厚生労働委員会 第23号
- 発言数
- 268 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2016/05/26
会議録
○委員長(三原じゅん子君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、井原巧君、牧山ひろえ君、浜野喜史君、三宅伸吾君及び三木亨君が委員を辞任され、その補欠として太田房江君、石橋通宏君、小西洋之君、石井みどり君及び藤井基之君が選任されました。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) 児童福祉法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本日は、本案の審査のため、三名の参考人から御意見を伺います。 御出席いただいております参考人は、弁護士磯谷文明君、東京都八王子児童相談所所長辰田雄一君及び公益財団法人全国里親会副会長木ノ内博道君でございます。 この際、参考人の皆様方に一言御挨拶を申し上げます。 本日は、御多忙中のところ当委員会に御出席をいただき、誠にありがとうございます。 参考人の皆様から忌憚のない御意見をお述べいただきまして、本案の審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。 次に、議事の進め方でございますが、まず、参考人の皆様からお一人十五分以内で順次御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。 なお、参考人、質疑者共に発言は着席のままで結構でございます。 それでは、まず磯谷参考人にお願いいたします。磯谷参考人。
○参考人(磯谷文明君) 磯谷でございます。 本日は、発言の機会を与えていただきまして誠にありがとうございます。 最初に少しだけ自己紹介をさせていただきますと、私は二十三年目の弁護士でございまして、都内で開業をしております。長く児童虐待問題に取り組んでまいりまして、主に児童相談所の法的な支援をしてまいりました。今回の法改正に関しましては、基礎となる報告書を作成した専門委員会の委員を務めさせていただきました。 本日は、改正案の評価とその運用、とりわけ児童相談所と弁護士の関わり、さらに残された課題について所見を述べさせていただきます。 最初に、改正案の中で最も評価している点は、児童福祉法の理念として子供の権利が盛り込まれた点です。理念は私たちに即効性のある武器を与えてくれるわけではありませんが、法解釈や実務にじわじわと影響してくるものと考えております。 一方、専門委員会の報告書には体罰禁止も盛り込むべきと述べていましたが、端的な形でそれが盛り込まれなかったことは残念であります。 私としては、懲戒権は民法事項ではありますけれども、民法とは別に、児童福祉の観点から体罰を禁止するということは法制度上何ら問題ないのではないかと考えておりますし、仮に、児童福祉法にストレートに体罰を禁止する規定を置かなくても、例えば国や地方公共団体に対し体罰に頼らない子育てを推進することを義務付ける規定を置くという方法もあったのではないかと思います。いずれにしましても、一歩一歩で結構ですので、家庭での体罰がなくなる方向で進んでいければと思っております。 子供の権利に関する新しい展開として、児童福祉審議会に子供の権利擁護の役割を持たせることになった点も重要だと思います。 条文だけ読んでもぴんとこないんですけれども、法律施行後は、児童福祉審議会は子供たちからの苦情を受け付けるようになると伺っております。児童福祉に限定はされますが、いわゆるオンブズマン的な役割も担えるとしたらとてもすばらしいことだと思います。この点、各地の弁護士会には子供の権利擁護に取り組んできた実績があります。児童福祉審議会がこの分野で弁護士会と連携することも考えていただければと思います。 弁護士との関わりについて申し上げますと、今回、児童相談所における弁護士の配置又はそれに準ずる措置が定められたということは画期的だと考えております。 児童相談所は、児童福祉法二十八条の申立てなどの裁判のほか、様々な法律問題に直面しており、弁護士によるサポートが欠かせないと言えると思います。実は、厚生労働省の調査によれば、全ての児童相談所は既に弁護士と何らかの形で連携をしています。ですから、今回の弁護士配置の定めは、現在ある児童相談所と弁護士との関わりを一層深めることが期待されます。 この画期的な弁護士配置ですが、運用に当たっては二点お願いしたいということがございます。 第一点は、地域の実情に照らして柔軟な運用をしていただきたいという点です。 先ほど述べましたとおり、既に全ての児童相談所は何らかの形で弁護士と連携をしています。例えば、私が関わっております東京都を例に挙げますと、制度的な弁護士の関与は平成十三年頃に始まり、平成十六年から非常勤弁護士制度を導入しています。これは、都内十一の児童相談所に非常勤弁護士を一人ずつ配置をするというものです。 しかし、特徴的なのはそれだけではありません。この非常勤弁護士に加え、各児童相談所に原則二名の副担当を配置しています。副担当のうち、一名はベテランの弁護士、もう一名は若手の弁護士です。ベテランの弁護士は非常勤弁護士をサポートしまして、若手の弁護士は非常勤弁護士と一緒に会議に出るなどして、いずれ非常勤弁護士を担っていくことになります。非常勤弁護士はおおむね三年から四年で交代をしてもらっています。ですから、非常勤弁護士の仕組みの中で次の担い手を育てているということになり、児童相談所をサポートできる弁護士の層を厚くしているのです。 また、もう一つ御紹介したいのは、非常勤弁護士や副担当が定期的に会合を持ち、また、クローズドのメーリングリストを活用するなどしてお互いに相談し合える仕組みを持っているということです。一人の経験というのは所詮知れています。また、一人でやっていると悩むこともあります。そういったことを総勢四十名弱の仲間たちが共有して助け合うということになります。 このように、弁護士と児童相談所との連携の歴史を持っているのはほかの地域にもあり、活発なところとしては大阪や愛知、神奈川などがあります。 私がお願いしたい一つ目は、こういう地域の取組を否定するのではなく、それぞれの地域の育んできた関係を尊重して、実情に合わせて発展させていただきたいということです。全国一律こうあるべきというのはちょっと違うのではないかなというふうに思っております。 二つ目のお願いは、児童相談所に配置された弁護士を独りぼっちにしないということです。つまり、児童相談所に配置された弁護士が地域の弁護士会や虐待問題に取り組む弁護士のグループとの関わりが十分に持てるようにしていただきたいということです。 特に、常勤弁護士を採用するということになりますと、ほとんどは若手で経験の乏しい弁護士になると思われます。そういう弁護士に対しては、やはりほかの弁護士によるサポートが欠かせません。そして、常勤弁護士が業務に慣れてほかの弁護士によるサポートが要らなくなった場合には、今度は逆にほかの弁護士たちを教えてほしいのです。そうでないと、常勤弁護士の輩出は単発で終わってしまい、後が育ちません。 このように、児童相談所に配置された常勤弁護士が地域の弁護士会などとの関わりを維持できるかどうかは、実は児童相談所の所長さんなど管理職の方の考え方に大きく依存します。所長さんが常勤弁護士が外の会合に出ていくことに良い顔をしなかったり、児童相談所の現場で生じている問題を外の弁護士に話すことについて消極的であれば、若い常勤の弁護士はほかの弁護士たちと関わり続けることは難しいでしょう。児童相談所の方々には、是非、配置された弁護士が外の弁護士とも関わり続けることができるように配慮をしてほしいということを思っております。 弁護士配置については、私は、まず、まだ非常勤弁護士を配置していない児童相談所については非常勤弁護士を配置すること、既に非常勤弁護士を配置している児童相談所については、出勤日数を増やしたり非常勤弁護士の人数を増やすなどして、より関与の度合いを深めることを第一段階の目標として考えるべきではないかと思っています。 今後の課題のお話に移ってまいりたいと思いますが、以前から主張しておりましたが、今回もまた盛り込まれなかったものに児童相談所の調査権限の問題があります。 現在、児童相談所が第三者に情報提供を求めても、第三者には応答義務がありません。現行の児童虐待防止法十三条の三には地方公共団体の機関に対して情報提供を求める規定はありますが、あくまでも情報提供ができるとされているにすぎません。今回、十三条の三が改正されて、情報提供できるものが地方公共団体の機関から児童の医療、福祉、教育に関係する機関や者に拡大されますが、本質的にできる規定であることは変わりがありません。また、例えばアパートの管理会社などは医療にも福祉にも教育にも関係がありませんので、改正後の十三条の四の対象にもならないものと思われます。 今後、司法関与についても議論がなされるようですが、仮に児童相談所が裁判所に申立てをする機会が増えるのであれば、児童相談所が裁判所を納得させられるだけの証拠を集めることが不可欠になります。刑事訴訟法百九十七条二項は公務所又は公私の団体に対する照会を定めており、報告を求められた公務所や団体には報告義務があると解されています。是非、児童相談所の調査権限に関して更なる議論がなされることを期待しております。 これも以前から強調させていただいているところですが、児童相談所の介入機能と支援機能の分化についても引き続き検討していただきたい論点です。 モデル的には、児童虐待が発見されて通告を受け、介入し、その後に支援をしていくという流れで語られるんですが、実際の現場は、長く支援をしていく中で、これ以上子供を家庭に置いておけないということで介入を決断するということも少なくありません。 そういった場合に特に問題になるんですが、担当する児童福祉司が心理的に巻き込まれてしまっていて適切な判断ができないということであります。一人の児童福祉司が介入も支援もするというのは無理があると感じておりますが、単に児童相談所の中で担当を分ければ済むのか、それとも介入と支援を別の組織とした方がよいのかという問題もあって、この点、更なる議論が必要だとは思っております。 児童福祉法改正案の三十三条の九の二では、「国は、要保護児童の保護に係る事例の分析その他要保護児童の健全な育成に資する調査及び研究を推進するもの」とされています。この調査研究に関して是非実施をしていただきたいのは、子供の死の全数調査であります。外国ではチャイルド・デス・レビューと呼ばれているもので、虐待かどうかを問わず子供の死を残らず調査して、予防できたはずの死を見付け出し、今後の対応に生かすというものです。 日本小児科学会の調査によれば、年間、全国で推計約三百五十人の子供たちが虐待で亡くなった可能性があるということでした。私は、国の死亡事例等の検証を行う専門委員会の委員も務めておりますが、そこでは、親子心中を含めて、虐待死はこのところ年間百名を下回っています。とすると、二倍以上の子供たちの死が虐待の疑いが残るまま放置されているということになります。 日本子ども虐待防止学会では、平成二十五年の信州大会において、五年以内に子供の死の全数調査を制度化することを目指して取り組むと宣言をいたしました。法改正が成立しましたら、この点につきましても是非一歩を踏み出していただきたいと考えております。 最後に、児童虐待防止対策の要は人材であります。特に、法的権限を持つ児童相談所の児童福祉司さんたちの数を増やし、専門性を向上することです。専門委員会でもこの点は一致して最重要課題と考えておりました。 そのための一つのアイデアが児童福祉司の国家資格化でした。国家資格化は容易だとは思っておりません。しかし、現場を見ていますと、例えば保健師さんは、同じ公務員とはいっても、自分たちは保健の専門家であるという自負をお持ちです。だからこそ、保健師はどうあるべきとか、地域保健はどうあるべきというような問題意識を持ちやすいように思います。これに対し、児童福祉司さんは、人事異動でその職を離れてしまうと全く別の仕事をするジェネラリストであるように思います。しかし、子供の幸せを専門とする者としてそれではいけません。困難はあっても、是非国家資格化を目指すべきだと考えております。 今回の改正法案が速やかに成立し施行されることを期待しつつ、私の意見陳述を終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○委員長(三原じゅん子君) ありがとうございました。 次に、辰田参考人にお願いいたします。辰田参考人。
○参考人(辰田雄一君) 東京都八王子児童相談所所長の辰田でございます。よろしくお願いいたします。 本日、私は、一児童相談所の所長として、また一部都の立場を代表して参考意見を述べさせていただきます。 まず、東京都における児童相談所の現状について申し上げます。 都内十一か所の児童相談所において平成二十六年度に相談対応いたしました件数は三万一千二百六十八件であり、そのうち児童虐待の相談件数は過去最高の七千八百十四件でした。この件数は、二年前の平成二十四年度と比較して一・六倍の件数となっております。件数増の主な要因としては、平成二十五年八月にあった国の子ども虐待対応手引の改正に伴う虐待定義の広がり、また警察からの通告件数の増加が挙げられます。 児童虐待の通告がありますと、児童相談所では緊急受理会議を開催いたします。そして、児童の養育状況について学校や医療機関等の関係機関に調査し、原則として四十八時間以内に児童の安全確認をいたします。児童の最善の利益の確保のため、保護者の意に反してでも児童を速やかに一時保護することも多くあり、夜間、休日も関係なく対応しております。 また、何度も家庭訪問や面接、関係機関への調査を行わなければ援助方針を決定できないケースがほとんどでございます。通常、児童相談所における対応は児童虐待の初期対応や一時保護までがクローズアップされますが、その後も継続して援助が必要なケースについては、在宅での指導や里親への委託、児童養護施設等への措置を行っております。この過程の中で、必要により、施設等への措置に保護者が同意しない場合の家庭裁判所への審判申立てなどの法的対応を行っております。 さらに、里親への委託や施設等への措置を行った児童については、本来家庭において養育されることが望ましいことから、家族再統合に取り組んでおります。この家族再統合に向けては、児童と保護者との面会から始まり、外出での交流、短期の外泊、長期の外泊へと計画的に段階を踏みながら取り組んでいきます。また、家庭復帰の際には、地域の関係機関と支援体制を確認する会議を複数回開催し、児童虐待の再発防止に努めております。 こうした一連の虐待対応だけではなく、児童相談所は非行や傷害等、十八歳未満の児童に関するあらゆる相談に対応しており、虐待の相談対応件数の増加と相まって、児童相談所業務は非常に逼迫した厳しい状況にあります。全国的にも各児童相談所は同様の状況にあり、児童の最善の利益を確保するために児童福祉法等を改正し、児童虐待に関わる一連の対策の更なる強化を図っていくことは非常に重要だということをまず申し上げたいと思います。 次に、児童相談所の体制強化について申し上げます。 まず、児童相談所のケースワークの中心となる児童福祉司、子供や保護者等にアセスメントや心理ケア等を行う児童心理司についてですが、先ほど申し上げた厳しい状況を踏まえ、都においてはこれまで大幅な増員を図っております。十年前の平成十八年度と現在を比較しますと、児童福祉司は百五十九人から二百二十七人へ、児童心理司は四十一人から九十一人へと職員定数を増やしております。改正案では、児童福祉司については標準となる基準を政令で定めることになっており、また児童心理司については配置について規定されており、前進が図られたと考えております。各都道府県にとってこうした規定は児童相談所の体制強化の後押しになるものであり、今後、規定にのっとり体制強化を着実に進めていくことが必要と考えております。 また、国は今年の四月二十五日に児童相談所強化プランを作成しております。児童相談所の体制強化に当たっては財政面の裏付けが不可欠であります。国におかれましては、このプランの実現を図るため、児童相談所設置自治体への財政面の支援をよろしくお願いいたします。 さらに、児童心理司については、今回の改正案により配置については規定されたものの、児童福祉司と異なり、配置の具体的な基準については設定されておりません。今後、必要な配置を進めていくために、児童福祉司と同様に配置基準を明確にしていただきたいと思っております。都としては、児童福祉法の改正を踏まえ、今後とも児童相談所の体制強化に努めてまいりたいと思います。 次に、児童相談所は、一時保護を始め立入調査、家庭裁判所の審判による施設入所、親権停止等様々な法的対応を行っており、これらの対応には法律の専門家である弁護士の助言が不可欠であります。 都においては、十一か所ある児童相談所の各所に一名ずつ非常勤の弁護士を配置し、定期的に児童相談所職員への法的な助言を行える体制を取るとともに、緊急案件等への対応のために、この十一名の非常勤の弁護士に加えて二十六名の弁護士を協力弁護士として登録し、随時相談に応じる体制を取っております。こうした柔軟な体制の中で、複数の弁護士から法的対応に必要な助言を適時適切に受けることができ、また弁護士にとっても児童相談分野の専門性の向上が図られ、双方にとって非常に有用な制度と考えております。 こうした中で、この度、改正案に弁護士の配置又はこれに準ずる措置について規定されたことは、都としてこれまで取り組んできたことが制度的にも担保されることとなり、今後とも弁護士の方々の協力を得て効果的かつ円滑に制度を運用していきたいと考えております。 次に、区市町村の体制強化、児童相談所と区市町村との連携について申し上げます。 御案内のとおり、平成十六年の児童福祉法の改正に伴い、区市町村は児童家庭相談の第一義的窓口となっております。都はこれに先駆け、平成七年度より区市町村に子ども家庭支援センターを設置するとともに、虐待対応力の向上を図るため、センターに虐待対応の専門職員の配置、また職員増員も行えるよう区市町村を支援してきました。 子ども家庭支援センターは、子供と家庭に関する相談に対応するとともに、ショートステイや一時預かりなどの在宅サービスの提供や調整の役割、そして要保護児童対策地域協議会の調整機関としての役割を担うなど、地域の児童家庭相談の拠点として機能しております。また、児童相談所と子ども家庭支援センターの役割分担を明確にした上で緊密な連携を図り、両者の支援に隙間ができることのないよう、都では両者の連絡調整のルールそして共有ガイドラインを策定しており、これに基づき日々の円滑な連携を図っています。さらに、児童相談所は、子ども家庭支援センターの受理会議に参加し様々な助言を行うほか、同行訪問を行うなど、日頃から支援を行っております。 今回の法改正では、国、都道府県と併せて区市町村の役割、責任の明確化が図られるとともに、区市町村における支援の拠点の整備、児童相談所から区市町村への事案の送致などについて規定されました。 これは、児童相談所と区市町村がそれぞれの役割を踏まえながら相談対応を行っていく上で非常に重要なことと考えております。支援拠点の整備については都の子ども家庭支援センターが法的に位置付けられたと受け止めており、都としては、引き続き、この制度の円滑な運用を図るとともに、児童相談所として子ども家庭支援センターとの緊密な連携を図りながら、適切な役割分担の下、児童虐待等に対応していきたいと考えております。また、改正案に規定されている区市町村への事案送致については、身近な地域での支援を区市町村がより主体的に担えるようにしたものと理解しております。 次に、里親委託の推進について申し上げます。 都内には、虐待等の理由により社会的養護を必要とする児童が約四千人おり、里親、児童養護施設、乳児院などで暮らしております。本来、子供は家庭的環境の下で愛情に包まれながら健やかに養育されることが望ましいため、都においては、昭和四十八年から、養子縁組を前提としないで児童の養育を委託する養育家庭制度を独自に創設し、児童の委託を推進してきました。 都の児童相談所では、児童の措置委託先の決定に当たり、児童の一人一人の状況を総合的に勘案した上で、まず最初に養育家庭の委託を検討しております。また、委託後も児童相談所と里親支援機関等が連携し、養育家庭をきめ細かく支援しております。 今回の改正案では、里親の開拓から児童の自立支援までの一貫した里親支援が児童相談所の業務として位置付けられました。児童相談所としましては、引き続き養育家庭委託をより一層推進していきたいと考えております。 最後に、養子縁組について申し上げます。 都の児童相談所においては、特別養子縁組を希望する相談があった場合、面接などを通じて実親の意向や養育力等を十分に確認し、その必要性を判断しております。その上で、養子縁組が必要と判断した場合には、適切な家庭を選定し、交流、委託、養子縁組成立に至るまできめ細かく支援をしております。 今回の改正案では、養子縁組に関する相談や支援が児童相談所の業務として位置付けられました。児童相談所としましては、引き続き、できるだけ早い段階から交流に努め委託につながるよう、子供の福祉を第一に考えながら、養子縁組を含め、社会的養護を必要とする児童への支援を行っていきます。 私からの参考意見は以上でございます。
○委員長(三原じゅん子君) ありがとうございました。 次に、木ノ内参考人にお願いいたします。木ノ内参考人。
○参考人(木ノ内博道君) 公益財団法人全国里親会で副会長をしております木ノ内博道と申します。私自身も里親をしております。 全国里親会は、各地で活動する地域里親会の全国組織になっております。里親制度の進展のために、国に要望を行ったり、実態を調査したり、里親の養育スキルを高めるための研修を行ったりしております。 本日、参考人として私から、家庭養護の重要性、それから特別養子縁組について、また里親支援の在り方について、もう一つ、子供たちの自立支援について述べたいと思います。 まず、家庭養護の重要性についてお話をさせていただきます。 里親は、様々な理由から家庭で養育をできない子供たち、あるいは虐待など家庭で養育することがふさわしくない子供たち、こうした子供たちを家庭に迎え入れて養育を行うものです。一見何の変哲もない普通の暮らしの中に子供を迎え入れて行うわけですから、特別なことをしているわけではありません。しかし、保護を必要とする子供にとっては、家庭環境で養育されることはとても重要なことであります。 欧米では里親や養子縁組が普及しております。施設養護はその必要がある子供についてのみ行われております。国連の子どもの権利条約については、代替的養護は家庭で行うということが原則になっております。特に乳幼児は家庭養護ということで、ガイドラインでも強調されております。乳幼児の施設養護の弊害については近年の脳生理学や心理学の発達が明らかにしており、欧米では乳児院の存在は療育、治療の療育などに姿を変えて僅かに存在するだけです。 乳児が特定の養育者に継続的に養育される、愛着を形成することによって、人を信頼し、社会を信頼し、ひいては自分を信頼する、そういうことにつながります。言い換えれば、乳児のときにうまく愛着を形成する経験がない子供たち、一生の生きづらさにつながっていくというようなことであります。 こうした国際的な動きの中で、日本は要保護児童の八五%が施設養護であります。家庭養護は一五%程度でございます。また、乳児院では約三千人の赤ちゃんが暮らしております。しかも、施設養護では長期入所が一般化しております。施設の入所期間を調べてみましたら、イギリスでは五年以上の入所期間を持つ子供は一%でした。日本では約四〇%に当たります。乳児院から児童養護施設へ措置変更になって、満年齢で施設から措置解除になるといった子供たちも少なくありません。 施設養護と家庭養護の違い、なかなか分かっていただけないかと思いますので、その辺を少し具体的に御説明したいと思います。 最近は居心地の良い立派な施設も多いのですが、快適かどうかということではありません。具体的にお話ししますと、施設から里親家庭に来た子供たちの反応、例えばお風呂に入る時間はどうして決まっていないのかというふうに聞きます。そのためにずっと悩んでいたんだというようなことでした。それから、今夜何を食べようかと言うとけげんな顔をする。特に自分の食べたいものを食べるという経験がないんですね。それから、夕飯で食べた残りを翌日出すと、なぜ捨てないんだというようなことがあったりします。それから、みんなと一緒に御飯を食べると、おかずをどうやって食べたらいいんだか分からない、団らんというものをなかなか知らない、そういう子供もいました。 いわゆる集団生活にはルールがありますけれども、そのために自分で選んでいくという能力が育っていない、そういうふうな気がします。いわゆる自己選択の能力が育まれていないというふうに思っております。社会に出れば自分で物事を決めていく、そういったことの連続です。とても重要な能力だろうと思うんですが、なかなかそれが難しいだろうというふうに思っております。 一方、里親家庭、いわゆる家庭生活には様々な人間関係があります。仕事で来るわけではありませんので、里親の親戚であるとかあるいは友人であるとか、そういった様々な人間関係を学びます。それからもう一つは、家庭の中にあるライフサイクルというんでしょうか、人が生まれたり、死んだり、介護されたり、そういうときにどうするのか、そういったことも学ぶ必要があります。何より、将来独立したときの生活や生き方のモデルとして子供たちに家庭のイメージが必要だと思っております。成人して子供が生まれても、施設に入れればいいんだというような考えを持っている社会的養護の出身者についても聞いたことがあります。 今回の児童福祉法の改正では、理念として子どもの権利条約を基本とする一条がありますし、三条では家庭養護を原則とするということがうたわれております。是非、家庭養護の推進をお願いしたいところであります。 次に、養子縁組について述べさせていただきます。 家庭養護は必ずしも里親やファミリーホームに限ってはおりません。国際的にはむしろ養子縁組が推奨されております。パーマネンシーという考え方でございます。長期安定的な養育環境を提供する、そのために養子縁組が里親以上に望ましいとされております。国によっては、実親の方に課題の解決を迫り、それが解決しないようであれば、短期間のうちに子供の処遇を里親から養子縁組に切り替えるというようなところもあります。 今回の児童福祉法改正案でも、特別養子縁組に関する業務を児童相談所の役割として明確に位置付け、これまで六歳までであった特別養子縁組の年齢制限を十八歳までとしております。さらに、これまで私的養護として、養子縁組の場合、支援の対象にもなっておりませんでしたけれども、里親同様支援対象というふうになっております。養親、いわゆる養子を受け入れる候補者の欠格事項、ふさわしくないと思われることであるとか、あるいは研修の義務化であるとか、そういったことにも踏み込んでおります。 次に、里親支援の在り方についてお話をさせていただきます。 これまで家庭養護のいい面のみをお話ししてきましたけれども、しかし弱点も多いのでございます。地域の中で孤立しがちなことであるとか、あるいは専門的な養育スキルを必要とする子供たちが近年は増えてきております。そういう中で支援が様々な形で必要になります。里親家庭では、子供も里親も多くの出会いや別れを経験しております。非常に全体としては喪失感にあふれているといいましょうか、そういう中でこれらのケアが十分になされているとは思えません。 今回、里親家庭への支援が、力を入れていくというようなことですが、なかなかこれまでは実感がなかった、里親の家庭側に実感がなかったのですが、今回の児童福祉法の改正では、もっと一体型の支援、総合的な支援の在り方が提案されています。日本にも一部事例はあるんですけれども、先進国で行われているいわゆるフォスタリングエージェンシー、丸ごと、里親の開拓から研修、マッチング、養育支援、実親の支援までを含む一括した業務を児童相談所から民間に外部化できる仕組みというようなことで提案されております。 また、里親が子供の再統合のお手伝いをできるようにということにもなっております。これまで子供に関する情報は余り知らされずに、子供の今の養育に携わるだけということでしたけれども、子供の養育には連続性が重要です。そういう意味で、実親の支援をしながら、里親がそこに関わりながら、本来であれば一人の子供を中心にしたチーム養育の形が望ましく、そういった形になるようにというふうに思っております。 次に、自立に向けた支援をお話しさせていただきます。 要保護児童が十八歳になったら機械的に措置解除というのがこれまででしたけれども、実際にはホームレスや犯罪者をつくり出している。事実、そうした社会的養護出身者が多いという声を聞いております。ある年齢が来れば自立の能力がなくても役割は終わったということがこれまでの社会的養護の仕組みだったということだと思います。大人の方の考え方であって、きちんと自立をしてもらうことが社会的養護の目的であるはずです。次代を担う、税金を納める若者になっていただきたいというふうに思います。それにはもう一押しの支援が必要かと思っております。 里親家庭では、子供たちの進学を支援している家庭も少なくありませんけれども、経済的にも限界があります。二十歳までの措置延長、また進学したとしても卒業ができる二十二歳まで、二十二歳でも誕生日ではなくて年度末まで支援を続ける仕組みが必要です。今回の改正でその部分にも配慮をいただいております。 こうしたことを述べさせていただき、終わりに一言述べさせていただきますけれども、国連の子どもの権利条約、日本が批准して二十数年がたっております。やっとそれが国内法に取り入れられまして、子供が権利の主体者であるということがうたわれました。要保護児童の処遇についても家庭養護を優先すべきであるという段階が来ております。子供の声を代弁する形でお願いをしますけれども、是非今国会で成立をさせていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。 以上です。
○委員長(三原じゅん子君) ありがとうございました。 以上で参考人からの意見の聴取は終わりました。 これより参考人に対する質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○古川俊治君 参考人の皆様方、ありがとうございました。 最初に磯谷先生に伺いますけれども、この改正案の附則には、今後、裁判所がどのように関わっていくか、これを検討するという検討規定が置かれることになりました。今までも、児相にしても、児童に対する保護措置をとる場合に、ある意味そこに、家庭にいるわけですから、なかなか、実質的に保護措置をとるかどうか、この判断がやはりどうしてもちゅうちょされるという場合が多かったというふうに伺っておりますけれども、ある意味で、裁判所がそれを実質的に決定してくれるということになると多分児相のそういった負担は少し減るんだろうというふうに思っているんですが、ちょっと私も弁護士なのでそれを思いますと、今までも裁判官と話しても、家庭の細かい事情まで全部自分たちに押し付けられても困るというのが、それが本音だと思うんですね。行政と司法、この役割分担について、適切な要保護児童の保護措置ということについて、先生が、今後どうすれば一番いいか、お考えを教えてください。 それからもう一つ、確かに弁護士が常勤になって専門家が育つということは多分いいと思うんですけれども、ちょっと私もこの児童虐待の保護ということでは全く専門性がないので分からないんですが、一般的に弁護士の職務からすれば、やっぱりそれを専門にやっている人というのはかなり少ないと思うんですよね。そうすると、一人でやっていると確かになかなか難しいと、これはよく分かることで、いろんな人に相談したいんだけれども、一方では守秘義務は持っているわけですから、情報交換にトラブル、そういう意味での問題点はどうお考えかと。 それから、各先生方もやっぱり自分の仕事をふだん持っているわけですから、勝手に相談されてもなかなか対応できないというふうに思うんですね。先生なんかはずっと専門にやられていて、自分の仕事とのバランスを、その相談を受けるという、それをどう今調整されているのか、ちょっと伺いたいと思います。 それから、辰田参考人、ありがとうございました。 今までも実は、今回の法案でもかなり虐待の防止のために児相の機能強化ということをやってきたんですけれども、前の改正からもずっと、例えば市町村の要対協の機能強化とか、今回もその調整機関の専門性を高めるということもやっています。今後、市町村の関係機関と児相がどういうふうに役割分担をしながら要保護児童を保護していくか、これどう進めていけばいいか。今ずっとおやりになっていた業務から、その役割分担について御示唆をいただければというふうに思います。 それから、木ノ内参考人、どうもありがとうございました。 里親家庭、多分それはいろいろな支援が恐らく必要なんだろうというふうに思っておりますが、それは児相が主なものでよろしいのか、児相以外にも何らかのやはり支援が必要だというふうにお考えになるのか。 それから、里親家庭に対して、やっぱり里親として養育を始めてから時間的な経過によって出てくる問題点というのは違うと思うんですよね。全体の例でいうと何年ぐらい、問題点がいろんなところに出てくる、その経過というのは必要なのかということですね、フォローアップというか、その支援が。その辺をちょっと教えていただきたいと思います。
○参考人(磯谷文明君) 御質問ありがとうございます。 まず、一つ目の一時保護を特に挙げていただきまして、司法審査のことをおっしゃっていただきました。まず、そもそもやはり一時保護というのは権利制限になりますので、司法審査があるというのは望ましいと思っておりまして、日弁連としても以前から必要性を主張していたところです。ただ、平成二十三年のときにやはりこの点問題になりまして、そのときに、まだやはり解決しなきゃいけない問題がかなりあるだろうということになりました。 まず一つは、やはり、先ほど裁判所がやってくれれば少し児童相談所が楽になるんじゃないかというような話がありましたが、もちろん裁判所に持っていく、申立てをするのは児童相談所になるわけで、そうすると、児童相談所が何もやらなくても裁判所がやってくれるのではなく、申立てをしなきゃいけない。さらには、裁判所は当然司法機関ですから、資料をしっかり集めて主張しないと納得をしてくれないわけなんですね。かつ、申立てして認めてくれればそれはそれでいいんでしょうけれども、もし却下された場合には親との関係はもう目も当てられなくなるという形になると思います。 ほかにもやはり、一時保護については要件をどうするとか、きちんとカバーできるだけの要件を整えなきゃいけないとか、いろいろ考えなきゃいけない問題がたくさんあると思っておりますので、これからまさに本当に議論しなきゃいけない重要なテーマだというふうに思っております。 それから二つ目の、この手の問題について専門の弁護士が少ないというふうにおっしゃるのはもうまさにそのとおりでございまして、その辺りはいつも頭の痛いところなんですが、先ほど先生がおっしゃっていただいた、ほかの弁護士たちと相談をするときの守秘義務の問題ですけれども、例えば東京都を考えると、東京都の非常勤弁護士それから協力弁護士はみんな一つのグループをつくっておりまして、そこでいろいろと情報を交換するという形になる、言わばクローズドなんですね。そういうふうな形で、外に漏れない形で共有をしていくというのがこれだけ人数がいますとやることができるわけです。 もしこれが常勤一名とか二名とかというふうになってしまうと、ちょっとなかなか難しいんではないかなというふうに思いますので、先ほども申し上げたように、それぞれの現場の工夫を是非御考慮いただきながら進めていただけると有り難いというふうに思っています。 それから、多分最後の御質問は、私の一般的な仕事とのバランスの話で、これはもう弁護士としては本当に悩むところなんですけれども、非常にやりがいがある仕事です。ですから、もう当初は本当に手弁当で、児童相談所にある意味押しかけ女房じゃないですけれども行って、そして相談に乗って、全然もう費用もいただかないでというふうにやりました。 ただ、率直に言って、やはり続けていくためにはそれなりの費用、経費が必要になってきます。今はもちろん東京都の方からは非常勤弁護士それから協力弁護士についても費用を出していただいていますけれども、やはり一般的に例えば労働の対価としていただけるものとしては相当であったとしても、弁護士って事務所があるんですよね。その事務所の維持というところも考えると、やはり、申し訳ないですけれども、必ずしも十分とは言えないのではないか。 ですから、そういった意味で、今回、弁護士の配置ということがうたわれましたので、そういった経済的な面も含めてもっと話が進んでいくといいなというふうに思っております。 どうもありがとうございました。
○参考人(辰田雄一君) 御質問いただいた児童相談所と区市町村の役割の分担のところについてでございます。 児童相談所と区市町村の相談機関というのは、私は両輪というふうに考えております。児童相談所は一時保護、また施設入所、里親委託の措置、そういった介入の部分、また、区市町村は在宅のサービスメニューをいろいろ展開しながら要保護家庭についての支援を入れていくということとなります。ですので、それぞれのやっぱり専門性、そういった人員の体制の強化というのは今後もますます続けていかなければならないと思います。 区市町村と児童相談所は、子供と子育て家庭の援助を担う機関として互いの事業と機能を理解して、その立場を時に尊重し、要保護児童に係る援助の体制の連携の強化をますます努めていかなければならないと思います。 あと、気を付けなければいけないことは、区市町村と児童相談所は、ケースが関係機関の隙間に落ちたり、責任の所在が曖昧になることを防ぐために、必ず主担当機関を定め、緊密な連携の下、相談援助活動に取り組んでいかなければならないと考えております。 以上です。
○参考人(木ノ内博道君) 里親の支援の在り方ですけれども、一つ、一番大事なのはやっぱり地域からの支援。実は、市町村、地域の中で里親は暮らしておりますので、地域の中で正しい認識を里親について持っていただく。これはなかなか、里親って何みたいなことが非常に多いので、正しい理解を求めたいということがあります。 それからもう一つは、やはり子供の状態によっては専門家の支援ということもまだまだ施設ほどではないんですね。そういった部分があります。 それからもう一つ、里親支援といったときに里親にとって違和感があるのは、里親の支援ではなくて子供の支援のために、実は里親も支援者であるし、支援者も里親とパートナーを結ぶといいますか、同じ目的でやっていく。上から目線で支援を受けるというのではなくて、子供に対してチーム養育的な取組が支援としては必要なのではないかなというふうに思っております。今チーム養育と言いましたけれども、例えば要対協だとかと組みまして、関係者と会合をしながら養育している場合があります。 もう一つ、養育時間の経過でどういった問題が起きるかということですけれども、特に起きやすいのは一年以内ですね。そういう意味では、一年以内の委託を受けた里親が集まって里親サロンをやっているような、これは埼玉県の里親会、県の方が運営していますけれども、やっておりまして、そういったポイントをつかまえて。もう一つは、発達段階、成長段階によるところもあるんですね。例えば思春期だとかに難しい問題が起きてくる、そういう場合がありますので、例えば虐待を受けた子供たちというのは体力が付いてくると今度は暴力の方に回っていくとか、そういうことがありますので、その発達段階による対応ということも支援としては必要かと思います。 それからもう一つは、やっぱり近年は高齢児童の委託が増えているんですね。私たちのイメージというのはどうしても乳幼児あるいは学童からということでしょうけれども、イメージとしてはですね。最近は、高校生あるいは中学生になって委託を受けるということになると、なかなか家庭適応そのものが難しいという場合がありますので、こういったことについても若干支援ということが考えられていかなければいけないのかなというふうに思っております。
○古川俊治君 ありがとうございました。
○西村まさみ君 民進党・新緑風会の西村まさみでございます。 三人の参考人の皆様、本当に今日はお忙しい中ありがとうございました。 時間が大変短いので、いろいろお尋ねしたいんですが、お一人一問ずつお尋ねをしたいと思います。 まず、磯谷弁護士には、私は弁護士の資料を読ませていただきまして、どの親も子供を愛して、そして一番好ましい環境の中で育てていく、こういったことから親権というものが守られてきたと思うんです。しかし、残念ながら、昨今では御承知のように我が子を実親が虐待するといったようなこともあり、これから親権というものを真剣に考えていかなければいけないと思っています。 ところが、現在でも、例えば特別養子縁組とか里親とかやっていく中で、親権というものがかなりの負担というか、逆に排除される要素に近づいていると思うんですが、どこかで親権というものをしっかり考えていく中で打ち切るということ。例えば、一年も二年も全く面会交流もなければ子供の様子を知る様子もないとか、そういったところで、何か親権というものを新しい方向へ子供の将来のために移していくところでは打ち切るということも必要じゃないかと思いますので、その辺のお考えをお一つお聞かせいただきたいと思います。 また次、辰田所長には、私も六年前、八王子児童相談所を視察させていただきました。あのときでさえも大変大きな負担を児童相談所の皆さん持っており、そして業務が非常に煩雑であったと記憶しています。 今回の法改正で大分明確化されたり、しっかりと明記されることによって、児童相談所の役割というものがこれからの子供たちのために確立されていくことと思いますが、そのために業務が拡大することによって懸念されること、例えば先ほどおっしゃっていました児童心理司なんかは配置はありますけれども基準が全く明確でないとか、もし懸念されることがありましたらお知らせいただきたいということ。 そして最後に、木ノ内副会長には、私も家庭的な中で子供を育てる中で里親制度を非常に重要だと思っています。私のところでずっと勤めてくれていた歯科衛生士は、四十後半になって、三歳の子供を二年前より里親としてお預かりして大切に育てていると。 ただ、里親になるためには余りに、先ほど副会長おっしゃっていましたように、周知がされていないということ。それから、例えば二回のいわゆる研修、基礎研修とか認定前研修を受けるのに、大変遠いけれども、県の中央に行かなければその研修が受けられない。二人で働いている里親になろうという人にとって、平日その時間を休んで行くということに子供を預かるんだから当たり前と思いながらも、なかなかそのハードルが高くて、一年先、二年先となって、二年前という現実があったり、里子の名前で通帳を作れないという、里親の開拓をする上で非常に現実としてクリアしなければいけない問題があると思います。 その点について具体的な策がありましたら是非お知らせいただきたいと思うのと、お三人に聞きたいと思います。私は、やはり子供に関わることは一つの省庁をつくってしっかりそこで見ていくことが大切なんじゃないかということを度々申し上げてまいりました。おなかの中にいるときからその子がある程度自立するまで、子供家庭省なのか子供省なのか子供庁なのかは分かりませんが、そういったことの必要性ももしお感じになるところがあれば、お尋ねしたいと思います。
○参考人(磯谷文明君) 御質問ありがとうございます。 親権のお話を御質問いただきました。 やはり親権というのは家庭の多様性を保つという意味でもとても重要なものでありますし、また、恐縮ながら、政治からのも含めて介入の防波堤になるという意味でもやはり親権というのは大切なものです。一方で、やはり今の虐待の問題などあるように、これは止めるべきときは止めなきゃいけないということになっているわけです。 現在、親権を止める制度については、既に平成二十三年の法改正で親権停止というこれまでの親権喪失よりはやや柔軟な方法も導入をされたというふうなことで、一応制度としてはある程度できてはいると思うのですけれども、問題はそれをやはりどう使っていくのかというところです。 一例を挙げますと、今でも子供を施設に入れていわゆる親子分離をするときに使われるのが児童福祉法二十八条。これは要するに、施設入所をさせるには親権者の意思に反しないことが必要だと、ところが親権者が反対する場合には二十八条を使うわけですね、裁判所が承認をすれば施設に入れると。ところが、二十八条というのは親権については基本的に何も言っていないんですね。そうすると、施設に行った後、やはりいろんなトラブルが出てくるということになります。 この点も二十三年の法改正である程度改善はいたしましたけれども、私としては、やはりもう親子分離して施設に入れるのであれば、基本的に親権を止めるということも考えるべきではないかと。ちょっと極論と言われるかもしれませんが、二十八条よりもむしろ親権停止を使うべきではないかというふうにも考えております。 それから、親権のところでもう一つやはり問題になるのは、これは厳密には実は親権の話ではないのですけれども、特別養子のところで、もちろん父母が同意をして特別養子ということもありますけれども、一方で、虐待などの場合には同意がなくても特別養子ができるという規定には一応なっているんですね。 ところが、恐らく親権あるいは実父母との関わりというのに非常に大きな、やっぱり重要だというふうな認識の下、なかなかそこが、特別養子がクリアできない、特別養子が認められにくい、そこ辺りはそれでいいのかという問題ですね。先ほどどなたかが永続性というふうなお話がありましたけれども、永続的な親子関係を与えてあげる、そういう制度を使うときに余りにハードルが高いというのはどうなのかという、そこの議論はやっぱりこれからしていかなきゃいけないというふうに思っています。 最後に、子供省のお話で大変共感をさせていただきました。私も日本の縦割り行政にはやはりああと思うこともございますので、やはりこういうふうな一つの省庁で子供のことをきちんと見ていけるというのはよろしいのではないかなというふうに思います。 どうもありがとうございます。
○参考人(辰田雄一君) 御質問ありがとうございます。 児童相談所の業務のところについてですが、虐待の急増というのはこれで止まったわけではありません。今後まだまだ右肩上がりで上がっていく傾向があります。ですので、やっぱり児童福祉司、児童心理司の質また量についてはまだまだ今後検討していかなければならないと思っておりますし、心理司の配置基準についても今後明確に示していただきたいと思います。 そして、重複しますが、あと、調査権の話です。磯谷参考人の方からもありましたとおりに、調査を求める、その拡大ができたことは評価をしております。でも、まだまだ、やっぱり公私の団体に拡大していただきたいと思いますし、今は、資料などを提供できるものとすると、あくまでもお願いベースでしかありません。結局、今もそれで断られたりされています。 ですので、そこについては報告を求めることができる応答義務にしていただきたいと思っています。そうしないと、やっぱり子供の情報だけではなくそれを育てる親の情報もなければ、この子を今一時保護しなければいけないのかどうなのか、そういったやっぱり判断、アセスメントができません。そこを是非お願いしたいと思っております。 最後に、あと、児童相談所は相談部門だけではありません。虐待を受けた子、またいろんな子供を一時保護しております。そういった一時保護した子供たちについての職員配置についても現行の児童養護施設準拠を改め、学習機会を保障する、保障を含めた一時保護所独自の最低基準を制定するとともに、傷ついた多くの子供たちのケアを含めた施設整備の経費、また一時保護委託等に伴う改善も講じていただきたいというふうに思っております。 以上です。
○参考人(木ノ内博道君) 里親開拓の課題といいますか、問題ということなんですけれども、一つ目は、やはり認定会議そのものが、これは地域によっても違うんですけれども、年に二回であるとかということですので、思い立ってすぐ里親になれるというものではなくて、大体研修も含めてやりますと一年、二年掛かってしまうというのはちょっと残念かなというふうに思っております。 それからもう一つは、やっぱり里親というとボランティア意識が里親の方にもあるんですけれども、例えば研修に行くとかあるいは認定に行く、非常に県の中で遠い場合もあるんですね。さらに、もっとひどいのはマッチングでしょうか。施設に何度も里親が通って、子供を受託するに際して毎週土曜日に行く、そういった交通費も出るわけではないので、私は、少なくともこういったことが里親の善意に寄りかかるだけではなくて、もっと交通費ぐらいは出していただきたいなというふうに思っております。これは、東京都が初めて今年度、そういった里親委託する前提になった家庭を候補家庭というふうに呼んで初めて取り組んでいただきました。そういうことが全国に広まっていただければいいかなというふうに思っております。 以上です。
○西村まさみ君 三人の参考人の皆様、本当にありがとうございました。 私たちも、多分共有した認識の下で、日本の宝である子供たちが親の環境に左右されることなく家庭的な雰囲気、本当は家庭が一番いいのは誰もが分かっていますが、それがかなわなかった子供たちに対してこれからも是非ともお力をお貸しいただきますことをお願いを申し上げまして、質問を終えたいと思います。 ありがとうございました。
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。 今日は三人の参考人の皆様、大変貴重な御意見をいただきまして、心から感謝を申し上げます。 磯谷参考人にお聞きをしたいと思います。 御意見の中にありました児童相談所と弁護士の関わりについては、私はおっしゃるとおりだというふうに思います。 今回、この弁護士配置、児童相談所における弁護士配置を定めるということは私も画期的だというふうに思っておりますけれども、お話にもありましたとおり、これがもし、じゃ必ず常勤と、そういうことになりました場合には、常勤でいていただくわけですから、子供の問題に精通した経験のある弁護士の先生に来ていただきたいわけですよね。しかしながら、そういう先生というのは、事務所を御自分で持っていらっしゃって、ほかの仕事も当然やっていますから、そうした事務所を全部例えばやめて、常勤で一定期間児童相談所にだけ勤めるということはなかなか難しいわけであります。ですから、そうなると、やはり比較的若手の先生ということになるわけですけれども、そうなると、じゃ、経験が十分かという問題も出てくると。 ですから、やはりこの人材の確保というのが非常に課題だなと思いますし、おっしゃるとおり、仮に比較的若手の常勤弁護士の先生をいていただくということになった場合には、一人じゃ分からないこともたくさんあると思いますので、弁護士会の先生方と地域の先生方とよく連携をしていただくということが非常に重要であると思います。 地域の実情に合わせてというところも全くそのとおりだというふうに思います。私は神奈川なんですけれども、神奈川でも全ての児童相談所に複数の弁護士の先生が担当で付いていただいています。実際に相談所に行って会議をするのは月に何回かかもしれませんけれども、何かあればすぐに電話とかファクスとかで連携を取って相談ができるようになっていると。 そうした連携が取れるようになるまでには、弁護士の先生たちのそれまでの御苦労がいろいろあって、試行錯誤もあって、だんだんと児童相談所と信頼関係を築いてきて、そういう歴史があるわけですから、それがそれぞれの地域にあると。そういったことが今回のせっかく弁護士配置を位置付けるということで何か阻害されたりするようなことがあってはもう本末転倒ですので、そうした地域の実情に配慮をした、そういう運用にしていかなければならないと思っております。 そういったことを思うわけですけれども、児童相談所と参考人の方でも資料に書いていただきましたとおり、今回の法改正に伴って、これを契機にして児童相談所と弁護士との連携を更に深めていくということが期待されるという御指摘でした。今までも連携はあるわけですけれども、じゃ、具体的にどのように深化をさせていくことが重要かという点をまずお聞きしたいと思います。
○参考人(磯谷文明君) どうもありがとうございます。 本当に今、先生に大変私の申し上げたいことを理解していただいたということがよく分かりまして、大変心強く思いました。 連携をこれから深めていくということですけれども、先ほども少し申し上げましたが、やはり東京とか先生の神奈川とか非常に既に連携が深まっているところもありますけれども、率直に申し上げて、全国を見渡しますと、まだそこまで行っていないところがむしろ大多数だというふうに思っております。 そういう意味からしますと、まず非常勤でいいのでとにかく弁護士を各児相に配置しましょうというふうなところからスタートするというのは現実的でもあるし、また関係を全体的に深めていくという意味でとてもいいことだと思っております。 この点、今日は私、日弁連代表して来ているわけではございませんけれども、日弁連の方もできるだけそういったことに対して応じられるように、弁護士の育成とか、あるいは非常勤でも何でもなった弁護士のサポートをするとか、もう実は、この十月一日が施行というふうに伺っておりますので、もし成立しますと、本当に時間がないんですけれども、今急ピッチでその辺りどうするかという議論をもう既に始めているところでございます。できる限りそういう意味ではいい形を我々もつくっていきたいと思っております。 ありがとうございます。
○佐々木さやか君 ありがとうございました。 もう一問磯谷先生にお聞きをして、ちょっとそれで時間がいっぱいになるかなと思いますけれども、最初の方に体罰禁止について端的な形では盛り込まれなかったというところについて指摘をいただきましたが、民法との関係についてはどういうふうに考えていったらいいのかなと思いながら、今後も引き続き議論を深めていくということが重要ではないかと思っております。 参考人は、民法とは別に、児童福祉の観点から体罰を禁止するということは法制上も問題ないというふうに考えていらっしゃるということですけれども、この点についてもう少しお考えをお聞かせいただけますでしょうか。
○参考人(磯谷文明君) 引き続き御質問ありがとうございます。 体罰につきましては、やはり悪いことをやった子供だから叱られて当然だというふうな従来の考え方がある一方で、しかし、その体罰で実質的な虐待を肯定してしまうというふうなことがもう現場ではよく見えるものですから、私どもは、やはりこの体罰というのが望ましくないんだということをきちんと国民の皆様に御理解いただくということがとても重要だというふうに思っているわけです。 ですから、例えば体罰をしたからそのことだけで何か処罰をするとか、そういうことではなく、少なくとも体罰というのはよくないんだということをきちっと御理解いただく、これが物すごく重要だというふうに思っております。 そういう意味で、ある考え方からすれば、体罰というのは懲戒権の一環なわけだから、懲戒権は民法のことだと。今回、児童虐待防止法、児童福祉法の改正だから、民法とは別なんだから、そこまで踏み込むのはどうかというお話も何か聞くことがあるわけですけれども、私としてはむしろ、民法ではそれはできるのかもしれないけれども、児童福祉の価値観といいますか、児童福祉の考え方から体罰というのはよろしくないんだということを打ち出すということは、やっぱり一般の家庭にとってとても重要だというふうに思っております。 具体的には、今回事務局の方で関連資料として配付をしていただいております通し番号十五ページのところ、これは私が専門委員会の中で作成をいたしましたもので、条文イメージというものをちょっと作っておりますけれども、第一条の四項のところで、何人も児童に体罰その他児童の心身に害悪を及ぼすおそれのある罰を与えてはならない、こういうふうなことを設けることは十分可能ではないかなというふうに思った次第であります。 ありがとうございます。
○佐々木さやか君 以上で終わります。ありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 三人の参考人の皆さん、ありがとうございます。 まず、磯谷参考人にお伺いしたいと思うんですが、本改正案の一条に子どもの権利条約の精神ということが明記されたことの意義なんですが、これはやはり保護の対象から権利の主体という点では非常に画期的ではないか、非常に大きな役割があると思うんですね。先ほど参考人もこれからこれはじわじわ効いてくるというようなお話をされましたけれども、このことでどのようなことを期待されているか、その意義も併せてお聞かせください。
○参考人(磯谷文明君) 御質問ありがとうございます。 日本は御承知のとおり子どもの権利条約は締結をしているわけですけれども、なかなか実際の法制度に浸透してこなかったというふうに思っておりますが、今回、この児童福祉法にそのことが、しかもその一番最初に明記されたというのはとても画期的だと思いますし、この点は、私の理解では大臣が随分この子供の権利ということをお考えになったと伺っております。そういったところも反映されたものというふうに理解をしております。 これがどういうふうに効いてくるかというところはなかなか容易に予測は難しいのですけれども、やはり子どもの権利条約の一つの大きな目玉というのが意見表明権で、やはり子供が自分のことについて意見をきちんと述べて、かつ、年齢や成熟度等には応じますけれども、尊重されるということになっています。 児童福祉の現場でも、もちろん実際上は子供の話も聞きながら援助方針を決めてはいますけれども、それをもう少し明確に意識付けをしてやるというふうなこともこれから考えていくことになるのかなというふうに思っています。児童福祉というのはやっぱりどうしても子供を助けてあげるというふうな形の発想になりがちですけれども、そこで一体、でも子供はどう考えているだろうか、もちろん子供が考えていることが全て正しいわけでないのはこれは残念ながらそうなんですけれども、やっぱりそこをきちんと受け止めるやり方というのをこれから具体的に考えていけるんじゃないかなというふうに期待をしているところであります。 以上です。
○小池晃君 ありがとうございます。 辰田参考人にお伺いしたいと思うんですが、家族統合というのは本当に今大変になってきているんじゃないかなと。特に、阻害しているものは一体何なのかという辺りで、虐待の要因の一つにやっぱり子供の貧困ということが指摘をされていると思うんですね。現場でお仕事されていて、この貧困という問題が家族統合にどのような影響を与えているというふうにお感じか、お聞かせください。
○参考人(辰田雄一君) 御質問ありがとうございます。 虐待の発生している家庭について、イコールではありませんが貧困の家庭が多くあることは事実であります。当然そういった経済的な基盤の弱さ、またそういった家庭において、いらいらだとかそういったものがやっぱり力の弱い子供に向かってしまうというところで虐待が発生している家庭が数多くあります。 そして、まず、家族再統合に向けてというところでは、当然虐待したことを親にきっちり認識してもらい、そのためにどうしたアプローチ、子供への関わり方だとか、そういったところをまたペアレントトレーニングなどいろんなケアを入れながらやっていきます。ただ、当然、でも経済的な貧困が解決しているわけではありませんので、やっぱりそういったところにどのように親に対しての支援をどう入れていくか、そこもやっぱり並行して考えていかなければなかなか厳しい状況にあろうかと思います。
○小池晃君 ありがとうございます。 重ねて、一時保護所の実態なんですけれども、非常に、非行、虐待、混合処遇となっているということで、そこに過密という問題が加わって非常に困難が生じているというふうに聞いているんですが、その点どのようにお考えでしょうか。
○参考人(辰田雄一君) 御質問ありがとうございます。 今、一時保護所の方も、本当に保護されている子供の種別は様々です。そこで必要な保護ということは、やはり保護所がいっぱいだから保護しないということでは当然ありません。必要な保護は児童相談所長はしっかり判断して保護所に入れなければならないと思っていますし、当然保護先は一時保護所だけで対応するものではなく、また保護する子供の中で養育困難だとかそういったものがあれば、例えば里親さんの方に一時保護委託を掛けたり、そしてまた学校の方に通学できる体制を取ったりだとか、そこはいろいろ考え方はあろうかと思っております。 ただ、混合処遇は、そこは賛否、正直あります。そこへ虐待の子、また非行の子も入ってくる。そういう中で、じゃ、一律的にはどういった支援をしていったら、一律ではないところもありますし、個別的なところをしていかなければならない。やっぱり学校の教育の保障もどうしていってあげたらいけないか。 先ほど質問の方で回答させていただいたとおり、そこの今配置の基準というのが児童養護施設に準じてなんですね。そこは一時保護所独自の職員配置だとか、そういったこともやっぱり考えて、個別のニーズに応えられる体制を整えていかなければならないと考えております。
○小池晃君 ありがとうございました。 木ノ内参考人にお伺いしたいと思います。 先ほどのお話聞いて、やはり里親などの家族的養護の非常に重要性、意義ということは大変大きいというふうに思いました。これ進めるべきだと思うんですが、当面すぐに施設、置き換えることが現実にはなかなか難しい、諸外国のような方向に持っていくべきだと私も思いますが。そういう中で、施設処遇の在り方について里親の立場から施設に望んでおられること、このようなやっぱり施設処遇でもこういったことが必要なんじゃないかという御提言いただければと思うんですが。
○参考人(木ノ内博道君) 今、十五年計画で家庭的養護に進めていこうというような国の方針も出ておりまして、まずはやっぱり施設の小規模化というところに取組が始まっているかと思います。 今、五十人以上の施設が半分ぐらいあるというようなことで、やはり集団養育を個別養育の方に切り替えていくということが一つだろうと思いますし、あわせて、家庭養護を増やしていくというようなそういう部分があるかと思いますし、それから、施設を今のような施設ではなくて、もっと療育ができる、課題を持った子供たちに対応できるような、そういう施設に変わっていくというようなこともあるでしょうし、もう一つ、例えば乳児院などは働いている人が乳児を専門に養育でき、家庭に連れて帰れる、赤ちゃんを、そういうような、場合によっては職業里親になるのかもしれませんけれども、何らかのそういった新しい仕組みをつくり出して、それで施設を変化させていくというようなことが可能なのかなというふうに思って、そういった議論を専門委員会でもしておりました。
○小池晃君 ありがとうございました。 最後に、もう一回磯谷参考人にお伺いしたいんですが、磯谷参考人の資料の最後のページに陳述では触れない問題点というのがあるんですが、もしよろしければ、簡潔にでも感じておられる問題点をお話し願えますか。
○参考人(磯谷文明君) ありがとうございます。 これは、差し出がましいのですけれども、私がほかの法律関係者と話をしているときに、どうなんだろうねというふうに思っていたところで、先生方はこれから政府の方にもいろいろと質問などをされるんだろうと思いますので、全くの御参考ということで作成いたしました。 まず、一つ目の丸のところなんですけれども、これは、養子縁組その他の児童も含めて、そういった方の相談に応じたり、必要な情報提供、助言をしたり援助をしたりという規定であります。これはもちろん非常に有意義な規定ではありますけど、その中に特別養子によって親族関係が終了した実方の父母も対象に含んでいるということから、一体どういうふうな支援を想定しているのかなというところがちょっと見えてこないよねというふうな議論をしていたところです。 それから、二つ目の児童福祉法四十八条の三の方は、施設とかが市町村、児童相談所などと協力して親子の再統合のための支援等をやっていくということで、これまた非常に重要なことなんですけれども、里親さんがやはりこの中に義務付けられているわけですね、里親さんもそういう措置をとらなければならないということになっている。 ただ、木ノ内参考人のお話からすると、力のある里親さんだったらいけるのかなという気もしますけれども、一つは里親さんに過大に負担にならないかなというふうなこと、特に親子を再統合というところまで、日々の生活もすごく大変だと思っておりますので、そういう意味でここまで期待をするというのがちょっと酷なのではないかなということと、あと、やっぱりどういうふうな措置が想定されているのかなというところは疑問に思っていたということでございます。 ありがとうございます。
○小池晃君 大変ありがとうございました。終わります。
○東徹君 おおさか維新の会の東徹でございます。 三人の参考人の先生方、もう本当にお忙しいところありがとうございます。また、日頃、児童虐待という大変重たい社会問題に取り組んでいただいていることに本当に敬意と感謝を申し上げたいと思います。 まず、磯谷参考人の方に、ちょっと先ほども佐々木委員の方からありましたけれども、体罰の禁止のことでありますけれども、これ海外では、家庭で子供に体罰を与えるというか、そういったことに対して法的にあるのではないのかなと思うんですが、そういうことが御存じであればお話ししていただければと思いますが。
○参考人(磯谷文明君) 御質問ありがとうございます。 今おっしゃっていただきましたように、この体罰の禁止ということは海外ではやはり法律上の禁止ということが進んでおりまして、代表的な例としてはスウェーデンの例がよく挙げられると思います。最初は体罰容認の考え方が強かったけれども、法改正をして体罰は駄目なんだよということを明らかにしたことで、徐々に徐々に一般の国民の方々もやはり体罰に頼るべきじゃないんだという考え方が増えてきたと。やっぱり、その法改正が国民の方々の意識に影響してくるんだなというのが非常に分かりやすい例だったかと思います。 そういうふうな実例も踏まえて、また検討していただければと思います。 ありがとうございます。
○東徹君 ありがとうございます。 では次に、辰田参考人の方にお伺いをさせていただきたいと思います。 児童相談所も大変今虐待の件数も増えてきておって、児童相談所の職員というのはもう本当に疲弊しているというふうなことをよく聞きます。先ほども都の定数を増やしたというふうなお話がありました。 一つは、そういった児童相談所の相談援助業務をされる職員はどういった資質を持った方が、資格はもちろんあるかもしれませんが資格だけではないというふうに思っておりまして、どういった方が望ましいのか。もう一つは、やはり人数的には、例えばどこかの児童相談所でもいいと思うんですけれども、一つの児童相談所を取り上げればこれぐらいの人数は要るんだとか、もしちょっと参考になるようなお話が聞ければと思います。よろしくお願いいたします。
○参考人(辰田雄一君) 御質問ありがとうございます。 今本当に虐待の件数が増加してきているというところの中で、本当に児童相談所は今、在宅指導のケース、施設入所、里親委託しているケースを持ちながら、また新規の虐待通告があればもう待ったなし、今までやっていた業務を止めてもうそこの対応に当たらなければならないという状況になります。そして、当然虐待の対応ですので、一人の福祉司が対応しているわけではなくて、複数のやっぱり職員でもって調査をし、親との面接、子供との聞き取り調査を行っていきますので、その件数に、ただ一件でもほかの相談とはちょっと趣旨が違ってきているんですね。そういった上で、体制の強化は、人の強化はしていかなければならないと思っております。 そして、福祉司としては、当然国の方でも児童福祉司の資格基準は定められております。国家資格化の話も出ていますが、資格を取ればいいというものではありません。運転免許と同じだと思うんですね、そういった。当然、その資質をどのように上げていくかということが必要です。 東京都におきましては、新人の福祉司については、まず配置後約一か月ぐらい集中的に研修をしたり、またロールプレーの研修もしたりしています。その後、間、間にまた研修を入れる、中堅の研修、また上級の研修だとかというところで更に資質を上げていく。また、法改正もありますので、そのためにどのような対応をしていくかということで、本当に育成というのが不可欠だというふうに思っております。そういった支援体制を整えなければならないと思いますし、国の方も今度はそういった研修も企画していただけると思いますので、そこにもしっかり参加させていきたいと思っております。 一つの児童相談所にどの程度かというところについては、なかなかちょっと難しい問題であります。児童相談所は本当にあらゆる相談を受けて対応しておりますので、今後、二年後にまた児童相談所の業務の在り方についても検討していくということになっておりますので、障害の相談だとか、また本来区市町村でも対応できるような養育相談だとか、そういったところのやっぱり見直しだとか、そういったことも今後の検討になってくるのかなとは思っております。
○東徹君 ありがとうございます。 もう一つ辰田参考人の方にお聞きしたいと思いますが、今回の法改正で特別区の方にも児童相談所が設置できるというふうなことになりました。今、東京都で十一でしょうか、都内で児童相談所の数は。特別区でも設置できるということになれば、そこで独立してやっていくということになるんだろうと思いますけれども、これまでの都がやってきたことと特別区がやることと、この辺の関係というのは変わるとか何かありますでしょうか、問題点とか課題とか。
○参考人(辰田雄一君) 特別区で児童相談所を設置したということであれば、当然、例えば区が児童相談所業務と今まで培ってきた区市町村の相談の支援の部分も一緒にやらなければいけなくなると思いますね。そのために、子供の最善の利益、子供の安全、安心を守る観点でどういったやっぱり体制を整えなければならないかということを考えていかなければならないと思います。当然、そうなりますと、児童相談所長、児童福祉司、児童心理司、また保護所職員の人材の確保、育成をどのように考えていくか。また、一時保護や施設入所に当たっての広域の調整の仕組みの構築が必要となっております。 具体的に広域的な調整がどういうことかといいますと、例えば一区一児相という形になった場合、虐待をした、児童相談所が職権保護をしたというときになった場合、親御さんは当然、ふざけるなと取り返しに来たりしています。そこでまた騒ぎも起こしたりします。そうなると、児童相談所で、一区、イメージだと保護所一つという話になると、やっぱりその声を聞くだけでも子供はおびえる、安心できる保護先ではなくなってしまうんですね。 それとか、また非行相談もあります。非行も例えばグループで悪さをしてしまって警察からの児童通告で保護された場合、複数の子供が同じ保護先にいるということは、なかなか職員の指導にも従わない、例えばそこで職員に対して暴言を吐くこともあろうかと思います。そうなると、ほかの子供たちの安心も守れなくなってきてしまいます。そういった場合、区市町村をまたぐ広域的な調整をどのようにやっていくか、またそこは都も含めた検討材料になってくるかと思います。
○東徹君 ありがとうございます。 続きまして、木ノ内参考人に最後一つだけお聞きしたいと思いますが、お話の中で、最近、専門的な養育スキルが必要になってきたというお話がありました。専門的な養育スキル、具体的にどういったことか、教えていただければと思います。
○参考人(木ノ内博道君) 今非常に多いのはやはり発達障害的、的と言わざるを得ないんですけれども、専門家の診断の問題がありますから。生来的な脳の障害だというふうに言われている発達障害というのは本当に少ないはずなんですけれども、虐待を受けたりとか、あるいは、ひょっとしたら発達障害で養育がしにくいから虐待を受けたのかもしれないんですけれども、現在のところ、これは施設でも里親でも三割を超えるような子供たちが発達障害的であるという。 発達障害についても、学習障害であるとか、あるいはADHDという多動傾向があるとか、あるいは引きこもりみたいなこともありますし、簡単ではないんですけれども、症状そのものはですね。そういったことに対する専門的な見解をいただけるところは本当に少ないですね。 養育のしにくさに付き合っていくというのは、本当に手探りのままやっていて、基本的に私も里親から相談を受けたりもするんですけれども、養育そのものが基本的には手探りなので、余り病名を付けてくれたからそれで安心というものではないんだろうとは思うんですけれども、その辺の難しさがありますね。 それからもう一つは、やっぱり虐待等で出てくるのは発達遅滞、発達が遅いということですね。そのために、まだ四、五歳になるのにおむつが取れないとかそういうことがありますので、こういった非常に、何といいましょうかね、課題を抱えた子供たちが増えている。それに対する相談機関としてなかなか的確な反応をしてくれるところがない。更に言えば、やっぱり小児精神科みたいなところは三か月待ち、半年待ちというようなことであったりということで、なかなか専門家とつながれないということがあります。 以上です。
○東徹君 ありがとうございました。 これで質問を終わらせていただきます。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 現場で子供たちのために頑張っていらっしゃる参考人の皆さんに心から敬意を表します。また、今日はお忙しい中、本当にありがとうございます。 まず、木ノ内参考人にお聞きをいたします。 里親制度を応援することは大変必要だという観点からやってきましたし、アン基金を始めいろんな皆さんたちとも交流をしてきました。今日、やはり本当は家族的に自己決定権を子供たちが育めるようなことを応援すべきですし、それから福岡などでグループホームでやっているようなところも訪問したことがありますが、改めて、どういうことをやればもっとこの里親制度が充実をしていくのか、それについて御意見をお聞かせください。
○参考人(木ノ内博道君) 先ほども申し上げましたけれども、一番大事なのは、やはり社会の認知といいましょうかね、多分、これは社会的養護そのものが非常にこういう施設、施設というのは非常に山の上であったりとかあるいは海の近くであったりとか、都心部にないんですね。ある種、隔離機能を持ったんじゃないのかな、戦後間もなくのときにはですね。 そういうことから、目に触れない、極端に言ってしまうと、保護されたら地域では行方不明の子供になってしまう、ちょっと言葉が過ぎますけれども。地域の人たちには、その子供がどこへ行ったのか分からない、里親のところに来る子供についてもよく分からないというようなことなので、その辺の社会的養護の仕組みそのものを普通の人が理解していただく、社会がですね。その中で里親の役割もやはり正しく認識していただくような、そういう、啓蒙活動と言ったらちょっとあれですけれども、社会的な認知が必要かなと、これが大事だと思っております。
○福島みずほ君 辰田参考人にお聞きをいたします。 児童福祉司さんが全国で二千八百人ほどで圧倒的に少ない、あるいは児童福祉司さん一人当たりの虐待案件が百四十件もあるというふうにも聞いています。つまり、一人の児童福祉司さんがたくさん件数を抱えていて、なかなか訪問をしたり、なかなかケアができない。ですから、児童相談所が子供の虐待についてとても頑張っていらっしゃることは本当に分かるんですが、もっとその児童福祉司さんの数を増やすとか、この点についての御意見をお聞かせください。
○参考人(辰田雄一君) 御質問のとおり、児童虐待は急増、右肩上がりをしております。今後もこの傾向は当面続くだろうと思われます。そのためには、やっぱり児童福祉司が適正に一つのケースに丁寧に対応できる、そういった配置基準が必要だと思っております。 さっき言いましたとおりに、本当に虐待のケースが通告があると、もうすぐ初期対応に当たらなきゃいけない。本来行かなければいけなかった家庭訪問をキャンセルする、キャンセルすることによってまたその家庭と切れていってしまうんですね。そうなると、せっかく介入、支援とかでできていたものができなくなってしまうと。そういったところでは、まだまだ児童福祉司、心理司、また、当然児童相談所で対応できるものだけではありませんので、区市町村も含めた支援体制の強化というのをますますしていかなければなりませんし、今後もそれを強く望みたいと思っております。
○福島みずほ君 辰田参考人にまたお聞きをいたします。 警察と児童相談所の間の情報の共有ということです。例えば、警察には、どなり声が聞こえるとか子供の泣き声が聞こえるであっても、いや、単なる夫婦げんかだというふうに言われると帰ってしまうかもしれませんし、児童相談所の案件を地元の警察が知らなくて、そこが切れてしまうということなども聞いております。 ですから、児童相談所と警察の情報共有をしっかりやって、そしてやはり対応ができるようにすることが大変必要だ、それによって虐待死を減らすことができる、なくすことができるというふうに思いますが、この点についていかがでしょうか。
○参考人(辰田雄一君) 警察との連携についてでございます。 まずは、今警察も、夫婦げんか等、一一〇番通報があれば臨場していただいていまして、そこに、夫婦げんかの場面に子供がいるということであれば、その心理的虐待ということは各警察の方も理解していただき、児童通告、書類通告をいただいております。今、八王子児童相談所におきましては、通告の件数の一番多いのが実は警察署です。 ですので、そういったところでは警察に連携を取れていますし、また、児童相談所が抱える案件の中で警察が、日頃からの連携の中でこういったケースをどのようにしていったらいいかということも相談体制も取れていますし、定期的に所管の警察署とも連絡会を開いております。そして、東京都におきましては、現在、警視庁の方から警察OBの方が派遣されていまして、八王子児童相談所のところにも二名の方が入っていただいています。 そういった意味では、本当に警察との連携が密に図れておりますし、本当に一緒に場合によっては動いていただく、そういったより良い連携が図られていると考えております。
○福島みずほ君 辰田参考人にお聞きをいたします。 平成二十七年九月十五日、全国児童相談所長会が厚生労働省に対して、児童相談所の機能強化と相談体制の充実等に関する要請をされていらっしゃいます。とりわけ、児童虐待を行った保護者が児童相談所の援助を拒むという、保護者指導に関してなかなか大変であるということに関して、司法等の関与ということについて要望されていらっしゃいます。 これは大変必要なことではないか。弁護士が関与するということももちろんとても重要だと思いますが、虐待をする親とある意味やらなければならないというのは大変で、この司法的関与についての御意見をお聞かせください。
○参考人(辰田雄一君) 御質問ありがとうございます。 一つの例を出しますと、親子分離が必要だというところの中で、施設入所、里親委託が適当だと思われるケースがあります。速やかになかなか同意してもらえないというところで、二十八条の申立てを行われて施設入所措置に至るわけなんですが、それと伴って、児童相談所は保護者指導を掛けます。しかし、裁判まで起こしていますので、当然、保護者の方は児童相談所のその後の指導には全く乗ってこない。当然、裁判所の方からは児童相談所に、申立てしているのは児童相談所ですので、そこは保護者と丁寧にとか、また家族再統合が図られるように指導しなさいと勧告をいただくんですが、親に言っているわけではないんですね、児童相談所がやると。 なので、そこについて保護者に対しても、やっぱりそこは児童相談所ときっちり、指導を受ける、また訪問も受け入れる、そういったものの関与が必要だというふうに思っております。
○福島みずほ君 先ほども質問が同僚委員からありましたが、市町村は、児童及び妊産婦の福祉に関し、必要な支援を行うための拠点の整備に努めなければならないものとすることというのが入ります。これから、今までは都だけだったのがいろんなところにも広がるわけで、それは非常に可能性でもありますが、逆にこれを真面目にやろうとする市町村は、区は、なかなか大変ではないかというふうにも思います。 これについての役割分担、あるいは逆に厚労省など政府に対する、こういうことが必要なんじゃないかという点について教えてください。
○参考人(辰田雄一君) 母子保健の部分でありますが、当然おなかの中にいるときから虐待が今後見込まれ、またそこの中にDVがあるだとか、そういった者を特定妊婦であると思います。 今は児童相談所の方もかなりそこについて関わるようになってきています。そういった心配な者が母子保健の方から区市町村の方に上がり、区市町村の方でも、その親の評価、またその兄弟の養育状況がどうだったか、親の見立てをし、児童相談所の方に、今東京都が援助要請という形で関わってきて、おなかの中にいる段階から児童相談所も介入していきます。 そこの中で、まだ生まれているわけではないんですが、でも、今、毎年の死亡事例の検証を見ますと、ゼロ歳児の死亡というのがかなり多いです。そこをどのようにやっぱり生まれる前からどう支援していくか、それを児童相談所、区市町村、母子保健、様々な機関とどのように連携強化していくかは今後のますますの課題だというふうに思っております。
○福島みずほ君 児童の親権を行う者は、児童のしつけに際して、監護及び教育に必要な範囲を超えて当該児童を懲戒してはならないということなんですが、やっぱり虐待する親はしつけだといって虐待をするわけで、極めて問題があると思います。これについては、ちょっと時間がもう来ますので、磯谷参考人の今日のアドバイスをしっかりまた生かしていきたいと思います。 どうもありがとうございます。
○薬師寺みちよ君 薬師寺みちよでございます。よろしくお願いいたします。 本当に、今日は現場のお話を聞かせていただきまして、私自身勉強になりました。 まず、磯谷参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。 実は、チャイルド・デス・レビューにつきましては私も以前質問をさせていただいたことがございます。私も衝撃でした。今までは六十何件、七十何件というような虐待による死亡例というものが報告されていた。だけれども、今回更に詳しくパイロットスタディーとしてやってみると、年間で三百五十人程度の子供たちが実は虐待で亡くなっているんじゃないか。これは大きな差がそこに生まれております。 大臣の答弁の中でも、今回の法改正の中で国における要保護児童に関する調査研究の責任というものを明確化する、その中で更に研究を行っていきたいというような御答弁いただいたところなんですけれども、このチャイルド・デス・レビューに対する参考人の思いとその重要性についてもう少し語っていただけますでしょうか、お願いいたします。
○参考人(磯谷文明君) 御質問ありがとうございます。 本当にこの子供の死の全数調査というのは非常に重要なものだというふうに考えております。外国では既に、全体は私もよく分かりませんけれども、いろいろなところで行われているというふうに伺っておりまして、そういったものも参考にしながら、日本子ども虐待防止学会の方で、こういった形で日本だったら導入できるのではないかというふうな実は案を作ってございます。今日ちょっとそれを御説明する時間はないのですけれども、もし必要がありましたら、是非そういったところをお渡ししたいと思いますけれども。 やはり地域において特に恐らく子供の死を一番把握するのは保健というところになるでしょうから、そういったところから情報を集めて、まずは恐らくスクリーニングをしていくわけですよね。明らかに病院で普通に例えばがんだとかで亡くなられているという場合は、それは除外していくけれども、そうじゃないものを絞っていって、検証されていないものについてはピックアップして更に検証する。そして、その結果について定期的に自治体、場合によってはひょっとしたら国ということも考えられるかもしれませんけれども、こういうふうな死亡事故がありましたよと。 例えば、やっぱり虐待と関係ない事故でも非常に参考になるんですよね。こういう遊具で遊んでいる事故が実は全国で幾つかありましたというようなことですと、当然それを直さなきゃいけないわけです。また、御指摘のように埋もれている虐待を見付けるということもありますので、この全数調査というのはとても重要だというふうに思っています。 是非、また情報提供はさせていただきたいと思いますので、御参考にしていただければと思っております。 ありがとうございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。私もちょっとこれは今後も追っていきたいと思っている案件でございますので、よろしくお願い申し上げます。 辰田参考人にお伺いさせていただきます。 先ほど警察との連携という中で八王子の事例は御紹介いただいたんですけれども、全国的にもまだまだそういう体制が取れていない地域もあると私伺っておりますが、その辺り、ほかの地域の現状につきましても、御存じのことがございましたら教えていただけますでしょうか。
○参考人(辰田雄一君) 都内のことは当然分かるんですが、他県についてどういったことを今具体的にされているかというのはちょっと、済みませんが、把握しておりませんが、当然これだけ警察からの通告も増えてきておりますので、所管の警察とはより良い連携を取っているかと思っていますし、今回、厚労省の方からも、警察からの照会ですかね、相談歴の照会についても迅速に児童相談所は対応するように、またその通告があったことについてはちゃんと記録にもとどめるようにということが出ております。 ですので、そういったものをちゃんとすり合わせをして、また、警察から以前相談歴の照会があったケースについて虐待通告があればまたうちの方からも警察とも連携をし、それをケースワークの中、またアセスメントの中で生かして取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 警察からの通告というのも一つの手かもしれませんけれども、児相から警察へといったような相談件数というものも増えているんでしょうか、教えていただけますか。
○参考人(辰田雄一君) 当然、これだけ虐待が急増してきておりますので、児童相談所から、こういったケースについてどういった対応を一緒にしてもらえるか。また、特に乳幼児ですよね。保育園とか幼稚園とか学校とか、在籍のある子供はそこで安全確認が図れるんですが、家庭児はなかなか安全確認が図れません、家の中にいますので。訪問しても会えないとか。そういったこととか、また場合によっては警察も一緒に行っていただくだとか、協力依頼をして連携を図っております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 木ノ内参考人とそれから辰田参考人にお伺いさせていただきたいんですけれども、先ほど、同僚議員からも一時保護所の問題というものが指摘されていたかと思います。その一時保護所の、今後、いわゆる満杯状態なので、じゃ次にということで、どなたか適切な方に委託して一時保護というものを行わせるというような方策も考えられておりまして、先ほど御紹介いただいたように、それが里親というような対象にもなり得るということですよね。 そこで、更に里親になる方々は一時保護所の役割も担わなければならない。大変これ難しい問題が生じてくるかと思いますけれども、その点につきまして、辰田参考人、そして木ノ内参考人、御意見いただけますでしょうか。
○参考人(辰田雄一君) 御質問ありがとうございます。 当然、保護される子供には様々なニーズがあります。その中で、虐待だとか非行だとかということではなくて、本当に家庭の事情で一時預かりを児童相談所で、ショートステイが利用できなくて、しなければならないケースについて、一時保護所で受けるのではなくて、可能な限り、その子供たちがそこで生活している地域、また学校や保育園だとか、そういったところに継続できるように、その中で里親さんの方に一時保護を委託するケースがあります。 ただ、児童相談所でも初めてお会いする子供であったりもしたりするので、どういった子供かまだよくアセスメントができていない。そこは、当然その所属のある学校とかでもいろいろお話を聞いて、それでお願いできますかということでお願いしています。 ただ、一時保護委託ですので、やっぱり委託費が、そんなに高くはないのでそこはまた厚労省の方にも考えていただいて、その生まれ育った地域で継続的に対応できるように、また今後も児童相談所は、里親委託、開拓、またその協力、連携に取り組んでまいりたいと思っております。
○参考人(木ノ内博道君) 一時保護を里親がやる場合、非常に最近は増えてきておりますね。より取組の深いところでは校区里親というようなことで、中学校区であるとか小学校区で、必ずというか、その単位で里親を増やしていって、できれば、一時保護所に入ると学校に行けませんので、学校に行けるような一時保護を考えようじゃないかとか、あるいは、今また増えてきているのは赤ちゃんの一時保護なんですけれども、どうしても乳児院の場合ですとインフルエンザにかかっていたりするとほかの赤ちゃんにうつっちゃいますので、そういう子供に対して急遽受けてくれないかとかということがありまして、一時保護に里親をお使いいただくというか、そういう中で、校区里親みたいな、少し、戦略的なといいますか、増やしていくような取組と、もう一つは赤ちゃんをきちっと受け入れられるような里親を増やしていきたいと、そういう試みをいろんな各地で取り組んでおります。
○薬師寺みちよ君 大変勉強になりました。ありがとうございました。 最後に、磯谷参考人にもう一度お伺いさせていただきたいんですけれども、先日も虐待のことで私いろいろ質問させていただいたときに、今弁護士が常勤しているという児相が三つしかないというふうに一月の時点で答弁いただいたことがございまして、先ほどから地域の特性を生かしたような形にしていったらどうかというお話ございました。 じゃ、必ずしも常勤がいいというわけではないんですね。どういう形というものが、例えば例に挙げればこういう形もあるよということで御紹介いただきたいと思っておりますが、よろしくお願い申し上げます。
○参考人(磯谷文明君) ありがとうございます。 常勤のメリットというのは、これは確実にあります。なぜなら、ずうっと児童相談所にいますのでいつでも相談ができますし、また逆に、自分が出ていくことといいますかね、周りで起こっていて、あれっ、それもうちょっとこういうことをやった方がいいんじゃないのというような形で関わることもできます。 ですから、常勤の利点というのは決して否定するものではないのですけれども、ただ、恐らく御想像いただけると思いますが、例えば公正取引委員会に弁護士が何年か行きましたと、その後は結構引っ張りだこなんですね。それはやっぱり大手の事務所から是非是非と。ところが、児童相談所に三年間行きました、じゃ、その後どうなるのというところがあるわけなんですよね。 やはりそういうふうなことも考えますと、現実的には、先ほどちょっと東京都の例も御紹介いたしましたが、非常勤という形、例えば週に少なくてもでも三回は来てほしいと、ところが一人の非常勤ではなかなか難しいという場合に、非常勤を三人入れるということも可能ですよね。そうすると、先ほど申し上げたように、もう連携は我々はしていますので、その中の連携あるいは外との連携も含めて、しっかりサポートができるだろうというふうに思っています。ですから、そういう意味で、現実的にはやはり非常勤の配置から始めていくというのが望ましいのかなというふうに思っております。 ありがとうございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。終わります。
○委員長(三原じゅん子君) 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人の方々には、長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。(拍手) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十一分休憩 ─────・───── 午後一時開会
○委員長(三原じゅん子君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、石橋通宏君が委員を辞任され、その補欠として吉川沙織君が選任されました。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 児童福祉法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長香取照幸君外八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三原じゅん子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) 休憩前に引き続き、児童福祉法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○石井みどり君 自由民主党の石井みどりでございます。 児童福祉法改正法案ということでございますが、児童虐待は、私、一九七〇年代から取り組んでおりましたので、感慨深いものがございます。 先ほどの午前中の参考人の八王子児相の辰田所長のお話の中にもございましたが、児童虐待は急増しておりまして、警察からの通告が一番多いというお話でありました。本年五月の警察発表ですと、児相に通告したのが三万七千二十人、昨年と比べると二八%増加した、過去最多だという、そういうことでございます。そして、その虐待死に至っては、日本小児科学会の推計でありますが、医療機関や行政、警察の間での情報共有や検証が不十分で、多くの虐待死が見逃されているおそれがあるというふうに日本小児科学会は発表されています。約年間三百五十人であろうと。この中には生後間もない乳児が相当数いるということで、いつもこの虐待の問題を取り上げるときは本当に胸塞がれるというか胸潰れる思いでありますが、塩崎厚生労働大臣も大変熱心に取り組んでいらっしゃるということを聞き及んでおりますので、本日の法案審査を是非、衆議院に続いて参議院でございますので、よくよくお聞きいただければと存じます。 先ほど私、一九七〇年代からと申しましたが、小児歯科医でありましたが、私どもはオーラルペディアトリックスという、口腔小児科医という感覚で見ておりました。ですから、全身を診て、そして口腔内を診る。ですから、診療室へ入られるときから、そこから診察がスタートしています。連れてこられた保護者の方との関係、あるいはその年齢にふさわしい心身の成長、発育をしているか、そしてどういう環境下で育てられているか、清潔な衣服を身に着けているか、あるいはきちんと清潔な環境下で育てられているかというようなことも全て診て、そして、もちろん口腔内も診ますが、全身を診ます。 今の虐待する親は大変悪質といいますか、外傷とかあざが見えないようにするという深刻な事案もたくさんございます。そして、私が歯科医になりました当時は虫歯の洪水と言われていて、日本の子供たち、大変齲蝕が多かったんですが、今、学校健診に行っても齲蝕のある子供の方が圧倒的に少ない、あったとしても非常に初期齲蝕という形でありますが、その中にも必ず、ほんの少数でありますが、重症の多数齲蝕を抱えた子供がいます。全てとは言いませんが、かなりの確率でネグレクトの可能性がございます。そういう意味で、もう臨床を離れて十年たちますが、臨床医をしていたときにはそういう認識で子供たちと接しておりました。 そこで、歯科医師は児童虐待、特にネグレクトを発見する立場にあると思っております。児童虐待の早期発見のために全国の多くの歯科医師が専門的な研修も受けて、そしてそういう認識を持って日々の臨床に臨んでいると思います。 今回の改正法案には、児童福祉法、児童虐待防止法、母子保健法、母子父子寡婦福祉法の改正も含まれていると思っております。現行の法律では、児童虐待に対する歯科医師の役割について児童虐待防止法において規定されているという認識を持っておりますが、改めて、どの法律で歯科医師の役割が規定されているか、これをちょっとお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(香取照幸君) 御答弁申し上げます。 今回御提案申し上げております改正案で改正する法律のうち、現行法上、歯科医師の役割が規定されている法律は児童虐待防止法及び母子保健法でございます。児童虐待防止法におきましては、児童虐待防止法第五条で、今先生御指摘がありましたように、児童虐待の早期発見という条項の中に出てまいります。いま一つは母子保健法第十条、こちらは保健指導に関する規定のところで出てまいります。 今回御提案しております改正案の中では、新たに児童福祉法及び虐待防止法にそれぞれ規定を設けるということでございます。
○石井みどり君 今、現行の児童虐待防止法の規定というところでの御説明がございましたが、その法的身分ですね、改めて条文の法的解釈もお聞きしたいと思っております。そして、法的解釈のみならず、現場でどのように歯科医師を含めた専門職が対応しているのか、そしてそれを国としてどのように評価されているのか、それもお聞かせいただければと思っています。 今回の改正法案の中でも、条文の中に歯科医師という文言が出てこなくても、私は、例えば二十一条十の五のところの情報提供のところでありますが、病院、診療所とあります。通常こういうときは歯科の診療所も法的には含むんだというふうに私は認識をしておりますが、その辺りのところもお聞かせいただければと思います。 そして、国として今後更にどのような歯科医師への協力を求められるのか、大臣のお考えをお聞かせいただくとともに、今回の改正法あるいは現行法の法的担保のところをお教えいただけますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) ありがとうございます。 児童虐待を受けている子供さんたちは、大体不規則な生活習慣などから、今お話がありました齲蝕、虫歯が多いというような傾向にあるわけでございまして、このため、児童虐待の兆しとか疑いを早期に発見をして適切な保護や指導につなげるという観点から、歯科医師の協力は不可欠だというふうに考えておりまして、現場の歯科医師の先生方の協力が児童虐待の早期発見やあるいは発生予防などに大きく寄与しているものだというふうに考えております。 現行の児童虐待の防止等に関する法律第五条、先ほど局長から申し上げましたけれども、この第五条におきまして、医師、保健師等のほか、その他児童の福祉に職務上関係のある者は児童虐待の早期発見に努めるものとされております。この歯科医師等の例示されていない専門職はその他児童の福祉に職務上関係のある者に含まれるものだというふうに解釈をしておりまして、明示的には規定していないものの、その重要性には何ら変わりはないというふうに思っております。
○石井みどり君 ありがとうございました。私もそのような認識でございます。 先ほど健診のお話をいたしました。学校健診というのは非常に重要な役割を持っておりますが、学校歯科の現場でも児童虐待防止の役割が大きいと思っておりますが、学校歯科医の協力についてどのような協力を想定をしておられるのか、お聞かせいただけますでしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) 御答弁申し上げます。 学校歯科医でございますが、学校歯科医につきましては、健康相談、保健指導、そして健康診断のうちの歯の検査、それから疾病の予防に関する処置のうち齲歯その他歯疾の予防処置などに従事するということになっております。 児童虐待の兆し、疑いを早期に発見するという観点からしますと、先ほど大臣から申し上げましたとおり、歯科の状態というのは虐待の端緒の一つの大きなポイントになりますので、学校歯科医の御協力というのはこの分野では非常に重要だというふうに考えております。 学校における児童虐待の早期発見あるいは早期対応につきましては、文部科学省さんにおきまして、学校歯科医それから養護教諭を始めとしまして教職員との連携強化というものを図るということで対応していただけるというふうに承知しておりますし、私ども厚生労働省におきましても、要保護児童対策地域協議会、要対協でございますが、要対協の構成員に学校側のメンバーに参加をいただく、あるいは要対協を活用して地域の学校全体の意識の浸透というものに取り組んでまいりたいということを考えておりまして、そういった全体の中で、やはり歯科医師、特に学校歯科医の役割というのは非常に大きいものであると私ども認識しております。
○石井みどり君 本改正法案では、児童相談所設置自治体を拡大し、特別区も児相を設置できるようにした上で、法施行後五年を目途として中核市及び特別区が児相を設置できるよう支援等の必要な措置を講ずることとしております。 児相は、昨年四月時点で全国に二百八か所ありますし、東京二十三区内では七か所ございます。中核市は、現行法上も児相を設置することができるとしておりますが、四十七の中核市のうち実際に児相を設置しているのは横須賀市と金沢市にとどまっております。 また、この改正法案では、市町村に対して、今御説明がありました要保護児童対策地域協議会、要対協の調整機関への専門職の配置、そして児相に対して、児童心理司、医師又は保健師の配置、弁護士の配置又はこれに準ずる措置を図ることを求めております。 そこで、児相設置自治体の拡大、あるいは要対協の調整機関やあるいは児相への専門職の配置について、国と地方の費用負担割合はどのようになっておりますでしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) 答弁申し上げます。 まず、児童相談所でございますが、児童相談所は、現行、その設置と人件費を含む運営に関する経費、これは地方交付税措置ということになってございまして、これは地方交付税で措置されております。 その上で、一時保護所、保護が必要なお子さんの安全等を適切に確保するということで児童相談所では一時保護を行うわけですが、その一時保護の場所として児童相談所が付設されますが、一時保護所につきましては、その設置、運営に関しまして、私どもで運営費及び施設整備費の助成を行っております。 具体的には、平成二十七年度の補正予算におきまして、一時保護所の居室の小規模化でありますとか年齢とか入所事由に応じた処遇の確保を図るということで、国の補助、二分の一というのが一般ルールでございますが、特例的にこれを三分の二に引き上げまして、こういった個別の処遇を確保するための整備の促進を図っております。 それから、児相における高度で専門的な判断が必要になるケースというのは最近増えておりますので、そのための体制の確保あるいは児童の安全確認の体制の確保ということで、一部の専門職につきましては補助事業を行っております。例えば、今お話のありました弁護士でございますが、弁護士については、現在では非常勤職員での配置ということになってございますが、これにつきましては、国が二分の一、都道府県二分の一という形で補助を行っております。 それから、市町村の要保護児童対策協議会、要対協でございますが、この調整機関につきましても人件費は地方交付税措置ということになってございますが、要対協の調整機関の専門性の向上ということで専門職の確保ということをお願いしておりますが、これに係る研修の経費につきましては、国、都道府県、それぞれ三分の一、当該市町村が三分の一という形で費用負担をしておるという形になってございます。
○石井みどり君 ありがとうございます。 現場における児童相談所、児相との連携の事例で大変希望が持てるといいますか、そういう取組がございます。高松高検の検事長の酒井邦彦さんという方が司法の福祉化ということをおっしゃっておられて、高松高検、これ地検も含みますが、児相、学校、病院などと連携をして児童虐待防止に取り組んでおられます。高松の高検の範囲内ではありますが、こういう取組があるということが本当に一つの光明ではないかというふうに思っております。 非常に連携という言葉はよく出てまいりますが、提言を取りまとめられて、昨年、そしてそれを現実化するということを今していると。かつては高検は、児相とかそういう機関は事情聴取の対象でしかなかったが、今は対等のパートナーとしてカンファレンスをしたりいろんな取組をされているんです。高松高検だけかも分かりませんが、しかしこういうことが行われているということ自体が、もうやはり地域社会で取り組むとかそういうことに対して大きな追い風といいますか応援になるんだろうと思っております。本当に深刻なケースがたくさんございますが、やはり司法の場もこういうふうに参加をするということが最近は起こっているんだというふうに思っています。 そこで、改正法案の附則第二条二項には裁判所の関わり方について今後検討する規定がございますが、この高松高検の酒井検事長は、児相がハブ的な役割を果たしつつ、司法も含めた様々な関係機関の連携を機能させていくんだ、そして検察はそのネットワークを強化するというための触媒になればいいということまでおっしゃっておられます。 では、この関係機関の連携を本当に実行させる、機能させるためにはどのような方策をお考えでしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) 今お話のありました高松高検の取組でございますが、二十七年四月に児童虐待防止と検察の在り方という御提言をされておられます。その中で、児童虐待の問題は社会を挙げて取り組む問題であるということを御指摘した上で、検察として、被害児童の負担軽減に努める、あるいは司法面接等によって供述の信用性をきちんと確保していく、あるいは刑事処分の前に被疑者の再犯リスクを的確に評価するということのためにも児童相談所など関係機関のカンファレンスを実施するといったような御提言をされておられます。 今お話ありましたように、今回、改正法案附則二条の二では、司法との連携を強化し、要保護児童をより適切に保護するために、一時保護等の手続に関する裁判所の関与の在り方について検討するという規定がございます。 高松高検の例でございますが、高検自身が中にそういった児童虐待防止のプロジェクトチームを設ける、検察として、言わばそういった児童虐待問題の特性を踏まえて検察の捜査や処分等に当たる、あるいは自ら要保護児童対策協議会に参加をされるということで非常に積極的に関わってくださっているということで、これは今後の司法等との連携を考える上では大変参考になるものだというふうに思っております。 関係機関との連携につきましては、これ以外にも学校でありますとか医療機関、その他様々な機関との連携の形というのも私ども考えていかなければならないわけでございますが、やはりこういった司法との関わりをきちんと担保するということは非常に重要でございますので、この点は一つ今後の関係機関との連携の柱として重要なものとして位置付けまして、ほかの自治体においても様々な形で、司法、警察当局あるいは検察との連携というものを強化するという取組を進めてまいりたいと思っております。
○石井みどり君 本改正法案では、特に児童虐待が発生した際の迅速的確な対応を可能とするために児相の権限の強化を図ることとなっております。 児童を保護する過程では、親の親権と児相の権限が衝突する事案が数多くあると承知をしております。この改正法案によって児相の権限を強化する趣旨をお聞かせいただくとともに、あわせて、親の親権と児相の権限が衝突する場面においては、私は、子供の安全の確保と安定した健全な育成が最優先であるというふうに思っておりますので、その上での調整が行われるべきだと考えております。この両者の調整をどのようにされるのか、御説明をお願いいたします。
○政府参考人(香取照幸君) 今回の改正法案におきましては、児童虐待の発生時の迅速的確な対応ということ、中でも子供の安全を最優先に確保するということを最優先に考えるということで、臨検、捜索手続の簡素化、それから虐待を受けたお子さんに関する情報提供の主体の拡大等々、児童相談所の権限の強化ということを図ってございます。 今、私ども、児童虐待の手引というものを作って市町村や児相にお配りしているわけですけれども、その中でも実は一時保護という権限は児相長のみに与えられている非常に強い権限なので、子供を守るという観点からは、親御さんとの衝突はあるけれども果断にこれを行使するようにということを手引の中で申し上げているわけですけれども、やはり現場では今先生御指摘のように親権との関係で様々な衝突が起こるということは現実にございます。 今回は、今申し上げた中で、臨検、捜索というのがございますが、これは今児童虐待防止法に規定がございますが、児童虐待の疑いがある場合には強制的に解錠する、鍵を開けて部屋の中に立ち入って子供を連れ出すといったような実力行使を可能にするという規定でございます。この規定は大変強い規定でございますけれども、今回の法案では、一応親権あるいは住居不可侵といった基本的人権に関わる部分もございますので、引き続き裁判所の許可を得てこれを行使するということは要件にしておりますけれども、緊急時の場合には、保護者の強い拒否、抵抗があった場合でも迅速にお子さんを確保することができるように手続の一部簡素化をするということで、再出頭要求についてはこれを省略し、直ちにこの権限が行使できるようにという形で改正をお願いしているところでございます。 また、今回の法律の中では、親の意に反して施設入所措置をとる場合、あるいは親権停止あるいは親権喪失の審判の申立て、それから法的な観点からの保護者の指導等、法的な面で児童相談所が保護者と対峙する場面において児相の側で必要な措置を円滑に行うことができるように司法の言わば、何といいますか、体制を強化するということで、弁護士の配置あるいはこれに準ずる措置というものを行うということで、そういった司法面での体制の強化も図るということを考えてございます。 基本的には、親権との関係には一定の配慮が必要であるわけでございますが、やはり子供の安全の確保という観点から、これを最優先に児相が対応できるような体制を用意して、また、そういった先ほど申し上げましたような手引の考え方も含め、児相には考え方を徹底してまいりたいと思っております。
○石井みどり君 幾つか質問を用意したんですが、非常にもう時間がなくなってまいりましたので、どうしても聞いておきたいことだけちょっと伺いたいと思って、少し飛ばさせていただきます。 被虐待児童のケアでございますが、虐待を受けて育った子供は本当に深刻な心の傷を負ってしまう、非常に長期間にわたるフォローアップ、ケアが必要だというふうに思っています。乳児のときから受けた子供は、いわゆるアタッチメントロス、愛着形成ができないということから自己肯定感が持てない、非常に自己に対する不全感が強いという、そのために思春期あるいは成長後も様々な精神的な障害を負ったり疾患にかかるという現実がございます。例えば、アルコール依存になりやすいとか薬物依存になる。あるいは、虐待を受けた子供はDVの被害者にもなりやすい。それは、DVの加害者との共依存という関係をつくってしまうというような非常に精神医学的には深刻な問題を抱える子供が多いというふうに認識をしています。 こういう虐待を受けて育った方々、これ児童も含めてですが、こういう方々のケアあるいはそういう状況から救い出すというためには、本当の専門家の関与、乳幼児精神医学あるいは小児精神医学という、こういう本当の専門家の関わり、ケアが必要、特に早期からのケアが重要だと思っていますが、残念ながら日本にはこういう専門家が絶滅種じゃないかというぐらい少ない、失礼な言い方ですが。これも失礼な言い方ですが、アメリカは虐待の先進国で、こういう専門家がたくさんいらっしゃる。日本の数少ない専門家もアメリカで研修を受けてこられた方がほとんどです。そういう意味では、まさに全て全国にというわけにはいかないと思いますが、やはり専門家、人材育成ということは時間も掛かるし大変重要なことだというふうに思っております。 日本において、乳幼児の精神医学を専門とする医師はどの程度いらっしゃるんでしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) 御指摘のように、乳幼児の精神医学を専門とするお医者さんの数は極めて少のうございまして、日本児童青年精神医学会の認定医が二百六十九名、それから日本小児精神神経学会の認定医が二百九十三名ということで、三桁のオーダーでございます。
○石井みどり君 今、本当に絶滅危惧種ぐらいの数字をお聞かせいただいたんですが、この乳幼児精神医学に非常に精通した専門家こそが、やはりいろんな心理司の方とか専門家とチームでケアに当たるということが重要であろうと思いますが、そのために、厚生労働省はこの部門をどういうふうに捉えられて、そして今後何をしていこう、どういうふうに取り組んでいこうとお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(香取照幸君) 御指摘のとおり、虐待を受けたお子さんに関しては心の問題を抱えておられます。できるだけ早い段階で専門の医師等によるケアが行われるということが重要であると認識しておりますが、今お話ありましたように、専門の医師の数は極めて少のうございますので、なかなかこの体制をつくることは現状では困難であるということを思っております。 今般の改正では、児童相談所に児童心理司の配置あるいは医師の配置というものを専門職の配置として法律に書きまして、配置をするということで相談体制の強化を図っております。 また、平成二十年度から子どもの心の診療ネットワーク事業というものを用意いたしまして、各都道府県に拠点病院というのを置いていただいて、そこの病院が地域の医療機関や保健所、児童相談所の支援をする、いろんな研修を通じて職員の資質向上を図るといった形で地域の子供の心の問題に対するケアの体制というのを進めてございます。 これまだ全県に設置されておりませんので、この心の診療ネットワーク事業を全県展開するということをまず第一にやっていかなければならないと考えておりますが、こういった取組を通じて、お子さんの心のケアについて体制整備を進めてまいりたいと思っております。
○石井みどり君 もう本当に時間がなくなりましたので、最後の質問になろうかと思いますが。 実は、自立援助ホーム、これもまだ東京にしかなくて、そして国からの何の支援もない、そのときは東京都から少し最初に支援があったというふうに、そういう施設の賛助会員みたいなのがあって、私は一九八〇年代から、貧者の一灯ではありますが賛助会員としてその援助をしてまいりました。残念ながら、国会議員になってから寄附ができないので、それをちょっと中断をしておりますが。 この自立援助ホームでありますが、残念ながら四十七都道府県に全て設置されておりません。まだ七県がゼロという状況であります。この自立援助ホームが非常に重要だということは皆様そのように認識されていると思いますが、今回の改正法案では、現行では二十歳までしか支援が継続されなかったのが二十二歳の年度末まで継続されることになりました。ただ、一割以下だという大学への進学者の方でも、中には、やはり病気やあるいは不慮の事故とかということで休学をしたり、そんなに四年間で大学から出れないという事態は想定されるわけであります。 今回の改正法案は一歩というよりも半歩だろうと思うんですが、しかし二十二歳になったときに、大学も卒業していない、就職もしていない、自分で自立する糧を得ていなくともホームを退所せざるを得ないんでしょうか。何とか大学を卒業して就職して自分の力で自立できる、所得を得るというまでに継続した支援ができないものでしょうか。そこをちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○政府参考人(香取照幸君) お話ありましたように、今回の制度改正で、自立援助ホームにつきましては二十二歳の年度末、基本的には大学卒業までいられるというようにするという改正をいたします。それから、同様に児童養護施設等についても二十二歳の年度末まで支援ができるようにということで考えてございます。 法律上規定する年齢の上限ということでいいますと、留年とか浪人とか個別のケースが出てきますので、法律上線を引くというのでいいますと、やはり一つの考え方で整理をせざるを得ないと思っておりますけれども、御案内のように、個別のケースで、病気をする場合もありますし休学する場合もあるということで、二十二歳の年度末を超えて在籍する方はいらっしゃると思うんですけど、この点につきましては、運用面等を含めてできるだけそういった方々についても対応できるように、法律が成立した後の実際の運用の中でちょっと検討してまいりたいと思っております。
○石井みどり君 是非、せめて運用のところで本当にきちんとした支援ができるようにお願いをして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○西村まさみ君 民進党・新緑風会の西村まさみでございます。午前中の参考人質疑に続きまして質疑をさせていただきます。 私は、この六年間、子供の虐待問題に取り組んできた一人として、今回の改正案で理念を明確化して、全ての子供が健全に育成されるよう、虐待の発生予防から自立まで一連の対策を強化すること等々、明確化されたことは率直に評価をし、感謝を申し上げたいと思います。しかし、午前中の参考人質疑の中での御意見を踏まえて、若干不安な点や問題点、そして何よりも申し上げたい点、強くあるということで質疑に入らせていただきたいというふうに思いますが、限られた時間の中で多くのことを質問したいと思います。繰り返しになります御答弁はどうか簡潔にお願いをしたいと思います。 まず、児童虐待に対してどのように把握をするか、これが一番大切だと思っています。早期にその兆候をつかんで把握してそれを社会全体に周知すること、もちろん関係者は当たり前ですが、御近所の皆さんとか地域社会で生きている皆さんにもこのことを周知するためには、今どのような状況で、虐待ではないかという兆候、端緒を把握しているのかしていないのか、厚生労働省にお尋ねします。
○政府参考人(香取照幸君) 児童虐待に関しましては、福祉行政報告例というのが私どもございますが、この中で児相の相談対応件数を把握しております。 これによりますと、警察等、それから近隣知人、家族というところから寄せられた経路件数が一番多いわけでございますが、経路別の人数を把握しております。それからもう一つは内容別、これは心理的虐待、身体的虐待、ネグレクトといったようなデータを押さえております。この中では通告としては実は警察が一番多くて、全体の四割弱を占めてございます。その次が近隣知人、そして家族ということになります。 具体的にどのような事実を基に相談に至ったかということを見ますと、こちらについては統計は取っておりませんが、一つは、一般的なレベルを超えるような大きな子供の泣き声ですとか大人のどなり声、あるいは争いの声といったようなもの、それから不自然なあざなどの身体的な外傷、それから子供が特定の場所、例えば家の外で、玄関で家に入れないで放置されているといったようなものを見て通告に至るというケースが多いと伺っております。 それぞれ、例えば子供の泣き声等々であれば恐らく近隣知人が通告する、あるいは警察経由で来るということでしょうし、不自然なあざ、あるいは身体的外傷というものは学校の健康診断や学校施設等での発見ということになろうかと思いますが、いずれにしても、こういったデータを的確に把握いたしまして迅速な対応につなげてまいりたいと思っております。
○西村まさみ君 局長、大変これ大切なことだと思います。もちろん、同じ共有した認識の下で今御答弁いただいたんだと思うんですが、身近、身近と言ったらあれですが、近くでそういうこと、子供を見たことがある人というものは、割と兆候といったら早い段階でまた次、隔離することができるとしても、御近所の方とか御親戚の皆さんというのはもしかしたらとは思っていても確実じゃないとなかなかこれを通報することができない、こういったことで大変残念なニュースが多々昨今あるわけです。 例えば相談件数、二十六年で八万八千九百三十一件といっても、これはあくまでも氷山の一角であり実際はまだまだあるだろうということは誰でも分かること、だから、これを何とか解決するためには子供の周りにいる大人からいち早い情報をキャッチして早くに見付けることが大事ということは毎回毎回申し上げてきていますし、今の御答弁でも大変有り難いと思います。 しかし、統計を取っていないと今も局長おっしゃっていましたが、やはり統計を取って、こういう状況、こういう地域ではこういうことが必要なんですということを広く周知させなければ、一部の、例えば虐待に関して職種的に発見ができやすいとか見付けることができるとか、一度過去にあるとかいう方ならまだしも、普通の生活をしている方々には周知ができないということで、是非ともこの統計を取ることもお願いしたいと思うんですけど、局長、どうでしょう。
○政府参考人(香取照幸君) 申し上げたように、通報の経路と具体的な虐待の中身については取っているわけでございますが、端緒ということでいいますと、これはなかなか類型化することがちょっと難しいところがございます。 それと、そのこととは別に、私ども、先ほど申し上げました手引でありますとか市町村に対するパンフレットなどの中で、例えばこういうことがあったら気を付けてくださいといったような、今申し上げたような、例えば、ふだんないような声がありますですとか子供が例えば毎日同じ服を着ているとか、あるいは先ほどお話にありましたように、何か非常に虫歯があったり風呂に入っていないような状況があったりとか、そういう端緒を見付けられるような幾つかの例示のものというのはお示しをした上で、一応、虐待防止法上、全ての国民には通報義務があるということになってございますので、そういったものはできるだけ広報してやっていただけるようにしているということにしております。 少し、何といいますか、虐待の類型分けでの統計は取っていますが、今おっしゃいましたような形で統計を取るということになりますと、どういう類型の立て方をするかというのもちょっと考えないといけませんので、先生の御主張はそのとおりだと思っておりますので、できるだけきちんと把握できるようなもうちょっと工夫はしてみたいと思います。
○西村まさみ君 これは衆議院の厚生労働委員会でも岡本委員から端緒についてということで、しっかり厚生労働省と文科省とともにやるべきだというような質疑があったかと思います。私もそのとおりで、端緒、いわゆる物事の始まりとかいうところが一番大事であって、その前段階で見付けることができればそれが一番いいはずですし、何よりも始まりのハぐらいのところで子供たちの心や体を傷つけることがないようにするということは非常に重要だと思いますから、先ほどの統計を取っていない状況とか、先ほどの御答弁ではまだまだ不十分だと思いますが、今、少し考えてみたいとおっしゃっていただくことに是非ともお願いを申し上げたいと思います。本当に大事なことだと思います。 文科省にお尋ねしたいと思います。学校生活において、教職員また学校関係者が職務上児童の虐待を発見しやすい立場にあると私は考える一つの職種だと思いますが、現状、今学校の中ではどういう取組をされているのか、教えてください。
○政府参考人(藤原章夫君) お答えいたします。 学校の教職員は、児童虐待の防止等に関する法律第五条におきまして、「児童虐待を発見しやすい立場にあることを自覚し、児童虐待の早期発見に努めなければならない。」と規定をされているわけでございます。 こうした中で、様々な教職員が連携を取りながら対応に当たっているわけでございますけれども、とりわけ、心身の多様な健康問題で保健室を訪れる子供の対応に当たっている養護教諭というのがございます。この養護教諭につきましては、身体的な虐待や心理的な虐待を発見しやすい立場にありますことから、児童虐待の早期発見、早期対応にその役割が期待をされているところでございます。 このため、文部科学省では、養護教諭のための児童虐待対応マニュアルを作成をいたしまして、その中で、不自然な外傷などによって児童虐待が疑われる子供を発見したとき、学校医や学校歯科医などと連携して対応していくべきといったような記述もしておるところでございますけれども、そうしたものも含め、学校における組織的対応を指導しているところでございます。
○西村まさみ君 ありがとうございます。 今文科省お答えいただいたように、学校医、学校歯科医という言葉も出していただきまして、私も、前の委員会でも申し上げましたが、私はつい先月も学校歯科医として自分の受持ちの学校健診、小学校の健診に行ってきました。私は低学年の担当だったんですが、先ほど石井先生の質問の中にもあったように、今、本当に極端に虫歯が多い子というのはまず虐待を疑うという目で見なければいけない時代に入っています。 本当に虫歯がない、若しくは矯正装置を入れて逆に歯並びをきれいにしようという子はいても、本当に歯が、一年生ということは六歳、大体六歳か七歳だとすると、六歳で、六歳で生えてくるべき六歳臼歯という一番奥の歯がもう完全に崩壊しているとか、かめる歯が既にないとか、こういうのを見たときに、就学、いわゆる学校へ入る前の歯科健診と要はカルテとを見比べてみると、半年ぐらいあったとしても全く治療していないということは、これはやはり育児放棄につながるんじゃないかということを常に見ながら学校健診をしています。 ですから、養護の先生そして担任の先生と連携を組んで私も児童相談所に御相談申し上げたこともありますし、その子の命を救ったとまでは言いませんが正しい環境の中に導くということのお手伝いをした経緯がある。だからこそ、学校の先生、養護教員と学校医、学校歯科医の連携は必要であり、情報を共有していくべきだと思うんですけれども、今現在は小、中というところで止まってその上、若しくは小学校に上がる子供たちの、なかなかお互いが共有できないような状況ですから、これは各省、先ほど参考人のときにも言ったんですが、子供に関わるところは是非とも一つの省庁できちっと把握をするような仕組みづくりも必要なんじゃないかと思っています。 一つお尋ねしたいのは、先ほど養護教諭の教職課程の中では児童虐待に関するいわゆるマニュアル等を作成して教育しているというお答えがございましたが、一般教諭、いわゆる学校の先生方については教職課程で児童虐待を学ぶ機会はあるんでしょうか。
○政府参考人(藤原章夫君) お答えいたします。 大学の教職課程は、学生に対して教員としての最低限必要な知識及び技能を身に付けさせることを目的としており、限られた単位数の中で各教科の専門的知識や指導方法、生徒指導や進路指導の方法など一定の学習内容のまとまりを持った事項を学ぶことが法定をされているところでございます。 その中で、個別の課題についてどのように学ばせるかということにつきましては、各大学が自主的、自律的な判断の下、定めていく仕組みとなっておるわけでございますが、例えば北海道教育大学におきましては生徒指導・進路指導の理論と方法という授業科目がございます。この中で、生徒指導の進め方として虐待について取り扱ってございます。また、上越教育大学の例で申し上げますと、子どもの教育・保育概論の授業科目の中で、幼児教育をめぐる問題として児童虐待について取り上げているといった例があるところでございます。 文部科学省といたしましては、こうした児童虐待についての大学における取組が進むように、今後更に先行事例や指導上の留意点など必要な情報提供を行ってまいりたいと考えております。
○西村まさみ君 ありがとうございました。 先ほど厚生労働省にもお願いをしました、いわゆる物事の始まり、端緒を知るということは非常に重要であって、学校の先生方も一番身近に子供たちを見るわけですね、学童を。そのときに、例えば度々遅刻をしてくるとか、やっぱり先ほどの服装の話ですとか例えば栄養状況の問題、これは、学校歯科医、学校医又は学校薬剤師という者は年に数回しか子供と会う機会はありませんが、学校の先生は毎日接しているわけなので、そういったところが非常に日々敏感に感じられる。 そのためには、こういう兆候があったらこういうことを疑うということを知るためにも、学校の中でも、また文科省としてもこの端緒というものをしっかりと調べていく、そしてそれを教職員の先生方に共有して、一日も早く、何事もないうちに発見、そして子供たちの育成の環境方向を導くということが非常に重要と思いますが、文科省はそう思いませんか。
○大臣政務官(堂故茂君) 御指摘のように、学校における児童虐待の早期発見というのは非常に大事だと思います。児童生徒の身体、行動、家庭環境の変化について、児童虐待を疑うポイントを示した教職員用の研修教材を作成させていただいておりまして、各学校に周知させていただいているところです。 また、先ほどから議論なさっておられますように、学校保健安全法に基づいて行われる就学時の健康診断においては内科健診や歯科健診を始めとする各種の健診や検査が行われているほか、就学後に毎年行われている健康診断においても各種検査が行われています。虐待を発見しやすい機会でもあると思います。学校医、学校歯科医の役割は大変重要だと認識しています。 文部科学省では、各学校等に配付した手引において、歯科健診時における口腔内の不衛生や歯の破損、放置の発見、内科健診時の不自然なあざや発育不良の発見など児童虐待を疑うきっかけを見逃さず、管理職を始め養護教諭、学校医、学校歯科医等を含めた校内連携を図り、児童虐待の早期発見や早期対応がより効果的に行われるよう、各省庁の連携、それから都道府県教育委員会などとも連携しながらしっかりと対応してまいりたいと思います。
○西村まさみ君 政務官、ありがとうございました。 私、衆議院の厚生労働委員会の質疑全て読ませていただきまして、政務官は非常に、様々子供たちの教育に関すること、そして虐待を何とか早期に発見することという御発言を頂戴していること、心から感謝をいたしますと同時に、是非とも、文科省と厚生労働省と、省庁は離れていても、違っていても、同じ認識、それを共有して子供たちの、児童の虐待防止に大きくつながるような施策をつくっていただくことをお願いを申し上げたいと思います。 次に、先ほど石井先生、最後に質問されていました自立支援ホームについてお尋ねしたいと思います。 今回の改正で、二十二歳の年度末まで、大学等の就学中の場合の拡大についてということで、半歩前進だなと私は思ったところ、先ほど石井先生の質問に対して局長が、個別で運用で少し柔軟にできるのかなというような大変有り難い御答弁があったと思うので、改めて確認をしますが、二十二歳の年度末、必ずしも大学はストレートで入るわけではないですし、仕事もしながらとかアルバイトもしながら、社会常識を身に付けながら学べば四年間で卒業できるとは限らない。また、例えば専門大学、医学部とか歯学部とか薬学部とかそういった六年間の大学、望んで行った場合は少なくとも二十二歳で大学をストレートで行ったとしても卒業するわけではない。 そういう子供たち、学生にも、先ほどのお話だと、その個々の状況を踏まえて運用面で対応していただけるというお答えだったのでよかったのか、確認させてください。
○政府参考人(香取照幸君) 先ほどもちょっと御答弁申し上げましたが、考え方としては、基本的には学業の継続に悪影響がないような形で御支援を申し上げる形を考えようということで、今回、二十歳から二十二歳の年度末まで、四年制大学の卒業する時点までの援助ということで考えました。これは、先ほども御答弁申し上げましたが、自立支援ホームだけではなくて養護施設等に入っておられるお子さんについても同様の問題がありますので、自立に向けた支援ということで二十二歳の年度末までと考えております。法律上対象年齢を規定するということになりますと、浪人した人もいれば留年した人もいるので個別に対応するという規定の仕方はちょっとなかなかできませんので、考え方として四年制大学の卒業の標準的な年次ということでやるということでやらせていただいております。 その上で、お話しのような浪人とか留年とか様々な事情で休学したような方についてはちょっと運用の中で対応するということで考えておりますが、ここは当然、それは、何といいますか、予算措置等々を行うということになりますので財政当局とも調整しないといけませんので、やりますというお約束を今ちょっとするわけにはいきませんが、私どもとしては御指摘のような場合は十分認識した上で前向きで検討してまいりたいというふうに思っております。
○西村まさみ君 専門的な大学も含めて前向きに検討してくださるということでいいですね。
○政府参考人(香取照幸君) 大学院までということになりますと、基本的には今四年制大学ということで二十二ということになっておりますので、その上の大学院等々ということになりますと、これはまたちょっと少し議論をしないといけませんので、留年なんかの場合とはちょっとまた別に議論をしないといけませんので、御指摘があったことを踏まえてちょっと検討させていただきたいと思います。
○西村まさみ君 医学部、歯学部はどうでしょう。
○政府参考人(香取照幸君) それも含めて検討させていただきます。
○西村まさみ君 家庭環境に大変残念ながら恵まれなかった子供たちでも、自分は医師になりたいとか薬剤師になりたいという子がいるはずです。その子たちが、支援がないから道志すことができないなんていうことはないようにしなければいけないと思っていますので、是非前向きに、半歩前進と思ったところから一歩前進と思いましたので、是非厚生労働省の中でしっかりと検討していただきたい、前向きにと思います。 その一方で、私は前の一般質疑のときに申し上げたんですが、就労していても、確かに就労すれば一定の収入を得ることができるから自立支援ホームというわけではないというのはよく分かるんです。ただ、児童養護施設を退所した子供の大体四〇%ぐらいが一年以内に離職してしまう。また、三年を超えると七〇%が離職してしまっている現実。そして、もう一度施設を頼って相談に来ればいいですが、そこから先どこへ行ったか分からなくなってしまうというようなことがないようにするためにも、就労していても一定期間はきちっと支援をする必要があると思うんですが、局長、どうでしょう。
○政府参考人(香取照幸君) その点に関しましては、どういいますか、お子さんたちもいずれは自立をしていくということになりますので、どこまで支援をするかというのは、これはいろいろ考え方があろうかと思います。ほかの審議の場でも大臣からも御答弁申し上げましたが、イギリス等では二十五歳ぐらいまでは面倒を見るというような考えに立っているので、それは議論であろうかと思いますが、私ども、今の体制では、養護施設を出る段階で、先ほど二十二までという話がありましたが、いずれにしても、出る段階で円滑に社会生活を送ることができるような、言わば自立のための支援というものを行うということを考えてございます。 リービングケアと現場では言っていると伺っておりますが、例えば退所前のお子さんについて、これから地域へ出ていく、そのために必要な例えば社会常識ですとか金銭管理ですとかあるいは社会的な技能、いろんな社会的な関わりについての支援を行うということも行っておりますし、あと、退所後についても、就労とか生活について問題があればそれに相談に応じる、あるいは施設の側からそういった退所された子供に対してアプローチをする、あるいは退所したお子さん同士、退所者同士でいろいろな意見交換をする場をつくるといったような、そういった言わば退所後のアフターケアを行う事業ということで、退所後児童等アフターケア事業というのを行っております。これについては二十八年度予算で事業の拡充を図っておりますし、今後もこの点については支援をしてまいりたいと思います。 それから、今、先ほどお話ありましたような自立支援ホームの設置というのも進めておりますし、退所後の自立ということに向けた支援というものは、何といいますか、入口から出口、さらにはその先も含めて、自立に向けた支援を総合的に行っていくという考え方で対応してまいりたいと思っております。
○西村まさみ君 今の取組、大変興味深いんですが、先ほどの参考人質疑の中で全国里親会の副会長おっしゃっていたんです。結局、自立をするための支援というものが足りないんですね、今の状況では。だから、これから広げてくださるということですが、小さいときから生活習慣として身に付けていないと、退所前にいきなり言われたとしてもなかなか、それがうまく自分の中で身に付いていかなければこれは元のもくあみになるでしょうし、何よりも、一旦、初めて施設から出る子たち、またそれに近い子供たちに対して、待っているだけではなく積極的にこちらから、どうですか、仕事でつらいことはないですかというような案内を出すということも必要だと思うんです。 子供と子供の連携をするといってもなかなかそこまで、どこまで介入していいかということはこれからの議論の余地は大変あると思いますが、待っているだけではなくて積極的に、退所していった、就労であっても例えば就学であっても、そういう十八、二十、二十二を超えた子供たちの、子供たちというか、そういう人たちのフォローというものを必ずしてほしいという思いでいます。 先ほどの里親会の副会長さんおっしゃっていたので非常に興味深いのは、例えば食事の時間とかお風呂の時間が決まっていないことに驚くとか、これは当然です、集団生活をしていれば、何時から何時がお風呂、朝御飯は何時、昼御飯は何時、夜御飯は何時という時間の中のサイクルで生きているのから、いきなり一人で何もかもしなきゃならなくなったとき、頭で分かっていてもなかなか行動で示すということは難しいと思いますから。 そこの支援を是非ともお願いを申し上げたいと思いますし、大臣は、ここのところ、衆議院の御答弁でもイギリスのことを例に出して、二十五歳までイギリスではしっかり支援するんだという御答弁を頂戴していますので、大臣からも、非常に、これから社会に巣立っていく中で、今までの学生だった頃、施設で生活していた頃から自立をして、これからしっかり家庭を持って社会に出ていくという子供たちに対するアフターケア、フォローというものは厚生労働省としては是非やっていただきたいんですが、大臣の意気込みをお聞かせください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回この改正をするに当たって、いろいろ議論して、それこそ二十二じゃなくて二十五でもいいんじゃないかという意見もございました。 それで、結論は、やはり個人個人いろいろニーズやあるいは置かれた状況とか心理的な状況とかは随分違うはずでございますので、まさにこれからこういった保護が必要な子供、そしてそれが育っていって自立ができるようになっていればいいわけですけれども、必ずしもそれがそうなっていないということを、先ほど児童精神医学の話が出ていましたけれども、まさに一人一人差がある中で自立ができるかどうかということを、やはり児童相談所なら児童相談所、あるいは児童養護施設なら児童養護施設の方々が専門性を今よりもはるかに高めて一人一人の評価をすると。 その中で、今お話しのように、就学だけではなくて就労をしている場合でもおおむね二十二まで置くべきじゃないかというお話があり、私もそのとおりだと思っておりますし、そういう運用をしていこうと考えておりますが、いずれにしても、それぞれ個人差がありますので、そこのところをしっかり評価をして、その人に一番いいことをやっぱり施していくということが大事で、残りたいから施設に残るみたいなことは許してはいけないだろうと思いますけれども、必要な場合には一定程度やっぱり我々は配慮しなければいけないと、こう思っております。
○西村まさみ君 是非スピード感を持って、子供若しくは二十歳を過ぎていても、個々のあれをちょっと調査しながらなんて言っているうちに二十一、二十二、二十三、二十四と年は取っていくわけですから、スピード感を持って、今の子供たち、そしてそのホーム、施設から退所していく子供たちのアフターケアについてもしっかりと考えていただきたいというお願いをしたいと思います。 それから、何度も申し上げてきました、より小さいときから、できれば赤ちゃんとしてこの世の中に誕生したときから家庭的な環境、本来は自分の親との家庭で育つことが重要だと思うんですが、今回、里親制度、そして特別養子縁組制度というものが随分変わると思います。要望にとどめますけれども、是非ともその周知の仕方、先ほど参考人も言っていました、里親というものが社会になかなか周知されていない、そして特別養子縁組制度というものもまだまだこれから、制度そのものを知らない人がいる、ここを、是非とも一日も早く制度を確実に周知するということ、これを心掛けていただきたいなということはお願いしたいと思います。 それでは、特定妊婦についてお尋ねします。 今日、資料でお渡ししました、支援を要する妊婦等に関する情報提供です。この資料を見ると、非常に違和感があります。どういう人が特定妊婦と言われるかというと、出産の後だけではなくて、出産前においても支援を行うことが特に必要、例えば若年者の妊娠であったり望まぬ妊娠、暴行とか虐待等で妊娠した妊婦、その妊婦である女性の支援というもの、これ非常に重要なことだと思いますし、前にもお話ししたと思いますが、人工妊娠中絶の件数というもの、二十六年度で見ると、十三歳若しくは十三歳未満、十四歳、十五歳だけでも一千名を超える子供たちが人工妊娠中絶をしているんです。 何としてもここの教育というものが大事であると同時に、この妊婦になった子供たちに対しての支援というものが非常に必要という中では、特定妊婦を位置付けていただいたことは大変有り難いんですが、このイメージ図を見ると、保健機関とか学校・教育委員会、保育所・幼稚園、医療機関の中の真ん中にいて、にこにこ笑いながら、どこでも相談ができるというふうに受け取りかねません。でも、これができないんですよ、特定妊婦というのは。だからこそ一人で悩み苦しんで、おなかがどんどん大きくなって、親にも相談できない、学校に相談したら退学になってしまうと。残念ながら、退学になるのも女生徒です、女子です。そして、心にも体にも傷が付くのはこれも女生徒です、女子です。 何とかこの子供たち、そしてここで悩んでいる子供たちにもっと広げるためには、私は何としても児童福祉法の三条の二に妊婦の支援というものを明確に明記していただきたかったんですけれども、どうでしょう。特定妊婦に対する支援、このイメージ図ということじゃない、厚生労働省はこんなふうに思っているわけじゃないということでよろしいですよね。こんなふうに守られていませんよ、実際。
○政府参考人(香取照幸君) たしか前回もこの資料については御指摘があったかと思いますが、確かにちょっと絵の出来が良くないのかもしれませんが、私どもが考えておりますのは、何といいますか、日本の母子保健法の体系ですと、妊娠された妊婦さんは母子手帳、母子健康手帳が出るわけですね。母子健康手帳が出れば母子保健のサービスのトラックにちゃんと乗りますので、十四回の妊婦健診、出産後も三か月、六か月、一歳六か月という形でフォローができる形になるわけですが、そこにある意味では乗ってこない、今お話がありましたように、望まない妊娠であったり、あるいは貧困等々の理由で社会の接点がない、あるいは非常に若年の妊娠である、あるいは望まない妊娠等々の方々がなかなかそのトラックに乗ってこないと。そこをどういう端緒でも見付けて、それをトラックに乗っけるかというのがいわゆる特定妊婦に対するアプローチということになります。 その意味では、社会のどこかでそういった方と接点を持っている可能性がある機関なり人で拾いましょう、見付けましょうということで、まず一つはもちろん地域ということもございますし、十代であれば学校ということもあるでしょうし、あるいは幼稚園とか保育園とか、二人目のお子さんとかいうことであればそういうこともあるでしょうし、何よりも医療機関に何らかの形で接触する可能性がありますので、そういうところで言わばそういった方々を把握をして、それを支援のトラックに乗っけていくということを考えていますというのを説明するのが実はこの絵でございまして。 その意味でいいますと、言わばどこかで御本人との接点を持つ、持った上でその方と様々な形でお話をさせていただいて最善の方法を考えましょうということで、これは、何といいますか、妊娠は十月十日、時間との勝負になりますので、早い段階で御相談をして、それこそ特別養子縁組という点も含めて御相談をするような体制をつくっていきましょうと。そのための一つの受皿として、今回、子育て世代包括支援センターというものを全国展開したいというのが私どもの今回の考え方でございます。 なので、恐らく私どもの考えていることと先生が今御指摘になったことは基本的に同じ方向を向いているものだというふうに理解しております。
○西村まさみ君 私は、それじゃ全然この人たちを助けてあげることにはつながらないと思います。 一つ提案です。 今、小学校で、例えば男の人と女の人の体の仕組みの違いとか、例えば赤ちゃんがどうして生まれるかということを習って、具体的には高校で、性教育等を含めて、例えば避妊にしても妊娠にしても学ぶそうなんです。例えば、もっと早い段階から、授業で言うというのはなかなか、これ理解したり、その日だけを過ごして終わってしまうので、分かりやすい冊子を作ってみたりとか、よく私立の学校なんかで配られている冊子でいいのがあるんですよ。是非とも国も、そういう漫画みたいなものでもいいので、ぱっと見られること、そしてそれが頭に入るようなこと。 自分には関係ないと思うことが多々世の中にはあります。でも、現実自分のことに置き換わったときに、そうだ、ああいうことがあったなということは、やはり幼いときからの教育の場でやっていくこと、そして、もちろん家族、私たち大人もそうですが、そういうことをして子供たちの命を守るということを私どもやっていきたいと思いますから、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 今の明記という点でちょっとお尋ねします。文科省にお尋ねします。先ほど、一般教諭、また養護教諭でお尋ねしましたけれども、高等教育の中でモデル・コア・カリキュラム等に対する児童虐待に関する項目を学ぶ学部はありますか。
○政府参考人(藤原章夫君) 今お尋ねにありましたのは、大学で児童虐待に関して学ぶ科目ということでございますでしょうか。(発言する者あり)学部でございますか。学部に関しましては、申し訳ございません、教職課程そのものは先ほどお答えしたような内容でございます。児童虐待に特化した学部があるかは、申し訳ございません、ちょっと私の担当ではございませんので、今手元にデータはございません。
○西村まさみ君 昨日レクを受けたときに教えていただきました。医学部、歯学部、学ばせていただいています。 例えば、先ほどから皆様の中のお話の中であるように、学校歯科医であることを度々私は申し上げてきました。今、文科省からは残念ながらお答えいただけませんでしたが、歯学教育コア・カリキュラム教育内容ガイドライン、平成二十二年改訂版で、小児の歯科医療の項目の中で、小児の虐待と兆候と対応について説明ができることとしての規定があって、歯科医師国家試験の出題基準の中にも、母子保健、母子歯科保健の項目に児童虐待があります。また、都道府県の歯科医師会、市町村、自治体含めて、それぞれ独自にマニュアルを作っています。資料にお渡ししました二と三です。歯科診療所ではこのようなフローチャートモデルを作ってくださいということもしています。自治体の虐待マニュアルというものは、非常にこれ細かく分かりやすく書いています。 そのような背景から、私たちの会議、いわゆる厚生労働の部門会議の中では、児童の虐待、早期発見に努めるものに歯科医師を是非とも明記すべきじゃないかという議論になりました。まさに、もしかしたら歯科医師が一番早い段階で、学校へ上がる前とか一歳半健診、三歳児歯科健診という中から見付けることができるのではないかということで、明記をすべしということで衆議院では修正案を出させていただきました、先ほどの妊婦の支援も必要ということも含めまして。残念ながら、これは衆議院では否決ということになりました。大変残念だと思っています。 ただ、私は、この中で、衆議院の厚生労働委員会の質疑の内容を聞いていて、大臣も局長も、そして全ての皆さんが、歯科医師が早くに見付けることができるということを訴えて御理解いただいていますし、明示的な規定はしていないが、その重要性に変わりはないとも御答弁いただいています。 それならば、なぜ今回、例えばこの法案を審議していく中で、若しくは議論していく中で、歯科医師を必要とするような意見が出なかったのかどうか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(香取照幸君) それは、政府内部での法案作成過程での議論の中でということでございますか。 私が記憶している限りでは、今回の条文にありますが、情報提供ということについても、あるいは発見の端緒ということについても、子供に関わる様々な職種、医療、福祉、ヘルスの職種の方々がそれぞれやはり自分の専門分野できちんとそういうものは発見していくべきだということで、幅広くそういうものをそういう方々について言わば問題意識を持ってやっていただきたいという御議論だったと思います。 なので、今回の条文の書き方も限定列挙ではありませんで、例示を出して、およそ福祉に関わる人あるいは子供に関わる人については情報提供をきちんとやってくださいとかあるいは虐待の端緒の発見に努力していただきたいとかいうような規定ぶりにしておりますので、その意味では、医師がどう、歯科医師がどうという個別の議論でということはそういう意味でいうとなかったと思いますが。 やはり医師は医師、歯科医師は歯科医師、それぞれの立場で子供に専門的に関わっているわけでございますので、それぞれ発見の端緒、いろんな面で、先ほどのお話のように、歯科であれば口腔衛生ということで診ることになりますし、学校は学校で、あるいは施設は施設で子供の言わば日常的な生活の状態を見て発見をするということになりますので、その意味では、個別にどこの職種がどうこうという議論はありませんでしたが、やはり専門職種の方には、言わばそういう能力に応じて、あるいは職責に応じて子供の虐待について関わっていただくということが重要だという御議論は繰り返しあったというふうに記憶しております。
○西村まさみ君 何をおっしゃりたいかちょっとよく分からないんですが、それではお尋ねします。 平成二十三年、障害者虐待防止法を当時の民主党政権下で制定しました。当時の民主党では、衆議院での、今いる初鹿委員、自民党からは今文科大臣になられています馳委員、公明党からは高木委員が与野党の協議の中で、歯科医師をしっかりと明記すること、これが大事だということ。これはその前に、平成十六年のときの参議院厚生労働委員会の朝日俊弘委員、それから島田智哉子委員、そして平成十九年二月十五日では足立信也委員が、それぞれこの委員会で児童虐待防止の早期発見に努めるものを、歯科医師についての質疑等をされています。それを受けて、二十三年の障害者虐待防止法、これは新しく作られた法律ですが、早期発見に努めるものを、歯科医師というものを特出しをさせていただいたという経緯があります。 大変残念です。児童虐待防止法、私は、自分が当選してからの六年間、当時の小宮山大臣を含めまして、数回、児童虐待防止法が改正するときには歯科医師を入れるべき、そのときのお答えは議員立法で議員立法でと言いました。大変残念です。確かに、通知で何とかすればいい、そう思っていらっしゃるかもしれませんし、それで法的には何ら、例えばやることについて私たちが、例えば歯科医師が、医師が法的に明確じゃないからやることやらなくてもいいとか、そんなことは思っていません。 ただ、しっかり法律で担保されることを明記することは、周知徹底については非常に大きく響くと思うんです。ですからこそ、私は今回、歯科医師というものを非常に入れていただきたいということを再三お願いをしてまいりました。 そこで、大変お願いをしたいという中で、ここでちょっとお尋ねしたいんですが、三ッ林政務官、三ッ林政務官は、私の母校であります日本歯科大学の歯学部で内科学を教えていらして、歯科大生に学びを教えてくださっている先輩の先生です。先生こそまさに児童虐待と口腔の関係についてはお詳しいでしょうから、歯科医師が是非とも重要な役割を担っているということをお話しいただけたら大変有り難いんですが。
○大臣政務官(三ッ林裕巳君) 御答弁いたします。 歯科医師が重要であるということは私はもう強く認識しております。そして、私、病院の管理者であった当時は、毎年、大学病院ですから、小児歯科にお子さんを御両親が連れてくるわけですけれども、年間数例程度の報告をいたしました。 ただ、やはりこの児童虐待という観点から見ると、先ほど堂故政務官も答弁で述べられましたけれども、やはり学校健診、集団健診での早期発見という歯科医の役割というのは大変重要であると認識しております。 そういった観点から、歯科医師、これがやはりこの児童虐待を早期発見する上で適切な保護や指導につなげるという観点から、子供に接する歯科医師の協力は大変重要であると私は強く認識しております。
○西村まさみ君 政務官、ありがとうございました。突然でありますのに大変申し訳ないと思いながらも、是非ともこれからの御議論、例えばこれから高齢者虐待防止法だって何か改正があるかもしれません。是非とも、そういったところでは同じように在宅の中で口の中を診る、診療室の中で診る、そして施設で診るというところで、本当にその方の生活環境、食生活だけではなくて様々なことが分かるのがこれは口の中なんです。 是非とも是非とも次回改正時には必ず歯科医師を入れていただきたいと思いますが、最後に、厚生労働省はいつも関係団体との御意見を踏まえて関係団体との御意見を踏まえてとおっしゃっています。例えば、児童養護施設の皆さんとか、いわゆる歯科医師会とかそういうことではなくて、この法律を改正するときに現場の声もお聞きになったと思うんですが、そういった中からは歯科の、いわゆる口の中の状況というもののお声は上がらなかったでしょうか。上がらなかったら上がらなかったで結構です。
○政府参考人(香取照幸君) 先ほども御答弁申し上げましたが、虐待の端緒の一つに、いろいろある中でやはり口腔衛生、それからあるいは放置された虫歯とか齲歯というものが一つ虐待の端緒になるというのは、これはもう現場の方々は共通というかほぼ常識に類することでございますので、その意味ではそれをきちんと発見すると。当然歯科の健診、特に学校できちんと健診する学校健診、あるいは定期健診の中でそういうものを見付けるということが一つの端緒になるというのはもう常識ですので、そこはもう皆さんそういうものとして議論をしてきていると私は認識しております。
○西村まさみ君 常識であるとおっしゃるのであれば、是非通知の中で、県への行政通知にしっかりと歯科医師を明示していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) その点は、大臣からも御答弁申し上げたかと思いますが、きちんと対応してまいりたいと考えております。
○西村まさみ君 じゃ、大臣にお尋ねしますが、大臣も歯科医師が虐待の早期発見に努めるという認識をお持ちということで間違いないですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは随分いろいろ議論をした結果こういうことでありましたが、いずれにしても、私どもは、歯科医師の先生方が口腔、口の中を、歯を診ていろんなことが分かるということはこの問題に限らず随分教えていただくことが多いわけでありまして、特に、親にどういう扱いを受けるかというのは子供にとっては非常に大きく口の中にも出てくるし、そういう意味で、通知の中でしっかり書けということでありますが、それは私が責任を持って、私がそれを見てまいりたいというふうに思います。
○西村まさみ君 ありがとうございました。 大変残念な結果でありましたが、最後に大変いい御答弁を頂戴したと思い、何度も申し上げますが、高齢者虐待防止法、そして、今度また必ずや来るだろう児童福祉法の改正のときには是非とも歯科医師の明示を心からお願いしたいと思い、最後になりますが、違う質問に移りたいと思います。 毎回毎回で恐縮ですが、私、ライフワークでありますので、最終、最後のときに、指導についてお尋ねをしたいと思います。 再三再四質問をしてきました。そして、お答えも頂戴しました。正当な理由なく長期にわたる指導の中断というものは何とか再開していただきました。また、個別指導の通知は、運用の分で三週間前を一か月前、そして対象患者の通知というのは四日前を一週間前、また指導医療官の配置転換と、様々な取組に早速取りかかっていただいたことには心から感謝をします。しかし、まだまだ道半ばです。様々な提案もさせていただきました。例えば、今の実情、現実と合っていないところが多々あるんじゃないかというお話もしましたし、是非ともこういった点を考慮してほしいということもお話ししました。 例えば、いわゆる集団個別指導の基準となる平均点数を今の状況だけではなくて総点数を入れることや医師の数を考慮すること、若しくは集団個別指導と個別指導の連鎖を断ち切って、集団個別指導は本当の意味での集団で、順番で全員が受けるようにしたらどうかとか、そんなこともお話をさせていただきましたし、指導大綱の見直しについても是非とも、もう大分たっているんだからということで、大変、最終的、最後の方では前向きな御答弁をいただけたと感謝しているんですが、ただ、やっぱりこれから良質な医療を決められた公定価格の中で医科も歯科も調剤も提供するわけです。その中で、萎縮をするという、そういったことがあるということはこれは国民にとって不利益を与えるということになりかねない。 私は、何度も申し上げますが、指導することは大事です、当然です。決められていることですし、それを受ける私たちにとっては義務もあると思っています。しかしながら、今の在り方、恫喝するような在り方、若しくは人の命をおとしめるような物の言い方、そして大変な荷物を持っていかなければならない、急に来ること、こういった一つ一つの改善を是非とも引き続きお願いをしたいと思っているんですけれども、局長から何かありましたら、是非お聞かせ願いたいと思います。
○政府参考人(唐澤剛君) 指導監査の問題、大変大きな問題でございまして、この委員会でも西村先生からも何度も御指摘をいただき、御議論をしてまいりました。また、医療関係団体、特に日本歯科医師会等からも様々な御提案をいただいております。 そういう中で、先生から今御紹介いただきましたけれども、一つには、指導対象の選定から除外される取扱件数の少ない医療機関、これは結局、患者さんの少ない、御高齢の先生がやっているようなところ、ここを、これまでは十件未満を対象外ということにしておりましたけれども、今年の四月一日からこれを三十件未満ということにさせていただきました。この辺も関係団体と御相談させていただきました。 また、指導実施日の通知、これも指導という性格上、余り早く通知はなかなかできないんですが、しかし余り間際でも、対応の準備もございますし、それから患者さんの予約というようなこともございますので、そういう点で三週間前ということにしていたわけでございますけれども、本年の四月一日からは一か月前というふうにさせていただいたところでございます。 また、臨床経験につきましての指導医療官の資質の問題ということも、これも各方面から御議論いただいておりますけれども、私どもの採用要件といたしましては、病院又は診療所におきまして原則として五年以上の臨床経験ということにさせていただきまして、さらに、採用前の要件だけではなくて、採用後も、厚生労働本省それから地方厚生局それぞれで継続的に交互に研修をしていくということにさせていただきまして、その資質の向上に努めているところでございます。 いずれにいたしましても、高点数の問題まだございますので、これなかなか、御議論いただいておりますけれども、こうした問題も含めまして、指導監査につきましては、やはり今日の時代に合った指導監査にどのようにしていくのか。それから、先生から御指摘ございましたけれども、やはり指導監査に臨む姿勢としては、プロフェッショナルとして威圧的な態度というようなものはこれはよろしくありませんので、やはりそうした点も含めまして、公正公平そして丁寧な指導を実施をするという観点から、関係団体の皆さんとも御協議をさせていただきながら見直しの検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○西村まさみ君 大臣、大臣にも私、常にこのことを聞いてまいりました。大臣も同じ認識ということでよろしいですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) この問題につきましては先生との間で随分やり取りをさせていただいてまいったわけでございまして、先ほど御説明申し上げたように、運用を少し変更を行ったということで、先生のこれまでの御努力の結果が出ているのかなという感じがいたします。先生からたしか五項目の提案というのをいただいておったと思いますが、そのうちの幾つかを取り上げられたということだろうと思いますけれども。 いずれにしても、これは保険医療機関の医師に対する、歯科医師に対する指導ということで、やはりこれはお互いの信頼関係というのがなければいけませんし、信頼関係はやっぱり専門性というものも当然なければいけませんし、合理性というか、ということで、先生の御指摘のような地域単位を、都道府県単位を広げろというようなお話もございましたが、やはりその辺は信頼性と専門性と両方を兼ね合わせて、満たしながらお互い、何というか、理解し合えるルール、新しいルールというのをどうするかということをやっぱり絶えず考えていくということが大事なんだろうと思います。 歯科医師の先生でも、お一人お一人で随分違う医療の哲学がおありになるということを感じることがたまにございますが、やはりそういうことを無視したようなことも良くないと思いますので、よく話し合いながら、適切な保険医の在り方をよく考えながら絶えず見直しをしていこうというふうに考えているところでございます。
○西村まさみ君 ありがとうございました。 私は、この厚生労働委員会で三十回近くにわたりこの問題を取り上げてまいりました。これからも引き続き、先ほどの話も含めて、国民の健康を守るということ、子供たちの将来を守るということを再びこの委員会で質問するという決意をさせていただきまして、質問を終えたいと思います。 ありがとうございました。
○森本真治君 民進党・新緑風会の森本真治でございます。西村委員に続いて質問をさせていただきます。 私からは、まず社会的養護の関連について幾つか質問をいたします。 塩崎大臣、ちょっと衆議院の答弁の確認をさせていただきたいと思いますが、大臣、今回の法改正を機に、今厚労省の方でまとめていらっしゃいます社会的養護の課題と将来像の実現に向けてという計画、これをちょっと見直していきたいんだというふうに御答弁をされておりますが、その見直しの視点というかポイントですね、どのようなところを見直していきたいんだとお考えなのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) ありがとうございます。 平成二十三年の七月にこの課題と将来像というのが取りまとめられたわけでございますけれども、この社会的養護の課題と将来像、これを踏まえてこれまで、里親・ファミリーホームへの委託児童、そしてグループホーム入所児童、それから本体施設入所児童、この割合をおおむね三分の一、三分の一、三分の一と。三分の一、三分の一、三分の一という言葉がよく出ますが、こういうことを目標として、今は施設がかなり多い割合になっておりますけれども、その三分の一ずつの目標というものを社会養護の施策として推進をしてきたというのが今日までの児童養護の施策でございました。例えば、課題と将来像におけるおおむね三分の一という目標には、今回の改正法案で推進をいたそうとしている特別養子縁組、これを始め養子縁組というのは全く出てこないわけでございます。 また、今回の改正法案では、より家庭に近い環境での養育を進めることを法律上明確化したことを踏まえて、課題と将来像で示されたこの目標の在り方、これについてもやはり検討が必要となると考えているところでございまして、今回、家庭養育について定めさせていただいておりますけれども、これは全く初めての試みであるわけでございまして、これは第三条の二で、家庭においての養育と、それから家庭における養育環境と同様の養育環境において継続的に養育と、それと家庭的養育ということを三分類させていただいておりますけれども、いわゆる大舎というのはまたその外にもう一つあるんだろうと思いますが、そういうようなことを法律上明記する限りは、この課題と将来像もしっかりと今後どうあるべきかということを含めて考えていくべきじゃないかということを申し上げたところでございます。
○森本真治君 今ちょっと御答弁で、今回条文の改正で、家庭の養育とか家庭に近い、家庭と同様のというかその部分と、家庭的なというか、そんな定義をちょっと新たに作っていこうという話だと思うんですけれども、これまでの三分の一ずつというような目標という部分の割合なんかについても今後検討されていくのかどうか、ちょっと今の時点でお考えがあればお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、そもそも養子縁組というのはその課題と将来像の中には明示的には出てきていないわけでありまして、しかし、今回のこの分け方は、まず、さっき申し上げたとおり、児童が家庭において心身共に健やかに養育されるようにというのが、これはやっぱり実父母と家庭で養育を受けるということがまず第一、基本だろうというふうに思います。 しかし、それがかなわない場合というのがあるわけでありますけれども、そういう場合には、困難であってまた適当ではない場合、つまり、生みの御両親はおられるけれども御一緒されるのは好ましくない、子供にとってという場合には、児童が家庭における養育環境と同様の養育環境において継続的に養育されると。これを私どもは、特別養子縁組ないしは養子縁組、そして里親ないしはファミリーホーム、里親の複数形の里親ということを念頭に置いて、あとは、児童ができる限り良好な家庭的環境というのは、小規模のグループホーム的な児童養護の施設、施設の中でも小規模なものというものの方が大舎よりも望ましいと、こういう順番付けをしているということで、それはしかし子供さんの置かれた状況とかそういうことでどういうふうになるかはそれぞれでありますけれども、我々としては、やっぱりこのような順番が本来子供の養育というのにあるべき姿ではないかというふうに思ってのことであります。 ただ、三分の一、三分の一、三分の一というのも、やや中長期な見通しというか、目標だったと思うんですね。それを、じゃ、どうこれから考えていくのか、これはもうみんなで考えていかなきゃいけないことだろうというふうに思いますので、どういうふうになるかはまた、私どもとしては、この検討会を早々に立ち上げて、新たな社会的養育の在り方に関する検討ワーキンググループというのをつくろうというふうに私はもう決めているわけでございますので、大いに議論していただいて、どうすべきかというふうに議論していただこうというふうに考えております。
○森本真治君 その三分の一の割合のところをちょっと確認したかったのが、これは局長さんで結構なんですけれども、今、これ資料二にも付けさせていただいておりますが、今の「社会的養護の課題と将来像の実現に向けて」に基づいて各自治体の方でも計画を作っていただいておるんですけれども、その結果として出てきているのがこの資料二でございまして、なかなかこれ三分の一ずつというような目標が現実問題としては各自治体はちょっと非常に困難なような、やはりちょっとハードルが高かったんじゃないかなというような今結果が出ていますね。 それで、今大臣、この三分の一の部分についてももう一度議論をちょっとしなければいけないという話でしたけれども、それはやっぱりこの実態に合わせたような目標になっていくのか、ただ、これを前に進めさせていこうということは、この三分の一を更に高い目標にしていくのかという部分が非常に私は関心があるんですね。 今のこの自治体の現状を見たときに、局長、今後の三分の一の目標という部分は現実問題としてどうなっていきそうですかね。
○政府参考人(香取照幸君) 御答弁申し上げます。 二十三年の課題と将来像に基づいて各都道府県に推進計画を作っていただいているわけでございますが、お話しのように、私どもとしては、平成四十一年末までにおおむね里親等への委託を養護全体の三分の一ということを目標に各都道府県に策定をいただいております。策定済みの自治体の数字は本年三月に集計いたしましたが、最終年度段階での四十一年の数字は、本体施設四四・五、グループホーム等が二四・八、里親等が三〇・八ということで、いわゆる三分の一には届いておらない状況でございます。 他方で、足下の里親等の委託率というのがどうなっているかということを申しますと、当初、二十三年段階で、課題と将来像をお示しした段階では実は里親委託率は一桁の上の方だったわけですが、二十七年三月では一七%弱、一六・五%ということで、そういう意味でいいますと、発射台が低かったわけですけれどもそれなりに増えてきているということで、取りあえず、まずこれはプランの中では三十一年度二二%という目標を持ち、最終的には三分の一と考えております。 私どもは、今大臣から御答弁もありましたように、できるだけ家庭ないしは家庭と同様の環境でということが養護の観点からすれば望ましいわけでございますので、その方向に大きく、法律上もきちんと規定を置いてかじを切って進めていこうというのが今回の法律改正の趣旨でございます。 実際、自治体の対応を見てみますと、例えば宮城県では計画段階でもう五〇%を超えるという数字をつくっておられますし、同様の数字で、四〇%、三〇%台の後半といった三分の二を超える目標を掲げてやっておられる自治体もかなりあります。 ということで、これは自治体ごとにかなり取組の状況が違う。それは恐らく先生おっしゃるように足下の状況が違うということもあろうかと思いますが、私どもとしては、やはり法律改正もしてこういった考え方をお示ししたわけですから、その方向にできるだけ進めていきたいと思っておりますし、そのために今回は法律改正の中でも、里親についての開拓、あるいは里親の支援、自立支援までの一貫した支援ですとかあるいは養子縁組についての相談支援といったものを都道府県の業務に位置付けまして、児相もこういったことに、施設への措置だけではなくて里親についても力を入れてやっていく、それを前提に職員体制の整備も図るということで、そういう意味でいいますと、最終的に数字をどうするかというのはこれからちょっと議論しないといけませんが、基本的には課題と将来像でお示しした三分の一の方向を更に進めていくということで、基本的にはもうかじを切ったということでございます。
○森本真治君 つまり、国の方でもう一度この構想を見直すということになってくるときに、都道府県の方にもそれに基づいてやはりそれぞれの推進計画の見直しは求めていくという理解でいいんですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) かねてより、諸外国から日本は要保護児童の施設収容が多過ぎるという批判を随分受けてきました。 私も正直、児童養護施設とのお付き合いは長いわけでありますけれども、諸外国の例、例というか最近の大きな流れを見てみますと、子供の愛着形成というか健全な育成ということを考えるときに、愛着形成をするにはやはり家庭養育が一番大事であり、それがかなわなければそれに近いものにすると。できる限りやはり施設ではないところで、特に小さいときの愛着形成、大事な時期についてそういうふうな流れであって、ドイツは、法律ではありませんけれども、ゼロ歳から六歳、就学前は施設には原則入れないと。イギリスは、この間私も知ってびっくりしましたが、小学生の間は入れないと。 ですから、施設に入れるときは本当にマンツーマンというか施設の職員の方が多いという話を聞いてこれまたびっくりしましたが、日本は良くなって四対一ですから。それが今、イギリスなどではむしろ子供の数よりも職員の、専門職の方が多い。徹底的に、ですから心理的な療法もする、そういうことで子供の精神的な発育をサポートしていくということをやっていると私は理解をしております。 そうなりますと、今回、この法改正はまさにその哲学の転換も含めて御提案を申し上げているということでございますので、当然、どういう議論になるか、数字的にはまだもちろん分かりませんが、よく議論をしていただいた上で、やっぱり何が大事かといえば子供の健やかな育成をどう確保していくか、そのために、今申し上げたような家庭あるいは家庭に近い養育あるいは家庭的養育、これらをどういう割合でやっていくかということを中長期的目標を掲げるとともに、当然、今先生御指摘のように、地方に対してもやっぱりこれからの日本の子供の養育というのはこうあるべきじゃないかということで投げかけてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○森本真治君 今の大臣の御答弁を私なりに理解をさせていただきますと、そもそもこの分野について、哲学というか考え方自体ももう一遍みんなでちょっと考えていこうよというような私は理解をしましたので、そうすると、それぞれの自治体の計画についても新たなそういう考え方に基づいてやはりもう一度考え直していくのかなというふうにも受け止めさせていただきました。 そういう中で、じゃ、現実問題として、しっかりと元々の根本的な考え方をもう一度見直す中で新たな計画を作っていくときに、もちろん現実問題の施策をしっかり進めていくためには財源の問題なんかということもありますね。 それで、ちょっとこれは局長の方で結構でございますけれども、社会保障と税の一体改革というのがあって、その中で社会的養護の充実ということも当然計画にございました。来年四月、消費税が一〇%になるかどうかということも今非常に議論をされていますけれども、これ、あと、一〇%に上げることによって今後新たに追加を考えていらっしゃる施策、これについてちょっと御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(香取照幸君) 養護に関しましては、もちろん里親を増やす、あるいは今先生のお示しの絵であれば、基本的にはできるだけ、どういいますか、右の方に寄せていくといいますか、できるだけ右の方で対応できるように全体を動かしていくということになります。そうしますと、例えば養護施設に関しても、できるだけ小規模なもの、小舎制のようなものを増やしていくということになりますし、今、地域小規模児童養護施設というのもあるんですが、そういった小規模のものを増やしていくということになりますし、あるいは新しく言わば里親さんの、何といいますか、グループホームのようなものとしてファミリーホームというものをつくりましたが、こういったものを増やしていくということになります。 社会保障・税一体改革の中では、社会的養護についても量的拡充と質の向上という二つの項目が用意されているわけですけれども、お話ありましたように、一つは、養護施設に関しましては、現在の五・五対一という配置から四対一というふうに改善をいたしました。それから、養護施設の職員の給与につきましては保育所同様に三%の改善をいたしましたし、今申し上げました、できるだけ小規模なもの、小舎制のものを増やすということで、小規模のグループケアとか地域の小規模児童養護施設の増加といったようなものを行ってきたところでございます。 こういった項目について財源の確保を図りながら一つ一つこれからもやっていくということになるわけですが、いわゆる〇・三兆円の消費税財源以外の財源で確保するものとして、社会的養護に関しましては、養護施設に自立支援担当職員ということで自立を支援するための職員を新たに配置すると。それから、これは保育所等の職員と同様ですが、職員給与の改善、プラス残りの二%分ですね、これの改善と。あとは、施設等に入所している大学進学者等について、特別育成費でありますとか自立生活支援支度費の支給といったようなものが項目として挙げられております。 幾つかこういった項目とは別に今回の補正で対応したものもございますけれども、こういった〇・三兆の財源の枠でやるものにつきましては、保育でも同じ問題がございますけれども、引き続き財源の確保をした上で実施を図ってまいりたいというふうに考えております。
○森本真治君 これは、私も確認ですけど、一〇%に上がらなくても三千億の確保ということは予定どおり要求して進めていくという考えでよかったんでしたっけ。
○政府参考人(香取照幸君) お金に色目があるかどうかという話がありますが、頭の整理としては、消費税財源をもって改善するものとしてメニューが立っておりまして、それが〇・七兆円メニュー、これは、そのうちの一部は前倒しで実施しているものもありますし、基本的には子供に関しては八%段階でかなり優先的に前倒しで手当てをしているわけですけれども、その部分があります。 もう一つはプラス三千億、これは消費税財源の外で手当てをするということになっていますので、その意味では消費税財源とは別に財源を確保するということになりますので、消費税財源の上げ下げとは別に、そういう意味では財源はきちんと確保できるということになれば実施ができるということになります。
○森本真治君 ちょっと時間がないので、先に進ませていただきたいと思います。 自立援助ホームについて、先ほど西村委員も触れられて、私、もう一度再確認ですけど、これは柔軟な対応をするというのは、就学の子だけではなくて、就労の部分についても柔軟に対応するということでよかったんでしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) 議論としては、就労している方はそういう意味でいうと自立をして巣立った方ということになります。もちろん、先ほどお話ししましたように、現実の就労の過程の中でなかなか社会での対応ができなかったりする場合がございますので、それはそれで支援を別の形ですることが必要ですが、今回、今議論になっています二十歳—二十二歳問題は、基本的には就学している人、学校に行っている子供たち、言わばそういう意味でいうと社会に巣立つ前の子供たちの対応ということで考えておりますので、今のお話の議論の中で言っているその二十歳—二十二歳、あるいは二十二歳の先の問題というのは、基本的には就学している方ということで御理解いただきたいと思います。
○森本真治君 当然、これ途中で中退をしてしまったりしたら、もうそこは対象にはならないということですかね、その時点で。
○政府参考人(香取照幸君) 今のこの二十歳—二十二歳で延長して手当てをするという、その世界からはそういう意味でいうと自立することになりますが、申し上げたように、社会へ出た後の言わば就労の支援でありますとか、あるいはそういった方々に引き続き施設の側が様々な形で手当てをしてサポートをするというのは、それは別途、これは養護施設を出た方もそうですし自立支援ホームもそうですけれども、それはしていきたいと思っておりますし、これは別途、この児童養護の体系の外側でも、いろいろな労働施策ですとか社会復帰の施策の中でもそういった支援施策というのを講じておりますので、そういったものを併せて御支援を申し上げるということになろうかと思います。
○森本真治君 もう一度確認ですけど、もし、例えば中退してしまった、それでも自立支援ホームには住み続けることはできるんですか。
○政府参考人(香取照幸君) 何といいますか、法律上の整理としてどうかということは先ほど御答弁申し上げたとおりですが、個別のいろんな事情がございます。休学する場合もあるでしょうし、あるいは一旦、例えば今のような例示で、中退してしまってももう一度就学をしたいという形で頑張られる方もいらっしゃると思うので、そこはそういう意味でいえば、個別にどうこうというのは今申し上げられませんけれども、これは予算措置で対応するということで柔軟に対応しようと、運用で対応しようと思っておりますので、個別にどうかということを今ここでちょっと確約することはできませんが、予算措置の中でできる限り柔軟に対応していきたいと思っております。
○森本真治君 運用の方でちょっとしっかり検討していただかなければならないと思いますね。 今日はちょっと資料を出していないですけれども、ちょっと古いんですが、NPO法人ブリッジフォースマイルさんが出している自立支援白書でも、過去十年間、進学者の状況で、進学しても三割の子供はもう中退をしてしまうんだと。これ経済的な理由だけじゃないんですよね。だから、ある程度アルバイトとかをしないといけないからということで中退するだけではなくて、いろんな精神的な部分なんかについてもやはり比較的ケアをしてあげなきゃいけないという理由で中退している子も多いということですね。 それともう一つ、先ほど就労したところで自立というような御答弁されましたけれども、これは配付資料を付けさせていただいておりますけれども、これも同じブリッジフォースマイルさんの調査では、やはり四割近くの子供たちはもう一年未満で離職をしてしまうというような、これ調査会、委員会の報告書も出ていましたけれども、東京都も何か調査をして、これもやっぱり四割ぐらいはもう早期に離職をしてしまうというような現状があるということですね。ですから、就労ができたからといって、そこで自立ということでもうざくっと線を引いていいのかどうかというところは、やはりこういう社会的養護の必要な子供たちについてはもっとケアというか細かな対応ということは私は必要だと思うんですね。 それで、今後新たな構想を作るということでございますけれども、特にやはり自立支援の部分についてもしっかりと検討して盛り込んでいただきたいと思いますから、実態調査はNPOとか東京都はやっていますけれども、多分厚労省はやっていないんだと思うんですが、ちょっと厚労省としてもまずはそこの調査をして、今後の検討の中でそれを踏まえていただきたいと思いますが、局長で結構ですからお約束してください。
○政府参考人(香取照幸君) 先ほどの私の答弁、ちょっと先生の御質問に合っていなかったかもしれませんが、退所後の子供についてのフォローはアフターケア事業というのを立てておりまして、これは、退所した後のお子さんたちの就労の支援でありますとか、今お話がありましたような住まいの支援でありますとか、そういった施策をそれはそれとして立てて支援をしていくということを一方でやっておりますので、何といいますか、卒業して自立したら後は頑張ってくださいということで何もしないということではございませんので、そこはちょっと誤解があったら申し訳ないので、訂正いたします。 このアフターケア事業の中では、いろんなソーシャルスキルのトレーニングでありますとか、あるいはアパートを借りるときの不動産屋さんに行くときの同行ですとか、そういった結構きめの細かい手当てもしておりますし、いろんなトラブルがあったときの対応みたいなこともありますし、何か問題があったときに緊急に住みかを提供するといったようなこともできるようにしていますし、就労支援ということでは資格取得なんかのサポートもしています。 基本的にはこういった施策を今やっておりますので、このアフターケア事業の中で、今お話がありましたように、就労した後ちゃんと働けるのかどうか、あるいはその中でどういった支援が必要になってくるのかと。実際、養護施設もそうですし自立支援ホームもそうですけど、退所後のお子さんについてはいろんな形でフォローしているところも定期的に連絡を取ったりしているところも結構たくさんありますので、そういったもののお話も聞きながら、ある程度、ある程度といいますか、きちんと実態を踏まえた上で今後の施策の組立てに生かしていくような努力をしてまいりたいと思います。
○森本真治君 アフターケア事業でしっかりフォローしているという御答弁をいただきました。 私も広島でアフターケア事業をやっている方々と連携をさせていただいて、いろんな課題などについても、まさに自治体と学者の皆さんや弁護士の皆さんや、私も参加させていただいてやっています。 一律に、今御答弁されましたけど、私、これ全国で今二十五県市取り組んでいらっしゃるという資料をもらいましたけれども、本当に今御答弁されたようなきちんとした対応ができているのかどうかということは厚労省としてもしっかりと実態把握していただきたいと思います。 本当に皆さん思い入れを持ってやっているんですけれども、苦労していますよ。そういう中で、私は、今回も、先ほども御答弁あったけれども、新たなアフターケア事業の予算も確保しているというようなことを御答弁があったと思うんですけれども、本当にこれが、やっぱり自治体でもうまくいっているところもあると思いますし苦労しているところもあるという中でいえば、国としても全部任せずに、例えばいろんな好事例なんかをしっかり集めていただいていろいろと提供していくとかというようなこともどんどんどんどんと関わっていただかないと、これをやっているからもう先ほどの自立援助ホームの方はいいとかという話じゃなくて、やっぱりいろんなサポート体制というのはする必要は私はあると思いますので。 しっかりとその辺り本当に、アフターケア事業の今実績というような感じでちょっと御答弁されましたけれども、実態をもっともっと私は知ってもらいたいと思います。その中で、やはり好事例などをどんどんどんどん国の方からも率先して自治体に提供してあげたいと思います。その辺りの今後の取組についても是非今決意を述べていただきたいと思います。
○政府参考人(香取照幸君) アフターケア事業でございますが、お話しのように、実は実施しているのは二十五自治体三十一か所ということで、この事業自体も実はそれほど、何といいますか、私どもの予算で組んだものがきれいに消化されていろんなところでやっていただけているという状況ではございませんので、私どもの取組が、あるいは自治体で行われていることが十分かどうかということについては私どもも反省すべき点は多いかというふうに思っております。 実際、お話ありましたように、非常にうまくいっているところももちろんありますけれども、必ずしも全体でもそうでもないということですので、社会的養護全体の施策の中では、十八歳以降、自立していった方の支援というのは、例えば自立支援ホームができたのも随分後になってから、現場でつくられた制度を制度の中に取り込んだという経緯でつくられたものですので、やはり制度の対応の方が現場の取組に対しては一歩遅れを取っているというのは多分事実だと思うので、先生御指摘のような点も含めて、私どももできるだけいろんな施策をうまく組み合わせて、何といいますか、型どおりのものではないような形で実際のお子さんたちを支援できるような体制を考えてまいりたいと思います。
○森本真治君 是非、引き続き、私もいろいろと皆様の方にも情報をお伝えさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 今後の将来に向かっての理想を語るのもいいんですけれども、じゃ、実際に今、児童養護施設の実態はどうなのかという中で、非常に今私も現場の皆さんからいろいろといただいている声があるので、ちょっとそこについてまた対応していただきたいと思いますので取り上げさせていただきますけれども、やはりこの児童養護施設なんかに措置される子供たちというのは、御案内のとおり、虐待を受けたりとか障害を持っている子というのが非常に多くなっているという中で、私これずっと取り組んできた中で、例えば情短施設なんかはこれ柔軟に施設の子供たちも行けるようになったりということは対応していただいているという理解はしています。 今ちょっと課題として言われているのが児童自立支援施設ですよ。こちらの定員、これ資料いただいたら三千七百五十三人ですが、今そこで現員が千三百九十七人という、非常にこれ定員を満たしていないような状況がありますね。今、児相の措置としても、いろんなそういう障害であったり、いろんなケアをしなければいけない子供が直接もう児童養護施設の方に送られてくるという中で、やはりこれ、一旦、例えば自立支援施設なんかで養育というか、ある程度して送っていくというようなこともこれは非常に声として多いんですね。 これだけ定員も満たしていないような状況があれば、やはりそこら辺はしっかりと対応していただくということは施設の今の職員さんたちの負担も軽減ができるんじゃないかというふうに思いますが、ちょっとその辺りのお考えをお伺いします。
○政府参考人(香取照幸君) これはもう先生御案内のことだと思いますので大変恐縮なんですが、社会的養護が必要な子供は当然ながら様々なお子さんがいらっしゃるわけで、養護施設は、今お話ありましたように、障害をお持ちの子、それから虐待を受けている子供が多いわけですけれども、定義上でいえば環境上養護を様々な理由で必要にする子供が入るということになります。 一方、児童自立支援施設は、法律の文言で言えば、不良行為をなし、又はなすおそれのある児童及び家庭環境その他の環境上の理由により生活指導等を要する児童が入所する施設ということになっていますので、やはりかなり子供の対応が違う施設ということになります。児童自立は、たしか今、都道府県に一つずつ、北海道がたしか二つあるんだと思いますが、になっておりますけれども、おっしゃるように確かに定員は空いているといえば空いているわけですけれども、やはりかなり子供の対応が違いますので、空いているのでそのまま使えるかというと、これはもちろん現場の対応とか聞いてみなきゃ分かりませんが、そこはちょっとなかなか難しい面があるんではないかというふうに思っております。
○森本真治君 ここで私終わりますが、児童相談所が自立支援施設に入所を申し込んでも拒否をされて、そのまま児童養護施設の方に行ってしまうというようなケースが多々あるという事例を私は伺っているんですよ。ちょっとこれは引き続き確認しますけれども、本来なら自立支援施設で受け入れることができるのに、それを経ずに直接児童養護施設に行って、児童養護施設の職員さんたちがその対応に追われるという実態がいろいろあるということはこれまた改めてお伝えしますので、ちょっと引き続き御検討いただきたいと思います。 終わります。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、有村治子君が委員を辞任され、その補欠として石井正弘君が選任されました。 ─────────────
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。 今回の法改正で、児童虐待防止法について、親権者は児童のしつけに際して、監護、教育に必要な範囲を超えて児童を懲戒してはならない旨を明記することとなっております。しつけを名目とした児童虐待、これは防いでいかなければなりませんけれども、まず、当該改正の児童虐待防止における意義について、また懲戒と虐待の関係について大臣の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) この体罰の問題というのが随分議論がございました。今回御提起申し上げているような法改正で最終的にいくということになったわけでありますけれども、児童虐待そのものについては、もちろん子供の命が失われる痛ましい事件も後を絶たないわけでありますので、大変深刻だと思っております。 そういう中で、民法上、親権者は子の利益のために子の監護、教育に必要な範囲内で懲戒することができるとされているわけではございますけれども、児童虐待は子の監護、教育に必要な範囲内の行為ではない、そのために民法上親権者に認められている懲戒には含まれないというふうに考えているわけでございます。 今回の法案では、特にしつけを名目とした児童虐待、これが後を絶たない実態を踏まえて、親権者は児童のしつけに際して監護、教育に必要な範囲を超えて児童を懲戒してはならない旨を法律に明記することとしたわけでございます。しつけを名目とした児童虐待はあってはならないことでありますので、今回の改正によってこの考え方を浸透させていきたいと思っておりますが、何よりも今回、児童福祉法の第一条に、全ての子供が「その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉を等しく保障される権利を有する。」と、初めて子供の権利というものをここで明定をさせていただいたわけでございまして、親の権利というのは民法にございますけれども、今回、子供の権利を明記をすることによって、今お尋ねの問題についてもこれまで以上に厚みを持った議論ができるように、そして子供を守れるようにしていきたいというのが思いでございます。
○佐々木さやか君 ありがとうございます。 大臣に御説明をいただいたとおり、今回の改正というのは子供の権利ということを明確にしたと。また、先ほども申し上げた、しつけというところについても、監護、教育に必要な範囲を超えて児童を懲戒してはならない、これを明記することができた、非常に大きな前進であると私自身思っております。 体罰のことについては午前中の参考人からの御意見にも触れられていたんですけれども、体罰というのは子供に対して非常に大きな悪影響を与えるのだということを更に広く認識をしてもらうために啓発をしていくということが非常に重要であると思います。今回の改正もこれを大きく後押しするものではないかと考えております。 大人、女性、高齢者、障害者などに対する殴る蹴る、こういった行為というのは法律上も端的に禁止されていると思います。しかしながら、子供たちに対する体罰という問題、子供自身は最も自分で声を上げにくい存在でありますので、しっかりとその保護のために今後も議論をしていかなければならないと思っております。 体罰を防いでいくためにどういう方法があるか。いろいろあるわけですけれども、禁止をして、例えば体罰を加えたら罰則を科すとか、そういった方法を取るという考え方ももしかしたらあるかもしれませんけれども、やはり体罰を用いずに、過度の懲戒を加えずに子供を育てたいということは誰しも思うことであると思います。ですから、そうした体罰を用いるような事態に追い込まれないように、私は親に対する支援というものを更に充実をさせていく必要があると思います。 子育ての孤立化防止ですとか親に対する支援のネットワーク、この強化も引き続き取り組んでいきたいと思いますけれども、厚労省としてはどのような取組に力を入れていくんでしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) 答弁申し上げます。 お話ありましたように、児童虐待の背景には様々な問題がありますが、やはり親御さん自身が様々な問題を抱えていると。経済的な問題や社会的な問題や精神的な問題等々、そういったことがやっぱり引き金になって弱い子供にそれが転嫁されるということがあります。これは多くの識者の指摘するところでございますので、やはり子育ての孤立感とか不安感あるいは負担感といったものに親御さんがさらされているということを頭に置いて子育て家庭に対する支援というものを行っていくというのは、これは児童虐待もそうですし、子供の健全な育成、子供の養育の、育ちの権利を守るという意味でも恐らく重要であろうというふうに思っております。 今般の改正案では、これも何度も御答弁申し上げておりますが、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援ということで子育て包括支援センターの法定化というものを考えてございます。それと、これは今もう既にやっている事業でございますけれども、市町村段階で、できるだけ小さいお子さんを持っているお母さんに様々な形で接触をして、状況を見てニーズを吸い上げるということで、市町村においては生後四か月までの乳幼児については原則全ての家庭に必ず一度、四か月までに訪問して養育環境を把握するという乳幼児家庭全戸訪問事業というのをお願いしています。特にその中で、この訪問事業の中で養育支援が必要だということが発見された家庭につきましては養育支援訪問事業というものを行うということで、これはアウトリーチということで、できるだけお子様のいる家庭の方に市町村の方からアプローチするという事業をやっています。 これに加えまして、これは新制度、新子育て支援制度の中で、子育て中のお母さんの横のつながりというものをつくっていこうということで、情報交換、相談ができる場として地域子育て支援拠点事業というものを行っております。あるいは、子育ての言わば負担のレスパイトということで、様々な保育所その他の場所で、これは特に理由を問わずに一時的にお子様を預かるということで一時預かり事業というものも行っておりますし、それ以外に情報提供、連絡等々市町村においてできるサービスをできるだけ提供するということで、利用者支援事業というものも行っております。 こういった事業は、いずれも昨年三月に策定しました少子化社会対策大綱の中でそれぞれ市町村ごとの施策の目標値というものを定めていただいて整備をしてございますし、それから、先般取りまとめて月内には閣議決定を予定しておりますニッポン一億総活躍プランの中でも、妊娠、出産、育児に関する不安の解消の取組というものについては特に項を設けて規定をして進めていきたいというふうに思っております。 この問題は、虐待ということ、最後虐待という極端な事例があるわけですが、そこだけではなくて、およそ全てのお子さんの健全育成、お子さんの自立の支援、健やかな成長の支援という観点で、国、地方団体協力していろんな施策を進めてまいりたいと思っております。
○佐々木さやか君 多くの取組を紹介していただきました。今後ともよろしくお願いいたします。 今回の改正では、政令で定める特別区は児童相談所を設置するものとすることとともに、附則で、中核市及び特別区が児童相談所を設置することができるよう、設置に係る支援その他の必要な措置を講ずるものとしております。この中核市での児童相談所設置につきましては、なかなか設置が進んでいないというふうに認識しておりますけれども、その原因をどのように分析をしているんでしょうか。また、今申し上げた中核市、特別区の児童相談所設置に係る支援その他の必要な措置については何が重要だと考えていて、また今後どのように検討していくんでしょう。
○政府参考人(香取照幸君) 御答弁申し上げます。 先生お話しのように、中核市につきましては、一応、現行法上も希望すれば政令の指定をすることで設置することができるという規定にはなってございますが、現時点で設置している中核市は二つだけということになってございます。 今般、中核市について原則設置していただこうということで専門委員会でも議論がありまして、全国中核市市長会ともお話をしましたが、中核市市長会からの要請等の中でも、なかなか設置できないことの理由として、やはり財政的な問題があります、国からの財政支援が不十分ですということと、現実に専門人材の確保、育成というのがなかなか難しいので一定の時間が掛かるのでというお話がございました。そういう意味でいえば、人とお金というのがやっぱり一つの大きなポイントになるだろうというふうに思っております。 そういったこともありますので、今回、今先生お話ありましたように、附則の中で、五年を掛けて全ての中核市、特別区できちんと設置できるように、希望すれば設置できるように必要な支援を行っていくという規定を置きまして、実際の当事者である中核市とも相談しながら必要な支援をしていきたいと思っております。 〔委員長退席、理事羽生田俊君着席〕 この点に関しましては、既に設置している金沢市とか横須賀市の話を聞きますと、設置する段階で当然県から情報提供を受けたりノウハウを引き受けたり、あるいは職員の移管を受けたりということがあるわけですけれども、やはり設置した後も継続的に様々な支援、特に専門人材の養成でありますとか研修等を通じた支援が必要だということで、お金だけではなくて設置した後の支援というものも含めて恐らく考えないといけないだろうということと、今般、例えば里親の問題でありますとか在宅措置の問題でありますとか様々、今度は児相は仕事が増えることになりますので、特に在宅支援との関係でいいますと、市町村との連携体制というのがきちんと取れていませんとこれがなかなか動かないということで、やはり金沢市、横須賀市の例も伺いながら、金目、人目と言ってしまえばそれだけになってしまうんですけれども、もうちょっときめの細かい、具体的に、人目を、どうやって養成をする、研修をどうする、運営費をどうするということも含めて、地方公共団体、中核市の方の御意見も聞きながら具体的に検討して、五年以内に希望するところは全部設置できるという法律の規定に沿った設置ができるように支援をしてまいりたいと思っております。
○佐々木さやか君 おっしゃるとおり、やはり人の確保、そして財政面というところが大きな課題だと思います。 次の質問についてのお答えも含まれていたかなと思いますので次の質問は飛ばしますけれども、今後中核市に設置をしていくということになった場合、児童相談所が都道府県にあるよりも住んでいる近くの市にあるということになれば、市民の皆さんもよりアクセスがしやすくなって、よりいろんなことで相談をしやすくなる、その結果として相談が増えていくということが予想されます。ですから、児童福祉司の配置基準についても、人口ということだけではなくて、人口が必ずしも多くなくても、そういったことで相談件数が増えていくことが予想されますので、そういった点も含めて適切になるように検討していっていただきたい。また、人材の確保、財政面についても是非よろしくお願いしたいと思います。 次に参りますけれども、今回の改正で、児童相談所に弁護士の配置又はこれに準ずる措置を行うことと、このような改正がなされますけれども、この改正の趣旨、また弁護士の配置によってどのような効果を期待するのか、大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 全国の児相の中で今常勤で弁護士さんを置いていらっしゃるところが福岡と和歌山と名古屋と、この三つございます。これ、常勤でおられるというところで、特に、私は福岡にはお邪魔もして弁護士さんともお話をして、日弁連ともお話をしましたが、大変本当にコミットした仕事をやってこられています。 やはり、先ほどの親権と子供の権利の話がありましたが、例えば一時保護であったり臨検であったり、そういう際に親との対峙をしないといけない。その際に、法律的にどこまで可能なのかということがよく分からないのでは子供を守るということが十分できないと。そういう意味で、弁護士の方に、一緒に保護をするようなときにやはり法律的な基礎をきちっとした上で児相が子供を保護するというようなことが可能になるということで、大変私は大事だと思っております。心の中では、全ての児相に弁護士さんに必置でいてもらいたい、常勤でというのが私の理想でございます。 今回改正案では、児童相談所に弁護士を配置することとしまして、これが難しい場合には弁護士の配置に準ずる措置と書いてありますが、この準ずるというのは、弁護士以外の方がおられるということを想定しているわけではなく、特に法令の仕事をやったことがある一般の公務員の方が就くということでは全くなくて、少なくとも、例えば小さい県であったらば、中央児相には必ず常勤の弁護士さんがおられて、もしあと二つ児相があって、どうしても無理だということであれば一人の弁護士さんがその三つを見るなり、何らかの形で弁護士さんが関与していくということを前提にこの準ずる措置ということを申し上げているわけで、弁護士さん以外の方が、もちろん裁判官とかそういうのは別ですけれども、司法試験通っている方を前提にしているということをまず申し上げなければいけないというふうに思います。 〔理事羽生田俊君退席、委員長着席〕 先ほど申し上げたように、親の意に反した施設入所措置等をとろうとする場合に裁判所の承認を得る手続が、やはりこの業務として法律に関する知識、経験が必要だというようなことでもあり、また親権停止、喪失、それから審判手続や申立てに関する手続、それから法的な観点からの保護者指導、これから司法関与についても議論していこうとしていますので、ますますもってこの弁護士さんの配置によって、個々のケースによって、より迅速的確な対応ができるようにというふうに思っております。 改正法案では、子供の健やかな発達、成長等の権利を明確化して、親の同意が得られないような場合においても子供の権利をしっかり守っていけるように、法律家たる弁護士さんの配置によって業務を行うことに大きな意味があると思います。
○佐々木さやか君 ありがとうございます。 私、大臣がおっしゃった、全ての児童相談所に常勤の弁護士さんがいるということが理想ということは全くそのとおりだというふうに思います。この常勤の弁護士さんということを考えた場合に、やはり課題としては、もちろん御存じのことと思いますけれども、人材の確保という点が課題になります。 常勤ということですから、子供の権利に関すること、虐待に関することについて習熟をした専門的な力を持った弁護士さんにいてほしいわけですけれども、実際はそうした弁護士さんというのは、ある程度年数を重ねられていて、自分で事務所を持っていらっしゃって、ほかの事件もいろいろやっていると。それを全て置いて数年間常勤で児童相談所にだけいるということがなかなか難しいというふうに考える方もいらっしゃると思います。 ですから、そういったところをどうしていくのかという問題もありますし、そうなると、そこまで経験が、年数が重ねていなくても、若手であっても常勤でそこで仕事をしていただく、それもあると思います。その場合には、やはりまだまだ経験が少ないということを前提にしますと、その弁護士さんのスキルをどうやって伸ばしていくかと。それは、やはり習熟したその地域の弁護士さんといろいろ連携を取ってもらって、例えばいろんな相談をしながらやるとかアドバイスをもらいながらやるとか、そういう工夫も必要になってくるというふうに思います。 午前中の参考人質疑でもこの点議論になりまして、例えば東京都の場合には、常勤ではないんですけれども、非常勤の弁護士さんが全ての児童相談所にいる、しかも二人いると。一人は習熟された弁護士さんで、もう一人は若手の弁護士さんで、それぞれほかの仕事もありながらなので二人で協力しながらやっていると。なおかつ、若手と経験のある弁護士さんが組むことで将来的に育てるわけですね、若手を。そういったことで、また次の世代のことも考えながらやっているということで、東京都はいろいろと工夫をしながら現在もやっているという参考人からのお話もございました。 ですので、非常にいい改正なんですけれども、この人材の確保についての様々な支援も重要だと思いますし、また児童相談所の中には、弁護士さんと既に連携してうまくいっているところもあるんですけれども、まだまだ連携が不十分なところもあります。そういったところでは弁護士さんに何を相談したらいいのかという、その人材の活用に悩むところもあるかもしれません。ですので、そういったことも併せて啓発をしていっていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) 今も先生からも御紹介ありましたが、現在の弁護士の配置状況はどうなっているかと申し上げますと、今大臣から御答弁申し上げましたように、常勤で弁護士を配置している児童相談所は三か所ございます。それと、東京都のように非常勤で弁護士を配置しているというところ、それから弁護士事務所ですとか、あと県の弁護士会の推薦の弁護士と言わば業務契約を結んでお願いをしているといったようなものがございます。 私ども、法的対応機能強化事業ということで、弁護士さんの雇い上げにつきましては一定の補助金を用意しているわけでございますけれども、こういったものなども活用されて何らかの形で弁護士と連携した取組というのは、濃淡はありますが、各児相では一応組まれている形にはなってございます。 ただ、常勤で置いているところに関して言いますと、これも大臣から御答弁申し上げたとおり、子供の例えば一時保護のような迅速な対応が要る場合のケースですとか、あと、親と対峙するケースでは、親御さんとの関係での面接指導においてはやはり弁護士さんの役割は非常に大きいということで、やはり突発的な事案でありますとか困難な事案については弁護士さんが当初から関わる、あるいは常勤でいらっしゃるという体制を取るということはこれはかなり効果があるということになります。 私どもとしては、そういった今の取組というものをもちろん前提にしますが、やはりこういった弁護士をきちんと置いていくという方向性は法律でも明らかにしてまいりますので、日弁連ともお話をしておりますが、そういった協力も得ながら弁護士さんをきちんと配置していくということをしていきたいというふうに思っております。 この点に関しては、今大臣からもお話ありましたが、要は弁護士さんを置いてきちんと機能するということが客観的に担保できるような形で弁護士さんを置くということですので、例えば県内児相三か所となった場合に、中央に弁護士さん例えば一人なり二人置いて三つをカバーするというようなやり方もありますし、今度の法律改正でやはり法的な観点で児相が様々な業務を行う場面はかなり増えてまいりますので、そういった業務についてきちんと対応する。その意味では、児相の側の弁護士さんの活用についての私どもの助言といいますか、技術的助言も含めて行いながら、弁護士を確保して必要な措置を講じていけるように、法律の規定に沿って手当てをしてまいりたいと思っております。
○佐々木さやか君 時間が限られておりますので、少し質問を飛ばしまして、子供シェルターについて大臣にお聞きしたいと思います。 女性のシェルターというのは比較的多く存在するんですが、子供のシェルターというものはほとんどございません。二〇〇四年に東京で初めて開設をされました。現在でも全国で十三か所ほどだというふうに聞いております。 では、少し前にありました相模原での子供の自殺の事件がございました。児童相談所も把握をしていて、またその児童、十四歳の児童自身が児童養護施設への入所を希望していた、そういう事実経過の中で最終的にその児童が自殺してしまったということがございました。 この子供シェルターというのは、何らかの虐待が原因で、何らかの事情で家にいることができない、そういう子供が避難を一時的にする場所ということであります。横浜の場合では、この子供シェルターには弁護士さんが子供の代理人として必ず二人付いて、その親権との関係で親との親権の調整も行う、そういうかなりハードな事案もありますので弁護士さんは必ず二人付くということだそうですけれども、こういった子供シェルターというものも私は重要ではないかと思います。ある程度、中学生また高校生になってきた子供たちが一時的に避難をする、そういった場合に、その一時保護所というのは小さい子供に対応しなきゃならないことでなかなか手が回らないという事情も私はあるかと思います。 ですので、大臣にはこの子供シェルターについても是非御関心を持っていただきたいと思うんですけれども、御所見を伺います。
○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃるように、虐待を受けた子供たちの安全確保あるいは自立をサポートしていくというときに、この子供シェルターというのが有用、有益だということを私も聞いてはおるわけではございますが、まだ十何か所しかないということでございます。 この子供シェルターにつきましては、平成二十三年度から、指導員の配置等の要件を満たしていただければ児童福祉法の自立援助ホームとして公的支援の対象ともなっているということでございます。 また、自立援助ホームにつきましては、今般の児童福祉法改正案において、自立に向けた支援を更に強化をするために、自立援助ホームの入居者であって大学等に就学している場合には二十二歳の年度末までの支援の対象とするということで、これはちょっと大分大きくなってからの話にはなりますけれども、そういう扱いにもしているということでございます。 今後とも、この自立援助ホームの設置拡大を図る中で、この子供シェルター、この機能をしっかりと取り組んでいくということが望ましいのではないかと、財政的にも支援ができるという意味において。そういう意味で、関係者の御意見をしっかりと伺いながら、恐らくそれぞれのシェルターによってやり方もいろいろ異なるでしょうしニーズも違うだろうということでありますので、この重要な役割について国民の皆様方にもよく知っていただいて、その上で、子供シェルターについて自立援助ホームの運営に係る国庫補助を通じて必要な支援をしっかりと努めてまいりたいと考えているところでございます。
○佐々木さやか君 では最後にもう一問大臣に是非お伺いしたいんですが、家庭的養護の推進のためにも今回の法改正は非常に重要なものであります。特に、赤ちゃん養子縁組と言われる取組を進めるという内容と理解しておりますけれども、この点について大臣の御所見、御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 保護者のおられない子供さん、そして虐待を受けた子供さんなど社会的養護が本当に必要な子供さんについては、やはり愛着形成の大事な時期を失うということがあり得るわけでありますので、そういう意味で温かく安定した家庭の中で養育をする、先ほど答弁申し上げましたが、これが重要だというふうに考えておりまして、今般の改正案でも児童福祉法の第三条の二というのを新設して、家庭における養育が困難な又は適当でない場合には国及び地方公共団体は児童が家庭における養育環境と同様の養育環境において継続的に養育されるようにということで、その必要な措置を講じなければならないこととしています。 つまり、御指摘のこの新生児の養子縁組、これを含めて、養子縁組や里親、ファミリーホームへの委託というのがこれから進むように都道府県の児童相談所の業務として位置付ける、そして附則でもって、法務省あるいは裁判所と厚生労働省がこの特別養子縁組の改善方についても議論をする有識者会議を立ち上げるというふうに我々は考えておりますけれども、いずれにしても、里親制度の広報啓発による里親開拓から、それから里親と児童のマッチング、それから里親に対する訪問支援、里親に委託された児童の自立支援、こういった一貫した里親支援も児童相談所にしっかりとやってもらうということで、養子縁組に加えてそちらの方も徹底的にやってもらおうというふうに考えております。 さらに、児童相談所強化プラン、この間出しましたけれども、児童福祉司等の専門職の配置の充実とか資質の向上も当然これは必要になってくるわけでありますので、養子縁組あるいは里親委託をお世話をできる専門職、こういった方にも育っていただくということが大事で、こういった愛着形成の大事な時期に、養子縁組あるいは里親委託、これでもって子供の最善の利益が図られるようにしてまいりたいというふうに思っております。
○佐々木さやか君 終わります。ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、足立信也君が委員を辞任され、その補欠として長浜博行君が選任されました。 ─────────────
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 児童虐待の相談件数は依然として増加傾向にあります。子供の命が奪われる重大な事件も後を絶ちません。社会全体で解決しなければならない課題です。そのための体制整備、財政支援が必要であります。本法案は、深刻化する虐待問題に対応するために必要なもので、賛成であります。 その上で、まず、本改正第一条に、全ての児童は児童の権利に関する条約の精神にのっとりという文言が入れられております。これ非常に重要だと私は思うんですが、大臣、我が国の法律で子どもの権利条約の精神が明記されているものはほかにあるでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 児童の権利に関する条約の理念にのっとりという文言が、子ども・若者育成支援推進法第一条、ここに書かれております。なお、この文言は平成二十一年の第百七十一回通常国会において政府から提出された法案には含まれておらず、国会での御議論の過程で追加修正された、議員修正をされたというふうに承知をしているところでございます。
○小池晃君 閣法では初めてというか、内閣提案ではこれが初め、しかも、あれ内閣府で、厚労省の所管の法案としてはこれが唯一ということで、これは大きな意義があると私は思うんですね。 現行法は、全ての児童はひとしくその生活を保障され、愛護されなければならない、保護すべき対象だった。それが本改正によって、全ての児童は、児童の権利に関する条約の精神にのっとり、児童の年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重され、その最善の権利が優先して考慮されという条文が加えられたわけで、これはかなり大きな変化だというふうに思います。 保護の対象から権利の主体に転換したものであるということ、このことを確認したいのと、どうしてこういう転換を図られたのか、大臣の所見を伺います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 児童福祉法の理念規定は、昭和の二十二年にこの児童福祉法が制定されましたけれども、この当初から見直しをされてきませんでした。当時の戦争孤児をどうするかという問題からでき上がった法律でありましたが、子供の、権利の主体であること、最善の利益が優先されること、こういったことは明確にされていませんでした。 改正案では、これも今お読み上げをいただいたとおりで、児童の権利に関する条約の精神にのっとって権利を有するということを明確に総則の第一条に位置付けをいたしました。その上で、国民、保護者、国、地方公共団体、それぞれこれを支えるという形で子の福祉が保障される旨を明確にしたわけでございまして、また社会のあらゆる分野において子供の最善の利益が優先して考慮されることをこれも明確にさせていただきました。 これ、なぜそうしたのかということでありますが、これは先ほど申し上げたように、児童虐待は、愛されるべき相手である親から虐待を受けるというようなことが増えていく中で、やはり民法で親の権利は明確に定められている一方で、子供の権利は日本の法律にはどこにも書いていない、これでは子供の命を守ることはできないだろうということで、やはりこれは権利というものを明確にした上で子供を守っていかなければいけないし、健全な養育を保障するということを権利として定めることが大事だというふうに思ったわけでありまして、まさに命と権利、そしてその未来を守るということで第一条にうたわさせていただいたということでございます。
○小池晃君 何だか久しぶりに大臣の言うことをいいなと思いながら聞くような答弁でありましたけれども。時々そういうことありますけどね。 ちょっと具体的な問題、一時保護所について聞きたいと思うんですが、児童相談所が保護した子供を短期滞在させる、これは厚労省の運営指針でも一時保護の期間は二か月超えてはならないとしております。 配付資料を御覧いただきたいんですが、しかし直近の数字ではだんだん増加傾向にあります。それから、地域別に見ますと、例えば福井県は平均六十五日、金沢市は五十九日、千葉県は五十四日。これ平均ですから、短い子供もいればもっと長期に入所しているケースも少なくないはずでありまして、この一時保護所の実態なんですね、虐待によるものが半数近くで、こういう場合は虐待者から引き離さなければいけないから一時保護している間は学校に通えない。 入所が長期化することは学習面の遅れにもつながります。文科省は昨年七月に通知を出して、児童の学習条件を向上させる取組というのもやられているようですが、やはりこの一時保護が長期化することで、学習面だけでないと思うんですね、交友面も含めて支障が出るおそれがあります。 やはり様々な事情を抱えている子供たちに精神面でサポート、必要な支援、処遇の改善が必要だと思うんですね。さらに、一時保護所にとどめておくんではなくて、そこから先への支援につなげていくことも必要だと思います。厚労省、どうでしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) お答え申し上げます。 一時保護所につきましては、先生今御指摘のようなことは指摘をされております。現在の一時保護所の子供たちは、今お話ありましたように、様々な背景の子供がいらっしゃいますけれども、やはり虐待が非常に増えているというのは事実でございます。他方で、非行の子供とか養育困難の子供とか、様々な子供がいらっしゃいますので、そこはやっぱり個別の対応ということが恐らく必要になるということだと思っております。 現在、一時保護所に関しましては、心理担当職員の配置ということを、できるだけ個別に対応するということでやっております。それから、今お話しになった学習指導に関しましては、学習指導協力員というのを配置いたしましてできるだけ支援をしていくということをしております。 それから、昨年度の補正で、一時保護所、結構大部屋といいますか、大きいところに子供がいるというところが結構ありますので、できるだけ居室の小規模化を図る、それから年齢別あるいは入所事由別にそれぞれ処遇できるようにそういうスペースを用意するということで、今整備は二分の一の国庫補助なんですが、特例的に補正で三分の二ということにしまして、できるだけ個別の処遇を確保するようにということをやっております。 それと、退所後のお話ですが、今回の改正案では、一時保護を解除した後、施設なり措置をされるか自宅へ帰るかということになるわけですけれども、保護者に対するカウンセリングをきちんとやるということで解除後の子供の安全確認を図るということで、解除後の支援についても強化をしていくということをしております。 あわせて、これも御答弁申し上げていますが、児相の体制強化ということで児童相談所強化プランを作りまして専門職の配置の大幅な増員というものも図るということで、全体として一時保護所の整備も進めてまいりますが、やはり基本的にはできるだけその子供の状態に合った支援ができるように、児相の体制の強化、あるいは一時保護所の強化、あるいは速やかな措置、あるいは在宅支援というものができるような体制を整備して対応してまいりたいと考えております。
○小池晃君 そういう取組は非常に大事だと思うんですね。 それで、一方で、収容力が限界に近づいているんじゃないかという指摘もあります。共同通信の調べでは、東京都と千葉県の約六施設で一三年に定員オーバー、ピーク時には定員の一五〇%まで達したところもあると。定員を超えた場合は、今できるだけ小規模な部屋と言ったけど、一人部屋を二人で共有すると。子供たちがトラブルを起こさないために職員が時間外勤務で見守るというようなこともあると聞いています。担当者は、保護が必要な子供が増えていて、命に関わるケースもあるから、定員オーバーだからといって断ることはないというふうに言うんですね。こうした状況をやっぱり放置できないと思います。 大臣、やはり虐待件数、相談も増えている。未然に防ぐ、起こったときに子供たちの命守る、その最前線が児相であり一時保護所です。これは一時保護所の数も職員の数も抜本的に増やす必要があると思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、二百九の児相のうち独自の一時保護所を持っているのは百三十二、はっきり言えば百三十二しかないと、こう言わないといけないんじゃないかなと私は思っておりまして、子供の安全を確保するとともに支援につなげるためのアセスメントを行う、そういう場であるわけですけれども、残念ながら、相部屋だったりオーバーキャパシティーだったり、今のお話のとおり、そういうことがあるわけでありまして、やはりしっかりここは対応をしていかなきゃいけないということで、先ほど局長の方から御説明申し上げたような、数を増やす、量的拡大、環境改善、これはやってきているわけであります。 一方で、二十八年度予算では一定数の一時保護委託児童を受け入れることができる専用の居室等を設けている児童養護施設等に対する新たな加算等計上はしておりますが、やはりこれは児相で本来一時保護所をきちっと持ってケアをするということが大事なんだろうというふうに思っています。 さらに、一時保護所の職員の充実というものも当然図らなければいけないわけでありますし、それから心理担当職員の配置については二十八年度の予算で経費計上しておるところでありますが、いずれにしても、一時保護が必要な子供の安全等を適切に確保するためには一時保護所の整備、そして一時保護委託の、これは今の児童養護施設などでありますけれども、今すぐにということであればそういうこともあるかも分かりませんけれども、本来やっぱり中長期的には児相が自らちゃんと持って、そこでケアをしながら子供の発育を守っていくということが大事だというふうに思っております。
○小池晃君 是非進めていただきたいと思います。 それから、追加でちょっと一問聞きたいんですが、先ほどやり取りあった歯科医療の問題なんですけど、児童福祉法第二十一条十の五では明示されていませんが、歯科医師も含まれるんだという御答弁がされました。 確認しますけれども、この第二項にはその要支援児童に対する情報提供が刑法の秘密漏示罪の対象から除かれるという規定があります。この規定にも歯科医師は含まれるということでよろしいですか。先ほども虐待を早期に発見しやすい立場であるのは常識だという答弁もあって、やっぱり秘密漏示罪に問われたらという心配で通報をためらうようなことがあってはならないと思うので、そこははっきりさせていただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、この刑法の秘密漏示罪の規定その他の守秘義務に関する法律の規定は、情報提供をすることを妨げるものと解釈してはならないと規定していることにつきましては、歯科医師についてもその協力の重要性に鑑みてこうした情報提供の協力を求めるということにしているわけでございますので、全く同じ扱いというふうに考えていただいて結構だと思います。
○小池晃君 こういう心配もあるからちゃんと歯科医師と書いておけばいいということだと思いますけど、まあ、それはもうこれ以上言いませんけど。 それから、前回聞けなかった自立支援医療のことを聞きたいんですが、ちょっと時間がないので質問をちょっと飛ばしていきますが、これは二〇一八年三月まで、資料の三枚目にありますような経過的特例措置という負担軽減措置があるわけです。これ、財政審などは経過措置終了後は廃止すべきだと言っていて、患者、家族に不安広がっています。恒久的な制度にしてほしいという要望も来ているわけです。 これ、経過的特例措置の対象となっているのはここにあるように中間所得の一と二という世帯で、これは、中間所得一は年収二百九十万から四百万程度、それから中間所得二は四百万から八百三十三万という、そういう水準です。この所得基準変わっていないわけですから、十年たって、これ十年たったからやめるんだという議論は私は成り立たないというふうに思うんですね。 実態どうなっているかというと、その次のページ以降に実態が出ておりますけれども、これは全国心臓病の子どもを守る会がアンケートをやった結果なんですけれども、これ、ゼロ歳から十九歳までの心疾患患者の親二百二名より回答を得ております。フォンタン術後が六十二名、ファロー、両大血管右室起始術後が四十九名、ASD、VSDの術後が十四名など、非常に重い心疾患のお子さんを持っている。配った資料にはありませんが、この間、手術年齢がかなり早くなってきていて、三歳から四歳までに最終手術終わっているケースが非常に多いのが特徴で、子供が小さいだけに収入が非常に少ないと。先天的な心疾患ですから、先天性心疾患は専門医療機関に限られるので、四人に一人が県外の病院に通院しているということも実態が出ています。 それから、五枚目、六枚目のところに、医療費以外の負担が重いという実態が出ておりまして、差額ベッド、食事代、通院のための交通費、付添いのための費用、医療費以外の負担が三十万円超えているような実態があるんだということが共通して言われています。 もう一回資料四枚目に戻っていただくと、ここに実例が出ておりますけど、経過的特例措置がなくなるとどうなるかということで計算してみたものです。これは二〇一〇年にカテーテル検査とそれからグレン手術をされた方の場合ですが、今、経過的特例措置によって負担額は五万六千五百二十円、これが経過的特例措置がなくなると三十万二百八円というふうに激増するわけですね。五・三倍です。 生まれたときから重い心臓病を持ち、何度も検査、手術を繰り返し、遠くの病院にお子さんを連れていって、親御さんは泊まり込みでその面倒を見る。残された兄弟の世話はおじいちゃん、おばあちゃんたちに任せたりとか、いろんな苦労をしながらこれだけの医療費の負担を強いるということが私はあっていいんだろうかと思うんですね。 私、こういう実態見ればこの経過的特例措置の廃止なんというのは絶対許されないと思うんですが、大臣、いかがですか。これ、やっぱりしっかり継続すべきですよ。
○国務大臣(塩崎恭久君) 自立支援医療の利用者負担に関する経過的特例措置、これについては、昨日成立させていただいた障害者総合支援法の見直しについての御議論の中にも障害福祉サービスの利用者負担の在り方として、併せて審議会で議論をしていただいたところでございます。 審議会の報告書では、利用者負担に関する経過的な特例措置については、時限的な措置であって、施行後十年を経過する、そして平成二十二年度より障害福祉サービスの低所得者の利用者負担が無料となっていること、それから他制度とのバランスや公平性等を踏まえて、その見直しについて検討すべきというふうにされておりますが、この報告書を踏まえて、私どもとしては、この経過的特例措置について、今後、当該措置が終了するのは平成三十年三月でありますので、そこまでしっかり議論を深めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○小池晃君 しかし、十年たったからといったって、負担は変わらないわけですよ、苦しみは変わらないわけですよ。他制度との公平性と言うけれども、やっぱり特別困難抱えている方たちの軽減措置ですよ。 大体これ幾ら掛かるのか。経過的特例措置の財政負担ってどれだけですか。それから、低所得者を、さらに住民税非課税の方を負担を無料にした場合の財政影響はどれだけになりますか。数字だけでいいですから答えてください。
○政府参考人(藤井康弘君) お答えいたします。 自立支援医療の経過的特例措置に関します予算は約五十億円、御指摘の低所得者層を無償化するために必要な予算は約百二十億円と推計をしてございます。
○小池晃君 五十億円あればこの軽減措置は続けられるわけです。それから、おとといも議論になった基本合意でも約束されている住民税非課税世帯の負担無料化も百二十億円あればできるわけですよ。大臣、莫大な財政負担じゃありません、これ。やはり私はこういうことをしっかりやるのが政治の責任だというふうに思いますよ。 自立支援医療というのは障害者医療の根幹を支えています。それなのにこの軽減制度を打ち切れば、恐らく他制度にも波及しますよ。自治体がいろいろやっている独自の制度なんかにも波及する可能性もある。私は、改めてこれ継続すべきだと。今の実態も見ていただいて、そしてその財政負担の額も見ていただいて、これやめちゃうということは許されないんではないかと。やはり、大臣、これはきちんと継続するんだと、少なくとも厚労省としては政府に対して継続すべきと、物を言うんだというふうに言ってくださいよ。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほども申し上げたように、三十年の三月までに検討していくことになっておるこの検討の事項でございますけれども、今お触れをいただいたように、基本合意の中に、利用者負担における当面の措置、その中で、自立支援医療に係る利用者負担の措置について当面の重要な課題とすると、こういうふうに明定をされています。 我々、答弁でも申し上げたとおり、この基本合意並びに骨格提言の中の当事者や関係者の皆様方の思いをしっかりと受け止めながら今後の検討をしていくということを申し上げているわけで、自立支援医療に係る低所得者の利用者負担、この在り方について、今申し上げたような観点から、当面の重要な課題とされているこのことについてもしっかりと、様々な御意見をしっかり受け止めながら、私どもとしても厚労省としても考えていきたいというふうに思っております。
○小池晃君 やっぱり低所得者だけじゃないですよ、これ。やはり中所得者だってこういう心臓病のお子さんを持ったら本当に大変な負担になるわけです。お仕事にも大きな影響が出るし。 だから、私は、単なる低所得者、もちろん低所得者対策は必要だけれども、それだけではなくて、やはり本当に子育て支援というのであれば、最もこういう困難を抱えているそういう方たちに対する、五十億円あれば継続できるような制度を打ち切るというようなことは私はやってはならないと思いますよ。自分は生まれてこなきゃよかったというようなことをおっしゃるという話も聞くんですよ。そんなこと許していいのかということだと思います。これは真剣に考えるべき課題として問題提起したいと思います。是非これは継続していただきたい。 それから、残る時間、どうしても熊本の問題、ちょっと今日、もう国会も終わりに近づいているので聞きたいんですが、雇用対策。 これ、大変な今事態が起こって、ハローワークへの相談件数が物すごく増えている、一万三千件を超えたそうです。雇用保険の手続が七千二百件、雇用調整助成金三千三百件、仕事そのものについての相談千三百件。ハローワークの窓口二時間待ちという状況はいまだに解決されていません。厚労省、応援体制は今どうなっていますか。
○政府参考人(生田正之君) お答えいたします。 今委員御指摘になったような事態に対応するために、ハローワークの全国ネットワークを活用いたしましたローテーション方式によりまして、雇用保険、雇用調整助成金の事務に精通した職員を他の労働局から熊本に応援派遣をしておりまして、現在九名の応援を行っております。
○小池晃君 九名、九名なんですね、これだけ仕事が増えているのに。九つハローワークがあり、一つの出張所があり、労働局は十か所あるわけです。職員は臨時職員含めても三百五十人。大臣、先日現地を視察されて、実際その職員の皆さんは自ら被災をされ、その中で懸命に奮闘している姿を直接御覧になっているというふうに思うんですね。そこに応援が九人、これでいいんでしょうか。 私は、震災という事態ですから、なかなかこれすぐに解決しない問題がいっぱいあるわけです、雇用の問題。それから、施策拡充している部分もありますから、通常よりも、だから相談に時間が掛かっているわけですよ。制度に熟知した職員をやっぱり多数派遣する必要が僕出てきているというふうに思うんです。大臣の責任で被災地のハローワークに対する応援体制を抜本的に強化すべきではないですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先週日曜日に、三回目、熊本に行ってまいりましたけれども、やはり一か月余りたって、この雇用の問題が大変心配であるということは私も共通認識でございます。 益城にも参りましたけれども、やはり、益城の方々が上益城に、隣町にハローワークは一応ありますけれども、そこまで行くのに車で二十分ぐらい掛かるわけですから、そんな余裕は多分ないんだろうというふうに私は思って、前回、松村委員の予算委員会での質問でも申し上げましたけれども、やはり被災した事業所に対して、待ちの姿勢ではなくて、こっちがハローワークに来てくださいと言うんじゃなくて、むしろ積極的に出向いて、例えば雇用調整に関する情報を早期に把握をするということとか、それから既に実施をしている雇用調整助成金とか雇用保険の特例措置、こういったことについて事業主向けの説明会の開催とかあるいは事業主団体に出向いて説明をするなど、あらゆる機会を捉えて周知を強化せよということを言ってまいりまして、離職の防止に向けた働きかけを強力に進めてきております。 雇用調整助成金等の手続に慣れていない中小企業の皆さん方によりきめ細かな相談とかアドバイスを行うようにするために、来週からは応援体制、今九人ということでありましたが、二十人規模に増員をいたしまして体制を強化するということにしているところでございまして、今後とも被災地のニーズをどうきめ細かく把握をしていくかということが大事でありますので、今、元々の労働局の職員も出向いていく、シフトに入ってもらっているわけでございますので、万全を期してまいりたいというふうに思います。
○小池晃君 九人が二十人じゃスズメの涙じゃないですか。もう、一桁増やせというさっき声があったけど、そうですよ、やっぱりね。これ、やっぱり抜本的にやらないと本当に現地大変ですよ。短期間の支援でしょう、これは限定された期間でしょう。やっぱりもっと思い切ってやらなきゃ駄目ですよ、やれること全てやると言っているんだから。 それから、もう時間の関係で質問じゃなくて要望にとどめますけど、離職が続く中で、熊本県熊本市は実際に臨時職員を五十名募集して、避難所の働く臨時職員を募集しているわけです。こういったことをやっているわけですね。緊急雇用創出事業というのが国はあって、一時的な雇用創出をやった経験もあるわけです。是非これ、熊本県熊本市の国に対する要望の中には緊急雇用基金の創設による就業支援というのは出されています。もう補正予算はすぐにでも自治体の要望に応じるためにということで作ったわけでしょう。私は、やっぱりきちっとこの熊本で雇用を国がつくるということも、仕事もちゃんとやるべきだというふうに思います。 自治体の要望を受け止めるかどうか、そのことだけでも言ってください、じゃ。
○国務大臣(塩崎恭久君) 実際、熊本市長からもその五十人のお話は直接私も聞いております。したがって、我々としては雇用の影響を、先ほど申し上げたように、二回目のときもそうでしたし、三回目はもっと緊迫度を増しているというふうに思いますので、適切なる連携を自治体としっかりやりながら、この基金という方式にはとらわれずに必要な雇用対策はしっかりと検討して打っていきたいというふうに思います。
○東徹君 おおさか維新の会の東徹でございます。 まず最初に、児童相談所のことでありますけれども、まず名称について質問をさせていただきたいと思います。 今日も参考人の方が来られて、東京都では児童相談所という名前なんだなということで改めて思ったんですけれども、大阪府では中央子ども家庭センター、子ども家庭センターというふうに呼んでいるんですね。東京都に私も来ると、東京都には、港区では港区が設置している港区子ども家庭支援センターとか、新宿区子ども総合センターとか、名前がいろいろあるんですね。自治体によってばらばらに名前があって、今いろんな、昨日からも障害者福祉でもいろんな施設の名前とかたくさん出てきていますし、高齢者の介護でもいろんな施設の名前が出てきているんですけれども、やはり名前は全国統一していった方がいいのかなと。また、特にサラリーマン世帯だと転勤もありますし、そういったときにどこへ行ってもやっぱりこの名前だったら分かるということが望ましいんじゃないのかなというふうに思っているんですが、この点についていかがでしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) 御答弁申し上げます。 児童相談所というのは、これは法律上、児童福祉法上の名称でございます。説明改めて申し上げれば、児童の福祉に関し、市町村の援助、相談、一時保護、在宅指導や里親委託といった措置を行う、業務を行う施設となっております。 都道府県、政令市を見ますと、ざっと見ると六割、七割ぐらいは児童相談所という名称なんですが、幾つか今先生御指摘のように独自の名前を付けているところがございます。独自の名前を付けているところを見ますと、一つは、例えば児童相談所の機能と女性に対する相談とか障害者の相談とか、そういう形で窓口を一個にしてつくっていると。そうしますと、全体を示す名称ということになりますので、お話のあるとおりだと思います。 例えば、香川県とか広島県は婦人相談所の機能を持っているので、子ども女性相談センターとか、こども家庭センターになります。それから、東京都とか、多分大阪もそうだと思うんですが、単独事業を持っておられるところはその事業も併せて行うということになるので、そういった意味で独自のお名前を付けておられるということになります。 なので、この辺は各自治体での業務の内容ですとかいろんな経緯で各自治体なりに住民に対して分かりやすい名称をということでお考えなんだろうと思いますが、逆に、こう書いてしまいますと、いわゆる児童相談所の機能がどこにあるかというのが分からなくなってしまうという問題も一方であるということなので、これは最終的には自治体の御判断ということになるんですが、児童相談所の機能をここが持っているということを分かるような形にしていただくということはちょっと御配慮いただいてもいいのかなと。場所によっては、何とかセンターと書いて括弧書きで福祉事務所とか児童相談所というようなことをしているところもあるようですので、その辺も含めて、今の先生の御指摘も踏まえて、自治体の方にはその辺の配慮をお願いするということでちょっと周知をしてみたいと思っております。
○東徹君 名前って非常に大事で、外から入ってくる人、都道府県からまたほかへ行く人とかいろいろいますので、移動がやっぱり多くなってきていると思いますので、そういった名前の統一化というのはやっぱり大事なのかなと。 今度この法案でも子育て世代包括支援センター。地域包括支援センターとまたこの子育て世代包括支援センターと、包括支援センターという名前だけは一緒でして、これまたこんがらないのかなとか、ちょっとそういうふうにも思いますので、是非是非、その名称がどんどんどんどんと増えていっていますので、名称がややこしくならないように、そういう名称の付け方も配慮をしていかないといけないんじゃないかなというふうに思っております。 次に、児童福祉司の確保が非常に大事だというふうに、今日も参考人の意見も聞いておりましてそう思いました。 非常に、やっぱり虐待の通報があったら飛んでいかないといけないということでありますけれども、平成二十六年度の児童虐待相談対応件数が八万八千九百三十一件、平成十一年度から比べると七・六倍になっておりまして、児童福祉司の数は、一方、これは平成二十六年度で二千九百三十四人と、平成十一年度から比べると二・四倍でしかないというような形なんですね。虐待の相談対応件数は七・六倍になっているけれども、児童福祉司の数は二・四倍にとどまっておると。 政府の出されています児童相談所強化プランというのがありますが、この児童相談所強化プランなんですけれども、児童福祉司の数を平成三十一年度を目標に三千四百八十人まで五百五十人増やしますよというふうに書いてあるんですが、これはどうやって確保していくのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘をいただいたように、児童虐待の対応件数というのは対応をした件数であって、実際に起きている件数とは少し違う、むしろ小さい数字でありますからもっと事態はなかなか大変だと、こういうふうに理解を私どもはしているわけでございます。 四月の二十五日に策定した、今お触れをいただいた児童相談所強化プラン、ここで、一つは、やはり今まで人口当たりの数を増やすということでやってきたのが基本でありました、配置基準につきまして。しかし、業務量としての児童虐待相談対応件数、これにやっぱり合わせるという形でやっていかなきゃいけないということで、四年間で全国で五百五十人程度の大幅な増員を目指すということであります。 もちろん、数だけではなくて中身の、どういう人を増やすのかということが私は大事ではないかというふうに思っていて、やはり専門性がなければ虐待ケースの対応をきちっとするということについてはなかなか難しい問題があるというふうに思っていますので、そういう意味では、児童福祉司といっても何種類かございまして、その資格、例えば社会福祉士の資格を持っていらっしゃる方、そうじゃなくて、いわゆる児相で二年間経験をしたということでも児童福祉司あるいは主任とかそういうのになれるということで、そういう形で実質的な専門性のない方が人数増えてもしようがないというふうに私は思っていますので、やはり専門性のある人たちをどう増やしていくかと、この五百五十人の中もですね。 そこのところをやっぱりしっかりやらなければいけないと思っておりまして、地方交付税措置がこの目標に関してはなされるものと承知をしておりまして、まずは平成二十八年度において、児童福祉司の増員に対してこの十年で最も手厚い水準となる地方交付税措置、これは、標準団体、人口百七十万人当たり三人増員ということでございますけれども、こういったプランを達成するために都道府県等に対して着実な実施を働きかけていくとともに、中身が大事だということも地方に、都道府県に徹底してまいりたいというふうに思っております。
○東徹君 ちょっと今大臣の方から社会福祉士の話も出たんですけれども、この児童福祉司の資格の取得過程の表を見ますと、社会福祉士は経験年数なくてぼんとなれる、医師と社会福祉士と精神保健福祉士なんですが、あとは大体経験年数が何か一年とか二年とかあっているわけですけれども、これはちょっと通告していなかったんですが、ちょっと名前が出たので確認なんですけれども、公務員でなくても、民間の人がお医者さんの資格持っている、社会福祉士持っている、精神保健福祉士持っている、こういった人であれば別に公務員でなくても年齢に関係なく採用、そういった、児童福祉司になってそういう仕事ができるというふうなイメージを持っていてよろしいんでしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) 児童相談所は都道府県の機関ですので、何といいますか、常勤職員としてそこで働くということになりますと、これは公務員ということになりますので、逆に言うと、そこで定員管理がかぶるということになりますので、こういった形で言わば公務員、定員結構厳しいですけれども、ここについては増員をしてもらうということになっています。それ以外に、例えば、何といいますか、非常勤でお願いするとか嘱託でお願いするとかいう形で、そういう形じゃない身分で例えば手伝っていただくという形で来ていただくという形であれば、それは言わば定員管理の外で採用されることになりますので、そういった形で手当てをするということももちろんできます。 ただ、基本はやはり、先ほどからもお話ありましたように、様々、言わば公権力の行使といいますか法律上の措置行為を行ったりしますので、やっぱり基幹の部分は公務員でないと困りますので、そこはきちんと地方公務員で押さえるということになると思います。
○東徹君 非常に足りない足りないというようなことを聞きますので、公務員でなくてもそういった非常勤でもいいので、そういったことを増やせばいいんじゃないかと思うんですけれども、なかなか非常勤の人ってやっぱり入れたがらないみたいですね。公務員でなければならないみたいな、そういったことも聞きます。非常勤でもいいから増やしていくということもしっかりと御検討いただければというふうに思います。 続きまして、先ほど小池委員も聞いておりましたが、一時保護所のことについて質問させていただきたいと思います。 一時保護所なんですけれども、先ほど大臣の方からも、百三十二でしたかね、二百九か所の児童相談所のうち一時保護所を設置しているところが百三十二か所ぐらいだというふうに聞いたと思うんですが、それぐらいしかないのかというふうなお話でした。 これは年間でどの程度運営コストが掛かるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○政府参考人(香取照幸君) 一時保護所でございますが、先ほど大臣答弁申し上げていましたように、二百九の児童相談所のうち百三十二、七十七は設置しておりません。これは、他の児童相談所の一時保護の活用ですとか、あるいは、ちょっとお話ありましたが、養護施設等で委託をして預かってもらうというのが実態になっています。 一時保護所の運営費についてですが、一時保護所の運営費につきましては国庫負担二分の一ということになっておりますので、国の方で一定の運営費の補助をしております。これの金額と一時保護所の数で単純に計算しますと、それぞれ大小ありますが、平均すると一か所年間大体四千万円ぐらいの運営費ということになろうかと思います。
○東徹君 ありがとうございます。 次に、この一時保護所も、非常に数もばらばらなような、入所率が一〇〇%を超えているところもあれば入所率が一%から二〇%までのところもあったりとか、非常にばらばらだというふうに聞いておりまして、非常にばらつきがあるのだなというふうに思っておるんです。 そんな中で、塩崎大臣の方から、増え続ける児童虐待事案に対応するため、国会の一致した考えがあれば全ての中核市、特別区に児童相談所を必置するべきではないかというふうなお考えがあるというふうなことを聞いておるんですけれども、これどのように実現されていくのか、お伺いをしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 残念なことではありますけれども、大体一定程度の人口があれば虐待が発生するということであります。したがって、そういうことであれば、中核市にしてもそれから特別区にしても一定程度の人口を抱えているわけでありますから、都道府県の児相の傘下で対処するんではなくて、自ら対処するというための児相を持つべきではないのかというのが私の考えでございまして、できたら必置にした方がいいんではないのかということをずっと言って厚生労働省の中でも大議論をしてまいりました。 つまり、自治事務であるがゆえに必置とすることはできないというふうに、常識的に考えれば、霞が関ではそういう理解のようでありますが、しかしそれで、じゃ、児童虐待に対処できるのかという実態を考えてみればということでいろいろ考えた結果、現行法上、希望する市は政令による指定を受けて今児童相談所を設置することはまずできているわけで、実際、横須賀とそれから金沢は中核市でも既に持っているわけですね、独自のものを。 ということでありますが、やはりこれは改正案でもって、その施行後五年をめどとして中核市と特別市が児童相談所を設置できるようにその設置に係る支援等の必要な措置を講ずることとしているわけでありますが、附則でもって、それは逆に言えば、しっかりと国が、先ほどお話が出ていた財政的な支援と人材面での支援をして、中核市と特別市には五年以内に全て設置できるようにサポートをしていかなければいけないのではないかという意味合いを込めてこういう条文にさせていただいたということでございます。
○東徹君 確かに、おっしゃられるように、やはり児童相談所というのはできるだけ身近なところにあった方がいいというふうにも思いますし、また特別区とか政令市、政令市はもちろんなんですけれども、中核市にもあった方が本当はいいんだろうなというふうに思います。ただ、おっしゃるとおり、課題は財源の確保とそれから人材の育成ということで、これは、特に人材の育成についてはしっかりとこれこそ国の方でやった方が養成していきやすいんじゃないのかなというふうに思います。 続きまして、児童相談所の臨検それから捜索についてお伺いをさせていただきたいと思います。 今回の法改正で、臨検、捜索についてなんですけれども、現行法では必要とされる再出頭要求に応じないことという要件をなくして、裁判所の許可状があれば臨検、捜索できることというふうにされております。再出頭要求に応じないことが必要とされている現在の仕組みでは、出頭要求から臨検、捜索の実施まで何日程度掛かっていて、今回の法改正によってどの程度期間が短縮できる見込みなのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(香取照幸君) 臨検、捜索でございますが、これは保護者の強い拒否、抵抗があっても児相が子供の安全確認のために確実に住居内に立入検査ができるようにということで、裁判所の許可状を得た上で強制的な解錠、破錠ができるという実力行使の規定でございます。 手続規定、ちょっと簡単に申し上げますと、まず家庭訪問しまして、出頭をして、立入調査をして再出頭要求を掛けて、許可証をもらって臨検に行くという今の流れでございまして、この中の再出頭要求の手続を簡素化するというものでございます。 今のお話ですと、この間、実は最後まで行った件数は五件しかありませんので、全体どうかというのはなかなか申し上げられませんが、出頭要求から臨検、捜索までに要した費用が最大で二十四日、再出頭要求が間に挟まりますとそれが八日延びているということになりますので、その意味でいいますと八日程度、二十四日のうち八日ぐらいが短くできると、手続的に。今の過去のケースからいくとそのぐらいの日数になります。
○東徹君 ということは、この臨検、捜索手続自体が余り活用されていないということになるんですけれども、そういうことでよろしいんでしょうかね。
○政府参考人(香取照幸君) これは、導入のときに相当やっぱり議論が、これは実は議員立法で作ったものでございますが、大変議論があって、国会でも議論があって作ったものなので、かなり手続的には厳格に作られております。 かつ、そういう意味でいうと、最終的には破錠してでも立ち入るぞと、家に入ってでも子供を連れていくことができるんだという、言わばそういう、何といいますか、抜かない何とかというのがありますけれども、そういった意味で、現場については、何といいますか、それなりの効果があったというふうに思いますが、最終的に行ったのが五件ということでそれなりに効果があったと思いますが、やはりこの間の運用を考えますと、もうちょっと柔軟にできた方がいいだろうと。 当初は非常に強い規定なので慎重にということで手続が厳格になったわけですけれども、この間の様々な事例から、やはりこれはもうちょっと機動的に使えるようにということで手続を簡素化して、もうちょっと早い段階で介入ができるようにということで今回制度改正をお願いするということでございます。
○東徹君 続きまして、ちょっと時間がなくなってきましたので、職員の研修体制についてお伺いしたいと思うんですけれども、先ほどからも話がよく出ていますように、専門性というのは非常に大事で、やっぱり専門性を強化していくということが非常に求められます。 今回の法改正でも児童福祉司とスーパーバイザーの研修受講を義務付けるということで研修の充実が求められておりますけれども、現状では研修施設、横浜で一か所しかないんですけれども、全国、横浜で一か所でしかやらないというのもちょっといかがなものかなと思いまして、東日本で一か所あるんだったら西日本でもう一か所とか、何かそんなことを考えられないのか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。 今回の改正案の方では、児童福祉司やスーパーバイザーに研修の受講を義務付けるとか、社会福祉主事が社会福祉士として任用される場合には国が定める講習会や課程の修了を要件とするとか、あと、市町村が設置する要保護児童対策協議会の調整機関に配置される専門職に研修の受講を義務付けるなどということで、今までよりも研修の数を増やして受講する機会が多くなることから、研修の内容と併せて、研修の実施の体制、方策の充実向上についても検討していきたいというふうには考えております。
○東徹君 とかしき副大臣が答弁されるので、何か大阪につくってくれるのかなと今一瞬期待したんですけど、違っていたのでちょっとがっかりしましたが、是非御検討いただければと思います。 特定妊婦に関する情報提供についてお伺いしたいと思いますが、今回の法改正で、出産後の養育について、出産前から支援が特に必要と認められる特定妊婦について早期に把握できるよう医療機関や学校等に市町村への情報提供の努力義務を課すこととしております。 例えば、NPO法人なんかはあると思うんですけれども、例えば性暴力救援センター、大阪ではSACHICOというのがあるんですが、こういったところからの通報とか、こういったことも大事じゃないのかなというふうに思っておるんですが、こういったNPO法人、今回の法改正における医療機関や学校等にNPO法人も含まれているのかどうか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(香取照幸君) 御答弁の前に、先ほどちょっと私、答弁舌足らずでございまして、臨検、捜索の件数五件と申し上げましたが、これは二十二年から二十六年の足下の数字で、法律改正以降でいうと八件、大して変わらないんですけど、八件でございますので、ちょっと訂正をさせていただきます。 今の特定妊婦に関する情報提供でございますが、死亡事例のうちゼロ歳児の割合が四割、これはもう御案内かと思いますが、特定妊婦に関しては早い段階で市町村で情報を把握するということが非常に必要だということでございます。 ところで、今般、情報提供の規定を置いたわけでございますが、この改正案では、児童又は妊産婦の医療、福祉又は教育に関する機関が支援を要する妊婦を把握した場合にはという規定がございまして、当然、NPO等こういった活動をしている機関も当然この対象になるということで、むしろこういった機関との協力、連携をいただいて市町村の支援を行き届かせるというのが私どもの法改正をお願いしている趣旨でございます。
○東徹君 ちょっともう時間もなくなってきましたので、最後に一問質問をさせていただきたいと思います。 厚生労働省の方で、虐待の関連の通告、相談窓口の一元化、これについてモデル事業を実施しようということを検討されているようですが、どのような事業を行うのか、お伺いさせていただきたいと思います。
○政府参考人(香取照幸君) 通告窓口の一元化に関しましては、現行法は、できるだけいろんなところで通報を受けようと、通報の抵抗感を取り除くということでいろんな場所で通報を受けるという形で、なるべくいろんなところで受けるという形になっているわけですが、これについては、どこに通告するかというのを通告する側の人に判断を求めるような形になっておりますので、警察にするか学校にするか市町村にするかとなっているので、一か所で受ける、そこで振り分けるという方がいいのではないかという、こういうことでこの議論になっています。 他方で、一か所で受けるということよりも、むしろやはり、逆にそうするとそこだけで受けることになりますし、そこで振り分けをするということになりますと、電話相談等だけで一義的に振り分けができるかと、こういう議論にもなるということで、ここは少しモデル事業できちんと流れを考えてみようと。 その意味でいいますと、通告窓口の一本化ということだけではなくて、その後それをどういうふうに判断をして適切な施設につないでいくか、トリアージと言うんだそうですけど、そういった流れも含めて全体幾つかモデルをつくってみてやってみようということでございまして、これについては、ほかの様々な通報制度がどうしているかとか、あるいは諸外国でどういう対応をしているかとか、あと、ある程度窓口を一本化して運用している自治体なんかもありますので、そういったところの情報を収集してやるということで考えたいと思っております。 これは、最終的にはこの成果を踏まえて通報の在り方について一応ルール化をしていこうと考えておりますので、そういった入口とある程度その後の、振り分けの後の対応も含めてちょっとモデル事業を組み立ててみたいと考えております。
○東徹君 時間ですので、終わらせていただきます。ありがとうございました。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 外務省がホームページで公表している国連人権理事会のUPR第二回日本政府審査・結果文書の議事録概要には、被審査国である日本政府が学校及び家庭内の体罰は禁止されていると発表したとされていますが、間違いないですね。
○政府参考人(水嶋光一君) お答え申し上げます。 国連人権理事会の普遍的・定期的レビュー、いわゆるUPRの第二回の日本政府審査におきましては、我が国の代表が、学校での体罰については学校教育法第十一条で禁止をされている、また、児童虐待防止法で何人も児童に対し虐待をしてはならないと定められており、虐待に該当する家庭内の体罰は明確に禁止されていると発言したところでございます。 外務省のホームページに掲載しておりますUPRの第二回日本政府審査・結果文書の審査手続の議事録概要における御指摘の記述でございますが、これはそのような我が国の代表の発言を簡潔に記述したものと理解をしております。
○福島みずほ君 民法八百二十二条は、親権を行う者は、八百二十条の規定による監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができると規定をしています。 私自身は、この懲戒することができるという条文は将来削除すべきではないかと実は思っておりますが、民法に規定されている親権者の懲戒と違法行為である体罰とは明確に峻別できるんでしょうか。
○政府参考人(金子修君) 民法上の懲戒権、子に対する懲戒権の行使につきましては、委員御指摘のような条文となっています。 したがいまして、懲戒権の行使として許容されるかどうかということになりますと、それは子の利益のために行使されるか、それから子の監護、教育上必要なものと認められるかどうかということにより判断されるということになります。 懲戒として許容される範囲は、社会と時代の健全な社会常識により判断されることになると考えられますので、児童虐待が社会問題と深刻化されている現状を踏まえますと、その範囲は相当程度限定されることになるものというふうに考えます。 懲戒権の行使で許容されるものの中には例えば有形力の行使を伴うものも含まれると考えられますが、例えば、親権者が他人に対して暴力を振るった子に対して口頭で説教しようとしたところ、子が逃げ出そうとしたということで手で押さえて説教を継続するというような場合であれば許容されるのではないかと思っております。 そうしますと、体罰との区別ということが問題になりますが、体罰の定義自体が明確でないため、両者の関係について一概に申し上げるということは困難な面がございますけれども、少なくとも、委員御指摘のような違法である体罰、例えば身体的虐待とかネグレクトと言われるようなものとの区別という意味では、先ほどのような判断基準に照らして許容される懲戒とは明確に峻別されることができると言えると思います。
○福島みずほ君 今度の法案で、児童の親権を行う者は、児童のしつけに際して、監護及び教育に必要な範囲を超えて当該児童を懲戒してはならないというふうになっておりますが、虐待をする親は例外なく、しつけのためにやった、しつけのためにやっていた、子供が言うことを聞かないからやったというふうに言うことが常です。果たして、その範囲を超えてというこのことで妥当でしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) この論点は当委員会でも何度も御質問を受けておりますが、一方で、親は、親権といいますか、子供に対する権利と、それと養育の責任を負っているということになりますので、しつけといいますか、親の親権の行使に関しての基本的な考え方、民法の考え方は先ほど法務省さんの方から御答弁申し上げたとおりというふうに私ども理解しております。 そのことを前提に、今先生お話しのような、しつけを名目にして子供に対して虐待行為を行うというのをどういった形で防ぐか、それを条文の形でどのように書けるかというのを、私ども、これは政府部内でも法制局あるいは法務省さんとも相談をして、児童虐待防止法に今先生が読み上げていただいたような条文を今回明記するということで、このことによって、言わばしつけを名目にして虐待をするということはあってはならないということをここである意味ではきちんと書いて、このことを実際の親御さんといいますか世の中に浸透させていくということを通じて減らしていくということをやっていかなければならないと考えております。 まず、そのことはそのこととしておいておくとして、もう一方で、子供の養育という観点からしますと、仮に虐待に当たらないような行為であったとしても、基本的に有形力の行使を子供に対して行うということは、何といいますか、一般論としてと言うとちょっと語弊があるかもしれませんが、子供の精神あるいは発達について基本的には悪影響を及ぼす可能性があるということですので、子供の養育の過程で有形力の行使は基本的にはない方がいいと。 これは言わば子育ての基本に関わることなので、これは虐待ということとは別に、やはりそういった子育てについての基本的な物の考え方というのは、母子保健やあるいは様々な子育てに関する私どもの、何といいますか、施策の中で、あるいはいろんなパンフレットその他で施策を行っていく上でも、こういった理解は国民の間に進みますように広報あるいは啓発には努めてまいりたいと思っております。
○福島みずほ君 婦人相談員、母子・父子自立支援員の非常勤規定が削除される意味はどういうことでしょうか。また、その待遇はどうなるんでしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) 婦人相談員、それから父子・母子自立支援員、これは都道府県知事等が委嘱する地方公務員ということになっておりまして、これはそれぞれ売春防止法あるいは母子・父子並びに寡婦福祉法において規定がございます。この中では、非常勤とするという規定のされ方をしております。 しかしながら、地方公務員におきましてはやはり常勤職員と非常勤職員とでは様々な処遇の差というものもございますので、何といいますか、必ず非常勤でないといけないという規定の仕方ですと、逆に言うと非常勤でしか雇えないということになるということで、これはむしろ常勤で雇うということも当然あり得るということで、常勤で雇うことを可能にすることによりまして実際に活動しておられる婦人相談員の方や自立支援員の方々の、何といいますか、モチベーションを上げていくということをしていきたいというふうに思っております。 実際に雇う、雇い上げといいますか、採用する場合に常勤でいくか非常勤でいくかというのはこれは各自治体の御判断ということになるわけですが、やはり各自治体においての判断でございますけれども、基本的にはその専門性にふさわしい処遇ができますように自治体においては改めてその処遇の在り方について御検討いただいて、適切な対応をしていただけるようにお願いしてまいりたいと思っております。
○福島みずほ君 婦人相談員の全国組織である全国婦人相談員連絡協議会は、長年にわたり婦人相談員の身分保障や専門性の確保について厚生労働省に要望してきました。今回の改正で当事者へのヒアリングなどを行っていないが、それはなぜでしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) 特段審議会等でのヒアリングというのは行っておりませんが、今先生お話ありましたように、この論点はかねてから婦人相談員の方々からも御要望がありましたし、あと、何といいますか、DVの話とか女性のシェルターの話とか、最近そういった虐待の問題なんかも非常に多くなっておりまして、婦人相談員の方々あるいは自治体の婦人相談所、シェルター等でのいろんな仕事も増えているということもありますので、ここは法律上で非常勤でないと駄目だという規定の仕方は、何といいますか、やはりちょっといかがなものかと私どもも考えましたので、一応こういった御要望も踏まえて手当てをすることにしたということでございます。
○福島みずほ君 非常勤でなくなることで人件費の補助金がなくなるのではないかという危惧もあるんですが、補助金は存続するということでよろしいでしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) 常勤、非常勤の態様を変えることに伴って助成の体制を変えるという議論は私どもはしておりませんので、もちろん財務省当局から何か言われるかもしれませんけれども、今のところ私どもではそういう議論はしておりません。
○福島みずほ君 婦人相談員の待遇改善について、厚生労働省の婦人相談員活動実態調査によれば、勤続年数が短くなる傾向があり、雇い止めも増えています。最も多いのがゼロから三年未満で三八・八%です。なぜ勤続年数が短くなるかというと、専門性が求められる大変な仕事の割に賃金が低い、交通費の支給がない、残業代の不支給などの待遇の問題があります。賃金などの全国調査も行われておりません。研修機会が不十分であり、特にスーパーバイズの受講機会があるのは二割に満たないということがあります。 待遇面での改善は必要ではないでしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) そういうこともございまして、今度非常勤規定の削除というのを考えたということでございまして、基本的にはそういった前提で各自治体において適切に判断していただきたいというふうに思っております。
○福島みずほ君 新たな子ども家庭福祉のあり方に関する専門委員会報告は、時間を要するとしつつも、最終的には、児童福祉だけではなく、教育、少年非行を含む総合的な子供の権利擁護に係る第三者機関を国レベルで設置すべきとしております。 厚生労働省は総合的な子供の権利擁護に係る第三者機関の設置についてどのように考えていらっしゃるでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) この改正案では、理念規定におきまして、子供は適切な養育を受け、健やかな成長、発達や自立等を保障される、先ほど来申し上げている権利を有する、そして社会のあらゆる分野において子供の意見が尊重され、その最善の利益が優先して考慮されることを明確にしておりまして、こうした理念を実現するために子供の権利を実質的に保障できる社会を構築していくことが重要だと考えておりまして、このため改正案では、都道府県の児童福祉審議会、これが、子供自身の権利を擁護していくためにまず子供や家庭の意見を聴くなどの手続を新たに設ける、そして委員として公正な判断ができる者を選任することを明確化することとしておりまして、さらに子供関係機関から児童福祉審議会が直接苦情を受け付けることなども検討していきたいと考えております。 御指摘の総合的な子供の権利擁護に係る第三者機関の設置につきましては、子供の権利については、福祉に関するものに限らずあらゆる権利が含まれて関係省庁間で十分な検討を要すること、そして地方公共団体などによります現在の取組状況を把握するとともに関係者の意見を十分聴くということが必要だということ、そういったことから、児童福祉審議会による権利擁護の仕組みの施行状況などを踏まえながら、今後丁寧に検討を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○福島みずほ君 児童虐待は刑事事件に発展する危険性があり、児童相談所と警察等の関係機関が連携した対応を行うことが極めて必要だと思います。児童虐待案件に関する情報が確実に共有される必要性があると考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) いろいろなケースが児童虐待あると思いますが、児童相談所とか市町村を中心に関係機関が緊密に連携をしながら、子供の安全を第一に対応するということが何よりも大事であります。 これまで児童相談所では、警察との間で個別ケースの積極的な情報交換、それから子供の安全確保のための警察への援助要請、そして相互協力による職員研修、警察官OBの採用、こういったことを推進するとともに、市町村の要保護児童対策地域協議会、いわゆる要対協を活用して連携を図ってきております。 これらの取組を更に進めるために、本年四月、警察庁において都道府県警察に対して、児童虐待が疑われる場合は児童相談所に過去の対応状況等を照会するよう通知を出していただきました。それから、厚生労働省において都道府県等に対して、児童相談所において、まず刑事事件として立件可能性がある重篤な事案、そして子供の安全確保について保護者の強い抵抗が予想される事案、こういったことを把握した場合は迅速確実に警察と情報交換を行うことを通知をしたところでございます。 今回の改正案では、市町村の要対協の機能強化を図るために、その調整機関に専門職を配置をする、これを義務付けるということを何度も申し上げてきておりますけれども、さらに、今後、運用面で要対協で情報共有すべきケースの具体的な範囲と取るべき対応の明確化などの取組を推進しまして、児童相談所、市町村、そして警察等関係機関などの情報共有を通じた連携を一層強化していかなければならないというふうに考えております。
○福島みずほ君 児童福祉法において、児童とは満十八歳に満たない者と定義されています。高校生であっても、十八歳の誕生日を迎えた後は児童福祉法における児童としての保護の対象から外れてしまいます。 例えば、高校生が十八歳になった後に初めて保護者からの虐待が判明した事案では、一時保護を受けたり児童養護施設に入所させたりすることはできません。現在は高校への進学率が九七%であることを考えれば、せめて同じ高校生の間で差が生じないよう、児童福祉法における児童の定義を十八歳の年度末までとするべきではないでしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) 児童福祉法上、御案内のように、児童の範囲は十八歳未満とされてございます。これにつきましては、児童福祉法は、児童に関する全ての法律の基本的な指導原理を示しているという、そういう位置付けになる基本法でございます。 そうしますと、個別の様々な施策の対応でいろいろ、例えば年金ですと子の加算は十八歳の年度末までとなっているわけですけど、そういった例はありますけれども、児童とか年少者の年齢を定義している他の法律にかなり影響することになります。それから、児童福祉法の中には障害児に関する様々な福祉の規定もございますので、そうしますと、児童福祉法の定義を変えますと障害者の方の定義にも影響するということになります。それから、民法の成人年齢との関係もあります。 ということもありまして、やはりちょっと児童福祉法上の定義を変えるということについては、他法、他施策への影響がかなり大きいので少し慎重に検討する必要があろうかというふうに思っております。
○福島みずほ君 そうですが、高校生の途中で出なくちゃいけないという問題があるので、是非それは検討していただきたいと思います。 二〇一四年度の児童養護施設の高校卒業児童に係る措置延長児童の割合は一六・三%にすぎません。大学や専門学校等に進学する場合は経済的に自立することが困難ですし、専門委員会の報告は、児童養護施設を退所した児童のうち約四〇%が退所時に就いた職を一年以内に辞めていると指摘をしています。 私も最近、養護施設を卒業した若者に会ったんですが、身寄りがないので、基本的に、ですから住み込みでの場所しか見付からない、そこで働いて、でも非常に待遇が悪かったから辞めて、今何とかやっているという話を聞きましたが、やっぱり皆さん本当に苦労しています。 十八歳到達後も支援を必要とする児童は多いです。厚生労働省も平成二十三年に通達を発出し、措置延長の積極的活用を促していますが、高校卒業児童に係る措置延長がこのような低い割合にとどまっている理由は何だと考えますか。
○政府参考人(香取照幸君) この点については私どもも、今お話ありましたように、制度上十八歳ということですが、個別のケースに応じて二十歳までの措置延長と、それから十八歳養護施設卒園後のお子さんたちのための自立援助ホームの制定、あるいは自立援助ホームにつきましても今般の制度改正で二十二歳までの延長ということで、様々、卒業した後の自立支援のための施策を講じているわけでございますけれども、最終的にはこの辺の取扱いの判断については各都道府県の御判断ということになります。 これは都道府県側の御判断ということになるわけでございますけれども、やはり十八歳時点で自立が確実にできるかどうかということについてはかなり慎重な判断が要る場合が結構あるということですので、この点は都道府県の全国課長会議で私どもやっておりますけれども、やはり今回の措置、これまでの措置延長の積極的な実施につきましては都道府県に個別のケースについて柔軟に判断していただきたいということをお願いしてきていますし、今回も法律改正で十八歳以降の支援についてかなり様々な制度改正をいたしますので、こういった考え方も機会を通じて徹底いたしまして、措置延長あるいは十八歳以降二十二歳までの支援について積極的な対応をしていただけるようにこれからもお願いしてまいりたいと思っております。
○福島みずほ君 厚生労働省は、施設入所等措置を受けていた者が二十二歳の年度末まで引き続き必要な支援を受けることができる事業の創設を検討するとしています。支援の対象年齢が引き上げられることは好ましいことですが、例えば浪人、留年した大学生等、自立した生活が送れるかどうかに限らず、二十二歳の年度末で一律に保護を打ち切ることは問題ではないでしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) この点につきましては、先ほどの質問でもお答え申し上げましたけれども、基本的に学業の継続に悪影響がないようにということで二十二歳の年度末まで自立支援ホームについての支援を行う、あるいは児童養護施設等につきましても二十歳以降について二十二歳まで支援ができるというふうにしてございます。 お話しのように、留年する、あるいは休学をする等々のケースがございますので、こういったことにつきましては、制度上は個別のケースについて法律で書き切ることができないので二十二歳の年度末としてございますけれども、予算措置その他運用において柔軟に対応できるよう検討してまいりたいと思っております。
○福島みずほ君 全国児童相談所の虐待相談対応件数の九割以上の子供は在宅支援です。乳児院や児童養護施設の定員の充足率は八割を超えています。施設入所や里親委託が必要であるにもかかわらず、空きがないためにやむを得ず在宅支援となっているような事案はないでしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) 児相の相談件数、今九万件弱ございますけれども、その後の対応件数を見ますと、お話しのように、在宅のまま指導等を行うケースが約九割ぐらいございます。 これについては、まず一つは、相談件数が急速に増えておりますけれども、そういう意味でいいますと、これ延べ件数ということになりますので、初回の相談というのがかなりある、増えているということはそういうことでございますので。そうしますと、初回でいきなり措置をするというのはよほどのケースでないとありませんので、やっぱり初回は基本的には相談、指導、助言を行って、一旦は在宅で指導を行うというふうになるということになりますので、全体の相談の件数の増との関係でそういうことが起こるということがあろうかと思っております。 それからもう一つは、最近多いのが実は面前DVでございまして、これは子供の面前で同居する家族同士が、何といいますか、暴力を振るうという、これ一応心理的虐待になるんですが、このケースですと、子供ではなくて親の方の指導ということになりますので、こういった形で、実は施設入所の件数自体は増えていますけれども、構成割合でいくとやはり全体としては少し在宅の方が増えるという形になっていくんだろうと思います。 いずれにしても、私どもは個別のケースにおいて適切に判断をするということで判断をしてまいりますので、必要があれば一時保護も果断に行いますし措置も行うということで、そこは基本的には個別のケースに応じて適切に対応できるような対応をしております。
○福島みずほ君 今日も里親会の方から話があったりしました。大臣は特別養子制度などに極めて熱心というふうに思っておりますが、里親制度や特別養子縁組などをもっとやっぱり応援すべきだと思います。もちろん施設でハッピーに暮らす子供もたくさんいますけれども、やっぱり里親や特別養子縁組などをもっともっと日本は応援すべきではないか、この点についての大臣の思いと決意を是非述べてください。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、先ほど申し上げたように、改正法の第三条の二に、やはり子供は家庭において養育されるべきと、それがうまくいかなければ、あるいはそれが好ましくない場合には家庭における養育環境と同様の養育環境において継続的に養育をすべきだと、されるようにしようということを二番目の順位として書き込ませていただいて、その次に家庭的環境ということで、やはり家庭環境で養育を受けることが大事で、それにはやはり特別養子縁組なりあるいは里親なり、直接子供に接するのが親子と同じように大事な愛着形成の例えば〇—二歳の一番大事なときにそういう形でいつもそばにいるという形が一番子供にとっては大事だろうというふうに思っておりますので。 本来は生みの親、父親、母親に育ててもらうというのが子供にとっては一番の幸せでありますが、その次に、我々、やはり里親にしても、それから養子にしても、今回は特に特別養子縁組などについて明確に児相の業務に位置付けるということでもございますし、それから、やっぱり見てみますと、児童相談所でいっぱいいっぱいでなかなかできないこれまでの里親と特別養子縁組などのお世話が、これから専門性を高めることによって、それから人員配置も専門性の高い方を増やすことによってそちらにできる限りやっていこうということで、課題と将来像を、もう三分の一、三分の一、三分の一というのを直すということを考えているのは、今まさにそこでおっしゃっている養子縁組なりあるいは里親をもっともっと増やすことによって子供が健全に養育されるようにしようじゃないかと、こういう考えでございます。
○福島みずほ君 是非よろしくお願いします。 終わります。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。 本日は、まず、質問通告いたしておりませんけれども、香取局長とそして大臣に是非お願いがございます。 先ほどから特定妊婦の話が出ておりました。私、以前、大臣ともこの虐待の問題については予算委員会でやり取りをさせていただきました。そのときに、実際にテレビを見ていただけた方、そして愛知方式ということで特別養子縁組を進めていらっしゃる矢満田先生からも御意見をいただきました。私どもは言葉に注意をしなければなりません。局長も先ほどから望まぬ妊娠という言葉を何回か使われました。これを実際に子供たちが聞いたらどう思うでしょうか。しっかりとそこは認識していただきたいと思うんです。だから、予期せぬ妊娠というふうに言葉を置き換えてもらえないだろうかと御意見をいただいたんですね。 ですから、やっぱりこういった心遣いこそ本当に子供の権利を守ることになると私は思います。私もそういうふうに言葉を使ってしまいました。しかし、チャイルドセンタードということで子供の権利を議論している今、やはりそういった端々に私ども大人が気を付けることによって社会の雰囲気というものも変わってくるんじゃないでしょうか。だから、是非そういった一つ一つのことに更に私ども気を付けようじゃないかということをお願いをしたいと思うんですけど、大臣、一言いただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 御指摘のとおりだと思います。望まない妊娠ではなくて予期せぬ妊娠ということで、より客観的、中立的にちゃんと捉えて、それに対してどうするかということを考えていくということが大事だというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 実際にそうやって養子縁組に出されたお子さんなどがそれを聞いたり見たりしたときに、自分はこの世に必要がなかった、望まれなかったんだと思われると、これは本当にその後更に二重の傷になるだろうということを私も御意見いただきまして、もう本当にはたと気が付いたところでございますので、これはやはり私どもこういった議論をする上におきましても、私も注意したいと思いますけれども、是非政府側におきましても注意していただきますようよろしくお願い申し上げます。 ところで、私、この児童虐待の問題ずっと追ってまいりました。しかし、どんなに施策を打ったとしても、なかなかその件数が減ってまいりません。皆様方にも資料にお配りをいたしておりますように、相談件数は平成二十六年九万件弱と年々うなぎ登りでございます。この原因は、私、一つではないと思います。これはもう皆様方もおっしゃっていることです。この原因を引き起こしているその原因というものを考えていかなければなかなかこれは減っていかないであろう。しかし、ここで議論しているような厚労の問題であったり親の問題だけではないですよね。多分これ、日本社会が抱えている様々な問題が最終的に子供という弱者に落とし込まれているだけだと私考えております。 そこで、大臣に御意見を伺いたいんです。政権の批判を云々するという意味ではなく、大臣御自身が、やはりこの日本社会が抱えている問題がこういうところに反映されているのではないか、予測されるところがございましたら私にも教えていただけますでしょうか。よろしくお願い申し上げます。
○国務大臣(塩崎恭久君) このことは、私も何度も何度も児童養護施設に訪問していろいろお話を聞く中で、やはりこれは社会全体が抱える病の氷山の一角が子供に現れているというのが虐待の問題かなと。ですから、これは子供の問題ではなくてむしろ親の問題であって社会の問題、こういう位置付けをして取り組まなきゃいけませんし、また施設や児相で働いていらっしゃる方々は、子供のケアが飛び切りまた大事で難しいことに加えて、親の、何というか、対応も非常に難しい、そういう仕事を一生懸命やっていただいているというのが児相や施設の皆さん方だろうというふうに思います。 もちろん、ですからこれは社会全体の問題として、例えば核家族化とかあるいは社会の中の隣近所のつながりの希薄化とか、あるいは会社の中でも希薄化している人間関係というのはもうどこにでもあるわけでありますし、また経済的な困難、それもあれば、また心理的な問題等々、いろいろあろうかと思いますので、私どもとしてやっぱりトータルに考えるということもやっていかなきゃいけませんし、それこそ心の準備もないまま予期せぬ妊娠をしてしまうカップルというのが幾らでもあるというのは、私の妻は女子大の学長などをやっておってよくそういう話を聞いておりますので。 そういうところの教育あるいは家庭でのしつけの在り方とか、そういうことについてもやっていかなきゃいけない問題だろうと思いますが、事、我々、児相を中心にこの児童福祉の問題ということで対処するときには、今回のような大きな哲学の転換を含めた児童福祉法の改正というのが必要だろうというふうに思ったところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 しっかりと省庁横断的にこの問題というものを私はこれからも考えていただきたいと思っておりますので、お願いをしたいんですが、実は私、大変不思議に思ったことがございます。 資料二に準備をさせていただきました。社会的養護を必要とする児童において最近問題になっていることがございます。このパーセンテージです。障害のある児童が社会的養護を必要とする、だんだんと増えてきております。私ども、この前まで何を議論していたのか。障害者の皆様方が社会の中におきまして普通に生活ができるようなノーマライゼーションのようなこと、ボーダーレス社会を目指してという議論を様々な法案を通して議論しているはずなんですが、現在は、実際に数値を見てみると、やはり障害を持っているお子さんはこうやって社会的養護を必要とするパーセンテージが増える。私、これすごく矛盾していると思うんですね。我々がやっていることも本当に効果があるのか。 こういう社会を私どもはしっかりと支援をしていかなければならない。社会の中で障害がある児童の皆様方も普通に暮らせる、お母様方、もしかしたらお父様方もしっかりとそういう子供たちを受け止められるだけの余裕を持てるような社会をつくっていかなければならない、私はそう思うんですけれども、この現象、大臣、どのように見ていただけますでしょうか、お願い申し上げます。
○国務大臣(塩崎恭久君) この事実は、私も児童養護施設に、全国いろいろなところに行ってみて、大体共通して障害児が多いということで、なぜだろうかということをずっと考えてきましたが、虐待と障害が言ってみれば相互に関連をしていて、障害があるがゆえに親が虐待をするというケースも随分あるのかなというふうに思っておりましたが、これ今、児童養護施設に入所している児童のうち何らかの障害があるというお子さんは平成二十五年で二八・五%ということでありますので、この中には保護者が亡くなっている場合とかあるいは病気で入院されている場合なども含まれているので、必ずしも障害を理由に保護者が養育せずに施設に預けられているケースばかりとは限らないわけでありますけど、この割合がだんだんに上昇しているということも非常に気になるところであります。 平成二十年二三・四%だったのが二十五年二八・五、五ポイントぐらい上がっているということで、このために、障害のあるお子さんとその家族を地域がしっかりと支える体制というのがますますもって重要になってきているというふうに思うわけで、障害のあるお子さんをどのように育てていくか、家族と相談をしながら支援計画を作成をして、あるいは障害のあるお子さんに対する発達支援とか家族に対しての障害特性に応じた関わり方などの助言を行うと、こういったことが非常に重要な支援だというふうに思います。 児童相談所や市町村における一般的な子育て支援においても、障害のあるお子さんの保護者が育児に関して悩みを抱えていたり困っていないか、こういうことにしっかりとこれまで以上に目配りをする、そして家庭訪問や在宅指導をしっかりやっていくということが大事なんだろうというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 やはりこういったことが一つ一つ積み上がって、そして本当に障害のお持ちの皆様方が社会の中で生かされるということになってくるんだろうと私は思います。障害があるからこそ虐待を受け、そしてこういう施設に預けられてしまう、こんな残念なことはございませんので、是非これからもその両面で応援をしていただきますようお願いを申し上げます。 資料三に準備をさせていただきました。このような児童虐待の問題を社会的にいかに受け止めていくかということで、大変面白い数字がございます。ユニセフがこれ出した数字でございます。 二〇一五年の六月二日付けのこれはプレスリリースでございますけれども、子供への虐待が多大なる経済的損失を生じさせるということを報告しております。東アジア・太平洋地区におきましては全地域のGDPの二%に相当する、これは日本円に換算しますと二十六兆円にも上る経済的な損失だということです。 このような視点でなかなか今まで虐待が語られることはなかったと思うんですけれども、日本では、子供への身体的、精神的、性的虐待が日本経済にもたらす損失という視点で試算なさったことはございますでしょうか。局長、お願いいたします。
○政府参考人(香取照幸君) 御指摘の試算、今お話ありましたように、ユニセフが試算したものでございます。試算をしましたのは、私どもの国の日本子ども家庭総合研究所において行った日本の子供への虐待の社会的コストというものの試算でございます。試算そのものは私どもも承知しておりますし、数字についても把握してございます。 虐待、身体的、精神的、性的虐待が経済にどういう影響を及ぼすかという観点で試算をするということは、私どもはしたことはございません。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 先ほど局長もお示しいただきました日本子ども家庭総合研究所という、和田先生が、日本における虐待の社会的損失は少なくとも一年間に一・六兆円であるという試算をいただいています。その一・六兆円、社会的コストは、虐待に対する児童相談所や市町村の費用、保護された子供たちが暮らす児童養護施設などのいわゆる直接費用と、それから長期的に見て生産力の低下などを試算した間接的費用の二つに分けられております。 この日本でいう直接費用は一千億円にとどまっております、一千億円です。では、一方でアメリカはと申しますと、この直接費用は三兆三千億円。これは、日本の人口に直しますと一兆七千億円も使っています。じゃ、オーストラリアはどうなのか、オーストラリア自身は三千億円。これを日本の人口に直しますと一兆五千億円。各国ともこの直接コストというものを一兆五千、七千という額を使っているんですが、日本は幾らなんでしょう、本当にこれは微々たるものでございます。大変残念なことに、この日本における直接費用は一千億にとどまっている、桁が違いますよね。いかに日本は虐待を受けた子供たち若しくはこういった様々な支援が必要な子供たちに対しての予算というものが割かれていないのかということがこういうことからも見えてくるんです。 ですから、しっかりと、社会的にどういう影響を及ぼすんだといったときに、このような世界に倣いまして、直接コストはこうだ、間接コストがこうなんだというような試算をこれからも厚労省として私は試算をいただきながら、世界とのこれは比較もできますし、我々として、だからこそ早いうちに手を打ち、間接コストというものをなるべく多く割かないように、直接コストの方に費用を重ねていこうじゃないかという議論にもなっていくと思います。ですから、日本では今までこういった研究が行われていないんです、長期的な虐待影響の調査というものも私は今後しっかりと年を追ってやっていくべきだと思います。 例えば、虐待というのはトラウマです。そのトラウマ一つ捉えましても、例えば神戸の大震災の際には二十年間追っているんですね。でも、じゃ、なぜ虐待というようなトラウマを抱えたときに長期的にそういった調査をしていかないんだということを、私、大変これ疑問に思います。だから、精神科領域で例えますと、やっぱり一つのトラウマを抱えながらPTSDのものも起こす。ですから、そういった疾患の面でもこれは大切な私は調査だと思っておりますので、これ、済みません、質問にしておりませんけれども、大臣、このようなお考えについて御意見ございますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、直接コスト、間接コスト、いろいろ御指示をいただきましたが、確かに経済的なコストというのは計り知れないものがあるんではないかというふうにも思いますし、こういうことをどう私どもとしては回避していくのか、それは取りも直さずやはり子供が健全な育ちをするということにもなるわけでありますので、私ども、子供への虐待がどういう経済的な損失をもたらすのかという観点からも、今お示しをいただいたような試算はどういうふうに可能なのかということも研究してみたいと思いますし、ソーシャル・インパクト・ボンドというのを最近取り上げて、私ども厚生労働省でも正面から取り上げて検討会つくって今取り組んでいるわけでありますけれども、まさにそういうようなことで、虐待を受ける本人の精神的なコストももちろんでありますけれども、そういうことを回避することがプラスにもたらす、何というか、逸失利益というものもよく計算していくべきではないかなというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 ですから、こういったものを見ると、虐待というのは個人の問題ではないということが分かるんです。子供たちをそうやって守っていくことによって、さらにそれを社会の中で能力を生かし、そしてさらに将来的には税金を納めていただくようなしっかりとした成人を育成していくということにもつながってまいりますので、意識を持つためにも一度トライしていただきたいなと私からお願いしておきます。 次に、ちょっと順番を変えまして、今日は警察庁にも来ていただいていますので、質問させていただきます。 福島先生も御質問いただいたと思うんですけれども、やっぱり警察との関係という意味において、児相の皆様方、まだまだちゅうちょをなさっていらっしゃるんじゃないかなと思われるような事例もございます。 例えば、東京の足立区で三歳児をウサギのケージに監禁して虐待死させたというような事件、これは既に児相がしっかり目を配り、目配り、気配りをしてくださっていたんですけれども、半年に一回程度しかやっぱり家庭訪問できない、既にもう児童相談所の皆様方は一人で何件も何百件もの件数を抱えて、なかなかそこまで手が入れられないということもございます。 やっぱりこういった刑事事件に発展するのではないかと思われるような嫌いがございましたら、是非警察庁の方でもしっかりと目配り、気配り、共に手を取り合いながらやっていただきたいんですけれども、いかがでしょうか。御意見いただけますか。
○政府参考人(河合潔君) 議員御指摘のとおり、関係機関が緊密に連携しながら児童虐待が疑われる情報につきまして共有をし、児童の安全の確保を図っていくということが児童虐待による痛ましい事件の未然防止になります。 このため警察では、これまでも児童相談所との間で確実な通告の実施を始めとして、人事交流あるいは合同研修等を通じて児童虐待への対応に際し情報共有の推進に努めてきたところでありますが、さらに、本年四月からは、児童の安全確保をより確実なものとするため、警察職員が現場臨場し、その時点では児童虐待を受けたと思われない児童についても児童相談所等への照会を実施する仕組みを導入し、情報共有の徹底を図ったところでございます。 今後とも関係機関との連携を一層強化しながら、児童虐待の早期発見と児童の安全確保というものに万全を尽くしてまいりたいと存じます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 先ほど八王子の児相の方も、協議会などをつくっていらっしゃるという話もございました。是非、横の展開をお願いしたいと思います。 ところで、局長、もう一問お願いしたいんですけれども、虐待の連鎖というものがございます。やっぱりこれを語らずして次の虐待を抑えるということができません。虐待の連鎖を断つためにもやっぱり厚労省は様々な施策を考えてくださっている。二代、三代続いていくこの問題をどこかで断たなければなりません。手短で、済みません、ちょっと短くで申し訳ございませんけれども、局長、お答えいただければと思います。
○政府参考人(香取照幸君) 虐待は、お話しのように連鎖をいたします。先ほど御質問でもありましたが、親からの虐待は非常に負の感情を大きく子供の中に形成しますので、その負の感情が言わば裏返しとして自分の子供に行くという連鎖が起こるということが起こっておりますので、基本的には児相、養護施設でもそうですし里親でもそうですけれども、虐待を受けたお子さんについては、そういった子供の負の感情をどういった形で癒やしていくかということを同時に考えていかなければいけないということでございます。 今回、改正案の中では里親支援というものを児相の業務に位置付けるわけですけれども、これは開拓等だけではなくて、実際に今児相で、お子さんを預かっている里親さんに対するそういった子供の心理面でのケアの支援ということも行うということも併せて、訪問支援等による里親支援ということですし、養護施設に関しましては心理担当職員の配置、これは現在でも進めておりますけれども、これを更に積極的に進めてまいりたいと思っております。 それとあとは、実際に虐待を受けたといいますか、お子さんたちが自立して今度は自分のお子さんを持つということになりますので、保護者になった場合に、自分の子育てに直面したこういったお子さんたちが相談できる体制、あるいは不安をきちんと拭っていく体制というのが必要だと。これは、先ほどから御答弁申し上げています自立の支援ということの言わば延長線上に位置付けられるものだと考えてございます。 もちろん、一般施策として子育て世代包括支援センターの設置でありますとか様々な保健師による対応等、新生児訪問等々、御答弁申し上げていますけれども、施策を講じておりますけれども、こういった中でも、やはりこういった虐待経験のある養護施設あるいは里親出身のお子さんたちについては格段の目配りをしていくということをしていかないといけないと思っておりまして、今回、全体として様々な施策を組み立てて体系的な施策をやっていくということで法律改正をお願いしているわけでございますが、成立後、施行に向けての様々な予算面、実態面での検討の中でこういった点についても目配りをしてまいりたいと思っております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 私も何人もそういったことの相談を受けていて大変心が傷つくんですけれども、結婚するのが怖い、子供を産むのが怖い、産んでしまったらいつ自分が手を上げるか怖い、こういうふうにしてやっぱりお母様方が、大変怖い、自分自身がどうなってしまうか分からない。しかし、ぱっと目の前に出てきたカウンセラーさんに、私、虐待を受けていましたとはとてもじゃないですけれども言えないんですよね。やっぱりこれは長年ちゃんと顔を見知ったようなカウンセラーさんが追随しながら追っていっていただかないと。 先ほども申しましたけれども、やっぱり二十年、三十年というスパンで、この虐待というのはどういうふうに症状として出ていくか分かりませんので、支援の体制として構築していただきますことをお願いを申し上げたいと思います。やっぱりこういう視点というものを私は忘れてはならないということをもう一度お願いしておきます。 最後に、大臣、私からも、これは私のまだまだ肌感で大変申し訳ないんですけれども、実は育休明けの皆様方というものが虐待を起こすケースが少しずつ見受けられ始めております。と申しますのも、育休中は自分が子育てをし、そして家事を完璧にこなすことができます。でも、育休明けてしまうと、今度は家事もやらなければならない、子供は保育園に送り迎えもしなきゃいけないし、かつ仕事も一〇〇%のように、職場から短時間といえども業務量はほとんど減っていないような状況で提案をされてしまう。その中で、三、四か月は続くんですけれども、だんだんだんだんすり減っていってしまいまして、バーンアウトしてしまいます。結局そこで本当に多くのお母様方が次に、じゃ、どうするんだというところで休職に追い込まれてしまう、かつ子供に手を上げてしまう。私、どうしたらいいんだろうという相談が増えてきております。 ですけれども、これ、まだまだ実態として把握がなされておりません。本当にこれから女性が働く社会において大変大きな問題だと思っておりますので、何らかの形でそういった今傾向にあるんだろうというときから対処をして調査をしていただきたいと思っておりますけれども、いかがでいらっしゃいますでしょうか。御意見くださいませ。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、私ども安倍内閣では、働き方改革が最大のこれから三年間のチャレンジだと、こういって今議論に取りかかっているところでございますけれども、今の育児休業からカムバックした母親がバーンアウトしてしまう、そして子供にそのしわ寄せが行くということはやはり避けなければいけないことでありますけれども。 やはりこれは働き方と子育てが本当に両立をするためにどうしたらいいのかということをまだまだこれから考えなきゃいけませんし、これまで、例えば三歳になるまでの短期間の勤務とか残業免除などの両立支援制度を定めている育児・介護休業法、三月に改正をして子供の半日単位の看護休暇取得の柔軟化などをやってきましたが、それ以外にも、保育を必要とする方が希望すれば利用できる保育の受皿の確保とか、病児保育あるいは一時預かりなどの保育サービスの多様化というか、そういうことにも全力で今取り組みつつありますけれども、育児休業から復帰した保護者が両立をできる環境を更に整えるために、じゃ、何ができるのかと。 実態をまず押さえるということなので、今御指摘をいただきましたが、まさに今回この改正法でも、調査研究、データを取るというのが国の責務だということを明確に今回入れ込みました。そういうことでもありますので、更に厚生労働省でこの児童虐待による死亡事例について自治体と協力をして調査をして、そして虐待全般にわたっても専門委員会でも検証を行っておりますので、新たなこの法律の下でも国の責務として、厚生労働省として調査研究、すなわち情報をきっちり集めた上で何が有効な打開策なのかということを考えていきたいというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(三原じゅん子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 児童福祉法等の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(三原じゅん子君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、津田君から発言を求められておりますので、これを許します。津田弥太郎君。
○津田弥太郎君 私は、ただいま可決されました児童福祉法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民進党・新緑風会、公明党、日本共産党、おおさか維新の会、社会民主党・護憲連合及び無所属クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 児童福祉法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。 一、自分から声を上げられない子どもの権利を保障するため、子どもの権利擁護に係る第三者機関の設置を含めた実効的な方策を検討すること。 二、児童虐待を防止し子どもの健全な育成を図るため、子どもに対する有形力の行使は、子どもの精神あるいは発達に様々な悪影響を及ぼし得るため基本的には不適切であることを周知徹底するなど、体罰によらない子育てを啓発すること。また、今日の家族を取り巻く状況の把握に努めるとともに、国際社会における議論の動向等を踏まえ親権を行う者の懲戒権の行使の在り方について検討すること。 三、要保護児童対策地域協議会の更なる活用等による関係機関の連携強化を推進すること。また、市区町村における支援体制の強化及び児童相談所設置自治体の拡大に当たっては、専門人材の確保や財政面の支援等の必要な措置を行うこと。 四、児童虐待は刑事事件に発展する危険性を有しており、児童相談所と警察等関係機関が連携した対応を行うことが重要であることから、児童虐待案件に関する情報が漏れなく確実に共有されるよう必要な検討を行うとともに、より緊密かつ的確な情報共有が可能となるよう児童相談所の体制の強化についても検討すること。 五、医師・歯科医師・薬剤師は学校における健康診断等を通じて児童の生活状況や栄養状況を知ることができる立場にあることに鑑み、ネグレクトを含め要支援児童等を早期に発見するために学校関係者と学校医・学校歯科医・学校薬剤師が相互に連携を図りながらより一層協力できる体制を整備すること。 六、一時保護については、子どもを取り巻く背景が様々であることに配慮し、個別の事情に応じた一時保護の在り方について検討するとともに、一時保護所の適切な運営を確保するために必要な措置を講ずること。 七、児童心理治療施設が子どもの成長や自立に重要な役割を果たしていることに鑑み、その拡充について必要な措置を講ずること。また、虐待の連鎖を防ぐため、虐待を受けた子どもが大人になった後も継続的に心のケアを受けることができる仕組みを早急に構築すること。 八、社会的養護の対象となった子ども等が自立した生活を送る力を身につけるまで必要な援助を続けるため、措置延長制度や自立援助ホームの積極的活用を図るとともに、児童福祉法が対象とする年齢を超えた場合においても引き続き必要な支援を受けることができる仕組みを早急に整備すること。 九、子どもの社会的養護に万全を期すためには、児童福祉施設における養護とともに、里親制度を始めできる限り家庭と同様の養育環境が必要であることに鑑み、里親制度に関する国民的理解を広げることも含めた里親への支援体制の整備に関する施策について、更なる拡充を含め検討すること。 十、特別養子縁組により子どもに対して永続的な家庭を保障することの重要性に鑑み、児童相談所と関係機関との連携の強化、養親候補者への研修の実施、特別養子縁組成立後の支援の在り方等について直ちに検討を開始し、特別養子縁組の利用促進のために必要な措置を講ずること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(三原じゅん子君) ただいま津田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(三原じゅん子君) 全会一致と認めます。よって、津田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、塩崎厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。塩崎厚生労働大臣。
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
○委員長(三原じゅん子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三原じゅん子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十分散会