農林水産委員会 第7号
- 発言数
- 175 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2016/05/12
会議録
○委員長(若林健太君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、浜野喜史君、井原巧君及び柘植芳文君が委員を辞任され、その補欠として徳永エリ君、熊谷大君及び山崎力君が選任されました。 ─────────────
○委員長(若林健太君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 森林法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局企画・推進統括官高原剛君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(若林健太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(若林健太君) 森林法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○高橋克法君 自由民主党の高橋克法です。 森林資源がフル活用されていた時代、その時代には建材、燃料としてのまき、炭、日用品としての素材、これらは全て国土の七割を占める森林にありました。山合いには子供たちの声がこだまをし、貧しくとも心豊かな地域がありました。昭和三十年代の木材輸入自由化や燃料革命、素材革命の結果、森林に私たちが求めるものは大きく減りました。人間の技術革新が社会の構造を変え、人やお金の流れを大きく変えたわけです。そのような時代にじっと耐え続けてきた森林が今改めて技術革新によって息を吹き返そうとしている、私はそう強く感じています。 平成二十七年六月に閣議決定をされましたまち・ひと・しごと創生基本方針二〇一五では、森林資源のフル活用に向けて、製材品や集成材、合板、木質バイオマスなどのバランスの取れた需要を創出し、国産材の安定供給体制を確立するとされており、日本再興戦略二〇一五では、国産CLTの普及のスピードアップ、木質バイオマスの利用拡大などにより林業の成長産業化を目指すことが示されております。 そのような時代背景を踏まえて質問をいたします。 森林・林業の基本方針を定める森林・林業基本計画は、平成十三年に策定されて以来、五年ごとに見直すこととなっており、今年はその三度目の見直しの年であります。そこで、平成二十三年に策定をされました森林・林業基本計画の達成状況と課題についてはどのように捉えていらっしゃるのか、また、その結果を踏まえて今回の基本計画をどのように取りまとめる方針であるのか、そして、その中で今回のこの法改正はどのような位置付けであるのか、それぞれお伺いをいたします。
○副大臣(齋藤健君) 高橋委員にお答えをいたします。 現行の森林・林業基本計画の下での施策につきましては、施業集約化を図る森林経営計画制度の普及定着、路網整備や間伐等の推進、日本型フォレスターなどの人材の育成確保、これらを柱に進めてきたところでございます。その結果、人工林資源が増加する中で間伐が進み、木材供給量は五年間で二五%増加する、そういう一方で、育成複層林の誘導については遅れが見られるといった評価が林政審議会において共有されているところでございます。 一方、現在の森林・林業をめぐっては、人工林が本格的な利用期を迎えておりまして、CLTや木質バイオマスの利用が拡大する兆しが見られる一方で、国産材を安定的かつ低コストで供給することができていないと、そういった課題を抱えているところでございます。 このため、答申をされました次期基本計画案におきましては、需要面においてCLTや非住宅分野等における新たな木材需要の創出、供給面におきましては森林所有者情報の整備促進や主伐と再造林対策の強化等を通じた国産材の安定供給体制の構築、この需要面と供給面を車の両輪として進めて、林業の成長産業化の早期実現を図ると、そういうふうにされているところでございます。 これらのうち、特に法制面での措置が必要な、資源の再造成を確保するための再造林の実施状況の把握、国産材の安定供給体制を構築するための所有者不明森林での施業円滑化や林地台帳の作成、国産材の広域流通の促進、奥地水源林の整備の推進による公益的機能の発揮、これらは法的措置が必要ということで本法案として取りまとめ、ただいま審議をお願いしているところでございます。
○高橋克法君 森林資源の循環利用にとって近年課題となってきたのが野生鳥獣による森林被害であります。 農林中金総合研究所のアンケート調査によりますと、再造林を行った森林組合の四分の一が獣害のため再造林困難な地区がありますと答えています。また、再造林を行わなかった組合の中にも、獣害がひどいために再造林ができないんだという組合があります。 私の地元である栃木県、平成二十六年の状況を見ますと、標高一千メートル以下の地域を中心に杉・ヒノキ林で被害が発生をしています。特に鹿の食害については幼齢木の食害がひどい状況で、経済的被害も前年度の約六千万円から二十六年度には一億円に拡大をしているという状況です。 こうした観点から、今回の改正においては、森林法で規定する森林計画体系の中に鳥獣被害対策を計画事項として取り入れて、森林経営計画の認定要件としたことは大きな意味があると考えています。林野庁は、計画事項とされる鳥獣被害対策として具体的にどのような内容を想定し、どのような効果を期待しているのか、御答弁願います。
○政府参考人(今井敏君) お答えいたします。 現行の森林経営計画におきましては鳥獣害防止の取組の記載を求めておりませんので、鳥獣害防止に取り組むかどうかというのは専ら森林所有者の意向に委ねられているという枠組みになっております。 今、先生の方から地域において鳥獣害が非常に深刻度を増しているという御指摘がありましたけれども、今回の改正におきましては、そういった現場の実態も踏まえまして、市町村森林整備計画におきまして鳥獣害を防止すべき森林の区域を設定する、その上で、その区域内の森林経営計画において防護柵の設置などの鳥獣害防止方法を具体的に記載をしてもらってその履行を求める、そういった仕組みを今回設けることとしておりまして、これによりまして森林整備と一体となった鳥獣害防止の取組が促進されることになるということを期待しているところでございます。
○高橋克法君 ありがとうございました。 栃木県は大変地味な県です。私の地元ですが、自分の人柄のように地味な人が多い。ただ、地味なんですが、関東甲信越随一の素材及び製品生産量を誇るのも栃木県なんです。日光材でありますとか、八溝材、高原材、三毳材と呼ばれる杉、ヒノキの非常に良質な木材が取れるんですけれども、そこで、今般の法改正によって木材の安定供給の確保に関する特別措置法に都道府県を超える広域の木材取引の事業計画の大臣認定制度が設けられますが、このことが製材工場等への木材の安定供給にどのように寄与するのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(今井敏君) お答えいたします。 近年、国内の各地におきまして大量の木材を消費する大規模製材工場等の整備が進んでおりまして、地域によりましては、同一県内だけではなく、県外からも木材を調達して安定供給をすることが求められるという、そういうような状況になってきております。 現行の木材安定供給特別措置法は同一県内の木材流通に対しまして特例措置を講じておりますが、今般の法改正におきましては、県外からの木材流通が増加している状況を踏まえまして、新たに複数の都道府県にまたがる計画についての認定制度を創設するとともに、森林経営計画の対象森林に係る伐採制限の緩和など認定事業者に対する支援措置も拡充する、そういった措置を講ずることによって木材の広域流通、安定供給をより進めようというふうに考えております。 製材工場等が調達する原木につきまして、他県産の割合を十年前と現在とで比較してみますと、製材用では一六%であったものが今や二二%が県外産の割合になっておりますし、合板用におきましては一三%から四七%に他県産の割合が高まっております。 このように地域によっては県域を超えた木材の広域流通が求められるようになっておりますので、今般の法改正はこのような要請に対応できる、そういう措置になるものと考えております。
○高橋克法君 次に、CLTと林業の成長産業化についてお伺いしたいと思います。 この問題については、五月十日の農林水産委員会で公明党の平木大作先生が熱心な御質問をされていましたので、なるべく重複を避けて質問したいと思うんですが。 昨年八月に、CLT関連企業の育成や地域づくりの実現などを目的とする、CLTで地方創生を実現する首長連合というものが十四道県、全国二十二市町村がメンバーとなって設立をされました。この首長連合は、各機関に政策提言を行うなど精力的に今も活動されております。また、自由民主党でも、CLTの普及促進をより一層推進していくために、明日、五月十三日ですけれど、CLTで地方創生を実現する議員連盟の設立総会が開催をされる予定です。森山農林水産大臣にも顧問に御就任いただくということをお伺いしております。 そこで、森山大臣にお伺いいたします。 CLTという素材の優位性と可能性、産学官による普及促進の広がりについての所感をお伺いしたいということと、もう一つ、サポート、連携も含めた農林水産省としての今後の取組について、決意をお伺いいたします。
○国務大臣(森山裕君) 高橋委員にお答えを申し上げます。 CLT普及に向けまして、地方自治体あるいは国会議員の先生方による議連、いろんな団体を立ち上げて御協力をいただいておりますこと、大変有り難く、力強く思っているところでございます。 林業を成長産業化させていくためには新たな木材需要の創出が重要であるというふうに認識をしております。そのために、CLT等の新たな製品技術の開発普及、公共建築物の木造化、内装木質化、木質バイオマスの利用等の施策を総合的に展開をしているところであります。 国産材の新たな需要先としてCLTに大きな期待が寄せられている中で、本年三月三十一日と四月一日にCLTを用いた建築物の一般的な設計法等に関する建築基準法に基づく告示が公布、施行され、CLTの利用がより容易となってまいりました。また、CLT普及に向けたロードマップを平成二十六年十一月に公表させていただきまして、このロードマップに沿っていろんな施策を進めてきているところでございます。 これまで木材が余り使われてこなかった中層の集合住宅の分野や非住宅の分野でCLTが実際の建築物に積極的に活用されるための環境づくりを進めるとともに、これにより需要のロットを確保しコストを下げていくことで更なる需要の創出につなげていく必要があり、そのことにより全体の進捗を進めていくことが重要であると認識をいたしております。 こうした考え方に立ちまして、今後、CLTパネル工法やCLTの建材としての優位性、メリット等につきまして実際に目で見てその魅力を感じていただくために、国交省とも連携をしながら実証的な建築物の建築を進めるとともに、設計や施工業者等向けの講習会の開催や、CLTを含めた公共建築物の木造化、木質化等を通じ、周知、普及に努めてまいりたいというふうに考えております。
○高橋克法君 大臣が御答弁くださいましたように、国土交通省及び林野庁が発表したCLTの普及に向けたロードマップ、この計画以上のスピードで今進めていただいているんです。大変それについては関係者の御努力に敬意を表したいと思います。 今回、大臣の御答弁にもありましたように、国交省の方の建築基準法に基づく一連の建築基準の告示、これ行われましたので、これから更にCLTの普及、需要拡大を進めていくということが重要なんですけれども、例えばシンボリックなものとしては東京オリンピック・パラリンピックの競技施設であるとか関連施設、そういったものにしっかりと目に見える形で活用されていくというようなことも非常に重要なことだと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思うんです。 そこで、二点お伺いします。大臣の御答弁にもありましたが、よりちょっと具体的にお伺いしたいんですが、まさにCLTの普及、需要拡大と、それと、その次に来る供給体制の整備なんです。 まず、需要拡大については、今後、大臣の御答弁にもありましたけれども、いかに具体的な取組を進めていくのかというのが一点目。 それから、二点目は供給体制なんですが、CLTパネル工場は、現在、全国に五件が稼働又は整備中というようなことを聞いていますけれども、CLTの普及に向けたロードマップによりますと、平成三十六年度までに全国の中層建築物の約六%がCLTに置き換わった量である年間五十万立方メートル程度の生産体制の構築をするというふうに目標が掲げられています。そのためには、CLTパネル生産に必要な原材料となるラミナの製造施設であるとか原木の生産など、それぞれの段階において安定供給体制の整備をしっかりとやっていかないとならないと思うんですが、この供給体制という点に関しても、今後の具体的な取組や支援策についてお伺いしたいと思います。 以上、二点です。
○政府参考人(今井敏君) お答えいたします。 まず、CLTの需要拡大に向けての取組についてでございますけれども、これにつきましては、先般、CLTの関連告示が出されましたので、この告示を活用して、いかにCLTの設計・施工マニュアルとして整備をして、それを講習会等を通じて普及していくかという問題、そしてさらには、CLTパネル工法や建材としての優位性、メリット等についてパンフレットを作成をしまして、施主のほか設計者や施工者に周知をしていく、そういう普及活動、さらには、民間のCLTを利用した実際の建築物について先導的な実証建築を支援することで施工ノウハウを蓄積したり、あるいは、それらの周知を通じて住宅メーカー等が実際にCLTに取り組みやすい環境をつくっていく、さらには、公共建築物について、公共建築物等木材利用促進法に基づき、CLTを含めた木造化、内装木質化を進めていく、そういった需要面の取組を進めていきたいと考えております。 また、二点目の御質問の供給体制の整備の点でございます。これは、先ほど先生から御指摘がありましたとおり、年間の生産能力につきまして、現状、年間約五万立方メートルの製造能力を有しておりますが、それを平成三十六年度までに五十万立方程度までに増大させることを目指しております。そのための量産体制を支援等もしながら構築していく中で、現在、CLTの単価につきまして、大体一立方メートル当たり十五万円程度する水準となっておりますけれども、これを量産体制を構築する中で七、八万円程度まで下げることを目指しているところでございます。 こうした量産体制の構築によりCLTの製品単価の引下げが実現できますと、CLTパネル工法の建築コストは鉄筋コンクリートや鉄骨造と比較しても遜色のない水準となりまして、鉄筋コンクリートや鉄骨と比較して施工性が高い、あるいは基礎が軽減できるといったCLTの優位性を一層発揮させることができることにもつながりますし、そうなりますと、さらにそれがCLTの需要を一層また喚起するという好循環につながる、そういった好循環につながるような取組になるように、先生から御指摘のありました需要の拡大の面の取組と供給体制の整備の面の取組を有機的に連携させながら進めてまいりたいと考えております。
○高橋克法君 今、私の手元にある資料がありまして、これは高知県出身の高野光二郎参議院議員、このCLTについて大変一生懸命取り組んでいる議員です、私の同僚議員ですが、「高知県は、ひとつの大家族やき。」と書いてある高知県の資料なんですが、ここに年間五万立米のCLTパネル工場を中心とした、バイオマスも含めた、そしてまた植林、保育も含めた、材の搬出も含めた一連の木材産業クラスター、この経済効果というのが、雇用効果が七百七十人、そして金額でいうと百七十億円の波及効果があるという資料なんです。 冒頭に私は、新たな技術革新によって森林がよみがえる、お金の流れが変わる、地方創生の肝というのはもういかにお金の流れを山に持っていくか、地方に持っていくか、このことに尽きると思うんですね。ですから、新たな人間の知恵、技術革新によってそのことが今もう一度できる時代になった。是非ともこれはそういう観点からも強力に推し進めていただきたい、そのようにお願いをしたいと思います。 最後の質問になりますが、去る四月二十八日に、衆議院の農林水産委員会において委員長提案で提出をされて、委員会、本会議で可決、同日に参議院に送付をされました合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律案について質問をさせてください。 同法の施行によりまして違法に伐採される木材の輸入が防止されるとともに、重要なのは、そのことによってほかの外材に取って代わられるのではなくて、国産材の振興が図られていくということが非常に重要だと思っています。そのためには、まず違法伐採木材の輸入の防止なんですが、この法律は事業者に対して合法性の確認を促すものですが、いかに合法性の確認をしっかりとやっていく事業者を増加させていくかということが重要な課題だと思っています。 そこで、三点ほどお伺いします。 政府は、この法律の効果を上げていくために事業者をどのように指導していくのか。二点目は、合法性の確認に取り組む事業者を増やすためにどのような取組を行っていくのか。そして三点目ですが、事業者が合法性の確認を行う場合に、原産国政府のガバナンスが不十分な場合、原産国政府が発行した合法証明書のみでは合法性の証明が不十分な場合があると考えておりますが、そのような場合に事業者をどのように指導していくのか。以上三点、答弁をお願いします。
○政府参考人(今井敏君) お答えいたします。 先般、衆議院で可決されました合法伐採木材利用促進法案におきましては、事業者は合法伐採木材等を利用するように努めなければならないと規定するとともに、そのための主要な措置として、木材等の合法性の確認を行う木材関連事業者の登録制度が設けられているところでございます。 農林水産省といたしましては、この法律が成立、公布されましたら、一年後となる施行に向けまして関係省庁と連携しながら、まず一つは本法の内容の周知徹底、あるいは事業者が取り組む合法性の確認の方法等について省令で定める、そういう手続を取るということと、もう一つは、それに則しまして合法性確認を行う事業者の登録制度への登録の促進、こういったことも非常に重要な課題となってくると考えております。こうしたものにつきましては、関係省庁とも連携をしながら、例えばグリーン購入法に基づきましてこれまで政府調達分野で合法性確認を実施してきた事業者を中心に登録事業者制度の登録を働きかけるなどの取組を実施していきたいと考えております。 そうした中で、先生から先ほど御指摘がありましたように、今回の法案におきましては木材等が原産国の法令に適合して伐採されていることの確認ができないような場合もあろうかと思っておりますけれども、その場合に、この法律におきましては、第六条におきまして、追加的に実施することが必要な措置に関する事項を省令で定めるというような枠組みになっておりまして、この省令でどのような措置を定めるかにつきましては、今後、関係省庁ともよく連携の上、実効が上がるようなものとして主務省令で定められるよう、これから検討も併せて進めていきたいと考えております。
○高橋克法君 是非とも、その省令の部分、しっかりと御検討いただきたいと思うんです。 合法木材をしっかりと流通させよう、扱おうという真面目な事業者が、言葉は悪いですけれども、ばかを見ないように、違法なことをやっている事業者が利益を上げて陰で笑っているというようなそういう事態にはならないように、そういう事態がなるとこの法制度自体が崩れてしまうと認識していますので、どうぞよろしくお願いします。 質問を終わります。
○舞立昇治君 自民党の舞立昇治でございます。よろしくお願いいたします。 まず、今日の主な議題でございます森林法等の一部を改正する法律案につきましては、今、高橋先生が質問していただきましたが、伐採後の造林に係る報告制度の創設によります適切な再造林の確保ですとか、森林組合等の経営の自由度の拡大、そして市町村による林地台帳の整備、そして国産材の広域流通の促進による安定供給体制の構築、そして違法な林地開発を行った者に対する罰則の強化等々、適切な森林施業を通じまして林業や木材産業の持続可能性の向上とともに成長産業化の促進にとって有意義な法改正と評価できますので、私として賛成の意思を表明させていただきます。 その上で、本日は、秋の臨時国会での質問では間に合わないと考えられますので、二〇二〇年に行われます東京オリンピック・パラリンピック競技大会、以下東京オリパラ大会と言いますけれども、それに向けた木材や食料といった農林水産物の調達基準について質問させていただきたいと思います。 日本の農林水産物につきましては、平成二十五年の十二月に和食がユネスコ無形文化遺産に登録されたほか、昨年のミラノ国際博覧会、ミラノ万博では日本の食や木材建築が高く評価されるなど、国内外で非常に注目が高まってきているところでございます。まさに世界中が注目する東京オリパラ大会では、日本が誇る木造建築や魅力ある農林水産物を国民はもちろん世界中の多くの方に堪能していただく絶好の機会になると私は思っております。 実際に、東京オリパラ大会のビジョンの三つの基本コンセプトの中には全員が自己ベストとございまして、その中で、ボランティアを含む全ての日本人が世界中の人々を最高のおもてなしで歓迎すると記載されており、私としては、今回の東京オリパラ大会では、木造建築や食料などにつきまして日本が誇る農林水産物を可能な限り一〇〇%使用して、全都道府県、オールジャパンで盛り上げていくことが重要だと考えております。 そうした中で、二〇一二年、平成二十四年のロンドン大会から、スポーツ、文化、環境に加えまして持続可能性というものがオリパラ大会運営の四本柱とされ、また、二〇一四年、平成二十六年にはIOC、国際オリンピック委員会の方が、オリンピックアジェンダ二〇二〇、この二〇二〇は東京オリパラ大会の二〇二〇を指すんじゃなくて、二十プラス二十の改革案、つまり四十の提言を指すんだそうですが、その中でオリンピック競技大会の全ての側面に持続可能性を導入することが盛り込まれて以来、この夏に行われるブラジルのリオ大会もそうでございますが、東京オリパラ大会でも持続可能性への配慮が求められているところでございます。 これにつきましては、本年一月に、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、以下組織委員会と言いますけれども、持続可能性に配慮した運営計画のフレームワーク及び持続可能性に配慮した調達コードの基本原則が策定されまして、現在、低炭素、資源管理、持続可能な調達に関する三つのワーキングが設置され、具体的な調達基準の策定に向けた検討が行われていると私は承知しております。 そこで、この調達基準の策定に当たって、悲しいことに、現在、様々な情報が錯綜し、関係者の間で少なからず混乱を来しております。 例えば、持続可能な調達ワーキングにWWF、世界自然保護基金でございますが、そのジャパンの事務局関係者がメンバーに入っておりまして、このWWFというところは、日本独自の漁業の持続性を認証するMEL、マリンエコラベルでございますが、そういった仕組みがあるにもかかわらず、WWFが設立に深く関与しているMSC、海洋管理協議会でございますが、そしてまたASC、水産養殖管理協議会でございますが、これは国際的な認証と言われているようでございますけれども、そこの認証を受けた水産物を優先調達するよう提言しております。これは、裏返せば、日本の水産物はMEL認証が主流で、ほとんどMSCやASCの認証は受けておりませんので、仮にWWFの提言が採用された場合、日本の水産物はほとんど使われないことになります。 このため、持続可能な調達ワーキングの委員選定に対して、何より協力を求めないといけない調達物品の供給サイドの関係者がワーキングに誰も入っていないことに加えまして、このWWF関係者がワーキングのメンバーに入っているなど、やはりワーキングの委員選定は不公平じゃないかとか、せっかくの日本開催なのにFSC、森林管理協議会、これは国際的な森林の認証制度らしいでございますけれども、それやMSCなど、木材や食料に関する海外の認証制度が採用され、日本の誇るべき国内産の木材や農林水産物が余り使われないんじゃないかと、あるいは、日本の農林水産業は国際的に見ても持続可能性に配慮した取組はちゃんと行われているので、東京オリパラ大会では海外の認証制度は参考程度にして、日本で一般的に使用される認証制度等を優先的に採用し、可能な限り国産一〇〇%の使用を目標にすべきじゃないかといった声があちこちから聞かれるのも私はもっともだと考えております。 今日は、こうした声に応えるべく、政府としても、総理を本部長といたしまして、本部長、副本部長以外の全ての大臣が本部員となって東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部、以下推進本部と言いますけれども、それを設置して大会の円滑な準備及び運営に関する施策を総合的かつ集中的に推進することとされておりますので、政府としても今日の質疑の問題点をしっかりと認識して適切な対応をしていただきたいと思いますし、本日は、山の国、農の国、海の国である日本のすばらしい農林水産物が可能な限り東京オリパラ大会で使われますよといった安心できる情報提供、情報発信の場にしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。 まず一点目でございますが、大会組織委員会が作成することとなっております木材や食料の調達基準につきまして、現在、持続可能な調達ワーキングにおいてどのような検討がなされているんでしょうか。FSCやMSCの海外の認証制度を優先採用するのか、日本の国内産を優先採用するのかなど、どのような方針で調達基準を検討し、今後どのようなスケジュールで作成されているのか、具体的に答弁願います。
○政府参考人(高原剛君) お答え申し上げます。 東京オリパラ大会において組織委員会が調達する食材や木材を含めた物品、サービスの調達の基準については、ロンドン大会等も参考にしつつ、国内の状況を踏まえ、環境対策を始めとする持続可能性に配慮した調達基準を組織委員会において検討しているところであります。この中では、持続可能性への配慮の担保手段として、国際認証を含めた認証制度を活用するか否かについても検討が行われているところでございます。 スケジュールにつきましては、現在、木材の調達基準が先行的に議論されており、それの取りまとめの後、全ての物品やサービスに共通する基準や他の個別物品ごとの必要な基準についての検討が行われると聞いているところでございます。 以上でございます。
○舞立昇治君 いまいち具体的じゃなかったような気はしますけれども、まだ何も決まっていないということだと思います。今後、MSCを使うとか、また、事実無根の記事等が出てくる場合は適切に抗議するなど、対応していただきたいと思います。 そして、もう一点要望しておきますけれども、推進本部が公表しております政府の東京オリパラ大会に向けた取組状況の資料の中には、日本食、食文化の発信を進めるため、選手村等での料理提供等について、有識者を交えた検討を平成二十六年十一月から農水省中心でやられているといったような記載があるほか、施設等への木材利用の促進を図るため、国、東京都、大会組織委員会で構成する木材利用等に関するワーキングチームを設置して昨年の十月から検討していると聞いております。 木材と同様に、食料につきましてもしっかりと、大会組織委員会が今設置しております持続可能な調達ワーキングに適切に対処するべく、食料についてもしっかりと、ワーキングチームを設置して、都や大会組織委員会とも調整、検討していっていただきたいというふうに御要望しておきます。時間の関係上、ちょっと答弁は求めません。 続いてですが、それはそうとして、じゃ、前回、ロンドン大会でございますけれども、ロンドン大会からもうはや四年近く経過しておりますが、いわゆる日本でいう大会組織委員会が調達する木材や食料についてどの程度の量が使われたのか伺いますとともに、使用された木材や食料に係る国産、海外産の割合はどの程度であったのか、はたまた、そして、同じくロンドン大会の実績に関しまして、木材の場合のFSCですとか、農産物、水産物の場合のGAP、MSC、ASCの認証品につきまして、それぞれどの程度使用され、それぞれ総量のどのくらいの割合であったのか、お聞かせ願います。
○政府参考人(平井明成君) お答えいたします。 ロンドン大会組織委員会が発表いたしました資料によりますと、まず食料については、大会期間中、約一千五百五十万食が提供されたとのことでございました。他方、大会で使用された木材の量、また、使用された木材や食料に係る国産、海外産の割合については、東京大会組織委員会を通じロンドン大会関係者にも確認をいたしましたが、現在のところ、回答が得られなかったということでございます。 さらに、木材に関しましては、大会前の二〇一一年末現在で、木材を利用した製品についてはおおむね御指摘のFSC認証木材又は同じく国際認証でありますPEFC認証木材を利用したとされているところでございます。また、農産物、水産物に関しても、多くの場合、食材提供業者は組織委員会が定めたベンチマーク水準や意欲的水準を満たしたとされてございます。 しかしながら、そのうち国際基準の認証品についてどの程度の量や割合について使用されたかにつきましては、こちらも東京大会組織委員会を通じロンドン大会関係者にも確認いたしましたが、回答が得られなかったという状況でございました。
○舞立昇治君 今の答弁を聞いて、皆様どう感じられたでしょうか。聞くところによると、組織委員会、百枚ぐらいの報告書を作って、それで、後、解散してよく分からぬというような感じでちょっと聞いているんですけれども、今回あえてロンドン大会の木材や食料の調達基準について私は質問することをしませんでした。といいますのも、今の答弁聞きましたように、質問に値しないと思ったからでございます。 ロンドン大会では、ベンチマーク、義務的基準だとか意欲的基準、推奨基準とか定めて、海外の認証品や国内の認証品使うとかあれこれ言っていましたですけれども、じゃ、先ほどもございましたように、義務的基準のものがどれだけの量でどれだけのものが守られたのか、推奨基準のものがどれだけ採用されたのか、結局は全然分からずじまいだと。終わりよければ全てよしとはよく言ったもので、この場合、終わり、総括になりますけれども、終わりも駄目、総括も駄目、十分にできていないということです。私、意味ないと思うんですよね。 先ほどの事務方の答弁に関しまして、尊敬する豊田政務官、ちょっと感想を聞かせていただければと思います。
○大臣政務官(豊田真由子君) 先生御指摘のとおり、二〇二〇年の東京大会におきましては、やはり国産の木材や食料、食材というものを積極的に使わせていただくということは、これは非常に重要なことであると考えております。 また、ロンドン大会につきましてはあくまでも一つの参考にはなるもの的な認識をしてございますが、先ほど答弁にございましたように、ちょっと状況として難しいというようなこともあるようでございまして、そういったことも踏まえて、組織委員会、また関係団体、関係省庁ともよく連携をして、つくるというまでのプロセスの間に是非先生方の御指導もいただきながら、なるべく御満足のいくような形に御指導いただいていきたいと思っております。
○舞立昇治君 ありがとうございます。 一つの参考程度だといったようなことだと思います。 これにつきまして、佐藤政務官の方はどう、御感想、でしょうか。
○大臣政務官(佐藤英道君) 二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会につきましては、現在、組織委員会において木材や食材も含めた物品、サービス全般に関わる調達基準を検討しているものと承知をしているところでございます。農林水産物の調達基準につきましては、ロンドン大会等を参考にしつつも、今後、関係団体の意見や国内の生産状況なども踏まえまして、幅広い視点から検討されていくものと聞いているところでございます。
○舞立昇治君 聞いているといいますか、この場合、日本の国産をしっかりと使うというのは、何よりも政府の中では農水省が一番主張するべき立場だと思いますので、積極的に関与していただきたいなと。 先ほどの答弁聞いて思ったのは、やはりロンドン大会とかあくまでも参考にすぎない、かなりの部分それぞれの開催国で裁量が利くんじゃないかというふうに考えておりまして、そこで、大会組織委員会が作成する木材や食料に関する調達基準に関しまして、そもそもIOC、国際オリンピック委員会はどこまで具体的に関与しているんでしょうか。何か具体的な基準なり水準なり原則みたいなもので厳しくチェックされる体制になっているんでしょうか、お伺いいたします。
○政府参考人(高原剛君) お答え申し上げます。 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会において組織委員会が調達する食材や木材を始めとする全ての物品、サービスに係る調達の基準は、IOCの助言も得ながら組織委員会が策定することとなっております。IOCが具体的な基準等を設定しているとは聞いておりませんが、組織委員会において、過去大会の取組も参考にしつつ、持続可能性に配慮する形で策定していくものと聞いているところでございます。
○舞立昇治君 ありがとうございました。 あくまで国と地方の関係のように、助言だということで具体的な基準はないということが分かりました。ということで、FSCとかMSCとかASCとか、別に国際的な認証制度、認証品を使うということは全く義務になっていないということが分かったと思います。 そこで、環境面や持続可能性の面で一部過保護な取組をしている国や地域はあるにせよ、私としては、日本の農林水産業は国際的に見ても環境や持続可能性に配慮した再生産可能な取組がしっかりなされていると考えておりますが、そのことをまず御説明いただいた上で、東京オリパラ大会で使用される木材や食料につきましてどのような調達基準にするのが適当と考えているのか、森山農林水産大臣の御見解をお伺いします。
○国務大臣(森山裕君) 舞立委員にお答えをいたします。 昨年のミラノ万博の日本館におきましては、コウノトリをシンボルに紹介をさせていただきました。また、先月の四月の二十二日、二十三日、G7の新潟農業大臣会合が開催されたまさにその日に、放鳥されたトキから数えて三世となるトキのひなが自然界で誕生したという大変明るいニュースにも接しました。 水田を中心として我が国特有の自然環境や風土の特性を生かした農法は、生態系を壊すことなく、持続可能で自然と共生した世界に誇れる優れたものであるというふうに認識をしておりますし、ほかの国々の皆さんにも御理解をいただけているのではないかと考えております。 農林水産省としてこうしたことを国内の消費者にも分かりやすく示すことによって国産の農林水産物の需要を確保していくとともに、生産システムを体系的に確立することで品質に優れた農林水産物の生産を行い、環境等に配慮した取組を持続的、安定的に推進をしていくことが重要であると認識をしております。 このため、農産物につきましては、食料・農業・農村基本法に基づきましてGAP共通基盤ガイドラインに即した一定水準のGAPの普及拡大などの取組を推進しており、木材につきましては森林法による森林計画制度の下で計画的、かつ伐採、造林を通じた木材生産を推進していく、水産物につきましては資源管理計画や漁場改善計画に基づいた適切な資源管理や漁業環境の改善等を行う取組を推進しているところであり、こうした取組の下で環境や持続可能性に配慮した再生産可能な生産が進められているというふうに認識をしておりますので、このことをしっかりと国際社会にも説明をさせていただきながら、東京オリンピック・パラリンピックへの対応をしっかり農水省としてもやらせていただきたいと思います。
○舞立昇治君 大臣、もう一言、可能な限り一〇〇%国内産で調達していくのがやはり農林水産省の基本的な考え方だということで捉えて、受け止めてよろしいでしょうか。ちょっと力強い発言をよろしくお願いいたします。
○国務大臣(森山裕君) 組織委員会が調達基準を策定するに当たりまして、農林水産省としては積極的にまずいろんな情報提供の協力を行うということが大事なことだというふうに考えておりますし、そのことをしっかりやらせていただければ、今、舞立議員が言われましたとおり、一〇〇%に近い調達をしていただけるというふうに考えております。
○舞立昇治君 ありがとうございます。 隣におられます野村先生が是非花もということで御要望加わりましたので、ちょっと御配慮いただければと思います。 そこで、政府の推進本部でございますが、昨年十一月に基本方針を閣議決定しておられます。その基本方針の中に、国は、大会の円滑な準備及び運営の実現に向けて、各府省に分掌されている関連施策を一体として確実に実行するとともに、大会組織委員会、東京都及び競技会場が所在する地方団体等と密接な連携を図り、オールジャパンでの取組を推進するため必要な措置を講ずるとございます。 今回の東京オリパラ大会における木材、食料の調達基準の作成に当たりましては、きちんと日本の農林水産物が優先的に採用されるように、農林水産省や大会組織委員会、東京都などの地方団体と必要な調整を行い、必要な措置を講ずるべきと考えております。 そこで、開催が目前に控えておりますブラジルのリオ大会では、開催地のリオデジャネイロ州、そしてその次にブラジル国内、そして南米、そして最後にその他海外の順に優先順位を定めてサプライヤーより調達することを調達基準の目標の一つに掲げているようでございます。日本開催でもこうした目標を参考にしつつ、欧米や地中海、インド、アジア、アフリカなど世界の代表的な料理や食習慣への配慮で一定程度は海外産が必要になるかもしれませんけれども、基本的には可能な限り一〇〇%国内産を目指して調達すべきと考えております。 先ほど、農林水産大臣からも積極的に関与するといったような力強い御発言がございました。最後、推進本部の取りまとめ役でございます豊田政務官の方からよろしくお願いいたします。
○大臣政務官(豊田真由子君) 先生御指摘のとおり、二〇二〇年東京大会に国産の食材や木材を世界にアピールする、これは絶好の機会でもございます。昨年十一月に閣議決定をいたしましたオリパラ基本方針におきましても、地域性豊かな和食、日本酒その他の食文化を始めとした様々な日本の魅力を世界に発信するというふうにしておるところでございます。 今後、組織委員会が持続可能性等に配慮した調達基準を策定するに当たりましては、より多くの国産の食材が利用され、世界から我が国を訪れる選手や観客の皆様にそれを是非楽しんでいただける、そしてまた日本の農林水産業の振興にも期するというように、こうしたことを目指し、農水省始め関係省庁、また団体、自治体、様々な御関係者と連携をしまして、組織委員会に対して積極的な働きかけをしてまいりたいと考えております。
○舞立昇治君 ありがとうございます。 確かに組織委員会が調達する木材、食料、最終決定権は組織委員会になるわけでございますけれども、やはりここで対応を誤ると、日本の農林水産物が使われないといったようなことになりますと、本当にその批判の的というものは、私は、組織委員会じゃなくて国の方に、政府の方に跳ね返ってくると思っております。 東京オリパラ大会といいますのは、やはりWWFですとかMSCなど一部の団体のために開催されるものじゃなくて、日本国民や大会関係者が一体となってオールジャパンで取り組み、世界中の人々やオリパラ関係者をもてなし、日本開催は本当に良かった、日本は本当にこの農林水産物すばらしいと思っていただける機会とすべきだと思っております。 これまで東京オリパラ大会の開催をめぐりましては新国立競技場の事業費ですとかエンブレムの選定、聖火台の設置問題等々様々な混乱が生じたように思いますけれども、今回の木材や食料の調達基準の作成に当たりましては、ゆめゆめ方向感や結果に至る過程を間違えることなく慎重に御対応いただきたいと思っております。 先般、先月、衆議院の方で、野党の先生の方からだったと思いますけれども、この東京オリパラ大会を機会に国際的な認証制度を日本国内で普及させましょうみたいな質問があったと思いますけれども、私はそうは思いませんで、重要なのは、海外の認証制度を使うことじゃなくて、日本として国際的に理解が得られる基準をしっかりと作成し、国内産で持続可能性のある木材や農林水産物を可能な限り使うことが重要だと思っております。 木材や食料は、まさに山の国、農の国、海の国である日本の国内で一〇〇%調達できる環境にあると思いますし、先ほども大臣からも御答弁いただきましたが、日本では持続可能性にも十分配慮した取組が行われていることを勘案すれば、大会組織委員会で検討されている調達基準の作成に当たりましては、国民や生産者、サプライヤー等々関係者から理解の得られる現実的な日本独自の基準を作成していただきたいというふうに考えております。それを御要望したいと思います。 そして、やはり最後、忘れてはなりませんのが、東京オリパラ大会の前年に行われますラグビーワールドカップの日本開催でございまして、そこでも可能な限り国内産ですばらしいおもてなしができるようオールジャパンで盛り上げていただくようにお願いして、ちょっと時間余りましたけれども、これで質問を終了させていただきます。 どうもありがとうございました。
○小川勝也君 民進党・新緑風会の小川勝也でございます。 今回の森林法等の一部を改正する法律案の概要を読ませていただいて、おおむね時宜を得た内容であるというふうに思っております。しかし、幾つか指摘をさせていただかなければならないことを申し上げながら質問に移らせていただきたいと思います。 実は、私の家は鍛冶屋でございまして、元々は農鍛冶でありますので、農機具等を製造、販売、修理をしておりました。御案内のとおり、昭和三十年代、大変林業が盛んになりましたものですから、林業関係の様々な仕事もうちの鍛冶屋で引き受けるようになりました。小さなとび、これを、木材を動かすときに使う先をうちの鍛冶屋で製造したり、手で枝葉を集めるときに使うノンコというのを作ったり、あるいはガンタ、あるいは馬、車で木材を運ぶときに様々な締め付けや安定器具などをうちの工場でも作っておりました。 そんな思いを含めて申し上げたいことは、林業は大変冬の時代が長かったということであります。いわゆる昭和三十年代、四十年代に伐期を経て、その後植林をいたしましたけれども、伐期から遠いわけであります。その間、外材が入ってきて、林業はもうからない産業ということで大変多くの方が御苦労されましたし、林業をなりわいにされた方が林業を後にいたしました。そんな流れを経て今に至っているわけであります。 そこで、何を申し上げたいかといいますと、行政の仕事はおおむねバトンを受け継ぐ仕事でありますので、前の人から受け継いで次の人にというふうにバトンをしっかり渡していくのが継続行政の仕事でありますけれども、事この林業の政策におきましては、今までの方々が相当御苦労されてきた。おおむね林野庁の仕事というと、間伐の補助金等で何とか山元をしのいできたのがここ数十年の歴史であります。 しかし、今まさに伐期を迎えて、そしてCLTもある、そして外材との競争も何とか可能になってきている、バイオマスもあるということでいうと、まさに、先輩たちがずっと我慢してきてこらえてきたやつを、今集大成を迎えてきていることからすると、バトンを受け取るだけではなくて、まさに見せる走りを今しなければならないのが森山大臣と今井長官だと思っています。ですから、思う存分、森林・林業の仕事を今やるんだという気構えで取り組んでいただければというふうに思います。 おおむねこの内容を了解したわけでありますけれども、ひとつ立法府として注文を付けなければなりません。 一つは束ね法案であります。昨年の安保法案でもつらい思いをいたしました。幾つかの法案がごっちゃになっているので、審議せずに終わった法案が昨年の国会ではありました。今回、私どもはおおむね賛成ですけれども、反対会派があるとすれば、この四本の法案の中で賛成の法案と反対の法案がインクルーディングされているということは、まさに国民の代表としてここに座っている議員のいわゆる採決権を縛っている、このことに留意をしていただかなければいけないというふうに思っています。関連ある法案を幾つか一緒に、同時に審議することは結構です。しかし、束ねてしまうと賛否の表決権が発露できなくなるということをしっかりと承知をいただければというふうに思っているところであります。 また、この概要を書いた一枚のペーパー、非常にまとまっています。ちょっと気になるのは最後の文言であります、「適切な森林施業を通じた林業の成長産業化」。この成長という言葉は、農林水産省の皆さんが好きな言葉なのか、あるいは内閣官房が好きなのか、官邸が好きなのか、産業競争力会議が好きなのか分かりませんけれども、全てをこの産業とか成長で表すということは、どこか問題が生ずるというふうに私は思います。 特に森林・林業の現場を申し上げますと、私は持続ということがやはり一番大事なキーワードだと思っています。大事なことは、若い人たちが安定した仕事を得て山元に暮らすことができる仕事と収入がある、このことが大事なのであって、まさに成長とか億万長者になるということではなく、持続ということが一番大事だというふうに申し述べさせていただきたいと思います。 そんな中で、林業のみならず、農業のみならず、これだけ少子化が進んでいますので、全ての分野で人材確保が困難になってまいります。そのためには、林業をより魅力的な仕事にしていかなければ人材の確保は困難だというのは言うまでもないことだと思います。一つは安定的に仕事があるということ、そして一定程度の収入があるということ、これが一番大事でありますけれども、私は今、3K職場とか、つらい職場とか、きつい仕事とかいろいろある中で、もっともっと林業を魅力的にするためにはやはりヨーロッパに学んでいかなければならないというふうに思っています。 この委員会でも予算委員会でも取り上げさせていただきました。ヨーロッパでは機械化が進んでいます。高性能の、あるいは大型の、あるいはいわゆる農業においてのトラクターと同じようにキャビン付きの機械の中で仕事をするということで、いわゆる危険を減少させたり、あるいは寒さから逃れたりということが進んでいるようであります。 大型機械や高性能機械を導入するためには、それに見合った道路、林道、路網、作業道をしっかり整備していかなければなりません。これはしっかりお取組をいただいておると思いますけれども、確認をさせていただきたいと思います。高性能林業機械化と路網、作業道の整備について、進捗を伺います。
○国務大臣(森山裕君) 林業の成長産業化に向けては、林業の低コスト化や作業の効率化を進めることが委員御指摘のとおり重要であるというふうに考えております。施業の集約化とともに、路網の整備や高性能林業機械の導入等による生産性の向上や労働環境の改善、機械操作にも対応できる若い担い手の確保、育成等を進めていくことが必要であります。このため、農林水産省といたしましては、路網整備や高性能林業機械の導入について、傾斜度等に応じた林道や森林作業道の路網の整備、フォワーダーやハーベスター等の高性能林業機械の導入開発等への支援を行っているところであります。 また、若い担い手の育成ということは非常に大事な課題でございますが、緑の青年就業準備給付金事業による林業大学校等での林業就業を目指す青年への給付金の支給、緑の雇用事業による新規就業者を対象とする三年間の技術研修等の実施を通じ、効率的な作業を主導する現場技能者としてステップアップを図っていくことが重要であると考えております。 おかげさまで林業大学校等につきましては、平成二十三年以前は六校だったものが平成二十八年度には十四校と、近年その数が増加しているところであり、そこの卒業生は各地の林業事業体等に就業し、林業の現場を支える人材として活躍してくださっています。今後ともこうした取組を通じまして、林業大学校等を卒業する若い就業者にとっても林業が魅力ある職業となるように、施策の充実を図っていくということが大事なことだと考えております。 それと、やはり林業というのは一年、二年のスパンでは考えられませんので、五十年、百年のスパンで考えなければなりませんので、そのこともしっかりと認識をしながら、間違いなき施策を進めさせていただきたいと考えております。
○小川勝也君 今の若い世代はゲーム世代でありますので、いわゆる重機の操縦が大変上手であります。私も度々林業機械展などお邪魔をさせていただきますけれども、グラップルをスティック操作をしてまさに上手につかんでフォワーダーに乗せる、あるいはデモンストレーションで最後、先にほうきを付けて最後の掃除まで機械でするという大変荒業も見せていただきました。高性能林業機械化の導入と路網整備、しっかり進めていただきたいと思っています。 機械化が進む、機械が変わることによって労働安全衛生の基準が大きく変わってまいります。我々の国になかったタワーヤーダーやスイングヤーダーの使い方もまさに危険と隣り合わせでありますので、その機械に合った労働安全衛生の基準の導入が必要であります。少し遅れていた分野でありますけれども、林野庁も御努力を続けていただいております。厚生労働省との協議も進んでいると思いますけれども、どの程度、新しい機械化における、林業における労働安全衛生の対策、進んでおられるのか、進捗をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(今井敏君) お答え申し上げます。 林業は、先生から御指摘のありましたように、仕事の場所が非常に急傾斜地など危ないところが多い、またそういう作業環境の中でチェーンソー等の刃物を使う、あるいは非常に大きな林業機械を使う、かつまた非常に重たい木材を扱う、そういった危険な業種でありますので、労働災害発生率が他の産業と比べ非常に高い状況にあるのも事実でございます。このため、林業における人材確保の観点からも、林業における労働安全衛生対策を充実するということが極めて重要な課題になってきております。 こうした観点から、これまでも緑の雇用事業によりまして、新規就業者を対象に高性能林業機械の操作を含む安全技術の習得ですとか現場作業を管理する現場管理責任者の育成を支援する、それに加えまして都道府県が行う林業労働に関わる安全巡回指導等の取組に対する支援、こういった取組も行ってまいりました。 また、高性能林業機械による作業の安全確保を図るため、労働安全衛生規則により義務付けられている運転業務従事者の特別教育の実施に対しても、厚生労働省とも連絡調整を行いながら実施をしているところでございます。 引き続き、厚生労働省を含めた関係機関とも連携しながら、林業労働の状況に応じた労働安全衛生対策に取り組んでいきたいと考えております。
○小川勝也君 林業スーツあるいはブーツ、夏と冬、あるいは通気、保温、様々な技術革新も進んでおられるようでありますので、アップ・ツー・デートにも腐心をしていただきたいというふうに思っています。 そういう魅力的な職場をつくっていただいても人が足りなくなる、これはもう間違いのないことであります。今、後にお話をさせていただきますけれども、林業分野、木材を搬出するという分野でいうと、景気が悪いわけではありません。そんな中で人が足りなくなると必ず出てくるのは、外国人でもいいから誰かいないだろうかと、こういう話になるわけであります。まさに今、国会でもいろんな議論がなされているようでありますけれども、私は安易に外国人労働者に頼れる分野ではないというふうに思っております。 そんな中で、外国人技能実習制度の見直しで技能実習二号の対象職種に林業を追加してくれと、こういう声も当然出てくるんだと思いますけれども、今のところ政府は慎重だというふうに受け止めておりますけれども、どういうふうにお考えになっておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(今井敏君) 外国人技能実習制度についてのお尋ねでございます。 外国人技能実習制度は、我が国で開発された技能、技術等を開発途上地域等へ移転し、国際協力を推進する、そういった目的でつくられた制度でございます。 本制度につきましては、出入国管理法等によりまして、職種を問わずに実習期間を一年以内として行う技能実習一号と、特定の七十四職種のみを対象として更に加えて二年以内の実習期間が定められている技能実習二号というのがございます。ただ、林業はこの技能実習二号には含まれておらず、これまで技能実習一号の実績もないのも現実でございます。 外国人技能実習制度を通じて日本の高い林業技術を途上国に移転するということは、国際貢献の観点から意義があることと考えておりますけれども、一方で、当該制度の活用は、国内の林業労働力の動向や受入れ側となります業界団体の意向、さらには送り出し側となります途上国のニーズ等を総合的に勘案しながら適切に検討していくことが必要であると考えております。 林野庁といたしましては、林業労働力の現状の把握をきちっとすることと併せまして、全国森林組合連合会あるいは全国素材生産業協同組合連合会等の関係団体とも意見交換を十分に行った上で、この後の対応について検討していきたいと考えております。
○小川勝也君 今、長官が言われたこの研修制度の意義については、誰も口を挟む人はいないと思います。しかし、いわゆるその書いてある文言と実態がいかに懸け離れているかということを、ここにいる委員もみんな知っているわけであります。そういったあやふやな状況の中で、安易ないわゆる受入れを拡大するということはあってはならないというふうに申し述べさせていただきたいと思います。 今、木材関係が好調な理由の一つはバイオマスであります。私は、今回、バイオマスでよかったなというふうに思うのは、いわゆる小規模なやつが認めていただいたからであります。 ここに、国産材の安定的な広域流通を促進ということで、都道府県域を超える取引計画というのが今回入っておりますけれども、私は、これはいわゆる大きなバイオマス施設がチップを集めるために、広域にチップを取引したいがためにこういうふうにするとすれば、それはもう間違いだろうというふうに思っています。すなわち、チップの移動は化石燃料の消費を伴いますので、私の考え方でありますけれども、価値の高いものは広域に移動させてもいいけれども、価値の低いものを燃料を使って運ぶのは適切ではないと。なので、今、林野庁でも進めていただいたように、バイオマス施設は小規模な方が効率がいいということであります。 ですから、まずはこのバイオマスを使うということを考えるに当たっては、小規模であり、そして熱を利用するのが一番効率的で、その次がお湯で、電力にするのはその先である。そして、その先に広域に大きなバイオマス発電施設を造るということになると、チップを集める効率が下がるということと、そして、先ほどの質問者にもありました、木材を利用するということの最大のメリットは、その地域に流れるお金や力をその外に出さないということであります。バイオマス施設が大型化すればするほど、その電力事業者が待つ域外にお金や富を流すことになります。 私は、そういう考え方から、この木質バイオマスの利用については、まさに今私が申し上げましたように、地元にしっかりとその果実が残るということを前提に進めていただきたいというふうに考えますけれども、考え方を整理していただきたいと思います。
○政府参考人(今井敏君) お答えいたします。 今回、木材安定供給特別措置法の改正をすることを考えておりますけれども、これは、近年、国内の各地で大量の木材を消費する大規模製材工場等の整備が進んでおりまして、地域によっては同一県内だけでなく県外からも木材を調達して安定供給することが求められている中で、現在、木材安定供給特別措置法は同一県内の木材流通に対して特例措置を講じておりますけれども、今回の改正では、これに加えて、複数の都道府県にまたがる計画について認定制度を創設し支援措置の拡充をする、それによりまして木材の広域流通、安定供給をより進めようという、そういう趣旨でございます。 この特例措置において、木質バイオマス発電用の燃料確保がこの取組から除外されているということではありませんけれども、先生が御指摘のありましたとおり、木材バイオマスの原料は価格的にも非常に低い水準でありますので、そういうことからいたしますと、製材工場等から可能な限り近い地域で確保するということが輸送コストを抑える点でも望ましい姿であると考えておりますので、この法律の改正とは別に、そういった考え方で、なるべく近い地域からの確保となることが望ましいというふうに考えております。 また、木質バイオマスのエネルギー利用の御指摘もございましたけれども、木質バイオマスのエネルギー利用に当たりましては、効率的なエネルギー利用の観点からは、発電利用だけではなく熱利用にも対応していくことが望ましいというふうに考えております。どのくらいの熱利用変換効率があるかというと、熱利用あるいは熱電併給の場合には七五%ぐらいがエネルギーに転換できるのに対して、発電だけだと二五%程度にとどまるといったようなデータもございます。 そういうことで、木質バイオマスの熱利用につきましては、かつては製材工場において端材を木くずだきボイラーで製材の乾燥に活用するような、そういうものが中心でしたけれども、最近では公共施設あるいは農業の園芸施設における導入も進んできておりますので、そういったことをより一層進められるように、後押しできるように、ボイラーや木質チップの製造施設などの施設整備、あるいはボイラー等の技術開発、あるいは相談サポート体制の構築、そういった面で林野庁も支援をしているところですけれども、今後とも木質バイオマスの利用については、発電だけではなく熱利用も含めて、地域の地元の森林資源の賦存状況や地元のエネルギー需要の実態等にも合わせまして、その取組を進めてまいりたいと考えております。
○小川勝也君 長官から御答弁いただいたとおりであります。 私の地元、ふるさとの近くにあります下川町というところが有名でありまして、ここが役場や近隣の公共施設の熱源に利用している。言うまでもなく、寒い地域の方がこの小規模バイオマスの利用がメリットがあるわけであります。私も見に行かせていただきましたけれども、岩手県の住田町でもうまくいっているということでありますので、東北、北海道ですと、小規模バイオマス適地がまだまだあるわけであります。 いわゆる暖房、それから温泉施設、それから園芸、農業、あるいは農業における乾燥施設、伝統的な使い方でありますけれども、一番使って正しい使い方がその熱源だろうというふうに思いますので、電力、電気に限らず、バイオマスも進めていただきたいというふうに思っています。 更に大事なのは、今、バイオマスで木材供給が好況だということでありますけれども、いわゆるバイオマス利用というのはカスケード利用でいうと低位なんですね。言うまでもなく、大きな径の木材からA材を取る、建築材を取るということが我々の主眼であります。これがまず忘れられてはいけないということだろうというふうに思います。 さらには、希望は大きくであります。今カナダや北欧に住宅材のシェアをかなりの程度奪われておりますけれども、今頑張ればこのシェアを我々は取り返すことができるというふうに思っています。なぜならば、カナダから日本まで運ぶこの距離が我々のメリットとして課せられているからであります。なので、A材を作り、そして住宅に供給すれば必ずバイオマス資源が出てきますので、バイオマスの方は木材が建築材になればなるほど元気が出るということでありますので、我々は究極としてそれを求めるべきであります。 今、山元のいわゆるコスト削減、効率的な伐採と搬出の話をさせていただきました。ハウスメーカーの方の意見もいろいろ伺ってまいりましたけれども、早い話が、安くて安定供給されて品質がきっちり確保できれば誰もが国産材を使っていいよと、これがハウスメーカーの方々の思いであります。ですので、今まさに政府が進めていくべきは、工務店やハウスメーカーと向き合って、どうやって国産材における建築分野のシェアを高めていくかということであります。 これも本丸でありますけれども、今まさに主伐期を迎えてやらなければならない作業であります。ちょっと口幅ったいわけでありますけれども、民主党政権のときに、いわゆる国土交通省と林野庁との結び付きも大変濃くなりました。共同して、国産のハウスメーカーに国産材を使ってもらうべく共同していろんな努力をしていただく。それは、今もお話にございましたけれども、製材工場や製材コンビナート、プリカット工場、それも山元とユーザーを結ぶという中でいうと、効率的な図面を作りながらこの木材供給体制を構築する、今がまさに一番大事なときだろうというふうに思っています。 どのように取組をされていて、現在どういう進捗状況なのか、お伺いをしたいと思います。
○大臣政務官(佐藤英道君) 住宅分野は国産材の需要の過半を占めておりまして、住宅分野での木材利用の促進は、委員御指摘のとおり、地域材の需要を確保する上で極めて重要な課題であると認識しております。 農林水産省としては、国土交通省と連携をしまして、地域における住宅供給を担う工務店等と地元の林業や製材業との連携を進め、地域材を活用した住宅造りを進めているところであります。 平成二十七年度補正予算の地域材利用拡大緊急対策事業及び平成二十八年度予算の新たな木材需要創出総合プロジェクト事業の中におきましても、地域材を活用した住宅の消費者向け展示会等の開催、山から製材所、工務店等への安定した木材供給体制の整備、さらには意匠性を高めた木造住宅のモデルづくり等、こうした取組への支援を行うこととしております。こうした取組により、国土交通省など関係省庁と連携をいたしまして、住宅分野における地域材の需要拡大に努めてまいります。
○小川勝也君 今御答弁がございましたように、伝統建築、和風建築もあります。そういうのに細やかに応えていくことも大事でありますけれども、一つは、やはりコストを下げるハウスメーカーに寄り添っていくことが大事だろうというふうに思っています。 〔委員長退席、理事山田修路君着席〕 例えば北米に見られるツーバイフォーのように、いわゆる建材、部材の規格を統一することによってコストを下げることによって、外材との競争、競合に勝つことができるというふうに思っておりますので、更にコストを下げて、私はこういう言い方をさせていただいております、コンビニエンスストアやあるいはホームセンターに見習うように、いわゆる住宅建築材料が容易に入手できるような世の中にすることによって優良な廉価な建築物を消費者にも提供することができるし、国産材の供給についてもいいことが起こるというふうに思っています。 さらに、いわゆる需要拡大でありますけれども、先ほどオリパラの話がありました。オリンピック・パラリンピックは、世界の方々が日本に来られます。木材建築、木質建築、木材を利用した建築ということで申し上げますと、日本はまさに世界一という自負を私はしております。それがCLTなのか伝統建築なのか鉄骨と融合したハイブリッドなのかは問いませんけれども、日本の木材を使った建築の美しさをこれは見せるべきだと私は思っております。 様々な観点から国産材の利用あるいは認証材の利用ということが森山大臣のところにもいろいろ要求が来られておられると思いますけれども、二〇二〇年もそう遠い先ではありません。何とか、農林水産省のプライドを懸けて、林野庁の総力を懸けて、これが日本の建築か、これが日本の木材かというふうなのが見えるような、そんな二〇二〇年になることを私は望んでおります。決意をお伺いしたいと思います。
○大臣政務官(佐藤英道君) 御指摘のとおり、新国立競技場など東京オリンピック・パラリンピック競技大会の主要施設に木材を利用することは、日本の木の文化や伝統を世界に向けて発信するとともに、国内外の多くの方々に我が国の木材建築や技術力を実感していただくまたとない機会になるものと考えております。 新国立競技場につきましては木材を多用したデザインの建設計画が採択されたところであり、大変喜ばしく思うとともに、大きな期待を持ったところであります。引き続き、オリパラ関連施設の整備を行う東京都や、大会組織委員会などの関係機関や関係省庁との連携を密にしながら木材利用の促進に取り組むとともに、関係業界とも連携し、円滑に木材が供給できるよう、しっかりと取り組んでまいります。
○小川勝也君 さらに、いわゆる国等の建築物、もっと言うと、林野庁の関係にも森林管理署等の施設があるわけであります。農林水産省にも農政事務所等の施設があるわけであります。あるいは、さらには国所管の様々な事業所があるわけでありまして、老朽化して建て替えるときにはCLTを含む国産材を使った木造化に農林水産省は積極的に動くべきだと思っておりますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(今井敏君) お答えいたします。 平成二十二年に公共建築物等木材利用促進法が制定されました。これに基づきまして、農林水産省では、農林水産省の木材利用推進計画というのを策定をいたしまして、その中におきまして、低層の建築物は原則全て木造で整備する、低層、高層に関わらず内装等の木質化を促進する、そういう方針の下、木材の利用に役所としても取り組んでいるところでございます。 具体的には、平成二十三年度から平成二十六年度までの四年間で、森林管理署等の庁舎や林野庁職員宿舎等の三十一の施設を木造で整備をいたしました。また、本省の会議室ですとか地方出先機関の庁舎等の延べ六十四施設の内装木質化をしたところでございます。 さらに、公共建築物の木材利用促進法が制定から五年を経過したのを機に、また、本年四月に農林水産省木材利用推進計画の見直しを行いまして、今後は木質耐火部材やCLTなどの新たな技術についても積極的に活用していくという方針に見直したところでございます。 農林水産省は、森林・林業、木材産業を担当する役所でございます。率先して木材の利用促進に取り組んでいきたいと考えております。
○小川勝也君 しっかり取り組んでいただければというふうに思っています。 今回の森林・林業基本計画の中で私がもう一つ評価をさせていただいたのは、針広混交林をきっちり評価していることであります。いずれにいたしても、花粉症患者の言葉をまつまでもなく、全ての森、林が杉だけ、あるいは北海道でいうとカラマツだけというのは不自然であります。木材をしっかり供給するために、人工林のいわゆる場所があってしかるべきでありますけれども、全て同じにする必要はないというふうに思うわけであります。まさに施業が本当に困難な場所は針広混交林にして、広葉樹の森を復活させることに大いに賛成であります。 そんな中で、奥地を始めとする水源林造成に、今度機構が新しく変わります。森林研究・整備機構の中にかつてのまさに経験とノウハウを持った人たちが参画をするわけであります。水源林造成業務に係る今後の組織運営や予算を、まさに彼らの経験とノウハウがしっかり生かされる形で確保していただきたいというふうに思いますけれども、御答弁をいただきたいと思います。
○副大臣(齋藤健君) 水源地域の森林におきましては、土地所有者によって植栽されたものの、経営条件が厳しいということでございまして、間伐等の森林施業が適切に行われないまま過密化をしまして、そして水源涵養機能等の公益的機能が損なわれるということが危惧をされているところであります。 こうした状況を踏まえまして、今般の法改正におきましては、土地所有者が植栽した育成途上の水源林の公益的機能の維持に必要な森林施業についても水源林造成業務に含めるということとさせていただいておりますし、奥地水源地域において早急に施業が必要な保安林の整備の担い手としても機構を位置付けていきたいというふうにしておりまして、森林整備センターの職員の技術を最大限に活用していきたいと考えているところでございます。
○小川勝也君 さらに、深刻な鳥獣被害、この理由の一つに、やはり全国の針葉樹化によるものであるというふうな研究成果もあるようであります。ですから、先ほど施業しやすい人工林の奥に針広混交林を配置することによって鳥獣被害が減少するのではないかという研究もあるわけであります。専門家としっかり相談をさせていただいて、コリドーという考え方もあるわけであります。 〔理事山田修路君退席、委員長着席〕 そしてまた、広葉樹林は、希少ないわゆる広葉樹林が大きな木となりますと、和風建築やあるいは指物、工芸の原材料になることもあります。そういった多様な価値を求める針広混交林として生物の多様性、そして希少な樹種の確保、そういったことにも関心を持っていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(今井敏君) 針葉樹と広葉樹など多様な樹種で構成されます森林を保全、育成していくことは生物の多様性の保全を図る上でも極めて重要だと考えております。 このため、現在、国有林におきまして、奥地の原生的な天然林や希少な野生生物の生育、生息地等を保護林として設定、保全するとともに、その保護林を周囲の民有林の協力も得ながら結び付け、野生動物の移動経路となる緑の回廊として保護、管理する、そういう取組も行っているところでございます。 この緑の回廊につきまして、現在全国に二十四か所、約五十八万ヘクタール設定しているところでございます。こうした緑の回廊における伐採、更新、保育などの施業に当たりましては、希少な野生生物の生育、生息環境に悪影響を及ぼすことのないよう配慮しているところでありまして、今後ともこのような取組を通じて生物多様性の保全に努めていきたいと考えております。
○小川勝也君 いろいろ伺ってまいりましたけれども、冒頭申し上げましたとおり、今、主伐期を迎えていますので、六十年、百年を見据えた森林・林業元年と言っても私は過言ではない時期に今来ているんだろうというふうに思っています。ですので、いわゆるコスト削減の山元、そして効率的な流通を確保するということ、そして国民の皆さんにも理解をしていただいて、森林が国民のかけがえのない財産であるということをやはり認識をしていただくということを、まさに大事だというふうに思います。 そして、外材との戦いに勝って自給率を高めて、いわゆる山元に富をまた戻して、そこに若い人たちが仕事を得て、そして働いてそこに暮らしていける、そういう循環をつくっていただくのが今だと思っています。 しかし、残念ながら林野庁の予算は限られています。私たちもいろいろ苦心をしてまいりましたけれども、森林環境税、これは国民に私は理解が得られると思っています。山元に、そして国有林に、民有林に、苗に、あるいは製材所のコンビナートの造成にも私は使いたいとも思っています。 森林環境税導入についての大臣の御決意を伺って、質問を終わらせていただきたいと思います。副大臣で結構です。
○副大臣(齋藤健君) 思いは共有させていただきたいと思います。 私も、実は環境大臣政務官も務めておりまして、この問題は深く長く関与してきたわけでありますが、今まさに、与党の話で恐縮ではありますが、平成二十八年度与党税制改正大綱におきまして、市町村による継続的かつ安定的な森林整備等の財源に充てる税制、森林環境税等の新たな仕組みを検討するということが明記をされておりまして、私は安定財源確保に向けた道筋が付いたなというふうに受け止めております。 ただ、具体化に当たりましては問題点が幾つかあろうかと思います。まず、県の独自課税をされているところもございますので、こういうところと現行の、また同時に国庫補助もしていますので、こういうところとの整理が必要になってくると思いますし、具体的にこの財源でどういう森林整備をしていただくのかとか、どういう規模になるのかとか、まだまだ検討すべきこともあると思いますけれども、この大綱で示された新たな仕組みが森林整備等を安定的に進める上で効果的になるように当省としてリーダーシップを発揮していきたいと思っております。
○小川勝也君 終わります。
○郡司彰君 民進党の郡司でございます。 今日は森林の関係を中心に質問させていただきたいと思っています。 まず、国会に十八年前に来ることになりまして、その当時、農林水産委員会でスーパー林道というものの是非などが議論をされておりました。そのうちに、関係者の話を聞きますと、スーパー林道はともかくとして、作業道、要するに林道、路網の整備というものは、これは大変に重要なんだと、こういうような話を大分聞かされました。 したがって、一般質疑のときなどには、路網の整備をすべきではないかということを何度か質問をさせていただきまして、当時の民主党としても、山の問題をきちんと考えてみよう、森林・林業の再生プロジェクトチームというのをつくりまして、たまたま言い出しっぺのような形で私が座長をやらせていただきました。 いろんな国に視察に行ったりしながら、やっぱり路網の整備というものを第一番に掲げていこう、そしてその次に、やっぱり人が大事だろうということで、フォレスターでありますとかプランナーとかオペレーターとかの養成、育成というものもやっていく、そしてその次に、施業をするためには集約化ということをやっていかなければどうもうまくいかないのではないか、こういうような感じの流れで、その当時の党の考え方というものをつくってきたところであります。 したがいまして、現在の森林法、これからの改正がなされる森林法の流れそのものは大きくは私どもとしても理解をした上で、更に充実をして、山がもっと元気になるようにというような思いでおりますので、その立場で質問をさせていただきたいなというふうに思っております。 まず最初に、今回の法改正に先立ちまして二十三年の改正がございました。当時の内容とすると、適正な森林施業を行うために幾つかのことを決めてきたというふうに思っております。今回の法改正、前回との基本的な違いというものがあるとすれば何なのか、あるいはまた、基本的なところは違わないけれども、技術的に、時間を経る中で改善すべきという点が出てきたと、こういうことであるのか、その辺のところについてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○大臣政務官(佐藤英道君) 平成二十三年の森林法の改正におきましては、平成二十一年に策定された森林・林業再生プランに示された政策方向にとりまして、まず第一点目に、所有者の不明森林であっても間伐などの施業の代行を可能とすること、二点目に、無届け伐採に対して市町村長が伐採後の造林命令を発出することができるようにするほか、三点目に、森林計画制度の見直し等の措置を講じたものであります。 また、今般の法改正は、戦後造成された森林が本格的な利用期を迎えている中で、切って使って植えるという森林資源の循環利用を促進するための一体的な措置を講ずるものでございます。まず、切ることに関しましては、所在不明の森林所有者がある共有林での伐採、森林組合による森林経営など、これまで法令上の制約により思うようにできなかった森林の伐採などを一定の手続を経てできるようにすることであります。また、使うことに関しては、木材需要が増大し、県域を超えた木材流通が求められている実態を踏まえまして、木材の広域流通、安定供給の円滑化を図る、さらに、植えることに関しては、伐採後の造林の状況報告を求める制度を創設し、伐採後の再造林を確保することとしているところでございます。 こうしたことを平成二十三年の法改正と照らし合わせてみますと、伐採後の再造林の確保など、平成二十三年の法改正で示された施策の方向を更に進めるものや、また、所在不明の共有者が存在する森林での施業の円滑化、奥地水源林の整備の推進など、その後の課題に対して新たに施策を措置するものなど、多様な内容になっているところであります。
○郡司彰君 大きな流れとしては、これまでのところをしっかりやっていくというようなことに理解をしてもよろしいのかなというふうに思っております。 例えば、先ほどありました森林経営計画等も見直しをして新たな計画を作っていこうということでありましたけれども、全体、思っていたような進捗になっているのか、その辺のところの課題、問題点というのはどのように捉えていらっしゃるかということ。 また、私どもで関わっておりましたときには、そうした課題を幾つか、例えば六つぐらいだったと思いますけれども、検討会をつくってどうしようかというような話がありましたけれども、今のところ開かれているという感じはしておりませんけれども、課題としてはもうクリアをしたというような認識でよろしいのでしょうか。
○政府参考人(今井敏君) お答えいたします。 先ほど政務官の方からも御説明いたしましたけれども、平成二十三年の森林法の改正におきまして大きく三点の柱がございましたけれども、そのうちの一点が、今先生から御指摘のありました森林経営計画制度でございます。 森林経営計画制度につきまして、その後、平成二十七年三月時点で、その導入率、設定率を見ますと、二八%の水準にとどまっております。これにつきましては、計画作成に必要な森林所有者や境界の明確化などに多くの労力を要するといった課題があり、なかなかまだ面的なまとまりを持った森林経営計画の確立が取組途上にある、そういう状況だというふうに考えております。 ただ、一方で、先ほどもありました所有者不明における間伐等の施業の代行を可能とする制度、これにつきましては、現時点での適用はありませんでしたけれども、当時、この措置は森林法の中に初めて所有者不明の場合でも第三者が間伐を実施することを可能とする仕組みを創設していただいたもので、今回の共有林における取組にもつながる、そういった非常に意義が大きかった措置ではないかというふうに考えております。 二十三年の森林法の改正は、二十一年に策定された森林・林業再生プランに示された政策の方向に沿ってとられた法的な措置でありますけれども、森林・林業再生プランに示された政策方向につきましては、法律措置のほか、施業の集約化、路網の整備や間伐の推進ですとか、日本型フォレスターなどの人材の育成確保、そういった措置も含まれておりまして、それは今回の法的な措置だけではなくて、予算措置としても引き続き取り進めていかなければいけない課題だと認識し、進めているところでございます。
○郡司彰君 今、長官の御答弁の中にもありましたけれども、共有林等のことも含めて不在村のところもやっていけると、こういうようなことがあったということでありますけれども、今回、共有林の立ち木について所在不明者の持分の移転等を行う裁定制度を設けるというようなことが書かれておるようでありますが、この裁定制度というのは、公告を行って、現れないときは基金等に保管をしておく、申出があってその方だということが認定をされればそのものをお返しをする、こういうようなものなんだろうというふうに思いますけれども、予想されるそのことによってのトラブルというようなものはあり得るんでしょうか。その場合に、どこが責任を持って、例えば司法とかその他のような権能を持って裁定ということを行うことになるのでありましょうか。
○政府参考人(今井敏君) お答えいたします。 今回、措置しようとしております共有林に係る裁定制度につきましては、我が国の民有林の約二割が共有林となっている中で、その共有林におきまして共有者の一部の所在が分からず、その共有者の同意が得られないために森林の伐採ができないという問題が生じている。そういうことに対応しまして、所在不明の共有者の立木持分の移転について都道府県知事が裁定をして、移転した持分について補償金を供託するという制度を設けることにより、共有者が不確知の共有林における伐採ができるようにするというものであります。 これによって、今までできなかった森林の伐採が一定の手続を経てできるようになるわけでございますけれども、ただ、今先生から御指摘がありましたように、例えば、じゃ、供託金に不満のある不確知者が現れた場合にはどういうふうになるんだとか、いろいろまだ心配しなければいけないようなこともあろうかと思います。 まず一つは、今後法律が成立しました後に、都道府県知事が裁定をする際の目安となる方針ですとか、それを国の方からきちっと明示するですとか、あるいは、仮に供託すべき補償金の額について不満があった場合の取扱いの基本的な考え方ですとか、そういったものについて補足的な指導等を通知するだとか、そういうことも必要かと思っておりますけれども、いずれにいたしましても、農林水産省として、この制度が成立しました暁には、きちっとした共有林の裁定制度が円滑に利用されるようにいろんな手続等を定めていきたいというふうに考えております。
○郡司彰君 これからだというような部分もあると思われますので、省令、政令等を定める、そして農林水産省という枠内だけで収まるのかどうかということも含めて御検討いただければなというふうに思っております。 次の問題でございますけれども、違法な林地開発というのが二十六年度で百六十五件というような形で附属資料を配られた中に記載がございました。これは林野庁の方に報告があったものだというようなことでございますけれども、例えば今テレビ等で、ニュース等で流れておりますけれども、奈良県の事例などというものは、なぜあの事態まで放置をされたというようなことになるんでありましょうか。
○政府参考人(今井敏君) お答えいたします。 今回の奈良県の違法開発事案に関しまして、農林省として、奈良県庁の方から、本年三月一日に、奈良県が砂防指定地管理条例及び森林法違反で違法開発を行った会社の代表取締を告発し、五月七日に当該代表取締役が逮捕されたという報告を受けております。 本件につきましては、奈良県警による捜査中の案件でありますので、これまでの経緯等も含め、詳細についてのコメントは差し控えさせていただきたいと考えております。
○郡司彰君 詳細についてのコメントということについては理解をいたします。 ただ、問題は、昔は山を分かっている人というのは少なくても十五年ぐらいは同じ地域で回っている人なんですよと、こういう言い方をされておりましたが、そういう人たちが少なくなってきている。報告を受けるというのと、林野庁、あるいは昔でいうところの山の方々が発見をするということは、今後はきちんと連絡、報告を受けて行うということになるんでしょうけれども、その際に、例えば環境省とか国交省とか、関係するような省、もちろん自治体との連携、それから情報の共有化、これはこれまでもいろんなことがありました。 私どもも、党内のいろんなチームで、水源林をどこかの国の人たちが買っているんではないかとか、いろんなことのときに、どこに行ったらその情報が分かるんだというと、同じ自治体の中でも三、四か所情報を持っていて、そのこと自体が自治体としての窓口に、どこがそうなんだということも分からない、こういう状態がありました。 今回のことも含めて、例えば自治体からのということだけではなくて、国交省、環境省、自治体、そういうところの情報のベースみたいなものをきちんと共有化する、連携をするという形ができていれば、こんなに長く発見まで時間が掛からなかったのではないかなという気がしておりますけれども、今後の方針も併せてお聞かせいただければと思います。
○政府参考人(今井敏君) 林地開発許可制度の実際の運用に当たりましては、許可事務を担当します都道府県の部局と開発現場が所在します市町村との連携というのが特に重要であるというふうに考えております。 そうしたことから、国といたしましては、これまでも通知等によりまして都道府県に対して、市町村が有する小規模な林地開発に関する情報を取って活用する、あるいは都道府県庁の中で、林務部局だけではなくて、廃棄物対策ですとか土地利用規制を担当している他の県庁内の部局との連携だとか、そういったことの重要性についても周知徹底をしてきたところですけれども、違法開発案件が発生した都道府県の事例等を見ますと、必ずしもこういった連携が不十分であったために事態が大きくなった、そういうこともあるというふうに把握をしております。 今回の法改正におきましては、違法な林地開発を行った者に対する罰則を強化することとしておりますけれども、罰則を強化するだけにとどまらず、今回この奈良の事案等も踏まえまして、国といたしましても、県庁内の部局間の連携ですとか、森林法の事務をつかさどる市町村とも連携をした監視活動の強化を徹底するですとか、国といたしましても、林地開発許可制度の適切な執行に実効を上げている対策の事例ですとか悪質な事案にうまく対処している事例、そういったものを事例集として作成し、それを関係者で情報共有をする、そういった取組等を重ねることによりまして、違法な林地開発が行われないようしっかりと連携を取った対応をしていきたいというふうに考えております。
○郡司彰君 考え方としては分かるんですが、何か具体的にやっていかないと駄目じゃないのかなというちょっと感じがいたしました。 林地台帳についてお尋ねをいたしますが、そもそも山の情報というのは結局は森林組合が握っていたというか、最大限の情報源だったんですね。ですから、森林組合そのものが問題があるかどうかは別にして、森林組合を使わなくちゃいけないというのがこれまでの基本的な考え方にあったと思うんです。 今度、林地台帳を作りますよ、自治体の方で作りますよということになると、そうした森林組合が持っていた情報というものを今後は自治体がしっかり把握をして、自治体が計画をきちんと立てることができるようになるというようなことがそもそもなんでしょうか。もしどなたかお答えいただければ。
○副大臣(齋藤健君) 今回の趣旨は、森林所有者や隣地の境界に関する情報を一元的にきちんと整理をしていくことが重要だろうという趣旨でございますので、その際の主役として市町村を位置付けて整理をしていこうということでございます。 ただ、委員御指摘のように、整備するに当たりましては、様々なところに情報がございますので、まずは林地等に係る登記簿ですとか森林簿等の既存情報をきちんと一元的に整備をするということが大事だろうと思っておりますので、そういう方向で努力をしていくということだろうと考えております。
○郡司彰君 私は、林地台帳をちょっと深読みをしていたのかもしれませんけれども、何か実際にトラブルがあったときに実測をしたりして、そういうようなこともやるのかなという形で考えておりましたが、基本的には今まである情報を一元的にまとめるんだと、それから、いろんなことがあったときにはそれの訂正、修正をして正しい台帳にしていくんだというようなことなんだということでお聞きをいたしました。 そうすると、これ当然、基礎になるところの実測というものはどこがやるんだというと、一つは地籍調査、国交省、国土地理院の方で行っているものがあって、これは進捗からいうと五〇%弱ぐらいだろうというふうに感じておりますけれども、これの進捗によって林地台帳も整備をされるというようなことが基本になるんだろうなというふうに思います。 それと、ただ、何かあったときにそれを受けるところは自治体なんですよということでありますけれども、たまたま私どもの県、茨城県はほとんど山がありません。山がありませんので、関係する市町村の数は限られておりますけれども、それでも全県で林業に関わる自治体の職員の数というのは十八名です。これ、全国のことは分かりませんが、これを見ると相当な山の抱えている自治体でもせいぜい一、二名ですよね。 これは、こうした、何というんでしょう、職員のところで、その林地台帳というものを、各税金の関係やら何からをまとめてやるということなんでしょうけれども、地籍調査の関係、それからこの人員の配置の問題、実際の問題としてこの実態できちんとできるということなんでありましょうか。
○副大臣(齋藤健君) この林地台帳の整備に当たりましては、当然のことながら市町村に過度な負担が及ぶということも回避しながら、今委員おっしゃったように、少しずつ前進をさせていくということが大事だというふうに考えております。 したがいまして、まず整備をするに当たりましては、新たに森林の所有者となった人からまず届出をしていただくと。それから、森林法改正案において新たに措置することになりました森林所有者本人からの台帳情報の修正がありますので、こういうものを申出を整理をすると。それから、各種事業の実施結果によって得られた所有者や境界に関する情報、こういうものがございますので、順次情報の精度向上を図っていくということが大事だろうというふうに考えております。 境界に関する情報につきましては、従来より、市町村の林務部局と地籍部局の情報共有の取組を進めているところでありますけれども、今後は、この整理をするに当たって連携を更に密にして、地籍調査の情報が台帳に適切に反映されるようにするとともに、また、逆に林地台帳の情報が地籍調査の実施にも活用されるように、うまい情報共有を図っていきたいと考えているところです。
○郡司彰君 次に、森林組合法の関係について、二点ほどお尋ねしたいと思います。 一つは、経営事業を行えるようになりますよと。これまでの実績としてもあるわけでありますけれども、そのために、意欲を引き出したり、事例を学んだり、しっかりやりなさいよということについては、農林水産省としてもそれなりの努力をされていくんだろうというふうに思っております。 それはそれでしっかりやっていただきたいというのと、あわせて、これは今現在でも森林組合とは別に民間としての企業の経営ということも努力をされている方々がいらっしゃるわけであります。 この施策を進めるに当たって、一方に偏ることによって、結果として民業圧迫のような形、これは国有林と民有林との関係も含めて同じようなことがございますけれども、そのような懸念が及ばないようなことをしながらしっかりやっていくということについてのお考え、それから、いずれにしても雇用をというのは先ほど来から出ておりました。日給制、月給になかなかならないとか、これは年間の仕事の量とかその他いろいろあると思いますけれども、結果として社会保険も加入をすることができない。 これから山全体の取組は国全体で盛り上げていこうということと、そこを最後のところで受ける規模というのは必ずしもそう大きくならないところが点在をしながら一生懸命頑張る。そこのところに所得の問題は、直ちには行きませんけれども、例えば社会保険の関係であれば、ほかの事例で一人親方さんのような形の健康保険制度とか、何かしら国としてのものというものを考えていかないと、それぞれの事業体、企業に任せますよ、頑張ってくださいということだけで本当に山の元気が出るようなことになるんだろうか。 ここは、私は、規制改革会議や何かで民間に移譲をしろと、権限を譲れという話はたくさんあります。でも、残念ながら、この山の経営について、森林はお任せしますからどうぞやってくださいといって、どこも受ける自治体も今まで聞いたことがありません。 ということは、相当程度困難性を持った事業を、なおかつ日本の成長に資するような形にするというのは、これは官が出張っていって、何かしらトータル的なもので底上げを図る、そのことをしないと駄目なのではないかという思いがありますけれども、どうでしょうか。
○政府参考人(今井敏君) お答えいたします。 今回の改正によりまして、森林組合が森林経営事業を始めとして地域の森林・林業の担い手としての役割を一層果たせるような、そういう改正を考えておりますけれども、これは森林組合だけを地域の林業の担い手として考えていることではなく、林業労働力の大宗は被雇用労働者でありまして、そのためには受皿となります造林や素材生産を行う林業事業体の育成も非常に重要、森林組合だけではなくて、そういった林業事業体の育成も重要なものと考えております。 その際に、採算性等の問題の御指摘もありましたけれども、現在におきましても、ただ民間に任せておいて林業の循環的な取組がなされるわけではなくて、国と地方のその補助を合わせまして造林だとか保育、間伐等につきましては約六八%の補助が行くというようなことを前提として全体の施業が成り立っているわけですけれども、林業労働力の確保の面におきましても、現在、農林水産省として、林業労働力の確保の促進に関する法律に基づく都道府県知事の認定を受けた事業体に対しまして、人材育成のための資金の貸付けですとか高性能林業機械のリース、あるいは緑の雇用事業による技術習得のための研修、あるいは研修生に対する退職金共済制度の掛金や社会保険料の事業主負担分への支援、そういったことにも取り組んでいるところでございます。 こういった取組の対象は、森林組合のみならず、民間事業体もイコールフッティングの取組となるよう同じような対象として、これらの施策を通じて雇用等の受皿となります林業事業体の幅広い育成、そしてそれを通じた林業労働力の受皿づくりというものを進めてまいりたいと考えております。
○郡司彰君 総合的にどれかということではないのでありましょうけれども、やっぱり国がしっかりやっているぞというようなことが見えるようにお願いをしたいなというふうに思います。 それから、時間の関係でちょっと合法伐採の流通に関してお尋ねをしたいと思いますが、二つまとめてお聞きをいたします。答弁、簡潔にお願いをしたいと思いますが、一つはグリーン購入法の実績と課題についてお尋ねをします。二つ目でありますけれども、森林認証制度の対象面積、どの程度に今なっていらっしゃるでしょうか。先ほどFSCとかございましたけれども、二つぐらいの、その認証制度の対象面積どのぐらい、それから国として目標値のようなものは定めておりましょうか、簡潔に答弁願いたいと思います。 〔委員長退席、理事山田修路君着席〕
○政府参考人(今井敏君) まずグリーン購入法の実績についてでございます。 グリーン購入法に基づき政府が調達する木製品につきましては、林野庁が定めた木材・木製品の合法性、持続可能性の証明のためのガイドラインにより合法性が証明されたものというふうにしております。 このガイドラインに沿いまして合法性の証明された丸太の量は、国産材につきましては、平成十八年の九十一万立方から平成二十六年の八百五十万立方へと、国内生産量に占める割合は五%から四〇%へと増加しておりますし、輸入材につきましての輸入量に占める割合も五%から三一%と、それぞれ増加をしております。また、合法木材を供給する事業者の数につきましても、平成十八年の約五千から平成二十七年の一万二千まで増加をしている、そういうところでございます。 二点目の認証についての御質問でございます。 現在、我が国における森林認証の取得面積ですけれども、平成二十七年十一月時点におきまして、国際認証でありますFSCによる認証が全国で約三十九万ヘクタール、そして我が国独自の制度でありますSGECによる認証が約百二十六万ヘクタールというふうになっております。 森林認証制度は民間により運営されている制度でもありますし、また、認証を取得するか否かはあくまでも事業体の経営判断によるものでありますので、農林水産省として取得目標の設定等は行っておりませんけれども、米国諸国を始めとして、国際的な木材取引では森林認証材が標準となりつつありますので、我が国の林業の成長産業化に向けた木材等の輸出促進等も見据えて、森林認証制度の普及を更に促進していきたいと考えております。
○郡司彰君 ほかの国の例はともかくとして、七〇%とか相当高い国が多いのも事実であります。今の三十九万、百二十六万、これは大体換算をすると一桁台に収まるような率だろうなと、こういうふうに思いますので、目標値を設定することが目標ではありませんが、一定程度、国としてどのようにそれを広めていくかということは考えてしかるべきではないかなというふうに思っております。 それから、午前中、午前中というか、さきのやり取りにもありましたけれども、リスクの評価、管理、それからコミュニケーションというのは、これリスクを伴うものについてはどこでも同じこと、BSEの場合には国内でのもので完結をするようなものがあります。しかし、この関係は原産国との関係において、甚だ不見識な言いようをすれば、相手のところが信用できるのかということも含めていろいろあるんだろうと思いますし、場合によってはそれが、要するにテロ組織の軍資金になっていたり、あるいは、当たり前ですけれども、貿易をする場合には、私たちの国、相手の国、そこの企業、働く人たちがウイン・ウイン・ウインというような関係になっていくのが普通、でもそうじゃないような形も含めてあるような中でございますから、大変難しいのは分かりますけれども、それぞれリスクの評価、管理、コミュニケーション、これをどういう段階で情報の共有化をしながらやっていくということにすることが望ましいというふうにお考えでしょうか。 〔理事山田修路君退席、委員長着席〕
○政府参考人(今井敏君) 合法伐採木材利用促進法につきましては、公布後一年後に施行することになっております。その際には、今先生から御指摘のありました合法伐採木材の証明の在り方、そういったことについてもこれから、先ほども御答弁させていただきましたけれども、省令等の中でその在り方についてルールも作っていかなければいけませんけれども、あわせまして、二十七年度補正予算あるいは二十八年度予算で林野庁では予算措置もしまして、生産国における違法伐採に係る現地情報の収集等にも取り組んでいるところでございます。 いかにそういった情報を収集し、関係者に情報提供し共有していくか、あるいは、そういった情報がこの法律の運用に当たってどのようなものとして取り扱っていけるのか、一連のルールとしてきちっと皆様の納得がいけるようなルールとなるように、少し時間を掛けながら、在り方について検討していきたいと考えております。
○郡司彰君 省令を作る過程におきまして、実際に行う際の予算措置等もしっかりと検討をいただけるということで理解をしていきたいというふうに思います。 先ほど来からお話がありましたことについて私もお尋ねしたいと思いますが、国立競技場、どのぐらいの木材が使われる予定でございましょうか。それは国産で造るという認識でよろしゅうございましょうか。
○大臣政務官(佐藤英道君) 委員御指摘のように、昨年十二月に新国立競技場のデザイン案が決定されたことを踏まえまして、全国各地の地方公共団体や木材関係団体などから地元の木材をオリンピック・パラリンピック関連施設に活用してほしいとの動きが大変に活発になっているところであります。 こうした状況を踏まえまして、農林水産省としましては、整備主体である東京都などの関係機関に対して、我が国における森林認証の現状や木材防腐に関わる技術的な情報を提供するとともに、木材業界におきまして、発注者などから、地元からの要望も含めた木材、木材製品の情報提供を行うとともに、必要に応じて発注者側のニーズ等を木材関係者につなぐ一元的な窓口を設置していただいたところであります。 農林水産省として、引き続き木材利用の促進に取り組むとともに、木材関係団体とも連携して東京オリンピック・パラリンピック競技大会関連施設に木材が積極的に利用されるようにしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。 一方、新国立競技場については、採択された事業者の提案におきまして、約二千立方メートルの木材を使用すると聞いているところであります。
○郡司彰君 思ったより、意外と二千ぐらいで済んでしまうんだなという感じがするのと同時に、これは国立競技場だけでありますから、それ以外のところも含めて、これからの需要が出てくるんだろうというふうに思います。 二十二年に公共建築物の木材利用という法律ができました。そのときも一番悩んだのは、要するに国産材使うというのは言えないわけですよね、これ。そこがつらいところ。答弁も、先ほど来から大変つらい答弁をされているんだというふうに思いますけれども、地域材を使うとか、いろんな言いようはあるというふうに思いますし、結果としては、良いものを選んだら、あれっ、全部国産でしたねというような形のものをしっかりと国産で、食べ物もそうでありますけれども、なればいいというようなことなんだろうというふうに思っております。 それで、二十二年度の公共建築物の利用の関係について最後にお尋ねをしたいというふうに思いますけれども、自治体その他、国等の対応状況といいますか、実績としてどの程度上がっていらっしゃるんだろうか。そして、そのことについてCLTの活用ということもありましたけれども、建築基準の見直しということも大変大事でございます。それと併せて、これまでの期間は要するに設計図を描く人がいなかったんですよね。ずっとコンクリートのものしか造ってきませんでしたから、そういう高層に近いような木造の設計を描く人がいなかった。これからその人材が出てくるんだろうというような時期にもなるわけでありますので、私は、これからは意外と飛躍的に伸びる可能性があるんだろうというふうに思っておりますので、これまでの実績、それから建築基準の見直し等の現状についてお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(今井敏君) お答えいたします。 平成二十二年に公共建築物等木材利用促進法が施行されましたけれども、その後、各都道府県、市町村でこの法律に基づく木材利用方針の策定を促してまいりました。現時点におきまして、四十七の都道府県、これは全てでこの基本方針が策定されておりますけれども、市町村におきましては千七百四十一市町村のうち千五百十二ということで、八七%の水準にまだとどまっている現状でございます。 また、その木材公共建築物における木材利用の実態ですけれども、元々、公共建築物におきます木造率というのは現時点で一割未満ということで非常に低いんですけれども、ただ、この法律ができた後におきましても、低層の公共建築物の木造の割合もまだ二割程度にとどまっている、そういう段階でございます。 今後、これをもっと木造化を進めていかなければいけないと考えておりますけれども、これまで木造化が進んでいなかった理由といたしまして、一つは木造建築物の設計基準や設計単価などが整っていなかったという面、あるいは、国において実際に施設整備を行うことが多い地方の出先機関にまで法律の趣旨が必ずしも徹底されていなかった面もあるし、さらには国や地方自治体の職員に木造化のノウハウが十分ではなかった、そういうこと、さらには、先ほど先生から御指摘のありました設計者、施工業者、そういったところにまで法律の趣旨、内容等が徹底していなかった、いろいろな面があろうかと思います。 そうしたことにつきまして、国土交通省や関係省庁とも連携いたしまして、技術基準等の整備あるいは人材育成、そういったことも含めながら公共建築物の木材利用が一層促進されるように努めていきたいと考えております。
○郡司彰君 ありがとうございました。 茨城県の日立市に林木育種センターというのがありまして、エリートツリーの研究など大変一生懸命やっていらっしゃる研究の方々がいらっしゃいます。是非一度御覧になって、山の将来、相当変わるんではないかというような明るい希望も私も視察をして覚えましたので、そのことを最後に申し上げまして、質問を終わらさせていただきます。 今日はどうもありがとうございました。
○委員長(若林健太君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩をいたします。 午後零時十五分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(若林健太君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、熊谷大君が委員を辞任され、その補欠として井上義行君が選任されました。 ─────────────
○委員長(若林健太君) 休憩前に引き続き、森林法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。午後のトップバッターを務めさせていただきます。 本日のこの森林法等の改正でありますが、これも午前中の審議の中でも様々御指摘ありましたけれども、基本的には五つの法律、五本の法律を束ねて改正ということでありまして、森林法、分収法、それから森林組合法に木安法、あと森林総研法という、この五つ束ねて改正ということなわけであります。時間の関係でやはりこの一つ一つになかなか立ち入った議論ができませんので、まずは個々の法律に、ある意味一つ一つの枝葉に入る前に幹の部分、政府としての中長期的な森林あるいは林業施策についてまずはお伺いをしていきたいと思います。 現在、見直しが進められております森林・林業基本計画、先日、第四期の基本計画策定に向けて三月にちょうど基本案がまとめられたところというふうに認識をしておりますけれども、これまでの第三次までの基本計画と比べて一体どこが違うのか。特に注目を集めておりますのが、例えば木材供給量ですとかあるいは路網整備、こういったところの目標が見直しされていて、見直しというと若干聞こえはいいんですけれども、先送りというか、ちょっと妥協したのかなというふうに映るところもあるわけであります。これが一体どのような考えに基づくのか、併せてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(今井敏君) お答えいたします。 戦後造成されました人工林が利用期を迎えておりまして、この資源を循環利用することで森林の多面的機能の発揮を図りながら林業の成長産業化を早期に実現し、地方創生にも寄与することが重要であると考えております。 このため、先日、林政審議会から答申をいただきました次期森林・林業基本計画の案におきましては、今後、人口減少により住宅等の既存需要の増加が見込みにくい中で、需要面においてはCLTや非住宅分野における新たな木材需要を創出し、供給面におきましては主伐と再造林対策の強化等により国産材の安定供給体制を構築していく、この需要面、供給面の両面の取組を車の両輪といたしまして森林資源の循環利用を図ることとしております。 このような考え方に基づきまして、数値目標といたしまして、木材の供給量につきましては、現状の、これは国産材ですけれども、二千四百万立方から十年後の平成三十七年には四千万立方に増大させるという目標を掲げ、また望ましい林道等の延長三十三万キロメートルを目安に、林業に適した育成単層林を中心にめり張りを付けて路網整備を行うこととし、十年後を目途に二十四万キロメートルの林道を整備するというようなことにいたしているところでございます。
○平木大作君 今御答弁の中にもいただきました、今回の法改正もある意味この大きな流れの中で行われているというふうに認識をしているわけですが、特に、あえてこの五つの法律の改正の中で大くくりに目的をやっぱり抽出をしていくと大体三つに分かれるのかなというふうに思っております。 まず、その一つ目は、今御答弁の中にもまさにそのものがあったわけですが、国産材の安定供給体制の構築をしていくということ、そして二つ目が、森林資源の再造成の確保をしていく、さらに三つ目は、森林の公益的機能ですとか多面的な機能、これをしっかりと維持増進していくという、この三つの目的に沿って基本的には今回の法改正がなされてあるんだろうという認識をしております。 その中で、一つ目、二つ目、三つ目の目的に沿ってちょっと今日質問をしていきたいと思うんですが、最初の国産材の安定供給体制の構築に関連してまずお伺いしたいんですが、私、今回の中でやっぱり一番注目をしておりますのは森林組合法の改正の部分でございます。森林組合自らが森林をいわゆる保有して経営していくという森林経営事業、この要件がやはり大幅に緩和されたというのが一つのポイントであるというふうに思っておりまして、現行法においては、森林組合というのは委託とか信託を受けないで行う森林経営事業、森林の保続培養及び森林生産力の増進と、いわゆる公益目的のためにしかやっちゃいけないよという限定が掛かっているわけですね。 今回、法改正によりまして、組合員の利益の増進を図るといういわゆる経済目的での保有も可能になった、これは大きな実は転換なわけです。さらには、実施主体の中にこれまでの組合のみならず連合会が加わり、さらに、実施要件ですとかあるいは同意の取り付け方、これもハードルが大きく下がった、緩和されたというわけであります。 こういう大幅な緩和の中で、じゃ改めて、この森林組合、一体この法改正によってどのような役割が今後期待をされているのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 平木委員にお答えを申し上げます。 近年の木材価格の低迷、また森林所有者の世代交代等により森林所有者の経営意欲が低下する中で、地域の森林組合に対しては、地域の森林の施業を集約する役割をより一層果たしていくことが期待をされております。その期待に応えるためには、これまでの施業受託や森林経営信託の引受けという手法に加えて、組合が自ら森林を所有し経営できるようにすることが有効であると考えております。 このため、今般の法改正では、森林組合系統が積極的に森林経営を行えるように、森林組合が組合員の同意に基づいて組合員の利益の増進を図る目的で森林経営を行えるように道を開くということが一つございます。また、そのために、組合員の同意を取りやすくするということ等の改正も同時に行おうとしているものであります。 一方で、森林組合によっては経営基盤が脆弱な組合もあることから、森林経営事業を行うことが困難な場合もあると考えます。このため、あわせて、森林組合連合会も森林組合と同様の森林経営を行うことができるように措置することとしており、これにより森林組合系統による施業の集約化が円滑に推進されるように期待をし、そういう法の体系になっているところでございます。
○平木大作君 まさに、今の一つの、なかなか独立した経営体として思うに任せない組合もあるわけでありますけれども、そういったところもしっかりとこれは補い合いながら、また組合員の利益にしっかりと合致するような形で合意形成しながら円滑にやっぱり進めていくというところがポイントであると受け止めました。 もう一点、国産材の安定供給体制に関連してお伺いしたいんですが、やはり今回、林地台帳の整備ということが注目を集めております。林地に関する情報源としては、これまでも実は都道府県レベルで森林簿というものが整備されていたというふうに思っているわけですけれども、今回の改正においては、今度は都道府県レベルではなくて市町村のレベルで林地台帳を作っていくということであります。 これ、平成三十年までにということで一つ期限も定められているわけですが、今回、これまで森林簿はあったんですけれども、林地台帳を整備していくということの意義についてまずお伺いして、その上で、これ結構大変な作業になると思うんですね。林地台帳を作ろうと思ったときに、必要な情報の所在というのは大変いろんなところにばらけておりまして、例えば今申し上げた森林簿、これを持っているのは都道府県の林務担当、不動産登記簿を持っているのは国の登記所、土地の境界を決める地籍調査を行ってきたのは市町村の地籍担当、あるいは固定資産税台帳を管理しているのは市町村の中でも税務の方ということで、いろんなレベルで情報が分散しているわけであります。これ、しっかりと集約して情報を整理していこうと思うと、かなりな実は市町村に負担が生じるのかなということも懸念をしておりまして、政府としてどのような形でしっかりと支援していくのか、併せてお伺いしたいと思います。
○副大臣(齋藤健君) 木材価格の低迷や森林所有者の世代交代によりまして、森林所有者の所在が不明な森林や林地の境界が不明確な森林が増加をしておりますので、それが森林の伐採の支障となっているということでありますので、今委員御指摘のように林地台帳を市町村レベルで整備をしようということでありますが、御指摘のように、林地に関わる情報といたしましては、都道府県が作成している森林簿や、あるいは、約半数の市町村が作成しておりますが、森林GISがございます。ただ、これらは森林所有者や林地の境界に関する情報を一元的に整理をしているものにはなっていないものですから、今回の法改正で市町村がこれらの情報を一元的にまとめたものを林地台帳として整備をしようということにさせていただいているところでございます。 これによって組合や林業事業体等が取り組む所有者や境界の特定が進みまして施業の集約化が行いやすくなると考えているところでありますが、委員御指摘のように、市町村の負担、これが大きいのではないかということもございますので、その負担の軽減のためにまず国が統一的な作業手順やマニュアル等を示すということにしたいと思っておりますし、またマンパワーに関しましても、国有林や都道府県の職員のOB等の活用も検討していきたいと思っております。また、予算につきましては、市町村の森林GIS等の整備等に対し引き続き支援をさせていただきたいと思っておりますし、また平成二十八年度の地方財政計画におきまして、新たに林地台帳の整備を含む森林・林業対策として五百億円が措置されているところでありまして、こうした措置を通じて市町村に対する過度の負担とならないように配慮をしていきたいと思っております。 なお、この事務は市町村にとってみれば初めてということもございますので、林地台帳の整備、公表等について検討、協議を行うために、国と地方自治体による林地台帳の整備等今後の森林整備の推進に向けた協議の場、これを設置したところでございますので、このような場も活用しながらきめ細かく対応していきたいと考えております。
○平木大作君 今御答弁の中でも、マンパワーも含めてしっかり支援するんだという御答弁、力強くいただきました。 やはりこれ、期限をしっかり切っているというのはそれなりの意味があるんだなと私も思っていて、やはり林地入ったときに、その境界のことだとか具体的に現地のことが分かる方がだんだん少なくなってきているという中で、しっかりこれは平成三十年までにまず作っていただくということが、これやり遂げなければいけないんだと思うんですね。そしてその上で、これ三十年で終わりの話ではなくて、一元的に情報を集約した後に今度はあれはこうなんじゃないかと、いわゆる調整のプロセスに入っていくわけでありまして、その先も踏まえて是非ともしっかりと、例えば農水省、林野庁だけではなくて総務省ですとか、様々なところを連携し合いながらやっていただくことになると思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。 次に、二つ目の目的ですね、森林資源の再造成の確保に関連して幾つかお伺いをしたいと思います。 午前の中でも取り上げられておりましたけれども、この森林認証制度、私もこれ、日本の現状にしっかり合った形でどう普及させていくのかというのは本当に大きな課題だなというふうに思っております。 この森林認証制度、そもそもは独立した第三者機関が例えば環境面だとか経済社会いろんな面から評価して、これはしっかりと適切な森林経営が行われていますねということを認証して、そこから産出されたいわゆる木材等にラベルをして流通の中に乗っけることによって持続可能な森林経営というものを維持発展させていこうと、こういう制度だというふうに思っているわけですが、国際的な森林認証もいろいろある中で、日本も今、日本独自のものをしっかりとつくろうとして頑張っているわけでありまして、二〇〇三年に発足をした、この森林認証制度として、緑の循環認証会議、SGECですか、こういったものが今いろいろ取組を広げているわけです。 ただ、残念なことに、例えば国際的に見ても有名な認証機関ってあるんですけれども、進んでいると言われている欧州で見ても大体一割ぐらいしか普及していない。日本でもおよそ五%から七%ぐらいであろうということでありまして、これはまだ制度として道半ばのものなんだろうというふうに思っているわけです。 そこで、じゃ、どうやって普及していくのかということを考えたときに、やっぱりこれ認証を取るところにメリットが感じられて初めて基本的には進むものであるというふうに思っております。 そもそも、認証を取得した木材価格というのは、そうでないものと比べて一体どのくらい高く売ることができるのか、あるいは認証のコストってどのくらい掛かるのか。これについてお伺いするとともに、最終的には需要家である企業の皆さんですとか消費者の皆さんがやっぱり認証制度自体を知っていただかないと、ああ、あのグリーンの認証付いているものを買おうとか使おうということにやっぱりならないわけでありまして、ここについて、私、政府としてもどんどん、これ民間で基本的にやっているものでありますけれども、普及のために尽力していただきたいと思うんですが、この点についてお考えをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(今井敏君) お答えいたします。 森林認証制度は、第三者機関が森林経営の持続性ですとか環境保全への配慮等に関する一定の基準に基づいて森林を認証するとともに、認証された森林から産出される木材等を認証材として分別し、表示管理することによりまして、消費者の選択的な購入を促し、持続可能な森林経営を促進する、そういった制度でございます。 このように本制度は森林経営の持続性ですとか環境保全への配慮等の点を認証するものでありまして、直接的に木材の品質等の認証を行うものではありませんので、実際の木材流通において、ごく一部を除けば、認証材だからといって木材価格が一般材と比べて高いといった状況はほとんど見られないといったのが現状ではないかと認識しております。 一方で、森林認証に要する経費、費用についてですけれども、これは認証を審査する機関や森林の所在、面積などの条件によって異なりますけれども、認証機関からの聞き取りによりますと、審査の条件の良い場合、一定のまとまりを持った、一定の面積があるだとかそういうようなことで、約一千ヘクタール規模の森林の認証取得の場合、FSCで二百万円程度、我が国独自のSGECで百万円程度の審査費用が掛かるとともに、認証取得後もFSCで年次監査費用として年間百万円程度、SGECで三十五万円程度、また五年ごとの更新になっておりますので、五年ごとの更新審査において、FSCで百五十万円程度、SGECで七十万円程度の費用が掛かるというふうに承知しております。 今後、我が国における普及についてでありますけれども、我が国におきましても普及を図るため、予算措置もしておりますけれども、そうした予算も使いながら、まずは関係者にこの認証についての制度の趣旨ですとかを周知するとともに、将来的には我が国の木材をこれから外国に輸出していく、そういうようなことも考えた場合に、認証を取得している方が国際的な流通の観点から役に立つといったことも普及の中に入れ込んで、認証材の普及に努めていきたいというふうに考えております。
○平木大作君 今長官から御答弁いただいたとおり、これやっぱり、基本的には認証を得ていても木材価格はほとんど影響ないというのが今のところ世間一般の認識のようでありまして、またコストも結構掛かると。ただ、じゃ、どこも取らないのかというとそんなことはなくて、例えば大手のコンビニチェーンがいわゆる木造の店舗を最近造るという動きがあるらしいんですけれども、そのときに積極的に認証を採用されていたり、あるいは大手のコーヒーチェーンがカップだとか紙袋にこの認証のマーク付けて一生懸命アピールしてくださっていたり、意識の高いところはもう取り組み始めているんですね。 コストになっても、やっぱりこれの方が持続的な林業に資するんだというところで賛同をいただいた企業、実際にやっていただいているわけでありまして、これ本当に、いわゆる普及を風頼みだったり、あるいは自助努力頼みにせずに、政府としても特に認証の基準を見ていくと、伐採後の植林を計画的にちゃんとやっているかどうかですとか、いわゆる政府としてのまさに森林政策としっかり合致するところたくさんあると思っていますので、これ支えていっていただきたいということをお願いしたいと思います。 もう一問関連してお伺いしたいんですけれども、今回の森林法の改正によりまして、森林所有者、従前の事前の届出に加えて、今後、伐採後の造林状況の報告ということが義務付けられるわけであります。新たにこの報告、何で加わったのかなというところを見ていくと、幾つかやっぱり問題というのが指摘されておりまして、一つは、人工林が伐採された後に再造林が行われない、いわゆる再造林放棄地の問題があるんだということを指摘される有識者の皆様がいらっしゃいます。 あるいは、林野庁の調査においても、この人工林伐採跡地のうち、三年経過しても更新が完了しない造林未済地、これが平成二十三年度で一万四千ヘクタールと、結構な大きな規模になってきているというわけであります。結局、これまで届出の制度あったわけでありますけれども、届出をしながらも、再造林がもし十分になされていないとしたら、これ一体どういう理由でなされてこなかったのか。 また、今般の改正によりまして、結局この報告を今度受けた市町村というのは必要に応じて遵守命令というのを出すことになるわけでありますけれども、この市町村、ちゃんと再造林やっているかどうか、実地で確認を求められるんでしょうか。この点について御答弁をお願いいたします。
○政府参考人(今井敏君) お答えいたします。 森林資源の循環利用の推進と森林の有する公益的機能の継続的な発揮を確保していくためには、森林を伐採した後に適切に更新が行われるようにしていく必要があります。 このため、現行法におきましても、伐採及び伐採後の造林に係る事前の届出制度を設けておりますけれども、今回はそれに加えまして、伐採後の造林の状況報告を求める、そういうことにしております。これは、今後、主伐が増加することが見込まれることも踏まえまして、市町村が地域の森林の状況を把握しやすくすることにより、森林所有者等への指導監督を通じて再造林の確保がより一層図られるようにするという趣旨のものであります。 今回の事後の報告に当たりましては、造林後の森林の状況の写真を送付すればよいとするなど、簡易な方法での報告とする方針でおりますけれども、市町村は報告内容を確認の上、適切な造林がなされていないおそれがある森林については実地での確認をすること、そういうことになるのではないかと考えております。
○平木大作君 最後、三つ目の論点に移りたいんですが、森林の公益的機能あるいは多面的機能の維持増進ということでありますが、今回、違法な林地開発を行った者に対する罰則というのが、現行は百五十万円以下の罰金となっているわけですけれども、これが新たに三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金ということに強化されるわけであります。罰金だけで見ると倍になったということなんですが、罰則強化の背景と、そもそも倍、あるいは懲役刑が加わったというのはとても重いわけでありますけれども、強化することによってどのような効果が見込まれるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(今井敏君) お答えいたします。 近年の違法な林地開発の状況を見ますと、土石の採掘や太陽光発電に係るものを中心といたしまして、平成二十四年度の百十二件から平成二十六年度には百六十五件と急増しております。これは、現行制度における罰金額の上限百五十万円ですけれども、これが違法な林地開発によって得られる利益の額に比べて著しく小さいので、罰則が抑止力として十分機能していない、そういうことも一因ではないかというふうに考えております。 このため、今般の改正におきましては、三年以下の懲役刑を新たに設けますとともに、罰金額の上限を百五十万円から三百万円に引き上げる、それによって違法開発に対する抑止力と指導監督の実効性を高めようと考えたところであります。 特に今回は懲役刑を新たに設けておりますけれども、今までの違法開発の事例を見てみますと、罰金を払う前提で違法な林地開発をするというような方も見られたわけでございます。今回は罰金だけではなくて懲役刑も設けることにしておりますので、これまでのような罰金を支払うような前提で違法な林地開発をしようとするような人にとっては、懲役刑が設けられることにより違法な林地開発を回避する動きにつながる効果があるのではないかと、そのようなことも考えております。
○平木大作君 是非これ、今御答弁いただきましたが、改正によってしっかりとこの違反が歯止めが掛かるのか、注視していただきたいというふうに思っております。 今、違法な林地開発というところで質問させていただいたんですが、関連して一問、林地開発許可の基準について今日はちょっと問題提起も含めてお伺いをしたいと思っております。 この林地開発の許可、現在、どういうふうになっているかというと、基本的には基準として四つありまして、災害の防止、それから水の確保、水害の防止、環境の保全と、この四つを基本的に満たせば、クリアしていれば都道府県知事が必ず許可するという、基本的にこういう制度設計になっているんですね。法文上も、次のいずれにも該当しない場合には許可しなければならないと書いてありまして、そういった意味でいくと、最近、例えば昨年やった農地法の改正、あれは農地のある意味転換は基本的に都道府県の方に権限自体が下りているわけでありますけれども、ちょっとやっぱり毛色が違う。基準を満たしているかどうかということを都道府県のレベルで判断していただくわけでありますが、基本的には法律の立て付け上は満たしていれば許可しなきゃいけないとなっているわけであります。ちょっと、だから立て付けが違う。 このまさに四つの基準に照らしてこれまでも現場でいろいろ開発許可というのはなされてきたわけでありますが、最近、林地の開発許可をめぐって、開発事業者と地元住民の皆さんとの間で大分意見の対立というものが見られております。実はその多くが、先ほども少し違法な林地開発のところでも事例として挙げられておりましたけれども、大規模太陽光発電、いわゆるメガソーラーに関連したものなんですね。 一般的には、太陽光発電設備というのは環境負荷が極めて少ない開発だというふうにされております。ただ、大規模、いわゆるメガソーラーと言われるようなものになると、これ話は全く別でありまして、そもそも広大な土地、林地を払ってしまってソーラーパネルに置き換えることの環境への負荷、あるいはもっと言うと景観みたいなものですね、こういったものに対する影響というのはやっぱりまだまだ計り知れないものがありまして、地元の方たちも大分懸念をされていると、そういう声がいろんなところで上がっているわけであります。 ちょっとイメージ持っていただくために具体例を挙げますと、長野県の諏訪市で現在検討が進められております諏訪四賀ソーラー事業というのがあります。これ、どのくらいのものかというと、ちょうど諏訪湖の近く、近隣には避暑地としても大変有名な霧ケ峰の高原が広がっているような大変風光明媚な場所でありますけれども、ここで現在計画されているもので、面積にして百八十八万平方メートル、大体東京ドーム四十個分ですね。この四十個分の森林を一気に切り開いて三十一万枚のソーラーパネルを敷き詰めるというようなものが例えば今現在検討が進んでいるわけであります。 何が、じゃ、もめるのかというと、私、一つ大きな問題点は、先ほどお示ししました四つの基準、災害の防止、水害の防止、水の確保、環境の保全、そもそもこういう制度の立て付けができたのが昭和四十九年、ちょうど実は生まれた年が私と一緒でありまして、もう四十年以上前の話なんですね。当時、メガソーラーみたいなものをそもそも開発の案件として想定していない枠組みから始まったものでありまして、その後、当然、細かいところは政省令で調整していただいているんだとは思うんですが、じゃ、実際にメガソーラーはどうしますかというものが実は当てはまるものがありません。 例えば、別荘地を造るとかいうことであれば林地として残さなきゃいけないのが六割以上だとか、あるいは工場とか事務所だったら二五%以上とかって細かく数字でも示されているんですけれども、じゃ、メガソーラーはどうなんだ、工場ですかと言われると、やっぱりそうではないわけでありまして、ある意味これ基準がないまま、実は現場としてもどう判断したらいいかなというところで迷っているわけであります。 先ほど申し上げたように、景観の悪化みたいなもの、何枚かのパネルが並ぶという話ではなくて、さっき申し上げたように三十一万枚どっと敷き詰めるという話でありますので、そもそも観光ですとかあるいは避暑地として町をつくってきたところにとってはやっぱりこれは大きな変化になってしまうわけですね。 そこで、今日お伺いしたいのは、そもそもこの基準、一旦大きくこれ見直した方がいいんじゃないかと。今の、例えば立ち上がってきているようなメガソーラーのようなものもしっかりと含めて基準を改めて見直す、詳細化する。あるいは、都道府県知事が判断するといっても、基本的には、この四つに合致していますかということを判断したら、合致しているということがある意味確認が取れたら、これはもうやらなきゃいけないということになってしまうわけでありますので、ここ、例えば都道府県ですとか地元の市町村により裁量をしっかり与えていく、こういう形で見直すやり方というのが一つ私はあるんじゃないかと思うんですが、この件について御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(今井敏君) 林地開発許可制度のお尋ねでございます。 この制度は、森林の開発が森林の有する公益的機能を阻害しないように適正に行われることを目的としまして、地域森林計画の対象民有林において一定面積以上の開発を行う場合には都道府県知事の許可を受けなければならないというふうにされております。 ただ、その際の森林法の立て付けは、先生御指摘のとおり、土砂の流出、崩壊、またその他災害の防止という基準、もう一つは水害の防止、水の確保、環境の保全、この四つの基準を全て満たす場合には都道府県知事は許可をしなければならないということで、知事の裁量を非常に縛るような、そういう立て付けになっております。 ただ、一方で、農林水産省では、知事さんがその四つの基準を満たしているか否かを判断するに当たっての技術的な助言といたしまして、事務次官依命通達等の中で、例えば環境の保全につきましては、ゴルフ場の場合には残置森林の割合を五〇%、事業場の場合には二五%など、開発の種類に応じて残す森林の割合を定めたり、あるいは景観の維持に著しい支障を及ぼすことがないように留意すべき旨など、それぞれの四つの基準ごとの判断基準を示しているところであります。 さらに、これは法律上の規定ですけれども、都道府県知事がこの林地開発の許可をする場合には関係市町村の意見を聴かなければならないということに法律上もなっておりまして、地域住民の意向を十分に反映して適正な判断を行うことを法律が求めております。 ただ、先生から御指摘ありましたように、近時、大規模な太陽光発電施設の林地開発許可をめぐりまして、幾つかの地域で事案の処理が困難化している事例もあると承知しております。 林野庁といたしましては、そういった個々の事例、さらには全国的な状況も更に注視しながら、必要に応じて都道府県とも意見交換なんかもしながら、今後どのような対応を取るのがいいのか、検討に努めてまいりたいと考えております。
○平木大作君 これ、結局なかなか国の基準が今十分でないということで、例えば先ほども申し上げたような例の中でも、メガソーラーの件でも、例えば長野県は、国の基準としてちょっとないので、だったら、メガソーラー判断するための例えば環境アセスメントの条例作って県独自としてやっていこうみたいなこともいろいろやっていかれている。 ただ、やっぱりこれ、国の基準自体がある意味各地域のものから大分遅れてしまっているというのが現状であるというふうに思っておりますので、しっかり意見交換進めていただきたいと思います。 そして、私も、これ当然、開発許可が出るのは基本的には民有林、民有地でありますから、財産権を侵害しないようにしっかり慎重に調整しなければいけないという趣旨はよく分かります。 その上で、先ほど申し上げましたけれども、一方で、先ほどの申し上げたようないわゆる保養地ですとか観光地ですとか、そもそも森林の風景の中に町があるということを最大の財産としているところにある日突然巨大なメガソーラーが建ってしまうというのは、これ当然、周辺地域の財産権に対する影響というのも大変大きいわけでありまして、是非とも国として、基準の見直しあるいは都道府県とのコミュニケーションをより深めていただくということを切にお願いをしたいというふうに思っております。 最後、一問残しておりましたけれども、ちょっと時間がもう最後の一問足りないかなというふうに思っておりますので、本日は以上にて質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 今回の法改正は、森林・林業基本計画を踏まえて、国産材の安定供給体制の構築、森林資源の再造成の確保、森林の公益的機能の維持増進を一体的に図るためとして、関係する五つの法律を一括して改正するものとなっています。 私は、森林・林業に関係する現場の方々に聞き取りをしてみたんですけれども、全くと言っていいほどこの改正の中身というのは知られていないと、知らないということだったんです。概要を示して、知れば知るほど懸念の声が上がると。慎重な議論がされるべきだという声が返ってきました。 そこで、まず、森林組合法の一部改正に関わって質問します。 第三章のところに、生産森林組合を株式会社、合同会社、認可地縁団体へ組織変更できる規定というのがあります。非営利の団体から性格が変わることにならないかという声が、懸念が出されました。 そもそも、生産森林組合の設立の動機というのは一体何だったでしょうか、お聞きします。
○政府参考人(今井敏君) お答えいたします。 生産森林組合は、森林経営の協業化を望む組合員が自らの資本と労働と経営能力を提供することによって、法人形態で効率的な森林経営を行うための協同組織であります。 生産森林組合の設立動機につきましては、林野庁が行った調査によりますと、集落有林の共同経営が五八%で大半を占め、次いで共有林の共同経営が一四%となっております。
○紙智子君 つまり、森林組合の事業の継続と従事者の就労の安定に資することを目的にしながら、集落の言わば共同の財産を管理しているということだと思うんですね。 それで、生産森林組合を株式会社に移行することができるということなんですけれども、そもそも株式会社化というのを誰が望んでいるのか、実際に望んでいる生産森林組合の実例はあるんでしょうか。
○政府参考人(今井敏君) お答えいたします。 生産森林組合は、森林経営の協業化を望む組合員が自らの森林、労働力、経営能力を提供することによって法人形態で森林経営を行うための協同組織ですけれども、その制度の趣旨から、組合員自らが組合の事業に従事することが法律上求められているわけですけれども、それに対して、高齢化等により組合員自ら組合の事業に従事することが困難となっている場合もあります。また、生産森林組合の事業の内容につきましては法律でいろいろ縛られているところがありますけれども、例えば経営を多角化したいという意向を持つ場合でも森林組合法で規定されている事業以外の事業は行えないというような、近年においてはそういったことで不都合な面も生じてきている実態にございます。 このため、今回の法改正におきましては、組合の活動状況や経営の意向の方向等も踏まえまして、保有する森林の管理を継続しながら生産森林組合から他の適切な法人形態へ移行できる措置を講じようと考えております。 これまでの生産森林組合の事例におきましても、一旦生産森林組合を解散した後に合同会社を設立して外部の労働力を活用している例もございます。また、現在の生産森林組合の中にも、レストランや民宿経営などの経営にこれから取り組みたいと意向を有するものも数組合あることが林野庁としても確認をしております。こうした組合におきましては、多角的に事業を行いやすい形態として株式会社に移行するニーズが一定程度見込めるものと考えております。 ただ、実際に生産森林組合から株式会社に移行した事例というのは現時点では承知しておりませんが、今回の法改正による法人形態への移行手続の簡素化の効果により株式会社になることを選択する組合も出てくるのではないかと考えているところでございます。
○紙智子君 事業を多角化するということも言われたんですけど、既に六次産業化を進めることは可能なわけですよね。それから、林業者と建設業者が連携して路網の整備ですとか間伐などの森林整備を実施する林建共働ということも進んでいるところもあるわけです。ですから、強い要望がないのにあえて株式会社にしなくてもいいのではないかなというふうに思うわけなんですね。 協同組合から株式会社になるということは、会社法に基づく組織になるわけです。選択肢なんだという言い方もあるわけですけれども、そもそも協同組合に対する林野庁の支援が不十分だから選択肢を与えるということになるんじゃないでしょうか。いかがですか。
○国務大臣(森山裕君) 紙委員にお答えいたします。 生産森林組合は、自らの森林や労働力などを提供して効率的な林業経営を行うための協同組合組織であります。その中には、積極的に森林経営事業を行うほか、事業の多角化などの事業展開を図ろうと考えている組合も想定をされるところであります。このような組合の中には、株式会社など新たな組織形態になることを望むことも十分考えられているところでもあります。 今回措置いたします組織変更の規定は、一律に生産森林組合から他の組織形態に変更するということではなくて、あくまでも生産森林組合が新たな法人形態への移行を望む場合に手続が簡素化されるというものであります。生産森林組合の組合員の意向に基づいて、組織運営の自由度など、経営にプラスに作用することを期待をしているところであります。
○紙智子君 木材の価格の低迷で経営が逼迫している組織、組合も多いわけです。 二〇一三年の森林組合統計では、生産森林組合三千七十九のうち二千九十二組合が平均で六十四万円の赤字となっているわけですね。株式会社になったとして、この赤字が解消できるのかどうかと、それからまた、経営が破綻した場合には誰が責任を持つんでしょうか。
○政府参考人(今井敏君) お答え申し上げます。 法人の経営形態を変えただけでその経営内容が赤字から黒字に転換するというようなことにはならないと思いますけれども、先ほども申し上げましたように、生産森林組合の中には、事業の意向として、今、森林組合法の規定に基づいていろいろ制約があるメニューの中から事業を選ぶのではなくて、もう少し自由な経営展開をやることによって経営を改善していきたいというふうに考えている生産森林組合もありますので、そういった生産森林組合にとっては選択肢が広がって経営の改善に資する、そういうことに役立つのではないかと考えております。
○紙智子君 うまくいっているところもあるからそういうことなんだと思うんだけど、そうじゃないところもたくさんあるわけですよね。それで、もし破綻したときに誰が責任を取るのかといったら、これは結局自己責任の世界になるんだと思うんですよ。 組織変更をめぐって例えば異論がある人が出た場合は、法案の中に書いてありましたけれども、払戻金というのがあると。それで、言わばこれ手切れ金にもしなるとすれば、そもそも非営利の協同組合なのに、協同組合の放棄になるんじゃないかというふうにも思うんですけど、いかがでしょう。
○政府参考人(今井敏君) その点につきましては、生産森林組合が、まさに設立の趣旨が、冒頭先生から指摘を受けましたけれども、これはみんなで、一人一人の経営の規模は小さいけれども、森林経営を協業化しようと思ってみんなでつくった組織ですので、今後の経営の在り方等につきましても、なるべく合意ずくでどういう道を行くのかというのが選択できるように、監督官庁としてもそういった線に沿って指導の徹底に努めてまいりたいと考えております。
○紙智子君 選択肢というのは常に規制緩和を進める手法でもあるわけです。この手法を協同組合に当てはめていいのかどうかというのは、関係者の意見をよく酌み尽くす必要があるんじゃないかというふうに思います。 それから、次に木材安定供給特措法についてお聞きします。 都道府県域を超える取引を木材安定供給確保事業計画の認定対象に追加をし、計画の策定主体に木質バイオマス利用事業者を加えることによって、大型製材工場や木質バイオマス利用事業者等が広域から木材を集荷しやすくし、木材の安定供給体制の構築を促進することとしています。 バイオマス事業者の側からはこれはやりやすくなるというふうに思うんですけれども、大手のバイオマス発電事業者が燃やす原料として、本来は木材として利用できるものまで燃やす方に回ってしまわないかという懸念の声もあるんですね。この点にどう答えますか。
○政府参考人(今井敏君) お答えいたします。 今回の木材安定供給特別措置法の改正は、近年、国内の各地で大量の木材を消費する大規模製材工場等の整備が進んでいる中で、地域によっては同一県内だけでなく県外からの木材を調達して安定供給することが求められている、そういうような状況になっている中で、同一県内の木材流通に対して特例措置を講じている現行の支援措置に加えまして、県外からの木材流通が増加している状況を踏まえ、新たに複数の都道府県にまたがる計画についての認定制度を創設し、それに応じた支援措置の拡充を行うことにより、木材の広域流通、安定供給を進めようというのが趣旨でございます。 この特例措置に木質バイオマス発電用の燃料確保が除外されるわけではありませんけれども、午前中の審議の際にも御答弁させていただきましたけれども、木材の利用に当たりましては、製材、合板、集成材など、まず製品の原材料として利用され、最終的にエネルギー源として利用される多段階化利用、いわゆるカスケード利用とも呼ばれておりますけれども、そうした利用が森林資源を最大限に有効利用する基本であり、また木質バイオマスの原料はコスト的、値段的にも低いのが実態でありますので、輸送コストを抑える点でも製材工場等から可能な限り近い地域で確保することが望ましいと考えております。 そのような考え方に基づき制度の運用を行うことによりまして、今先生から御懸念がありました、木材として十分に利用ができる丸太がまとまってバイオマス燃料として使われるような、そういう懸念が生じることのないように努めていきたいと考えております。
○紙智子君 それで、木質バイオマス発電の現状についてもお聞きしたいんですけれども、現在認定しているバイオマス発電の数、それに木材がどれだけ必要になるのかということについてお答えください。
○政府参考人(今井敏君) 木質バイオマス発電施設の整備の状況についてのお尋ねですけれども、まず、設備認定がなされているもの、特に未利用木材を使った木質バイオマス発電として設備認定しているものが五十八件ございまして、うち稼働しているものが二十五件でございます。 それで、どのくらいのチップを使うのかというお尋ねですけれども、これなかなか、一つ一つの規模も違いますし、必ずしも未利用木材だけを燃料にしているということでもないので、算出の仕方が難しいんですけれども、例えば全てが出力五千キロワット級のものだということで仮定しまして考えますと、大体一つのバイオマス発電所に年間六万トン、一定の含水率で計算しますと約十万立方の材が必要になろうかと思います。それを五十八の、まだ設備認定をしているということで全てが稼働しているわけではありませんけれども、五十八の発電施設で全て五千キロワット級に必要となると仮定しますと、全体で約六百万立方の材が必要になるというような試算ができるかと思います。
○紙智子君 何度かこれ聞いていて、なかなか分かりづらくて、林野庁としてはそういうことなんですけれども、現在の国内生産量がどれぐらいで、そのうち未利用木材というのはどのぐらいかというのは、ちょっと端的に数字だけお答え願えますか。
○政府参考人(今井敏君) 平成二十六年におきます国産材の供給量は約二千四百万立方でございます。このほかに、林内に未利用のものとして残置されているようなものが年間約二千万立方あると推計されております。
○紙智子君 それで、木質バイオマス発電、発電に必要な木材というのは四千万立方に上ると。現在の日本の生産量の二千四百万立方、先ほど言われましたけれども、と比べても二倍近くになっていると。そうすると、従来製紙用に使われていたものの一部がバイオマス発電の燃料に転用されるなどの問題も生じているという指摘があるんです。 大臣にお聞きしますけれども、林野庁は発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドラインというのを出していますよね。間伐材等で未利用のものが大量に発生している一方で、既に相当部分が製材や合板や木質ボード、製紙用に供されていることから、既存利用に影響を及ぼさないように適切に配慮していく必要があるというふうに出しているんですけれども、こうしたガイドラインを出したのはなぜですか。
○政府参考人(今井敏君) お答えいたします。 固定価格買取り制度、平成二十四年にスタートしておりますけれども、そのスタートに当たりまして、木質バイオマスにつきましては、同じ木材であっても未利用間伐材や製材の端材など、木材の由来によって電気の買取り価格が異なる、さらに、木質資源につきましては、バイオマス利用だけではなくて、製材、合板を始めとする既存の用途と競合するという面もあります。 そのような特性を踏まえた上で、林野庁といたしましては、木材の供給者側に向けまして、発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドラインを策定し、一つは、木材の由来証明や分別管理の方法を定めるとともに、製材、合板、木質ボード、製紙用等の既存利用に影響を及ぼさないように適切に配慮することということを定めたところでございます。
○紙智子君 要するに、既存の利用に影響を及ぼさないようにするんですよということを促すために出したんだと思うんですよね。しかし、ガイドラインというのは、やっぱりあくまでもラインを示してここを守ってくださいというふうに自覚を促す程度のものなので、歯止めにはならないんじゃないでしょうか。 それで、現場では、例えば大手のバイオマス事業者が山を丸ごと買いたいと言ってきている、大手の業者に囲い込まれて木を切られてしまわないのかという心配の声もそういう中で出ているわけですよ。やっぱり健全な山をつくるのが森林基本法の精神だと。健全な山をつくるんじゃなくて、木を切ることが先行してしまって逆に山を荒らすことになるんじゃないかと。この未利用材に限定した法律上の担保が必要だということを強く要求をしたいと思います。 それから次に、国立研究開発法人森林総合研究所法についてお聞きします。 水源地域や渓流域、急傾斜地などの地理的に条件が悪くて採算性が低い森林は、森林所有者等による手入れが進みにくく、公益的な機能の低下が懸念されているため、こうした資源を涵養するための森林の造成には公的な関与が必要です。 今回、水源を涵養するための森林造成を附則から本則に位置付けるというふうに言いますけれども、こうした公共事業をなぜ独立行政法人がやらなければいけないんでしょうか。
○政府参考人(今井敏君) お答えいたします。 今御指摘のありました水源林造成事業ですけれども、これは、昭和三十一年から始まっておりまして、昭和三十一年から平成十一年までは森林開発公団が、平成十一年から平成十五年までは緑資源公団が、平成十五年から平成二十年までは緑資源機構が、そして平成二十年以降は森林総合研究所が実施を担ってきたところでございます。これは、水源林造成事業が民有林を対象とするものでありまして、行政機関である国が一切の森林経営を行うのは不経済であるというふうに考えられますのと、もう一つは、造林地の所有者等と共同で能率よく事業実行上の問題を解決しながら経営をしていく必要があるというような理由から、国ではなく、これらの公的な法人が実施主体となってきたところでございます。
○紙智子君 本来、水源林の涵養などの公共事業は、やっぱり国の責任を果たす、国の責任においてやるべきじゃないかと。ある県の担当者が今回見て、緑資源機構の事業を法的に明確にしただけだと思うという感想を言っているんですけれども、廃止した機構の看板を付け替えて復活するようなものになってもまずいんじゃないかと。独法の研究機関に公共事業もやらせるし、森林保険も独法ということになっているんですけれども、やらせているのでは林野庁そのもののやっぱり存在否定になるんじゃないのかというふうにも思うわけです。 一括法についていろいろ出ている問題に即して聞いてきたわけですけれども、改正案で山の整備が促進をされて森林経営が安定するのかどうか、国産材の需要拡大が前進するのかどうか、森林の多面的な機能や吸収源対策に役立つのかどうかという点では、今言ったような疑念というのはなかなか解消されないというように思います。 次になんですけれども、林業の持続的かつ健全な発展並びに林産物の供給及び利用を図る上で、TPPなど自由化の問題というのは避けて通ることはできません。 そこで、林業の動向なんですけれども、日本の林業産出額は一九八〇年の約一兆二千億円がピークになっていて、このうち、木材生産の産出額は、一九八〇年の約一兆円から近年は約二千億円まで減少しています。価格なんですけれども、杉の素材価格、これは一九八〇年は一立方メートル当たり三万九千六百円だったのが二〇一三年には一万一千五百円に下がっています。杉の山元立木価格というのは、一九八〇年のときには二万二千七百七円だったのが二〇一三年には二千四百六十五円と激減しているわけです。 この素材価格とか山元の立木価格がなぜ減少したのかということについてお答え願います。
○政府参考人(今井敏君) お答えいたします。 我が国におけます杉、ヒノキの山元立木価格と素材価格についてですけれども、高度経済成長期以降上昇傾向で推移してきたものの、昭和五十五年をピークに長期的に下落傾向で推移しております。 こうした価格の動向につきましては、高度経済成長期の時点におきましては、国内の森林資源の多くは保育段階にあり、我が国で施工される木造軸組み住宅の柱や、はりに用いられる役物の需要に十分応えられる状況になかったこと、あるいは、昭和五十年代後半から、ツーバイフォー工法の普及など住宅建築様式の変化によりまして役物の需要が減少し、より安価な木材の需要が増加したこと、さらには、プラザ合意を契機とした円高の進展等によりまして、我が国の消費者、実需者が輸入製品を利用することが多くなったこと、こういったことが価格の長期下落の背景にあるものと認識しております。
○紙智子君 林業産出額全体で見ると、栽培キノコというのは増えているんですよね。 それで、林業経営の状況なんですけれども、杉人工林において、五十年生までの造林及び保育に掛かる経費というのは、二〇〇八年、平成二十年度でいいますと、一ヘクタール当たり約二百三十一万円だと、経費は二百三十一万円と。一方、五十年生で主伐を行った場合の木材の販売収入は、二〇一二年の丸太価格に基づいて試算しますと、一ヘクタール当たりで約百三十一万円です、これ白書に書いてありますけれども。つまり、木材を育てる育林経費は二百三十一万円掛かるのに百三十一万円でしか売れない、だから林家の大半が林業以外で生計立てなきゃいけないという状況になっているんだと思うんです。 そこで、TPPについてなんですけれども、昨年TPPの大筋合意を受けて、和歌山県に実は林業調査に行ってきました。ある森林組合は、今の木材価格は再び苗を植えて再生産することはできないんだと。和歌山県の統計によりますと、杉の山元立木の価格は十年間で半分以下、一九七五年の十分の一に落ち込んでいる、全国平均を下回る水準だというふうに言われました。林業で生活が成り立たないのは、一九六〇年代に木材を全面的に輸入自由化して外材に依存するようになったからだと、日本の木材輸入量は依然として木材総需要量の七割以上を占めていて、その九割は製品になっているというふうに言われました。 木材を自由化して外材に依存したということが林業経営を困難にしたんではないですか。いかがですか。
○国務大臣(森山裕君) お答え申し上げます。 戦後の経済復興に伴い木材需要が急増する中で、木材の輸入自由化と関税引下げが段階的に進められてきた結果、現在の木材の関税率は、製材で〇%から六%、合板で六%から一〇%となったところであります。 国内森林資源は、輸入自由化を行った高度経済成長期においてはその多くはまだ利用期に達しておらず、外材により国内の木材需要を満たしてきたところであります。その後、我が国の森林経営は概して厳しい状況に置かれてきていると認識をしております。 その背景としては、安い外材製品による大壁法やツーバイフォー工法の住宅の普及等により安価な並材の需要が増加し、国産木材の価格が低下したことが指摘される一方で、経済成長に伴いまして人件費や資材費等の経営コストが上昇して林業の採算性が悪化したこと、経済構造等の変化により山林における過疎化や高齢化が進行し、林業の担い手が減少したといった諸情勢の変化があったものと考えております。
○紙智子君 今指摘した点、そしてお答えになった点というのは白書の中でも認めているところだと思うんですよ。 それで、TPPの合意内容ですけれども、マレーシア産の熱帯木材合板、それから広葉樹の合板は、現在の関税が六%から一〇%あるわけです、残っているわけですけれども、発効時は三%から五%に下がり、十六年目には完全に撤廃ということですよね。それから、合板は製造された国が原産国になるので、マレーシアがTPPに参加していない国から原材料の丸太を輸入して合板を製造した場合はマレーシア産ということになるということでもあります。それから、カナダ産のSPFの製材は、針葉樹の合板などなんですけれども、現行は四・八から六%なんですけれども、これが二・四%から三%に削減されて、十六年目には撤廃されると、ゼロになるということです。今注目されていますCLT、直交集成板ですけれども、これはその他の建築用木工品に含まれるようですけれども、九年目には完全撤廃だと。 和歌山において、TPPで外国産の木製品が更に大量に入ってきたら国内の原木価格に影響をもたらすことは必至だというふうに言っていました。TPPは林業経営の意欲をそいで、山村地域の荒廃が広がることになるんじゃないかというふうに思うんですけど、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 林産物につきましては現在の関税率が一〇%以下となっている中で、今回のTPP交渉の結果、合板、製材等については長期の関税撤廃期間の設定やセーフガードを確保することができたところであります。したがいまして、TPP合意による国内林産物への影響は限定的と見込まれ、その原料となる丸太生産への影響も限定的であると見込まれるところであります。 他方、林産物については、長期的には国産材価格の下落も懸念をされることから、政策大綱に基づきまして、合板、製材の生産コストの低減等により国際競争力を強化をしていくために、大規模、効率化の加工施設の整備、原料供給のための間伐、路網整備など、川上から川下に至る体質強化対策を講じていくこととしております。 このように交渉で獲得した措置に加えまして、体質強化対策による生産コストの低減により採算性が確保され、合板等、国内生産量が維持されると見込んでいるところでございます。 今後とも、政策大綱に基づく施策を着実に推進することで地域材の競争力強化を通じた林業の成長産業化を実現をしてまいりたいと考えております。
○紙智子君 現在の森林・林業基本計画は平成三十二年における木材自給率を五〇%以上としています。TPPが発効しますと、この目標の達成が困難になるんじゃないでしょうか、いかがでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 戦後造成をされました人工林が本格的な利用期を迎える中、近年の国産材の供給量は増加傾向で推移しておりまして、平成十四年に一八%だった木材自給率は平成二十六年には三〇%台に回復したところであります。農林水産省としては、このような明るい兆しを捉え、林業の成長産業化を早期に実現をしていく考えであります。 先般、林政審議会から答申のあった森林・林業基本計画案では、十年後、平成三十七年の木材総需要量を七千九百万立方メートルと見通す中で、国産材の供給量の目標を四千万立方メートルとすることとしており、この目標が達成された場合には木材の自給率は五〇%を超えることとなります。 引き続き、CLT等新たな木材需要の創出や国産材の安定供給体制の構築など、川上から川下までの施策を総合的に推進をし、次期森林・林業基本計画に掲げる目標を達成できるように最大限努力をしてまいりたいと考えております。
○紙智子君 今大臣は計画どおりやったら五〇%になるんだという話をされたんですが、しかし今検討している計画案、これは自給率目標を見直して四〇%に引き下げることを検討しているんですけど、いや、本当にそれでいいのかというふうに思うんですよ。 自由化で影響があったわけですから、やっぱり自由化そのものを見直すべきだというふうに思うんです。私は、自由化が日本の森林に与えた影響というのは、非常に重大な影響があったということで検証済みだというふうに思うんですよ。大体、森林関係の方々に会うとみんな、今回、農業でも二の舞を踏むなと、我々は既に経験しているという話はされるわけであります。 林業白書は、輸入が自由化されて国産材の供給は減少し、山村の過疎化や高齢化なども相まって林業生産活動は低迷したと書いているわけですね。それから、木材産業の体制整備及び国産材の利用拡大に向けた基本方針、これは、昭和三十年代の木材輸入の段階的な自由化を経て、国産材需要の大宗を占める製材用材について国産材のシェアが徐々に低下したと。要因としては、外材の輸入と、それから昭和六十年のプラザ合意以降の円高を背景とした輸入量の拡大ということを挙げているわけです。 キーワードは、だから自由化ということです。自由化したことが今回の林業経営を困難にしたということではないかと思うんですけれども、一言で、大臣。
○国務大臣(森山裕君) いろんな考え方があると思いますけれども、紙委員の考え方は一つの考え方であろうと思いますが、ただ、戦後の非常に需要期のときに木材がなくて住宅をどうするかという大きな課題もあり、そういうことをどう克服していくかということでの政策の選択であったんだろうなというふうに思っております。 今現在考えてみますと、そのときそのときの政策の判断というのは、やはりいろんなことを考えての政策判断であったろうと思いますので、我々としては、今回はTPPに参加をさせていただくということの判断をさせていただくことが日本の将来のために、また林業の発展のためにもいい結果を招くのではないかと、そう思っているところであります。
○委員長(若林健太君) 紙君、時間が来ましたので。
○紙智子君 ちょっともう時間になりましたので、僅かに残った関税まで撤廃する必要はないじゃないかというふうに思います。国会決議は、国内の温暖化対策や木材自給率向上のために、森林整備に不可欠な合板、製材の関税に最大限配慮するというふうにあります。即時撤廃される品目の影響を含めて説明がされていないということでは、この後しっかりまた追及していきたいと思います。 以上で終わります。
○儀間光男君 おおさか維新の儀間でございます。 質問に入るわけでありますが、その前に、皆さんにおわびと感謝を申し上げたいと思います。 十日の本委員会、満を持して出る予定でしたが、日頃の不摂生がたたりまして、高熱に襲われましてブレークダウンをしてしまいまして、欠席したことをお許しをいただきたいと思います。委員長や筆頭両理事、あるいはメンバーの皆さんに迷惑掛けたことを改めておわびをします。さらに、大臣を始め政務三役、政府参考人の皆さん、答弁も準備したと思うんですが、ずっこけてしまいました。お許しを請いたいと思います。 お許しを請うついでに、もう一つ、今日は森林法等の一部を改正する法案でございますが、その前に、この前通告したものをおわびがてらに一つぐらい質問させていただきたいと思いますから、どうぞ御了承いただきたいと思います。 六次産業について伺いたいんですが、この六次産業の支援を行う官民ファンド、これがスタートしてからもう二年がたったわけでございますが、その活用状況というか、実態が余りよく伝わってこないんですが、この辺の実態を少しお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(櫻庭英悦君) お答え申し上げます。 農林漁業成長産業化ファンド、これは農林漁業者が自ら生産した農林水産物を活用して新商品の開発等の新たな事業分野を開拓する取組を支援するものでございます。株式会社農林漁業成長産業化支援機構、略称A—FIVEと呼んでおりますけれども、これは平成二十五年一月の設立以来三年が経過したところでございます。 これまで全国に五十一のサブファンドによる推進体制が整備され、現在九十二件、総額七十三億円の出資決定を行っており、出資案件は着実に増加しているものと思っておるところでございます。また、これらの出資によりまして六次産業化の取組を行うことにより、約千九百名の雇用が新たに見込まれており、地域の活性化にも寄与しているところでございます。 今後とも、農林漁業成長産業化ファンドの一層の活用を推進していくことを通じまして、農林漁業の成長産業化を目指してまいりたいという具合に考えているところでございます。
○儀間光男君 ありがとうございました。 確かな実効が上がっているようで大変うれしく思うんです。なかんずく雇用効果が上がってくるということは極めて順調な経営体であるのかなと思ったりいたしておりまして、御同慶に堪えないところです。 もう一つ立ち入って聞くんですが、これは、次いろんな企業の配分等を考えることから、東西分けて、東日本と西日本を分けて、東は東海、甲信越から東と、西は近畿から西ということでの割合ではどういう格好になっているか、手元に資料があればお知らせいただきたいと思います。
○政府参考人(櫻庭英悦君) ちょっと今割合は全てすぐ分かるわけではございませんけれども、基本的に一番多い都道府県が、まずは北海道が八、それから千葉、東京都、広島、そして福岡が五という具合になっておりまして、その次が茨城が四、長野が四、愛媛が四、鹿児島県が四という形になっておりまして、まだ生まれていない県が幾つかございまして、例えば群馬、山梨、静岡、愛知、富山、高知、大分などでございます。
○儀間光男君 ありがとうございました。 なぜそんなことを聞くかといいますと、今や地方創生、国土の均衡ある発展、これはもう昔から、戦後早くからこういうことを言われてきまして、言われてきたにもかかわらず東京一極集中になったという歴史の反省があるわけですから、これから向こうは地方創生、国土の均衡ある発展をバランスよくさせていく。もちろん、立地によって経営にいろんな利便性があったりコストの面があったりいろんな条件はあるんですが、できたら押しなべて地方も同時に発展していくような、そんなような施策であってほしいと願うことからでありますから、どうぞひとつ御配慮をいただきたいと、こう思います。ありがとうございました。 次に、畜産にちょっと絞って現状をお聞きしたいんでありますが、去る四月一日にスタート、新会社が設立しました。鹿児島、南九州のビースマイルプロジェクト、こういう形態の法人が、新会社が立っていって、畜産クラスターと一緒、同時進行のような形で起業、つまり生産、流通、販売、さらにマーケットを担当するというようなことが、今鹿児島でこのビースマイルプロジェクトが、カミチク、あるいはいわゆる官民ファンド、日本政策投資銀行、兼松、プリマハムなどの事例にあるように、これもこれから恐らくTPPを見越して、これから先を見越して、生産者も、販売、流通を担当する人々も、皆共にもうかって共に成長していこうというような非常に前向きな積極的なこれからの施策の展開、TPPに対する展開だと理解をいたしておりますが。 このビースマイルプロジェクトのほかに、そういう動きは今全国で幾らあって、申請が幾ら出て、あるいは現在会社が幾ら設立されて、今後どう展開していくか、それも東西で分けてどうなっていくのか、その辺を少し教えていただきたいと思います。
○政府参考人(櫻庭英悦君) まず、お答えする前に、先ほどの件でございますが、九十二件の案件のうち、東が四十五、西が四十七と、ほぼ半々という形でございます。 そして、今お尋ねの件でございますけれども、農林漁業成長化ファンドにつきまして、現在、畜産分野に関しましては二十六件、総額二十九億七千万円の出資決定を行っているところでございます。 畜産分野につきましては、今先生が御指摘のとおり、自らの生産物を加工したり、あるいは販売、そして流通する、そしてまたレストラン展開ということまで大きく展開されているところでございますが、一つの例とすれば、これは特に九州の例がございましたけれども、例えば北海道の例でございますけれども、観光事業者と連携いたしましてオーベルジュ、いわゆる宿泊付レストランでございますが、その運営、あるいは総菜の販売等々を行う例もございます。また、千葉県の例でございますけれども、JA関係が加工した肉を、例えばハンバーガーのパテであるとか、都内の外食店に出している例、そういった例もありまして、地元の原料を使って、その強みを生かして展開している例が散見しているところでございます。 今後とも、この農林漁業成長産業化ファンドの一層の活用を推進していきたい、特にこのような事例を横展開してPRすることによって農林漁業の成長産業化を目指してまいりたいと、かように考えている次第でございます。
○儀間光男君 これは東西は数字ありませんか。
○政府参考人(櫻庭英悦君) 先ほど二十六件と申し上げましたけれども、東日本が十三件、十一億七千万円、西日本も十三件で十八億円と、これもまたバランス取れた出資案件となっているところでございます。
○儀間光男君 いや、実にいいですね、いつの間にきれいになったんでしょう。 ということは、以前、東日本、西日本に分けて豚と牛の生産量と生産額を少し比較検討して、私の予想では西がずっと多いだろうと思ったら、東が多かったんですね。東が多かった。豚も牛も東が多かった。特に豚は、鹿児島、宮崎、私ども沖縄、分母は小さいんですが、豚文化だから断然多いだろうと思ったら、これも東が多かったんですね。 その影響がどこへ出たかというと、獣医さんの配置に出たんですよ。東の獣医は過剰ぎみ、西は不足なんです。ここまで国がバランスできたらすばらしいなと思うけれども、それはなかなかできる話じゃないので。特に、どういう形でそうなったかというと、獣医さんの多くが今度は小型動物の獣医で、ペットへ行っちゃうんですよ。大型動物の獣医が少なくて、その大型は東が多いことからでしょうか、東に偏ってしまったんですね。 そういうことで、西にはまだまだ獣医が不足をしているという、いわゆる生産環境の一つの条件が整わない。特に保健衛生環境、牛の病気関係、豚の病気、あるいは鳥の病気、いろいろあるんですけれども、これらの環境が衛生面で、病気の面で整っていないというような今現状にあるわけですよ。その辺を何かできないか。少しアイデアありませんかね。
○国務大臣(森山裕君) 儀間委員御指摘の現状というのは、やはり畜産の将来にとって非常に憂慮すべき事態であると考えております。 日本獣医師会でもいろいろ御配慮いただいておりまして、産業動物に対する獣医さんの再教育とかということにも取り組んでいただいておりますので、我々としても、日本獣医師会ともよく連携をさせていただきながら、産業動物の獣医師の確保というのには更に努力をさせていただきたいと思っているところでございます。今、日本獣医師会でカリキュラムをお作りいただいて対応していただいていることは大変有り難いことだと思いますし、そういうことを更に今後も充実をさせてまいりたいと考えております。
○儀間光男君 私は、今産業動物とおっしゃった、大型動物に特化した畜産学科を希望する大学に設置してはどうかと、これは文科省を今日呼んでいませんからお答えする必要はないんですが、その必要性を感ずるんですね。どうしても東に多くおる獣医さんを、おまえ西行けやと馬の首にロープを付けて引っ張るなどということ、引っ張ったって引っ張られませんから。そういうことはできないので、そういうことであれば、西の方の教育をするために大型産業動物に特化した獣医大学を、獣医学科をつくりますよというようなことぐらい文科省と話し合っていく必要が私はあると思うんです。 しかも、これからTPPを迎えて、多くの生産動物をつくっていかなければ諸外国と太刀打ちできない、避けて通れないような状況にありますから、先を見越してそういうことをやることも必要だと思うんですが、大臣、その辺の御決意はどうなんでしょうかね。
○国務大臣(森山裕君) 獣医師の数としては十分に足りているわけでありますが、大動物を中心にやっていただくか、大動物も診るし小動物も診るとやっていただく獣医さんもおられますが、もう小動物しか診ない獣医さんもおられるものですから、そこのバランスをどうするかということが大事なことでございまして、先ほども申し上げましたとおり、日本獣医師会としてもその問題意識はしっかり持っていただいておりまして、いろんな研修等もやっていただいておりますので、大動物だけ診る獣医の資格というのは制度上あり得ないわけでございますので、そこをバランスさせるということにまずは努力をさせていただくということが大事なことではないかなというふうに考えております。
○儀間光男君 獣医の先生方の自覚しかまてないと、こういうようなことになるんでしょうけれども、おっしゃるとおり、獣医全体は供給は十分なんですね。その中の女性獣医さんがほとんどペットへ行くんですよ。それで、大型産業動物となると力仕事もいっぱいありますしね。というようなことで、なかなか大型の方へ行ってくれないというような隘路があったりして大変困っているような状況があるんです。 それはそれとして、また次の議論としたいと思いますが、何かありますか。
○政府参考人(今城健晴君) 儀間委員の方から産業動物獣医の確保ということについていろいろ御提案いただきました。 女性が最近確かに獣医師の合格率も増えておって、そういうことはございますけれども、その中でも産業動物を志向しておられる女性獣医も率としては増えておりますので、確かに男性に比べて力などないかもしれませんけれども技能はちゃんとあられるという形で、現場の雇用、例えばJAですとかそれから家畜保健所、家保とか、そういうところの待遇も含めながら、どういう形で充実していけるかということをよく検討してまいりたいと考えております。
○儀間光男君 ありがとうございました。 以上をもってこの幕を閉めたいと思います。 次に、今話題になりました林業関係の中で、特に、九日の産経新聞の一面、二面に出ました、「異聞 北の大地」、北海道の帯広地区を中心に記事が出ておりますが、どういうことかというと、いわゆる外国資本による土地の買収ということでかなりの深刻な状況で報道がなされております。 このことは私、国政へ来て七月で三年、ずっとこの委員会ですが、就任当時からずっと南西海域あるいは八重山地方や竹富町の西表島などが似たような問題があって、当時私も維新の党でしたから、党の沖縄PTをつくって、二度、三度、現地についていろいろな調査をやったら事実関係が浮かび上がって、実に恐ろしい、地域住民は恐怖感でいっぱいだった状況があって、それを取り上げて、何度も何度も、重要な土地については国が少し管理する必要があるんじゃないかというようなことを言い続けてきたんですね。 ところが、なかなか、また維新の党として法律案も作って、提案しようとして自民党に行ったんですが、自民党が、まだまだ早い、もう少し調査研究しながらやろうよということで、俎上にも上らぬでどこかへ吹っ飛んでいくと同時に、党もどこかへ吹っ飛んでいったというようなことで、なかなか日の目を見ないんでありますけれども。 現実の問題として、これ、この新聞報道、私は信用していいと思うんです、南で経験しておりますから。今、向こうもずっと続いているんですよ。だから、これによりますと、僕が一番びっくりしたのは、何ですかね、昨年十月三十一日に産経さん取材に行ったんですね。その十月三十一日の、この農場に朝鮮総連の許宗萬議長や議長補佐、朝鮮大学校長、同大学教授、それに横浜中華街華僑連合会長らが訪れた、名目は収穫祭への参加だったが、実質的には農場の紹介が狙いだったと言われているというようなくだりがあるんですが、記事があるんですが、大臣、これ読まれましたでしょうか。 読んだとするなら、ちょっと御感想をいただきたいですね。
○国務大臣(森山裕君) 記事は読ませていただきましたが、まず、農地の制度上のこととの整合性を少し御説明申し上げた方がいいかなと思いますけれども、制度の枠組みについて申し上げれば、農地の所有権を取得するためには農業委員会の許可が必要であり、法人による農地所有については、農地法上、当該法人が農業を継続的に真剣に取り組んでいくことを担保するために、農業者以外の議決権を二分の一未満とする議決権要件等の要件が設けられております。 また、農地を所有できる法人として認められる株式会社は、株式については譲渡制限のあるものに限定をされております。したがいまして、農地については農地の所有権を取得することはできないものと考えております。 なお、法人が農地を耕作放棄した場合には、農地法に基づき最終的に都道府県知事の裁定により農地中間管理機構が当該農地を使用する権利を取得できることになっており、耕作放棄した後にその法人が自由に他用途に転用することはできない仕組みとなっております。 一方、森林を始めとする水源地域の土地取引については、北海道を含む十七道県において事前届出の義務を課す条例が制定されていると承知をしておりますが、これは土地所有者等に水資源の保全の重要性などを事前に説明するという趣旨であると理解して今おるところであります。 国としては、森林については、平成二十三年森林法改正により措置した、新たに森林所有者となった場合の事後届出制度によって所有者の異動をしっかりと把握しつつ、林地開発許可制度や保安林制度等の確実な運用を図ることによって、その適切な管理、保全を図っているというふうに考えておりますので、この記事を読ませていただきまして、再度農地法等について考えてみて、今申し上げたようなことで整理ができると考えているところでございます。
○儀間光男君 ありがとうございます。 今、農地法と中間管理機構との関係等々お話があったんですが、この法律ではもうどうにもならないような状況下にあるんですよ、この一帯がね。後ほっておいて、やがては雑種地になって、雑種地になればいろいろなことに使えるからという、先々までいろいろなことをやっているんですよ、これ見ているとね。 それで、売った農家の人たちも不安がって売っているんですね、これ。十アール当たり十万で売って、二千五百万で五百万本売ったと。売ったけど、その後この人たちが何をするかはよく分からぬので、非常に心配ではあるというような話もあるんですね。 もう一つ、僕は思想家でも何でもないんですが、哲学者でも何でもないんですが、日本の一般国民の感情として、この農家の皆さんがこういうことを本当に言ったかなと思って、言ったとすると極めて残念な言葉なんですが、農場の経営者は、取材に対して、産経新聞の取材にですね、天皇陛下を罵ったと言うんですよ。で、日本の農政を、政策を批判した。 言論の自由を担保されている我が国ですから、たとえ天皇に対してでも批判ならいいですよ、あるいは農政への批判なら、農家も私ども政治の場もしょっちゅうやっていることですから、これで批判し合いながら伸びていく国体ですから、それでいいと思うんですが、我が国の象徴、国体まで罵ってしまうということが一体どういうことなのか、看過してよいのかどうか。悔しさが先に来るより、何だい、これはという感じするんです。 この部分について、これ事実だとすると大変だと思うんですが、大臣、どういう感じですかね。難しい答弁しなくたっていいんです。
○国務大臣(森山裕君) 新聞報道によりますことについて私がコメントを申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○儀間光男君 大臣の立場からは立派な答弁です。これに答えるような者だと逆に叱らぬといかぬというような感じであります。 ところが、私どもの立場からすると、これは非常に心配ですよ。そういうことがあってはならないと思いますし、いろんなことをやっていいと思うんですが、そこへ来て引っかかりがあって、どうもね。 大臣、ここで一つ提案があるんです。ここまで報道されていますから、日本の中央紙の五大新聞、六大新聞の一紙でありますから、これをそのまま記事だといって見逃すわけにもいかぬと思うんです。どうでしょうか、役所から調査チームでも遣わして実態把握してみてはどうですか。その辺どうなんでしょう。
○国務大臣(森山裕君) 農地法上の関係がございますので、関心を持って見守ってまいりたいと考えております。
○儀間光男君 委員長にお願い、提案がありますが、これについて本委員会でも閉会中に調査をすべきだと私は思うんです。これだけ報道されて、我々がこれを看過するわけいかぬのですね。罵りとは別にということで、この実態を、ここも見てほしいし、石垣や西表も見てほしいと僕思うんですね。それを、委員長、検討していただけませんか。
○委員長(若林健太君) 後刻理事会において御相談をさせていただきたいと思います。
○儀間光男君 よろしくお願いをしたいと思います。 さらに、この報道によると、同農場は有機農場の先進農場のようですね。よく分かりません。だから、そういうことも含めて実態調査を、実態把握をしてほしいと思うんですが、新聞で伝えるところによると、また北朝鮮も有機農法の先進国、そしてこの農場も先進農場であるというふうな伝え方でありますが、その辺どなたか実態分かりませんか。
○政府参考人(奥原正明君) 新聞の報道は承知しておりますけれども、この事実関係について我々詳しく分かっておりません。
○儀間光男君 だから、私、調査に赴く必要があると言っているのはそこなんですね。これだけ言われて、例えば、例えは悪いんですけれども、よく若い女性がストーカーされて、女性は警察署に相談も行ったと。ところが、警察署のミスかどうかよく分かりませんが、解決しないうちに殺されてしまうというような状況等もよくあるわけですよ。だから、こういう情報を端緒を得たらすぐ実態掌握に走るというのが私は政府の姿勢であってほしいと思うんです。 例えば、西表島の西側に舟浮湾という湾があるんですよ。これ天然の良港で、戦前は日本の海軍基地港だったんですね。その湾口に小さな離島が二つあります。内側は内離島、外側は外離島と、こう言うんですね。この内離島の七割は台湾系日本人がずっと土地を所有していたんです。沖縄の復帰と同時に沖縄に住んできて、日本に帰化して、戦前から沖縄におってということでもって土地を持っていて、八十を過ぎたのでそろそろ、ふるさと台湾で暮らそうということでこの内離島の土地を売りに出したんです。買いに来たのが中国大陸系の人だった。この台湾の帰化日本人は、中国大陸の人にはこの土地を売るわけにいかないといって蹴って帰したんです。二か月後に何とまあ淡水河で刺殺死体で上がるんですよ、奥さんも共々に。犯人は淡水河ほとりの喫茶店、ある町の喫茶店の夫婦となっておりますが、迷宮入りですよ。 その後、この島に、大陸の中国人なのか台湾の中国人なのか分かりませんが、中国語をしゃべる五名が頻繁に出入りしていたと。渡し船で五、六分で渡す島ですから、その渡し船を頼まれて渡した人も、恐怖でおののいて、船をくるくる換えたいぐらい、金があれば船換えると、船名と船番号が捉えられているということで非常に恐怖感を持って訴えているんですよ。このことは当時、週刊新潮だったかどこかが報道しまして、これは私、委員会でやったんですが、一顧だにされなくて、今まだ悶々と続いているんです。そうしているうちに、今北海道のことが出たんです。 ちょうど私はここへ来ましてから、日中漁業協定、平成九年に締約されて発効した日台漁業協定、この結果で南西地域の漁場がどんなに荒らされたか。沖縄島と宮古島の間に宝山の瀬というのが水没してあるんですよ。大きな島です。瀬です。ここはまさにアカサンゴの宝庫だったんですよ。EEZであったんですが、日中漁業協定が邪魔になって、ここを日本は守れなかったんですよ。やりたい放題、二百杯、三百杯のサンゴ船が来て、やりたい放題で捕り尽くして。 そのとき僕、警告しました。やがて奄美か四国沖かといったら、小笠原行っちゃったんです。小笠原行ってから大騒ぎになって、ああいうことをやったんですが、なぜ情報が入ったら、端緒が入ったら国は動こうとしないのかというのが僕不思議でならないんですね。しかも、水産資源、おかに揚げればジュエリーの材料としてサンゴは、真珠もそうですが、使われるんですが、海から出る産物ですよ。食料に供さないジュエリー、宝石関係に行くんですが。 こういうことを思うと、何か事件が起きる、発覚する、それを待つ姿勢では駄目だと思うんですよ。ストーカーの相談を警察署が大して受け入れなかったというのと同じ結果なんですよ。そういうことについて、もう少ししっかりとその対策を練っていくんだというようなことをやっていただきたいと、こう願うんですが、どなたか、齋藤副大臣、どうですか。佐藤政務官、どうですか。じゃ、もうここは大臣どうぞ。
○国務大臣(森山裕君) 儀間委員御承知のとおり、我が国は法治国家でございますので、法律に基づいて判断をし、行動するということが大事なことだろうと思っておりますので、その原則をしっかりと守ってまいりたいと考えております。
○儀間光男君 次に、森林法に移るのが、時間が押してしまいまして、大事なことですから、森林法はいい法律ですから賛成します。今日残していても、附帯にも共同提案者となって賛成していきますから。 もう一つ、この北海道を扱わせていただきたいんですが、報道によると、ちょうど日高岳というんですか、あれの麓へ行くとちょうど自己完結型の生活に適する耕地となっているというんですね。自己完結型というのは、自給自足で、認められる自治も確立するということですよ。これ、北アメリカへ行くと、カナダやあの辺に実際あるんですね。ドイツ系とかイタリー系とかフランス系の人々がハーレムをつくって、治外法権になってしまうんですよ。そういうのが実際あることを思うと、ここがそういうハーレム化されては、日本の法治国家はなくなるんですよ。 だから、そういうことでしっかりと端緒を得ましたから、是非とも現状を掌握して、しかるべき手を打って今日明日やってくださいと言いたいんですが、それはなかなか大変でしょうから、政府関係皆集まってそういうことをやっていただきたいということを要求申し上げて、時間がなりましたので、森林関係にはごめんなさいとおわびをします。 ありがとうございました。
○委員長(若林健太君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○紙智子君 日本共産党を代表し、森林法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 日本の森林は、戦後造成されてきた人工林の半数以上が主伐期を迎え、森林資源の有効活用と計画的な再造林を進めるべき時期を迎えています。一方で、木材価格が低迷し、人件費を始めとする経営コストが増加したことから、林業の採算性が低下し、森林所有者の経営意欲は衰退し、森林組合の組合員も減少しています。なぜこうした事態に陥ったのでしょうか。 森林白書は、木材の輸入が自由化され、国産材の供給は減少し、山村の過疎化や高齢化なども相まって林業生産活動は低迷したと分析しています。自由化が林業生産に大きな影響を与えたのは明らかです。それなのに、環太平洋経済連携協定、いわゆるTPPは、関税を全面撤廃するものです。関税撤廃は、山村地域や林業の再生に逆行するものです。 日本再興戦略改訂二〇一五年は、施業の集約化、木質バイオマスの推進、CLT、直交集成板で国産材の需要を創出し、林業の成長産業化を図るとしました。本改正案はその具体化ですが、進め方には多くの疑問や懸念が寄せられています。 森林組合連合会の権限強化は、地域の森林組合と業務が競合する可能性があります。生産森林組合に選択肢という言い方で株式会社、合同会社に移行することを認めますが、組織変更に異論がある人への払戻金が手切れ金になれば、協同組合の放棄になります。選択肢という、いかにも自由な選択権を与えるように聞こえますが、これは規制緩和を進める手法で、要望もないのに法制化、法定化する必要はありません。非営利の協同組合に混乱が持ち込まれるとの懸念や批判が出ています。 木材安定供給特措法で、事業計画の作成者に木質バイオマス利用事業者等が追加されます。燃料を確保するために伐採が優先され、木材資源の有効利用が損なわれる懸念や、大手の事業者に地域が囲い込まれる懸念があります。未利用木材の利用に限定した法律上の担保がなければ、林業の持続的かつ健全な発展に反することになります。 森林総合研究所法の改正は、独立行政法人改革法で、森林法と一体に扱うものではありません。しかも、森林総研には、森林保険業務を押し付けた上、公共事業も押し付けることになります。水源林造成事業への国の責任が弱まるとの批判が出ています。 本改正案は、森林法、森林組合法、分収林特措法など五つの法案の一括法です。知れば知るほど多くの懸念や意見が出されています。本来なら、調査や参考人質疑など十分な審議が必要です。現場の意見を酌み尽くさず、理解もないまま一括法という形で採択することには賛成できません。 以上申し述べて、反対討論といたします。
○委員長(若林健太君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 森林法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(若林健太君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、小川君から発言を求められておりますので、これを許します。小川勝也君。
○小川勝也君 私は、ただいま可決されました森林法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民進党・新緑風会、公明党及びおおさか維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 森林法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 森林は、国土の保全、水源涵養、生物多様性の保全、地球温暖化防止、木材等の物質生産など、多面的・公益的な機能を有している。しかしながら、我が国の林業は、木材価格の低迷、森林所有者の世代交代、山村地域の過疎化等により、依然として厳しい状況にあることから、林業の成長産業化を実現するため、適切な森林施業を通じて、国産材の安定供給体制の構築、森林資源の再造成の確保及び森林の公益的機能の維持増進を図る必要がある。 よって、政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。 一 森林資源の循環利用の推進のため主伐後の確実な再造林が必要であるが、現状における木材の伐採収入では再造林に係る経費の確保が困難であることから、確実な再造林に向けて、公的補助の拡充等を図ること。 二 施業の集約化を加速するため、林地台帳整備に当たる市町村等への支援の強化を図るとともに、森林経営計画作成の促進に向け、プランナー等の人材育成、国の職員による技術的な支援の更なる拡大や、集約化が困難な森林の地方公共団体等による公有林化に対する支援の強化等の施策の拡充を図ること。 三 森林組合が森林経営事業実施の体制整備を図り、林業活性化に取り組みつつ、過度なリスクを取ることで森林組合の経営悪化を招くことのないよう、農林水産省は引き続き森林組合・森林組合連合会の財務を監督するとともに、森林組合・森林組合連合会の経営・財務管理を担い得る人材の育成に注力すること。 四 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会施設への国産材利用に積極的に取り組むとともに、公共建築物の木造化やCLT(直交集成板)の普及等による木材利用の拡大、森林認証・認証材の普及促進、木材の輸出促進などにより、国産材需要の拡大に全力を挙げること。また、木質バイオマスを含む地域材の安定供給体制の確立に向け、川上・川下における木材需要に対応した供給調整を担う組織や人材の育成など地域における必要な方策を検討すること。また、セルロースナノファイバー等の新たな技術の開発・実用化等に取り組むこと。 五 地域林業の確立を図るためには、林業事業体の育成と林業労働力の確保は不可欠であり、山村振興の観点からも、地域の企業の受注機会の増大・所得向上に向けた支援等必要な方策を検討すること。 六 国際社会にとり重要かつ喫緊の課題である地球温暖化防止を推進するため、京都議定書の第二約束期間における目標及び昨年末に合意されたパリ協定を踏まえ、間伐や植林等の森林吸収源対策を着実に推進するための安定財源の確保に向けた検討を加速化すること。さらに、安定財源が確保されるまでの間においても、必要な予算の確保を図ること。 七 自然環境の保全に配慮した木材産業の持続的かつ健全な発展を図るため、事業者が合法伐採木材の利用を確保するため適正なリスク評価その他の措置を講ずることを促すとともに、事業者による合法伐採木材の利用を確保するための取組の実施状況に関する情報の把握に努め、違法伐採木材の取扱いが懸念される場合には、その是正に努めること。 八 近年の山地災害の頻発やその被害の増加を踏まえ、国民の安全で安心な暮らしを守るため、予防治山対策を含めた治山事業の確実な実施に努めるとともに、必要な予算の確保を図ること。 九 東日本大震災からの復興について、海岸防災林の再生や福島の森林・林業の再生を始めとする復興対策に全力で取り組むこと。また、平成二十八年熊本地震による災害について、治山事業による崩壊地の早期復旧や二次災害の防止、被害を受けた森林・林業の再生に全力で取り組むこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(若林健太君) ただいま小川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(若林健太君) 全会一致と認めます。よって、小川君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、森山農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。森山農林水産大臣。
○国務大臣(森山裕君) ただいまは法案を可決いただき、ありがとうございました。 附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、対処してまいりたいと存じます。
○委員長(若林健太君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(若林健太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(若林健太君) 次に、合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律案を議題といたします。 提出者衆議院農林水産委員長小里泰弘君から趣旨説明を聴取いたします。小里衆議院農林水産委員長。
○衆議院議員(小里泰弘君) ただいま議題となりました法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。 本案は、我が国又は外国における違法な森林の伐採及び違法伐採に係る木材の流通が地球温暖化の防止、自然環境の保全、林産物の供給等の森林の有する多面にわたる機能に影響を及ぼすおそれがあり、また、木材市場における公正な取引を害するおそれがあるものであることに鑑み、自然環境の保全に配慮した木材産業の持続的かつ健全な発展を図り、もって地域及び地球の環境の保全に資することを目的とするもので、その主な内容は次のとおりであります。 第一に、基本方針についてであります。主務大臣は、合法伐採木材等の流通及び利用を総合的かつ計画的に推進するため、合法伐採木材等の流通及び利用の促進の基本的方向に関する事項等を定めた基本方針を定めることとしております。 第二に、国の責務についてであります。国は、合法伐採木材等の流通及び利用を促進するために必要な資金の確保、情報の収集及び提供、木材関連事業者の登録に係る制度の周知その他の必要な措置を講ずることとしております。 第三に、木材関連事業者の判断の基準となるべき事項についてであります。主務大臣は、合法伐採木材等の流通及び利用を促進するため、木材関連事業者が合法伐採木材等の利用を確保するために取り組むべき措置に関し、木材関連事業者の判断の基準となるべき事項を定めることとしております。具体的には、木材関連事業者が取り扱う木材等が我が国又は原産国の法令に適合して伐採されていることの確認に関する事項、その確認ができない場合において合法伐採木材等の利用を確保するために木材関連事業者が追加的に実施することが必要な措置に関する事項等であります。 第四に、木材関連事業者の登録についてであります。木材関連事業者であってその取り扱う木材等について合法伐採木材等の利用を確保するための措置を適切かつ確実に講ずるものは、登録実施機関が行う登録を受けることができることとしております。 第五に、国際協力の推進についてであります。国は、外国における違法伐採の抑止のための国際的な連携の確保その他の合法伐採木材等の流通及び利用に関する国際協力を推進するために必要な措置を講ずることとしております。 第六に、報告及び立入検査についてであります。主務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、木材関連事業者に対し、合法伐採木材等の利用の確保の状況に関し報告をさせ、又はその職員に立入検査をさせることができることとしております。 なお、この法律は、公布の日から起算して一年を経過した日から施行することとしております。 以上が、本案の趣旨及び主な内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(若林健太君) 以上で本案の趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。──別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(若林健太君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(若林健太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(若林健太君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。 国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案について、内閣委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(若林健太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(若林健太君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十一分散会