内閣委員会 第7号
- 発言数
- 116 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2016/03/31
会議録
○委員長(神本美恵子君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣府子ども・子育て本部統括官武川光夫さん外二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(神本美恵子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(神本美恵子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として全国保育団体連絡会事務局長実方伸子さん及び独立行政法人都市再生機構理事伊藤治さんの出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(神本美恵子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(神本美恵子君) 子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○藤本祐司君 おはようございます。民進党・新緑風会の藤本でございます。 今日は二十分間質問させていただくことになろうと思いますが、質問通告四問出していますけれども、基本的には質の高い保育とは何ぞやと、そこが一つのテーマで質問をしたいと思っております。 まず、大臣にお聞きしますが、保育所、まあ保育施設、保育園ですね、この保育園は誰のためにあるものなんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 二つの要素がもちろんあるわけでありまして、一番大事なことは、我が国の将来を担う子供さん方に対して、まさに大変、人間形成にとって極めて重要な時期に、いわゆる養護、子供の生命の保持及び情緒の安定を図るために行う援助や関わりをベースとして、そして教育、すなわち子供の発展過程に応じて基本的な生活習慣、愛情と信頼感、協調性、道徳性、興味や関心、豊かな感性や思考力、表現力を養うため発達支援を行うものであります。そして他方で、やはり働く方がまさに育児とそして働き方を両立する、それを支援する、そういう機能も当然担っているわけでございます。
○藤本祐司君 分かりました。 それでは、小学校とか中学校とか義務教育、これは誰のためにあるんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 直接のあれではございませんけれども、もちろん基本的にそこにいる子供さん方、まさに日本の未来を担う子供さん方の健全な発展、そして社会人として必要な素養を身に付けていく、そうした機能を果たしていると、こういうふうに思います。
○藤本祐司君 今のお答えで大体分かるんですが、保育所については、子供のためのみならず、働く女性だけではなく、家族といいますか、その方々のためにあるという、小学校、中学校あるいは高等学校等々はその本人のためなんだけれども、保育所はそれにプラス家族のためでもあるんだよという、そういうことなんだろうと思います。 そういうお答えだったんだろうと思いますが、ちょっとそれを中心にお聞きしたいと思いますが、本当は、実は当初、この法案の改正のそのもののところだけに焦点を絞って、二十分ですので質問しようと思ったんですが、先般の二之湯委員の質問、非常にすばらしい指摘があったかと思いましたので、それに触発されまして、ちょっと観点を変えて、もうちょっと大きなところから質問をしていきたいというふうに思います。 いろいろなところで今、質の確保、質の高い保育という話が出るんですが、ずばり、質の高い保育というのはどういう保育を指しているんでしょうか。悪い保育、普通の保育、良い保育ともし分けた場合に、良い保育というのは何がどう違うんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 質の高い保育、先ほど保育の意味するところは申し上げたところでございますけれども、やはり一つ大事なことは、事故がなく、安全で安心な整備、環境の下、そうした環境がきちんと確保された下で高い専門知識やスキルと意欲を持った人材が行うことによって実現されていくものだと、こう思っております。
○藤本祐司君 分かりました。 質の高い保育、教育は大事だということは概念的には非常によく分かるので、それについて少しお聞きしたいと思っていますが、お手元に資料を配付させてもらっているかと思います。 これは、今年の一月七日に開催されました社会保障審議会児童部会保育専門委員会で使用された資料でございまして、その一部を今日はお配りをしたんですが、この資料の意味するところ、これは何を意味しているのか、ちょっとお答えいただけますでしょうか。
○政府参考人(吉本明子君) お答え申し上げます。 御指摘の資料でございますが、これは保育所保育指針、保育の内容ですとかその運営に関する指針でございますが、これは十年ごとに改定をしておりまして、その改定に向けた議論を行っております専門委員会におきましてお出ししたものでございます。当日の議論のテーマは、乳児保育及び三歳未満児の保育を議題とした際の資料でございまして、OECDなどで用いられているというものでございます。 この資料は、就学前の時期、特に三歳未満の時期が子供の発達、ここに四つほどの発達に関する中身が取り上げられておりますが、言語、感情コントロール、対人スキル、数的知性、このいずれを取りましても感受性という意味で重要な意義を有するという、そういう脳機能の発達の観点を示すものとして、御参考としてお示しをしたものでございます。 保育所保育指針は、子供の健康、安全の確保、併せてその発達の保障の観点から保育所が行うべき保育の内容等を定めたものでございまして、専門委員会における議論が充実したものになるよう、引き続き努めてまいりたいと思っています。
○藤本祐司君 これが全てとは言いませんが、このグラフを見ると、やはりゼロ歳から三歳、四歳というのは非常に重要だということが分かるんですね。 エモーショナルコントロール、簡単に言えば、分かりやすい言葉で言えば、多分我慢する力みたいなところがあるんだと思います。感情をどう抑制するのかということとか、あとはピア・ソーシャル・スキルズ、仲間たちとうまくやっていく、社会性を身に付けていくそういう力、これが多分ゼロ歳から三歳、四歳で非常にピークを迎えて、あとはだんだんなだらかということになりますと、ちょっといろいろ関係者に聞いたところ、二十歳になってこれを一生懸命付けようとしても実は間に合わないんだという、そういう話があるわけで、そういう意味で、非常に保育というのは重要な、人間形成の中で重要な位置付けになっているということが認識できると思うんですね。あと、言語とか数とか音楽とか運動とか、この脳の臨界期というのはゼロから八歳から九歳までと言われていますけれども、その辺りをやっぱりちゃんと捉えながら、保育の在り方、幼児教育の在り方というのを考えていかなければいけないんだろうというふうに思っております。 そして、保育所の問題というのは、今言いましたように、子供の成長あるいはこれからの社会の成長に非常に大きく関わってくるわけなんで、ゼロ歳から三歳でもうこの能力が備わってくるということを考えると、これ長期的に見ると、二十年後の日本を支えるこの子供たちはゼロ歳から四歳の間がとっても大事なんだということを考えると、保育というのは子供の成長、今、日本の成長戦略、今すぐ成長というのではなくて、将来的な意味の成長戦略という意味で非常に重要なんだろうというふうに思っておりますが、その辺りの認識はどうなんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 委員御指摘のありました先日の二之湯委員でも、ペリーの就学前計画の話が出てきたわけでございます。 こうした一種の統計というか調査、非常にアメリカの場合等々は四十年にわたる分析をし、やはりきちんとした幼児教育プログラムを参加した者は、成人以降において学校の良い成績あるいは良い収入につながったという指摘がなされているわけでありますし、またそうしたことを踏まえて、OECDのこれは事務局のレポートということではありますけれども、幼児期の質の高い教育、保育は、より良い子供の福祉、生涯学習の基盤となるより良い学習効果、そしてより公平な子供の発育、こうした子供に関することのみならず、貧困の縮小、あるいは世代間での社会階層の移動の増加、そしてより多くの女性の労働市場への参加、さらには出生率の増加、加えて社会経済的な発展などの利益、こういったことがもたらされると、こういうふうにも指摘をされているわけでありますので、今委員御指摘のように、その時期にしっかりとした、これは家庭内も含めてだと思いますけれども、しっかりとした教育をし、保育所においてもそうしたことが行われるということは将来における日本の育成を大きく左右することにつながるんだろうと、こう思います。
○藤本祐司君 ありがとうございます。 長期的には本当にその理想的なスタイルというのはこういうものだというのがやはり出てくるんだろうと思いますが、そうはいっても、今目の前の課題にやはり我々は解決していかなきゃならないというのも政治の役割の一つなんだろうと思いますが、今問題になっているのは、待機児童の問題は非常に都市部を中心に問題になっているんですが、若干懸念されるのは、待機児童を解消するということを数字上で解決するために保育所の定員を増やしましょうよという安易な発想が恐らく出てきてしまうのではないかなという懸念が一つある。あるいは、介護施設を利用して保育施設を拡大して、待機児童がいかにも少なくなったかのような形にしてしまうとか、いろんなやり方が出てきてしまうのではないかなというちょっと懸念はあるんですよ。 ですから、今までの定員を増やして、一人ずつ定員、あるいは二人ずつ増やせば大分、二千五百とか五千人減るじゃないかとか、そういう議論が出てしまうのは非常に問題があるんだろうというふうに思いますし、この間の二之湯委員の質問の中にも子預けになってはいけないんだという、子預けを更に進めて詰め込みになってしまってはやっぱりいけなくて、詰め込みにすることによって待機児童数は減るけれども、現実的には質のいい保育を確保できなくなってしまうと、そういうことはやってはいけないんだろうということが私は考えますけど、大臣はどのようにお考えになりますでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 委員御指摘のように、先ほどから申し上げている、また申し上げていますように、保育というのはまさに次の時代を担う子供さん方にとって非常に大事な時期に対して行われるそうしたものでありますから、当然、そこにおいては適切な環境というものが整備をされていく必要が当然あると思います。 ただ、先般の政府あるいは厚生労働省における対策においては、別に今の基準自体を切り下げろとしているわけではないというふうには承知をしておりますけれども、ただ、いずれにしても、そこで預かるということだけではなくて、今申し上げた保育という、あるいは幼児教育という側面があるということはしっかり認識をして対応していかなければいけないんだろうと思います。
○藤本祐司君 今回の改正で事業所内保育所の設置に対する支援ということがうたわれているんだろうと思いますが、これ、一義的に言えば、先ほど保育所は誰のためにありますかという中で、働く人のためというのが一部あるという話がありましたが、この事業所内保育所の設置というのは、むしろその働く人のために、それが便利になるための措置であるということが第一義的に出てきてしまうんじゃないかなというふうに思いますが、そういう解釈でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) もちろん、今委員御指摘のような側面も当然ございますけれども、やはりそこにおける保育の質の確保という意味においては、既にある子ども・子育て新支援制度における小規模保育等、そういった基準を踏まえて行われるということにしていくつもりでございますし、また、そういう中で保育の質というものにもしっかり配慮していきたいと思います。
○藤本祐司君 同様に、延長保育もありますよね。この延長保育というのも働く女性を支援する措置で出てきているんだろうというふうに思いますが、事業所内保育にしても、間違ってしまうと事業所内保育所の設置が拡大する、あるいは延長保育が拡大することによって女性が活躍する場は増えるかもしれないけれども、一方で女性の長時間労働が助長されてしまうという懸念も当然出てくるんだろうと思いますね。あと二時間働けるんだからもうちょっと働いてよみたいなところになってしまうと、余計に長時間労働で子育ての時間が阻害されてしまうと。子育ての時間が阻害されてしまうということになると、先ほど、子供の能力というのがゼロ歳から四歳で育まれるんだということを考えたときに、若干の問題等が当然出てくるんじゃないかなというふうに思うんですね。 だから、女性の活躍を推進する、これはそのとおりなんだろう、それはいいことなんだと思いますが、その結果として、例えば今でいえば待機児童が増えてしまう、その待機児童を解消するために詰め込み保育などをやって、あるいは延長保育をして、女性が働く時間が長時間になってしまうということになってくると、これが少子化対策という究極の目的に貢献するのか否かというところになると、甚だ疑問なところが出てくるんですが、むしろ、私も保育園の関係者の方々にお聞きすると、延長保育になれば余計に働いて疲れてしまって、少子化対策には逆行する可能性もあるんではないかというような意見もあるんですが、その件についてはどうでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 議員御指摘の懸念というのは、ある意味ではそういう部分もあるんだろうというふうに思いますが、ただ、今回の企業主導型のこの保育事業につきましても、様々な、多様な働き方に対して対応していくということでありますし、また、延長保育も、やむを得ない事情で長時間労働等が避けられない場合の言わばセーフティーネットということでございます。 やはり、むしろ長時間労働そのものは、そうした保育の環境から規制していくということではなくて、むしろ長時間労働そのものをやっぱり正面から取り組んでいく必要があるんではないかなと、こう思います。
○藤本祐司君 そうですね。やはり長時間労働をなくしていくというか、時間外勤務というのをいかに少なくしていくかというところが根本のところなんだろうと思いますが、それと併せてその辺りに注意をやっぱり払っていかないといけないんだろうというふうに思います。 今日、二十分なので余り細かいところまで質問できなかったんですが、子供の、先ほどのお配りした資料からも分かるんですが、これ、ゼロ歳から三歳、四歳で能力が備わるというのは、この間、二之湯委員も指摘をされて霊長類の話まで行きましたけれども、実は、ホモサピエンスとネアンデルタール、まあネアンデルタール人をホモサピエンスに分類する場合もありますけれども、何が違うのかというと、この間たまたまNHKでもやっていましたが、私もその前からいろいろな方から聞いてみると、ホモサピエンスがなぜ生き残ったかというと、子供を一緒にコミュニティーで育てるという、そういうことがあって、感情抑制力、我慢する力が身に付いて、人とうまくやっていく力が身に付いていくという、これが生き残った一つの理由であるというふうに言われているんですね。 だから、母子関係の中でのアタッチメント、愛着ということは、基本的には何か不安に思ったり心配になったときにどこかに駆け込むところがある、それが基本的にアタッチメントと言われるところなんだろうと思いますが、それだけではなくて、人間関係というのはやはり多様性の中で築かれていくというような説が最近有力になっているというふうに思います。 大臣と私は多分一学年違いだと思いますが、ほぼ同じ世代で、私たちの親の世代というのは、さらに兄弟が五人だ六人だ、七人だ八人だは当たり前、三世代居住も当たり前、周り、近くへ出るといっぱい同じような子供たちがいることによって多様性の中で子供が育ってきた。そういう時代と今の時代は全く多分違うんだと思うんですね。 今の時代は、もう本当に都会は隣に誰が住んでいるかも分からないというようなそういう時代の中で、正直、お母さんとだけ、あるいは国交省が三世代居住を進めるというふうに言っていますが、あれも親が、面倒見てくれる人がいればいいな的な発想だとすれば、おじいちゃん、おばあちゃんだけが面倒を見ていると、多様性の中で暮らしていく、ゼロ歳から四歳の子が生きていくということがほとんど不可能な時代になってしまっているわけなんです。 ですから、そういう意味では、例えば公園デビューをしましたよといっても、自分の子供を抱えただけでお母さんが話をする、それはお母さんの不安とかストレス解消にもなるのかもしれないけれども、さっき言ったように、ゼロ歳から四歳が大事だというのであれば、本当は子供たちが子供たち同士で、あるいはいろんな人との関わり合いの中で暮らしていかないといけないということを考えると、非常に難しい、今の時代、すぐにというのは難しいと思うんですが、質の高い保育というのは、基本的には子供同士のコミュニケーションによってエモーショナルコントロール、感情抑制力とか社会性を身に付けていくということを考えると、子供を預けるというだけではなくて、やはり保育所というのは子供のためにあるんだよということを考えておかないと、お母さんやお父さんのためにあるんだよという発言が最初ありましたけれども、それは現実的にはそうかもしれないんだけれども、基本的には子供のためにあるんだというところを、小学校は親のためにあるわけじゃなくて子供のためにあるという大臣のお話がありましたけれども、まさにそこのところの基本を崩してはやっぱりいけないんではないかなと。 だから、理想的に言えば、よく言われますが、待機児童問題が解消して、はい、この問題は終わりですよという話ではなくて、それはそれでおしまいじゃないと思うんです。理想的に言えば、働いて、専業主婦で子供の面倒を見れる人でも保育所に三時間、四時間ぐらいは預けて子供の中で生きていくような、そういう仕組みが本当は必要なんだろうと思うんですね。 そうなってくると、やはり社会の目として、保育士さんの位置付けというのは物すごい意味があって、大変な仕事で、能力が高くなければできない仕事で、社会的に意味のある、価値のある仕事なんだということをもっともっとみんなが見ていかないといけないんではないかなという、そういう哲学の中でこの子ども・子育てというのを考えていくべきだろうということを申し上げまして、質問終わりにしたいと思います。 ありがとうございました。
○田村智子君 日本共産党の田村智子です。 今日は、保育の現場を知る方に是非お話を伺いたいということで、全国保育団体連絡会事務局長の実方伸子さんにお越しいただきました。 まず、実方参考人にお聞きをいたします。 安倍内閣は、待機児童解消加速化プランの柱として、この法案で企業主導型保育事業を新設し、五万人の受皿にするとしています。それでは、今保育所に入れずに困っている保護者の方の要求にこれは応える施策だとお考えかどうか、お願いいたします。
○参考人(実方伸子君) 本日は、このような機会をいただいて、有り難いと思っています。全国保育団体連絡会の実方と申します。 今、田村議員からもありましたように、この問題は連日マスコミをにぎわしていますが、三月二十八日に厚生労働省待機児童緊急対策を公表しました。小規模保育所の定員基準の緩和や国の基準以上で保育をする自治体の基準を国基準並みに引き下げること、つまり今以上に受持ち人数を増やすように自治体に要請するなど、規制緩和策が中心になっています。この間話題になっている保育士の処遇改善には全く触れられておらず、現場の保育士からは、次は保育士は死ねということかとの落胆の声も上がっています。 しかし、その中で示された企業主導型保育事業の積極的展開については、二〇一六年度予算において既に八百億円近くが措置されています。残念ながら、その位置付けや内容が関係者に十分説明されているとは言い難く、利用者である保護者や現場で働く保育士から疑問や不安の声も多数上がっています。現場の声あるいは保護者のニーズであるというふうには私たちは考えておりません。 今、果たして企業主導型保育が今求められる待機児童対策として十分なものなのか、今緊急の課題とされている保育士の処遇改善よりも優先されるべきものなのか、以下の点について十分な検討、審議をお願いをしたく、この場をお借りして意見を申し述べさせていただきたいと思います。 まず第一に、企業主導型保育事業は認可外施設であり、新制度の実施主体である市町村が関与しないという問題があると思います。 子ども・子育て支援制度は保護者にとって最も身近な市町村が中心となって進めることになっており、これが保護者がこの制度に信頼を寄せるゆえんでもあります。現在、都市部で待機児童が問題になっていますが、市町村に保育の実施責任があるからこそ、保護者は市町村に対して認可保育所入所を、待機児童の解消を求めるのであって、市町村が責任を持つということの意味は大変大きいものです。 しかし、企業主導型保育事業は、補助金の管理、事業の執行を内閣府が行い、都道府県が指導監督し、事故等があった場合は設置運営の主体者が責任を負うという、保育に対する責任の所在が多元化しているため、非常に中身が分かりにくくなっています。また、認可外施設であるために、災害共済給付制度の対象にはならないということも保護者の不安を大きくしています。これも保護者のニーズではないということの証左であると思います。 二つ目に、企業主導型保育事業の基準の問題です。 企業主導型保育事業は、夜間、休日勤務あるいは短時間勤務、一時預かりなど、柔軟に対応できるということになっていますが、登園、降園時間が異なる子供、短時間しかいない子供、毎日登園しない子供、様々なニーズの子供たちを一緒に保育し、かつ、先ほど藤本先生からもありましたように、一人一人の発達を保障するという、そういう保育をするということは、毎日同じ時間帯に毎日同じ子供が保育される一般的な保育所とはその内容も保育の組立ても大きく異なり、通常の保育以上に高い専門性が必要になります。特に、夜間や短時間などは特殊な保育であるために、柔軟な対応ではなかなかできません。明確かつ日常の保育以上に安全を担保できる基準が必要です。 ところが、ここで想定されている保育の基準は小規模保育のB型、保育士の資格者は二分の一でいいということで、これは認可保育所の基準より低くなっています。こういうことも保護者の願いには応えるものにならないというふうに思います。 私たちは、事業所内保育所が果たす役割を否定するものではありませんし、そういう役割は十分承知しておりますが、仕事と子育ての両立を願う多くの保護者は、できれば家の近くで就学まで安心して預けられる保育所で保育を受けたいと考えており、地域で保育施設が整備されることを願っていると思います。だから、地域の認可保育所に入れてほしいということで市町村に保育所の増設を求めています。地域の保育所の整備以上のニーズが企業主導型の保育事業、事業所内保育の整備にあるとは思えません。 私は、国におかれましては、こうした保護者の切実な願いを踏まえて、二年目に入る子ども・子育て支援新制度など既存の制度が更に改善されて、市町村が保育に責任を果たせるように、財政も含めて御支援をいただけるようにお願いをしたいと考えています。
○田村智子君 今大きくお答えをいただきました。 それで、少し踏み込んでお聞きをしたいのは、一つは、実はこれまでの法案審議の中でも、例えば毎日満員電車に揺られて、そこに乳幼児抱えて通うなんていうのは大きな負担になるじゃないかと、こういう指摘も他党の議員からもされました。 そこで、地域での子育て、今お触れになりましたけれども、この地域での子育てという観点から見たときに企業主導型保育をどのように評価をされますか。
○参考人(実方伸子君) 多くの保護者は地域での子育てを望んでいるということをお話ししましたが、経験されている方はもう御存じだと思いますけれども、幼い子供を抱えて通勤をするというのはちょっと大変厳しいことだと思います。 まして、登園、降園をする保育所の送り迎えというのは、大きな荷物があったり、それから汚れ物があったり、非常に負担が大きいです。子供が二人、兄弟がいたりすると更にそれは大きなものになります。ですから、ただ子供を連れて出勤するということではなくて、いろいろな付随するものを持って、荷物を持って出勤する、またその荷物を持って帰っていくというようなことを考えると、とても保護者のニーズには合っていないのではないかなというふうに思います。 そして、保護者にとっては、ゼロ、一、二、あるいは三、四、五のところだけの子育てがあるのではなくて、その後、地域で小学校、中学校まで見通した保育あるいは子育てというのを展望しているわけで、企業の保育所、事業所内保育所に入ってしまうと、例えば保護者、両親が同じ職場である場合はいいですけれども、多分夫と妻は違う職場にいるんじゃないかと思います。そうしたときに、どちらの職場の事業所内保育所に子供が入るかということになって、片方だけに保育の負担が掛かってしまうのではないかと、そういうことを懸念されている特にお母さん方がたくさんいらっしゃいます。 そうしたことを考えるときに、保育はもう働く保護者にとっては生活の一部というふうになっていますので、できるだけ家庭の近くで、そして何かあったときに地域のコミュニティーの中で、両親が迎えに行けないときは、地域の子育てネットワークを幼いときから形成して、そして近所の方も含め、あるいは保育所の子育て仲間も含め、子育てが支え合えるようなそういう状況をつくっていくという上でも、やはり地域での子育て、地域の保育所での子育てというのが非常に重要になってくるのではないかと思います。
○田村智子君 もう一点、最初に指摘のされた質の問題で、私も、企業主導型保育が、保育士の有資格者、これは保育をする人の半数でも構わないと、こういう基準になっていることを大変危惧していますが、この点についてもう一度お願いできますか。
○参考人(実方伸子君) 保育の専門性、先ほど保育の質というお話もありましたが、保育というのは集団の子供たちを集団で保育するというのが特徴です。一対三とか一対六というのがありますけれども、多くの保育所では、クラスに十人の子供がいて、そこで複数の保育者が保育をするというふうになっています。日常的にはそのクラスの子供たちというのは変わらないということになっていますが、ここで想定されている企業主導型保育は、短時間の子供だとか、あとは二十四時間の開所なども想定されています。 今、多くの保育所で一時保育など突発的な保育の受入れもしていますけれども、子供にとっては初めての場所で知らない人に保育をされるというのは非常にストレスがたまりますので、そういう子供を受け入れるということは保育者の専門性が非常に問われます。大体、子供は大泣きします、初めて行った場所で。そういう子供たちが毎日入れ替わり来る、それに対応するというようなことはやはり相当の専門性がないとできないというふうに思います。それが資格者が二分の一でいいとか保育士の資格がなくてもいいということになると、これは子供にとってもストレスですし、その子にもストレスですし、そういう子供に手が掛かるということになると、周りのほかの子供たちに対して目が向けられない可能性も出てくるということで、全体として保育の質の低下が招かれるのではないかというふうに思います。 ですから、普通の保育以上に保育士の配置を手厚くするということの方が私は必要だと思いますので、資格者が二分の一というのは非常に安全性の面からも、あるいは保育の質を担保する面からも問題があると思われます。
○田村智子君 こういうお声を聞いてから、私は是非法案を作っていただきたかったというふうに思います。 政府にお聞きします。 事業所内保育事業というのは、児童福祉法に規定をされて、厚生労働省令によって保育を行う人の配置基準、設備基準など最低基準の定めがあります。これとは別に企業主導型保育事業を行うとなれば、保育士など人の配置や保育室の面積など施設の基準がどうなるのかと。 実は、施行日はあしたなんです。ところが、昨日までも何度聞いても、内閣府はこれから考えると、これから決めるんだという答弁で、余りに無責任だとまず言わなければなりません。 これまでの答弁では、現行の事業所内保育事業の小規模保育B型に準じて考えるのだと言います。これだと、今指摘あったとおり、保育を行う人のうち保育士資格を持つ人は二分の一以上、つまり半数でもよいということになります。小規模A型は全員保育士という基準になっています。わざわざ低い方の基準に準ずるということにしたということですね。
○政府参考人(武川光夫君) お答えいたします。 企業主導型保育事業の設置基準につきましては、子ども・子育て支援新制度における事業所内保育や小規模保育事業の基準を参考に、一定の保育の質が担保されるような基準を定める予定でございます。このうち、人員配置につきましては、弾力的な施設運営を可能とするよう、おっしゃいましたように、事業保育型B型に準ずるものとして検討しております。しかしながら、例えば保育士を更に配置した場合は小規模保育A型に見合うような高い単価設定の助成も考えております。 いずれにいたしましても、実施要綱で質の確保には十分配慮してまいりたいと考えております。
○田村智子君 質の確保に配慮すると言いながら、わざわざ低い方の基準に準ずるとしたんですよ。 小規模保育事業というのは定員が十九人以下とされています。しかし、企業主導型は、小規模Bに準ずると言いながら、定員を十九人以下には限定していません。定員二十人以上の事業所内保育については、雇用保険の助成事業でも子ども・子育て支援法の事業でも、これ人員配置は認可保育所と同一の基準です。 企業主導型保育で定員二十人以上の場合はどうなるのか。同じふうに認可保育所と同一の基準にするのか、それとも、二十人以上であっても保育士は半数でいいという基準にするんですか。
○政府参考人(武川光夫君) お答えいたします。 二十人以上の場合であっても保育の従事者の最低限度は二分の一以上ということで検討しておりますが、それはあくまで最低基準でございまして、保育従事者全てが保育士の施設については小規模A型に見合うような高い単価の設定を考えております。
○田村智子君 あり得ないですよ。こんな基準持ったことないですよ、最低基準で。二十人以上の保育であっても半数は保育士じゃなくていいなんて、こんなことを公費が入る保育でやっていいのかと本当に問われます。これは後で加藤大臣にお聞きして、施設基準についても先に聞いておきます。 事業所内保育事業は、厚生労働省令で、保育室、ほふく室、園庭の設置や必要な面積、避難路など安全確保のための施設あるいは調理室設備など、施設基準を定めています。これを満たさなければ指定を受けられません。小規模B型についても当然こうした基準が定められています。定員二十人以上の場合には、保育室の面積基準は認可保育所の最低基準と同じになっています。それでは、企業主導型保育は施設設備についてこの最低基準を遵守するということですか。
○政府参考人(武川光夫君) お答えいたします。 企業主導型保育施設の設備、面積につきましては、都市部においても設置を可能とするよう、事業所内保育事業の小規模保育施設に定める基準を原則としてする方向で検討しております。また、人的配置については二分の一以上を保育士とすることは厳守したいと考えております。
○田村智子君 これ、施設設備の最低基準がどうなるかということは明確に分からないんですよ。最低基準、遵守するんですか、遵守を求めるんですか。もう一度お願いします。
○政府参考人(武川光夫君) 施設基準については、保育の質の確保の観点から、原則として、できる限り小規模保育施設の基準としたいと思っておりますが、一部例外もあり得ると思っております。
○田村智子君 こんな曖昧な答弁で、あしたが施行日なんですよ。 保育室やほふく室、園庭の設置やその必要な面積、避難路などの安全確保のための施設、調理室の設備、これらは子供の安全と育ちを保障するための最低基準なんですよ。与党の議員がこれ保育の質だと、単なる子預けじゃ駄目だと言いながら、この最低限の基準さえも決められていないんですよ。こんなのでどうして法案が成立させられますか。 これ、加藤大臣にお聞きしたいんです。 安倍政権は、この企業主導型保育を待機児童対策の大きな柱に据えているんですよ。五万人もの受皿にするんだと言っているんですよ。ところが、人の配置は、初めて二十人超えても、それでも保育士半分でいいなんという基準にしようという、施設設備の最低基準は全くどうなるのか分からない。これ非常に重大だと思います。どうですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 待機児童解消加速化プランの基本はやはりあくまでも認可保育園等であることは私ども前から御説明しているとおりでございまして、今回でもこの五十万に対して四十五・六万人分については認可保育園等で対応するということでありますし、また、そうした数字そのものは、それぞれの市町村からその地域における待機児童等あるいは今後の動向等を見極めながらそれぞれの市町村からお出しいただいた数字ということを遵守しているわけでございまして、ただ、それを超える部分については、また、認可保育園には例えば入り難い、そうした方々も、そうしたニーズがあるわけでありますから、そういったニーズに対応していくということで、今回企業主導型の保育事業というものを提案をさせていただいている。 今、中身については政府委員からも御説明いたしましたように、そうした考えに沿って今進めさせていただいておりまして、いずれにしても、一定の保育の質が担保されるように補助金要綱できちっとそれは定めていきたいと、こう思っております。
○田村智子君 補助金要綱をどう定められるのか。丸投げにしろということですか。本当に私、許し難いことだと思いますよ。保育士の資格を持つ人は半分でいいと。これもう人的配置の最低基準を事実上大きく掘り崩したに等しいですよ。それで、施設設備の最低基準については努力義務だ、これでどうして保育の質が確保されるのかと。五万人はもう仕方がないというのかと。本当に無責任だと思います。 施設や設備、これ最低基準を満たすように努力してほしいというふうに言われます。それでは、例えばつくられたその企業主導型の保育、ある事業所が、保育室が狭過ぎると、改善が必要だと認められる場合、これは改善を指導するんですか。その改善が行われない場合、助成の対象外とするんですか。
○政府参考人(武川光夫君) お答えいたします。 認可保育施設の最低基準と懸け離れた水準にある施設であって、著しく不適当な保育内容や保育環境である場合、著しく利用児童の安全性に問題がある場合、その他児童の福祉のために特に必要があると認められる場合においては、児童福祉法上の改善勧告の対象となると考えております。また、勧告に従わない場合などは、同法の事業停止命令や施設閉鎖命令の対象となると考えております。 また、本事業は補助金適化法の対象でございまして、定める要件に反する水準のものであれば本事業に対する改善の対象となると考えております。
○田村智子君 今のような答弁は初めて出てきたんですよ。これまでどんなにレクやって聞いても、今みたいな明確な説明は一切ありませんでした。 では、そういう改善がなされるような指導監督がどうなるのかということをお聞きします。 企業主導型保育については、認可外保育施設指導指針によって都道府県が指導監督を行うということです。また、助成先を応募、選定する公募団体が、助成の実施、事業実施状況の確認、補助金の執行に関する監査を行うということです。 それでは、認可外保育施設指導監督基準である年一回の立入調査、これを原則とするということですか。
○政府参考人(武川光夫君) お答えいたします。 御指摘のとおり、企業主導型保育事業は、児童福祉法に根拠を持つ認可外保育施設として、同法五十九条に基づきまして都道府県知事に立入りの権限が与えられております。これに基づきまして、厚生労働省の通知では、都道府県では年一回以上立入調査を行うことを原則といたしております。
○田村智子君 では、そういう立入りの調査が現実にどう行われているか、厚生労働省にお聞きします。 都道府県に届出のあった認可外保育施設の施設数と立入検査の件数はどうなっているのか。また、年一回の立入りが厳格に規定されているベビーホテル及び事業所内保育の立入り状況はどうですか。
○政府参考人(吉本明子君) お答え申し上げます。 都道府県知事への届出の対象となっている認可外保育施設の施設数は八千百六十三か所、立入調査の実施箇所数は五千六百四十六か所でございます。また、ベビーホテルにつきましては、同じく届出の対象となっている施設数が千五百九十三か所、立入調査の実施箇所数が千百三十四か所。さらに、事業所内保育施設につきましては、施設数が七百七十五か所、立入調査の実施数が三百三か所となっております。
○田村智子君 これ、現在でも、今の事業所内保育所で見れば六割が立入調査行われていないんですよ。ここに、更に五万人分の受皿だと。これ、恐らく二千か所とか、二千数百か所つくろうという規模だと思いますよね。そうなれば、ますます立入りの未実施が増える危険性さえあるわけです。 私がなぜここまで厳しく指摘をするのか。それは、コストを抑えた認可外施設が増え続ける下で、起きてはならない子供の死亡事故というのが毎年繰り返されているからです。 二〇一〇年の四月、川崎市で、生後十一か月の飯山拓斗君が保育室に通い始めて六日目に死亡するという事件が起きました。うつ伏せ寝にして放置したのではと御両親が施設長に事故当時の状況を尋ねると、うつ伏せ寝ではない、腹ばいだとの説明が繰り返されました。御両親は非常に不審に思って川崎市に情報開示請求をしたところ、この保育室が十年前にも死亡事故を起こしていたこと、この事故が起きる前の数年間、保護者からの苦情が多数あり、何度も川崎市が立入検査をしていたことが分かりました。その内容も、保育士の配置が足りない、子供をどなる、たたく、園長が痛みを分からせるためだと子供の腕にかみつく、衛生上の問題も多々指摘をされていました。驚くのは、それでも児童福祉法に基づく勧告、公表、事業停止などは一度も行われず、口頭指導、文書指導で終わっていたことです。御両親は、こういう事実が分かっていれば子供を託すことは絶対になかったと、こう話しておられるわけです。 立入調査未実施の施設はたくさんある。立入調査が行われても死亡事故が防げなかったという事例がある。大臣、こういう実態を見て、今回の企業型保育でどうなるのか、どういう認識をお持ちですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今の事例を言われたように、やはり子供さんを預けて、そして迎えに行ったら全く朝と違う状況であったというのは、大変何とも言えない親御さんにとっても思いだったというふうに思います。 まさに、教育・保育施設というのは子供たちが安心して過ごせる、そういう環境の中で行われていかなければなりませんし、事故で子供の命が奪われることがあってはならない、まさに事故の未然防止に努めていくのは当然の責務だと、こういうふうに思います。 立入調査や指導を円滑に行われるよう、現行では事業主の従業員のみを保育している場合には都道府県知事の届出を求めないということになっておりますけれども、今回の企業主導型保育事業においては届出をした施設のみを助成の対象とするということで、そうした都道府県における対応がよりやりやすい、こういう状況にもしているところでございます。 また、もちろん、不幸にして死亡事故が発生してしまった場合には、事故から教訓を学び、今後の施設、事業主の取組や行政の指導監査の手法を生かし、再発防止策に役立てなければならないというふうに考えておりますし、また教育・保育施設等における重大事故の再発防止策に関する検討会、昨年十二月に最終取りまとめが行われておりますけれども、死亡事故等の重大事故については、地方自治体において、外部委員で構成する会議で検証する仕組みの設置、また国においても、事故報告の集約や傾向分析、再発防止の提言を行うための有識者会議の設置、これはもう年度明け早々には設置したいと考えておりますけれども、こうした提言をいただいておりますので、しっかりとこうした事故防止策を進めていきたいというふうに思っております。
○田村智子君 これ、都道府県が指導監督するんだとおっしゃいますけれども、企業主導型保育事業は、自治体の財政措置はないんですよ。先ほど来の御答弁のとおり、遵守が求められる施設基準さえもないんですよ。曖昧なんですよ。これでは、指導監督は現行の事業所内保育と比しても弱まる危険性さえあります。公募団体が、全国の企業主導型保育を指導監督して、是正の点検などして回るんだろうかと。一体、誰が保育の質の確保に責任を持つことになるんですか。
○政府参考人(武川光夫君) お答えいたします。 企業主導型保育は、児童福祉法に根拠を持つ認可外施設でございます。具体的には、企業主導型保育施設は都道府県の指導監督を受けるということでございまして、設置に当たって、都道府県への届出義務、施設の運営状況の報告義務、都道府県による報告徴収、改善勧告、閉鎖等の命令を受けることとなっております。さらに、虚偽報告や閉鎖命令への違反の罰則が科せられることとなります。 また、補助金の適切な執行の観点からは、公募団体により現地調査を通じた不正受給の防止や事業者に対する是正命令、義務違反に対する助成の取消し等を行うことを想定いたしております。
○田村智子君 都道府県は補助金出すわけでも何でもないんですよ。都道府県と事前によく協議して安全性がどう担保されるのか、そんな話合いもせずにこの法案出してきているでしょう。本当に無責任極まれりと私は思います。 この企業主導型保育は、当該事業所から離れた市街地に設置をしてもいいと。当該事業所の労働者の子供を受け入れるために開設されていれば、結果として利用者は地域の子供だけであってもいいと。そうなると、事業所内保育と言いながら、現行よりはるかに緩い規制で企業が地域の保育に参入できると、こういうことにもなっていくわけですよ。 その上、もう一点確認したいのは、保育料の設定、これも自由なんじゃないでしょうか。何らかの基準を設けるんでしょうか。
○政府参考人(武川光夫君) お答えいたします。 企業主導型保育事業における利用者負担につきましては、事業者の裁量で設定いただくことを想定しております。しかしながら、事業者に対する運営費補助につきましては、認可の小規模保育事業等と同程度の利用者負担を前提として補助の水準を設定することを予定しておるところでございまして、この前提としている利用者負担の水準につきましては、利用者負担の目安として企業主導型保育事業者にもお示しすることといたしております。 したがいまして、本事業が当該事業者の従業員を対象に実施されることということも併せて考えますれば、保育料が必要に高額に設定されるということは考えにくいと考えておりますし、むしろ事業者の判断により利用者負担を低く設定する場合も多くなるのではないかと思っております。
○田村智子君 保育士が半分でよければ利用料が安くなる可能性もあるかもしれませんが、それは保育の質を置き去りにしたような、あるいは保育士の処遇改善に逆行するようなやり方だと言わなければならないと思います。 企業が積極的に参入をした都内の認証保育所、やはり保育料の設定は自由です。見てみますと、一歳児で月五万円から六万円、こういう保育料がほとんどです。多くの自治体が、これではとても高過ぎるという声に応えて所得に応じた補助というのを行っています。これも、自治体によってもう物すごいばらつきです。それでも、年収三百万円の世帯で認可保育所の保育料の二倍になってしまうと、こういうところは珍しくありません。 企業主導型保育、これ、夜間を含む二十四時間とかあるいは病児保育ということも想定しているわけで、費用はもっと掛かりますよ。掛けなかったら安全性が置き去りにされるということになります。 また、ほかにも、企業がどういうときに保育に参入したいかと。例えば、英語の早期教育などオプション付ける、高い保育料をオプションとして徴収し、これで利益を上げるということも可能です。そうした利益を株式配当に回すことにも何の規制もありません。 加藤大臣にお聞きします。 公費の入る保育を事業所のもうけの手段にさせない、そのための何らかの規制、あるいは保育料が高くなり過ぎないような基準の設定、これ待機児童対策だと言っているんですから、こういうことを求められると思いますが、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 委員御指摘のように、認可外保育施設の中には、もちろん公費の補助を受けていないということもあるんでしょうけれども、保育料が大変高額な施設があるということは承知をしております。 一方で、今般の企業主導型保育事業に係る運営費については、先ほど御説明いたしましたけれども、認可の小規模保育事業等と同程度の利用者負担を求めることを前提に、全体として無認可の小規模保育事業等と同程度の事業収入になるよう補助の水準を設定をすることにしております。 したがって、企業主導型保育事業が主として当該事業者の従業員を対象に実施するものであることも併せて考えれば、利用者負担が想定される水準を超えて必要以上に高額に設定する、そういったことは禁止をしていく必要がある、要綱上、そのことをはっきりと定めていく必要があるのではないかというふうに考えております。もちろん、これは上限でありますから、事業者の判断で安い設定をすることは、それは自由だろうというふうに思います。
○田村智子君 ここまで本当に答弁を聞いていますと、やっぱり企業主導型の保育というのは保護者の要求に応えているとは私にもとても思えないわけです。保護者が求めているのは、お庭があって、保育室も子供が遊べるスペースがちゃんと確保されて、そして専門職の保育士さんが子供に寄り添う、育ちをしっかり支えてくれる、保育料の負担も所得に応じたものにしてほしいと、こう願うから保護者の皆さんは認可保育所へとその申請を行うわけですし、認可保育所を増やしてほしいというふうに願っているわけです。それを、保育士半数でいいとか、施設基準はないとか、保育料も自由設定だとか、どうしてこういう保育施設のために巨額の公費を充てるのか。 結局、これまで企業は相当に規制緩和を求めてきました。だけれども、様々な施設の、あるいは設備の基準がハードルが高くてなかなか参入できない、そういう声はずっとこの十年、十五年、私たちの元にも寄せられてきていたわけですよ。そうすると、自治体の関与もなく保育事業に参入できるよ、保育の質を担保するハードルも下げられるよ、認可保育所の設置に匹敵するような公費がそこに投入されるよと。これは企業の要求ではあるかもしれない、しかし保護者の要求ではないと思いますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほど、今回の企業主導型保育事業については様々な弾力的な対応が取れるということでありますから、そういった意味では様々なそこには当然ニーズがあるんだろうと、こういうふうに思います。 また、先ほどから申し上げましているとおり、認可保育施設の代替施設としてこれを考えているわけでは全くないわけでございまして、また、今年においても、多分四月頃にまた各市町村から今後の整備計画を聴取することになるんだろうと思います。また、その段階においてはそれを踏まえた対応を当然考えていくべきものだと、こう考えております。
○田村智子君 最後に、今日もうこれ法案成立というか採決になってしまうので、与党の議員も含めて、私本当にお願いしたいんです。子供の命が懸かっています。二十人を超えても保育士資格者は半分でいいなんという基準でいいのか。与党からも声上げて、内閣府に迫ってほしいんですよ。二十人超えたら認可と同じ基準、ほかの保育所と同じ基準にするようにと、要綱そうなるようにと働きかけてほしい。施設基準も、最低基準は本当に命に関わる問題なんです。最低基準が要綱にどう定められるのか。これが本当に質を落とすような要綱であってはならないと、このことを是非とも、この法案がたとえ可決した後であっても求め続けていただきたい。そのことを心からお願いをして、質問を終わります。
○江口克彦君 おおさか維新の会の江口克彦でございます。 加藤大臣に御質問をさせていただきます。 政府においても、自治体と連携して、公務員宿舎の空きスペースを家庭的保育、保育ママ事業に活用するということを進めているというふうに承知していますけれども、さらに、根本的な解決策として、今問題となっている空き家をもっと私は活用すべきではないかというふうに思うんですね。平成二十五年ですから三年前、今は増えているかもしれません、増えていると思いますけれども、一千万戸ぐらいになっているかもしれませんけれども、データによると、二〇一四年現在で八百二十万戸も空き家があるということですよね。 そういうことで、そういう空き家をもっともっと利用する必要があるんじゃないか。それは、田舎とかあるいは地方とかという、そういうところの空き家ということだけじゃなくて、実は都市部でも住宅街というのは空き家が物すごく多くなってきているんですよ。 都市部周辺の住宅街ということで随分開発されまして、そのとき、三十代、四十代、五十代の人がその住宅街に住んだわけです。そのときのそれぞれの子供たちは小学校高学年から中学生ぐらいだったんですね。ところが、二十年、三十年たちますと、建てた人はもう六十、中には七十になってしまう。お子さんたちは成人して、そして就職するということになりますと、そうすると、お子さんたちはもうその家から出ていって都心の方のマンションに移っちゃうんですね。若いときに買ったその方々は高齢になってしまいますから、そうすると、高齢になってしまうと、そこから老人ホームというか、特別老人ホームみたいなところへ移ってしまって、空き家が住宅街でも点在しているわけですよ。そういうところをもっともっと保育所として活用するということを考えるべきじゃないか。 そのときに、その空き家の家主というか持ち主というか、言ってみれば固定資産税を免除するとか、そういうふうな税制上の配慮をするということを考えることはできないか。あるいはまた、そういう地域で空き家を利用するということになれば、御近所でまだお年寄りの方々、言ってみれば毎日が日曜日って毎日散歩されている方もいるわけですよね。そういう方々もそういうところで遊びに行かれて、お子さんたちと一緒に過ごすことができるというような、そういう状況というものも生み出すことが私できるんじゃないだろうかというふうに思うんですね。言ってみれば、そういうことによってお年寄りと子供たちの温かいぬくもりというか、そういう安らぎというか、そういうふうな雰囲気というものもできると思うんです。 これは、藤沢である女性の方が自力で介護老人ホームをつくられて、その隣に保育園をつくられて、週二回、必ず保育園の園児をその老人ホームの方に行ってお年寄りと風船遊びとか紙芝居とか歌を歌ったりなんかして楽しんでいるということで、非常にいい状況になって運営されているわけですよ。 そういうようなことからすると、もっともっと空き家というものをそういう角度から積極的に、いろいろと子供たちというか、待機児童とかいろいろありますけれども、そういうことをもっと知恵を使って、しかも地域密着型で考えていくというか、もっと発想を広げた方がいいんじゃないだろうかというふうに思うんですね。 ですから、自助、共助、公助ですよ。ですから、共助のところをもっと考えないと、ただただ保育士のために国がどうのこうのとか、地方公共団体がどうのこうの、それは取りも直さず税金ということになってくるわけですね。 それ要望するということは、国民が税金を払うということ、増やすということを覚悟しなければならないということもあるわけですから、ですから、なるべく私は、税金を増やさないような知恵をやっぱり国とか我々国会議員も出す必要があるのではないだろうかというふうに思うんですけど、空き家を利用するということについて、大臣、お考えを教えていただきたいと思います。
○国務大臣(加藤勝信君) 今、江口委員御指摘のように、空き家、私の選挙区はどっちかというと中山間地域なんですけれども、そういうところでも多いんですが、都内においても結構空き家があるということは認識をしておりますし、また地域の高齢者の方々と子供さん方が触れ合うというのは、これは非常に子供さんの社会性を高めていくことにおいても非常にいい機会なんだろうというふうに思います。 空き家については、先ほど御指摘ございましたけれども、平成二十五年の時点で八百二十万戸あるというふうに承知をしております。こうしたことを踏まえて、やはり日本のある財産を活用していくというのは非常に大事な視点であります。 平成二十六年に制定された空家等対策の推進に関する特別措置法においては、市町村において空き家等の情報提供や活用の対策を含めた空家等対策計画の策定を義務付けておりますし、また、これに基づいて空き家に対するデータベースの整備など施策が講じられているわけですから、それなりに空き家の情報は入手しようと思えば入手できると、こういう状況でございます。 そういう中で、保育所の整備に関しても、この空き家の活用にも私はつながっていくと思いますけれども、今回の公定価格の改定で賃借料加算を大幅に引き上げさせていただきました。こういったものを是非活用して、空き家の活用を是非進めていただけたら有り難いというふうに思いますし、また、空き家ではありませんけれども、小学校の空き教室というのもありまして、この活用も、先日厚生労働省が公表した待機児童解消に向けて緊急に対応する施策において、保育園等の施設設備費の地域の余裕スペース活用促進加算の加算額、これが元々あるんですが、それを更に増額するということで打ち出しをされたところでございますので、やはり委員御指摘のように、地域におけるまさに空き家等、あるいはそこにおられる高齢者の方々、そういったことの貢献もいただきながら、子育て支援にしっかりと取り組んでいきたいと思います。
○江口克彦君 是非そういう空き家を保育所とかそういう場所で提供したその人に対する優遇措置というか、いろいろ賃料とかそれについて配慮しているということですけど、やっぱり固定資産税というものも是非その角度からも御検討いただけないかというふうに思う。 要するに、私も経営者のときに、自分の会社の中で保育所をつくろうと思ったんですよ。お子さん持っている女子社員の人にそれを言ったんですけど、余り人気なかったですね、余り人気なかった。それはどういうことかというと、子供を連れて満員電車で会社まで来なきゃいけないと。しかも、預けたい子供はやっぱり二歳か三歳というところになるんでしょうね。だから、そういう子供をだっこしながら、ましてや二人抱えながら会社まで来るのが大変なんです、だからつくっていただいても多分活用しないですという、これは五人ぐらいの女子社員に、お子さん持った女子社員にヒアリングしたんですけど、それで諦めたことがあるんですけどね。私は、割とそういうことについて、保育ということについて、ですから、社員の保育ですけど、関心持ってきたんですけど。 そこで、待機児童問題は社会的な今問題になっているわけです。企業主導型の事業内保育所の整備が今予定どおり進んでも待機児童が減らないという状態。そこで、将来、待機児童が増えるようなことがあれば、私は、税金でどうのこうのというよりも、企業のCSRで考えなきゃいけないと思うんですよ、言ってみれば、女性活用ということであれば。CSR、社会的責任という一環としてね。 やっぱり企業の社会的責任を果たすという観点から、例えば、大体大企業というのは資本金一億円以上とか以下と、それが境になっているわけですよね。だから、資本金一億円以上のところは、今、子供を連れて会社まで来るのは大変だということを申し上げながらこういう提案するのもなんですけれども、しかし、会社の中の保育所を使いたいという方も、広い日本、お母さん方おいでになるんじゃないかというふうに思いますので、これは大企業に対して事業所内保育所の設置を義務付けるというようなこともあっていいんじゃないかというふうに思ったりするんですね。それで、要望が社員からあったら、女子社員からあったらそれをつくらなければならないというようなことを考えたらどうか、そういうことを決めたらどうかというふうに思ったりするんですが。 また、あわせて、資本金一億円以上の大企業が、その従業員数に応じて一定の割合、保育士を直接雇用するという保育士の社員化というものを考えたらどうかというふうに思うんですね。これは、保育士不足の一因となっている処遇の低さの改善に私はつながるというふうに思うんですね。だから、今、障害者雇用促進法というのがあって、全従業員の二%はいわゆる障害者を雇用しなければならないということになっていますよね。私も雇用しました。だから、決められていましたから二%雇用したわけでありますけれども、それと同じように保育士を企業は雇用しなければならない。 じゃ、会社の中に保育所がないのに保育士をどうするのかといったら、それは、その雇用した保育士を、保育園に行って十年間でも保育の仕事を、そこで仕事をしてもらう。社員ですから給料は年々上がっていく、初任給ももう一般の社員と同じということになっていくわけですね。 そういうことをしていくということがやっぱりそのCSRとして、私は、新しい時代のCSRとして企業が考えなければいけないし、考えてもらうように指導すべきではないだろうかというふうに私は思うんですね。だから、例えば、簡単に言えば、二人なら二人、保育士を社員として雇用する、その保育士は保育所にいわゆる派遣すると。派遣するけれども、午前中は一人だ、それで午後からは一人だというようなことで、例えば十年間なら十年間、そういうことで保育士を保育園に、保育所に、あるいはまた必要なところへ行ってもらうと。 そうすると、その十年間で保育士、例えば午前中だけ会社で、午後から保育園に行くということになると、これは企業の中において大変じゃないかと。企業から、会社の方から、人事からいろいろと、端的に言えば出世とか給料に影響するんじゃないかというようなことですけど、そんなことはありませんね、考え方によっては。 いわゆる企業におけるスポーツ選手というのがあるんですね。大体スポーツ選手は、私の経験からいっても、人事本部に所属したままスポーツやっているわけですよ、野球選手やっているわけですよ。P社のと言ったってすぐ分かってしまうかもしれませんけど、この間辞めたKというこの人は、十年間、そのP社の都市対抗野球の選手として出ていて、三時ぐらいまでしか仕事をやっていないですよ。その後、野球の練習やるわけですよね、野球の練習するわけですよ。その人は最終どうなったかといったら、専務まで行ったと思いますよ。 だから、そういうことで、会社を最初の十年間ぐらい半分半分ということで、会社もそれを理解してというよりもそれを制度化すれば、保育士として例えば三十なら三十でもいいですよというようなことをしても、後の保育士、女性の方でも男性の方でもどんどんどんどん出世することもできるし、階段を上がることもできるし、いや、階段上がれなくても、給料は定期昇給で上がっていくわけですよ。 ですから、今日、質問というよりも、そういう企業に保育士を雇用させるというか義務付けて、そしてそれを社会に提供するということで、それは企業がやっぱり負担すべきだと、それはCSRですから。だから、そういうことになれば税金一銭も使わないし、しかも十分にお母さん方にもね。それは、その保育士が施設のところへ行っていろいろと協力をするとか、あるいはまたいろいろお手伝いするとか働くということでもしも問題が起こったときには、その会社の問題になるんですね。その企業の問題になってくるんですよ。 そうすると、今は保育士に何かがあったときに、保育所の問題とか、跳び上がって国がどうのこうの言ったって、やっぱりちょっと具体的には、全国的などうのこうのということになりますからね。そうすると、企業としてもやっぱりいいかげんな保育士を出していくということはできないわけですよ。 こういうようなことを考えていくということをお考えいただく。そして、その場合、またやっぱり保育士を、これは障害者雇用促進法と先ほど申し上げましたけど、これ雇用をすると税制にも結構配慮されているわけですよ。 だから、企業が保育士、私、もう介護士もそういう形で企業で雇用して、そして給料を、今物すごく保育士の方も介護士の方も低いですよ。もう実にかわいそうです、気の毒ですよ。私も、京都の保育園よく知っていますから、園長さんよく知っていますから話聞きますけれども、時間が長いということと、仕事が過酷ですよ。これを何とかしなければいけない。しかし、国に金がないということになれば、そういうやっぱり民間で、もう民間を活用するという知恵を加藤大臣、お使いになった方がいいというふうに思いますけれどもね。私が加藤大臣に代わって大臣やった方がいいんじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 江口議員が民間でいろいろ御活躍された、そうしたことも背景に御提案をいただいたんだというふうに思います。 子ども・子育て支援においては、やはり保護者が子育ての第一義責任を有するというこれは基本的認識の下で、やはり家庭、学校、地域のみならず、職場あるいは会社、そうした構成員がそれぞれの役割を果たしていただくことは、これは必要だと、こういうふうに思います。 そういう中で、企業においてもワーク・ライフ・バランスの推進や仕事と子育てとの両立支援に一定の役割を果たしていただくことも必要でありますし、今回、経済団体等ともぎりぎりの協議をする中で、企業主導型保育事業、企業が負担する事業主拠出金を活用して施策を展開をしているところでございますし、また、いろんな企業の方とお話をすると、やはりそこで働いている方々が子供を出産された後もしっかりと働いていただく環境をつくっていかなきゃいけないという意識を強く持っている会社も幾つか私も話を聞いているところでございます。そういった中で、こうした事業も取り上げていただけるんではないかと思います。 また、事業主拠出金については、これは従業員が多くなればなるほど必然的に多額の拠出金を払う、こういう仕組みに今なっているわけでありますので、大企業、特に従業員の多いそうした企業においては規模に応じた貢献をいただく仕組みにもなっているのではないかなというふうに思います。 今、一定割合の保育士を企業が直接雇用して派遣するという、派遣的にというお話もございました。なかなかそこまでは、ちょっと私の想像ではなかなか到達し得ませんが、ただ、自社の保育所において直接社員として雇用するということは当然可能でもあるんだろうと思います。もっとも、それは企業の判断によるところでありますので、またこの制度においては、企業は直接運営する場合、あるいは委託により運営する場合、雇用形態もそれによって様々なことがなり得るのかなというふうにも思います。 ただ、いずれにしても、企業も含めた社会全ての構成員がこの子育て支援を進めていくんだと、こういう考え方に立って今後とも各般の施策を進めていきたいなと、こう思っております。
○江口克彦君 私、もうほとんど原稿読まずにお話ししているわけですよ。加藤大臣、私の質問に対して原稿読まれるのは、まあそれはそれでよろしいですけど、私が提案しているのは、保育士をやっぱり企業で、それが新しいCSRじゃないかということを申し上げているわけですよ。 やっぱりそれは、賃金上げろ賃金上げろって経団連に行かれるのもそれはそれでいいと思いますよ。だけど、やっぱり今保育士の方々の、先ほども申し上げましたけど、過酷な時間と過酷な労働というのは、これは本当に、そして極めて低い、もう十万円か十二万円、一般と平均して給料低いわけですよ。こんな低いところへ保育士の人たち、どうするかということを考えなきゃいけない。国で、じゃ、予算がいっぱいいっぱいということになってくるというふうにおっしゃるなら、やっぱり企業に協力してもらうと、そういう制度を、障害者雇用促進法と同じように、そういうことをやっぱり知恵を出して考えなきゃいけないというふうに思うんですよ。 企業、受けると思いますよ、これ。企業は、言ってみればそれが企業のPRにもなるから、企業の宣伝にもなるから、これはもう絶対にいいセールスポイントっていうふうに思って。だから、そういうようなことからすると、要するに加藤大臣は企業を知らない、経営知らないですよ。だから、企業がどういうふうな思いで対応するかということはお分かりにならないと思いますけれども、お分かりになるかな。お分かりにならないと言ったら失礼ですけど、お分かりにならないかもしれないと。かもしれないとちょっと前言を訂正しますからね。 でも、本当にこれ進めてあげた方が、保育士の人たちの給料も、大企業の社員ですから、給料ずっとずっと上がっていくことにもなりますし、それから企業としてもイメージがいいわけですよ、企業としてもイメージがいい。是非そのことを考えていただいて、是非その方向で一度御検討いただけないでしょうか。是非、賃金上げろ賃金上げろ、全体の賃金上げろ上げろということだけじゃなくて、是非もっとピンポイントで保育士、介護士の方々の給料を上げていかないと、少子化、高齢化の社会はこれから大変なことになりますということを申し上げて、質問は終わります。
○山田太郎君 日本を元気にする会の山田太郎でございます。 二之湯議員の方から、まさに子預けじゃなくて保育ということで始まったこの質疑でありますけれども、私もまさにそのとおりだと思いまして、特に質の問題というところでは、まず最初、病児保育について少しやりたいというふうに思っています。 実は、私も江口先生と同じように元々経営をやっていたんですが、コンサルティング会社みたいのを率いていました。優秀な女子社員がいても、大体私のところに寄せられるのは、済みません、今日は病気になったのでちょっと早退させてもらえないかとか、朝少し調整させてもらえないか、こんな話がすごく多かったのは事実であります。女子社員の場合、どんなに優秀でもそれを会社で三回ぐらいやりますといづらくなってしまうんですね。結局、我々が引き止めても、それは、御本人が非常に言いにくいということにもなって辞めてしまうと、こういうことになるわけであります。 そういう意味で、やはり子供はまさに病気になるわけでありまして、この病児保育というところについても、単に子預けということではなくて、しっかり保育するということを考えるのであれば重要な論点ではないかなということで少しやりたいと思っています。 何でこの話をもう一個するかというと、私の会社ばかりじゃなくて、待機児童の問題、もちろん数え方によっては違うんだというふうな方もいるんですが、非常に偏在化した傾向がありまして、まず年齢でいくと、待機児童、ゼロ歳から二歳までが八五・九%だということでありまして、実は、待機児童の最大の問題は低年齢児の問題であると。低年齢児になると、多分預けているところに病児保育もしっかりやってもらわないと心配だということにもなるんですよね。そういう意味で、大きい子ももちろん病気はするんでしょうけれども、やっぱり小さければ小さいほど心配だということを解消していかなければいけないと。 じゃ、実際の病児対応の保育所というのがどれぐらいあるのかということを調べていただいたんですが、保育施設が今二万五千件弱あるようですけれども、そのうちたった千八百三十九か所しかない、全体の七・五%ということでありまして、保育所としては病児対応している方が珍しいということになってしまうわけであります。 結局、そうなってくると、お子さんが病気になったからということで連絡があって引き取りに行くとか、結局そういうことになってしまうんですよね。やっぱり安心して預けられる、その間、預けたお父さん、お母さんたちはしっかり安心して働くことができると、こういうことにもならなければいけないんだというふうに思っております。 そんな中で、今回、政府の方も病児保育の充実ということで、五十七万人から二〇一九年までに三倍の人数に増やすということは大変私自身は評価しているところでありますが、ただ、じゃ、箇所として、その平成三十一年に病児保育の箇所は何か所になるのかと、これ人数の問題じゃないと思うんですね。どの施設であったとしても、人数の多寡によらずにやっぱり病児保育を受けられるということは必要だと思うんですが、その辺り、平成三十一年、人数の比としては三倍に増やすと、収容能力を三倍に増やすということは一定の評価をしますが、箇所としてどれぐらいの箇所を想定、設定していくのか、この辺り、御答弁いただけないでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 具体的に今の施策の中で、少子化社会対策大綱、平成二十七年三月に決定いたしました中では、病児保育について、現状、当時二〇一四年の交付決定ベースで延べ五十七万人、この水準を百五十万人にするということは決めさせていただいておりますけれども、箇所数を幾らにするかというところまで具体的に想定しているところではございません。 ただ、いずれにしても、委員も御指摘のように、子育てしながら就労する家庭にとって、やはり子供さんというのは割と頻繁に病気になったり熱が出たり、こういう状況があるわけでありまして、こうした病児保育のニーズは非常に高いと思っておりまして、その充実をしっかり図っていきたいと思っております。 平成二十七年度より実施している子ども・子育て新支援制度では、消費税財源を活用して、病児対応型、病後児対応型についても、補助単価に加えて改善分という加算を新たに設定をいたしました。また、これはまた先ほどの数にも関わってくると思うんですが、体調不良児対応型については、今、看護師二名以上配置としている補助要件を、これを看護師一名以上の配置で実施している施設にも拡大をしていくということでございますので、そういった意味では箇所数が増えていくということにもつながっていくんではないかなと。 さらには、平成二十八年度予算におきまして、今般の事業主拠出金の引上げを財源といたしまして、新たに病児保育事業を実施するために必要となる施設整備等に対する費用を補助する、それから、拠点施設に看護師等を配置して、保育所等に、全ての保育所に病児保育の対応がないわけでございますから、そこへ行って、保育中に体調が悪くなった体調不良児を送迎して病児を保育するために必要な看護師の雇い上げ費用も補助するという形で、一つ一つこの病児保育の拡充に向けて進めさせていただいているところでございます。
○山田太郎君 是非、箇所数の方も、いわゆる目的、この比率ですよね、これは是非、全ての場所に必要だとも思いません、幾つか集中して、ここであれば、そういう難しいというか病気がちなお子さんも預かれるんじゃないかというのが近くの地域にあるということは多分重要だと思いますので、是非ちょっとその箇所数についても御検討いただければと思っていますが。 もう一つ、大臣の方からも少しあったんですが、訪問型ですよね。実際は企業主導型の保育所、私も会社をやっていて、確かにあったら一つ考え方としていいのかなと思ったんですが、実際は、結局は満員電車に子供を連れていくなんということは多分考えられないので、企業の対応としては時間差でもって出勤、出社を考慮するとか、そういうのをセットにしないと難しいのかなと思いますが、一方で、訪問型という形でもってサポートしていくというやり方もあると思っているんですが、実は今、日本で病児保育事業、訪問型がどれぐらいあるかと思って調べさせていただいたら、びっくりしたのは五か所しかないと。病児対応型が千二百七十一か所、体調不良型が五百六十三か所ということで、二万五千か所に対してそれの数も少ないんですが、訪問型といったらまだ五か所しかないということで、これの充実というのは一つありだというふうに思っています。 ただ、訪問型になると、結局はいわゆる都道府県、市町村の負担がすごく大きくなりますから、余りトータルな財源の中でやりたくないということにもなりかねません。国の施策としてやるのであれば、ここに対するひとつ配慮というか割増しというんですかね、補助率を例えば上げるとか、政策誘導をする必要があると思うんですね。せめてその箇所をひとつ増やしていくということが目標として持っていただけるのであれば、訪問型というのも併せて全体に行き渡るという意味では積極的に考えていただきたいんですけれども、この辺り、大臣、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今御指摘のように、いわゆる訪問型、私どもの分類では非施設型と分類しておりますけれども、五か所にとどまっているところでございます。メニューとしてはそれぞれあるわけでございますから、それぞれが今どういう事情でそれが拡大できていないのか、そういうこともよく見極めながら対応していかなきゃいけないなというふうに思います。 また、今回、事業主拠出金を使った、いわゆるベビーシッターという形で派遣する、これについては病児保育であったとしても対象になるということにはしているところでございます。
○山田太郎君 この辺は行政含めて知恵の出しどころだというふうに思っていますので、是非、私は、カバー率というか、どこでもそうやって安心して病児の子供でも預けられるように是非措置をとってもらいたい、こういうふうに思っております。 さて、もう一つ、障害児保育という辺りについても少し触れていきたいというふうに思っています。 私自身、今知的障害の子供たちどうしていくのかということを少しいろんなところでやらせていただいているんですが、実際、保育の中には障害児、実はこの割合、非常に増えているというのも事実だと思っています。対応が難しい子ということも非常に増えてはいるんですが、じゃ、現実的に障害児に対するサポートをどういうふうにしているのか、これを今回ちょっと厚労省さんとレクも含めてやり取りさせていただいたんですが、実はこれ交付税の中で一般財源化してしまっていて、基本的に都道府県に任せているような状態になってしまっているということで、把握が非常に難しいということを回答でいただいているんですね。ちょっと私はこれはまずいんじゃないかなと。 特に、明日からまさに要は障害者差別解消法というものも施行されるわけですし、子どもの権利条約というところも考えれば、当然、子供の、障害者の子供の権利というものもきちっと国は責任を持ってやっていく必要がある、少なくとも、今障害児保育に対して現状がどうなっているのかということについては、自治体、都道府県任せだけではなくて、国が把握する必要があるだろうと。そうでないと、これもうがった見方をすると、実は障害がある子供に対する保育は非常に手間もコストも掛かります。そうなってくると、予算の使い方として、うがった見方をすると、何とか待機児童を減らそうというところだけを各現場が努力してしまうと置き去りにされてしまうというリスクも非常に高いというふうに思うんですね。 そういう意味で、まさに明日から障害者差別解消法プラス子どもの権利条約、子供にもその権利があるんだということを考えるんであれば非常に重要な論点だと思いますが、国は今後、こういうことを把握して直接対応できるような形に考え方というかやり方を改めるべきなんじゃないかなと、こういうふうに思っているんですが、この辺、大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(竹内譲君) お答えいたします。 まず、これまでの経緯も含めまして少し整理させていただきたいと思いますが、保育所における障害児の受入れに伴う保育士の加配につきましては、先生御指摘のとおり、平成十五年度から一般財源化いたしまして、地方交付税措置により対応しております。また、平成十九年度からはその対象児童の範囲を軽度障害児にも広げまして、障害の程度にかかわらず対象とするとともに、保育士の配置基準をそれまでの四対一から二対一に改善をしているところでございます。 そこで、この平成二十七年度から子ども・子育て支援新制度が施行したことに伴いまして、消費税財源を活用した質の向上として、保育所におきまして、障害児等の特別な支援が必要な子供を受け入れて、地域の関係機関との連携や相談対応などを行う場合には療育支援加算を公定価格に設けまして、障害児保育の支援を厚くしたところでございます。
○山田太郎君 経緯はよく存じ上げているので、ポイントは、きちっとどれぐらいの障害児がサポートできているのか、障害児の中にも医療ケアが非常に厳しい状態ですと、鼻からチューブ入れたり、気管に正直切開をしてやらなければいけない子供たちがいる、この子供たちがしっかり障害児保育として受けられているんだろうかと。現場ではいろんな実は情報、意見なんかも私のところにあるんですが、今日はそこを個別には取り上げませんけれども、やっぱりいろいろ問題があると思うんですよね。 それから、都道府県の対応ではやっぱり全体のばらつきというんですかね、対応に対する強弱もどうしても出てきてしまう。そういう意味で、私の質疑は、事情も、今回一般財源化したことも、あるいはこういったものをいわゆる地域自治体にやらせていくということも趣旨は分かっているんですが、きちっと国として把握をしてもらいたいということなんです。 そういう意味で、もう一度、是非今後、国としてその辺り、障害児保育という形でしっかり詳細をまず把握していくということをお願いしたいんですが、もう一度、いかがですか。
○副大臣(竹内譲君) 先生の御指摘のとおり、厚労省といたしましても、保育所における障害児の受入れ状況等につきまして、都道府県任せではなくて、しっかりと把握して掌握をしてまいりたいというふうに考えております。
○山田太郎君 ありがとうございます。これで相当私は、障害児保育、今後変わっていくんじゃないかと思って期待しています。 さて次に、保育士さんの給料が安過ぎるというようなポイントを随分議論されてきたと思います。ちょっと今日私がお配りした紙も少しにらみながら、この辺りの質疑させていただければというふうに思っております。 保育士さんの給料改善、十万円アップということで、通常の平均というか、全職種平均との差を埋めましょうということで、これについては衆議院の予算委員会段階で、これをやると五千七百億円の財源が必要になると、こういう話は出てきたわけであります。私自身は是非これやるべきだ、実は、GDP含めてもしかしたら物すごく押し上げる可能性があるんじゃないかなと。 つまり、保育士さんに対しても給与という形で公的ないわゆる支出として還元され、また、それによって手が空いてきた、今人手不足と言われていますからね、そういう形でもって労働生産性も現場で上がるということで、実を言うと、これに対する財政投資というか、財政出動というか支出はかなり経済にプラスがあるんではないかと思うんですが、例えば、こういったもの、施策においてGDPどれぐらい引き上げるかだとか、そういう論点で政府の中で議論されたことがあるのか、されていないのであれば、私は是非やっていただきたいと思うんですけど、その辺り、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今お出しをいただいておりますけれども、我が国の家族関係社会支出、いろいろここに御指摘いただいておりますけれども、社会保障費用統計、これはOECDのデータによる国際比較ができる、二〇一一年度では、家族関係社会支出は約六・四兆円、GDP比は一・三六%と。ただ、これ、ほかの国と比較したとき、まさに効果というのはそれなりにあるかもしれませんが、この財源はどうしていくのか。やっぱりそれぞれの国において例えば付加価値税等の税率もそれぞれ違ってきているわけでございますので、なかなか単純には比較できないのではないかなというふうに思います。 ただ、これまでも指摘されているように、特にこうした家族関係社会支出、すなわち若者に向けての福祉に対する比率が低い、欧米諸国に比べて低いということは私どもも認識しているところであります。
○山田太郎君 まだそこまでやっていなかったんですけれども。 私はまず、経済的側面からいっても、少なくとも保育士さんの給与改善が、先ほども申し上げたように、直接雇用を生む、保育士さんを雇用を生んで、その人たちが全職種の平均並みになれば当然消費支出も上がってくるでしょうし、又は、いわゆる人手不足という状況の中で、それによって働ける人が出てくれば労働生産性というところも上がるということで、確かにこの後、家族関係社会支出の問題の論点から、財源にかかわらず、いわゆる先進国並みにという議論をしようと思ったんですけど、まず、単独でもって保育士さんの十万円を上げるということが、実は単に支出の側面だけではなくて、経済に対してもすごく寄与するのではないかと、そういう論点からも是非政府は少し検討してみてもいかがかなと。 つまり、いわゆる金融緩和だとか、いわゆるいろんな財政出動だとかとあるんですが、その中でのまさにアベノミクスの中でも一つの論点としてこれは私は面白いのではないかなと思っているんですが、そういうちょっと論点でもう一度、いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) そういう論点においては、やはりアベノミクスにおいても、やはり賃金の上昇あるいは雇用の安定、これを通じて消費を拡大し、強い経済をつくっていくという、こういう流れでございますから、そういう意味では、保育士のみならず全ての方々の賃金をどう上げていくのかということは非常に大事だと思っておりますし、また、これまでもそういった観点から経済界に対して賃金の引上げ、あるいは最低賃金の引上げ等を図ってきたところでございます。 ではございますが、また他方、今議論されております保育士の方々の賃金を含めた処遇改善というのは、もちろんそういう観点もあろうかと思いますけれども、今の水準そのものがやっぱり低いと、こういう観点から議論がなされているものと、こういうふうに承知をしております。
○山田太郎君 是非大胆な、アベノミクスの中でそういう、何というんですかね、これは本当にGDPを上げる側面もあるかもしれないという形で、ポジティブに、単にコストが掛かるという論点じゃなくて、検討していただければと思っています。 さて、大臣の方が少し先に御答弁いただいていたところの家族関係社会支出ということで、一枚目から見ていきたいと思います。 日本は、非常に他国に比べてGDPに対して一・三六%ということで低いと。つまり、若者向け等を含めた家族関係社会支出が非常に低いということは指摘されています。実は、この家族関係社会支出を増やすと合計特殊出生率の回復が見られるというのは、実は内閣府のホームページでも書いてあるんですね。GDPに占める社会関係支出の割合が大きいスウェーデン、イギリス、フランスなどの国では合計特殊出生率の回復が見られると。 まさに希望出生率一・八ということを政策の柱として捉えるのであれば、まさにこの家族関係社会支出ということをにらむべきでありまして、もちろん財源の問題はあります。政治ですから、政治家ですから、財源の問題を無視してはできないんですが、ただ、財源財源を言っていて、何に対して支出するべきだというまずはグランドデザインが私は必要で、その上で、何を削ってでも何に充てるというのがやはり本来の筋論なんではないかなと、こう思うわけでありまして、じゃ、実際、今まで、私も予算委員でもありましたので、委員会の中で語られていた家族関係社会支出全体を実際に見てみた場合にどれだけのポーションになるのかというのを作ってみたのが二枚目の表であります。 保育士さんの給料改善、これがいわゆる十万円をアップした場合に五千七百億円という答弁をいただいていますが、これGDPに占める割合は〇・一二%だと。児童教育の無償化というのもさんざん議論になっていましたが、これを入れると七千四百四十五億円だということも質疑の中でありました。これは〇・一六%に当たるんですね。高校無償化追加分、既に無償化されている分がありますから追加分、そこまで行きますと〇・〇六ということで、これ全部入れると、元々の今の六兆三千八百九十億円というのが日本の家族関係社会支出なんですが、足しても八兆ということで、一・七%なんです。 つまり、まず高校の無償化までは他国に比べてやれるんじゃないかなと、やるべきだと思っていますし、じゃ、大学の無償化ということも非常に議論になりました。私も去年、社会養護の件でドイツを回って、大学がただだということをつぶさに見てきたんですが、結構これは私立が負担が大きいので三兆、そうすると〇・六六押し上げて二・三六、これでも十一兆の支出になりますので、他国に比べると、ドイツより増えちゃうんですが、いわゆるフランスよりは下だと。だから、大学に関しては全てただというよりも、今、安倍政権の方でも給付付き奨学金というようなことをやっていますから、組み合わせると、せめてもドイツ並みと。 各国はこれでやりくりをしているわけですから、我々もしっかりやりくりをして、国のグランドデザインとして家族関係社会支出を他の先進国並みにしてみると。いわゆる中福祉の国という意味では、やっぱりドイツ、フランス並みに、ここに並んでいないと恥ずかしい側面もあるというふうに思っています。 もちろん、財源の問題も、ここからじゃ何を削ってということになると思いますが、是非こういう論点でもって議論してもらえないかなと。これはもう本当に内閣府自身が、ここをやれば、自らが合計特殊出生率の回復が見られているんだということをしっかり言っているわけですから、この辺り、大臣、大胆に、これは完全にアベノミクスには合うような政策だというふうに思っておりますので御提言したいんですが、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 政府としても、希望出生率一・八ということを掲げて、その実現に向けて、結婚、妊娠から子育ての各段階の負担、不安を解消するための支援の充実、あるいは、ここでも議論いただいておりますが、多様な保育サービスの充実等、これ強化して、既に予算にも盛り込ませていただいております。 御指摘のあるように、そうした希望出生率一・八を実現していくためには様々な形で若い方々を支援していく必要はあるというふうに思いますし、それはしかも継続的に支援をしていかなければそうした希望出生率の一・八の実現というものはなかなか難しいんだろうと、こういうふうに思っております。 そういう中で、どういったものを入れるかということと同時に、やはりその負担をどうやって賄っていくのかと、これは並行して議論していかなければならないんではないかなというふうに思いますが、ただ、いずれにしても、そうした若者の支援をしていくということは我々としてもしっかり取り組んでいかなければならない課題だと、こういうふうに認識をしております。
○山田太郎君 何だか検討していただけるのか、やっていただけるのか、よく分からなかったので、もう一度お伺いしたいんですが、私は、これはコストだけの論点ではないんだと、未来への投資、もっと言うと、未来への我々の責任だというふうに思うんですよね。十兆円がたかだかと思うのか、とてもじゃないけど現役の我々がこれによって押し潰されてしまうのか、これは我々自身が判断することだというふうに思いますが、数字として見えていて他国並みにやりくりをしていく、こういうまずグランドデザインこそ私は議論するべきだと思っていますし、細かい改善のもはやレベルでは成り立たないと。もし保育士さんの給料が増えて、幼児教育も無償化になって、高校も大学も全額国が負担しているとなれば、相当私は未来に期待できる明るい国になるんじゃないかと思います。 これ是非、安倍内閣としても是非ひとつ検討、せめても検討をしていただければもっと違った社会が今後期待できるというふうに思うんですが、もう一度、大臣、いかがですか。
○国務大臣(加藤勝信君) 今、一つ一つの施策について具体的に申し上げる状況ではございませんけれども、いずれにしても、この春取りまとめますニッポン一億総活躍プランに向けて、希望出生率一・八の実現に向けたロードマップというものも提示していきたいというふうに考えております。
○山田太郎君 是非、これは私、希望出生率一・八だけの問題ではないと、もっと大きな問題として、この家族関係社会支出の問題、これは国の本当に在り方、何にこれから我が国は金を掛けていくのかという重要な議論だと思いましたので提案させていただきました。また、引き続きこの辺りも重ねてやっていきたいと思います。 本日はどうもありがとうございました。
○山本太郎君 ありがとうございます。生活の党と山本太郎となかまたち共同代表、山本太郎です。 子ども・子育て支援の一部改正案について質問したいと思います。 加藤大臣、五月にも発表されるといいます一億総活躍プランの待機児童対策は、昨年四月一日現在の数字でいうと待機児童二万三千百六十七人と潜在待機児童六万二百八人、合わせて八万三千三百七十五人のための待機児童対策ということでよろしいでしょうか。
○国務大臣(加藤勝信君) 先日、厚生労働省において公表した待機児童から除外されている四つの類型については、これはもう既に平成十三年度からこういった形で取扱いがなされているところと承知をしております。 待機児童数の把握を行う際には、平成二十七年度からの子ども・子育て支援新制度の施行に伴い、待機児童にカウントしない方も含めて幅広く支援策を考えるに当たって参考とするため、その数字について新たに把握をされたものだというふうに思います。これらの数字については、従来よりも、地方単独事業を利用した児童の場合は自治体が関与し一定の質の確保された保育サービスを利用していることなど、一定の根拠を持って待機児童から除外をしているところでございます。 市町村においては、待機児童、狭い意味での待機児童、今御指摘があった意味では二万三千人ということ以外も含めて潜在ニーズをまず広く把握をしていただいて、そしてさらに、これは今の状況ですけど、これからどういうふうにこの需要が動いていくのかということも含めて計画的に保育サービスを拡大をしていただくこととしておりまして、私どもとしても、顕在化している待機児童以外も含めて、そうしたことを前提に保育の受皿を確保していきたいと、こういうふうに思っております。
○山本太郎君 ありがとうございます。 今言われている待機児童だけじゃなくて、もっと広いところもカバーしていくというようなおつもりで一億総活躍プラン、待機児童対策ということも考えていらっしゃるという理解でいいかと思うんですけれども、ありがとうございます。 加藤大臣、この待機児童、一般的に言われます待機児童そして潜在待機児童合わせて昨年四月一日時点で八万三千三百七十五人、都合上今この数字を使わせていただきますけれども、八万三千三百七十五人の児童の保護者の方々の中で、今回の改正法案の事業所内保育所、これを求めている方々どのくらいいらっしゃいますか、教えてください。
○国務大臣(加藤勝信君) 今回の事業所内、企業主導型保育というのは、これから平成二十九年度まで我々見据える中で、当初四十万人分の受皿拡大を考えておりましたけれども、女性の就業率の向上、あるいは今回子ども・子育て新支援制度を導入したことも含めて更に十万人を上積みすることとし、そして実際市町村から上がってきている四十五・六万人、これは認可保育園等で対応するわけでございますけれども、それ以外の五万人分の保育の受皿に対応していこうということでやらせていただいているところでございますので、今委員御指摘のように、このうちどれだけが今の待機児童から来るのか来ないのかと、個々のケースまで想定しているところではございません。
○山本太郎君 これ、おかしな話なんですよね。五万人、事業所内保育というところにつくっていきますよという話なんですけど、じゃ、それ誰が求めているんですかということに対して、その答えはないということなんですよ。 でも、これ、つくるためにはやっぱり根拠というものが必要ですけれども、じゃ、どうやってその数字を導き出したんだ、五万人という話なんですけれども、二〇〇三年に行われた調査ですよね、これ、民間の方々が。日本労働研究機構、サンプル数は千百八十二人。二〇〇五年にも調べたよと、第一生命が、サンプル数百。これを根拠に五万人の事業所内保育、ニーズがあるというような雰囲気でつくり出しているという話なんですよね。要は、ニーズ理解していないんだと、使っているこのデータなんて二〇〇三年、二〇〇五年、いつの使っているんだよという話ですよね。 ニーズも理解せず、調査もせず、提供するサービスを一方的に決める、それをこの場で話し合って決める、これってかなり乱暴な印象を受けるのは私だけでしょうか。事業所内保育所を増やしていく法案に対しての質問に対して、事業所内保育所を求めている人がどれくらいいるか分からないって、これは悪い冗談ですよ。立法事実なしと答えているのと同じことですよね。 大都市以外でマイカー通勤されている方々のお話、こういうことだったらまだ理解できると。事業所や病院などでの保育施設の意義は十分理解できますと。でも、大都市部の保護者の方々は電車で通勤が多くないですかって、いろんな委員の先生方からの御指摘があったと思います。これ、大人が移動するだけでもこの超満員電車、特に東京なんてそうですよね。皆さん、最近電車に乗られていますか。超満員電車乗られた記憶って最近いつですかね。これ、正気を保っているだけでも大変なんですよ、大人が。ここに赤ちゃん抱いて、小さな子供の手を引いて、また満員電車に乗り換えてやっと出勤できた。いやあ、事業所内保育所に預けられるから安心だわって、普通に考えてこれあり得ない話なんですよ。 そう言うと、必ずこういう答えが返ってくるんです、フレックス制。フレックス制利用するから問題ないですよって話になるんですけど、じゃ、この国に存在している企業の中でフレックス制が導入されている企業、どれぐらいあるんですかって、厚労省調べているんですけれども、たったの四・三%。この法案、今回ここに提出されて審議されている、議論されているこの法案というのは世の中のニーズとずれていませんかという話だと思うんですよね。 大丈夫ですよ、マイカー通勤していない方も大丈夫なんですよ、事業所内だけじゃないんですよって、これ地域枠というのがありますからね、場所も自由に設定できたりするんですから、あなたのお住まいの最寄りの駅で利用可能になるかもしれませんよという話をされても、これ企業ですから、やっぱりコスト重視しますよねって。場所代にコストが掛かったらまず最初にしわ寄せ行くのどこですかって、最初にカットされるの誰ですかって、これ保育士以外ないんですよ。人件費に響くんですよ。結果、しわ寄せのほとんどが保育士に行ってしまうという話になってしまう。 定員弾力化、変わった言葉ですね。定員の弾力化。この名の下に規制緩和がなされていくと。現在ぎりぎりですよ、ほとんどが。現在ぎりぎりの状態の現場に対して、更に定員を上回る子供を受け入れる状況、これ進んだらどうなりますかって、もう保育士バーンアウトしちゃいますよって、燃え尽きてしまう保育士をつくり出すようなものだと。安全性にも大きな影響を及ぼす。まさに破滅的、明らかに保育士潰しですよ、これ。資格があっても保育の仕事に就けない理由、理解されていますか。これを増大させることになりますよっていうお話なんです。 昨年四月一日時点での待機児童と潜在待機児童合計八万三千三百七十五人の児童の保護者の人たちが求めているものは、先日、三月二十八日に塩崎厚労大臣が発表した待機児童緊急対策では全くないと私は思います。 緊急対策の内容は、現場の保育士さんたちの待遇、全く改善されていないじゃないですか、負担だけ増えているじゃないですか、これ保育の質が低下しているっていうこと理解されていますかって。大多数の保護者の方たちが求めていることは、プロがしっかりと子供を見てくれるということなんですよね。で、経済的負担が軽いということなんですよね。ということは、もうこれ認可保育所以外ないじゃないかって。それを整備するために、コンビニ的につくっていくっていう考え方もあるかもしれませんよ。 でも、加藤大臣、もう一度、一番大切なポイントに戻ると、一番の緊急課題は国の責任、政府の責任で認可保育所を増やすことだと思うんですけれども、そういうことで間違いないですよね。
○国務大臣(加藤勝信君) これまでも御説明させていただきましたけれども、我々のベースはまず四十五万六千、これ市町村から出てきた、先ほど申し上げた現在の待機児童数、潜在的な児童数、さらにはこれからの地域における動向を踏まえて整備計画が出てきているわけでありまして、まずこれをしっかりと実行していく。しかし、それを超えても出てくるということが想定されるものでありますから、そういったものの受皿として、今回、企業主導型保育所というものを提案をさせていただいているわけでございます。 また、今回のこういう議論を踏まえる中で、多分今年の春においては、また各市町村からいろいろとそういったことも情報を頂戴するということになろうかと思います。その段階において更にその数字が増えていけば、またそれを踏まえた対応をしていくというのは、これは当然のことだと思います。
○山本太郎君 ありがとうございます。 本当に必要なものは認可保育だということをよく、もう当然のことだというふうに認識されているというお話だと思うんですけれども。 ごめんなさい、これは通告にないんですけれども、今のゼロ歳から五歳児まで、この保育というものを受けている子供たちの出生率、当時の出生率を見てみると一・四、一・四二、これぐらいの数値だと思うんですけれども、安倍政権、一・八を目指すと言っていますよね。一・四から一・八に増えるということは、今よりも子供どれぐらい増えるかということは御認識されていますか。御存じの方いらっしゃったら教えてください。
○国務大臣(加藤勝信君) 希望出生率一・八というのは、それぞれの若い方々が結婚されたい、そして結婚して子供さんを持ちたいということからつくり上げてきた数字ということでございまして、そういう意味で希望出生率ということで提示をさせていただいております。 ただ、どの段階でどれだけの子供さんが生まれてくるかというところまで我々数字を持っているわけではございません。
○山本太郎君 ありがとうございます。 通告していなかったので、その答えというものは持ち合わせていないということも理解できるんですけれども、二〇一四年の合計特殊出生率一・四二、これ、出生数は百万三千五百三十二人。本当に簡単な、あくまで仮定の話で単純に計算しただけですけれども、大体これが一・八になると一年当たり二十七万人増えるんじゃないか。ゼロ歳から五歳までの六年代だと二十七万人掛ける六年代で百六十二万人。今の状況に対応もできていない状況で一・八ということは、もうこれ本当に急がなきゃいけないし、その状況をつくらないことには一・八にもなれるわけがないし、子供を産もうという状況にはならないということだと思うんですね。 話を進めたいと思います。 問題は、施設が足りないということもありますけれども、それだけではないということはもう皆さん重々御存じのとおりですよね。箱だけ増やしても中身伴っていなきゃ何の意味もないよと。 「ルポ 保育崩壊」の著者であるジャーナリストの小林美希さん、著書の中で、現場に目を向ければ、箱物は用意されても肝腎の人材確保や人材の教育が追い付かない、利益を出すことを目的とする株式会社の新規参入や事業拡大が目立つ中、とにかく保育園に入れないことには仕事を失いかねないという保護者の切迫した状況と裏腹に、とても安心して子供を預けられないような現実がある、このようにおっしゃっています。 そのような状況をつくり出している原因の一つとして、保育現場が長時間労働、低賃金によってそこで働く人々が余裕をなくしてしまう、結果、使い潰されるような労働環境になっているということがあると思います。ぎりぎりの保育の現場で求められるのは、子供一人一人のペースに合わせた保育ではなく、時間内に仕事をこなせる要領、スピードが全て。新人の保育士がてきぱきできないというだけでもういじめの対象になってしまうというような事実もあるようです。 一人一人に寄り添う保育、温かみのある保育とは懸け離れた、全く余裕のない保育で接する大人たち。こういう大人たちを目の前に、子供たち、伸び伸びできるわけないですよね。逆に、その緊張感が伝わってしまって、もうびくびくした緊張状態を強いられる保育だと。そんな状況をより加速させるような緊急対策、これ、何の意味もないですよね。 この悪循環、現実、変えていくんですと、そういうお話だと思うんですけれども、本気でそう考えるんだったら、政府そして厚労省が一番逃げたいテーマ、ここにしっかりと取り組む必要があるんじゃないかなと思うんです。本法案も含めた子育て緊急対策で一番扱いの悪い部分にフォーカスをする必要があるということです。 そこで、私は修正案を提出させていただくことにいたしました。内容は、政府による保育士さんの処遇改善と認可保育所等の整備です。 まず、保育士さんの処遇改善についてお話しします。 配付資料の一になります。国家公務員福祉職一級の俸給表で、短大卒の保育士さんをモデルケースとして、地域手当ごとの勤務年数に応じた年齢別の年間給与の一覧表になっております。人事院にお願いして作っていただきました。 この国家公務員福祉職一級の俸給表が実際に保育士さんの人件費の助成金の算定基準に使われているそうなんですけれども、十年ぐらいで頭打ちになるような賃金の支払われ方になっていると。国家公務員保育士さん一級の場合は、一級十一号俸から始まり、毎年四号俸ずつ定期昇給して五十四歳で最高、年収五百四十六万円となって、これが六十歳定年まで続くよと。 しかし、民間の保育士さん、正規職員の場合でも、福祉職一級二十九号俸、年収三百六十三万円、これが基準となってしまって、事実上勤続十年くらいで頭打ちになる。それ以上はなかなか昇給しない。しかも、その基準額よりもはるかに低い給与になっているのが実態です。 話を戻しまして、お話しした俸給表によりますと、例えば短大卒の二十歳の保育士さんの初任給、一級十一号俸で月十六万六千四百円、東京二十三区の場合は地域手当が二〇%加算されますから、地域手当は明日四月一日から新しい支給割合が施行される、年収では三百二十三万円になります。月給でいうと十九万九千六百八十円、ボーナス四・二か月分で計算してあります。 配付資料二になります。厚生労働省の賃金構造基本統計調査、保育士さんは、平均年齢三十五歳で年収三百二十三万三千四百円。国家公務員福祉職一級は、三十五歳では、東京二十三区の場合、年収四百六十八万円です。その差は年収で百四十五万円。 加藤大臣、保育士さんにも当然同一労働同一賃金、この原則は適用されるべきだと思うんですけれども、修正案の一に書きましたけれども、労働者が職務に応じた待遇を雇用の形態にかかわらず受けることができるようにする、すなわち同一労働同一賃金という話なんですけれども、この原則を踏まえて、現在の保育士さんの給与水準が国家公務員の正規の職員、すなわち国の常勤の職員の給与水準に達しない保育士さんには、その格差の是正というものが必要になると思うんです。そういう措置を政府はとるべきだと思うんですけれども、大臣、どう思われますか。
○国務大臣(加藤勝信君) 済みません、その修正案そのものがちょっと手元にないので、ちょっとそのものについてはコメントを控えたいと思いますが、今おっしゃるように、同一労働同一賃金というのは、我々も、特に非正規労働者の待遇改善という観点からも進めていかなければならないと思っております。 ただ、委員も少し御指摘ありましたけれども、公定価格における常勤職員の人件費の額については、国家公務員の給与体系の中で、その職務内容や勤続年数などの観点から準拠するにふさわしいと考えられる職種や級号俸を特定して算出しているところでありまして、基本的に今、福祉職一級二十九号俸、これを標準として置かせていただいているわけでございます。また、ここには入っておりませんけれども、更に加えて処遇改善加算というのも別途ございますけれども、そういう形で長く働くことのできるよう我々も取組をさせていただいております。 ただ、公定価格の仕組み上、各保育所で個々の職員に支払われる賃金の水準については、具体的なルール、この部分は全部人件費に使ってくださいと決めているところではございません。処遇改善のところは一部そういうところはつくらせていただいておりますけれども、したがって、保育所においては、定員を超えて職員を配置しているという場合には、結果的にその分だけ公定価格の設定上の前提になっている賃金水準よりも低いというケースが発生しているんではないかなというふうに思っております。 ただ、いずれにしても、保育の担い手である保育人材が不足をしている中で、保育士の処遇改善、これは重要な課題だと我々も認識をしておりまして、何回も申し上げておりますが、この春に取りまとめるニッポン一億総活躍プランで具体的で実効性のあるそうした対策を示していきたいと、こう思っております。
○山本太郎君 ああ、そうですか、お手元に修正案が届いていなかった。失礼いたしました。 とにかく、十年で頭打ちになるっておかしな話ですよね。だって、これ、保育士ってどれぐらい大切な仕事ですかと考えたら、もちろん介護もそうですけれども、この国のこれからの未来が持続可能であるかどうかということを決めるすごく大きな役割を果たすものですよね。だから、出生率一・八という話もされているわけですよね。 だって、子供が少なくなっていくということは、今年の春に分かった話じゃないですよ、去年分かった話じゃないですよ。ずっとあったテーマだけれども、そこに具体的なことをやってこなかったという部分があると思うんです。この三年間、特にそうですよね。それを大胆にやってくださいと。このように、公務員の俸給表みたいなものを使いながら大胆に処遇というものを変えていかないと、待遇、処遇を変えていかないと、これ誰がやるんですかって。結局、やる人が少なくなっていって、ここに企業が入ってきて、そこから受けられる給料はまず最初にカットされるという余計苦しい立場に置かれるような職種になってしまう。このまま放置になるんですかって。大胆に変えていかなきゃ何も進まないですよねというお話なんですけれども。 この同一労働同一賃金の原則については、保育士さんの正規、非正規、この問題というのも非常に重要になってくるかなと思うんですね。厚生労働省に、公立及び私立の保育所、そして各種認可及び認可外保育施設で非正規の保育士さん、それぞれ何人いるかということを教えていただけますか。
○政府参考人(吉本明子君) お答え申し上げます。 正規、非正規といった形での把握はしておりませんけれども、常勤、非常勤の別の把握がございますので、それをもってお答えさせていただきます。 公営の保育園に勤務する常勤の保育士は約十二万人、非常勤が約四万人でございます。また、私営の保育園につきましては常勤が約二十三万人、また非常勤が約六万人といった状況でございます。
○山本太郎君 なるほど、常勤、非常勤という形でしか分からないということは、公立に関してはちょっと把握している部分はあると。でも、その公立の中の常勤という部分にもいろんな種類があるわけですよね、たった一つじゃない。要は、理解していないというか調査されていない。しかも、私立という部分に関しても分からないし、民間ということに関してはちょっと理解できていないということですよね。 これ調査していただきたいんですよ。これ調査しないことには同一労働同一賃金ということを語れるはずがないんですね。 加藤大臣、これ調査するように厚生労働省にちょっとお話ししていただけませんか。ここ調査しないと同一労働同一賃金なんて言えたものじゃないと思うんです。
○国務大臣(加藤勝信君) 今それぞれ、常勤と非常勤のお話があったところでございます。 私どもも、これは別に保育の世界だけではなくて全てにおいて、これからの議論でありますけれども、それぞれの雇用慣行というものはしっかり踏まえながらもしっかりとした対応を取っていきたいということで、今議論をスタートしているところでございます。 当然保育の現場、ただ、この基本的な対象はもちろん民間の部分が主たるということになりますけれども、かといって地方自治体や国も別というわけには私はならないんだろうなと、こういうふうに思っております。 具体的にどこまで調査すべきなのか、それからかなりいろいろと細かい実態があるんだろうというふうに思います。かなり長い時間働きながら非常勤の方もおられるし、割と短い方でやっておられる方もあります。その辺、どういう形で把握していくのか。また、そういったことを含めて、それぞれの待遇ということにもつながっていくんだろうと、こういうふうに思っておりますので、その辺はちょっとこれから、今の保活等も含めて厚労省でいろいろと検討していただくということなので、今の委員の問題意識も承りながら、中で議論をさせていただきたいと思います。
○山本太郎君 是非この調査というものがまず必要だと、正規も非正規も、民間も公立も全て含めた上でのこの数と実態というものが分からなければ、同一労働同一賃金という話にはなっていかないと。でも、その議論はもう始まっているし、それを進めていくという理解で加藤大臣の今お答えをいただいたと思います。 時間がないので先に進みます。 修正案の第二は施設の整備です。もちろん、先日の緊急対策という部分でも施設を利用していこうよと、空き施設を利用していこうよというお話がいろいろとその中にも並んでいました。この私の出した修正案の第二もその部分に触れてある部分なんですけれども、お聞きしたいんです。UR都市機構、持っている物件、東京での空き部屋の数、首都圏での空き部屋の数、教えてください。
○参考人(伊藤治君) お答え申し上げます。 私どもUR都市機構が管理をしております賃貸住宅のうち、入居いただくお客様を募集中の状況にある空き家住宅でございます。東京都では約六千四百戸、これは東京都内の管理中の住宅十六万七千戸に対して約三・九%。 それから、首都圏に広げますと、募集中の住宅は約二万五百戸、管理中の四十一万七千戸に対して約四・九%ということでございます。
○山本太郎君 ありがとうございました。 これ大臣、URだけでも首都圏で二万五百戸も空いている部屋あるんですって。これって活用すべきだと思うんですけれども、まず政府の責任で小規模保育所をつくって、それを認可保育所につなげていくということを是非前向きに検討していただけませんか。お願いします。
○国務大臣(加藤勝信君) 先ほどもございましたけれども、そうした空き室を使って小規模保育等を実施をしていただく、そうしたことに関する賃借料については今回引上げをさせていただいたところでございます。また、小学校の空き教室等も活用させていただきたいというふうに思います。 また、今URのお話ありましたけれども、またURにおいてもいろいろ取組をされているというふうに承知をしておりますけれども、また私ども政府においても廃止宿舎跡地などの国有地情報、これを自治体に提供して優先的売却や定期借地権制度を用いた国有地の貸付けなども行っており、それなりに着実に実績が上がっているというふうに承知をしております。 いずれにしても、そうした保育施設を設置するための土地といいますか、場所といいますか、そういったものの確保というのも非常に大事だというふうに思っておりますので、この保育の受皿確保に向けた取組の中において進めさせていただきたいと思います。
○山本太郎君 ありがとうございます。 もう空き物件とか空き家とか、そういう施設というものはどんどん使っていくというような方向というものを今お話しいただいたと思うんですけれども、でも、残念ながらUR、厚労省から打診まだないんですって。緊急対策とかって言って打ち出している割には全然連絡取っていないみたいですよ。これ、施設利用にURの物件はまだ入っていないようなんですね。 だから、是非加藤大臣の方から、このURの空き物件というところに注目をしてくれというふうに進言してくださいますか。
○委員長(神本美恵子君) 時間ですので、答弁簡潔に。
○国務大臣(加藤勝信君) URも含めて活用できるものはしっかり活用していくということで対応していきたいと思います。
○山本太郎君 ありがとうございました。
○委員長(神本美恵子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 本案の修正について山本太郎さんから発言を求められておりますので、この際、これを許します。山本太郎さん。
○山本太郎君 ありがとうございます。 私は、子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案に対して、修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。 これより、その趣旨について御説明いたします。 昨年十一月、政府は、一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策の中で、待機児童解消加速化プランによる保育の受皿整備拡大量の目標を四十万人から五十万人に拡大するとしており、そのうち最大五万人分について、本法案で創設される企業主導型保育事業の対象となる事業所内保育所により整備すると説明しております。しかし、現状では保育施設の整備の需要に対し、保育士や用地等の確保が追い付いておらず、待機児童解消のボトルネックとなっております。 平成二十七年賃金構造基本統計調査によると、保育士の決まって支給する現金給与額は二十一万九千二百円であり、全職種の平均と比べて約十万円も低く、保育という専門的な職務に対してふさわしい処遇が図られているとは言えません。厚生労働省の調査によると、保育士資格を有しながら保育士としての就業を希望しない求職者のうち四七・五%の方がその理由として賃金が希望と合わないことを挙げています。一方で就業を希望しない理由が解消した場合、六三・六%の方が保育士への就業を希望するとおっしゃっています。つまり、処遇の改善が実現すれば、保育士不足の問題はかなり解決するのです。 本法案に対する衆議院における修正では、政府は保育士等の処遇の改善及びいわゆる潜在保育士の就業促進等の人材確保のための所要の措置を講ずるものとするとされていましたが、具体的な基準は示されておらず、十分であるとは言えません。 一般職の職員の給与に関する法律では、福祉関係職員の人材確保、処遇改善の観点から、国の児童福祉施設等に勤務する保育士等を対象とする福祉職俸給表が設けられております。このことを踏まえ、給与が福祉職俸給表の水準に達していない保育士に対しては、格差是正のための措置を講ずる必要があると考えます。 また、都市部を中心に、保育施設の用地等の不足により施設の整備が困難となっています。これまでも待機児童解消加速化プランを受けて、国家公務員宿舎の削減計画により廃止される宿舎の跡地などの国有地について、保育所整備用地としての自治体からの要請に対し、優先的に処分するなどの措置が講じられておりますが、国を含めた公的機関が保有する土地、建物等を活用することで、保育所等の確保をより着実なものとする必要があると考えます。 そこで、修正案では、政府は、保育士の処遇の改善に係る措置として、労働者が職務に応じた待遇を雇用の形態にかかわらず受けることができるようにすることの確保の見地も踏まえ、その給与の水準が国の常勤の職員である保育士の給与の水準に達しない保育士に係るその格差の是正のための措置を講ずることを明記するとともに、保育の需要に応ずるに足りる保育所等が早急に整備されるよう、保育士等の処遇の改善に係る措置のほか、公的機関が保有する土地、建物等の活用を図るための措置その他の所要の措置を講ずるものとするとしております。 以上が修正案の趣旨でございます。 何とぞ、委員各位の御賛同を賜りますようよろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○委員長(神本美恵子君) これより原案及び修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○田村智子君 私は、日本共産党を代表して、子ども・子育て支援法案一部改正案に反対の討論を行います。 本法案は、市町村の関与なしに企業主導型なる保育施設等に限定して公費を補助するものです。事業所内保育を目的とするとしつつ、当該事業所の労働者の子供がいなくてもよい、株式会社への委託や複数事業主からの委託も可能など、その責任の所在が設置企業にあるのか、委託先にあるのか、極めて曖昧です。補助金の支給、監視業務を公募で委託するとしていますが、その要件もいまだに明確にされていません。これは保育の公的責任を著しく後退させるとともに、保育における一層の規制緩和と市場化を推進するものだと言わなければなりません。 新設される企業主導型保育施設は、子供の年齢制限も人数制限もない認可外保育施設とされますが、定員十九人以下でゼロ歳から二歳児を対象とする小規模保育B型での保育士配置二分の一との基準を持ち込み、施設設備の基準は努力義務にしようとしています。そもそも小規模保育事業はゼロ歳から二歳児を対象としたもので、調理室や園庭の設置基準については既に緩和されていますが、その基準さえも曖昧にしようというものです。 また、地域保育給付の事業所内保育であっても、雇用保険事業における認可外事業所内保育であっても、二十人以上の子供を保育する場合、人的配置、施設設備の基準とも保育所と同様の最低基準を遵守することが求められています。それは子供の命と発達を保障する基準だからです。企業主導型保育施設によって、この最低基準に大穴を空けることは到底認められるものではありません。 政府は、多様で柔軟な働き方、働かせ方に合わせて、二十四時間、一時預かり、延長保育など、柔軟で多様な保育サービスの実施を盛んにアピールしていますが、ならば、従来以上の保育士体制などが考慮されるべきです。国の最低基準は、国際的に見ても余りに不十分であり、これさえ下回ることなどあってはなりません。 認可外保育施設の指導監督等については、局長通知によって都道府県が行うとしているものの、年一回の立入りの実施は七割、事業所内保育に至っては四割にすぎません。認可外保育施設における乳幼児の死亡は、直近の二〇一四年で十二人と認可保育所五人と比べても多く、死亡率は認可の八倍にも上ります。 さらに、把握できていない施設も相当部分残されています。一歳のお子さんを無認可保育で亡くされたお母さんは、これ以上の規制緩和で子供の命を奪わないでと訴えています。待機児童対策といって規制緩和を進めることは、安心、安全な認可保育所で子育てをしたい、認可保育所を増やしてほしいという保護者の願いに逆行するものです。 公的責任での認可保育所の増設、職員配置基準と保育士の給与基準の抜本的な改善こそ緊急に行うべきであることを主張し、反対の討論といたします。
○委員長(神本美恵子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、山本太郎さん提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(神本美恵子君) 少数と認めます。よって、山本太郎さん提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(神本美恵子君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、相原さんから発言を求められておりますので、これを許します。相原久美子さん。
○相原久美子君 私は、ただいま可決されました子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民進党・新緑風会、公明党、おおさか維新の会及び日本を元気にする会・無所属会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 子ども・子育て支援法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。 一 保育の質の確保を図ることは国・自治体の責務であることから、事業所内保育事業についても、指導・監査等における自治体の関与について検討を行い、所要の措置を講じること。 二 仕事と子育ての両立支援の観点から、待機児童だけではなく、待機児童以外の潜在的ニーズも踏まえて実態把握を行うこと。 三 企業主導型保育事業の対象となる事業所内保育所の中小・零細企業による共同設置に当たっては、利用希望者等へその制度の十分な周知を図るよう必要な措置を講じること。 四 既設の事業所内保育所の運営について、施行後適切な時期に検証を行い、その結果に基づき、必要な措置を講ずること。 五 病児保育及び障害児保育を推進するとともに、その保育を担う保育士や看護師等の処遇については、その専門性及び責任に見合ったものとすること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(神本美恵子君) ただいま相原さんから提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(神本美恵子君) 多数と認めます。よって、相原さん提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、加藤内閣府特命担当大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。加藤内閣府特命担当大臣。
○国務大臣(加藤勝信君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。
○委員長(神本美恵子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(神本美恵子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(神本美恵子君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(神本美恵子君) 成年後見制度の利用の促進に関する法律案及び成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 提出者衆議院内閣委員長西村康稔さんから順次趣旨説明を聴取いたします。西村衆議院内閣委員長。
○衆議院議員(西村康稔君) ただいま議題となりました両案につきまして、その趣旨及び概要を御説明申し上げます。 まず、成年後見制度の利用の促進に関する法律案について申し上げます。 本案は、認知症、知的障害その他の精神上の障害があることにより財産の管理又は日常生活等に支障がある者を社会全体で支え合うことが、高齢社会における喫緊の課題であり、かつ、共生社会の実現に資すること及び成年後見制度がこれらの者を支える重要な手段であるにもかかわらず十分に利用されていないことに鑑み、成年後見制度の利用の促進に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、成年後見制度の利用の促進について、その基本理念等を定めるとともに、成年後見制度利用促進会議を設置する等の措置を講ずるもので、その主な内容は、次のとおりであります。 第一に、基本理念として、成年被後見人等が、成年被後見人等でない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障されるべきこと、成年被後見人等の意思決定の支援が適切に行われるとともに、成年被後見人等の自発的意思が尊重されるべきこと等の成年後見制度の理念の尊重、地域の需要に対応した成年後見制度の利用の促進及び成年後見制度の利用に関する体制の整備について定めるとともに、これらの理念の下、施策を推進するに当たっての基本方針を定めることとしております。 第二に、政府は、基本方針に基づく施策を実施するため必要な措置を速やかに講じなければならないこととしております。 第三に、政府は、成年後見制度の利用の促進に関する基本的な計画を定めなければならないこととしております。 第四に、内閣府に、内閣総理大臣を会長とする成年後見制度利用促進会議及び有識者で組織する成年後見制度利用促進委員会を置くこととしております。これらは、この法律の施行後二年以内の政令で定める日に廃止するとともに、新たに関係行政機関で組織する成年後見制度利用促進会議及び成年後見制度利用促進専門家会議を設けることとしております。 第五に、この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。 次に、成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案は、成年後見の事務がより円滑に行われるようにするため、成年後見人が成年被後見人に宛てた郵便物等の転送を受け、これを開いて見ることができることとするとともに、成年被後見人の死亡後の相続財産の保存に必要な行為を行うことができることとする等の措置を講ずるもので、その主な内容は、次のとおりであります。 第一に、家庭裁判所は、成年後見人がその事務を行うに当たって必要があると認めるときは、成年後見人の請求により、信書の送達の事業を行う者に対し、六か月以内の期間を定めて、成年被後見人に宛てた郵便物等を成年後見人に配達すべき旨を嘱託することができることとしております。 第二に、成年後見人は、成年被後見人に宛てた郵便物等を受け取ったときは、これを開いて見ることができることとしております。 第三に、成年後見人は、成年被後見人が死亡した場合において、必要があるときは、成年被後見人の相続人の意思に反することが明らかなときを除き、相続人が相続財産を管理することができるに至るまで、相続財産に属する特定の財産の保存に必要な行為、成年被後見人であった者の死体の火葬又は埋葬に関する契約の締結等をすることができることとしております。 第四に、この法律は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行することとしております。 以上が、両案の趣旨及び概要であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(神本美恵子君) 以上で両案の趣旨説明の聴取は終わりました。 両案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後零時三十二分散会