農林水産委員会 第4号
- 発言数
- 143 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2016/03/31
会議録
○委員長(若林健太君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、熊谷大君が委員を辞任され、その補欠として堀内恒夫君が選任されました。 ─────────────
○委員長(若林健太君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(若林健太君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に紙智子君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(若林健太君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農林水産に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣官房内閣審議官澁谷和久君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(若林健太君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(若林健太君) 農林水産に関する調査のうち、水産問題等に関する件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山田修路君 おはようございます。自由民主党、石川県の山田修路です。 今日は、漁業就業者に関する質問をまず行って、その後、水産物にも大きな関係がありますTPP協定に関する質問を行いたいと思います。 まず、漁業就業者ですけれども、地元の浜を歩いておりますと、漁業就業者が確保できないというお話をよく伺います。農業に比べれば若い方が多いというふうに感じておりますけれども、漁業就業者の状況、どうなっているのか、まずお伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) 山田先生の御質問にお答えいたします。 今先生の方から御指摘ございましたように、漁業就業者の数は、これは年々減少しておりまして、平成十五年、二十三万八千人だったわけでございますが、十年間で五万七千人減少しまして、平成二十五年には十八万一千人となっておりまして、直近の平成二十七年では十六万七千人となっておるところでございます。 また、この漁業就業者の年齢構成を見ますと、就業者数自体は減少している中で、四十歳未満の若手の就業者の占める割合は増加傾向にございまして、平成十五年の一四・六%から平成二十七年では一八・〇%と、このような数字になっているところでございます。
○山田修路君 今、漁業就業者について、年々減少している、若い人の割合は増えているというけど、増えているというか、その数、実数自体が増えているわけではない、全体減る中でウエートが高まっているということだと思いますけれども。 現場でやはり外国人の技能実習生に頼らざるを得ない地域が増えております。各地で検討されております。切実な声もお聞きをしますけれども、漁業分野における技能実習生の状況、どうなっているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 漁業分野の外国人技能実習でございますが、カツオ一本釣り、はえ縄漁業、イカ釣り漁業、巻き網漁業、引き網漁業、刺し網漁業、定置網漁業、エビ・カニ籠漁業、ホタテガイ・マガキ養殖作業といった九つの作業を対象として実施されているところでございます。 この技能実習生を受け入れている業界団体によりますれば、漁業分野の技能実習生の総数でございますが、一年から三年目の合計でございますが、約二千人となっているところでございます。
○山田修路君 ありがとうございます。 今申し上げましたように、浜ではやはり担い手がいないということで、既に外国人の技能実習生を活用したり、あるいは検討をしているところもあります。そして、技能実習生についてはいろんな課題もあるというふうに思います。この外国人の技能実習制度について、法案が今衆議院で継続審議になっております。漁業についての外国人の技能実習制度を更に適正に活用していくためにも、この改正案の早期実現が期待されるというふうに思っておりますけれども、まずその見直しの概要についてお伺いをしたいと思います。 また、その見直しの中で、技能実習計画の認定基準というのが法案の中にありますけれども、その中で、技能実習生の待遇という基準が設定されることになっております。漁業の分野では、一般の工場とか事務所のように定時に仕事を開始して定時に終わるということも無理でありますし、漁の状況によっては勤務が長時間になるということもあります。そのような意味で、この待遇に関する基準の策定に当たっては、漁業の実情を十分に踏まえて行うべきというふうに思っております。 まだ法案が成立していない段階ではありますけれども、これについてどういった方針なのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(中山峰孝君) 技能実習制度につきまして、現在、法律を提出しております。外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案という法律案でございます。昨年の通常国会に提出し、現在継続審議中でございます。 三つの大きな見直しのポイントがあると考えております。一つ目のポイントは、監理団体に対する許可制、実習実施者に対する届出制、そして技能実習計画に対する認定制の導入でございます。二つ目のポイントは、監理団体に報告を求め、実際に検査に入るなどの業務を行う外国人技能実習機構、新しくそれを設立すること。三番目のポイントは、一定の要件を満たす優良な監理団体に対する実習期間の延長でございます。以上が大きなポイントでございます。 さて、議員の御指摘の計画の認定基準となります技能実習生の待遇の基準でございますが、同法案が成立した場合に省令で規定することとしております。漁業分野につきましては、適正な技能実習の環境が確保されるよう、法務省、水産庁との、関係省庁と連携して適切に対応していく所存でございます。
○山田修路君 ありがとうございました。 まさに、先ほどから言っていますように、漁業の現場では技能実習生を確保しなければなかなか操業もできない状態になっているところもあります。制度の見直しを速やかに行っていただいて、これは国会の方の役割かもしれませんが、そしてさらに、その運用に当たっては漁業の実態が反映されるようなことで是非お願いをしたいと思います。 そして、この技能実習制度の改善あるいは充実あるいは適正化、これと併せて、日本の漁業の将来を考えますと、やはり日本人の漁業就業者の確保、特に船頭さんあるいは船長さん、こういった幹部職員の養成、極めて大事だと思います。浜で膝を突き合わせながらお話をしていますと、外国人の方に技能実習生として来てもらいたい、それはやまやまだけれども、しかし将来の日本の漁業のことを考えると、やっぱり日本人が幹部でいないとなかなか将来心配だよねという話もあります。 日本人の漁業就業者の育成確保対策についてどのように取り組んでおられるか、また今後どう取り組むつもりか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 今先生御指摘いただきましたように、漁業が将来にわたって持続的に発展していくためには、若い世代を中心とした意欲のある新規漁業就業者を確保していくことが重要だと、このように考えておるところでございます。 このため、私どもでは、漁業への就業希望者が経験ゼロからでも円滑に就業できるよう、新規漁業就業者総合支援事業というものがございまして、これによりまして就業者の段階に応じた支援を行っているところでございます。 具体的に申し上げますと、まず、漁業への就業に向けまして漁業学校等で学ぶ若者に対しまして、就業準備資金ということで年間百五十万で最長二年間の給付を行っているところでございます。また、漁業への就業希望者と担い手を求める漁業者とを結び付ける就業相談会の開催、また、新規漁業就業者の就業現場での実地による長期研修等の支援を実施しているところでございます。 特に、遠洋・沖合漁業の幹部の養成確保につきましては、必要となります海技士の資格の取得等を考慮いたしまして、最長二年間の長期研修を実施しているところでございまして、今後ともしっかりとこうした支援を行っていきたいと、このように考えておるところでございます。
○山田修路君 ありがとうございました。 漁業の問題、様々な問題ありますけれども、やはり担い手というんでしょうか、就業者の問題、非常に重要でありまして、特に今申し上げました外国人の技能実習生の話も含めて、これからもまたしっかりその育成確保をお願いしたいというふうに思っております。 今日は、水産物にも大きく関連をしますTPP協定についても併せてお伺いをしたいというふうに思っております。 衆議院で間もなくTPP協定及び関連法案についての質疑が開始をされるということでございますけれども、それに先立ちまして、幾つかの疑問点について今日はお伺いをしたいと思います。また、TPPに関する特委などでも様々な議論があると思いますけれども、まず森山大臣にお伺いをしたいと思います。 TPP協定が発効するかどうか、これはまたちょっと後ほどお聞きをしますけれども、発効した場合には、我が国の農林水産業に様々な影響を与えることになります。TPP協定によるダメージを少なくし、そのメリットができるだけ農業者の方、あるいは消費者の方も含めてですけれども、享受できるようにしていくことが肝要であると思っております。 この点について、森山大臣の方針あるいは決意についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 山田委員にお答えをいたします。 攻めるべきものは攻め、守るべきものは守るとのいわゆる基本的なスタンスで粘り強くTPP交渉を行った結果、農林水産物につきましては、他国が原則的に関税を撤廃する中で、我が国は約二割の関税撤廃の例外を獲得することができました。また、重要五品目を中心に関税割当てやセーフガード等の措置を確保するなど、交渉結果としては最善のものとなったと考えております。 一方で、関税削減等により長期的な影響について生産現場には懸念と不安が一部残っていると考えておりまして、このため、今後とも合意内容を丁寧に御説明をするとともに、これまで進めてきた農政改革に加えまして、政策大綱に基づき体質強化対策や経営安定対策の充実など万全な対策を講じることとしております。 他方、TPPのメリットとしては、牛肉、水産物、米、日本酒、お茶等、我が国農林水産物食品の輸出拡大の重点品目の全てで関税撤廃を獲得したことが挙げられると思います。TPPの参加国への輸出拡大が期待をされるところであり、今後、輸出拡大に向けた取組を更に加速してまいりたいというふうに考えております。 これらを通じまして、次世代を担う生産者が明日の農林水産業に夢と希望を持って経営の発展に積極果敢に取り組めるようにすることにより、新たな国際環境の下でも強くて豊かな農林水産業、美しく活力ある農山漁村をつくり上げてまいりたいと考えております。
○山田修路君 ありがとうございました。 交渉の結果、そしてそれに対しての万全な対策、また輸出拡大を図っていくというお話がありました。一方で、生産現場には不安があるというお話もありました。 私も、TPPの交渉結果あるいは対策について地元でお話をする機会が非常に多いわけでございます。そのときにやはり感じるのは、まだまだ多くの方が交渉の内容あるいはこれから講じようとする対策について、知らないあるいは誤解をしているということが多いというふうに感じます。 例えば新聞などで、TPP協定が発効すると安い外国産の米が大量に入ってくるからこんなことをやらなくちゃいけないとか、これはTPPを専門に分かっておられる記者が書いておられるかどうかよく分かりませんけれども、そういった記事があると農業者の方々はやはり不安になるというふうに思います。農業関係者あるいは農林水産業関係者の方々に、このTPPの結果と、それからそれに対する対策を正しく理解していただく必要があるというふうに思います。 今日の日本農業新聞に出ていたんですが、この記事を見ますと、TPPについて不安に思うという方が千人調査をした中で九割を超えているというような記事がありました。先ほど私も申し上げましたように、まだまだ理解が進んでいないんじゃないかなというのがここにも表れているような気もいたしますけれども、この調査に対して、大臣、どう受け止めておられるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 今朝の農業新聞の記事につきましては、真摯に受け止めさせていただきたいと考えております。 TPP交渉は、山田委員御承知のとおり、保秘義務の掛かっていた交渉であったために、大筋合意まで交渉の進捗を説明をすることができなかったことから、やはり現場の皆さんは大変不安な思いをされたのではないかというふうに今、回顧しているところであります。 このため、現場の声に耳を傾けながら、昨年十一月に政策大綱を取りまとめ、体質強化対策や経営安定対策の充実など万全の対策を講ずることとしたところでありまして、補正予算も成立を見ました。こうした対策の内容や十二月に公表したTPP経済効果分析について現場の皆さんに理解を深めていただくために、農政新時代キャラバンと称しまして、全九ブロック及び全都道府県で説明会を開催し、全体としては理解が一定程度進んできているというふうに感じております。 他方、私が現場に伺いましていろいろと感じますことは、やはり現場には、TPPとは別に、今後の米政策の在り方や中山間地域の将来について不安がありまして、これがTPPに対する不安と交差して一体のものとして意識されているのではないかと感じるところでもあります。 このため、TPPの合意内容や影響、国内対策の内容のみならず、農業者の所得向上に向けた農政新時代における大きな施策の展開方向も含めて、現場の皆さんの不安に寄り添い、その払拭ができるように丁寧にスピード感を持って説明を今後も続けてまいりたいというふうに考えております。そのことを通じて、農家の方々が希望を持って再生産に取り組んでいただけるように努力をしてまいりたいと考えております。
○山田修路君 ありがとうございました。 先ほど言いましたように、私も地元でTPPの概要そして対策について、平均すれば週一回ぐらいは土曜、日曜、どこかに来て説明をしてほしいという話があって行きます。今大臣からもお話がありましたように、かなりの人は一回説明を聞きましたという人がおられます。ただ、別に自慢をするわけじゃないですけれども、山田さんの話を聞いたら本当によく理解できましたと、今まで具体的にこれはどうなんだということを質問してもなかなかクリアに説明してもらえなかった。これは、役所ですから言えないこともあると思うので、政治家という立場で少し踏み込んでお話ができたりする点もあると思いますけれども、そういう意味で、やはり内容とそれから対策がこうなんだということもお話をすることも大事なのかなというふうに思っております。 今日の日本農業新聞の中にも、国内対策をしっかり確保すれば協定の国会での承認はやむを得ないという意見も五割ありますので、そこはやはり、影響とそれから対策がこうなんだということをしっかり説明をしていただきたい。特に国内対策ですね、これは非常に大事だと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。 そして、この日本農業新聞にも出ているんですけれども、一次産業への影響ということであります。ちょっと質問の順番が変わっておりますので、農業新聞の関連についてお話をいたします。 特に、その影響について政府は少なく見積もっているというのが、四分の三ぐらいの意見が出ています。私はいつも言っているのは、もちろん試算ですからいろんなバリエーションがあるけれども、ここに政府が試算したのと、それは多少多い、あるいは多少少ないことがあるかもしれないけれども、事柄としてはそう大きくは違わないんじゃないかという御説明をしております。ただ、都道府県の中には独自の試算をやっているところもあります。業務用の米についての影響とか、あるいは糖度の低いミカンについての影響とかいうことで心配をされている県もあります。 試算を行っている都道府県の状況はどうなっているのか、また、政府の見方と異なる部分がありますけれども、これについてどう考えているのか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(齋藤健君) TPPの影響につきましては、現在、三十六道県において一定の試算が行われており、そのうち三十二の道県は国に準じた試算方法を取っていると承知をいたしております。この三十二道県のうち八つの道県におきましては、国が試算していない品目も追加をして試算をされております。また、一部の品目で国の試算とは異なる考え方で試算がなされているというものもございますが、三十二から八を引きました残りの二十四県は、国の対象品目の範囲内で試算が行われていると承知をいたしております。また、四県につきましては、国とは異なる方法で試算が行われております。 もとより、試算は一定の前提の下で行われるものでありますので、一部の県において、県の独自の考え方を反映して国と異なる方法で特定の品目について試算が行われているというふうに理解をしております。国の試算の方は、国内の価格や国際価格、輸入量などのデータを基にいたしまして、品目ごとの影響分析及び政策大綱に基づく国内対策の実施を前提として影響を試算しております。 引き続き、丁寧に説明をしていくことにより国の試算についての理解も更に深めていきたいと考えております。
○山田修路君 ありがとうございました。 都道府県と国の試算、今お話が齋藤副大臣からありましたように、そこの違い、一部のところを強調して見るということよりも、私は大事なことは、起こり得ることとは大体こんなような性質の事柄なんだということを理解していただいて、それは乗り越えられる、政策によって乗り越えられるんだということをしっかり分かってもらえれば理解していただけるのではないかなというふうに思います。今後とも、そういったことでよろしくお願いをしたいと思います。 続きまして、TPP協定の発効についてお伺いをしたいと思います。 これもうお話しするまでもなく、TPPの協定の発効につきましては、原則参加十二か国が国内手続を終えることが必要です。 ただ、特例の要件があって、十二か国全部で国内手続が終わっていない場合には、六か国以上の国内手続、その国々がGDPの合計の全体の八五%を占めるということでございます。そこで、やはりこの全体の一五%以上のGDPを占めるアメリカ、そして日本の国内手続、これが非常に大きな影響を及ぼすということであります。 そこで、この発効に向けて、各国の国内手続の状況、特に、非常に大きな意味を持つアメリカでの状況についてお伺いをしたい。また、政府としてどのような見通しを持っているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(澁谷和久君) お答えいたします。 まず、アメリカでございますが、TPA法の規定によりまして、ITCと呼んでおりますが、国際貿易委員会が署名から百五日以内、すなわち五月の十八日までに我が国と同じような雇用や経済への影響分析を含むTPPに関する評価報告書を議会に提出することとなっております。いずれにいたしましても、議会提出、審議はそれ以降と承知をしているところでございます。 なお、USTRが先日議会に提出した二〇一六年通商政策課題におきまして、TPP協定の議会承認を得ることが今年のオバマ大統領の最優先事項だとされているところでございます。 他の国も国内手続を進めているところでございまして、マレーシアはもう既に署名に先立ち協定に係る承認を取り付けているところでございます。オーストラリア、ニュージーランドは署名直後の二月九日に議会に提出をして、現在、審議中ということでございます。ブルネイ、シンガポールは、協定自体については議会の承認が不要と承知しております。ベトナム、メキシコ、ペルー、チリも承認に向けて国内プロセスを進めているということでございます。カナダは、大筋合意後に政権交代がございまして、現在、協定内容をレビューしているということでございますが、二月の署名式には参加をしているということでございます。
○山田修路君 ありがとうございました。 各国それぞれ進めているということでございましたけれども、特にアメリカについて、大統領選挙とも関連をしてなかなかどうなるのかなというところもあります。それから、他の十一か国の状況も、進んではいるけれどもこれからやっていかなくちゃいけないというような状況だと思います。 このような中で、政府が今国会でこのTPP協定の承認あるいは関連法案の可決を目指していることについて、まだまだ様子を見るべきじゃないかという声もあると思いますけれども、なぜ今この国会で対応しようとしているのか、そのことについてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(澁谷和久君) お答えいたします。 昨年十一月、TPPの首脳会合が開催されまして、アメリカを含む十二か国の首脳がTPPの早期発効を目指すということを確認しているところでございます。 政府といたしましては、署名も終わり協定内容が確定したこと、また関連法案の準備も整ったことから、三月の八日、TPP協定と関連法案を国会に提出したところでございます。我が国が率先して動くことで早期発効に向けた機運を高めていきたいと考えているところでございます。
○山田修路君 ありがとうございました。 TPP協定については、厳しい交渉環境の中で、先ほど大臣からもお話がありましたけれども、我が国としてはかなりの成果を得ることができたのではないかというふうに思っています。もちろん、交渉事ですので、私も前そういう仕事をしておりましたけれども、こちらの主張が一〇〇%通るということは交渉事ですからあり得ないわけであります。また、先ほど来お話ありますように、我が国の第一次産業にも影響が及ぶと、その見方はいろいろありますけれども、及ぶということであります。 しかしながら、日本農業新聞にあるように、不安がある、しかし国内対策はしっかりやってもらいたいということで何とか不安が解消できるのではないかというようなことも読み取れるわけでありますので、私もやはり国内対策をしっかりやっていけば乗り越えられないようなものではないというふうに考えております。この交渉を再度やり直したらいいんじゃないかというような御意見の方もおられると思いますけれども、とても再度やったからといって今より良くなるものではないというふうに思っています。 是非、周知の話が本当に重要だと思いますので、更なる努力、そして国内対策は秋にまた決めていくということですので、この対策もしっかりお願いをしたいというふうに、これはお願いを申し上げることといたします。 そして次に、TPPの経済全体に対する効果についてお伺いをしておきたいというふうに思います。 TPPのGDPに及ぼす影響ですけれども、交渉の開始時点、その前の時点では、民主党政権時代では三つの試算があって非常に混乱をしたということで、交渉開始の当時は一つにまとめようということで試算をしたと。貿易による効果が取りあえず試算をされたわけですが、そのときにはたしか三・二兆円という試算であったわけでございます。今回、交渉の結果、それが、貿易による効果は一・八兆円ということになりました。一方で、当初には計算をしていなかった貿易以外の要因についても今回それが公表されて、十三・六兆円ということで試算をされたわけでございます。 なぜ当初そういった貿易以外の影響も含めた試算がなされなかったのか、どうして今回それがなされるようになったのか。そしてまた、この貿易以外の効果というものにはどのようなものが含まれているのか。TPP交渉全体の影響を評価したものなのか、あるいはやはりまだ一部分であるのか。その辺について、このことをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(澁谷和久君) お答え申し上げます。 平成二十五年の試算、三年前の試算は交渉参加前ということでございまして、ルールなどの分野についての詳細を承知していなかった段階での試算でございます。したがいまして、関税が全て即時撤廃され国内対策を講じないという、そういう前提の下で関税撤廃の効果のみを対象としたものでございます。 ただ、三年前に試算した時点でも、合意をした後につきましては関税以外の効果も含めた分析を行うというふうに申し上げていたところでございます。また、その後、専門家の方々などから、TPPのような二十一世紀型経済連携協定の効果は、貿易、投資が促進されることによる生産性の向上、これこそが本質だと、こういうふうな御指摘もいただいていたところでございます。 経済効果分析は、あくまで政策分析の一環として行っているものでございます。TPPを契機として我が国経済を新しい成長経路に乗せるために、官と民でどのような政策、行動が必要なのかということについて明らかにすることが目的であります。そのため、関税に係る合意内容に加えまして、ルール面による貿易コストの引下げ効果、さらには生産性向上、労働供給増といった効果を含めて、より包括的な分析を行ったものでございます。 ただ、投資が増えることの効果などはデータ等の制約で十分見切れていないところがございますので、そうしたことも含めますと更に大きな効果が見込まれるということを報告書の中でうたっているところでございます。
○山田修路君 ありがとうございました。 このTPPに関してですけれども、今ほど御説明があったように、GDP全体に及ぼす効果あるいは雇用に及ぼす効果というのも、今の試算よりも更に大きいかもしれないというようなこともあるかもしれない。農林水産業に対する影響にしても、あるいはGDPに対する影響にしても、一定の前提を置いた中での試算をしたということなので、大事なことは、金額がそこでどのくらい差があるかということよりも、むしろ全体としての方向性はこうなんだと、そして影響の、質的なものはこんなような程度の影響なので、数字自体が多少違うこと自体をそんなに大きく議論しても意味がないのではないかと私は思っております。 ですから、試算はこういうことでやっているんだということをはっきり申し上げて、あるいはほかの試算、やり方をすれば別のものもある、ただ、対策はこういうふうにしっかりやるので、それは皆さんに影響がないようにやっていきます、このことをやっぱりしっかり訴えていくことが、GDP一般の効果も、あるいは農林水産業に対する影響も含めて、非常に大事な、数字が違うじゃないかということを幾ら議論しても結局余りいい効果がないんではないかなというふうに思います。この点をちょっとお願いをしておきたいというふうに思います。 そしてもう一つ、TPPの効果について、先ほど澁谷審議官からお話がありましたように、GDPに対する効果とか、それはやはりある程度長期で見た中で生じてくる事柄ですね。日本経済全体がそういったところにシフトしていくということであるというふうに思っておりますので、そのこと自体はそうであるというふうに思っております。 一方で、それぞれの地域ですとかあるいは短期的に見ると、やはり問題が生ずるところも出てくるんじゃないかというふうに私は思っております。例えば、よく言われますのは、アメリカの国内で、NAFTA、北米自由貿易協定が結ばれて、国内の中で、工場がメキシコの方に移転をしていったと、そのことによって、もちろん経済全体の影響ということよりも、むしろ地域の問題、企業城下町みたいなところで雇用が失われてしまったとか、あるいは短期的に見ると厳しい状況にあるというようなことが新聞などで言われておりまして、そういったことがあるいは今の大統領選にも影響をしている、TPPについてネガティブな、否定的な意見もあるというようなことではないかというふうに思っております。 そうしますと、TPPについて、全体のGDPへの影響ということもさることながら、地域におけるやはり産業の空洞化みたいなことが生じないように、そういうことを心配する声があるので、産業の空洞化ということが生じないように対応していく、あるいは政府としてはっきり意思表明をしていく、このことも、TPPに対する支援というんでしょうか、御支持を得る上では大事なことではないかというふうに考えております。 この産業空洞化、特に地域における産業空洞化の問題についてどのようにお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(澁谷和久君) お答え申し上げます。 日本以外の各国が二国間のFTA、EPAを数多く締結している中で、我が国の貿易に占めるFTAのカバー率は、TPPが発効しない状態でございますと、つまり現状では二二%、韓国や中国よりも劣後している状況でございます。このFTAのカバー率が低いままでございますと、製造業の立地拠点としての魅力が相対的に低くなるということでございますので、むしろ産業空洞化が加速することが懸念されているところでございます。 TPPによりましてFTAカバー率が大きく向上すること、またルール面で、例えば原産地規則における完全累積制度の導入などで、技術力を持った地方の中堅・中小企業を始めとする我が国の企業が国内にいながらにして海外展開ができるということが可能になるものでございます。また、TPPによりましてベトナムなどの関税が撤廃されることを受けて、海外に出ていた工場を我が国の国内に戻すことを検討している企業も出てきているところでございます。 TPPが国内の産業、特に地方の産業を活性化する契機となることが期待されておりまして、政府としてもこのような動きを積極的に支援してまいりたいと考えております。
○山田修路君 ありがとうございました。 その説明はよくお聞きをしていてそれなりには理解するんですけれども、やはり今おっしゃった、外国と商売をするというんでしょうか、輸出をしている方々、あるいは外国との関係がある方々以外の例えば下請の企業ですとか、とても外国に例えば進出していったときにくっついていけないような企業もあるわけでございます。 TPPの説明のときに、いい面を強調される、中小企業にもメリットがある、世の中良くなると言うことはいいんですけれども、それに関係ない人にとっても、あなた方も心配しなくていいですよというようなことが何か説明できるといいんじゃないかなと前から思っていて、今の説明は十分理解するんですけれども、直接にそのメリットを受けなくても、あるいは国内産業が空洞化しないために例えば政府全体として取り組んでいきますというようなメッセージが出せるといいなというふうに思いますので、この点も御要望させていただいて、質問を終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。 ─────────────
○委員長(若林健太君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、徳永エリ君が委員を辞任され、その補欠として浜野喜史君が選任されました。 ─────────────
○小川勝也君 おはようございます。民進党・新緑風会の小川勝也でございます。 今日は水産等の質疑ということで、大変楽しみにしてまいりました。ここ二十年くらい、参議院農林水産委員会においての議事録の中で水産に関する記述が少なくなったということで、私も度々理事を務めさせていただいておりますけれども、大変気にしておりました。実は、今日のこの一般質疑については、前の理事会からの申合せ事項ということで、今日趣旨説明がなされますいわゆる漁船損害等補償法、漁災法の趣旨説明に合わせて水産の審議をしようということで、大変意義あることだと思っております。 私はたまたま北海道の選挙区でございまして、若林委員長の選挙区などは内水面しかないわけですけれども、私の選挙区は海に囲まれておりまして、太平洋、日本海、オホーツク海、それぞれ特色がある海に囲まれています。歴史なども思い返していただきますと、ニシンで栄えた町がたくさんあります。それから、北洋漁業、二百海里問題、減船、拿捕、大変つらくて苦しくて悲しい歴史を乗り越えて今に至っています。衆参の委員会では先人がいろんな議論をされたのかなというふうに思い起こしながら、今日、今質問に立たせていただいております。 鮭鱒という言葉があります。サケ・マス。これは、皆さんもしょっちゅう口にされておられる北海道の水産の中では大変大きなウエートを占める立場であります。実は、いわゆる漁獲の金額でいうと、鮭鱒を抜いた魚種があります。ホタテであります。ホタテの養殖というのも、大変先人の並々ならぬ御努力があったり、あるいは耳づりという方法を編み出したり、あるいはヘルシーということで北米やヨーロッパで好んで食べていただいている。あるいは、香港、中国などではまさに中華料理の食材として干したホタテガイが必須ということであります。こういうのも、いろんな御努力が実を結んで今に至っているのではないかというふうに思っています。 また、おすし屋さんに行きますといろんなものを楽しめるわけでありますけれども、アワビとかウニ、高級食材でありますけれども、これも種苗の管理、いわゆる種苗センターでアワビやウニをちょっと育てて海に放流をしてそれを回収するというやり方が定着をしたおかげで我々はおいしいものをコンスタントに食べられることになったと。まさに、この農林水産委員会等でいろんな議論をして今に至っているんではないかというふうに思っています。 その北海道を中心に、いろんな抱えている問題、常々質問をさせていただいてまいりました。そのいわゆる進捗の確認等も含めながら、一つ一つ確認をさせていただきたいと思います。 この委員会でも議論させていただきました海獣の被害から議論をさせていただきたいと思います。 特に日本海で、トド、アザラシ等がいわゆる網を食いちぎる、あるいは網を食いちぎるどころか捕れたものを食べてしまうということで、漁師さんの精神衛生まで破壊するような大変な被害が及んでまいりました。私のみならず、自民、公明、共産、各会派の委員が質問をさせていただきましたけれども、最近の日本海における海獣の被害状況と対策について確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 まず、トドでございますが、主に北海道日本海側におきまして、先生今御指摘ございました漁具の破損あるいは漁獲物の食害等の漁業被害を及ぼしておるわけでございますが、北海道庁によりますと、この直近三か年でございますが、二十四年度で十六億円、二十五年度で二十億円、二十六年度で十八億円の漁業被害が報告されておりまして、平成二十六年度は被害額が若干減少はしておりますが、まだまだ油断できないというふうに考えておるところでございます。 具体的なトド漁業被害対策でございますが、一つは北海道の離島海域におけます駆除活動、もう一つは強化刺し網の実証実験や定置網あるいは底建て網の強化網の導入、三つ目は効果的、効率的な追い払い手法や駆除手法の実証試験といった取組を支援しているところでございます。さらに、平成二十六年八月に、漁業者の皆さんの要望を踏まえまして、トドの採捕数の上限を、従来二百頭だったわけでございますが、これを五百頭まで大幅に増加させますとともに、追い払い手法や駆除手法の更なる効率化を努めるなど、その取組を強化しているところでございます。 いずれにいたしましても、これらの取組を通じまして、また地元漁業者の皆さん方の意見をよく聞きながら、引き続きトドの被害対策についてしっかりと取り組んでいきたいと、このように考えているところでございます。
○小川勝也君 ただいま御報告をいただきました。取りあえず全部撃って殺してしまえというわけにはまいりません。まさに共存ではありますけれども、個体数管理とか科学的知見とか、いろいろ御相談をいただきながら今お取組をいただいておるという報告をいただきましたけれども、新しい手法を見出したり効率的な手法を考えたりということを含めて、北海道庁とも連携をしながら引き続きの対策をお願いをしたいと思います。 もう一つ厄介なのが、えりも地域におけるゼニガタアザラシであります。このゼニガタアザラシは特定希少鳥獣に指定をされておりますので、ほかの海獣と同列に扱うことができないということで大変悩ましい状況でございました。環境省にも再三お願いをいたしまして、いわゆるハードルを越していただいて対策を講じていただいたことに誠に感謝を申し上げる次第であります。その後、農林水産省と環境省と北海道庁がいろんな御努力を続けていただいているというふうに伺っているところであります。また、四月二十日がまた大事な日にちにもなろうかと思っております。 今日は環境省にもおいでいただいておりますので、えりも地域のゼニガタアザラシについて現在までどのような取組をさせていただいておるのか、四月二十日に向けてどのような取組をなされているのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(亀澤玲治君) ゼニガタアザラシの推定生息数は増加傾向にありまして、特にえりも地域等においては定置網のサケ漁を中心に漁業被害が深刻な状況でございます。えりも漁協によれば、二十六年度の被害額は、えりも漁協全定置網で約六千三百万円となっております。 このゼニガタアザラシにつきましては、昨年九月に環境省レッドリストのカテゴリーを見直しましたが、絶滅危惧種には当たらないと評価をされました。こういうことを踏まえまして、環境省では本年三月十八日に、改正鳥獣法に基づいて、えりも地域ゼニガタアザラシ特定希少鳥獣管理計画を策定をいたしました。さらに、この管理計画に基づいて具体的な事業実施計画を作成した上で、新年度、二十八年度には、えりも地域におけるゼニガタアザラシの捕獲を含めた個体数管理を進めていく予定でおります。 この事業実施計画の案は、これまでの検討過程において漁業者を含めた地元での協議会や意見交換会等を行い、地元の御意見を丁寧に伺いながら進めてきたところであります。さらに、先日、三月二十四日には、科学委員会において科学的観点からこの案が了承されたところでありますけれども、先ほど御指摘ありましたように、今後、四月の二十日に予定をしております地元の協議会での決定に向けて、さらにはその後の実施に当たりましても、引き続き地元の御意見を伺いながら、関係行政機関とも連携しつつ、定置網への侵入を防止する被害防除対策ですとかあるいは捕獲等にしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
○小川勝也君 これまでも御努力をいただいてまいりました。 漁師さんにお伺いをいたしますと、例えば水産庁の方々や北海道庁の方々にはいろんな物言いがしやすいんですけれども、いわゆるこのゼニガタアザラシが特定希少野生鳥獣なんだというふうに環境省の役人に言われると漁師さんの舌も滑らかに動かないという、こんな話もありますので、間にしっかり水産庁が立って地元の漁師さんの代弁の役割をやっぱり果たしていただきたいと思います。 また、二十日には、いろんな大事な日が近づいているということを踏まえまして、地元の漁師の皆さんの声を代弁するという意味で、水産庁からの決意も伺っておきたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) 今先生の方から御指摘ございましたが、ゼニガタアザラシにつきましては、今環境省の方から答弁ございましたように、漁業との共存に向けて、えりも地域ゼニガタアザラシ特定希少鳥獣管理計画の策定作業が進められているものと承知しております。 私どもといたしましても、環境省に対しまして、これまでトド被害対策で蓄積した関連情報、ノウハウ、こういったものの提供、あるいは専門家の派遣等により協力してきたところでございますが、引き続き連携しながら海獣被害対策にしっかり取り組んでいきたいと、このように考えているところでございます。
○小川勝也君 いずれにいたしましても、両省にお願いをいたします。地元の声をしっかり聞いていただきたいというふうに思います。 様々な問題があるわけですけれども、水産業というのはまさに世界と伍して業をやっているということも含めて、いろんなところで外国の方々との接触があるわけであります。特に日本全体でいいますと、中国の船、韓国の船、台湾の船、様々な問題があります。とりわけ北海道の海域においては、ロシア領がまさにすぐ近くでありますので、日ロ間の様々な取組や問題が多々発生をしております。 いわゆる一般論で、現在のところ日ロ間では漁業関係、水産関係でどのような問題を抱えているのか、概論としてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) 現在、日ロ間の漁業分野におきましては、日ソ地先沖合漁業協定あるいは日ソ漁業協力協定、北方四島周辺水域操業枠組み協定の三つの政府間協定のほか、民間協定でございます貝殻島昆布協定が締結されております。今申し上げました協定に基づきまして、両国の間では協定の対象水域における操業条件や漁獲枠等に関する協議を毎年行っているところでございます。 両国におきましては、漁業分野におきまして、先ほど先生お話ありましたように長い歴史と伝統を有する重要な分野でございまして、農水省といたしましては、引き続きこれらの枠組みを維持しながら、我が国漁業者の安定的な操業を確保できるよう適切に対応してまいりたいと、このように考えているところでございます。
○小川勝也君 引き続き御努力をお願いを申し上げます。 その中で一番激震が走りましたのはサケ・マスの流し網漁、これは科学的な知見に基づいてロシア政府が決めたということになっております。とりわけ根室から釧路にかけての漁業関係者は大変な苦悩を抱えたわけであります。その苦悩を抱えた中にあっても、前向きにいろんな代替策を今検討しているようであります。 その代替策の検討につきまして水産庁ではどのように今把握をしておられるのか、概要をお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 本年一月一日から、ロシア水域におけるサケ・マス流し網漁が禁止をされました。これ、現場の漁業者の皆さんにとってはいかんともし難いことであったと思っております。 こうした中、北海道等からのいろんな要請をいただいてまいりましたので、平成二十七年度の補正予算等によりまして緊急対策を講じさせていただきました。小川委員御承知のとおり、この緊急対策におきましては、我が国二百海里水域、公海における代替漁業への転換支援等の漁業者対策を一つ柱とさせていただきました。また、種苗生産施設等の整備を進めるということをさせていただき、サケ・マス加工原料緊急対策等に必要な経費として平成二十七年度補正に百億円を計上し、議決をいただいたところであります。 また、減船対策として既存基金による救済費交付金の交付十三億円を行うこととしておりまして、いずれにいたしましても、スピード感を持って万全の対策を講じてまいりたいというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。
○小川勝也君 その幾つかの代替策の中で、サンマ漁に参入をするという話がございます。これもサンマも、大変聞けば聞くほど苦悩が深まってくるわけであります。いろいろな利害関係の方々がサンマに関係しておられるので、新しい参入の方を必ずしも優しく受け入れられるという環境ではないというふうに思っています。 それと、もう一つなるほどなと思ったのは、我々が特に好むのは生のサンマであります。生のサンマがいつ食べられるかというのは、北海道でいいますと、八月のお盆が過ぎる頃になりますと楽しみになってくるわけであります。そして、回遊魚でありますので、根室沖からいわゆる気仙沼、石巻、銚子と、だんだん捕れる場所が変わってくるわけでありますけれども。 北海道で捕れるサンマが一番おいしいと言うと怒られるわけでありますけれども、その脂の乗った生のサンマを我々は一番食べたいわけでありますが、いわゆる港から近い海域で捕獲しないとなかなか生のサンマが食卓に上らないという、そして港から遠くで捕れるサンマはまさに冷凍にしなければ流通できないという、こういう問題があります。逆に、その冷凍のサンマは最近台湾で大量に消費されるということでありまして、冷凍サンマの奪い合いやあるいは漁場の取り合いなど、様々な問題があるというふうに伺っております。 このサンマをめぐる苦悩と、今後どういう努力や工夫が可能なのかについて、まとめて御答弁をいただければと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) 今先生の御指摘の点でございますが、まず大臣の方からも御説明ありましたが、今回の流し網禁止に伴います対策といたしまして、ロシア水域におけるサケ・マス流し網漁禁止の影響を受ける関係漁業者に対しまして代替漁業への転換の取組を支援するということで、いわゆるもうかる漁業という漁業構造改革総合対策事業、これを平成二十七年度補正予算五十億円を措置させていただいております。 現在、業界団体でございます全国さんま棒受網漁業協同組合、全さんまというふうに呼んでおりますが、ここにおきまして、従来サケ・マス操業を行っていた五月から七月の公海でのサンマ操業の取組が検討されていると、このように承知しておるところでございます。引き続き業界団体あるいは北海道庁と連携しながら、関係者間における必要な調整が図られ、より収益性の高い代替漁業への転換の取組が円滑に進められるよう支援していきたいと、このように考えているところでございます。 いずれにいたしましても、先生御指摘いただきましたように、沿岸サンマ漁業など既存の操業との一定の調整がこれは必要不可欠であるわけでございまして、この調整については非常に難しいものがあるというふうに考えているところでございますが、我々水産庁といたしましては、業界団体、北海道庁等と連携し、関係者間の調整に努めていくという考えでございまして、引き続き代替漁業への転換が円滑に進むようしっかり取り組んでいきたいと、このように考えておるところでございます。
○小川勝也君 サンマもいろいろあって、冷凍サンマの質の悪いもので時期がずれますと、最低になりますと、三匹百円まで値段が下がります。旬の、はしりのサンマで形のいいものは、おいしい料理屋さんで食べますと、一匹千二百円から千五百円まで取れます。これは、大黒さんまなどという本当にブランドをつくっている港もありますけれども、なるべく生産者、漁師さんに付加価値を付けていただいて手取りが多くなるように、水産庁もいろんな支援や工夫を引き続きお願いをしたいと思います。 北海道は漁港がたくさんあります。漁港についても後でお話をさせていただきますけれども、農業の改革がこの委員会でも議論されてまいりました。そのときによくお伺いをしたのは、農業者の平均年齢であります。実は漁業者の平均年齢も、浜を回りますと相当高いというふうに実感がなされるわけであります。 それから、私はこういうことも申し上げました。後継者という言葉があります、あるいは後継者不足という言葉がありますけれども、これは分かりやすいと。すなわち、所得が上げられる、上がるいわゆる浜には後継者は必然とおります。ですから、例に出しますと、北海道オホーツク沿岸でホタテで順調な成長を遂げておられます猿払などは若い人たちがしっかりホタテ漁をする。あるいは、意外と思われるかもしれませんけれども、工業都市苫小牧は豊穣の海を抱えておりますので、漁業が物すごく元気で、若い後継者で満ちあふれております。 そうじゃない浜も実はたくさんあります。そういたしますと、まさに漁港集落、漁村も農村に比べてそれ以上のスピードで人口減少や集落を維持する危機が訪れているというのは、これは北海道にとどまらない課題だろうというふうに思っているところであります。そういった漁村集落やあるいは漁港集落、現状どのように危機感を持っておられ、特に対策として今後どのようなことを考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) お答えいたします。 漁村の高齢化率は三六%と全国平均に比べて九%ほど高くなっております。また、漁村の人口減少、高齢化への対応というのは重要な課題であると認識をしています。 漁村の活性化を図り、人口を維持していくためには、漁村の主たる産業である水産業の振興を図ることが重要でありますし、このため、地域自らが創意工夫により漁業所得の向上を目指す浜の活力再生プランを推進をしているところであります。また、複数の漁村地域が連携をし、より広域で浜の機能再編や中核的担い手の育成等に取り組む広域浜プランの策定にも着手しているところであります。現在、全国の六百地区で浜プランの策定、実行に取り組まれております。例えば先生のお地元の北海道の寿都地区では、教育力をキーワードに年間二千人以上の漁業体験者を受け入れ、地域の活力向上につながっていると伺っております。 このように、漁業者自らが地域の課題を話し合い、浜の将来ビジョンを描くことで漁村の活力を取り戻し、漁村地域の活性化を図っていけるように農林水産省としては後押しをしっかりしてまいりたいと考えております。
○小川勝也君 大臣から御答弁をいただきました。 それぞれ地域をどうしていくのかというのは、その集落の住んでおられる方々が一義的に役割を果たしていかなければなりません。そして、基礎的な自治体、間に都道府県があって、水産庁、農林水産省があるわけであります。地元を主体として、地元の方向性、取組をしっかり応援をしていただけるような取組を引き続きお願いをしたいというふうに思っているところであります。 漁港集落の話をさせていただきましたので、併せて漁港についてもお伺いをしたいと思います。 北海道の浜を回っておりますと、大げさに言いますと、二キロ、四キロ置きに小さな漁港が見えてまいります。これもかつては栄えたのかなというふうに想像するわけでありますけれども、また逆に、漁師さんは頑固でわがままなところもあります。俺の家の前に港がないと漁にならないと、こういう方も当然おられるわけでありますけれども、やはり漁港整備にも限りある予算の中から行われておりますので、優先順位があったり、あるいは言葉で言いますと選択と集中というキーワードが必要だったりするのだと思います。 すなわち、今、たくさんある漁港の中で、将来展望をしながらどの港にどのような重点整備をしていくのかということも、いわゆる地元の意見を聞きながら、都道府県の意見も聞きながら水産庁もいろんな指導をしていく、あるいは応援をしていくということが必要だろうというふうに思います。港は、全てたくさん、たっぷり予算を付けて整備をできれば一番いいわけですけれども、それがかなわないときに、四つの港を三つに、三つの港を二つに絞って整備をしていくということも地元との話合いの中で必要になってくるんだろうというふうに思います。 このような取組について今までどのように考えて実施をしてこられたのか、今後どのような構想をお持ちなのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 昨今の様々な漁業ニーズに効率的に対応していくということが必要になっておりまして、今全国で約二千九百の漁港があるわけでございますが、ここにおきまして、やはり漁港ごとの役割分担を図るとともに、機能の集約化を進めていくということが重要というふうに認識しておるところでございます。 このため、漁港整備に当たりましては、各漁港が持つ役割を明確化し、それぞれの漁港が有機的に結び付いて効果的に機能が発揮されるよう、まず水産物の生産、流通の一体性を有する範囲を一圏域というふうにいたしまして、全国で約二百の圏域計画というものを策定しまして、この当該圏域ごとに生産・流通拠点漁港を定めた上で、陸揚げ、集出荷機能の集約化等による流通の効率化と施設の維持更新費の抑制を図っていると、こういうことになっておるところでございます。 今後とも、先生御指摘ございましたように、漁港機能の集約化に係ります取組を推進し、効率的かつ効果的な漁港整備を進めていきたいと、このように考えているところでございます。
○小川勝也君 引き続きよろしくお願いしたいと思います。 説明を受けたときに、漁港は水産庁、農林水産省の所管ですけれども、港湾一般は国土交通省の所管のものがあります。しかし、魚や海藻にとってはこれは何省の港だというのは関係ないわけであります。ですから、一層連携を密にして、海岸政策それからいわゆる藻場の育成政策、いろんな御努力をいただいておるようでありますので、省庁間の連携も併せてお願いをさせていただきたいと思います。 いわゆる二キロごとに漁港があってなんという話をさせていただきました。しかし、これはある方の話によりますと、昔、防人という言葉があったように、日本列島を漁師さんが守っているんだと、こういう評価があるわけであります。北朝鮮からの不審船という言葉がありますけれども、漁師さんが海岸を守っているということを適正に評価すべきだと私は思います。 その中で、最たる漁師さんはどういう漁師さんかといいますと、金子原二郎先生の言葉を借りるまでもなく、やっぱり離島の漁師さんだろうというふうに思います。島を守るということは国土を守るということです。そこに住んでいただいているということだけで日本国、日本列島を守っているという、このことを更に大きく評価すべきだと思います。一番最たるのは国境離島と呼ばれるところだと思います。国境離島に住んでおられる方は、おおむね漁業等をなりわいにする方が多いわけであります。国土保全、国土管理、そういった意味合いからも国境離島を中心に離島の漁業振興は私は重要な政策だろうというふうに思います。 様々な政策を御用意をいただいておるというふうにも聞いておりますし、国土交通省にもいろんな政策があろうかというふうに思っておるところであります。流通対策やあるいはそれに対する補助を含めまして、国土交通省と連携をしながら、離島の漁業や離島の漁業者に対してしっかりと対策をしていただきたいということについて御答弁をお願いを申し上げたいと思います。
○副大臣(齋藤健君) 離島は、我が国の漁業にとりまして荒天時の避難地域となるなど、前進基地として大きな役割を果たされております。それだけではなくて、委員御指摘のように国境監視など様々な役割を果たしております。 ところが一方で、離島は、漁獲物の販売あるいは漁業資材の取得など、販売、生産面では不利な条件下に置かれておりますので、離島の基幹産業である漁業の振興は特に重要な課題であると考えております。このため、離島漁業再生支援交付金事業によりまして、離島の漁業集落を対象に各島の特性に応じまして、先ほど委員からもお話ありました種苗放流など漁場の生産力の向上に係る取組ですとか、漁獲物の鮮度保持等による高付加価値化など、漁業の再生に関する実践的な取組を支援をさせていただいているところでございます。 例えば、先生の御地元の北海道におきましては、利尻島でのウニ、アワビ等の種苗放流ですとか、あるいは天売島での海水冷却装置の導入など、本交付金が活用されているところでございます。 今後とも、委員御指摘のように、国交省を始め関係省庁と連携を組みながら離島漁業の振興に万全を期してまいりたいと思っております。
○小川勝也君 引き続き御努力よろしくお願いしたいと思います。 私たちの国は、先進国なんという言葉もありました。私はこの委員会でも、先進国の日本にあっても遅れている分野が多々ありましたということも指摘もさせていただきました。実は水産物の衛生管理、この分野も大変遅れが指摘されていた分野であります。 あるフランスの方が築地市場を見て、いわゆるお魚が地べたに置いてある、あるいは、築地市場ではないところではありますけれども、トロ箱に入っているお魚を関係者が足で移動させる、こういった現場を見てがっかりしたという話もあるわけであります。あるいは、設備の整っていない漁港などでは、漁船からいわゆる屋根の付いた施設までの間、炎天下、太陽にさらされる、あるいはカラスのふんにアクセスするような場所で魚介類が移動するということがあります。 これは全部一気に変えるということは不可能でありますし、数年前にその法律の改正にも私は出会うことができました。一歩一歩の順番にやっていかなきゃならないということだと思いますけれども、私は、やはり二〇二〇年オリンピック・パラリンピックで世界からいろんな方をお迎えをするわけでありますので、日本は、おいしくて、安心、安全で、なおかつ最も衛生的なんだというような国になってほしいというふうに思います。 まだまだ課題がたくさんあろうかと思いますけれども、まずは港からの荷揚げ、あるいは水産加工に分けて質問をさせていただきたいと思います。まず、荷揚げのコールドチェーンの取組について、そしてその後、先日も郡司委員からも質問がありました中小加工業者のHACCP、これの推進について、二つ併せて質問をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) まず、漁港での荷さばき所などの衛生管理対策でございますが、やはり先生御指摘のように、水産物の輸出の促進あるいは輸入水産物に対する国際競争力の強化を図るためには、水産物の生産・流通拠点となります漁港におきまして衛生管理対策を、これをしっかり進めていく必要があるというふうに考えておるところでございます。 〔委員長退席、理事山田修路君着席〕 このため、これらの漁港の衛生管理対策といたしまして、まず、雨が降り、あるいは鳥のふんからまず水産物を守る、岸壁に屋根を付けるといったようなことが大事かと思っております。また、清浄海水の取水あるいは導水施設、あるいは温度管理等が可能な密閉型の荷さばき所等の整備を行っているところでございまして、今後ともこれらの取組によりまして漁港の衛生管理対策を積極的に推進していきたいと、このように考えているところでございます。
○副大臣(齋藤健君) 水産加工業では中小企業が大変多いということでありますが、一方で、米国やEUなどは輸入の水産物についてもHACCPに基づく衛生管理を要求をしているということでありますので、我が国も、輸出に取り組む水産加工業者に対しまして、まずHACCP導入のための研修会の開催や現地指導、いわゆるソフトな事業です、それに加えまして、HACCP対応のための施設改修等の支援、ハード面での対応ですけれども、ソフト、ハードからきめ細かい対策を講じております。 また、水産物の輸出促進のためには水産加工施設のEU向けHACCPの認定の加速化、これ、ほかの国に比べて日本は先生おっしゃるように遅れていると思いますので、加速化を図っていく必要がございます。このため、平成二十六年十月からは、これまで厚生労働省での認定ということに限られておったわけですが、水産庁も認定業務ができるように開始をいたしまして、現在までに八件の認定を行ったところでありますが、まだまだ加速化をしていく必要を感じておりますので、しっかり取り組んでいきたいと思っております。
○小川勝也君 それと併せて、養殖漁業のいわゆる環境問題についてお伺いをしたいと思います。 これは、念のために申し上げますけれども、北海道の事案ではありませんけれども、いわゆる一定の生けすの中で魚を飼養するということで、魚の量が多く、あるいは餌を多投することによっていわゆる生産効率を上げようとする企業努力が当然認められるわけであります。そのことによって、いわゆる生けすの下の環境が悪化したり、そのことをベースにして魚が病気にならないように薬の使用が増えたり、あるいは魚が病気になったりという悪循環が起こってきているというふうに把握をしているわけであります。 これも様々な民間企業がやっていること、水産業の業者がやっていることでありますので、指導の仕方は大変難しいわけでありますけれども、やはり安心、安全の養殖魚が食卓に上らなければなりません。あるいは海の環境もしっかり保全をしていかなければなりません。 この養殖漁場における環境保全といわゆる魚の安全管理についてどのような方策を取っておられるのか、お尋ねをさせていただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 養殖漁場の環境改善を促進するために、持続的養殖生産確保という法律がございますが、この法律に基づきまして、漁協等が水質あるいは底質など養殖漁場の改善目標を立ててモニタリングを行うといった漁場改善計画を策定しているところでございます。 この計画の策定数でございますが、平成十五年は百六十二であったわけでございますが、平成二十七年には三百五十四ということで増加しておりまして、全養殖生産量に占めるこの計画策定漁場での生産量の割合も、六〇%だったものが九二%というふうに向上しているところでございます。これに伴いまして、環境を保全しつつ養殖生産を行うという意識が養殖漁業者にも浸透しまして、養殖密度を適正にするなどの取組が進んでいると、こんなふうに考えているところでございます。 また、養殖水産動物の治療に使用する抗生物質等の問題でございますが、この抗生物質等の水産医薬品につきましては、医薬品医療機器等法に基づきまして、用法用量あるいは休薬期間等の使用上の注意が定められておるわけでございますが、この遵守のために、養殖業者に対するパンフレットの配付、あるいは都道府県の担当者による巡回指導、講習会等の開催等を実施しているところでございまして、今後とも、この漁場環境保全施設、安全、安心な養殖魚の生産を進めるよう、しっかり指導してまいりたいと、このように考えているところでございます。
○小川勝也君 ここは質問通告をしているわけじゃありませんけれども、査察をしたり改善命令を出したりする権限はどこにあるんでしょうか。
○政府参考人(佐藤一雄君) 都道府県知事でございます。
○小川勝也君 都道府県と連携をして、食の安心、安全がより図られるように推進をいただければと思います。 数年前に、シラスウナギが不漁でウナギ屋さんが多数廃業が出るなど大変なニュースになりました。森山大臣の地元もウナギの生産で大変有名な地域であります。これ、ウナギを食べないとやはり元気が出ないということでいうと、昨今状況が少し改善をされたということで安心をしております。 ここ数年の出来事で、シラスウナギの不漁について学べたことがあるかないか、発表できるかどうか、そして現状、この資源についてどのように考えておられるのか、今後大丈夫なのかどうか、御答弁をいただければと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) まず、ウナギの状況でございますが、先生の方から今お話がありましたが、我が国でのシラスウナギの採捕量でございますが、これはかつて、一九六〇年代後半でございますが、百トンを超える水準であったわけでございますが、長期的に減少基調にございまして、近年では、二〇一〇年から二〇一三年度までの四年間続けて十トンを下回ると、このような状況になっているところでございまして、低迷しておると、こういう状況でございます。 長期的に採捕量が減少している原因でございますが、明確な因果関係はまだ分かっておりませんが、シラスウナギや親ウナギの過剰な漁獲、あるいは沿岸域や河川等の生育環境の悪化、あるいは気候変動等による海流の変化等が指摘されているところでございます。 二〇一四年、平成二十六年の漁期の採捕量でございますが、これは十七・四トン、二〇一五年、平成二十七年の漁期でございますが、これは十五・三トンということで、シラスウナギの採捕量は年ごとの海流の変化等により増減するものと考えておりまして、今言ったような数字をもってニホンウナギの資源が回復したとこれを判断すべきではなく、資源は依然として低水準にあると認識しているところでございまして、このために、水産研究センターでシラスウナギの増殖に向けた取組について今対応しておると、このような状況でございます。
○小川勝也君 その報道のときに組織的な密漁についても取り沙汰されておりました。これは正式に確認されたんでしょうか。
○政府参考人(佐藤一雄君) シラスウナギの採捕につきましては、都道府県知事による許可制となっておりまして、許可を得た者以外は採捕できない、こういう制度になっているわけでございますが、漁船や特別な漁具がなくてもいわゆる川の河口で誰でも採捕することができ、採捕が夜中に行われるというようなことから、実際には許可を有しない者による採捕があるというふうに聞いておりまして、こうしたものについては新聞報道等で何件か我々も承知しているところでございます。 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、昨年十月に都道府県に対しまして、都道府県の警察機関等の関係取締り機関と密接な連携を図り、取締りの徹底を期すよう要請しているところでございます。 〔理事山田修路君退席、委員長着席〕
○小川勝也君 引き続き、警察等と連携をして、密漁等が行われないように取締りをお願いをしたいというふうに思っています。 次に、東日本大震災から五年が経過をいたしました。福島第一原子力発電所の災害によりまして、水産業もたくさんの被害を受けております。また、現在も大変つらい思いをされておられる方がおられます。 放射能汚染が理由で漁や流通が禁止されている魚種についてどのように変化をしているのか、お伺いをさせていただきたいと思います。海水、それから川等の内水面、お伺いをさせていただきたいと思いますし、特に、郡司委員の地元であります霞ケ浦は豊穣の湖でありました。現在までのところどのようになっているのか、いわゆる海、川魚、そして霞ケ浦、三つに分けて御答弁をいただければと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) まず、海面でございますが、宮城県沖のクロダイ、そして福島県沖のクロダイとヒラメ等、福島県沖では二十八種が出荷制限の対象と相なっているところでございます。 また、内水面でございますが、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、千葉県及び群馬県の六県、九つの水系におきましてイワナなどの八種類が出荷制限の対象となっておりまして、そのうち福島県の新田川のヤマメにつきましては、出荷制限と併せまして摂取制限が指示されているといったような状況に相なっているところでございます。 また、霞ケ浦の漁獲の関係でございますが、霞ケ浦につきましては、震災前は約二千トンの漁獲高があったわけでございますが、震災後の二十三年には千八百七十トン、平成二十四年には六百五十トン、平成二十五年は九百四十トン、平成二十六年は八百六十トンにとどまっていると、このような状況になっているところでございます。
○小川勝也君 これは御答弁いただけないかもしれませんけれども、一部解除になる魚種があったり地域があったりするんですけれども、川魚がなかなか解除されないというのはどういうことなのかなというふうに思うわけです。様々な科学的な知見を私が有しているわけではありませんけれども、川から流れて海にどんどんどんどん行って、それなのにそのイワナが食べられない、あるいは出荷できないということで、どうしてなのかなというふうに思うわけであります。 長官も専門家ではありませんけれども、もし分かる範囲で御答弁いただければ、どういう困難な事情があるのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) 今先生の方から御指摘いただきましたように、海水の場合には、言い方が適当かどうか分かりませんが、非常に広い範囲でございますので、こういったセシウムが薄まるといったようなことが言えるんじゃないかと思いますが、内水面につきましてはなかなかそこまではいかないというような、そういったような事情があるというふうに聞いておるところでございます。
○小川勝也君 いずれにしても、定期的に調査をして数値を見て、数値がある一定程度に下がれば出荷制限が解除されたりということが行われているんだろうというふうに思いますけれども、これはいわゆる県をまたいで、あるいは流域をまたいで細やかに調査をされているということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(佐藤一雄君) 原子力災害対策本部が平成二十三年四月に策定しました「検査計画、出荷制限等の品目・区域の設定・解除の考え方」という方針に基づきまして、関係県で先生今御指摘ありましたモニタリングを実施しているわけでございますが、なかなかこの関係県のみでは分析する件数には限界がございますので、私ども水産庁では民間団体に委託しまして、関係県から送られてきました水産物の放射性物質検査、これを支援しているところでございます。 これまでのモニタリングでは、合計しまして、平成二十八年二月末現在でございますが、約八万七千検体の検査を行ったわけでございますが、検査の結果、平成二十七年四月以降、国の基準値百ベクレルでございますが、これを超えるものは海面では検出されておりません。また、内水面でも十四検体から検出されたということになっておりまして、水産物中の放射性物質濃度が低下しているというふうに考えているところでございますが、いずれにいたしましても、こうした情報を都道府県を始めとします関係機関と共有していきますとともに、早期の解除に向けて関係県と今後の調査の進め方についてまた調整して対応していきたいと、このように考えているところでございます。
○小川勝也君 お取組に感謝を申し上げます。 何でもいいから出荷しろというわけにはこれはまいりませんので、きちっと科学的に調査をしていただいて、基準を満たしたものから出荷解除をしていただく、この取組が重要なんだろうというふうに思っております。 今日は北海道にこだわって質問をさせていただいて本当に恐縮でございますけれども、北海道の水産物で重要なアイテムに昆布があります。これは、日本料理の源になる京都のお料理も北海道の昆布がなければ立ち行きません。沖縄でも、儀間先生を始めたくさんの方に昆布を消費をしていただいております。 そして、その昆布のうまみがいよいよ、まさに世界に飛び立とうとしています。アバンギャルドという言葉がいいかどうか分かりませんけれども、フランス料理の新しい旗手の方々は、今までの型にとらわれずにいろんなおいしいものをフランス料理に取り入れてくださっているというふうに伺っております。そんな中で、やはりうまみの代表は昆布のうまみ、これはまさに世界のキーワードになるんだというふうに思います。この昆布のうまみを北海道、日本からフランスや世界、これを発信するというのは、日本の国家戦略の一翼を大きく担っていいのではないかというふうに思っております。 私も料理をさせていただきますし、昆布も、利尻昆布、羅臼昆布など使い分けをさせていただいたりしております。まさに日本人に生まれてよかったというふうに思っているわけでありますけれども、このおいしさを世界の皆様にも分けてさしあげても一向に差し支えないと思っております。 昆布の世界戦略について農林水産省の御意見を伺いたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) まず、我が国の昆布の輸出の状況でございますが、平成二十七年でございますが、全世界に対しまして五百八十七トンほど輸出されておりまして、輸出額につきましては、二十七年でございますが、九億二千三百万程度と、このような状況になっているところでございます。主にこの輸出先といたしましては、台湾が七割強というような状況になっているところでございます。 それで、今先生のお話ございました昆布でございますが、やはりこの昆布のうまみというのは世界文化遺産に登録されました和食で非常に重要な位置付けを占めているというふうに考えておりまして、やはり海外にも訴求力を持ちまして我が国が世界に誇れるものと、こんなふうに考えているところでございます。先般開かれました二〇一五年のミラノ国際博覧会におきましても、日本食、食文化を紹介する日本館が設けられたわけでございますが、やはり、うまみを特徴とする日本の和食文化がこの博覧会におきまして世界中に情報を発信したんじゃないかというふうに考えているところでございます。 いずれにしましても、こうした日本の昆布の魅力につきまして様々な機会を捉えて海外への発信を図ることが重要と考えておりまして、今後ともこうした取組を通じまして昆布の輸出拡大につなげていきたいと、こんなふうに考えているところでございます。
○小川勝也君 今、日本の家庭でも、昆布をしいて、あるいはカツオを混ぜていわゆる一番だしを取るという、この手間暇掛ける御家庭は大分減っているんだというふうに思います。幸いにして今、顆粒の昆布だしというのは非常に優秀でございまして、これはおいしい。これは二〇二〇年、たくさんの方々が日本に来ていただいたときのお土産にも最適だと思いますので、いろいろ御検討をいただければというふうに思います。 最後の質問は、いわゆる後継者あるいは新しく漁業に参入する者の確保の問題について質問をさせていただきたいと思います。 大変な仕事ですので大変困難だというふうに思っています。そんな中で私は、数年前の予算委員会でも紹介をさせていただきましたけれども、大変ショッキングなせりふを紹介をさせていただきました。それは、先ほども質問をさせていただきました、日本とロシアとの間で漁業協約に基づいて日本の船が許可を得てロシアの海域で操業するという、そういう漁があります。そのときに、ロシアの当局の担当官が日本の船に乗り組んで、漁獲量がしっかり守られているかどうか監視する係の人たちが乗り組みます。その乗り組むロシアの担当官は、日本の船はぼろいから乗りたくない、これがロシアの担当官のせりふであります。先ほど来、こだわりますけれども、先進国だ、経済大国だというふうにもてはやされて育った私にとっては大変ショッキングなワードでありました。 そして、今、日本の漁船は大中小合わせて大分船齢が高年齢化しております。これはゆゆしき問題だろうというふうに思います。大変厳しい環境の中で洋上で操業するわけであります。漁によって様々でありますけれども、行ってすぐ帰ってくる漁もあれば、何日も帰ってこない漁もあります。特に何日も帰ってこれない漁において、どのような船で寝泊まりをし食事をするのかというのは非常に重要なことだと思います。 これは、今日は資料にして配ろうかと思いましたけれども、手持ちにしました。これが船の中のリラックスする場所でありますし、あるいはゲームやカラオケができる部屋を兼ね備えた北欧の船も出てきております。なかなか今漁船の政策は難しいところにいるのは私は承知をしていますけれども、適正な就業者を漁業分野に確保しないと、やはり水産王国日本の水産漁業の将来も確保できないわけであります。これは喫緊の課題として御認識をいただきたいと思います。日本の将来の漁業の担い手を確保するためには、きれいな船、豪華な船、格好いい船でやはり操業できるという環境を整備していくのが私は重要な一つの考え方だろうというふうに思います。 新規の漁業者を確保するということと、漁船をしっかり建造していける、それも北欧に負けないような立派な船を建造していくんだという意味で水産庁の心意気をお伺いをして、質問を終わらせていただきたいと思います。
○大臣政務官(佐藤英道君) 委員御指摘のとおり、我が国の漁船は高船齢化が進んでおります。乗組員の確保の観点からも、居住性に優れた漁船の建造を促進する必要があると認識をしております。 こうした中におきまして、漁業構造改革総合対策事業におきまして収益性の向上の実証への取組を支援しておりますけれども、この中で、船室の大型化やIT化等を通じて居住性も改善された高性能漁船の導入が図られているところであります。また、TPP対策として、平成二十七年度の補正予算におきまして、水産業の競争力強化緊急事業を措置し、改修した中古漁船又は新造漁船のリース方式による導入を支援することとしております。これによりまして、居住性の改善を図りつつ、漁船漁業の競争力強化を推進していきたいと思っております。 これらの事業の活用などにより、漁船の老朽化対策及び漁船の居住環境の改善を推進してまいりたいと思います。
○小川勝也君 今日はいろんな課題について幅広く質問をさせていただく機会に恵まれました。この分野は基本的に応援団です。一緒にやはり前進をさせていただきたいという分野ばかりでありますので、しっかり応援をさせていただきますので、しっかり取り組んでください。 ありがとうございました。
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。 本日は、水産問題等に関する調査ということでありますけれども、まず、ちょっとこの等という言葉に免じていただきまして、幾つか他の問題を取り扱わせていただいて、その後水産問題をお伺いしていきたいというふうに思っております。 前回の質問のときに大分やり残しまして、一つは、今日お伺いしたいのは、輸出の促進、それから日本の食文化、あるいはその日本食の魅力発信についてまずお伺いしていきたいというふうに思っております。 今日は、若林委員長の御地元の長野県のまず話題からちょっと触れていきたいんですけれども、委員長、質問できませんので代わりにお伺いしていきたいと思いますが、先日、長野県育成のリンゴ、シナノゴールドがイタリア北部の南チロル地方で大規模商業栽培するためのライセンス契約を結んだと、このようなことが報道で発表されました。 このシナノゴールドというリンゴは、酸味と甘み、これが大変バランスがいいということで、日本のみならず海外でも大変人気が高い品種でございまして、今回の契約というのは、この長野県とそれから現地の生産者団体、この間で今回結ばれたわけであります。二〇〇七年の十二月からこれはライセンス契約、最初のを結んで小規模に実験的にやってきたんだけれども、今回はいよいよ全欧州の中で商業栽培を本格的にやっていこうということで今回契約に至ったというふうにお伺いをしております。 今日これ質問に取り上げましたのは、単純に、このリンゴの例えば果実ですとか栽培を輸出するという、そこだけではなくて、実は取組というのは大変戦略的な取組でありまして、当然この現地の生産者団体からは許諾使用料を得るということが契約の根幹なんですけれども、あわせまして欧州に長野ブランドをしっかりと確立したいということをある意味組み合わせた、セットで今回契約の中に盛り込まれておりまして、例えばこの品種、シナノゴールドを紹介するウエブサイトですとかパンフレットには日本の長野県が育成したということを例えば明記する、そういった形でこの長野の名前とともに売り込もうという取組、大変意欲的な取組なんですね。 これ是非応援していただきたいんですけれども、一つ大きな課題がございます。それは何かというと、果樹については、苗木から海外に出してしまうと品種に関する知的財産権を守るのが極めて難しいという問題でございます。 もう委員の皆様はよくよく御存じだと思いますけれども、種子に関して言えば、種子の輸出ということであれば、長い時間を掛けて品種改良を行ったハイブリッドF1の種子、これ自体は二世代目以降有益な形質というものを維持できなくなりますので、たとえ農家が自家採種して、まいて使ったとしても基本的にはそのいい形質というのは使えないということになります。いわゆるメンデルの分離の法則が利いてくるわけですね。ところが、果樹の苗木に関しましては、これ接ぎ木ですとか挿し木ということを行うことによって、基本的には優れた形質を維持したまま再生産が行われてしまう、ある意味勝手に再生産される危険性が非常に高いということでございます。 こういう課題も含んでいるわけでありますけれども、果樹を含むこの日本の優良品種、これについて海外でどのようにして保護し、また活用していくのか、政府の御見解をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(櫻庭英悦君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、長野県は、長野県が育成した品種の欧州でのブランド普及や許諾料獲得のため、イタリアの生産者団体とシナノゴールドの大規模商業栽培のライセンス契約をこの三月二十四日に締結したという具合に伺っているところでございます。 今御指摘がありました植物新品種の知的財産権の保護につきましては、植物新品種の保護に関する国際条約、UPOV条約と呼んでおりますけれども、その中で、新しい品種を共通の原則に従って知的財産権として保護することによりまして優れた品種の開発、普及を促進することを、これを目的としておりまして、我が国の種苗法もこのUPOV条約にのっとっているところでございます。 今ありましたように、UPOV条約では、果樹等の永年作物につきましては、最初の販売から六年間過ぎますと、品種の登録要件の一つであります新規性要件を満たさないと定めておりまして、残念ながら若干時間がたってしまってこの品種登録はできないということになったところでございますが、このシナノゴールド、長野県が先方と協議を始めた時点で六年間が今申し上げたように経過していたため、欧州では品種登録ができませんでした。 しかしながら、今回、保護の方法として、長野県は、EU全域をカバーする商標権の取得によるブランド保護のほか、許諾契約に基づきまして許諾料や、日本へのシナノゴールドを輸出できない、つまり、収穫物輸出禁止ということを規定することによりまして知的財産権の保護と活用を図っていると聞いているところでございます。 今後のことでございますけれども、農林水産省といたしましては、海外で我が国の品種の無断増殖を防止するために、保護を図る必要がある国や地域で品種の育成者が品種登録を行うことが最も重要だと考えております。 このため、今般、日本の品種の海外での品種登録を促進するため、日本における品種登録の審査結果を海外の審査当局に無償で提供することによりまして、当該国で日本の審査結果を活用することで栽培試験とかそういうのが短縮できますので、審査期間が短縮され、知的財産の保護の早期化や審査料の低減による早期の海外展開が実現すること、これを期待しているところでございます。
○平木大作君 今御答弁いただきました。基本的には、御説明いただいたとおり、UPOV条約に基づいてまずはしっかりこの権利を守っていくということであったわけであります。 シナノゴールドに関しては、少し時間がたっていたからこの新規性の認定要件はちょっと満たすことができないということであったわけでありますけれども、ここは長野県が、うまく個々の契約の中でしっかりと知的財産権を守りつつ、さらに長野ブランドの振興にもつなげようという意欲的な取組をしていただいたわけであります。 これ是非とも、一つは今言った基本的なUPOV条約に基づいた取組、国として支援していただきたいんですけれども、これ六年というスパン、長いようで実は短いというか、品種改良していって、いいのがたまたまできた、国内でも大分売れた、だから、じゃ、そろそろ海外でも考えてみようかみたいな順番でやっていると基本的にはあっという間に過ぎてしまうものでありまして、ある意味作る段階から輸出戦略みたいなものまでしっかりと視野に入れてやっぱり取り組むようにこれを促していただくことがまずは大事だというように思っております。 そしてその上で、たとえ新規性の要件を満たしていなくても、今回の長野県の取組みたいに、個々の契約の中で、例えば、じゃ、どうプラスに転じていくのか、こういうやり方もいろいろあるわけでありまして、是非ともこの辺、各県任せあるいは各地域任せではなくて、国として是非支援していただきたいと思うんです。 そして、これに関連してなんですけれども、調べてみますと、知的財産権、これを戦略的に活用した農林水産物に関する特許料収入というのが二〇一三年で百五十九億円ということでございました。これ、まだまだ伸び代のある数字なんだろうなというふうに思っているわけですが、昨年、農林水産省は知的財産戦略二〇二〇というのを策定されまして公表したわけであります。この中には、例えば知的財産戦略というと、地理的表示の活用ですとかあるいは海外市場における模倣品対策とか、こういったものいろいろあるんですけれども、その中に今取り上げました種苗産業の競争力強化ということも記載がしているわけであります。 そこで、お伺いしたいんですけれども、この知的財産戦略二〇二〇、この中で、このそもそも意義、具体的な取組をちょっとお伺いしたい。大きな戦略でありますので、今お伺いした特に種苗産業の競争力強化というところに沿って、もし具体的な例ですとか取組ありましたら御紹介を併せていただきたいと思います。
○政府参考人(櫻庭英悦君) お答え申し上げます。 今御指摘がありましたように、知財戦略二〇二〇には八つの柱がございまして、その一つが種苗産業の競争力強化でございます。例えば、これに基づきまして、ASEANプラス日中韓によりまして、東アジア植物品種保護フォーラムを通じました植物品種保護制度の整備拡充や育成者権侵害対策の強化に取り組んでいるところでございます。さらに、今般のTPP協定によりましてUPOV条約の締結義務が規定されたことを踏まえまして、本フォーラムの活動においては、各国における品種保護制度の整備状況や権利侵害等に関する実態調査、法整備支援等を加速していく予定でございます。 また、我が国の種苗産業は高い技術力を有しておりまして、様々な主体が優良品種を供給しております。この中で、農林水産省では種苗の輸出促進を図るため、海外から求められている様々な種子の病害検査がございまして、それに対応できるシステム構築を図り、輸出環境の整備を中心に取り組んでいるところでございます。 今後とも、グローバル化の進展を踏まえまして、我が国種苗産業の国際競争力を図るため、育成者権の活用や海外展開の促進等に係る種苗産業の底上げ策を検討してまいりたいと思っているところでございます。
○平木大作君 今具体的にいろいろ御紹介をいただきました。 例えば、東アジア植物品種保護フォーラム、こういうしっかりと知的財産権を守るためのルール作り、ここをしっかりと日本が東アジアの地域において主導していくというお話ですとか、あるいは産業自体のそもそもの底上げをしっかり取り組んでいくんだというお話もありました。また、品種保護Gメンのような、いわゆるDNA検査みたいなものをしっかり使いながら水際で止めるようなこともやって、実際に効果が上がっているというふうなお話もお伺いした次第であります。 私、今日あえて申し上げたいんですけれども、この知財、本気で守ろうとしたら、やっぱりこれは国としても大分力を入れていただかなければいけないんだろうな、少なくとも、一つは水際で止めるということだけでなくて、海外での活動みたいなものもしっかり取り組んでいただきたいというふうに思っております。 例えば、先ほどの果樹ですね。本当にこれ勝手に再生産されないのかみたいなことを考えたときに、やっぱり心配、幾ら契約で縛っていても大丈夫かなという心配点、懸念点というのが残るわけであります。 この辺で、じゃ、グローバルプレーヤーってどういうことをしているのかなということを自分なりにちょっと調べてみたんですけれども、この種苗業界において大きな存在感を持っているのがモンサントでありまして、このモンサント、何やっているかというと、種子ですから基本的には権利守りやすいんですけれども、その中においても、例えば実際にコピー種子、勝手に契約を超えてこのモンサントが最初に出した種を再生産しているような業者を見付けた場合、農家を見付けた場合には、これはまず調査員を雇って、そういうことをしている人がいないかというのを世界中で活動させていまして、もし見付けたときには使用をやめさせる。いわゆるこれモンサントポリスと言われているらしいんですけれども、こういうことを実際に一企業でやっている。 巨大資本だからできるところがあるわけでありますけれども、国としても、そういう意味でいくと、ちゃんとこういう契約が守られているかどうかということを海外においても実地調査みたいなことをある意味支援していかないと、なかなか権利保護できないんじゃないかなというふうに思っておるわけであります。 ついでに、おまけになるんですけれども、このモンサント、創業家、モンサント家が創業一家らしいんですけれども、家紋にラテン語の格言が刻まれているようでありまして、何て書いてあるかというと、イン・ベッロ・クィエスと。意味としては、闘争を経て静寂を得るということらしいんですけれども、要するに、徹底的に競争して勝ったら最後は自分たちが安定した市場を得るというふうに解釈できなくもないというか、大変きな臭い形の格言も持っている、そういったプレーヤーが実は世界中でばっこしているという状況なわけであります。 この種苗業界における激しい競争、モンサントだけではなくて、例えばデュポンですとか様々大手のグローバルなプレーヤーがいます。その中において、日本にも規模はそこまで大きくなくても本当にきらりと光る技術を持ったところというのはたくさんあるわけでありまして、こういったところをしっかり支援していただけたらというふうに思っております。 また、大手の中でもう一点だけ付け加えさせていただきますと、最近はスイスのシンジェンタですね。ここは今年の二月に実際に、中国の中国化工集団ですか、これが四百三十億ドルで買収というニュースが飛び込んでまいりました。これ、承認されるかどうかということ自体がまだ分からないみたいでありますけれども、五兆円の規模ですね、四百三十億ドルというと。 大変な今国際的な競争が繰り広げられているわけでありまして、政府として、この激化した競争の中で戦略面での後押し、しっかりやっていただきたいというふうに思っております。 もう一問続けさせていただきたいと思うんですが、こちらは今度はちょっと話題を変えまして、現在、海外の日本料理店ですとかあるいはすし店で働く日本食料理人の知識あるいは調理技能、こういったものがちゃんと一定のレベルに達しているかどうかということを認定する制度を今政府の方で検討されているというふうにお伺いをいたしました。これについて、実はかつて同様の制度が検討されたということも併せてお伺いしまして、そのときにはどうも、これは日本政府による自由な競争の阻害、すしポリスだと。何か今日、私の質問の中にはポリスばかり出てくるんですけれども、このすしポリスだという批判があって断念したということも同時にお伺いしました。 そういったところで、今回、今検討している制度のそもそもの狙い、それから普及、定着に向けて具体的にどのような取組をされるのか、これについてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(櫻庭英悦君) お答え申し上げます。 十年ほど前、政府がやるということで、すしポリスと言われましたけれども、私、そのときの担当課長でございましてしっかり覚えておりますので、そうならないような仕組みを今回検討しているところでございます。 まず、日本食というのは生ものの取扱いが多い料理であるということ、したがいまして、食品の衛生管理や調理方法に関する知識がないと、これは非常に重大な事故を起こす可能性があるという具合に認識しております。また、今御指摘のとおり、日本食レストランって海外で急増しておるところでございまして、このような知識や技能を習得していない料理人が実際調理をしている例も見受けられているというところでございます。 このような観点から、日本料理に関して適切な知識、技能を有する海外の日本食料理人を育成し、海外において日本食、食文化と日本産食材の魅力を適切かつ効果的に発信する必要があると考えておりまして、このため、海外の外国人日本食料理人の日本料理に関する知識及び調理技能が一定のレベルに達した者を民間団体等が自主的に認定できるような仕組みを導入することとしております。平成二十八年度からでございますが、この仕組みの運営が開始されるよう、現在ガイドラインの策定を進めているところでございます。 今後、官民が連携して周知や掘り起こしを進めることでこの効果的な普及、定着を図り、日本食、日本食文化のブランド力の強化につなげてまいりたいと、かように考えている次第でございます。
○平木大作君 私もこの委員会の中で度々、海外の日本食レストランが、大分ある意味基本の部分がなっていないようなおかしな日本食レストランがあるんじゃないかということを指摘して取り上げさせていただいていたわけでありますけれども、それにひとつ日本発でしっかりと、日本のある意味調理法ですとか今御紹介いただいた衛生管理の在り方ですとか食文化、こういったものも含めて、これは大きな意味で輸出につながるものでありまして、是非力を入れて取り組んでいただきたいんですけれども。 一つだけ、まず、懸念点というか、お願いをしておきたいんですけれども、今回の制度、これ今民間団体がつくっていくということを御紹介いただいたんですが、今私が伝え聞くところによりますと、基本は外国人の日本食料理人に対する制度だというふうに認識をしております。是非、海外で活躍している日本人の、日本食料理人の差別、いわゆる逆差別ですね、みたいなものにつながらないように、これだけはしっかりと念頭に置いていただきたいなというふうに思います。 私も海外に住んでいたときに、日本食の若手の料理人さんで現地で頑張っている方、大分お会いしまして、結構いらっしゃるんですね。やっぱりこれは、日本人から見れば日本人とすぐ分かるんですけれども、そうじゃない地域の皆さんから見ると、彼は日本人だからきっと基礎できているんだろうみたいなことって、なかなか自明のことではありませんで、しっかりとこういった方たちの腕前みたいなものも見ていただきたいなと。どうもゴールドとかシルバーとかいろんな認定の在り方を今検討されているようでありますけれども、その上にマイスターみたいな、是非、一流の腕を持っているということ、日本人も逆差別にならないような形の制度、ガイドラインを作っていただきたいなというふうにお願いしたいと思います。 こういったものというのは、実際に現地、それぞれの地域の中である程度認識されて定着しないとそもそも意味がないわけであります。そういう意味では、地道にちょっと時間を掛けて取り組んでいただくことだと思っていまして、私、こういう認定制度、大いに結構だと思うんですけれども、同時にいろんなものを走らせていただきたいと思います。 今日はちょっと時間の関係でもう質問はしませんけれども、その意味で、この競技会、コンペティションをうまく活用するというのは大変有意義だというふうに思っております。いわゆる競技規則ですね、ルールの部分にしっかりと先ほどの衛生管理ですとかそういったことを盛り込んで、そのルールにしっかりのっとった形でそれぞれの料理人が腕を磨いて競い合うという、こういう場を是非、情報発信ですとか文化の普及といったところでも活用しない手はないんじゃないかなというふうに思っております。 これ最近報道で出たんですけれども、昨年の十一月に開催をされました初のすし職人の世界大会、グローバル寿司チャレンジというのがありました。これ、世界十四か国・地域から総勢百八十六人が参加したというふうにありまして、記事では、頂点に立ったのは日本人だったと。うれしい話だなと思うんですけれども、その後を見てちょっとあっと思ったんですけれども、主催は国内の民間団体とノルウェー政府であります。ノルウェー政府は別に決して間違ったすしの文化を広めようとしているということではなくて、本当に極めて戦略的なやり方でありまして、結局は自国産のサーモンの輸出につなげたいということまで視野に入れた形での競技会の主催になるんだというふうに思っております。 その意味で、こういうところを是非日本政府もいろんな場面活用していただいて、必ずしもこれ予算をたくさん積めばいいということではなくて、まさに知恵で勝負できるところだと思っておりますので、是非積極的にお取り組みいただきたいとお願いをしたいと思います。 残りの時間で水産政策についてお伺いをしていきたいというふうに思います。 世界中の水産消費量、大変増加している中において懸念の声もたくさんあるわけでありまして、乱獲ですとか資源の枯渇、あるいは環境破壊、こういったことが指摘されているわけでありまして、こういう中において水産日本の復活に取り組むわけでありますから、これはやはり持続可能な水産資源の利用ということが一つ大きなテーマになるわけであります。 当然、周辺水域における水産資源の適切な管理ですとか利用、これ取り組むのは当然のことなんですけれども、同時にやはり、これは今大変存在感が増しております養殖業、これについても持続的な発展を促す、そういったいわゆる政策をしていくことが大事であるというふうに思っております。 養殖は今実は大変進歩が著しい分野でどうもあるようでありまして、早く育って、しかも病気にもなりにくい、こういう魚種の育種競争というのが大変活発化しているようであります。 我が国の養殖でいきますと、例えばブリですとかマダイ、クロマグロ、こういったところが有名なわけですけれども、海外、先ほどもちょっと触れましたけれども、例えばノルウェーですと、サーモンについて育種競争、大変厳しいものがありまして、今や天然のサーモンの倍の速度で育つ、そういった魚種も実際に開発をされているようであります。 そうすると、これ、同じ期間育成したとして、いわゆる生産量として倍確保できるということですね。かつ病気に強い品種を作っているということは、倍作って、さらに歩留りを高くしているということでありまして、これもうほとんど工業製品のような競争が実際に行われているわけであります。 こういう中において、日本におきましても、水産総合研究センター、ここの増養殖研究所などが育種戦略に基づいて取り組んでいるんですけれども、実際海外に比べるとちょっと遅れているんじゃないかという懸念の声もお伺いしました。 そこで、質問に移らせていただきますが、日本の養殖業が置かれている競争環境についてどのような見通しを持っておられるのか、また、政府として育種も含めてどのような支援に取り組んでいかれるのか、政府のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 平木委員にお答えをいたします。 我が国の魚類の養殖業は、配合飼料の価格の上昇等によりまして経営が大きく圧迫されている状況にあると認識をしております。このため、成長性や耐病性に優れた増肉係数の低い品種の作出が我が国養殖業の競争力強化にとっても重要な課題ではないかというふうに考えております。 これまで農林水産省及び水産総合研究センター等において、ブリ、ヒラメ、トラフグ等を対象として優良な形質を持つ品種の作出に係る研究開発を進めてきたところであります。具体的には、平成二十五年七月に、ブリの体表に付着する寄生虫、ハダムシから身を守る遺伝子の存在を初めて証明する等の成果を得ております。現在、こうしたブリの遺伝情報を活用して病虫害に強いブリを育種する技術開発を行っているところであります。 さらに、TPP対策として平成二十七年度補正予算に盛り込まれました革新的技術開発・緊急展開事業において、ブリなど輸出の拡大や高い競争力が期待をされる養殖魚種を対象として、成長性や耐病性、また増肉係数の低い優れた形質を持つ品種の作出を進めていくこととしております。 農林水産省としては、今後も養殖水産物の育種に係る研究開発を積極的に推進をさせていただきまして、我が国養殖業の競争力の強化につなげていきたいと考えております。
○平木大作君 是非お願いしたいと思います。 朝日新聞の二月十四日付けでも紹介されていたんですが、先ほどの増養殖研究所の方が、実際に、日本の研究センターにおいては、大体、例えばブリの育種をするときに数千匹単位でやっているということでありますけれども、中国に行って見てみたら、コイの品種改良に数万匹単位と、ちょっとオーダーが違う単位でやっていたというものを見て大分危機感を覚えたというコメントも出されておりました。 そういった意味で、本当に政府としてこの育種、しっかりとまずは御支援いただきたいということをお願いしたいと思います。 そして、増養殖ということに関して言えば、やはり先ほど申し上げたように、世界的に規模と投資のどうしても競争になっている面が否めないわけでありまして、こういう中において養殖業を営まれる皆さんの中にも、やっぱりこれ、法人化を進めて効率化をもっともっと経営の中に取り込んでいかなきゃいけないという御指摘ですとか、あるいは生産規模拡大、新規参入、こういったものも国としてある程度促していく必要があると考えるんですが、この点についてお考えをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) 平木先生の御質問にお答えします。 まず、我が国の養殖業の中で、近年、経営体数や生産量が増大しておりますクロマグロの養殖でございますが、この場合につきますと、大型の生けすを多数使用することなどから法人の参入というものが進んでおりまして、クロマグロの養殖、全部で九十五経営体ございますが、その七割の六十五経営体が会社経営ということになっております。 また、魚類養殖のうち生産量が最も多いブリ養殖でございますが、これにつきましては、六百三十二の経営体がございますが、そのうちの四割の二百六十五の経営体が会社経営と、こういうふうに相なっておりまして、大手水産会社の系列会社の参入によりまして大規模な養殖が進められているといったような例もあるところでございます。 全体的なことを申し上げますと、二〇一三年の漁業センサスによりますれば、魚類養殖全体の中に占める会社経営体の割合は三五%ということで五百五十六というふうになっておるところでございます。 私どもといたしましては、御指摘のように、養殖業の活性化を図っていくために、会社経営体におきましても、漁業共済の仕組みを活用した経営安定対策、あるいはいわゆる漁業収入安定対策、積立ぷらす、こういったもの、あるいは養殖用配合飼料の価格高騰に対するコスト対策、漁業経営セーフティーネット構築事業、あるいは新たな養殖施設の取得等に活用できる長期低利の漁業近代化資金等、こういったものを措置するといったようなことで養殖業の支援施策を展開しているところでございます。
○平木大作君 最後の質問に移りたいんですけれども、この養殖に関しても、例えば自然環境ですとか資源保護、こういったものに配慮して作られたものを積極的に使っていこうじゃないかという流れが少しずつ国内でも広がっているようであります。 例えば、経営するレストランには、ちゃんと環境に配慮した作り方をしているかどうか、第三者の認証を取ったところから仕入れるように切り替えていこうという流れですとか、あるいは大手スーパーでも、天然資源を傷めないように卵から人工で育成した完全養殖のものは、これ環境に優しいものですからといって、普通のものよりも一割、二割ぐらい高い値段で売っている、でも売行きは上々というような声も一部聞こえてきております。 海外では、ASC、水産養殖管理協議会ですとか、こういった認証機関が大分認知をされてきているようなんですけれども、この点、資源保護認証への対応、政府としてどのように取り組まれるか、最後にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) 今先生から御指摘ございましたASC、水産養殖管理協議会というところが、平成二十二年、二〇一〇年にオランダで設立されまして、同協議会のホームページによりますれば、現在、全世界で二百三十の養殖場でASCの認証が取得されております。我が国で取得したものは一例という状況になっているところでございます。 我が国におきましても、養殖水産物のエコラベル認証制度としてAEL、これエルと呼んでおりまして、アクアカルチャーエコラベルというふうに呼んでおりますが、これが平成二十六年、二〇一四年に日本食育者協会により設立されておりまして、この認証を受けている養殖場というのは今のところ二つにとどまっているところでございます。 我々といたしましても、この水産エコラベルの認証につきまして、やはり持続可能な養殖生産の確保に資するものでございますので、私どもといたしましても、関心を持って今後の普及あるいは定着等の動向について十分情報収集していきたいと、このように考えているところでございます。
○平木大作君 ありがとうございました。 今御紹介いただいたように、このASCについてもまだ国内では一件だけということで、始まったばかりなわけであります。こういった国際認証というと、いつもグローバルスタンダードができ上がっていて、それにどう対応するのかという話が多いわけですけれども、事この分野に関してはまだ始まったばかりであります。是非、日本がこういった認証の制度、ルール作りの部分でリードできるようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(若林健太君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、長谷川岳君が委員を辞任され、その補欠として渡邉美樹君が選任されました。 ─────────────
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 ちょっと時間切れでやり残しているのもありまして、そこから幾つかやっていきたいと思います。 まず、豪雪被害についてお聞きします。 本年一月に、関東一円で大雪によって農業用ビニールハウスが倒壊する被害が発生しました。ある農家の方は、朝七時に見回りをしたときにハウスはちゃんと建っていたが、その後行くと潰れていたというふうに言っています。一月十七日夕方から降り出した雪が十八日の朝方にはみぞれや雨に変わって、雨で雪の重みが増したために倒壊したと思われるわけです。二〇一四年の大雪で再建したばかりのハウスが再び崩壊したところもあります。ここ近年の異常気象で、豪雪被害だけではなくて、竜巻でビニールハウスが倒壊するという被害も発生しています。 二〇一四年の豪雪の被害に際しては、農林水産省としてハウス費用の五割、県と市町村で四割、つまり九割この助成を行ったこともあり、農家からは、直後はどうしていいかもう途方に暮れていたと、しかしながら農業を続けていこうと意欲が持てたということで歓迎する声が出ました。 今回、被災農業者向け経営体育成支援事業、これが発動されておりません。後継者のいない農家は再建する気持ちになれないという声も出されています。なぜこれ発動しないのでしょうか。
○政府参考人(奥原正明君) 災害対策の関係でございます。 今御指摘ございました被災農業者向け経営体育成支援事業でございますけれども、この事業は、過去に例のないような気象災害が発生した場合に発動する、こういった事業になっております。 御指摘ございましたように、二年前、平成二十六年二月の大雪の際には、通常降雪量の少ない地域を中心にいたしまして、地域の基幹産業であります農業が壊滅的な被害を受けたということに鑑みまして、産地の営農再開、それから食料の安定供給に万全を期すという観点で特例的な措置を講じたところでございます。その際、この大雪被害を踏まえまして、災害対策の基本であります園芸施設共済、これにつきまして拡充を図っております。具体的には平成二十七年二月に、耐用年数の見直しですとか、それから補償価額の引上げ、こういった補償内容の拡充を行いまして、被災した施設の再建に万全を期すことにしたところでございます。 一方で、今回の大雪による農業ハウスの被害は、全国で被害額が三十二億円というデータになっております。二年前のときは被害額が全国で千二百二十四億円でございました。こういった被害の状況、共済の拡充ですとかこれまでの災害における対応状況、こういったことを勘案いたしまして、今回につきましては本事業を発動する条件はないという判断をしたところでございます。
○紙智子君 園芸施設共済をやったという話があるんですけれども、共済を拡充したからこの被災農業者向けの経営体育成事業は使わなくていいんだというふうに聞こえるんですけれども、気象条件ですけれども、経営体育成支援事業実施要綱で、今局長も紹介されていますけれども、こういうふうに定めているわけです。被災農業者向け経営体育成支援事業は、過去に例のないような甚大な気象災害等により、担い手の農業経営の安定化に支障を来す事態が発生しており、特に緊急に対応する必要があると経営局長が認める場合というふうになっているわけですよね。 そこでなんですけれども、過去に例のないような甚大な気象災害等というのは一体何か、この定義について説明をいただきたいということ、それからまた、担い手の農業経営の安定化に支障を来す事態というのはどういう意味なんでしょうか。
○政府参考人(奥原正明君) この被災農業者向け経営体育成支援事業、これの基準でございますけれども、今御指摘ございましたように、過去に例のないような気象災害が発生をすると、それによりまして国として特に緊急に対応する必要があるような場合、これに限って発動するということになっているわけでございます。 この発動に当たっての基準となる被害額ですとかあるいは定義等、これは具体的に決めているわけではございませんけれども、これまでの災害におきましては、台風等により農地あるいは農業施設等に甚大な被害が生じて、激甚災害に指定されるというケースがございます。この激甚災害に指定をされて、かつ農業用のハウス等の被害額が相当な規模になるといった場合に一つ発動しておりますし、大雪の場合には農地ですとか農業施設等の被害が基本的には余りございませんので、激甚災害という指定には基本的になりませんけれども、大雪につきましても、農業用のハウス等の被害額が相当程度に達した場合、この場合にこの事業を発動してきたところでございます。 こういった意味で、個々の災害ごとの被害の状況等を勘案して判断すると、こういうことにしているわけでございます。
○紙智子君 今のお話でも、特に定義はないという話で、いろいろ判断しているということなんだけど、甚大な気象災害を判断するのは結局のところ経営局長なんですね。 発動基準が実態に合っていない、あるいはハードルが高いという受け止めがあるわけです。実際に受けた被害は二年前とも余り変わらないと、受けた被害者は変わらないわけですよ。前回被害に遭って、また造り直して、さあ頑張ろうと思ったやさきにまた被害を受けるということですから、ダメージは個々、受けた被害者から見ると変わらないわけですよね。それで、やっぱり農業に対しての農林水産省の、そういう意味では、何をもって判断して支援しなきゃいけないかという判断、農水省の姿勢が問われる問題だというふうに思うんですね。 そこで、大臣、これ局長の判断でというふうになるんだけれども、局長に任せておいていいんでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 局長を信頼しておりますから、任せていいのかと言われれば、任せていいと思っております。 ただ、先生がおっしゃいますように、大きな、たしか平成二十六年の大雪のときには全国で千二百億円を超えるぐらいの被害額だったと思います。今回はそれに比べると非常に少額ではありますが、今委員がおっしゃいますとおり、農家にしてみると、全体の金額が多かろうが少なかろうがは余り関係がなくて、農家としてどういう被害を受けたかというところが非常に大事なことだなというふうに思っております。 今回の被害に際しましては、まず、共済の支払をスピーディーにやろうということで、損害評価が完了したものから順次共済金の支払に努めているところでございます。また、融資の問題につきましても、政策金融公庫の長期低利の融資による支援をさせていただくべく対応しております。 また、今回の被害を契機として、収益力強化に取り組む産地に対しましては、産地パワーアップ事業により、パイプハウスの導入に必要な資材に要する経費を支援をするということが可能でございますので、そういう対応もさせていただきたいというふうに思っております。 こうした対応を通じまして、被災産地における速やかな営農再開を図ってまいりたいと考えております。
○紙智子君 近年、異常気象が言われて、大雪だけじゃなくて、竜巻の被害なんかも局地的にそれこそ出ている、発生しているわけです。それで、激甚災害でも局地激甚というのもあります。 前回の被害で農林水産省がつくったいい制度があるわけですよね。それで、発動条件で被災者を縛るということではなくて、やっぱり被害の実態に合わせて、せっかくつくっている制度があるわけですから柔軟に活用するようにすべきじゃないのかなというふうに思うんですけれども、もう一回、大臣、いかがでしょう。
○政府参考人(奥原正明君) 災害対策につきましては、それぞれの災害ごとにやはり被害の対応等もいろいろ異なってまいりますので、その災害の特性を踏まえまして適切な対策を講じてまいりたいと考えております。
○紙智子君 やっぱり今ある制度を被災者に合わせて柔軟に発動すべきだということを再度求めておきたいというふうに思います。 それで、今のままでいきますと、やっぱりもう二重に被害を受けている方もいらっしゃるわけで、産地の縮小も懸念されるわけです、もう続けられないと。地域農業を支える農家が再建できるように、地方自治体あるいはJAなんかもそういう意味では何とかしなきゃいけないということで支援も始めているわけですよね。 産地パワーアップという話も先ほどされたんですけれども、これTPP対策の目玉ですよね、言ってみれば。そうすると、TPP対策が自然災害対策と一緒なのかなと、一緒でいいのかなというのもあるわけで、やっぱりそういう意味では、今ある制度を柔軟に活用して産地の縮小を防いで、地域の農業を支えるということを強く要求しておきたいというふうに思います。 それから次に、TPP協定による農林水産物への影響試算と食料自給率についてお聞きをいたします。 農水省の試算の結果なんですけれども、関税削減等の影響で価格低下による生産額の減少が生じる、国内対策により国内生産量は維持される、食料自給率もカロリーベースで三九%、生産額ベースで六四%が維持されるとしております。国内生産量が維持されるということですから、これ国産が輸入に置き換わることはないけれども、安い輸入価格に引きずられて価格は下がるんだというふうに言うわけですよね。 国産と置き換わらないから輸入量は増えないということなんでしょうか。
○政府参考人(佐藤速水君) お答え申し上げます。 今回の農林水産省の試算におきましては、交渉で獲得した措置とともに、体質強化対策、経営安定対策などの国内対策によりまして、先生御指摘のとおり、国内生産量が維持されると見込んでおります。 一方で、内閣官房が行いました今回の経済効果分析におきましては、農林水産省の試算で得られました国内生産の変化率、すなわち国内生産量が維持されるとの結果を外生投入をいたしまして、経済全体の内外の需要増加ですとか貿易変動も含めて推計をしたというふうに承知をしております。 このGTAPモデルの中におきまして、実質GDPの増加等によりまして需要拡大から輸出入の増加もあり得ますけれども、そのことは農林水産物の国内生産量が維持されるという前提に影響を与えるものではないというふうに承知をいたしております。具体的に申し上げますと、国内生産量が維持される中にあっても、GTAPモデルにおきましては、品目によってはTPPによりまして実質GDPが増加することで需要が拡大し、輸入が増加することはあり得るというふうに考えてございます。
○紙智子君 輸入量は増えないんですか。
○政府参考人(佐藤速水君) 今回のGTAPモデルにおける経済効果分析におきましては、農林水産省で分析をいたしました、国内生産量は変わらないと、こういう分析結果をこのGTAPモデルの方に外生投入をいたしました。 それで、内閣官房の方でこのGTAPモデルを回して計算をした結果でございますけれども、そのモデルの中で、実質GDPが増加いたしまして需要拡大がいたします。そうしますと、輸出入の増加もあり得るということではございますが、今回のGTAPモデルでは個別の産業ごとに輸出入がどうなるかというような分析はいたしておりませんので、輸出が増加するかしないかはこのGTAPモデル上からは今回は分からないということでございます。
○紙智子君 分からないというふうにおっしゃるわけですよ。もう聞いていても全然分からないですよ。だって、言う人自身が分からないと言うわけだから。 それで、輸入量は増えないなんというのは本当おかしい話で、大体、オーストラリアにしてもニュージーランドにしてもアメリカにしても、日本に輸入を増やせるから、輸出いっぱい出せるから、だからTPPに合意したんだと思いますよ。実際に報道でも、アメリカの畜産業者は今回のTPPで日本に輸出を増やせるといって歓迎しているわけです。 そこでなんですけれども、過去に締結したEPAにおいて、関税削減、関税割当て設定を行った品目の輸入金額や輸入量がどうなっているかということなんですが、日本が過去に締結したEPA、十四ありますよね。例えば、二〇〇八年に発効しているEPAは日本とインドネシア、ASEANなど四つあるんですけれども、輸入額で見ると、発効前は、二〇〇七年は一兆八千八百八十七億円だと、二〇一四年には二兆二千三百五十七億円ということで、三千四百七十億円増えているわけですね。十四のEPA全体で見ても全て輸入額が増えていると。 国別で言いますと、メキシコですけれども、輸入額は五百六十七億円だったところから一千四十四億円に増えています。関税割当てとなっている牛肉で見ると、牛肉の輸入量は、EPA発効前は、二〇〇四年のゼロだったのが、二〇一五年には一万二千トンに増えていますし、豚肉は、二〇〇四年、三万二千七百トンだったのが、二〇一五年には六万九千六百トンに増えていると。 業者や事業者から見ると、牛肉や豚肉を輸入するときに、一ドル九十円とか百円とか前提にして経営戦略や営業の戦略を立てると思うんですね、業者は。関税割当て数量だとかその枠内の税率を見ながら調達する国を選ぶんだと思うんですよ。どこが自分にとってもうけになるかということで国を選ぶと思うんですね。 過去のEPAを見ると、市場取引の結果、輸入額、輸入量は増える傾向にあるんじゃないですか。
○政府参考人(大澤誠君) 事実関係につきまして、まず御説明させていただきます。 過去のEPA、先生のおっしゃるとおり十四ございますけれども、それぞれにつきまして我々もいろいろと調査をいたしておりますけれども、特に、まず輸入額につきましては為替の影響というのが非常に大きくございます。為替も、二〇一五年ベースでいきますと、日銀の資料によりますと百二十一円ということでございますけれども、例えば二〇〇九年では九三円、二〇一〇年では八十七円七十七銭、二〇一一年には七十九円と、二〇一二年も八十円を切っているということでございますので、この影響というのをまず見なければいけないというふうに思っております。 それから、基礎的な農産物につきましては特にそうですけれども、二〇〇八年に非常に食料価格の高騰というのがございました。それから一旦落ち着きは見せておりますけれども、基本的に二〇〇〇年代の前半に比べますと、押しなべて基礎的な食料品の国際価格は上がっているという状況でございます。ですので、同じ量を買っても、それは金額ベースでいきますと高く付いてしまうということも考慮しなければいけないというふうに考えてございます。 我々もいろいろ、どう評価するかというのは難しいんですが、輸入額につきましては、まず十四のEPAにつきまして、直近五年間、二〇一〇年と二〇一四年を比べて、それぞれの国のシェアが増えたか減ったかというのを調べてみました。増えた国が七か国・地域、それから減った国も七か国・地域ということでございまして、増えたところだけを見ればそれはやっぱり増えたんじゃないかというような考えもあろうかと思いますけれども、同時に、同じ数の国だけその国のシェアが減っているということで、いろいろな状況が関係しているのではないかというふうに考えております。 それからあと、輸入量につきましても、これも国によりいろいろでございまして、先生の御指摘のとおり、増えている国もございますけれども、例えば豚肉についていいますと、これまでメキシコ、チリ、ペルー、豪州との間で一定の関税割当てを設定してございますけれども、メキシコからは増えておりますが、チリ、豪州は、同じ仕組みを取っているにもかかわらず、輸入量は締結以降減少しております。それから、ペルーのように動物検疫の問題がありまして関税設定をしても変わらないという国もあります。 そういうような問題も関係するのではないかというふうに思っておりまして、我々といたしましては、輸入量、輸入額共に、景気の動向、為替の変動、毎年の生産状況などいろいろな要因で変更するということで、一律に判断することはできないのではないかというふうに考えているところでございます。
○紙智子君 何回聞いても、EPAによってどういうふうに日本が影響を受けているのかなという、聞いても全然分からないわけですよね。やっぱり一般論的にやるんじゃなくて具体的に検証することが必要だと思うんですよ。 過去締結した十四のEPAで輸入額も輸入量もこれは増えている、これ資料をもらったのを見ますとそういうふうになっていると。今度は、TPPの場合は関税削減ですから、関税削減の結果、日本の業者は安い牛肉や豚肉を調達しやすくなると。一方で、アメリカやオーストラリアの業者は輸出しやすくなると。それなのに生産量は維持される、食料自給率は維持されるというふうに言われても、これ全然理解できないんですね。 関税の引下げが農林水産業の生産量や食料自給率にどう影響するのか、この今の説明だったら全然検証できないじゃありませんか。本当、検証しないでいいんですか。
○政府参考人(大澤誠君) 先生、農水省からの資料で増えているということでございますので、数字を幾つかだけですけれどもお示ししたいと思いますけれども、例えば豚肉でいいますと、二〇〇五年に協定が発効したわけですが、そのときの輸入量は三万五千トン、現在は七万トン弱ということで確かに増えてございます。
○紙智子君 全体、一般的にじゃなくて、具体的に。さっき言ったじゃないですか。
○政府参考人(大澤誠君) 具体的に申し上げているつもりなんですが、先ほどお話ししたチリにつきましては、協定発効時が二〇〇七年で四万六千トンですが、現在は二万二千トンということでございます。 そういう形で、資料で数字で判断いたしましても一概には言えないというのが我々が考えているところでございます。
○紙智子君 一概には言えないということで、そのまま、全然影響分からないまま来ているということが問題だというふうに思うんですよ。 それで、為替の動向の話もあるんだけど、為替の動向によっても輸入額、輸入量は変動するというわけですよね。影響試算の輸入価格の取り方なんですけれども、牛肉だったら二〇一三年度の輸入価格と、豚肉だったら二〇〇九年から二〇一三年の五中三ということで、この取り方が違うわけですよね。なぜこれ違う取り方なんですか。
○政府参考人(今城健晴君) お答えいたします。 先生御指摘のとおり、影響試算において、豚肉を含め基本的には平成二十五年度から過去数年間、基本的には五中三とかそういう数字を用いております。 しかしながら、牛肉については特殊事情ございます。おっしゃるとおり、二十五年度の単年度価格というものを試算の前提にしておりますが、これは、輸入牛肉につきましては、平成二十五年二月にいわゆる米国からの輸入条件、これが二十月齢以下というものが三十月齢以下というふうに緩和されまして、その条件が変わっておることでございますので、二十四年以前の価格を将来の試算の前提に加えるのは不適当というふうに考えたところでございます。 具体的には、米国産牛肉の平均価格が豪州産より一割から三割高いというようなこと、それから当然月齢緩和に伴って、豪州のシェアを多かったところを米国産に多くなるということで平均価格の取り方が当然変わってまいりますので、そういうことからも二十五年を取った方がより正確な前提になるというふうに考えたところでございます。
○紙智子君 よく分からないです。 それで、二〇一〇年の円相場で、対米ドルでいうと八十七・七五円、二〇一三年は九十七・七一円、二〇一四年は百五・七九円。牛肉の国際価格というのは、二〇一〇年のときには四百四円、二〇一三年は五百八円、二〇一四年は六百三十三円ですよ。ですから、四百四円から六百三十三円ということは二百円の開きが、幅があるわけですよね。関税相当額も変わると。 ほかは五中三などなんですけれども、牛肉の試算で使っている輸入価格というのは、これ二〇一三年ということになっているのは何でなんですかね。
○政府参考人(今城健晴君) 繰り返しになりますが、これから試算をするというときには、やはり具体的な輸入価格のどこのところを前提にして試算をするかということになるわけでございます。 その際に、輸入価格というのは当然国と国との価格が違う等々によりまして状況が変わるわけでございまして、したがって、豪州産よりアメリカ産の方が、二十五年度から輸入条件が変わることによって当然米国産の方が豪州産よりも緩和されると、緩和されるというか、元のシェアに戻っているという状況が見て取れますので、それ以前の平均価格よりは二十五年度の価格が、状況がその後も続くわけでございますので、したがいまして、そこを前提に平均価格という方を試算する方が適当であるというふうに考えた次第でございます。
○紙智子君 やっぱりこの試算の取り方というか、いろいろみんな疑問を持っているわけですよ。業者は為替相場を見ながら調達先を変えるというふうに思いますので、一つの影響試算だけではなかなか納得できないというふうに思います。 それで、本当はちょっとこの後食料自給率の話も併せて聞きたかったんですけど、時間になりました。やっぱり、今各県でも独自の試算なんかもやっていて、それをやっているというのは国がやった試算について納得できていないからだと思いますよ。 そういう意味では、やっぱり試算も含めて、まだまだ国民の中では理解もできないし、こういう試算でもっていろいろ審議して決めるなんというのはならないということを最後に申し上げまして、質問を終わります。
○儀間光男君 おおさか維新の儀間です。 もう昼食時間も過ぎていて腹をすかせていらいらしているかと思いますが、私で最後でありますから、お付き合いをいただきますようにお願いをしたいと思います。 さて、今日の質問は、例の外国漁船操業対策費百三十億円、それから一般財団法人への拠出金二十五億円、先回、三月二十三日でしたか、そのとき少し間口を開けましたが、時間がかなわなくて、連続物で今日またさせていただきたいと。今日はこの二つについてお聞きしたいと思います。 まず、違法操業の取締り体制として、官船が七杯で用船が三十七隻、合わせて四十四隻になっておるんですが、今日聞きたいのは、この用船された船会社、これ現在のところ何社とそれがされているのか、まずはお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) お答えいたします。 用船契約を契約締結した会社は現在十七社でございます。
○儀間光男君 これ、資料を見ますと十七社、私十八社と書いてしまったんです、十七社、訂正したいと思いますが。 この用船に対する、用船の、つまり国に、水産庁に貸して受け取る金額、これを見ますというと、何でしょうかね、普通の海運業との利益率がうんと違うわけですよ。用船やった船は九・三%の利益率で、普通の海運会社では〇・五%の利益しか上がらないと。こういう大きな差を見ますと、船を持つ船会社、船主の方々、これは水産庁と何とか用船契約したいなという心境が働くのは当然のことだと思うんですね。 その折に、皆さんが契約する際に、どういうような条件をもってして用船していらっしゃるのか、その基準があればお示しをいただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) 今先生から御質問ございましたように、用船でございますが、官船があるわけでございますが、官船をこれを新設いたしますと何十億円といったような金額になりますものですから、民間から用船をして取締りに使っておるということでございます。 その際、やはり取締り船でございますので、言い方が、表現が適当かどうか分かりませんが、余りこの取扱いについて、一般的には一般競争入札といったことが適切ではございますが、こういった取締りといった業務の特殊性に鑑みまして、これに適した船舶、そしてその業務に熟練した乗組員が必要でありますことから、これらの要件を満たす船舶会社と随意契約で締結しているところでございます。
○儀間光男君 私、用船制度が悪いとは言っていないんです。それは了とするものの、やはり船主、船を持つ人はいっぱいおりますから、契約している用船会社並みの条件を整えれば、じゃ、私でもいけるかという話になると、きちっとした基準を持たないというとなかなか大変なことだと思うんですね。だから、そういうことから混乱が生じないようにきちっと基準化を明確にしておくということが大事だと思いますので、これ是非実行していただきたいと、こう思います。 さらには、用船しますから、その乗組員、これは船主が採用して乗せるわけですね。国家公務員じゃないですよね、民間の乗組員。そうしますというと、用船を受けてやる仕事は取締りの仕事で、しかも海上のことでありますから大変危険が伴う。そういう場合、国家公務員じゃない用船の一般乗組員の待遇というか保障というか、ひょっとすると、荒れて違法船に移るときに命を失うとか大けがをするとか、そういうケースがないとはしないわけでありますから、そういう際にどのようにして皆さんはこの用船の乗組員を対応しているのか、この辺を御開示いただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) この用船におきましては、複数の、十五、六名程度の方が乗っていただいて、船の運航等あるいは取締りに当たって補助業務を行っていただいているわけでございますが、やはりそのときに指揮監督する者がいなきゃいけませんので、水産庁の職員でございます漁業監督官が、これが乗っておりまして、これがいろいろと指示を行いまして取締りの業務を行っているというようなまず状況になっているところでございます。 先生おっしゃっていただいたように、非常に妨害行為、いろんな拒絶行為、こういったものが多々あるわけでございまして、こうした点については、我々といたしましても、いろいろとこの漁業監督官を通じまして、現場で不幸なことがないような、そういったような配慮を計らうよう指導しているところでございます。
○儀間光男君 おっしゃることは理解できないでもないんですが、要するに、監督官が船長に指示を出して、接舷しなさい、離しなさい、ターンして進路を塞ぎなさいというようなこと等をやるんですが、命を受けてやるのは分かるんですが、それを執行するのは一般船員ですから、もちろん監督官も乗り込むと思うんですが、この一般船員も検査する権能は持たせているんですか、監督官と一緒なら。立会いする権能はあるんですか。
○政府参考人(佐藤一雄君) そういう法律に基づく権限はこの用船で働く皆さんにはございません。ただ、拿捕するなり、あるいは何か押収して、違法漁船に乗り込むときにいろいろと手助けしてもらったり、あるいはいろいろと証拠書類か何かを取るときに、例えば写真や何かを撮ってもらうとか、そういうことをまずやっております。 それと、今先生が御心配いただいた、けが、あるいはそういった事故のときのことでございますが、これについては各会社が保険に入っておるということで、そこのところについては補填していくということになっておるところでございます。
○儀間光男君 例えば監督官の命を受けて、違法操業の乗組員、あるいは拿捕した船に移って今おっしゃるような書類を押収するとか身柄を確保するとか、手錠を掛けるかどうか分かりませんが、監督官の指示があればそれぐらいやっていいということになっているわけですね。それでいいんですね。そういう理解でいいんですか。
○政府参考人(佐藤一雄君) 監督官がその取締り権限を有しておりますので、その手足となって動くということで、一つ一つの判断はこの監督官が行う、そういうような仕組みになっているところでございます。
○儀間光男君 例えば、記憶に新しいところですが、平成十一年三月でしたか、北朝鮮の工作船が領海侵犯して、これを米軍が発見するんですよ。そして防衛省あるいは海上保安庁へ通報して、保安庁が対応して、射撃して、船沈没しましたね。その船を確保して揚げて調べてみたら、武装した工作船だったということが判明したわけですね。それと同様なのが、いわゆる漁船に紛れて武装された船が、ひょっとすると領海にあるいはEEZ内、皆さんの監視、視野の中にあるかも分かりませんね。 例えば尖閣で、三、四年前ですか、中国船が海上保安庁の船に衝突をしてきた。あれは、船も確保し、船員も船長以下逮捕したけれど、何の裁きもしないで帰したわけですよ、船も船長も。あの中に何があったか不明なんですよ。大変な失態だと思うんですね。そのおかげで、その周辺を漁場とする漁民が恐れおののいて、今その海域へ行かないんですよ。漁獲量が下がりましたね。そういうのがあるんですよ。 だから、皆さんが怪しいと思うときは、例えばこれは武装しているんだなという判断がされるときは恐らく海上保安庁へ通報して対応してもらうと思うんですが、皆さんの職務の範疇の中にそういうことがたくさんあると思っておりまして、だから、それは漁船だろうなどということのやり方じゃなしに、どういう監視の目を養うか分かりませんが、大体そういう海上の対応はどうなされているか、また通報した件数がおありなのかどうか、お示しください。
○政府参考人(佐藤一雄君) まず、外国漁船の取締りにつきましては、これは水産庁と海上保安庁で行っておりまして、日頃より、先生御指摘いただきましたように、情報交換を密にしてやっているところでございます。特に、先生が今お話ありました、国籍が不明な船あるいは漁船を装った不明船など不審な船舶に遭遇するといったような場合には、漁業以外も含めました海上犯罪一般の取締り権限を有します海上保安庁、これにやはり速やかに連絡しまして、同庁での対応をお願いしておると、こういうのが状況になっております。 私どもといたしましても、この不審船への対応も含め、我が国漁業秩序を維持するために、今後とも海上保安庁と緊密な連携を取りながらしっかり対応していきたいと、このように考えているところでございます。
○儀間光男君 通報した実例は過去にありますか。
○政府参考人(佐藤一雄君) そのような通報をした事例はございます。
○儀間光男君 何件あるかは聞きませんけれど、あるという現実ですから、しっかり対応していただかなければならないと思うんです。 そこで、お尋ねするんですが、官船七隻、用船三十七隻、トータルで四十四隻。日本の北海道根室の先から、オホーツク海から尖閣、与那国辺りまでのこの幅広い、あるいは東は小笠原から南鳥島、沖ノ鳥島、この広い範囲の中での取締りということで、この四十四杯で十分なのか。採用されて、十分対応しているということに思っていらっしゃるのかどうか、その辺を聞きます。
○政府参考人(佐藤一雄君) 先生が今御指摘していただきましたように四十四隻体制でやっておりますが、このキャパシティーといいますか、勢力ではまだまだやはり足りないというふうに思っておるところでございます。
○儀間光男君 小川委員からも指摘がありましたが、警戒をする、監視をする海域というのは、国境離島が領海もEEZも守っているんですね。ですから、この辺、国境離島というのは実に不便で、そこで暮らすのが精いっぱいな話なんですね。だから、国境を守る、領海を守る、EEZを守る、あるいは資源を確保する、そういう任務があるわけですから、国境離島の人々が、漁民がなりわいとしてその島に住めるように、無人島にさせないように、安心と安全と安定を提供しなきゃならない、保障しなきゃならぬと思うんですね。 そういうときにおいて不十分だと言って通るものかどうか非常に疑問に思うのでありますが、その辺、これからになる対策、あるいは、船舶はそれ以上増えなければもっと何か別の方法で強化していくんだと、そういう計画をお持ちなら教えていただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤一雄君) ただいま私、現行の体制のことを先生からお聞きされましたのでそうお答えしたわけですが、やはり、先ほどからもございましたように、こういった海上安全全般につきましては、これは海上保安庁の方とも十分連携を取っていくといったことが必要かと思っておりまして、いろいろと海上保安庁と連絡を密にさせていただくというのが一つございます。 それともう一つは、やはり国の財政の制約のある中で体制の強化というものも何年前からか図ってきているところでございますが、なかなかこれもすぐにできるわけじゃございませんので、今私どもでやっておるのは、先生も御存じかと思いますが、やはり漁協なり漁船にこういった監視活動、こういったものをお願いしておりまして、それによりましていろいろな情報を受けまして、そこに取締り船が派遣される、あるいは海上保安庁にも連絡して、海上保安庁からも応援を出してもらうといったような、こういったような取締りを行っているところでございます。
○儀間光男君 過日の委員会で、私は与那国の久部良港を整備して取締り船の停泊港にしたらどうかというようなお話を申し上げたんですが、そのことは非常な違反者に対するプレッシャーになるんです、姿を見せると。皆さんの船がいなくなったら違法者は入ってくるわけですから。いや、ひょっとすると与那国の港に停泊しているかも分からぬというような予防を、プレッシャーを掛けることは非常に大事だと思うんですね。 そういう意味では、こういう話があるんですよ。西表島の西側に船浮という天然の良港があって、戦前海軍の軍港だったんですね。ここに、対岸に白浜という小さな集落があって、交番があるんですよ。島で交番二か所しかなくて、そこに一か所交番があって、ちっちゃな軽自動車のパトカーがあるんですよ。そのパトカーを夜になるとその対岸で止めておくんですね。そうすると、ある日、夜陰に紛れて不審船が入ってきて、このパトカーを見て退散する、Uターンするんですね。それを見た人が海上保安庁に通報して、その端緒を得て追っかけて捕まったかどうか分かりませんが、その不審船、捕まったんですよ。拳銃を四百二十丁持ってきた。パトカー見るだけで、これは危ないとUターンして引き返す、逃げていくぐらいですから、与那国久部良に取締り船が停泊するよう母港化したよということになると、あの海域、相当のプレッシャーで、皆さんの隙間をカバーしてくれると思うんですね。 そういう意味でも、是非そういうことを考えていただきたいんですが、去る二十八日に陸上自衛隊が与那国にあの海域を監視するレーダーサイトを造りました。百六十名隊員が行くんですね。これも、緊急時が発生して何か艦船とか人を輸送しなければならぬときに、今の状態ではホバークラフトしか使えないというんですね。積荷は、速度はあるんですが、積載量に限界がある。艦船とは全然違う。向こうだって必要になってきたわけですよ。多分、恐らく近々のうちにその必要性感じてくるんですね。 ですから、僕が言いたいのは、皆さんとは当然職務も全然違うんですが、一か所の島、港、停泊あるいは接岸、利用するとするならば、横串になって、防衛省辺りとも相談して一緒になって、停泊所にしましょうよと、艦船も監視船も入ろう、停泊もできるような港にしましょうよと。どうでしょう、これから交渉していただけませんか。
○政府参考人(佐藤一雄君) やはり私どもは、漁船の取締りということでありますので、そこの任務なり所掌のところについてはおのずと限界があるわけでございまして、先生おっしゃったように、そこを補うのはどうしたらいいかということで、一つは、既に今も私どもやっておりますが、海上保安庁との連携を密にした体制の整備と、こういったことをやらせていただいているわけでございます。 あとは、大震災のときかと思いますが、取締り船が救護物資を運ぶとかあるいは人命救助を行う、監視中に災害に遭われました漁船の漁民を保護するといったようなこともあるわけでございまして、今後、こういうことにつきましてはいろんな機会を捉えまして、どのようなことができるか、いろいろと我々としても考えていきたいと、このように考えております。
○儀間光男君 是非頑張っていただきたいと思います。交渉は行く行くは必要になりますから、しっかり準備をしていただきたいと、こう思います。 それから、船年齢、用船の、あるいは官船もそうでしょう、これの問題がいろいろあるんですが、二十年を前提あるいはマックスにして対応してきたんですが、この見直しをするんだという、以前の質問にありましたけれど、これ現在どうなっているんですか。二十年以上用船使っていますか。
○政府参考人(佐藤一雄君) 先生御指摘いただいた件につきましては、原則二十年以内のものを用船するというようなことになっておったんですが、これにつきましても、二十年たってもまだ機能が果たせられるものであれば十分堪えられるんじゃないかといったような議論を踏まえまして、二十年のものでありましても一定の検査等に合格した場合には、これについては二十年を超えたものも用船をしておると、このような状況になっておるところでございます。
○儀間光男君 分かりました。是非、用船、船の安全も含めて、装備の充実も含めて、船員の訓練も含めて、しっかりと業務を遂行していただきますように、そして国境離島の人々がこの島で住めるんだというように安堵感を与えるように頑張っていただきたいと思います。 次に、一般財団法人、二十五億、おおむね二十五億の拠出金があるわけですが、これは韓国・中国等外国漁船操業対策事業費として二十五億、おおむね二十五億出資されておりますが、この財団法人というのはどういった性質の法人ですか。
○政府参考人(佐藤一雄君) 今先生御指摘いただいた日韓・日中協定対策漁業振興財団というものだと思いますが、これについてはいろいろと、この海域でいろんな漁業紛争、あるいはとりわけ放棄された漁具と、こういったもので周辺の漁民の皆さんに非常に多大な御迷惑を掛けたということで基金を造成しまして、その中で投棄漁具の回収といったようなこと、あるいは、先ほど私ちょっと申し上げましたけれども、漁協等が漁船を通じまして監視活動に協力していただいているといったようなことを展開している事業主体のところであります。
○儀間光男君 つまり、これは、官船や用船、取締り船とは違って、何か例えば投棄漁具があって邪魔になっている、あるいは環境が悪化している、資源の枯渇につながる、そういうものが発見されたときに最寄りの漁港へお願いして、一般漁船でそれを除去しに、回収しに行くと、そういう機能を持たせているんですか。
○政府参考人(佐藤一雄君) そのとおりでございます。
○儀間光男君 取締り船は違法設置漁具を回収しますね。これは投棄されたものを回収する。財団じゃなしに、皆さんの直属下におってこの業務を果たせないんですか、どんななんですか。
○政府参考人(佐藤一雄君) 今先生御指摘ありました、取締り船でも違法漁具の回収を行っております。これはいわゆる刑事訴訟法に基づきまして、犯罪の証拠物件あるいは処罰の際に行われます押収といった行為ということで行われておりまして、具体的なことを申し上げますと、そうしたような行為を行う場合には一つ一つ裁判所の令状を取って、それで我々の方は行っておるところでございます。 それで、今先生おっしゃった放置された漁具でございますが、これについては、かなり年限がたって、本当にもうこれは廃棄されたといったようなものを、清掃といいますか、清掃事業で対応しておると、こういうような状況になっておるところでございます。
○儀間光男君 業務内容は分かりましたが、私が言うのは、財団じゃなしに、皆さんが直接部署を設けてできる仕事じゃないのかというふうに聞いたわけですが。 それでは、この放棄された漁具、これは漁民も発見をし、情報者になると思うんですが、皆さんのところでも、違法設置した漁具は撤去させるけど、放棄された漁具が浮遊している、それを確認しても回収ということはしないわけね。その情報はどこへ送るんですか。
○政府参考人(佐藤一雄君) 取締りで監視活動をやっていく上で、そこで今放置されたようなものにつきましては当方の方で回収しておるところでございます。
○委員長(若林健太君) 時間が来ていますので、質疑をまとめてください。
○儀間光男君 はい。もうこれで終わりますけれど、また続きは次回やりたいと、こう思っています。 ただ、前回やった和牛について今日少しやろうと思ったんですが、時間がありません。準備した皆さんにおわびして、お許しを請いたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(若林健太君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(若林健太君) 次に、漁業経営に関する補償制度の改善のための漁船損害等補償法及び漁業災害補償法の一部を改正する等の法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。森山農林水産大臣。
○国務大臣(森山裕君) 漁業経営に関する補償制度の改善のための漁船損害等補償法及び漁業災害補償法の一部を改正する等の法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 近年、漁業就業者の減少及び高齢化の進行、養殖業における配合飼料価格の高騰等我が国漁業を取り巻く環境は厳しいものとなっており、自然環境に左右されやすい漁業の再生産を確保し、漁業経営の安定を図ることがますます重要となっております。 こうした観点から、漁船損害等補償制度及び漁業災害補償制度という二つの補償制度の改善を図り、今後ともこれらの制度が漁業経営の安定に資する役割を着実に果たしていくことができるよう、この法律案を提出することとした次第であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、漁船損害等補償法の一部改正であります。 さきの東日本大震災において、一部の漁船保険組合では、巨額の保険金支払が発生したことにより保険金支払の財源が不足する事態となったところです。 こうした中で、今後、漁業者の減少や南海トラフ地震に備える必要があることから、漁船保険組合の事業基盤の強化が急務となっております。 このため、漁船保険組合の区域制限を廃止することで、全国を区域とする漁船保険組合の設立を可能とし、また、その設立に当たっては十分な保険金支払能力を有する者のみを認可することとし、これにより事業基盤の強固な新たな漁船保険組合による安定的な保険を漁業者が享受できることとしております。 加えて、近年においても、拿捕、抑留等の事案が依然として発生しているところですが、現行の保険制度では、これらの事案による損害の補填が十分にできないため、現行の保険の填補対象を拡大をし、拿捕、抑留等を原因とする油濁損害、給与損害、人命損害及び漁獲物等の積荷に係る損害等も填補可能とすることとしております。 なお、これまで、抑留された漁船乗組員の給与支払については漁船乗組員給与保険で保障を行ってきたところですが、今般の法改正により、拿捕、抑留等に填補対象を拡大した漁船船主責任保険において保障可能となることから、漁船乗組員給与保険は廃止することとしております。 第二に、漁業災害補償法の一部改正であります。 養殖共済については、地域内の養殖業者のうち、一人でも共済契約の申込みをしなかった場合、意欲ある漁業者が共済に加入できないといった問題が生じていることから、このような全員加入制度を撤廃をし、個々の漁業者が個別に共済に加入できるようにすることとしております。 さらに、養殖共済の対象魚種については、これまで海面養殖業のみを対象としてきたところですが、ウナギ養殖業の共済ニーズが高まっていることを踏まえ、内水面養殖業も養殖共済の対象とすることとしております。 加えて、特定養殖共済における掛金補助制度については、地域内の特定養殖業者の全員が共済に加入すれば、通常よりも高率の掛金補助が受けられる仕組みとなっております。 しかしながら、近年、漁業依存度の低い者が共済に加入しないことにより、意欲ある漁業者が高率の掛金補助のメリットを享受できない問題が生じていることを踏まえ、漁業依存度の低い者を除く全員が加入すれば高率の掛金補助を可能とすることで、漁業を主たる生活基盤とする漁業者へのメリットを保障することとしております。 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願いを申し上げます。
○委員長(若林健太君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時七分散会