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190回国会参議院2016/04/13

政府開発援助等に関する特別委員会 第4号

発言数
78
登壇者
12
会派数
8
開催日
2016/04/13

会議録

赤石清美自由民主党

○委員長(赤石清美君) ただいまから政府開発援助等に関する特別委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日までに、柳田稔君、山下雄平君、大野元裕君、石井準一君、伊達忠一君及び中泉松司君が委員を辞任され、その補欠として榛葉賀津也君、岩井茂樹君、森本真治君、藤川政人君、大家敏志君及び豊田俊郎君が選任されました。  また、本日、杉久武君が委員を辞任され、その補欠として山本博司君が選任されました。     ─────────────

赤石清美自由民主党

○委員長(赤石清美君) 理事の補欠選任を行います。  去る三月二十二日の本委員会におきまして、一名の理事につきましては、後日、委員長が指名することとなっておりましたので、本日、理事に岩井茂樹君を指名いたします。     ─────────────

赤石清美自由民主党

○委員長(赤石清美君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  政府開発援助等に関する調査のため、本日の委員会に一般財団法人CSOネットワーク代表理事・特定非営利活動法人日本NPOセンター常務理事・「動く→動かす」代表今田克司君、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンアドボカシー・スペシャリスト大野容子君及び名古屋大学大学院国際開発研究科教授山田肖子君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

赤石清美自由民主党

○委員長(赤石清美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────

赤石清美自由民主党

○委員長(赤石清美君) 政府開発援助等に関する調査のうち、G7伊勢志摩サミットにおいて取り組むべき開発協力の課題及び我が国に期待される役割に関する件を議題とし、参考人の方々から御意見を伺います。  この際、参考人の方々に一言御挨拶申し上げます。  本日は、御多忙のところ本委員会に御出席いただき、誠にありがとうございます。  皆様から忌憚のない御意見をお述べいただき、今後の調査の参考といたしたいと存じますので、どうぞよろしくお願いいたします。  議事の進め方でございますが、まず、今田参考人、大野参考人及び山田参考人からお一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。  御発言の際は、その都度委員長の指名を受けてからお願いいたします。  なお、御発言は着席のままで結構でございます。  それでは、まず今田参考人にお願いいたします。今田参考人。

今田克司一般財団法人CSOネットワーク代表理事特定非営利活動法人日本NPOセンター常務理事「動く→動かす」代表

○参考人(今田克司君) 皆さん、こんにちは。今田でございます。  本日は、このような貴重な機会を設けていただいて、大変ありがとうございます。感謝申し上げます。  本日、私は、済みません、今委員長の方から御紹介いただいたように三つの所属の肩書を持っていまして、繰り返すと長くなりますので、お手元の資料を御覧ください。  私は、一九九四年にカリフォルニアでNPOの事務局長という形でこの世界の仕事をスタートしておりまして、二十二年間、NPO、NGOの世界、アメリカ六年、それから日本七年、南アフリカで六年、それで帰ってきて日本で今三年たったところで、ずっとこの世界で仕事をしております。その中で特に、今日、SDGs、持続可能な開発目標について若干市民社会の立場から御紹介しようというのが私の趣旨でございます。  ですので、このSDGsについては、日本ではまだそれほど報道はされておりませんけれども、世界各国で様々な形で話題になっております。もちろん国連が作ったものですから、国連が説明する場合、それから政府の方が説明する場合等、いろいろ若干誤差がございますけれども、共通のところもたくさんあります。ただ、私が申し上げるのは、あくまでもそういった一市民社会に属する人間からの御紹介だということで、それをとどめていただきたいというふうに思います。  お手元にパワーポイントの資料を配付していただきました。今画面にも映っておりますので、これを基に十五分という時間でその要点ということで御紹介したいというふうに思います。(資料映写)  まず、申し上げましたように、この持続可能な開発目標ですけれども、昨年九月の国連持続可能な開発サミットにおいて、国連加盟国の全会一致で採択されております。十七の目標と百六十九のターゲットという多種多様なものが含まれています。そのタイトルが、我々の世界を変革するというかなり野心的なものになっているというのが一つの特徴です。  それから、策定に至る過程で市民社会、ビジネスを含めた広範な意見聴取を行っておりまして、市民一人の声を合意文書に取り入れる取組というのがなされています。私自身、二〇一一年、一二年に南アフリカでNGOの仕事をしていたときから、こういった意見聴取の過程に関わる仕事をしてまいりました。  これはもう既に御案内の方も多いというふうに存じ上げておりますけれども、これの特徴、幾つかありますけれども、その最大の一つとして開発と環境の融合というのがあります。ミレニアム開発目標MDGs、十五年間やってまいりました、それの流れと、それから、これに環境の側面を、リオ、一九九二年に元々あった会議にプラス二十年後、リオ・プラス20という形で二〇一二年に会議が開かれまして、そこで初めてそのSDGsという言葉が出てきました。それが統合されたものがこの目標になっているわけです。  これのもう一つ大きな特徴として、これは本当に強調し過ぎてもできないぐらいのことだと思いますけれども、ユニバーサリティーというものがあります。普遍性と言っていいと思いますけれども、これは先進国、途上国両方にひとしく適用されるものだということです。MDGsあるいはODAということでいえば、特に海外援助のことであるということで皆様御認識されていると思いますけれども、まさにそのとおりだったわけですけれども、これがMDGsからSDGsに二〇一六年をもって転換したわけですけれども、その中でこれが先進国にもやはりひとしく適用するものであるということはしっかり把握しておきたいなというふうに思っております。  MDGsから引き継がれた課題として、特に途上国を中心に、やはりこれまでどおり取り組まなければいけない課題というのも幾つか残されております。特に、このスローガンとしては、誰一人取り残さないというのがMDGsからSDGsに変わったときのスローガン、あるいは最も遅れている人々に第一に手を伸ばすというのもあります。そういったスローガンとともに、新たに出現した開発課題、あえて開発課題というふうに書いてありますけれども、まあ日本国内の課題も含めて、ここに列挙しましたような様々な課題に対してこれは言及しているということですね。  市民社会側からの目線というふうに申しました。ここに至るまで、MDGsからSDGsの転換、このSDGsの策定過程のいろいろな協議の中で、やはりその慢性的な危機状態に今世界があるということは繰り返し強調されております。それは、国連の人もそうですし、政府の人もそうですし、市民社会もそうです。  特に市民社会としては、こういった幾つかの要因が重なり合う中で、改革、継ぎはぎでなく変革、一回もう壊して次に新しくつくり直そうよみたいな、そういった機運が生まれ、この最終的な合意文書に至っているという経緯がございます。  これの背景には、市民社会側の主張として四つのキーワードで言い表せる新たな開発合意というのがあるというふうに私どもは理解しております。その四つとは、説明責任、アカウンタビリティーですね、透明性、参加、包摂、インクルージョン、最近では社会的包摂という言葉も日本国内でも言われるようになってきていますけれども、この四つのキーワードを基に市民社会はかなり強力なメッセージを国際社会に送るということをやってまいりました。  これをもってかなりこの合意文書も彩られているということがあると思います。私も今ちょっとばっと数えてみたんですけれども、三十から四十ぐらいこの合意文書の仮訳に包摂という言葉が出てきます。なかなかほかでは出てこない言葉ですけれども、ここでそれだけ繰り返しこのインクルージョンということが言われていることは、その一つの証左ではないかなというふうに思います。  これが十七の目標です。時間がございませんので、一つ一つもちろん言うことはいたしません。皆様のお手元にこのグリーンの冊子がございましたら、その八十七ページに一覧もありますので、そこを御参照いただきたいというふうに思います。非常に、申し上げたように、開発、それから環境、平和、ガバナンス、制度の問題、そういったものを包含するかなり広範囲なものになっています。  ここからちょっと時間がございませんのでややはしょりぎみに申しますけれども、これは合意文書、採択文書から、こういった国際社会の文書の通例で大体パラグラフの頭に番号が付いていますけれども、その四十一、四十三、四十五にどんなことが書いてあるかということを抜き書きしてあるものです。  これは国家間の取決めですから、やはり国家の役割というのは大きいということは大事なことです。と同時に、やはりそういった、今ばっと示しましたその慢性的な世界の危機的な状況というのは国家のみによって解決できるものではないという理解が進んでおり、そのために、民間セクターであり、市民社会であり、研究者であり、いろいろな人たちがそこに一緒になって解決に向かって尽力しなければならないということがここにも書かれております。  それから、特に先進国に対しては、ODAをGNI比の〇・七%ということはもうMDGsの前からかなり長らく言われていることですけれども、残念ながらこれがなかなか達成されている状況にございません。日本は一九九〇年代からODA世界一の額を誇る時期が十年ぐらいございましたけれども、その後目減り傾向にあって、今でも〇・一九とか〇・二%、GNI比ではですね、の額になって、世界でも五位という今状況にあるのは皆さん御存じのとおりだと思います。  それから、四十五では、国会議員が果たす役割ということで、これは国のコミットメントですので、国がその約束を果たすということにまず第一義的な責任を負っていただきたいのがやはり国会議員の方々ということになると思いますので、これは本当に市民社会の立場から、是非強くお願いしたいというふうに思っているところです。  五十五については、これも詳しくは申しませんけれども、これを受けて各国で、つまり、日本も含めて先進国、途上国、ひとしくこれは適用されるものですから、各国で国レベルのターゲットを定め、具体的な国家計画プロセスや政策、戦略に反映していくことが想定されているというふうにこの採択文書にはうたわれているということを強調しておきたいというふうに思います。  これが二〇一六年から始まりまして、もう既にレビュープロセスというのが、ですから始まっております。十五年間の目標ですので、まあ息が長いといえば長いんですけれども、そんなことを言っているとあっという間に十五年過ぎてしまいますので、早速しっかりしたレビューをしようということでそれが始まっていて、今年七月に国連でハイレベル政治フォーラムというのが開かれますけれども、ここでまず自発的に手を挙げた二十一か国が進捗状況を報告することになっています。残念ながら日本はその中に入っておりません。中国、韓国は入っていますけれども、日本は今この中に入っていないという状況がございます。  私どもの中で、私どもと今申し上げたのは、私が代表を務める国際協力のNGOの連合体である「動く→動かす」によって、国会議員の方々への働きかけということで議員勉強会等既に開催しており、その中で、そのSDGsの包括的な目標であるという認識、つまり、今までのような海外協力にとどまらないものだという認識から、各省庁を束ねる司令塔が必要という認識は共有されており、また、私、本日、日本NPOセンターという立場でもここに参っているんですけれども、そういった国内のNPOの人たちとも協力をしてSDGsに関する理解を広めていこう、さらに、議員連盟といったことで国会議員の方々との対話も続けていこうという姿勢を示しております。  これがその「動く→動かす」、あるいはそれの関連団体になりますポスト二〇一五NGOプラットフォームというのがありまして、そこで作った概念図なんですね。左側に政府の推進機関があり、右側に非国家アクターというふうに書きましたけれども、国が直轄するわけではない民間で主導的な立場を取る人々を束ねて、そこで二〇三〇アジェンダ推進会議というのをつくろうじゃないかというようなことを考えております。  例えば、消費者グループ、NGO、若者、高齢者、障害者、ジェンダー、労働組合、民間企業、科学者、農業者等という方々、やはりこれ全ての人々にSDGsというのは関わる問題ですので、そこでしっかりそういったネットワークをつくって、そこが国側、政府側と連携、協働しながら日本としてこのSDGsの実施に対してどういうふうに取り組んでいくかということを話し合い、実際に実施のプロセスに乗せていこうというふうに考えております。左側にも書きましたけれども、そのためには、法整備、国家計画、政策・施策の策定、実施、モニタリング、評価等をしっかりやっていくことが必要だろうというふうな認識に至っております。  日本の国内課題にも関係するというふうに申しました。例えば、ここでは「動く→動かす」のパンフレットということで、SDGsの五、七、八、十、十一、十二というような十七のゴールのうちちょっと六つだけ抜き出して、日本では例えばどういうことなのかということを少しかいつまんで説明してあります。  あるいは、一は貧困削減ですけれども、この目標は、あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせるというのがもちろんSDGsの第一の目標になっていますけれども、そのターゲットである一・二を見ますと、二〇三〇年までに各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある全ての年齢の男性、女性、子供の割合を半減させるというのがうたわれています。これは、昨今、日本でも相対的貧困率等、国内の貧困の問題が話題になっています。やはりこれにも当てはまるターゲットになっているわけです。  G7サミット、今年まさにあるわけですけれども、SDGs採択後の最初のサミットであり、日本がグローバル社会に向けて持続可能な世界に向けての強力なメッセージを発信する大きなチャンスであろうというふうに市民社会としては考えております。既に伊勢志摩サミット二〇一六のウエブサイトにもやはりそういったことが書かれておりますし、民間、市民社会を含むあらゆるステークホルダーが参加するグローバルパートナーシップというような言い方もそこでなされています。それを進めるために、私どもの方で二〇一六年G7サミット市民社会プラットフォームというのを既に立ち上げており、三月にはシビルG7というのを開催し、その五月二十六、七の本番前には市民サミットを開催する、こういった動きもやっているところでございます。  というわけで、済みません、早口になりましたけれども、御清聴ありがとうございました。

赤石清美自由民主党

○委員長(赤石清美君) ありがとうございました。  次に、大野参考人にお願いいたします。大野参考人。

大野容子公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンアドボカシー・スペシャリスト

○参考人(大野容子君) こんにちは。公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの大野と申します。  本日はこのような貴重な御機会を頂戴し、誠に感謝しております。どうぞよろしくお願いいたします。  セーブ・ザ・チルドレンなんですけれども、第一次世界大戦のときに創設された、九十年以上活動をしております国際NGOです。子供たちの権利、子供たちの生きる、育つ、守られる、参加するというその権利を守り、推進していくために、世界の百二十か国で活動しております。  世界各地で具体的な事業をするだけではなくて、やはり様々な政策、グローバルなレベルでもリージョナルなレベルでも、国家、ナショナルなレベルでも政策というものはやっぱり非常に子供たちの置かれた状況に影響を与えるということで、こちら政策提言の活動の方にも力を入れております。  本日は、子供たちやお母さん、そして全ての人々にとってとても重要である健康、保健のテーマで御紹介させていただければと思います。(資料映写)  今回のG7サミット、TICADでも保健は主要アジェンダの一つとなっております。今申し上げましたとおり、こちらG7サミットにおきましては、二〇〇〇年の九州・沖縄サミット、二〇〇八年の洞爺湖サミットにおきましても様々な保健課題を日本政府として積極的に取り上げてくださって、様々な行動計画やグローバルファンドの創設など、様々なイニシアチブを日本政府として取ってきていただいております。  今回の伊勢志摩サミットにおきましても、保健が重要な課題、優先アジェンダの一つとして取り上げられております。市民社会といたしましては、保健のアジェンダというものを優先していただくことを非常に歓迎しております。そして、TICADでも今回特に重視すべき取組として、保健システム、保健制度の構築ということが挙げられております。  SDGに関しましては、先ほど今田さんから御報告もありましたとおり、保健というのは目標の三に掲げられております。あらゆる年齢の全ての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進するということが目標の一つに掲げられておりまして、目標の下のターゲットの三・八、目標三の八番目のターゲットにユニバーサル・ヘルス・カバレッジを達成するということが明確に掲げられております。  実は、こうした様々な保健課題に関しまして、首相自ら非常にリーダーシップを発揮してくださっておりまして、様々な国際会議や、こうしたランセット誌という世界で最も評価が高い医学専門誌の一つなんですが、こちらの方に安倍総理大臣自身が御寄稿くださっています。私、今ちょっとこれ一部手元に持ってきたんですけれども、その中で、こちら、下線で引かさせていただいたとおり、日本は保健をその中心的な課題と考えていますと、日本そのものが交渉プロセスで重視してきたものがユニバーサル・ヘルス・カバレッジ、UHCであり、それが今回のSDGの目標に取り上げられたということが述べられています。  そもそも、そのユニバーサル・ヘルス・カバレッジなんですけれども、定義自体は、簡単に申し上げますと、誰もが、どこであっても、お金に困ることなく、自分に必要な質の良い保健医療サービスを受けられる状態を指します。こちら、青い方の吹き出しで書かせていただいたんですけれども、私、今の世界の現状と市民社会の意識というのを端的に示しているということで紹介させていただいております。子供が高熱を出した、青ざめて震えている、病院に連れていった、でも窓口で言われた、病院代払えるんだろうなと。子供を抱えたまま茫然と立ち尽くした、悔しくて涙が出た。そういったもう一つの、今の世界の現実を何とかしたい、それの解決の一つがやはりユニバーサル・ヘルス・カバレッジであるというふうに市民社会では認識しております。  日本は、国民皆保険制度がありまして、UHC先進国と言われております。かなりの割合が安いお金で保健医療にアクセスできる制度が整っています。ただ、しかしながら一方で、例えば学校の保健室から見るとやっぱり現状は非常に違っていて、交通事故に遭った子供が、救急車が来ているのに保険証がないから僕は病院に行かない、歯が三十二本あるうち二十本が虫歯なのに病院に行くお金がないので行かないと。そういう制度はあってもそこから漏れ落ちる人たちというのはやっぱり存在していて、日本においても、UHC先進国とは言われつつも、なかなかUHCと国民皆保険制度というのは同義ではない、UHCの状態がやっぱり達成されていないという現実もあるということを申し上げさせていただければと思います。  そもそも健康、保健は人権であるという考え方がございます。もちろんこれは世界人権宣言から様々な子どもの権利条約まで明確に示されております権利のことです。日本の今までのODA政策では、人間の安全保障というものが柱に据えてこられていると思いますけれども、こちら、基本的な健康の権利を確保するというUHCの達成こそが人権の観点、日本の進めている人間の安全保障の考え方に非常に沿ったものであるというふうに理解しております。  じゃ、具体的にUHC、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの状態を達成するために様々なことが求められているわけですけれども、こちら少し紹介させていただきたいのは、例えば水であるとか、水、トイレなどの衛生設備の整備ですね。その他、子供の死亡率の原因の約半数が栄養不良からきているということもあります。母子栄養不良の解決というものもユニバーサル・ヘルス・カバレッジには非常に必要な一つの問題であります。  その上で、保健制度、保健システムを強化した上で、UHCの状態を達成していくということが求められているわけですが、そのためには様々な技術だったり、様々な人材であったり、情報であったりというのはとても必要なことなんですけれども、それに加えまして、やはりこういった体制を強化していくに当たりまして資金というものが非常に必要になります。資金についてはまた後で簡単に御紹介させていただければと思います。  今、実際にG7でどういう議論が行われているかと申しますと、実は二つがありまして、UHCを達成しましょうといういわゆる平時の対応と、この間のエボラ出血熱等、例えばブラジルのジカ熱なんかのいわゆる保健の危機が起こったときにどのようにその危機に国際的に対応するかという国際的な枠組みの議論、いわゆる危機対応の議論、その二つが進められております。  一方で、エボラの教訓から少し御紹介さしあげたいんですけれども、そもそも危機拡大の背後には一体何があったかということなんですが、エボラは、ナイジェリアやガボン、ウガンダなどではエボラは発生したものの拡大は防げております。一方で、皆様御存じのとおり、リベリア、ギニア、シエラレオネの三国では拡大しました。  なぜ拡大を防げなかったのかと。もちろん様々な理由がありますし、直前まで紛争があって、難民となった人々の人口移動、まあ結果として、保健システムと社会インフラが非常に脆弱であったと。下の表を見ていただければ分かりますとおり、ギニア、リベリア、シエラレオネの三か国に関しましては、医師数や看護師数、薬剤師数がアフリカ平均と比べても非常に低い。つまり、きちっとした保健システムなり社会インフラが整っていれば危機の拡大が防げた可能性が非常に高い、危機対応の必要がもしかしたらなかったかもしれないということが言えるかと思います。  その観点で、一方では、現在のG7の議論では、非常にその危機対応のシステムの方の議論に重きが置かれているという現状があります。日本政府の中の議論でもそのような状態にあるとお伺いしております。しかし、市民社会といたしましては、やはりエボラの教訓から見られるように、危機発生後の対応よりも是非平時のUHCに比重をしっかり置いて支援をしていただきたいということを強調したいと思っております。対応よりも予防が効果的という市民社会の要望は、日本の市民社会だけではなくて、G7各国全ての市民社会の共通した要望でもあります。  あと、市民社会の要望の二点目なんですけれども、先ほど今田さんの方から御報告ありましたとおり、やはり誰一人取り残さない保健システムを構築していただきたいと、公平な形でUHCが達成されることを日本の援助の柱としていただきたい。最も貧しい層、最も取り残された層に焦点を当てることと、制度をつくるときは制度をつくる側の意向なり観点なりというのが非常に重要視されるんですけれども、保健医療サービスを受ける側、権利を保有している側、そこが参加してボトムアップで制度をつくっていく必要性がやっぱりどうしてもあると。それは、公平性の確保の観点からも、実際にできたシステムが人々によって使われ、かつ持続可能なものになるためには、やはり人々の参画の下でそういう制度をつくられていくことが必要でありますし、私ども市民社会の活動というのはコミュニティーベースでいろいろ様々なことをしていますけれども、そういったコミュニティーの参画というのも非常に必要かなというふうに考えております。  あと、先ほど資金の話をしましたけれども、こうした保健システムの構築に至っては、やはり様々な形でお金が必要になってきます。  保健システムの強化、UHCの達成には、やはり今主要には各国内がどのようにそのための資金を動員できるかということが議論の中心になっております。やはり公平さを確保するためには、事前に公平に広く保険料を前払で徴収する、あるいは税金を投入するといった形で大規模な財源プールがまずどうしても必要になるんだろうと考えております。あとは、その税金の部分なんですけれども、格差の解消に向けて累進性をきちっと確保すること、それがやはり必要になるかと思います。  こちら、私、プレゼンテーションの方に今話題になっておりますパナマ文書の写真の方を載せさせていただいております。  保健とパナマ文書が何で関係あるのかというふうに思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、やはり特に途上国においては、そういった過度な節税で、税逃れであったり違法な資金の流出であったりということで様々な資金が途上国から流れ出ているという現状があります。そうした流れ出るお金というものを実はちゃんと国内にとどめてきちっと税金として納めることによって、保健だけではなく教育といった社会開発の分野に資金を回すことができるという関連があります。  セーブ・ザ・チルドレンの方で試算したちょっとデータの御紹介なんですけれども、二〇一五年なんですが、毎年、サブサハラ・アフリカからいわゆる税逃れによって流出する資金というのが百五十億ドル、それをきちっとヘルスワーカーへの支払にもし使ったとしたら百八十万人ものヘルスワーカーが雇用できるというデータを御紹介させていただきます。  こうしたことは、やはり国において税のシステムをきちっとすることプラス国際的な枠組みでこういった税の問題にきちっと規制を掛けること、明日からG20の会議がなされると思いますけれども、そこでもこの税の規制の議論に関しましては中心的な議題になると聞いております。是非、日本として、積極的にODAも活用しながらこうした税規制の構築に御支援をいただきたいというふうに考えております。  それと、やはりそうした国内における資金動員だけではどうしても足りない国というのはございます。例えば脆弱国、最貧国というものはやはり政府開発援助で賄うべき必要性がどうしても出てきます。  そのために、先ほど今田さんの話にもございましたが、かねてからの達成目標でありますODAの〇・七%というのをあらゆる手段で迅速に是非達成していただきたいということと、やはり実際上、日本のODAの仕組みの観点からどうしても円借款、借款での供与というのが非常に多くなると思います。今のところ、日本のバイのUHCへの支援というのは借款が主だと、借款で支援がなされていると聞いております。こちらの保健に関する支援に関しては、もちろんいわゆる借款ではなくてグラントで、贈与でお願いしたいというものは前提にはございますが、円借款での支援の場合も、八〇年代から二〇〇〇年にかけての債務危機の教訓も踏まえまして、是非債務の持続可能性を確保した形での支援の方をお願いしたいと存じます。  どうもありがとうございました。

赤石清美自由民主党

○委員長(赤石清美君) ありがとうございました。  次に、山田参考人にお願いいたします。山田参考人。

山田肖子名古屋大学大学院国際開発研究科教授

○参考人(山田肖子君) 赤石委員長、御紹介ありがとうございます。  皆様、本日はこのような機会をいただきまして誠にありがとうございます。名古屋大学の山田と申します。  本日は、今田参考人がSDG全体についてのお話をされまして、大野参考人が特に保健の分野についてお話しされましたけれども、私はアフリカ支援という観点からお話をさせていただきたいと思います。(資料映写)  皆様、どのぐらいアフリカについて詳しく御存じか分かりませんけれども、日本から随分遠いと思っていらっしゃる方も多いかもしれませんが、アフリカ大陸に五十四の国がございます。特に、地中海に面した五つの、エジプト、リビア、チュニジア、アルジェリア、モロッコという国はちょっと文化的にも違いますので、ここはマグレブ諸国というふうに分けて考えることが多くて、それ以外の四十九の国をサブサハラ・アフリカというふうに呼んで、一つの地域として扱うことが多くございます。  まず、統計からアフリカを見るとどんなふうに見えるかというのをちょっと御紹介したいと思うんですけれども、まず、アフリカ、サブサハラ・アフリカといいますと非常に貧しいというイメージをお持ちになるかと思いますが、実際、まず、この表の中の途中の真ん中辺に一人当たりGDPというのが書いてありますけれども、その金額、USドルの金額を見ていただいても、サブサハラ・アフリカがかなり低いということはお分かりいただけると思います。  一番上の国民総所得に占める援助の割合というのは援助が所得に占めるパーセンテージですけれども、これもアフリカが非常に高いという、援助に依存している経済だということが言えると思います。そのことは、いろいろな基本的なサービスがまだまだ充実していないという側面、今までの参考人の方たちもおっしゃったように、そういうことも言えるわけです。  例えば、出生時平均余命と書いてあるものは、要するに平均寿命ですけれども、これもアフリカは五十八・一歳と、ほかの地域に比べてかなり低くなっているわけですね。ですから、かなり若いうちに亡くなってしまう人が多いということなんですが、その一方、人口増加率はほかの地域より高いということは見ていただけると思います。つまり、非常に多くの人が亡くなるけれども生まれる人も多い、その結果、若い人が多い大陸です。総人口に占める十五歳以下の割合が四三%というのは、つまり中学生ぐらいまでの人口が四割を占めている、そういう大陸になりますので、日本の高齢化社会と比べますと真反対な社会だということが言えると思います。それと同時に、やはり保健の指標も教育の修了率という数字もとても低いという、そういったことになっております。  ただ、皆さん、アフリカはかわいそうで貧しくてということをずっと思われるかもしれない、もちろんそういう側面があるんですが、経済は実は調子が悪くありません。ここ十年ぐらいで、経済成長率、上から二つ目ですね、GDP成長率というのを見ていただくと、東アジアなどよりもよほど経済成長率は高いです。もちろん、元々の経済のキャパシティーは低いわけなのでまだまだ追い付いてはこないわけですけれども、どんどん速いスピードで成長している。その反面、輸出に占める製造業の割合というのを見ていただくと、これが三三%なわけですが、どういうことを意味するかといいますと、輸出に加工を加えたものが少ないということです。製造業というのは、付加価値を加えて物を売ることによってその付加価値の値段が稼ぎになるわけですけれども、アフリカの多くの国は資源にほとんど加工しないまんま輸出してしまうと、そういう資源依存の経済なわけですね。  その話はまた戻ってしますけれども、次のスライドに行きますと、ニュースで皆さんがよく御存じの、見られるようなものとしては、やはりアフリカは紛争が多い。内戦も多くて、民族間や宗教間の対立がいつも起きていて、それが原因で人々が国を追われて海外に難民に出たり国内難民になったり、そしてそういうふうに生活が安定しないことが飢餓につながったり貧困につながったり、またエイズといった病気が蔓延していたりと、そういった情報が皆さんの耳にも入っているかと思います。割と最近注目されているのは、中国の企業や援助がアフリカに物すごい勢いで進出しているという話も聞いておられるかと思います。  先ほど付加価値を付けた製造業がなかなか育たないという話をしましたけれども、このグラフでは、労働生産性というものを地域ごとに比べています。そうすると、サブサハラ・アフリカのところを丸で囲みましたけれども、労働生産性というのは、労働者一人当たりが働いて生み出す付加価値です。つまり、付加価値を余り生み出していない。その一方で、この折れ線グラフの方は何を示しているかというと、雇用がどのぐらい成長しているかという話ですが、アフリカ、一番雇用成長率は高いんですね、ほかの地域に比べて。  つまり、これはどういうことかというと、経済は比較的好調、資源の国際市況がちょっと不安定なので、最近、この二、三年はちょっと成長が鈍ってはいますが、まだ好調で、雇用も拡大している、にもかかわらず技術力が低いという資源に依存した社会だということ。それは、まず人々が技術力を身に付けて自分たちで生きていける安定した雇用と経済につながっていくためには、まず人づくりが大事だということを御指摘申し上げたいと思います。  そういった労働生産性が低いけれども雇用が拡大している社会ですが、その中でも若い人の実は失業率が大人の失業率より高いという問題があります。先ほど言いましたように、中学生以下が四割もいるような国で若い人が失業しているということは、実は大きな人口の部分がより少ない大人の人口より仕事がない場合が多いという、そういう問題を抱えていると言えます。  その赤い文字で書いてあるところですが、国全体の経済が成長しても、個人にその恩恵が行き渡っていない。例えば、資源を輸出して経済が、GDPが成長したとしても、それは輸出に関わった国の一部の人たちにしか利益が入ってこないわけです。ですけれども、もし例えば石油を精製するための様々なプロセスの技術を現場のその国の人たちが形成していれば、そこにもっと付加価値の高い雇用が生まれて、よりいい給与を得たりすることによって成長の便益が多くの人に共有されるようになるわけですね。そういった必要があるというふうに見られています。  じゃ、技術力や指導力のある人材というのはどうやって育てるのかといいますと、皆さん、今田さんなどの説明の中にも、二〇一五年まではミレニアム開発目標というのがあったというふうに申しましたけれども、その中で、とにかく貧困を削減するための一つの方策として学校にみんなに行ってもらいましょうという、ユニバーサル・プライマリー・エデュケーション、全ての人を小学校にという、そういう政策があったんですが、その結果、もちろん学校に行く人は増えました。ですけれども、準備もなく大勢学校に行ってしまったので、教室に百人も子供がいて先生一人とか、教科書が足りない、教室が真っ暗でぎゅう詰めという、そういった状態が起きて教育の質が落ちてしまって、学校に来ても学ぶべきことを学んでいないという状況が生まれました。  ですので、今SDGの中で新しい課題として言われていることは、学校に行くとかサービスを提供するということは手段であって目的ではないから、大事なのは、何を学んで、学んだことが社会や本人の向上に役立つかどうか、そっちに視点を移しましょう、人の方に視点を移しましょうということが今SDGの中で言われていることです。  同時に、学校にいる間だけが教育じゃない、仕事の場所でも、大人になってから社会の中でも人というのは学び続けるんですよと、そういうことを言われていますので、教育というのは非常に裾野が広い、貧困を削減するためにも社会が進歩するためにも必要なものであるし、学校の中だけじゃない、学校の外、何だったら親方に弟子入りして徒弟をやるみたいなことも人づくりの一つだというふうに考えて、包括的に捉えるというふうな方向に行っています。このことは、後にも述べますけれども、日本の人づくりの精神に非常に合致するものだと思っていまして、SDGと日本の人づくりというのが回り回ってつながってきているのが今の状況ではないかなと思います。  日本とアフリカの関係をちょっと御紹介いたします。  まず、貿易の観点ですけれども、アフリカからは日本に資源の輸入、中東だけに依存していると政情不安が起きますので、輸入元を多様化させるという意味でもアフリカから資源を取っています。それから、今までですと、ヨーロッパ市場向けの自動車の組立て工場なんかを南アフリカだったりケニアだったりそういったところでやっていたり、あと一部アフリカ市場向けの工業製品なども輸出していました。  しかし、近年、アフリカの経済の好調を受けて、日本企業の投資の関心も非常に高まっております。例としては、まず労働集約型の産業ですね。労働力が安くて、でも、きちょうめんに手先の器用な仕事をしてくれる人がいるような国で縫製業、織物を作って服を縫うという、日本の近代化の最初が富岡製糸場がきっかけだったというのに似たような感じで、まず軽工業から入るということで、エチオピアにもう既にユニクロさんなどが入ることを計画、具体的にされているというふうにも聞いております。  それから、成長しつつあるアフリカの中流階級向けの消費財の需要というのも高まっているというふうに考えられています。アフリカは貧しくて支援してあげる対象だというふうにばかり思ってきたら、経済が成長していったら、結構きらきらして栄養状態もいいような人がショッピングセンターですごい立派な買物をしたりするような中流階級がもう育っているんですね、かなり。そういう人たちを対象にした、巨大なアフリカ大陸をマーケットと捉えるというふうにすると、日本の性能のいい消費財、自動車ですとか電化製品ですとか、そういったもののマーケットとしても今熱いと言われています。  それから、日本の高い技術力をちょっとだけ工夫すれば、貧困削減に貢献するビジネス、よくBOPビジネスってお聞きになると思うんですが、そういったものも無限の可能性があると言われています。  一部の例を言いますと、電気の通っていないところにソーラーパネルを付けるとか、あと蚊帳というのは、住友化学さんがオリセットネットというのを作ってすごく売れたんですけれども、それ値段は安いんだけれども、アフリカではやっぱり蚊が媒介する病気が多いわけですね、マラリアだったりデング熱だったり。そういうものを避けるために蚊帳をつるんですけれども、オリセットネットというのは、その繊維自体に蚊をよける成分が織り込んであるために非常に効果が高いというものです。それから、栄養食品ですと、例えば味の素さんとかが、西アフリカで子供が伝統的に食べる重湯みたいのがあるんですけど、それに栄養分を付加したものを簡単に用意できる製品を大衆向けの安い値段で売りまして、大成功をしていらっしゃるといったようなことがあります。  このようなことを考えますと、いろんな分野の企業さんが関心を持っていらっしゃるんですが、ただ、アジアに比べて情報や経験が圧倒的に不足しているので、行ってください行ってくださいといっても行ける状態じゃないという、まず情報不足の問題があります。それから、やっぱり現地にいい人材がいるのか、いいインフラがあるのかというところで足踏みをしてしまうというのがあるわけですね。そうすると、いい人材がいてくれて、健康状態が良くて、ちゃんと安定した生活をしている、そういうところをつくっていくというところに日本の国際協力という役割もあるのではないかなというふうに思います。  皆さんよく御存じのとおり、今度、TICADⅥですね、六回目がケニアで二〇一六年八月に行われることがもう決まっているわけですけれども、このTICADというのは、日本の政府が音頭を取って、アフリカの開発を議論しましょうということで一九九三年に始まったものですけれども、開催に向けて投資フォーラムですとか閣僚級の会合ですとか、そういったものがもう既に実行中です。  それから、参考までに第五回はどういうテーマだったかといいますと、二〇一三年、今回だけは五年ごとじゃなくてちょっと短いんですけど、主要テーマはインフラ整備と人づくりということで、まず人づくりの方は産業人材育成ということでABEイニシアティブというのが実行中です。これはアフリカン・ビジネス・エデュケーションの略ですけれども、安倍首相のもちろん名前ももじっているわけですけれども、これは五年間で三百人に日本で修士号を取ってもらうという、そういう奨学金のスキームでして、日本の大学に、私のところにも学生が来ていますけれども、それで、最後二年間の後に日本の企業で研修をされて、国に帰られて日本とアフリカのビジネスの橋渡しをする人材になってほしいというような、そういうことです。  それから、ナカラ回廊計画というのは、これは経済インフラのプロジェクトですけれども、モザンビークという海岸部の国から内陸のマラウイ、ザンビアまで道路を通すことで物流を促進させるということですね。物流、特に輸出なんかを促進するために、海に面していない国は不利なわけですので、そういった道路を造るといったこともやっています。  基礎的な社会サービス、教育、女性、保健、水、衛生、農業、村落開発、食料・栄養安全保障、環境、防災、平和と安定、民主主義など、非常に多岐にわたる協力を日本はこれまで行ってきております。  地域的な割合というのは、元々日本というのはアジアに対する援助が圧倒的に多かった。この一番左の青い部分がアジアに対する援助で、二〇〇〇年ぐらいまでは圧倒的にアジアだったわけですけれども、二〇〇六年ぐらいからアフリカに対する援助もアジアと同じぐらいの割合を占めるようになってきています。今大体四分の一ぐらいアフリカかなというふうに思いますけれども、残念なことに日本の援助総額自体は減ってきているわけですけれども、アフリカに対する焦点というのはむしろ高まっているということが言えます。  中国との比較ですけれども、中国は非常に頑張ってどんどん進出してきていますよという記事が、毎日新聞に何年か前に出ていたのでちょっと持ってきましたけれども、中国も、TICADのまねをしたとよく言われますが、FOCACという中国・アフリカ協力フォーラムというのをこれは三年に一回やっています、二〇〇〇年に始まったんですけれども。  FOCACとTICADって似ているとよく言われますが、FOCACは、アフリカの首脳を集めた機会に、おたくの国に幾ら幾らの援助をしましょうといってもう約束しちゃうという、そういう約束の場みたいになっているんですが、TICADはそういうことをなかなかいたしませんね。もっと広い枠組みでの議論をして、日本の援助というのは非常に慎重ですので、本当に言っているようなことが、現場の地元の受益者に本当に利益が届くのかということをすごいアセスメントとかするわけですが、そうすると時間が物すごい掛かるわけですね。日本の援助は遅いとかといって、アフリカの首脳はすぐくれる人がうれしかったりするわけですので、その辺がアフリカの首脳が結構中国気に入っちゃう理由でもあります。  最後になりますけれども、私の方からアフリカ支援の視点として幾つか提示させていただきます。  まず第一点は、もちろん人道的な支援は不可欠です。何といっても、やはり貧しい地域ですので、教育、衛生、保健といったようなことは絶対に必要ですけれども、同時に、ただサービスを提供すればいいと考えるのではなくて、先ほど言いましたように、SDGでも、一人一人の本当に役に立つ人間になれたかどうか、能力を身に付けることができたか、学校に行ったかということじゃなくて、そちらに焦点を当てるような基礎的社会サービスというのを考えたいと思います。  それから、日本にとってアフリカが遠くて関係ない国だというふうに思わないでいただきたい。貿易パートナーとしても、支援することで日本が関わりやすくなる。彼らがいい人材、安定した生活をする、安定した政治を行う、インフラも整備された社会になってくれて、日本にとっても非常に助かるんだというふうに思っていただきたいと思います。  それから、最後に、日本の支援の強みということですけれども、ODA総額が減っている中で、何でもやるということよりも、日本は何が強い、日本はどこが魅力だということを我々自身がもう一度考えてみるいい機会かなと思います。そういう意味で、日本の援助の良さというのは、受益者の視点に立っている、一番末端の人たちのところに降りていってその人たちの視点で考える援助であるということ。それから、単に技術を、技術移転といって技術だけぼんと渡すのではなくて、一緒に働いて態度とか考え方も伝えるというのが非常に日本的かと思います。あとは人づくりですね。非常に広い意味で人づくりを捉えているというのが日本の特徴だと思います。  一番最後ですが、こちらは自民党じゃない方もたくさんいらっしゃるかとは思いますが、もう十五年ほど前に、小泉首相がジェノバ・サミットの場において日本の国際協力の精神の根本には人づくりという考え方があるんだということでこの話を紹介されていますので、これを最後に申し上げたいと思います。米百俵の精神ですね。国が興るのも町が栄えるのもことごとく人にある、学校を建て、人物を養成するのだ、小林虎三郎長岡藩大参事、一八七〇年。  以上です。ありがとうございました。

赤石清美自由民主党

○委員長(赤石清美君) ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。  これより参考人に対する質疑を行います。  参考人に対する質疑を行う際は、御起立の上、御発言ください。  参考人の方々の御答弁につきましては着席のままで結構でございます。  また、各委員の発言時間が限られておりますので、御答弁は簡潔にお願いいたします。  それでは、質疑のある方は順次御発言願います。

島村大自由民主党

○島村大君 自民党の島村大でございます。  本日は、三人の参考人の皆様方、本当に貴重な御意見、ありがとうございます。  与えられた時間も短いのでちょっと早速教えていただきたいんですけど、先ほどから三人の参考人の方々がおっしゃっていましたように、やはり途上国では健康を害することの社会的、経済的なインパクトが極めて大きいのが現在もあると、根源には貧困層や医療のニーズの大きい人々の医療費を誰が負担するかという問題があると思います。そして、公的資金による補填がなければ医療格差の解消はやはり難しいと。もう一つ、税収の基盤の脆弱な途上国においては、やはり経済成長の早い段階で将来を見通して制度の整備が大変必要だということも分かりましたし、まだまだ援助も必要だということをお話を聞きました。  そこで、大野参考人に教えていただきたいんですが、まずは、現在、日本の言われておりますUHC、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジについて、具体的に資金面以外に何ができると大野参考人はお考えか、もうちょっと深掘りで教えていただきたいと思います。

大野容子公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンアドボカシー・スペシャリスト

○参考人(大野容子君) 島村先生、どうも御質問ありがとうございました。  UHCに関しましては、実は国や地域によってそれぞれ今の置かれた現状というのは異なると思います。これこそが、UHC達成のためにはこれさえすればオーケーだという万能薬がまずないというのがUHCの特徴の一つかと思います。  一つは、その国、その地域における現状に基づいた、オーダーメードとまでは言わなくても、やはり実情に合ったUHCの取組というのがどうしても必要になると思います。そのための一つとして、やはり上からの制度面をつくる、制度としての見方ではなくて、では、実際にそこに暮らす人たちがどのような制度であったら使いやすく、実際に使うことができるのか。  例えば、エボラの発生があったときに実際に様々な国際機関が支援に入りました。私どものセーブ・ザ・チルドレンの方も様々な形で御支援させていただいたんですが、やはりそもそも病院なりクリニックなりへの信頼が欠けていると、あそこに行って大丈夫なのか、そこに行ったら本当にエボラじゃなくて、隔離されてしまって終わりだよといううわさが広まる。そのような形になってしまうと、やはり人々がサービスを提供していても来ないという事態もある。人々の視点に立った、その地域、人々の実情に合わせた制度構築というのをきめ細やかにやっていくこと、やはりまさにそこが必要だと思います。  それにまた加えまして、先ほど人づくりの山田参考人のお話にもありましたとおり、そこにサービスに従事する人を丁寧に育てていくこと、そこがやっぱりまず根幹として必要になるのではないかというふうに思っております。

島村大自由民主党

○島村大君 ありがとうございます。  先ほど大野参考人からもお話ありましたように、日本には世界に冠たるWHOがおっしゃっています国民皆保険制度があるわけじゃないですか。基本的には、この国民皆保険制度というのは、海外に大野参考人は持っていってその可能性があるかどうかという、根本的な考え方ですけど、それは発展性をつくらなくちゃいけないと。今のお話、現地に合わせなくちゃいけないというのもよく分かるんですけど、そこはどうお考えか、教えていただきたいと思います。

大野容子公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンアドボカシー・スペシャリスト

○参考人(大野容子君) ありがとうございます。  もちろん日本のUHCの経験、日本の国民皆保険制度というものは海外に非常に有益な部分はあると思います。どのように薬価が設定されていくのか、どのように保険制度がつくられていくのか、そういう日本の経験というのは、特に例えばアジアの国々において非常に有益かと思います。

島村大自由民主党

○島村大君 ありがとうございます。  そうしたら、今田参考人に教えていただきたいんですけど、先ほどのお話ですと、今まではMDGsですか、ミレニアム開発目標は主に途上国を対象にした開発目標であったと。今回からのSDGsに関しましては先進国も途上国も同様に問題点を考えていくんだということで、大胆に発想の転換があったということを言われていますが、今田参考人の資料ですと、日本国内の課題とSDGsとしまして、十三ページに書かれていますように、女性の権利、エネルギー、仕事づくり、格差是正、防災・減災、消費・生産ということを出していただいていますが、これはもっとあると思うんですけど、一応六項目出していただいて、今田参考人としましては、これは全部必要、大切だと思いますが、まずはどこから手を着けるべきかということを、強いて言えばどこかというのを教えていただきたいと思います。

今田克司一般財団法人CSOネットワーク代表理事特定非営利活動法人日本NPOセンター常務理事「動く→動かす」代表

○参考人(今田克司君) 御質問ありがとうございます。  やはり、今かなり日本国内でも話題になっております国内の格差の問題、これがSDGsではゴール十です。ここで国際間格差と国内格差というのは両方とも重大な課題であるというふうに認識されております。ですので、やはり国内格差の問題はSDGsの文脈においても大変重要であるというふうに考えております。  一つというふうに御質問でしたけれども、加えて言うならば、今、日本国内で、特に企業の間で話題になっているのがこの十二、持続可能な生産と消費、まさに日本が経済的に進んでいる国だからこそ、そこでどのように生産の形を持続可能なものにするか。例えば調達の問題、それから消費に関しては最近食料廃棄の問題が大きな問題にもなっております。そういったことをやはり優先課題として取り組んでいくべきだろうというふうに考えております。

島村大自由民主党

○島村大君 ありがとうございます。  確かに、私も格差是正とか持続可能な公共調達というのは第一に考えていただきたいんですけど、私個人的には、日本の今置かれている超高齢社会において、やはり一番問題点が、日本が一番それをある意味ではフロントランナーとして走っているわけですから、この辺ももし今田参考人が何かお考えあれば、特に認知症の件とか、我々も今、与党としましても今回のサミットに対して認知症に関しましてもやはり世界に発信していくべきだと思っていますが、そこはどのように考えているか、教えていただきたいと思います。

今田克司一般財団法人CSOネットワーク代表理事特定非営利活動法人日本NPOセンター常務理事「動く→動かす」代表

○参考人(今田克司君) 確かに、高齢化の問題、それから人の問題、人口移動の問題等、今私どもでもいかに今の日本の地域の疲弊と言われる問題を解決していくべきかということを考えております。その中では、もちろん今の高齢者の方々にやはり元気な地域の担い手として頑張ってもらおうということもそうですし、若者を地域に呼び込む、経済の発展の仕方を地域でしっかり持続可能な形で回るようにやっていく、そこで若者の役割というのは非常に大きいというふうに考えております。  SDGsにおいても、例えば農業の問題というのも持続可能な農業という形で取り上げられておりますし、そういった第一次産業をいかに見直してこれを持続可能なものにしていくかということにおいてもSDGsは一つの尺度として使えるというふうに考えております。

島村大自由民主党

○島村大君 ありがとうございました。  ちょっと時間もあれなんで、山田参考人に最後教えていただきたいと思います。  先ほどのアフリカの話ですと、いわゆる経済活動や産業構造の変化のペースは余り遅くないが、経済は悪くないと。ただ、今までのMDGsに盛り込まれていますように、初等教育に対しての量的な、量的と言っていいんですか、初等教育に対しては大分これに関しては進んだと。ただ、それに対して、初等教育が進んだけど、若者たちの残念ながら職に対しての、失業率は高いと。  そういう中で、先ほど幾つかの点がお話ありましたが、やはり日本ができることは人づくり、またでっち奉公みたいな考え方もいいんではないかとお話ありましたが、具体的に一つ例えば成功例とかありましたら教えていただきたいと思います。

赤石清美自由民主党

○委員長(赤石清美君) 山田参考人、時間が来ておりますので簡潔にお願いいたします。

山田肖子名古屋大学大学院国際開発研究科教授

○参考人(山田肖子君) 今、非常に多く行われているのは、職業技術教育を抜本的に改革するというようなことがよく行われております。つまり、実際に仕事に、働く場で使える技術だということを前提に職業の資格を提供する、学校で何を習ったか、カリキュラムをマスターしたかということではなくて、使える技術かどうかという方向から技能評価をし直すというコンピテンシー・ベースト・エデュケーション・トレーニングというのがアフリカでも非常に発達してきていますけれども、そういった中で、例えば日本の企業が入るような分野におきましても、必要としている技術と現地で育てられている技術がマッチしているかどうかということを調べて、マッチしていない部分を明らかにするという、そういう国際協力のニーズも高まっているかなというふうに思います。  以上です。

島村大自由民主党

○島村大君 ありがとうございました。

藤田幸久民進党・新緑風会

○藤田幸久君 今日は、お三人の皆さん、お越しいただきまして、ありがとうございました。  まず、順番にお伺いいたします。今田参考人にお伺いしたいと思います。  MDGsから今回SDGsに変わったということは、要するに、今まではほかの国に対する援助だったわけですが、今回は日本自身が、例えば格差とか貧困とかあるいは保育士さんや介護士さんを含めた社会保障政策の改革、こういったものを実現しない限りなかなか効果的な対外援助はできないし、する資格がないと、各国に対して、そういう面があるんだろうと思いますけれども、したがって、それぞれの国が国内問題、格差等々について改善をしていく必要があると。その場合に、日本の援助にどんなことが期待されているのか。  たまたま私は、去年はトマ・ピケティにお会いをいたしました。彼が言ったのは、格差というのは経済問題を超えて完全な社会問題、政治問題だと、これを解決しないと世の中は改善ができない。  それから、先月、スティグリッツ教授にもアメリカと日本でお会いをいたしました。スティグリッツ教授がこの官邸で使ったペーパー見てみますと、とにかく富とか健康とかいろんなアクセス、この格差を解消することが重要であって、今、世界中で多数の貧困層が増えているんだと、こういうこともおっしゃっています。  こういったことを含めて日本自身がやっぱり変わっていくということが前提と思いますが、その辺についてお伺いをしたいと思います。

今田克司一般財団法人CSOネットワーク代表理事特定非営利活動法人日本NPOセンター常務理事「動く→動かす」代表

○参考人(今田克司君) 御質問ありがとうございます。  今、藤田議員がおっしゃったまさにそのとおりだというふうに思います。  このSDGsが世の中に出て私どもが気付かなければいけないのは、今までは国際的なことと国内的なことは別のこととして捉えていたということがあると思います。ところが、例えば海外協力の場面でも、これまでODAの質ということを申しておりました。つまり、量だけではなく質の問題である、これは国内のいろいろな政策を見ると、まさに質を問うているわけですよね。  どういった質のものを国内外合わせて政策としてやっていかなきゃいけないのかというふうに考えたときに、先ほど私が申し上げました新しい開発合意というので、四つの基準というのがあります。参加、透明性、説明責任、包摂というふうに出しましたけれども、まさに透明性を確保して、そこでどういった政策をやっているということを有権者、国民、市民に開陳して、そこに対して市民参加を募っていくという形が政策の成り立ちとして必要ではないかということは、多分、国際的な話、国内の話、両方に言えるのではないかなというふうに思います。

藤田幸久民進党・新緑風会

○藤田幸久君 ありがとうございました。  次に、大野容子さんにお伺いしたいと思います。  パナマ文書を説明していただいて大変有り難いと思いました。これで思い出しますのが、トランスペアレンシー・インターナショナルという世界の汚職度を毎年調べてランクを出している組織がございますが、元々これはピーター・アイゲンという世界銀行の役員をした方が、汚職の現場を見て、不正資金とか汚職のコストというものが途上国の経済とか社会そのものを破壊しているんだ、だからこの対応が非常に援助にとっては重要だということをおっしゃっていただいたわけです。今回のパナマ文書も同じようなことを指していると思います。  お聞きしたいのは、こういう不正資金とか汚職というものが与えるダメージの状況、事例、それからそれに対して例えば国際金融取引税あるいは国際連帯税といった対応も今検討されておられますが、そういった対策についてどうお考えか、その二点についてお答えをいただきたいと思います。

大野容子公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンアドボカシー・スペシャリスト

○参考人(大野容子君) 御質問頂戴し、ありがとうございます。  一点目のダメージの大きさや事例ということなんですけれども、やはりこれまで独裁者であったり様々な汚職の結果、実際には使われなかった大きな施設にお金が支払われ、あるいは独裁者のポケットに入り、それが基本的には国の借金となって残ってしまい、その借金の返済を優先する余り保健や教育の予算を削らざるを得なかったという事例はやはり途上国の各地で見られてきております。  それの対抗策ということなんですけれども、もちろん金融取引税を始めとする様々な革新的な資金源というものは、やはり今実体経済を何倍も上回る金融が膨張してしまって、その経済において何らかの形で税金等の規制を掛けるということは必要だと思います。  例えばSDGの達成のために様々な資金が必要になると思いますけれども、その資金の金額を、非常に膨大な数になるんですが、例えば炭素税だったり金融取引税だったり、タックスヘイブンに隠された資産にきっちり税金を掛けることによってSDGの達成に必要なお金は賄えるという試算もあります。一方で規制をしつつ、その規制から得られた税収なりをきっちりSDGの達成に向かわせるということは非常に有効な対策の一つではないかと思っております。

藤田幸久民進党・新緑風会

○藤田幸久君 ありがとうございました。  炭素税はスティグリッツ教授がまさに提案をしていたことでもございます。  次に、山田肖子さんにお伺いをしたいと思います。  アフリカというのは、中国の進出も含めて、いまだに冷戦構造と代理戦争、あるいはマネーゲームと軍産複合体の現場といった様相がまだ強いなと先ほど伺っておって感じたわけです。これは援助国各国の国内対策というよりも、言わば紛争を継続的に引き起こすような世界の地政学的な問題といいますか、いろんな一次産品の価格もヨーロッパで決められてしまうと、こういった構造そのものを日本としても正面から取り組んでいくことが重要ではないかと思いますが、それについてお答えをいただきたいと思います。

山田肖子名古屋大学大学院国際開発研究科教授

○参考人(山田肖子君) 藤田議員、貴重な御意見ありがとうございます。  確かに、アフリカで起きていることというのが、アフリカの国内の問題だというふうに閉じ込めることは難しい、グローバルな対応が必要なものというのもたくさんあると思います。ですから、日本が外交的チャンネルを通してグローバルな問題解決に貢献していくというのは非常に重要なことだと思います。  同時に、私の説明でも申しましたように、アフリカには選ぶ力が大分付いてきているというのも現実としてあります。援助国もこのSDGに向けた議論の中で一つ変わってきたことというのは、それまで援助の受け手だった国が結構援助を提供する側の議論に発言力ができてきた。例えば、中国であるとかブラジルであるとか南アフリカであるとか、そういった国が違ったチャンネルから援助を提供していくということが最近非常に多くなっております。そうなりますと、アフリカはヨーロッパの言うこと、日本の言うことだけを聞かなくても、駄目なんだったら中国へ行きますよといったようなバーゲニングパワーが向こうにも付いてきているという中で、一方ではグローバルな問題解決のために外交チャンネルを使うという、そういう役割も必要になると同時に、アフリカの人に選んでもらえる魅力ある国であるということもだんだん必要になってきていると。パートナーとしての魅力を提示していくという時代にもなっているかと思います。  以上です。

藤田幸久民進党・新緑風会

○藤田幸久君 ありがとうございます。  大野さんにお聞きしたいんですが、今日お三人に伺いまして、日本の援助のプロの方々が本当に世界のトップレベルで活躍をしているんだとうれしく思うわけです。一方で、今、日本の例えば若者も大変貧しくなっていると。一般の日本人からして、援助の皆さんのお話が何か遠い存在に見えないかという心配も若干しております。  大分古い話ですが、対人地雷禁止条約について国会で動いたときに、これが、「地雷ではなく花をください」、絵本でございましたが、国会のベストセラーになりました。国会議員全員で五千冊買っていただきました。これ千六百円の定価で五百円純益が出る、これで一平方メートルの地雷の現場を除去できるということで、最終的に三百八十四名の超党派の国会議員がサインをしました。  要は、国会議員も市民も一緒になって、皆さんと一緒に活動すると動くんです。何かそういったような動きといいますか、アピールもお考えではないかということについて大野さんからお聞きしたいと思います。

大野容子公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンアドボカシー・スペシャリスト

○参考人(大野容子君) ありがとうございます。  実は一般の人々に向けたアピールということで、ちょっと申し訳ありません、実はセーブ・ザ・チルドレンを始め十のNGOが協力しまして、今回特にSDGについてやはり多くの人に、特に未来を担う子供たちにこの問題を知ってほしいということで、今日ちょっと持ってこなくて非常にショックだったんですが、こちら、ちょっと見えにくくて恐縮ですけれども、私のデータの方から見せておりますけれども、この「私たちが目指す世界」という、チャイルドフレンドリー、子供向けのSDGの冊子というものを作成しております。  十七の目標があって非常に分かりにくいので、でも、非常にどれも重要な目標ですので、子供たちに是非知ってほしい、子供たちがそれをきっかけに自分たちで考えて行動して未来を変えていってほしいということで、まず、子供たち向けのこのチャイルドフレンドリーの冊子のバージョンを作らせていただいております。これが一つのアピールになればというふうに考えてはおります。  あとは、SDGのやっぱり文脈においては、国内の課題も世界の課題もつながっているんだと。例えば、非正規雇用の貧しい若者たちにとってしても途上国の貧困に苦しむ人たちにとっても、このままじゃ自分の将来が続かない、暮らしが続いていかない、環境もおかしくなっている、続かないのではないのかという危機感というものは、やっぱり共通の部分というのは非常にあると思います。そうした共通の部分を市民社会といたしましても丁寧につなぎながら、今後SDGの達成に向けてやっていくこと、皆さん、私も含め一人一人の生活の視点に立って今の格差の問題や貧困の問題を世界の課題とつなげていくこと、それが日本の特に人々にとって実感を持った言葉として伝わるといいなというふうに考えております。

藤田幸久民進党・新緑風会

○藤田幸久君 ありがとうございました。  この委員会で伊勢志摩サミット、TICAD等について決議を出そうという話もございますが、そういった場合には是非皆さん方の知見を御提供いただきたいということをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

石川博崇公明党

○石川博崇君 公明党の石川博崇でございます。  本日は、今田参考人、大野参考人、山田参考人、大変貴重な御意見をいただきました。心より感謝と御礼を申し上げます。  まず、今田参考人にお伺いをしたいと思います。  今田参考人は、日頃から市民社会の立場より様々な活動、また御提言等を行っていただいているところでございますが、参考人から御指摘をいただきましたとおり、今回のG7サミットはSDGs採択後の最初のサミットでございます。日本がグローバル社会に向けて、持続可能な世界に向けての強力なメッセージを発信する大きなチャンスであると私自身も捉えているところでございます。  SDGsについては、策定に至る過程で市民社会の広範な意見を聴取するための取組が行われて採択に至ったというふうに考えているところでございまして、それを受けた今後のG7、またTICADⅥ、そしてさらにはこのSDGsのフォローアップにおいても、市民社会との協働、連携というものを一層強化していく必要があろうかというふうに考えております。  今、既に市民社会プラットフォームの立ち上げなど様々積極的に、精力的に活動を行っていただいているわけでございますが、こうした活動を行っておられる中で、市民社会との協働、連携を更に強化していくために必要と思われるような改善点、あるいは政府に対して求めるような御意見等があれば今田参考人からお伺いをしたいと思います。

今田克司一般財団法人CSOネットワーク代表理事特定非営利活動法人日本NPOセンター常務理事「動く→動かす」代表

○参考人(今田克司君) 御質問ありがとうございます。  これは多分、国際的なレベルと国内のレベルで若干ニュアンスの違ったことを申し上げなきゃいけないというふうに考えます。  国際的なレベルにおいては、確かに、市民社会がそういった協議に参加する機会は得たけれども、ただ、最終的な結果に、成果文書とかですね、そういうものに対する影響力が果たしていかがなものか、そこまで至っていないんじゃないかという認識がありまして、やはり市民社会が言うことが重要であるというふうに考えるのであれば、そこを最終的な国家間の交渉のプロセスの中でもう少し、例えば人権のアプローチですとかそういったものを前面に出すような決議を欲しいなというふうにいつも考えているところであります。  翻って国内の話になりますけれども、やはり国内では、こういった市民社会が政策協議に参加する、そして政策を議員の方々や省庁の方々と一緒につくっていくということがまだまだ理解されていないというふうに日々感じております。  NGO、NPOというと、やはり事業はしてサービスは提供するけれども、そういう存在というふうに見られているというのがまだまだ現状じゃないかなというふうに考えていまして、これはかなりもったいない話だというふうに私どもでは考えておりまして、いろいろな現場、地域の現場、それは国内外ですね、を知っている身として、やはりそういった政策的な場に対等な立場として参加することによって政策がより成果ベース、そして結果ベースで測れるものになるのではないかなというふうに考えております。

石川博崇公明党

○石川博崇君 大変にありがとうございます。  続きまして、大野参考人にお伺いをしたいと思います。  大野参考人からは、人間の安全保障の理念の重要性について幾たびも御指摘いただきましたこと、感謝を申し上げたいと思います。  日本政府、我が国としてもこの人間の安全保障の理念を積極的に推進し、私ども公明党としても後押し、また積極的に推進をさせていただいているわけでございますが、今、大野参考人から御指摘いただいたUHCの対応について、危機に対する対応に重きが置かれていて、平時の対応や予防に余り力点が置かれていないのではないかというような御指摘がございました。こうした点を少しでも改善していくためにも、さらに人間の安全保障に関する理念を国際社会全体の共通の理念としっかりと打ち立てていくという努力が一層求められるのではないかというふうに思っております。  今回のSDGsにおきましては、誰一人取り残さないという人間の安全保障に関する理念が反映されたものというふうに私も理解をしておりますし、また評価もしているところでございますが、残念ながら、今人間の安全保障という言葉自体は使われていない状況でございます。  国際社会においてはこの人間の安全保障というワーディングについて様々なこれまで議論があり、なかなか国際社会での一致した見解というものが打ち立てられてきていないという現状にありますが、こうしたこれまでの議論というものを大野参考人はどのように見られているのか、また、今後国際社会で更に共通の理解というものを推し進めていく上でどのような努力が日本政府に求められると考えられるか、アドバイス等ありましたらいただければ幸いでございます。

大野容子公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンアドボカシー・スペシャリスト

○参考人(大野容子君) 御質問ありがとうございます。  おっしゃっていただいたとおり、私も、様々な今回のSDGの策定の議論であるとか、そのSDGと並行して行われた国連の開発資金の会合等で参加してまいりましたけれども、その際に、人間の安全保障という概念からピープルセンタード、人間中心のということに関しては、やはり日本からの強い要望、強いプッシュがありまして、そこに関しましてはきっちり成果文書に載っていると。私ども市民社会にいたしましても、やっぱり人間中心、ピープルセンタードの概念を推していただいているということに関しましては非常に感謝をしております。  その観点におきまして、日本政府として、人間の安全保障というワーディングがそのまま置かれなかったとしても、ピープルセンタードという概念を日本政府がきっちりやっているということは国際社会の中でも非常に認められ尊重されている部分ではないかというふうに考えておりますので、引き続き、このまま、ワーディングの議論に関しては、詳細は、済みません、申し訳ございませんが承知しておりませんが、ただ、人間の安全保障を推進している日本という高い評価、それはきっちり今までもなされておりますし、今後も引き続きそのような評価が続くことを市民社会としても願っております。

石川博崇公明党

○石川博崇君 ありがとうございます。  それでは、最後に山田参考人にお伺いをしたいと思います。  国連貿易開発会議、UNCTADの推計によれば、SDGsの達成に必要な年間投入額三兆九千億ドルと言われておりますが、これに対して先進国のODA総額は一千三百七十二億ドルにすぎないというふうに試算をされております。限られた資金を有効に活用していくということが非常に重要でございますし、また、ODAの費用対効果というものを考えていくことも重要だというふうに思っております。  デンマークのシンクタンクでありますコペンハーゲン・コンセンサス・センターによれば、費用対効果が最も高いODAを集中投入すべきターゲットの中には、アフリカの低所得国で保健、教育などの分野に注力すべきだというふうにもされているわけでございます。  先ほど山田参考人の資料の中にもございましたが、日本のODA総額が減っている中で、日本にしかできないことに力点を置くべきだという話がございました。私は全く教育、そして技術の移転に注力をすべきというふうに考えておりますが、この点についてもう少し詳しく掘り下げて御意見を賜れれば幸いでございます。

山田肖子名古屋大学大学院国際開発研究科教授

○参考人(山田肖子君) 費用対効果が高い、特に初等教育であるとかプライマリーヘルスケアで効果が高いと言われているのは、プライマリーなサービスの方が一人当たりの投入額は低いわけですけれども、それに対して何もなかった状態にちょっとだけでもサービスを足すことによるインパクトが非常に大きいということで費用対効果が高いと言われるわけですけれども、今回のSDGの中で一つの反省は、費用対効果が高いことイコールそれが持続可能な、何ですか、安定した生活につながるということにはならなかったと。単にサービスが費用対効果が高いだけで、サービスを得た人が持続的に安定した保健の状態だったり教育の状態だったりを得られるということにはつながっていないという反省ですので、やはりこれから費用対効果というお金の投入量に対するインパクトという評価の一つだけの軸ではなくて、質がどういうふうに得られたか、その人たちが本当に長い目で見たときに技術力だったり健康な体を手に入れるというそういうサービスになっていたかどうかという、そういう意味での費用対効果を測るような時代が来てくれるといいなというふうに思っております。

石川博崇公明党

○石川博崇君 大変にありがとうございました。  以上で終わります。

辰巳孝太郎日本共産党

○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。  先ほど来、国際連帯税であるとかタックスヘイブンの話もありましたし、参考人の中からは、いわゆる租税回避の措置、これを取り組んでいけばいわゆるSDGsの資金、タックスヘイブン、これをなくしていけば賄えるという試算もあるというような話を興味深く聞かせていただきました。  それで、まず今田参考人にお聞きしたいと思うんですが、今回はSDGsということで、例えば再生可能エネルギーの普及であるとか、あと食品廃棄物の半減であるとか、あと海洋資源の保護など、先進国にも当事者としての取組を求めていくと、こういうことになったということなんですが、MDGsのときは貧困の削減など我々がどう働きかけていくかということだったのが、先進国に取組を求めていかなければならないとなった最大の理由といいますか、市民社会からのどういう意見というのがあったのかということをお聞かせいただければと思います。

今田克司一般財団法人CSOネットワーク代表理事特定非営利活動法人日本NPOセンター常務理事「動く→動かす」代表

○参考人(今田克司君) 御質問ありがとうございます。  もう既に私の発表の中で、どういった今世界の状況で、いわゆる慢性的な危機的状況というのが到来しているかということは、一つの世界観として御紹介申し上げました。  国連というシステムにおいても、あるいはほかの国際社会のシステムにおいても、例えば二〇〇五年、私どもも市民社会として、イギリスでグレンイーグルズ・サミットがあったときに、まさに援助、債務、貿易という三本柱で大変強力なキャンペーンを全世界で推し進めました。その頃は、やはり国際社会は先進国に働きかければ物事が動くという理解があったと思いますけれども、その後、いわゆる新興国の台頭等が国連等でもありまして、やはり国際社会、先進国に任せていてこんなになっちゃったんじゃないのみたいな意識があります。  そこで、ある程度、そういった新興国ないし途上国、まさにそこは多種多様な存在なわけですけれども、の一部と市民社会の言っていることがある程度合致してきたようなここ十年間の流れがありまして、その中で問題なのは、いわゆる貧しい途上国を助けるという構図ではもはやなくて、やはり世界的な危機であり、その責任は先進国が負っている部分も多いという言い方をするようになってきました。気候変動なんかにおいても、やはり先進国が例えば企業、消費者等の活動を通して世界に影響を及ぼしていることで、その被害を最も受けやすいのが貧しい国の貧しい人々であるという構図ですよね。  ですから、そういった中で、先進国ということで安穏としているわけではないわけですけれども、それが世界に与える影響が、非常にネガティブな影響も大きくなってきているということを国際社会全体として気付き始めてきたというここ十年ぐらいの動きがあるんではないかなというふうに考えております。

辰巳孝太郎日本共産党

○辰巳孝太郎君 ありがとうございます。  併せてお聞きしたいんですが、今回のSDGsというのは、いわゆる市民社会からのいろんな意見を取り入れた結果、十七のゴールということで、以前の八つから拡大したということだったと思うんですけど、それでもなお、これを盛り込んだ方がよかったんじゃないかと、これが盛り込まれなかったなというのがあれば、もし今田参考人の御意見であればどうぞ。

今田克司一般財団法人CSOネットワーク代表理事特定非営利活動法人日本NPOセンター常務理事「動く→動かす」代表

○参考人(今田克司君) 例えば障害者の権利擁護をやっている方々、もちろん障害者の権利ということでこれに全く言及されていないわけではありませんけれども、十七のゴールという形で一つには挙がっていないわけですね。やはり十七のうちの一つというふうに、一つのゴールとして挙がることによってそこの重要性が国際社会でも認識されるということがあると思いますので、やはりそういったもので残されたものはあるかなというふうには感じています。  逆に、例えば女性というのは五ですけれども、じゃ、女性は五でいいのかという話もありまして、つまり一つのゴールに落とし込むことによってそれが矮小化されてしまう可能性もあって、例えば女性とかいうことに関しては、仕事のこととか生産のこととかエネルギーのこととか、いろんなゴールに横断的なものであるという理解もありましたので、やはりそこでもいろいろな議論があったのは事実です。

辰巳孝太郎日本共産党

○辰巳孝太郎君 ありがとうございました。  続けて、大野参考人にお聞きしたいと思います。  ユニバーサル・ヘルス・カバレッジということで、日本は国民皆保険ということでUHCの先進国だと言われていますけれども、おっしゃったように、実態としてはどうなのかと。一部負担金もありますし、いわゆる格差と貧困が広がる中で本当に医療が必要な人に届いていないケースもあるし、あと保険証の問題でいえば、保険料などの滞納で保険証を持たない子供がいたりとか、様々な問題が日本にもあるということを私も非常に合意をしたいと思うんですけれども。  そこで、日本のODAの在り方、ODAの二国間の協力の中で、とりわけ、アフリカでもいいんですけれども、いわゆるどういう分野に援助を向けていくかということについてですが、大野参考人はこのUHCということが重要だということで今日は発言していただきましたけれども、例えば、従来からある批判といいますか、日本のODAの割合で経済インフラというのが偏っているんじゃないかと。私もちょっと見てみますと、二〇一四年でいわゆる経済インフラというのが約半分ぐらい、四九%ぐらいになっております。逆に社会インフラが一七%で、そのうちの保健分野で見ますと、社会インフラの中の保健分野で見ますと三%ほどしかないということになっております。  このことについて大野参考人がどのように考えておられるのか。また、保健分野で必要なところでいえば具体的にどういうところに、病院の施設なのか何なのかは分かりませんが、どういうところに必要だというふうにお考えか、お聞かせいただければと思います。

大野容子公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンアドボカシー・スペシャリスト

○参考人(大野容子君) 御質問ありがとうございます。  最初の質問に関してですけれども、やはり基本的には社会インフラの方にODAの金額を拡充していただきたいというふうに市民社会としては切望しております。ただ、例えば社会インフラの中で保健が必要だから保健にお金をと、もちろんそういうふうに申し上げてはいるんですが、それが教育に対するODAを取ってしまって、保健に、どっちが競争というのも、確かにそこも問題であるかと思います。基本的には、全体として質のいいODAをきっちり教育にも保健にも拡大してほしいと、要するに質と量と両方とも社会開発に更に拡大をしていただきたいというのがあります。  インフラに関しましても、今、日本政府の方で質の高いインフラをやっていくということを様々なところで表明してくださっていますけれども、やはり持続可能性の観点、誰一人残さないSDGの原則の観点から、やはり質の高いインフラ、単に何年たっても壊れないというものではなくて、本当に人間の安全保障の観点からも人々の生活に資する経済インフラというものにもやはり力を入れていただきたいというふうに思っております。  二点目のUHCに関して言いますと、じゃ病院がとか、じゃ保健ワーカーがとか、具体的にこういうことにお金をというよりは、やはりコミュニティーの人々ときっちり対話をするということに焦点を置いていただきたい。特に、私どもNGOはコミュニティーで活動しておりますが、特に、例えば日本のODAをやっていただく過程において、私どもNGOの、コミュニティーで活動するNGOやNPO、CSOと是非対話を持って、そこの経験、知見の方を是非生かしていただいた上で、では必要な保健の援助というものをその地域、国に合った形でやっていただきたいと思っております。

辰巳孝太郎日本共産党

○辰巳孝太郎君 時間が来たので終わります。  ありがとうございました。

藤巻健史おおさか維新の会

○藤巻健史君 おおさか維新の会の藤巻です。よろしくお願いいたします。  まず、山田参考人にお聞きしたいんですが、最初、確かによく中国がアフリカにどんどんいろんな意味で進出しているという話を聞くんですが、中国の支援というのは人道的なものがなくて、全てが、何というか、エコノミックアニマル的な経済的なものだけなのか、中国もきちんと人道支援をしているのかをお聞かせいただければと思います。

山田肖子名古屋大学大学院国際開発研究科教授

○参考人(山田肖子君) 御質問ありがとうございます。  非常に重要な点だと思うんですけれども、まず一つ申し上げるのは、やはり質の高い援助をできるためにはそれ相応の国際協力の経験があって、人材が蓄積、日本の側に、日本の側にというか、援助する側に人材の蓄積があって初めて質の高い内容を検討する能力というのが出てきて、日本などは、時間が掛かるけれども非常に専門性の高いアセスメントをして実施に移れるというのは、ある意味それぞれの分野において、保健であれ教育であれインフラであれ農業であれ、専門の人材がいてできるということがあります。  そういう意味で、中国は非常に影響力という意味では金額も大きいですし、国家首脳に直接お金を付けるという意味でのインパクトは大きいんですが、きめ細かい社会サービスに手を差し伸べられる専門性というのは今必死で育てているところだというふうに言っていいと思います。ただ、日本などの例が真横にいるわけですので、どういうのが非常にSDGなりDAC、OECDなどで求められているような援助かというのは横目で見ながらやっていますので、必ずしも経済利益だけのためにすごく環境を考えないでやっていると、そういうことではないと思います。ただ、追い付いてくるのにはまだ時間がありますので、そういう意味でも日本が日本らしい援助の良さをもう一度見極めて、そこをシャープにしていくというのが非常に今大事な時期だというふうに思います。  中国が特に重点を置いているのが、これもまた日本に似ているんですけれども、研修です。人をたくさん呼んできて、アフリカから、いろんな国から人を呼んできて、短期、長期のいろいろな研修をして人材育成をするという、その人づくりというのも非常に日本のアプローチに近いものを提示しようとしておりますので、そういったところでもだんだん日中の差というのが今後もずっとあるかどうかは分からないかなというふうに思います。

藤巻健史おおさか維新の会

○藤巻健史君 今労働者を訓練しているというふうにおっしゃっていましたけれども、今、日本の場合、研修生として実質的には足りない労働力の補填みたいな形で使っているのも多いかというふうに考えるんですけれども、そういうことでなく、本当の意味での訓練でアフリカ人の留学生を受け入れているのが中国というふうに理解してよろしいんでしょうか。

山田肖子名古屋大学大学院国際開発研究科教授

○参考人(山田肖子君) いろいろな層の人のトレーニングを行っていると思います。  まず、政府高官から政府の現場レベルの役人の人たちの研修もいろんな省庁に対してやっていますし、あとは奨学金をとてもたくさん出しています。日本がABEイニシアティブで五百人とか言っているのは、中国の数と比べると大分見劣りがしてしまうぐらい中国は奨学金を物すごくたくさん出して、高等教育を受けさせて帰すという、そういう人材育成もしていますし、いろんな形の人材育成をして、労働者というのも入っていると思いますが、ODAとしてやっているのは主に政府高官と高等教育が中心だと思います。初等教育、中等教育に関与するにはもう少し専門性がやっぱり必要になりますので、学校建設はたくさんやっていますけれども、カリキュラムですとか教員の研修とかはやはり日本に一日の長がまだあるというふうに言えると思います。

藤巻健史おおさか維新の会

○藤巻健史君 あと、アフリカ諸国は、人口は増えているけれども生産性が上がっていないと、人口は増えていっても若い人ばっかりだとおっしゃっていましたけれども、潜在成長率を高めるためには、人口と生産性ともう一つ資本の面があるんですが、資本が、直接投資がやっぱりまだかなり少ない。それはインフラが整備されていないからというふうな理解でよろしいんでしょうか。

山田肖子名古屋大学大学院国際開発研究科教授

○参考人(山田肖子君) 非常にその点は大きいと思います。  国によっては、これは余り日本では認識されにくいところなんですけれども、紛争などで国を逃れた人たちが自分の母国に投資するというのが、個人の投資というのが非常に大きい国が、ルワンダとか一部そういう国もあります。あるいは、日本ですとか欧米の企業が入っていくためには、直接投資をするための要件、やはりインフラですね、政府の法的なサポート、それから人材と政治的安定性というところでまだ二の足を踏む、特にアジアから日本が出ていくには二の足を踏むという状況が多い国は否めないと思います。

藤巻健史おおさか維新の会

○藤巻健史君 大野参考人にお聞きした方がよろしいかと思うんですけれども、ちょっとODAとは直接関係なくて、民間の援助の方なんですけれども、私、実はアメリカの銀行に勤めていて、辞めた直後に、同僚のアメリカ人がやっぱりアフリカに学校をつくろうということで、先ほどちょっと山田参考人もおっしゃっていましたけれども、学校をつくろうということで、みんなでお金を出してアフリカに学校をつくったんですね。そのときに、みんなからお金を集めていたら、後で見たら私のがもう桁外れに少なくてみんなにすごく恥ずかしい思いをしたんですが、一つは私の善心が少なかったのかもしれない。もう一つは、アメリカ人は、あのとき思ったのは、海外でも寄附金、税金控除があるんじゃないかと思ったんですよね。それが事実なのかどうか。  そしてもう一つは、日本でも海外のこういう、例えばエボラとかそういうところの研究に対する寄附をしたい人というのは日本人もかなりいるんじゃないかと思うんですけれども、そういう税制の仕組みを訴えたことがあるのか。そしてもう一つ、日本人が海外のこういう問題に寄附しようと思うと、赤十字とか国境なき医師団とかそのぐらいしか私思い付かないんですけど、そういう組織があるのかどうか。その辺についてお聞かせいただければと思うんですが。

大野容子公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンアドボカシー・スペシャリスト

○参考人(大野容子君) ありがとうございます。  市民社会の方では、むしろ今田さんの方がお詳しいかもしれませんけれども、NPO法の策定であるとか、その他いわゆる寄附金に対する税額控除に関しましては、その拡大を求めて基本的にずっと働きかけておりますので、その働きかけというのが功を奏するということを望んでおります。今田さんの方がお詳しい点もあるかと思いますが。  あとは、一つおっしゃっていただいた寄附金の先なんですけれども、もちろん私ども、手前みそで恐縮ですが、セーブ・ザ・チルドレンの方ももちろん活動はしておりますし、国境なき医師団ほど大きくなくても、日本でも様々なNGOが規模は小さくてもアジアやアフリカで活動を展開しております。  そうしたNGO、NPOの活動がなかなか可視化されないために、寄附をどこに持っていっていいか分からないという問題になっているんだと思います。ただ、規模は小さくても、とてもそこのコミュニティーの人たちときっちり協働して、そこにずっと軸足を置いて長くやっていらっしゃる、非常に有益な活動をしていらっしゃる団体はいっぱいあります。東京だけではなくて、地域のNGO、NPOも非常にたくさんあります。  そうしたところを寄附先として選んでもらうために、やはりどういった団体がどういう活動をしているかということを、信頼性を高めるためにもやっぱり広報活動というか、それを可視化していく。制度的にも、私たち自身の広報活動としてもやっていく必要性があるかと思いますし、日本のNGOでは、国際協力NGO、JANICと呼ばれるNGOのプラットフォーム、NGOを支援するナショナルなNGOがありますので、そちらの方で様々なNGOの御紹介等をさせていただいております。

藤巻健史おおさか維新の会

○藤巻健史君 時間が参りましたので、これで終わりにいたします。

山田太郎日本を元気にする会・無所属会

○山田太郎君 日本を元気にする会の山田太郎でございます。  私も、結構途上国の方に技術の支援をするということで回っておりまして、特にアフリカに対してはちょっと興味が非常にありまして、山田参考人にまず最初にお伺いしたいと思っています。  アフリカの発展モデルってどうあるべきなのかなというのをすごく考えていまして、実は元々アフリカは宗主国があったわけでありまして、いわゆる金の出し手というか、先進国がぴったりくっついていたというのもサヘル以南のアフリカの本来の姿であったと思うんですね。そのときと今と実はどう違うのか、どう違ってあるべきなのか。結局、開発独裁という形で資源を、中国が入ってくれば、旧宗主国じゃないですけれども、搾取する構造というのも考えられるわけでありまして、その辺のモデルの在り方の違いというのが一つ今後どうあるべきなのかというのを見解をいただきたいのと、二点あるんでもう一個聞きますが、やっぱりBOPも、ベースド・オブ・ピラミッドも、必ずしもうまくいっているかといいますと、東南アジアのケースを私は見ているんですが、例えばコカ・コーラであれ味の素さんであれ、採算度外視で将来そういう商品が売れるようにということで投資しているという嫌いもあったりして、そこで落ちるお金は結局先進国に吸い上げられてしまうようなビジネスモデルが再構築されているだけではないか。ちょっと極端な言い方かもしれません。  一方で、中東なんかのいわゆる開発の展開を見ていますと、必ずしも、資源独裁でやってきた中東の国々は失業率が高いと。結局、インド人の人が労働者で入ってきて、自国の人たちはただで教育も受けられるような形でもって資源依存という形がつながった。そうなってくると、先ほどちょっと藤巻委員の方からもありましたが、資本、特に国内資本の蓄積というのがどうあるべきなのか、それから産業クラスターがどうつくられるのか、又は中間の消費市場がきちっと育つのかどうか、やっぱり三点がそろわないと非常に厳しいと思いますが、このまま我々がODAでお金を投資していくことが本当にアフリカの発展につながるのかどうか。  この辺り、済みません、ちょっと長くなっちゃいましたけど、二点お伺いしたいと思います。

山田肖子名古屋大学大学院国際開発研究科教授

○参考人(山田肖子君) 大変難しい御質問をいただいたと思っておりますけれども、まず第一点目、発展モデルということなんですけれども、発展段階論的に今まで我々は考える傾向があると思うんですね。私も自分のプレゼンの中で申しましたけれども、まず付加価値の低い軽工業から始まってだんだん製造業に移行してサービス業が増えてというような、そういう発展段階論というのを考えてきたわけですけれども、アフリカというのは、ある意味低開発状態が非常に長く続いたことから、途中をジャンプするという発展モデルを経ることがあるわけですね。例えば、電話線で引いてある電話を使うということが一切ないまま携帯電話に移行するとかそういったことがある中で、発展モデルというふうに言われたときに、個人が、もう非常に、今、日本でもそうですけれども、インターネットだったりとか、親戚が、特にアフリカの人はヨーロッパに親戚がいたり中東に親戚がいたりアジアに親戚がいたりという中で、国家を経由しないビジネスとか、情報、人の行き来、お金の行き来というものが活発化しているわけですね。そうしたときに、むしろ発展モデルというのを国家単位で考えるということが実情を把握する上で妥当なのかという、ある意味開発理論自体が今非常に考え直さなきゃいけないところに来ているという意味で、私の方から明確なお答えができるというよりはそれを考える時代に今あるんだということを一つ御回答させていただきたいと思います。  もう一点、BOPは必ずしも国内に資本や産業を育成することには貢献しないのではないかという御意見があったんですけれども、それはやり方次第だということは当然言えると思うんですね。現地に拠点を形成することのメリットが見えない場合には、やはりなるべく本国、日本なりに利益が戻ってくる形を考えるわけですけれども、現地の中でもう利益が流通して、人材を養成できて、その中で例えば製造業でしたら部品の調達からアセンブルから市場に売るところまで、そこで完結するビジネスのループができてくればそこにクラスターと資本というのは生まれてくると思うんですが、今の場合は出先みたいな感じで支援をするんですね。だから、出先でのできることは限られていて、どうしても本国に利益なり人が戻ってくるという形になっていますが、だからこそ人づくりに戻るんですが、現地に人がいて、現地にできるキャパシティーが育てば産業クラスターはできると思っております。

山田太郎日本を元気にする会・無所属会

○山田太郎君 ありがとうございました。  次に、大野参考人にお伺いしたいと思いますが、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの中で、共通のパフォーマンスメジャーというんですかね、例えば資料の中でもいただいている中で、エボラのところで、アフリカ平均に比べてこうだったということで指標なんかを八ページにいただいているんですが、やっぱり何らかを目指さなければいけない。緊急事態の対処というのは緊急に対処できますが、いわゆる平時における対応というのは、何かのパフォーマンスメジャーというところに行ったらある程度ユニバーサル・ヘルス・カバレッジが高まったと言えると思うんですが、その辺の指標というのがあるのかどうかというのが一点。  もう一つは、国民皆保険の話が先ほど出たんですが、このユニバーサル・ヘルス・カバレッジを常時からやろうとすると確かに保健制度の充実というのが必要なんですが、ただ、国民皆保険の前提というのは、どちらかというと保険としての積立であったり、国家として税金を入れるということで、やっぱりその国からお金が蓄積されないとなかなか保健制度というのはできない、今の援助を中心とした形ではいわゆるその国のユニバーサル・ヘルス・カバレッジというのが自立していかないんではないかと。ただ、このままUHCというのは援助に頼っていくのか、そこから脱皮するべきなのかどうか、その辺りの長期的なビジョンというんですかね、その辺りも教えていただければと思います。

大野容子公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンアドボカシー・スペシャリスト

○参考人(大野容子君) ありがとうございます。  一つ目の指標というのは、現在、様々な機関で指標の策定というのは試みられていることと私の方では認識しております。  ただ、UHCを測る場合の基本的な指標の取り方として、まず、どこまでの人口がカバーされているかという、カバーされている人口の割合ですね、それからどの程度のサービスが供給されているか、供給されている利用可能なサービスの程度、幅、それがどのくらいあるか、そこにそのサービスを得るときの費用がどれぐらい負担があるかということの費用の観点ですね、その三つを軸にユニバーサル・ヘルス・カバレッジがどの程度達成されているかというものを測るという考え方はある程度定着していると認識しております。  二点目の質問なんですけれども、やはりおっしゃるとおりだと思います。脆弱国、最貧国に関しましては、国内でそもそも税金を回収することができない、なので開発援助が必要になるんですが、それを経由して将来的には国内の資金動員を何らかの形で少しずつでも増額していくと、その道筋がないとやはり厳しいかなというふうに思っております。

山田太郎日本を元気にする会・無所属会

○山田太郎君 最後に、今田参考人の方にお伺いしたいと思いますが、いろんなSDGsとしての指標というかレビューが行われているということが言われていたんですが、どんな形で具体的に行われているかなということに対してちょっと興味があるんですね。その中でも一つ、ちょっと観点がというか視点が変わっちゃうかもしれませんが、条約に対して日本なら日本の国内法がどれぐらい整備されているのか、この辺りも一つあるんじゃないかなと。特に子どもの権利条約なんかについては、日本はなかなか子供の権利に関しては民法上きちっと制定されていないんじゃないかという指摘なんかも受けますし、今回の障害者差別解消法においてもしっかりしたものがまだまだできていないんではないか、こんなふうに言われるわけでありますが、そういう観点から、SDGs始めとした条約と各国の国内法の整備の度合いというんですかね、そんなレビューというのは行われてきたのかどうか、ちょっとこれがもう最後になると思いますので、よろしくお願いします。

今田克司一般財団法人CSOネットワーク代表理事特定非営利活動法人日本NPOセンター常務理事「動く→動かす」代表

○参考人(今田克司君) 御質問ありがとうございます。  おっしゃるように、国際条約というのがある一方で、MDGsもそうですけれども、今回のSDGsもこれは努力目標です。ですので、それに縛られることがないという目標の位置付けになっているわけですけれども、三層構造になっていまして、目標、ターゲット、指標ということで、三層目の指標においてこれができた、できないという判断ができるレベルまで落ちていくわけですね。  今日はその二層目、百六十九のターゲットということで御紹介しましたけれども、この指標は実はまだ、三月終わりから四月にメキシコで会議がありましたけれども、まだ国連の統計局を中心に協議を続けて、もうできる頃です。ただ、それによってしっかりどのくらい捕捉できるのかというのが、その目標やターゲットとの整合性の問題もありまして、今度は、じゃ、そこにない、統計で出てこないものに対してどういうふうにしっかり捕捉してレビューしていくかということで、データ革命の力を使って、より民間の力でデータを作り、それによってSDGsをモニターしていこうみたいな動きも強まっております。  それも含めて、非常にまだレビューというのは始まったばかりというか、まだ始まってもいないぐらいのタイミングですので、これからここ一、二年掛けて、今年七月に最初のレビューがあります、レビューの最初みたいなのがあるわけですけれども、それを経てどういう形で各国レベル、地域レベル、グローバルレベルでレビューしていくかということがより明確になってくるのではないかなというふうに考えております。

山田太郎日本を元気にする会・無所属会

○山田太郎君 時間になりました。終わります。  ありがとうございました。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 社民党の又市です。  御三方の貴重な御意見、ありがとうございました。  まず初めに、今田さんに二点お伺いしたいと思います。  持続可能な開発のための二〇三〇アジェンダでは、途上国だけではなく先進国もその対象になっているというようなことですね。例えば税制、賃金、社会保障政策始めとする政策を導入し、平等の拡大を漸進的に達成するということが目標の一つ下のレベルのターゲットとして位置付けられているというふうに、今田さん、御紹介をされております。  これは先進国の実態を反映したものじゃないかなと思うんですが、先進国のこのターゲットをどう実現するかというのは途上国の課題をどう解決するかとは異なった道筋ではないかというふうに思うんですが、この点、御意見をお伺いしたいというのが一点目です。  二点目は、この持続可能な開発目標にとって重要なのは実施体制とモニタリングということでおっしゃっているわけですけれども、私もそのとおりだとは思います。どんなに現状にマッチした目標であったとしても、実現されることなく、その成否がモニタリングをされなきゃ意味がない、こう思うんですが、しかし、言うはやすく行うは難しで、どのようにして構築していくべきだというふうに今田さんはお考えなのか、この点、二点目にお伺いします。

今田克司一般財団法人CSOネットワーク代表理事特定非営利活動法人日本NPOセンター常務理事「動く→動かす」代表

○参考人(今田克司君) 御質問ありがとうございます。  特に日本含め先進国にとっては、国内的な課題をどういうふうにSDGsに沿ってモニターしていくかということと、海外援助のものをどういうふうにモニターしていくか、これはこれまでは別個のものとして存在しております。例えばODAに関しては、そのODA評価という一つの手法というかやり方というのが半ば確立しているものもあります。  ですので、おっしゃるとおり、これをやはり違う形で適用していくことは必要だろうということは意識としてありますけれども、ただ、原理原則として、これが非常に根っこのところでつながっていて、これを同じ問題の違う表出であるということで捉えようということでモニターをしていくということになるのがこのSDGsの精神にのっとっているのではないかなというふうに思います。ですので、実際これを運用していくにおいては、かなりそこは今までのやり方を踏襲する形で、海外と国内ということで異なったやり方が必要になってくるというふうに考えます。  二つ目の御質問、実施体制とモニタリング。おっしゃるとおりです。非常にこれだけ広範かつ複雑なものを実際どういうふうにモニタリングしていくのか。ここでもやはり市民社会の力というのは使えるというふうに考えております。  先ほどの回答でもデータ革命ということを申し上げましたけれども、やはり今非常にデータというものが安価に市民発という形で入手可能な時代になっております。これをいかに加工して、うまく、自分たちがこれについてはどうしてもモニターしていきたいんだということで、市民発でそれをモニタリングしていくというような発想で試みは始まっておりますので、そういったものを集約するグローバルな機関というのも今できつつあります。ですので、市民社会はもちろん企業も含めて、特にIT企業はこういったことに興味を持っていますので、そういった多種多様なモニタリングの形というのはこれから実現していくのではないかなというふうに考えております。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 ありがとうございました。  次に、大野さんにお伺いをいたしますけれども、事前に第二十六回国際開発学会全国大会における開発資金についての講義録、大変興味深く読ませていただきました。  この最初に市民社会というふうにおっしゃっていますが、皆さんおっしゃるのは市民団体というふうに言い換えてもいいかなと思いますが、これが開発資金について論議を行うようになった経緯について教えていただきたいと思うんですが。というのは、これまで市民運動が要求を形にすることはあったけれども、そのための資金について見解を持つということは少なかったのではないかなと思うんですが、そのように開発資金についてなぜ言及されるようになってきたのか。当たり前のことだと言われれば当たり前なのかもしれませんが。  そこで、この開発資金については、結局のところ、先進国についても途上国についても、言い方は良くないかもしれませんが、政府のさじ加減に負うところが非常に大きいというふうに思うんですけれども、国際会議での協議、議論、あるいは市民社会の運動が政府にどの程度の影響を与えることができるのか、現場で奮闘されているその目線から感想をお聞きしたいんですが、例えば、先ほども今田さんの御報告にODAはGNI比で〇・二%程度、世界の第五位、これ〇・七に持っていかにゃいかぬという目標があるということなんだけれども、そういうことに対して、そうさせるためにどういう努力をするか。我々は、日本のODAなんというのはどんどん下がって半分ぐらいになってしまっている、もっとやっぱりしっかりと増やすべきだということは主張してまいりましたけれども、ここのところをそういうふうに持っていくためにどういうふうにやるべきだというふうにお考えなのか、お聞きをしたいと思います。

大野容子公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンアドボカシー・スペシャリスト

○参考人(大野容子君) どうも、的確な御質問、答えるのが難しい御質問をありがとうございました。とても難しい問題です。日々頭を悩ませております。  市民団体、市民社会がなぜ開発資金にということなんですけれども、その後の質問と続くんですが、やはりODAだけでは足りないという、問題がこれだけ複雑化して、気候変動の問題も入ってきて、やはり何かを行うための資金というのはODAだけでは足りないと同時に、ODAはどうあるべきか、それプラスどこに資金を持ってくるのか、そうじゃないと私たちが目指そうとしているものがなかなか実現できない、やはりそこの問題意識から、市民社会が資金の問題に関わるようになっている背景にあると思います。  やはり何かを成し遂げるときに資金がどうしても足りない。今回のSDGも、SDGは目標なんですけれども、その続きにミーンズ・オブ・インプリメンテーション、実施手段という項目があります。やはりそこがきっちりしないと、目標ばかり高く設定してもなかなかうまくいかない。市民社会としては、目標の設定、より良い目標の設定を実現するために一生懸命頑張ると同時に、その目標を実現するための実施手段、つまり資金とかですね、資金も含む実施手段もきっちり確保していかねばならないというやっぱり強い問題意識がありまして、市民社会の方も資金の問題というものに深く関わるようになってきているのかなと思っております。  二点目に関しましては、やはりその〇・七%というものがなかなか達成されない。一つは、市民社会側も、ODAというものが例えば非常に途上国の生活に関わりがある必要なものなんだよということをやっぱり一般の人々に広く知らしめる努力を市民社会としてもしなければならないということと、やはりテロの問題や気候変動の問題というものを、それが遠い対岸のことではなくて、日本の私たちの暮らしにも関わっているし跳ね返ってくるんですよと。だから、ODAを単に慈善のようにやるのではなくて、私たちの生活に関わってくることですよ、プラス私たちの責務でもありますというところをやはり広く伝えていく、そこの、その分かりやすい言葉で伝えていくということがまず必要なのかなというふうに考えております。  それ以外に、やはり私どももそうですけれども、是非、引き続き国会議員の方々にも頑張っていただきたいとお願いをしつつ、終わらせていただきます。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 どうもありがとうございました。  我々は、日本の企業が、政府は、私なんかは政府がどんどんどんどん法人税減税なんかやって、それで、何のことはない、内部留保ばっかりたまって三百五十兆円以上もたまっている、こういうものをちゃんと生かす努力を、税の立場からも、あるいはこういう援助の立場からも生かすべきだという主張をしているわけですが、そんな努力は更にしていきたいと、こう思います。  最後に山田先生にお伺いをいたしますが、ちょっと誤解を生じるかもしれませんが、中国がアフリカへの投資というのは、基本的には何か原材料、鉱物資源の輸入を主目的みたいな感じがするわけです。先生の方から、先ほどは、やはり人づくり、あるいは技術移転も含めて生産性の向上、自立性というか、そういうものを育てていくべきだというお話がありました。そういう点で、研究なさっている立場からいって、日本とこの中国とのありよう、とりわけ日本が今後こういうところに力を入れたらもっといいという点がありましたら、お伺いしたいと思います。

山田肖子名古屋大学大学院国際開発研究科教授

○参考人(山田肖子君) 又市議員、貴重な御意見ありがとうございます。  中国は、工場はたくさん造っているんです、現地に、その生産拠点という意味では現地化非常にしているんですけれども、中国の一つの特徴は、大勢の労働者を中国から連れていっているということでして、現地で生産しているけどかなりの部分は中国人が生産していると、そういうところが特徴であります。まあ中国国内の失業対策の部分もあるかと思うんですけれども。  日本の場合は、アフリカでの日本の存在というのは、外交官か商社の人か援助関係か学者かといった、どっちかというと高学歴の人たちしか来ないというようなところなんですけれども、そういう意味で、日本はそもそも人を輸出するモチベーションはないですので、やはり中国は、現地生産しながら中国製品を安く生産して、アフリカの市場を席巻してしまっているんですね。元々アフリカンプリントと言われたアフリカの模様の織物ですら中国製になっているような、もうアフリカの生産拠点を壊滅させてしまったと言われているんですね。  ですので、日本が入る強みとしましては、現地の持っている技術を生かしながら、現地の人材を生かしながら、ちょっと新しい技術、新しい視点、新しい生産の方法を加えることによって、日本に対するベネフィットも得つつ現地の産業を育てるという発想で関わることじゃないかなというふうに思います。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 ありがとうございました。終わります。

谷亮子生活の党と山本太郎となかまたち

○谷亮子君 谷亮子です。  本日は、来月五月二十六日、二十七日に八年ぶりに我が国で開催される予定となっておりますG7伊勢志摩サミットにおいて取り組むべき開発協力の課題及び我が国に期待される役割に関する件につきまして、本日は参考人の先生、皆様への質疑ということで、大変御多忙の中、大変貴重な御意見をお述べいただきまして、本当にありがとうございます。本日は、時間が限られているんですけれども、私も先生方に御教示いただきたいというふうに思っております。  まず初めに、今田参考人にお伺いしたいと思います。  今田参考人におかれましては、日本の国際協力NGOによるネットワークである「動く→動かす」の代表も務められておりまして、二〇一六年度以降の持続可能な開発目標に関する国内実施に向けての支援や情報提供を中軸に据えた市民社会のネットワークとしての改編作業を進められていることに対しまして、心より敬意を表したいと思います。  そこで、今田参考人にお尋ねさせていただきたいことは、あらゆる形態の貧困の撲滅や飢餓撲滅、食料安全保障、そしてさらには栄養の改善、そして持続可能な農業の促進など、非常に多様な目標を含む二〇三〇アジェンダのうち、市民社会のお立場から、日本を始めG7諸国の政府に対してどのような点、いろいろあると思うんですけれども、特にどのような点を強く求めていきたいとお考えでしょうか。  そして、もう一点ございまして、貧困削減に焦点を当てたミレニアム開発目標と比べまして、この度、広範な目標を含む二〇三〇アジェンダは、開発途上国や市民社会の方々とも十分な対話が行われた上で決定されたものと伺っておりますけれども、市民社会の方々において更に今後関心を高めていただくためにどのような取組が必要であるとお考えでしょうか、お聞かせいただきたいと思います。

今田克司一般財団法人CSOネットワーク代表理事特定非営利活動法人日本NPOセンター常務理事「動く→動かす」代表

○参考人(今田克司君) 御質問ありがとうございます。  まず、最初の点ですけれども、もちろん、内容的なことを申しますと、これは本当にSDGsが多種多様なテーマを含んでいるのと同様に、市民社会の要望ももちろん多種多様なものを含んでおりまして、その中からこれということはなかなか申し上げにくいのが現状です。  ただ、申し上げたいのは、市民社会として、あるいは「動く→動かす」、あるいはその発展系として求めていくことは仕組みづくりです。つまり、透明性が担保され市民参加が確保されるようなやり方をつくる、その器をつくることによって、市民が何か意見があったときにそれが持っていける場所があり、それが対話を進める機会となり、ひいては政策に反映させていく、そういった仕組みを構想しておりまして、それを私のプレゼンテーションでも述べさせていただいたというような経緯がございます。  それが最初の方の御質問で、二つ目の点は、変革ということで、かなり野心的な目標にSDGsがなっております。そこで誰一人取り残さないというのは本当に市民社会として強く主張してきたことであります。これが更に進むためには、やはりその点、最も支援が届きにくい人々に支援の手を差し伸べるというのがこの国際社会の約束ですので、それは、例えば紛争、例えばいろんな移住の問題等々でなかなかふだん支援が受けられない人々、これは実は国外だけではなくて国内にも多く存在しているというのが私どもの認識があります。  そういったところにしっかり光を当てて、そういった人たちに対する支援をいかに拡充していくかということが国際社会の願いではないかなというふうに考えております。

谷亮子生活の党と山本太郎となかまたち

○谷亮子君 大変貴重な御意見をありがとうございました。  続けさせていただきます。大野参考人にお伺いさせていただきます。  大野参考人におかれましては、第一次世界大戦後の一九一九年にイギリス人女性のエグランタイン・ジェブによって創設されて以来、九十年以上の長きにわたりまして子供の権利の確立に向けての活動を展開されているセーブ・ザ・チルドレンの世界連盟の下、一九八六年に日本に設立されたセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンにおいて、保健、女性、子供の分野を中心としてこれまで様々な政策提言や活動を行ってこられていることに対しまして、心より敬意を表したいと思います。  そして、現在、ミレニアム開発目標の中でも重視されている八つの目標のうち、半分の四つが女性や子供を直接の対象とするものとなっております。しかしながら、御存じのように、これらの目標に設定された複数のターゲットが未達成となってしまったことは、女性や子供に対する支援が今後二〇三〇アジェンダを実現していく上でも大変重要な課題であることを示しているのではないかと私は思っております。  そこで、ミレニアム開発目標の中で保健衛生や女性、子供などに対する支援が遅れている理由は、援助の量が不足しているということなのか、それとも援助を進めていく上で何か妨げとなるようなことが、そうした要素があるのか、そうした点を踏まえて、今後日本やG7諸国が特にどういった点に力を入れたらよいのかを、大野参考人にお考えをお聞かせいただきたいと思います。

大野容子公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンアドボカシー・スペシャリスト

○参考人(大野容子君) とても弊会に対しまして貴重な御意見承り、本当に感謝しております。ありがとうございます。  御質問に関してなんですけれども、おっしゃるとおり、ミレニアム開発目標で掲げられた目標のうち、五歳未満児の子供たちと妊産婦の死亡率というものは目標が達成されておりません。なぜそうなのかという点なんですけれども、量の不足の部分ももちろんあるかと思いますけれども、やはり手が届き切れなかったと。  特に、貧困の半減に関しましては目標が達成されておりますが、それは主に中国の経済発展によるものと言われております。ですので、ある程度の経済発展が中国等で行われた結果、貧困層は結果としては数字としてはなくなったけれども、そこに様々な社会経済的な構造の側面から支援が、手が届かなかった人々がやっぱり一定程度いると。それの主な中心的な届かなかった層にやはり女性、子供の層があるというふうに考えております。その観点から、量というよりは、やっぱりその援助のやり方、仕組み、プロセス、その辺をもう少しきっちりレビューしていく必要性があるのではないかと思います。  その妨げとなっている最も貧しい子供たちやお母さんたち、特に都市部においても、例えば本当にスラム街に住むようなそういう貧困層に対して、今まではやっぱり構造的な様々な要因があって、社会的な差別だったり偏見だったり、様々な要因があるんですけれども、そういう社会経済的な構造をやっぱりきっちり分析して、誰かが取り残されているというのはそれを排除している原因があるからなんですね。  そこの制度をやはりきっちり、どこに問題があるのか、その構造的な障壁を取り除くためにはどうしたらいいのかという、SDGの時代は更にきめ細やかな支援、そもそもの社会的な分析というものがやっぱり必要になるのかなというふうに考えております。

谷亮子生活の党と山本太郎となかまたち

○谷亮子君 ありがとうございました。貴重な御意見、今後に生かさせていただきたいと思います。  続きまして、山田参考人にお伺いさせていただきます。  山田参考人におかれましては、国際開発学、比較国際教育学、アフリカ研究、援助政策分析、産業人材育成論と大変幅広い分野を御専門とされまして、現在、名古屋大学大学院国際開発研究科教授として御活躍されていることに対しまして、心より敬意を表します。また、本日は、アフリカについての支援の課題と可能性につきましても大変貴重な御意見と現況をお話しいただきまして、今後の議論等に深めてまた生かしていきたいというふうに思っております。  そこで、現在、日本政府は、ODAも活用しつつ質の高いインフラの輸出を進めております。政府は、日本のインフラは高品質であり、ランニングコストも考えれば決して高価ではないとして相手国の理解を得ようと努めておりますが、初期投資の高さなどから現在思うように進んでいないという声もありますが、このような実情もあるというふうに思います。  そこで、政府は、円借款の運用改善などを行いつつ質の高いインフラの輸出を現在進めておりますけれども、先ほど山田参考人より御説明いただいた資料の中にございましたけれども、モザンビークから内陸国のマラウイ、ザンビアまでの道路を造るということで、今後、物流等の大きな基盤を整備していくという意味では非常に大きなインフラ整備だというふうに思うんですけれども、その辺の現況を教えていただきたいというふうに思います。

赤石清美自由民主党

○委員長(赤石清美君) 山田参考人、時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いいたします。

山田肖子名古屋大学大学院国際開発研究科教授

○参考人(山田肖子君) はい。  谷議員、ありがとうございます。  質の高いインフラということなんですけれども、質が高いにこしたことはないわけですけれども、円借款の一つ批判されがちな点といいますのは、相手側政府にお金を貸しているんですけれども、日本が求めている水準の仕事をできる企業に契約を出してくださいというと、日本企業が取ってしまうようになるわけですね。そうすると、質が高いアンド日本企業が潤うんじゃないですかという、そういう批判がやはりセットで起きてくるということなので、同時に、その値段を払うんだったら、もっと安くて、いずれ壊れちゃうにしても、あっちにもこっちにもニーズがあるのに、その道路だけぴかぴかにしてほかに使わせてくれないのはどうなんですかという批判がやっぱり出てきてしまうということなので、質の高さと多様なニーズにどのぐらい応えるかということのバランス、それから、もちろん日本のODAなので日本の企業が取ってくれるのがうれしいわけですけれども、そこをひも付きという批判にならない形で競争で取っていけるという、そういう形になることが望ましいのかなというふうに思っております。

谷亮子生活の党と山本太郎となかまたち

○谷亮子君 ありがとうございました。

赤石清美自由民主党

○委員長(赤石清美君) 以上で参考人に対する質疑を終了いたします。  この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、貴重な御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。本委員会を代表いたしまして厚く御礼申し上げます。(拍手)  本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時十八分散会

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