内閣委員会、農林水産委員会連合審査会 第1号
- 発言数
- 128 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2016/05/24
会議録
○委員長(神本美恵子君) これより内閣委員会、農林水産委員会連合審査会を開会いたします。 先例によりまして、私が連合審査会の会議を主宰いたします。 国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は、お手元に配付いたしました資料により御了承願い、その聴取は省略いたします。 これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○中泉松司君 おはようございます。自由民主党の中泉松司でございます。合同審査において質問の機会をいただきましたことに感謝を申し上げます。 二十分という限られた時間でありますので早速質問に入らせていただきたいと思いますが、国家戦略特区法の一部を改正する法律案における農地の所有に関して質問させていただきたいと思います。 一度私は農水委員会の一般質疑でこの話については取り上げさせていただいたことがありますが、合同審査ということでありますので、自分なりに整理しておきたいところを質問させていただきたいと思います。また、今までの衆議院等の質疑、また大臣答弁などを伺っていますと、今回のこの特例に関しては兵庫県養父市限定の話だと思いますので、そこをまず前提として質問をさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。 このお話が出たときに、参議院の自民党に農協・農業研究会というものがあるんですけれども、その場においても様々な議論がされましたし、心配の声も多く上がりました。また、地元に帰っても不安の声というものはありましたので、そういったところを払拭できるように是非お答えをいただければ有り難いというふうに思っております。 まず初めに、今回のこの農地の所有に関して、外国の企業が入ってくるのではないかという心配があります。心配の声があると言った方が正確だと思いますけれども、心配の声があります。先ほど申し上げた参議院農協・農業研究会の場でもそういうお話が出ておりました。自分も心配に思うところはありまして、きっちりとそういったところを整理していきたいなというふうに思っております。 例えば、今回の農地の所有の件では、地方公共団体が持った上で企業が所有するということになるんだと思いますけれども、ここに他の企業、その持っている企業とは別の企業が、例えばこれは外国企業も含むんですけれども、買収をしたといった場合にその当該農地というものはどういうことになるのか、例えばその持っている企業が他の企業に買収をされたりした場合は地方公共団体に戻されるといったようなことになるのかどうか、そういったことが起こった場合の対応についてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(奥原正明君) お答えいたします。 今回の国家戦略特区における農地所有の特例につきましては、企業が地方公共団体から所有権を取得する場合に限定をしておりますし、その企業が農地を適正に利用していない場合には農地の所有権を企業からその地方公共団体に移転する旨の書面契約を締結すると、これを要件にしているところでございます。 参入企業を買収するという場合につきましては、これはリース方式で参入した場合と同様でございますけれども、農地法上の直接の規制は設けられておりません。ですが、買収した後にその農地を適正に利用していない場合、あるいは周辺の地域における農地の効率的かつ総合的な利用の確保に支障が生じている場合、あるいは地域の適切な役割分担の下で継続、安定的な農業経営が行われていない場合、あるいは農業に常時従事する役員等が置かれていない場合、こういう場合には農業委員会から地方公共団体に対しましてこの旨の通知もなされます。そのことも踏まえて当該企業から地方公共団体に農地の所有権が移転すると、こういうことになるわけでございます。 したがって、参入企業が外国資本に買収をされて、地域とのつながりを持って農業経営を営めなくなったと、こういう場合には地方公共団体が農地の所有権を取り戻せる、こういう仕組みになっておりますので、実態上は問題がないものと考えております。
○中泉松司君 様々な条件があって実態上は問題がないというふうに考えているというお話でありましたけれども、逆を言うと、様々な条件をクリアすることができれば外国の企業なども持つことができるというふうに受け止めることもできるのではないかというふうに思います。そういったところに対して各議員、そして地方からも一部心配の声が上がっているというのは事実でありまして、そういった声にきっちりと応えていかなければいけないのだと思います。 今回は、お話を伺っていると、いわゆる様々な条件があって、合わせ技一本で実質的には外国企業は入ってこれないようになっているという旨のお話だと思いますけれども、その様々な条件がクリアできればそういったことも逆にあり得るのかもしれない、この国家戦略特区の特例を設けて実際に運用した場合にそういったことが起こり得ないとも限らないというふうなことが言えると思いますので、是非とも、そういったところは、今回、特区でテストを五年間ということでありますので、運用している中で様々なことを想定しながら、そしてまた実際にどういうことが起こるのかということを考えながら取組を進めていただきたいと思っております。 ここでいわゆる言質を取るというのは難しいと思いますけれども、きっちりとそういったところを踏まえて取組を進めていただきたいと思っておりますので、そのことについては御留意をいただきたいというふうに思っております。 また、次に移ります。 今回の特例、いわゆる特区の特例は本法の施行から五年間の時限措置ということになっております。一方で、この四月から農地を所有できる法人の要件というものが見直されています。 その見直しにおいては、例えば議決権では、農業関係者以外の者の総議決権が四分の一以下から二分の一未満に、また役員要件も、現行では役員の過半の過半が農作業従事者でなければならないということになっておりまして、いわゆる役員の過半が農業従事者でなければいけない、そして、その更に過半が農作業に従事していなければならないということになっておりますけれども、この要件の緩和では、役員の過半は農業従事者でなければいけないけれども、いわゆる常に農作業に従事する方は、役員又は農水省の政令で定める使用人のうち一名以上が農作業に従事するということに変わっております。 これに関して、この四月からこういった制度がスタートをする前にこの話というのは出てきておりますので、これから、四月からスタートする前にこういう話をするのはいかがなものかということで、特区の話がやり玉に上がっておりました。 そういった意味では、この四月から要件が緩和されてスタートしておりますけれども、同時並行で、兵庫県養父市というところだけではありますけれども、農地を所有するということができるということで、二本柱で進んでいくということになるんだと思います。そういったところでは、このいわゆる二つの関係はどうなるのか。例えば、今五年間で見ていくという一方の特区があって、そして一方ではリース方式が緩和されて進んでいるということになりますけれども、この影響というか関係性というのがどのようになるのか、お答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(奥原正明君) 今先生から御指摘ございましたように、この企業の農業参入、特に所有方式の方につきましても、昨年の農地法の改正で要件が緩和をされております。 従来は、農業者以外の議決権の比率四分の一以下に制限しておりましたが、これが二分の一未満まで拡大するといったこと、それから農作業の従事要件のところも変わっております。これが本年の四月から施行されている、こういう状況でございます。したがいまして、全国レベルの制度として、企業の農地所有についての更なる要件緩和を検討する段階ではないものと我々考えているところでございます。 しかしながら、一方で、地域を限定して試験的に実施することについてはそれとは別の問題でございますので、やり方によっては農業、農村の現場に不安を生じない、また、その実施状況が今後の検討の参考になることもあり得ると、こういう観点からどういったやり方があり得るかということを検討した結果として、企業が農地として使わなくなった場合の確実な原状回復措置を講じた上で、国家戦略特区を更に限定した試験的な事業として実施をするということにしたわけでございます。 したがいまして、農地法本体の本格的な制度の話とこの特区における限定的な試験的な制度の話が同時並行で進んでいると、こういう状態になりますけれども、基本的に両者は別物ということで見ていくと、こういうことでございます。
○中泉松司君 両者は別物というふうに御答弁をいただきましたけれども、今のお話であればそういった意味が伝わったと思いますので、自分なりにある程度整理をできたというふうに思います。 また他方で、この農地制度全体の見直しに関しては、平成二十六年六月二十四日に閣議決定をされた規制改革実施計画に基づいて、平成二十六年の三月一日に施行されている農地中間管理事業の推進に関する法律から五年後をめどに見直すことというふうになっております。 そういう意味でいいますと、この特区の特例というものは、今平成二十八年でありますので、最短でいったとしても、平成二十八年から五年間、平成三十三年でこの五年間の実施が終わって、ある程度の検証、そして議論というのがなされるのかと思いますけれども、一方で、この農地制度全体の見直しに関しては、平成二十六年から五年間でありますので、平成三十一年にその五年間を終えて今後どうするかという見直しの議論をするということになるのだと思います。 先ほど、この二本柱のもの自体は別物だというふうにおっしゃっていただきましたけれども、この時系列、前後することになりますけれども、例えば、今五年間で進めていこうとする特区の話というものが今進めて五年間を経過を待っている農地制度全体の議論に関して影響することになるのか影響しないものなのか、その関係についてもお答えをいただきたいと思います。
○政府参考人(奥原正明君) 先生から御指摘いただきましたように、平成二十六年六月二十四日に閣議決定された規制改革実施計画というものがございます。 この中で、更なる農業生産法人、これは現在は農地所有適格法人と言っておりますけれども、農地所有適格法人の要件の緩和ですとか農地制度の見直しについて、農地中間管理事業の推進に関する法律の五年後見直し、これは、この農地中間管理事業の推進に関する法律の附則で書いてございますけれども、五年後を目途として見直すということになっております。この五年後見直しに際しまして、それまでにリース方式で参入した企業の状況等を踏まえつつ、検討して結論を得ると、これが規制改革実施計画、閣議決定の中身でございます。 したがいまして、農地制度本体につきましては、この規制改革実施計画に即して農地制度についても検討を行っていくと、こういうことになるわけでございますけれども、その際に、今回の国家戦略特区における農地所有の特例、まだこの五年間が全部終わっているわけではないと思いますけれども、それまでの実施状況が何らかの形で参考になるということはあり得るというふうには考えております。
○中泉松司君 参考になるというふうには考えているということでありましたけれども、この四月からスタートしているリース方式の緩和というものは、様々な議論を経て決着を見て、この四月にスタートしたということになります。その後で出てきた話というものが大きい影響を与えるというようなことがあってはいけないと思いますし、基本的には先に走っているものでありまして、後から付けたものを、後出しじゃんけんのように、これでこうなんだよというふうな議論にしては決していけないというふうに私は考えております。 そういった意味では、是非とも、あくまでこの五年間のテストということでやられるということでありますので、そこのところはきっちりと整理をしてやっていただきたいというふうに思います。何も、全く何かがあったとしても参考にするなという話ではないのだと私も思いますけれども、だからといって、参考にするべきだという話が先に出るということはあってはいけないと思いますので、是非ともそこは御留意をいただきたいというふうに思います。 ということで、今までは限定的に特区としてテストをするということでお話をしてまいりました。また、冒頭申し上げたように、参議院自民党の農協・農業研究会や、また地方でも、こういったことに関する不安の声というものが大きくあったのは事実であります。 ここから先は、私の本当に個人的な思いを是非石破大臣とお話をさせていただきたいなというふうに思っておるんですが、農地の所有に関してというのは、今、現状においては、私はリース方式というのが一番ベストなんだろうなというふうに考えています。 というのも、私も農家のせがれでありますけれども、現状、農家の認識というものは、特に農地に対するプライドというものは非常に大きいものがあると思います。おやじから受け継いだ土地を、また、おじいちゃん、おやじから受け継いできた先祖伝来のこの土地を自分の代で駄目にするというものはいけないことだみたいな、そういった意識というものは根底にあるものなんだというふうに私は思います。実際に、私もそういうふうな意識を持って育てられた記憶があります。 ただ、一方で、農業は厳しいという現状もありますので、その厳しい現状に対して、自分の息子、自分の子供たちにこういうつらい思いはさせたくないという思いもあって、逆に、農家のせがれとして生まれているんだけれども、農家のせがれ、後継者として育てていなくて、普通の高校に通って普通の大学に行って、公務員であったり銀行員であったり、例はいろいろあるんでしょうけれども、いわゆるイメージ的に堅い商売に行ってもらうということを何となく無意識のうちに勧めてきたというのが、これがずっと今までの経緯だと思います。 その上で、その父親たちの世代が今六十代、七十代、そしてまた八十代になってきたときに、自分が体が動かなくなったといって自分の後継者にバトンを渡したいんだけれども、本来後継者であったはずの自分の子供たちというものは別の仕事をしていてノウハウも持たない、そういうことができる時間もない、そしてまた別の場所に住んでいる、そういったことがあって後継者が今不足している、いないというのが残念ながらこれ現状だというふうに思います。 そういった現状の中において、ここはあなたの土地ですよというきちんとしたプライドは守りながらも、でも、できないですよね、地域のためにやっぱりこの土地を回していくべきですよねと考えたときに、あなたの土地であることを、プライドは守りながらもきちんと地域でやっていきましょうよというふうにやっていくのが今のこのリース方式、中間管理機構に貸し出して地域の担い手にやってもらうというのはある意味そういう形だなというふうに私は考えています。 ですので、そういった面では、農地の所有に関して企業がどうこうという話が出てくるとすぐに不安の声というのが上がるというのはそういった背景もあるのではないかなというふうに私は考えております。 ただ、一方で、今、我が党でも様々な議論をしておりますけれども、優秀な次世代を担う人材を育成していかなければいけない、国際感覚、経営感覚に優れた人材を育成していかなければいけないといったときに、これから遠い将来、近いか遠いかは別にして、十年掛かるのか三十年掛かるのかは分かりませんが、優秀な人材が育ってきたとき、そして感覚が優れた方々が育ってきたときに今のこの現状持っている認識というものは変わっているのかもしれませんし、変わってしかるべきだというふうに私は思っています。 そういった意味では、そのときになれば、今三十代、二十代ぐらいの方々が次の世代にバトンを渡すという時代になったときには、もっと企業と一緒になってやろうとか、もっと主体性を持って企業に責任を持って参画してもらおう、そのためには企業に参入してもらおうという考え方が起こってもこれは否定するべきものではないというか、むしろそういったことがあってもいいのではないかというふうに私は思います。 ただ、くれぐれも言いますけれども、現状の認識においてはこのリース方式というものがベストだというふうに思っておりますので、今回は、そういった意味ではきっちりと養父市限定にした上で特区としてあくまでテストをする、全国展開を前提としたものではなくて、きちんとテストをして検証していくんだということがこれから先、ある時代に必要になってくる議論のたたき台、そういった下地になってくるというふうに思っております。そういった意味では、心配の声があるのできちんとブロックすべきはしなければいけないんだけれども、だからといって、ここでこの可能性というものを全く潰すということは私はあってはいけないんだというふうに思っております。 そういった意味では、時代に応じて政策が変わるというものはあるんだと思いますけれども、そういったところを念頭に置きながら、きっちりと締めるところは締めた上できちんとした検証を行うということが今回の特区においては必要だというふうに個人的に考えておりますけれども、そういった見解について石破大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 私が議員になった頃は、三十年ぐらい前の話ですが、二種兼業農家というのは減らないんだというふうに教わりました。米の値段が下がろうがどうしようが、二種兼業農家はそれで食べているわけではないのであって、それは、専業農家とか、あるいはかぶる概念ですが基幹的農業従事者とか、これは減ることはあるが二種兼業農家は減らないのだと聞いておりました。 ところが、今起こっていることは何かというと、二種兼業農家が恐ろしい勢いで減り始めているということだと私は思います。そうすると、所有と経営の分離ということを私前から申し上げておりますが、所有はしているが経営はしないという、耕作放棄が典型ですが、それが激増しているというのは一体どういうことなのだろうかということをよく直視をしなければいけないのだと思っています。 二反であろうが三反であろうが、コンバインを買ってトラクターを買って、最初の装備ぐらいで六百万、七百万は軽く掛かります。二百万、三百万どころか四百万、五百万、六百万掛かるわけで、それが二反か三反でペイするかというと、しません。 そうすると、所有はしているが経営しなくて耕作放棄だというのが激増しているという状況に対して、リースあるいは所有適格法人みたいなもので対応しておりまして、そのこと自体は正しい方向性だと思っております。 ただ、可能性として、リースでいった場合に貸している側が自分でやると言い始めたら一体どうなるんだ、あるいは十年を超える契約はどうなるんだという問題があって、この養父市に限定をして、そしてまた、先ほど委員が御指摘になったように、それをごみ捨場にしちゃうとか転売しちゃうとかそういうことがないように、自治体の責任を企業とともに負わせることによって、リースを更に超える所有形態、所有権というオールマイティーの権利を使うことによって新しい農業の可能性が開けてこないだろうかということでございます。 一番いかぬのは農地が毀損され耕作放棄になることであって、そのことを徹底的に極小化しながらどうやって新しい形態を可能性として認めるか、私は、今回はそういうことだと思っております。 委員の御指摘を踏まえながら、今後も農水省と一緒にやってまいりたいと存じます。
○中泉松司君 済みません、時間が参りました。 最後に一言と思いましたけれども、時間ですので終わりますが、是非とも、先ほど御答弁いただいたことを踏まえてきっちりと対応していただきますようにお願いを申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○小川勝也君 おはようございます。民進党・新緑風会の小川勝也でございます。 今日は、連合審査会、実現をいたしました。これは農林水産委員会から内閣委員会にお願いをしたことでございまして、元はといえば、野党側が農林水産委員会として議決を求め、そして農林水産委員会から内閣委員会に申し越しをさせていただいて、委員長ほか与野党の理事の皆さんの御配慮で今日の連合審査会が実現をいたしました。有意義な質問の時間にさせていただきたいと思います。 今、石破大臣が三十年前のお話をされておられましたが、私が初当選をしたのは二十一年前でございます。行政改革とか規制緩和を公約に当選をした記憶があります。そして、二十年前には、この参議院に規制緩和に関する特別委員会というのが存在をいたしました。規制が成長を妨げているというふうな認識については、今の安倍総理と同じかもしれません。 しかし、様々な審議会で議論されている内容を見ていますと、審議会の委員のメンバーが自社の利益のために発言をしているのではないかというふうに見まがうような様々な発言が見受けられますし、様々な規制緩和やあるいは特区、そういう方向性で提案をされてきたのも見受けられるような気がしております。 二十一年間ずっと規制緩和やあるいは特区制度をウオッチしてきたわけではありませんので、私は大きなことは言えませんけれども、構造改革特区とか今回の国家戦略特区とか、様々な特区制度を石破大臣の立場でずっと振り返っていただいて、こういうのがあった、こういうのは非常に良かったじゃないか、こういうのは失敗したな、いろんな御感想があればまずお伺いをしたいというふうに思います。
○国務大臣(石破茂君) 確かに、参議院にそういうものがありました。私も、当選三回のときに衆議院で全く同じ委員会の委員長をやっておったのであります。随分昔々のことになってしまいましたが。 いろんな御提案がございました。長年実現しなかったというのは、公立学校運営の民間開放、あるいは都市公園における保育所等の設置、企業の農地所有等々ですね。長年実現できなかったものというものをかなり実現に向けて動かしているというふうに私自身は承知をしておるところでございます。 これ、仕組みといたしましては、特区担当大臣自ら現地に赴いて現場のニーズを吸い上げる区域会議ですとか、あるいは内閣総理大臣自ら判断を行う特区諮問会議とか、いろんな仕組みをつくって、いろいろ今まで動かなかった規制というものを緩和をしている。 ただ、本題からずれて恐縮ですが、経済的規制というものは、なるべく時代に合わなくなったものは取り払うべきだと私は今でも思います。ただ、社会的規制というものは、それは緩めるべきではない、かえって強めるべき方向というものもあり得べしだと私は思っておるところでございます。そこをごちゃごちゃにしてはいかぬのであります。 そして、なぜその制度が時代に合わなくなったかということ、そして、官庁がどうのこうのとかいう話ではなくて、一般国民の方々がそのことによってどのようにして迷惑を被っているのかということをきちんと実証しながらこの規制改革は進めていく必要があると認識をいたしております。 まだできていないものはたくさんございます。
○小川勝也君 今まで、例えばタクシーの台数を増やそうじゃないかというふうに提言をされた方がリース会社で利益を得る立場にあったり、あるいは薬のインターネット販売を解禁しようじゃないかというふうに提案をした人が自社でそういう業を営んでいたりということは、我々日本人の感性からすると、アメリカはそういう政治をやっているのかもしれないけれども、私たちの国では、少なくともそういう国じゃなかったよなという思いがいたすわけであります。 石破大臣については、そういう利益誘導型提言についてはどういう感想を持っておられますか。
○国務大臣(石破茂君) それはどなたのことを指しておられるのかというお話でございますが、そこは、名前は委員もおっしゃらないし私も言わない方がいいのかもしれません。 それが全体の利益を損ねても自分さえ得すればいいんだというようなことであれば、それは規制緩和になじむものではございませんので、それは厳に排除されてしかるべきものだと思っております。みんなが迷惑するのに自分さえ得すりゃいいなんというのは、この国であっていいことだとは思いません。そういうものは厳に排除されるべきものです。 そういう方々がそういう自分の利益と離れて、国家国民全体の利益のためにおっしゃっておられるということであればやります。そうでなければやりません。そこの峻別はきちんと政府としてしなければならないと思っております。
○小川勝也君 先ほども二種兼業農家について言及されました。私は、議員になる前から石破大臣に御指導いただく立場にありました。鳥取県の選挙区で、特に中山間地の農業や兼業農家の政策については大変詳しい先生でありました。 今、安倍総理がおっしゃっていることは、岩盤をドリルで穴を空けるんだと。誰が穴を空けられるのかというふうに考えたときに、私は、今回、道路運送関係の質問もさせていただきますし農地関係のお話もさせていただきたいと思っておりますけれども、今、中泉松司議員の話は切実で、非常に共感を得られる話だったと思います。それは、御自身が農業地域に住まい、農地を守ってこられた先輩やあるいは仲間の思いが伝わってくるからであります。そういった農地を守ってきた方々や農地を守ろうとしている人たちがドリルで傷つけられるような、そんな心の痛みを私は共感として覚えるわけであります。 石破大臣と安倍総理の考え方は私は違うだろうというふうに思っておりますが、今は内閣閣僚の一員でありますので安倍内閣の方針に基づいて大臣の一人として仕事をする、これは当然のことだと思いますけれども、今、安倍総理が進めようとしている改革と石破大臣が考えている地方創生につながるような改革と、違いがあるとすればどういう点なのか、お聞かせをいただければと思います。
○国務大臣(石破茂君) 違いがあればそれは内閣不一致になってしまいますので、それは、これが違うなぞということを閣僚の立場で申し上げられることではございません。 私は、農政も随分長くやらせていただきました。うちも二代遡れば農家でございますし、今でも実家は農業を営んでおるものでございます。そこにおいて、先ほど中泉議員にもお答えしましたが、やっぱり以前であれば、農地解放以来、あるいはそれより以前から所有している農地である、そして自分が農業をやめれば、水田なんて特に連担しておりますから、自分がやめたらばいろんな病害虫、病虫害というんですかね、そういうのが蔓延して御迷惑掛かるからやめよう、もうペイしなくてもやろうというのがずっとあったわけですが、今や、もう間尺に合わないので耕作放棄がどんどんと増えているという実態をどう見るかということだと思います。 そして、自分の農地というものに愛着を持ちながらも間尺に合わないのでやめなきゃいけなくなっちゃった人、そしてできてしまった耕作放棄地、これをどうするかということを考えたときに、私は、この間の日曜日に新潟の農業特区というのに行ってまいりました。これはもうかなり驚くような先進的な取組であって、もちろんローソンファームが農地を所有しているというわけではありませんが、全く違う農業の展開のやり方があるということだと思っています。 ですから、規制緩和と、そして新しい技術を組み合わせた形でこれから先、日本の農業というものを経済成長の大きな手法の一つとしてやっていくために規制緩和というものはなされるべきであって、間違っても大企業とか大資本による小農搾取というようなことは引き起こしてはならぬことだと考えております。
○小川勝也君 もう一点だけ確認をさせていただきたいと思います。 今、やはり規制緩和を求める企業の立場としては、当然のことながら、安倍総理が成長というふうに言っているわけでありますけれども、成長というのは、企業に置き換えるとこれは利益を上げたいということであろうかと思います。利益の源泉は何かというと、安い労働力、これが基本となっているのがビジネスモデル、現在まではそうなっているはずであります。 二種兼業農家の方々は全て、生産性はともかくとして一国一城のあるじであります。一国一城のあるじが生産性が低い農業を全国津々浦々でやっている。その農地を例えば企業が受け取って、安い労働力で生産性を上げることによって規制改革の実が得られるとすれば、私は、規制改革の意味というのは何なんだろうなというふうに思っています。 これは私の感傷なのか、あるいは政治家として、企業の利益のために政治をやるのではなくて国民の幸福のために政治をやるというのは石破大臣も共通認識かどうか、そこの点だけお尋ねをさせていただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 共通認識でございます。 つまり、今まで日本の国は、リーマン・ショック以降、生産性を上げるということよりも、いかにして労賃を下げ、いかにして下請をたたき、いかにして材料費を下げるかということをやってきたのでこんな日本ができてしまったのだと私は思っておりまして、そういうようなやり方は、そのときだけは良く見えても、決してサステーナブルではございません。 やはり委員がおっしゃいますように、農業においてもそうで、農業者の利益が増大しない形でそのような農業が仮に展開をされたとしても、それは決してサステーナブル、持続可能なものだと思っておりませんで、どうやって農業者の所得を上げるか、これはほかの産業においてもそうでございます。新しい経営者たちは、従業員の満足度が上がっていかなければ事業は続かないということをよく認識をしておりまして、これまでの日本の失われた二十年の反省というものを踏まえていけば、私は、委員のおっしゃるようなそういう方向でいかなければならないと思っております。
○小川勝也君 私は農林水産委員でありますので、一義的には農地の所有の話をメーンにさせていただきますけれども、道路運送関係も若干質問させていただきたいと思います。 農地の特区が養父市が申請をさせていただいているということだろうというふうに思いますけれども、今回の道路運送関係は京丹後市というところだと伺っています。 京丹後市では、合併した町村でいわゆるタクシー事業者が薄いので、観光客の皆さんが来たときにタクシーサービスができないので今回の特区申請をするという内容だったというふうにあらましは伺っています。しかし、その後、タクシー事業者も事業を展開して、あるいはNPO法人もいわゆる有償での運送を始めたということでありますので、申請時あるいは申請をしようと思ったときと状況が大きく変わっているように思っておりますけれども、国土交通省から状況をお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(持永秀毅君) 御説明申し上げます。 まず、タクシー事業についてでございますけれども、京丹後市におきましては、タクシー事業者二社が本年の三月に新たに事業許可を受けておりまして、本年の四月からその運行を開始したところでございます。 それから、NPO法人の話についても御指摘がございました。NPO法人によります、これは現行の道路運送法に基づきます自家用有償運送についてでございますけれども、こちらにつきましては、まだスタートしておりませんが、五月末から、現行制度にのっとってNPOが主体となった輸送を旧丹後町の区域でスタートすると承知しております。
○小川勝也君 そうしますと、全国の中でもいわゆるタクシーがいなくて困る地域ではないというふうに私は認識をするわけでありますが、その辺はいかがでしょうか。
○政府参考人(持永秀毅君) 御説明を申し上げます。 タクシーということにつきましては、旧丹後町、この区域におきましては、NPO法人によります輸送の今後のスタートが予定されておりますが、タクシーの営業所はございませんで、輸送サービスの恩恵を被っているところではないと思っております。 それから、京丹後市全体について申し上げますと、先ほど御指摘のように、ここは六つの町が合併しておりますので大変広い区域をそのエリアとしておりますが、その中におきまして、タクシー事業者でありますとかその数、車の数のことですけれども、さほど多いというわけではございませんので、あとは地元での御協議、御判断、またケース・バイ・ケースのいろんなお考えが出てくるかもしれませんけれども、蓋然性としては、新しい制度の活用について可能性はあり得るものと思っております。
○小川勝也君 最初タクシーがあって、自家用有償旅客運送制度があって、新しい特区に基づいた制度があって、これ三種類あるわけですけれども、その三種類目の新しい制度を運用したいとしたこの地域が、全国の中で最もその前二者のサービスが受けられない地域ではなくなったという認識でよろしいでしょうか。
○政府参考人(持永秀毅君) 御説明申し上げます。 今回の特区法の中身といたしましては、バスでありますとかタクシーによります輸送によることが困難な地域、これを対象として、目的は観光客、訪日外国人等の観光客輸送がメーンでありますけれども、スタートさせるということになっております。
○小川勝也君 私の実家のある町は、合併はしていませんけれども、人口三千七百人を割りました。タクシーは、駅前に営業所があって一台です。一台ということはどういうことかというと、一台が出払っているとサービスにアクセスできないということです。そういう地域は、この京丹後市だけではなくて全国にたくさんあるわけであります。すなわち、申請をしたときから変化をして、この京丹後市のみが今回特区の申請をする理由を深く有している地域ではないということを申し上げたいというふうに思っています。 さらに、お伺いをいたします。行政の公平性についてであります。 今、一国二制度という言葉がありますけれども、今回、この議論の中身は、後ほど農地のお話もさせていただきますけれども、いわゆる業として法律で運営されているタクシーがあります。それから、答弁にもありました自家用有償旅客運送というのもあります。そして、今回更に新しい制度を盛り込もうとしているわけであります。この三種の様々な旅客運送の法律が混在をするということにいわゆる法治国家としてどういう痛みがあるのか、行政をつかさどる国土交通省ではどういう認識を持っておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(持永秀毅君) 御説明申し上げます。 まず、現行の道路運送法に基づきますタクシー事業、こちらは、まさに有償でお客様を運ぶときは、基本、タクシーの事業の許可を受けてタクシー事業者に運んでいただくというのが原則でございます。 一方で、過疎化が進む等々の理由によりましてバス、タクシー等がどうしても使えない、日々の買物でありますとか通院にどうしても不便を来す地域が現実出てきておりますので、そちらにつきましては、営利事業たるタクシー事業に全部頼れないということで、あくまでも例外的に、地域の住民の方の足の確保という視点から自家用車の有償での利用を認めております。 一方で、今回御提案申し上げておりますところの特例措置でございますが、こちらは、先ほどの現行の住民の輸送という目的ということではなくて、地域におきます訪日外国人等の観光客の輸送、まさに観光客の足の確保といった観点で新たに認められる制度でございますので、もちろん特区においてでございますが、そういった意味におきまして、目的でありますとか実際に走行するルートなどについてもおのずと違いがあると考えております。
○小川勝也君 今、住民の足を運ぶにはNPOができた、今回の特区はあくまでも観光客の交通手段を提供するんだという答弁がありました。私も、実はレクに来ていただいたときにこの部分を確かめました。提案理由の説明にあります。第一に、道路運送法の特例として、観光客の交通手段を提供する、主たる目的とした自家用有償旅客運送を、関係者が相互の連携について協議した上で、区域会議の決定により実施できることとしておりますと。 観光客に限定するということは法律の条文に書いてあるのか、この後規定するのかと問いをさせていただいたときに、それは一切ありませんということでお答えをいただきましたけれども、確認をさせていただきたいと思います。
○政府参考人(持永秀毅君) 御説明申し上げます。 先ほども申し上げましたように、今回御提案申し上げております特例措置は、訪日外国人等の観光を主たる目的として、観光客を主たる目的として発動するということでございます。そういった意味におきまして、現行の制度、要は買物でありますとか通院といったような地域住民の足の確保のために発動させるという意味において差別化されております。 それから、今の御提案申し上げている特例措置につきまして、観光客だけなのか、要はその地域の住民等を排除するのかしないのかという御質問かと思いますけれども、発動要件としては観光客の輸送ということが目的となったものとしてスタートいたしますが、現実にスタートした後におきまして地域の住民の方が御利用を、それをなさることにつきましては排除いたしておりません。
○小川勝也君 というように、スタート時点は観光をということですけれども、事実上、その三種の行政の仕組みが分かれた車両が併在をするということになろうかと思っています。 言うまでもなく、ツアーバスの事故が起きた後でもありますし、いわゆる安心、安全の確保というのは大変重要なことでありますし、国土交通省もハイタクの安全の確保のために相当努力をしていただいております。その努力義務や法律の規定が異なる三種のサービスが出るということは、後に大きな禍根を残すことは間違いないというふうに私は思います。拙速にこういった特区の制度の運用で法律をかいくぐるような、あるいは欺くような制度をつくるべきではないというふうに申し上げたいと思います。 これは、なぜそういうことをしたいのかといいますと、この地域の観光客の足を確保したいと思っている人がいるわけではなくて、ここを突破口にして利益を上げたい人がこれを提案しているんじゃないのかということが問題なんです。 米国では、もう御案内のとおり、ウーバー、リフト、いわゆるタクシーによらない旅客運送で様々な売上げが上がっておりますし、利益を上げている者がおられます。今回は、この京丹後市が目的ではなくて、将来的に東京とか大都市圏で利益を上げたい人がこの申請を地域にさせるように内閣府の様々な審議会やあるいは内閣官房や首相官邸等を含めてこれを画策してきた結果だとみんな見ているわけですけれども、大臣、お答えはいかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 私は、今回の京丹後の試みとウーバーは論理的に連関性がないものだと思っております。 ウーバーというようなものを今回の京丹後の事例を契機として拡大をしていく、あるいはそれにつなげていくということは、それはニーズの面からいきましても、あるいは事業者の面からいきましても論理的に連関のないものでございます。これとは全く切り離したものだというふうに御理解をいただきたいと存じます。
○小川勝也君 大臣がそう言っても疑念が拭えないですね。二階建ての制度があるにもかかわらず、またつくっていく。これは、後ほど申し上げますけれども、農地の部分も同じです。信なくば立たずというのが政治の世界の格言だとすれば、まさに国民に信頼されないようなことをどんどんどんどんやろうとしていく、そこに利益を追求しようとする者が見え隠れしているのが今回の特区制度であり規制改革だと見ざるを得ないわけであります。 時間がなくなってきましたので、農地関係です。 これは、先ほど中泉松司議員は、与党内にも様々な懸念があって、その議論に参画をしておられましたので私たちよりも深い議論をされてこられたかと思います。 まず、何としても分からないのは、企業は農地を借りてリスクを小さくして営業した方が得だということがもう間違いないのにもかかわらず、今回、農地所有ということであります。これは、私は、今回の道路運送の方も申し上げますけれども、アリの一穴という言葉が正しいかどうか分かりませんけれども、とにかく既成事実をつくるんだ、とにかく既成事実を一か所つくるんだということが最大の目的だというふうに見ざるを得ないわけであります。 論理的に企業が農地所有をするメリットをお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(佐々木基君) お答え申し上げます。 今回対象となります養父市からも要望があったわけでございますけれども、リース方式につきましては、現在、確かに企業が農業経営をする一つの有効な手段として活用されておりますけれども、一つには、やはり期限の問題で、十年以上の賃貸借契約につきまして解約の可能性があるということもございます。あるいはその農家の方が自ら農業をやろうということを決めた場合にも同様に解約のおそれがあるということで、長期的、安定的に企業経営をやろうと思っている会社にとりましては難点があるということが一つ挙げられると思っております。
○小川勝也君 それは、政府自らがやった法改正をまさに信用していないというばかな帰結になりますよ。 さきの議論で行われたばかりで、農地のリースは五十年までに今改正されたばかりです。北海道辺りでは、いわゆる農地は売買のシステムができ上がっておりまして、先祖伝来の土地を守るということとは少し離れた農地の売買が行われています。 政府からお伺いをいたしましたけれども、この養父市辺りで農地の売買するときに反当たり幾らで取引されておられますか。
○委員長(神本美恵子君) 通告されていますか。 小川勝也さん。
○小川勝也君 安いところで三十万、高いところで百五十万ということです。 今、普通の農家も農業生産法人も、いわゆる農地に対する償還金や、あるいは支払をせずとも経営が楽だという話は聞いたことがありません。農地を高額なお値段で購入して、さらにそのビジネスモデルを立ち上げて農業をやって利益を上げるというのは考えにくいんです。だから、私たちは、私たちだけではなくいろんな有識者がなぜそんなもうからない農業に参入するのかというふうに疑問を持っている。 例えば、いわゆる税制上の軽減措置というんですか、利益が上がったときに、その農地を所有して払う税金を減らすのではないか、そういった疑念も出てくるわけであります。そういった疑念を含めて、農地の所有のメリットを、先ほどの御答弁は、今五十年というふうにはなっているけれども、政府が五十年を十年に縮めたら困るという答弁だったんですよ。そんな答弁はもう幼稚園の答弁じゃないですか。もっと本当に、なぜ法人が、企業が農地所有をしなきゃならないのか、そのメリットについて再度お答えください。
○国務大臣(石破茂君) 先ほど事務方からお答えを申し上げました例えば十年以上の期間の定めがある賃貸借である場合、あるいは賃貸人自ら耕作することとした場合には、貸し手である農家側の方から解約されるリスクが存在するというのは、農地法十八条、十九条でございます。 つまり、それは一般的に考えればリースでいいじゃないかということになりますが、所有権というものがオールマイティーの権利であります以上は、安定的にそれを所有をする、もちろん転売とかそんな話ではなくて、その農地の持っている潜在的な可能性を企業として最大限に発揮していくためには、それはやはり所有権というものを持った方が安定的だということだと思っております。 貸している側から契約内容の変更というものを言われた場合には、これは農地法の規定によりましてそのようなリスクというものが借り手側に生ずるわけでございまして、そういうようなことから、煩わされるという言い方は良くないかもしれませんね、安定的に農地を所有し、六次化あるいは大規模化というものに取り組んでいくということだと思っております。 そこにおいて、私、養父市の事例も随分と聞かせていただきました。所有という話ではありませんが、戦略特区に指定されている新潟も見ました。そこにおいてある考え方は、企業が参入することによっていろんな若い方々がそこにおいて農業を営むのだと、そこにおいて新しい形の安定した雇用というものがあり、農業者の所得が増していく、そうでなければ農地を守ることはできないという強い思いを感じているものでございます。 それを悪用する者が出ないような仕掛けというものは二重にも三重にも講ぜられているものと考えております。
○小川勝也君 農林水産省は、農地法の改正をして盤石の体制をつくったはずであります。 今回、この会議体からこのような特区の案を突き付けられたときには様々な抵抗がなされたはずであります。どういった抵抗をしてどういった改善がなされたのか、農林水産省からお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(奥原正明君) この点につきましては、特区の諮問会議の方でこういう話が出されました。その後で、政府・与党の方で、これについてはどういう対策を取るかということを相当濃密な議論をしていただいたところでございます。 特に企業の農業参入につきまして、リースは平成二十一年の農地法改正で全面解禁されておりますし、こういう状況の中で、やっぱり企業の農地所有、所有方式での参入については農業、農村の現場の中でやっぱりかなりの懸念がある、耕作放棄地になるんじゃないか、あるいは産廃置場になるんじゃないかと、こういった懸念があることも事実でございますので、この懸念を払拭するためにどうするかと、こういう形で政府・与党で慎重に検討して今回の法律の案をまとめたと、こういうことでございます。 地域も限定しておりますし期間も限定しております。その上で、企業が農地を適正に使わないときにその所有権をもう一回地方公共団体に戻す、こういった契約もきちんと許可の要件として入れる、こういう形の原状回復措置もとった上で今回の法律案を政府の中で与党とともにまとめたと、こういう経緯でございます。
○小川勝也君 森山大臣にもお伺いをしたいと思います。 大臣がこだわった点、そしてさらに、現在この法案が提出されて審議をされているその最中にも心配な点があるはずです。森山大臣から御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) お答えいたします。 今回の特例は、本年の二月の五日に国家戦略特別区域諮問会議におきまして、総理の御発言を受けて政府・与党で具体的な措置内容を検討してきたものであります。この際、企業の農地所有につきましては、農業から撤退をしたり産廃置場になるのではないかという農業、農村現場の懸念があるということは私もよく承知をしておりますし、そのことを踏まえ、そのような懸念が生じない方法について政府・与党で慎重な議論を行ってまいりました。 今回の特例措置でありますけれども、一つは、やはり企業が農地として使用しなくなった場合の確実な原状回復措置をどう講じるかということが一つあったと思います。ここは、地方公共団体から所有権を取得する場合に限定をするということの新しい仕組みを入れさせていただきました。 もう一つは、国家戦略特区の中でも一定の要件を満たす地方公共団体に限定をさせていただきましたので、いわゆる地域限定が入っておりますから、今までとその点が違うと思います。また、期間も限定をしておりまして、五年間に限定をしております。 もう一つは、所有権を取得する理由を公表していただくということにしておりまして、五年間これで、特例措置でやらせていただいて、後をどうするかというのは全て国会で御審議をいただくということになりますので、試験的な事業としてやってみるということに尽きると思います。
○小川勝也君 大臣からも、今苦しい胸のうちが吐露されました。どこにそれが分かったかといいますと、安倍総理から言われたということなんですよ。安倍総理から言われたから、残念ながらこういうふうになってきたということであります。 それをなぜ分かるかというと、農林水産省自ら農地所有適格法人制度というのをつくったんですよ。ちゃんと企業にも持ってもらいましょう、ちゃんとその要件を満たせば五十年にわたって農地を持ってもらいましょうと言っているにもかかわらず、それ以外の道を今つくると言っているんです。これは自己矛盾にほかならないですね。農地所有適格法人制度をつくって、それに適格しないところに農地を所有させるんですから、それは日本語で言うと農地所有不適格法人。そういうばかなことをやっちゃ駄目なんだよ。ばかなことをやっちゃ駄目なの、ちゃんとやれということなんです。 それで、株式会社というのは株を誰が持つかということであります。それで、株式会社が農地の上に産廃をまき散らせば、それは分かります。しかし、その株式会社がいつの間にか株式が海外の方々に少しずつ少しずつ移っていくときに、そして、その農地がきれいにきれいに野菜を作っているということであれば、むしばまれていくじゃありませんか。そういうことをみんな心配するから有識者も反対をしてきたわけであります。 養父市の近隣にも農業者やあるいは系統団体があるはずであります。この方々の不安は払拭されたんでしょうか。
○政府参考人(奥原正明君) 先ほど申し上げましたように、今回の法律の中では、農業、農村の現場の懸念、これを払拭するためのいろんな措置を入れているわけでございます。確実な原状回復措置を講じた上で、地域限定、期間限定、そういったことになっておりまして、こうしたことを踏まえまして全国農業会議所あるいは全国農協中央会、こういった農業団体とも調整をさせていただいて今回の法案はまとめておりますので、御理解をいただいているものと考えております。
○小川勝也君 自治体の不安あるいは自治体のリスクを軽減するためにどういう努力を重ねてまいりましたか。
○政府参考人(奥原正明君) 今回の法案は、基本的に地方公共団体に責任を持って取り組んでいただくと、こういうスキームでございます。 企業が所有権を取得する場合も地方公共団体からの取得に限定をしている、この企業がきちんと農地を適正に使わない場合にはその所有権が企業から地方公共団体の方にもう一回移転をする、こういうことを契約で結んでいただくと、こういうことが入っております。この企業から地方公共団体に所有権がもう一回戻る場合の、このときの対価をどうするか、あるいはその原状回復の責任やそれの負担をどうするか、こういったことは最初に地方公共団体から企業に所有権を移転するときの契約の中身でよく決めていただくと、こういうことでございます。 今回の特例は、地方公共団体の方から責任を持って取り組むのでこういう特例をつくってほしいという、この御要請を踏まえて考えたものでございますので、そこについては地方公共団体に責任を持って対処していただきたいと考えております。
○小川勝也君 もう一度、企業はなぜもうからない農業に参入するのかという問いをさせていただきたいと思います。 先ほど、消極的な理由をお伺いをいたしました。基本的に、今、高い金額で農地を取得して、初期投資をして農業に参入して、もうかる確率は非常に低いというふうに思います。そんな中で、先ほど、節税対策なのかというふうに聞きました。いろんな方がいろんなことを推測しています。一つは製品の差別化、自分の会社では自社の農地で安心な原材料を作りましたということなどであります。それから、加工、これと併せてやりたいということだと思います。 今、この新しい特区制度を導入するに当たって、当然のことながら、農地を買いたいという法人と誰かが接触しているはずでありますけれども、どういった理由でもうからない農業に参入しようとしているのか、情報があればお聞かせください。
○政府参考人(佐々木基君) 私ども、養父市からお伺いしているところによりますと、固有名詞を出させていただくと、Amnakという株式会社がございますけれども、ここから、特に耕作放棄地を購入して、将来的には海外に進出できるような、お酒関係でございますけれども、こういった事業を展開して、いわゆる六次産業化というものを目指して頑張っていきたいということを市長から聞いているところでございます。
○小川勝也君 当然のことながら、希代の悪法とまでは言いませんけれども、大変問題のある内容が共有されているこの委員会室だと思いますけれども、多分、数の力で通ることになるんだというふうに思っています。 そんな中で、関係している与党の皆さんを別にけなすわけではありませんけれども、国家戦略特別区域諮問会議などでは、ある委員がこういう議論をしています。過去十五年、二十年、この規制改革の話をしてまいりましたが、この農業生産法人の問題こそが岩盤中の岩盤、ザ・岩盤だと思います、このザ・岩盤の背後にはザ・抵抗勢力とザ・既得権益者がいて、これをどう突破できるかというのが本当にいろいろな意味で象徴になろうかと思っています、こういうふうに言われているんですよ、こういうふうに。それをやすやすと法案を上げてくる、情けないと私は思います。 それで、今後、これは養父だけの五年間にとどめていただきたいと思いますけれども、これがエリア拡大になる可能性はどのように見極められるのか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) 済みません、答弁の補足をさせていただきたいと存じますが、農地所有適格法人で十分ではないかという御指摘でございました。 これは、御案内のとおり、出資要件は農業者以外の出資比率が二分の一未満、事業要件は農業以外の売上げが二分の一未満ということになっていますから、これ、おのずと制限があるということだと思っております。 リース方式にいたしましても農地所有適格法人にいたしましても、それを超えるものというもののニーズがあり、実際に、御指摘のように養父でやってみて、そうではなかったのだ、実は農業なんかやる気も全くなく、もうける気も全くなく、委員が御指摘のようなそういう意図に基づいてやるものであったのだといったらば、これはもうここで終わりに決まっています、こんなものを全国展開していいはずがないのでありまして。私は、先ほど来、委員が農業はもうからないものだという前提でお話しでございますが、私どもはそこを変えていかなければいけないものだと思っております。 委員が北海道において大変な御努力をなさっていることは私よく承知をいたしておりますが、北海道から九州、沖縄まで見たときに、北海道の六次化率というのがなぜ全国で一番低いのだろうかということも考えてみたいと思っております。 つまり、北海道の場合には多くの原材料を提供いたしますので、農業ではございませんが、福岡のからしめんたいって、ほとんどが北海道産のタラコでできておるわけでございますね。今から札幌めんたいといって売れるかどうか、必ずしもそれは分かりませんが、やはり六次化率を上げていくということにおいて企業的な視点というのは必要だというふうに私は思っております。 そういう形によって、農業者が搾取されることなくいかにして所得を上げていくかということをやっていかなければ、この企業の農地所有というのは全く意味がないものだと思っております。
○小川勝也君 農地所有しなくても営業できるから言っているんです。所有しなくても法人がいわゆる従業員の方と力を合わせて利益を上げることが可能だから、私は無駄な特区だというふうに申し上げているわけであります。 最後に二点ばかりお伺いをしたいというふうに思っています。 これと同じように、指定団体の話であります。この生乳の指定団体制度は、森山大臣もお詳しいですけれども、石破特命大臣もお詳しい話であります。鳥取県には大山牛乳という、白バラ牛乳ですか、すばらしい酪農地帯もあります。 当然のことながら、冒頭申し上げました、利益を追求したい人は条件のいいところだけ行きます。これ、国鉄の改革でいうと、山手線だけ俺やりたい、これだと利益は莫大に上がります。しかし、北海道のローカル線はどんどんどんどん切り離されていきます。北海道は広大な地域で、広いエリアで酪農をやっています。ですから、生乳を運ぶのに便利な地域だけ先に取られると条件不利の地域の酪農家はもたない、だから反対しているんです。 何とか、これは与党の同志に敬意を表します、これは、指定団体廃止盛らず、十九日の答申ですか、出ました。しかし、そこに、指定団体廃止盛らずの横に気になる文言が入っています。参院選後に先送り。何ですか、これ。 森山大臣、指定団体の廃止は駄目ですよ。これは決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) 参議院選後までという、参議院選が何かポイントになっているように聞こえますが、そうではなくて、二十八年の秋までに検討し、結論を得るということになっております。 指定団体制度が果たしている機能というのは、これはもう誰が考えても大事にしなければいけないなというふうに思っておりますので、その機能はしっかり守らせていただきたいと思っておりますし、今の指定団体制度の中でもう少し改革をしていくべきことはあるなというふうに思っておりますが、例えばどういうことかと申し上げますと、昨日はちょっと香川にお邪魔させていただいたんですけれども、香川は、酪農家の皆さんが自分たちで管理のいい搾乳の仕方をされまして、そのグループだけでまた指定団体を通じて幾らか高い値段で生乳を売っておられるという取組とか、そういうことを今からしっかりやっていただくということは大事なことだと思っておりますが、重ねて申し上げますけれども、指定団体制度が果たしている機能はしっかり守ってまいりたいというふうに考えております。
○小川勝也君 終わります。
○平木大作君 公明党の平木大作でございます。 私の方からは、今回の国家戦略特区法の改正案におきまして新たに設けられました規制の特例のうち、企業による農地取得及びそれに関連する農業の競争力強化施策に関連して、ここに絞って今日はお話をお伺いしていきたいというふうに思っております。 先ほど来ございましたが、今般の法改正というのは、基本的に対象地域の選定を大変厳格にしましたので、兵庫県養父市に限定して実施をされるということになったわけであります。この養父市ですけれども、これはもう既に特区指定を、実は農業特区の指定を受けてから二年が経過をしております。本日御参加の委員の各位はもう御存じだと思いますけれども、これまでも、農地法三条一項に定めます農地の所有権移転の許可権限、これを農業委員会から市長に移した、そしてさらに、農業生産法人の役員要件も緩和したと、こういう取組を二年間やってきているわけですね。 こういう取組をこれまでしてきた中において改めて、今回のまず施策の中身をお伺いする前に、これまでの取組をちゃんと中間評価しておくことがやっぱり大事であろうというふうに思っております。 特に私が強い関心を寄せておりますのは、この養父市というのは、確かに、これまでの取組によって先行して規制緩和が実施されておりますから、企業が入ってきやすい、農業へ参入しやすい、そういう条件というのは整ってきているわけでありますけれども、同時に指摘をしなければいけませんのは、株主から例えば収益ですとかリターンが求められる企業にとって、果たしてここは喜んで参入していくような場所であるのかということであります。 私もまだ養父に実は行くことができておりませんので仄聞でしかないわけでありますけれども、どちらかというと、これは中山間地が多くて条件不利地が多いという場所であります。耕作放棄地がそもそも増えてきたからこの特区に取り組みたいという声が上がってきた地域であります。 この条件不利地の多い養父市でこれまで多くの企業が実際に参入をされてきているわけでありまして、この理由を一体どうお考えになるのか、現時点での施策の評価と併せて、まずお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(佐々木基君) お答え申し上げます。 養父市におきましては、特区指定前は十年間で僅か四社でありました市外からの進出企業が、指定後は十社に上っているという実態がございます。 これは、養父市がなかなか兵庫県でもまれな、非常に耕作放棄地が増えている地域でございまして、また、農業従事者が高齢化するということについて大変強い市長が危機感を持たれまして、そこで熱意を持たれまして、ほかにまねのできないような大胆な規制改革事項を提案し、活用しているわけでございまして、ある意味、指定後に入ってきた十社につきましても、一つには、やはり市長さんの熱意のたまものという気がしているわけでございます。このことによりまして、企業が他の地域に比べ有利な条件で事業を展開できる環境にあるということも確かであろうと思っております。 具体的には、今先生からお話がありましたように、今年の四月に区域会議が評価を行ったわけでございますけれども、その評価におきましても、農業委員会の業務の市への移管によりまして事務処理期間は大幅に縮減し、農地の流動化が進んだことでございますとか、あるいは農業生産法人の役員要件の緩和によりまして新たな農業生産法人、今は農地所有適格法人でございますけれども、が設立されまして、耕作放棄地を含む農地十一・四ヘクタールで米等の生産、加工が行われるようになったということが挙げられているところでございます。
○平木大作君 今御答弁にもありましたけれども、単純にそろばんをはじきやすい、収益がちゃんと出るかどうかというところを見込みやすいかどうかということだけで考えていけば、やはりこれは、面的な集約が進んでいてなるべく平たんな土地に入った方がいいわけでありまして、ある意味、今回のこの養父、これまでの取組というのは、市長が大変これは率先して旗振り役になってリーダーシップを発揮してきた、個々の企業に実際に自分が乗り込んでいって、何とか来てほしい、一緒にやってほしいと説得に歩いたということがまずあったというふうに思っております。この市長のリーダーシップの下に、今、様々な制度も含めて、実際に、じゃ、企業の方も力を合わせてやっていこうということで取り組まれてきている。 そして、この二年間の取組だけでなくて、先ほどの問いの中にもありましたけれども、本年の四月からはいよいよこの農地所有適格法人の制度が始まりました。さらに、今回のこのいわゆる特区法の改正によって、企業の農地所有要件、これを試験的に緩和するということになるわけであります。 こういう形で、ある意味、ちょっと急過ぎないかというぐらい矢継ぎ早に今この特例の拡充に取り組む、この意義についてまずお伺いするとともに、今回のこのいわゆる特例というのは、元をたどれば、先ほどもありましたけれども、基本的には養父市の方からの要請があったというふうに理解をしております。一方で、養父市から要請があったものをそのまま今回の法律に盛り込んだかというと、そうでもない。ある意味、これを、じゃ、実際に養父市の方からは、地元の方からはどういう要請があって、それぞれについて一体どういう判断をなされたのか、これは今回の中に盛り込むけれども別の点は盛り込まないみたいな判断をされたはずなわけですけれども、この点について併せてお伺いをしたいと思います。
○政府参考人(佐々木基君) お答え申し上げます。 おっしゃいますように、平成二十一年には農地法の改正でリース方式が導入されましたし、昨年は農地所有適格法人に係る制度改正が行われてきたということでございます。 今回、養父市がこういうようなことを前提としつつも特区による措置をお求めになった背景には、やはり待ったなしといいますか、非常な時間的制約の中での危機意識というものがあろうかというふうに思っております。 リース方式につきましては、先ほど来議論も出ておりますけれども、十年未満のリース期間は契約全体の約七割五分を占めているという状況が事実としてございます。したがいまして、企業が安定的、長期的な経営を行おうとすると難点があるのではないかというふうに思っておりますし、これも先ほどお話出ておりましたけれども、農地所有適格法人につきましては出資比率の制限がございますので、大規模投資の資金を増資により調達しようといたしますと農家に重い負担となる可能性があるということだと思っております。 こうした中で、企業が農地を所有できるようになりますと、大規模経営でございますとか六次産業化に取り組みやすくなるといったメリットが考えられることから、これは、今回地域を限定してあくまでも試験的に措置しようとするものでございますけれども、企業の経営判断の選択肢に所有ということを加えるべく措置するものでございます。 これによりまして、企業が有する資金力でございますとか販路の確保など、経営のノウハウを農業に活用することで新たな事業展開も期待されるというふうに考えているところでございます。 なお、本法律案につきましては、養父市さんの御要望を踏まえまして、農水省さんと私ども御相談させていただきまして、企業が農地を所有した場合の懸念に対する措置として、農地所有の期限を五年以内とするとか、地方公共団体を通した取得に限定して、農地を適正に利用していない場合には所有権を当該地方公共団体に移転させるといった、養父市の提案にはなかった担保措置を講じた上で企業の農地所有を認めることとした次第でございます。
○平木大作君 今回の特区法の改正というのは、一つ、先ほども何度も何度も出てきているんですけれども、どうしても企業の農地所有の全国展開に向けたアリの一穴なんじゃないかと、こういう指摘をされる方もいらっしゃる、見る向きもあるわけでありますけれども、私、ちょっと違う見方をしております。 そもそも、この中山間地、条件不利地に、これまで農業者が持っていないような、企業が持っている例えばマーケティング力ですとかあるいは資金調達力、またICTの活用、こういったノウハウを投入していくことによって新たな可能性が開けるんじゃないかという試みだと思っているんですね。 これまでも、いわゆる農政というのは車の両輪なんだ、産業政策と地域政策なんだということを政府の方から何度も何度も発信していただいて、私もそうだなと思うんですけれども、どうしてもこの車の両輪という話を聞くと、産業政策というのは主に農地が集約できて平たんなところ、地域政策というのは中山間地で条件が不利なところ、産業政策というのは基本的にどんどんもうける方向に行きましょう、地域政策というのは、もうからなくて仕方ないんだけれども、それでも農地って大事だから維持していきましょうみたいな、ある意味簡単なちょっと構図をどうしても描いてしまうんですけれども、私は、それだけじゃないんだということが今回の一つのポイントだと思っています。 中山間地でも、企業の皆さんに熱意を持って取り組んで入ってきて、実際にもしかしたらこの中でもちゃんと暮らしが回るような形で農業経営できるんじゃないかということのまさに実験でありまして、そこを今回モデルケースとしてしっかりつくっていただいて、全国に展開していただきたいということをまずお願いしたいというふうに思っております。 今回の企業の農地所有の議論において、衆議院の議論を拝見をいたしますと、一番出てきたのが、農地の価格がリースに比べたときにやっぱり高過ぎるんじゃないかという御指摘が何度もあったかと思っております。 これ、ちょっとまずお伺いしておきたいんですが、そもそも、この農地の売買価格とリース料って一体どのように決まるのか、また、売買価格とリース料って、場所によるんでしょうけれども、田んぼだと大体一年間のリース料の百倍ぐらいが取得価格とも言われているわけですけれども、この大きな差って一体何によって生じているのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(奥原正明君) 農地の売買価格あるいは賃料でございますけれども、基本的には、その土地の生産力あるいは周辺の土地の状況等を勘案して、当事者間の話合いで決まるものというふうに考えております。 現在の平均的な農地価格、あくまで平均でございますけれども、これは、収益価格に比べて著しく高い水準になっております。収益価格が大体賃料の二十五年分程度と言われておりますが、現在の農地の価格は全国平均で見ると賃料の百年分という状況でございまして、非常に農地価格がリース料に比べて割高という状況になっております。 この農地の売買価格と賃料に大きな差が生じている原因でございますけれども、賃料については、これは営農した場合の収益性を踏まえて決定されておりますけれども、売買価格の方は、営農した場合の収益性だけではなくて、農家の資産としての意識ですとか、あるいは農地を宅地に転用した場合の潜在的な価値ですとか、いろんなことが反映されているんではないかというふうに考えているところでございます。
○平木大作君 今お答えいただいたとおりでありまして、農地というのが基本的に農業生産の基盤である以上、売買価格とかリース料というのは、価値の本質的な部分に関しては収益還元でやっぱり基本的には考えるものだと思っております。例えば水田の売買価格についても、お米の価格がだんだん下がってきたみたいな中においては、やっぱりこれ同様に下がってくるものでありまして、じゃ、一体何でこのリース料と売買価格ってこんなに差が開いているのか。今御答弁いただきましたけれども、私、基本的には二つあると思っています。 一つは、まず、比べている期間が余りにも違い過ぎるということなんですね。リースの方は、制度の上では五十年まで引けるわけでありますけれども、実態はほとんど十年以内のものばかりでありまして、極めて短い。一方で、売買というのは、基本的にはこれ未来永劫の価値を算出する。 この期間が非常に違うということと、あわせて、やはり今御答弁いただきましたけれども、売買についてだけは農地の転用プレミアムとでもいうような種々のものがやっぱり乗ってしまいがちであるということでありまして、やっぱりこれからも貴重な農地をちゃんと農地として存続させていかなければいけないということを考えたときに、不透明な転用プレミアムみたいなものがいかに乗らないでやっぱり価格形成していくかということが私は大事であるというふうに思っております。 今回も、企業に対して農地を売るということだけじゃなくて、これは、例えば従前の農業者の皆さんに対して売るということですとか、あるいは次の世代にちゃんと農地を農地として継承していくということを考えた上でも、やっぱりこの農地の価格形成というのは極めてこれから大事になってくるわけであります。 そういう意味で、現在ネットが大分やっぱり発達しておりまして、例えば養父市での農地の売買価格って簡単に調べることができるんですね。ただ、やっぱりこれ、じゃ、隣り合った農地自体をちゃんと比較できるかというと、まだそこまで密に農地って売買されているわけではありません。なかなか価格を検証するという意味においては役に立たないというふうに思っております。 今回の取組というのは、やっぱり養父市という特定の地域の中である意味密に農地の売買が行われる可能性があるというわけでありますから、これ、今後、じゃ一体この農地の売買価格というのはどういうふうに決まったものなのかということをちゃんと事後検証していただきたい、これも併せてお願いをしておきたいと思います。 ちょっと急ぎたいと思います。 結局、こうやってちゃんと志のある企業の皆さん、地域にも根差して養父の皆さんと一緒に農業をつくっていきたいという企業の皆さんがたとえ入ってこようとしても、もう一つ大きな障壁がありまして、それは、やはり農地ってなかなか出てこないというところなわけであります。 ちょっと関連してまずお伺いしたいんですが、先日、二〇一五年度の農地中間管理機構による農地の借受け、貸出しの実績というものが公表されました。対前年比で三倍ということで大幅に進捗はしているんですけれども、まだまだこれはしっかり加速度を上げていかなければいけないということも確認をされたわけであります。 借受けの希望に対して貸出し、なかなか農地の供給量自体が増えてこない理由をどう考えるのか、農地の供給をこれから促していくためにどんな施策を取られるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(奥原正明君) 農地中間管理機構の関係でございますが、平成二十七年度が事業の二年目ということになるわけでございます。昨年の今頃、一年目の状況を検証した上で改善策をいろいろ決定いたしまして取り組んでまいりまして、二年目の二十七年度の機構の実績は、初年度に比べると三倍程度に増えているところでございます。 この機構の受け手と出し手の状況でございますけれども、機構からの借受け希望面積、これは、機構から借りる場合には公募制を法律上取ることになっておりますので、この公募に手を挙げた方の希望面積を合計したものですが、これは、平成二十七年九月末時点で四十六万ヘクタール、相当な面積になっております。という状況で、全国的に見ますと、現在の状況は農地の出し手の方が不足をしていると、こういう状況でございます。 この原因として、やはり農地の出し手の方に農地を貸し出すことへの抵抗感、これが一つございますし、それからもう一つは、農地中間管理機構の仕組みについてのPRがまだ必ずしも十分に至っていないというところもあるかと思っております。 これまでも、機構は公的な機関でございますので、機構に貸していただければ地代は確実に払われますし、耕作放棄地になることもございません。言わば出し手にとっては安心して貸すことのできるスキームでございますので、こういったことを県知事あるいは機構の理事長が前面に立ってPRするということをやってきておりますし、地域でまとまって農地を機構に貸し出していただくようにするための地域での農業者の方の話合いの推進、これも相当進めてきております。 実際に、話合いは人・農地プランということで進めておりますけれども、人・農地プラン、全国で一万三千八百四十五地区で作られておりますけれども、この中で本格的なプランになっているところ、要するに、機構に貸し付けることを希望する方の固有名詞まで記載をした本格的なプランになっているところが大分増えておりまして、二十七年度は五千地区弱に増えているところでございます。 さらに、二十八年度におきましては、税制改正で遊休農地の場合の固定資産税の課税強化、それから機構に貸し付けていただいた場合には固定資産税が軽減されるという税制もできましたので、こういった点を含めて農地の出し手の方に周知を徹底し、地域の話合いを進めることによってここの問題を解消していきたいと考えております。
○平木大作君 農地関連でもう一問お伺いしておきたいと思います。 この特区の取組、やっぱり耕作放棄地をいかに減らしていくのかということ、これに取り組んでいるわけでありますが、そこに対する障害として今大きな問題になっておりますのが全国で急増しております農地の所有者不明地でございます。最大の原因が相続の未登記というふうに言われておりまして、二〇一二年度の国交省が行ったアンケート調査によりますと、二〇一〇年から五〇年までの間に大体十万ヘクタールぐらいまたこれが増えてしまうんじゃないかということも推計をされているわけであります。 政府としてこの問題にどう取り組んでいくのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(奥原正明君) 農地につきましては、近年、相続によりまして農業を行わない人が所有をするというケースが増えておりますし、相続をした共有者の所在が不明というケースも増えているところでございます。実際に、鹿児島県等におきましては、相続登記がなされていないということで所有者が不明の農地が相当数、農地全体の二割程度と言われておりますけれども、報告をされているところでございます。 農地制度上は、これは特に農地中間管理機構をつくりますときに制度も整備をいたしまして、共有権者の過半の方の同意があれば利用権の設定ができるですとか、あるいはこの過半の持分を持っている方が分からない場合にも、公示等の手続を取ることによって農地中間管理機構に利用権を設定できると、こういった法制度も整備はされているところでございます。 しかしながら、相続未登記の場合には、この制度を活用するための事前準備、これをするのも物すごく手間が掛かるという状況でございまして、実際に、この相続未登記の問題が担い手への農地の集積、集約化を図る上で阻害要因になっていると、こういう状況でございます。 この相続未登記の所有者不明の土地の問題は農地だけの問題ではございません。森林あるいは宅地を含めて土地全般について顕在化している問題でございますので、今後、関係省庁とも連携を取りまして、相続登記の促進などの改善策の検討を行ってまいりたいと考えております。
○平木大作君 最後の問いにしたいと思います。 私の基本的な考え方を申し上げますと、例えば株式会社だからとか企業だからとかあるいは個人だからとか、そういうある意味エンティティーで農地にアクセスすべきでないとかということを議論してもちょっと不毛なのかなというふうに思っております。やはり大事なのは、農地をしっかり農地として維持、継続していくためにはどうしたらいいのか、耕作放棄地を発生させないための施策、あるいは産廃みたいなものを入れないためのチェック機能、こういったものをしっかり拡充していくということがやっぱり本筋だろうというふうに思っております。 そうする中で、一方で、もう単純に、じゃ、これからは農地をどんどん売買していけばいいんだという立場に立っているかというと、そうとも考えておりませんで、特に、先ほどからもこれ御指摘ありましたけれども、今あるリース制度というものがやっぱりちゃんと十分に活用されていないということは問題でありまして、しっかりこれは活用していただけるようにもっと努力しなければいけないと考えております。 農地のリースの機会については先ほどもありました。制度としては五十年実際に貸出しできるわけでありますけれども、契約の内訳を見ていきますと、例えば、実態として一年から六年までが四八・七%、ほぼ半分、六年から十年までが二二・八%ということで、これでもうほとんど大部分を占めてしまっております。制度がやっぱり十分に活用するための、じゃ、どういう手を打つのかということ、これを併せて是非進めていただきたいわけでありますけれども。 例えば、今後、より長期でのリース契約というものを促していくためには、これはいろんな政策が必要だと思っていまして、一つは、やっぱり農地の出し手に対して、長期で出していただく方に、今取り組んでいただいている部分もあるんですけれども、やっぱり税制面等を含めてしっかりとこれは促進策、優遇措置打っていただいた方がいいと思っておりますし、あるいはなかなかこういったもので短期的に、今農地を持っている農業者の皆さんが、じゃ、どんどん長くしようというふうになるのはやっぱり難しいのかなと思っています。 そういうときに、現場の農地のリースの契約のときに、私もいろいろお話をお伺いするんですけど、大丈夫だよ、契約は例えば三年とか五年なんだけれども、ちゃんと耕してくれればずっと更新していくからということでやっていたりはするんですけれども、本当にそれが続くのかどうかが分からないからやっぱり借り手の側はちゅうちょしてしまうというところがある、ここのギャップをどうするかということだと思っているんですね。 一つの考え方として、これは、フランスは大変充実しているようなんですけれども、例えば、契約は三年なんだけれども、その契約更新が最終的に十年を超えないような事態になってしまった場合、思っていたほど長くちゃんと更新できなかった場合には、それまでの間に企業がその農地に対して行った投資を回収できるような何か保証を政府がしてあげるですとか、そういったある意味の政策、これも必要なんじゃないかと思うんですが、最後にこの点についてお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(森山裕君) お答えいたします。 リース方式での農地の契約の在り方につきましては、やはり長期であるべきだと考えております。委員御指摘のとおり、今はほぼ二十年未満のものが大部分でございまして、最長五十年まで延長できる特例が広く普及しているというわけではありませんので、こういうことのPRもしっかりさせていただかなければならないと考えております。 また、本年度より税制面では少し進めておりまして、所有する全農地を農地中間管理機構に対して十年以上の期間で貸し付けた場合は、固定資産税を三年間二分の一に軽減する措置が講じられております。この際、より長期の貸付けを促すために、十五年以上の期間で貸し付けた場合には特例措置も三年から五年へ延びる仕組みとなっております。 今後とも、農地法に民法の特例が設けられていることや、機構に長期間貸し付けた場合には税制の優遇税制があるということもしっかり周知徹底をしていくということが大事なことではないかなというふうに思っております。 それと、私は、熊本の視察をさせていただいたときにやはり農地というのはこういうことなのかなと思ったんですが、あそこでベビーリーフをやっておられる方がおられますけれども、六百か所農地を借りておられます、そんなに広い農地ではありませんが。そこの社長の話を伺ったときに、最初は一年間貸してくださいと申し上げないと、長期の話をすると、必ず集落によく相談をしてみるからとかという話になってなかなか話がまとまらない、一年間貸してくださいと申し上げてハウスを造ったりされるんだと思いますが、約束をしっかり守って、しっかりと農地として使っていくことによって農家の皆さんの信頼を得ることができました、やはり農家の皆さんは自分の貸した農地が農地として使われることが大事なんだということがよく分かっておられるということの証左であろうと思うと言われまして、今はもう何ら問題なく期間の更新ができておりますという話を聞きました。やはりそこはお互いの信頼関係というのが大事なんだろうなと思うところであります。 それと、保証のことについてでございますが、農地の賃借人が投資した費用のリース契約終了時における償還において、個々のケースごとに当事者間において最初に決定をしておくことが望ましいと考えておりますが、何らか制度的な支援が可能かどうか、今後ちょっと検討を深めてまいりたいと考えております。
○平木大作君 時間が参りましたので、終わります。 ありがとうございました。
○紙智子君 日本共産党の紙智子でございます。 国家戦略特区は岩盤規制を突破するためにつくられた制度です。農地法において岩盤とは何をいうのか、何を突破するということなんでしょうか、石破大臣に伺います。
○国務大臣(石破茂君) 岩盤というのは、別に法律上の定義があるわけではございません。やはり農地の所有形態ということだと思っております。 株式会社が農地を保有できるかどうか、これはもうずっとある議論でございまして、そういうことはしてはならぬのだ、そこにおいて耕作者主義というものがあり、そして、そこにおいて法人たる株式会社なるものは、その形態の特性に鑑みまして農地の所有をするべきではないというお話でございました。 ですから、そこにおいて岩盤というのは、自作農主義あるいは耕作者主義というものが一つの岩盤といえば岩盤、言葉はもう適当かどうか知りませんが、なかなかそれが今まで認められなかったものだというふうに私自身は理解をしておるところでございます。
○紙智子君 安倍内閣の方針である日本再興戦略で、国家戦略特区は国の経済成長に大きなインパクトを与えるものとされています。国家戦略特区法の目的は、産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成を図ることにあると、改正案の説明もそういうふうになっています。 第十八条、ここに農地法等の特例を設けて企業の農地取得を認めるものとなっていますけれども、この特定地方公共団体、兵庫県の養父市が想定されているわけですけれども、特定地方公共団体は産業の国際競争力強化並びに国際的な経済活動の拠点になることを目的に企業の農地取得を認めるということになるのでしょうか。
○政府参考人(佐々木基君) お答え申し上げます。 今回の特例の対象でございます養父市というところは、高齢化が進展しておりまして、担い手不足や耕作放棄地の増加といった深刻な問題を抱えている中山間地域でございまして、農業の多様な経営主体の参入を促すモデルを構築することが急務と考えられているところでございます。 その際、農地を所有いたしまして大規模経営でございますとかあるいは六次産業化等に取り組む企業の参入が促進されるということになりますと、農業の高付加価値化や競争力の強化が図られまして、農業の国際競争力の強化につながるものと考えているところでございます。現に、本特例を提案しております養父市につきましても、国際的な経営展開を図ろうとして農地を取得したいという企業があるものと承知しているところでございます。 六次産業化を図りまして攻めの農業を展開していくというモデルはほかの中山間地域においても有用でございまして、今回の養父市の特例はあくまでも地域を限った一つの実験でございますけれども、養父市の特例が成功いたしますと、中山間地域における農業の国際競争力の強化につながっていく可能性もあるというふうに考えているところでございます。
○紙智子君 今説明がありましたけれども、国家戦略特区というものは岩盤規制を打破するものだと。それで、中山間地域の振興の話もされているんだけれども、地方創生ということは入っていないですよね。 そこで、第十八条の二なんですけれども、特定地方公共団体の要件を定めています。一つは、農業の担い手が著しく不足している、二つ目のところで、耕作放棄地が著しく増加するおそれがある、この二つの要件を満たす必要があるということですけれども、国際的に競争力を強化する、あるいは国際的な経済活動の拠点にすることが自治体の要件になっていないというのは、これはなぜなんでしょうか。
○政府参考人(佐々木基君) 私ども、この特例を検討するに当たりまして、国家戦略特区法の改正でございますので、もちろん大きな意味合いは、おっしゃいますように産業競争力の強化ということでございまして、それに最終的に養父市の特例が資するかどうかということでございますけれども、具体的な制度の設計に当たりましては、もろもろの懸念がございますので、その懸念を払拭するような制度設計をさせていただいたというところでございます。
○紙智子君 実際に、目的のところに、十八条のところにその満たす要件のところで書いていない、これはなぜなのかと聞いたんですけれども。
○政府参考人(佐々木基君) お答えいたします。 これは、国家戦略特区法の目的自体が産業の競争力の強化でございますとか国際的な経済の競争力の拠点をつくるというような趣旨でございますので、戦略特区法の中ではいろんな法律の改正が盛り込まれておりますが、それぞれの法律の改正によって対処しようとするものでございますけれども、それはいずれも国家戦略特区法の改正ということでございますので、目的はあくまでも国家戦略特区の実現ということでございます。 以上でございます。
○紙智子君 そうしますと、国家戦略特区は国際競争力強化と経済活動の拠点づくりが目的だと、耕作放棄地の解消が目的ではないわけですね。目的と特定地方公共団体の指定要件のずれというか、整合性がないんじゃないかというふうに思うわけですよ。 なぜ国家戦略特区という形で企業による農地所有を認めたのか。それは、国際競争力の強化だと言われたわけですけれども、法律の目的にあるように、産業の国際競争力の強化並びに国際的な経済活動の拠点づくりに踏み出す必要があったからなんだと思います。 石破大臣は、麻生内閣のときに農林水産大臣をしておられました。当時、リース方式で企業の農地使用を認める農地法の改正が行われたと。当時の議論を私も振り返ってみたんですけれども、利用されない農地をどうするのか、農家に担い手がいないからリースという形で企業を入れるんだというふうに言われたわけですね、覚えていらっしゃるかなと思いますけれども。今回、担い手不足とか耕作放棄地の増加で地方が困っているから企業という担い手を入れて地方を助けるんだという言い方を前面に出されているわけですよ。 しかし、これ、二〇〇九年、リース方式で企業参入を認めたのは、当時、経済財政諮問会議グローバル化改革専門調査会第一次報告がきっかけだったと思います。そこでは、EPA交渉を進めるには農業の構造改革、国境措置に依存しない、グローバル化を恐れない農業が必要なんだ、新しい理念に基づく新しい農地制度の確立が不可欠だというふうにおっしゃっているわけですよ。今回は、総理の言葉で言いますと、国家戦略特区ではいかなる既得権益も私のドリルでは無傷でいられないと、よく使われている言葉ですけれども。 つまり、今回の改正が何か困っている地域に要望に応えるかのような形を取りつつも本質は違うと、要するに国際対応、今でいえばTPPに対応した農地制度に変えるきっかけにしたいということなんじゃないのかと。だから、企業に農地所有を認めない農地法という岩盤を壊すことが目的にあるんじゃありませんか。いかがですか。
○国務大臣(石破茂君) 麻生内閣で農林水産大臣をしておりました当時に紙委員と議論したことを今思い出しておるところであります。 ロジカルに詰めますと、そういう部分が私はないとは申しません。ただ、私は思うんですが、今回、実際、耕作放棄地が非常に多くて、そして、農業の担い手がいないところに国際競争力を強化する余地はないかというと、私はそうだとは思っていないのです。 これは農林水産大臣当時にもお答えをいたしましたが、一番おいしいお米というのは、実は中山間地で取れるものではないのかと。高低差があり、そしてまた水がきれいで、ましてや、そこで天日干しを行うような米の食味というのは非常に高いものであって、平野部というか平たいところでできるものではございません。そしてまた、中山間地においてコストの低減は不可能かというと、それは決してそうではないのではないだろうか。 中山間地でございますから高低差がございますので、田植にいたしましても稲刈りにいたしましても一週間から二週間ぐらいの差があることがございます。そういたしますと、農業のいろいろな装備というものをみんなが持つのではなくて、集約することによって低減というものも可能なのではないか。 これから先、IT化が進むことによりまして、例えば、田んぼにそれぞれセンサーを置くことによってその田んぼの水の状況というものを管理をしながら高品質のものをより求めていく、たくみの技みたいなものをコンピューターに入れることによりまして水の管理というものにより的確性を見出して、そういう地域において本当にすばらしい米を安く作ることも、中山間地において私は不可能なことだと思っておりません。 ですから、耕作放棄地が増えて困ったねと、そしてまた担い手がいなくて困ったねという地域において、企業が参入することによってそのような可能性というものを追求することは私は可能だと思っておりまして、したがいまして、これが矛盾するような考え方だとは理解をしておらないところでございます。
○紙智子君 別に企業が入ったからそれが解決されるということでもないと思いますよ。今現に頑張っている人たちが随分大変な努力をされているわけで、何か企業が入ったらバラ色になるかのようなそういう言い方というのも、私は、なかなかこれは納得できないものなわけですよ。 なぜ企業に農地所有を認めるようになったのか、なぜそこまで規制緩和をせざるを得なくなったのかと。それは、やっぱり二〇〇九年のときの農地法の、大改悪だと私は思いましたけれども、行って、農地を所有して経営をするという農地法の原則を、これ農地の所有権と利用権を分離したというふうに思うんですね。分離することで企業の農業経営が、参加が可能になった、つまり、今の農地法は、利用という形があればこれは企業の参入を拒めない、だから、所有についても、これは懸念材料が解決されたら企業の参入を拒めなくなるんじゃないのかと。 これは農水大臣にお聞きしますけれども、そういうことなんじゃないんですかね。いかがですか。
○国務大臣(森山裕君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、企業の農業参入につきましては、平成二十一年の農地法改正によりリース方式での参入は全面解禁をされており、農地中間管理機構との組合せにより更に参入しやすくなっていると考えております。 一方、企業の農地所有につきましては、法人が農業から撤退をしたり、あるいは産廃置場等になるのではないかという農業、農村の懸念があることから、当該法人が農業を継続的に真剣に取り組んでいくことを担保するために議決権要件を設けているところでありますが、この議決権の要件につきましては、昨年の農地法改正によりまして、既存の法人の六次産業化などの経営発展を推進していく観点から、農業者以外の議決権比率を四分の一以下から二分の一未満まで拡大をしてきたところであり、この四月から施行されたところであります。したがいまして、全国レベルの制度として企業の農業参入について更なる要件緩和を検討する段階ではないと私は考えております。 しかしながら、地域を限定をして試験的に実施することとは、それとはまた別の問題でありますので、やり方によっては農業、農村の現場に不安を生じず、また、その実施状況が今後の検討の参考になることもあり得るのではないかというふうに考えております。 こうした観点からどのようなやり方が考えられるか検討した結果、今回の国家戦略特区法案において、企業が農地として利用しなくなった場合の確実な原状回復措置を講じた上で、国家戦略特区を更に限定した試験的な事業を実施するとしたところでございます。
○紙智子君 私が質問したのは、要するに、懸念があるからいろいろな歯止めをするというんだけれども、そういう懸念材料がなくなった場合には企業参入を拒めなくなるんじゃないのかというふうに聞いたわけですよ。 日本再興戦略の改訂二〇一四年で、農地を所有できる法人の見直しを行うことになっています。そこで、農地の所有方式による企業の農業参入の自由化を検討する場合には、リース方式の契約を解除して原状回復をするという確実な担保があるということを踏まえて、これに匹敵する確実な原状回復の手法の確立を図ることを前提に検討するというふうに書いてあるわけですよね。 ですから、懸念を払拭して原状が回復できれば企業の農地所有を全国的に認める方向に踏み出すんじゃないかと。この点、石破大臣、森山大臣、いかがですか。
○国務大臣(石破茂君) ですから、その懸念が払拭できるかどうかということで特区でやってみるわけでございます。 世の中何が起こるか分からないのであって、実際にそのような形でやってみまして、企業が所有した農地が転用されることへの懸念がまず払拭された上で、じゃ、転用しなきゃそれでいいかというとそういう話ではなくて、これは、元々この法律の趣旨に鑑みて、本当に農業の参入者が増えましたか、収益が上がりましたか、農地が有効に利用されていますかというような、まさしく国家戦略特区にふさわしいような効果が上がっているかというような状況の検証、評価というのは当然必要でございます。その上で、何も転用されなきゃそれでいいという話じゃありませんから、この法律の趣旨に従って、きちんとその実効が上がっているかどうかというのを検証した上で次の段階に行くということでございます。 ですから、それが全国展開されるかどうかというのは、そのような懸念と同時に効果が上がったかどうか等々多面的な検証が必要であって、今の時点から断言をすることではございません。
○国務大臣(森山裕君) 仮にこの法案が成立したといたしましても、五年間の期間が経過した後はこの特例もなくなりますので、その後の取扱いについては現時点で何も決まっているわけではありません。 いずれにいたしましても、何らかの措置を講ずる場合には法改正が必要となりますので、国会で御審議をいただくことになると考えております。
○紙智子君 今回の改正案は、問題が発生すれば結局自治体が責任を持つ、自治体に責任を負わせるというものですね。 今回、特区の対象になるのが養父市だというふうに言われていて、安倍総理は、養父市は企業からの積立金を徴収し、仮に農地を農地として維持できなければそれを没収する条例を作ったんだ、企業の負担で原状回復する仕組みを設けたと言われたわけですけれども、そんな仕組みになっているのかと思うんですね。養父市の積立金は十アール当たり十五万円と。しかし、内閣府に確認したら、積立金は保全の必要性が生じた場合の原資であって、産廃や土壌汚染を原状回復する観点は含まれていない、市の予算で原状回復することになるんだということを説明を受けたわけです。家を借りるときの敷金にもならないわけで、これ、市民の税金で原状回復することになるわけですね。総理の説明とは違うわけですよ、ですから。企業の後始末を税金で見る仕組み、何でこんな仕組みを作る必要があるのか全く分かりません。 衆議院の議論を見ますと、企業が農業経営を放棄しても農地の所有権は自治体に戻るんだから大丈夫だという理屈なんですけれども、そんな理屈で農業なんかできませんよ。持続的な農業を行うのは、土作りを継続的にやっているわけですよ。農家の人は、毎日、毎年試行錯誤しながら土作りのところからやっているわけですよ。今回の法律というのは、所有権が残ればいいというもので、持続的な農業経営の維持を視野に入れていないんじゃないかというふうに思うわけですね。 ちょっと時間がないので続けていきますけれども、二〇〇九年に農地法を改正したときに、政府参考人は、農地は農業の用に供されて初めてその効果が発揮できる資産なんだ、農業をきちんと継続することが可能かどうかということが鍵なんだと言っているわけです。所有権が残ればいいということではないわけですね。 石破大臣は二〇〇九年に農地法を改正したときの農林水産大臣で、昨年は農地の転用許可の権限を地方に移譲しました。今年は企業の農地所有を認める方向に踏み出していると。石破大臣は安倍総理と一緒になってこの農地制度の規制緩和に突き進んでいるわけですね。 家族経営の発展をそぐような統制、例えば家族経営で頑張っている農家は、法人じゃないとなかなか補助金は受けられないんだという話をよく聞きます。こういう統制をなくすことには力を入れないのに、とにかく農地がどうなるか分からないような規制緩和を試験だからと称して旗振り役をやるということはもうやめるべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 先ほどお答えしたとおりであります。 ですから、所有権さえ残ればいいなぞということを私は申し上げているのではありません。そして、最終的に自治体の負担において管理をするのであって企業の負担というものはなくていいなぞということを申し上げたこともございません。所有権さえ維持できればそれでいいということではなくて、まさしくそこに参入者が増え、農業というものの所得が上がりということでなければ、これは全く意味がないものでございます。 ですから、結託してとか、さっきからそういうようなけんのんな言葉が出ておりますが、そのようなことを考えているものではない。いかにして農業の所得を上げ、参入者を増やすかということを目的に置いてやるものでございます。
○紙智子君 もう時間になりましたけれども、農地法の目的というのは、農地は限られた資源だと、地域における貴重な資源だと。その限られた資源を守り維持するのが国の責務であって、試験だと称して、一時的であったってこういう、株の運用でもあるまいし、こんな危険にさらすことは絶対許されないと。 この法案については廃案にすべきということを申し上げて、質問を終わります。
○儀間光男君 おおさか維新の儀間でございます。 ただいま議題になった国家戦略特別区域法関連の議題で質問させていただきますが、その前に、質問する前に、石破大臣、去る六日、ワシントンで笹川平和財団のシンポジウムに御出席されてコメントがありますけれども、これについて少し所見を聞きたいと思いますので、お願いしたいと思います。 大臣は、つまり在日米軍についての話ですが、将来的には自衛隊の敷地の中に間借りの形で在日米軍を置こう、あるいは在日米軍基地を日本側が直接管理するんだと、さらには、自衛隊の役割の拡大と日米同盟強化のため、日米安全保障条約と日米地位協定の改定を真剣に検討しなきゃならぬ、そして、これは本当に認識を共有するものでありますが、最終的には、共に守り合う同盟関係にして双務性化を図っていかなければならぬ。 これは、戦後沖縄が、あるいは復帰後沖縄が、圧倒的に多くの県民あるいは日本国民が求めてきたのだと私は認識するんですが、そういう意味では、この発言、非常に同意して認識を共有したいと思いますが、所見をいただければと思います。
○国務大臣(石破茂君) これは、私が防衛庁長官あるいは防衛大臣あるいは自由民主党の安全保障調査会長のときに申し上げてきたことをそのまま申し上げたものであって、今、岸田大臣あるいは中谷大臣が総理の下で真剣にこれから先、取り組まれることだというふうに認識をいたしております。これは、要は日本でできることは日本でやるということではないだろうか。 これは、本にも書いておることでございますので申し上げておきますが、私が最初に防衛庁長官になりましたときに、なぜ日本には陸海空自衛隊はあるのに日本国海兵隊というものはないのだろうか。それは、海兵隊というのは別にアメリカの専売特許でもなくて、海のある国はみんな海兵隊を持っています。韓国でもフィリピンでも中国でもロシアでもイギリスでもフランスでも、みんなそうであります。何で日本だけ海兵隊がないのかという疑問をずっと持っておりました。それはアメリカ合衆国がやるからいいでしょうというお話にはならないのではないだろうかというような思いが根底にございます。日本国にできることは日本国でやるのだと。 そしてまた、沖縄の御負担というものを因数分解しましたときに、土地があり、今回のような許すまじき犯罪があり、そして騒音がありということでございますが、もう一つは、当たり前のように外国が駐留しているということも沖縄の負担として考えるべきではないのだろうかというふうに思ってまいりました。 いずれにいたしましても、これは、所管外のお話でございますので責任を持って申し上げるわけにはまいりません。ですから、アメリカにおける講演におきましても、将来的に真剣に検討されるべき課題だということを申し上げたとおりでございます。 政府の方針としては、総理の下で当局が適切にこれから先も運営するものと承知をいたしております。
○儀間光男君 ありがとうございました。 今いろいろお話がありましたが、現職の大臣、所掌外とはおっしゃいましたが、そのとおりですけれど、現職の安倍内閣の大臣がここまで踏み込んで講演の中でおっしゃったということ、これはかつてないことですよ。大臣は当たり前のことのようにおっしゃるんですが、歴代総理あるいは外務大臣、防衛庁長官並びに防衛大臣、そんなことを言ったことないんですよ。そういう意味では、実に将来期待を大いに持てる石破大臣だなと、こういうふうに思って、早めの総理大臣御就任をお願いしたいと、こう思います。 さて、今回の議題について少し質問をさせていただきますが、時間の都合もありまして、今回は沖縄に特化された特区のお話をさせていただき、また、私、常任委員会が農林水産委員会でありますから、農林水産に関することは常々森山大臣ともやり取りさせておりますから、ここは、特にその特区についてお尋ねをしていきたいと思います。 私の認識の中で、安倍政権は、我が国の経済が停滞した大きな原因にいわゆる岩盤の規制があって、それが規制緩和できないために経済が停滞してきたと。そのためには、戦略として、アベノミクスの三本の矢、これで大胆な金融政策、二つ目には機動的な財政政策、あるいは民間投資を喚起する成長戦略として三本目の矢である民間投資を、特定の地域に限り規制の緩和を、免除して行う、これがいわゆる戦略特区であるというふうに理解をいたしておるところであります。これはまた、国が岩盤規制を廃止する、緩和すると同時に、地方自治体においてもそれぞれ規制がありますから、それも呼応するように規制を緩和していかないというと、おっしゃる国際競争力の向上にはなかなか付いていけない、こういうようなことも認識として持っているわけであります。 また一方で、私は、日本経済の再生や復活には、今大臣が所掌されている地方創生、これなくしてはなかなか思うようにいかないと思うんですね。三つの矢の話も今のにしても、全て地方創生へつながっていく。特区もそのとおりでありまして、だから、地方創生がどれだけ本気でやっていけるかが大きな課題になると思うんです。その中には統治機構あるいは権限や財源の移譲なんかがあるわけでありますけれど、ここについて、財源の移譲、権限も含めて、どういう形でどういうものを移譲していくのか。 私は、統治機構調査会でもあるいは地方創生の審議でもそのことをずっと聞いてまいりましたが、改めて伺いたいと思いますね。そして、今政府が進めている地方分権、これとの関わりについてもお聞かせいただきたいと思います。 〔委員長退席、内閣委員会理事相原久美子君着席〕
○国務大臣(石破茂君) これは、経緯を長々と御説明することはいたしませんが、第一次から第六次までの地方分権一括法により延べ四百法律の改正を実現をしたところであり、地方公共団体からも御評価を賜っておるところでございます。 権限だけ移譲しましても、ノウハウが移譲されないとかあるいはスキルが移譲されない、似たようなものですが、あるいは財源措置がなされないということがあってはなりませんので、そこは、関係省庁ともよく御相談の上、地方に権限を移譲しましたその実効が上がるようにいたしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。 これは、自治体から手を挙げてくださいというお願いの仕方をいたしております。それは、沖縄にしてもあるいはそのほかの地域にしてもそうですが、一体何が地方がやった方がより住民のためなのかということは霞が関よりも現場の方がよくお分かりだというふうに承知をいたしておりますので、地方からの御提案方式というものをやっておるところでございますが、なかなかそれが思い切った進捗を遂げないということが仮にありとせば、もう一度それと並行して、国の側からこれを地方の方にお願いできませんでしょうかというやり方もまた並行してあってしかるべきなのかもしれないというふうに私は個人的には思っておるところでございます。 ただ、一義的には地方公共団体が、これってうちがやった方がよっぽど住民のためなんだよねということがあろうかと思います。基本的に、国は外交であり安全保障であり通貨であり教育でありというようなことに特化をしてやるべきなのであって、そのほかの部分は財源あるいは人材共に地方に移転をすべきだという方向性に変わりはございません。
○儀間光男君 おっしゃるとおりだと思うんですが、実際、地方創生など国が基本戦略を作り、あるいは都道府県がやり市町村がやって、それが今度は逆に上げてきて、それで段階を踏んで、国が最終的にゴーサインを出して予算を配分する、当たり前の行為だとおっしゃるわけでありますし、また、国民の税金を使うわけですからそのとおりでいいと思うんですが、やっぱり国の口利きが、権限が大きいので、その辺はある程度は国が関与しないでも、財源も権限も今いうノウハウ等も含めて移していくようなことをしないというと、最後はやはり国のお加減で処理されてしまうというようなことが度々起こっている中ですから、そういうことを心配して申し上げているところですから、どうぞ今おっしゃったように、地方のことはやっぱり地方にさせようよ、ある程度、一〇〇とはいかぬでも九九%ぐらいは地方にさせて、あと一%ぐらい国が口を挟むというようなことがあればよいなと、こう思っておりますので、どうぞ御理解賜りたいと思います。 さらに、沖縄県は、知ってのとおりですが、リーディング産業が観光産業です。そういうことで、沖縄県の国家戦略も観光イノベーションとしてやっていこうということで、全県が観光特区として、全県全エリアですね、島々に至る、沖縄県全体を観光拠点として特区指定してあります。したがって、国際観光、リゾート、医療観光拠点の開発ということで沖縄県は計画をしておりまして、沖縄科学技術大学院大学等もあって、ここでの人材育成等も含めてやっていこうというのが沖縄県の特区への取組となっているわけです。 〔委員長代理相原久美子君退席、委員長着席〕 ここでちょっとお伺いしたいんですが、本部町、海洋博を行ったところに、海洋博記念公園の周辺に、ここを規制緩和をいたしまして観光振興しようということで、金融支援や建築制限の緩和を念頭に、目玉の施設づくりとして、いわゆる大阪にありますユニバーサル・スタジオ・ジャパンの運営会社のテーマパークを建設しようというようなことでいろいろ報道がされておりました。 これは、沖縄県はもとより政府が一体となって、一丸となって肝煎りで私は進めてきたものだと承知をしておりますが、先日の官房長官の発言で、これ断念せざるを得ない、つまり頓挫をしたというような報道がありますが、一体何が要因でそういうふうになったのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(佐々木基君) お答え申し上げます。 お話がありましたように、沖縄県につきましては、国際観光イノベーション特区ということで、国、自治体、民間事業者が一体となって観光振興を図っているところでございます。 お話しのユニバーサル・スタジオ・ジャパンの沖縄進出につきましても、必要な規制緩和等の提案があれば、その実現に向けて検討を進めることを想定していたところでございます。民間企業の経営判断でございますので、沖縄進出を見送った事情は承知はしておりませんけれども、具体的な提案等に至らないまま進出見送りになったということにつきましては、官房長官も御発言されていますように、極めて残念なことと認識しているところでございます。 いずれにいたしましても、沖縄の国際観光イノベーション特区としての地方創生については、今後とも必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
○儀間光男君 今の主張ですが、民間企業が断念したからそれはそれ以上関知しないとおっしゃっておりましたが、一五年五月二十二日の日経新聞によると、これ、ただ単に政府が関与しなかったとだけ言っては、読者にとって、県民にとっては納得できるものじゃないですよね。沖縄特区にUSJを念頭に、沖縄美ら海水族館周辺にそれを誘致するんだ、これを、国営の海洋博記念公園にそれを立地をさせていくんだというようなことで、政府一体となってやっている印象を与えておるんですね。 それで、ちょうど一年後の今年の五月、いわゆるUSJの沖縄進出断念、官房長官が発表するんですよ。官房長官が発表するということは国も関与していたんだというふうに理解されていいと思うんですが、その辺の見解はどうなんですか。
○政府参考人(佐々木基君) お答えいたします。 御質問ではございますけれども、大変申し訳ございませんが、その経緯については私ども承知しておりませんので、申し訳ございません。
○儀間光男君 先ほどあなた否定しておって、政府は関与していませんと言いながら、こういうところ関係ありませんなどと言っては困るんですよ。 これも同じ日経のニュースなんです、報道なんですね。ここには、和泉氏もこれに立会いしているんですよ、洋人ですか、和泉首相補佐官、この補佐官を訪問してUSJは断念ということで、立ち会っているんですよ。 こういうことを、あなた、報道として見れば、政府が関与していなかったなんて沖縄県は思いますか。全国の皆さん、またこの記事を見て、ええ、そうだったの、納得と言えると思う、どうなんでしょうかね。その辺、もう一度きちっとお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(佐々木基君) 先ほども申し上げましたように、私ども、沖縄が特区としてユニバーサル・スタジオ・ジャパンが決まった際には、規制緩和等で、特区内の規制緩和ということで御支援申し上げようと思っておりましたけれども、今回断念した背景というものにつきましては、少なくとも特区法を担当しておる私どもといたしましては承知していないというところでございます。
○儀間光男君 時間がないので、あなたとやり取りすること、もうやめにしましょう。 今後の展望として何かあれば聞きたいんですが、大臣、何かありますかね。
○国務大臣(石破茂君) 済みません、先ほど佐々木事務局長がお答えしましたように、仮にそうなれば特区担当としてあらゆる対応をしたいと思っておりましたが、これはもうやはり民間企業の判断でございますので、私どもとしてはこれ以上のお答えができないということはどうぞ御容赦賜りたいと存じます。 そのほかに何かあるかということでございますが、沖縄の無限の可能性というのを引き出すということは私ども必要なことだと思っております。私自身、沖縄に先般も参りましたが、できる限りの対応はさせていただきたいと思っております。その場合に特区の活用が必要であれば、それは沖縄からの御要望、先般、国際通りの観光表示も見させていただきましたが、あれはもう単に観光表示だけでもしようがありませんので、これを更にどうやって生かして誘客を図っていくか、あるいはこれは那覇空港のキャパシティーというものが限界に来ておりますので、これは二本目の滑走路ということでございますが、それまでの間、出入国というものをより容易にしていくためにどのような規制というものの緩和というものが可能であるのか、CIQというものの充実が可能であるのか等々、また地元の御判断あるいは御意見も踏まえながら最大限のことをやってまいりたいと思っておるところであります。
○儀間光男君 ありがとうございます。 最後になりますが、沖縄県は、区域計画の中で医療とリンクさせた高度医療提供事業も進めていこうと。それには、医者の育成やあるいは制度の整備やあるいは高度医療の情報の集積やらいろいろ多くの問題をクリアしていかなければなりません。この中で、観光の拠点特区として出入国の税関業務、保安要員など多くの人材が必要と思うんですが、政府は、その中で入管手続の迅速化、これを民間へ委託しようという構想があるようでありますが、これは一体どういう形になっているのか、権限等も含めましてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) これは、ブースコンシェルジュというものをつくりたいと思っております。日本再興戦略改訂二〇一四に基づくものでございます。 これは上陸審査場における適切な誘導をする者でございまして、これは、誰でもできるものじゃありませんから、入管に関わっていた方のOB等々になろうかと思います。これは、国家公務員の定数外としてそういう方々を配置をしたいと思っております。あるいは個人識別情報を取得し、審査ブースで行う審査を前倒しをするという端末でございますが、バイオカートも導入をいたしたいというふうに思っておるところでございます。 これは、入管というのは国家権力行使そのものでございますので、何でもかんでも民間委託をすればいいというものではございませんが、総理が申しておりますように、これから先、インバウンドを四千万にし六千万にするというときに、ましてや、アジアに一番近い魅力満載の沖縄においてこの入管事務というものが滞るということがあってはなりません。それは、入管に限らずCIQ全般について言えることでございまして、沖縄のそのような便宜性の向上に向けて私ども努力をさせていただきたいと思っておるところでございます。
○儀間光男君 時間が来てしまいました。どうぞひとつ御配慮いただきますように更にお願いを申し上げて、質問を終わります。 ありがとうございました。
○山田太郎君 日本を元気にする会・無所属会の山田太郎でございます。 昨年まで実は農林水産委員会におりましたので、大変懐かしいお顔があって何か不思議な感じでもありますけれども、今回は、まさに企業による土地取得の特例周辺、質疑させていただきたいと思っています。 今日の質疑をずっと私も拝聴させていただきますと、何となく企業は利益を上げるから悪いことをしてリスクがあると、こういうような論調がすごく多くて、私自身、実は議員になる前はずっと企業経営をしていたものですから、そんなに企業って悪いのかなということで、私は、リスクをコントロールして企業のいい面をうまく活用していくべきなんじゃないか、こういうふうに思っているわけであります。 ただ、今回、このことと、実際に国家戦略特区が狙っている目的である担い手の不足とか耕作放棄地の解消を図るということにつながるのかなといった辺りはしっかり問うていかなければいけないのかなと思っております。 私、実はこの件においても、もうちょっと全体の農業政策のグランドデザインが不足しているのではないか、こういう意味から、実は、農林水産委員会時代、ずっと一人十ヘクタール耕せるんですかということを問うてきたんですが、今日もちょっとそこをやりたいというふうに思っています。 まず、石破大臣の方からも因数分解という話があったんですが、本件を議論する場合には、土地利用型の農業と土地利用外、多分施設とか園芸農業ということになると思うんですが、ちゃんと分けて議論する必要があるのかなと、こう思うんですね。特に、土地利用型の農業がいわゆる担い手不足であったりとか、そういったところの耕作放棄が激しいということをきちっとフィーチャーして、それが今回の仕組みの中で解消できるのかどうかを問うていかないとちょっとちぐはぐな政策になりかねないのかなと思って、議論をしていきたいと思っております。 まず、お手元の方に資料をお配りさせていただいていると思うんですが、これが政府の方の作られました食料・農業・農村基本計画でありまして、平成三十七年までのまさに骨格、これが農政のグランドデザインということになると思うんですが、ここを見ていただきますと、四百四十万ヘクタールの農地を確保するということと、それから、まさに今申し上げた土地利用型の人数として三十万人を確保するんだよと、こういうことなんだというふうに思っております。 このうち担い手にフィーチャーすると、その八割ということになりますと、一人当たりが平均十ヘクタール程度を耕作すると、こういうふうに資料の中にも出てくるんですが、果たして、まずこの十ヘクタールの大きさの認識というのをいま一度したいというふうに思っております。 ちょっとクイズみたいなのを出すので申し訳ないんですが、森山農林水産大臣、東京ドームのグラウンドがあるんですが、実は、この十ヘクタールというのは東京ドームのグラウンドの何個分ぐらいになるか御存じでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 正直に申し上げて、東京ドームに行ったことがないものですから、ちょっとその広さがよく分からないところでございます。
○山田太郎君 大変正直で真摯で、これから議論しやすいなと思ったんですが。 実は、野球場というのは、ホームランで百メートル、百メートルと決まっているので、大体一ヘクタールぐらいが東京ドームのグラウンドなんですが、ちょっとそれより扇形で大きくなっていますので一・三ヘクタールというのがグラウンド部分なんだそうです。そうすると、十ヘクタールというのはグラウンド七・七個分に当たるわけですね。つまり、これを一人で耕作できるんだろうかというやっぱり疑問が出てくるわけなんです。 農水省の基本データ集によれば、一経営体当たりの耕地面積というのは全国平均で日本は二・五三ヘクタールだと、それから、販売農家の全国平均でも二・一八ヘクタールだと、こういうのが出ております。 実は、私も農林水産委員のときにさんざんいろんな地域を拝見させていただいたんですが、美里町の方も、埼玉へ行きました。一人十ヘクタールは一軒のみでありまして、ないというわけではないんですが、かなり厳しいねと。富山の地方公聴会でも、一人十ヘクタールは絶対無理だと。こういうことで、やっぱりなかなか一人十ヘクタール、一経営体当たりでも複数名でやっているわけですから、一経営体当たりに二人いれば二十ヘクタールということになってしまうわけでありまして、もうどだい、まずこの一人十ヘクタールというのは私は正直無理なんではないかと。 何でこんな議論をし出すかといいますと、これ、どれだけの人数が必要なのかということと、どれだけのいわゆる土地利用型の農地を守れるかという非常に基礎の考え方になるのでしつこくやっているんですが、森山大臣、この辺りはいかがですか。本当にできるんでしょうかね。
○国務大臣(森山裕君) 中山間地における耕作面積を考えますと、一人当たり十ヘクタールというのは大変だなと私も思っておりましたが、ただ、新潟に参りまして、六名でやっておられて百十六ヘクタール、中山間地でやっておられる若い人たちがおられます。 ですから、これ、できないという発想だけでは自分が間違っていたなと反省をしたところでありますが、やり方によっては可能な面積ではあると思っております。
○山田太郎君 まさに過度な面積だと私も、やれない人はいなくないんですが、平均ということで計算されているので、みんながみんな一人十ヘクタールもやれたら、これはすごい、効率も上がるでしょうけれども、現実的に、狭い国土、それから特に、大臣おっしゃられました中山間地等においては無理だと。 今回の養父市も、実はまさに中山間地、下手するとこれは山間地に近いぐらいの地域だということだと思うんですが、調べさせていただきましたら、これ、経営耕作地面積六百四十八ヘクタールが田んぼだということなんですが、畑も入れて大体七、八百、そのうち経営体数が千百八十六なので、一経営体当たりであったとしても〇・五ヘクタールなんですね。 とてもじゃないけど、十ヘクタールということじゃなくて、つまり、この養父市で行われる議論が耕作放棄地やあるいは生産性向上、そういったものに本当につながるのかなというのは、多少のというか相当なずれがあるかなというふうに思っておりまして、これを広げることによって全体の元々の農政で企画されている土地を守る、担い手を増やすということの試験につながるかどうかというのは、少し考えないと合ってこないんではないかというちょっと疑念を持っております。 一方、二枚目の資料を見ていただきたいんですが、これも前回質疑の中で、農水委員会の方で私さんざんやらせていただいたんですが、しっかり調べていただきたいなというのは実はこの資料なんですね。平地、中山間地においてそれぞれの土地が、特に担い手かつ土地利用としてどれぐらい使われているのかということは、平成二十二年、調べていないということだった。五年ごとに調査をやっているということなので、平成二十七年ということについてはまだ集計ができていないということなんですが、これ、私いち早く出していただきたいと思っています。 それはなぜかというと、平成三十七年、右下見ていただくと、三百万ヘクタールで三十万人ということだけは決まっているということなんですよ。でも、現在がどうなっているかという状況が分からないままで、平地又は中山間地、これはもう戦略が全然違うと思うんですよね。 先ほど平木委員の方からも少しありましたが、確かに、平地とかいわゆる都市型では産業政策、あるいは中山間地ではもしかしたら地域、地方政策ということにもなるかもしれない。そういうふうに分けるべきじゃないという議論もあったんですけど、私はもしかしたらそうかもしれないと思っていまして、つまり、現状も分からなくてゴールだけ決めておいて、どこにどうやってまさにPDCAのサイクルを回すんだということなんだと思っていまして、是非お願いは、別に政府けしからぬということではなくて、調べていただきたいということなんです。 今、農地の、いわゆるコンピューターを入れて一生懸命何にどう使われているかということは集約していて、それは九割方入ったということも農水省さんから報告受けましたので、そういうものをフル活用して、まさに今どうなっているのか、だからどうしなければいけないのかという議論を建設的にしていただきたいと、こういうふうに思っているわけであります。 この辺り、森山農水大臣、是非御答弁いただきたいんですが、いかがですか。
○国務大臣(森山裕君) 委員の御指摘は非常に大事なポイントだなというふうに思いながら、今、質問を聞かせていただきました。 区分による地域ごとの経営耕地面積をお示しできない状況でございますので、稲とか麦とかのいわゆる作物別の作付面積は把握しておりますから、今後、作物別と地域類型別を組み合わせて今委員御指摘のような示し方ができないか、事務方に検討させてみたいと思います。
○山田太郎君 ありがとうございます。 積極的な御答弁、本当にありがとうございます。穀物というのを中心に考えれば土地利用型というのはうまく出てくると思いますので、是非よろしくお願いしたいと思います。 さて、時間も少なくなってきましたので、最後に、農業従事者のまさにどれだけの担い手をこれから増やしていかなければいけないのかということと国家戦略特区との関係というのも最後問うていきたいと思うんですけれども、これは三枚目の資料を見ていただきたいと思います。 農業就業者数の試算ということで、まさにこれは、先ほどの食料・農業・農村基本計画の補足として農水省さんが、これ私すごく積極的に農水省さんが事実をもって出していただいた資料だというふうに思っております。ちょっと見やすいようにうちの事務所で加工しちゃったんですが、平成二十二年、これちょっと古いんですけれども、現状から十五年間、趨勢でどうなるかというところを見ますと、どういうふうに見るかといいますと、二十歳から二十九歳では六万人、三十歳から三十九歳では十一万人だと、こういうふうに見るんですが。 何がこれ必要増員ということでプラスというふうになっているかというと、今からここに、約十五年後ですから、ちょうど十歳をスライドした数に対してどれだけの増員が必要なのかということを出してみたんですね。つまり、二十歳から二十九歳は今よりも五万七千人、三十歳から三十九歳、これは二十歳から二十九歳が十五年後そのレンジに入ってくると思うんですが、五万人というふうに、それぞれの十年間の世代でどれぐらいの増員がなければこのまず趨勢に届かないのか。しかも、趨勢がゴールとして見ていただきますと、六十歳代、つまり七十歳以下で八十七万人。 これを維持しなければ何が起こるかというと、政府が元々計画しております六十万人プラス三十万人、つまり、この六十万が土地型以外、多分施設とか園芸とかとなると思います。あるいは土地型が三十万人というのが達成できないということになってしまうんですが、そもそも、この達成のためにも、各十年ごとのレンジの世代が合計で二十一万七千人増えなければならない。そうすると、年間で十五で単純に割らせていただきますと一万四千人ということになります。これ歩留りということもありますから、定着ベースで一万四千人いなければ趨勢までも届かないわけであります。 一方で、政府が展望として出している数字がかなりアグレッシブではあるんですけれども、これが下の数字になるわけですね。六十代以下で百一万人だということなわけでありますが、合計しますと必要増員が三十四万七千人ということでありまして、年間二万三千人が定着ベースで定着しないとこの数を維持できないということになってしまうわけであります。私は、もう正直ベースで言いますと、よく作っていただいたと思いますが、多分趨勢も厳しいんだろうと正直思っているんです。 つまり、何が言いたいかというと、私は、確かに耕作放棄地を土地にするとかという議論も重要だとは思うんですけれども、担い手がいなければもうその土地は耕せないわけでありまして、因数分解も何も、私、この国家戦略特区であれ農業のグランドデザインであれ、まず担い手を本当に維持又は増やしていくことができるかどうかということにまず第一義、一番大事な指数は決まっているんではないかなと、こういうふうに思うわけなんですね。 その場合に、本当にそういうことができるのか。私自身は、もう三十万人、あるいはそれ以下になる。そうなってくると、必要な耕せるもう耕作地というのは、三百万ヘクタールではなくて、もしかしたら二百五十とか二百万とか、もちろん政府としては余り低い数字を出したがらないと思いますが、ただ、大きい数字を出せばかなり無理が出てくるだろうと。つまり、一人が大きく耕さなければいけないという中に一生懸命予算を付けたり、それ自身は悪いことではないと思いますが、過度になればやっぱり現場は厳しいということになってしまうと思うんです。 私も、逆に、経営をやっておりましたからボトムの戦略というのも、守りの部分というものも政府は考えておく必要があるだろう、こういうふうに思うんですが、果たして、私、この趨勢あるいは見通しの人数の厳しさからいって、本当に森山農水大臣は土地利用型の農業三百万ヘクタールを維持できるというふうにお考えなのかどうか。 もう一つ、時間もなくなってしまったので質問はこれで最後にしますが、私、中山間地に関しても、もしかしたら山間地については広葉樹の森に今から農地を返すという戦略だってあるんではないかと。これを無理に耕してお金を使えば果たして全体の必要な担い手が必要なところに配置できるかという、やっぱりこれはなかなか政治家としては言いにくいです。農業をやっているところにおいては、中山間地ばかにしているのかと言われがちですけど、でも、選択がもう必要な時期に入ったんじゃないかと。 この二点、農水大臣、そして石破大臣にも、一言コメントで結構でございます、いただければと思います。 以上です。お願いします。
○国務大臣(森山裕君) 三百万ヘクタールの農地を維持していくことは可能かというお尋ねだと思いますけれども、国民への食料安定供給の確保のために、重要な生産基盤である農地を将来に向けて確保していくということは非常に大事なことでございますし、優良農地の保全のみならず、耕作放棄地の再生利用にも取り組んでいく必要があると考えております。このため、優良農地を保全をする施策として、都道府県に中間管理機構を整備して、担い手への農地の集積、集約化を図っているところでございます。 また、地域コミュニティーによる活動や生産条件が不利な中山間地においても営農を継続していただけるような支援を行っているところでございます。地域の特性に応じた農業生産基盤の整備、保全、管理等を推進していくということが大事なことだと思っております。 いわゆる耕作放棄地のうち、既に荒廃した農地で再生利用が可能なものについては農業者同士が行う再生作業等の取組への支援も行ってまいりますし、このように、優良農地の保全と耕作放棄地の再生を総合的に講ずることにより、我が国の農地面積が減少することがないように農地の維持に努めてまいりたいと考えておりますし、農地があってもそれを耕作する人がいなければならないわけでございますので、毎年二万人の新規就農者を定着させていく努力を今後も続けていきたいと考えております。
○委員長(神本美恵子君) 石破大臣、簡潔にお願いします。
○国務大臣(石破茂君) 多様な担い手が必要だと思っております。 あわせまして、これから先、出生率が上がったという報道がございましたが、出生数自体はそんなに増えません、二十年間お母さんの数が減り続けますので。その場合にどれほどの農地が必要なのかという議論は本当に必要なことだと思っております。 これから先、輸出というのは当然必要なことであります。新潟なんかは顕著な例でございますが、それだけでやれるかといえばそうでもございません。そういたしますと、農地を元の山林原野に戻すということは林野政策と併せて議論する必要があると思っておりまして、その場合にみんながばらばらなことを言っても仕方がないわけで、どういう国家をつくっていくかということにおいて、また委員とも議論させていただきたいと思っております。 ありがとうございました。
○山田太郎君 以上です。ありがとうございました。
○山本太郎君 ありがとうございます。生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎です。よろしくお願いします。 国家戦略特区と日本の農業について森山農水大臣に質問いたします。 今回の国家戦略特区法改正によって、農地所有適格法人の要件を満たしていない株式会社であっても特例によって農地を所有できることになるわけですけれども、石破大臣は、前回の質疑で所有権は絶対だと答弁をされました。これは、企業が長期的なスパンで工夫し取り組めるので農地所有は大変意味があることだ、それに付随する危険性、懸念をいかに払拭するかに取り組んで法案に盛り込んだという趣旨の答弁を頂戴いたしました。 今回、企業の土地所有に関して仲介的役割を果たすのが地方自治体でございます。自治体から購入した土地を企業が売る場合にはまた自治体を通す必要があると。本法案十八条の一項一号では、企業が農地等を適正に利用しない場合、地方公共団体が買い戻すことになっていますけれども、地方自治体が企業に売ったときの値段よりも企業側が値段をつり上げて売ろうとする可能性というのもあるんじゃないかなと。 企業が農地所有をした場合の懸念、危険性を払拭するかに取り組んで法案に盛り込んだと先日の内閣委員会で石破大臣がおっしゃっていましたけれども、売った値段以上のお金を支払わなければ土地が買い戻せないといった状況を防ぐための歯止め、本法案には存在しているでしょうか、盛り込まれているでしょうか、大臣、お答えください。
○国務大臣(森山裕君) 山本委員にお答え申し上げます。 今回の国家戦略特区における農地所有の特例を活用して参入した企業が農地を適正に利用していない場合には、契約に基づき、農地の所有権が地方公共団体に移転をされることになるスキームになっております。この際の対価は、当該地方公共団体と企業の間で契約書にあらかじめ定めておくべきものであります。 このため、本法律案に特段の規定はありませんが、当初の契約の際に地方公共団体に責任を持って判断をしていただくということが大事なことだと考えております。
○山本太郎君 盛り込まれていないと、そういうことですよね。 あくまでも契約書の中でやるんだ、それだけじゃなくて原状回復の責任というものも契約書でやるんだと。これ、契約時に地方自治体がちゃんと盛り込めばいいじゃないかというお話なんですよね。事実上の地方自治体への丸投げじゃないですか、これ。少し乱暴に思えるなと感じるのは私だけでしょうか。 空いている土地を買ってもらえることで財源不足が少し補えるぞと、少し淡い期待を抱く自治体も出てくるかもしれませんよね。蓋を開けてみれば農地を適正に利用されず、土地の返還を求めたら売ったときよりも値段をつり上げられた、このような事態を避けるためには、売ったときの値段を上回らないというルール、あらかじめ国で設定しておく必要性あると思うんですけれどね。 だって、企業が農地を所有した場合の懸念、危険性を払拭するかに取り組んで法案に盛り込んだと先日石破大臣もおっしゃっていました。でも、それ盛り込まれていませんよという話なんですよね。原状回復責任の部分に関しても全て契約上のことで自治体がやればいいという話なんですから、全然懸念なんて払拭されませんよ、これじゃという話なんですけれども。 あらかじめ国で設定をしておく必要というのはないと思われますか。大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(森山裕君) 今回の試験的に行いますこの法案というのは、地方自治体の要望に基づいて行うわけでありますから、地方自治体が主体的に契約に基づいてしっかりしていただくということが前提であります。
○山本太郎君 ありがとうございます。 兵庫県養父市が当初欲しがっていたものが今回社会実験としてそのまま行われるかといったらそうではないということを見れば、強い要望がそこにあったのかどうかという部分もちょっと議論の余地があるとは思うんですけれども。 農業に参入する多くの企業は本当に土地の所有を望んでいるのかというお話をしたいと思います。 日本不動産研究所がまとめた二〇一五年三月末現在の農地価格、十アール当たりなんですけれども、田が七十六万二千三百二十三円、畑、四十五万八百二十円。一方、十アール当たりの賃借料は、田、九千五百六十五円、畑、六千二百九十七円。もしリースの最長期間である五十年間にわたってこの賃借料を払ったとして総額は、田、四十八万円弱、畑、二十六万円弱。共に購入した場合の六割ほどにとどまる計算で、立地条件によってもちろん価格は異なるでしょうけれども、少なくとも、平均で見れば借りた方が値段としては得だということが分かると。 これまで農地所有をした人たち若しくはリースで借りた人たち、その後の調査というものはちゃんとなされているんでしょうか。 農水省の経営局農地政策課に資料を請求しました。平成二十七年一月一日現在で全国の農地所有適格法人の農業参入数は一万五千百六、そのうち株式会社は四千二百四十五だそうです。しかし、四千二百四十五の株式会社のうち農地所有は幾つでリースは幾つかと聞いたら、分かりませんという答えなんですね。何で分からないんですかと。その後全然追っていないのと。農業から撤退したのは幾つなんですか、農地を転用したのはどのくらいの企業なんでしょうか、廃棄物のごみ捨場やメガソーラーに使われていたという事例はどれぐらいありますかというものに対しての答えは、分かりません。おかしくないですかと。 まず、これまでの農地所有であったりリースの実態調査が先じゃないですか、規制緩和、社会実験するといったって。それもやらない。実態調査が先に決まっているんですよ。じゃなきゃ、立法事実、これ養父市が欲しがったということだけしかないじゃないですか。それで法改正、何か変わっているなというかおかしな話だなと思うんですけど、これ普通なんですか、永田町では。リースの方が現実的なお金もうけにつながるのに、わざわざ手間が掛かり採算が合わないと言われる農地所有、中山間地で推し進める理由、何なんでしょうか。 これ、国会の中でもいろんな議論が行われていて、これに対して、どうして所有をしなきゃいけないのかということに関しては、よく言われるのが農地法十八条、十九条等々に定めがあると。十年以上の期間の定めがある賃貸借である場合、借りている人自らが耕作することとなった場合には、要は貸し手である農家の側から解約されるというようなリスクもあるじゃないかという話なんですけど、だったらこれ、十八条、十九条を変更すればいいだけなんじゃないですか、改正すればいいだけなんじゃないですか。わざわざこんな大きな話、要は、今まで適格法人とされた人たちしかそれに関われなかったにもかかわらず、それを大きく外れて、適格法人じゃなくても、以外の法人でも入れるようなことにしちゃう理由が分からないという話なんですけれどもね。 企業が利益が上がらないものに対して懸命に取り組む理由って何なんでしょうか。この兵庫県養父市での特例、兵庫県養父市での社会実験を入口に、中山間地から先々平地での農地の所有権に広げていくビジョン、参加企業にとってはこれ本丸なんじゃないですか。それを後押ししているのが今回の国家戦略特区なんじゃないでしょうか。 兵庫県養父市で今回の特例によって農地を所有しようとしているのは、皆さん御存じのとおり、オリックスグループの株式会社です。オリックスといえば、過去にも数々の規制改革に対して具体的に意見をしてきた、規制緩和を推し進めてきた経緯がある。規制改革・民間開放推進会議のトップでありながら、かんぽの宿の払下げ、一括譲渡で出来レースではないかと問題になったオリックス宮内義彦さん。そして現在、政府の産業競争力会議、国家戦略特別区域諮問会議の民間議員、日本再興戦略、国家戦略特区の中心となっている竹中平蔵さん、この方は、人材派遣会社パソナグループの会長ですけれども、オリックスの社外取締役でもあると。さらに、二〇一四年九月まで産業競争力会議のメンバーで農業分科会の主査であったローソンの元代表取締役、現在はサントリーホールディングス社長の新浪剛史さん、この人もオリックスの社外取締役。何だ、みんなオリックスじゃないかよというお話なんですけれども、森山大臣、このことは当然御存じですよね。
○国務大臣(森山裕君) お答え申し上げます。 国家戦略特別区域諮問会議の有識者議員である竹中平蔵氏がオリックス株式会社の社外取締役に就任されていることは承知をしております。 また、本年二月五日に開催をされました諮問会議において養父市長が説明をされた資料の中で、農地所有に係る要件緩和を求める養父市の事業者としてオリックス株式会社が出資している企業が記載をされているということも承知をいたしております。
○山本太郎君 ありがとうございます。承知をされているということでした。 この兵庫県養父市での特例、兵庫県養父市での社会実験を入口に、中山間地から先々平地での農地の所有権に広げていくことが参加企業にとっての狙いなのか、それとも、兵庫県養父市のような中山間地に対して特別な思いを持つオリックス関係企業が採算関係なく愛情だけで社会実験に参加しているのか。残念ながら、先ほどお名前を御紹介させていただいたオリックスに関係する方々、宮内さん、竹中さん、新浪さん、中山間地にも農業生産者にもふだん余り愛情が感じられない発言をされています。 皆さんは過疎の村が消えてしまうことは悲惨なことだと思われますか、今日ここに参加されている皆さんは。私、これ悲惨なことだと思いますよ。私、個人的には、里山文化の灯が消えていくことは悲しいことであり、新たな担い手にその暮らしが継承されていくような政策が必要で、守るべき文化だと考えます。オリックス宮内さんは農業振興に関するインタビューで、過疎対策を農業政策でカバーするというのもおかしな話です、そもそも過疎の村が消えてしまうのは悲惨なことなのでしょうかと発言もされています。 森山大臣、お尋ねしたいんですけれども、直接支払制度、ほかには戸別所得補償制度、米の直接支払交付金とか、あと経営所得安定対策、この先減らしていくべきだというふうにお考えでしょうか、いかがでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 日本型直接支払制度は、やはり地域政策としても大変大事な政策でございますので、十分議論をさせていただいて、しかるべき予算を獲得してまいりたいと考えております。
○山本太郎君 ありがとうございます。 環境に関わるような支払というものは非常に重要であるというようなお答えだったと思うんですね。中山間地も含めてという部分で非常に重要なものであるというお答えだったと思うんです。 オリックスの社外取締役でもある新浪剛史さんは産業競争力会議で、直接支払は逓減させるべきとか、ばらまきと言われている戸別所得補償制度、これを含む経営所得安定対策についても見直すべきであると発言されています。戸別所得補償制度は、要求どおりといいますか、平成三十年産からは廃止される方向ですけれども。 国民のライフラインである食、それを安定的に提供してくださる農家の皆さんの首が絞まるような、生活が不安定になるような、生産者をコスト扱いするような提案をするメンタリティーの持ち主が政府の中枢の会議に入り、農業分野の規制緩和を実行させようとしているなど、これ言語道断であると、これ自殺行為ですかと。 ほかにも聞きたいことがあるんですけれども、ちょっと時間的に。まあ竹中さんは、先ほど民進党の小川先生の方からありました、岩盤中のザ・岩盤だという発言であったりとか、これを突破すれば非常に大きな道、農業に開かれていくというようなお話をずっとされていた方なんですけれども、この農業分野でのオリックスグループの露骨なといいますか、利益誘導じゃないかなと。宮内さん、竹中さん、新浪さんの完全出来レース、利益相反と言えるんじゃないかなと。 法案が成立した場合、かんぽの宿の一括払下げを認めなかったときのように、私は、農業委員会はオリックスグループの農地所有を認めるべきではないと考えるんですけど、森山大臣、御見解いかがでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) お答えいたします。 農業委員会は、所有権を取得しようとする企業が法令に定められた要件に適合するかどうかを審査すべきものでありますので、審査をせずに特定の企業について許可するとかというようなことは適当でないと考えておりますが、農業委員会が適切な御判断をいただけると思っております。
○山本太郎君 ありがとうございます。農業委員会がという言い方をしてしまったのでそのようなお答えが返ってきたと思います。 このような状況を鑑みて、オリックス関係者、数々政府の中枢の会議で発言をするような立場にいて利益相反というようなことにつながりかねない、このことを受けて森山大臣自身はどう思われますか。私は、オリックスを、これを参入させるべきではないと考えますけど、森山大臣御自身のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(森山裕君) 農業委員会が御判断をされるべきことに私がコメントすることは差し控えたいと思います。
○山本太郎君 そうですか。 森山大臣、私の前回の質疑に参考人としてお越しいただいた東京大学大学院の鈴木宣弘先生、このようにおっしゃっていました。ブッシュ元大統領は、食料自給できない国を想像できるか、それは国際的圧力と危険にさらされている国だと演説をしたと、アメリカの大学では、標的は日本だ、日本人の直接食べる食料だけでなく畜産の餌穀物を全部アメリカが供給すれば日本人は完全にコントロールできるともおっしゃっていると。 このアメリカの世界戦略、食料戦略にコントロールされるのではなくて、食は国家安全保障の要であることを食料自給率、特に穀物自給率を向上させていくことで担保するべきと考えますけれども、森山大臣の自給率についてのお考え方ということを教えていただけますか。
○国務大臣(森山裕君) 食料の自給力あるいは自給率については、今後も更に努力をさせていただいて、向上に努めていくことは当然のことであると考えております。
○山本太郎君 ありがとうございます。 この食料自給率、自給力という部分に関して企業の参入という部分が必要であるとお考えになっているということでよろしいですか。これ、最後の質問で。
○委員長(神本美恵子君) 森山大臣、簡潔にお願いします。
○国務大臣(森山裕君) 法律に基づいた手続を経たものであれば当然のことであると思いますが、今からどうするかということについては、今回の特区の問題は五年後に再度議論をさせていただくことになりますので、そのときにしっかりした議論が必要であると考えております。
○山本太郎君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(神本美恵子君) 他に御発言もなければ、本連合審査会はこれにて終了することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(神本美恵子君) 御異議ないと認めます。よって、連合審査会は終了することに決定いたしました。 これにて散会いたします。 午後零時四十八分散会