政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 66 件
- 登壇者
- 8 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2016/04/01
会議録
○委員長(前田武志君) ただいまから政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、辰巳孝太郎君、石田昌宏君、井上義行君、相原久美子君、小見山幸治君、井原巧君、中川雅治君及び溝手顕正君が委員を辞任され、その補欠として吉良よし子君、武見敬三君、二之湯武史君、大塚耕平君、礒崎哲史君、柘植芳文君、三宅伸吾君及び古賀友一郎君が選任されました。 ─────────────
○委員長(前田武志君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律及び公職選挙法の一部を改正する法律案及び公職選挙法の一部を改正する法律案の審査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前田武志君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○委員長(前田武志君) 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律及び公職選挙法の一部を改正する法律案及び公職選挙法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 まず、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律及び公職選挙法の一部を改正する法律案について、政府から趣旨説明を聴取いたします。高市総務大臣。
○国務大臣(高市早苗君) 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律及び公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、最近における物価の変動、選挙等の執行状況などを考慮し、国会議員の選挙等の執行について国が負担する経費で地方公共団体に交付するものの基準を改定するとともに、選挙人の投票しやすい環境を整えるため、共通投票所における投票及び期日前投票の投票時間の弾力的な設定を可能とし、投票所に入ることができる選挙人の同伴する子供の範囲を拡大するなどの措置を講じようとするものであります。 次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。 第一に、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律に関する事項であります。 最近における選挙等の執行状況を踏まえ、選挙人の投票に対する交通手段の提供に係る加算規定及び期日前投票所における選挙人名簿のオンライン対照などの設備の整備に係る加算規定を設けるとともに、開票に要する時間を実情に即するよう見直すことなどにより、開票所経費の基準額を改定することとしております。 また、最近における物価の変動などを踏まえ、投票所経費及び事務費などの基準額を改定することとしております。 第二に、公職選挙法に関する事項であります。 市町村の選挙管理委員会は、選挙人の投票の便宜のため必要があると認める場合には、投票所のほか、その指定した場所に当該市町村の区域内のいずれの投票区に属する選挙人も投票をすることができる共通投票所を設けることができることとしております。 また、期日前投票所の開閉時間について、開く時刻を午前八時三十分から二時間以内の範囲内において繰り上げること及び閉じる時刻を午後八時から二時間以内の範囲内において繰り下げることを可能とするなどの措置を講ずることとしております。 さらに、選挙人の同伴する幼児、児童、生徒その他の年齢満十八年未満の子供は、投票所の秩序が保持されることを前提として、投票所に入ることができることとしております。 なお、この法律は公布の日から施行することとしておりますが、公職選挙法の改正に係る部分については選挙権年齢の引下げに係る改正公職選挙法の施行の日と同じ平成二十八年六月十九日から施行することとしております。 以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○委員長(前田武志君) この際、本案の衆議院における修正部分について、修正案提出者衆議院議員逢坂誠二君から説明を聴取いたします。衆議院議員逢坂誠二君。
○衆議院議員(逢坂誠二君) ただいま議題となりました国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律及び公職選挙法の一部を改正する法律案に対する衆議院における修正部分につきまして、その趣旨及び内容を御説明申し上げます。 本修正は、公職選挙法の改正に関する部分について、期日前投票所の増設等に関する規定及び期日前投票所の開閉時間に係る検討条項を追加しようとするものであります。 本修正の内容は、第一に、市町村の選挙管理委員会は、期日前投票所を設ける場合において、当該市町村の人口、地勢、交通等の事情を考慮して、期日前投票所の効果的な設置、期日前投票所への交通手段の確保その他の選挙人の投票の便宜のための必要な措置を講ずるものとする規定を置くこととしております。 第二に、期日前投票所の開閉時間については、この法律の施行後における期日前投票の実施状況等を勘案して検討が加えられ、その結果に基づいて、期日前投票所を開く時刻の繰上げその他の必要な措置が講ぜられるものとする検討条項を附則に置くこととしております。 以上が衆議院における修正の趣旨及び内容であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(前田武志君) 次に、公職選挙法の一部を改正する法律案について、提出者衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長山本公一君から趣旨説明を聴取いたします。山本公一君。
○衆議院議員(山本公一君) ただいま議題となりました公職選挙法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨及び内容について御説明申し上げます。 本案は、船員の投票の機会を拡充するため、洋上投票の対象を広げるとともに、選挙において候補者の政策等を有権者が知る機会を拡充するため、要約筆記者に対する報酬支払を解禁しようとするものであります。 その主な内容は、第一は、洋上投票の対象の拡充であります。 現行制度下で洋上投票をすることができるのは、一定の指定船舶に乗っている船員に限られております。また、洋上投票は、不在者投票管理者の管理する場所において行うものとされております。このため、指定船舶とされていない外国船舶等に乗っている船員や、その乗っている船舶に不在者投票管理者等となる他の二人以上の日本人船員がいない船員は、洋上投票を行うことができないものとなっております。 本案は、現行の指定船舶に乗っている船員に加え、新たに指定船舶以外の船舶であって指定船舶に準ずるものとして総務省令で定めるものに乗っている船員について、現行の洋上投票の対象とするものとしております。また、これらの船舶において投票することができないものとして政令で定める船員について、その現在する場所において、洋上投票を行うことができるものとしております。 第二は、要約筆記者に対する報酬支払の解禁であります。 平成二十五年の公職選挙法改正により、選挙運動においてウエブサイト等を利用する方法による文書図画の頒布及び屋内の演説会場における映写等の類いの掲示をすることができるものとされました。これらの選挙運動に当たり、いわゆる要約筆記が行われることがありますが、現行では、要約筆記者に対する報酬の支払は禁止されております。 本案は、これらの選挙運動において文書図画の頒布・掲示のために口述を要約して文書図画に表示することを要約筆記とし、専ら要約筆記のために使用する者について、一定の報酬を支給することができるものとしております。 なお、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとしておりますが、要約筆記者に対する報酬支払の解禁については、公布の日から起算して一月を経過した日から施行するものとしております。 以上が本案の趣旨及び内容であります。 何とぞ、御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(前田武志君) 以上で両案の趣旨説明及び衆議院における修正部分の説明の聴取は終わりました。 これより両案について質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○牧山ひろえ君 民進党・新緑風会の牧山ひろえです。 本日議題の、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律及び公職選挙法の一部を改正する法律案について御質問させていただければと思います。 これまでの公職選挙法改正によって、選挙期日における投票時間の拡大や不在者投票事由の緩和などが行われました。そのほかに、在外投票制度、洋上投票制度、期日前投票制度、南極投票制度の創設等が行われ、投票機会の拡充ですとか投票環境の向上が順次図られてきております。ですが、依然として投票率は低下傾向にあります。 これまで、政府や議員の方々の努力によって、投票機会の拡充ですとか投票環境の向上のため、数度にわたる法改正が行われてきました。にもかかわらず、依然として投票率が低い水準にとどまっている原因について、政府はどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(大泉淳一君) お答えいたします。 投票率につきましては、当日の天候あるいは選挙の争点など、様々な事情が総合的に影響するということでございますので、その要因について、それぞれの選挙について一概に申し上げることは困難でございますが、全体的に見れば、いずれの選挙においても低下傾向にあるということは事実でございます。 これらの原因についてですが、一つの考え方として、平成二十六年の衆議院議員総選挙における年代別投票率などを見ますと、二十代から四十代の投票率が平均を下回るなど、若い層が低下傾向が大きいというふうになっております。 こういうことでございますが、明るい選挙推進協会などの調査によりますと、世代別の投票棄権理由としては、二十代から五十代までは仕事があったからと答えた割合が他の年代に比べて高かったのでございますが、二十代から三十代の若い世代においては選挙に関心がないと答えた割合が高かったというような調査結果もございます。そういう、原因の一端ではないかと考えております。 総務省といたしましては、政治意識の向上のための主権者教育の推進、それから、先ほど御指摘がありました有権者が投票しやすい環境をまたつくっていく、一層整備していくということが重要であると考えております。
○牧山ひろえ君 有権者が投票を棄権した理由について、今お話がありました公益財団法人明るい選挙推進協会が行った平成二十六年衆議院議員総選挙についての意識調査の結果を私も見てみました。それによりますと、ほかの理由と並んで、仕事があったからですとか、投票所が遠かったからという理由が挙げられております。投票する意思を持っていても、棄権せざるを得ない有権者も存在するということです。 ですので、本法律案において投票環境の向上が図れることは一歩前進だと思います。ですが、依然として低い投票率を考えますと、対策としてまだまだ十分とは言えないと思うんですね。選挙は民主主義の根幹を成すものと考えます。より多くの有権者が投票しやすい環境を今後も整備していく必要があると思います。 さて、この投票率の向上、国民の政治参加の促進につきましては、私も以前より自分の中心的な政策テーマとして取り上げてまいりました。私は以前に「国民総政治家」という本を書いたことがあるんですが、その中で、投票に行かない場合ペナルティーを科す国の事例ですとか、あるいは逆に、投票に行った場合に御褒美を出す国の事例を幾つかその本の中で御紹介しております。 例えば、オーストラリアでは棄権の場合に五十ドルの罰金を科せられ、逆にロシアでは投票するとピロシキをもらえるという、そういった事例もございます。 私の持論ですけれども、やはりペナルティーとか御褒美を与えて投票率を上げるというよりも、どのような考えを持って投票に臨むかということ、これをしっかりと教育の中で盛り込んだ方がいいのではと考えております。 そういう視点から、私は安倍総理に対して以前、平成二十五年五月十四日の予算委員会の中で、ノルウェーのスクールエレクションという制度の導入を私は御提案いたしました。これはどういうものかと申しますと、模擬投票の一種なんですけれども、架空の候補者ですとか選挙を対象とするのではなくて、現実の選挙と合わせて本物の政党あるいは本物の政治家に投票できる、本物の選挙とほとんど同じものなんですね。本物の選挙との違いといえば、投票箱が学校に置いてある模擬のものというだけの、より現実の選挙に近いものなんですね。 現在、選挙権の引下げに対応して主権者教育があちこちで行われております。主権者教育に関する高校生向け副教材があるんですが、「私たちが拓く日本の未来」という副教材がありますが、この中に、実際の選挙に合わせて模擬投票をやってみようという項目があります。教育現場においてもスクールエレクションを前向きに推進していただいているわけです。該当ページは皆様に資料でもお配りさせていただいておりますが、以前からの主張が取り入れられ、私もこの取組については評価させていただいております。 そこで、大臣にお伺いしたいんですけれども、この現実の選挙と合わせて実施する模擬選挙にはどのような効能あるいはメリットがあるとお考えでしょうか。
○国務大臣(高市早苗君) 現実の選挙と合わせて実施する模擬選挙につきましては、実際の選挙において発信される現実の情報に触れながら選挙や政治をより身近なものとして感じていただくということとともに、御自分の考えを深めて判断をしていくということによりまして主体的な投票行動につながっていく非常に効果的な取組だと考えています。 この模擬選挙につきましては、選挙管理委員会と学校が連携して実施しておられるほか、教育機関やその他の団体においても主体的に取り組んでおられます。 もう今日は委員が副教材を配付資料として配っていただきましたので、これ以上説明は申し上げませんけれども、この模擬選挙を行っていく実践的な取組を各地域や各学校の状況に応じてしっかりと進めていただいて、若者の政治意識の向上に役立てていただきたいと思っております。
○牧山ひろえ君 大臣がおっしゃるとおりだと思います。 先ほど申し上げましたように、どのような考えを持って投票に臨むかということをしっかりと教育の中で盛り込むべきだと思います。そのためには、この政治家や政党に自分が選んで投票したという、自分の気持ちから湧き出るものでなくてはいけない。すなわち、自発的なものでなくてはいけないと私は思うんですね。それを学べるのが私が先ほど申し上げたスクールエレクションで、教育の中で政治参加の重要性をリアリティーを持ってしっかりと盛り込む必要性があると思うんです。 そのように多くのメリットがあるスクールエレクション、すなわち現実の選挙と合わせた模擬投票なんですが、お配りしました資料にも記載されております実施状況を御覧ください。 これを見ますと、平成二十七年度の高校における実施数は十三校となっておりまして、残念ながらまだまだ幅広く活用されているとは言い難い状況なんですね。 先ほど大臣におっしゃっていただいたようなメリットのある現実の選挙と合わせた模擬選挙、これがより多くの教育現場で活用されるよう努めるべきではないかと思うんですけれども、その点に関しまして大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(高市早苗君) 現在、各選挙管理委員会ですとか学校でのお取組が進んでおりますけれども、高校生向けの副教材を配付したのがまだ昨年のことでございます。これからそれぞれの学校現場においても浸透していくことを大いに期待いたしております。
○牧山ひろえ君 今年は参議院選挙が実施されます。国政選挙は毎年あるわけではない非常に重要な機会だと思うんですね。是非、今年実施される直近の参議院選挙からスクールエレクションを全国の学校で実施していただきたいと思います。総務省には政策的な後押しをよろしくお願いいたします。 現在、人口減少、市町村合併、経費削減などを理由に投票所数が減少しております。前回、二〇一四年衆議院選挙では全国で四万八千六百二十か所と、前々回の衆議院選挙と比べて何と五百九十三か所減少しています。ピークでありました二〇〇一年の参議院選挙の五万三千四百三十九か所に比べますと一割近く減っているんですね。 各種の調査では、投票所までの距離が短いほど投票率が高くなる傾向が明らかになっております。具体的な事例を申し上げますと、長野県内の市町村議会議員選挙における投票率についてですけれども、市町村合併を行い、かつ投票所の統廃合を行った自治体の投票率は大幅に下落しているんですね。 投票機会の確保のためには投票所の減少に何らかの歯止めを掛けなくてはいけないんじゃないかと思うんですが、大臣の御意見はいかがでしょうか。
○国務大臣(高市早苗君) 投票所数につきましては、中山間地域における過疎化による選挙人数の減少ですとか、今委員がおっしゃった市町村合併を契機とした投票区の見直しなどによって減少してきているようでございます。 公職選挙法上、投票所の設置につきましては市町村の選挙管理委員会が地域の実情等を踏まえて決定すべきものではございますが、総務省としましては、各選挙管理委員会に対しまして、投票機会の確保を図るという観点から投票所の増設について積極的に措置をするように、国政選挙や統一地方選挙の都度、要請をしてきております。 またあわせて、特に中山間地域などにおいて御高齢の方などが投票所への移動が困難だというようなケースがございましたので、投票所や期日前投票所への巡回バスを運行すること、それから地域の最寄りの公民館や集会所などの施設に期日前投票所を設置することについても要請をしてきておりますので、引き続き要請をしてまいります。
○牧山ひろえ君 民意を反映する投票の機会に地域格差が生じることは極力避けなければならないと思います。現在でも自治体によっては、期日前投票の場所を増やしたり、あるいは無料送迎バスを運行させるなど、それなりの工夫をされているところがあります。 ですが、国としての大きな方向性としては、ある一定の基準以下に投票所を減らさない、そういった下限のラインを設定する、そういったことが重要だと思います。その上で、通知よりも実効性のある施策でその基準を堅持するようにお願いしたいと思います。 さて、この投票所数の減少をカバーする有効な手だてとして、インターネット選挙の導入が挙げられています。それに加えて、今年の夏の参議院選挙、通常選挙から選挙権年齢が引き下げられることから、若者にとって投票しやすい環境を整えることも重要な課題だと言えます。現在、多くの若者がスマートフォンあるいはパソコンを日常的に使用していますが、公職選挙法ではインターネットによる投票はできないこととされています。 平成二十五年には公職選挙法改正によってインターネット選挙運動が解禁されたほか、選挙分野ではないものの、昨年の国勢調査では新たにインターネットによる回答が可能となりまして、インターネットによる回答数は当初の予想よりも、予定よりもはるかに多かったということがあります。こうしたインターネット活用の進展に鑑みますと、インターネット投票を導入すれば若者の政治参加促進ですとか投票率の向上が期待できるのではないかと思います。 総務省の投票環境の向上方策等に関する研究会では、平成二十七年十月にインターネット投票の論点整理が行われたと承知しておりますけれども、実現に向けた具体的進展はまだ見られていないんですね。若者の政治参加促進ですとか投票率の向上の観点からも、インターネット投票の実現に向けた検討を本格化させるべきだと考えますが、政府の方針をお示しください。
○国務大臣(高市早苗君) インターネットを利用した投票につきましては、個人が持っておられるコンピューター端末やスマートフォン、タブレット端末を用いた投票が可能になりますので、若い方々を含めた選挙人の利便性の向上が考えられます。 今委員がおっしゃっていただきましたとおり、総務省内に設置している投票環境向上のための研究会で論点整理を行いました。そこでの議論ですとか、幾つかの課題が指摘されましたので、こういった課題の解決に向けた技術面、制度面の環境整備の状況を見極めた上で、国民的なコンセンサスを得ながら検討をしていく、こういう段階でございます。
○牧山ひろえ君 確かに、インターネット投票については、成り済まし投票の防止を始めとした様々な課題があると思うんですね。そういった課題については克服する必要があり、海外で導入している国も現在多くはないということです。 ですが、マイナンバーカードを使った公的個人認証の活用などによる本人確認を徹底する、こういった対策を講じれば、我が国におけるインターネット投票の実現可能性は決して低くないんではないかと考えます。是非前向きな推進をお願いいたします。 さて、公職選挙法の一部を改正する法律案で、洋上投票の対象の拡充が規定されています。改めて、今回の洋上投票関連規定の目的と期待される効果、そして洋上投票に関し残された課題はどのようなものがあるのかについて、法案提出者にお願いいたします。
○衆議院議員(逢坂誠二君) お答えいたします。 質問、全部で三点あったかと思いますが、今回の洋上投票規定の目的、さらに効果、さらに課題ということでありますけれども、現行の制度下で洋上投票を行うことができるのは一定の日本船舶でございまして、日本人船員が三名以上乗っている船舶の船員に限られております。一定の外国船籍や日本人船員が二名以下の船舶に乗っている船員は国内の投票所においても洋上においても投票することが事実上不可能な状況に置かれているわけであります。本改正案は、このような者に対しても投票権の保障を図ることをまず目的としております。 本改正案によりまして、現行制度で対象となっている指定船舶に準ずる一定の外国船舶に乗っている船員について、新たに現行の洋上投票を行うことが可能となります。また、日本人船員が二名以下の船舶に乗っている船員について、新たに不在者投票管理者及び立会人を置かずに、その現在する場所において洋上投票を行うことが可能となります。これらの改正によりまして、今まで投票することが事実上不可能な状況に置かれていた船員について投票権が保障されることになると考えております。 最後でありますけれども、残された課題でありますけれども、投票の公正性、投票の秘密を十分に確保するという観点からの適切な対処の必要性が挙げられるというふうに認識をしております。 本法案によりまして洋上投票の拡充がなされた場合には、現行の施行令をベースにして新たな政令が定められることと承知をしておりますが、その際には、二重投票の防止を始めとした選挙の公正の確保という観点を特に重視する必要があると考えております。また、改正案では、洋上投票の手続は政令で定める時間内に行うこととしておりまして、選挙管理委員会が適正な投票の確認をしやすくするといった措置も設けております。加えまして、本改正案による拡充の対象となる船員の皆さんに対しては、洋上投票制度の周知を行うことにより、投票権の保障に万全を期すことが必要であるというふうに考えているところでございます。 以上です。
○牧山ひろえ君 御答弁ありがとうございました。私も、一年のうちの大部分を船の上で過ごしている方々にも配慮する必要性があると思っております。今回の改正が洋上投票の実質的な拡大につながっているか、当局には結果まで見据えてのフォローアップを是非お願いしたいと思っております。 さて、本法律案において、市町村の選挙管理委員会は共通投票所を設けることができるとされ、有権者は自己の属する投票区の投票所のほか共通投票所においても投票できるということになります。一方で、総務省の投票環境の向上方策等に関する研究会中間報告では、どの投票所でも投票できる制度も考えられることが示されていました。こうした制度を導入すれば、近隣にある投票所のほか、駐車場が充実した投票所ですとか、あるいは段差のない投票所など、各有権者にとって利便性の高い投票所で投票ができるようになる、そして、特に歩行困難な高齢者などの投票機会を確保することにもつながる、そういったことができると思うんですが、その導入については共通投票所制度を導入した後の運用状況を見ながら検討することが考えられるとされています。 そこで、政府は、共通投票所の設置状況ですとか運用状況などを今後どのようにフォローアップすることができるんでしょうか。また、どの投票所でも投票できる制度、これを導入することにつきまして本法律案では特に検討条項は設けられてはいないんですね。導入に向けて具体的にどのように検討を行うのか、お示しいただければと思います。
○国務大臣(高市早苗君) まず、共通投票所の設置状況ですとか運用状況のフォローアップにつきましては、この法律案を成立させていただきましたら、その後速やかに、市区町村の選挙管理委員会に共通投票所の設置意向を確認させていただいた上で、必要に応じて助言などを行い、実際の共通投票所の設置状況についても調査をしてまいります。その上で、効果的な共通投票所の設置事例や二重投票の防止などの課題の解決方策について横展開を図ってまいりたいと思います。 それから、市区町村区域内のどの投票所でも投票できる制度を導入するということにつきましては、例えば投票区の投票所に共通投票所を併設するなどの手法でしたら今回の改正案の中でも法的には可能となっています。ただ、お尋ねのような形態というのは今回の改正案が第一義的に想定したものではございませんので、今後そのような形態を採用していかれるという市町村がございましたら、その実施状況も見ながら検討してまいりたいと思っております。
○牧山ひろえ君 お隣の韓国では、二〇一四年の統一地方選挙において事前投票制度が導入されました。全国どこの事前投票所でも投票できるようになって、投票率の改善につなげているということを聞いております。事前投票なので厳密には日本の共通投票所とは投票の時期が異なるんですけれども、このような他国の事例も投票率の向上のために積極的に参考にするべきだと思います。 かつて、無党派層はそのまま関心がないといって寝てしまってくれればそれでいいなどと低投票率を期待するかのような発言をした政治家が過去におられました。低い投票率の原因としては、政治の質も関わってまいります。私たち政治に携わる者としては、政治がもっと身近になるように努めなければならないと思います。投票率の向上については党派を超えた取組を全会派の議員の皆様にお呼びかけさせていただきまして、質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○足立信也君 民進党の足立信也でございます。時間調整もありますので、質問の数をかなり減らして行います。 昨年の十八歳選挙権の検討をする段階から、あのとき民主党でしたけれども、選挙人名簿法案も含めて公職選挙法の改正ということでかなり議論をしました。そのうち六項目ほどまとめて議員立法として昨年提出したわけですけれども、その後、いろいろ政府側、与党側と調整をして、閣法の部分に公職選挙法の部分を挿入する、それから議員立法に分ける、そして、これは実現なかなか難しいであろうから今後の検討条項にすると、そういうふうに振り分けてきたわけですね。我々としては、これはずっと取り組んでいる課題ですので、ちょっと絞って質問させていただきたいと思います。 まず、大泉部長なんですが、この閣法の執行経費のことです。これは、先ほど大臣の答弁の中でも、ほとんどの部分、物価上昇等に合わせながら増える部分が多いわけですが、これ答弁絞って、じゃ、減算される部分があるのかどうか、そしてトータルで、この夏の参議院選挙、どれぐらいの増加が見込まれているのか、それを答えてください。
○政府参考人(大泉淳一君) お答えいたします。 執行経費基準法におきましては、各投票所経費、開票所経費などのように各費目別にそれぞれ計上されているところでございますが、減算されているものとしては、新聞広告の公営費やそれから選挙公報の発行費など、これは物件費などを反映させた結果でございますが、そういうものが費目としては減っているものがございます。
○足立信也君 トータル。
○政府参考人(大泉淳一君) 全体としての御質問でございましたが、執行経費の、地方団体の委託費としましては、前回との比較、二十八億九千六百万の増加でございまして、六・五%の増加となっております。
○足立信也君 減算される部分はほんの少しで、後で違う意見の方もいらっしゃると思いますけれども、物価上昇、人件費も含めて、それが理由で上げていくと六・五%と。とてもとても、今この国の物価は目標の物価上昇と比べると物すごい高い上昇率ですね。これは、六・五というのがそのまましっかりうのみにできるのかということはかなり疑問が残ります。 ところで、もし衆議院の解散・総選挙があった場合はどれぐらい増えるんですか。
○政府参考人(大泉淳一君) 衆議院議員総選挙についてのお尋ねでございました。 総選挙の時点における立候補者数などの不確定な要素もありますので、現時点において正確な積算は難しいと思いますが、その上で、平成二十六年の衆議院議員総選挙と同数の立候補者数など、同じ条件に基づき改正後の基準法により積算をした場合、国の負担する委託費につきましては五百八十六億円程度と見込んでおります。それで、二十三億円の増加になると見込んでおります。
○足立信也君 合わせて五十一億円の増加ということですね。これも肝に銘じておきたいと、そのように思います。 ところで、議員立法の方にちょっと順番変えて行きますが、前田委員長は、建設省から外務省出向時代にベトナム日本大使館におられて現地の状況を御覧になっていて、在外投票が大事だという認識の下に、平成六年、衆議院の倫選特の理事時代に、キャンベラ、クアラルンプールでしたっけ、現地公聴会まで開いたということでございます。それ以降、先ほど牧山さんからもありましたように、平成九年に投票時間の拡大、不在者投票制度の見直し、十年には在外投票制度、十一年に洋上投票制度、十五年に期日前投票制度、そして十八年に南極投票制度と、こういうふうに拡充されてきたわけですね。 ところで、先ほど意義と効果ということについては質問、答弁がありましたので、端的に、これは何名ぐらい増えると想定されているんでしょうか、逢坂議員。
○衆議院議員(逢坂誠二君) お答えいたします。 これは昨年の三月二十六日でございますけれども、当時の民主党が全日本海員組合からこの洋上投票の拡充についていろいろな申入れを受けたわけでありますけれども、その際に、国際物流を担う日本商船隊ですね、日本商船隊、これ約二千八百隻の船があるそうなんですけれども、そのうちの約二千六百隻が外国船籍というふうに伺っております。 それで、正確に、それじゃそのうちにどの程度の人数の方が、日本人が乗っているかというのは簡単に把握するのはなかなか難しいわけでありますけれども、仮にこのうちの一〇%が一人ないし二人の乗船、あるいは五%が一人ないし二人の乗船というふうに考えると、百名余りあるいは百五十名余り、これらの方々がこの昨年の三月二十六日時点での話の中から推計されるのではないかなというふうに思っているところであります。
○足立信也君 数字的には小さな一歩かもしれませんけれども理念的には大きな一歩だと、そのように評価させていただきたいと思います。 ところで、私、地元で造船関係のところを回っておりましたら、今回の洋上投票は当然のことながら船員に限られている。ところが、日本の造船業、海外に行くときに、一月、二月あるいはもっと長い単位でチームとしてどっと行かれる。この方々はもちろん在外投票というのがあるんですけれども、実は行くときには選挙の期日も分かっていないというような状況で、先ほど周知のことをおっしゃいましたけれども、チームとして相当な、もう単位ごとに、その課の単位ごとに行かれますから、その方々が本当に投票できないというのを実感として言われました。 ですから、周知も含めてそのことは、海外に臨時的といいますか短期的に行かれる方、短期といってもちょっと長い方、その方々にも今後配慮ができるようにお互いに検討していきたいと、そのように思います。 ところで、私は今理事懇等でいろいろ検討しておりますけれども、実は、衆議院の小選挙区と比例、それから参議院の選挙区と比例、それから都道府県知事という選挙を比べておりますと、参議院の選挙区選挙のみが政見放送に手話通訳、字幕、どちらも付けられない、できないということです。 これは、今多くの方々が投票率を上げたい、投票の機会を増やしたいと思っている中で、参議院選挙の選挙区だけが、できるだけ多くの国民に候補者の政見を見てもらいたいのに、なかなかそれが、字幕がない、あるいは手話通訳がないというような状況になっているわけですね。 この理由はどういう理由でしょうか。
○政府参考人(大泉淳一君) 政見放送についてのお尋ねでございます。 衆議院の小選挙区選出議員の選挙につきましては持込みビデオ方式が認められておりまして、これにつきまして手話通訳や字幕を作成者の側で入れることができるというふうになっております。一方、スタジオ録画形式につきまして、衆議院比例代表選出選挙、それから参議院比例代表選出選挙及び都道府県知事選挙につきましては手話通訳を付して今録画できるということとなっております。 ただ、先生御指摘のとおり、参議院の選挙区選挙につきましては手話通訳の付与ができないというふうになっております。これは、通常選挙として全国で同時に行われる選挙でございます。このときに手話通訳士を同時に確保する必要があるのでございますが、手話通訳士はその数が少ない地域もございます。最も多い東京都で手話通訳士は手話通訳士協会の資料などによりますと七百二十三人おりまして、政治用語などの用い方などを協会で独自に研修をしておりまして、研修を受けた方が二百六十一人いらっしゃるということですが、最も少ない佐賀県では四人で、それから研修を受けた方がそのうち二人というような状況となっております。したがいまして、このような状況を考えますと、手話通訳を全部の選挙について付することはなかなか難しいというようなことでございます。 また、字幕については、スタジオ録画方式による政見放送のうち参議院の比例代表選出議員の選挙の政見放送においてできるようになっております。これは日本放送協会の東京本部のみで収録を行うということができまして、収録数も参議院名簿届出政党等の数に限定されるなどを勘案しましてできているということでございます。選挙区によっては多数の収録を行わなければならないということもございましょうし、字幕を付与するための設備あるいは技術的な対応がなかなか難しいというふうに伺っております。 衆議院の比例代表選挙それから都道府県知事選挙も同様にこれはできないという、字幕はやっておらないというような状況でございます。
○足立信也君 もう一度言いますが、手話通訳も字幕もできないのは参議院の選挙区だけであると。ここはやはり解決しなければいけない、皆さんで知恵を出し合って解決しなきゃいけないと思います。 我々民進党で議論した結果、これ二つ方法があるんだろうと。一つは、総務大臣が定める政見放送及び経歴放送実施規程、これを変えてしっかりやれということなんですね。しかし、これは今の佐賀の話がありましたけれども、やれと言われてもできないだろうということでございます。となると、衆議院の小選挙区のように持ち込みビデオ方式というのが現実的かなと、そのように我々の、民進党としては会派としてそういう今のところ考えに至っておりますので、各会派これから議論をして、何とか投票機会を、より多くの方に候補者の政見が分かるようにということを是非とも進めていきたいと、そのことを申し上げておきたいと思います。よろしくお願いいたします。 それから、先ほど経費の話で、参議院で二十八億、予定より、今までよりも増えるだろうと、衆議院がなされれば更に二十三億ですか、増えるだろうということの中で、じゃ、これを減らしていくには何が手かなと、そういうふうに考えると、選挙期間かなという気がするんですね。 私、ちょっと調べました。もちろんインターネット選挙活動も解禁されましたし、これ平成四年から参議院は十七日間というふうになっているわけですが、その当時から比べると道路状況も当然整備が進んでおりますし、期日前投票もかなり多くなっています。この期日前投票が始まった直後の参議院、これ十六年の参議院選挙です、私が初当選したときの参議院選挙ですけれども、この当時は期日前投票が一二・三七%、ところが直近の一昨年の衆議院は二四・〇二%、もう倍になっているわけですね。それだけ多くの方が期日前投票に行かれるようになっている。 これ、ちょっと分析したんですけれども、選挙が始まって、参議院の場合は四日目、十一日目、十六日目を見ると、特に十六日目は、期日前投票をされた方の八割がもう十六日目までにやっているというような状況で、これは衆議院の選挙期日の二日前を見ると七七%。十二日であっても十七日であっても、その期日の二日前には八割ぐらいはもうやられているというふうなことであると、私は、期間の長さ、まあ範囲が広いですから多少長いのは当然かと思いますけれども、それほど期間の長さが期日前投票にも影響もしていない、投票率も御覧のように衆も参も低下傾向にある、これが今課題なわけです。 ということは、私は、平成四年以来十七日になっているのが、昨今の状況の違い、それからインターネット選挙活動が始まったこと等を考えると、私はそれほど長くなくてもいいのではないかと、そう思っていまして、月の半分以上を選挙活動というのもいかがなものか。仮に、今憲法改正の議論の中で緊急事態条項というのがありますけれども、これがダブルになったときに、それだけ長い期間、半分は残っているとはいいながら、本当にいいのかなと、そのように感じているところです。これも各派とも協議をしていきたいと思います。 それから、期日前投票のことについて、あと二分ですからもう一問かもしれませんけれども、これはいろいろ今まで調査されていて、時間を今回二時間前倒し、後ろ倒しということになるわけですけれども、今まで期日前投票についてどのような要望が多かったんでしょうか、有権者の方から、それをちょっとお聞きしたいと思います。
○政府参考人(大泉淳一君) 期日前投票の時間ということで、市町村選管からの要望ということでお答えさせていただきます。 この期日前投票の時間の弾力化につきましては、総務省に設置された研究会において弾力的な設定を盛り込んで、中間報告に盛り込まれておりまして、これを制度化するに当たっての具体的な検討におきまして、平成二十六年衆議院議員の総選挙において、駅やショッピングセンターなど既に有権者の利便性の高い場所に期日前投票所を設置している市町村に対しまして意向を尋ねたところでございます。 その結果、早朝の投票につきましては、開始前の準備も必要であるということなどから午前七時半以降の開始ということで検討をしている回答でございました。ただ、通勤通学者が増え始める時間帯が朝の七時台であることなどから、市町村選管の負担なども考慮した上でも二時間以内の繰上げを提案しているものでございます。 一方、夜間の投票につきましては、期日前投票所を設置しているショッピングセンターなどの開設されている開館時間などの関係から、午後十時までの開設を検討しているという団体もございました。これに対応できるように、終了時間につきまして、閉鎖時間につきましても二時間の延長を今回の法案で提案しているところでございます。
○足立信也君 まとめます。この夏の参議院選挙から十八歳、十九歳が初めて投票できるようになります。制度も名簿を始めとして大きく変わります。今回の法案でも大きく変わります。大混乱の起きないように、総務省としてきっちり対応していただきたい。 それから、いろいろ変わるときは私はある意味チャンスだと思っていますから、今までできなかったことを我々の議論の中で変えていきたいと、そのように思いますので、是非とも皆さんよろしくお願いします。 終わります。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 議会制民主主義にとって、国民の選挙権を保障することは根幹を成すものであります。公選法の第一条では、「この法律は、日本国憲法の精神に則り、衆議院議員、参議院議員並びに地方公共団体の議会の議員及び長を公選する選挙制度を確立し、その選挙が選挙人の自由に表明せる意思によつて公明且つ適正に行われることを確保し、もつて民主政治の健全な発達を期することを目的とする。」と、こうしているわけであります。 憲法とこの公選法を踏まえて、選挙における投票機会の保障の意義について、まず大臣から伺いたいと思います。
○国務大臣(高市早苗君) 今委員が公職選挙法第一条を紹介してくださいました。もって民主政治の健全な発達を期することを目的としております。まさに投票の権利は民主主義の基礎的な部分でありまして、投票の機会を広く確保することが極めて重要だと認識しています。 近年、投票率が低下する傾向にあります。総務省では平成二十六年度より省内に研究会を設置しまして、有権者お一人お一人に着目した更なる投票機会の創出ですとか利便性の向上の方策を検討してまいりました。そして、この夏の参院選から効果が見込まれるものとして、共通投票所の設置や期日前投票の投票時間の弾力的な設定を可能とする公職選挙法の改正案を現在御審議いただいております。 これからも選挙人の投票機会の確保にしっかりと努めてまいります。
○井上哲士君 投票機会の確保は極めて重要だということでありますが、その保障するべき投票所の場所が減り、また閉鎖時刻を繰り上げる投票所が増えているというのは大変大きな問題だと思うんですね。 選挙部長、お聞きしますけれども、まず投票所の数について、二〇〇一年七月の参議院選挙と直近の二〇一四年の十二月の総選挙ではどうなっているか。また、閉鎖時刻を繰り上げた投票所の割合について、九八年七月の参議院選挙と一四年総選挙時点ではどうなっているか。また、一四年総選挙で投票時間を繰り上げた投票所が八〇%以上の都道府県の県名と、それぞれの割合も併せてお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(大泉淳一君) お答えいたします。 二〇〇一年、平成十三年の参議院議員通常選挙の投票所数、これが一番多いときでございましたが、五万三千四百三十九か所、そして二〇一四年、平成二十六年の衆議院議員総選挙における投票所の数は四万八千六百十七か所でございました。また、投票所の閉鎖時間の繰上げについてでございますが、一九九八年、平成十年の参議院議員通常選挙、これは投票時間の二時間延長が実施されて初めての大規模な国政選挙でございましたけれども、このときには、繰上げをした投票所の割合は五・六%でございました。二〇一四年、平成二十六年の衆議院議員総選挙につきましては三五・二%でございました。 また、二〇一四年、平成二十六年の衆議院選挙におきまして閉鎖時刻を繰り上げて八〇%を超えている都道府県名でございますが、茨城県が八〇・六%、岩手県が八三・二%、島根県が八六・三%、秋田県が八六・六%、高知県が八九・五%、鹿児島県が九一・四%、群馬県が九九%、それから福島県でございますが、これは一〇〇%となっております。これは東日本大震災の影響がございまして、平成二十七年の県議会議員選挙については五団体の全投票所、それからプラスして一団体の一投票所が繰上げを実施しなかったということでございますので、それを見ますと八割を切っているという状況になります。
○井上哲士君 投票所の数は最高時から一割減になり、投票時間は、二〇一四年総選挙でいいますと、実に三五%の投票所で繰上げ閉鎖をしております。住んでいる場所によって投票機会の保障が異なるということになっているわけですね。 まず、投票所の減少の問題についてお聞きしますが、公益財団明るい選挙推進協会が、二〇一五年八月のアンケート調査で投票所までの距離と投票の関係について聞いております。 これを見ますと、投票所までの距離が五分未満で投票に行った人の割合は七七・五%、十分未満では七一・六%、大体七割台であります。ところが、二十分未満だと五八・四%、二十分以上だと五八・六%と、明らかに投票所までの距離が投票行動に影響をしているわけですね。 この間、投票所が減少し、遠くなったということが投票率の低下を招いていると考えますけれども、大臣、その点での認識と対応はいかがでしょうか。
○国務大臣(高市早苗君) 投票所数につきましては、中山間地域等における過疎化による選挙人数の減少や市町村合併等を契機とした投票区の見直しなどによって減少してきていると承知をしています。投票所数の減少だけがこの投票率の低下の要因だということではないかと思いますけれども、やはり全体的に見ますと、いずれの選挙においても低下傾向にあるということは事実でございます。 公職選挙法上、投票所の設置につきましては市町村の選挙管理委員会が地域の実情等を踏まえて決定すべきものではございますが、総務省としましては、各選挙管理委員会に対しまして、投票機会の確保を図るという観点から投票所の増設について積極的に措置するように、国政選挙や統一地方選挙の都度、要請をしてきております。また、御高齢の方など投票所への移動が困難な方々に対しまして、投票所や期日前投票所への巡回バスを運行すること、また地域の最寄りの公民館や集会所等の施設に期日前投票所を設置することについても要請をしてきておりますので、引き続きこの要請を続け、投票機会の確保に努めてまいります。
○井上哲士君 もちろん投票率の低下は様々な要因がありますけれども、先ほどのアンケートにもありますように、やはり投票所が減り、遠くなっているということは投票率低下の一つの重要な要因だと思います。総務省として増設について通知等に代わるようなものを発信をされているようでありますけれども、是非、実際に増設が進むように求めたいと思うんですね。 同時に、今ありましたように、足の確保も大変重要であります。確かに投票所へのバスの運行など行われておりますけれども、実際聞きますと、午前、午後でそれぞれ一便など、それに乗れなければ諦めざるを得ないというような状況もありまして、やはり民主主義の根幹を成す選挙の機会が保障されているとは言い難いところもあるわけです。 例えば、この足の確保の点で、こういうバスの増便などの措置をとった場合にもこれは執行経費からの国の負担ということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(大泉淳一君) お答えいたします。 今回の共通投票所あるいは期日前投票所までの移動支援に関する経費につきましては、今回の改正案におきまして加算規定を新設とするということと、あと関連予算を確保しておるところでございます。 これまでも実際に行われている例としては、送迎バスの運行や、運休日であるときに臨時バスを出したり、あるいは投票所までのバスの無料券を発行しているような団体もございます。こうしたバスの投票所への移動支援につきましてでございますけれども、その便数を増便したような場合であっても執行経費基準法の移動支援の対象となるものでありますので、その経費を基準額に加算して措置することとしたいと考えております。
○井上哲士君 もう一つは、投票所の閉鎖時間の繰上げの問題です。 一一年の地方選挙では、二十代、三十代の四分の一は十八時以降に投票しているという調査もあるわけですね。やはり閉鎖の繰上げが投票率の低下を招くことはこの数字からも私は明らかだと思います。 それぞれの地方の事情というふうに言われるんですが、二〇一四年総選挙で見ますと、群馬県では前橋市とか高崎市など都市部も含めて九九%が繰り上げていると。お隣、栃木県は六・七%ですね。秋田は八六・六%ですが、青森は六・四%なんです。ですから、有権者の投票の機会の保障よりももう地方自治体の事情が優先をされているのではないかとこの数字から見えるわけですね。 そのことによってやはり投票の権利が妨げられているのではないかと考えますが、この点での認識と対策はいかがでしょうか。
○政府参考人(大泉淳一君) 投票所閉鎖時間の繰上げでございますが、公職選挙法においては、選挙人の投票に支障を来さないと認められる特別の事情がある場合等に限って繰上げができるというふうに規定されております。こういう法律の趣旨を踏まえまして、地域の実情も考えながら、各選挙管理委員会において十分な検討を行った上で対応していただいているものと認識しております。 総務省といたしましては、投票時間、閉鎖時刻の繰上げ等につきまして、これまでも各選挙管理委員会に厳正な対応を要請してきております。引き続き要請をしてまいりたいと考えております。
○井上哲士君 さっきも数字言いましたけれども、群馬県では九九%、お隣、栃木では六・七%と。群馬県にだけ特別の事情があるとは私は思えないんですね。今もありましたような、やはり厳正な対応を改めて求めたいと思います。 それから、今回の法案では開票所経費の基準額は増加をされるわけですけれども、その理由はどういうことでしょうか。
○政府参考人(大泉淳一君) お答えいたします。 開票所経費、今回見直して増加しておりますが、基準額の積算の前提となる開票事務に要する時間、開票時間につきまして、選挙執行の実態を踏まえて、現行の四時間から三十分延ばしまして四時間半に見直すことによるものでございます。 これにつきましては、二十五年の参議院議員通常選挙の実態を調査したところ、全体の四四%が四時間半未満で開票を終えておりまして、累計で六〇%に当たる団体が五時間未満で開票を終えておりました。それで、平均は四時間四十七分ということでございました。一方で、選挙に要する費用につきましては、これは最終的に国民の負担となるということを考慮しますれば、事務の効率化の観点も踏まえるべきであるというようなことを勘案しまして、現行の四時間から三十分延長して四時間半としたところでございます。 この改正によりまして、幾つかの選挙管理委員会におきましてはこれまでも開票事務に関する不正が若干発生しておりました。この時間の見直しにより、過度な開票時間の短縮への動きが抑えられるのではないかなと期待しているところではございます。
○井上哲士君 前の基準削減に当たって、開票作業には何よりも正確さが求められておって、コスト削減を目標に選管をあおるということは選挙の公正さが確保できなくなると私ども指摘をしてきました。高松の選管や仙台選管の不正事件のように、指摘したとおりの問題が生じたわけですね。 今、四・五時間以内に基準を上げたと言われました。それまでに終えたのが四四%程度と言われたわけでありますが、これも半数以下なわけでありますから、これでも私は実態に即しているとは言えないと思うんですね。 このように、投票所の減少、それから投票所の閉鎖時間の繰上げ、また開票に当たっての様々な問題、一連の問題を生んできた一つの要因がこの法律に基づく執行経費基準の削減にあると思います。 地方公共団体の委託費は、二〇一〇年の法改正案に基づく参議院選挙予算は前回比一七・一%減になりました。二〇一三年の法改正でこの二〇一〇年基準よりも二・五%引き上げましたけれども、この間、地方自治体は、それまで正社員が配置されていた事務を臨時職員に置き換えるなどしてぎりぎりの予算で運営をしなければならなかった。さらに、自治体職員自身のリストラも進んでおりますから、これと相まって流れが加速したと思うんですね。 私は、選挙の機会の確保という観点からいいますと、二〇〇七年基準の水準まで基準額を回復することが必要と考えますが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(高市早苗君) 今回の予算につきましては、有権者が投票しやすい環境を整備するとともに、選挙の公正な執行を期すために実態を踏まえて必要な経費は計上していると存じます。 一方で、先ほど選挙部長が答弁をしましたとおり、またこれも国民の皆様の御負担でもありますので、国、地方の厳しい財政状況もございますので、効率的な経費の支出という視点も持って対応しております。 平成二十八年執行予定の参議院議員通常選挙における基準法委託費については四百七十六億円と、前回の平成二十五年の予算額に比べまして二十九億円、六・五%の増でございます。平成二十八年の参議院議員通常選挙の執行には必要な額を確保していると考えております。 ただ、これから、地方公共団体の選挙執行の実態もしっかりと踏まえながら、投票環境の整備ですとか選挙の公正な執行の確保のために必要な予算を確保してまいりたいと考えております。
○井上哲士君 前回の改正後の二〇一四年一月に都道府県の選挙管理委員会連合会が要望を出されております。国会議員の選挙等の執行経費の基準については、実情に即して基準額等改められたいとしております。理由をこう述べているんですね。改正された選挙経費基準法では単価が大幅に引き下げられたが、特に市町村交付金について一部の経費は実態と乖離しており、大きな影響が生じていると、執行経費の過度な引締めは、選挙の管理、執行に支障を及ぼすおそれがあるので、実情に即した適切な水準に見直す必要があると、こう言われております。 今、今後も実態を踏まえていきたいということがございました。是非、こういう現場の実態、声もしっかり聞いて、私は回復をすることが必要だということを改めて求めておきたいと思います。 もう一点、今回の法案にはいわゆる共通投票所の創設が盛り込まれました。これを可能にするためには、コンピューターによる選挙人名簿の一元管理のシステムの構築など、自治体の規模によって違いますけれども、ソフトやハードが必要であると思いますが、こういうシステム構築に資する費用というのは今回の予算には計上されているのか。また、地方の負担が生じるんでしょうか。いかがでしょうか。
○政府参考人(大泉淳一君) お答え申し上げます。 共通投票所に関する名簿対照のオンライン関係経費につきましては、今回の法律の改正案について加算規定を新設しまして、それに必要な経費について予算を組んでいるところでございます。 それと、あと、ただ、整備した設備が地方選挙にも活用できるような場合につきましては、その経費につきましては地方公共団体も負担すべき面もありますため、整備に係る経費の一定割合、約二分の一程度でございますが、これを国費で措置することとしております。
○井上哲士君 自治体もなかなかリストラ等で大変で、やりたくても時間も人員もいないというのが実態だと思うんですが、例えばこのモデルとなるようなシステム構築など、総務省が責任を持って開発するべきかと考えますが、この点はいかがでしょうか。
○政府参考人(大泉淳一君) 名簿対照のオンラインシステムにつきましては、総務省内の研究会において議論がなされたところでございます。昨年の三月に行われましたその中間報告においては、現在の期日前投票の実務においては二重投票の防止をするために、実効ある方法としてオンラインによる方法を、補助的な方法ですが、広く行われているということでございます。これまで重大なトラブルも発生していないということから、そのような実態も踏まえまして、名簿対照そのものについてもオンライン化を行えるようにするというような方向性がこの中間報告で出ているところでございます。 共通投票所につきましても、市町村の選管におきまして、これと同様に行えるものと考えているところでございます。 モデルを示すということについてでございますが、市町村選管の選挙人名簿システムは多様でございまして、一律に示すことが効率的あるいは効果的かどうかというのは一概に申し上げることは困難でございますが、今後、システムの整備事例などを収集しまして、他の市町村の選管への情報提供など必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
○井上哲士君 せっかく法改正するわけでありますから、きちっと進むように総務省として必要な責任を持って進めていただきたいと思います。 以上、終わります。
○委員長(前田武志君) 他に御発言もないようですから、両案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより両案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、国会議員選挙の執行経費及び公職選挙法改正案には反対、衆議院提出の公選法案には賛成の討論を行います。 政府提出二法案に反対の理由は、これまでの選挙執行経費基準の大幅削減が国政選挙における投票所数の削減や閉鎖時間の繰上げに拍車を掛け、開票作業でのミスや不正を発生させてきたにもかかわらず、基準額の僅かな増額にとどまり、大幅削減をされた基準を抜本的に改善するものになっていないからであります。 投票所の数は二〇〇一年以来全国で約一割減少し、投票所の三五%が閉鎖時間を繰り上げており、有権者の投票権の行使が制約をされております。法案には、投票環境の向上の一環として、共通投票所制度の創設、期日前投票時間の弾力的な設定などが盛り込まれております。これらの措置に反対するものではありませんが、実際にどれだけの地方選管が実施できるかは不透明であります。我が国の公選法は投票日当日投票所主義を取っており、さらに、公示日から投票日を選挙期間と定めて様々な制限の下で選挙運動を認めております。期日前投票を投票の柱とするのであれば、こうした選挙期間の設定の見直しなどの議論が必要と考えます。投票環境の向上というならば、地方選管がぎりぎりまで経費削減を強いられていることを改善し、投票所数の増加や規定時間どおりに投票所を開くことこそ重要であります。 開票についても、コスト削減を目標にして選管をあおってきた下で開票作業などの選管事務のミスが増え、高松選管や仙台選管の不正事件のように、選挙の公正性、信頼性を損ないかねない事態さえ起きております。開票作業は何よりも正確さが求められており、それをなくして選挙の公正は確保されません。コスト削減をあおることをやめ、実態に合った基準にすることが必要です。 なお、衆議院提出法案については、洋上投票の対象の拡大や要約筆記者への報酬支払の解禁をするものであり、賛成といたします。 最後に、今年は選挙権が十八歳以上に拡大される歴史的な年です。新しい有権者への周知徹底や啓発活動など特別な努力が必要です。全ての有権者の皆さんに十分な投票が保障されるよう、必要な経費を十分に確保することが求められている、そのことを改めて強調いたしまして、討論を終わります。
○委員長(前田武志君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 まず、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律及び公職選挙法の一部を改正する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(前田武志君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、公職選挙法の一部を改正する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(前田武志君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、足立君から発言を求められておりますので、これを許します。足立信也君。
○足立信也君 私は、ただいま可決されました公職選挙法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民進党・新緑風会、公明党、日本共産党及びおおさか維新の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 公職選挙法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 本法律案は、投票の機会の拡充として洋上投票の対象を拡充するとともに、選挙において候補者の政策等を有権者が知る機会を拡充するため、選挙運動に従事する者のうち専ら要約筆記のために使用する者に対して報酬を支給することができることとするものである。 投票の機会を拡充するとともに、有権者が候補者の政策等をより知る機会があることは、選挙において有権者が適正な判断を行い、投票行動に活かすことができるなど、参政権の行使にとって重要であることに鑑み、地方公共団体の議会の議員の選挙においても、選挙運動のために使用するビラを頒布することができるものとすることについて、今後各方面の意見を聞くなど速やかに検討を進め、必要な措置を講ずるものとする。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(前田武志君) ただいま足立君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の起立をお願いします。 〔賛成者起立〕
○委員長(前田武志君) 全会一致と認めます。よって、足立君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(前田武志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時十八分散会