農林水産委員会 第5号
- 発言数
- 183 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2016/04/05
会議録
○委員長(若林健太君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る一日までに、堀内恒夫君、浜野喜史君及び渡邉美樹君が委員を辞任され、その補欠として熊谷大君、徳永エリ君及び長谷川岳君が選任されました。 ─────────────
○委員長(若林健太君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 漁業経営に関する補償制度の改善のための漁船損害等補償法及び漁業災害補償法の一部を改正する等の法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、農林水産大臣官房検査・監察部長大浦久宜君外五名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(若林健太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(若林健太君) 漁業経営に関する補償制度の改善のための漁船損害等補償法及び漁業災害補償法の一部を改正する等の法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○高橋克法君 自由民主党の高橋克法です。 私のふるさと栃木県に海はありません。ただ、豊かな川の恵みがあります。湖の恵みもあります。もう春を迎えていますけれども、もうすぐ、地方によって言い方は違いますが、我々の方は婚姻色でおなかが真っ赤になったハヤのことをアイソと言います。そして、そのアイソの産卵の習性を利用して投網を打って、もうすぐアイソ漁が始まります。これを焼いてサンショウみそで食べると大変おいしい。そして、その後はアユ。初夏から夏にかけては、近くの小川に夕方筌を掛けておくと、翌朝ドジョウが掛かっていて、時にはウナギなんかも入っていて、ナスとドジョウのみそ汁、丸のまま太いドジョウを食べるんですが、小さいときに頭から骨ごと食べないとおやじにげんこつを食らいながら食べた記憶があります。おかげさまで骨太に育ちましたけれども。そして、秋になると、那珂川にサケが遡上してきます。冬になると、三陸、北海道から塩でしっかり味がしみた、塩引きと言いますが、塩引きがやってきて、毎日のようにその塩引きの切り身を食べていました。弁当鉢に塩引きの切り身が一個入って梅干しが一個付いているだけで、もうそれでどか弁一個食べられる、そんな中で育ってきました。 ですから、海の恵み、川の恵みは私たちのおなかを満たしてくれていただけじゃなくて、私たちの心も精神も満たしてくれた。そんな感謝の思いを抱きながら、今日は質問をさせていただきます。 今国会に漁船損害等補償法及び漁業災害補償法の改正案が提出をされましたが、これまで漁船損害等補償制度及び漁業災害補償制度が果たしてきた役割、そして今回の法律改正の意義、またこの改正によって期待される効果についてどのようにお考えなのか、大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(森山裕君) 高橋委員にお答えをいたします。 今の話を聞きながら、やはり日本の食文化はすばらしいなと改めて思いましたし、漁業問題というのはしっかり取り組んでいくことが大事なことだなというふうに強く感じたところであります。 ところで、漁船損害等補償制度及び漁業災害補償制度は、いずれも漁業や漁船に生じた不慮の事故等による損害を填補する制度であります。漁業の再生産の確保及び漁業経営の安定に重要な役割を果たしていると考えております。 一方、漁船損害等補償制度は、東日本大震災の際、一部の組合では準備金だけでは補償金全額の支払ができなかったという教訓を生かし、南海トラフ地震等に備える必要があると考えております。漁業災害補償制度は、タイ、ハマチ等の養殖共済において地域漁協内の全員が加入しないと共済に加入できない等の課題がありますので、今般、大災害時の補償の充実、安定及び意欲ある漁業者の経営の安定を図るため、所要の法律改正を行うこととしたところであります。これによりまして、漁業者のセーフティーネットの充実が図られ、安心して漁業に従事していただけるようになるものと考えております。 以上でございます。
○高橋克法君 それでは次に、各制度ごとに水産庁に質問をさせていただきます。 まずは、漁船損害等補償制度についてです。 今回、漁船保険団体においては、現行四十五団体を新たな一組合に統合させるということですが、今回の統合一元化は、先ほど大臣のお話にもありましたように、東日本大震災のような大規模な災害が起こった場合であっても保険金の支払に支障が出ないようにする、そのために財政基盤を強化することを目的としております。しかしながら、現在、各地域ごとに漁船保険組合が設立をされ、それぞれ独立して漁船保険に関する業務を行っております。 これに関しまして、今回の組織統合一元化の主目的ではありませんけれども、組織統合一元化により組織の合理化は図られるのか、水産庁にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 まず、組織統合一元化の主目的でございますが、先ほど森山大臣の方から御答弁ありましたように、大規模災害が発生した場合であっても保険金支払が可能となるよう財政基盤を強化して、将来にわたってこの事業基盤を安定させる必要がございます。他方、この組織体制の見直しが行われる中で業務の効率化が図られまして、これによりまして、経費の削減など必要とされる合理化は当然ながら行われるものと考えているところでございます。 なお、現在の漁船保険組合につきましては、統合後の組合の支所として存続いたしまして、現状どおり職員が配置される見込みとなっておりますので、これにより組織統合後も円滑に事業実施が可能と、こんなふうに考えているところでございます。
○高橋克法君 組織統合一元化についてもう一つお聞きします。 今回の組織統合一元化は、さきの東日本大震災において漁船保険の支払に支障が出たことからというふうにお話を聞きましたけれども、既にもう東日本大震災から五年が経過しています。少し遅いのかなという気がするんですが、なぜもっと早くこの組織統合一元化に着手できなかったのか、その説明を求めたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 漁船保険団体におきましては、年々厳しくなる経営環境というものを憂慮いたしまして、組織の統合一元化ということを検討してきたところでございます。 また、東日本大震災の際に、岩手県と宮城県の漁船保険組合におきましては、当該組合の準備金だけでは保険金金額の支払ができないという事態となりまして、組織統合による事業基盤強化の必要性が改めて認識されたところであります。他方、東日本大震災の発生後しばらくはその被害の査定、支払を最優先の業務としてきておりまして、組織統合一元化の準備作業を本格的に進めるまでに時間を要したところでございます。 また、その際、やはり関係者との調整、そして丁寧な合意形成を図るために、全ての組合、四十五組合あるわけでございますが、この組合について統合一元化のための決議を経ることとしたところでございまして、これが平成二十七年六月に全ての組合におきまして決議がそろいまして、組織統合一元化に向けた体制が整ったところでございます。 また、この間、水産庁といたしましても、制度改正につきまして有識者検討会を開催し、検討を進めまして、本法案の準備を行ってきたところでございます。本法案が成立した場合には、漁船保険団体の統合一元化が円滑になされるよう、指導、助言を行っていきたいと、このように考えているところでございます。
○高橋克法君 組織統合一元化についての経緯、丁寧にきちっと積み上げてきたというのは分かりました。 次は、漁船保険による填補範囲の拡大についてお聞きしたいと思います。 今回の改正におきましては、これまで填補の対象としてこなかった拿捕、抑留等による損害の填補対象を拡大するということでありますが、通常、保険というのは、ある程度の母集団があって、それで保険設計を行うんだと思っています。拿捕、抑留等による損害等は通常の漁船保険事故と比較してそれほど頻度は高くないと思いますが、この拿捕、抑留等を填補する部分だけで保険として成立するのかどうか、その辺をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 本法案におきまして拿捕、抑留等によります損害を新たに填補対象とするわけでございますが、この拿捕、抑留等による事故によって生じる損害というのは、遠洋で漁業を行う漁船など特定の水域で操業する漁船のみに生じ得るものであります。また、このように特定の漁業者に限定して生じ得る事故に対する填補を、これを全ての保険加入者の負担とすることはやはり不公平であるといったようなことから、拿捕、抑留等によります事故によって生じた損害につきましては、既存の保険制度の特約として、特約の中で保険料と保険金支払が均衡するよう設計することとしているところでございます。 他方、あくまで既存の保険の特約でありますことから、仮に大規模な事故が発生した場合も、事業基盤の強固な既存の保険の会計内で一時的に資金を融通して危険分散を図ることが可能な仕組みとなっているところでございます。
○高橋克法君 よく理解できました。 次に、漁業災害補償制度についてお聞きします。 今回、養殖共済において全員加入制度を撤廃するということでありますが、その撤廃する理由としては、共済に入りたい人が入れないということが問題とされていると聞いています。確かに、共済への加入を希望する漁業者が共済に入れないというのは問題でありまして、この改正は必要であると考えています。 ただ、しかしながら、この全員加入制度は、良くも悪くも地域でのつながり、同じ地域で一緒に共済に入って同じく頑張っていこうという地域のつながりについて役立っていたというのもこれも事実であります。また、この結果、共済加入者がある程度維持確保されて共済基盤の安定に資することになっていたことも事実だと思います。 今回、この全員加入制度を廃止すると加入離脱者が現れて共済基盤の安定に逆行するのではないか、そういう心配がありますけれども、この点につきまして見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 今先生の方から御指摘ございました漁業共済制度の全員加入制度の撤廃によりまして、言葉の使い方としては表現が適当かどうか分かりませんが、現在お付き合いで加入している漁業者が脱退する可能性といったものは、これは否めないところでございますが、ただ、現在約七割の漁業者が漁業災害補償制度を基盤とした漁業収入安定対策事業、これ積立ぷらすと呼んでおりますが、これに加入しているところでございまして、こういうことから鑑みますと、脱退者が非常に多く出るといったようなことはなかなか想定し難いのではないかと、こんなふうに考えているところでございます。 また、集落との関係がございましてお付き合いで加入している方といった方につきましては、一般的に掛金負担を低く抑えるために共済の契約金額を低く設定しておりますことから、たとえ脱退したといたしましても、保険事業の安定性に与える影響はこれは限定的ではないかと、こんなふうに考えているところでございます。 なお、全員で加入する場合には共済掛金の国庫補助が適用されるという仕組みは今般の制度改正後も引き続き残すこととしておりまして、このような仕組みによって漁業者の共済加入へのインセンティブの確保に努めていきたいと、こんなふうに考えているところでございます。
○高橋克法君 次に、特定養殖共済における掛金補助制度の改正について質問いたします。 今回の改正によって、特定養殖共済では掛金補助制度による高率の国庫補助を得やすくなるということでありますが、そのために特定養殖業者から漁業依存度の低い者を除くこととするというふうに聞いています。 確かに、今回の改正については、本来ならば高率の国庫補助を受けるべき意欲ある漁業者がその制度を十分利用できていないのが問題とされてきたところでありますので、この改正は必要だと思いますが、逆に、特定養殖業者から漁業依存度の低い者を除くということは、小規模漁業者の切捨てにつながるのではないかという心配をしています。この点についてどのようにお考えか、お伺いします。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 今回の改正法案におきましては、地域漁協内の特定養殖業者のうち、漁業依存度の低い養殖業者を除く全員が共済に加入すれば、高率ということで二分の一の掛金補助がもらえるよう措置することとしているところでございます。他方、今回の改正案におきましては、あくまでもこの二分の一の高率の掛金補助の要件を見直すものでございまして、漁業依存度の低い方でありましても共済に加入する意思がある場合には、引き続きこの共済加入自体、加入することは可能となっておるところでございます。 また、今後、この二分の一、高率の掛金補助の要件を満たす地域漁協におきましては、漁業依存度の低い共済加入者に対しましても同様に掛金補助を措置する方向で政令等の整備を行っていく考えでございまして、小規模漁業者の切捨てといったような指摘は当たらないと、こんなふうに考えているところでございます。
○高橋克法君 くれぐれも小規模漁業者切捨てなどというように後になって言われないように、しっかりと制度設計をやっていただきたいと思います。 次に、ウナギ養殖業の共済への追加に関連して質問させていただきます。 今回の法律改正によって、これまで養殖共済の対象としてきませんでした内水面養殖業、これを新たに共済の対象とすると聞いております。また、今回はまずウナギ養殖業を共済の対象とするということでありますが、我が国にはウナギ以外にもアユ、ニジマス、陸上ヒラメといった様々な内水面養殖業があります。 なぜ今回ウナギだけを養殖業に追加をしてウナギ以外の内水面養殖を共済対象としないのか、その理由をお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) 養殖共済への魚種の追加に当たりましては、まずやはり現場に共済ニーズがあるといったようなこと、また妥当な掛金水準で保険設計ができるといったこと、また損害の現場確認といった漁協の協力体制が確保され、そして客観的な損害査定といったことができるといったような要件を満たして初めて保険設計が可能となるものと考えておりまして、こうした保険設計が可能となったものから順次追加することとしているところでございます。 今回追加を予定しておりますウナギでございますが、まず、ウナギにつきましては、稚魚でございますシラスウナギの高騰、そして供給量の減少によりまして、事故が起きた場合の経営への影響というものが非常に大きくなっておりまして、共済創設の要望が特に強くなっているところでございます。また、近年のウナギの生産金額が約五百億円ということになっておりまして、十分な保険母集団を確保できておりまして、妥当な掛金水準での保険設計が可能となっているといったこと、また共済団体と養鰻漁協との間で協力体制が確保されることとなったことから、今回追加することとなったところでございます。 また、先ほど先生の方からお話ございましたウナギ以外の内水面の養殖の魚種でございますが、やはり死亡リスクが高く妥当な掛金水準で保険設計を行えないものがあるといった状況のほか、やはり各漁協と共済団体との協力体制が必ずしも確保されていませんで客観的な損害査定に課題を有しているといったようなことから、魚種追加の対象とはしていないところでございます。 なお、今後、ウナギ以外の魚種がこれらの要件を満たした場合には順次追加に向けた検討を行うこととしたいと、こんなふうに考えているところでございます。
○高橋克法君 ウナギ以外の魚種についても、それぞれの事業者の方々がどういう意識でどう協力体制を取れるか、もろもろの条件はあると思いますけれども、そういうニーズが高まったときにはできれば積極的に指導をし、そしてこの魚種の追加に入れるように、そんなことを常に念頭に置きながらやっていっていただきたいと、そのように要望いたしたいと思います。 次に、内水面漁業、いよいよ栃木県でございます。 まず、東京電力福島第一原子力発電所の事故以降、栃木県においても遊漁者が激減をいたしました。その後、出荷制限等が解除されるなどして遊漁者が戻ってきつつありますけれども、内水面漁協の収入、これはもう遊漁料の収入がメーンでありますから、それが原発事故前まで届いていません。東電による賠償を加えても、まだそれでも事故前の収入には届いていないという状況で、厳しい状況が今続いています。風評被害のために、内水面漁協の経営を大変私自身も憂慮をしているところなんです。 例えば、四月一日にマス釣りの聖地と呼ばれている中禅寺湖で岸釣りが解禁になりました。この中禅寺湖のマス釣りなんですが、原発事故の翌年の二〇一二年には百六十人、激減をいたしました。四月一日の解禁日です。幸いなことに、今年は四百十二人の釣り人の方が来てくれました。昨年と比べると一〇%ぐらい増えています。でも、まだまだ事故前の水準には達していない、そういう状況が続いているという現実があります。 そこで、原発事故による内水面での風評被害について、国がどのような対策を取っているか、水産庁長官にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 まず、水産物の放射性セシウムのモニタリングというのをやっておるわけでございますが、現在の状況でございますが、震災以降、約八万七千検体、平成二十八年二月末でございますが、この検査を実施したところでございますが、その結果、平成二十七年四月以降でございますが、国の基準値である百ベクレルを超えるものは、海面では検出されておりませんが、残念ながら内水面では十四検体から検出されたと、こういうような結果になっているところでございます。 農林水産省といたしましては、風評被害を防ぐといったようなことから、地方自治体が行います水産物モニタリング調査、これについてはなかなか地方公共団体だけでは難しゅうございますので、この調査をまず支援するといったこと、また、このモニタリング調査の結果につきましては、ホームページへの随時掲載、あるいは国内外に向けた説明資料の作成や説明会の実施等によりまして消費者への情報提供を行ってきたところでございます。 また、国立研究開発法人水産研究・教育機構というところがございますが、ここにおきましては、放射能と魚について分かりやすく説明した冊子の作成、配布を行っているところでございまして、今後とも、消費者等に対しまして正確で分かりやすい情報提供を行っていきたいと、このように考えているところでございます。
○高橋克法君 風評被害に苦しんでいる漁業者の方々、息長く、地道に着実にできればサポートしていっていただきたい。これは、漁業者の努力というのは限界がありますから、是非ともよろしくお願いしたいと思うんです。 次に、その内水面漁協の経営状況についてお尋ねしたいと思います。 私の地元の栃木県には二十二の内水面漁協がありますが、その大多数が非常に規模が小さい漁協でありまして、経営基盤が非常に弱い状況にあります。中にはいろいろな、先ほどの原因も含めて、遊漁者の減少などによって経営難に直面しているという漁協もあります。 内水面漁協については、河川の清掃活動、稚魚の放流、遊漁者の指導などを通じて河川環境を維持してくださっており、人と自然が共生するために必要な組織であるというふうに認識をしているんです。このため、内水面漁協の存続が非常に重要であると考えているんですけれども、このような内水面漁協の経営状況について、国としてどのように認識をされているのか、水産庁長官にお伺いします。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 内水面漁協でありますが、組合員の生産した水産物の販売事業あるいは組合員に対する資材の購買事業を主な収入源とする沿海漁協と異なりまして、この内水面漁協につきましては、その収入の多くを遊漁料収入と組合員からの賦課金に依存しているというふうに認識しているところでございます。 内水面漁協の経営につきましては、近年この遊漁料収入の減少によりまして厳しい状況にあると認識しておりまして、経営改善のためには、その収入源でございます遊漁料収入の確保が、これが重要と、このように考えているところでございます。 この遊漁料収入を確保するためには、やはり遊漁者を増やすことが重要でございまして、そのために体験学習等の普及啓発活動や、やはり魅力ある川づくりのための漁場環境改善、あるいはカワウあるいは外来魚の被害対策等をしっかり進めることが重要と、このように考えているところでございます。
○高橋克法君 水産庁長官の答弁のとおり、いかに魅力ある川をつくっていって遊漁者を増やしていくか、これに尽きるんですけれども、全国のいろいろな漁協で数々のいろんな創意工夫をされている、そして中には成功している事例もある、そういった情報をほかの漁協も共有をして、それぞれの地域のそれぞれの漁協が先進事例を学習しながら自らの漁協に反映していく。そのためには情報が必要であるということにもなりますので、そういった役割も水産庁でしっかり担っていただきたい、そんな思いがあるんです。 もちろん、内水面漁協自身が創意工夫してそういう努力をしていくということがこれ大前提なんですけれども、実は、内水面漁協自体の努力を超えてしまう現実がある。それは先ほど水産庁長官がおっしゃられた、実はカワウや外来魚による被害というもの、これ非常に深刻です。これらの問題については、内水面漁協だけの努力ではなかなか対応し切れる問題ではないというふうに自分自身は現場を見て感じています。 これも地元の下野新聞に先日出ていましたけれども、今年、那珂川の天然アユの遡上が例年よりも五日ほど早く始まりました。昨年からは二十一日も早く始まって、しかもその形も平均で九・五センチという非常に良い天然のアユの稚魚が今遡上してきているんです。遡上が早い、そして形が良いという年は、これはもう豊漁と言われているんです、過去の経験値からいって。ただ、この豊漁は、実はカワウや外来魚にとっての豊漁になりかねない。那珂川に長く滞留するということは、それだけもうカワウにとっては毎日ごちそうになるわけでありますし、外来魚にとっても非常に餌が豊富になるということになるんですね。 でありますので、これらカワウや外来魚による漁業被害の現状についての水産庁の今の認識と、それに対する国の支援についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 まず、カワウでございますが、このカワウの一日当たりの捕食量といいますか摂取量で、約五百グラムの捕食量があると言われておりまして、先ほど先生がおっしゃいましたが、今アユや何かを食べちゃうというようなことで、養殖場の魚が食べられるなどの養殖業の直接的な被害が出ているわけでございますが、放流をしたばかりの稚アユ等が大量に食されまして漁獲量が減少するといったような被害が生じておるところでございます。 また、外来魚につきましても、湖沼においてオオクチバスやブルーギル、これによりまして在来魚が食害される被害が出ておりますほか、近年では、河川におきましてコクチバス等によりまして生態系や内水面漁業への悪影響を及ぼしているといったようなことが指摘されているところでございます。 水産庁といたしましては、健全な内水面生態系復元等推進事業というものによりまして、カワウや外来魚の駆除活動への支援のほか、河川におけますコクチバス等の駆除技術開発を行っているところであり、今後とも必要な施策をしっかり講じてまいりたいと、このように考えているところでございます。
○高橋克法君 カワウ、外来魚駆除に対する国からの補助金を活用して駆除作業をこれまでもやってきましたけれども、なかなか劇的な効果というのはないという現実があります。これ、どこかでこの連鎖を断ち切らなきゃならない、そういう意味で、今後とも積極的な支援をお願いしたいと思うんです。 参考までに、また、これ地元の下野新聞、地方紙の記事ですけれども、くらし文化部というところの高松さんという記者が囲み記事で書いていました。この人、釣りが趣味なんだと思うんですが、栃木県と茨城県との境の農業用ため池、ここは二年前までは釣り人がたくさんいたそうです。今年行ったところ、誰もいないと。嫌な予感がして釣り糸を垂れたら、実はブルーギルの入れ食い状態というような状況で、本来この用水、ため池に生息していた在来魚がもういなくなってしまった、もう生態系が全く破壊されてしまった、そういうような現実を自ら体験して記事に書いていらっしゃいました。もう本当にゆゆしき問題だと思うんです。私たちの心、精神を育んでくれたふるさとの風景というものはなくなってしまうんではないか、そんな思いがありますので、参考までにお伝えをしておきます。 また海に戻ります。 我が国漁業者が安心して操業を継続していくために、我が国の排他的経済水域における操業秩序の確保というのが重要と考えています。特に、東シナ海においては中国漁船や台湾漁船が多数操業していると聞いておりますけれども、まず、その操業状況について水産庁長官に伺いたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 東シナ海でございますが、ここにおきましては、我が国の排他的経済水域、いわゆる二百海里のほか、中国及び台湾の主張する排他的経済水域が存在しておりまして、多数の中国漁船そして台湾漁船が操業を行っておるところでございます。 具体的に申し上げますと、中国漁船につきましては、二〇一四年の実績で申し上げますと、約百四十隻の中国漁船が東シナ海におきまして日本政府の許可を得まして操業したほか、約一万四千五百隻の中国漁船が日中暫定措置水域というところで操業したと、このように把握しているところでございます。 また、台湾漁船につきましては、二〇一五年のクロマグロ漁期におきまして、約二百隻の漁船が日台民間漁業取決めの適用水域のうち、いわゆる特別協力水域及び八重山北方三角水域において操業したと、このように把握しているところでございます。
○高橋克法君 これだけ多数の中国漁船や台湾漁船が我が国排他的経済水域で操業している実態というものを踏まえれば、漁業取締りというものがますます重要になってくると思います。水産庁の取締り体制の整備が不可欠と考えますけれども、水産庁長官の御認識を伺いたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 今の取締りの関係でございますが、水産庁といたしましては、近年の我が国周辺水域で操業する外国漁船の違反が巧妙あるいは悪質化するとともに広域化しているといったようなことに鑑みまして、平成二十三年度で、この取締り船、官船六隻、用船三十二隻、合計三十八隻であったわけでございますが、これから平成二十六年度以降は官船七隻、用船三十七隻の合計四十四隻といったようなことで取締り船の体制強化を図ってきているところでございます。さらに、東シナ海等におきまして操業する我が国漁船が外国漁船を調査、監視する経費に対しまして国が支援を行いまして、その情報を漁業取締り船と共有しているということを行っているところでございます。 限られた体制の中で漁業取締り船を違反操業が頻発する海域、期間に集中派遣することによりまして効率的かつ効果的に重点的な取締りを実施しているところでございますが、更に海上保安庁との連携を密にするなど、引き続き我が国漁業者が安心して操業できるよう最大限の努力を傾注してまいりたいと、こんなふうに考えているところでございます。
○高橋克法君 是非、海上保安庁とも連携を取って、水産庁自体の漁業取締りというものにも力を入れていっていただきたいと思います。 先ほど海上保安庁のお話が出ましたけれども、国境離島や我が国排他的経済水域における漁業の実態について質問した中で、大変な数の中国、台湾漁船が操業している。そんな中でも、特にマスコミ等でも報道されていますが、尖閣諸島周辺海域では中国公船、公船ですね、漁船じゃなくて中国公船の徘回、繰り返される領海侵入や昨年の小笠原でのサンゴ密漁問題、そういったものを始めとした活発化する外国漁船の活動、また外国海洋調査船の活動の増加など、これ海上保安庁の体制強化を図らなければ対応できない事案というのが多数発生していると思うんです。 そこで、海上保安庁にお伺いをしますけれども、それに、今申し上げたことに加えて、当然、本来の業務である遠方海域で海難に遭遇した日本漁船の救助もしなきゃならない。そういったことを考えると、海上保安庁の業務ニーズというのはもう大変な量になる、日々増大しているという現状にあると思うんです。そのような中で、私自身もいろいろお話を聞かせていただいて調べさせていただきましたが、現場の第一線の海上保安官の皆さんは、非常に厳しい生活環境や勤務環境、そういった中で士気高く職務を遂行されておられるんです。ただ、士気高く職務は遂行されていらっしゃるんだけれども、いかんせん巡視船艇の老朽化といった問題があります。これらの代替更新というのも重要な課題だと私自身は認識しております。 海上保安庁においては今後の体制強化についてどのようにお考えになっているのか、それを聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(秋本茂雄君) ただいま先生から御指摘いただきましたとおり、海上保安庁におきましては、尖閣諸島周辺海域を始めとする領海警備、我が国周辺海域における外国漁船による違法操業への対応、そのほか海難事故、自然災害への対応、密輸、密航等の海上犯罪の取締り、原子力施設等の警備、海洋調査、海上交通の安全確保など、様々な業務に対応しておるところでございます。特に、尖閣諸島周辺海域の領海警備に万全を期すため、大型巡視船十四隻相当による尖閣領海警備専従体制の整備を進めてきたところでございますが、今年の二月に最後の二隻が就役し、専従体制が確立したところでございます。 今後とも、尖閣諸島周辺海域のみならず、我が国周辺海域における厳しい業務環境の中、様々な海上保安業務に適切に対応するため、老朽化が進んだ巡視船艇、航空機の計画的な代替整備を図るなど、情勢に応じた必要な体制の構築を戦略的に進めていく所存でございます。
○高橋克法君 海上保安庁のお仕事というのは海外からも大変評価をされていて、たしか日本のODA予算の技術支援の中で、マレーシアでも今、日本の海上保安庁を手本にしながら整備がされていると思うんです。そういった高い評価を得ている海上保安庁ですから、しっかりとどうかよろしくお願いしたいし、ここは農林水産委員会で国土交通委員会じゃないんだけれども、そういう意味では応援をしていきたい、そんな思いもありますので、頑張ってください。お願いします。 次に、漁業系廃棄物、海洋漂着物についてお伺いをいたします。 近年、我が国の漁場や海岸に国内外から大量の漂流・漂着物が流入、堆積をしている、そのことによって漁場環境が悪化しているという、そういう問題があります。このために、平成二十一年には海岸漂着物の円滑な処理と発生の抑制を目的とした海岸漂着物処理推進法が施行されたところであり、この法律にのっとった政策の実施が求められているところでもあります。 漁業者にとってこの漂流・漂着物は、漁場環境の悪化はもちろんなんですけれども、漁業操業の妨げになるものでありますので、漁業者が自らの操業中に回収せざるを得ないなど、それでなくても経営環境が厳しい中で余計な負担を強いられている状況にあると認識しています。 大量の漂着・漂流物が我が国の漁場や海岸に流入するその現実を見たときに、漁業者の負担の軽減と発生する海洋ごみの削減、これにしっかりと取り組む必要があると思うんですが、水産庁に伺います。今申し上げた漁場や海岸に漂流、漂着する海洋ごみの回収、処理や発生抑制について漁業者に対してどのような支援を行っているのか、水産庁長官ばかりで申し訳ありませんが、お伺いいたします。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 今先生の方から御指摘ありましたように、漁場や海岸に漂流、漂着いたします海洋ごみが漁場環境を悪化させるということは、漁業者にとって極めて深刻な問題と認識しているところでございます。このため、私ども水産庁でございますが、漁業者等が行います漂流・漂着物の回収、処理に対しまして、水産庁の水産多面的機能発揮対策といった事業がございまして、この対策、そして環境省の事業により支援しているところでございます。 また、漁業活動により発生する海洋ごみの抑制対策といたしましては水産庁の漁業系廃棄物対策促進事業というものがございまして、これによりまして漁業系廃棄物のリサイクル技術の開発あるいは普及に取り組んでいるところでございまして、これらの取組を通じまして漁業者によります漁場環境等の改善を推進していきたいと、このように考えているところでございます。
○高橋克法君 昨年六月にドイツで行われましたG7エルマウ・サミットにおいて首脳宣言がありました。その中で初めて海洋ごみ問題が取り上げられて、漂流・漂着ごみのうち特にプラスチックごみが世界的な課題である、そういう認識の共有が行われたわけなんです。 プラスチックごみのうち、とりわけマイクロプラスチックについては、海洋中のPCBなどの有害化学物質を吸着する性質があることから、有害化学物質を吸着したマイクロプラスチックを海洋生物が捕食することによる生態系への影響というものが懸念をされているところなんです。 そこで、我が国においてマイクロプラスチック問題についてどのような取組を行っているのか、これは環境省の方にお伺いをいたします。
○政府参考人(早水輝好君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、近年、マイクロプラスチックによります海洋の生物や生態系への影響が懸念をされているところでございます。このため、環境省におきましては、海洋中に存在するマイクロプラスチックにつきまして、日本周辺海域などにおけます分布状況を調査をするとともに、マイクロプラスチックに吸着しておりますPCBなどの有害化学物質の量を把握するための調査を実施しております。 また、こうしたマイクロプラスチックをどのように減らすかということですけれども、マイクロプラスチックは最初からマイクロサイズで海洋に排出されるもののほかに、海洋に排出されたプラスチックごみが自然環境中で細かく砕かれることによって生ずるというものも少なくございません。このため、その発生を抑制するためには、ペットボトルなどの大きなサイズのプラスチックごみを海洋に流出させないこと、それから、一たび流出したプラスチックごみにつきましてマイクロ化をする前に回収するということなどが重要でございます。 このため、環境省におきましては、国内での廃棄物の適正処理などの推進によりまして陸域等からのプラスチックなどの海洋ごみの発生抑制に努めますとともに、自治体に対する財政支援等によりましてプラスチックなどの海洋ごみの回収を促進をしているところでございます。
○高橋克法君 今のお話の中で、このマイクロプラスチックについては二種類あるということだと思います。一つは、大きなペットボトル等のプラスチックごみが破砕というか分解をしていって小さなマイクロプラスチックになっていってしまうということを考えると、これは、まず、そういった大きなプラスチックごみを海洋に流さないということですね。ですから、さっきの質問で、漁業者の方々が漂流ごみを操業と同時に大変だけれども回収してくれている。あれやらないと、漂流しているうちにマイクロプラスチックになっていってしまうということなんで、まずはそこで、そういう側面でもしっかりと回収していく。もちろん、大本は私たちが使った大きなプラスチックごみを海に流さない、川に流さない、そういうことが基本だと思います。 もう一つは、最初からマイクロプラスチックになっているプラスチック。これは実は、私ももう今使うのをやめたんですけれども、脂性です、僕は、小川先生もそうかもしれないけれども、いわゆる男性用の洗顔フォームというんですか、あれをこう……(発言する者あり)済みません。顔にやるとざらざらするんですね。あのざらざらが汚れを取ったりするらしいんだけれども、よく見るとあれは小さな粒子なんですよ。何だろうと思ったら、あれマイクロプラスチックなんですね。ですから、これ流れちゃうともうマイクロプラスチックは回収が不可能と言われているので、そういった側面からもしっかりと認識をされて取り組んでいく、まあ取り組んでいられるんだと思うんだけれども、しっかりとよろしくお願いしたいと思います。 次、最後になります、食育への取組について質問をさせていただきます。 通常のいわゆる水産物以外の農作物、これに比べてどうしても魚については、食育であったり消費の拡大に対する取組もおやりになっているんだろうけれども、印象として私たちちょっと薄い部分がありまして、そんな観点から質問したいんですが、実際に魚の消費量は最盛期に比べると一人当たりの消費量が約三割ぐらい減っていると思うんです、最盛期に比べると。そういうことから考えると、これは人の味覚というもの、また食習慣というものだから時間は掛かるかもしれませんけれども、子供たちが魚を食べるようにするためにその視点が重要だと思うんですが、農林水産省としてどのような取組を進めているか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(伊東良孝君) 高橋委員の御質問にお答えいたします。 今御指摘いただきましたとおり、近年の食用魚介類の一人当たりの年間消費量というものが、平成十三年の四十・二キログラムをピークに、このときは、この前後、大体三十八、九キログラム、十三年度が四十・二キログラムがピークでありましたけれども、それ以後ずっと減少を続けておりまして、平成二十六年度の概算値では二十七・三キログラムとなっております。 水産日本の復活に向けまして、官民を挙げて、この輸出の拡大とともに、国内における水産物の消費拡大を図っていくことが重要だとして取り組んでいるところであります。 このため、水産関係団体との連携の下に、最近の消費者ニーズに対応し、手軽においしく食べられる水産物、ファストフィッシュ、これを公募、選定をいたしております。 また、魚食文化の普及啓発に努められている方々をお魚かたりべとして任命をさせていただき、子供を始めとした国民に対する魚食普及の活動を後押しをしているところであります。 また、旬を明確にした漁師自慢の魚、プライドフィッシュ、これは全国の都道府県で行われているところでありますけれども、このPRを支援しているといった取組を実施しております。この一環といたしまして、プライドフィッシュ料理コンテスト等を通じまして、今まで食べたことがなかった水産物に出会い、そのおいしさを知ってもらう、これは、第三回Fish—1グランプリというのが本年の三月に日比谷公園で開催されまして、約三万人の方々においでをいただきました。 また、漁業所得の向上を通じた地域活性化を目指す浜の活力再生プラン、これにおきましても、漁業体験や民泊等による子供たちの受入れに各漁村地域が積極的に取り組んでおります。私の地元であります北海道でありますが、北海道の寿都地区では、教育旅行をキーワードにいたしまして年間二千人以上の漁業体験を受け入れ、地域の活力向上につながっております。十年前、一校ぐらいしか修学旅行で来なかったのが、体験で近年では十校も二十校も来るようになったという例が報告をされております。 さらに、これが大事なところであろうと私は思いますけれども、学校給食等を通じまして子供が魚食に触れる機会を確保するなど、これらの施策を総合的に推進することによりまして国産水産物の消費拡大に向けて取り組んでまいりたいと考えております。 以上であります。
○高橋克法君 精力的にいろんな取組をされていること、よく分かりました。引き続きよろしくお願いしたいと思いますし、例えば、今副大臣のお話の中に学校給食ありましたけれども、経験を積んだベテランの学校栄養士さんですと、旬の魚をしっかりと給食の中に、もちろん給食ですから費用の上限はあるわけなんだけれども、それをうまく考えながら季節ごとに魚を入れていくということをやっていらっしゃる栄養士さんがたくさんいらっしゃいます。今の時期だとサワラだったり、季節ごとに、秋にはサンマを入れたりということで、そういうことについても、これ文部科学省の世界になってしまうかもしれないけれども、連携を取って、できれば、魚の消費拡大、これ我が国の文化だと思いますので、積極的にこれからも御努力をいただきたいと思う次第です。 今副大臣のお話の中に漁業体験のお話ありました。これ、私も大変大事なことだと思うんです。成長過程の中で、自分の体験、原体験というか、自分のDNAに触れるというか、そういったことが、その後の成長してからの生活規範であったり食習慣であったりというのに影響するという部分がたくさんあるなというふうに自分の半生を顧みて思っているんですが。先ほど副大臣も、かつては一校しかなかったのが十校、二十校となってきた。その辺の、漁業体験が終わった後の効果というんですか、これなかなか計数的に把握するのは難しいかもしれませんけれども、この漁業体験の効果についてはある程度追いかけて把握をされているのかどうか、それをお伺いしたいと思うんです。
○政府参考人(佐藤一雄君) 漁業体験の効果につきましては、先ほど副大臣の方からも御答弁ありましたが、宿泊や体験活動を通じての経済効果や受入れを通じた地域活性化の効果が、これが期待できるものと考えておるところでございます。 私どもといたしましては、子どもたちの漁村受け入れガイドラインというのを、これは平成二十四年三月に策定しておりまして、これによりまして各地域の取組事例や取組効果を分析して、全国の市町村に紹介しておるところでございます。この漁業体験に取り組む多くの地区では、市町村や協議会等が窓口となりまして漁業体験の料金設定や受入れの目標人数を定めまして、地域への波及効果を定量的に把握しながら取組を進めているところでございます。 また、先ほどもありましたが、漁業者の所得向上を通じた地域活性化を目指す浜の活力再生プランがございますが、ここにおきましても、漁業者自らが漁業体験のインストラクターや民泊の提供等に意欲的に取り組んでいるところでございます。 漁村地域が浜ごとの魅力ある地域資源を活用しまして都市住民や子供たちとの交流に積極的に取り組むことは地域の活力創造につながるものでございまして、水産庁といたしましても、漁業体験を通じた都市、漁村の交流を積極的に推進していきたいと、このように考えているところでございます。
○高橋克法君 時間が参りました。以上で質問を終わります。 ありがとうございました。
○郡司彰君 民進党の郡司でございます。 漁船損害等補償法及び漁業災害補償法の一部を改正する等の法律案、参議院先議でございますけれども、今日、質疑をさせていただきたいなというふうに思っております。 この二つの法案にも関わりがあることになってくるんだろうというふうに思います。いつものことでございますが、十月の五日にTPPが大筋合意をされました。今回のこのTPPによりまして、水産関係、魚種、海藻ごとに、即時、六年、十一年、十六年までの段階的な関税撤廃や削減が決まったというふうに思っております。全体でいうと、輸入額の三割をTPP加盟国で占めている、そしてまた即時というものの中には、干しのりでありますとか昆布、調製品も含め、あるいはワカメ、ヒジキ等が即時に一五%削減等があるわけでありますけれども、全体を通じて影響の試算というものはどの程度に把握をしていらっしゃるのか、そのことについてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 今、先生の方から御指摘ありましたが、今回のTPPの大筋合意におきまして、水産物につきましては、まず、アジ、サバは十二年から十六年目までの長期の関税撤廃期間を設定する、また、主要なマグロ類、主要なサケ・マス類、ブリ、スルメイカ等につきましては十一年目までの関税撤廃期間を設定する、海藻類につきましては関税を一五%カットするといったようなことになったところでございます。 平成二十七年十二月に公表しました当省によります農林水産物の生産額への影響試算におきましては、水産物の生産減少は約百七十四億円から約三百四十七億円ということになっているところでございます。これは、関税削減等の影響で価格低下による生産額の減少が生じるわけでございますが、交渉で獲得しました今の措置に加えまして、総合的なTPP関連政策大綱を踏まえまして、水産業の体質強化対策を集中的に講じることによりまして国内生産量は維持されるものと、このように見込んでいるところでございます。
○郡司彰君 最後のところの国内生産は維持されるというのはいつも同じでございますが、この水産の関係は農業と比較をして説明と理解と進んでいるのでありましょうか。もしお分かりでしたら教えてください。
○政府参考人(佐藤一雄君) このTPPの大筋合意後、関係者の不安を払拭するために、森山大臣の指示の下、あらゆる機会を通じまして説明会等を開催させていただいているところでございます。 また、二十七年度の補正予算でTPP対策といったものを講じたところでございまして、これまた現場の方に浸透すべく説明をしているところでございまして、多くの漁業者の皆さん方につきましてこうした施策全体につきまして理解が浸透しつつあると、このように考えているところでございます。
○郡司彰君 今日はちょっと時間の関係もありますので余り深追いをしないで次の質問に行きますが、例えばアジ、サバの関係につきましては均等段階的に十六年間掛けて、アメリカだけが八年目までは行わないけれども十二年間で終わってというような形で例外扱いになっておりますが、これなぜ米国だけは例外ということになったんでありましょうか。どういう交渉の経過の結果なんでありましょうか。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 TPPの合意内容では、水産物のうちアジ、サバ等の五品目の関税でございますが、これにつきましては、米国からの輸入につきましては当初八年間は現行税率を維持しまして、その後三年掛けて段階的に削減しまして、十二年目に無税とするということになったところでございます。米国以外の国からの輸入につきましては初年度から段階的に削減し、十六年目に無税とするというふうになったところでございます。 このような交渉結果となった理由につきましては、TPP交渉の経緯に関することであり、お答えは差し控えたいと、このように考えているところでございます。
○郡司彰君 今日から衆議院でもTPPの特別委員会が開かれることになっております。審議がスムーズに行われるかどうか、幾つか取決めをしなければいけないと思うんですが、私はやはり情報の開示というのはしっかりなされなければ、これは議論ができないし、最後のところの判断というものは、よくて保留せざるを得ないのではないかなというように思っております。 したがって、今のようにTPPの交渉のことですからお話しできませんということで、前段の問いにありましたような、理解が進んでいるということ自体が私はちょっと信用しかねるような感じがいたしますけれども、改めてどうなんでしょう。
○政府参考人(佐藤一雄君) 御指摘の点でございますが、この点につきましてはまた先ほどお答えしたとおりでございまして、このことについて是非とも御理解いただきたいと、このように考えているところでございます。
○郡司彰君 今日は、大臣、このほかのことについてもちょっとTPP関連、WTOの関連でもお話をさせていただきたいというふうに思いますが、それとは別に、今回の水産関係の中の特徴というのは、漁業の補助金、禁止補助金には該当しないと判断をしたと、つまり今回は不問に付しておりますよというようなことが伝わってきて、そのこと自体は、私どもは、これまでの主張と変わらずに認められたということにもなるわけでありますけれども、これはしかし、今のその情報の開示と併せて今後のことに鑑みて、漁業の補助金というのはこのTPPの中でどこでどういう形で誰と誰が議論をしてきたのでありましょうか。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 この漁業補助金でございますが、TPP交渉の結果、まず、漁獲に対する補助金であって、乱獲された状態にある魚類資源に悪影響を及ぼすもの及びIUU漁業を行う漁船に対し交付される補助金のみが禁止されたところでございます。なお、このIUU漁業というのは、違法な漁業、報告されていない漁業のことをIUU漁業と呼んでいるところでございます。 現行の我が国の漁業補助金につきましては、これらの禁止補助金に該当せず、漁業補助金に関する我が国の政策決定権は維持されたものというふうに考えていると思います。これについては、交渉の経緯ということでございまして、結果と経緯というのはこれは別物というふうに考えているところでございます。
○郡司彰君 日本のこと以外に、加盟十二か国の関係全てが今長官がおっしゃったような理由でもって補助金については触れなかったということなんでありましょうか。
○政府参考人(佐藤一雄君) 誠に恐縮でございますが、この点につきましては、交渉の結果と経緯ということでございまして、これ以上ちょっとお答え申し上げることにつきましては差し控えさせていただきたいと思います。
○郡司彰君 繰り返しになりますから、もう改めては申し上げませんが、私、衆議院の方の審議も大変心配をしておりまして、とても私どもの方に、参議院の方に来るようなことにはならないのではないかなと、こういうような感じを受けております。 それでは、TPPではなくてWTOのときにおきまする、例えば二〇〇七年のルール交渉議長の八項目のテキスト等が出されたというふうに思います。この基本は、アメリカとかオーストラリアとかいわゆるアルゼンチンなどのフィッシュフレンズというところの考え方を基にしていたんだというふうに思いますけれども、ここに示されておりました八つの禁止をすべきことというのと今回のことについての関連というものがあればお聞かせをいただきたいなと。WTOで話をされてきたこのことについては、今、その後の進展はないんだと思いますけれども、今後の成り行きの予測、日本の考え方等について変更があるのかないのかについてお話しください。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 WTOにおきます漁業補助金でございますが、これにつきましては、二〇〇一年のドーハ閣僚宣言におきまして、漁業補助金に関するWTO協定の規律の明確化及び改善を目指すこととされたところでございまして、その後、WTOドーハ・ラウンドのルール交渉におきまして議論が行われてきたところであります。 しかしながら、この漁業補助金の原則禁止を求める国や途上国への特別かつ異なった扱いを求める国がございまして、加盟国間の意見の相違が埋まらず、交渉は停滞し、現在も合意に至っていないと、こういう状況になっているところでございます。 これまで我が国におきましては、政策上必要な補助金は認められるべきであり、禁止補助金は真に過剰漁獲能力、過剰漁獲につながるものに限定すべきとの立場で臨んでおりまして、今後もこのような我が国の立場を主張する必要があると、このように考えているところでございます。
○郡司彰君 要するに、これまで同様の考え方であるということですね。 これ、二〇〇五年の話を今ちょっと出されたと思いますけれども、ということは、このときの日韓台というところの共同提出ということのままということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(佐藤一雄君) この点については、国際交渉、交渉事でございますので、この場でのお答えについては差し控えたいと思っております。
○郡司彰君 どうしましょうね、これ。今後日本のいろいろな漁業に関する政策を行っていくときに、それがWTOで話し合われていることに触れるのか触れないのか、国際的に議論がされているのかされていないのか分からずに、国内法の審議をして賛否を決めるというような形がもし続くとすると少しどうなのかなという感じがしてしまいますが、ちょっとこれは通告しておりませんでしたけれども、大臣あるいは副大臣等で何かお考えをお聞かせいただければと思います。
○国務大臣(森山裕君) WTOの漁業補助金交渉とTPP交渉への影響に関しては、WTOとTPP交渉では参加国も違いますので、基本的には別の交渉であるというふうに考えております。
○郡司彰君 これからまたその辺のところについて議論をさせていただきながらやっていかないと、私たちの国の水産関係の政策そのものが、そもそもというところの議論をいつも行うようになってしまうのではないかなというような感じがしておりますので、よろしくお願いしたいと思います。 それから、改めてでございますけれども、WTOについては今後の動きということについての何か把握というか、ございますでしょうか。
○政府参考人(佐藤一雄君) 先ほど申し上げましたように、このWTOの漁業補助金の関係でございますが、原則禁止を求める国や、あるいは途上国への特別かつ異なった扱いを求める国もありまして、意見の相違が埋まらず、交渉は停滞しているということで現在も合意に至っていないと、こういう状況というふうに認識しているところでございます。
○郡司彰君 では、このことについてはまた後にさせていただきます。 次に、積立ぷらすの関係でございますけれども、簡単に言うと、漁業共済に上乗せをして積み立てる方式でありまして、これはもう最初が二十年だったですかね、そのときに漁業経営安定対策事業ということで始まりまして、二十三年から資源管理・漁業所得補償対策、何か名称が私どもの政権のときのような名称でございますが、政権が替わりまして、その後、二十五年から資源管理・漁業経営安定対策というふうに名称が変更されましたけれども、今日まで続いているのだというふうに思っております。 平均加入率が七五%ということでございまして、九割が目標ということで、なぜそこまでいけないのかということの質問をしたいわけでありますけれども、その前段で、七五%というのは私は相当努力をいただいたなというような感じがしておりまして、そのことに関しては敬意を表したいなというふうに思っております。 九割の目標は、まだ時間がある、三十四年だったでしょうかね、ぐらいの目標だったというふうに思いますけれども、まだしかし九割に達していないということで、その原因と対策等についてお話しいただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 現行制度におきましては、まず、タイ、ハマチ等を対象といたします養殖共済におきましては、地域漁協内の養殖業者のうち一人でもこの共済契約の申込みをしなかった場合には、その漁協内の全員が共済に加入できないというような状況がございます。また、ノリ、ホタテ等を対象といたします特定養殖共済でございますが、ここにつきましては、漁業依存度の低い漁業者が共済に加入していないことで、地域漁協内の全員が加入した場合に受けられる二分の一の掛金補助が受けられないといったようなことから、共済に加入できず、この漁業収入安定対策、いわゆる積立ぷらすも利用できない、こういった方がいるというふうに承知しているところでございます。 また、漁業者間で実は独自のセーフティーネットを設けているというような場合、あるいは漁業者が自分の経営上の判断であえて共済制度を利用しない場合があるというふうに聞いておるところでございます。 このため、今般の法改正におきましては、養殖共済における全員加入制度の撤廃、そして政府の掛金補助制度の見直しに係る改正を行いまして、共済やこの漁業収入安定対策、積立ぷらすに加入しやすい環境を整えるということと、今後とも、共済や漁業収入安定対策の周知活動、あるいは漁業者ニーズに合った保険商品の検討を行っていくこととし、引き続き加入率九割の達成に向けて取り組んでいきたいと、このように考えているところでございます。
○郡司彰君 今回は、簡単に言うと、みんなが入らなくてもできますよという形にしたということで、私自身、また評価をしたいなというふうに思っております。 できますれば、これは水産庁長官に言うべき話ではないのでありましょうけれども、それ以外の、例えば農業関係の分野でも、同じような仕組みの補助金というのがまだあるんですね。共補償や何かになるためにはみんなで地域でということが前提のようなことがあって、私は、それも一つの方法なのかもしれませんけれども、何となく、昔の五人組とか共同責任みたいなものというものも、必要なものもあるけれども、時代に合ったような形で加入したい人たちが入れるようなものをやっていかないと、その根底のいろいろな分母やその他が変わってくるというようなことが出てきていると思いますので、できるだけ今のような取組を進めていただいて、九割というものを達成をしていただきたいなというふうに思っております。 加えてでございますけれども、これまで、いろいろなこの保険の関係につきましては、定期的に掛金の率の算定等を行ってまいりました。場合によっては法律の改正があったときに併せて行うということもこれまでにはあったようなことを伺っておりますけれども、今回の法の改正ということに関連して、掛金率の算定見直しということはあるのでありましょうか。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 漁業共済の共済掛金率でございますが、直近十年間の事故率を算定基礎といたしまして、おおむね三年ごと、又は法改正がある場合にそのタイミングで改定を実施してきたところでございます。 こうした過去の経緯、そして今後の漁業共済への加入の状況、また共済の収支均衡の原則や漁業者の負担などを総合的に考慮をしながら、今後見直しの有無についても検討をしていきたいと、このように考えているところでございます。
○郡司彰君 端的に、今回の改正に関わっての算定を行うということはないということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(佐藤一雄君) ただいま申し上げたとおりでございますが、例えば漁業保険のいわゆる付保、保険料率といったようなものについても、組合の合併が進んでまいりますので、その段階でどうなるかといったような姿が見えてくるかというふうに思っておりまして、いましばらくその点についてはよく中で検討したいと、このように考えているところでございます。
○郡司彰君 まだどちらとも、今後の成り行きの中で判断をするということなんだろうというふうに思っております。 十年間のその数値を平準化、水準化するという作業を行っているということでございますけれども、そうしますと、この過去十年間の間には三・一一、五年前の大震災が入ってくるのだろうというふうに思っております。そうしますと、百年とかもっと大きい長さの間で一回ぐらいのことが十年間の間に入ってくるということになると、これは相当数値がこれまでとは異なるものが出てくるということになるんだろうというふうに思いますね。 この百年に一度の扱いというものをどうするかということの検討、あるいは結論というものが出されているのでありましょうか。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 実は、平成二十七年四月に実施しました共済掛金率の改定があったわけでございますが、その場合には、その算定期間に平成二十三年三月に発生しました東日本大震災が含まれておったわけですが、漁業種類によりまして掛金率が大幅に引上げとなるものは調整いたしまして、特に震災の被災県に関連する漁業種類ということで、アワビやサケやマス等でございますが、これらにつきましては現行の掛金率で措置するといったようなことで、被災した漁業者に過度な負担とならないよう配慮したところであります。 今後とも、共済掛金率の改定に当たりましては、共済収支の均衡を原則といたしまして、漁業者の過度の負担にも配慮した上で、適切な掛金率となるよう設定していきたいと、このように考えているところでございます。
○郡司彰君 ということは、前回も考慮をしたし、次回についても考慮をして行っていくというふうに理解をしておきたいと思いますが、よろしゅうございますね。
○政府参考人(佐藤一雄君) 先ほども申し上げましたように、この掛金率の改定につきましては、やはり共済収支の均衡を原則として、漁業者の過度の負担にも配慮した上で、適切な掛金率となるよう設定していくという考えでおるところでございまして、何とぞこの点について御理解いただければと、このように考えているところでございます。
○郡司彰君 では、改めて、この後ちょっと話をさせていただきますけれども、私どもの国は、生産額、量、それから就業者の数、漁船等も減少をしておりまして、減少というよりは半減、三分の一というようなもっと大きい数字も出ております。 世界の中で見ると、横ばいというのも、例えばアメリカなんかはそのような状態で、減少している国もあるけれども、日本も減少の中においては大きなところがあるわけでありますから、そういうこれからのことを考慮して算定をしていただきますようにお願いをしながら、今申し上げましたように、日本の場合には幾つかの数値が減少の一途をたどっているというふうに思われてなりません。 この大きな原因と対策についてお話をいただければと思います。
○国務大臣(森山裕君) 郡司委員御指摘のとおり、我が国の漁業は、一九七〇年代半ばからの各国の二百海里規制による遠洋漁業の海外漁場からの撤退、また一九九〇年代初めの沖合漁業におけるマイワシの漁獲量の急減、沿岸地域の開発による沿岸漁業の漁場環境の悪化等により、生産量、生産額とも長期的に減少傾向にあります。また、このような漁業生産量、生産額の減少に伴いまして、漁業就業者の減少と高齢化、また漁船数の減少や高船齢化も進行していると認識をしております。 しかしながら、一方で、近年高まる世界の水産物需要を背景にして輸出が拡大をしてきております。また、太平洋のマサバのように、資源管理の効果が現れている例も見られております。さらに、近年のデータでは漁業生産額も増加に転じているなど、明るい兆しも見え始めております。 このような動きを追い風といたしまして、遠洋、沖合、沿岸漁業、それぞれの漁業の実態を踏まえて、経営の体質強化を図りつつ持続可能な収益性の高い操業体制への転換を進め、漁業者の所得向上を通じて漁業の振興を図っていくという考え方でございます。
○郡司彰君 それぞれのところの対策をきちんと打っていくということをお願いをしたいというふうに思いますが、特に遠洋なんかはもう四割ぐらい減ってしまった。これ、何というんでしょう、資源管理ということだけではなくて、排他的経済水域とかいろんな問題があって出てきている問題でありますから、なかなか簡単ではないというふうに思いますけれども、長期的に見て復活する可能性があるのかどうか、その辺の見通しをしっかり出してあげることも、これから関わる人たちの、何というんでしょう、将来の展望を持てるのかどうかということにも関わってくると思いますので、よろしく対策をお願いをしたいなというふうに思っております。 今日は皆様のところに資料を一部配らせていただきました。沿岸漁家の漁労所得ということでございまして、平均をすると、平成十九年三百二十七万が二十六年には二百五十三万。うち、沿岸漁船の関係でいいますと、十九年二百七十四万、二十六年百九十九万。海面養殖に関しましては、十九年が五百三十八万、二十六年五百四十一万。 これを見ると、船に乗っている方々は結構大変だなというような感じがいたします。これ、百九十九万という数字は、例えば農業の方でも、農業の所得というとさほど高くないけれども、農外を合わせての農家の所得ということになるとかなり高いということもあるんですね。 私はよくこれ把握ができませんけれども、この漁家の百九十九万というのはこれ以外の収入というものがあるんでしょうか。漁家の場合にはほとんどこの金額が全てということに理解してよろしいんでしょうか。ちょっと通告しておりませんでしたが、もしお分かりになれば教えていただければと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) 推計でございますが、農業と漁業を比べた場合に、農業の専業率というのが大体四割ぐらいでありまして、水産の場合には専業率というのは八割ぐらいになっておりまして、ということからいきますと、やはり漁業収入以外の収入というのは農業ほどはないんじゃないかと、このように考えているところでございます。
○郡司彰君 私も、先ほど大臣がおっしゃった、マイワシが急減をした。私の地元、住んでおりましたところの大津漁港というのは、もう二十年ぐらい前まではマイワシ、サバ、漁獲量全国一だったんですよ。もう全然捕れなくなりました。ですから、加工をしておった方々も、ほかから取り寄せながら加工の商売を続けてきた。でも、もうそれも供給ができないような状況でおやめになった方々が多いようなことがありましたから、実際に肌身でその辺のところは感じるわけでありますけれども、もし今の話も、私も実感として、ほとんど、自分のうちで食べるぐらいの畑や何かは少しやっているかもしれないけれども、そういう漁村のありようからすると、だとすると百九十九万というのはやはり若い人などは考えてしまうのではないかなというような感じがいたしております。 例えば、これ質問通告をしておりませんのでお答えはもしあれでしたら結構でございますけれども、四月でございますから新しく実習生が茨城の港にも、例えば波崎の漁協だと今年は十四名ですかね、去年が十六名とか、インドネシアの水産の関係の学校を卒業した方が来て実習生として乗り組んでいただいたりもしております。 そういうようなことも含めて、全体として、実習生というものは一定の枠がありますから、そういうことで若干低くなっているということももしかするとあるのかもしれません。ただ、この百九十九万というのは、前の年が百九十万、その前が二百四万ですから、おおよそ二百万ということからすると、何かしらやはり考えていかなければいけない。 でも、ほかの国は魚種も少なくて、割に簡単にIQとかその他のことが取り組める。でも、日本の場合には、漁場ごとに、そしてそれが先ほど言ったように漁村という地域を形成するようなことの大事な要素にもなっている。少ないからやめろという、新しい職業を探せということではなくて、その漁村が存立、存続できるようなことを考えるということになれば、その辺の沿岸における取組というものを、一つは養殖というものにも目を向けるということもここの中でも出てきますけれども、何かしら若い人たちがあそこに入っていこうかというようなことについて具体的な長期的な検討をなされているようなことがあればお聞かせをいただければなというふうに思いますけれども。
○副大臣(伊東良孝君) 現在抱える重要な問題について御指摘をいただいたところであります。この御提供いただきました資料を見てもこれが如実に分かるわけでありますが。 新規漁業就業者数、これは最近水産の方に携わる若い人たちが増えてきておりまして、おおむね二千人程度を確保、毎年しているところであります。研修制度等につきましても充実を図るべくやっておりまして、青年就業準備給付金、これは百五十万、最長二年間、さらに、研修事業を行う雇用主にこれは補助するものでありますけれども、雇用型あるいは幹部養成型、更に独立を目指す研修生のための補助というのも、しっかりこれは、独立型の場合は月額二十八万二千円、幹部養成型のところは十八万八千円、これは最長二年間、そしてまた雇用型のところには十四万一千円を一年間補助しておるということで、若い方々の確保のために努力をしているところでもございます。 また、いずれにいたしましても、沿岸漁業者の所得向上というのは新規就業者の確保という観点におきましては重要な課題であります。漁業者自らが所得の向上に向けて具体的な対策に取り組む浜の活力再生プランを推進するとともに、新規漁業就業者総合支援事業によりまして、漁業学校等で学ぶ若者に対する就業準備資金の給付、あるいはまた漁業の就業相談会の開催、さらにはまた漁業現場での長期研修等の新規就業者確保のための支援を行ってまいりたいと考えております。 これらの施策によりまして、近年の漁業の新規就業者数は、ベテラン、中堅、若手のバランスの取れた活力ある漁業就業構造の維持に寄与する、先ほども申し上げました、二千人程度を毎年確保しておりまして、引き続きこれらの確保のために努めてまいりたいと考えております。
○郡司彰君 もう御存じのことでありますけれども、代替わりをするときとか、やっぱりもう引き継ぐのはやめようかなということの話も多く聞きます。それから、今は燃油の関係も、それは経費の問題からすると良くなっているわけでありますけれども、これもまた時代によってどうなるか分かりません。今がちょっといいということに甘んじているわけにはいかないと思いますので、しっかり対策をお願いしたいと思います。 最後の質問でございますけれども、組織が今度全国で統一をされるということでございまして、農林水産大臣、年一回を常例として検査を行うということにしているということでございますが、これはどこが行うんでありましょうか。
○政府参考人(大浦久宜君) 漁船保険組合に対する常例検査のお問合せでございます。 私ども農林水産省は、漁船損害等補償法第八十五条第二項の規定に基づきまして、私どもの検査官が組合の業務及び会計の状況などにつきまして検査を実施しているところでございます。 条文の規定では、農林水産大臣は必要と認めるときはいつでも検査することができるという規定になってございまして、何年に一回とかいうふうに定められているわけではございませんが、やはり定期的に検査することが適切であろうという判断から、私ども、原則三年に一回ということで検査しているところでございます。
○郡司彰君 農水省の中にある検査官の方が行うということであります。 私は、そのことがどうこうというのではなくて、前に、昨年議論をしました農協法については、これは農協内の監査は監査士という制度があってしっかりやっていた、経営のことに対してもちゃんと意見具申ができるようになっていた。それをわざわざ、公認会計士じゃなければ駄目なんですよと、こういうような法改正をしたわけであります。今度新しくなったところは、農水省の検査官が行う。私は、なぜ農協の方は変えなければいけなかったんだ、今回はなぜ農水省の検査官でいいんだ、そこは私は一つ筋が通っていないと思います。 だとすれば、ここも変えなければいけないということに本来ならなるはず。じゃなしに、もしこれがならないということになれば、農協法そのものの改正のときの理屈の方がおかしいというようなことに私は思っておりまして、もし今回のことでこの法律が通るということに対しては、何の私は今のところ異存はありません。検査官で結構だというふうに思います、しっかりできる公認会計士の方もいらっしゃるということも聞いております。 しかし、じゃ、なぜ農協法はそうだったのかということになると、そんなにアメリカの商工会議所の言うことを聞いたんですかという議論にまたなってしまいますので、このことについてはまた別な機会で討論をさせていただきたいと思います。 終わります。
○小川勝也君 引き続き質問をさせていただきます、民進党・新緑風会の小川勝也でございます。 漁船損害等補償制度と漁業災害補償制度の二つの補償制度の改善を図るのが本法律案の趣旨だというふうに伺っております。提案理由の説明の中にもありました。 また、先月、三月十一日、私たちも、国立劇場において追悼式にも参加をいたしました。忘れてはいけない教訓だろうというふうに思います。まさに養殖漁業の施設が一瞬にしてなくなる、漁船がまさにおかに打ち上げられる、あの光景を目の当たりにしたのが東日本大震災であったわけであります。 また、提案理由には、南海トラフ地震に備える必要があるというふうにしっかりと記載をされておりますし、大臣もそうお述べになりました。首都直下型の地震も来る、南海トラフ地震にも備えると、我々の国のこれは宿命だろうというふうに思います。 そういった宿命と立ち向かいながら漁業経営の安定もしっかりと支えていかなければならないということで今回の法律改正になったんだろうというふうに把握をさせていただきますが、大ざっぱな質問でありますけれども、東日本大震災で得た教訓と今回の両法の改正、この因果関係、いきさつについて御説明をいただきたいと存じます。
○副大臣(伊東良孝君) 小川委員の御質問にお答えいたします。 今お話ございましたように、二十三年三月に発生いたしました東日本大震災では、我が国の水産業に甚大な被害が生じたところであります。特に、漁船保険制度では五百四十九億円という多額の保険金が支払われたところでございます。 これによりまして、漁業者の経営再建等に大きく寄与した一方で、一部の漁船保険組合におきましては、当該組合の準備金だけではこの保険金全額の支払ができない事態となったところでございます。これは、岩手県で十二億円、宮城県で二十一億円、合計三十三億円、支払が足りなくなったということでございました。 こうした中で、漁船保険団体におきましては、事業基盤の強化のために、漁船保険中央会及び四十五の漁船保険組合を一つに統合する動きがございました。具体的には、平成二十九年四月の設立を目指して、全ての漁船保険団体で平成二十五年五月から平成二十七年、昨年の六月にかけまして組織統合一元化の決議が行われたところであります。 これを踏まえまして、国としても、今お話ございましたように、南海トラフ地震などの大災害に備えて組織統合一元化を通じた事業基盤の強化が実現できるよう、今般、制度改正によりまして措置することとしたところでございます。 以上でございます。
○小川勝也君 後ほどその漁船保険の統合の問題点などについてもお伺いをさせていただきますが、被災地におけるいわゆる漁業あるいは関係業種の重要性については共通認識だろうというふうに思っています。そんな中で、誰のせいにもできないわけでありますけれども、なかなか復旧が進まない、復興が進まないという、私も、いらいらもいたしますし、責任も感じる部分もあります。 被災各県の漁業や漁港の復興状況について、それぞれ特色があろうかと思います、各県別に状況をお伺いできれば幸いに存じます。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 東日本大震災におけます漁業、漁港の復興状況でございますが、本年一月現在でございますが、まず漁業でございますが、水揚げ量で震災前年比でございますが、岩手県では六七%、宮城県では七九%、福島県では五九%まで回復していると、こういうような状況でございます。また、漁港につきましては、岩手県では九六%、宮城県では九九%、福島県では八〇%まで陸揚げ可能に回復していると、こういう状況になっているところでございます。 今後とも、県や地元市町村と連携しまして、被災地に寄り添いながら、早期の復旧復興に資するよう全力で取り組んでいきたいと、このように考えているところでございます。
○小川勝也君 今、漁港の復旧率を伺いました。また、漁獲につきましては前回の質疑でもさせていただきました。特に福島県では、漁獲と放射性物質との関係から、なかなかこの数値が上がらないということも把握をさせていただいているところであります。 特に、三陸海岸は暖流と寒流のいわゆる合流する地点ということで、日本有数のいわゆる漁業地帯でございますし、特に宮城県は石巻から気仙沼にかけてまさに水産加工のメッカであります。この水産加工の復旧復興もたくさんの問題を抱えているというふうに把握をさせていただきますし、私もいろんな相談も受けております。 宮城県の水産加工の復活について、現在までの状況と問題点の把握について、水産庁から答弁をいただきたいと存じます。
○政府参考人(佐藤一雄君) 本年二月に当方で公表いたしました水産加工業者における東日本大震災からの復興状況アンケートというものがございまして、これによりますと、まず復興の問題点といたしましては、販路の確保、風評被害が最も多く挙げられておるところでございます。また、次いで人材不足あるいは原材料の確保が挙げられておりまして、これは調査対象の五県全体で見ても、また宮城県について見ても同様であるわけでございますが、このような状況になっておるところでございます。 このようなことから、水産庁におきましては、被災地の水産加工業者の販路回復に向けまして専門家による個別指導を行ったりしているわけですが、とりわけこのセミナーの開催というものを年間約三十回開催するといったようなことを行いまして、必要な加工機器の整備等も支援しているところでございます。 また、宮城県におけます直近一年間の水揚げ量でございますが、被災前の約八割にまで回復しておりますが、水産庁では引き続きこの水産加工業者が遠隔地から加工原料を確保するための支援を実施しているところでございます。 人材確保につきましても重要な課題と認識しておりまして、復興庁を始め関係省庁や自治体とも連携しながら、被災地の水産物加工業の復興の推進に取り組んでいきたいと、このように考えているところでございます。
○小川勝也君 一番の課題は、やはり人材の確保だろうというふうに思います。特に、復旧復興に関しては、いわゆる水産、水産加工以外の他業種でもたくさんの人材を欲しているということから、想像に難くないわけであります。また、人材確保は、私の地元であります北海道も含めて、他産業も全産業も、あるいは水産業も水産加工業も一番の大きな課題となってくるんだろうというふうに予測しているわけであります。 人材の確保はこれからも日本全国で大変難しい課題となっていくわけでありますけれども、まさに今機械化とかあるいはオートメーション化とか、いろんな側面からの支援を含めて、水産庁としてできることを併せて対策を取っていただきたいというふうに存じます。 また、今、販路という御答弁もいただきましたけれども、直接こういう言葉をいただいております。すなわち、震災前に確保していたいわゆる棚、これがいわゆる操業を停止している間に他産地のメーカーに取られてしまったということであります。これもいわゆる民間の競争でありますので、役所がどこまで介入できるかどうかというのは大変極めて難しい問題ではありますけれども、せっかく水産加工業、再開がなされたということであれば元気に操業をしていただいて、そして、おいしい加工されたものを消費者に届けていただきたいというのも、それは当たり前の思いだろうというふうに思いますので、引き続きの御努力をお願いをしたいというふうに思ってございます。 私も、この東日本大震災のときの津波の映像を何度も見させていただきました。大変つらい瞬間であります。しかし、これは先ほども申し上げましたとおり、忘れてはいけない教訓だろうというふうに思います。そしてまた、こういう委員会の場で聞いていいのかどうか戸惑っておりましたけれども、思い切って、五年が経過をいたしましたので、農林水産省の意見を聞いてみたいというふうに思い、質問をさせていただきます。 すなわち、津波が来たときに、漁船を守るために漁船を沖に出すという行為があります。そのことによって今回助かった船もあろうかと思います。しかし、残念ながら、船を沖に出すまでの間に犠牲となられた方もあるんだろうというふうに思います。ここまでのところ、その漁船を沖に出すという行為に対しての評価を水産庁としてどう総括をしているのか。そしてまた、南海トラフという、先ほどの提案理由説明の中にもございました、また津波が来ます。ほかの地域にも来ます。そこにも漁師さんがいて漁船があります。そしてまた、今までと同じように船を守るために漁師さんは船を沖に出した方がいいのか、また逆の一面として、津波てんでんこという教訓を私たちは再確認をさせていただきました。 とにかく、船も大事だけれども、養殖漁業のいわゆる全ての施設も大事だけれども、一番大事なのは命なんです。ですから、漁師さんにも船の関係者にもとにかく逃げろという指示をするのか、これは大変難しい質問だろうというふうに思いますけれども、五年を経過をした東日本大震災から津波と船の避難、どういう教訓を得られておりますでしょうか。お伺いをしたいと存じます。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 水産庁におきましては、平成二十三年度でございますが、東日本大震災を踏まえた漁業地域の防災対策緊急点検調査といったものを実施しておりまして、現場の漁業者等から津波被害の状況や震災前の避難対策の取組状況などを聞き取り調査したところでございました。そして、これを踏まえまして、災害に強い漁業地域づくりガイドラインといったものを平成二十四年三月に改訂いたしまして、津波防災対策の基本的な考え方を示しているところでございます。 具体的に申しますと、本ガイドラインにおきましては、まず漁船につきましては、津波に関する情報を防災無線等で入手した上で、漁港周辺にいる場合には状況に応じて陸揚げ又は水深五十メートル以深が確保できる海域へ速やかに避難する、沖合にいる場合につきましては直ちに水深五十メートル以深が確保できる海域へ避難するといったことが望ましいといったことで、こういったガイドラインをお示ししているところでございます。 このガイドラインにつきましては、避難ルールの基本的な考え方を示したものでございまして、やはり実際には地域ごとに地理的状況や海域特性を踏まえて協議し、避難ルールを策定しておくことが重要であると、こんなふうに考えているところでございます。
○小川勝也君 まとまった答弁をいただいたと思います。最終的に御答弁をいただいたのは、やっぱり地域によって違うんだろうというふうに思います。 また、これは農林水産省の所管ではありませんけれども、今回、東日本大震災で得た教訓の中にはかなりつらいものがあります。すなわち、防災無線でいわゆる避難を訴えた方が犠牲になったり、あるいは消防団員としての職責を全うするがために命を失ったり、あるいは水門の開閉のために業務に出かけられた方が犠牲になったりもいたしました。まさに全国一律ということではないというふうに思いますので、各省、他省庁ともあるいは連携をしながら、それぞれの地域で最もベストの避難マニュアル等ができますように、水産庁としても一定の役割を果たしていただきたいと存じます。 それで、今回のこともあって漁船保険の統合が図られたというふうに伺っております。説明を伺いますと、統合される前、北海道にも幾つかのこの保険の母体がありました。これは、気付いたんですけれども、ほかの例えば行政区分と違った様々なエリア指定がありました。本州などでは飛び地などというのもあって、関西弁を使うのはおかしいんですけれども、けったいな状況でここまで至りました。 しかし、統合が私は今になって考えるとベストだろうというふうに思いますけれども、その間、大変な曲折があったんだろうというふうに思います。それぞれの地域でそれぞれの漁業があって、それぞれの歴史があって文化があって、統合するのは並大抵の苦労ではなかったんだろうというふうに拝察をいたします。そしてまた、統合に至る問題点が今後の様々な障害になり得ることもあり得るという観点から、今回、統合の問題点や苦労話についてお伺いをしたいと存じます。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 先ほど何回か大臣からも副大臣からも私からも御答弁させていただいているところでございますが、まず、この漁船保険団体におきましては、年々漁船の隻数が減少していまして、それに伴いまして財政基盤が脆弱化していくといったことが危惧されたところでございまして、平成十年の漁船保険等事業運営協議会というところにおきまして、組合の合併を推進するとともに、将来的には漁船保険中央会も含めた全国一元化を図ることを意見集約しているところでございます。その後、平成十九年でございますが、五組合が広域合併したわけでございますが、東日本大震災が発生いたしまして、広域合併したとしても危険分散が図れないことが判明しましたことから、統合一元化への機運が一気に高まったところでございまして、全ての組合が総会等において統合一元化の決議を行うことになったところでございます。 〔委員長退席、理事山田修路君着席〕 しかしながら、先生今御指摘いただきましたように、具体的な統合の議論に入る前に合意形成を急いだといったこともありまして、経営権が地方分散型から中央集権型になるのではないかといった拒絶反応があったり、あるいは地域に密着したサービスが低下するのではないかといったような懸念も示されまして、これらを払拭するために一部の組合で決議に至るまで時間を要する結果と相なったところでございます。 今後は、漁船保険団体に対しまして制度改正の内容について丁寧な説明を行いまして、円滑な統合一元化に資するよう努めていきたいと、このように考えているところでございます。
○小川勝也君 全ての法案審議について私はずっと戒めのように思っていたことがあります。それは、法律を審議するのに精いっぱいで、成立してしまった後になかなか後追いで検証ができないという反省であります。 今回、統合された後、様々なユーザーの方々から不満とかあるいはこうなってしまったのかというような声が多分出されるんだろうというふうに思います。後の審議の中でまた確認をさせていただきたいと思いますので、水産庁としてもこの保険統合に向けてそれぞれの地域でどんな声が上がったのか、しっかりメモをしておいていただきたいというふうに思います。 この法律の中で、異常保険料の国庫負担の対象が百トン以下ということになっています。この百トンというところで線引きをした合理性についてお伺いをすると同時に、今後、百トン以上の船に対しても国庫負担の対象になる可能性があるのかないのか、答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) まず、国庫負担制度でございますが、これにつきましては、事故に遭いやすい中小漁船を所有する零細漁業者の保険料の負担軽減を図るという観点から、また漁船保険への加入を促進するという観点から、百トン未満の漁船を対象として保険料の一部を国庫負担していると、こういうことになっておるところでございます。 他方、先生からの御指摘の百トン以上の漁船でございますが、これにつきましては、百トン未満のものに比べまして事故リスクが小さくて、漁業者の保険料負担能力は高いといったようなこと、また、国庫負担することにつきましては、民間保険会社の船舶保険と競合しまして民業圧迫につながるのではないかといったような批判も考えられますことから、これまでどおり国庫負担については百トン未満の漁船を対象にしていきたいと、このように考えているところでございます。
○小川勝也君 この法律案の改正の資料を見ていますと、大変物騒な言葉が出てまいります。拿捕、抑留はもとより、戦争という言葉も出てまいります。元々、船の保険というのは全ての保険の始まりだということも聞いたことがございますし、また、積荷を取られるなどということから様々な民間保険が出たということもありました。 そこで、イマジネーションが発展したのが捕鯨の問題であります。今日、資料を付けさせていただきましたので見ていただければというふうに思います。まさにこの保険でありますけれども、戦争や海賊ということでありますと、普通、今の我々の国では漁船は海賊に遭う可能性は非常に少なくなっているんだというふうに思いますけれども、捕鯨船だけはそのらち外であります。 〔理事山田修路君退席、委員長着席〕 ちなみに、お伺いをいたしますけれども、我が国のこの調査捕鯨の母船のトン数はいかほどでしょうか。
○政府参考人(佐藤一雄君) 母船日新丸の総トン数につきましては、八千百四十五トンと相なっておるところでございます。
○小川勝也君 百トン未満が国庫負担の対象ですので、八千トンはまさにそのらち外であります。 調査捕鯨は船団でやりますので、まさに母船以外は民間の保険にも加入しますけれども、この制度に二割程度入っているという報告もいただいているわけであります。そのことも踏まえて、八千トンはまさに今申し上げた百トン以上ですので国庫負担の対象になっておりませんけれども、これは我々がこの委員会でした決議でありますけれども、ちょうど六番の最後のところ、調査捕鯨の船団や乗組員の安全確保には責任を持つことというふうに書かせていただいております。この責任の対象は、言うまでもなく政府であります。我々立法府から行政府、政府に対して、調査捕鯨の船団や乗組員の安全確保には責任を持てというふうに我々が決議をさせていただきました。 今回の法改正には百トン以上の船は直接のカテゴリーに入っていませんけれども、改めて調査捕鯨に対する政府の責任について言及をいただければと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) まず、この調査捕鯨でございますが、やはり我が国といたしましては、科学的根拠に基づきまして鯨類資源管理に不可欠な科学的情報を収集するための鯨類捕獲調査を実施し、商業捕鯨の再開を目指すこととしているところでございます。 このため、ただいまありましたように、平成二十六年度の参議院の農林水産委員会におきまして御決議をいただいておりまして、これを踏まえまして、調査船団の安全確保のため、水産庁の監視船と漁業取締官の派遣や反捕鯨団体による妨害活動に対する安全対策に必要な経費を措置しているほか、調査船の派遣に係る保険料の負担についても予算措置しているところでございまして、いずれにいたしましても、調査の実施に当たりましては、関係省庁と連携しながら政府一体となって対応していきたいと、このように考えておるところでございます。
○小川勝也君 もうこれ大事なところなので、大臣からも一言いただきたいところですね。
○国務大臣(森山裕君) まず、捕鯨のことについて申し上げますが、我が国は科学的な根拠に基づく鯨類の資源管理に不可欠な科学的情報を収集するために調査を実施しているところでございまして、商業捕鯨の再開を目指すこととしております。 このため、御指摘の決議を踏まえまして、調査船団の安全確保のために、水産庁の監視船と漁業監督官の派遣や反捕鯨団体による妨害活動に対する安全対策に必要な経費を措置しております。また、調査船の派遣に係る保険料の負担についても予算措置をしているところであります。 いずれにいたしましても、調査の実施に当たっては、関係省庁と連携しながら政府一体となって対応してまいりたいと考えております。
○小川勝也君 一般の漁船に比べまして海賊等からのいわゆる攻撃を受けやすいということでありますので、しっかり対処をお願いをしたいと思います。 漁災法の方の質問をさせていただきますけれども、今回全員加入の廃止ということで、大変メリットが浜に大きいというふうに把握をしております。そんな中で一つキーワードがあるわけでございまして、特定養殖共済の中の特定養殖業の範囲の決め方であります。養殖業といっても、それぞれ特色があるし、全く違う方法を取って養殖しているところもあるわけであります。例えば、北海道などではホタテもカキも、あるいはウニも昆布もあるわけですけれども、噴火湾のホタテと猿払のホタテ、またこれ違うわけであります。 そういった意味において、特定養殖業の定義について政令でどういうふうに定めていくのか、その方向性についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) 特定養殖共済の掛金補助に係ります政令指定でございますけれども、同様の掛金補助制度を採用している漁獲共済におきましては、政令によりまして漁業従事日数を要件といたしまして、一年のうち九十日以上漁業を営む者としておりまして、特定養殖共済においても同様の日数要件を導入することを検討しているところでございます。さらに、この上記の要件に加えまして、新たに一定の生産金額を有する者という要件を加えることを検討しているところでございます。 ただいま先生おっしゃいましたように、我が国の養殖業につきましては、やはり地域によって様々でありますことから、上記の要件を追加するに当たりましては、都道府県の意見をよく聞きながら、地域の実情を勘案しながら検討していきたいと、このように考えているところでございます。
○小川勝也君 御答弁、ありがとうございました。 日数とか金額とか、全国一律ではない、しゃくし定規にならないようにしっかりといい政令を作っていただければというふうに思いますし、今御答弁の中にありましたように、やっぱり都道府県や浜の意見をしっかり聞いていただいて、なるべく加入者が多くなるように配慮をいただければと思いますが、再度答弁をいただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) 先生御指摘のとおり、都道府県あるいは関係漁業者の意見も聞きながら適切に対応していきたいと、このように考えているところでございます。
○小川勝也君 同様に、漁獲共済についても政令等で同様に措置すると考えてよろしいでしょうか。
○政府参考人(佐藤一雄君) 漁獲共済でございますが、これは既に政令によりまして、漁業従事日数を要件といたしまして、一年のうち九十日以上漁業を営む者としているところでございます。 さらに、特定養殖共済と同様に、上記の要件に加えまして、新たに一定の生産金額を有する者という要件を加えることを検討しておりますが、ただいま申し上げましたように、我が国の漁業種類は地域によって様々であるため、上記の要件を追加するに当たりまして都道府県の意見をよく聞くなどにより地域の実情を勘案しながら検討していきたいと、このように考えているところでございます。
○小川勝也君 先ほども申し上げましたけれども、日数掛ける金額というようなしゃくし定規にとらわれることなく、全国一律ではなく、それぞれの地域や浜の実情に配慮した弾力的な運営をお願いをしたいと思います。 実は今、イクラ、すじこが大変高いというふうに言われています。これは、伊東副大臣は多分御存じだと思います。昨年、定置網がやられたからであります。御案内のとおり、十数年前もやられましたけれども、いわゆる低気圧とか爆弾低気圧がまさになぜかサケの漁獲期と重なります。そしてまた、私は五十二歳でありますけれども、昔はそんな被害もなかったように把握をしておりますし、言葉もありませんでした。気象と気候が大きく変わってきています。そんな中で、いわゆる定置網の被害に対してもいろんな対策、措置をとっていただいていますけれども、被害が大きいのと、あるいは制度がうまく浸透していなくて共済に入っておられる方がそんな多くないということで大変苦悩しております。 今回、せっかく漁災法の審議をする中で、施設、特に定置網等共済の加入率を高めるのか、あるいはほかの方策を考えるのか、安心、安全の、いわゆる漁業を継続していくという上で、施設、これからどうしていくのか、考え方をお伺いをしたいと思います。
○大臣政務官(佐藤英道君) 委員御指摘のとおり、爆弾低気圧の発生の増加や近年の気象状況の悪化によりまして漁業施設の破損が多発をしているところでございます。このため、漁業施設の共済におきましては、例えば定置網では約七%にとどまっている加入率の向上を図ることが重要な課題であると認識しております。 これらを踏まえまして、本年四月から、定置網の共済、限度額の上限を六千万円から一億六千万円に引き上げて十分な補填ができるようにしたところでございます。また、加入率の向上のための方策につきましても引き続き検討を進めたいと考えておりまして、可能なものから対応してまいりたいと思います。
○小川勝也君 共済の加入率を高める、あるいはその他の施策も含めていろいろと御検討をいただければというふうに思っているところであります。 様々御検討いただいている中で、水産庁の仕事としては積立ぷらすの評価がやっぱり一番高いです。浜の皆さんは、文句を言うことは多くて、政府の施策にお褒めをいただくということは余り多くない方々ではありますけれども、この積立ぷらすは非常にいいということで、まさか農業における戸別所得補償制度のようにぴたっと切られると大変だと、こういう声もあるわけであります。 積立ぷらすの継続性の担保についてどういうことを考えておられるのか、あるいはこの発展についてはどういうふうに考えておられるのか、農林水産省の考え方をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 委員御指摘のとおり、積立ぷらすの事業は漁業経営の安定を確保するという重要施策の一つとして平成二十三年度から実施をしてきたところであります。その重要性については、現在においても何ら変わりのないところであります。 今後とも計画的に資源管理等に取り組む漁業者を支援をするため、引き続き制度の安定的な運用に努めてまいりたいと考えております。
○小川勝也君 引き続きよろしくお願いいたします。 先日の委員会で、二〇二〇年オリンピック・パラリンピックに向けて食の安心、安全の表示等について質問をさせていただきました。実は遅れているというふうに決め付けて質問をさせていただいたところでありますが、遅れているという言葉だけで言い表せないのが水産物の認証の仕方であります。 私どもは食の安心、安全というのを一番大事にしておりますので、特に、つらいんですけれども、放射性物質の問題。これは多分、世界から来られる方が日本の食べ物、特に水産物を口にするときに、これは大丈夫なのかということがやはり表示が、あるいは認証がなされるべきだろうというふうに思っています。 それから、なかなかとこのいわゆる水産物の安全について議論がなされる機会は少ないんですけれども、私はかつてダイオキシン毒性についてこの委員会でも質問させていただいたことがあります。すなわち、食物連鎖の中でダイオキシン類は大きな魚にどんどんどんどん移っていくわけでありまして、特定の地域の大きな魚は特に妊婦の方々は食しない方がいいという数値までなっているというふうに言われています。すなわち、水産物の安心、安全というその側面が一点あります。 この前も少し触れましたけれども、アメリカ合衆国の水産物表示などでは天然と養殖というこの分け方がオーディナリーであります。どういう考え方かは分かりますけれども、すなわち養殖の魚は資源を枯渇させる心配がないので食べていいんですよという考え方だろうというふうに思います。特に、いわゆる天然のものはクロマグロやカタクチイワシ、これが今議論になっていますけれども、これを、天然のものを食べるといわゆる一定の資源が枯渇させてしまうということに責任を負わなきゃならないということで、表示、認証がいわゆる天然か養殖かということを消費者に選ばせるという文化になっているんだろうというふうに思っています。 私たちの国は遅れているとは言いません。これは文化の違いです。ですから、天然と養殖の表示はそこまで厳密ではありませんけれども、二〇二〇年までの間にいろいろと諸外国の例を学んで、日本はどうしたらいいのか、様々な検討を加えるいいチャンスだろうというふうに思っています。 前回の質問の続きでありますが、水産物認証について、特に二〇二〇年に向けてこれからの取組について、抱負などもお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) お答えいたします。 我が国では、漁業環境に配慮した持続可能な方法で生産された水産物であることを示すエコラベルの認証として、平成十九年にMEL、いわゆるマリン・エコラベル・ジャパンが創設をされ、認証に当たっては、漁期や漁具規制等の遵守など適切な資源管理を行うこと等が求められております。 またもう一つは、特に安全、安心への配慮が重視されている養殖水産物については、平成二十六年にAEL、いわゆるアクアカルチャーエコラベルが創設をされ、認証に当たっては、飼料の添加物等が適切に使用、管理されていることが求められております。 しかしながら、これらの認証数は、四月現在で、MELで二十三漁業、AELで二養殖場にとどまっているのが現実、現状でございます。 これらのエコラベルは、適切な資源管理の取組に対する消費者理解の向上や我が国の持続可能な漁業、養殖業の推進に資するものであることから、今後、漁業者、消費者に対する普及啓発を図っていくとともに、海外への情報発信等も支援をしてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○小川勝也君 ありがとうございました。 この法律の改正は、時宜を得た正しい方向性だろうというふうに認識をさせていただきます。前回の質問からも申し上げておりますけれども、急激な人口減少社会にあって、いわゆる漁業につきましては、特に水産加工も含めてでありますけれども、人材不足が非常に懸念をされております。そんな中で、魚食文化、これは大事なことでございますので、引き続き私たちの国の水産業と水産加工業が持続発展できますように様々な努力をお願いをさせていただきたいと思います。 そのことを、我々も協力をさせていただくことを言及させていただいて、質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(若林健太君) 午後三時二十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十六分休憩 ─────・───── 午後三時二十分開会
○委員長(若林健太君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、熊谷大君及び徳永エリ君が委員を辞任され、その補欠として柘植芳文君及び野田国義君が選任されました。 ─────────────
○委員長(若林健太君) 休憩前に引き続き、漁業経営に関する補償制度の改善のための漁船損害等補償法及び漁業災害補償法の一部を改正する等の法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。 午前に引き続きまして、私の方から、まず漁船損害補償法の改正に関しましてお伺いをしていきたいというふうに思っております。 午前中の論点とも重複するところあるかと思うんですけれども、大事な法改正でありますので、しっかりとこれ、一つ一つ、意義、趣旨、そういったものも含めて確認をさせていただきたいと思っております。 まず、漁船保険制度の大きな改正に今回なるわけでありますけれども、これ、中身は非常に大改革と言ってもいいぐらい大きく変わるわけですね。これまでは地域を柱にして四十五の保険組合が担保していたものを、ある意味大きく一つに統合するということでありまして、私、今回のこの制度改正の実は一番大きなポイントというのは、これ国として、今大変だからこうしなさいという形である意味法律を作って動かすということよりは現場の保険組合の皆さんですとか中央会の皆さんが自分たちで話し合って、こうやって一本化するのがこれからやっぱり必要なんだという結論を出された、ある意味その要請に基づいて法改正を行っていくという側面が私はあると思っておりまして、ここが、これからきちんとしたまた保険の仕組みをつくっていく上でも極めてある意味現場の皆さんからいただいた声から出発しているというところが大事なんだろうなというふうに思っておるわけであります。 本来でしたら、四十五もありますので、当然、東日本大震災の後、もうある意味財務状況が危機的になってしまったところもあればほとんど影響を受けなかったところもあると。自分たちのエゴだけ通せば別に一緒になる必要はないやという声も当然あったと思うんですね。 そこで、まず今日最初にお伺いしたいのは、この四十五の組合、これまで統合に向けて話合いを進めてくる中で、一体どういう経緯で一本化しようということになったのか。あと、当然これは先のことも見据えてということになります。これから統合のステップ、いろいろ段階を踏んでつくっていくわけでありますけれども、このロードマップについても併せてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 まず、漁船保険制度でございますが、漁業就業者の減少に伴いまして、保険の加入漁船数の減少等によりまして、多くの漁船保険組合では、事業基盤が年々弱体化するという状況と、また、今後、南海トラフ地震等の大規模災害が発生した場合には東日本大震災発生時と同様に支払保険金の財源不足が生ずる可能性があると、そういった課題を抱えているところでございます。 こうした中で、漁船保険団体におきましては、事業基盤の強化のため、漁船保険中央会そして全ての漁船保険組合を一つに統合する動きがございまして、平成二十九年四月の設立を目指して、全ての漁船保険団体で平成二十五年五月から平成二十七年の六月にかけましてこの組織統合一元化の決議が行われたところでございます。これを踏まえまして、国といたしましても、制度改正により組織統合一元化が実現できるよう措置することとしたものでございます。 本法案が御承認いただいた後には、漁船保険団体における組織統合一元化につきましては、まず平成二十九年三月末までに現に存在します全ての漁船保険組合が合併のための総会決議を行うとともに、新組合設立のための設立委員会を開催する、そして二十九年四月一日を目途に全国規模の新組合を設立しまして、漁船保険中央会の一切の権利義務等を新組合に承継するといったようなスケジュールで準備を進めることとしているところでございます。
○平木大作君 この漁船保険の仕組みというのは、なかなか面白いというか、まず、これまでですと、組合が受けて、それを再保険の形で中央会、さらには国が引き受けるという形になっておりまして、この再保険でそれぞれある意味この負担を分担しているという形でございました。今回、幾つもあったものがある意味一本化されるということで、当然一つの関心としては、これまでのいわゆる負担の割合の在り方ですね、これ自体が一体どうなるのかということをやっぱり当然関心があるわけでございます。 組合によってもこれまでも違ったというふうにお伺いしておりますし、当然保険の対象によっても変わってくる、これが一本化することによって一体どういうことになるのか。これをお伺いしたいということと、あと、そもそも今回、この東日本大震災を契機にこういった統合の流れって出てきたわけでありますけれども、ある意味ざらっと言うと、これまでも組合が大体負担割合一に対して国が九だったりという形で、実は大きな部分を国が負担していたわけであります。ある意味、もうこれは本当に万全な体制と言ってもいいのかなと思っていたんですけれども、実際にこういった大災害が起きてしまって、ほぼ財政的には厳しくなってしまったところが幾つか出てきたその原因というのは、これ、割合であくまでも決めているからなんですね。結局、一〇〇の損害が起きたときに、一ですと言われて一〇の負担になったときに、果たしてその組合として一〇負担できるかというところがやっぱり問われてしまった。 例えば、今回こういう大災害みたいなものを経験した後においては、これ、一対九みたいなものを単純にどうやっていくのか、どう割合を変えるのかという議論の以前に、例えば負担の在り方自体を変えるという、そもそもそこを問うてみるということもあっていいのかなというふうに思っております。 例えば、この組合の部分、一番最初にこの保険を引き受けるところに関しては上限額を決めてしまう、キャップを付けるですとか、そういった負担の在り方というのも当然あるんじゃないかと思うんですが、こういったものについて政府の御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) 今回の法改正によりまして、財政基盤の強固な全国規模の漁船保険組合の設立が可能となるわけでございますが、やはりこの新組合につきましては、これまでの四十五ありました組合と中央会の双方の役割を果たすことになるというふうに考えておりまして、これまでの組合と中央会とで担ってきた保険金支払について新組合が責任を負うということとしているところでございます。 今先生の方から御指摘ございましたように、大規模災害が発生した場合におきまして、この組合の保険金支払に一定のキャップといいますか上限を設けるといったような御提言でございますが、やはりその場合、保険の元受けたる漁船保険組合が一義的な支払責任を担うべきとする保険制度の原則というものを考えますと、やはり引き続き一定割合の責任を負うことが適当ではないかと、こういうふうに考えているところでございます。このため、東日本大震災のような大規模災害が今後発生した場合であっても、財政基盤の強固な新組合は、これまでの組合と同様に保険金支払に上限を設けず、災害の規模に応じて常に一定割合の責任を負うこととしておるところでございまして、いわゆる無限責任というふうに呼んでいるところでございます。 いずれにしましても、新組合と国との分担の在り方につきましては、今後の災害リスク等も勘案しまして、双方の負担が適切なものとなるよう十分に検討した上で設定してまいりたいと、このように考えているところでございます。
○平木大作君 保険の原理原則に立ち返ったときに、なかなか上限を決めてしまうというのはやっぱり難しいと、一定割合とはいっても、この無限責任というものがある程度付いて回るものなのだということも今御説明いただいたわけであります。 大事なのは、この割合はしっかりこれから適切に見ていくということでありましたので、鋭意検討いただきたいわけでありますけれども、また何かあったときに、改めてこれ経営危機に陥ってしまうようなことがあってはやっぱりいけないわけであります。 そこで、この後、保険の制度、仕組みに沿って、ちょっと幾つか問いを立ててみたいというふうに思っております。 まず、保険制度、恐らく委員の皆様も政府の皆様も何らかの保険って入っていらっしゃると思うんですね。保険を一体どういうふうに選んでいくかというと、例えば商品設計がいいだとか、自分のニーズに合っているだとか、あるいは担当者がよく動いてくれるですとか、いろいろあると思うんですけれども、絶対忘れちゃいけないポイントというのは、やっぱり、そもそも何かあったときに保険組合なり会社なりがしっかりと保険金を払ってくれるかどうか、その支払の力があるかどうかということはこれ見逃してはいけないわけでありまして、その一つの目安としてよく使われております指標にソルベンシーマージン比率という考え方があります。日本語で支払余力とか言われたりするわけでありますけれども。これ簡単に言うと、分母にいわゆるリスクの量、その保険会社が抱えている支払ですとか、そういったものがどっと全部積み重ねると一体どのくらいあるのかということを分母に置きまして、多少掛け目は掛けるんですけれども、そして、分子にその会社が持っている資本ですとか準備金ですとか積立金、こういういわゆる支払にどれだけ充てるお金を持っているのかというもの、この比率を見ていくという数字でありまして、一つの目安として二〇〇%、これを超えていると支払能力というのがある程度十分なんじゃないかというふうに目安として使われているものであります。 今回、まず御確認をさせていただきたいんですけれども、震災の被害、特に甚大でありました宮城県の漁船保険組合、それから岩手県の漁船保険組合、組合ですので一般のいわゆる民間の保険とは違うわけでありますけれども、同様にソルベンシーマージンに相当するような指標があるというようにお伺いしております。これについてそれぞれ現在どのような数字になっているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 保険会社におきましては、ただいまの先生の方からお話ありましたように、保険業法の規定によりまして、経営の健全性を判断するための基準として保険金の支払能力の充実の状況が適当であるかの基準、いわゆるソルベンシーマージン比率というものを定めることとなっておりまして、先生御指摘ございましたように、その比率は二〇〇%を上回ることが必要とされておるところでございます。 一方で、漁船保険組合につきましては、保険業法の適用を受けない団体であるため、原則としてソルベンシーマージン比率の算定は行っておりませんが、これに相当する試算値として漁船保険団体が直近のデータにより単純計算したものでございますが、それによりますと、宮城県の漁船保険組合で四六%、岩手県で六〇%となっているところでございます。 なお、両組合におきましては、東日本大震災での被害が特に甚大であったことによりましてこのような指標となったわけでございますが、震災後の復興も進んでいるということ、また今後は組織統合一元化も図られまして財政基盤に係る要件も適用されることから、今後新組合の健全性は確保されるものと、このように考えているところでございます。
○平木大作君 今、四六%、また六〇%という数字を御紹介をいただきました。これ、震災から五年たって少しずつ増えてきて、でもやっぱりこれだけの状況ということでありまして、ある意味地元の当然漁業者の皆様からしてみると、また何かあったときには本当に大丈夫なのかという懸念につながる数字であります。そういった意味で、改めて今回のこの一元化というのは、これはもう喫緊の取組、すぐにやらなければいけないということがよく分かるんじゃないかなと思っております。 そこで、このいわゆる保険組合の健全性というところ、これ、今回の法改正の中においてもやはり重要視されておりまして、この中にも、新たな組合を設立するための設立要件という中に十分な保険金支払能力というものが求められております。この認可要件ですね、条文からそのまま当てていくと、「保険金の支払に充てることのできる資産の額が、大規模な事故が生じた場合においても保険金を確実に支払うために必要かつ適当なもの」ということで、実際には政令で定められるということになっているわけですが、これ、一体、大体どういうような基準になりそうなのか、今のお考え、検討状況を教えていただきたいということと、あわせて、ある意味個々でそれぞれ数字を算出しようと思ったらできるわけでありますけれども、今回大きく一つの統合した組合ができるようになるわけであります。ここについても、同様にソルベンシーマージンに相当するような数字を仮に今試算するとすると一体どんな数字になるのか、お答えいただければと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) まず第一点目の御質問でございますが、今回の改正におきましては、組合の財政的基盤を強化するものでありまして、新組合の設立認可要件といたしましては、東日本大震災級の大規模な事故が発生しても組合が確実に保険金の支払を行うことができる資産の額を保有しているということを基準とする見込みでございます。 ちなみに、これについてはまだ予断を持って言えないわけですが、全国を区域とする新組合に必要な準備金相当額については今のところ最大で約三百五十億円程度になるのではないかというふうに見込んでおります。これはまたいろいろと今後詰める段階で動く数字かもしれませんが、大まかな目安としてそのようなことになるんではないかと思っております。 それと、もう一つ御質問でございました新しい統合後の組合のソルベンシーマージンの比率というのがどのぐらいかということでございます。統合後の漁船保険組合のソルベンシーマージンに相当する比率につきましては、この漁船保険の根幹でございます普通保険会計、これを基準として算出した場合、その比率は一〇〇〇%となる見込みでございます。 ただ、これについては注意しなきゃいかぬかと思っておりまして、先ほど申し上げました保険業法の規定に基づくソルベンシーマージン比率の算出に当たりましては、巨大災害リスクあるいは予定利率のリスク、資産運用リスク等といった保険会社に対して通常の予測を超えるリスクとして規定されているいろんな各種リスクを考慮した上で算出されることになっておるところでございます。 今回、私、先ほど申し上げた比率でございますが、これについては、漁船保険団体の直近の保有準備金に対する東日本大震災の支払実績の割合を単純計算しまして、その比率をソルベンシーマージンに相当する比率として漁船保険団体が参考までに算出したものでありまして、この点については十分留意する必要があると、このように考えておるところでございます。
○平木大作君 ありがとうございます。 ソルベンシーマージンは、これは普通の保険業界においても余り見過ぎると間違えるということをよく言われておりまして、二〇〇あればいいかというとそんなこともないと。民間の保険会社も六〇〇%ぐらいから多いところは四〇〇〇%あったりするということで、ある程度あるということがある意味一つの要件になっていると。ただ、先ほど御案内申し上げたとおり、二〇〇を超えていれば一応のところちょっと息がつけるのかなというわけでありまして、今、本当に試算の数字お示しいただきましたけれども、ある意味これまで一つ一つの小さな組合が大分悪化した数字に直面していたわけでありますけれども、統合することによってしっかりとした財務基盤をやっぱりつくることができるということは、一つ目安としては見ていいのかなというふうに思いました。 また同時に、地域ごとに保険組合が分かれていると、どうしても、災害も局地的に起きることがありますので、一気に突発的なリスクで保険金の支払というものが生じやすいわけでありますけれども、例えば全国でこういう形で統合していただくと、例えば太平洋側と日本海側、なかなか同時には同じような損害って生じないんじゃないかと、そういう形でリスクの分散にもやっぱり通じるという意味では、これは極めて有意義な統合なんじゃないかなと。制度に沿って、ひとつこのソルベンシーマージンという角度から見ても、これは本当に有意義な統合になるんじゃないかというふうに思っております。 続いて、保険料率のちょっと見通しについてお伺いをしていきたいと思います。 今回、統合に際しまして一体どういうメリットがあるのかデメリットがあるのか、こういったことが様々議論されてきたというふうにお伺いをしております。 この中において、例えば見通すことのできるメリットの一つとしては、間接部門の共通化ですね、こういったものによって、コスト削減、ひいてはこれは財務の基盤の充実につながるんじゃないかと、こういう議論があったというふうにお伺いしておりますし、一方で、例えばこれまで対象にならなかった戦争ですとか拿捕、抑留、こういった原因による損害にまで今回補償の範囲を広げるということでありますので、サービスを広げるという意味でいくと、保険料率は逆に言うと上昇要因に数えられるのかなと。この下がる部分、上がる部分、これ、ない交ぜになっているかなというふうに思っております。 そういう意味で、この制度の改正後、組合員の皆様が払う保険料って一体どう変わっていくのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) 本法案におきましては、先ほど先生の方から御指摘ございました拿捕、抑留等の事故によって生じた損害賠償費用等に対する填補を既存の保険の種類の中で填補範囲を拡大して対応することとしておるところでございます。しかしながら、これにつきまして、単純にこの填補範囲を拡大するのみではこのような事故のリスクを既存の保険加入者全員で負担するということになるため、全ての保険加入者の保険料が引き上げられる結果となるわけでございます。 また、拿捕、抑留等を填補する保険を必要とする漁業者はやはり限定されておりまして、拿捕、抑留等を填補する必要がない漁業者が填補範囲の拡大によって不利益を被らないようにする必要があるわけでございます。このため、拿捕、抑留等を特約として措置しまして、その部分の填補を必要とする漁業者が追加分の保険料を負担することとしているところでございます。したがいまして、拿捕、抑留等を填補する必要がない一般の漁業者の皆さんの純保険料は変わらないものというふうに考えているところでございます。なお、この純保険料というのは、保険事故の発生に際して支払われる保険金に充当するための保険料のことでございます。 また、組合の事務費等に充当される付加保険料というものがございますが、これにつきましては、今般の組織統合一元化によりまして業務の効率化が図られることになりますことから、現段階においては、全体として事務費等が節減され、付加保険料が高かった旧組合の料率引下げを行うことも可能となるものと考えているところでございます。このため、一般の漁業者の保険料の総額は、現段階においては全体として低減するものと見込んでいるところでございます。 ただ、拿捕、抑留等の特約に加入する漁業者は特約保険料を支払うわけでございますが、付加保険料の減少もありまして、保険料の増減はケース・バイ・ケースではないかと、このように考えておるところでございます。
○平木大作君 もう一問、保険料についてお伺いしたいんですけれども、通常、保険制度というのは、この保険料というのは、いわゆる将来的にリスクが発生する確率が高いなと、可能性が高まったというふうに思われますと通常はどんどん上がっていくわけでありまして、例えば、自動車事故を起こしてしまうとその後の自動車保険は高くなりますし、がん保険もがん発症した後もう一回入ろうとするとやっぱり高くなる。 同様に、例えば震災みたいなものを考えても、最近、日本の周辺の地殻も含めて活動期に入ったんじゃないかということで、ある意味、東日本大震災の後、実際に漁船保険に関しましても、私は宮城、岩手、それぞれ保険料率のテーブル見せていただいたんですけれども、ぽんと実は跳ね上がっております。ただ、幸いなことにというか、実はその大きく跳ね上がっている大部分というのがいわゆる全額国庫負担であります異常保険料率の部分がほぼ大半を占めておりまして、そういった意味では、組合員の皆様の保険料負担自体は大分抑えられた形になった。これ本当に大事な制度であるというふうに思っているわけであります。 この制度をしっかり維持していただきたいわけですが、一方で、この震災の後、実は国の再保険事業というのは大幅に払出しがありましたので、特別会計がいまだにこれ負債を抱えている状況というふうにもお伺いするわけであります。そこで、いわゆる今後も国庫負担制度、しっかり維持していただけるのかどうか。 もう一つ加えますと、現在この対象というのが、先ほどもありましたけれども、基本的には百トン未満という形で制限が付いております。百トン以上の漁船というのは実は全体の一%にも満たないぐらいの、船数でいえばですね、量なので、これもっと広げてもいいんじゃないか、こういう考え方もあるかと思うんですが、この点について御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) まず、東日本大震災のときでございますが、漁業者への支払のため、一般会計から約六百五十億円の繰入れを実施したところでございます。最終的には、漁業者への支払保険金は約五百四十九億円、国の責任部分は三百九十九億円となったところでございます。このため、特別会計における一般会計への繰戻し未済金は平成二十六年度末には約三百二十一億円に減少しておるところでございますが、今後も着実にこの未済金の解消に努めることとしているところでございます。 先生御指摘の国庫負担制度でございますが、これにつきましては、事故に遭いやすい中小漁船を所有する零細な漁業者の保険料の負担軽減を図るとともに漁船保険への加入を促進するという観点から、百トン未満の漁船を対象といたしまして保険料の一部を国庫負担しておりまして、法改正後も引き続き実施していくこととしているところでございます。 なお、先般の東日本大震災におきましては、百トン以上の漁船についても損害が発生したという事実は承知しておりますが、この百トン以上の漁船についても国庫負担の対象とすることにつきましては、先ほど申し上げたような事情、民間保険会社の船舶保険等との競合、民業圧迫につながるのではないかといったようなことも考えられますことから、これまでどおり百トン未満の漁船を国庫補助の対象にしたいと、こんなふうに考えているところでございます。
○平木大作君 この問い最後に、漁船の更新についてもちょっとお伺いしておきたいと思います。 通常の損害の補償に加えまして、漁船の更新に備えて積立てを行ういわゆる満期保険、これが大変加入が低い、低調になっているということでございます。 これまでも、例えば漁船の大型化ですとか高性能化、こういったものを伴う更新というのはこれからの漁業にとって絶対必要なんだ、もうかる漁業にとっても不可欠なんだということで政府としても取り組まれてきたと思うんですけれども、当然これは、この満期保険の制度設計、これをしっかり見直していただくのは当然のことなんですけれども、それとは別に、しっかりと漁船の更新、政府としても進めていかなきゃいけないというふうに思っているんですが、最近の漁船の更新実態って一体どうなっているのか、あわせて、それに対して政府としてどのような支援を行っていくのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) お答えいたします。 我が国の漁船につきましては、平均船齢が二十三年となっておりまして、建造後二十年以上経過したものが全体の約七〇%となっております。こうした漁船の老朽化、高船齢化は水産業の競争力を阻んでいる大きな課題であり、漁船の更新を促進する必要があると認識をしております。 こうした中、漁業構造改革総合対策事業において、収益性向上の実証への取組を支援することを通じ、省エネ、省力化型の高性能漁船の導入を推進をしております。これまでに沖合底びき漁船、遠洋マグロ漁船、大中型巻き網漁船など九十隻が導入をされております。 また、TPP対策として、平成二十七年度補正予算で措置いたしました水産業競争力強化緊急事業により、改修した中古漁船又は新造漁船のリース方式による導入を支援をさせていただき、漁船漁業の競争力強化を図ることとしております。 これらの事業の活用などによりまして、漁船の高船齢化対策を推進をしてまいりたいと考えております。
○平木大作君 ちょっと時間の関係で、漁業災害補償法の方、なかなか入れなくなってしまったんですが、一問飛ばして、ちょっと最後の九問目で通告していた問いを最後に一問させていただきたいと思います。 今回、いわゆるヒラメなどの陸上養殖、これについて養殖共済の対象とすることについては引き続き検討ということになってしまいました。ただ、私、この陸上養殖というのはとても未来を感じておりまして、例えばICTの活用ですとかそういったものを組み合わせますと、これからコストの低減ですとかあるいは生産の歩留りの上昇、様々実は見込める、将来性の大変高い分野じゃないかなと思っております。 最後、この分野について、現状の課題と支援についてお伺いをできたらと思います。
○大臣政務官(佐藤英道君) 委員御指摘のように、ヒラメ、トラフグなどの陸上養殖は、持続的な養殖業の確立に向けた養殖場の多様化に資するものとして、水産基本計画にも位置付けられているものでございます。 しかしながら、陸上養殖につきましては、施設整備に係るイニシャルコストに加えて、電気代などのランニングコストの高さや高密度飼育に対応した水質管理の難しさといった問題があり、普及が十分に進んでいない状況にあるのも事実でございます。 このため、水産庁では、陸上養殖のコスト低減等を目指した技術開発を実施しておりまして、地中熱エネルギーを活用した水温調整技術の開発や、飼育水の水質監視システムや溶存酸素の自動制御システムの開発などを進めているところであります。 今後、こうした事業等において得られた陸上養殖のコスト低減のための技術を広く普及させていくことによりまして、陸上養殖が抱えている技術的課題の解決に努めてまいりたいと思います。
○平木大作君 以上で終わります。ありがとうございました。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 漁業二法について最初にお聞きします。 漁船損害等補償法改正案と漁業災害補償法改正案は、本来、個別法として提出をし、審議すべきものだと思います。法案の審議は、趣旨説明、そして質疑、採決という形で進められて、少なくとも二日以上、趣旨説明の前に一般質疑を入れれば四日以上掛かるわけです。 今回のようなこの一括法という形式は、国会の審議を軽視することになるんじゃないかと思いますけれども、まずこの点、大臣の御認識を伺います。
○国務大臣(森山裕君) お答えいたします。 本法案による改正事項については、漁業経営に関する補償制度の改善によるセーフティーネットの充実を図るという共通の趣旨、目的を有するものであります。このため、今回の補正対象となる法律はそれぞれ強い関連性があると認められることから、一括法としてお願いをしているところでございます。
○紙智子君 漁船損害等補償法は、事実上の抜本改正です。ですから、関係者の意見も踏まえて充実した質疑をすべきだと。 このところ、政府はこの一括法のような形で審議を進めるケースが多くなっているというふうに思うんですね。これ、国会軽視になりかねないということをまず指摘をしておきたいと思います。 それで、漁船損害等補償法の改正案についてお聞きしますが、漁船保険組合について区域制限を廃止し、全国組合の設立を可能とする改正です。今回の改正のきっかけは、二〇一一年の東日本大震災にあったということです。東日本大震災では、岩手県や宮城県で約二万二千隻の漁船が被災をし、保険金の支払が巨額になって欠損金が出る事態になりました。 漁船保険の財政基盤を強化するということは必要なことだと思います。そこで、全国組織にするのは関係者の要望に基づくものか、また、全国組織にする意味について説明をしていただきたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 東日本大震災の発生時に支払保険金の財源不足が生じた組合があったところでありますが、こうした状況を踏まえまして、漁船保険組織の事業基盤を強化するため、平成二十五年五月から平成二十七年六月にかけまして、全ての漁船保険団体において、漁船保険中央会及び四十五の漁船保険組合を平成二十九年四月に統合一元化する決議が行われていると承知をいたしております。 このため、政府としても、この決議を受けまして、漁船保険団体の統合一元化が可能となるように今般の法律の改正案を提出させていただいたところでございます。これによりまして、事業基盤の強化された全国組織が設立されると考えており、大規模災害が発生しても漁業者に対し安定して保険金を支払うことができるようになるというふうに考えております。
○紙智子君 漁業を安心してやっぱり取り組めるというようにすることは非常に大事だというふうには思っております。 それで、漁船保険組合は、営利を目的としない相互保険と言われます。また、中小漁船所有者の負担を軽減をし、保険への加入を促進するために、総トン数で百トン未満の漁船を対象に国が保険料の一部を負担していると。 ところで、東日本大震災を受けて、岩手県では保険料が高くなったという声も出ています。統合一元化することで、保険料の負担や審査などの日常業務において漁業者が不利益を被るようなことはないのでしょうか。水産庁長官にお聞きします。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 今回の改正によりまして、漁船保険組合の事務費等に充当されます付加保険料につきましては、今回の組織統合一元化によりまして業務の効率化が図られることになりますことから、現時点におきましては、全体として事務費等が節減されまして、付加保険料が高かった旧組合の料率引下げを行うことも可能となるものと、このように考えておるところでございます。 このため、一般の漁業者の保険料の総額は、現時点においては全体として低減するのではないかというふうに見込んでいるところでございます。 また、統合一元化の後も、現在の漁船保険組合は、統合後の新組合の支所として地域の漁業者の保険の引受け等を行う予定としているところでございます。したがいまして、事故査定についても、例えば同一組織の下で支所間の連携による査定の迅速化が図られるなど、これまで以上に地域の実情に応じたサービスを実施することが可能ではないかと、このように考えておるところでございまして、以上を踏まえますと、今回の法改正は漁業者にとって不利益になるようなものではなく、むしろメリットになるのではないかと、このように考えているところでございます。
○紙智子君 では、次に漁業災害補償法の改正案についてお聞きします。 改正案は、養殖共済の全員加入制度を廃止するとともに、内水面養殖業を追加するものです。全員加入制についていえば、例えば漁業者が十人いるとすると、今年で漁業をやめるつもりなのでもう共済に入らないという人もいれば、大手の水産会社などは漁場を三つも四つも持っていて資本力があるので共済に入りたくないという話もあるということも聞いています。 そこで、中小漁業者にとって全員加入制を廃止することはメリットがあるのかということについてお聞きします。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 これまで養殖共済におきましては、先生御指摘のように、全員加入制度によりまして、共済加入を希望する方がいたとしても、同じ地域漁協内に一人でも共済の申込みをしない方がいた場合にはその地域漁協内の全員が共済に加入できなかったと、こういうような状態になっておるところでございます。 今回の法改正におきましては、全員加入制度を廃止することによりまして、今後、同じ地域漁協内の漁業者の動向に関係なく本人の希望により共済に加入できると、こういうメリットがあるわけでございます。 また、漁業収入安定対策事業、いわゆる積立ぷらすでございますが、これについては漁災制度を基盤にしておりまして、漁業共済に加入することが積立ぷらすに申し込む際の前提となっているところでございまして、今回の改正によりまして積立ぷらすへの加入への門戸も開かれると、このようになるものと考えているところでございます。
○紙智子君 漁船保険にしても共済にしても、審査基準が厳しいという意見もよく聞くわけです。是非制度を充実をさせて、漁業経営に役立つ制度に更にしていただきたいというふうに思います。 次に、新規の漁業就業者対策についてお聞きします。 日本は周りが海に囲まれた漁業に恵まれた国ですけれども、近年、漁業は縮小する傾向にあります。それで、地域経済を支える家族漁業、それから小規模漁業の経営を安定させることが必要で、漁業従事者が増えてこそ漁船保険や漁業共済の制度も安定化するというふうに思います。そこで、漁業従事者を増やす上で新規の漁業就業者対策を抜本的に拡充することが必要だというふうに思います。 そこで、まず農業の就業者対策についてもちょっと聞きたいんですけれども、農業において、青年就農給付金は農家の子弟を支援の対象にしているというふうに思うんですけれども、これについて説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(奥原正明君) 農業の関係の青年就農給付金のお尋ねでございます。 平成二十四年度から青年就農給付金交付しておりますけれども、この中には二つタイプがございます。準備型と経営開始型でございますが、まず準備型の方は、就農に向けて農業技術や経営ノウハウを習得するための研修を受けている就農希望者に対する給付金でございます。これと、もう一つの経営開始型の方は経営開始直後の青年就農者に対する給付金ということで、この二つのタイプがございますが。 この中で、農家の子弟につきましては経営リスクを負って就農する方を支援すると、こういう観点から支援しておりまして、まず準備型の方につきましては、研修の終了後に親元に就農して五年以内に経営を継承する場合、あるいは親の経営する農業法人の共同経営者になる場合、この場合は準備型で、農家子弟の方も対象になります。それから、経営開始型の方ですけれども、こちらは、親の経営から独立をした部門経営を行う場合ですとか、あるいは親元に就農してから五年以内に親の経営を継承する場合、こういった場合は農家の子弟につきましても給付の対象になると、こういう仕組みにしているところでございます。
○紙智子君 それで、漁業なんですけれども、青年就業準備給付金、長期研修は漁家の子弟を対象にしているでしょうか。
○政府参考人(佐藤一雄君) 先生御指摘の漁業の関係でございますが、漁業就業人口が減少する中で、漁村の内外を問わず、漁業の担い手を確保していくということは極めて重要だというふうに考えております。 このため、漁業の新規就業者に対しまして、漁業学校等で学ぶ若者に対する就業準備資金の給付、それと、漁業現場での長期研修、最長三年間でございますが、これに対する支援を実施しているところでございますが、本事業につきましては、漁家子弟であっても、親元から離れて就業をする場合には支援対象としているところでございます。
○紙智子君 親元から離れていないと駄目だということがずっと壁で、もうちょっとそこを柔軟にしてほしいという要求がいつも上げられているんですけれども、三月十日の所信の質疑のときにもちょっと実はこの問題は取り上げて、そのときの大臣答弁で、財源が限られているということも言われました。 それで、漁師はやっぱり魚が捕れる漁場を知っていないと、ポイントをよく知っている人というのは結構いますけれども、知っていないと魚は捕れないと。漁法によっても変わってくる。だから、漁業はやっぱり漁業技術の継承が厳しいということも聞いています。 私は、漁家の子弟への支援というのは、技術を継承する上でもやはり即効性のある支援じゃないのかなというふうに思うわけです。少なくともやっぱり農業並みの支援を検討すべきではないかと思うんですけれども、これは、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 漁家子弟や漁業外からの就業者を問わず、新規就業者を就業後に安定的に漁業経営が営めるように、また安全に操業するためには、就業前に操船や漁労に関する専門的な技術や知識を習得することが大事なことであるというふうに認識をしております。特に、漁家子弟が親元に就業する場合には、いずれ親の経営基盤を継承し経営者となることから、経理、税務などの漁業経営に必要な知識が大事であろうと思います。 このため、このような知識も習得できるように、親元で就業する漁家子弟に対しても、新規漁業就業者総合支援事業の中の技術習得支援事業を活用して、研修の機会の確保、充実を図ってまいりたいというふうに考えております。 また、親元で就業する漁家子弟に対しても農業と同様に百五十万円の就業準備給付金を給付してはどうかということでございますが、二十五年からスタートした事業でもありますので、その実情をよく見ていく必要があるのではないかというふうに考えております。
○紙智子君 実情をよく見た上で、是非もう一歩進めていただきたいなということで要望しておきたいと思います。 次に、TPPの水産物の合意内容についてお聞きいたします。 農林水産省は、関税一〇%以上かつ国内生産額十億円以上の水産物について、影響は限定的と見込まれると、長期的には、国産価格の下落も懸念されることから、生産性向上等の体質強化対策の検討が必要と分析をしているわけです。影響は限定的と言えるのかというふうに思うんですね。 今、水産物の消費の減退が課題になっています。魚介類と肉類の国民一人一日当たりの摂取量の推移なんですけれども、二〇一二年、魚介類が七十グラムなのに対して肉類は八十八・九グラム、二〇〇五年までは魚介類が多かったんですけれども、二〇〇八年からは逆転現象が続いています。肉類の増加傾向と魚介類の減少傾向の関連性、この肉類の価格低下というのが魚介類の価格低下につながるんじゃないかと相関関係を指摘する方もいらっしゃいます。 TPPでこの肉類の関税が急激に削減されます。それなのに、限定的という分析で果たしていいのかなと思うんですね。相関関係を分析すべきではありませんか。
○国務大臣(森山裕君) 紙委員御指摘のとおり、平成二十七年十一月に公表した「品目毎の農林水産物への影響について」は、TPP合意による水産物への影響については、多くの水産物について影響は限定的と見込まれるとしております。これは、長期の関税撤廃期間の確保など、交渉で獲得した措置に加えまして、最近の国内価格や国際価格、TPP参加国からの輸入量などの客観的なデータ等を基に分析を行い、その結果を分かりやすくお示ししたものであります。 さらに、平成二十七年十二月に公表した農林水産物の生産額への影響試算では、水産物の生産減少額は約百七十四億から約三百四十七億としたところであります。これは、関税削減等の影響で価格低下による生産額の減少が生じるものの、交渉で獲得した措置に加え、政策大綱に基づく水産業の体質強化策による生産コストの低減、品質向上などの国内対策によりまして、国内生産量は維持されると見込んでいるところでございます。
○紙智子君 ですから、肉などの関係で相関関係を分析した方がいいんじゃないのかというふうに申し上げたわけです。 個別品目ごとという縦割りではなくて、関連性も示さないと、やっぱり、限定的なんだというふうに幾ら言われても、本当にそうなのかなということで信じられないんじゃないかと思います。 個別品目についてもお聞きします。 水産物は、関税を撤廃する時期が六年目とか十一年目、十六年目というふうに複雑に入り組んでいます。それから、数えてみますと、百二十七品目が即時関税撤廃されるんですね、百二十七品目と。即時撤廃なので、これ影響は限定的で済むのかどうかということなんですね。 サケについてお聞きしますけれども、サケの関税削減は複雑で、マス、ギンザケ、大西洋サケは三・五%の関税なんですけれども、十一年目に撤廃すると。太平洋サケ、それから生鮮ベニザケ等は、今三・五%の関税率を六年目に撤廃すると。一方、冷凍ベニザケ、サケ・マスの調製品、加工品などは即時撤廃だと。 それで、私の地元の北海道を始め東日本大震災で大きな被害を受けた岩手や宮城、ここはサケの振興を自治体挙げて力を入れて取り組んでいるわけです。サケ・マス類の国内生産量というのは、二〇一三年は十七万トンなんですけれども、輸入量が二十五万トンだと。二〇一二年のチリからの輸入というのは最高記録を更新していて、二十万トンの大台に乗せています。チリ一国だけで国産総量を上回る輸入があったわけです。 これは、二〇〇七年に発効した日本とチリのEPAが影響したんじゃないかというふうに思うんですけれども、水産庁長官、いかがですか。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 先生御指摘のとおり、平成二十七年十一月に公表いたしました「品目毎の農林水産物への影響について」では、TPP合意によりますサケ・マス類への影響については限定的と見込まれるというふうにしているところでございます。 これにつきましては、まず、先生の方からもお話ありましたように、関税率がほとんど三・五%ということになっていること、また、主要なサケ・マス類につきましては、段階的にということで六年あるいは十一年といったようなことで関税を撤廃するというようなこと、また、輸入量が多いチリからの輸入につきましては、既にこのチリとの関係では日・チリEPAにおきまして段階的に関税が撤廃されることになっておりまして、二〇一六年四月現在では、チリの関税率につきましては〇・三%ということになっておりまして、こうしたことを踏まえてこのような限定的と見込まれるというふうにしたところでございます。
○紙智子君 今の説明だったら、限定的としたことの中身というのがよく分からないわけですよね。 それで、日本とチリのEPAでは、二〇〇七年から順次関税を削減して十年間で撤廃することになっています。それで、関税率が小さいからそんなに大したことないというふうに言うのかもしれませんけれども、チリから輸入がなぜ増えたのかと。これは、大手食品会社のホームページで見ますと、チリからの輸入は国産総量を上回っている、チリ一国で我が国の総輸入量の六八%も占めております、このことはEPAの効果も大きいと言えるでしょうというふうに分析して書いているわけですよね。サケを扱っている企業がこういうふうに分析しているわけです。 EPAの効果が大きいんじゃないんですかね、やっぱり。ここは大臣に伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(佐藤一雄君) 今先生の方からお話あったわけですが、やはり段階的な関税撤廃ということで、先ほど申し上げました六年あるいは十一年というようなスパンが設けられたといったようなことについては、やはりこれは、いろんな御指摘あるかもしれませんが、非常にその間TPP対策といったようなことで、関税削減等の影響で価格低下による生産額の減少が生じるとしても、交渉で獲得した措置に加えまして、水産業の体質強化策を集中的に講じることによりまして国内生産量は維持されると、このように見込んだところでございます。
○紙智子君 国内対策を打つから維持されるという話は繰り返し出されるわけですけれども、この大手食品会社の分析ではこういうふうにも言っているわけですよ。サケ・マス製品の輸出相手国は、中国、タイ、ベトナムの三か国が主要相手国ですが、消費国というより加工国で、加工された調製品が再び日本に戻ってくるというふうに言っているわけですね。だから、こういう現状も分析すべきだと思うんですね。 水産週報というのもありますが、これをちょっと紹介したいと思います。関税が即時撤廃になる品目は最も早く影響が出ると言っています。ベニザケについては、輸入額の一位はロシアなんですけれども、二位はアメリカ、三位はカナダです。そのほかの品目について見ても、米国からの輸入は即時撤廃品目が多い、突出していると書いています。日本に対しての輸入環境は、ほぼ万全の体制が整備されているというふうに書いているわけですね。 サケといっても、焼き物だったりフレークだったりスモークだったり、刺身、すしなどに使う用途によって業者の方はこれ調達国を選択するわけです。輸出業者も機動的に輸出する体制を取るのが当然なんだと思うんですが、アメリカは日本への輸出環境を整えて、やはりこのTPPが発効するのを待ち望んでいるんじゃありませんか。長官、いかがでしょうか。
○政府参考人(佐藤一雄君) 今先生の方から御指摘ございましたベニザケでございますが、まずベニザケにつきましては、輸入物と国産物とではやはり品質が異なっているというふうに考えております。 国産につきましては、これは船上で塩漬けと申しますか、塩蔵の後凍結されておりまして、主にこれにつきましては高級食材として取り扱われているという実態にございます。また、輸入品につきましては、塩蔵することなく凍結されており、主に一般食材として取り扱われているところでございます。 また、こうした中で、ベニザケにつきましては、国内需要でございますが、約三万二千トンほど需要がございますが、これを、国内生産約三千トンとなっておりますが、これのみでは賄えないという状況で、不足を補完する形で輸入がされておりまして、二万九千トンほどほぼ冷凍ベニザケが輸入されていると、こういったような状況になっておるところでございまして、また、この冷凍ベニザケにつきましては、近年の急激な為替レートの変動の局面におきましてもこれに伴う輸入量の大幅な変化が見られなかったと、こういったような現実があるわけでございまして、こうしたことを踏まえまして、冷凍ベニザケにつきましては現行の三・五%の関税が即時撤廃されたとしても影響は限定的ではないかと、このように考えているところでございます。
○紙智子君 影響は限定的だと繰り返されるんですけれども。 ヒラメ・カレイ類についてもちょっとお聞きしますけれども、今回、影響試算の対象に入っていませんね、これは。それで、関税は即時撤廃されるわけです。国内生産量は約五万トン、輸入量も約五万トンと、国産と競合するんじゃありませんか。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 今先生御指摘のヒラメ・カレイでございますが、輸入品のヒラメ・カレイと国産のヒラメ・カレイがあるわけでございますが、これにつきましては、魚種あるいは流通形態及び用途が必ずしもこれは同じではございません。 例えば、輸入品につきましてはカラスガレイとかアブラガレイが多く、これは冷凍の状態で輸入、販売されまして、主に、先生御案内かと思いますが、煮付けやフライの食材等として利用されているところでございます。他方、国産のヒラメ・カレイにつきましては主に鮮魚の状態で流通しまして、いわゆる刺身用として利用されているといったような、こういったような実態があるわけでございます。 それと、このヒラメ・カレイにつきましては、近年の急激な為替レートの変動の局面におきまして、これに伴う輸入量の大幅な変化は、先ほど先生お話ありましたように五万トン台だということで、大幅な変化は見られなかったという、こういったような現実もあるところでございまして、やはりこれらを踏まえますと、ヒラメ・カレイについては現行の三・五%の関税の即時撤廃による影響は限定的ではないかと、このように考えているところでございます。
○紙智子君 余り影響はないんだとまた繰り返し言われているんだけれども。 それで、元々、水産物は関税率が低いとか、輸出できるんだという話がずっとされてきているわけです。しかしながら、いち早く直面する、今直面する問題は、百二十七品目が即時関税撤廃されることなんですね。これまで関税によって国内生産は維持されてきたわけです。関税は国内生産を維持して企業の動向に一定の制約を掛けることができたと思います。しかし、関税を撤廃すればやっぱりこれ大手の企業の行動に歯止めを掛けることができなくなるんじゃないんでしょうか。いかがですか、農水大臣。
○国務大臣(森山裕君) 水産業の体質強化対策としては、政策大綱を踏まえて、広域浜プラン等に基づきまして操業の共同化を核とした実証的な取組などによる競争力強化、生産性向上、省エネ、省コストに資する漁業用の機器の導入、担い手へのリース方式による漁船の導入、産地の施設の再編整備等の国内対策を集中的に講じることとしております。また、水産物の輸出拡大策として、大規模な拠点漁港における共同利用施設等の一体的整備、HACCP対応のための水産加工施設の改修への支援等も措置したところであります。 今後とも、現場の声に寄り添いながら、これらの事業の活用などによりまして水産業の競争力強化を推進するとともに、新たな国際環境の下でも次世代を担う漁業者等が所得向上を図り、経営の発展に積極的に取り組めるように後押しをしてまいりたいと考えております。
○紙智子君 水産物で即時関税撤廃する品目が百二十七あると先ほども言いましたけど、TPPによって魚価が下がれば、これ、担い手を増やすことも困難になると思うんですよ。中小漁業者が切り捨てられて、漁村地域が崩壊する危険性があると。 影響は限定的と言うのであれば、やはりこの即時関税撤廃されるものも含めて漁業に与える影響をしっかりと国民に説明すべきだと。農産物については結構明らかにしてきているんだけれども、水産物は影響がないないと言われるんだけれども、これ全然やっぱり説明がされていないですよ。ですから、そこのところは最後にきちんと説明をしていただきたいということを強く申し上げて、質問を終わります。
○儀間光男君 今日、最終バッターで、おおさか維新の会の儀間でございます。 質問をさせていただきますが、今般の漁業経営に関する補償制度の改善のための漁船損害等補償法及び漁業災害補償法の一部を改正する法案について質問をさせていただきます。 法案関係の概要などについては後で質問することにいたしまして、まず水産の振興策について先にお尋ねをさせていただきます。 御承知のとおり、我が国は、国土はそんな大きくない、世界でも六十一位と言われますが、持つ海域は実にすごいですね、四百八十七万平方キロメートルといって、国土のおおむね十三倍ぐらいある。そういう広域な海域を持つ四面を海に囲まれた我が国日本が、かつては水産王国日本と言われたんですけど、ここへ来て、ちょぼちょぼの漁業しかされていない、させられていないと私言いたいのでありますが、一体何がこの衰退の原因だったのか。政府として政策的に水産業の振興は図ったと思うんですが、成果はそんな出ていない。一体どういうところにその原因があったのか、ちょっと政府の見解をお尋ねしたいと思います。 あわせて、その見解とともに、今後の中長期にわたってのこの方向性、政策の打ちどころ、こういうものを併せて御開示いただきたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 儀間委員も御承知のとおりなのでございますが、我が国の漁業というのは、一九七〇年代半ばからの各国の二百海里規制による遠洋漁業の海外漁場からの撤退が一つあると思います。また、一九九〇年代初めの沖合漁業におけるマイワシ漁獲量が急減したということも一つあると思います。また、沿岸域の開発による沿岸漁業の漁場環境の悪化等により、生産量、生産額共に長期的に減少傾向にあると認識をしております。また、このような漁業生産量、生産額の減少に伴いまして、漁業就業者の減少と高齢化、漁船数の減少や高船齢化も進行しております。 しかしながら、一方で、近年高まる世界の水産物需要を背景にいたしまして輸出が拡大してきております。また、太平洋のマサバのように資源管理の効果が現れている例も見られておりまして、さらに直近のデータでは漁業生産額も増加に転じているなど、明るい兆しも見え始めております。 このような動きを追い風といたしまして、遠洋、沖合、沿岸漁業、それぞれの漁業の実態を踏まえて経営の体質強化を図りつつ、持続可能な収益性の高い操業体制への転換を進めて漁業者の所得向上を図るとともに、和食文化の保護、継承をしながら水産日本の復活に向けた漁業の振興を図っていくという考え方で努力をしてまいりたいと考えております。
○儀間光男君 おっしゃることよく理解できておって、それがそこへ至った原因が知りたいわけでございまが、もっと奥深い、もっと初歩的なものが知りたいわけでございますけれども。 政府の今年度、二十八年度の予算関係で、農林水産関係予算のポイントという資料の中で、午前中副大臣がおっしゃっていた水産日本の復活を銘打って高らかに宣言されておるんですが、どうなんでしょう、それだけ声高に申し上げている割には予算の裏付けが少ないような気がするんですね。一千二百四十三億円、これは私がこの資料から積み上げてみた予算なんですが、ひょっとしてどこかにもっと落ちていて、もっと多いぞとおっしゃるかも分かりませんが、私が拾い上げて積算してみたら、水産日本の復活と銘打って出てきたのが一千二百四十三億円。 私に言わせると、皆さんの声高な話と政策の訴えとに相まってこの額は少ない。一体それだけのもので水産日本の復活はどのようにさせていくのか、具体的な方法あるいは予算の執行の仕方がおありだと思いますから、ちょっと見解を賜りたいと思います。
○副大臣(伊東良孝君) 儀間先生の御質問にお答えいたします。 ただいま御指摘いただいたところでありますけれども、二十八年度水産関係予算といたしましては、この水産日本の復活を目指しまして、加工・流通・輸出対策のほか、担い手対策、漁業経営安定対策、資源管理対策、漁村対策、増養殖対策、水産公共など多様な施策を展開をしております。その内容につきましてトータルいたしますと、今千二百四十三億円という御指摘をいただいたところでありますけれども、千八百九十七億円の措置を実は講じたところでございまして、公共八百三十一億、非公共千六十五億円でございます。 先生がおっしゃられましたいわゆる水産日本の復活という項目をずらっと足していきますとそうなるわけでありますけれども、それ以外にも、外国漁船操業対策、あるいは水産独法関係経費、水産ODA予算、農山漁村地域整備交付金、漁港海岸事業、あるいは漁港関連災害復旧事業、水産庁人件費等々含めますと千八百九十七億円になるところでございます。 また、加えて、平成二十七年度補正予算におきましても、漁業、増養殖業につきまして、収益性の高い操業体制の転換を図る水産業の体質強化対策などを内容といたします五百七億円の措置を講じたところでございます。 財政状況厳しい中ではありますが、各種施策を有機的、総合的に講じることによりまして、水産関係予算を最大限に有効活用し、水産業の成長産業化を目指してまいりたいと考えているところでございます。
○儀間光男君 ありがとうございました。私が見落としたのが大分あるようですから、後で資料を調えてみたいと、こう思います。 いずれにしても、水産日本、これを復活させぬと。かつてサンマ漁だけで八十数万トン捕った時期があるんですよ、世界一でしたね。昨年、一昨年見ますというと、相当サンマ漁も落ち込んできて、むしろ、台湾が今三十万トン超した、中国が数万トン捕っておる。しかも、台湾では、千トンの母船を使って百トン以上の船で三陸沖の公海で年がら年中操業して、キャッチャー船が追って母船が回収して高雄へ帰ってやっているというような、もう大々的なことをやっているんですよ。そういうことを三陸沖でやられますというと、あれ回遊魚ですから、黒潮に乗ってカムチャツカ辺りまで行って戻りが三陸沖沿岸ですから、向こうでそういうふうにキャッチされると日本のサンマ漁はこれからもうますます大変なことになるんですね。 それは恐らく、まあ就業者の話もあるんでしょうけれども、私に言わせると、船の船齢の高齢化、これからくる荒波の航海に耐えられない、身の危険がある、こういうようなことが相まってのことだとも思いますし、したがって、そうなると担い手が付いてこない、衰退するというような方程式だと思うんですね。だから、そういうことも含めましていろいろ対策をしていかなければならないと、こう思うんです。 ヨーロッパの一時期の例を調べると、水産業のその手当てが、国から手当てが、多くは船舶の近代化に使っているんですね。もちろん、漁港もしなければなりません。これに比べて日本のは大体おおむね五〇%ぐらい今まだ漁港の整備へ行っている。その分、ヨーロッパと違ってちょっと漁船の近代化や加工、流通のシステム化に手が伸びていないというようなところに衰退のもう一方の要因、原因があるとも考えられるんですが。 どうでしょう、今後、船齢の高齢化した船を近代化に変えていくというようなことも含めて御検討、あるいは計画があればお示しいただきたいと思います。
○大臣政務官(佐藤英道君) 儀間委員御指摘のとおり、我が国の漁船につきましては平均船齢が二十三年となりまして、建造後二十年以上経過したものが全体の約七〇%となっております。こうした漁船の老朽化、高船齢化は水産業の競争力を阻んでいる大きな課題であり、漁船の更新を促進する必要があると認識をしております。 こうした中、漁業構造改革総合対策事業、いわゆるもうかる支援事業におきまして、収益性向上の実証への取組を支援することを通じて、省エネや省力化型の高性能漁船の導入を推進しております。これまでに、沖合の底びき網漁船、遠洋マグロ漁船、大中型巻き網漁船など百隻が建造又は改造されているところでございます。 また、TPP対策といたしまして、平成二十七年度の補正予算におきまして措置をさせていただいた水産業競争力強化緊急事業によりまして、改修した中古漁船又は新造漁船のリース方式による導入等を支援し、漁船漁業の競争力強化を図ることとしております。 こうした事業の活用などによりまして、漁船の高船齢化対策を是非推進してまいりたいと思っております。
○儀間光男君 是非、いろんなしなきゃならぬことがあるんですが、命は漁船ですよ。沿岸のみならず、沖合もあるいは遠洋も行って戦うぐらいじゃないと水産日本は復活しませんよ、副大臣。そう思っております。 そんなようなことで、是非ともそうしていただきたいんですが、今聞きますと、中古の船でも少しリニューアルしたり、あるいは、何ですか、エンジン部分を取替えしたりすると船齢の長寿を認めるという話聞いておるんですが、何年から何年ぐらいが緩和されて、認められているんですか。例えば船齢二十年、二十三年だったものがエンジン部分を替えるだけで更に船齢寿命を延長するというようなことも聞き及んでいるんですが、何年から何年ぐらいこのことで延長されているか、ちょっと資料あればお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) 私どもの方でお聞きしているものでございますが、鋼船の場合でございますが、船体に改造、修理を加えた漁船につきましては、二十五年ぐらいのものが三十年というか、五年ぐらいは三十年を経過しない範囲で一応更新できるというふうに聞いております。
○儀間光男君 そうはいっても船体全体が良くないと耐えられないわけですから、荒海で耐えられないわけですから、一番安全性を確保して、支援していただきたいと思います。 次に、漁船の事故、これ全然減らないんですね。第十次船員災害防止基本計画に基づいて推進してきたと思いますが、いまだ死亡や行方不明者の事故が後を絶たないんですよ。この事故というのはいろんな要素が相まって起きると思うんですが、あるいは、皆さんがどういう御指導をされているか分かりません。あるいは、受け手の方、漁民側が指導を守らなかったからとか、あるいは少し気を抜いたとかいろんな要素があってのことだと思うんですが、これは皆さん、行政所管官庁ではないんですが、法制度、もっと指導強化をするような法制度も含めて、現場で何かそういうものを感じたことはありませんか、制度問題等、あれば聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 まず、儀間先生の方からの漁船の事故のお話があったところでございますが、平成二十年でございますが、漁船の事故の隻数が七百三十二隻ございまして、これが平成二十七年ですと六百隻ということで、減ってはおりますが、まだまだ多数の漁船の事故があるというふうに認識しております。 また、この漁船事故によりまして死者あるいは行方不明となった方の数でございますが、平成二十年が九十六人に対しまして平成二十七年は二十四人となって、数の上では減少しておりますが、このような不幸な事件に相なっておると、このように感じているところでございます。 この漁船事故の種類では衝突が最も多く、その原因は見張りが不十分であったり、操船が不適切だったといったような人為的な要因が多くを占めているというふうに考えているところでございます。 また、こうした漁船の事故以外でございますが、漁船からの海中転落者が平成二十二年が八十七人に対しまして平成二十七年が七十二人、うち死者、行方不明者数は平成二十二年が五十九人に対しまして平成二十七年は四十八人と、このような数字になっているところでございます。 漁船からの海中転落時にはいわゆるライフジャケットの着用が生存に大きな役割を果たすため、かさばって作業をしづらい、あるいは着脱しにくいというような理由から着用しない漁業者が依然として多いと言われているところでございます。 このようなことから、漁船に関する事故を減少させていくためにはやはりこの漁業者の方の安全意識の向上が何よりも重要であると考えておりまして、水産庁では、安全な漁業労働環境確保事業というものによりまして、漁業者を対象とした安全対策、講習会の開催やライフジャケットの着用推進を実施しまして、漁船事故を未然に防止するための普及啓発を行っていると、このようなことを行っているところでございます。 それと、もう一つ、先生の方からお話ございましたが、法制度の不備があるんではないかといった御指摘でございます。 漁船の安全につきましての法制度は国土交通省が所管しておりまして、先ほど私申し上げましたライフジャケットにつきましては、船舶職員及び小型船舶操縦者法施行規則によりまして、一人乗り小型漁船で漁労に従事する者のみ着用が義務付けされていたわけでございますが、現在、このライフジャケットの着用義務範囲拡大について国土交通省が検討を進めているところでございまして、水産庁としても最大限の協力をしてまいりたいと、このように考えているところでございます。
○儀間光男君 法整備は皆さんの所管官庁じゃありませんけれど、是非連携を取って、命を失わせては水産振興も何もないですよ、だから、しっかりとやっぱり漁民の安全を確保する。それは、さっき言ったように受け手の方にもしっかりしてもらわぬといけないんですが、これを皆さんがやっぱり常に声を掛けてやるということが大事だと思うんですね。 それで、衝突事故の七割が見張り不足だというんですね、見張り不足。それはどういう感じですか。そういうのも指導できないんですか、見張りをしっかり立てろとか。しているとは思うんですが、ここも漁業者の問題で済ますことなのかなというようなことをしておるんですよ。 ですから、僕いつも思うんですけれど、特に海って昔は、舟底下の床一枚下は地獄だと言って、鋼船はそれはありませんけれど、そういうことを思うと、しかも、水の上ですから足下がしっかりしない、ただでさえしっかりしない足下でいろんな作業をしなければなりませんから、事故は隣り合わせにあるんですね、危険と。だから、そういうものをしっかりと隙間のないように詰めていくような、やってもやってもやり切れぬと思うんですが、やってもやってもやり切れなくたってやっていかなきゃならぬというぐらいの情熱を持って漁業者と向き合っていただきたいなと、こういうふうに思うんですね。 ですから、何で見張りなんというのは、うっかりだと思うんですよね。あるいは自信過剰があったのか、よく分かりません、航海に、操舵、操船に。いつも思うんですが、やっぱり自然には臆病にならぬといけませんよ、自然に強がり言ったって勝てるはずないですから。海や山や自然には常に臆病で慎重に対応していただくということなども指導の中にあってもいいんではないか。海に自信が出れば出るほど、暴走とは言いませんけれど、ちょっとうっかりが出てくるんではないか、自信過剰が出たりして事故につながるんではないかというような思いがしておりますから、どうぞ、そういうのを含めて指導方を徹底していただきたいと、こう思っております。 次に、今回の法改正である漁船損害補償法それから漁業災害補償法について少し触れさせていただきますが、もとよりこの法案は、保険関係でこれまで保険中央会と四十五から成る組合でもってやっていたのを一まとめに統合して一つの組織にしていこうと、今多くの皆さんがお話のあったとおりです。 それから、填補の効かなかった拿捕、抑留等も填補の対象にしていこうと、あるいは災害補償共済なんかでは養殖業を、海面業だったのを内水面へも広げていこうと、こういうようなことですから、非常に前向きで時宜を得た法律案だと思いますから賛意を先に示すんですが、それに区域制限を撤廃して全国組合規模の組合ができるわけですから、逆に、保険組合の体質の強化を図る意味では、政府の皆さんはどのような後押し、あるいはどのような施策の展開があって向き合うかをちょっと述べていただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 漁船保険団体におきましては、年々引受隻数の減少に伴いまして財務基盤が脆弱化していくということや、東日本大震災の発生時の支払保険金の財源不足と、こういったことが生じた組合があったといったことから、漁船保険組織の財政基盤を強化し、より合理化、効率化された組織体制を整えるために、既に全ての四十五の組合と漁船保険中央会を統合一元化する決議を行っているところでございます。 政府といたしましても、保険事業としての安定性の確保あるいは事業基盤の強化を図るために、漁船保険団体の統合一元化による安定的な事業実施体制の確立が必要と認識しているところでございます。 このため、漁船保険団体の統合一元化が可能となるよう政府としては制度改正が必要と考えておりまして、今般法律の改正案を提出させていただいたところでございますが、ここに至りますまで、我々政府といたしましても、漁船保険中央会に対しまして、団体の一元化のためのソフト活動、こういったものに補助を行うほか、漁船の保険制度の改正の推進を行うためにネットワークシステムの改修あるいは構築に必要な経費を補助すると、こういったような支援を行ってきたところでございますが、こうしたことによりまして、統合化し財務基盤の強化された全国組合が設立されると考えておりまして、新組合への移行が円滑になされますよう今後とも適切な指導、助言をしてまいりたいと、このように考えているところでございます。
○儀間光男君 ありがとうございました。 それに加えて、保険の体質強化も加えて、漁船保険組合への財政支援等も含めて更なる強化、支援をしていただきたいと思うんです。なぜなら、海洋国日本ですから、世界のどの国よりも水産国として日本がトップじゃなければならないという思いからいたしておりまして、全ての条件が整えないとトップになれませんから、こういう担保物も含めて頑張っていただきたいと思います。 次に、漁港漁場整備について少し見ていきたいと思うんですが、政府は、平成二十四年から二十八年までの五年間で、漁港漁場整備長期計画を策定して取り組んでまいりました。 例えば、目指す成果については、事業量として、陸揚げ岸壁の耐震化される水産物の流通拠点漁港をおおむね四十港として、これを整備をしていこう、防災機能の強化対策が講じられる漁村の数を四百地区に決めよう等々、たくさんありますね。水産物の安定的な供給、国際化に対応できる力強い水産業づくりの推進として、整備される水産物の流通拠点漁港の数をおおむね百港とする、あるいは整備地区をおおむね二百四十漁港とする、あるいは機能保全計画を策定する漁港の数をおおむね六百にするんだと、さらに、漁業集落排水処理施設を整備する漁村の数をおおむね二百地区にするんだと。 次には、これは豊かな生態系を目指した水産環境整備の推進といって、五年間でおおむね十一万トンの漁獲量を上げていくということを平成二十四年から二十八年までやっていこうという計画がなされて、今年最終の年ですが、その経緯と状況をお知らせいただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 今先生の方から御質問ございました漁港漁場整備でございますが、これは漁港漁場整備法に基づきまして漁港漁場整備長期計画といったものを定めまして、目指す主な成果、あるいは事業量を設定しまして計画的に事業を推進しているところでございます。 現計画でございますが、平成二十四年から平成二十八年となっておりまして、この計画では、水産物の流通拠点となる漁港のうち、産地市場の前面の陸揚げ用の岸壁が耐震化された漁港の割合を、平成二十一年度二〇%から、これをおおむね六五%に向上させることといたしまして、おおむね四十漁港の耐震化を図ることとしているところでございます。 平成二十六年度末現在、耐震化された漁港の割合は約四四%、約二十五地区におきまして整備を実施しておりまして、二十八年度末には、目標としている整備率六五%、整備箇所四十地区を達成できる見込みと相なっているところでございます。
○儀間光男君 これは、今三つの項目示しました全部がそうですか。例えば流通拠点漁港の、整備される拠点漁港の数を百漁港とするとか、四十の話出ましたが、百、二百四十、六百、二百地区というふうにあるんですけれど、その辺はどうなっているんですか。水産物の安定的な供給、国際化に対応できる力強い水産業づくりの推進ということで、その成果として今申し上げたのがあるわけですよ。 もう一つは、豊かな生態系を目指した水産環境整備の推進について、おおむね二十海域、六万ヘクタール、二十三万ヘクタール、五・五千ヘクタールなどと、干潟や環礁や養殖場の整備を言っているんですが、これ、二十八年までの五年間でやっていこうという計画で進めてきておると思うんですが、この辺はどうなんですか。 それから、五年間でおおむね十一万トンの水産物の成果を上げるんだと、このエリアから、そういうことがありましたけれど、その実態はどうかを説明してください。
○政府参考人(佐藤一雄君) まず、現行の漁港漁場整備長期計画、二十四年から二十八年が今年度で最終年度を迎えますことから、現在、平成二十九年度を初年とする次期の長期計画策定に向け検討を今行っているところでありまして、例えば、この中で水産物の拠点となる漁港あるいは災害時の防災拠点となる漁港で耐震化が必要な漁港についても今年度末を目途に具体的な目標を定めるよう、今検討を行っているところでございます。 詳細につきましては、また別途詳しく御説明したいと思っております。
○儀間光男君 いろいろ聞いてまいりましたが、ありがとうございました。 終わります。
○委員長(若林健太君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 ─────────────
○委員長(若林健太君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、山口那津男君が委員を辞任され、その補欠として新妻秀規君が選任されました。 ─────────────
○委員長(若林健太君) これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 漁業経営に関する補償制度の改善のための漁船損害等補償法及び漁業災害補償法の一部を改正する等の法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(若林健太君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、小川君から発言を求められておりますので、これを許します。小川勝也君。
○小川勝也君 私は、ただいま可決されました漁業経営に関する補償制度の改善のための漁船損害等補償法及び漁業災害補償法の一部を改正する等の法律案に対し、自由民主党、民進党・新緑風会、公明党、日本共産党及びおおさか維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 漁業経営に関する補償制度の改善のための漁船損害等補償法及び漁業災害補償法の一部を改正する等の法律案に対する附帯決議(案) 漁業は、厳しい自然環境の中で営まれる産業であり、資源の急激な変動や事故発生の危険性と常に隣り合わせにある。台風が常襲し、地震が多発する我が国にあっては、暴風や高潮、津波等、漁業生産にとり大きなリスク要因が存在する。 こうした中、漁船損害等補償制度及び漁業災害補償制度は、中小漁業者の相互扶助の精神の下、国の支援を通じて、漁業再生産の阻害の防止と漁業経営の安定のため、長年にわたり重要な役割を果たしてきた。 しかし、近年、漁業就業者の減少や高齢化等を背景として、両制度の運営環境は厳しさを増している。再び東日本大震災クラスの大規模災害に見舞われた場合でも、漁船保険組合及び漁業共済組合が漁業者に対して保険金及び共済金の支払責任を十分に果たし得るよう、効率的かつ機能的な組織運営及び事業基盤を確固たるものにしていく必要がある。 よって、政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。 一 漁船保険組織の統合一元化が円滑に進むよう、漁船保険中央会及び漁船保険組合に対し、助言その他必要な支援を行うこと。 二 新たに漁船保険組合の設立認可要件となる資産の額については、大規模災害等における支払にも十分対応できる額を定めるとともに、組合の財政状況の把握に常時努めること。 三 組織統合一元化に伴い、国と新たな漁船保険組合の二段階の再保険関係とするに当たっては、組合による責任ある引受審査を確保しつつ、大規模災害発生時に、国が担うべき危険負担を確保するため、国及び組合において適切に責任分担を行うこと。 四 漁船保険の満期保険については、高船齢化が顕著となっているため、漁船の更新が円滑に行えるよう、船齢制限の緩和と積立期間の延長を柔軟に行うこと。併せて、漁業構造改革総合対策事業等の推進を通じ、高性能漁船の導入等による新しい操業・生産体制への転換を促進すること。 五 漁船の事故を未然に防止するため、復原性が高く転覆しにくい漁船の研究開発、衝突事故防止用の船舶自動識別装置(AIS)の普及、海中転落事故に備えたライフジャケット着用啓発等の一層の推進を図るなど、漁船事故防止に係る事業を継続的に支援すること。 六 水産基本計画における資源管理・漁業経営安定対策の加入者が我が国漁業生産額の九割を担うとの目標を達成するため、漁業共済への加入促進に向け適切に指導すること。 七 養殖共済の全員加入制度廃止に当たっては、漁業者に対する適切な国庫補助の下、一層の加入促進が図られるよう、加入の在り方を適切に検討すること。 八 特定養殖共済の掛金補助制度の要件を見直すに当たり、漁業の種類や地域の実態に応じて、基準とする漁業依存度を適正に設定し、加入促進に努めること。 九 内水面養殖業を養殖共済の対象とするに当たり、うなぎ養殖業を対象とする際には、養殖共済実施可能性検証調査事業報告書等で指摘された問題点を踏まえ、的確に保険設計を行うこと。併せて、うなぎ養殖業許可制の下で、資源管理を着実に実施すること。 十 近年の水産動植物の陸上養殖の普及実態に鑑み、ひらめ等の陸上養殖を養殖共済の対象に追加することについて、引き続き検討を行うこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(若林健太君) ただいま小川君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(若林健太君) 全会一致と認めます。よって、小川君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、森山農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。森山農林水産大臣。
○国務大臣(森山裕君) ただいまは漁業経営に関する補償制度の改善のための漁船損害等補償法及び漁業災害補償法の一部を改正する等の法律案を全会一致で可決をいただき、誠にありがとうございました。 附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。 以上でございます。
○委員長(若林健太君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(若林健太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十八分散会