財政金融委員会 第5号
- 発言数
- 216 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2016/03/22
会議録
○委員長(大家敏志君) ただいまから財政金融委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十八日までに、吉川ゆうみ君、西田実仁君及び大門実紀史君が委員を辞任され、その補欠として中川雅治君、杉久武君及び小池晃君が選任されました。 ─────────────
○委員長(大家敏志君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大家敏志君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に竹谷とし子君を指名いたします。 ─────────────
○委員長(大家敏志君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として財務省主税局長佐藤慎一君外十二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大家敏志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(大家敏志君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 所得税法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行情報サービス局長高橋経一君の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大家敏志君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(大家敏志君) 所得税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○尾立源幸君 皆様、おはようございます。 今日は、麻生財務大臣を中心に質疑をさせていただきたいと思います。ちょっと質問がたくさんになっておりまして、今日、国土交通省から政務官、また航空局の安全部長にも来ていただいておりますが、そこまでたどり着けないかもしれませんけれども、そのときは次回よろしくお願いしたいと思います。 まず、法人税からお話をさせていただきたいと思います。 昨年に引き続き提案されておりますこの法人税減税でございますが、配付資料のちょっと一枚目を見ていただきたいんですが、企業のまず内部留保ですね。これは二〇一二年の年末時点で二百七十四兆四千億であったものが、二〇一五年末には三百五十五兆七千六百億円と、何と八十一兆三千六百億円も増えております。率にしますと三年間で一・二一倍に増加しているということで、すごい内部留保が、空前の内部留保が企業内には今あるということであります。一方で、同じ期間の人件費の総額を見ますと、百七十一兆七千八百億円から百六十八兆一千六百五十億円と、むしろ三兆六千億円も減少しておるということがこれデータで分かるかと思います。 また、法人税減税というのは、これまで度々議論になっておりますけれども、表面税率を下げるだけではなくて、いわゆる企業への租税特別措置があります。これも二〇一四年度には企業向け租特が一兆二千億円という巨額の減税がなされておりまして、しかも資本金が百億円超の企業への減税額が七千三百六十五億円と何と全体の六二%、大企業向けの減税が行われているということであります。この租特、企業減税は、安倍政権になってから順次規模を拡大しておりまして、我々が政権を担当させていただいたときの何と約二・三倍ということで、額にすると六千七百十億円も大盤振る舞いが行われております。 この委員会やまた予算委員会でも我が党の大塚議員が度々取り上げておられますように、この法人税減税を議論するときは表面税率だけでは議論してはいけないということであります。とりわけ、企業には租税特別措置や受取配当等益金の不算入措置などがあって、実際の法人税の負担の率というのは、表面税率から著しく低下、今しております。国税だけで考えますと、表向きは今二五・五%なんですが、そういった租特等を考えますと、現在実質は一七・八%と大変低い水準にあると我々は承知をしております。 そんな中で、安倍総理は経団連の会長に、法人税を引き下げるから設備投資と賃上げをしろと、このように会合でおっしゃっておられるわけでありますが、小後さんというある人が指摘されています。安倍さんのこの発言に対して、この人は企業経営をしたこともなく企業会計の基本も知らないと、こういうふうに指摘されているんですね。その心は、法人税は純利益に対して掛かる税金でありますので、税率を低くして残るのは配当原資と内部留保用でありまして、設備投資の減価償却や人件費の経費として計上されるぐらいなら、普通は、企業経営者ならば、法人税が高いほどその前に払ってしまえというふうに企業家は考えるということだと。その心であります。私も、当然、企業経営の経験があるので、非常にこの言葉というのは納得性があると思っています。 そこで、まず麻生大臣にお聞きしたいんですけれども、まず、経営者としての感覚からして麻生大臣は、この小後さんという方がおっしゃった、法人税率を安くすれば設備投資や人件費に回るということに直接つながらないということに対する御見解、どうお考えになるでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 経営者はいろいろいますから、まずはあなたのようなお考えもあれば、その何とかいう学者の考え方もあるんだと思いますが、別の考え方もあろうと思います。 まず、企業の立場からすれば、いわゆる今法人税率が高ければ高いほど、法人税の負担を小さくするために損金算入ということで計算される減価償却とか人件費などを増やそうとして設備投資や社員への配分を増やすようになるということなんだと思いますが、企業経営者というのは、その取り巻く経営環境をいろいろ考えますので、設備投資の拡大とか賃金引上げなどというものは経営環境というものを考えて、それで総合的に判断していくのは当然だと思っております。 法人税負担の関係も同様でありまして、様々な観点から考えていくので単純な話じゃないんですが、基本的には、資金調達コストを上回るリターン、いわゆるキャッシュフローですが、キャッシュフローというものを実現できるかどうかが一つのポイント、一番大きなポイントになるのかもしれませんが、そういった意味で、投資より実現するリターン、いわゆるキャッシュフローというのを増えることから企業が積極的に投資を行うという考え方もあろうかと存じますので、いろいろ考え方があるということです。 ただし、逆に税率が低ければ低いほどいいのじゃないかというような話をよくしている人いますけれども、それはそう単純な話じゃないので、企業経営者のマインドというものを考えた場合においては、投資拡大や賃金引上げにつながっていくという保証がなければ意味がありませんし、また、もうかっている企業が更に現金をため込んで内部留保が更に増えていくという、年間、約二十四兆だか五兆だか、増えていったのは過去この数年間ですから、そういった意味では、ため込むことになりますので全く意味がありませんということは、もう度々この種の会合で私の方から繰り返し申し上げてきているとおりです。 同時に、大事なことは、経営者のマインドが変わっていかないかぬのでありまして、今回も課税ベースの拡大を図りつつ税率を引き下げるということで、稼ぐ力の高い企業の税負担を軽減していくということで、収益力を高めるインセンティブというものをもたらすと同時に、その分が設備投資とか賃金の引上げとかいうものに、積極的かつ継続的に取り組んでいく可能性のある企業体質へ転換を促すというのが我々の本来の目的であります。
○尾立源幸君 そういたしますと、私の出した最初の資料、人件費への配分が非常に内部留保の伸びに比べて低下しているということ、一つ現実としてあると思います。 そこで、今回、春闘も大分進んできております。三枚目見ていただきますと、ベアの縮小が六割ということで、なかなか思ったように、企業減税をする、また、アベノミクスが成功していると言う割にはなかなか思った成果が私は出ていないと思っております。 そういうことで、まず大臣、今回の春闘についてはこういう客観的なデータを見るにつけ、どう評価されているのか、まずお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 三月の十六日でしたか、春闘のいわゆる集中回答というのが迎えたんですが、前年に比べましてベースアップの比率が少ないというのは私どももそう思っておるところはありますし、三千円のところが二千円だったり千八百円になったりいろいろしましたので、そういった意味では、ベースアップというのはこのところ、少なくとも安倍政権になる前、ベースアップなんてものは絶えて久しく忘れられた言葉で、ベアと書かれても分かっている人が少なくなった時代でしたから、そういった意味では随分と時代が変わってきたと思いますよ。ベースアップがと言われるだけでも、三年間の間ベースアップは続きましたから。 しかし、その額としてはいかがなものかというのは、おっしゃる意味はよく分かりますが、傍ら、一時金、いわゆる賞与とか一時金の方を見ますと、これは随分と増えておるところがありますので、過去二年間にわたります賃上げの流れというのは続いているように考えておりますが、内容については様々あろうかと思いますが、まだ中小企業の間ではこれは労使間の交渉がまだ継続しているという話でありますので、その経過をちょっと見守っておかぬと、今の段階でうかつなことは言えぬなと思って、やろうと思っておりますが、いずれにしても、これから回答されていく企業においては、自社の実情に見合った形での前向きな検討が望まれるという見解が財界の方では示されておるようでありますので、そういったことも承知しておりますので、是非とも一層の貢献とか賃金の引上げとかいうものを期待をしてまいりたいと、賃金の引上げというものを期待してまいりたいと思っておりますけれども。 少なくとも、やっぱり内部留保に比べて、賃金引き上げないで、この資料で一番問題なのは労働分配率ですよ。余り政治家の世界では使われない言葉ですけれども、労働分配率が七七、八あったものがもう七〇切っているんじゃないですかね、最近、そこらの方がよほど問題なんだと私にはそう思えるんですけれども。 是非、そういった意味で、労働分配率というのの絶対量を上げていくことを考えないと、私どもとしては、それに見合う生産性、労働分配率に見合うだけの生産性を高めようと思えばそれだけ設備投資が要るということにもなろうかと思いますので、そういったところの方がむしろ私どもとしては声を大にして言いたいところで、私どもが賃金を引き上げろと、社会主義経済をやっているんじゃありませんから、私どもとして過剰に賃金のアップに介入するのはいかがなものかと前からそう思ってずっと申し上げておりますし、これは主に労働組合の仕事であって、私どもは労働組合から応援されているわけではありませんので、直接その話を個別に表向いて聞くことはめったにないんですが、そういった意味では、是非そういった話を聞かれて、企業にいろいろ御縁がおありなんでしょうから、そちら側の方からいろいろ言われるのが最も正しいやり方なのかなとは思っております。
○尾立源幸君 本当、麻生大臣から労働分配率のことに触れていただいたのは有り難いと思います。私もそう思っております。 その前提として、ここはもう質問通告しておりませんけれども、じゃ、なぜ労働分配率が上がらないのかということで、私はやはり様々な企業の考え方、経済環境はあるんでしょうけれども、正規、非正規の問題というのが非常に大きいと思うんです。 そんな中で、御案内のとおり、正規社員の平均給与は四百七十一万だったかな、一方、非正規は百六十八万ということで、大きな差がある。また、その非正規が全労働者の四割を超えてきたという中で、私は、この働き方、雇用の仕方ということも大きな労働分配率が上がらない原因だと思いますが、ただ、安倍政権、麻生大臣もその一員でありますが、例えば派遣を全業種に拡大する等、また非正規化を促すような取組をされているということで、私、大臣がおっしゃっていることと非常に矛盾するんだと思いますが、その点についてはいかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 正規、非正規でまた全然別の次元の話だとは思いますが、ちょっとこれはまた、これ話すと話が長くなりますので、基本的に、連合としては非正規を連合の組合傘下に入れられたらどうです。直接話をしたことが何回もありますよ。何回も言ったことありますけれども、民主党からその種の話は聞かれませんでしたと。で、言ったんですけれども、言ったことはおありになるそうですよ。(発言する者あり)そうですか。対応しませんものね。そっちの方をしっかりやられたらどうです。私は基本的にそう思いますけどね。
○尾立源幸君 連合さんは、特に我々も支援もいただいておりますし、そういう対話もして、特に非正規の方の多いUAさんなどは、これはサービス業の皆さんが集まっているところですけれども、非正規の方を組合員にして、しっかり労働条件、賃上げも含めてやっていこうという取組は相当やっていらっしゃいます。やっています、連合もですね。そういうことで、その現場現場でやっているんです。 ただ、私は、その一方で、非正規化を促すような雇用制度を政府はどんどんつくっていくことも、もですね、私は大きなこの格差が埋まらない理由だと思っているんですが、その件についてはどうですか。もっと正規化を促すような方向に政策全体を持っていくべきじゃないかということであります。御意見をお聞かせください。
○国務大臣(麻生太郎君) かなり景気が悪くなってくると当然非正規化が増えてくるんだと思いますので、景気が良くなったに伴って正規が上がってきていることは確かだと思いますが、昔と考え方は変わってきているんだと思いますね。 少なくとも、完全に少なくとも終身雇用という時代で対応していったままでは、とてもではないけれども今の大きな経済の変化、そういった大きな変革の時代には対応できないと。したがって、労働市場はもっと自由化されるべきだという考え方にやったのがアメリカ、そういったことを余り乗らなかったヨーロッパに比べてアメリカの方が確実にうまくいって、少なくとも経済的にはヨーロッパより確実に活性化されたことは確か。 同時に、付いて回るものは必ずありまして、貧富の格差が広がることです。だから、これは景気を良くしておいた上で貧富の格差を縮めていくという順番にしないと、貧富の格差を縮めたままでずっと上に上がるというのは、なかなかこれまで見た中でうまくいった例は余り過去にないような気がしますので、私どもとしては、まずはそういったようなところから発想なのであって、あれまで開いちゃうと今のようなアメリカの大統領候補見ても極端な人が二人候補者に上がってきているみたいに見えざるを得ぬのは、そういった見方を、私たちは外の話ですからよく見えませんけれども、そういった形になるというところまで行くのは、行っている現実というのは、アメリカにとって極めて厳しい状況かなと思っていますけれども。
○尾立源幸君 私、今回のアメリカの大統領選、予備選を見ていても、アメリカでもこの格差についてもうそろそろ限界だという声が多くなって、トランプさんやサンダースさんが私は支持されているんだと見ております。とりわけサンダースさんは社会民主主義者ですので言うまでもないんですが、トランプさんもいわゆるウォール街だとかワシントンの既得権にチャレンジするということが受けておるわけですよ。そういう意味で、あの格差を許容するアメリカ社会ですら、そろそろそういう考え方はもう、企業さえもうかればトリクルダウンが起こるんだみたいなことは通じないよと私は言っているメッセージだと思っております。 そういう意味で、麻生大臣がおっしゃるような私は考え方に立たなくて、やっぱり格差をできるだけ縮めながら、この日本全体が成長していくという方向を目指すべきであると、私はヨーロッパ型を目指すべきであるということをまず申し上げたいと思います。ここは考え方の違いでしょうけれども、私はヨーロッパ型の資本主義が望ましいという立場に立っておるということであります。 経済の状況についてはこのぐらいにさせていただきますが、次は、今回の税制改正法案の一番大きな問題点であり、財源なき中でよくもまあこんなことをやるなという軽減税率を取り上げさせていただきたいと思います。 本会議でも指摘をしましたけれども、これは結局、筋悪の金持ち優遇の制度なんですよ。一千万円以上の収入の世帯の方に一千四百億円恩典があって、三百万円以下の世帯収入の方には千百億しかないということで、完全に金持ち向けのこれ軽減税率なんですよね。 我々はそういうことを目指してきたはずじゃないですよね。低所得者の方に痛税感を和らげるために何らかの措置が必要ということでやってきたわけでありますので、そういう意味で、低所得者対策を行うのであれば、やっぱり消費税の払戻しである給付付き税額控除の方が制度としては私たちははるかに優れていると今でも思っております。 また、本会議でちょっと時間がなかったんですが、真の社会保障と税の一体改革についても改めて議論をしたいと思っております。 御案内のとおり、この一体改革は、消費税を含む税制改革と社会保障給付の充実を一体で行うという意味に加えて、社会保障給付と税額控除を制度として一体化させるという考え方で、世界各国でも導入されております。これは資料四枚目でしょうか、各国の給付付き税額控除導入事例ということですね、おおよそ先進国広く導入されているものであります。 まず、一つ二つ紹介をしたいと思いますが、勤労所得税額控除というのがあります。これは、所得税の納税者に税額控除を与え、控除し切れない方や課税最低限以下の方にはマイナスの税額控除として現金給付を行うものであります。従来の控除の場合は納税額が少ない方や課税最低限以下の方には恩恵を十分に及ぼすことができないのですが、これですとまあある意味キャッシュバックになるわけで、給付と組み合わせることでより良い制度になるということであります。 したがいまして、単に手厚い給付のみを行うということだと、勤労意欲を損ね、貧困のわなに陥る危険性がありますが、この勤労税額控除を使えば、勤労を促進しつつ、対象者をきちんと限定して必要な給付をしっかり行うことができますので、まさにこれは社会保障・税の一体改革の典型とも言えるわけであります。この控除の導入事例は、アメリカ、イギリス、オランダ、スウェーデンなど、これは先ほど麻生大臣の例に出されたアメリカでもやっておりますし、ヨーロッパでもやっているということであります。 それと、もう一つ、今保育園に入れないことが非常に国会でも社会的にも大きな議論になっておりますけれども、この子育て世帯を支援するための児童税額控除というのもあります。これも、御覧のように、アメリカ、イギリス、ドイツ、カナダなど多くの国で導入されております。子供の貧困が社会問題となる中、未来のためにも、我が国においてこの児童税額控除などをしっかり導入すべきだと思っております。 そもそもマイナンバーというのは、こういう税額控除をしっかり入れていくためにも入れたわけであります。そして、いよいよこのマイナンバー制度も始動し始めましたので、私は、まさに税制と社会保障給付を一体化することで、より効率的に必要な支援をピンポイントで行うことができると考えております。 したがいまして、是非、一兆円もの財源が必要で、対象品目の線引きも曖昧で、中小事業者を中心に事業者の手間を増やし打撃を与えるような軽減税率はやめて、今申し上げました給付付き税額控除、勤労所得税額控除、子育ての児童税額控除、こういったものを併せて私は導入を進めるべきだと考えておりますが、麻生大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 御存じのように、この軽減税率制度というものは、平成二十四年の六月の三党合意に基づいて、税制抜本改革法の中で三つあったうちの一つで、給付付き税額控除、総合合算制度と並んで低所得者対策候補の一つとして議論の対象となっていたものだと存じます。 今御指摘のありました給付付き税額控除、これはもう対象を低所得者に絞ったという点においては、これは間違いなく、いわゆる、何というの、利点があるんだとは存じますが、給付が実際の買物をするときのタイミングとか購入額とは全く関係なく、消費税そのものの負担が直接軽減されるものではありません。したがって、消費者にとって痛税感の緩和を実感しにくいという点が一つ。 また、所得とか資産の把握、執行可能性などなどの問題がありまして、さらに、これらの問題が原因となって生じます過誤支給とか不正受給とかいったものが起きているというのは、これはアメリカの、マイナンバー制度がアメリカもありますのは御存じのとおりですが、勤労所得税額控除の適用額約六百三億ドルのうち二割、約百三十三から百五十六億ドルの過誤、不正受給というのが推計をされているところであります。 一方、軽減税率制度というのは、そもそも制度上、低所得者を対象に絞るということは困難、もうこれははっきり最初からしております。日々の生活におきまして、幅広い消費者が消費、利活用しておられます商品の消費税負担を直接軽減するとともに、買物の都度いわゆる痛税感の緩和を実感できるという利点から今般導入を決定をさせていただいたところですが、これに伴いまして、給付付き税額控除というものは、いわゆる消費税率引上げに伴う低所得者対策として実施することはないということだと存じます。 また、御提言のありました勤労所得税額控除と児童税額控除の点につきましては、これはいわゆる消費税の逆進性対策とは別に、子育て支援とか就労意欲の向上、そういった一定の政策目的の下に税額控除を行った上で、いわゆる控除し切れない分を給付するといった制度なんだと思いますが、諸外国でこれを導入しておられる事例というのはございます。給付付き税額控除と同様に所得や資産の把握が難しいといったのは同じことですが、過誤や不正受給といった支給の適正性の確保の問題に加えて、既に実施されておられます同じ政策目的の制度、例えば児童税額控除と児童手当とか、勤労所得税額控除と生活保護制度といったような関係をどのように整理するのかといった課題はもう一つこれ考えないかぬところなので、この点につきましては慎重な検討が必要なんであろうと、そのように考えております。
○尾立源幸君 大臣やっぱり大事なことをおっしゃって、今回の軽減税率なり給付付き税額控除というのは、本来、低所得者対策を行うというのが目的ですよね。逆進性対策というのがこれ大義だったと思うんですけれども、今御自身おっしゃったように、軽減税率は低所得者に限っては行えないとおっしゃいました。まさに私申し上げましたように、世帯収入一千万以上の方に一千四百億円もの消費税がある意味、還付されるというか戻される。一方、三百万以下の世帯には千百億円しか戻されないということで、まさに金持ち優遇の軽減税率じゃないですか。多分、麻生大臣も同じことをおっしゃっていると思うんですよ。額は私がこれ今財務省さんとやり取りして承知している額なんですけれども、結果的に低所得者には一千百億、高所得者には一千四百億もの消費税が戻されるわけですよ。 この点について改めて、そのとおりというならそのとおりで結構ですし、制度としては本来目的としていたものと違うねということならばそれで結構ですので、お考えをお聞かせください。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、度々これまで申し上げてきておりますので改めて申し上げるのもいかがかと思いますが、いわゆる軽減税率を導入した場合に、これは家計調査に基づいて機械的な計算というのを紹介させていただきつつお答えをさせていただくことにならざるを得ぬのですが、消費税の逆進性の緩和という観点からは、これは家計調査に基づいてみますと、いわゆる消費支出全体に占める割合は、一千五百万円以上の世帯では一五%程度にとどまりますけれども、二百万円未満の家庭では三〇%と。いわゆる痛税、率が高くなるという点を度々申し上げてきたところでもあろうと思いますので、収入に対する割合は低所得者の方が高くなるということなんだと思っております。 さらに、家計調査に基づきますと、平均世帯収入は約六百十一万円なんですが、これを、年収約六百五十万円未満の世帯の消費税の負担軽減額というのは全体の六割を占めておりますので、年収の多い世帯というものは世帯人員が多い傾向があるんですが、世帯当たりで見ますと、いわゆる世帯人員が多いということでもあろうかと存じますが、負担軽減額が大きく出てしまう傾向があることも確かなんだと思っております。 いずれにいたしましても、高所得の方々に過大な恩恵が及んでいるわけではありませんし、低所得者対策としては、このほか、私どもとしては、この軽減税率のほかに、今回のいわゆる消費税のアップすることによって、それに伴いまして低所得者には年間の補助が年収一定以下の方とかいう方に対しては大きく出ますし、いろんな形での補助とかそういったものもその他の部分で大きく出てくると思っておりますので、軽減税率だけではなくて、私どもとしては、消費税率全体の引上げによって被る利益というものは低所得者の方がはるかに大きいという計算になろうかと存じます。
○尾立源幸君 いや、これはもう水掛け論になるかもしれませんけれども、財源探しに四苦八苦する中、また場合によっては、その財源が、例えば教育予算が削られるだとか、皆さん方が一生懸命やっている自衛隊の予算が削られるとか、そういうこととの引換えに、そこまでして高所得者にまで消費税をお返しする制度がいいのかどうかということを言っておるわけであります。 とりわけ、財源探しもこれから始まるわけですけれども、その中身によってはまたとんでもない話になりかねないわけでありますので、私は、一刻も早くこれはやめるべきであると、きっぱり断念すべきであるということ、しかもそういう無責任な制度を伴った消費税の引上げには断固反対ということは申し上げたいと思います。 それでは、次にディスクロージャーの問題について移らせていただきたいと思います。 東芝事件を受けて、いろんな調査結果も今出てきております。私も、第三者委員会の報告書だとか金融庁さんの処分の経過などもお聞きをいたしました。経営者、まあ会社、監査人等々、それぞれいろんな責任やまた落ち度もあったというふうには理解をしておりますが、これからのちょっとディスクロージャーの在り方を少し議論をさせていただきたいと思います。 私、率直に申し上げますと、今のままぎゅうぎゅうぎゅうぎゅうやっても、質の高い監査というのは私は到底できないんじゃないかなと実は思って、この前、金融庁の方ともお話をさせていただきました。ですので、少し前向きな提言であるということを御理解いただいた上で質疑をさせてもらいたいと思います。 まず、監査の時間の問題なんですね。そこで、今の制度を少し申し上げますと、三月決算ということを考えますと、まず一番最初に決算短信というのが発表されます。その後に、会社法及び金商法による開示、ディスクロージャーということになって、これらの開示制度と監査期間の関係を私は整理する必要があると思っております。そうすることで、決算日から監査報告書提出日までの期間が十分に取れて高品質な監査ができるようになると考えております。 そこで、まず順番に見ていきますが、まず決算短信と監査の関係です。 決算短信は、東証の自主ルールで決算から四十五日以内、できれば三十日以内の開示を求められています。本来、決算短信というのは正確性よりも開示の速さが求められているんですけれども、諸外国ではそのため監査を受けていない数字を発表することが多いんですが、日本の企業は、これは体質なんでしょうね、多分、一旦発表した決算短信の数字と本決算の数字が違うと、格好悪いというのか、信頼性がないというのか、担当者が怒られるというのか、私はよう分かりませんけれども、とにかく決算短信の数字と本決算の数字がぴたりと一致しないと嫌だと、こういう希望があって、本来監査が要らない決算短信にまで企業側は監査を付けてくれと、こういうふうに注文することが多うございます。 その結果、資料をちょっと見ていただきたいんですけれども、最後のページ、上の方なんですけれども、資料にあるとおり、監査報告提出日が決算短信の発表日の期限である四十五日に限りなく近い四十二日になっています。これ、二番目の丸のところであります。諸外国では、じゃ、監査報告の提出日はどのぐらいかというと、大体約六十日から八十日という幅があるに対して、日本は何と四十二日なんです。東芝に至っては何と三十六日、もう一か月で全部やって数字を固めなきゃいけないという、大忙しですよね。こういう状況であるということです。 企業に対して、私は決算短信にまで監査を付けないように求めることが監査に十分な時間を掛けるためにまず必要なことであると思いますが、金融大臣、いかがでしょうか。これ東証の自主ルールですからね、その前提でお答えください。
○国務大臣(麻生太郎君) これはいろいろな御意見があろうと思いますので、一次QEと二次QEが違ったら、それだけ気にしている人がどれだけいるだろうかという話ですよね、簡単なこと、大きな例でいえば。中国のGDPが、日本の十倍の国民の総数で国土が二十何倍もあって、GDPは翌月出ますから。ほう、日本より早く、十倍もでかいところが日本より早くできるんだって思って、誰も信用してあれをまともに聞こうとはしない。事実でしょう。これを言うとまた中国の人はわんわん言うけど、事実だから。やれるものならやってみろと、俺たちほど正確に出せるかと、毎年違うじゃないかというので、最初にあんたら数字作って後からはめているんじゃないのと面と向かって言ったことも何回もありますから、私のことですから。 そういったようなことで、これはもうかなり今の言われたような話というのは、間違いなく、有価証券取引の方は三か月かな、あっちは、こっちは四十五日ですかね、だから、そういった意味では、決算報告も三週間ぐらいですけど、大分これ違っているんだと思っているんですけれども。私どもとしては、この件に関しましては、いわゆる監査期間というのを確保するのももちろん大切なんだと思いますけれども、やっぱり公認会計士が会社に対して、何でしょうね、職業的な懐疑心というものを持ってもらわぬと、何となくなれ合いになっちゃう、長い時間になっちゃうと、こっちの方がよほど問題なんじゃないのかねと、私にはそういう感じがするんですけれども。 いずれも、決算短信の監査を行っているということなんですけれども、この期間が短期間になっているためにということなんだと思いますけれども、確かにおっしゃるように、これアメリカで約六十日ですね、こういったようなものを見ますと、いろいろ、この四十五日とはいかがなものかという御意見が出てくるのは分からぬことはありませんけれども、これは現在、金融審議会の方のディスクロージャーワーキング・グループにおいて議論がたしか今行われている最中だと記憶をしますので、そういった意味では、その結果を踏まえてちょっと両者間でも、東証との話ですから、両者間で対応を、企業との間で行っていただかなきゃいかぬということなんだと存じます。
○尾立源幸君 我が国の政府のGDPの速報値も一次、二次とあるように、あれも変わりますよね、結構。私は変わっていいと思うんです、元々趣旨が速報性でありますので。是非、大臣、その辺は現実に沿ってお話をしていただき、元々要らないやつですからね、何も、求めなくていいじゃないかということで、逆にその監査の質を高めるような方向に持っていっていただきたいと思います。 その次に、もう一つ、丸、下をちょっと見ていただきますと、今度は株主総会との関係であります。 実は、会社法上というのは、決算から株主総会開催までの期限というのは定めていないんですね。別に会社法の中には書かれていない、何か月以内に決算しなさい、株主総会しなさいということは書いていない。しかし、議決権行使のための基準日を定める場合は、これ株主さんのですね、基準日株主が行使することができる権利は当該基準日から三か月以内に行使するものに限られると、こういうふうに会社法百二十四条第二項に決まっています。通常、多くの企業はこの基準日を決算の日に定めるため、結局、株主総会は決算日から三か月以内に開くことにつながっているということであります。というのも、株主総会の準備を考えると、五月中旬には監査報告書を提出するためなんです。この面からも、監査報告書提出までの期間が四十二日と短くなっている。これもまた四十二日と短くなる理由の一つであります。 そこで、他国をちょっと見ますと、決算日から株主総会までの期間は、どうですかね、他国を見ますと百二十日程度、日本の東証一部だと大体八十五日ぐらいなので、またこれ一か月以上の差があるんですね。 私は申し上げたいんですが、昔のシンプルな企業だったら割とできたと思うんですが、今、グローバルで、非常に事業部とかカンパニーもいろいろ多いのを連結したり、それから会計基準も国内、国際といろいろある中で、そろそろこの基準日の三か月というのを一か月ずらして四か月にして、ここは麻生大臣のお好きな欧米、特にアメリカに近づけてもいいんじゃないかと実は思っているんです。そうすることで、企業も会計士も、しかも投資家も株主も信頼性のある監査報告、財務内容のチェックができれば、私はみんな逆にハッピーになると思うんです、この一か月をずらせば。こういう提案なんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、知っていて聞いておられるんだと思いますが、これは会社法の話になりますので、これは基本的には財務省の所管ではなくてこれは法務省の所管だと思いますので、法務省を呼んであるんだと思いますので、その法務省の方に聞いていただくことが大事なんで、整合性等々を考えていただいて、私ども別にこれにこだわるわけでもありませんので。
○副大臣(盛山正仁君) 委員よく御承知のとおりでございまして、先ほどの御説明にもありましたが、株主総会における議決権は株式の経済的価値に利害を有している者が行使するのが望ましいということで、三か月以内という基準日から権利行使日までの期間について長過ぎるという批判も海外中心に見られるところであります。したがって、その期間を延長し、四か月以内とすることは相当ではないと考えております。 そもそも、会社法上、議決権行使の基準日を決算日とする必要はございません。議決権行使の基準日をいつにするかは各企業の自主的な判断に委ねられているところであります。仮に会計監査人による監査期間を十分に確保するため決算日から四か月後に定時株主総会を開催する必要があるのであれば、決算日より後の日を議決権行使の基準日とすることにより実現することができると考えております。
○尾立源幸君 これ、みんなが協力して、質の高い監査をして、有益な会計情報をちゃんと届けようという話をしているんですよ。 今大事なことをおっしゃられた。海外から基準日が長過ぎるという批判が、何、たくさんある。どこにあるの、どこからどう出ているんですか。国名と、どの程度の。
○副大臣(盛山正仁君) 日本の年次株主総会に関するアジア・コーポレート・ガバナンス・アソシエーションのところからそのような御提案がございます。
○尾立源幸君 どこの国ですか。
○副大臣(盛山正仁君) 国ではなくて、アジア・コーポレート・ガバナンス・アソシエーションという機関であります。
○尾立源幸君 それは何ですか、公的な権威ある何かものなんですか。
○副大臣(盛山正仁君) 我々としては、十分に権威がある団体であると考えております。
○尾立源幸君 何でアジアだけなの。ヨーロッパはないの、アメリカとか。
○副大臣(盛山正仁君) 我々としては、今承知しているのはこれでございます。
○尾立源幸君 じゃ、僕がこれ例に出したいわゆる先進国の欧米の話と違うじゃないですか。どこ見て話しているんですか、あなた。
○副大臣(盛山正仁君) 先ほども御答弁したとおりでございまして、決算日と株主の基準日、ここのところに御着目いただきたいと思います。
○尾立源幸君 麻生大臣、こういうような頭の固い法務省なんですけれども、少し調整していただいて、前向きな話ができるように。これはみんながハッピーになることでありますし、特にこの欧米はそんな中でこういう監査をやっているわけですよね、質、量共にしっかりしたやつを。大臣、どうかリーダーシップを副総理として発揮していただきたいと思うんです。
○国務大臣(麻生太郎君) これは基本的に企業の話でもありますし、企業と公認会計士と東証といろんなところの関係が全部出てくるんで、これは簡単な話じゃないとは思いますけれども、これまで長いことやってきましたので、かつて総会の日にちも五月から六月に変えるのに随分あのときもいろいろありましたのは御記憶のある、生まれられる前ですかな、そんなことないね、あれ、一か月ずらしましたもんね、あのときは。そういった経緯がありますので、私どもとしては、大分前にこれ一か月ずらしたんですけれども、更にという話ですけれども、海外のを比較して見てみてもというのは非常に説得力のある数字だとは思いました。
○尾立源幸君 ありがとうございます。 盛山さん、もう少し、法務省の言いなりにならずに、ちょっとこういう企業の面からも少し問題意識を持っていただきたいんですが、どうです。
○副大臣(盛山正仁君) 先ほど麻生大臣からもお答えがあったところでありますけれども、まずは各企業の自主的な判断であるということ、そしてさらに、委員の御指摘、我々もそういうような御意見があるということは重々承知しておりますので、金融庁とも連携を取りつつ、適当な措置があれば検討してまいりたいと考えています。
○尾立源幸君 どうも前向きな御答弁ありがとうございます。 それでは、ちょっと順番が入れ替わってしまったんですけれども、国税庁の職員の定員について再び、本会議でもこれやらせていただいたんですが、担当大臣の麻生大臣にお聞かせをいただきたいと思います。 今回、一〇%への再増税のことやら、また昨年の一月から相続税が増税されたことで納税義務のある人が増えた、また問合せが今じゃんじゃんあるというような現場では状況でありますし、今回の附則でも、「消費税の軽減税率制度の円滑な導入及び運用に資するための必要な措置を講ずるものとする。」と明確に書かれているわけであります。 本当に必要な措置が講じられたのかどうかということでありますが、今回の定員の査定では、消費税の軽減税率制度に関する相談等の対応のためということで国税庁定員を百三十二人増員されていますが、御案内のとおり全国には十二の国税局と五百二十四もの税務署があります。私はこの査定では十分と言えないと思っておりますし、更に問題なのは、この百三十二人の増員がある一方で、他の要素で減員、減らして、国税庁全体では二十八年度は二十四人の純減となっています。過去五年で延べ五百九十七人も削減されているわけであります。 そこで、まず大臣にお伺いしたいんですが、大臣は国税の組合の委員長さんなんかとは直接意見を交換される機会はあるんでしょうけれども、現場の、本当に仕事を現場でしていらっしゃる方々と意見交換をされたことはありますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には、偉い人を含めて国税庁と財務大臣が直接話をするということは基本的にありません。
○尾立源幸君 政府の一機関でありますので、私は、麻生大臣も多分、税理士さんによる後援会なんか当然あるわけですよね。昔は多分確定申告なんかも見に行かれていたと思うんですけれども。 やはり最近お偉くなられると、なかなか現場との距離感ができてしまうと思うんです。やっぱり行政のトップ、社長として、私、現場に行っていろんな実態を把握されること、直接声を聞かれることというものは大事だと思います。今は予算委員会等々、年度末で難しいと思うんですけれども、是非時間のあるときに現場の視察に行って少し耳を傾けていただければなと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 今言っておられる意味が税理士という意味なのか、いわゆる税務職員という話になりますと、これは財務大臣が直接、国税庁長官ですらなかなか話をするということはあらぬ余計な話になりかねぬと皆さん方から言われるか、与党から言われることはありませんけど、皆さん方から言われるか、新聞から言われるかすることがこれまで度々ありましたものですから、国税庁長官と財務大臣が話をするということは任命するとき以外はまずないものです、基本的には。それが一点。 それから、各地を回るという話になりますと、これまた更に難しくなって、どの税務署とどれをやるかという話になりますと、これはまた話が更に難しくなってきますので、私どもは分からないように会わないかぬとなると、いかにもこそこそ何か悪いことをしているような話になるのもいかがなものかと思いますので、それは税務署の職員の士気としてはいかがなものかということになりかねませんので、私どもとしては、会うときというのは退職した人に会うという、基本的な、そういう形でしかなかなか会えないと。退職した人というのは総じて税理士になっている人が多いんですけれども、そういった形のもので、現場職員というのは国税庁の職員というのはなかなか難しいというのが実態です。
○尾立源幸君 いや、何かちょっと理解に苦しむんですが、個別案件に何か首を突っ込むというのはもちろんそれはいけないことだと思うんですけれども、自分の組織の一現場を見て回るということはどの組織でもやっていることじゃないですかね。例えば、国交省だったら海上保安庁に行ったり、総理はこの前行かれましたよね。そんなことで、どこを私は視察されるのも行政の長としては当たり前じゃないかと思いますが、いかがですか、改めて。国税庁の長官と別にしゃべれと言っているんじゃなくて、現場の税務署なり、現場に視察に行かれて現場の職員の方の生の声を聞かれるのはどうかということであります。
○国務大臣(麻生太郎君) 今お答え申し上げたとおり、繰り返すようで恐縮ですけれども、これまでそういったことがあらぬ疑いを受けかねないというところで、当然、財務大臣が例えば何々県何々省所管の税務署に行くと言ったら、それは間違いなくその地元では騒ぎになりますから、新聞に載りますから、隠密裏にこっそり行けということになると、こっそり行くということは何だか、何で隠れて行かないかぬのですかと、おかしいじゃないですかということになりかねぬということなんじゃないでしょうかね。
○尾立源幸君 いや、納税者からしても、国税を担当する財務大臣が我が町に来て税務署さんの仕事ぶりを視察して帰ったというのは、これは私はいいニュースになると思うんですけどね。何でそんなネガティブに考えるんですかね。それは何か役所の暗黙のルールみたいなのがあるんですかね。私は、こそこそやる必要なくて、全くやる必要なくて、堂々と今日行くよと言って行けばいいんじゃないですかね。
○国務大臣(麻生太郎君) これはこれまでの長い間の経緯なんだと思いますけれども、いわゆる主税局とは話をしても、国税庁と話をするということは財務大臣というのは努めて避けねばならぬ、あらぬ疑いを受けるということになって、つくられてきたのは、これは野党でつくられたんじゃないんですか、こういう風習は。自民党は別にそれに余り関係なかったと思いますけれども。そういったことを長いことやられたのは、新聞のおかげか、何かいろんな意味で長いことになられたんじゃないんですかね。ですから、やらせていただいてもちっとも私ども構いませんけど、そのときにあらぬ騒ぎになったときの責任は尾立さんに取ってもらってもしようがないですからね。
○尾立源幸君 まあ、私が責任取る話じゃないですが。 多分、昔、そういう直接介入みたいなことで何か陳情事をねじ込んだのかもしれませんよね。そういうのがあって、それ以来やめようということになっているのかと。もう清廉潔白な麻生大臣ですからそんなことはあり得ないわけですから、私ごときの首なら何ぼでも差し出しますけれども、是非、そう言わず、少なくとも委員長さん始めのお話もあるんでしょうけれども、それを確かめる意味でも是非現場に行っていただきたいという御要望はさせていただきたいと思います。 最後に、改めて、実調率が低下しているというお話も本会議でさせていただきました。もう本当に個人なんか一%ということですので、百年に一回ということです。こういうのではやっぱり牽制効果も働きませんので、しっかり私はこの実調率を上げるためにも、公平な行政をやっていくためにも、何としても国税の職員さん、本当に日夜懸命にいろいろ厳しい中、御案内のとおりウエルカムじゃないんですよね、納税者の方からは。嫌な思いをすることが多いんですよ。そんな中、一生懸命歯を食いしばってやっていただいていますので、何としても財務大臣として定員をしっかり確保していくという決意をもう一回聞かせてください。
○国務大臣(麻生太郎君) 加えまして、今やっぱり税というものは昔より複雑になりましたし、毎年税制というのは、みんないろいろ税制を変えられますでしょう、毎年。毎年変えられますものですから、毎年その度々に法律を変えにゃいかぬということになる。 加えて、それは国際化しました上に、BEPSなんという国際的なものも全部これ日本も一緒にやらないかぬというルールに変わりますし、加えて、これにICT、いわゆるインフォメーションとコミュニケーションのテクノロジーというICTが入ってきましたものですから、更に話が込み入ってきて、いろんなものが昔に比べて手間暇掛かることになってきたし、複雑化したというのは事実でありますので、それに合わせて税務職員の質も変えないかぬでしょうし、税務署の質も上げないかぬでしょうし、同時に質と、こっちも機械化で対応するにしても、それだけでも限度があろうかと思いますので、人数というものをある程度確保せないかぬということは、私どもも基本的にそう思っております。
○尾立源幸君 じゃ、是非現場の御苦労をまず理解していただいて、適正な税務行政のためによろしくお願いしたいと思います。 あと、またこれは話、がらっと変わるんですが、今般、社会福祉法人への会計監査人の設置というのが検討されております。これは高い公益性と非営利性ということもあって、また、ちょっといろいろ問題もあったということもあって、この社福への会計監査の導入が検討されておりますが、この目的について簡単にお聞かせをいただきたいと思います。 それで、この改正は法律の成立が前提ですが、いつから行われるのか、教えていただきたいと思います。
○副大臣(竹内譲君) お答えいたします。 社会福祉法人は公益性の高い非営利法人でございまして、福祉ニーズが多様化、複雑化する中、その果たす役割はますます重要になっております。 こうした社会福祉法人の在り方を徹底する観点から検討が行われまして、平成二十六年には規制改革会議における議論を基に閣議決定された規制改革実施計画におきまして、一定の事業規模を超える法人に外部機関による会計監査を義務付けるとされたところであります。また、平成二十七年には厚生労働省の社会保障審議会福祉部会の報告書におきまして、必要なガバナンスや財務規律を確立するため、一定規模を超える法人に対して会計監査人による監査を義務付けるとの提言がなされたところでございます。 これらを受けまして、今般の社会福祉法等の一部を改正する法律案におきまして、社会福祉法人の経営組織のガバナンスの強化と財務規律の確立を図ることを目的として、会計監査人制度を導入し、一定規模を超える社会福祉法人に対してその設置を義務付けることとしたところでございます。 いつからということでございますが、改正法案附則第八条におきまして、平成二十九年度、最初の定時評議員会の終結のときから適用されるということになっておるところでございます。
○尾立源幸君 分かりました。二十九年度ですね。 次いで、社会福祉法人への会計監査人の設置は、社会福祉法人のうちどのような法人を対象とするのか、その基準、また狙いについてお聞かせください。
○副大臣(竹内譲君) まず、この義務付ける法人の規模につきましては、監査の受入れに係る事務体制や監査費用の負担能力を考慮する必要があると考えておりまして、今後法案が成立した場合には、施行までの間に、専門的な検討を行った上で決定していくこととしておりますが、これまで社会保障審議会福祉部会におきましては、事業活動計算書におけるサービス活動収益の額が十億円以上又は貸借対照表上の負債の額が二十億円以上の法人とすることが適当との提言が行われておるところでございます。 いずれにいたしましても、法案が成立した場合には、専門的な検討を行った上で施行までの間に速やかに決定してまいりたいというふうに考えております。
○尾立源幸君 それで、会計監査人が監査をする際には、やっぱり大事なのがその監査の基準、内容なんですが、これは今どのようにどこで検討されて、いつ頃この詳細が決まる予定でしょうか。
○副大臣(竹内譲君) 御指摘の点でございますが、現在、公益法人会計基準や企業会計原則を参考にいたしまして、日本公認会計士協会の協力を得て、平成二十三年度に社会福祉法人会計基準を作成し、平成二十七年度から全ての社会福祉法人に適用しているところでございます。 今回の制度改革において導入する会計監査人による会計監査につきましては、この社会福祉法人会計基準に従い、財務諸表が適正に作成されているかを監査するものでございます。その会計監査の具体的な手法につきましては、会計監査の中で社会福祉法人の公益性、非営利性をチェックする視点などが必要であると考えておりまして、法案が成立した場合には、日本公認会計士協会等の協力を得ながら、専門的な見地から検討いたしたいと考えております。
○尾立源幸君 じゃ、これから監査基準については検討するということですかね。
○副大臣(竹内譲君) ベースは今申し上げたとおりでございまして、その細部等でございますが、これは今申し上げたとおりでございまして、日本公認会計士協会などの協力を得ながら、専門家の皆様の御意見を種々取り入れて検討したいというふうに考えております。
○尾立源幸君 もうメンバーは決まっておりますか。
○副大臣(竹内譲君) これも日本公認会計士協会の幹部の皆様と今検討中であるということでございます。
○尾立源幸君 それでは、これから徐々に詰められていくということでありますが、今回の社福への会計監査人の設置義務化をきっかけに、社福の運営の透明性が高まって、より信頼される法人制度になることを祈念をいたしまして、私の質問を終えたいと思います。 今日は航空局の方に来ていただいて、やっぱりたどり着けませんでした。また次回ということで、申し訳ございません。 ありがとうございました。
○礒崎哲史君 おはようございます。民主党・新緑風会の礒崎哲史でございます。よろしくお願いを申し上げます。 私の方からは、冒頭、先ほど尾立委員の方からも少し質疑のやり取りございましたが、春闘に関してお話を伺いたいというふうに思います。 今までの政府の政策含めて、アベノミクスの着実な積み上げという意味でいけば、好循環を回すという意味で、政労使の場も持たれました。その意味では、今春闘に対しての期待は政府としても非常に大きかったのではないかなというふうに私自身受け止めておりますけれども。 先週の水曜日、十六日になりますが、大手ではありますけれども、集中回答日を迎えました。まずは、回答の状況を見て、政府としての受け止め、麻生大臣としての受け止めをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 集中回答日が三月の十六日、主にゼンセンとか鉄鋼労連とか自動車総連とか大きなところが主だったんだと思いますけれども、幅が小さい企業も確かに多く見られましたけれども、一時金等を見ますと前年比増の回答がされておりますので、我々から見ますと、これまでの二回にわたっての春闘のいわゆる賃上げの流れというのは続いているのではないかなという感じが率直なところです。 個別の業界とか企業とかを見ますと、これは様々なんだと思いますけれども、これから来週に向かって回答される企業においても、自社の企業の内容に応じて前向きな検討が望まれるという話を経団連等々もされておられますので、そういったものを見ておりますので、私どもとしては、そういったのがまだ答えが出てくる前ですから、今そういった方々の答え、もう本当に同じ業界でも随分違いますので、そういったところは、何となく横並びみたいな話じゃなくて積極的にしていただけるということを期待しております。
○礒崎哲史君 先ほどの尾立委員とのやり取りでは少しベアという発言にも触れられておりましたので、そういった回答になるのかなと思ったら、今は賃上げの流れということで微妙に表現が変わりました。賃上げの流れというと、平均賃金、通常の月例賃金に加えて一時金も入りますので、総額という意味ではその大きな流れは続いているというような御趣旨でお話をされたんだというふうに思います。 その一方で、少し中身を分けますと、やはり一時金の部分大きく積まれておりますが、月例賃金という部分では少し、一部報道では組合の要求が低かったのではないかという厳しい報道もありましたけれども、それはあくまでも個別企業の実態として労使の関係の中で要求されたわけですから、私はそういうものだというふうに思いますが、ただ、今回、回答を終えたある大企業の幹部の方のお話では、潮目が変わったという表現をされた方もいらっしゃいました。これは、やはり今まで続いてきた国内の様々な景気がこれから良くなっていくかもしれないという期待感に変化が生じてきている。 あるいは、世界情勢でいけば中国の景気、先ほどやれるものならやってみろみたいな御発言がありましたけれども、中国が今の出している数字が本当なのかどうか。あるいは、アメリカも利上げ政策始めましたが、それがどのような影響を与えるのかという点もあろうかと思います。EUもそうです。中東もそうです。原油価格もそうです。北朝鮮ももちろんその中に含まれます。様々な世界情勢が変わってきていることに対して、より先行き不透明感が増えてきた。その意味での潮目が変わったという発言なんだというふうに思いますけれども。 こういう発言を受けて、やはり今回、潮目が変わったという発言、私は率直に、素直に受け止めることができたんですが、ここの部分について、潮目が変わってきたんじゃないかという部分については、大臣、どのようにこの発言を受け止められますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 世界経済の先手が、やたら最近使われるのはインビジブル、不透明感と。不透明、インビジブルと、なかなか見えにくいという意味に使われるんですけれども、そういったものになってきているといって、理由は今言われたような話を総じて言っているんですが、かなりみんな見間違えて、FRB、アメリカ連邦準備銀行の議長も、年四回金利を引き上げるという話を実際されて、一挙にいろいろな、ドル高に一挙に振れたのを見て、慌てて年四回をやめた。下手すればやらないというような話になってくると、今度は当然のこととして、ドルの金利は上がらないということになれば、これはドル安になって他国の通貨が上がるということになりましたり、また、三十ドルを切るほどのWTIが、WTIというのはウエストテキサス、アメリカの西テキサスの平均価格が、通称WTIが三十ドルを切るといった事態、かつては百ドルだったんですが、それが三十ドルを切りますなんて話がずっと続きましたものですから、世界中、産油国が一斉に自国の原油の損益分岐点を大きく割りましたものですから、自国のキャッシュフローがうまいこと間に合わなくなってきているんじゃないかということで、いわゆる自国で持っておりますファンド、持っております株を売って、そしてキャッシュフローを得て、その金で回すというようなことになるから、株価が、当然売られた方の株はなかなか上がりにくいというような状況というのは、これはなかなか、持っている金の大きさが桁が違って大きいものですから、そういった金の動きというのはなかなか見えにくいというものがありますので、私どもとしては、その石油の価格が下がった結果の及ぼす影響というのはファンドまでずっと影響してくるというのが、それは結果として株価につながっていくというような話、そういったものはなかなか複雑になっていて、入り組んでいて見えにくいところがあるというのは、多分企業経営者もそう思われるんで、ここはベアではなくて一時金で対応して、今、目先、決して悪くありませんから、今の現在は決して悪いわけじゃありませんから、企業収益悪くないんで、ちょっと先行き、ベアでやっちゃうとずっとそのままになりますので、目先は一時金でという形になっているかなという感じはいたします。
○礒崎哲史君 景気に関する部分は微妙に触れて回答いただいたのかなというふうに思います。 ある企業の方とちょっとお話をしましたときに、新興国の景気に対して非常に心配をしているというお話をされていました。私、考えるに、やはりアメリカの利上げの話、あるいはオイルマネーの動きの話からすると、自分たちのところにあるお金が引き揚げられるんではないか、結果的に新興国、力のない国の経済が加速しなくて低下をしていくんではないか、そうすると、世界全体に新興国の経済が落ち込んでいくことになりますから、そういう意味ではグローバルで展開をされている企業の経営者、相当深く冷静に見詰めておられるというふうに私は受け止めております。 そうした観点、もちろん政府もお考えだというふうに思いますけれども、今回の件含めて、世界中の情報を集めた上で様々な政策、必ず日本にも、企業経営にも影響があるという観点で進めていただければというふうに思います。 それと、あと、先ほど大臣の方から労働分配率という言葉に触れていただきました。力強い発言をいただきました。私もこの労働分配率はやはり高めていかなければならない、もう低下の一途をたどっていますので、これはやはり高めていかなければならないんだというふうに思います。 その中で、先ほど正規、非正規というお話がございましたけれども、別に私、連合の立場で連合の役員として発言をするわけではございませんが、実は、今回の連合の中でも、デフレからの脱却や経済の好循環確立という意味でいけば、連合としても底支えあるいは底上げという活動をされておりまして、その中でも、非正規労働者の雇用の安定、それと処遇の改善に向けて、これは正規、非正規関係なく同時決着を目指すんだということを連合としても掲げておりますので、進めていないのではなくて進められているというふうに大臣には御理解をいただきたいというふうに思います。 ただ、どれだけ組織化できているんだというのは、これは現場の実態のやり取り、経営者とのやり取りの関係で決まってくる話ですので、ただ、政策としては、しっかりと労働者を守る活動は進めているということでありますので、そのように受け止めをいただきたいというふうに思います。 先ほどその話の中で、格差というものはあるけれども、まずは格差の上の方というと少し言い方としては失礼なのかもしれませんが、そこまで引っ張り上げていく、その中で景気を良くしていく、その景気を良くした段階で最後底上げをつなげていくんだというお話を大臣されたというふうに思うんですけれども、これ、格差というのは、そうするとどこまで認められる、ここまでだったらいいよ、ここまで行っちゃうとさすがにちょっとこれは違う方向に話行っちゃうよね、だから、そういったもし観点、御所見のところがございましたらお聞かせいただければと思いますけれども。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、礒崎先生、これは定義があるわけではありませんから、アメリカなんかの場合、よくウォールストリートに対して一対九九というのが三年ぐらい前に、一対九九というプラカードが出ましたけど、一%の金持ちと九九%の低所得者層という意味で一対九九というのが出たんだと思いますが、中産階級所得がだんだんだんだんだんだん減ってきていて消滅したんだとか、いろんな表現がワシントン・ポストやら、特にワシントン・ポストは多いような気がしますけど、そういった流れが、ニューヨーク・タイムズも多いですね、最近。そういった記事がやたら多いように、増えてきているというのは、間違いなく格差が広がり過ぎているという意識が非常に強いのが、多分、先ほど尾立さんの話じゃありませんけど、トランプに対する支持が白系の、白系というか白人の方の低所得者層に限らず、白人の余りいないハワイ州でもあれだけ圧勝するという事態というのは、やっぱり非常に低所得者層に対する不満を代弁しているというのがトランプという人の立ち位置かなと思って、他国の話とはいえ関心を持って見ているところなんですけれども。 日本の場合はそんなに開いているかと。私そんなに開いていると思いませんし、社長の給料と新入社員の給料があちらみたいに何百倍というようなこともありませんし、そういった意味では格差がそんなにむちゃくちゃ広がっているわけとは思いませんけれども、今言ったように、私どもそういったことは少し是正をされてしかるべきだと思っておりましたので、私どもは相続税の話にしても所得税の最高税率の話にしても今回引き上げさせていただくという案を出させていただいておりますけれども、いろんな意味でこういったものは常に配慮をしておかなければならぬところで、全部、やってもやらなくても結果が同じじゃ人は動かなくなることははっきりしていますので、そういった意味で、ある程度のモチベーションや労働意欲を高めつつ、そういった意欲を維持するのはどれくらいのところかというのは、これは大きな課題だと思っております。
○礒崎哲史君 課題認識として持たれているということでもありますので、是非その観点も重視しながら様々進めていただきたいというふうに思いますが、やはり今、日本の景気見た段階で一番問題なのは個人消費が伸びないということ、これは全て共通している認識だというふうに思います。 それで、少しデータとして見てみたいんですけれども、この個人消費、特に、今格差のお話をしましたので、少し所得別で消費性向にどれぐらいの違いがあるのかという点を確認をさせていただきたいというふうに思います。 内閣府の方からお願いいたします。
○政府参考人(千野雅人君) お答えいたします。 家計調査の二人以上世帯のうち勤労者世帯の結果から、可処分所得に対する消費支出の割合である平均消費性向につきまして、二〇一五年、年間収入五分位階級別に見てみますと、最も年間収入の低い四百三十九万円以下の第一分位が八六・〇%、最も年間収入の高い九百十三万円以上の第五分位が六六・八%となっております。 このように、平均消費性向は年間収入が高くなるほど低くなる傾向が見られます。
○礒崎哲史君 今御紹介いただいた数字からも、やはり所得が高い低いということで、消費性向にもこれ傾向として明らかに数字の違いが出てきている、階段状に変わっていくということであります。 その意味では、今回のこの個人消費を上げていかなければならない、そういう政策を進める意味では、やはりこの消費性向の高い層にしっかりと働きかけをしていく、つまりは所得の低い層にしっかりと働きをしていく政策というのがやはり必要なのかなというふうに思っております。 今回、春闘の結果、ちょっとまた春闘の方に一瞬だけ戻りますが、トヨタ自動車ですけれども、これは賃金改善そのものは昨年の結果よりも低くなっておりますが、ただし、非正規の方の取組というのを同時に組合としてもやられていて、これ日給でいくと百五十円、これ新聞報道での数字ですけれども、百五十円上げられたと。これ月額に直しますと、フルタイムといいますか、月二十日間働けば三千円相当になるということですから、恐らくは正規で働いている皆さんよりも賃金は上げるという形になったというふうに思います。 ですから、賃金が低い立場の人たちの賃金をこうしてより高めていくというような政策、私は、やはりこういう取組こそが個人消費を伸ばしていく上では必要だというふうにも思っております。 その観点で、少し産業全体ということで見てみますと、やはり昨年の例えば春闘の要求、回答ということでいけば、やはり大メーカー、これが要求値も高いし回答値も高い。そもそも要求の段階で、中小企業というのは大メーカーのような要求が掲げられない。結果として回答は更に低いところになる。ですから、要求段階で付いていた要求の格差が、更に回答だと大きい格差になるというのが昨年までの流れだったというふうに思います。 その意味で、今年、まさに今トヨタの例などというのは、賃金の格差が要求の段階では付かないどころか、回答を開いてみたら実はその差が逆転しているぐらいの回答が出てきているということでありますので、やはり特にこれから中小、先ほど大臣もおっしゃいましたが、これから中小の論議というのは本格化をしてまいります。ある意味、一方では、マスコミの報道を含めて、何かもう大企業が終わっちゃうと春闘の回答終わっちゃったかのような、そういう雰囲気すら漂いますが、今もう首を振っていただいたので安心しましたが、そうではなくて、日本の景気を底支えする層の春闘はこれから始まるんですよということが、やはり僕は認識として持つことが大変重要だというふうに思います。 その意味では、大臣からはまだまだ終わっていないよと、これから春闘しっかりとやっていかないといけないよという政治からの発信、まあ私は官製春闘いいとは思っていないんですけれども、思っていませんが、中小の春闘を盛り上げていくという意味ではまだまだ発信をいただきたいというふうに思っているんですけれども、大臣、お考え、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 連合から一遍も支持されたことはないんですが。正直言って、自動車総連の相原にしても鉄鋼労連の神津にしても、みんなそれぞれ会社の中でそこそこ、何というのかな、昔の私どもの労働組合というのは、組合との団体交渉というのは、炭労、全炭鉱というのと私どもやっていたので、日産とかそういう品のいいところと余りやったことはないものですからね、私ら。ですから、どうしても激しい労働組合との団体交渉というのを、何日も続くのをやってきましたので、最近のように何となくお話合いで翌日きれいに決まりましたなんというのはよく分からぬ世界で動いておられるので、ちょっと正直、私どもの想像を超えているんですが。 いずれにしても、そういった大企業の話じゃなくて、中小零細企業の中でやっぱりきちんとした利益を出しておられるところというのは、総じて、今、人手が足りなくなってきている。特に熟練の技術屋というのを持っていないと仕事がとてもじゃないということになってきていますので、中小零細の方々の話というのは、話を聞いてみると、ここらの方が人材を確保し続けるために給料を上げないとどうにもならぬと言われる考え方の経営者というのは、僕はこの数年間えらく増えてきたなと思っていますので、こちらの方が経営者としての感性としては正しいと思っていますし、大企業の方は、ほたっておいても人は来ると思っておられますし、機械が進めば、いわゆるNC機械というのは、数値制御の機械を使っておられるので、別にとかいろんな表現をされる方が随分昔に比べて、まあ、そういう時代が長く続いたせいもあるんだと思いますが、なかなか労働組合とか、そういった労務管理というものに対する感性が中小企業の方が極めてシビアだし、深刻だし、真面目に考えておられる風が多いかなというのが正直な、私のこのところ、いろんな方にお目にかかる、この一、二年間ぐらいの間の実感なんですけれども。 是非、今言われましたように、今後とも、やっぱり支えている中小のところが一番頑張らないかぬところだと思いますので、そういうところに対する税制とか、いろんなものを私どもとしては今後とも支え続けていくという姿勢が大切かなと思っております。
○礒崎哲史君 中小の大切さという観点は、与野党関係なく、同じ認識だというふうに思います。特に中小の皆さんが人材確保のために人件費含めて上げられるような環境をつくるという意味では、やはり世の中のサービス、商品含めて、大企業だけで生まれてくるものではなくて、中小がいて、大企業がいて、あるいは商品を運んでいる輸送会社の人がいて、ロジスティックの人たちがいて、あるいは直接販売をする販売店の人がいて、やはり総合力で全てのものが成り立っているんだとすれば、そこで生まれた付加価値というものは全ての人たちにやはり恩恵は及ぶべきだというふうに思いますし、それぞれの人の努力に報われた付加価値の分配がやはりあるべき姿なんだろうというふうに思います。私は、そういう観点で今後も様々質問させていただきたいと思いますし、政府の政策でおかしいというふうな思う点があれば、今後も引き続き、様々な指摘もさせていただきたいというふうに思っております。 今、中小の点、少し産業全体というお話でさせていただきましたが、今日は自動車分野、いわゆるグローバル産業の実情ということで、少し税の観点と絡めて、産業の移り変わりと税の移り変わりという観点でお話をさせていただこうかというふうに思います。 お手元の方に一枚資料の方をお配りをいたしました。それは、日本の自動車産業の発展過程ということで、生産台数や販売台数を言われたものであります。 今、中小のお話をさせていただきましたけれども、やはり目下、足下の観点でいきますと、これは日銀の短観になりますけれども、業況判断の数字になりますが、先行き感としてどういうふうな短観の数字が出ているかということで御紹介をすると、九月と十二月のそれぞれの調査結果、日銀の短観になりますが、これは製造業でいくと、大企業は九月時点の先行きだとプラス一〇ポイント、それが十二月だとプラスの七ポイントに下がりました。中堅どころでいきますと、九月段階でいくとプラスの四ポイントが十二月段階でいくとゼロポイントにやはり低下をした。中小でいくと、マイナス二ポイントからマイナス四ポイントということで、やはり日を追うごとといいますか、日銀の短観を含めて少し先行きの不透明感という数字が明らかになってきているんだというふうに思います。これはもう感覚的な問題ですけれども、出てきているというふうに思います。 その観点でもう少し、今のは直近の数字の流れになりますけれども、長い観点で見てみますと、ここで経産省の方に一つ確認なんですが、直近のその数字、こういうふうに悪い数字が出てきているんですけれども、その観点で、消費税増税、五%から八%に消費税が増税された前後といいますか、以降の自動車の国内販売の状況について御紹介をいただきたいと思います。
○政府参考人(若井英二君) お答えを申し上げます。 委員お示しの資料は暦年でございますけれども、消費税引上げの前後ということで、年度で少し数字を御紹介をさせていただきます。 平成二十六年四月に消費税率が八%になりました前後において国内新車販売台数を比較をいたしますと、平成二十五年度は約五百六十九万台、平成二十六年度は約五百三十万台となってございます。また、平成二十七年度、日本自動車工業会の見通しとしては四百九十四万台程度というふうに見込んでございます。これを月次ベースで見てまいりますと、平成二十六年四月の消費税率八%への引上げ以降、月次では直近の平成二十八年二月まで二十三か月ございますが、そのうち前年同月比でプラスになったのは二か月と厳しい状況であるというふうに認識をしてございます。 経済産業省としても、今後の動向をしっかり注視をしてまいる所存でございます。
○礒崎哲史君 ありがとうございます。 今数字上、もちろん消費税だけが原因だと言うつもりは毛頭ございませんが、やはりこの税制を変えたその前後で大きな消費の変化、あるいは産業としても売上げの変化があったということ、これは事実としてやはり受け止めなければならない数字なんだろうというふうに思います。 スコープとして今少し短めの数字を取りましたが、お手元にお配りをいたしましたグラフは戦後からの系列ということでかなり長いスパンで数字を取りました。 一番上の緑色の国内生産台数という数字を見ていただくと、戦後しばらく低迷期はございましたけれども、その後一九六〇年代から大きく国内の生産台数は伸びていくという経緯をたどっていきます。一九九〇年にピークを迎えまして、そのときは千三百四十九万台という数字が国内で生産をされていた。その後、御存じのとおりバブルのときでありますけれども、その期を終わったときから低迷をいたしまして、その後一千万台のレベルで推移をしておりまして、足下九百二十八万台というのが現在の国内の生産台数に関する推移という形になります。 あわせて、国内の販売台数という観点で見ていただきますが、赤い線になります、同じく一九六〇年代からぐっと坂道を上がっていく形になります。途中で凸凹ございますが、同じく一九九〇年前後をピークにしてこれはもう右肩下がりというふうに表現していいんだというふうに思います。目下、足下は今経産省からも御紹介をいただきましたが、五百万台を超えるか超えないかという線の攻防になっているということになります。 あわせて、そこに輸出台数というものも加えました。ちょっとグローバルの企業の動きということで、恐らく電機産業や鉄鋼やほかの業界も、少しタイミングや凸凹は違うのかもしれませんが、感覚としては同じような感覚になろうかというふうに思います。 輸出台数に関しては、この国内の販売、生産から遅れること十数年たって、七〇年代に近くなってから伸びていくという経緯をたどっていきます。一九八四年から五年、ここが国内からの輸出台数のある意味一つのピークになりまして、その後は上がったり下がったりという経緯をたどっていって、それよりも大きい数字というようにはなかなかなりにくい。今でいくと、大体五百万台を若干下回ったぐらいというのが今の現状になっております。 これはもちろん様々な企業努力ということもありましたけれども、これはやはり経済の背景というものが大きく関わっているということは皆さんもお分かりのことだというふうに思います。 一九六〇年代は、まさしく日本が高度経済成長期ということもありまして、国内の生産、販売が大きく伸びた期間という形にもなります。 あわせて、七〇年代に入れば、ここはもうオイルショックです。オイルショックがあって、結果的には輸出台数というのはこのオイルショックを契機に日本の小型車が改めて見直されると。特に北米では様々な排ガス規制がしかれましたので、新たな……(発言する者あり)今横でシビックという声がありましたけれども、排ガス規制に対応できる車というものが注目をされ、結果として日本車に白羽の矢が当たって、ここから一気に輸出台数が増えていくというような経緯をたどっていきます。その際、日本の自動車はといいますと、やはり赤い線、一瞬上がるんですが、その後落ちていく。まさにここのタイミングがオイルショックのタイミングという形になっていくという形になっていきますが。 ちょっとここで一つ確認なんですけれども、このオイルショックの前後で自動車の税制についてどんな変化があったのかということで、七〇年代になりますけれども、ちょっと七〇年代の十年間に限った形でお伺いをいたしますが、自動車の税制についてどんな点が変更点としてあったのか、確認をさせていただきたいというふうに思います。財務省と総務省とそれぞれお願いします。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。 国税でございますので、自動車重量税ということについてお話を申し上げます。一九七〇年代でございます。 一九七一年、昭和四十六年に自動車重量税が創設ということでございます。当時の理由は、自動車の走行が多くの社会的費用をもたらすということを考慮して広く自動車のユーザーに負担を求めるということで、自家用の乗用車〇・五トン当たり年間二千五百円ということで創設をされました。 それから、一九七四年、昭和四十九年には、資源の節約、道路財源の充実といった観点から暫定税率が設定をされまして、同じ、税率で申し上げますと二千五百円を引き上げた形で、年間トータルで五千円ということに相なりました。 それから、引き続き一九七六年、昭和五十一年に、同様の理由からこの暫定税率そのものの引上げということが行われまして、五千円の年間の税率が六千三百円というふうな形になったわけでございます。 一九八〇年代につきましては、改正は行われておりません。 以上でございます。
○政府参考人(時澤忠君) 地方税関係の部分についてお答え申し上げます。 一九七〇年代でございますが、まず自動車取得税につきまして、一九七四年度、昭和四十九年度ですが、地方道路財源の充実を図るため、軽自動車以外の自家用自動車の税率が三%から五%へ引き上げられたところでございます。 自動車税、そして軽自動車税につきまして、一九七六年度、昭和五十一年度でございます、それと一九七九年度、昭和五十四年度でございますが、この年は営業用自動車を除いておりますが、それぞれ自動車の販売価格の上昇や道路整備等に要する経費の増大を考慮し、税率の引上げが行われているところでございます。
○礒崎哲史君 今御紹介をいただきましたが、この七〇年代、もちろんオイルショック等がありました、あるいはモータリゼーションの幕開けというようなこともありまして道路の整備が必要だった、そういう背景もあったかというふうに思いますが、やはりこの赤い線を見ていただければ、国内の販売がこれだけ右肩上がりに来ていたものが明らかに十年近く足踏み状態にあったということは、ここからも見ていただけるんだというふうに思います。 ちなみに、このとき、じゃ日本の景気はどうだったかというふうにいえば、GDPの数字だけでいきますと、国内の総生産の数字そのものはオイルショックの翌年については確かに足踏みをしているんですが、実はその翌年からはまた上昇傾向に変わっているという形になります。つまり、日本の景気そのものが十年間沈んでいたかというと決してそういうことではなくて、景気そのものはオイルショックから立ち直って既に前進を始めていた。 ただ、その中でも自動車の売上げに関しては数年間足踏みをしていたということからすると、もちろんこれも全て税だというふうに言うつもりはありませんが、少なからずというよりも多分にこの税制の影響というのは大きかったのではないかなというふうに思います。 ちなみに、この七〇年代の前というタイミングでも様々自動車の税金というものはありましたが、基本的には燃料関係の税金が主力でございました。あったのは自動車税、軽自動車税というこの二つがメーンでありました。したがって、この七〇年代に差しかかろうかというタイミング、あるいは七〇年代の中で自動車取得税や自動車重量税、そうしたものが創設をされ、さらには増税、あわせて自動車税や、今あえて確認はしませんでしたけれども、実は燃料課税についても大きく増税をされていったというのがこの七〇年代の歴史になります。私は、やはりこの税制の設計の仕方が国内の販売に大きな負担になっていたのではないか、あるいは消費者のマインドに大きく働きかけをしていたのではないかなというふうに私自身は考えております。 では、もう少し話を進めさせていただきまして、輸出がこういう形で伸びていく、そしてその後、今お話をいただいた税制の話で八〇年代を迎えていくと。国内の生産は更に伸びていき、国内の販売も落ち着きを取り戻して伸びていく形になっていきます。 ちなみに、この八〇年代の税制の設計については、それぞれ先ほどお話をしていただいた税制について何か変化点があれば、それぞれの省庁からまた御説明をいただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤慎一君) 自動車重量税につきましては、一九八〇年代は特に変更はないということでございます。
○政府参考人(時澤忠君) 一九八〇年代の地方税関係でございますが、自動車税及び軽自動車税につきまして、一九八四年度、昭和五十九年度でございますが、自動車の販売価格の上昇や道路整備等に要する経費の増大を考慮し、税率の引上げが行われております。 その後、自動車税につきまして、一九八九年度、平成元年度でございますが、普通自動車に係る税率が、小型自動車と比べ急に高くなる税率の構造が普通自動車の多い外国車に対し差別的であるとの諸外国からの指摘等に鑑みまして、排気量二千ccを超えます自動車に係る税率の引下げが行われたところでございます。
○礒崎哲史君 自動車・軽自動車税については変更があったけれども、その他については特になしということでいくと、これも全部税と言うつもりもありませんけれども、比較的市場としては堅調な伸びの中にはあってそういう税制の変更もなかったということが背景としてあろうかというふうに思います。 今、総務省の御説明の中で、海外からのそういった話あるいは軽自動車の税制についての話というものがございました。ちょうどこの八〇年代というのが自動車産業あるいは様々なグローバル産業にとっても大きな節目の年になっております。 ここで、一番最後にありました青い線になります、海外生産台数という線がここに来て登場をいたします。実はこれより前の段階のデータが、なかなか詳しいデータがなくてここには記載をしておりませんが、ただ、ここに載せていれば問題ないということでお載せをいたしました。 実は、ここまでは為替の話、あるいはこれまでの先ほど言った輸出台数の話の中で、オイルショック以降、日本の自動車の競争力が高くなって、海外で売れ始めます。あわせて、この頃はまだ為替でもかなり競争が有利な環境に日本製の商品はありましたので、輸出台数がどんどん伸びていく。 結果としては、この八〇年代を迎えて、日本からの、海外からすれば輸入車に対しての風当たりが強くなって、日本バッシングというものが始まっていきます。結果として、メーカーとしては自主規制、輸出の自主規制というような動きも始まり、ここで大きく日本の企業は海外に進出をしていくという形になりまして、このブルーの線に話が乗っかってくるという形になります。 それ以降、見ていただければ分かるとおり、この海外の生産台数というのは右肩上がりといいますか急上昇で上がっていくというのが、これが産業の形態になってまいります。 もうこの海外の生産台数が国内の生産台数とちょうど合わさったぐらいが二〇〇〇年代の中盤ぐらい、二〇〇四年、五年ぐらいのタイミングになりまして、それ以降、ちょっとリーマンのところでは凸凹ありますので、ちょっとその期間は余り正確には見ない方がいいと思うんですが、トレンドとしてはそこを境にして明らかに海外の生産台数がもう増えていくというような経緯をたどってまいります。 あわせて、同じような見方を国内の販売と輸出台数を見てまいりますと、同じくその二〇〇四年、五年ぐらいのタイミングで輸出台数と国内の販売台数というものがまた拮抗あるいは逆転をしていくというような形になりまして、ここが一つ産業の置かれた状況としては特徴のポイントになろうかというふうに考えております。 〔委員長退席、理事長峯誠君着席〕 二ページ資料の方をおめくりいただきまして、資料三を見ていただきたいんですけれども、そこに載せたのは日本の自動車メーカーの三社です。トヨタ、日産、ホンダの三社の国内と海外の損益の推移ということで、一九九〇年代の後半からデータをお載せをしております。 ここのグラフの絵を単純に、細かい数字は結構です、絵を単純に見ていただきますと、国内の収益と海外から得られた収益のバランスを皆さんには見ていただきたいんですけれども、やはり今の台数の推移と同じようにして、国内の収益はある意味頭打ちの傾向、それに対して海外の収益がどんどんどんどん伸びていくということがそこのグラフから見て取れるかというふうに思います。 二〇〇八、九、一〇、一一というのは、これはリーマン・ショックあるいは国内においては東日本の大震災がありましたので、ちょっとここはグラフとしては参考になりませんので無視していただいて結構でございますが、傾向として、やはり今国内の営業よりも海外でもうけるということがグローバル企業の実際の収益の構造になっているというふうにまず見ていただきたいというふうに思います。 ここの点が先ほどの春闘の話とも絡んでくるんですけれども、企業経営者の感覚として、では、どこで一体うちの会社は収益を出していくのか、収益を改善していくのかというふうにすると、やはりここの部分、先ほど言いました、国内の市場としてはもう頭打ちの傾向が何となくもうここ十数年来出てきている、それに対して海外の生産を含めて伸ばしてきているということからすると、やはり海外の収益というのを経営者サイドとしては気にせざるを得ないということですから、やはり投資、そうしたものについてもやはり海外に目が向いていっているのではないかなというふうに考えております。 ここでまたちょっと経産省の方に数字を紹介いただきたいんですけれども、グローバルの自動車の販売台数の規模感というものを数字を提示をいただきたいんですけれども、お願いいたします。
○政府参考人(若井英二君) グローバルな自動車販売台数ということでございます。 ある民間調査会社が各国の自動車工業会等が出しております資料から作成をいたしました統計によりますと、世界全体の新車販売台数は二〇〇〇年には約五千六百八十四万台、二〇〇五年には約六千五百四十一万台、二〇一〇年には約七千四百二十四万台、二〇一四年には約八千七百七十一万台と推移をしてございます。 この間の平均の伸び率を約五年ごとに分析をいたしますと、二〇〇〇年から二〇〇五年は年率約二・八%、二〇〇五年から二〇一〇年は年率約二・六%、そして二〇一〇年から二〇一四年は年率約四・三%となってございます。 近年比較的伸びておるわけでございますが、これはアメリカ等の先進国市場がリーマン・ショック時の落ち込みから回復をしたこと、そして新興国市場の拡大に牽引をされて世界全体の市場の伸び率が高まっていると、このように認識をしてございます。
○礒崎哲史君 ありがとうございます。 今、年のその増え方ということで、パーセンテージで二・八ですとか四・三という数字を御紹介いただきましたけれども、年間で数百万台の規模でこれは規模としてはもう拡大をしていっているということであります。数百万台の規模で年間で海外の市場は拡大をしているということであります。トヨタが国内で売っている車の台数というのがおよそ百五十万台、ホンダですとか日産が売っているのが大体七十万から八十万台ということですから、言ってみれば、トヨタ、ホンダ、日産を足した数字が海外の市場で新たに生まれているというのが今の世界の情勢ということであります。 〔理事長峯誠君退席、委員長着席〕 とすると、今グローバル企業が戦っているのは何を戦っているかというと、年間で二百万台、三百万台増えていくパイの奪い合いをしているということでありますので、そのパイを奪い合うためにどういうふうに企業経営をしていけばいいかということが今、目下、企業の経営者の頭の中にはいっぱいだということ、これやはり考えておかないと、この後、様々な政策、先ほどの税制もそうなんですが、政策を進めていく上で考え違いをしてしまう可能性が高くなるということが一つポイントになろうかなというふうに思っております。 あえて私が海外の話云々かんぬんを今長々お話をさせていただいたのは、もう一度一ページ目に戻っていただきまして、国内の生産台数を気にしているんです。 国内の生産台数、今、一千万台ぐらいのレベルをこの二十年来推移をしてきていると軽く言いましたけれども、実はこれは、結果として推移をしてきているのではなくて、推移できるように企業が努力をしているというのが実態であります。国内の販売がだんだん右肩下がりで落ちてきているという実態をカバーするために輸出台数で何とか稼いできている、結果として国内の生産台数を一千万台にキープをしようとしているというのが今の段階であります。 これ、なぜこういうことが起きているかといいますと、自動車という産業だけではなくて電機もそうだというふうに思いますが、やはり商品の魅力あるいは競争力というものは、コストだけではなくて製品の信頼性あるいはその性能という形になろうかと思います。それを作っていく過程で、やはり品質の高いもの、やはり壊れにくいですとか均一的なもの、そうしたものを作る努力というのがやはり日本の企業というのは優れていた点、これが八〇年代以降の右肩上がりの海外生産にもつながっているというふうに思います。 この技術力をしっかりキープしていくためには、何が源泉になっているかといえば、それはやはり国内でそういう仕事に就いていた、あるいは高度な技術を持っている人材をいかに確保するのかという点、これを非常に企業側としては注目をし、気にしていて、そしてこの一千万台の国内生産レベルというものを維持しようとしているというのが私は実態だというふうに考えております。 特に、構成部品の多い自動車、三万点から四万点というふうに言われます。この部品を一個に組み立ててあの車という製品ができ上がるということは、これは精度が悪ければ形がめちゃくちゃになりますし、あっという間に壊れちゃう、あるいは故障しちゃうという形になりますので、このすり合わせ技術をキープをしていくということが何よりも重要なんだというふうに思います。 では、この国内生産をしっかりと一千万台レベルを保っていこうとすれば、じゃ、どこで頑張ればいいかというと、実はこの右肩上がりの海外生産の青い線ではなくて、主役は私はやはりこの赤い線、国内の販売台数あるいはこの紫色の線、輸出台数、ここが鍵を握っているんだというふうに思っています。輸出台数に関しては、商品の競争力はこれは企業が考えることですから政治が出る幕はありませんけれども、やはりここについては為替の部分が大きな影響がありますので、ここは政治の力というものが大きく働くんだというふうに思います。 そして、あと国内の販売台数、これも先ほど税制のお話と販売の推移というのを少し関連付けてお話をさせていただきましたけれども、ここに大きく効いてくるということからすれば、やはりこの税制をいかに組み立てていくのか、国内の市場をどのように確保していくのかということが私は大変重要になってくるのかなというふうに思っておりますけれども、ですから、ここの国内の市場をどうつくっていくかということを極めて慎重に考えて税制を設計していくことが何よりも重要だというふうに思いますが。 ちょっと済みません、長々お話をしましたが、ここまでの点、大臣のお考えございましたらお聞かせいただきたいと思いますが。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には、労働組合ではなくて経営者のレベルの話としては正しいと思いました。 もう一点、おちょくって言うつもりは全くありませんけれども、今、グローバルな企業というのも稼ぎ方が変わってきているんだと思いますね、礒崎さん。一番違ってきたのは、いわゆるGDPではなくてGNI、グロス・ナショナル・インカムという話になってきていますので、そういった意味では、海外で投資したものに対するリターン、いわゆる配当とか投資した金の金利とかまた利益とか、そういったものの配当収入を日本で受けて、それでグロス・ナショナル・インカムというもので計算しないと、GDPだけではなかなか計算がしにくい時代というのに既になっているんだと思っております。 この自動車の場合、私ども特に国内の生産台数というのが非常に重要だと思うのは、労働力です。この自動車の場合は、下請、孫請含めまして関連する企業が極めて大きいし、部品総数も極めて大きい、飛行機ほどではありませんけれども部品総数も極めて大きいものですから、それを作っておられる部品工場の方々の、いわゆる労働者というものを見られた場合、その勤労しておられる方々の数やら何やらの雇用を計算いたしますと、やっぱり国全体としては自動車産業を国内に持っておくということによります影響というのは、なかなか数字に出てこないところですけれども大きなものになっていると思っておりますので、基本的な考え方として、今きちんと説明しておられたと思いましたけれども、私はこういった考え方というので事は動いていると思いますし、今後とも国内の生産をある程度維持しながら海外にということは正しいと思いますし、また、国内で作ったもので輸出しないと、これ自動車に限りませんけど。 例えば、最近出た話で、ある紙会社の社長の話でしたけれども、中国の工場を閉鎖します、中国で作った製品と日本で作った製品とを国内で使ってみた場合は全くその品質の差は技術屋で見ても違いはありません、しかし中国で売る商品の箱書きにメード・イン・チャイナと書いてあったら百円でしか売れません、しかし同じ製品を日本のある県の工場で作りますとメード・イン・ジャパンと書いてあったので百八十円で売れます、商品そのものは全く差異はありません、しかし輸出コスト掛けても五〇%以上の利益が出る、こっちの方が、だから国内に生産を移します、この三年間で決めたことですと言われた話を過日も伺ったんですけれども。 そういった信用というのは極めて大きいので、例えばトヨタでいえば、トヨタの九州で造ったレクサスがサンディエゴの工場に上がったものは車体検査なし。車体検査はされずとも一〇〇%というのが実績としてありますので、車体検査なしで全部通っていくというような実態が今アメリカにありますので、そういった長い間のつくり上げた信用というものは、我々の御先祖から受け継いだ大事な大事な信用なんだと思いますが、こういったものを含めまして、国内生産で品質をきちんと維持するというのは我々の持っております非常に大きなアドバンテージ、優位なところだと思いますので、私どもとしてはこういったものを大事にしながら今後とも経営とか経済というものを考えておかなきゃいかぬのかなとお話を伺いながら思いました。
○礒崎哲史君 新興国に売る製品、あるいは先進国に売る製品、あるいはその作り方、販売の仕方、これ全然違うんですね。ですから、どういう商品をどこに持っていくかによって商売でどのようにもうけを出していくかという構造も違ってきているということで、今まさに大臣お話をされていたもうけ方が変わってきたということなんだというふうに承知をしております。ですから、その源泉になる日本企業の力、これがやはり高まっていくことというのが何よりも大事だというのは恐らく今共通認識として持てたというふうに思います。 その意味では、この自動車の税の設計というのは今大臣にトータルではお伺いをしましたが、これ総務省さんの方でも様々持たれている税の設計というのがありますから、やはり同じ認識を持って私はいただかないといけないかなというふうには思っているんですけれども、今日は森屋政務官来られておりますので、総務省のお立場として、同じような観点でお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○大臣政務官(森屋宏君) 先生からただいまいろいろと自動車の産業の重要性というのをお話をお伺いいたしました。私も全く同じ考えでありまして、大変裾野の広い大きな、我が国にとりましては重要な産業であるというふうに思っております。そこの上で、先生から先ほど自動車の関連税制と、それから市場との関係性ということに対する考え方という、受け止め方というふうなことだというふうに思います。 先ほどの事例でございました一九七四年という年は、確かに販売台数は減少している。これは第一次オイルショックの影響があったということが考えられますけれども、その後、一九七九年あるいは一九八四年、ここは税制を引き上げておりますけれども、販売台数は増加しているというときもございました。 ということで、必ずしも税制のみが販売台数に影響するものではないと。景気動向でありましたり自動車の普及状況、いろいろな要因があるものであるというふうに認識をしております。 以上でございます。
○礒崎哲史君 以前、ほかの委員会の場ではありましたけれども、税を取る立場、取られる立場、その立場をやはり考えた上で様々な税制の設計をしていかなくちゃいけないというお話もその際させていただきました。今回、総務省からは、今回の税制の中で、自動車取得税については廃止をする方向、これは消費税を一〇%に上げる段階ですけれども、廃止する方向性と併せて、環境性能課税、環境性能割というものを導入するというお話でありました。 自動車を取得したときだけ自動車税が高くなる。高くなるんだけれども、環境性能に応じて安くなる。非常に極めてユーザーからすると分かりにくい。でも、結果的には、トータルでいくと増えているんですかね、減っているんですかね、そういう税制がつくられようとしています。私の考えからすると非常に分かりにくくするものでもありますし、自動車を購入した段階でやはりダブルで掛かっている課税になるのではないかという疑いが拭えないのではないかというふうに思っています。二重課税の疑いがあるのではないかなというふうに思っておりますが。 今、森屋政務官も言われたとおり、税制で全てが決まるわけではないのかもしれませんが、ただ、影響としてはやはりあるという認識には共通に立っていただいて、この後様々、総務省さん、財務省さんと連携をしながら自動車の税制、見直しを図っていくというふうに思いますので、その点、しっかりと論議をいただきたいというふうに思います。 与党の税制大綱になりますが、消費税が上がっていく段階で、自動車の税制については総合的な軽減に向けた話合いをするということが与党の中でも話し合われているようでありますので、是非その中にも財務省、総務省それぞれ連携を取って、しっかりと話を、経産省も入れた形で話を進めていただきたいというふうに思っております。 それで、最後の質問になるんですけれども、前回のこの委員会の中で、民主党の大久保委員の方から、消費税とその自動車の二重課税について問題があるのではないか、自動車取得税であったりガソリン税についての論議でありますけれども、ここについて問題があるのではないかというような質問をしました。それに対して、佐藤局長の方からでしたけれども、課税根拠が異なるので二重課税はないんだというお話をされたんですけれども、ちょっとここ、展開が早過ぎたものですから、もう一度整理をして、局長の方から、どういう考えなのかを確認させていただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。 先日の委員会で大久保先生の方からお尋ねがございました。自動車取得税を代表とします自動車関係税制と消費税との関係において、二重課税ではないか、二重課税論ではないか、こういうお尋ねがありましたものですから、それに対しまして私のお答えといたしましては、自動車取得税と消費税の関係の理論的な概念上の整理ということで申し上げたのがまず最初の方の答弁でございます。 自動車取得税は自動車の取得の事実に担税力を認めて課される税である、その一方で消費税は広く消費一般に課される税であるということで、それぞれ両者は課税根拠があり、異なっているものであるということ、それから、欧州におきましても同じような形の併課をしていくということは一般的に行われているということもございますので、自動車取得税のような自動車関係税制と消費税というのが二重の課税であることをもって、それゆえに見直しをすべきだという主張ということであれば、それは当たらないのではないでしょうかと御答弁申し上げました。 もとより、自動車に対して複数の税が現に掛かっているという状況がございますので、そのこと自体を否定する答弁ではなかったわけでございます。 いずれにいたしましても、自動車全体に対する税負担の在り方というのをどう考えるかということですが、これについては今申し上げたような概念上の整理、理論上の整理というものを踏まえた上で、その時々の経済状況あるいは財政状況、それから自動車に対する税負担全体の状況、それから自動車自体が持っております社会的な費用をもたらしているということ、それから自動車ユーザーには一定の道路整備による利便性の恩恵を受けているというような様々な観点を踏まえまして、総合的に検討されるべきだというふうに基本的に考えておりまして、そういうことを念頭に御答弁を申し上げたわけでございます。 大久保先生とのやり取りの中で、おっしゃる二重課税という状態にあるのか、二重課税論はどうかという、その辺がちょっと曖昧だったものですから若干の整理が行き届かなかったことは申し訳ないと思っておりますけれども、今申し上げましたように、いわゆる理論的な整理としましては、二重課税であるがゆえに直ちにそれ自体は見直すべきだという論には立たないということですが、ただ、現実問題として自動車に対する税負担全体をどう考えるかというときには、繰り返しでございますけれども、自動車に対する税負担の全体の状況であるとか財政状況とか経済状況とか、様々な観点も含みながら検討していくと、これはもう当然のことだというふうに答弁を申し上げたつもりでございます。
○礒崎哲史君 今局長がお話しされた概念上の整理、その税制の考え方、設計上の考え方では、担税力を含めて二重課税という状態には概念上は当たらないというお話。ただ、その一方で、今まさに局長が言われたとおり、経済状況や財政状況、あとは税制全体、そうしたものをよく全体を見ながら決めていかなきゃいけないと、まさにそういうことだと思うんです。 担税力があるからここも取りますよ、これも取りますよ、この税制もつくりますよとやられたら、払う側は一人ですからね、お財布は一つですから、ユーザー一人ですから、これは払う方からすれば、とてもじゃないけど自動車はもう買えませんよということになれば、今日長々お話をさせていただきましたが、国内の市場を痛め付けることにもつながりかねないということを、少し長い観点でも踏まえて見ていただきながら、税制の設計は引き続きしていただきたいというふうに思います。 以上で質問を終わります。
○委員長(大家敏志君) 午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(大家敏志君) ただいまから財政金融委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、所得税法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○中西健治君 中西健治です。自民党会派での質問は二回目ということになりますが、前回は麻生大臣いらっしゃらないときでありましたので、大臣がいらっしゃるときということでは初めてとなりますので、どうぞよろしくお願いいたします。 まず、法人実効税率の国際比較について聞いていきたいというふうに思います。 昨年閣議決定された日本再興戦略改訂二〇一五では、「平成二十八年度税制改正において、平成二十八年度における税率引下げ幅の更なる上乗せを図り、その後の年度の税制改正を含め、数年で法人実効税率を二〇%台まで引き下げることを目指して、改革を継続する。」と、こういうふうにされておりました。今般の税制改正によって、国、地方を通じた法人実効税率は、平成二十八年度には二九・九七%、目標としていた二〇%台を改革二年目にして実現するとともに、平成三十年度には二九・七四%となる見通しということになりました。これは、安倍政権発足前の三七%と比較しますと、僅か三年余りで七%以上下がるということになります。 この水準は、主要先進国、つまりOECD諸国と比較してどの辺りにあるのか、これ、まず政府参考人の方からお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。 今先生からお話ありましたように、法人実効税率、我が国は、今、法案で御審議いただいておりますけれども、それを前提にいたしますと、平成三十年度には二九・七四%まで下がるということでございますが、この水準でございますドイツが二九・七二%ということでございますので、ドイツと同水準程度ということでございます。 それよりも高い税率、例えばアメリカは四〇・七五%、それからフランスは三三・三%と、そのほかベルギー、オーストラリア、メキシコといった辺りが三〇%台ということ、そんなような位置付けでございます。
○中西健治君 そうすると、順番としては、OECD三十数か国の中では大体どれぐらいに位置しているものになるということでしょうか。
○政府参考人(佐藤慎一君) 今申し上げましたように、アメリカが四〇%を超えているところからスタートいたしますと、日本は六番目、ドイツとほぼ同じですが、六番目ぐらいの高さということでございます。それ以外の国は、例えばイタリア、カナダなどはそれよりも若干低い水準でございます。
○中西健治君 法人実効税率下がったということでありますが、これは、G7などの諸国とは引けを取らない、遜色がない程度まで下がってきたと、ドイツなどを特に意識してきたということかなというふうに思いますが、ただ、これもよく言われることなんですが、我が国の企業の競争相手としてはやはりアジアの国々というものが非常に大事になってくるということなんじゃないかと思います。 中国ですとか香港ですとか台湾、シンガポール、こういった国々はOECDに入っていませんので、今局長がおっしゃられた国々には入っていないということになるかと思いますけれども、こうしたアジアの主要国、法人実効税率はどれぐらいになっているか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。 例えば、中国は二五%、香港は一六・五%、台湾は一七%、シンガポールは一七%、韓国は二四・二%ということでございます。
○中西健治君 一六・五%とか、そういった数字を聞いてしまうと、二九%台といってもまだ差があるということかなというふうに思います。 しかし、この差というものをどういうふうに説明していくのかということもあるんじゃないかと思うんです。企業の立地条件を決めていくという中には、この法人実効税率だけで決めていくということでもないでしょうし、言っているこの法人実効税率というものも見た目の税率でありますから、この見た目の税率以外に日本に政策減税、租特の部分もありますし、あと、企業の社会保障、これをどれぐらい負担しているのかということも含めて考えていくということなんじゃないかなというふうに思うんですが、こうしたものを含めた上での国際比較というものを財務省はしているのか、できているのか、数値を、データを持ち合わせているのか、これについてお伺いしたいと思います。
○副大臣(岡田直樹君) ただいまお尋ねのございました日本の法人所得課税の税収と社会保険料の事業主負担の合計、この対GDP比については、OECDの統計などによりますと、日本はアメリカ、イギリス、ドイツと比べると高い水準にある、その一方、フランス、スウェーデンなどと比べれば低い水準ということでありまして、こうした主要国と比べて日本の法人の負担が特に高いというわけでもなく、また低いというわけでもない、そういう水準にあると認識をしております。また一方、韓国、中国、シンガポール、こうしたアジア諸国よりは高い水準にあるというふうに認識をいたしております。
○中西健治君 今のお答え、大変興味深いなというふうに思います。 先ほど局長の方からは、アメリカの法人実効税率は四〇%で非常に高いというお話があったと思いますが、ほかの社会保障の負担率とも比べると、アメリカの方が実は低くてと、こんなようなことも言えるということのようです。 今副大臣からは対GDP比の数値で比べるとということで御答弁いただきましたが、この対GDP比というのも一つのマクロの指標としては大事かなというふうに思いますが、実際に各国の法人実効税率ですとか社会保障費を数値として見た上で日本のこの企業負担とどれぐらい違うのかと、こんなような調査というものはできないものなんでしょうか。
○政府参考人(佐藤慎一君) 今は私どもちょっと持ち合わせておりませんが、研究はしてみたいと思います。
○中西健治君 是非、こういった国際比較というのはやっていただいた方がいいんじゃないかなというふうに思います。実効税率、見た目の税率だけの話で終わってしまわないようにした方がいいかなというふうに思います。 今後の方向性ということも併せてお伺いしたいというふうに思いますが、競争力強化の一環として法人実効税率二〇%台へということは達成するということになりました。しかし、税制改正大綱によると、成長志向の法人税改革ということがうたわれておりますので、これで打ち止めと考えるのか、それとも更なる法人税改革というのはやっていくことなのか、ここら辺について、今後の方向性についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) これまでも日本の法人実効税率というものは諸外国に比べて高いという指摘がよくなされているところでありますし、財界の方からもその話はよく出た話ですが、三十年度に二九・七四%まで下がることが今度決定されるということになりますと、先ほど佐藤主税局長の方から答弁がありましたように、アジアの競争相手国よりは高いけれども、OECDの先進国よりは低いという、まあドイツ並みの水準ということになろうかと存じますので、国際的には遜色がないようなところになってきたと言えると思っているんですけれども、今後の方向に対しては、基本的には先ほど野党の方というか民主党の方からも御質問があっていましたけれども、やっぱり経済界に対してそれだけ税金が下がるということは純利益が増えるということですから、そういった意味ではその分が投資の拡大とか賃金とかいうものの引上げに促す観点というものが大事なところなんですが、今後まず、そういった今後の取組を見ながら見極めていく必要があろうと考えております。 また同時に、与党の税制改正大綱の中にも述べられておりますけれども、法人税制をめぐります諸課題として、いわゆる租税特別措置、いわゆる租特につきましても必要性とか政策効果とか時限とかいろいろなものをよく見極めた上で見直しを取り組んでいくということが一点と、もう一点は、中小法人とか協同組合というのに向けての税制の在り方についても検討していくこととされております。 例えば、いわゆる中小法人でいきますと、資本金一億円以下というものが一律にばっと全部同じになっておりますけれども、それが妥当ですかという点が一点ありましょうし、また、協同組合というものも、農林中金とか、何でしたっけ、信金中金か、ああいうものは中小並みに扱われておりますので、実力、大きな地銀並みにあろうと思いますけれども、それでも法人実効税率は一九%ぐらいの協同組合ですから、軽減税率一九%ぐらいだと思いますので、ちょっと、都銀並みにでかくて一九%かよという話はこれは必ず言われるところだろうと思っておりますので、こういったものも含めまして検討をやっていかねばならぬものだと思ってはおります。
○中西健治君 まさに、おっしゃられた農林中金ですとか信金中金、本当に大きな金融機関でありますから、それが中小企業と同じというのはいかがなものかということだろうと思います。そういった点も含めて是非今後の法人税改革というのをやっていくべきだろうというふうに思います。 今大臣がおっしゃられましたけれども、この法人実効税率の引下げの効果は見極めていく、そしてまた検討していくという方向性だということでありますけれども、とにもかくにも、二〇%台というのが実現をして、そして企業収益は過去最高を記録しているという状況で、当然それならば次は賃金の上昇、さらには消費や投資の増加へとつながっていくことを期待したいというところでありますけれども、先週の春闘の一斉回答などを見てみるとどうもちょっと怪しい感じかなと、雲行きが怪しいということじゃないかと思います。 そういったこともあって、昨年来よく言われるのが、積み上がった内部留保を賃上げに回すべきだとか、内部留保に課税して吐き出させるべきだと、こういった意見が聞かれるということでありますが、少しちょっと厳密な議論をさせていただきたいと思うんですが、企業部門の内部留保というのは過去の税引き後の利益から配当などを引いたものの集積という会計上の概念でありますから、もう投資などの原資として使われてしまっているという部分も当然あるということになります。ですから、内部に現金が留保されている、たまっているというものとは違うということだろうというふうに思います。ですので、この内部留保に課税をする、こういう直接的な言い方というのは、ちょっとこの内部留保というのは課税にはなじまないということなんではないかと思いますが、これについて御意見をいただきたいと思います。
○副大臣(岡田直樹君) 企業の毎期の純利益の積み上がり、このことを内部留保というふうに言っておるんだと思います。したがって、内部留保というものはバランスシートの上の純資産に区分をされるものであって、これに直ちに賃金引上げの原資になるかといえばそうではないということは、ほぼ中西委員の御見解と我々共通の認識ということが言えるのではないかと思っております。 その上で、やはり今の日本経済の問題は、過去最高水準の企業収益といいながら内部留保が三百五十兆円を超えるという中で、これと同じ傾向で、手元資金、現預金と申し上げてもいいかもしれませんが、これが大きく増加をしている、その一方で設備投資や賃金がおっしゃるとおり十分に伸びていないというところにあると思います。内部留保を賃金引上げの原資とすべきという考え方については、こうした企業の現状への問題意識を分かりやすく伝えるための表現として内部留保ということを申し上げてきているというふうに思います。 政府として、内部留保課税ということをどう考えるかということも御質問に含まれておったかと思いますけれども、企業の内部留保が、繰り返しこの数字申し上げますが、三百五十兆円を超えるまでに積み上がり、しかも手元資金も増えているこの状況には私どもも強い問題意識を持っておりまして、しかしながら、内部留保課税といったアイデアは現在のところ政府としては検討をしておりません。 政府としては、今回の法人税改革などによって企業に対し投資拡大や賃金引上げへの取組を促しているところでありまして、足下の賃金引上げ、春闘のお話、先ほどからいろいろ出ておるところでございますけれども、個別の労使間の議論が、大きいところは終わったけれどもまだ中小企業があるという中で、まずはそうした動向というものをよく見極めてまいりたいと、このように思っております。
○中西健治君 今整理していただいたように、内部留保は会計上の概念ということでありますから、より正確に賃上げの原資となっていくのは現預金ということだろうというふうに思います。 この現預金の推移というのはどうなっているのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(冨永哲夫君) お答え申し上げます。 財務省の法人企業統計年次別調査によりますと、金融業、保険業を除きます企業の現金、預金等は、二〇〇九年度、平成二十一年度では約百七十八兆円、二〇一四年度、平成二十六年度では約二百十兆円となっており、五年前と比べ約三十二兆円増加しております。
○中西健治君 三十二兆円も増加しているんだったら、やはりこの現預金の幾らかは賃上げに回してもらいたいと、これは方向性としてそうあってほしいと、望ましい方向だろう、そういうふうになってほしいという方向だろうというふうに思います。 三大都市圏のパートやアルバイトの時給、これを見てみますと、今年の一月までで二年七か月連続で上昇しています。近所の飲食店の募集広告を見ても、時給千円未満というのはほとんど見なくなってきたかなというふうに思います。ですので、まずは、この労働需給がタイトになってきて、非正規の方々の時給は上がってきている、給与は上がってきていると、これは経済理論どおりということなんじゃないかと思います。 問題は、その先に正社員の給与が上がってきているのかどうかということになるわけでありますけれども、正社員の雇用数は昨年、八年ぶりに増加に転じたということでありますが、給与の上がり方というのは今の春闘を見てもいま一つということかなというふうに思いますが、今日も午前中から出ていますけれども、正社員の給与がいま一つ上がりにくくなっているその理由はどのようにお考えになられますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 先ほど礒崎さんでしたか、御質問があっているところでもお答えしたと思いますけれども、少なくとも企業の収益というものが賃上げにもっとつながってしかるべきではないかという意見に関して私どもも同じ問題意識を持っておるんですけれども、いわゆる集中回答日という、この業界の特殊用語かもしれませんけれども、春闘の中で、昔と違ってストライキ等々ではなくて一発回答という形に最近なってきておりますので、そういった意味では随分時代も変わってきているんだとは思いますが、一時金を見ますと、ベースアップという通称ベアというものの幅が去年に比べて、自動車総連でいえば、自動車は三千円が今年は千五百円とか二千円切ったとかいろんな形のものが随分出ていたように記憶しますけれども、過去二年間に続いておった賃上げというもののベースアップの上がり幅は減ったとはいえ、ベースアップをしていることは間違いないと思いますので、流れはいろいろあるところだとは思いますけれども、まだ中小のところは今やっている最中でもあろうと思いますので、その経緯を見守ってまいりたいとは思っておりますが、これから回答していく企業に対して自社の事情に合った形で前向きな検討が望まれるというふうな表現を財界の方でされたりなんかするというのは、それなりの方向を示しておられるんだと思いますが。 状況につきましては、これは先行き何となくインビジブルな、何となく見えにくいものがいっぱい多く出てきて、政権も極めてよく分からぬと、アメリカしかり、ほかの国も同じようなもので。そういった意味で、政権も余りよく見えないので、政権で一番安定しているのはロシアぐらいよなんてよく言われる話が、ヨーロッパの人たちも言うぐらいですから、そういった具合になってくると、ちょっとヨーロッパもよく分からぬ、アメリカもと。アジアということになってくると、何となく先ほどの資料の中でも自動車の生産量の半分がほぼ海外ということになってきますと、その影響というのは極めて大きいと思いますので、そこらのところを考えると、何となくいま一つ、ちょっと行け行けという感じにはなりにくいという感じになってきているのが大きな理由だと思いますので、日本のファンダメンタルズは決して悪くないけれども、対外要因というのが極めて大きな影響をしているというのが背景かなという感じはいたしますけれども、それが正確にまだ分析が終わっているわけではありません。
○中西健治君 先行きの不透明感が増してきているからと、こういうことでありましたが、先週のこの委員会では、メガバンクの組合側が賃上げ要求を見送ったということをちょっとお話しさせていただきました。その理由として、マイナス金利が採用されて収益見通しが不透明になったからと、こんなような話なんですが、過去最高に近い収益を出しておきながら、もうマイナス金利ですぐさま組合側が要求を見送るというのもいかがなものかなということを私は申し上げました。個別の産業や銀行について言及は当然できないんだろうというふうに思いますが、こうした労働者側の動きというのもちょっとやはりデフレマインドから脱却できていないんじゃないかというふうに私自身は思うんです。 そこで、最近、三月の十四日にIMFが日本に関するレポートを出しました。面白いことが書いてあったのでちょっと御紹介したいんですが、このIMFのレポートでは、日本では、企業も労働者も未来を見るというよりも過去を見て見通しを形成しているのではないかと、こんなようなことが述べられておりました。これまさに、この二十年間、失われた二十年と言われたり、十五年以上デフレが続いてきましたので、やはりそこがマインドに染み付いているということを言っているということなのではないかというふうに思います。 そのIMFのレポートでは幾つかの提言が行われているんですが、その提言の題となっているのは、賃金上昇のために第四の矢を放てと、こういう提言なんですが、そのうちの一つとして、これ大臣にコメントをいただければと思うんですが、これ提言しているのは、収益を上げている企業に対しては、少なくとも物価上昇率プラス生産性の伸びの賃金引上げを確かにするために、コーポレートガバナンス・コードで導入した遵守か説明か、コンプライ・オア・エクスプレーンと、こうした原理を導入したらどうかということを提言をしております。 このIMFのレポートは更にいろんなことを言っているんです。賃上げをしなければ懲罰的な税制を入れたらどうかとか、そこまでは行かないにしても、こうした説明責任を負ってもらうと、こういったような提言に関してはどのように思われますでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) やはり中西先生、一九三〇年代にいわゆるデフレというのは最近で起きた最後のデフレですけれども、このデフレが起きて、日本の場合は、当時の憲政会が政友会に頼んで、日本では、今でいえば民主党が自民党に頼んで財務大臣やってくれと言って、時の政友会総裁高橋是清に大蔵大臣を依頼する。政友会の総裁だった方が相手政党の大蔵大臣を引き受けて、ほぼ三年で今同じような状況ということになったんですが。これを丸々そっくり取ったのが一九三三年のアメリカ大統領選挙に出たいわゆるルーズベルトなんですけれども、ニューディールとかいう、新しいディールなんだといって、高橋是清案を丸々パクって使った。日本じゃこれニューディールしか教えないんですけれども、あの元の案は高橋是清の案と同じじゃないかというのが、教えないのは日本の歴史教育に問題があるなとはいつも思って読んでいるんですけれども。 これが、アメリカはやって、当然のこととしてルーズベルトは再選をするわけですね、一九三七年に。再選をして、失業率も下がった、完全にGDPが半分までおっこった分は元に戻った等々のことをやっていますのでこれは大成功したんだと思いますけれども、結果として、戻るんですけれども、じゃ、その後、これがインフレまで行ったかといえば、結果的にはインフレまで行かなかったんですね。そして、御存じのように、第二次世界大戦ということになって、戦争経済でインフレになったと。歴史をつなぎ合わせればそういうことになりますので、戦争が起きていなかったらどうなったかというのはもうたらればの話ですから何とも申し上げられませんけれども。 そういったことを考えますと、やっぱり企業の何が一番変わらなかったというのは、あの貸し剥がしを食った、あの貸し渋りを食った、あの思いだけがずっと、そのときの課長さんだったやつが、自由になっても、そのとき、常務だ、社長なんだといっても、あのときの思いはみんな残っていますから、絶対に銀行にだけは金は借りねえ、あのやろうどもと思っています。今の日本の経営者というのはほとんど同じですよ。だから、そういった意味では、そんな簡単に僕は企業家のマインドが変わるとはなかなか思えないところなんですけれども、少しずつ確実に行くんだというのが、安心して、よしと思うところまで来るには時間が掛かるかなという感じもしますし、それは組合側も同じで、何となくこれ以上頼むとまた賃金がこうというような形になって、それが反動で返ってきてはかなわぬとか、いろんなことを双方で考えておられるかなという感じは、組合側の方と話してもそんな感じは正直なところします。
○中西健治君 失われた二十年の後ですから、そんな三年間ですぐさま全てが変わるということではないだろうというふうに思います。 このIMFの提言の遵守か説明かというのも、これは一考に値する提言なのかなというふうに思いますので、是非御検討いただければというふうに思います。 ちょっと話題を変えまして、中小企業庁の方も来ていただいていますので、信用保証制度についてお伺いしたいというふうに思います。 昨年の五月の参議院の経済産業委員会では、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案、これが可決された際に、一つ附帯決議がなされております。その附帯決議というのは、信用補完制度に対する多額の財政支援が継続している状況に鑑みて、見直し、検証を行うと、こういう附帯決議なんですが、この多額の財政支援が継続している状況というのは、信用補完制度の損失に対して税金が投入されていると、こうしたことを見直すということを意味しているんだろうというふうに思いますけれども。 バブル崩壊以後、この信用保証制度というのが利用されて、金額としては損失が膨らんだりしてきていると。リーマン・ショックもあり、あと東日本大震災もありました。膨らんできた山もあったんじゃないかと思うんですが、現在の状況というのはどうなっているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(木村陽一君) 信用補完制度の収支でございますけれども、一般にリーマン・ショック等の危機時あるいは景気の低迷時には信用保証を利用する事業者の資金繰りが悪化をいたしまして代位弁済が増加するわけでございます。他方で、景気が良くなってくると代位弁済が減って、保険金の支払が減少いたしまして収支が改善するという実態にございます。 足下の状況でございますけれども、リーマン・ショック直後の平成二十一年度には公庫の保険部門の収支、マイナス五千六百七十八億円でございました。他方、その後、景気の回復とともに毎年徐々に収支が改善しておりまして、二十六年度にはマイナス千六百二億円まで改善をしてございます。 財政への投入でございますけれども、平成二十一年度には二兆一千五百九十八億円の財政資金を投入させていただいておりますけれども、平成二十六年度には千二百七十五億円というレベルになってございます。
○中西健治君 ということは、依然として若干の赤字はあるということですけれども、急速に税金の投入というのは減ってきているということで、損失も減ってきているということだということのようでありますが、そうしますと、この附帯決議の、信用補完制度に対する多額の財政支援が継続している状況に鑑みとありましたけれども、今回の見直しというのは、そこの財政状況の改善ということそのものが目的となっているわけではないということなのではないかと思いますが、この見直しの目的、これについてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(木村陽一君) 現在の信用保証の制度でございますけれども、中小企業の金融機関からの借入れの一〇〇%又は八〇%、一律に金融機関に対して保証する仕組みとなってございます。金融機関には、本来その融資先であります中小企業者に寄り添って経営改善を支援する役割というのが期待されているというふうに考えてございます。 他方、現在のそういう一律の保証というような制度が金融機関が中小企業に寄り添って支援を取り組む姿勢に水を言わば差しているのではないか、その結果、中小企業者自身も経営改善に取り組まなくなっているのではないかと、そういう問題意識を少し持ってございまして、今回の見直しは、制度を利用する金融機関が今まで以上に中小企業に寄り添いまして事業者とともに経営改善の方に取り組む、そういうようになるように、中小企業の言わば持続的な成長、発展の基盤を整えるための一助とする、そのことを目的としたものでございます。 そのことが、結果的にさらに附帯決議にありますような国民負担を軽減することにもつながっていくのかなと、そのような認識でやっているところでございます。
○中西健治君 問題意識として、この一律の一〇〇%、八〇%というものが、金融機関が、ちょっと悪い言葉を使うとモラルハザード的にもなりかねないと、こんなようなことを問題意識として持っていらっしゃるということですが、この一〇〇%、八〇%、じゃ、この一律のを見直すという方向性で今議論されているということでしょうか。
○政府参考人(木村陽一君) 中小企業者も、例えばライフステージによりまして資金需要というのはやっぱり異なってくるのではないかというふうに考えております。 創業期にはやはり信用力あるいはその担保もございません。したがって、それなりの手厚い保証というのが必要になってまいりますし、その後、その成長の過程ですね、その過程によりましてはまたちょっと別の形での資金需要がある。あるいは、それが再生でございますとか撤退というような局面になったときはまた異なった形になってくる。それを一律に例えば八〇%、一〇〇%という形でやるのはいかがなものかということで考えているところでございます。
○中西健治君 今おっしゃられた、創業期には手厚く支援をして、徐々に金融機関にバトンタッチしていくと、こんなようなことをお考えになっていらっしゃるのかなというふうに思いますが、今度の見直しによって基準が厳しくなるということであれば、やはり中小企業にとっては駆け込み寺的な側面があるかと思うんですが、そこのところ、資金繰りに影響が出るようなことはないということでよろしいんでしょうか。
○政府参考人(木村陽一君) 見直し自身は、もうあくまでもその金融機関のある意味力量を高めていただいて、中小企業が持続的に発展するその後押しをするためのものだという位置付けでございます。 今回の見直しが単に金融機関の貸し渋りをもたらすというような、そういう結果に終わっては元も子もないというふうに思ってございまして、そのようなことのないように、その地域における例えば融資の実態あるいは景気動向といったものを丁寧に把握をいたしまして、成長戦略あるいは骨太の方針などにも明記されておりますとおり、中小企業のその経営環境等に配慮をし、資金繰りに万全を期しながら慎重に検討を進めてまいりたいと考えてございます。
○中西健治君 ありがとうございます。 続きまして、金融庁にお伺いしたいと思うんですが、先週も少し、地域金融機関の不動産融資、中でも貸家に対する融資が伸びている、持家ではなくてですね、ことについて議論させていただきました。今日、二つばかり議論させていただきたいというふうに思っているんですが、一つは、投信、投資信託に対する金融機関からの投資、これが相当な勢いで伸びているということであります。金融機関全体で見ますと、二〇一三年頃には約五兆円強だったものが、直近では十二兆円にまで伸びてきている、二倍強ということであります。 内訳を見てみますと、大手行では二兆円が三兆円になったという程度でありますけど、地域金融機関では二兆円が六兆円、地銀では二兆円が六兆円、そして信用金庫では六千億円が二兆円となっています。要するに三倍の伸びということになっているわけでありますが、これは大手行と地域金融機関や信用金庫の規模の差を考え合わせると相当な金額が投資されているということになりますが、これ、どのような投資信託への投資が行われていると把握されていらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(遠藤俊英君) 委員御指摘の投信の内容、投資している投信の内容でございますけれども、日銀の金融システムレポートによりますと、地域金融機関が投資する投資信託等は株式投資信託、それから不動産投資信託、いわゆるREITと呼ばれるものでございます、それからラダー型と言われている内外の債券投資信託などへの投資が主なものであるというふうに承知しております。
○中西健治君 投資対象として株式だとか不動産、あと通貨をミックスしたものなんですかね、ラダー型というのは、こういったものに投資しているのではないかということのようですけれども。 この投資信託の形として、形態として、私募投信にその多くが投資されているということが報じられております。私募投信というのは、資産運用会社が投資家向け、企業向けに、会社向けにオーダーメードでつくるというものでありますから、いろんな中身がつくれてしまうということになるんじゃないかと思います。 透明性がどれだけあるのか、流動性は全くないんじゃないか、こんなようなことも言えるんじゃないかと思いますが、こうした私募投信が増えているんじゃないかということについて金融庁の認識はいかがでしょうか。
○政府参考人(遠藤俊英君) 中西委員がおっしゃいます私募投信というのは、特定の機関投資家向け、あるいは四十九名以下の少数投資家に販売することを目的とした投資信託でございます。御指摘のように、公募の投資信託と違って、例えば目論見書の交付は義務付けられていないとか、情報開示について、あるいはその継続開示についてかなり要件が緩いというような形でございますので、私募投信は公募投信に比べると一般的に流動性が低く透明性が低い、しかし、いろんな商品というものをオーダーメードでつくることができるという特徴がございます。 これも日本銀行の金融システムレポートによりますと、地域金融機関におきましては、私募投信の中でも、先ほど申しました内外の、繰り返しになりますけれども、債券ラダー型ファンド、これを中心に運用しているというふうに承知しております。 債券のラダー型ファンドというのは、残存期間の異なる債券に同額ずつ投資する、そういうポートフォリオをつくっております。組入れ債券が一定の期間過ぎたところで、残存期間でございますから短くなりますので、一番短いものを売って利益を確定して、長いものを買い戻すという形で、常にポートフォリオの組入れ債券の組入れ比率、残存期間に係る組入れ比率が一定になるような仕組みのファンド、これを多く購入しているというふうに聞いております。
○中西健治君 分かりました。 ラダー型というのは、先ほど私は通貨の組合せと言いましたけれども、そうではなくて、残存期間が均等になるような形のポートフォリオを組んだ投資信託を購入していると、こういうことだということであれば、リスク的には少し少なめだろうというふうには思います。ただ、私募投信、おっしゃられたとおり、情報開示等は当然公募に比べると少ないということになってきますので、これが大きく増えているということは、やはり少し注意は喚起しておいた方がいいんじゃないかというふうに思います。 こうした私募投信のほかに、一つリスク管理ということでお伺いしたいと思いますが、マイナス金利が採用されました。マイナス金利が採用されると、どうしても長めの債券の方が、少しでも金利があるということで長めの債券の方に投資は行きがちだということになるだろうというふうに思います。そうしますと、やはり金利が動いたときの損失の大きさというのは長い債券の方が当然多いですから、そこら辺の、地域機関がそうした期間の長いものを持つということについての問題認識というのも併せてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(遠藤俊英君) 債券全体の、債券に投資された資金の平均回収期間、残存期間でございますけれども、いわゆるデュレーションという言葉を使っております。このデュレーションは、平成二十七年三月末まで地域銀行のデュレーションは約四年ということでございまして、これは平成二十三年三月末からおおむね横ばいでございます。他方、信用金庫は、この平成二十七年三月末までで約六年のデュレーションでございますけれども、これは平成二十三年三月末と比較して約一年間長期化しているところでございます。このデュレーションが長期化しますと、委員御指摘のように、金利変動による有価証券の時価変動のリスクが増加いたします。こうしたリスクに対するこの管理体制というのが整備できているかどうかということが、我々、まさに検査監督の検証の対象になります。 具体的には、地域金融機関に対してストレステスト、いろんな金利の状況になったときのそのストレスシナリオに対してどれだけ自分たちのポートフォリオが耐えられるものなのかどうかという、そのストレステストの充実でありますとか、市場急変時に具体的にどういった債券から売却していくのかということをあらかじめ定めておくアクションプランの作成状況でありますとか、そういったことの確認を通じて、市場の急激な変動が生じた場合の影響、それからそれに対する対応が検討されているかどうかということ、総じて言えば、市場リスク管理体制がどうなっているかということを我々は検証しているところでございます。
○中西健治君 ラダーとかデュレーションとか、久々に金融の教科書に書いてあることを思い出しました。 もう一つ、済みません、聞かせていただきたいと思いますが、もう一つ増えているものがあります。地域金融機関で最近増えているのが外債投資であります。外債投資全体、銀行全体で見ると、大手行が減らしているので余り目立たないというふうになっていますけれども、地域金融機関の外債投資は、過去二年の間で六兆円から十兆円に二倍近く増えているということであります。 債券の信用リスクもありますし、為替リスクも円投で行くんだったらあるということになりますけれども、このリスク管理についてはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
○政府参考人(遠藤俊英君) 外債投資のリスクでございますけれども、今委員御指摘のように、国内債券投資と同様に、発行体の信用リスクでありますとか市場金利の変動による価格変動リスク、まずこれが適切に管理されているかということから始まりますけれども、外債投資特有のリスクに関しては、それにかてて加えて為替変動リスクでありますとか外貨の流動性リスク、これにも対応する必要がございますし、それから外貨調達の安定性、採算管理ということについても留意する必要があると考えております。 こういった外債投資特有のリスクに対して地域金融機関の今の状況はどうなっているかということを申しますと、まず為替変動リスクの大宗に関しては、いわゆるヘッジ取引という形でリスクをコントロールしているという状況にはございます。それから外貨流動性リスクについても、現状、ソブリン債でありますとか金融債など流動性の高い有価証券運用が中心になっておりますので、外貨流動性リスクそのものは地域金融機関にとって低いものではないかなというふうに考えております。 他方、地域銀行の外貨調達構造については、先ほど円投というお話がございましたけれども、短期の外貨市場調達への依存割合が非常に高くて、外貨調達の面での安定性ということに関しては少し脆弱かなというふうに考えております。米ドルの調達コストも上昇しておりまして、採算管理にも留意する必要があるものというふうに考えております。 こういった状況でございますので、金融庁といたしましては、このモニタリングを通じて各地域金融機関が中長期的にどの程度外債投資における運用規模というものを確保していくのか、その際に投資種別でありますとか期間を想定して、そのためにどのような運用体制、リスク管理体制というものを構築しようとしているのかを検証し、資産運用体制の高度化というものを促していきたいなというふうに考えております。
○中西健治君 外貨調達の部分が、まさに今後問題になりかねないというふうに私自身も考えております。 アメリカの金融規制というものも強まっていますので、ドルのファンディングというのは今後しにくくなるんじゃないかということも言われています。あと、通貨スワップ市場に行くと、やはり日本の金融機関がドルをファンディングするコストは非常に今高くなっているということであります。 いわゆるボルカー・ルールというものからはこの通貨スワップは外れていますけれども、今後、外貨調達がしにくくなるということは十二分に考えられるので、その場合には逆ざやになってしまったりしかねないということですから、ここは一番目を光らせていただきたいというふうに思います。 今、こうした投資信託ですとか外債投資ですとか、こういったことを申し上げましたけれども、本来は、金融機関は当然貸出しにお金を回してほしいということだと思います。国債を漫然と買うということよりはいい部分もあるというふうに思いますけれども、こうした外債投資や投資信託、いい部分もあるというふうには思いますが、融資が、預貸率が五〇%を下回っているこうした金融機関も幾つもある中で、やはり貸出しをもっと強化してくれないと困るということじゃないかと思いますが、金融庁もいろいろ指導されていると思いますが、今これやっていかなきゃいけないこととしてどういったものを中心に考えていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(遠藤俊英君) 御指摘のように、地域金融機関の中には、預貸率、これが五〇%を下回っている先があるということは承知しております。近年、預貸率は、地域銀行においてはほぼ横ばい、信用金庫、信用組合においては低下傾向にございます。これは、貸出残高は増加しているんですけれども、貸出残高の増加以上に預金がそれ以上に増加してしまっているということがこの数字の上のトレンドでは原因としてあるのではないかなというふうに思っております。 いずれにしても、金融庁は、地域金融機関においては、まず担保、保証に依存する融資姿勢を改めてほしいということ、それからもう一つ、取引先企業の事業の内容や成長可能性などを適切に評価して、融資や本業支援などを通じて地域の産業や企業の生産性向上などの促進を図り、ひいては地方創生に貢献していただきたいということを強調しているところでございます。 具体的には、こういった担保、保証に依存しない、あるいはその事業性というものを評価して融資を行ってほしいということ、様々な切り口で金融庁は金融機関と議論しておりますけれども、例えば、この事業性評価を踏まえた解決策の提案とか実行支援、そのための体制整備というものが各金融機関において実際にできているのかどうかということを検証して、もしそれが非常に好事例としていいものがあれば、それを対外的に公表して他の金融機関の追随を促すというようなこと等々を行っているところでございます。
○中西健治君 是非、先週もこうした議論をさせていただきましたけれども、やはりそうした好事例を共有するなどして、地域金融機関の融資は伸ばしてもらう、預貸率を上げる、こうしたことを引き続きやっていただきたいと思います。 それでは、私の質問はここら辺で終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○石田昌宏君 自民党の石田でございます。残りの時間を私が担当させていただきたいと思います。 前回、私はこの委員会で、税制で軽減税率の話とセルフメディケーション控除の話をさせていただきました。実は、両者に共通するのは、特に国民視点になった場合に、レシート一枚一枚チェックしなければならない、手間が非常に掛かるような税制改正の仕組みであって、ここをどうするかというのが非常に重要な問題ではあるんですけれども、これは同時に、税務署で働く職員にとってもなかなか大変な話であるとは思っています。実際に一枚一枚の領収書をどこまでチェックできるか分かりませんけれども、そこ間違っていたら税金の金額変わってきますから様々な作業が必要ですし、問合せも随分増えていくんではないかなと思っています。 事前の準備として、もし来年四月に導入するのであれば、今年中に職員の研修ですとか、そのためのマニュアルを作成するですとか、窓口の職員の様々な準備が必要となるわけでして、非常に人手の不足が心配されていきます。平成二十八年度、その手当てが予算上もなされていると思うんですけれども、まずお伺いしたいんですけれども、平成二十八年度の国税庁の職員の増員がどのくらいあるか、内容も含めて教えていただきたいと思います。
○政府参考人(星野次彦君) お答えいたします。 平成二十八年度の国税庁の定員につきましては、増員が千三十七人、定員合理化がマイナスの千六十一人、差引きマイナス二十四人とされております。増員の主な内訳でございますが、税制改正等への対応が三百十四人、消費税軽減税率制度への対応百三十二人、業務量の動向に応じた国税庁内の定員配置の見直し四百五十八人となっているところでございます。
○石田昌宏君 税制改正の対応ですとか軽減税率の対応で百人超えの増員があるというんですけど、全体としては合理化を含めて実質でマイナス二十四人ということです。もちろん、これは理屈上は増員をしたということになっているとは思うんですけれども、現場の感覚からすると全く増員になっていなくて、むしろ減員という形に感じていると思います。予算はこうなっているわけですけれども、ほかにもいろんな方法があると思いますので、何とか工夫して、とにかく人の体制をしっかりと整えていっていただきたいと思いますし、そうあるべきだと思っています。 こういった、制度に合わせて人をどう配置するかというのはとても重要な問題で、場合によっては思わぬ影響を与えることがあると思うんですけれども、実調率をずっとデータ見てみました。実は、実調率に関しては、平成十七、八年ぐらいは五%ぐらいあったと思うんですけど、徐々に減ってきているというのは最近の傾向ではありますが。 これとはちょっと別なんですけれども、平成二十四年に五弱ぐらいから三ぐらいに一気にがんと下がったときがあるんですね。何でこう急激に下がったのか。いろんな理由があると思うんですけれども、どうやら、いろいろと調べてみると、国税通則が改正されて、それによって手続が極めて厳密化されました。書類とか決裁とかが非常に増えていて、そういった手続があって、実際、実調に行きにくくなって、その結果、実調が非常に下がったということがあります。つまり、これはそのときに、じゃ、定員を増やしたかというと、実は相変わらず全体としては減員が続いているわけですね。やっぱり、制度を見直すときには、実際に現場がどう影響を受けるかとか、どう変わるかとか、そういったものをしっかりと把握して、それに対する手当てをして初めて制度の改正がうまく運用がいくんだと思います。 今回の動き見てみると、本当、来年の春から軽減税率にしてもセルフメディケーション控除にしても、マイナンバーも入ってくる。そういったことを考えたら、相当、現場的には、感覚としてはやっぱり人が足りなくなるというのは想像付くと思うんですけれども、なかなかその手当てが十分行っていなくて、制度改正ばかりやって、現実とずれ込むような形になるんだと思いますが、この点についてどう考えていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、石田先生御指摘のとおりに、軽減税率という新しい制度が入ってきますと、これはこの制度を適正にかつ円滑に運営するというためには、これは制度の執行をいたします現場、いわゆる税務署員ということになるんですが、そこの税務執行体制全体の整備というものは、これは人数に限らず、機械化を含めていろいろなものが重要と考えております。 したがいまして、今、国税庁の方から申し上げましたように、平成二十八年度の予算で国税庁の定員は百三十二人の増員ということにいたしておりますが、国税庁においてはこの定員も活用するんですが、ほかにも関係省庁や関係民間団体とも緊密に連絡をしていかないかぬところだと思っております。 また、国税本庁、また国税局、税務署等々の関係部署が、これはいろいろ新しいことをやりますので、一体となって効率的にいろいろやっていかないかぬことも確かなので、広報とか相談とかいうのを、新しいこともいっぱい質問等々が出てくることがあろうということは思っておかなきゃいけませんので、その体制も構築してきちんとやっていかないかぬということで、今、我々としては、しゃべり方にしても、同じ言い方をするにしても、あいつが言ったら納得できるけれども、こいつが言ったんじゃ納得しにくいというやつは世の中いっぱいいますから、それは税務署も同じですから、そういった意味で口の利き方もよくよく考えてもらわないかぬということまで、私ども、余計なことですけど、きちんと言っているところでもあります。 いずれにしても、国税庁につきましては、今後とも事務運営の効率化というのはもちろんですけれども、定員というものは、これはどう考えても物理的に絶対量が足りないということになり得ることはあろうかと思いますので、私どもとしては、制度改正に当たっても的確に反応できるような体制づくりというのを常に考えていきたいと考えております。
○石田昌宏君 確かに絶対量が足りないということは十分あり得ると思います。確かに、現実もあるので、本当に工夫というのは非常に必要だと思いますし、配置の問題とかほかの協力を得るですとか、とにかくあらゆることをやって、円滑にかつ公平な税制運用に努めていただきたいと思いますが。 そういった全体の整理をするに当たってもまだ細かいこともたくさんありまして、国税庁の税務署の仕事ってだんだんだんだん複雑化して高度化していると思うんですけれども、例えば国際化、経済取引の、に伴ってかなりの国際的な税務の知識が必要であって、国際税務専門官という仕事があるんですけれども、こういった方々ですとか、また、複雑な税法の実態に沿って判断する係の人がいて、審理専門官というんでしょうけれども、そういった極めて税制に精通した人をもっともっと増やしていくということも必要だと思いますが、こういった職員の増員についてはどう考えていらっしゃるでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) お答えいたします。 近年、経済取引の国際化、ICT化等によりまして、税務行政が複雑困難化している状況にございます。 先生御指摘のとおり、国際課税の分野への対応や法令の適正な解釈、適用が税務行政における重要な課題となっているところでございます。このため、国税庁といたしましては、国際課税に係る調査を専門的に担当する国際税務専門官、複雑な事案に係る法令の解釈及び適用を専門的に担当する審理専門官の設置を積極的に進めておりまして、平成二十三年度からの五年間でこれらを合わせて百四人増員をしているところでございます。 今後とも、税務行政の複雑困難化に的確に対応するため、必要な機構の確保に取り組み、適正、公平な課税の実現に努めてまいりたいと考えております。
○石田昌宏君 増員、人の配置は非常に重要で、どうぞ是非、実際現場で働いている最前線の方々とよく対話をしながら、業務に漏れがないように進めていっていただきたいというふうにつくづく思います。 ただ、なかなかそううまくはいっていない現実もあって、今、税金の滞納の問題もかなりありまして、平成二十六年のデータを調べてみると、新規発生の滞納額が五千九百十四億円というふうに見積もられているそうです。うち五五・七%、半分以上が消費税の滞納になっています。ある意味、この金額を見たら、軽減税率で足りない税収を、ちゃんと把握すれば、十分それだけで埋まっちゃうんじゃないかと思うぐらいな規模であって、この辺はしっかりと、税金を公平にという観点からやっぱりその抜け道を塞いでいくことも重要だと思います。このためには、ある意味、実調率のデータの話もしましたけれども、確実な、公平な税運用、税務の運用をしていただきたいと思います。 残念なデータも一つありまして、平成二十七年度の会計検査院の年報を読んでみますと、財務省に対して、税収の徴収額に過不足があるというふうなことで不当事項という判断をしています。中身を見てみると、実際に租税の徴収に当たって納税者が申告書等において所得金額や税額等を誤るなどしているのに、これを見過ごすなどとして徴収額が不足していたものが二億三千百八万円、過大になっていたものが四千四百七十一万円というふうにあります。基本的には、申告を間違って書く方にももちろん問題はあるんですけれども、それを確実に分からなかったという点もありまして、これは本当のデータの一部だと思います、調査の結果は。だから、かなりな量があると思います。 税務署の職員、非常にプライドを持って働いていると思います。ある意味でこの税金のことを、税は国家なりという言葉もあります。この言葉は我々政治家にとって非常に重要な言葉でありますけれども、それを実際実務で担当していらっしゃるのが最前線で働いている方々だと思います。そういった点で、非常に誇りを持って働いていただきたいですし、そういった環境をつくって、国民が納得できるような、公平な税制、適正な税制をしっかりと運用していただきたいんですが、現実を見ると、なかなかそれが、漏れがあったりとか徴収できなかったりとかかなり起きているんですね。そういった点は明らかに、個人の努力とかいろんなものはあるかもしれませんが、絶対的なやっぱり量の不足というのもあると思います。 なかなか予算その他の問題は簡単な問題じゃないというのは十分認識はしていますけれども、それでもしっかりとした方向を出していただいて、やはり公平な、国民にとって本当に納得できる税制の運用を第一線でやっていくべきだというふうに考えますが、今後のこの税制の実際の在り方についてどうお考えになるか、最後に質問させていただきたいと思います。
○副大臣(岡田直樹君) ただいま石田先生御指摘になりましたように、税務行政を取り巻く環境を見れば、経済取引の国際化などによって一層厳しさが増しているわけでございまして、今参考人からも御答弁させていただきましたが、軽減税率制度といった新たな制度、また、これは麻生財務大臣が国際的なイニシアティブを取ってBEPSという仕事、これはタックスヘイブンなどを通じて課税逃れやあるいは利益移転をすることに対する対処策でありますけれども、こういった国際的課題に対しても的確に対応することが大きな課題となっております。 さらには、石田先生今おっしゃいましたとおり、財政事情が厳しい中で、国税庁は歳入官庁でございます。したがって、課税や徴収の体制が充実すれば、これは歳入増にも寄与をするということは考えられると思っております。 こうした状況の中で、適正、公平な課税徴収を引き続き実現してまいりますためには、効率化を図るということはもちろんのことでございますけれども、やはり必要な定員も確保して、税務執行体制の整備を図ることが重要と考えてございます。
○石田昌宏君 制度はやっぱり運用あってこそ正しくされるんだと思っています。どうぞ、現場としっかりと対話をして、適切な税制の運用を図っていただきたいというふうに思います。 以上です。ありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。よろしくお願いします。 来年四月の消費税一〇%増税についてですが、与党の中からも、これは実施延期、中止、そういう声が出ております。自民党の稲田朋美政調会長は十七日の記者会見で、増税延期の判断も含めて注視していかなければならないとおっしゃいました。それから、日曜日には、溝手顕正参議院議員会長も、増税が基本だが絶対ではない、来年四月というタイミングは良くない、参院選のテーマになるのは大変だと、こう述べたというんですね。 大臣にまず、与党内からこういろんな声が上がっていますが、どう受け止めていらっしゃいますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 与党の幹部の方々という、一くくりで言えばそういう表現なんでしょうけれども、方々に逐一コメントする立場にはないとはっきりしております、私のところの立場はね。ただ、報道については、発言の一部だけ切り取られているというのはしょっちゅうある話ですから、それも私もよくやられていましたので、それについても一々コメントすることは差し控えさせていただきます。 いずれにいたしましても、私どもは、総理がおっしゃっておられるように、消費税率一〇%への引上げというものにつきましては、一昨年のような景気判断を行わないということを言っておられますので、リーマン・ショックというような言葉を使われておりますが、リーマン・ショック、大震災といったような重大な事態が発生しない限り、いわゆる確実に実行をさせていただきたいと考えております。
○小池晃君 ただ、そうはいっても、ただの幹部でないわけで、政策責任者あるいは参議院の最高幹部が言っているわけですね。 私は、予算委員会で、八%への増税のときに家計消費どうなりましたかという質問をした際に、安倍首相は、家計消費が予想以上に落ち込んで、予想以上に長引いたというふうに率直に認められたわけですよ。 これは一昨年、大門実紀史議員が、ここじゃないですけれども、予算委員会ですけど、質問した際に、総理はワンショットだと言っていたわけですけれども、これはワンショットでなくて長引いたということを認めたわけですね。ならば、この見通しが誤っていたことを率直に私は認めるべきだと思うんですよ。やっぱり消費税八%に引き上げたことが今のこの日本の経済に重大な打撃を与えたという、失敗だったということを認めるべきだと思うんですね。それで中止だと。 ところが、今の議論というのは、何か官邸が国際金融経済分析会合なるものを開いて、ノーベル経済学賞を受賞したスティグリッツ・コロンビア大学教授を招いた。スティグリッツさんは、現在のタイミングでは消費税を引き上げるべきでないとおっしゃったというふうに報道されています。今日は、何か、これまたノーベル経済学賞のクルーグマン教授から話を聞くそうであります。クルーグマン氏も消費税増税には慎重だというふうに報道もされている。 私には、何かこの消費税増税中止を、これ世界の声だと、世界経済のせいにしようとしているんじゃないかというふうに思えて仕方がないんですが。これは率直にやっぱり、さっき言ったみたいに、増税中止するならばやっぱり自らの増税の誤り、アベノミクスの行き詰まりをちゃんと認めるべきじゃないですかね。それやらないで何か世界のせいにする、ちょっとこのやり方ってどうかと私は思うんですが、大臣、こういうやり方って正しい政治の在り方だと思いますか。いかがですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 国際金融経済分析会合と、正式にはそう言うんだそうですけれども、これは今回、御存じのように五月にはG7のサミットをやりますので、その議長国をやりますので、現下の世界的な経済状況等々につきまして、これは適切に対応するために開催するものであり、消費税率の引上げについて判断をするために開いているものではないと、私どもの理解はそう理解しておりまして、事実そう言っておられますから、私どもはそう承知をしております。 また、各有識者が様々な意見を言われるというのは毎度のことですから、私どもとしては、率直な意見というものを伺うという環境を確保するためにも有識者の個別の見解について一々コメントすることもありません。
○小池晃君 私は、今の経済情勢あるいは国民の生活実態から見れば、やっぱり増税は中止すべきだというふうに改めて申し上げたいと思うんですが。 今日は軽減税率について聞きたいと思うんです。 この軽減税率は、税制抜本改革法を根拠に導入する低所得者対策だという御説明なんですね。消費税率を一〇%に引き上げるのを前提にすれば軽減税率によって逆進性は緩和されるから、だから低所得者対策だというんですが、これは一月の補正予算の予算委員会で私が質問した際に、たとえ軽減税率があっても一〇%に増税すれば八%時よりも逆進性は高まるのではないかと、麻生大臣はそれは当然のことだというふうにお答えになっているわけですよ。そうなると、これは一体どこが軽減税率なのか、低所得者対策なのかと。これは、八から比べれば明らかに逆進性強まる、どこが低所得者対策なんですか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、御存じのように、社会保障と税の一体改革というのは、これは消費税率の引き上げました分に関しましては増収分を活用して社会保障の充実と安定化を図るということであって、社会保障制度というものを持続可能なものとしてということをこれ度々申し上げてきたところであります。 したがいまして、消費税率一〇%への引き上げた後には、低所得者に対する配慮という観点から、我々はこれまで実施している国民健康保険料の軽減の拡充というものに加えまして、介護保険料の軽減の強化ということで、御存じのように、二〇%になりますと一万三千二百円程度の軽減になろうかと思います。 また、年金生活支援給付金ということにつきましても、これにつきましても年額最大六万円等々、社会保障の更なる充実を図ることといたしておりますので、さらに軽減税率制度について言わせていただければ、こうした社会保障の充実と併せて、簡素な給付措置や子育て世帯臨時特例給付金といった臨時的な対応ではなくて、少なくとも恒久的な対応として、幅広い消費者がいわゆる消費、利活用等々に、利活用しておられます、消費税というものの負担を直接軽減することにより、いわゆる逆進性を緩和、また痛税感の緩和ということをやる利点があろうと思っております。 したがいまして、私どもとしては、社会保障と税の一体改革という全体の枠組みを踏まえれば、低所得者への配慮というものは十分になされておるのではないかと、そう思っております。
○小池晃君 いや、その社会保障の問題はこれは予算委員会で何度ももうやっていて、小泉政権のとき以上にやっぱり自然増抑制やっているわけだから、これ社会保障のためだという言い訳はもうやめた方がいいと思うんですが。 今、簡素な給付措置についてもお話がありました。確かに、この税制改革法の原案では、給付付き税額控除か社会保障の総合合算制度か、そこにその複数税率というのが入ってきたわけですよ。その低所得者への配慮の恒久的な措置ができるまでのつなぎとして、八%時には簡素な給付措置ということが導入されたわけですよね。今日お配りしているような資料で、こういう給付措置ができたと。 確認しますけれども、この臨時福祉給付金などの給付措置の金額の計算の根拠というのは、この考え方というのは、食料品の増税五から八への三%の増税分に相当する額を低所得者に給付して言わば戻す、返還すると、そういう考え方で組み立てられているという理解でよろしいですね。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的にそうです。
○小池晃君 ということだと。 二〇一二年のこの税制改革法の三党合意の後の国会の審議、議事録を私も見てみましたけれども、公明党の皆さんは八%への増税時から簡素な給付措置かあるいは複数税率を導入すべきだというふうに主張されていました。食料品の税率の世界標準は四%から五%だからということで、それで簡素な給付措置は食料品五から八に増税する分を補うものとして導入されたと、そういう計算で出されたというのは今お認めになったと思うんですが。 少なくとも、大臣、この時点での低所得者対策の考え方というのは、建前というのは、これは住民税非課税世帯の食料品の消費税の負担を税率五%に相当する状態に据え置くというのが政策の目標だったから、だから、五から八の分のその食料品の増税分を戻すという考え方でやったわけでしょう。 ところが、今回、食料品に軽減税率導入するけれども、八%に据え置いちゃったわけだから、これ、結局、給付金の対象世帯にとってみれば、簡素な給付措置が廃止された上に食料品以外の消費税率上がるわけだから、これダブルパンチということになりますよねと、これもう事実の問題です。そういうことになりますよねということなんですが、確認していただきたいんですけど。
○国務大臣(麻生太郎君) 現金給付の増減のみで勘案して消費税率一〇%への引上げにおける低所得者への給付とか負担の増減というのを考えれば、それぞれの年齢や収入に応じてこれはプラスマイナスは様々になるんだと想定されます。 一方で、社会保障と税の一体改革による社会保障の充実というものは、先ほど例として申し上げましたように、いわゆる現金給付の充実のみならず保育の受皿の拡大等いろいろやらせていただきますし、地域包括ケアシステムの構築とか医療とか介護とか、いろいろ御存じのようにさせていただきますので、現物給付の充実も図ることとしておりますので、低所得者層に対する社会保障の充実の保障をいわゆる現金給付の増減のみで判断するというのは適当ではないのではないかと、基本的にそう思っております。 〔委員長退席、理事長峯誠君着席〕 いずれにしても、社会保障と税の一体改革というものは国民の各階層に幅広く消費税の負担をお願いするわけですから、社会保障制度というものを持続可能なものにさせていただいて、低所得者の方々を含めて国民一人一人が将来にわたって安心した制度というものを利用していけるように引き続き持続させていくためのものでありまして、引き続きこうした趣旨を踏まえて改革を着実に実行に進めていくということが大事だろうと思っております。
○小池晃君 いや、私が聞いているのは、八から一〇への増税については、これは軽減税率ということが低所得者対策だというのがそちらの言い分なんでしょう。じゃ、その五から八への低所得者対策でやった簡素な給付措置は、これはどうなんですか。まだ決定していないのかもしれないけど、やめちゃう可能性高いんでしょう。そうなると、結局、その五から八への低所得者対策はもうやらなくてもいいという認識なんですかということなんですよ、私が聞いているのは。
○国務大臣(麻生太郎君) 私どもは、基本として、今回の軽減税率を導入するに当たりましては、今言われたような方向で事を考えておるのが実態であります。 いずれにしても、これはお金の掛かる話でありますので、少なくとも、こういった形で、私どもは、軽減税率を導入するに当たって約一兆円前後のものが掛かる、そこまで掛からなければいいとは思いますけれども、掛かると予想されますので、そういった意味におきましては、少なくとも今までのやらせていただいた分のうち約四千億ぐらいのものに当たろうと思いますので、そういったものはこの際軽減税率に置き換わっていくということで考えているというのが基本であります。
○小池晃君 結局、低所得者対策というのは、何か理念とか哲学があってやるんじゃなくて、やっぱり増税したときの一時的な負担を緩和するだけだということじゃないですか、そうすると。結局、そういうことにしかならないということだと私は今の答弁を受け止める。 結局、低所得者対策になっているのか。なっていないんですよ、これ。景気対策にもなっていない。何でこんな軽減税率にこれだけこだわるのだろうかと、私さっぱり分からなかったんですけど、ある雑誌の記事を見て、ああ、こういうことだったのかというふうに大変よく分かったんですが、二枚目に資料で入れておりますけれども、これは週刊東洋経済に掲載された斉藤鉄夫公明党税制調査会長のインタビューなんですね。これはこう書かれているわけです。 「将来、消費税率は一三から一五%、ひょっとすると欧州のように二〇%になっているかもしれない。そのときでも食べ物は八%に据え置かれる。」、「今回、たった二ポイントの軽減だが食べ物の税率を一ケタに固定したことは非常に大きい。将来、」、この後はちょっと括弧付きですけど、「(消費税の本則税率が上がったときに)この幅は大きくなる。そのときに初めて軽減税率の意味が出てくる。」と。 これ非常に分かりやすいんです、これは。これは、自民党の谷垣幹事長も、消費税の将来を考えたときのインフラ整備だというふうに言っているわけで、その発言とも平仄がこれ合う。 〔理事長峯誠君退席、委員長着席〕 大臣、今回の軽減税率制度というのは、これは消費税率が一〇%を超え引き上げることに備えたインフラ整備という側面もあるということでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 重ねて申し上げますけど、幹事長であろうと与党の政調会長だった方であろうと、政調会長ですか、何ですか、公明党は政審会長というんですかな、政調会長とは言わないんじゃないの。(発言する者あり)ああ、与党。まあどうでもいい話ですけれども。その与党議員の偉い方だということで拾っておられるんでしょうけれども、発言として、政府として一々、逐一コメントすることはありません。 その上で、消費税の軽減税率制度の導入については、これは税制抜本改革法第七条というのに基づく消費税率の一〇%への引上げに伴う低所得者への配慮として、ほぼ全ての人が毎日購入している酒類及び外食を除く食料品などの税率を八%に据え置くことにより、所得の低い方ほど収入に占める消費税負担の割合が高いといういわゆる消費税の逆進性を緩和し、また日々の生活の中で買物の都度、痛税感を緩和を実感していただくために導入するものでありまして、したがって、消費税率の更なる引上げのために導入するという御指摘は全く当たらないと我々は考えております。
○小池晃君 いや、しかし、斉藤さんは毎日新聞のインタビューでもこう言っているんです。「少子高齢化の中で社会保障を支えるため、今後さらに消費税率が高くなることも考えられる。消費税率が二ケタになっても、生きていく上で必要な食べ物の税率は一ケタに抑えられれば、国民も安心し、社会保障の持続性にもつながる」ということを言っていて、一貫しているんですね。やっぱりそういう議論があったんじゃないかなと、これを見ると。しかも、自民党は言っていないとおっしゃるけれども、しかし谷垣さんだってそれに近いことを言っているわけですから、私紹介したように。谷垣さんと言っていることともほとんど平仄は合うんですね。 それから、財務省でもそういう議論があるんじゃないかと。これ、軽減税率が、今後、一五、二〇と消費税増税更に上げることをやりやすくするための制度をビルトインしたものではないかということについて、資料の三枚目見ていただきたいんですが、これ福井新聞という地方紙なんですけれども、今日お見えいただいております財務省の主税局担当の矢野大臣官房審議官が福井新聞社で懇談した内容が翌日の同紙で報道されているわけです。 氏の発言として引用されている部分ちょっと読み上げますと、「消費税率一二%の議論になっても生活に身近な飲食料品は八%のまま。国民理解はある程度得られ、引き上げやすくなる」、「一二%に上げても軽減税率があるので賛成・反対は五対五になるかもしれない。(税率を)」、ここは括弧付きなのでちゃんと言っておきます、括弧付きで、「(税率を)上げる決断をする政権は、やりやすくなるだろう」と。これは斉藤税調会長と全く同じ認識なわけで、しかも一二%というのはすごいリアルな数字なんですよね。 御本人に来ていただいたんですが、財務省内では、これ軽減税率によって消費税を一二%に引き上げやすくなるだろうというような議論があるんですか。
○政府参考人(矢野康治君) お答え申し上げます。 そのような数字はございません。本報道は、三月三日、財務局主催の福井県での講演会が終了した後、地元新聞社を訪問した際のやり取りに関してその一部を報道されたものと承知しておりますけれども、委員が御指摘の、あるいは本会議でも御指摘をされました、軽減税率の導入は消費税率を一〇%超に引き上げた際に初めて意味が出てくるなどということは、私は一言も申し上げておりません。したがいまして、軽減税率の導入は消費税率を一〇%超に引き上げるための布石であるとか、あるいは準備であるという趣旨も全く申し上げておりません。 それから、私の講演につきましてですけれども、総理が国会等の場において、自らの政権においては消費税率の更なる引上げを行うことはないということを明言しておられるということを前置きをしっかりした上でお話をさせていただいておりますし、私からは、軽減税率につきまして、その趣旨を、日々の生活において幅広い消費者が消費、利用している野菜や果物やお総菜といった飲食料品についてはその消費税負担を直接軽減するということになりますので、買物の都度、痛税感の緩和を実感できるという利点がありますことから今般導入されることになりましたという趣旨をるる説明して、それから指摘されております線引き問題、財源問題、事務負担問題についてどういう整理をしたかということをるる御説明をしました。その上で、それしかないのかということを言われますとと言ってこの話をさせていただきました。そして、そのときに、一二という数字ですけれども、我が国においては社会保障、受益と負担のバランスを取っていく必要がありますけれども、向こう半世紀以上にわたって少子高齢化が進んでいくということが見込まれておりますので、一体改革の考え方からいたしますと、消費税率を据え置いて社会保障経費がどんどん累増していくということになりますとというお話をさせていただいた次第でございます。
○小池晃君 いや、今の答弁は、ここの部分は、じゃ言ったということですよ。それ以外にいろいろ言ったけれども、そこは切り取られたけれどもこの部分は言ったという答弁ですよね。 私は、初めて意味が出てくるなんてことは先ほど言っていないです。初めて意味が出てくるとおっしゃったのは斉藤鉄夫さんなんですね。それ、矢野さんが言ったとは言っていないんですよ。私が読み上げたのは、純粋に矢野さんが言った部分なんです。そこはお認めになった。今後そういったことになるだろうということを言ったということなわけで。結局、これ、低所得者対策だというふうに言いつつ再増税対策も含まれたものであるということを、これはもう認めたということに私なると思うんですね。これ、やっぱり重大だというふうに言わざるを得ません。 低所得者での消費税負担、本当に深刻になっているという実態をちょっと次のところで、資料の四ページと五ページで引いておりますが、これ家計調査、まあ家計調査はいろいろちょっと問題あったという議論は予算委員会でもありましたけれども、もうそれしかないのでそれでやりますが、これで収入階級別に税項目ごとにどれだけ負担しているかを試算してみますと、これは、最も所得の低い第一分位では、一か月の収入が二十七万六千七百四十一円に対して消費税が一万四千八百六十五円、所得税二千六百六十一円、住民税四千五百五十一円、その他税収含めて納税総額二万八千九百四十四円。だから、納税総額に占める消費税の割合は五一・四%ですから、税金の半分消費税だということになっています。低所得層では消費税が所得税の五・六倍課税されていると、税負担の半分は消費税だと。一方で、最も所得の高い第十分位で見ますと、一か月の収入九十六万九千百六十九円に対して消費税負担は三万六千三十一円、所得税六万四千九百五十円、住民税五万二千二百十四円、納税総額は十六万七千四百七十六円ですから、納税総額に占める消費税の割合はおよそ二割なんですね。 これはもう財務省的に言えば、税金の仕組みはこうだからこうなるんだということになるかもしれませんけど、大臣、やっぱり税負担の在り方としてこれ適正なんでしょうか。こういった在り方でいいというふうに大臣はお考えですか。
○国務大臣(麻生太郎君) 消費税の負担について言われておりますので、消費税の負担のみで見れば、御指摘のいわゆる負担が重いという一つ目の話ですけど、低所得者ほど収入に占める税負担の割合が高いという意味ではいわゆる逆進性を有するものではあるということだと思いますが、社会保障と税の一体改革の中で、その増収分は社会保障の充実、安定化というものに充てるということにしております。その受益は低所得者ほど大きいと、それは分かりますよね。その所得の再分配というものはそうやってつながるという面がありますので、そうした受益の面と併せて評価をしていただかないと、この面だけされても、それはなかなか話としては難しいと思いますね。 加えて、今般の消費税率一〇%への引上げに当たりましては、全ての方々がほぼ毎日購入していらっしゃいますいわゆる酒類とか外食を除く飲食料品を対象に軽減税率制度を導入することによって、いわゆる逆進性を緩和することができるということを考えております。 他方、低所得者ほど税率負担に占める消費の割合が高いという二つ目の御指摘ですが、これは消費税のみをもって税負担を考えることは適当ではないので、他の税負担も併せて税制全体として所得の再分配を考えることが重要ではないか、これはずっと申し上げているとおりです。 したがいまして、日本の税制は全体として累進的でありますから、更に再分配機能の回復というものを図る観点から、近年の税制改正、今年もそうですけど、税制改正において、所得税の最高税率とか相続税とかそういったものの見直し等々などを行っているところでもあります。
○小池晃君 社会保障のことはさっき言ったとおりです。 今、税制全体で見てくれというお話だったので、ちょっと資料の最後に飛びますけれども、ちょっと見ていただきたいんですけど、じゃ、税制全体でどうかと。消費税など間接税による逆進性が、直接税、所得税や住民税によって、じゃ逆進性解消しているかということで見てみると、これ、勤労者世帯の年収別の負担率、計算してみたんですが、これは一応消費税率を一〇%にした場合ですよ。軽減税率を含む形で試算してもらった数字を基に作ったグラフでありますけど、大臣、このグラフ見ていただくと、消費税のところは、これは大臣も先ほどお認めになったように、消費税のところはたとえ軽減税率導入されてもこれ逆進的ですよ、どう見ても。 ここに、じゃ、累進課税である直接税が加わるとその逆進性が解消されるかということでこれ計算してみました。所得税、住民税、これを上乗せして、税負担率どれだけになるかというのを見てみました。これ、所得一千万円超える部分、まあ千五百万円超える部分辺りを除くと大体フラットになってきちゃっているんですよ。ほとんど負担率は一一%から一四%台ですよ。これが今の日本の税の実態なわけですね。消費税の増税と所得税率の最高税率の引下げによって、税による所得の再配分機能がこれ失われてきているんじゃないかと。 先ほど、税全体で見れば累進的だとおっしゃったけれども、実態を見るとそうなっていないんじゃないですか。だから、私は消費税のことだけを申し上げているんじゃない。日本のやっぱり税負担の在り方をこのままでいいのかと、これ根本的にやっぱり見直すべきなんじゃないかというふうに思いませんか。こういう実態になっているというふうにお認めになりますか。
○国務大臣(麻生太郎君) 税負担の水準というのは、これは同じ年収であっても世帯類型によって大きく異なっておりますのは、もう小池先生御存じのとおりでありますので、御指摘のこのグラフはどのように作成されたものか詳細は不明ですけれども、例えば家計調査の二人以上の世帯というものにおいては、年収の多い世帯というのは世帯人員が多いという傾向にありますので、各収入の階層に様々な世帯類型が存在をいたしております。 他方、これを夫婦子供二人の民間給与所得について比較をさせていただきますと、年収二百万円ぐらいのところでいきますと消費税負担の割合は四・五%でありますけれども、いわゆる年収千万円以上、三・二%になるという話だと思いますが、収入に占めます税負担全体の割合でいきますと、これは年収二百万円のところで四・五%、千万円以上のところで一三%と。 これ、夫婦子供二人でやると、きちんとそうやってやるとそういった形になるという数字も我々としては関心を持っておかないかぬところだと思っております。
○小池晃君 これは家計調査を基に、まあ個別間接税のところはこれ仮定の数字で入れていますけれども、これは消費税のところは財務省からいただいた数字ですよ。それを基にこれを計算した。 やっぱりこういう実態になってきているわけですよ。やっぱりそのことを、ちょっとこれは、もう数字の話これ以上やっても平行線になっちゃうかもしれないのでこのくらいにしておきますけれども、やっぱり全体として、消費税の増税とそれから所得税の累進課税、最高税率の引下げという方向によって、やっぱり所得の再配分機能がどんどんどんどん奪われつつあるという実態があるというふうに思います。そこはやっぱり見直していく時期だと。それを更にこの軽減税率を導入することによって一〇%以上に増税する準備を、インフラ整備をしたということになればこれは重大だというふうに言わざるを得ないし、この法案は断じて許されないということを改めて申し上げておきたいというふうに思います。 以上で終わります。
○藤巻健史君 おおさか維新の会、藤巻です。 今日の後場はちょっと知りませんけれども、前場、日経平均三百三十円ぐらい上がって一万七千円を回復しておりました。これ、想像したとおりなんですけれども、先週にアメリカのFRBが利上げを見送ったということで百十円台まで為替が円高ドル安の方を突っ込んで、それがまた百十二円の方に戻ってきたがゆえに日本の株価もいい動きをしているのかなというふうに私は思ったわけですが。 最近、特に一月以降、株価の動きと為替の動きは物すごく連動しているんですね。私なんか、いつも為替のマーケットを見て、あっ、円高だな、じゃ株下がっているな、もうきちんと下がっているんですね。円安になった、あっ、株価は上がっているだろうなと日経のページを見ると必ず上がっていくということで、ほとんど為替を、市場を見ていれば株価の動きは予想できるぐらいに連動しているわけです。 長い目で見ても、アベノミクス成功したと言われていたのは、二〇一二年の秋から、当時の野党、安倍自民党総裁が円高はまずいというふうにおっしゃってくださって百二十円までドルが上がり円が下がったということで、景気は良くなり、そして資産効果で株も上がり、資産効果で景気が良くなったと私は思っています。 ところが、二〇一五年、去年の中頃から、百二十三、四円でしたかね、円安が止まって、それに伴い株の上昇も止まり、そしてインフレ率も上がらなくなってしまったと。そしてさらに、今年の一月以降、円高の方向になってしまった、百十円台まで突っ込んでいったということで、株価もそれに全く連動して、極めて強い相関性を持って株価が下落し、資産効果はなくなり、デフレ脱却できるかと思ったのがデフレになってしまったということで、この数年間を見ても、為替の動きと株価、景気、消費者物価指数って物すごく連動していると思うんですね。 それは、この前の、FRBが先週利上げをしなかった理由として、これは日経新聞に書いてありましたけれども、一つは利上げをしないことによってドル高が進んでアメリカの経済が減速してしまうのを怖がったと、これも一つの見方だと思いますし、そういうこともありました。それから、G20では、自国通貨の切下げ競争をしないとみんなでアグリーしたわけですけれども、当然それが意味するところは、どの国も自国通貨安、すなわち日本でいえば円安が景気にいいと思っている、だからそれを競争しないようにとしてアグリーしたわけです。 ということは、やっぱりどの国も現状においては、景気を良くするためには通貨安、自国通貨安がいい、日本でいえば円安がいいと認めているわけですよ。通貨が強ければ、それはハワイ旅行は安くなりますけれども、仕事がなくなっちゃうわけです。 要するに、通貨、円が強くなれば、外国人の労賃が安くなるということで、工場は海外に行って、日本人の仕事なくなっちゃうんですから、幾ら労賃、ベアを上げろなんて言ったって、需要と供給の関係で仕事がないんですから、円高で海外行っちゃって。当然のことながら労賃も上がらないということで、景気が悪いときというのは、当然にハワイ旅行が安いよりは仕事がある方がいい。もちろん、景気が強くなれば、仕事は多少なくなっても、ゆっくりしてもハワイ旅行が安くなった方がいいと思うということで、為替というのは時代時代によってレベル、円安がいいか、円高がいいかって違ってくると思うんですが、今は世界的に景気が悪いということで、どの国も通貨安にしたいんだろうと思っています。 先日、予算委員会で麻生大臣にお聞きしましたところ、円安がいいとおっしゃってくれないかと何度も念を押しましたけれども、常識があるからということでおっしゃってくださらない。最後に、介入はしないけれども量的緩和はやったということで、ニュアンスとして円安がいいなという雰囲気を私は非常に感じたんですが、そういう状況において、今政府が何にもしなくて円高が進んでいって日本経済はもつのか、そしてデフレから脱却できるのか、その辺についてちょっと大臣がどういうふうに思っていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) もう十回以上お答えしたと思いますが、為替水準についてのコメントはしないと、これもうずうっと申し上げておりますので、手を替え品を替え聞かれても答えは同じであろうと存じますので、それだけは何回聞かれても同じことです。
○藤巻健史君 私は、日銀総裁とか財務大臣とか総理大臣が円安はいいとおっしゃってくれれば、途端に二、三十円ぼおんと円安になって、日本経済にとって非常にいい、財政出動もしなくて、ただの景気対策だと私は思っているんですが、おっしゃれないというのであれば、ほかの方法はいろいろとあると思うんですね。 そのことをお聞きする前に、まずちょっとお聞きしたいんですけれども、税務当局にお聞きしたいんですけれども、個人がドル預金をしました、一万ドル、例えば百万円でドル預金をしました、一ドル百五十円になって百五十万円になりました、一万ドルが。そのときの課税はどうなるんでしょうか、もうかったときの税金の仕組み。そして、一万ドルを百円で買った、百万円払ったものが七十五万円に減ってしまった、一ドル七十五円に下がってしまった、損をした、そのときの税金の仕組みをちょっと教えていただきたいんですが。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。 個人がドル建ての外貨預金を行いましてドルが上昇した場合の為替差益につきましては、預入時のレートと円交換時のレートとの差額について従前から雑所得として取り扱っております。他方、ドルが下落した場合の為替差損につきましては、預入時のレートと円交換時のレートとの差額が雑所得の損失となりまして、他の雑所得がある場合にはその金額から為替差損の金額を差し引くということになります。
○藤巻健史君 為替が百円から百五十円に上がって雑所得があるということは、基本的には、一つの会社に勤めて二十万円以下の収入、雑所得の方は別ですけれども、二十万円の収益があれば確定申告をしなくてはいけない。税率が高い方は四〇%、物すごく高い方は四五%の所得税を払わなくちゃいけない。百万円もうかったところで四十五万円は税金に持っていかれちゃうということだと思います。 一方、損した場合、大体雑収入がある方ってほとんど余りいませんから、損した場合は丸損なわけです。損益通算ができないわけですね。丸損だということで、為替の益と、もうかったときと損したときの税の仕組みがアンバランスが激しいわけですよね。となると、どう考えてもドル預金をやってみようというモチベーション湧きませんよね。得したらがぼっと税金取られる、損したら丸損、これではドル預金をしようと思う人は少ないと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) 雑所得につきましては、先生御指摘のとおり、損失が出た場合には他の所得金額との通算をすることはできないということになります。雑所得が出た場合には全体として総合課税ということになりますので、先生御指摘のとおり、このドル預金に限らず、雑所得の扱いというものはそうなっているということでございます。
○藤巻健史君 じゃ、次に、ドルのMMFについてお聞きしたいんですが、ドルのMMF、大体、法律的には元本保証の預金と元本保証ではないけれども実質的にはほぼ同じドルのMMFがありますが、昨年までドルのMMFの為替益は非課税だったと思います。今年になってどう変わったでしょうか。
○政府参考人(星野次彦君) お答え申し上げます。 一般論として、個人が、今年、二十八年一月以後にドル建てのMMFを譲渡した場合の課税関係についてまず申し上げますと、ドル建てのMMFの譲渡時の為替レートで邦貨換算した譲渡価格から取得時の為替レートで邦貨換算した取得費を控除した金額に対して申告分離課税の方法により所得税が課税されるということになります。他方、損失が生じた場合には、他の上場株式等の譲渡益や配当所得等と損益通算できるということにこの一月からなってございます。 一方、平成二十七年の十二月三十一日以前にドル建てのMMFを譲渡した場合には、保有期間中の為替差損益も含め非課税とされておりましたので、損失が生じた場合はその損失はなかったものとみなされて課税関係が整理されていたということでございます。
○藤巻健史君 昨年の暮れですけれども、ドルのMMFが非課税だったものが今後源泉分離二〇%税金を取られるということで、過去にドルのMMFを買っていた方はかなり売り越したと思うんですね。当然のことながら、キャリーオーバーして今年になって売れば二〇%の税金を払わなくてはいけない。去年の暮れまでに払えば非課税なわけです。五十円も為替益があったときに、例えば今年になれば二〇%税金を、十円税金を払わなくちゃいけないし、去年であれば売ってしまえばゼロで済んだわけです。 ということで、昨年の末、十一月、十二月にかなりドルのMMFの売却があった、すなわちドル売りがあったと思うんですよね。これが一種の、私が外から見ていますと、これがドル安円高の一つの原因になったのではないか。要するに、みんなが、それはすぐ買い戻せば別ですけれども、基本的には一度売って様子を見ようということで、かなりのドル売り要因があったと思うんですが、まさに日本経済に逆行する円高を税の仕組みの変更によって加速させた。 要するに、せっかく円安になって日本経済が良くなっていると思っているところに逆の圧力を与えたのは税の改革ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) いわゆるMMF、マネー・マーケット・ファンドの話をされておられるのだと存じますけれども、この課税方法の話は、これは元々は金融業界からの要望も踏まえて、二十八年からですから、これまで非課税であった売却益について二〇%の申告分離課税ということにさせていただいたということだと思いますが。 一方、為替差損とか売却損というものが出た場合は、さっきの為替の話と違いまして、他の上場株式や公社債の配当、利子等々と売却益で通算できるようになったということでありますから、いわゆる課税変更というものを、上場株式と同じような課税方法ということに変更したということだと思っております。 したがいまして、これによって金融商品の税負担の違いが左右されることなく、いわゆるニーズに応じた投資が行うということになりましたし、また、利益が生じた場合に課税されるということの一方、損失が出た場合は損益通算というので、損益通算が可能となるという意味で投資リスクは軽減されるということになりましたので、投資家にとっては一方的な負担ということになったとは言えないと思っておりますので、そういった負担になるだけの改正ではないというように考えております。 したがって、こうした変更が株価とか、何でしょうね、日本経済に及ぼす影響という意味につきましては、これが直接の引き金になったというような大きなものではなかったと、そのように感じております。
○藤巻健史君 損益通算ができるということと、例えば非課税だったものが二〇%課税にするというそのメリットとデメリットといったら、デメリットがむちゃくちゃに多いので、それはちょっと認識を改めていただきたいなと思うんですが。 私が申し上げたことは、これ、もう前々から決まっていた規則ですから、これが間違いだとかいいとかいうことをあげつらうのが目的で質問をしたわけじゃなくて、税制というのは為替を動かせるということを私は申し上げたかったわけなんですね。為替というのは税制によって物すごく変わる。 元々、私は、日本経済というのは名目GDPは二十年間低迷してちっとも動かなかった。ちょっと記憶は余り定かじゃないですが、アメリカが二・三倍、イギリスが二・四倍とか、中国に至っては十一倍になったにもかかわらず、日本経済が低位安定して名目GDPが二十年間ちっとも上がらなかったのは、私はひとえに為替だと思っているわけですね。 要するに、日本の経済の教科書を読むと、経済対策というのは財政政策と金融政策しか書いていないんですよ。アメリカとかほかの国の経済の本を読むと、財政政策、金融政策、為替政策というのが書いてあるわけです。この二十年間全く名目GDPが上がらなかったということは、考えようによっては、もし景気対策に財政政策と金融政策しかなかったならば、日本は経済学が全く働かない国である、若しくは、もう一つの考え方は、要するに世界の教科書には書いてある為替政策というのを無視したせいだと思うわけです。私は当然のことながら後者だと思っていて、日本の円が国力に比べて極めて高過ぎたがゆえに日本の二十年間の低迷があると思っているわけです。要は、円の割高というものを軽視し過ぎたのがこの名目GDPの低迷につながっていると私は思っているわけですけれども。 それで、先ほど申しましたように、G20で通貨安をさせないというのであれば、確かに介入はしにくいかもしれませんよ。でも、ほかに方法があるだろうと。その一つがこの税制の改革なわけです。私はもう昔から、円安にするためにはマイナス金利政策がいいというふうにもう二十年前から言っておりましたし、それから、税制改革でも円安は導入できるんだ。介入であればそれは他国から文句を言われるかもしれないけれども、国民が勝手にドル投資をする分には誰も文句を言わないわけです。若しくは、国民が、横にいるタナカさんがドル買ってアメリカが怒ったって、タナカさんは全然怖くないわけですよ。国民のお金が海外に向かってドル高円安に進む分には国は全く非難を受けないわけです。 特に申し上げたいのは、ほかの国というのはもうほとんど個人金融財産が三割、四割海外へ行っちゃっているわけですよ。日本はほとんど、ホームバイアスが強くて、ほとんどの資本が、お金が日本に残っているわけです。それは何かの仕組みで外に出せば、幾らでも円安ドル高が進んでいくわけです。日本経済が良くなるわけです。その一つに税法というのは極めて有効ではないかということで、私は今日は質問させていただきたいんですが。 麻生大臣の年齢ですと当然のことながら覚えていらっしゃると思いますけれども、マル優という制度がありました。三百万円までは非課税なんです。そういう制度が、一人三百万円までは非課税。それと同じように、マル外と称して、三百万円相当ぐらい、もっと大きくてもいいんですけれども、その外貨預金に対しては為替益は非課税、こういう仕組みをつくれば、これはかなり円安ドル高、皆さん円安ドル高進むと思うわけです。せっかく宮沢自民党税調会長もいらっしゃるので、小学校のときよく私の意見聞いてくれたけど最近余り聞いてくれないので是非聞いていただきたいんですけれども、是非マル外、ドル預金を創設していただきたい。 そうすると、せっかく円預金は今のところプラスですけれどもマイナス、すなわちペナルティーを払う、ドル預金は利益がある。多くの日本人がドル預金しますよ。そうすれば一発で円安ドル高、株価は上がるし、資産効果でいいし、工場は日本に戻ってきて労賃も上がる、万々歳じゃないですか。ということで、是非、ドル預金、マル外をお願いしたいと思うんですけれどもね。 それで、特に、先ほど中西委員が、日本の金融機関がドルファンディングが難しいとおっしゃっていました。私もちょっとそれを昨日ぺらぺらっと見ていて、実はクロスカレンシー・ベーシス・スワップのレートを見て、スプレッドが物すごく上がっているのを発見してあっと思ったんですけれども、それが何を意味するかというと、日本の企業はドルファンディングが非常に難しくなっているということなんですよ。であるならば、ドル預金というのは金融機関にとっても有り難いわけです。 そういうことを考えて、ドル預金、マル外、是非考えていただきたいんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) ドル預金のいわゆる為替とか利息とかいうのの益を非課税にするという、簡単に言えばそういう話なんだと思いますけれども、為替を目的とした御提案というのであれば、先ほど申し上げましたように、そうした前提でのお答えというのは差し控えさせていただきます。先ほど申し上げたとおり、手を替え品を替えて言われたんでしょうけれども、答えは同じです。 その上で、一般論として申し上げさせていただきます。所得税非課税ということならば、その趣旨が妥当なものであるかということだというのが大事なところでありまして、趣旨に照らして適切な方法であるかといった点を慎重に考えないかぬところなので、例えば今御指摘のありましたマル優、いわゆる少額貯蓄非課税制度でしたっけね、あのときは昭和三十八年にこれ設立されたんだと、大学出た年だから昭和三十八年にこれ設立されたんだと記憶をいたしますけれども、いわゆるこの貯蓄を奨励するという当初の政策目的というものがありました。 しかし、その目的というものを我々はほぼ達成して、貯蓄が多過ぎる、個人預貯金というのは世界一ですから、そういうのが必要性が乏しくなってきた頃から廃止、縮小されたのが昭和六十二年だと思いますので、そういった意味では、今、御存じのように、平成十四年で高齢者とか障害者とか除くところでは基本的にそういったものはなくなったんだと思っておりますが、こういうものに照らしてみても、同じ貯蓄でありますドル預金の利息や為替差益の非課税とするという提案というのは、政策目的というのは何ですといえば、それは明らかに国際的にはいかがなものかということになりかねぬのではないかという感じがいたします。
○藤巻健史君 いや、問題は国際的にどうかというところですから、財務省は頭のいい方がたくさんいるんですから、その趣旨なんというのは何とかこしらえて、是非マル外をつくっていただければと思います。 次の質問に入りますけれども、今、日本は世界に冠たる皆保険国家と言われておりますけれども、厚生省の担当者の方にお聞きしたいんですが、他の国で国民皆保険を実現している先進国はほかにあるのかどうか、教えていただければと思います。
○政府参考人(谷内繁君) お答えいたします。 我が国の医療の国民皆保険制度ですけれども、社会保険方式を採用しつつ国民全員を公的医療保険で保障をしている、また医療機関を自由に選べるフリーアクセスとなっているという特徴がございます。 議員お尋ねの、他の先進国の状況についてでございますけれども、イギリス、フランス、ドイツなど多くの先進国では税財源又は社会保険方式により全国民を対象とした医療保障を提供しております。 ただし、先ほど私が申し上げました、全ての国民が公的医療保険の適用対象となっており、かつ医療機関へのフリーアクセスが認められているという我が国と同様の国民皆保険制度を有する国はないというふうに承知しております。
○藤巻健史君 それは分かっているんですけれども、一応念のためにお聞きしますけれども、税務担当者にお聞きしますけれども、日本の消費税は現在世界的に見て高いのでしょうか、低いのでしょうか。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。 OECD諸国三十三か国ございますので、それでお答えをしたいと思いますけれども、付加価値税の標準税率一〇%以上の国が三十三か国中三十か国ということでございます。日本が現在八%、スイス八%、カナダ五%、この三か国が一〇%未満ということでございます。
○藤巻健史君 ちょっと大臣にお聞きしたいんですけれども、今、先ほども聞きましたように、厚生省のお話だと、やっぱり日本の社会福祉というか皆保険制度は世界に冠たるものだというふうに思います。一方、消費税は世界、先進国では最低レベルということだと思うんですが、これは何を意味するかというと、日本が少ない消費税で世界に冠たる社会保障を達成している偉大な国なのか、非常にリーダーが頭がいい国なのか、それとも、他国が、日本にできることをなぜ、その日本ほどでもない社会保障を高い消費税を取っているのにできない他の国のリーダーは極めて劣悪なのか、リーダーシップがないのか、そのマネジメントが悪いのか、どちらだとお考えでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、日本の財政について、いわゆる受益と負担というお話をされているんだと思いますが、そのバランスが取れていないとの問題意識からのお尋ねなんだと承知しますけれども、確かに受益につきましては、日本の社会保障というものは、これはもう岸内閣ぐらいですから昭和三十五、六年ぐらいからだと思いますが、国民皆保険が確立した、世界に冠たるものだと考えております。給付の規模も、国際比較に見てみても中福祉の水準にあると認識をしております。 他方、負担面で見ますと、これは、社会保険料と税を合わせた負担の対GDP比はこれは三一%ぐらいでありますから、OECDの中で七番目に低いということになりますので、低負担ということになっておりますので、主税局的な観点からいえば消費税率も低くなっているということなんだと思いますが、他方、このため、中福祉というものを賄うためには必要な財源というのは確保できていないと、低負担ですから。ということですから、毎年度多額の赤字公債を発行することでこれまで将来世代の負担というものへツケ回ししておるということであって、やりくり上手ということでは全くないんだということは理解いたしております。 したがいまして、既に巨額となっております公債の残高というものを抱えて少子高齢化ということになりますと、社会保障費が更に増加するというものが見込まれますので、財政を持続可能なものにしていくために受益と負担というもののバランスを確保していかねばならないということはこれ間違いない事実だと思いますので、経済再生を進めながら歳出歳入両面から財政の健全化というものにしっかり取り組んでいかなければならぬということなんだと思っております。
○藤巻健史君 来年度予算でいいますと、六十二・三兆円の税収プラス税外収入、そして九十七兆円を使うということで三十四兆円の赤字になるわけですけれども、もしこの三十四兆円を消費税だけで賄おうとすると、消費税をあしたから幾らにしなければいけないんでしょうか。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。 極めて機械的な計算ということになります。一%当たりの消費税収二・七兆円ということでございますので、今先生おっしゃいました三十四兆円というものを二・七で割りますと、消費税率換算で一三%相当というふうになるわけでございます。
○藤巻健史君 ということは、二一%にしないと間に合わないということで、それは単年度黒字になっても別に累積赤字が減るわけではないので、元本を返していこうということになるともっと高い消費税率が必要だと思うんですが。 ここで、もし軽減税率八%を導入した場合、三十四兆円の赤字を、まあ軽減税率を採用しなければ一三%上げる、すなわち二一%になるということだったと思いますが、八%の軽減税率を採用した場合にはほかのものは何%まで上げる必要が、消費税は何%まで上げる必要があるのでしょうか。
○政府参考人(佐藤慎一君) お答え申し上げます。 八%の軽減税率ということで、今御提案申し上げている内容のものを導入するという前提で計算いたしますと、一%当たりの消費税収二・二兆円ということになりますので、三十四兆円を二・二兆で割りますと、消費税率一六%の相当分ということに機械計算ではなるのだろうと思います。
○藤巻健史君 ということは、軽減税率を導入するか否かというのはどういうことかというと、二一%で均一の消費税を採用するのか、二四%と軽減税率八%のコンビネーションを採用するか、どちらかであるというふうに理解できるんですが、いかがでしょうか。どなたでも結構ですけれども。
○政府参考人(佐藤慎一君) 機械的計算としてお答えを申し上げた次第でございますが、実際そういうその差分というものをどういう形で埋めていくかということについては、経済成長に伴う経済再生の話とか歳出改革とか、いろんなものを全体としてどう考えていくかということが重要なテーマになっていくのだろうというふうに思います。
○藤巻健史君 スイスとかドイツは均衡財政を憲法化しているわけです。我が国も、憲法ではありませんけれども財政法第四条で均衡財政を言っているわけですね。すなわち、財政である以上、どこかで減らせば、要するに軽減税率を採用するのであれば、歳出、まあ社会保障になると思いますが、社会保障を減らすか、消費税をさっき言いましたように二一%から二四%にするのか、若しくは他の税で補填するとしか考えようがないんですが、もし他の税で補填するとしたらばどういう税制が考えられるのか、財務大臣、お教えいただきたいのですが。
○国務大臣(麻生太郎君) 今、佐藤の方から申し上げたように、これはあくまでも機械的な話で答弁しておりますけれども、二十八年度において歳入歳出の均衡に必要な三十四兆円という、消費税だけで賄うという、これを前提に置きまして、軽減税率を導入する場合としない場合、いろんな話を今したのでありますけれども、財政の健全化というものは、これはもう何といっても経済成長との好循環というものを図りながら進めていくということが一番肝腎であって、収支の差額というものを全て増税で賄うというようなことは私どもとしては全く考えておりません。 そもそも国債の元本償還までを含めた歳出が均衡する状態を目指すべきかどうかというのは、これは議論のあるところ、分かれるところだと思っておりますので、いずれにいたしましても、財政健全化というのは現実的に一歩一歩進めていくべきものなのであって、政府としましてはまずは二〇二〇年度のプライマリーバランスの黒字化に向けて取り組んでいくということだろうと思っております。
○藤巻健史君 時間がないので終わりにしますけれども、私、ドイツもスイスも均衡財政を憲法化しているということは、やっぱり当然のことながら、国というのは均衡財政でいかなくちゃいけないと思うんですね。そのときに軽減税率をやるということは、先ほど申しましたように、歳出を減らすのか、消費税を更に上げるのか、若しくは他の税収で補うのか、その選択しかないと私は思っております。 ということで、終わりにしたいと思います。ありがとうございました。
○中山恭子君 日本のこころを大切にする党の中山恭子でございます。 今、藤巻委員からお話がありました、社会保障制度をこのまま維持するのにどのような対策が必要なのか、どれだけの税を増税しなければいけないのかというお話の中で、麻生大臣から、経済の好循環なども考えないといけないというお話がありました。まさに私ども、今、日本の経済をもっとしっかりした成長路線に持っていくことが非常に大事なことになると考えております。 昨年十月から十二月期の、十—十二月期のGDP成長率について発表されておりますが、では簡単に御説明いただいてよろしいでしょうか。大臣じゃなくてよろしいんですが。
○国務大臣(麻生太郎君) 平成二十七年度十—十二のGDPの成長率というもので、これはもうよく言われますけれども、暖冬等々いろいろありましたけれども、名目で前期比マイナス〇・二%、実質〇・三%ということになっておりますが、これ、一次速報値の時点と実質でまた少し、〇・一%ぐらい違っておりますけれども、いずれにいたしましても、一方で、平成二十七年の暦年で見ますと、成長率は実質〇・五%のプラス、名目で二・五%のプラスとなっておりますので、中期的に見ますと、日本の経済というのは緩やかではありますけれども確実に回復基調が続いていると、私どもは基本的にそう思っております。 いずれにいたしましても、デフレ脱却・経済再生というものを更に前進をさせていくためには、まずは平成二十七年度の補正予算を迅速かつ着実に実施することと、二十八年度の予算及び関連法案の早期成立に努めていくことになるんだと、当面そういうことだろうと思っております。 いずれにいたしましても、今後とも、民需主導というものの経済の好循環というものを拡大、深化させていくためには、これは経済界におきましても、収益の好調な企業におきましては、これは投資の拡大とか賃金引上げとかそういうものを、利益というものを大いに活用していただくということで一層の取組を求めてまいりたいと考えております。
○中山恭子君 今お知らせいただきましたが、緩やかな回復基調にあるという考え方が打ち出されておりますけれども、昨年十—十二月期のGDP成長率、中を見てみますと、民間需要の中で、民間最終消費支出は三角の〇・九%、民間住宅も実質でマイナス一・二%、民間企業設備は実質でプラス一・五%ですけれども、非常に三角の数字がずらっと続いております。公的需要につきましても、政府最終消費支出は実質プラス〇・六%ですが、公的固定資本形成は実質で三角の三・四%にも落ちております。日経新聞などでも、景気に下振れ圧力が掛かってきているというような評価が出ておりました。また、三月一日に発表されました経産省の鉱工業指数では、一—三月期の生産の予測指数は前期比マイナス〇・三%の予測というものが出ております。 こういった経済指標から見ますと、やはり今政府が行うべきことは経済成長政策であり、財政出動であると考えておりますが、この点については大臣はいかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には、経済成長といわゆる財政再建というのを両立させていかねばならぬと、これ、ついこの間までは財政再建派かいわゆる上げ潮派かとかいろんな表現で、片っ方、二者択一みたいな話が主流だったと思いますけれども、基本として私どもとしては両方を目指していかねばいかぬということで、この安倍内閣になりましてから、その方向に従って、いわゆる金融を緩和し財政を機動的に運用する等々やらせていただいた結果、御存じのような数字が出てきて、加えて、財政の中でいきますと、新規国債発行も十兆円減額、三年前に比べて減額という数字を挙げておりますので、一応その方向で私どもとしては考えておりますが、いずれにいたしましても、経済成長ゼロで財政再建、デフレのままで財政再建はできません。はっきりしておりますので、私どもとしては、きちんとした経済成長を図りつつというのが大前提になろうと思っております。
○中山恭子君 先日も多くの学者の先生方から、例えば本田内閣官房参与は、経済成長なくして、これは随分以前からおっしゃっていますが、財政再建なし、高橋先生は、増税したら元も子もないというような表現で、今増税の時期ではなく、その前に今しなければならないのは経済成長戦略を取ることであるというようなおっしゃり方があちらこちらから最近聞こえておりまして、私もそのとおりであると考えております。 もちろん、両立することは大切ですけれども、やはり財政再建そのものが目的化してしまってはいけないんであろうと考えております。経済成長のための戦略を取って、結果として財政再建ができるという形を取っていただきたいと思っております。 少し余計なことかもしれませんが、私は、麻生大臣はどちらかというと攻めの戦略を取ることに適していらっしゃる方ではなかろうかと思っておりまして、財政再建だけではないでしょうが、財政再建という重荷を持つと全てが萎縮した政策になってしまいそうな様子があると見ております。そこからちょっと解き放たれた形で、思い切った形で経済成長政策を取っていただけたらおのずと財政再建も取れるのではなかろうかと麻生大臣に期待しているところでございます。 御感想というのもおかしいでしょうか、もしよろしかったらお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 財政再建原理主義みたいな方が多いのは、御出身の大蔵省に多いのは間違いないところだと思いますが、三年少々前に財務相に就任させていただいたときに、金融庁では、金融処分庁というイメージはやめろ、金融育成庁にせないかぬと、財務省につきましても、財政再建原理主義というのでは話にならぬと、財政というものは基本的にきちんとしたものにしておかねばならぬけれども、少なくとも私どもとしては、財政再建というのは単なる手段であって目的ではないと、我々は国家というものを考えたときに財政再建をしておくべきだと思いますが、経済成長というものをしながら財政再建を図っていくというのがこの考え方だと、三年三か月前も、最初に申し上げましたけど、同じことしか言うておりませんので、基本的にはそういう考えでこれまでやらせていただいた結果、先ほど申し上げたように、経済は経常利益から何から全て史上空前のものを出しましたし、債権は少なくとも新規国債十兆円減額しておりますし、そういった意味では方向としてはその方向で動きつつあると思っております。
○中山恭子君 ありがとうございます。是非そちらの方向で動いて、財政再建もできる形に持っていっていただきたいと思っております。 今日、お手元に一人当たり名目GDPの資料を配付いたしました。以前、予算委員会で使ったものでございますけれども、一人当たり名目GDP、二〇一五年に発表されたものでございまして、IMFの数字を使っております。この中で、日本は二十五位でございます。もちろん、人口の少ない国の一人当たり名目GDPというのは非常に高くなりますし、また石油産出国などの数字もあります。 左側に丸を付けておりますのが一千万人以上の国、大体この辺りですと比較してよろしいかと思っておりますが、この丸を付けた一千万人以上の人口の国で考えましても、日本は九番目でございます。アメリカが先進国といいましょうか一千万人以上の国では一位で、五万五千九百四ドルでございます。これに比べて日本は九番目、三万二千四百八十ドルでございまして、比率でいいますと本当に少なくなってしまっておりますが、六〇%を切る程度の、アメリカに比べますと、非常に一人当たり名目のGDPが少なくなっているということが分かります。 また、二枚目でございますけれども、これは主要先進国の一人当たり名目GDPのグラフでございます。 一九九五年に日本は断トツの一位でございました、先進国の中で。二番手が紫色でドイツになるわけですけれども、これをはるかに超えておりました。しかし、この一九九五年以降、日本の一人当たり名目GDPはほとんど、一旦下がって、そこからほとんど横ばい、二〇一二年に少し上がりましたけれども。そして、二〇一五年には何と七か国の中で六番目、イタリアに次いで下から二番目でございます。これですと、アメリカの大体五八%しか名目GDPがありません。 なぜこのように日本の一人当たりの名目GDPが落ちてしまったのか、もう一度その理由などをしっかりと見極めて対策を取る必要があると考えております。アメリカ・ハーバード大学のジョルゲンソン教授が先日の国際金融経済分析会合で、日本の労働者一人当たりが物やサービスなどの価値を生み出す力を示す生産性が日本では一九九五年以降停滞していると指摘されております。 このテーマが、日本の経済成長とも絡んで、今後この一人当たり生産性の向上をどのように目指していったらいいかというのが喫緊の課題であると考えておりますが、この点について大臣はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これはもう幾つか理由があろうと思いますけれども、何といっても、この九五年、これはドルは安くて円が高いという時代ですから、これはドルの指標でやっておられると思いますので、当然のこととしてこういった形になっていくんだろうと思いますし、この辺が急に下がっておりますが、これは円安になっているという理由が大きな理由だと思っておりますので、これ、ちょうど円とドルとで大分感じが違うだろうとは思います。それが一つです。 もう一つは、やっぱり少子高齢化になってまいりますので、これはどう考えても一人当たりの生産性というのは上げないかぬというのは当然のことなんですが、この約二十数年間デフレをやっておりますので、企業の設備投資というものはほとんど動いていなかった時代が長く続きましたので、今新しい機械というものによって生産性が随分上がるものになってきているにもかかわらず、今なかなかそういったものに投資が向いていないというのが現状だとも思いますので、そういったものが今から、インターネット・オブ・シングスとかいわゆるAIとかビッグデータとかいろんなものがありますけれども、こういった新しい技術分野につきましては国を挙げてこれを力を注いでいくという方向を結んでいくというのが国の経済成長をしていく上において割と大きな問題、経済成長につなげていくというところにおきましてはそういったところが最も大事なところになってくるかなという感じはいたします。
○中山恭子君 三枚目のページにこの指数が出ております。もちろん為替の問題というのはつながるわけでございますけれども、影響があるわけでございますけれども、名目GDPの指数を三枚目で見ましても、日本は九五年に比べて現在七六・四でございまして、ほかの国がしっかりと伸びている状況を見ますと、やはり日本の経済の在り方というのが問題がある、欠陥があるであろうと考えております。カナダは九五年に比べて二一三・六まで行っておりますし、アメリカは順調に真っすぐ上昇しておりまして一九四・四でございます。日本だけが一〇〇を切っているという状況でございます。 もちろん、先ほど藤巻先生のお話もありましたが、日本の通貨量が非常に伸びなかった、伸ばさなかったという点も一つの原因であろうと思っておりますが、いずれにしても、日本だけがここまで一人当たり名目GDPが落ちているということについてしっかりと見極めて、これを上昇させる政策を早く取っていただきたいと考えております。 例えばですけれども、これまで労働賃金の話が出ておりました。また、なぜ賃金が上がらないんだろうというようなことがよく言われます。例えば最低賃金を引き上げるというようなことをお考えいただいてはどうでしょうか。いろんな影響が出てくるとは思いますけれども、その最低賃金引上げするに当たって必要な施策は取った上で最低賃金を上昇させるということをお考えいただけたらと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 個人消費というのは総じて見ればかなり底堅いものだとは思いますけれども、賃金が上昇することによって消費が拡大するというのは、可処分所得が増えるとかいろんな表現があろうかと思いますが、何より消費喚起策としては、もう大きな要素は賃金が上がる、来年も上がるかなと思えば物も消費しやすくなるということだと思いますので。 政府としては、過去最高の企業収益を上げておられます企業に対しましては、引き続き賃金の引上げに回していくということをしていただきたいということと、最低賃金の引上げということと、もう一点は、政労使会議を通じましていろんな形で官民の対話など働きかけているところではありますけれども、結果として、最低賃金につきましては安倍内閣で約五十円ぐらい上がったことになろうかと思いますので、そういった意味では少しずつ結果は出てきているんだとは思いますけれども、昨年の賃金の上昇率も十七年ぶりの最高ということになっておりますので、ベースアップの幅が小さいという今年も企業もありますけれども、日銀等々を見ますと、間違いなくトータルで見れば過去二年の賃上げの流れというのは引き続いて継続していると、そういうふうに考えております。 いずれにしても、こういった企業が生産性を上げない限りは給料を上げられませんから、生産性向上のために設備投資を、また、その結果として生まれた利得に対して、利益に対してはその分が給与に、配当にというようなことで、内部留保ではなくてそういったものに回っていくということに、金が、好循環を回していくということが景気対策に大きな要素を占めるものだと思っております。
○中山恭子君 おっしゃるとおり、あらゆる政策が絡んでくる問題になると考えております。例えば生産性の低い農業ですとか小売・サービス業のIT化を図るとか、いろんな政策を取っていかないと、最低賃金だけ上げても致し方のない状況だろうと思いますが、いろんな政策を取りながら最低賃金を上げていくという方向へ持っていく必要があると考えております。 また、そのため、別の意味になるのかもしれませんけれども、労働者と言っていいんでしょうか、働く人々、若い人たちも含めて、労働のための教育訓練、そういったことについても強化を図る必要が出てくるでしょうと思っておりまして、質の高い労働者を育成するということも大事な作業であろうと考えております。 労働者グループに対して投資をするというような考え方を取っていただけたら、ある意味では質の高い労働力、農業についても質の高い労働力が必要だと思っておりますので、その辺りはいかがでございましょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは、各企業において、少なくともこれからICTが使えるとか、アーティフィシャルインテリジェンス、何でしたっけ、AI、人工知能になっていくとか、いろんなものがこれからの時代というのは、機械化されるとかいろんな表現があるんだと思いますが、そういったものを使いこなせる、NC機械が使えるかといえば、ニューメリカルコントロールなんてものは使えないというんではとても労働者としては今の時代使えないということになろうということで、これは新入社員教育等々、もう随分昔とは違ったものになってきているというのは、これ各企業で皆やっておられますし、同時に、高齢者でも、そういったような方が別に体力的に何という問題もなくできるんであれば、少々ベルトコンベヤーのスピードを遅くするとか、階段をスロープに替えるとか、字を大きくするとか、工場内のライトを明るくするとか、LEDに替えるとか、ありとあらゆることをみんなやっておられますよ、気の利いた経営者だったら。 そういったことをきちんとやっておられるところというのを私どもとしては参考にせないかぬところなんであって、農業においてもいろんな意味で今大きく変わりつつあるところにあろうと思いますんで、気が付いたところから、農業の中でも、農協を含めまして随分とこれまでの、三年前とは取組が変わってきておられるというのは顕著に、ところは目に付きますんで、そういったところを含めましていろんなものが変わっていく、私どもはそういったいいチャンスになっているんだと思いますんで、妙に、きちんとしたことをやらないとなかなかそこまでいかないんで、いよいよにならないとなかなか人間は動きませんから、そういったこともよく言われるところですから、是非私どもとしてはそういったところも考えた上で、労働者、新入社員教育、いろんな表現がありますけれども、そういった者の教育というものはきちんとやっていかないと、これからの社会の中ではなかなか難しい時代になってくるんだと、そういう覚悟で臨まないかぬと思っております。
○中山恭子君 また、もう一つのテーマは、やはり女性が非常に優れた労働力、質の高い労働力であると考えておりますので、女性たちが働きやすい形を取るというのは一つ大きなテーマであろうと考えております。 もちろん、保育所を完備する等のことは今この場でお話しするつもりはありません。当然のこととしてそこは進めていただきたいと思っておりますけれども、やはり三世代、子供が生まれましたときにその祖父母、おじいちゃま、おばあちゃまが同居するというのは都内では非常に難しいかと思いますが、どこか近いところに滞在できる、そういったことについても積極的に支援していただきたいと思っております。 例えば、以前お話ししたことがあるかと思いますけれども、公共のアパートメントの一階を全部空けてもらって、そのかいわいに住む、そのアパートメントに住む人だけではなくて、その地域の方々の若い女性が子供を持ったとき、その公共アパートの一階を低い家賃で、その親たち、祖父母が地方から出てきて何年間か期限付で住めるというようなことなど、また、空き家を使うとか、これは特別に法律改正とかではなくて地方公共団体でもできるのかもしれませんが、そういった形の三世代で子供を育てていくという形を取ることなどについても、財務省としても関係省庁と相談した上で指導していただきたいと思ったりしております。 また、女性が一旦家に入った後もう一度社会に出て働くとき一番困りますのは、社会の方が進んでしまっていて追い付けないのではないかという不安が強くございます。そんな意味で、これも地方公共団体の話かもしれませんが、常にいつでも研修を受けられる、そういった施設を完備しておいてもらって、ある程度落ち着いたときに研修を自由に受けて次の仕事に入っていけるような、そういった制度又は施設を設けていただきたい、そんなふうに思ったりしています。 女性が働くことについていろいろな案が出てはいますけれども、財務省としても大いに応援していただきたいと思っておりますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 昔いらっしゃいました金融庁、十六人採用中八人女性、だから五割になっております、おととしだと思いますが。去年が似たような数字だと思いますし、財務省も同様に二十一人のうち六人か五人かは女性ですね。昔は、中山さん、先生の頃は一人がいいところで、片山さんやらいろいろ珍しい方もいらっしゃいますので、そういった方が一人で、それで大体終わりということになっておりますけれども、今はもう五、六人ごそっと入ってきておられる時代になって随分変わってきたと思いますが、なかなか昔採用されている絶対量が少ないものですから管理職のまだ年齢までは達しておらないとは思いますけれども、流れとしてそうなっておりますし、事実そうならざるを得ないだろうと、世の中の流れとしてそう思っております。 三世代同居の話もありましたけれども、私のところは四世代一緒に住んでいましたので、そういった意味ではよく分かるところでもありますけれども、なかなか核家族がいいというような風潮というのは、随分世の中は流された時代があったんだと思いますね。 核家族がいいんだという話で、大家族が悪くて核家族がみんないいんだといって、まあ私どもそういった、そうですね、占領中に「ブロンディ」という漫画がその最たるもので、あの中に三種の神器あり、3Cがありましたので、そういった意味ではマッカーサー占領時代のときの朝日新聞に出ていた四こま漫画、あの中が全て、戦後の三種の神器等々が描いてあった中に核家族もあの中にありましたので、そういった意味では随分と影響されている部分というのは大きいんだと思いますけれども、やっぱりいろんな意味でもう一回見直されつつあるというのが現実かなと思っておりますので、そういったものの妨げになるようなことを行政はやらないというのが大事なことかなと、基本的にはそう思っております。
○中山恭子君 経済成長のための政策というのはありとあらゆる分野に絡んでいると考えておりまして、できれば財務省として、以前、財務省の中には全ての省庁に対してウエート付けをする、今はどちらかというとシーリングがあって、各省庁の会計課がその省の予算というものを抑えて入ってくるということでございますが、それだけではそのままの形しか取れない、日本全体の経済政策のウエート付けをする箇所が今なくなってしまっているのではないかと考えております。 ある程度の金額は自由裁量ができるということでキープしていると聞いておりますが、それだけではなくて、各省庁のシーリングというのはある特定の分野に限った上で、政策予算というものは省庁を横並びにして、どこにウエートを付けていくのかというような日本全体の予算の在り方というものを考えていく必要があろうかと思っております。できれば財務大臣の下に、もちろん各省庁からの人も入ってよろしいかと思いますけれども、日本経済全体の在り方を審議する、経済財政諮問会議とは別に、しっかりした予算と組み合わせた形のチームが欲しいとずっと思っております。もし可能であればそのようなことまでしていただけたら有り難いと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) これは非常に大きな話であろうと思いますが、シーリングという最も安易な方法を取られたのがそもそもの間違いなんだと思っていますけどね、私自身は。あれ、頭打ちにして、それでそこまでで全部やってこいという話ですから、物すごく主計官としては楽になったんだと、昔の古い主計官がよく言っておられましたので、あんな楽なことをさせておいたら駄目だよと、よく昔の主計官経験者の方から言われた記憶がありますので、私もそうなのかなとは思ってはおりますけれども。 いずれにしても、今の状況の中で全体のことを考えた予算編成というのを、役所の中でなかなか難しいから財政諮問会議というのを小泉内閣でつくられたんだと思っておりますので、いろんな意味で少しずつ、この三年間見ましても、随分、縦割りのところをばあっと横につないで、担当の大臣だけ四つ集めて、財政諮問会議でぱっと付けて、それで予算というのをやって、随分野党から非難も受けましたし、新聞も受けていますけれども、それなりに事は進んだことは間違いないとは思いますけれども、それはそれなりにいいところ、悪いところ、いろいろ出てくるかとは思いますが。 誰が決めるかというのは非常に難しいところだと思いますので、役所でやって、役所が決めるのかという話になろうかと思いますので、役所というのは、昨日の次が今日、今日の次があしたと、つながっているときは非常にうまくいくとは思いますけれども、全く別のものをばっとやるという大変革の時代のときには、行政上がりの方というのはどうしてもこれまでの過去の経験にとらわれますので新しいことに対する試みというのはなかなか臆するところがある、当然のことだと思いますけれども、そういった意味においては、政治家というのは大いに頑張らないかぬところかなとは思っております。
○中山恭子君 是非頑張っていただきたいと思っております。 ありがとうございました。
○平野達男君 平野達男でございます。 今日、消費税に関連しての質問から始めさせていただきたいと思います。通告申し上げていた順番とちょっと変わりますけれども、冒頭、軽減税率、複数税率の導入について質問させていただきたいというふうに思います。 〔委員長退席、理事長峯誠君着席〕 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律、長い名前ですけれども、この法律の第七条に、消費税率の引上げを踏まえて、次に定めるとおり検討するということで、イ、ロと定めまして、イについては、低所得者に配慮する観点から、総合合算制度、給付付き税額控除等の導入について様々な角度から総合的に検討するとありまして、結果的にはこれは導入しないということになったわけですね。ロとして、やはり冒頭に、頭にあるのは、「低所得者に配慮する観点から、複数税率の導入について、財源の問題、対象範囲の限定、中小事業者の事務負担等を含め様々な角度から総合的に検討する。」と書いてあります。 これ、よくできたやっぱり条文だと思いますけれども、この中で、対象範囲の限定についてはかなり示されてきているということでありますし、中小事業者の事務負担等を含めというように、事務負担についてもこれはある程度の、ある程度というか、考え方としては提示されている。一点だけ、財源の問題ということについては今回出てきていないということでありますね。 この頭の、キャップにあるのは低所得者に配慮する観点からということでありまして、今日の議論、それから前の、以前からの様々な議論を聞いておりますと、やはり麻生大臣も、今回の軽減税率のそのものについては、低所得者に配慮する観点というような、ダイレクトにその形にはなっていないという答弁をされております。 確かにこれ、今回の措置から見ると、低所得者に配慮する観点、結果的にはしている形になるかと思いますが、食料品全般ということでありますから、生活必需品については軽減税率を導入するという、形としてはそういう形になったように見えます。 ここで、先ほどの財源の問題ということでありますけれども、この財源の問題は結果的には出てこなかったんですが、今回の法律を出すに当たりまして、財源の問題ということについては、これはひょっとしたら宮沢委員にお聞きする方がいいのかもしれませんけど、どういう議論があったのかということについてちょっとお聞きをしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) この財源の問題につきましては、私どもとしてはいろいろ、どこで線引きをするかということで、外食とかいわゆる加工品とかいろんなところで線引きをさせていただくことになったんですが、その財源につきましては、今の段階で私どもとしては、もう時間もかなり押し迫っておりましたので、私どもとしては今の段階で確たるものを、きちっとこれでやるということを決められるところまでは行かなかったというのが現実であります。 〔理事長峯誠君退席、委員長着席〕 他方、それに対しましていろいろなもので、私どもは、元々この社会保障と税の一体改革から事が始まっておりますので、そういった点から勘案をいたしましたら、何といっても、この部分を切らないかぬとかあの部分を切らないかぬということになったり、社会保障のためにやり始めたわけですから、そこの部分を切るというのは、これはできないということがまず大前提ということになっていろんな話をさせていただいたというので、これはもういろんな議論が出されたところでもありますので、今の段階で確たるものは、これでやらせていただくというのは決まっているわけではありません。
○平野達男君 ただ、法律に書いてあることは、低所得者に配慮する観点から、複数税率の導入について、三つの例示で、三つのことをやっぱり総合的に検討すると。まあ、最後に等付いていますけれども、その中で財源の問題だけが出てきていないということでありますね。 それで、この文章を読みますと、複数税率の導入について、財源の問題、それから低所得者に配慮する観点ということは、複数税率を導入するに当たっても、所得の多い人に関しては、これは冒頭に低所得者に配慮する観点ですから、やっぱり財源の確保上、所得の高い人に関しては何らかの措置をしなくちゃならないというふうにも読めます。 今、麻生大臣の御答弁の中にもありましたけれども、今回の法律は、元々社会保障、直接的には社会保障の財源確保であります。今の国全体の税収とそれから歳出の状況を見てもかなりのギャップがありまして、来年度の予算についても三十四兆国債を発行するという状況の中で、とにかくそもそもの趣旨がその財源を確保するということであったと思います。 そこで、この財源の問題をこれから議論するんだろうと思うんですが、来年度いっぱい、来年の十二月まででしたっけ、答えを出すのは。(発言する者あり)あっ、今年ですね、失礼しました、今年の十二月末で、この筋道からいきますと、所得の高い人に何らかの措置をするというふうにも読めます。財源の問題ですから、これは一般的な考え方をすれば、歳出をカットするか、どこかで新たに税率をアップして税源を確保するしかないというふうに思います。 恐らく歳出のカットはなかなかできないということでありますから、ということになりますと、どこかで税率のアップということになりますと、高所得者をターゲットに置いた何らかのというふうな形で読めてしまうんですが、今の段階では何も決まっていないということでありますから、私は、例えば一つの考え方とすれば、基礎控除の部分について所得制限を少し考えてみるとか、様々なことはあると思いますが、是非、これ六千億の財源を確保しなくちゃならないというふうに聞いておりますけれども、これについてはしっかりとした、この法律の元の流れの趣旨に沿った財源の確保の方策を是非やっていただくよう要望を強くしておきたいというふうに思います。 そして、関連して、消費税率のアップについてですけれども、先般、大久保委員との議論の中で弾力条項の、元々これ弾力条項というのがあったんですが、消費税率をアップするかしないかということについての弾力条項の削除ということについて議論がございましたけれども、改めて、弾力条項の削除ということの意味ということについて、大臣からちょっとお聞きしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 基本的には経済条項という、弾力条項という名前ですけれども、経済のことで、リーマンとか大震災とかいう表現になりましたけれども、そういった経済の状況ということで、あのときは二次QEが出たのを主たるサイドの数字として十一月に決められたんだと記憶しますけれども、少なくともそういったものをやらずに一年半延ばされるというに当たって、御自分で基本的に必ずそれまでに景気を良くしてということから経済条項というのを外される覚悟を示されたというのが一番大きな背景だったろうと私は思っております。
○平野達男君 この弾力条項の削除というのは、従来から答弁されているように、リーマン・ショックでありますとか、あるいは東日本大震災のような大きな震災があって、日本経済に大きなショックが出てきたような状況以外については、そういった状況に陥った以外の場合においては予定どおり八%から一〇%に上げる、引き上げるということだというふうに改めて確認をさせていただきますけれども、このリーマン・ショックにせよ東日本大震災にせよ、基本的にはこれは予見できなかった話であります。 今様々な、新聞情報とかあるいは官房長官の記者会見等々をやりますと、どうもやっぱり消費増税についてはかなりの、八%から一〇%の引上げについては少し慎重になっているのかなという感じがちょっといたします。この慎重になっている背景というのは様々なことがあるかと思いますけれども、世界経済が見通しが少し雲行きが怪しくなってきたといったことだと思いますけれども、この世界経済との関連性において消費税の引上げというのは見直すということはあり得るという理解なんでしょうか。
○国務大臣(麻生太郎君) 世界経済が直接ということになろうかと思いますけれども、少なくとも日本経済に与える影響というのは極めて大きいものになってきている、それだけ日本経済が世界経済の中に組み込まれている今の時代においては、日本のファンダメンタルズは悪くないというのは世界中各国認めておるわけですし、事実、企業の経済情勢というか経営内容も極めて順調、はっきりしていますので、そういった条項で日本だけでやれるというならともかくも、少なくとも今は国際社会の中におきましては極めて不透明なものがいっぱい出てきておりますので、そういった状況がもろに影響し得る時代というのはもうはっきりしていますので、為替に限らずいろんなものが私たちの生活に直接影響する時代になってきておりますので、今言われたように、官房長官が言われたようなのも、そういったものに十分配慮をしながらやっていかないかぬという時代になってきているというのは、もう私どもも一緒にやっていて間違いなくそういう感じはいたしますし、事実、国際社会に出ていっても、各国極めて厳しい状況に追い込まれているのは、自国に限らず他国の関係、また貿易の関係、為替の関係、エネルギーの関係、いろんなものから極めて厳しいものになってきているという意識というのが皆さんおありになるんだと思いますが。 ただ、二月の上海のときに、G20の各国の財務大臣会合においては、少なくとも今、巷間うわさされているような話というのは、どう考えても悲観論が過ぎる、ペシミスティックになり過ぎているという意見に関しては、これは皆一致しておりましたので、そういった意味では、財務大臣は一生懸命、自国のことに関してはそれなりの覚悟を持って臨んでおられるように、私自身としてはそう思っております。
○平野達男君 かなり雲行きが怪しくなってきているというような議論があるというのは私も委員会でちょっと議論させていただきましたけれども、私の少なくとも理解では、例えばリーマン・ショックとか東日本大震災のときに一時的にどんと消費なんか落ち込んだりして影響が出たんですけれども、世界で言っているのは、成長が鈍化すると言っておるわけですね。だから、成長が急激に落ち込むという話は私はないと思います。 そういう状況の中で、成長が鈍化するということを言っているだけですから、消費増税そのものの延長に慎重になるという状況というのは必ずしも私はないのではないかというふうに思いますけれども、麻生大臣は、この間、スティグリッツさんが言われたような認識とちょっと違うということを何か見解を出されたというふうにお聞きしていますけれども、改めて麻生大臣の見解をちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 少なくとも、日本の場合、やっぱりこの三年間見ましても、税収は伸びた。赤字だったら税収は伸びませんから。そういった意味では、所得税、法人税伸びました。消費税ももちろん増えましたけれども、その他で約十五兆円ぐらい増えていると思いますので、そういった意味では地方税合わせまして約二十一兆円の増収になっております。企業の経常利益は史上空前でありますし、また、雇用を見ましても失業率見ましても、今までの記録を大幅に塗り替えるほどの極めて順調という状況にあるのは、この三年三か月見た場合の結果として出ております。 じゃ、それが財政出動によって賄ったのかといえば、新規国債は間違いなく十兆円減額になっておりますので、そういった意味では、日本全体として、私どもとしてはこれまでの結果はそれなりの成果を上げてきていると思っておりますので、今言われましたように、特に急激に落ち込むとかというようなことを考えているわけではありません、私自身の見解として言えば。 ただ、国際社会というのは何が起きるか分からぬというので、ついこの間まで上海がああなると思った人は世の中一人もいなかったので、なるぞなるぞと言っていた私はもうばかなことも言われていましたけど、最近になったらみんな、おまえの方が当たったなというような、大体その程度のものですから、先行きは分からぬものだと皆思っておられますし、少なくとも石油の値段がいきなり五十ドルに戻るということを予想した人もほとんどいらっしゃいませんでしたから、二か月前の話です。二か月前はこの三十ドルをずっと行くんだと言っていた人たちが急に四十ドルになる、五十ドルになるという話をもう当然のごとくして平気で言うような世界ですから、先行きのことは本当に分からぬと、平野先生、それは本当に私もここにいてそう思いますけれども。 少なくとも、今の段階で私どもとして厳しい状況に今、日本が陥っているというわけではないと、そう思っております。
○平野達男君 その一方で、経済の成長ということについて若干ちょっと質問したいと思います。 中山委員とはかなり意見が一致することが多いんですけれども、経済成長という部分については若干ちょっと意見を異にしていまして、先ほど日本のGDPの最近の推移等々について諸外国との比較等々がちょっとありました。私は、やっぱり人口減少とか高齢化ということからして、なかなか日本の経済成長というのは、ぐんと伸びていくというのは、二%にしても何にしてもなかなか難しいんじゃないかという、個人的には思っています。 一方で、世界の状況についても、例えば今第四次産業革命とか何か言われて、その意味するところは私もはっきり言ってよく分からないところがあるんですが、例えばアメリカなんかでは、今、所有からアクセスへというのが一つの、何というんでしょうか、フレーズになっているようです。別の言葉で言いますと、所有からレンタルへということなんだろうと思います。 一つの例が、この間、フォードが日本から撤退をしたということで大きな話題になりましたけれども、もう一つ、フォードの中で重要なのは、フォードがこれからレンタル業に乗り出すということを言っておるわけですね。アメリカはもう何でもとにかくレンタル、所有からアクセスということなんですが、家もそうなんですけれども、とにかくレンタルにして、所有しないでレンタルしようとするということであります。 これによって、多分生活費そのもののことが節約できるというのが最大のメリットだろうと思いますが、ただ、これはよく見ていますと、フォードにとってみれば、それはビジネスチャンスで入っていくんでしょうけど、車の台数は少なくていいわけですね。だから、車の台数が少なくていいということは、その点だけ捉えればGDPそのものは縮小に向かうかもしれない。今までだと、そうやって節約した部分をほかに、産業に向かって、新たな産業が興るということで経済の成長が見込まれるということなんですけれども、果たして本当にそのように行くのかどうか。 国内について見ても、例えば一つの例は、最近、農業機械会社がちょっと元気ないんですね、これは余りいいことじゃないんですけど。今までは、兼業農家であろうが何であろうが、一農家一機械だったわけですよ。だから、これでかなり日本の農機具メーカーは売上高をある程度確保できたということで、売上げだけをそれでやれば、それはGDPとしてはそれで膨らみますから。ところが、農業就業人口がどんどん減ってきて、これ、生産法人等々がちょっとできてくると思うんですが、機械の台数そのものは非常に少なくて済むというような、そういう状況の中で効率が非常に上がる、だけどGDPそのものはその点だけ見れば小さくなるということですね。 これが悪いことかというとそうでもなくて、電気にしても、例えばLEDに替えるとすごい長もちしますから、長もちするということについて言えば、生活費そのものは、それから電気の使用量も物すごい少なくて済みますね。だから、LEDに替えることによって瞬間的にはGDPは増えるかもしれませんが、長い目で見ると、多分電化製品の消費というのは寿命が延びる分だけちょっと少なくなるかもしれません。 だけど、生活者にとってみればコストは下がりますから、これ自体は非常にいいことだということでありまして、これから全体的にGDPの伸びはどういうことになるかということについては、こういうこともよく頭に入れながらやっぱり考えていかなくちゃならないと思いますし、むしろ、低成長でも生活費が下がるということであれば私らの生活は良くなるということでありますから、そういうことはしっかり頭に入れて考えていく必要があるのではないかというふうに思います。 もちろん、デフレは良くありませんけれども、技術の革新ということがGDPを必ずしも増やすことにならないかもしれないという面があるということはちょっと気を付けておく必要があるのではないかと思いますが、そこに対して何か御見解あれば、麻生大臣の方で。
○国務大臣(麻生太郎君) グロス・ドメスティック・プロダクツでGDPという言葉になっているんだと、たしかそうだと思いますけれども、今の時代というのは、今言われたもので、生産するのから所有とか、今いろんな表現に、フォードの話が出ていましたけれども、少なくとも今の時代というのは、私どもとして、供給面でどれだけ効率化が進んだとしても、これは需要が生まれなければ話にならぬという話で、今のように金があっても需要がないというのと同じようなことなので、私どもとしてはいろいろなことを、今までにない、これまでの我々が習った経済学にないことが世の中起きておるわけです。少なくとも、借金が増えれば金利が増えても当たり前の話でしょうけど、借金が増えたら金利が下がっていったというような事態は、そんなこと学校で習ったことは一回もありませんので、私どもは少なくとも今までにない経済というのをそれぞれがそれぞれの部門で一生懸命やっておられるんだと思いますが。 少なくとも、グロス・ナショナル・インカムというような形になってきて、物を作るというのも大事ですが、我々は今世界で、先ほど話が出ていましたけれども、少なくとも車を海外で造る生産比率が高まっていることによって海外で得た金、利益というものが日本に返ってくる、グロス・ナショナル・インカムという活動になってくる。物を作るのは日本ではなくて、肝腎なものは向こうで作っているんだけど、利益はここに入ってくるということであろうと。 それが今の流れとして出てくると思いますので、その中にあっては、少なくともAI、いわゆる人工知能とか、それからIoTとか、今はそういった言葉になりましたけど、ドイツはそれを第四次産業革命と呼んでいるようですけど、そんなものとか、それからビッグデータとか、その他いろいろありますけれども、今、シンギュラリティーというものもまた新しく多分日本にも開発するものができて、シンギュラリティーというものが数年するとこれ日本にも出てくると思いますが、そういったようなものが全て、我々としては日本の生産性、経済の成長、そういったものを高めていくことになり得ますので。 人口が仮に減って労働人口が減ったとしても、その分を賄うだけの生産性を高めていかない限りはこの国は食っていけませんので、そういったところも考えて、我々はナショナルインカムだけで、金利だけで、金融だけで飯が食えるというほど人口が小さくもありませんし、私どもとしては、そういったもの、いろんなことを考えて、国の経済として何で食っていくのかということを真剣に考えていった場合に、先ほど申し上げたAIとかIoTとか、そういったようなものが大きな我々としての可能性としてそこに残されていると思いますので、そういったもののために、先ほど中山先生の言われましたように、人を育てるとか社員教育とか、いろんな人たちをそういった時代に合わせた人に我々としても勉強してやっていかないかぬところなんだと思いますが、国全体としては、日本の意識がそういったところに向いている限りこの国はきちんとした対応をやっていけるものだと思っております。
○平野達男君 先ほど議論がありましたように、一人当たりのGDPを上げるための努力というのはやっていかないかぬと思います。 ただ、それでもやっぱり私は、成長しなければ税の税収、課税できないんだということをちょっと言い過ぎているのではないかと思います。やっぱり基本的には一番大事なのは受益と負担の問題ですから、受益と負担の問題ということをもうちょっと真っ正面に捉えてやっぱり言っていくということも重要だと思いますし、今回の消費税の軽減税率の複数税率の導入に当たっては痛税感ということを盛んに、政府の統一見解の文章の中で盛んにというか何度か言っておられますし、答弁の中でも痛税感という言葉を使っておられますけれども、確かに痛税感は分かるんですが、その一方で、やっぱり先ほど言った受益と負担の問題という観点から見た場合には、社会保障のサービスを受ける場合については、もう釈迦に説法の当たり前の話なんですけれども、誰かは負担をしなくちゃならない。それは最終的には国民が負担するしかないわけですから、ここの部分の観点はもうちょっと前面に出してやっていくことが私は重要ではないかというふうに思いますし、特にGDPの伸び率についてはやっぱりかなり振れがあるかもしれません。そういう中で、受益と負担という問題というのはきっちり担保していくんだということがやっぱり大事だというふうに思います。 最後、もう一問、法人税の改革について質問をさせていただきます。 お手元に制度部門別のISバランスという、私はよくこの図表を用いるんですが、今回も用意をさせていただきました。ISバランスというのは、余り最近いい言葉ではないんですけれども、あくまでもこの場合は貯蓄・投資バランスであります。 この図にありますように、非金融法人企業というのはここ二十年近くずっとプラスで、かつては家計が大幅にプラスで、その家計の貯金を企業が借りて投資に回しているという図だったんですが、今は、ここ二十年間ぐらいは全くその様相が変わっています。特に、非金融法人企業についてはここ十年以上五%、名目GDPで五%以上の黒字を抱えているということであります。 一方で、一般政府はもうこれ相変わらずずっと借金をしていますから、このときはマイナスということになりまして、一点、一つ言えるのは、非金融法人企業の中でこれだけやっぱり黒字を抱えている中で、例えば今回の場合についても法人税率を下げて、ただ、一方で課税ベースをちょっと上げてということで、法人住民税でしたか、所得割を少し少なくして資本割等々の割合を多くするというようなこともいろいろ考えておられるようですけれども、やっぱりこの図を単純に見て考えてしまいますのは、これだけの黒字を上げている中での今回の法人税の引下げというのは、やっぱりこの傾向からすれば適切ではないというふうに思いますが、改めて麻生大臣にちょっと見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(麻生太郎君) 今回の法人税の減税につきましては、先ほど中西先生の御質問にもありましたけれども、我々としては、基本的に国際競争力というものの中で生き抜いていくためには、先進国並みということで三〇%を切る、OECDの中でという話で、新興国の中では一〇%台、一七%とか二〇%弱のところが多いんですけれども、そういった中にあって我々はまずそこまで、国際競争力において法人実効税率の話ではということでこういったことにさせていただいたのは、財界からの要望も極めて大きかったんですが。 しかし、私どもは同時に、課税ベースは広げさせていただきますと。これ野党の方のよく御意見もあったところなので、課税ベースは拡大させていただきますということ、レベニュー・ニュートラルにさせていただきますということで、法人税は安くしますけれども、その分だけ上げるところもありますので、トータル法人税の部分についてはバランスさせていただきますということを申し上げて、外形標準課税等々は、中小企業は外しますけど大企業については外形標準課税は比率を上げさせていただきます等々のことをやらせていただいた結果でありますので、形としては法人税というものが、実効税率は法人税だけを見ますと減った形になりますけれども、その他の部分に関しましては、いわゆる減税ではなくて増税という形になっておりますので、それなりの形にはなっているんだと、私どもとしてはそう思っております。 いずれにしても、これ、どのあれが一番いいのかというのはなかなか分かれるところであって、税金が問題ではないと、むしろいわゆる年金の方が問題なんだとか、会社で持たなきゃいかぬ年金の部分がもっと問題だとか、いろんな意見はいっぱいありますので、そういった意味では、今後この種の話は広く議論を深めていかねばならぬところだろうと思っております。
○平野達男君 時間になりましたから、今日はやめます。残りはまた次回にやらさせていただきたいと思います。
○委員長(大家敏志君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時三十一分散会