農林水産委員会 第6号
- 発言数
- 111 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2016/05/10
会議録
○委員長(若林健太君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 議事に先立ち、一言申し上げます。 この度発生した熊本県熊本地方等を震源とする地震により亡くなられた方々に対して御冥福をお祈りし、謹んで黙祷をささげたいと存じます。 どうぞ皆さん、御起立をお願いいたします。それでは、黙祷。 〔総員起立、黙祷〕
○委員長(若林健太君) 黙祷を終わります。御着席ください。 ─────────────
○委員長(若林健太君) 委員の異動について御報告いたします。 本日までに、新妻秀規君、野田国義君及び山崎力君が委員を辞任され、その補欠として山口那津男君、浜野喜史君及び井原巧君が選任されました。 ─────────────
○委員長(若林健太君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長福田祐典君外十三名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(若林健太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(若林健太君) 農林水産に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○馬場成志君 自由民主党の馬場成志でございます。 本日は質問の機会をいただきましたことにまずもって御礼を申し上げさせていただきたいと存じます。私は熊本の選挙区でございます。ただいまは、皆様方に冒頭に黙祷をささげていただきましたことを私の方からも御礼を申し上げさせていただきたいというふうに思います。 大変な災害でございました。多くの犠牲を出してこれまで三週間以上がたっておりますけれども、今も余震は続いております。そして、今日は大雨の警報が出ております。もう本当にいろんな全てのことが今恐怖に感じておるというのが熊本県民の心境だというふうに思っていただきたいと思います。 その上で、政府におかれましては大変いろんな意味で力を尽くしていただいております。森山大臣始め農林水産省におきましては、初動における食料支援、現地調達の支援、震災直後から櫻庭食料産業局長を始め多くの職員の皆さん方に、農業、林業、水産分野の現地調査をいただき、復興に向けた技術的助言をいただくなど全面的に支援をしていただいております。 とりわけ森山大臣におかれましては、五月二日、六日と日を空けずに熊本にお越しいただいて現地の被災状況をつぶさに御覧いただき、被災農林漁業者の悲痛な気持ちを十分にお酌み取りいただいて大きな励ましもいただきました。また、今後も現地入りを検討いただいておるということで、本当に有り難い限りでございます。この場をお借りしまして御礼を申し上げさせていただきたいと思います。 そして、ここにいらっしゃる先生方にも本当に、熊本に入っていただく、あるいはそうでなくても力をいただいておりますことに重ねて感謝を申し上げさせていただきます。 今日の質問は一般調査ということで、大変私にとっては有り難い中で、全ての農林水産分野の対策に、この災害に対しての対策についてお尋ねをさせていただきたいと存じます。 今回の地震による被害は、今農林水産に関しては一千億を超えたと言われておりますけれども、まだまだこれからどれだけ広がっていくか分からないというような状況であります。 手元に参考資料として写真を置かせていただきましたけれども、テレビ等の映像によっても御覧になっておるというふうに思います。家屋の倒壊同様に、ハウス、農舎、畜舎、全半壊、作物も駄目になり家畜も死亡すると。農業用機械の損傷、農地の地割れ、また大きな変形、土地改良したパイプラインも壊れ、目前にした田植も断念せざるを得ないところが出てきております。 また、それ以前に、麦の刈取りに機械を入れることも大変危険だというようなことで、これからどうやっていくかというようなことに悩んでおるところであります。 また、選果場やカントリーエレベーター、卸売市場など、共同利用施設の損壊やゆがみは当然利用をストップせざるを得ず、出荷できるはずの作物の廃棄、断水による作物の枯れ、また停電によっても牛乳工場のストップ、またガスの停止によることもありますが、そういったことが続いております。 山も至る所で崩壊し、道路を塞ぎ、鉄道を止め、電線や橋も落とし、生活を止めてしまっております。山林の亀裂などはまだ把握できていない状況であります。土砂は流れて海に届き、漁業にも影響を与えているということであります。 あらゆるものが日常とは懸け離れ、生産を楽しみに厳しい毎日を乗り越えていこうと頑張っている農家、漁家、林家に計り知れないショックを与えております。 そういった中で質問に入らせていただくわけでありますが、今も申し上げましたように、現在取りまとめの農林水産物の被害は一千億を超えており、まだこれからというようなことでありますが、畜舎や農舎などの農業関係施設も同様に全壊、半壊の被害が発生しております。施設内の農業用機械、設備も被災しており、営農に必要な部分に被害が発生し、再建に要する費用が経営を大きく圧迫するため、再開に向けて心が折れてしまうことを大変心配しております。 このため、現行制度の被災農業者向け事業の補助率のかさ上げや対象範囲の拡大が必要と考えます。これは、営農再開時期によっては本年産の作付けに間に合わず、収入が皆無となる農家や、再開しても収穫までの期間や家畜の育成期間などから元の水準に戻るまで数年を要するなど、農業の特殊性から被災施設の撤去費用なども助成の対象にするなど柔軟な対応が必要と考えます。 現在、熊本県では、経営体育成支援事業を所管している農林水産省経営局に災害対策としての補助率のかさ上げや運用拡大について頻繁に打合せを行い、真摯に対応していただいていると聞いております。今回の熊本地震は政府として激甚災害と指定していただいており、被災農家の経営再建意欲を喚起するためにも自己負担が極力軽減されるよう、経営体育成支援事業補助率の二分の一への引上げ、上限事業費の撤廃、また撤去費の補助対象等、事業の対象範囲の拡大などにも配慮すべきであると考えます。昨日発表いただいた中でも項目立てをして支援するとされておりますが、森山大臣に答弁をいただきたいと思います。 また、農業機械の取得、修繕や農機具倉庫、畜舎等の再建に加えて、倒壊した畜舎から避難している家畜の飼養管理の掛かり増し経費などきめ細やかに支援すべきだと思いますが、このことについては参考人の方から答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 熊本地震は地域の農林水産業に甚大な被害をもたらしております。五月九日現在で農林水産関係被害は千八十六億円となっておりますが、私も上空からも見させていただきましたけれども、まだまだ被害額は大きくなるのではないかと考えているところでございます。 今委員御指摘の畜舎や農業用ハウスなどの施設につきましても甚大な被害が生じておりまして、五月九日現在、百三十三億円の被害額となっております。このため、被災農業者の方々が一日も早く経営再建に取り組めるよう、被災農業者向け経営体育成事業を発動し、畜舎、農業用ハウス、農業用機械等の再建、修繕に要する経費を助成することとしております。 さらに、委員の御指摘の補助率の引上げや撤去費の補助対象化などにつきましては、熊本県のほか農業者や農業団体からも強い御要望をいただいているところであり、この被害農業者向けの経営体育成支援事業の充実について政府内でも検討を急いでいるところであり、いずれにいたしましても、被災農業者の経営再建に万全を期してまいりたいと考えております。 なお、委員御指摘の上限事業費につきましては、経営体育成支援事業は事業費の上限を定めていないことから、被災をいたしました施設等の原形復旧に対して支援が可能となっておりますので、適切な対応をしてまいりたいと考えております。
○政府参考人(今城健晴君) 今回の熊本地震に伴います畜舎の損壊等により、牛を近隣の畜産農家などに緊急的に避難されている方々がおられるということを承知しております。熊本県を通じて支援の要望を承っております。このため、緊急的な牛の避難に伴います輸送経費ですとか、あるいは管理を委託しているというようなことに要する経費につきまして、ALIC、農畜産業振興機構事業により支援するということを昨日公表させていただいたところでございます。 今後とも、よく地元のお声をお聞きしながら、迅速かつ的確な復旧に向け取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○馬場成志君 ありがとうございます。 大変背中を押していただけるというふうに思いますが、本当にいろんなことをやっていく中で、まだまだ本当に地方自治体の中でも応援して、バックアップしていただかなきゃいかぬことがたくさんありますけれども、地方自治体に力がやっぱり今財政的に本当になくなってきています。ですから、一つでも本当に政府に頼りたいという気持ちが精いっぱいであります。 そういった中でありますけれども、今経営体育成支援事業につきましては是非とも二分の一にかさ上げしていただきたいというふうに思いますし、また加えて、厚かましいお願いでありますけれども、これまでの災害、もう大災害のときにはしていただいておりました、地方についても四割かさ上げしてということを法律の中で国の方から義務付けをしていただけぬかというふうに思っておるわけであります。もちろんその中身については申し上げぬでも分かると思いますけれども、そういったことでもしていただかぬと、本当に勢いを増して衰退が加速していくというようなことになっていきゃせぬかというような心配をいたしておるところであります。どうか本当によろしくお願い申し上げます。 続きまして、被災農家への復旧支援について続いてお尋ねしますが、畜舎や農舎、園芸用ハウス、農業機械、農業用施設に多くの被害が出ている状況でありますが、とりわけ畜産では、写真にもありますように、畜舎が倒壊しただけでなく、倒壊により家畜が死亡してしまった畜産農家も多く、経営上の大打撃を被っております。それだけでなく、自宅が崩壊、半壊してしまった畜産農家もおられ、車中生活をしながら瓦れきの後片付けや残った牛の世話をしている状態でもあります。 一方で、熊本県の家畜市場では四月二十六日から地震後中止になっていた牛の競りを再開、徐々に熊本県の畜産業が動き出しております。くよくよしていられないと、逆にこちらが勇気付けられるようなことをおっしゃる方もいらっしゃいます。そういった方々を、今後、経営継続のために、資金繰りに困らないように、運転資金等の経営上の負担を最小化するため、資金限度額の引上げや経営安定対策事業の拡充、要件緩和が必要と考えます。これも昨日決定された中にあるかと思いますが、また、それ以外もあれば齋藤副大臣の方からお答えいただきたいというふうに思います。 また、マル緊についても昨日発表されていますので、内容について参考人からお願いを申し上げます。
○副大臣(齋藤健君) 畜産農家に限らず、今回被災された農業者の皆さんの経営の継続、再建を図るためには、直ちに資金繰りが大変な問題になってまいります。運転資金や施設資金に関する特例措置を昨日決定をし、公表させていただきました。 具体的には、資金繰りを付けるための運転資金、これにつきましては日本政策金融公庫のセーフティネット資金につきまして、馬場委員御指摘のように、貸付限度額をこれまでは年間経営費の三か月分又は六百万円という限度額であったものを年間経営費一年分又は千二百万円に引き上げる、それから貸付当初五年間無利子化ということにさせていただきまして、実質無担保、無保証人になるように措置をさせていただいたところでございます。 また、施設の資金の方につきましては、政策金融公庫のスーパーL資金等の災害関連資金を貸付当初五年間無利子化をするということ、そして実質無担保、無保証人になるように措置をさせていただくと同時に、農林漁業施設資金の貸付限度額も、負担額の八〇%又は一施設三百万円という現状を負担額の一〇〇%又は一施設千二百万円に引き上げることとさせていただいたところでございます。 なお、融資枠につきましては、日本政策金融公庫は、今年度、農林漁業者向け融資枠として四千二百億円を確保しておりまして、この融資枠の中で調整をすることによりまして融資ニーズに対応することは可能であると考えているところでございます。
○政府参考人(今城健晴君) 御指摘ございましたマル緊等の負担のことでございます。 県内で被災された畜産農家に対しましては、まず肉用子牛生産者補給金制度につきましては、生産者負担金の納付期限、これを三か月延長しまして九月齢未満までというふうにさせていただきます。また、飼養開始月齢の要件緩和も三か月延ばしまして五か月齢未満ということにさせていただきます。 また、牛マル緊につきましては、生産者積立金、この部分の納付の免除、個体登録月齢の要件緩和、これも三月齢延ばしまして十七か月齢未満、肥育牛の最短出荷月齢の要件緩和、これも五か月手前にしまして十二か月齢以上というふうにさせていただきます。また、県を越えて移動しました牛の交付対象、これも交付の対象とするということになります。 また、豚マル緊につきましては生産者積立金の納付免除、これらの措置を講ずることとしたところでございます。
○馬場成志君 ありがとうございます。 続いて質問申し上げます。 カントリーエレベーター、集出荷施設、水産物荷さばき施設等が被災しており、早期の激甚災害指定により災害復旧事業の補助率が引き上げられ、政府の迅速な対応に感謝しております。 熊本県内では、昭和五十年代後半から六十年代前半に整備されたカントリーエレベーター等が多く存在しており、震度七の大きな揺れに対して、老朽化している施設ほど被害が甚大な状況にあります。現行補助制度では残存価格以内での助成となる仕組みとなっており、再取得価格に対して実質的な補助率が古い施設ほど低くなるため、経費負担が困難な状況にあります。これにつきまして手厚い助成をいただきたいというふうに思いますが、齋藤副大臣にお尋ねを申し上げます。 また、県内の台所として農林水産物の流通拠点である卸売市場も大きな被害を受けております。このため、地域農水産業にとって必要不可欠な施設存続のために、現行補助制度を補完する新たな使いやすい補助事業の創設が必要と考えます。これにつきましては、森山大臣に田崎の卸売市場を見ていただいたと思いますが、これについて森山大臣に御答弁いただきたいと思います。
○副大臣(齋藤健君) 今回の熊本地震におきましては、カントリーエレベーターにおいても地盤沈下ですとか配管の損傷、破損等の被害が発生をしております。 馬場委員御指摘のとおり、熊本県内では老朽化したカントリーエレベーターが多いと承知しておりまして、このような施設においても麦や米の受入れに十分対応できますように、災害復旧事業による、施設の経過年数に応じた復旧事業費にとどまらず、機能強化を含めた施設の復旧のための支援を早急に検討してまいりたいと考えております。
○国務大臣(森山裕君) 先日、私も田崎の市場を訪問をさせていただき、競り場や管理棟の損壊を目の当たりにするとともに、卸売業者等関係者の皆さんから直接お話を伺うことができました。 田崎市場は、非常に特別な市場でございます。まず、民設民営の地方卸売市場であるということであります。ところが、取扱量は非常に大きい取扱量でございまして、水産物につきましては、取扱金額では大体九割ぐらいをここで賄っておられます。青果物についても六割を賄っておられまして、全国の市場規模からいたしましても恐らく十四、五番目に大きな市場ではないかなというふうに考えているところでございます。このような市場でございますので、地域の生鮮食料品流通において重要な役割を担っていると認識をしております。 このため、田崎市場の速やかな復旧に向けて必要な対策を早急に検討させていただきまして、実施に移してまいりたいと考えております。
○馬場成志君 先日、大臣に本当に力強いお言葉をいただいて期待をさせていただいております。また、齋藤副大臣の答弁の部分につきましても手厚い助成をよろしくお願い申し上げたいと思います。 先ほども申し上げましたけれども、本当にやらなくちゃいかぬことがあり過ぎて、そこにだけ持っていくことができれば県や市町村でも補助できることはたくさんあります。しかし、それにとどまらず、もう広範囲、あらゆることにやっていかなきゃいかぬということで、本当にお願いばかりでありますが、お許しをいただきたいと思います。 また、土地改良につきましてお尋ねを申し上げますが、今回の地震では、農業用ため池や送水管、用水路等広範囲に被害が発生しており、事前に迫った田植時期までに復旧する見通しが立たず、やむを得ず水稲作付けを断念し、他作物への転換を迫られております。特に阿蘇地方では既に、育苗期に被災したため、準備した苗が一部田植できない状況にあります。また、他品目への転換については、新たに種を手配する必要がありますが、作付け準備段階のこの時期での県内での確保が困難で、他県から入手する必要があります。 現在、国で水稲に代わる作物として大豆の種子の確保に尽力をいただいておりますが、新たな作物の作付けには通常の営農活動に比べて掛かり増し経費などが発生することから、これらの経費への助成を考えられないか、参考人にお尋ねをいたします。
○政府参考人(柄澤彰君) お答えいたします。 熊本県ではこれから田植の時期を迎えるわけでございますが、地域によっては水の確保ができなかったり田んぼに水を張ることができなくて水稲の作付けが困難となる地域があるというふうに聞いているところでございます。このような地域におきましては、大豆、ソバなどほかの品目への転換を図っていただくことで所得を確保していくことが重要だというふうに認識しております。 このため、先般、五日付けで、熊本県、JA熊本中央会、九州農政局の三者で水田営農再開連絡会議を設置したところであります。今後、この会議を通じまして地域農業再生協議会ごとに営農対策会議を開催し、水田や農業機械などの被害状況の確認、農業者の作付け転換の意向確認や生産を受託可能な農業者の把握などを進めていくこととしております。その際、委員御指摘のように、大豆などへの作付け転換が進みますように、農業機械の確保ですとか円滑な農作業の実施に向けてどのような支援が行えるのか、早急に検討しているところでございます。
○馬場成志君 これにつきましては作業委託でありますとか機械、マンパワーの支援なども必要になってくるというふうに思いますので、今後、補正予算等を活用していただきながら実行していただきたいというふうにお願いを申し上げます。 次の質問でございますが、今回の地震では、施設野菜では冬春野菜の出荷ピークを迎える直前で被災したことから、稼働中の野菜選果施設にも甚大な被害が発生したことが大きく関わっております。このため、応急復旧できるまでの間、生産農家やJAグループ職員が総出で手選別を夜遅くまで実施するなど緊急対応をしていただいておりますが、どうしても処理できない数量分を出荷制限したことによって、やむを得ず自主廃棄した農家が多数生じております。また、被災していないJAの施設に選果を委託する緊急対応も実施しておりますが、通常は生じない輸送経費が発生し、被災した農家にその経費が重くのしかかっております。 また、酪農関係では、二回目の震度七の発災後、県内の乳業工場の操業が停止し、生乳の受入れができなくなり、また道路が寸断されてしまったことにより一時的に酪農家への集乳に行くことができなくなりました。一方で、集乳されなかった生乳を酪農家が自らの農地などに廃棄せざるを得なくなっており、その廃棄乳は六百トンを超えると聞いております。 酪農家にとってこんなに悲しいことはありません。しかしながら、自然災害により発生したやむを得ない生乳の自主廃棄に対しては、その損害を補填する制度がありません。被災による損失に加えて、生乳代の減少による経営の打撃は甚大であります。このような生産者の思いに寄り添うためにも、増加した経費負担を軽減できるような、また、やむを得ず自主廃棄した農畜産物の損失補填や横持ち経費に対する支援策が必要と考えるが、この点については齋藤副大臣にお尋ねします。
○副大臣(齋藤健君) 今、馬場委員御指摘のように、野菜については品質の低下した一部の野菜の廃棄というものが発生をしておりますし、生乳につきましても、集乳ができずに生乳の廃棄が発生をしているということで、被災された農家の御負担になっている状況をよく認識をいたしております。 当省といたしましては、こうした現場の課題を真摯に受け止め、何ができるかというぎりぎりの検討をしてまいりました。ただ、残念ながら、出荷できなかった野菜や生乳に対する直接的な御支援というものはなかなか難しいということでございましたが、昨日公表させていただきましたとおり、なるべくこれに近い形で措置ができないかということで、経営再建に向けた支援策といたしまして、まず野菜につきましては、他の集出荷施設等への輸送費、委員おっしゃった横持ちですが、その輸送費や手作業による選果等に掛かった労賃、これについて助成できないかと、それから生乳につきましては、搾乳できなかったこと等により発生します乳房炎の治療、予防対策に要する費用、これを助成できないかということで、これを公表させていただいたところでございます。 このほか、大変有り難い話でありますが、生乳廃棄の損失補填については、酪農団体を通じて自主的な取組として、全国の酪農家同士の相互扶助によりまして支援を行おうという取組が行われているということを大変心強く思っているところでございます。 被災された農家の方々が一日も早く経営に集中して取り組めるように、引き続き必要な追加対策については検討していって万全な対策を講じてまいりたいと考えております。
○馬場成志君 ありがとうございました。本当に感謝を申し上げさせていただきたいと思います。 また、団体の方でもいろいろそこの手の届かない部分についてカバーしていただくようなこと、今動きが始まっておるということでありますので、また、そういったものも活用しながらしっかりと前に向いて歩いていきたいというふうに思っておりますので、どうか今後ともよろしくお願いを申し上げます。 また、次の六番目の質問に入らせていただきます。 今回の地震では農地にも大変な被害があっておるのはもう御覧になっていただいておるとおりであります。そして、土地改良の現場も大臣にも見ていただけたと思いますけれども、本当にパイプラインやあるいは地割れ、そして地形はもう大きく変化しております。阿蘇の土地改良区なんかはもう二メーターも段差ができて、しかも毎日、今測っておると、どんどんどんどんその差は広がっておるというようなことで、もう本当にこれからどうしていいかというようなことでありますけれども、これを何とか再建していくためには、今の、原状に復帰するということでは多分力は出てこないというふうに思います。 大臣にもお言葉をいただきましたけれども、やっぱり創造的復旧というようなことで、これまで以上のもの、強く、また良くというようなことで復旧をするようなことを考えられないかというふうに思いますが、このことは森山大臣に聞かせていただきたい。 それともう一つ、実はこの写真にもあるかと思いますが、分かりにくいですけれども海岸堤防が随分傷んでおります。熊本は干拓地でありますから、実は陸地よりも海の方が高い、川の方が高いというところが随分あるわけです。ですから、これが破損すれば、もう陸地、宅地、いろんなところ、農地、全部のところに水が入ってくるというようなことになります。 ですから、その点について、土木の方でも地方で手の足りない、力の足りない部分を今助けていただくようにしておりますけれども、これについても国の方で直轄代行していただけないかということをお尋ねさせていただきます。
○国務大臣(森山裕君) 大規模被害から復旧復興に当たりましては、単に元に戻すということではなくて、地域の農業の発展につながるような復興に取り組むということが大事なことだと考えております。 例えば、農業用施設の災害復旧事業においては、全面的な復旧を行う場合は最新の設計基準等を適用し、耐震性の向上を図ることが可能であります。また、災害復旧事業に現行制度を効果的に組み合わせて関連事業として区画整理を行うことにより大区画化や農地集積が進み、熊本県が目指しておられます創造的な復興に寄与できるのではないかと考えております。 農林水産省といたしましては、今後とも熊本県の考えや要望をよく聞かせていただきまして、農業、農村の復旧復興を支援をさせていただきたいと考えております。 また、熊本県には農地海岸が十二地区ほどあるようでございますが、私も飽託海岸を視察をさせていただきましたが、まさに速やかな災害復旧工事が必要であるなというふうに強く認識をしたところでございます。 本日の閣議におきまして非常災害として指定をされたことによりまして直轄代行が可能となったところでございますので、昨日知事から御要請をいただきました、直轄代行による災害復旧の事業に係る要望を伺ったところでございますが、我々といたしましても、県の要望をしっかりと受け止めさせていただきまして、直轄代行による農地海岸の早期復旧を進める方向で県とも密接に連携、調整をしてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。
○馬場成志君 ありがとうございます。本当によろしくお願いを申し上げます。 次の質問に入りますが、今回の激甚指定によって、災害復旧に係る市町村、県の負担のみならず、地元の農家の負担は大幅に軽減されるものの、土地改良区賦課金やこれまでの事業償還金に加えて、農業経営や生活再建に係る新たな負担が発生し、二重三重の負担を背負うことになります。よって、災害関連事業に取り組む場合には特段の地元負担軽減の支援が必要ではないかということ、これを佐藤政務官にお尋ねをしたいと思います。 また、農業用水路等を管理する土地改良区におきましては、今回の震災によって用水手当てができないために組合員からの賦課金徴収が困難になることが予想されております。このため、土地改良区に対する財政的支援措置も検討すべきではないかと思いますが、この件につきましては参考人に。 さらに、営農再開に向けて災害復旧事業で対応できない小規模な施設の応急措置や軽微な補修を農家が自発的に実施する場合、多面的機能支払事業の活用が効果的であると考えます。今後、早急に被災した農地、農業用施設を復旧するためには、更なる活動要件等の緩和と併せて、被災した農地、農業用施設の復旧に限定した定額助成、本事業に係る県、市町村の負担軽減や、農業者自ら取り組む復旧作業に対する支援が必要と考えるが、これにつきましても佐藤政務官にお願い申し上げます。
○大臣政務官(佐藤英道君) 御指摘のとおり、この度の熊本地震は激甚災害に指定をされました。農地、農業用施設の災害復旧事業及びこれと併せて行う再度災害防止のための災害復旧関連事業につきましては、補助率のかさ上げ措置が適用されるところであります。例えば災害復旧事業の国庫補助率については、過去の実績を見ますと、農地は九五%に、農業用施設は九八%にかさ上げされており、地元負担の軽減に寄与されているものと考えます。 さらに、可能な限り田植の作付けに間に合うように、災害査定の前に応急工事の着手が可能となる査定前着工制度の活用により早期の復旧に努めてまいりたいと考えております。 また、多面的機能支払の交付金に関わってでございますけれども、水路や農道等の地域資源の保全管理を支える共同活動に対しまして支援を行うものであります。 今般の熊本地震により被災した地域であって、当初の計画に定められた活動の実施が困難な場合であっても、被災施設の応急措置や軽微な損壊箇所の補修などを共同活動で行う場合には支払の対象としております。このように活動要件の特例を設けることによりまして、例えば熊本市の秋津地域では、本交付金を活用し、地震によりクラックや段差が生じた農道に砂利敷設の応急措置を実施いたしました。これにより農地までの通行が可能となり、営農再開に向けた準備が進められております。 こうした共同活動は、県や市町村による被災地域の復旧に向けた取組の一翼を担い、その負担の軽減につながっているものと考えておりますが、農林水産省としては引き続き、このような多面的機能支払の枠組みも活用しまして、被災地域の迅速な復旧に向けた対応を図ってまいります。
○政府参考人(末松広行君) 次に、土地改良区についてでございます。 今回の熊本地震の被災地域の土地改良区では、農地や農業用水利施設が被災し、農家の方の営農が再開されるまでの間、賦課金の徴収が困難になるところもあると認識しております。このため、金融機関に対しては、土地改良区も含め、被災した農林漁業者等への適時適切な貸出し、返済猶予等既往債務の条件変更など、実情に応じた柔軟な対応を要請したところでございます。 また、今後、土地改良区の被災状況とか土地改良区の方々の要望を確認した上で、その円滑な運営が確保されるよう、どのような支援が可能であるかについて前向きに検討してまいりたいというふうに考えております。
○馬場成志君 ありがとうございます。その上にまた、復旧活動支援交付金なども御検討いただければ大変幸いでございます。 また、次の質問に入りますが、再び今回のような災害が発生することがないよう、熊本県下全ての農業用施設について一斉に耐震点検をするための支援策、あるいは、特にため池、排水機場、農地海岸等に係る耐震対策に要する予算の確保が必要ではないかというふうに思いますが、これについて参考人にお尋ねを申し上げます。
○政府参考人(末松広行君) お答えいたします。 熊本地震の発生を踏まえまして、熊本県下の防災上重要なため池、排水機場などの農業用施設について、改めて早急に耐震性に関する調査を行い、その安全性を確認するとともに、必要な耐震化工事を行うことは非常に重要であると認識しております。 現在のところ、農業用施設の耐震性に関する調査や耐震化工事に幅広く活用できる農村地域防災減災事業という予算を持っておりまして、それを実施しているところでございまして、平成二十八年度、今年度におきましては対前年度比一八一%の五百八億円と大幅に増額したところでございます。この予算の中で、農業用施設の耐震性に関する調査等のソフト対策については、地方公共団体や農家の負担に配慮して定額の助成というふうにしております。 農林水産省としては、この農村地域防災減災事業を活用して、農業用施設の耐震性に関する調査や耐震化工事の推進に向け、熊本県と密接な連携を図り、必要な支援をしてまいりたいというふうに考えております。
○馬場成志君 続きまして、山地災害についてお尋ねを申し上げます。 今回の地震では、熊本県内の十七市町村に及ぶ甚大な山地災害が発生しております。特に、阿蘇地域で多数の山腹斜面が崩落し、人的な被害も発生しています。私も現地を視察いたしましたけれども、阿蘇に向かう車中からも多くの山腹崩壊を確認しております。 国にも多くの支援をいただいておりますが、今後、災害関係事業の予算の確保、拡充、技術支援の継続など財政及び人的支援の幅広な対応が必要と考えられますが、齋藤副大臣、よろしくお願いします。
○副大臣(齋藤健君) 山崩れなどの林地被害につきましては、現段階で、熊本県で三百五十三か所、大分県十九か所のほか、長崎県、宮崎県、福岡県、佐賀県でも被害を確認しているところでございます。 これら被害の把握及び復旧に向けまして、まず、ヘリコプターによって林野庁と熊本県等とで合同調査を行わせていただきましたし、林野庁、熊本県及び森林総合研究所の専門家によりまして、現地調査に基づく復旧方針の検討も行わさせていただいております。また、現地の治山施設等の災害復旧に向けまして、林野庁の技術職員を熊本県庁に派遣をさせていただいております。このように人的支援を含んだ技術支援を行っているところでございます。 今後は、こうした取組を継続しながら、加えて、今後の降雨による二次災害、これを防止していくことが重要でありまして、必要な予算の確保に努力をしながら、技術者の派遣の継続や増強、それから早期の事業着手が可能な災害関連緊急治山事業の実施等を行うこととしております。引き続き熊本県を始めとする関係機関と連携しながら早急な復旧に努めてまいりたいと考えております。
○馬場成志君 ありがとうございました。 何しろ、今まだ地震が続いておる状況でありますから、まだ亀裂もどんどんどんどんということは想像したくないんですけれども、あり得るというふうに思います。全容を把握することも本当に急がれるというふうに思います。航空レーザー計測だとか随分お金が掛かるそうでありますけれども、そういったものでレントゲン写真みたいに写るということでありますが、それをまた早急に実施していただきたいというふうに思います。 そして、最後の質問に入りますが、もう質問にはならないかもしれません。もうこれは要望でお願いをさせていただきます。 海の話でありますけれども、有明海は平成二十四年の熊本広域大水害によって土砂が流れ込んで、海の環境に本当に悪影響を及ぼしました。それから二年たってやっと環境が元に戻って、それからアサリの稚貝というものが出てき始めて、二年たって今年からやっと収穫があるかというようなときにまた泥が今流れ込んでおるというような状況であります。 これから雨が、今日も先ほど申し上げましたように大雨警報が出ています。こういったものでまた泥が流れ込むというようなことになると、これまで四年間頑張ってこられたのがもう水の泡ということになってしまうということであります。このことについても、農林水産省だけでなく、環境省又は国交省、いろんな関係各省、力を結集していただいて、このことに関しても力をいただきたいというふうに思います。 先日、また自民党の農林部会で現地を訪れたときに、西原村の避難所で子供さんから実は私の方にこの鶴をいただきました。この鶴の中にどれだけの思いがこもっておるかということを考えたときに、胸が苦しくなるのは私だけではないというふうに思っております。 これから本当に長い長い闘いになるというふうに思いますが、全力を挙げての御支援をよろしくお願い申し上げさせていただきまして、最後に大臣からお言葉をいただけますか。
○委員長(若林健太君) じゃ、短くお願いいたします。
○国務大臣(森山裕君) アサリ漁業への影響が懸念をされておりまして、私も現場を見させていただきました。漁業者の皆さんにとっては、何年も努力をしてこられて、いよいよアサリの漁業が始まるかなというところにこういうことになっております。 ただ、今回、水産庁といたしましても、担当の職員を現地に派遣をいたしまして、浮泥がどの程度集積しているかという状況の把握もさせていただきましたし、アサリの生育環境の早期回復に向けた技術的な助言というものもさせていただきました。 また、具体的な対応策として、五月四日より、水産多面的機能発揮対策事業によって、漁業者の方々による緊急的な浮泥の除去等の活動に対しても支援を行っているところでございます。 さらに、昨日、同事業を災害対策として同一箇所で複数回活用できるようにするなど、運用の方法の改善も図ったところでございますので、漁業者の皆さんと一緒になってやらせていただきたいと思っておりますし、また、県におかれましても、アサリ漁場から早急に浮泥を排除するために、海の中にある水路のしゅんせつを積極的に取り組んでいただいておりますので、できるだけスピーディーな対応というのが必要だろうと思いますので、何年も待ってやっとアサリ漁業ができるなというところにたどり着いてこられた思いをしっかりと受け止めて、水産庁としてもしっかりした取組をさせていただきたいと考えております。 以上であります。
○馬場成志君 ありがとうございました。
○小川勝也君 民進党・新緑風会の小川勝也でございます。 私の方からも、この度の熊本県を中心とする大規模地震でお亡くなりになられた皆様に哀悼の意を表すと同時に、被災されました皆様にお見舞いを申し上げたいというふうに思っています。 そして今、馬場委員の方から切実なる訴えがありました。この後、紙理事や平木大作委員からも様々な現地視察を経ての大臣や関係各位への要望や質問がなされるかと思います。私は残念ながら被災地視察はしておりませんけれども、映像や報道で見る限り、我々が知る限りにおいての地震の後の農地、圃場というものではないというふうに認識をさせていただいております。 ただいま質疑があったばかりでありますけれども、森林分野そして水産分野を含めまして、いわゆる農業基盤、いわゆる農業生産のために資する圃場その他の復旧に対しましては、森山大臣を中心に、先頭に、今スピーディーにというお話もございました、希望が持てる対策をしっかり迅速に打っていただきますように、冒頭、要望させていただきたいと思います。 質問に入ります。 本日、質問を準備させていただいておりましたところ、日本農業新聞の一面に、「指定団体制度 存廃巡り攻防ヤマ場」という大きな見出しが躍りました。この記事によりますと、政府の規制改革会議が提言した指定生乳生産者団体制度の見直しをめぐる政府内の議論が今週から山場を迎えると、こういうことであります。固有名詞を出して恐縮ですけれども、野村先生や山田俊男先生には大きく御期待を申し上げておりますので、しっかりとした議論をもって正しい決着場に落とし込んでいただきたいというふうにお願いをさせていただきたいと思います。 再三議論させていただいてまいりましたけれども、同会議はなぜこのような議論を、切り口を持つことができたのかということに関して言うと、記事はこう書いてあります。「同会議はバター不足を切り口に酪農改革を議論し、」と。 このバター不足を入口にしてこられることに私は物すごい憤慨をしていますし、この委員会でもその憤慨を大きな声で表したこともあります。冷静に分析をして、バター不足の原因は何だったのか、そして今から、たらればでありますけれども、ここでこうすればバター不足は回避できたのではないか、この政府の規制改革会議から茶々や横やりを入れられる前に、農林水産省としてしっかりあのバター不足の原因究明と反省をしなければならないというふうに思っています。 今日は儀間先生が御質問されないということでありますので、少し時間が余裕があるようでございますので、しっかり私の今質問したことに対する答弁をいただければと思います。
○政府参考人(今城健晴君) バター不足ということの原因のお尋ねでございます。 一昨年、平成二十六年、やはり年末に店頭を含めバター不足が生じたということでございますけれども、その元々の遠因はやはり、平成二十五年、猛暑の影響で夏に相当搾乳量が減ったということが直接の発端でございますけれども、それに輪を掛けて、なだらかに乳牛の頭数が減少が続いているというようなことが重なりまして、生乳生産量そのものが減少し、バターの生産量、在庫量もそれにつれて減少したということがございます。 また、特に平成二十六年が大きな店頭における不足を生じたということにつきましては、その供給不安ということを背景といたしまして、特に年末、需要期でございますけれども、その際にやはり家庭用のバターの購入量が通年よりも多くなったということも重なりまして、非常に品薄の状態が問題化したというようなことではなかったかということでございます。 このような中で、昨年、平成二十七年の年末は三年ぶりに生乳生産量そのものが増加したということはございますけれども、その前に、生産者団体それから乳業メーカーにおかれまして、やはりその二十六年のことがございましたので、バター増産の取組ということに取り組んでいただいたということ、それとバターの追加輸入、これにつきましてもやや時期を早めながらさせていただいたということもございまして、昨年末は二十六年のような状況は回避できたということではないかと考えております。 農林水産省としては、このようなバター不足の要因あるいは安定供給に向けた取組等についてホームページ等も含め公表しておりまして、引き続きバターの安定供給、これは努めてまいりたいというふうに考えております。
○小川勝也君 再三の発言になりますけれども、先ほど馬場委員の方から産地廃棄という言葉がありました。北海道の酪農家でも何度となく産地廃棄を経験しています。それから、平成三、四年の後の、いわゆるバター、脱粉が大幅に在庫が積み上がった後、この後バター不足が起きていますし、また、大幅に減産をした後にはまた不足が起きてくるということも歴史が教えてくれることでもあります。そしてまた、計画的に減産をするということでいうと、まさに規模拡大に向けて順調に投資をし続けてきた酪農家のいわゆる設備投資意欲を再三摘んできたというのも、これ事実であります。 ですので、今輸入を早めたという言葉がありますけれども、いわゆる主たる酪農家にとってはバターの輸入なんというのはしてほしくないんですよ。もっと俺たちに搾らせろというふうに思っていた時期がたくさんあった。それなのにもかかわらず、生産を抑制しなさい抑制しなさいというふうに言われて、搾りたいだけ搾らずに、頭数を増やしたいだけ増やさずにいたところ、緊急輸入だとくるので、がっかりくるんですよ。 これは頭のいい人たちが仕組みを考えることなんで私が考えることではありませんけれども、チーズにはいわゆる補給金単価の高い取引があります。ですので、バターが足りなくなりそうになったときには、バター向けに積んでおいた基金からいわゆる少しオンして、バター用に生乳を買い取るような、そういう緊急的な工夫、措置などというのはとれないだろうかというふうに考えるわけであります。 いろんなことを考えてきたんだと思いますけれども、何とか、生産のキャパシティーを超えた分はしようがありませんけれども、まだまだ生産できるというときに輸入が起こらないように、バター不足にならないような再三の仕組みづくり、私はできないものかと思います。併せて御答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(今城健晴君) 委員からのお尋ねでございます。 ただいまおっしゃられたとおり、基本的には生乳は飲用乳としてお売りになるのが一番酪農家にとっては高い手取りと。その中で、現在、加工乳につきましては補給金の形で、バター、脱粉とそれからチーズの部分を段差を付けてお支払いしておるわけでございますけれども、これは取引価格が加工原料乳の中でも異なるという現状に即しておるわけでございます。そのような観点もございまして、昨年、TPP対策の政策大綱の中でも定めさせていただきましたけれども、加工原料乳補給金につきましては基本的に、現在の加工原料乳の用途で分けるのではなくて、クリーム、液状乳製品も含めて全部を対象にするとともに、補給金単価を一本化するということを打ち出させていただいております。 そういう中で、需要がやはり不足ぎみのときに柔軟な乳業メーカーの対応というものができるようになることもその中には含まれておりまして、そういう形で、バターも不足しないような、需要に応じたメーカーの対応が図りやすいような、また生産者団体の供給も滞らず起こり、やれる、やりやすい仕組みにできればというふうに考えております。
○小川勝也君 テレビを見ていましたら、ケーキ屋さんにインタビューが入って、バター不足で困ります、これから書き入れ時なのにと。テレビ局側は、政府のやり方がまずい、そして農業協同組合の人たちが悪いというふうに消費者にメッセージを植え付ける。こういう番組を見た私は本当にがっかりするわけであります。 そのときに、なるほどなというふうないい解説をしてくれました。それは、バターを輸入するということがいかに重大なことかというと、これはバターは実質、成分表示は変わりますけれども、牛乳代替物に化けるわけです。牛乳を国内生産にずっとこだわってきますけれども、バターを輸入して脱粉と水と混ぜれば、いわゆる加工乳になるんですよ。だから、バターを輸入するということは酪農家にとっては大変重大なことなんです。チーズの輸入とは訳が違う、このことを改めて御認識をいただきたいと思います。 それで、バター不足がこの入口で、まさに農林水産省も酪農団体も酪農家も悪者にさせられて、指定団体制度が全部悪いんだと、こういうふうに言わんばかりのことを攻撃をされる。私は、後に述べますけれども、北海道における酪農の成り立ちを若干知っている者として、競争が全てじゃない、農業というのは効率だけじゃないんだということを国民の皆さんにも必ず分かっていただけるんだと思う。どんどん競争して強くなって一人だけが残ればいいという商売、株式会社の世界とは違うんです。だから、農業協同組合もあるし、酪農家も支え合って生きている。 そのことを含めて森山大臣に、この指定団体制度、どう取り組むおつもりなのか、決意を改めてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 四月の八日の日に規制改革会議におきまして、指定団体とそれ以外の取引を生産者が選択できるよう、補給金を含めたイコールフッティングを前提とした競争条件を整備するため、現行の指定団体制度を廃止するといった意見が取りまとめられたと承知をしております。 何回も申し上げてまいりましたが、生乳は毎日生産をされる上に、液体で腐敗しやすいという特性があります。また、価格が高い飲用向けと価格が幾らか低い乳製品向けについて適切な調整がなされないと、生乳廃棄といった事態を招きかねないといった特性があるというふうに認識をしています。 このため、現在の指定団体制度が果たしている役割というのは、一つは、地域の酪農家を代表して乳業メーカーとの対等な価格交渉を行うということが一つあると思います。また、酪農家が点在しておりますので、効率的な集送乳を行うことによるコストの削減というのが一つあると思います。また、飲用牛乳向けと乳製品向けを調整すること等による消費者への牛乳、乳製品の安定供給という目的を達成しなければいけないのだと思います。このような機能は非常に私は重要であると考えております。生産者や乳業メーカーなど幅広い関係者の意向を十分に踏まえた検討が必要であるというふうに考えております。 農林水産省としましては、こうした関係者の意向も踏まえ、今後、消費者ニーズに的確に応えつつ、酪農家の所得向上につながるよう、経費削減や集送乳の効率化による更なる合理化などに向けた見直しを行いつつ、指定団体制度が有する重要な機能が適切に発揮され、我が国酪農が長期的に発展をし、酪農家が安心して経営を継続できるように対処していく必要があるというふうに考えております。 また、各政党から生乳流通の見直しに関する意見あるいは決議というものも頂戴をしておりますので、こういう御意見もしっかりと受け止めさせていただきまして、間違いなきを期してまいりたいと考えております。
○小川勝也君 よろしくお願いいたします。 もし自由に生乳を集められることになると、近くて効率のいいところだけ集めれば、いわゆる経費が安く済むんですね。遠いところの人は、これはもう廃業を迫られるということになります。これは、今の制度が全て万全だとは申し上げませんけれども、知恵の中でできたことであります。 あわせて、私は逆の立場でも発言をしてまいりました。指定団体だけが集乳するというシステムの中であっても、例えば低温殺菌だとかブランド牛乳だとか、あるいは小規模なチーズ工房であるとか、こういう多様な農業が併存できるような農業であってほしいと。そういったことも踏まえながら、この指定団体制度、存続を前提に様々な工夫をお願いをしたいというふうに思います。 次に、そのお隣の分野であります。先ほど、規模拡大してもいいなと思っている酪農家にも大きな壁があります。この委員会でも議論させていただきましたけれども、大変子牛が高い、そして子牛が高いので、いわゆるホルスタインのお母さんのおなかもたくさん埋まっている、人気があるということであります。 前回審議をしたときから少し経過しておりますので、現在の子牛の価格、どういう市況なのか、それから牛不足が現在どういう状況なのか、概要をお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(今城健晴君) 子牛の価格でございますけれども、前回委員からお尋ねあってから多少期間がたっておりますけれども、更に高くなっておりまして、特に酪農の初妊牛につきましては一部八十万円というような値段も聞かれるという状況になっている状況でございます。
○小川勝也君 それに加えて、いわゆる銘柄の例えば淡路島だとか但馬だとかいうのはもう八十万超えだというふうに伺っています。なかなか買えない価格にこれ到達をしています。 そんな中で、肉牛も欲しい、それからF1も売れる、ホルスタインのいわゆるお母さん牛も早くつくりたいということになると、まさに黄金のお母さんのおなかになっているわけであります。農林水産省に生産者の方とお伺いをいたしましたら、初産の安全も含めて、とにかく高く売れる肉牛を付けるということを推奨すると。これは現金収入は大きいですよね。ホルスタインの酪農家のところでいわゆる黒毛和種の精液を、受精卵をもらって八十万、七十五万で売れれば、その農家の現金収入としては物すごく大きいわけであります。しかし、ホルスタインの雌が生まれないと次のいわゆる生産基盤ができないわけであるので、これは痛しかゆしということになります。それで、今やってきているのが性判別精液の導入ということであります。 基本的に、ホルスタインも分娩をいたしますと、ほかの生物と同じように約五〇%に近い確率で雄と雌が生まれます。雌が育たないといわゆる酪農の主体たる乳を出す母牛にならないので、雄は非効率ということになります。なので、今は性判別精液を入れて雌だけ生まれるようにしようということを指導しているわけであります。 私は、生命倫理という点からどうなのかなというふうに実は苦しんでいます。現場の獣医さんの中にも、いや、実は商売ではやってはいるけれどという方もおられます。酪農、畜産地帯の首長さん方とお話をしてみると、実は俺もやばいと思っているんだと、こういう話があります。どこまでこういう生命倫理に人間がチャレンジしていいのか。 一つ、都市伝説ではありませんけれども、これも直接聞いた話です。今まだ性判別精液の成功率は一〇〇%ではありません。したがって、雄も生まれます。雄が生まれたときのことでありますけれども、これはまずは、農林水産省はデータ持っていないはずですが、間違って生まれた雄は病弱、脆弱という、そういうニュースが入ってきています。どこまで確認できていますか。
○政府参考人(今城健晴君) 性判別精液を用いた場合に一割ぐらい雄が生まれるというのは、委員も御承知だと思います。その性判別精液の判別の仕方そのものには特段、何というんでしょう、精子に付加、手を加えているものではございませんので、判別するときにどうしても雌の中に雄の精液が混ざり込んでいるということでありますので、論理的には生まれた子牛が脆弱になるというものではないのですが、現場でそういうお話をされている方がいるというのは存じ上げておりますけれども、今申し上げましたように、理屈上はなかなか証明できませんし、数字的にもちょっと把握はできておりません。
○小川勝也君 今、効率優先と言っています。私は効率優先の全てを否定するわけではありませんけれども、行き着く先まで行ってしまうことに対するおそれをたくさん持っている人の一人であります。 これは肉牛の世界も、立派な肉質のいい雄の精液を流通させて次の肉を生産いたします。母牛となる牛も、いい母系のDNAを用いてどんどんやっていきます。実はホルスタインも同じです。共進会ということで、スタイルが良くて、いわゆる乳量が多いやつの子孫をどんどんどんどん繁栄させようとしています。これと同じことをやっているのは競馬ですね。今たまに競馬新聞を見ますと、サンデーサイレンスとかトニービンとか同じ名前ばかり出てきます。 それと同じように、生物の世界でいうと、生物の多様性というのがこれ大事なキーワードでありますし、DNA型もなるべくたくさんあった方が生命を維持するという意味でいうと、科学的な根拠を持っています。私たちもどんどん家畜改良をしてきた歴史で、我々人類はどこまで挑戦していいのかという話になってくるんだろうというふうに思います。 大臣、御記憶かどうか分かりませんけれども、つい先日の衆議院の農林水産委員会で自由民主党の吉野先生が、恐竜は二億年生きたという話をされました。恐竜は二億年地球上に生きたけれども、人間はそんなに二億年もたないだろうと、こういうふうに言われているという科学的な論文の引用をされました。 私たちはやはり、短視眼的に効率を良くし金を稼ぎたいというのはやまやまですけれども、それはある程度自分を律して、自制して、可能な与えられた条件の中で我々はその活動を行うべきではないのか。そして、農産物もどんどん改良しています。農産物は植物です。家畜は、これは動物です。動物の生命をどこまで改良していいのかという疑問とおそれというのは、それは生産者も持つべきだし、科学者も持つべきだけれども、私は大臣にも若干思いを共有してもらいたい。私ほど大きくなくてもいいんですけれども、どこかで何かおそれを持っていただかないと本当に怖いことになると思います。 こういう生物多様性の中にあって、生命倫理の確立、人間、人類、我々の欲望はどこまでしていいのかということに対して大臣の御見解をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 小川委員が言われますとおり、生命倫理の世界をどう我々は理解をしていくのか、その範疇をどう定めていくのかというのは非常に大事な課題だと思っておりますし、また、畜産を営む者にとっても大事なことだと思っております。 今委員のお話を伺いながら、和牛の世界でも随分血が濃ゆくなってきているという現状があります。本当にこれでいいのかなということを時々考えます。そのことによる弊害も出てきております。ただ一時的に、血統のいい子牛が高いというだけでそちらの方だけに走ることが長い目で見たときに畜産としていいのかどうか、ここをやはり我々は慎重に考えておかなければなりませんし、また、そういうことも農家の皆さんともよく議論をしておかなければいけないことなのではないかというふうに考えておりまして、大変大事な御指摘をいただいたと思っております。
○小川勝也君 結論の出ない大変難しい問題だと思いますので、御認識だけいただければ幸いです。 それで次に、規制改革会議は、バター不足で指定団体制度を破壊しようとしてきました。農村破壊は何を契機にしようとしたかというと、農業を営む人たちの平均年齢が高いじゃないかと、こう言うんです。 私の北海道はいわゆる専業地帯でありますので、ほとんどの方が専業農家であります。しかし、府県には兼業地帯と呼ばれるところがほとんどですけれども、これが物すごい農村維持に大きな役割を果たしてきたなというふうにも思っています。人生八十年時代、六十歳を目前にしてそろそろ田舎に帰って農業を継ごうか、こういう人たちが私はいていいんだと思うんです。逆に、代々農業をやっているけれども、自分は勤めに出ていながら農業をやるんだと、それが七十歳になっても現役でいられればこれは幸せなことであって、すばらしいことであって、別に規制改革会議から茶々入れられることじゃないんですよ。そういうことをもってして農村が破壊されるということは、私は許されないことだと思います。 農地中間管理制度のこれからなしていくことの罪深さについて、私はお訴えをしたいというふうに思います。 今、兼業地帯の農業生産、規模が小さく、非常に生産性が悪い。ほかに勤めがある人が土日だけやっていたり、あるいは定年になって戻ってきて遊び半分でやったり。私は、その人たちがいないと農村集落は守れないんじゃないかと危惧しています。すなわち、農地を担い手に集めることによって、彼らが帰農する場所がなくなってしまう。これは、農村から新しく農業に参入する人や実家に帰る人たちを締め出すことになるんじゃないかと思う。 実は、私は今からでも農村に行って農業を始めようと思っていますけれども、もう定年になったら戻ろうと思って都会で働いていた人たちもたくさんいるし、定年になったら専業農家になろうと思っていた人もたくさんいるはずなのに、今はとにかく農地を出しなさい出しなさいと言われれば、その人たちが帰る場所がなくなってしまう、こういう危惧を持っています。 では、大臣にお伺いをいたします。 農村を守っていくために必要なものは何でしょうか。
○国務大臣(森山裕君) それはやっぱりマンパワーであろうと思います。
○小川勝也君 そうなんです。人がいないと、幾ら何ヘクタールの立派な圃場があっても、輸出で幾らもうけても、その農村コミュニティーはなくなるんですよ。 ここで北海道の酪農の歴史を御紹介をさせていただきたいと思います。 酪農は四頭、六頭からスタートいたしました。当然手搾りです。牛の世話をして、ミルクタンクに搾乳をして、道路まで運んでいく。寒いときもあれば暖かい日もあるので、タンクが温まって雑菌が増えてしまう。だから、私たちの国の牛乳は百三十度の殺菌なんです。今こんなにすばらしいコールドチェーンができてもまだ、百三十度で殺菌する必要はないんですよ、本来は。まあこれはおいておいて。 それで、どんどん、今言ったように、ある人は経営が行き詰まります。乳価が思ったように上がらなくて、生産費との間でいわゆる借金の返済ができなくなって離農をする、残念な人は首つりをする、そういうことによって二軒の農家が一軒分になる、それが全道各地で何次にも何次にもわたって繰り広げられてくる。その間、いわゆるホルスタインの品種改良も進み、三千数百キロリットルだった乳量が七千になり八千になり九千になる。 そして、この酪農家の切磋琢磨は、まさに甘えが許されない。牧草を育てるのは生物、そして農薬や化学肥料は化学、気象は地学、そして経営は数学、全てにわたって優秀な人しか残れないという数次にわたる戦争の中で、乳量は増え、経営面積は増え、牧草地は増え、そして牧草を刈り入れる機械の購入金額も増え、ミルカーのいわゆる設置費用も増え、そしてコールドチェーンの確立も大変な負債となって残っていき、そして牛舎がどんどん近代化され大きくなって、堆肥場も設置するという中で、今は大きな酪農家しか残れなくなります。それが、酪農も畑作も同じことが繰り広げられていきます。最初は一町五反だった畑作地帯も四町になり十町になり三十町になり、その間、隣にいた農家の方々の農地を全部受けてきて今の農家がいる。 だから、今TPPが最大の懸案ですけれども、私たちは、この北海道の農家はもう一戸たりとも減らしたくない。もう終わっているんですよ、トーナメントと戦争と競争は。府県はまだ農地面積は小さいし経営効率は悪いけれども、私は、その方々が餓死するのであれば、そこから自然に出ていくはずなんです。私は、今、日本に求められているのは、成長ではなくて、効率ではなくて、やっぱり持続ということだというふうに思います。 私たちの国はどういう国なのか。これはいろんな言い方があります。かつて自由民主党の政策フレーズに、国土の均衡ある発展、多極分散型国土の形成というフレーズがありました。これは、私も田舎者ですから大好きだった。多極分散型国土の形成でいうと、最もうまくいっているのは私はドイツであろうというふうに思っています。首都もあるけれども、金融の中心もあれば製造業の中心もある。そして、そこはかとなく農業も頑張っている。 どんどんどんどん人口が首都に集まるなんという国は、これは私の言葉では途上国モデル、途上国モデルです。これは、今のコルカタとかあるいはメキシコシティーとかブラジルのリオデジャネイロとか、経済発展の途上である国は貧富の差が拡大をしているのでどんどんどんどん首都圏に人が集まってしまう。私たちの国は曲がりなりにも高度経済成長で成功した国なのに、まだ東京に人口が集中している。私は、効率的な、あるいは成長の、あるいは輸出のという農業ではなくて、持続の農業と幸せを享受できる農村、これが大事だと思います。 これ、全て答えるわけにはいかないと思うので、大臣にはここで東京一極集中についてだけ感想を求めておきたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 東京一極集中がいいか悪いかと問われれば、私は是正されるべきであろうというふうに思います。
○小川勝也君 今、私、誰がこの絵写真を描いているのかなというふうに思いますと、今この国会でもテーマになりました、介護人材と保育人材が足りない。それは、首都圏に人が集まり過ぎているんです。これがアンバランスなんです。 それから、もっとこれからは人手不足が顕著になります。物すごい勢いで人手不足が大問題になります。それは、最も人口減少の厳しい北海道がそのカナリアの役を果たしているから、私はよく分かっている。観光客の方がどんどん来てくださる。有り難いことですけれども、いわゆるランチタイムにランチをサーブする人材が足りなくなってきています。お客様がお泊まりに来ていただけるのは有り難いですけれども、ベッドメークする人が足りなくなってきています。これが日本経済のいびつです。 ですから、私はそうあってはならないと思いますけれども、農村の非効率的な人口をもっと別な労働力として出したらどうだと、このぐらいのことを考えている人がいて農村破壊政策をやっているんじゃないかと疑らざるを得ないような状況であります。 私は、農村を今しっかり守るべく政策を実現するときだというふうに思っています。いわゆる農地をたくさん使って生産をするというのは、それに適した地域があるんです。オーストラリアとかカナダとか、日本であれば北海道、それ以外の地域であれば、先ほどの牛を飼ったり野菜を作ったり、もっと効率的な果樹を育てたり、あるいは加工したり、もっと少ない面積でも力を合わせて稼ぐ方法は幾らでもある。農地を担い手に集めれば金がもうかるなんということはあり得ない、これをしっかり共通認識にしていただければというふうに思っています。 効率が全てではないということでいうと、一番効率的にできるのはそれは畜産です。北海道にも一万五千頭の肥育をしているいわゆる畜産工場があります。私は、この農林水産省の政策の範囲はどこまでなのかというふうに問題提起をしたいと思っています。 私は、想像でこういうふうに申し上げているんですけれども、森山大臣のところの大先輩である山中貞則先生が、シラス台地で水田も畑作も収入をがびがび取れるような場所ではないので、副業として農家のおかみさんに牛を肥育することによって現金収入が得られるぞというところからいわゆる黒毛和種や肉牛の発展があったんだと認識をしています。 農業政策というのは、地域を守るから大事なんです。食えない地域があったら、その地域が食えるようにするのが農業政策であるから、畜産に今マル緊という、まあ集大成ですね、畜産の政策の集大成に向かってきています。しかし、企業経営の数千頭や一万頭を超えるいわゆる肥育工場がその政策の範囲であっていいのかどうか。そして、今はやりの野菜工場、これは作っているのが野菜なので農林水産省のカテゴリーですと、こういう役所の方々の答弁もよく分かりますけれども、私は本来、農林水産省が組み立てる農林水産政策というのは、水産と森林は別にして、まずは食料をしっかり作る、食料安全保障に資する、農地を守る、農村を守る、こういうやっぱり太い幹があって政策がないとおかしくなるというふうに思います。 もし、苦言を呈しますけれども、野菜工場も大規模畜産も農業ですということであれば、近い将来、農林水産省は解体されて経済産業省の一部局として食料生産局になる。これは笑い事じゃないですよ、大臣。もうそのくらい、この昨今、農林水産省は外部から揺さぶられているじゃないですか。僕はもう一回しっかり哲学を立て直すべきだと思います。 農林水産省が掲げる農林水産政策の範囲あるいは考え方というのは、私は今自分の考え方を提示いたしました、どういう考え方に基づいて政策を立案すればいいと思いますか。
○副大臣(齋藤健君) 現在、今の農業政策は、産業政策と地域政策の車の両輪だという考えで進めさせていただいております。 地域におきまして、農業がなければ地域は成り立ちません。また、地域で人がいなくなれば農業は成り立ちません。ですから、これを車の両輪として農業政策は進めていくべきだというふうに考えているところでございます。そして、産業政策としての農業政策でありますけれども、規模の大小ですとか、それから経営体の区別にかかわらず、その地域で農業をやり、所得を落としてその地域の発展に資するものであれば、私どもはそれを応援をしていかなくてはいけないというふうに考えているところでございます。 ただ、先生の御指摘と共有するところは、余りに極端な地域を無視をした企業経営とか、そういうものについて我々も懸念をしているところでありまして、あくまでも地域政策と産業政策をいかに両立をさせていくかというところで政策を展開をしていきたいというふうに考えているところでございます。
○小川勝也君 ちょっとしつこいですけれども、農業というのは競争じゃないんですよ、連帯なんですね。なので、ここまで成り立ってきているんです。野菜工場や大規模畜産をやるのはなぜか、効率が良くて競争力が高くなるからなんです。競争力が高くなるからということは、他者を置いてきぼりにできる実力が備わるからなんです。だから投資するんですよ。 さっきわざわざ聞きたくもない皆さんに北海道の酪農の歴史をお聞かせいたしました。こっちの酪農家が規模拡大をすると、若干経営コストが下がります。なので、今度はいわゆる頭数を増やさない酪農家の経営効率が相対的に低下をいたします。だから、規模拡大をすれば、頭数を増やせば、牧草地を増やせば、落後する農家が、畜産家が、酪農家が出てきたということをお示ししたかったんです。今、これは野菜工場も畜産も同じじゃないですか。野菜工場がたくさんのレタスを毎日毎日作ることによって、家族経営でレタスを供給していた人たちはマーケットを奪われるわけですよ。 それから、百頭の生産しているF1の肥育農家とあるいは一万五千頭のF1の肥育農家とどっちが安く肉を出荷できるのか。それはF1の一万五千頭の工場は、家族経営よりも安く肉を出荷できて、安定のマーケットを確保できるからそこに投資するんじゃありませんか。ということによれば、そのF1の肉を、今はたまたま肉は好況ですよ。けれども、経済原理からすると、その人たちの手取りを減らすことになるんです。そのことを北海道の離農者は全部教えてくれているから、私はここで表明しているんじゃないですか。北海道だけのことを言っているんじゃないんですよ、これ。全部、本州の農業が同じことになってくるから言っているんです。 私は、農業政策の範囲を再考し、地域をしっかり守る、それから、もう全て護送船団とは申しませんけれども、農業は一人ではできませんので、相携えてしっかりと、集落や地域を守れるような農業をしっかり大事にしていただきたいと思います。 次に、大事な種の話をしたいと思います。 これは私もいろいろな疑問や心配をしていた分野でありますけれども、まとまって聞くのは初めてです。すなわち、私たちの基本的な農業の中に、外国産の種子、それも一代限りのF1の種に支配されている農産物が多いというふうに見聞きしております。 主要農産物の国産のシェアがどんなものなのか、あるいは今申し上げた外国産のF1にマーケットを奪われている農作物はどういう状況になっているのか、概要を御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(櫻庭英悦君) お答え申し上げます。 主要農作物の種子の国産のシェアでございますけれども、稲ですと国産のシェアが一〇〇%、あと主要農作物でいきますと麦、大豆もほぼ一〇〇%でございまして、正確に申し上げますと、麦で九九・七%、大豆で九七・八%となっております。 そのほか、これは率ではなかなか把握できないものが野菜とか花とか、これはなかなか率ではできない状況でございますけれども、例えば野菜の種子の輸入量というのは年間約四百七十七万四千トンという形になっておりまして、これはアメリカ合衆国を始め世界各国から野菜の種子を輸入しているという状況でございます。
○小川勝也君 これも教えていただきたいんですけれども、その種子と、種子に合う肥料や種子に合う農薬と抱き合わせ、セットのような形で販売、戦略上されているようなものも把握されておられますでしょうか。
○政府参考人(櫻庭英悦君) 一つの種子とこれを、栽培が違いますのでなかなか申し上げられませんけれども、例えば種子と農薬を一緒に扱っている世界のメジャーな会社がございます。その売上げの比率で申し上げますと、例えばダウ・デュポン、ダウとデュポン、これが合併しまして世界一の種子・農薬会社でございますが、これの二〇一四年の出荷額が二兆円強になっておりますが、種子と農薬が大体半々の割合、その出荷額のですね、そういった形になっております。 それが抱き合わせかどうかというのはちょっと現在分かりません。
○小川勝也君 農業政策の中で一番大事なのは食料安全保障だと、これは間違いないことだと思います。そんな中で、今、米、麦、大豆は安心をいたします。一番やばいのは、皆さん御承知のとおり、自給率が低いのは農業機械のエネルギーですね。これ、昔の人は稲を手で植えましたけれども、今植えられる人は誰もいません。もう一時間ももたないというふうに思います。 ですので、いわゆる原油由来の軽油、ガソリンがないと農業生産ができないというのがこれ一番大事なんですけれども、今、米、麦、大豆は安心いたしました。それ以外の農産物で、食料安全保障上の観点から種子を戦略的にしっかり守っているという品種はありますか。
○政府参考人(櫻庭英悦君) 例えば餌のトウモロコシでございますが、これは種子というよりはトウモロコシそのものを輸入しているということでございますので、やはり我が国の高温多湿な環境でございますので、これは種子とはちょっと切り離して考えた方がいいと思いますけれども、私どもが今考えておりますのは、例えば伝統野菜というのがございます。これは、その地域に根差した、例えばすごく長いニンジンであるとか辛みの利いた大根でございますけれども、この保存に今非常に力を入れておりまして、各県の農業試験場と一緒になってやっているところでございます。 また、一部はやはり経済的に回らないとその種子が絶えてしまう可能性もございますので、そういったものもある意味GI、地理的表示の方でしっかりとブランドを確保して、それがその地域、風土、土地、作り方に根差したものであるということで育て守っていきたいという具合に考えている次第でございます。
○小川勝也君 ありがとうございました。期待をした答弁だったと思います。 私も家庭菜園をやって今農業に進出する準備をしているんですけれども、もう流通の観点から、多分日本全国で数限りない野菜の種類があったと想像されるものがどんどんどんどん集約されてきて統合されてきています。例えば、ナスの千両二号とか、キュウリでいうとサンゴ系列とか、本当に作りやすいものにどんどんいく、カブは金町小カブと。例えば今言われた地域の、東北の曲がりネギであるとか北陸の打木源助大根とか、こういう本当にいい野菜を種として保存していただくということは我々の国にとっては物すごい大事なことだというふうに思いますので、特に京野菜などというのは独自に相当頑張ってくれていますよね。これはもう日本の宝だと思いますので、日本古来の野菜や地域で特色のある野菜の品種の保存など御努力をいただければというふうに思っています。 吉野先生の言葉を借りれば、やはり我々は生き急いでいるんじゃないかなというふうに思っています。効率的にどんどんなり過ぎて、いろんなものを作ってしまって、そのパンドラの箱を開けたのがやはり農薬を使った農業だろうというふうに思っています。農薬を使う農業というのは私たちの国の歴史でいうとそう長くはないわけでありますけれども、それで生態系が大きく変わってしまいました。 この委員会の部屋でも蜂の話、トンボの話をさせていただきました。生物はいろいろありまして、実は田んぼというのはまさに生物多様性の縮図であります。私は一度テレビで、滋賀県の現高島市だろうというふうに思いますけれども、農薬を不使用の水田をつくり、いわゆる川から田んぼにナマズが入ってきて、ナマズが出産をするぞというNHKが作った映像を見て感動を覚えました。いろんな取組をされておられるというふうに思いますし、最近は環境を大事にしたいNPO団体もいろんな取組をしているんだというふうに思っています。 農薬に対しての耐性が強い生物、弱い生物、いろいろいますけれども、私も子供の頃は自分の家の裏がまだ田んぼだったんですけれども、うちの部屋の座敷から蛍が見えました、昭和四十年代前半、まだ農薬を使用しなかったということだろうというふうに思います、いわゆるかんがい溝で蛍がいたわけでありますので。 この質問を通告するときに、質問取りに来られた農林水産省の役所の方々に、俺は北海道で見たことないんだけど、タガメって見たことあるか、昆虫図鑑に出ていたんだよねと言ったら、誰も見たことないと言いました。これは御案内のとおり、タイに行きますと、おやつで空揚げになって売っているんです、これがタガメという。今タガメとか蛍とかはいなくなったんですけれども、頑張ればいろんな生物は戻ってくるんだというふうに思います。 そういう意味でいうと、いわゆる水田における生物多様性の実験、これは農薬の不使用やあるいは魚道の整備やあるいは冬水田んぼ、冬の水張りや、これはお金の掛かることですけれども、私は夢とロマンがあって非常に楽しみなんじゃないかというふうに思いますし、そして子供たちにもしっかりとその予算を消費しただけのデータを私は与えられるというふうに思います。 環境省と農林水産省と一緒に取組をしていただければ有り難いなというふうに思うわけでありますけれども、まず、その辺のところを環境省から御答弁をいただければと思います。
○政府参考人(早水輝好君) お答えいたします。 環境省では、農薬が水田を含む水域生態系にどういう影響を与えるかという調査研究を行っております。例えばですけれども、これは以前の委員会でもお答えいたしましたが、ネオニコチノイドなどの農薬が水田も含めた水域生態系の重要な指標でありますトンボの生息状況にどういう影響を及ぼしているかを把握するために、水域環境中における農薬の濃度、あるいはトンボの幼虫であるヤゴの生息実態の調査、あるいは農薬による毒性の試験などを行っております。 また、このほかに、実際の水域生態系を模したメソコズムというものを用いた試験のマニュアル作成に取り組んでおります。これを用いますと、それぞれの地域において試験を実施することによりまして、その地域における水域生態系への影響が少ない農薬の選択や使用方法の改良につながることが期待をされます。 今後も、このような取組、調査研究を通じまして、農林水産省さんとも連携を密に図りながら、農薬の水域生態系に対する影響に関する科学的知見の集約とその活用に努めていきたいと考えております。
○小川勝也君 魚道の整備、開発を含めて、併せて農林水産省から答弁をいただきたいと思います。
○大臣政務官(佐藤英道君) 御指摘のとおり、農業活動の場である水田や水路、ため池などは多様な生物の生息・生育地としても重要であり、水田等における生物多様性に関わる研究を行うことは重要な課題であると認識をしているところでございます。 農林水産省におきましては、これまで水田における生物多様性の状況を評価するために、カエルや水生昆虫、クモなどの指標となる生物を明らかにしてまいりました。また、現在は、農薬や肥料の使用状況がこれらの指標生物に及ぼす影響や、農業用水路の三面張りをやめたり魚道を設置したりするなどの生態系に配慮した工法の効果を簡易に比較、評価する研究も進めているところであります。 今後も、こうした取組を更に進めまして、環境に配慮した農業活動を通じた生物多様性の維持増進に努めてまいります。
○小川勝也君 そういった活動が、校外学習でもいわゆる正課の中でもいいんですけれども、子供たちと一緒にそういった実験に向けての準備や取組をするということはまさに教育的な効果も非常に絶大だというふうに思いますし、今そういった自然保護団体や協力をしていただけるNPOなども多分あるはずでございますので、しっかり取り組んでいただければというふうに思います。 次に、人工甘味料についてお尋ねをしたいと思います。 これは私も分からないことばかりであります。最近、カロリーゼロという飲物が結構多い。そこには多分、横文字の人工甘味料が入っています。私も、ちょっと味が変だななんて思ったりしていろいろ調べてみますと、本にもよりますけれども、毒性があるとか、食べない方がいいとか飲まない方がいいとか、危険性があるとか、子供たちには与えるべきではないとか、いろんな記述が自由になされているわけであります。 そんな記述がなされるものをなぜこの私たちの国では野放しに販売されているのかなというふうに思うわけで、こういう人工甘味料の安全の確認はどのような手順でなされているのか、厚生労働省にお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(福田祐典君) お答えいたします。 今委員御指摘の人工甘味料でございますけれども、食品衛生上は食品添加物として位置付けられているところでございます。 我が国では、食品添加物を使用するためには、厚生労働大臣がその食品添加物を指定することが必要でございます。事業者は、食品添加物の指定の手続に必要となるデータを添えて、厚生労働大臣に対して指定の要請を行うという流れになります。この要請がなされた場合には、厚生労働省は、食品安全委員会の科学的なリスク評価を踏まえつつ、薬事・食品衛生審議会での審議などを行った上で、安全性等に問題がない場合に指定を行い、食品添加物の使用が認められるというものでございます。
○小川勝也君 報道が規制されてそういう書物や声が抹殺される国には絶対なってはならないというふうに思うんですけれども、これ、例えばもう一回調べたいというようなことで再度調べたり実験をしたりというようなルートはあるんですか。
○政府参考人(福田祐典君) お答え申し上げます。 これまでも、食品添加物の安全性に懸念を生じさせるような科学的な知見が認められた場合には、薬事・食品衛生審議会で検討を行うなど必要な対応を行ってきているところでございます。 厚生労働省としては、今後とも、EUのリスク評価機関であります欧州食品安全機関、これEFSAと申しますが、や、国連食糧農業機関と世界保健機関の合同の食品添加物専門家の会議でありますJECFAなどによります国際的評価や科学的知見を踏まえつつ、食品安全委員会とも連携をして食品添加物の安全性の確保を行ってまいりたいと考えております。
○小川勝也君 余り脅かしても気分のいい話ではありませんけれども、ある人工甘味料は防蟻剤として使われている物質と性質が同一であるというものがあったり、ラットを使った実験で明らかに神経毒性が発露されるというようなものも認められているように認識をさせていただいております。 こういう結論で本当にいいかどうか分かりませんけれども、人工甘味料を使ってまで甘みを摂取しないで、沖縄、鹿児島、北海道で取れた砂糖を食ってくれと、こういうことを申し上げて、質問を終わらせていただきたいと思います。
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。 質問に先立ちまして、まず私の方からも、平成二十八年熊本地震におかれまして亡くなられた方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、今なお余震と闘っていらっしゃいます被災者の皆様に対しまして心からのお見舞いを申し上げたいと思います。 発災直後より、私たち公明党といたしましても、国会議員、地方議員、手分けをいたしまして現地に入りまして、とにかく現場の皆様に寄り添った支援を一緒になってつくっていこうということで今働かせていただいております。残念ながら、私はまだ被災地、足を運ぶことができておりませんけれども、これはしっかりと政府とも呼吸を合わせながら、現地の皆様とともに復興に全力で取り組んでまいりたいと、まずは申し上げたいと思います。 さて、私の方からは、本日、CLTについて、このテーマ一本でお話をお伺いしていきたいというふうに思っております。先般、このCLTを用いました建築物の一般的な設計法が無事に策定また公表をされました。国産材利用の切り札的な存在、CLTという新たな建材、そしてそれにまつわる工法について、改めて今後どのようにして利用、普及を図っていくのか、この点に絞って今日はいろいろお伺いしていきたいと思っています。 今回策定された建築基準法に基づく一連の告示、三月三十一日にはまずCLT材料の品質及び強度について、それからCLT部材の燃え代設計について発表されまして、翌四月一日にCLTを用いた建築物の一般設計法について出たわけであります。 改めて、今日は国土交通省にも来ていただいておりますので、このCLTを用いた建築物の一般的設計法を作ったこの意義についてまずは御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(石田優君) お答えさせていただきます。 今先生の方からお話ありましたとおり、三月三十一日と四月一日に建築基準法に基づきます告示を公布、施行させていただきました。 内容的には、構造計算的なものと耐火的なもの、二つに分かれます。 まず、構造関係でございますが、これまでCLTを構造部材という形で用いるためには、各個別の建物ごとに詳細な設計と計算をしていただきまして、それを基に大臣の認定を個別に受けるということが必要でございました。これではそれぞれ時間が掛かりますので、国交省の方では、部材実験、あと実物大の振動の実験、こういったことを基に、CLTの材料の強度、またそのCLTの建物が地震時にどう挙動するか、この辺のデータを集めてまいりまして、それを踏まえまして、今般、一般的な設計法等を告示で定めまして、これに基づいて構造計算等をしていただければ、一々大臣の認定を取ることなく通常の手続で建築確認を得ることができるという形にさせていただきました。 また、耐火関係でございますが、やはり準耐火の構造としなきゃいけないという規制が掛かっているものが幾つかございます。そういったものにCLTを、防火の被膜、例えば石こうボード等で覆うことなしに見える形で使うとなりますと、やはり個別の大臣認定が必要であるということで、詳細な設計等、構造計算等が必要でございますけれども、これに関しても、実物の燃焼実験等を行うことを通じまして、やはり標準的な設計に関して告示を定めましたので、それに基づいて計算いただけますれば、準耐火構造とすべき建築物について被膜で覆うことなしに、一定の基準に合っていれば壁、床、屋根にCLTを見える形で使えるということで建築確認が得られることになったところでございます。
○平木大作君 今御答弁いただきました。ちょうどこのCLTについて私最後に質問させていただいたのが大体二年前でありまして、当時は林野庁の方でJAS規格を作り、そして改めて国交省の方で建築法について規格を作っていただくということで、まさにボールを渡したというような形の答弁もあったのかなというふうに思っております。ある意味それが今度は再びボールが戻ってきた。今度は、農林水産省あるいは林野庁だけではなくて、国交省とも連携しながら一緒になってこれをしっかり育てていかなければいけないというステージに来たんだと。その意味で、本当にこれ心待ちにしていた建築基準なわけであります。 ただし、改めて今日まず確認をしておかなければいけないんですけれども、今回の建築物の設計については、CLTパネル工法の策定におきましては、基本的には建材としてのCLTがようやく勝負の土俵にのることができたということだけでありまして、まさにこれから、じゃ、どうやって具体的にCLTを使った建築物の需要をつくっていくのか、マーケットをつくっていくのかということ、これはもう本当に一からやっていかなければいけないというところにあるわけでありまして、ここをしっかりと、これ国交省だからとか林野庁だからとかということの区別なしに、これはもう一丸となってやっていかなければいけないということであるというふうに思っております。 今御答弁の中でも、例として燃え代設計のことを触れていただきました。今回の告示によりまして、例えば三階建てまでの建物であれば、いわゆる石こうボードみたいなものを張らずともこれから建築物建てることができるようになるわけでありますけれども、この基準作ったからといって果たして、じゃ、例えば戸建ての住宅、二階建て、三階建てのいわゆる木のあらわしの住宅ってどれだけの方が建てるかというと、基本的にはなかなか手が挙がらない話だと思うんですね。 外側全部木のまま、いわゆる石こうボードを張らないような住宅をどれだけの方が建ててくださるか。このままだとニッチで終わってしまうわけでありまして、ちゃんと需要をつくっていくということを取り組まなかったら、やっぱりなかなかこれは進む話ではないわけであります。 国産材利用の切り札として大変期待の高いCLT、そういう意味ではやっぱりまだまだこれから越えなければいけない壁、大変高いんだろうと思っておりますけれども、現在、この告示に関する解説ですとかあるいは設計・施工マニュアル、こういったものも準備されながら、秋ぐらいからというふうに伺っていますけれども、全国各地で講習会も予定されているというふうにお伺いしております。 ある意味今後これ普及をどう進めていくのか。今日、委員の皆様のお手元には配付資料を一枚配らせていただきました。これは平成二十六年の建築物の内訳を面積比で表したものでありまして、左側が住宅向けのもの、右側がそうでないもの。そして、大体ざっくり見ていただくと、住宅というのはそれ以外のものの大体二倍ちょっとぐらいの、面積でいうと、マーケットがある。そして、見方としては、左から順に一階、二階、三階と振ってありますけれども、右に行くに従って高層の住宅になっていくわけでありまして、このうち下側の濃い色の分がいわゆる木造の建築物になります。見ていただいて一目瞭然でありまして、基本的には木造建築というのは住宅向け、しかも大分低層、大体二階までのものが主に木造で造られているわけですね。 こういうものをちゃんと見ながら、じゃ、これからCLTって一体何に使っていくのか。住宅向けなのか、そうでないのか。あるいは、構造体に使わないとしても、例えば床材に使う、天井に使う、あるいは間仕切りに使う、こういう部材部材で使っていくとしたら一体どこに向けて発信していくのか。また、建築業界といっても様々あります。設計を担っている皆様もいらっしゃれば建築そのものを担う方たち、あるいはディベロッパーもいればハウスメーカーもいる、工務店もいらっしゃると。様々な方が携わっているわけでありまして、今一生懸命準備していただいているいわゆる解説の資料だとかマニュアルもどこに向けて一体出していくのか、講習会、誰に一体来ていただいて一緒になって取り組んでいただけるのか、こういうことをしっかり見据えなければ、これなかなか前に進まないというふうに思っております。 今後、こういう取組、普及について、一体どのような形で取り組んでいくのかについてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(今井敏君) CLTの普及についてのお尋ねでございます。 まず、先生が議場で配付されたこの資料にありますとおり、建築分野での木材利用につきましては、左側の住宅分野、これは一、二階では木造率が非常に高いものの、三階建てではもう非木造が多くなり、主に集合住宅となります四階建て以上ではほとんどが非木造で着工されているというのが現状でございます。右側の非住宅ですけれども、オフィスビルですとか役所の庁舎あるいはショッピングセンターなど、そういった不特定多数の方が出入りする非住宅については、低層のものも含めましてほとんどが非木造になっているというのが現状でございます。 こうした中で、これから中高層建築にも利用可能なCLTについて、本年四月までに関連の告示が施行されたことを踏まえまして、今後は、CLTの安定供給体制の構築とともに、これまで木材が余り使われてこなかった中層の集合住宅の分野、あるいは右側の方の非住宅の分野でCLTが実際の建築物に積極的に活用されるための環境づくりが特に重要となってくるというふうに考えております。 その際のCLTの使い方ですけれども、壁だとか床版などの主要な構造の全てをCLTで構成するいわゆるCLTのパネル工法に加えまして、鉄骨や鉄筋コンクリートとの混構造、あるいは軸組み工法など他の木造工法との組合せなどによる部分利用、そういったものも有望であるというふうに考えております。 これまでも、農林水産省、国交省、協力し合いながらCLTを活用した実証的な建築への支援を行ってきているところですけれども、今後、CLTを本格的に普及させていくということとなりますと、更に一層、国交省等関係機関とも連携しながら、一つはCLTの設計・施工マニュアルの整備、あるいは講習会の開催、その際に、先生からも御指摘がありましたように、パンフレットの作成等を通じて、一つは施主の方、そして設計者、施工者、いろんな関係者にCLTの、どういうものだとか、どういうところに優位性があるんだとか、そういうものを周知してCLTの利用を促していく、こういうことが重要かなと考えているところでございます。
○平木大作君 今答弁をお伺いしまして、すごく心強く思いました。 こうやって今既存のものを見ていっても、例えば木造といえばやっぱり低層の住宅だろうという頭があるわけですが、ある意味ここを一生懸命代替しようとしても余り意味がないわけですね。木造のものをまた別の木造で造ったところで、恐らく国内の需要ってなかなか大きくなるわけではない。海外から来ているものを代替していくというやり方はありますけれども、やはり今おっしゃっていただいたような中層の集合住宅ですとかあるいは非住宅の分野、また、なかなか木材が使われていないところ、こういったところにしっかり狙いを定めて取り組んでいかれるということがまず大事だというふうに思っております。 また、こういう一つ一つの中身を見ていくと、非住宅のところ、例えば三階建てまでのもの、ほとんどが木造じゃない、いわゆる非木造となっているんですけど、これほとんどがスチール造なんですね。であれば、スチール造と比べたときに、じゃ、CLTを使うと何がいいのかというところにしっかり特化してやっぱりマーケティングしていくということだと思っております。これ、是非力を入れてこれから取り組んでいただきたいと思います。 このCLTの普及について取り組まれるという中で参考になるのは、これ先進事例としてこれまでも日本も一生懸命見てきた、やっぱりヨーロッパでは大分需要が進んでいるということでありまして、以前私した質問の中でも、答弁で、欧州におけるCLTの生産量、二〇二〇年までに大体七十五万立米と、二〇一二年比で倍ぐらいに成長するだろうということが述べられました。ただし、そのときは理由について語られなかったんですね。 一体どういう理由でこれ今ヨーロッパにおいて急速な普及、CLT、しているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(今井敏君) 欧州におけるCLTの普及の状況についてのお尋ねですけれども、CLTは一九九〇年代の中頃からオーストリアを中心として発達してきた新しい木質の構造用の材料であります。 ヨーロッパにおける生産量は、一九九五年時点で全体で年間二万立方程度であったものが、二〇〇九年には二十二万立方、その後、二〇一二年には四十万立方というふうに急増しているというふうに報告がされております。 その欧州におきますCLTの急速な普及の要因につきまして、一般社団法人日本木造住宅産業協会が平成二十五年に取りまとめました報告書によりますと、何点か報告されておりますが、一点は、まず、木材が再生可能な資源で二酸化炭素の排出量を抑制することができる環境面の点、さらに建物の重量が軽くできる点、さらには鉄筋コンクリートに比べて工期が短縮できる、そういう点が重視されまして、鉄筋コンクリートの代替として急速に普及されたというふうに報告がされております。 昨年夏には林野庁の担当職員も欧州にCLTの利活用状況の現地調査に派遣したところでありますけれども、今後とも欧州の先進事例の情報収集や分析を積極的に行いながらCLTの普及に努めていきたいというふうに考えております。
○平木大作君 是非私の方からお願いしたいのは、林野庁、国交省共に、欧州で建てられたCLTの例えば中高層建築について、徹底してこれ、携わっていた例えば建築業者の方とか設計者とか訪ね歩いていただきたいんです。今御答弁いただいたような要因、私も否定しません。そのとおりだなと思うんですけれども、キードライバーになったもの、やっぱりこれが一番の決め手なんだなというものをしっかり突き止めていただきたいと思うんです。 例えば、私も欧州の建築基準について余り詳しくありませんけれども、中高層の集合住宅建てたというのであれば、これ間違いなく、例えば欧州、地震ない国であったとしても防火のことを当然考えなければいけないので、あらわしでは造っていないはずなんですね。そうすると、例えば木目とかいった意匠性、デザインとかいうよりも、石こうボードの中にある、ちゃんとした経済合理性あるいは断熱性能などのCLTの部材としての性能、こういったものにやっぱりちゃんと着目されて部材として、建材として使われたということだと思うんです。これ、そうであれば、ある意味日本の中でも応用が利く、横展開が十分できる話だなというふうに思うわけです。 一方で、今冒頭おっしゃっていただいたような環境性能ということをもし一番のやっぱりキーファクターですということであれば、日本で同じように広げようとしたときには、CLTという建材は高いけれども使ってくださいという形で、例えば法律で規制するですとか、ルールをある程度国の方でガイドしていかなかったら、基本的には経済合理性の方が優先されてしまう。ですから、ここの見極めをすることによって次に打たなきゃいけない手って見えてくるはずなんですね。 ですので、是非現場へ行って、今いろいろ要因述べていただきましたけれども、是非、実際に建築、設計、携わられた皆さんから直接お話を聞いて、じゃ、日本でどうやったら需要が喚起できるのか、これ施策に生かしていただきたいということをお願いしたいと思います。 ちょっとここで、このCLTの工法、建材としての性能により注目してお話をお伺いしていきたいと思うんですけれども、結局、CLTパネル工法の売り、あるいはCLTの建材としての売り、これをしっかりと磨いていかなければいけないわけでありまして、ここについてはこれまで国総研ですとか建築研究所ですとかあるいは林野庁の方で連携しながら、これまでも様々な性能の検査を行ってきていただいております。 そこで、お伺いしたいんですけれども、この検査を通じて現時点で分かっているCLTパネル工法あるいはCLTの建材としての優位性、とりわけ今後競合すると思われます例えばRC造ですとかスチール造、こういったものと比べても何が一体優れているのか、この点について端的にお答えいただけたらと思います。
○政府参考人(今井敏君) CLTパネル工法あるいは建材としての優位性のお尋ねですけれども、壁や床版などの主要な構造の全てをCLTで構成するいわゆるCLTパネル工法と鉄筋コンクリートや鉄骨造との関係を比較いたしますと、CLTパネル工法はあらかじめ加工したパネルを現場で組み立てるものですので、コンクリートの養生だとかも必要がなく施工性が非常に早いというメリット、あるいは建物の重量は木ですので軽くなるので基礎の方が軽減できる、そういった優位性が期待されております。 また、CLTを建物全体の構造材として利用するのみならず、鉄筋コンクリートの、鉄骨のビルの床や壁など部分的に利用する場合の部材としての特徴といたしましても、軽量であり施工性が高く建物全体の重量も軽くなるということのほか、面で支えることにより地震に強く耐震補強としても利用が可能であるといった点、あるいは断熱性が非常に高いといった、鉄筋コンクリートや鉄骨造との比較において優位性が期待されているというふうに承知をしております。 そういうことを踏まえまして、これからCLTパネル工法やCLTの建材としての優位性、メリット等につきまして、国交省とも連携しながら、それをまさに設計者や施工業者向けの講習会の開催ですとか、あるいはこれまでもやってまいりました実証的な建築物の建設等を通じまして、そういう関係者の方に周知、普及をしていきたいというふうに考えております。
○平木大作君 今御答弁いただいたとおり、私も、CLTって何も国内の森林資源の有効活用とかそういった観点だけではなくて、ある意味国内の建築業界が今大変強く持っている危機意識にも合致した工法であるし、すばらしい建材であるというふうに思っております。 私の限られた知見の中でも、やっぱり今建築現場ってなかなか型枠職人さんですとか職人さんを確保するのが本当に大変だと、またいわゆる現場の技術といったものの伝承というのがなかなか難しいというものにずっと長年直面しているわけでありまして、この中でだんだんだんだん、どちらかというと、現場で造るというよりはまさに工場の中で、コンクリートの場合も現場で養生するんじゃなくてなるべくプレハブにして、木造の場合だったらプレカットにして、なるべく大型のものにして、そして現場でぱちぱちっと組み上げていく、こういう形で今建築の在り方自体が大きく変わろうとしている。本当に時流に合致している工法であるし建材であるというふうに思っております。このタイミングを捉まえてしっかりとこれ普及の後押しをしていただく必要があるんだろうと思っております。 そこで、現時点でもう既に見えている課題についてお伺いをしたいんですけれども、現時点で既に一つだけ明らかな課題がありまして、それは、CLT、コストなんですね。一立米当たり現在十五万円程度というふうにされております。これが、普及が進みつつある欧米においては、大体一立米、同じサイズでも六万円から七万円ぐらいというふうに言われております。 端的にお伺いしたいんですけれども、これ、日本においても同じ水準、六万円、七万円まで下げることってできるんでしょうか。また、これ仮にできたとして、またRC造とかスチール造と比較して遜色のない水準と言えるんでしょうか。
○政府参考人(今井敏君) CLTの単価についてですけれども、現状におきます我が国のCLTの利用につきましては、まだ少量を受注生産するというような形態でありますので、一立方メートル当たり約十五万円程度の価格になっているというのが現状でございます。 ただ、今後、需要が拡大しまして生産面におきましても量産の体制が構築できれば、一立方メートル当たり七、八万円ぐらいにすることが可能で、そうした場合には欧州の一立方メートル当たり六、七万円とほぼ同水準に下げることが可能であるというふうに考えております。 さらに、現在、一立方メートル当たり十五万円程度のCLTの供給単価を前提に、CLTパネル工法の建設費の単価というのは民間の試算で一立方メートル当たり約二十七万円ということで、鉄筋コンクリートや鉄骨造の二十四万円と比べ一二%ほど割高となっているという試算がございます。 ただ、これにつきましても、先ほど申し上げましたように、量産体制等が整いましてCLTの単価が一立方メートル当たり七、八万円ぐらいまでの水準が達成できますと、CLTパネル工法の建築コストと鉄筋コンクリート造あるいは鉄骨造との価格において遜色のない水準に持っていけるというふうに考えております。
○平木大作君 今こうしてお示しいただいたように、まずは建材としての立米当たりのコストをしっかり下げていく、これも大事なわけですが、これまでの答弁の中にももう触れていただきましたが、本質的に大事なのは全ての工期にわたって掛かるいわゆるフルコストの部分ですね、これでもちゃんとCLT使っても低減させることができるんだということがやっぱり重要なわけであります。 そこで、お伺いしたいんですが、例えば、私もこれ有望だと思っているんですけれども、中層の住宅、五階建てとか七階建てとかの集合住宅を造るときに、CLT工法では、工期ですとかあるいは建築に掛かる総コスト、一体どの程度と見込まれるのか。これは、例えば同規模の建築物をRC造とかスチール造で造ったときに比べてどの程度工期の短縮につながるのか、コストの圧縮につながるのか。これ、試算で結構ですのでお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(今井敏君) 七、八階建ての集合住宅を造る場合のCLTパネル工法と鉄骨造、鉄筋コンクリート造とのコスト比較ですけれども、まず、建設コストにつきましては、現場の状況ですとか建築資材の調達時の価格等の条件により大きく変動するものでありますし、また、現実には七、八階建ての高層の木造での建築例というのがほとんどないのであくまでも試算ということになりますけれども、民間の試算におきまして、例えば七階建ての延べ床面積五百平方メートルの共同住宅を建築した場合の試算というのがございます。 現状では、CLTパネル工法では一億七千万円程度で工期が四・五か月、それに対しまして、鉄筋コンクリート造あるいは鉄骨造では一・五億円程度で工期が五・五か月、価格でいきますと二千万円程度CLTパネル工法の方が高く付きますけれども、工期が一か月ぐらい短いというような試算があるということは承知しております。 今後、国土交通省ともまさに連携をしながら、こうしたCLTを使った建築事例を積み重ねながら、その際に、コストや工期等に関する実際のCLTパネル工法と鉄筋コンクリートや鉄骨造との数値でのデータの取得をきちっと行いながら、そうしたデータを施主だとか設計者あるいは施工業者、そういう人たちに公表しながら、単に定性的なCLTのメリットだけを周知するのではなくて、数値データの裏付けとともに、より説得力を持った形でCLTの普及ができるように努力をしていきたいというふうに考えております。
○平木大作君 今も試算でお示しいただきました。私、これ実際にやってみたらもっと逆にCLTの優位性って出てくると思っています。現場でコンクリートの養生をしなければいけないRC造に比べて、もっともっと工期だって短くなるし、ある意味重量がそもそも軽いわけでありますから、基礎工事も含めて簡素にできるはずでありまして、是非お願いしたいのは、割と実はCLTの建築物っていろんなところで今試作というか造っていただきました。 ただ、どれもいわゆる低層のものばかり、あるいは公共建築のちょっと大きなものばかりでありまして、まさに市場としてこれから狙っていくような中層の住宅、是非これ、例えばもう隣同士で、CLTの中層七階建て、隣にRC造、スチール造と全部並べて造っていただきたいんです。そうすると、もう本当に論より証拠で、実際にここ住めますよ、売れますよという形で隣同士で造っていただいたら、やっぱり優位性ってしっかり目に見えて分かってくるというふうに思っております。 是非ともこれから、先ほど見ていただいたように、まだ中層のそもそも木造の建築物ってないわけでありますから、こういったところは是非政府として取り組んでいただきたいと思っております。 最後の問いになりますけれども、結局、私の今日の結論でありますけれども、これ、やっぱり需要をつくるって本当に長い時間が掛かるわけです。パンフレットの例えば作成ですとか解説の作成、説明会、どんどんやった方がいいと思います。ただ、そうしたことが需要になって現れてくるには、はっきり言って年単位の時間がやっぱり必要なわけですね。 今回質問に立つに先立ちまして、久しぶりに銘建工業のCLT協会の中島社長といろいろお話しさせていただいたんですが、銘建工業にも三月末に大型の工場を竣工していただいたわけでありますが、どうですか、例えば単価下がりそうですかとお話をしたら、いや、もう単価下がらなくても立米当たり七万円で売りますみたいなことをおっしゃっているわけですね。何でかというと、要するに、もう工場を実際にオープンしたんだけれども、注文なんか来ませんと言うんです。当たり前ですよね。実際に中層のCLTの建築どこにもないので、自分がその最初の一人になろうなんという奇特な方はやっぱりなかなかいらっしゃらない。 そういう中において、まずやっぱり当面の間というのはある程度需要をつくり出すような施策をしっかりやっていかないと、これ、工場を造ったはいいですけれども、稼働が、本当に底をはっていたら、コストも下がらない、稼働もしない、需要が全く起きないという本当に惨たんたるものになってしまうわけでありまして、せっかく今ようやく工法も含めて完成した、土俵にのったわけでありますから、しっかりこれから例えば政府としてもできることたくさんあると思います。 民間の先導的な取組をしっかり後押ししていただく、あるいは公共建築物造るときに、学校ですとか庁舎ですとか、様々なものにこれしっかり使っていただくことによってまず最初の数年間需要をつくる、取り組んでいただきたいわけでありますが、この点について御答弁を最後お伺いしたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) CLTは国産材の新たな需要先として大きな期待が寄せられております。その利用の拡大のためには、国産CLTの安定・低コスト供給体制の構築のほか、CLTが実際の建築物に積極的に利用されるための環境づくりが重要であると認識をしております。 その際には、政府としても積極的かつ計画的にCLTの優位性をPRしつつ、民間の集合住宅への利用や公共施設等の非住宅など、これまで木材が余り用いられてこなかった分野へのCLTの活用を促していく姿勢を持つことが重要であると考えております。 こうした観点から、農水省としましては、民間のCLTを利用した建築物について、平成二十六年より先導的な実証建築への支援を行い、施工ノウハウの蓄積や周知を通じ、住宅メーカー等がCLTに取り組みやすい環境をつくるとともに、公共建築物については公共建築物等木材利用促進法に基づきCLTを含めた公共建築物の木造化、木質化を進めているところであります。 今後とも、関係機関と連携しながらCLTの利用の拡大に努めてまいりたいと思いますし、一定のところまで行かないとなかなかコストが下がりませんので、そのことをしっかりと認識をして対応してまいりたいと考えております。
○平木大作君 全力での取組をお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 私からも、熊本地震について質問をさせていただきたいと思います。 熊本県、大分県地方を中心に大規模な地震が発生をして、今も余震が続いています。まず、被害に遭われた皆さんのお見舞いを申し上げますと同時に、地震対策に奮闘されている皆さんに敬意を申し上げたいと思います。 私は、四月末に熊本市、それから益城町、西原村、菊池市、それから阿蘇市、大津町を回って被災者の皆さんから現状や要望を聞いてまいりました。それで、命と健康に関わる避難生活の改善の問題ですとか当面の住まいの問題ですとか仕事やインフラの整備など多岐にわたる要望をお聞きしましたけれども、今日、農水委員会ということもありますので、農業問題を中心にお聞きをしたいと思います。 阿蘇地域では観光と農業が地域経済を支える両輪だという話がありました。観光客が阿蘇地域全体で年間約一千五百万人だと、阿蘇市だけでも約五百五十万人ということなんですね。ところが、二〇一二年には九州北部豪雨の被害を受けた。それから大雪被害も、知られていないですけれども、大雪被害もあった、それから阿蘇山の噴火もあったと。このゴールデンウイークは久しぶりに観光客も増えて地域が元気になると思っていたやさきの地震だったということで、非常にショックが大きい。営農を断念したり、旅館業の方たちも本当にどうしたらいいのかということで非常に不安で、撤退する経営者が出ないかということも心配されています。 一方で、インフラが早く整備をできて地域の方が安心して住めるようになれば農業や観光も再開できる、道路ができれば観光客も来てくれると。だから、自分だけではなくて、周りの業種全体が元気になってこそ復興になるんだという話も出されました。このように地域全体が元気になるように支援するということが今本当に大切だと痛感しているんです。 大臣も被災地に行かれました。二回行かれたと思いますね。それで、十三日には補正予算も提出するということでもあります。現在、活用できる制度を活用するのはもちろんなんですけれども、やはりよく言われるところの省庁の縦割りとかじゃなくて、本当に柔軟に対応できる支援や予算を組んで、生活はもちろん、農業や観光全体が復旧復興できる支援をすべきだと思います。 そこで、まず政治家としての森山大臣の認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 紙委員にお答えいたします。 私も農家の出身でありますから、まず地震が起きて最初に考えましたのは、田植の時期であり、田植ができない農家の皆さんのお気持ちというのは複雑だろうなというふうにまず思いました。それと、麦の生産を頑張っておられる地域でありますから、麦の収穫が始まるであろうに収穫はできるだろうかということをまず心配をいたしました。 そんなこと等もあり、二日の日に現場を見させていただきました。知事とお目にかかり、いろいろ懇談の機会がありましたが、知事のお言葉の中で、将来の熊本の農林水産業の発展を考えて創造的な復旧復興をしたいのだと、こういうお話でございました。そのためにいろんな対応をお願いをしたいというお話でございました。 ただ、現場を見て皆さんが非常に御心配をしておられるということもよく分かりましたので、できるだけ今の現行の制度の中でやれることはまずお示しをすることが大事だろうということで、昨日一定の方向を示させていただき、あと、補正予算のお願いを申し上げ、御審議をいただいた上でいろんな対応をしなければなりませんが、やはり現場を見ますと考えられないような状況でございますので、できるだけのことをやらなきゃいけないなというふうに思っておりますし、余り前例にとらわれることなく、今言われたとおり、各省庁の縦割りにとらわれることなくしっかりした対応というのが必要だろうと思いますし、まさに内閣においてもそういう考え方では一致しておりますので、我々としてもできるだけの努力をさせていただきたいと思っております。
○紙智子君 省庁の縦割り越えてというか、できる限りのという話をされて、この点では気持ちは一緒だなというふうに思いながらお聞きしました。 それで、余震がまだ続いていますので、やっぱり緊急を要する支援ということとともに、中長期的に使える支援が必要だというふうに思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 次に、酪農、畜産についてお聞きをいたします。 私は、西原村の酪農家の方と、熊本の赤牛というんですか、赤い色の牛、育てている畜産農家を訪問したんですが、乳牛百頭飼っている酪農家の方は、パトロールの人が走ってきて危険ですから避難してくださいというふうに回ったというんですね。しかしながら、生き物を飼っているから離れることできないんだというふうに言っていて、牛の世話とか施設の復旧に自分としては当たってきたというふうに言われました。 最初二日間、水が出なかったと。それで、自分のところの地面を掘っくり返して、中の水道管が壊れていて、その管を自分で取り替えて水が流れるようにして牛に水を与えるようにしたんだという話がありました。それから、牛舎も飼料を入れた小屋も壊れた、牛も犠牲になったと。亡くなった牛がいますけれども、牛は、それで大丈夫なところに移して飼っている牛もあるので密飼いになっているわけですね。狭いところに詰め込むと。使える牧場がないか、離農した農家の牧場がないかということで探しているという話が言われました。この地域と更に阿蘇の地域もあるわけですけれども、阿蘇地域全体でいえば相当の被害が出ているということもお話をしていました。 〔委員長退席、理事山田修路君着席〕 それでですけれども、やはり一つは水の確保、壊れた牛舎の撤去費用ですとか再建の支援、それから密飼い状況を緩和するための牧場の確保、公営の牧場がないかとかも含めて空いているところがないかと。それから、納屋の倒壊によって被害を受けた農機具などへの支援などするべきではないかと思うんですけれども、この点についていかがでしょうか。
○政府参考人(大野高志君) お答えをいたします。 ただいま委員御指摘のとおりでございまして、今回の地震に伴いまして畜産農家にも畜舎の損壊等の被害が生じているところでございまして、また熊本県からも支援の御要望を頂戴しているところでございます。 このため、昨日、九日でございますが、被災農林漁業者の方々への支援対策を公表させていただいたところでございまして、畜舎等の再建、修繕への支援として被災農業者向け経営体育成支援事業を発動しまして、畜舎や農業用機械等の再建、修繕に要する経費を助成することとしております。また、農畜産業振興機構の事業によりまして、給水施設の復旧、それから家畜の避難に伴います簡易畜舎の設置、これらについても支援することとしております。 農林水産省としましては、迅速かつ的確な復旧に向けまして、引き続き経営体育成支援事業の充実など追加対策を検討してまいりたいと考えております。
○紙智子君 端的にお答えいただきたいんですが、農機具なんかはどうでしょうか。
○政府参考人(大野高志君) 農機具の補修等についても検討させていただきたいと思います。
○紙智子君 どうもありがとうございます。 それでは次に、菊池市、菊池市の場合は中山間地域なんですけれども、ここに、非常に急斜面地で棚田を造っているところに行きました。三町五反で主に米とゴボウを生産している農家を訪問したんですが、今日お配りした資料の写真の一枚目がその場所なんですけれども。 〔理事山田修路君退席、委員長着席〕 それで、地震でのり面が幾つも地割れが発生していると。それから、農道にも水路にも亀裂が入っているんですね。水源までは十キロ程度あるようなんですけれども、中にトンネル水路も造っていて、一番長いトンネル水路でも三百メートルあると聞きました。亀裂が入っているわけですけれども、中がどうなっているかというのを調べなきゃいけないと。水を入れると二次災害が発生する可能性もあるということで、今年、作付けができるかどうか見通しが立っていないという話をしていました。作付けするにはやっぱり危険性を、それに配慮しながら水を確保すると。流してみて調べて、使えるものか使えないものかということでやらなきゃいけないんですけど、そういうことが必要だと。 それで、間もなく梅雨の季節に入ってくるということで、それまでに中山間地の棚田とか農道それから水路の点検を行って、当面の応急復旧への支援を行うと。それからさらには、災害復旧に向けて測量や設計図の作成や圃場整備、こういった支援も急がなきゃいけないんじゃないかというふうに思ったんですけれども、この点いかがでしょうか。
○政府参考人(末松広行君) お答えいたします。 今般の熊本地震に関して、農地、農業施設の災害復旧、急がれるところでございまして、中山間地域においても被災状況の調査を行い、また緊急にできることについては、災害査定の前に応急工事の着手が可能となる査定前着工制度を活用して早期復旧を図っていただきたいというふうにしております。 調査などについては、全国の地方農政局や土地改良団体から熊本県の意向に沿って農業土木の技術者を派遣して、迅速な調査とか復旧のための人的支援を行うこととしております。 さらに、今般の地震が激甚災害に指定されたことから、一定の要件を満たすものについては、災害復旧事業の申請に必要な査定設計書の作成の費用も、査定設計委託費を補助の対象というふうにさせていただくことになります。 引き続き、県、市町村などと連携を図りつつ、被害状況の把握に努めるとともに、農地や農業施設の早期復旧が図れるよう支援してまいりたいというふうに考えております。
○紙智子君 ありがとうございました。応急復旧とそれからやっぱり本格的な復旧と、両面でやっていただきたいと思います。 訪問させていただいた棚田なんですけれども、乗用車でも行けないような本当に急なところを細い道を通っていったところにあって、ちょうど輪作でゴボウが植わさっていたんですけど、長く根を下ろすんだけど、途中で切れてしまっていて、これはもう全滅だという話があって、こういうところも目を向けていただいてしっかり対応していただきたいと思います。 それから次に、阿蘇市の農業についてなんですけれども、配付させていただいた写真の二枚目を見てください。これは仁比聡平参議院議員と私が写っているんですけれども、これ、隆起したのか陥没したのかちょっと分からないぐらいなんだけれども、大体胸の高さまで段差ができているという状況になっています。 それで、阿蘇市の圃場は、黒川と地下水から水をくみ上げて、多くのパイプラインを通して水を供給していると。土地改良区では、地震直後の十八日から自分たちでパイプラインの点検をやっているんですね。分かっているだけでも漏水箇所が百五十か所あると言っていました。それから、電気が復旧してからも使えないポンプも出ているということなんですね。標高が高い阿蘇市なので、五月連休がちょうど田植の時期になるというふうに言っているんですけれども、水が来ていないので代かきもできないという話でした。大雨や大雪や阿蘇山の噴火や今回の大地震、毎年自然災害が続いて、これを機に離農する人が出るんじゃないかということでの心配をされていました。 ここは中山間地域と違って、大規模な農地整備が行われてきたわけですよね。被害の全体像の把握と、これ、まだできていないということでもあったんですけど、全体像の把握と、それから水路、農道、圃場を整備する支援を行うべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(末松広行君) 阿蘇地域においても甚大な被害が出ておりまして、その状況の把握、大切だと思っております。基本的には、地元、一番近い市町村が被災状況を調査して県に報告して集約されるということになっておるわけですが、先ほど申し上げましたとおり、地方農政局の農業土木技術者等の現地派遣などをして、人的にできるだけ市町村の活動を支援してまいりたいというふうに考えております。 また、先ほどと同じになりますが、必要なこと、例えば査定前着工制度とかの活用とか、そういうことも踏まえて対応をしていきたいというふうに思っております。
○紙智子君 どこを訪問しても、亀裂や水路の断裂というんでしょうか、非常に深刻だと思いました。迅速な復旧対策をお願いしたいと思うんですけれども、それでも作付けが困難になる地域も相当出るんじゃないかということも懸念をされています。阿蘇市では、亀裂は相当深いものがある、安易に再開すると二次被害が出かねないという問題もあります。大豆やソバは、作れるところはいいんですけれども、作れない、合わないところもある、作付けが困難な地域が出る場所があるというふうにも話をされました。 東日本大震災のときに、作付けが困難な地域において被災農家の経営再開支援事業というのをやっています。営農再開に向けて復旧作業を共同で行って、被災農業者に対して支援金を交付したと思うんですね。 大臣、十三日に補正予算を提出されるということもあるわけですけれども、営農を継続するための特別の支援策、これが必要だと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 地域によっては、用水の確保ができなかったり田んぼに水を張ることができずに稲の作付けが困難な可能性があることは重々承知をしております。まず、このような地域においても大豆やソバといった他の品目への転換などにより所得を確保していただくことが重要であると考えますけれども、今先生言われたとおり、特に阿蘇の辺りは厳しい状況にありますので、なかなか全て何も植えられない状況がいっとき続くということも予測をされますので、東日本大震災のときの対応等を参考にさせていただいて、しっかりした対応をしたいと考えております。
○紙智子君 是非よろしくお願いします。これ柔軟に考えていただいて、当面する展望が、希望が持ってやっていけるようなことを是非検討していただきたいと思います。 続きまして、次は福島の問題について、農業の再生の問題でお聞きしたいと思います。 カリウムの問題なんですけれども、福島県の農家は、原発事故の影響から福島の営農、農業を再生させるためにずっと必死に頑張っているわけです。先日、四月二十六日に、福島県の農民連、運動の連合会が東京電力と政府に要請に来ました。私も実は同席をしたんですけれども、その場で提起された問題について質問をしたいと思います。 福島県では、牧草の放射性セシウムの吸収抑制対策として牧草にカリウムなどを散布をしています。もちろん、これ牧草を家畜に給与する際にはカリウム濃度に注意する必要があるわけですけれども、その草地で育てた牧草を牛に給与したところ、牛が死亡する事態が発生しました。ある農家は、発熱があって治療したんだけれども、その後貧血で立たなくなって死亡したというふうに言っています。 こういう事例についてはつかんでいるでしょうか。つかんでいるとしたら、いつ把握されているでしょうか。
○政府参考人(大野高志君) お答えいたします。 本年四月二十六日、まさに福島県農民運動連合会から原発事故によります損害賠償等に関する申入れございまして、その中で、牧草地の除染により牧草がカリウム過剰になり、牧草を食べた牛が相次いで死亡したといったお話をお伺いしたところでございます。 私どもとしましては、この申入れを受けまして直ちに福島県に対しまして事実関係を調査するよう依頼したところでございます。
○紙智子君 そうしますと、把握したのはその二十六日でしょうか。
○政府参考人(大野高志君) そのとおりでございます。
○紙智子君 なぜそういうふうに起こっているのかという原因についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(大野高志君) 今回の福島県内で除染を行った牧草地の牧草が給与されて死亡したとされる牛の死亡原因につきましては、牧草中のカリウムが過剰であったかどうかということを含めまして現在福島県が調査を行っているところでございまして、現時点で死亡原因についてコメントさせていただくのは差し控えさせていただきたいと思います。
○紙智子君 この件で東京電力に賠償を求めたそうなんですね。そうしたら、弊社としては当件に関する賠償は応じかねると判断しましたので御理解いただきますようお願いしますという回答があったと聞いているんですが、こういうことについて、この事実については御存じでしょうか。
○政府参考人(大野高志君) 先ほどの四月二十六日の申入れを受けまして、私どもから東電に確認いたしました。そうしましたところ、今年の二月十日に、当時のJAそうま、現在はふくしま未来から東電に対しまして死亡牛の請求の可否についての問合せがございまして、二月十八日に東電から、当件に関する賠償には応じかねる旨の回答をしたというふうに聞いております。 いずれにしましても、本件について把握した後、まずは福島県に対して事実関係を調査するようお願いしたところでございます。
○紙智子君 福島の酪農家は、原発事故による放射性物質の汚染で苦しんで、その後の除染をめぐっても営農をめぐっても非常に苦しみが続いているわけですね。 なぜ牛が死亡する事態になったのかということについては今調査をするということではありますので、被害に遭った農家はもちろん、やっぱり直接農家ですとか獣医さんとか、それから東京電力からも事情を聞くべきだというふうに思うんですね。 ちょっとこの点については大臣の御認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 放射性セシウムの吸収抑制対策としてカリウムを牧草地に施肥し、その牧草を食べた牛が死亡したとされる本件につきましては、現在福島県を通じて事実関係を調査中であり、福島県の報告を踏まえて適切に対処してまいりたいと考えております。 これまで農林水産省として、牧草中のカリウム過剰の悪影響を抑制をするために、土壌分析結果等を参考に適切な量のカリウム施肥をすること、分娩前後の搾乳牛などのマグネシウム欠乏症を起こしやすい牛に対してはミネラルの補給などの管理が必要であることについて、平成二十四年八月にマニュアルを作成をするとともに、平成二十五年四月にも指導文書を発出し、指導を行ってきたところでありますが、今後更に周知徹底をしてまいりたいと考えております。 また、このような指導を踏まえて、必要な場合には引き続き土壌や牧草中のカリウム濃度の検査を行うよう、更に指導を徹底してまいりたいと考えております。
○紙智子君 事故が起きて直後というのはみんな本当に混乱していて、何とかしなきゃいけないということで指導があって、カリウムをずっとまいたと思うんですね。そういう意味ではやっぱり指示をしたと。しかしながら、それに対応策も出しているけれども、それが果たしてどのぐらい徹底されたかという問題もあると思うんですけれども。 いずれにしても、実情を直接農家だとか獣医さんだとか関係者のところから聞き取るということでは、おやりになるということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 死亡牛があってはいけないことなんですけれども、それは農業共済のデータを見ていただけば分かりますとおり、どこでも幾らか死亡牛は発生をしております。それがどういう形になっているのかということと、この因果関係というものをよく調べなければいけないのだろうと思います。 そういうことを今福島県を通じて御調査いただくようにお願いをしてきておりますし、我々としてもできるだけ、農家にしてみると大変心配な話でございますので、対応をしたいと考えております。
○紙智子君 要するに、獣医さんとか農家からも、被害遭ったというところからもお聞きになるということでよろしいですか。
○国務大臣(森山裕君) 地方参事官もおりますし、そういう人たちを通じてよく現場の事情を聞かせてみたいと思います。
○紙智子君 今大臣おっしゃいましたけど、死亡原因の把握と予防措置、これをとっていかなきゃいけないというふうに思います。 福島の復興を加速させるというのが政府の方針でありますから、酪農家が営農をいち早く安心して続けられるようにするということでは早急な対策を打つべきだと思います。今おやりになるということだったのでこれ以上は聞きませんけれども、是非しっかりやっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。 福島県の農業は、原発事故の影響を受けて、出荷停止ですとかあるいは農産物の価格低下、さらに、野外で農作業をすることによって放射性物質の影響というのを心配しながら、被曝への不安ということを持ちながら、いろんな困難を抱えながら、この間、農業と地域の復興のために頑張っておられるわけですよね。 是非、情報を敏感につかんで一つ一つの事案に対して丁寧に迅速に対応していただきたいということをお願いをして、質問を終わりたいと思います。
○委員長(若林健太君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(若林健太君) 次に、森林法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。森山農林水産大臣。
○国務大臣(森山裕君) 森林法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 我が国の森林は、戦後造林された人工林が成熟して本格的な利用期を迎えており、この森林資源を循環利用していくことが重要な課題となっております。その際、需要面においては、住宅用等の従来の需要に加え、中高層建築物に利用可能な新たな製品の開発や木質バイオマスの利用の広がり等を受けて、国産材の需要につきましては拡大の兆しが見られております。一方で、供給面においては、収益性の悪化や世代交代等により、森林所有者の経営意欲や森林への関心が低下し、国産材の安定的かつ低コストでの供給が十分に行われていない状況にあります。 このような状況に対処するために、森林施業の集約化を促進する観点から、林地の境界情報の整備や森林組合の事業の見直しを行うとともに、広域にわたる木材の集荷の円滑化を図ることにより、国産材の安定供給体制を構築することが重要であります。 また、近年、伐採後の再造林が行われない土地が増加している地域があることも踏まえ、森林資源の再造成を確保する必要があります。 さらに、奥地水源林等の木材の生産条件が悪い森林についても適切に整備を推進することにより、森林の有する公益的機能の維持増進を図る必要があります。 こうした取組を一体的に行うことにより、森林資源の循環利用を促進をし、林業の成長産業化を後押しするため、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、森林法の一部改正であります。 共有林における森林の施業を円滑化するため、所在不明の森林所有者がある共有林において、都道府県知事による裁定手続、補償金の供託等を経て、所在不明の森林所有者の立木持分の移転等ができる制度を創設することとしております。また、森林の土地の所在、所有者の氏名、境界に関する測量状況等を記載した林地台帳を市町村が作成することとしております。 さらに、森林資源の再造成を確保するため、森林所有者等に対し、伐採後の造林に係る状況報告を義務付けることとし、市町村が森林の状況を把握しやすくすることとしております。 第二に、分収林特別措置法の一部改正であります。 分収林契約において、所在不明の契約当事者がある場合等であっても、契約変更を円滑に行うことができるよう、契約当事者の十分の一を超える異議がないことをもって、契約を変更できる制度を創設することとしております。 第三に、森林組合法の一部改正であります。 森林組合等による森林施業の集約化を促進するため、森林組合が、組合員の利益の増進を目的として、自ら森林の経営を行うことができることとするとともに、森林組合が森林の経営を行う際の手続を緩和することとしております。さらに、森林組合連合会においても、森林の経営を行うことができることとしております。 第四に、木材の安定供給の確保に関する特別措置法の一部改正であります。 大規模な製材工場等が広域的に木材を集荷しやすくし、国産材の安定供給体制の構築を促進するため、都道府県域を超える木材の安定取引に関する事業計画について、農林水産大臣が認定できることとしております。 また、従来の木材製造業者に加えて、木質バイオマス利用事業者等を事業計画の作成者に追加することとしております。 第五に、国立研究開発法人森林総合研究所法の一部改正であります。 早急に施業が必要な奥地水源地域の保安林の整備を推進するため、水源林造成業務について、本則に位置付けることとし、育成途上の森林の整備を行うことができることとしております。 これに伴い、研究所の名称を国立研究開発法人森林研究・整備機構に、法律の題名を国立研究開発法人森林研究・整備機構法に改称することとしております。 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようにお願い申し上げます。
○委員長(若林健太君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時四十六分散会