法務委員会 第15号
- 発言数
- 68 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2016/05/24
会議録
○委員長(魚住裕一郎君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、法務大臣官房司法法制部長萩本修君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(魚住裕一郎君) 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○三宅伸吾君 おはようございます。自由民主党の三宅伸吾です。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 議題となっております法律案は、下級裁判所における事件の適正かつ迅速な処理を図るため、判事の員数を増加することなどを目的としたものでございます。 まず、下級裁判所における過去の開廷状況についてお聞きをいたします。 先月、最高裁判所事務総局は、ハンセン病を理由とする開廷場所指定に関する調査報告書を公表しております。報告書に至る経緯をごく簡単に御説明ください。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答えいたします。 全国ハンセン病療養所入所者協議会外二団体から、平成二十五年十一月六日付けで、ハンセン病を理由とする開廷場所指定の正当性について検討するよう要請する旨の要請書の提出を受けました。事務総局は、これを契機に、平成二十六年五月十九日に調査委員会を設置して調査を開始いたしました。その後、広く有識者の意見を聴取し、調査の参考とするため、平成二十七年九月から本年三月まで六回にわたり有識者委員会を開催した上、本年四月に調査報告書を完成、公表した次第でございます。
○三宅伸吾君 開廷場所の指定及び裁判の公開性につきまして、その違法性と違憲性について調査報告書はどのような結論を出しておりますか。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) 司法行政事務として開廷場所の指定の事務を行っていた事務総局は、基本的に当事者が現にハンセン病に罹患していることが確認できれば、科学的知見や他者への伝染可能性の有無及び程度、伝染可能性の低下の見込みの有無等の諸事情を具体的に検討することなく、裁判所外における開廷の必要性を認定して認可するとの定型的な運用を行っておりました。しかし、遅くとも昭和三十五年以降においてはハンセン病は確実に治癒する病気となっており、伝染のおそれについても他の疾病と区別して考えなければならない状況にあったとは認められないことから、このような定型的運用は遅くとも昭和三十五年以降は合理性を欠く差別的な取扱いであったことが強く疑われ、裁判所法六十九条二項に違反するものであったというのが結論でございます。 また、開廷場所の選定と憲法の公開原則の関係につきましては、下級裁判所は、最高裁判所の指示に従い、裁判所の掲示場及び開廷場所の正門等において告示を行っていたこと、下級裁が指定された開廷場所において傍聴を許していたということが推認でき、このような運用は憲法の定める公開の要請を念頭に置いて行われていたものと認められるし、指定を受けた下級裁で行われた手続において、裁判所法六十九条二項が想定する公開の要請を満たさないと解される具体的形状を有する場所が開廷場所として選定された事例があったとまでは認めるには至らなかったというのが結論でございます。
○三宅伸吾君 この報告書には有識者委員会の意見が添付されております。有識者委員会の指摘を、最高裁判所事務総局の見解との違いを中心に御説明いただけますか。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) 調査報告書は有識者委員会の意見を踏まえて作成したものでございまして、多くの意見が調査報告書に反映されております。それでもなお調査報告書の考え方と有識者委員会の意見が一致しなかった部分について説明いたします。 まず、定型的な運用ということでございますが、先ほど答弁申し上げたとおり、調査報告書では、遅くとも昭和三十五年以降については合理性を欠く差別的な取扱いであったことが強く疑われ、裁判所法六十九条に違反するものであったというふうに結論付けました。これに対して、有識者委員会の意見においては、この運用は裁判所法違反であると同時にハンセン病患者への合理性を欠く差別であり、憲法十四条一項違反と言わざるを得ないという指摘がありました。また、昭和三十五年以前の例につきましても、ハンセン病患者への反省と謝罪の表明があってもしかるべきだという指摘もあったところでございます。 また、開廷場所の選定と憲法の公開原則の関係につきましては、先ほど答弁申し上げましたとおり、調査委員会の方は、裁判所法六十九条二項が想定する公開の要請を満たさないと解される具体的形状を有する場所が開廷場所として選定された事例があったとまで認定するには至らなかったと結論付けたところですが、有識者委員会の意見におきましては、療養所等ハンセン病患者の隔離、収容の場所で行われた裁判が憲法の要請する公開原則を満たしていたかどうか、違憲の疑いはなお拭い切れないという指摘があったところでございます。
○三宅伸吾君 毎年、憲法記念日の前になりますと最高裁長官が記者会見をされます。本件に関し、今年の記者会見で最高裁の寺田長官は、特別法廷が憲法の法の下の平等に反すると有識者に指摘されたにもかかわらず最高裁事務総局の報告書でこの点を認めなかったことに関し、違法と結論付けたので、それ以上に憲法違反かどうかの判断は法律的には必要ないと説明をされておられます。そしてまた、記者会見で、憲法判断を事務総局がちゅうちょしたのは理解できるとも長官は述べられております。 この長官の発言に対しまして記者から再質問が出まして、その答えの中で寺田長官は、報告書では定型的に行われた手続が正しくなかったと結論を出している、正しくない、繰り返してはならないということなので、法律的に必ずしも憲法判断に踏み込む必要性はないと回答されたそうでございます。 国民、とりわけ関係者は憲法の番人として憲法判断を最高裁判所に期待していたと私は思うのでございますけれども、長官は憲法判断に踏み込む必然性はないとおっしゃったそうでございます。これはどういう趣旨なのでございましょうか。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) 今回の調査におきましては、司法行政事務としての開廷場所指定の適法性、相当性を調査の対象事項といたしました。そして、調査の報告書におきましては、先ほど答弁いたしましたように、開廷場所指定は裁判所法六十九条二項に違反するものであったと結論付けるとともに、今後の開廷場所指定のあるべき運用について記載したところでございます。 このように、過去に行われた司法行政事務としての開廷場所の指定について司法行政主体としての最高裁が司法行政事務として調査を行うというものですから、裁判所法違反であることが確認できれば過去の開廷場所指定が違法ということになりますので、それ以上に憲法判断に踏み込むことが必要であるかというふうに問われれば、必ずしもそうではないというふうに考えています。この趣旨を寺田長官の方は発言したものと理解しております。 なお、調査報告書におきましては、我々事務総局といたしましては、憲法違反とまでは明記しておりませんが、この運用につきまして、裁判所法違反の評価を記載するにとどまらず、合理性を欠く差別的な取扱いであったことが強く疑われるというふうに記載しているところでございまして、この趣旨は、憲法違反かどうかということにつきましては、ハンセン病以外を理由とする開廷場所指定の運用についても詳細な調査の結果、それとの比較というのが必要でございますが、その関係も資料が足りず十分にできなかったことから、十四条違反ということまでは明記しなかったということでございます。ただ、表現としては、先ほど申し上げましたように、合理性を欠く差別的取扱いであったことが強く疑われると記載したところでございます。 委員の方から、憲法の番人として憲法判断を期待されていたという御指摘がされました。今御説明いたしましたように、今回の調査は、憲法上違憲立法審査権を有します裁判体としての最高裁の判断ではないものでございますが、寺田長官からは、憲法価値の実現を担う裁判所が差別を助長する姿勢であったことは痛恨の出来事として重く受け止めており、患者や元患者の皆様、国民の皆様に深いおわびを申し上げたところでございます。
○三宅伸吾君 有識者委員会の結論に対しまして、長官はこのように述べたそうでございます。純粋に法律的な観点を離れて結論を出されたと理解していると、このように長官は述べたそうでございます。 有識者委員はほぼ全員が私は法律家ではなかったのかと記憶しているんですが、この点お聞きしたいと思います。それから、純粋に法律的な観点を離れて結論を出されたと長官は述べておられますけれども、法律以外のどのような視点を有識者委員会が考慮したとの趣旨なのか、改めてお聞きしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) 有識者委員会の委員五名のうち四名が弁護士ないし法学者でございまして、残る一名は報道関係者でございます。その方も長きにわたり司法関係の報道に携わっておられた方でございますので、全員が高い法律的知識や素養を有した方々であるということは委員御指摘のとおりでございます。 委員は、このような法律的知識だけではなく、ハンセン病の隔離政策やハンセン病の患者、元患者の方々を取り巻く困難な社会状況について深い学識経験をお持ちの方、また、ハンセン病問題に関する検証会議にも参加された経験を持っている方ということでございまして、委員会におきましては、法律的な観点からではなく幅広い議論がなされたところでございます。 公開の原則の関係で、有識者委員会の意見におきましては、ハンセン病療養所はそれ自体が激しい隔離、差別の場所であったと言わざるを得ない、療養所自体、一般の人々の近づき難い、許可なくして入り得ない場所であるから、その中で設けられた法廷は更に近づき難いものであったというふうにハンセン病療養所を取り巻く社会的状況を指摘の上、これを公開原則の関係で重要視され、違憲の疑いはなお拭い切れないと指摘されているところでございます。 他方、調査委員会では、公開原則の関係では、一般論として言えば、傍聴人が入るのに十分な場所的余裕があり、開廷の告示などをする方法によってその場所で訴訟手続が行われていることを一般国民が認識可能で、かつ、一般国民が傍聴のために入室することが可能である場所であれば公開原則を満たすものと考えており、その意味で有識者委員会の意見と調査委員会の意見は、純粋に法律的なスタンスというよりは、高い次元の考慮もされた上で判断がなされたというところであります。 このことを長官の方はそういう趣旨で発言されたものでございまして、決して有識者委員会の検討が法律的に間違っているとか、考慮すべきでない要素を加えて検討したという評価を加えた趣旨ではないというふうに理解しているところでございます。
○三宅伸吾君 ありがとうございました。 有識者委員会が、憲法問題を含めて法律判断を下すに当たって、リーガルマインドがなかったのではないかというふうに受け取られるような報道を私は目にしたわけでございます。今の御説明ですと、いや、そうではないんだと、有識者として高い見地から法的事項以外のことも検討したと、これは今お聞きして分かりましたけれども、ただ、こういう誤解というか、私がそういう認識を持った一つの理由は、やはり生の肉声を聞いていないからだと思うんであります。 最高裁長官、年に一度記者会見されているわけですから、是非、インターネット等を使って長官の憲法記念日前の記者会見は公開をされてはいかがでしょうか。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) これまで憲法記念日に当たっての最高裁判所長官の記者会見につきましては、冒頭の長官による談話の発表と記者からの代表質問については録音及びカメラ撮影が行われてきたところでございまして、報道機関はこの録音ないしカメラ撮影による音声又は映像を報道するに当たって利用することが可能な状況になっております。また、長官による談話は裁判所のウエブサイトにも掲載しているところでございます。 肉声をという委員の御指摘でございました。この記者会見の情報発信の在り方につきましては、御指摘の点も踏まえまして、報道機関による報道の実情なども踏まえながら今後更に検討してまいりたいと考えているところでございます。
○三宅伸吾君 有識者委員会は、その意見をこのように結んでおります。「今回の問題は、ひとり最高裁判所・司法府の責任を問えば済むものではない。検事、弁護士等の法曹、法学研究者等法学界の人権感覚と責任が厳しく問われていることも強調しておきたい。」と、このようにして有識者委員会は意見を結んでおります。 ハンセン病隔離政策については、国会も既に責任を認めた上、謝罪決議をしていることを申し添えて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○小川敏夫君 民進党・新緑風会の小川敏夫でございます。 今日は裁判所の方にお尋ねいたしますけれども、今度のこの判事の増員でありますけれども、去年もありました、おととしもありました、今年もあって、私の予想では来年も再来年もあるんじゃないかと思うんですけれども、どうでしょう、そうすると、まず裁判所として、この全体像といいますか増員をしていった目標点といいますか、判事の構成、判事補含めて、裁判官の人員の在り方についての、何といいますか、長期的な展望といいますか、そこら辺のところを御説明いただけたらと思いますが。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) 長期的展望という御質問でございます。 御承知のとおり、今後も一定期間、判事の人員の増加が見込まれているところでございます。今後の判事定員の増加につきましては、このような充員見込みも考慮しつつも、あくまでも、繁忙と言える裁判官の負担を軽減し、充実した審理を可能とし、各種事件の適正、迅速な判断をするための人的な充実を行っていきたいと考えております。 裁判所は、平成十三年の司法制度改革審議会の際に、適正、迅速な裁判を実現すべく、民事訴訟の合議率一〇%、民事第一審の人証調べが実施された判決による終局事件の平均審理期間十二か月以内という目標を掲げたところでございまして、具体的には、訴訟の迅速化、専門化の対応のためにその時点で四百五十人程度の裁判官の増員が必要と見込み、その後、裁判員制度の導入もありまして、その対応分百五十人を合わせまして、平成十三年から平成二十三年までの十年間で判事四百十二人、判事補百九十五人、合計約六百人の増員を認めていただいたところでございます。 近時、事件数自体は落ち着いていますものの、社会情勢を反映した民事紛争の複雑困難化、少子高齢化の急速な進行、家庭の問題解決機能の低下等を背景とした家事事件の解決困難化、累積的に増加している成年後見関係事件の処理の適正化といった、審議会当時では想定していなかった問題にも対応していかなければならない状況にございます。そのため、当時の目標というのはなお現在も達成できていない状況にございまして、現状では、全既済事件に占める合議事件の割合は四・七%でございますし、人証調べが実施された判決による終局事件の平均審理期間は全体で見ると二十・一か月ということでございます。また、裁判官の手持ち事件数も東京地裁で約百八十件以上ということの状況が続いております。 裁判所といたしましては、引き続き司法制度改革審議会当時の目標を実現したいというふうに考えておりまして、そのため、相応の規模の増員を継続的に行っていく必要があるというふうに考えております。 具体的に今後どれぐらいの人数が必要となるかということにつきましては、今後の事件動向、またその質の変化ということに大きく左右されるところでなかなか明確に算定することは難しいところでございますが、平成二十四年の定員法の審議におきまして、先ほど御説明いたしました目標を達成するためには、当時の事件動向を踏まえて更に四百人規模の増員が必要であるというふうに説明申し上げたところでございます。
○小川敏夫君 司法制度改革等の沿革を今御説明いただきました。司法制度改革で具体的に目標に掲げた六百人ですか、それはもう既に達成しておるわけであります。 それで、毎年ここ数年出ている定員法の背景を見ますと、結局、裁判官の増員といっても、裁判官を増やすためには司法修習を終えた判事補を採用するという形が圧倒的な部分を占めておるわけでございます。そういうことで、裁判官の増員というものは、基本的には新たに採用する判事補というものを増やして、それで徐々に徐々に長期間掛けて、十年ですか、掛けて裁判官を増やしてきたと思うんですけれども、結局今の仕組みは、裁判官というものは、任官して最初の十年が判事補、その後、これは年齢によって違いますけれども、二十年とか三十年が判事と、こんな構造になっております。 それで、判事補が十年終わりますと判事になるんですけれども、判事補は定員を増やしたわけであります。しかし一方、判事の方は、まだ少ない採用人数の頃の方が定年を迎えるといいますか、ですから三十年とかそのぐらい前に少ない人数で採用した方が定年を迎えると。そうすると、判事補が増えた人数が、判事補が判事になるときにその人数だけの判事の椅子が空くわけじゃなくて、判事を定年なりして退官される方の人数は少ない、そこへ増員した方の判事補の数が今度は判事にしなくちゃいけない、そうすると、どうしても計算上判事の椅子がなくなってしまう、だから、判事補を判事にするために、その枠を広げるために増員しているんじゃないかと、こんなような形になっていると思うんです。 ですから、いろいろ、もちろん裁判を充実する、これだって非常に重要なことだと思うんですけれども、どうも現象的には、増やした判事補を判事にするために、しかし辞める判事はまだ少ないから判事の枠を広げるんだと、言わば判事補を増やした玉突き現象で毎年判事の数が増えていくのかなと、こんなような現象が起きていると私は思っているんですけれども。 仮にそういうような理解をしますと、これ毎年毎年、数を増やした判事補が十年たって判事になるという数は多いけれども、しかし一方で退官していく判事の数は少ないという現象がまだ十年や二十年続くんですよね。だから、そうすると、判事補が判事になるときに判事の枠がないからといって広げ続けると、何か来年もある、再来年もあるというだけじゃなくて、これから十年、二十年ずっと判事の数を増やし続けるんじゃないかと、そうすると最終的にどれだけの数になっちゃうんだろうと、こんな疑問があったものですから、裁判所、私の方としては長期的にどのくらいの数を念頭に置いているのかなと。もちろん、将来の状況において、司法の役割、裁判所の役割とか、あるいは事件数とか不確定な要素があるから、ここで具体的数字はもちろん言えないことはよく分かっておりますけれども、そこら辺の全体像ですね。 じゃ、今の御答弁ですと、司法制度改革で六百人というのは達成したと、しかしなお状況の変化で四百人ぐらいを増やしたいというお話だということもちょっと答弁の中でございましたが、じゃ、本当にその四百人で終わるのか、そこら辺のところをもう少し具体的に御説明いただけたらと思っております。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) 今御指摘にありましたように、判事の主たる給源というのは判事補でございますので、判事補の採用数というのが将来の判事の人員ということを確定していくという要素になるところでございます。 今後十年間の判事の人員の見込みにつきましては、退官される人の数や出向ポストの数といった変動要素がありますので正確な見込みはなかなか難しいものではございますが、判事補の採用数の直近十年の間で見ますと九十一人から百十八人の間で推移しているというところでございまして、これと退官動向から単純に計算いたしますと、判事の数というのが二千二百人程度までは増加する可能性があると、これは今後十年間ということでございますが、そういうふうに見込んでいるところでございます。 二十年後という御指摘もありましたが、二十年後につきましては、今後の判事補の採用数に起因するところが出てまいりますので更に見込みを立てることは難しいということになりますが、退官動向等を踏まえますと、その後もやや判事の人員は増加する可能性が高いように思われるというふうに考えているところでございます。 このような判事の人員の増加ということは、先ほど答弁申し上げましたように、充員可能性ということで、充員見込みということで考慮しつつ、やはり増員ということをお願いするに当たりましては、判事を増員する必要性ということについて、事件処理をきちっとやっていくという観点からその増員の理由を御説明させていただいて増員を認めていただくということで努力してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○小川敏夫君 毎年同じ議論になるものですから、もう同じ議論をしなくて、長期的な計画というものをしっかり説明していただければ、むしろ議論は一回で済むのかなとも思っております。 少し話題を変えまして、いわゆる裁判所の事件の審理時間が短縮をされているというような説明もいただいておるところでありますけれども、これは一部の声、まあ一部かどうか分からないけれども、私の耳に入ってきた声で、審理時間が短くなったのは、裁判官が増えたということよりも、むしろ一つ一つの事件で証拠調べが以前に比べて少し薄くなったという声があります。裁判官が、真実をしっかり見極めるためにいろいろな証人、証拠を十分に調べるということよりも、事件処理を急ぐ方を優先して十分な証人調べ、証拠調べをしないというような声も入ってきております。これは、そうだと断定しているわけじゃありません。 それで、そういう声について、検討するについて、一つの指標として、では民事裁判なら民事裁判で、裁判所全体で、いわゆる裁判全体で、証人調べ、あるいはその中には本人尋問もあるかもしれませんが、そうした尋問の実施回数が過去と比べて減ってはいないか、もし減っていれば、事件数が増えているのにそうした尋問が減っているとなると、少し審理が薄くなったという声にも一応の根拠があるんじゃないかとも思うんですけれども、そこら辺のところの事実関係としてはいかがでございましょう。その尋問の総件数の推移ということについてちょっと御説明していただけたらと思います。
○最高裁判所長官代理者(菅野雅之君) お答えいたします。 ただいま御指摘いただきました民事裁判における人証調べ、証人尋問あるいは当事者本人尋問の件数についてまずお答えいたします。 全地方裁判所における第一審通常訴訟の既済事件のうち人証調べが行われた事件は、平成十八年には二万七千五十五件であったものが、十年後の平成二十七年には二万二千一件と、減少しております。また、取調べが行われた証人及び当事者本人の数を見ますと、平成十八年には証人が三万六百十人、当事者本人が四万四千八十三人であったものが、平成二十七年には証人が二万千八百三十七人、当事者本人が三万九千四百一人と、いずれも減少しており、特に証人尋問の実施数が減少しているということが言えようかと思っております。 以上でございます。
○小川敏夫君 証人を採用するかどうかは個々具体的な事件によってその必要性が決まるわけですから、ここで具体的にいいかどうかということを議論できるわけではありませんけれども、事件数が増えたと言うけれども尋問の数が減っているというと、やはり当事者が希望するだけは裁判所も採用していないんじゃないかというような気もいたします。これは、なぜ減ったかということは、理由は一概に言えませんので断定はいたしませんけれども。 是非、そういう声もあるということも含めて、そういう声が出ないような、といっても、個々具体的な裁判の審理はこれは具体的な裁判官が行うことですからそこに立ち入ることはできないでありましょうけれども、しかし、事件の処理を優先するよりも真相の探求というものをより重視して行うような、そうした姿勢で司法全体が取り組んでいただけるような、そうした司法の在り方というものを目指していただきたいと要望いたします。 次に、刑事訴訟の関係で少し質問が、毎回お呼びしながら質問ができていなかったことがございました。それで、質問させていただきます。 通信傍受令状の関係なんですけれども、警察庁の方に対しては、通信傍受令状を請求した件数は何件かというふうなことが国会に報告する義務があります。それで、そうした趣旨に鑑みて、私は、特に法律に決められているわけではありませんけれども、裁判所の方でも、では何件の傍受令状の請求を受けて、発付したのが何件か、あるいは却下とか取下げがあればということについての統計的な資料、数字を、その件数を統計的な資料としてずっと残していただきたいと思っておるんですが、その点はいかがでございましょうか。
○最高裁判所長官代理者(平木正洋君) 通信傍受令状の請求数、発付数等につきましては特別法上の令状という項目でまとめて集計しておりますので、通信傍受令状の請求数等を独立に統計として集計してはおりません。また、既に関係書類の保存期間を経過しているものもありますので、通信傍受法施行当初からの請求件数等を把握してはおりません。 委員の御指摘を踏まえまして、今後報告を求めて集計するか否かにつきまして検討してまいりたいと考えておるところでございます。
○小川敏夫君 一つ一つの事件の記録は廃棄してしまう、分かるけれども、要するに統計的な資料として、今後のこの通信傍受に関する議論の一つの資料ともなるものですので、是非統計的な資料として残していただきたいと思っております。 同様に、裁判所が通信傍受の原記録を保管するということがございました。この原記録の保管に関しても統計的な処理はしていないというふうにお伺いしているわけでありますけれども、これについても、原記録の保管とかあるいは聴取請求を受けた数とか、その聴取請求の根拠条文別の数とか、そうしたことを統計的に記録を残して今後の議論の参考資料として用いられる状態にしていただきたいと思っておるんですが、この点もいかがでございましょうか。
○最高裁判所長官代理者(平木正洋君) 委員の御指摘を踏まえまして、今後集計するかどうかにつきまして検討してまいりたいと考えております。
○小川敏夫君 ここでは検討としかお答えできないでしょうけれども、是非そうしたことを行うようによろしくお願いいたします。 では、私の質問を終わります。
○矢倉克夫君 おはようございます。 今日は、裁判所職員定員法、一部を改正する法律案の質疑でございます。私からは、主に裁判所の方にお尋ねをしたいと思います。 先日の大臣の趣旨説明で、今回の法案の説明、内容をるるいただいたわけですが、まず裁判所書記官等を四十人増員する、この内訳は、事前にお伺いしている限り、書記官については三十九名で事務官については一名という内訳であると理解しております。昨年と同じ数値であるわけですけど、まず、書記官について三十九名増員ということですが、一般的にこの書記官というものの仕事をどのような意義として捉えられているのか、そしてまた、今回の増員の背景について最高裁の方から御答弁いただきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答えいたします。 書記官の活用についてのお尋ねということでございます。 まず、裁判所書記官という職種は、法律の高度な専門職種といたしまして裁判手続を公証する事務のほか、裁判官と連携、協働して裁判手続を行っていくということで、その手続進行において極めて重要な役割を果たす職種だというふうに考えております。 最近の事件動向からいたしますと、家庭事件については成年後見事件が累積的に増加しております。民事訴訟事件については、事件数は昨年に比べてやや増加という程度でございますが、事件の複雑困難化が進んでいることから、これらの分野についての充実強化が重要であるというふうに考えておりまして、裁判所書記官についてはこの二つの分野を中心に活用することを考えております。 もう少し具体的に御説明申し上げますと、成年後見関係事件については、後見関係事件の増加に伴いまして近年後見人等による横領等の不正事案が増加しているということから、裁判所による後見事務の監督を大幅に強化するために、各手続段階における後見人等の提出書類の一次審査や事件関係者に制度を理解するための説明を行うといった役割を果たしていくということになりますし、民事訴訟事件につきましては、審理の充実促進を図るために、事件に適した解決方法を選択するための必要な情報収集、裁判所から訴訟関係人への求釈明事項の伝達、準備書面や基本的な書証提出に係る期限管理を行うといった役割を果たしていくということになると考えております。
○矢倉克夫君 今御説明いただいた、主に家事と民事に両方説明があったわけですけど、とりわけやはり家事の分野、成年後見、非常に増えているという背景はあると思います。 成年後見に関しての裁判所の関与は、後見開始と、あと後見監督処分と、そして報酬決定という部分だと思いますけど、とりわけ監督処分については、今も指摘があった後見人の濫用の部分もそうですけど、後見人等の申請書をチェックする作業はこれ書記官がやるわけですし、その後、裁判官からいろいろな事前調整なども指示も受けて実際現場の関係者の方と調整するのもこれは書記官であると。 特に後見制度というのは、開始などはそれぞれ開始したその開始手続をやれば終わりなんですけど、監督処分に関しては、過去に開始したものが定期的にこれは監督していくわけですから自然的に累積をしていく、時間がたてばたつほど数は非常に増えていき、書記官の負担というものもやはり多くなってくるという背景はあると思います。そういう意味でも、書記官の方を増やしていくという方向性は、私はこれは妥当であるかなと思っております。 これは要望なんですけど、今後の体制について、家事について更に書記官を増やしていくということでありますけど、やはり大規模庁のところなどは後見の専門の分野、部門などもつくっているところはあると思います。今後はまた地方にもそういった分野もしっかりとつくっていき、それにちゃんと対応するような書記官の対応というのもこれはしていく、特に地域の方が更に成年後見の事案で複雑な部分も出てきたりとかする部分もありますので、そういったことを体制的にもすることで現場の市民の方と書記官の交流もまた更によくしていき、ノウハウの共有などにも是非つなげていっていただきたいというふうに、御要望だけさせていただきたいというふうに思います。 じゃ、続いて事務官の方なんですが、こちらは一名のみということで、国家公務員の女性活躍とワーク・ライフ・バランス推進のために一名ということですけど、この一名増やすということの効果について、端的にまた最高裁からお答えいただければと思います。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) この裁判所事務官の増員の関係につきましては、今御指摘になりましたように、女性活躍とワーク・ライフ・バランス推進のためという定員上の措置でございまして、平成二十七年から本省に当たる最高裁において開始したばかりの措置でございます。 そういうことで、育児等の事情を持つ職員が一つの庁に固まっているわけではなく全国各庁で勤務しているということから、全ての庁で一人前以上の勤務時間ということになるわけではないというようなこと、また、職務の特性及び組織の特殊性を踏まえて考えていく必要があるということから、平成二十八年度についての要求というか増員は一ということにしたわけでございますが、この定員措置の拡大については更に検討してまいりたいということを考えております。 効果ということを御指摘になりました。本定員上の効果につきましては、例えば、育児のための制度の利用に支障が生じていないか、当該部署の事務処理が円滑に行われているかどうか、超過勤務が増加していないか等の観点から分析をしているところでございますが、これまでのところ、育児時間を積極的に利用しながら勤務時間内に円滑に事務処理が行われておりまして、仕事と育児の両立を図ることが可能になっているというふうに認識しているところでございます。 今後も、このような点を注視しながら、裁判所職員が育児等のために制度をためらいなく利用し、その上で活躍できるような職場環境の整備等を進めてまいりたいと考えている次第でございます。
○矢倉克夫君 試験的にということですけど、本来の趣旨に沿った形での更なる制度の拡充を是非お願いもしたいと。 それを踏まえて、女性の活躍とワーク・ライフ・バランスの推進ということですけど、最高裁として今は一名の事務官増員ということ、これは効果も、また試験的でもあるし、一部限定的なところもあるかもしれませんが、今言ったような目的に基づいたわけですけど、もっと大きな視点で全体としてどのような政策を取られているのか、またこれも最高裁からお答えいただきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。 裁判所におきましては、これまでも女性の活躍、とりわけ女性職員の登用拡大や職員のワーク・ライフ・バランスの推進に取り組んできておりまして、この三月にはいわゆる女性活躍推進法に基づいて特定事業主行動計画を策定したところでございます。これからも、女性職員の登用拡大や職員のワーク・ライフ・バランスの推進に向けて、職場での仕事の進め方の見直しや職員の意識の改革、男性職員による育児休業取得の促進を始めといたします仕事と家庭生活の両立に向けた支援や環境整備、女性職員に対する職務経験の付与等に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○矢倉克夫君 特に、統計上、裁判所の方は男性職員の育児休業が通常の企業よりも取っていらっしゃる割合が高いということも私、統計目にしたこともあります。そのようなことも更に推進して、是非モデル的な部分を示せるような取組をしていただきたいと思います。 もう一点だけ。他方で、技能労務職員、これ削減されているわけですけど、主に守衛さんであるとか、そういう方が削減をされるというふうにもお伺いもしております、また清掃の方であるとか。特にこの守衛さんの関係ですと、やはりテロの脅威部分、守るべきところはしっかり守る、そのようなことが穴が空かないような形での対応というのは別途どのようにされているのか、御答弁をいただきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) 技能労務職員の定員の削減につきましては、委員から御指摘のあった職種について行っているところでございますが、定年等の退職に際しまして、裁判所の事務への支障の有無ということを考慮しつつ外注化による合理化等が可能かを判断し、後任を不補充とした上で、その後問題が発生していない状況が継続しているということが確認できた場合に定員の削減を行っているところでございます。 司法行政事務の合理化、効率化ということは、裁判事務への支障の有無を慎重に検討する必要があるということから、際限なしに事務の合理化や効率化を行うことができるわけではないというふうに考えております。こうした観点も踏まえつつ技能労務職員の削減を行っているということでございますが、現時点で業務の支障は生じていないというふうに思っております。 先ほど守衛のところの御指摘がございました。裁判所においては様々な利害が対立する事件を日常的に取り扱っているところでございまして、そのような中で適切な裁判を実現していくためには、来庁される国民が安全かつ安心して裁判所を利用できるようにするため、庁舎内の安全を確保するということが重要な責務の一つというふうに考えているところでございます。 この点、法廷内におきましては、裁判所職員が訴訟指揮の下に対応したり、警備側に配慮すべき場合は警察官への派遣要請を行うなどして対応しているところでございますが、裁判が公開されているという観点で誰でも入庁できるという建物である反面、警備の必要性も高まっていくということを踏まえまして、警備に支障がないよう万全を尽くしてまいりたいと考えている次第でございます。
○矢倉克夫君 よろしくお願いいたします。 じゃ、次は裁判官なんですけれども、裁判官も今回増員ということですけれども、民事は事件としてはこれ減少傾向ですね。平成二十一年は訴訟二十四万件だったのが平成二十六年は十五万件、このような形で減っているわけですけれども、減っているのに増員するこの理由というものを、こちらも最高裁からお答えいただきたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) 二十二年以降、民事事件の事件数が減っていることは御指摘のとおりでございますが、これは比較的短期間に終了していた過払い金返還請求事件の減少によるところが大きいところでございます。 他方、その過払い金請求事件を除く民事訴訟事件は、内容が複雑困難化しているとともに、その対立が激化しているところでございまして、持ち込まれる事件は社会経済活動の複雑化、多様化ということを反映して、まさにそれが訴訟の形で現れているというふうに考えております。建築関係事件、医事関係事件、労働関係事件などの専門的な訴訟や非典型的な損害賠償事件は平成十九年から平成二十七年までの間に約一万件増加しているところでございまして、これらの平均審理期間はほぼ一貫して一年を超えているところでございます。 こうした複雑困難化した訴訟に対応して裁判所が判断するということは、社会や経済活動への大きな影響を及ぼし得るものということを考えておりまして、この種の事件について適正かつ迅速に判断していくためには、様々な経験、知見を有する三人の裁判官が合議体によって充実した審理を実現する体制を整えていかなければならないというふうに考えているところでございまして、以上のようなことから、今の事件動向を踏まえましても判事の増員が必要であると考えている次第でございます。
○矢倉克夫君 過払いは、私の理解ですけれども、過払いですと審理期間はある程度短いかもしれないけれども、複雑化していくものはそれだけ長くなる部分での負担もあると思います。今少しお話のあった合議制という形でおっしゃっていた部分は、過払い等であれば単独で済んだものが、複雑になるとやはり裁判官三人で合議でというところも出てくる、そういった背景があるのかなというふうに今答弁聞きながら理解をさせていただきました。 あともう一つは、やはり数字上で出るのは、家事事件が増えている。平成二十年では五十九万ほどであったのが平成二十七年では七十八万という形、これは審判事件でですけど、そういったことの対応ということで裁判官を増員ということだと思いますが、家事事件における裁判官の役割というものをどのように御認識をされているのか、また最高裁から答弁いただければと思います。
○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。 家事事件には、今事件数について委員からお話のございました裁判官が審判という形で判断を示す家事審判事件と、それから、それとは別に、裁判官が調停委員とともに当事者による紛争の自主的な解決として話合いによる解決を図る家事調停事件、この二つが大きく分けますとございます。近時の事件動向を踏まえますと、いずれにつきましても裁判官の役割はより一層重要なものになってきているというふうに考えております。 まず、家事審判事件でございますけれども、近年、お話にございましたとおり、成年後見関係事件を中心に事件数が増加してきております。このように増加しております家事審判事件を適正かつ迅速に処理するためには、裁判官が事案に応じて関係機関との連絡調整等も行いつつ、必要十分な審理を行って速やかに判断を示すということが求められていて、これこそが裁判官の役割であろうというふうに承知をしております。 また、もう一方の家事調停事件についてでございますけれども、近年は、離婚した両親の間で子供の引渡しを求めたりですとか面会交流を求めるといった対立の激しい子供の監護をめぐるような調停事件が増加をしております。 このような対立の激しい事件に適切に対応して家庭裁判所の紛争解決機能を強化して国民の期待に応えていくというためには、裁判官が、対立している当事者双方に対して、法的観点を踏まえつつも紛争の実情を的確に把握して、解決の方向性を示すことによって当事者が建設的な話合いができるようにこれを促していくということが重要であると承知しておりまして、このような役割を裁判官が担っているというふうに認識しております。 また、このような子供の監護をめぐる紛争につきましては、子供の意思を確認したりですとか監護状況等を的確に把握するといった必要性がございますが、調停手続の主宰者であります裁判官が、調停委員、裁判所書記官、家庭裁判所調査官といった調停手続に関係する職種をどのように活用するのが効果的なのかということについて的確に判断をした上で、職種間の連携を適切に図りながら調停手続を進めることが必要であると承知しておりまして、これも重要な役割であるというふうに認識をしております。 以上のように、近時の事件動向を踏まえますと、家事事件における裁判官の役割はより一層重要なものになっていると考えております。最高裁判所といたしましては、家庭裁判所の裁判官がその役割を十分に発揮できるよう、引き続き十分な支援をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○矢倉克夫君 裁判官が、出された双方の主張を見て決定するだけではなくて、やはりいろんな調整もしなければいけない、意見の調整もある。今、子供の件でおっしゃっていたとおり、当事者だけの話ではなくて、やはり子供にとってどうかというような観点が家事はとりわけ強い。そうすると、後見的な観点からのやはり感覚というものも持った形での多様な役割というのをこれ担っているんだということであると思います。 特に判事の方々に対しては、いろんな法律の解釈という部分でも知見もある方である。私個人としては、そういった知見を、また役所の方の仕事とかにも出向で入っていったりとか、国際機関の方で、私も一時期専門にしたWTOの関係とかでもしっかり上級委員として入っていただいたりとか、そういうことも含めて是非可能性も広げていただきたいと思います。 最後、一点だけちょっと法曹人口について簡単にお答えいただきたいんですけど、裁判官については今お伝えしたとおりであるんですけど、やっぱり法曹人口がどんどん増えていき、増えていきというか、修習生としての形のものが増えていく。その方々の能力を、今の判事という部分と含めてですけど、判事、検事だけではやはり拾い切れず、弁護士事務所にも就職もできないという人がいる。そういう方々についての能力開発、生かし方をどのように考えていらっしゃるのかお答えをいただいて、質問を終わりたいと思います。
○政府参考人(萩本修君) 法曹あるいは法曹の資格を有する者が、裁判関係だけではなく、今委員御指摘のとおり、社会の様々な分野、国の機関、地方自治体、企業、さらには国際機関など国際的な分野などで活躍することは、その法的素養が内外の社会経済活動の様々な場面で発揮され、社会の法的需要に十分に応えることになるという意味で重要であると認識しております。 また、現在、法曹志望者数の減少に歯止めが掛からず、その回復が喫緊の課題となっている中で、法曹の活動領域の拡大に伴って法曹という職業がより魅力的なものとなれば多くの有為な人材が再び法曹の世界を目指すことにもつながり得る、そういう意味でも非常に重要であると考えているところでございます。 このような認識の下、法務省では、法曹有資格者の活動領域の拡大に関する有識者懇談会等を通じてその活動領域の拡大を図る方策を検討するとともに、試行的な取組を行ってまいりました。昨年六月の法曹養成制度改革推進会議決定におきましても、こうした取組を継続することが必要とされたところでございます。 この決定を踏まえまして、法務省では、文部科学省とともに必要な連絡協議等を行うための連絡協議会を開催しておりますが、本年三月には、多くの関係機関や団体、国の機関ですと内閣人事局や人事院、地方自治体関係ですと全国知事会、全国市長会、全国町村会、企業の関係ですと日本経済団体連合会、経済同友会などなど、多くの関係機関、団体にも出席していただいた上で、この法曹有資格者の活動領域の拡大を議題として連絡協議会を開催いたしました。その上で、現在の取組の状況や今後の取組に向けた意見交換を行ったところでございます。 法務省としましては、引き続き、社会の様々な分野において法曹有資格者を活用しようという動きが加速されるよう、関係機関、団体の協力を引き続き得まして、必要な役割を果たしてまいりたいと考えております。
○矢倉克夫君 是非、社会に有益な人材の力を生かすということを目標をしっかり定めて、引き続きよろしくお願いいたします。 以上で終わります。
○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。 今年の裁判所職員定員法は、政府の不当な定員合理化計画に最高裁が昨年から引き続き協力をするものです。その結果、技能労務職員及び速記官の減員、また書記官、家裁調査官については現状維持にとどまると、現場の増員要求に応えるものになっていないわけですね。裁判所の権利保障機能の後退を招くこうした定員合理化計画に最高裁が協力を続けることは許されるものではなく、私はこの態度そのものを基本的に改めるべきだと思います。したがって、この法案には反対の立場を取らせていただきたいと思うんです。 その上で、今日は、いわゆる判検交流の下で国の訟務検事を務めた裁判官が、裁判所に戻った後、実質的に同じ事件の裁判官になっている問題と裁判の公平と、この問題について伺いたいと思います。 まず、訟務局長に簡潔に、訟務検事というのは一体どんな人で、その任務は何なのか、お尋ねをいたします。
○政府参考人(定塚誠君) 委員御承知のとおりだと思いますが、訟務検事について法令上の定義はございません。実際には、全国に法務省の職員あるいは法務局の職員という形で、国の訴訟の代理をする業務、さらには近時、予防司法あるいは海外の紛争処理ということを携わっている、そういう職員のことを訟務検事というふうに申し上げております。
○仁比聡平君 つまり、国が当事者になる裁判の代理人、国民が国の行政行為の憲法違反などを争う裁判においては被告の代理人を務めるのが訟務検事なわけですね。 具体的に、二〇一三年以降、生活保護基準が三回にわたって引き下げられた、これによって憲法二十五条の定める生存権が侵害されているではないかと、この国の政策の憲法二十五条及び生活保護法違反を問うている集団事件が提訴をされています。この集団事件において、さいたま地方裁判所で国の代理人、訟務検事を務めた裁判官が、裁判所に戻って直後、金沢地方裁判所で闘われているこの生存権裁判の裁判官になった、これが大問題になっています。 弁護団からこの裁判官は裁判官たる資格なしと忌避の申立てがされ、この決定がなされたところではあるんですが、その裁判の当事者、弁護団、関係者から法務省と最高裁に対して、この集団訴訟事件において、この裁判官と同じように、いわゆる判検交流によって訟務検事として国の指定代理人として訴訟活動を行った後、裁判官の職務に復帰した人物は何名いるのか、全ての氏名と訴訟活動を行った地域、職務に復帰した際ないし現在の所属を明らかにされたいという要望が強く出されていますが、私はこの要望はもっともなことだと思うんですね。当然答えるべきだと思いますが、法務省、最高裁、それぞれいかがですか。
○政府参考人(定塚誠君) 御指摘のとおりの公開質問状をいただきまして、法務省といたしましては回答ができる範囲で全て回答したというふうに思っております。 先ほどありました全ての訟務検事についての担当事件を明らかにしろという御指摘でございますけれども、現在、訟務検事は全国で百十五名おります。全国で一万件の事件が国の事件としてかかっております。一人頭、大体一人当たり百件くらいの件数を担当している、しかも、代理人の立場で関与せずに監督にとどまる者とか担当者の交代が頻繁にあるものなども多くありまして、それぞれの担当者がどのような事件を担当しているのかということを全て申し上げるということは非常に困難でございます。 また、裁判所に復帰した後、裁判官がどのような職務を担当されるのか、あるいは合議事件で行うのか、単独事件で行うのか、そういったものは全て裁判所の方でお決めいただくということになっております関係で、私どもの方としては、開示、公表することを差し控えていただいたということでございます。
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答え申し上げます。 最高裁判所といたしましては、訟務検事として出向をしておりました後、復帰をいたしました裁判官が、訟務検事としての出向中、個別具体的にどういった事件において国の指定代理人としてどのような訴訟活動を行っていたのかということにつきましては具体的に把握をしておらないところでございまして、御指摘のような情報について開示をすることはできないというところでございますので、その点につきましては御理解賜りたいと存じます。
○仁比聡平君 いや、到底理解できるはずがない。そんな把握していないとか把握できないとか、そう言って流せるような問題ではないんですね。事は司法制度の命であるべき裁判の公平に関わる問題です。 この金沢地裁に赴任して裁判官を担当した裁判官の忌避を認めた三月三十一日付けの決定には、この裁判官がさいたま地方裁判所の訟務検事の時代に、全国規模で展開される事案については法務省内で検討が行われて国として足並みをそろえて訴訟活動をすることが当然であるという大前提の下で、さいたま事件で唯一の訟務検事として被告国の主張書面作成に実質的に関与したのみならず、この金沢の事件の被告国の主張書面作成にも何らかの影響を及ぼしたことが合理的に推測されると認定をしているわけですね。 しかも、この裁判官は、二〇一五年の三月二十五日までさいたま事件の最初から国の代理人として関わった上で、転任してその明けた四月一日から金沢事件の裁判所の構成する裁判官に右陪席としてなっているわけです。 つい先週まで国の主張を認めさせるための訟務検事をやっていた法曹が、四月に入って着任した金沢地方裁判所では右陪席に座っていると。そんなことが裁判の公平であるはずがない。当事者も国民も、そんな裁判を信頼できるはずがないじゃありませんか。だからこの忌避の申立てが認められているわけですね。裁判官の忌避の申立てが認められるというのは極めて異例のことです。 最高裁に御紹介いただきたいと思いますが、いただいているその決定書の五ページ、マイナス五行目からの結論部分を御紹介ください。
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) 御指摘の平成二十八年三月三十一日の金沢地裁の決定でございますが、お求めの箇所は、五ページ下から五行目の通常人においてというところからでよろしゅうございますか。 お求めの該当箇所を読み上げさせていただきます。 通常人において公正で客観性のある裁判を期待することができないとの懸念を抱かせるに十分であり、かつ、このような懸念は単なる主観的なものではなく、事件との特別な関係を有するという客観的事情に基づくものであるということができるという記載がございます。
○仁比聡平君 公正で客観性のある裁判を期待することができない、それがこの事件においての裁判所の判断なわけですよ。 ところが、この裁判官はこうやって忌避されるまで自らその裁判から回避するということをしませんでした。これが判検交流が生み出した結果なんじゃないですか、今。だって、ついこの間まで国の代理人として闘っていたわけだから、自分が裁判官になったら公平な裁判ができないか、あるいは公平さを疑わせる、これは誰が見たって明らかであって、であれば、自ら、その裁判には関われません、前の任地でこういうことをやっていましたということを述べてその裁判には関わらない、回避するというのが私は法曹として当然のことだと思いますが、この裁判官はそうしなかったんですね。それは結局、国の代理人として闘っていても裁判官をやるのは当然だと、そういう法曹を判検交流の結果生み出してきているということなんじゃないんですか。 私は、国が被告になる裁判で、その訴訟の方針というのがその担当する訟務検事の一人の法曹としての法的確信に基づかない場面をたくさん見てきたというふうに思います。つまり、原局と言われる行政庁や官邸の方針に左右をされる、そうした訟務検事としての活動に慣れてきたそうした裁判官が、今度は裁判官として国を被告として憲法違反が争われている事件のこうした裁判を担当する、しかも、そうした経歴というのは国民には分からないわけですから、これ、岩城大臣、国民の裁判を受ける権利を侵害し、裁判の公平を壊すものだと思われませんか。
○国務大臣(岩城光英君) まず、法曹は法という客観的な規律に従って活動するものでありまして、裁判官、検察官、弁護士のいずれの立場においてもその立場に応じて職責を全うするところに特色があります。裁判官の職にあった者を訟務検事に任命するなどの法曹間の人材交流は、裁判の公正、中立性を害するものではなく、国民の期待と信頼に応える多様で豊かな知識、経験、そういったものを備えた法曹を育成、確保するために意義あるものと認識をしております。 国側の訴訟代理人を務めた裁判官出身者が裁判官として復帰した後に担当する事件については、これは裁判所において判断される事項でありまして、当該事件を回避すべきかどうかは当該裁判官において判断される事柄でありますので、法務省としてお答えする立場にはございません。 もっとも、裁判官として復帰した後に法務省出向中に担当した訴訟と同種の訴訟を担当することについては国民に誤解を与えかねないという指摘も当然ありますので、そのような誤解を生じさせないためにどのようなことが考えられるかにつきましては今後検討してまいりたいと考えております。
○仁比聡平君 今後検討したいという御答弁はそれはそれで重要なことで、これ真剣に検討を求めたいと思うんですが、大臣が前提にされた国の裁判の都合というのはそれはあるんですよ。これに裁判官が給源として応えるとか、あるいは多様で豊かな法曹、裁判官をつくるとか、よくこれまで言われるそんな抽象的な話じゃないんですよ。具体的に起こっている事件について、あなたは裁判官として本当に公平ですかと、そんなことないじゃないかと問われているわけですよね。 私は最高裁に最後お尋ねをしたいと思うんですけれども、今回、忌避の申立てによってこの裁判官は裁判体から排除をされました。けれども、忌避の申立てというのは裁判官の具体的な経歴を知らなければできることじゃないんですよ。今回は全国の弁護団の連携によってその訟務検事としての経歴が明らかになったから忌避の申立てに至りましたけれども、一般的に国民は裁判官の経歴を知りません。国民に対する不意打ちあるいは不公平を回避するためには、具体的に求められているこの集団事件の担当をやっている裁判官の訟務検事としての経歴、生存権訴訟の訟務検事を行ってきた経歴、これ少なくともちゃんと調査をして開示をするべきではありませんか。
○最高裁判所長官代理者(堀田眞哉君) お答えを申し上げます。 先ほどお答えを申し上げたところでございますけれども、訟務検事として出向をしております者は裁判官の身分を離れて国の指定代理人としての訴訟活動等を行っているものでございまして、このように裁判官の身分と離れた形で担当した事件に関する情報について最高裁において把握するのがそもそも相当かどうかという問題もございますし、実際上もそれを詳細に把握をするということは困難であるというふうに考えているところでございます。 なお、裁判官の経歴という点についてでございますけれども、裁判官の経歴につきましては訟務検事としての出向の経歴も含めて開示をされてきているところでございまして、そういった経歴という観点につきましては、当事者の立場におかれましても当該裁判官の経歴を知り得るという状況になっているということでございます。
○委員長(魚住裕一郎君) 仁比君、時間です。
○仁比聡平君 はい。 時間が来ましたから終わりますが、つまり裁判官の経歴そのものは聞かれれば答えると言っているわけですから、それを聞いて断固としてただしていくのが弁護士やあるいは国民の裁判を受ける権利を本当に十分なものにしていく保障だと思いますが、けれども、その大前提でおっしゃっているのは大きな大間違いですよ。 この集団事件で国の代理人になってきた人が今度は裁判官になる、それについて容認するような姿勢を示すということは、つまり現にどの裁判でも行っているということを認めているに等しいんです。それは日本の司法制度を根幹から信頼を壊すものであると、断固としてこうした判検交流はやめるべきだということを強く主張して、今日は質問を終わります。
○谷亮子君 谷亮子です。 本日の議題であります裁判所職員定員法の一部を改正する法律案につきまして伺ってまいりたいと思います。 私の方からは、まず初めに、合議率の向上等による審理の充実及び裁判所の人的体制整備の在り方について伺いたいと思います。 今回の改正の背景につきましては、最高裁は、民事訴訟事件が複雑困難化傾向にあり、それらの事件について合理的な期間内で説得力のある質の高い判断を安定的に示していくために、知識、経験の異なる三人の裁判官による多角的な検討により紛争の実態を把握したり、あるいは膨大な証拠、主張の分析や判例等の法的調査を実施することが必要となることから、裁判官を増員して合議体による審理の充実強化を図るということが求められていると御説明をされていらっしゃいます。 この合議率の向上につきましては、司法制度改革審議会の議論の頃から必要性が指摘されてきましたけれども、最高裁におかれましては、平成十三年当時の司法制度改革審議会でのプレゼンテーションにおきまして、合議率を一〇%程度に高める等の目標を立てられまして、そのために必要な裁判官の増員の在り方についての報告が行われたところであります。 そして、それに沿って平成十四年度から平成二十三年度の十年間に計約四百五十人、加えて、裁判員制度の導入に際しまして平成十七年度からの五年間に計百五十人、合計約六百人の裁判官の増員が行われまして、さらに、平成二十四年度から平成二十七年度までの四年間で判事百二十六人の増員を図られてこられました。そして、その間の地裁の民事及び家裁の第一審訴訟事件の合議率の推移を見てみますと、平成十二年時点で四・三%に比べ、平成二十二年二・八%、平成二十七年四・八%と、このような現状にありました。 そこで、最高裁におかれましては、今回の法改正によりまして人的体制の充実として裁判官を増員し、複雑困難化する民事訴訟等について合理的な期間内で社会的に通用力のある質の高い判断と解決を図ることによりまして国民の期待に応え、適正、迅速な裁判の実現に向けまして、合議体による審理の充実強化のため合議率を一〇%程度に向上させようとされていらっしゃいます。 そこで、裁判所職員定員法を所管する法務省として、今回の改正法案によって裁判所の人的体制整備の在り方についてはどのようにお考えでいらっしゃいますでしょうか、また、今後どのように取り組んでいこうとお考えなのか、岩城法務大臣に御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(岩城光英君) 裁判所の体制整備の在り方につきましては、合議体による審理の充実、さらに強化も含めまして、最高裁判所において適切に検討しているものと、そのように考えております。 法の支配の下で自由かつ公正な社会を実現するためには、司法権を担うことになる裁判所が事件を適正、迅速に処理していくことが必要でありまして、そのために裁判官を含めた裁判所の人的体制、これが充実されることは重要であると認識をしております。 裁判所の人的体制の充実につきましては、法務省といたしましても、最高裁判所において判断されるところを踏まえまして、政府において、裁判所職員定員法を所管する立場から、引き続き適切に対応してまいりたいと考えております。
○谷亮子君 ありがとうございました。現状を含めまして、人的体制の整備の必要性についてもただいま大臣の方からお話をいただきました。 最近では、科学技術の先端的知見を必要とする事件や複雑な金融商品に関する訴訟、国民の権利意識の高揚などを背景とした深刻な意見の対立をはらんだ事件など、民事訴訟事件が複雑困難化の傾向にあることは承知いたしているところでございます。それらの事件について適正、迅速な裁判の実現を図るためにも、今後とも合議体による審理の充実強化の必要性ということも求められてくるものと思っておりますし、感じております。 続きまして、裁判の迅速化に関わる検証結果についてお伺いしたいと思います。 裁判の迅速化に関し、その趣旨、国の責務、その他の基本となる事項を定めることにより、第一審の訴訟手続を始めとする裁判所における手続全体の一層の迅速化を図り司法制度の実現に資することを目的として、平成十五年に裁判の迅速化に関する法律が制定をされました。 最高裁判所は、裁判の迅速化を推進するため必要な事項を明らかにするため、裁判所における手続に要した期間の状況、長期化の原因、その他必要な事項についての調査及び分析を通じまして裁判の迅速化に関わる総合的、客観的かつ多角的な検証を行い、その結果を二年ごとに公表することを第八条一項で規定しております。この規定に基づきまして、平成二十七年七月に最高裁判所による六回目の検証結果が公表されたところであります。 そこで、昨年公表された検証結果を受け、これまで進められてきた裁判の迅速化に向けての取組の進捗状況はどのようなものであったのか、また、それを踏まえて今後どのような取組をしていくのか、最高裁にお伺いいたします。
○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、最高裁判所は、裁判の迅速化に係る検証を平成十七年以降二年ごとに、合計六回にわたり公表してまいりました。 平成二十五年の第五回までの検証では、統計データの分析のほか、民事事件、家事事件を中心に各種ヒアリング調査等の結果を活用した実証的な検証作業を行い審理の長期化する要因を分析するとともに、長期化要因を解消し裁判の一層の適正、充実、迅速化を推進するために必要な施策を総合的に検討したほか、紛争や事件の動向に影響を与える社会的要因の分析、検証などを行ってまいりました。 今年公表いたしました第六回の検証でございますが、この第六回以降の検証につきましては、第五回までの検証の蓄積を踏まえまして、更なる裁判の適正、充実、迅速化を実現するために、統計データの分析を中心としつつ、各地の裁判所及び弁護士会に対する実情調査も交えながら、これらの検証結果をフォローアップを実施するということを行っていきたいというふうに考えているところでございます。 第六回の検証結果の概要だけ御説明申し上げますと、まず民事の関係でいいますと、新受事件数は過払い事件等の減少を受けて減少しておりますが、その過払い事件を除いた新受事件はほぼ横ばいということになっておりまして、平均審理期間も平成二十四年の八・九か月から平成二十六年には九・二か月と、若干延びているところでございます。 実情調査の結果によりますと、民事訴訟事件については、科学技術面の先端的知見や新しい取引形態が問題となる事件を始めとして、複雑困難な事件が増加しているという実感が多く聞かれているところでございます。 こうした中で、争点整理手続において、裁判官と当事者双方の口頭での議論を活性化させ、争点整理を充実させつつ迅速に行うような取組、あるいは先ほど来御指摘いただいております裁判官三人の合議体による審理を充実させるための取組というのがより意識的に取り組まれているところでございます。 一方、家事事件につきましては、主に成年後見等監督処分事件の増加の影響で、全体的には増加傾向にございます。また、調停事件の平均審理期間も緩やかに長期化傾向にあるほか、遺産分割事件、婚姻関係事件で手続代理人が関与する事件が増加し、子の監護事件で面会交流など対立が深刻で解決が容易でない事件が増加しているところでございます。 そういう中で、平成二十五年の家事事件手続法の施行を受けまして、家庭裁判所においては、法的観点を踏まえました裁判官の調停への関与を一層充実させるような取組が行われているところでございます。 このように、現在は事件の複雑困難化もございまして平均審理期間の短縮という面では十分な成果が出ているところではないところでございますが、先ほど御説明いたしました具体的取組状況を踏まえまして、適正、迅速な裁判に向けまして引き続き取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○谷亮子君 御丁寧にありがとうございました。 昨年七月に公表されました最高裁判所による第六回迅速化検証結果に関する報告書では、民事第一審訴訟事件及び家事事件について、裁判所や弁護士会に対する実情調査の実施や分析などによりまして運用上の施策や社会的要因に関するこれまでの検証結果がフォローアップされておりまして、裁判所における今後の課題が分かりやすくまとめられておりました。 そこで、最高裁判所におかれましては、これまでの検証結果を十分に踏まえながら、適正、迅速な裁判の実現に向けて引き続き御努力をしていただきたいというふうに思います。 次に、先ほど申し述べましたけれども、裁判の迅速化に関する法律につきまして、平成二十六年三月二十七日の本委員会における定員法改正審議の中で、当時の谷垣法務大臣に対しまして法律の施行状況に関する評価について質疑をさせていただきました。その際、谷垣大臣からは、民事裁判の迅速化という目標は大分進んできたなと思っている旨の御答弁をいただいたところでございます。 今回の最高裁による六回目の検証結果を見ましても、裁判の迅速化に関する法律の掲げる目標はおおむね達成したという見方もあるように思われますけれども、岩城大臣におかれましてはどのような評価をされていらっしゃるのか、また、今後も引き続き最高裁による検証報告が必要とお考えになるのかについて御所見をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(岩城光英君) 昨年七月に最高裁判所により公表されました裁判の迅速化に係る検証に関する報告書によりますと、民事訴訟事件については平成二十六年度には平均審理期間は八・五か月となっており、約六〇%の事件が六か月以内に、約九四・二%の事件が二年以内に終局し、審理期間が二年を超える事件は約五%程度にとどまっております。また、刑事訴訟事件については平均審理期間は近年おおむね三か月程度の横ばいで推移しており、平成二十六年度において約九九・八%の事件が二年以内に終局し、二年を超える事件は約〇・二%程度にとどまっております。 以上のとおり、迅速化法が定める目標は裁判所の努力によりおおむね達成されつつあるものの、一部の事件につきましては終局までに二年を超える事件があるほか、二年以内に終局しているものの、より短い期間内に終局させるべき事件もあるものと、そのように考えております。 最高裁判所による迅速化に係る検証は裁判の迅速化を推進するために必要な事項を明らかにするために行われるものであり、まず公正かつ適正で充実した手続の下で裁判がより迅速に行われることについての国民の要請、期待に応える司法制度を実現する上で大きな意義を有するほか、法務省を含む関係諸機関においてその検証結果を踏まえ必要に応じて様々な検討や取組が行われ、裁判の適正、充実を前提としつつ、より一層の迅速化が図られていく上でも重要であると、そのように考えております。 このような最高裁判所による迅速化に係る検証の存在意義に照らしますと、迅速化法に基づく最高裁判所による検証は引き続き実施されることが有益であり、今後とも最高裁判所により行われることが望まれるものと、そのように考えております。
○谷亮子君 ありがとうございました。今後とも、検証の適正な実施及び結果を裁判の迅速化の促進に向けて反映していただいていくことを心より期待申し上げたいと思います。 もう一つ質問をさせていただくところだったんですけれども、通告していたんですけれども、裁判所における女性の活用の取組についてだったんですが、先ほど矢倉先生の方からの質疑で御答弁いただいておりますので、そこは今後、裁判所における女性の活躍推進ということで更に拡充していっていただきたいということを申し上げ、質疑を終わらせていただきます。
○委員長(魚住裕一郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(魚住裕一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(魚住裕一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(魚住裕一郎君) 総合法律支援法の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明を聴取いたします。岩城法務大臣。
○国務大臣(岩城光英君) 総合法律支援法の一部を改正する法律案について、その趣旨を説明いたします。 平成十六年六月に総合法律支援法が成立し、これにより、日本司法支援センターは、民事、刑事を問わず、あまねく全国において、法による紛争の解決に必要なサービス等の提供が受けられる社会の実現を目指すことを基本理念とし、資力の乏しい者に対する民事法律扶助業務、司法過疎対策業務等を推進してまいりました。そして、超高齢社会の到来を始めとする社会構造の変化や東日本大震災を始めとする大規模災害の経験などを背景に、法による紛争の解決に必要なサービスの提供を受けることが難しい方々の多様化に対応して、そのような方々が必要なサービスを受けることができるための施策を講ずることが強く求められています。 そこで、この法律案は、支援センターの業務につき、高齢者、障害者で認知機能が十分でない者、大規模災害の被災者及びストーカー等被害者に対する援助を拡充するとともに、支援センターの職員である弁護士に関する支援センターの責務を明確化するため、総合法律支援法の一部を改正しようとするものであります。 以下、その要点を申し上げます。 第一点は、民事法律扶助事業を拡充し、高齢者、障害者で認知機能が十分でない者及び大規模災害の被災者に対する資力を問わない法律相談援助等を創設するものであります。 第二点は、犯罪被害者支援の一環として、付きまとい等の侵害行為を現に受けている疑いがあると認められるストーカー等被害者に対する資力を問わない法律相談援助を創設するものであります。 第三点は、支援センターの職員である弁護士の資質の向上等に関する支援センターの責務を明確化するものであります。 このほか、所要の規定の整備を行っております。 以上がこの法律案の趣旨でありますが、東日本大震災の被災者に対する援助のための日本司法支援センターの業務の特例に関する法律の有効期限が延長されたことに伴い、衆議院において、必要な技術的修正が行われております。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに可決くださいますようお願いを申し上げます。
○委員長(魚住裕一郎君) 以上で趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午前十一時三十三分散会