内閣委員会 第17号
- 発言数
- 222 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2016/05/26
会議録
○委員長(神本美恵子君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日までに、櫻井充さん、辰巳孝太郎さん及び山田修路さんが委員を辞任され、その補欠として田城郁さん、山下芳生さん及び山下雄平さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(神本美恵子君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(神本美恵子君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に山下芳生さんを指名いたします。 ─────────────
○委員長(神本美恵子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府政策統括官森本浩一さん外十名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(神本美恵子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(神本美恵子君) 国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○上月良祐君 自由民主党、茨城県の上月でございます。 先週に続きまして質疑をさせていただきたいと思います。 本日は、先週、総論の部分をいろいろ聞かせていただきましたので、大臣には大変申し訳ありませんけれども、今日は農水と国交省の方に聞かせていただきたいと思いますので、もしどうしても御答弁がしたいというときは、手を挙げていただければ私の方は喜んであれさせていただきますが、済みません、座っておいていただくということで、申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。 それでは、前回、最初の一問だけの途中みたいになってしまった農地の所有のことにつきまして、最初に齋藤副大臣に、改めて御意見といいますか見解を聞かせていただきたいと思います。 農産物の輸出というのは、これからの日本のある意味成長戦略の大変重要な鍵だと思っております。そういう意味で、大いに促進していかなければいけないということなわけでございますけれども、企業による農地所有が認められた場合に、もし外国の資本がその土地を取得してしまうみたいなことになってしまって、その外国へ作ったものを全部持っていってしまう、それは形としては輸出という形になってしまうんだと思うんですが、そういうことになってしまうと、日本人が決められないというんでしょうか、になってしまうのは大変まずいと。恐らくは問題意識は共有されているんじゃないかなとは思うんですが、先日も報道に、新聞に、もう土地や建物単位ではなくて集落単位で、どうも北海道のようでございましたが、買収のような例があるようだというようなことを報じた記事もございました。 そういう意味で、そこは慎重に対応していかなければいけないところだと思うんですが、ここにつきましてどんなお考えか、お答えしにくいようなことはあるかもしれませんが、答えられる範囲で結構でございます。ちょっと御見解をお願いいたします。
○副大臣(齋藤健君) 上月委員の問題意識は共有をしているところでありますけれども、現行法について少しだけお話をさせていただきますと、我が国において法人が農地を所有するためには、農業委員会の許可が当然必要になります。そして、農地法上、その要件といたしましては、取得する農地の全てを効率的に利用して耕作又は養畜の事業を行うこと、これは農地法第三条第二項第一号で決まっておりますが、それから、農業者の議決権比率が過半であること等の農地所有適格法人の要件を満たすこと等がこの農地法上定められておりまして、これら全てを満たすと認められる場合に限り所有が許可されるということになっております。 また、今回の国家戦略特区における特例を用いて農地の所有権を取得する場合、この場合におきましても、法人は今申し上げた農地法第三条第二項第一号の要件を満たす必要がございます。取得する農地の全てを効率的に利用して耕作又は養畜の事業を行うと認められる場合に限るという、この要件は必要とされております。 さらに、今回の特例におきましても、これまでのリース方式による参入の場合と同様に、地域の適切な役割分担の下で継続的、安定的に農業経営を行うこと、それから、農業に常時従事する役員等を一人以上置くことという要件がリース方式と同様に課すこととされておりますので、したがって、その地域とのつながりを持って農業を営めない法人は農地所有ができないという、現行法上そういうことになっておりますので、外国資本がそういった地域と関係なく農地を所有するということは、基本的に現行法上困難ではないかというふうに理解をいたしております。 いずれにいたしましても、本件、重要な問題ですので、先生と問題意識をシェアしながら、注視は続けていきたいと思っております。
○上月良祐君 更にその先のことについては、ちょっと何問か後に今度またお聞きしたいと思っております。 私、この問題が大変重要かなと思っておりますのは、過疎に悩む市町村も多うございまして、耕作放棄地にもたくさんの市町村が悩んでいる中では、市町村の目線で見ますと、耕作放棄地みたいなところを例えば買ってくれる、そしてそこで耕作をしてくれる、そこで、見た目、輸出をするような耕作物をちゃんと作ってくれる、そして輸出というふうに数字も上がる、幾ばくかの恐らく地方税も払ってくれるというようなことになるんだと思います。そういう意味では、市町村目線で見るとそれなりにハッピーな感じに見えちゃうことがあるかもしれないと思っております。 しかし、それが、何というんでしょうか、どこかの市町村だけだったらば、限局されていればいいんですけれども、それがもし一般制度みたいになったときには、全国でそういうふうにそんなことが起こってしまったときには、各市町村、ミクロではそれなりにハッピーに見えちゃっているかもしれないけれども、日本国としては大変不幸なことが起こるということになるのかと思っておりますので、これは、地方自治体の目線も重要なんですが、やはり国という目線できちんと規制をしていくべきだ、考えていくべきだと思っておりますので、そういう意味で、是非問題意識を共有させていただきながら、検討していただきたいと思います。 今回の仕組み、買戻しの仕組みが入っております。それ、いろいろよく考えてくださったと思っているんですが、買戻しの具体的な要件、条件というんでしょうか、耕作放棄といいますか、農地の荒廃等の条件とかがどんなふうに定められるのかとかといったことがかなり自治体任せになっているような、それは契約でやりますからといったような形になっているような気がします。 もちろん、自治体の熱意というのはこの手の特区をやる場合に大変重要だと思っておるんですが、国家戦略特区ですからやっぱり国が前に出てきていただくということも大変重要だと思ってきておりまして、特に、県はまだいいんですけれども、市町村ぐらいになりますと、法務部門がしっかりしているというのは、なかなかこれは難しゅうございます。なので、そういう意味で国のサポートというのが、国家戦略特区でこういうことをやりたいということに関しての熱意や仕組みや、それは市町村で頑張っていただくとしても、そこのところは的確にやっぱりサポートをいただきたいと思っております。 有償ボランティア輸送の方に関しては、今もう既に制度がありますけれども、これは国交省からかなり細かな、通知というんでしょうか、ガイドラインというんでしょうか、そういったものが出ておりまして、そういったものを見て、是非とも同じようにきちんと御指導いただきたいというふうに考えておりますが、ここのところは、これは、政府参考人の、齋藤副大臣でも結構でございます、よろしくお願いします。
○副大臣(齋藤健君) 地方公共団体の買戻しについて御質問ございましたけれども、現在、これ委員御案内だと思いますが、農地法上は、農地について農業委員会が年一回全ての農地を対象に利用状況調査を行って、遊休農地となっていないかどうか確認するということなどもやっております。このために、今回の特例で企業が農地について所有をした場合についても農業委員会が同じ基準で確認をすることになっておりまして、遊休農地に該当するなと判断された場合には、農業委員会はこの地方公共団体に対して農地を適正に利用していないという旨の通知をするということになっております。この通知が行われると、今委員御案内のように、契約に基づきまして当該企業から地方公共団体に農地の所有権が移転するということになってくるんだろうと思います。 その際、対価及び原状回復責任あるいはその原状回復の費用負担につきましては当該地方公共団体と企業の間であらかじめ契約書に定めておくべきであると考えておりまして、その点は地方公共団体に責任を持って判断をしていっていただきたいと考えております。 今回の特区の特例は、地方公共団体が責任を持って取り組むことを前提に強い要望がありましたものですから、それを踏まえて対応させていただいているわけでありますので、地方公共団体には自らの財政その他への影響も当然考慮に入れつつ責任を持って適切に運用していただけるものと考えておりますけれども、私どもといたしましても、その運用に当たっては、試験的にやるものですから、十分注視をして、御懸念のないように対処してまいりたいと思います。
○上月良祐君 農水省さんのお立場と内閣府のお立場と微妙に違うところがあるのかなと答弁を聞きながら感じておったところであります。もちろん、自治体がしっかり責任を持ってやるということは前提です。その上で、一生懸命やっても、やっぱりちょっとどうしても、全国目線もどうしても足りなくなってしまうし、法務の部分などもありますから、きちんとそこは御指導いただいた上で、適切な判断のタイミングとかも細かく、試験的な運用がうまくいくようにしっかりそこは目を付けていただきたいと思っております。 今回の特区は耕作放棄地といったようなところがあるような場合に限っておるんですが、私、今ちょっと農業のコスト削減などについて党のPTで主査をやって取り組んでおるんですけれども、だんだん確信的に思っておりますのが、やはり農業という世界にいろんな種類の方々が、企業も含めて、法人形態じゃない人も法人の人も含めていろんな方々が入ってきてもらうべきだ、ベンチャーももちろんそうです、コマツさんのように既存企業でありますけれども新しい形で農業に加わっているというような形の方、そういう方々がたくさん、いろんな種類の方が入ってきていただくという、そういうふうになっていかないと、自律的にコストが下がっていくようにはなかなかならないんじゃないかということを大変強く感じております。 そういう意味で、企業の参入というのも、農地を所有すべきかどうかというのはまだもう一歩先ですけれども、特区では私はやるべきだと思って賛成いたしておりますけれども、というふうに思っておりまして、そういう意味で、企業が、じゃ、どういったところに参入したいのかというと、農業競争力が強いところにこそ本来でいえば企業の参入を認めるべきなんじゃないかと、そこで実験すべきじゃないかという思いもあるんですね。 実は地元でもそういうニーズがなくはないんです。サツマイモは今もう幾ら作っても足りないので、安定的に、企業の方にちゃんと入って加工につなげるように安定的な収量を確保したいという意味では企業が自らやりたいと、最終的には土地をもう所有してでもというような感じすらあるところがありまして、なので、本当はそういったところでも試験が必要なのかなという気もするんですが、これは今日はもう質問しないことにしますので、ちょっと頭の隅に置いておいていただきたいと思っております。 そういうことを考えた場合にやはり大変心配するのが、もちろん一般制度にはなっていませんからそこまで心配し過ぎなのかもしれませんけれども、乱暴な議論にならないようにしていただきたいと思っておるんですが、先ほど齋藤副大臣が御答弁になられたようなことはよく私も分かっております。しかし、逆に言うと、これはこの前の連合審査のときにも御質問があったんですが、自民党の中泉先生が質問されて、その地域のコーディネート要件とかを、じゃ、クリアすればやっぱり外国資本でも買えちゃうということになるんですかねということがあったんですね。 僕もそこをちょっと危惧していまして、ちょっとここは審議官に技術的にといいますか事務的なお答えいただきたいんですが、例えば企業買収の場合とかは、最初から入ってくるときはチェックしやすいんですが、最初に日本企業が買いました、その企業の株主さんまで、どこまでチェックするのか分かりませんが、外国資本が入っていました、それで企業買収という形になっちゃいました、そこが地域のコーディネート要件とかをしっかり満たしてやっています、しかし、それを全部その国に輸出していますみたいなことというのが防げるのかなというところは大変心配しているんですが、その辺りはどんな形でございますか。
○政府参考人(山北幸泰君) 今回の国家戦略特区におきます農地所有の特例につきましては、申し上げておりますように、企業が地方公共団体から所有権を取得する場合に限定をしております。また、企業が農地を適正に利用していない場合には、農地の所有権を企業から当該地方公共団体に移転する旨の書面契約を企業と地方公共団体との間で締結していることを要件としているところでございます。 仮に企業買収ということでございますけれども、これまでのリース方式による参入の場合と同様に、農地法上の直接の規制はないところでございますが、仮に買収された後に農地を適正に利用していない場合、あるいは周辺地域における農地の効率的かつ総合的な利用の確保に支障が生じているような場合、あるいは地域の適切な役割分担の下で継続的、安定的な農業経営が行われていない場合、あるいは農業に従事する役員等が置かれていない場合には、農業委員会から地方公共団体に通知をするということに、特区法の十八条の第六項でございますが、そういった通知ということの制度にしておりまして、企業から地方公共団体にそういった通知がされた場合には、企業から地方公共団体に農地の所有権が移転されるというふうにされているところでございます。 したがいまして、参入企業が外国資本に買収され地域とのつながりを持って農業経営を営めなくなった場合には地方公共団体が農地の所有権を取り戻せると、そういった仕組みにしておりまして、実態上の問題はないものと考えているところでございます。
○上月良祐君 それをクリアした場合どうかと僕は聞いているんですよ。それはあり得るでしょう。そこで作ったものを全部海外に出してしまったら、地域のコーディネート要件をクリアしていないというんだったらできなくなりますよ。しかし、それでも九五%輸出することだってできますよ、五%は地域だって。そこがちょっと心配なんですよ。なので、例えば日本の会社もその国の農地を買える、相互主義ですね、しかもその国の農地を買いたい、そういうときに、相互主義的に何か認めるというようなことがあっていいのかどうかちょっとよく分からないんですけど、そういうことがなしに一方的に買われるということになると大変良くないんじゃないかと思うんですね。 今おっしゃったような、多分、答弁されていて、答弁が足りないことは分かって答弁されているんだと思うので、もうそれ以上詰めても多分答弁ないことも僕分かっているのでそれ以上言いませんけれども、しかし、今回は特区ですよ、しかも養父市ということですから、みんなが目を付けて衆人環視の下見ている。だから、そこで変なことは起こらないと思っています。だから僕は賛成しているんですけれども、そこから先のことに、この五年間何もないからといって乱暴に一般制度化みたいな議論は、これはもう齋藤副大臣がお許しにならないと思いますけれども、そういったことには絶対ならないようにしていただきたいと思うんですよ。そういうことをもし計画してやろうと思っているところはこの五年間は黙っていますよ、ずっと何も起こらないように。五年間が終わって、その企業が所有し続けたままになるわけですよ。そうしたときに、その後どうなるのかということが私は心配なんです。 特区の事務局というのはテンポラリーな組織でありますし、人事がぐるぐる替わる。農水省のようにずっと見ているわけではないわけです。まあチャレンジする方ですから、それはそれでいいのかもしれませんけれども、でも、農水省はちゃんと農地を守らなきゃいけないということなわけですから、その五年間の後、しっかりちゃんとそれをチェックしていただきたいと思っているんです。もちろん、特区本部ももちろんですけれども、今言ったような問題意識をちゃんと共有していただいて、そこはきちんとその後も見ていただきたい。 五年が終わった後、こっそり何か外国企業が買収していましたみたいなことに、企業買収していましたみたいなことになっているということになると非常にまずいし、五年間何もないから一般制度化みたいな乱暴な議論は絶対に困るので、そこはちょっと齋藤副大臣にお答えいただきたいと思います。
○副大臣(齋藤健君) 今、上月委員おっしゃいましたように、この五年間の中で我々いろんなことを検証しなくちゃいけないと思っておりますし、次にその五年が経過した後、これ本当にどうするかという議論をするときには、今言った御指摘の点は十分考慮しなくちゃいけないと思っております。 ただ、今例えば、先の話になるかもしれませんが、外国の資本が日本の農地を買って、それでみんなと仲よくやって、それで農地を維持して、それで輸出もするということについてどう判断するかというのは、農地を荒らしたり調和を乱したりしたらいろいろあろうかと思いますけれども、そうじゃない場合についてどういう判断をするかというのは相当突っ込んだ議論が必要なのではないかと考えておりますが、いずれにしても、随分先の話であろうかなと思っております。
○上月良祐君 随分先の話とおっしゃらずに、是非よく考えておいていただきたいと思います。 過去の特区のやはり反省をきちんと踏まえることが必要なんだと思います。企業の活力は大いに使うべきだと思いますけれども、やはりこの前の、前回の連合審査じゃないこの審査であったときも企業立の学校の話がありました。これはやっぱり素直に反省するところは反省しないといけないと思うんですよ。そして、やっぱり余りに性善説に立ち過ぎてはいけないということも一つやっぱり頭に置いて制度を仕組まないといけないというふうに思っておりますし、またそのときの、何というんでしょう、世論というのか、何となく世間の雰囲気が、その勢いだけで決めちゃ絶対駄目だと思っております。何でこれ許可しないんだと、こういう規制緩和しないんだって言われてやって、何か問題があったら、何で規制緩和したんだってまた怒られるんですよ。なので、やっぱり役所はきちっと軸を持って、食料安全保障であるとか、この前以来議論をしておりますけれども、安全の問題ですね、そういった問題についてはきちんとやっぱり信念を持ってお答えをいただきたいということをこれは改めてお願いをして、次に、公共空白のところのボランティア輸送の話にちょっと話を移したいと思います。 前回ちょっと質問できなかった点を二つほど聞かせてください。 従来からある公共空白のボランティア輸送のところと違って、今回は英語をしゃべる人が乗ってきたり、あるいは観光案内とかをしなきゃいけなかったりして少しちょっと高度になると思うんですけれども、要件、そこは変わっていないんですが、それで大丈夫なのかということと、万が一の事故に備えて、乗られる外国人の方に、これは普通のタクシーと違うんですよということをあらかじめちょっとお知らせをしておくというようなことは何か仕組みとして必要なんじゃないかとも思うんですが、その辺りはどんなふうにお考えでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。 現行の自家用有償旅客運送制度の下では、運転手は第二種運転免許の保有又は第一種の運転免許を保有した上で国土交通大臣が認定した講習を修了することが求められております。一方、現行の自家用有償旅客運送は地域住民の輸送というものを主な対象としておりますけれども、今回の特区における特例措置におきましては、これは訪日外国人を始めとする観光客を主に対象としていると、そういった違いがあるところでございます。この違いを踏まえまして、今回の特例措置により認められる運送においては、先ほども申し上げました大臣認定講習の内容を拡充する必要があると考えております。その具体的な内容につきましては今後検討してまいりたいということでございます。 さらに、利用者に対する情報提供についての御質問がございました。 現行の自家用有償旅客運送制度におきましては、車両に運送者の名称、あるいは有償運送車両であるというこの文字の表示、あるいは登録番号、こういった標章を見やすいように表示せよということが省令で定められているところでございます。 今回の特例措置においても同様の措置をとることになるわけでございますけれども、その際、対象が訪日外国人を始めとした観光客であるということを踏まえまして、そういった利用者に対して必要な情報が伝達されるように、表示の内容、方法については検討する必要があるというふうに考えているところでございます。そういった情報につきましては、利用者を始めとしまして、さらには市町村、観光の関係者、そういった方々からもしっかりと周知徹底を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○上月良祐君 ありがとうございます。そこは講習の内容も拡充されるということなので、しっかりやっていただきたいと思います。 それに、安全の問題に関しまして、先日来といいますか、昨年来議論をさせていただいております貸切りバスの問題につきまして、二十日にその案が示されております。この前の私の質問の後でございましたので、その内容も詳しく見させて、詳しくといいますか、自分なりに一生懸命見させていただきました。 二十三日の参議院の決算委員会で警告決議もされたわけです。本会議でも議決されて、そこは本当に重たく受け止めていただきたいと改めて申し上げたいと思います。 今回、参入規制、再参入の規制でもありますが、事業者に安全投資計画や収支の見積書の作成を義務付けるということで考えていらっしゃるというふうに聞いております。残念ながら、台数の規制であるとか車齢の規制であるとか、それは明確な形でストレートには入ってはおりませんが、私は、この安全の、安全投資計画とか収支の見積書のところをどうチェックするかによって意味が変わってくるんだと思います。これをしっかりチェックしていただければ、同じ結局効果があるというふうに思っておりまして、例えば、本当に五台とかという台数で運行管理者をきちっと、今回人数も増えておりますが、きちんと張って、そして深夜、遠距離、観光、そういったことで対応するというのは、どう考えてもペイしないですね。 そういったものをどういうふうに中でチェックされているのか。そういうものがこの基準できちんと駄目だと、こんな計画では駄目だと。台数少ないから悪いとは言いませんよ。台数少ないけれども、こういう営業形態だったら、これならばいいのかなというのはあると思います。しかし、台数が少なくてずっとそんなことをやるというようなところがペイするわけがないので、そのところをどうチェックされて、きちんとはじけるのか、それをやるかどうかで意味が大いに変わってくると思うので、ここのところを御答弁いただきたいと思います。
○大臣政務官(宮内秀樹君) お答えをさせていただきます。 上月委員からは度重なる御質問をいただいておりまして、ありがとうございます。まさに安全を確保するためにということで大切な議論をしている途中だというふうに、厳しく受け止めております。 御指摘のありました五月の二十日に開催されました第九回の軽井沢スキーバス事故対策委員会におきまして、貸切りバス事業の許可についての更新制を導入すると、そしてまた、事業参入時及び許可更新時における安全性チェックを強化するために、安全投資計画及び収支見積書の作成を義務付けるという見直しの大きな方向性を出させていただいたところでございます。 この見直しの方向性の背景にある基本的な考え方を二点申し上げさせていただきたいと思います。 まず一つ目。安全投資計画及び収支見積書についてでございますけれども、運行管理や車両整備、運転者の実技訓練等、貸切りバスの運行の安全を確保するために必要な措置を会社の規模や保有する車両の状況に応じて適正に実施することができるかどうかということをチェックするものでありまして、まさに委員御指摘の点でございます。そのような措置を講ずることができないと認められる場合には事業への参入や事業の継続を認めないこととすると、で、貸切りバスの運行の安全性を継続的に確保しようとするものでございます。 夜間、長距離の運行を行う事業者は、五台程度では採算が合わないのは明らかであるというような御指摘がございますけれども、以上申し上げた安全投資計画等によるチェックを行う中で、適切な安全投資を行いつつ継続的な事業執行が可能かどうかについて個別具体的に判断していくべきというふうに考えておる次第でございます。 また、継続的な事業執行能力の有無を判断するためには、収支が費用を賄うことができるかについてチェックする必要があることから、営業収入が不十分な場合には他事業による収入も含めた確認が必要になる場合があるというふうに認識をしております。現在、貸切りバス事業者に対しましては、毎年、事業報告書の提出を求めておりまして、この中で、経営する他事業につきましても報告を求めているところでございます。 今後、当該報告書について必要な見直し等を行うことにより、安全に必要なコストを支払った上で継続的に事業執行が可能かどうかについてしっかりと確認してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○上月良祐君 今御答弁いただいたのは完璧な答弁なんですけれども、私は大変心配もしているんです。 他事業の収入のところは本当にチェックできるのかというのは、特に新規参入でそんなことが書いてあったって信じられませんから。通帳を見るみたいな話がありましたけれども、通帳を見るのが一番危ないので、そのときだけ通帳にお金が入っていたからオーケーという、そんなことでは困るんですね。 私が大変危惧しているのはこういうことです。やっぱり事故とか起こさずに、その資料でチェックしてはじく、駄目だと言うのは、特に更新のときは難しいような気がするんです。ところが、はじけなくて、駄目だと、これは駄目ですというふうに言って断れなくて認めちゃった、国交省が。その上で、認めちゃった上に、その直後に事故を起こしたみたいなときに、国交省は一体何をチェックしていたんだということになるわけですよ。 だって、一般の監査をやって、国交省の一般の監査をやって、現場に行ったってイーエスピーの状況が見抜けなかったわけじゃないですか、特別監査入るまでは。特別監査入ったらみんなバツ、バツ、バツとなっちゃったけど、一般の監査では見抜けなかった。それが、出てきた書類を見て、そこまで悪いというのが本当に見抜けるのかどうかというのが私はポイントだと思っているんですよ。それを分からなくて通しちゃって、その後、事故起こりましたと、一体この制度は何だったんだということになるわけですよ。 なので、そこのところは、それが問題になったときには政務官も替わって、いらっしゃらない、例えば局長もいらっしゃらないと。前の人たちのときの枠組みですと言ってその人たちが、次の人たちがまた説明をするということになっては、そうなるんじゃないかと大変危惧しているんですよ。だから、そうならないように、これは本当、せっかく入れたんですから、是非厳しくやってください。 でなければ、遵法意識がない業者の人たちがいらっしゃるんでしょう、たくさん。この前も、五月十日に酒気帯びをやって事故を起こしていた方がいらっしゃいますから。そういう人たちは、どうも今回の、今度の再更新制度というのはとんでもなく厳しいみたいだぞというふうに思われると向こうもちゃんと対応してくれると思うんですが、何だ、そんなの再更新って入ったって結局数字だけだ、適当に数字作ればいいんだなんて思われたら、その後、また事故起こりますよ。僕は本当にこのことをくれぐれも、もう去年からずっとこれは言ってきているので、これじゃ本当にどうかと思うところ、やり方次第でこれは意味が変わってくると思いますから、そこは本当にくれぐれもお願いいたしたいと思います。 そして、結局、バス協にも入っていないような、二千三百にまで増えていってしまった、規制緩和で入って、増えてしまったその人たちをどういうふうに監査、監督できるのかというのが結局ポイントなんですね。幾らルールを厳しくして要件を厳しくしても、守っているかどうかチェックできないんだったら、みんな守っていないかもしれないじゃないですか。だって、これだけうるさく言われて問題になっているのに酒気帯び運転ですよ、朝のアルコールチェックもやっていなかったわけでしょう。だとしたら、要するにチェックできていないわけですよ。だから、今回厳しくしたって、それがチェックできなきゃ意味がない。しかも、一般の監査が入ったって見抜けなかったんですからね。 民間の力を借りて監査の仕組みを入れるなんていったって、本当に大丈夫なんですかというところについて、今度新たに入る仕組みについて、これは局長で結構ですから、どちらでも、局長で結構ですから、そこは御答弁いただきたいと思います。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。 今委員の御指摘になりました、新しい制度を入れてもまさにペーパーワークになっては何の意味もない、しっかりと実効性のあるチェックをすべきと、非常に重要な御指摘であるというふうに受け止めているところでございます。 先ほど政務官の方から申し上げました今回の新しい制度、これは参入時のチェック、あるいは更新制というのを新しく入れまして、そういった事業参入あるいは継続するときのチェックでありますけれども、それに加えまして、私ども定常的な監査を行っております。この監査の実効性の向上というものにつきましても、今回の検討会におきまして、あの軽井沢の事故を踏まえて大きな課題であると思っております。 これにつきましては、一月以降の検討の中で、三月二十九日に中間報告をまとめましたけれども、その中で監査の実効性強化についての方向性も併せて出しているところでありますけれども、基本的に、中身を充実させる、しっかりと是正ということを早くやらせる、そのためには体制の問題もありますので、国は、当然重点的に問題がある先ほど委員が御指摘になったような事業者をしっかり回り、問題があればまさに退出も辞さずという態度で臨むということでありますけれども、そこに至るまでの過程において、民間の活力もしっかり使った形でバス事業者全体に対してしっかりとそのチェックの目を講じる、こういったことを進めていきたいと思っているところでございます。 バスにおきましては、後ろに四十人、五十人のお客さんが乗っておられるということで、そういった方々に事故が起こったときにどういうことになるかということは、あの一月の十五日の事故におきまして、非常に改めてこの重みというのを私どもかみしめているところでございます。 委員の御指摘、大変重く受け止めておりますので、しっかりと今申し上げましたような参入時のチェックあるいは参入した後のチェック、全て含めまして、事故が二度と起こらないように対策を万全に取ってまいりたいと思っているところでございます。
○上月良祐君 バス協に入っている人たちの監査というんですか、監督は、それはバス協の方に責任持ってやってくれればいいと思うんですよ。しかし、バス協の人たちは、自分たちの数よりも多い、入っていない、規制緩和で入ってこられた方々がたくさんいるわけで、それまで全部面倒見ろと言われたってできませんよ、そんなことは。そこに新しい民間の監査の活用をした監査の仕組みをつくるということですから、それはきちっと切り離して、ちゃんと責任持ってやってもらいたいというふうに思います。 しかも、例えば、そこの人たちのコスト、僕は、それは国の規制緩和の結果なんだから国がちゃんとコストを払って、監査の拡大版みたいにして国のコストでやるべきだと言ったけれども、全部その二千三百の方々の会費というか負担金でやるというふうになっていますよ。それは新たな義務だからしようがないということかもしれないけど、税だって、どんなに権限がある税だってなかなか徴収率を上げるというのは難しいんですよ。遵法意識がない方々から負担金を取るなんというのは本当に大変なことだと思うんです。それもしっかり国がサポートをしてバックアップをして、立ち上げ、人材の確保、そういったところはしっかりやってくださいね。そんなことを全部民間に押し付けるような形にならないように是非本当していただきたいと、もうこれは強く要望いたしたいというふうに思います。 あと、もう時間がありませんから、運行管理者のことをちょっと聞かせてください。 運行管理者って何か、調べれば調べるほど何か私、分からなくなってきて、常勤でもないし、三回に二回は補助者がやっていいしみたいなことになっているんです。今回、一人が二人にベースが増やされるということで、非常に結構なことだと思います。ちゃんと運行管理ができるような体制で運行管理をやっていただきたいと思うんですけれども、これ、名義貸しの問題というのがよく言われているんですね。これは、火のないところには煙は立たないんだと思うんですよ。ところが、火があるのかどうかのチェックすら今はシステムがないから分からない、地方の運輸局を超えてしまうと恐らく全くチェックもできてないんだと思うんです。 ここはきちんと、せいぜい路線も合わせたって二万数千人というんだから、僕のパソコンでも作れちゃうようなファイルなんだから、そんなことはちゃんとデータベースを作って登録番号ではっきり分かるわけですから、名義貸しみたいなことがないようにきちんとチェックをしていただきたいと思うんですが、ここはいかがでしょうか。
○大臣政務官(宮内秀樹君) お答えをいたします。 運行管理は、点呼の実施を始めまして、輸送の安全を確保するために必要な措置について責任を担うことから、御指摘のとおり、名義貸しはあってはならないと、当然でございますが、考えております。 運行管理者の選任につきましては、営業所ごとに行いまして、運輸支局に届け出ることが道路運送法上義務付けられております。国土交通省は、この届出に基づきまして、運送事業者監査総合情報システムという一元化のシステムにおきまして運輸局管内の運行管理者の選任状況を一括管理をしております。異なる事業者間で同一の運行管理者を二重に選任する形の名義貸しが発生しないよう、このシステムによってしっかりチェックをしているところでございます。 また一方、実態のない管理者による二重選任の形を取らない名義貸しにつきましてはこのシステムではチェックできないということでございますので、しっかりとした監査が必要であるということでございます。 この監査におきましては、運行管理者を直接現場に呼んで本人に確認をしたりとか、給与の実態の資料をしっかり確認するというようなことによって対応したいというふうに思っておりまして、しっかりと確認を監査においてやっていきたいというふうに思っております。 運行管理者の勤務実態がないことが発覚した場合には、道路運送法に基づきまして、事業者に対して行政処分を科すとともに、当該運行管理者に対して資格者証の返納命令を行うなど、厳正に対処するということとしたいと思います。
○上月良祐君 厳正に対処してください。真面目にやっている人はきちんと守っていただきたいし、真面目にやっていない人は、遵法意識のない人はきちんとやらないとまたあんな事故が起こってしまうということになりますから、くれぐれもお願いしたいと思います。今回は質問しませんけれども、運行管理者の話はまた別の委員会かもしれませんが、ちょっと集中的に議論をさせてもらいたいとも思います。 それと、ランドオペレーターの話、これは質問しません。今回、法の網を掛けるということで、外国人のランドオペレーターが何かもう九〇%以上のインバウンドをやっているんじゃないかとも聞きました、どこかの国の分についてはですね。そこは、その方々というのは、日本の法律知りませんから、自分たちの国のやり方でいいと思ってやってしまって、この値段で、この労働時間でということになってしまうわけですから、ここは厳しく、やっぱりきちんと日本の中での法律を守っていただけるように法律を作っていただきたいと思っております。 それから、総務省が今回また行政評価、行政監視するということで聞いております。今日は総務省はお呼びしておりませんけれども、二十二年にきちっと彼らはやって勧告をしている。しかし、それを国交省がきちんとやられずに、そして二十四年に関越の高速バス事故が起こり、さらにまた今年大きな事故が起こってしまったわけです。 これは総務省にも僕は要望しておきたいと思うんです、この議事録ちゃんと持っていって言っておきますから。行政評価局は評論家じゃないんですから、評価をしたらそれをきちんと各役所にやってもらうということをやらなかったからこんなことになってしまった。しかし、その前に、やっぱり国交省が言われていることはちゃんとやっていただかないといけないと思いますので、今年はまた評価があるということですから、きちんとそれを受け止めてやっていただきたいと思います。 LCCが大変世界的に伸びています。これ、LCCは座席の間隔を詰めてたくさん乗せたり機内サービスを有料にしているから安いわけでして、安全のところは安全なんですね。だから伸びているわけですよ。飛行機はそうなのにバスはそうじゃなくていいということにはならないですよ。バスだってこんなふうに何十人も亡くなったりするわけですから、ここはくれぐれもきちんと本当に対応していただきたいと。 この問題はこれからも引き続ききちんと監視をそれこそ続けさせていただきたいと思いますので、宮内政務官に、大臣以下もちろんでございますけれども、くれぐれもきちんと対応していただきますことを心からお願いをいたしまして、私の質問を、ちょっと早いですけれども、終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○風間直樹君 今日は、道路運送法の特例について、私から主として国交省の宮内政務官に質問をいたします。 この委員会で、この特例について様々な委員の皆様から質問が出てまいりました。衆議院の質疑、会議録も全て拝見しました。ですが、いまだにこの特例を設ける意味が私には分かりません。この質疑を聞いていらっしゃった多くの国会議員も腑に落ちていないのだろうと思います。 今日の新聞各紙に、トヨタ自動車がウーバーと提携をするというニュースが出ています。当初は車両をリースで提供するということと、それから共同でアプリを開発すると、この二点の提携だということなんです。 私、昨日、帰宅しましてからテレビをつけましたら、たまたまNHKの夜十時のBSのニュースやっていまして、非常に質が高いニュースなので私好んで見ているんですが、このトヨタの提携の話をキャスターが話していました。このNHKの報道によると、こういう表現をしているんですね。日本でも導入に向けた議論が既に始まっている、まずは過疎地を対象に実証実験をしていきますと言って、キャスターがにっこりと笑っていました。これが将来的には日本の交通状況、交通政策を大きく変えていく可能性があるという趣旨の報道でした。私は、この報道を見て、初めて今回の特例の意味がこういうところにあるのかなと腑に落ちた気がしました。 そこで、宮内政務官にお尋ねをしたいんですが、今回のこの特例というのは、トヨタ自動車がウーバーと提携をしたように、将来、我が国でいわゆるライドシェアリングを実施していくための環境整備なんでしょうか。その点、お尋ねをいたします。
○大臣政務官(宮内秀樹君) お答えをいたしたいと思います。 昨日のBSニュースを私は見ていないんですけれども、そのニュース自体は把握しておりますけれども、いわゆる今回の改正とライドシェアとの問題、今回のその特区の特例措置におけるライドシェアの問題とは全く別物であるというふうに考えておりまして、いわゆるライドシェアは、運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに、自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提としたものでもありまして、今回の国家戦略特区における特例とは全くその形態が異なるものであるというふうに考えておりまして、いわゆるライドシェア問題については、安全の確保、利用者の保護等の観点から多くの問題がありまして、極めて慎重な検討が必要であるというふうに考えております。
○風間直樹君 そういう答弁をこの委員会でもこれまで政府が繰り返してきたわけですが、このNHKの報道も裏を取らずに報道しているとは思えないんですよね。過疎地における実証実験が始まりますということまで言っていますので、恐らくそういったところに今回の特例のやはり目的の原点があるのかなと感じています。 そこで、二、三ちょっと伺いますが、この国家戦略特区制度では、例えば産業の国際競争力の強化とか国際的な経済活動の拠点の形成というように、国際という言葉がよく付くんです。これは、この国家戦略特区において自家用有償観光旅客等運送事業を実施するために、主たる目的としてあえて外国人観光旅客というふうに明記をしたということでよろしいんでしょうか。
○副大臣(福岡資麿君) 委員御指摘のとおり、今インバウンドの急増等によりまして、全国津々浦々にその効果を広めることが観光立国の推進に大きく寄与するものというふうに期待されるため、あえて外国人観光旅客というふうに明示をしておりますが、これはあくまでも例示でございまして、委員御承知のとおり、今回はこれ、日本人観光客とかも除外しているわけではないということでございます。観光客一般の運送を主たる目的として規定されているというふうに御理解をいただければと思います。
○風間直樹君 今週号の日経ヴェリタスという新聞を読みました。これも大変高い質の記事がよく出ているので好んで読んでいるんですが、アベノミクスの通信簿が載っていました。これを見ますと、様々な政府の成長戦略の分野において、特に際立って高い得点をアナリストが与えていたのがこの観光の分野でした。円安が進んだということも背景にありますけれども、来日観光客の数が政府の当初目標にもう迫る勢いだと。 こういった記事を見ますと、やはり海外から日本に観光客に来てもらう、東京を始めとする都市部だけではなくて地方にも足を延ばしてもらう、こういう目的を達成する上で地方の交通の足の利便性をいかに高めていくかというその観点は非常に大事だと思うんです。 そういう観点からいうと、今回の特例がもし仮に将来ライドシェアリングのような事業を導入するに当たっての環境整備となるのであれば、この政府の成長戦略上、観光という分野においては非常に大きな成果を上げるのかもしれないと、私は新聞記事を読んで思いました。 そこで、更にちょっと詳しく伺いますが、今回の特例での主たる目的ですね、実質的な意義が何かということをちょっと伺いたいんですけれども、宮内政務官、この区域計画を定める国家戦略特別区域会議の場を活用することで、事実上、既存のバス・タクシー事業者それから住民等が参加する運営協議会等の合意を不要とすると、ここに目的の実質的意義があるのかなと感じているんですが、その認識で間違いないでしょうか。
○大臣政務官(宮内秀樹君) 今回の特例措置は、生活交通とは異なる観光客の移動ニーズに正面から応えるようにするものであると、先ほどからのやり取りのとおりでございますけれども、今回の運営協議会等の合意を不要とするために今回の特例措置を設けたものではないというふうに考えておりまして、なお、今回の特例措置に基づく輸送事業につきましては、市町村、それから当該事業の実施予定者及び既存のバス・タクシー事業者による協議を経た後でなければ国家戦略特区に係る区域決定に定めることができないというふうにしっかりと定めさせていただいております。
○風間直樹君 そうすると、政務官、もう一点お尋ねしますが、今回のこの事業の目的、特例における事業の目的というのは、運営協議会等の合意という手続がない場合でも問題なく支障なく自家用有償旅客運送が実施できるかどうかを検証することにあるのかなと私は思っていたんですが、そうではないということでいいんですか。
○大臣政務官(宮内秀樹君) 今回、我々国土交通省といたしましては、特に運営協議会を設けて、そしてその上で関係者がしっかりと協議をして、そして目的を共有して納得してやるということが極めて大切であるというふうに思っております。実態のところは、恐らく市町村がイニシアチブを取って、市町村の政策及びそれに対応するタクシー事業者がいないという状況の中で丁寧に合意を取っていただくということが大切だというふうに思っております。
○風間直樹君 次のお尋ねなんですけれども、宮内政務官、今年の二月十五日付けで内閣府の地方創生推進室が作成した国家戦略特区ワーキンググループからの指摘・確認事項、ここで、自家用有償旅客運送の登録は、地域の既存事業者を意思決定に加えるのではなく、区域会議の判断に基づき実施するものとすることとされていました。これに対して国交省は、既存事業者を意思決定から排除する仕組みは適切でないと考えると回答しました。しかし、その後、三月二日に国家戦略特別区域諮問会議が取りまとめた国家戦略特区における追加の規制改革事項等についてでは、決定手続について、法案と同様の内容となっているわけです。 この二週間で関係省庁間の調整ができたということだと思うんですけれども、何で国交省は考えを変えたんでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。 今回の特例措置に基づく輸送事業、先ほど政務官申し上げましたけれども、市町村、当該事業の実施予定者、既存のバス・タクシー事業者による協議を経た後でなければ国家戦略特区に係る区域計画を定めることはできないということにされているところでございます。この協議は、持続可能な地域公共交通ネットワークの形成、輸送の安全性及び旅客の利便性確保を図る観点から行わなければならないと、これも法文に明記をされているところでございます。 こういった措置は、委員が御指摘になられたその二月十五日、私どもの方で国家戦略特区会議の事務局に提出をした資料にございますけれども、既存事業者を意思決定から排除する仕組みは適切ではないということを意見を申し上げたわけでありますけれども、まさにその意見を反映した形で今回の法案ができていると、そういった理解をしているところでございます。
○風間直樹君 宮内政務官にもう一回お尋ねしたいんですが、この組織体の話ですね、合意形成を図る。今までは当該市町村やその市町村にあるバス事業会社、また関連者といった運営協議会であったと。今後は合意形成を図るためには国家戦略特区会議、これが合意形成を図る主体となるということですね。 そうすると、先ほどの問いですが、事実上、既存の事業者あるいは住民が参加する運営協議体の合意が不要になっていくというふうなイメージを受けるんですけれども、そうではないんですか。
○大臣政務官(宮内秀樹君) 先ほども御答弁申し上げましたとおり、これ、大事なところは、関係者がよく話をして、そして納得をして、目的を共有して進めるということが大切なことだというふうに考えておりまして、まさに運営協議会というのはどうしても必要でありますということを強く申し上げさせていただいたわけでありまして、そのような手続を排除するということは全く考えておりませんで、大変大切な手続であるというふうに考えておるところでございます。
○風間直樹君 そうすると、今回のこの特例に基づく事業の結果次第では、この運営協議会等の合意、これを不要とする、事前手続が簡素化された自家用有償旅客運送について全国展開すると、こういったお考えは現状では全くないということでいいですね。
○大臣政務官(宮内秀樹君) 現行の自家用有償運送につきましては運営協議会等の場における関係者の意見調整の仕組みが適切に機能しているものと考えておりまして、この手続について簡素化するということは考えておりませんし、全国にこのようなインバウンドを中心としたお客さんが、今は全く行っていないところにそういう需要ができるということは有り難いことだとは思っておりますけれども、このことを積極的にどんどん進めていこうということではなくて、あくまでも地元の事情に応じて関係者が合意の上で進めていくということで考えておるところでございます。
○風間直樹君 私、気になっているのは、この費用、それから収益、この特例に基づく事業者が得る収益なんですが、例えば現行の自家用有償旅客運送、ここでは旅客から収受する対価の基準について決めています。燃料費その他の費用を勘案して実費の範囲内であると認められる等と決められているわけです。 〔委員長退席、理事相原久美子君着席〕 観光客の移動手段の提供を主たる目的とする今回のこの特例では、この点はどうなるんでしょうか。
○政府参考人(藤井直樹君) お答えいたします。 今委員から御指摘がありましたとおり、現行の自家用有償旅客運送制度におきまして、旅客から収受する対価については、法令上、実費の範囲内であるとされているところでございます。このため、自家用有償旅客運送者は旅客から利潤を含めた対価を収受することはできない、よって、営利目的で運送を行うことができないように担保されているということでございます。 本特例に基づく事業についても同様に、旅客から収受する対価は法令上実費の範囲内であるということになりますので、利潤を含めた対価を収受することはできないというふうに考えております。
○風間直樹君 利潤は取れないということでよろしいですか。
○政府参考人(藤井直樹君) 今委員御指摘のとおりでございます。
○風間直樹君 普通、商売をしようという場合は、やはりこれは、この事業もうかると、自分もこの事業をすることで収入が入るというインセンティブが働いて新規の事業に乗り出すのが人間だと思います。 ところが、この特例では実費の範囲だから利潤は得られないと。そうすると、この特例に基づく事業を新たに始めようとする人にはどんなインセンティブがあるんでしょうか。
○大臣政務官(宮内秀樹君) 今回の特例の現場のイメージでありますけれども、本来であれば、利益が出るようなところのサービスであれば、恐らくそのままタクシー事業者がやられるということだと思うんですね。ところが、そのような状況にないと。しかしながら、市町村においてはインバウンドの観光客中心に頑張ってみたいという場合に、いらっしゃったときに対応ができない状況ではいけないじゃないかと。 そうすると、例えば市町村が補助を出すとか、そのようなことにより、あるいは市町村が主体となってやるケース、あるいはNPOが補助をいただいてやるようなケースが多分想定されるんじゃないかと思います。その上で、その対応がスムーズにできることによって地方の方の思うところに対応ができるという形だと思います。 〔理事相原久美子君退席、委員長着席〕 ですから、利益を目的としてやってくるほど多くの需要がある場合は、恐らくタクシー事業者がそういうことをやっていくということになるんじゃないかというふうに思っております。
○風間直樹君 何かこの法案が非常に小ぶりな、アベノミクスの成長戦略を担う法案としてはどうもその成果に乏しいようなイメージしか受けないんですね。政府がおっしゃるこの特例の目的が本当にそこに限定されるものであれば、これはどうなんでしょう、先ほどの日経ヴェリタスじゃないですけれども、アナリストの皆さんがこうした法案を採点する際に、その評価というのはどうしても低いものにならざるを得ないんじゃないかと。 何か成長戦略としてインバウンドを増やしていくんだと、その起爆剤にするんだというエネルギーは、この法案、この特例からは感じられないと思うんですが、これは石破大臣、どんなふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○国務大臣(石破茂君) これはいろんな御意見があって、これはライドシェアにつながるのではないか、そういうことを企図しているのではないかという御懸念もございます。今、国交省政務官からお答えいたしましたとおり、そのようなことを考えているものではございません。それとは全く違うものでございます。 ただ、いろんな御懸念があって、これで爆発的にインバウンドのインセンティブが高まるというようなふうには考えられないところではありますが、しかし、実際問題、お客さんが来ようと思っても全く運送手段がないというところがたくさんあり、そこはかえって悪循環に陥って、ますますそこが疲弊していくということが起こります。こういうことをやることによって、少なくともお客さんが来ても全く運送手段がないということからは回避されるということだと思っております。 ですから、これが爆発的にインバウンドが増えることになるとは思いませんが、しかし、一つのきっかけになることだけは確かだろう、それでお客様が増えていけば運送事業者がそこに参入するという環境も整うかもしれない。まずやってみようということだと私は思います。
○風間直樹君 この質疑を通して、この特例の主たる目的の事業的意義の確認、それから、この結果次第で全国展開する考えはあるのかどうか等伺いました。 いずれにしても、私がイメージしていたものと政府の答弁とは違うということでありますので、どれぐらいのその効果があるのか、まだ政府がおっしゃるこの特例の意義についてはちょっと腑に落ちない部分がある、それが正直なところです。 ちょっと時間の関係がありますので、同じ成長戦略という意味で、先般政府から提案がありましたスーパー独法に関する件、ちょっとこれ確認の意味でお尋ねをさせていただきます。 先日の質疑で、いわゆる物質・材料機構のスーパー独法昇格を議論しましたが、どうも先日、私これ質疑させていただいたときに、この一連の過程をめぐってちょっと政府の中に手続上の大きな問題があるんじゃないかという印象を受けましたので、その点をお尋ねします。 まず、これは政府委員にお尋ねしますが、物材機構のスーパー独法昇格を事務方が内定されたのはいつでしょうか。
○政府参考人(森本浩一君) お答え申し上げます。 今委員御指摘の事務方の内定というものが何を指しているのかというのが定かではございませんけれども、仮に物質・材料研究機構を特定国立研究開発法人の候補とすることを含む考え方についての案を固めた時点だと、こういうことで申し上げるならば、それは昨年の十二月十七日に開催された科学技術政策担当大臣等政務三役と総合科学技術・イノベーション会議の有識者議員との会合の場であるというふうに申し上げたいと思います。
○風間直樹君 それでは、総合科学技術会議、CSTIでこの物材機構のスーパー独法昇格を決定したのはいつでしょうか。
○政府参考人(森本浩一君) お答え申し上げます。 ただいま申し上げたその会合の翌日でございますけれども、総合科学技術・イノベーション会議の本会議が開かれまして、物質・材料研究機構を特定国立研究開発法人の対象法人の候補に決定いたしました。したがって、それは平成二十七年の十二月十八日でございます。 なお、政府が全体として物質・材料研究機構を特定国立研究開発法人の対象法人、候補ではなくて対象法人に決定したのは閣議決定でございまして、この法案の閣議決定を行った平成二十八年二月二十六日でございます。
○風間直樹君 この総合科学技術会議、CSTIの委員は先般の質疑で国会同意人事であるということでしたけれども、この委員の皆さんの報酬はお幾らでしょうか。
○政府参考人(森本浩一君) 総合科学技術・イノベーション会議の非常勤の議員につきましては、平成二十七年四月一日以降に新たに就任した者については、内閣総理大臣と協議して定められた日額三万七百円の手当が支給されております。ただし、平成二十七年三月三十一日から引き続き在職する者については経過措置が定められておりまして、その三年間の間については日額三万一千三百円の手当が支給されております。したがって、橋本議員につきましてはこの日額三万一千三百円の手当が支給されております。
○風間直樹君 これ笑い話ですけれども、先般、官邸での経済状況に関する会議、確認の会議で有名なノーベル経済学賞受賞者がお見えになったときに、その日当が一万円ちょっとだというのでネット上でかなり話題になっていました、何でそんなに有能な方に対して安い日当なのかと。 これは、私よく友人に言うんですけれども、国会という場所は国民の投票によってその代弁者たる国会議員が集う、その国会議員によって同意されたいわゆる国会同意人事対象案件の会議では、国民の同意が得られた会議であり委員でありますのでその報酬というのは非常に高い、ただ、それ以外の国会同意人事の対象になっていない会議の委員については報酬は一万円程度と、こういうことをよく友人には言うわけであります。 先般の質疑でも申し上げましたけれども、おととしの集団的自衛権の行使を可能とした解釈改憲のときの諮問機関となりましたいわゆる安保法制懇の委員の皆さんも、これは国会同意人事ではありませんので、報酬は一日一万円程度だったということであります。 さて、次のお尋ねですが、この物材機構の理事長に就任された橋本氏、この理事長就任を閣議決定したのはいつになりますでしょうか。
○政府参考人(佐野太君) お答えを申し上げます。 橋本氏を平成二十八年一月一日付けで国立研究開発法人物質・材料研究開発機構理事長に任命することにつきましては、平成二十七年十二月二十五日の閣議におきまして了承されたものと承知しております。
○風間直樹君 そうすると、橋本さんが政府から就任打診を受けたのはいつになりますでしょうか。
○政府参考人(佐野太君) 就任打診といったような人事上の具体的な調整過程につきましては、この場ではお答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○風間直樹君 ここ、極めて大事な点でして、ちょっと後でまたお尋ねをします。 では、橋本氏がこの就任を内諾されたのはいつですか。
○政府参考人(佐野太君) これにつきましても人事上の調整過程に入りますので、お答えを差し控えさせていただけたらと思います。
○風間直樹君 文科省は、昨年の御用納めはいつでしょうか。
○政府参考人(佐野太君) 昨年の御用納めにつきましては、行政機関の休日に関する法律というのがございまして、その規定に基づきまして、昨年は十二月の二十八日月曜日でございました。
○風間直樹君 そこで、配付資料の二枚目なんですが、この配付資料、「独立行政法人の役員人事に係る任命手続について」という事務連絡でして、内閣官房の行政改革推進本部の事務局長から出されているものです。宛先は各府省の官房長となっています。 この事務連絡の「記」というところの二番目を見ますと、こう書いてあるんですね。二番目の二行目ですが、「主務大臣が独立行政法人の長又は監事を任命する際に公募によらない場合は、関係機関・団体等への候補者の推薦の求め、外部有識者の意見の聴取等により適任者を選定・確保するよう努めるとともに、任命理由等の公表により任命にかかる透明性の確保を図ること。」と。まあ簡単に言うと、この独法の長を決めるときには、まず公募しなさいよと、それから関係団体に候補者を推薦してもらうよう要請しなさいと、さらに、この任命については透明性を確保しなさいと、こういうことですね。 今回、この物材機構の理事長選任、今の御答弁ですと、橋本さんが理事長に就かれたのが一月一日、それからこの物材機構のスーパー独法昇格が十二月十八日、理事長就任の閣議決定が十二月二十五日と、非常に短期間でされているんですが、この理事長選任に際して、独法等の役員人事に関する当面の対応方針についてに基づく公募は行ったんでしょうか、行わなかったとしたらその理由は何でしょうか。
○政府参考人(佐野太君) 平成二十一年九月二十九日に閣議決定されました独立行政法人等の役員人事に関する当面の対応方針におきましては、現在、公務員OBが役員に就任しているポストについて後任者を任命しようとする場合及び新たに公務員OBを役員に任命しようとする場合には公募を行うこととなっているところでございます。 今般の橋本氏の国立研究開発法人物質・材料研究機構理事長の任命に当たりましては、今申し上げました公募を行わなければならないという場合には該当しないことと、さらに、物質・材料機構が非常に物質、材料という専門性の高い業務を担っていることから、外部有識者への意見の聴取等を行うことによりまして、当該法人が行う事務及び事業に関して高度な知識及び経験を有する適任者を選定することが適当と判断いたしまして、今回は公募は行っておりません。
○風間直樹君 済みません、一番目の理由は分かったんですが、二番目の理由をもう一回お願いします。
○政府参考人(佐野太君) 二番目の理由は、若干繰り返しになりますが、専門性が非常に、物質・材料機構という物質、材料全体を扱う日本の代表的な法人の理事長を選任するわけでございますので、そういった場合には、外部有識者、関係する外部有識者への意見を聴取を行うことによりまして、事業に関する高度な知識とか経験を有しているかどうかを選定するという、そういう方式で選ぶのが適当だというふうに考えたという次第でございます。
○風間直樹君 それは役所としてそういう判断をされたということですか。それはこの独法通則法の第二十条第三項の規定の趣旨とはどう関係するんでしょうか。
○政府参考人(佐野太君) これは役所として判断しておりますが、先ほど先生がおっしゃられましたとおり、独立行政法人の人事に係る任命手続についてという各省庁官房長宛ての「記」の二ポツにございますように、公募によらない場合には、関係機関、団体等への候補者の推薦を求め、外部有識者の意見聴取等により適任者を選定、確保するよう努めるというふうになってございますので、これに基づいて選定した次第でございます。
○風間直樹君 そうすると、ここにある推薦の求めはしなかったけれども有識者の意見を聞いたりして適任者を選定、確保したと、こういうことですか。
○政府参考人(佐野太君) 今、この物質・材料研究機構理事長の任命に当たりましては、外部有識者の意見の聴取等を行ったところでありまして、この有識者の意見等を踏まえまして橋本氏の任命に至ったところでございます。
○風間直樹君 そうすると、この平成十一年の独法の通則法との関係をちょっと確認しておきますが、配付資料の一枚目ですね。この役員の任命の第二十条の数字の3というところ、主務大臣は、法人の長を任命しようとするとき、必要に応じ公募の活用に努めなければならない、公募によらない場合であっても透明性を確保しつつ云々とあるんですけれども、この3の規定そのものが、先ほど答弁されましたように、その前任者が公務員でない場合は適用されないと、こういう理解でよろしいんですか。
○政府参考人(佐野太君) そのように考えてございます。
○風間直樹君 これは、どこにそういう規定があるんでしょうか。
○政府参考人(佐野太君) 平成二十一年九月二十九日に閣議決定されました独立行政法人等の役員人事に関する当面の対応方針というものがございます。その際、公務員の天下りに対する国民の厳しい批判等を踏まえ、公正で透明な人事を確保する観点から、現在、公務員OB、役員に就任しているポストについて後任者を任命しようとする場合及び新たに公務員OBを役員に任命しようとする場合には、公募により後任者を選考を行うというふうに書いてございまして、それ以外については幾つかの選び方があるというふうに考えてございます。
○風間直樹君 分かりました。その点は明らかになりました。 では、次の問いですが、これは酒井政務官に対するお尋ねになりますけれども、この総合科学技術会議の委員が、先般の質疑で指摘しましたように、物材機構のスーパー独法昇格を決定する会議に参加されていらっしゃった、橋本さん、参加されていたわけであります。これが利益相反が疑われかねない行為ではないかというのが一点目。そして二点目は、会議開催が先ほどの御答弁によりますと十二月十八日、橋本さんの理事長就任が一月一日。非常に短時間でありますが、こうした日程上の問題点について、私は、ちょっと短時間過ぎて、これ本当にそうなのかなと、政府が答弁されているのが事実なのかなという疑念を持っているんですが、この点について酒井政務官の認識をお尋ねしたい。そして、利益相反も招く可能性についてどう御認識されていらっしゃるか。この二点についてお願いします。
○大臣政務官(酒井庸行君) 風間先生の御質問にお答えをいたします。 まずは、一点目の利益相反にという御質問でございますけれども、まず、このいわゆる任命権者というのは私どもではございませんでして、文部科学大臣でございますものですから、そのことについて私どもが知る立場にはないということはまず申し上げておきたいというふうに思っております。 そして、利益相反の話の中で、これは文部科学省だけではございませんけれども、こういうときに各省庁の人事に関しては、それぞれの省庁の皆様方、あるいはいろんな有識者の方々を踏まえてきっと任命をしていくんだろうというふうに思っております。そういう中で今回の橋本さんの件があったというふうに理解をしております。 それに関しては、橋本さんという方が、総合科学のイノベーション会議において、物質機構の特定研究開発法人への追加等、あるいは論文の引用の世界ランキングや国際特許出願件数の世界ランキングの客観的な資料に基づいており、十分な客観性を持った判断を行われたということだと思います。 その意味で、その会議の中に入ってやるということに私は当たらないというふうに考えておりますし、もう一点の期間の問題でありますので、その期間について、私ども、先ほど申し上げましたけれども、知るところではありませんでしたので、それがいいかどうかという判断は、これは私どもで判断できるという問題ではないというふうに考えております。
○風間直樹君 橋本さん御自身が物材機構の理事長として適任かどうかという判断については、確かに非常に才能高い方でいらっしゃいますから適任なんでしょう。その点については異論はないんだろうと思います。 ただ、問題は、この物材機構をスーパー独法に昇格させますかどうしますかということが諮られる会議、昨年の十二月の十八日の会議に、物材機構の理事長に恐らくこの時点で内定をされていた橋本さん御自身が参加をされていらっしゃる。この点がやっぱり役所の運び方としてまずいんじゃないですかということが今日の私の質疑のポイントなんですね。利益相反が疑われかねませんよと。仮に今回のケースで橋本さんについてはそういうおそれはないとしても、これが今後の役所のこうした人事の運び方の前例になるのはまずいと思っています。ですので、利益相反が疑われかねない行為ですよという指摘をしています。 この部分は内閣府の所管ではないということで、文科省の所管かと思うんですが、豊田政務官お越しいただいていますが、この点についての認識はいかがでしょうか、利益相反について。
○大臣政務官(豊田真由子君) お答え申し上げます。 橋本氏の物材機構の理事長就任につきましては、CSTIにおけます特定研発法人を選定する議論を含みます物材機構に関する議題に橋本氏自身が関与をしない、具体的には、この実際の会議におきまして橋本氏が物材機構に関わる議論で発言をしなかったというふうに承知をしておりまして、こういったことから利益相反は生じないというふうに考えているところでございます。
○風間直樹君 こういうことですよね。橋本さんは、既にこの当時以前から総合科学技術会議の委員でいらっしゃったと、この事実がまずあるわけです。そうしたところ、文科省の方で、恐らく文科省の発意なのか、この物質・材料機構という独法をスーパー独法に昇格したいというアイデアが持ち上がった、それを諮る場がたまたま総合科学技術会議だったと、これが二点目。文科省としては、様々有識者等の意見も聞いてみたところ、橋本さんという方がこの物材機構の新しい理事長には適任ではないかという意見を得たと、これが三点目。その過程の中で、では、いよいよ物材機構のスーパー独法昇格を諮る会議が近づいてきてみたら、この会議のメンバーに橋本さんがいらっしゃったと、四点目。 これ、文科省と内閣府それぞれで所管が違います。スーパー独法昇格の案件は内閣府のその会議の場。一方、物材機構の理事長の人事の所管は文科省。ですから、これ察するに、内閣府と文科省の事前の相談、連絡というものがちょっと滞っていたんじゃないかというふうに思うんですけれども、両省でいつ頃からどんなふうにこの案件をめぐって事前の調整、相談をされたんですか。これは政府委員でも結構ですが。
○政府参考人(森本浩一君) 先ほど御答弁ございましたように、本件、人事に関わる問題でございますので、その調整過程についての答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
○風間直樹君 森本さん、これ、差し控えるで済まないですよ。だって、この総合科学技術会議は国会同意人事の対象でしょう。そうでなければ答弁差し控えるで私も見逃すかもしれませんが、国会同意人事の対象である会議の委員が加わった会議でスーパー独法の昇格を決めて、その独法の理事長にこの会議の委員が就くというのは、今の答弁ではちょっと見逃すことができない。やはり国会の行政に対する監視機能、我々は担っていますから、もう一回御答弁ください。
○政府参考人(森本浩一君) お答え申し上げます。 ただいま累次御答弁申し上げましたとおり、橋本理事長は、国会同意人事で、非常に見識のある、高い見識をお持ちの方ということで選定されているものだと思います。したがいまして、その方の御判断というものを我々は尊重しなければいけないし、尊重を申し上げております。 それで、そういう意味で、この利益相反の問題につきましては、まずは御本人が判断されるということが基本であると考えておりますので、そういう意味で、今回、その十二月十八日の会議の場で御発言がなかったということでございますので、利益相反の問題は発生していないと、こういうふうに考えております。
○風間直樹君 いや、その答弁は苦しいですね。その橋本さんの責任に押し付けちゃっています。それはまずいですよ。やっぱりこの会議は、繰り返しになりますが、国会同意人事の対象の会議ですから、その選任には、当然その人選に当たっては事務方の内閣府も加わっていらっしゃる。その結果選んだ会議の委員である橋本さんに対して、利益相反があるかどうかはもう先生の御判断ですので、当日、その会議の場で判断してくださいと、こういうことでは通らないと思います。 これ、本来であれば、理事長就任予定者を、物材機構がスーパー独法に昇格するということを決める会議の前に、この会議の委員から一旦外す仕組みをつくるべきかどうか、これを検討しなきゃいけないと思うんですね。多分、これ内閣府も優秀な職員の皆さん集まっていらっしゃいますので、この点がちょっとぎりぎり際どいということには事前に気が付かれたと思う。この点について、内部ではどのような判断をされたんですか。
○政府参考人(森本浩一君) お答え申し上げます。 やはり利益相反のマネジメントの基本は、御本人がどのように判断され、それを申告するかどうか、こういうことにあろうかと思います。したがいまして、人事の情報につきましては関係者限りで扱われておりますので、それ以外の方は知ることができないということが前提にございます。したがいまして、今御指摘のように、そういう利益相反が疑念を持たれないような、そういう運用をすべきだというのは我々も心掛けていかなければいけないというふうに考えております。
○風間直樹君 ここはやはり政務の出番かなというふうに思います。役所の答弁も幾つかいただきましたが、なかなか苦しいお立場がかいま見えるわけです。 酒井政務官にお尋ねしますが、内閣府の設置法というのがありますね。この三十二条、ここにこうした国会同意人事案件の様々な規定があるわけですけれども、この改正を検討すべきではないでしょうかというのが私の問題意識です。政務官はどんなふうにお考えでしょうか。
○大臣政務官(酒井庸行君) 先生からのいろんな御指摘をいただきました。 まず、文科省と内閣府との関係のこともおっしゃられましたけれども、これは何かあってというわけでもございませんので、そのことは御理解いただきたいと思いますし、私どもとしては、やはり主務官庁であります文科省がきちんと、先ほど申し上げましたけれども、橋本さんに関してはきちんと選定をしたというふうに思います。その上で、そのことを私どもはきちんと理解をしなければいけませんし、そのことに関してきちんとやはり認めていかなければならないというところもあるんだろうと思います。そこで私どもが、違うところからこの人は違うだとかなんとかということは言うことではないと、私、これはそんなふうに思っておりますので、その上で、もし皆さん、橋本さんがこういう立場になられて今後問題があるとなれば、それは当然先生方からも、私の方からも、御意見をいただくことになるだろうというふうに思います。 その上で、今先生のお話、三十二条のことでありますけれども、これは法案という部分では検討ということは今のところ考えておりませんけれども、仮に会議に付議されている事項について直接の利害関係を有する議員がいる場合ということでございます。罷免という措置ではなくて、審議及び議決に参加させないことで一般的に対応しているものと承知をしております。 ですので、CSTIにおいてもそうした対応を厳格に運用をしてまいりたいというふうに思っておりますし、先生のおっしゃる検討に値していくものだというふうに私は考えております。
○風間直樹君 私、今回この質問を先日に引き続いてしましたのは理由がありまして、一つは、先ほど申し上げたように、特に国会同意人事の対象の会議の委員の話ですから、やはり行政を監視する国会の役割としてこの詳細については確認をしておく必要があるということ。 それからもう一点は、日程、カレンダーを見て感じたことなんですけれども、先日の質疑を終えまして、部屋に戻って昨年の十二月のカレンダーを見たんですね。そうしましたら、橋本さんの理事長就任をした閣議決定が先ほどの御答弁のとおり十二月二十五日金曜日、翌日、二十六、二十七は土日です。週が明けて二十八日が御答弁にあったように御用納めの最終日。ですから、もし政府の御答弁どおり、橋本さんに対する事前の根回しもしていないし内諾もしていないと、そこは答弁できないんだということでしたけれども、それが事実とすれば、橋本さんに政府から連絡が行ったのが二十五日の金曜日か二十八日の月曜日。三、四日明けてもう橋本さんは物材機構の理事長に飛んでいかなきゃいけないんですよ。こういう運びが余りにも政府の人事の決定としてよろしくないんじゃないですかということを申し上げたいんです。 やはり事前に内閣府と文科省でそれぞれよく調整していただいて、間に合うようにこのスーパー独法の昇格の会議を開く、間に合うように閣議決定を行う、その上で、外に対して、国会に対してこういう日程、手順で進めたということを堂々と説明できるようにしてほしい、これがやはり政府の役割、責任ではないかと思います。 最後に、その点について酒井政務官と豊田政務官からお考えを伺いたいと思います。
○大臣政務官(酒井庸行君) 御指摘ありがとうございます。 先生の言われることもよく理解をしているつもりでございます。今後につきましては、今のいわゆる人事に当たってのそういう手続等に関しましては、それぞれの省庁での任命権というのもありますので、そこは立ち入ることもできない場合もあるとは思います。しかしながら、さっき先生がおっしゃった意味も含めて、今後は、その手続等を含めて、また時間的なものも含めて、先ほどの三十二条のことも含めて検討をしていくということだというふうに私は考えております。
○大臣政務官(豊田真由子君) 先生の御指摘、大変有り難く受け止めまして、関係省庁よく今後も連携をし、また客観性、透明性のあるプロセスのより一層の確保というものに努めてまいりたいと思います。ありがとうございます。
○風間直樹君 最後に、この内閣府の設置法三十二条ですが、やはりきちんと国会に対して説明するためには、独法の昇格決定の会議前に、一旦この会議の委員を利益相反のおそれを招かないために会議から外す仕組みの創設を考慮すべきだというふうに思います。その点の検討を要請しまして、私の質疑を終わります。 ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(神本美恵子君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、田城郁さんが委員を辞任され、その補欠として藤本祐司さんが選任されました。 ─────────────
○山本香苗君 公明党の山本香苗でございます。 まず最初に、竹内厚生労働副大臣にお伺いしたいと思います。熊本地震の関連でございます。 熊本地震によりまして、小規模保育を始めといたしまして、地域型保育施設においても甚大な被害というものが生じております。倒壊、地盤沈下等で本来の場所で保育再開ができていない園もあると伺っておりますが、こうした小規模保育を始めといたしました地域型保育施設というのは社会福祉施設等災害復旧国庫補助金の対象になっておりません。そのために補助が受けられないという切実な声が上がっております。 地域型保育というのは、地域における保育の大事な受皿です。早急にこの補助要綱を改正していただきまして対象にしていただきたいんですが、よろしくお願いいたします。
○副大臣(竹内譲君) お答えをいたします。 今回の熊本地震によりまして、熊本県にある七百二十二か所の保育園等のうち三百十五か所が天井の落下や壁のひび割れ、給食設備の破損など建物の損傷等の被害を受けたところでございます。このうち、小規模保育事業所五十か所のうち二十四か所が、そしてまた家庭的保育事業所十二か所のうち七か所が、さらにまた事業所内保育事業所九か所のうち四か所が被害を受けている状況でございます。子供たちが従来と同じく安全に保育を受けられるようにするためには、被害を受けた保育園などの施設の復旧が必要不可欠でございまして、国としても支援に努めていく所存でございます。 保育園と認定こども園につきましては、従来より、社会福祉施設等災害復旧費国庫補助金の対象となっているところでございますが、他方で、お尋ねの小規模保育事業所を始めとした地域型保育事業につきましては、子ども・子育て支援新制度により新たに類型化されたところであるために、現時点ではその対象となっていないのが実情でございます。 そのため、地域型保育事業所につきましても支援が受けられるように、社会福祉施設等災害復旧費国庫補助金の対象とすることについて関係各省庁とも検討をさせていただきまして、委員の御指摘のとおり、できる限りの支援が受けられるように全力を尽くしてまいりたいと思っております。
○山本香苗君 副大臣、ありがとうございました。 委員長、竹内副大臣、一問だけですので、お取り計らいをお願いいたします。
○委員長(神本美恵子君) 竹内厚労副大臣は御退席いただいて結構です。
○山本香苗君 本題に入らせていただきます。 石破大臣にお伺いしたいと思いますが、先ほども上月先生の方から御質問ありましたけれども、企業による農地取得の特例の話につきまして、今回のこの養父市を想定いたしました特例措置というのは、企業に農地所有を認める必要性や効果を確認することを目的に、五年間という期間を限って試験的、実証的に行うものということを繰り返し御答弁いただいておりますが、実際、この特例措置が実施された後に、どういう基準で効果を判断することになるのか、何をもって全国展開するしないと判断するのか、お考えを伺います。
○国務大臣(石破茂君) 済みません、読み上げ調で恐縮ですが、特段の問題が生じていなければ全国展開です。地域の活性化として意義が大きいものは存続します。特例措置の要件や手続を更に緩和する場合で引き続き特区の検証が必要なものは拡充です。弊害が生じており要件や手続の見直しでは予防措置を確保することが困難なものは廃止ということで、例えば産廃置場にしちゃうとか、そんなのは論外中の論外であって、そんなものはもう駄目に決まっていますが、じゃ、そうでなければいいのかというと、そういう話にもならないのだと。この制度を活用することによって本当に新たな参入というものが増えたのでしょうかしらと、あるいは、それによって労働生産性が上がりましたか、その地域に多くのお金が落ちるようになりましたか等々、特区の目的とするところは何なのかということをよく検証することが必要なのだと思っております。 だから、違法な転用さえなされなければそれでいいというお話ではございませんで、これが特区の意義を果たしているということに相なったとするならば、それは全国展開することもあり得るということでございます。ですから、転用さえされなければいいという考え方に立っているわけではございません。
○山本香苗君 先ほど、先の話だというような話もありましたけれども、私は、ここ五年間、どういうところをポイントとして監視していくのか、チェックしていくのかというところともリンクする話だと思いますので、確認の意味でお伺いをさせていただきました。決してそんな、何というか、外形的なものだけじゃなくて、様々な要因をかなり、国会審議の中で様々な懸念がなされた点につきましてもチェックをしていただいた上でと、あくまで、そういう話であったと思います。今回、この間の連合審査のときも、かなり懸念の声が上がっておりました。もうちょっとましなというか、もう少し現実的でスムーズに実現できるような提案はないものかなと思いながら聞いておりました。 そういう中で、リース方式によるまず参入をした後に、一定期間経過して、農業経営が安定しているということを農業委員会が認めた場合、農業生産法人とみなして農地購入を可能とするというような提案が大阪府から出ております。この提案というのは都市農業の振興のための提案ということなんですが、大阪府、また岸和田市、JAいずみの等の共同提案で、岸和田市農業委員会も同意しているというふうに伺っております。 この間の議論もありました、リース方式をもうとにかく一生懸命やるんだという話はよく分かる話でありますけれども、農業関係者の方から信頼をしっかり勝ち得た後に行き着く先の一つの選択肢としてこういうことを、購入するという提案について、農水省としてはどういう御見解をお持ちなんでしょうか。
○大臣政務官(佐藤英道君) 大阪府の提案につきましては、農地所有適格法人以外の一般企業による農地の所有を可能とするという内容の提案でありまして、その意味では養父市の提案と共通であると認識をしております。 大阪府の提案は昨年十二月から出されているものと承知しておりまして、こうしたことを踏まえて、本年三月二日の国家戦略特別区域諮問会議で、企業の農地所有に関わる国家戦略特区特例を設けることが決定されたものと考えております。 したがって、今回御審議をいただいている特例措置につきまして、大阪府からの提案にもお応えできる、そのように考えております。
○山本香苗君 お応えできる、どういうふうになるのかということ含めてちょっと不明な点があるんですが、これ、去年末に大阪府から提案されて、関西圏の国家戦略特区会議の場で三回大阪府から提案されていて、まだ正式にちゃんとお答えしていただいていないんですね。なので、ちょっとここの部分、十分御協議いただけるものだと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 また、大阪府からこの提案以外に二点、農業関係で提案があったんです。 まず一つ目が、農地への全面コンクリート打設解禁ということなんですが、本件はこの国家戦略特区以外の地方分権改革の場でも議論されていると伺っております。 近年、ICTを活用した農業というのを推進する上で、農地に全面コンクリートを打った場合も農地として取り扱ってほしいという提案はよくなされているわけですが、土の場合だと水耕栽培のベッドが傾いて水位に差ができて生育に影響が出てくるとか、土壌面があると温度だとか湿度等の面で環境コントロールがしにくいと。コンクリートを打てなかったので鉄板を実際は敷いてしまって同じような形でやっているようなケースもあると。 最近、農福連携という形で我が党も一生懸命推進させていただいているんですが、障害のある方が、要するに通路だけコンクリートで打っているのは、それは農地でいいよという話なんですが、そうしますと、車椅子で働こうとしてもなかなかできないというような声もありまして、全面駄目で、じゃ、どこまでだったらいいんだという話もあるんですけれども、こういう提案については農水省はいかがお考えでしょうか。
○大臣政務官(佐藤英道君) 貴重な現場のお話、大変に有り難く存じます。 現在、農地法上、農地とは耕作の目的に供される土地と定義されているところでございます。ここで言う耕作とは、土地に労費、労働や費用を加え、肥培管理、肥料等々の管理でございますけれども、こうしたことを行って作物を栽培することと解されているところでございまして、こうしたことから、農地を全面コンクリートで地固めした場合には、その土地に労費を加え肥培管理を行って作物を栽培することができなくなるために農地法上の農地として取り扱うことは困難であると考えているところでございます。
○山本香苗君 農地というのは耕作の目的に供される土地であって、コンクリート打設すると農地と認められないということなんですが、この全面コンクリート打設した植物工場などは農業施設への転用が可能なわけですね。そうなると、ああ、できるんですよというふうに農水省の方はおっしゃるんですが、でも、農地でなくなった途端に固定資産税が高くなって、相続税や贈与税が掛かってきます、業としてあくまで農業なのに支援が異なってきますと。 こうした実態というのは、今農水省の方でも一生懸命進めようとしていらっしゃるICTを活用した農業を推進していく上でネックになっているんじゃないかと考えるんですが、どう認識されているのかということと、こうしたネックを取り払うために何らかの手だてを打とうとお考えになっておられませんか。
○大臣政務官(佐藤英道君) 農業用の施設用地につきましては、平成十二年度以降、固定資産税、相続税及び贈与税の資産評価に当たりまして、農用地区域及び市街化調整区域内では、従来の宅地価格を基本とする評価から、近傍の農地価格プラス造成費による評価へと評価方法が改正されまして、実質的な軽減措置が講じられている状況でございます。 また、今御指摘のあった更なる税制上の優遇につきましては、同じ施設用地の中で食品工場などほかの業種とのバランスを確保するなどの観点から困難な面もあるわけでありますけれども、今後とも、御指摘の現場の皆様方の声に耳を傾けながら、ICTを活用して生産性を高めた次世代施設園芸のノウハウの普及や、強い農業づくり交付金による大規模園芸施設への整備への支援などによりまして、植物工場など先進農業の取組を進めてまいりたいと思っております。
○山本香苗君 是非よく話を聞いていただいて、要望書もたくさん出ております。この点について、更なるところを期待したいと思いますので、佐藤政務官、よろしくお願いいたします。 もう一つ提案なんですが、すごくややこしかったんですけど、農地転用規制の緩和ですね。農地法上、従業員更衣室、トイレ、事務室などは農業用施設として転用すること可能なんですけれども、農振法上、第十五条の二において、この施設面積が九十平米を超える場合は開発行為の許可手続が必要とされています。 そこで、まず政府参考人の方にお伺いしたいんですけれども、二点お伺いしたいんですが、この九十平米というものの積算根拠は一体何なのか、具体的にお示しいただきたいと思います。と同時に、これ、ヘクタール単位の営農であっても、小規模の場合であったとしても、一律九十平米というところで許可が必要とされているんですね。なぜ一律に掛かっているのか、ここを具体的に御説明いただけないでしょうか。
○政府参考人(三浦正充君) お答えいたします。 農業振興地域の整備に関する法律、いわゆる農振法におきましては、開発許可に当たりまして、周辺農地を含めました農地の効率的利用への支障が生じないかどうかということを判断するようにいたしております。ただし、小規模な開発行為につきましては、このような支障が生じるおそれが少ないものとして許可不要という扱いをしております。 その面積についてでございますけれども、都市計画法におきまして、市街化調整区域などで開発行為を行う農林漁業用施設につきましては九十平方メートル以内のものは全て許可不要となっているというようなことなども踏まえまして、農振法におきましても九十平方メートルとしているところでございます。 このような支障が生ずるか否かというのは、営農形態いろいろ、小さい方、それから大きい方、あるいはその周辺の営農状況も含めまして、区画とか利用形態とか様々なこともありますので、あくまで開発する土地の規模に着目してこのような要件を定めているところでございます。
○山本香苗君 要するに、開発するところだけに着眼しているのであって、営む方がどれだけ大きいかということは考慮していないということですか。
○政府参考人(三浦正充君) 許可不要にするかどうかというところでは、今御質問がありました営農の規模とかそういうものは考慮しておりませんが、じゃ、実際に許可の申請が上がってきたときに、その開発をすることによってどういう影響が出るかという段階になれば、当然、周辺の営農状況等は考慮することになります。
○山本香苗君 その開発手続というのが結構煩雑なんですね。昨日もちょっと具体的にどうやっているのかと様々聞いたんですが、今ここで繰り返すと非常に長くなるのでやめますが、実際そういうことがあるために、この九十平米以内に収めようとして実態どうなっているかというと、事務等をハウスで行っているとかトイレを近傍に借りに行っているというような声がありまして、この九十平米というところを拡充してほしいという提案となっているわけなんですね。 まず、こういう実態、ほとんどの法人においてこの九十では不足しているというような声が上がっているということが今回の特区の提案で上がってきていますので、ばさっと切るんじゃなくて、こうした実態をよく把握していただいて、この九十平米という開発行為だけに着眼したような形が妥当なのかどうなのか、また一律にそういうことを線引きするのがいいのかどうか、よく検討していただきたいと思うんですが、政務官、いかがでしょうか。
○大臣政務官(佐藤英道君) 本当に現場の生の声を聞かせていただきまして、本当にありがとうございます。 確かに、今部長も答弁いたしましたように、市町村が定める農用地利用計画におきましては、農用地区内に、農用地区、地域内にある土地について、農用地の集団化、農作業の効率化などに配慮しまして、農地、農業用施設用地などの区分を指定しております。このために、農業振興地域の整備に関する法律におきまして、開発行為がこのような区分指定の趣旨を損なうことがないように、都道府県知事等の許可を要するものとしているようになっております。 農業用施設の開発許可が不要とされている九十平方メートルの基準を引き上げることにつきましては、施設の規模が大きくなれば周辺農地を含めた農地の効率的な利用に支障が生じるおそれが大きくなることから、慎重な検討が必要としているところであります。ただしかし、九十平方メートルを超える農業用施設につきましても、周辺農地を含めた営農に支障がないことなどを確認できれば許可を受けて設置することが可能でありまして、農林水産省としても、具体的な事案をよく伺った上で、関係地方公共団体等に助言などを行ってまいります。
○山本香苗君 通告しておりませんが、大臣、何か一言おっしゃりたいような雰囲気がありますので、今のやり取り聞いていてどう思われましたか。
○国務大臣(石破茂君) この話は私が麻生内閣で農林水産大臣をしておった頃からずっとある話で、要は、どうやって農業の生産性を上げ、農業者が良い環境の下で仕事ができるかということが大事なんじゃないのというお話で、それは優良農地を守ることは大事ですが、優良農地を守るということがどうすればできるんだろうか、参入する方々がより効率的に、より快適な環境でできるということを実現することによって優良農地が守られるということがあるのではないだろうかという思いがずっとするわけですね。それはもう農地の世界というのは、先ほどのコンクリート打設の話もそうですが、何でこれそうなるのという話は、私が大臣当時、何時間延々と大臣室で議論したか分からないようなお話であります。 ですから、今政務官から答弁があったように、やはり現場は一体何を求めているのか。彼らはいかにして農地を活用し、いかにして所得を上げようかということを一生懸命考えているわけですから、その思いというものに応えるのが行政の務めではないのだろうかと思っております。 委員のお話を聞きながら、七年か八年前の大臣室での議論を、懐かしくと言っちゃいけませんが、思い出したことでございました。
○山本香苗君 私も今回の質疑をするに当たって過去のをいろいろと調べていくと、大臣のお名前がたくさん出てくるというか、平成二十一年の辺りのそこらの議論とか様々出てまいりまして、その御認識を是非農水省と共有していただいて、一歩でもいい形で進めていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 最後に一問、厚生労働省に。森審議官、済みません。 今回も、医療機器薬事戦略相談というのが今回法定化されるということなんですけれども、これ既に厚生労働省通知出して、昨年十一月から実施をされておられますので、これ法定化することの意義ということは何なのかということと、また併せてお伺いしたいんですが、現在、この制度、医療機器に対象は限定されているわけです。これを、もう早速にも医薬品にも対象を拡大してほしいという声が大阪府から上がっています。厚生労働省として、この大阪府の提案をどう受け止めていらっしゃいますか。
○政府参考人(森和彦君) お答えさせていただきます。 まず、今回の措置につきましては、日本再興戦略改訂二〇一五に記載されました、国際競争力の強化等のための国家戦略特区への重点的な支援策ということでございまして、政府の継続的な支援の姿勢を示すということとともに、国家戦略特区で利用できる施策として明確化をするために、この国家戦略特区法に規定することにしたものでございます。 それから、今回、革新的医療機器に対する特区薬事戦略相談というのは、開発の現場に赴いて相談に応じるという特区内の臨床研究中核病院に対する重点的な支援でございます。革新的な医療機器というのは、その実物を見たり、あるいは実際に手術等で使用しているところを確認したりすることによって当該医療機器に関する理解を深めることができると考えておりまして、より効果的な助言ができるのではないかというふうに考えております。 一方、この医薬品につきましては、医療機器とは少し異なりまして、その使用に当たっては余り特殊な手技を要さないというふうに、飲んだり注射をしたり塗ったりというような使い方が一般的ということもございまして、特定の施設や体制が必要となる場合がなかなか考えにくいということがございまして、現地に赴くことの利点というのが医療機器の場合ほど高くないというふうに考えておりまして、これは従来からやっている薬事戦略相談等で支援をできるものではないかというふうに考えてございます。 今回、委員御指摘のように、大阪府からこの相談を医薬品への拡大を要望されているということは承知してございます。これまで伺っているその御提案の内容からしますと、医療機器のように現地に赴く必要性が高いというふうなことまではちょっと考えられない状況でございまして、まずは、この相談を行う意義が高いというふうに考えております医療機器について着実に進めていきたいというふうに考えておるところでございます。
○山本香苗君 実際は出向いてまで行くものが具体的にあるのかということだと思うんですけれども、書面だけで困難なケースもあろうかと思いますので、効果的な開発に結び付けるためにどの手法でやるのがいいのかと、医療機器のみならず医薬品もというふうな形で非常に現地からも強い要請もありますので、よく協議をしていただいて、具体的にどういうところがというところをつかまえていただいて、そういうことがあらば対応していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 終わります。
○委員長(神本美恵子君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(神本美恵子君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。 まず、石破大臣に一問質問をしたいと思いますが、大臣は本法案の審議の中で、繰り返して安全の規制、社会的規制の緩和には慎重であるべきだ、むしろ強化すべきだということを述べておられます。非常に重要な御認識だと思いましたが、なぜそう考えるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(石破茂君) それは、社会的規制と経済的規制が重なる部分もございますので、ここは言葉は気を付けて使わなければいけないと思いますが、要は、人命、人身に関わるもの、あるいは健康に関わるもの、そういうものについての安全性というものについては最大限の配慮がなされなければならないという、実に当然のことだと思っております。それをないがしろにするということはあってはならないのであって、いろんな時代の変化、時代の要請に伴う規制の緩和というものは、それは行わねばならぬでしょう、時代背景が変わっているものがありとせば。しかしながら、いかなる時代であっても、人命、人身、健康等に関わるものについてはそれを緩めることがあってはならないのだと私は思っております。
○山下芳生君 石破大臣、繰り返しそのことをおっしゃっていますので、私は、その点は共感するものであります。 そこで、安全に関わる規制、生命に関わる規制、この緩和については、たとえ私はそれが特区に限定されるとしてもこれは慎重であらねばならない、そう考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) それは、特区であるからといってそういうものが軽んぜられていいはずはございません。特区だったからそういうものについて規制が緩められて、結果として人身、人命、健康に被害が及ぶようなことがあっては、何のための特区だか分からないということだと思います。
○山下芳生君 これも重要な御認識だと思います。 そこで、五月十日に開催された東京圏・関西圏・仙北市の国家戦略特別区域会議、いわゆる区域会議の合同会議で、大阪府から待機児童対策に関わる提案が行われました。 推進事務局に伺いますが、この大阪府の提案内容について簡潔に説明いただけますか。
○政府参考人(佐々木基君) お答えいたします。 五月十日の区域会議で大阪府からいただいた御提案のうち、待機児童対策に関するものについて御説明いたします。 提案一と提案二がございました。 大阪府から提案があったうち、提案の一つは保育所の設置基準を自治体の判断で決定させてほしいというものでございます。例えば、国が必要な保育士の割合を定める人員配置基準につきまして、主任の配置等で質を担保した上で、自治体が独自に判断できるようにしてほしいという提案でございます。また、面積基準につきましても同様に、ほふく室等の面積につきまして、自治体の点検、観察を義務付けるなど安全を担保した上で、意欲のある自治体が広く裁量で緩和できるようにしてほしいというものでございました。 また、二つ目の提案といたしましては、保育の量と質を確保するため、准保育士といった新たな資格を創設し、多様な人材が保育士をサポートできるようにしてほしいという提案でございました。 以上でございます。
○山下芳生君 今御説明のあった大阪府の提案について、資料の一枚目に大阪府が提出された資料を添付しております。 私ども、これを見て、率直に言って驚きました。この一番上の箱の中にある、「特区内においては、待機児童解消のため、認可保育所の設置・運用にかかるすべての要素について、自治体の判断と責任で決定できるようにしたい。」とあるわけですね。 これ、全ての要素について自治体の判断でできるようにというのがポイントだと思っておりますが、実は二〇一一年に成立した地域主権改革一括法、これでは、地域のことは地域が決めると、児童福祉法においてもその条文から最低基準という文言を削って、都道府県が条例で基準を定めることとしました。私、当時審議に直接関わりまして、子供たちの安全や発達に対する国の責任を放棄することになると厳しく指摘をし、反対をいたしました。しかし、そのとき改定された児童福祉法でも、都道府県が児童福祉施設の設備、運営について条例で基準を定めるに当たって、職員の配置基準と施設の面積基準については厚生労働省令で定める国の基準に従って定めるものとされたわけであります。 厚労省に伺いますが、保育所における職員の配置基準、それから施設の面積基準について、自治体が参酌すべき基準ではなくて従うべき基準としたのはなぜでしょうか。
○政府参考人(吉本明子君) お答え申し上げます。 保育園の設備及び運営に関する基準でございますが、児童福祉法に基づきまして、児童の身体的、精神的、社会的な発達のために必要な生活水準を確保するための基準として定めなければならないということでございます。 ただいまお話がございました平成二十三年に成立いたしました第一次地方分権一括法におきましては保育園に配置する保育士の数、また確保すべき居室面積等につきましては、従うべき基準として、条例などによって国が定める基準を下回って定めることはできないものとされております。 その考え方についてでございますが、必要な保育士の数、居室面積などは、子供の健康の安全、発達の保障に直接影響を与え、また保育の質等に深刻な影響が生じ得る事項であり、国が最低限の基準を定めることで保育現場における質の確保を図る役割があるため、従うべき基準としているものでございます。
○山下芳生君 子供の健康や安全、発達の保障に直接影響を与える事項については国が最低限の基準を定めるべきものであるとの考えからそうしたというんですが、これは当然だと思いますね。 保育所の最低基準というのは、少しちょっと歴史を振り返ることになりますけれども、昭和二十三年、一九四八年、児童福祉施設最低基準として定められました。これは当時、アメリカのワシントン州の基準を参考にして、日本社会事業協会、今の全国社会福祉協議会が厚生省から委託を受けて策定したものですが、ただ、そのときアメリカのワシントン州はかなり基準が高かったので、社会福祉協議会の前身の基準にはなかなか日本の、戦後直後ですから、基準を定めるのは少し無理があるという議論があったんでしょう、戦後の社会状況を踏まえて大幅に引き下げて決められたものであります。約七十年近く前ですね。 したがって、当時の厚生省児童局企画課長だった松崎芳伸さんも自書の中で次のように述べておられます。最低基準というのは読んで字のごとく、これより下がってはいけないぎりぎりの最低線ということであり、単に基準というのとは大いに異なる、それはいわゆる最低賃金という場合の最低に通じるものであり、これだけくれなければ生きていかれないという思想である、こう述べておられます。つまり、これ以下では真っ当な保育ができないという基準であって、制定当時からそれを上回る基準が期待されていたわけであります。 資料の二枚目に、児童福祉法に基づく児童福祉施設の設備及び運営に関する基準の抜粋を付けておりますが、この第一条三項に、「厚生労働大臣は、設備運営基準を常に向上させるように努めるものとする。」ということがあります。私は、これこそ児童福祉法の精神だと思います。 取りあえず、戦後直後、この低い水準からスタートせざるを得なかったけれども、これで満足してはならない、常に向上させるように努める、これは厚生労働大臣に課せられたわけですね。これはもう当初からこの文言は変わっておりません。これは私は、子どもの権利条約、子供に最善の環境をという精神にも合致するものだと思っております。 しかし、残念ながら、この国の最低基準は七十年近くほとんど引き上げられていないのが実態でありまして、職員の配置基準は若干改善がありましたけれども、面積基準はこれまで一切改善がありません。したがって、各自治体の努力で上乗せが行われて、改善されない国の基準をカバーしてきたというのが実態だと思います。 資料三枚目に、その結果、保育所の面積基準の国際比較、今どうなっているかということを載せておきました。これは全国社会福祉協議会が調査研究したものをまとめたものなんですが、保育所の面積基準の国際比較、調査した十四の国、地方の中で、例えばゼロ歳児あるいは一歳児、左側ですね、一人当たりの面積基準の比較をやりますと、日本のゼロ、一歳児のほふく室三・三平米、これは畳二畳分ですけれども、これは下から五、六番目ということになっております。トップのストックホルムの半分以下という広さにすぎません。 それから右側、二歳児あるいは三歳以上児一人当たりの面積基準の国際比較を見ますと、日本の保育室、遊戯室の一・九八平米、畳一畳強ですけれども、これは十四か国、地域の中で文字どおり最下位になっております。トップのストックホルムの三分の一以下ということになっているわけであります。日本の最低基準は世界最低の基準に甘んじていると言わなければなりません。 厚生労働省に伺いますが、私が述べたこの最低基準の歴史、それから児童福祉法の精神、向上させなければならない、そして今残念ながら国際的な到達、間違いありませんか。イエスかノーでお答えください。
○政府参考人(吉本明子君) ただいまの経過、最低基準につきましては、途中、児童福祉審議会等の意見具申に基づきまして、配置基準については一部改善を図ってきているところでございますが、その他につきましては先生がおっしゃったとおりだというふうに認識しております。
○山下芳生君 児童福祉法の精神、向上に努めなければならない、それから国際比較で面積基準はもう本当に最低になっていると、これも間違いありませんね。
○政府参考人(吉本明子君) その指針における考え方、またこの統計も私どもも承知しているところでございます。
○山下芳生君 ところが、資料一枚目に配っている大阪府の提案は、待機児童解消のためとして、認可保育所の設置、運営に係る全ての要素について自治体の判断と責任で決定できるようにしたいというものでありまして、これは引き上げたいというんじゃありません。引き上げたいんだったら結構なんですが、これより下回ってはいけないぎりぎりの最低線を更に引き下げられるようにしたいというのがこの提案であります。 これは非常に重大だと思うんですが、そこで、まず大阪府の提案内容について更に突っ込んでただしたいと思うんですが、まず、①保育に従事する人員の配置基準について、確認ですけれども、大阪府の提案というのは、子供の年齢別の職員配置数、すなわちゼロ歳児は子供三人に対して職員が一人、一歳、二歳児は六人に一人、三歳児は二十人に一人、四歳以上児は三十人に一人、この配置数を自治体で決めるようにしたいというものなんでしょうか。
○政府参考人(佐々木基君) お答えいたします。 年齢別の職員配置基準につきましては当日の大阪の知事の御発言にもありませんで、再度大阪府にも問合せをいたしましたけれども、五月十日の大阪府の提案に年齢別の職員配置基準は含まれていないという確認を受けているところでございます。
○山下芳生君 さすがにそれまでもっと緩めてくれということにはなっていないんです。 大阪府の、では提案は何かといいますと、①の検討例というものの中にはっきり書かれてあります。保育人員配置基準に占める保育士の割合、現在は認可保育所で三分の二以上、小規模保育所で五割以上を自治体が独自に判断できるようにするとあります。こんなことをやっていいのかと私は率直に思います。 これまで国の最低基準では、基本的に保育士の資格を持っている人が保育に当たることとしてきました。厚生労働省、それはなぜか、保育士資格を持つ人はどのような研さんを積んでいるのか、述べてください。
○政府参考人(吉本明子君) 保育園における保育は生涯にわたる人間形成の基礎を培うものでございまして、専門的知識と技術を持つ保育士が中心となって担うべきものと考えております。 保育士になりますためには二つ方法がございまして、一つは指定保育士養成施設の卒業、それからもう一つは保育士試験に合格していただくということでございます。 指定保育士養成施設について申し上げますと、修業年限は二年以上、また六十八単位の履修が必要ということで、講義によりまして保育、教育の内容の専門的な科目を学ぶほか、保育実習も行うこととなっております。また、試験につきましても筆記試験九科目、また実技試験も課せられているところでございます。 さらに、保育士資格取得後におきましても、現場での実践や研修を通じまして専門性を高めていくことが重要だというふうに考えておりまして、国では、自治体が実施する乳児保育、障害、虐待など専門性を持った保育士に係る研修なども行っているところでございます。
○山下芳生君 今御答弁あったとおりなんですが、学校に行って資格を取得するか、保育士試験に合格するかなんですが、この保育士試験というのも大変たくさんな科目があるんですね。私、ちょっと見せていただきましたが、保育原理、教育原理及び社会的養護、児童家庭福祉、社会福祉、保育の心理学、子供の保健、子供の食と栄養、保育実習理論、そして実技試験などですね。 保育原理というのはどういうことかと少し見ますと、児童の最善の利益を考慮した保育でありますとか、発達過程に応じた保育でありますとか、計画、実践、記録、評価の連動でありますとか、やはり子供の成長、発達に関する専門的知識を基に子供たちの育ちを援助するということができるような専門的知識と技術を身に付ける内容になっております。 こういう方々が保育士として保育所で直接子供に関わってくださっていることによって様々なサポートができていると私は思います。 この間、大阪で保育の現場で働いている方、園長さんや理事長さんも含めて話聞きましたけれども、子供の状態というのはもう毎月のように目まぐるしく発達すると言うんですね。それはそうでしょう、成長早いです。その子供に今何が必要なのかということをちゃんと見抜く、集団でそれを見抜くということが大事だと。 例えば、こだわりの強い子供さんがいるわけですが、そういう場合は、もう保育士さん一人じゃなくて、集団でケース会議で検討して、あるいは専門家のアドバイスも得て、保護者との適切な対応で、時間を掛けることで成長を促すことができている。それから、障害をお持ちの子供さんも最近少し増えてきているということも聞きましたけれども、その障害を持っていることに気付くということがまず大事で、そして、どのようにそれを判断し、保護者にどのように伝えていくか。保護者の方はそれをなかなか受け入れたくありません。それをきちっと時間掛けて、納得いただけるように説明する。そして、保護者と一緒に、保育所としても集団の中で、その子供さんが保育所にいるうちに、できるだけその障害が軽微で済むように、あるいは発達する力が引き出せるように、そういうことを働きかけたり、卒園時には、軽微の障害を持っていたけれどもほかの子供さんと変わらないようになっていったという話も聞きました。 専門性を持った保育士が複数、集団で子供一人一人の状況変化を発見、検討することで、適切に一人一人の子供の発達を促すことができる。子供の状況が多様化すればするほどそういう専門性が求められていると思います。 石破大臣に伺いますが、乳幼児期の子供の発達に関わる人がどんな人たちか、専門的知識、技術、経験を持っている人たちが集団となって見守ってくれているということは子供の成長にとって大変重要なことだと思いますが、大臣の御認識、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 私もこの部門について専門的な知見を持っているわけではありません。そういうことについて専門的な知見を持たれた方々が、どういうようなお子さん方の生育過程に合わせてどのようにしてケアをしていくのがいいのか、見ていくのがいいのかということについては、専門家の知見が最も重んぜられるべきものだと考えております。
○山下芳生君 専門家の知見ということでしたけれども、専門家の皆さんが集団で見ることが非常に大事だというふうにおっしゃっているわけですね。 資料二枚目の設備運営基準、第一条2の中に、「児童福祉施設に入所している者が、明るくて、衛生的な環境において、素養があり、かつ、適切な訓練を受けた職員の指導により、心身ともに健やかにして、社会に適応するように育成されることを保障するものとする。」とあります。 まさにこれは保育士の役割だと思いますが、大阪府の提案は、この保育士の資格を持っている人をうんと減らしちゃうということなんですね。どこまで減らすのかということで見ますと、これ書いてないんですけれども、ただし、保育士資格を有する主任、担任等を配置するなど質の担保措置をとるというふうにありますが、これ、主任というのは保育所に一人です、最低。それから、担任という概念はないというふうに伺いましたけれども、例えば一年齢で一担任ということだってあり得るわけですね。そうすると、百人以上の保育所であっても、主任と、担任がゼロ歳から五歳児まで六人、兼務することができますから、この六人ぐらいさえ保育士の資格を持っている人がいれば、もう百人規模の子供さんを見ることができるということになってしまうわけですね。これは大変な質の低下を招くことにならざるを得ないと思います。 准保育士というのがその下にありますけれども、サポートする、保育士をというんですが、きちっとした保育士資格を持っている人が配置された上に准保育士が配置されてサポートというのなら分かりますけれども、保育士さんを無資格の方に置き換えるわけですから、これサポートになりません、保育士資格を持っていない人が直接子供に関わっていくことになるわけですから。 そうすると、私、大阪の先生方に、保育士さんたちに聞きました。これはもう主任、担任が大変になると。子供の保育だけではなくて、専門性のない職員も複数指導しなければならない、そうすると、これは例えばさっきの障害を持つ子供さんの見方が、どのようにこの子供さんたちの能力引き出していくか、発達を保障するかという目ではなくて、かわいそうだなというふうな目で見るような方が周りにいっぱいいたら、子供に対する適切な支援ができなくなるんじゃないかというふうにおっしゃっていました。 こういう心配、厚労省、いかがでしょうか。
○政府参考人(吉本明子君) 現在の人員の配置基準でございますが、先ほど来申し上げましたように、子供の健康、発達、安全のために必要な最低基準ということで、専門性のある保育士を配置した上でそれを担保するといった考え方でやってきているものございまして、厚生労働省としては、質の確保のためにはその基準、最低の基準といったものの確保というのは重要だというふうに考えております。
○山下芳生君 非常に譲ってはならない基準だと思うんですね。 次に、大阪府の②保育所の面積基準に係る提案について聞きますが、その前に、政府は三月二十八日、待機児童の緊急対策を打ち出しました。国の最低基準、面積基準との関係でこの対策について説明してください。
○政府参考人(吉本明子君) 三月に取りまとめました緊急対策でございますが、その中身、いろいろございますところですけれども、一部、規制の運用の弾力化といったところがあるわけでございます。 国の基準を上回って配置基準等を定められている自治体がございますので、その上回る部分を活用した形で一人でも多くの子供を受け入れてくださいといったような内容を盛り込んでいるところでございますが、これはあくまで質の確保された認可保育園等を利用できるようにお願いしているものでございまして、国の定める最低基準を満たしていただくということが大前提というふうに考えております。
○山下芳生君 先ほど言いましたように、国の最低基準に独自の上乗せしている自治体に対して上乗せ分を受け入れてくれないかということでありますが、しかし、それでも詰め込みになるということで、少なくない自治体ではそれはしませんということになっているわけです。 それからもう一つ確認しますが、厚労省は既に、待機児が百人を超え、かつ地価が高い自治体に対しては、面積基準を従うべき基準ではなくて標準として、下回ってもよいということを打ち出しています。全国でそういう条件にかなった自治体が幾つあって、実際実施している自治体はどこでしょうか。
○政府参考人(吉本明子君) 御指摘の居室面積に関する基準を従うべき基準から標準にするという、これ時限的な特例でございますけれども、これに関しましては、条件といたしましては、待機児童数が百人以上、それからまた平均地価が三都市、大都市圏平均以上といったことで、今年度四月一日の状況ですと四十七市区町村が該当するところでございます。その中で実態を申し上げますと、現在は大阪市においてのみこの取扱いが適用されているところでございます。
○山下芳生君 大阪市だけなんですね。ほかの自治体は、認可保育所の最低基準、面積基準を引き下げてはおりません。 今、大阪市が引き下げているんですが、どういう引下げ方しているかといいますと、例えば、ゼロ歳、一歳児のほふく室、国の基準は三・三平米ですが、一・六平米以上、半分でいいと言っています。それから、二歳児以上は、保育室一・九八平米以上を一・六五平米以上でいいというふうに切り下げております。 その結果、どんなことが起こっているか。これも大阪市の保育士の皆さんに聞きました。二歳児では、子供同士の距離が保てないことから、かみつきが増えているというんですね。これはどうしてもそうなるというんですよ。これはもう一定詰め込まれたら子供はそういうことになると、これはもう法則だと。子供がかみつきをしますと、それは子供だけで終わらないで親のトラブルになる、親同士のかみつきというふうにおっしゃっていましたけど、責任を問い合うことになるんですね。そういうことが起こっているというふうになりました。今でも大阪市はそういうことを、面積基準緩めちゃったらそんなことが起こっているのに、これは時限的措置ですが、それを今度は特区で大阪市だけじゃなくて大阪府全域に広げようということになるわけですね。 私は、国家戦略特区を利用して自治体の判断で最低基準さえ引き下げよう、実質これはもう、この大阪府の提案は実質最低基準をなくそうという提案だと思いますが、この間、私、この委員会で、保育施設で子供が死亡する事例が毎年毎年二桁発生していると、それが減っていないという問題を取り上げました。この三月にも東京で、四月にも大阪市で子供さんが亡くなっています。非常に経験年数の短い保育士さんが、保育士資格のない方がローテーションでやってくる施設において、残念だけれども、うつ伏せ寝が起こっちゃって、誰も見ていない間に亡くなっちゃったということでありますが、そのお母さんはもういたたまれない気持ちで、こういうことを絶対に起こしてほしくないと。 最も子供にとって安全であるべき保育所で、保育施設で子供が亡くなるなどということは一人たりとも、一件たりともあってはならないということを強く感じたわけですが、参考人として来ていただいた京都の大学の藤井先生は、子供一人当たりの死亡事故の発生率は、認可外保育施設が認可保育施設の六十倍になると指摘されました。それはなぜかというと、保育士の資格を持っている人の配置が三分の一でいいなど、やはり質が保てない状況があるということを、これはもう明確な因果関係があるとみなさざるを得ないと思います。 大阪市のある保育所経営者は、この大阪府の緩和をやりますと、認可保育所まで死亡事故が起きている施設に近づけることになる、これは国家的な殺人だということまで保育士の方から言葉をいただきました。痛切な叫びだと思います。 石破大臣、このような子供の安全、発達に直結する保育の最低基準の緩和は、たとえ特区であったとしても私は認めてはならないと思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 今回、大阪府からいろんな御提案をいただいております。 私どもとして、厚労省とこの提案を基にいろいろな検討を行うことになりますが、そのときの大前提は、保育の質を低下させないことというのが前提となっております。ですから、それが前提なのであって、その上でいろいろな検討を行うということでございます。 そうしますと、保育の質というものが、これによって本当に保たれるんでしょうね、低下しないんでしょうねということがまず第一に検討されなければいけないし、保育の質が下がるというようなことがありとせば、それは元々前提が崩れることになりますので、そういうお話には相なりません。 ですから、保育の質とは何であるか、安全性とは何であるかということがこの議論の前提でございますから、そこにおいて大阪の提案というものが保育の質というものを維持することになるのかどうかということが議論されることになると思っております。
○山下芳生君 私は、この提案では保育の質が維持されることにはならないと、もうそのことは既に実際に死亡事故等で明らかになっていると思います。 日経新聞が、この大阪の提案が参議院選挙の後の臨時国会でもう法案になって出てくるという報道がありましたけれども、これは事実ですか。
○国務大臣(石破茂君) そのような事実を政府として決定したことはございません。あくまで保育の質というものを低下させないということが大前提でございます。一方におきまして、待機児童の増加、あるいは保育士の方々、特に潜在保育士の方々が現場に随分と、六十万人ぐらいでしょうかそれ以上でしょうか、出ていないという状況がございます。 そういたしますと、そういうようなことを総合的に考えてみるべきことなのであって、日本経済新聞を私も拝読、拝読というかな、読みましたが、そのような事実は政府として決定したことはございません。
○山下芳生君 時間参りました。 待機児童の解消は、言わずもがな、大事なんです。しかし、それは保育の質が保たれてこそですよね。私たちは、やはり認可保育所を増やす、そのためには土地がやっぱり必要ですから、土地さえ提供してもらえば、やりたい人はいっぱいいます。もう八か月で建ちましたという大阪市の新しい保育所も何か所も見ましたけれども、そして保育士の待遇を改善する、そちらの方に国が責任を果たすことこそ本来のあるべき姿だ、そのことを申し上げて、質問を終わります。
○江口克彦君 石破大臣に全てお尋ねしたいというふうに思います。国家戦略特区への取組姿勢ということでお尋ねをさせていただこうというふうに思っています。 日本経済というものを活性化させていくということのためには、やはり地方というものを活性化していかなければどうにもならないという状況になっているというふうに思うんですね。そういう意味で、安倍内閣は非常に私は賢明だというふうに思っておるんです。地方創生とかあるいはまた国家戦略特区とか、地方の活性化を何としても実現しなければ日本の経済が活性化していかないと。そういう意味で、非常に重要なポストに大変実力のある石破大臣を持ってこられたというふうに私は思っているんですよ、本当に。 日本経済が再生するかどうかは、いろいろと議論があちこちで行われていますけれども、私も随分全国、地方を歩いてきておりますから地方の実情は良く分かっているつもりでありますけれども、しかし、地方の活性化こそ日本経済の活性化だということになってくると、国と地方とが卒啄同機、やっぱり相協力して地方を育てていく、あるいはまた自主的な活動をしてもらうように導いていくというようなことをしないといけないんじゃないかというふうに思うんですね。 そういう意味で、是非大臣も今まで以上に地方にいろいろとサジェスチョン、今までいろいろしていただいていると思いますけれども、是非有効な、より積極的なサジェスチョンをしていただくようにお願いしたいと思います。 それと、やはり戦略特区として名のりを上げているところが幾つかあるわけですね。そういうところは、自主的に取り組んでいこうと手を挙げたというところの、そこに対していろいろとやる気をそぐような発言を政治家がするとするならば、私はやっぱりそれは好ましくないと思うんですね。国会議員としてはそういうところを褒めて育てるといいますか、励まして育てるというか、むしろ政治家の方が提案をするという姿勢がないといけないというふうに思うんですよ。じゃないと、やっぱり戦略特区として取り組もうとしていても萎縮しちゃってやる気を失ってしまうというふうに思うんです。 人を育てるというのと同じだと思うんですね。やっぱり褒めて育てなきゃいけない。けなして育てたら、これは絶対に、よほどの例外を除いては伸びていかない、成長していかないというところはそれと同じことだと思うんですね。 是非そういう意味で、私ども政治家にも国会議員にも、戦略特区に名のりを上げたところを提言していく、サポートしていく、協力していくというような姿勢を持つべきだというふうに思うんですけれども、大臣として、国家戦略特区への取組に当たってのあるべき姿勢といいますか、そういう観点で大臣の御所見を賜りたいというふうに思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(石破茂君) いろいろと御指摘ありがとうございます。 先生がおっしゃったとおりだと思っております。してみせて、させてみて、褒めてやらねば人は動かじという話でありまして、やっぱりすごいね、偉いねということを政府の側が言うと同時に、それがどうしても特区というと、秋田の仙北、新潟、養父、以上おしまいみたいなところがあって、これをどうやって広げていくかということは極めて大事なことだと思っています。 午前中以来議論があります企業の農地所有についても、懸念の表明はいっぱい出ますが、しかし、特区としていろんな選択肢をお示しをするということでございます。ですから、リースでなお超えられない部分あるいは所有適格法人でなお超えられない部分がありとせば、農地が農地として守られるということを大前提として、そういう可能性というのは追求してしかるべきではないだろうかというふうに私どもは思っておるところでございます。 また、先般、新潟市の特区というものを、私、実際に見るのは初めてでしたが、例えば、農地にレストランというものを今までつくってはいけないというお話でした、午前中の山本議員の議論の中でもございましたが。しかし、それを特区を活用して、本当に広い田んぼの真ん中に物すごくしゃれたイタリアンレストランがある、そこが大繁盛しているということであります。 つまり、委員の方がはるかに御存じだと思いますが、フランスでもドイツでもイタリアでも、本当にいいレストランというのはパリやローマやベルリンにあるわけではない。本当に農村の生産現場に一番いいレストランはある。パリやローマやそういうところは土地代がやたら高くて、どれだけがおいしいものに対する対価なのかというのはかなり低いのかもしれません、あるいはばか高い料金になるのかもしれません。 その新潟の農家レストランというのを見たときに、私、本当に今までにない形態だと思いました。本当にそこで自分たちが作った米、自分たちが作った野菜、それを作った人が自分で販売するということがどれほど大事なことなのかというのは、私はあの農家レストランを見てつくづく思ったことでございます。 また、農業委員会の権能を市の方に移しているわけですが、そのことによっていろんなことがはるかに早く進むようになった、あるいは、生産法人の役員要件も緩和をしたということによって二十代、三十代の方々が本当に生き生きと農業に取り組んでいるというのを見まして、ああ、特区というのはこういうものだ、こういう事例をあちらこちらの方々に広めて御活用いただきたいものだと痛切に思った次第でございます。
○江口克彦君 特区制度は、私は試験管実験だと思うんですね。要するに、成功するかどうか分からないけれども一応チャレンジしてみるという、これが大事だと思うんです。これがイノベーションにつながっていくんですね。iPSの山中教授でもそうですよね。何十回と失敗しているわけですよ、最後にiPS。それと同じように、やはりチャレンジしていくということが大事なわけでありますから、そのチャレンジをしぼませないように、やっぱり大臣だけじゃなくて国会議員全員が、先ほどの褒めてやらねば人は動かじという山本五十六の言葉どおりだと思いますので、是非そういうようなことで、特区でチャレンジするところは国会議員全員で褒めるというようなことをやったらどうかというふうに思うということです。 ところで、私はこれで最後の質問になると思います。ということですので、やはり道州制について御質問をさせていただきたいというふうに思います。 道州制については、第一次安倍内閣、安倍総理とも、それから石破大臣とも何たびもやり取りをさせていただいてきているわけでありますけれども、平成十八年に成立いたしました道州制特別区域における広域行政の推進に関する法律及びこれに基づく北海道の取組によって、道州制の導入にどのような進展があったのか、現在どのような状況になっているのかということをお伺いしたいと、御説明いただきたいと思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) 御指摘の点でありますが、商工会議所に対する監督の一部など六つの事務と開発道路に係る直轄事業など四つの直轄事業を国から北海道に移譲、全国的な措置につながった項目は八件、実務上の対応がなされた項目が十四件ということで、多くの成果が出ているということが答弁には書いてあるわけであります。 実際にそれはそうなんでしょうが、私は、道州制というもののモデルというものを北海道で示すわけですから、北海道の側からこれも国から道に権限を移譲してくれということがもっとたくさん出てもいいのではないかと、正直言って思っています。そうしますと、いやいや、権限だけもらってもお金が来ないと困るよねという懸念が多分道にはあるんだと思います。 ですから、お金がちゃんと付いてくるということであれば、北海道がやった方がよっぽどいいというような提案がもっともっと北海道から出ると事は前に進むのではないか。北海道の今までの取組がかなりの成果を上げていることは私自身認めますが、それが道州制のモデルで、これすばらしいよねというふうに全国民が認識するようになっているかというと、まだ道は半ばというか、それよりもはるかに遠いのかもしれません。
○江口克彦君 それは私は、歴代の内閣の、政府の、民主党政権もそうですよ、それから今の自民党政権もそうですけど、結局、道州制に対して余り力を入れないということで、初めは非常に自民党さんなんかは力を入れて、第一次安倍内閣も力を入れていたわけですけれども、今北海道の方から提案があったら受けますよということでしたけど、これ全部で三十三とか提案しているんですよ。 それで、今幾つか幾つかというふうに大臣言われましたけど、現実には二つなんですよ。二つしか、要するに札幌医大の定員変更など二件のみなんです、三十三件提案してですよ。それはどうしてかといったら、官僚が全部潰しちゃうんですよ。その官僚が全部潰してしまうのを大臣が守ってもらわなければいけないと思うんですけれども、北海道で道州制というものをもう一度思い直していただいて取り組んでいただくということを是非考えていただきたいということをお願いしておきたいというふうに思います。 私がなぜ道州制道州制というふうに申し上げるかというと、地方の活性化というものは、今戦略特区とか、あるいはまた地方創生とか、大臣一生懸命取り組んでおられますけれども、私は、根本的な解決にはならないというふうに思うんです。いわゆるカンフル剤なんですね、カンフル剤。これで日本経済が、あるいはまた地方が活性化、根本的に活性化するというのはなかなか難しい。その根本的な解決策は何かといったら、中央集権を改めるということですよ。 中央集権というのは、明治以来百四十八年、おおよそ百五十年間続いているわけですよ。しかも、昭和十三年に国家総動員法というのがありましたよね、もう大臣の方がよく御存じでしょうけど。これは、戦前の軍部が中央集権というか、全部一か所に集めなきゃいけないというようなことですよね。国鉄なんかそうですよ。何で北海道の採算も取れないところに国鉄が線路を敷いたかといったら、あれは兵隊とそれから物資を運ぶためですよね。採算なんて考えていないわけですよ。戦後になってあれがどんどんどんどん赤字になっていくということになるわけですけれども。 もっとひどいのはマスコミなんですね。これは、大臣うなずいておられますけど、マスコミの実に八割は東京に集中しているんですよ。なぜ集中しているかといったら、軍部が検閲するために集めたんですよ。朝日新聞、毎日新聞も産経新聞も大阪なんですよ。にもかかわらず、検閲が必要だから東京に出てこいというようなことで、新聞だけじゃなくて全部、もう雑誌もそうですね。それで、日販が出てきてトーハンが出てくるという、取次店が出てきたりするわけですけれども。 そういうことで、言ってみればこれはもう本当に前時代的な統治機構なんですよ。この統治機構を、これ何としても改めないと、これは地方が活性化しないんですよ、地方が活性化しないということになるんですね。 というのは、こういう中央集権ですから吸い取り紙のようにどんどんどんどんみんな東京に来てしまうわけです。先ほど申し上げましたように、マスコミは八〇%ですよね。それから、人口はもう三〇%ぐらいはこの東京圏に集中しているわけですよ。企業も、売上げ上位百社のうち七一%、七〇%ぐらいは東京に来ちゃっているわけですよね。ということになる。大学になると、四〇%東京に集まってくるわけですよ。集まるようになっているわけですよね。それが中央集権なんですよ。 だから、中央集権を、これを壊さないと、要するに、それぞれの、地方分権地方分権と言われていますけれども、そういうそれぞれの地方に行財政を主体を置いていくということをやっていかないと、例えば先ほど保育所の問題が出てきましたけど、保育所のことを、やっぱり身近なところで、見えるところでいろいろと行政をやっていかないと、こんな霞が関から官僚の人が見たって、かすみがかかっているわけですから見えないんですよ。やっぱり打てば響くところでの、それをどう体制をつくっていくかということをしなければ私はならないのではないだろうかというふうに思うんです。 ですから、今やっておられる、大臣が一生懸命取り組んでおられる、安倍内閣が一生懸命取り組んでおられる地方創生とか国家戦略特区というのは非常に私は賛成なんですけど、カンフル剤ですよと、根本的には国の統治機構を変えなければ抜本的には日本の活性化にはつながりませんよということを是非知っていただきたいというふうに思うんでありますけれども、大臣、改めてこの道州制に対してもう一度チャレンジしていただくというか、日本を活性化するためにお考えをいただくということはかないませんでしょうか。
○国務大臣(石破茂君) これ、我が党の中にも本当に様々な議論があって、この道州制というものを議論するときに、これ何度も同じような答弁をして恐縮ですが、とにかく全国町村会は絶対に反対であると。町村長大会に行くと、あるいは町村議長大会に行くと垂れ幕に道州制絶対反対と、こう書いてあるわけですね。そうすると、やっぱり我々議員としてはややひるんじゃうところがあって、また民進党さんにも共産党さんにもいろんな御議論があり、当然与党公明党にもいろんな御議論があると承知をいたしております。 ここは私、もう一回この道州制というのをきちんと考えようよという、そういう仕切り直しが必要なのかもしれません、そんな感じがいたしております。 ですから、委員の書かれた本も最近はまた再読させていただいているところなのですが、よく理解をいただくためには、まず基礎自治体たる町村の御理解をどうやって得るかということ、やはりそこにおいて我々議員が、町村長の方々、市長さんはまたちょっとスタンスが違うんだと思いますが、町村長の方、町村議会の方々はあの平成の大合併のトラウマみたいなものがあって、これが都道府県の大合併になるのではないか、それだったら絶対反対だと、こういう話になるわけで、そこはそうではないのだということを、もう一度委員の著作等々を拝読しながら、私自身考えてまいりたいと思っております。 我が自由民主党としてどうするかというのは党内の議論でございますが、党内でこの話を本当にどうするか。カンフル剤というふうにおっしゃいましたが、地方創生も内閣挙げて一生懸命やっておりますが、それがまだ点が密になっている段階で、まだ面になったとは私自身認識をしていないのです。 この内閣がたとえ替わっても、あるいは大臣が替わっても、これがちゃんと続いていくということが担保されないとこれも駄目なことなんだろうなと思っていますが、私はこの議論、もう一度きちんと我々として考えて、仕切り直しという言葉は撤回しなきゃいけないかもしれませんが、なぜこれをやらなければいけないのかという認識をもう一度新たにしたいと思っております。
○江口克彦君 是非大臣、もう一度考え直す、そういう組織、プロジェクトを大臣の手でつくっていただけないかということです。 それと、市町村会も、知事会でも同じことですけれども、なぜ反対するかというのは、もう大臣お分かりになっておられると思いますよ。 四十七都道府県で官僚のOBの知事は何人いますか。
○国務大臣(石破茂君) 済みません、正確には存じませんが、北海道からずらずらと、北海道が経産省だったと思いますですね、ずらずらずらっと考えてみると三十人はいるだろう、それ以上いるかもしれません。
○江口克彦君 まさにさすが大臣、そのとおりです。実に六割五分ぐらいは官僚OBの方が知事になっている。知事になっているということはどういうことかというと、自分の後輩を次のポストに、要するに知事のポストが天下り先になっているんですよ。ですから、四十七都道府県が十なり十四になると、それはポストが減るわけですよ、州知事という今度ポストが。そうすると、後輩に申し訳ないというようなことで反対する。 それから、市町村は今千七百七十ぐらいありますよね、千七百七十ぐらいある。それが道州制ということになったら三百ぐらいになるわけですよ。要するに四十万人ぐらいの人口が一番行政効率がいいんですね、私の計算によると。そうすると、現在の一億二千万ということになると、三、四、一億二千万人ですから三百ぐらいになるんですね。そうすると、千七百の長の人たちはそのポストを失ってしまう、数が少なくなってしまう、それから地方議員も少なくなってしまうというような、我が身のことしか考えていないんですよ、はっきり言って。そこを大臣、見抜いてもらわないと駄目ですよ。 要するに、私が申し上げたいことは何かといえば、遠きおもんぱかりなければ近き必ず憂いありという言葉、御存じですよね。要するに、私が申し上げたいことは、先を考えて今手を打っておかないといけないですよと。そのときになって慌てて、国ががたがたになってしまう。そして、地方が疲弊して、地方が今シャッター通りになっていますけれども、言われていますけれども、幽霊通りになったら困るわけですよ。 地方が元気になってもらうためには、やっぱり地方に財源と権限を与えて、そして地方第一主義でいかないと駄目なんですよ。今、国第一主義で考えて、これも大事だと思いますよ、国第一主義も。だけれども、地方第一主義という発想を是非大臣は、そのためにこの日本再生を安倍総理は石破大臣に託されたんじゃないかというふうに私は思っているんですよ。まあ安倍さんは今、伊勢に行っていますけれどもね、伊勢に行って、それはそれで重要な。だから、ここはやっぱり石破大臣が日本の国全体を今後どうするかという、そういう考え方を是非持っていただきたいと。 私は、申し上げておきますけれども、三十七万平方キロの、この三十七万平方キロのこんな、モンタナ州と同じ広さですよ、それを四十七に細切れにちょんちょん切りにして、百四十年前は何がありました、乗り物、人力車かかごか、あるいはまた汽車かどうか知りませんけれども、そんな程度ですよ。今はどうですか。そのときの、電話もないような状態でしょう。今、インターネットもあれば飛行機もあれば、あるいはまた車もあれば新幹線も走っているような時代ですよ。それを四十七に細切れにしていかに非効率か、いかに無駄金が行われているか。 ここを、日本の明日を考えて、日本があのイギリスの、あるいはまたイタリアの轍を踏んだら駄目なんですよ、いわゆる老大国になったら駄目なんですよ。いつまでも元気な、活気のある日本というものを目指していくということをしていかなければならないということをお願いしたいというふうに思います。 最後に一言。 考えてみたいと、これについて考える、そういうことをしてみたいと先ほどおっしゃいましたけれども、是非そういうプロジェクトなりあるいはまた考える場を石破大臣のときに、下でつくっていただきたいということをお願いして、私は、これで私の最後の質問とさせていただきます。何かあればどうぞ。
○国務大臣(石破茂君) 済みません、江口委員の最後の御質問に答弁させていただいて、誠に光栄だと思っております。 この四十七都道府県というのは明治二十一年に決まったものでありまして、もうそれ以来何も変わっていないわけですね。本当にこれでいいんですかという意識は私はすごく持っております。ただやはり、私は鳥取県人という意識がすごくあって、やはり岡山県人でもない、島根県人でもない、鳥取県人だと。それは島根県の方も岡山県の方も一緒なのかもしれません。多分一緒でしょう。そうすると、そういうような県に対する一種の愛着みたいなものを維持をしていきながら道州制に移行するということは、私はバリエーションとしてあってしかるべきものではないかと思っております。 もう一点は、委員が著書の中で指摘をしております国費分担金というものをどう考えるべきなのか。多分これは日本国憲法をいじらなくてもできるお話だと思っております、子細な検討が必要ですけれども。それを地方が出していく、国から地方に渡すんじゃなくて、地方が国家の運営のために必要なお金を分担金という形でそれぞれの経済に比例した形で納めるということになると、国の形は多分がらっと変わってくるんだろうというふうに思っておるところでございます。 ですから、選挙に不利になるからとか自分の後輩に迷惑掛けるとか、そんな話をしていてもしようもないので、次の時代のために何をすべきかということを私ども責任政党としてまた考えていかねばならない、そういう責務を負っていると思っております。 ありがとうございます。
○委員長(神本美恵子君) 江口克彦さん、時間ですので。
○江口克彦君 最後に、委員長並びに各委員、そして、最後に私の答弁していただいた石破大臣に心からお礼を申し上げます。 どうもありがとうございました。
○山田太郎君 日本を元気にする会・無所属会の山田太郎でございます。 私も、再選がないとこれが最後になっちゃうといけませんので、頑張ってやりたいというように思っておりますけれども、まさに、江口先生のはマクロ的なところから今回の国家戦略特区の質疑をされたと思います。私自身は、多少ミクロ的というか、具体的なところから質疑させていただきたいと思っております。 まさに国家戦略特区の考え方、私は、総論としては賛成であります。私も企業人でありまして、改革を一生懸命やる会社をつくってきました。多分これまで三百社以上の改革、大小を含めていろいろやってきたわけですけれども、まさに改革でいうところのプロトタイプというんですかね、各地域に区切って成功事例を展開していくというやり方はまさに理にかなったやり方だというふうに思っております。 一方、今回戦略特区の議論があるのは、やっぱり国にも大きな危機感があるからだろうと、このままではまずいと。どこから成長を求めていくのか、地方を変えなければならないのか、そういう観点から議論していると。一方、石破大臣とも何度も質疑させていただきながら、少子化の問題、高齢化、農業の問題、本当に課題を共有するところは非常に多いというふうに思っております。 ただ、私も改革のプロとして多少、修正並びに問題点、これは指摘させていただきながら、よりいいものができるようにということで今回幾つか取り上げてやらせていただきたい、こんなスタンスでやらせていただきたいと思っております。 まず最初に、ちょっと順番変えまして、クールジャパン、アニメ産業というところで少し質疑に入っていきたいと思います。 クールジャパン自身は、安倍政権の目玉でもありますし、今回の国家戦略特区の中でもインバウンドということで外国人を取り入れていくと、こういうことが語られているんですが、ただ、今回の入口になった背景は何かというと、これ新潟の経済同友会さんが、タイ人の男性が専門学校を出たんだけれども、アシスタントとしてある漫画家さんから内定をもらったんだけど実は在留許可が出なかったと、これをめぐって何とかできないだろうか、こういうことで多分話がスタートしたんだというふうに思っております。 じゃ、本当に今回の戦略特区の考え方が、それに即して何かこういった問題を解決し、かつクールジャパン、あるいは外国の人たちにもより漫画、アニメが促進するというところに資するのかというところは、実は細かく見ているとどうもちょっと道筋がどこかで違ってきちゃっているんではないかなということで取り上げたいとひとつ思っております。 資料をお配りしていますのでひとつ見ていただきたいんですが、アニメーション制作の実態ということで前回も少し、まさに職種平均の年収が、動画百十一万円、第二原画では百十二万円というのは非常に低いということを前回ちょろっとお話ししました。 ただ一方、もうちょっと細かく見ていくと、何と契約書取り交わしは、全く取り交わしていないが四二%、時々取り交わしているが二一%。就業状態は、円グラフを見ていただくと、自営業、フリーランスで半分以上と、こういう実態になっているんですね。ただし、どこで働いているかというと、制作会社で九〇%が働いていると、こういうわけなんです。 でも、何で辞めないかというと、まさに私自身も漫画、アニメ、ゲームを特に表現の自由というところから守っていかなきゃいけないということをずっとやってきたんですが、やっぱり好きな人は好きなんですね。仕事が楽しいから六五%ということで、やっぱりこういう状況下でも辞めないというのは続いているわけであります。一番収入がこのアニメ業界で高いと言われている監督さんも六百四十九万円と。これ、さして、全、いろんな職種から比べたときに高いとは決して言えないというふうに思うわけであります。 一方で、こう見てみると、これは最賃も割っているんじゃないかというようなことで、法的に問題がないかということで今回随分いろいろ調べさせていただきました。 ちょっと次の資料を見ていただきたいんですが、実は、雇用形態としては、今回、請負のフリーランス並びに個人事業主という形で受けているということなので、実は下請法というのが一つ考えられるんですね。ただ、下請法は、その元請というか、発注する側が資本金が一千万円超の会社が出した場合に受けた側が下請として認識されるわけでありまして、実は、出している今回の制作会社がみんな小さいところらしいと。実はこの調査がなかなか進んでいないということも言われているんですが、そうなってくると、実は幾ら給料が安かろうと、労働基準上問題であったとしても、まず雇用契約としての社員ではない、だから外れてしまう。一方で、下請法として守られているかというと保護されていないと。こういうところにすぽんと入り込んでいると。これが全体で法律の抜け穴というか、わざわざ抜け穴をつくったからとは思いませんけれども、抜けている部分なんじゃないかなというふうに思っているわけであります。 そこで、ちょっとこの辺はまず厚労省さんからお伺いしたいと思いますけれども、実際には制作会社に机を並べていて、かつ、元請から要は都度指示を受けながら作業をしている状況は、もしかしたら偽装請負という可能性もあるわけであります。あるいは、みなしとしては雇っているのと同じ状況ではないかということも考えられるわけであります。 レクの中でも、もちろん個別判断になるとの前提はありましたが、偽装請負の可能性はなくはないというような話もいろいろあったのでありますが、労働法制をつかさどる厚労省さんの立場としては、この辺を今後調査してみたりとか研究したりとか、又は請負上にも問題があるのではないかというような懸念を持っているかどうか、この辺り御答弁いただけないでしょうか。
○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。 アニメ業界を含め多くの働く方の法定労働条件の履行確保を図ることはとても大切であると、このように考えております。 労働基準監督機関におきましては、労働基準法や最低賃金の違反が疑われる事業者に対しては監督指導を実施させていただいておりまして、違法な長時間労働や適切な賃金が支払われていないなどの違法があった場合は、それを是正を指導させていただいております。 特に昨今は、長時間労働はこれを削減していこうというのは喫緊の課題でありまして、月に百時間超えの残業を把握した時点で全ての事業者に対する指導監督を行わせていただいておりまして、本年度からはその対象を更に月八十時間超に拡大するなど、法定制度の執行強化に取り組んでおります。 ということで、これもアニメ業界含め働く方々が安心していただけるように配慮していきたいと、このように考えております。 御指摘のアニメーターの方について、フリーランスで契約している場合なんですけれども、これも実は雇用形態いろいろあるようでございまして、使用者の指導監督下にあるか否か、報酬が労働の対価と言えるか否かによって、実態に即してそれが対価と言えるかどうなのかと、個別に判断していかなくてはいけないということで、その結果、もし労働者として認められるのであれば労働基準法等が適用されると、こういうことになります。その上で、労働者と認められた方におきましては、労働基準法や最低賃金法に定める労働条件を下回っている場合はその是正を指導していくということで、ケース・バイ・ケースでその都度その都度判断していかないとなかなか対応できないということであります。 アニメ業界以外にも、いろんな問題を抱え、構造的に長時間労働になったり低賃金になっているような業種もたくさんございますので、それぞれ、しっかりと労働者の働きやすい環境を確保していくことをこれからも心掛けていきたいと、このように考えております。
○山田太郎君 ありがとうございます。 好きこそ何とかというのにある意味で付け込んでいると言われかねないような状況だというふうにも思っております。産業を発展させるためには、政府としてもこの漫画、アニメ業界を育成していこうということは方針としてあるようですから、是非、この辺りに少しメスというか、まず実態の調査をしっかり特に厚労省さん等にはやっていただきたいと思います。 経産省さんにも、あわせて、これを育成する立場にあると思いますが、例えば経産省側からの申入れとして、要は、フリーランスで個人事業主、一千万以下だから法律に引っかからないという状況を何とかしなきゃいけないんじゃないかというような問題提起、一方であってもいいのかなと。実は、これはもしかしたらアニメ業界だけじゃない問題、いろいろ、いわゆるでっちと言われるようなところがまだまだ残っているような産業にはあるのではないかな、中企庁さんも含めて課題だと思いますので、是非経産省さんからも御答弁いただきたいんですが、いかがですか。
○大臣政務官(星野剛士君) お答え申し上げます。 アニメーションの制作は、中小の制作会社や個人のアニメーターを含めた多くの事業者によって支えられておりまして、親事業者と下請事業者の間の取引の適正化が重要だと認識をしております。 このような状況を踏まえまして、経済産業省では、平成二十五年四月にアニメーション作成業界における下請ガイドラインを策定をいたしまして、その普及啓発を行ってきているところでございます。例えば、短納期発注における単価協議の必要性や書面で交付すべき業務内容など、事例を挙げて説明をしているところでございます。 また、アニメ産業全体の市場成長や生産性向上も重要な課題だと認識をしておりまして、経済産業省では、アニメ等の国際見本市の開催による国際展開や、デジタル技術の活用による生産性向上促進等の振興策にも取り組んでいるところでございます。 アニメ産業を支えるアニメーターの就労環境の向上にもつながるよう、今後ともしっかりとアニメ産業の振興に努めてまいりたいと、このように考えております。
○山田太郎君 もう一つ、次のページの資料を見ていただきたいんですが、これ、若手の専門学校卒の平均年収の実態ということも調べさせていただきました。これ、文化庁さんの資料から取っていますが、年間平均百六万円だということでありまして、ますます動画の平均よりも低いということなわけであります。これもう明らかに、どう計算しても最賃、最低賃金を割っているんではないかと。東京都のいわゆる時給の最賃が今九百七円ということでありますから、実態二百八十六万円を年収で割ってしまうと、もうこれは最賃以下ということになるわけなんですね。 実は、これを見てみると、ちょっと今回の経済特区のデザインではおかしな話が出てきます。これは何かといいますと、外国人の人を学校に呼んでインバウンドで育てようというふうにいっても、実際これでは外国人の人が、じゃ、このアニメーターの仕事に就いたときに、まずこの専門学校を出た平均では最賃を割ってしまう。実は外国人の方々が、じゃ、勤めた先でどれぐらい年収をもらっているのかということで、上位五位等をいろいろ試算でいただいたんですが、全部最賃以下だったと。こういうような状況下もある中で、こうなってくると、そもそもこの経済特区は何のためにつくったのかと。つまり、在留許可は結局下りないんですね。 在留許可が下りるための条件としては、これは今日は法務省さんにも来ていただいていると思いますので、最賃についても余りいろんなものにきちっと書かれているわけじゃないので、実は在留許可に関しては、単純労働は駄目だよという論点と、もう一つは、日本人のその領域における最低賃金等を割るような状況では駄目だよというのがあると思いますが、まずちょっとこの辺り、法務省、確認したいんですが、いかがですか。
○政府参考人(佐々木聖子君) 御説明申し上げます。 アニメーターとしての活動が該当し得る在留資格として、技術・人文知識・国際業務が考えられます。この在留資格は、一般的にはフルタイムで就労することを前提としている在留資格ですが、その業務内容が専門的な知識や技術を要する業務に該当し、さらに法務省令に定める学歴要件あるいは報酬要件を満たしていると判断された場合に認められるものでございます。 今委員御指摘の年収約百六万円という例でございますけれども、フルタイムで稼働してこの金額の場合には最低賃金すら満たしていないと考えられることから、たとえ他の要件を満たしているとしても、法務省令に定める今御指摘の日本人と同等額以上という報酬要件に適合するとは認められず、一般的にはこの在留資格が許可されないこと、御指摘のとおりでございます。
○山田太郎君 これはもう石破大臣にお伺いしなきゃいけないと思うんですけれども、この辺りが、デザインというか、思いとしてはすごくいいんだけれども、現実的には適用ができないというんですかね、一切これでは、まさにせっかく戦略特区として目玉で一つ箱をつくっていただいて、アニメ振興、漫画振興ということをつくっていただいても、まあ詰めが甘いというふうに言っちゃうとすごく怒られるかもしれないんですけれども、別の論点も含めて大きくしっかり実態を考えていかないと、なかなか一件も適用できない可能性が出てきているという実態、この辺りをちょっと大臣の方からも御答弁いただきたいんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(石破茂君) 大変いろんな御指摘をいただき、ありがとうございました。 まず、実態をきちんと認識をしなければいけないと思っております。今、とかしき副大臣から答弁がありましたように、私ども政府として、まず実態をきちんと把握をして、クールジャパンの人材、せっかくいろんなスキルを身に付けて、希望に満ちて働こうと思ったら駄目ですよというふうに言われる、その基準が余り明確ではないねということも決してよろしいことではございません。 そういうような人材がきちんと登用できますように、法務省、あるいは厚労省、経産省と私どもも協力してやってまいりたいと思っております。
○山田太郎君 是非、クールジャパンや外国人受入れというのは私はできればやっていただきたいと思うんですが、ちょっとこれをきっかけに、産業育成の在り方どうなのかということも、地域とはまた別にこういう問題が隠れている、これはほかの産業にもあることかもしれません。この辺り、総合的に考えていく必要があるんではないかということで御提起させていただきました。 さて、次は、ちょっとこれも前回やったんですが、障害者雇用率の問題で、少しこれも違った角度で、この箱がうまくいくようにということで質疑を続けていきたいと思います。 障害者の雇用率の問題に関してはこの委員会でも私、何度か取り上げさせていただいてはいるんですが、前回も少しそれはやったんですけれども、ちょっと資料をこれも付けておりますので、特別支援教育の現状ということで、ちょっとその資料、最後の紙になりますけれども、ちょっと飛ばして見ていただきたいというふうに思っております。 まず、問題は、知的障害者並びに精神障害者なんです。今、障害者の雇用を何とか増やしていこう、法定雇用率二%を全企業において実現していこうというのが一つの考え方。中小企業においてもそれが今平均で大体一・五以下ですから、LLPみたいのをつくって、うまく効率的に中小企業でもその比率を高めていこうというのは分かるんですが、どういう方々が、じゃ、今後職に就く可能性が出てくるかということについて細かく見ていきますと、四月一日の障害者差別撤廃法を機会に、知的障害者並びに精神障害者の方々の受入れをどうするかということが実は大きな問題なんですね。そういう障害を持っているからという理由で拒んだりはできないということになってきます。 一定数の機能障害の方々は、これまで確かに国も一生懸命やってきたということで、かなりいわゆる就職はできているということなんですが、特別支援学校の状況を実際文科省さんに資料を作っていただきましたので見ていただくと、就業者が三〇%、それから施設・医療機関ということで六二・八%ということで、基本的に三割ぐらいしかいわゆる就業ができていない。 もう一つ今日ちょっと論点にしたいのは、進学者というところも見ていただきたいんですが、〇・四。事実上、高等教育には進学できないというのが今の知的障害者の実態だというふうに考えています。 まず、この辺りの資料をちょっときちっと確認する必要があると思いますので、文科省さんの認識としてはこういうことでよろしいのか、今日来ていただいていますので、御答弁いただけますでしょうか。
○副大臣(義家弘介君) そのとおりでございます。
○山田太郎君 打合せどおり、短くということでお願いしたとおり、本当に御協力ありがとうございます。 さて、もう一つの、これも確認なんですが、じゃ、知的障害者の方々の平均勤続年数はどれぐらいかということで、これも厚労省の方、調べていただいていますので、これも短くて結構でございます、何年ということでお答えいただけないでしょうか。
○副大臣(とかしきなおみ君) 知的障害のある方の平均勤続年数は七年と九か月ということで、これは平成二十五年度の調査でございます。
○山田太郎君 ありがとうございます。 実は、この七年と九か月が長いのか短いのかということなんでありますが、障害者全部の平均では約十年ということになっておりますから短いんですが、意外と長いといえば長い。ただ、大体八年弱ぐらいでほぼ全ての知的障害の方々は一旦仕事を辞めることになっているというのが実態だということだけは確認できたと思います。実は、特別支援学校を十八そこそこで卒業されますから、二十六歳代で一度仕事は皆さん辞めるという経験をするんですね。 私が取り上げたい問題は一体何かというと、ここからでありまして、再就職問題であります。この再就職がどれぐらいできているかということについては、厚労省さんにもさんざんお願いしてデータ集めていただこうと思ったんですが、特に区別していろいろ取れていないということで、実態が分からないということでありました。 私は、まず、二十六歳からの青春じゃないですけれども、健常者であれば、今大学全入時代なんといって、二十二、三から勤め上げて、もちろん、今若手の子たちは短い就職だとかといろいろ言われていますけれども、やっぱり自分をまた見詰め直しながら再就職うまくやっている。でも、知的障害者の子たちの状況、私もいろいろつぶさにそういう施設を今回って聞いていますけれども、なかなか一度辞めると再就職がしにくいと。逆に言うと、八年近く勤めていますから、ここを辞めた後、いきなり特別支援学校を出て就職したので、今度は戻るところがありませんと。我々健常者であれば、例えば大学に戻るとか、あるいは大学時代、自分を見詰めたことを考えて、やっぱりこっちが向いているんじゃないかといろいろ考えられるわけですけれども、非常に再就職が難しいと、こういう状況なんだというふうに思っています。 そういう意味で、私自身は、まず今のこの現状、他の機能障害の方々なんかはどちらかというと非常に進学率が高い、にもかかわらず、知的障害又は精神障害の子たちは高等教育に対する進学が非常に低い。これはなぜかというと、どうしても特別支援学校が就職を目的というか、最後のところは、もちろんこれは生きていくためには大事だから決して否定はしませんが、ただ、やっぱり高等教育に進むという前提がシステムとしてデザインされていないんですね。 一方、アメリカ等を見てみますと、実は、二〇一四年の資料なんですが、マサチューセッツ州立大学とかも含めて、アメリカで四千ある大学のうち三百校が知的障害者を受け入れる枠組みをしっかり持っていると。これがやっぱり先進国の私は今後の、しかも日本も障害者差別撤廃法というのを作ったんですから、そうあるべきだというふうに思っております。 どうしてもこれは厚労と文科のはざまに落ちてしまっている議論ではないかとも思いますが、頑張っていただきたいのはまず文科省ということになるわけでありますけれども、こういった現状を踏まえて、私は、特に知的障害者の子たちの再就職等も含めて、高等教育の機会を増やしていくべきなんではないか、少なくとも国立大学に関してはそういう枠組みを取るべきだと、こういうふうに思っております。是非この辺り、文科大臣、御答弁いただきたいんですが、いかがですか。
○副大臣(義家弘介君) 委員の御指摘のとおり、意欲のある者たちが様々な機会が与えられることは極めて重要なことだというふうに思っておりまして、知的障害者も含めて大学が障害者に対して多様な学びの機会を提供できるよう、引き続き理解を促してまいりたいというふうに思っております。 また、一点付言すれば、アメリカの場合は様々な大学で大体知能指数で区切って、七〇以上とか知能指数で区切っているわけですけれども、十人いたら十人やはりタイプが違うわけで、どのような支援が一人一人にできるのか、これは丁寧に寄り添っていくことが求められているというふうに認識しております。
○山田太郎君 もう一つ、三月十日の前回の内閣委員会の質疑の中でも、国立大学の教育を利用するということを検討していただけるということで御答弁実はいただいているんですが、この状況、どういう展開があったか、この辺りも御答弁いただけますか。
○副大臣(義家弘介君) 御指摘を受けた上で、また障害者差別解消法の趣旨も踏まえて、各大学に理解を求めているところでございます。
○山田太郎君 ありがとうございます。 今回、文科省さんとは個別にいろいろやらせていただいて、本当に一生懸命やっていただいています。各国立大学にも通達出されたということで、あの後、いろいろ国立大学の方からもそういうのが来たということを確認しております。 ただ、ここで言っちゃうのがいいか分からないんですが、けしからぬのは、ということで私も個別の今度は大学のところの話をして、できればそういう知的障害の子たちを受け入れることを働きかけましたら、じゃ、大学としては何のいわゆる価値、効果があるのか、利益があるのか説明をしてほしいとか、国立大学でそういうことを言われちゃうんでは私はまずいというふうに思っているんですね。 ちょっと国家戦略特区の話に戻さなきゃいけないと思いますが、まさに今回の国家戦略特区は、企業の方からこうやって二%の障害者を雇うという視点からデザインされました。それはそれで私も大事だと思いますが、障害者サイドの側から、ゴールとしては、その方々の生活を幸せにしよう、できれば自立して働いて人生を楽しめるようにしようと、こういう視点もやっぱり大事。 そうなってくると、できれば今後、国家戦略特区の考え方の中で学校そのもの、そういう障害者を受け入れた場合のデザインというのは、中小企業が二%行っていないという以上に議論されるべき内容だというふうにも思っています。是非その辺り、これは石破大臣、それから文科省等に当たりますので副大臣の方に、いろいろとお考え、御答弁いただけないでしょうか。
○副大臣(義家弘介君) 今、大学の方でというお話を聞いてちょっと私自身もびっくりしたところでありますが、まず、社会というものは多様性、みんなが助け合いながら一つの社会や国を形成しておりますので、そういう意味では、共に居場所を認め合いながら尊重し合うということは、もうそれ自体で意義というものは存在しているというふうに思います。 法律も成立したところでございますし、文部科学省としても更なる促進を図ってまいりたいと思いますし、また、そのような声をまさに障害のある方が聞いたら相当傷つく話であろうと思いますけれども、どういう状況なのか、また改めて委員も含めて教えていただいて、対応してまいりたいと思っております。
○国務大臣(石破茂君) 私も自民党でユニバーサル社会実現議員連盟の会長なぞをいたしておりますが、そういうユニバーサル社会なるものをきちんと実現をするために今回の法改正というのはあるというふうに認識をいたしております。実効が上がるように更に努めてまいります。
○山田太郎君 もう最後、三十秒ぐらいあるので、最後までやりたいと思います。 もう一つは、障害者のA型、B型の施設においても、これも前回ちょっと指摘したんですが、そういう障害を持った方々に対しては費用が出るんですが、それを、できるだけ自立していくために、営業とか技術の指導、そういったことができる人の分についてもある程度制度として検討していかないとなかなか維持できないと。やるべきことは、単なる補助だけではなくて、最後はやっぱりいろんな形での自立、共助につなげていくというやり方だと思っています。 この辺りの御検討を今後していただきたい。こうすると、特に知的障害者の人たちの、先ほどの表でも見ていただきましたが、六割がそっちに行っていますので、そういうところが随分変わってくる。これは、LLP、今回考えると同時に、同じ効果を非常に持つというふうに私は思っていますので、これは厚労省の方、御答弁いただけないでしょうか。
○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。 B型の事業所などで働く方々の工賃を向上するため、そのために営業努力は大切であるということは十分承知しております。 ということで、従来よりも、営業活動を含め目標工賃を達成するための指導員を配置した場合には、報酬上評価することとさせていただいております。これは平成二十一年度から創設しておりまして、目標工賃達成指導員配置加算というふうに言っておりますけれども、これを平成二十七年度障害福祉サービス等報酬改定におきましてこの報酬を引き上げさせていただきました。 ということで、厚労省といたしましても、こういった努力をいろいろ積み重ねて、なるべくB型事業所で働く方々の、障害ある方々の工賃が少しでもアップしていくように力を尽くしていきたいと、このように考えております。
○山田太郎君 時間になりました。これで終わりにしたいと思います。 ありがとうございました。
○山本太郎君 ありがとうございます。生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎です。 国家戦略特区改正案の農業分野についてこれまで質問をしてまいりました。石破大臣が前々回の質疑のときに、食料自給率の議論において、自給力というものが大切なんだと、大事なんだとおっしゃいました。私も、大臣と同じく、自給力、大切なことだと思います。食料自給力と食料自給率、これらは両輪であり、共に重要であると。 参考人の東京大学の鈴木宣弘先生、ブッシュ前大統領は、食料自給できない国を想像できるか、それは国際的圧力と危険にさらされている国だと演説、アメリカの大学では、標的は日本だ、日本人の直接食べる食料だけでなく、畜産の餌穀物を全部アメリカが供給すれば日本人を完全にコントロールできると言って、アメリカはお米を一俵四千円で輸出していますが、一俵一万二千円との差額の九割は政府が払っている、それが食料戦略だとおっしゃいました。そして、日本農業が過保護で衰退した、欧米は競争で発展したというのは間違いで、食料戦略があるかないかの違いだとおっしゃっておりました。 お手元の配付資料、御覧いただけますか。一枚目は農水省の資料でございます。各国の農家所得に占める直接支払額の割合、日本が四三%、EUが七一%、アメリカは一九%となっています。そして、二枚目の資料、国立国会図書館に作成してもらったものです。農水省と同じ二〇一一年の各国のWTOへの通報を基にした資料でございます。アメリカの農家への支出について、農水省の資料が見ているのはWTOに通報したものの中で黄色の網掛けの部分のみですが、これに直接支払だけではなく国内食糧援助や市場価格支持なども含めると一千三百九十四億八千六百万ドル、二〇一一年のレート一ドル七十九円八十一銭で換算すると十一兆一千三百二十四億円。黄色の網掛けから外れている国内食糧援助は国内の低所得者向けのフードスタンプなどで支給される食糧援助の政策で、農業生産と農業所得を支えていると。しかし、これアメリカ産だけ購入しているわけじゃないからということで直接支払から除外しているようなんですね。結果、全てを合わせるとすると、農家への支出の割合は一二三%ということになるらしいんですよ。 農家所得に占める直接支払額の割合について、農水省の資料がアメリカの農業に対する政府支出を非常に小さく見せているんじゃないかなって、これ国民に対して事実に反する情報提供にもなるんじゃないかなって私は心配するんですけれども、これ、石破大臣、ごめんなさい、通告はしていないんですけれども、このアメリカの農家の支出への事実ということは御存じでしたか。
○国務大臣(石破茂君) もちろん、こういう数字は、農林水産副大臣あるいは大臣をしておりましたときにこういう数字というものは当然承知をいたしております。
○山本太郎君 これ、この差といいますか、もちろん直接の支出というものに限っていうと、この農水省が出すものに関してはうそではないという話になるのかもしれないですよね、このWTOの、どういうふうに通報したかという話になると。でも、実際、アメリカではこれ直接ではないけど間接的に農家に対する支援になっている、生産の支援になっている、所得への支援になっているということは、これ間違いのないことだと思うんですよね。このやり方というのは非常にいいことなんじゃないかなというふうに思うんです、私としては。要は、農家という部分も、要は、何ですかね、自分たちの所得というものがはっきりとこれ担保されることですよね。自分たちの、何でしょうね、自分たちの生活というものをしっかりと担保できる、国がしっかりとそれをバックアップをしているというのがアメリカの状態なのかなというふうに思うんですよね。 我が国でも生活が苦しいと言われている人たちが六二・四%もいらっしゃる、六人から七人に一人が貧困という状態の人がいると。それだけじゃなくて、高齢者の五人に一人が貧困、障害者の四人に一人が貧困、生活保護を受けるべき人たちの約二割程度しか受けられていないというような低所得、貧困という状況に置かれた人たちが多数いるわけですから、アメリカの食料戦略のように、貧困世帯、この低所得者世帯の方々に食料支援という形でやっていけば、農家にはそれによる間接支援という形がなされていくんじゃないかなと。 アメリカだって、これWTOの違反じゃないんだと、自由な価格競争を阻害するものじゃないんだという言い訳といいますか、やり方で農家を大きくバックアップしていっているという背景がありますよね。直接支払という形ではないけれども、間接支払という形で生産、所得という部分をバックアップしているというものがあると思うんですよね。 これ、自給率、自給力共に大きく変化、そして強くしていける部分なんじゃないかなと思うんですけれども、ここは、食料の世界戦略で世界をコントロールするために生産者に安定した力を与えようとしている宗主国様のやり方というのはまねるべきポイントなんじゃないかなと思いますけれども、石破大臣、いかがお考えですか。
○国務大臣(石破茂君) それは、合衆国は、先ほどブッシュ大統領、前大統領ですか、の御指摘がありました。その話は私も大臣当時に何度か承知をしておりますし、原典に当たったこともございます。 ややニュアンスは異なるようには思いますが、アメリカの食料戦略、私は全て正しいと思っておりません。それは、例えば日本である時期すごく大豆が高騰したことがございましたですよね、それは何であんなことが起こったかというと、アンチョビー、イワシが不漁になったので、結局、たんぱくというものを大豆に置き換えたので、それで日本の大豆が不足をして、物すごく豆腐が上がったということがございました。また、スタインベックの「怒りの葡萄」という小説がございますが、アメリカの農法が私は決してサステーナブルなものだとは思っておりません。 それから、私どもとして、宗主国という表現をお使いになりましたが、私は合衆国が宗主国だとは思っておりませんが、日本として本当に持続可能な農業というものを維持していくこと、そしてまた、日本の持っている農業生産力を最大限に引き出していくことが必要なのであって、私は、食料を戦略物資として使うということが余り横行すると、世界人類にとって決していいことばかりではない、むしろ害悪の方が大きいだろうと思っております。 独立国家としていかに自給力を高めていくかということが人口減少下において真剣に論ぜられるべきですし、政府、農水省としてその方向で全力で努力をしておるということは承知をいたしております。
○山本太郎君 農家をやっていて割が合わない、これじゃ食っていけないよというような状況に陥るというのが、一番我が国の食料自給率であったりとか自給力という部分に大きく影響を及ぼすんだろうと。そういう意味で、アメリカがやっているような、本当にもう大きく農家の皆さんをバックアップしていくというスタイルというのはアメリカの、アメリカの何ですかね、世界戦略という部分に私は異論はたくさんありますけれども、この食料戦略という部分に関してはまねるべき点もあるんじゃないかなというふうに思うんですね。 兵庫県養父市で、これまで資格のなかった株式会社に農地法の特例として農地の所有を認める、その兵庫県養父市で農地を所有しようとしているのがオリックスの宮内義彦さんだと。その特例、規制緩和を推進してきた中心人物がパソナの会長でオリックス社外取締役の竹中平蔵さん、ローソンの元代表取締役で現在はサントリーホールディングス社長でオリックス社外取締役の新浪剛史さん。 石破大臣、本来、中立の立場で公平公正な制度をつくるべき立場の方々なんですよね、もちろん政府の会議、政府主催の会議に参加されている方々なので。でも、そろってこれ自分たちの会社に利益が誘導されるような追求をしているんじゃないかというような状況が見受けられる。皆さんオリックスの社外取締役であったりとかというようなつながりのある方々ですから、今名前を挙げたのは。そして、養父市でこの農業という部分に踏み出しているのはオリックス関係の株式会社なわけですから、これ明らかな利益相反なんじゃないかな、出来レースなんじゃないかなと思うんですけれども、石破大臣はいかがお考えですか。
○国務大臣(石破茂君) 私は竹中氏もよく存じておりますし、宮内氏もよく存じ上げておりますが、それは、このような案件を審議するに当たりましては、企業の利益ということとは切り離して、両氏の持っている見識というものを私どもとして国家のために活用させていただきたいというふうに考えております。 企業の利益を実現するためにこのようなことをやっているのではございません。養父市において企業が農地を所有するということについて、それによってどんな可能性が開けてくるか、ですから特区としてやっているわけでございます。これがもし個々の企業というものの利益だけを増幅をさせて、増大をさせて、それぞれの農業者の収入が減っていくとかあるいは農地の利用が低調であるとか、そういうことであれば特区の意味をもう成しません、特区としての意味がありません。そこはよく私どもは、個々の企業さえ良ければとかそういうようなことにならないように見てまいりたいと思っております。
○山本太郎君 であるならば、何ですかね、政府のその中枢の会議においてこの農業の規制緩和という部分に関しても、幾ら社会実験という立場であっても、そこに関連企業が参加しているというのはこれ不健全な状況なんじゃないかなというふうに思うんですけど、いかがですか。
○国務大臣(石破茂君) 不健全だとは思いません。
○山本太郎君 不健全と思わないならちょっと成立しない話なんですけどね。 今回の法案には農業分野のほかに観光分野と医療分野の特例もあると。観光分野といっても自家用自動車の運送事業の特例ですよね、いわゆる白タクと言われるようなライドシェアですか。 兵庫県養父市は、農業分野だけでなく自家用自動車の有償運送事業、世界ではウーバーやリフトでも有名なライドシェア事業の提案もしていますよね。産業競争力会議のメンバーである楽天の三木谷社長は、このリフトに三億ドルを出資したというのは皆さん御存じだと思います。そして、自ら役員にも就任していると。この三木谷さんが代表理事を務める新経済連盟が自家用ライドシェアの拡大を提案をしている。この自家用ライドシェアの提案は兵庫県養父市だけじゃなく、京都の京丹後市、秋田県の仙北市も提案していたと。 今回の法案ではちょっと風当たり強過ぎるなという話になって、正面切ってのライドシェアというのはちょっと避けられた形なんですかね、ちょっと妥協の産物的に盛り込まれたといいますか、過疎地等という言葉が入ったんですよね。これ続けて、過疎地等での自家用有償観光旅客等運送事業になったわけですけれども、この過疎地等の等というのはどんな内容を含んでいるものなのかというのをこれ説明できる方っていらっしゃいますか。
○政府参考人(佐々木基君) これは、いわゆる公共交通機関が不足しておって、いわゆるその地域住民の方とか、あるいは今回の場合ですと観光の方々が交通の面で不便を来す、そういう地域だというふうに伺っているところでございます。
○山本太郎君 観光客の方々とかというのを等に含めているということ。──えっ、何ですか、ごめんなさい、ちょっと聞き取れなかった。済みません、もう一回いいですか。
○政府参考人(佐々木基君) 公共交通機関が不足しておって、地域の方々あるいは観光客の方々が利用するときにそういった交通の便が非常に不十分なところというふうに伺っているところでございます。
○山本太郎君 過疎地という部分にもちょっと係っているような部分ですよね。もっと、等といいますからその過疎地以外の部分も含まれているのかなというような印象があったんですけれども、なるほど。 今日から始まったんですね、タクシー少ない過疎地でスマホ配車を開始って、これ京丹後。現行法でNPO法人が事前登録した住民ドライバーであれば、これ有償で運送できる事業というのが今日から開始になったと。スマホで、これウーバーですか、から情報つながって、もう今日から過疎地の交通対策であれば特例措置として認められているという部分なんですよね。これもう既にあるじゃないかという話ですよね。これもっと広げたいということですよね。これ、より規制緩和を進めていきたいという形が多分今回の特区に当てはめられるという理解でいいんですかね。 ライドシェアではなくてこの過疎地等での自家用有償観光旅客等運送事業として最初から提案している自治体というのはどこなんですかね。皆さん、ライドシェアという部分で最初は手を挙げたんですよね。でも、この過疎地等と付く部分において手を挙げられているというような自治体は元々はないんですよね。いかがでしょうか。
○政府参考人(佐々木基君) 私どもが国家戦略特区として提案を受けている中で、ライドシェアとして提案を受けているという認識は全くございませんで、あくまでも、やはりより便利に住民の方々なり、あるいは今回は観光客ですけれども、に公共交通機関が不足しているところでどうやってその足を提供していくかということで御提案を全ていただいているという、そういう認識でございます。
○山本太郎君 いや、そんなことないでしょう。だってこれ、養父市とそして京丹後市から出されている資料、しっかり書かれていますよ。戦略特区の説明資料で、自家用ライドシェアの拡大と、自家用車ライドシェアの実現へ向けてと。 そんな話聞いていないなんてことなんてないですよね。だって、思いっ切り求めているものは自家用車のライドシェアという部分なんじゃないですか、自家用車利用の。
○政府参考人(佐々木基君) 先生のおっしゃっているライドシェアというのがどういうものを指すのかということはありますけれども、いわゆる白タクということで利用者の安全性とかそういうものを損なうような形で運行するものについて、それを認めていこうという提案ではないと私は理解しております。
○山本太郎君 これ、元々、何ですかね、手を挙げたところの自治体の人たちが欲しかったものが今ここの場で議論されているのかどうか、この国家戦略特区という中で審議されているのかどうかというのが分からないんですよね。本当に最初から欲しかったものが今ここで審議されていますかと。この提案書の中身とちょっと違うんじゃないかなというふうに思うんですよね。農地取得でもそうでしたよね、最初、養父市が求めていたものとはちょっと少し違う形になって与えるという形になったと。 これ、今の時点で、じゃ、手が挙がっているという認識でいいんですかね。ごめんなさい、今、これもう既にこの国家戦略特区の今この有償旅客の部分で手を挙げているところはもう決まっているということでいいんですよね。
○政府参考人(佐々木基君) 公共交通機関が不足しているところについて、特に今回の場合には、観光客についてそれを呼び込みたいという意向のあるところはありますけれども、今回の措置、もちろん成立もしておりませんけれども、を使って、じゃ、直ちにやろうかというところについて、具体的な意向についてはこれからだというふうに思っております。
○山本太郎君 だから、手を挙げているところはないということですよ、今この時点では。そうですよね。欲しがっているところは今ないということですよね、今ここで話し合われているこの内容については。違います、そうですよね。違うかどうかだけお答えください。
○政府参考人(佐々木基君) いろんな手続がありまして、制度が成立した後いろんな手続を経て、じゃ、旅客有償運送事業をやろうかということになっていくわけでございますので、いずれの要望している地域におきましても、現時点というよりは、これが成立をさせていただいた暁にその具体的な検討に入っていくということだと理解しております。
○山本太郎君 じゃ、現在手を挙げているところはないという話ですよね。提案のない法改正を今やろうとしているということですよね。元々、だって手を挙げていたところとは今違った形でこれ提案されているということでしょう。
○国務大臣(石破茂君) どうも私どもの説明の仕方が悪いのかもしれませんが、委員が思っていらっしゃるようなライドシェアというものを、いわゆるライドシェアというものをそもそも提案してきたところはないというふうに認識をいたしております。 今回は、過疎地等において実際にそういうような交通機関がないところにおいてこのような手当てをやろうということなのであって、いわゆる白タクとかあるいはライドシェアとか、そういうものを企図して手を挙げたところは今のところないのでありますし、本委員会で委員各位に御議論をいただいたのは、まさしくそういうような過疎地等においてというようなものについて認めるか認めないかということを長時間掛けて御議論を賜っていると私は認識をいたしております。
○山本太郎君 過疎地においては、もう既に今あるルールの中で特例を認められればそれは使えるということでクリアできているわけですよね。でも、そこよりも一歩進んだという部分を求められているわけですよね、皆さんは。利用者目線の運送ルール等を、そうですよね、区域会議で利用者目線の運送ルール、欲しいものを見極めてライドシェアの拡大を図っていきたいという先の目標はあるんじゃないですか、でも。ないんですか。
○国務大臣(石破茂君) そのような先の目標を持ってこのような提案をしているわけではございません。それはそれ、これはこれで、別のものを御議論いただいているということが私の認識です。
○山本太郎君 それぞれの、先ほど名前挙げた二つの自治体の提案書の中はそれ期待されていますよ。区域会議を導入することで利用者目線の運送ルール等を決定し、自家用ライドシェアの拡大を図ると、元々そういう心積もりでこの人たちは最初に手を挙げたんじゃないですか、そのような資料がありますけど。
○国務大臣(石破茂君) それは、利用者目線というのはお客様の目線ということであって、事業者目線ということを申し上げているのではございません。
○山本太郎君 利用者目線ということで、今のルールの中では、要は特例では、その過疎地域内であったりとか足になるよというようなことはできるけれども、それ以上のもの、例えば観光客の人がやってきたりとかということになったら、その過疎地域内だけ、その周辺だけではやっぱり成り立たないですものね。そこからやっぱりエリアを拡大していくということにならなきゃ話にならないですものね、ということですよね。拡大していく、お客様目線、お客様が求めているものは何だと考えたときに、お客様が求めていることじゃないと要は仕事にならないわけですから、商売にならないわけだから、拡大していくということを求められていると思うんですよ、この方々は。
○国務大臣(石破茂君) いや、それはいろんな御想像はおありかと思いますが、仮に今回これをお認めいただいたとしても、お客さんが求めているから、行政区域を離れて、営業区域を離れて、今回のが営業という概念でくくられるわけではありませんが、もうどこまでも行ってもいいとか、そういうことをやっているわけではございません。 お客様目線というのは、お客様の視点というのは、その地域において本当にそういうタクシー等々ないね、しかし、そういうところはよそからお客さんも呼びたいねと、そういう方々のそういうような御要望に応えてということなのであって、それは、委員がいろんな世界を御想像なさるのはそれは委員の御見識でございますが、そういうことを私どもは求めているわけではございませんし、提案者もそういうようなことを言っているわけではございません。それはそれ、これはこれです。
○山本太郎君 その過疎地域において電車が一時間に一本、分からないですよ、一時間に一本来れば早い方かもしれないですよね、もっと来ないところあるかもしれない。例えば、電車通っていたとして、その最寄り駅、たまたま電車がなかったとしたら、もうちょっと、じゃ、電車が多く通るような駅まで行きたいとかというのは、これお客さん目線になっていくんじゃないですか、普通に。その周辺、その十キロ範囲内だけの移動でそういうふうに使われるとしたら、これ、お客さん目線にならないですよね。例えば、最寄り駅に降り着いて、そこから観光して、帰ろうと思うけれども帰りのアクセスが悪い、電車の乗り継ぎが悪いと、だとしたら、その近くのもうちょっと大きな駅まで乗せていってほしいとかというような要望が生まれるのがお客さん目線だと思うんですよ。 昨日の五月二十五日、日経新聞で、先ほどもお話がありましたけれども、トヨタ自動車とアメリカの配車アプリ最大手のウーバーが戦略提携検討を発表と報じていると。ウーバーのドライバーにトヨタが車両をリースという方向のようなんですよね。急速に関係を深めていると書いてありました。しっかりと、次に何が商売になるのかということで着々と準備が整っているということだと思うんですよね。やりたい、まあ本当にこれがやりたかったことなのかどうなのか分かりませんけれども、更なる規制緩和がなされるということで、もう既にやりたい企業、やる気になっている企業がスタンバイしている状況だと思うんですよ。 先々、規制緩和を広げてライドシェアというのをできるようにしていくというような確信があるのか、それとも、そういうふうに読んでいるのかは分かりませんけれども、状況的にはそういう感じであると。 この法案が成立したら、この手を挙げたところはやられる、確実にこのライドシェアという、ライドシェアといいますか、この国家戦略特区の中でのライドシェア的なものに乗っかっていただけるという方向性なんですよね、恐らくね。 先行きますね。 楽天の三木谷社長、自分自身が役員にもなったと、そのライドシェア事業の。この代表理事を務める新経済連盟、昨年の個人情報保護法及びマイナンバー法改正案の議論の中で、携帯電話番号などは個人情報に含めるべきではないというような提言までしているんですよね。 個人の携帯電話番号やクレジットカード番号などをビジネスで最大限利活用したいという話だと思うんですけれども、個人情報保護委員会は、個人情報保護法の政令で、個人の携帯電話番号、クレジット番号、メールアドレス、アカウントなどの会員制IDなどを個人識別符号、個人情報とするのかしないのか、今どんな議論がなされているのか、政令を決定する前はパブコメをやっていただけるんですかというのを教えてください。
○政府参考人(其田真理君) お答え申し上げます。 お尋ねの個人識別符号のことだと思いますが、今後施行される改正個人情報保護法の政令において定められることとなっております事項でございますが、その内容につきましては、現在、個人情報保護委員会において、個人情報保護法改正案の国会の審議における御議論を踏まえるとともに、各方面の御意見を聞きながら、鋭意検討を行っているところでございます。引き続き、国民の皆様や民間事業者の御理解を得ながら、改正法の円滑かつ速やかな施行を行えるように取り組んでまいりたいと思います。 パブリックコメントにつきましても、適切な時期に実施してまいりたいと思います。
○山本太郎君 電話番号までも個人情報ではないと言い切って、それをも商売に使おうとしているような人たちまでこの政府中枢の会議に入り込んで、規制緩和をどんどんしていこうという考えであると。 石破大臣、改めて伺わせてください。 先ほど、オリックスの宮内さん、パソナの竹中さん、サントリーの新浪さん、そして楽天の三木谷さん、私自身は、これは利益相反四人組とお呼びしているんですけれども、これらの人が政府の規制緩和の会議体の中心メンバーとして規制緩和を行うこと自体、そしてその受け手となって規制緩和の先にある、社会実験といえどもそこで受け手になる企業に関連会社が入っているというのは、僕、大問題だと思うんですけど、これ、利益相反とは思われませんか。
○国務大臣(石破茂君) 思いません。 ですから、このようなことは国民のためにやっているのであって、企業のためにやっているわけではございません。そういうふうにおっしゃるのであるとするならば、何が利益相反であるのか、何が彼らの個人的な利益を実現をし、国民の利益を損なっているのかという点について御指摘を賜りたいと思います。私はそのようには考えておりません。
○委員長(神本美恵子君) 山本太郎さん、時間です。
○山本太郎君 はい、じゃ、もう終わりたいと思います。 派遣業法を改悪されたりとかするようなその議論の場にいらっしゃった方がパソナの方だったりとかという時点で、十分これ利益相反とも言えるという過去を持っていると思います。本当に問題のある法案だと思っています。 ありがとうございました。
○委員長(神本美恵子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○風間直樹君 私は、民進党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案につきまして、反対の立場から討論を行います。 規制改革に取り組み、経済社会の構造を改革し、産業の国際的競争力を高めることは、私たちも大変重要だと考えます。しかし、今回の本改正案には、地域における安全な交通手段の確保や必要な農地の確保などの観点から見ると、検討が不十分で弊害が懸念される内容が盛り込まれており、賛成できません。 本法案は、過疎地などで自家用自動車による外国人観光客らの有償運送を認めるとしています。しかし、今制度では、外国人観光客だけでなく、住民も含めて誰でも運送できるほか、第二種の運転免許の取得が義務化されていません。このため、タクシー等と比べると、安全教育の面で問題があり、事故などの危険性が高まる可能性があります。さらに、今制度はライドシェアの解禁につながる可能性もあり、地域の公共交通を支えるバス、タクシーを更に衰退させる懸念があります。 次に、本法案は、担い手不足や耕作放棄地等の解消を図るため、特区において株式会社による農地の取得を認めようとしています。しかし、改正農地法が今年四月に施行され、農業生産法人の要件が見直され、農地所有適格法人となり、株式会社が農業に参入しやすくなっています。また、株式会社がリース方式で農業に参入することも可能です。 内閣委員会及び内閣、農林連合審査においても、企業に農地の所有権を認めることのニーズについて、我が会派の議員からも質疑がありました。しかし、政府からは、企業が農地の所有権を得ることの必要性について、説得性のある明確な答弁がありませんでした。今回は五年の時限措置ですが、今回の制度改正をきっかけに株式会社による農地の取得が自由化され、転売目的の取得が横行し、ひいては農地が荒廃する懸念を払拭できません。 また、本法案には、ほかにも薬剤師による遠隔服薬指導など、慎重な検討を要する内容も含まれています。 以上が反対する主な理由です。 規制改革や地方の発展に特区制度を活用することは否定しません。しかし、本改正案はかえって地域の公共交通や農地の維持について弊害が多い。 以上、反対討論とします。
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。 反対理由の第一は、企業による農地所有を認めるものだからです。 企業による農地所有は、耕作者の地位の安定を否定し、農地制度を根幹から覆すものです。質疑の中でも、国内外の企業にも農地の所有権を与えた場合、農地の荒廃、転用の懸念は払拭されていません。企業の農地所有の自由化は、農業、農村に新たなもうけの場を広げたい財界の年来の要求です。五年間の時限措置をてこに全面的に広げようとするもので、断じて許せません。 第二は、道路運送法の特例です。 いわゆるライドシェアは白タク行為として禁止されています。本法案は、現行の自家用有償旅客運送制度を拡充して、ライドシェア推進者の要求に応えようとするものです。外国人観光客の受入れのためと言いますが、事実上、誰でも運送の対象となります。また、運送区域も、地域住民が参加する運営協議会の合意は不要となり、国家戦略特区の区域会議で決めることができます。参入のハードルは低くなり、白タク行為がしやすくなります。 第三は、運用拡大による規制緩和です。 革新的医療機器の開発を促進するとして、特区内の臨床研究中核病院に対する医薬品医療機器総合機構の職員による出張相談の制度をつくるとしています。医療技術の迅速な開発を優先すれば安全性がおろそかになりかねません。 外国人観光客の来日促進に対応するとして、出入国手続への民間委託化を拡大することには反対です。外国人の入国を認めるか否かは国家の主権の行使に属するものです。職員の大幅増員を行って体制を整備すべきであり、民間委託は行うべきではありません。 最後に、先ほど取り上げた大阪府の提案では、特区内においては、認可保育所の設置、運用に係る全ての要素について、自治体の判断と責任で決定できるようにしたいとされていますが、子供が亡くなれば誰にも責任を負うことはできません。子供の安全や発達に関わる基準を特区を利用して緩和することなどあってはならないことを強く述べて、反対討論を終わります。
○山本太郎君 私は、生活の党と山本太郎となかまたちを代表し、国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案に反対の立場から討論を行います。 今回の改正案は、農業分野、観光分野、医療分野で規制緩和、特例をつくるものですが、特に、農業分野で兵庫県養父市を特区として、従来の農地所有適格法人の要件を満たしていない株式会社に農地所有を認めるものとなっています。 本委員会に参考人としてお招きした東京大学の鈴木宣弘先生は、私の理解では、国家戦略特区は岩盤規制に穴を空ける突破口だというふうに定義されていると思います、端的に申し上げれば、特区は政権と近い一部の企業経営陣の皆さんが利益を増やせるルールを広げる突破口をつくるのが目的ですから、地方創生とは直接結び付いていないと思います、むしろ、地方創生には逆行しますとおっしゃいました。 実際に、兵庫県養父市で今回の特例によって農地を所有しようとしているのは、規制改革・民間開放推進会議議長等で規制緩和を推進したあの宮内義彦さん率いるオリックスグループの株式会社です。そして、現在の産業競争力会議で今回の農地法の特例を推進したのが、パソナ会長の竹中平蔵さんとローソン元代表取締役、現在はサントリーホールディングス社長の新浪剛史さん。実は、竹中さんと新浪さんはお二人共にオリックスの社外取締役だそうです。もうちょっと隠してみるとかのしおらしさもないのかと、みんなオリックスじゃないかということで、完全な出来レース、利益相反だと思ってしまいます。 観光分野、自家用自動車有償運送事業、ライドシェアを産業競争力会議のメンバーで推進する楽天の三木谷浩史社長も、ライドシェア事業の世界大手の一つリフトに三億ドル出資し、自ら役員に就任しています。これも利益相反で、許されることではありません。 参考人の鈴木宣弘先生は、食料自給率について、アメリカのブッシュ前大統領は、食料自給できない国を想像できるか、それは国際的圧力と危険にさらされている国だと演説し、アメリカの大学では、標的は日本だ、日本人の直接食べる食料だけでなく、畜産の餌穀物を全部アメリカが供給すれば日本人が完全にコントロールできると言って、アメリカはお米一俵四千円で輸出していますが、一俵一万二千円との差額の九割は全部政府が払って、そして生産と輸出を振興していると、これが食料戦略というものですと言われました。 そのブッシュ前大統領、つい先日来日をし、五月十八日、女性のための予防医療シンポジウムに出席、シンポジウムの主催者である米国メルク社の日本法人MSD社が販売する子宮頸がんワクチン接種の勧奨再開のために日米共に闘わなければならないとスピーチしました。 これは、食料戦略とともに、アメリカの日本に対するワクチン戦略ではないでしょうか。子宮頸がんワクチンは、日本と海外ではウイルスの型の頻度が違い、副反応についても差がある可能性があるので、国内臨床試験を省略することがあってはなりません。今回の法改正には医療機器の開発迅速化が盛り込まれていますが、慎重に検討する必要があると思います。 今回の国家戦略特区によって、鈴木宣弘先生が言われた、今だけ、金だけ、自分だけの三だけ主義者である企業経営者たちに、日本の農業、医療など国民の命を守る大切な仕事を彼らの思いどおりに、金もうけのツールにさせるわけにはいかないということを強く申し上げて、私の反対討論といたします。
○委員長(神本美恵子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(神本美恵子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、相原さんから発言を求められておりますので、これを許します。相原久美子さん。
○相原久美子君 私は、ただいま可決されました国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民進党・新緑風会、公明党及びおおさか維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 国家戦略特別区域法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用等について遺憾なきを期すべきである。 一 法人農地取得事業の実施に当たっては、この制度の全国展開及び実施期間の延長を前提としないこと。また、本法に基づく対象地域を検討するに当たっては、当該地域の農業経営及び農地の利用状況等について慎重に検討すること。 二 株式会社の農地所有を認めるに当たっては、当該農地等が目的外使用、転売又は開発行為等により荒廃すること等のないよう十分に配慮すること。また、近隣農家等の懸念・不安の払拭に努めること。 三 株式会社の農地所有を認めた後、農地の利用状況等について的確に監視するよう地方公共団体を指導するとともに、目的外使用等を理由に農地等の所有権を特定地方公共団体に移転するに当たっては、当該地方公共団体は住民の負担を軽減するよう努め、売買による場合においては適切な価格で取得するなど、当該地方公共団体の住民に必要以上の負担とならないよう配慮すること。 四 国家戦略特別区域自家用有償観光旅客等運送事業については、公共交通であるバス・タクシー等が極端に不足している地域における観光客等の移動の利便性の確保が目的であることから、既存の一般旅客自動車運送事業で対応可能な場合はこれを認めないこと。また、同制度の全国での実施や、いわゆる「ライドシェア」の導入は認めないこと。 五 自家用自動車による有償運送において、観光客等を対象にする場合には、運転手に第二種運転免許の取得者を充てるなど、タクシー事業者に準じた安全対策を講ずること。 六 自家用有償旅客運送はあくまで特例であることに鑑み、公共交通を維持・発展させるために、バス・タクシー等の一般旅客自動車運送事業の振興や、それらへの公的補助、業務委託など、バス・タクシーの活用についても併せて取り組むこと。 七 国家戦略特別区域処方箋薬剤遠隔指導事業の実施に当たっては、離島や過疎地など、対面での服薬指導が困難な地域に限定し、全国展開を前提としないこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(神本美恵子君) ただいま相原さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(神本美恵子君) 多数と認めます。よって、相原さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、石破内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。石破内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(石破茂君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(神本美恵子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(神本美恵子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時六分散会