総務委員会 第8号
- 発言数
- 20 件
- 登壇者
- 6 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2016/03/29
会議録
○委員長(山本博司君) ただいまから総務委員会を開会いたします。 地方税法等の一部を改正する等の法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 両案につきましては、去る二十三日、質疑を終局しておりますので、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○石上俊雄君 民主党・新緑風会の石上俊雄でございます。 私は、会派を代表して、両案に対する反対の立場から討論を行います。 まず冒頭、法案各パーツへの反対理由の前に、二法案の源流である地方財政対策、そしてその二法案が相補い合って作る地財計画への懸念を申し上げます。 国、地方の関係から地方財政を見た場合、最も重視すべきは一般財源総額の確保ですが、平成二十八年分について、総務省は前年度を〇・一兆円上回る六十一・七兆円を確保とポジティブな表現を使っています。しかし、この金額には実際、既発の臨財債の元利償還という巨額の使途限定分が含まれており、この元利償還額が今後増大の見込みである一方、一般財源総額は骨太の方針で事実上蓋をされていたに近い状態であり、結果、地方の財政運営は年々圧迫される懸念が存在します。 我々民主党・新緑風会は、一般財源歳出と臨財債の双方を賄うための自立的かつ持続的な地方税、地方交付税の確立を何よりも重視します。実際、地方財政計画に計上されている歳出の多くは、国が法令で実施を義務付けたり基準を設定したりしているものであり、それゆえ、必要な財源確保は本来国の責務です。また、臨財債については、借金返済のために借金を重ねる、その場しのぎの手法は終わりにすべきと考えています。 今回、両法案には反対の態度を取らざるを得ませんが、そのベースには、こうした先行き不透明な現在の政府の地方財政運営への強い懸念があり、それゆえ、一刻も早く地方交付税の法定率引上げなど新しい時代にふさわしい真の地方財政改革を新しい政治体制の下で断行しなければならないと考えておるところでございます。 それでは、以下、両法案各論に関する反対理由を申し上げます。 まず一点は、地方交付税法改正案のトップランナー方式です。この方式が導入される業務は民間委託が標準的になるわけで、交付税措置というお金の配分と引換えに地方の行革を進めようとする方策であり、地方交付税法本来の目的に反し、反対です。 二点目は、地方税法改正案における法人事業税の所得割の税率引下げと外形標準課税の拡大です。そもそも、外形標準課税では負担増となる法人が増え、地方の成長戦略に逆行しますし、その指標に報酬給与額が用いられていることから、地域の雇用や給与水準に悪影響の懸念もあり、問題だと考えます。 三点目は、消費税の軽減税率の導入の影響です。軽減税率の導入で、地方交付税に充てられる消費税の法定率分は減収し、また地方消費税にも穴が空きます。しかし、政府は代替財源の確保など具体的な措置を何ら明示していません。地方税、地方交付税の根幹に関わる問題で、容認できるものでは到底ありません。 以上、三点の理由に加え、先行き不透明な政府の地財運営に関する懸念から、両案に対しては反対の態度を表明しつつ、私の討論を終えます。 御清聴ありがとうございました。
○吉良よし子君 私は、日本共産党を代表して、地方税法改正案並びに地方交付税法改正案に対する反対討論を行います。 まず、地方税法改正案について、外形標準課税の対象拡大などを行う本改正案には反対です。 政府は、外形標準課税の拡大と併せ、激変緩和措置をするとしていますが、この措置は三年間しか適用されません。つまり、三年後には中堅企業は軒並み増税となります。こうして赤字企業や中堅企業に負担を強いる一方で、所得十億円を超える大企業は減税の恩恵を受けることが論戦を通じてよりはっきりしました。また、資本金一億円以下の中小企業に対する課税ベース拡大も検討するとしていますが、大企業減税の財源づくりのために課税ベースを拡大していくことは断じて容認できません。 また、本改正案は消費税一〇%増税を前提にしたものです。地域経済に打撃を与え、家計消費を冷え込ませて国民生活を破壊する消費税増税はきっぱりやめるべきです。 次に、地方交付税法改正案についてです。 本改正案は、地方交付税制度を変質させ、国の政策に地方を財政的に誘導する道具としようとするものであり、反対します。 その一つが、交付税の算定へのトップランナー方式の導入です。学校給食の調理業務、図書館など二十三の公務サービスで、民間委託などによって削減した経費水準を標準として単位費用に反映しようとするものです。地方にアウトソーシングを押し付け、地方交付税の削減まで狙おうとするものであり、到底認めるわけにはいきません。 政府は、地方税の徴収率にもこの方式を導入するとしています。しかし、強引な徴収が一層広がれば住民の暮らしと営業を壊すことになりかねません。税務職員の定員を増やし、地域住民に寄り添った税務行政こそ必要です。地方の財政不足は二十一年連続であり、本法では、税財源の不足が続く場合は法定率の引上げなどで対応することを定めています。国、地方の折半ルールによる更なる地方負担の押し付けなどではなく、地方が住民の福祉増進という役割を果たすために必要な財源を確保できるよう国が責任を持つことを求め、反対討論といたします。
○又市征治君 社民党の又市です。 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、地方税法等の一部を改正する等の法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案について反対討論を行います。 まず、地方税法等改正案について反対の理由を申し述べます。 第一に、法人実効税率の二〇%台後半への前倒し実施のため、法人事業税の所得割の税率の引下げと外形標準課税の拡大が行われることです。国策というのなら法人税本体で対応すべきであり、黒字企業を減税して赤字企業の外形標準課税の増税で代替することは、応能負担の原則や税の再分配に逆行します。 第二に、企業版ふるさと納税によって、自治体と企業の癒着や関係のゆがみ、企業に評価される自治体づくりへの傾斜が懸念される点です。 第三に、地方法人特別税、同譲与税の廃止と法人事業税への復元は当然ですが、一方で、住民税法人税割を削減することは、自主財源であり基幹税である住民税の召し上げであり、受益と負担という税負担の原則に反し、地方分権に逆行するものです。偏在是正や財政調整は、国の責任で地方全体の税源移譲と交付税の充実によって行うべきです。 第四に、耕作放棄地の固定資産税を一・八倍に引き上げることは、条件不利地域や中山間地の実情を無視した極めて乱暴なやり方であるからです。 次に、地方交付税法等改正案について反対の理由を申し述べます。 第一に、危機モードから平時モードへの移行として、リーマン・ショック後の上乗せ措置である別枠加算が廃止され、交付税本体も〇・三%の減とされたことです。 第二に、行革算定の拡充やトップランナー方式の導入について、交付税の算定で民間委託や効率化を誘導するのは、同一労働同一賃金に反するばかりか地方自治への介入であり、国は、交付税の交付に当たっては、地方自治の本旨を尊重し、条件を付け、又はその使途を制限してはならないとの交付税の運営の基本原則にもとるものです。 少子高齢化と人口減少の中で、地方財政は依然として厳しい状況にあります。前年度の繰越金や一方的な水平調整に依存するのではなく、交付税法第六条の三第二項に基づく交付税率引上げに向けた取組を今こそ行うべきだと強く求め、反対討論といたします。
○委員長(山本博司君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 まず、地方税法等の一部を改正する等の法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(山本博司君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(山本博司君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本博司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(山本博司君) 次に、行政制度、地方行財政、選挙、消防、情報通信及び郵政事業等に関する調査を議題といたします。 石上君から発言を求められておりますので、これを許します。石上俊雄君。
○石上俊雄君 私は、自由民主党、民主党・新緑風会、公明党、日本共産党、おおさか維新の会、維新の党、社会民主党・護憲連合及び生活の党と山本太郎となかまたちの各派共同提案による自立的かつ持続可能な財政運営を可能とする地方税財政制度の構築及び東日本大震災への対応に関する決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 自立的かつ持続可能な財政運営を可能とする地方税財政制度の構築及び東日本大震災への対応に関する決議(案) 国・地方を通じた厳しい財政状況の下、特に財政力の弱い地方公共団体においては、厳しい財政運営を強いられている状況を踏まえ、政府は、個性豊かで活力に満ちた分権型社会にふさわしい自立的かつ持続的な地方税財政システムを確立し、人口減少の克服及び地域経済の活性化等の重要課題に取り組むとともに、東日本大震災で被災した地方公共団体が、復旧・復興事業を円滑に実施できるよう、次の諸点について格段の努力をすべきである。 一、地方公共団体が、人口減少の克服及び地域経済の活性化等の重要課題に取り組んでいくためには、地域の実情に応じた自主的かつ主体的な取組を長期間にわたって実施していく必要があることに鑑み、安定した恒久的な財源を確保すること。 二、地方交付税については、本来の役割である財源調整機能と財源保障機能が十分発揮できるよう、引き続き、地方税等と併せ地方公共団体の安定的な財政運営に必要な総額の充実確保を図るとともに、法定率の引上げを含めた抜本的な見直しを検討し、特例措置に依存しない持続的な制度の確立を目指すこと。 三、地域に必要な行政サービスの安定的な供給により住民生活の安心・安全を確保するため、普通交付税の基準財政需要額の算定に当たっては、地域の実情を十分に踏まえるとともに、特別交付税については、多発、多様化する自然災害への対応、地域交通や地域医療の確保等の財政需要を今後とも的確に反映しつつ、算定方法の透明化の取組を一層推進すること。 四、地方税については、地方財政の自主性・自立性を確立するとともに、安定的で充実した財源の確保を可能とする地方税制の構築を図ること。また、減収が生ずる地方税制の見直しを行う場合には、代替の税源の確保等の措置を講ずるほか、税負担軽減措置等の創設、拡充等に当たっては、真に地域経済や住民生活に寄与するものに限られるよう、慎重な対処を行うこと。 五、巨額の借入金に係る元利償還が地方公共団体の財政運営を圧迫し、諸施策の実施を制約しかねない状況にあることに鑑み、地域経済の活性化等に向けた取組を一層推進するとともに、臨時財政対策債を始め、累積する地方債の元利償還については、将来において地方公共団体の財政運営に支障が生ずることのないよう、万全の財源措置を講ずること。 六、地方債については、財政力の弱い市町村が円滑に資金を調達できるよう、地方公共団体金融機構の機動的な活用を含め、公的資金の確保と適切な配分に最大限の配慮を行うなど円滑な起債と流通、保有の安全性の確保を図ること。また、地方債の発行に関する国等の関与の在り方については、協議不要基準の緩和等による地方財政の健全性への影響に留意しつつ、地方公共団体の自主性・自立性を高める観点から、手続の簡素化等の運用面における見直しを含め、更なる検討を進めること。 七、東日本大震災に係る復旧・復興に当たっては、平成二十八年度からの復興・創生期間においても、引き続き、所要の震災復興特別交付税額を確保するなど、万全な支援措置を講ずるとともに、平成二十八年度以降、新たに生じることとなる被災地方公共団体の実質的な負担額については、当該被災地方公共団体の財政状況等を踏まえつつ、適切な財政措置を講ずること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(山本博司君) ただいまの石上君提出の決議案の採決を行います。 本決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(山本博司君) 全会一致と認めます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、高市総務大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。高市総務大臣。
○国務大臣(高市早苗君) ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。 ─────────────
○委員長(山本博司君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に日本放送協会会長籾井勝人君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本博司君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(山本博司君) 放送法第七十条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。高市総務大臣。
○国務大臣(高市早苗君) 日本放送協会の平成二十八年度の収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この収支予算、事業計画及び資金計画は、放送法第七十条第二項の規定に基づき、総務大臣の意見を付して国会に提出するものであります。 まず、収支予算について、その概要を御説明申し上げます。 一般勘定事業収支につきましては、事業収入が七千十六億円、事業支出が六千九百三十六億円となっております。 一般勘定資本収支につきましては、資本収入、資本支出が共に九百十億円となっております。 次に、事業計画につきましては、国民・視聴者の信頼と多様な要望に応える質の高い番組の提供、国際放送の充実による海外情報発信の強化、我が国の経済成長の牽引力として期待される4K、8Kなどの先導的なサービスの推進に重点を置き取り組むこととなっております。 総務大臣といたしましては、この収支予算等について、おおむね妥当なものと認められるとした上で、その実施に当たっては、子会社による不祥事を厳粛に受け止め、グループ全体としての協会の改革に組織を挙げて迅速に取り組むこと、協会の経営が国民・視聴者の負担する受信料によって支えられているとの認識を新たにし、業務の合理化、効率化に向けたたゆまぬ改善の努力を行うとともに、国民・視聴者に対する説明責任を果たしていくことが必要であるとする意見を付しております。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(山本博司君) 次に、日本放送協会から説明を聴取いたします。籾井日本放送協会会長。
○参考人(籾井勝人君) ただいま議題となっております日本放送協会の平成二十八年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして御説明申し上げます。 平成二十八年度の事業運営に当たりましては、公共放送の原点を堅持し、事実に基づく公平公正で正確、迅速な報道に全力を挙げるとともに、視聴者の幅広い期待に応える豊かで質の高い多彩な番組の充実を図ります。日本を世界に積極的に発信し、政治、経済、社会、文化など様々な分野で国際社会の日本への理解を促進してまいります。 また、スーパーハイビジョンの実用化に向けて、8K、4Kの試験放送を実施するとともに、インターネットを活用した新たなサービスを創造いたします。 受信料については、公平負担の徹底に向け、受信料制度の理解促進と営業改革を一層推進し、支払率の向上を図ってまいります。 あわせて、NHKグループ全体で、コンプライアンスの徹底と業務体制改革に取り組んでいくとともに、一層効率的な経営を推進してまいります。 次に、建設計画においては、緊急報道設備やスーパーハイビジョン設備を整備するとともに、いかなる災害時等にも安定的に放送サービスを継続するための設備整備等を実施いたします。 以上の事業計画に対応する収支予算は、一般勘定の事業収支におきまして、受信料などの収入七千十六億七千万円、国内放送費などの支出六千九百三十六億三千万円を計上しております。事業収支差金は八十億三千万円となり、全額を、渋谷の放送センターの建て替え等に備えて建設積立資産に繰り入れることとしております。 また、資本収支は、収入として、減価償却資金など総額九百十億三千万円を計上し、支出には建設費など九百十億三千万円を計上しております。 最後に、資金計画につきましては、収支予算及び事業計画に基づいて、資金の需要及び調達を見込んだものであります。 以上、平成二十八年度収支予算、事業計画及び資金計画につきまして、その概要を述べました。事業計画の一つ一つの施策を着実に実行し、公共放送として視聴者の皆様の期待に応えてまいりたいと存じます。 委員各位の御理解と御支援をお願いいたします。あわせて、何とぞよろしく御審議の上、御承認賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(山本博司君) 以上で説明の聴取は終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後一時二十八分散会