文教科学委員会 第5号
- 発言数
- 105 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2016/04/19
会議録
○委員長(石井浩郎君) ただいまから文教科学委員会を開会いたします。 議事に先立ち、一言申し上げます。 この度の熊本県熊本地方等を震源とする地震により、甚大な被害がもたらされ、尊い人命を失いましたことは誠に痛ましい限りでございます。 犠牲者の御遺族に対し哀悼の意を表しますとともに、被災者の皆様にも心からお見舞いを申し上げます。 ここに、犠牲となられた方々の御冥福をお祈りし、謹んで黙祷をささげたいと存じます。 どうぞ御起立願います。黙祷。 〔総員起立、黙祷〕
○委員長(石井浩郎君) 黙祷を終わります。御着席ください。 ─────────────
○委員長(石井浩郎君) 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、平木大作君、辰巳孝太郎君、野上浩太郎君及び吉田博美君が委員を辞任され、その補欠として若松謙維君、田村智子君、石田昌宏君及び渡邉美樹君が選任されました。 ─────────────
○委員長(石井浩郎君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国立大学法人法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、文部科学大臣官房文教施設企画部長山下治君外一名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井浩郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(石井浩郎君) 国立大学法人法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○赤池誠章君 自由民主党の赤池誠章でございます。 四月十四日に前震、十六日に本震、そして現在も続いております熊本そして大分で発生しました地震に対しまして、九州全域で被害がございました。改めて、お亡くなりになりました方々には御冥福を祈念し、いまだ行方不明の方々におかれましてはすぐに発見することを祈り、現在、十万人以上の方々が被災をなされて、避難所で避難をなされているという方々に対しまして、心よりお見舞いを申し上げます。 この委員会におきましては、国立大学法人法の改正でありますが、それに先立ちまして、現在、安倍総理の指示の下で政府・与党一体となりまして災害対策に全力を尽くしているわけでありますが、文部科学省の対応につきましてここで確認をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(馳浩君) 今般の熊本地震で亡くなられた方々にお悔やみを申し上げ、また、被災された方々にお見舞いを申し上げます。 文科省関係の被害については、昨日九時時点で、人的被害については、東海大学の学生が住むアパートが倒壊し、誠に残念ながら学生三名が亡くなられました。熊本県では、児童生徒八名、教職員一名が重傷。物的被害については、学校施設などで天井、ガラスの破損、熊本城などの文化財の被害などが計六百七十件、休校となっている学校四百九十校、避難所となっている学校二百五十四校との報告を受けております。 また、文科省の対応としては、八点申し上げます。まず一点目、十四日に事務次官を本部長とする非常災害対策本部を設置しました。二点目として、厚労省の要請を受け、大学附属病院より災害派遣医療チームを派遣しました。三点目、十五日には、日本学生支援機構で被害学生に対する奨学金の緊急採用や返還期間猶予などの申請受付を開始しました。四点目、十六日には、関係教育委員会などに対し、地域住民の避難所としての学校施設の提供について最大限配慮するよう要請しました。五点目として、十八日には、全国学力・学習状況調査について、地震の被害状況を踏まえ、熊本県全域及び宮崎県の一部の市町村で調査実施の見送りを決定しました。六点目として、学校施設の被害状況を収集するため、耐震工学の専門家及び職員一名を現地に派遣しました。七点目は、地震調査研究推進本部地震調査委員会臨時会を開催し、地震のメカニズムについての評価を行っております。八点目として、被災した学校施設などの応急危険度判定を早急に実施すべく、職員の派遣について調整中であります。 今後は、被災した児童生徒等の心のケアも必要なこともありますので、現場の教育委員会とも連携をして迅速に対応してまいります。
○赤池誠章君 まだ今は地震が続いておりますので、救命救急、そして食料、水含めた緊急物資の支援というのが大変大事でありますので、文部科学省含めた政府、そして地方一体となって、また事業者の協力を仰ぎながら、引き続き対応をお願いをしたいと思います。そして、しばらくたちましたら、大学の知見、またそれから文部科学省には独法で防災科学研究所等もございますので、そういった知見をしっかり生かして防災対策の充実に是非また引き続き御尽力をいただきたいと思います。 それでは、十四日に馳大臣から趣旨説明をいただきました内閣提出の国立大学法人法の改正について、改めて大臣に本法案の目的と背景について確認の意味で御質問をさせていただきたいと思います。
○国務大臣(馳浩君) これまでの大学改革の流れ、そして今般の取組について申し上げたいと思います。 平成十八年の教育基本法改正においては、大学について、「成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与する」という文言が盛り込まれました。その後、特に国立大学に関しては、各大学、学部ごとの強み、特色、社会的役割を整理するミッションの再定義を行うとともに、それを踏まえて、各大学が選択する三つの重点支援の枠組みを本年度から始まる第三期中期目標期間における運営費交付金の配分方法として設定し、各大学の改革を後押ししております。 また、指定国立大学法人には、卓越した教育研究活動を通じた社会への貢献と社会からの大学に対する理解、支援の好循環を実現することを目的の一つとしており、社会変革のエンジンとしての大学の在り方を牽引する役割を果たすことを期待しております。具体的には、産業界からの投資を呼び込むとともに、イノベーション創出に取り組む中でベンチャーの育成等にも寄与していくものと考えており、我が国の経済成長に一定の貢献を行うことができるものと考えております。 さらに、指定国立大学法人には、世界最高水準の教育研究活動を展開することでその存在感を高め、世界大学ランキングの上昇にもつながっていくものと考えております。 あわせて、この法改正以外にも、スーパーグローバル大学創成支援など、大学の教育研究力を強化してグローバルな競争力を高める事業も展開することで、国公私立大学を含めて、我が国の高等教育全体の国際競争力の強化を図ってまいりたいと思います。
○赤池誠章君 ありがとうございます。 大臣も御指摘をいただきましたが、平成十八年、十年前ですね、教育基本法を改正をして、その際、大学ということを第七条に特記をして、大臣が御指摘いただきましたように、教育、研究、そして貢献という三本柱を立てたわけでありまして、言ってみれば、この十年間、どういう形で、今大臣お話しいただいたように、ミッションの再定義とか様々な事業が、国立大学の場合は六年計画、中期計画、二期が終わり、いよいよ本年度から三期目ということなんですが、しっかりその辺の十年の歩みも検証して、当然、うまくいっているところ、また課題があるところ、それを踏まえた中で本法案の改正に是非つなげていただければなというふうに思っているところであります。 その中で、法案の中身の質問に入らせていただきたいんですが、本改正案の中では、指定国立大学法人の指定ということに当たっては、大学の運営に関して高い識見を有する外国人も入れた国立大学法人評価委員会の意見を聴くこと、そして、文部科学大臣は、国立大学法人の中期目標を定めて、又はこれを変更するに当たっては、世界最高水準の教育研究活動を行う外国の大学の業務運営の状況を踏まえなければならないと法文に明記をされているところであります。 著名な識見を有する外国人の方に入っていただき意見を聴きながら、進んだ先進的な外国の大学の状況を踏まえるということなんですが、具体的に現状どういう内容を踏まえようと考えていらっしゃるのか、文部科学省の見解をお伺いいたします。
○政府参考人(常盤豊君) 現在御審議をいただいております指定国立大学法人でございますが、国立大学を国際的な研究人材育成拠点として形成するということを目的としているものでございます。このため、指定を受ける国立大学につきましては、ただいま御指摘ございましたように、海外の有力大学の様々な先進的な取組を参考としたいというふうに考えてございます。 例えば、具体的にということでございますけれども、優秀な人材を国の内外から獲得するための戦略、あるいは新しい学術分野や融合分野を開拓するための研究マネジメント、さらに大学の強みを一層強化するための大学ガバナンス、こういう種類のものにつきまして、海外の有力大学の先進的な取組、その状況を総合的に分析をし、その結果に基づいて高い次元の目標を中期目標に位置付けるということを求めていきたいということでございます。
○赤池誠章君 優秀な外国の研究者であったり研究者の卵である方に来ていただこうという形で、制度を柔軟化して自由度を高めていくということは分かるわけでありますが、やはり日本の大学、例えば国立大学も、戦前から、明治の初めからもう相当の歴史もあり、既にノーベル賞も出されている、様々な評価も国際的になされる中で、やはりきちっと今ある貴重な研究、教育、また、もう既に社会貢献もなさっているところがあるものをしっかり踏まえる中で、今あるものをしっかり評価して価値を高めていかないと、単に制度を自由化して、例えばクロスアポイントメントとか、お金を少しあげるからだけではやっぱり来てくれないような気もいたしておりますので、十分今あることのいわゆる目利きもしっかりした上で、一体、この分野であれば、ああ、そういう研究を日本でやっていただけるなら是非行きたいというような価値を是非高めていただくような取組をなさっていただきたいと思います。 その中で気になるのは、先ほども言いましたが、第三期中期計画が今年度からスタートして、八十六国立大学がそれぞれ中期計画を作っております。その中で、一体自分の大学はどういう大学像、人物をつくっていくかということを、私、一通り見させていただく中で、例えば東京大学は、自国の歴史や文化について深い理解とともに、これは大変結構な、教育基本法の理念にも合うわけなんですが、国際的な広い視野を持つと、これもいいわけなんですが、ちょっと気になるのは、人類社会全体の発展に貢献するということももちろん大事な反面、最後の結論が市民的エリートを養成するということを東京大学が掲げていると。 例えば京都大学はどうかというと、地球社会の調和ある共存に貢献したいと、これも大事なんですが、やはり我々、十年前に教育基本法を変えたときには、伝統、文化を尊重し、我が国と郷土を愛し、そして他国を尊重して国際社会に貢献するという、こういった柱を立てているわけで、肝腎要の国家、社会、国内における貢献という視点がともすると欠けやしないかということを大変気にしているところであります。 これは、当然といっては当然なので、改めて書いていないといえばそれまでなんですが、これだけ自由度を高めて国際的にやっていくという中で、本当の意味で、我々の貴重な税金を、一兆円近い運営費交付金や、国立大学ともう名前を冠して、非公務員型の独立法人とはいえ、本当の意味で国家的指導者、リーダー、国民に対してしっかり貢献してくれるのかというところに疑念が持たれたら、何のための国立大学かということになりはしないかということを懸念しているところであります。 その端的な例が、先日も議論になりましたが、国立大学の入学式、卒業式における国旗・国歌の問題であります。 このことを改めて言わざるを得ないというのは大変残念な話でありまして、国際社会で活動したときに国籍であったり国旗・国歌というものを国際儀礼として尊重するというのは当然なわけでもありますし、また、教員養成大学におきましたら、入学式、卒業式で、卒業した卒業生、教員になった次の日からそのことに取り組まなければいけないということに対して、まだまだ現状十分ではないのではないかということを気にしておりますので、改めて、文部科学省から国立大学の卒業式、入学式の国旗・国歌の問題について御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(馳浩君) 国立大学を経営、運営しておられる学長を始め理事の皆さん方には、国立大学がやっぱりどのような社会的使命を帯びているのかということを改めて理解をしていただきたいと思っています。 したがって、いわゆる式典の場において国旗掲揚、国歌斉唱がなされることは私は望ましいことと考えておりますし、同時に、先般も申し上げましたが、確かに大学には学習指導要領がございませんので、それを根拠に何かを調査をするというものではありませんが、下村前大臣からもやはりお願いをしっかりと国立大学の学長の皆さん方にさせていただいた経緯もありますから、適時適切にどういう状況かということはしっかりと把握をしておきたいと思います。
○赤池誠章君 改めて、国立大学の存在意義、それから本法案の改正によって世界的な教育研究拠点になるといったときに、やっぱり根幹にあるのは当然自国というものがベースになければならないわけでありまして、本当の意味の国家国民意識なき国立大学では貢献もできないでしょうし、世界的な評価も得られないのではないかと思っておりますので、一事が万事でありますので、そういったところに是非大学側の方々も改めてしっかり検討もしていただきたいと思っております。 その中で、本法案の中身には、指定国立大学法人が指定されると、研究成果を活用する事業者への出資、また余裕金の運用の認定の特例、国際的に卓越した能力を有する人材の確保、役職員の報酬、給与等の特例など、大変自由度が高まるわけであります。自由度が高まれば、当然そこには責任、自己責任と、それからうまくいかなかったところのリスクというものも存在するわけでありまして、改めて、成果を得たときにどういう形でそれに対して報酬などの見返りを適宜行っていくのか、失敗したときは誰がどういう形で責任を取るのかということも問題になってきます。 また、気になるのは、指定国立大学法人の確保した外国人材がその国立大学で見出した知見、又は大学が出資した企業のノウハウ等が海外に流出をしてしまうのではないか。例えば、東大が出資してできたベンチャーが、結果的には経済活動の結果とはいえ、いわゆる外国資本に購入されて、外国では活用したけど日本にとって一体何だったのかということが事例としてもう散見をする中で、果たしてそういった制度をやったときに大学側として大丈夫なのかとかですね。 また、指定国立大学法人のみならず、国立大学法人、大学共同利用機関法人全体に資産の運用、有効活用を図るという措置も今回併せて法改正がなされるわけでありまして、そういった面でどの程度活用が見込まれるのかとか、そういった指定国立大学法人以外の国立大学も出資範囲の拡大や自由度を高めるような今回のような措置、言ってみれば、私立大学のような措置を全体として今後考えるのか、併せてまとめて文部科学省の見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(常盤豊君) 三点御指摘をいただきました。 まず、第一点目の自由度に伴う責任というお話でございます。 御指摘のとおり、法人の業務運営の自由度が高まれば、同時に、その限りにおいてリスクを考慮すべきということになると思います。このため、指定国立大学法人が今回の法改正による規制緩和策を活用して取組を行う上では、法人の中での意思決定プロセス、あるいは関係者の責任と権限が明確化されているということが必要になると考えてございます。 その上で、法人の役職員が責任と権限を果たし、高い成果を上げた場合には、その成果が当該役職員の業績の一つとして考えられる場合には報酬、給与に反映されるなど、業績評価システムの中で適切に処遇されるものと考えておりますし、また、責任ということでございますけれども、資産運用や出資につきましては財務上の収益を生むよう業務執行の合理性を確保するということが必要でありますが、その一方で、資産運用については長期的な観点から安全かつ効率的な運用を行っていくことが重要で、短期的な動向に必ずしも過度にとらわれるべきではない、あるいは、出資事業には教育研究活動の活性化や研究成果の社会における活用促進という意義があるということも踏まえて総合的に評価されるべきものであると考えてございます。 そういう意味で、こういう評価をするに当たって、大学の業務の実績を評価するに当たって、財務上の損益に関しても評価の要素として取り扱うことになるので、その中で法人として自由度の拡大に応じた責任は適切に果たしていくということが求められると思っております。 二点目でございますが、大学の教育研究活動における国際協働の点でございます。 この点について、やはり、指定国立大学法人から優れた人材が海外に流出したり、あるいはノウハウが不当に海外に流出するということは、我が国の利益ということを考えても望ましくないというふうに考えてございます。 こうした点を意識をいたしまして、国際的な人材獲得競争の中で海外研究機関に流出することを防止するという意味から、優れた研究成果を有する教員についてはしっかりとその能力、実績に沿った処遇を行っていく、あるいは、出資先の法人において、その法人の規模、業態、保有する情報の性質等に応じて適切な情報を管理するなどの、秘密情報が不当に流出することを防止するというような取組をするということも検討されるべきものであるというふうに考えてございます。 それから三点目でございますが、出資対象範囲の問題でございます。 出資に関しましては、国立大学法人の持つ公的性質を踏まえまして、業務の膨張への歯止めに留意しなければならないということ、あるいは、民間企業等への技術支援や教育プログラムの提供を事業として実施していくためには、大学内に質の高い研究成果が豊富に存在することが必要であること、こういうことを受けて指定国立大学法人のみを対象としているところでございます。 この範囲の拡大ということでございますけれども、大学の研究成果を事業化をいたしまして、社会における普及、活用を促進するという意義を有するというものでございますので、こうした点を踏まえまして、この指定法人による出資の実績を踏まえて、全ての大学を対象として出資対象範囲を同様に拡大するということについても検討してまいりたいというふうに考えております。
○赤池誠章君 ありがとうございました。 時間になりました。法改正の後が大変重要だと思っておりますので、引き続き、共にしっかり取り組んでまいりたいと存じます。 ありがとうございました。
○那谷屋正義君 民進党の那谷屋正義でございます。よろしくお願いをいたします。 私の方からも、冒頭、熊本を中心に九州全域を襲ったあの地震により、大切な命を落とされた方に心から哀悼の意を表し、また、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。 それでは、質問に入らせていただきたいと思いますが、本案の質問に入る前に、実は先週末の新聞に、文科省、小二の三十五人学級の検討開始という、こういう見出しで記事がいろんな新聞をにぎわせておりました。この見出しを見ると、現場の先生方も、そして子供たち、そして保護者の皆さんも、おお、やっと小二もそうなるのかというふうな大きな期待感と同時に、一方で、なぜ今年の予算が決まったそのすぐ直後にこういった話が新聞記事に躍っているのかということについていろいろと懸念をする部分もございます。 文科省、そして財務省、それぞれの思惑も新聞記事等はいろいろと推測をされた記事が載っているわけでありますけれども、こうした一連の動きを見て、今どのように見解をお持ちなのか。まず財務省さん、今日は副大臣にお忙しいところおいでいただいておりますけれども、財務省として今どのようにこれを捉え、今後どのように考えていくのかということについて、まずお答えいただけたらと思います。
○副大臣(岡田直樹君) ただいま那谷屋先生御指摘になりました新聞報道の件でございますけれども、財務省の方から三十五人学級を小学校二年生に拡大するといった方針を示したことはございませんで、この報道は事実と異なるものでございます。 経過を申し上げますと、先日、四月七日の財政制度等審議会において財務省からお示しした考え方は次のようなものでございます。 現在の加配定数につきましては、現場での活用実態や教育効果に関する実証研究等を通じ、教育効果の見える化によってその適正性を検証していく必要がある。その上で、加配定数の性質について、学校数やクラス数等に連動させるべき性格のものを特定することは可能ではないかということでありまして、このように再検証した定数のうち真に必要性が高く、学校数やクラス数、児童生徒数などに連動するものについては、義務標準法の改正による基礎定数化を検討することが考えられるというふうに存じております。 また、こうした取組は、地方公共団体が中長期的な見通しに基づいて教職員の安定的、継続的な雇用を行いやすい環境の整備にもつながると考えております。 いずれにせよ、現在の加配定数のうちどういったものが真に政策効果が高く、基礎定数化になじむかということは、限られた財源も踏まえながら、今後、文部科学省との間でよく議論をしてまいりたいと存じます。
○那谷屋正義君 基礎定数化というお話が、今お話ございましたけれども、確かに現場にとってはそのことが安定的で、来年度の学級編制とかそういったものに対してある程度立てやすくなるというのはあるというふうに思いますが。 今、全体的なお話を伺っていますと、やはりその政策効果、全てやっぱり政策効果というのは大事でありますけれども、その政策効果の出し方というものが、どうしてもこれ、教育が聖域というわけではないんですけれども、やはり今日やったものがすぐあしたに出るかという、そういうふうな代物ではないということ、これはどうしても他の省庁とは違うところであるということを、是非財務省さんはそこを御理解をいただいて、いわゆるエビデンスと効果、こういったものについて考えるときに、いわゆるそういった数値的なものだけでなくて、あるいは財政の論理だけでなくて、将来の日本を見越してやっぱりいろいろと検討をいただく必要があるということを私の方から申し上げておきたいというふうに思います。 さて、火のないところに煙は立ちません。今、財務省さんはそういう事実はないというふうに言われましたけれども、文科省さんもこのことについては御存じだというふうに思いますけれども、文科省としてこれを受けてどのような見解を今お持ちなのか、また今後の展望についてお聞かせいただけたらと思います。
○国務大臣(馳浩君) 今後の教職員定数等の指導体制の在り方については、昨年十一月末に義家副大臣を座長とする次世代の学校指導体制強化のためのタスクフォースを設置し、検討しているところであります。具体的には、新学習指導要領の実施等の教育改革、児童生徒の問題行動への適切な対応、特別支援教育、子供の貧困、教育格差への対応、チームとしての学校にふさわしい学校マネジメントの実現のために必要な教職員体制の在り方などについて議論を行っております。 私からは今月中にこのタスクフォースの中間まとめを行うように指示しており、これらも踏まえ、安倍内閣が掲げる教育再生を実行するため、学校指導体制の充実に取り組んでまいりたいと思っています。
○那谷屋正義君 済みません、タスクフォースの話は分かりましたけれども、また、今月中に一応中間まとめをということで、これは大変期待をしておりますけれども、いわゆる小二の三十五人以下学級云々ということの具体的なものについてもう少し見解をお述べいただけたらと思います。
○国務大臣(馳浩君) 那谷屋委員も御存じのように、民主党政権の時代に義務標準法の改正をして、まずは小学校低学年の三十五人学級ということで方針を決め、初年度のまず三十五人ということから決定をして、順次というふうな流れがあったということも存じております。 また、小学校においては、低学年、中学年、高学年という呼び方をしておりますけれども、学校に入ったばかりの新入生にとりましては一年間でクラス替えというのは現実的ではありませんで、やっぱり一年生、二年生を通じてまず学校での教育環境に慣れて、また基本的な学習習慣を学びながら、そして次の段階に移っていく、児童心理にも配慮しながら、こういうふうな対応をしているのが現場の対応であります。 そういったことを踏まえて、義務標準法の改正についても文科省においても検討しておりましたが、そもそも加配でやっているものであるならば、いわゆるもう根雪となっているような部分は基礎定数に振り込んで、加配のより一層の充実、これは機動的に学校教育において必要なやっぱり体制整備のためには加配をより有効に使っていくべきであると、こういうふうな考え方の下で取り組んでいるということであります。 具体的な内容については義家副大臣の下のタスクフォースでこれまでの法改正の流れを踏まえながら検討していると、こういうことであります。
○那谷屋正義君 現場の声としては、とにかく世界でも大変一クラスの児童生徒の数が多い日本であるということも含めて考えれば、できるだけ少人数学級を早く実現していただきたい、その上で、更に多様化する様々な教育課題に対して加配をというふうなニーズが大変高くなっております。 先日、千名からのいろんな要望をいただきまして、私、全部目を通しましたけれども、その九割九分の先生方がそのことについて触れています。やはり、今どれだけ現場が多忙化で子供たちに向き合う時間が確保されていないかということがそこからもよく私の方では感じ取れたわけでありますけれども、一刻も早く、少人数学級、そして様々な課題に対応した加配、学校現場に一人でも多くの教職員をという考え方、これを是非実現していただきたいというふうに思っております。 財務省の方ではいろいろとエビデンスの話が出てまいりますけれども、例えば世界的に見ても日本の学級の規模が余りにも数が多いという、そういう問題に対してどう応えるのかということも本当は今日お答えいただきたいんですが、時間がありませんのでまた別の機会にやらせていただきたいというふうに思います。 今日はお忙しいところおいでいただきました財務副大臣、私の方の質問はこれで終わりますので、お引き取りいただいて結構です。
○委員長(石井浩郎君) 岡田副大臣、退席されても結構です。
○那谷屋正義君 それでは、早速、国立大学法人法の一部を改正する法律案についての質問を行いたいと思います。 まず、指定国立大学法人というものに対して、このメリット、これは一体何なのかということについて端的にこれはお答えいただけたらと思います。
○政府参考人(常盤豊君) 指定国立大学法人を創設することで、国際的な水準に照らした目標設定を行い、世界の有力大学との比較を意識しながら教育研究活動の質の向上を図っていくということなどを目指しているわけでございます。 指定をされた大学につきましては、今般の法律改正を通じまして、一つは、出資対象範囲の拡大、二つ目に、役職員の報酬、給与等の基準の設定の弾力化、こういう国立大学法人制度の特例が適用されることとなります。またあわせて、これは今後のことでございますけれども、省令改正や制度の運用、予算措置によりまして、研究科の専攻ごとの定員設定の弾力化、教育プログラムや対象者に即した授業料設定の弾力化、スタートアップ経費の措置等についても大学側の要望も踏まえつつ対応することとしております。
○那谷屋正義君 今、局長の方からメリットと思われるものについてお話をいただきましたけれども、それは必ずしも私はメリットだけではないのではないかなというふうに残念ながら言わざるを得ないと。 これまでも、日本全国、先ほど八十六というお話がありましたけれども、国立大学があって、その中でももう今既に様々格差があって、それぞれの運営も御苦労されているわけでありますけれども、こうした特例を運用するということになると、それができるところというのは非常に限られてしまうんじゃないかという現場の懸念がございます。 そうなると、ますます格差が開いていって、本来、全国四十七都道府県それぞれにある国立大学がなぜそこにあるのかという、先ほど国立大学がある意義について言われていましたけれども、そのことに対して応えられなくなってしまうようなことというのが非常に懸念されるのではないかと思うわけですが、その点について、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(馳浩君) 指定国立大学法人制度の創設は、我が国の高等教育全体の改革を牽引し、国際的な競争環境の中でその存在感を発揮する大学の創成を目的としたものであります。地方の高等教育機会の確保と均衡ある発展の観点については、別途必要な施策を講じていきたいと考えております。 全国に配置された国立大学は、地域で活躍する人材の育成や大学を核とした地域産業の活性化など、地方創生の観点からもその果たす役割は極めて重要であると考えております。 このため、地方の国立大学の強み、特色を支援するため、平成二十八年度予算において運営費交付金の配分方法の見直しを行い、地域のニーズに応える人材育成、研究の推進といった枠組みを新たに設けて重点支援を開始したところであります。具体的には、例えば産学官の連携や大学間ネットワークの構築など、その機能強化に向けた取組に対し支援をしてまいります。 今後とも、各国立大学がその強み、特色を生かした形で機能やミッションの明確化を図り、指定される国立大学法人と並んで存在意義を高めていくことができるように必要な支援を行ってまいります。
○那谷屋正義君 必要な支援を行っていくという、具体的には今はまだ具体的なものは見えていないのかもしれませんけれども、今、産学官の連携ということ、あるいは大学間ネットワークの構築云々というお話がございました。私もその産学官の連携というものについて頭から否定をするものではありませんけれども、余りにもそこを大きく誇張すると、大学って何のためにあるんだろう、高等教育って何のためにあるんだろうというところにもう一度ちょっと戻らなければいけないのではないかなと。 先ほど国旗・国歌のお話もございましたけれども、これまで大学の自治権という、自治というものを尊重してきた中にあって、何か問題があったわけでも特にないわけでありまして、もっと、本来全国各地に国立大学があるその意味、そういったところから鑑みると、余りにもその産学連携というのを誇張するということは、ともすると、要するに産業に貢献しないものはもう大学では要らなくなるのかというような極端な曲解までされがちだという、そういうことがあるというふうに思います。そういうふうなことに対して、現場の皆さんに、是非、そうではないのかどうなのかということについてお話をいただきたいと思います。 なぜ私がこういうことを申し上げるかというと、昨年の六月に、これは余り文科省としては蒸し返してほしくない話かもしれませんが、大学の学部の見直しという通知が実は行われました。特に文科系の学部を見直すというふうな中身でありまして、これも大変大きな波紋を呼びました。 理科系等についてはすぐにその結論が出て、それが産業等にも利用できるからこれは大事だ、もっとこれを広げようと、そういう意図は分からなくもないんです。しかし、高等教育ってそれだけではない。じゃ、例えば文学、歴史を学んだ者というのはすぐにそれが貢献できるかというと、必ずしもそうではない。でも、それを縮小していこうというような、あたかもそういうような考え方が読み取れてしまうような通知だったんです。これ、非常に問題ある通知だったんです。 こういったものと兼ね合わせてみると、今回の産学連携というのを余りにも強調すると大学教育というものが非常に狭まってしまうということを私は懸念するわけでありますが、それに対していかがお考えでしょうか。
○国務大臣(馳浩君) 委員と私の考えていることはほぼ同じでありまして、まず昨年の通知については、私も大臣に就任した後に、あの文章はもう三十二点だと、赤点が三十点としてですね。 いわゆる、言いたかったことは、教職課程のゼロ免は、これは今後廃止の方向でと。同時に、人文分野で固定化するのではなくて、各領域融合、あるいは新しい領域をやっぱり開発していくことが時代に求められることであるのでという趣旨であって、今はむしろ文理融合型の方が最先端を行っている大学なんですよ、世界的に見ても。 したがって、理工系さえよければ、医学系さえよくて、いわゆる金を稼いでくるから伸ばしていくんだというふうな評価をされましたが、全くそのような意図はありませんし、あの文章については、非常に、私は撤回するつもりはありませんが、しかし、文章の表現としてはもう落第寸前の表現であるということはこれまでも何回か表明しておりまして、改めて、リベラルアーツの重要性といったことと、バランスよく取り組んでいくことが高等教育の役割であり、加えて、今回の指定国立大学法人制度というのは、やはり世界トップレベル、あるいは国内においても、大学間だけではなく産学官連携を踏まえながらやっぱり新たなチャレンジをしていかないと、それこそ最先端の学問領域に、世界的な学問領域に日本が後れを取ってしまうのではないか、そのための交流も必要でありますしと。 こういうふうな観点から、今まであったような、学内におけるこのままでいいだろうという壁や、国内でいう、産学官で連携をしなくても運営費交付金だけもらってつつましく運営していればそれでいいんだという発想の壁を越えて、また海外との壁も取っ払って、研究者もそうですし、教職員もそうですし、学生も、留学生の交流も踏まえて、やっぱり常にブラッシュアップしていけるような、そういう環境をつくりましょうという趣旨で取り組んでいるものでありますので、改めて、那谷屋委員の御指摘のいわゆる危機意識というのは私も同様に持っておりますので、そうならないようにやっぱり前向きに取り組んでいきたいと思います。
○那谷屋正義君 今後の文科省のそうした動きについてもまた注視させていただきたいと、このように思っております。 もう一つ、もう時間が来ましたので最後に一つだけ。 いわゆる、今回、所有する資産の有効活用を通じ経営力の強化を図るというふうなことが盛り込まれているわけでありますけれども、これも、今それぞれの国立大学が置かれている状況によって相当差が出てきちゃう部分があるんだろうというふうに思います。 仮に、これを資産運用しようとしたときに、例えばある敷地内、ここを、今、当分使っていない、運営費交付金も大分減らされてきたと、今年は何とか収まっていますけれども、減額されないで済んでいますけれども、しかし、減らされたままの状況ですから、これも大学側としては決して満足ではない。そこで、何とか運用しようと思うんですけれども、その運用が万が一不発に終わるということもなくはないわけですね。そのときに一体誰が責任を取るのかということ。 そして、何というんですかね、そこで今度はうまくいった場合のことを考えたときに、うまくいった場合には、そういった余剰金、余剰金というわけでもないんですけれども、そういったものをもう少し八十六の国立大学が共有できるような仕組みというのを何かできないのかなと。そうすると、運営費交付金が減らされても、その部分を全国にそれを配賦、配賦するというか、そういうふうなことができるということになると、格差について心配しているところにおいてはそれが少し励みになるのではないかというふうにも、そんなふうにも思うんですけれども、これは一つの例としてですけれども、いかがでしょう。
○政府参考人(常盤豊君) ただいま今回の規制緩和の事項についてのお尋ねをいただきました。 特に、今お話がございます、資産運用で必ずしもうまくいかない場合にどうするのかというようなことについて言いますと、基本的にそこで想定されますのは寄附金等の運用の部分になろうかというふうに思ってございます。 今回の改正において、運用対象範囲の拡大でございますけれども、これは寄附金等に、寄附金等と申しますのは、寄附金とそれに準ずる資金、例えば寄附金の運用益であるとか寄附された不動産の売却益であるとか、そういう寄附に由来するものでございますが、そういうものを対象としておりまして、運営費交付金等の公的資金であるとか学生納付金は対象とはしておりませんということをまずお断りをしておきたいと思います。 そして、仮に資産運用によって損失を生じた場合でございますけれども、これは、法人を代表してその業務を総理する学長の責任の下で法人としての原因を分析をして説明責任を果たしていくという必要があろうかと思います。ただ、その際、資産運用でございますので、やはり長期的な観点からの安全かつ効率的な運用ということでございますので、短期的な動向ということに過度にとらわれるべきではないということに留意する必要があるというふうに考えてございます。 それから、今度は逆に、収益を上げた場合というお尋ねでございましたが、収益を上げた場合につきましては、そのことによって、それはある意味その大学の自己努力によっての獲得でございます、今申しましたように、ある意味リスクを考慮しながら自己努力で獲得したものでございますので、その点についてはその大学に帰属をするということで考えてございます。 ただ、今お話ございましたように、地方の例えば小規模の大学への配慮ということで申しますと、二十八年度の予算の項目の中で、機能強化についての一定の係数を掛けて、そこで各大学から言わば拠出をしていただく、そういう場面においての率の考え方などにおいては、小規模の大学について軽減するというような形での配慮をさせていただいているということも申し添えさせていただきたいと思います。 以上でございます。
○那谷屋正義君 時間が来たので、これで終わらせていただきたいと思います。
○斎藤嘉隆君 民進党・新緑風会の斎藤嘉隆であります。 私からも、冒頭、九州地方で起きました大地震に関しまして、被災をされた皆様方に心からのお見舞いを申し上げたいというふうに思います。また、子供たちも日常の、通常の生活がなかなか送ることが困難な状況が多々あろうかというふうに思います。子供たちの日常はやっぱり学校教育の日常だというふうに思いますので、一日も早い、学校によっては学校施設の整備も含めて、文科省の皆さんにも地元の教育委員会と連携をしての早急な対応を是非お願いをしたいというふうに思います。 それでは、大学教育の改革等について、また法案について少し議論を今日はさせていただきたいというふうに思います。 まず冒頭、本年度予算におきまして、無利子奨学金について少しお伺いをしたいというふうに思いますが、この無利子奨学金の枠が九十八億円拡大をされたということであります。有利子から無利子へという流れで、このことについては十分理解をするところであります。 これに対して、国立大学、私立大学のいわゆる授業料減免ですね、このことは予算の枠の拡充が私は大変小さいのではないかというように思っています。 ちょっと確認でお答えをいただきたいと思いますが、国立大学、私立大学それぞれ、授業料減免の予算の増額分、今年の予算の中で幾らほど計上されているんでしょうか。
○国務大臣(馳浩君) 申し上げたいと思います。 国立大学の場合には約五万九千人で三百二十億円の予算措置、私立大学の場合には約四万五千人で八十六億円という予算措置であります。 これが大きいか少ないかというのは、実は私も小さな胸を痛めておるようなところでありまして、この奨学金の問題とともに授業料の減免についてもやっぱりできるだけ拡充していくべきと、こういうふうに考えております。
○斎藤嘉隆君 今お聞きをさせていただいたのは、今総額を大臣はお答えをいただきましたけれども、昨年度予算と比較をすると国立大学の授業料減免の増額分というのは十二億円ほどなんです。私立大学に至っては一億円ほどなんですね。やっぱりこの増分を見ると非常に小さいなという思いを持ちます。 私、何が申し上げたいかというと、今まさに大臣がおっしゃったように、無利子奨学金の枠を拡充をしていく、このことの意義は認めつつ、先般の委員会でも議論させていただきましたけれども、奨学金というのは現状ローンですから、将来の債務者を増やす、こういうことにつながるわけで、私、この九十八億円の今回の無利子奨学金の拡充、評価はしますけれども、例えばこういうものを、奨学金の枠拡充はもうこれぐらいにしておいて、授業料の減免に大幅に予算を拡充をしていく、こういう方向も一つあるのではないかなと、こういう流れも検討の余地があるのではないかというように思うんですが、このことについてはいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(馳浩君) 奨学金のときにもこういうふうな話申し上げたと思いますが、いわゆる財源の安定的な確保、対象者をどうするかと。同年代で働いて税金を納めておられる方と、逆に、これは授業料減免ですから、公的資金から支援を受ける、同年代でありながら相反する立場になってしまうということで、税の再分配という考え方からどうかという、これ総合的なやっぱり検討は必要だと思っておりますが。 しかし、私ども文科省の国立教育政策研究所の調査によりましても、大学進学をし、その後、やはり生涯賃金であるとかあるいは失業給付金の少なさとかを考えれば、一定程度、高等教育を卒業して社会に出て、社会に貢献しているということが数字的にも表れているわけでありますから、したがって、ここの部分とそれから個人に対する授業料減免というところとどのように見合いを図りながら拡充をしていくのかというところが私は教育的な議論だと思います。 隣にもし財務省の副大臣がいればまさしく論争したいところでありますが、これはまさしく政府内の議論でありますので、改めて、経済的な理由によって進学などを断念することのないような体制整備についてはまた取り組んでまいりたいと思います。
○斎藤嘉隆君 今日はお手元に資料を一つ用意をさせていただきましたので、御覧をいただきたいと思います。 学生たちの学費負担軽減というのは本当に喫緊の課題だというふうに思います。私、今、特に大学院生のこの学費の負担軽減というのが、もう本当に待ったなしの今状況ではないかなというように思っています。 このグラフを見ていただいて分かっていただけるというふうに思いますけれども、修士課程を終えて博士課程へ進学をする、こういう学生たちについて、是非この推移を一度御覧をいただきたいと思います。進学者については、平成十六年、例えば一万人近くいたものが、十年後、二十六年には約七千人ということで、三千人ほども減っています。進学率も、十二年の一六・四%から二十六年には九・六%と激減をしているわけですね。 このような環境下で、今回議論されているこの法整備でありますけれども、大学の研究力を、それを担う、将来的にも担うこういう学生たちがこのように減っている中でどう図っていくのかというのは、私、大変疑問なんです。 なぜこのような大学院生、修士あるいは博士課程への進学者が減っているのか、その原因、要因をどのように文科省として捉えているのか、お答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(馳浩君) 恐らくその時々の社会の経済状況といったものも背景にあると思いますし、当然少子化の中で、選択肢として、大学院、博士課程ですね、修士から博士課程に進学した方がよいか、あるいは早く社会に出て稼いだ方がよいか、また、博士課程の場合にはやっぱり専門的な研究開発力を身に付けているわけでありますから、企業が逆にほっておかなくて、是非スカウトしたいということで、マッチングの結果そうなってしまったか、いろいろ私は変数も踏まえて分析すべきところだと思います。 とはいいつつも、少子化とはいいつつも、やはり修士課程修了、博士課程へ進学していく者が減りつつあるのはこれ事実でありますから、やはりここを食い止める一つのメッセージあるいは政策といったことについてはこれまで以上に我々文科省としても取り組んでいく必要があると思っております。 なぜならば、せっかく第五期ですか、科学技術基本計画も立てたところでありますし、また、今後GDP六百兆円という壮大な目標を掲げておりますけれども、そのベースを担っていく人材を博士課程においても育成をし、また、その育成をした人材が社会に貢献していくような形をつくっていかなければ、やっぱり絵に描いた餅に終わりかねないわけでありまして、そういう意味では、一億総活躍の文脈からも、この博士課程の人材をより一層支援していく、このことは重要な課題だと認識しています。
○斎藤嘉隆君 私、先般、全国大学院生協議会というところの学生さんたちからいろんな御意見を聞き、また資料もいただきました。 この博士課程の学生、そこへの進学をやっぱり断念をする大きな理由、私は二つだと思います。一つは、やはり修了後の進路の問題、雇用先ですね、これが非常に今減っている。このアカデミックポストが大変減少している中で、実は大学院生の八割ほどが修了後の自分の就職に大きな不安を持っているということであります。ですから、例えば学部卒業後にあるいは修士課程卒業後に就職先があれば就職をすると、こういうことになるわけですし、ただ、修士論文提出の時期とまた就活の時期が重なるとか、いろんな状況があるのも事実であります。 それからもう一つは、経済的な負担だと思います。御案内のように、なかなか学部生のように大学院生、バイトができないという状況もあります。もちろん、研究が忙しいわけですからできない、できないけれども学費を稼ぐためにバイトをせざるを得ない。これも、ちょっと数字を聞きましたら、大学院生の三人に一人は週十時間以上のバイトをしていると、こういうことであります。 なぜここまで追い込まれているか。私、この理由の一個に先ほど申し上げた奨学金があると思っているんです。実は、大学院生の二五%が五百万以上の奨学金をもう既に借りているということであります。一二・六%は七百万以上の借入れをもう既にしている。学部時代から借りているので、通算して借りていますから、借入額が増えていくのは当然でありますけれども、研究実績が重なるごとにこういう借財が増えていくわけですよ。学費の負担に見通しが持てずに、それ以上の課程への進学を諦めるという非常に厳しい状況にあるのも事実であります。 今回の法案の中に、法案というか、文科省さんからも御説明をいただいた中にRAとかTAの話があります。こういうのを通じた学生支援、今回の法整備で行っていくということなんですけれども、この学内バイト、RA、TA、これも今是非実態を理解をしていただきたい。TAに至っては、一か月当たりの収入は一万円以下が四三%です、今。 こういう状況で、やっぱり大学院生の学費の負担というのをどう軽減していくかというのはすごく重要で、だから私は、先ほど授業料減免というのを、奨学金ではなくて、無利子が幾ら増えたって学生たちはもう借金が増えていくばかりですから、こういったところに今回の法改正通じて経済的負担を軽減していくということが重要だと思いますが、この視点と、今回の法案との関わりをお聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(常盤豊君) 大学院生の数が減少しているという御指摘ございました。その中で、幾つか要因があるということで大臣からもお話がございました。一つの理由として、斎藤委員からキャリアパスが見えないというお話がございました。 そういう点も考慮いたしまして、大学院に対する、これまで博士課程教育リーディングプログラムというプログラムを通じて、できるだけある意味幅の広い、なかなか大学院生さんの場合には企業で採用されるときにどうしても専門分野に非常に限定されているというふうな御指摘もございますので、もう少し広い角度から研究を俯瞰できるような、そういう力を持った人材を育成しようということで取り組んできておりますし、さらに、それを次のステップといたしまして、卓越大学院というような制度も今具体的に構想をしているところでございます。 そして、今回の指定国立大学法人との関係でございますけれども、指定国立大学法人の議論におきまして、有識者会議の中でも、やはり大学院生に対して経済的支援の重要性ということが非常に重要な課題として指摘をされているところでございます。 具体的な取組として私どもで想定をしていることについて申しますと、指定国立大学法人の卓越した研究成果等を活用いたしまして、産業界との連携を進め、共同研究の間接経費や寄附等も活用しながら大学院生の経済的支援を行うというようなこともこの指定国立大学との関係では想定をしているところでございますが、今御指摘いただきましたように、例えば奨学金について言いますと、大学院については優秀者についての返還免除の仕組みもございますし、あるいは特に優秀な博士課程学生には特別研究員の事業というようなものを実施しているところでございますので、この全体を見ながら、今御指摘いただいた問題、非常に重要な課題であるというふうに我々も認識をしておりますので、何とか前進できるように努力したいというふうに思ってございます。
○斎藤嘉隆君 是非、いろんな施策があるのは存じておりますので、バランスを考え、組合せを考え、学生たちの負担軽減というのを是非お図りをいただきたいし、そのための今回の法案であれば是非賛同したいというように思っています。 今回の法案の中身をずっと見ますと、この指定大学法人についていろんな柱があると思います。世界最高水準の研究を進めていくとか、人材の育成確保もそうでしょうし、財務基盤の強化ということも掲げられています。スーパーグローバルな大学をつくっていくというようなイメージかなというふうに思います。 これ、よくグローバルランキング、大学ランキング、あのトップ百に十校、十年で日本の大学をこのランキングの中にインさせるんだと、こういう目標、これKPIと言っていいかどうか分かりませんけれども、が掲げられていると思います。このKPI達成が大きな文科省さんとしても今目標だと思いますけれども、これ、ということは、段階的に、最終的には、いきなりではないにしても十校ぐらいが指定をされていくという、こういう見込みを私たちは持っていていいんでしょうか、イメージとして。
○国務大臣(馳浩君) 最終的にはそのようなイメージを私も持っております。したがって、最初は数校ほどから始めて、その取組が良い取組である、なるほどということでどんどん良い計画を立てて、事業計画を立てて、評価を受けて、外部からの資金も集めながら、そしてスタートアップしていこうと、そういうことを考えれば、最終的に私は十校程度、指定国立大学ということになることが望ましいと考えておりますし、そういう目標を持たなければいけないと思っています。
○斎藤嘉隆君 まあ、ランキングに入ることがどうなのかという議論は当然あるというふうに思いますけれども、ただ現実に考えると、百のランキングに十校入れるというのは、私は現状かなり困難だと思います。その理由はもう明らかです。二〇一二年の高等教育への公財政支出、もうこれを見れば、GDP比で〇・五%です。OECD最低ですよ、最低、突出して最低レベルだというふうに思います。アメリカの三分の一です。 こういう状況はその状況でおいておいて、金は出さないけれどもランクは是非十校という、こういう話になっていますから、私は、やっぱりこれは両方の視点からしっかりやっていかないと、ただ大学を追い立てるだけと、こういうことになりかねないんではないかなというように思っています。是非、今日のこの議論では深く、深入りするつもりはないんですけれども、高等教育への社会的資本の投資という部分を是非我々全体で考えていかなきゃいけないなというふうに思います。 それから、先ほど那谷屋委員からもありましたけれども、今回の法案と地方創生との関わり、これも私、非常に気になるんです。地方で活躍する人材の育成、地方で特色のある産業の育成、この視点で様々な議論が文科省内でも進んできた上でのこの法案だというふうに思います。一部の大学に資源を集中をすることで他の大学への支援が仮に薄くなるということになるとすると、東京や一部の都市部の大学が生き残り、地方の大学が消えていく、こういう未来が想像が容易にできるわけであります。 これを目指すのか、あるいは、これは仕方ないこととして、十八歳年齢が年々減少していくことが確実な状況ですから、一定は避けられないというふうに考え、だからそういう方向を促進をする法律なのか、あるいはそういう動きにあらがっているのか。大学と地方創生、地方における大学の役割、このことについて見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(馳浩君) まず、最初に申し上げたように、トップ百に十校を目標としようと、この目標をまず立てることは必要です。しかし、最初は数校から始めますというふうに考えていただければ、これは那谷屋委員の御質問にも答えたところでありますけれども、地方の大学に対する支援は地方の大学に対する特色ある教育、研究に対する支援として別途やっていきますし、この指定国立大学については、当初数校ほどから始めていこうとしていますし、特別な予算というよりもスタートアップするための予算措置というふうな検討でありますので、何か地方の国立大学の予算をはつって特別の大学にだけ持っていくという、そういうものではないということをまずお伝えしたいと思いますし、とりわけ、地方創生の観点から、地方の国立大学がやはり人材育成の観点においても、その地域の産業を支援していくという観点からも極めて重要な役割を持っているという認識は持っておりますので、そういうふうに分けて考えていただければ結構です。
○斎藤嘉隆君 先般も私、地方・消費者特別委員会でもこの問題についていろいろ御指摘をさせていただいたんです。実は先般、この特別委員会で日本版CCRCという議論が、法制化がされています、この中で地方における大学の役割というのはかなり言及がされていました。アクティブシニアの皆さんを地方に移住を促進をする。そのときに、一つのポイントとして、例えばそれに付いて若い人たちが地方に多く住むことになる。その受皿として、例えば大学があって、若い人たちの雇用があり、あるいはそういうシニアの皆さんがもう一度学びたいという意欲があって地方の大学に通うと、こういうことでこのCCRCというのがまさに具体化、具現化していくんじゃないかと、こういう議論であったというふうに思います。 東京はやっぱり子育てが非常に困難で、費用、待機児童の問題もあります、核家族化ということもあるんでしょうけれども。私、少子化を今促進をしている一個の要因に、大学の東京集中というのがもう明らかにあるのではないかというように思っています。日本が人口減という非常に大きな課題に直面をしている中、この課題の克服と地方における大学の役割、こういう視点も是非、多分されていると思いますけれども、文科省内でも大いに議論をしていただきたいというように思います。 国立大学法人法が制定をしたときの附帯決議も是非もう一度しっかり確認をしていただきたいと思いますけれども、地域の教育、文化、産業を支えている役割を認識をするようにということがこの参議院の附帯決議の中でも盛り込まれておりますので、是非こういった点、こういう視点も重視をしていただきたいと思います。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(馳浩君) 地方創生の観点と地方の国立大学の役割の重要性というのは、私も強く認識をいたしておりますし、その観点で文科省内においても取組を更に進めたいと思います。 たまたま、私、選挙区である石川県金沢市には、日本版CCRCのモデルとなっておりますシェア金沢という施設がございます。地元の私立の大学や県立の大学やそして金沢大学とも連携をして、いわゆる人材あるいは指導者の交流を含めてシェア金沢の運営等に大変な御尽力もいただいております。 私は、改めて、町づくりをしていくときに、そういう方向性を持った核となる施設、それに特に地方の国立大学、地方の高等教育機関が関わっていく、当然そこには、新たな価値観を生み出し、同時に住み続けることに喜びと誇りを感じていく、更に言えば、外国からの留学生もあるいは外国人の労働者も障害者も共に支え合いながら町を運営していく、私は、こういう理念といったことは今後の少子高齢化の我が国社会においての極めて重要なポイントだと思っています。それに対して、我々文部科学省として、また国立大学として貢献していけるようなリソースを提供していくこと、これまた私は、今回の指定国立大学法人の論点とはまた違う論点、価値観において私は重要な役割だと、そういうふうに認識をしております。
○斎藤嘉隆君 是非政府全体でそういう視点での議論を深めていただくように、特に文科省さんが中心になって進めていただきたいと思います。 時間がもうありませんので、最後に、今回の法案で、大学の研究成果を活用する事業への出資についてちょっとお伺いをしたいというふうに思います。 端的に言えば、なぜ指定大学法人のみなのかということであります。これ、大学の研究成果を活用して事業者に出資をする制度というのは、JSTを通じてもう既にスキームがあるわけでありますね。このスキームはよくて、個々の大学が出資を行う業務については指定大学法人のみに認めると。よく分かりません、ここが。指定法人には高いシーズがあって、他の大学には業務膨張への危惧があるから歯止めを掛けなきゃいけないと、こういうことなんでしょうか。ということは、指定されない大学についてはこういうシーズはないと、こういう評価をしているのか。そういう考えなら、もうそもそも出資自体を、これはJSTの枠も含めて、そもそもその在り方を考えていかなきゃいけないんではないかなというふうに思いますが、最後にちょっとこの点をお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(常盤豊君) 出資対象の範囲の拡大についてのお尋ねでございます。 出資に関しましては、今御指摘がございましたように、国立大学法人の持つ公的な性質を踏まえまして、業務の膨張への歯止めということに留意をしなければならないということがまず基本的な事柄としてございます。 その中で、今回の指定国立大学法人において指定国立大学法人を対象として広げている趣旨でございますけれども、民間企業等への技術支援や教育プログラムの提供など、こういうことを事業として実施していく上で、こういう指定法人には大学内に質の高い研究成果が豊富に存在するということ、こういうことを理由といたしまして、指定国立大学法人については、一般的には先ほど申しましたように業務の膨張ということについて非常に制約があるわけでございますけれども、この指定法人について今のような理由で拡大をしていただくということで調整をさせていただいているところでございます。 そして、その他の法人におきましても、当然研究の高いシーズというものがそれぞれの大学にあるということも事実でございます。その点につきましては、広く大学の研究成果を活用する事業者への支援という観点で科学技術振興機構の方でプログラムを設けて実施をしていると、そういう状況でございます。 また、その拡大ということにつきましては、今お話ございましたように、研究成果の事業化、そして社会における普及、活用ということを促進するという観点から、今回の指定国立大学法人による出資の実績を踏まえて、全ての大学を対象としての出資対象範囲を同様に拡大をしていくということについても検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○斎藤嘉隆君 委員長、済みません、もうちょっと時間が来ていますので、今の件についてはまた少し委員会でないところで議論をしたいというふうに思います。JSTのスキームと今回の法の中でのスキームと、ちょっと今の御説明も含めて、どっちが上でどっちが下なのかとか、いろんな、そういう観点ではないかもしれませんけれども、少し議論をさせていただきたい。是非、またその点についてもお願いをしたいというふうに思います。 以上で終わります。
○新妻秀規君 冒頭、私からも、熊本を始め九州で大地震が起きまして、被災された方に心よりお見舞いを申し上げますとともに、犠牲になられた方に御冥福をお祈りをしたいと思います。 早速質問に入ります。 まず、国立大学の研究力の向上について伺います。 今回の法案の提出の理由の冒頭にこのようにございます。「我が国の大学の教育研究水準の著しい向上を図ることが重要であることに鑑み、」とございます。ここで、この法案によって具体的にどのようにして国立大学の研究力を向上させていこうと考えているのか、御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(馳浩君) 我が国の大学の研究力向上に当たっては、大学の部局間の目標や情報の共有、リソースの流動性が少なく、融合分野や新領域の開拓が進みにくいという課題が指摘されております。 指定国立大学法人に関しては、国内最高水準の研究力を生かし、分野融合、新領域の開拓を進め、既存の学問分野にとらわれず、独自性のある新しい価値を創造すること等を期待しております。このため、各大学は、自らが伍していきたいと考える海外大学の取組を参考とし、世界の有力大学の状況を分析した上で、自らの研究力の向上に向けての取組を中期目標において明確に示すことが必要となります。 また、このような目標設定の下で、分野融合、新領域の開拓を進めていくため、研究費や人員の配置や大学院の組織改革などを含めて、学長のリーダーシップの下、最適な資源配分を行うなどの研究マネジメントを実装することを通じ、国立大学の研究力向上を期することとしております。
○新妻秀規君 今回の法案に直接関係することもそうじゃないことも、いろんな取組があるんだということが分かりました。こういう様々な取組をしっかりと推進をしていただけるようお願いをしたいと思います。 次に、先ほど民進党の斎藤委員からも指摘があったポイントなんですけれども、地方の国立大学への支援についてお伺いをしようと思います。 今回の法案の提出理由の、先ほどのところに続くところにこのようにございます。文部科学大臣が世界最高水準の教育研究活動の展開が相当程度見込まれる国立大学法人を指定国立大学法人と指定することができる云々とあるんですけれども、何かトップの大学だけなのかという印象を受けるんです。 先ほども地方創生の話もありました。やはり地方国立大学への支援も充実させるべきと考えますが、先ほど大臣からはそうじゃないんだという御答弁あったんですが、具体的に、常盤局長の方から具体的な取組についてお話をしていただければと思います。
○政府参考人(常盤豊君) トップレベルの大きな大学だけではなくて、地方の国立大学に対してもしっかりと支援をしていくようにというお話でございます。 地方国立大学を始めといたしまして国立大学法人全体への支援ということにつきましては、運営費交付金の確保あるいは税制改正要望において税額控除が認められたというふうなことは、これは実はトップ大学だけでなくて、全八十六法人に対して共通のことでございます。また、この法案におきましても、全国立大学法人を対象とした部分といたしまして、土地、建物の活用であるとか、あるいは寄附金等の資産運用であるとか、こういう点については全法人を対象とした措置ということでございます。また、地方大学の活性化という観点につきましては、政府全体としてもまち・ひと・しごと創生総合戦略の中で取組を進めているところでございます。 具体的には、国立大学の予算で申しますと、運営費交付金において三つの類型を設けまして、そういう卓越した研究で世界と研究面で競っていくという大学もありますが、御指摘のように、八十六の法人の中には地域に根付いてしっかりと地域の課題を解決していくという、そういうタイプの大学もございますので、そういう大学に対しては、地域のニーズに応える人材育成、研究の推進といった枠組みを設けまして、その中での重点支援ということを行っているところでございます。 また、これ、二十七年度から、COCと言っておりますけれども、地域の地(知)の拠点の大学ということで、大学、これは国公私立を通じてでございますけれども、大学の地域との連携、協働を促進するという事業を進めております。現在、三十六拠点四十六の、国立大学について言いますとそういう支援を行っているところでございますので、こういうことを通じて地方大学の支援ということをしっかりと行っていきたいというふうに考えてございます。
○新妻秀規君 今の局長がおっしゃった具体的な取組をしっかり前進させていただけるようお願いをいたします。 次に、基盤的経費の確保、充実について、これは大臣にお伺いをします。 今回の法案は、国立大学の改革の流れを推し進めるためのものだというふうに理解をしています。その流れというのは、具体的には、平成二十五年の十一月二十六日に文科省が発出をした国立大学改革プラン、また昨年六月十六日の同じく文科省から発出されました国立大学経営力戦略、こうしたものに明記をされています。 こうした取組を進めるためにも、運営費交付金などの基盤的経費、この確保、充実が必要だと思いますが、大臣の御所見、お願いいたします。
○国務大臣(馳浩君) 国立大学法人の第三期中期目標期間初年度である平成二十八年度予算では、国立大学法人運営費交付金において三つの重点支援の枠組みを新設し、各国立大学の機能強化の方向性に応じた取組をきめ細かく支援するとともに、対前年度同額の一兆九百四十五億円を確保したところであります。 引き続き、各国立大学が改革を着実に実行できるように、運営費交付金などの基盤的経費の確保に努めてまいりたいと思います。
○新妻秀規君 力強い決意、ありがとうございました。我々も援護射撃をしっかりしてまいります。 次に、国立大学法人の施設整備についてお伺いをしたいと思います。 大臣は名古屋大学を訪問されたと伺いました。あの青色LED、このノーベル賞の研究がこういう施設でなされたんだということで、様々な所感お持ちになったんじゃないかなというふうに思います。国立大学の施設は日本の次の世代を担う人材の育成の場であるとともに、先ほど来ありました地方創生、またイノベーション、こうした拠点でありまして、一億総活躍社会の実現のために大変重要な施設だと思っております。 ここで、資料の一を御覧ください。資料の一の上半分の写真を見ると、この一番左の写真、外壁とかサッシが落ちるかもしれないと。真ん中の写真、過密な研究室なんか物が崩れそうですよね。 じゃ、一体施設どうなっているのかというと、この右上のグラフなんですけれども、これ、現時点でどれくらい大学の建物が老朽化しているのかという、現時点での状況です。左に行けば左に行くほど古い。五十年以上がこれだけ、単位は万立方メートルなんですけれども、この真っ赤っかのところが問題なんです。真っ赤っかのところが築二十五年以上で、ダイダイ色のところは経年二十五年以上なんですけれども、ダイダイ色のところは改修済み。でも、未改修なのはこの真っ赤っかのところなんですね。 今後五年間で、築五十年以上の真っ赤っかの部分が急増していきます。九・七パーから二三・一パー、一気に増えると。じゃ、この黄色でハッチしてあるところ、これが、二十五年後までにはこの黄色のところまで行くんですけれども、相当な数の建物が経年二十五年以上とか経年五十年以上になっていくわけなんです。こうしたことは安全面からも機能面からも大変な課題です。 一方で、こういう施設の老朽化とともに、左下の写真、御覧ください。配管の腐食、もうこんなふうになっているんですよね。下の真ん中の写真にあるように、水漏れも起こっています。 じゃ、配管とかこういうライフラインどうかというと、右の方のグラフ、この横に伸びている棒グラフを見ると、この一番上の棒の排水管、これ雨水と実験排水に分かれているんですけれども、雨水で七二パー、経年三十年以上。その下、実験排水、六三パーが経年三十年以上。給水管でも四一パー、ガス管三四パーと。 じゃ、経年三十年以上は何がまずいのかというと、一番右下のグラフです。経年三十年以上で事故出現率が急増してくると、こういう問題があるんです。なので、こういう施設面の老朽化は大変厳しい課題です。 じゃ、予算どうかというと、次のページ御覧ください。国立大学法人の施設整備費予算額、最近もうがた落ちなんです。なので、対策が遅れています。 今年度を初年度とします国立大学法人等の施設整備五年計画に基づいて、こういう計画的な整備が是非とも必要だと思うんですけれども、この取組に対しての大臣の御所見をお願いいたします。
○国務大臣(馳浩君) 今年三月に第四次国立大学法人等施設整備五か年計画を策定をいたしました。計画的に整備をしていかなければいけないと考えております。 大体、昭和四十年代、五十年代に国立大学の施設整備、一気に進めております。その後、やはり耐震化を中心に施設整備してまいりましたがゆえに、今お示しの資料のとおり、老朽化が進んで大変なことになっております。その認識は持っておりますので、計画的にこの老朽化対策を進めてまいります。
○新妻秀規君 是非、予算確保を含め、この取組を前に進めていただけるよう、大臣のリーダーシップの発揮を是非ともお願いをします。 次に、ベンチャー関連施策の促進に向けた取組について、これも大臣に伺います。 まず、資料の三を御覧ください。これが大学発ベンチャーの設立数の推移です。その年にどれくらい新しく設立されましたかというのがこの棒グラフで、折れ線グラフがトータルの数なんですね。最近の棒グラフを見ると、平成十六年、十七年に二百五十二とピークのところからどんどん下がって、もうここ数年はまた四十から六十、七十くらいで頭打ちになっているという状況です。 昨年の六月の十六日に発出されました文科省の国立大学経営力戦略にこのような目標が掲げられています。ちょっと朗読します。 世界のビジネスモデルが大きく変革しつつある中、経済にインパクトのある新陳代謝を引き起こすためには、ベンチャー企業による新産業の創出が極めて重要、特定研究大学、これが今でいう指定国立大学なんですけれども、この指定国立大学などにおいては、海外のベンチャー支援人材を含め、国内外の優れた創業人材の登用や実践的な創業人材育成など、ベンチャー創設のプラットフォーム機能を担うことができるよう、関係府省等によって各種のベンチャー関連施策を密接に関連させて支援、促進を図る、このような目標が掲げられているわけなんです。 今回の指定国立大学法人制度はこの目標に向かっての最初の一歩と考えるわけですが、今後、文科省として、この戦略に掲げた目標、この達成に向けてどのように具体的に取り組んでいくのか、大臣の御所見をお願いいたします。
○国務大臣(馳浩君) 委員御指摘のとおりであります。 我が国の大学発ベンチャーの設立件数はここ数年停滞している状況にありますが、その要因としては、第五期科学技術基本計画において、事業や経営を支える人材が十分でない状況にあり、起業しても経営で行き詰まる事例が見られること、ベンチャー企業に対する社会的信頼性や失敗に対する社会的許容度がいまだに低いことなどが挙げられております。 このため、文科省としては、強い大学発ベンチャーを創出するため、具体的な取組として、創業前の段階から大学の革新的技術の研究開発支援と民間の事業化ノウハウを持った経営人材による事業育成とを一体的に実施し、大学発ベンチャー創出を支援する大学発新産業創出プログラムや、海外機関や企業などと連携し起業に挑戦する人材や産業界でイノベーションを起こす人材の育成プログラムを開発、実施する大学を支援するグローバルアントレプレナー育成促進事業、いわゆるEDGEプログラムなどに取り組んでいるところであります。 文科省としては、強い大学発ベンチャーの創出を支援することで、研究開発成果の実用化や社会還元によるイノベーション創出の実現に取り組んでまいりたいと思います。
○新妻秀規君 今の大臣からの、大学発ベンチャーを促すための様々なプログラムを実施していきますよという、そういうお話がありました。そういう新しいプログラムが効果をしっかり発揮するように、きちんとした評価をして、ちゃんとしたPDCAを回して、大学発ベンチャーが、このグラフがぐっとまた上がっていくようにしっかりフォローしていただきたいと思います。 最後の質問に行きます。資産運用の対象範囲について、これは政府参考人にお伺いをしたいと思います。 国立大学の資産運用の対象範囲、これは今どうなっていて、今回の法改正によってどのように変わるのか、簡潔にお示しいただければと思います。
○政府参考人(常盤豊君) 現行制度上、国立大学法人等の資産運用の対象範囲でございますが、国立大学法人法第三十五条において準用する独立行政法人通則法第四十七条の規定に基づきまして、運営費交付金、学生納付金、寄附金など、現状では資金の性格を問わず、一律に国債、地方債、政府保証債などの金融商品に限定されております。 今回の改正においては、他の独立行政法人の運用対象範囲あるいは国立大学法人からの要望、こういうものを踏まえまして、例えば投資信託、社債、外国債券、外貨預金など、こういうものを政省令で定めるところによって新たに可能とするということを予定しております。
○新妻秀規君 終わります。ありがとうございました。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。 今も余震が続く熊本、大分の地震の被害ですけれども、本当に子供たちへの支援、これが行き届くように私もこの場で要望をいたしまして、法案に対する質問に入ります。 本法案は、文部科学大臣が、世界最高水準の教育研究活動の展開が相当程度見込まれるものを指定国立大学法人として指定することができるとしています。また、指定の事由がなくなったと認めるときは、当該指定国立大学法人について指定を取り消すとされています。 これ、大学評価委員会の意見を聴くということは義務付けられているんですけれども、この指定及びその取消しは文科大臣の専権事項ということでよろしいですか。
○政府参考人(常盤豊君) 指定国立大学法人の指定でございますが、文部科学大臣の権限に属する事項でございますが、大学の申請をまず前提とするものでございます。また、法律上あらかじめ国立大学法人評価委員会の意見を聴かなければならないというふうにされてございます。
○田村智子君 これは世界最高水準という非常に分かりやすい、国民的には、そういう評価を文科大臣が行うと、こんなこと、いまだかつてないことですよね。 国立大学法人法では、国立大学の評価は大臣ではなく国立大学評価委員会が行うと定めています。しかも、評価委員会は、国立大学の中期目標に係る業務の実績を評価する際は、大学評価・学位授与機構、現在は大学改革支援・学位授与機構に名前が変わっていますが、ここに教育研究評価の実施を要請し、その結果を尊重することとなっています。 この機構が行う評価というのは、いわゆるピアレビュー、同僚評価です。専門的知識を持つ同僚、同業者による評価、これが専門的見地に基づく評価のその質を担保しているわけです。また、この評価については大学法人が異議を申し立てることも認められていて、実際に異議申立てによる再評価も行われています。 こういう仕組みについて、文科省はこれまで大学の自主性、自律性に配慮して評価というのは行わなければならないからだという説明を繰り返してきたわけです。ところが、この法案では文科大臣が指定をする、取消しもする。これは国立大学法人法に定める国立大学の評価の在り方に私は反するものだと思いますが、いかがですか。
○政府参考人(常盤豊君) 現行の国立大学法人の評価の制度、またその際の大学評価、大学改革支援・学位授与機構の関わり、この点についてお話ございましたが、現行の国立大学法人制度におきましては、国立大学法人評価は国立大学法人評価委員会が行うということとされておりますのは御指摘のとおりでございます。ただ同時に、その評価の結果を踏まえて当該国立大学法人等の組織及び業務の全般にわたる検討を行って、その結果に基づいて当該国立大学法人等に関し所要の措置を講ずるということについては文部科学大臣の権限とされているところでございます。 〔委員長退席、理事赤池誠章君着席〕 今回の指定制度につきましては、申請のあった国立大学法人等の現状や目標、構想について、専門的、客観的な観点から評価委員会の御意見をいただいて、その意見は十分に踏まえた上で文部科学大臣が指定を行うということでございますので、現行の評価制度との関係で整合性は取れているものではないかというふうに思っております。
○田村智子君 今答弁では踏まえてと言いましたが、踏まえてなんて書いてないですよ。聴くと書いてあるだけですよ。配慮するとも尊重するとも書かれてないですよ。 これは、これまでの大学改革の法案審議で、例えば文科省は学長の権限強化、学校教育法の改定で行いました。その際、私は、例えば入学試験の合否判定、学生の卒業認定など、教授会の意見は聴くと言ったけれども決定権限は学長にあるんだと、教授会の決定を学長が覆すこともあり得るんだと、こういう答弁が繰り返されたわけですよ。聴くというのはそういう位置付けですよ。踏まえるでもない、尊重するでもない、聴くだけなんです。 大学の教育研究活動は分野も広く、極めて専門的です。文科大臣に高い見識があったとしても、とても個人の見識で大学の水準を判断できるものではないと思います。しかも、世界最高水準の教育研究活動を今後展開するという可能性まで見極めるというわけなんですね。 〔理事赤池誠章君退席、委員長着席〕 馳大臣、この法案が成立すれば、施行前にもこの指定ができるということになるわけです。一体どういう指標でこの大学は世界最高水準が見込まれるんだと、馳大臣御自身はどういう指標で判断されようというのでしょうか。大臣。
○国務大臣(馳浩君) ちょっと具体的なことを申し上げてよろしいでしょうか。 国際的な拠点として指定することになりますので、教育研究面では、まず、四ポイントお伝えします、優秀な人材の獲得や育成、それから海外研究者や留学生についてであります。二点目は、研究力の更なる強化、これは分野融合や新領域の開拓についてであります。三点目は、国際協働により、より高度な人材育成拠点へと発展すること。四点目は、社会連携を進め、より高い教育研究成果で社会に貢献をすること。また、組織運営面では、ガバナンスの強化、これは学長の指導性の発揮で組織的に課題を克服していくということ。六点目が、財務基盤の強化、基盤経費確保に加えて社会からの支援を得られるかどうかと。こういった課題をやはりまず大学自身が申請をしていただくということ、それを踏まえて評価委員会で評価をしていただくということ、それを聴いて判断をするということであります。
○田村智子君 大学評価委員会というのは文科省の中に置かれた機関ですから、結局、文科省が判断するということになってしまう。例えば、ノーベル賞を受賞した物理や化学の研究は二十年、三十年掛けての評価なんですよ。iPS細胞は極めて異例の早さと言われたけれども、十年掛かっているわけですよね、その芽が出るのに。教育の成果を判断するというのはもっと困難だと思いますよ。こんな評価が文科省ができるというんだったら、私はおこがましいとしか言いようがない。こんなのは大学の学問研究の自主性、自律性に踏み込む越権行為だというふうに指摘をしなければなりません。 次に進みます。 指定国立大学は、そもそも二〇一四年十二月、産業競争力会議の新陳代謝・イノベーションワーキンググループで提案された特定研究大学を具体化したものです。ここで世界水準ということが強調されて、これが翌年六月三十日に閣議決定された日本再興戦略改訂二〇一五に盛り込まれました。産業界も大学も稼ぐ力を付けるためという発想で、産学協同の研究を重点強化しようということです。教育研究の現場からの要求の法案ではないということは明らかなんですね。 それでは、指定国立大学法人へのこの財政的措置がどうなるのか、運営費交付金の上乗せなどを検討しているのかどうか、お答えください。
○政府参考人(常盤豊君) 指定国立大学法人のまず経緯でございますけれども、もちろん産業競争力会議での御議論ということもございますが、国立大学については、先ほど来御議論ございますように、全八十六の国立大学法人が現在非常に社会の変化、産業構造の変化が激しい中で、それぞれの強み、特色、社会的役割をどのように生かしながら機能を強化していくのかという議論をここ数年ずっと続けているわけでございます。その中で、卓越した研究拠点として国際的に貢献をしていきたいという大学群が一定程度存在をしているということが基礎になっております。 その中で、今回、指定国立大学法人という新しい枠組みを設けるわけでございますが、その指定国立大学法人につきましては、積極的に民間との連携を深めまして、質の高い教育研究活動の実施、そして、それに対する社会からの理解、そして理解に基づく支援、こういうことの好循環を実現をする中で、併せて財務基盤の多元化を図っていただきたいというふうに考えてございます。 ただ、この指定国立大学法人について検討をしてきました有識者会議におきましても、指定国立大学法人に対する国からの一定のスタートアップの支援が必要であるという意見が多く出されておりますので、それを踏まえた対応については、法案をお認めいただきましたら、その後検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○田村智子君 そのスタートアップ資金というのは、じゃ、来年度の予算で運営費交付金と別枠で要求するんでしょうか。それとも、運営費交付金の増額ということを強く文科省は財務省に迫るということですか。はっきりお答えください。
○国務大臣(馳浩君) ここは大事なところなので、改めて私の方針をお示ししたいと思います。 基本的に、運営費交付金を継続的にまず確保していくというのは、全国立大学に対して今までも努力を示してきましたし、昨年同様の額を今回も確保しましたので、これを引き続き取り組むということがまずベースであります。 そして、スタートアップについては、私は、これは今回の法案を我々は提出するに当たり、政府全体として我が国の国立大学をより一層世界においても伍することのできるものにしようという、こういう目標があるわけでありますから、したがって、このスタートアップについての予算は私は別枠で要求すべきだと考えております。 しかし、これは、文科省において、私の方針として考えております。ほかの大学にしわ寄せの行くようなやり方をやってはこれ全く意味がないと、そういうふうな認識でおります。そのことを踏まえて、今後、予算折衝等について取り組むということであります。
○田村智子君 別枠でなければ大変なことが起こるというふうに思うんですね。 先ほど、大臣は、今年度は運営費交付金は前年度と同じ額を確保したというふうに御答弁されたんですけれども、しかし、そのうち約百億円は重点支援分ということになったんですよ。大学の要求額に対して、文科省が示した大学改革の方向に沿って努力しているかどうか文科省が査定を行ったわけです。四十二大学は要求額に対して一〇〇%以上になりました。最も反映率が高い大学で一一六%です。一方、四十三の大学は一〇〇%未満で、最も査定が低かった大学は要求に対して七五%程度しか認められなかった。これ、文科省の査定によって財政的な大学間格差というのが既にもたらされてきているわけですね。 この間ずっと運営費交付金は減らされてきましたから、文科省は、大学間を文科省自身の査定で格差付けるだけじゃなくて、大学の中でも重点配分を行えということを強く要求してきた。その結果どうなっているか。例えば新潟大学、これ、文書が配られたわけですよ。昨年度は十三万五千円、一人当たりの研究者に対して基礎的経費を配分してきたけれども、今年度は三万七千円になるという、こういう通知が配られたんですよ。これ、三万七千円なんていったら、学術論文一冊程度ですよ、せいぜい。こんなことやっていたら研究者のモチベーションはどんどん下がっていってしまう。 皆さんがやってきた選択と集中、重点配分、このやり方自体が日本の国立大学の教育研究を停滞させてきた、疲弊させてきた、そういう認識おありですか、大臣。
○国務大臣(馳浩君) 私はそうは思っておりません。やはり、国立大学といえども、各大学、より一層の努力をしていただきたいし、競争的な環境はやはり向上させていくためにも必要だと考えております。
○田村智子君 これ、基礎的経費を減らしながら、努力してほしいなんというのは本当にひどいやり方ですよね。 アメリカ、二〇〇〇年から二〇〇九年にかけて研究開発費、これ公費です、四三%増やして、論文数は二七%増。ドイツは同じ時期、研究開発費三三%増やし、論文数は二六%増。韓国は研究開発費倍加で、論文数は三倍。これに対し、日本は、研究開発費は僅か五%増で、論文数も五%しか増えていないと。明らかなんですよ、もう。 これは今年の三月、科学技術・学術政策研究所、科学技術の状況に係る総合的意識調査、これ定点調査といって、毎年同じ研究者に対する調査というのを行っているんですね。もう基盤的経費が掘り崩されているという指摘が激しく行われているわけですよ。もう固定費まで切り込んで対応せざるを得ないと。だから、閲覧できる雑誌や電子ジャーナルが減ってしまったと、著名科学誌の論文さえダウンロードできないことがあると。お金が足りないからです、固定費が。これで優秀な人材は博士課程から企業へ就職をしてしまう。あるいは、応用研究、出口志向の研究、大型プロジェクトの研究に予算が集中してしまっていて、基盤的な研究、長期的な視野に立った基礎研究ができにくい環境がどんどん広がっていると、こういう指摘にあふれているわけですよね。 私どもの赤旗の新聞にも、四月の十四日の日に、京都大学の山中伸弥先生に出ていただきました。その中で、基礎研究への支援、これこそが科学立国の第一条件であるということを本当に強く強調してお話をいただいたんですね。皆さんがやっているイノベーションというのは、応用部分だと思いますよ、すぐに産業に役立つような応用部分の研究。ここに、確かに企業からの寄附金とか自己収入で何か、産学の協同とか、私、これ否定しません。そういうので国立大学の研究が世に出て生かされるという道は必要だと思います。しかし、それが既に枯渇しているという指摘が激しく行われているわけですよ。ノーベル賞の受賞は二十年、三十年前の基礎研究なんだと、それが今評価されているんだと、今この基礎研究部分を掘り崩されていてどうして応用研究が進むのかという指摘を山中先生も行っておられるわけですね。 この基盤的経費を掘り崩してきたことこそが国立大学の停滞を生んできた、大臣、この認識おありですか。
○国務大臣(馳浩君) 私の考えていることと田村委員の考えていることはそんなに違わないと思って話を聞いているんですよ。基盤的経費を今後とも継続して安定的に確保すべきだという話は私は繰り返し申し上げていると思いますし、したがって、各大学において、改めて運営費交付金の確保プラス寄附金等の確保も含めて財源を多様に確保していってもらう努力もしてもらうと同時に、科研費等の確保もあるわけでありますから、こういう多様な財源を確保しながら、同時に競争的な環境をつくって、基礎研究の継続的な発展、このことも期待したいと思っております。 改めて、今まで非常に、昨年まで随分と減らされてきたわけですけれども、これで一つの歯止めを掛けたと思っておりますし、この基盤的経費の確保というのはしっかりとしていかなければいけないし、同時に、そのためにも競争的な環境は必要であるということを申し上げたいと思います。
○田村智子君 これ、確保では駄目なんですよ。掘り崩した分を取り返さなかったら、今みたいに学術論文さえダウンロードできないという状態を解決することができないわけですね。 それともう一つ、決して言わないのが重点支援がもたらしたものなんですよ。重点支援、重点配分ということをやっていることがやっぱり大学全体の力を落としてきたと。文科省の言う選択と集中というのが誤っているという指摘を、これは研究者の方々が繰り返し行っているわけですね。これは、国立大学協会も昨年の五月にこの運営費交付金の削減がどのような影響をもたらしたかという研究の報告書をまとめていますけれども、その中でも、やはり重点配分ということの見直しが必要だと、そんな短期の視野ではなくて、もっと長期的な、中長期的な視野でもって、基礎的研究基盤をどうつくっていくのかという、このことこそが求められているんだということを繰り返しています。 また同時に、削られた分の運営費交付金を元に戻すことなくして国立大学の再生はあり得ないと、このことを強く申し上げまして、質問を終わります。
○松沢成文君 松沢成文でございます。 私からも、熊本、九州の皆様にお見舞いと、また、犠牲になられた方のお悔やみを申し上げたいと存じます。 さて、今日この法案の質問に入る前に、先ほど赤池委員からも取り上げていただきました、国立大学に関連して、国旗・国歌問題について質問をしたいと思います。 実は、前回、私、一般質問で質問させていただきましたが、全く大臣の答弁に納得がいかないんですね。そこで、改めて大臣の御意見をお聞きしたいんですけれども、実は、前下村大臣は、私がこの問題指摘して、すぐに各国立大学に全部状況はどうなっているか調査をしました。そしてまた、調査結果を受けて私はそれを参議院の予算委員会で取り上げて、問題があるんじゃないかということで、きちっと文科大臣として指導なり要請なりしてほしいということを受けて、下村文科大臣は国立大学の学長会議でこうしてほしいというお願いベースでやったわけですね。 その行為について、馳大臣は、私も同じ考えだ、下村大臣がやったことは適切だと、こう答えたんですね。そして、この考えは踏襲したいと答えた。しかし、馳大臣がやろうとしていることは、調査もやりません、もうこれ以上要請もしません。これ、誰が見ても、全く下村大臣がやったことと馳大臣がやらないと言っていることは正反対なんですよ。これ、分かりやすく言えば、こういうのを言行不一致というんですね。 下村大臣のやられた考え方あるいはやったことを適切だと言うのであれば、それを踏襲するのであれば、きちっと今年も、国立大学の状況が今どうなっているのか、この重要式典における国旗・国歌の問題がどうなっているのか、調査するのは当たり前じゃないですか。なぜできないんでしょうか。
○国務大臣(馳浩君) 国立大学の入学式、卒業式などのいわゆる式典の場においては、国立大学が社会の多くの方に支えられていることを自覚するという観点から、国旗を掲揚し、国歌を斉唱することが望ましいと考えております。 昨年六月の国立大学法人学長等会議において、下村前大臣が各学長に対して、国旗と国歌の取扱いについて適切に御判断いただくようお願いをしているところであり、各大学の状況について適宜適切に把握してまいりたいと思います。
○松沢成文君 下村大臣はきちっとお願いをしたわけですね。そのお願いを受けて、今年というか、昨年度、今年度、三月に卒業式があり、四月に入学式があったわけです。そのお願いを受けてどういう変化が国立大学の運営現場に生じているのか、それをきちっと把握しなければ今後の指導なんかできないんじゃないんですか、今後の助言なんかできないんじゃないんですか。だからこそ、この四月にも、この四月こそ、昨年の動きを受けてどういう変化があったのか、これを確認し、今後に生かしていくためにも調査をしなければいけないんじゃないですか。
○国務大臣(馳浩君) 先般私が答弁したことは、ちょっと意がちゃんと伝わっていないようなので改めて申し上げますが、前回も申し上げましたが、学習指導要領に基づいて国旗・国歌をというようなことは高等教育、大学においてはございませんので、何かの根拠に基づいて調査をするというふうなことはするつもりはありませんという表現をいたしました。 同時に、下村前大臣が、国立大学というのはまさしく税金を含めて多くの我が国の社会的なリソースを踏まえて存立をしているものでありますし、当然諸外国からの留学生も受け入れて、また育成をし、また卒業もさせているところでありますから、当然式典等の場において国旗掲揚、国歌斉唱などの儀礼を通じて社会全体、我が国の社会全体に対する感謝の気持ちを表明するような場があって、私はそれは望ましいと思っています。 だけども、それが学習指導要領に基づいて規定されているものでもありません。したがって、調査という表現は使いませんでした。その上で、下村前大臣も国立大学の学長にいわゆるお願いベースで表現をしておりますので、この状況を踏まえて適時適切に状況を把握してまいりたいということであります。
○松沢成文君 状況を把握したいなら、情報収集しなきゃ把握できませんよ。 実は、昨年、参議院の中山恭子先生が、これは国立大学の現場がおかしいんじゃないかということで調査を文科省に依頼して、文科省はすぐに調査をしてくれました。調査というか、各八十六大学に全部聞き取り調査やったんですね。それを受けて、私が質問して、文科大臣はやはりきちっと自分たちの意思は表明すべきだということで、お願いベースのことをやったわけですね。それによって変化があった、その状況を把握したいと言っているのに、調査しないでどうやって把握するんですか。 去年、中山先生が文科省にお願いしたように、改めて私から文科省に、今年も去年と同じような調査をしてその変化をしっかりと把握した上で国立大学のあるべき姿を議論していく、あるいはこの委員会にも情報公開していただいて委員会でも議論をしていく、これは当たり前の姿じゃないですか、行政として。なぜそれができないんでしょうか。
○国務大臣(馳浩君) 先ほどから何度も答弁しておりますが、これまでの経緯を踏まえて、各大学との意思の疎通を図りながら状況を把握してまいります。
○松沢成文君 文科大臣は、下村前大臣の考え方とは大分違うというふうに正直に言った方がいいですよ、前大臣はきちっとそれやったわけですから。それを受けて、この変化も見なければ、どうやって行政運営するんでしょうか。 そこで、ちょっと、委員長、お願いがあるんですが、文科省の方ではこの情報収集はやらないということであります。ただ、今後の国立大学の運営を考えるに当たって、今国立大学で重要式典における国旗・国歌がどのような状況になっているのか。特に、昨年の議論を受けて今年ですから、この委員会で是非とも八十六国立大学に、その最終判断は国立大学に任せればいいんです。ただ、実態がどうなっているか、この情報収集をして、それを国民の皆様にも公開をし、そしてこの委員会でも国立大学運営の在り方についての議論するための資料とするというふうにしていただきたいと思いますので、是非とも、委員長、取り計らいをよろしくお願いします。
○委員長(石井浩郎君) 理事会で協議いたします。
○松沢成文君 それでは、ちょっと法案の質問に移りますが、先ほどから議論もありましたけれども、この改正案とは別に、実は本年度から国立大学の運営費交付金の重点配分というのも行われているんですね。いいプラン作って頑張っている国立大学には少し重点配分しますよと。この重点支援制度の要件の一つにも、世界のトップ大学と伍して卓越した研究教育ということが挙げられているんです。それでまた、二〇一四年にはスーパーグローバル大学という制度も文科省は創設しています。これも世界レベルの教育研究を行うトップ大学に補助金を出す制度です、これは私学も含めてですけどね。さらに、卓越大学院という制度も現在検討していると聞いています。つまり、世界レベルの大学を目指す制度として、今回の指定国立大学、そして運営費交付金における卓越研究、さらにはスーパーグローバル大学、そして卓越大学院と、同じような目的で四つも制度をつくろうとしているんですね。 先ほど選択と集中についての議論もありましたけれども、こうやって幾つも幾つもちょっと似通った制度をつくっても、国民にも分かりにくいし、果たして成果が生まれるのか。本当に世界で伍して、何というかな、研究開発をやる大学をつくるとしたら、もう少し制度の選択と集中がなければ、もうとにかく鉄砲数撃てば当たるみたいな、こういうのもつくろう、ああいうのもつくろう、これ、行政の手腕として私は好ましくないと思うんですよ。私はこここそ選択と集中が必要だと思うんですが、まず、いかがでしょうか。
○国務大臣(馳浩君) 結論からいえば総合的にやっていきましょうということでありますが、まず、国公私立大学を通じて予算面で支援する施策として二つあると。一つ目としてスーパーグローバル大学創成支援、二つ目として卓越大学院ですね。国立大学に対する施策として、これは今年度から国立大学の運営費交付金の中に三つの重点支援の枠組みを設けてきめ細かな支援を行う仕組みを導入して、教育研究活動の取組を支援すると。もう一つが今般の指定国立大学法人制度であります。 したがって、これらは国公私立ですから、今日御審議いただいているのはいわゆる指定国立大学法人ということでありますから、全体を通じて総合的にこういった枠組みをつくり支援をしていくというふうなことで御理解をいただきたいと思いますし、今般のこの指定国立大学法人制度においては数校、将来的には十校確かに目標としておりますけれども、八十六ある国立大学のうちの数校程度であります。ということも踏まえて、いわゆる八十六大学全部見た場合にはそれぞれのやり方もありますし、ここに更に私学や公立が入ってくるとそれぞれのグローバル化社会に対応した制度もありますと、こういうことであります。
○松沢成文君 世界のトップ大学を目指すには、もちろん研究の中身、これが重要です。それと同時に、その研究を世界中にアピールする能力、この発信力がなければ、幾らいい研究していても駄目なんですね。 そこで、日本の大学が一番不利というのは、やはり私は英語力だと思っているんです。やはり、同じ論文を書くにも、英語できちっとしたもの書けば世界中の人に伝わるわけですね。そこができないと駄目なわけですよ。今の日本の大学は、やはり英語を母語とする英語圏ではないですからね、日本は、やっぱり外国語として勉強するわけで、特に難しい学術研究になると相当高度な英語が必要だと思います。 さあ、そこで、大臣、日本の英語力というよりも、この研究開発における大学の英語力、これを向上させるにはどういうことが必要だとお考えでしょうか。
○国務大臣(馳浩君) まず、この事業においては、学生の語学レベルの向上のための取組について、達成目標を掲げて推進することを求めております。各大学で外国語力基準とそれを満たす学生数の目標を定めて、それを達成するための様々な取組を実施していただくことになっております。 例えば、京都大学では、平成三十五年度までに全学生の五〇%がTOEFLiBT八十点以上又はIELTS六・〇以上に到達する目標を定めております。筑波大学では、日本人学生と外国人留学生が共にコミュニケーション能力を身に付けるグローバルコミュニケーション教育センターを設置しております。各大学でそれぞれ指標を持って取り組んでいるのをまず報告します。 また、教員について、国際通用性を見据えた採用と研修を行うことを促しておりまして、採用時に教員の英語力を評価する仕組みを設けるほか、教員の海外の大学や研究機関への派遣、研修機会の充実などを通じて教員の英語力を向上させて国際通用性を高める取組が行われております。また、スーパーグローバル大学創成支援事業で、今のはそれですが、これ重点支援をしております。 東京大学などでは採用に際して外国語による模擬授業を実施し評価を選考に活用しておりますし、九州大学では海外大学での教授法研修プログラムを実施しております。こういった事業を通じて、やっぱり英語力の強化を図っていかなければいけないと思っています。
○松沢成文君 大臣、なかなか日本人は、私含めて英語というのは苦手というか、ネーティブのスピーカーに比べるとちょっと物おじしてしまって、対等な議論とかなかなかできない人多いんですよね。よく習うより慣れよという言葉があるように、英語を勉強するというだけじゃなくて常時英語を使う環境をつくっておかないと、ネーティブの人たちにはとてもとてもかなわないわけですよね。 さあ、そこで、私は、日本の文化とかあるいは国語、日本の言語としての日本語、これをしっかり守っていくということは大変重要だと思っています。それを第一義にしながらも、やはり今、国際語になってしまっている、もう世界共通語ですよね、英語は。だから、一外国語ではなくて、世界共通語としての英語に日本人が今後いかに慣れていくかという社会をつくっていかないと、日本は島国で、ずっと世界の動きに置いてきぼりになってしまう可能性があると思っているんです。 実は、今から十五年ほど前に、英語を第二公用語にしようという議論が、たしか小渕政権の頃だったと思いますが、かなり盛り上がったこともあるんですね。ただ、これはやっぱり日本人だから日本語第一だということで、様々な意見があってそのまま消えてしまったんですけれども、私は、それから十年、十五年たって、やはり世界の動きを見ていると、どう見ても今、英語を母語とする国以外の国ですね、アジアの国とかアフリカの国も含めて、みんなこういう人たちは英語を勉強し、そして様々な会議で英語でやり取りをしているんですね。大変な動きになっています。 ですから、ここでもう一度、もちろんこれ文科省だけじゃないですけれども、国全体としてこの英語を第二公用語に位置付けて、行政の情報とか、あるいはアカデミックな教育の情報、これが、日本語だけでなくて常に英語も併記したり、英語も併用したりして、世界の、何というか、世界語になっている英語にきちっと日本人が対応していくという形をつくっていくべきではないかと思っているんですけれども、大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(馳浩君) 私は、物を考える力、これは国語の授業を通じてもっともっと強化していかなければいけないのと同時に、やはりコミュニケーション能力は、このグローバル社会において、やはり話したり聞いたりディスカッションしたり、最終的に、この指定国立大学法人制度は国際社会においてというわけでありますから、論文を書く力、まさしくリーディングもライティングも身に付けてもらわなければいけない。発達段階に応じて必要な能力がありますから、それは徹底してやります。 だけれども、原点というか、物を感じたり考えたり発想したりする原点は、日本語能力、なかんずく国語の能力を身に付けないと、それはやっぱり、薄っぺらい中身を幾らぺらぺら英語でしゃべっても、本質的な高等教育における研究力を発揮する能力としてはいかがかなと私は思っておりますので、段階に応じた教授法や、またプログラムを展開することが重要だと考えています。
○松沢成文君 時間です。ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(石井浩郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、水岡俊一君が委員を辞任され、その補欠として礒崎哲史君が選任されました。 ─────────────
○委員長(石井浩郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○田村智子君 私は、日本共産党を代表して、国立大学法人法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 本法案は、昨年六月に閣議決定された日本再興戦略改訂二〇一五を具体化するものです。この閣議では、イノベーション、ベンチャーの創出を掲げ、企業の投資対象として魅力的なグローバルな競争力を有する国立大学をつくり出すとしています。 法案では、これを指定国立大学として、文科大臣が申請のあった国立大学の中から世界最高水準の教育研究活動の展開が相当に見込まれる大学を指定するとしています。大学評価委員会の意見を聴くことは義務付けますが、指定及びその取消しは文科大臣の専権事項であり、その評価の指標も明らかではありません。 国立大学の業務の実績に関する評価は法令によって大学評価委員会が行うこととされており、その評価に当たっては、大学改革支援・学位授与機構に教育研究評価の実施を要請し、その結果を尊重することが定められています。機構による評価は、専門的知識を持つ同僚、同業者によるピアレビューです。こうした仕組みは、国立大学の自主性、自律性への配慮が求められるからだと文科省自身が説明をしてきました。文科大臣が特定の大学を世界最高水準と評価することは、こうした国立大学の評価の在り方をゆがめるものと言わなければなりません。 指定国立大学は、中期目標の策定、変更に当たり、世界最高水準の教育研究活動を行う外国の大学の業務運営の状況を踏まえることが法律によって義務付けられますが、これも大学の自主性、自律性への介入と言わざるを得ません。指定国立大学への国の予算措置も明らかではなく、運営費交付金の重点配分が更に加速し、教育研究条件の大学間格差を更に広げかねません。 また、本法案は、全ての国立大学に対して資産運用の規制を緩和することで自己収入を増加させようとしています。二〇一五年十一月の財政審建議では、国立大学について、民間資金の導入などを進め、今よりも国費に頼らず自らの収益で経営する力を強化していくことが必要とされており、今後、資産運用の規制緩和を口実に運営費交付金の削減にもつながりかねません。また、投資のリスクを負うことで教育研究財産を毀損する危険性も生じます。 国が行うべきは、法人化以降削減を続けてきた運営費交付金を抜本的に増額し、教育研究基盤への支援を強めることである、このことを申し上げ、反対討論を終わります。
○委員長(石井浩郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 国立大学法人法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石井浩郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、大島君から発言を求められておりますので、これを許します。大島九州男君。
○大島九州男君 私は、ただいま可決されました国立大学法人法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民進党・新緑風会及び公明党の各派並びに各派に属しない議員松沢成文君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 国立大学法人法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。 一、指定国立大学法人の指定に当たっては、申請から指定に至る過程を広く国民に明らかにするなど、公正性及び透明性を確保すること。 二、指定国立大学法人が、世界最高水準の教育研究活動を展開できるよう、他の施策とも連携を図り、その環境整備を行うこと。特に、国際的に評価される人材を育成し、また、そのような人材を獲得するために教育・研究条件の整備を図るよう、積極的な支援を行うこと。 三、余裕金の運用対象範囲の拡大に伴い、資産が毀損するリスクが増大するおそれがあることに鑑み、運用を安全に行う体制が整えられていることを十分に確認すること。また、余裕金の運用等によって自己収入が増加した場合、国立大学法人運営費交付金の減額等により、国立大学法人等の財務基盤強化の意欲が削がれることのないよう留意すること。 四、地域のニーズに応じた人材育成や、地域社会の課題解決への貢献等、各地域において国立大学が果たしている役割の重要性に鑑み、産学官の連携や大学間ネットワークの構築等、その機能強化に向けた取組に対し、積極的な支援を行うこと。 五、大学改革を進めるに当たっては、国立大学のみならず、高等教育全体のグランドデザインを示し、国民的コンセンサスが得られるよう努めること。 六、国のGDPに比した高等教育への公的財政支出が、OECD諸国中、最低水準であることに留意し、基盤的経費である国立大学法人運営費交付金を始め、高等教育に係る予算の拡充に努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(石井浩郎君) ただいま大島君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手をお願いします。 〔賛成者挙手〕
○委員長(石井浩郎君) 多数と認めます。よって、大島君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、馳文部科学大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。馳文部科学大臣。
○国務大臣(馳浩君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと存じます。
○委員長(石井浩郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(石井浩郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時十八分散会