行政監視委員会 第2号
- 発言数
- 141 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 2016/05/25
会議録
○委員長(礒崎陽輔君) ただいまから行政監視委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、大塚耕平君、羽生田俊君、島村大君、長峯誠君、馬場成志君、谷合正明君及び水岡俊一君が委員を辞任され、その補欠として那谷屋正義君、白眞勲君、青木一彦君、木村義雄君、末松信介君、荒木清寛君及び滝沢求君が選任されました。 また、本日、那谷屋正義君が委員を辞任され、その補欠として石上俊雄君が選任されました。 ─────────────
○委員長(礒崎陽輔君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣府子ども・子育て本部審議官小野田壮君外十四名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(礒崎陽輔君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(礒崎陽輔君) 行政監視、行政評価及び行政に対する苦情に関する調査を議題といたします。 行政の活動状況に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○渡邉美樹君 自由民主党の渡邉美樹でございます。 先月、四月四日に当委員会におきまして、私は中小企業政策を中心に質問をさせていただきました。本日は、過労死等の防止について質問をさせていただきたいと思います。 最初に、過労死等の防止を質疑のテーマに選んだ理由について説明をさせていただきます。 御存じの方もいらっしゃると思いますが、私が社長をしておりましたワタミグループにおいて、二〇〇八年、今から八年前でございます、入社二か月の女性社員が自ら命を絶ちました。本件につきましては、御遺族より訴訟が提起され、昨年十二月八日に和解に至っております。 私が創業いたしましたワタミグループは、仕事とは時間とお金のやり取りではない、働くとは自己実現であり生きることそのものであると、人間は大きな夢を描いて一歩ずつその夢に向かって進んでいく、そのプロセスの中でたくさんのありがとうを集めて人として成長していく、それこそが幸せだという価値観を持つ会社でございます。 しかし、社員も数千人となり、パート、アルバイトさんも数万人となり、会社の規模が大きくなる中、この価値観が独り歩きをしてしまい、一部の社員がこのような理念や働くこと自体を負担に感じるようになってしまったのも事実でございます。また、そのような中、所定労働時間を超える長時間労働、所定の休憩時間が取得できない、有給休暇を希望どおり取得できないといった労務管理の不備も重なってしまいました。そして、そのような社員に対して会社としてしっかり寄り添ってあげることもできませんでした。 その結果、新入社員の一人が自ら尊い命を絶つという現実を迎えてしまいました。これは、企業トップとしての私の過ちでございました。私は、企業トップとして犯した過ちに向き合って、一生を掛けてこれを償っていく所存でございます。 しかし、私は、既に三年前にワタミの経営を離れ、今はこうして政治家をさせていただいているわけであります。ですから、昨年七月二十四日に閣議決定されました過労死等の防止のための対策に関する大綱の表紙にあります過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会の実現に政治家として身を賭して取り組んでいかなければならないと、そのように考えております。 そこで、本日は、ワタミの事例について、また自らの過ちについて示させていただきながら、過労死等の防止のための行政の在り方について質問、提案させていただきたいというふうに思います。 お手元の資料をどうぞ御覧くださいませ。 警察庁の自殺統計によりますと、日本の自殺者は、平成十年以来十四年連続して三万人を超え、平成十五年には過去最大となる三万四千四百二十七人を記録しております。しかし、平成二十二年より毎年減少し、平成二十七年には自殺者数は二万四千二十五人まで減少しております。これは大変良い傾向だと思います。 一方で、遺書等の自殺を裏付ける資料により、勤務問題が原因で自殺した方は、平成二十七年で二千百五十九名おります。ピークだった平成二十三年の二千六百八十九名から年々減少しているものの、これをゼロにしなければならないと考えております。 勤務問題が原因で自殺された方のより詳細な原因、動機に関しましては、一位が仕事の疲れ、三一%、二位が職場の人間関係、二一%、三位が仕事の失敗、一八%でございます。この統計からも、仕事の疲れ、すなわち過重労働や長時間労働が自殺に結び付くことが読み取れます。 総務省の統計によりますと、週の労働時間が六十時間以上の長時間労働者は平成二十七年で四百五十万人もおり、平成十六年の六百三十九万人から毎年減少しているものの、いまだに全労働者の八・二%を占めております。特に三十代の働き盛りの男性では一六%、つまり六人に一人が長時間労働者となっております。 また、業種別に見ますと、運輸業、建設業、飲食・サービス業などで週労働時間六十時間以上の社員の割合が高くなっております。これらの業種は勤務問題に起因する自殺が多い業種でもございます。例えば、平成二十七年には三十九名の飲食店店員が自ら命を絶ちました。ちなみに、サービス業全体では百五十四名となっております。 ワタミグループを例にさせていただきますと、長時間労働を改善するために幾つかの対応策を取らせていただきました。一つは、従業員の負担を軽減するための店舗数削減や営業時間の見直しでございます。二〇一四年中に全体の店舗数の約一割に相当する六十店舗を閉鎖、撤退いたしました。店舗数の削減によって従業員を近隣の他店舗に振り分け、既存店舗の人員不足を補いました。また、百店舗以上で営業時間の短縮を図りました。また、一部の店舗におきましては定休日も導入いたしました。さらに、年間の会議、ミーティング、研修の効率化を図り、一般職の場合、それらに費やす時間数を年間で約七〇%削減いたしました。 このような長時間労働撲滅のためのワタミグループの取組は他の飲食業でも参考になると思いますが、一方で、ワタミグループは東証一部上場企業であり、店舗数が六百を超える大企業だったからこそできる対策とも言えます。 外食企業の多くは中小企業、零細企業でございます。中小の外食企業は損益分岐点ぎりぎりで経営している企業も多く、店舗の閉鎖や営業時間の短縮あるいは人件費増は企業経営そのものが成り立たなくなる可能性がございます。また、先ほど挙げた長時間労働の多い運輸業、建設業なども同様でございます。 中小企業はぎりぎりの人件費で経営しているため、結果として繁忙期には長時間労働に頼らざるを得ないという現実があります。また、人を増やしたくても良い人材が採用できず、そのしわ寄せとして既存社員の長時間労働に頼っている中小企業も少なくありません。 そこで、質問させていただきます。 中小企業における長時間労働を撲滅するために厚生労働省ではどのような施策を実施、検討されているか、まず教えてください。
○政府参考人(大西康之君) 長時間労働の削減の対策でございます。 厚生労働省におきましては、昨年から、月百時間を超える残業をしている、そういう把握をした事業場に対する監督指導の徹底、あるいは社会的に影響力が大きい企業が違法な長時間労働を繰り返している場合に、是正をした段階で公表する取組などを実施してきているところでございます。 この百時間労働を超える残業に関しましては、昨年四月から十二月までに実施した八千五百三十の事業場のうち約六割弱が企業規模三百人未満の事業場でございました。これらにつきましては、違法な長時間労働が認められた場合にはその是正に向けた指導を行っているところでございます。 また、現在政府が提出している労働基準法等の一部を改正する法律案におきましては、中小企業で働く方の割増し賃金率の引上げなど、中小企業で働く方の長時間労働是正のための施策を盛り込んでいるところでございます。 さらに、今後は、例えば長時間労働を背景に親企業における下請代金法などの違反が疑われる事案を労働基準監督署が把握した場合には中小企業庁や公正取引委員会に通報することにしておりまして、関係省庁と連携した中小企業等の長時間労働の是正にも取り組んでまいりたいと考えております。
○渡邉美樹君 どうもありがとうございました。 一口に中小企業と言っても、業種によってその勤務特性は異なり、長時間労働撲滅のための施策も異なると考えます。現在、大綱に沿って実態解明のための調査研究がなされていると聞いております。その結果を待って、業種ごと、企業規模ごとの効果的な施策を関係省庁とともに私も考えさせていただきたいと、そのように考えております。 ワタミグループでは、店舗数の削減、営業時間の見直し等に加えてコンプライアンス体制も強化いたしました。二〇一四年に外部の専門家を交えたコンプライアンス委員会を設置し、労働環境の改善、コンプライアンスの遵守状況のモニタリング並びに改善支援に取り組んでおります。 また、同じく二〇一四年に業務改善委員会を設置いたしました。ワタミグループの人材開発部門の管掌役員を委員長とし、各事業会社の人材開発責任者、人事課各責任者に加えて、入社五年未満の若手社員や女性社員をオブザーバーとして加えることで、より現場目線の提案を積極的に反映できるような運営体制にしております。二〇一五年にはコンプライアンスマニュアルも策定いたしました。 厚生労働省では、今お話がありましたように、労働基準監督署による監査の強化や指導に従わない企業の企業名開示などに取り組んでおり、それらはやはり一定の効果はあると思います。しかし、大事なことは、企業が自発的に長時間労働の撲滅に向けて取り組むことであります。本来ならば、各企業が労務管理の強化の一環として外部の専門家を交えたコンプライアンス委員会や業務改善委員会を設置することが望ましいわけでありますが、しかし、中小企業、零細企業にとりましてはそれは非常に高いハードルでございます。 そこで、質問でございます。 中小企業において、経営者と従業員、あるいは管理者と一般社員が一体となって労務問題について前向きに意見交換や改善提案ができる風土をどのように育んでいけばよいのか、そのためにはどのような組織や仕組みが必要なのか、中小企業にはそのような指導が必要だと思います。そのようなサポートをどのような形でされているのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(大西康之君) それぞれの企業の中で労使が話し合っていただきまして長時間労働の削減をしていただくというのは、大変重要なことだと考えております。 現在、厚生労働省では、都道府県の労働局というのがございまして、こちらで働き方・休み方改善コンサルタントという方を配置しております。この方は、企業からの求めに応じまして企業に個別訪問するなど、その企業の実態を把握した上で、所定外労働時間、残業の削減や年次有給休暇の取得促進といった、そういった助言、指導を行っているところでございます。 また、企業に御覧いただくということで、働き方・休み方改善ポータルサイトというのをホームページ上に作成しておりまして、これは各企業から収集した好事例を広く発信して、それぞれの企業に御覧になっていただいて参考にしていただくというものでございます。 また、助成措置でございますけれども、省力化投資などで残業の削減や年次有給休暇の取得促進を行った中小企業等に対しましては、職場意識改善助成金というものの助成措置もあるところでございます。 さらに、御指摘ありました企業内のコミュニケーションの関係でございますが、今年度から中小企業の経営者や管理職を対象に、労働時間の削減を目的として、労働時間管理や業務効率化だけでなく、管理職と一般社員のコミュニケーションの改善とか、そういったことも含めたセミナーを開催することとしております。 今後とも、こういった話合いの機会の整備について積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○渡邉美樹君 どうもありがとうございます。 では、続いてホットラインについて御質問をさせていただきたいと思います。 ワタミグループでは、グループ内に存在する問題を広く受け付け、積極的に解決できる組織になることを目指して、パートやアルバイトさんを含む全従業員、さらに、お取引先業者様も利用できるワタミヘルプラインを設置いたしました。窓口はグループ内の独立組織であるヘルプラインプロジェクト、外部委託先であるヘルプラインの専門会社、そして顧問弁護士事務所の三か所を利用者がどこでも選べるようになっております。もちろん、相談は、電話や直接の面談だけではなく、メールでもできるようになっております。 一般的に、ヘルプライン制度の問題点として、相談、通報した内容が上司に漏れてしまい、正義感を持って通報した本人が不利益を被り、かえって会社に不信感を持ってしまうということもございます。ですから、窓口は独立した組織でなければなりません。しかし、中小企業に独立した窓口を設ける人的余裕、また外部委託する予算的な余裕がないわけでございます。 そこで、厚生労働省が労働条件ほっとラインを開設したことは知っております。この労働条件相談ほっとラインの相談件数の実績はどうなっているでしょうか。相談件数の目標値は設けていらっしゃるんでしょうか。私は、少なくとも今は労働者が気軽に相談できる体制を整備するということが大変大切であり、そのためにはしっかりと本制度の周知徹底を図り、高い相談件数目標を持つべきだと考えております。 また、労働条件相談ほっとラインに企業名の告白も含めて具体的な相談があった場合に、相談者のプライバシーを守りつつ当該企業に対してどのような改善アプローチをしているのか、その点を教えていただきたいと思います。
○政府参考人(大西康之君) 労働条件ほっとラインの実績でございます。 平成二十六年度の相談件数の目標値は月平均二千件でございましたが、実績は千六百二十五件でございます。平成二十七年度は、実績で月平均二千四百二十七件という具合になっております。二十八年度につきましては、相談件数の目標につきましても平成二十七年度の実績よりも高い目標を設定してまいりたいと考えております。 労働条件相談ほっとラインの周知に関しましては、厚生労働省のホームページのトップページに掲載しておりますとか、あるいはリーフレットを作成していろいろな機会で配っておるわけでございますが、平成二十七年度からは、学生のアルバイトに関しましても、業界団体に要請するときなどにこのリーフレットを配布して周知に努めているところでございます。 また、労働条件相談ほっとラインに具体的な違反に係る情報が寄せられた場合でございます。 労働基準法の違反の疑いがある具体的な事業場名がお話があって、労働基準監督署への情報提供を希望するという、こういう相談があった場合には労働基準監督署に情報提供をすることになるわけでございますが、やはりその監督指導時に情報開示を、まあ開示というか、情報開示していいかどうかということにつきましては、相談者の御意向を踏まえまして監督指導を実施しているということでございます。
○渡邉美樹君 どうもありがとうございます。もっと多くていいのかなというのが正直な感想でございます。 次は、メンタルヘルスについて御質問させていただきます。 ワタミグループでは、新入社員を受け入れる事業拠点の拠点長や管理職層を対象にしてメンタルヘルス研修というのを現在実施しております。また、二〇一四年からは、社員、配偶者、被扶養者を利用対象に、心の不調を感じたときに相談できるメンタルヘルス相談窓口というものも設置しております。メンタル不調に関する電話でのカウンセリング、ウエブでの相談、面談によるカウンセリングも受けることができる、そのような状況になっております。 厚生労働省では、総合サイトみんなのメンタルヘルス、若者を支えるメンタルヘルスサイトこころもメンテしよう、働く人のメンタルヘルス・ポータルサイトこころの耳を開設し、メンタルヘルスケアに取り組んでいるということは存じ上げております。また、働く人のメンタルヘルス不調や過重労働による健康障害に関する電話相談こころほっとラインを開設されたことも存じ上げております。 そこで、先ほどの同じ質問をさせていただきます。 このこころほっとラインの周知徹底を図り、やはり高い相談件数目標を持つべきだと思いますが、現在の相談件数の状況、それから相談の状況、そしてこころほっとラインの情報提供を基に企業への指導や是正勧告についてどのような形でつなげているかという同じ質問をさせていただきます。
○政府参考人(大西康之君) こころほっとラインでございます。 これは平成二十七年九月に開設しておりまして、相談件数の目標値は四千五百六十件に対しまして、相談実績は二千八百九十六件となっております。私どもといたしましては、しっかり周知をして、相談していただけるように周知に努めてまいりたいという具合に考えておるところでございます。 それと、相談情報に基づく企業への指導等につきましては、現在、こころほっとラインは、相談のしやすさとかあるいはプライバシー保護の観点から、原則として匿名で御相談を受け付けております。これに対しましても産業カウンセラーが助言をしておるということでございますので、直接労働基準監督署に情報提供するという仕組みになってはいないわけですが、実際に相談を受けておりますと、労働基準法などの違反の疑いのある内容がございます。こうした場合には、相談者のこれは御意向に沿って労働基準監督署を御案内するなどの対応を行っているところでございます。
○渡邉美樹君 どうもありがとうございます。やはり、これももう少し周知徹底された方がいいのかなという感じを受けます。 労働条件相談ほっとラインとこころほっとラインについて質問させていただきましたが、そのほかにも、厚生労働省のポータルサイトこころの耳では様々な相談機関を紹介されているというのも見させていただいております。例えば、死にたい、生きているのがつらい、話を聞いてほしい、やる気が出ないといった悩みを聞いてくれる相談機関として、日本産業カウンセラー協会の働く人の悩みホットラインですとかサポートセンターのよりそいホットラインですとか十一の窓口が紹介されております。 しかし、それぞれの違いや特徴が説明されておりません。利用者はどこに電話したらよいのかというのが非常に分かりにくいサイトになっているのではないかというのを感じております。 また、こうした相談窓口や支援機関は相互に情報共有をされているのかというのを質問させてください。例えば、ある企業の社員Aさんが十一のうちの一つに相談をされた、また、同じ企業のBさんが違うところに相談された。同じ企業の複数の社員から職場が原因と思われるメンタルヘルスの相談を受けた場合、その企業に何らかしらの労務上の問題があると疑われるわけであります。しかし、それぞれの相談窓口が連携して情報を共有していなければ、そのような問題に気付かずに大きな事故につながってしまう、この可能性があるわけであります。 また、相談窓口が多くあることで、相談者の混乱、非効率、予算の無駄遣い、カウンセラーの質のばらつきなどの弊害も出てくるのではないかと考えます。 そこで、質問と提案でございます。 まず、相談機関同士の情報共有はどのように行われていますか、現状をお聞かせください。私は、相談機関が、先ほども言いましたように、お互い情報を共有し、それらの情報を厚生労働省又は労働基準監督署が吸い上げて企業への勧告、改善活動につなげていく仕組みが必要だと考えております。二つ目の質問としましては、厚生労働省としては、似たような相談機関が乱立している状態についてどのようにお考えでしょうか。 そこで、一つ提案でありますが、乱立する相談機関やホットラインを整理して、労務問題、メンタルヘルスならばここ、労務問題で、例えば過重労働についてはここという形で、分かりやすくワンストップの相談機関やホットラインを検討するべきではないか。使う側からしたらそれの方がはるかに使いやすいのではないかなというふうに実は感じております。一一〇番とか一一九番とか一二〇番でも結構でございますが、そんなところで集中してワンストップの仕組みがあるべきではないかと思いますが、それについて御意見を聞かせていただきたいと思います。
○政府参考人(大西康之君) まず、情報の集約の関係でございますが、こころほっとラインにつきましては、先ほど御説明させていただきましたように、原則として匿名ではございますが、そういった中で、やはり労働基準監督署に相談したいという場合には、そういう御意向がある場合には労働基準監督署に御案内することになりますので、そこで労働基準監督署に情報が寄せられるということになります。また、労働条件相談ほっとラインにつきましては、元々、法違反、労働基準法違反の相談が多いわけでございますので、こういった情報につきましてはやはり労働基準監督署に情報提供をしているという状況でございます。 そこで、労働基準監督署におきましては、これらの相談やその他の情報からそういったものを集約して、長時間労働など早急に対応すべき事案につきましては、そういったものを優先的に監督指導を実施しているというような状況にあるわけでございます。 また、相談窓口の乱立の件でございますが、委員御指摘いただきました相談窓口につきましては、開設してからまだ一、二年という状況でございます。現在、それぞれの相談者の態様に応じて御相談いただけるように個別の窓口を設けて、そういった相談に、確実に受け止めていくということを重点に運用してきているところでございますが、委員の御指摘も踏まえまして、今後、相談する方にとってどうすれば分かりやすくなるかについて検討してまいりたいという具合に考えております。
○渡邉美樹君 是非よろしくお願いしたいと思います。 続いて、KPIについて御質問させていただきます。 昨年六月に閣議決定されました日本再興戦略改訂二〇一五には、長時間労働の是正について次のように述べられています。長時間労働の是正と働き方改革は、労働の質を高め、稼ぐ力の向上につながる。これまで労働市場に参加できなかった女性の更なる社会進出の後押しにもつながり、経済成長に大きな効果をもたらす等々述べられております。私も全くこのとおりだと思います。長時間労働の是正は、過労死等を防ぐためだけではなく、生産性向上による企業収益の向上、女性の活躍、地方活性、ひいては日本経済の成長に大きく寄与するものだと考えております。だからこそ、この問題に企業は真剣に取り組まなければなりません。それには企業の自助努力ももちろん必要ですが、政府、行政が企業を支援する体制も必要だと考えております。 日本再興戦略の中短期工程表には幾つものテーマにおいて長時間労働の是正という文言が並んでおります。しかし、長時間労働そのものはKPIとして設定されておりません。 そこで、提案です。 過労死等の防止のための対策に関する大綱には、一、平成三十二年までに週労働時間六十時間以上の雇用者の割合を五%以下にする、一、年次有給休暇取得率を七〇%以上にする、一、平成二十九年までにメンタルヘルス対策に取り組んでいる事業場の割合を八〇%以上にすると、目指すべき目標値が明確に定められております。しかし、これらはまだ十分に周知されているとは思えません。 そこで、数値目標を日本再興戦略のKPIと位置付けて、広く周知を図り、官民一体となって取り組んでいくことが大切だと思いますが、いかがですか、お考えを聞かせてください。
○大臣政務官(三ッ林裕巳君) お答えいたします。 大綱におきましては、将来的に過労死等をゼロにすることを目指し、達成を目指すべき目標として、委員が御指摘したとおり、週六十時間以上の雇用者割合五%以下、これは平成三十二年まで、年次有給休暇取得率七〇%以上、これは平成三十二年まで、メンタルヘルス取組事業場八〇%以上、これは平成二十九年までということを挙げたところでございます。 厚生労働省といたしましては、これらの目標を含め、過労死等の防止に向けて取り組むべき事項について、ポスター、パンフレット等の掲示、配布のほか、十一月の過労死等防止啓発月間を中心にしまして、新聞広告やインターネット広告の実施、過労死等防止対策推進シンポジウムの開催等により周知を行っているところでございます。 御指摘の数値目標のうち、週六十時間以上雇用者割合及び年次有給休暇取得率につきましては、ワーク・ライフ・バランス憲章に基づく行動指針におきまして数値目標として挙げられているほか、五月十八日の一億総活躍国民会議のニッポン一億総活躍プランにおきまして、週四十九時間以上働いている労働者の割合について欧州諸国と遜色ない水準を目指すこととされており、このような数値目標を踏まえ、長時間労働是正に向けて一層取り組んでまいりたいと考えております。
○渡邉美樹君 どうもありがとうございます。三十二年までに五%以下ならば、今現在二十八年でございますので、二十九年、三十年、三十一年、明確な目標を持ちながら、そのPDCA、繰り返していただきたいなというふうに思います。 続いて、情報開示について御質問いたします。 日本再興戦略改訂二〇一五では、長時間労働の是正に向けて、企業の労働時間の状況の見える化を徹底的に進めるとあります。ワタミグループではコンプライアンス委員会による調査結果を定期的にホームページで掲載しております。また、正社員募集の際に、実労働時間、休暇の取得状況、離職率などを正確に説明をしております。 この三月一日に、若者雇用促進法に基づき、新卒者の募集を行う企業に対して、企業規模を問わず、応募者から求めがあった場合には、一、募集、採用に関する状況、二、労働時間に関する状況、三、職業能力の開発、向上に関する状況の三類型ごとに、一つ以上の情報提供が義務付けられました。 これは、大企業だけではなく中小企業にも開示義務を義務付けたことは一定の評価ができます。しかし、開示義務の範囲が三類型ごとに一つ以上では、例えば従業員の有休取得率を開示すれば、一人当たりの総残業時間は開示を求められても開示しなくてよいということになってしまいます。つまり、都合の悪い情報が隠せるということになってしまいます。 そこで、質問でございます。 三月一日から施行された職場情報の提供の義務化について、特に中小企業の開示状況、開示レベルは実際どのような状況になっているのでしょうか。また、開示の義務レベルについては、三類型ごとに一つ以上ではなく、もっと多くの項目を義務化すべきだと考えております。例えば若者応援宣言企業となるために公表が必要な離職者数、平均継続勤務年数、前年度の所定外労働時間、有給休暇の取得状況、それから育児休業の取得状況等々、このようなものを中小企業にも開示義務を課すべきではないかと考えます。これは中小企業に負担を強いるということではなく、逆に中小企業の経営基盤の強化にもつながると実際私が経営していて思うわけでございます。これについてお答えしていただきたいと思います。
○政府参考人(坂口卓君) お尋ねの若者雇用促進法に基づきます職場情報の提供でございますけれども、今ありましたとおり施行が今年の三月一日からということになっておりまして、まだ施行後間もないということで、現時点において網羅的な調査は行っていないところでございます。 ただ、ハローワークでは多くの中小企業からの求人を扱っておりますので、その中で幾つかの労働局にヒアリングを行ったところの状況でございますと、三類型ごとに一項目ずつの情報のみならず、おおむね幅広い項目について情報提供をいただけているという状況でございました。 また、今委員の方からもございました若者応援宣言企業の取組でありましたり、あるいは若者雇用促進法によりましてユースエール認定制度というものを設けましたけれども、そういった制度の中で全ての雇用情報、青少年雇用情報の開示というものを要件としておりますので、そういった取組も進めることによって、委員の方からも御指摘ございましたように、この情報提供は若者の適職選択に資するということでありますけれども、一方で企業にとっての人材の円滑な確保ということもございますので、より一層の情報提供の促進に努めたいと思っております。 また、御指摘の情報提供の義務の強化につきましては、今後、施行状況を踏まえつつしっかり検討をしてまいりたいと考えております。
○渡邉美樹君 どうもありがとうございます。 最後の質問になりますが、そうはいっても、本当の意味で過労死等をゼロにするためには、それぞれの会社がしっかりとした労務管理体制はもちろんのこと、しっかり収益を上げてその収益を社員に還元し、従業員が会社を誇りに思い、会社の理念に自らの夢を重ね、会社の成長と自らの成長を実感でき、仕事を通して喜びを感じることができる、そのような会社にならなければならないと思っております。つまり、労務管理だけではなく、全ての面で良い会社になることが過労死等を防ぐことにつながると、そのように考えます。 商工会や商工会議所を始めとする中小企業支援組織は、税務支援等にとどまらず、労務管理等の企業のあらゆるニーズに応えることはもちろんのこと、相談されたから受けるという受動型ではなく、自ら会員企業、地元企業に働きかけ、良い会社になるように支援、伴走することが求められているのではないかと思います。 そこで、経産省に最後に質問です。 四月四日の行政監視委員会、四月十四日の経済産業委員会でも主張させていただきました。中小企業支援体制の見直し強化が過労死等のゼロの観点からも必要だということを再度ここで強くお伝えさせていただきたいと思いますが、再度北村政務官から御意見をお聞かせ願いたいと思います。
○大臣政務官(北村経夫君) 渡邉委員におかれましては、中小企業支援体制の見直し強化、日頃より熱心に取り組んでおられるところでございます。私への質問も三回目となります。しっかりとお答えさせていただきたいと思います。 渡邉委員御指摘のように、中小企業支援機関、これが様々な課題の解消を支援することは当然であろうというふうに思っております。その中で過労死の問題も課題の一つだというふうに経産省としても認識しているところでございます。その観点から、小規模企業支援法、これに基づきまして経営発達支援計画を取りまとめた商工会、商工会議所を認定し、重点的に支援しているところでございます。 また、先ほども触れられましたけれども、経産省といたしましては、全都道府県によろず支援拠点、これを設置しております。私も先月視察してまいりましたけれども、それぞれ五名から十名程度の相談員を配置し、そこに社会保険労務士、社労士を採用するなど、人材育成、管理に関する助言も行っているところでございます。二十八年度、今年度は相談員を増員しております。一か所当たり約一・五倍というふうになっております。 加えまして、関係省庁の協力を得まして、中小企業人材活用ハンドブックという小冊子を作成いたしました。この中で、働きやすい職場づくりを応援する厚労省の支援策なども紹介をしております。今月から配布を開始いたしまして、こうした支援策の活用を経営者に促しているところでございます。 今後とも、このように関係省庁とも連携いたしまして、様々な課題の解消を支援する体制を構築してまいりたいと、そのように考えております。
○渡邉美樹君 北村政務官、次回は是非現地に一緒に行かせていただきたいと、そのように思います。 最後に、二〇〇八年に自ら命を絶たれましたワタミの女性社員に対して心より哀悼の意を表し、御遺族、御関係者の皆様に再度心からおわびを申し上げ、過労死等の撲滅に政治家としてこれからしっかり取り組ませていただく決意を示し、質問を終わらせていただきたいと思います。 どうもありがとうございました。
○神本美恵子君 民進党の神本美恵子でございます。 今日は、馳文科大臣にもお越しいただきまして、質問をさせていただきたいと思います。 お手元に今資料を配っていただいていると思いますけれども、これは、高校の保健体育の啓発教材「健康な生活を送るために」、平成二十七年版として、昨年の夏に全国の公立高等学校、公立、私立の高校に百三十万部が配付されたものであります。 お手元の資料の二枚目に、どのように作られたかということがちょっと書かれているのを付けておりますけれども、本教材は、文科省補助金により、公益財団法人日本学校保健会に設置した児童生徒の心と体を守るための啓発教材の改訂委員会において内容が検討されて、文科省健康教育課が編集し、作成をされたものでございます。 これについて、掲載されたグラフや記述について問題があるということで、私のところにも指摘が相次いで来まして、メディアでも、昨年のことですけれども、取り上げられることとなりました。 文科省の対応としては、この二つについては訂正を配付し副教材の回収は行わないということで、現在、百三十万部各学校に配られて、そして訂正の紙が配られているという状態になっております。 そこで、質問をしたいと思いますが、その前に、私も、大変申し訳ないんですが、委員の皆様のお手元に配っている資料の三枚目、これは正しいグラフを、厚労省のホームページから私の事務所でちょっと、それを配ってしまいましたが、各学校に配られているのは、その次、資料四にあります、ちょっと白黒で申し訳ないんですけれども、これは文科省が訂正を出したもので、誤、誤ったグラフ、これが上の段のグラフですね。二十二歳、二十五歳以下、があっと下っている、これが子供たちの手に渡っているグラフでございます。訂正された正しいグラフはその下のグラフであります。このような状態になっているのが、上のようなグラフ、これを皆さんにお配りしたつもりだったんですが、間違っていたので、そこは御了解の上お聞きいただきたいと思います。 そこで、質問、まず馳大臣にお伺いしたいんですけれども、この副教材にはこういった誤りが指摘されております。四十ページの妊娠のしやすさと年齢のグラフというものと、その次の資料に載せておりますけれども、三十八ページ、資料五、下の方ですね、子供はどのような存在かというところについて訂正が行われております。訂正の内容は、その次、資料六としてお付けしておりますけれども、上の段が誤ったもので、子供たちの手に渡っているものです。ペーパーとして配られたのがその下のものであります。ただ、「誤りがありましたので、以下のとおり訂正します。」ということでこれだけが配られて、どこがどんなふうに誤っているのかこれだけ見てはよく分からないと思いますので、順次質問をしていきたいと思います。 こういう誤りを、訂正はされておりますけれども、こうした副教材を配付された目的と、その誤りを多数指摘されているけれども、私は文科省とそれから内閣府にもこれは回収すべきではないかというふうに申し上げたんですけれども、そのまま、訂正文を配られただけで配付されたままになっておりますけれども、そういう対応をされていることについて大臣のお考えをまずお伺いしたいと思います。
○国務大臣(馳浩君) お疲れさまです。 御指摘の啓発教材は、様々な健康課題について最新の情報を提供することにより、効果的な保健学習及び保健指導が行えることを目的として作成されております。平成二十年度に作成し、毎年更新を行っておりましたが、時代の進展に合わせ、平成二十七年度、大幅な見直しを行いました。 この教材について一部の団体から、啓発教材全体に対する御意見、個別の項目に対する説明や記述が不十分との御指摘、イラストが不適切などの御指摘があったことは承知しております。 文科省においては、その指摘を受け、情報提供元の関係省庁に対し記載内容及び出典について確認を求めるとともに、学識経験者や教育関係者で構成する啓発教材作成のための有識者会議においても同様の確認を行いました。その結果、二つのグラフについて誤りが判明したところであります。これについては、全ての生徒に配付するとともに正誤表をホームページに掲載し、正しい理解が進むよう周知に努めたところであります。 なお、指摘を受けた意見や指摘のあった項目について内容に誤りがないか等について確認したところ、誤りは二つのグラフのみでありました。その他の指摘は誤りではなく見解の相違との報告を受けておりまして、多数の誤りがあるという御指摘は当たらないものと考えております。 この啓発教材は毎年度更新することとしております。今後、誤りのあるグラフ等を記載することがないよう確認を更に徹底してまいりたいと思います。
○神本美恵子君 誤りがあった二点について訂正をしたということでありましたけれども、なぜこういう誤りが起きたのかということについて、これは文科省の方でお答え願いたいんですけれども、まず、四十ページのこのグラフ、これを掲載した経緯と訂正に至る経緯について御説明お願いします。
○政府参考人(小松親次郎君) お答え申し上げます。 四十ページのこのグラフのことでございますけれども、まず掲載の経緯をお尋ねでございます。 元来、学校教育の中で妊娠、出産の適齢期やそれを踏まえたライフプランなどについて正しい知識を教えるということは重要というふうに認識しております。 その中で、平成二十七年三月に閣議決定をされました少子化社会対策大綱において、学校教育段階において、専門家の意見を参考にしながら、妊娠、出産等に関する医学的、科学的に正しい知識を適切な教材に盛り込むことというふうにされたところでございます。 そこで、これらを踏まえまして、産婦人科医の先生にも御協力をいただき、内閣府とも連携をいたしまして、この健康問題についての啓発教材の改訂を行いました。その中で、新たに、妊孕性と呼ばれていますが、いわゆる妊娠のしやすさや不妊に関する内容を盛り込んだというのが経緯でございます。 訂正でございますけれども、御指摘がございましたので、文部科学省において指摘のあった内容の検討をいたしました。その検討に当たりましては、情報提供元である関係省庁に記載内容及び出典について確認を求めるということが一つ、それから、学識経験者や教育関係者で構成する啓発教材作成のための有識者会議においても同様の確認を行うということをいたしました。この結果、御指摘のそのグラフにつきましては誤りがあるというふうに判断をし、訂正版を作成し、修正を既に行ったということでございます。 その際、このグラフの間違いにつきましては、資料の提供元であります内閣府に確認をいたしましたところ、内閣府におかれて、有識者の方から提供を受け、ほかの有識者にも照会を掛けた上で文部科学省に御提供いただいたものでございましたが、公表前に内閣府、文部科学省の両府省で確認を行った際に誤りを発見できなかったというものでございます。 毎年度更新する教材でございますので、今後、誤りのあるグラフ等を掲載することがないように確認を更に徹底してまいりたいと考えます。
○神本美恵子君 今文科省の方から、少子化対策から適切な教材でこの啓発教材をというようなこともあり、これを作成し、作成したときには出典の確認をしたけれども誤りに気付かなかったというような御説明がございました。 まさに少子化対策で、私はこれは勘ぐり過ぎかなとも言われるかもしれませんけれども、このグラフの誤りというのは、明らかに、どう見ても二十二歳から二十五を過ぎ、三十前ぐらいでがくんと妊娠のしやすさが減っていくので、早く妊娠しなさいと言わんばかりの、正しいグラフと比べてみると分かると思うんですけれども、そういうふうにも受け取られかねない、これは本当に誤りかなと言いたくなるようなことなんですけれども。 厚労省にお伺いしたいと思います。 この四十ページのグラフと同じものが厚労省の動画サイトで使われていまして、二十二歳を一とすると、三十五歳前後で四〇%前後、四十歳になると二〇%前後まで低下、この原因は卵子の老化などと説明をされております。その講師は吉村泰典氏となっております。 この動画が掲載されている経緯はどういうものなのか、また、副教材の問題が発覚した後にそのまままだ公開され続けているのはなぜなのかということについて厚労省にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(吉本明子君) お答え申し上げます。 御指摘の動画でございますけれども、平成二十六年三月に、妊娠等に関する知識の普及を図ることを目的といたしまして、妊娠の仕組みや不妊の原因、あるいは年齢、妊娠、出産のリスクの関係などにつきまして専門家の先生に解説を行っていただいたものでございます。 この動画におきましては、女性の年齢と妊娠のしやすさ、妊孕力という言葉を用いておりますが、それに関する解説を行う部分で御指摘の文部科学省の啓発教材の差し替え前のグラフと同じものを用いておりますことから、同様の修正が必要だというふうに考えてございます。 この動画におきましては、ただいまの該当部分だけではございませんで、妊娠の仕組みとか不妊の原因、あるいは不妊治療、不妊治療に対する助成制度、様々な情報をその中に盛り込んでおりますことから、全体を削除するといったことではなく、これを御覧になる方が必ず御覧になる冒頭のページにおきまして、正しいグラフを掲載いたしまして訂正の説明を加えるといった形で速やかに対応してまいりたいというふうに考えております。
○神本美恵子君 まだ訂正されていないということですね。速やかにって、いつ、どういうふうにされるんですか。
○政府参考人(吉本明子君) 恐れ入ります。 あの……
○委員長(礒崎陽輔君) 手を挙げてください。
○政府参考人(吉本明子君) 済みません。
○委員長(礒崎陽輔君) 吉本審議官。
○政府参考人(吉本明子君) 恐れ入ります。 そうした誤ったグラフが使用されていたということを把握に至っていなかったものですから現時点でそういう訂正ができておりませんが、直ちに訂正の手続をしたいというふうに思っております。
○神本美恵子君 これは本当に誤ったグラフですので速やかにですね、本当に、しかもこの動画だけではなくて、これが政府のほかのウエブサイトやそれから広報資料等で広く使われているのではないかということも懸念されます。調査が必要だと思いますので、調査の上、直ちにやっていただけますか。
○政府参考人(吉本明子君) はい。そのように対応させていただきます。
○神本美恵子君 次に、副教材三十八ページの方のグラフについてもですけれども、これはどこがどのように間違っているのか、厚労省と文科省両方に御説明をいただきたいのと、こういうふうな誤ったグラフになった経緯も併せて御説明を願いたいと思います。
○政府参考人(小松親次郎君) お答え申し上げます。 まず、どの点が誤っているかということでございますけれども、これは既婚、未婚を問わずに聞いた場合の子供はどのような存在かという意識であるという説明になっておりますけれども、このグラフ自体は既婚の方々について聞いたものが載っております。その説明とその本文の関係が誤解を招くというふうな形になっておりまして不適切であるということから、これは誤りと判断したということでございます。 それで、今お尋ねの、載りました経緯というものにつきましては、この改訂の考え方、きっかけなどは先ほどの四十ページと同じでございますけれども、やはり、間違いではないかという御指摘を受けまして、資料の提供元でございます厚生労働省に確認をいたしましたところ、先ほど御説明したような点での注釈等において直すべきものがあるということが判断されましたこと、それから、当該グラフの引用元になりましたのが、厚生労働白書の本文において、調査対象者の類型に応じて記載することが本来望ましかったけれどもこのような形になっていたということを伺ったところでございます。そこで、厚生労働省のこのような見解を踏まえまして、文部科学省においてはこのグラフにつきまして訂正版を作成し、既に修正したところでございます。 先ほども申し上げましたが、毎年度更新の資料でございますので、今後、誤りのあるグラフ等が記載されることがないように確認を更に徹底してまいりたいと考えております。
○政府参考人(武田俊彦君) この文部科学省の作成いたしました保健副教材の記載の基になったのが厚生労働白書の平成二十五年版の白書でございます。この白書におきまして、子供とはどういう存在かということに関する意識調査の結果を紹介する際に、子供を持つ既婚の男女のみの回答結果であることをグラフ化して掲載したものでございますけれども、その点についての注釈が不十分であったということでございます。 厚生労働白書の本文におきましては、調査対象者が未婚、既婚を問わずというふうな記載になっており、その結果、図表の対象者と異なっておりましたので、記載不正確、不十分なものとなったというふうに私どもとしても認識をしております。 厚生労働白書を始めとして、厚生労働省において作成する文書につきましては国民の関心が高く、今回のように他の機関が引用することも多いと考えられますため、今後このような不正確、不十分な記載をすることがないよう、確認を更に徹底してまいりたいというふうに思っております。大変失礼いたしました。
○神本美恵子君 不正確、不十分という認識でいいのでしょうかという思いがいたします。子供を現に持っている方へのアンケートと、まだ子供は産んでいない、独身、しかもこれは高校生対象の副教材ですので、そういった子供たちに見せるのに、まだ子供を持っていないけれども子供はどういう存在だと思いますかということを聞くのは全く違うと思うんですね。傾向は似たような傾向に両方を見比べたらなっていると思いますけれども、数値が違いますし、現に子供を持っている方に、例えば男女共同参画白書の方を見てみますと、子供を持つことについて、希望する人数は二人か三人持ちたいけれども、経済的な負担が大きくてとても二人目を産むのはちゅうちょする、あるいは仕事、キャリアの関係でちゅうちょするとかいうアンケートも別にあるわけですから、そういうことを考えますと、既婚、未婚を問わず聞いた結果がこうだと、違う結果を高校生に見せるということ、これは単なる正確を欠いたとか不十分だということとは違う私は意味を持ってしまうということで、大きな問題だというふうに指摘をしておきたいと思います。 それから、先ほどの訂正が行われたグラフについてですけれども、このグラフは昨年の十月二日、当時の有村担当大臣の方が記者会見において、このグラフを提供した有識者は吉村泰典内閣官房参与であるというふうに明らかにされました。現在も内閣官房の参与であるというふうにお聞きしております。この方は元日本産科婦人科学会理事長でもあります。今日ここでお伺いしたかったんですけれども、参与は国会に来て答弁はしないということでお呼びすることができなかったんですが、このグラフ、最初、誤ったというか正確ではない方のグラフは誰が作ったんですか。あるいは、作ったというふうに吉村さんから聞かれましたか。
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。 まず初めに、御指摘の妊娠のしやすさの年齢による変化のグラフの経緯につきましては文部科学省より御説明がございましたが、内閣府としまして最終的に誤りを発見できず関係各所の皆様に御迷惑をお掛けしたことにつきましては、当時、有村前大臣からも記者会見の場で関係各所の皆様におわびを申し上げたところでございます。 その上で、図版の提供があった有識者につきましては、当時、先ほど委員も御指摘されましたとおり、有村前大臣から公表されてございますが、吉村泰典氏でございます。また、当該図版の作成者も吉村泰典氏であることを確認してございます。
○神本美恵子君 ですから、吉村さんに直接お聞きしたかったんですね。産科婦人科学会の理事長でもありますし、こういった誤ったグラフをなぜ作成されたのか、そこはどのように聞かれておりますか。
○政府参考人(小野田壮君) 当該グラフにつきましては、吉村氏に確認しましたところ、故意に作成されたものではないというふうに確認はさせていただいております。
○神本美恵子君 元データはこの正しい方のグラフなんでしょうか。吉村さんが作られたグラフの元データは正しい方のグラフなんでしょうか。
○政府参考人(小野田壮君) お答えいたします。 当該グラフにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、有識者でございます吉村氏より提供がございまして、そのグラフが間違ったということが判明しましたので、内閣府としましては、文科省と連携を取りながら正誤の措置をとらさせていただきました。内閣府としましてはその範囲内で適切に対応させていただいておりまして、吉村氏が元々このグラフをどのような経緯、どの時点でどのように作成されたかにつきましては確認を取ってございません。
○神本美恵子君 ちょっと時間が減ってきましたので、今回訂正されたグラフのことで、今意図的にやったものではないというふうにおっしゃっておりますが、特にこの四十ページのグラフについては、元のグラフというのは、縦軸、刻みが変えていないけれども、明らかにそのグラフの形を見ていただくと一歳刻みでプロットした値をずっとつないでいったのがこの曲線なんですね。外側に膨らんだこういう曲線、台形といいますか、膨らんだ曲線になるのに対して、副教材に誤って掲載されたグラフは、七つの点だけをプロットして、二十代後半以降の点がずっと下方にずらされて傾きの急な直線になっております。元のグラフを正確に写すつもりがあれば、意図的にこういうグラフにしたのでなければ、このようなグラフができてしまうということはあり得ないと思うんですね。私は意図的にこうした改ざんが行われたというふうにしか思えないわけです。 この副教材が「健康な生活を送るために」と題されて全ての高校生に配付されているわけですが、内実はどうも、先ほど小松局長ですか、がおっしゃったように、少子化対策の、そちらからの適切な教材を配るようにということも受けてというそのことから考えると、二十代で早めに結婚して、まあ卵子が、卵が古くなる前に結婚して子供を産んで育てろというようなメッセージが私には感じられるわけです。そういう圧力になるような内容にも受け取られるのではないかということで、女性団体の方からもいろいろ抗議があったということもお話がありましたけれども。 これからこの副教材を訂正する、毎年改訂するとおっしゃいましたけれども、大臣、これまでのこのやり取りを聞きながら、大臣自身も高校の先生だったわけですよね。特に、特にじゃないか、国語の先生……
○国務大臣(馳浩君) 国語です。体育じゃありません。
○神本美恵子君 体育じゃないですね。体育のように見えますが。
○委員長(礒崎陽輔君) 続けてください。
○神本美恵子君 はい。 それで、大臣にお伺いをしたいと思います。 このような誤りが出たことと、それから今後、毎年改訂すると言いますが、こういう正誤表を付けたって学校現場でどれだけ本当に正しいものが子供に伝わるか分からないということは大臣も重々御承知だと思いますので、それについてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(馳浩君) 神本委員の御指摘は、やはりそういうふうに御指摘もできると、私もそう思います。まあ早いうちに産んだ方がいいよ、どうという、そういうふうな印象を与えることは私は間違いないと思っています。 したがって、こういう資料を提示する場合には、関係省庁ともきちんと確認をした上でするべきものだと、こういうふうに思っておりますので、毎年改訂ということになっておりますので、今後はきちんと、これは間違ったものを使わないように、改訂したものをお配りをしたいと思います。失礼いたしました。
○神本美恵子君 私は、高校生に性についてしっかりと正しい知識を伝えるということはとても大事なことだと思います。以前からそう思っていましたが、昨今特に高校生の性をめぐる情報、状況というのは本当に、先日私も産婦人科の女医さんからお話を聞く機会があったんですが、本当に十代の性、望まない妊娠によって体がぼろぼろになっている高校生の話をお聞きをしました。 そういったことから考えますと、私は、こういう、妊娠しやすいうちに早く結婚して妊娠しなさいということよりも大事なことは、特に私が学校現場にいる頃は性教育というのはちゃんとありました。性とはこんなもので、体はこういうふうに成長していくと。それから、男女の関係の中では、性被害から身を守るためにというような項目がありました。 でも、それは私は不十分だと思います。性被害から体を守りましょうというのは、女の子に対して性被害を受けないように気を付けましょうと言っているにすぎず、本当に必要な性教育というのは、性の加害者にならない、性暴力や性犯罪の加害者にならないということをしっかりと教えなければいけませんし、先ほど紹介しました女医さん、広島で河野美代子先生という産婦人科の先生なんですけれども、その方がおっしゃるには、女の子には、自分の体を大切にしなさい、自分の体に責任を持ちなさい、男の子には、女性の体を大切にしなさい、女性の体に責任を持ちなさい、望まない妊娠をしたりさせられたり、あるいはさせたりしたときに被害を被るのは女性です、体を傷めるのは女性です、そういうことをしっかりとはっきりと子供たちには伝えて社会に出していくということが、あるいは、社会に出す前に、高校生時代からそういう状況が起きているわけですので、やることが必要だということを申し上げておいて、この問題は終わって次に行きたいと思います。 次に、不登校の問題についてお伺いをしたいと思います。 文科省初中局長の諮問機関としてつくられた不登校に関する調査会議が、この三月に不登校児童生徒への支援に関する最終報告、これはまだ案となっておりますけれども、が出されております。その案の中には、不登校は特定の児童生徒に特有の問題があることによって起こるものではなく、どの児童生徒にも起こり得ることとされている一方で、不登校として捉えられている中には、遊び、非行による怠学、人間関係のこじれ、勉強のつまずき、無気力、病気、虐待等を要因としたものも含まれるというような表記もあって、文科省としてこの不登校というのをどういうふうに認識され定義をされているのかということをまずお聞きしたいと思います。大臣。
○国務大臣(馳浩君) 文部科学省が実施している児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査では、不登校児童生徒を、一年度間に連続又は断続して三十日以上欠席した児童生徒のうち、病気、経済的な理由を除き、何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因、背景により登校しない、あるいはしたくともできない状況にある者としております。不登校児童生徒への支援に関する最終報告書案においても同じ考え方が取られております。 不登校についての捉え方を一定程度明確化しておくことは、長期欠席者の学習機会の保障や支援を図っていく上で必要であると考えております。
○神本美恵子君 今大臣がお答えになった定義といいますか、不登校に対する認識というのをお聞きしていますと、どうも不登校になっている、不登校が起きているその子供自身の問題といいますか、心理的な負担とか、それから情緒的、身体的あるいは社会的要因というように今大臣はお答えになったんですけれども、私は、不登校がなぜ起きているのか、それは、その子の心理的、情緒的な問題とか家庭的な問題だけではなくて、というよりも、むしろその子が学校に不適応を起こして休んでいるのではなくて、学校がその子を受け入れることができない不適応を起こしているという基本的な考え方が必要ではないかと。分かりますか。不適応なのは子供ではなくて、学校が多様な子供たちに適応できない学校になっているというふうに認識すべきではないかということを基本的に思っております。 そこで、そのことについては、日本も批准しております子どもの権利条約、国連子どもの権利条約の権利委員会からも再三指摘を受けているんです。日本の学校制度が過度に競争的なことになっていて、いじめ、自死、不登校を引き起こしているというふうに勧告を受けています。 正確に言いますと、委員会は、日本の学校制度によって学業面で例外的なほど優秀な成果が達成されてきたこと、これは認めるけれども、学校及び大学への入学を求めて競争する子供の人数が減少しているにもかかわらず、過度の競争に関する苦情の声が上がり続けていることに懸念するとともに留意する、委員会は、このような高度に競争的な学校環境が就学年齢層の子供のいじめ、精神障害、不登校、中途退学及び自殺を助長している可能性があることも懸念するというふうに委員会から勧告が出されています。また、極端に競争的な環境によって引き起こされる悪影響を回避する目的で学校制度や大学教育制度を再検討するよう勧告するとも勧告されているわけですね。 これについて、文科省としてはこの間、この勧告を、二〇一〇年に出されているわけですけれども、これを受けて学校制度や過度な競争を見直すというような取組はどのようにフォローアップされているのでしょうか。
○国務大臣(馳浩君) 児童の権利に関する条約第三回日本政府報告審査後の児童の権利委員会の最終見解に、「高度に競争的な学校環境が、就学年齢にある児童の間で、いじめ、精神障害、不登校、中途退学、自殺を助長している可能性があることを懸念する。」との記載や、「極端に競争的な環境による悪影響を回避することを目的とし、学校及び教育制度を見直すことを勧告する。」との記載があることは承知をしております。 不登校については、様々な背景や要因が複雑に関連しているものとも認識をしております。不登校に関する調査研究協力者会議においては、不登校をめぐる様々な状況を踏まえ、専門的な見地から検討いただいているものと受け止めております。その報告を待ち、文部科学省としては、児童の権利委員会の最終見解も参考にしつつ、引き続き一人一人の不登校児童生徒の状況に応じた支援が行われるよう必要な施策を推進してまいりたいと思います。
○神本美恵子君 不登校になっている子供への支援ということをお聞きしたのではなくて、権利委員会が指摘しているのは、学校が過度な競争によっていじめや不登校あるいは自殺の原因になっているのではないかと、そこから回避するために学校制度を見直しなさいという勧告なんですけれども、学校制度をどのように変えてきたのか、あるいは変えようとしているのかということについてお伺いしたいわけです。
○国務大臣(馳浩君) 今年の一月にいわゆる馳プランという形で、中教審の答申を踏まえて、学校の在り方について、また地域との連携、協働の在り方について一つの方針をお示しをいたしました。その中では、やっぱり教職員の資質向上についてという分野や、あるいはコミュニティ・スクールという形で地域との連携、協働という分野や、何よりもチーム学校という観点で、余りにも多忙な教職員の業務改善に向けての教職員の定数の改善に向けてなど、総体的に中教審からいただいた答申を踏まえた今後の在り方というものについてお示しをしているところであります。 この不登校、いわゆる不登校児童生徒の問題についても、様々な要因があって不登校になっている、あるいは保護者との関係においても不登校になっている、なかんずく学校の教職員との関係とか児童生徒同士の友人関係における問題とかにおいてもこれは不登校の要因になっていることは、これは私どもは否定しているわけではありません。したがって、子供一人一人の事情、実情に応じた対応が必要であると。そのためには、やはり教育環境の整備をより一層充実していくべきという考えに基づいて、この馳プランといったものについても今後法改正やまた立法措置や予算措置などをもって推進していくべきであると、こういう考え方でおるということをまずお伝えしたいと思います。
○神本美恵子君 これから馳プランというのは実行に移されていくのかもしれませんけれども、この過度に競争的な環境、学校が、学校の中が、それに対してどのように対応していくのかということについては、私は、ここでは漠然とした話になるかもしれませんけれども、文科省が次々良かれと思ってやっていることが、実は子供たちを過度な競争の環境に置いているということを指摘しておきたいと思います。 その一つは学力テストです。悉皆による小学校六年生、中学校三年生の毎年学力テストをする、それによって、文科省としても競争にならないように、序列化にならないようにという配慮はしておられるようですが、学校現場は、その実施によって事前に練習をしたり、それから子供たちをやっぱり叱咤激励といいますか、するというようなことに置かれている。あるいは、授業時数確保ということがびっちり調べられることによって、教科学習は熱心に必ず与えられた教育課程どおりにやらなきゃいけないけれども、子供たちがゆとりを持って仲間の付き合いができるような特別活動とか学校行事とか、そういうものが次々と削られていく。本当に学校がぎちぎちになってしまっている。過度な競争と、きちきちになっている、教育過剰といいますか、そういう状態になっていることをこそ変えていかなければいけない。そのためには、学校現場の努力もさることながら、そういうところに学校が追い込まれているということに対して、文科省はやはり振り返るべきだと思います。 この過度な競争環境を緩めていくにはどうしたらいいのかということを是非取り組んでいただきたいということを申し上げて、あと一分ほどありますので、今、馳大臣も、超党派の議連の中で御一緒に考えてまいりました。馳大臣は大臣になられる前にフリースクールの議連としてやってこられました。私は夜間中学の議連の中でやってきた。それが議員立法として衆議院に提出されておりますが、まだ審議されておりませんけれども、その中で、不登校の対策として不登校についての定義付けがされるやに聞いておりますので、そうなることに対して不登校の当事者や保護者の方がとても懸念を持っておられます。それについて、大臣としてそういう懸念を払拭できるような取組をしていただきたい。この最終報告がこれから調査研究協力者会議で出されると思いますけれども、その中にも、不登校は本人の原因ではないということが明確にできるような姿勢を文科省としても持っていただきたいということを申し上げまして、大臣の答弁をいただいていいでしょうか。
○委員長(礒崎陽輔君) 馳大臣、時間が過ぎておりますので、簡潔にお答えください。
○国務大臣(馳浩君) 議員立法の件に関しましては、神本委員にも適切な御指導をいただいたことを改めてお礼申し上げたいと思います。 文科省としては、現実に不登校の児童生徒がいるわけですから、この法案に基づいての施策がレッテル貼りになってはいけないということはもう当然であります。その上で、実態を踏まえて、学習支援と一定の経済的支援が必要であると、こういう認識の下に施策を展開してまいりたいと思います。
○神本美恵子君 終わります。
○牧山ひろえ君 民進党・新緑風会の牧山ひろえです。今回は主に、職業訓練や教育訓練について御質問させていただければと思います。 総務省では、今年二月に、職業訓練を中心としました職業能力開発の効果的な実施に関する行政評価・監視の結果に基づく勧告を行っております。配付した資料の一ページ目を御覧ください。 この調査の中で、介護系分野は求人ニーズや就職率が高く、訓練の積極的な実施を目指すべきであるとされています。にもかかわらず、介護系分野の職業訓練における定員充足率は、調べましたら、二〇一四年度に七二・三%、そして全体の定員充足率が八二・六%ですから、それよりも低くなっているということが指摘されております。介護人材不足を解消するためにも、この問題の解決は急務だと思います。 この点に関しまして、在宅で現在介護中の方、あるいは在宅介護を経験されている方は、その経験を生かして介護系分野で活躍していただける可能性があるのではないかと感じております。こういった可能性を引き出していけるよう、介護経験者向けの職業訓練コースですとか、あるいは短時間訓練コースの新設、また介護経験に応じて実習を軽減するなどの工夫、こういったことを積極的にしていくべきではないかと思うんですね。この点に関しまして、厚労省のお考えをお伺いしたいと思います。
○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。 在宅での介護経験を踏んでいらっしゃる方、様々あると思いますけれども、これを職業とした場合は、やはり介護に携わるためには体系的に技能や知識を習得する必要があると、このように考えております。 介護分野の公的職業訓練におきましては、早期就職に必要な知識を短期間で効率的に付与する基礎的なもの、これは知識等習得コース、約三か月でございますけれども、とか、このほかには、介護福祉士の資格取得を目指すことということで、これ二年間の高度なものまで、訓練の受講者の特性やニーズに合わせて多様なコースを今は設定させていただいております。 ということで、今後も求職者の特性やニーズ等を踏まえて多様な訓練の設定にも努めていきたいと、このように考えております。
○牧山ひろえ君 介護訓練の利用者が定員を大きく下回っていることに関し、これに関して総務省からは、介護系分野に重点を置いて、公的職業訓練の周知ですとか誘導などをより積極的に行うということについて勧告がなされております。ですが、現在も介護系分野の訓練、これにはある程度積極的に周知ですとか誘導などが実際にはなされているんではないかと思います。もう少し、なぜ介護分野に人材が集まらないのかという根本に立ち返った考察が必要ではないかと思われます。 例えば、私の先ほどの提案しましたもののように、在宅介護の経験が単に負担や苦労で終わらず、自らのキャリアアップに結び付いていく、そういう仕組みこそが現在求められているんではないかと思います。今回の行政評価ですとか監視の中では、育児中の女性などが受講しやすい訓練環境を整備するために託児サービス付き訓練や短時間訓練のニーズの把握、また導入の検討をすべきという勧告も出ております。 この点に関連しまして、育児中の女性と同じように、家庭の中で介護などによって就業を断念している、若しくは職業訓練を受講することが難しいと思っている女性なども大勢いるんではないかと思うんですね。そう考えますと、育児中の女性だけではなくて、介護中の女性などについても短時間訓練のニーズはあるんではないかと思うんです。 介護中の女性を対象とした短時間訓練の実施をより積極的に行うべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。 育児や介護による時間的制約を抱えながらも再就職を希望する方々が職業訓練を受けやすい環境を整えていくことはとても重要であると、このように考えております。 このため、公共職業訓練におきましては、育児等を伴う時間を配慮いたしまして、一日当たりの訓練時間を通常よりも短くした訓練コースを設定させていただいております。また、求職者支援訓練におきましても、本年の十月より、育児中の方を対象とする一日当たりの訓練時間を短くした訓練コースも設定することとしております。こういった訓練は、実は育児休暇、育児中の方だけではなくて、介護により時間的制約のある方にも受講していただくことが可能であります。 ただ、資料等で育児等という言葉を使っておりまして、等という中に介護の方が含まれるというのがなかなか分かりにくかったり、今日も牧山委員から御指摘いただいたように、なかなか状況が、介護の方も対象であるということが伝わらない可能性もあるので、これから広報の方、少し工夫をさせていただきたいと、このように考えております。
○牧山ひろえ君 おっしゃるとおり、やはり等という言葉ではなかなか介護中の女性も対象になっているということは分かりづらいと思いますので、是非やっぱり、そういう制度があるのであれば、より多くの介護中の女性ですとかそういった方々のニーズに沿った説明あるいはPRを行っていただければと思います。 介護中の女性だけではなくて、求職中の方のニーズについての調査を密に行っていただいて、実態を正確に把握した上で、これらの状況にある方々が本当に必要とする、また受けやすい職業訓練のメニューをより幅広くPRしていただければと思います。 超高齢化社会を目前にして、介護士不足は深刻な問題だと思います。現在、自宅で家族を介護している人の中にも、外に出て働きたいとかあるいはお金もできたら稼ぎたいという意欲を持っている方は実は多いんではないかと思うんですね。 これらの問題を解決するために御提案をさせていただきたいと思いますが、介護の現場で働く人については、その親族の要介護者を特別養護老人ホームなどの介護施設に優先入居させることができるという仕組みをつくれないでしょうか。そのような仕組みに、先ほど申し上げました在宅での家族介護の経験が前向きに生かせるという、生かすことができるような職業訓練を組み合わせると、介護職を実際に目指す人が多く出てくるんではないかと思うんですね。もちろん、介護施設への入所は基本的に民間と民間の契約なので実務上難しい面もあるかもしれませんけれども、地方自治体などで指定介護老人福祉施設優先入所指針、指針という形で作成している例もあるんですね。 こういった例もありますので、やる気次第でいろいろできると思いますので、是非厚労大臣に御所見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) ありがとうございます。 現在、特別養護老人ホームの入所に際する考え方の整理というのは、やはり大事なのは公平性を確保するということなので、このように整理をしております。 まず、国が、介護の必要の程度とか家族の置かれている状況とか、こういうことを踏まえて入所の必要性が高い方を優先をするということを留意事項で示しております。これを基に各都道府県などが具体的な優先入所指針というのを定めておりまして、その指針に基づいて、各施設で定めた手続にのっとって入所者を決定をするという取扱いが行われているわけでございます。 御指摘の介護職員の親族の方を、要介護者であった場合に優先入所ということでございますけれども、この仕組みにつきましては、要介護度やそれから認知症の程度とかで入所の必要性が高い方がむしろ逆に入所待ちとなる可能性もあり得るということなので、そうした方との公平性の観点から慎重な検討が必要なのかなというふうに思っております。 私どもとしては、介護離職ゼロを実現しようということで、ニッポン一億総活躍プランというのを近々取りまとめる予定でございますけれども、既に今、二十七年度補正予算において、二〇二〇年代初頭までに、介護施設などを合計で約十二万人分当初の予定より整備量を上積みをいたしまして約五十万人分の整備をするほか、介護人材の確保に向けて今月中に、このニッポン一億総活躍プランというのに基づいて、介護職員の処遇改善など総合的な対策を講じることによってしっかりと取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○牧山ひろえ君 現在、介護離職が社会問題となっております。いろいろ難しい面はあると思いますけれども、何としてでも介護離職と逆の方向に政策のかじを切らなければならないと思います。すなわち、介護すべき家族を抱えていても実際に働くことができる、むしろ介護家族を抱えていた方が有利な側面がある、そういう仕組みをつくってこそ働きたいという意欲をかなえながら介護人材不足も解消する一助になる、なり得ると思うんですね。 平成二十三年十月二十七日に、実は私、以前、この問題について厚生労働委員会で質問したことがあります。当時は小宮山洋子大臣だったんですけれども、彼女に質問したことですけれども、介護をしている方が介護士として施設で就職する場合、その就職と同時に介護をしている親もその施設に入所するという、そういった御提案をさせていただいた経緯があるんですけれども、是非前向きに御検討いただければと思います。 職業訓練後の就職率については公表されており、職業訓練の実施計画においても目標として記載されるなど、一定の指標となっています。もちろん、職業訓練の第一の目的は就職ですので、就職率は目安として大切なんですけれども、その後、問題になるのが定着率だと思うんですね。又は離職率、これもやっぱり問題だと思います。一旦就職をしても、その後すぐに離職してしまっては、御本人にとっても、また職業訓練の実施効果としてもいいとは言えません。また、この定着率ないし離職率を把握することによって、より良い職業訓練につなげることができると思うんですね。 各訓練所ですとか厚生労働省では、職業訓練後に就職された方々の離職率について調査されているんでしょうか。
○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。 就職後の離職率については、現時点では把握をしておりません。
○牧山ひろえ君 職業訓練の目的は、いっときの就職だけではなくて、希望の職に就いてそして安定して就業し続けるということが本来の職業訓練の目的だと思うんです。職業訓練の質は、むしろ就職率ということよりも就職後の定着率、すなわち就業の継続性に直結すると思います。 そのような観点から、職業訓練の実施に当たっては、就職後の離職率も同時に調査し把握するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃるとおり、職業訓練、せっかくやるわけですから、就職できても定着をしないというんでは意味が半減ということだろうということで、基本的なお考えに私も賛成であります。 今、就職訓練について、就職に結び付けることが目的ということで、全ての訓練修了者の就職率は確かに把握をしておりますけれども、離職率はしていないということになっています。しかし、今申し上げたとおり、就職後一定期間を経た時点での離職率を調べるというのは、やはり訓練の効果がちゃんと長もちしているかどうかという意味においても有効な考え方ではないかというふうに思いますので、例えばサンプル調査によって把握をし分析をするというようなことも含めて、訓練修了者の離職率を把握する方法について先生の御提案どおり研究をしてまいりたいというふうに思います。
○牧山ひろえ君 是非お願いします。 昨今、子供の貧困といったことが社会問題となっていますけれども、原因の一つに一人親家庭の経済状況が貧しいということがあります。実際に一人親家庭の生活保護受給率は高く、一人親家庭の子供は家庭の経済状況が不安定なために勉強になかなか集中できないことが多いと聞いております。その結果として負の連鎖が生じております。一人親家庭の保護者への教育給付を行って就職や収入増加に結び付けることができれば、生活保護受給者を減らすことができ、実質的にそれによって生活保護に係るコストも安く済むという、そういったメリットがあると思うんですね。 ですが、収入増加に結び付くような教育訓練ですとか自己啓発については費用が高い場合が多く、現行の教育訓練給付では賄い切れない、そういった制度を活用し切れていない現状が実際にあると思います。したがいまして、一人親家庭の保護者の教育訓練給付につきましては、支援費用ですとか対象範囲について優遇的な取扱いが必要ではないかと思います。 実は、平成二十七年九月二十五日付けの、教育訓練給付制度の運用改善に関する質問主意書を提出したんですけれども、このことを主張させていただきました。その結果、この四月から、教育訓練給付における一人親家庭の優遇措置を実施いただいております。具体的に、お配りしました二枚目の資料ですけれども、自立支援教育訓練給付金の支給額が大きく上積みされております。また、これも私の主張を取り入れていただいた形ですけれども、この給付金が一人親なら雇用保険に加入していなくても利用できる、こういった点においても高く評価できると思います。 このように、社会政策としても大きな意義のある教育訓練給付制度ですが、現在、雇用保険制度の教育訓練給付の財源については国庫負担、すなわち税金、税負担ではなく、労使の保険料が財源となっています。これらのことに鑑みますと、教育訓練給付の財源につきましては、雇用保険制度のみならず一般会計によっても支援すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、教育訓練給付の財源について税金も投入すべきというお考えをお示しをいただいたと思うわけでありますが、現在、雇用保険の中で基本手当などに一般会計による国庫負担というのがなされているわけでございまして、この理由は、御案内のように、失業の原因には政府の経済政策もやっぱり一端を担うべきじゃないかということで、そういう形で税金の投入というのが行われていて、時々、やはり財務省の側の論理からいくとこれはやめたいというような話もちらほらいろいろ聞こえてくるわけであります。 一方で、教育訓練給付は、主に在職中の働く人の主体的な職業能力開発を支援するという政策でございますので、政府が責任の一端を担うべき失業に対する給付である基本手当とは若干これは趣が違うというふうに今現在は整理をされておりまして、労使の保険料により負担が行われるということが筋ではないかということで、教育訓練給付については財源は保険料というふうになっているところでございます。
○牧山ひろえ君 教育訓練給付は、元々、働く人の主体的な能力開発の取組又は中長期的なキャリア形成を支援する、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的としていますので、是非御考慮いただければと思います。 質問を終わります。 ─────────────
○委員長(礒崎陽輔君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、末松信介君が委員を辞任され、その補欠として島田三郎君が選任されました。 ─────────────
○新妻秀規君 まず、ため池防災について伺いたいと思います。 まず、熊本地震によるため池など農業用施設の被害状況について伺いたいと思います。 先月四日の本委員会におきまして、ため池防災について質問をいたしました。そして、その十日後に熊本地震が発生しました。改めて、熊本地震で犠牲となられました方々の御冥福をお祈りをし、また被災されている皆様に心よりお見舞いを申し上げます。 〔委員長退席、理事石井みどり君着席〕 さて、この熊本地震におきまして、阿蘇郡の西原村にあります下小森ため池第二で堤防の一部が決壊をして、周辺の農地に大量の水が発生をいたしました。人的被害は幸いなかったというふうに伺っております。 まず、農水省に伺います。 この熊本地震では、ため池についてのり面の破壊、また亀裂などが報告されていますが、ため池含め農業用施設の被害状況はいかがでしょうか。末松局長、お願いします。
○政府参考人(末松広行君) お答えいたします。 熊本県内の震度四以上の地域にある点検対象ため池というのは百二十二か所ございますが、そのうち十三か所においてひび割れ等が確認されており、水位を低下させるとともに、ブルーシートによる保護などの応急措置を実施しているところでございます。特に被害の大きいため池である下小森ため池第二及び大切畑ため池については、いずれも現在の貯水量はほぼゼロとなっております。現在のところ、下流への危険はないと考えられます。 また、今般の熊本地震のため池を含めた農業用施設の被害額は、現在のところ、九州各県からの報告によれば、四百五十七億七千万円であるということでございます。
○新妻秀規君 ため池百二十二か所中十三か所、一割を超えるため池が被害を受けていて、また被害総額は四百五十七億、甚大な被害が発生していることが分かりました。 次に、熊本地震でのため池被害の調査結果からの教訓について伺いたいと思います。 下小森ため池第二には、四月十九日、農研機構の専門家が現地調査をしたと伺っています。その結果はどのようなものだったのでしょうか。また、下小森ため池第二を始め現地調査の結果から、今後のため池防災・減災対策に生かせる発見はなかったか、ハード面、ソフト面、それぞれについて、末松局長、お願いします。
○政府参考人(末松広行君) 御指摘の下小森ため池第二につきましては、小規模で底が浅いというため池でございました。また、農地と道路に囲まれていることで、危険度はさほど高くないという評価がされておりました。 今回、地震により生じて、堤体の横断方向のひび割れによって堤体の一部が決壊したということでございますが、先ほど申し上げたような状況でございましたので、流出した土砂は直下流の農地に流入したのみであり、住宅や道路への被害は発生しなかったということでございます。ため池によってその状況というのが違うということでございます。 また、平成二十五年度より、都道府県等が主体となって、下流に住宅や公共施設などが存在する防災重点ため池などを対象に一斉点検を実施してございます。今般の熊本地震により被災したため池についても、各施設の現状や周辺状況を既に把握していたということがございました。この重点ため池の点検をした結果だと思うんですが、熊本県の担当部局の指導により、決壊による二次災害を防止するために水位を低下するという措置を迅速にとることが可能になったというふうに考えております。 日頃からため池の状況を適切に把握して的確な管理を行うことが防災・減災対策の推進のために重要であることを改めて認識したところでございます。
○新妻秀規君 今局長から答弁があった、この水位の、きちんとした、低下の取組、こうしたソフト対策などの今回の知見とか教訓を全国のため池の現場、例えば水利組合さんとかに展開をしていただきたいと思うんですが、どうでしょうか。
○政府参考人(末松広行君) 熊本地震で被災したため池のうち特に被害の大きい箇所について、農研機構の専門家や災害査定官が現地調査を行い、被災状況の確認、今後必要な追加調査の項目、二次災害の防止などの対応を取りまとめて、今、県とか市町村の関係者に、これは地元で報告したところでございます。 今後、この調査結果を基に被災原因の解明や耐震対策など、更に詳細な調査、また検討を実施して、その結果が判明した段階で課題と対応方針を全国に情報提供してまいりたいというふうに考えております。
○新妻秀規君 今回の教訓、非常に貴重なものがあると思うんですね。やはり、現場が使いやすい、分かりやすいものを是非とも作成をして、いろいろ講習会とか、本当に現場の方が分かる、それがアクションを起こせるというものにしていただきたいと思います。 続きまして、熊本地震で被災をしましたため池を始め農業用施設の復旧について、これ佐藤政務官にお伺いしようと思います。 森山農水大臣も今月初め現地入りしまして、ため池被害を始め農業の被害状況を確認したと承知をしております。この度成立いたしました補正予算を活用して、ため池を始め被害の大きかった農業用施設の復旧に着実に取り組んでいただきたいと思いますが、政務官、どうでしょうか。
○大臣政務官(佐藤英道君) 御指摘のとおり、今般の熊本地震により被災をいたしましたため池などの農業用施設におきましては、早期の復旧を図るために、既に災害査定の前に応急工事の着手が可能となる査定前着工制度の活用を図っているところであります。 また、全国の地方農政局などから農業土木技術者の派遣を希望している熊本市、阿蘇市、益城町など九自治体に二名ずつ継続的に職員を派遣しており、迅速な復旧のための人的支援も積極的に行っているところであります。 引き続き、県、市町村等とも連携を図りながら、被害状況の把握に努めるとともに、補正予算で措置された熊本地震復旧等予備費等を活用いたしまして、農業用施設の早期復旧が着実に図られるよう支援してまいります。
○新妻秀規君 今も御答弁ありました査定前の着工制度、本当に周知に努めていただきたいと思いますし、また人材派遣についても本当にその人員で足りるのかということも、現地のニーズを把握をして適切に対応を、拡大が必要なら拡大、拡充をしていただきたいと思います。 〔理事石井みどり君退席、委員長着席〕 続きまして、ソフト対策の促進について伺いたいと思います。 ハザードマップにつきましては、ため池以外の施設と同様に、ハザードマップの公表によって地価が下落する、こんな懸念から公表が遅れがちだという問題が指摘をされています。農水省の農村地域の防災減災事業において、決壊すると多大な影響を与えるという防災重点ため池、先ほど御答弁にもありました、この防災重点ため池のうち、ハザードマップの作成などソフト対策を実施した割合について、政府の目標は、平成二十六年度には防災重点ため池約九千か所のうち四割だったものを、平成三十二年、六年間で十割、つまり約九千か所全部まで持っていくぞという目標を掲げていると承知をしております。 ここで、ハザードマップ作成などソフト対策の進捗状況はどのようになっているか、また目標達成に向けた具体的な取組はどのようになっているか、これは末松局長、お願いします。
○政府参考人(末松広行君) お答えいたします。 全国約十一万か所のため池を対象に、先ほどお話ししたように一斉点検を実施しておりまして、そのうち、下流に住宅や公共施設などが存在する防災重点ため池については、これは九千三百三十七か所ありますが、今のところ、ほとんど、九千二百十一か所の点検を完了したというのが現状でございます。 防災重点ため池については、平成三十二年度までにその全てにおいてハザードマップ作成などのソフト対策を実施するということを目標にしております。お話のあったとおりでございます。これは、平成二十六年度末の時点では約四割が実施済みということで、これを今引き上げるべく努力をしているところでございます。今申し上げたハザードマップ作成のほか、決壊などに備えた避難訓練のソフト対策についても農村地域防災減災事業において支援を行っており、その継続的な実施のために、今年度予算においては定額助成制度、これをまた延長して実施することにしたところでございます。 今後とも、このような事業を活用し、ため池のソフト対策の一層の推進を図るとともに、これらの進捗状況を毎年度フォローアップして適切な進捗管理に努めてまいりたいというふうに考えております。
○新妻秀規君 今、定額措置という、そういうお話がありましたけれども、それであれば現場の自治体は使いやすいというふうに理解をいたします。なので、またハザードマップ作成の手引きもありますので、先ほど来の避難訓練のための予算の例なども含めて周知徹底を是非とも現場に図っていただきたいんですが、どうでしょうか。
○政府参考人(末松広行君) 今先生のおっしゃるとおりだと思います。 ため池のハザードマップの作成を推進するため、定額助成による支援については、都道府県における予算説明会の開催ですとか地方農政局等を経由して都道府県に情報提供するとともに、市町村や具体的な各土地改良区などのため池管理者に周知するように努力をしているところでございます。また、ハザードマップ作成の手引きについても、農研機構、これは研究機関でございますが、における都道府県を対象とした研修会で活用するとともに、農林水産省のホームページにも掲載するなど周知をしております。 ただ、この周知がまだ十分でないという可能性もございますので、今後とも、これらについて各種説明会や研修など幅広い機会を活用して周知徹底を図り、ハザードマップ作成のソフト対策の重要についてため池管理者に普及啓発してまいりたいというふうに考えております。
○新妻秀規君 ハザードマップがあるかないか、避難訓練を行っているか行っていないかで、命が守られるか守られないか分かれるわけなんですね。なので、本当にこの件は重要だと思うので、是非とも積極的な取組、周知徹底、お願いをしたいと思います。 次に、最後に、農村地域防災減災事業の予算確保について、これは佐藤政務官、伺います。 先月四日の本委員会におきまして、農水省の政府参考人の方から、ため池を含む農村地域の防災・減災対策の予算額について、前年度比八一%増の五百八億円、補正を合わせると五百四十八億円の予算を確保したと答弁をいただいています。しかし、自治体が要望する予算額と国からの割当額に今開きがあって、予算不足で計画的に事業が進まない、そういう声があると伺っています。熊本地震では幸い人的被害がなかったわけですが、危険性は否定できない状況だったんじゃないかなというふうに思います。 これは本当に人の命が懸かった事業です。加速する必要があると思います。そのためにも、是非とも予算の拡充をお願いをしたいと思うんですけれども、政務官、どうでしょうか。
○大臣政務官(佐藤英道君) 今般の熊本地震の甚大な被害の状況が明らかになっておりますけれども、我が国におきましては大規模地震や豪雨等の災害が全国津々浦々で発生する可能性があることについて改めて認識をしたところでございます。 地震や豪雨などによりましてため池などの農業水利施設などが損壊し、人命や農地等への被害発生が想定される地域におきまして、今後の災害を未然に防止するため、防災・減災力の向上を図ることは喫緊の課題であると認識しております。 農林水産省としては、農村地域の防災・減災対策のための予算額として、今御指摘のとおり、平成二十八年度予算におきましては対前年度比一八一%の五百八億円、これに平成二十七年度補正予算を加えると合計五百四十八億円を確保し、対策の推進を図っているところでございますけれども、御指摘の点も踏まえまして、今後とも、都道府県や市町村などの要望を真摯に受け止めて、現場のニーズを的確に把握しつつ、農村地域の防災・減災対策の一層の推進に向けて必要な支援をしてまいります。
○新妻秀規君 力強い御答弁をいただいたというふうに理解をいたしました。是非とも、政務官おっしゃったような取組を進めていただきたいと思います。 ここで農水省関係の佐藤政務官、末松局長始め農水省の方は御退席いただいて結構ですので、委員長、お取り計らいをお願いいたします。
○委員長(礒崎陽輔君) 佐藤政務官及び末松局長については、御退席していただいて結構でございます。
○新妻秀規君 続いて、地下街の安全対策について伺いたいと思います。 総務省の行政評価局は、この四月、地下街等地下空間利用施設の安全対策等に関する実態調査の結果に基づく勧告を総務省そして国交省に発出をいたしました。 まず、地下空間ネットワークとしての安全対策の推進について山本副大臣に伺いたいと思います。 本件については、総務省行政評価局は、施設管理者間の連携体制、連絡体制の整備、避難対策の実施について課題があるとし、市町村に対し、協議会への一層の働きかけや情報提供を行うよう助言せよと勧告し、協議会の必要な構成員の確保、連絡体制の見直し、連携した効果的な避難訓練等の実施を求めております。 私も、昨年の三月、名古屋駅の東に位置するある地下街の防災対策を実際視察をしてまいりました。視察をした地下街では、隣接する地下街との連携体制が不十分だというふうに感じました。また、避難訓練も、隣接地下街や地下鉄の駅との共同ではなくて、単独での訓練でございました。実際の災害の発生に備え、隣接地下街また地下鉄駅との連携体制の強化、さらには共同の訓練の実施をすべきだと強く感じました。よって、先ほどの総務省からの勧告、全くおっしゃるとおりというふうに思います。 ここで、山本副大臣、この勧告に対して、国交省、どのようにして対応していくのでしょうか。
○副大臣(山本順三君) 新妻議員にお答えをいたします。 国土交通省といたしましても、地下街等の浸水対策を進めることは極めて重要なことであるというふうに認識をしておりまして、そのために、今ほどのお話のとおり、関係者が連携した取組や計画的な対策の検討が極めて必要であるというふうに考えております。 このため、国土交通省では、地下街等の管理者が連携して浸水対策に関する検討、連絡調整を行うための協議会の設置、これについて、通知の発出や説明会の開催により市町村を通じて促してまいりました。また、地下街等の管理者が防災体制や避難誘導などを定めた避難確保・浸水防止計画、これを作成する際に参照できる手引を提供するなどの技術的な支援をこれまた行ってまいりました。 今回の総務省からの勧告を踏まえまして、関係者による連携した対応を一層進めるため、協議会の構成員の増強、連絡体制の検証、見直し、効果的な避難訓練の実施などが進むよう市町村に助言する等支援をしてまいりたいと思っております。 国土交通省といたしましては、引き続き地下街等の浸水対策の充実に積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○新妻秀規君 今、市町村への助言というお話が副大臣からありました。この助言の内容が、分かりやすくて、ああ、こういうふうに動けばいいんだなというふうに体が動くような、そういうものにしていただきたいというふうに思います。 次に、地下街等の安全対策に関する設備の整備、運用について伺いたいと思います。 総務省は、先ほどの勧告におきまして、止水板の設置が必要な出入口に止水板が設置されていないなど、連携した浸水対策に支障のある例があるとして、国交省に対して、市町村に施設管理者への止水板等の連携した設置、運用に関する具体的な情報提供を行うよう助言せよ、こういうふうに勧告をしているわけです。 私の住む名古屋でも、平成十二年の九月十一日の東海豪雨、名古屋駅の地下街に、地下通路でつながる隣接ビルがこの止水板を立てなかったために浸水をしまして、その水が地下街に流れ込むという事態が発生をいたしました。 国交省は、この勧告に対し、止水板等の適切な設置、運用に関して具体的にどのように取り組んでいくのでしょうか。これ野村次長、お願いします。
○政府参考人(野村正史君) 地下街等の浸水対策において、その管理者による止水板等の適切な設置、運用は重要であると考えております。 これまで国土交通省では、地下街等の管理者による止水板等の設置時の参考となるよう、氾濫シミュレーションに基づく想定浸水深、いわゆる浸水の深さでございますが、その情報提供などの支援を行ってまいりました。また、止水板等の設置を促進するために、平成二十六年には税制優遇措置を創設するなど、支援制度も設けてきたところでございます。 現在、国交省では、止水板等の設置、運用に関するガイドラインの作成を進めているところでございますけれども、作成後は、まずその内容をしっかりと周知をしていきたいと考えております。さらには、今ほどの税制優遇措置などの支援制度、これもまだまだ十分に知られていないところもございますので、これも含めてしっかりと周知をして、地下街等の管理者への助言、支援を是非充実させていきたいと考えております。
○新妻秀規君 今作成中のガイドライン、またこの税制優遇措置、この周知徹底を是非ともお願いをしたいと思います。 次に、法令に基づく地下街等の安全対策の実施について伺いたいと思います。 総務省は、先ほどの勧告におきまして、水防法に基づく施設管理者による避難確保・浸水防止計画の作成は低調、このように指摘をしておりまして、国土交通省に対して、市町村に施設管理者による計画作成促進に向けた助言をせよ、このように勧告をしています。 その際重要になるのが、この避難確保・浸水防止計画を作るにしても、役に立つ、実効性があるものを作るということだと思います。私自身、先ほどの視察、名古屋市の駅の東の地下街を視察をしまして、この避難確保・浸水防止計画の策定に当たって、接続する地下街とか地下鉄駅、接続ビルとの調整が十分に行われていないんじゃないかなという印象を正直受けました。 昨年五月の改正水防法の第十五条の二、この趣旨にのっとりまして、地下街の避難確保・浸水防止計画を接続する地下街とか地下鉄駅、また接続ビルと共同で作ることを強く市町村に促すべきと考えますが、国交省としてはどのように取り組んでいかれるのか。これも野村次長、お願いします。
○政府参考人(野村正史君) 多くの施設が地下で接続している地下空間では、新妻委員御指摘のとおり、個々の施設の管理者がお互いに調整をして、地下空間全体として効果的な避難確保・浸水防止計画を作成することが重要であるわけでございますけれども、一方で、非常に多くの当事者間でコンセンサスを得ていくという、そのこと自体は一方で難しい課題であるとも考えております。 このため、先ほどもお答えしたとおり、国交省では、各施設の管理者などが参加した協議会の設置、そして関係者が連携した計画の作成を促してまいりました。 例えば、大阪駅周辺では、従来、五つの地区ごとに地下街や接続ビルなどの管理者が共同で計画を策定しておりましたけれども、平成二十六年には、各地区の地下街や接続ビル等の管理者、大阪市、大阪府、地方整備局などから成る協議会を設置しまして、駅周辺地区全体の連携を強化するための対策計画を作成するとともに、避難訓練等を実施しております。 それから、名古屋駅周辺でございますけれども、これも施設管理者ごとに計画を作成しておりましたけれども、昨年の十月、メイチカだとかユニモールなどの主要な地下街を始め、名鉄、近鉄両百貨店など該当施設の管理者の相当程度、そして名古屋市、気象台、地方整備局などから成る会議を設置しまして、これら全体で時間軸に沿った防災行動を定めたタイムラインの作成等を進めているところでございます。 国土交通省としましては、先行的な取組について、これを全国の市町村も情報共有できるように周知に努めて、地下街などにおける共同した取組が進むように努めてまいりたいと考えております。
○新妻秀規君 大阪とか名古屋の好事例、是非とも今御答弁にあったように全国展開をお願いをしたいと思います。 確かに地下街とか地下鉄駅、管理者は違うかもしれませんけれども、水にとってみれば、とにかくどこからか入って、とにかく低い方へ流れていくんだと。境界なんか全く関係ないわけですものね。なので、こうした好事例をしっかり展開をしていただいて、とにかく人の命が守られる、こういう体制を是非とも構築をしていただきたいと思います。 次に、避難確保・浸水防止計画の実効性確保のための予測情報の提供について伺いたいと思います。 実効性がある地下街の避難確保・浸水防止計画の作成のためには二つ情報が必要だと思います。まず一番目に、浸水がいつ始まるのか、二つ目に、どこまで水が来るのか、こういう予測情報が大切だというふうに思います。 国交省として、どのようにしてこういう予測情報を地下街の管理者に提供していくのか、これについて、野村次長、お願いします。
○政府参考人(野村正史君) 国交省では、全国の洪水予報を行っている河川等におきまして、氾濫が発生した場合に、氾濫水がどのくらいの時間でまさにどの範囲に到達するのかという時系列の氾濫シミュレーションの結果の公表に努めているところでございます。ただ、公表だけではなくて、例えば、やはり地下街等の管理者が避難確保・浸水防止計画を作成する際には、そういった情報を是非、例えば先ほどの協議会の場を通じて、あるいは市町村とも連携をしながら、本当に対象の地下街等の管理者は非常に多くございますので、待っているだけではなくて、そうやって、特にやっぱり市町村と連携をしながら、それを的確に提供して実効性のある計画の作成につなげていきたい、それを支援していきたいと考えております。
○新妻秀規君 今御答弁にあったように、助けを求められたらしっかりその助けを提供するような、そういうハンズオンの支援を是非ともお願いをしたいと思います。 次に、雨水による氾濫、つまり内水氾濫に備えた情報の迅速な把握、伝達の仕組みの整備について伺いたいと思います。 昨年の水防法の改正で内水氾濫への対策が新たに必要となりました。内水氾濫は降り始めてから短時間で事態が推移をしまして、そのためリードタイムは大変短い、なので、下水道事業者からの水位情報を活用することが望ましいと思います。 昨年の三月の名古屋の地下街の視察の時点では、下水道事業者から地下街への情報伝達はされていないことを確認をいたしましたが、その後、昨年五月の水防法の改正におきまして、下水道の水位が基準値を超えたときに、市町村を通して地下街へのアラートの発出が義務付けられるようになったというふうに承知をしております。 ここで資料一を御覧ください。これは水位周知下水道という制度でございまして、この資料にあるとおり、この一番左の絵にあるように、下水道に水位計が設置されておりまして、内水氾濫の危険水位に達すると自治体に通知が行く、それが地下街の管理者又は利用者に伝わっていく、こういう制度でございます。しかし、この制度ができたものの、実際の運用はなかなか進んでいないというふうにも聞いております。 ここで、野村次長、伺うんですけれども、どのようにしてこの制度の運用を促していくのか、お願いいたします。
○政府参考人(野村正史君) 新妻委員御指摘のとおり、昨年の水防法改正によって、まさに内水によって相当な被害を生ずるおそれがある下水道について、その水位の周知を行う水位周知下水道、まだ耳慣れない名前ですけれども、そういった制度が新しくできました。もちろん、その制度創設直後にはまずは説明会を持って周知徹底を図ったところですけれども、この四月には水位周知下水道制度に係る技術資料としてガイドラインも作成、公表して、これも現在周知に努めているところでございます。 それから、更にその運用が進むように、内水により相当な被害が生ずるおそれのある地下街を有する東京都、それから名古屋市、横浜市、川崎市、大阪市、福岡市、これらの政令指定市と共同で検討の場を設置いたしました。その検討の場、これは非常に、参加する公共団体はいずれも長い経験と堅実なノウハウを持つ下水道管理者ばかりなんですけれども、その場において、例えば下水管の水位の上昇と、それと内水による地下街が浸水する時間との関係について、まず理論的なシミュレーションを行うとともに、実地にデータも収集してそのシミュレーションの妥当性を検証するなどの取組も始めております。 これらの取組を通じて優良な先行事例をしっかり育てて、そして市町村等に対して新しい制度の的確な運用を促していきたいと考えております。
○新妻秀規君 今おっしゃったこの取組、本当進めていただきたいんですね。というのも、やはり今豪雨が激甚化しておりまして、雨によって人の命が本当奪われかねぬという、そういう危機がありますので、是非ともその取組は着実に進めていただきたいと思います。 最後に、市町村の地域防災計画に、地下街本体に加えて接続ビルも含めるような対策についてお伺いをしたいと思います。 地下街の入口に止水板をきちんと設置したとしても、接続ビルの入口から浸水してしまえば結局浸水被害は免れないわけです。事実、名古屋でも、先ほどの東海豪雨の事例で申し上げましたように、接続ビルからの浸水によって地下街の被害が発生をしている、こういう現状がございます。市町村の地域防災計画の対象に、地下街本体のみならず接続ビルの入口も含めることができれば、接続ビルの管理者が避難確保・浸水防止計画を作成する義務が発生するというふうに聞いております。 ここでまた改めて、昨年の改正水防法の第十五条の二の趣旨にのっとりまして、国交省として市町村に、地下街のみならず接続ビルも地域防災計画に位置付けるなど、地下街と接続ビルが連携した避難確保、そして浸水防止の取組が進むよう促すべきと考えますが、野村次長、お願いします。
○政府参考人(野村正史君) 水防法におきましては、今ほどお話ございましたとおり、地下街だけでなくて、不特定多数が利用するビルなどの地下空間についても市町村の地域防災計画に位置付けることで、施設の管理者に避難確保・浸水防止計画作成の義務が生ずることになっております。 このため、まずは我々、一体的な取組が必要とされるビルなどについても市町村の地域防災計画に位置付けるように促してきたところでございますけれども、これも今ほどお話ございましたように、昨年の水防法改正によって、その地下街等の避難確保・浸水防止計画を作成する際には、特定の人にしか利用されない企業の事務所なども含めて、氾濫水の流入経路になるような接続ビルの意見を聴くよう努めることとされたところでございます。 したがいまして、国土交通省としましては、地下街や接続ビル等の一連の地下空間を構成する施設の管理者が連携して避難確保、浸水防止に取り組んでいただくように、これからもしっかりと市町村等も通じまして周知し、支援にも努めてまいりたいと、そのように取り組んでいきたいと思っております。
○新妻秀規君 本当に人の命が懸かった大切な取組なので、着実に、そして迅速に進めていただきたいということをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。 今日は、我が国における淡水魚の現状、そして保全の取組について質問をしたいと思います。 まず確認をさせていただきたいと思います。 環境省が二〇一三年二月に第四次レッドリストを発表されていると。そのうちで、汽水・淡水魚類、この評価対象は何種類あったか、そして状況どうだったか、御説明ください。
○政府参考人(奥主喜美君) お答えいたします。 平成二十四年度に公表した環境省第四次レッドリストでは、汽水・淡水魚類について、約四百種を対象として絶滅の危険度を科学的、客観的に評価し、その結果をリストにまとめました。この汽水・淡水魚類の約四百種のうちおよそ四二%に当たる百六十七種を絶滅危惧種として選定しており、この割合は哺乳類、鳥類等、全分類群の中でも最も高い割合となっています。
○倉林明子君 二〇一五年十一月には、国際自然保護連合、IUCNがレッドリスト改訂ということになりました。ここで、アユモドキ、先ほどの汽水・淡水魚の中でもピックアップされた種ということですが、このアユモドキが絶滅危惧種の中でもごく近い将来における絶滅の危険が高い、極めて高いと、CRと記載されました。危機的状況で世界的にも保護の優先度が高いと、こういう判定だというふうに受け止めました。 そこで、アユモドキの種としての特徴は何なのか、そして、今確認されている生息状況、どうなっているか、御説明ください。
○政府参考人(奥主喜美君) お答えいたします。 アユモドキはコイ目ドジョウ科に分類される日本の固有種であり、河川の中下流域、それに連続した水路に生息する体長十五センチから二十センチの魚類です。生息場所の消失や生息環境の悪化等により個体数が減少しており、現在は岡山県の吉井川水系と旭川水系及び京都府の淀川水系の三水系のそれぞれごく限られた場所のみで繁殖が確認されています。 このため、環境省第四次レッドリストでは、ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高い絶滅危惧種ⅠA類に選定されています。
○倉林明子君 日本固有ということで、今確認されているところで絶滅してしまうと本当に世界的になくなってしまう種だということだと思います。起源と分散経路含めまして、生物地理学的、系統学的にも極めて重要な種だという指摘があったかと思います。 そこで、今年四月に有識者による淡水魚保全のための検討会、これが二次的自然を主な生息環境とする淡水魚保全のための提言をまとめておられます。絶滅の危機に瀕する淡水魚、これに対し優先的な対応が必要だというふうに記載しているわけですけれども、そういうふうに必要になったその要因、それについてはどういう指摘になっているのか、これは大臣から御紹介いただきたいと思います。
○国務大臣(丸川珠代君) 二次的自然を主な生息環境とする淡水魚保全のための提言は、学識経験者等の有識者から成る淡水魚保全のための検討会において作成をされ、平成二十八年四月、つまりこの四月に環境省が公表したものです。 この提言では、高度経済成長期以降の土地利用や人間活動の急激な変化等によって生息環境が損なわれたことが淡水魚の減少の主な要因として記載をされております。
○倉林明子君 つまり、開発行為などによって二次的環境、いわゆるアユモドキ等の生息環境が本当に破壊進んでいるということが危機の要因だという認識だと、大臣も同じだと。よろしいでしょうか。
○国務大臣(丸川珠代君) この検討会で御指摘のこと、つまり、高度経済成長期に経済成長や人口増加などへの対応を優先して生活を豊かにしてきた一方で、人間活動や自然に対する働きかけの縮小、拡大ではなくて働きかけの縮小というところが特に淡水魚に対しては大きな影響を与えたというところは認識は共通でございます。
○倉林明子君 提言でも紹介されていますアユモドキの生態、これについて紹介を、環境省、お願いします。
○政府参考人(奥主喜美君) この提言によれば、アユモドキは河川中の湧水を利用して越冬する魚です。春には小さい河川や水路に移動し、取水のためにせき止めた場所や梅雨の大雨等により河川や水路が一時的に増水して生じるところで植物の茎などに産卵します。稚魚は、水田間の細い水路を遡りながら、水田で発生しその細い水路に流れ出るプランクトン等を食べて成長します。その後、カゲロウの幼虫やイトミミズなどの多様な底生生物等を食べて更に成長して、再び河川や水路に戻ります。 このように、アユモドキは人間の営農活動と密接に関わる水田や水路等の多様な環境に依存して生活する種であると言えます。
○倉林明子君 今日は資料で、そのアユモドキの生息が確認されております京都府亀岡市の曽我谷川周辺地図を入れております。曽我谷川を中心に南北を、これ水田ですね、休耕田もありますけれども、水田で囲まれた地域であります。 今御紹介ありましたように、アユモドキにとっては、河川に湧き水、湧水があるということが必要だし、水田が周辺にある、さらには大雨などによる増水が確保されている、どれも欠かせないというのがアユモドキの生息環境だということがはっきり分かってきたということだと思うわけです。 そこで、この地図で見ますと、真ん中、下のところにJRの亀岡駅というものがあります。その北側の農地約十六ヘクタールを商業施設や住宅地に造成する都市計画の変更、あわせて、曽我谷川を挟んで北側にサッカー専用スタジアムを建設するということで進んできたわけですが、二〇一四年一月に、京都府の当時の都市計画の変更に対しまして、アユモドキ等の生息環境保全のためということで環境大臣が意見を出しておられます。その内容について環境省に確認させてください。
○政府参考人(奥主喜美君) お答えいたします。 環境大臣意見では、実施計画の策定に対し、平成二十五年に京都府と亀岡市で設置いたしました環境保全専門家会議の意見を聴取し、環境保全措置を計画に反映させること、事業の着手までの間も専門家会議等の意見を踏まえ自然環境の保全に努めること、実施計画策定や事業実施に当たり事業による地下水への影響等を考慮すること、事業後も環境の状況につきモニタリングを実施することなどが必要であるとしているところでございます。
○倉林明子君 環境大臣意見で主に四点指摘があったわけだけれども、その二つ目のところを確認したいと思うんですね。 自然環境の保全を求めた駅北地区及びその周辺ということになろうかと思いますが、具体的にその地域というのは、地図もありますので、地図の上でも明確にお示しいただければと思いますが、どの範囲になるでしょうか。
○政府参考人(奥主喜美君) お答えいたします。 先生御提出の資料でございますけれども、駅北地区及びその周辺地域とは、先生御提出の資料のうち、黄色で囲まれたJR亀岡駅北口周辺の亀岡駅北地区土地区画整理事業地と、赤色で囲まれた曽我谷川の北側を含むアユモドキの生息域と考えられる地区一帯を指していると認識しております。
○倉林明子君 生息も確認された地域で保全活動にも取り組まれている地域ということで、この地域を本当に指定していただいたということだと思います。 アユモドキの生息環境を確実に維持すると、これはもう本当に喫緊の課題になっているわけですから、そのためにはもう最低限配慮が求められる地域であると、この認識に間違いございませんでしょうか、環境省。
○政府参考人(奥主喜美君) 環境省といたしましては、アユモドキの生息保全につきましてしっかりした対応が必要であるというふうに考えております。
○倉林明子君 そこで、大臣に確認をしたいと思います。 生物多様性条約第十回締約国会議で採択された愛知目標、ここで絶滅危惧種について具体的に定めた目標は何だったか、さらに、二〇二〇年までに達成しなければならないとした意味について御説明をいただきたい。
○国務大臣(丸川珠代君) 生物多様性条約第十回締約国会議で採択された戦略計画では、愛知目標十二として、二〇二〇年までに、絶滅危惧種の絶滅が防止され、また、それらのうち特に最も減少している種に対する保全状況の改善が達成、維持されることが設定されております。 この戦略計画の短期目標は二〇二〇年までを区切りとしておりますが、これは締約国間の議論の結果、二〇二〇年までに生物多様性の損失を止めるために効果的かつ緊急の行動を実施するものとして設定をされました。
○倉林明子君 この二〇二〇年までに達成しなければならないと。本当に、要は再び元に戻らないという性格の目標だということだと思うんですね。二〇一四年の生物多様性条約第十二回の会議では、愛知目標の中間評価が発表されております。そこでも、緊急的で有効な行動が不可欠だというふうな指摘があったかと思います。 目標達成に向けた国の責任、私は極めて重いと思いますけれども、大臣、認識いかがですか。
○国務大臣(丸川珠代君) 愛知目標については二〇二〇年までというのが一つの節目になっておりまして、かつ、それまでに非常に緊急性を有するという意識が共通して貫かれているものと認識をしております。 私どもといたしましても、特に今回の検討会で指摘しているのも、人の手が入っている二次的な自然環境の中で絶滅の危機を迎えている種をどのように保全するかということで、大きな課題として捉えているがゆえの検討会の結論でございますので、しっかり受け止めて、行動すべきは行動していくべきと考えております。
○倉林明子君 そこで、御紹介したように、この貴重なアユモドキの生息地になっております曽我谷川周辺で、まさに今、開発計画が進行中ということになっております。専門家会議等も時間を掛けて検討もしていただいて、引き続き調査も必要だというようなお話も伺っているわけです。地図上で示しましたその赤色で囲んだところがサッカースタジアムの建設予定地というふうになっているわけですが、ここの建設については無理だろうという御提言も出た。私は当然のことだと思うんですが。先ほど一体で保全すべき地域だという御指摘があったその駅北、黄色の枠で囲んだところについて、建設計画を移動してはどうかというような御提案も出ている。 私、やっぱり保全すべき地域ということで国が責任を持つというところが、やっぱりその曽我谷川の北も、そして駅北、いわゆる曽我谷川の南も一体だというふうに思うんですね。二次的自然、人間がつくり上げた環境がこのままでは崩壊してしまうと、こういうときに、愛知目標も含めて生物多様性、この危機的な状況のアユモドキを保全する、そういう意味で国の役割を今本当に果たすべきじゃないかと思うんですけれど、いかがでしょう。
○国務大臣(丸川珠代君) 里地里山を始めとする二次的自然が危機に瀕しているという思いは先生と共通だと思います。 今、環境省では、森里川海のキャンペーンを行って、全国でそうした意識を地域地域で持っていただけるような取組というものをしておりますし、またそれらの車座集会等でいただいた御意見をどのように生かしていくかということを今検討しているさなかでございますが、この亀岡市の件につきましては、私どもが意見を言える場面というのは、まさに今御指摘をいただきました平成二十六年一月の南丹都市計画に対する都市計画法に基づく環境大臣意見の提出の機会でございましたので、この機会には、駅北地区及びその周辺ということで、そもそも駅北地区とこの周辺を一体として捉えていただきたいという思いを込めた意見書を提出させていただいたわけでございますので、今後、これまでもこの亀岡市及び京都府と、種の保存法に基づいて策定されましたアユモドキの保護増殖事業計画に基づいて進めてきた事業はございますけれども、引き続き、地元の関係者の皆様の御協力をいただき、また理解をいただいて、この地域の専門家会議の検討の結果をしっかり受け止めていただきたいと思っております。
○倉林明子君 環境大臣の意見までなんだということでは駄目だと、種が保存できないアユモドキの危機的な状況というのは避けられないんじゃないかと思うんですね。改善できないと思っているからこそ取り上げているわけで、私は、このアユモドキの保全に関して国が何をどう責任果たすのかという点でやっぱり一歩前に出て、国が、必要な地域としてここ要るんだということははっきりしているわけですから、それを保全するために法整備、土地の買取り、そのための予算、人材、こういったものも確保して保全に、前面に対応していくべきだと思うんですけれど、大臣、いかがですか。
○国務大臣(丸川珠代君) 今、専門家会議で御議論いただいている経過を私どももつぶさに拝見をしておりまして、座長の御意見等も今伝え聞いているところでございます。 やはり、アユモドキが全国三か所しか生息が、循環しているところがなくて、かついずれも千匹程度しか確認をされていないということの重要性については地域の皆様方も十分御理解いただけるものと思っておりますし、今の議論の流れを鑑みるに、よく御理解をいただいてこの後進めていただけるのではないかと思っておりますが、いずれにいたしましても、私どもこれまでも共に保護増殖計画等取り組んでまいりましたので、引き続き、その流れの中で地元の関係者の皆様としっかり協力をして、また意見を交換して、このアユモドキの種の保全に取り組んでまいりたいと思います。
○倉林明子君 やっぱり、開発と保全というものが両立してこなかったということをしっかり教訓にしながら、保全に対して国が一歩踏み込んでその責任を果たすということを強く求めておきたいと思います。 質問を終わります。
○山本太郎君 ありがとうございます。生活の党と山本太郎となかまたち共同代表山本太郎です。 質問に入る前に、昨年末、年の瀬の忙しい頃に、私、馳大臣の地元の事務所の方に電話をさせていただいて、お力を貸してくださいというお電話をさせていただいたんです。その内容というのが、仕事を失ってしまったりとかして、要は年末、年を越せないと、要は路上で生きていかなきゃいけないんだという人たちが大勢いらっしゃいまして、その方々に対して国が関連するような宿泊施設、どこか開けていただくことはできませんかというお願いをしたんですけれども、そのときに、本当に地元の秘書の方も一生懸命動いていただいて、そして文科省の方々にも声を掛けていただいたという、本当にそのときのお礼を申し上げたいと思います、最初に。結果としては空き施設はなかったということだったんですけれども、今年はもうちょっと早めにお声掛けをしたいと思いますので、是非お力をお貸しください。 という言葉を最初に置きまして、これからは馳大臣の胸を借りて、思い切り飛び込んでいくような質問をしていきたいと思います。 二〇二〇年東京オリンピックが裏金問題で盛り上がりを見せている今日この頃ですけれども、関係者の皆様は息をしていますでしょうか。オリンピックに対して気になる幾つかの点について、馳文科大臣にお伺いしていきたいと思います。 まず、大臣に、一言でお答えいただきたいと思います。東京オリンピックは、招致活動においても、うそも裏金もなくクリーンに行われたとお考えになりますか。
○国務大臣(馳浩君) はい、そのように考えておりますし、今回のように裏金疑惑というふうに表現をして報道されることは、私も招致に関わった一員として大変胸を痛めているところであります。
○山本太郎君 ありがとうございます。 もう皆さん御存じのストーリーだとは思うんですけれども、今回の件、ざっくりと説明させてください。 東京にオリンピックを招致するため、幾つかのコンサルタント会社の売り込みがあったよと。その中から、マスメディアをコントロールする諸悪の根源とうわさもされている広告代理店電通がコンサル会社の実績を確認した上で、JOCがシンガポールにあるブラック・タイディング社と契約をしたと。といいましても、このブラック・タイディング社は御存じのとおり会社組織ではないと。シンガポールの会計企業規制庁への登録の区分が法人格を持たない個人になっているようですね。そのようなコンサル会社の口座に、二〇一三年の七月、十月と二度に分けて、謝礼として合計約二億三千万円を支払った。このコンサル会社の口座は、過去にロシア陸上選手のドーピングをもみ消す賄賂のやり取りにも使われていた実績があるとも報じられ、さすが電通、見る目は確かと、世の中に確認されたわけです。 たった一社、たったの一社、シンガポールのコンサルに対しての支払が二億円を超えた、余りにも高額だな、しかも、それが招致決定の直前、短期間の契約なのに金額が高いこと、ほかにもこのコンサル会社の過去や人脈が怪しいことを含めて問題視されております。 JOC、日本オリンピック委員会の竹田会長は、衆議院の予算委員会に参考人として呼ばれた際に、このコンサルとの関係を正当な業務に基づくものだったと発言。このコンサルについては、国際大会の招致などで実績のある会社と評価をいたしました。 ちなみに、JOCの竹田会長がおっしゃっているシンガポールの国際的な実績を持つコンサル会社は、資料の一、このようなものになっているというのはもう皆さん報道で御存じだと思います。(資料提示)すごいですね。実績のあるコンサル会社、何か生活感を感じる、人間の体温まで伝わってくるようなたたずまいというんですか。ちゃんと落ちまで完璧に用意されていたというのにすごく感心をいたします。 この世間で言われる裏金問題が進行していたとされる当時、馳大臣は自民党の招致推進本部長で、オリンピック招致のために汗を流し、知恵を絞られていた様子が、資料の二、五月十七日、朝日新聞の当時に遡った記事からも分かると思います。 馳大臣は、二〇一三年七月の段階では、ほかの都市に票読みで負けていた、その理由は汚染水問題であり、どう対抗したらいいか作戦を練り上げていたとおっしゃっていらっしゃいます。この汚染水問題の作戦の練り上げ、先ほどのコンサルからのアドバイス、どのようなものだったんですか。
○国務大臣(馳浩君) まず、二つの点できちんと事実関係を報告したいと思います。 票読みで負けているというふうな情報が入ってきたのは、招致委員会の、多分コンサルがそれぞれある中で情報が寄せられた、その情報を分析をして、今どのようなIOC委員に対する働きかけや招致の盛り上げを高めていくのかと、そういう中から、最大はやはり汚染水の問題でありました。 もう三つございまして、九月七日から始まるIOC総会においては三つの選挙が行われると。一つは次期IOC会長を選ぶ選挙、これには六名の立候補者がおりました。次にやっぱり関心のあったのは、オリンピックの中核競技としてどの競技が最終的に残るのかという問題で、私自身はレスリング協会の当時副会長をしておりまして、レスリングが中核競技から外されるかもしれない、これは何とかやっぱり残しておかなければいけないということで働きかけをしておりましたが、外されそうな各競技の皆さん方はそれぞれIOC委員に対して我こそはという働きかけをしていて、その最終的な選挙も行われることになっておりました。そしてもう一つが、二〇二〇年にオリンピックを開催する都市を選ぶ選挙でありまして、東京かイスタンブールかマドリッドかと。必ず、IOCの規定では相手の都市などを攻撃をしてはいけない、フェアプレーでやるべきだということで、したがって東京の優位性をやっぱりアピールするためにはどうしたらよいのか。 以上、四点について関心事があり、その最大は、やはり汚染水の問題について、どうしてもヘッドライン、見出しで大丈夫かというふうな報道が多うございましたので、これは東京だけではなく、招致委員会だけではなく、やはり政府も実情を踏まえた上で対応しなければいけないと、こういうふうな流れになっていたということは、様々なコンサルからの集めた情報、それを基に分析し、突き合わせたところ、この四点についてきちんとお答えをしていく必要があるというふうに流れがなっていたのがその当時であったというふうに私も承知しております。 以上です。
○山本太郎君 三点、四点あったけれども、その中で一番問題が大きかったのが、ヘッドラインにもなる、見出しにもなる汚染水の問題が何よりも大きな問題であったということだと思うんですね。 先ほどの記事の続きでは、当時、IOCのメンバーから汚染水問題に対する懸念が示されていたと説明されています、今、大臣の中からもお話がありました。当時、馳大臣は、それを逆手に取ったと、今こそ、福島の子供たちに希望を与えるためにも五輪をやらせてくれ、東京五輪をやらせてくれというストーリーをつくることになったと話されたと書かれています、この記事には。 このストーリー部分もコンサルからの提案や指導があったんですかね。
○国務大臣(馳浩君) これは、コンサルによって寄せられた情報に基づいて、招致委員会のいわゆる分析チームが、どのように誠意を持って対応していくかという中で最終的に練り上げられたストーリーであったというふうに承知をしております。 また、ちょっと詳しく申し上げますが、この流れに入るに当たって、困難な事案を直接答えないで、話をほかのところに持っていくという作戦も考えようと思えば考えられました。つまり、これは福島の問題であって、そこから二百キロ以上離れている東京には大きな影響はないという言い方をする、そういう考え方もありました。 と同時に、もう一つは、いや、そうではないと、これは国際的な関心もあり、我が国としても誠実に対処しているというふうに、問題を直視して、それをどのように解決をしていくかと、東京電力だけの問題ではなく政府全体の問題として考えているんだという誠意を示す必要があったと。 実は、当時、イスタンブールにもマドリッドにもそれぞれ国家として抱えている課題、スポーツ団体として抱えている課題がございましたが、我が国は、そういう意味でいえば、一番ハードルであっただろうと思われる汚染水問題についてどのように対処するかということを真摯にやっぱり説明をする必要があったと。 実は、これは招致委員会の中でも非常に議論のあったところでありました。私自身、これは正面からきちんと答える責任があるのではないかということで主張しておりましたが、招致委員会の分析では、いや、それは得策ではないと、火に油を注ぐのではないかということで、馳さんには余りしゃべらせない方がいいのではないかという判断もあり、実は私は記者会見の会見場に、私は言うべきだといって主張していましたが、記者会見の会場に入室を許されたのは十分前でありました。恐らく、招致委員会の分析チームの中でも、やはりどのように表現をして適切に我が国の立場をIOCの委員に説明をしていくか、これは恐らく、IOCの委員の皆さんが抱えている問題意識にどのように答えるかということへの対応の仕方であったと、このような認識を持っております。
○山本太郎君 誠実に問題を見詰めて、それと向き合うような態度を見せるのか、それとも、困難な問題とは向き合わず、気をそらせるようなことを続けるのかという選択肢があったと。でも、どちらかというと後者の方に移行していったような感想を持ちます。 迎えた二〇一三年の九月の安倍総理のブエノスアイレスでのオリンピック招致プレゼンテーションの後、質疑者に対してその質問に答えるんですよね。福島第一原発の汚染水問題をいかに解決するのかと聞かれ、それに対して総理は、私は皆さんにお約束します、状況はコントロールされております、汚染水による影響は第一原発の港湾内の〇・三平方キロメートル範囲内の中で完全にブロックされています。 この総理の答弁、これまたコンサルのアイデアなのというふうにお聞きしようかなと思ったんですけど、でも、今の話の流れからいうと、どちらかというと招致委員会であったりとかオリンピック委員会であったりとかというところが絡んだお答えだったのかなというふうに思うんですよね。だから、ごめんなさい、その発案した人の名前を教えてくれと言おうとしたんですけど、その話はちょっと飛ばさせていただきます。 この汚染水に対する、先ほどの私が読み上げました総理のスピーチ、馳大臣はこれ事実だとお考えになりますか。
○国務大臣(馳浩君) 最終的に、やはり総理がどのような表現をして、そしてどのように目の前にいるIOCの委員全員に、また報道を通じて全世界の皆さん方に我が国としての姿勢を示すのかということが大きなやっぱり焦点になっておりました。 当時、たまたま私も、その二年前でしたか、放射性廃棄物特措法を、これ議員立法で実は作成したわけでありますが、その議員立法チームの座長は鴨下先生でありましたが、私は事務局長のような形で、当時の民主党、そして公明党、そして自由民主党、三党で法案を練り上げる中においての一つのまとめ役のような仕事をさせていただいておりました。 私は、やっぱりきちんとしたモニタリング、そしてそのモニタリングに基づいた公表とか、あるいは放射性廃棄物に対する対応の仕方といったものは立法に基づいて対応されるべきものと思っておりましたし、そういう法律もできておりましたので、したがって、当時、飲料水や流通している食料品などについてはきちんとモニタリングもされておりました。こういった事実関係に基づいて、政府の現状をやっぱり総理の立場で説明する必要があると、こういう認識でおりました。当時、文部科学大臣を務めておられた下村大臣もそのような認識であったというふうに伺っております。 最終的にどのようなスピーチをすべきかという判断をされたのは、もちろん私は総理自身だと思っております。もちろん、総理自身も自分の最終的に判断をしなければいけませんが、その前に、先ほどから申し上げておりますように、コンサルから入ってきた情報、私どもが集めてきた情報、そういったことを分析チームにおいてきちんと整理をされた上で、では最終的に総理がどのような表現をしたらよいかというのが、恐らく幾つか案があったのではないかと思います。その中で、今ほど山本委員がおっしゃったような表現を私は総理がされたのだと、こういうふうな認識を持っております。
○山本太郎君 本当に毎回たっぷりと当時を振り返りながらの御答弁ありがとうございます。 二〇一三年、オリンピックプレゼン当時の汚染水、どうなっていたかということを皆さんにちょっと思い出していただきたいんですよね。軽く説明させてください。 山側から毎日一千トンの地下水が海側に流れ込むよ、そのうちの四百トンは建屋に流れ込むんだ、燃料デブリに触れる、超高濃度の汚染水が生まれる、毎日四百トン新たに生み出される、建屋の燃料に触れる、この水量を軽減するために山側から流れてくる地下水をくみ上げて海に放出する地下水バイパスが造られたよ、一日五十トンから百トン高濃度汚染水を減らせるかもねって話なんですけれど、それが始動したのは二〇一四年の五月からなんですよね。オリンピックプレゼンのときにはこれは存在していない、垂れ流しだったって話ですよ。 放射性物質が毎日どれぐらい海に垂れ流されていたんですかというのを第一弾、二〇一三年八月二十一日に汚染水の対策検討ワーキンググループが東電の公表資料として出されたんですけれども、大体、トリチウム、ストロンチウム90、セシウム137で、一日で一千三百億ベクレルぐらいだよって、何のことかさっぱり分かりませんよね、どれぐらいの汚染度なのか。 それだけじゃないんだと。当時汚染された地下水がどうやって流れているのか、海にどうやって流れていますかということを調べたんですよ、どうやってか。その汚染度はどれぐらいなものなのかというのを調べるために、二号機のタービン建屋の海側に観測用の井戸を掘りました。いわゆる地下水観測孔。二〇一二年十二月から観測を開始、そこから測定された汚染が無視できない数値だった。最初に掘った地下水観測孔の東西南北に新たにこれ観測用の井戸を掘らなきゃって話になった。そして半年後、七月五日、地下水観測孔一の二で取水した測定結果、驚くべき数値だったんですよ。全ベータは当日のうちに発表された。一リットル当たり九十万ベクレル。 けれども、肝腎のストロンチウム90の値はなかなか公表しない。本当だったら一か月ぐらいで出るはず。でも、出ない。半年以上過ぎた二〇一四年の二月の六日にやっと発表したんですよ。全ベータで一リットル当たり九十万ベクレルと言っていたものが、実はストロンチウム90だけで五百万ベクレルだったって。全然違うじゃないかって。しかも、そのときの記者会見で、どうしてこんなに遅れたんだって、どうしてこんなに発表するのが遅くなったんだっていったら、東電が言ったのが、実は二〇一三年の九月には分かっていましたって。二〇一三年九月に分かっていたことを二〇一四年の二月まで黙っていたってどういうことだって。 そればかりか、その二か月後に、最初に発表していた全ベータで一リットル当たり九十万ベクレルということが一リットル当たり六百八十万ベクレルだったって更に訂正されたって。むちゃくちゃですよ、もう。この情報公開の不可解さ、これ怪しいなと思うのは私だけじゃないですよね。これ、東京オリンピック招致にとって重要だった期間に、このとてつもない汚染状況を意図的に隠したんじゃないかと疑いますよ。 しかも、この二号機、先ほどお伝えした、観測孔を掘りましたと。海面まで、海まで何メートルですかという話なんですけど、三十一メートルなんですって。そんな近くにそれだけの汚染。それぞれ汚染は違いますけれども、単純にこの汚染を掛けたとしたら、どれぐらいの量が汚染として流れ出るかって。これ本当に単純にその数値だけ掛けるものですよ、本当は正しくないけれども、二兆七千二百億ベクレルぐらいだろうと。単純に掛けただけです。一リットル当たりそれぐらい汚染されているから、全体量で考えたら、一日四百トンということを単純に考えて掛けたら二兆七千二百億ベクレルにまでなるって。余りにもあり得ない、汚染が垂れ流し続けられていたのに港湾内でブロックされますなんてあり得ない話なんですよ。どういうことですか、これ、という話なんですけどね。 汚染水は〇・三平方キロメートルの港湾内でブロックされている、この総理の発言に対して国会内でも質疑をしました。こんな答弁来ました。港湾内は、一日で四七・三%、八日間で九九%港湾内と港湾外、入れ替わりますって。当たり前じゃないですかって。潮の満ち引き、潮の流れ、子供でも分かる話ですよ。港湾内でブロックされるなんてあり得ないんですよ。うそついたんですよ、世界の舞台で。虚偽発言ですよ、これ。余りにもあり得ない。端的に言って、うそ。これもコンサルから何か指導があったのかと聞こうとしたんですけれども、もうそれは総理の思いで言われたことだろうというお話でした。 私は、馳大臣、正々堂々と言うべきだと。非常にもうスポーツマンシップにのっとった姿勢でこのオリンピックにも臨まれようとしていた、招致しようとしていたという馳大臣にお願いがあるんです。どんなお願いか。ストロンチウム90、測っていただきたいんですよ。海産物に対するストロンチウム、ほとんど測られていないんですね。事故から今までで百四検体程度、百四つの検体しか測っていないんです、五年たっているのに。これもっと測らなきゃって、魚は動くよって。どういう影響があるのか分からない。海産物に対するストロンチウム検査、子供たちのためにも是非測っていただきたい。その橋渡しをしていただけないでしょうか。そのような動きといいますか、そういうような話題というものを是非関係省庁のトップの方々とお話ししていただけないでしょうか。いかがでしょうか、大臣。
○委員長(礒崎陽輔君) 馳大臣、時間が来ておりますので、簡単にまとめてください。
○国務大臣(馳浩君) お話は承りました。 以上です。
○山本太郎君 ありがとうございました。
○委員長(礒崎陽輔君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後三時四十八分散会