内閣委員会 第14号
- 発言数
- 132 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2016/05/10
会議録
○委員長(神本美恵子君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、宮本周司さん及び山下雄平さんが委員を辞任され、その補欠として酒井庸行さん及び世耕弘成さんが選任されました。 ─────────────
○委員長(神本美恵子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 特定国立研究開発法人による研究開発等の促進に関する特別措置法案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府政策統括官森本浩一さん外八名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(神本美恵子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(神本美恵子君) 特定国立研究開発法人による研究開発等の促進に関する特別措置法案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○井上義行君 自由民主党の井上義行でございます。 今回の特定国立研究開発法人による研究開発等の促進に関する特別措置法案、これは、今世界がグローバル化になって、やはりこの研究開発を進めていかないと日本も生き残れない、こういう趣旨だというふうに理解をしております。 そこで、今回の特定国立研究開発法人の対象法人として理化学研究所と産業技術総合研究所が選定をされて、追加として物質・材料研究機構が選定をされました。私も日本学術会議に所属をしたことがありますので、この物質・材料研究機構の役割というのは非常に大きくて、いろんな特許を取っているということはよく分かっております。しかし、一般的にすると、なかなかそれが表に出てこないものですから、比較的、まあ言い方は変ですけれども、地味という感じがあるので、何でここだけ選定されたのかなという疑問があるように聞いております。 そこで、この物質・材料研究機構というのは、どういう研究をして、どういう成果があって、どのように国民に使われているのか、これをお聞きしたいと思いますが、文科省、いかがでしょうか。
○政府参考人(生川浩史君) お答えいたします。 物質・材料研究機構は、我が国のあらゆる分野を支える基盤であります物質・材料科学分野の中核的研究機関でありまして、社会ニーズを踏まえつつ、本分野の基礎的、基盤的研究開発を推進をしているところでございます。 具体的には、輸送機や社会インフラに用いる軽量で高強度の鉄鋼等の構造材料や、省エネルギーに寄与する蓄電池、燃料電池等の機能性材料に係る基礎研究などに取り組んでいるところでございます。そのほか、物質・材料科学を支える基盤的な研究として、電子顕微鏡等の計測・解析手法の開発に加え、特に最近では材料科学と情報科学の手法の融合により効率的に物質探索を行うマテリアルズ・インフォマティクスと呼ばれる新たな手法の開発など、物質、材料に関する幅広い研究を行っているところでございます。 これらの取組により、物質・材料研究機構は、材料分野における論文被引用数について国内で第一位、世界でも第九位に位置し、さらに国際特許出願件数でも世界全体で二十四位に位置しているなど、物質・材料研究において世界でもトップレベルの成果を生み出してきているところでございます。 また、物質・材料研究機構は、自らの基礎研究を基に企業等との連携により製品化につなげる取組を強力に行ってきているところでございまして、最近では、例えば航空機のエンジンやガスタービンの燃費削減に資する超耐熱合金の開発に成功し、ボーイング787型機に採用されているほか、高層建築物の耐震性能向上に資する制振ダンパーの開発に成功し、名古屋の高層ビルに導入をされているところでございます。また、LEDの普及に大きく寄与した高品質の蛍光体の開発に成功し、LED用蛍光体の世界市場占有率の約三割を獲得をするなどの社会実装につながる様々な成果を上げてきているところでございます。 これらの結果として、産業界からの資金獲得は年々増加傾向にあるほか、研究者当たりのライセンス収入は国立研究開発法人及び大学の中でトップであるなど、高水準な実績を上げてきているところでございます。 このように、物質・材料研究機構は、物質・材料分野における世界トップレベルの研究開発成果を有しており、今後、特定国立研究開発法人として産学官の中核に位置付けられることとなれば、我が国が強みを有する本分野を更に強化をし、我が国全体の成長力の向上につなげてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○井上義行君 答弁のあったように、非常に成果を上げているので、選定としては私はふさわしいと思うんですね。ですから、これは要望なんですけれども、やはりもっとこうした取組をしているという広報を是非強めていただきたいというふうに思っております。 そして、第三条、第五条で、政府による基本方針の策定、これは、中長期目標の策定に当たっては総合科学技術・イノベーション会議の意見を聴かなければならない、こういうふうになっているんですが、いろいろ科学者としてその話を聞いて、これが非常にふさわしいとかという、科学者の中ではいろんな基準があるんだというふうに思いますけれども、何かそうした例えば基準とかあるいは指針というものが具体的にあるのかどうかをちょっとお聞きしたいんですが、これは、内閣府の統括官、お願いいたします。
○政府参考人(森本浩一君) お答え申し上げます。 安倍内閣が掲げる政策目標の一つとしまして、世界で最もイノベーションに適した国を実現し、経済を力強い成長軌道に乗せるためには、イノベーションを生み出しやすい仕組みや環境を構築していくことが重要であると考えております。そのためには、多様な人材が様々な分野あるいは組織の壁を越えて出会い切磋琢磨していく、こういう環境をつくっていくことが重要であろうと考えております。このため、大企業にとどまらず、中小企業やベンチャー企業、大学、公的研究機関といった主体がそれぞれの強みを連携、融合させて、相乗効果を生み出しやすい仕組みや環境をつくっていくことが重要であろうと考えております。その中で、分野間や組織間の円滑な交流の障壁となっている諸制度あるいは組織文化の違いを乗り越えられるように、柔軟な制度運用によって分野間や組織間の相互触発を促進させていくことが求められていると認識しております。 特定国立研究開発法人は、我が国の科学技術イノベーション政策の司令塔であります総合科学技術・イノベーション会議の定める基本方針に沿って、大学や企業、公的研究機関など複数機関が共同で研究開発を進めるオープンイノベーションを促進することとしております。これによって、特定国立研究開発法人には、研究開発活動の迅速化や柔軟性を阻害している制度的な隘路の解消を図る取組を他の国立研究開発法人に先駆けて進めていただくとともに、その成果をほかの法人にも展開させていただきたいと、こういうふうに考えております。
○井上義行君 そこで、私も第一次安倍内閣のときにイノベーション25というのを提案をして、非常にイノベーション25で作成をした分野がめきめきと成果を上げていると。iPS細胞も五年ぐらい早くできている、あるいはリニアモーターカーもいよいよ名古屋まで行くということも決まっております。こうしたイノベーション25で策定をしたその取組がやはり研究成果として早く回転をする、そのことによって日本の科学技術が大きく進歩し、それが結果として経済に反映していくということだろうというふうに思っています。 そこで、具体的に反映されたもの、これを例示的にちょっと挙げていただきたいと思いますが、統括官、お願いします。
○政府参考人(森本浩一君) お答え申し上げます。 委員御指摘のとおり、イノベーション立国を目指して、二〇二五年の我が国が目指すべき姿を五つの社会像として示したイノベーション25が平成十九年に策定されました。当時の総合科学技術会議におきましては、目指すべき五つの社会像を目に見える形で実現していくために、異分野融合、官民協力、府省連携を重視した社会還元加速プロジェクトを強力なプロジェクトリーダーのコミットメント及びリーダーシップの下に推進し、社会実装をすべく、研究開発の成果を迅速に生み出すということをやっておりました。 その具体的な成果の例といたしましては、例えば自動走行における社会実装に向けた技術開発の進展であるとか、生活支援ロボットへの公的医療保険の適用であるとか、それから今委員御指摘にございましたiPS細胞、超電導など様々な成果が上げられているところでございます。これらは、現在の戦略的イノベーション創造プログラム、SIPであるとか、革新的研究開発推進プログラム、ImPACTなどに発展的に継承されております。 このような研究開発成果を社会実装につなげるという考え方を更に発展させるべく、本年一月に第五期科学技術基本計画を策定するとともに、これを先取りする形で、昨年六月には科学技術イノベーション総合戦略二〇一五というのを取りまとめたところでございます。 これらを踏まえまして、二十八年度の予算案に必要な予算を計上しているところでございまして、引き続き科学技術イノベーション政策を強力に推進してまいりたいと考えております。
○井上義行君 そこで、やはり切っても切れないのが予算であります。幾ら研究をするという取組があっても、そこに予算として裏付けがなければならない。 そこで、平成二十八年度予算というのは、こうしたイノベーション25で取組を経て、どれだけその予算として反映をしているのかをお聞きしたいと思いますが、統括官、お願いします。
○政府参考人(森本浩一君) 予算につきましては、科学技術基本計画の中に、GDP比一%、二十六兆円という目標が掲げられております。これを毎年度の予算編成のプロセスにおきまして着実に措置していくと、これが重要であろうかと考えております。 それで、その中で特に重点的に省庁が連携をして取り組むべき事項ということを特定をいたしまして、これを重点化対象施策という形で取りまとめております。それを反映した総合戦略二〇一五の中にも、ただいま申し上げました例示のような様々な社会実装を目指したプロジェクトを盛り込んでおります。これらを着実に推進して、我が国の国際競争力、新しい産業の創成、こういったものにつなげていきたいと考えております。
○井上義行君 私は、そのときにできれば額を、トータルとして今答弁がありましたけれども、今年度はこのぐらいの予算が付いて更に研究を進めるということをやはり私は言った方がいいんだろうというふうに思いますが、もし手持ちであればちょっと言っていただきたいと思いますが。
○政府参考人(森本浩一君) 科学技術関係予算の総額でございますが、これは各省庁の全ての予算、それから地方分も加えたものでございます。二十八年度当初予算としましては三兆四千四百五億円でございます。これに加えまして、二十七年度の補正がございましたので、補正予算の千五百二十一億円を合わせますと三兆五千九百二十六億円ということになっております。
○井上義行君 そこで、とかく日本は、昔、二十五年ぐらい前でしたかね、私も日本学術会議にいたときに、応用科学というのは非常に日本はお家芸で非常にすばらしいものがあるんだけれども、基礎研究はなかなかできない。そこから、私も当時提案をして、基礎研究の強化ということで、それがだんだん実ってきて、ノーベル賞を取る方々も非常に出てきたと。 そこで、ちょっとこの中で、法案で、どう読むのかなというのがありまして、政府は、通則法及び個別法の運用に当たっては、その研究開発が国際的な競争の下で行われていることその他の特定国立研究開発法人による研究開発等の特性に常に配慮しなければならないということが書いております。 これは、当然、国際的な競争の中で、日本もいち早く、その競争の中で早く研究成果を出して、世の中に出すことによって成果を得られるものと、そして、競争力のない分野で新たなイノベーションが立ち上がって、そこで成果が、得るものがあるというふうに思うんですね。通常、並列的に見るというよりは、条文によると、「その他」ということになると、国際競争力が主にシェアを占めていて「その他」というふうに読み取れてしまうこともあると。そうすると、日本独自で基礎研究で新たな成果を得るもの、独自のもの、こうしたものが置いていかれてしまうんじゃないかなというふうに感じている人もいるかもしれませんので、そこはそうではないよということを是非お答え願いたいと思うんですが、統括官、お願いいたします。
○政府参考人(森本浩一君) お答え申し上げます。 国民が豊かで安心して暮らすことができる社会を実現するためには、科学技術の著しい水準の向上を図り、経済社会情勢の変化に対応して産業競争力の強化を図っていくことが重要でございます。 他方、こういう応用研究や実用研究はもちろんなんですけれども、競争すべき分野と協調すべき分野というのがございます。イノベーションの源泉となる基礎研究につきましても、これを着実に実施していくことで世界最高水準の研究開発成果を持続的に創出し続ける、こういう必要があろうかと思っております。 この法案の第八条に研究開発の特性に常に配慮するということがうたわれておりますけれども、この趣旨は、基礎研究にも怠りなく継続的に取り組んでいくことが重要であると、こういうことを意図したものでございます。 特定国立研究開発法人には長期性、予見不可能性、不確実性への配慮が強く求められていることに鑑みまして、短期的な成果主義ばかりにとらわれず、中長期的な視点で、試行錯誤を行いながら実施する基礎研究についてもしっかりと取り組んでいくことが重要であると考えております。
○井上義行君 まさに答弁のあったように、中長期の分野だからこそやはり国としての役割があるんだろうというふうに思います。やはり民間で中長期で研究をするというのは、相当体力がないと維持できない。どうしてもやはり民間の場合には早く結果を出さなきゃいけないということで、中長期をやっている会社もありますが、やはり少ない。その中で短期的な研究、応用的な研究にならざるを得ない。 そこで、私はずっと、これ政治家になる前からです、持論なんですけれども、これはむしろ政治家同士で議論をしなきゃいけないところだと思うんですが、例えば道路だと、この道路をこうやって引きますよというと、国庫債務負担行為というのがあって、やはりそこは予算としての裏付けがあるわけですね。そのことによって、ここがいわゆる道路になるなということで、その周りの地域や民間がいろいろ参入をして自分のアイデアでやっていく。一つの国としての計画によって新たな経済を掘り起こすということで、しかも工事は長期にわたっていくので、その予算の裏付けとして国庫債務負担行為があると。この国庫債務負担行為というのは非常に厳格で、使い道に当たっては法律によって厳格になっている。それは一つの財政規律の中で私は必要だとは思うんですが、ただ、こうした中長期にわたる研究というのはやはりすぐに結果が出ないわけですね。 そこで、僕がイノベーション25の必要性を訴えたのは、やはり中長期にわたって日本がこの分野をつくり出すと、まだ見えていない。例えば、もう二十五年先の商品というのは多分もうできているんですよ。ただ、市場がそれを先に出してしまうと、いわゆる次の製品が売れないので、止めている部分もあるんですね。しかし、国がやらなきゃいけないのは、そういう研究開発、研究者がまだできていない、まだ完成していない分野を、そこをつくり出すことこそやはり国の役割があると。そこで、どうしても見えない分野ですから、どうしても予算の査定でも非常に難しいとは思うんですけれども、やはりイノベーション25というのを閣議決定をするわけですから、やはりこの分野で、やはり大きく日本というのは中長期にわたってこの分野を成長させていく、つくり出していく、そこで内閣の意思があるわけですから、やはりこうしたことを、国庫債務負担行為は私は認めてもいいんじゃないかなというふうに思っています。 そこで、なかなか事務方で答弁をするのは難しいと思いますので、ここには政務官来ておりますので、是非前向きの答弁をお願いしたいと思います。
○大臣政務官(大岡敏孝君) 井上先生にお答えを申し上げます。 先生御指摘のとおり、現在、国庫債務負担行為としてやっておりますのは、道路とかダムとか、こういう非常に工期が複数年度にわたるような公共事業、あるいは生産そのものに年限が掛かる防衛装備品の調達などに国庫債務負担行為を主に使っておりまして、先生御指摘のこの科学技術分野で申し上げますと、国際宇宙ステーションですね、あれの日本の補助金といいますか負担金といいますか、あの部分にも国庫債務負担行為を使わせていただいております。 まさに井上先生御指摘いただきましたとおり、日本の科学技術イノベーションにつきましては、日本の成長戦略にとってもまさに礎と言えるものでございまして、今後とも重要な分野だと考えております。 一般会計の中の科学技術振興費につきましても、これ厳しい財政事情の中ではございますが、平成元年と比較しますと現在約三倍に増加してきていると承知をしております。また、この分野の成果というのが必ずしも短期的に開花するわけではなくて、長期的な視野に立った成果の実現が必要だという認識を私どもも持っておりまして、そのため、科学技術基本計画を五年ごとに策定して、政府として研究開発投資の在り方を決めていただいておりまして、当然財務省もそれに沿って行動させていただいているところでございます。 先生から御指摘いただきましたこの国庫債務負担行為の更なる活用につきましては、確かに先生が御指摘いただいたように成果もありますし、一方で、少し私たちに身近なところでいいますと、例えば野球選手の複数年契約がメリットもあればデメリットもあるといういろんな指摘もございますので、やはり税を有効に使う、ちゃんと成果を出していくという視点からも、このメリット、デメリットもよく見ながら今後も国庫債務負担行為をよく検討してまいりたいと思いますし、同時に、財務省的に申し上げますと、これが後年度の子供たち、次の世代の負担を硬直化させてしまわないかという懸念もございますので、そうした少し幅広に先生の御意見も含めて検討させていただきたいというふうに思っております。
○井上義行君 是非、前向きなその検討という言葉が出ましたので、やはり先ほど言った箱物とか、見えるものというのは比較的分かりやすいから、国庫債務負担行為いいでしょうというのがあるんですけれど、この研究分野って、まあ人工知能もそうですよね、もう二十八年前ですかね、当時、東大の猪瀬教授が非常に人工知能のことを研究をしていました、でも見えないですよね。どうなっていくかという形、自分で考えていくという分野ですから。 あるいは、さっきの言われたiPS細胞もそうですけれども、やはり中長期にわたって予算ができると、新しい人材、いわゆるプロジェクトでやっていきますので、いわゆる足らない分野をやはり外国から呼んできたりいろんなことができて、十年掛かるものが五年でできるかもしれない、あるいは三十年でできるものが二十年でできる可能性もありますので、やはりこうした見えない分野にもしっかりとやっていただきたいというのと、そして、最後になりますけれども、イノベーション25ができて、もうあと九年になりましたね。やはりここは新たなイノベーション、私はイノベーション40という新たなやはりこうした方針を作るべきなんじゃないかなというふうに思います。今イノベーション25で、その二十五年後に向けて加速化して、iPS細胞も五年早くその研究成果も出てきています。そうした二五年を超えて二〇四〇年、もう若い研究者はもしかしたら見えているかもしれない。こうしたことをいち早く取り組んで、世界に負けない日本のイノベーションをつくっていかなきゃいけない。 そこで、島尻大臣に最後に、イノベーション40を策定するかどうかについてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(島尻安伊子君) 御指摘のとおり、科学技術イノベーション、我が国の経済の礎として今後も大事なところでございまして、新アベノミクス三本の矢の一本目であります生産性革命の実現に不可欠なものだというふうに考えています。 本年一月には、イノベーション25で掲げる研究開発成果を社会実装につなげるという考え方を発展させました第五期の科学技術基本計画を作成させていただいたところでございます。この計画におきましては、サイバー空間とそれからフィジカル空間を高度に融合させて、地域、そして年齢、性別、言語による格差なく、人々が生き生きと快適に暮らすことができる未来の社会像として、ソサエティー五・〇、超スマート社会の実現を掲げているところでございます。 このソサエティー五・〇や対GDP比一%、今、予算大事だという御指摘がありましたけれども、GDP比一%、二十六兆円という政府研究開発投資目標の実現のためにも、政府全体としてイノベーションによる未来の姿を国内外に分かりやすく発信していくということが極めて重要だと私も認識をしているところでございます。 このイノベーション25には、伊野辺家の一日という分かりやすい情報発信がございました。私もこれ大変評価させていただいておりまして、これを参考にさせていただいて、例えば本年の科学技術白書において二十年後の未来像を分かりやすく描く予定というふうに承知をしておりまして、是非井上委員にも御期待をいただきたいというふうに思っております。 今後も、安倍内閣が掲げます世界で最もイノベーションに適した国日本というものに向けて、科学技術イノベーション政策を強力に推進してまいりたいと考えております。
○井上義行君 終わります。
○風間直樹君 よろしくお願いします。 ちょっと順番変えまして、一番最後の問いからお尋ねをしたいと思うんですが、衆議院でのこの法案の審議の議事録を拝見していまして、ちょっともう少し詰めておいた方がいいという点です。 特定国立研究開発法人の対象法人候補、この選定ですが、総合科学技術会議、現在CSTIというそうですけど、ここで平成二十六年三月、理化学研究所と産業技術総合研究所が選定されたと。その後、平成二十七年十二月、物質・材料研究機構が追加されたと。 この物質・材料研究機構の追加ですが、この対象法人の選定に当たったCSTIのメンバーである、橋本和仁先生とおっしゃるんですかね、この方がその直後の今年一月に物質・材料研究機構の理事長に就任をされているということで、この件が衆議院の審議でも取り上げられています。で、島尻大臣答弁されていますが、橋本さんは現在もCSTIのメンバーでいらっしゃるわけですけれども、衆議院で質疑が出たのは本法律案上の利益相反のおそれについてと。これに対して政府側は、こういった場合、事前に自分がどこと利益相反があるのかということをあらかじめ申告してもらっている、そのときには審議に参加しない、あるいは表決に参加しないと、こういうことを徹底しているという答弁されているんですが、今回の橋本さんのケースで利益相反があるのかどうかということを事前に申告してもらったかと思うんですね。その内容、詳細についてまずは御答弁いただきたいというのが一点目。 二点目は、これは橋本さん御本人がCSTIのメンバーとして物質・材料研究機構の追加を選定されて、その直後に物質・材料研究機構の理事長に就任されているわけですから、この対象法人の追加の過程に自ら加わっていらっしゃる、で、理事長に就任されていると。これがお手盛りという批判を招かないものか、なるのかどうか気になるところなんですが、この点について政府がどう認識されているか。 以上二点、御答弁お願いします。
○国務大臣(島尻安伊子君) 委員御指摘のように、衆議院でもこの議論があったということは事実でございまして、総合科学技術・イノベーション会議の有識者議員は、議員個人として科学技術に関して優れた見識を有する者が選ばれるものでございまして、個別の所属機関を代表する立場で任命されているわけではございません。 一方、学界、産業界等からそれぞれの分野の第一線において活躍されている方々が選ばれているということでございまして、結果的に会議の審議テーマとなる政策等の対象となる活動に関係する立場となって、利益相反との誤解を生じさせかねない場合も起こり得るというふうに考えられます。 これまでも、政策や予算等の資源配分、そして研究開発事業の評価に関する議論で有識者議員が所属する法人に関連する個別の案件が含まれる場合等には議論及び表決への参加を遠慮していただくなど、利益相反と誤解を生じさせないよう適切に対応させていただいたところでございます。 なお、御指摘の橋本議員には、本法案に定める基本方針に関する議論を総合科学技術・イノベーション会議において行う際には参加いただかないといった対応を今後行っていきたいというふうに考えております。誤解のないように、利益相反との誤解を生じさせないよう、適切にきちっと対応していきたいというふうに考えています。
○風間直樹君 これは政府委員の答弁で結構なんですけど、衆議院の答弁では、先ほど言いましたように、事前にその方自身がどこと利益相反があるのかを申告してもらって、利益相反がある場合には審議に参加しない、表決に参加しない、こういう手はずを整えていると。今回、橋本さんの場合には具体的にどうだったんでしょうか。
○政府参考人(森本浩一君) お答え申し上げます。 この特定国立研究開発法人の考え方の改訂版を議論したのは、昨年十二月十八日の総合科学技術・イノベーション会議でございました。このときの議論には、物質・材料研究機構を新たに追加するということを決定したわけでございますが、そのときには橋本議員からの発言は特にございませんでしたという事実を申し上げたいと思います。
○風間直樹君 私は橋本和仁さんという方は存じ上げませんし、この法律案の審議でお名前も初めて拝見したと。私自身が文系の人間ですので、理系のことには余り詳しくありません。ただ、国会議員の務めとして、衆議院でこういった議論が出ている以上、法案の審議上そのチェックをするというのは重要なことですので、定性チェックとしてお尋ねをしています。 今の御答弁ですと、橋本さんが利益相反があるということが分かったので議論に参加されなかったということなんでしょうか。
○政府参考人(森本浩一君) お答え申し上げます。 分かったからというより、これは御本人が申告し、そして自制をし、自律的にマネジメントするべきものだと思っております。 当時、橋本議員は東京大学の教授でございました。そして、まだ物質・材料研究機構の理事長には就任しておりませんでしたので、その前の話でございます。
○風間直樹君 いや、それはそのとおりなんです。ただ、CSTIのメンバーとして橋本さんがこの物質・材料研究機構の対象法人追加の検討に加わられて、その後、当該機構の理事長になられたということですので、その過程の透明化をこの審議で図りたいというのが私の意図、趣旨です。 いま一度確認しますが、まず橋本さん御本人からの申告があったのかどうかというのが一点目。二点目は、その申告に基づいて、政府として橋本さんがこの対象法人の選定追加に際してその対象法人と利益相反があるのかどうかということをどう判断したのかというのが二点目。三点目は、その結果、利益相反があるので、橋本さんが御本人の判断としてこの審議に参加せず、表決に参加しなかったのか。以上三点、御答弁お願いできますか。
○政府参考人(森本浩一君) お答え申し上げます。 この利益相反マネジメントは、まさに自主的に申告をし、そして自律的に抑制的に対応するということが基本であろうかと思います。したがいまして、これを決めたとき、あるいはそれに至る議論のさなかにおきましては、橋本議員は参加されなかったという事実がございます。そういう意味で、本人が自制的に対応されたのではないかというふうに考えております。
○風間直樹君 利益相反があった、なかったの判断は、政府としてはどういう判断だったんですか。
○政府参考人(森本浩一君) 利益相反が生じるという疑念を抱かせないような対応を取るということが基本であると考えておりますので、政府としてそれを判断したということではなく、自制的に自主的に判断されたということでございます。
○風間直樹君 そうすると、これは、この法律案やそれに先立つ閣議決定の内容などに鑑みれば、御本人の判断もこれは当然必要だし、それも大事なことですが、さることながら、政府としてどう判断するかということも、当然その判断、認識を国会から確認をされる、またどういう判断をしたのか求められるということになります。 政府としては、どういう判断をされたんでしょうか。
○政府参考人(森本浩一君) そのように物質・材料研究機構を選定する議論の過程において御本人が参加されませんでしたので、これに対してそれがおかしいという判断をしているわけでもございませんし、そういう自制的なマネジメントが行われたというふうに判断しております。
○風間直樹君 ちょっと済みません、私、余りこの質問を長くやるつもりないんですが、まだ御答弁が明瞭にならないのでもう少し確認をします。 まず、ちょっと手順として、順番としてはこういうことだったと思うんですが、衆議院の答弁に基づきますと、まず事前に橋本さん御自身がどこに利益相反があるのかということをあらかじめ政府に対して申告されると、こういうふうに衆議院の審議では政府参考人が答弁をされている。この申告に基づいて、政府が橋本さんとこの追加された対象法人との利益相反を当然確認をされていると思うんですが、その確認結果はいかがだったんですか。
○政府参考人(森本浩一君) 私が衆議院で申し上げたのは、様々な事例がございます、事業の評価あるいは新しい政策の立案、そういう様々な場面において、そういう利益相反という疑念が生じないようにするというための様々な方策を例示的に挙げさせていただいたということでございます。 したがって、必ず申告を文書で行わなければいけないとか、そういうことが決まっているわけではございません。したがいまして、この場合は橋本議員が自主的に審議に参加しなかったということでございます。
○風間直樹君 そうすると、橋本さんからこの件での利益相反に関する申告はなかったという理解でいいんですか。
○政府参考人(森本浩一君) 申告を何か文書で出さなければいけないというルールにはなっておりませんが、そういう一般的な利益相反をきちんとしようという申合せといいますか、そういうことはしております。
○風間直樹君 ちょっと質問の仕方を変えます、答弁がよく分からないので。 これ、ひょっとするとこういうことですか。CSTIで対象法人を選定する際に、既に内々この橋本さんの物質・材料研究機構への理事長就任が決まっていた、だから橋本さんがこの選定会議では御自身の判断として発言をされなかったと、こういうことですか。
○政府参考人(森本浩一君) 橋本議員が理事長に任命されるかどうかというのは、これは文部科学大臣の所管の話でございますので、文部科学大臣がそういう委嘱行為といいますか任命行為をされたのは一月に入ってからでございます。 したがいまして、それまでの間は、それは橋本議員が理事長になるかどうかというのは公表されておりませんでしたし、御本人の対応ということで、我々は利益相反があるかどうかということを自主的、自制的に御本人が判断されたということをもってその議論には参加されなかったんだということが分かったということでございます。
○風間直樹君 多分、今私が言った推測が当たっているんでしょうね。 この橋本さんが物質・材料研究機構の理事長に就任されたのが今年一月、CSTIにおいて選定をされたのが一月前の十二月ですから、一か月しかない。年末年始の休みを考えれば、当然もう大臣としてはどなたを理事長に指名されるか内定をされているはずです。ですから、これは別に不自然なことだとは思わないので、私はこの点追及する気はないんですが、事務方としては、橋本さんが来月にはこの新たに選定される物質・材料研究機構の理事長に就任されるということを前提として、CSTIにおいてこの機構の追加選定をされているという流れなんだろうと思います。 ただ、問題は、これ税金を使って運営する独立行政法人ですので、当然国民に対してその役員の選定については透明性を確保しなければいけない。その役員の就任に関して国会で質問が出た場合には、それをクリアに明瞭に説明する責務が森本さんにも大臣にもおありになると思います。 今日、私の質疑四十五分間なんですが、最初の十五分ぐらい使ってまだ明瞭になっていないので、ちょっともう一度大臣の方から、今までの参考人の答弁も踏まえてポイントを整理していただけますか。
○国務大臣(島尻安伊子君) 利益相反ということ、そういった誤解を生じさせないように説明責任を果たすというのは、これは当然のことだというふうに思っております。 今御指摘をされているところでありますけれども、橋本議員は、CSTIの前に、総合科学技術会議の有識者議員として平成二十五年三月から二十七年の二月まで任期二年、そして引き続いてこのCSTIですね、今おっしゃっておられますCSTIの議員として引き続き平成二十七年三月から平成三十年の二月までの予定で、これ任期三年ございますので、ここで任期を全うして私はいただきたいというふうには思っているんですけれども、その中で今回の特定国立研究開発法人の法案があり、どの法人を認定するかという議論が起こったというか、その議論がございます。 その中で、先ほども申し上げましたけれども、やはりこういった我が国の科学技術の第一線で活躍なさっている方々がこれまでも有識者議員に選ばれているということがあって、結果的にこの会議の審議テーマとなります政策等の対象となる活動に関係する立場となって、利益相反との誤解を生じさせかねない場合も起こり得るというのは、これは可能性としてあるという中にあって、申し上げたいのは、先ほども統括官からもございましたけれども、どの法人を認定するかの議論の中で、まずは平成二十七年十二月十八日のどの法人を認定するかの議論のときに、物質・材料研究機構を新たに追加することとした際にまず橋本議員からの発言はなかったということ、これは一つ事実として御理解いただきたいと思います。その当時、橋本議員は東大の教授であって、物質・材料研究機構の理事長ではなかったということも是非御理解いただきたいと思っております。 まずはどの法人を認定するかというのが順番としては先に来るというのはこれ当然の順番だと、手続だと思いますし、その後、それではどなたがふさわしいかの中で橋本議員が物質・材料研究機構の理事長にその後就任なさったということでございますので、手続上、私も誤解を生じさせないためのこの御説明は御理解いただけるというふうに思いますし、今後もいろいろな政策を決定する場で橋本議員がその発言をというところは御遠慮いただくということになっておりますし、それ以外にも誤解を生じさせないようにきちっと対応をさせていただきたいというふうに考えています。
○風間直樹君 これ、政府委員の方の答弁で結構なんですが、総合科学技術会議、あるいは今大臣おっしゃったCSTIというんですか、これはあれですか、国会同意人事の対象となるあれでしょうか、組織でしょうか。
○政府参考人(森本浩一君) 御指摘のとおりでございます。
○風間直樹君 そうすると、参考までにこのメンバーの方への報酬は、月額でも年額でもいいんですが、お幾ら支払っていらっしゃいますか。
○政府参考人(森本浩一君) 常勤議員と非常勤議員がございます。橋本議員は非常勤議員でございます。これは日額幾らということで、その審議に参加したときに、その報酬といいますか謝金といいますか、それをお支払をするという形になっております。
○風間直樹君 昨年、おととしになりますか、安保関連法案の審議に先立つ集団的自衛権の解釈改憲の閣議決定のときに随分国会で議論したんですが、あのときのいわゆる安保法制懇談会という組織は、これ国会同意人事ではなかったので、メンバー、委員の方への謝金というのが非常に低額な謝金だった、たしか一回当たり一万円そこそこだったと思います。過日、ノーベル経済学賞のスティグリッツ教授が来日されて官邸で安倍総理と懇談をされたときに、この教授への謝金が報道されて、それも同額だったと思います、一万円ちょっと。なぜかというと、これはもう政府の皆さんには釈迦に説法ですが、国会同意人事で承認された組織の役員の皆さんに対しては、これ国会議員が同意していますので、国民の代表の同意ということになりますから、この立場というのは非常に重い。したがって、この方々への謝金というものは極めて高額な金額が支払われる。ところが、そうではない、安保法制懇などの国会同意人事の対象ではない組織のメンバーに対してはそうではないということであります。 今御答弁いただいた総合科学技術会議やCSTIの非常勤の方というのは、一回当たりの会議参加で幾らの謝金を受け取られるんでしょうか。
○政府参考人(森本浩一君) ちょっと手元に数字がございませんが、一日当たり、私の記憶が正しければ大体三万円ぐらいだと思います。
○風間直樹君 非常に重い会議なわけですよね。委員の立場も重いと、国会同意人事の対象になっているわけですから。 私、衆議院の審議から今日の御答弁の流れを聞いていて思うのは、誤解のないように説明をしていきたいと政府はおっしゃるんですが、その説明が誤解を、まあ誤解があるかどうか分かりませんけれども、我々議員の質問に対して、その質問に対する明瞭な回答には十分なっていないという気がいたします。ですから、誤解のないように対応するにはこの場で明確な答弁が必要になるわけでして、そこはちょっと今日霧が晴れない感じがするんですね。 これ、願わくばですが、この橋本現機構の理事長、人格、識見ともすばらしい方でいらっしゃるんだろうと拝察をいたしますが、この物質・材料研究機構の追加選定に当たっては、一度CSTIの委員を外れていただいて、その上で同機構の理事長に就任されるのであれば、全く疑念もない、全く国会でこういう質問が出ることにもならなかったんではないかと思います。今日はこの質問はこの程度にしたいと思うんですけれども、今後、この対象法人を追加するなどの場合、今回のケースというのが一つのやはり教訓、検証材料になると思います。 今の私が申し上げた、橋本さんが、選定法人を議論したCSTIの場において、一度CSTIの委員を外れるべきだったんではないかという、この考えについては、大臣、どのように認識されますでしょうか。
○国務大臣(島尻安伊子君) その決定までの過程に関しては先ほど御答弁申し上げたとおりでございまして、私としてはこの決定の過程に疑義は生じないというふうに考えておりまして、それこそやはりこういった誤解が生じないようにしっかりと対応していくということだというふうに考えております。
○風間直樹君 今日、これまでの質疑は、今後のこの法律案、あるいはこれから可決、成立をした場合の法律の運営上一つの、参議院でこういう質疑が行われた、やり取りがあったという記録を残すためにさせていただいたわけでございます。 さて、ちょっと時間がなくなりましたので、質問項目のうち法律案に関する部分から始めたいというふうに思います。 問いの五番目かと思います。法律案の目的についてお尋ねをします。 本法案の「目的」では、産業構造及び国際的な競争条件の変化、急速な少子高齢化などに対応して、国民が豊かで安心して暮らすことができる社会を実現するためには我が国の科学技術の水準の著しい向上を図ることが重要であるという認識が示されています。ここで言う変化は、具体的にどんな状況を指すんでしょうか。また、科学技術が非常に発達した現代でもなお科学技術の水準の著しい向上が重要としているのはなぜでしょうか。
○国務大臣(島尻安伊子君) 我が国を取り巻く経済社会は、科学技術の進展、そして特に近年の情報通信技術の急激な進化によりまして、既存の産業構造や技術分野の枠にとらわれない新しいビジネスや市場が生まれまして、人々の働き方それからライフスタイルなどが急速かつ不可逆的に変化をし続けております。こうした変化に適切に対応して新たな未来を切り開いていくために、科学技術イノベーションに大きな期待が寄せられていると認識をしております。 また、グローバル化が進展いたしまして、国や組織を超えた知識、技術を積極的に取り組むオープンイノベーションが重要視されるなど、科学技術イノベーションをめぐる経済社会構造が変化する速度はますます加速をしております。こうした変化が国際競争をより一層激化させつつございます。 このようなグローバル化した経済社会の不可逆的な変化は、我が国のみならず世界的規模で課題を増大させるばかりか、それらが複層的に絡み合って諸課題をより複雑化させているというふうに承知をしております。具体的には、資源の枯渇あるいは地球的規模の環境の変動などなど、社会の持続可能な発展に向けて解決していかなければならない課題が複雑化そして深刻化しつつございます。なお、我が国を含む先進各国が、諸新興国ですね、における経済財政をめぐる環境が一層厳しさを増しつつございます。これらのこういった諸課題に対しまして、科学的な根拠を持った処方箋、ソリュージョンによって適切に対応していくということが求められております。新たな未来を切り開いて国内外の諸課題を解決するためにも、科学技術イノベーションの推進は国家の重要政策の一つとして更にその重みを増してきているものと認識をしております。 科学技術が高度に発達した時代であるからこそ、国力を直接左右する科学技術の水準の著しい向上がますます重要になってきていると考えております。ただし、単に科学技術の推進を図るのではなくて、科学技術が経済社会へ与える影響というものをきちっと見極めながら対応していくということが重要だと考えております。
○風間直樹君 次の質問ですが、特定国立研究開発法人については国家戦略との連動性を高めるという説明がなされています。国家戦略というのは何を指しているんでしょうか。
○国務大臣(島尻安伊子君) 特定国立研究開発法人におけます今御指摘の国家戦略でございますけれども、これは、端的に申し上げるなら、政府が閣議決定する科学技術イノベーション政策に関連する各種の政策文書のことを指しているというふうに言えると思います。 政府の政策文書の具体例といたしましては、科学技術基本計画、あるいは科学技術イノベーション総合戦略、そしていわゆる成長戦略と言われますけれども日本再興戦略、そして経済財政運営と改革の基本方針です、いわゆる骨太の方針と言われますけれども、これらが挙げられるというふうに考えています。
○風間直樹君 時間の関係がありますので、先に衆議院の修正案についてお尋ねをしたいと思います。中根衆議院議員、よろしくお願いします。 まず、この法案第六条第二項で、研究者等の給与その他の処遇について、優秀な人材の確保並びに若年の研究者等の育成及び活躍の推進に配慮して行うことを追加した、その理由を御説明をお願いします。
○衆議院議員(中根一幸君) ありがとうございます。 科学技術イノベーションの創出が持続的に行われるためには、ポストドクターを始めとする若手研究者の育成と、次代の科学技術イノベーションの担い手である優れた人材の確保、これは当然ですが必要なことでございます。 しかしながら、例えば任期付きのポストドクターは雇用が不安定であるため、このキャリアパスが不透明な状態でございます。また、テニュアトラック制度、普及しつつはあるんですが、まだまだ若手研究者が自立的に研究を行う環境には十分に整備されていない状況でございます。このため、政府では、閣議決定した第五期の科学技術基本計画におきまして、大学及び公的研究機関に対しては、ポストドクター等として実績を積んだ若手研究者が高い能力と意欲を最大限発揮できるよう、任期を付けないポストの拡充を求めていると承知しております。 このような現状認識の下、今般、議員提案により、本法案の第六条に、優秀な人材の確保並びに若年の研究者等の育成及び活躍の推進に配慮して行うことという、この文面を追加することとしたのは、特定国立研究開発法人が他の公的研究機関等に先駆けてテニュアトラック制度の普及促進などを進め、若手研究者の競争的な環境を確保しつつ、雇用の安定性の向上と、そして若手研究者が自立的に研究を行う環境の整備を両立できるよう、政府に必要な措置を講じるなど十分配慮を求めたものでございます。
○風間直樹君 続けてお尋ねをします。 附則の第五条ですが、この検討規定を修正した理由、御説明お願いします。
○衆議院議員(中根一幸君) ありがとうございます。 今お話ありました附則第五条についてですが、政府案は当初、「特定国立研究開発法人の範囲を含め、特定国立研究開発法人に関する制度の在り方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるもの」としていたところであります。この政府案の規定ぶりだと、特定国立研究開発法人制度に限った見直し、例えば特定国立研究開発法人として指定する対象法人の見直しやまた特例規定の改正といった見直しなどにとどまるかのような狭義に解釈される可能性が、衆議院の内閣委員会において、この法案審査に際して議論となったわけであります。 しかしながら、衆議院の内閣委員会の理事、与党理事また野党理事との協議の結果、今後、特定国立研究開発法人の制度の施行状況を踏まえた検討の中で何らかの改善すべき点が見出されれば、これが独立行政法人通則法など本法案以外の法令等に関連する場合には、本法案のみに関わる改正にとどまらず、関連する法令の改正を要否を検討することが必要になるものと共通の認識が得られたところでございます。これを受けまして、特定国立研究開発法人制度の見直しにとどまらず、より広い見地からの見直しの必要性について条文上明確化することが必要になってまいりましたので、関連する制度の在り方について検討し、その結果に基づいて、所要の法改正を含む全般的な検討を加え、必要な措置を講ずるものとの条文修正の動議を行ったものであります。 ちなみに、この当該修正案は、自由民主党平井たくや議員外五名から、自由民主党、民進党・無所属クラブ、公明党、おおさか維新の会の共同提案として衆議院内閣委員会に提出されたものであります。また、衆議院本会議では、自由民主党、民進党・無所属クラブ、公明党、おおさか維新の会、生活の党と山本太郎となかまたちが賛同し、賛成多数により可決されたところでございますので、参議院の内閣委員会においても何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○風間直樹君 中根議員、ありがとうございました。議員への質問は以上でございます。ありがとうございました。 残りの時間使いまして、ちょっと先ほどの利益相反の件、気になることをもう一回詰めたいと思います。 ちょっとつらつら考えたんですが、大臣、こういうことなんですかね、ちょっと確認させてください。 橋本先生は、先ほども大臣おっしゃったように、平成二十五年三月から総合科学技術会議のメンバーを務められ、その後、この会議がCSTIに変わってからも引き続き務められていらっしゃると。平成二十七年十二月にCSTIの会議で物質・材料研究機構の追加選定がされた際に、先ほどの私の推測では、翌月にはもう橋本先生が追加選定される予定のこの機構の理事長に就任されることが内定していたので、当然、政府としては、この選定する場であるCSTIの会議では、橋本先生がこの追加選定に良いとか悪いとかそういう議論に加わられることは好ましくないという判断を多分されたんだろうと思います。この認識が正しいかどうかということをお尋ねしたいのが一点目。 それから二点目は、この二十七年十二月のCSTIの会議では、物質・材料研究機構の追加選定について表決はなされているんでしょうか。この表決には橋本先生は加わられているんでしょうか。
○国務大臣(島尻安伊子君) 今の委員の御質問に関しまして、平成二十七年十二月十八日のこの議論のときに橋本議員が物質・材料機構の理事長就任の内定があったかどうかということに関しましては、内定の事実はないというふうに申し上げたいと思います。 それから、同じくこの日の議論でございますが、そのときの採決というものはありませんでした。
○風間直樹君 そうすると、翌月、既に、物質・材料研究機構の理事長に橋本先生が就任されるわけですが、一月前のこのCSTIの会議ではその内定していたという事実はないと、こういうことでよろしいわけですね。 今日、この件議論させていただいて感じたんですが、この利益相反のおそれというのは、多分、今後も同様のその懸念や可能性が国会の場でただされるケースというのは出てくるんだろうと思います。今回のケースは、今日、大臣からもいろいろ御答弁いただきましたけれども、ちょっと質問者の懸念をクリアにする上ではいささか不十分だったのかなという感が否めないと思います。ですので、今後は、こういった利益相反に関する可能性がある場合の運用、人事の運用、それからCSTIの会議の運用、これもう少し配慮されたらいかがでしょうかね。その方が国会における審議もスムーズに進むのではないかと思いますし、国民の疑念というものもなくなるのではないかというふうに今日強く感じました。 大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(島尻安伊子君) もちろん、委員御指摘のように、疑われるということがないようにしっかりと対応をしていかないといけないということはもう当然だと思っておりますので、その点、また科学技術のみならず、政府としてしっかりと対応をしていくということは当然だというふうに思っています。
○風間直樹君 ありがとうございました。 以上で質問を終わります。
○山本香苗君 島尻大臣、よろしくお願い申し上げたいと思います。 法案に沿って質問させていただきたいと思いますが、第三条におきましては、政府は基本方針を定めることになっております。そのうちの二項の第二号においては、特定研究開発法人による研究開発等の促進に関して政府が講ずべき措置に関する基本事項を定めることとなっております。ここにどういう内容を規定することを想定なさっていらっしゃるのか。 併せてお伺いしたいんですが、ここにおいてしっかりと運営費交付金を確保していくと、一律に削減しない、拡充するんだといった方向性を私は明確に示していく必要性があると考えておりますが、島尻大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(島尻安伊子君) 本法案に基づく基本方針のうち、今委員からもございましたが、政府が講ずべき措置に関する基本的な事項については、現在、資源の確保、充実、それから独立行政法人通則法、個別法、本法の運用に当たっての配慮などについて記載することを想定をしているところでございます。 研究開発法人への運営費交付金は減少傾向にあるものの、研究や教育を支える基盤的経費が果たすこの役割というのは大変大きいというふうに認識をしております。このため、特定国立研究開発法人の基盤的経費であります運営費交付金を確実に措置することを目指しております。基盤的経費を確保した上で、基盤的経費の措置のみならず、競争的資金の獲得のほか、企業からの受託研究など特定国立研究開発法人の特性を生かした民間の資金の確保にも精いっぱい努めて、財源の多様化によって更なる財政基盤の強化を図る取組を行うということも重要かというふうに思っております。こうした考えを基本方針において明確に示していきたいと考えています。
○山本香苗君 ここが一つ大きな肝でございますので、是非明確に確実に、措置するじゃなくて拡充するという方向性も含めてしっかり書き込んでいっていただきたいと思います。 この二項の三号、こちらは体制整備について基本的事項を規定することになっておりますが、ここも何を規定することが想定されているんでしょうか。 私はここは、体制整備というからには、当然のことながら人的体制整備と、ここが入ると考えております。議論がこの後もあるかもしれませんが、要するにパーマネントの研究者を増やしていくんだと。長期的な人的体制の強化、基盤の強化ということ、ここについても、従来なかなか踏み込めなかったところまで具体的な新たな措置を規定していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(島尻安伊子君) 本法案に基づく基本方針のうち、体制の整備に関する基本的な事項については、現在、法人の長のリーダーシップの下でのマネジメント体制の整備、そして世界最高水準の研究開発等を実施するための体制の強化、そして適正な研究開発等の実施を確保するための体制の充実などについて記載することを想定しています。 科学技術イノベーションの創出が持続的に、パーマネントというふうにおっしゃっておられましたけれども、まさにそのためにポストドクターを始めとする若手研究者の育成と、そして次代の科学技術イノベーションの担い手であります優れた人材の確保というのが重要だというふうに考えております。 ただ、例えば任期付きのポストドクター、任期付きの方ですね、は雇用が不安定であるというために、キャリアパスが不透明な状況にあります。また、テニュアトラック制度というものが普及しつつあるとはいえ、若手研究者が自立的に研究を行う環境というものも十分に確立されていない、整備されていないということも指摘をされているところでございます。このため、政府といたしましては、第五期の科学技術基本計画におきまして、大学及び公的研究機関に対して、ポストドクター等として実績を積んだ若手研究者が高い能力と意欲を最大限発揮できるように、任期を付さないポストの拡充を求めているというところでございます。 さらに、今般、議員提案によって、本法案の第六条に、優秀な人材の確保並びに若手の研究者等の育成及び活躍の推進に配慮して行うことというものが追加をされまして、特定国立研究開発法人が他の公的研究機関等に先駆けてテニュアトラック制度の普及促進などを進めて、若手研究者の競争的な環境を確保しつつ、雇用の安定性の向上と、そして若手研究者が自立的に研究を行う環境の整備というものを両立できるように、基盤的経費の確保等を通じて政府が必要な措置を講じることなどが一層明確に求められることになったというふうに認識をしております。 政府といたしましては、この衆議院における条文の修正をしっかりと受け止めて、長期的な人材の育成そして確保の強化についても基本方針に規定していきたいと考えています。
○山本香苗君 今、島尻大臣から、基本方針において予算や人の手当てをして、研究環境整備ということをしっかり整えていくという御答弁がございました。 そこで、今日、冨岡副大臣にもお越しいただきましたけど、この基本方針に基づいて中長期目標を策定したり変更するのは主務大臣になるわけです。CSTIがかむといえども、主務大臣がその基本方針を受けてどういうことをやるかというところが大事になってくるわけでありまして、ここで是非、今御答弁ありましたけれども、この特定国立研究開発法人を所管する文科省また経産省それぞれ、今基本方針を受けて、こういう内容ですという話がありましたけれども、どう対応するつもりか、お考えを伺います。
○副大臣(冨岡勉君) 文部科学省といたしましては、先月、馳大臣から科学技術イノベーションによる未来社会創造プランを発表したところであり、そこでは、同プランにおいては、平成二十九年度の文部科学省重点事項として、一つ、国のミッションを確実に遂行するために、特定国立研究開発法人を始めとする国立研究開発法人の基盤的な経費である運営費交付金を、先ほどから問題になっておりますが、確実に確保すること、また、今後の産業競争力の鍵を握るナノテクノロジー、材料領域や人工知能領域等に係る取組の強化、挑戦的、非連続、革新的な研究開発の促進等を位置付けたところであります。 これらを踏まえ、具体的には、まず一つ、物質・材料研究機構においては、産業界、アカデミアの人材、資金、情報が集結する機能性材料や構造材料分野の産学官連携のオープンプラットフォームの形成や社会的なグローバル拠点の構築、二つ目として、理化学研究所においては、iPS細胞等を用いた再生医療研究や人工知能研究等の革新的な研究開発、百十三番元素の発見等の優れた研究成果の創出に貢献する研究開発基盤の運用等を推進するとともに、両法人においては、これは法案作成時に委員から御指摘がありました点を考慮して、これらの取組に必要な優秀な若手研究者の積極的登用と、優れた人材が長期的、安定的に活躍できる環境の整備に取り組むことを目指しております。 両法人が特定国立研究開発法人としての役割を着実に果たせるよう、文部科学省としても今後しっかりと取り組んでいきたいと考えております。
○政府参考人(星野岳穂君) お答え申し上げます。 特定国立研究開発法人には、優れた技術シーズを企業に橋渡しをしていくという取組の推進についても大いに期待されております。 産総研は我が国の国立研究機関におきまして橋渡しを先導する機関として位置付けられておりまして、この取組を推進することを第四期の中長期目標の最大の経営課題と位置付けてございます。この革新的な技術の橋渡しというものを継続的に実施していくためには、優れた基礎研究を行うことが不可欠でございます。特定研究開発法人に選定されますことにより、高度な研究人材への高い条件提示、研究開発における長期性あるいは不確実性などの特性に関する配慮について受けることが可能となります。具体的には、今回の選定によりまして、例えばAI、人工知能のように、成長の期待と企業の技術ニーズが高く、国際的に激しい人材獲得競争が起きている分野におきまして、世界的な研究者を産総研に招聘するために大胆な条件を提示することも可能になりますし、また、橋渡しを実施する企業の人材の方々を招聘する際にも、企業と劣らない好条件を提示するということによって人材確保が可能になるものと考えてございます。 この基本方針を受けました経営資源の確保、研究体制の整備と併せて、今回の枠組みを有効に活用いたしまして、優れた基礎研究の更なる推進、その成果への企業への橋渡し、それから、そうした成果から生まれます技術あるいは製品の国際的な市場開拓のための国際標準化に向けた取組についても強化をするとともに、人材の育成についてもしっかりと経済産業省としても産総研と連携をして進めてまいりたいと考えてございます。
○山本香苗君 是非この法律をてこにして各省で取り組んでいただきたいと思います。 次に、七条の関係でお伺いしますが、主務大臣の措置要求規定が入っております。これ、具体的な手続、どうなりますか。
○政府参考人(森本浩一君) お答え申し上げます。 法人に対して中長期目標を指示する立場にあるのは主務大臣でございます。したがいまして、この場合の迅速な対応を要求するのも、その当該法人の主務大臣ということになります。 当該要求に当たりましては、主務大臣が必ずしも持ち合わせていない最新の知識とか情報、こういうものを補うためにも、情勢に応じて、当該法人はもとより、当該分野における有識者であるとか、総合科学技術・イノベーション会議又は他省庁等の関係機関と事前に調整が図られるということが重要であると考えております。 なお、この規定の具体的な手続や運用方法については、委員の御指摘あるいは与野党内での御議論、こういうものを踏まえまして、基本方針の中で定めていきたいと考えております。 現時点で措置要求に関わるものとして想定している内容は、例えば以下のようなものがございます。措置要求の実施に必要な環境を整備すること、それから措置要求に関連した科学技術に関する知見を有する有識者の意見を踏まえること、それから、主務大臣と法人の長が十分な意思疎通を図って、法人の長から意見具申があった場合に有識者の意見も聞いて適切に対応することなどを規定することを検討しております。今後、法案の施行までに、こういう措置要求に係る具体的な手続を定めてまいりたいと考えております。
○山本香苗君 今の措置要求の環境整備の中に入ると思うんですが、措置要求しただけでできないというケースが出てくると思いますので、是非、具体的な措置要求した場合にそれを可能とする手だて、予算措置もセットで行うということも書いていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
○政府参考人(森本浩一君) 第七条の主務大臣の要求に関しましては、一義的には運営費交付金等の既存の資源によってその年度に定められた範囲で行うというのが基本でございますけれども、それだけでは足りない場合には適切な対応を取ることができないという場合もあり得るものと考えております。そのため、特定国立研究開発法人におきましては、民間部門からの資金確保も含めまして、財源の多様化といった財政基盤の強化を進めることが重要であると考えております。 その上で、当該法人内での資源配分に限界があり、当初、予算編成時には想定されていない、そういう事態が起こった場合など財政的な措置がやむを得ない場合には、緊急時対応が可能な競争的資金の活用や補正予算等の予算上の手当てなどを含めて、財政当局とも協議をして様々な可能性を探っていきたいと考えております。
○山本香苗君 しっかりと、措置要求するだけじゃなくて、それを可能とする手だても一緒にやっていくということが重要だと思いますので、十分そこは頑張っていただきたいと思います。 この手続の透明性、さっき事前調整するという話がありましたけど、やはりここの透明性の担保というのは重要だと思います。プロセスの公表ということはお考えでしょうか。
○政府参考人(森本浩一君) お答え申し上げます。 第七条に基づく主務大臣の要求が行われる場合に、法人は、内外の情勢の著しい変化に的確に対応するため、まずはその情勢変化への対応を最優先に行うと、これがこの措置要求の趣旨でございます。 他方、措置要求により実施した業務に関して、透明性を確保するというのが重要であることは申し上げるまでもありませんが、その法人の業務の進捗状況等に関する国民への説明責任を果たして実効性のある目標管理を行う、こういう観点から、措置要求を行った後は速やかに必要な中長期目標の改定、それからそれに基づく中長期計画の変更、こういったものが行われる必要があると考えております。 この変更手続の過程におきましては、法人所管省庁の審議会、あるいは総務省の独立行政法人評価制度委員会、それから総合科学技術・イノベーション会議による審議におきまして主務大臣の判断が検証されるということになろうかと思います。また、本条に基づく主務大臣の要求を受けて特定国立研究開発法人が対応した業務等につきましては、当該要求の背景であるとか経緯等を十分踏まえて、独立行政法人通則法に基づく業務実績評価の中で評価が行われるということになっております。こういう形で透明性を確保していきたいと考えております。
○山本香苗君 しっかり公表していただきたいんです。 それで、最後に、最後にというか、島尻大臣、科学技術担当ということでございますので、女性研究者の活躍の状況というのを、現状認識、大臣、どのように見ていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(島尻安伊子君) 多様な視点あるいは優れた発想を取り入れて科学技術イノベーション活動を活性化していくためには、女性の能力を最大限に発揮できる環境を整備してその活躍を促進していくということが不可欠であるというふうに考えています。 しかしながら、我が国の女性研究者の割合は、増加傾向にあるとはいえ、世界主要国と比較するといまだに低い水準にとどまっております。また、研究活動を継続する上で、女性であるということで、出産、育児あるいは介護などとの両立が大変困難な状況にあるということを認識をしております。 こうしたことから、この四月からスタートした第五期の科学技術基本計画において、自然科学系全体での新規採用割合に占める女性研究者の割合を、平成二十四年度現在二五・四%でありますけれども、この割合を三〇%にするということを目標として掲げるとともに、女性が研究とライフイベントとの両立を図るための支援や環境整備を行うことが必要だというふうに思っております。
○山本香苗君 是非やっていただきたいと思っていまして、冨岡副大臣に残っていただいたのは、文科省は文科省の科研費の改革をしまして、研究中断とか研究活動スタート支援事業とか様々やっていらっしゃるんですね。同じ科研費なんですけど、厚生労働省は事務処理要領にちょろっと書いてあるだけで、省庁をまたいだらこんなに違うのかというぐらい違うので、今日は鈴木さんに来ていただいておりますが、是非改訂して遜色ないような形で、縦割りにならないようにやっていただくと答弁するために、最後、済みません、よろしくお願いいたします。
○政府参考人(鈴木康裕君) 厚生労働科研費の事務処理要領について御質問ございました。 今回、議員御指摘いただいたように、分かりにくい、具体的でないということもございますので、文科省等の例を参考にさせていただきながら、関係規定の見直しを含めて、女性の研究者の方々が安心して産前産後の休暇、育児休暇を取得できるように環境づくりを推進したいというふうに思っております。
○山本香苗君 是非、一年ぐらい前のときにもそのような答弁があったんです、ですから、確実に文科省と連携取っていただいて同じにしていただくようによろしくお願いしまして、質問を終わります。
○山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。 私は、科学技術イノベーションに重要なのは、何よりも研究者の自由な発想と知的好奇心に基づいた基礎研究を充実させること、そして萌芽的研究成果、いわゆるシーズをたくさん生み出す環境を整えることだと考えますが、島尻大臣の認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(島尻安伊子君) 今委員御指摘のとおりだというふうに私も思っておりまして、研究者の自由な発想と知的好奇心に基づく基礎研究は、人類の新たな知の資産を創出するとともに、世界共通の課題を克服する鍵であって、その推進は科学技術イノベーションの基盤となるものと認識をしております。このため、この四月からスタートいたしました第五期の科学技術基本計画におきましても、研究者が腰を据えて研究に取り組める環境を整備すること、あるいは長期的な観点で成果の創出を見守るということが重要であるということに留意した上で基礎研究の推進を図ることとしております。 今後とも、中長期的な視点から知の基盤の強化を図るために、優れた基礎研究の推進にも努めていきたいというふうに考えております。
○山下芳生君 認識は一緒なんですが、そこで大臣に専門家集団からの二つの警告を紹介したいと思います。 一つは、文部科学省の科学技術・学術審議会学術分科会が昨年一月にまとめた学術研究に関する総合的な推進方策についての最終報告書であります。そこでは、最近ではイノベーションによる経済的価値の創造の側面が非常に強調されている、いわゆる出口指向の研究に焦点が当たりがちであるが、そのような出口は有限であり、学術的価値の創造基盤を欠けば早晩枯渇してしまう、基盤となる学術研究を維持強化することが必要であると。 もう一つは、日本学術会議が昨年二月に発表した提言であります。政府は、第四期科学技術基本計画によって競争的資金の一層の充実を図ってきた、しかし、運営費交付金や科研費を削り、基礎研究が担保されない状態で大型プロジェクトの競争的資金を偏重するのは、成功する見込みのある研究に研究者が拘泥し、萌芽的研究の芽を摘むことにつながる危険があると。 この二つ、非常に重要な指摘だと思いますが、大臣、この二つの警告、どう受け止めますか。
○国務大臣(島尻安伊子君) いわゆる基礎研究というのは、いつブレークスルーするか分からないという中で、先ほども申し上げましたように、やはり見守るということも必要だと思いますし、研究者が腰を据えてきちっと研究を進められる、そういう環境をつくっていくことは極めて重要だというふうに思っております。 他方、いわゆる時間的に、あるいは早く社会実装として世の中に出して、経済的なものの礎として早くいわゆるフィードバックといいますか、それを求められるということも実は科学技術には十分あるものだと私も認識をしておりまして、そのバランスといいますか、特に基礎研究をやっていらっしゃる方々からすると、ややもすると御自分たちのその研究の先行きが不安だというふうなお訴えになっていくということも十分認識をしておりまして、私としては、先ほども御答弁申し上げましたとおり、やはり基礎研究も大事ですし、あるいは早く社会実装して我々社会のいろいろ取り組まなければならない課題のソリュージョンとして実行するということも大事だというふうに思っておりますので、バランスということはしっかりと取っていきたいというふうに考えています。
○山下芳生君 バランスが崩れているんじゃないかという指摘なんですね。 それで、学術会議のこの提言の中には、日本はこれまでアジア地域では突出した数のノーベル賞受賞者を輩出し、国際社会において独創的で質の高い研究成果の創造により存在感と尊敬を確立してきたと、これそのとおりだと思いますね。重要なことは、基礎研究に従事する研究者が対象への強い知的好奇心を原動力として最善を尽くせる環境であるというふうに述べておられます。そのとおりだと思います。 思い出しますが、あの緑色に光るクラゲを海に出かけて家族ぐるみで採取する、そして、そのことによって、なぜ緑色に光るのか、その物質は何なのかということに、知的好奇心ですよね、別にそれが何になるかということから始まったんじゃないんです、その知的好奇心で研究したことが、この物質を突き止めて、それが医学の発展に非常に貢献したということでノーベル化学賞を受賞された、そういうことだと思います。 政府はこの間、研究機関が人件費や基礎研究活動を賄っていくための運営費交付金などの基礎的経費を、毎年機械的に、毎年一%あるいは毎年三%減らし続けてきました。これでは、基礎的研究に従事する研究者が最善を尽くす環境をじわりじわりと干上がらせていると言わざるを得ません。これをやめて基礎的経費を回復させなければ日本の科学技術を発展させる基盤が駄目になると、もう答弁求めませんけれども、警告しておきたいと思います。 今日は、別の角度から、ノーベル賞受賞者の山中伸弥京都大学iPS細胞研究所所長も問題提起している研究補助者、研究技術者の問題について質問したいと思います。 いわゆる研究支援者の役割の重要性、その人材育成の重要性について、島尻大臣の認識を伺いたいと思います。
○国務大臣(島尻安伊子君) 科学技術イノベーションを推進するに当たっては、これらを担う多様な人材の育成と活躍促進が求められておりまして、研究者はもとより、研究補助者やそれから研究施設整備等を支える技術支援者など、研究者の活動を支える人材の役割は極めて重要であるというふうに認識をしております。 しかしながら、大学と産業界などの間における人材の質的あるいは量的ミスマッチが生じているということもございまして、こうした職に就く人材は不足をしております。また、各人の持つ能力というものが社会の急速な変化に必ずしも対応できていないというふうに承知をしております。このため、第五期の科学技術基本計画におきましては、こうした人材育成の重要性を踏まえまして、各人の持つ高度な専門性を生かしつつ、適材適所で能力を発揮できる環境をつくり出すということを掲げております。 今後とも、我が国の科学技術イノベーション力を、持続的にこれを確保していくために、研究補助者や技術支援者など多様な人材の育成と活躍の促進に向けまして、関係省庁と連携してしっかり取り組んでいきたいと考えています。
○山下芳生君 元々日本では、研究者に対してこの研究支援者の数が非常に少ないということが言われております。山中教授も、iPS細胞の樹立というのは一人でできたわけではないということを繰り返しおっしゃっています。山中教授の研究ビジョンの下に、大学院生や技術者が一生懸命実験を繰り返してくれた。それから、技術員がネズミの世話もしてくれて、そしてiPS細胞を作る上で欠かせなかった様々な材料も作ってくれた、そうやって研究活動を支えてくれたと。山中教授は、何十年も掛かるかもしれない、僕が研究している間にはできないんじゃないかと思っていたところ、みんなの頑張りでできてしまったのがiPS細胞です、私だけでなくこの人たちのおかげでiPS細胞ができたというふうに述べておられます。そのとおりだと思います。 また、山中教授は、研究所所長として一番重視しているのは、研究支援者の雇用をどうやって少しでも安定させるか。四百人を超える教職員がいますが、大学の正規職員など安定した雇用の方は一割に満たず、九割以上が有期雇用と派遣職員で、これがなかなか変えられていない。このことの改善が国にお願いしたいことの一番なんだということを山中教授は繰り返しメッセージを発しておられます。 島尻大臣、この山中教授のお願い、どう受け止めますか。
○国務大臣(島尻安伊子君) 御指摘のとおりだと思っております。 なので、基礎研究をやはりしっかりと研究者が進めていっていただく、腰を据えた研究を進めていっていただく環境づくりという中には、やはりそういった支援者、支援研究員とか、いろいろな本当に多くの方の支援があって一つの成功事例が出ていくんだろうというふうに私も考えておりますので、そういう意味で、その基礎研究あるいは研究者が腰を据えて研究できる環境をつくる中にそういったことはしっかりと今後も考えていきたいというふうに思います。
○山下芳生君 そこで、今回の法案で、世界最高水準の研究開発成果の創出が期待される法人とされている産業技術総合研究所、いわゆる産総研での研究支援者がどういう実態にあるかについて質問したいと思います。 まず経産省に聞きますが、産総研での研究者の数、それから研究支援者の数、そして研究支援者の雇用の形態とその比率、どうなっていますか。
○政府参考人(星野岳穂君) お答え申し上げます。 産業技術総合研究所におきます研究者の数でございますが、平成二十八年、本年の一月一日現在で二千六百三十一名。そのうち、常勤の職員が二千二百五十八名、ポスドクや招聘研究員であります、いわゆる非常勤職員、契約職員でございますが、が三百七十三名となっております。 一方、御指摘の研究支援者でありますテクニカルスタッフとしての人員は千五百七十三名でございまして、その全ては非常勤職員、契約職員となってございます。
○山下芳生君 今答弁あったとおり、産総研の研究支援者、産総研ではテクニカルスタッフと呼ばれているそうですが、千五百七十三人全て非常勤の有期契約職員であります。 産総研の研究職員から伺った話ですが、このテクニカルスタッフやそれから事務職員が有期雇用やあるいは派遣会社からの派遣で経験が蓄積されず、したがって十分な仕事を任せられず、書類申請や物品購入手続なども研究者自らが行うことが必要になって、その結果、研究員の多忙化、研究時間の減少を引き起こしているということを聞きました。島尻大臣、これゆゆしき事態だと思いませんか。
○国務大臣(島尻安伊子君) 今のこの数についてはこのとおりなんだろうというふうに思っておりますが、先ほども申し上げましたとおり、やはり様々な方々の支援というか、研究補助者あるいは技術支援者など様々な人材の役割は重要であるというふうに改めて感じております。
○山下芳生君 残念ながらそうなっていないんですね、産総研では。 さらに重大なのは、この産総研ではテクニカルスタッフを契約期限が来たら必ず雇い止めにして再雇用を禁止しております。仕事があっても、プロジェクト研究が継続しても、契約期限が来たら雇い止めにするルールを作っております。 資料二枚目に、産総研の平成二十七年度以降の契約職員の雇用に係る説明会での配付資料を添付しております。ここにある第二号職員というのは研究支援者、テクニカルスタッフのことで、第三号職員というのは事務職のアシスタントのことであります。いずれも有期の契約職員です。 既に改定された労働契約法及び研究開発力強化法が施行されておりまして、有期労働契約で働く労働者の雇い止めの濫用を防ぎ、雇用の安定を図るために、無期労働契約への転換ルールというものが設けられました。 厚労省に伺いますが、研究支援者の有期雇用契約に関する労働契約法、研究開発力強化法の無期転換ルールの部分について簡潔に説明してください。
○政府参考人(山越敬一君) 労働契約法第十六条の無期転換ルールでございますが、これは、有期労働契約の濫用的な利用を抑制し、雇用の安定を図ることを目的としているものでございまして、同一の使用者との間で有期労働契約が通算で五年、研究開発法人等の研究者等につきましては研究開発強化法の特例により十年を超えて繰り返し更新された場合には、労働者の申込みによりまして無期労働契約に転換するというものでございます。
○山下芳生君 そういうルールがあるんです、雇用の安定のために。 ところが、支援研究者を含む研究者に対する、その十年を超えると無期労働契約に転換できることになったルールを無視するかのように、この資料二枚目の下の方の赤い波線、同一者の再雇用の原則禁止、平成二十七年度以降に産総研との契約が終了した者について再雇用できない、わざわざ書いてあります。要するに、産総研では二十七年度以降、最長十年の有期雇用契約が終了したら、無期転換の権利が生じないように、その前に再雇用を禁止して雇い止めにするという運用を行っているわけであります。 資料三枚目にも更に使われた資料を、QアンドAを添付しておりますが、左側の①、②の矢印のところを見ていただきたいんですが、クーリングというのがあるんですが、質問に、一つのプロジェクト期間で契約職員を雇用していた場合、当該プロジェクト終了後に新たなプロジェクトが開始したとしても、同一者を雇用することはできないのかと。回答、不可である、クーリング期間を挟んで再雇用するという手段はあるにはあると。 このクーリング期間というのは、これはもう脱法的な手法なんですが、六か月間の雇用期間の空白のことをいうんですが、この六か月の空白がありますと無期転換への通算期間がリセットされると。これ設ければもう十年たっていても十年じゃないとみなされるということでして、この②のところ、例えばユニットAで五年雇われていた二号職員、研究支援者、テクニカルスタッフのことですが、ユニットBの公募へ応募した場合、ユニットBはその者を雇用できないのかと。回答、雇用することはできない、雇う場合はクーリング期間を設ける必要があると。あくまでも無期雇用への転換ルールを適用されない形にして、だったらいいですよというふうにしているんですね。これは雇用の安定を図るという法の趣旨をゆがめていると言わざるを得ません。 こんなことを、経産省、許していいんですか。
○大臣政務官(星野剛士君) お答えいたします。 研究者が優れた研究を行うためには、高い技能を有する熟練の研究支援人材の確保、育成は重要だというふうに考えております。 産総研では、平成二十七年度から、第四期中長期目標期間の開始に際しまして、第三期から働いているテクニカルスタッフとも改めて契約を締結をし直しております。このうち約千名は本人が希望すれば無期雇用職員への転換が可能でありまして、産総研におけるテクニカルスタッフ業務の中で経験が必要とされる業務を担う者として期待をされております。 他方、研究所においては外部資金等の活用などによります期間や目的が限りがある研究開発も存在をいたしまして、第四期から新たに雇う契約社員につきましては、今後、こうした期間や目的が限られた業務等を中心に担ってもらうことを想定して、有期雇用としております。 再雇用を認めない方針としておりますけれども、組織全体で見ますと、熟練した技能を持っている、任期制約のない数多くのテクニカルスタッフを確保できるよう努めてまいっております。限られた予算という制約がある中で、無期労働契約に転換する契約社員が過度に増大することは望ましくないものの、産総研にとって真に必要なテクニカルスタッフが産総研から離れることも同様に望ましくないと考えております。 テクニカルスタッフの雇用の在り方につきましては、産総研にとって重要な検討課題であると考えておりまして、経済産業省としても今後産総研としっかりと意見交換をしてまいりたいと、このように考えております。
○山下芳生君 もう産総研の研究者からも、このやり方は研究支援者の使い捨てだという声が上がっております。実際に、産総研のテクニカルスタッフAさん、昨年、平成二十七年度いっぱいで雇用更新の上限期間が来るので、他の部署で働こうと希望したところ、断られて雇い止めにされております。産総研では、せっかく法定化された無期転換権が発生しないようにこういうルールを作っていると。 私は、今いろいろおっしゃいましたけど、新たにこれは、技術を支える、研究を支えるテクニカルスタッフの方で、ずっと続けてほしい、また続けていただきたい、能力がある方であっても、これから雇う方についてはもうこの道が閉ざされるということになるわけで、これは先ほど大臣がおっしゃった、島尻さんがおっしゃった趣旨にも反するやり方ですから。 大臣、これ是非経産省と相談して、こういうやり方はもうやめさせていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(島尻安伊子君) 今経産省から御答弁あったとおり、頑張っていただくということでもございますし、各機関における個別の運用については、法改正の趣旨等を踏まえまして、まずは当該機関やその所管官庁で適切に対応いただくということが重要だと考えています。
○山下芳生君 研究支援者の雇用の安定をという山中教授を始め現場からの切実な声に逆行するような産総研のやり方を放置しておいて、私は、世界最高水準の研究開発成果の創出を期待するなどというのは政府として恥ずかしいと言わなければなりません。 最後、もう時間が参りましたが一つだけ、科学技術の軍事利用について伺いたいと思います。 資料に入る前に防衛省に聞きますが、安全保障技術研究推進制度、それから防衛省が行っている大学や国立研究開発法人との技術協力の目的について、それぞれ説明してください。
○政府参考人(野間俊人君) お答えいたします。 近年、科学技術の著しい発展を背景にいたしまして、防衛技術と民生技術のボーダーレス化が進展しております。こうした防衛技術を取り巻く環境を踏まえれば、防衛装備品の効果的、効率的な研究開発を行う上では、防衛にも応用可能な先進的な民生技術、いわゆるデュアルユース技術を積極的に活用することが重要であると考えております。 このため、大学、独立行政法人の研究機関や企業等における独創的な研究を発掘し、将来有望な研究を育成することを目的に、防衛省が外部の研究機関等に対して広く研究課題の提案を募り研究を委託する安全保障技術研究推進制度を平成二十七年度に創設いたしました。防衛省としては、本制度を通じて外部の優れた先進技術を効果的、効率的に取り込み、将来の防衛省における装備品の研究開発に活用したいと考えております。 なお、本制度は、将来の防衛省の研究開発に資することを期待しているものでございますが、基礎的な技術分野における研究を対象としておりまして、装備品そのものの研究を委託するものではございません。 なお、先ほど申し上げましたように、防衛装備品の効果的、効率的な研究開発を行う上で、防衛にも応用可能ないわゆるデュアルユース技術を積極的に活用することが重要であると考えておりまして、そのため防衛省としては、防衛用途にも応用可能な技術分野を対象として、優れた技術を有する国立研究開発法人や大学といった研究機関との研究協力を実施しております。なお、こうした研究協力は、お互いに研究機能を補完する意義を認識した上で、お互いの技術研究に対するスタンスを理解、尊重しつつ自発的な意思に基づいて行われているものであり、今後ともこうした考えの下に研究協力を行う所存でございます。
○山下芳生君 資料五枚目に、今の防衛省の安全保障技術研究推進制度の平成二十七年度新規採択課題一覧を載せておきました。これ見ていただきますと、理化学研究所、宇宙航空研究開発機構、それから海洋研究開発機構など国立研究開発法人も入っているんですね。それから、その次のページに研究協力の一覧、ここにも国立研究開発機構が組み込まれております。こういう形で、基礎研究を、運営費交付金がどんどん削られる中で、基盤が脆弱にされる一方で、こういうやり方で防衛研究、軍事利用に科学技術が動員されつつあるということは、非常にこれは警告を発しなければならないと思っております。 もう時間が参りましたのでこれはもう今日はやめますけれども、戦後、科学者たちが、科学技術は軍事には転用しない、利用させない、平和目的のために私たちは研究をするんだということを繰り返し決議されておりますが、それと違う方向が、こういう実態が広がっているということについて警鐘を発して、質問を終わります。 ─────────────
○委員長(神本美恵子君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、世耕弘成さんが委員を辞任され、その補欠として赤池誠章さんが選任されました。 ─────────────
○江口克彦君 おおさか維新の会の江口克彦でございます。 島尻大臣、日頃大変御努力されておられるというか、一生懸命頑張っておられることに敬意をまず表しておきます。 理化学研究所による研究、健康寿命を延ばす医療技術、予防医療を普及、活用される分野として私は大いに注目をしています。人口減少社会に移行した今日、医療費、介護費の抑制というものは喫緊の課題ではないかと思っておりますし、また一億総活躍社会の実現という観点からも健康寿命を延ばすと。ただ単に長寿長寿と寿命を延ばすということではなくて、大事なことは健康寿命を延ばすことだというふうに私は認識をしているわけでありますが、その方法の一つとして、疾病の早期発見、早期治療、それから再発防止ということだと思いますね。それからもう一つは、総合医療の推進も含めて、予防医療、未病対策ですね、未病対策の推進というものも私は求められているというふうに思うんですけれども。 しかし、この早期発見とかそれから早期治療、早期再発防止、あるいはまた予防医療、未病対策というものの推進というのはすぐ実現できるかというと、なかなかこれは研究に研究を重ねていかないと、時間も掛かるテーマではないだろうかというふうに思っているわけです。 私は以前から、ここでもほかの委員会でも、また本会議でもずっと言い続けているんですけれども、筑波大学で研究されているホウ素中性子がん治療装置、がんの治療装置ですけれども、この実用化が今期待されると、されている段階になっているわけでありますけれども、これは相当時間が掛かっているわけですね、相当時間が掛かっている。しかし、これが前に進んだのは、国の補助が相当呼び水になったということは事実でありますし、筑波大学の担当の研究者あるいはまた博士からも教授からも非常にこの補助金に対して評価をしておられましたけれども、高度先端医療技術の開発、実用化は、これと同じようにすぐに経費に見合うだけの効果がなかなか生まれてこない、出てこない。研究したからすぐ出てくるというような、そういうものとは違うわけであります。要は、国の支援が必要であるということなんですよ、言いたいことは、私は、健康寿命を延ばすためには。 そこで、本法案の成立がBNCTのような画期的な医療技術の開発、実用化に結び付くように運営されることを私は大いに期待しているのでありますけれども、こうした提案に対して是非前向きに、大臣、取り組んでいただけないだろうかということで、お考えを示していただきたいと思います。
○国務大臣(島尻安伊子君) まさに今、江口先生御指摘のように、少子高齢化が加速していく我が国において、健康寿命を延ばすための医療技術や予防医療に関する研究開発を進めていく、そしてその成果の普及及びその活用の促進というものに向けた取組を推進していくということは、安倍政権が掲げる一億総活躍社会の実現という観点からも大変に重要な課題だと認識をしております。 今日御議論いただいておりますこの本法案では、iPS細胞を用いた臨床研究あるいは脳科学研究などライフサイエンス分野において実績のある理化学研究所、あるいは創薬の支援技術を始めとする生命工学研究などにも実績のある産総研、産業技術総合研究所を特定国立研究開発法人に指定することとしております。これらの法人が先進的な医療技術などに貢献できる基盤、そして基盤的な研究開発を積極的に進めるとともに、大学や研究開発機関そして企業との橋渡し機能を発揮するということで、研究開発成果の普及及び活用の促進がより一層加速されるものと期待をしております。 私も大臣に就任させていただいてからもう数か所、複数の研究開発機関に視察をさせていただいております。本法案によって、先進的な医療技術を含めまして、幅広い研究開発について産官学のセクター間の壁を越えて連携そして協力などがより活発に行われる環境やその仕組みを構築していく所存でございます。 政府といたしましては、研究開発の特性である長期性そして不確実性そして予見不可能性などに常に配慮するということで、研究現場が常に高い挑戦意欲を持ち続けるように促して、社会の発展に大きく寄与する可能性のある研究開発が積極的かつ迅速に開拓、実施されるように努めて、しっかりと期待に応えていきたいと考えています。
○江口克彦君 この内閣委員会で、二年ほど、三年ほど前ですかね、理化学研究所、見学に、視察に出かけました。STAP細胞の問題が起こる直前ということでしたけれども、私はSTAP細胞よりも高橋先生のiPSの研究に大変興味を持っていたわけですけれども、やっぱり実際に行ってそういう実態を見るということはとても大事なことは、百聞は一見にしかずで当然のことでしょうけれども。 ここで島尻大臣に是非お願いしたいのは、筑波大学のBNCTの研究、今懸命に取り組んで、今年治験ですかね、来年から実用化どうのこうのというところまで来ているんですけれども、この研究に対する補助金が直接は出ていないんですよ。要するに、東日本大震災の復興費の一部というような形で、迂回のような形で出されているんですけど、私はちょっとこの筑波大学のBNCTのサポートについては、迂回は迂回でいいんですけど、だけどやっぱり直接もっと国の積極的な取組を示すというか、がんとか難治の病に対するこういう研究、しかも日本が独走している、こういうものについてのやっぱり国ごとで取り組んでいくというか、国が取り組んでいくということはとても大事なことではないかというふうに思うんで、できれば、大変お忙しいと思いますけれども、時間がないというふうに、お忙しいというところは重々承知していますけど、一度筑波大学のBNCTの研究センターって、今一生懸命やって開発取り組んでいる、その現場を見ていただきたいな、見てあげていただきたいなと。もう本当に無報酬みたいな形で、名誉博士、ちょっと名前は忘れましたけど、私はもういいんですよ、もうとにかくこれが楽しいんです、多くの人たちを助けるという、そういう意義を感ずると、もういいんですいいんですというふうに言っておられましたけど、そういう形で一生懸命やっておられますんで、そういう人たちを励ますという意味も含めて、一度是非筑波大学見ていただけたら大変有り難いというふうに思っておるということで、お願いをしておきたいと思います。 それから、健康寿命を延ばすための先端医療技術の研究開発や予防医療の推進によって、我が国自身が長寿大国から健康大国へと進化して、世界全体が健康長寿社会を実現することに日本が、この国が貢献するべきだというふうに思うんですね。長寿というか、長生きするということも大変尊いことだと思いますけど、それ以上に健康寿命というか、最期まで活動できるというか、そういう状態で長寿というか健康寿命を延ばしていくという。これは我が国だけじゃなくて、世界全体が健康寿命を実現することに私は日本が貢献すべきだというふうに思うんですね。 私の聞いたところによると、この健康寿命についての研究というのは日本は先進国だと、この研究については、というふうに聞いたことがあるんですけれども、この点はほかの分野でも同様であるというふうに思いますけれども、日本における世界最高水準の研究開発というものは国際社会への貢献を念頭に置いて行われるべきだと思うんですね。自分の国だけがいい、日本の国が長寿になればいいということじゃなくて、世界の人たちに貢献するというような、健康寿命を延ばすと。 そこで、この法律の狙いである有能な人材の確保については、世界というものを視野に入れて、特定国立研究開発法人においては諸外国からの留学生や研究者を積極的に受け入れるべきだというふうに思うんですね。まあちょっと話は次元が異なるかもしれませんけれども、明治維新のときに、やっぱりお雇い外国人というか入れて日本を近代化したわけですね。世界には日本の研究者、優れた研究者がいっぱいいますけれども、日本には、しかし、中には日本の研究者よりももっと優れた研究者の方々がいるわけでありますから、さらにその成果が人を通じて全世界に普及して全世界で活用されるように、そういう人たちが日本で研究する、それが国に帰る、あるいはまたそれをその国で広めていくというようなことをしていく。要するに、優れた研究者の人的交流ということを積極的にすることが、これが世界の人たち、世界人類の健康寿命に貢献することにもなりますし、そして私はこういうふうな地道な努力が国防にもつながってくるのではないだろうかというふうに思うんです。 したがって、いろんな努力をして日本を守っていくということも大事ですけれども、一番大事なことは日本の国が尊敬されるということだと思うんですね。敬意を表される国になっていくということが非常に大事だと思うので、世界から敬意を表される、あるいはまた世界から尊敬される国ということを考えるならば、こういう健康寿命のこういった対策というか、あるいはまた研究というか、そういうふうなことを是非人的交流というようなことで考えていくべきではないかというふうに思っているんですけれども、大臣はどのようにお考えになっておられるのか、お教えいただきたいというふうに思います。
○国務大臣(島尻安伊子君) 今るる委員から様々な御示唆も含めてあったわけでありますけれども、まさに私も我が国の科学技術政策を担当する、しているということで、まさに委員の目指す方向といいますか、ここ大変一致するところがございます。 グローバルの競争が激化して、知識や技術の全てを個人とか一つの組織で生み出すということが大変困難になっている中で、企業において、あるいは国において、我が国において積極的にそういう技術や知識を組み込んでオープンイノベーションを促進していくということは大変大事であり、これは求められていることだというふうに思っています。 そういう中で、今お話のあった海外の研究者、あるいは留学生も含めて海外からの人材を受け入れてといいますか、そして我が国でそれこそイノベーションを起こして、それでそれが世界に貢献していくというのは、大変私も、これこそ科学技術を切り口にした外交であり、人的交流であり、これがもう本当に世界に貢献していくことだと思いますし、課題先進国である我々がこの課題をどのように今後科学技術をもって解決していくのかということを示していくというのが大変大事なんだろうというふうに思っております。 そういうことから、今回のこの特定国立研究開発法人が国際的に卓越した能力を有する人材を獲得しやすくするということの意義も御理解いただけるのではないかというふうに思いますし、私としては、この出口をしっかり議論して、我が国の科学技術におけるプレゼンスというものも高めていきたいというふうに考えています。
○江口克彦君 是非研究者あるいはまた留学生の交流を積極的にやっていただいて、日本の技術を、あるいはまた日本のそういう科学的知識というか、そういうようなものをそれぞれの国に持ち帰ってもらうとか、あるいはまたその後も交流していくということは必要なことだと思うんです。 今非常に私はいかがかと思うのは、よく技術が流出するということで、民間の企業も、それから産業界も経済界も、あるいはまた中には政界の中にもよくそういう言葉を発する人がいますけれども、要するに日本の技術が取られると。日本の技術を、例えば日本の会社に入って、日本の会社で、そしてその人が帰ると日本の技術をその国で基にして工場、その産業の会社をつくるとか、あるいはまた日本の、具体的には言いませんけど、倒産した企業なんか、あるいはまたそういうところが海外の会社に、企業に買収されると、それは日本の技術の流出じゃないかということで、非常に危機感を持って言われるというか、そういう方も多いんですけど、私はそれは全く敗北主義だと思うんですよ。 要するに、技術が外に出て、それいいじゃないですか。いいものは広がったらいいんですよ。だから、それ以上の技術を考えていく、それ以上の製品を考えていくということをやらないといけないんだ。これが、やっぱりそういうことを考えるということがイノベーションだと思うんですよ、イノベーションになると思うんですよ。イノベーションをやっていくということはそのことなんですね。結局、どんどん私は技術は流出するといったって、日本だって技術受け入れたわけですからね、持ってきたわけですから。 そういうようなことを是非考えて人的交流を積極的にやっていただきたいという、もう時間が来たということですので、終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○山本太郎君 ありがとうございます。生活の党と山本太郎となかまたち共同代表、山本太郎です。 特定国立研究開発法人による研究開発等の促進に関する特別措置法案について質問いたします。 この法案、平成二十六年一月以降の理化学研究所の研究不正事件により国会提出が大幅に遅れたそうです。今回、この法案を提出するに当たって、大きな社会問題を起こした理化学研究所をあえて法案が対象とする三つしかない特定国立研究開発法人の一つに入れた理由は何なのでしょうか、そしてその判断をした最終責任者は誰なのか、大臣、説明をしてください。
○国務大臣(島尻安伊子君) 平成二十七年十二月に内閣総理大臣を議長とする総合科学技術・イノベーション会議で決定されました特定国立研究開発法人の考え方について、改訂ですね、において、学術論文の被引用数や国際特許の出願件数などの国際ランキング等から、世界水準で総合的な研究開発力に優れた法人として理化学研究所及び産業技術総合研究所を、日本が強い分野で卓越した研究開発力を有する法人として物質・材料研究機構が対象法人候補とされたところでございます。 具体的には、総合的な研究機関の選定に当たっては、論文の被引用数の世界ランキングの公的研究機関における総合順位が上位二十位程度まで、そして論文の被引用数の研究分野別の世界ランキングが三分野以上で百位程度以内という要件を理化学研究所及び産総研のみが満たすということを確認をいたしました。また、特定分野で卓越した研究機関の選定に当たっては、論文の被引用数の研究分野別の世界ランキングが一分野で十位程度以内に入るものという要件を物質・材料研究機構のみが満たすということを確認をいたしました。加えて、研究成果の実用化の観点から、国際特許出願の件数の世界ランキングが上位二十位程度までに位置することという要件について、産総研、理研そして物質・材料研究機構が要件を満たすということを確認をいたしました。 なお、特定国立研究開発法人の対象法人は本法案に明記しておりますけれども、この法案の国会提出に当たっては閣議決定を経ておりまして、これは内閣として決定したものでございます。したがって、内閣の最高責任者は内閣総理大臣であるということでございます。
○山本太郎君 ありがとうございました。最高責任者である総理がお決めになったと、形的にはということですね。もちろん、いろんな部会でいろんな話合いがあったんでしょうけれども。そして、何よりも世界中で引用されるようなすばらしい論文がそこには存在し、それが一つの、何ですか、評価とつながったということをおっしゃったんですかね。たっぷりと説明していただきました。 研究不正事件の当事者である小保方晴子さんの著書「あの日」によると、当事者の一人である山梨大学の若山照彦教授の行動に強い疑問をお持ちのようなんです。この若山教授について、研究不正事件の検証ではどういう評価になっているのか、説明していただいてもいいですか。
○国務大臣(島尻安伊子君) STAP論文につきましては、理化学研究所が設置した調査委員会において研究不正の調査が行われた結果、小保方氏に四件の不正行為が認められたと承知をしております。 今お話のあった若山氏に関しては、調査委員会による平成二十六年十二月の報告書におきまして、同氏が不正行為を行ったとは認められなかったが、一方で、STAP論文に関する実験記録やオリジナルデータがないことなどを見落とした、あるいは見逃したことなどについて、当時小保方氏が所属した研究室の長であった同氏の責任は大きいと、こういった評価がなされたものと承知をしております。
○山本太郎君 たった一人で行われる研究だったのかなというふうに思うんですよね。というのは、研究室の同僚が状況を把握しながら逸脱するのを防止する、その仕組みをつくるのが研究機関なんですよね。それが機能していなかった責任を、小保方さん一人をスケープゴートに差し出して組織を守ったという印象が何かあるんですよね、私としては。 結局、平成二十七年三月二十三日、論文掲載に係る経費として理研が求めた約六十万円、同年七月六日に小保方さんが返還したことで事件は幕引きとなってしまった。何かまともな検証が十分にできているとは思えないなと思うんですよね。 これ、小保方晴子さんについては、とにかく執拗なマスコミによる人格破壊、それだけじゃなく職も失った、博士号の剥奪などもあったと。非常に厳しい社会的制裁を受ける結果となったと思うんですね。 科学技術研究開発の世界で小保方さんに再チャレンジのチャンスというのはもうないんですかね、それともあるんですかね。大臣、どのようにお考えになりますか。
○国務大臣(島尻安伊子君) 大学あるいは公的研究機関等における研究者の公募条件といたしまして、一般的には、博士号を取得していること又は博士号と同等と認められる研究活動等の実績が求められております。 もとより、研究者は、研究の公正性を維持する責任を負っているとともに、研修や日々の研究活動を通じて研究倫理を継続的に学び、これに基づいて公正に研究を遂行するということが大切であるということは言うまでもないことでございます。
○山本太郎君 ありがとうございます。チャンスあるのかないのかという部分に対しては、余り触れていただけなかったということなんですかね。 でも、どうしてこういうことが起きたのかということを考えるときに、やっぱり結果を求められる、当然どの世界でもそうなのかもしれませんけれども、余りにもそこに競争の原理が持ち込まれ過ぎて、その部分を、仕方なしと言ったらおかしいですけれども、やってはいけないことだけれども、そのような状況をつくってしまったというような部分もあるのかなとは思うんですよね。 私は、今回の理化学研究所の研究不正事件、まだまだ解明が不十分なんだろうと思うんです。今回の特定研究開発法人に理化学研究所を加えるのは時期尚早だと、まず理化学研究所を外してスタートすべきじゃないかなと思うんですけれども、大臣、いかがお考えですか。
○国務大臣(島尻安伊子君) この理化学研究所は、STAP問題を受けて第三者のみで構成された研究不正再発防止のための改革委員会の提言を踏まえて、理化学研究所が自ら策定したアクションプランに基づいて、コンプライアンス機能の強化を含むガバナンス改革や、それから研究不正防止策の徹底等に取り組んでいるというふうに承知をしております。これについては、第三者のみで構成された運営・改革モニタリング委員会から、平成二十七年三月に、改革の道筋が付いたとの評価を受けたところでございます。さらに、その直後に就任いたしました松本理事長が平成二十七年五月に発表いたしました新たな経営方針であります理研科学力展開プランの下で世界最高水準の研究開発が進められておりまして、改革への道筋を着実に歩んでいるというふうに認識をしております。 私自身、実は、平成二十八年一月二十九日に、和光にあります理化学研究所本部を視察をしてまいりました。各研究員が研究不正防止策の徹底等に積極的に取り組んでいることを直接確認をいたしました。データをどういうふうに蓄積するかとか、聞かれたときにその研究過程をどのように出していけるのかとか、そういうところを積極的に、かつ大変誠実にといいますか真面目に取り組んでいるということを直接確認をさせていただきました。 また、iPS細胞を用いた世界初の移植手術後の目の経過に関しては大変順調でございまして、さらに、百十三番元素の生成、同定と、それからその命名権獲得といったような最近大変明るいニュースがあったわけでありますけれども、こういった世界最高水準の研究成果を上げるなど、我が国を代表する総合的な研究機関としてふさわしい活動が行われているというふうに承知をしております。 本法案におきましては、基本方針で法人のガバナンスの体制面の整備を定めまして、中長期目標期間の終了時の評価の一環で総合科学技術・イノベーション会議が意見を述べるということとしておりまして、これらを通じて全ての特定国立研究開発法人において適切なガバナンス強化が図られるものと考えております。したがいまして、理化学研究所のみを特定国立研究開発法人から外すべきではないと考えております。
○山本太郎君 ありがとうございます。たっぷりと説明していただいたんですね。 大臣おっしゃったように、昨年の三月ですか、運営・改革モニタリング委員会、第三者の委員会によって改革に道筋が付いたというお墨付きをもらっているから大丈夫だよというお話なんですけれども、その同じ年の九月に行われた同じ委員会で、リスク管理は理研ほど大きな組織だと本当に大変だと思うという指摘であったりとか、研究不正防止のためのチェック体制の整備についても、もしチェックリストがあったとしてもSTAP事案は通り抜けただろうなどの指摘もあるんですよね。とにかく、このSTAP論文の問題、そして検証の対策、不十分なままであることは間違いがないということははっきりしていると思うんです。 この後に質問するはずだった論文の被引用数、とにかく評価、この選定方法の評価という部分の一つ、これって重要なんですかという問いを投げかける予定だったんですけれども、これは一問目の答えでたっぷりと論文の大切さというものを御説明いただいたので、はしょらせていただきます。論文の被引用数は重要な部分だと、どれだけ引用されたのか、その論文の実績を確かなものにするものだという話ですよね。だからこそ、本法案の研究機関の選定方法の一つに論文の被引用数があるわけだと。論文が引用されるためには、論文が数多く発表されるような土壌が必要だと、そういう土壌をつくらなきゃいけないんだと。 お手元の資料、鈴鹿医療科学大学学長豊田長康さんが作成されました運営費交付金削減による国立大学への影響・評価に関する研究です。 資料一、人口百万人当たり国ごとの論文数を比較。日本は著しく低い、先進国の中では最低と言っていい状況です。資料二、一論文当たりの被引用数も世界の平均レベル、先進国に差を付けられ、新興国に迫られている。資料三、研究者一人当たりの論文の数で見るとどうか。日本の計算方法では世界との比較が難しい、なのでOECDでも用いられるFTE研究者数で見る。フルタイム換算人数と論文数を見てみると、日本は共に先進国の最低レベル。資料の四、五、大学への人口当たりの公的研究資金支出と論文数を比較。日本は共に先進国中最低、人口当たりの博士号取得者数も先進国の中で最低。資料六、大学の人口当たり公的研究資金はカナダ、フランス、ドイツ、イギリス、アメリカ、日本の主要六か国中最低、ほかの五か国中の平均に比べ約半分。要するに、先進国で比べてしまうと、人口当たりの論文数、研究者数当たりの論文数も公的研究資金の支出も最低レベルだということが分かっちゃうんですね、これ。 これらは、九八年から人口当たりの高等教育機関への公的研究資金の減少の影響、四年のタイムラグを経て現れているそうです。産業の国際競争力を強化するとともに、世界最高水準の研究開発成果を創出するために本法案成立させるそうなんですけれども、その基盤づくりを担う高等教育への運営交付金削減のしわ寄せ、いわゆる選択と集中、つまりは役に立たない学問には予算を減らすという考え方が研究面での低下を招いている原因、現実直視すべきじゃないでしょうか。幅の広い、層の厚い学問の蓄積、研究や発明につながっていくという原点、見詰め直すべきではないでしょうか。 政府が言う世界最高水準の研究開発成果を創出する、そのためにはそこで働く人々、研究者の方々にも注目をしなければならないと。 法案提出者にお聞きしたいんです。修正案には、「若年の研究者等の育成及び活躍の推進に配慮して行うものとする。」とされています。時間が迫ってきているので、申し訳ないです、大体の数で結構です、若年の研究者等などとは大体何歳くらいの方を想定されているのかということを教えていただけますか。
○衆議院議員(中根一幸君) 過去の法令においてもこの若年の研究者等についての明確な年齢の定義というのがございませんが、各文書等において若年研究者について次のように規定している事例がございます。例えば、第五期科学技術基本計画では四十歳未満の若手教員という定義をしておりますし、また若手研究者を対象とした文科省のテニュアトラック普及・定着事業では博士号取得後十年以内という定義をしております。また、日本学術振興会の科学研究費補助金の申請要件では、若手研究Sが四十二歳以下、そして若手研究A・Bが三十九歳以下などとされておりますので、大体おおむね四十歳代前半の年代を想定しております。
○山本太郎君 ありがとうございました。 わざわざこの一問のために来ていただきました。退出されて結構でございます。ありがとうございました。(発言する者あり)委員長、済みません。
○委員長(神本美恵子君) 中根一幸さん、退席されて結構です。
○山本太郎君 済みません、もう焦り過ぎています。 そうなんですよね、四十歳ぐらいの方々、四十歳未満の方々ということですよね。手を差し伸べられやすい状況が若手の中にはあるんですけれども、全体の三七・一%を占める三十五歳以上のシニアポスドクと言われる方々がかなり厳しい状況に置かれていると。 大学の博士課程修了の任期付研究者、いわゆるポスドク、シニアポスドク問題について少し触れさせてください。 この問題、近い将来、高度な技術や知識を持った人々が研究者難民として社会問題化する危険性、生物科学学会連合ポスドク問題検討委員会が警鐘を鳴らしています。大体この方々の任期というのは五年ぐらいだろうと言われていますけれども、しかし、現実は平均契約年数約二年だと。たった二年の契約、これ人生設計厳しいですよね。非常に厳しい労働環境だと。 これは原因何なんだといったら、九六年から文科省がポスドク一万人計画を実施したと。二〇〇九年には目標の一万人をはるかに超えた。一万五千人に達した。依然、減少傾向はあるけれども、一万四千人を超えているという状況らしいです。本来、将来プロの独立した研究者になるための教育訓練の過程であるはずのポスドクのポジションが、この十五年に起きた急激な変化によって彼らを吸収する正規の雇用先が不足していると。余りにもひどいですよね。 科学技術・学術政策研究所の最新分析によると、一般大卒の非正規から正規への移行率に比べて低く、ポスドクの非正規から正規への移行率は三分の一程度です。高学歴で専門的な知識を持った方々がそういう状況になってしまっていると。出口対策、つまりポスドクの就職について何の対策もないまま、思い付きでやるとこうなりましたということが現実になっているということですよね。 給与の出どころは目的が限定された科研費などのプロジェクト研究が多いため研究対象が狭く、将来に向けた技術や知識の習得、キャリアアップが難しいという状況も手伝っていると。さらに、シニアポスドク、より年上の人たちになると次のポジションを見付けにくい。正規のような昇給、昇進なども少ないため、自身の将来像が見えない。特に熟練した研究者であるシニアポスドクに対する雇用の促進、健全な研究者社会を維持するためには急務だとこの方々がおっしゃっている。幾ら科学技術の未来を高らかに国会でうたい上げたとしても、そんな未来はやってきません。この高度な技術や知識を持った人材を使い捨てのように雇用している現状を変えなければということなんですよね。 民間の企業に対してこの方々の雇用というものをどういうふうに推し進めているのかという調査を文科省がしているんですね、二十一年に、平成。でも、民間企業に、六七・八%の企業はポスドクを採用したことが一度もないと。これは新たな調査やっているんですかと言ったら、もうこれ以降やっていないんですって、平成二十一年。これはないだろうって。調査もしていないって、これ民間への採用を積極的に働きかけていることにならないですよね。 それだけじゃなく、文科省が卓越研究員というものをこれ提案しているけれども、これ本当に一部の人だけですよ。それ以外の人はどうなるんですかって。官公庁にもポスドクの枠がないんです。博士課程の採用は二十九歳までなんですって。(発言する者あり)えっ、ストップウオッチ見ながらやっていますけど。
○委員長(神本美恵子君) 時間ですので、質疑をまとめてください。
○山本太郎君 はい、ありがとうございます。 何が言いたかったかということなんですけれども、最後、大臣にお言葉をいただきたいんです。要は、この方々に対する手厚いといいますか、高給じゃなくてもいい、でも安定した、先が見通せるような働き方が提案されなければ非常に厳しいと思うんですよ。日本の科学というものは終わってしまうかもしれない。そこを何とか大臣に検討していただきたいんですけど、いかがでしょうか。
○国務大臣(島尻安伊子君) おっしゃるとおり、やはり若手研究者をどう育てていくかというのは、将来の科学技術の発展にもうこれは欠かせないところでございますので、そこもしっかり対応させていただきたいと思います。
○山本太郎君 終わります。
○委員長(神本美恵子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 本案の修正について山本太郎さんから発言を求められておりますので、この際、これを許します。山本太郎さん。
○山本太郎君 私は、特定国立研究開発法人による研究開発等の促進に関する特別措置法案に対して、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。 これより、その趣旨について御説明をいたします。 世界的な研究者の獲得競争が激化し、研究開発における我が国の国際的優位性が薄れる中、一部の先端的な研究開発法人の役職員に対し高額な報酬、給与を認めるなど自由度の高い新制度の創設については、文部科学省や理化学研究所を中心に強く要望されてきたと言われています。 平成二十六年、本法案の提出を目前にして理化学研究所で起こったSTAP論文問題は、理化学研究所のみならず、我が国の研究開発の信頼を著しく低下させるものとなりました。 理化学研究所でこのような問題が起こった背景として、近年、国家的要請により生命科学系の研究部門を急増させ、組織が肥大化する中、ガバナンスや危機管理マネジメントが行き届きにくいことがある旨指摘されています。 研究不正再発防止のための理化学研究所改革の状況について、政府は、外部有識者から成る理化学研究所の運営・改革モニタリング委員会で昨年三月に改革に道筋が付いたとの評価を受けたことを本法案提出の根拠としております。しかし、その後の昨年九月に行われた同委員会において、リスク管理は理研ほど大きな組織だと本当に大変だと思うとの指摘や、研究不正防止のためのチェック体制の整備についても、もしチェックリストがあってもSTAP事案は通り抜けただろうとの指摘がなされるなど、STAP論文問題の検証と対策は不十分なままであると言わざるを得ません。 また、平成二十三年の日本学術会議の調べによると、生命科学系の博士号を取得した若手研究者の約四割は年収四百万円以下であり、またその多くは五年程度の任期内に成果を出さなければならないプレッシャーにさらされている状況があります。理研における改革が不十分な上に、このような劣悪な環境のままでは、今後、目先の成果にとらわれる余りに、研究不正などの不祥事が再発しないと言い切れるでしょうか。 若手研究者を始め、多くの研究者のいわゆるポスドク、シニアポスドク問題についても、雇用環境の改善を図るなど我が国の望ましい研究開発のための抜本的な改革なしに、理化学研究所を特定国立研究開発法人にすることありきで突き進んでいくことはあってはならないと考えます。 そこで、現段階では、研究不正事件の検証、再発防止対策が不十分であることから、修正案では、国立研究開発法人理化学研究所については特定国立研究開発法人としないこととしております。 以上が修正案の趣旨であります。 何とぞ、委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(神本美恵子君) これより原案及び修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○山下芳生君 私は、日本共産党を代表して、特定国立研究開発法人による研究開発等の促進に関する特別措置法案に反対の討論を行います。 本法案は、安倍政権による産業競争力強化のための科学技術振興策の一環として特定国立研究開発法人制度を創設し、我が国の研究資源を集中させて、経済成長に資する研究開発の重点化を図るものです。 この間、大学や研究現場から、引用論文数の減少、研究者の多忙化、研究時間の減少、若手研究者の減少など、我が国の研究開発力の低下が指摘され、特に革新的研究成果を生み出す土壌となる基礎研究基盤の弱体化が懸念されてきました。 こうした問題の原因は、安倍政権の科学技術政策によって運営費交付金など大学や公的研究機関の基盤的経費を削減する一方で、特定の分野やプロジェクト研究への配分を重点化するなど研究予算の選択と集中が強められ、研究現場を疲弊させてきたことにあります。 科学技術イノベーションの創出には、萌芽的研究成果を生み出す基礎研究の充実が必要です。削られた基盤的経費を元に戻し、研究者の自由な発想と知的好奇心に基づく研究の充実と研究支援者の処遇改善を強く求めます。 法案では、特定国立研究開発法人の目標や評価などに財界、大企業の代表が直接参加する総合科学技術・イノベーション会議の関与を強めるとしていますが、目先の研究開発成果を優先する産業界本位の研究開発が重点化されれば、日本の研究開発力の総合的発展を一層ゆがめるおそれがあります。 法案第四条、世界最高水準の研究開発成果の創出が見込まれない場合は、主務大臣は法人の長を解任することができるとする措置も、研究開発法人の自主性、自立性を奪い、研究者の自由な発想を生み出す環境を損ねます。 最後に、基礎研究を支える運営費交付金が毎年毎年削減されるその裏で科学技術の軍事利用が着々と広がっていることは、かつて科学技術が戦争のために利用、動員された痛苦の教訓からも、また研究者の自由な発想と知的好奇心に基づいた基礎研究の充実というあるべき姿からも極めて憂慮すべき事態であることを指摘し、討論を終わります。
○委員長(神本美恵子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより特定国立研究開発法人による研究開発等の促進に関する特別措置法案について採決に入ります。 まず、山本太郎さん提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(神本美恵子君) 少数と認めます。よって、山本太郎さん提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(神本美恵子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(神本美恵子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時四十五分散会