厚生労働委員会 第3号
- 発言数
- 263 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 2016/03/10
会議録
○委員長(三原じゅん子君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日、小池晃君が委員を辞任され、その補欠として大門実紀史君が選任されました。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 社会保障及び労働問題等に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、厚生労働省老健局長三浦公嗣君外十八名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(三原じゅん子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ───────────── 社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、厚生労働行政の基本施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○石井みどり君 おはようございます。自由民主党の石井みどりでございます。 大臣には、一昨年、大臣就任の直後だったと思いますが、この本委員会において、大臣のライフワークとされています認知症施策、御質問したことがございますが、三月一日に、愛知県大府市で徘徊中の認知症高齢者、当時九十一歳の方が列車にはねられた事故をめぐる訴訟の最高裁判決が出ました。これは、家族の賠償責任を否定する誠に妥当な判断であったとは思いますが、この件から御質問してまいりたいと思っております。 この判例におきましては、様々な事情を総合考慮して賠償責任を問わないこととなり、介護する家族に過酷な負担を求めない判決でございました。全国の認知症の御家族を介護されている方々は安堵されたことと思いますが、しかしいろいろな課題も残りました。何ら瑕疵もないのに補償されないという被害者の問題、監督義務を引き受けたと見るべき特段の事情等々について、今後判例の蓄積が必要かと思います。 御存じのように、認知症は進行する脳の変性疾患でございます。ゆえに、その処遇の基本は、それぞれの進行のステージにおいて変化するそのときの状態像に対して適切な処遇が必要であります。そのためには、そのときその人にとって、在宅ケアをしていたけれども、在宅ケアが持続できるのか、そして介護施設でもうケアを受けた方がいいのか、あるいは、重度になって入院医療がいいのかという、こういうトリアージが重要だと思います。 この判例において、家族の判断、あるいは判例の中で加害防止に向けての監督義務についての議論の中でも、このトリアージの重要性の認識が希薄ではないかと考えられます。すなわち、このような事件、事故を未然に防止するための施策が検討されなければならないと思っています。 従前ありました旧オレンジプラン、このスローガンは、医療から介護へ、施設から地域へというスローガンでありました。こういった間違ったスローガンが在宅ケアの負担を重くし、徘回、介護うつ、介護自殺、介護殺人、介護離職など、国民に過酷な負担を強いてきたと思います。この政策が今回のこの悲劇的な事件の背景であったのではないかと考えています。そして、こういったことを是正するために新オレンジプランが昨年策定をされました。 今申し上げたこのトリアージについての情報とその重要性を国民の方々へどのように周知していかれるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(三浦公嗣君) トリアージについて御質問いただきました。 医療や介護などが有機的に連携したネットワークの中で、どこでどのような医療や介護を受けることが認知症の方の様態に最もふさわしいか、これを的確に判断することが重要だと考えております。 例えば、その認知症を起こしている原因の病気の種類、また御本人の状態、そして家族を含めた介護の状況、これらを考慮して、今御指摘ございましたように、在宅でのケアか、あるいは介護保険の施設等などに入所されるのか、また、医療としての入院医療をお受けになるか、これらの選択肢が決められてくるだろうというふうに考えております。 例えば、行動・心理症状、略してBPSDなどと言われますけれども、これが比較的軽症の段階に専門医療の支援があることでBPSDによる負担が軽減でき、在宅療養生活を継続しやすくなるなどの効果が期待できるということから、かかりつけ医と専門医療機関の連携による早期診断、早期対応の体制の確立が重要だと考えております。 このため、今年度、医療や介護の有機的な連携のために、認知症の専門医療に期待される役割に関する手引や、医療・介護連携のための情報共有ツールのひな形等を作成しておるところでございます。この中で御指摘のような趣旨を周知していきたいと考えております。 また、認知症施策を推進する中で、このような適時適切な医療、介護などの提供の重要性についても広く周知してまいりたいと考えておるところでございます。
○石井みどり君 是非今おっしゃられたことを一日も早く実現できるようにお願いしたいと思います。 在宅ケア、また、今地域包括ケアが随分政策の中心に置かれておりますが、この地域包括ケアが成り立つためには後方支援が重要となってまいります。現在の社会資源では良質な地域包括ケアが機能することは困難であろうと考えています。今後どのようにこの質の向上と効率化及び連携を向上させて、循環型、さっき申し上げた在宅から施設あるいは病院、そして在宅。施設や病院、医療機関というのは在宅生活を支えるためのものであります、決してそこで固定されるものではない。適宜必要なときに必要な処遇を受ける。ですから、医療から介護へではなく循環型が必要であると思っておりますが、この循環型の認知症医療・介護連携システムを向上させていくのか、お聞きしたいと思います。
○政府参考人(三浦公嗣君) 循環型の認知症対応につきまして御質問いただきました。 認知症の方の様態に最もふさわしい場所で適時適切に介護や医療などが提供されるような循環型の仕組みということを構築するということも新オレンジプランの大きな目的の一つでございます。このため、地域包括支援センターや認知症疾患医療センターを始めといたしまして、医療・介護関係者などの間で適切に情報の共有がなされ、サービスなどが有機的に連携したネットワークの形成が必要だと考えているところでございます。 具体的に申し上げますと、今年度、医療、介護などの有機的な連携のために認知症の専門医療機関に期待される役割に関する手引や、医療・介護連携のための情報共有ツールのひな形などを作成するとともに、来年度、平成二十八年度の予算案におきまして、二次医療圏単位で認知症に関わる医療機関などと圏域内の市町村の地域包括支援センター等が集まる場を設けて、認知症医療と介護の具体的な連携の枠組みを構築するためのモデル事業を実施するための経費を計上しているところでございます。 このほか、委員、地元と認識しておりますけれども、広島県では平成二十六年度から地域医療介護総合確保基金を活用しまして、循環型認知症医療・介護連携システム推進事業と称して、認知症疾患医療センター、そして地域包括支援センターの合併型のセンターというものを運営されていると認識しております。 このように、地域包括支援センターの機能を併せ持つ認知症疾患医療センターの設置により、医療と介護の連携推進が図られているという地域もございます。このような取組の実施状況も踏まえながら、全国に普及させることなどを通じて、地域の実情に合った取組を推進していきたいと考えているところでございます。
○石井みどり君 今、局長御説明いただきましたように、広島県でパイロットスタディーといいますか、モデル的に今この循環型の取組がされているところでありますが、是非、いい結果がまた全国に広まるのを期待しているところであります。 認知症の高齢者の方々が日本が高齢化すればするほど増えていくわけでありますが、この認知症高齢者の方による事件、事故の増加も懸念をされるところであります。 先ほど申し上げたJR東海の事故に関してもそうでありますが、こういう事件、事故に対する個人の賠償責任保険、もう既に民間の損害保険あるいは生命保険会社の方で少しずつ取組が進んでいるというふうに報道されていますが、この整備についてどのようにお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府参考人(三浦公嗣君) まずは、今回の事件で亡くなられました認知症の方に対しまして、改めて御冥福をお祈り申し上げたいと思います。 今回の判決を受けまして、認知症の方の事故に対する賠償の問題について、民間保険の活用を含めた様々な対応の選択肢が指摘されていると認識しているところでございます。本人や同居の親族などが負う法律上の損害賠償責任を補償するものであり、一部の保険会社では、今回の訴訟の動向を踏まえ、従来は保険の適用対象外でございました認知症の方の監督義務を負う可能性がある別居の親族や成年後見人などにまで保険適用の範囲を拡大する動きがあると聞いているところでございます。 私どもといたしまして、まずはこのような動向を十分に把握していくことが重要だと考えておりまして、関係省庁とも連携しながら対応していきたいと考えておるところでございます。
○石井みどり君 今回の判決でもそうでありますが、先ほども申し上げた何ら瑕疵もない被害者の方々に対するやはり賠償というようなこともございますが、刑事事件における責任問題あるいは民事における賠償とか、そういうことがやはり今後、高齢社会ですから、もう一度こういう責任問題等の法理の整備が必要ではないかというふうに思っております。 認知症医療、介護の実態の理解というのはなかなか進みません。そして、難しいところもありますので、判例を蓄積するだけではなく、法務省とこういう法理の整理というところで組織的な協議が必要であろうかと思いますが、その辺りはいかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) まず、たしか平成十九年だったと思いますが、今回の最高裁の対象となった事故でお亡くなりになられた認知症の方に対して、改めて私からも御冥福をお祈り申し上げたいと思います。 今、この刑事、民事の責任問題における法理の整理をすべきじゃないかと、こういう御指摘をいただきました。 認知症の方が第三者に損害を与えてしまった場合の介護家族の監督義務の有無について、今回の判決を踏まえると、六つの要件というのが示されましたけれども、これをよく読んでみると、やはり個別の事情を踏まえた判断が行われていくということになるのかなというふうに考えているわけでございます。 一方で、今回の判決が、在宅で暮らす認知症の方やあるいは御家族の中で不安が起きてこないようにと、地域の支援があるという安心感を持っていただくこともまた同時に重要だということが感じ取れるわけでありまして、先般、私、大牟田に行ってまいりましたが、大牟田では年に一回、三千人規模で、町じゅうで行方不明になった認知症の方を探し出すという訓練をやっておられますが、そのような安心感が地域にあるということも同時に大事でありますし、私どもの新オレンジプランでもそのようなことを訴え、地域住民によるネットワークの構築あるいは認知症サポーターなどによる見守り体制の整備など、自治体が認知症の方を地域で見守る、支える、そういう枠組みづくりを推進していくことが大事であるわけでございますので、私どもとしてもしっかり支援をしてまいりたいと思っております。 今後、認知症の方による事件、事故につきましては、御指摘の観点を含め、これは鉄道事故に限らずいろいろなケースがあり得るわけで、気が付かないことでもまだ幾つもケースがあり得るかも分からないというふうに思っていますが、社会として備えるためにどのような対応が必要かということについては、広く様々な立場から御議論をいただくことが重要だろうというふうに思っておりまして、これ、新オレンジプランを作ったときに関係省庁連絡会議というのをつくっておりますが、関係省庁と連携して実態把握をまず努めて、関係省庁連絡会議において情報の共有を行う、そしてそこで議論を深め、さらに国民的な議論をリードを私どもとしてはしてまいりたいというふうに思っておりまして、法理の整備が重要であることはそのとおりだろうと思いますが、今すぐ全部を決め込むというような形でいけるかどうかということを含めて、こういうところでの議論を持ち、そしてまた国民的な議論をお願いをできたらよろしいのかなというふうに思っております。
○石井みどり君 なぜ法理の整理ということを申し上げたかといいますと、この新オレンジプランの中でもこれは出てくるんですけれども、触法の高齢者の方々、その方々は認知症であるためにそういう軽度な犯罪を犯すケースがそんなに珍しくはない、あるわけであります。そして、違法行為を行った者であっても、この新オレンジプランには、医療、介護等の支援を必要とするものに対する必要な支援について検討を行うというふうに、これ昨年の一月でありますので、その後、言い訳程度の年に一回の省庁間の連絡会議ではなく、どのように法務省とそういうことを検討され協議をされたのかをお聞かせいただきたかったんです。是非お願いします。
○政府参考人(三浦公嗣君) この連絡会議でございますけれども、今回は、今回はというか前回開会された連絡会議におきましては、まずは新オレンジプランをそれぞれの省庁でまず実行していく、そういう関係からそれぞれの省庁における取組状況を御報告いただき、またそれを共有しながら次の展開を図っていこうと、こういうような関係で開催されたものでございます。 今、大臣から御説明ございましたとおり、今後、この関係省庁連絡会議を活性化させて、今回のJRの事故を含めて、様々な問題について更に議論を重ねていきたいと考えているところでございます。
○石井みどり君 法務省の方からの見解はございますか。
○政府参考人(金子修君) 御質問の趣旨にきちんと答えられるかどうかは別ですけれども、この新オレンジプランの策定の関係では御相談を受けていたとは思いますけれども、何か法整備の関係ということになりますと、私ども不法行為に対する責任制度、これについて所管しているわけですが、委員からも御指摘のとおり、高齢者の方が何か不法な行為で損害を与えてしまったというような場合に御本人の責任を問うことができない、こういう場合に監督義務者についてどのような責任、あるいはその範囲をどうしていくのかということにつきましては、それぞれ御本人の状況や介護の状況、それぞれ様々なところでございますので、そこに非常に特徴があるんだと思います。そういうこともあって、今回、最高裁は総合的に考慮して判断するということになったんだと思います。何か例えば民法を改正するなど一義的に明文の規定により対応するということが、逆に合理的と言えない面もございます。 他方、今厚労省の方からお話がありましたとおり、今後、認知症高齢者の問題に関しまして、法務省としても民事基本法を所管する立場から連携協力してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○石井みどり君 認知症のリスクは高齢化ということなんですね。我々も、本来であれば長生きをすれば長寿ということでことほがれるわけでありますが、しかし、長生きをすればするほど認知症のリスクは高まる。そして、世界最長寿の我が国でありますから、結局、認知症高齢者の問題は国家を挙げて取り組むということで昨年の新オレンジプランが策定されたわけであります。 法務省、その認識では、高齢社会、まさに世界から見たら最速の最長寿国家で、そして最も高齢者が多い。したがって、最も認知症の高齢者が多い国家というふうに見られているわけですね、事実ではありますが。そして、どこにも世界にロールモデルがないんですね。我が国でこの一つ一つの課題を解決して乗り越えて、長生きをして本当に幸福であったという人生を国民の方に送っていただくための様々な見直しが必要だと思うんです。それが今申し上げた、法理の整備ということで申し上げたんですが、法務省、その程度の認識では本当に国家を挙げての国家戦略だったのか、ちょっと疑わしいですね。非常に懸念をします。 またこのことはちょっと今後追及をしていきたいと思いますが、じゃ、何かありますか。
○政府参考人(金子修君) どういうことを法務省に期待されているのかよく分かりませんが、この関係で、何か具体的な、こういう観点から法務省に検討せよというお話がございましたら、もちろん協力させていただきます。
○石井みどり君 委員の方々もいろいろお感じになりましたでしょうから、厚生労働委員会ですから、与野党問わず国民のためにこの課題は研究をしていきたいと思います。 先ほど来新オレンジプランのお話をしておりますが、この新オレンジプランの中でいろいろな数値目標を挙げられたり、さっき申し上げた触法行為に対するこういうことも記載をされています。そして、数値目標もいろいろあるんですが、一番その肝といいますか、認知症施策のアウトカム指標を、クライテリアを作っていく、そして定量的評価をするということまでこの新オレンジプランでは記されているんですね。昨年の一月ですので一年以上たっていますので、どの程度進捗をされたのか、その状況について御説明いただきたいと思います。 いろいろな、例えば、かかりつけ医認知症対応力向上研修、あるいは歯科医師・薬剤師認知症対応力向上研修、あるいは看護職員認知症対応力向上研修、これの目標数値やら、そういうものもおつくりになっておられるんです。そして、認知症疾患医療センター、これは二〇一七年度末までに五百か所、あるいは初期集中支援チームは二〇一八年末までに全ての市町村というように目標を設定をしておられます。あるいは認知症の地域支援推進員、これは二〇一八年度までに全ての市町村に設置をする、そして認知症カフェも二〇一八年までに全ての市町村に設置するとかいろいろ目標を立てておられているわけですが、少しこの進捗状況をお教えください。
○政府参考人(三浦公嗣君) 昨年一月に策定いたしました認知症施策推進総合戦略、いわゆる新オレンジプランでございますが、今御指摘ございましたように、関係十二の省庁が共同して、認知症の方ができる限り住み慣れた地域で暮らすための施策を盛り込んで策定したというものでございます。 取組状況ということでございますが、例えば、正しい知識と理解を持って認知症の方やその家族を支援する認知症サポーターということにつきますと、平成二十七年十二月末現在で七百十三万人、医療・介護専門職による認知症初期集中支援チームは三百六の市町村、これは二十七年度末に設置予定の数でございますが、そういう数でございます。医療・介護連携のコーディネーターを務める認知症地域支援推進員は八百三十九の市町村で設置されているという状況。さらに、認知症の専門医療機関である認知症疾患医療センターは昨年の十二月末の状況では三百三十六か所ということで、私どもとしては、おおむね数値目標に沿って順調に整備が進められているという認識を持っております。 また、御指摘ございましたように、今年度に新たに歯科医師、薬剤師、看護職員にも認知症への対応能力を向上していただくための研修プログラムを策定し、来年度より実施したいと考えております。 また、先ほど、認知症施策のアウトカム指標の在り方について御指摘ございました。これにつきましては、現在、研究事業として今年度から取り組んでいるところでございまして、その成果を私どもとしてはできるだけ活用していきたいと考えているところでございます。
○石井みどり君 順調に進捗しているということですので、是非、目標をきちんと達成できるように予算措置もお願いをしたいと思います。 何度も申し上げますが、認知症は進行性の脳の変性疾患でありまして、そして進行して終末期に至るわけであります。早期診断、早期介入ということは非常に重要でありまして、今御説明がありましたような認知症初期集中支援チームを設置する、あるいは新オレンジプランにおける地域包括支援センター、認知症疾患医療センターの機能改善の議論などが充実してきているところであります。さらに、認知症リハビリの充実などにより早期の在宅復帰を目標とした施策も充実しつつあるところであります。 中核症状の進行が最重度、すなわち重度の認知機能障害、BPSD等のために在宅での介護が困難となり、治療抵抗性のBPSDと軽度から中等度の身体合併症のために、より医療が必要な認知症高齢者の処遇をどのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(三浦公嗣君) 認知症につきましては、慢性の行動・心理症状、先ほど来申し上げているBPSDでございますが、これが中等度から重度の身体合併症を伴うというような場合などには長期にわたって専門的な医療サービスが必要になるということがあると理解しているところでございます。このためにも、身体合併症などへの対応を行う急性期病院などにおけるBPSDへの対応力を高めるということ、またBPSDへの対応を行う専門医療機関における身体合併症への対応力を高めるということが共に重要であると考えております。 このような観点から、一般病院に勤務する医療従事者に対して認知症対応力を向上するための研修を推進すること、一般医療機関における認知症対応のための院内体制を整備するための手引を作成するなどによりまして、一般の医療機関での認知症対応力を向上させることと併せて、身体合併症などに対応できる医療の提供の場の在り方についての検討を通じて策定いたしました手引を活用して、認知症の専門医療機関における身体合併症への対応力の向上などを図ってまいりたいと考えております。 さらに、地域における退院支援、地域連携クリティカルパスの作成や、医療、介護などの有機的な連携を進めて、様態の変化に応じて円滑な退院、退所や在宅復帰の支援も推進していきたいと考えているところでございます。
○石井みどり君 実は、今の質問の後に、医療の必要度が低い場合は在宅あるいは介護保険施設の処遇でいいと思いますが、医療必要度が高く長期療養が必要な認知症高齢者の方々のための政策をというふうに追加で伺おうと思ったんですが、今大分お答えいただきましたので、この件に関してですが、老人性の認知症疾患療養病棟、これは介護報酬指定基準において指定介護療養型医療施設と規定をされています。 この規定によって運営されてきているわけでありますが、認知症の医療、介護においてこの老人性認知症疾患療養病棟というのは重要な貢献を果たしてきたと考えています。病棟としての意義があるからこのように規定されたわけでありますので、この意義は、全国に病床数としては、多過ではありません、現在は約千二百床程度というふうに聞いております。 そしてまた、BPSD等のためにやむを得ず行動制限を必要とする認知症の状態像もあるわけであります。行動制限に対する法的根拠と人権制限の適切性の担保のシステムが存在するということは非常に重要であって、これは法的に現在、精神科病床のみであるというふうに認識をしています。この法的根拠とシステムがないことが介護施設等において高齢者虐待などの事件の多発の原因と思われます。 御記憶もあろうかと思いますが、二〇一四年十一月から十二月にかけて、川崎市の介護付有料老人ホームで三人の方が転落死をした。ほとんどこの方々、転落死をした方々は認知症であったというふうな報道でありますが、二十三歳の元職員が神奈川県警に逮捕されたところであります。こういう法的根拠とシステムがあれば、このような異常な事件、しかも連続殺人のようなことが起こらなくて済んだのではないかというふうに思っています。 昨年の七月から本年一月までかけて第七回にわたって、療養病床の在り方等に関する検討会、これ厚生労働省の方で開催をされてこられましたが、この検討会の中で整理案というのが一月二十八日に出ておりまして、それを拝見したところ、今申し上げた老人性認知症疾患療養病棟、この議論がすっぽり落ちているんですね。全く議論されていないんです。なぜすっぽり落ちて、そしてこの整理案の中でも一言の言及もないんでしょうか。 この検討会の整理案では、「そのため、今後、「医療」「介護」のニーズを併せ持ち、長期の療養が必要となる高齢者に対して、これまでの類型にはない、日常的な医学的管理、一定程度の介護に加え、「住まい」の機能を同時に満たす新たな類型が必要である。」というふうに記載をされています。 しかし、内科領域においては必要とされていることが、なぜ認知症領域においては無視をされたのか。まさに、長期療養が必要となる高齢者の、重度の認知症高齢者に対する処遇というのは国民的な重要課題であると思います。この議論の中で全く無視されたということは誠に遺憾であります。このことについての見解と今後の対応をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(三浦公嗣君) 介護療養病床を含めまして療養病床の在り方についての検討が行われたというのは御指摘のとおりでございます。 介護療養型医療施設というのが介護保険の給付の対象になる施設でございますけれども、これは大きく分けまして二つ存在しておりまして、カテゴリーといたしまして、一つは介護療養病床ということ、そしてもう一つは今御指摘ございました老人性認知症疾患療養病棟でございます。 この数を比べますと、例えば介護療養病床につきましては、療養病床と位置付けられているわけでございますが、この病床を持つ施設が千三百二十九、現在ございます。一方で、老人性認知症疾患療養病棟につきましては、精神病床という位置付けでございますが、これは十九施設ということで、数字的にかなり大きな差があるということが現実でございます。 このようなことから、今回の検討の場では、その療養病床の大宗を占めます介護療養病床の議論というものを中心として行ったということでございます。
○石井みどり君 済みません、お答えになっていません。なぜ議論が落ちたんですか。たかだか十九施設であったにしても、全国でこれあるんですね。この議論が全くないんです。だから伺っているんです。答弁になっていません。
○政府参考人(三浦公嗣君) これらについては今後整理をしていく必要があるということでございまして、今回、療養病床の在り方に関する検討会という中で様々な議論が行われたわけでございますので、それらの結論も踏まえながら、次のステップというものを老人性認知症疾患療養病棟についても検討していきたいと考えておるところでございます。
○石井みどり君 いやいや、さっき申し上げた七回も開かれた検討会でこの老人性認知症疾患療養病棟の議論が一度もなされていないんですね。だからお聞きしているんです。全く今のでは答弁になっていないと思います。 しかも、専門家がおそろいになって昨年の七月から本年一月までにわたってけんけんがくがく議論された。中には、不十分だったということもいろいろと言われていますが、しかし、その中で検討しないで今後どう検討するんですか。なぜこの検討会、設置されたんですか。ちょっとそこはきちんとお答えください。
○政府参考人(三浦公嗣君) 療養病床につきましては、医療保険の適用の医療療養病床もございますし、また介護保険適用の介護療養型医療施設もあるということでございまして、そういう中で、先ほど来申し上げているような、全体の割合が圧倒的に大きい療養病床、介護療養病床についての議論ということでございました。 そういう意味で、決して老人性認知症疾患療養病棟を無視したとかいうことではございませんので、これから更にこれについては議論を私どもとしても深めていきたいと考えているところでございます。
○石井みどり君 塩崎大臣、今のこのやり取りをお聞きになって、大臣としてどう思われますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回、この療養病床の在り方等に関する検討会のそもそもの目的は、今後、医療のいわゆるベッドの機能分化をどう図っていくのかという中で、この療養病床の在り方というのがいろいろこれまで御意見があったので、それをどうするかということが一番の目的だったんだろうと思います。 ですからこそ、この大宗を占めていた千三百二十九施設ある介護療養病床の方にウエートが掛かっていたということであって、それはしかし裏返して、先生が今おっしゃった精神病床である老人性認知症疾患療養病棟が大事であるということに関しては何も変わるわけではございませんで、むしろこれは専門性のある病床として今後どう扱っていくのかということを関係部会において、社会保障審議会の中で、幾つかまたがってくると思うんですね、介護保険の部会もあれば、医療の方の部会もあれば、精神の方の関係を主に議論する場もあるわけですから、そういうところで今後この制度改正に向けて、どのように精神病床である老人性認知症疾患療養病棟を位置付けていくか、在り方をどうするのか、これは今後議論するということではないのかなというふうに、私は聞いていても思いましたし、今日この御質問が先生の方からあるということを聞いてそのように感じたところでございまして、この重要性が何も無視されているじゃないかという、その思いは、お気持ちはよく分かりますが、今回の検討会での一番大きな議論のポイントは、今後、この機能をどうして療養病床を扱っていくかということについての議論が多かったということであろうと思うので、今後、今先生の御指摘の認知症の専門の病床についてはしっかりと議論をしていかなければならないというふうに考えております。
○石井みどり君 療養病床の在り方等に関する検討会の後で、社会保障審議会の医療部会それから介護保険部会で更に議論をされるということであるんですが、ならば必ず、この先立つ検討会で取り上げられなかったわけですから、きちんと社会保障審議会の中でこれは議論をしていただくことをお願いします。 もう時間がなくなりましたので、最後の質問をさせていただきます。 三月四日に厚生労働省から、二〇一六年診療報酬改定が官報告示されました。今回の診療報酬改定のことに関してはまた違う機会に御質問させていただこうと思っておりますが、幾ら診療報酬上の評価をされても、残念ながら臨床の現場で請求しないということ、これは私も質問してきましたし、西村さんも今まで指導の問題で質問してきています。 この歯科の指導、監査のことに関して、これが、指導大綱というのは一九九五年十二月に施行されて、既に二十年以上たっています。二十年前は、歯科医療機関というのは地域の中で、その歯科医療機関の中で完結をしていた。しかし、現在は地域社会の中で完結するというふうに社会構造も変わったし、疾病構造も変わってきたわけであります。ですから、この指導大綱を見直すのは当然だと思っております。 日本歯科医師会が今まで厚生労働省の医療指導監査室ともいろいろ検討を重ねてこられたということも聞いておりますし、そして、何度も答弁で、唐澤局長もそして塩崎大臣も検討するという答弁をしてこられました。 それに先立って日本歯科医師会の方で考え方を、先般、三月一日の日にお示しをしたというふうに聞いております。保険局長宛てに指導大綱等に関する要望書が提出されたと聞いておりますが、一番心配するのは、もう正直に申し上げますが、日本歯科医師会が要望書を作って持っていっても、局長のデスクの上へぽんとされて、上へどんどんどんどん書類が積まれていって忘れられてしまう。(発言する者あり)いやいや、常套手段です、厚生労働省の。ということになったのでは困るんですね。本当に現場が困るんです。 訪問診療をしたくても、訪問診療をすると点数が高くなる、指導の対象になる、あるいは、高齢者の方が多い歯科医療機関だとどうしても補綴といって金目のものが多くなるので点数が高くなる。ですから、非常に萎縮診療。自分で自らの診療を抑制するということがもう日常茶飯事、臨床の現場で行われているんですね。ですから、幾ら診療報酬改定で医療政策としていい流れをつくっていこうということをしても、指導の問題があるのでそういうことが現実に生きてこないわけであります。 ですから、せっかく要望書を出したわけですので、これに対してどのように対応されるのか、それをお聞きして、質問を終わりたいと思います。
○政府参考人(唐澤剛君) 指導の見直しは大変重要な問題だというふうに受け止めております。この委員会でも度々御議論をいただいておりますし、それから、先生から御指摘いただきましたように、三月一日には日本歯科医師会から指導大綱の見直しの方向についての御提言をいただいております。 私ども、これまで医科、歯科、調剤のそれぞれの関係団体の皆様からも御意見をいただいておりますので、そういうものを踏まえまして、指導大綱の見直しを含めて、今後具体的な見直しの内容を検討してまいりたいと考えております。 特に、大綱は、本文は大きなことを決めておりますけれども、具体的な運用事項、例えば持参物でありますとか日程の問題ですとかいうようなこともございますので、こういうものについては今関係団体の皆様と意見交換を精力的にさせていただいておりまして、来年度から具体的な改定、改正ができるように現在調整を行っておりますので、引き続きよく意見交換をさせていただきながら、前進できるように検討してまいりたいと考えております。
○石井みどり君 声が小さかったので余り聞き取れなかったんですが、来年度から検討されて、この改定に向かっての取組を、歩を進められるわけですね。
○政府参考人(唐澤剛君) 特に、大綱は本文なので、大きなものなので中医協の検討が要りますけれども、日程等の運用の問題もいろいろございますので、そういうようなものについては早めに実施できるように、来年度から実施できるように調整を進めているということでございます。
○石井みどり君 もう時間がないので、これはお願いをしたいと思います。 瑣末なことよりも本質的なところ、やはり大綱の見直しが、もう二十年たっているわけですから、非常にこれが求められているわけですよね。是非本質的なところの見直しをお願いをしたいと思います。 ありがとうございました。
○藤井基之君 自由民主党の藤井基之でございます。久しぶりに厚生労働委員会に戻ってまいって、質問の場に立たせていただいております。 先ほどの石井先生とは別なテーマにつきまして質問をさせていただきます。 政府は、アベノミクスの第二ステージとしまして一億総活躍社会の実現を目指しまして、GDP六百兆円、希望出生率一・八、介護離職ゼロの達成を目標に掲げて新たな三本の矢を放ちました。大臣が所信でお述べになられたとおりでございますが、この新しい三本の矢、希望を生み出す強い経済、夢を紡ぐ子育て支援、安心につながる社会保障、この三つの矢は、そのいずれもがその責任を持つべき厚生労働省が頑張るという答弁というか表明がございました。私は、大臣のその取組に対する意気込みを多としたいし、是非期待をしていきたいと思っております。 この中で一つ、今日は内閣官房に来ていただきましたので、御質問をさせてください。 合計特殊出生率という数字がございます。御案内のとおり、人口の動向を指標とするものですが、日本におきましては、二〇〇五年、平成十七年、出生率が一・二六というそれまでの最低の数字を記録いたしました。現在、二〇一三年が一・四三、二〇一四年が一・四二と、少し出生率は回復の兆しが見えております。しかし、先般発表されました二十七年十月一日時点における国勢調査では、前回の五年前の数字から九十四万七千人人口が減少しておりまして、大正九年の調査開始以来初めての人口減少を記録しておりますし、二〇一四年の出生数は百万三千五百三十九人と連続して減少を続けております。 人口減少を食い止めること、歯止めを掛けるということは、国の継続的な成長の要とも言えます。ただ、人口の減少を静止させるためには、そのために必要な出生数というのは一応二・〇七というふうに言われているわけでございます。今回言われております出生率の一・八という数字がもしも実現できたとしても、これは、人口減少が緩やかになるものの、実は減ることを止めることにはならないわけであります。 この希望出生率というのは、国民の希望がかなった場合の出生率ということで、今回新たに提言された政策目標であろうと考えますが、この希望出生率一・八というのは、人口が一億人以上を一つの目安といいましょうか目標として設定されたものと理解すればよろしいのでしょうか。内閣官房のお考えを伺いたいと存じます。
○政府参考人(大島一博君) 一億総活躍社会の実現に向けましては、まず第一の矢であります強い経済の実現によって、第二の矢である希望出生率一・八の実現に向けた子育て支援、それと第三である社会保障の基盤整備がなされます。 これによりまして、子育て、介護、あるいは仕事との両立がしやすくなるということもありまして、様々な人材が参加し、社会に多様性が生まれ、労働生産性の向上、それから労働参加率の向上、こういったことで経済成長を加速することが期待されるということになっていまして、全体として成長と分配の好循環を持続して、五十年後に人口一億人を維持する、それが一億総活躍社会という考え方でございます。 それで、先生今おっしゃいましたような出生率との関係ですけれども、一昨年にまち・ひと・しごと創生長期ビジョンという中で一つの試算が行われていまして、その中では、出生率が二〇三〇年に一・八、二〇四〇年に二・〇七というケースを想定しまして、その場合ですと二〇六〇年に総人口一億人という試算になっております。
○藤井基之君 ありがとうございました。 政策的な目標でどのくらいの人口を日本で養っていくといいましょうか、国の勢力として何人の人口を持つかということ、こういう政策目標というのは、実は、予測はできるかもしれないけれども、実態としてそういったものに向かうような政策というのはなかなか提言しづらいし、実際にやりづらいわけです。このまま行っても、今言われたように、一億人は維持できるという試算があることも私も存じておりますけれども、今の実際の人口の出生率で行くと、一度下がってその後上げていくという形になるのか、あるいは今の一・四二が急速に高まって、ある早い段階で一億人より上の段階の人口で止めることができていれば、その後、一・八でも一億人というふうに行くわけですよね。 ただし、現在の一億二千七百十一万人という国勢調査結果の数字から、ひょっとすると、どんどんどんどん一億人を下回ってしまう心配もあるわけですよ。そうしたときには、一・八という数字を幾ら振りかざしても人口は一億人には届かないという心配もあるということを人口問題をやられているプロの方は指摘しているわけでございまして、政策におきましてはその辺も十分加味したきめ細かい政策の設定といいましょうか、政策過程の検証というものをしていただきたいと思います。ありがとうございました。 次に、医療と、あるいは、特に私が自分が薬剤師でありますので、薬局の問題について少し厚生労働省にお尋ねしたいと存じます。 今更言うまでもありませんけれども、我が国は超高齢化社会への道をまっしぐらでありまして、団塊の世代が後期高齢者となります二〇二五年には、七十五歳以上の人口の総人口に占める割合、これは一八・一%まで上昇すると予想されています。 こうした状況に対応するため、二〇二五年に向けて地域包括ケアシステムの構築が進められております。昨年六月閣議決定されましたいわゆる骨太方針二〇一五におきましては、次のような記述がございました。「かかりつけ薬局の推進のため、薬局全体の改革について検討するとともに、薬剤師による効果的な投薬・残薬管理や医師との連携による地域包括ケアへの参画を目指す。」。 また、昨年十月に厚生労働省は、かかりつけ薬局の機能を明確化し、将来に向けた薬局再編の姿を示した「患者のための薬局ビジョン」を公表されました。「「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ」という副題を付しまして、二〇二五年には約五万七千ある全ての薬局をかかりつけ薬局とすることを目指すとされております。さらに、その十年後の、団塊の世代が八十五歳以上となる二〇三五年には、患者の身近な日常生活圏域単位で地域包括ケアの一翼を担える体制を構築するとの文が掲げられております。 塩崎厚生労働大臣は、一昨日の所信表明におきまして、かかりつけ医・歯科医の普及について言及をなされました。ただ、私も一生懸命聞いていたんですけど、実は聞きたかったかかりつけ薬剤師という文言が残念ながら大臣の言葉からは出てまいりませんでした。 改めてお尋ねしたいと存じます。大臣は、かかりつけ薬剤師・薬局についてどのようなお考えをお持ちなのか、できましたら大臣から是非お言葉をいただきたいと存じます。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の診療報酬改定では、調剤報酬の見直しというのが非常に大きな焦点になりました。八日の所信表明でも、患者本位の医薬分業の実現という表現を特に盛り込みまして、この中でかかりつけ薬剤師の推進も含めて表現をしているものでございまして、その重要性はいささかも揺らぐことはないと思っております。 つまり、患者本位の医薬分業をするということであれば、先ほど藤井先生の方からもお話があったとおりの、服薬指導をきちっと患者単位でやっていくということができるためには、やはりこのかかりつけ薬剤師という立場がなければできないと、こういうことだと思います。 かかりつけ薬剤師には、患者の服薬状況を一元的かつ継続的に把握をするということで、患者に対する薬物療法の安全性、有効性を専門的観点から確保するとともに、後発医薬品への切替えとか、あるいは残薬の管理を通じて医療保険財政の効率化にも寄与をしていただくということが期待をされているんだろうというふうに思います。 今回の診療報酬改定においては、患者が選択をいたしました、新たに今回位置付けましたかかりつけ薬剤師、初めて定義付けたわけでありますけれども、これが患者の服薬状況を一元的かつ継続的に把握した上で服薬指導等を行う業務についての評価などを行ったと、こういうことでございまして、今後とも、地域包括ケアシステムに参画をしていただき、そしてまた患者中心の業務を行うかかりつけ薬剤師、これを推進して、国民がメリットを十分に実感をして、医薬分業の本当にあるべき姿を国民にも明らかにしながら進めていかなければならないというふうに考えております。
○藤井基之君 どうもありがとうございました。 厚生労働省は、平成二十八年度予算案の中で、患者のための薬局ビジョンの実現に向けて、二十四時間対応や在宅対応などにおける地域の薬局間の連携体制構築のための取組や、健康サポート機能の更なる強化に向けた先進的な取組など、薬剤師、薬局のかかりつけ機能の強化のためのモデル事業を実施するとして、新規に一・八億円の予算を計上されています。 しかし、一方におきまして、かかりつけ薬剤師指導料とか、かかりつけ薬剤師包括管理料などという画期的だと言えるこういった調剤報酬の改定がなされておりまして、これは、もうあと四週間後の四月一日から、年度初めからこの調剤報酬改定は実施されることになっております。この新しく示されておりますかかりつけ薬剤師指導料とかかかりつけ薬剤師包括管理料に対してどう対応したらいいんだろうか。実は、現場の薬剤師、薬局においてはそれに対して戸惑いを感じている者も少なくありません。 こうした状況を考えますと、厚生労働省のモデル事業というものは、これは本来一刻も早く実施に移されて、その結果をもって多くの薬局、薬剤師に対して指導に供してもらわなきゃいけないと考えるわけですが、事務的な答弁で結構でございます、事務方の答弁で結構ですが、この事業実施に対してはどのような事業計画を組まれているのか、お尋ねしたいと思います。
○政府参考人(中垣英明君) 今委員御指摘ございましたかかりつけ薬剤師、どうやってやっていくのかということであります。それで、多剤・重複投薬や相互作用の防止を図るという観点から、服薬情報の一元的かつ継続的な把握等は非常に重要でございますので、従来から薬剤師の資質確保を通じて取り組んでまいりました。 また、今先生の方からもございましたけれども、昨年十月の薬局ビジョンにおきましては、こういった医薬分業を実現するために、服薬情報の把握も含めまして、薬剤師あるいは薬局が持つべき機能を明確化するとともに、二〇三五年までの中長期的視野に立って将来に向けた薬局の姿を示したところでございます。このビジョンの実現のためには、今御指摘ございました調剤報酬はもとより、この制度や予算、あるいは様々な政策手段を用いて推進することといたしております。その中で、今先生から御指摘ございました予算事業もやっていきたいというふうに思っております。 今の先生の御指摘のとおりでございますので、現場の薬剤師の声に私ども耳を傾けていきながら、いろいろな施策を推進していきたいと思っておるところでございます。
○藤井基之君 ありがとうございます。 今のお答え、非常に前向きなのでほっとしておりますが、ただ、私が申し上げましたとおり、本来でしたら、政策を打つとき、こういうモデル事業をやって、こういう事業をやれば国民のためになる、医療が良くなるということがある程度見通せて、そして政策の中に、つまり調剤報酬の中にそれを取り込んでいくというのが普通の順番だと思うんですね。だから、今回、私が言っていますのは、これある意味で同時並行で走る形になっているわけですよ。そのことが現場で実は戸惑いを感じているということの一つの理由でもあるわけです。 ですから、今お答えいただきましたけれども、このモデル事業につきましては一刻も早く事業実施をしていただきまして、そしてその結果をできるだけ早く関係者のところで指導していただく材料として提供いただくよう、重ねてお願いをしたいと存じます。 「患者のための薬局ビジョン」、これは副題に、先ほど申し上げましたように、「「門前」から「かかりつけ」、そして「地域」へ」、これを実現するためだと、こういうことですね。そして、これはスパンとしては二十年間というスパンを想定してこのビジョンというものをお作りになられております。今までにない画期的な私はレポートだと考えております。 このようなビジョンにおけるかかりつけ薬剤師・薬局、それらの定着に向けて厚生労働省はどのような取組をこれから進めていくおつもりなんですか。先ほどもちょっとお答えいただきましたけれども、改めて厚生省の考え方を伺いたいと思います。
○政府参考人(中垣英明君) かかりつけ薬剤師・薬局を推進するということで、ビジョンの方にも書かせていただいておりますけれども、やはり薬剤師あるいは薬局が患者さんあるいは市民の方から信頼されるというのが非常に重要だというふうに思っております。 そういった中で、やはり二十四時間対応とか在宅対応を積極的にやっていただくとか、それから、服薬情報の一元的管理でありますとか、それを継続的に把握していただくということ、それからあと、地域の中での薬局、薬剤師の存在、それを高めていくという観点からも、その地域の医療機関あるいはいろいろな在宅の介護の機関でありますとか、そういうところと是非連携することによって、こういったかかりつけ薬剤師でありますとか薬局の機能を発揮していっていただきたいと思っておるところでございます。
○藤井基之君 ありがとうございました。 今回、調剤報酬でお示しになられましたこのかかりつけ薬剤師という制度は、これは患者がかかりつけ薬剤師を選択するという、そういう仕組みになっております。ですから、患者さんの薬局あるいは薬剤師の選択に当たっては、間違っても薬局サイドから経済的な誘引が行われることがあってはならないと、こういうふうに考えます。 私は、平成二十二年、民主党政権のときでございましたが、保険調剤におけるポイントサービスの提供に関する質問主意書を提出させていただきました。そして、その御答弁で、ポイントの提供又は使用が一部負担金の減額に当たる場合であれば、保険薬局は健康保険法第七十四条の規定に違反することになるとの答弁をいただいております。 また、平成二十四年、保険薬局及び保険薬剤師療養担当規則が改正されました。そして、経済上の利益の提供による誘引を禁止する規定が追加され、同年十月一日に施行されております。この改正の趣旨は、そのとき同時に示されました医療課長通知によりまして、一部負担金等の受領において専らポイントの付与及びその還元を目的とするポイントカードについてはポイントの付与を認めないことを原則とすると示されております。しかしながら、現在でも保険調剤の一部負担金におけるポイント付与が行われている事実がございます。 調剤報酬の一部負担金に対するポイント付与の禁止を徹底すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(唐澤剛君) 先ほど先生から御指摘いただきましたように、私どもの今回の調剤報酬の改定におきまして、かかりつけ薬剤師・薬局の評価ということを大変力を入れているわけでございます。 特に、今後、地域包括ケアの地域のチームの重要な一員としての役割を果たしていただきたいと考えておりますけれども、ただいま御指摘をいただきました調剤ポイントでございますが、保険薬局におきまして患者の支払った一部負担金に対してポイントが付与されるということにつきましては、平成二十三年当時の中央社会保険医療協議会におきまして御議論が行われております。その際、一つには、調剤料、薬価というものは公定された価格でございますので、薬局が独自にポイントを付与することは医療保険制度上ふさわしくない、患者が保険薬局を選択するに当たっては、保険薬局が懇切丁寧に調剤を行い、服薬管理、服薬指導の質を高めることが本旨であり、ポイント等の提供によるべきではないという御指摘をいただいているところでございます。 こうした議論を受けまして、御指摘いただきましたように厚生労働省におきましていわゆる薬担規則を改正をいたしまして、平成二十四年四月より、原則患者の一部負担金に対してポイントを付与することは認めないということにしたものでございます。 現在におきましても、この薬担規則に基づきまして保険薬局における保険調剤の適切な実施を確保しているところでございますので、今後とも、この健康保険法と薬担規則等に基づきまして、保険薬局に対するポイントにつきましても適切な指導に努めてまいりたいと考えております。
○藤井基之君 ありがとうございました。 今局長から御答弁いただきましたが、私が質問で申し上げたとおり、実は現在におきましても今の時点においてこのポイント付与が行われている事実があるから私はお尋ねをしているわけでして、言われるように、そのような指導がちゃんとできていれば私はこんな質問をする必要はないわけでして、そういう実態があるということを知った上での今後の対応をお願いしたいと存じます。 次に、医薬品産業の育成強化策についてお伺いいたします。 大臣は、所信表明におきまして、昨年策定された医薬品産業強化総合戦略に沿って、後発医薬品の使用促進と併せて、バイオベンチャーの育成を含め、革新的な医薬品等の開発環境の整備に取り組むことを表明されております。また、骨太方針二〇一五におきましては、医薬品産業につきまして、成長戦略に資する創薬に係るイノベーションの推進、これが示されているところでございます。 御案内のとおり、現在すごい勢いで科学技術が進歩しております。そして、昨日まで治せなかった疾病に対する新しい治療法でありますとか新しい医薬、あるいは医療機器の開発が進んでおります。にもかかわらず、まだ今日におきましても実はそういった的確な治療方法あるいは治療薬がなくて苦しんでいる患者さんは多くいらっしゃいまして、一日も早い新薬の開発、上市を待ち望んでおります。 知識集約型の医薬品産業、これは資源の乏しい我が国にとって経済成長を担う重要な産業でありまして、その発展を支えていく必要があろうと思います。私は、そういった観点からいろいろな検討をなされていることは十分存じておりますし、イノベーション推進のための予算もかなりのものを用意されていることも存じております。 今日お尋ねしたいのは、そのイノベーションの問題とまた国民皆保険の維持という問題との接点になるような事案が今回改定で出てまいりました。中医協で議論が行われたわけでございますけど、それについてお尋ねをしたいと存じます。 今、大臣は席を外されていますが、できましたら大臣に御答弁をと思っておったんですが、御案内のとおり、この四月から、診療報酬、調剤報酬の改定におきまして、いわゆる市場拡大再算定の特例というようなことで、売上規模の大きな医薬品を対象に大幅な薬価の引下げが行われております。引下げ対象となりました医薬品、この売上規模拡大、しかもそれが一定の想定を超える売上規模になったというものについて、今回、特例的再算定ということがなされたわけでございます。 この引下げ対象になりました医薬品が売上げが伸びたということは、これは一つには、その医薬品の有効性、安全性が高いとの臨床的評価の一つの表れではないか、そのようにも理解することができると考えております。 薬価の特例的な再算定という話、これは今回初めて導入をされた仕組みでございますが、これによりまして薬の公定価であります薬価が切り下げられました。国費ベースで実は二百八十二億円の引下げが行われたというふうに伝えられております。これを薬価ベースに直しますと、実は約一千三百億円の巨額になるという、そういった試算も用意されております。 このような巨額の引下げが行われるということについては、これによりまして我が国の医薬品産業は研究開発意欲の低下を招くのではないでしょうか。また、海外で開発された多くの薬剤、革新的な有用な薬剤を国内に導入することに対して、その遅れが発生する心配はないんでしょうか。医薬品産業の発展、画期的な医薬品の研究開発の整備を目指すことと相反することにならないでしょうか。 今回、この制度設計を議論された中医協におきまして、薬価制度改革の骨子として、この市場拡大再算定につきましては、イノベーションの評価と国民皆保険の維持を両立する観点から特例的に市場拡大再算定の対象を決めるということ、そして、特例再算定の在り方については、上記の観点から平成二十八年度薬価制度改革後も引き続き検討すると、そのような骨子となって今回の実施がなされたわけでございます。 私は、大臣にお伺いしたい。大臣、よくイノベーションの大切さを言われている。そして、この皆保険制度も守らなきゃいけないという、本当に、片っ方でブレーキを踏んで片っ方でアクセルを吹かさなきゃいけないような状況になっているのかもしれませんが、この辺りをやはり大臣の英知でうまく切り盛りをしていただいて、今回は実は産業界がかなりこたえております。そして怒っております。そういった状況をこの次に、引き続いてこの制度については二十八年の薬価制度改革後も検討すると中医協で決められているわけでございますから、是非、これについては、産業界の意向等も踏まえた、国民のためにどういうふうな仕組みがいいのかということも検討をしていただきたいと思いますが、大臣、いかがでございましょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、藤井先生から御指摘のあったように、私どもは、やっぱりこの医薬産業を日本からも世界に貢献できるような新しい薬、イノベーティブな薬をどんどん出していただくということを我々としてもバックアップをしていかなきゃいけないんだろうというふうに思っていますので、そういう意味でイノベーションを大事にするということは何ら変わらない、あるいはむしろこれを大事にしていくということが大事であって、そのことはまず押さえておきたいというふうに思うわけであります。 一方で、私ども、この国民皆保険制度というものはもう一九六一年からずっと育ててきて、先人の先輩方が本当に御苦労されて今日までつくってきた誇るべき制度でありますから、この皆保険をどう持続性を持って守っていくのかということも同時にやらなきゃいけないと。そういう中で、二年に一遍のこの診療報酬の改定を迎えるわけで、今回それが一つテストをされたと、こういうことで今先生からも御指摘をいただいているわけだろうと思います。 今回の市場拡大再算定の特例は、当初の見込みを超えて極めて大きくなった品目について市場拡大再算定の特例を新たに設けたと、こういうことでございまして、何か急に大きくなったらこれをたたくみたいな話では決してないわけで、一旦決めた診療報酬が前提としていた売上げ、それをはるかに超えるようなものに予想外に伸びたような場合についての再算定の特例というものを新たに設けたと、このように御理解をいただければと思うわけで、市場実勢価格に基づく薬価の引下げを一時的にこれを猶予し、研究開発経費を早期に回収できるようにするという、新薬創出・適応外薬解消等促進加算、いわゆる新薬創出等加算と呼ばれているものは、今回この試行を継続をするということで、やはりこういった新しいものはバックアップをしていこうというふうに考えているわけでございます。 今御指摘のあった中医協の附帯意見というのがあることはよく分かっておりますので、この新薬創出等加算及び市場拡大再算定の特例の在り方について、二十八年度改定以降も、これこの四月から改定されるわけでありますが、当然のことながら引き続き検討を深めていかなきゃいけないというふうに思います。 いずれにしても、これから日本はイノベーションで生きていこうというところも強くあるわけでございますので、そのことは大事にしていきたいというふうに思います。
○藤井基之君 ありがとうございました。 イノベーションの評価ということを考える場合、もう一つ別な指摘があるわけですね。 これ、医薬品産業強化総合戦略に述べられているわけでございますが、このように書かれております。医薬品のイノベーションの適正な評価には医薬品の単品単価契約が重要だと、このように指摘されております。このことは、昨年九月の医療用医薬品の流通改善に関する懇談会の提言においても記されている内容でございます。 医薬品の適正な取引を進めるために、一昨年の診療報酬改定の際に導入されたいわゆる未妥結減算という仕組み、この仕組みは、妥結率の向上、つまり医療機関が薬局からお薬を買うとき、ちゃんと価格を決めて、そして製品を納入していただく、妥結という言葉を使うわけですが、この妥結率が上がるということに対しては寄与いたしました。 ただし、その際に、本来、個々の医薬品の性格といいましょうか、品質といいましょうか、有効性といいましょうか、それらを評価して個々の医薬品ごとに価格は決められなければならないと考えているわけでございますが、これが単品単価取引という言葉で言われているわけですが、この契約は、実は未妥結減算の制度導入によってかえって後退した結果となっております。 単品単価取引の拡大というものは、本来の医薬品イノベーションの適正な評価、まさに医薬品の価値を的確に評価するために必要とされるものであるし、単品単価取引というのは、この保険制度を守るためにも、薬価の制度を守るためにも必要なものと考えておりますが、政府として、単品単価取引、これをもっとちゃんと進めていくためにどのような方策を取られるのか、お考えを伺いたいと思います。
○政府参考人(神田裕二君) 先生御指摘のとおり、平成二十六年度の診療報酬改定でいわゆる未妥結減算制度が導入されております。その結果、妥結率は大きく向上いたしましたけれども、単品単価取引については若干下がっております。その理由といたしましては、短期間の価格交渉となったことから早期妥結を優先したこと等が指摘されているところでございます。 先生御指摘のとおり、医薬品産業強化総合戦略の中でも、単品単価取引というのが現行の薬価基準制度において適正に市場価格を把握して、イノベーションを評価するためにも大変重要だという位置付けがされているところでございます。 厚生労働省といたしましては、公的医療機関の本部に出向きまして単品単価取引を直接要請をするというようなことを行いますとともに、医療用医薬品の流通改善に関する懇談会の下に設置されました日本医薬品卸業連合会と日本保険薬局協会とのワーキングチームにおきましても、両団体に所属する卸売販売業者と保険薬局との間で契約を締結する際には個々の医薬品の価格を示す覚書を締結するよう監視をするという取組をしております。こうした取組を通じまして、単品単価取引の更なる推進に努めてまいりたいというふうに考えております。
○藤井基之君 ありがとうございます。いろいろ対応を取っていただいておるのは私も知っておりますけれども、ただ、御案内のとおり、この医薬品の流通改善と言われるものはもう十年や二十年じゃないですよ、延々と厚生労働省はこのテーマでやられているじゃないですか。それで一向に変わらないから、だから未妥結減算なんという若干乱暴な仕組みを導入することになったんだろうと思っています。ですから、今までの話合いだけで済んでいればこんなことをあえてやらなくてもよかったかもしれないんですよ。 ですから、いろいろな検討会等でなされることを私は否定するものではありませんけれども、それによってこれがうまくいくんだというのは過去の勉強が足らないんじゃないかと言わざるを得ないですよ。過去、一体何回この種の答弁あったか、何回この種の答申が出たか。そして、実態として、バスケットクローズといいましょうか、総価山買いがどのくらい減ったんですか、医薬品の取引において。 私は、先生方、皆さんの方が厚生労働省のデータたくさんあると思いますので、その辺よく御存じだと思いますので、これにつきましては、単に検討会をやればいい、当事者が話し合えばいいという時期はもう終わっているかもしれないと思っていますよ。だからこそ、診療報酬改定の中で未妥結減算という仕組みを取り込んだんじゃないでしょうか。そのことを是非記憶していただいて、これから先の行政をやっていただきたいと思っております。 時間も大分なくなりましたので、最後の質問にさせていただきたいと思います。 がらっと話を変えまして、薬物乱用問題について一つお尋ねをしたいと存じます。 薬物乱用問題というもの、これも古くて歴史の長い、そして解決ができない問題の一つでございまして、かつてのあへん戦争の例を引き出すまでもありませんし、多くの薬物乱用問題というのが起こってきたわけでございますが、最近で申し上げますと、二〇一〇年代に社会問題化した薬物乱用問題として危険ドラッグというものがございました。 これは、ちまたでは例えば合法ハーブだとかあるいは脱法ハーブなどと呼ばれて売られたものでございまして、当初は規制法令がなくて、まさに法に触れないんだと、そういうことで脱法とか合法ハーブというふうに呼ばれました。このことは何も日本に限ったことだけではありませんでして、このような脱法ハーブ等が最初に出てきたヨーロッパにおきましても、いわゆるスパイスと呼ばれたものは、大麻のような効果があるけれども大麻ではありません、合法的なんですといって実はヨーロッパでも売られていったわけです。その流れが日本に入ってきたとき、日本においても合法ドラッグとか脱法ドラッグという言葉で実は日本にも入ってきた。 これに対して、各国ともこれは大変だということで法規制を取ったわけでございます。我が国においても同様でございまして、皆様方が頑張っていただいて、例えて申し上げますと、これの基本法令であります薬事法令、今、薬機法という、名前が変わっておりますが、これにつきましても、二〇一三年の十月あるいは二〇一四年の四月、二〇一四年の十二月と、三回にわたって法改正がなされております。そして、二〇一五年の四月には関税法も実は改正をしていただきました。 このような法規制の整備あるいは取締りにおきましては、それまで言われていました、この規制については要はイタチごっこだと、規制をしたと思ったら規制逃れのものが出てくるという、そういったイタチごっこになっているんじゃないかと言われた。これに対応するために行政は、いわゆる包括指定という、いわゆるバスケット的に指定して、こういったグループのお薬は駄目ですと、こういう指定をされました。この結果、指定薬物の数というのは大幅に増えて、規制対象が広がりました。現在、この包括規制を含めて二千三百以上の物質が規制対象となっていると存じております。そして、取締りも頑張って、皆様方も頑張っていただいて、いわゆる啓発も強化していくと。このようなことがありまして、二〇一五年七月にはこのような危険ドラッグを販売している店舗はゼロになりました。これは、私は撲滅に対する一定の成果を上げたと見ることができると考えております。 しかしながら、最近になりまして、例えば元プロ野球選手の覚醒剤の使用の問題でありますとか、昨年、今年、例えば京都市では小学生とか中学生が大麻を使っているというような話が出ておる。つまり、薬物乱用の問題というのは後を絶っておりません。 こうした中で、平成二十八年度予算、危険ドラッグなどの薬物乱用・依存症対策の予算が減額になっていますよね。私は予算の多寡でどうこう言うつもりはありませんけれど、やはりこの問題に対しても力を入れて厚生労働省として十分な対策を取っていただく、そして対策を強化していただきたいと思っております。 最後になりまして、時間がなくなりましたので、簡潔で結構ですが、御答弁いただけますでしょうか。
○委員長(三原じゅん子君) 中垣局長、申合せの時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いいたします。
○政府参考人(中垣英明君) はい。 今先生御指摘のように、この違法薬物対策は、取締り始め、国民への啓発とかいろいろな重要な側面があろうと思っております。今回、今先生まさに御指摘のとおり、危険ドラッグの店舗が全滅したと、そういったこともございまして、薬物の押収件数が減るということもございまして、事業予算の見直しを行った結果、一定の減額とはなっておるところでございます。 一方、こういった広報活動を積極的にやっていくというのも当然でございますし、そういった形で私ども、いろいろな薬物乱用を防止を促す取組を行っておるところでございまして、今後ともあらゆる手段を取って積極的な啓発活動を行っていきたいと思っておるところでございます。
○津田弥太郎君 民主党の津田弥太郎です。 本日の厚生労働委員会、対政府ということで、実質的な論議は昨年の九月十五日以来、実に六か月ぶり、半年ぶりでございます。この間、厚生労働行政に関わる分野において様々な事件が多発をしたわけであります。昨年中に限っても、マイナンバー関連汚職による厚労省職員の逮捕、化血研の不正製造問題、福島第一原発作業員の労災問題、日本年金機構の空き宿舎問題、GPIFの運用問題、ワタミの過労自殺訴訟問題、数え上げれば切りがないわけであります。また、一億総活躍の緊急対策につきましても、育児、介護、最低賃金など、厚労省が中心になって取り組む課題ばかりであります。 こうした状況を踏まえ、我々は一致結束して野党は臨時国会の召集を求めましたが、政府は応じなかったわけであります。言うまでもなく、国会は国権の最高機関でありますが、これだけ長い期間、半年間、しかも重要課題が山積する中で国民の声を政府に伝える役割を国会が適切に担えることができなかった、これは大変禍根を残すものだというふうに私は考えるわけであります。私は、総理や他の大臣がどんなに逃げ腰であっても、塩崎厚労大臣は、あなたは国民のために臨時国会の召集を強く主張すべきであったのではないかということを申し上げておきたいというふうに思います。長期間にわたって国会が開かれなかったしわ寄せは、間違いなく厚労分野で最も顕著に生じているわけでございます。 具体的な課題に対する質問に移らせていただきますが、まずは、今日資料も配付をいたしておりますが、労働移動支援助成金を悪用した企業のリストラ強要の問題であります。 これ、まさに起こるべくして起こった問題であります。安倍政権において、パソナの会長である政商竹中平蔵の主導の下、本助成金が異常に拡充されてきたわけであります。 私は、一昨年の本委員会において、あしき人材ビジネスによって労働移動そのものが自己目的化してしまうという懸念を訴えさせていただきました。同じ時期に我が党の石橋議員も、これはリストラ支援助成金ではないか、そのような批判を予算委員会で行っているわけであります。私の質問に対して、当時の田村大臣はこう述べました。我々は不必要なリストラをどんどん企業に勧めるような類いの助成金ではないという認識の下でしっかりと対応してまいりたいという答弁でした。 しかし、現在問題になっている王子グループとテンプスタッフとの事例においては、厚労省の対応は極めて不十分であったわけであります。昨年段階で厚労省は王子側と協議を行っておりますが、この日以降も王子側は一体何が問題なんだという態度に出ているわけです。これはもう新聞紙上で明らかになっております。 私は、長年、機械金属関係の労働組合で仕事をしてきました。会社の業績が悪化し、そのために様々な対応をする、しかし、それでもどうしても生首を切らざるを得ない、そういうことはたくさんございました。まさに会社を辞めるのも地獄、会社に残るのも地獄、そういう中で懸命の選択をしてきたわけであります。従業員の生首を切る以上、経営者も自ら、あるいは経営幹部も自ら退任をする、そういうことの中で納得性が生まれてくる、これがこれまでの人員整理の普通の姿でありました。 しかし、今回の王子の場合、人材ビジネスに丸投げをして、経営者が生首を切る痛みを感じることなく労働移動支援助成金をもらって、まあちょっと言い方は悪いですが、うはうはしている、こんなばかなことは許せないわけであります。 王子グループは、我が国の代表的な企業の一つであり、当然に日本経団連の一員ではないかと思うわけでありますが、王子ホールディングスの進藤清貴会長は、経団連の中で何か役職に就かれているのではないかと私は思うんですが、三ッ林政務官、いかがですか。
○大臣政務官(三ッ林裕巳君) お尋ねの方の日本経済団体連合会における役職は、同連合会のホームページによれば、雇用政策委員会の委員長と承知しております。
○津田弥太郎君 何と経団連の雇用政策委員会の委員長、これを務める企業がこのような許し難い行為をしている。これ、唖然、茫然、考えられない。模範を示さなければならない雇用政策委員会の委員長が模範ではなくてあしきことをやっている、これ大変大きな問題であります。 私ども民主党は、王子ホールディングスにおける退職強要の有無の調査を厚労省に求めてきました。今週の月曜日になって割としっかりしたヒアリングを行うことを確約していただきましたが、この点は一定程度評価するものでありますけれども、この調査結果に基づいて王子ホールディングスに対して様々な制裁が行われるのは私は当然だというふうに思うんです。 これ、三ッ林政務官、本当に有料職業紹介所、テンプスタッフ、このテンプスタッフは有料職業紹介所として三年間有期で許可はあるわけですが、次の満期の期日はいつになっていますか。
○大臣政務官(三ッ林裕巳君) テンプスタッフキャリアコンサルティング株式会社の現在有効な許可の期限は、平成二十八年七月三十一日であります。
○津田弥太郎君 平成二十九年。
○大臣政務官(三ッ林裕巳君) 八年。
○津田弥太郎君 八年。もう間もなくですね。 実は、二月二十九日の衆議院予算委員会で安倍総理はこのような答弁をされました。再就職支援会社は、リストラにより離職を余儀なくされる方々などの円滑な再就職を支援することが使命でありまして、自ら退職者をつくり出すようなことは趣旨に反するものであります。さらに、再就職会社は、退職強要に加担することは職業紹介事業者の業務として好ましくない、こういうふうに総理は答弁をされておりました。 私は、趣旨に反するとか好ましくないとか、そんなレベルの話ではないだろうというふうに思っているわけであります。何のために有料職業紹介事業が許可制になっているのか。 テンプスタッフの許可取消しについては、昨日の衆議院の厚生労働委員会でも初鹿議員が取り上げました。たとえ悪質な有料職業紹介事業所であっても、職業安定法に限定列挙された事由に該当しなければ許可の取消しはできないということでありました。 許可の取消しが難しいのであれば、三年の許可期限が到来した場合、今年の七月末ということでありますが、次回の更新は行わない。これならば、初鹿議員も指摘をしたように、職業安定法第三十一条の当該事業を適正に遂行することができる能力を有することを満たさないということを根拠にして間違いなく私は可能だというふうに考えるわけです。 大臣、しっかりした対応をいただくことをここで確約してください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほどお話がございましたように、再就職支援会社というのは、リストラによって離職を余儀なくされる方々などの円滑な再就職、これを支援するということが使命で、積極的に退職者をつくり出すというようなことは趣旨に反するということは総理からも答弁申し上げたとおりでございます。 このため、再就職支援会社が企業の労働者に対してその自由な意思決定を妨げるような退職強要、これを実施したりすることは許されない。さらには、企業に対して積極的に退職勧奨の実施を提案をしたりすること、これも適切ではないだろうというふうに考えておりまして、そういった旨の通知を発出することを目下検討をしているところでございます。これらの内容の周知を図ることでそのような事案の発生の防止に努めるとともに、それらの行為を把握した場合には適切に行政指導を行わなければならないと考えております。 個別の企業の許可の更新については、これは個別の事案でございますのでお答えは差し控えたいと思いますけれども、許可の更新については法律に基づく許可基準、これに照らして判断をすることになっております。審査に当たっては、今回の事案も踏まえて許可基準に適合するか否か丁寧に審査をしてまいりたいと考えているところでございます。
○津田弥太郎君 許可を更新しない可能性もあるというお話でございます。 ちなみに、私ども民主党の調査では、このテンプスタッフは、王子ホールディングスの前にはフジクラ電線、その前にはNECソリューションで同じような退職強要を含めたリストラに参加をしてこの支援金をもらっているという事実が判明しておりますことも申し添えておきたいというふうに思います。 厚労省は、今回の事件を受けて、王子への調査のほかにも様々な対応策を講じるということを我が党の部門会議では明らかにされているわけであります。その中の一つに、労働移動支援助成金については、再就職支援会社に再就職支援サービスを委託するリストラ企業が、その再就職支援会社から退職コンサルティングを受けていた場合には助成金を不支給とするというものがございました。 私は、それは一定の評価をしますが、これでは不十分だと考えます。なぜ再就職支援サービスと退職コンサルティングが一致した場合だけ助成金の対象とするんでしょうか。これは、例えばテンプスタッフとパソナが結託をして、片方が退職コンサルティングをしてリストラを積極的に進め、もう片方が再就職支援を行うということが可能になります。あの業界はそのぐらいのことは平気でやる業界です。この場合、テンプスタッフとパソナの両社が意を通じていたことを証明することなど極めて困難であります。 リストラされる労働者の視点で考えれば、退職コンサルを行う会社と再就職支援を行う会社が同じであるかどうかということはほとんど意味のない話でありまして、不必要な退職者を人材ビジネス会社が積極的につくり出し、その後に業界を挙げて再就職支援で大もうけをすると、こういうビジネスモデルです。こういう人材ビジネス業界の業務拡大に雇用保険財政から支給される労働移動支援助成金が用いられるということを、私は断じて認めるわけにはいかないというふうに考えます。 大臣、この再就職支援サービスを委託した会社とは別の会社から退職コンサルティングを受けた場合にも助成金の対象外とする、これでよろしいですね。
○国務大臣(塩崎恭久君) 再就職支援会社に再就職支援サービスを委託をして労働移動支援助成金を受給するリストラ企業が同じ再就職支援会社から退職コンサルティングを受けることは、リストラによって離職を余儀なくされた方々の再就職の支援を行う企業を助成するという本助成金の趣旨に沿わないということでありまして、このような場合には労働移動支援助成金を不支給とするように速やかに措置をすることとしたいと、こう我々は考えて、御党でもその旨をお告げをしたということでございます。 本助成金につきましては、労働移動をする方の希望に沿った円滑な移動ということが実現できることが大事でありまして、制度をより良いものにしていく必要があると考えておりまして、この中身についても不断の検討、改善、要件などについて考えていきたいと思っているところでございます。 今、津田議員から御指摘をいただいた再就職支援サービスを受託した会社とは別の再就職支援会社から退職コンサルティングを受けた場合の御懸念についてのお話いただいたわけでございますけれども、その確かに懸念は理解を申し上げるところでございます。 今後、今申し上げたように不断の見直しをしていこうということで、労働移動そのものについては、我々は、やはり付加価値の低いところから高いところに労働移動すること、産業構造が変わること、これは大事なことでありますから応援をしなければいけないと思っておりますけれども、その趣旨に反するような使い方をするようなケースが見られるようでは、これはやっぱり改善をせないかぬということで、この本制度をより良いものにする検討の中で今御指摘をいただいた点については十分に検討をさせていただきたいというふうに思います。
○津田弥太郎君 検討というお話でございますが、必ずペケになるように検討を進めていただきたいと思います。 次に、資料を配らせて、二枚目、いただいておりますが、ブラック社労士問題について質問をいたします。 自らのブログに社員をうつ病に罹患させる方法と題する驚くべき文章を載せていた愛知県のブラック社労士に対して、先月、厚労省は社会保険労務士の業務停止三か月の懲戒処分を行いました。 まず冒頭、どのような理由で当該処分を出されたのか、また、そもそも社労士に求められる社会的役割とはどのようなものなのか、とかしき副大臣、お答えください。
○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。 私もブログの内容を拝見いたしまして、本当に愕然といたしました。 ということで、御指摘の事案につきましては、労働関係法令を遵守することやメンタルヘルス対策の重要性、これ今、社会的に大変共有される、こういった中におきまして、労働関係の専門家でありながら、それに真っ向から反する内容を公に発信したということで、この責任は大変重大であると、このように考えております。 ということで、今回の処分は、労働関係の専門家である社会保険労務士に課せられた社会的責任の重要性を重く捉え、社会保険労務士のほか、ほかの他士業、さらに国家公務員の過去の懲戒処分事例の量定と、そして均衡も踏まえた上で三か月の業務停止、これが相当として処分をさせていただきました。参考までに、愛知県の社会保険労務士会は、退会勧告、そして三年の会員権停止の処分を決定いたしております。 あと、もう一つ、お尋ねのありました社会的役割についてお答えさせていただきます。 労務管理その他の労働に関する事項の相談、指導が社会保険労務士の業務でありますけれども、この業務に当たりましては、社会保険労務士法におきまして、常に品位を保持し、さらに公正な立場でなければならないと、このように記されております。また、この職責に鑑みてみれば、事業主や働く方に労働、社会保険諸法令の厳守を求めていくとともに、公正な立場で業務に当たることにより、適正で円滑な労使関係の維持を図ることが社会保険労務士の重要な社会的役割であると、このように考えております。
○津田弥太郎君 ありがとうございました。 当該の社労士は懲戒処分の取消しを求めて名古屋地裁に提訴をしているようであります。私は、訴えられたからといって、間違っても厚労省は弱腰になってはいけない、毅然とした態度で対応していただきたい、そのようにお願いをしておきたいと思います。 私は、一昨年のこの社労士法改正の際、質問に立ちまして、大幅な業務の拡大を行う場合には、当然にそれに見合う綱紀粛正策もセットで法案に盛り込むべきだというふうに述べさせていただきました。そもそも、社労士法の目的といえば、第一条にあるように、「事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資することを目的とする。」、こういうふうに常に書いてあるわけであります。今回の愛知県の例なども、労働者の福祉の向上どころか、その真逆のことを、今とかしき副大臣おっしゃいましたが、やっているわけであります。 また、社会保険労務士法の第一条の二には、社労士の職責として以下のことが明確に定められています。社労士は「常に品位を保持し、業務に関する法令及び実務に精通して、公正な立場で、誠実にその業務を行わなければならない。」、この公正な立場で誠実にという文言が指す意味は、企業内で労使の利害対立がある場合には、お金をもらっているから経営者の利益だけを追求するということではなく、まさに社労士法の第一条にある事業の健全な発達と労働者の福祉の向上、この双方を目指していかなければならないということだと考えるわけであります。 この点、最近顕著なのが、一〇〇%会社側の立場で、あるいは完全一〇〇%経営者側の立場でということをうたい文句にして企業に売り込みを掛ける社労士が多発していることであります。これは、東京、広島、兵庫、岐阜、愛知、茨城、神奈川など全国に広がりつつあるわけでありますが、こうした状況を放置した場合には、ブラック社労士は、ひたすら労働者の権利を切り下げ、人件費の削減のみを経営者に指南し、その結果、労働者の福祉の向上とは真逆の方向に中小企業の現場が進んでいくのではないかと懸念をするわけであります。 大臣にお尋ねをします。不適切な情報発信を行うブラック社労士に対して今後どのような対応を取られるおつもりか、お答えください。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほどとかしき副大臣から御答弁申し上げましたように、この社労士については、労働関係の専門家でありまして、この社会保険労務士法の第一条、それから第一条の二、今お取り上げをいただきましたけれども、まさにこれに書いてあること、明記されていることをしっかり遵守するということが極めて大事だというふうに思います。 厚労省としては、公正さを欠き不適切な情報発信を行う社会保険労務士に対しては、意識改善を促すとともに、悪質なケースについては今回のように懲戒処分を行うなど厳正に対処をしているところでありまして、今後ともしっかり対応してまいりたいというふうに考えております。 また、社労士の品位の保持などのために社会保険労務士の指導等を行うこととされている全国社会保険労務士会連合会、これに対しても、社会保険労務士法の中で連合会のことを第二十五条の三十四というところで法律に定められておりますけれども、会員の品位を保持する、あるいは会員の指導をすると書いてあるわけでありますので、このような不適切な情報発信の防止を求めるなど、社会保険労務士の業務が適正なものとなるように努めてまいりたいと考えております。
○津田弥太郎君 しっかり取組を進めていただきたいと思います。 大阪はかなりしっかりした対応が行われているというふうに私も聞いているんですが、ほかの県では必ずしも十分な対応がまだ行われていないというふうに承知をいたしております。私は、社労士の皆さんが間違っても法律を突破するようなことがあってはならないし、倫理を守って適切に職務を行ってほしいと考えます。 懲戒処分権を持つ厚労省が仮に適切な役割を果たすことが難しいならば、むしろ弁護士会を見習って社労士会の連合会の法的権限を強化する形で綱紀粛正を行うことも私は検討すべきではないかというふうに思うわけであります。是非、大臣、今後の検討課題に加えておいていただければと思います。 もう一点、ブラック社労士に共通していることは、厚生労働省の作成しているモデル就業規則を全面的に否定していることです。あんな就業規則を使うな。すごいですよ。そういうことをもう堂々と発言しているわけであります。そんなに厚生労働省の作ったモデル就業規則ってひどいのか、私には到底そういうふうには思えないんですが、そういうふうに誹謗中傷をしているわけであります。 私は、この機会に厚労省としてモデル就業規則の周知徹底を図る、そのことが強く求められているというふうに考えるわけですが、とかしき副大臣、いかがでしょう。
○副大臣(とかしきなおみ君) 御指摘の件、ごもっともでございます。 厚生労働省が作成しておりますモデル就業規則、これは、就業規則を作成する上で注意すべき事項や、さらに記載例、これを示させていただいておりまして、これを参考にすれば労使関係のトラブル防止に資するということで、就業規則の作成の負担が軽減されるものと、このように考えております。 厚生労働省といたしましては、企業にこのモデル就業規則を積極的に活用していただきたいというふうに考えておりまして、現在、監督指導の際に必要に応じて企業に紹介するとともに、さらに厚生労働省のホームページで広く周知しているところでございます。 今日、津田委員の方からも周知にもっと力を入れるようにというふうに御指摘いただきましたので、それで、二つちょっと改善していこうと今考えております。 まず一つ目は、労働基準法等について使用者の労働者向けに分かりやすく説明したここのポータルサイト、今ホームページ非常に分かりにくいという声がいただいていますので、ポータルサイトの中で、「確かめよう労働条件」、ここに記載して見付けやすくしていこうということがまず一つ目。あと二つ目は、社会保険労務士会にも改めてモデル就業規則の有用性を周知するなど更なる徹底を図っていきたいと、このように考えております。
○津田弥太郎君 しっかりと進めていただきたいと思います。 次に、最近、総理がよく発言をされる同一労働同一賃金の問題についてお尋ねをしたいと思います。 一月二十二日の施政方針演説において、安倍総理はこのように発言を行いました。本年取りまとめるニッポン一億総活躍プランでは、同一労働同一賃金の実現に踏み込む考えであります。すごいです。この発言以降、多くのマスコミで同一労働同一賃金が社説で取り上げられ、また特集記事も組まれることになりました。ここにいる方は御存じですが、昨年の通常国会、労働者派遣法の質疑の際、あれだけ我々が同一労働同一賃金や均等待遇の実現を求めたにもかかわらず、逃げ腰だった政府が一体どのような方針転換を行ったのか、非常に私は関心があるわけでございます。 しかし、一昨日の塩崎大臣の所信においては、同一労働同一賃金の実現に向け、一億総活躍国民会議での議論も踏まえつつ、諸外国の実態等を把握し、精力的に検討を進めますというふうにおっしゃったわけであって、派遣法の際の答弁から前進していないように見受けられるんですよ。派遣法のときの附帯決議でもこのこと書いているんですよ。だから、全然前進していない。だから、こんな答弁は別に今更言われても困るわけです。 昨年の通常国会時点と現在とを比較をし、同一労働同一賃金についてどのような方針転換が政府内で行われたのか、この違いについて具体的かつ明確なお答えを大臣いただきたいんですが。
○国務大臣(塩崎恭久君) これまでも、同一労働に対しまして同じ賃金が支払われるという仕組みについては、特に非正規雇用労働者の待遇改善という面で一つの重要な考え方であるというのは、総理からも私からも何度か申し上げてまいったところでございます。同時に、我が国の雇用慣行になじまないのではないかという意見があることも承知をしているわけでありまして、よく出てくるのが、ヨーロッパにおいては、職務の困難度や重要度を基準に賃金を決定するいわゆる職務給が中心であるけれども、我が国においては、単なる職務内容ではなくて、勤続年数とかあるいは職務を遂行する能力を加味をして賃金を決定するいわゆる職能給というのが一般的であるということがよく取り上げられてまいった論点であったと思います。 こうした中で、安倍総理は、女性や若者などの多様で柔軟な働き方の選択を広げる、このためには非正規雇用労働者の待遇改善を更に徹底していくことが必要であって、ニッポン一億総活躍プランにおいて、働き方改革として同一労働同一賃金の実現に踏み込むということにしたところでございます。 今後の進め方については、一億総活躍国民会議で御議論いただいた上で、この春に取りまとめる予定でございますニッポン一億総活躍プランにおいて、同一労働同一賃金の実現に向けての方向性を示すということにしているところでございます。これまでも非正規雇用労働者の待遇改善の実現に取り組んでまいったところでございますけれども、我が国の雇用慣行に十分これは留意をしつつ、同時にちゅうちょなく法改正の準備を進める、さらに、あわせて、どのような賃金差が正当でないと認められるのかについては、早期にガイドラインを制定をして事例を示してまいりたいと思っております。 一億総活躍国民会議における安倍総理の指示に基づいて、今後、厚生労働省と内閣官房で協力をして、法律家などから成る専門的立場の皆様方による検討の場を立ち上げて、諸外国の実態等を踏まえるなど、多角的、精力的に検討してまいりたいと思っております。 なお、この同一労働同一賃金の主要な目的は、非正規雇用で働く方の待遇改善でありまして、不合理に低くなっている方の待遇の改善を図る方向で検討すべきものと考えているところでございます。
○津田弥太郎君 ガイドラインごときで物事が変わるわけじゃないんですよ。 だから、結局、今大臣も本当の意味での中身を明らかにされていないわけです。事務方も実は私に説明できませんでした。どういう中身を持っているんだと聞いても、むしろ、官邸から言われたのでこれから検討したい、こういう話でありまして、この問題は議論を始めるともうすごく時間が掛かりますので、今後の様々な審議の中で明らかにしていきたいと思います。 話題を変えます。身寄りのない高齢者に対する支援の在り方の問題でございます。 今日は、内閣府の松本副大臣に御出席をいただいています。お待たせをいたしました。 松本副大臣、内閣府が所管する公益財団法人日本ライフ協会においてどのような問題が生じ、内閣府はどのような対応を行ったのか。あわせて、今回預貯金を預けた高齢者は、公益法人という国がお墨付きを与えている団体だからよもや間違いはなかろう、そのような思いを抱いたはずであります。しかし、現実は、被害が拡大するまで行政のチェック機能は働かず、その結果、高齢者に少なからぬ被害を生ずることになったわけであります。 松本副大臣、二点目ですが、監督官庁としてなぜ今回の事件を食い止めることができなかったのか。 内閣府の公益法人に対するチェックの実態を含めて、二点お答えをください。
○副大臣(松本文明君) 公益財団法人日本ライフ協会が起こした事件でありますが、問題、大きく分けて二点あると思っております。一点は、そのサービスを受ける利用者の方々が預託金をライフ協会に預けるという制度でありますけれども、この預託金の管理をやるに際して、ライフ協会とサービスを受ける利用者と、そこに弁護士さんなどの第三者を加えた三者契約でなければならないというのが公益認定の条件でありました。この三者契約というものを全く無視して、ライフ協会、法人そのものが直接預託金を管理をするという公益認定違反というのが第一点であります。二つ目は、あってはならないことでありますが、この当該預託金を流用して不足額を生じさせている。これが内容であります。 そして、これを内閣府がどういうふうに対応してきたのかという御質問でありますけれども、内閣府といたしましては、平成二十五年頃からこうした不正が行われていたようでありますが、この兆候を最も早く見付ける方法は、今の制度上、二十六年六月に提出された二十五年度事業報告、これを見て不正の端緒をつかむしか制度上方法がないわけでありますが、内閣府は、二十五年度の事業報告を受けた後、その報告書の中からその端緒をつかんで、これはどういうことになっているのかといったような報告を再三にわたって求め、なおかつ、契約方法ですとかあるいは不足額等々をどういうふうに補填をするつもりなのか、できるのかと、こういったことについて指導を今日まで続けてきたところでありますが、この法人が民事再生法の手続開始の申立てを行ったことから、経理的基礎を失ったものとして公益認定の取消し勧告が行われたところであります。 以上です。
○津田弥太郎君 内閣府の対応ではこうした事件を食い止めることは制度上苦しかったと、そういうお話であります。 内閣府というのはそういう役所で、実動部隊を持っておりませんからやむを得ないのかなというところは分からないでもないわけであります。 このライフ協会の場合、その主な業務は、医療や福祉サービスにおける身元保証、それと死亡後の葬儀、この二つなんですね。 太田政務官にお尋ねをしたいんですが、この身元保証と死後事務について、それぞれ同じ業務を行っている事業者の実態把握というのはされているんでしょうか。
○大臣政務官(太田房江君) 今御指摘のございました身元保証や死亡後の葬儀などの業務を行っている事業者につきましては、残念ながら網羅的には把握はしておりません。一部の社会福祉協議会が有償サービスとして見守りや預貯金の払戻し、入院、入所時の支援、死後の葬祭時の支援を包括的に提供しているという事例は把握をしております。
○津田弥太郎君 残念ながら、厚労省のみならず、現時点ではいずれの省庁もこの身元保証と死後事務についての実態把握をしていないんです。ぽっかり穴が空いている。 このうち身元保証については、そもそも、高齢者が病院や施設の入院、入所を希望した際、身元保証人がいないことはサービス提供を拒否する正当な理由には当たらないんです。しかし、実際には二割以上の病院や施設において、保証人がいなければ入院、入所を認めないという対応がされていることは、これは極めて大きな問題ではないかというふうに考えるんです。逆に言えば、保証人を求めることなく事業を適切に行っている病院、施設もあるわけですから、そこを好事例として研究して、現在の状況を早期に改善していただきたいというふうに考えます。 この点、今週月曜日に厚労省で行われた都道府県等の担当者会議で、指導や監督権限のある自治体に対し、不適切な取扱いを行うことのない対応を求めたというふうに聞いております。一歩前進というふうに受け止めたいと思います。 しかし、一点疑問に思うのは、身元保証人がいないことをもってサービス提供を拒んではならないという根拠規定の仕組み、これであります。医療については、医師法第十九条において、診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な事由がなければこれを拒んではならないと明確に規定をされているわけであります。一方、介護については、指定介護老人福祉施設は、正当な理由なく指定介護福祉施設サービスの提供を拒んではならないと、内容的には医療とほぼ同じ規定があるわけですが、この大きな違いは、老人福祉法の本体に規定されているわけではなく、あくまでも指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準、これは厚労省令でありますが、そこに書かれているだけなんですね。大きな差があるわけです。 厚労省の担当者の説明では、医療の場合には医師の免許に着目しておるので、介護は施設に着目をしていると。だから、これは介護についての規定を法律に書かない理由には全くなっていない、そんな問題ではないだろうと思うわけです。 実際に介護の場合も省令を受けて各自治体は条例を制定しているので、効果には変わりはないということでありますけれども、法律に根拠規定があるとないとでは、効果が同じであるはずはないわけです。何より利用者である国民の視点に立ったとき、医療の場合はサービス提供が法律で担保されているのに介護の場合はそうでないということでは、医療と介護の連携という言葉もこれ掛け声倒れに終わるんじゃないか、こういう指摘になるわけです。 今後、団塊の世代においてもますます医療と介護のニーズが急増するわけであり、次回の関係法律の改正の際、是非介護の分野でも医療同様にサービス提供拒否の規定を法律に盛り込むことを私は強く求めたいと思うんですが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) やや繰り返しになるかも分かりませんけれども、医療については医療の必要性、それから、適切な医療行為の判断の責任というのは原則として医師免許を有する医師が一律に負うと、こういう仕組みになっているわけでございますが、これが医師法において正当な理由なく診察治療を拒んではならないことの規定になっているわけでございます。 一方、介護については、介護保険施設等では、入所者に対するサービス提供が適切かつ安全に行われるように一定の水準を担保するために、設備あるいは運営などについての基準が定められているということになっております。この中で、介護保険施設は正当な理由なくサービスの提供は拒否できないことが規定をされておりまして、この基準は介護保険法の委任によって省令のレベルで具体的に規定がなされているところでございます。 今お話をいただきました医療と介護の違いについてでありますけれども、これについては、医師の資格や業務を規制する医師法と、それから介護保険の制度や給付を規定する介護保険法の、言ってみれば法的な性格とか、あるいは体系の違いから生じてくるものでございまして、規定のレベルは法律、省令で相互に異なってはおりますけれども、規定の趣旨は同じであるというふうに考えているわけで、これについては既に事務方からも御説明をしたとおりであります。 まずは、その現行規定の適切な運用を確実に周知することが重要であると考えておりますけれども、しかし、今御指摘をいただいているように、この問題がやはり議論の上で必要ということであれば、法的な整理、あるいは介護現場からのニーズなども含めて審議会などで議論をさせてみたいというふうに思います。
○津田弥太郎君 これ、様々な議論が必要だというふうに思います。今、大臣は審議会で議論をしていきたいというふうにお話をいただきました。是非進めていただきたいというふうに思います。 もう一方の死後事務、これなんですね。身寄りが全くなく、しかも近所付き合いというものもされておらず、文字どおり天涯孤独のお年寄りの方は大都市圏で更に増えていくことになる。独居老人、これ、どんどん増えていく可能性が高いわけであります。こうした中で、当事者にとっては、例えば自宅のアパートで死後長期間放置され、市町村に迷惑を掛けるのではなく、自らが蓄えたお金を生前に預託をして、せめて早期に埋葬をしてもらいたい、これ、素直な気持ちだというふうに思うわけであります。長年必死に生きてこられた方が、そうした安心感さえ持たずに最期の日々を送られるというのは、私は忍びないものではないかというふうに思うわけであります。 この問題を厚生労働省に尋ねたところ、死後事務に多少関連した業務を一部の社協が行っている、高齢者に対する見守りということでは、介護保険制度の地域支援事業や民生委員による活動もあるということだそうであります。しかし、これでは天涯孤独のお年寄りの方々の願いに十分に応えるものとはなっておりません。 核家族化が進んで単身の高齢者が急増する中で、今後こうした高齢者支援事業のニーズそのものはますます増加するはずであります。その意味では、こうした事業に何ら規制が掛からないということは私は大きな問題があり、しっかりとした所管省庁を決めていく必要がある。皆さん、実は所管官庁が決まっていないんですよ、この問題の。だから、役所はみんな俺のところじゃない、俺のところじゃないと言って逃げ回っている。ここから始めなきゃいけないんですよ。大変な問題なんです。 そういう意味で、所管官庁というのは、大臣、申し訳ないけれども、揺り籠から墓場までですよね、揺り籠から墓場まで。これ、扱っているのはやっぱり厚労省以外には私はあり得ないではないかというふうに確信をするわけであります。大臣、官僚たちは嫌がるかもしらぬけれども、やっぱり大臣の決意で、この分野でしっかりとした対応を行う、少なくとも持ち帰ってしっかり検討する。いかがでしょう。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今後更に高齢化は進むわけでありまして、高齢者のみの世帯とかあるいは独居の世帯が増加することは必至というふうに思います。高齢者が地域で安心して日常生活を送れる、そういう環境づくりをするために見守りなどの活動が果たす役割が重要であることは、今、津田議員から御指摘をいただいたとおりだと思います。 厚労省では、介護保険制度の地域支援事業において、今年度から住民同士による見守りなどの取組を推進する事業をスタートさせたところでありまして、先ほど石井委員からも新オレンジプランの話がありましたが、これはまさに認知症になってもちゃんと見守ることができるコミュニティーをつくろうということであったかというふうに思います。 それから、今お触れをいただきましたけれども、民生委員が地域住民の生活状況を把握をして、そして見守りを行うということは、自然発生的にもうそういう形が町ぐるみで民生委員を中心にできているところも、私も地元などで感じ取っているところでございますが、いずれにしても、独り暮らしの高齢者も地域で安心して生活できるように取組を推進をしているわけであります。 今、津田議員から、揺り籠から墓場までということで、その所管をする厚生労働省として、高齢者が地域で安心して生活できる環境づくりに向けて更に積極的に取組を進めていけと、こういうことで検討するようにということでございまして、そもそも取組自体はそういう方向でやっていきたいと思っております。 こうした今申し上げたような自治体などにおける動きを具体的に見ますと、例えば足立区の社会福祉協議会、あるいは杉並区の社会福祉協議会、それから福岡市の社会福祉協議会などで、六十五歳以上の単身高齢者などを対象に見守りや預貯金の払戻し、それから入院そして施設入所のときの支援、あるいは亡くなられた後の葬祭等の支援を実施するということをやって先駆的な動きをしていただいているわけでありますが。 こういった自治体等における事業とは別に、民間企業等による葬祭等への備えを支援するサービスもあると思われますし、それから、成年後見制度がございますが、法律自体は民法の範囲内ですが、利用者はこの厚生労働分野の案件がたくさん入っているわけでありまして、こうした事業を所管をするべきという御指摘でございましたら、民間企業等が行う事業については経済産業省あるいは消費者庁などの関係省庁も存在することから、厚生労働省としてさらに何が求められているかについて、関係省庁ともよく情報交換を行いながら、どういう枠組みがあり得るのかということを含めて検討を深めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○津田弥太郎君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(三原じゅん子君) 午後一時十五分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十四分休憩 ─────・───── 午後一時十五分開会
○委員長(三原じゅん子君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、厚生労働行政の基本施策に関する件について質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○足立信也君 民主党の足立信也です。この政党名がいつまで使えるか分かりませんけど、強調しておきたいと思います。 私、毎月送られてくる厚生労働省とそれから大分労働局の雇用情勢というのをずっと見ているんですけど、ずっと疑問に思うことがあります。疑問というか当然なんですが、例えば、厚生労働省の一月の有効求人倍率は一・二八、大分は一・〇六です。いつも大分は低いです。ただし、正社員の有効求人倍率というのは、厚生労働省が〇・八で大分も〇・八。大分というのは正社員の有効求人倍率って常に平均よりも高いんですね。 つまり、有効求人倍率とそれから正社員の有効求人倍率、この差が大きいということは当然やっぱり非正規の求人数が多いんだろうと思うんですね。差が小さいということはそれだけ正社員の求人数の方が多いんだろうということで、この傾向はずっと続いていまして、それでちょっと気になって過去から調べてみたら、この差、有効求人倍率と正社員の有効求人倍率の差、一番小さいのは鹿児島です。当然、一番大きいのは東京ですね、〇・七四。大分は小さい方から二番目なんですね。ずっと順番に並べてみると、ベストテンというか、差が小さい方、つまり正社員の方が多いというところは、九州が三県入っていて、平均以下が五県あるんです。ということは、僕が思うのに、やはり地域によって、地方創生と言っていますが、地域によって雇用形態あるいは職種、業種、相当差がある、ここを詰めて対処しないと、一様ではうまくいかないんだろう、そのように思っているところです。 そこで、都道府県によって正社員の有効求人倍率が非常に高いところと低いところがある、この理由はどこにあるんだろうというようなことを今まで分析したことはあるんでしょうか。
○大臣政務官(三ッ林裕巳君) お答えいたします。 直近の正社員有効求人倍率を都道府県別に見ますと、東京都が一・二四倍、福井県が一・二一倍と高くなっている一方、沖縄県が〇・三七倍、青森県が〇・五七倍となっており、都道府県ごとに差が見られます。また、正規雇用労働者の割合を都道府県別に見ると、富山県が六七・一%、福井県が六七・三%と高くなっている一方、沖縄県が五五・五%、北海道が五七・二%となっており、都道府県ごとに差が見られます。 こうした大きな要因の一つとして地域の産業構造があると考えており、例えば正規雇用労働者の割合が低い沖縄県、北海道では、正規雇用労働者の割合が高い製造業の有業者の割合が相対的に低く、非正規雇用労働者の割合が高い宿泊業、飲食サービス業が相対的に高くなっているということが考えられます。
○足立信也君 恐らく一般論ではそうなるんだと思います。ただ、今、私申し上げたように、九州というのは割と正社員の有効求人倍率が高い方に属している。これ西高東低なんですね、ざっと見ると。西高東低というのは何を意味しているかというふうに考えると、例えば合計特殊出生率、これベストテンに九州が六県入っているんですね。ちなみに大分は同率の十位です、六県入っている。西高東低でもう一つ思い浮かぶのは、医療や介護や福祉の分野の施設がかなり充実していて従業員が多い、このことがまず頭に浮かぶんです、私としては。 そこで、大分労働局長と話合いをしたんですけれども、今政務官おっしゃったように、製造業関係の企業があって、子会社、孫会社が相当充実していて、そこが正社員が多いという、これもあります。 ただ、さっき申し上げたように、私は九州を思い浮かべると、やっぱり医療、介護や福祉の分野の雇用が非常に大きい。地方というのはこの分野の雇用に占める割合が非常に高くて、そこが安定的な職業になっていて、そして消費活動に向かう率が非常に高いわけです。雇用誘発効果の件は、この前予算委員会で藤末委員がやっておりましたけれども、特に私は地方はそうだと思っていまして、これはやはり非正規が非常に求人が多い都市部の方と、地方の方の正社員の求人が非常に多いところというのは、別の違った対応を考えないとこれはうまく進んでいかないというふうに思っていますので、分析はしたんですかとさっきお聞きしたんです。一般論でしかお答えなかったので、これは是非分析して別な対応をすべきだと私は考えますが、どうでしょうか。
○大臣政務官(三ッ林裕巳君) お答えいたします。 都道府県別の子会社、孫会社の多さ、医療、介護、福祉分野の雇用の多さと正規雇用労働者の割合との関係は不明であります。正規雇用労働者の割合について都道府県ごとに差があることの大きな要因の一つとして、地域の産業構造があると考えております。 大臣を本部長として厚生労働省に設置した正社員転換・待遇改善実現本部において、正社員転換・待遇改善実現プランを一月二十八日に策定したところであります。また、全国四十七の都道府県労働局に既に設置している本部においても、今月中に各県ごとの地域プランを策定し、プランには正社員の有効求人倍率など各県の非正規雇用を取り巻く現状や地域の実情を考慮した実効性のある目標や取組を記載することを指示しております。 今後、地域プランに基づき、各県の地域の実情に応じて正社員を希望する方々の正社員転換を推進するとともに、非正規雇用を選択する方々の待遇改善に全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、三ッ林政務官から御説明申し上げましたけれども、結論から言うと、先ほど都道府県別に分析をしているのかということでありますが、正直言えば、深い分析を体系立ててやっているわけではないのでありますが、今お話がありましたが、さっき申し上げた正社員転換・待遇改善実現プランを作って、今度地方で労働局がこのようなものを作るわけですけれども、そういう際にも、それから政労使でもやっていますけれども、やっぱり今先生おっしゃるように、都道府県ごとにそれぞれ経済や、場合によっては長い文化もあるのかも分かりませんが、特徴があるので、それぞれにふさわしい正社員転換というかのプログラムがないといけないんだろうなというふうに思いますので、今申し上げたような、それぞれの都道府県で作って、今度は金融機関などにも入ってもらおうということで、今、正社員転換・待遇改善プログラムを考えてもらっていますけれども、そういうような枠組みを活用しながら、先生おっしゃるようなその地域に合った、雇用政策としてどういうものがベストなのかということを考えてまいりたいというふうに思います。
○足立信也君 意を酌んでいただいてありがとうございます。 私の持っている感覚は、やっぱりどうも西日本の方で正社員の求人の方が非常に高い、そちらは社会保障分野、医療、介護、福祉の分野での雇用が安定していて雇用も誘発されている。そして、どういうわけか、その地域の方が合計特殊出生率も高いというようなことを是非関連付けて分析する必要があると思いますので、それは期待したいと思います。 そこで、私、当時政務官だった二〇一〇年に新成長戦略というものを作りました。これは、当時、GDPが中国に抜かれて三位になったけれども、一人当たりGDPは十七位だと、日本はですね。その大きな原因は就業率の低さにある。男性は二位だけれども、女性は十五位であると。この就業というものを、障害を持った方、比較的若い高齢者、女性、ここに就業していただかなきゃいけない。その雇用を生む多くの機会がどこにあるか。特に地方は社会保障分野にあるということで、成長戦略と社会保障の充実、これがセットになって、そして強い財政を生むという成長戦略をつくったんです。 ところが、昨今の総理の発言を聞いておりますと、強い経済があって、成長があって、それが強い財政を生んで、その結果社会保障にお金が回ってくるという、何か昔の議論をまた繰り返しているような気がしてならないんです。当時、三年間で我々のときに医療、福祉分野で労働者数八十二万人増えましたよ。今、安倍総理がおっしゃっていることよりもはるかに多くの数がその当時増えました。 そこで、大臣にお聞きしたいのは、今二つの考え方を申し上げました。その地域によって必要とされている雇用は違うんだろう、そして、経済成長ももちろん大事だけれども、その地域に必要な社会保障分野というのはここを自立させることによって成長戦略の核になる、雇用を生んでくる、消費に向かう、そして強い財政になっていくという考え方を取るのか、また、以前のように、あるいは総理が今おっしゃるように、強い経済成長があって財政が安定しなければ社会保障になかなかお金が回らないんだよという考え方でいくのか、大臣はどちらなんでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 持続可能な社会保障制度が安心感をもたらして、言ってみれば安定的な経済活動ができるベースになり得るということはそのとおりだろうと思っております。 ただ、どちらが先かというよりは、私は、結論から言うと、両方ないとうまくいかないだろうなというふうに思っています。それは、まず医療、介護を始め社会保障分野自体、これを戦略的に産業として育成していく、このことが国民の安心した生活を支える、そしてまた経済の厚みを増す、経済の持続的な成長を実現するということはそのとおりだというふうに思っています。 一方で、成長といいますけれども、実はGDPというのは半分以上が付加価値、つまり給料、賃金なんですね。したがって、賃金を増やしていくためには経済も強くならなきゃいけないということと、もう一つは、やはり社会保険方式で運営されている医療、介護などは財源は三つしかなくて、保険料、そしてまた税金、そして自己負担ということを考えると、それを払うのは個人ないしは企業でありますから、個人の給料が下がり企業の収益が落ちていくという中では持続可能な社会保障もなかなかつくり得ないということだろうと思いますので。 私は、どちらかというと、両方必要だし、個人のレベルにいくと、やっぱりこれは社会保障が一番最後のよりどころで大事なことで、年金であり、あるいは医療であり、介護である、そしてまた子育て支援でもあろうというふうに思うわけでありますから、それを持続可能にするためにも経済の成長はないと困ることになるということを申し上げているわけで、私どもは、やはり強い医療をつくっていく、あるいは強い介護をつくる、強い年金制度をつくるということに力を入れていかなきゃいけないと思っておりまして、例えば医療については、医療のイノベーションを担うベンチャー企業の振興に関する懇談会などを設置して、医薬品、医療機器分野のベンチャーの育成を今検討中であります。それから、介護ロボットについてもそうでありますし、また雇用の面でも、確かに医療、介護、保育などの分野は非常に雇用の吸収力が大きい。したがって、ここがちゃんと伸びるということは雇用の裾野も広げていくことは今、足立先生がおっしゃったとおりだと思います。 でありますので、それをどうやって支えていくかというときに、医療、介護、保育などの社会保障の制度そのものを強くしていくと同時に、労働生産性を向上させていくことによって、一つは働く人の負担を軽くするということと、もう一つは、生産性を上げるということは賃金を上げやすくするということが大事なのかなというふうに思っているところでございます。
○足立信也君 私も両方大事だと思っています。ですから、冒頭の質問に戻って、それは、地域、あるいは都市部や地方、そこで大分違ってくるんだということの分析が必要だし、その対応が必要だということを申し上げたわけです。石破大臣に今度機会があったらそのことをまた言いたいと思いますけれども。 そこで、当然、社会保障費を削減すると国民の将来の生活不安が大きくなって貯蓄性向を高めてしまう、支出が減って圧縮されてしまうと、これはもう当然そうなんですが、となると、今日の質問は、その社会保障分野の中で収入については非常に大きなウエートを占めている診療報酬、介護報酬、そして成長戦略、これを聞いていきたいと、そのように思っています。 まず、午前中、藤井委員の質問にもありましたけれども、この診療報酬改定、今回のポイントは、七対一の入院基本料の絞り込みと、そして薬価の市場拡大再算定、この二点だと私は思っています。 そこで、絞り込みについては、A、B、Cと新規のものが加えられましたし、患者さんの状況とか、あるいは手術というような医学的状況も加味されるようになってということなんですが、問題は、在宅復帰率ということを向上させようとしておりますけれども、この七対一、一番急性期の強いところ、そこを絞り込む、そこが一気に在宅復帰率を高めようというのは、私は相当無理がある話だと思っているんですが、いきなり在宅までということはですね。その点について、じゃ、どうやって在宅復帰率を高めようと考えておられるのか、その説明をお願いします。
○副大臣(竹内譲君) お答えいたします。 平成二十八年度診療報酬改定におきましては、地域包括ケアシステムを推進する観点から、病床の機能分化と連携を促進することとしておりまして、七対一入院基本料を算定する病棟では、重症患者の割合や在宅復帰の実績に関する基準を引き上げることとしております。 重症患者の割合につきましては、手術後の患者、救急搬送後の患者など、より多くの患者を重症患者に含める一方で、基準を一五%から二五%に引き上げることで、全体として重症患者が多い病棟が適正に評価されるように見直すこととしておるところでございます。 また、在宅復帰率の基準につきましては、七五%を今回は八〇%に引き上げることで、在宅復帰や医療連携に関する更なる取組を促すこととしております。 入院医療の機能分化、連携の推進につきましては、今回の改定の影響を検証しながら、中央社会保険医療協議会で今後も議論していくこととしております。
○足立信也君 在宅復帰率を八〇%に引き上げると言うけれども、その具体的な案が今全然示されない。恐らくそうだろうと思います。間違ってもアメリカのように、すぐ近くのホテルに帰ってくださいというような事態にはならないように、これは連携しかないと思いますので、その点だけ注意しておきたいと思います。 そこで、ちょっと大臣申し訳ないんですけれども、これ通告にはなっていませんが、今、地方、地方、都道府県で地域医療構想、その策定を一生懸命今やられていますね。これは、二次医療圏ごとに、その地方がどういう特徴があって、その地域がですね、区域がどういう連携構想をつくっていくのかというボトムアップ式でないといけないと思っているんですが、どうも最初の説明から、二〇二五年に二割ベッド削減とか三割削減という数値がぼんと出てしまって、もうテーブルに着くのを嫌がっている医療機関の人が非常に多いんです。 そこは、私は、やっぱりさっきの話、その地域あるいは地方によって望まれていること、その内容、それから今の七対一の件もそうですが、三次医療から二次、一次と、ここの割合、必要とされる割合は全く違うわけですから、やっぱりその区域、二次医療圏から出てくる案というのを、これを辛抱強く待つことが必要だと思います。 そして、厚生労働省は、二次医療圏だけで済まない話、例えば県境問題です。県境問題、この県の境のところを厚生労働省としてはどうやって指導していくのかと、その地域医療構想をですね。そこで途切れてしまうはずがないわけで、患者さんはわざわざ県を指定して行くというわけでもないですから。そこのところに、むしろ厚生労働省の役割としてはそこに徹するべきで、あとは地方からの発案を、しっかり提案を待つという姿勢が極めて大事だと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先生おっしゃるように、地域のそれぞれの実情というのは、例えば入院日数一つ取ってみてもかなりのばらつきがあるわけでありますので、私どもは、やはりその地域地域でそれぞれの特徴をよく踏まえた上で考えていただく。ボトムアップと先生おっしゃいましたが、確かに、急性期、そしてリハビリ期、そしてまた慢性期と、これの割り振りをどうするのかというのを、本当に今、医療のプラクティスというか、診療の形態などによっても随分変わってくると思うので、そういうところでやっぱり下から上がってくる声を大事にするということはそのとおりだと思います。 恐らくその中に、県境で、要するにお隣の県の病院に行って、かかりつけ医はお隣の県にいるということは、実は私ども愛媛県ぐらいになると、町というのは割合、町の外は何もなかったり、で、また町が来るみたいになっていますけど、本州なんか特にずうっと続いているわけでありますから、幾らでも人の行き来があって、私どものような県でも二次医療圏をまたいで行っていらっしゃる方はたくさんおられますから、そこは柔軟にやるということにガイドラインでもお示しをしていると思うので、今回、先生も、言うまでもなく初めてこういうことを県単位で、そして二次医療圏ごとにビジョンを二〇二五年を展望して考えていただく、それも協議の場の中で作っていただくという話合いを大事にしながら、しかし、ビジョンを描き切るということを初めてやることでございますので、正直いろんなことがあると思います。 したがって、それには柔軟に私どもも対処していかなきゃいけませんし、大事なことは、やっぱり地域の実情を守るということでありますが、しかし、そうはいいながら、国全体としてこの医療制度が持続可能になって、今の日本の誇るべき制度はその本質はきちっと守り切れるように、この人口の変化の中でできるようにしていかなければならないというふうに考えております。
○足立信也君 柔軟にというのはそのとおりなんです。 僕は、今申し上げたのは、もう少し、何といいますか、県境問題を抱えているところは、そこを枠をつくってあげるとか、ちょっと指導力を発揮するとか、そういうことがないと難しいだろうと思ったのでそう言ったんです。 今、愛媛県の話されましたけど、例えば大分だと熊本と宮崎の県境というのは余り問題がないんです。完結的なんです。ところが、福岡との話になると、中津の方はむしろ大分の方に流入される方が多い、日田の方は逆に福岡の方に行かれる方が多い等々の問題がやっぱりありますので、そこはその話合いの枠をやっぱりつくるようなことも指導してあげた方がいいのではないかと、私はそういうふうに思っています。 じゃ、もう一つの診療報酬改定のポイントである市場拡大再算定のことなんですけど、今回、診療報酬改定の枠とは別枠となったのは、これは従来の市場拡大再算定の方なんですか、それとも特例の方なんでしょうか。これによって診療報酬改定がマイナス一・〇三%になるということが表に出ないようになっているわけですけど、どちらが別枠ということなんでしょう。どちらも。
○副大臣(竹内譲君) お答えいたします。 今回の診療報酬改定の改定率の表示におきましては、薬価改定について、市場拡大再算定の通常分による薬価の引下げ額がこれまでの改定時よりも大きくなる見込みであることも勘案し、薬価等改定率と区別して表示しておりまして、これによりますと、薬価等改定率はマイナス一・三三%となります。一方、従来の整理どおり、市場拡大再算定の通常分による薬価の引下げ額を改定率に加えた場合には、薬価等改定率はマイナス一・五二%となります。 なお、市場拡大再算定につきましては、年間販売額が企業の当初の見込額を大きく超えた医薬品に対する特例を実施しておりまして、これにより薬価等改定率とは別にマイナス〇・二八%相当分の薬価の見直しを行っているところでございます。
○足立信也君 つまり、通常の市場拡大再算定と特例、両方外しているという話ですね。特例の方で先ほど来指摘がありますけど、やっぱりこれは、僕は強制値下げとしか言いようがない話だと思います。 それで、成長戦略あるいはTPPに絡んでちょっと話をしたいと思っているんですが、やっぱり薬価の改定というのは、これは実勢価格に合わせていくというのが根本であって、この実勢価格を無視した引下げであるというのは、先ほど言いましたように、強制的な値下げとしか言いようがないんですけれども。 そこで、ちょっと一つ聞きたいのは、今回、通常の市場価格の再算定のところというのは、品目としては四十五品目ぐらいで、特例が四品目でいいんでしょうか。 それと、先ほど藤井委員に対して、今後も、次の二年後の改定のときも更に検討を加えるという答弁だったんですが、ということは、これ再算定をやるということは、一年ごとではとてもできる話ではなくて、例えば国立大学や病院等で運営費交付金がこれから削減していった場合に、年度末の購入というのは極端に減っていくわけで、単年度では判断できないんですね。何を言いたいかというと、これを検討していくということは、毎年度の薬価改定は不可能ということですね。
○政府参考人(唐澤剛君) 品目数のお尋ねがありましたので、お話しさせていただきます。 まず、通常分の再算定でございますけれども、先生から今御指摘ございましたが、これ成分数で申し上げますと二十でございますが、品目数だと四十四という数でございます。それから、特例再算定でございますが、こちらは成分数が四でございまして、品目数は六という数になっております。
○足立信也君 二番目は答えられますか。
○政府参考人(唐澤剛君) 毎年改定につきましては先生からも何度もお尋ねがございましたけれども、私どもの立場は、毎年改定は難しいという立場でございます。 これはいろいろな理由がございまして、一つには、メーカーのきちんとしたイノベーションへの意欲がそがれるのではないかということが一つ。それから二つ目は、特に卸の経営に対する影響というものがございます。三つ目は、実務的な問題として、改定をしてからきちんとした調査が毎年できるのか、価格の把握がきちんとできるかということがございまして、私どもは現在のような形で改定については実施をしていくのが望ましいという考え方を持っているところでございます。
○足立信也君 かなり明確に一年ごとは難しいという話になってきていると思います。 そこで、これも指摘されましたが、私としては、やっぱり新薬創出加算というものを、導入に関わった以上、これがまた日本の創薬の後押しに非常になっているし、未承認薬の解消になってきているというのは自負をしておりますので、この件と今回のことがどうつながるのかについてお聞きしたいと思います。 例えば、アバスチンについては、これは抗VEGF抗体で非常に多く売れているわけですけれども、ここは相当なパーセント、薬価下げるというよりも、補正加算がむしろされていますよね。そういうのは、これは恐らく国で示した方向で小児適用の開発を進めて承認を受けたというようなこともあると思うんですが、この対応とC型肝炎の治療薬、ソバルディの方の対応の差について聞きたいんです。 何を言うかというと、これは創薬の後押しと未承認薬の解消のために我々はむしろ推進してきた、それを強制的な値下げをやると。しかしながら、これが国の方針として、そこを開発を進めてきた部分については補正加算をちょっとやるというやり方と完全に下げてしまうというやり方を二通り取っているということの方が整合性が取れるのかどうか。そこの点について、なぜこんなふうになったのか、あるいは、新薬創出加算というものが私はかなり評価が高いと思っているんですけれども、これは今後どうするつもりなのか、その点についてお答えしていただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 特例については、やはり予定していた、想定していた売上げと比べてかなり大幅に増えてしまったということで、今回こういうような形で、今お取り上げの、これ四種類ございますけれども、適用することにしたわけでございますけれども、確かにすばらしい薬であることはそれぞれ間違いないわけで、だからこそかなりの価格が付いて、薬価が付いているわけでございまして、しかし一方で、そういう意味では新薬創出・適応外薬の解消等の促進加算、いわゆる新薬創出等加算は、今回、試行は当然私どもは継続しながらイノベーションを応援をしていくということはやるわけでありまして、イノベーションを評価し、国民皆保険をしかし同時に守っていかなきゃいけないという中で、予想をかなり超えたものについてはこのような形で再算定をさせていただくということにしたわけでございます。 さっき申し上げたとおり、中医協の附帯意見もございました。したがって、今先生が御指摘になって、御懸念になっていらっしゃる問題意識は私どももよく分かっているわけでございますので、新薬創出等加算とそれから市場拡大再算定の特例、これの言ってみればバランスをどうするのかということについて、新しい有効な薬を育てるということ、イノベーションを応援をするということと、皆保険を守るということで、どこまでがやるべきことなのかということについては引き続き議論し、なおかつ、新薬創出等加算は引き続き私どもとしては続けてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○足立信也君 今、質問、僕は二点あったので、ちょっと不明確だったので申し訳ないです。創出加算については分かりました。 もう一つ私が質問したのは、アバスチンとソバルディの差で、アバスチンの方は、小児適用の開発等々やってもらってその結果こうなったというので補正加算の部分もある。ソバルディは、これ将来、慢性肝炎あるいは肝がんのリスクがほぼゼロになるかもしれない、患者さんにとっては非常な恩恵があるし、将来負担が大幅に減少される、むしろ積極的に推奨されるべきじゃないかと思うんですが、これが下げられたまま。この対応の違いはどうしてか、そこを聞きたかった。 これは永遠の課題なんですが、要は費用対効果、これを今中医協で議論されていますが、本当に効果があるものは高く評価すべきであるというのが大原則、これがないと創薬を後押しなんてことにもなりませんし、ここをどう考えるかって、もうやらなきゃいけない時期なんですよ。このことをお聞きしたいんです。 それで、まず一点目は私の考え。このアバスチンはやはり評価が高い、客観性に効果が認められた、だからそんなに下げられないというのがあったんだと思います。であるならば、これ特例の再算定とかではなくて、一定期間置いて、そしてその使用のされ方と効果を客観的に評価して保険償還の価格に反映させたらどうですか、今後。そういうやり方をもうやるべきですよ。ある一定期間はそこでいくけれども、その後のきちっと評価をしてそれを保険償還価格に反映させる、こういうやり方をやるべきだと私は思うんですけど、いかがでしょうか。
○政府参考人(唐澤剛君) 費用対効果につきましては大臣から後ほど御答弁をいただきたいと思いますけれども、市場拡大再算定につきましては、私どもの立場は、当初の予想見込み販売額、これを設定しているわけですが、当然メーカーの方は、これから発売するわけですから堅く見積もると、これは当然のことでございます。その堅く見積もった中で、投資を回収をして、そして次の新薬につなげていくということになるわけですが、やっぱり、今の先生の御指摘のあったような医薬品につきましては、私どもも、大臣からも申し上げました、大変優れた薬でございます、それはもう本当に認めております。ただし、当初の予想見込み販売額よりは相当上回って販売されているということがございますので、一定程度といいますが、かなりの部分は投資の回収ということが行われているんじゃないかという考え方に立ちまして、医療保険制度との両立、皆保険との両立という観点から今回の引下げをしたわけでございます。 それで、アバスチンとソバルディは、ちょっと販売金額が、アバスチンは一千億を超えた水準、ソバルディは一千五百億を超えた水準ということで、それで、引下げの幅の考え方が中医協で議論されて違っておりますので、そういうことも含めましてこういう結果になっているということでございます。
○足立信也君 説明としては理解します。ただ、今後の方針の決め方としては、先ほどの観点は是非必要だと思います。 それと同じように、二つに分けてと言いました後半部分、これ、成功報酬的なものをこの国の診療報酬というものはずっと捉えられなかった。例えば、がんに対する治療であるならばその行為あるいは薬に対しての報酬が出される。しかし、良性疾患に限って言うと、患者さんから見ると、一回で治る、あるいは今後繰り返さない、その恩恵というか、得られたうれしさというのは相当なものなんですね。これは、ある意味成功報酬的に評価されるべきことだと思うんです。 歯科で例を挙げると、ずっと予防に従事していて、あるいはケアをしてきて、ずっと虫歯にならない、このことに対する報酬が一体どうなるんだろう。逆に言うと、虫歯になった方が歯医者さんにとっては患者さんが増えていく。そういうような観点の成功報酬的な診療報酬での考え方というのが、さっき費用対効果と言いましたが、それだけではない。そのことによって将来の発病やあるいは重症化を予防できることに対する評価というのがまだまだ弱いと思っているんですが、この点についてはいかがでしょうか。
○政府参考人(唐澤剛君) 先生の御指摘の費用対効果につきましても、中医協でも大きな議論になっておりまして、一部二十八年から試行的に導入をするということが定められているところでございます。これは引き続き検討を続けていただきます。 それから、今歯科のお話もございましたけれども、歯科につきましては、先生御指摘のように、今ある歯をできるだけ残していく、長く残していくというマネジメントあるいは予防というような観点がございますので、今御指摘いただいたような視点、費用対効果といいますか、成功報酬的といいますか、そういう観点は非常に重要だというふうに思っております。 また、今回の改定におきましても、質の高いリハビリテーションを評価をするということで、回復期リハビリテーション病棟につきましてもアウトカム評価を導入させていただいております。まだこれ一部でございますけれども、保健医療二〇三五でもこのアウトカム評価ということを重視をしていくということも指摘をされておりますので、今後、累次の診療報酬改定の中に徐々にこの適用領域を広げていって、具体的に適用できるような基準を作成をしてまいりたいと考えております。
○足立信也君 分かりました。 先ほど、創薬への後押し、そして未承認薬の解消という話をしてきました。創薬への後押しという観点からくると、このTPPの問題に、大臣に一点だけお聞きしたいんですけれども、TPP加盟国で創薬というものは、じゃどこがやっているかというとやっぱり日米で、かつ、後発医薬品をじゃどこが製造して売っているかというとやっぱり日米ということになってきて、これが特許期間の問題やあるいはデータ保護期間の問題で日本はどっちの立場を取るんだろう。当然、アメリカのように創薬に力を入れたいと思ったらデータ保護期間長い方がいい、でも、後発医薬品でこれから置き換えていって稼ごうとすれば短い方がいいというふうになりますよね。 今回、日本は、八年だと思うんですけれども、どちらの観点を重視して臨んだんでしょうか。あるいは、大臣はどちらが重要だと思われますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) TPPについてお答えする前に、先ほど、要するにイノベーションをちゃんと評価して、それもアウトカムで評価をすべしということでありますけれども、例えば、これは今回の診療報酬の改定ではありませんけれども、条件付承認を去年の九月に初めて二つ選ばせていただいて、その後、償還価格を決めた際に、例えば心筋シートの価格を決める際には、私は、やはりきちっとした評価を付けないと次の研究開発につながらないということで、できる限り評価を、やっぱりアウトカムベースももう既に分かっているわけですから、ある程度すべきだということで、ワンクールで千五百万円弱ぐらいの評価を付けるということになったので、基本的に先生がおっしゃっている方向性で私たちも考えているというふうに思ったところでございます。 今のTPPの、生物製剤の新薬のデータ保護期間が今回八年ということでTPPはまとまりました、いろんなことがありましたが。我が国の新薬の承認後の新薬メーカーのデータを後発医薬品の承認のために使用しない期間を実質八年間に設定を元々しているということでもございまして、今回のこのTPPの協定の内容は、我が国の現行制度と基本的に同じでありますので整合的で、新薬の開発の促進と後発医薬品へのアクセスというもののバランスを考慮した上で、今回、元々八年となっていたものではございますけれども、適切なルールになったのではないかということで私どもは納得をしているところでございます。 適切なデータの保護期間がルール化されるということは、今度逆に、世界で数少ない、先生おっしゃるように日米中心の、イギリスもありますが、フランスも若干ありますけれども、新薬創出国である日本の新薬メーカーが新たな医薬品を開発して国際展開をするという上でのメリットがある一方で、後発医薬品へもアクセスを確保するということで、どっちに重きを置いたのかと言われるとなかなかそれは難しいので、バランスを取ってこの道が納得できる選択肢として今回選ばれたというふうに理解をしております。
○足立信也君 途上国の主張とアメリカの主張の間を取ったという印象ですね。 TPPといえば南米が入ってくるわけで、今南米というと、ちょっとジカ熱のことを聞きたいと思います。あともう時間が多分一問しかないと思うので、福島さんでも大臣でもどちらでも結構です。ちょっとジカ熱のことについて申し上げます。 二月一日にWHOが国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態という宣言をしました。そして、二月十六日、FDAは、輸血でも感染するので輸血に関して血液は国で調達するよう勧告、それから、最低四週間は献血の自粛をするということがありました。二月十六日、厚生労働省は、発症国からの帰国の男性にコンドームの使用を推奨したと。これ、ローマ・カトリック教会のフランシスコ法王も避妊は絶対悪ではないという発言もされております。そして、二月二十三日、アメリカCDCで、アメリカの国内の女性が性交渉でウイルス感染したということがありました。それから、二十三日、アメリカの妊婦九人が感染して、そのうち二人は流産、二人が脳の異常で中絶、一人が小頭症、二人はまだ妊娠中で、二人健康な赤ちゃんが生まれたということがありました。それから、三月四日、ブラジルとアメリカの研究チームで、四十二人の妊婦のうち十二人、二九%が胎児異常があると。 こういう事態で、これは極めてゆゆしき事態である、緊急事態であるということは当然皆さんお分かりなんですが、私は、じゃどういう対策をというのが余り出てこないなと。 今の献血の自粛、それから輸血は国内でということがありましたけれども、これ、ネッタイシマカあるいはヒトスジシマカであるならば日本にも当然いるわけです。そして、局長だと思いますけど、これ根本策は、恐らく何が一番有効かということは答えはすぐ出ると思うんです。であるならば、その先の対策を考えた方がいいと思うんですけど、まずは、これは根本的にどういう対策、どういうことが予防につながるというふうに今言えるでしょうか。
○副大臣(竹内譲君) まず、最も有効な対策は何かということでございますが、国内で感染が広がっていない現時点におきましては、まずは中南米などのジカウイルス感染症が流行している地域への渡航を控えることが最も有効であると考えております。また、やむを得ず流行地域へ渡航する場合も、長袖、長ズボンの着用や防虫剤などを使用して、主な感染経路である蚊に刺されないための対策を取ることがまずもって重要であると考えております。
○足立信也君 蚊に刺されないことということなんですけれども、これ当然、先ほど、ネッタイシマカあるいはヒトスジシマカの分布は日本もあるわけで。 それから、血液中では一週間以上生存は余りないというふうにされておりますけれども、先ほど、アメリカ国内の女性が性交渉で感染したと。精子の中にはどれだけ生きているかというのはまだ分からないわけですね。たしか新型インフルエンザ、スペイン風邪か何かの分析ですか、アジアですかね、六十日以上も精子中で生きていたというようなことも以前あったと思います。これもまだ分かっていない話です。 そこで、今、渡航を自粛するという話がありましたが、例えば今年リオのオリンピックがありますし、ブラジルが今大変な経済の状況であることは分かりますけれども、蚊に刺されないように、そして渡航した人との接触を避ける、性交渉を避ける、避妊をする、献血をしないということで、一番私は考え得るのはやっぱり渡航制限じゃないんでしょうか。 渡航制限という言葉がなかなか出てこないのが不思議でしようがないんですね。それは経済的な理由をおもんぱかってのことなんでしょうか、オリンピックを考えてのことなのか、余り大騒ぎにしたくないということなのか。しかし、今言った理由、あるいは最も有効な予防策を考えると、ここは渡航は控えると。さっき自粛というような話がありましたけれども、厚生労働省として渡航、あるいは外務省にそれを要求したということがあるんでしょうか。渡航制限はどう考えていますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) WHOの専門家会合がございまして、そこではジカウイルス感染症に関する、何というか、アドバイスの中では、一般渡航者について流行地への渡航制限は必要ないというふうに、WHOの専門家会合は一応そういうような結論を出しているようでございます。 一方で、妊婦の方については、先ほど来お話が出ているようにリスクが高いということで、WHOやそれからCDCは、胎児の小頭症との関連を踏まえて流行地への渡航は控えるべきと勧告をしていると。そして我が国も、妊婦の方に対して流行地への渡航は可能な限り控えていただくように今注意喚起をしているわけであります。 今後とも、海外における流行状況とか対応状況について情報収集に努めて、国民の皆様方にできるだけ情報を提供して更なる注意喚起を図ると。蚊の発生予防対策などジカウイルス感染症対策に万全を期して、日本の国内でもそうしないといけないと思っておりますが、今、外務省になぜ渡航制限を要請しないのか、それから渡航制限自体が有効なのでなぜやらないのかと、こういうことでありますが、エボラのときも特にそういう形での制限というよりは、どちらかというと水際でどう防ぐのかということと、国内でどう早く見付けるかということをやるということでやっておりましたが、今回も、じゃ男性の渡航はどうするのか、女性の渡航はどうするのかということを考えると、基本的にはそこのところの渡航制限ではなくて、可能な限り控えていただくという形の政策かなというふうに我々は整理をしているところでございます。
○足立信也君 WHOは渡航制限をしないという、それはそのとおりであるんです。でも、それがいけないんじゃないかという意見もあって、CDCなんかは渡航制限を警告しているんです。そういうこともあります。 以上で終わりにしたいんですが、これは、小頭症あるいは無脳症という患児を私も診たことありますけど、かなりこれは大変です。ここは防げるものは防げるように努力すべきだと思います。 それから、今日はほかの質問できませんでしたが、介護報酬の件、それから渡航制限というと血液が海を渡る話について、ちょっと化血研の問題も次回やりたいと思います。 どうもありがとうございました。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、大門実紀史君が委員を辞任され、その補欠として辰巳孝太郎君が選任されました。 ─────────────
○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。よろしくお願いいたします。 明日で三・一一東日本大震災から五年となります。被災地では、道路ですとか住宅の建設、こういった生活再建に向けた復興が徐々に進んできてはおりますけれども、いまだ復興と言うには道半ば、引き続きの取組が必要であるかと思っております。 また、道路、住宅、そうしたハード面はもちろん重要でございますけれども、私たちは人間の復興ということをこれまでも訴えてまいりました。一人一人に寄り添っていく、心の復興を成し遂げていく、このことが重要ではないかと思っております。一人一人に寄り添う心、そうしたところで被災者の皆様の健康を支える、また地域でお仕事がなければなかなか町の復興も進まないわけでございまして、労働環境、こうしたことも重要かと思います。そういう意味で、厚生労働省の復興に果たされる役割ということも重要であると思っております。 ところで、東日本大震災で大きな被害を受けました岩手県、宮城県で被災者の皆さんの健康に関する調査が行われております。 厚労省研究班のメンタルヘルス、心の健康の調査によりますと、宮城県では、心理的苦痛を感じている被災者の方の割合というものは減少してまいりまして、一四・三%ということでございます。しかしながら、全国平均の一〇%を上回っている状態でございます。また、要介護認定者、これも五年前の六・三%から一六・二%ということで一〇%も上昇している。この増加率も全国よりも高い状況になっております。 また、岩手県では、心理的苦痛を感じているという被災者の方の割合、これは全国平均と同じ程度まで回復してきておりますけれども、飲酒量の多い男性の方というのがやや増加傾向にあるそうでございます。また、仮設住宅に今もまだ多くの方が暮らしているわけでございますけれども、その方々の心の健康を見ますと、やはり少し割合が多い、問題のある方の割合が多いと、特に女性に顕著であるという結果が出ているそうであります。 こうしたことで、まだまだ被災者の皆様のこうした心の健康、体の健康、こういったことを今後も寄り添って支えていっていただきたいと、このように思っておりますけれども、大臣は所信におきましても復興に向けての決意をおっしゃっておりましたけれども、改めましてその御決意を伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 震災被災者の皆様方への対応については、安倍総理からも、一人一人が閣僚は担当大臣だと思ってやれということを聞いているわけであります。 被災者に対する心のケア、そして避難生活の長期化に伴う健康状態の悪化の防止というのは、今先生御指摘のように大変重要であり、また、特に被災地におけるメンタルヘルスについては、宮城県では心理的苦痛を感じている人の割合が平成二十三年の一八・四%から二十七年に向けて一四・三%に減少はしておりますけれども、こういうような形で少し改善は見られておるわけでありますが、全国的な平均値から見れば、一〇・〇%という平均値でありますので、依然としてこれは高いというふうに我々は認識をしなければいけないんだろうというふうに思っております。特に、独り暮らしの高齢者など孤立しやすい方の健康リスクというものもかねてより指摘をされているわけであります。 これまで厚労省では、岩手、宮城、福島の三県に活動拠点となります心のケアセンターというのを設置をいたしまして、心のケアに当たる専門職、これは保健師あるいはPSW、臨床心理士等々でありますが、被災者からの相談を受けて訪問支援、専門的医療支援等を行うとともに、このセンターから市町村や保健所への人材派遣、そしてまた保健師に対する研修会を行うなどの後方支援をやってまいりました。長期にわたって仮設住宅で暮らしていらっしゃる方についてのお話も今ございましたが、この健康状態の悪化を防ぐために保健師による戸別訪問をやっておりますけれども、こういう各種健康支援活動、それらを担う人材の確保、こういったことについても市町村に対して支援を続けているところでございます。 東日本大震災から五年が経過をしているわけでありまして、被災者の心と体の健康状態を回復することは喫緊の課題であることはもう言うまでもないというふうに思います。地域の心のケアの専門家あるいは保健師による顔の見える戸別訪問を含めて、心と体の両面に対して必要な支援を厚生労働省としてもしっかりやっていきたいというふうに思います。
○佐々木さやか君 五年という月日が流れました。風化ということで、被災地の皆さんの苦悩ですとか、また復興への御苦労、こういったことが忘れられてはならないと思います。高齢化という問題も、これは月日がたてばたつほど深刻になっていくわけでございますので、今後とも引き続き被災地の皆様に寄り添った御支援をお願いをしたいと思います。 次に、今日、午前中も石井委員より議論がございましたけれども、認知症の男性が列車の事故に巻き込まれて命を落とされたという事件をめぐりまして、最高裁判所が三月一日に判断を出しました。これは、鉄道会社が家族に対して監督義務を怠ったなどとして損害賠償を求めていた事件でございます。最高裁は、同居していた高齢の妻、また別居をしていた長男のいずれの責任も否定する判決を出しました。 一審の地方裁判所では、妻と長男の両方に対して責任を認めておりました。それから、二審の高等裁判所では、同居の妻に対して責任を認めて賠償を命じておりました。しかしながら、こういった判決につきましては、家族に対して、認知症の高齢者を二十四時間見守らなきゃいけないのかとか、そうした過大な負担を課すものではないかとか、それから、家族の監督義務を余り厳しく問うと介護の担い手がいなくなるのではないか、こういったような懸念の声もあったわけでございまして、私としましては、この最高裁の今回の判断というのは、家族の監督責任を否定しているわけですけれども、介護の実態に基づいた正当な結論だったのではないかなというふうに思っております。 こうした認知症の高齢者の方の徘回ですとか事故に巻き込まれてしまう、こういったことを防ぐためには家族だけではなかなか難しいのが現状であります。認知症を患っていても地域で安心して暮らすことができる、また外出もすることができる、こういう地域の体制をつくっていかなければならないと思います。また、鉄道事業者の皆さんも、ホーム下などの危険な場所に立ち入ることができないようにするとか、それから、例えば駅の職員の方も認知症について理解を深めていただくとか、こうした対応を協力をいただけるようにお願いしたいと思います。 この判決の内容については、大臣も御存じのことと思いますけれども、最高裁は、同居の家族だからというだけで当然に認知症高齢者への監督義務を肯定するものではありませんでした。ですから、地域で介護を支えていこうとする政府の取組とも方向を同じくするものではないかなと感じておりますが、こうした事故を防ぐためにも、地域の見守りのネットワークの構築ですとか、それから、認知症高齢者の方、その御家族が安心をして暮らせる、そうした体制の整備を急いでいく必要があるかと思います。 大臣のこの判決についての御所見も、もしあれば併せて伺いたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今朝ほど石井委員に対してもお答えを申し上げましたけれども、今回の判決につきましては、認知症の方が第三者に損害を与えてしまった場合の介護家族の監督義務の有無の判断に際して総合考慮すべき事項が六つ指摘をされたという、初めてこのような形で最高裁、司法の場から考え方が示されたということで、私は一つ大きな前進ではないかというふうに思います。 しかし、その中身を見てみれば、例えば介護者、介護を受ける方の生活の状況とか心身の状況と書いてありますから、これはもう本当にいろいろな幅がある。それから、看護、介護の実態というのもそれぞれありますし、もちろん親族関係の有無、濃淡、この濃淡の中には、今回のように近くに住んでいるか住んでいないか、お嫁さんがどういうお世話をしているか、いろんなことがあって、そういうことを考えてみると、やはりこれらについてよく考慮をした上で個別に考えていくというのがこの監督義務の有無なんだろうというふうに思います。 それで、今先生から御指摘にありました見守りネットワークのことについては、かねてより新オレンジプランでも去年の一月から、認知症になられても、どんなコミュニティーでもちゃんとそこで暮らしていけるようにするために皆で見守り合う、そういう仕組みをやはりつくって、ネットワークをつくっていかないといけないということで、そういうことを是非進めていこうということで、私ども新オレンジプランを作っているわけでございます。 先ほども申し上げましたけれども、大牟田では、本当に、十二回、もう既に訓練を一年に一遍ずつやってこられたと言っておられましたし、それも三千人規模で市民が参加をする、たしか十二万ぐらいの都市でありますけれども、そういうことで、市民全体で認知症になって行方不明になられた方を探し出すという仕組みをつくっていらっしゃって練習をしているということは大変すばらしいことだと思いますので、そういうネットワークを私どもとしても横展開して、いろいろなところでそれぞれの地域に合った形でやっていただければというふうに思っています。 今後、様々なテーマが残っていると思います。これを私どもとしても、先ほど申し上げたように、新オレンジプランを作った省庁間のネットワークで、私たちはそこでいろいろな問題について、先ほど石井先生から少しお叱りもいただきましたが、ペースアップして、この最高裁の判決を受けて、今どういうふうなことが国民にとって懸念材料としてまだまだ残っているのか、そして我々としてやるべきことがどこまで進んでいるのかということも踏まえるとともに、課題は何なのかということをまず出していくということが大事なので、実態調査を含めてしっかりやって、そして国民的な議論をリードしていきたいというふうに考えております。
○佐々木さやか君 今大臣に御説明していただいたとおり、最高裁は、判断基準についていろいろな要素を挙げて、それを総合的に考慮していくと、こういう判断基準を示しました。ですから、今回のケースでは御家族の責任は否定されたわけですけれども、場合によっては認められるということもあるかと思います。 また、逆に、家族の責任が否定された、それによって誰も賠償義務を負わないということになった場合に、損害を受けた側の補償はどうしていくのかと、こういう問題もあるわけでございます。この点に関しましては、我が党も実はPTを、プロジェクトチームを立ち上げさせていただきまして、事故を未然に防止する体制づくりとともに、認知症高齢者やその御家族を社会全体で支える仕組みについて、これからどういうことが必要なのかということを検討してまいりたいと思います。 ですので、大臣がおっしゃるとおり、これからしっかりと検討していくべきだと思っているんですけれども、しかしながら、今、現状でもできることというのも何かあると思うんですね。例えば、恐らくですけれども、この最高裁の判決をきっかけに、じゃ、うちの場合はどうなんだろうとか、もし事故が起こったらどうなるんだろうというふうに不安に思っていらっしゃる方というのもいると思うんですね。そういう方が、取りあえず地域の、例えば包括支援センターに問合せをしてみたりとか、また行政の窓口などに相談に来たと、こういう場合には、できれば、個々の状況によりますからというふうにちょっと冷たいような対応ではなくて、しっかりと話をよく聞いて、そして必要な情報があれば教えてさしあげるとか、そういう丁寧な対応を是非お願いしたいというふうに思っております。 また、先ほどの損害の補償という観点で申し上げますと、こうした事故の損害というのは、今ある民間の個人賠償責任保険、これでカバーできる場合もあるというふうに聞きました。もちろんこれで足りない場合もあるかもしれませんけれども、ただ、こういう個人賠償責任保険というものがあるんだということ自体知らない方というのも結構いらっしゃるんじゃないかなと思うんですね。 ですから、これを機会に、認知症の方、またその御家族が巻き込まれる可能性が、巻き込まれ得る事故について、その危険性とか注意しなきゃいけないこととか、こういったことを家族の方や関係者の方に正しい知識を持っていただいた方がいいんじゃないかと思うんです。 ですから、こういった事故とか、そうしたことの危険性とか、日頃準備できること、こういった知識についても、例えば様々な介護の支援制度と併せてハンドブックのようなものにするとか、その後ろの方のページにちょっと説明を、アドバイスを書いていただくとか、そういった形で、例えば地域の包括支援センターで配るとか、厚労省としてもできることについては情報提供や啓発活動というものに取り組んでいただいてはどうかと思うんですけれども、この点いかがでしょうか。
○政府参考人(三浦公嗣君) 認知症の方や御家族に地域の支援があるという安心感を持っていただくということが極めて重要でございまして、認知症に関する正しい知識と理解を持った認知症サポーターや、認知症の方や家族、医療、介護の専門職、地域住民が集まって皆様でいろいろ情報交換をするなどするいわゆる認知症カフェなどの取組を通じて、認知症への理解について、介護をされている家族を含めて社会全体で進めていく、このような形、いろいろ方法はあると思いますが、普及啓発を図っていくということが極めて重要であろうというふうに思っております。 また、今回の判決受けまして、認知症の方の事故に対する賠償の問題につきましては、民間保険の活用を含めて様々な対応の選択肢が指摘されているものと承知しているところでございます。こうした観点から、社会として備えるためにどのような対応が必要かということにつきまして、民間保険の活用も含めて、広く様々な立場から議論をしていただくということが重要だと考えております。 先ほど大臣から紹介ございました関係省庁の連絡会議などを活用しながら、私どもとしては議論が深まるようにしていきたいと考えているところでございます。
○佐々木さやか君 是非、今でも、できる範囲でも結構ですので、情報提供ということにも取り組んでいっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 次のテーマに移りたいと思いますけれども、女性の活躍ということで、先日、三月一日に、妊娠等を理由とする不利益取扱い、いわゆるマタニティーハラスメントです、マタニティーハラスメント及びセクシュアルハラスメントに関する実態調査、この結果が出ました。 この調査に関しましては、我が党の古屋範子衆議院議員が、このマタニティーハラスメントの実態調査、これについて、派遣労働者の方が受けやすい状況にあるのではないかという問題を昨年の衆議院の厚生労働委員会で指摘をしておりまして、今回の調査というのは、恐らくそうした問題意識も持ちながら、雇用形態別に詳細に調査をするなど行われたものというふうに認識をしております。 その結果として、様々な問題点が浮き彫りになってきたと思います。まず、このマタハラの経験率、どれぐらいの方が受けているのかという点につきましては、調査の結果、働いているときに妊娠、出産、未就学児の育児を経験した方のうちマタハラを受けた経験のある方は二一・四%と、企業規模が大きいほど経験率が高いという傾向にございます。 今申し上げた派遣労働者ということについて見ますと、これはかなり突出していると言えるのではないかと思いますが、四五・三%の方が経験をしていると。じゃ、どういう態様のマタニティーハラスメントの被害なのかといいますと、休むなんて迷惑だとか辞めたらなどというふうに言われる、こういう被害が一番多いわけでございますけれども、しかしながら、解雇ですとか雇い止めといった重大な事案、これも結構ありまして、合わせると、解雇、雇い止めで三四・六%なんですね。ですから、マタハラの被害のうち約三分の一以上が解雇、雇い止めといった重大な不利益になっております。 これを派遣労働者について見ますと、更に被害は重大でございまして、妊娠をした時点で派遣契約を打ち切られたり、ほかの労働者への交代を求められたと、こういう方が二五%近くいらっしゃいます。さらに、育児休業を申し出た時点、また子供の看護休暇を申し出た時点、こういったところで契約の打切りに遭ったり、こうした方を含めますと、何と四九・四%ということで、約半数の方が契約の打切り、ほかの労働者への交代というものを求められていると。ですから、派遣労働者の方というのは、四五・三%の方がマタハラを経験して、かつその内容も、約半分が先ほど申し上げたような重大な不利益ということになっております。 これでは、とても育児と仕事を両立をして女性が活躍できるとは言えないわけでございまして、そこで、大臣にお聞きしたいんですが、今回の調査結果を受けて、マタニティーハラスメントの防止対策、どのように取り組んでいかれるのか。特に先ほど申し上げたように派遣労働者の方が被害に遭いやすいという状況にありますので、是非力を入れて取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。 佐々木委員おっしゃるとおり、こういったマタハラ、非常に現場ではいろいろ問題になっております。妊娠、出産、育児休暇等を理由とする事業主による解雇や雇い止めなどによる不利益取扱いは既に男女雇用均等法で禁止されておりますが、依然として雇用均等室に寄せられる相談件数は多くなっております。昨年、平成二十六年度ですと三千五百九十一件ということで、これも年々増加の傾向でございます。ということで、更なる法の徹底周知と厳正なる履行確保が重要であると、このように考えております。 このために、来年度、二十八年度、ちょっと力を入れていこうということになりまして、約一・九億円予算案に入れさせていただいておりますけれども、全国マタハラ未然防止対策事業を盛り込んでおりまして、事業主や人事担当者向けの説明会など集中的な広報を行い、企業における意識啓発や取組の推進を図るように頑張ってまいる予定でございます。具体的には、ハラスメント特別相談室の相談窓口の設置とマタハラ未然防止対策キャラバンを実施する予定でございます。また、法に違反する事業主に対しましては、都道府県の労働局において厳正な是正指導を行ってまいりたいと、このように考えております。 また、事業主による不利益取扱いのみならず、近年は上司や同僚からの嫌がらせ、これも問題となっておりまして、これらを防止する措置の事業主への義務付け、これを盛り込んだ法案を今国会にも提出させていただいております。 さらに、先ほどからお話に出ております派遣で働く方々に対しての環境整備をするために、今回、法改正の中で、まずは上司、同僚からの嫌がらせを防止する措置を派遣先にも義務付けるようにいたしますとともに、今度は育児・介護休業法に基づきまして、育児休業法の取扱い等を理由とする不利益取扱い禁止を派遣先にも適用するということを盛り込んでおります。こうした措置の確実な履行確保等を通じて、今後も妊娠、出産、育児等を経ても継続就業しやすい環境の整備に厚労省としても全力を挙げて取り組んでいきたいと、このように考えております。
○佐々木さやか君 ありがとうございました。 企業での防止対策が進むように、また派遣労働者という観点からも力を入れていただけるということであります。是非よろしくお願い申し上げます。 先ほど副大臣が言及されておりましたが、マタニティーハラスメントが上司だけでなくて同僚の方とか、また男性だけではなくて女性からも行われているということが分かったそうでございます。これはどうしてかということはいろいろと分析してみなきゃいけないと思いますけれども、私が考えていることの一つとしては、やはり妊娠、また出産によって従業員の方がこれまでと全く同じようには働けなくなる、お休みを取らなきゃいけない、早めに帰らなきゃいけないと、そうした場合に、周りの同じ職場の同僚の方としては、やはりその分自分がカバーしなきゃいけないんじゃないか、自分がその分しわ寄せを受けるんじゃないかと、こういう気持ちがもしかしたら休むなんて迷惑だというような言葉につながってしまうのかもしれないなと思います。 ですから、こういったことがないように、妊娠や出産をする女性社員の方はもちろんですけれども、その周りにいる同じ職場の従業員の皆さんをどうサポートしていくかということもマタハラ防止対策としては私は重要ではないかと思っております。これが実際にやはり効果的なんではないかということも、今回の実は実態調査ではデータが出ております。 ですから、先ほど副大臣が様々な防止対策、企業で行われるように取り組んでいくとおっしゃっておりましたけれども、妊娠、出産をする女性従業員の方の周りの従業員への業務上の応援、サポート、こういう効果的な対策が実施されるように是非していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) 御答弁申し上げます。 今さっき先生御指摘ありました、昨年行われました労働政策研究・研修機構のマタハラ、セクハラの実態調査の中で、各企業において様々な不利益取扱いの防止策を講じていただいているわけですけれども、この中で、今まさに御指摘ありましたように、職場においてそういった妊婦さん等に対する業務上の応援を講じているという御回答をされた企業が実は一番不利益取扱いの経験の率が下がっていると、つまり効果があったということが分かっております。 具体的には、例えば業務分担の見直しを行いますですとか代替措置を講じますですとか、個別具体に当該妊婦さんの仕事あるいはその周りの方々の仕事の負担を軽減するような対策を講じていると。周りの方に対しても様々な配慮をするというのが、実はこういった不利益取扱いの防止に非常に効果があるということは統計上も明らかということでございます。 今回、御審議をお願いしております改正法案の中で、今副大臣から申し上げましたように、上司、同僚からの嫌がらせについても新たな措置を講ずるということになっておりまして、法律が成立した後、具体的に企業にどのような対策を講じていただくかということについては指針の中で具体的にその内容を定めるということにしておりますので、この調査結果なんかも踏まえまして、できるだけ実効ある取扱いが、各企業の取組が進みますように、これは審議会での御議論を踏まえて定めるわけでございますけれども、毎年審議会の議論をいただきまして、具体的な指針を定めて、各企業に対する指導方、努力してまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 是非よろしくお願いいたします。 それから、今回の調査ではセクシュアルハラスメントについても調査がなされておりますので、この点についても申し上げたいと思います。 セクシュアルハラスメントについては経験率が二八・七%ということでありまして、このセクハラの問題が社会に認識されてからしばらくたつわけでございますが、今も約三人に一人が経験をしている状態になっております。この場合ですと、雇用形態別で見ますと千人以上の企業の正社員の方が一番セクハラを経験している率が高いということになっておりまして、正社員に対してさえ十分なセクハラ防止対策が取られていないのではないかと懸念しております。 この防止対策に、じゃ、取り組んでいるかどうかということを見ますと、取り組んでいますという企業は五九・二%で、約六割が取り組んでいるわけですけれども、逆に申し上げると、何もほかの企業は、残りの企業は対策を取っていないということで、これは非常に問題であるというふうに思っております。 実際にも、やはりこのセクハラというのは相談の件数も多いというふうに聞いておりますし、調停などになるケースも多いそうであります。想像以上に職場でのセクハラというものは多いのではないかと思います。 マタハラの防止とともに、やはり女性の活躍という観点からはセクハラの防止措置というものもしっかりとなされるように、政府としても取組を推進していっていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) 今御指摘ありましたように、セクハラに関しては、もう既に男女雇用機会均等法で全ての事業主に対して防止措置を行うことが義務付けられているわけでございますが、実際に調査をいたしますと、お話ありましたように、千人以上の企業ですとほぼ一〇〇%、百人以上ですと九三%程度は何らかの対策が講じられているわけでございますが、やはり九十九人以下の小さい企業ですと五割強ぐらいしか取組がなされていないということで、特に小規模な企業について取組を促していくということが必要なのではないかと思っております。 小さい企業の場合ですと、何といいますか、従業員の数も少ないので、実は経営者といいますか社長さんといいますか、やはり経営層の方がきちんと理解していただければかなり対策が進むわけですけれども、そこが十分でありませんと、やはりいろんな問題が生じるということでございます。 セクハラについては、従来から、防止対策を講じていない事業主に対しましてはきちんと対策を講じていただくようにということで、各都道府県労働局を通じまして指導、勧告を行っております。対策を講じていただけないということになりますと、最終的には企業名の公表ということも行うということで、これはかなり強力な御指導を申し上げているところでございます。 今般、先ほど副大臣から御答弁申し上げましたが、全国マタハラ未然防止対策事業というのを今回、来年度の事業で予定してございますが、特に中小企業につきましては、マタハラ、セクハラ併せまして、この防止措置について強い周知徹底の努力をしていきたいと考えております。 また、本年四月から、各労働局の組織の見直しを行っておりまして、新たに雇用環境・均等部というのを各労働局に設置をいたしまして、セクハラあるいはマタハラ含めまして、一連のハラスメントあるいは雇用環境の改善につきまして一体的な相談と紛争解決の体制というものをつくりましたので、こういった組織を、その役割を十分に果たせるように、私どもとしても各労働局に御指導申し上げまして、総合的なハラスメント対策を実施してまいりたいと考えております。
○佐々木さやか君 よろしくお願いいたします。 それで、そうしたセクハラを防止をして、また、マタハラを防止をして、女性の方が結婚、妊娠、出産を経ても働きやすいという社会をつくっていかなければならないわけですけれども、そうはいっても、一旦退職をすることになってしまったと、そういう場合には、希望すればまた働けるように再就職などの支援をしていくということも重要であると思います。 この点、こうした女性の再就職、転職などの支援の一つとして、マザーズハローワーク、マザーズコーナー、これ我が党も、子育てしながら働きたいと、こういう女性の皆さんのお声を受けまして推進をしてまいりました。このマザーズハローワークといいますのは、きめ細やかな対応のために各利用者の方ごとに担当者を付ける、また、施設内にはキッズコーナーがあって子連れでも相談しやすい、こういう環境が整っております。また、パソコン講習などのキャリアアップ支援ですとか、保育情報の提供ですとか、こういった総合的な支援になっているんですね。 このマザーズハローワーク、現在も全国で二十一か所ということでございますけれども、ただ、全国二十一か所というと、ちょっと多いとは言えないんではないかなと。ハローワーク自体は全国で五百四十四か所、平成二十六年度であるそうであります。是非ともこのマザーズハローワーク、そこでの支援も併せて拡充をしていっていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。 子育て中の女性の方々の希望に応じて働くことができる環境の整備は大変重要なことと、このように考えております。 これまで、マザーズハローワーク事業としまして、全国百八十四か所の拠点で、子供連れで来所しやすい環境を整備して、担当者によるきめ細やかな職業相談や職業紹介を実施させていただいております。この百八十四か所の内訳は、二十一か所、マザーズハローワーク、これはハローワークとまた別の場所に設けていたりということです。あとは、ハローワークの中に設けるということで、百六十三か所、マザーズコーナーというもの、これ合わせて全国で百八十四か所、マザーズハローワーク事業ということで実施させていただいております。 ということで、その利用者数なんですけれども、マザーズハローワーク事業の新規求職者数は、平成二十六年は二十一万九千八十五人、そして二十七年、これ十二月末の数字でございますけれども、今までに十六万千二百四十一人ということで、前年比千八百十人増ということで、利用が非常に伸びてきている状況であります。私も、マザーズハローワークの方は名古屋の方で視察をさせていただきまして、子連れのお母さんが子供を預けて、何か割と利用しやすいということですごく喜んでいらっしゃる姿も拝見させていただきました。 ということで、平成二十八年度におきましては、事業拠点をおっしゃるようにちょっと増やしていこうということで、五か所でございますけれども拡大していこうと考えております。また、全国二十一か所ありますマザーズハローワークに訓練担当の専門相談員を新たに配置していこうと、このように考えております。 ということで、マザーズハローワーク事業の拡充を図る予定でございまして、今後も子育て中の女性のニーズにしっかりと対応していきたいと、このように考えております。
○佐々木さやか君 次の質問なんですが、これ是非大臣にお答えいただければと思うんですけれども、今申し上げたマザーズハローワーク、子育て中のお母さん方にも大変好評なんですね。しかしながら、一点改善をしていただきたい点がございます。このマザーズハローワーク、いろいろと相談ができるわけですけれども、雇用保険の手続ができないんですね。 雇用保険の手続ができないとなると、どういうことになるか。例えば、子供が小さくて今の職場じゃなかなか働き続けられない、転職をしようということで、一旦辞めてマザーズハローワークに相談に行ったと。その場合に、転職のための相談はできるけれども、雇用保険の受給手続はできませんので普通のハローワークに行ってくださいと言われてしまうんですね。このマザーズハローワーク、先ほど申し上げたように全国で二十一か所、例えば神奈川県でいいますと横浜と相模原に一か所ずつなんですけれども、子供を預かってくれる、相談もしやすいということで、おうちの近くのハローワークではなくて、わざわざちょっと遠いけれどもマザーズハローワークに行ったと。しかしながら、そこでは雇用保険の手続ができませんと。 この雇用保険の手続というのは、まず会社を通じて受け取る離職票を持ってハローワークに行って一回手続をすると。それだけでは終わらなくて、その後も四週間に一回、失業の認定というものを受けるためにハローワークに通わないといけないんですね。四週間に一回マザーズハローワークに行って職業相談、転職のための仕事探しの相談をしているんだけれども、それとは別に四週間に一回普通のハローワークに行って、そこで雇用保険の手続をしなきゃいけないと。 これは、やはり利用者の方からすると不便でありますし、是非この雇用保険の手続についてもマザーズハローワークでできるように改善をしていただきたいと思うんです。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 全国二十一か所のマザーズハローワーク、加えてマザーズコーナーというのがありますが、子育て中の女性などを対象にきめ細やかな職業相談、職業紹介に特化した業務を実施をする施設としてやってきているわけでありますけれども、今御指摘のように、雇用保険の各種受給手続はまた別にハローワーク本体に行かなきゃいかぬということで極めて不便じゃないか。私も現場を見に行ったことがありますが、やはり子供さんを連れて来られている方がいて、そこからまたもう一回行けと言われても、これはなかなか大変ということで御指摘をいただいたというふうに思います。 今後は、来年度早々に、各地域の現場のニーズを把握をした上で、マザーズハローワークにおける雇用保険の各種受給手続の実施について前向きに検討してまいりたいというふうに思います。
○佐々木さやか君 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。 まず、調査を来年度早々の時期にやってくださるということで、ありがとうございます。また、来年度の予算の範囲内でも、例えば、マザーズハローワークによっては、来年度の予算の範囲内でシステムの導入ですとか職員の方の配置ですとか改善ができることがあるかもしれませんから、できるところから早めに改善をお願いしたいと思いますので、是非ともよろしくお願いいたします。 では次に、子供の虐待防止、児童虐待の防止というところで残りの時間、御質問をしたいと思います。ちょっと時間が限られておりますので全部は質問ができませんけれども。 児童虐待の防止ということは非常に重要な問題であります。児童虐待のうち、やはり小学校入学前の子供さんというのが一番多く割合を占めているんですけれども、中学校生また高校生などの十代後半の子供たち、これも二二%程度を平成二十六年度は占めておりまして、その被害は深刻であると思います。こういう十代後半の子供をどう保護するか、どのように自立支援を行っていくかという問題点があると思います。 そうした中で、主に十代後半の子供たちを緊急的に保護する施設としてその役割が期待されている子どもシェルターという施設があるんですね。この子どもシェルターは、子供の人権救済活動を行う弁護士さんを中心にして平成十六年に最初に東京に開設をされました。その後、これまでに十三か所ほど全国に開設をされております。 この子どもシェルターの特徴としては、一人一人の子供に弁護士が付いて法的な観点からの支援、それから家族や学校などとの、関係機関との関係調整を行っております。ですから、弁護士による法的支援と児童福祉関係者や市民による福祉的な支援、これが両輪として行われていると。児童相談所などの関係施設とも連携しながら支援が行われております。 シェルターという名前のとおり、緊急の保護ということを主な目的にしているんですね。御存じのとおり、子供の緊急保護、一時的な保護ということについては児童相談所の一時保護という制度があるわけですけれども、この一時保護というのは、対象になるのは十八歳未満ですね。また、一時保護所は定員がオーバーして受け入れているような状態がありまして、個室も多くないですし、外出が禁止されて通学もままならないと、こういう状態にあります。ですから、子供たちの緊急的な避難場所、また十代後半の、児童相談所による一時保護の対象にならないような子供たちを受け入れて保護する場所として、この子どもシェルターというのは重要な役割を果たしているというふうに考えております。 ところが、このシェルターが閉鎖に追い込まれるところが出てきているんですね。その大きな原因というのは運営費の確保が困難であるということです。弁護士費用については、ボランティアですとか、それから弁護士会が資金を出して子供たちの負担にならないようにしておりますので、主にスタッフの人件費とか子供たちの生活費とか、そういう施設の運営費の確保が困難になっていると、こういう状況にあるそうです。 こうした施設の子どもシェルターの運営の支援というのは私は重要なことだと思うんですけれども、国からの公的な支援というものはどのようになっているんでしょうか。
○政府参考人(香取照幸君) 御質問の子どもシェルターでございますが、これは、今先生お話ありましたように、虐待を受けたお子さんたちの緊急的な避難先ということで、お住まい、住居で子供を保護して相談と援助を行うということで、これは、お話ありましたように、民間の活動が中心になって生まれてきたものでございます。 子どもシェルターについては、全国ネットワーク組織があるということで、こちらに伺いますと、現在こちらに加盟しているシェルター十一か所あるということで、一か所休止中ですが、十か所は稼働しているということでございます。 この子どもシェルターにつきましては、私どもでは平成二十三年度から、自立援助ホームの体系の中でその要件を満たすようなものについては運営費の補助を行うということで、施設に勤務しておられます職員の方に対する人件費、それから入所しております児童の方に対する生活費の補助を対象としております。現在十か所、このネットワークに加盟しておられるところで稼働しているシェルターありますが、この十か所は全て今運営費補助の対象になっているということでございます。 あと、実際の補助の形なんですけれども、お話ありましたように、緊急的に避難をするということになりますので一時的な利用が多いということで、頻繁に入退所が繰り返されるということがございます。それから、他方で、難しい問題を抱えているお子さんがいますと結構長期に入られるということになりますので、新規入所がなかなか難しくなるといったことがございます。 自立援助ホームは、基本的には入所実績に応じて支払をするという形になっておるわけでございますが、こういった子どもシェルターの特性に応じまして、いわゆる定員払いのような形で、入所実績によらないで補助額を算定するという特例を設けまして、今この形で柔軟な取扱いを行えるようにということで助成を私どもの方でさせていただいているということでございます。
○佐々木さやか君 そうした柔軟な運用改善を行っていただいたということでございますけれども、こうした運用が自治体の方に徹底されていないという声もございます。ですので、是非とも周知徹底をしていただきたいと思っております。 もう時間が参りましたので、今日ちょっと通告をしながら質問ができない点もございましたけれども、また別の機会に議論を深めさせていただきたいと思います。 以上で終わります。
○辰巳孝太郎君 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。 〔委員長退席、理事羽生田俊君着席〕 政府は、希望出生率一・八に直結する緊急対策として、小児・周産期医療体制の整備促進を掲げております。補正予算でも約二十億円計上をしております。私は、そのような小児・周産期医療体制整備のためにも、とりわけ公立病院の果たしている役割が重要だと考えております。政府は、この公立病院の果たす役割をどう認識されておりますか。
○政府参考人(亀水晋君) お答えいたします。 公立病院は、民間病院の立地が困難であるへき地における医療や、救急、周産期、小児医療等の不採算・特殊部門等に係る医療を提供する重要な役割を担っていると認識しております。 平成二十七年三月に策定した新公立病院改革ガイドラインにおいても、公立病院が果たす役割、機能について、山間へき地、離島など民間医療機関の立地が困難な過疎地等における一般医療の提供や、救急、小児、周産期、災害、精神などの不採算・特殊部門に関わる医療の提供などを挙げているところでございます。
○辰巳孝太郎君 ガイドラインでも、救急、小児、周産期、不採算・特殊部門に関わる医療の提供を公立病院が担っていくということを総務省も言っているわけですね。 この救急、小児、周産期などの不採算部門を提供してきた病院、これが大阪市南部に位置する住吉市民病院という公立病院であります。先月、当市民病院の廃止を含む再編計画に同意をした政府の認識をただします。 この病院が位置する地域は、小児科、産科が元々不足をしている地域でございます。地域周産期母子医療センターの認定を受けた当病院が、小児、周産期に中核的な役割を果たしてまいりました。二〇一三年度には、厚生労働省、重症心身障害児者の地域生活モデル事業を受託をした医療機関でもあります。未受診や飛び込みによる出産を積極的に受け入れている病院でもあり、二〇一三年は大阪府下で四番目に多かった病院であります。また、児童虐待、この被害児の一時保護の受入れも積極的に行ってきた病院で、社会的に厳しい環境に置かれた子供たちの受皿として広く認知をされてきた病院、これが住吉市民病院であります。 〔理事羽生田俊君退席、委員長着席〕 ところが、二〇一一年、大阪の橋下前市長のときに、この市民病院と府立病院が二重行政だということで、それまでの方針であった市民病院の現地建て替えをやめて、病床の一部を府立急性期・総合医療センターに統合することと別に民間病院の誘致を決めました。そして、大阪府はこの再編計画を昨年十二月十八日に厚労省に提出をいたしまして、厚労省は本年二月の二十九日にこの再編計画に同意をいたしました。 厚労省、まず申請に当たって必要な手続と同意の要件を示していただけますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 医療法におきまして、都道府県は、病床過剰であっても特別な事情がある場合につきまして医療機関の病床数の変更を認めることができるということとなっておりまして、特例とする病床数については、都道府県医療審議会の意見書を付して厚生労働大臣に協議をし同意を得るという手続となっております。 医療機関の再編統合を伴う厚生労働大臣への協議に当たりましては、再編統合後の病床数が再編統合前の病床数に比べて減っていること、医療機関相互の機能分担及び業務の連携を踏まえた対応を行うことを同意の要件としておるところでございます。
○辰巳孝太郎君 総務省に確認しますが、再編に当たって、住民の理解、これも必要だと思いますけど、どうですか。
○政府参考人(亀水晋君) 住民の理解という点につきまして、新公立病院改革ガイドラインにおきましては、当該病院が担う医療機能を見直す場合には、これを住民がしっかりと理解し納得しなければならない、多くの地域においては、各々の病院があらゆる機能を持とうとしても、医療スタッフを確保できないばかりか、適切な勤務環境を確保できず、結果的に地域全体として適切な医療を提供できないことを理解し合う必要があり、そのための取組が求められるとしております。
○辰巳孝太郎君 では、今回の再編計画に住民の理解や地元の理解はあったのか。厚労省、大阪府医療審議会での採決の結果、意見書の採決ですね、意見書に付されているこの採決の結果をお示しください。
○政府参考人(神田裕二君) 大阪府の医療審議会の意見書におきましては、賛成した委員が一名、反対した委員が十二人、賛否を保留した委員が四人というふうになっております。
○辰巳孝太郎君 圧倒的多数で反対であります。 厚労省、確認しますが、過去、全国の同様の再編計画について、反対の意見書が付されたことはありますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 再編統合による特例の協議は平成十七年の一月から二十三件存在をしておりますけれども、本件以前に反対多数の意見が付された例はございません。
○辰巳孝太郎君 まさに前代未聞なんですね。 医療審議会の構成メンバーのほとんどは医療関係者で、つまり地域の実態を一番よく知る、そういう専門家から反対が相次いだということであります。これが今回の再編計画です。住民の理解も地元の納得も得ていない。 そもそも、府立病院は主に三次救急を受け入れている施設、二次救急をメーンとする市民病院とは役割そのものが違うわけですね。誘致すると言っている民間病院も、これ、小児科や産科の経験が全くない病院で、地元の医師会も含めた反対の声が市民に広がり、七万筆を超える廃止反対の署名が集まりました。 同意の要件も先ほどありましたが、役割や機能の分担、業務の連携が可能な再編計画でなければいけないんだという話ですけれども、しかし、まさにこの再編計画では分担や連携ができないということで厳しい声が続出した、これが大阪府の医療審議会であります。 大臣、改めて確認しますが、再編計画に同意した厚労省ですけれども、地元の理解を得られた再編計画ではないということ、これは認められますね。
○国務大臣(塩崎恭久君) 大阪府医療審議会意見書を見まして、地元の理解が十分とは言えない側面も確かにございます。 しかし、今後、大阪府において、申請書類の中で記載されておりますとおり、住民の医療が確保されるべく関係者の方々に丁寧な説明を行っていただくように、大阪府知事にも私からも直接お伝えをしているところでございまして、再編計画が円滑に進むように今後も注視をしてまいりたいと考えているところでございます。
○辰巳孝太郎君 十分な医療が確保されないと危惧しているからこそ、地元は理解も納得もできないと、医療審議会では反対という意見書が付されたわけでございます。 厚労省、ちょっと確認しますけれども、この申請書ですね、再編計画の申請書が申請される前に、大阪市などに対して、この再編計画については地元の理解、つまり医療協議会などの理解は得ておくべきだと説明していると思いますけれども、これはどういう意味だったんですか。
○政府参考人(神田裕二君) 先ほどから議論になっておりますように、この病床過剰地域において病床再編を行って開設の許可を得る場合にあっては都道府県の医療審議会の意見書を付すようにということを申し上げておりますので、これは自治事務ということではございますけれども、技術的助言の一環として、協議の申請手続としてそのような手続を取ってくださいということを申し上げているということでございます。
○辰巳孝太郎君 申請前には厚労省は、地元の同意、合意がなければこれは申請してくれるなと、これは得てから申請してくださいと、そういう対応だったんでしょう。厚労省、もう一回答弁してください。
○政府参考人(神田裕二君) 法律上の要件としては、先ほど申し上げましたように、手続的な要件として医療審議会の意見を付してくださいというふうに手続としては定めておりますけれども、都道府県医療審議会の同意を得ることという法令上の要件はございませんので、得なければならないという指導はいたしておりません。
○辰巳孝太郎君 そういう指導はしていないということですけれども、大阪市議会の中で、大阪市が厚労省にこのことについて事前説明を受けたときには、地区協議会の理解は得ておくべきだという見解を得ておりますと、これ大阪市の役人が言っているわけですね。ですから、厚労省は、これまでこういった再編の計画の申請に当たっては意見書が付されているけれども、ただの一度も反対の意見書はなかったと、やっぱり地元の合意は最低限受けてくれと、こういう対応をしていたというのが厚労省だと思います。この地元の理解も同意もない再編計画を同意してしまった、これが厚労省ですね。 なぜ医療審議会は反対をしたのかということなんです。意見書の中身を見てみますと、社会的に厳しい環境に置かれた子供たちの受入れが心配だ、こう記されております。また、人工呼吸器を装着した在宅小児患者に対するレスパイト入院、救急対応について、小児科、新生児科病床が二十二床も、再編した後ですよ、二十二床も減少することによる影響を懸念しております。また、一次救急がどうなるかについて不安だと医療関係者が述べているわけですね。 先ほども申し上げましたけれども、この市民病院は、未受診や飛び込み出産を積極的に受け入れて、小児二次救急の受入れ件数は市民病院が属する南部医療圏全体の三割を占めてきた病院でもあります。発達障害専門外来を実施して、レスパイト入院も二〇一三年延べ利用で百九十六人も受け入れてまいりました。 また一方、誘致をするという民間病院については、医師確保の確実性がないという懸念がたくさん出されております。小児科と産科の経験がないことに対する不安ですね。三名医師を確保するんだと、それぞれ小児科と産科ですね。この三名という医師では正常分娩であっても安定的に診療を行うことができないという、そういう意見も意見書では出されております。 大阪市は、民間病院誘致に当たって公募を二回行いました。しかし、産科医や小児科医の確保が難しいとしていずれも不調になりました。そして、今度は公募はやめて、橋下前市長が個別に誘致をすると。そして決めたこの民間病院は、産科医師三名で年間六百から七百のお産を行うと、こう掲げているわけですね。この中にお医者さんおられるかどうか分かりませんが、お医者さん三人で年間六百から七百のお産をやると言っているんですね。これ、むちゃくちゃやないかと。 総務省、ちょっと確認しますけれども、厚労省かもしれませんね、全国の産科医師一人当たりの年間分娩数、平均って一体今どれぐらいになっているんですか。
○政府参考人(神田裕二君) 平成二十六年の人口動態調査におけます出生数百万三千五百三十九人を医療施設静態調査におけます分娩取扱施設の常勤換算担当医師数八千五百七十六人で機械的に割り算をいたしますと、常勤換算担当医師一人当たりの出生取扱数は百十七人という計算になります。
○辰巳孝太郎君 年間百十七人なんですよ。先ほど私が申し上げた医師三人で七百の分娩だと、一人二百三十三なんですね。これちょうど倍なんですよ。全く非現実的な計画というのが今回再編計画の中身になっているということであります。 加えて、地元が反対する大きな理由の一つが小児科ベッドの減少であります。再編によって小児科ベッドが二割も減少いたします。地元の医師会会長は、今でも不足しているのに、これではインフルエンザの流行期などに対応できないではないかと怒りの声を上げております。統合先であり、府立病院に勤める労働者からも、現場の医師は今でも多忙で疲弊している、民間病院と役割分担、連携だといっても、計画に無理がある以上、府立病院の負担が更に増えるではないかという懸念を示しております。 大臣、地域医療の破壊を危惧する七万筆の市民からの署名と地元の審議会などのこの当然の反対の声をどう受け止められますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 大阪府から提出をされました協議の申請書によりまして、今御指摘もございましたけれども、一つは大阪府医療審議会の意見書、ここに反対意見が多数を占めていたということでありますが、これが第一点。二点目は、今お話があった大阪市南部医療協議会が反対をしているということ、これらについては承知をしておるところでございます。 私からは、大阪府において関係者の方々に先ほど申し上げたとおり丁寧な説明を行っていただいて、再編計画が円滑に進むようにしていただきたいというふうに直接大阪府知事に要請をしたところでございまして、大阪府からは、今後とも地元に対しては、大阪府、大阪市が責任を持って真摯に説明を行い、理解が得られるよう努めていくという回答をいただいておりまして、大阪府及び大阪市の今後の対応をしっかり注視をしてまいりたいというふうに思います。
○辰巳孝太郎君 大臣、今丁寧な説明という話がありましたけれども、地元が求めているのは丁寧な説明ではなくて確実な医療体制の確保だと思うんですよ。それがこの計画ではできないじゃないかと、医療関係者が相次いで声を上げているということをしっかり見ていただきたいと思います。 今日は大阪選出の議員にも来ていただきました。とかしき副大臣、御自身薬剤師ということで医療にも携わってこられたと思います。この七万筆の反対署名と大阪のこの医療についてどういうふうに受け止められますか。
○副大臣(とかしきなおみ君) お答えさせていただきます。 実は私も、塩崎大臣が松井知事とお会いになった二月十二日、この場所に同席させていただきました。このときに塩崎大臣から、先ほどお話ございましたように、丁寧な説明を関係者の方々に行ってほしいというふうにおっしゃいましたところ、そのときに松井府知事が、真摯に説明を行って理解が得られるように努めていきたいと、こういうふうにおっしゃったのを私も横ではっきりと伺っております。 ということで、大阪府、大阪市におきまして責任を持って再編計画が円滑に進むようにしていただきたいと考えておりまして、私といたしましても、大阪府、大阪市の今後の対応を注視していきたいと、このように思っております。
○辰巳孝太郎君 太田政務官、府知事として大阪の医療をこの間ずっと見守ってこられたと思いますけれども、大阪の子供は自分の子供やということをおっしゃっていたと思うんですね。政務官はこの七万筆の反対署名、医療崩壊に対する府民の、市民の危惧をどう受け止めておられますか。
○大臣政務官(太田房江君) 大阪府を八年間お預かりした者として、今回のこの同意を求める要請につきましても拝見をいたしましたし、私は残念ながら知事が大臣室に来られたときには他の公務がありまして同席はできませんでしたけれども、直接副知事に連絡を取りまして、この件についてしっかり進めていただくように要請もいたしました。 先ほど大臣、副大臣が御答弁されたとおりでございますけれども、辰巳委員御指摘の点を含めまして、しっかりと地元に対して府、市が説明をして、再編計画が円滑に進むようにしていただきたいと心から願っております。これからの動向をしっかり注視してまいりたいと考えております。
○辰巳孝太郎君 大臣、もう一つちょっとお聞きしたい。 先ほどから丁寧な説明、そして注視するという話がありました。もしこれ、再編計画がうまくいかないと、うまくいかないじゃないかと、これ分かればですよ、これ同意そのものは撤回することはあり得ますね。
○国務大臣(塩崎恭久君) これはもう、うまくいくように知事並びに市長に頑張ってもらうということだと思います。
○辰巳孝太郎君 うまくいかなければ撤回しなければならないと私は思っております。 先ほど、丁寧な説明ということが繰り返されておりますけれども、確実な医療が提供されるのか、そして継続的に保障されるのかということが私は重要だと思っております。 総務省、公立病院を民間病院に譲渡する際、留意事項というのがあると思いますが、それをちょっと紹介していただけますか。
○政府参考人(亀水晋君) 公立病院の民間譲渡につきましては、新公立病院改革ガイドラインにおきまして、地域の医療事情から見て公立病院を民間の医療法人等に譲渡し、その経営に委ねることが望ましい地域にあっては、これを検討の対象とすべきである、ただし、公立病院が担っている医療は採算確保に困難性を伴うものを含むのが一般的であり、こうした医療の提供が引き続き必要な場合には、民間譲渡に当たり相当期間の医療提供の継続を求めるなど、地域医療の確保の面から譲渡条件等について譲渡先との十分な協議が必要であるとしております。
○辰巳孝太郎君 相当期間の医療提供の継続という話がありましたが、厚労省、確認します。 今回の再編計画、この医療提供の相当期間の継続は保障されるんでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 大阪府からの申請に当たりまして提出された資料によりますと、大阪市と民間病院の間で締結する協定書の中で、医療機能の継続や土地の転売禁止など、三十年間以上の医療提供を保障する条項を盛り込む予定とされております。このため、大阪府には、住民への医療が確保されるようにきちんと対応していただけるものと考えておるわけでございます。 また、この条項において、産科と小児科の医療提供が含まれるよう調整中と大阪府から説明を受けております。
○辰巳孝太郎君 この地域は周産期、小児科が元々不足をしている地域ですから、この小児科や産科が医療継続の保障に入らない再編計画というのは私はあり得ないというふうに思っております。 大臣、もう一度聞きます。先ほど、注視するという話がありましたけれども、もしこの小児科や産科が保障されない、協定の中に入らないということになれば、同意の撤回ということも考えていただけますね。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の大阪府の申請につきましては、まず、病床数を再編統合前の百九十八床から一ベッド減らしまして百九十七床としているわけでございます。そして、二番目には、大阪府立急性期・総合医療センターでは妊産婦ハイリスク症例や重症小児患者の対応等の高度な医療を担い、民間病院では正常分娩を中心とした産科医療や一次医療を中心とした小児医療等の一般診療を担うというような機能分担、連携をすることとしているわけでございまして、そういうようなことから、同意の要件を満たしており、同意の撤回は考えていないところでございます。 先ほど申し上げましたとおり、申請書類の中で、大阪市と民間病院の間で締結する協定書の中で医療提供を保障する条項を盛り込む予定とされているように、大阪府には住民への医療が確保されるべくきちんと対応していただきたいと考えているところでございます。 また、関係者の方々に丁寧に説明をしていただくように知事にお願いしたことは、先ほど申し上げたとおりでございます。
○辰巳孝太郎君 大臣、民間病院の小児科、そして産科がなくなってしまったら、府立の病院との連携や分担そのものがあり得なくなるわけですよ。それが分担、連携ができないんじゃないかという専門家の意見が出ているということを重く受け止めるべきだと私は思います。 民間では難しい、住民に必要な周産期医療などを公立病院で担っていく、府と市がそれぞれの役割を担って行う、これを二重行政の無駄だと強弁して住民に必要な医療を壊してしまう、そういう計画に手を貸したのが安倍政権、厚労省だと思います。私は、この同意の撤回を強く求めて、今日の質問を終わります。 ありがとうございました。
○東徹君 おおさか維新の会の東徹でございます。 先ほど、辰巳委員の方から住吉市民病院と急性期・総合医療センターの統合の話がありました。まず、塩崎大臣に、この度は再編計画に同意をしていただきましてありがとうございます。 これは、住吉市民病院というところと、それから急性期・総合医療センターというところがあるんですけれども、そことの距離は二キロしか離れていないんです、たった二キロしか離れていないんです。確かに交通の便はなかなか不便というふうに言われておるんですけれども、距離でいうと二キロしか離れておりませんでして、住吉市民病院は建て替えないともう耐震性がもたないというような状況にあったわけでありまして、であるならば、これからの高度で専門的なやはり小児、周産期ということも大事なので、それは二キロ先の府立の急性期・総合医療センターの方でやっていきましょうと。住吉市民病院の跡地については民間病院を誘致しましょうということで、今回も三件ぐらい手を挙げたところがあるというふうに聞いておりまして、最終的には一件がそこで小児、周産期をやっていくということを言っておりまして、そこの病院も病院を持っておるんですけれども、もう建て替えないといけない状況にありまして、じゃ、現地で建て替えられるかというと、もう現地では建て替えられない状況にありまして、是非その住吉市民病院の跡地で新しくやっていきたいというような経緯があって、今回再編計画をお願いしたということでございます。 私は大阪市住之江区というところに、生まれも育ちもそうなんですけれども、実はそこに住吉市民病院がありまして、本当に目と鼻の先のところに見えております。私の娘はそこから二キロ先の急性期・総合医療センターで出産をしましたが、決して遠くはないという状況でございますので、そんなに心配ない。 ただ、地元の医師会の方々は、方々というか医師会の方は反対している方もおられまして、確かにそこについてはきちっと丁寧に説明もしていかなければならないというふうに思っていますし、皆さん方にも安心してもらわなければならないと思っておりますので、これはしっかりと説明責任を果たしていかなきゃならないというふうに思っております。 ということで、質問の方に入らせていただきたいというふうに思っております。全くこのことについて今日は質問も何も準備もしておりませんし、この場で初めて再編計画のことについて質問するというふうに分かりましたので、通告もしておりませんし、これ以上のことは質問はやめておこうというふうに思っております。 今日、やっぱり質問をさせていただかなきゃならないなと思っているのが、まず一つは短期集中特別訓練事業についてであります。これ、本事業ようやく終了したところでありまして、きちっとこの評価というものをやらなければならないというふうに思っております。 こういうことを余りじゅくじゅくじゅくじゅく言うのはどうかなとは思うんですけれども、今やはり消費税、来年から八%から一〇%に引き上げられようというふうにしておるわけでありまして、これはなぜ引き上げなければならないのかというと、これはもうよく御存じのとおり、今の社会保障制度を持続可能にしていくためだということでありまして、国民に負担を求めていくのであれば、やはり税金の使われ方、これをきちっと厳しく問いただしていかなければ、税金だけが上がっていって何だと、いいかげんなことをやっているじゃないかと、こういうことにならないようにしていかなければならないという思いで質問をさせていただきたいというふうに思っております。 今回の短期集中特別訓練事業、これはもう一度言いますと、経済の好循環の実現のために、就業経験の少ない人たちや非正規での離職、転職を繰り返している人たちに対して、チャレンジしやすい短期間の訓練メニューを提供することによって、そして訓練期間中に月十万円の給付金を受講者に支給するという生活支援を行うものでありました。予算としては、平成二十五年度補正で約百四十九億円の予算が計上されておりました。 この委員会でも大変議論になったんですけれども、厚生労働省の担当者とJEED、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構との間での不正入札の問題によって事業の開始時期が大幅に遅れてしまったということがありました。あの当時、私も覚えておりますけれども、非常に厳しいここでの追及もあったというふうに覚えております。 本事業は、元々受講者数三万二千四百人を目標としていたはずでありますが、既に事業が終了している現時点でありますから、本事業の受講者数の実績をまずお聞きしたいと思います。
○政府参考人(宮川晃君) 本事業におけます受講者実績でございますが、計画では当初三万二千人でございましたが、時期等の遅れを考慮して計画一万五千五百人としたところ、事業の実績につきましては千六百八十一人、本年二月末現在における執行額は今年度の執行予定分を含め十五億三千万円となっているところでございます。
○東徹君 当初三万二千四百人を目標としていたけれども、大幅に遅れて一万五千五百ですか、を目標にしたけれども、結局それの十分の一近い千六百八十一人しか受講しなかったということであります。執行された金額が十五・三億円。当初は予算額は百四十八・六億円であったところ、もう既に百三十三・三億円は国庫に返納しておるわけですけれども、実際に執行されたのは十五・三億円にとどまっておるという状況になっています。 問題は、その内訳なんですけれども、訓練を実施した学校に支払われたお金が約三億円。残りは受講者への給付金として先ほどの千六百八十一人に支払われたお金が二億円ということになっておるわけですね。じゃ、あとの残りのお金は何かというと、職業訓練の認定するところですね、どういったところかというと、東京リーガルマインドとかランゲートとか、こういった委託業者に払われたお金が九・五億円ということになっておるわけですね。 認定業務というのは、一体どういったことを実際にやっておるんですか。
○政府参考人(宮川晃君) 短期集中特別訓練事業におきます委託しておりました認定業務の内容でございますが、訓練実施計画を踏まえた訓練実施機関の開拓、あるいは民間教育訓練機関が作成した訓練計画の審査、認定、訓練実施機関からの奨励金申請の受付、審査などの業務でございます。
○東徹君 実際に学校が、生徒というか、受講に来た人たちに対して教える、それは講師料とかそういったお金が恐らく掛かると思いますので、これが三億円で、先ほど説明していただいた認定業務、計画の審査とかおっしゃいましたけれども、そういった審査業務だけで九・五億円、九億五千万。これ、もう全く訳分からない金額になっておりまして、まずこの理由をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(宮川晃君) お答えいたします。 本事業におけます対象となる訓練を委託事業者が審査することとしたわけでございますが、実際に一万一千六百五人分の訓練コースが認定されたところでございます。 一方、先ほど申しましたように、訓練開始時期の遅れなどから訓練受講者数は千六百八十一人にとどまったところでございますが、委託業者への支払につきましては、こういう訓練コースの認定業務に対する支払ということになりますので、先ほど申しました九・五億円の支払となったところでございます。
○東徹君 これ、誰がどう考えても、国民目線で見たときに、こんなお金の支払い方、理解できますか。理解できませんよ、これ。実際に事業を行った学校に対しては支払われたお金が三億円、認定審査行ったところに対して九億五千万、これ逆ですよ、普通で考えたらですね。だから、これは国民の目線で見たときにはこういったことは理解できないです。 この事業において、特別民間法人である中央職業能力開発協会、JAVADAというのがありますけれども、これに対して事務費として一千五百万円が支払われておりますけれども、この事務とは具体的に一体どのようなことですか。
○政府参考人(宮川晃君) 短期集中特別訓練事業におきます中央職業能力開発協会、これは実施主体と位置付けられておりまして、御指摘の事務費につきましては、訓練コースの認定の決定や通知、訓練実施機関に対する奨励金の支給、不支給の決定通知及び支払、訓練受講者に対する給付金の支給、不支給の決定通知及び支払などの費用となっているところでございます。
○東徹君 要するに、JAVADAが行ったことは、決定通知を作成して発送、給付金の支給決定通知を作成して発送、これだけの業務だと思うんですね、大半は。それで一千五百万円というのは、たった一千六百八十一人ですよ、受講者数は。それなのに一千五百万円も事務費を支給すると。これは本当によく分からない、納得のできないお金の使い方だというふうに思います。 このようなお金の使い方、国民の目から見たときにこれは決して適切とは思えません。厚生労働大臣の本事業に対する現在のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) この事業につきましては、様々な経緯から事業の実施が想定したスケジュールよりも大幅に遅れたというような事情もあったとはいえ、結果的に計画数と受講実績との間に大きな乖離が生じてしまっているということは極めて残念、遺憾なことであるわけでございます。今後の職業訓練の実施に当たりましては、都道府県ともよく連携をして、地域の訓練ニーズというのはそれぞれでしょうから、それぞれをきちっと反映をするような訓練内容や計画数となるように努めなければならないというふうに思っております。 二十八年度からは、これまで国そして都道府県が別々に立てておりました公的職業訓練に係る訓練計画、これをばらばらではなくて一体的に進めるというふうに変えてまいりたいというふうに思っております。 いずれにしても、この職業訓練が地域のニーズに合った形で進められるように引き続き努力をしてまいりたいというふうに思います。
○東徹君 塩崎大臣、申し訳ないですけれども、やっぱりちょっと甘いと思いますね。やっぱりこのお金の使われ方、まずしっかりと解明しておかないといけないですし、今回の至った経緯、もう一回厳しくチェックをしないといけないというふうに思います。 先ほども一点申し上げましたけれども、認定業務を行うだけの委託業者に九・五億円も払っている。千六百八十一人に支払われたお金は二億円で、学校に払われたのが三億円。ここは五億円なんです、足してもですね。認定業務だけ行うところに九・五億円ですからね、これはあり得ないんですよ、あり得ない。もう一度これきちっと、何でそんなお金を支払うことになったのか、厳しくやっぱりチェックしないといけないです。その九・五億円の内訳、団体にしてもたった三つですよ、たった三つしかないんです。東京リーガルマインドとそれからランゲートともう一つありました。たった三つしかないんですよ。たった三つしかないところに九・五億円ものお金を払っている。 いいですか。これを受講した人、たった千六百八十一人ですよ。千六百八十一人、たったそれだけの人数しか受講していないのに対して九億五千万も掛けてこれは認定作業をやっているんですよ。こんなばかな話ないです。これ、もうちゃんと解明して、お示しいただきたいです。
○国務大臣(塩崎恭久君) 早速調べてお知らせをしたいというふうに思います。
○東徹君 ありがとうございます。 今回の、まずそもそも、「不正入札、三つの疑惑」と書いてかなり新聞報道がなされました。担当課長らが更迭されたりとか、当時の新聞記事を見ても、もう大々的に報道されましたですよ。 その結果を受けてこの状態というのはあり得ないわけでありまして、これは非常にやっぱり問題だと思うんですけれども、当初、これ、JEEDというところがやるようなことになっておったわけですけれども、そういったところからしてこの独立行政法人の問題、ここと厚生労働省との問題、やっぱりこういったところの問題があってこれは始まったわけであります。 是非とも、ここはやっぱりしっかりと、この九・五億円の内訳、本当にこれは無駄なお金使われてないんですか。もし無駄に使われておったら、厳しくこれは処分をやっぱり考えるべきだと私は思います。 今回の、当初のこの事業でも、企画競争入札が行われてJEEDが一者応札を行っていたわけでありまして、競争性を確保するという意味でも、事業の公平公正を確保する意味でも、一者応札になってしまう入札のやり方、これもやっぱり見直していくべきだというふうに思います。 今回の厚生労働省の企画競争のうち一者応札が占める割合について事前に聞いたところによると、平成二十二年度では五八%だったものが、平成二十五年度は七八%、平成二十六年度でも七二%と、逆に一者応札が高くなってきているという状況があるんです。この状況についてどういうふうに見直していくのか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(塩崎恭久君) 企画競争によります調達を実施するに当たって、できるだけ多くの事業者に参加してもらって、質の高い事業実施を担保するということが大事なんだろうというふうに思います。 厚生労働省において企画競争を行った結果につきましては、今お話がございましたけれども、応募した者が一つしかなかった、いわゆる一者応募の占める割合は、今お話しのとおり、平成二十二年五八%、平成二十五年度七八%、平成二十六年度七二%と、やはり高い水準で推移をしているわけでありまして、最近に至ってもですね、できるだけこの比率は下げないと本来の競争をするというその観点が抜けてしまうんじゃないかというふうに思います。 全体の中では、都道府県労働局が発注するものにおいて一者応募が多くなっておりまして、各都道府県単位の事業実施において受注できる事業者の数が実質的に限られることが要因の一つではないかというふうに考えているわけでございます。つまり、その県の全域にわたってできる会社というのがかなり数が限られているということがあるのではないかということを申し上げているわけであります。 これまで厚労省において一者応募の改善を図るために、例えば工事期間を可能な限り十日間以上として長めに設定する、それから、可能な限り過去の事業実績報告書その他の参考になる資料をホームページに掲載すること、さらには、仕様書をできるだけ具体的で分かりやすくするということで、できるだけ多くの方が入ってきやすくするという取組を行ってきておりますけれども、今後の都道府県労働局に対する会計指導においては、一者応募の改善を重点的な指導項目に取り入れ、過去に説明会に参加したものの応募しなかった事業者への声掛けを行うなどの取組を更に進めなければならないというふうに考えております。
○東徹君 一者応札が全て悪いというわけではないんですけれども、ここは見直しというか、本当に競争性が働いているのか、競争性を働かせた方がいいところにはやっぱり競争性を働かすべきであります。 もう一つ、これ、今回のJEEDというところがやろうとしていたわけでありましたけれども、このJEED、高齢・障害・求職者雇用支援機構というところでありますけれども、こういうのも、これ厚労省からたくさんの方たちが行っています。これ職員数全部足すと三千六百四十八名いておられるそうです、全国にありますから。厚労省から出向という形で六十三名行っていますし、他省庁からも二名行っています。再就職の方も厚労省出身者が一名おられて、他省庁の出身者が六名おられる、そういった団体です。 これ本当に、都道府県だって高齢者とか障害者の求職のそういった支援というのはやっているわけです。これとここと一体何が違うのと思うわけです。 太田政務官は、前、知事もやっておられたからよく分かると思うんですよ。私は、こういった事業、別にここがやらなくても都道府県にやらすということもできるはずです。都道府県でそういった学校を選ぶ、選定する、認定する。都道府県が認定することだって十分できます。これまでも似たような事業を都道府県が認定してきていました。同じような事業ありました。 ですから、何もこういったところにやらさなきゃいけないということもないわけでありまして、身内の独立行政法人にわざわざ仕事をさすためだけに最初から考えていたんですか。そこに、先ほども言っていましたけれども、認定業務やるところが九・五億円ももらうわけですよ。おかしな話です。認定業務を行うところだけで九・五億円ももらうわけですから。じゃ、本来これJEEDがやっていたら一体どれだけのお金が入っていたんですかと、こう思うわけですよ。 これ、都道府県でもできる事業ですから、是非そこもお考えいただきたいと思います。最後に、都道府県でもできると思うんですけれども、どうぞ。
○国務大臣(塩崎恭久君) これは、前回先生からこの問題についてお尋ねがあったときがあったと思いますが、そのときにも申し上げたと思いますけど、一番その地域を知っているのは都道府県であります。全県的に、あるいは全都道府県的によく見ているのはそこでありますから、今先生御指摘のように、都道府県が主体となってその地域に必要な人材を育てる、職業訓練を行う、そのことによって経済と雇用を守るということをやっていくことが大事だと思いますので、国としてもできる限りそれのバックアップという形が望ましいのかなというふうに思いますので、両々相まってうまくいくということはあるにせよ、都道府県の役割がより大きく果たされるべきではないかということはそのとおりだと思うので、連携をしっかりやりながら、そのような形になるように努力をしてまいりたいというふうに思います。
○東徹君 是非よろしくお願いします。 時間となりましたので、終わらせていただきます。ありがとうございました。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、森本真治君が委員を辞任され、その補欠として礒崎哲史君が選任されました。 ─────────────
○川田龍平君 維新の党の川田龍平です。 私が二十年前に薬害エイズ問題で実名を公表してから、もう既に、三月六日でしたので、ちょうど約二十年が経過をいたしました。 私は、今日は聖マリアンナ医科大の精神科における臨床研究の不正の告発についてお伺いいたしますが、昨年の四月、五月にも私はこの聖マリアンナ医科大の問題、取り上げさせていただきました。 その中で、この研究、特にこの治験に関わる問題についても取り上げましたが、あの後、私のところに、昨年の八月、川崎市にお住まいの湯浅円香さんという方から一通のメールが届きました。本日は、御本人の強い意向で実名での告発ということでこれを取り上げさせていただきます。 昨年、この委員会で取り上げたときに、精神保健指定医資格の不正取得事件で二十三人もの指定医が資格を取り消された聖マリアンナ医科大学病院で、この臨床試験でも数々の不正や被験者の人権を踏みにじる対応を行っていたという問題です。 詳細はこの配付資料に、この読売新聞のヨミドクターをお読みいただけると分かると思うんですが、これを御覧ください。 この湯浅さんは、二〇一〇年に過労で体調を崩されて、地元の診療所での初診では一次的な精神病性の障害と診断されたのですが、聖マリアンナでの診断は統合失調とされ、抗精神病薬を服用する臨床試験への参加を勧められました。そのときに主治医から手渡されたメモ、これが理事会の協議で、今日、資料配付は認められませんでしたが、このロナセンという薬に丸印が付けられています。湯浅さんはこのとき気が付きませんでしたが、比較試験にもかかわらず最初から医師が薬を選んでしまっているというこれは証拠です。 試験に参加しても、幾度もの検査を受けて、診断された病名に落ち込みながら時を経て回復をした湯浅さんですが、昨年の指定医資格の不正報道によって、この主治医が患者データの使い回しで処分を受けたことを知り、自分の個人情報の取扱いを不安に感じて臨床試験からの個人データの削除と検査結果の原本閲覧を求めたところ、理不尽な対応をされて、私のところに相談に来られたのです。 その後、専門家のアドバイスを受けて病院側とやり取りを続けた結果、研究の二重登録、プロトコル違反、同意のない患者データの使い回し、カルテの改ざんなど、臨床研究の倫理指針に反する数々の不正疑惑が出てきました。そして、この被験者の人権を著しく踏みにじる対応、暴言を今も繰り返しています。 聖マリアンナ側は、この生命倫理委員会の指摘を受けて当該臨床試験を中止し、学内に調査委員会を設置して今月中に結論を出そうとしていますが、しかし、この調査委員会に外部の第三者委員を入れないというのは不適切ではないでしょうか。また、湯浅さん御本人に調査委員会としてヒアリングをすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘がございました事案について、調査委員会には客観性、公平性の観点から第三者を入れることが望ましいのではないかと考えており、聖マリアンナ医科大学病院の担当者に対して既に行政指導を行ったところでございます。 厚生労働省としては、大学病院に対して、適切に臨床研修が実施されていたかどうかということの調査を行った上で研究対象者に丁寧に説明をすべきだということを求めてまいっております。 告発者からのヒアリングについては、大学病院の調査委員会においてその実施の判断が行われるものではないかというふうに考えておるところでございます。
○川田龍平君 私は、第三者も入れた形で湯浅さんから直接話を聞くべきと考えます。 この指定医資格の不正取得で処分されたほかの医師が関与する臨床研究についても、不正がないか調査すべきではないでしょうか。
○政府参考人(神田裕二君) これまでも告発を受けた研究については、聖マリアンナ医科大学に対して適切に調査をするよう指導してきているところでございます。また、現在、聖マリアンナ医科大学病院では、特別に調査委員会を設置いたしまして、事実関係の調査を行っているところと承知いたしております。 先ほど先生から御指摘のあった事案だけではなくて、指定医の取消処分を受けた全ての医師が関与する研究について適切に実施されていたか調査を行うよう指導してまいりたいと考えております。
○川田龍平君 湯浅さんに対して臨床試験の検査データを破棄したとうそを言ったことについて、病院の医療安全担当も大学院の研究推進課も口裏を合わせていたということは、湯浅さんが私に提供してくれた面談時の録音からもこれは明らかです。このUSBの中に録音データが入っております。 この聖マリアンナは特定機能病院に指定されていますが、昨年、群大病院、それから東京女子医大の事件を受けて、大臣の特命で特定機能病院の医療安全対策の強化を打ち出したばかりではないですか。この医療安全担当も含めた病院ぐるみで被験者の人権を侵害した行為が発覚した以上、聖マリアンナの特定機能病院指定を取り消すべきではないでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 打ち続く特定機能病院の問題に対して、私どもとしては、この安全確保の体制をどう再構築していくのか、そのまた中での安全確保の体制そのものがどうなのかということを、今も引き続き、特定機能病院のガバナンスの在り方、意思決定の在り方、これについて引き続き検討を続けているところでございます。 今の御指摘の点につきましては、聖マリアンナ医科大学に対して適切に調査するように指導してきたところであります。そして、その後の対応については、調査結果の報告を受けて、必要に応じて社会保障審議会医療分科会において議論をいただいて決め込んでいきたいというふうに思っております。
○川田龍平君 この音声データは後ほど大臣にもお渡しいたしますので、被験者の実名告発というこの重い決断を是非踏みにじらない対応を求めたいと思います。 とはいえ、指針というレベルでは厚労省には権限はなく、法律がないために立入りの調査もできません。結局、この国には被験者の人権を守るための臨床試験の法制化がないことが問題なのです。 この臨床研究の適正化法案の検討の進捗状況について、二国会連続でC法案とされているこの臨床研究の適正化法案、この一月の予算委員会でも、私が大臣に進捗状況を聞いたところ、最終的に詰めているところでございますのでまた御議論をいろいろ賜りたいとの答弁でした。大臣、これ、いつまで待てばよいのでしょうか。 先日、担当の課長にお話を聞いたところ、内閣法制局が忙しくて法案審査が進まないとのことでした。聞くところによれば、大臣肝煎りの児童福祉法改正案は関係団体との調整が終わらずに閣議決定に間に合わないということになったそうですね。できれば、法制局を待たせている間にこの臨床研究適正化法案の審査をお願いしてはいかがでしょうか。どうでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) まず第一に、児童福祉法は必ず出したいと思っておりますので、間に合わせたいというふうに考えております。 臨床研究の適正化法案につきましてお尋ねをいただきましたが、平成二十六年の十二月、つまりおととしの十二月に既に臨床研究に係る制度の在り方に関する報告書、ここで、倫理指針の遵守を求めるだけではなくて法規制が必要だという指摘を受け、これを受けて昨年来複数回にわたって与党において臨床研究の規制の在り方について議論をしていただきました。 先ほどお話がありましたように、少し時間が空いてしまいましたけれども、おととい、三月の八日から議論を与党の中において再開をいただいて、かなり議論百出だったようでございますが、今後とも、与党とよく相談をさせていただきながら、法案提出に向けて精力的に検討を進めて、この環境整備がちゃんとできて臨床研究も進むように、それも適正な形で進むようにしていきたいというふうに思います。
○川田龍平君 報道によりますと、規制緩和の流れの中で臨床研究の規制強化によって新薬の開発に支障が出ないのかとの発言が与党のPTの中で出たということですが、一体どのような形でこんな発言がされたのか、会議に出席された太田政務官、御答弁ください。
○大臣政務官(太田房江君) 三月八日に開催されました御指摘の自由民主党PTでございますけれども、これに私も出席をさせていただいて議論を拝聴いたしました。議論百出ということの表現がございましたけれども、久しぶりに開催をしていただいていろいろな御意見を伺いましたので、確かに様々な意見ございました。 例えば、御指摘のような意見もございましたし、また、臨床研究ばかりを規制して不適切な医療を規制できないのはバランスが悪いというような意見もございました。さらには、事故を未然に防ぐような仕組みはやはり重要なのではないかという御意見もございました。まさに議論百出であったわけでございます。 厚生労働省といたしましては、臨床研究の適正化に関する検討と併せまして、医療機関における高難度新規医療技術や未承認医薬品等を用いる医療の適正な実施につきましても、安全管理体制の強化を求めることを検討し続けております。 与党PT、自由民主党PTとも、これで議論が終わりということではなく、引き続き御相談申し上げるということだと理解しておりますので、しっかりと御相談を続けながら、まずは法案提出に向けて精力的に作業を進めていきたいと考えております。
○川田龍平君 与党のPTの皆さんにもやっぱり是非この議論を早く進めていただきたいと思います。 私は、TPPには極めて反対の立場に近い、慎重な意見というか反対ですけれども、加盟国でこの臨床研究が法制化されていない国は日本だけではないでしょうか。これは、日本発の創薬を目指すという話も先ほどありましたけれども、そうであるならば、このTPP関連法案として今国会に提出すべきだったんではないかというふうにも考えます。やはりこういった臨床研究進まない、特に世界のレベルに追い付いていない、そういった意味でこの臨床研究をしっかり進める、治験も進めるということであれば、特にこの臨床研究の法制化をしっかりとやった上で、適正な臨床研究をしっかり進めていく上で大変重要な法律だと思っています。 そして、この間に、昨年のこの議論の中でも分かったわけですけれども、こういう被験者、患者の人権がおとしめられる事件が数々起きています。これ、たった一件ではないと思います。これは氷山の一角だと思います。湯浅さんのような人が身を挺してこうして訴え出てくれなければ埋もれてしまうような臨床研究の不正というのは数々これまでも起こっています。そういった不正によって、単に研究者が罰せられないだけではなく、こうした被験者の人が苦しんでいるんです。 被験者の人は必要もない薬を与えられていたのかもしれない、一時的な病気であったのかもしれないのに、臨床試験に参加することによって、薬を飲み続けることによって、診断が、試験結果のデータが良く出るかもしれないと思って、結局、そういう薬を飲む必要のない人まで治験に参加させられたり臨床試験に参加させられて、そしてその結果、この人は人生の五年間、それ以上を棒に振ってしまっている。そういった被験者の人権をしっかり守るためにもこれは法律が必要なんですよ。本当にそのことを分かっていただきたい。 こういった臨床試験によって人生をないがしろにされている、人権をないがしろにされている、そういう人たちがいるんだということを、そのことを身をもって実名で告発してくれている人がいるということを是非理解して、これは厚生労働大臣、積極的に是非進めていただくようによろしくお願いいたします。一言、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 私は、一貫してこの法制化を後押しして、できるだけ早く出すということでやってきた人間でございますので、今の川田先生の、特に被験者が不幸な経験をさせられているというケースも多々あるように今お話がございました。そういうことも踏まえて進めてまいりたいというふうに思っております。
○川田龍平君 あわせて、この国会での、議員立法でも出させていただいております、委員の皆様にも、大変、今国会、法律が多くてなかなか議員立法まで時間が回るか分かりませんが、是非とも議員立法の方の審議も、委員長、よろしくお願いいたします。 そして、次の話題に入らせていただきます。 医薬品については、国民の命を守るために必要なものであり、国が責任を持って安定供給を図るべきものと考えます。今や業界トップの武田も外資の比率が三三%、塩野義が三六%、アステラスが五一%、中外に至っては七六%に達しています。これでは、国内での製造生産体制を整備しても安定供給が確保されて危機管理ができているとは言えないのではないでしょうか。医薬品、とりわけ血液製剤やワクチンの製造販売業への外資規制について行うべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(中垣英明君) 今御指摘の外資の規制ということでございますが、まず血液製剤につきましては、WHOの自給に関する勧告、あるいは感染症対策の観点、また過去に海外からの遺伝子組換え製剤の供給が停止した問題とかいろんな問題が生じたことを踏まえまして、安全な血液製剤の安定供給の確保に関する法律、いわゆる血液法と言っておりますけれども、この第三条に基づきまして国内の自給を原則といたしているところでございます。 また、ワクチンにつきましては、予防接種法に基づきまして策定した予防接種基本計画におきまして、危機管理上の観点から、国は、パンデミックが発生し世界的に供給が不足するおそれがあるワクチンにつきましては国内で製造できる生産体制を確保していこうということでやっておるところでございます。 委員御指摘の外資規制につきましては、一方で、海外で開発された革新的な製剤の活用をどうしていくのかということを踏まえる必要があるわけでございますけれども、いずれにいたしましても、今おっしゃったように、血液製剤、ワクチン、これも安定的に確保していくというのが非常に重要な課題だというふうに思っておりまして、私ども、昨年、事務次官を本部長として設置しましたワクチンと血液製剤のタスクフォースにおきまして、今後これらの産業の在り方についても更に検討を深めていきたいと思っておるところでございます。
○川田龍平君 他の諸外国では外資規制を導入している国というのはないんでしょうか。
○政府参考人(中垣英明君) 完全に調べ切っておるわけではございませんけれども、株式その他で規制している国はあるやに承知いたしております。
○川田龍平君 これは、我が国にも外為法上規制を掛ける仕組みはあるのですから、もっとほかの国のことも是非よく調べていただき、グローバル化という名の下に国民の命が守られないような社会ではなく、命が守られる社会を実現するために、真逆の方向に進まないように是非お願いいたします。 次に、介護保険第二号被保険者の保険料徴収開始時の通知の在り方について伺います。 私は、今年の一月に四十歳になりました。歳費の明細というか、たまたま送られてきた明細を見たところ、介護保険料が天引きされていることに気付きました。まさか自分が介護保険料を払うような年になるまで生きられると思っていませんでしたので、全くこの介護保険料を払うということを想定していなかったんですが、先ほど四十一歳の清水委員にも聞いたところ、自分も知らないうちに払っていたと。やっぱりこの四十歳というのは何の通知もなくいきなり天引きが始まっているんですね。これ、少し違和感を感じました。何の通知もなく徴収を開始することに違和感を感じたのは私だけなんでしょうか。大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 四十歳から介護保険料を払っていただくということを決めたときに、私もう既に議員でございましたので、私自身は四十になればということで、実際あのときは二十歳から掛けようという話もあったので、分かっているわけでありますけれども、若い方々は確かにそういうことは分からずにということで、初めて知れば驚くということもあり得ることだろうというふうに思いました。 四十歳から六十四歳までの方の介護保険料については、今医療保険料と併せて医療保険者が徴収をしているわけでありまして、医療保険者が新たに四十歳になった方から介護保険料を徴収する際に事前に個別のお知らせを行う仕組みは今はございませんけれども、健康保険については、事業主が報酬から保険料を控除した場合はその控除額を被保険者に通知をする義務が法律で定められているわけであります。また、若者世代も含めた介護保険制度の周知については、厚労省のホームページあるいは介護保険者である市町村において、広報とかあるいはパンフレットなどを使って広報しております。それから、医療保険者においても、ホームページなどを活用して介護保険制度についても周知をしているところもあると承知をしています。 これらに加えて、家族の介護が必要となった方々等に対して、地域包括支援センターなどにおける介護サービスや介護休業制度等に関する情報提供の強化を行うということにしているわけでありますが、若者世代への更なる制度の周知方法が必要という今の御意見、これについては医療保険者などの関係者とよく調整をして、どういうふうにすることがあり得るのかということを検討してまいりたいというふうに思います。
○川田龍平君 四十歳になってから特定疾病についても介護のサービスを利用できるということになっておりますし、それは病院からもこれは情報をいただけるのかもしれませんけれども、やっぱりこういったことも知っていると知らないとでは違うと思いますし、それから、特に自分自身の介護保険サービスにとどまらずに、親の介護というのを控えて、介護休業ですとか地域包括支援センターの紹介などの介護家族として必要な情報提供というのも同時に行うべきではないかと考えます。 これ、たまたま今予算委員会の公聴会に行ったときに水戸市長が来ていて、水戸市の資料としていただいたパンフレットですけれども、大変こういうふうによくできた資料があるんですが、これは六十五歳以上に配られるんですね。やはり四十歳になったときに何の通知もなく来られると、結局親が介護が必要になったときにも慌ててしまって、ちょうど今これから雇用についての法案も出てくるときに休業の話も話題になると思いますけれども、やっぱり本当にこういったことってもっと若いときに知っておけばサービスを利用できたのになということがあるのではないかと思いますので、それについて大臣、これ早く通知を行う、医療保険者と相談するということを是非よろしくお願いいたします。 これ、ウエブに掲載するだけではなくて、やっぱり直接本人に通知すべきと考えますが、この徴収の開始というのは制度周知のとてもいい機会ですので、是非、厚労省から通知を出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) さっき申し上げたように、医療保険と一緒に徴収をしている保険料でございますので、保険者がそれぞれやるという考え方もありましょうし、そういうような様々な意見を糾合して、どのようにしたら一番若い人たちに気持ちよく払っていただけるようになるかということを考えていかなきゃいけないというふうに思います。
○川田龍平君 次に、樺太抑留の名簿について伺います。 三月七日に、「樺太抑留に新資料」という大きな記事が出ました。厚労省は、この読売新聞の指摘を受けて、急遽二百六十三人の死亡者名簿を入手したとありますが、指摘を受けたのはいつで、死亡者名簿を入手したのはいつでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) お答え申し上げます。 厚生労働省では、昨年六月に外交ルートを通じまして、ロシア連邦国立軍事古文書館に、樺太、千島などの地域の抑留者関係資料の照会請求をしておりました。そうしたところ、本年一月十四日に新聞社の方から、新聞社独自の取組で二百六十三名の死亡者名簿等の資料を入手したとの具体的な情報をいただきましたので、軍事古文書館に対しまして、取り急ぎ当該名簿について前倒しの提供を御依頼いたしまして、本年一月二十九日に入手しております。 この情報につきましては、現在、翻訳の上、厚生労働省が保有する抑留死亡者についての資料と突き合わせを行ってございまして、漢字氏名、出身地等の確認を行った上で公表してまいります。
○川田龍平君 死亡者を含む約二十九万人分の管理記録もこれ入手したのでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 御指摘の約二十九万人分の管理記録というのは、新聞に掲載された樺太の真岡にございました第三百七十九送還収容所に入った日本人の人数の内訳を整理した表などの記録のことと理解してございますけれども、その記録自体は入手してございません。 ただ、抑留死亡者全体に係る記録につきましては、昨年六月に樺太等を含む情報について照会要求しているところでございまして、来年度にも、お尋ねの記録も含めまして現地で調査を行いまして、抑留死亡者の調査に関する必要な資料を入手してまいります。
○川田龍平君 この約二十九万人分の大部分は民間人のようですが、従来厚労省が把握していた樺太、千島からの引揚者の数は何人でしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 厚生労働省では、樺太又は千島から戦後日本の港に引き揚げてきた方の人数を把握してございまして、その引揚者数は約二十九万四千人、うち軍人軍属が約一万六千人、一般邦人、いわゆる民間人でございますが、は二十七万八千人と把握してございます。
○川田龍平君 これ、読売新聞は樺太抑留と称していますが、いわゆるシベリア、モンゴル抑留とは異なり、自由は制限されていたものの、自宅に住み続け、外出、移動もできたようですが、それでも厚労省は抑留とみなしているのでしょうか。
○政府参考人(堀江裕君) 厚生労働省では、従来、シベリア、モンゴル地域を優先して抑留者調査を行ってきたということがございまして、昨年四月より、樺太や北朝鮮などの地域も含む約一万一千人分の死亡者名簿を追加的に公表するなど、対象地域を樺太や北朝鮮などの地域に拡大して身元の特定を進めております。 樺太地域の方々につきましては、シベリア、モンゴルとは異なりまして、当時、自宅に住んでいる、あるいは、ある程度の外出、移動ができた方という方もいらっしゃるわけでございまして、ただ、それを個々の状況について把握するというのは、またそれはそれで困難なことでございますものですから、これらの方々も含めまして抑留者としまして、身元の特定に向けた調査に取り組んでございます。
○川田龍平君 大臣、昨年の五月にもこの指摘をいたしましたが、民間も含めた調査体制の抜本的な強化が必要と考えます。 是非、これ大臣、民間も含めた調査、しっかりやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 新たな資料の入手に努め、そしてまた身元の特定に向けた調査、それは民間の方かどうかを含めて調査を進めてまいりたいというふうに思います。
○川田龍平君 ありがとうございました。
○福島みずほ君 社民党の福島みずほです。 今日は、まず冒頭、一般財団法人化学及血清療法研究所、いわゆる化血研の問題についてお聞きをします。四十年間、不正をなぜ見抜けなかったんでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今回の化血研の事案というのは、二重帳簿を作成するとか、あるいは周到かつ組織的に国などの査察を逃れる、いわゆる欺罔・隠蔽行為というのが長期にわたって行われてきたものでありまして、長年にわたる査察においてこの不正を見抜けなかった事実については、これは厚労省としても大いに反省をせないかぬというふうに思っております。 厚生労働省では化血研の事案を、今回のことを踏まえて、製薬企業に対する査察方法を見直すということで、金融なんかだったら当たり前といえば当たり前でありますけれども、抜き打ち検査ということを改めて取り入れて、指導監督に万全を期さなければならないというふうに考えております。この抜き打ち査察については、PMDAが査察を実施を普通はするわけでありまして、その施設を対象に、製造所の規模とかあるいは工程の複雑さに応じて三日間から五日間かけて実施するなど効果的な、じっくり中を見るというようなことを含めた査察方法を検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○福島みずほ君 事前の通告をすれば向こうは対応するわけで、やっぱり抜き打ちを今までやらなかったというのは極めて問題だと思います。 化血研は薬害エイズの被告企業です。今般の違法行為は主として一九八九年から始まり、その後の薬事制度の厳密化に伴い、より隠蔽体質を組織的に精緻化して現在に至っております。一九八九年は薬害エイズ訴訟提訴の年で、お隣に川田龍平さんいらっしゃいますが、一九九六年の和解調印時も不正は継続していたということは極めて問題です。これまで薬害事件が繰り返されてきましたが、裁判和解のたびに大臣は再発防止を誓ってきたと。 しかし、サリドマイド和解時の薬務局長が薬害エイズ時のミドリ十字社長です。今回、化血研が再発防止を誓いながら、裏では隠蔽工作を継続しており、国は複数回立入調査を行ってもこれを看破できなかったということを見ると、これは相当根深い、深刻であると思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、長期にわたって、そして周到な組織的な、組織ぐるみで私どもをだますということをやってきたわけでありまして、医薬品製造販売業の許可取消処分相当の極めて悪質な行為であるということを私どもは直ちに認識をいたしました。 本来であれば許可取消しを即刻行うというのが当然のことだというふうに思ったわけでありますが、一方で、この化血研は、代替製剤のない血液製剤や、感染症の予防とか、あるいは治療や危機管理の観点で必要性が高いワクチン、抗毒素などを製造しておりまして、あるいはこのシェアが極めて高いということで、直ちに全体の取消処分ということは行わずに、また業務停止除外品目を設定した上で、業務停止処分の期間の運用上の上限でございます百十日間、この百十日間の業務停止処分を行ったものでございます。 なお、業務停止対象品目が八製品ある一方で、除外品目は二十七製品あるということで、いかにこの化血研が、今申し上げたように、なかなかやめてもらっては困るものをたくさん作ってきた会社かということは、その事実としては認めなきゃいけないというふうに思うわけでございます。 それで、化血研に対しては、一般財団法人化学及血清療法研究所として、この名前でもって医療品の製造販売業を継続することはもう前提としないということで、体制の抜本見直しについて早急に検討を行うように要請を行っておりまして、百十日間の業務停止期間中に医薬品製造販売業の許可取消し相当であることを十分認識の上で適切な対応を検討していただくものと理解をしているところでございます。 刑事告発の話がよく出るわけでありますが、この要否についても今後の化血研の抜本見直しの過程の中で判断をしていくべきことというふうに考えております。
○福島みずほ君 この厚生労働委員会、国会の中で薬害を根絶するということを大きな一つの役割にすべきだと思っています。四十年間だまされてきた。確かに除外品目があるとか代替がないというのはあるんですが、結局、業務停止といっても、いや、除外品目では営業を続けていて痛くもかゆくもない、少しは痛いかもしれないんですが、でも営業停止にはならないわけじゃないですか。これは、全部もう免許剥奪というか、ちゃんとそこくらいやっぱり踏み込むべきじゃないですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 我々も今回のことは極めて重く受け止めた上で、考えに考えて今回の処分としたわけでありまして、今お話で、即刻業務停止全部やれということになると困る方が出てくるわけでありまして、その除外品目については、やはり管理をされる中で製造をしてもらわなければ、それを接種されている方々が困るということで、その方の命を大事にするという立場からこのようなことになっているわけでありますので、最大限のそういった方々に対する配慮をしながら、一方で、医薬品製造販売行政についての節度を守らなければ退場を命じられるということを明らかにしたわけであります。
○福島みずほ君 罰金などの刑事罰を科すことは考えないんですか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 先ほど申し上げたように、刑事告発の必要性があるかどうかについては、今後の化血研がどのような見直しをするのかということも含めて総合的に判断をしていかなければならないことだということを思っているところでございます。
○福島みずほ君 刑事罰は過去にやったことに対してどういう刑事責任が問えるかという話であり、今後どのような改革を化血研が行うかは未来の話です。過去について刑事罰問うべきじゃないですか、罰金取るべきじゃないですか。 でないと、これは二つ問題があります。化血研が四十年間だまし続けたという問題と、ずっと調査をしながら全くそれを見抜けなかった厚労省の責任ですよ。厚労省がここでちゃんとやらない限り薬害の根絶できないですよ。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今お話しのように、これもう最初から刑事告発の話は私どもも考えましたし、そういう指摘も受けてきているわけでありますし、今申し上げているように、今後どういうふうな形にしていくかということとセットで考えていくということを申し上げているわけであります。
○福島みずほ君 薬害エイズのときも、だから、やっぱりだまし続けていたと、相当根が深いというふうに思います。 PMDAのことなんですが、抜本的強化を行う意思がおありでしょうか。例えば、ジェネリック医薬品の使用率を拡大するということもありますが、アジアの原液工場の査察体制などきちっとやらなければならない、そういう点ではPMDAの抜本的強化、いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今の御質問は事前に通告を受けていないのでありますが、PMDAについては絶えず機能拡大も含めて考えていかなければならないというふうに思っていますし、そのようなコミュニケーションをPMDAとは取りながらやっているわけでございまして、かつてのようなゆっくりした組織ではなくなっておりますから、できる限りのことはやってもらいたいと私どもは期待をしているところでございます。
○福島みずほ君 二〇〇二年に成立した安全な血液製剤の安定確保等に関する法律と同年改正の薬事法は、薬害エイズの教訓を踏まえ、それまで売血依存だった国内の血液製剤を安全な血液によって自給することを中心に、血液製剤の安全性確保と安定供給を国の責任の下で確保するための法律を作りました。日本赤十字社や献血者、国民の努力によって、輸血用血液製剤については一九七四年から献血によって一〇〇%確保してきております。 質問通告しておりませんが、大臣は今後も世界に誇る日本の献血制度を中心とした血液事業を堅持していく意思がおありでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) そのつもりでございます。
○福島みずほ君 是非よろしくお願いします。 では、次に介護休暇についてお聞きをします。 育児や介護を抱えた労働者に対する事業主の配慮義務規定を盛り込むべきではないでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) もう一回。
○福島みずほ君 育児や介護を抱えた労働者に対する事業主の配慮義務規定を盛り込むべきではないでしょうか。
○副大臣(とかしきなおみ君) 事業主の配慮についてのお尋ねでございますけれども、今回の制度の見直しで、例えば要介護の方を抱えた家族の方は、病院への入退院、要介護者の状態が大きく変化した場合、複数回の休業とかニーズに柔軟に対応できるように介護休暇を分割取得できることといたしました。 これは事業主の配慮で十分対応できるということで、今回、制度の中で、介護の中の分割取得の回数につきましては、労政審の中で、介護のために一週間以上連続して仕事を休んだ経験のある労働者が仕事を休んだ回数は三回までということで九割以上を占めているとか、介護の開始年数、中間期、終わりの時期、こういったことでそれぞれ対応する観点を踏まえて、雇用管理の負担も考慮して、法律上の最低限の基準の三回ということで今回上限として対応させていただきました。ということで、このように雇用主の方も介護休業を取得できるように配慮をするようにということで義務規定を設けさせていただきました。 このほか、今回の制度の見直しの中では、介護のために残業の免除の創設、これも雇用主の判断で柔軟な働き方を可能とするということで制度の拡充等もできるようにさせていただいておりますので、仕事と介護とかが両立できるような環境づくり、これからもしっかり取り組んでいきたいと、このように考えております。
○福島みずほ君 是非この九十三日を、特例延長を請求できる規定を設ける必要はないでしょうか。今おっしゃったんですが、九十三日間の介護休業を最大で三分割しかできないと。できれば分割回数の制限をこれは削除すべきではないか。いかがでしょうか。
○副大臣(とかしきなおみ君) 先ほどもちょっとお答えさせていただきましたけれども、労働政策審議会におきまして現状を分析させていただきましたところ、介護のために一週間以上連続して仕事を休んだ経験のある労働者が仕事を休んだ回数は三回まで、これが九割以上を占めております。また、介護の開始時期、中間期、終わりの時期、それぞれ対応する観点を踏まえつつ、さらに雇用管理の負担も考慮しますと、法律上最低基準としては三回を上限にするのが適当と、このように判断させていただきました。
○福島みずほ君 子供はいつ小学校に上がるか分かるけれども、親の介護はいつまで続くか分からない。だとすると、分割をやはり認める、回数の制限をこれは是非削除していただきたい、あるいは回数をもっと増やしていただきたいというふうに思います。 次に、GPIFについてお聞きをいたします。 手元にお配りしておりますが、各国の公的年金運用機関が母国市場に占める株式保有割合、韓国は別にしますと、日本のGPIFの七・六%は異常に高いです。アメリカのカルパースが〇・四%、カナダのCPPIBとオランダのABPは共に〇・九%。GPIFの百四十兆円に加え、国家公務員共済七・八兆円、地方公務員共済四十二・五兆円、私学共済四・二兆円を含めると、運用資産残高の合計は百九十四・五兆円に上ります。その二五%、すなわち約四十九兆円が基本ポートフォリオの変更により国内株式、市場規模四百十四・八兆円で運用されることになります。国内株式市場の実に一二%を占める巨大運用主体です。つまり、鯨がプールの中で泳いでいると。でも、鯨を引き揚げるわけにもいかないし、ばっと引き揚げるとどっと株が下がるかもしれませんし、この一二%、異様に高いですよね。大丈夫かというふうに思います。これ、官製相場を生み出す、問題ではないでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今日お配りをいただいている資料は、これは社会保障審議会の年金部会で配られたものではありますが、この右にある市場に占める保有割合、株式については、母国市場に占める株式保有割合でございまして、例えばカルパース、これは〇・四と書いてありますが、実はカルパースはどうなっているかといいますと、株式自体は六三%が株式でございます。さらに、オルタナということで、プライベートエクイティーと呼ばれている、不良債権のファンドとか、そういうものに対する投資が一〇%ありますから、で、債券が一七%ということで、圧倒的部分が、かなり大きいこの株式とプライベートエクイティー、同じようにエクイティーではありますが、プライベートなエクイティーに投資をされています。 それから、スウェーデンなどでも、公的年金は国内が一二%、海外の株式は三四%で、オルタナティブ、このオルタナ投資が一六%ということで、それぞれいろいろなことをやっているわけでありまして、基本ポートフォリオは、もうこれ何度も申し上げているように、デフレからの脱却をするという中で、物価が上昇していく局面では、国内債券だけでは実質的な年金給付を確保することが困難となるという想定でございますので、年金の財政検証の結果に基づいてGPIFの運用委員会においてシミュレーションや統計的な分析等による専門的な検討を行って、最適な組合せを行っているわけでございます。 このように、厚生年金保険法等に基づいて、専ら被保険者の利益のために最適な運用を検討した結果として、国内債券に頼っていたこれまでの基本ポートフォリオを見直して株式等への分散投資を行うと、分散投資を進めたものでありまして、株価を支える目的などでは決してないということでございます。
○福島みずほ君 安倍総理は、運用次第では減額すると言っていますから、ほとんど全ての人の年金、減額があり得ると。株高ではなくて株安になるかもしれない。全面的株安になっても、一二・八%ですから、引き揚げることすらやはり困難となる。その意味では、長期的に見れば利潤は上がるんだと言われますが、私はやっぱりギャンブルか、ばくち張っているとしか思えなくて、こういうのを虎の子の年金で、しかも今日問題にしているのはその割合です。国内市場に占める割合が一二・八%、余りに高過ぎませんかと、余りに官製相場ではないですかという点について、今後も追及していきたいと思います。 次に、空襲について一言お聞きをします。 これは何度もこの厚生労働委員会で質問しているんですが、軍人軍属の人たちももちろん耐え難い、本当に苦痛だったと、しかし、空襲に遭った人たちも、防空法やいろいろなもので逃げられないし、やはりその人たちには何の罪もない。国の国策によって死んだりけがをしているわけです。一円も誰ももらっていないわけですよね。この空襲被害について、例えばある程度限定でもいいかもしれませんが、愛知県に杉山さんという今年百歳になる女性で、けがをされている人もいらっしゃるんですね。たくさんの空襲被害者に会ってきました。 これは、担当部局がないということなんですけど、厚労省もどこも担当する省庁はないということなんですが、もう戦後七十年たって、やはりこれは考え方を見直すべきではないか。いかがでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 厚労省が受け持っているのは、戦前の陸軍、海軍の残務を引き継ぐという形で受けているわけでございます。 そういう中で、厚生労働省が所管をしております戦傷病者戦没者遺族等援護法、これに基づけば、国と雇用関係にあった軍人軍属や雇用類似の関係にあった準軍属、それから公務等による傷病によって障害の状態になった又は死亡した場合、つまり今の軍人軍属と準軍属がこのような場合になった場合ということでありますが、国が国家補償の精神に基づいて使用者の立場から補償を行うというものでございます。 このため、国家が強制的に戦地における戦闘行為や軍需工場における就労等に参加をさせたという事情にない一般戦災者、今おっしゃっておられた空襲等による一般戦災者については、厚生労働省が所管をしている戦傷病者戦没者遺族等援護法は対象と今の立法府でできた法律でそうなっていないということでございます。 御質問の一般戦災者に対する補償があるべきじゃないかということは、先生が繰り返しおっしゃっていて、かつてもこの議論をしたことがあったと思いますが、これにおいて政府としての対応は現在特段の法的な定めはないわけでございますが、昨年も申し上げたとおり、まずはやはり立法府において御議論をいただいた上で、これは皆で国民的にも考えていくべきことではないのかなというふうに思います。
○福島みずほ君 もちろん立法府が考えるべきことですが、是非、戦後こういう軍人軍属に関して役割を果たしてきた厚労省でもやっぱり考えていただきたい、あるいは内閣の中でもこれはやっぱり考えていただきたいということを強く申し上げたいと思います。 監督指導による賃金不払残業、サービス残業の是正結果、平成二十六年度が出ました。是正企業数は前年度比八十八企業減の千三百二十九企業ですが、支払われた割増し賃金合計額は、前年度比十九億三百七十八億円増の百四十二億四千五百七十六万円です。対象労働者数も、前年度比八万八千六百二十七人増の二十万三千五百七人です。これは、監督署が頑張って残業不払をちゃんと払わせたという数で、非常に大きい数字ですよね。しかし、これは氷山の一角だと思います。個々の企業のブラック化、悪質化が進んでいるということが数字から伺えます。 それで、厚労大臣、こういう労働基準監督署がちゃんと入って残業代不払をちゃんと是正して払わせる、これは本当に大事なことだと思います。今国会に継続審議中の労働基準法改正法案、残業代不払法案と呼んでおりますが、これだと労働時間規制がありませんから、労働基準監督署は違法ということで入れないですよね。一点。それから、残業代不払という概念は起きないですよね。その点についてお聞かせください。
○国務大臣(塩崎恭久君) いわゆる高度プロフェッショナル制度についてのお尋ねだと受け止めましたが、仕事の仕方とか時間配分を自ら決めて、時間ではなく成果で評価される働き方を選ぶと、こういうための制度で新しい制度を考えているわけでございますが、このため、割増し賃金の算定の基礎となっている労働時間を把握する必要はないわけでありますけれども、それに代わって、健康確保の観点から、在社時間と事業場外で働いた時間の全部を健康管理時間として客観的に把握することを使用者に求めることとしておりまして、働く方の時間の管理を行わないという御指摘は全く当たらないということでございます。 さらに、こうした健康管理時間を基に、終業時刻から始業時刻までの間に一定時間以上を確保させるインターバル規制、それから、在社時間等の上限規制、年間百四日の休日数規制のいずれかの措置を必ず講じるということを使用者に求めるとともに、健康管理時間が長時間となった場合には医師による面接指導の実施を義務付けるということになっておりまして、通常の方々に対するよりも厳しい健康確保のための措置を講ずることとしておりますし、それのベースは時間の管理でございますので、御指摘のような形にはなっていないということでございます。
○委員長(三原じゅん子君) 福島みずほ君、時間が来ておりますので、おまとめください。
○福島みずほ君 はい、分かっています。 私は、質問はそういう質問をしているのではありません。健康管理時間の対策があることもそれは分かっています。ポイントは、労基法違反ではないから労働基準監督署も入れないし、違法という形ではできないし、残業代不払を命ずることができない、ここが肝じゃないですか、だから質問に対して答えてくださいよということを申し上げ、時間ですので、また今後も質問していきます。 ありがとうございます。
○薬師寺みちよ君 無所属クラブの薬師寺みちよでございます。 今回からラストバッターでございまして、皆様、お疲れでございましょうが、あと二十五分しっかり付き合っていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。 私ども、今いろいろ議論をさせていただいたところで、午前中から聞いておりましても、やっぱり高齢化社会における医療というものを各委員の皆様方も取り上げてくださっておりました。私もここに焦点を当てて議論をさせていただきたいと思います。 今まで生命予後の延長というものを目指して、この日本という国は、医療技術を開発し、そして様々な医療提供体制を整備してまいりました。すばらしい成果を上げました。健康長寿国としてももちろん有名でございますし、平均寿命も世界トップを走る、こんなにうれしいことはない。しかし、その一方で様々な問題が今呈されているところです。超高齢化社会を迎えるに当たりまして、これはどこの国も経験したことがないような、そういう成熟した社会を私どもはつくり上げていかなければならない。その中で忘れてしまったことが、やっぱり高齢者の皆様方に対する医療というものではないかと私は考えております。 治すという医療よりも、これから高齢化社会に向けてふさわしい医療というものが、何か新しい概念というものを構築していく必要が私はあるかと思いますけれども、大臣、高齢化社会に向かっての新しい医療、どのような医療なのか、どのような方法論で行って、どのように提供されるべきなのかということをまずお聞かせいただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 高齢化、つまりこれは安倍総理が言っている人口問題、この影響というのが随所に現れていて、あらゆる面で私ども、この人口問題、つまり高齢化、少子高齢化がダブってきているわけでありますが、これに対処しなければいけない。医療もその例外ではないということで、この間も予算委員会で議論させていただきましたが、高齢者、特に後期高齢者の方について、加齢に伴う心身機能の低下によって治療の長期化とか複数の疾病、特に慢性疾患、つまり、かつては感染症が中心でしたけれども、非感染症の病気で、それを複数また持っておられる方がたくさんになってきたと。こういう罹患が見られることから、その特性を踏まえたふさわしい新しい医療というものをつくらなきゃいけないということだというふうに先生の問題提起を受け止めさせていただいております。 この間も申し上げましたけれども、昨年まとめていただきました保健医療二〇三五提言書の中で、治す医療から治し支える医療への転換ということがやっぱり言われておりまして、慢性疾患等を抱えても生活の質を維持向上させて、身体的のみならず精神的、社会的な意味でも、そういった意味も含めた健康を保つ、つまり健康という概念を少し幅広く考えなきゃいけない、そういうことを目指すケア中心の時代への転換というものが掲げられておりました。 それがまさに治す医療から治し支える医療への転換ということになろうかと思いますけれども、平成二十八年度の診療報酬改定でも、在宅医療において、緩和ケアとかみとりの体制の充実を図るとともに、かかりつけ医の評価として、認知症を含む複数の疾患を有する患者について、薬の種類が増え過ぎないように配慮しながら総合的に診療する、いわゆるGP的な発想かと思いますが、それから、かかりつけ薬剤師・薬局の評価として、患者の服薬状況を一元的かつ継続的に把握をして、それに基づく薬学的管理指導などの推進を行うこととしておりまして、これらが今後とも高齢者のために、その特性に合った医療の推進につながるようにしてまいりたいと思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 ここで問題意識は共有できましたので、竹内副大臣の方にお伺いをさせていただきたいと思います。 今まで、若年者でいいますと脂質代謝異常、メタボリックというようなこともいろいろ言葉としてはやってきたように、問題視をされておりました。例えば、それであれば治療目的、効果が上がっていいよねというようなことでどんどん我々は治療しようという姿勢を崩さなかったわけです。 しかし一方、じゃ、高齢者にとってそういう治療、前のめりになってやっていくことが果たしてQOLに対してどのような効果があるのか。これは大変難しい問題だと思うんですね。逆にQOLを悪化させてしまうような結果になり得るということも考えられます。そのような影響というものが今後私はしっかりと研究をなされるべきだと思いますけれども、副大臣の御意見いただけますでしょうか。
○副大臣(竹内譲君) お答えいたします。 高齢者に対する医療につきましては、平成二十二年度、長寿科学総合研究事業におきまして高齢者に対する適切な医療提供の指針というものが出されております。 その中で以下のような三点が指摘されておりまして、一つ目は、高齢者は若年者に比べて予備力に乏しく、若年者であれば一過性に終わるような疾病、例えば腰痛や肺炎であっても、それを契機として日常生活機能低下などによりQOL低下を生じやすいこと、二つ目に、高齢者の疾患は、その多くが治癒を期待できない慢性疾患であり、このような慢性疾患に対しては治癒を目指したやみくもな治療よりも症状緩和が重要であること、そして三点目に、患者本人が生活の場として快適である場所、QOLを最も高く維持できる場所で可能な限り長く過ごせるように医療、看護、介護、福祉による地域包括ケアを含めた総合的なケアを目指すべきであること等でございます。 こうした指摘等を踏まえまして、患者の状態に応じた適切な医療を効率的に提供し、住み慣れた地域で継続して生活できるよう、医療機関の機能の分化、連携を推進し、さらに地域包括ケアシステムを構築することが重要であると考えております。リハビリテーションの強化、在宅医療の推進、診療報酬改定等の各施策を通じまして対応を行ってまいりたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 次の質問につながるんですけれども、結局その正常値というものが今は成人の本当に頑丈な男性を中心として組み立てられていますよね。ですから、そこまで落として本当に高齢者は大丈夫なのか。 例えば、血管が硬くなっているのであれば少し血圧が高くたってこれは当たり前のことなんですよね。でも、多くの内科の先生方がそういうガイドライン、いろいろ出ていますけれども、そういうものを知らずに成人の男性と同じような治療を果たしてしまうことによって、かえってひっくり返ってしまう、そこで骨折を起こして、そこから様々な疾患が更に高齢者の皆様方は発展してしまうと。認知症にも陥りやすくなってしまいますし、そういったようなものをやっぱり体系的にしっかりと学問として位置付けて研究をしていくべきではないかと思うんですが、大変申し訳ございません、たくさん質問を準備しておりまして、端的にお答えいただければと思います。
○副大臣(竹内譲君) 先生御指摘のとおり、今お話がありました点につきましては議論があるところでございます。各種検査結果の基準範囲は健康な成人の集団から得られているものでございますので、年齢ごとに算出されておらず、高齢者を若年者と同様の基準で判定することが妥当かどうかについては先生の御指摘のとおりだと思っております。 一方で、高齢者は健康状態や疾病の罹患状況などによって個々人ごとに各種検査結果の差が大きくなる傾向があることも知られておりますので、高齢者の健康の概念や年齢による結果の基準範囲の設定などにつきましては、それが可能かどうかも含めて各種専門学会が科学的根拠に基づいて今検討を行っているものと承知をいたしております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございました。 これにつきましては、私もいつも心配なのが、もちろんドクターが治療薬を出すのだったらまだしも、市販薬も同じなんですよね。風邪薬を一袋飲んだだけでも、一晩中ではなく朝になっても起きないというような高齢者の話も聞きます。もう効き過ぎちゃうんですよね。 ですから、学会レベルでということはもちろん必要でしょうけど、やっぱり製薬会社の皆様方などにも、正常値、基準値というもの、様々な年齢、そして体型別についてもコメントをいただきながら、厚労省の方でも目配り、気配りをしていただきたいと私は考えております。 しかし、今議論をしてまいりましても、やはり何か新しい概念というものが高齢者医療については必要なのではないかということは、我々として共有できても、それが国民の皆様方、コンセンサス取れなければこれは何にもならない。いつまでも、私ども診療所に座っておりますと、お薬を下さい、薬を出さなければ医者じゃないでしょうというぐらいにやはり思っていられるような皆様方も多いことはこれ事実でございます。 ですから、このようなパラダイムシフトというものを行っていく上において一番大事なのは、やっぱり国民のそういう文化を育てていくんだということだと思いますけれども、大臣、そのことにつきまして、国民の理解というものをどのように得ていくべきなのか、何かお言葉がございましたらよろしくお願い申し上げます。
○国務大臣(塩崎恭久君) 今、地域包括ケアシステムの構築をしないといけないということで、あらゆる医療政策、そしてまた介護を含めて、二〇二五年を一つの目安として実現しようとしている体系をつくろうとしていますけれども、その中に、今まさに先生御指摘になったパラダイムシフトをさせていかなきゃいけない医療の在り方、これを私たち考えなきゃいけないんだろうと思うんですけど、いわゆる治す医療から、先ほど来出ているQOLを重視をする治し支える医療への転換ということで、さっきも申し上げた保健医療二〇三五の提言書で、この中で出てきたのは、キュア中心からケア中心に、それからインプット中心からアウトカムを重視する。つまり、患者さんがどう評価を自分でこの治療行為について思う、考えるかということをしっかり考えるという、こういったようなパラダイムシフトをすべきだということの御提言をいただきました。 シンポジウムを今まで三回開催をして、先日福岡で開催をいたしましたが、これは福岡市長の提案によって、ちょうどアジアを中心とする外国の皆さん方が一緒になって高齢社会の在り方についてのシンポジウムをやっている中で入れ込んでシンポジウムをやっていただきましたが、まさに高齢社会の中で新しい発想の医療というのはどうあるべきなのかということを御議論いただいたわけでありますから、こういった面での国民的な理解とコンセンサスをつくっていかなければいけないというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 私も、二〇三五のシンポジウム、東京で開催されたときに参加をさせていただいたんですけど、新しい医療の在り方というものをやはりいかに国民の皆様方にも御理解いただけるか、そこが肝だと思っておりますので、是非今後とも様々なところで周知徹底をお願いをいたします。 それに当たりまして、実は認知症はかなり進んで、様々なところで拠点が準備されておりますけれども、この高齢者医療って、もう少し幅広に取ったような医療の拠点というものがなかなか全国で見られることはございません。愛知県には大府に長寿医療センターがございます。しかし、ほかの地域で、いろんな大学見ておりましても老年科というのを設けられている大学、まだ少のうございます。 いかに拠点をこれから整備していくのかということが課題だと思いますけれども、太田政務官、いかがでいらっしゃいますでしょうか。
○大臣政務官(太田房江君) 御指摘の愛知県にございます国立長寿医療研究センターでございますが、これまでも加齢に伴う疾患、どのように医療を施すべきかということについて調査研究、そして医療の提供等を行ってきたところでございます。 さらに、平成二十七年度からの第二期中長期目標においては、御指摘のございました認知症について、先制治療薬、早期診断技術の開発などについて先進的な研究開発に一層重点的に取り組んでおられまして、更に機能強化を図ってまいりたいと考えております。 各地域における高齢者医療の実態でございますけれども、例えば認知症については、地域での医療提供体制の拠点として認知症疾患医療センター、これが全国に今三百三十六か所ございますが、新たな新オレンジプランでは、平成二十九年度末までに約五百か所整備するということになっております。 また、高齢者医療一般につきましては、高齢者は複数の疾患を抱えている場合が多いということから、高齢者に対する医療提供に当たりましては、先ほど大臣から答弁がございましたように、従来の治す医療からQOLを重視した治し支える医療への転換、これを図っていかないといけないと思います。 こういう中で、高齢者に対して望ましい医療の在り方というものの追求と実現を目指してまいりたいと考えます。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 この認知症の拠点というものを利用して、さらに高齢者医療というのを、もう少し別の見方、角度でも研究をお願いしたいと私から申し上げておきます。 ところで、いわゆる老年病というものはまだまだ日本ではポピュラーではございません。この老年病の専門家というものもこれから育成していかなければ、とてもではないですけれども、先ほど認知症もございましたけれども、カバーすることはできません。 大臣、先日の予算委員会でも、いわゆる教育という、医学教育を議論させていただきましたけれども、やはり学部から今日本医師会がやっている生涯教育までしっかりと一本化して、この老年学というものを教育そして研修に組み込むべきだと、その大きな柱だと思いますけれども、御意見いただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 繰り返して恐縮ですけれども、保健医療二〇三五にいろんなものが入っているものですから、ついつい引用するわけでありますけれども、個別の臓器とかあるいは疾患を超えた多様な問題を抱える患者さんが高齢化に伴って増えてくるわけですね。それに総合的な診療を行うことがどうできるかという中で、GPのようなかかりつけ医の養成を始め、高齢者特有の医療ニーズに配慮した医療を実践できる医師を養成をしていくということが大変喫緊の課題になっているというふうに指摘をされております。 厚労省としては、臨床研修において、認知症等の高齢者で頻繁に見られる問題を含む幅広い疾患に適切に対応できるように、基本的な診療能力を身に付けることを基本理念として医師養成をしておりますが、同時に、臨床研修修了後の専門医の養成については、高齢者などの複数の疾患を持つ患者に対応できる総合診療専門医の養成の準備や、それから、老年病医学、この老年病の、先ほどお話ありました、この担当ができるような専門医の養成の検討というものを今日本専門医機構において進められているわけでありますが、厚労省としてもこれは必要な助言等の支援を行っているわけであります。 いずれにしても、さっき一気通貫でという話がありましたが、医学部教育、臨床研修、専門医の養成などの一連の養成課程において一貫した教育研修を行って、高齢者特有の医療ニーズに十分対応できる医師を養成していくことはますますもってこれからの時代に必要であり、また到達目標が整合性のあるものになってくるということが言えるのではないかと思います。 そういうことで、医学部教育のカリキュラム、この間もちょっとお話出ましたが、その中身、それから臨床研修の到達目標の見直し、こういったものにおいて、それぞれがより整合性のあるものにして、文科省などとしっかり連携をしていかなければいけないというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 何のために私どもは医学教育を受けてきたのか、それは、国民に医療を提供するという使命を厚労省が担っていただいて、それを我々、学生として文科省で受けてきたわけですよね。医療提供体制をしっかりと構築するために教育はあるんですよ、大臣。だから、しっかりこの医療提供体制を確保する、そのための研修制度であり、専門医制度であり、生涯教育なんですよ。もっともっと厚労省がそこに口を出して、責任を持っていただきたいと思います。 今回の専門医制度におきましても、現場は多く混乱をいたしております。今おっしゃっていただきましたように、老年学をこれからつくる、もうそれでは遅いんです。GPのように全身が診れる、それとまた老年学は全く別物でございます。しっかりとこれからどのような医療提供体制を厚労省として構築していくのかというビジョンの下、専門医制度も、研修制度も、そしてカリキュラム制度というものもその下にぶら下がるものだとして、大臣、どうぞもっと口を出し、しっかりとこれはこれからの医療、これこそ社会保障制度の継続に一番肝腎な肝でございますので、守っていただきたいと、私からは再度お願いをいたしておきたいと思います。 では次に、先ほど石井委員の質問に、新オレンジプランというものが数値目標おおむね達成だということで三浦局長より御説明いただきましたけれども、私、少々これにも疑問を生じております。 認知症初期集中支援チーム、実はこのチームが一八年四月までに全自治体に設置するという方針でございましたけれども、一五年度中に設置予定としたのは全国の一七・六%の市町村にすぎません。まだまだ遅れております。皆様方のお手元には資料一としてお配りをさせていただきましたけれども、青森県ではゼロ%と、こういう状況でございます。 これ、なぜこのように遅れているのか、太田政務官、申し訳ございません、ちょっと端的にお答えいただけますでしょうか。
○大臣政務官(太田房江君) 遅れている理由を端的に申し上げます。 二十六年の十月に、どうして難しいのかという理由を各県に問い合わせたところ、これは、チーム員の要であります医師の確保、これについて、認知症対応の専門性と、それから認知症の専門医であると同時に、かつサポート医であるという二つを要件にしておりました。 これが大変難しいということで、今年度からは、当分の間、一定の専門性が担保できればどちらか一方を満たしてくだされば結構ですということにいたしております。それでもなお難しいという場合には、昨年十月に出したものですけれども、近隣市町村が同じ認知症の専門医療機関にそれぞれ委託する等の工夫ができることとしたほか、本年三月にはこれに沿った具体的な取組例も紹介いたしております。 このように、認知症初期集中支援チームが早期に各県に設置されるように支援してまいりたいと考えております。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 大臣、これなんですよ。結局、医療提供体制が整備されないのはなぜか。やっぱり研修だとか教育だとか足りなかったんですよ。私どもも、こんな老年学のようなものを詳しく受けたような記憶はございません。ですから、しっかり将来を見据えて教育を行っていかなければ、やっぱりこうやって足りないという事態が生じてしまいます。 ですので、是非、大臣にも、この二番も見ていただきたいんですけれども、服薬の問題も起こってきております。これは東京都の健康長寿医療センターの研究チームがまとめたものでございますけれども、やはり四割の皆様方が六剤、六種類の薬を飲む、いわゆる多剤併用の中で副作用で苦しんでいらっしゃる方もこの中でいらっしゃったようでございます。 やっぱりこれ、医師だけではなく、ほかの職種においても様々な教育研修というものをこの老年医学についても行っていただかなければならないのではないかと思いますけれども、大臣、このような教育制度の中でしっかりと新しい医療の価値観、そして新しい高齢者のための老年医学というものを位置付けていく必要があるということにつきまして、一言いただけますでしょうか。
○国務大臣(塩崎恭久君) これはこの間申し上げたとおり、疾病構造も変わって、そして高齢者が人口の中で、二〇五〇年、六〇年になれば四〇%ぐらいに六十五歳以上の方々がなるという、そういうときにどういう医療を提供していったらいいのかということを考えてみれば、もうかなり、先ほど手遅れだという話がありましたが、早く医学教育については医師養成の在り方についてよく考えていかなければならないというふうに思っています。 前も申し上げたように、そもそもかかりつけ医、GPとして総合的な判断ができる教育を、じゃ医学部で今やっているかといったらやっていないわけでありますし、老年医学についても今御指摘のとおりでありますから、そして同時に、この間もちょっと申し上げたと思いますが、例えば児童精神医学を六年間の間に平均で二十分しか教えないと、そう言われている今の医学教育の在り方は一体、虐待がこれだけ多い、虐待死も増えていく中で本当にいいのかということで、やっぱり考え直さなきゃいけないことがたくさんある医学教育ではないかと私は思っておりますので、先生にハッパを掛けられて、もう少し踏み込んで医学教育の在り方について文科省とも議論をしていきたいというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 ありがとうございます。 最後の一問になります。大臣、もう一問だけお願いを申し上げます。 こうやって高齢者の医療というものを考えていく上で絶対に外せないのが、その医療を決定するプロセスというものをしっかりと高齢者の皆様方に御理解をいただくというところでございます。 そこで、厚労省としても人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドラインというものを出していらっしゃいまして、モデル事業をやってくださったのも、私も一緒に研修を受けさせていただきましたので、大変よく理解をできました。 地域では様々な施策が行われておりますけれども、やはり病院と診療所では全くその背景も違えばいらっしゃる患者様方の疾病も違うということで、これから様々な今までのモデル事業の効果を生かして周知徹底というものが私は必要かと思いますけれども、どのような予定でしっかりと周知徹底を国民に向かってしていただけるのか、もちろん医療者もそうですけれども、一番肝腎なのは国民が理解することだと考えておりますので、お願いできますか。
○国務大臣(塩崎恭久君) 私も、私と妻のそれぞれ両親のうち二人亡くしまして、それぞれいろいろ考えさせられる医療の最期の在り方でございました。 そういう意味で、先生が何度も御指摘をいただいているこの人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドラインについて、在り方について、モデル事業をこれまで人生の最終段階における医療についてやってまいったわけでありますけど、さらに、二十八年度予算案には、モデル事業で作成した研修プログラムを活用して、全国の主要都市で病院、診療所等の医療従事者に対する研修会を開催できるように予算計上をしております。 研修プログラムには、療養生活での不安、疑問、大切なことを尋ねる、あるいは医療の選好を、選ぶですね、選好を尋ね、最良の選択を支援するということが含まれているなど、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最期まで続けていくという地域包括ケアシステムの考え方を達成できるような内容になっておりまして、こういった研修を通じてこれらの趣旨が十分に伝わるように周知をしていきたいと思いますけれども、人生の最終段階、それぞれでありますから、それぞれに合った、そしてそれぞれ御本人も、そして家族も納得ができる、そういう医療の決定ができるようにすべきではないかというふうに思います。
○薬師寺みちよ君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(三原じゅん子君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○委員長(三原じゅん子君) 社会福祉法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。塩崎厚生労働大臣。
○国務大臣(塩崎恭久君) ただいま議題となりました社会福祉法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 急速な少子高齢化、地域社会の変容等により福祉ニーズが多様化、複雑化していく中、福祉サービスの主たる担い手である社会福祉法人が果たしていく役割はますます重要になっています。社会福祉法人が備える公益性や非営利性に見合う経営組織や財務規律を実現し、国民に対する説明責任を果たすとともに、地域社会に貢献するという社会福祉法人本来の役割を果たしていくよう法人の在り方を見直す必要があります。 また、今後の高齢化の進展に伴い、介護ニーズの多様化及び高度化が見込まれる中、介護人材を始めとした福祉人材の確保を、量と質の両面から総合的かつ計画的に推進していくことが必要でございます。 このような状況を踏まえ、福祉サービスの担い手である社会福祉法人の改革と福祉人材の確保の促進を一体的に行うことにより、福祉サービスの供給体制を確保していくため、この法律案を提出いたしました。 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。 第一に、社会福祉法人の経営組織について、理事等の権限、責任等に関する規定を整備し、議決機関としての評議員会の設置を義務付けるとともに、一定規模以上の社会福祉法人に対して会計監査人による監査を義務付けることなどにより、ガバナンスの強化を図ります。また、定款、計算書類等を公表しなければならないものとし、運営の透明性の向上を図ります。さらに、財務規律の強化を図るため、理事等の関係者に対する特別の利益供与の禁止、役員報酬基準の作成及び公表、純資産の額が事業の継続に必要な額を超える法人に対する既存事業の充実又は新規事業の実施に関する計画の作成等の義務付けを行うとともに、社会福祉法人は、その事業を行うに当たり、日常生活及び社会生活上の支援を必要とする者に対し、無料又は低額な料金で福祉サービスを積極的に提供することに努めなければならないものとする等の措置を講じます。 第二に、介護人材の確保のため、社会福祉事業従事者の確保に関する基本指針の対象範囲を拡大するとともに、介護福祉士が離職した場合等において、都道府県福祉人材センターに届出を行うよう努めるものとする等の取組を進めます。また、介護福祉士の資質の向上のため、介護福祉士養成施設の卒業者に対する国家試験の受験の義務付けについて、平成二十九年度から漸進的に導入し、平成三十四年度から、全ての卒業者に対し実施する等の措置を講じます。 第三に、社会福祉施設職員等退職手当共済制度について、退職手当金の支給乗率を長期加入者に配慮したものに見直すとともに、被共済職員が退職し再び被共済職員となった場合に、共済加入期間の合算が認められる期間の延長を行うこととします。また、障害者支援施設等の業務に従事する被共済職員に係る退職手当金の支給に要する費用を公費助成の対象から除外し、介護保険施設等と同様の取扱いとすることとします。 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、平成二十九年四月一日としています。 以上がこの法律案の趣旨でございます。 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
○委員長(三原じゅん子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時七分散会