を一部見直しております。結果の数字は幅を持って見るべきだとも思いますが、企業の経営状況が改善して、例えば黒字企業が増えていくことによって、法人税の関係のいろんな各種の制度の利用が増えていくという傾向はあるのだろうと考えております。 この一部、〇・六のところだけこれ修正されてあるんだと思いますけれども、技術的な話になりますけれども、二十五年度分の推計で欠損金の繰越控除によって所得がゼロとなる法人も対象に含めて推計を行っておりますので、その結果、法人税の負担割合が小さくなりますことから、二十四年度分の数字と単純にはちょっと、少々比較できないところもあろうかと存じますけれども、基本的にこの数字の方向でやっておると思います。
○大塚耕平君 総理、この議論は、先ほどの蓮舫議員の保育士の皆さんへの対応等々、本当に実質賃金を上げるために、あるいは経済の好循環をつくるために、財源がないからそういう人たちにしっかりした手当てができないと言いながら、その一方で、法人実効税率を考えるときに、実際はこれらの租税特別措置等で、この今年度の合計だけでも九・三%ですよ。法人税収の九・三%というと、この軽減額は、財務大臣、ざっとどのぐらいですか、一割ですから。(発言する者あり)
○国務大臣(麻生太郎君) 済みません、失礼しました。 外国子会社の受取とか全部足して、外国子会社とか全部足してね。そうすると、十四、五になりますか、これ。そんなもんだと思います、これ。
○大塚耕平君 全部で九・三%。
○国務大臣(麻生太郎君) 九%ぐらい、九兆ぐらい。
○大塚耕平君 九兆ぐらい。
○国務大臣(麻生太郎君) 九兆ぐらい。そんなもんじゃないですか。
○大塚耕平君 総理、そういうことなんですよ。 法人税制は、法人税制の理屈と議論の中では自己完結しているんですが、ほかの分野であれほど悲惨な話がある一方で、ここではこれだけ財源を軽減しているというこのバランスについてどうお考えですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 例えば子育て支援を含め、社会保障を充実をさせていく上においては財源を確保しなければいけないと。では、財源はどこから来るといえば、これは税収でございます。この税収の中においては、法人が稼ぐ法人税、またこの法人で働いている人々の給与から得られる所得税等々があるわけでございます。ここが倒れてしまったら、この財源、言わば金の卵を産む鶏自体を失っていったら元も子もないわけでございます。 かといって、この鶏をぶくぶく太らせる気持ちはないわけでございまして、しっかりと金の卵を産んでもらわなければいけないという意味において、我々も法人税を二〇%台に引き下げると同時に、企業側にもしっかりと設備投資をしてくださいよ、あるいは賃上げに取り組んでくださいということを申し上げているわけでございまして、そうした賃金を引き上げていくことによって国民の生活も向上していくということになっていくわけでありますし、また設備投資をしていくことによって次なる成長、あるいはまた関連企業、下請中小企業にも利益が回っていくということにつながっていくのではないかと、こう考えております。
○大塚耕平君 繰り返しになりますけれども、法人実効税率引下げが成長戦略の一つの手段として今回取り組まれているわけでありますが、実態はかなり実効税率は低いということをもう一回よく理解していただきたいというのがこのパネルでの指摘であります。 二番のパネルを見ていただきたいんですが、資料を。法人事業税の外形標準課税強化についてどういう対応をしておられるのか、担当大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(高市早苗君) 概要でよろしゅうございますか。 平成二十七年度の税制改正で、資本金一億円超の大法人について、法人事業税所得割の税率を引き下げるとともに、法人事業税における外形標準課税の割合を、八分の二から、平成二十七年度は八分の三、二十八年度は八分の四と、二年間で段階的に拡大することとされていました。 その上で、法人実効税率二〇%台を目指した法人税改革を更に推進するために、今回の改正では、外形標準課税について平成二十八年度の八分の四を八分の五として、所得割の税率引下げ幅と外形標準課税の拡大幅を拡大するということにしています。なお、拡大に当たりましては、この外形標準課税のうちの付加価値割部分と資本割部分の比率は二対一のまま維持をするということになっております。
○大塚耕平君 今回の外形標準課税の付加価値割のところの引上げによって、中小企業の八割ぐらいが事実上増税になるという理解でよろしいですか。
○国務大臣(高市早苗君) 企業規模別の内訳で、ちょっとパーセンテージでは言いにくいんですけれども、まず中堅企業ですね、資本金一億から十億円、赤字企業である場合には負担増となります。同じく大企業、資本金十億円超でも、赤字企業である場合には負担増となります。一方、中堅企業で黒字企業の場合は平均では負担減となります。そして、大企業の場合も負担減となります。全企業に関しましては、中堅企業は平均では負担減、大企業は平均では負担増、合計では平均では負担減ということになります。 会社の数も申し上げた方がよろしければ。よろしいですか。
○大塚耕平君 今、赤字企業のところはと冒頭でさらっとおっしゃったんですけれども、赤字企業にも当然外形標準課税は掛かるわけですから、中小企業の八割ぐらいは、これ負担増になるんですよ。 その上でお伺いしますけれども、この資料の二ですが、外形標準課税の資本圧縮特例、持ち株会社特例、これも去年、見直しましょうよというふうに御提案申し上げたんですが、これどうなりましたか。
○国務大臣(高市早苗君) まず、この特例についてなんですけれども、この法人事業税の資本割については、資本金等が法人の事業活動の規模を一定程度表す指標ということから資本金等の額を課税標準として課税するものでございますが、資本金等の額が大きな法人については、これに比例して税負担を求めるということは過大な税負担となって事業活動の規模との関係で必ずしも適当ではないということから、一千億円超の資本金等の額について圧縮する措置が講じられました。 また、持ち株会社特例もございますけれども、これも、株式の保有を通じて子会社の事業活動を支配するということを主目的とする持ち株会社について、自ら行う事業活動に比べてやはりこの資本金等の額が過大になっていると考えられることから、総資産に占める子会社株式の価格の割合に応じて資本金などの額を圧縮するという二つの圧縮特例がございます。 この資本圧縮措置ですとか持ち株特例については、その事業規模に比して税負担が過大になることを踏まえて導入されたという理由については現在でも状況が変わらないということから、今回、これらの措置を存続するということにしたところです。 また、先ほどの答弁でございますけれども、二十五年度の課税実績を基に機械的に試算しましたら、全体ではやはり今回の改正による影響は負担減、いわゆる中小、中堅企業全体でも負担減になります。負担増分の一定割合についてはしっかりと軽減する措置も盛り込んでおります。個別企業の負担増にも配慮をしているところでございます。
○大塚耕平君 大臣、答弁書を丁寧に読んでくださるのは有り難いんですが、本質を理解してほしいんですけれども、外形標準課税は中小企業に対する課税強化なんです。その一方で、その外形標準課税を強化する中で、大企業に対しては二千二百億円も減税が行われていると、これはおかしいじゃないですか、これを見直しましょうということを去年申し上げたんです。だけど、結局、この減税規模は放置されたまま今回また外形標準課税が強化されるんですが、つまり、中小企業に対してどういう姿勢で現政権は臨んでおられるのかということが論点なんです。 じゃ、お伺いしますが、平成二十八年度当初予算案における中小企業対策予算の規模を教えてください。前年比でも結構です。
○国務大臣(林幹雄君) 平成二十八年度当初予算案では、中小企業対策費として、政府全体で千八百二十五億円、経済産業省所管で千百十一億円を計上しております。また、復興経費として四百一億円を計上しております。 中身も言った方がいいですか。以上です。
○大塚耕平君 じゃ、経産大臣、中小企業対策予算の前年比を教えてください。前年比がどうなっていて、予算全体では前年比はどうなっているかを教えてください。
○国務大臣(林幹雄君) 前年と同じでございます。
○大塚耕平君 それは違います。ちょっと確認して答えてください。
○国務大臣(林幹雄君) 経産省所管の予算は千百十一億円で同額でございます。
○大塚耕平君 経産省所管ということではなくて、中小企業も御担当だと思いますので、じゃ、予算担当の財務大臣でもいいですが、中小企業対策費は経費項目の中で前年比何%になっているかという質問であります。
○国務大臣(林幹雄君) 政府全体では、二十八年度予算が千八百二十五億円、二十七年度予算額が千八百五十六億円で、三十一億円のマイナスでございます、減でございます。
○大塚耕平君 前年比でマイナスの一・七%なんですよ。予算全体ではどうなっていますか、前年比は。
○国務大臣(麻生太郎君) 済みません、ちょっと字が小さ過ぎて読めぬ。 予算、一般歳出の総額ということなので、五十七兆八千二百八十六億ですから四千七百三十一億円の増ということになっております。
○大塚耕平君 政権側が緊張感が足りないのは野党の非力のせいでもありますので我々も大いに反省しますけれども、経産大臣、いいですか、中小企業担当の大臣として、申し上げますけれども、中小企業大事だと言いながら、今年度、中小企業対策費はマイナス一・七%、しかし、主要経費全体ではプラス〇・四なんですよ。全体を増やしているのに、何で中小企業対策費を減らすんですかということをお伺いしているんです。どうですか。
○国務大臣(林幹雄君) 失礼しました。 先ほどの千百十一億円の同額を確保して、これに加えて新型交付金にも中核企業支援等の中小企業支援策が盛り込まれておりまして、二十七年度補正予算でもいわゆるものづくり補助金について前年度の補正予算と同額千二十・五億円を確保しているところでございます。(発言する者あり) なお、中小企業対策全体では対前年比三十一億円減、一・七%減となっていますが、過半、十八億円減は景気回復に伴う信用補完制度関連予算の減によるものでございます。
○大塚耕平君 もう一回、大臣、そんな難しいことお伺いしていないんです。中小企業は大事だというのは御党においても我々も同じ認識なんですよ。にもかかわらず、この局面で、中小企業対策費はマイナスにする一方で全体はプラスにしていると、こんなことでいいんですかとお伺いしているんです。もう一回答えてください。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、この予算全体の中で減っているというのは、予算全体が、社会保障四千億円増えていますから、当然これは、社会保障が増えていますから、中小企業関連の予算が増えていなくても、全体のパーセンテージは減っていくというのは、これは御承知のとおりだろうと思います。 そして、額のうちにおいては、先ほど十八億円、三角十八億円においては、まさにこれは景気回復をしているから信用補完制度関連予算の減があったということで、過半がそういうことであるということで御納得いただけるのではないかと思います。 いずれにいたしましても、中小企業は大切だということについては、これは私は委員と全く同感でございまして、これは決して大企業を優遇しているということではなくて、言わば法人税ということについては、各企業もしっかりと努力をしていただいて法人税が払えるという状況をつくっていくことが大切であろうと。まさに私たちの政権はそういう状況をつくりつつあるわけでありますが、中小・小規模事業者についても、取引条件等の改善の中において黒字化を目指していただいて、法人税をしっかりと払っていただける状況をつくっていくということでございます。 ただ、外形標準課税におきましても、先ほど総務大臣から答弁させていただきましたように、中小零細企業については十分な配慮は行っているということでございます。
○大塚耕平君 今日はここまで一時間近く質疑をさせていただいて、それは感謝を申し上げますけれども、冒頭の知る権利、これについては、まあいろいろお考えもあるでしょうが、知る権利についてどうも余り十分な尊重をしておられないような運営が見受けられる。 これはちょっと経済の話とは違いますので脇に置いておいたとしても、その後申し上げているのは、税制においても地方分権という観点からいかがなものかと思う税制を行っている。そして、法人実効税率の引下げにおいても、実際は法人実効税率は巷間言われているよりもかなり低いにもかかわらず、大企業特例的な部分の見直しも余り行わないと。さらには、中小企業に対する対策もいかがなものかという、この全体像を問いているわけであります。 その中で、景気対策、これもちゃんとやっていかなきゃいけないんですが、税制についてはこれが最後でありますけれども、自動車税制についてお伺いしたいと思います。 自動車は、これは当然日本の産業の中核でありますし、地方においては生活必需品であります。車体課税見直しの一方で、グリーン化機能の強化ということを念頭に置いておられるようでありますが、一体、平成二十八年度で自動車関係諸税全体でどの程度の税収を見込んでいるのかということと、景気対策として自動車税制を軽減するべきではないかということを御提案申し上げますが、関係大臣にお伺いします。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、御存じのように、これは品目が四つも五つもありますんで、御存じのとおりですけれども、平成二十八年度の車体課税の税収は、国税、地方税と合わせて二兆五千億円程度と見込んでおります。 そのうち、国税に当たります自動車重量税が六千、もう、ちょっと端数、全部言った方がいいですか、自動車重量税、国税でいきますと六千四百九十二、自動車税、地方税ですけれども一兆五千二百四十八、軽自動車税、地方税ですけれども二千四百四十二億、自動車取得税、これ同じく地方税ですけれども一千七十五億、合計二兆五千二百五十七億円というものでありまして、こういったものが全体として見込んでおるところなんですが、リーマン・ショック以降、景気対策として税率の引下げとか、ほかにも、ああ、エコカーがありましたね、エコカーの減税とかいろいろさせていただいて、大幅な減税が行われてきた結果、税収につきましてはあの頃に比べて〇・七、八兆円ぐらい減収をいたしております。 こうしたことに加えまして、今、国と地方の厳しい財政事情とか、自動車がもたらしますいわゆる大気汚染とか道路損壊などの社会的費用とか、自動車ユーザーの道路整備等に係る利便性の向上等々の恩恵を受けていること等々を踏まえて、今後年末に向けて今から検討をいろいろさせていただく、これは国税と地方税と両方ですけれども、検討させていただかねばならぬところだと思っております。
○大塚耕平君 繰り返しになりますが、自動車への重課税を見直すということは、これは全国津々浦々の自動車ユーザーを通じた景気対策効果は私はあると思います。したがって、民主党は二月の二十三日に今のような軽減税率の導入の仕方等々の諸施策の下で消費税率再引上げには反対という立場を明確にしましたが、その上でも、消費税率一〇%引上げ時に予定をされていた取得税の廃止等の自動車税制の軽減についてはそれとは切り離して行うべきであるということを提案をさせていただきますが、財務大臣、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、今申し上げましたように、何といってもこれは額が極めて大きな額でありますので、これをちょっと触っただけでぼそっと大きな額の減収ということになりますので、私どもとしては、これは軽自動車税とかいろんなものを、いろいろありますが、ほかにもガソリン税とか石油税含めていろいろあるんですけれども、こういった自動車関連のものの税制というのは非常に大きな、税額が大きいものですから、この件に関しましては、おっしゃる点、我々としてもよく理解できるところですし、自動車輸出県としての愛知県、御存じかと思いますが、二番目が福岡県ですからよう分かっておりますんですが、なかなかさようなわけにはいかぬというのが難しいところです。
○大塚耕平君 税制に関して最後の質問をさせていただきますが、マイナンバーシステムとの絡みですが、先ほどのこの一番の様々な軽減措置等、これ実は法人ナンバーを利用すると、名寄せすると、どの企業がどれだけ何を利用しているかって全部分かるわけですよ。法人ナンバーをそういう活用の仕方をして税制の公平性を担保するおつもりは、総務大臣、ないですか。
○国務大臣(高市早苗君) 恐縮ですが、法人番号による税制につきましては財務省の所管でございます。
○国務大臣(麻生太郎君) このマイナンバーというのがちょっと今からどれくらい普及していくかというところで、これはもう、大塚先生、血液型を載せるとかもう何でもいろんなものをこれ全部入れていったら随分便利になるとか、私どもいろんなことを考える方は、これは税をいただく立場の方からすると、これはなるべくこれに全部載せていただくと随分事が、時間を掛けず、手間を掛けずというようなことは間違いなくおっしゃるとおりなんだと思いますが、これをやるということは、いろいろな与える影響も極めて大きいという点を考えて、これはちょっと慎重にいかないとなかなか波及するところが大きいかなと思っております。
○大塚耕平君 それでは、税制の質問はこのぐらいで終わりにさせていただいて、日銀総裁においでいただいていると思います。マイナス金利を導入されましたけれども、マイナス金利で金融機関の収益にマイナスの影響が出ると言われているのはなぜでしょうか。
○参考人(黒田東彦君) 金融機関の収益にマイナスの影響が及ぶメカニズムといたしましては、日銀当座預金の付利の金利を引き下げてマイナスにしたことに伴う直接的な影響と、イールドカーブが全体として低下するということに伴って貸出金利などが低下することに伴う影響という二つが考えられると思いますが、前者につきましては、御案内のとおり、マイナス金利の導入に当たって三段階の階層構造を採用いたしまして、残高の大部分には実は引き続きプラス〇・一%の金利が付いておりますし、また、その他の一部、いわゆる所要準備等にはゼロの金利ということで、限界的な部分にマイナス〇・一%の金利が付くということでございますので、直接的な影響はかなり限定されているというふうに思います。 他方、マイナス金利にかかわらず、一般的にこの金融緩和を進めるということになりますと、企業や家計にとっての金融環境を緩和させようということですから、典型的には金利を下げていく、貸出金利を下げていくということでございますので、仲介者である金融機関の収益に影響するということはある意味で避けられないという面がありますけれども、その上で一言だけ追加いたしますと、御案内のとおり、日本の金融機関は欧州と異なりまして、サブプライム問題とかリーマン・ショックによる損失が非常に小さくて資本基盤が充実しております上に、金融機関の収益につきましても、景気回復を背景に貸倒れなどに伴う信用コストが大幅に低下しておりますことから、低金利環境にもかかわらず高い水準を確保しておりまして、二〇一四年度の大手行、地域銀行の当期純利益は過去最高に迫る水準となっております。 いずれにいたしましても、金融機関への収益の影響ということについては引き続き十分見ていきたいと思っております。
○大塚耕平君 財務大臣がちょっと中座しておられるので代わりに日銀総裁にお伺いしますけれども、金融機関がマイナス金利政策のマイナス効果やコストを取引先に転嫁する動きがもう既に出ていまして、場合によっては貸し渋り、貸し剥がしも再燃するのではないかと言われておりますが、そういうことについての金融機関の見識について、日銀総裁としていかがお考えですか。
○参考人(黒田東彦君) この点は金融担当大臣にお聞きいただくことがいいと思うんですが、私から申し上げますと、先ほど申し上げたとおり、マイナス金利自体の直接的な影響は非常に小さなものになっておりますし、イールドカーブ全体が下がってきて貸出金利が下がることによる影響ということについては、ある意味で金融緩和という以上避けられない部分はございますけれども、今のところ金融機関は、先ほど申し上げたように、二〇一四年度には大手行、地域銀行の当期純利益が過去最高に迫る水準となっておりまして、御指摘のような懸念は今のところは生じていないというふうに思っております。 ちなみに、御案内のとおり、住宅ローンの金利あるいは企業の貸出しの基準金利等はかなり大幅に既に下がっております。
○大塚耕平君 先ほど、マイナス金利はこれまでプラス〇・一の付利をしていた部分はそのままだという前提の御説明をされたんですが、そうすると、今まで年間、金融セクターにはそのプラス〇・一%の付利でどのぐらいの利息収入が渡っていたと考えてよろしいですか。
○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、昨年のいわゆる超過準備の平残が二百十兆円ぐらいでございますので、プラス〇・一といいますと二千百億円程度ということになろうかと思います。その程度の利息を払っていたということでございます。
○大塚耕平君 総理、お分かりいただけると思うんですが、金融政策の結果として、今まで何もしなくても毎年二千億の利益を得ていた金融セクターが、マイナス金利が導入された途端にそれのコストを家計や企業、つまり取引先に転嫁しようとする動きがある、このことについてどう思われますかというのをお伺いします。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 黒田総裁が答弁されたように、二百十兆円に対してプラス〇・一が付いていたわけでありまして、そこで大きな収益が当然、当座預金に置いているだけでこれはあったわけでございます。今回は十兆円に対してマイナス〇・一が付いて、二百十兆円に対してのプラス〇・一は変わりがないわけでありますので、そういう中において金融機関は責任ある対応を取っていただきたいと、こう思っている次第であります。 住宅ローン等について、十年据置きで〇・五%という商品も出ているようでございますので、こうした低金利の政策に対応して、庶民の皆さんがお金を借りて住宅を造りやすいというような、そういう状況をつくっていただきたいと、こう思っている次第でございます。
○大塚耕平君 金融担当大臣にお伺いします。 今まで金融機関が法人税をしっかり払っていたのであるならばいろんな議論が成り立つと思うんですが、過去十数年間、金融機関はどのぐらいの納税をしていたというふうに理解したらよろしいでしょうか。十一番の資料なども御参考にしていただいて結構です。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、メガバンク三行の平成十四年度以降、法人税、住民税及び事業税の額につきましては、これはリーマン・ショック以前、すなわち平成十四年度から平成十九年度までの平均して約三百六十七億円であります。リーマン・ショックのあった平成二十年からは、東日本大震災が発生をいたしました平成二十二年度までは平均して約九百二十三億円、東日本大震災以後の平成二十三年から平成二十六年度までは平均をして四千五百二十億円と承知をいたしております。 これは金融機関のそれぞれの状況によって異なるのですが、各行がこれはかなり積極的に不良債権の処理というのに努められたんだと思っておりますので、課税上、繰越欠損金がずっと積み上がっていったはずですから、そういった意味で課税所得が発生しなかったということもあって、法人税を納付していないという時期が生じたものだと思っております、全体として言わせていただくと。個別はいいですね。
○大塚耕平君 総理、このグラフの赤いところが納税額なんですけれども、理由はともあれ、ほとんど納税していない時期が十年近く続いていた。今度は、マイナス金利の前の異次元緩和の影響で、ぬれ手にアワと言うと怒られますが、何もしなくても年間二千億の利益を得ていた。今度は、マイナス金利が導入された途端に、これからマイナスが出るかもしれないからといって家計や企業の顧客に転嫁しようとすると。 これらの対応について、金融担当大臣にきちっと対処していただきたいと思いますが、御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的に、マイナス金利を導入するということになっていった、まず、大塚先生、背景だと思うんですけれども、まず何といっても、日本の場合は今、金は余っておると、金融機関は皆、金はもうふんだんに余っておると、間違いない事実だと思います。 個人金融資産一千六百兆という薄気味悪いほどの個人金融資産がたまって、現預金だけで八百八十兆円というような額になっておりますので、それは物すごい金がある。だけど、問題は、何がないかというと、日銀のいわゆる債券を、国債をということによって、その買った金がそのまま各市中銀行の日銀当座預金に積み上がっていく。その積み上がっていく金利が今だんだんだんだん下がって〇・一なんですが、問題は、それだけ下がっても金融機関から外に、いわゆる市中にその金が出ていかない。すなわち、実需がないというところが一番の問題なのであって、これを積極的に貸すという意欲を持って対応していただかないと、これは今後ともこの状況が続く。 何でこんなになったかといえば、多分それは、もう一番大きな理由はいわゆるデフレーションのおかげで、各銀行、企業もそうですが、ずっと金さえ持っておけば〇・一の金利が付いて、物は下がり、金の値打ちは上がっていくということであれば、何もしないでじっと金を持っておくというのは一つの経営としてはやり方だったんだと思うんですが、これがインフレということになっていると、今度は金の値打ちが下がることになりますので、積極的に設備投資をしてもらうなりなんなりという方向に金を使って、それで生産性を上げて、金を稼いでという方向にしてもらいたい。 残念ながら、まだそこの、我々の言う三本目の矢がそこまで発動していない、なかなか動いていないんですが、幸いにして、このところ、市中に対するマネーサプライの方が、マネーサプライというのは市中に金が出ている量が少しずつ増えてきていますので、そういう方向で更にやっていく方向を決めてもらわないと、御自分たちは何もしないでじっとしていたら金が動くという状況を、これはとてもではないけど、やっておられないだろうなと私どもは思いますし、企業側にしてみれば、今度は何でじゃ借りないんだといえば、貸し剥がし食らった、貸し渋りを食らった人たちは今ちょうど社長ぐらいになってきているところですから、その人たちは二度と借りたくないと思っておられる方、もう企業の経営者だったらみんなそう言われますので、そういった方たちの気持ちもよくよく考えて、かなり積極的に設備投資をしたらこれだけいい政策がありますよということをいろいろお示ししておるというところですけれども、いずれにしても、銀行としては、積極的にそういったマネーサプライを増やす努力をしていただくインセンティブという面も私はこれ大きいんだろうと思っておりますので、内容、これから先はちょっと日銀の政策に立ち入ることになりますのでこれ以上申し上げるわけにはいかぬと思いますが、私どもとしてはそういうのが基本的な考えです。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大塚委員の御質問は、言わば手数料等々に反映させるというのはおかしいではないかという、そういうことなんだろうと思います。 事実、今、私も説明いたしましたし、総裁からも説明をさせていただきました。言わば、今までしっかりと銀行が体力を付けるという中において、このプラス〇・一というプラス金利を当座預金に充てていたわけでございまして、事実、その中で各銀行は利益を上げ、そして法人税を払うようになってきたのでございます。 そういう中で、今度は十兆円に対してのマイナス金利〇・一だけで、今までの二百十兆円についてはそのまま付いていくわけでありますから、それが直ちに手数料の引上げに結び付くとはなかなかこれはそうすぐには考えられないなと、こういうふうに思っておりますし、銀行が、体力のあるところについては、例えば四月の賃上げについてもしっかりと前向きに考えていただきたいというのが我々の期待でございます。
○大塚耕平君 一連の議論で御理解いただければ幸いですが、地方や中小企業に厳しい一方で、大企業や銀行に対する対応はこれでいいのかという問題意識を御提示申し上げているんですが、あわせて、その陰では、先ほども蓮舫議員のところでやり取りがありました保育士さんの問題、それから、実は介護士さんも大変所得水準が低くて、保育士さんと同様に、全産業平均よりも十万円ぐらい賃金が低いんです。 だから、我々は介護職員の皆さんの処遇改善法案も出す方向で用意をしておりますけれども、さらには家計の実質的負担を軽減するという意味では教育の問題もあるんですが、総務大臣にお伺いしますが、総務省家計調査における所得の低い第一分類と所得の高い第五分類において、教育とか補習教育の実際の支出はどのくらいかというのをちょっと教えてください。
○国務大臣(高市早苗君) まず、総務省家計調査の第一分位、年収二百四十四万円以上と、第五分位、年収七百三十一万円以上、あっ、ごめんなさい、第一分位は年収二百四十四万円以下ですね、第五分位が年収七百三十万円以上ということで、二〇一五年の一世帯当たりの年間支出金額につきまして、教育は、第一分位で五千七百四十八円、第五分位が二十五万九千四百九十四円です。補習教育は、第一分位が八百七円、第五分位が六万八千三百九十一円でございます。 おおむね第一分位に関しましては、一般に教育に掛けるお金が少ない御高齢の世帯が多いといった特徴がありまして、世帯属性が大きく違っておりますので、なかなか分位間の単純比較は難しゅうございます。
○大塚耕平君 単純比較が難しいという側面は理解しつつ、総理、今の数字、二百五十万以下の所得の皆さんの家計の教育費と七百五十万から上のゾーンの皆さんで四十五倍の差なんですよ、教育費。補習教育に至っては八十五倍です。今数字をおっしゃらなかったですけれども、幼児教育は何と百六十四倍の違いがあるんですよ。これはちょっと看過できないと思います。 八番の資料を見ていただくと、大学についても、実は高校、予備校でも第一分位と第五分位で九十八倍の違いがありますから、結局、家計の所得の差によって教育に掛けられるお金の余力がこんなに違う社会になってしまったと。その結果、日本は授業料が物すごく高い割に奨学金の利用率も低いというこの状態を放置しておくと、ますます教育面において良くない状況が続くので、給付型の奨学金についても直ちに来年度の予算で導入すべきと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(馳浩君) 奨学金については、委員も減免制度等、御承知だと思います。 給付型奨学金については、まず基本的に公的資金の使われ方という形で、同年代で働いておられる方々は税金を払っておられます。同じように、十九歳から二十一歳まで大学に進学されている方の奨学金の在り方については、基本的にはお貸しをして返していただいた原資でまた次の方にお貸しをする、有利子から無利子の方に増やしていきましょうと。また、平成二十九年度からは、所得連動返還型制度としてより拡充をしていきましょうというふうに、まず基本的にこのラインを推進していくことが政府として必要だと考えています。 その上で、給付型奨学金の制度ということは財源をどのように確保するのか、これが一点目。二点目は対象をどのようにやっぱり限定、絞り込んでいくのか。三点目は給付の在り方であって、とりわけ大学四年間の中でどういうふうに給付をした方がいいのかと。渡したけれども、途中で中退をしてしまったらそれはどうするんですかと、そういったふうな制度上にやっぱり十分に検討すべき課題がありますので、そのことを踏まえて対応すべきだと、そういうふうに考えております。
○大塚耕平君 大臣、財源は先ほどの税制のところの私の質疑で、ああいうところに眠っているというのをお示し申し上げたので、ここは来年度から給付型奨学金導入するということをもう一回閣内で調整してみるお気持ちはありませんか。
○国務大臣(馳浩君) 財源の問題等については、当然、財務大臣とも調整したいと思います。
○大塚耕平君 いや、今の重要な答弁ですね。調整して導入するということですね。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) いや、今後、我々も将来に向けてできるだけ教育費の負担は下げていきたいと、こう思っております。 その中で、大学奨学金も給付型ができれば本当はそれにこしたことはないと思います。いろいろな条件等については、その課題については文科大臣から御紹介をいただいたと思いますが、しかし、財源、この財源については委員とこれ見解が相違をしているわけでございますが、我々はまずできることからということで、この無利子型を増やしていく。そしてまた、あるいは所得連動型、今までは所得がちゃんと増えていくかいかないか、これ関わりなく取っていたわけでございますし、そういう意味におきましては、かつての学生ローン型からまさに無利子の奨学金らしい奨学金に変えていく、かつ所得連動型に、これ一つ一つ前進はしているということはお認めいただきたいと、このように思います。
○大塚耕平君 ここまでの私なりの質疑で、安倍総理の今実行していらっしゃるアベノミクス、様々な政策の構造問題は御理解いただけたと思いますが、改めてアベノミクスの現状評価をお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、私どもの政策については、デフレから脱却をして力強く経済を成長させていくということでございます。 その意味におきましては、今デフレではないという状況をつくり出すことができた。そして、経済も成長しているわけで、昨年の第四・四半期につきましては残念ながらマイナス成長となりましたが、年率について言えば名目のプラス二・五ということになっておりますし、税収も増えている。そして、有効求人倍率も二十四年ぶりの高い水準になっておりますし、高校生の皆さんの内定率も過去最高となっているわけでございますし、大学生の内定率も八年ぶりの高い水準になっているということにつきましては、我々の政策の成果は出ている。しかし、まだまだ我々はデフレ脱却には道半ばでありますし、各地方の各地域、やっぱりいろんな場所で働いている皆さんに感じていただく上においてもまだ道半ばとは思いますが、我々はこの道しかないという考え方の下にしっかりと政策を前に進めていきたいと考えております。
○大塚耕平君 デフレ脱却は道半ばと今おっしゃったんですが、よくもはやデフレではないともおっしゃるんですね。どっちが正しいんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このデフレ脱却というのはデフレに戻らないという状況をつくり出しているということでありますが、デフレではないということにつきましては、言わばCPIがプラスになっているということについてデフレではないという状況はつくり出していると、このように考えております。
○大塚耕平君 それでは、GDPの推移について、安倍政権下では、ドルベースで見るとこの三年三か月でこんなに減っているということについてはどういうふうに説明されますでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日本では、ここにいる人たちもそうなんですが、みんな円で給料をもらっていますから、ドルベースで換算するのは、一つの見方ではありますが、余り意味のないことであり、実態は証明していないんだろうと。 というのは、例えば、今日は違いますが、この数週間、円がだあっと上がりましたね。そうなりますと、ドルベースでは上がっているんですよ。しかし、それが果たして本当にでは我々のGDPが上がっているかといえば、これはそうではないわけでありまして、つまり、ドルで見るのではなくて、これは普通、円で見るわけでありまして、円高がどんどんどんどん進んでいけば、これは見かけ上は、ドルベースで見ればこれはGDPが上がっていくかのごとく見えるわけでありまして、常識的には円で見ていくべきではないかと、このように思います。
○大塚耕平君 ドルベースのGDPは余り重視していないということですね。もう一回確認します。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) ドルベースのGDPも一つの指標ではありますが、しかし、今申し上げましたように、じゃドルベースで上がったら実力が上がったかといえば、そんなことは決してないわけでございまして、かつまた名目と実質が逆転しているときは特にそれはそう言えるのではないかと、こう思います。 例えば、デフレが進行している中においてデフレーターが例えば五%であった中で、その中で実質がプラス例えば五・七といったところで、これは実は名目は〇・七でありまして、その五%なぜプラスになったかといえば、ただ単に五%デフレになったからこれは実質が五・七になっているにすぎないわけでありまして、それじゃ果たして経済でいい状況を示しているかといえば、これは必ずしもそうとも言えないわけでありまして、大切なことは、実質のGDPも上がっていくし、それを上回って名目がしっかりと、名実が逆転する、安倍政権においてはこの名実の逆転を再逆転して実質を名目が上回る形をつくることができたわけでございまして、その中でしっかりと経済成長を進めていきたいと、こう考えております。
○大塚耕平君 それでは、総理は適正な円相場の水準はどのくらいだというふうにお考えになっているんですか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) これはもう日銀出身の委員は分かっていておっしゃっているんでしょうけれども、為替の水準については、答えることは差し控えさせていただきたいと思います。
○大塚耕平君 総理、ドルベースのGDPは、これは世界はドルベースで比較し合っていますので、国富を失うという、そういう見方もされるということはよく御理解をいただいた方がいいと思います。 その上で、今インフレ政策をしようとしているわけですが、四番のグラフは時々使わせていただいております財政赤字の対GDP比です。戦後、一九四五年から一九七〇年ぐらいにかけてこの比率が下がった理由について、財務大臣で結構なんですが、お考えになるところを述べていただけませんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) このグラフね。
○大塚耕平君 そうです。
○国務大臣(麻生太郎君) この真ん中のところの多分一九四〇、これは一九四〇年、この間は多分戦争が終わった後、一ドル二円が三百六十円にどおんとおっこちて、インフレになっていったあの頃の時代だと思います。
○大塚耕平君 そうです。
○国務大臣(麻生太郎君) でしょう、これは。そういう時代なんだと思いますが、それがここまで……
○大塚耕平君 何で下がったか。
○国務大臣(麻生太郎君) 何で下がったか。 これは、残念ながら、日本の場合、国力がこの時代というのは極めてまだ落ちていたので、国際社会に復帰したのが五一年ですか、その頃までずうっと下がりっ放しで、その頃からまだしばらく下がっていった時代だったんじゃないでしょうか、これは。ちょっと今初めて見たので、こういう数字を余り全体で見たことがないんですが、基本的には、これは吉田内閣の頃ですな、この時代は。 だから、そういった多分占領中から独立した直後ぐらいで、まだ経済状態が極めて不安定、朝鮮事変が始まったのが千九百五十何年ですから、その頃から上がってくるということになるまでの間はずっと落ちていたのかなという感じはします。
○大塚耕平君 いや、今インフレとおっしゃったんですが、主因はインフレなんですよ、もちろん政府が国債や軍票をある程度踏み倒した部分もあるんですが。 総理、これは感想でいいんですが、昭和二十年から二十九年の間に我が国の物価は何倍になったというふうに思われますか、別に外れても結構ですから。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは、正確な数字は分かりません。ちょうど二十年から二十九年、二十九年はちなみに私が生まれた年なんですが、どうでしょうかね、言わば、戦後のインフレにおいては四〇〇%であったという、四、五〇〇%ぐらいですかね。それが大体それぐらいになる。その後、ちょっと、戦後が終わって、その後どれぐらいかということについては、よく私も記憶はしておりません。
○大塚耕平君 鋭い御回答で、約三百倍なんですよ。それが比率が下がった主因で、そこで日銀にお伺いをしたいんですが、これインフレをどこまで追求していくかということなんですが、二%で目標は打ち止めという理解でよろしいですね。
○参考人(黒田東彦君) もとより、物価安定の目標というのは、消費者物価の前年比上昇率で二%、こういうふうに定義しておりまして、これを安定的に実現するということを目指しておりまして、高いインフレ率を目指してはおりません。
○大塚耕平君 日銀のマイナス金利によって、昨日は、政府が国債入札したら、資金調達した政府の方が六十億円もうかっちゃったという現象が起きているんですよ。こうなると、どんどん借金したくなりますね、政府としては。 そういうことを目指しているわけではないですね、財務大臣。
○国務大臣(麻生太郎君) 全く違います。
○大塚耕平君 二%達成時期は二〇一七年前半ということですが、二〇一七年の物価の見通しは、日銀は何%としていますか。
○参考人(黒田東彦君) これは御案内のように、石油価格が足下から見通し期間の後半にかけて四十ドル台の後半に上がっていくと、緩やかに上がっていくという前提でございますけれども、二〇一六年度は、消費者物価、除く生鮮食品でプラス〇・八%、二〇一七年度でプラス一・八%という見通しでございます。
○大塚耕平君 二〇一七年で全体が一・八だと、前半に二%を達成したら、後半は一・六とか一・四に低下するということを言っているわけですね。
○参考人(黒田東彦君) この政策委員の見通しは、そういった四半期とかそういうものは出しておりません。あくまでも、委員の方々の中央値では、二〇一七年度の前半頃に二%程度に達する見通しであると。それは委員の方々の先ほど申し上げたプラス一・八%という中央値の数字と整合的にはなっておりますけれども、具体的に前半で何%、後半で何%とか、あるいは第一・四半期、第二・四半期という年度内の数字は各委員から出していただいておりません。
○大塚耕平君 ちょっと日銀総裁のお言葉とは思えませんけれども、総理、ここ、よく理解をしておいてくださいね。 二〇一七年に一・八という見通しを発表していて、二〇一七年前半には二%達成すると言っているわけですから、もう間延びして任期最終年に入っていますけれども、ということは、後半は下がらないといけないんですよ。こういう不整合な目標とか数値を発表しているからうまくいかないんです、日銀の金融政策は。 もうそろそろアベノミクス、金融緩和に頼ったアベノミクスというのは方針を変更して、介護であるとか保育士であるとか、そういう地に足の付いた家計の所得の底上げと、そして経済の好循環につながるような税制であったり歳出の中身に転換すべきであるということを最後に申し上げて、長時間にわたりましたが、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で大塚耕平君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、鶴保庸介君の質疑を行います。鶴保庸介君。
○鶴保庸介君 自民党の鶴保庸介でございます。 自民党初めての質問でございますが、野党の質問時間が何とこの時間まで引っ張ってまいりましたので、残り大体一時間ぐらい、もう野党の質問のかがみだと私は思いますが、本当に本当にいろいろ質問をしていただきました。 ただ、こうなると、あしたの質問時間で少数野党がテレビの前で質問ができないということも、是非視聴者の皆さんは御理解をいただきたいと思います。したがって、時間調整について少し考えたんですが、今日のところ、一時間、あと残り一時間の間フルに使わせていただいて、質問させていただくことに御了承いただきたいと思います。 まず冒頭、憲法の改正の話が先般出ておりましたが、衆議院の選挙制度改革の議論も今佳境に入っております。参議院でも昨年来議論を重ね、本年七月の参議院選挙では、四県の二合区という県をまたぐ選挙を行うことになりました。 行政の単位は都道府県が基本となっておるはずでありますし、歴史的、文化的にもその単位が尊重されるべきではないのか、あるいは、都道府県が行政単位である以上、政治も行政単位で行うべきではないのかという議論が我が党の中では大勢を占めたように思います。そうであるならば、選挙制度も都道府県単位であるべき。したがって、今の憲法では一票の格差の平等を求めているとの判断が最高裁でもなされているということでありますが、この話はもう何度も何度も聞いておられると思いますし、議論もされたと思います。 ただ、仄聞するところによりますと、最高裁の判断の根拠になっている大きな部分において、国会の議論が非常に参考になって、参考にしているという話もあります。したがって、我々はこの場をもって大いに議論をしなければならないのではないかということを問題意識として持っておりますので、総理の感想をまずお伺いをしておきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現行の都道府県制度は、議員の御指摘のとおり、長年にわたって広域自治体としての行政の単位として国民にも社会にも深く定着していると認識をしています。 他方、平成二十六年十一月二十六日の最高裁判決において、都道府県を単位として各選挙区の定数を設定する現行の方式をしかるべき形で改めるなど、具体的改正案の検討と集約が着実に進められ、違憲状態が解消される必要があるとの指摘もあったところでありまして、こうした判決も踏まえて、各党各会派における様々な議論を経て、参議院選挙制度については、平成二十七年七月、二合区を含む十増十減によって格差是正を行うための公職選挙法改正が成立したものと承知をしております。 今年夏に行われる参議院選挙、通常選挙から、参議院議員通常選挙から適用されることとなっておりますが、いずれにせよ、都道府県制度との関係を含め、選挙制度改革については議会政治の根幹に関わる重要な課題であることから、参議院特有の事情も踏まえながら、県の単位がどれぐらい尊重されるべきかという御議論もございます。各党各会派により建設的な議論が行われるべきものと考えます。
○鶴保庸介君 そういうことを前提にして、我が参議院では、参議院の改革協を久しぶりに開催をさせていただくということを議長が今諮っていただいておるようであります。そもそも参議院はどうあるべきなのか、二院制の在り方、それから我々参議院が果たす役割等々について骨太に議論をして、その結果として我々の選挙制度も考えていかなければならない、これは言うまでもないことであると思います。 ただ、そうであるとしても、この我々の一票の格差問題が憲法を改正してでもやらねばならないという結論を得たときに、参議院が一人選挙区、一人でも都道府県の代表選手としての性格を持ち得るんだということをきちっと明定するために、憲法にそれを明定するべきではないかという声が多く我が党ではあります。総理の考えをお伺いをしておきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、鶴保委員から御指摘があった点も踏まえて、憲法のあるべき姿について国会で大いに議論がなされるべきであろうと、こう思う次第でございます。二つの県が一つになったときに、その候補者が果たして自分たちの利益を代表し得るかどうかという大きな課題もあるわけでございまして、そういうことについて、この地域の代表をどう考えるかという観点も含めて大いに御議論をいただきたいと、このように思っております。
○鶴保庸介君 恐らくここにいらっしゃる先生方の過半数に近い人は今回選挙でありますから、我々、地方へ帰りましたら、その都道府県単位の選挙がなくなるということに対して有権者から大いなる心配を、懸念を示されているんだろうというふうに思います。 私たちもこれを受けてしっかり国会で議論をしなければなりません。その意味においても、先ほどの総理の答弁をしっかり私たちも受けて、党としてこれを公約に入れるか入れないかみたいなものもこれから前広に考えていきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 それから、外交問題をちょっとさせていただきたいと思いますが、総理、ちょっと休憩の意味を込めて。今、アメリカの大統領選挙の速報が入ってまいりました。スーパーチューズデー、十一州あるうちの七州でクリントン氏が当選確実を得た、それからトランプ氏が共和党では六州の当選確実だと、過半数を得たということの速報があったのでありますが、総理はこの速報を受けてどんな感想をお持ちでしょうか。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) このスーパーチューズデーは、米国の大統領予備選挙の節目の一つであり、その結果を注目をしておりますが、これ以上のコメントは内政について発言をすることになりますので、適切ではないのでコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにせよ、昨日の予備選挙には多くの若者を含む米国民が我が事として積極的に参加をし、大いに議論をしていました。躍動する米国の民主主義を体現しているというような感想を持ったところでございます。 次の米大統領がどなたになるにせよ、日米同盟は日本外交の基軸であり、アジア太平洋や世界の平和と繁栄のために米国と緊密に、新たな大統領と緊密にまた連携をしていきたいと、こう考えております。
○鶴保庸介君 想像していたとおりのお答えでありました。 ただ、いろいろと懸念というか、個人名を挙げると失礼に当たるかもしれませんが、トランプ氏に関して様々な批評、評価があるようでもあります。ポピュリズムになっているのではないか等々の言い方をされる場合もありますから、これらの問題に対しては情報収集を怠らず、どんな事態が起きてもしっかりと対応していただけるようにお願いを申し上げたいと思います。 また、これは、アメリカの国民にしてみれば、一度変えてみようという声が大勢を占めているという評価をする方もいらっしゃいます、いつか聞いたような話ではありますけれども。一度変えてみようという浮いたような気持ちで選挙が行われた結果大変なことになったというのは我が国も経験をしたかもしれない。しっかりと政策をかみ砕いて国民に理解を求めていく努力が本当に必要なのではないかというふうに痛感をいたします。その意味において、我が党が政策を不断に国民に対してかみ砕いて説明をしていく必要があるのではないかというふうにも思います。 そこで、日本外交、地球儀を俯瞰する外交を展開する総理にこそ是非これを質問をしたいわけでありますが、現状で日本外交を見るときに、まだまだマンパワーの活用が遅れているのではないかというふうに感じざるを得ません。現地駐在の日本人から様々な話を聞いて、その情報を基にいろんな外交政策を展開していくというのは当然のことであります。また、それをしている現状も私もよく存じ上げておりますけれども、例えば、参議院、国会議員のような外交経験の豊富な人材を活用するであるとか、在外の日系人の方々のマンパワーを活用するであるとか、こうしたことについては、まだまだ遅れているどころかなお後退しているような気がいたします。 少し参議院の活用について話をいたしますと、先ほどありました参議院の改革協議会において、我が参議院の在り方の検討の大きな柱として、参議院議員は六年の任期があるわけですから、その六年間の任期をしっかりと外交問題にぶつけていくことができ得る、そういう立場であるということを前提に大いなる外交の参議院という立場を確立するべく議論をしましょうということを申し上げております。 この参議院議員の在り方はともかくといたしましても、在外の日系人については、まだ活用が遅れているどころか、JICAを含めた独法の事業の見直しが進められている中で徐々に補助金を減らそうという方向性すら出されているように聞いております。こうした日系人の多い国との連携はこれからも重要になっていくと考えます。 こうした現状に対して、反省あるいは今後の方針について、総理若しくは外務大臣から御意見を賜りたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、委員御指摘の在外の日系人の方々のコミュニティーあるいはネットワーク、これは我が国の外交にとりましても財産であり貴重な存在であると認識をいたします。 そうした日系人の方々との連携を重視しなければならないということで、外務省としまして、例えば、先ほど補助金のお話もございましたが、中南米諸国の日系団体に対する移住者保護謝金の支給により困窮移住者の生活面及び医療面での支援を行っているところです。 こうした支援もしっかり維持していかなければならないと思いますし、何よりコミュニケーションが重要だということで、在外公館においても、また毎年日本で開催されます海外日系人大会においても外務大臣自身がレセプションを主催するなど、様々な交流の場、対話の場を設けるなど工夫をしているところであります。一昨年、安倍総理が中南米諸国、歴訪されました。そのフォローアップとして、官邸には中南米経済・文化交流促進会議も発足をしています。 是非、外務省、そして政府挙げて、こうした日系人との交流、さらには支援、しっかりと充実をするよう努力を続けていきたいと考えます。
○鶴保庸介君 昨年、私もアルゼンチン等々に行かせていただきました。そこで聞いた話は、非常に日本本国の対応が冷たいという印象だという感想の方が多かったんですね。我々に対して、我々というのは在外の日系人ですけれども、我々が母国日本に対して思っている思いと日本が我々に対して思ってくれている思いとが物すごくずれているという気がしてならないんだという話をしておられました。外務省の方に事前にレクを受けた感じでは、法的には外国人ですからというような説明が何度もございました。 外務大臣、もう一度問いたいと思います。JICAの補助金が減ってくる、これは分からないではないにしても、もう一段深掘りで、今までやってきたこと以上にやはり深くここは努力をしていかなければならないのではないかと思いますが、何かその辺のアイデアがございましたら御披露いただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほども申し上げたように、私自身、海外における日系人の方々のコミュニティーあるいはネットワーク、これは日本外交にとってかけがえのない財産であると思いますし、こうした方々との連携はこれからも重視していかなければなりません。 先ほど幾つか具体的な取組について御紹介をさせていただきましたが、こうした体制を維持そして拡充するためにも予算が必要になります。また、体制も必要になります。具体的な予算あるいは定員等においても、今申し上げた視点を大変重視しながら、更に具体的な取組、何ができるのか、引き続き検討は続けていきたいと考えます。
○鶴保庸介君 しつこいようでありますが、日系人はそれぞれの社会で大いに、政治的な進出も図られている国もあるようであります。パラグアイなんかは市長もたくさん出ているみたいですからね。こういう人たちを活用しない手はないと思いますし、各自治体もそれぞれの日系人社会と交流を深めておりますから、こういう情報も是非、外務省としては自治体を直接所管はしていないということではあろうと思いますけれども、こうしたことを連携を取っていただきながら進めていただくことが大切なのではないかというふうに思います。 そういう連携の話をすると必ず次なる問題点が出てくるわけでありますが、省庁間連携というのは非常に難しい問題があると思います。 問題があるというのは、やはり今この時代が物すごく速く流れていまして、現場のやり取りをしていかなければもう間に合わないような連携の状態を、現場のやり取りができるような状態にしていかなければならないと思いますが、省庁間連携というと、ともすると役所の方は省庁間会議を頻繁に行っておりますと、といっても週に一回ぐらいなんでしょうけれども、というようなことを答えられるわけですね。この省庁間連携をしっかりとやっていかなければ、例えば問題が起きたときの対応にすごく後手後手に回ってしまう。 私は捕鯨問題を常にやっておりますけれども、ここで捕鯨問題を出すのはどうかと思いますが、反捕鯨の団体が南氷洋で妨害行為を行いますよという情報が入ってきたら、それをすぐに外交ルートを通じて当該対象国に対話、圧力を掛けていただくということが非常に大切であり、最近になってそれはよくできているなという部分もあると思います。 ただ、その担当の方が替わってしまったらそれだけで終わってしまうような、その都度その都度、その担当の趣味というか、そんな状態であってはいけないのではないかというふうに思いますから、この省庁間連携について、まずそのやり取りをどうやってすればもう少し部局としてやり取りが早くそして緊密にでき得るのか。その辺りは外務大臣、あるいはこれは行革の観点から河野さん、河野行革担当大臣に聞いてみたいと思います。どうぞ。
○国務大臣(河野太郎君) 省庁間の連携が様々な分野で大事になってきているというのはそのとおりだと思いますが、これはもう大上段に行革というよりも、事業、施策を担当する関連部局が密接に様々な形で相談をしていただく以外にはないだろうと思っております。 その際、テレビ会議その他、ICTを活用するということができれば、遠隔地であっても、あるいは一か所に集まらなくてもスムーズな意思疎通ができるのではないかと思っておりますので、行革の視点からできるところがあるかどうか、しっかりとモニタリングしてまいりたいと思います。
○鶴保庸介君 まあ当たり前の話なんですけどね、連携をしなきゃいけないなんというのは。ただ、今までどおりのことをやっていたんじゃ到底間に合わないということを、是非問題意識を持っていただきたいんです。 総理がいつも言っておられるインフラの輸出でも、外務省と国土交通省の連携がもう現場でうまくいくような、こちらの国の国王はこんなことを求めていますよということを外交官はもう分かっているわけですよ。でも、それを国交省の方々を通じて日本のゼネコンや様々な建設、建築関係の方々にそれが伝わっていないというようなことが間々ありました。こういうことはやはり我々にとっての損失でもあり、それが危機の管理にもつながり得る問題だと思いますから、これはもう喫緊の課題だと認識をしていただきたいと思いますし、外務省の話ばっかりをして大変恐縮でありましたが、そういう特に外交ルートについてはその意識を持っていただきたいと思います。 質問通告をしたのはもう一つございますが、それ飛ばさせていただいて、観光に行きたいと思います。 観光は、御存じのとおり、もうここで観光の意義についてお話をするのは避けたいと思います、アベノミクスの成長戦略の大きな柱の一つになっていると思います。ネットで黒字化がもうほとんど間近であると思いますし、観光のインバウンド消費額というのはもう三兆円を超えておりますから、これから観光について大いに基盤整備をしていかなければならないということはもう国民の多くが分かっておられる。今、観光を語らない地方の政治家はほとんどいないと言っていい状態だというふうに思います。 そんな中、インバウンドだけに目を向けたとしても、宿泊先がないということで、この宿泊先の確保のために民泊という問題が持ち上がってまいりました。 御存じのとおり、民泊というのは、自宅の一部や空き別荘、マンションの空室などを活用して民泊サービスを提供するものと厚生労働省は定義しておりますけれども、様々な形の民泊の形態が出てきておりますから、私たちも、これを民泊という一くくりですることには多少慎重であらねばならないということを前提にした上で、もっと言うと、この民泊の問題をずっと突き詰めて考えていきますと、この民泊事業者というのが、果たして旅行業者なのか旅館業者なのか、あるいは管理責任があるのかないのかみたいな、大きなそもそもの問題にぶち当たってしまうわけであります。 総理、シェアリングエコノミー、つまり、こういうマッチングサービスをするようなネット業者さん、これは民泊に限らず、タクシー業者であるとか様々なマッチングサービス、IT関連の業界がありますけれども、こういったシェアリングエコノミーについて、海外で民泊はまず違法なのか合法なのか、これも分からない状態で今どんどんどんどん進んでいっているわけですね。こういうものが海外ではなし崩し的に認められているのか、合法として認められているのかはそれぞれの国によって違うんでしょうけれども、海外において合法、国内において違法というようなものがシェアリングエコノミーとしてこれから広がっていく現状に対して、総理御自身はどんな思いを持ち、そしてどんな手だてを打たれようとしているのか、教えていただきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 一般家庭にお客さんを泊める、いわゆる民泊に代表されるITを活用したシェアリングエコノミーは、不特定多数の個人間で遊休資産や技能を共有する新たなサービスとして、世界中で様々な分野で登場していると思います。 このようなサービスの普及促進を図ることは、新たな市場の活性化を促し、我が国の成長戦略に資する一方、既存の類似サービスを行う事業やその関係法令との整合性を図っていくことが求められると、このように思います。 海外では、かなり、自宅とかあるいは別荘を持っている人がそれを全く他人に貸していく、それはインターネットでそれがビジネスとして成立をしている中で盛んに行われているわけでございますが、一方、今までなりわいとしてそれを行ってきた人たちは、しっかりと義務として様々なことを果たしているわけでございます。そのことをどう考えるかということも重要なことなんだろうと思いますが、このため、政府としては、類似サービス提供事業者との公平な競争条件の確保、消費者保護の確保等の観点から、既存の法令との関係の整理等を含め、新たなルール整備に取り組んでいく考えでございます。
○鶴保庸介君 この問題は、テレビを見ている皆さんも恐らく、うちの空き家を使いたいなと思っていらっしゃる方もいらっしゃると思うので、ちゃんと議論を整理しておかなきゃいけないと思うんです。 国土交通大臣にお伺いをいたします。今の民泊事業は、これは合法ですか、違法ですか。
○国務大臣(石井啓一君) 旅館業法を所管する厚生労働省によりますと、自宅の建物を活用する場合であっても、有償で反復継続して人を宿泊させる場合、旅館業法に基づく営業許可が必要とされております。したがって、自宅等が活用される民泊につきましても、それが有償で反復継続して提供されている場合には旅館業法に基づく営業許可が必要となり、営業許可を受けずに民泊を実施した場合は違法となると考えられます。 また、仲介者に対する規制でありますが、旅行業法がございますが、旅行業法は、宿泊のサービスの仲介行為を旅行業と定義をし、旅行業者に対する登録制度を設けております。旅行業法上の宿泊のサービスとは、典型的にはホテルや旅館を指しますけれども、民泊につきましても、有償で反復継続して実施されるものである場合は宿泊のサービスに当たります。したがって、そのような民泊を仲介する行為は旅行業に当たり、仲介事業者は旅行業の登録を受け、旅行業法を遵守する必要があるところでございます。
○鶴保庸介君 旅行業の免許を取らないと違法だという理解でよろしいんでしょうか。大臣、もう一度お願いします。
○国務大臣(石井啓一君) 仲介する業者の民泊が有償で反復継続して実施されるものである場合は、旅行業の登録を受ける必要がございます。
○鶴保庸介君 とするならば、今行われている民泊事業の大半は旅行業者ではないわけですね。仲介をしておるプラットホームは、恐らくはオーナーも提供している側も旅行業の免許を取っているとは到底思えません。 しかしながら、幾つか散見されますように、事業として近所に迷惑を掛けた、あるいは様々なトラブルがあった、もっと言うと、反復継続をしてこの事業を行うことによって、旅行業者、事実上の営業をしているにもかかわらず事業所得の申告もできていないと。当たり前ですけれども、事業として本人たちが認めていないわけですから、という状況にあって、税の申告もできていないということになり得るわけです。 一番分かりやすいのは、地域の皆さんが、この民泊事業を隣の家でやっているなと、マンションに住んでいて、隣の家で何か中国の方や外国の方がわあわあと大騒ぎしてよく出入りしているなというようなことを見たときに、これちょっと待ってくれ、民泊をやっているんじゃないのかということを気が付いたときにですよ、さて、これ違法ですと、さっきおっしゃったとおり違法ですとなった場合、では誰がその違法を取り締まり、そして誰のところへその話をしに行けばいいのか、恐らくほとんどの方はそういうことは分からない。 警察なのか、自治体なのか、あるいは保健所なのか、こうしたことについて、大臣、少し御報告をいただきたいと思います。 〔委員長退席、理事岡田広君着席〕
○国務大臣(石井啓一君) 民泊に関する問合せや苦情につきましては、厚生労働省が所管する旅館業法の担当部署である保健所を中心としてまずは適切に対応すべきと考えておりますが、国土交通省といたしましても、民泊に関する問合せや苦情を受けた場合には、必要に応じて管轄の保健所を紹介する等、適切な対応に努めてまいりたいと思っております。
○鶴保庸介君 苦情がありましたらしっかりと受けていただきたいと思いますが、その対象は、大臣、今お答えになられたかな。もう一回お願いします。どちらに苦情を言えばいいのかということですね。
○国務大臣(石井啓一君) まず、保健所にお問合せをいただきたいと思います。
○鶴保庸介君 せっかく作ったパネルを使わずにするのももったいないと思いますから、一枚目は、これ、今後日本の観光がどうなっていくのかというパネルであります。資料をお配りをしておる多分一番目にありますが、二〇二〇年以降の観光の見通しでございます。(資料提示) これを見ると、よく言われるのは、どっちみち二〇二〇年までの観光がわあっと伸びていって、まあオリンピックが終わったらもうがくんと下がるんでしょうというふうに言う人が多いんですけれども、そうではどうやら各国の過去のオリンピックの状況を見るとないらしい、一旦下がっても必ずまた元へ戻ってきて大体次の成長路線に戻っていくと。要するに、インバウンドはこれからだんだんだんだんと右肩上がりに増えていきますよということを想像させる資料なんですね。そうなるとはっきり断言できるわけではありませんが、こういう資料を見ると、私たち、しっかりと宿泊インフラについて強気の投資をしていただく必要があろうと思いますし、それを補完する意味で民泊事業は肯定的にこれからちゃんとしたルールを決めて作っていかなければいけないのではないかというふうに思います。 先ほど総理の御答弁にもございました、しっかりとしたルールをこれから決めていくんだという話でありましたけれども、そうしたルールを決めていく中で、もう一度、総理、これ観光の部分を最後にちょっとお伺いをするんですけれども、さっきシェアリングエコノミー全般の話をさせていただきましたけれども、今度は観光、民泊ということについて、恐らくこれが今のところ違法になってしまっています。しかし、いわゆる域外適用という問題がございまして、要は、日本でこれが違法ですということになっていたとしても実際取り締まれるのかという問題がございます。 というのは、民泊マッチングサービスをしている業者さんというのは、海外にいらっしゃる、海外にサーバーを置いていらっしゃる。そして、それは事業として行っているのではなく、彼らの主張はですよ、主張は、私たちは単なるマッチングサービスを行っているのであって、事業をしているのではないという主張をずっとしておられるものですから、税金も取れないという状況なんですね。これは、ほとんどのシェアリングサービスも、一般論でさっき申し上げましたが、こういった業態について大問題になってくるわけです。 問題意識としては世界の多くの国々が同じ共通意識を持っているのではないかという意味において、これ、今度始まるサミットにおいても議論にしていただけたらいいぐらいの話なのではないかというふうにさえ思います。総理の御感想をお伺いをしておきたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 伊勢志摩サミットの議題についてはG7の国々と調整中でございますが、今委員が言われた点については、例えば課税が正しくなされているか、課税の在り方等々については英国におけるサミットで議論したこともあるわけでございまして、言わば課税が、特にネットを活用した場合どこで課税をするかということ、あるいはその合法性ということについては、それは大変私は国際的な議論として、ルール作りということにおいても重要な議論だとは思いますが、G7における議題についてはこれG7の中において調整していくことになると思います。
○鶴保庸介君 よろしく御対応をお願いをいたしたいと思います。取締りし切れませんから、この状態、今のままだと。今国交大臣がおっしゃったみたいにこれが違法だということが認定されたとしても、今の状態だと取締りし切れないということになりかねない状態でありますので、よろしくお願いをします。 それから、先ほど資料をちょっとお配りをいたしておりますが、これはパネルは作っておりませんが、資料の二には、これは仲介業者が、欧米の仲介業者だけではなくて、こういう新たな中国系の仲介業者もたくさん出てきておりまして、これらがどういう業態、形態でやっておるかということが全く分からない、闇の中に入っているということも現実にはあります。 したがいまして、今後民泊をしていくとしても、現状ではまず取締りをちゃんとしていかなければいけないという問題意識を私たちは持っておるところでありますので、そこら辺りは国土交通省も是非積極的に関与していただきたいというふうに思います。 調子よく参りましたので、このまま行きます。中古住宅の話を、最後にというか、させていただきたいというふうに思います。 住宅は、御存じのとおり、もう古くて新しい問題、新しくて古い問題なんですが、特に最近は空き家住宅の増加が目に余るものになってきております。空き家率のペーパーを資料としてお配りをいたしました。資料の四を御覧ください。 この空き家の増加、空き家の発生は各地域によってばらつきがございます。見ていただければ分かるとおり、中国地方、四国、四国多いですね。四国も大変多いんです。それから中国地方、総理の御地元の山口県も、なぜか空き家発生率はもう多分ベストテンに入るような状況になっております。 ただ、国土交通省にこれを事前に聞きますと、この空き家発生の理由について明確な答えはない、まだ今は調査中だという答えを聞いております。その認識でよろしいんですか、国土交通大臣。
○国務大臣(石井啓一君) 空き家が生じる要因でございますが、平成二十六年の空家実態調査によりますと約六割が相続を契機としたものでございまして、今後、少子高齢化の進展、世帯数の減少により空き家の増加が加速するおそれがあると思っております。
○鶴保庸介君 この空き家発生の理由についてしっかりとした調査、原因を求めなければ、この対策もなかなか取り得ないというふうに思います。 今後、その調査を待ちたいというふうに思いますが、特に、最近の住宅政策を見ておりまして、大きな意味での住宅のありよう、住宅政策のありようみたいなものが少し、錯綜していると言ってはなんですけれども、よく見えてこないという部分があるように思います。 そんな中、最近では住生活基本計画の改定等々を準備していただいておるようでありますが、ここでその話をしていただくよりも、例えば今回の予算委員会でも何度も出ております三世代同居の住宅政策、昨日ですかね、最高裁で判決が出ました。 高齢者の老老介護をしている方、片方というか徘回癖のある被害者というか、加害者になるんですね、この場合は。加害者が、徘回癖があって事故を起こしてしまった、そして事故が起きた、起こした相手のJRから損害賠償を請求されるという誠に痛ましい事故でありましたけれども、最終的には、同居している妻あるいは同居していない長男には損害賠償、監督義務、監督責任は、まあ監督責任がないとはっきり言ったわけではないんですが、監督の賠償責任はないんだということをおっしゃったようであります。 こうした事例を見ると、住宅政策について、果たしてこれから同居を進めるべきなのか、同居を下手に進めてしまうと監督責任ありと言われてしまいかねない。ですから、同居を進めるべきなのかということもはたとゆっくり考えなければいけませんし、また、近接住居ということを今まで国土交通省は旗頭に上げてきたはずでありますけれども、こうしたことごとについてしっかりと議論をしていかなければいけないというふうに思います。 かてて加えて、人口が減少しているにもかかわらず新築の住戸がどんどんどんどん増えているという統計もあります。新築は年間八十二万戸強だと思いますが、空き家住宅の発生を差し引いたとしても、新築住戸はまだこれ増えていますね。人口減少の社会にあってこれだけ新築住戸が増えているということも、何か国民としては納得のいかない部分もあります。 こうした意味で、大きなこれからの住宅政策についての方針を大臣に語っていただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(石井啓一君) 先ほど少し御紹介いただきましたが、本年度中に住生活基本計画を閣議決定する予定でございます。 その中に新たな目標を幾つか掲げようとしておりますが、その一つに、高齢者が自立して暮らすことができる住生活の実現を目標の一つに掲げております。また、先ほどから御指摘あります急増する空き家の活用、また除却ですね、活用できないやつはもう取り壊すと、そういったことの推進も目標の一つに位置付けて取り組んでまいりたいと考えております。 具体的な中身は、また御質問いただければ御説明したいと思います。
○鶴保庸介君 そう言われると質問をしなきゃいけなくなる。 空き家の活用といいますか、空き家はどうすれば減るのかということをじゃ質問させていただきたいと思うんですね。やっぱり自治体も地域もすごくこの空き家問題に対して興味を持っていらっしゃるし、日々取り組んでいらっしゃいます。どうすれば空き家が減るのか、何が問題なのか、その辺りは、大臣、お答えをいただければと思いますが。
○国務大臣(石井啓一君) これは、先ほど申し上げた住生活基本計画の中で目標の一つに位置付けておりますけれども、空き家対策については、利用できるものは利用し除却すべきものは除却するという考え方でございます。 具体的には、まず、空き家が発生するのを抑えるため、良質で魅力ある既存住宅の流通の活性化、中古住宅の流通の活性化を推進をするということがございます。また、ほかの用途に転用するということで、介護、福祉、子育て支援施設等のほかの用途の転用を促進をいたします。 一方で、防災とか衛生、景観等の生活環境に悪影響を及ぼす空き家については、空き家法を活用した市町村の計画的な解体、撤去を支援をしてまいりたいと存じます。 来年度予算の中では、社会資本整備総合交付金とは別枠で、市町村の取組を支援する空き家対策総合支援事業を創設することとしております。 また、こうした市町村の取組を進めていく上で、空き家の所有者等の情報の収集、提供の充実も有効であるというふうに認識をしておりまして、関係省庁と連携し、対策を検討してまいりたいと思っております。 〔理事岡田広君退席、委員長着席〕
○鶴保庸介君 空き家対策、様々な問題があると思いますが、一つ一つの論点を潰していただきたいと思います。 大臣がおっしゃらなかったのであえて私の方から申し上げますが、特に空き家の活用においての問題は、所有者が誰なのかということについての情報開示が特に遅れているということがございます。相続関係が錯綜していたりとか所有者がどこかへ行ってしまっていないとか、所在不明の空き家に対してどうやってアクセスをしていくのか、町の不動産屋さんも開発業者もその辺をしっかりと目を開けていただければ有り難いという声をよく聞きますので、是非、大臣、前広にそこのところは考えていただきたいというふうに思います。 それから、中古住宅の政策について、もう様々出ましたけれども、中古住宅流通の一番の問題は、空き家を活性化し、他の用途へ変更していくということは大臣おっしゃったとおりなんですが、その最大の問題は、やはり中古住宅の評価が非常にこれまで硬直的であったということが指摘されております。 この流通市場の現況と、斜めになっているこの三角の部分をちょっと見ていただければと思うんですが、建物は、何と何と二十年近くで、二十年前後でほぼ価値ゼロになっているという現状になっています。 大臣、これ原価法と言うらしいんですけれども、これは本当にこのままでいいんでしょうか。改良していくということだろうと思いますけれども、いかにしてこれを改良していくか、是非語っていただきたいというふうに思います。
○国務大臣(石井啓一君) 御指摘のとおり、これまでの中古住宅流通の現状では、大体税制の減価償却期間と符合するように、二十年から二十五年ぐらいでいわゆる上屋の価値がほとんどゼロになってしまうという、こういうことでありますけれども、実際には、相当まだ価値が残っている、特にリフォーム等をすればその価値が継続するわけでございますので、良質な既存住宅が適正に評価をされる、そういった環境を整備することが重要だと考えております。このため、宅建業者や不動産鑑定士の適正な評価手法の普及、定着を進め、建物の性能やリフォームの状況が評価に適切に反映されるよう取り組んでまいりたいと思っています。 また、この通常国会、法案を提出をさせていただいておりますが、既存住宅を安心して取引できる環境の整備というのも重要でございますので、インスペクションの活用による情報提供の充実を図るための宅建業法の一部を改正する法律案を提出をしているところでもございます。
○鶴保庸介君 要するに、大臣のお言葉を要約しちゃいかぬのですけれども、これから中古住宅は大いなる可能性を秘めて、インスペクション等々の状況整備をし、そして用途の活性化を、中古流通の活性化を図っていくという理解をさせていただきたいと思います。 原価法と言われるような、マイナスになっている、一律にマイナスになるようなものも、この国会で法律を出し、そしてそれを変更していくんだということを国民の皆さんとともに前向きに理解をし、そしてそれを大いに活用し、またそれがアベノミクスの成長戦略の柱の一つにならんことを期待をするものであります。 中古住宅の流通の政策の意義についてはもう論をまちません。もちろん景気対策になることは当たり前でありますが、先ほど言いました空き家対策、そして高齢者にとっても、自分の自宅を、子供たちが独立をしたその自分の大きな自宅をもっと活用することによって国民の年金財政にも寄与するかのごとくできる。足腰が立たなくなって二階建ての家に住む必要がなくなった、あるいは車が運転できなくなって隣がショッピングセンターの便利なところへ移りたいといっても、今の現状ではこの自分の持家を売ることができないというのがこの世の中なんですね。これを売れるようにしましょうというのが今回の私たちの政策だというふうに理解をします。 是非、大臣を始め総理にも御関心を持っていただいて、大いなる住宅政策をこれから展開をしていただくことを期待をして、十分、二十分余りました、終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(岸宏一君) 以上で鶴保庸介君の質疑は終了いたしました。(拍手) ─────────────
○委員長(岸宏一君) 次に、宮沢洋一君の質疑を行います。宮沢洋一君。
○宮沢洋一君 自民党の宮沢洋一でございます。 自民党が野党のときにはこの委員会で随分質問させていただきましたけれども、久しぶりに予算委員会で質問させていただきますし、また、去年はそちら側に座っていたものですからかなり戸惑って質問をしておりますが、よろしくお願いをいたします。鶴保委員が五時まで質問するというお話だったので若干気が緩んでおりましたけれども、気を取り直して質問をさせていただきます。 少し順番を変えまして、最後に質問するつもりでありました世界経済、中国経済について質問をさせていただきます。したがって、最初の質問は中国経済の見通しについて総理に伺うわけですが、その前に少し話をさせていただきます。 昨年の後半、終わりから、世界経済、かなり怪しげな動きになってきているわけであります。そして、今年に入って各国で株価が大幅に下がり、また乱高下するという、こういうような状況、私は、今起こっていることはどうも根っこはみんなリーマン・ショックにあるのかなと実は思っております。あのリーマン・ショックの後に先進国がみんな超金融緩和をした、一方で中国は内需を拡大したという流れの中で、先進国が、特にアメリカが出口に掛かっている、そして内需拡大に走ったはずの中国がかなり怪しいという、こういう中で、BRICSや途上国や、またエネルギーに回っていたお金が戻ってきてしまっていろんな動きをしているというのが今の状況だろうと思っております。 そして、今のマーケットからいいますと中国の現状というのはどうなっているんだろう、将来どうなんだろうというのが、みんなが疑心暗鬼になって相場がどんどん下がっているということだろうと思っておりまして、まず総理に伺いたいのが、政府として、内閣として中国の経済の見通しについてどのように考えられているのかを伺いたいと思います。
○内閣総理大臣(安倍晋三君) 世界的にリスク回避の動きが金融市場で広がっております。これは、まさに今宮沢委員が御指摘になったような中国の景気減速への懸念、これが一番大きいんだろうと思いますが、また、原油価格の低下や、そしてまた米国の利上げ動向等、そうしたものが背景ではないかと思っております。 こんな中で、今般のG20の声明におきましては、最近の市場の変動の規模はその根底にある世界経済のファンダメンタルズを反映したものではないと認識を示した上で、金融、財政、構造改革といったあらゆる政策手段を個別に又は総合的に用いる、巨額で変動しやすい資本フローに対処するための政策手段及び枠組みについて検証を行うといった明確なメッセージが書き込まれ、市場に対して十分な安心感を与えることができたものと考えております。 今後の中国の経済の先行きでありますが、安定した成長は見込まれるものの、過剰設備、過剰信用といった構造的な問題を抱えております。 過剰設備については、例えば鉄鋼や電解アルミ、あるいは板ガラス、セメント等、これが生産過剰業種とされておりますが、中国政府は、このうち鉄鋼と石炭については一六年一月に生産能力の削減目標を打ち出して、企業の合併、再編の促進等を通じて進めていく方針を示しています。これは、まさにかつての日本の構造改革と同じように、過剰設備というのは思い切ってやっぱり変えていかないと再びちゃんとした成長には至らない。 例えば鉄鋼においては、過剰設備の中で安い鉄鋼を世界に売り出すものでありますから、日本の鉄鋼業界も相当大きなダメージを受けておりますが、ただ、一億トン規模のこれは縮減を行っていく、これは日本の一年間の生産に匹敵するものでありますが、そうしたものをしっかりと構造改革をやっていくということを議長国として言わば宣言したものではないかと思います。 今後とも、中国当局が中期的な構造改革へのコミットメントを維持しながら短期的な市場の安定を目指していく必要があると考えております。中国当局がしっかりと運営していくことを、対応していくことを期待したいと思います。
○宮沢洋一君 ともかく、中国の現状というのが、経済全体、また地方経済、さらに上場企業を含む企業等々の状況等々、極めてディスクロージャーが不足しておりまして、これがまさに疑心暗鬼を生むというのを見ていますと、リーマン・ショックのときにサブプライムローンなるものがあって、売っている人も買っている人も格付機関も全く中身がよく分からなかったという状況に何か似ているような気がしておりますが、リーマン・ショックのような、消費税を引き上げないような状況が来ると言っているわけではないわけでありますけれども、というようなことを考えますと、今総理おっしゃいましたように、中国の構造改革は当然避けて通れないし、当然、そういうことになりますと相当大規模な不良債権の処理といったものも相当なスピードでやってもらわなければいけない。 そのためには、やはりともかくなるべく早く中国自体が自分の経済の状況をしっかり把握してもらって、それをまさに投資家なり我々に示してもらうということもどうしてもやらなきゃいけないんだろうと思っておりますが、G20で大変苦労された財務大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 自国の経済をきちっと把握するためには、少なくとも統計とか、いわゆる出します政府資料というものは信頼が置けるものでないと、大体自分たち自身も計画が立てられぬということになるんだと思いますが。 李克強という今の首相が遼寧省にいる頃にいわゆる通称李克強指標というのを出しておられるんですが、余り流通しているものではないんですが、もうその種の人たちはこの数字だけをみんな信用してやっているみたいなものですが、外からチェックできるもの、例えば電力消費量、鉄道の貨物の輸送量、コンテナ輸送量等々、幾つかもう外からチェックできるものだけ五指標でやっておられる数字を、今各国それを見て大体というのをやりますと、表向きの数字とはかなり違った数字になりますものですから。 我々としては、少なくともこの国が非常に抱えております問題は根深いのはもう先ほど総理から御答弁がありましたとおりなんですが、駄目になるにしてもなだらかにいってもらわぬと、急にどおんと来られると、これは迷惑をするのは御本人たちより隣国の方が迷惑しますんで、そこから、この間もみんなで、もう御本人たちにも言ってありますけれども、周りがみんな迷惑するんで、ヨーロッパの人たちはみんな中近東からの難民の話するけど、おたくらの難民とは、こっちから来る難民の予想は倍も十倍も違うというような話をしてもみんなげらげら笑っていますけど、本人と私どもは全然笑わず、二人で真剣に言い合っておるんですけれども。 そういった状況を少なくとも向こうも認めるようになったのは、この三年前とはえらい違いだと思っておりますんで、そういった状況として、我々としても、金融政策を間違えたかもしれないと仮にもああいった公式の平場の席で中央銀行総裁が述べてみたり、楼継偉は、財務部長が、少なくともこの構造改革をやるのに最低五年、いや十年は掛かるというようなことを公式の場で言ったのは過去に例がありませんので、そういった意味では、具合が悪いという意識を隠さなくなってきているというのは前よりは進歩したかなと思っております。
○宮沢洋一君 本当にG20で御苦労されたんだろうなと思っております。 まさに隠さなくなって、きっちり把握してもらったらば、恐らく先ほど申し上げたような不良債権の処理というのは、ああいう国ですから、我々が相当時間掛かった、アメリカでも若干時間掛かったというよりははるかに早く進むんだろうと。したがって、そうなるとかなり霧は晴れてくるんだろうなということを私自身は期待をしております。 時間もそろそろ迫ってまいりましたので、大変乱高下を今株式市場を中心にしているわけでありますけれども、その原因の一つに、いわゆるアルゴリズム、コンピューターにおける手順を定式化するというか、こういう状況になったらこれを売る、これを買うというのを高速コンピューターにシステムを入れて高速で取引をするという、これがかなり世界で多く用いられてきているわけでありますけれども、アルゴリズムが似ていればほとんど同じ方向に行ってしまう、しかも高速であると、こういう問題がかなり今回の大幅な上昇であったり下落、乱高下の原因の一つだろうと思っております。 その辺につきまして、まさに金融担当大臣として世界のそういう取引の状況についてどの程度把握をされていられるのか、また、これを規制するといってもなかなかこれは厄介な話ですが、それなりの検討といったものはやっていかなければいけないんだろうと思うんですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、アルゴリズムというお話が出ましたけど、簡単に言えば、一秒間の間に千回売り買いができるという機械です。一秒間ですから、千回。もう今のはもっと速くなっています。東芝の機械ならもっと速いですから。そういった速い機械になっていますんで、そういったようなもので上がり下がりするもので売ったり買ったりしておられる方々が、今どうでしょう、東証の近くの、あそこにそれ専用のところがあるんですけれども、それだけで、東証の売買の約六割はそこでやっておられると思いますんで、そういった意味では、すさまじい勢いで、これが与える影響は大きいので、中国も同様でして、そういったものの機械で、中国がわあっといってみてわあっと下がってみたりするというのは全部それで、先ほどちょっと過激なことを申し上げましたけれども、中国がなだらかにというときにこれの、アルゴリズムの利用をされると物すごく過剰反応、過剰反動というのが両方出てきますので、そういった意味では、私どもは中国がなだらかにいってもらわないと、それは、いずれにしても生産経済というものを消費経済に切り替えていくときには、我々もかつて高度経済成長の後えらい苦労してやってきたのと同じことを今から中国が遅ればせながらやられる。 そういった意味で、消費経済にシフトしていかれる努力をされるに当たっては、これはもう本当にすごい努力をされないかぬところだと思いますが、おっしゃるように、ああいった国ですから、命令一下やれるという確率は、我々のような、不良債権の処理をしていくときに、各銀行とやっていくときに苦労しましたけれども、時間を掛けずにおやりになれるという力はあろうと思いますので、アルゴリズムとは言いませんけれども、あちらもその千倍ぐらい速くやっていただけるという可能性はなきにしもあらずだと思って期待しています。
○宮沢洋一君 今日は五時まででございますので最後の質問になろうかと思いますけれども、総合エネルギー市場につきまして経産大臣に質問をさせていただきます。 昨年、私が大臣だったときに、いわゆる電事法の第三弾の改正、そしてガス事業法の改正ということで、まさに岩盤規制を崩す法律を通して、電力におきましても、またガス事業におきましても、例えば電力は今年の四月から小売が自由化される、そしてガスは来年四月から小売が自由化させるということで、大変ダイナミックな、しかも競争的な総合エネルギー市場というものが出現しつつあると、こういう状況だろうと思っております。 そして、そういう中で、例えば電力について言いますと、やはり競争をどんどんしてもらうというためには卸売電力市場といったものが活性化をしなければなかなか競争が起こらない。そして、残念ながら、卸売電力市場においては、まだ全体の電力の二%ぐらいしか卸売市場で取引されていないと。こういう状況を、これをスピード感を持って相当な取引量が行われるようにしていかなければいけないと、こういう状況だろうと思っております。 そしてその中で、やはり一つのポイントは、安い、しかも安定的に供給される電力が卸売市場に供給されるということが大変大事なことだと思っております。そして、最も安い電力は、これは野党からいろいろ言われながらエネルギーミックスをまとめましたけれども、間違いなく原子力発電であることは確かであります。大変安価で、しかも安定的な電力、これをどうやって卸売市場に供給させるのかというのは大変大きなポイントだと思っておりまして、私は、そのためにはある程度、いわゆる原子力発電を持っている大手の電力会社に卸売市場に原子力発電の電力を供給することを義務付けるようなことまで実は当初は考えなければいけないのかなというふうに思っておりますが、経済産業大臣の御意見を伺いまして、今日の質問は終わらせていただきます。
○国務大臣(林幹雄君) 宮沢前大臣の御指摘のとおりでありまして、四月の小売全面自由化に向けまして、新規参入を促し競争を活性化させるためには、卸取引市場において十分な取引量が確保されていることが重要でございます。 このため、既存の電力会社の余剰電力を卸取引市場へ供出させる、自主的取組などの活性化対策を推進しているところでございます。一方、現状では、この取扱量は我が国電力需要の約二%でございまして、今後、市場活性化の進展が不十分な場合には制度的措置を伴う活性化策を検討していかなければと思っております。 公平な競争環境の確保あるいは地球温暖化対策の観点から原子力の電気を市場へ供出すべきという声があることは承知しておりまして、今後、原発の再稼働の状況、あるいは小売全面自由化後の競争環境の変化、これなどを見極めつつ、適切な競争環境を確保するために国として行うべき必要な措置を検討してまいりたいと思っております。
○宮沢洋一君 じゃ、終わります。(拍手)
○委員長(岸宏一君) 残余の質疑は明日に譲ることといたします。 次回は明三日午前九時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時散会