厚生労働委員会 第14号
- 発言数
- 282 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2016/04/14
会議録
○委員長(三原じゅん子君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る六日までに、田村智子君及び柳澤光美君が委員を辞任され、その補欠として小池晃君及び石橋通宏君が選任されました。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 確定拠出年金法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省年金局長鈴木俊彦君外七名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三原じゅん子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 確定拠出年金法等の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、日本年金機構理事長水島藤一郎君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三原じゅん子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) 確定拠出年金法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取をしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○津田弥太郎君 津田弥太郎です。 本日は、確定拠出年金法の一部改正案に対する質疑ということでありまして、年金行政一本に絞って質問をさせていただきたいと思います。 まず、本日の答弁席に大変久しぶりの御出席者がございます。日本年金機構の水島理事長、久しぶりでございます。 昨年、非常に約百二十五万件の年金記録情報の流出が社会問題となり、本委員会でも六回も集中審議を行いました。そのために、今日議論をします確定拠出の年金法案も、通常国会では審議ができずに今国会に審議ということになったわけでございます。それもこれも、みんな水島理事長のおかげでございます。私自身、この問題で三回の委員会質問に立ちまして、理事長の責任についても厳しく追及をさせていただきました。 水島理事長の二期目の任期は昨年十二月末までであり、私は当然に理事長は責任を取って辞められるというふうに思っておりました。ところが、どういうわけか、本日も日本年金機構理事長という立場で答弁席に座っておられるわけでございます。私は、国民に対する責任という意味、組織のトップであるという両方の意味で理事長が自ら身を処理することが不可欠である、それができないならば厚労大臣が理事長の交代を行う、これが世の中の筋、道理であるというふうに思っておりまして、大臣にお伺いをしたいというふうに思います。 昨年十二月二十五日の閣議で水島理事長の再任が了承されたわけですが、その理由について端的にお答えください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、津田先生からお話ございましたように、百二十五万件の個人情報の流出という私どもにとっては国民の信頼を失いかねない重大な問題が起きたということで、今お話しのとおり、水島理事長は昨年の年末が一応任期であったわけでありますが、私もいろいろ考えさせていただいた結果として続投をお願いをしたということでございます。 不正アクセスによる情報流出事案を水島理事長も受けて、昨年、日本年金機構の再生に向けて改革を断行するという不退転の決意の下で、自ら先頭に立って、組織、人事、業務、情報セキュリティーなど約七十項目の多岐にわたる業務改善計画をまとめていただきました。もちろん、それまで私も正直様々な議論を水島理事長とさせていただきましたが、去年の十二月にこの業務改善計画は私どもに提出をされたわけでございます。 この機構の改革というのは、やはり長い長いいろいろ複雑な歴史のある組織でございます。第一次安倍内閣のときには年金記録問題というのが起きて、正直、私も官房長官としていろいろと対応をさせていただきましたが、つくづく改めて今回のことを受けて思ったのは、機構の内情を知り尽くしていなければ改革はできないだろうということでございました。 新たな者がゼロからやって、また二年、三年たって、その間に何よりも大事な内部の、言ってみれば中の人たちが自ら改革をして自らの組織を責任持って改革をしていくということができないようなことではいけないということで、新たな人にお願いをしてゼロから全てを学び直してやるということではなくて、改革が途上に終わらないように、水島理事長に、機構の組織、業務、風土、そして人事等々、あらゆる分野にわたってつぶさに知り抜いている立場を活用した上で改革を断行してもらうということしかその道はないだろうというふうに思いましたし、内部のいろいろなバックグラウンドの方々がおられるのを心を一つにさせながら改革をするということに力を注いでもらいたいと、こう思ったわけでございます。 年金機構では、自らの組織は自らで再生するという意欲がかなり盛り上がってきたというふうに年末にかけて思わせていただいたわけでございまして、年齢あるいは男女、職種を問わず、立ち上がる人たちを中心に自らの組織を自らで改革をするということに当たってもらい、その先頭に水島理事長に立ってもらうということを私としてお願いをしたわけでございます。 いずれにしても、国民の信頼を回復し、そして責任ある改革を断行することで結果を出していくということが何よりも大事だと思いますので、この改革を実行する水島理事長に是非その改革を現実のものとしてやってもらいたい、そんな思いで再任をお願いしたところでございます。
○津田弥太郎君 そうおっしゃいますけれども、水島理事長の再任については、今厚労大臣おっしゃいましたが、私は納得しません。 塩崎大臣も昨年九月十八日の記者会見で、改革の道筋をまず付けるというのが水島さんの一番大きな、組織を預かる者としてのけじめであり、責任であるというふうに発言をされております。この改革の道筋という意味では、先ほど大臣もおっしゃいましたが、昨年の十二月の九日に日本年金機構は業務改善計画を厚労省に提出、公表をされたわけであり、昨年末こそが水島理事長の引き際ではあったのではないか、この業務改善計画を出されたところでこれまでの数々の問題の責任を取ってお辞めになるというのが私は道筋だと思うんです。 今後、日本年金機構に新たな不祥事が発生した場合は、これは、大臣、あなたの任命責任が大きく問われることになるということはしっかり認識をしていただきたいというふうに思います。 それで、引き続き水島理事長が機構の改革の先頭に立たれるということを踏まえて、何点かお尋ねをしたいと思います。 機構のホームページに、本年一月四日付けで理事長の御挨拶という記事が掲載をされており、そこには、お客様が情報流出事案に起因した被害に遭われることが万が一にもないよう、最大限の努力を続けてまいりますというふうに書かれています。 被害に遭わない、被害を防ぐという意味では、そもそも情報が流出したのはどれだけなのかということが改めて重要になってくるわけであります。昨年の委員会審議で水島理事長は一貫して、これ何回もおっしゃったんですが、四情報以外の流出は確認されていない、この言葉をもう何回も、皆さんもう耳にたこができるぐらいお聞きになったというふうに思います、答弁を繰り返されました。 それでは、その先のことなんです、問題は、その先のこと。すなわち四情報以外の情報は流出していないと確認できた、間違いなく確認できたということなのでしょうか、水島理事長。
○参考人(水島藤一郎君) まずは冒頭、不正アクセスによります情報流出事案によりましてお客様に多大な御迷惑、御心配をお掛けいたしました。改めまして、ここで深くおわびを申し上げる次第でございます。 昨年五月にいわゆる標的型メールによりまして不正アクセスを受けました。お客様の個人情報が百二十五万件流出をいたしました。流出をいたしました個人情報は、日本年金機構からの通報を受けた警察当局が捜査をした結果、機構外部のサーバーに当該個人情報が保管されていたことを示しますログ等が発見されまして確認されたものでございます。その後、情報流出に関しまして、サイバーセキュリティ戦略本部、いわゆるNISCでございますが、あるいは厚生労働省に設置をされました外部有識者によります検証委員会におきまして調査、検証が行われてまいりました。 また、津田先生からも御指摘をいただきましたフォレンジック調査を私どもとして行いまして、つまりフォレンジック調査と申しますのは、ウイルス感染が疑われる端末やサーバーのデータあるいはログでございますが、これに関しまして不正アクセスの記録の収集、解析等を行う調査でございます。これによりまして、流出の可能性があるファイルなどを専門家のお力を得て調査をしてまいりました。その結果、四情報以外のお客様の個人情報の流出は確認をいたしておりません。 このように、現在の技術を用いてできるだけの調査を行ったものでございまして、その結果、個人情報の流出は確認されていないということでございます。
○津田弥太郎君 分かりました。確認できたということでございます。デジタルフォレンジック、昨年も、この言葉がどういう意味か私も知らなかったんですが、随分やり取りをしたわけでございます。 このデジタルフォレンジックも含めて、その四情報以外の情報は流出していないと確認できたのはいつの時点でしょうか。
○参考人(水島藤一郎君) 現時点まで調査を行っておりますので、フォレンジック調査が終わりましたのは昨年の八月だったと思います。その意味では、いろいろな調査が終了をいたしたという意味では、昨年の八月末頃に調査としては終了したということでございます。
○津田弥太郎君 それで、今、水島理事長は、四情報以外の情報は流出していないと、あらゆる機械的な調査をやられた上で確認できたということですが、それを正式に公表されたのはいつですか。
○参考人(水島藤一郎君) 私どもの調査結果を公表いたしましたのが昨年の八月の二十日でございます。私ども調査委員会の報告書といたしまして、今申し上げました四情報以外の情報は、今考えられる調査を行った結果、確認されていないということにつきましては公表したところでございます。
○津田弥太郎君 日本年金機構は、昨年の十二月九日に、さっきも言いましたけれども、業務改善計画を出されたわけであります。これによれば、今後三年間の集中的な取組により再生に向けた改革を実行するというふうにされているわけです。 水島理事長、機構が今後の三年間で行っていくとする具体的なメニューの内容、これが問題になってくるわけでありますが、どのような内容になっているのか、そして、既に具体的なメニューを実行して四か月になろうとしているわけでありますけれども、今日時点の進捗状況について説明してください。
○参考人(水島藤一郎君) お答えをいたします。 昨年の情報流出事案につきましては、国会で厳しい御指導、御指摘を頂戴をしてまいりました。加えまして、私どもの調査委員会での調査結果、厚生労働省に設置されました外部有識者によります検証委員会の御指摘等を踏まえまして、昨年九月に厚生労働大臣から業務改善命令が発せられました。この命令におきましては、情報セキュリティー体制の強化だけではなく、組織としての一体感の不足あるいはルールの不徹底など構造的な問題が指摘をされたところでございます。 当機構といたしましては、これを受けまして、私直轄の日本年金機構再生本部並びに情報管理対策本部を立ち上げまして検討を行ってまいりました。昨年十二月に業務改善計画を取りまとめ、提出したところでございます。特に、日本年金機構再生本部におきましては、現場職員からも幅広く意見を求めました。約七千件の意見は提出されました。また、その検討に当たりましては現場からも参加を求めました。 この計画全体は、先ほど大臣のお話にもございましたが、約七十項目にわたる広範なものでございますが、ポイントをかいつまんで申し上げますと、まず組織改革でございますが、組織改革につきましては、組織の一体化のために本部と九つございますブロック本部を統合いたします。これによりましてマネジメントラインの重複を統合するという意味でございます。加えまして、本部組織の縦割りを排除をいたしました。これはいずれも四月に実行をいたしております。 また、人事改革といたしましては、人事権を本部に一元化をいたしました。従来、一般職の人事はブロック本部で行っておりました。これを本部に一元化したということでございます。それから、希望とやりがいにつながる現場を重視した資格体系、人事評価体系、人事評価基準を決定をいたしまして、これに関しまして現場に対して提示をしたところでございます。 また、業務改革でございますが、効率化のために、現在三十九ございます事務センターにつきまして早急に八事務センターまで統合する予定でございます。加えまして、業務削減会議を設置をいたしまして、業務全体の見直しを行っておるところでございます。 また、ルールの徹底でございますが、これに関しましてはマニュアルをこの一年間を掛けて一元化を実現してまいります。また、指示・依頼、現場に対して指示をしております文書でございますが、これに関しまして半減をいたしまして、ルールの明確化、簡素化を図ってまいりたいというふうに考えております。 また、情報開示、共有の促進につきましては、情報開示担当理事の設置、また厚生労働省との間では定期連絡会議の設置など、情報共有の強化に努めてまいっております。 本年四月から、先ほど申し上げましたとおり、ブロック本部の段階的な統合を開始するなど改革のほとんどの項目について着手をしてまいっておるところでございます。 また、セキュリティー対策でございますが、組織面では情報管理対策室あるいは機構CSIRTの設置をいたしております。 また、技術面でございますが、インターネット環境からの個人情報の遮断はこれを徹底をいたしております。 また、業務運営面では、セキュリティーポリシーの整備といったことを行ってまいっておりまして、改革のほとんどの項目に着手をしているということでございます。 このような改革によりまして、公的年金制度の執行機関としての緊張感、責任感、使命感にあふれ、国民の信頼に応えられる組織として機構を再生するために、現場の人材を本部に糾合し、職員が自ら考え自ら改革することをコンセプトといたしまして、全職員が一丸となってこの目的を達成するために努力をいたしているところでございます。
○津田弥太郎君 いろいろおっしゃいました。もう既に実行に移していると。その結果として、間違いなく日本年金機構は再生ができるというふうに、理事長、明言をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○参考人(水島藤一郎君) 私は、この改革は、日本年金機構が年金制度の執行機関として現場を中心とした組織に生まれ変わるということが何よりも重要であるというふうに考えております。このような改革を何としてもやり遂げるべく、全職員と協力をし、一丸となって努力をしてまいりまして、何としても実現する所存でございます。
○津田弥太郎君 再任されたんだから、明言しなきゃ駄目ですよ。 大臣、昨年の集中審議で明らかになったのは、厚労省の側の機構に対する監督体制、これも大変大きな問題があった、極めて不十分であったということであります。 仮に機構の改革が、今理事長おっしゃいましたけれども、計画どおりに行われたとしても、厚労省の監督体制が見直されていないならば、また第二、第三の情報流出問題が出てくる可能性は私はあるのではないかと言わざるを得ないわけでありまして、昨年の事件以降、日本年金機構に対する厚労省の監督体制、これ、充て職で責任者決めるなんというやり方じゃなくて、本当にきちんとした監督体制ができているのかどうか、具体的にどのように改められたのでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、水島理事長からお話がございましたように、日本年金機構は年金制度の執行でありますから、まさにこの年金、厚生労働省が言ってみれば年金機構のちり一つに至るまで責任を持たないといけないと、そういうことを私はずっと言って、厚生労働省側の監督体制というものも全面的に見直すと。特に、今回、情報関係は年金局でなくて情参室で扱われて、それがきちっと年金局にも伝わっていない、あるいは年金局長にも上がっていないというようなこともたくさん分かったわけでございます。 この流出事案につきましては、発生直後から厚生労働省に外部有識者によります検証委員会を設置をいたしまして、徹底した原因究明、再発防止策の検討を行ってまいりました。その結果、年金機構における情報セキュリティー対策に対する意識や組織的な危機管理対応の問題点のほかに、機構と厚労省において情報共有が全く十分ではなかったということも明らかになったわけでありまして、これを踏まえて、厚生労働省において、昨年九月に「情報セキュリティ強化等に向けた組織・業務改革」、いわゆる再発防止策、これを厚労省としても取りまとめをいたしまして、これに基づいて監督体制の強化を図ってまいりました。 具体的には、機構に厚生労働省の職員が出向とはまた別に常駐をするということで、日々の機構の会議などに同席をするなどによって業務の情報を収集をし、把握した内容を適時適切に幹部と共有をするということをやってまいりました。それから、システム監査を含めて監査担当を機構にこれも常駐をさせて監督機能の強化を図りました。それから、機構LANあるいはインシデント対応等の責任の所在、今回の事案ではかなりここが十分ではなかったということが露呈をしたわけでありまして、年金局のシステム室に一元化をする、このシステム室の体制の強化を図るということを行いました。それから、厚生労働省と機構の幹部による定期的な連絡会議によって業務上の課題を共有をするということも徹底をさせていただいております。 それから、機構が業務運営上定める内規などに対するチェックなどが十分ではなかったということで、これをしっかりと実施をしていくということなど監督体制の強化をあらゆる面で図ってきているわけでございます。 厚生労働省としては、今申し上げたように、制度を預かるということで、執行について責任が十分ではなかったということが分かったわけでございますので、これまでの、これは社会保険庁時代からもやや似たようなところがあると思いますが、これはまさに制度と執行は一体だという考え方で徹底的に改革をして、厚生労働省の中も変え、今回のような事案が二度と起きないようにしたいというふうに思います。
○津田弥太郎君 御案内のように、昨年、係長が事故の状態を知っていたんだけど、それが上司に報告がなかったと。で、私は聞いていない、聞いていないから私に責任はないと年金管理審議官なんかは盛んにそういうことを言っていたわけであります。 部下の問題は上司の責任なんですよ。そんなのは当たり前のことなんだ、世の中では。だが、厚労省ではそれが通用していないがために、部下の責任は部下が責任取ればいいんだということになるわけで、そこはやっぱりしっかり今回の監督体制では改めたという認識でよろしいですね。そういうことだと思います。 本法案の審議に入りたいというふうに思います。 この本法案の評価、様々あります。一定程度私は評価をするんですが、最も懸念した問題は何かというと、元本確保型の運用商品の提供義務付けが削除された、このことが最大の問題だというふうに私は思っておるわけであります。附帯決議でその問題については多少触れられているわけですが、私が心配しているこの元本確保型商品が個別企業において提供メニューから外されるとした場合、適切な労使合意が行われたのかということが私は問題になってくる、これはお金の問題ですから大変重要です。 三ッ林政務官にお尋ねしたいんですが、この労使合意を行う労働側の主体、制度上どのような定義付けがされているのでしょうか。
○大臣政務官(三ッ林裕巳君) お答えいたします。 今回の改正におきましては、確定拠出年金における運用商品については、元本確保型商品であっても物価上昇などのリスクがあり、リスク・リターン特性の異なる商品を組み合わせて提供することが分散投資につながることから、元本確保型商品の提供義務を見直すこととしております。 運用商品を労使間で決定する際の労働側の主体は、まず企業に使用される従業員の過半数で組織する労働組合、また労働組合のない事業所の場合には従業員による投票等により過半数代表者として選出された者でありまして、これらの同意を得る手続によりまして労働者の意見を十分に反映させる仕組みを設けているところであります。 いずれにしましても、厚生労働省としては、労使による判断を尊重しつつ、労使合意が適切に行われたかどうかを把握するとともに、必要に応じて指導監督をしていきたいと思っております。
○津田弥太郎君 政務官のお答えになったスキーム、当該事業所の全労働者を代表して一定の機能を担う仕組みとして、厚労省の所管分野において数多く登場してくるわけであります。昨年の労働者派遣法改正においても、派遣の受入れ三年超えの際にこのスキームによる意見聴取が義務付けられておりました。 ここでポイントになるのは、労働法制において、過半数組合と過半数代表者の機能に何一つ違いがない、このことに問題があるわけであります。私は、今回の法案の成立後、仮に元本確保型商品が提供メニューから外れた場合、その合意をしたのが過半数組合であれば、結果に対して自己責任を負うということもそれなりに理解できます。しかし、その合意したのが過半数代表者ということになると、いささか事情が異なるのではないか。過半数代表者というのは組織化をされておりません。永続性もありません。また、過半数代表者の選出の実態、これまでも連合が労政審の場で指摘をしてきたように、不適切な選出が三割を超えている。極めて問題になっていることが明らかであります。 二〇一三年の輝くブラック企業大賞に選ばれたワタミについても、店長がアルバイトの中から過半数代表者を指名していたという驚くべき実態が報道されておるわけであります。私は、今回の法案の成立後、当該合意における過半数代表者の選出方法について、選挙によるとか挙手によるなどの報告では断じて認めるわけにはいかず、少なくとも、いつ、どのように選挙を行い、その選挙結果はどうだったかということまで厚労省は把握することが不可欠というふうに考えるんですが、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(塩崎恭久君) 御指摘のように、確定拠出年金法施行規則の第二条、ここには、労働組合のない企業における過半数の代表者、これにつきまして、その選出について、選出することをまず明らかにして実施される投票あるいは挙手などの方法による手続によって選出をするようにということが明記をされているわけであります。問題は、ですから、この手続がきちっと遵守されているかどうかということだという今問題点の指摘がございました。まさに、遵守されているかどうかを確認をするために、厚生労働省としては、規約の承認変更の際に投票など代表者の選出方法が確認できる書類を提出をいただいているわけであります。 一方で、御指摘のような選挙の時期とか、あるいは選挙の結果どうだったかというようなことについては、これまで明示的な報告を求めてきませんでした。したがって、今後はこれらについても確認をするように努めてまいりたいと考えておりまして、労使による判断を尊重しながらではありますが、こうした加入者の意思を反映させる代表者の選出が適切に行われているかどうかということをしっかりと把握をするとともに、必要に応じて指導監督をしてまいりたいというふうに思います。
○津田弥太郎君 厚労省の年金行政として一歩踏み出すということであります。しっかりやっていただきたいと思います。 次に、年金資産の持ち運び、いわゆるポータビリティーについてお尋ねをしたいと思います。 この問題は、本日答弁席にお座りの大岡財務大臣政務官が、昨年八月二十一日の衆議院厚生労働委員会における審議の際、質問をされておるわけでございます。私と大岡政務官とは非常に気が合うような気がしてならないわけでありますが、本日は、厚労調査室の資料を皆様のお手元にお配りしております。 左側の表を見ていただければお分かりのとおり、今回、これまでポータビリティーが認められていなかった制度間において、条件付も含めて大きな前進が図られることになります。一方で、個人型DCと中小企業退職金共済、中退共とのポータビリティーについては先送り、大岡議員が指摘をされた小規模企業共済とのポータビリティーも同様なんですね。もうこれ、大岡さん、よくお分かりになっていらっしゃるとおりです。この点、香取局長は、衆議院において、中退共は基本的には退職金制度であり、年金制度とは成り立ちや趣旨が異なるわけだが、一方で退職金と年金は補完関係にあり、今回限定的にポータビリティーを認めたという答弁をされたわけであります。また、今後についても、現場の企業の方々のニーズも踏まえて検討していかなければならないという答弁でございました。 一定の理解はできるんですが、厚労省の使命というのは、働き方の多様化と制度の分立によって加入者である労働者が不利益を被ることのないようにするというのが大事な使命だというふうに思うんです。現場のニーズというのは、どのような制度を自社に導入するのかという点では極めて重要なわけでありますが、一旦制度が選ばれた後、そこで働く労働者に不利益を生じさせない、そこは間違いなく政策論として目指すべき方向なのだというふうに確認をしておるわけであります。 昨年は大岡議員が質問され、今回は私が質問をいたしました。つまり、衆議院でも参議院でも同じ指摘が行われた、与党の自民党からも野党の民進党からも同じ指摘が行われたということになるわけであります。大臣、次回の法改正においては、DB、DC、中退共等の制度間のポータビリティーの更なる拡充を必ず行っていただくということでよろしいですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) ポータビリティーについての御指摘がございましたけれども、現行制度はもう言うまでもない形で、今お配りをいただいているような形で行われているわけで、今回の改正案においてこの現行に加えて、確定拠出年金から確定給付企業年金へ、それから中小企業が合併、分割等を行った場合に中小企業退職金共済から確定給付企業年金やあるいは確定拠出年金に資産移換を可能とするように措置をしたところでございます。 これによって企業年金制度間のポータビリティーに関する措置はおおむね講じられたというふうに考えてはおりますけれども、一方で、今回の措置が講じられなかった転職等によります中小企業退職金共済と企業年金間のポータビリティー、これにつきましては、退職時の一時金を、先ほどお話がありましたが、一時金を確保するための退職金制度と老後の所得保障を図る年金制度といった点で制度の目的あるいは性格が若干異なるというところがございます。 そういうことを受けて、更なるポータビリティーの拡充について、今、津田先生からお話がございましたけれども、これについてはこういった違いも踏まえながら、しかし老後の所得確保に資するような検討が引き続いて必要なんではないかというふうに思いますので、そういう方向で検討をしてまいりたいというふうに思います。
○津田弥太郎君 関連してお尋ねをしたいと思います。 本法案の提案理由説明において大臣が、長らく企業年金制度の中心的な役割を担ってきた厚生年金基金制度の抜本的な見直しが行われたことを法案提出の背景として指摘をされたわけであります。厚生年金基金については、もう御案内のとおり、全体的に今廃止の方向で進んでいるわけでございます。これは分かる。特に、厚生年金基金の解散が進んでいる現状、これ、何としてもそのまま解散だけで終わってしまうことにしないで、企業年金を廃止する企業が極力他の企業年金への円滑な移行を行うようにする、ここが最も重要なところであります。このことが大臣もおっしゃったように一番重要な点なんだというふうに思うんですが、この支援策、これ様々な検討が必要だと思うんですが、三ッ林政務官、いかがでしょう。
○大臣政務官(三ッ林裕巳君) お答えいたします。 厚生年金基金は厚生年金の給付の一部を代行しておりますが、積立金の運用の低迷などによりまして代行部分の給付に必要な積立金が保持されない、いわゆる代行割れが起こるリスクが存在しておりました。そのため、平成二十六年四月に施行されたいわゆる健全化法におきまして、厚生年金基金からほかの企業年金への移行を支援するため、確定給付企業年金への移行時の積立不足を掛金で埋めるための期間の延長、簡易な方法で設立できる確定給付企業年金の対象の拡大、厚生年金基金の解散後に事業所単位で既存の確定給付企業年金や中小企業退職金共済に移行できる仕組みの創設などを行ったところでございます。 また、今回の改正案におきましては、事務負担が困難な中小企業が確定拠出年金を実施しやすいよう設立時の手続を大幅に緩和した簡易型確定拠出年金や、企業年金を実施せずとも従業員の老後支援を可能とする個人型確定拠出年金への小規模事業主掛金納付制度を創設するとともに、投資教育を企業年金連合会に委託して実施することを可能とするなど、中小企業が確定拠出年金を実施しやすい仕組みを設けております。 さらに、確定給付企業年金におきましても、労使合意に基づいてあらかじめ予測したリスクに応じた計画的な掛金拠出が可能となる仕組みや、労使でリスクを分け合う新たな仕組みであるリスク分担型の企業年金の創設に向けて詳細を検討しているところであります。これにより、確定給付企業年金の安定的な財政運営が可能となることから、厚生年金基金の解散後の企業年金の選択肢につながるものと考えております。 厚生労働省としては、このような取組を通じて、解散する厚生年金基金への更なる移行支援を行ってまいりたいと考えております。
○津田弥太郎君 しっかり取り組んでいただきたいと思います。 次に、私の事務所に一件相談があった件を紹介したいと思うんですが、生活保護の問題と確定拠出年金の引き出しの問題であります。 このままだと生活保護を申請せざるを得ないけれども、実は財産がある、確定拠出年金があると。これを解約すれば生活保護に直ちに行かなくても済むという相談があった。しかし、現実に厚労省に聞きましたところ、そのような場合であっても中途の引き出しは認められず、今後の検討課題としますということでありました。 私は、ぎりぎりの状態の中で、果たして資産があるのに生活保護に持っていっていいのかよと率直な疑問を感ずるわけでありますが、今回の法案の立案過程において実際にこういう問題についての検討を行っていただけたのかどうか、三ッ林政務官、いかがでしょう。
○大臣政務官(三ッ林裕巳君) お答えいたします。 確定拠出年金におきましては、そもそも制度への加入は本人の意思で行うものであること、そして、年金は老後の所得であり老後資産がきちんと確保される必要があること、自由に引き出しが可能であれば単なる貯蓄と変わらないこととなることから、加入者の支給開始年齢前に中途引き出しを行うことは原則認めておりません。 この点につきまして社会保障審議会企業年金部会でも議論が行われましたが、生活困窮などの緊急時に限り、今まで税制優遇を受けた分の減額等を受けることを条件に中途引き出しを認めることとしてもよいのではないか、年金原資を安定的に形成するためにも中途引き出しを認めるべきでないといった様々な議論があり、意見が一致しなかったという経緯がございます。 こうした状況を踏まえまして、同部会では、中途引き出しの在り方について、確定給付企業年金の取扱いと併せて引き続き議論すべき課題として整理されたところでございます。
○津田弥太郎君 私は、あくまでも生活保護直前の場合など中途引き出しの要件を法律で限定をしても構わないというふうに思いますし、税制優遇が行われてきたことを踏まえると、受取時に通常の所得税とは別に、アメリカの四〇一kにおいてはペナルティータックス的な賦課金を課すというようなこともあり得るというふうに私も考えるわけであります。 それでもなお御本人が生活保護より前に確定拠出年金を中途で引き出したいということであれば、そうした特例的な対応は認めるべきであり、厚労省としても次回改正に向けて検討していただきたいというふうに考えますが、大臣、いかがでしょう。
○国務大臣(塩崎恭久君) この中途引き出しの問題については、今、三ッ林政務官からお答え申し上げたように、企業年金部会でもいろいろな議論があった末に、引き続き議論すべき課題という整理をされたわけであります。 私ども、これ一番最初に導入をするとき、特に税の恩典を与えるかどうかというときに、貯蓄と年金、あるいは社会保障の一部としての自助努力が中心で、しかし税の恩典で言ってみれば共助を与える企業年金の在り方というか、これについてはもう様々議論をさせていただいてまいりまして、やはり自由に引き出せるような形の貯蓄性の高いものというのはどうだろうかという整理で今日まで来ているというのは先ほどのお話のとおりであります。 今後、しかし、そうはいいながら、中途引き出しの在り方について議論を重ねていくということになろうというふうに、そういう御意見のある方もたくさんおられるのでありますが、既に税制優遇を享受をしていること、それから中途引き出しが容易に行われるようにする必要性を踏まえて、中途引き出しを認める際にペナルティータックスを課すというようなこと、あるいは脱退一時金から一定水準の減額を行う取扱いを導入すべきかというようなこと、あるいは諸外国では原則不可とする取扱いが多いわけでありますけれども、こういった考え方にどう沿っていくのか、あるいは生活に困窮している方も将来の老後の所得確保は必要であるわけでありまして、自助努力の分あるいは共助の分で現時点での生活困窮とのバランスをどう図っていくのかというようなこともございますので、先生から今御指摘があったようなケースも含めて、引き続き検討を深めてまいりたいというふうに思います。
○津田弥太郎君 先ほど言いましたように、諸外国と大臣おっしゃいましたが、アメリカにおいては所得税とは別に脱退一時金に対して一〇%を加算して支払わせるという制度になっているようでございます。 ここで、お待たせしました、大岡政務官の登場でございます。今お話を聞いていただいたとおり、特例的な対応を行う、もし今後検討して行うに当たって当然財務省との協議が必要というふうに私も考えるわけでありますが、この問題に関して財務省として現時点でどのような見解をお持ちか、大岡政務官の人間的な答弁をお願いしたいと思います。
○大臣政務官(大岡敏孝君) 津田委員にお答え申し上げます。 先ほど塩崎大臣並びに三ッ林政務官から御答弁ありましたとおりでございまして、特に財務省として異なった見解を持っているわけではございません。基本的には中途引き出しはしないということで御理解をいただいております。 あわせて、人間的な答弁ということで、若干、少し私なりに補足をさせていただきますと、まさに先生おっしゃったみたいにいろんな事情で生活保護寸前になってしまう方がいらっしゃいます。現役のプレーヤーで働いておられる間はいいときもあれば悪いときもある、浮き沈みが当然あるわけでございますが、そうなっても、プレーヤーの間にちゃんと掛けていさえすれば、現役を退いた支給開始年齢以降はしっかりと守られる体制をつくっていくという、ここの信頼を国民にちゃんと伝えていくことが最も大事だと思っておりまして、先生のお気持ちも大変よく分かるし、先生に訴えされた方というのは極めて真面目な、勤労な国民の方だと思うんですが、一方で、生活保護直前になったときに年金資産にも手を付けられるということになってしまいますと、これは担保になる可能性もあります。また、債権者から、おまえ、生活保護直前になる前に手を付けられるんだから、それを出してこいと言われてしまう危険もあるわけでございまして、そういったこと、プレーヤーのときに浮き沈みがあっても、その間こつこつ掛けさえすればその年金資産だけはきっちりと守られるという体制をつくることの方が私は再チャレンジ可能な社会、私たちの目指している再チャレンジ可能な社会の在り方には近づくものではないかというふうにも考えておりますので、この点、引き続き厚労省ともよく議論をしてまいりたいと考えております。
○津田弥太郎君 今後の検討ということで、大岡政務官も大いに議論していきたいというお話でございます。 今回の法案、次の課題に入らせていただきますが、第三号被保険者が個人型の確定拠出年金に加入できるように改正する内容が含まれているわけであります。 厚労省は、その必要性について企業年金部会で、第三号被保険者においても働いている人が半数いるのが現状である一方、公的年金の枠組みによって私的年金の加入資格に差があること、あるいは妊娠、出産などで第三号被保険者になり個人型確定拠出年金に資産を移換した場合、第三号被保険者期間は資産の積み増しができないといったことを指摘をされて、今回の改正内容につながったということでございます。 三ッ林政務官にお聞きしたいんですが、第三号被保険者自身は保険料を払っておらず、第二号被保険者全体で三号の基礎年金給付額を負担する仕組みとなっているのが現状です。そのような中で、第三号被保険者に対して税制優遇付きの私的年金の加入を可能とすることによって実際にどの程度の加入が見込まれるのか、お答えください。
○大臣政務官(三ッ林裕巳君) お答えいたします。 個人型確定拠出年金への加入は任意であるため、第三号被保険者の方がどの程度加入するかは一概には申し上げられませんが、出産などの事情から一時的に第三号被保険者になるものの、その後復職するようなケースについて、今回の改正で第三号被保険者の期間中も自助努力を継続することが可能となるわけでございます。こうした点を含め、今回の改正では個人型確定拠出年金の普及のための措置を講じていることから、できるだけ多くの方にこの制度に加入していただき、老後所得の確保を図っていただきたいと考えているところであります。 なお、今般の改正案では、国民年金基金連合会の法定業務に個人型確定拠出年金の広報啓発業務を追加するなど、認知度向上のために広報を積極的、効果的に展開するための取組を位置付けているところでございます。 今後、NISAなどの先行事例も参考にしながら、国民年金基金連合会や運営管理機関など関係機関と連携しつつ、制度の広報活動を行うなど認知度の向上に努めてまいりたい、そのように考えております。
○津田弥太郎君 実際にどの程度の加入が見込まれるかと聞いているんですけど。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今政務官からお答え申し上げましたとおり、これは任意の制度でございますので、なかなか確たる計算というのは立ちにくいわけでございます。 ただ、この対象になります国民年金の第三号被保険者の方、これ全体で九百三十二万人いらっしゃいますし、この方々がかつてのようにほとんど専業主婦であるという時代は変わりまして、相当程度の方々がいろいろお勤めに出たりパートに出たり、あるいは二号被保険者が一時出産などのために三号になるといった方、相当程度いらっしゃいます。 したがいまして、この場で何人ということが申し上げられないのは誠に申し訳ありませんけれども、しっかりと広報をしていくということによりまして相当程度の加入がしていただけるのではないかと思っております。 それから、専業主婦の方々などにアンケートを取りましても、まず簡単にお伺いいたしましても、三割程度は入ってみたいというような御希望をお持ちだというようなアンケート調査もございますので、いずれにしても認知度を高める努力をしてまいりたいと思っております。
○津田弥太郎君 一定の条件を付けて推定値を是非出していただきたいと思います。 委員長、よろしくお願いします。
○委員長(三原じゅん子君) 後刻理事会において協議いたします。
○津田弥太郎君 この問題、企業年金部会において、女性の資産形成機会を拡充するという意味で評価する意見がある一方で、就労調整を行い第三号被保険者になり続けようというインセンティブになってしまうのではないか、女性の活躍推進の政府方針を阻害する効果を持つのではないかとの懸念も複数の委員から示されているわけでありまして、それに対する内山課長、二〇一四年の十月三十一日の社会保障審議会企業年金部会の議事録によると、内山課長は、三号にとどまるインセンティブとならないようにという御指摘をいただいたところですけれども、影響は全くゼロとは言い切れないかもしれませんというふうに答弁をされているわけであります。第三号被保険者のままでいれば、国民年金保険料は自ら負担しなくてもいい上に企業年金にも入れることになるわけですから、年収百三十万円以上働いた場合と比べてどちらが得になるかという悩みが生じてくるわけであります。 私は、今回の改正が間違っても女性の活躍推進を阻害するようなことになってはならないというふうに考えるわけでありますが、大臣、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これも最初から、三号被保険者を入れるべきかどうかということはさんざん議論をして、取りあえず外してまいりました。 しかし、女性の就労の状況などを見てみますと、一時的に三号被保険者になって、また労働市場に戻ってくるというケースも大変多くなっているわけでありまして、言ってみれば、そうなると、一時的に抜けたときに自助努力を継続できるようにするという、そういう判断から今回これを決めたわけでありますし、また、今先生御指摘のような女性の就労を阻害するようなことがあってはならないというふうにも考えながら、一方で長い間専業主婦をやられる方もおられるわけでありますので、確定拠出年金は個人単位の制度であって、御本人の所得から掛金相当が控除される仕組みであることから、そもそも配偶者優遇となるような制度ではないというふうに考えております。 いずれにしても、第三号被保険者につきましては、社会保障審議会年金部会でも、この三号被保険者には多様な属性を持つ方がおられるということ、そして、まずはそうすると、被用者保険の適用拡大を進めていく、そして第三号被保険者制度の縮小、見直しに向けたステップを踏んでいくということが必要であるというふうに議論が整理をされているわけでありまして、働き方に中立的な社会保障制度への見直しの観点から、先生今御懸念、御指摘の点を含めて引き続いて検討していかなければならないというふうに思っております。
○津田弥太郎君 担当課長が、ゼロとは言い切れない、影響は全くゼロとは言い切れないと答えているわけですから、これはこの認識を今後の検討の中にしっかり入れ込んでいっていただきたいなと、是非お願いをしておきたいと思います。 最後に、いわゆる消えた年金問題について一点お尋ねをしたいと思います。 五千九十五万件、未統合記録について、これまでの様々な努力によって、現時点で解明されていない記録は二千十一万件ということになっているわけであります。この数字の評価はともかくとしても、少なくともこの二千十一万件の記録については、当時の社会保険庁に対して国民の保険料がしっかりと納められていることは事実であります。ところが、その保険料については誰が納めたものなのかは不明だ、どなたの給付にも結び付くことがなく年金特別会計に溶け込んでいる、GPIFの運用に回されているわけであります。 一日も早く二千十一万件の記録の解明を行うことはこれは当然として、そのような形でGPIFの運用に回されている保険料、果たして幾らになるのかということが今後の政策立案においては非常に重要になってくると考えます。三ッ林政務官、おおよそで結構ですので、その金額は幾らぐらいになるんでしょう。
○大臣政務官(三ッ林裕巳君) お答えいたします。 解明作業中、また、なお解明を要する二千十一万件の記録について、納付された保険料額については現状では把握しておりません。また、この二千十一万件の記録は、記録ごとに加入期間や標準報酬月額は表示されておりますが、納付された保険料額は表示されておりません。保険料額を計算するためには件数が膨大でありまして、かつ保険料が納付された時期もそれぞれ異なり、当時の国民年金保険料額や厚生年金保険料率も違っており、また厚生年金保険料の算定の基礎となる標準報酬月額も納付された被保険者ごとに異なっております。 このようなことから、システム的な対応が必要となりますが、現状ではそのようなプログラムが用意されておりませんので、計算することは極めて困難であります。
○津田弥太郎君 プログラムがないので計算不可能だということであるならば、プログラムを作って計算を是非していただきたいと思います。一か月ぐらい掛かると思いますので、そのぐらい後に是非回答していただきたいと思います。 委員長、よろしくお願いします。
○委員長(三原じゅん子君) 後刻理事会にて協議をいたします。
○津田弥太郎君 確定拠出年金の課題、これは本当に今の年金制度を進めていく上で、老後の生活を安定させていく上で大変重要な制度であります。今後とも、しっかり議論してまいりたいと思います。 終わります。
○川田龍平君 民進党・新緑風会の会派を代表して質問させていただきます。川田龍平です。 私、一番最初に、まず法案の質疑に入る前に、先週ニュースになりました化血研の事業譲渡について。 化血研の問題が大きくマスコミにクローズアップされたときから大変違和感を強く持っていたんですが、この化血研の問題というのがこれほど大きくなった背景には、薬害エイズの被告企業であったり、本当に患者として血液行政について非常に不安感を持って、この問題について大変怒りもありましたし、ただ一方で、この化血研という企業が、医療用の医薬品であったりそういったところで、なかなかマスコミに対してはスポンサーでもなかったり、天下りがなかったり、たたきやすい企業で、本当にたたいてきた結果として事業譲渡ということになって何か違和感を感じていて、アステラスという会社が出てきたんですけれども、そこにまた動物用医薬品の問題で譲渡が難航しているとか、結果として動物用医薬品の譲渡を別の企業に有利な条件でこれを売却進めるようなことになるんじゃないかという大変強い違和感を持っております。 これ、こういう形で事業譲渡して、結果、化血研という企業をこのまま事業ができなくさせるということになっていった場合に、本当に強い違和感を持っているんですけれども、この件について、厚労大臣、どのような見解でしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 一点、まずしっかり見据えておかなきゃいけないことは、今回の事案というのは医薬品製造販売業の言ってみれば許可取消し相当のおきてを守らなかったということが長年にわたって組織的に行われたということが全てのスタートだということを忘れてはならないというふうに思っています。 この一般財団法人という組織自体がガバナンスが利かない、そしてまた、今天下りがないというお話がありましたけれども、実は特定の大学であったり特定の地方公共団体であったり特定の言ってみれば学閥であったり、そういう人たちによって物事が決められてきて、結果として、医薬品を作る定められた作り方を守らないことを隠蔽をする、そしてそれを厚生労働省に対してもだますというようなことをやってきた企業であるということを、これは決して忘れてはならないことであって、全てはそこがスタートで、今いろいろ考えているということでございます。 我々としては、やはりワクチンあるいは血液製剤というのは、もちろん動物用の医薬品についてもそうでありますけれども、命に関わる極めて大事な製造販売であるということ、これもまた同時に見据えておかなければいけないことで、踏まえなければいけないことだというふうに思っているわけでございますので、これまでなぜこういうことが起きたのか、なぜ、ほかの国ではかなり強い企業がやっているけれども、日本の場合にはせいぜい大きくてもこの化血研の、四百五十億ぐらいの売上げの小粒でバッファーがなかなかないところがやってきたことが、本当にこれから日本人の命を守り、あるいはまた世界に貢献するというようなことができるのかどうかということも考えなければいけないというようなことを様々考えているところでございます。 もちろん、地元の雇用の問題とか、そういうことももちろん当然のこととして私どもは考えているわけでありますが、いずれにしても、私どもは、この一般財団法人化学及血清療法研究所、いわゆる化血研としての事業継続を前提としない抜本的な見直しを要請をしているわけでありまして、このような観点から、他の企業等に事業譲渡することも選択肢の一つとして化血研において考えていただいているということだと思っております。 化血研では、この事業譲渡という方法を含めて対応を検討し、製薬企業との協議を進めているということはプレスリリースでもそれぞれ出しているわけでありまして、まだまだ結論が出ていない現時点でございますので、事業譲渡の協議の内容については私どもとしてコメントする立場にはございませんが、厚生労働省としては、化血研が抜本的な改革に今真剣に取り組んでいるかどうか、引き続きしっかりと見守っていきたいと思っておるところでございます。 厚生労働省としては、化血研における抜本的な見直しがしっかりと行われることが不可欠だというふうに考えておりますので、その観点から、私どもとしては今の動きを見守っていきたいというふうに思います。
○川田龍平君 このアステラスという企業、日本の国内医療用医薬品メーカーとしては第二位ですけれども、山之内製薬と藤沢薬品工業が合併してできた会社ということで、本当に株式比率、外国資本が五一%入っています。そういう意味では、やっぱり企業として、こういうふうに医薬品ですとか血液やワクチンといった本当に国内で自給すべきというところのものをだんだん外国に頼っていかざるを得ない状況になってきているということで、大変患者として不安を感じています。 そして、株式の状況なども含めて考えていくと、やっぱりすごい、もしや、大臣、アステラスの株とか持っていませんよね。
○国務大臣(塩崎恭久君) 自ら何の株を持っているのか大体分かっているつもりではありますが、多分持っていないと思いますが、なお調べてみたいと思います。
○川田龍平君 でも、本当にこれ、そういうことを考えていくと、アステラスだけじゃなくて、武田なんかも多く持っているということはもう皆さん知っていることですので、こういうことで何か国内の自給すべきものが本当にどんどん買われていくということに対して、やっぱり僕としては個人的にはすごく心配をしています。 国内でちゃんと供給をしていくということの体制を行政として考えていくべきだと、資本も含めてですけれども、やっぱり本当に考えなきゃいけないんじゃないかと。これ、外資規制をしっかり行うべきではないかと思いますが、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 国内でワクチンを生産をしていくということは、これまでも厚生労働省としてその方針で来たわけですし、血液製剤はもとよりということでありますから、その方向性は変わらないと思います。 しかし、今の資本規制をせいということでありますけれども、これはまたちょっと別の問題として、どういうことが、今申し上げた国内の生産を守るということに関してどういう手だてでやるかというのは、またそれはいろいろな御議論があろうかと思います。 これは、例えば空港の民営化の際の外資規制をどうするかというようなこともございましたが、いずれにしても、先ほど申し上げたように、一般財団法人のガバナンスの利かなさというのも一方でしっかりと踏まえていかなければいけない。そうすると、やはりガバナンスの利く仕組みということになると、株式会社で、じゃ上場をしない形でやることが本当にファイナンスの面で十分なのかというようなことも考えなきゃいけないので、様々考えて、今先生がおっしゃっているような問題意識も踏まえて、それを守るためにどうするべきかということは併せ考えていかなきゃいけないことではないかというふうに思います。
○川田龍平君 経済効率からすれば、インドネシアなど一〇〇%外資参入を許すような規制緩和によって経済的に利益を得ようというところもありつつ、インドのように外資規制をしてやっぱりちゃんと医薬品の価格をしっかり守っていこうというところもあるわけです。 ほかの国の情勢もやっぱりしっかり考えた上で、日本の外為法上規制を掛ける仕組みもあるわけですから、だから本当にそういったことをしっかりやっていかないと、医薬品の値段というのはもう本当に跳ね上がっていて、これを、やっぱり国内の国民の命を守るためには国内のそういった血液だけではなくて製薬も含めて、本当にこれ心配なんです。こういって上場していけば、結局株主の利益のことを優先してしまって、本当に国内の供給を守れるのかなという危険を、本当に身の危険を感じている、命の危険を感じているわけです。本当に血液製剤のときには、前にも汚染された血液を外国の工場で作っていて、それも外国の工場から出荷できないから入ってこないという状況なんかも実際あったわけです。 そういうことで、外国の企業や工場をどうやって、じゃ国内の厚生労働省が監視、監督していくのかということも含めて、やっぱり本当にこの血液の問題についてはここをしっかりと国内で守っていくということを是非やっていただきたいと思いますので、血液製剤供給の在り方についての検討会もやっぱりしっかりやっていただきたいと思いますが、よろしくお願いします。
○国務大臣(塩崎恭久君) ワクチンと血液製剤は少し異なると思っています。血液製剤につきましては、それは国内で完結をするということが原則であることはこれまで守られてきたことでありますし、そこにチャレンジをする考え方は持ち合わせていないというふうに思っていますが、今私どもの役所の中でタスクフォースを民間の方々も含めて入っていただいて議論をして、今回の事案を受けて、新しいワクチン産業、そしてまた血液製剤産業、そしてワクチン政策、血液製剤政策、これを併せて議論をしていただいているわけでありますので、先生の問題意識はよく私どもも理解をして、踏まえているつもりでございますので、血液製剤については少しワクチンとは違うと思いますが、ワクチンの場合には国内外ともいろいろな形があり得るというふうに思いますので、今御議論をいただいているところでございます。
○川田龍平君 何かもやもやして、違和感がとてもあって、ミドリ十字のときもそうだったんですけれども、薬害エイズの被害者、患者の側が怒りを持つことによって、何かそれが利用されているような気がするんですね。 ミドリ十字という会社は、吉富製薬、ウェルファイド、三菱ウェルファーマ、田辺三菱と会社名を変えて今も存続して生き残っています。でも、その会社が果たして良くなっているのか、名前を変えたり企業譲渡されたりすることによって本当に会社としての体質が良くなっているのかというと、実はそうではないんじゃないかという思いをずっと強くしていますので、本当に国として、やっぱりちゃんと監督機関としてしっかりやっていくということももちろん大事ですし、企業としてちゃんと反省して、より良い企業になっていくということのためのやっぱり措置であるということになっていっていただきたいというふうに思っています。 ちょっと法案の質問もありますので終わりますが、引き続きこの件については注視していきたいと思っています。 次に、これも法案とちょっと関係ないんですけれども、年金の方で、日本年金機構、今日も水島理事長来ていただいていますので一問させていただきますが、日本年金機構の情報流出事案について、私は昨年の審議において、情報セキュリティー対策の不十分さだけでなく、旧社会保険庁体質ともいうべき構造的問題がその根底にあったこと、また機構の組織体質や職員の意識の改善が進んでいないこと、事案の公表が遅れたこと、厚生労働省の情報共有が不足していたことといった問題を指摘してきましたが、年金機構はこれらの問題にどう対応してきたのでしょうか。
○参考人(水島藤一郎君) お答えをいたします。 昨年の情報流出事案につきましては、発生後速やかに機構の内部に調査委員会を設置をいたしました。また、厚生労働省に設置されました外部有識者によります検証委員会等におきまして徹底した原因究明をいただいたところでございます。 今御指摘のとおり、その結果といたしまして、当機構の情報セキュリティー体制のみならず、組織の一体感の不足、ガバナンスの脆弱さなど構造的な問題が指摘をされてきたところでございます。 本事案に係りますこれら構造的問題の抜本的な解決に向けまして、機構内に再生本部を立ち上げる等によりまして検討をいたしてまいりました。 組織改革につきましては、本年四月から、本部と現場の中間的な役割を担ってまいりましたブロック本部を本部に統合いたしまして、組織の一体化を進めているところでございます。また、本部を縦割りから横断的な組織に改めまして、ここに地域部を本部組織として設置をいたしております。この部署には、本部からのルールの徹底あるいは年金事務所の実態把握を行う地域マネジャーを設置をいたしまして、現場実態の把握及び本部としてのルールの徹底を図るキーマンとしてこれを設置をしているところでございます。縦割りの排除、本部と現場の一体感の醸成、内部統制の有効性の確保、これらに向けた体制の整備を行っているところでございます。 人事改革につきましては、職員が希望とやりがいを持って組織一体となった業務に取り組める人事を実現するために、国民のために努力する職員を評価する信賞必罰の人事評価制度の取組を確立したところでございます。 また、情報開示に関しましては、情報開示担当理事及び担当部署を設置をいたしまして、体制を強化いたしました。また、現場の情報を把握するためのモニタリングシステムを構築したところでございます。また、情報セキュリティーに関しましては、先ほども御答弁申し上げましたが、組織面、技術面、業務運営面、それぞれの対処を取ってきているところでございます。 以上申し上げましたとおり、種々の取組を行いますほか、厚生労働省と連携あるいは情報共有を徹底をいたしまして、二度とこのような事案が生じないよう、機構再生に職員一丸となって努力をいたしているところでございます。
○川田龍平君 その後、更なる不正アクセスはあったのでしょうか。また、流出してしまった個人情報が犯罪などに悪用された事案の有無、それから犯人逮捕などの情報は聞いていませんが、その後の警察の捜査状況について伺います。
○参考人(水島藤一郎君) お答えをいたします。 情報流出事案以降は、機構システムとインターネットは遮断をいたしております。したがいまして、インターネットを経由した不正アクセスあるいは情報流出はございません。また、流出している個人情報に関しまして、それを悪用し、例えば年金を詐取したというような事例についても注意深く見てきておりますが、発生をいたしておりません。 捜査状況につきましてはお答えをする立場にございませんが、現在、警視庁におきまして鋭意捜査中であるというふうに承知をいたしております。
○川田龍平君 昨年の質疑で私が、インシデント発生時の厚労省内の情報伝達の不手際、情報参事官室の人員拡充、医療保険者、介護保険者の個人情報取扱いの改善などを指摘したところ、その後、厚労省では、予算の確保や人員体制、手順書の見直し、職員の研修など、どのような取組を行ったのでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘がございましたけれども、日本年金機構の情報流出事案について、厚生労働省としては昨年九月に再発防止策を取りまとめたことは先ほど津田先生にもお答え申し上げたとおりでございます。 この再発防止策に基づいて、厚労省そして所管法人における情報セキュリティー対策の強化に向けて、組織的、人的業務運営、技術的対策、様々な観点から取組を進めてきているわけでありますが、具体的には、二十七年度、昨年度に、情参室において情報セキュリティーの外部専門人材の配置、そしてインシデント発生時に即応できるいわゆるCSIRT体制、これを強化をするための職員の増員というのを行いました。それから、標的型のメール攻撃訓練を始め、職員の危機意識及びリテラシー向上のための教育訓練の充実、それから厚労省及び所管法人などにおいてインシデントが発生した場合に速やかに幹部等へ報告が行われるようにするための連絡体制の構築などを内容とする情報セキュリティーポリシー等の改定を行ってまいりました。 本年度も、当然のことながら、個人情報等の重要情報を取り扱う厚労省そして所管法人のシステム、あるいは業務の現状を把握をし、業務に応じた情報管理体制を講じるためのリスク評価、それから所管法人等に対する情報セキュリティー監督などの取組を実施をしていくこととしておりまして、その予算を確保しております。 医療保険者などのサイバーセキュリティーについて大変繰り返し御指摘が前もございましたが、昨年六月に、個人情報を扱う基幹システムとインターネットの切断などの各種の対策を要請をしてまいりました。その後、医療保険者等の対策の実施状況について調査をするとともに、対策が十分ではない団体に対しては早急に対策を講じるように昨年十二月に再度要請をしたところでございます。 厚生労働省としては、今回のような出来事が二度と起こらないようにするために、所管法人を含めて再発防止策に着実に取り組んでまいりたいと思っております。
○川田龍平君 しっかりと取組を進めていただきたいと思います。 それでは、法案について質問させていただきます。 急速な少子化と高齢化が進む中で、国民の一人一人が安心して老後生活を送るためには、医療や介護の充実というのはもちろんのこと、生活の基盤として安定した収入や所得を確保することが重要なことは言うまでもありません。これはもう、もちろん一朝一夕にできることではなく、現役時代のうちから、さらには若い世代から準備を重ねていくことが必要だと思います。そのためには、国民の一人一人が多様な働き方、生き方を営んでいる中で、個々人の状況に応じて適切に老後の備えをしていくことが求められていると思います。 国として、こうしたことが可能となるように必要な環境を整備することが求められているわけで、その第一が安心できる公的な年金制度だと思います。しかし、公的年金制度のほかにも、老後の準備を一人一人状況に応じて行うことができるように多様な選択肢が用意されていることも必要と考えますが、そうした意味で、企業年金を始めとするいわゆる三階建て部分の年金は、企業や個人が現役時代に継続的に掛金を積み立てていく制度であり、老後の備えの選択肢の一つの代表的なものです。このため、企業年金を始めとした三階建て部分の年金をより広く普及させるような取組は基本的にはいいことだと思いますが、今回の法案が果たしてその趣旨に見合った内容であるかどうか、確認をさせていただきたいと思います。 まず、この三階建て部分の年金についてどのような制度を拡充すべきかということについて伺います。 我が国の企業年金は、企業が将来の給付を保障する確定給付企業年金、いわゆるDBが中心でした。長らく我が国の企業年金の中心であった厚生年金基金制度も、言ってみれば給付を先に決めるDB型の制度と言えます。このDB型の制度は、年金の給付水準に関して母体となる企業、会社の経営状態や基金の財政運営に左右される場合があるものの、一定の給付が約束されているという点で従業員にとっては安心感のある制度であったという意見もあります。ところが、近年、このDBが加入者数が頭打ちになっているのが現状であり、むしろやや減少しているような状態です。このような中で、今回の改正法案は確定拠出年金法等の一部を改正する法律案という名前のとおり、確定拠出年金制度、この拠出の方、DCの内容が中心になっています。 今回の法案に関して、連合からは、企業年金の性質からDBが基本であるべきで、安易にDBがDCへ流れる結果にならないようにすべきとの意見があるところであり、このDC制度中心の今回の法案はDB制度をないがしろにするものになっていないか、見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(鈴木俊彦君) お答え申し上げます。 できるだけ多くの国民が老後の所得保障の備えということで私的年金を活用していただけるようにする、これは誠に大事なことでございまして、こうした観点から申し上げますと、今先生御指摘がございましたけれども、確定給付の企業年金、それから確定拠出の年金、これは言わば車の両輪だというふうに思っておりまして、どちらもその普及拡大を図っていくべきものだというのが私どもの基本的なスタンスでございます。 この法案につきましては、今御指摘ございましたように、確定拠出について様々な改善事項を盛り込んだ法案でございますけれども、一方で、ただいま御指摘ございました確定給付の企業年金、これにつきましても、この法案と併せて、一昨年の六月から社会保障審議会の企業年金部会におきましてその普及拡大の在り方について議論を行ってきたところでございます。 特に、確定給付企業年金につきましては、御指摘がありましたように、なかなか加入が頭打ちになっているというような状況もございまして、この企業年金の普及拡大に資するような柔軟で弾力的な給付設計というものを検討してまいらなければならないだろうと、こういった課題意識で検討を進めているところでございます。 そこで、法案事項ではないのでございますけれども、例えば積立不足に対応いたしました確定給付企業年金の掛金拠出の弾力化、あるいは労使でリスクを分け合う新たな仕組みでございますリスク分担型の確定給付企業年金の創設、こういったものについて取組を進めておりまして、具体的には平成二十八年度の税制改正大綱にも盛り込まれたところでございます。 したがいまして、今後、制度の詳細を検討いたしました上で、こういった制度もどんどん御活用いただけるように普及拡大に努めてまいりたいと、かように考えております。
○川田龍平君 今回の法案はDCの見直しが中心ですが、このDCは毎月の掛金をそれぞれの加入者、すなわち各個人が運用する仕組みですが、このDCのうち特に個人型DCは、各個人が生命保険会社などが販売している養老保険などの個人年金の商品と区別が付かない方も多いのではないかと思います。 こうした民間の個人年金は各社多様な様々な商品を開発、宣伝しており、世の中でも一定程度定着している一方で、DC制度の特徴はこうした個人年金に比べて余り知られていないと思うんです。個人型のDCというのは自分で選んで入る制度であり、その意味では民間生命保険会社の個人年金と類似の制度と考えられますが、個人型DCはこうした民間生命保険会社の個人年金と何が異なっていて、メリットは何なのでしょうか。なぜ今拡充する必要があるんでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) お答え申し上げます。 今御指摘ございましたように、個人型の確定拠出年金でございますけれども、これ仕組みといたしましては、個々人が自ら選択に基づきまして積立金を運用する、そしてその結果に応じて老後に給付を受ける、こういう仕組みでございますけれども、そもそも目的が民間の個人年金と異なりまして、公的年金と相まって老後所得を確保するということを目的といたしております。 こうした目的に沿いまして、先ほど来御議論ございましたけれども、例えば個人型の確定拠出の中では中途引き出しを制限する、こういった様々な制約が設けられているのも事実でございますけれども、一方で、民間の個人年金と比較しまして大変に手厚い税制優遇措置を受けられる制度でございます。 具体的には、民間の個人年金でございますと、掛金の拠出分が年四万円を限度といたします生命保険料控除、この対象でございますし、給付時も払込みの保険料以外は雑所得とされるということでありますけれども、これに対しまして、確定拠出年金になりますと、拠出時、運用時、受給時それぞれに税制優遇がございまして、拠出時は掛金の全額につきまして小規模企業共済等掛金控除、これが適用になります。そして、運用時は特別法人税制度がございますけれども現在凍結中で、事実上非課税でございます。そして、受給時には公的年金等控除が適用されるということで、大変こういったような税制上のメリットがある制度だというふうに思っております。 それから、具体的に、個人型の確定拠出年金につきましては、金融機関が選定、提示した運用商品の中から自ら選んで運用するということでございますけれども、運用期間中に商品を変更することもできますし、こういった点でも、民間の個人年金と比較いたしましても使い勝手のいい制度になっているのではないか、こういうふうに思っております。 そうした上で、この個人型について私ども、できるだけ多くの方に活用していただけるように普及を図ってまいりたいということで、今般改正案を御提案申し上げております。具体的には、先ほど来御議論ございました第三号被保険者、昔、専業主婦というふうに言われていた方々のグループでございますけれども、この方々につきましても、女性の社会進出が進む中で様々な属性の方々がいらっしゃるようになってきています。それから、いわゆる厚生年金のサラリーマン、二号被保険者でありますとか、私ども公務員につきましても、雇用の流動化も進んでおりますし、また転職などの働き方が多様化しているということもございます。 こういった就業状況の変化にかかわらず、自助努力を個人で継続できる仕組みということになりますと、受皿が個人型の確定拠出年金でございますので、今般加入可能範囲の拡大を図るということで一層の普及拡大に努めてまいりたいというふうに考えております。
○川田龍平君 個人型DCは、民間生命保険会社の個人年金との違いも含めて今説明いただきましたけれども、正直なところ、多くの方が知らない仕組みだと思います。 知人に話を聞くと、職場で確定拠出年金等やっているが、どういった仕組みなのか、確定拠出年金の口座に自分の資産が幾らあって何に投資されているのか、多くの同僚が知らないようだと言っています。その人自身も入社から何年もたってやっと存在を知ったとのことでした。また、別の大手の企業に勤める知人からは、そもそも自分の会社の企業年金がDCなのかDBなのかもよく分からないとの声も聞いたことがあります。 こうした状況が一般的なものだとしたら、制度が十分に周知され活用されているとは言いにくい状況ではないでしょうか。DCの利点を生かすには、個々人が積極的に制度に参加して資産形成を図ることは不可欠であり、こうしたDCの特徴を加入者に十分に周知し理解していただくことが必要ではないでしょうか。 これまでDCが国民に普及してこなかった原因は何であると考えているのか。また、今回の法案はこうした問題にどんな解決策となっているんでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 確定拠出年金制度でございますけれども、これ創設されてから大体十年余りが経過をしておりまして、数字で申し上げますと加入者数は五百万人を超えるということで、普及は一定程度図られてきたというふうに認識をいたしております。ただ、今御指摘ございましたように、公的年金の加入者総数六千七百万人でございますので、これと比べますとまだまだ普及する余地はあるだろうというふうに思っております。 そこで、なかなか普及に苦労してきているという原因でございますけれども、背景としては、やはり中小企業の皆さんになかなか御活用いただけていないということで、具体的に、設立をする場合あるいは運用する場合、手続などの面で負担感が非常に大きいのではないか、したがって導入に慎重になっているんではないかというような分析をいたしております。また、個人型につきましては、先ほど申し上げましたように、そもそも第三号被保険者でございますとかその他の方々が入れないような仕組みでございましたので加入対象者が限られてきた、こういう面があろうかと思っております。 こういったことを踏まえまして、今回御提案申し上げました法案では、こうした課題に対応いたしますためにまず中小企業の方に使い勝手が良くなる、使っていただけますように、まず設立手続の大幅緩和を行います。こういった簡易型の確定拠出年金制度というものを創設をいたすことにしております。それからまた、こういった企業年金の形で実施をしなくても、実質的に従業員の老後保障がきちんと支援できるという意味では、個人型の確定拠出年金に入っています従業員に対しまして事業主の方が追加的に併せて拠出する、そういうことによって従業員の老後の所得保障を支援するという意味での小規模事業主の掛金納付制度、こういったものも創設することにいたしております。それから、個人型の確定拠出年金につきまして対象拡大を図っているということは先ほど申し上げたとおりでございます。 いずれにいたしましても、こういった今般御提案していることにつきまして実現しました暁には、私ども普及拡大のツールとしてまたこれに努めてまいりたいというふうに思っております。
○川田龍平君 今回の改正案には、また、個人型DCへの加入可能範囲の拡大とともに、転職の際のDCからDB、中退共、中小企業のための国の退職金制度への年金資産のポータビリティーの拡充が盛り込まれています。 先ほど津田委員からの質疑でも、この資料もありますけれども、こういったものが、また、働き方が多様化が進んで多くの人が転職や休職、復職を経験する社会となっておりまして、転職については、二〇一四年の転職入職者が約五百四万人で、常用労働者全体の一割強に上っています。そうした人が老後の所得形成をする上で不利にならないようにすることは大変意義のあることだと考えています。 しかし、このようにDBとDCと中退共と企業年金退職金制度が分立しており、加入者にとって分かりづらくハードルとなっている中、転職の際のDC、DB、中退共への年金資産のポータビリティーの拡充が盛り込まれていますが、ちょっと先ほども質疑ありましたけれども、これ、どのように周知されるんでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 先ほどから御議論いただいておりますように、このポータビリティーにつきましては、こういったように制度が分かれている中で、老後保障を確実にしていくというために非常に重要な手段だというふうに思っております。 この法案におきましても、先ほど来大臣からも御答弁申し上げましたけれども、ポータビリティーの拡充を図っておりますけれども、今御質問にございました、これをまずは知っていただくというのがやはり非常に大事でございます。 この周知方法でございますけれども、具体的には、確定拠出年金から確定給付企業年金をやっている企業への移換をする、あるいは、確定給付企業年金同士転職が行われるような場合などがあろうかと思います。こういった場合には、確定給付の企業年金を実施している事業主が、この転職等の移換の対象者の方に資産移換ができるんですよということをきちんと説明しなければならないということを法令上義務付けようというふうに思っております。 現在でも、確定給付企業年金法の施行令の中にそのような規定もございまして、今般拡大した部分も含めまして、きちんと事業主が説明義務を果たせるように制度上の仕組みを整えるということが第一点だと思っております。 それから、今般、中小企業の退職金共済につきましても範囲を拡大を、ポータビリティー、いたしておりますけれども、中退共につきましては、例えば加入者の方々に広報誌を毎年送付している、こういった取組をやっていただいておりますので、そういったものの活用でありますとか、ホームページで制度改正を紹介する、こういったきめ細かな取組も含めまして、ポータビリティーについて周知を図ってまいりたいというふうに考えております。
○川田龍平君 ちょっと個人型DCについての四番は飛ばして、時間との関係でまた後でやるかもしれませんが、五番目の子供の頃からのマネー教育について、ライフプラン教育の必要性についてですが、文科省も来ていますので、ちょっとそちらを先にやらせていただきます。 次に、このDC制度の特徴としては、繰り返しになりますが、毎月の掛金をそれぞれの加入者、すなわち各個人が運用する仕組みであることが分かります。このため、運用商品の選択を加入者が自ら行うこととなるわけですが、自分で資産を運用することに十分慣れていないという国民が相当数います。その意味で、個々の加入者が資産運用の基礎知識や運用商品の特徴や内容などを正確に理解していただくことが極めて重要であり、特に老後までの運用期間が長くなる若い世代には十分な知識を身に付けていただくことが必要です。 特に、このDC制度は、金融知識が身に付いていない、特に多くいると思われる二十代、三十代のうちから加入者になるケースが多くて、こうした若年層にマネー教育やライフプランの教育、適切な金融リテラシーを身に付けていくことは、高齢期に限らず、それ以後の人生をより豊かに過ごすために非常に大切なことと考えます。 そこで、DC法案には、いわゆる投資教育について継続投資教育の努力義務化が盛り込まれていますが、私は、これは単に金もうけのための投資教育という意味ではなく、加入者自身の人生設計を含むマネー教育やライフプラン教育の充実について、具体的に厚労省はどのように進めていくつもりでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 投資教育は、この制度が成り立つために大変に重要な事項だというふうに思っております。この充実につきまして、今回の改正法の施行に合わせまして、具体的に私ども、その教育の内容でございますとかあるいはタイミングについて一定の目安を通知の形になろうかと思いますけれどもお示しをすることを考えております。 この内容につきましては、具体的に、そのタイミングをきちんと捉えて、企業の実情に応じて、しかも、今先生ございましたような年齢層でありますとか加入者のニーズに合わせて十分に教育内容を設定していただきたいということ、それから、今般せっかく新しい仕組みをいろいろ入れますので、そういうものについてきちんと周知をしていただきたいということ、それから、やはりまだまだ資産運用というものに慣れておられない方々もいらっしゃいますので、資産の長期運用でございますとか分散投資の重要性、こういったものについていろいろな理解が促される工夫を盛り込んでいただくこと、こういったタイミング、内容の面におきましてできるだけ効果的に教育が行われるように目安をお示しをしたいと思っております。 それで、既に先進的な事業主の方によっては様々な工夫を行っていただいているところでございまして、企業年金連合会でも好事例の紹介あるいは実施ガイドを内容といたしますハンドブック、こういったものも作成をいたしておりますので、そうしたきめ細かな取組も含めまして、企業年金連合会などの関係機関とも協力して投資教育の充実を図ってまいりたいというふうに思っております。
○川田龍平君 私は、学校教育において、かねがね性教育、特にとりわけ性感染症についての教育なども早期から性教育として学校教育の中で導入を訴えていますし、そのほかにも生物多様性であったり国際理解、障害者、LGBTの人権問題など、学校において今以上に学ぶべき課題が数あることは承知しています。 しかし、やはりこのマネー教育やライフプラン教育についても厚労省の取組だけでは不十分で、学校教育においても適切な学年にしっかり導入していくべきと考えますが、現状と今回の法案を受けた今後の取組について文科省からお伺いしたいと思います。
○政府参考人(浅田和伸君) 子供たちに年金あるいは社会保障制度などについてしっかりと学ぶ機会を充実していくということは大変大事だと思います。 現在、学校教育におきましては、学習指導要領等に基づいて、発達段階に応じて、主に社会科、公民科や家庭科で指導を行っているところです。 具体的には、例えば中学校の社会科公民的分野、この中では社会保障制度の基本的な内容を学ぶとともに、福祉社会の目指すべき方向について考える、こういう内容を入れています。それから、高等学校の公民科では、社会保障制度の現状と課題などを年金とか医療とか介護などの制度において見られる諸課題を通じて理解させるということ、高等学校の家庭科では、年金生活なども想定した生涯を見通した経済の管理、計画などについて考えさせる、こういった指導が行われているところでございます。 文科省としても、今後とも関係省庁等と連携、協力しながら、こうした教育がより充実するようにしっかりやっていきたいと思います。
○川田龍平君 やっぱりこれ、しっかりやっていただきたいと思うんですね。最近、コンビニとかで何かいろんな制度をまとめて一冊の本で、こうするとお金がもらえますよみたいなのが販売されているんですけれども、でも、そういうことだけじゃなくて、ちゃんと教育の中で将来に対する設計も含めて考えられるような、本当にトータルな教育をやっぱりしっかりやっていかなきゃいけないんじゃないかなと思いますので、是非しっかり教育の方でもこれ考えてやっていくべきだと思っています。 また、この企業型DCは、企業年金である以上に、事業主が従業員の老後の所得確保についてきちんと責任を持つことが当然です。先ほども申し上げましたとおり、このDC制度は運用の選択を加入者が自ら行うことから、加入者が誤った選択を行えば年金の受給段階で資産が目減りしてしまい、従業員の老後のライフプランが崩れてしまうことも考えられるわけです。このため、投資教育について、努力義務などと甘いことは言わずに、企業年金の実施者である事業主にマネー教育、ライフプラン教育という意味での投資教育を義務として課すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 投資教育の義務化という御指摘でございますけれども、現在努力義務になっておりますこの投資教育、導入時の投資教育でございますけれども、この実施状況を見てみますと、ほぼ一〇〇%実施をされているという状況でございます。そうしますと、この導入時につきまして義務とするまでの必要性ということになりますと、いささかどうかなという感じがいたしますけれども、一方で、継続投資教育、加入時なり新規に入社したときだけに教育をすればいいというものではございませんで、その後のライフステージに応じてきちんと教育を続けていただくことが大事でありますけれども、この継続投資教育につきましては、実は実施率は約六割となっております。 したがいまして、今回の改正案では、努力義務の内容としまして、従来、導入時の投資教育だけであったものに加えまして、継続投資教育も努力義務としてやってほしいということを法律上位置付けさせていただいたわけでございます。 具体的にどのような形でやるかというのは、かなり各企業の実情に応じて弾力的にやっていただく必要がございますので、義務という形で行政が枠をはめてやるというよりは、それぞれの企業の努力の中で柔軟に進めていただくことによりまして、この継続投資教育も導入時の投資教育と同様にほぼ全ての企業で実施していただけるように、そういった取組を目指したいというふうに考えております。
○川田龍平君 ちょっと六番の手数料も飛ばして七番目に行きますが、特別法人税について。 今回の法案によってDC制度の課題が全て解消するわけではなく、今後制度を運用していく中でまだ様々な課題があると認識をしています。まずは、このDCも含めた企業年金に差し迫った課題としての特別法人税の問題です。 企業年金は、運用時課税である特別法人税について、暫定措置として、二〇一六年度末までの間、課税停止の措置がなされています。このため、現在、企業年金等の積立金は運用時に非課税となっているわけですが、仮に二〇一七年度以降特別法人税が復活することとなれば、毎年その積立金から一・一七三%の税が新たに課されることとなってしまいます。 企業年金については、一時金として支払われる場合は、退職時は退職所得控除はあるものの退職所得として課税がされており、年金払いの場合も公的年金等控除はあるものの雑所得として課税されています。つまり、原則どおりに課税を行ってしまうと、運用時と給付時に二重課税をされることとなり、制度の根幹を揺るがしかねないのではないでしょうか。諸外国でも、運用されている積立金に税を課している例は少ないと聞いていますが、厚労省では諸外国の状況をどのように把握していますでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 諸外国の運用時課税の状況でございます。もちろん、それぞれの国で税体系が異なってまいりますので単純な比較というのは難しいわけでございますけれども、運用時課税を実施している国自体はそんなに多数ではないというふうに承知をしておりまして、例えば日本のほかにはデンマーク、イタリア、スウェーデン、オーストラリア等であるというふうに承知をいたしております。ただ、こうした運用時に課税をしている国でありましても、課税の段階、運用段階で、運用収入ではなく積立金そのものに対して課税をしている国というのはほとんどないというふうに承知をしている状況でございます。 私ども、こうした点も含めまして、二十九年度以降の取扱いにつきまして改めて税制当局と相談してまいりたいというふうに考えております。
○川田龍平君 私は、この特別法人税を廃止すべき、撤廃すべきと思いますが、大臣の見解を伺います。
○国務大臣(塩崎恭久君) この特別法人税の問題については、私ども自民党の税調でももうさんざん議論をしてまいりました。企業年金制度に関する税制の在り方について、二十七年の一月、昨年の一月の企業年金部会における議論の整理では、もう御案内のとおりで、積立金に対する特別法人税は早期に撤廃するべきだという御意見がありました。その際には、企業年金制度等の課税関係についても、拠出時、運用時、給付時全体の課税の在り方の議論を併せて行うべきということで、今諸外国の話について局長から御答弁申し上げたとおりであります。給付時の課税関係については、退職所得控除など退職一時金税制との関係を踏まえて、一時金か年金かといった給付方法によって公平性が損なわれることのないような制度設計を検討することが重要だというふうに整理がされております。 厚生労働省としては、私どもとしては、企業年金部会、社会保障審議会のこの部会における議論の整理等を踏まえて、これはもう両極端ございますので、平成二十九年度以降の税制改正において必要な対応を検討しなければならないということでありますが、諸外国の課税の状況などを踏まえて、段階ごとの課税の状況を踏まえていかなければいけないなというふうに思います。
○川田龍平君 是非この企業年金の積立金に対する特別法人税について、運用時と給付時の二重課税防止の観点からも撤廃を是非実現していただきますように、これは大臣に財務省としっかり折衝を行っていただきたいと思います。 次に、中途引き出しについては先ほど津田議員からもお聞きいたしました。それから、ちょっと九番も飛ばして十番に、障害者の年金の在り方について伺いますが、この障害者雇用の取組が進む中で、民間企業の従業員全体に占める障害者の実雇用率は、二〇〇四年の一・四六%から二〇一四年には一・八二%へと上昇しています。障害を持っていることが企業年金加入のハードルとなるようなことはあってはならないと考えます。 就労する障害者が増加する中、各企業において雇用している障害者に対し、企業年金の制度について健常者と同じように制度が理解できるように適切な配慮をもって周知されているでしょうか。厚生労働省としての実態をどのように把握していますでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今先生御指摘ございましたように、障害者の方も雇用されている方、大変に増えていらっしゃいます。平成二十七年度では、障害者雇用状況の集計結果を見てみますと、民間企業に雇用されている方四十五万人、過去最高に達するといった状況でございますので、この就労している障害者の方々がきちんと企業年金の仕組みを理解していただく、これ誠に重要なことだと思っております。 現在、企業年金制度の中で各実施主体がやっております取組といたしましては、これは障害のお持ちの態様は様々でございますけれども、例えば聴覚障害のある方に対しまして手話や字幕、筆談での説明を行う事例、あるいは知的障害のある方に対しまして御親族の方と一緒に研修に参加していただくような取組、こういった様々な取組が行われているところでございます。 私どもは、こうした各企業で取り組んでいただいている事例を集めまして、好事例を展開していく、フィードバックしていくということで、障害をお持ちの方もきちんと制度が十分に理解できて、これに参加できるような、そういった取組を進めてまいりたいと思っております。
○川田龍平君 一方で、全ての障害者が就労可能となるわけではなく、就労できない身体障害、精神障害者、難病を患っている人など多くの方が障害年金で生活をしています。受給者数は近年徐々に増加しておりまして、二〇〇四年度が百七十二万九千人だったところ、二〇一四年度には二百三万八千人となっています。 今国会提出の国民年金法等改正案とも関係しますが、公的年金はマクロ経済スライドにより給付水準が調整されることとなっており、昨年度は障害基礎年金も減額をされました。就労困難な障害者の生活のよりどころとなるこの障害基礎年金については、マクロ経済スライドによる減額を補填するような給付水準を維持する措置を検討すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今御指摘のマクロ経済スライドでございますけれども、これ、御案内のように平成十六年の改正によりまして導入をされたものでございます。その基本的な枠組みは、将来世代への負担を過重にしない、そういうことで将来の保険料水準を固定いたしまして、その範囲内で給付水準を時間を掛けて調整する仕組みということでございます。言わば将来世代への給付水準確保のために長い時間を掛けて徐々に調整をしていく仕組みであるというふうに御理解賜りたいと思います。 一方で、障害年金の、御指摘ございましたけれども、公的年金の立て付けと申しますのは、稼得能力が喪失をする場合に所得保障を行う、これが公的年金の大きな目的の一つでございまして、この稼得能力の喪失は、通常は年を取るに従って、すなわち加齢に伴って起こるわけでございますけれども、障害につきましてはこの稼得能力の喪失が加齢ではなくて現役期に障害状態となって早期に到来をしたんだと、こういった考え方で所得保障をする、これが公的年金におきます障害年金の立て付けでございます。 こうした前提で申しますと、ただいま御指摘ありましたように、障害年金の場合だけ例えばマクロ経済スライドの調整の例外にするといったようなことはなかなか難しいのではないかなというふうに考えております。 一方で、障害をお持ちの方々の所得保障の仕組み、必ずしも公的年金だけというわけでもございません。いろいろな福祉の給付金でございますとか、今般も三万円の給付金というものを実施をいたしておりますけれども、公的年金と併せてこうした様々な形で支援を申し上げる、こういった形で実際に保障を進めていくというのが適切な在り方ではないかというふうに考えております。
○川田龍平君 昨年の四月に私が指摘した障害年金の初診日認定問題については、昨年の十月に行われた制度改正でどのように解決をしたのでしょうか。大臣、お願いします。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生から御指摘のあった障害年金の初診日問題、この制度についてでございますけれども、初診日に加入をしていた年金制度から年金が障害年金の場合には支給をされるわけでございますので、そのためカルテなどによって初診日を判断することが必要だということでありますけれども、カルテの保存期間、これは期限が五年でございます。この経過や、それから医療機関の廃院、やめてしまうなどによって初診日の証明が得られないという場合が間々あるわけでありますが、平成二十七年十月からは、第三者が初診日を証明した場合など初診日を合理的に推定できる一定の場合は本人の申し立てた日を初診日として認める扱いを拡大をいたしました。 この結果、初診日の扱いについては、先生がかねてから御指摘のあった厚生年金と共済年金との間のアンバランス、これを同様の取扱いということになったわけで、いわゆる公務員優遇というのが指摘がございましたけれども、これについては同様の扱いとするということにいたしたわけで、こうした初診日の取扱いを適正に運用して、障害年金の公正な受給につなげていきたいというふうに考えております。
○川田龍平君 これは半歩前進ということで評価いたしますが、現場の事情に詳しい方にお話を聞いたところ、とりわけ精神科の初診となると家族にもないしょにすることが多く、何十年も前の通院の事実について記憶している第三者というのは普通いないのではないかという御意見もいただきました。 昨年の十月以降、二十歳以降の、第三者証明で初診日が認められた件数と、初診日が一定の期間内にあると確認できたことで初診日が認められた件数を教えてください。
○政府参考人(福本浩樹君) お答えいたします。 今先生お尋ねになりました二十歳以降の第三者証明で初診日が認められた件数、それから初診日が一定期間内にあると確認できたことで初診日が認められた件数、これ、いずれも今回の運用改善で改善を図ることにした件数でございますけれども、現時点ではこの件数について我々持ち合わせてはおりません。しかしながら、我々といたしましても初診日の見直しに係る施行状況を把握する、あるいは検証するということは必要なことだと考えておりますので、どのような方法で把握できるかということも含めまして、実施業務に当たっております日本年金機構とよく検討したいと思っております。
○川田龍平君 これ、いつになれば件数が分かるのか教えていただきたいということと、是非、調査結果が出次第報告をいただき、今後の制度の更なる改善に取り組んでいただきたいと思います。 精神、知的障害に係る障害年金の認定の地域差の解消に向け等級判定ガイドラインが策定中ですが、認定率の低い地域に平準化されるのではないかとの不安も大きいことから、拙速にこれ適用するのではなく、施行のための調査を行うなど、その影響を慎重に調査をした上で、必要であれば修正も加えるべきではないでしょうか。 今後のスケジュールについても併せて教えてください。
○政府参考人(福本浩樹君) 先ほどのお尋ねの件数でございますけれども、今後検討して把握をいたしたいと申し上げましたが、これ、障害年金の支給の決定の件数、支給が決定されるもの、年間ですけれども十万件、あるいは不支給となるものは二万件、大体十二万件ぐらい年間でございます。月々でも一万件ぐらいございまして、これは十月から施行しておるわけでございますけれども、その中で、運用改善によってこういう支給が認められた件数をどういうふうに捉えられるか。いかんせん数が多い中で、これ書類を探らないといけません。過去に遡って大量の書類の中からこういうものを探し出せるのか、あるいはどれぐらい時間が掛かるのか、あるいは場合によっては将来に向けて今事務をしていく中で、その都度その都度集計をしておくというやり方もあるかと思いまして、この辺りをよく検討して、できるだけ早く数字をつかむということにしたいと思います。 それからもう一つ、地域差の話がございました。障害認定、特に精神、知的障害者の障害認定の認定がされたかどうかの割合に地域差があるという問題でございますが、これ、専門家検討会において検討をいたしまして、その中では精神科の医師あるいは精神障害者の団体の意見も聴取をいたしながら等級判定ガイドライン案というものを取りまとめたものでございます。 この等級判定ガイドライン案でございますけれども、認定の流れは、一つは、等級の目安の表というものを今回作りました。これは、日常生活能力の程度に関する数字を組み合わせたもの、客観的な指標、これを用いてまず該当する等級を一旦確認をするということと、ただ、それに加えて、これらの数字には表れない日常生活や就労に与えている影響を定性的な事柄として考慮すべき要素として考慮に入れるということをし、かつ、更に加えて、このような目安あるいは考慮要素以外の事項についても幅広く、医師の診断書、あるいは本人、御家族からの申立ての書類等々も確認した上で総合的に判断するということになってございます。 したがいまして、実際の認定の等級というのは、一律にこの表、今回作りました目安の表だけで決まるものではありませんので、数字に表れない要素も勘案して等級を認定するということ、これはよく周知をいたしたいと思います。 加えて、このガイドライン施行の時点で既に認定を受けておられる方々については、障害の状態が従前と変わらないということであれば、従来のやり方で適正なやり方で認定を受けておられるということには違いありませんので、当分の間は新しいガイドラインに沿って認定を行い、例えば、仮に等級非該当となったということになってもそれへの変更は行わないという経過措置を講じるということも、議論の結果、整理をしておるところでございます。 今後のスケジュールのお尋ねでございますが、日本年金機構で、認定医が認定をいたしますその認定医の会議あるいは職員の研修などを通じまして、この新しい認定方法を十分に周知徹底するという準備期間を経た上で、今年の夏頃をめどに実施に移す予定でございます。
○川田龍平君 この検討やガイドラインというのが障害者権利条約をやっぱり無視しているんではないかという意見もあります。障害についての考え方や捉え方、概念について、この障害者権利条約を踏まえて、医師だけではなく障害当事者や家族、支援者の意見も反映させるということや、障害者を社会との関係で考えるべきということで、医師の診断書のみでの判定の仕組みを改めるとか、いろいろと多様な関係者による検討会を設けて、障害者の権利擁護の視点で是非再検討していただきたいと思います。 最後ですのでまとめますが、今回の法案、国民の老後の所得確保の選択肢を広げるという意味で基本的には良い方向に進むのではないかと思われる一方で、企業年金制度自体には特別法人税の問題が出始め、今後も取り組んでいくべき課題が残っているのも事実です。 確定拠出年金制度の普及が本当の意味で国民の利益となるためには、こうした課題に引き続き取り組み、国民にとってより魅力的な制度に見直していくことが必要です。 更に言えば、この確定拠出年金に限らず、確定給付企業年金を含めた三階建て部分の年金、そして公的年金制度も含めた年金制度全体は、将来に向かって安心で国民に信頼される制度とするべきであり、加えて、個人型の年金などの任意加入の制度は全ての国民にとって魅力が十分にあるべきではないかと考えます。 そこで、大臣に、公的年金制度を含めた年金制度全体の将来のあるべき姿について大臣の見解と今後の取組について短く一言で決意を、難しいと思いますが、どうかお願いします。済みません。
○国務大臣(塩崎恭久君) 公的年金制度に加えて企業年金制度がございます。それに税の支援策を加えているわけで、我々はよく自助、共助、公助と申し上げますけれども、まさに公的年金を中心として、これに自らの貯蓄などの自分の人生設計の中で努力をすること、そして企業年金などの私的年金、これは税のサポートも含めてあるわけでありますけれども、そういうものを組み合わせて自らの人生をしっかりと組み立てていただくということが大事だというふうに思いますので、確定拠出年金制度についてもそのような観点からしっかりと絶えず見直しをしていきたいというふうに思います。
○川田龍平君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(三原じゅん子君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時六分休憩 ─────・───── 午後一時一分開会
○委員長(三原じゅん子君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、確定拠出年金法等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○古川俊治君 自由民主党の古川俊治から質問させていただきます。 私も、津田先生の御指導によってしばらく財政金融委員会に左遷されておりまして、二年ぶりぐらいにこの委員会で質疑をさせていただく、大変光栄に思っております。 私は財政金融委員会におりまして、ただ、そこでもちょっと財政について勉強させていただきました。大変この日本の財政状況、現在すごい厳しい中で、社会保障の給付になかなか、一定の枠を付けなきゃいけないという状況になってきていると。 その中で、私、塩崎先生というのは、やはりパイを取り合っていくのではなくて、パイを大きくしてから分けていく、こういう考え方、すなわち経済成長と社会保障を両立させていく、経済成長に親和性のあるような社会保障制度をつくっていくと、こういう考え方のできる先生だと思っておりまして、そういう意味では大臣になられるときに規制改革等に大変期待をしておりました。 その意味で、私、ちょっと意外だったというか、残念だったという方が正しいかもしれませんけれども、今回出てきました、まだ今回の質疑ではないんですけれども、国民年金等の法の改正案なんですね、あちらで、結局、GPIFのインハウスの株運用が認められなかったという結論になっております。この国会でも、足下の株価が低落していることもありまして、GPIFの運用のリスクに関する議論が出たというふうに理解しております。ただ、運用のリスクの問題であれば大臣御存じのようにこれはポートフォリオの問題ですから、インハウス運用の是非の問題ではないはずなんですね。 また、公的機関が民間の株式を持つと、議決権行使を伴いますので、これが民間企業への経営の介入になるのではないか、こういう御意見もあるわけですけれども、これは、日本銀行も株券を買い入れていまして、これは議決権行使を他の信託銀行に委託することによって行使していると。このように、日銀と同じように議決権を行使すれば問題はないわけであります。現に、様々の厚生年金基金や確定給付企業年金、これもインハウス運用を行っているわけであります。 一方で、現在GPIFが委託先に指示を出して購入するのに大体三日掛かるというんですね。これは市場の今の動きから考えるとかなりのリスクであります。その意味で、GPIFがインハウス運用を始めれば、市場の動きに関しまして的確、迅速に指示が出せるというメリットもあります。また、GPIFはスチュワードシップ・コードを受け入れておりまして、被保険者のために中長期的に投資リターンの拡大を図るためにしっかりと企業の経営を見て議決権を行使すると、こういう責任を持っているというわけであります。 そうであれば、少なくとも今回はGPIFにおける株式のパッシブ運用についてはこれは認めるべきであったんではないかというふうに思っているんですけれども、実は塩崎大臣は党にいらっしゃるときには、このことについてGPIFをちょっと改革しようということで、すなわちマネジメントと運用はセットで改革していこうというお考えで、私もその下っ走りの一人として随分一緒にやらせていただいたんですけれども。 大臣、これから、現に出てきた法案について、また今後の考え方について御意見をいただきたいというふうに思っております。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、年金は専ら被保険者のために安全かつ効率的に長期的な視点で運用をしなければならないと、こういう中でどういう運用をしていくのかというのはいろいろ様々なことがあり得ると思っています。私も、もちろん大臣になる前にいろいろな考えを明快に言ってまいりましたが、それは基本的な考え方は別にそう変わっているわけではございませんが、やっぱりいろいろ備えなければいけない条件というのがあるんだろうというふうに思います。 そういうことを考えるとともに、もう一つは、やはり社会保障審議会の中での年金部会での様々なステークホルダーの皆様方のお声なども踏まえていくことも大事であって、今回は特に部会の方でガバナンスについてはおおむね合意を見ていただいたわけでありますけれども、インハウス運用については、解禁については必ずしも合意に至るところまでは行かなかったということで、もちろん今お話にあったような議決権行使に条件を付けるなり、いろんな形の知恵はもちろんあると思いますが。 その一方で、じゃ、運用するGPIF自身のスタッフのキャパシティービルディングは大丈夫なのかということも同時に考えていかなければならないことであって、昨年、いわゆるプライベートエクイティーについても五%の範囲内でやりますけれども、これもキャパシティービルディングと平仄を合わせていくということになっています。 そういうこともいろいろ考え合わせて、今回私どもは御提示申し上げている法律の形でお願いをしようということでありますので、いずれにしても、長期的に見てお約束した年金の支払がきっちりできるような運用をやれるということが最も大事であって、目先の株式市場などの動きだけに過度にとらわれるのではなくて、長い目で見た運用をしっかりと組んでいく、そしてそれを運用し得るだけの体制をやはり築き上げていくということも大事なことでもあり、また私の責任でもあろうというふうに思いますので、引き続き検討を続けていきたいというふうに思っているところでございます。
○古川俊治君 しっかり大臣の任期中にスタッフの充実を図っていただいて、三年後にもう一度見直すことになっておりますので、是非そのときにはまた党に戻ってきていただいて声を上げていただきたいというふうに思っております。 大臣、どうぞ、よろしかったら。私は結構でございますので。
○委員長(三原じゅん子君) それでは、大臣、お戻りになっても結構です。
○古川俊治君 では、質問を続けます。 鈴木局長に伺います。 平成二十六年度の財政検証の結果について、私、ちょっと資料を出させていただきました。これに基づいて御質問させていただきたいと思っております。 平成二十六年度の公的年金の財政検証では、経済再生ケースと呼ばれているものですね、実質成長率二%半ば、名目成長率三%台後半ということになっておりますけれども、ちょっとこれが楽観的過ぎるんじゃないかという意見は多く出ているところではありますが、これに続く五ケースでは所得代替率五〇%を維持できると。しかしながら、参考ケースに続く三ケースではこれ維持できない。ですから、将来的に給付を削減したり、あるいは保険料増を伴う抜本的な制度改革をしない限りは維持できない、公的年金をですね、ということになったというものでありました。 経済再生ケースに続く五ケース、これ、大体似ていまして、二〇四三から四四年度にマクロ経済スライド調整が終了して、それ以降は所得代替率が大体五〇%強で一定になる、だから経済再生ケースであれば大丈夫だよというメッセージだったというふうに理解をしております。 ただ、改めて見てみますと、この平成十六年度の大改正、所得代替率五〇%というのを約束したのがこの平成十六年度の大改正。これでずっと今検証を続けているわけですけれども、私、例えば、一九六三年生まれなんで、これ六四年というところがちょっと一番近いので見ていただきたいんですけど、私が、一九六四年度生まれで、近い人いっぱいいると思うんですけど、二〇二九年に大体この人は六十五歳になるんですね。 そのときの所得代替率は五六・八%なんですよ。これ、済みません、ケースEというのを見てください、ケースEですね。ケースCはちょっと余りにも現実と懸け離れているんで、経済再生ケースであっても一番現実的なケースEで見てみたいと思います。これで見ますと、二〇二九年に私、六十五歳になるときが五六・八%。ところが、その後ずっと所得代替率が減っていって、九十歳になる二〇五四年には四〇・四%になっちゃうんですね。これが実態であります。 例えば、物価上昇率で割り戻した、これ、下のグラフを、これは実質の幾らという、何万円の単位になっていますけれども、六十五歳のときは現役の男子の平均賃金が四十・四万円、そのとき二十二・九万円だから、所得代替率五六・八%なんですよね。 ところが、例えば八十歳でもいいかな、二〇四四年にこれでちょうど八十歳になりますから、いいですね、八十歳になったときは、現役の平均賃金は四十八・八万円まで上がっている。これはプラスの八万四千円、六十五歳当時から比べて上がっているんですね。ところが、一九六四年の人が二〇四四年になるときには二十一万円しかもらえなくなるんですよ。これはマイナスの一万九千円です。要は、これは十万円近く差ができちゃうんですよね、結局。 ということは、結局ずっと政府が約束してきた所得代替率の五〇%ということが、これで約束しているということが言えるのかどうか。これが私、ちょっと問題になるなと思っているんですね。 ちょっとケースC、これ大変アイデアルなケースではありますけれども、これであっても実は同様でありまして、所得代替率はみんな最初は六十五歳のときは何とか半分もらっているんですけれども、実は八十五歳、九十歳になるうちにはその四割ぐらいしかもらっていないということですね。 これは、物価上昇率で割り戻すと、名目のお金というのは一時期で減るのは終わるんですね、これはマクロスライド調整が終われば減るんですけれども、そうはいっても現役と比べたときの所得代替率が減ってきますから、新しいいろんなサービス、付加価値の高いサービスが出てきたときにはこれを使えないということになります。 この点、政府の方は今どういうふうにお考えで説明されるのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今先生の御指摘いただきました点でございますけれども、これ、具体的には新規裁定年金、新たに年金をおもらい始める方々の所得代替率、これは五〇%を維持しようというのが今の年金制度の方針、政府の方針でございます。 今御指摘ございましたのは、そこでそういった形で新規裁定の年金をもらい始めてずっとお年を取られていく、そうすると、いわゆる専門用語では既裁定年金ということになりますけれども、いわゆるそういった受給開始後の年金についてどういうような改定方式を取るか。これは実は、購買力に着目いたしまして、物価の変動に応じて改定する、いわゆる物価スライド方式で既裁定年金は改定をいたしております。この方式を取りましたのは、平成十二年の改正におきまして、具体的に申しますと、マクロスライドを導入いたしました十六年改正の一つ前の改正でございますけれども、十二年の改正において、将来世代の保険料負担を過重なものにしない、そして制度を持続可能にする、そういった観点から導入をされた仕組みでございます。 今先生御指摘のように、賃金が物価を上回って上昇する、そういった最近の財政検証で前提にしております経済前提、この経済見通しの前提に立ちますと、今申し上げました年金受給開始後の年金額の改定に物価スライド方式を採用いたしておりますので、既に年金を受給している方の年金の水準というものは、毎年新たに年金を受給する方、新規裁定年金の方の水準と比較した場合に、その比率が今の物価スライドによって徐々に開いていく、これは御指摘のとおりでございます。 この開いていく比率でございますけれども、平成二十六年の財政検証で試算した結果によりますと、ケースにもよりますけれども、年金受給開始後に数十年掛けて大体新規裁定の八割になる。今先生のお示しいただいた図をちょっと拝借いたしますと、例えばでございますけれども、一九七九年度生まれの方が年金をおもらいになるときに、右のケースEでございますけれども、右の二〇四四年、これは五〇・六%ということで、所得代替率五〇%維持されてございます。そのときに既に既裁定年金になる方というのは、これを表の上の方にずっと御覧いただきますと、一九五四年度生まれの方四〇・四%ということで、五〇に対して四〇ということで、今私の申し上げました既裁定年金の新規裁定年金に対する比率が約八割、こういった形を数十年掛けて徐々に実現していくというような形になっているわけでございます。 そこで、こういった開きが新規裁定と既裁定であっていいのかということでございますけれども、一方で、高齢者の消費、生活を支えるための年金でございますので、高齢者の消費支出額というものを見てまいりますと、これは家計調査の結果でございますけれども、年齢が上がるにつれて消費支出額というのは少なくなる傾向にございます。具体的には、八十五歳のときの消費支出額というのは六十五歳のときの消費支出額の大体八割ぐらいでございます。そうすると、この物価スライド方式で年金を既裁定の方はだんだんと改定をしていきましても、その時々の年金額というのは結局今申し上げたような消費支出の水準、高齢者の衣食住といいました基礎的な支出をカバーする水準になっているだろうということが言えるのではないかというふうに思っております。 いずれにしましても、こういった物価スライド方式なりマクロ経済スライドを通じまして、きちんと高齢者の生活を保障し、かつ将来の方々の年金水準がしっかり確保できるような、そういった形で年金制度を運営していくということで現在の仕組みができているというふうに理解をいたしております。
○古川俊治君 今局長は大体八割でも大丈夫だということをおっしゃったんですけれども、これは、今日ここに出ているのはモデルケースですから、それは基礎年金しかもらっていない方も結構いるわけですよね、だから、それは、その人たちの生活がどうかと。ずっと今日、多分そこだけ改めて見て、委員の先生方もこんなに低くなるのかと思った人結構多いと思うんですね。実は、八十歳、九十歳になるときの、僕の世代が八十歳になるときというのは、ちょうど基礎年金のマクロスライド調整が終わるときですから、一番とばっちりを受ける世代なんですよね。 そういうことでいうと、やはり公的年金だけではなくて、いわゆる私的年金と言われているような、今回、今日議論になっていますDC、DB、こういうものをしっかり認識していただくことが大事だと、こういうふうに私は考えていただくことが、国民の皆さんに広報することが必要だろうというふうに思っております。 その上で、今回の財政検証でやはりオプションも示されておりまして、被用者保険の適用を広げていけば、基礎年金のマクロスライド調整期間というのはかなり短縮されるということが分かっておりまして、これは給付水準の抑制効果にかなり効果があるということになります。だから、被用者保険の適用を広げていくことはすごく大事だと思っているんですけれども、現在のところ、二〇一八年度から、対象労働者が五百一人以上の企業で一定の要件を満たす短時間労働者、大体これ二十五万人ベースですけれども、ここで実施されることが既に決まっております。 今回ちょっと審議できるかどうか分かりませんが、国民年金法等の改正案では、更に五十万人ベースで労使の合意に基づいて適用可能とするという法案ができているわけですよね。ただ、被用者保険の適用拡大というのは、やはりコスト増が大きい業種ですとか中小企業、これはなかなか受入れは困難だろうというふうには考えられますね。 今後、政府は被用者保険の適用拡大に向けてどのように取り組んでいくつもりか。また、二〇一八年十月の被用者保険の適用拡大については、施行後三年後の見直し条項が付いております。これについて、今既に提出済みの法案の内容を超えた更なる被用者保険の適用拡大についてはどのようなお考えがあるでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) お答え申し上げます。 被用者年金、被用者保険の適用拡大でございますが、今御指摘のように、社会保障・税一体改革の関連法、これによりまして、今年の十月から規模五百一人以上の企業に対しまして適用拡大が行われるということでございます。 これ、五百一人以上の企業ということにいたしましたのは、負担能力などにも応じまして中小企業に強制的に適用拡大するというのはなかなかいきなりは難しかろうということで、こういった措置が既にとられているということでございますけれども、これも、今御指摘ございましたように、中小企業をそのままにしておいてはいけないということで、ただし強制的に適用拡大ということもできませんので、五百人以下の中小企業につきましては労使の合意に基づいて適用拡大を図っていこう、こうした法案を今回提出させていただいているところでございます。 そこで、適用拡大の進め方でございますけれども、やはりよく言われます百三十万の壁とか、そういったような言い方をされることがございますけれども、一定程度就業調整のようなことが起きるのではないかというような懸念もあるわけでございます。したがいまして、被用者保険の適用拡大を円滑に進めるという観点から、短時間労働者の方々の賃金引上げ、あるいは御本人の希望を踏まえて働く時間をできるだけ延ばす、こういったことを通じて人材確保を図っていきたいという中小企業の方々あるいは大企業の方々もいっぱいいらっしゃるわけでありまして、そういった就業調整を防ぐ形で適用拡大も進め、人材確保を図っていこうという事業主に対しましてキャリアアップ助成金の拡充を行うということも併せて予定をいたしております。 したがいまして、こうした支援措置、あるいは御本人の基本的には老後の所得確保のためになる制度でございますので、周知、広報、こういったものを併せまして、積極的な適用拡大の推進を図っていきたいと思っております。 最後ございました、三年以内に更なる適用拡大を検討せよというのが検討規定で定められております。この点につきましては、現時点で直ちにこういった形、こういったスケジュールでというものを持ち合わせているわけではございませんけれども、ただいま申し上げました今年十月からの適用拡大の施行状況、あるいは短時間労働者の方々の就業実態とか経営への影響、こういったものを見ながら、総合的に検討して適用拡大を進めていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
○古川俊治君 よろしくお願いをします。 また、これは別の問題なんですけれども、やはり法律上、雇用者に被用者保険を適用すべき事業所であるのに、国民年金への加入をするように違法に仕向けている企業があると、この指摘が衆議院の質疑でも大分指摘をされておりました。塩崎大臣は、まず国税と情報共有をして一件一件対応していくと、このように御答弁されておりますけれども、しっかりこれからもそれは対応していただきたいというように思っております。 次に、今回のDCの法案、これにつきましては、でも、まだ拠出金の制限額が付いているということでございまして、先ほど申し上げましたように、なかなか公的年金だけで生活していくのが難しい状況の場合もあるということでありまして、高齢期に備えて国民の資産形成を図るという観点からも、是非拠出金の限度額というのはもうちょっと自由な労使間の合意で、企業における自由な制度設計、これができるように考え直すべきではないかというふうに考えています。 これ、DBについては当然制限はないわけですよね、それに比してDCにあるということ、あるいは今回の法律でも制度ごとに拠出金の限度額が異なると。これも根拠は十分かというような気もするんですけれども、この拠出額、特に撤廃に関する厚労省の考え方、ちょっと教えていただきたいと思います。
○政府参考人(鈴木俊彦君) この確定拠出年金の拠出限度額でございますけれども、ただいま御指摘ございましたように、それぞれの被保険者の資格の特性とか、あるいはほかの企業年金制度への加入の有無とか、そういったことに応じまして著しい不公平が生じないように配慮しながら設定をされてまいりました。 設定されてきた経緯もありまして、一律になっていなくて、それぞれ額が設定をされていて、またそれが必ずしも整合的でないといったような御指摘もいただいているわけでございますけれども、こういった設定の経緯からいたしますと、それぞれに一定の合理性はあって、一概に不合理というところまでではないのかなというふうに思っております。 一方で、ただいま御指摘ございました確定給付の企業年金、これは給付の額の方が先に定まりますので、それに見合った掛金を設定するという仕組みでございます。したがいまして、財政状況に応じて掛金が決まってまいりますので、ある意味、掛金を拠出者が恣意的に拠出をするという余地はほとんどない制度だということでございますので、言わば給付の方から掛金が決まってまいりますので、掛金側の限度額は特段設定をいたしていない、制度的には設定いたしていないということでございます。 これに対しまして、確定拠出というのは掛金を労使合意で自由に設定をできますので、必ずしも今申し上げたような形で制度の仕組み、基本的な仕組みが異なる面がございますので、確定拠出と同じように限度額を設けないでいいということではないんだろうというふうに思っております。 この限度額につきましては、御案内のように、税制優遇措置とリンクをいたしておりますので、これは、基本的に上限額を設けること自体は、やはり税の優遇でございますので、必要ではないだろうか。したがって、無条件の撤廃というのはなかなか難しいと思っております。さはさりながら、この限度額につきましては、冒頭申し上げました、必ずしも全部整合的かどうかという問題も含めまして、社会保障審議会の企業年金部会でも相当議論をされまして、結果的に、今後引き続き議論をすべき課題というふうに整理されたところでございます。 したがいまして、今般御提案申し上げている法案によります普及促進の措置、こういったものの実施状況でございますとか、あるいは税の実態、こういうものをよく踏まえまして、また検討を進めて、税務当局とよく相談してまいりたいというふうに考えております。
○古川俊治君 税制優遇の考え方があるというふうにおっしゃいましたけれども、中には低年金であるゆえに結局最終的に高齢期になった後に生活保護になってしまうという場合もあるわけでして、トータルな財政的な状況から考えますと、しっかり資産形成をしていただくという方がいい場合もあるわけですから、その辺はしっかり財務当局と調整を続けて、少なくとも拠出金額がどんどん上がっていけるという状況はつくり出していただきたい、これはお願いしたいと思っております。 同様に、このマッチング拠出についても、これもちょっと制限額が付いておりまして、多分同じようなお答えになるんでしょうからこれはあえて問いませんけれども、これはもう既に拠出額、収入が高い人は拠出をする余裕はあってもできないという人が実はかなりいるんですよね。そうなってくると、せっかく制度があっても利用ができていない状況になってしまいますし、マッチング拠出の余地のない方がもう全体の三割あるということなので、これはそろそろマッチング拠出額の制限についても考え直していただく、そういう時期だというふうに思います。是非とも前向きに御調整いただきたいというように思っております。 DCに拠出金限度額が設定されている理由として、資料には、貯蓄と区別する理由がある、それから高所得者の優遇防止策であるということがここに書かれているんですけれども、国民の高齢期の資産形成に関する貯蓄と年金の機能の違い、この点はどのようにお考えですか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) この貯蓄と企業年金あるいは個人型の確定拠出などいわゆる三階部分の年金に当たる私的年金制度との違いでございますけれども、この私的年金制度は企業とか個人によります老後所得を確保する、こういう機能を有するものであること、これは言うまでもございません。したがいまして、これは、そういった面では、老後の所得保障ということには必ずしも限らないで日々の生活で用いる、そのために流動性を維持して資産運用によってそれを増やしていくという、そういう貯蓄とはそもそも根本的な目的がやはり異なるところはあるんだろうというふうに思っております。 ただいま申し上げました税の取扱いも、こうしたやはり貯蓄とそれから老後の所得保障を専ら目的といたします私的年金、こういった機能の違いに着目いたしまして、そして先般も話題になっておりましたけれども、例えば中途引き出しに係る制限でございますとか、その一定の制限も課した上で、年金の機能に着目して税の優遇措置が講じられているということで、こういった目的に沿って制度設計、そして税の取扱いも異なっているということであろうと思っております。
○古川俊治君 その年金が高齢期における所得保障という観点から十分であればそれでいいんですよね。ところが、やはり今は、普通の家計のプランというと、貯蓄を取り崩すというのが前提になってきているのがほとんどなんですよ。そういう意味では、今の年金制度は、やはり完全なる所得保障には十分でないという場合が多いわけですよね。そうすると、幾ら掛かるか分からないからかえって結局使えないと、若いうちも。なかなか経済が伸びていかないという結果にもなります。 これは、もう制度の目的が所得保障にあるということであれば、しっかりそれに見合ったようなやっぱり年金制度にしていく必要があると思います。是非とも、貯蓄と違うというんであれば、貯蓄を取り崩して生活に充てていかなくてもいい、こういう年金にすべきだというふうに思いますので、この点もしっかり今後御調整いただきたいと思っております。 一方で、DCは、実は一時金として受け取る被保険者が九三%なんですよね。年金で受け取る被保険者は大体七%にすぎないということなんですけれども、これはやっぱり一時的にもらっちゃうと、取りあえず手元にあるから使っちゃうということで、ああ、取っておけばよかったなと後で思うということからすると、年金払いにしておいた方が生活の所得保障機能ということだと期待をできるというふうに思っているんですね。 これ、やはり少なくとも年金払いが推奨できるというような、制度的にもそれを担保するようなことをお考えになったらいいんではないかと思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今先生が御指摘いただきましたとおり、確定拠出年金と申しておりますけれども、受給の実態からいきますと、一時金が選択している方が九三%ということでございます。 年金による受給にするか一時金による受給にするかという、この受給方法の在り方につきましては、そもそも従来から課題でございまして、これはいろいろな考え方がございます。基本的には、確定拠出年金と言っていますように、やっぱり年金としての原則、機能をしっかりしていくべきだという御意見も当然あります。一方で、現実には、この確定拠出年金が退職金としての役割を担っているという実態もあることも事実でございます。 したがって、社会保障審議会の企業年金部会でも今般の法律改正に当たりましてこの点非常に議論になりましたけれども、やはり制度の基本的な理念なり立て付けというものと退職金として実態的にその機能を担っているという実態論と、その両方も考慮して、これはそれぞれの方のプランに合わせてきちんと老後の所得保障が実効性あるようにしていくためにどうしていくのか、そういった考え方からこの問題を考えるべきであるという結論になって、言わば長期的な検討課題だとして整理されたわけでございます。 しかしながら、先生御指摘のように、やはり高齢期の所得確保というのが大事でございますので、複数年にわたる安定的な所得確保、この原則をやっぱり徹底する必要はあるだろうというふうに私どもも思っております。 したがいまして、今後、年金受給を促すための方策、これにつきまして更に検討して、またいずれ施策を講じてまいりたいというふうに思っております。
○古川俊治君 昨今、高齢期の方々が経済的に非常に困窮をしてしまうという事例が報道されて、話題にもなって、社会問題にもなっているんですけれども、その意味では、若いうちにやはり高齢期を見据えてしっかり資産形成をしておくということは大変大事だと思います。 そして、高齢期の所得を保障していく、これ、促す方向で政府としても取り組んでいただきたい。生活保護に入る方がそれで減っていくわけですから、若いうちに手は打っておく、こういうことを今回のDCも含めて広報して、これを普及していくように、個人型DCが、お願いをしたいというふうに思っています。 質問を終わります。
○赤石清美君 自由民主党の赤石清美でございます。 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございました。本日の議題であります確定拠出年金法等の一部を改正する法律案について質問をさせていただきますけれども、できるだけ国民に分かりやすいように答弁をお願いしたいと思います。 というのも、私は、平成十六年に実は自分の会社の年金基金の代行返上をやりました。その当時、この代行返上をやって、確定拠出年金、その当時、スーパー四〇一kといいましたけれども、それに移行させるのがいかに大変かということを経験、自分でしました。というのも、四分の三の社員の同意がないとこれ移行できないんです。この同意を取り付けるのにグループ会社も含めて大変な苦労をして、何だかんだで二年ぐらい掛かったような気がいたします。そういう経験もありますので、なかなか、今日もいろいろ質疑がされていますけれども、国民に本当に周知されているかというと、まだまだ私は周知されていないと思います。そういう意味で、今日はできるだけ分かりやすい答弁をひとつお願いしたいというふうに思います。 まず、法案の内容に入る前に、企業年金全体の現状についてお伺いいたします。 企業年金においては、これまで厚生年金の一部を代行した上で労使の協議により上乗せ給付を行う厚生年金基金が大きなウエートを占めてきたわけですが、積立不足による代行割れの問題に端を発しまして、平成二十六年には厚生年金基金制度を抜本的に見直す法改正が施行されました。現在、多くの厚生年金基金は解散に向けた検討、手続を実施しており、そうした厚生年金基金には中小企業を中心としたいわゆる総合型の厚生年金基金が多く含まれていると聞いております。また、企業においては、積立不足時の補填を避けるため確定給付型の企業年金から確定拠出型の企業年金に移行しているという話も聞いています。 企業年金の現状、また厚生年金基金の解散等の今後の見通しについてどうなっているのか、年金局長にお伺いします。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今御指摘ございましたように、企業年金につきましては、現在、厚生年金基金と確定拠出年金、確定給付企業年金の三つの制度があると、これは御案内のとおりでございます。 そこで、現状、それから厚生年金基金の解散などの見通しということでございますが、まずこの厚生年金基金でございます。これは、抜本的な改正を図りますいわゆる健全化法が御案内のように平成二十六年四月から施行をされております。その施行の直前の時点で存在した基金が五百三十一ございました。これが今年の二月末時点で申しますと三百二十の基金になっております。この三百二十のうち既に二百九十四の基金は解散あるいは代行返上するという方針であるというふうに聞いております。一方で、基金の数と申しますよりは加入者の数で申しますと、平成二十五年度末に四百五万人が加入しておられましたところが、これちょっと古くて恐縮ですが、二十六年度末には三百六十三万人となっている、こういった状況でございます。 一方で、厚生年金基金の解散等の受皿でもございます確定拠出年金あるいは確定給付の企業年金でございますけれども、これは制度の創設から加入者の数が増加してきている状況でございます。ただ、近年、確定拠出の増加傾向は変わらないわけでございますけれども、確定給付企業年金の方はほぼ横ばいとなっておりまして、平成二十六年度末、加入者数で申しますと、確定拠出年金は五百五万人、確定給付企業年金が七百八十二万人という状況でございます。
○赤石清美君 ありがとうございました。 厚生年金基金の多くが今後解散等の予定又は解散等を検討しているとのことですが、この解散や代行返上に当たっては、関係者への説明、合意の形成など、手続にかなりの時間と労力が必要だと聞いておりますし、私もそういう経験をしてきました。解散や代行返上に当たって具体的にどのような手続が必要なのか、また、こうした解散や代行返上をしようとする厚生年金基金に対してどのような措置を行っているのか、年金局長にお願いします。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 厚生年金基金の解散あるいは代行返上でございますけれども、これは、手続といたしまして、まず基金の代議員会におきまして解散あるいは代行返上の方針を議決していただく必要がございます。その後、設立事業所の事業主の方、加入員の方々の同意を取り付ける、そして受給者の方々への説明を行う、さらに国に返上するべき加入員記録、これを整理していただく、こういったことを行っていただいた上で、最終的にまた代議員会によりまして解散等の議決をする必要がございます。こういった手続を進めていただきますと、解散の方針を決めましてから実際に解散するまでに大体通常一年から一年半要してしまっているというのが現状でございます。 そこで、先ほど申し上げました平成二十六年四月の健全化法施行によりまして、五年間の時限措置ではございますけれども、まず、最低責任準備金の納付期限とか納付方法の特例を設けるという形で支援措置を講じております。具体的には、国に納付をしていただきます最低責任準備金につきまして、分割納付をする場合に事業所の間の連帯債務を外すということで、比較的納付をしやすいような仕組みにする、そして納付期間も延長するといった措置も講じております。 それから、今先生も御指摘ございましたけれども、いろいろ同意を取り付けるのに非常に御苦労されているということでございます。この手続要件の緩和といたしまして、通常は事業主、加入員、代議員会で四分の三以上の同意が必要ということでございますけれども、この健全化法におきましては特例措置でこれを三分の二以上とするということで支援措置を講じておりまして、こういったことでなるべく解散等が円滑に進むようにということで措置を講じているところでございます。
○赤石清美君 ありがとうございました。できるだけ円滑に進むように、ひとつお願いしたいと思います。 次に、予定利率の件でありますけれども、私もこれはもう本当に無理な予定利率だったなということを今更ながら思っていますけれども、というのは、私がやったとき五・五%の予定利率だったんですね。こういう予定利率を設定したらどうして運用実績が上げられるだろうかということで、結局不足しまして会社の利益を補填をするということをずっとやっていました。もうそれで代行返上しようということに至ったわけですけれども、結果として積立不足に陥ったということがありますので、この点につきまして、厚生年金基金の受皿として期待される確定給付企業年金においてはどのような防止策を講じているのか、またどういう運用をさせようとしているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(鈴木俊彦君) この三階部分の年金を持続可能にしていくという観点からは、今御指摘ございましたように、かつて多くの基金が積立不足に陥ったという経験を踏まえまして、これをできるだけ防止する措置を講ずる、これが誠に大事なことだというふうに思っております。 今御指摘ございましたように、厚年基金では、長期にわたる金利水準が低下いたしまして実績利回りが低下し、そして、しかしながら掛金の引上げによってこれを回復するということが困難な状況に陥って、積立不足ということでございました。このため、いわゆる、先ほどから申しております健全化法によりまして、厚生年金基金から他の企業年金に移行を促進する、その際に、確定給付の企業年金に移行する際には、積立不足の償却期間を特例的に延長して予定利率を引き下げやすくする、こういった措置を講じております。 それから、確定給付企業年金そのものでございますけれども、これは制度の導入時に無理な利率ということがないように、国債の利回り実績などを基にいたしまして給付額の算定を行う、こういったことができるいわゆるキャッシュバランスプランというものを導入をいたしました。また、今般導入する措置といたしまして、いろいろ経済変動に応じて積立不足というものが万一生ずるような場合に、そういうことが起きる前に計画的に掛金を拠出していくことができるようにしよう、そういう観点から、いわゆるリスク対応掛金の導入というものも検討いたしているところでございます。 こういったことで、御指摘いただきました厚生年金基金の経験も踏まえて、このような措置が有効に活用されるように、そして確定給付企業年金が持続可能になるように努めてまいりたいと思っております。
○赤石清美君 是非、持続可能なようにしっかりと対応していただきたいというふうに思います。 次に、中小企業向けの対策についてお伺いしたいと思います。 企業年金は、企業にお勤めになっている方の福利厚生として重要な位置を占めているわけでありますが、近年、その実施率が低下傾向にあるということのようです。特に、いわゆる総合型の厚生年金基金制度の解散が進む中で、中小企業の実施率低下が顕著に表れてきている状況にあります。これは私の業界もこのような状況になっております。 企業年金は、確定給付型、確定拠出型と二種類の制度設計の方式がありますが、いずれも企業年金には税の優遇措置が講じられている上、企業側だけではなく従業員にも拠出を促すことができるメリットがあります。さらに、老後のためのお金として企業が拠出しますので、給与と異なり、少額であっても従業員に長く働いてもらうインセンティブがあると思います。 企業年金は、手続が複雑であることや、中小企業にとっては事務負担が大きい等の問題から、事務負担が可能な大企業が中心の制度と思われがちですが、実態としては、厚生年金基金制度や確定拠出型の年金制度については多くの中小企業が実施してきたものであります。 他方で、先般の厚生年金基金制度の抜本的な見直しの結果、中小企業を中心とした厚生年金基金の多くは現在解散に向かっているとのことであります。このまま放置した場合、中小企業の中で企業年金を続けずにやめてしまうケースが多く出てくるおそれがあると思います。 さきにも述べましたように、運営コストの負担の問題などで中小企業単独で行うことは困難な場合が多々あるのですが、今回の法案においてはその点を改善すると伺っております。そこでお伺いしたいのですが、本法案では中小企業の企業年金の普及拡大に取り組むということですが、内容はどのようなものでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) ただいま御指摘のように、中小企業におきましては企業年金を実施している企業の割合、これは低下をいたしておりまして、その普及拡大を図っていくというのがやはり急務になっております。 このため、今回の改正法案におきましては、やはり事務負担が困難であるということが一つのポイントでございますので、そうした中小企業についても普及拡大を図りますために、まず第一点といたしまして、手続の大幅緩和を行って確定拠出年金ができるようにするということで、簡易型の確定拠出年金制度というものを創設したところでございます。 それから、こういった企業年金という形で取り組まなくても、従業員が個人型の確定拠出を採用している場合にそれに併せて事業主が支援をする、そういう形で、企業年金を実施しなくても従業員の老後支援を可能といたします個人型の確定拠出年金への小規模事業主掛金納付制度、これを創設をいたしたところでございます。 それから、投資教育というのが事業主の責務として非常に重要でございますけれども、これはなかなか中小企業にとっては重荷という面もございます。したがいまして、この投資教育につきましては企業年金連合会に委託して実施することを可能にする、こういった中身も今回の法案に取り入れさせていただいておりまして、こうしたことを総合的に通じまして中小企業が取り組みやすい仕組みを設けていくという方針でございます。
○赤石清美君 ありがとうございます。是非、中小企業の落ちこぼれがないように、しっかりと対応をお願いしたいと思います。 また、中小企業でも企業年金を行いやすい仕組みを新たに設けるということだと思いますけれども、こうした仕組みを取り入れることについて、中小企業にとって具体的にどのようなメリットがあるのかどうか、これをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(鈴木俊彦君) ただいまも申し上げたことの裏返しになりますけれども、中小企業にとりましては、これまで本格的な企業年金を実施をしようといたしますとやはり大変な事務負担が掛かるということでございますので、逆に言えば、この事務負担がそれほど掛からずに企業年金が実施できる、あるいは従業員の老後所得保障を事業主として支援できる、こういった仕組みがまさに求められていたわけでございまして、この観点から、今回の改正法案では、手続の大幅緩和による簡易型の確定拠出年金、そして企業年金の形でなくて、従業員の個人型の確定拠出に事業主が併せて拠出をして足してあげるという形での小規模事業主掛金納付制度、こういったものを用意したわけでございます。 そこで、こういったものを踏まえての中小企業にとっての具体的なメリットということになりますと、やはり現在、人材の獲得に大変苦労しておられる中小企業が多いというふうに承知をしております。そういったところになりますと、今回用意させていただいた仕組みが言わば新たな福利厚生措置の選択肢ということになってまいりますので、こういったものを活用していただき、また税制上も優遇措置もございますので、企業にとっての人材の獲得、あるいは従業員の福利厚生ということに役立てていただける、そういったメリットがあるというふうに考えております。
○赤石清美君 ありがとうございました。しっかりと対応をお願いしたいと思います。 サラリーマンの七割は中小企業に勤めているということを考えましても、企業年金を中小企業に普及拡大を図ることは極めて重要であります。そうした意味で、今回の施策を進めていくことはとても大切なことであると考えております。 しかしながら、今回の中小企業を対象とした拡充策は、対策を講じただけでは使ってくれる保証はありません。いいことをしていても、その情報が行き届かなければ活用されません。このDCの普及のために制度内容をもっとよく知ってもらうことがもちろん重要なことだと思っております。 政府として、例えば商工会議所や中小企業と距離の近い税理士さん、社会保険労務士と連携するなどして、今回の措置の内容について積極的に広報普及活動を行っていくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 企業年金の普及拡大という点から申しますと、やはり何をおいても広報の充実というのが一番大事になってくるというふうに思います。 まさに今御指摘ございましたように、中小企業向けの対応といったことも念頭に置きまして、この法案が仮に成立させていただいた後には、日本商工会議所でございますとかあるいは日本税理士会連合会、全国社会保険労務士会連合会、こういった団体とも連携いたしまして、積極的に周知広報活動を行っていきたいというふうに思っております。 それから、金融機関とも連携をして広報活動を検討したいというふうに思っております。この分野では、いわゆるNISAなどの先行例もございますので、そうしたところの取組も参考にいたしまして、企業年金の普及拡大に努めて、周知に努めていきたいと思っております。 具体的には、先ほど申し上げましたような諸団体の御協力をいただいて、例えば全体でこれを推進する委員会組織を立ち上げる、こういったことも一つ念頭に置いて、この委員会組織でもって総員参加で広報を進めていく、こんなことをちょっと検討してまいりたいというふうに思っております。
○赤石清美君 よろしくお願いしたいと思います。 次に、個人型DCの質問に移りたいと思います。 今回の改正案におきまして、個人型DCの対象範囲の拡大を行うということになっております。個々人がそれぞれの多様なライフスタイルを持つ中で、できるだけ継続的に自らの老後に向けた備えを行うニーズがより強まっているのではないかと思われます。そうした中で、個人型DCの対象範囲の拡大は、個人の自助努力を促す選択肢を広げるという意味で大変良いことではないかと思っております。 そこで、まず、従来、個人型DCの加入対象者は自営業者と他の企業年金のないサラリーマンに限定されていたわけですが、今まで認められていなかった第三号被保険者や企業年金等加入者、公務員等共済加入者の加入をなぜ今般の改正で認めることとしたのか、伺います。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今御指摘ございましたように、ライフコース、あるいはその働き方の多様化が進んでおります。そういったことを踏まえまして、個々の方が、その時々の就業状況にかかわらずに、例えば個人型の確定拠出年金を受皿といたしまして、生涯にわたって切れ目なく老後に向けた自助努力を行う、こういった形を実現していくことが非常に重要であると思っております。こういったことを念頭に置きまして、今般、加入可能範囲の拡大というものを行ったわけでございます。 それで、まず第三号被保険者でございますけれども、これは確定拠出年金制度ができるもっと前でございますけれども、例えば一九九〇年代の状況を見てまいりますと、この第三号被保険者につきましては、専業主婦としてずっと生活していく、こういうことを望む方々がまだ相当程度存在していらっしゃいました。いわゆる専業主婦世帯の数が共働き世帯の数と一九九〇年代においてはまだ同程度存在をしていたという実態がございました。 それから、そういたしますと、この第三号被保険者御本人になってまいりますと、仮に個人型の確定拠出というものを適用するといたしましても、一番メリットのある税制優遇措置の対象になります所得がほとんどないということでございますので、この制度に加入可能ですよといっても税制上のメリットは余りないということが従来の状況であっただろうと思っております。 しかしながら、先ほど申し上げましたように、ライフコースの多様化が進展いたしまして、例えば出産などの事情で一時的に第三号被保険者になる、サラリーウーマンとして働いていらっしゃった女性が出産などの事情で一時的に第三号になる、しかしまた早期に復職をする、こういったようなケースも増えております。そうしますと、この一時的に第三号被保険者になった期間も含めて自助努力が継続できるように制度の用意をするというのもまた大事なことでございまして、したがって、今般の個人型確定拠出年金への第三号被保険者の範囲拡大というものは、以上のような考え方で採用することにしたわけでございます。 それから、企業年金等の加入者、サラリーマンでございますけれども、これについても、今までは公的年金の上乗せ部分について事業主の支援を一定程度受けられる、厚生年金基金とかそういうような制度が様々あったわけでございます。それから、一方で、公務員につきましては、公務員の年金の三階部分というものもあったわけでございます。 しかしながら、こういったサラリーマンあるいは公務員につきましても、被用者年金の一元化の進捗状況、それから民間企業におきます確定拠出年金の導入状況、こういったものを様々見てまいりますと、かなり様相が変わってまいりまして、転職、離職なども増えております。こういったことにも対応して、受皿として個人型の確定拠出年金が十分機能するようにということで、今般、企業年金などの加入者あるいは公務員についても加入を認めることとしたということでございます。 いずれにしましても、こういった就業状況の変化にかかわらず、自助努力を継続できるように個人型の確定拠出年金の加入可能範囲の拡大を図ったということでございます。
○赤石清美君 よく分かりました。 個人型DCの加入者は、現状、加入可能な人の約〇・五%と極めて低い状況にあります。税制上の優遇がかなり手厚いにもかかわらず、この状況にあるのはなぜなのか。私は、個人型DCは企業が主体のものではないために普及が進みにくい面があるのではないかと考えております。したがって、その普及を進めるためには認知度を高めることが重要だと思っております。 厚生労働省として、個人型DCの認知度向上のためにどのような対策を講じるつもりか、お伺いします。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 個人型の確定拠出年金、この普及拡大の上で、御指摘のように、まず認知度を上げないことには話が始まらないということでございます。 そこで、この改正案におきましては、まず、個人型の確定拠出年金を実施をいたしております国民年金基金連合会、この業務に法律上の業務といたしまして広報啓発業務を追加をいたしました。これを根拠といたしまして、広報活動、認知度を高めるための活動の積極的な展開を図る、こういう方針でございます。 そこで、先ほども申し上げましたけれども、先行事例として非常に認知度が高くなったNISAのような事例もございますので、ただいま申し上げました国民年金基金連合会、あるいは運営管理機関ということで個々の加入者の方々と相対して業務をやっていただいている関係機関、こういうものと連携をいたしまして広報活動を展開して認知度の向上に努めていきたい、こんなふうに考えております。
○赤石清美君 是非、その認知度を高める、余り今具体的な話ではなかったんですけど、もう少し具体的に高める方策を考えていただきたいというふうに思います。 次に、今後のあるべき姿についてお伺いしたいと思います。 現在、私的年金は、運用時には非課税扱いとなっておりますが、元々、その積立金に対しては、先ほど川田委員からも質問ありましたけれども、特別法人税という税金が掛かることになっております。現在は平成二十六年から課税凍結されていると聞いています。この課税凍結の期限が今年度までで終了するということで、この税の取扱いについて、三月二十八日付けの日本経済新聞で、ここにありますけれども、「企業年金の「二〇一七年問題」に戦々恐々」というタイトルで取り上げるなど、その動向についてにわかに注目を集めております。 この記事によりますと、二〇一六年度まで凍結になっている私的年金の特別法人税の扱いについて、凍結が解除されたら大変なことになると私的年金関係者が気をもんでおりまして、私的年金関係者や経済団体は凍結ではなく廃止すべきだという立場であり、もし特別法人税が復活してしまうと私的年金制度を廃止してしまう企業が増えるおそれがあるということのようです。 そもそも私的年金は、老後への備えとして掛金の積立てを行い、老後にその恩恵が受けられることが前提の制度であるにもかかわらず、積立てを行っている段階で毎年課税を行うというのは、資産の積立てを阻害し制度のメリットを著しく損なうものであることを踏まえると、特別法人税は、これは民進党の川田委員と全く一致しているんですけれども、撤廃すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。 私も、三月二十八日の日経新聞の記事、拝見させていただきまして、この中を見てみますと、特別法人税が復活してしまうと企業年金制度を廃止する企業が増えるんではないか、心配だという記事が書いてありました。ということは、新聞で取り上げられるということは、多くの国民の皆様もそういう不安をお持ちになっているということが如実に表れているのかなと、このように思います。 ということで、今お尋ねのありました二〇一七年問題についての特別法人税を廃止すべきではないかという御議論についてなんですけれども、これは、企業年金制度等に関する税制の在り方については、社会保障審議会企業年金部会における議論の整理、この中に記させていただいております。 具体的には、積立金に対する特別法人税は早期に撤廃すべき、その際には、企業年金制度の課税関係についても、拠出時、運用時、給付時全体の課税の在り方の議論を併せて行うべき。実は、この運用時に課税をしているという国は逆に少数だそうです。という議論と、もう一つは、給付時の課税関係におきましては、退職所得控除など退職一時金税制との関係を踏まえつつ、一時金か年金かといった給付方法によって公平性が損なわれることがないような制度設計を検討することが必要と、こういった整理がなされました。 ということで、厚生労働省といたしましては、社会保障審議会企業年金部会におきましてこういった議論の整理を踏まえつつ、平成二十九年度以降の税制改正において必要な対応を、特に今お話の出ました特別法人税についてはしっかりと検討していきたいと、このように考えております。
○赤石清美君 今、津田筆頭理事からも当然だという話が出ましたので、これは与野党一致しているようですので、是非撤廃に向けて検討していただきたいと、このように思います。 次に、今回の改正は、近年の働き方の多様化に対応しようとしております。そして、これは公的年金制度についても同様に重要なポイントだと考えます。 この点、高齢者の雇用が進んでいることとの関係でしばしば指摘されるのが、在職老齢年金制度です。高所得者については、賃金が増えるに従って年金額と合わせた手取りは増えますが、年金額は一定程度減じられます。私もその対象者でございます。 また、保険料拠出についても議論があると思います。厚生年金は七十歳まで加入しますが、国民年金では原則六十歳までの加入となっております。政府として一億総活躍の推進を掲げ、高齢者であっても元気に働き続ける方が多くなっている中で、六十歳以上でも働いているならば保険料拠出を認め、引退後、より手厚い年金給付を手にする道があってもよいのではないかと私は考えております。 保険料拠出期間を延長し、六十歳以上にも保険料拠出を認め、年金給付を充実するという考え方についてはどのようにお考えでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) ただいま御指摘のありました高齢期の就労と年金受給の在り方でございますけれども、これは平成二十五年のいわゆる社会保障改革プログラム法におきまして検討課題として明記をされているものの一つでございます。具体的には、高齢期における職業生活の多様性に応じ、一人一人の状況を踏まえた年金受給の在り方をどう考えるかということでございます。 こういった大きな課題の中の一つといたしまして、今、更に御指摘のございました、保険料拠出期間を延長する、それによって年金給付を充実させてはどうかという論点もあるわけでございます。具体的には、国民年金で申しますと、現在は保険料の拠出期間、四十年でございますけれども、これを四十五年に延長する、こういう論点につきまして社会保障審議会の年金部会においても議論が行われたところでございます。 このいろいろな議論の状況でございますけれども、その一つといたしまして、やはり六十五歳までは現役として捉えて、就労して保険料を負担していただく、そして、負担していただいたらそれに応じて年金を受け取っていただく、これがやはり自然の流れであろうと、こういう意見が最も多かったというふうに承知をいたしております。 ただ、一方で、六十歳代前半の方の保険料の拠出能力ということになりますと、やはり男女の間で就業率に差があるという状況でございますので、就業期間は延びるんですけれども、一方で介護休業などによりまして就業していない期間もまた増えている、こういった視点も考慮して総合的に判断すべきではないかと、こういったような御意見もございました。 それから、財政的な観点ではございますけれども、拠出期間の延長を行いますと、基礎年金の国庫負担額もこれは当然上昇いたします。そうしますと、給付の増大ということで財政への影響をどう考慮するのか、こういったことを考慮する必要があるだろう、こういったような御意見もございまして、冒頭申し上げましたような拠出期間の延長、それに応じて年金を多く受け取るのは自然の流れだと、こういう意見が多かったものの、更にいろいろな整理、検討すべき課題があるというような御意見もまたございまして、結果的に年金部会では意見が一致したというような状況にはまだ残念ながら至っていないところでございます。 したがいまして、この問題、拠出期間の延長でございますけれども、これは高齢期の就労と年金受給の在り方を検討していく中でやはり一番の中心的な課題であろうというふうに思っておりますので、これまでいただいた様々な御意見、この論点を更に検討して、引き続き検討を深めてまいりたいというふうに考えております。
○赤石清美君 私の経験からいいますと、確かに六十歳を超えていろんなパターンの人がいると思うんですけれども、今は就業年限がもう六十五歳が大部分になっているわけでありまして、その六十から六十五の間が何か空白みたいな感じになっているわけで、もう少しここのところは真剣に考えて、どういう仕組みがいいのか含めて、厚生年金と国民年金の在り方も含めてしっかりと前向きに是非検討していただきたいと、このように思っております。 最後になりますけれども、我が国では高齢化が今後も進んでいく中で、国民に老後の備えを促して安心した老後生活を送っていただくことは我が国の重要な課題であります。そうした意味で、今回の改正案は私的年金について国民の後押しとなる非常に良い取組ではないかと思う一方で、今後も制度の普及に向けた不断の努力を行っていただきたいと考えております。 今後の私的年金の在り方、あるべき姿につきまして、とかしき副大臣の見解を、大臣以上の見解をお述べいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。 企業年金や個人型確定拠出年金など、いわゆる三階部分の年金に当たる私的年金制度、これは企業や個人による老後の所得の確保を支援する制度ということで、とても大切であります。特に我が国は今高齢社会に向かっておりますので、ここをしっかり安定させていくことがやっぱり年を重ねていくことの不安の解消に大きくつながってまいります。ということで、これは公的年金と相まって国民の老後所得の充実を図るという観点から、公的年金を補完する私的年金の必要性や役割は高まってきていると、このように考えております。 そして、これらの制度を利用して、より多くの方に老後に向けた資産形成を進めていただくことが望ましいと。とにかく知っていただいて利用していただくということが大切であります。せっかく法整備を変えて今度いくわけですから、是非御利用いただけるような環境整備をいかにつくっていくのか、ここがとても重要だと思います。 また、利用しやすいように、今回の法案におきましては、中小企業が実施しやすいように簡易型確定拠出年金の創設とか、今までの個人型確定拠出年金に加入できなかった専業主婦や企業年金加入者、公務員等を加入可能とするとか対象を広げていって、そして利用しやすいようにということで私的年金の普及や拡大を推進すると、これに力を注いでいきたいと思っております。 また、今後は拠出限度額や税制の在り方、これも併せて検討していって、この制度がどういうふうにしたら一番効率よく利用いただけるのかということで、私的年金の充実、これに周りの環境整備も含めて積極的に取り組んでいきたいなと。とにかく年を重ねることが恐ろしくない、いいことなんだ、安心して日本は年を重ねることができるんだと国民の皆様に思っていただける環境をつくっていくことが大切だと思っておりますので、これからも尽力していきたいと思います。 ということで、大臣以上の答弁になったかちょっと不安ではございますけれども、答弁とさせていただきます。ありがとうございました。
○赤石清美君 いや、すばらしい答弁だったと思います。先ほどの大臣の答弁はそんなに前向きじゃなかったかなというふうに思いますので、是非、ちょうど今、私も団塊の世代で、社会の構造がずっと大きく変わろうとしているわけでありますので、様々な意味でこのセーフティーネットというものを充実していかなきゃいけないと思いますので、財源の問題もいろいろありますけれども、できるだけ多くの国民が安心してこれからも働けるように、そういった私的年金の仕組みをつくられることを念願いたしまして、私の質問を終わります。 以上です。ありがとうございました。
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。 今回の確定拠出年金法等の一部を改正する法律案、今日議題となっておりますけれども、これは年金の三階建て部分である私的年金についてのものでありまして、企業年金の普及拡大とともに、個人が自助努力を行う環境を整えていくものとして重要な改正であるというふうに考えております。しかしながら、三階建て部分といいますのは、基礎年金、厚生年金といった一階、二階部分がしっかりしているということが大前提でありますから、そこは引き続きしっかりとやっていかなければなりません。そして、私的年金は公的年金を補完するものとして、国としても支援、普及をしていくべきだというふうに考えております。 まず、確認をさせていただきたいんですが、政府の考え方として、老後の所得保障のための一階、二階部分、公的年金制度というのは、その重要性は今後も変わりがないということでよろしいか、公的年金と私的年金の関係について、まず御所見を伺います。
○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。 公的年金は、現役世代に構築した生活基盤や貯蓄、そして私的年金等と併せて老後の生活を送るという考え方に立って給付が行われているものであります。それに対して、私的年金は、公的年金を基本として、その補完として位置付けさせていただいております。 急速に高齢化が進んでおりますので、我が国は、老後の所得保障の在り方としましては、老後所得保障の基本となるのは、世代間の支え合いの仕組みである公的年金制度につきましては、その持続可能性を維持しながら将来世代も含めた給付水準の確保に必要な措置を講ずること、そして私的年金がこれを逆に補完するような形で老後所得の更なる充実を図るための環境整備を進めていくこと、これを両方進めていくことが大切であると、このように考えております。 今般の改正は、個人型拠出年金の加入可能範囲の拡大や、全ての国民が確定拠出年金制度を幅広く活用できるようにしようということで、認知度向上に努めて、そして私的年金の加入向上を図ることを目的とさせていただいております。ということで、公的年金、私的年金を併せて、国民の老後の安心に寄与する年金制度となるように取り組んでいくことが大切だと、このように考えております。
○佐々木さやか君 次に、女性の活躍という観点からお聞きをしたいと思います。 女性の活躍という点、私もこの委員会でもこれまでも何回か取り上げさせていただきましたが、子育て支援ですとか長時間労働の是正といった働き方改革も大変重要でありますけれども、今日のテーマである年金制度も女性の活躍を後押しするような制度であるべきではないかと思っております。 そこでお聞きしますけれども、今回の法案は、女性の活躍という観点ではどのように対応したものになっているんでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 個々人が生涯にわたって切れ目なく老後に向けた自助努力を行うという観点から、女性の活躍を年金制度としても推進をしていくということが誠に重要であると思っております。 そこで、今般の法案の中では、御案内のように、国民年金の第三号被保険者につきましても個人型の確定拠出年金に加入ができるようにしたということでございます。 この背景は、先ほど来申し上げておりますように、ライフコースが多様化しております。その中で、例えば出産などの事情から一時的に三号被保険者になる、そしてまた早期に復職する、こういったケースも増えてきておりまして、こういった一時的に三号被保険者となったときにも自助努力が切れるということがないように、切れ目なく自助努力が行えるような制度の支援の枠組みをつくっていくという観点から、この個人型の確定拠出年金につきまして、第三号被保険者も加入できるようにすることによりまして女性の活躍推進に資するものであるというふうに考えております。
○佐々木さやか君 妊娠、出産を経ても、希望すれば同じ職場で引き続き働けるようにしていかなければならないとは思いますけれども、様々な事情で第三号被保険者になる方もいらっしゃるでしょうし、一般に女性の方の方がライフステージによって働き方も変わりやすい状況にあるかと思います。 今御説明がありましたとおり、第三号被保険者の方も加入できるようになるということで、たとえ転職をしたりとか一度仕事を辞めてまた復帰をする、そういう場合であっても、継続して年金資産の運用ですとか老後への備えというものが今回の改正でしやすくなると。そういった意味で、様々な働き方をする女性の活躍を後押しするものになるのではないかというふうに理解をしております。 今後は、女性に多いパートなどの短時間労働者に対する社会保険の適用拡大、それから自営業者の女性について、国民年金第一号被保険者なわけですけれども、その産前産後期間の保険料免除、こういった制度の改正が着実に進んでいくということを期待したいというふうに思います。 今後も、是非、女性の活躍を後押しする年金制度の充実に向けて取り組んでいただきたいと思いますけれども、副大臣の意気込みを是非お聞かせください。
○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。 公的年金制度につきましては、女性を始めとして性別や年齢に関わりなく誰もが意欲と能力に応じて就労できるようにする、これが大切でありますし、また、年金制度は働き方に中立的な制度設計という観点から、社会保障年金部会において議論が行われておりますように、被保険者の適用拡大の推進が重要であると、このように考えております。いわゆる百三十万円の壁の問題とかこういった問題もいろいろありますので、これをいかに超えていくのか、解消していくのかということも考えていかなくてはいけません。 具体的な取組といたしましては、社会保障・税一体改革の関連法、本年十月から五百一人以上の企業を対象に適用拡大が実施されることとなっております。さらに、五百人以下の中小企業におきましても、労使合意に基づいて適用拡大の道を開くことを内容とする法律案を今国会に提出させていただきました。ということで、積極的に対象を拡大していこうと考えております。 また、今申し上げましたとおり、法律案には、議員からもお話ありましたように、次世代育成の支援の観点からも国民年金第一号被保険者の産前産後の保険料の免除、これも盛り込んでおりまして、これは多分女性の活躍にもつながるのではないかなと、このように考えております。 ということで、被保険者の更なる適用拡大におきましては、本年の十月の法施行から三年以内に検討することと法律上規定されておりますので、その施行状況を見ながら引き続き検討を進めまして、女性の活躍を後押しする年金制度、これをしっかりつくって、年金を安心して女性が使えるように、そして女性が活躍できる場を年金が後押しできるような環境をこれからもつくっていきたいと、このように考えております。
○佐々木さやか君 ありがとうございます。是非期待したいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。 次に移りたいと思いますけれども、今回の法改正は企業年金の普及拡大を推進していくものというふうに理解をしております。前提として、まず働く人の多くが勤めている中小企業、先ほども議論があったところでありますけれども、国民の安心できる年金という観点からは、この中小企業における企業年金をどう普及させていくかということが重要であると思っております。 そこで、その前提として、中小企業における企業年金の普及状況、どのようになっているのか、教えていただきたいと思います。確定拠出年金がどれぐらい普及しているのかということについても併せて教えてください。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 中小企業における企業年金の実施割合でございますけれども、制度種別に見てみますと、まず三十人から九十九人までの規模の企業で、確定給付の企業年金は三・九%の実施率、確定拠出年金は五・七%でございます。さらに、規模の大きいところで百人から二百九十九人までの企業ということになりますと、確定給付企業年金は一六%、確定拠出年金が一三・六%ということでございます。 最近の推移ということでございますけれども、これは確定給付、確定拠出共に中小企業における実施割合は増加している状況にございます。 それから、企業年金全体といたしましては、厚生年金基金の解散ということもございますので、残念ながら、中小企業における実施割合、これ自体は減少傾向にある、そういう状況でございます。
○佐々木さやか君 特に多くの方が働いていらっしゃるのは中小企業でありますので、この中小企業における企業年金の普及というところについてが重要かと思いますけれども、今日も議論にありましたが、しかしながら中小企業は人的にもまた経済的にも余り余裕があるとは言えない状況であります。ですので、この私的年金、企業年金の実施については何らかの支援をしていくことがやはり重要ではないかと思いますけれども、この点については厚労省はどのように考えているのでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 私的年金、これを中小企業で普及していくということでございますけれども、中小企業におきます確定給付の企業年金、それから確定拠出の企業年金、これ、実施割合自体は増加をしているわけでございます。しかしながら、ただいま申し上げましたように、企業年金全体で見ますと残念ながら減少傾向にあるということでありまして、やはり何らかの手を打って普及拡大を図っていく、これが非常に大事な問題だと思います。 そのため、確定給付の企業年金制度で申しますと、中小企業向けの対策といたしまして、例えば積立不足が生じないような手を打つというのは非常に重要なことだと思っております。その中で、例えば受託保証型の確定給付企業年金というものがございますけれども、具体的には生命保険の一般勘定などで運用することによりまして積立不足が生じない、これが確実に見込まれる仕組みでございますけれども、こういった受託保証型の確定給付企業年金を平成二十六年度から導入をいたしております。この仕組み、当然積立不足のリスクが生じない、それから手続も簡素化されているということでございますので、中小企業にも実施していただきやすい企業年金であるというふうに思っております。 それから、今回の改正案におきましては、先ほど来御紹介申し上げておりますように、事務負担が困難な中小企業のために手続の大幅緩和を行います簡易型の確定拠出年金、これを創設を考えております。それから、個人型の確定拠出年金への小規模事業主掛金納付制度の創設でございますとか、あるいは投資教育の企業年金連合会による共同実施、これを可能にする、こういったような各般の施策を講じまして中小企業におきます確定拠出年金の普及拡大を図る、こういったことも併せ考えているところでございます。
○佐々木さやか君 企業年金の普及が重要である一方で、今回の改正では個人型確定拠出年金、この加入対象を拡大をしてこれを普及させようとするものでもあります。先ほど御紹介いただきました個人型確定拠出年金への小規模事業主掛金納付制度、これも創設をされるということで、これについては事業主が掛金を上乗せするという点で企業年金の側面もありますけれども、あくまで個人で掛金を支払うということが前提になっておりますので個人型という、両方の側面があるかと思います。 この制度も大変重要だとは思うんですけれども、やはり自分で掛金を支払う余裕のない方にとっては恩恵を受けられないということになってしまいます。ですから、やはり企業がしっかりと責任を持って掛金を拠出する、そういった企業年金型というのが基本の考え方であるべきだと思いますし、個人型の確定拠出年金が普及をすることで、それもいいことではあるんですけれども、反面、企業年金を導入しようというインセンティブが低下するようなことがあってはならないと思いますので、そのようなことがないようにしなければならないと思っております。 そこで確認をしたいんですけれども、個人型確定拠出年金の拡大と、企業年金の在り方、位置付けということについては、厚労省としては、政府としてはどのように考えているんでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 確定拠出年金でございますけれども、その中で企業型と個人型とございます。企業型の確定拠出年金を始めといたします企業年金というもので見てまいりますと、これ、企業が掛金を拠出をいたしますので、言わば労使のニーズに応じて柔軟に制度が設計できる、こういった特徴があるというふうに考えております。一方で、個人型でございますけれども、これはやはり個人のライフコース、働き方、こういったものにかかわらず、こういったものが変わったとしても継続的に加入ができる、そして自ら掛金額を決めて老後に向けた備えを行うことができる、これが特徴であると、それぞれ特徴があると思っております。 したがいまして、こうした両制度の特徴に着目をしてそれぞれ私的年金の加入率向上を図っていく、こういう観点から対応を取ってまいる必要があるだろうということでございまして、この法案におきましては、加入率が相対的に低い中小企業に実施を促すために、先ほど来の簡易型の確定拠出年金、あるいは個人型についての小規模事業主掛金納付制度の創設、こういったことを実施をするということでございますし、それから、個人型の確定拠出年金につきましては、そもそも加入可能な方々の範囲を広げるというような措置をとっているということでございます。 それから、特にこの中で簡易型の確定拠出年金あるいは小規模事業主の掛金納付制度、これを中小企業に導入をすることにしておりますけれども、これが例えば大企業の方にだんだん広がっていって、結果、事業主の責任の後退につながるのではないかというような御懸念もいただいておりますけれども、この制度はむしろこういった負担能力がないような中小企業にまず入っていただくための特例的な制度だというふうに考えておりますので、まず、こういったものを採用して入っていただきまして、その上でさらに本格的な企業型の確定拠出年金に移っていただく、そういうようなステップとして考えていただくということも一つの手法であろうというふうに思っております。 いずれにいたしましても、このように、厚生労働省といたしましては、企業年金と個人型の確定拠出、それぞれの特徴を踏まえて、双方の仕組みを広く活用していただけるように充実を図ってまいりたいというふうに考えております。
○佐々木さやか君 企業型の確定拠出年金の普及は、徐々にではありますけれども進んでいるというふうに聞いておりますが、とはいえ、国民になじみがあるのはやはり確定給付の企業年金であろうかと思います。ですので、その重要性が低くなっているというわけではないというふうに理解をしております。 しかしながら、確定給付年金は大企業を含め徐々に減少傾向にあるというふうに聞いておりますが、その原因というのはどういうところにあると考えているか、また、厚労省として、今後、確定給付年金についてはどのように推進していこうというふうに考えているんでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) ただいま御指摘のありました確定給付企業年金の減少傾向、この背景といたしましては、経済環境が悪化いたしました場合に、企業年金の財政が悪化いたしますと、当然その事業主が追加拠出を求められることになります。こういったことで、そういった事態を想定して事業主がこの確定給付の企業年金の導入あるいは継続に慎重になる場合があると、これは従来から指摘をされてきたところでございます。 こうしたことも踏まえまして、社会保障審議会の企業年金部会でこの確定給付企業年金の普及拡大のためにどういう方策を講じたらいいかということで検討を行ってまいったわけでございますけれども、やはり柔軟で弾力的な給付設計というものをきちんとできるようにしていくと、これが一つの眼目でございます。 この検討結果の具体的な実現方策といたしまして、これは平成二十八年度の税制改正大綱に盛り込まれたところでございますけれども、積立不足に対応いたしました確定給付企業年金の掛金拠出の弾力化を図る措置、あるいは労使でリスクを分け合う新たな仕組みということでリスク分担型DB、この創設を盛り込んだところでございます。 現在、これらの制度につきまして詳細を検討しているところでございますけれども、いずれはこうした制度を十分御活用いただくことによりまして確定給付の企業年金が更に採用されるように努めてまいりたいと思っております。
○佐々木さやか君 今紹介してくださった新しい制度については、詳細は検討中ということではありましたけれども、リスク分担型の確定給付年金というものを検討していただいていると。その具体的な内容についてもう少し教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) お答え申し上げます。 確定給付の企業年金制度といいますのは、御案内のように、あらかじめ給付の算定方法が決まっております。したがって、積立不足が発生をいたしますと、事業主が追加で掛金を拠出することによってこの不足を埋め合わせる必要がある、こういう制度でございます。 こういった確定給付の制度に比べまして確定拠出の年金制度というのは、拠出した掛金、それからその運用収益、これを合計額を基にいたしまして個人別に給付額が決定をされる、したがって運用の成否が加入者の給付に直結する仕組みになっております。 こうしたように見てまいりますと、今の企業年金制度では、確定給付の企業年金制度は運用のリスクは事業主にありますし、確定拠出の運用のリスクは加入者にあるということで、いずれか一方ということで、どちらかというと偏っているということになろうかと思います。特に、確定給付の企業年金につきまして、先ほど来申し上げております事業主の負担の重さ、これが確定給付が減少傾向にある主たる要因になっているということでございますので、このためには、言わばこのリスクを事業主と加入者の間で分担できるような仕組み、これを工夫したらいいのではないかと、これがリスク分担型のDB制度を検討する際の一番の動機でございます。 こういったような動機あるいは要請を踏まえまして、社会保障審議会の企業年金部会で議論を進めてまいりました。具体的なリスク分担型のDB制度と申しますのは、事業主の側が将来発生するであろう一定のリスクに応じた掛金をあらかじめ拠出をしておくということでございます。将来発生するリスクの一定部分の先取りという形で掛金をしっかり払う。しかしながら、それを仮に上回るリスクが発生した場合には、今度は加入者の給付を調整するという形で、言わば事業主と加入者との間でリスクを分け合うことができる仕組みということでございます。その仕組みのコンセプトを二十八年度の税制改正大綱に盛り込んだところでございます。 現在、またその具体的な制度設計を進めているところでございますので、こういったものが実現いたしますと、より多くの企業が確定給付の企業年金制度を選択していただけるのではないかというふうに考えておりまして、制度設計をしっかり進めていきたいというふうに考えております。
○佐々木さやか君 事業主側と加入者側のリスクの分担という発想は良いかと思います。その分担をまさにどのポイントで分担するのかということを今後検討していただくのだと思いますけれども、普及のためには企業側の負担も考えなければなりませんし、とはいえ、やはり確定給付ということは加入者の側としては予測が立ちやすいというところがメリットでありますので、そこの点についても十分に配慮をして、今後詳細な制度設計を御検討いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 今回の改正で、これまでは加入ができなかった第三号被保険者や企業年金加入者、公務員などについても個人型確定拠出年金に入れるということになります。勤務先の状況ですとか働き方にかかわらず、継続的に老後に向けた自助努力を行える環境が整うという意義があると思います。 しかしながら、加入が可能になったとしても、実際に加入をしていただけるかどうかは分かりませんので、できる限り多くの方に有意義に活用していただいて、老後の所得保障、所得の確保ということができるように制度の周知なども重要であると思いますけれども、厚労省としては、この法改正が成立をした後には普及のためにどのような方策を考えているんでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 先ほど来御指摘をいただいておりますように、企業年金の普及拡大に当たりまして、やはり広報の充実、認知度を高めていくということは決定的に重要だと思っております。特に、個人型の確定拠出年金につきまして、先ほども御答弁申し上げましたけれども、実施主体であります国民年金基金連合会、ここに法定業務として広報啓発業務を追加するということで、これを根拠として積極的な展開を図ってまいりたいと思っております。 具体的にどういったことを展開していくかということでございますけれども、これは、まず実施主体はもとより、運営管理機関ということで、個々の加入者の方々と日々相対していろいろな事務手続などのお世話をしている機関がございます。こういった関係機関全部集めまして、総員参加のような形で広報活動を展開していきたい、ある意味、官民挙げて広報活動を展開していきたいというふうに考えております。 具体的には、これ、NISAにおきます先行事例なども踏まえまして、例えばこういった関係者が一体となって委員会組織を立ち上げて組織的に広報活動を展開できる体制を整えていく、その上で、セミナーの開催でございますとか、新聞、テレビなどの各種媒体も活用しながらきめ細かい広報を展開していく、こういった様々なことが考えられるわけでございまして、いずれにいたしましても、この法案が実現した暁には直ちにこういった取組に入ってまいりたいというふうに考えております。
○佐々木さやか君 是非、様々な工夫をよろしくお願いしたいと思います。 確定拠出年金の手数料ですけれども、これは高止まりの状況にあるというふうに聞いております。新しく加入が可能になる第三号被保険者の方は、例えば一般的に余り収入がないわけでありますし、そういう方も含めて制度を広く普及していくに当たっては、手数料の引下げですとかそういった加入者の利益になるような対策も検討すべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) ただいま御指摘ございました確定拠出年金の手数料でございますけれども、これは社会保障審議会の企業年金部会におきましても議論になったところでございます。 これについては、まず手数料について開示を進めること、それから、手数料を含めますサービスを踏まえてこの運営管理機関の定期的な見直しを行うこと、こういったことを通じまして、この実際の事務に当たっております運営管理機関の間の競争を促して手数料の低廉化を図るべきであると、こういった御意見を社会保障審議会からはいただいたところでございます。 そこで、この御意見を踏まえまして、この改正案では、事業主の方々の努力義務といたしまして、仕事を委託している先の運営管理機関、これを五年ごとに評価をして必要に応じて変更するといったことも盛り込んでいるところでございます。この結果、運営管理機関間の競争が促されるということで手数料の低廉化の効果もあるのではないかというふうに考えているところでございます。 また、特に個人型の確定拠出年金の場合でございますけれども、やはり加入者数が拡大するということがスケールメリットが働くことにもなりますので、この加入者の加入可能な範囲を拡大をいたしまして加入者数を拡大する、これによりましてスケールメリットを通じて運営コストの低減を図っていくということで普及促進を図る、こういったようなことも考えているわけでございまして、いずれにいたしましても、この手数料の引下げその他加入者の利益になりますような対策について、今後、関係団体とも連携をいたしまして、また検討、取組を進めてまいりたいというふうに考えております。
○佐々木さやか君 手数料の引下げ、また先ほどのような周知広報活動、こういったことを進めていただいて多くの方に有意義に活用していただきたい、そうした形で個人型確定拠出年金に入っていただく人が増えていったとします。しかしながら、加入しただけで老後の所得確保という目標を達成できるわけではありません。現在の企業型DC加入者の運用内容を見ますと、多くの方が元本確保型商品を選ぶ、こういう傾向にあって、長期分散投資が行われているとは言い難い状況というふうに聞いております。 十分な老後のための資産形成につなげていくためには、運用改善、これも課題になると思いますけれども、今回の法改正ではこの運用改善についてはどのように改正を行っていく内容になっているんでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今般の改正案の中では、まず加入者の方々が老後に向けて適切な運用商品を選択できるように環境を整備するということが第一点。それから、そうした環境整備を進めましてもやはりまだ選択に迷ってしまう、あるいはその選択を失念してしまうといった理由でなお商品選択が行われない場合もございます。こういった場合のために、長期の年金運用として適切な運用方法をあらかじめ示していく、こういったことを第二点目として考えているわけでございます。 具体的には、加入者がその適切な運用商品を選択できるための環境整備といたしまして、一つは投資知識、これを向上していただくことが必要でございますので、事業主に対しまして投資教育を継続的に続けていく、これを事業主の努力義務として位置付けたところでございます。 それから、適切な選択に資するということからいたしますと、運用商品の提供を促進する、そのために商品の提供数に一定の制限を設ける、これによって商品の入替えも行いやすくなるようにする、そういったことで同意要件も見直すということも必要であろうというふうに思っております。それから、今先生御指摘ございましたように、分散投資効果が期待できる多様な商品設定が促進される、こういった措置を講じているところでございます。 それから、一番ポイントといたしまして、先ほど申しました第二点、商品選択がどうしても行われない場合がございますので、こういった場合に備えましてあらかじめ運用商品の中から一つの商品を指定いたしまして、一定期間経過した後もなお商品選択が行われない、こういったような様々な要件を満たした場合には、あらかじめ用意しておいた商品に運用の指図が行われたというふうにみなして運用方法を展開していく、こういったことがきちんと行われるための規定の整備もこの法案の中でさせていただいているところでございます。
○佐々木さやか君 最初に説明していただいたように、投資知識の向上ということがやはり重要ではないかと思います。 日本の場合には、これまで確定給付年金が根付いてきておりますし、余り投資ですとか自分の資産についての運用を考えるということに慣れていない方が多いのではないかというふうに感じます。また、確定拠出年金についても、制度があるということ自体は知っていても、どういうふうに有利な制度なのかとか、余り深く知らないという方も少なくないのではないかと思います。 そうしたことからも、投資教育の充実、これが重要であるというふうに考えておりますけれども、前提として、企業で現在行われている投資教育について、厚労省で把握している実施の状況について教えていただきたいと思います。 それと併せて、継続的に投資教育を行うことを今回企業の努力義務にしたということでありますけれども、実効性のためには、特に中小企業に対して充実した継続的投資教育が行われるような支援、これが必要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 投資教育の実施状況でございますけれども、導入時の投資教育につきましてはほぼ一〇〇%実施をされているような状況にございますけれども、今御指摘のありました継続的な投資教育、これになりますと実施率は約六割、正確に申しますと五七・八%ということでございまして、やはり導入時の投資教育に比べて低い状況にございます。 したがって、今回の改正案の中では、この継続投資教育につきまして、先ほど申し上げましたように法律上の努力義務とさせていただいております。努力義務とさせていただいた上で、法の施行と併せまして、この継続投資教育の具体的内容でございますとか効果的な実施のためにどういうタイミングでやるかと、そういったようなことにつきまして一定の目安を通知でお示ししたいと考えております。 それから、そもそも投資教育につきましては、それぞれの企業の実情に合わせて柔軟に弾力的に実施をしていただくというのも大事でございまして、各企業におきまして様々な先行事例、好事例がございます。そういったものを全部集約いたしまして横展開を図るということで、この辺りは企業年金連合会などの関係機関とも協力をして好事例の横展開を図ってまいりたいというふうに考えております。 それから、特に中小企業におきましては、この投資教育自体、自前でやるとなかなか負担になるという御指摘も従来ございまして、こういった投資教育につきまして企業年金連合会で共同実施ができるような、そういったスキームもこの法案に盛り込んでいるところでございます。こうしたものを通じまして、継続投資教育の実施率向上に努めてまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 努力義務でありますけれども、これが自主的に積極的に行われていくように様々支援をよろしくお願いを申し上げます。 年金制度は、国民年金、厚生年金の一階、二階部分、また私的年金の三階部分があって、今回のDCについてもいろいろと複雑で、全体として日本の年金制度というのは余り分かりやすいとは言えないかもしれないと思います。しかしながら、こうした制度に対する十分な国民の理解というものが国民一人一人のしっかりとした老後の所得の確保に結び付いていきますし、年金保険料の納付率の向上にもつながっていくと思います。 平成二十六年には、政府において社会保障教育の在り方に関する検討がなされておりまして、社会保障の教育推進に関する検討報告書というものも取りまとめられております。ここでも年金制度の正しい理解などが課題とされております。社会保障については、多くの人に生涯にわたって関心と理解を深めていただく必要がありますけれども、その基礎となるものとして学校での教育を充実させていくことも重要であるというふうに思います。 今日、文科省はお呼びしていませんけれども、年金制度に関する教育の在り方について厚労省の見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 御指摘のとおり、老後の所得保障の確保、あるいはそのための保険料の納付率の向上といったことにおきまして、国民の皆様に社会保障の全般あるいは年金制度の役割を理解していただく、これは本当に大事なことだというふうに思っております。 今御指摘ございましたように、厚生労働省では平成二十三年から二十六年にかけまして社会保障の教育推進に関する検討会、これを開催をいたしまして、そこでの議論、成果を踏まえまして教育の展開を図っております。具体的には、社会保障教育推進のための高校生向けの教材を作成する、そしてその教材を全国全ての高校に配付しますとともに、高校の先生、教員向けの研修会も実施しているところでございます。 それから、年金事務の実施に当たっております日本年金機構とも連携しての作業でございますけれども、年金事務所が各地域の高校と協力して年金セミナーというものを実施をいたしておりますし、また厚生労働省職員自身が大学に出前講座に行くということも試行的な実施をさせていただいております。それから、公的年金をテーマにしたエッセーの募集、こういったことも通じまして、様々な方法によりまして多くの方々に年金の意義を理解していただけるように取り組んでいるところでございますので、この取組をまた引き続き積極的に進めてまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 二十歳になると大学生の方でも国民年金ということでお知らせが来るわけでありまして、そういう機会に大学に出前講座に行っていただいたりなんかしてよく知っていただく機会をつくっていくというのは効果があるのではないかと思います。これからも引き続き文科省とも連携をしていただいて、取組をよろしくお願い申し上げます。 確定拠出年金の運用改善策の一つとして、指定運用方法の導入、これが行われます。現在は通知を根拠に行われているものを法定化するというふうに聞いておりますけれども、この指定運用方法というのは加入者による運用指図がなくてもあらかじめ運営管理機関が定めた運用方法に自動的に入れられるというもので、それによって本人が運用の指図を行ったものとみなされるというものであります。 継続的投資教育の強化によっても運用商品の選択ができないという方も一定程度は出てくるかと思いますので、こうした方法は必要であるかと思いますけれども、先ほど申し上げたように、本人が指図したものと自動的にみなされるということになりますので、加入者の不利益になったりとか保護に欠けるようなことがないようにしなければならないと思います。また、指定運用方法についての基準、これはこれから定めることになると聞いておりますけれども、どのような運用商品を定めていくというふうに考えているんでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 確定拠出年金制度におきまして、やはり運用商品は加入者が選択をするということがこれは基本でございます。ただ、今ございましたように、やっぱり選択に迷うとか忘れてしまったという理由で選択しない方も残念ながら一定数おられるのも事実でございます。この状況をそのまま放置いたしますと、やはり将来の年金受給が十分に確保できない、結果、加入者の方々の保護に欠けるということにもなりますので、今回の改正では、ただいま御指摘のありました指定運用方法につきましてしっかりとした法的整備を行うことにいたしたわけでございます。 具体的には、この指定運用方法の仕組みでございますけれども、これは加入者ができるだけ自ら権利を行使できるように、そういった面にも配慮をしたような手続、仕組みにしていこうということで、具体的には、手順でございますが、まず、従業員が確定拠出年金に加入した際に、当然、指定運用方法の内容についてしっかり周知をする、これが大前提でございます。その上で、納付された掛金に対して一定期間加入者の方がこういうふうに運用してくれという指図を行わない場合、具体的に一定期間と申しますのは三か月以上で各企業年金の規約で定めることにいたしておりますけれども、この期間過ぎても指図を行わない場合には、指図をしてくださいと促すための通知をする。その通知をしてもなお一定期間、具体的には二週間以上で規約で定める期間でございますけれども、なお一定期間指図をしない、こういった場合にはやはり放置をいたしますと保護に欠ける結果につながりますので、当初定めた指定運用方法を選択したものとみなす。こういったような慎重な手続を講じた上で、加入者の保護を図るような法的な枠組みを準備させていただいているところでございます。 それから、この指定運用方法の基準でございますが、これは、長期の物価変動に対応しながら、将来十分年金給付が確保が可能になるような、言わば分散投資効果が見込まれる商品が選択できるように設定する、こういったことを想定をいたしております。 若干抽象的な話になりますけれども、では具体的にどういう基準なり中身かということにつきましては、今後、社会保障審議会の企業年金部会で専門的に検討を進めた上で決定をしてまいろうというふうに考えておりますが、これまでの社会保障審議会企業年金部会での議論などの一端を御紹介いたしますと、例えばライフサイクル型のファンド、これは、加入者の年齢に応じて、若い頃、中年の頃は比較的にリスクの高い商品があっても、退職前においてはリスク回避を第一に考えるとか、そういったライフサイクルに応じて商品の設定が行われるような、そういったライフサイクル型のファンドでございますとか、バランス型のファンド、これは複数の資産を組み合わせることによって適切な資産分散効果、時間分散効果が得られる商品ということでございますけれども、こういったものが諸外国で採用されておりますので、こういったまずは諸外国の事例などを紹介して議論を進めていただいているところでございます。 いずれにいたしましても、この具体的な基準、これは今後しっかり専門的な見地も含めまして、企業年金部会で検討の上、決定をしたいというふうに考えております。
○佐々木さやか君 運用商品の除外についても改正が行われることになっております。加入者に提示をされ、加入者が選んで運用を始めた商品であっても、一定の場合、運営管理機関は本人の同意なしで提示運用方法から除外することができるという規制緩和が行われると承知しておりますけれども、このような改正はどのような趣旨によるものなのでしょうか。 また、除外について同意の意思表示をしなかった者の、加入者のですね、保護というのはどのようになされるのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 確定拠出年金の運用商品でございますけれども、これは状況に応じて適切に入替えが行われるということが重要でございます。 一方で、現在の仕組みにおきましては、この運用商品の入替えにつきまして、商品を選択した方全員の同意が必要であるという仕組みになっておりますので、この商品の入替えを臨機応変にやりたいといたしましても、事実上極めて困難な仕組みになっております。 このために、商品数に一定の制限を設けていく中で、加入者の利便性も考慮しながら、この運用方法のラインナップを更新することができるような仕組み、これを実現しようということで今般の改正案になったわけでございます。 こうした考え方に立ちまして、現在は商品選択者全員の同意を必要としておりますけれども、改正案の中では、運用商品を除外する場合に選択した方の三分の二以上の同意とすることでより柔軟にできるようにしているところでございます。 ただ、この場合に、運用商品の除外を行う際でございますが、慎重な手続ということで、この商品を選択している方に事前に通知をする、その上で、三週間以上で規約で定める期間内に意思表示をしていただくわけですが、この期間内に意思表示をしていただけなかった場合に限って同意をしたものとみなす、そして、施行された日後に納付された掛金につきましてはこの商品選択のみを対象にする、そして、かつその結果をきちんと対象者の方に通知するということで、仮に意思表示が行われなかったといたしましてもその方の利益を損なわないように慎重な手続、保護に万全を期するような仕組みとしているところでございます。
○佐々木さやか君 いろいろな利益のバランスを取って改正を考えていただいたというふうに理解をいたしました。 じゃ、最後にお聞きしたいと思いますけれども、国民年金の保険料の納付率の向上に関してお聞きしたいと思います。 国民の誰もが加入する国民年金、これは年金制度の基盤でありまして、引き続きしっかりとしたものにしていく必要があります。年金保険料についても制度についてよく理解をしていただいた上で納付率を上げていくということが重要であると思いますけれども、中には世帯所得が大変多い、例えば一千万円以上という世帯所得の方であっても保険料を納付していないという方が一定割合いるのが現状であります。平成二十六年国民年金被保険者実態調査結果の概要によりますと、一千万円以上の世帯所得の方でも七・八%の方について滞納している方がいらっしゃると、こういったことでございます。 この改善のための取組を是非していただきたいと思いますけれども、現状の取組、また今後についてお聞きしたいと思います。
○政府参考人(福本浩樹君) お答えいたします。 国民年金保険料の納付率の向上でございますけれども、これは保険料負担の公平性、あるいは年金権の確保、公的年金制度に対する信頼の確保等々の観点から、非常に重要な課題として認識をいたしまして従来から取り組んできておるところでございます。 目下の状況を申し上げますと、この国民年金保険料の現年度の納付率でありますけれども、これは改善をしてきておりまして、二十四年度は五九・〇%、二十五年度は六〇・九%、二十六年度、昨年度ですけれども、これは二十五年度に比して二・二ポイント増でありますが、六三・一%ということになってございます。 今後とも、更なる納付率の向上に向けましては、公的年金制度の周知あるいは教育、広報を一層推進すること、あるいは口座振替やコンビニエンスストアでの納付、クレジットカードによる納付など納めやすい環境を整備すること、あるいは、十分な所得がありながら度重なる納付督励に対しても応じることがなく、保険料を納めていただけない方に対して差押えまで至る強制徴収を実施することなどに取り組んでいくこととしてございます。 先生特に御指摘いただきました高額の所得があるにもかかわらず滞納しておる方に対する強制徴収、これは財産差押えまでに至る手続を踏むということでございますけれども、これまでは税の控除後所得四百万円以上かつ未納月数七月以上という方を対象に実施をしておりましたけれども、今年度、二十八年度からは控除後所得三百五十万円以上かつ未納月数七月以上の方に対して実施をするということにしておりまして、取組を拡大することといたしております。 受給者御本人の方の年金権の確保という観点、さらに年金制度への国民の信頼の確保という観点から、こうした収納対策に引き続きしっかり取り組んでまいりたいと考えておるところでございます。
○佐々木さやか君 じゃ、よろしくお願いをいたします。 以上で終わります。ありがとうございました。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 確定拠出年金、DCは、これは拠出金を加入者が自己責任で運用するということになりますから、これは年金給付が不安定になりますし、企業の運用責任、拠出負担が軽減される。今回のこの法改正も、日本再興戦略改訂二〇一四、金融資本市場の活性化ということが出発点の法改正ではないかと思っていますが、そうですかと聞いてもそうでないというように答えるので、もうこれは聞いてもしようがないので聞きません。 その上で、法案の問題点でいいますと、これはDCについて、リスク・リターン特性の異なる三つ以上の運用商品の提供を義務付けるとともに元本確保型商品の提供義務を削除する、これが最大の問題だという指摘はさっきもあったようであります。私もそう思います。 そこで、局長に聞きますが、衆議院の審議の中で、当時のあのときの年金局長は、元本確保型商品を必ず一つは入れなさいという公的な規制を掛けるのは過剰規制だと答弁されているんですね。これ、過剰規制だったんですか、今までの制度は。今までの制度に問題があったということを認める答弁です、これ。そういう認識なんでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今の御質問、今般の改正の考え方に関わるものでございますので、若干御説明を申し上げたいと思います。 これ、確定拠出年金法が創設されました当時は、我が国の国民は一般的に金融商品による資産運用に必ずしも慣れていない、こういうことも踏まえまして、直ちに制度施行による混乱が生じないように、三つ以上の商品提供のうち少なくとも一つは元本確保型商品を提供する、これを義務付けたと、こういう経緯でございます。 その上で、今般の改正案の考え方でございますけれども、御指摘のように、元本確保型商品の提供義務付けを削除いたしました。これにつきましては、まず、確定拠出年金法の創設から十年以上経過していく中で、加入者も五百二十六万、資産残高十兆円超ということで一定普及が図られているという判断がございます。 〔委員長退席、理事羽生田俊君着席〕 それから、今後、多様な商品を組み合わせた分散投資ということがより重要になっていく、老後の所得確保の手段として重要だということでございますので、より多様な運用商品の提示を促せるような規制とすることが望ましい、そういうような議論が、この法案の基になっております社会保障審議会企業年金部会の議論でもあったわけでございます。 そういった観点に立ちまして、法律で運用方法を縛るのではなく、労使の合意を尊重するという制度の趣旨に沿って、元本確保型の提供を義務付けるということまでは現在の状況においては必要なくなったと考えると、そうした現在の状況の考え方に立てば、振り返ってみれば、規制のレベルとしてこれを上回る規制である。すなわち、必ず一つは元本確保型でなければならないとするのはかなり規制のレベルとして上回った規制でございますので、そういったものを過剰規制という形で表現をしたというふうに理解をいたしております。
○小池晃君 私は、この過剰規制という表現は決して適切ではないというふうに思いますが、十年たったから慣れたというけど、そんな金融商品、みんな慣れているわけじゃないですよ。私は、やっぱりそういう認識はちょっと実態と合っていないというふうに言わざるを得ないと思う。 結局、加入者は、提供される金融商品の中、運用商品の中から運用指図を行うわけですから、やっぱり元本確保型の商品がその中にないというのは、加入者のリスクを、別に必ず元本確保型を採用しなさいと言っているわけじゃない、その選択肢の中に入れておくかどうかという問題で、そこにやっぱりきちっと元本確保型を入れておくということは、私はこれ、今の国民の金融商品に対する向き合い方から見て、最低限やっぱり財産権を守る、リスクを減らすためには必要なことだというふうに思います。決して過剰な規制ではなかったと思いますし、逆にやっぱりこれを削除してしまうということは、加入者のリスクを増やすし財産権を侵害する、そういう問題点があるというふうに言わざるを得ないと思います。 それから、今回の改定では、事業主掛金納付制度、簡易型DCの対象を中小企業に一応限定しているわけですが、大臣、このことについては企業年金部会の議論の整理で、将来的には企業全般、すなわち大企業にも拡大する方向で検討すべきだと言っている。 これ、大企業にも適用を拡大するというのが厚労省としての方針でしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の簡易型確定拠出年金制度など、今お話があった小規模事業主掛金制度など、これらにつきましては、企業年金の設立、運営の事務負担が困難な中小企業において確定拠出年金が実施しやすくなるようにということで、特例的に認めるということにいたしたわけでございます。 具体的には、簡易型確定拠出年金制度では、労使合意によって掛金を自由に設定できる、そして適用対象者も限定できる通常の制度に比べて、事務管理の手間や手数料が抑えられるように掛金を一定額に固定をして、また適用対象者も全員としていると。それから、今の小規模事業主掛金納付制度、これについては、個人型の確定拠出年金を行っている従業員にのみ事業主が掛金を追加拠出する仕組みであって、従業員の個々人の選択によって取扱いに差異を設けない企業年金の例外だと。こういうことから、企業年金の実施割合が低く、また通常の企業型の確定拠出年金を設立して運営することが難しい状況にある従業員百人以下の事業所に限定をしたわけであります。 ですから、これはまずは中小企業にも企業年金を導入をしていただいて、その後将来的に労使の意向が尊重され、老後所得の確保により資する制度である通常の企業型確定拠出年金への移行を検討していただきたいと考えているわけでありますが、中小企業以外の今お尋ねの事業所については、労使の合意によりその事業所の実態に合った制度設計を行うことができる通常の確定拠出年金制度等を導入していただくべきであって、今回の措置を大企業にも適用していくことは考えていないところでございます。
○小池晃君 最後のところだけ言ってくれればいいんですよ、延々と言うけど。 しかし、やっぱり中小企業を口実にしながら、結局、労使合意、労使合意とどんどん広がっていくような仕組みなんじゃないですか。この点もやっぱり私は懸念を持つわけであります。 〔理事羽生田俊君退席、委員長着席〕 それからあわせて、企業年金についてちょっと聞きたいことがあるんですが、確定拠出年金、DCと確定給付年金、DBの資格喪失日の定義の違いについて、どのように違うか、簡潔に答弁してください。
○政府参考人(鈴木俊彦君) この資格喪失の時期でございますけれども、確定拠出年金の場合には、確定拠出年金法の第十一条におきまして死亡とか退職などに至った日の翌日というふうに規定をされております。これに対しまして確定給付企業年金の場合には、この法律の第二十七条におきまして、死亡や退職などに至ったときというふうに規定されておりまして、具体的な日までは明確に規定をされていないということでございます。
○小池晃君 今答弁あったとおり、DCは資格喪失日が退職日の翌日、すなわち三月三十一日に退職したら四月一日が資格喪失日になるわけです。それに対してDBは、基本的には各年金の規約に任されているとは思うんですが、多くは今の説明でいうと退職日がそのまま資格喪失日になるわけですね、この違いがある。そのため、転職などで両方を渡り歩いた場合に、通算加入者等期間が一か月抜け落ちるケースが出てくるわけです。 確認しますけど、例えばある人がDB加入の企業を三月三十一日に退職してDC加入の企業に四月一日に就職した場合に、DBの資格喪失日は三月三十一日となり、それからDCへの加入日は四月一日となるというケースが出てくると思います。企業年金の加入の有無は月末の加入で判定される規定になっている年金が多いために、その場合にこの人は三月はどの企業年金にも加入していなかった扱いとされて、二月までDB加入、四月からDC加入、こういう形で通算加入者期間が算定されることになる。 私が言った説明は間違っていますか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今御指摘の事例についてはそのとおりでございますけれども、その理由についてちょっと御説明させていただきたいと思います。 このように確定拠出や確定給付の法律上の仕立てがこうなっておりますのは、制度の沿革がございまして、御案内のように確定拠出年金は全く新しい制度として創設をいたしましたので、この資格喪失日につきましては公的年金を参考として規定を作ったわけでございます。一方で、確定給付の企業年金というのは、御案内のように、既に税制適格退職年金でございますとか厚生年金基金とか既に先行する制度があって、その制度から移行してくる、この円滑な移行をしっかりと受け止めることができる制度設計とする必要があると、こういった事情も想定いたしまして、この資格喪失時期を日ということで特定するのではなくて、それぞれ労使合意に基づいて決めることができる、そういった柔軟な制度設計にしたというのが沿革でございます。 その上で、今先生の御指摘のような事例においてはそういうことが起こり得るわけでございますが、これは、確定給付企業年金の給付の基礎となった期間が、今先生の御指摘の事例ですと、抜け落ちているという月は給付の基礎になっておりませんので、仮にその期間が通算加入者等期間に入らなくても、特段、御本人に不利ですとか、あるいはおかしなことが起きるといったことではないというふうに承知をいたしております。
○小池晃君 いや、そんなことないですよ。不利にならないというけれども、確定給付年金の場合、多くは雇主が掛金払っているわけで、月末退職であれば、これ、雇用主は掛金の負担を免れることになるわけですね。労働者は企業に雇われて働いていた一か月分、年金資産の積み上がりが一か月分減るわけですよ。それから、六十歳を迎えたときに通算加入者等期間が、例えばこういう今のケースのような形で、十年実は働いているけど九年十一か月になるというケースであれば、十年だったら六十歳から受け取れる年金がこれ六十一歳からということで一年先送りになりませんか。これは大きな不利じゃないですか。 大体、沿革が沿革がって、生まれ育ちはそうかもしれない、しかし、十年たって定着したとか言っているくせに、これはポータビリティーとか言っているくせに、何で違うんですか、この資格喪失日の定義が。 これ、大臣、DCとDBで法律上の資格喪失日の定義が異なるというのは、私はこれは法の不備ではないかと。今言ったような形で、これは加入者にとっても不利益が生じ得るわけですよね。このことを、大臣、どう思いますか。私はこれ見直すべきだと思いますが。前に通告してあるじゃない。
○政府参考人(鈴木俊彦君) ちょっと事前に補足説明をさせていただきます。 これは、必ずしも法律でこういうふうにどちらかにしろということで縛っているわけではございませんで、労使合意でございますので、仮に、今先生御指摘のような事例について、例えば労側がそれはおかしい、不利であるということであれば、労使の合意を通じて設計ができるということでございますので、必ずしも法律で端的に必ず不利益が生じるような仕組みかというと、そういうこともないというふうに理解をしております。
○小池晃君 私は、その労使合意、それは規約変えればできるわけですよ、労使合意で、そんなの分かっていますよ。法律上これは不備じゃないですかと聞いているんです。大臣、答えてください。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは今言ったことを繰り返すようなことになりますが、この御指摘の通算加入者等の期間の取扱いについて今御指摘があったわけでありますけれども、やはり確定給付企業年金制度とそれから確定拠出年金制度、それぞれの制度の考え方が違うわけでありますから、今申し上げたとおり、算定をする際には適正に算定をしている期間を基に設定をされているわけでありますので、法の不備ということではないのではないかというふうに思っておりまして、特に柔軟な労使合意をしっかり行っていただくということを大事にしていくという制度が片っ方にあるわけでございます。
○小池晃君 いや、法の不備を労使合意で補うという話じゃないですか。おかしいですよ、これは。やっぱり法律上、そんなに重大な何というか決定的な党派間の共産党と自民党で考え方が違うような問題を私提起しているんじゃなくて、これはちょっと普通に考えたら何かおかしいなと思ったから素朴に質問しているわけで、やっぱりこういったことはちゃんと見直すべきではないかということを改めて、ちょっと不備は認めたくないのかもしれませんけれども、私はこれ不備だと思いますので、きちっと検討していただきたい。 検討する、これはどうですか。大臣、検討してくださいよ、これ。
○国務大臣(塩崎恭久君) 問題点、指摘はしっかり受け止めたいと思います。
○小池晃君 素直じゃないですね、何かね、本当にね。まあいいけど、まあしようがない。 年金の受給資格期間についてちょっと聞きたいんですが、公的年金の受給資格期間が、フランス、ベルギー、オランダ、スウェーデンはそもそも資格期間が存在しません。ドイツ、イタリアは五年です。イギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリア、韓国、アイルランドは十年です。今国会で社会保障協定を批准したフィリピンも十年です。 大臣、日本の二十五年は異例の長さであるかどうか、これ端的に認識をお伺いしたい。日本の二十五年は異例の長さでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、一部御指摘をいただきましたけれども、例えばアメリカ、カナダ、豪州、韓国などは十年というようなことがあって、我が国のこの受給資格期間というのが比較的長いということは私もかねてから思っていたところでございます。
○小池晃君 長過ぎると。十年への短縮、これ遅きに失したとはいえ、当然だと思います。 しかし、これは消費税率一〇%の実施日ということになっている。今、一〇%延期というような話も出てきている。そういう中で、これどうなるんだと、今日の新聞でも報道がされておりました。 私、これ事務的に聞きたいんですけれども、受給資格期間を十年にした場合、新たに受給資格を得る対象者と国への財政影響はどうでしょうか、局長。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 御指摘の点につきまして、社会保障・税一体改革の関連法案、当時の試算によりますと、この受給資格期間を二十五年から十年に短縮するということによりまして新たに受給資格を得る方を約十七万人と見込んでおります。その上で約三百億円の費用が必要ということになっているところでございます。
○小池晃君 三百億円なわけですね。 大臣、財政への影響は、大きいお金ではあるけど、それほど莫大なものではないわけです。私は、これは消費税率一〇%の時期とは切り離して考えるべき課題なんじゃないかと。まあ一〇%延期するかどうかということでいうと、やりますとかって言うんでしょうから延期を前提にした質問にはしませんが、やっぱりその一〇%ということと、既に一回延期したわけですね、そういう意味では、一〇%増税を。十年ならば受給資格得られるという方たちからは、いつまで無年金のままにするのかという声も上がっています。 私は、この問題は、現役世代に対しても、既に十年以上保険料納付している人に、やはりその納付意欲を高めるメッセージにもなると思うんですね。制度の持続可能性ってよくおっしゃいますけど、そういう点でいうと、やっぱりこの資格期間の短縮というのは消費税とは切り離してこれは実施をするという決断すべきじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 前回、この二%引上げを延期をした際に、いわゆる年金生活者支援給付金と一緒に、十年に短縮することについて先送っているわけでありますが、やはりこれは財政をどう考えるかということで、毎年、当然資格が短くなれば、それだけ今お話のとおり三百億ぐらいの恒久的な毎年の財源が必要になってくるわけでありまして、そういう際には、やはり恒久財源を見付けてこなければいけないということで、その財源を考えなければ赤字国債ということになるわけでありますので、そこのところはやはり財源を確保して実施すべきだということで、この年金生活者支援給付金と同じように、一〇%への引上げ時に実施するということを法律上規定をしたということでございます。
○小池晃君 私は、これまで更に先送りするということはすべきでないと思いますよ、やっぱり。財源はもちろん三百億円手当て必要だけれども、三百億円ですよ。これはやっぱり消費税増税しなければ実現できないというような中身ではないというふうに思いますので、改めてそのことを求めます。 残った時間で年金積立金の問題、これ、予算委員会でやった続きみたいになりますが、今日、資料で、予算委員会で配った資料の続きの、海外投資家と信託銀行の売り越し、買い越し額の推移、出しました。 これ見ますと、いわゆるポートフォリオ変更、二〇一四年十月末以降の七十四週間で海外投資家と信託銀行の買い越し、売り越しがどうなっているのかを見ました。七十四週のうち海外投資家と信託銀行が同じ行動を取ったのは二十五週、一方で異なる行動を取ったのは四十九週と、約七割が正反対の動きになっている。海外投資家が買い越した三十五週のうち信託銀行が売り越したのは約半分です。一方で、海外投資家が売り越した三十九週のうち八割を超える三十二週で信託銀行は買い越しています。今年に入ってからは十二週連続で海外投資家が売り越し、信託銀行が買い越し。年度末を越えた最後の週はどちらも売り越しになっているんですね。四月一日越えて安心したのかもしれない。 これ見れば、大臣、予算委員会でも議論しましたが、これは年金マネーが株価を買い支えているという構図は誰が見たって明確じゃないですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 信託銀行の行動についての分析をいただいたわけでありますが、何度も申し上げておりますけれども、年金の積立金の運用というのは、長期的な観点から専ら、専ら被保険者の利益のために安全かつ効率的にやるということでありまして、信託銀行は別にGPIFのために働いているわけではないのであって、民間のお金を集めて、信託で受けて、資産運用をやっていらっしゃるということであるわけでありまして、私どもが信託銀行を通じて運用していることは、委託していることは間違いないわけでありますけれども、その売買の額とかタイミングとか、そういうことはGPIFが直接指示するということは法律で認められていないわけであります。 したがって、先ほど申し上げたとおり、他の年金の資産も運用している信託銀行でありますし、あくまでも民間の話でありますので、GPIFの売買と同一視するというのはなかなか面白い分析ではありますが、これは必ずしもGPIFの行動とは関係のない話でありますし、私どもは指示をしてはいけないわけでありますから、これで株価の買い支えを自由自在にやっているというようなことは全くないということでございます。
○小池晃君 これは私が言っているだけじゃないんですよ。例えば、東京新聞では、GPIFの問題について、信託銀行が買い越しを続けている、これはGPIFの委託と見られるというふうに報道している。日本経済新聞も、GPIFの動きを映す信託銀行が大規模な買い越しを続けていると。 結局、やっぱりこの信託銀行の動きが、これはもちろん私的年金だってありますよ、しかし、公的年金、GPIFがこの中で大きな割合を占めていることは間違いないわけです。しかも、私ども計算してみたらば、GPIFの運用資金のうち二十三・九兆円、これは国内株式で運用していた。これが一年三か月たった昨年末には株価が上がって、そうすると、株価の上がりと比較をすると二十八・一兆円になっているはずなのが、昨年末、三十三・一兆円になっている。ということは、この期間に五兆円近く買い越ししているということになる。ところが、信託銀行の買い増し額をこの一年三か月の間に見ると三・六兆円なんです。結局、信託銀行に委託している年金積立金以外の市場参加者が売り越しになっている、だから、むしろGPIFはもっともっと買っている、これはもうごく一部でしかないということにしかならないんじゃないか。 大体、そんなことを言うんであれば、年金積立金による株の売り買いの数字出してくださいよ、信託銀行で推察するしかないんですから、我々。だから、それは違うんだ違うんだというんだったら、年金資金でどうやって売り買い、何を買っているのかはいいですよ、どれだけ売り買いをやっているのか出してください。
○国務大臣(塩崎恭久君) それを含めて年度の分析と実際の資産運用の中身についてつぶさに開示をするというのがあるわけでありますので、これは七月に行われるということでございますので、毎年それをしっかりと分析をして、特に今年はちょうどGPIFがスタートして十年の節目でありますから、しっかりとした分析を今準備をしつつあるというふうに私は理解をしております。
○小池晃君 その発表日ですよ。資料の二枚目見てください。何で七月二十九日なんですか、今年。おかしいじゃないですか。 これ、七月三十日に発表した平成十三年度、これは自主運用を開始したから遅れたと聞きました。それから、平成十八年度、七月三十一日になっているのは、GPIFが発足したからだと聞きました。今年何で遅れるんだといったら、十年目だからと。関係ないでしょう、そんなの。これ、何で七月二十九日なんですか。参議院選挙が終わってから出すという話じゃないですか、どう考えたって。 これ、私ども計算してみました。国内株式では、この一—三月期、少なくとも四兆円程度損失見込まれます、これは低く見積もっても。さらに加えて、外国債券が全部有利なアメリカ国債だとすると、これは三か月間の利子せいぜい一千億円ぐらいです。それから、ニューヨーク・ダウは一・五%この間上昇していますが、これは五千億円ぐらいの収益だと思います。しかし、為替差損が三・三兆円程度発生している可能性が高い。したがって、国内株式以外でも二・七兆円のマイナスになっているのではないかというふうに思われます。国内株式の損失四兆円を含む年金積立金では、この直近三か月で六・七兆円程度の損失が出ているんではないかというふうに私ども思うんです。年度ベースでは十二月までマイナス〇・五兆円ですから、これは年間では七兆円を超えるマイナスになっているんではないか、これは私どもそういうふうに考えているんですが、こういう数字が出たら参議院選挙大変なことになるから、だから七月二十九日まで発表を延ばそうというのが皆さんのやり方じゃないですか、違うんですか。
○委員長(三原じゅん子君) 塩崎大臣、時間が来ておりますので、短くおまとめください。
○国務大臣(塩崎恭久君) そのようなことは全くないということをまず申し上げておきたいと思います。 つまり、これは年金資金の、資産の運用というのは本当に長期的に見ていくわけで、これ財政検証をやる際も二十五年の先まで見通して、経済前提を置いて幾つかのケースを出しているわけでございまして、そういうことを考えてみれば、単年度のマイナス、プラス、それはいろいろございますが、私たちはそれを別に隠すつもりなんかは全然ないし、いずれにしても出てくるわけでありますから、それはきっちりとした分析を御提示をして、どういうことをやっているのかということを、今回は特に、まず第一に、この公表日を事前に明らかにしたということも初めてであって、余計な臆測を呼ばないようにということでもございました……
○委員長(三原じゅん子君) 時間が過ぎております。
○国務大臣(塩崎恭久君) それともう一つは、開示の内容も今回充実をして、銘柄ごとにどうするかとかそういうことをいろいろ議論をしているところでありまして、十年の節目であることも間違いないわけでありまして、そういうことを併せてやっているわけで……
○委員長(三原じゅん子君) 時間が来ております。おまとめください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 参議院選挙がいつあるのかは別として、自然体で七月末までの発表ということでやっているんだろうなというふうに私たちは理解をしております。
○委員長(三原じゅん子君) 時間でございます。
○小池晃君 全く納得できないと言って、終わります。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、小西洋之君及び長沢広明君が委員を辞任され、その補欠として礒崎哲史君及び河野義博君が選任されました。 ─────────────
○東徹君 おおさか維新の会の東徹でございます。 今日からようやく会派の略称名も維会から維新に変わりまして、本当にいろいろと御協力いただきまして、ありがとうございました。ようやくすっきりしたのかなというふうに思っております。 衆議院の方では、うちの会派の議員があほとかばかとか大変失礼なことを申し上げまして、これは国会の品位に欠けるというふうに思っておりまして、これはおわびを申し上げたいと思います。 ただ、これ、先週からこの厚生労働委員会、大事なこれは法案が本当にめじろ押しで、これは時間がない中、これは三月、皆で一生懸命もう毎日委員会やってきたその委員会が先週の金曜日、これが飛んだということで、本当にまさかそんなことないだろうな、いや、もうTPPよりもこっちの厚生労働委員会の方が大事だというふうにおっしゃっていただいた先生もおられましたので、僕はもう本当に安心をしておったんですけれども、それが飛んでしまうという、もう各全大臣を張り付けにするという、そういうやり方も本当にいかがなものなのかなというふうに思いますし、また、今週の火曜日もTPPの法案の関係で審議をしないというわけで、これは衆議院のことで起こった出来事を参議院の方に持ち込むということも全く私には理解ができませんで、これは本当に文句が言いたくて言うところがないんでこれは三原委員長に言うしかないのかなと本当に思うわけですけれども。 これ、参議院の独自性とか自民党の先生方も民主党の先生方もよくおっしゃるわけですよね。参議院の独自性というんであれば、これは参議院では是非やっぱり審議を続けていくべきであるというふうに思いますし、そしてまた、我々は一院制を目指しておりますから、皆さん、独自性、独自性というんであれば、これはもう是非参議院では審議をしていただきたいというふうに思います。 よく立憲主義、立憲主義というふうにおっしゃいますけれども、憲法四十一条で、これ、「国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。」というふうにあるわけで、立法機関だったら当然、これ法案を審議していくのが当然だというふうに思うわけでありまして……
○委員長(三原じゅん子君) 東委員、そろそろ法案の質疑に移っていただきたいと思います。
○東徹君 これは委員長から答弁してもらっても答弁されないと思いますので、これについては本当に是非こういったことがないようにこれからはしていただきたいというふうに思います。 これで終わってもいけませんので、今日の法案について質問させていただきますけれども、今回のまず確定拠出年金法等の改正案でありますけれども、これは企業年金を充実させていこうというものでありますけれども、その前提として、公的年金がどのような状況であるかということは重要だというふうに思っています。 まず、現在の国民年金の納付率についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(福本浩樹君) 国民年金の納付率でございます。 いわゆる現年の納付率、これは近年、前年に比べて上昇してきておるというところは先ほどの質疑でも答弁申し上げました。二十四年度は五九・〇%、二十五年度六〇・九%、二十六年度は六三・一%ということになっておるんですけれども、お尋ねは更に進んで、直近の二十七年度の国民年金保険料の納付率がどうなっているかという話でございますが、月々公表いたしておりますけれども、今最新の数字としては、二十八年一月末現在の数字、五九・九%というのがございまして、これは前年の同月の納付率、六〇・五%に比べますとマイナス〇・六ポイントということになっておるところでございます。 この理由でございますけれども、これは日本年金機構による不正アクセスによる情報流出事案、昨年発生をいたしまして、このときに成り済ましによる不審電話等との混同を防ぐという観点から、昨年六月からですけれども、その事案発表以降、未納者に対して通常行っております電話あるいは個別訪問あるいは文書による納付督励業務ということを見合わせておりました。その結果として納付率が前年度を下回っておる状況にあるのではないかというふうに分析しておるところでございます。
○東徹君 納付率、長く答弁していただきましたけれども、納付率だけお聞きしたかったんですが、これは端的に、二十七年と二十八年比べると納付率が下がっているわけですよね。これ、納付率を上げていかないといけないというときにこれ下がっているという点、今いろいろと下がった理由についてもありましたけれども、これはやっぱり上げていかないといけないというのは当然であるというふうに認識されていると思いますので、上げていただきたいと思います。 一点、国民年金についてですけれども、報道でありますが、平成二十六年度で二年間滞納になった国民年金の保険料というのがありまして、これが五千四十四万か月分、ちょっと非常にあれですけれども、金額にすると八千億円もあるんですね。国民年金、これは払わなきゃいけない、これ、皆保険、皆年金ですからね。これは皆保険、皆年金であるにもかかわらず、二年間滞納になった金額が推計で八千億円あるというふうに言われていまして、このうち滞納保険料全体の数%程度しか強制徴収されていないというふうなことで、ほとんど回収ができなくなっているというふうなことであります。 これは、税金や保険料の回収不能額というのが年間一・三兆円あるんです。税金や保険料の回収不能額年間一・三兆円ですから、八千億円あるということはこの六割にこれは相当するわけで、半分以上が回収不能の中の国民年金だということになるわけですけれども、この点に対してどう思われますか。
○政府参考人(福本浩樹君) 御指摘の報道の数字、幾つかあるわけでございますけれども、この数字は公表されておる統計数値から新聞社が独自に推計をして、徴収できなかった国民年金の保険料の額などを算定しているのではないかというふうに考えます。八千億円と出ておりますけれども、この報道の趣旨に沿う数字、すなわち、これが徴収できなかった国民年金の保険料の額ということでありますと、我々の会計数値から拾いますと、大体これは七千五百億ぐらいで、少し下がりますけれども、数字になっております。 この七千五百億の数字ですが、これは逐年減少傾向にはございまして、二十六年度七千五百三十七億円ですけれども、二十五年度は八千六百四十二億円ということで、収納状況は改善してきておるところでございます。 それから、あと強制徴収の割合でありますけれども、国民年金の未納者に対していろいろ納付督励を行います。まずは、全員に対して文書あるいは電話、訪問等によって納付の督励をまず行った上で、強制徴収といいますのは差押えまで至るいわゆる強制的な手続でありますけれども、絞り込んで、所得が高いにもかかわらずなお納付がない方々に対してこの徴収手続に進めるということにいたしておりまして、未納者全てに強制徴収という手続を取っているわけではございませんが、これは、強制徴収の対象者は順次拡大をして納付率の向上に努めてきておるところでございます。
○東徹君 国民保険料の未納者、払っていない人の中には、これ、よく言われる話ですけれども、国民年金よりも生活保護の方が金額が大きいというふうなことがあって、国民年金に加入するのではなくて、将来生活に困ったら生活保護を受けたらいいじゃないですかと、そういう感覚の方もおるというふうによく聞きます。 将来の生活保護受給者を減らしていくためにも、国民年金の保険料の納付率、六割でも僕は非常に低いと思っていまして、これもっともっと上げる必要があるというふうに思いますけれども、この点についてどう思われますか。
○副大臣(とかしきなおみ君) 委員御指摘のとおり、将来の生活保護の受給者を減らしていくためには国民年金の保険料納付率を上げていく必要があると、このように考えております。納付率が低迷いたしますと、国民年金保険料の納付が国民の義務とされている中で、保険料を納めている方と納めていない方との公平性の問題や、年金制度への信頼性の問題があるとともに、低年金、無年金となる方の増加など、年金受給権の確保の問題があると、このように考えております。 納付率は近年改善傾向には少しあるんですけれども、更なる納付の向上に向けまして、これは公的年金の周知徹底、あと教育やそして広報、これを推進していくとともに、やはり納付しやすい環境も一緒に整えていくことが重要だと考えておりまして、口座振替やコンビニエンスストアでの納付、クレジットカードの納付、こういったことも利用していただけるように考えております。 また、厳しくチェックしていくために、十分な所得がありながら度重なる納付督励にも応じず保険料を納めていただけない方に対しましては、差押えに至るまでの強制徴収の対象を拡大してまいります。これまでは、控除後の所得四百万円以上かつ未納月数が七か月以上を対象としてまいりましたけれども、平成二十八年からこの控除後所得が三百五十万円かつ未納月数が七か月以上ということで、全ての滞納者に督促を実施するとしており、今後ともここの取締りはしっかりとして、収納対策に引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと、このように思っております。
○東徹君 いつもそういう御答弁なんですけれども、なかなかこれ上がっていかないので、やっぱり本当に納付率を上げる努力をやらないといけないというふうに思います。やはりもうちょっとこれは目標を決めて、六割というのでは駄目なわけでして、国民健康保険の方はあれでしょう、ほぼ一〇〇%近いと思っておりますので、国民皆年金、皆保険というんだったら、年金も当然やっぱり一〇〇%に近づけていっていただきたいというふうに思います。 あと、次に、厚生年金の加入逃れについてでありますけれども、厚労省の推計で、本来は公的年金制度で二階建ての厚生年金に加入できるはずなのに一階部分の国民年金しか加入していない会社員、これが約二百万人いるというふうに言われておりますけれども、その未加入の疑いのある企業がまたこれ七十九万社あるというふうに言われております。日本年金機構からは、今月から国税庁からもらった企業法人番号を活用し、未加入の企業を特定した上で、悪質な企業には立入検査を実施していくということですけれども、現状どうなっているのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(福本浩樹君) 未適用事業所に対する適用促進でございますけれども、これは従来から重要な課題として認識をして取り組んできておるところでございます。 具体的な対応を申し上げますと、雇用保険の適用事業所の情報でありますとか、法務省の法人登記簿の情報でありますとか、国税庁の所得税の源泉徴収をしておる事業所の情報、こういうものを入手をいたしまして、それを厚生年金適用事業所の名簿とコンピューター上突き合わせることで未適用事業所と思われる事業所を洗い出して、その先は個々の年金事務所において事業所に対して加入指導を行うというような取組を行ってきておるところでございます。 直近の実績でございますけれども、平成二十七年度、四月から一月末までの実績でありますが、十か月間になりますけれども、八万事業所を今申し上げたようなスキームで加入指導し、適用しているところでございまして、平成二十二年度、これは四千八百件でございましたから、それと比べますと大幅に今増加をしてきているところでございます。 今後の取組につきましては、今先生も御指摘ありましたけれども、国税庁より従来よりもらっております源泉徴収の事業所、これに法人番号を付してもらうようになります。厚生年金の事業所との突き合わせも、従来は法人の名称、住所、こういうもので突き合わせておりましたけれども、双方の法人番号を用いて突き合わせを行うことができますので、効率的に未適用事業所を洗い出しができるということになるのではないかということと、それから、いずれにしましても、このコンピューターで突き合わせた結果は、その先は真にこれが未適用の事業所であるかどうかを見極めることをし、そういうことになりますと、事業者の方に対して説明をして、理解を得て、月々の年金保険料を納めていただくという手間の掛かる作業にステップとして進んでまいります。 今、七十九万事業所ぐらいまだ未適用事業所として把握しているところがございますけれども、これを進める進め方としまして、今後は、まず年金事務所、日本年金機構ですけれども、日本年金機構において前さばき的なちょっと調査を調査票を送付するような形で行いまして、事業所の規模でありますとか従業員の構成でありますとか、そういうものの実態を把握して、いずれ数が多うございますから優先的に加入指導をすべき事業所というのを見極めた上で、効率的あるいは計画的に適用促進を進めることを考えてございます。
○東徹君 もうこれ、厚生年金、国税庁にやってもらった方がよっぽど効率的で速いと思いますよ、仕事は、恐らく。 続きまして、日本年金機構が保有する職員宿舎についてでありますけれども、これは日本年金機構が保有する職員宿舎でありますけれども、このうち七棟が入居者がないまま三年以上これは放置されておるということでありまして、この七棟を含めて簿価十五億円相当が、もう事務所や宿舎が有効活用されていないままになっているというふうな指摘が、これ会計検査院からですけれども、されておりますけれども、簿価十五億円のものが有効活用されないまま三年もほったらかしにしているというのはもう大変問題でありまして、これ、どうするんですか。
○政府参考人(福本浩樹君) 御指摘のとおり、昨年十月でありますけれども、会計検査院で指摘を受けました。内容は、日本年金機構において保有財産の必要性を見直すということと、その結果保有財産を処分するということになりますと、その制度の整備が必要だということで、厚生労働省においては、不要財産について国庫納付するような制度の整備をするという指摘がなされたわけでございます。 これを受けまして、日本年金機構においては、保有財産の全般的な見直しを行っておりまして、まずは会計検査院から指摘を受けました宿舎、事務所については処分を行い、国庫納付を行う方針を既に固めておるところでありますし、一方、そのための制度として、厚生労働省においては機構の不要財産を国庫納付するための、これ日本年金機構法の改正法案ということになりますけれども、これを今国会に提出をいたしたところでございます。
○東徹君 早急に進めていただきたいというふうに思います。 次に、確定拠出型年金、DCの現状について伺いますけれども、まず、個人型のDCの加入者、平成二十六年度末で約二十一・二万人いるというわけでありますけれども、これはなかなか、私もまだ入っていないというか、考えておるんですけれども、なかなか入れないんじゃないかなと思うんですけれども、これ、加入者の平均年収って幾らぐらいの方が多いのか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 個人型の確定拠出年金に加入している方の平均年収につきまして、じかに厚生労働省として把握しているわけではございません。 それで、代わりにと申してはなんですけれども、二十六年度の国民年金被保険者実態調査、これ、国民年金一号被保険者のうち個人型に加入することが可能である方、保険を納付している方でございますけれども、その方々の平均所得を申し上げると、百六十三万六千円という状況でございます。
○東徹君 続きまして、企業型DCについてでありますけれども、こちらの方は平成二十六年度末で約五百五万人ということですけれども、企業型DCを導入している企業、これは掛金について大半の企業が事業主のみで負担しておって、七五%程度が企業が事業主負担のみということで、あとの二五%が企業が事業主と従業員双方で負担するマッチング拠出導入企業ということになっていますけれども、事業主に相応の負担があるわけですけれども、どういう規模の企業がどのぐらいの割合で企業型DC導入しているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 企業型の確定拠出年金の企業規模別の実施割合でございますけれども、平成二十五年就労条件総合調査を基にいたしますと、企業人数別で申します、一千人以上の企業で三五・一%、三百人から九百九十九人までで二八・六%、百人から二百九十九人までで一三・六%、三十人から九十九人までで五・七%という状況でございます。
○東徹君 なかなか小規模の中小企業にはまだまだ入りにくいんだなというふうに、導入しづらいんだなというふうに思います。 今回の法改正で、個人型DCの加入可能範囲を、それまでの加入できなかった企業年金加入者とか公務員とか第三号被保険者まで拡大することになっていくわけですけれども、現在の加入者二十一・二万人ですけれども、加入可能な方が四千百十六万人おられるわけでして、全体から見れば〇・五%しかないわけですよね。 これ、どの程度拡大していこうというふうに考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(とかしきなおみ君) 個人型の確定拠出年金への加入は任意でありますので、どれだけの方が加入するかは一概には残念ながら申し上げられませんけれども、こちらとしては、できるだけ多くの方に制度に加入していただいて老後所得の確保を図っていただきたいと、このように考えております。 このためには、やはり国民年金基金の連合会の法的業務に個人型確定拠出年金の広報啓発活動を追加するなど、認知向上のための広報活動を積極的に展開するなどの取組も考えております。また、NISA、これは成功事例ということで参考にしながら、こちらとも連携しつつ制度の広報活動を行うなど、とにかく認知向上を高めていって、一人でも多くの方に御利用いただけるように力を尽くしていきたいと、このように考えております。
○東徹君 やはりこれも、おっしゃられるように、所得確保していくために自助努力をしてもらわないといけないわけですから、これはしっかりと増やしていくんだという目標を是非立てていただきたいなと思います。 個人型DCについて、今回の法改正によって加入を促していくわけですけれども、加入者個人の手数料負担というのが非常にこれ高いなと思うんですね。信託報酬等の運用商品に掛かる手数料を含めて、現状、年間どの程度の加入者が手数料を負担しているのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 個人型の確定拠出年金でございますけれども、新規に加入した場合、ただいま御指摘あったように、信託報酬も含めまして年間約一万円程度の手数料を負担しているというふうに承知をいたしております。
○東徹君 年間一万円の手数料を払って加入しないといけないわけですから、年間一万円の手数料、そう簡単に払おうかなと思う人というのはもうなかなか厳しいなというふうに思うんですね。 企業型DCについて事業主が加入者一人当たりどの程度の手数料を負担しているか、これもお伺いしたいと思います。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 企業型の確定拠出年金でございますけれども、事業主が制度導入時に地方厚生局に資料を提出しております、それを基に手数料を集計いたしましたデータでございますが、加入者一人当たり年間約一万円程度の手数料、これを事業主が負担しているものと承知をいたしております。
○東徹君 これは、結局、個人が加入しても一万円、企業が加入しても一人当たり一万円ということで、非常にこれ手数料高いんですよね。 これはイギリスの例に倣ってなんですけれども、DCの手数料負担、これを抑えるために手数料の上限規制を設けることとか考えたらどうかなというふうに思いますし、もう時間がないのでもう一つ併せて聞かせていただきますけれども、個人型DCについては、現状は国民年金基金連合会以外はこれ取り扱えないということになっているわけですよね。だから、ほかにも取り扱える機関を増やして競争を導入さすとか、そういったことで手数料を下げていくということを検討されてはどうかと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 基本的には民間の企業が運営管理機関をやっていただいているわけで、その手数料ということになって、確かに一万円、特に個人の場合には個人負担になりますから、これをどうするかということは、御指摘の点についてはしっかり受け止めなければいけないと思っております。 基本的な考え方としては、やはり民間の企業が自らのコストに合わせて手数料をしっかりと設定するということにおいては、やはり民間機関同士の、つまり運営管理機関同士の競争が適正に行われる中で下がっていくというのが普通だろうと思うわけでありますから、そういう意味では、確定拠出年金の加入者数を拡大していくということが大事でありますので、今回、様々御提案を申し上げて、三号被保険者等々、今までなかなか難しかったことに解決を見出して御提案を申し上げておるので、そういうところでしっかりとコストが下がっていくように競争を促進してもらいたいなというふうに思います。 それから、実施主体について、国民年金基金連合会が個人型の確定拠出年金についてやっているわけでありますけれども、この実施主体については、重複して個人型の確定拠出年金に加入することを防止する観点から、一元的に管理するということでやっている。それから、第一号被保険者の場合には、国民年金基金と個人型の確定拠出年金の拠出限度額が共通であるということで、両者の拠出額を一体として管理する必要があると。 こんなことで、国民年金基金全てから構成される国民年金基金連合会のみを個人型の確定拠出年金の実施主体とすることが最も効率的ではないかということで定めているわけでありまして、一方で、個人型の確定拠出年金については様々な金融機関で受けているわけで、運用商品の提示等を行う運営管理機関についても約百五十社から選べるということで、国民年金基金連合会から記録管理や資産管理などの多くの業務を民間の金融機関等に委託をしているわけであります。 こういうことで、運営管理機関等については加入者の選択肢を幅広く用意した形になっているわけでありまして、金融機関間の競争を促すということで手数料の低廉化を図っていかなければならないのではないかというのが私どもの考え方の基本でございます。
○委員長(三原じゅん子君) 東徹君、時間が過ぎております。
○東徹君 これ、手数料が高いとやっぱり増えないと思いますよ。だから、手数料を下げることをやっぱりまずやらないとこれは増えないと思いますので、是非その御検討をお願いしたいと思います。 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 GPIFは二〇一五年度の運用実績で五・一兆円の損失を出すという見通しが新聞報道で、これは野村証券の西川チーフ財政アナリストが出しているものですが、もう二〇一六年度に入っておりますので、五・一兆円の損失、この見通しで間違いないでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) GPIFの二〇一五年度の運用実績でございますけれども、民間専門家の方が御指摘のような試算をしているということは報道を通じて私どもも承知をいたしております。 二〇一五年度の年金積立金の管理運用実績の状況でございますけれども、これは従来と同様に、業務概況書という形でGPIFにおいて今後公表されるものと承知をいたしております。
○福島みずほ君 でも、見通しってあるでしょう。しかも、もう二〇一六年度になっているので、これは正しいのか正しくないのか、現状ではどれぐらいの損失が見込まれる見通しだと思っているのか、今の概算はどうなのか、教えてください。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 年度の年金積立金の管理運用実績につきましては、従来から業務概況書という形で、きちんとした分析とともに、また決算も経た上で確定数値としてGPIFから公表されるものでございますので、現時点におきまして私どもとして申し上げられるような見通しその他については持ち合わせていないところでございます。
○福島みずほ君 年金積立金の半分が株に投資をされているということは、国民のほとんど全てが、実は年金に入っている人全てが株の投資者です。株を投資している人間であれば、信託あるいは銀行あるいは証券会社に、私の株は損しているのか得しているのか、今幾ら損しているのか、今年、二〇一五年度で幾ら損しているのか聞いて、教えてくれなかったらそれは真っ先に不信感を持つでしょう、どうして私は投資者なのに教えてくれないのか。何で教えてもらえないんですか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) まさに年金保険料は国民からお預かりしております大事な将来の年金資産でございまして、GPIFがそれを将来の年金受給者のためにきちんと運用するということでございます。 その上で、従来から、GPIFの運用実績につきましては国民に分かりやすい形で懇切丁寧にきちんとお示しをするべきである、こういった御指摘を各方面からいただいております。したがいまして、GPIFもこれに応えるということで、業務概況書としてきちんとした分析、国民の方々に、まさにお預かりをしているお金でございますので、分かりやすい御説明とともにお示しする、これを今GPIFにおいて準備をしていると、こういうように承知をいたしております。
○福島みずほ君 私は、せめて毎日出してほしい、あるいは一月ごとに示してほしいぐらいです。何でそんなに時間が掛かるのか分かりません。懇切丁寧な説明など要りません。結果の数字を教えていただくので国民は納得するというふうに思います。 何で時間が掛かっているのか。二〇一五年度はもう、だって終わっているわけでしょう。もう四月ですよ。何でこんなに遅れるのか。もしこれが普通の証券会社や信託、銀行だったら、ふざけるなと言われますよ、私の財産の、投資しているのを今すぐ教えてくれと。何でそんなに時間が掛かるのか、なぜ教えてくれないのかと言って、出さなかったら不信感ですよ。 だから、どうも怪しいというふうに思っていて、どうしてそれをすぐさま言わないのか。言うと国民が不安になるからじゃないですか。でも、国民は株の投資者にさせられているんですよ。塩崎さんが厚生労働大臣になって半分つぎ込んだから、それは前以上に株の投資者に国民がなっているんですよ。 もしこれが五・一兆円の損失だったら、この規模で損失を出すのはリーマン・ショックのあった二〇〇八年度、九・三兆円以来であり、まさにアベノミクス・ショックともいうべきものです。今回の巨額損失の見通しに関する厚生労働大臣の見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは何度も申し上げてきたことで、年金は短期の運用でどうするこうするということではなくて、長期的な観点から運用をしていくということが極めて大事で、これは世界の年金の運用をしている機関は皆同じような発想でやっているわけであります。 市場の動向によって短期的に損失が生じることもございますけれども、そのような動向はまず第一にほとんど大半は評価損益であって、プラスのときもマイナスのときもあるということで、実現損が出ているわけではまだないわけでございまして、これは長い目で見てどうするかということでございます。 長期的な観点から安全かつ効率的な運用を行うというのが重要であって、平成十三年度の自主運用開始から昨年の十二月末までの運用益は、これも何度も申し上げているように、五十兆円のプラスになっているわけでありますし、平成二十四年度から二十六年度までの三か年では毎年十兆円を超えるプラスということになっているわけであります。 これらをトータルで見ますと、年明けからの短期的な市場動向によって年金積立金の運用状況が大きく変化したものとは考えていないところでございます。長期的には年金財政上問題があるわけでは決してなくて、むしろ引き続き大幅なプラスを維持しているわけであります。 御案内のように、資産はニーズに応じた運用ということをやらなければいけないので、これはGPIFに委託をしているのは、名目賃金上昇率プラス一・七というので回してくださいということをお願いをしているわけでございます。 これは、デフレじゃなくなってきた中で、この名目賃金上昇率も今二%とか三%とかそういうことになっていますから、そうなると、それプラス一・七で回らないと長期的に見た年金に必要な資産が回っていかないということになりますので、そういう中で経済情勢に合わせてポートフォリオを変えたわけでありますから、もしこれを、全額を国債に投入をする、投資をするということになれば、明らかにこれは長期的な年金財政に必要な利回りは確保できないということになります。ただ一方で、株式市場に投入をする、あるいは価格変動の大きな、国債に比べれば大きな金融商品に投入をすれば、当然標準偏差は大きくなって、ぶれは大きくなります。 大事なことは、年金でお約束をして支払うといったことが本当に実現できるかどうかが問題であって、仮にこの組合せでないということであるならば、是非どういう組合せだったら一番いいのかということを御提案し、また教えていただければ有り難いなというふうに思います。
○福島みずほ君 それは、こんなに株を投資しないことですよ。日本の株に占めるいわゆる官製相場は一二・七%を占めている。韓国に次いで二番目ぐらいじゃないですか。こんなに多額の株を支えていくのは間違っているというふうに思います。 それから、なぜ早く出せと言っているかというと、二〇一四年十月、安倍政権は多くの国民の心配を押し切って基本ポートフォリオの見直しを強行しました。初年度からこのように多額の損失が出るということであれば、基本ポートフォリオの見直しは失敗だったと言えるのではないですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) まず第一に、株を半分投資している国はないかのようなことをおっしゃいましたが、決してそんなことはございませんで、それはまず第一にどこで運用するかにももちろんよります。それで、それによってそれぞれの国の公的年金は運用をされているわけでございまして、例えばカナダでも国内株式と外国株式合わせて四九%、さらにそこに、いわゆるオルタナティブと言われているプライベートエクイティーがさらに一八%、約二〇%。ですから、これは恐らく先生の感覚からいけば非常にぶれが大きいものだというふうになりますけれども、そういう批判は余りカナダでも行われていませんし、スウェーデンでも国内、外国合わせて四六%の株式を運用をしているわけでございます。 何度も申し上げますけれども、失敗とかなんとかおっしゃいますが、リーマン・ショックを含めた十年間を見ても、今のポートフォリオで回していった場合の利回りは四・三%で回るというふうに試算をされるわけで、変更前のポートフォリオだと三・二%でありますから、今のポートフォリオの方が、リーマン・ショックのような大きな、先ほど九・三兆円とおっしゃいましたが、これを含んだ十年でも今のポートフォリオの方が利回りは高くなるということでございますので、是非、株式をやめるということで御提案をされるならば、何をもってすれば名目賃金上昇率プラス一・七で回せるのかということを御提起いただくと大変勉強になるなというふうに思います。
○福島みずほ君 厚労省とやっていると、長期的に見れば大丈夫と。でも、俺を信じろ、俺に任せろって一番危険なんですよね。一番危険ですよ。悪いようにはしないと言う人は大抵悪いようにしますから、悪いようにはしない、俺に任せろというのは一番危険なんですよ。 乱高下がある、でも長期的に見ればいいんだと言うかもしれないんですが、だったら出せばいいじゃないですか。一番の不信感は、乱高下している実際を出さないからなんですよ。俺は悪いようにはしないって、一番悪いようにするんですよ。出せばいいじゃないですか、乱高下している実際を。それを出すとみんなが不安がるから出さないというのはおかしいと思います。 GPIFは、二〇一五年度運用実績を七月二十九日に公表するとしています。例年七月初旬に公表していることを考えると、参議院選挙の争点隠しにしかほかなりません。三月に締めて三か月以上の時間があるのだから、技術的にも何の問題もありません。公表を七月二十九日まで延ばす根拠はないのではないですか。そんな長い時間がたつというのは、逆に、そうしたら無能の証明なんではないですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これも何度も、先ほど小池先生にも御答弁申し上げたとおりでございまして、今回初めて確定日付を事前に公表することによって不必要な臆測を呼ばないようにしようということで、GDPと同じような発表の仕方をしていこうじゃないかということで、いつもは七月末までということでありまして、皆さんそれで、いつだいつだということでいろいろな臆測を呼んだわけでありますが、今回は七月二十九日ということを事前に公表することによって確定日付を御提示を申し上げたということでございます。 したがって、七月末までの発表ということでありましたが、先ほど小池先生がお配りをいただいた最近十何年間かの日付を見ても分かるとおり、いろいろな幅があって、なおかつ今回は保有銘柄の開示についても新たな開示の仕方をしようということで今やっておりますし、それから、何度も申し上げますけれども、十年の歩みですから、分析も今まで以上にやらなければいけないということで、事前に決めた日付までに確実な開示を行おうと思っておりまして、いろいろな形で推測をされる方々がおられて、それはそれで結構なことだと思いますが、私たちは別に隠す必要もないし、隠す意思もないし、普通に淡々と分析をした上で公表をしてもらうということを今前提として動いているところでございます。
○福島みずほ君 だったら七月一日にすればいいじゃないですか、確定日付を。何も問題ないですよ。どうですか。GPIFの運用実績については四半期ごとの結果が毎期おおむね二か月後には公表されております。第四・四半期の結果が四か月後の七月まで出てこないというのはおかしいですよ。そんなに損させないって胸を張られるんだったら、出せばいいじゃないですか。出してくださいよ。だって、過去の実績だから、臆測でも何でもない。七月一日に出せばいいじゃないですか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 今大臣からも御答弁申し上げましたけれども、これ、従来は七月末までということでございますので、従来から七月末までということでいろんな準備を勘案して、そのまでというものを設定をいたしているわけでございます。 そこで、その上で、今回はなぜ確定日付にしたかと申しますと、従来から行われているような、市場が無用な推測をして、それによる混乱を避ける、そういうことで確定日付で出す。そして、確定日付で出すからには、きちんと今までのような国民に御納得いただけるような準備をした上で出す必要がある。そういう意味で、私ども、大臣が申し上げているように、隠すつもりもございませんし、きちんと公表したいと思っております。 具体的にはGPIFから公表するわけでございますが、繰り返しになりますが、公表は数字だけではなく、やはり国民の方々が、どうしてそうなったのか、年金財政との関係はどうなのか、そういうことをきちんと説明を添えて出すのがきちんとした公表である、こういった考え方でGPIFが七月二十九日というものを設定したというふうに承知をいたしております。
○福島みずほ君 国民のむしろ不信を買いますよ。どうしてここだけ先延ばしにするのか、自信があったら早く出せばいいじゃないですか。こんなに投入したポートフォリオは大成功だったんだったら早く出せばいいじゃないですか。争点隠しですよ。 国家公務員共済年金の二〇一五年度運用実績は、第一・四半期がプラス千百九十六億円、第二・四半期がマイナス二千三百二十二億円、第三・四半期がプラス千八百六十七億円となっております。かなりの乱高下であり極めて不安定な年金運用になっていると考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(可部哲生君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、国家公務員共済組合連合会の二〇一五年度の運用実績は、ただいま委員が御指摘になったような結果となっております。 年金積立金の運用につきましては、市場の動向によっては短期的に損失が生ずることもございますけれども、そのような動向に過度にとらわれることなく、長期的な観点から安全かつ効率的な運用に努めていくことが重要であるというふうに考えております。
○福島みずほ君 いや、これ、国家公務員の人が、OBG聞いたらショック受けますよ。 地方公務員共済年金の二〇一五年度運用実績は、第一・四半期がプラス五千七百四十七億円、第二・四半期がマイナス一兆五千二百八億円、第三・四半期がプラス五千二百八十六億円、つまりマイナス四千百七十五億円で、かなりの乱高下で極めて不安定な年金運用です。いかがでしょうか。
○政府参考人(北崎秀一君) 地共済の二〇一五年度の運用実績につきましては、先生御指摘のとおりの数字となってございます。 私どもも、国共済と同様、年金積立金の運用は市場の動向によっては短期的に損失が生ずることもありますけれど、過度にとらわれることなく、長期的な観点から安全かつ効率的な運用に努めていくことが重要であると考えているところであります。 以上です。
○福島みずほ君 私立学校教職員共済年金の二〇一五年度運用実績は、第一・四半期がプラス六百二十七億円、第二・四半期がマイナス千六百六億円、第三・四半期がプラス六百九億円となっています。これ、またかなりの乱高下で不安定な年金運用になっていますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(杉野剛君) 私学事業団の二〇一五年度の運用実績につきましては、先生御指摘のとおりでございます。 私学事業団におきましても、年金積立金の運用に当たりましては、まずは安全かつ効率的な運用を行い、その結果、必要な年金給付を確保するということが重要でありますけれども、それは長期的な観点から対応すべき課題であると考えているところでございます。
○福島みずほ君 国家公務員、地方公務員、学校の先生たちのOBGの人たちは、この乱高下聞いたらやっぱりショックを受けるというか、長期に見れば大丈夫と言われるけれども、年金財政が本当に大丈夫かと。 この運用について、今日それぞれ回答していただきましたが、やっぱりこれは私は基本ポートフォリオ見直しは失敗だったんじゃないかと思います。失敗じゃないと大臣がおっしゃるんだったら出せばいいじゃないですか、失敗じゃないって。失敗じゃないというのが参議院選挙後だというから、超怪しいというか、もう信じられないというふうに思っているわけです。 GPIFの運用実績でも巨額の損失が見込まれる中で、本法案の一連の改正により国民の老後所得をリスクにさらすだけではないでしょうか。これでは、年金は一階から三階まで総ばくち状態ではないでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 何度も申し上げますけれども、株式は一つの手段としてポートフォリオとして選ばれているわけでありますので、それに代わるということであれば、どういう組合せのポートフォリオで行くのが、先ほど申し上げたような年金の長期の運用として間違いなく確保しないといけない利回りというものを確保できるのかということを是非御提案をいただいて、我々に勉強させていただけたら有り難いと、こう思うわけでございまして、私どもは、投資というのは、資産運用はあくまでも長期的な観点から安全かつ効率的に最大限の努力をしてやるという……(発言する者あり)それは経済情勢を前提にするわけです、デフレ時代のときと今は全く違うわけでございますので。 元々、安倍内閣がスタートしたときは、株式市場は一万円ぐらいでありました。今は大体一万六千円台でありまして、そこから見ても時代は随分、経済状況は変わったわけですから、そういう中でどういうふうな組合せかということでポートフォリオを組ませていただいたわけであります。 したがって、今回、一階、二階部分のことについては今御指摘のようなばくちでは決してありませんし、それから三階建ての、今の今回御提起申し上げております確定拠出型の年金制度についても、しっかりと投資教育もしながら、そして労使の話合いも大事にしながら、そして何よりも一人一人にお選びをいただくということを大事にしながら運用をしていただくような商品をそろえていただくようなことになっているわけでありますし、これは、自助、共助、公助の組合せでもって人生設計をしっかりと自ら組んでいただくという大事な手だての一つだと思っておりますので、三階までばくち状態だのようなことは全く当たっていないというふうに思います。
○福島みずほ君 アベノミクスが破綻をしたら、これ、もっとがたがたになりますよね。それから、株がなぜ上がったか。もちろんいろんな理由はあると思いますが、一つは株に大量に投入したからではないですか。これは循環していますよね。そして、やっぱり株はハイリターンの場合もあるけれどハイリスクの場合がある。だから、今日も来ていただきましたが、乱高下をしているわけです。ですから、私は、やっぱりこのポートフォリオの見直しは失敗だったというふうに思います。 繰り返しますが、失敗ではないというんだったら出してくださいよ。出せばいいじゃないか、参議院選挙前に。私がやった基本的ポートフォリオの見直しは大成功でしたと出せばいいじゃないですか。何で出さないのか、本当にそう思います。 公的年金では老後の生活ができない高齢者が急増しております。老後に向けた継続的な自助努力の支援、結果として資産運用の活性化につながるという政府の政策は国民の納得が得られるんでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) ただいまの御指摘は、この法案の目的に関わる御質問だと思います。 この法案は、先ほどから申し上げておりますように、ライフコースとか働き方の多様化が進む中で企業年金の普及拡大を図る、そして老後に向けた継続的な自助努力を支援するということでございまして、当然、資産運用の活性化というものを目的とするものではないわけでございます。 今回の改正案の中には中小企業も取り組みやすいような様々な施策を入れさせていただいておりますし、それからまた、個人型の加入につきましても加入可能範囲の拡大をいたしております。その中では、対象となる専業主婦等の方々は、簡単なアンケート調査でも三割以上の方々が加入したいという御意向を示されていることから、これは国民の意向に沿った老後所得確保の支援、こういった取組であるというふうに考えております。
○福島みずほ君 本法案は、確定拠出年金における元本確保型商品の提供義務規定を削除することとしております。中小企業の多くは労働組合がなく、労使協議において労働者の意見が十分に反映されず、元本確保型商品の提供が確約される保証はありません。加入者はより高いリスクにさらされるのではないでしょうか。
○政府参考人(鈴木俊彦君) 確定拠出年金におきます運用商品でございますけれども、これは今回、元本確保型商品の義務規定を削除いたしました。商品の性格から申しまして、元本確保型の商品でございましても物価上昇等のリスクは当然あるわけでございまして、基本的にはリスク・リターン特性の異なる商品を組み合わせて提供する、それによって分散投資を通じて加入者の年金水準の確保にも資することとなる、これが基本でございまして、こうした考え方から、今般、元本確保型商品の提供義務を見直すとともに、その点につきまして、商品の選定、提示、これについて労使の判断に委ねる、こういうことにしたわけでございます。 その中で、今御指摘ございましたように、労働組合のない事業所の場合、従業員による投票などによりまして過半数代表者を選出する、こういった仕組みでございます。この仕組みの中で、中小企業でありましても労働者の意見を十分にきちんと反映させる仕組みでなければなりません。そのために、労使による判断を尊重しながら加入者の意思を反映させる代表者の選出、これが適切になされているかどうか、これにつきましては、先ほど来御答弁申し上げているように、きちんと証拠の把握をいたしまして、必要に応じて指導監督もしてまいりたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 今回のは確定拠出年金を拡大し、国民の資産で株価のつり上げを中心に景気対策を推進するのではないかというふうに思っております。 厚生労働省には是非、七月二十九と言わず、確定日を早めて、私たちの政策は成功している、基本的ポートフォリオは大成功だったという成果を早く情報開示してくださるよう強く求めます。 以上で終わります。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、石井みどり君が委員を辞任され、その補欠として堀井巌君が選任されました。 ─────────────
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。 私も、東委員と同様に、やはり参議院としての誇りを持ってしっかりと議会運営というものを私どもでやっていくべきだということを、まず最初一言だけ主張させていただきたいと思っております。 では、質問に入らせていただきます。 今日、午前中から聞いておりましても、成功事例としてNISAの名前が何度も何度も出てきております。息子に聞きましても、小学校なんですけれども、みんなNISA、NISAがいいさというような、大変語呂がいいんですね。これ、NISA、皆様方も御存じのように二〇一三年度流行語大賞にもノミネートをされている。 こういうことから申しましても、本当にこのNISAというネーミング、上手だなと思って調べましたら、これは実はこのNISAの基になります制度というものが英国にございました。英国でも少額投資を優遇するような制度として、いわゆるISAという制度、このISAという制度にプラスアルファ、日本版ISA、だったら日本というこの最初のNを取ってNISA、ああ、NISAだということが、実は七千件を超える応募の中から五十歳代の男性が提案したものが選ばれた。これ本当にこのネーミング一つでいかに広がっていくか広がっていかないか。流行語大賞なんていったら、毎年、じゃ、何が取るんだと。この年取った流行語、おもてなしだったり今でしょみたいなものの並びでNISAが語られていた。 じゃ、やはり確定拠出年金、大分硬いですよね。これをいかに国民に理解してもらうのかということを考えましても、個人型DCもこういったNISAのような愛称を考えられてはいかがかなというふうに私思って大臣の御意見をお伺いしたいんですけれども、大臣、このようにちょっと流行語大賞を取れそうな何かネーミング等々も是非御提案いただきたいと思うんですが、御意見いただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 個人型の確定拠出年金というのは今回新たにつくったわけでもないので、もっと前に今のような御提案をいただいて、最初につくるときに考えておいた方がよかったかなというふうにも思わないわけでもないわけでありますけれども。 いずれにしても、今回、国民年金基金連合会の業務に個人型の確定拠出年金の広報啓発事業を追加をしておりまして、今後、NISA等の先行事例、成功事例と言った方がいいのかも分かりませんが、これを参考にしながら国民年金基金連合会などにしっかりと考えていただき、また我々も連携をして制度の広報活動をしなきゃいけないと思っておりますけれども、しかし、今お話しのように、確かにイギリスのインディビジュアル・セービングス・アカウントというのにNをくっつけたということ、なかなか知恵があったんだなというふうに思います。 そういう意味では、この制度の広報活動の中で個人型の確定拠出年金の愛称についても検討をしていくべきかなということを、今改めて御提案をいただいて思ったところでございます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 ジュニアNISAなんかも始まりまして、本当子供たちも、えっ、NISAって何なのって、やっぱり学校でもそういう話題が出るそうなんですよね。やっぱりここまでいくと成功かなと私は思います。ですから、しっかりとこのネーミング、大変重要でございますので、これから教育の議論もさせていただきますけれども、子供たちも口にしやすいような、そういう名前を是非お考えいただければと思っております。 資料一を御覧いただきたいと思います。皆様方のお手元にも、教育といったような意味において社会保障をどのように今後私どもというものは後世に伝えていくのか、しっかりこれは厚労省も考えてくださっておりまして、社会保障を教える際に重点とすべき学習項目というものを様々挙げてくださっております。 これを見たり、私、実は厚生労働省のホームページの方でも、モデルケースとなるようなケースでしたり、若しくはこういうことであればということで様々テストケースで使用されたテキストなども拝見をさせていただいたんですけれども、何せ硬いんです。その文字面でこれは何を示しているんだということは分かるんですけれども、じゃ、実生活にどのような形でこれが我々の生活に反映をしてくるんだ、これはなかなか実感しにくいような教材でございます。 私も、こういう社会保障制度、今、医療制度などを大学でも教鞭を執っておりましたけれども、ほとんどの学生が寝ております。面白くないんですね、内容が。じゃ、年金とはこういう制度で将来皆様方をこう守るんですよと言ったり、皆保険制度でというようなことを教えても、やっぱり興味を持ってもらえない。いかにやっぱり興味を持って我が事として考え、そしてしっかりと次に向けて提言をしていただけるのか。 そこで、私、新聞を見ておりましたら、自民党の若手議員が全世代型の社会保障制度の提言も行った。やっぱり若い世代の皆様方にどんどん意見も聞いていくべきだろうと思っております。海外の例なども参考にしていただきまして、これから、若いうちからもっともっと社会保障制度というものを触れていくような教育考えていただきたいんですね。 例えば、ディベートを行って、そのいいディベートの表彰をするだとか、若しくはいい提案がどんどん上がってくるように、もっともっと中学校、高校でもやっぱり考えられますので、そういった何か面白い仕掛けを厚生労働省の方でも考えていただきたいなと思っておりますが、大臣、御意見いただけませんでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃるように、私も地元でミニ集会をやるときに社会保障制度について説明するというのはもう極めて難しい話で、私は、財源からいって三つしかありませんよといって、ですからみんなの助け合いの仕組みだというようなことを言っていますが、その典型が実は年金なわけでありまして、そうなると、やっぱり年金教育みたいなものをしっかりとやっていく。 これは、実は、今おられなくなりましたが、川田先生から、介護保険を四十歳から保険料を払うというのをみんな知らないと、これも実は皆さんに御理解をいただいていないことであります。これは天引きでいくことが多いから余り問題になっていないかも分かりませんけれども、同じようなことが言えるんだろうというふうに思います。 若者に年金への関心を持っていただけるように、年金制度の役割などについてどう理解をしていただくように我々は汗かいたらいいんだろうかというふうに考えなければいけないと思っておりまして、今、厚労省と年金機構で年金事務所と地域の中学校と高校とが協力して年金セミナーを実施しておりまして、これは結構、延べ回数で四千三百九十二回、約三十万人以上の人に聞いていただいている、二十四年からですね、平成の、というようなこともやっていますし、厚生労働省職員が大学などへ行って出前講座をやるということもこれはやっていますが、まだ九回開催、七百人受講ということでありますが、そういう努力も一応している。それから、年金も含めた社会保障教育推進のための高校生向けの教材の作成とか、中学生、高校生も対象とした公的年金をテーマにしたエッセーの募集というのもやってはいるんです。引き続き、若者を始め多くの方々にちょっと前にのめり出していただけるような工夫をしてやっていかないといけないんだろうなというふうに思いますが。 しかし、先ほど健康保険の保険料の納付率は高いけれども国民年金は低いという指摘がさっきございましたが、まさにそれは理解が十分じゃないから払っていただいていないので、よく理解すれば、これは払った方が得だ、民間だけでいったらもっとコストが高く付くということが御理解をいただけるんだろうと思うので、そういうようなことをしっかり努力していくためには文科省とも協力をしていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思ったりしております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 まさに大臣おっしゃられるように、しっかりと、前のめりになるといったような形で子供たちが参加できるような様々な機会が必要ではないかということで、これに引き続きまして、実は投資教育についても考えてみたいと思っております。 投資教育をしっかりと行うべきだということは、様々世界の中でも今行われております。二つ、私、今日は取り上げさせていただきたいと思います。 アメリカ、ここはNPOを中心としましてかなり長い間歴史がございます。こういった金融そして経済教育の中で投資を考えていく、これ非常に重要でございまして、経済、投資教育は全ての国民にとって豊かな人生を送る上で必要不可欠なものというようなことまでアメリカでは言われております。その中で、米国教育法に基づきまして、一年生から十二年生まで学習すべきカリキュラムが示されておりますし、低学年では経済の基本的概念を身近な例で使って遊びながら学習を行っていく。小中高にかけましては、今度、証券市場の学習も始まったり、高校では投資の方法の選択といったような各論にまで及んでいるんですね。ボーイスカウトやガールスカウト参加するような子供たちも多いですけれども、そのような場でも経済教育というものも提供される。これは日本ともかなりちょっと温度差があるのかなと思っております。 ですから、このようにNPOが主体とした教育というようなものが行われているアメリカの一方、実は英国ではまた別の教育方法が取られております。これは、公的機関が中心となりまして、急激に、シチズンシップという制度の中で経済そしていわゆる投資教育というものが含まれて、全国民に提供されているものなんですけれども、実は最近の動きとしまして、イングランドの最新のナショナルカリキュラムの中では、数学の中に投資だとか経済の教育というものも織り込まれ始めた。 ですから、各国やっぱり競って、いかにこういった金融、経済について子供たちに興味を持ってもらえるのか、経済、金融の知識を常識、いわゆるリテラシーとしてしっかりと学んでもらうための工夫をし始めております。 まだまだ日本では、こういったようなものの投資教育、若いうちにもっと触れる機会が必要なのではないのかなと思いますけれども、大臣の御意見を一言いただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 全般的な投資教育ということについては、私も金融をバックに出てまいりましたから、当然それは必要だと思っていますし、やはりGPIFの運用のことについて先ほど来いろいろと御議論をいただいておりますけれども、こういうようなことに関して、しっかり子供の頃から、投資というのはどういうことがあってリスクとは何なのか、そして最終的なリターンとリスクの関係はどうなのかというようなことを冷静に考えていただけるように、それも短期、中期、長期、そういう形で考えていただけるようなことになれば、より好ましい建設的議論ができるんじゃないかというふうに思うわけでありまして、今回の確定拠出年金については、導入時の投資教育の実施率は、新入社員を対象に、導入している企業ではほぼ一〇〇%やっていただいているようでございます。 若い世代に対する投資教育が一定程度行われていますけれども、継続投資教育になりますと、これ実施率が六割程度しかないということでありまして、本法案には今回、継続投資教育の努力義務というのを盛り込んだのもそれが一つの理由で、両者を進めることで若い世代への理解を深めて、確定拠出年金に加入をより多くの人にしていただくことになるんじゃないかと思いますが、全般的にやはり年金、公的年金も何らかの形で運用しない限りは利回りは得られないわけでありますから、ちゃんとした投資教育を受けていく、あるいは学んでいくということをやっていくことは、公的年金でも私的年金でも大変大事だし、大学なんかでも与信運用に関してどうするのか。 かつて文科省は、リターンがないものは駄目だみたいな形でやっておられたやの話も聞いておったわけでありますけれども、GPIFもかつては、GPIFの前の時代などではかなりいろんな規制を掛けていましたが、そういうことではなかなか年金が回っていかないということになりますので、理解をいただけるような、若いときからの投資教育は極めて大事だと思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 若い世代に加入していただかないと、これは成り立ちませんので、若い方にいかに興味を持ってもらえるのかという工夫が必要だと思うんですね。 今日は堂故政務官にもいらしていただいておりますので、中学校、高校においても、もう投資教育が行われているかと思いますけれども、もし、更なる充実等々の御提言もございましたら御意見いただきたいんですけれども、お願いいたします。
○大臣政務官(堂故茂君) 児童生徒の発達段階を踏まえ、経済や金融に関する基本的な仕組みや考え方等を身に付けるための教育を行うことは大変重要だと思います。小学校では金銭の大切さ、中学校では金融などの仕組みや働き、高等学校では金融制度やその動向等について指導を行っています。 こうした取組を促進するため、日本銀行が事務局を務める金融広報中央委員会と連携し、先生用の指導資料などの作成に協力もいたしております。投資に関する教育については、この資料の中学校における指導計画例の中で、例えば企業の生産活動などに関する資料を様々な情報手段を活用して収集し、役立つ情報を適切に選択し、望ましい会社への投資を模擬的に行い、その投資行動の妥当性を評価し合うなどの取組も盛り込まれております。是非こうしたことを活用して指導に生かしてほしいと考えています。 薬師寺先生御指摘のとおり、投資を含めた経済や金融に関する教育が適切に行われることがとても大事だと思っています。取り組んでまいりたいと思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 これも一例を紹介させていただきますと、オンラインで参加できる無料の教材というものも既に海外では配付されております。ファイナンシャルサッカーというものでしたりファイナンシャルフットボール、この一部は日本語化されて、提供もされて、もうそれはしっかりとした教材としての仕組みを担っているものでございますので、そういうものを利用する、若しくは同じような形で、子供たちにオンラインのようなゲームでしたら気楽にアクセスしてもらえるようなこともございますので、そういうものも普及啓発をしながら活用し、そして小学校、中学校の時点、堂故政務官もおっしゃっていただきました、段階を踏んでといったような意味におきましては、経済教育の上に金融教育があり、金融教育の上に投資教育ということで、しっかり段階を踏んでの知識の理解というものを進めて、そしてさらに大人になったら個人型DCに入ってくださいということで、ちょうどいいプロセスがそこで組まれるんではないのかなというふうに私は考えておりますので、これからに期待をさせていただきたいと思います。 ちょっと質問が重複しておりますので何問か飛ばさせていただきます。 もうこの確定拠出年金、先ほどからございましたように、手数料の問題であったり特別法人税の問題であったりということで、まだまだ若い方が入って、ああ、これメリットがあるなと思っていただきにくいような仕組みもこの中にまだあるかと思います。 そこで、財務省、今日おいでいただきましたのでお尋ねをさせていただきたいんですけれども、この確定拠出年金の普及拡大によりまして、老後保障が自分で、自助がということで様々なものを築いていただける。ということは、ひいては社会保障の支出が圧縮されることで我が国の財政に正の影響、正の相関があるのではないのかなと私は考えておりますが、財務省はどのようにお考えなのか、教えていただけますでしょうか。
○政府参考人(矢野康治君) お答え申し上げます。 確定拠出年金は、公的年金を補完する形で国民の老後所得の保障を図るということを目的としたものではございますけれども、今先生御指摘の社会保障支出の圧縮を直接的に目的とするものではないことであります。確定拠出年金の普及によりまして老後の生活基盤が安定してまいりますと、一部の社会保障給付の抑制につながるという可能性は確かにあるものと考えておりますけれども、しかしながら、社会保障給付の中にはそれぞれの制度に基づきまして義務的に給付が行われるものも多く存在しておりますので、確定拠出年金の普及が進んだということによって直ちに給付の抑制につながらない場合もあると考えられます。 また、釈迦に説法ですけれども、拠出に係る税制優遇、これは全額所得控除でございますので、その減収面もございますので、国の財政に対してネットでプラスの、正の影響が出るかどうかにつきましては、確たることはちょっと申し上げられないということでございます。
○薬師寺みちよ君 いや、結局、その特別法人税どうするかというのは、もう厚労省では結論が出ているのではないのかなと、先ほどから私答弁を聞いておりましてそう思っております。あとは財務省がどういうふうに判断をするのか。 結局、私どもとしましても、いろいろ議論の流れを聞いておりましたら、特別法人税というものが、これ、いつ掛かってくるか分からないというものに、じゃ、若者が参加してくれるのかな、これから人生を懸けて、いろいろ貯蓄をし、そして自分の将来設計を立てる上で、ああ、これ、重い負担が途中から掛かるかもしれない、これ、足かせになりますですよね。多分、これ、厚労省の方から財務省の方にしっかりと物を言っていただけると私は信じておりますので、財務省もこのような状況、このような厚生労働委員会での質疑を踏まえた上で、来年度の税制改革というものに臨んでいただきますよう、私から強くお願いをさせていただきたいと思っております。 ところで、この確定拠出年金による給付を受ける権利というものは、確定拠出年金法において担保に供することができなくて差押えすることができないという規定がございます。これ、もし何かがございまして生活に困窮したときに手を付けることができないということでも、もうこれイコールでございますね、運用資金の範囲内で貸付けをしていただくような制度、そして運用資金の一部の引き出しできるような制度、柔軟な運用というものも今後求められる可能性が高いと思うんですけれども、副大臣、御意見をいただけますでしょうか。
○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。 確定拠出年金におきましては、そもそも制度は本人の意思で行うものであるということと、あと、年金は老後の所得であり、老後資産がきちんと確保される必要があるということ、あと、自由に引き出し可能であれば貯蓄と変わらなくなってしまうということがございますので、一部引き出しを行うことは原則は認めておりません。これは実は諸外国も同じでございまして、中途引き出しについては原則認めていないという状況であります。 実は、この点、社会保障審議会年金部会におきましてこの議論も行われまして、実は、生活困窮者の緊急時に限り、税制優遇を分けた分の減額等を受け取ることを条件に中途引き出しを認めることにしてもいいんじゃないかという意見があったり、若しくは、年金原資を安定的に形成するために中途引き出しを認めるべきではないと、真逆の意見がということで、いろんな形で議論がありまして、なかなか意見が一致しなかったのが現状でございます。 ということで、今後は、この中途引き出しの在り方について議論を続けていこうということと、それに、既に税制優遇を受けている方々、あと、中途引き出しが安易に行われないようにするための必要性を踏まえて、中途引き出しを認める際にはペナルティータックスを課すとか、脱退一時金から一定水準の減額を行う取扱いを導入するとか、あと、諸外国はなぜ原則不可になっているのか、そういったことも前提にちょっといろいろ踏まえて調査をしたりとか、あと、生活に困窮している方も将来の老後の所得確保は必要でありますので、現時点の生活困窮とのバランスをどういうふうに勘案していったらいいのか、こういったことも論点として含めてトータルでちょっと検討していきたいと、このように考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 時間も迫ってまいりましたので、最後に大臣にゆっくり答弁をしていただきたいと思います。 今日一日、様々な議論をいたしてまいりました。誰しもが思っていることは、これ最終形ではないだろうなと、まだまだこれから問題がある。今、とかしき副大臣もおっしゃったように、これから継続案件もありますよということでしたり、ポータビリティーの拡充というふうなものも津田先生からも御提議いただいたと思います。 こういったものを、今日の議論も踏まえまして、いまだ残された課題というものを今後どのように検討なさっていくのか、そして今現在どのような課題があるというふうにも認識していらっしゃるのか、御答弁をいただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) おっしゃるとおり、今回で出尽くしたわけでは決してなくて、まだまだ、平成十四年に導入をされてからまだ十年ちょっとたったところでございますので、大体形が見えてきたというぐらいのことでございます。 したがって、今回の御提起申し上げている変更点、改革案に加えて、今後更に結論が出ていなくて議論しなければいけないことが今日御質疑をいただいた中にもたくさんありましたが、それに加えて、例えば拠出限度額、これについてもまだまだ考えなければいけないと思っております。 それから、これは今日議論が出ましたが、今もお話があった中途の引き出しをどうするのか、これは永遠の議論がある。最初のときから自民党でも大議論がありました。それから、加入可能年齢の見直しというのもありますし、支払を何歳まで掛けていけるのかということについてもまだまだ課題が残っているのではないかというふうに思いますので、そういったことを含めて、さらに先ほど手数料の問題もありましたし、いろいろこれから改善をしなければいけない。 しかし、その大前提は、やはりより多くの方にお入りをいただく中で効率的にこの制度が回っていって、手数料も結果として下がってくるということもなければなかなかうまくいかない、まあ鶏と卵どっちが先かというところがございますけれども、そういったこともしっかりやった上で、やはり公的年金を補完する制度として税の恩典も今回かなり広がって適用されるようにもなりましたから、是非これから更に議論を深めて、今回の改正が成就した上に、更にそれを踏まえて考えていかなきゃいけないんじゃないかなというふうに思っております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 では、最後に私から不断の見直しをお願いを申し上げまして、質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(三原じゅん子君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 本案の修正について羽生田君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。羽生田俊君。
○羽生田俊君 私は、ただいま議題となっております確定拠出年金法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党及び公明党を代表して、修正の動議を提出いたします。 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりであります。 これより、その趣旨について御説明申し上げます。 修正の要旨は、この法律の企業年金連合会の業務に関する規定等の施行期日を「平成二十七年十月一日」から「平成二十八年七月一日」に改めるとともに、確定拠出年金に係る掛金の拠出規制単位の月単位から年単位への見直しに関する規定の施行期日を「平成二十九年一月一日」から「平成三十年一月一日」に改めるほか、所要の規定の整備を行うものであります。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(三原じゅん子君) これより原案及び修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 私は、会派を代表して、確定拠出年金法等の一部を改正する法律案について反対討論を行います。 我が党は、二〇〇〇年にDCが創設された際、拠出金を加入者が自己責任で運用するため、年金給付は運用成績次第となり、老後の所得を不安定にすること、企業の運用責任と拠出負担を軽減すること、国民の資産を金融市場に動員して景気対策に利用しようとするものであることなどの問題点を指摘し、反対しました。本法案は、これらの問題点を何ら修正することなく、更に拡大しようとするものです。 反対の第一の理由は、本法案が、公的年金の給付水準の低下を前提として企業年金等を普及拡大し、老後所得の自助努力による確保を一層促進することを目的として、加入者個人が運用リスクを負うDCへの移行を促進するものであるからです。 反対の第二の理由は、本法案が、リスク・リターン特性の異なる三つ以上の運用商品の提供を義務付けるとともに、元本確保型商品の提供義務を削除することです。加入者は提供される運用商品の中から運用指図を行うため、元本確保型商品提供義務の削除は、加入者のリスクを増やし、財産権を侵害します。また、デフォルト商品についても、現在、年金局長通知に基づいてデフォルト商品を設定している企業のうち九六・四%が元本確保型を設定していますが、分散投資効果が見込まれる商品を設定することを努力義務とする方向で省令改正を行うとしており、株式、債券の商品設定を促進することも問題です。 DC普及拡大の大きな狙いの一つは、国民の資産を金融市場に誘導して、株価のつり上げを中心とした見せかけの景気対策を進めるとともに、口座管理や運用手数料で金融機関のもうけの場をつくることにあります。 日本再興戦略改訂二〇一四では、金融資本市場の活性化として、豊富な家計資産が成長マネーに向かう循環の確立を位置付け、家計資産を株式市場に誘導する意図を持って、DCの一層の普及を図るための制度改正を行うことを明記しています。 運用に失敗すれば年金給付が大幅に減少するというリスクを加入者の自己責任とするDCの拡大を図り、元本確保型商品提供義務を削除して、その一方で投資教育は努力義務にとどめる本法案には反対であることを改めて申し述べ、討論を終わります。
○福島みずほ君 福島みずほです。 私は、社会民主党・護憲連合を代表して、確定拠出年金法等の一部を改正する法律案について反対の討論をいたします。 昨年十一月に発表された一億総活躍社会の実現に向けて緊急に実施すべき対策には、企業年金、個人年金の普及拡大や公的年金の改革を進め、公私を通じた年金水準の確保を図ると記されています。また、二〇一四年の日本再興戦略改訂には、国民の自助努力促進の観点から、確定拠出年金制度全体の運用資産選択の改善が記されています。 本法案に反対する第一の理由は、このように公的年金の給付削減を前提として、国民の自助努力、自己責任によって年金の三階部分を増やし、老齢期の所得の確保を国民に押し付ける内容だからです。 国民年金法の第一条は、国民年金が日本国憲法第二十五条生存権の保障の理念に基づいて、老齢や障害などの場合に国民生活の安定を図ることを目的にしています。政府は、まずこの理念に基づいて公的年金の保障に努力をするべきです。 二〇一四年度からの消費税増税の影響で年金は実質減少しています。また、昨年度はマクロ経済スライドが初めて発動されました。その上、デフレ下のマクロ経済スライドの適用、支給開始年齢の引上げが検討されています。 このような状況で、確定拠出年金の拡大による老後に向けた継続的な自助努力の支援という政府の説明は納得を得られないものです。 第二の理由は、中小企業対象の簡易型確定拠出年金制度の創設、個人型確定拠出年金の加入対象者拡大により、拠出金、つまり国民の資産を活用して株価の引上げなど、金融資本市場の活性化に利用しようとしていることです。限界が見えつつあるアベノミクスの一環であり、誰のための政策か疑問を持たざるを得ません。 また、第三号被保険者、いわゆる専業主婦や厚生年金が適用されない短時間労働者について個人型確定拠出年金の加入を認めることについても納得がいきません。政府は、女性の活躍を推進するというのであれば、まず、短時間労働者の公的年金保険の適用拡大を積極的に進めるべきです。 第三の理由は、確定拠出年金における元本確保型商品の提供義務規定を削除していることです。 元本確保型商品の提供が確約される保障がなくては加入者はより高いリスクにさらされかねません。賃金の水準で年金給付の水準が決まります。雇用の安定と最低賃金の抜本的な引上げは急務です。 私的保険の拡大で繕うのではなく、土台となる普遍的な社会保障と最低生活保障の仕組みが必要だということを強く申し上げ、私の反対討論を終わります。
○委員長(三原じゅん子君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより確定拠出年金法等の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、羽生田君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(三原じゅん子君) 多数と認めます。よって、羽生田君提出の修正案は可決されました。 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部の採決を行います。 修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(三原じゅん子君) 多数と認めます。よって、修正部分を除いた原案は可決されました。 以上の結果、本案は多数をもって修正議決すべきものと決定いたしました。 この際、佐々木君から発言を求められておりますので、これを許します。佐々木さやか君。
○佐々木さやか君 私は、ただいま可決されました確定拠出年金法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、民進党・新緑風会、公明党、おおさか維新の会及び無所属クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 確定拠出年金法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。 一、厚生年金基金の解散が進んでいることに鑑み、企業年金を廃止する企業が極力生じないよう他の企業年金への円滑な移行について更なる支援策を検討すること。また、働き方の多様化及び制度の分立によって加入者が不利益を被ることのないよう、確定拠出年金、確定給付企業年金、中小企業退職金共済等の制度間のポータビリティの更なる拡充のために必要な措置について引き続き検討を加えること。 二、運用商品の選定及び提示に当たっては、元本確保型の運用商品の選択の実態やこれまで当該商品の提供を法律で義務付けてきた経緯を十分に尊重し、加入者の選択の幅が狭められることのないよう、元本確保型の運用商品を含めたリスク・リターン特性の異なる運用商品から三つ以上の運用商品が適切に選定され、加入者に提示されるよう必要な指導を行うこと。特に中小企業においては確定給付企業年金及び確定拠出年金について制度の周知徹底を図るとともに、更なる加入促進策及び投資教育の充実を始めとした運営支援策について引き続き検討すること。また、労使合意の形成に際して、特に労働組合のない中小企業においては、過半数代表を適切な手続で選出することなど加入者の意思が合意に適切に反映されるよう必要な指導を行うこと。さらに、確定拠出年金に加入し年金資産を運用する上においては、社会保障制度及び投資に関する基礎的理解を有していることが望ましいことから、特に若年層に対する上記に関する教育の充実を図るとともに、確定拠出年金の普及拡大に向けた効果的な広報の在り方について検討すること。 三、確定拠出年金への新規加入時及び年金資産の移換時の費用並びに口座維持管理料等の各費用を低減させるため、確定拠出年金の取扱金融機関間の自由で公正な競争環境の整備及び国民年金基金連合会を含めた各費用の透明化のための施策について必要な検討を加えること。 四、個人型確定拠出年金の第三号被保険者への拡大に当たっては、女性の活躍推進を阻害するものとならないよう十分留意するとともに、国民年金第三号被保険者制度の在り方について引き続き検討すること。 五、平成二十八年度末までの間、停止措置がなされている運用時における企業年金積立金に対する特別法人税の課税について、給付時との二重課税防止の観点から、廃止について検討を行うこと。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(三原じゅん子君) ただいま佐々木君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(三原じゅん子君) 多数と認めます。よって、佐々木君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、塩崎厚生労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。塩崎厚生労働大臣。
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。
○委員長(三原じゅん子君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三原じゅん子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十六分散会