決算委員会 第7号
- 発言数
- 252 件
- 登壇者
- 38 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2016/04/20
会議録
○委員長(小泉昭男君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、仁比聡平君、三木亨君、大沼みずほ君、有田芳生君、アントニオ猪木君、相原久美子君、上月良祐君及び西田昌司君が委員を辞任され、その補欠として井上哲士君、中西健治君、安井美沙子君、山口和之君、江崎孝君、塚田一郎君、宮本周司君及び大野泰正君が選任をされました。 また、本日、又市征治君及び江崎孝君が委員を辞任され、その補欠として吉田忠智君及び吉川沙織君が選任されました。 ─────────────
○委員長(小泉昭男君) 平成二十六年度決算外二件を議題といたします。 本日は、国会、会計検査院、復興庁及び環境省の決算について審査を行います。 ─────────────
○委員長(小泉昭男君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(小泉昭男君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(小泉昭男君) 速記を起こしてください。 ─────────────
○委員長(小泉昭男君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山口和之君 日本を元気にする会・無所属会の山口和之でございます。 まず、質問の前に、熊本地震において亡くなられた方々に御冥福をお祈りしますとともに、けがをされた方、避難を余儀なくされている皆さん、それから被災された皆さんに対しお見舞い申し上げたいと思います。 ただ、中越地震、あるいは阪神・淡路大震災、あるいは東日本大震災の教訓を是非先手先手で生かしていただきたいと。エコノミー症候群で亡くなられる方がいらっしゃるということ自体が生かされていないことでありますし、これから関連死と言われる方々も増えてくる可能性もあるわけですから、一人もそういったことのないように、今までの経験を生かして全力で当たっていただきたいなと思います。 まず、復興について質問させていただきたいと思います。 復興特区制度が始まって四年経過いたしました。改めて、制度設計の考え方とその後の指定状況について復興庁に伺いたいと思います。
○政府参考人(内海英一君) お答えいたします。 復興特区制度は、被災された各地域が自らの被災状況や復興の方向性に合致した活用可能な特例を選ぶことのできる制度であり、具体的には、前例や既存の枠組みにとらわれない地域限定での思い切った措置、また、地域の創意工夫を生かしたオーダーメードの仕組み、さらには、医療、産業、住宅分野等での規制等の特例や産業再生を支援する税、財政、金融上の特例のワンストップでの適用といったものを制度内容としております。 指定状況につきましては、規制・手続等の特例に係る計画は三十九計画、税制上の特例に係る計画は二十三計画、金融上の特例に係る計画は百二十四計画について内閣総理大臣の認定を行っております。
○山口和之君 震災後に様々な規制が緩和されて、地域のニーズに沿ったいろんな展開がなされてきて、地域の方々にとってはこの特区制度というのは非常に自分としては有効だと思っております。全部把握しているわけではございませんけれども、復興特区制度が今日までに果たしてきた役割そして成果について、総括的にどのような状況なのかについて大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(高木毅君) お答え申し上げます。 復興特区制度は、未曽有の被害を受け、被災状況が地域により様々な中、被災自治体あるいは事業者の負担が軽減されるように地域限定の思い切った措置をワンストップで適用するよう制度設計されたものでございまして、こうした中、復興まちづくりや産業・なりわいの再生のために多くの被災自治体、民間事業者が活用して、復興の円滑かつ迅速な推進に寄与しているものと考えております。 例えば税制でございますけれども、指定事業者数は延べ約四千、投資実績は約一兆円、雇用実績約十万人でございます。また利子補給につきましては、事業者数百二十四、投資見込み約七千五百億円。あるいはまた規制・手続の面を申し上げますと、認定復興推進計画が三十九、復興整備計画八百一地区というようなことで、多くの実績、効果を生んでいるというふうに認識をいたしております。 今後も、復興の新たなステージに合わせて制度の活用が見込まれることから、町づくりや産業・なりわいの再生の動きというものを一層加速化させるために、引き続き被災自治体による活用が図られるよう支援等に努めていきたいと考えております。
○山口和之君 ありがとうございます。大臣も評価されているということで、地域にとっては非常に大切な支援だと思っております。 そこで、やはり心配なのは、この特区制度に期限があるとそこに携わっている方々自体が非常に心配になるわけです。また、地域にいらっしゃる方々も、そこで何とか今軌道に乗せようとしている事柄が軌道に乗っていかないのではないかと非常に不安になっているところでございますが、復興特区制度について終了期限があるのかどうか、復興庁に改めてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(内海英一君) お答えします。 復興特区制度は東日本大震災復興特別区域法に基づく制度であり、同法はいわゆる恒久法であるため期限はございません。ただし、特例措置を定める復興推進計画自体には期限を設定しているものもあり、その期限の延長を要望する場合には計画の認定に係る所定の手続を経る必要がございます。
○山口和之君 そこで質問したいんですけれども、岩手、宮城、福島県の三県において訪問リハビリテーションに関する特区が認められているんですが、延長に対して県や市町村の意向を把握しているかどうかをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(内海英一君) お答えします。 県や市町村の意向につきましては、毎年四月頃に定例の調査を行うとともに、これに加えて随時要望調査を実施しております。ただ、この件に関しての延長の意向は聞いておりません。 なお、現在、今年度の定例調査を実施しているところでございます。
○山口和之君 地元あるいは県に確認しますと、やはりこれは継続してほしいという要望が非常に強いように自分は感じております。そういった意味で、県や市町村から制度延長の要望があれば、申請があれば国はそれを認めるのかどうかを大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(高木毅君) 制度延長の要望あるいは申請、こういったものが県や市町村からございましたら、関係省庁に連絡をいたしまして、関係省庁と調整してまいりたいというふうに考えております。
○山口和之君 この訪問リハビリテーションについてなんですけれども、訪問リハビリテーション振興財団というところの調査ですが、その中で、地域のかかりつけ医の先生方と連携が深いところ、この先生方の御意向をお伺いしますと、何としても残すべきというのが七五・三%、介護において非常に重要な役割を果たす介護支援専門員、利用される方々の将来をどのように支援していくかというふうに考える方々ですが、その方々が九七・二%が継続すべき、何としても残していただきたいと。また、家族、利用者の方々でこれを是非必要と、今後も継続したい、あるいはもっと良くなりたいと思われる方々が八八・八%に達しています。満足度からいってもやはり八〇%、九〇%近い満足度で行われています。 地域の中にこういったサービスがしっかり溶け込んで今運営している中で、延長がされないというような形になりますと、地域の方は非常に困ってしまうことと、地域づくり、未来づくりについても非常に重要な役割を果たしていくのではないかなと思っておりますので、是非特区について検討していただきたいと思います。総じて非常にうまくいっているというふうに評価されているんですが、地元も延長を希望しており、是非延長してほしいという声が大きいところでございます。 厚生労働省として、特区の訪問リハビリテーションの概要についてどのようにつかんでいるのか、又は、厚生労働省としては特区の今後についてどのような手順で判断していくのか伺いたいと思います。
○政府参考人(浜谷浩樹君) お答えいたします。 まず訪問リハビリに関する復興特区でございますけれども、これは平成二十三年に施行されました東日本大震災復興特別区域法に基づきまして、福島、宮城、岩手の復興推進計画に位置付けられております。 介護保険法では、訪問リハビリテーション事業所の開設者は病院、診療所又は介護老人保健施設であると定められておりますけれども、この復興特区におきましては、病院、診療所又は介護老健施設以外の事業所でありましても、それらとの密接な連携を確保した上で訪問リハビリテーション事業所を開設することができることとしております。平成二十四年五月に最初の事業所が開設され、現在ではこの三県の七市町村におきまして十か所の訪問リハビリ事業所が設置されており、多いところでは百五十人程度の利用者が登録されております。 復興推進計画の適用期間でございますけれども、平成二十九年三月までとなっておりますけれども、その延長につきましては、今後、事業の実施状況、それから県、市町村の意向も十分確認しつつ、検討してまいりたいと考えております。
○山口和之君 ありがとうございます。 評価されていると思っています。ただ、難病の方やあるいは若い方々、介護保険の対象じゃない方々ができないということで、これは非常に、できればそういう対応ができたら助かる方もたくさん多いでしょうし、これはかかりつけ医の先生も同じような意見を持っていらっしゃる方もいらっしゃるということです。 以前に南相馬、震災前ですけれども、訪問看護ステーションというものがオープンして、そこでリハビリテーションを提供しようという動きがありました。実際、二年、三年ほど運営されていたんですけれども、まだ南相馬の方は施設や医療機関の中に入院されている方が非常に多く、地域でのそういうサービスというところのニーズが余りなかった時代があります。そのときにリハのニーズが非常に高かった。ただ、訪問看護ステーションをオープンしないとそういうサービスが提供できなかった。看護師さん二・五人必要になってくると、経営できなくて結局駄目になってしまったと。 この特区制度については非常にチャレンジだと思いますし、地域の方々にとって、大きな屋根の中にある病院、地域全体が病院と同じような役割を果たすのだと思っておりますので、是非延長はしていただきたいなと思います。 そもそも論になるんですけれど、復興とはどういうことなのか、改めて大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(高木毅君) お答え申し上げます。 東日本大震災からの復興の目的は、何よりもまず、住まいの再建あるいはなりわいの再生を通じて被災地を元の姿に復旧させて、一日も早く町に人を戻すことだというふうに思います。このため、町のにぎわいの再生、新たな町での交通網の形成、そしてまた医療、介護の提供体制の整備等を進めて、被災者が安心して暮らせる生活環境を整備していくことが重要だと思います。 また、被災地は、震災以前から少子高齢化や、あるいは人口減少等の中長期的な課題を顕著に抱えておりまして、言わば我が国の課題先進地でもあります。東日本大震災からの復興に当たっては、単なる原形復旧を目指すのみならず、被災地を地方創生のモデルとして、課題先進地を問題解決先進地へと変えていくことが重要だと考えております。 こうした基本的な考え方の下、高齢者が健康で地域社会に参加するための取組など、地域のコミュニティー形成等に取り組んで、創造と可能性の地としての新しい東北をつくり上げていくことができるよう全力を尽くしていきたいと考えております。
○山口和之君 ありがとうございます。 ただ、今大臣がおっしゃった我が国の課題、それを課題先進地として、日本だけではなく世界のモデルになれるように、東日本の大震災があったことによってすばらしい地域がつくられていくように、それが復興なんだということだと思います。 ただ、この特区制度、やはりどこか応急処置的な感覚がどこかにあって、期限を限定したり次へのステップというのが見えてこないということになりますと、そこで働きたいという人たちもなかなか集まりにくい状況があります。 そこで、お願いしたいことは、復興とは何かという理念に立ち返れば、復興がある程度進んだ段階で日本の先進的な未来像を先取りする総合特区型の制度に転換すべきと思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(高木毅君) 被災地で実施されております規制緩和措置等の特例については、被災地における住まいはもとより、先ほど申し上げましたけれども、医療、介護といった生活環境の全てを向上させることが重要と捉えております。さらに、規制緩和措置等の特例を活用した被災地の取組の中で被災地以外の地域にも参考となるものがあれば、適宜関係省庁と情報共有をしてまいりたいと考えております。
○山口和之君 改めて、被災地特区で頑張っている皆さんが、やりがいがあって、これから日本の課題を解決していく先駆けになれるように最善を尽くして努力しているところだと思います。是非それを酌んでいただいて、また更にステップアップするような体制をつくっていただいて、これから、震災が多い日本です、災害が多い日本です、その中でどういうふうに対応していくか。また、新たな課題を、出てきた課題を解決していく先駆的な事例になるように今後も進めていっていただきたいと思います。少し時間が余りましたけれども、是非この話を進めていただきたいと思います。それで終わらさせていただきます。 ありがとうございました。
○吉川沙織君 民進党の吉川沙織でございます。 本日は、国会所管の決算も含まれているということでございますので、私は、国会所管の決算ということに焦点を当てて質疑をしたいと思います。 平成二十六年度国会所管歳出決算報告書を見ますと、議案類印刷費に関して額が計上されています。この議案類印刷費に関してはどのようなものがこれに含まれているのか、まず参議院と衆議院それぞれに伺います。
○事務総長(中村剛君) お答えいたします。 御質問の議案類印刷費の主な支出項目ということだと思いますけれども、委員会会議録、予算書、決算書、公報、法案類、それから質問主意書、答弁書などでございます。 以上です。
○衆議院事務総長(向大野新治君) お答えさせていただきます。 今、中村参議院事務総長からお話がありましたように、衆議院も全く同じでございまして、委員会議録、本会議録といった会議録類や、法律案、予算書、決算書、請願等の議案類のほか、公報、官報、質問主意書、答弁書などでございます。
○吉川沙織君 今それぞれ、委員会の会議録、それから主意書、法律案、公報等という答弁でございました。 衆議院におきましては、議院運営委員会の庶務小委員会が行われた際にはその会議録が公表されています。直近のものを見ますと、平成二十七年八月二十六日、衆議院議院運営委員会庶務小委員会で事務総長は、「七番目は議案類印刷費でございます。これは、委員会議録、法律案及び公報等の印刷購入に必要な経費でございます。」とおっしゃっていますので、今、それぞれ衆議院、参議院でこの項目に何が含まれているかということを確認をさせていただきました。 そこで、この決算書、改めて平成二十六年度国会所管歳出決算報告書の議案類印刷費の項目の支出済歳出額を見てみますと、衆議院で約五億八千五百万円、参議院で約四億四千五百万円にも上っていますが、これらの印刷物のうち、議員に配付されているものの総額はどの程度になるか、参議院、衆議院それぞれに伺います。
○事務総長(中村剛君) お答えいたします。 議案類印刷費のうち先生方にお配りした会議録や公報等に関する費用の総額は、平成二十六年度実績で約一億四千万円でございます。 以上です。
○衆議院事務総長(向大野新治君) お答えさせていただきます。 衆議院の場合は、約三億円ということでございます。
○吉川沙織君 この議案類印刷費に係る支出済歳出額のうち、各議員事務所に配付されているものの総額は、参議院においては約一億四千万円、衆議院においては約三億円に上るということでございました。 衆議院議員は、平成二十六年度決算ということでございましたら、ほぼ四百八十人いた頃でございますので、三億円を四百八十人で割りますと、一人当たり配付物に係るものが約六十二万円、参議院議員は二百四十二名でございますので、一億四千万を一人当たりに直しますと約五十八万円、印刷したものを配付するのに費用が掛かっているという、こういうことでございます。 参議院規則見てみますと、参議院規則の中に「印刷して各議員に配付する。」と書かれている条文は、第二十四条、第二十七条、第五十八条、第七十二条の四、第八十条の四、第八十条の六、第百二十五条、第百五十三条、第百六十条、第百六十五条、第二百二条に書いてあります。この参議院規則というものが定められたのは、第一回国会、昭和二十二年六月二十八日のことでございます。今申し上げた条文の中で昭和二十二年の制定当時になかったのは、調査会に係る項目で、第八十条の四と第八十条の六の項目です。 このときは確かに印刷して配付するということが大事だったかもしれませんし、大きな意味を、今ももちろん持っている側面はありますけれども、あったかもしれません。でも、今、時代背景も財政環境も大きく異なっています。我が参議院においても、各議員に年間配付物で約五十八万、総額一億四千万掛かっている、このことについてはいま一度見直してもいいのではないかという時期に来ているかと思います。 ただ、参議院先例録一六三、「議案は、その提出文、送付文又は回付文とともに印刷に付する」とあるように、議案等の印刷、また配付は重要なことですが、全てに関してそうあるべきかということに関しては、決算の観点からももう一回見てもいいのではないかと思います。 ここからまた少し違う観点で伺いたいと思います。 議案類印刷費に含まれる、今、衆議院事務総長からも参議院事務総長からも、議案類印刷費によって発行される印刷物の中に会議録が含まれる、こういう御答弁でございました。この会議録に関しましては、日本国憲法第五十七条にも規定されるように重要なものであると考えておりますが、参議院、衆議院、それぞれから改めて答弁をいただきたいと思います。
○事務総長(中村剛君) お答えいたします。 委員会会議録にいたしましても本会議会議録にいたしましても、この会議体が生み出す大切な宝物だと思っております。会議の議題、発言、採決の内容それぞれが全て記載されていて、現在また将来にわたって参照され続ける大変重要な書類だと思っております。 以上です。
○衆議院事務総長(向大野新治君) 今おっしゃいました憲法五十七条の二項の規定が保存、公表、頒布を義務付けていますのは、基本的には、その趣旨は、議院の会議の内容を国民の前に明らかにする、それから議院の活動を国民の監視下に置くということでございまして、このような意味で会議録というのは議会制民主主義にとりまして大変重要な役割を担っている、だからこそ院に永久に保存されるものと定められていると認識しております。
○吉川沙織君 今、衆議院事務総長、参議院事務総長から、それぞれ会議録の重要性というものについて答弁をいただきました。 衆議院においては、平成五年三月五日の衆議院予算委員会第一分科会や、平成十八年三月の衆議院予算委員会第一分科会等で事務総長自身が、「国会の正式な記録というのは、会議録、委員会議録、本会議録でございます。」と答弁をされていましたが、参議院事務総長としては、会議録の重要性について答弁をいただいたのは今回が恐らく初めてではなかろうかと思います。 憲法第五十七条は会議録の頒布を定めていますが、これと同時に、議院の会議は公開が原則だとも書いてあります。会議公開の原則は議会制民主主義の大原則の一つであり、今、衆議院事務総長もおっしゃいましたとおり、国民への情報提供を重視して、憲法は特に会議録を国民に公表することを衆議院及び参議院に義務付けている、こういうことが明確に言えると思います。 参議院事務総長は、今の答弁で、将来にわたって参照され続けるのが会議録であるとお述べになりました。また、かつての衆議院事務総長の答弁で、委員会の会議録、衆議院では委員会議録と称しておりますが、これらは国会の正式な記録であるとも答弁が既になされているところです。 この会議録で、こうやって静かな状況でしたら全て文字をきれいに取っていただくことはできると思いますが、例えば議場が騒然となったり大きな声がいろんな議員からなされているとき、つまり聴取不能となった場合、この箇所を例えば議長や委員長の権限で補足掲載することがあるかも分かりません。音として聞こえていないものを補足掲載するということは本来あってはならない、原則の例外中の例外だと思いますが、参議院委員会先例録三〇二では、「速記不能の箇所について会議録に補足掲載した例」として過去例が挙げられています。例として存在する以上、総件数について、参議院と衆議院それぞれで把握していると思いますが、その総件数について参議院と衆議院に伺います。
○事務総長(中村剛君) お答えいたします。 速記不能の箇所を会議録に補足掲載した例ですけれども、遡って参議院は二十六例ございます。
○衆議院事務総長(向大野新治君) 平成十五年版の衆議院委員会先例集、この柱の二七八の備考の二に、「委員会の議事に関する速記不能の箇所を、衆議院公報所載の委員会議事経過を転載して補ったことがある。」ということが記載されているんですが、ここにあるのが六例でございます。ただ、これが全部かどうかというのはちょっと確認はできないですが、そこには六例載っているということでございます。
○吉川沙織君 今、参議院において、聞き取れずに、どうしても聞き取れずに補った例は二十六例あり、衆議院では、全てではないかもしれないがと前提付きの答弁でございましたが、六例ということでございました。二十例、衆議院と参議院で補足掲載した、しなかったの差がここから如実に分かります。 では、二十六例と六例あるとするならば、最近の例について少し見てみたいと思いますが、その前に、今、衆議院事務総長は答弁の中で、衆議院委員会先例集の例を引かれました。 この速記不能の箇所について補足掲載するにしても、衆議院と参議院の場合で方法は異なっています。参議院においては、衆議院より、より直接的に議長なり委員長なりの会議録作成権限を表面に出して、権限に基づく議事経過の補足掲載を参議院の方が単刀直入に行っているということもあって、件数が多いということは一つの側面として言えると思います。 ここで確認させてください。速記不能の箇所を補足掲載した例において、一番最も近い例、参議院と衆議院、それぞれ伺います。
○事務総長(中村剛君) お答えいたします。 直近の例でございますけれども、昨年の通常国会、九月十七日の平和安全特の例が直近の例です。
○衆議院事務総長(向大野新治君) 衆議院の場合、現在確認できる直近の事例は、第六十一回国会、昭和四十四年七月二十四日の文教委員会の事例でございます。
○吉川沙織君 今、参議院で直近の補足掲載の例は昨年の第百八十九回国会平和安全特の例、衆議院は第六十一回国会、昭和四十四年七月二十四日の文教委員会の例。私、昭和五十一年の生まれでございますので、私が生まれる前の例が最後だということになりますが、ここで重ねて伺います。 会議録の補足掲載部分で速記を開始した例というのは過去にあるのかどうか、参議院に伺います。
○事務総長(中村剛君) 御質問は、会議録の末尾に「速記を開始」という文言を入れた例があるかということでありますけれども、それは昨年の平和安全特の例が一例でございます。
○吉川沙織君 昨年の平和安全特一例のみということでございますが、そもそも速記不能となる前に速記を中止した例が前の二十五例はなかったということだと思います。 それでは、引き続き参議院事務総長に伺いますが、会議録の末尾の補足掲載部分で附帯決議を行ったとした例があるのか否か、伺います。
○事務総長(中村剛君) お答えいたします。 その「附帯決議を行った。」という文言が会議録の末尾に掲載されている例という意味だと思いますけれども、それは先ほどと同様ですが、昨年の九月十七日の平和安全特の一例でございます。
○吉川沙織君 補足掲載、末尾のところで速記を開始した例も去年の平和安全特一例、それから「附帯決議を行った。」と補足掲載の部分で書いたのも一例ということでございますが、その理由について伺います。
○事務総長(中村剛君) 先ほど、会議録末尾に議事経過を掲載したのが全部で二十六例あると申しました。その昨年の九月十七日の例を除くあとの二十五例については、附帯決議を議題としておりませんので、書いていないということであろうと思います。
○吉川沙織君 会議録に、しっかりと音が聞き取れない状態で、でも議事経過を載せざるを得ない。つまり、議長や委員長がその権限を全面的に押し出して議事経過を補足掲載するということを意味する。議場が騒然としていたり、議員がいろんな発言をしていたりして聴取不能だったりするため、そもそも附帯決議はそのような環境で本来行われるようなものではない、だからこそこれまでに一例もなかったんだと思います。 昨年の平和安全特別委員会では、会議録の補足掲載部分において、「なお、両案について附帯決議を行った。」とされていますが、提出者がここからは読み取れません。提出会派もここからは読み取ることができません。このような例は過去にあるのかどうか、伺います。
○事務総長(中村剛君) 提出者の氏名と会派が明らかでないということでありますけれども、これについては昨年の九月十七日の平和安全特の例が一例あるだけでございます。 以上です。
○吉川沙織君 附帯決議は、私も会派を代表して提出をし、読み上げたことがございますが、提出をする際に賛同する会派名を名のり、それからその附帯決議を提出する議員自身がそれを読み上げて、しっかりと会議録に残ります。しかし、昨年の平和安全特委では、補足掲載の部分で、「なお、両案について附帯決議を行った。」とされているだけで、提出者も分からなければ提出会派もどこをどう読んでも分かりません。 更に言えば、附帯決議を行ったとされているんですが、当日のこの委員会の会議録からは附帯決議の内容は読み取ることができません。このような例は過去にあるんでしょうか。
○事務総長(中村剛君) お答えいたします。 附帯決議の内容は、附帯決議の提出者が委員会でその内容を読み上げますので、会議録を読めば分かる形になります。昨年の九月十七日の会議においてはそれができていないということだと思います。
○吉川沙織君 昨年の九月十七日、平和安全特委の会議録の補足掲載部分では、先ほどから申し上げておりますとおり、「なお、両案について附帯決議を行った。」としているにもかかわらず、提出者も提出会派も明らかでない上、当日の委員会会議録からは附帯決議の内容も読み取ることができないということが改めて明らかになりました。 しかしながら、先例のない、前例のない形で、こういう形で附帯決議を行ったと補足掲載したのであれば、どこかでそれが読めなければならないと思います。読める場所を教えてください。
○事務総長(中村剛君) お答えいたします。 九月十七日の例に即して言えば、九月十七日に鴻池委員長から山崎議長に提出されました審査報告書の末尾に附帯決議は添付されているはずでございます。それから、この当該議案が本会議にかかりました九月十九日の本会議会議録の末尾にその審査報告書全体が掲載されていると思いますので、そこを読めば分かるということでございます。 以上です。
○吉川沙織君 委員長から議長に提出される審査報告書の中に掲載をされ、さらに参議院会議録、これを全て読めば分かるということでございました。 ここにいらっしゃる議員の皆さんもこの官報号外、参議院会議録、先ほど申し上げましたとおり、議案類印刷費から支出をされて印刷され、配付されているものですから、必ず各議員の事務所に届いているものだと思います。ただ、全ての配付物に目を通すかといえば、そうではないと思いますし、この参議院会議録見れば、その附帯決議は、審査報告書が小さい字で最後に書かれているだけで、四十ページ中、三十ページまでめくってやっと読み取ることができるような状況でございます。これは、この会議録を見てここの末尾に審査報告書が載っているということを知っていなければ、たどり着くことはできないものと考えられます。 実際、ここにいらっしゃる議員のどれほどの方が、委員長が議長に提出する審査報告書が毎回付いていて、参議院会議録の末尾に小さく掲載されているということを、そしてそこに附帯決議の内容が書かれているということを、どれほどの方が御存じなのかという思いに駆られています。 更に申し上げるならば、審査報告書の中で附帯決議を辛うじて読むことはできますが、これを読んだとしても、やっぱり提出者や提出会派はここから読み取ることはできません。後世に参照され続ける記録としては不十分であると指摘せざるを得ない側面がどうしてもあると思います。 そこで、また違う観点から指摘をしたいと思います。 昭和五十五年七月二十五日、第九十二回国会で、当時の議長は、参議院改革協議会において、「「開かれた参議院」として国民が審議内容等を容易に知り得るよう改善に努めたい」などとする提言を行いました。 さらに、昭和五十六年七月三日、第九十四回国会閉会後、参議院改革協議会小委員会は、この提言を踏まえ、「「国民に開かれた国会」という指針の下に」、「会議録の配付、閲覧等による情報の提供拡大」等の広報拡充計画要綱を決定しています。 さらに、続いて、昭和六十年十一月二十日、議長への答申で、国会会議録検索システムの構築について関係機関と共同して検討を開始し、平成四年には、衆議院、国立国会図書館と会議録フルテキスト・データベース検討会の設置に至り、現在の国会会議録検索システムが存在しています。 今取り上げました去年の九月十七日の平和安全特委の附帯決議については、九月十七日当日の委員会会議録からは読めないことがこれまでの質疑の中で明らかになっているところでありますが、国会会議録検索システムではこれは検索に引っかかるんでしょうか、国立国会図書館に伺います。
○国立国会図書館長(羽入佐和子君) お答えさせていただきます。 当該の附帯決議につきましては、本会議の会議録に審査報告書の一部として掲載されていますが、検索の対象とはなっておりませんので、検索することはできません。
○吉川沙織君 確かに、私も一生懸命検索して、この附帯決議どこで読めるんだろう、どんな内容なんだろうと思って何回も検索をしました。ようやくこの官報号外、参議院会議録で読み取ることが四十ページ中の三十ページ目でできましたけれども、検索には引っかかりません。 強いて言えば、九月十九日参議院会議録、つまり、この日の本会議の会議録を指定した上で、国会会議録検索システムの画像を選択というところがあります。これ、PDFかTIFF形式を選ぶことになっているんですが、PDFかTIFF形式を選択し、画像を表示させた上で、四十ページある中の三十ページまでスクロールさせてやっと見付けることができるような状態です。しかも、PDFは透明テキスト付きPDFではないため、そこに掲載が絶対されているということを知らなければ、見付けることはほぼ不可能であると言わざるを得ません。 では、なぜ国会会議録検索システムで昨年九月十七日の平和安全特委の附帯決議が検索できないのか、その理由について教えていただければと思います。
○国立国会図書館長(羽入佐和子君) 御指摘のとおりでございまして、当該の附帯決議につきましては、記録された発言内容としては議事録に含まれておりません。そのために検索の対象になっていません。 と申しますのは、国会会議録検索システムにおける検索対象というのは、本会議及び各委員会において記録された発言内容、また日付、出席者、案件などであるためです。 以上でございます。
○吉川沙織君 つまり、国会会議録検索システム、これは私たちの先人である議会の先輩が、開かれた参議院、開かれた国会、情報公開を国民の皆様に広く行う、こういう趣旨で、すごい年月を掛けてつくってきたものです。平成十一年から一部運用開始、平成十三年四月から衆参の本会議と全委員会の会議録情報に拡大されて、しっかりと今は国会図書館がそれを運用していただいていますが、国民の皆様にとって最も身近な会議録の情報検索ツールは、もう今や国会会議録検索システムであると言えると思っています。 例えば、今申し上げたとおり、それまで国会会議録検索システムはテキストで検索して、そのときに画像を見たければTIFF形式しか選択できませんでした。平成二十六年十二月二十二日にはPDFにもこれが拡充されて、より国民の皆様にとって議会の情報が行き渡るような形になりました。 でも、去年の九月十七日の補足掲載されて、行ったとされる附帯決議については、それすら読むことができません。これは、議会の先人が一生懸命つくってきた開かれた国会という趣旨にももとるものではないかと思っています。 そこで、今まで補足掲載された例と、それに伴うこれまであり得なかった例について、特に参議院事務総長についてそれを伺ってまいりました。速記を補足掲載の中で起こしてしまったり、附帯決議を行ったとしたり、その内容が読めなかったとしたりという例を概観してまいりましたが、逆に速記不能の箇所があっても補足掲載しなかった例というのもあると思いますが、その総件数について、参議院に伺います。
○事務総長(中村剛君) お答えいたします。 速記不能の箇所があっても会議録に補足掲載をしなかった例、これは過去遡って二十四件ございます。
○吉川沙織君 補足掲載しなかった例は二十四件。恐らく様々なキーワードがあると思います。議場騒然であったり、聴取不能であったり、発言する者であったり、そういうことがあると思いますが、恐らく今のは何らかの前提条件を置いて二十四件と出しているはずなんですが、その検索用語は何かございますか。
○事務総長(中村剛君) 御質問の答えになっているかどうかちょっと分かりませんけれども、聴取不能であって補足掲載していない例、補足掲載するかしないかは先生方の御判断でありますけれども、例えば、議場騒然であってもところどころ速記が聞き取れる部分があるとか、そういう部分に関しては補足掲載をしていないという例が多いなと思っております。
○吉川沙織君 今、参議院事務総長は二十四件とだけおっしゃったんですが、これは検索する際に、私も自分でいろいろ検索してみました。キーワードで出てくる件数が違うものですから、恐らく何らかの前提条件、例えば、今回は聴取不能と記載があった会議録で検索したら二十四件程度だと思うので、それを確認したいという趣旨で質問を申し上げたので、それはそういうことでよろしいですね。
○事務総長(中村剛君) 会議録の中には、聴取が不能で「……」と書かれているだけのもあります。それを検索で見付け出そうとしても、なかなかできるものではありません。実は、二十四件と申し上げたのは、私どもの職員が悉皆調査をして、補足掲載されていない、それでなおかつちょっと聴取不能であった部分について、一つ一つ確かめたその数字でございます。
○吉川沙織君 会議録に補足掲載しなかった例を引く際に、聴取不能と記載があった会議録を対象に今回調べたということでよろしいかと思いますが、ここで、会議録における聴取不能とは一体何なのでしょうか。 例えば、昨年九月十七日の平和安全特委の補足掲載される前段のところを見ますと、「(発言する者多く、議場騒然、聴取不能)」、これで「〔委員長退席〕」となっています。 委員会室では何にも聞こえなかったということを意味しているものと思いますが、会議録における議場騒然や聴取不能とは何を指すのかについて、参議院に伺います。
○事務総長(中村剛君) 会議録には、そもそも、会議の状況を明らかにするために、例えば「発言する者あり」とか、「賛成者起立」とか、あるいは「速記中止」とか、最小限の状況を補足的に書き込んでおります。 「議場騒然」というのは議場の状況を明らかにする文言の一つだと思いますけれども、議場が騒然としたため正規な発言を聴取することが困難な状況を示すものと思っております。また、「聴取不能」とは会議における発言が聴取できない状況を示すものでございます。全ての発言が聴取不能の場合は、この二つを組み合わせて、「議場騒然、聴取不能」と書く例でございます。 以上です。
○吉川沙織君 何も聞こえない状況、つまり、「議場騒然、聴取不能」と組み合わされれば全く何にも聞こえないということだと思いますが、後世に参照され続ける記録として、補足掲載の範囲、もちろん議長や委員長の権限を前面に押し出して、それを妨げるものはありませんが、ただ、この範囲というものは限度があってしかるべき、議論があってしかるべきものではないかと思います。 ここで衆議院に伺います。先ほどの答弁によれば、衆議院における補足掲載の直近の例は昭和四十四年七月二十四日の文教委員会まで遡ります。つまり、衆議院においては、昭和四十四年以降、会議録の補足掲載を行っていないということにも読めますが、なぜ衆議院は会議録の補足掲載、やめたんでしょうか。
○衆議院事務総長(向大野新治君) お答えさせていただきます。 この理由につきまして確定的なことはちょっと申し上げられないんですが、この文教委員会の二年後に、六十七回国会、これは昭和四十六年十一月十七日なんですが、沖縄返還協定特別委員会でやはり同じように速記不能の箇所がありまして、これを、公報の委員会経過を転載するかどうかということでやっぱり議論になりまして、最終的にはもうそれは載せないという形になりまして、恐らくこれが一つの先例になったんじゃないかと思います。
○吉川沙織君 聞き取れない以上はそれは補足掲載をしない、どっちにしても委員長の権限で審査報告書が出れば本会議に上がっていくわけですので、後世に参照され続ける記録を正確に残すのであれば、そういうことも一考に値するのではないかと思います。 また、今まで補足掲載をした例、しなかった例について聞いてまいりましたが、昨年の会議録に係る件でもう一点、確認をさせていただければと思います。 参議院委員会先例録二八〇、「派遣委員は、調査の結果について報告する」とありますが、地方公聴会のための委員派遣を行った場合において、派遣委員の報告が行われないまま議案の採決が行われた例について、参議院に伺います。
○事務総長(中村剛君) 今御指摘の例でございますけれども、昨年の九月十七日の例が一例です。 以上です。
○吉川沙織君 衆議院委員会先例集二一六、「派遣委員が、調査報告を行う。」、これは衆議院の先例集に書かれています。実際、衆議院平和安全特別委員会では、平成二十七年七月六日に二班に分かれて委員派遣が埼玉と沖縄に行われて、七月八日に委員派遣の報告聴取が行われています。 我が参議院においては、昭和六十年五月、議院運営委員会理事会において「議員派遣の問題に関する議院運営委員会報告書」をまとめ、その中で委員派遣の改善を決定しています。「各委員会は、委員派遣の結果について、委員会において口頭報告を行い、さらに、政府に対し質疑を行い、参考人等から意見を聴取するなど、委員派遣の成果を国政に反映させ、立法その他に資する。」としたにもかかわらず、昨年は、残念ながら委員派遣の報告が行われないまま議案の採決が行われてしまった初めての例となってしまったわけであります。 先ほどの答弁において、会議録の補足掲載で附帯決議を行ったと書いた例は昨年九月の平和安全特委一例のみということが明らかになったところです。参議院委員会先例録一七〇、「委員会において決議を行ったときは、所管の国務大臣等が所信を述べるのを例とする」とありますが、附帯決議を行ったと補足掲載した昨年九月の平和安全特委では、どのように映像を確認しても、附帯決議が行われたとされたとする後の映像を見ても、大臣が立ち上がって何かしゃべっているような絵はどうやっても確認できませんでした。 例えば、事実の事例で結構ですが、過去、附帯決議が行われた後で国務大臣が所信を述べなかった例というのがあれば教えてください。
○事務総長(中村剛君) 過去に遡って調べましたが、第五十八回国会と第六十八回国会、この二例しか見付かりませんでした。 以上です。
○吉川沙織君 基本的に、附帯決議が行われれば、所管の大臣が、決まり切った文言ですけれども、一応決意を述べるということになっています。 また、我がハウスにおいて、今年に入ってから参議院本会議で北朝鮮に対する抗議決議を二回、全会一致で行いました。決議案可決した後、ここにいらっしゃる議員の皆さん御記憶あると思います、総理が所信を述べています。これは参議院先例録三六二に、「議院の会議において決議案が可決されたときは、国務大臣が所信を表明するのを例とする」、この先例に倣って、総理が抗議決議が全会一致で可決された後、所信を述べているわけでありますので、昨年九月の平和安全特委ではその所信が述べられていないという蓋然性が高い以上、このような例は繰り返されるべきではないと思います。 立法府に身を置く議会人は、議会の先人の知恵で積み上げられてきた法規、先例を大事に議会運営に携わるべきであると考えます。もちろん、法規と違って、先例は時代によって変わっていく側面もあるでしょうし、墨守するものでもないと思います。しかし、先例は法的拘束力はないものの、これまでの議事運営の積み重ねであり、議会の先人の知恵の結果であり、十分尊重すべきものであると思っています。 最近は、どちらかといえば政略的配慮を優先し、先例をないがしろにする傾向があるのではないかと思っています。民主主義だから過半数を得れば何でもできるとしてしまう新自由主義的発想での議会運営は、その都度態度を決めればいいとするルールなき議会運営につながるおそれもはらんでいると思っています。 今回答弁をいただいた中で、去年の九月の例が一例のみであるという、こういう例が残念ながら多うございました。またいずれ、参議院委員会先例録や参議院先例録が編集されるときが来ると思います。恐らく、このような例は先例録に載せるべきものではないと思いますが、議会の歴史の中で前例として残ってしまうと思います。このような例は繰り返すべきではないという思いを申し上げて、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(小泉昭男君) 午後零時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時十八分休憩 ─────・───── 午後零時三十分開会
○委員長(小泉昭男君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、平成二十六年度決算外二件を議題とし、国会、会計検査院、復興庁及び環境省の決算について審査を行います。 この際、中村参議院事務総長から発言を求められておりますので、これを許します。中村参議院事務総長。
○事務総長(中村剛君) 冒頭、お時間をいただき、恐縮でございます。 午前中の吉川沙織委員の御質問にこういうことがありました。内閣提出議案に対する附帯決議に対し、国務大臣が所信を述べなかった例はあるかという御質問がありました。 私の方から、遡って調べますと二件ございます旨の答弁をいたしましたが、正確には、昭和四十三年まで遡りますと二件あるということでございます。謹んで訂正をさせていただきます。 お時間をいただき、誠に恐縮でございます。
○委員長(小泉昭男君) 質疑のある方は順次発言願います。
○安井美沙子君 民進党・新緑風会の安井美沙子でございます。 まずは、熊本地震で亡くなった皆様に心よりお見舞いを申し上げますとともに、今もなお不安の中で大変不便な生活を強いられている皆様に心からお見舞いを申し上げますとともに、このことについては与野党を超えて早期の打開に向けて努めてまいりたいと存じます。 熊本の地震のことがございましたので、ちょっと質問の順番を変えさせていただきますことを御了承ください。 政府・与党内では、早くも、長期の熊本の復旧復興を見据えて、今年度補正予算の編成を求める声が出始めたという報道があります。高木大臣は、いずれこの熊本地震の復興も担当されることになるのでしょうか。
○国務大臣(高木毅君) 通告はいただいておりませんが、お答えをしたいというふうに思います。 まずは、何をおきましても、今は人命救助、あるいはまた被災者の生活支援、そしてまた緊急的なインフラの整備、そういったところに政府一丸となって、もちろん与党、野党問わずに今取り組んでいただいております。その後いよいよ復興という話になってくるんだと思いますが、今の法律の立て付けでは、復興庁は、東日本大震災からの復興ということになっているところでございます。 ただ、東日本大震災からの復興を通じていろんなノウハウは持ってございますので、できるだけのことは復興庁としてもしていく必要があるだろうなというふうには思っているところでございます。
○安井美沙子君 もっともだと思います。東日本大震災からの復興に当たられているわけですから、その経験値は大変なものがあると思います。それを是非とも熊本の復旧復興に生かして指揮命令をしていただきたいと思います。 現時点の状況を見た上で、今後の、東日本からの教訓をどう生かしていきたいか、現時点で結構でございますので、お答えいただければと思います。
○国務大臣(高木毅君) 先ほども申し上げましたが、今はとにかく人命救助等先ほど申し上げたことに専念をするということだというふうに思います。その後は、やはり今も避難先で大変御苦労いただいております住まいといったものをしっかりと、仮設住宅と言っていいかと思いますけれども、そういったものはしっかりとやらなきゃなりませんし、また、そのハードだけではなくて、あわせて、避難生活というのは大変厳しいものがございますから、しっかりと心身のケアというものもやっていく必要があるだろうというふうに思っております。 ただ、復興庁として、今の時点では、東北まだ復興道半ばでございますので、東北、東日本大震災の復興に全力を傾注する、あわせて、今後、熊本地震に対して、必要があるならばこれまでの復興庁としてのノウハウというものを提供できればいいというふうに思っているところでございます。
○安井美沙子君 是非よろしくお願いいたします。 安倍政権は今月五日に、今年度の当初予算を前倒しで執行することを決めたと承知しております。これを受けて、麻生財務大臣はこうおっしゃっていますね。公共事業は、上半期末で全体の十二兆一千億円の八割程度が契約済みとなることを目指すと。契約を前倒しする事業には、東日本大震災の復興事業の復興特別会計一・九兆円以外にも、道路や港湾、上下水道といった公共事業など一般会計七・七兆円のほか、高速道路や国立大学の校舎、鉄道建設など独立行政法人関係の施設費二・二兆円も対象となっています。 安倍政権がアベノミクス三本の矢の二本目、機動的な財政支出を実施したことで全国の資材不足、資材の高騰、人件費の高騰が起こりまして東日本大震災被災地復興に支障が出たと言われておりますけれども、実際、これどのように分析されていますか。
○国務大臣(高木毅君) 申し訳ございません。ちょっと通告をいただいておりませんので、今すぐここではお答えは控えさせていただきたいと思います。
○安井美沙子君 通告をしたものを実は二つに分けて御質問したいと思っております。 まずは、この機動的な財政支出ということをしたことで東日本大震災の復興にどのようなマイナスの影響、あるとしたらどのように起こっているかということをまずはお答えいただきまして、その後、今回前倒し執行を閣議決定したということで東北地方の復興が同様の理由で遅れる心配はないのかと。今まで機動的な財政支出をして私たちは復興に支障が出たと思っておりますので、今般また前倒し執行することで今後の東北の復興が遅れるのではないかということ、これ二つに分けてお伺いしたかったのですが、一つにまとめてでも結構です。
○国務大臣(高木毅君) 御案内のとおり、先ほど御指摘いただきましたけれども、四月五日、財務大臣から公共事業等について上半期末に予算現額の八割程度が契約済みになるよう目指すという前倒し執行の指示がございました。 復興予算につきましては、御指摘のとおりでございますけれども、その性格上、あらかじめ予算を手当てしたり、あるいはまた執行に当たって関係者の合意形成に時間を要するケースが多いことなどから、予算執行で不確実な面があることは事実でございます。こうした中、一日も早い被災地の復旧復興に資するため、これまで累次の加速化措置を講じて事業の進捗に努めてきたところでございます。 今回、上半期八割程度という数値目標はあくまでオールジャパンとしての目標であると認識しておりまして、国交省などの事業実施官庁においてこの目標を踏まえて迅速かつ適正な執行に努めていただけると考えているところでございます。
○安井美沙子君 だから最初の質問分けて聞いたんですよね。 オールジャパンで、日本各地に建設の資材、特にオリンピックも控えておりますよね、資材が回ることで資材が不足になって高騰する、また人件費が高騰する、こういうことで、復興の予算は確保しているものの実際に困るのではないか、これを聞いております。
○国務大臣(高木毅君) オールジャパンということでやるわけでありますけれども、当然これが私の立場から復興に支障が出るということのないように配意を私はしていかなければならないというふうに思っております。 また、被災地というのは、今も御指摘いただきましたけれども、人手不足なども顕在化しておりますし、また関係者の合意形成などもなかなか難しい、あるいは人件費の高騰などもございます。ですから、被災地にはそうした事情がございますので、そうした実情を踏まえてこの前倒し執行というものをやっていくという必要があるんだろうというふうに思います。 しかし、いずれにしても、しっかりと前倒しすることによって、今の日本の経済、景気というものを支えるという大事な側面もあるわけでございますので、被災地のことも思いながら、またそうした日本の景気、経済というものも考えながら執行していくということだというふうに思います。
○安井美沙子君 安倍総理はいつも、福島の復興なくして日本の経済の再生はないとおっしゃっていますよね。私、それ何度聞いてもいつもクエスチョンマークが出るんですよ。要は、公共事業を全国で、あるいはオリンピックの準備も含めて、がんがんがんがんやっていらして、そして被災地への人や資材が回らないという事態を起こしておいて、どうしてこういうことを言えるのかといつも思っているわけです。 そして、今度また二十八年度の当初予算を全国で前倒し執行するということで、同じ過ちを繰り返してほしくない。もうこれ以上東北地方の皆様に御迷惑を掛けたくない。これは過ちを正してほしいと思っております。 そして、公共事業の乗数効果というのは限定的です。これは過去の事例で分かっております。分析が済んでおります。そして、むしろ先ほど私が指摘申し上げたように弊害が出ております。この弊害については御答弁いただけませんでしたけれども、これでは私は、日本の復興もままならないし、日本経済の再生にもつながらないと思っています。 むしろ、こういった公共事業の支出というよりは、同じ公共投資であっても、私どもが訴えておりますような保育士や介護士等の人への投資、これの公共投資であれば福島の復興には何の影響もありません。また、ボトムアップで経済を再生するにつながると思います。 こうしたことをよくお考えをいただきまして、復興を直接に担当していらっしゃる高木大臣から是非総理に提言をしていただきたい、このように思います。いかがでしょうか。
○国務大臣(高木毅君) いずれにしても、被災地で大変御苦労いただいている方がたくさんいらっしゃる、それに対してしっかりと支援をしていくということだというふうに思っております。ですから、これからも引き続き復興に全力を傾注していくということが大事だというふうに思っております。
○安井美沙子君 御担当のところに傾注されるのはもちろんのことですけれども、過去に過ちがあったと私は思いますので、そこを復興担当の大臣ならではの経験から総理に是非進言をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。 さて、原子力規制委員会に伺います。 現在、熊本の地震を受けて、川内原発のことを非常に心配に思っている皆さんが多くいらっしゃいます。実際に昨日も大変大きなデモがこの国会の周りで起こっておりました。 四月四日の決算委員会で林経産大臣が野党議員の質問に対して、四十年掛けて廃炉を進めている福島第一原発の近隣地域で今回の熊本のような規模の大地震が起きた場合に、放射能漏れが絶対に起きないという保証はないというふうに答弁されたんですね。 それを受けまして、私、四月十四日に経済産業委員会でこのことをお聞きしたんですね。そうしましたらば、田中原子力規制委員長も福島第一原発があることで帰ってこれない状況ではない旨を地元の首長に語っているところでもありますし、したがって、現在の福島第一原発の状況が住民の帰還の支障になるというふうには考えていないわけでありますと、このように答弁をされたんです。 なので、今日は田中委員長に御意見を伺いたいと思ったわけですけれども、地震の際の放射能漏れ等の危険性、このことですね。廃炉に向けて作業中の福島第一原発、それから現在稼働中の川内原発、それとほかの停止中の原発、これ比較した場合に、同程度の大規模な地震に見舞われたと仮定した場合に、原発への影響にどんな違いがあり、危険性といえばどれが一番大きいのか、順番でお答えいただければと思います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先生から御質問がありました三つの種類の施設について一概に比較をするというのは困難でございますけれども、その上で、それぞれの施設について、私どもの安全確保の取組とその評価について少し御紹介をさせていただきたいと思います。 まず、福島第一原発は、これまで海側に近い位置にある海水排水トレンチの中に高濃度の汚染水があったんですが、そういったものは除去され、また四号機の使用済燃料も地上に下ろすことができたとか、あるいは継続的な冷却が、炉内の溶けた燃料の冷却もできるようになっているということで、基本的に大きなリスクが顕在化するような状況はなくなっているというふうに認識しております。 地震によってそういったものが大きな損壊を受けるというようなことについても、そういった評価についても、今私どもに設けております監視検討会で評価をして、対策を求め、それもきちっと対策を取られておりますので、一応今の段階で福島のその敷地の外に大きな放射能漏れを起こすようなことはなくなっております。 特に住民の方が心配をされていましたのは、再臨界のおそれはないんだろうかと。それについてはありません、これは技術的にはありません。それから、よくヨウ素の問題、甲状腺の問題がありますけれども、これも福島の場合には、もう冷却時間が長いですから、全く減衰してヨウ素はほとんどないと考えていいと思います。 そういったことで、昨年十月、周辺市町村に訪問して私どものそういった評価と認識をお伝えして、今後の帰還に向けて御説明をして、少しでも安心をして帰ってもらうようにという取組を行ってまいりました。 それから、今、熊本の地震が起こって、川内原発についての御心配があるわけですが、私どもは、今回、熊本の断層の直上というか間近において非常に大きな被害が起こっています。川内原発、原発どこでもそうですけれども、その直下にというか近くに活断層がないということを確認した上で認可しておりますので、ああいった地震が原発のところで起きるということはないと考えております。 それで、今回起こったいわゆる断層については、そこで仮にマグニチュード八・一、今回七・三ですかね、最大、今まで、マグニチュード八・一程度のものが起こっても原発の方には影響がない、大きな支障はないと。大体百五十ガルぐらいの地震動が来るんですが、今六百二十ガルの設計になっていますので、そういった対応をしております。 津波についても、様々な要因を考慮して、それに対する対策も、敷地に津波が、各重要な施設がかぶるようなことはないというふうに評価させていただいています。 そういうことで、先日、月曜日に、少しその辺の、今回の、そうは言っても国民の方は心配されていると思いますので、それについてはきちっとやっぱり私どももう少し丁寧に説明すべきだろうということで、臨時の委員会で、開いて御説明させていただいたところでございます。引き続き、まだ地震が続いておりますので、そういった説明については念入りに情報発信をしていきたいと思います。 また、停止中の原子炉については、今我が国の原子炉の中で一番リスクがあるとすると使用済燃料プールなんですが、それについては耐震性というのもきちっと評価しておりますし、緊急的な安全対策として移動電源車も含めたり、あるいは緊急的に水がなくなった場合の補給をできるような施設というのを求めております。いずれにしても、使用済燃料はかなり冷却していますので、そう大きなリスクは生じないというふうに思っております。
○安井美沙子君 御説明ありがとうございます。 おおむね分かったんですけれども、やはり素人としてちょっともう一点だけ確認させていただきたいのは、要は、それぞれの、川内原発にしても、それから福島の廃炉に向けた第一原発にしても、ほかの原発にしても、稼働中、未稼働、それにはかかわらず、それぞれの安全対策は個々にやっている、あるいはそのサイトというのは活断層の問題はないという個々の今お話だったんですけれども、一般的に、福島でいえば廃炉に向けて、建屋なんかも完璧ではないと思うので、そういったむき出しの状況といいますか、壊れた状況ということがより危険性を増すことはないのかという部分と、それから、川内原発がもしこれ稼働していなかった場合と今稼働している場合、比較した場合には危険性は違うのかどうか、これだけ教えてください。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 福島第一原発の場合は、先生御指摘のように、閉じ込める機能というのがほとんど失われておりますので、そういった地震によって大きな放射能放出につながるようなことがないようにするという対策を求めて、その手当てはしてあります。ですから、大きな放射能放出につながるような事態は起きないというふうに考えております。 それから、稼働中の原発と止まっている原発、当然、稼働中の原発の方が潜在的なリスクは大きいですが、それについては、新規制基準では、いろんな自然災害、地震だけではありません、津波、竜巻、洪水、火災、そういったものに対する対策を求めて、そういった重大事故が起こらないように手当てをすると同時に、仮にそれを超えたような事象が起こった場合でも、それをきちっとマネジメントできるような対策も多重に求めておりますので、今の段階ですぐにそういったものが大きな災害につながるというふうには考えておりませんし、具体的に、川内原発でいきますと、一Fのときには、セシウム137で比べると、規制基準はそれの百分の一以下にすることを求めておりまして、実際には更に川内原発でいうとその二十分の一ぐらい、最大の想定事故でそれぐらいまで抑えられるという評価はしてあります。
○安井美沙子君 ありがとうございます。理解いたしました。 先ほど、高木大臣が山口委員の質問の中で、復興とは何かという質問に対し、住民を安全に帰還させることだというふうにおっしゃったと思うんですね。ただ、原発があるところだと、一刻も早く帰還させることが果たして正解なのかどうかということは非常に慎重な議論が待たれると思います。今のお話聞いていても、要は、稼働していなくても稼働していても、個々の事情それから安全基準をちゃんとクリアしているかどうか、そういったことによるのだと思います。復興とは何かというときに、先ほどおっしゃった答弁に加えて、少しその辺の考慮もしていただかなければいけないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(高木毅君) 先ほどの答弁は、やはり、被災された方がふるさとを取り戻す、戻っていただいて普通の生活をしていただくということは一つの復興の定義だというふうに私は申し上げたところでございます。もちろん、それぞれの事情がございますので、そうした個々の事情というものはもちろん尊重しなければなりませんし、当然、福島においてはまだ十分に帰る環境というのはできていない、むしろようやく帰れるところが少しずつ増えてきたというような状況でございますので、いずれにしても、被災者の方がしっかりとふるさとを取り戻して、やはり生活をふるさとでしていただくということは大事な復興の要素の一つだというふうには思っております。
○安井美沙子君 本当に大変なお仕事だと思いますが、よろしくお願いをいたします。 では、今日の元々予定していた質問に入らせていただきます。 先日、農水省の省庁別審査という部分でも、食品ロスの問題、質問させていただきましたし、過去にも質問させていただいております。多くの議員がこれまでもこれ質問しているんですけれども、どうも国政課題の中で優先順位が低いようで、なかなか政府が機動的に動いているようには見えません。 この前の質問のときにもさんざん前置きはしましたので、今日は時間もないので省かせていただきますけれども、私は、一つの大きな問題は、複数省庁がこれ絡んでいて責任の所在がはっきりしない、構造的に共同無責任体制になっていることだと思っているんです。食品ロス削減の最終責任省庁はどこでしょうか。
○国務大臣(丸川珠代君) 食品ロスの削減については、消費者庁による関係省庁連絡会議の取りまとめの下で、関係省庁の所管をそれぞれに踏まえながら分担して取り組んでいるものと認識をしております。これまでも、議員の御指摘を受けまして、消費者庁や農林水産省と連携をしながら、食品ロス発生量の推計の精緻化などにも取り組んでまいりました。また、我々環境省においては、家庭から発生する食品ロスの削減への取組というものについて、自治体とも連携しながら進めているところでございます。
○安井美沙子君 要は定量的に削減を実現するということの最終責任官庁はどこかという部分でちょっと答弁がよく分からなかったんですけれども、消費者庁は取りまとめなんですね。ですから、数字を削減することの責任省庁はどこかという質問です。 加えまして、これにももう一回御答弁いただきたいんですけれども、私は、多く関わっている官庁の中でやっぱり農水省と環境省が肝だと思います、実際に削減をしていかなくてはいけないところだと思うんですけれども、この農水省と環境省のデマケ、役割分担、その辺の御説明をお願いいたします。
○国務大臣(丸川珠代君) 御指摘のとおり、数字の、推計の精緻化というところも農林水産省と私ども環境省で協力をしてやらせていただきました。 その分担についてでございますが、環境省、農林水産省共に共管しております食品リサイクル法がございますけれども、環境省においては、家庭における食品ロスを中心にして、一般廃棄物事業者の育成、そして地方公共団体との連携ということに重点を置いております。一方、農林水産省におかれては、食品製造業を始めとする食品産業から発生する食品ロスについて、その削減に向けた取組をし、また産業廃棄物系の事業者の皆様の育成に取り組んでいただいているという分担になっております。 数字については、まさに今その分担がございますので、それぞれの分担において持っている目標をクリアすべく努力をするということになります。
○安井美沙子君 そうしますと、やはり消費者庁は取りまとめにすぎないと思いますが、環境省と農水省が実際に数字を削減していく責任を持っているというふうに理解しましたが、それでは、それぞれの省庁の削減目標というのはどこにあるんですか、どのぐらいなんですか。
○国務大臣(丸川珠代君) 環境省所管の事業についての削減目標、今手元にございますので御紹介させていただきますが、これも一応法律が共管ですので農林水産省とも協力はしておりますけれども、食品廃棄物等の発生抑制目標値、三十一業種について設定をしておりまして、食品ロスを含む食品廃棄物等の発生抑制を進めております。これは、食品関連事業者による食品廃棄物の発生量でございますので、どちらかというと農林水産省の方が主導しておりますけれども、そういう目標値がまずその三十一業種についてございます。 また、消費者基本計画工程表、これは消費者基本法になりますが、これは取りまとめは消費者庁でございまして、この計画の中の工程表にもございますし、食育推進基本計画にもございますけれども、国民の食品ロス認知度やその削減に取り組む割合目標というものを設定しておりまして、これは国民向けの普及啓発活動の目標値ということになります。 そして、私ども廃棄物処理法を預かっておりますけれども、この基本方針において、家庭から排出される食品ロスの発生量を把握している自治体数の目標、自治体数の目標になりますが、これは自治体がどれだけ家庭から排出される食品ロスを把握しているかという数値になりますけれども、それを目標値を設定しまして市町村における食品ロスの実態把握の取組を促しております。
○安井美沙子君 それでは駄目なんですよ。消費者を啓蒙するとか事業者に目標を設定させるとか、それでは食品ロスというのは減っていきません。 今六百四十二万トン、年間にありますけれども、私が欲しかった数字は、一つのどこかの省庁が責任を持って最終的に数字を減らすということではなくて環境省と農水省だとおっしゃるから、じゃ、環境省は今年三十万トンとか農水省は今年四十万トンとか、そういった目標があってしかるべきだと思うんですけれども、それはいかがですか。
○国務大臣(丸川珠代君) 食品ロスを削減していくというのは非常に重要な取組だという認識は持っております。 一方で、ようやく定量的な実態の把握ということに向けての一歩を踏み出したところでございまして、さらにこの実態を把握した上でどういう目標が設定できるかという研究はまだこれが道半ばでございますので、実態把握を更に精緻化させていくと同時に、どのような目標が設定できるかということを引き続き研究をさせていただきたいと思っているところでございます。
○安井美沙子君 二年前に質問してから全くこれ前へ進んでいないんですね。要は、やっと定量的に把握できたというところは評価しているんですけれども、いわゆる政策評価においても、あるいは予算編成においても、政府はPDCAというフレームワークに依拠していると思いますが、今まで食品ロス削減という政策課題において、このPDCA的な発想で、今までの政策についてどういう反省があり、評価があり、そして今の予算や施策につながっているのか、このPDCAに従って御説明をいただきたいと思います。
○国務大臣(丸川珠代君) 食品ロス削減の取組のPDCAについてでございますが、中央環境審議会の意見具申の中で、製造、輸送、それから小売、外食、消費等の各段階で取組を強化すべきというような提言をいただいておりまして、まず、食品リサイクル法の評価、見直しの中で点検、評価がなされた上でこのような御提言をいただいております。 そして、関係省庁連絡会議において定期的に各省庁の食品ロス削減に関する取組の情報交換や普及啓発方策の検討を行っておりまして、加えて、循環型社会形成推進基本計画に関して、審議会において食品ロス削減を含んだ取組の点検を今毎年行っているところでございます。
○安井美沙子君 最初に申し上げましたとおり、やはり共同無責任体制が続いていると思います。私は、この前の決算委員会で農水大臣にいろいろ伺ったんですけれども、大事な問題だと農水省として考えていると、そして、今後も真摯に取り組んでまいるとおっしゃったんですけれども、具体的な政策については全く理解していらっしゃらなくて当事者意識皆無だったんですね、残念ながら。 私は、丸川大臣は、同じ女性として、また母親として子供たちの世代の食料安全保障ということには共感をしていただけると思いますし、それから健全な循環型社会、今もちょうどおっしゃいましたけれども、健全な循環型社会を維持すること、これは本当に私は女性の感覚からして当たり前だと思っているんですよね。 ですから、この食品ロスの削減という問題を、多々国政課題ありますけれども、過小評価せずに、是非、丸川大臣にリードしていただきたいと思っておりますので、これについてはお願いをして、終わります。よろしくお願いをいたします。 次に、犬猫殺処分の問題について質問をいたします。 この問題についても、私、かなりしつこくこれまでもお聞きしております。日本では年間に十二・八万頭の犬猫が殺処分されています。これは海外に比べても格段に多く、先進国として私は大変恥ずかしいことだと思っています。 私たち、やはりこれ問題意識を持っている議員も大変多くて、超党派で殺処分ゼロを目指す議連もつくって活動しております。 これ、動物愛護管理法によって犬猫の引取りが自治事務になっていること、これによって国の関与が非常に限定的であること、私はここに根本の問題があると思っています。この法律もいずれ改正できればと思いますけれども、結果的に、見るに見かねたボランティアの方々が本当に自腹を切ってこの問題に取り組んでいただいているんですね。それを国が見て見ぬふりをしているという現状を何とかしてもらいたいと思っております。 資料を付けました。動物愛護、そして犬猫の殺処分削減に一番効果があると思われます動物収容・譲渡対策施設整備費補助金予算の資料でございますけれども、平成二十七年二月十日の決算委員会で望月前環境大臣が殺処分削減のための予算を確保するように頑張ると答弁してくださったんですが、ほとんど増えていません。この理由をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(丸川珠代君) 僅かに増えておりますのは、委員も大変熱心にお取組をいただいております幼齢の犬の展示販売に係る調査を行うということで、八週齢、七週齢のこの調査のための予算を取らせていただいた分でございまして、施設整備の補助金については、大変厳しい財政事情の中ではございますけれども、昨年と同額を確保をさせていただいたところでございます。 全体として、本当に僅かですけれども二%だけ増えているということで、これも必死の努力をした中ではございますけれども、御指摘のとおり、今後とも、自治体の皆様にも是非御理解をいただいて、この予算をお使いいただくこと重要だと思っておりますので、しっかり国として努めてまいりたいと考えております。
○安井美沙子君 その調査費用というのは三百万円ですね、増えたのは。ボランティアの方々の方がもっとたくさん支出してくださっていると思いますよ。国が、日本国が、三百万円の予算を確保したと言って威張っているようではどうしようもありません。 私、望月環境大臣のところに陳情にも行きましたけれども、今この予算、一億なんですね。日本の予算の中の一億、どれだけの割合でしょうか。試算したところ、倍の二億あればかなりの犬猫が死なずに済むと私は思っております。そのことも申し上げております。 この補助金予算については、一億円弱、九千五百万円で前年と同額です。この前年度予算、今も、理解して、自治体の方々にも周知したいというふうにおっしゃっていただきましたけれども、実際問題、執行率はそう高くない。この要因分析についてどうお考えですか。
○国務大臣(丸川珠代君) 御指摘のとおり、執行状況をここ過去三年振り返りますと、二十四年が九七%、二十五年が九六%、二十六年が、これは全部年度ですけれども、九〇%ということでございまして、私どもとしては、これは自治体がそれぞれの年によって事業計画が変動することによって我々の方でも執行率が変動しているんだという理解をしておりますけれども、一方で、やはり引取り数を少なくするとともに、是非譲渡をして引き受けていただける方を増やしていくというソフトの方の事業も非常に重要だと思っておりますし、都道府県にしっかり周知を図るとともに、適切な予算の執行についてこれからも努めてまいりたいと思います。
○安井美沙子君 地方自治体の方は、その補助率が二分の一ということですと、残りの二分の一を議会で通すということは非常に困難なわけですね。やはり多数の必要経費がある中で、人間より犬猫を優先するのかという話が当然議会の中では出てきます。 そんな中、この二分の一という補助率をどうして堅持しなければいけないのかということで、私、質問主意書を出させていただきましたけれども、その答弁書の中で、自然共生型地域整備推進事業や山岳環境等浄化・安全対策事業に係る補助金との整合性を踏まえて二分の一と決められているという答弁がありました。 なぜ全然違う事業内容に鑑みて整合性を図る必要があるんでしょうか。
○国務大臣(丸川珠代君) 今おっしゃっていただいた動物収容・譲渡対策施設整備事業と山岳環境等浄化・安全対策事業というのは、ほかにも様々、例えば水辺環境を整えるであるとかあるいは生活排水汚濁水路浄化施設整備事業など、地方公共団体が環境保全対策を推進するために必要な施設の整備を行うことを目的とした環境保全施設整備補助金という一つの枠組みの中に幾つかメニューがあるという状況になっております。 実は、今委員から御指摘いただいた山のトイレを整備するというものとこの動物愛護の施設のものだけが二分の一の補助でございまして、それ以外は全て基本的には三分の一の補助になっております。そのバランスを考えたときに、二分の一が実はこのグループの中では高い方なので整合を図るというふうに御答弁を申し上げている状況でございます。
○安井美沙子君 狭い枠の中での整合性ですね。最初に申し上げたように、先進国でこのようなことを行っているということ自体、私は非常に恥ずかしいことだと思いますし、補助金の狭い枠組みの中の整合性にとらわれずに、今のお話聞いていると、犬猫の殺処分というのは環境保全のためにやっているんですかというふうに聞こえました。そうじゃないと思うんですよね。 引取りを減らすということも、実は殺処分の削減には直接の関係はありません。引き取られなくて、じゃ、どうなっているのかということがあります。引取りを減らすことで殺処分の数字を減らしているということは、私はまやかしだと思います。引き取られた犬を、今、この予算に関係のある施設がないために、三日から七日の収容期限を過ぎても引取り手がいないと二酸化炭素ガスで窒息死させなきゃならないわけですね。そんなことをやっている国はありませんで、それを見るに見かねたNPOや一般の方がそれを引き取って、更に引取り手がいるまで預かるということをしているわけです。ですから、この予算がもっと増えて、そして活用され、補助率がもう少し緩くなった場合にもしこの施設が増えれば、収容期限三日から七日を過ぎた犬猫が更に引取り手を待つということが可能になり、命の期限が延びるわけです。 一方で、ペットショップで高額で犬猫が取引されている、こういう国もないです。ペットショップが繁栄する中で、愛護センターの犬猫が引取り手を見付ける前に窒息死をさせられているというこの状況をやはり日本の国としてしっかりと是正をしていかないと、私は先進国として仲間入りができないのではないかというふうに思っております。命が軽視される今の時代、児童虐待とかいろいろ問題がありますけれども、やはり命を大切にする国だということを前面に、これは動物愛護の問題にとどまらないと思いますので、是非環境省が、丸川大臣がこの問題にも熱心に取り組んでいただきたいと思います。 動物愛護の興味のある人たちのエキセントリックな活動だというふうにみなすこともありますが、私は決してそういう人間ではありませんし、活動を一生懸命やっている方々もそういうふうに見られるのは大変心外だと思うし、失礼だと思います。当たり前の、命を守る、弱い者の命を守る、そういった姿勢を私は日本として示すことが今後の子供や孫の世代に日本が持続可能になっていく一歩だと思いますので、どうぞ丸川大臣には、同じ女性として、母親として、熱心に取り組んでいただきたいと心からお願い申し上げます。 最後に、取組の見解をお願いいたします。
○国務大臣(丸川珠代君) せっかく生まれてきたかわいい子犬たち、子猫たちが、命を全うすることができなくて、温かい飼い主や家族に囲まれることもなくて処分をされてしまうというのは本当に痛ましいことだと私も思います。 牧原政務官がおられた時代に殺処分ゼロということを掲げて、ずっとそれを引き継いで我々もやってきているわけでございますけれども、自治体の皆様に意識を改めていただくのはもちろんですが、やはり飼い主の責任というものをしっかり全うしていただけるようにという普及啓発も重要ですし、何より国が、大切に思う気持ちということを持ち続けて施策に取り組んでいくことは極めて重要だと思っておりますので、引き続き先頭に立って頑張ってまいりたいと思います。
○安井美沙子君 質問を終わります。どうもありがとうございました。 ─────────────
○委員長(小泉昭男君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、荒木清寛君が委員を辞任され、その補欠として河野義博君が選任されました。 ─────────────
○大野泰正君 まずもって、熊本の震災、本当に一日も早い終息を願っているところではありますが、亡くなられた皆様にまずは御冥福をお祈りするとともに、避難されたり被災されたり、本当に大変な思いをされていると思います。お見舞いを申し上げ、そして、ただ、今は一日も早い終息でありますが、今日の質問においては、特に復興庁の皆様も、本当に東日本はまだ避難されている方も多い中であります。しっかりと質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 それでは、始めさせていただきます。 まず最初に、先日の新聞記事について伺いたいと思います。 四月の六日に会計検査院から本委員会の要請に基づく検査の報告書が公表され、新聞にその記事が掲載されていました。新聞によると、復興予算のうち九兆円が未使用であり、またその四割に当たる三兆六千億円が未執行という数字が報道されておりましたので、まずはこの件について正確な事実関係を伺いたいと思います。
○副大臣(長島忠美君) お答えをさせていただきます。 今般の報告書は、平成二十三年度から平成二十六年度末までの四年間にわたる復興予算の執行状況等を取りまとめたものと理解をしております。 四年間の復興予算計上額は、除染経費等の東電への求償対象経費を含め、累計で約二十九兆四千億円、このうち翌年度に繰り越した額は一・五兆円、各年の不用額の合計は三・九兆円であり、これら繰越し、不用の合計五・四兆円の予算総額二十九兆四千億円に対する割合は約一八%、執行率は八二%となっております。繰越しは翌年度に支出が予定されているものであり、これを含めた執行見込み率は八七%となります。 また、復興予算四割未執行との新聞報道については、会計検査院報告にある復興交付金基金事業の地方自治体における資金残額一兆円、復興関連基金事業百十二事業分の地方自治体における未使用額一・八兆円、震災復興特別交付税の支出残額〇・七兆円の合計額三・六兆円の予算措置総額九兆円に対する割合四割のことを指しているというふうに考えられます。 これらの基金事業等は、多年度にわたる事業に被災地が安心して取り組めるよう、被災地の要望を十分に踏まえ、特例的に基金事業として資金を前もって被災自治体に交付し実施しているものであります。そのため、事業を実施している時点において基金残や未使用額があることはやむを得ないと認識をしているところでございます。 なお、九兆円未使用との報道については、不用、繰越額の合計である五・四兆円にこれらの基金事業等の未使用額合計三・六兆円を足した額を指しているというふうに考えております。
○大野泰正君 ありがとうございました。 なかなか新聞報道だけではそこまでの理解ができない中、大変よく分かりました。 しかしながら、また報告書では、多額の繰越しや、今もお話ありましたが、不用があることなども報道され、また復興関連基金事業等に多額の未使用が生じているとの報道もされていますが、この点については私は、今おっしゃったように、被災自治体が予算の不足等を心配することなく安心して復興事業に取り組むため、国として被災地への配慮がなされた予算措置を講じてきたことの表れだということは存じております。確かに数字だけで見てしまうと指摘されるような問題点があるようにも見えますが、しかしながら、実際に復興を進めるためには大変に大切な部分であるとも私は思います。 この数字に込めた復興への思いを大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(高木毅君) お答え申し上げます。 復興予算は、被災地の一日も早い復旧復興に向け、被災自治体の要望を踏まえ、十分な予算を措置するとともに、住宅再建等の累次の加速化措置を講じて事業の進捗に努めてきたところでございます。結果的に繰越し、不用が生じたのは、事業の執行に当たって用地取得やまた地元調整に時間を要するケースが多いなどの事情によるためでございます。 また、復興事業には、町づくりや住宅再建を含めて、事業終了までに長期間を要する事業も多いことから、被災自治体の事務負担を軽減し、予算等の不足を心配することなく事業に取り組んでいただけるよう、これまでにない措置として、被災地の要望を十分に踏まえ、あらかじめ被災自治体に予算を交付する基金事業を特例的に措置しているところでございます。 そのため、御指摘のとおり、被災自治体に未使用額があることやあるいは繰越し等が多いことをもって予算が有効に使われていないとすることは、被災地や復興事業に対する誤解を招く面もあるのではないかと懸念をしているところでございます。 なお、全国向け事業に係る基金の不用残額やその他基金の事業終了後の残余額等についてはこれまでも国庫に返納されてきているところでありますが、今後とも、会計検査院の報告も踏まえ、不用額等については引き続き返納を求めていきたいと考えております。 引き続き、被災地に寄り添いながら、関係省庁、被災自治体等との連携を密にしながら、着実な復興事業の執行や適切な基金の執行管理に努めてまいりたいと考えております。
○大野泰正君 大臣、ありがとうございました。やはり新聞の報道だけですと誤解も生んでいると思います。是非、国民の皆さんに御理解いただけるように、復興庁としてより一層情報発信していただけることをまずお願いしたいと思います。 また、新聞ばかりで申し訳ありませんが、新聞によると、二〇一四年末で東日本大震災で津波被害を受けた太平洋岸六県の自治体のうち半数弱しか津波避難計画が作成されておらず、現状では津波から人命を十分に防御できるとは言い難く、また、町づくりが途上のため計画を作れる段階にないとの分析が会計検査院からされています。また、復興基金を活用して購入した防災ラジオが半数以上配られていない等、復興予算を効率的に執行されていないのではないかという報道がなされていますが、復興のための予算や法律は、とにかく一日でも早い復旧復興のために与野党が一致協力して短期間で成立させた経緯があり、五年たって当初の状況と変化する中で、現実に合わないものとか、いろいろな不具合なものが出てきている可能性も考えられます。 現状の法律が今の状況の中で使いやすいものになっているかという検証はこれまでどのようにされ、今日までどのような修正や運用による改善がなされ、被災地の皆さんに寄り添うものになっているのか、教えていただきたいと思います。
○国務大臣(高木毅君) 委員御指摘のとおりでございまして、震災から五年余りが経過をいたしました。復興を取り巻く状況についても様々に変化してきているところでございます。 復興庁におきましても、現在の復興状況に合わせた法令等の制度の見直しは必要なものであるとの認識の下、所管している福島復興再生特別措置法などの各種法令について、被災自治体などの声も聞きながら随時の検証を行い、運用の見直しや、必要に応じて改正を行ってきたところでございます。 復興が進むにつれて、それに応じた新しい課題が出てきております。そうした課題に対しては、これまでも被災地の皆様に寄り添うよう的確に対応してきておりますし、また、これからもそうしていかなければならないと考えております。法制度についても同様でございまして、新しい課題が生じた場合には必要に応じて見直すなど、状況の変化に応じて適切に対応してまいりたいと考えております。
○大野泰正君 ありがとうございます。 また、発災から五年たちまして、集中復興期間からこれからは復興・創生期間という位置付けになりましたが、今被災地はそれぞれ何を必要としているのか、そして現状がどうなっているのか、地域の再生だけではなく、心の再生というのがどうなっているのかという点が何より心配しているところでありますが、復興、創生の各事業を丁寧にスピード感を持って地域の理解とともに執行していくためには様々な人材が今日も必要とされていると思います。 会計検査院から指摘された数字の裏に人材の問題がないのか、大変気になっております。特に、発災当初は全国の多くの自治体からも多くの職員さんが派遣されたりしておりましたが、現在ではどのようになっているのでしょうか。被災地との人事交流や派遣は、決して被災地のためだけではなく、被災地で得た経験と知識は各人が地元に持ち帰ることによって全国に広まり、防災、そして何より減災意識の向上につながってまいります。日本の貴重な歴史として伝えていくことが我が国の安心、安全にとって極めて大切なことだと思います。 その点も含め、今日どのような人材交流がなされ、また人材の確保がされているのか、そして、その点について財政的配慮が国としてなされているのかを教えていただきたいと思います。
○政府参考人(北崎秀一君) お答えいたします。 東日本大震災の被災地方公共団体に対する人的支援につきましては、全国の地方公共団体の積極的な御協力により、これまで延べ九万人以上の職員が派遣されているところであります。 東日本大震災の発災から五年が経過いたしましたが、被災地方公共団体の復興事業はこれから本格化する時期を迎えるところでありまして、復興事業に従事する人材の確保が喫緊の課題となっているところでございます。このため、この一月六日に高市総務大臣から全国の都道府県知事及び市区町村長に対して書簡を発出し、職員派遣についてより一層の力強い協力をお願いしたところでございます。 平成二十八年度の人材確保につきましては、四月一日時点で、速報値ではございますけれど、被災市町村からの千三百六十七人の派遣要請に対しまして千百一人が確保されている状態でございます。しかしながら、要望数が必ずしも充足されていないため、総務省といたしましては、一日も早い被災地の復興に向けて、復興庁とも協力しながら、引き続き職員派遣の働きかけなどを行ってまいりたいと考えております。 さらに、被災地方公共団体における派遣職員の受入れ経費につきましては、平成二十八年度以降も震災復興特別交付税により全額措置することとさせていただいているところでございます。 以上です。
○国務大臣(高木毅君) まずは、東日本大震災の被災自治体に対しまして全国の多くの自治体から多数の応援職員を派遣していただいておりまして、改めてこの場を借りて深く感謝を申し上げたいと存じます。 応援職員には被災地の復興に大きな御貢献をいただいていると同時に、応援職員御自身にとっても被災地での業務は大きな経験となって、仮に将来地元で災害が起こった場合にそのノウハウを生かせるという意味で、こうした意義もあるんだというふうに認識をいたしております。 国としても、復興・創生期間における東日本大震災からの復興の基本方針において、復興・創生期間も引き続き職員派遣に要する経費について自治体の負担をゼロとしたところでございます。また、昨年十一月の全国知事会におきまして、私から応援職員の派遣の継続を知事さんに要請をさせていただきましたし、今も答弁ございましたけれども、総務大臣からも、本年一月には全国の都道府県知事あるいは市区町村長へ人的支援への継続的な協力を依頼する書簡を送付したところでございます。 復興庁といたしましては、引き続き、関係省庁あるいは自治体とも連携して人的支援にしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○大野泰正君 ありがとうございました。 やはりまだ人が足りていないという中で、この熊本の地震も発災しております。今後、より一層全国からの協力というものが当然必要になってくることはもう明らかでありますので、一日も早い、もう一度しっかりとした要請をしていただいて、復旧復興にしっかり取り組めるように国として手当てをしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 ここまで復興庁に対し東日本に関連して伺ってきましたが、安倍政権になって、東日本大震災の課題を踏まえ、平成二十五年六月に災害対策基本法を改正し、避難所における生活環境の整備、また避難所以外の場所に滞在する被災者への配慮も規定されました。また、この法改正を受け、各自治体には避難所における良好な生活環境の確保に努めることが求められ、その取組に当たって、避難所における良好な生活環境の確保に向けた取組指針が策定されています。 今はただ熊本地震の一刻も早い終息を願うばかりではありますが、大変つらいことであっても、これからも私たちは、前を向いて次の災害に備えるために、しっかりと検証し、ノウハウを蓄積し、生かしていかなくてはならないと思います。特に、地震国である我が国にとって大震災の教訓を次の世代に伝えていく努力は、被災された方々の魂に報いるためにも私は真摯に取り組んでいかなくてはならないと思っています。 今は御存じのとおりビッグデータの時代でもあり、先人の残していただいた過去の震災の教訓とともに、新たな切り口からのアプローチによる減災への取組もできると思います。減災への貴重なノウハウなどを、各省庁や各自治体ではなく政府として、一つでも多くの命をつなぐため、一元化して各地の災害などに対処できるようにすることが大切だと思います。 被災地支援は時間軸による変化や地域による違いも様々だと思います。このようなことを考えると、現在の復興庁はあと五年の時限立法であり、その在り方、機能なども含め、今後是非政府として議論し、より一層災害に強い強靱な日本をつくり上げていただきたいと思います。復興大臣に伺います。
○国務大臣(高木毅君) 御案内のとおりでございますけれども、復興庁は東日本大震災の復興に向けて設置された組織でございます。復興・創生期間となりまして東日本大震災からの復興は着実に進んではきておりますけれども、いまだ道半ばでございます。私は、復興大臣として引き続き東北被災地の復興に向けてまずは全力で取り組むということが大事だと考えております。 一方、我が国は、今御指摘のとおり、地震、津波のほか、火山災害、あるいは台風等による風水害、雪害というのもございます。様々な災害が起こる災害大国と言っていいかと思いますが、国民の生命、財産を守るためにソフト、ハード両面での防災・減災対策を充実させることは大変重要なことだと認識をいたしております。東日本大震災の教訓を踏まえまして、関係省庁において法制度の見直し等の防災・減災対策の充実を進めてきたところでございます。 いずれにしても、東日本大震災の復興を着実に推進するとともに、その経験あるいは教訓を生かし、より強靱な国づくりを政府一体となって取り組むことが重要だと考えております。
○大野泰正君 ありがとうございます。 ただ、本当にこの被災者支援、いろんなことがあって完璧というのは難しいですが、やはり何とか、ばらばらではなく本当にスピーディーに一元化して、しっかりとした体制がいち早く取れるような、やはり国としての本当に中心になった取組が私は今求められていると思います。 復興庁としての役割はもちろんでありますが、これから災害として、また内閣府とかいろんなこともありますけれども、本当に国としてどうやっていくんだということを是非、この終息後で結構でありますので、しっかりと議論をしていただいて、復興庁の在り方ももう一度見直していただければ有り難いなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。 それでは次に、復興・創生の中にも大きく取り上げられておりました観光振興について伺いたいと思います。 先日、昨年の実績を踏まえて、我が国は観光立国としてインバウンドの目標を大きく上方修正いたしましたが、この目標を達成していくためには、今日までのいわゆるゴールデンルート中心から日本各地へ向かっていただかなくてはなりません。そのためには、外国人旅行客に対する危機管理情報の伝達方法について、今後速やかな整備が求められると思います。 今回の震災では、今のところ外国人観光客への対応についての報道は余りなされていないように思いますので、現在どのような状況にあるかは分かりませんが、この点についても今後検証と対策を必ずお願いしたいと思います。そして、海外に対して環境整備の状況を情報発信していくことも今日まで以上に必要になると思っています。先ほど大臣もおっしゃいましたが、災害大国だというような中で、しかしながら、災害に強い国であるということをしっかりと世界に向けて発信しなくてはやはり観光客もなかなか厳しいものがあると思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。 また、東日本の集中復興期間が過ぎ、復興・創生期間というステージになった今、観光振興のためにインバウンドを東日本に呼び込むことはとても大事なことではありますが、もう一つ、より確実な観光振興対策とこれからの日本の強靱化のために、国民お一人お一人が災害に対しての危機意識を高め、特にソフト面から防災・減災対策につなげるために、私は修学旅行の機会に被災地を訪れていただく取組が必要だと思っています。次の世代を担う子供たちに実際に現場を見て感じてもらうことで、厳しい歴史の現実を貴重な経験としてつなげていただきたいと思います。 そのためには、被災地への距離に応じた財政支援や全国的なスケジュール管理なども必要になってくると思いますが、政府として是非お考えいただきたいと思っています。また、修学旅行だけではなく国内旅行についても、距離の問題や休日の在り方等を根本的に見直すことで復興、創生を成し遂げるとともに、ソフト面から日本全体の強靱化を進めていただきたいと思います。お答えをよろしくお願いいたします。
○大臣政務官(堂故茂君) お答えします。 文部科学省としては、平成二十三年八月に各都道府県教育委員会に対し、観光庁の依頼に基づき、風評に惑わされることなく、現地の正確な情報によって東日本への修学旅行を実施していただきたい旨の観光庁の意向を周知させていただいたところです。 大野先生御指摘のように、東日本大震災の経験を踏まえた体験的な学習プログラムは大変有意義であると思います。文部科学省としては、被災地での災害ボランティア体験活動の推進に関するモデル事業なども含めた様々な取組を通じて、子供たちに被災地を訪れてもらうことで被災地を応援してまいりたいと考えています。 一方、学習指導要領における特別活動に位置付けられる修学旅行の行き先等の内容については、地域や学校の実態及び児童生徒の心身の発達の段階や特性等を十分考慮して各学校において定めるべきものであると思います。そのことを踏まえた上で、被災地の修学旅行に関してはどのような対応が可能か、関係省庁とも相談してまいりたいと思います。 以上です。
○国務大臣(高木毅君) 国内旅行の話もございました。 御指摘のとおり、東北での宿泊者数を見ても九五%以上が国内からの旅行者でございまして、また全国の皆様に東北を応援していただくというような観点からも国内観光の振興というのは大変重要だというふうに考えております。しかしながら、御案内のとおり、人口減少社会でございます。国内旅行の需要が今後減少していくということが懸念される中で、日本人旅行者の目的地を直ちに東北に振り向けるということはなかなか、必ずしも容易ではないというふうにも考えております。 一方、インバウンドを二千万人、あるいはその高みを目指すということを今やっておりますけれども、外国人旅行者から評価を集めるということで国内からも注目が集まるということもあるでしょうし、また観光地として成長することを通じて国内旅行需要を喚起することにもつながり得ると考えております。 また、東北の被災地は学びの場としても、未曽有の大災害の状況を知ることができる、あるいは被災地の方々が復興に向けて頑張っている姿を学ぶこともできる、あるいは防災・減災についての知識を得ることにも資すること、そういった価値を有していると考えておりまして、全国から多くの方々が被災地を訪れることを期待しております。 また、今、休日の在り方等についても御意見ございましたが、休日の在り方等につきましても、総理の下で取りまとめられた明日の日本を支える観光ビジョンに基づいて、有給休暇の取得促進など必要な取組が関係省庁で現在進められていると承知をしております。 いずれにしても、復興庁としては、外国人のみならず全国の皆様に東北を訪れていただけるよう、国交省など関係省庁やあるいは地方公共団体等と連携しながら観光復興の取組を進めてまいりたいと考えております。
○大野泰正君 ありがとうございます。 是非、何とかしっかりと多くの皆さんに、まずは本当に子供たちに私はしっかりと見ていただいて将来につなげていただきたいと思います。文部省の取組、是非お願いしたいと思いますし、外国人にやはり頼るのではなく、私たち日本人がみんなで復興を支えるんだという思いをより一層強くするべきだと私は思っています。 次に、丸川大臣に伺います。自然環境の保全という観点から、我が国が向かうべき持続可能な社会の在り方について質問したいと思っています。 我が国は、今後本格的な人口減少、超高齢化社会を迎えると予測されていますが、現状のような地方から都市への人口流出が進めば、地方の特に中山間地を中心に多くの自治体が存続できなくなるとのレポートが日本創成会議より発表され、大きな衝撃を受けたことは記憶に新しいと思います。 しかし、ここで忘れてならないのは、人口増加している都市部の経済活動や暮らしは地方の豊かで良好な自然環境によって支えられているということであります。流域圏という考え方もあるように、森、里、川、海という自然環境はそれぞれが独立しているものではなく、全てつながっている一つの生命体であると私は思います。 私の地元岐阜県も古くから飛山濃水の地と呼ばれており、北部の飛騨地方は標高三千メートルを超える山々が連なる一方、南部の美濃地方は濃尾平野を潤す木曽三川が流れ、薩摩義士など先人の水との長い闘いの歴史を礎に、今日の伊勢湾、三河湾の豊かな環境づくりに貢献しております。このことからも、里地、里山、里海など地方部における自然環境が健全に維持されることで都市部における活力ある経済活動や暮らしが成り立っていると考えます。 したがって、都市部においても、地方の過疎化や衰退を他人事として捉えるのではなく、地域の豊かな自然環境を維持していくための取組やその担い手、コミュニティーといったものを国民全体でしっかりと支えていくことが持続可能な社会を実現する上で重要と考えますが、丸川環境大臣のお考えをお伺いいたします。
○国務大臣(丸川珠代君) 委員が御指摘くださった、都市部の経済活動や暮らしが地方の豊かな良好な自然環境によって支えられているというこのつながりを都市部の皆様にも意識をしていただくというのは極めて重要なことだと認識をしております。そして、都市部においても、また地方においても、私たちの暮らしは、きれいな空気、そして豊富な飲み水、また自然の恵みが与えてくれる食料や資材、そして自然自身が持っている防災・減災機能など、森、里、川、海の恵みによって支えられているんだということを認識することが極めて重要です。 ところが、今、その管理を担う担い手の不足によってその恵みが十分に得られない状況が、まさに委員御指摘のとおり、起きつつあります。そして、都市の人々に、これらの私たちが受けている恵みというものが地方の方たちだけによって担われるべきものではなくて、国民全体でこれを支えていくんだという思いを持って、共にそれを支えていく仕組みをつくっていくことが今後重要であると思います。 環境省では、一昨年から「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクトというのを始めております。全国を回って様々な対話集会を開いたりイベントを行ったりしておりますけれども、地方と都市をつなげ、そして一人一人が自然の恵みを意識し、そして日々の自分たちの暮らしを変えることで森、里、川、海を支えることができる社会づくりを目指して、そして新しい経済的な仕組みづくり、また全国への普及啓発をこれからもこうした活動を通じて進めてまいりたいと考えております。
○大野泰正君 大臣、ありがとうございます。是非、県とかそういう単位ではなくて、やはりこの流域というものをしっかりと意識して、そういう取組をより一層進めていただけると大変有り難いなと思っておりますので、よろしくお願いをいたします。 それではもう一問、丸川大臣に伺います。 地球温暖化問題でありますが、近年、皆さんも御存じのように、局地的なゲリラ豪雨や巨大台風による大きな被害が起こったり、昨年などはスキー場に雪がないかと思えば南の島で雪が降るなど、異常気象と言われる現象がここ最近は当たり前のように起こっております。こうした事象の全てが必ずしも温暖化が原因であるとは言えませんが、今後、温暖化が進行すれば私たちの経済活動や暮らしに様々な影響が出てくることが懸念されています。こうした地球温暖化による影響について政府全体でしっかりと対応するとともに、私たちの豊かな生活と地球への負担のバランスを保つために、事業者や国民一人一人の意識啓発による地球温暖化防止への努力が一層求められております。 昨年末、COP21においてパリ協定が合意され、その着実な実施に向けて今後はその詳細なルールを設計する交渉段階に移るわけですが、我が国としてはこうした国際交渉を積極的にリードすべきであろうと思います。特に、本年五月、来月でありますが、議長国として富山でのG7環境大臣会合が控えており、こうした機会を最大限に生かしながら、気候変動を中心とする環境問題について、次の世代に豊かな地球を手渡していくため、私たちが何ができるのか、今後の国際連携をどのように進めていくのか、大臣のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(丸川珠代君) 昨年、COP21の歴史的な合意が成立した背景というのは、委員がおっしゃったとおり、先進国、途上国の差なく気候変動の影響というものを自分たちの暮らしが受け始めているという危機意識が共有されたからこそだと私も思っております。 そして、我が国が議長国となって今年開催いたします環境大臣会合、実は七年ぶりの開催でございまして、昨年のパリ協定を受けて、是非ともこの機運を更に高めるようなリーダーシップを発揮していきたいと思っております。 持続可能な開発のための二〇三〇アジェンダも昨年示されたわけでございまして、こうしたものも受けて、気候変動対策を始めとして世界の環境政策の方向性を示す強いメッセージを発信できる会合、また国際交渉にしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○大野泰正君 大臣、ありがとうございました。 来月しっかりとお取り組みいただきたいと思いますし、持続可能というのが今大変、何の問題でもキーワードだと思います。どうかこのキーワードを大切にしてこれからも政策打っていただけますよう心からお願いして、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○滝波宏文君 自由民主党、福井県選出の滝波宏文でございます。 冒頭、私からも、熊本県を中心とした大震災の犠牲となられた方々の御冥福を衷心よりお祈りするとともに、被災者の皆様に心からのお見舞いを申し上げます。 福井は熊本と特別の関係がございまして、幕末に熊本藩主細川家から福井藩主松平春嶽公の正室がお腰入りされたこと、また、熊本藩士で維新の十傑にも数えられます横井小楠が招聘されて藩政改革を福井藩の方でなされた際に、後に五箇条の御誓文を起草することになります由利公正などを指導した、こんな御縁がございまして、福井市は熊本市と姉妹都市でございます。二〇〇四年の福井水害の際も、熊本市の方から職員派遣、また物資をいただいたりしてございます。今回、助け合いということでございますので、福井市また福井県等々、県下の方から職員を派遣し、また物資をお送りしているところでございます。 本件については、政府・与党、そして国会一丸となって、救援、支援、復旧に全力を挙げていかなければならない、そう思ってございます。国を挙げての助け合いということで、どうぞよろしくお願いいたします。 さて、まず福井県の先輩であります高木復興大臣に東北の観光復興についてお伺いしたいと思います。 平成二十七年の東北六県の外国人延べ宿泊数は、ようやく震災前とほぼ同水準に回復したと聞いておりますが、風評被害の影響等により全国的なインバウンドの急増の流れからはちょっと大きく遅れている状態であるかと思います。高木復興大臣は、今年を東北観光復興元年として東北の観光復興のために力強く取組を進められていると聞いてございます。この点、高木復興大臣からこの件の取組についての強い決意をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(高木毅君) 今も滝波委員から御指摘いただきましたけれども、東北六県の外国人延べ宿泊数、風評被害の影響等もございまして全国的なインバウンド急増の流れから大きく遅れております。御案内のとおり、被災地の復興は道半ばでございます。ですから、まだ私として観光というのは少し早いのではないかなというようなことも思ったわけでありますけれども、復興推進委員会で観光をしっかりとやりたいという話をいたしましたら、各県の知事からも是非やりましょうというお話をいただきましたので、先ほど委員も御指摘いただきましたけれども、今年を東北観光復興元年と位置付けさせていただきました。観光の復興というのは時間も掛かりますので、早期に手を打つという理由もございます。 そして、本年度予算、大幅に増額をさせていただいたところでございます。前期五年の集中的な公共投資等によりハードの復興は着実に進展しておりますけれども、これからの復興はいわゆる産業だとかあるいはなりわい、そういったものの再生が重要度を増してきます。特に、産業全体に広く影響のある裾野の広い観光でございますので、東北の重要な産業あるいはなりわいの柱となり得ると考えております。観光を復活させることが東北の復興に大きく寄与すると認識をいたしておりまして、またさらに、産業の復興という観点だけではなくて、被災地に外国からもあるいは国内からも多くの観光客が訪れる、こうしたことによって、被災地の皆さん復興に今一生懸命に頑張っていらっしゃいますけれども、被災地の皆さんを元気にしていただける、被災地の皆さんが元気になっていただけるのではないかなという、そういう思いもございまして、今年は是非観光を復活させたいという思いでございます。 一月には観光に造詣の深い専門家から成る東北観光アドバイザー会議を立ち上げまして、東北の観光復興の課題と対応策について御議論をいただきました。先週十五日に今後の観光復興の方向性を示す提言を取りまとめていただいたところでございます。その御提言を生かしながら、二〇二〇年に外国人宿泊者数、昨年は五十万泊でございましたが、三倍増、二〇二〇年には百五十万人泊とする高い目標に向けて、国交省等の関係省庁あるいはまた地方公共団体等との連携をしながら、東北の観光復興を力強く進めてまいりたいと考えております。
○滝波宏文君 なりわいの柱としての観光、非常に力強い御決意いただきました。ありがとうございます。 続けて、高木復興大臣にお伺いします。 御就任直後から、まめに足しげく復興の現場に通っていらっしゃるというふうに聞いてございます。大臣任期、半年強かと存じますが、これまで何回現地入りされていらっしゃるんでしょうか、お教えください。
○国務大臣(高木毅君) 就任して約六か月半ぐらいたちますけれども、これまで二十七回被災地を訪問させていただきました。行けばいいというものではないとも思いますけれども、やはり現場を見る、そして被災された方の話をお聞きするということは大変大切なことだというふうに思っておりまして、今後とも現場主義をモットーに頑張っていきたいというふうに思っているところでございます。
○滝波宏文君 半年強の間にこれだけ通われていること、すばらしい、まさに大臣からもお話ありましたが、現場主義だと思います。福井の地元の方も気になるところかと存じますが、大臣業務に御専念できるよう地元の皆様としっかりお支えをしますので、引き続きどうぞ現場主義で御精励いただきますようよろしくお願いいたします。 続けて、高木復興大臣と同じ原子力立地地域選出一議員として、広く環境エネルギー、地球環境問題、地球温暖化問題について議論をしたいと思います。 昨年末、COP21の成果として、京都議定書に続く新しい地球温暖化対策のための国際枠組みであるパリ協定が採択されました。今後、同協定の発効に向けて各国が協力していく必要があるわけでありますが、いずれにせよ、全ての重要国が参加する形で新しい地球温暖化の対策の枠組みができて次のステージに入れたことは非常に意義深いことだと思います。 その中で、京都議定書を作った環境責任大国として、我が国が世界的な地球温暖化対策への貢献はもちろん、まずは隗より始めよで、しっかりと自国において地球温暖化対策、これをしていく必要があることは論をまちません。 しかしながら、三・一一東日本大震災の影響で全国の原子力発電所が止まり、二〇二〇年度のCO2削減目標は二〇〇五年度比で三・八%減とせざるを得ませんでした。その後、エネルギーミックスの策定を受けて、ようやく二〇三〇年度のCO2削減目標は二〇一三年度比二六%減とすることができました。この点、原子力立地地域の立場からも中央の皆様に改めて御認識いただきたいのは、CO2を削減するという意味で原子力は非常に重要だということであります。 例えば、二〇二〇年度目標は当初三・八%減でありましたけれども、その後、原子力が再稼働したため、より深掘りができるという、しかし、どれぐらい再稼働できるか分からないということで、現在は二〇二〇年度目標が三・八%以上と。以上という言葉が追加されたわけですけれども、このように表現が変わっている。原子力の扱いだけでそこの表現が変わったというわけであります。 この二〇二〇年度目標以上に如実なのは、二〇三〇年度目標だと思います。二〇三〇年度の二〇一三年度比二六%、先ほど申し上げましたが、これを二〇〇五年度比に換算すると二五・四%減になります。同じく二〇〇五年度比で二〇二〇年度の目標は僅か三・八%減でありましたので、すなわち、この差の約二〇%強というのは、結局原子力に頼っていくということになります。 それくらいやはりCO2削減に原子力が重要であって、その意味で、環境省がCO2削減、地球温暖化対策という省としての役割、省の設置目的、これを持っている以上、リスクを負いながらその省の目的に協力している原子力立地地域に対する感謝の気持ちを環境省から常々述べられてしかるべきだと私は思いますけれども、残念ながら、環境省の動き、今まで見ておりますと、自分たちの組織の下に原子力規制委員会があるため、原子力についてはニュートラルだ、なかなか語ることができないと、こういうやや冷たい態度を取っているんじゃないかと思っております。こんなことでは原子力立地地域は浮かばれないと思います。 ついては、まず環境省の事務方の方に、地球温暖化対策、CO2削減という意味での原子力の評価についてしっかり回答いただきたいと思います。
○政府参考人(梶原成元君) お答え申し上げます。 世界的に地球温暖化対策の有識者から成ります気候変動に関する政府間パネル、IPCCというのがございます。このIPCCにおきましては、気候変動がどうやって起こるか、そしてその影響はどの程度あるか、そして対策をどうやって進めるかといったようなものを評価をしております。その第五次評価報告書におきまして、原子力発電につきましては、再生可能エネルギーや二酸化炭素の回収・貯留機能の付いた発電所と並んで低炭素電源の一つという形で位置付けられているという形になってございます。
○滝波宏文君 CO2削減上の原子力の重要性、国際的な視点を踏まえて明言していただきまして、それはありがとうございます。ただ、やはり役所からの言葉で硬いところもございます。 ここで、丸川大臣、環境大臣のお立場に加え、原子力防災担当大臣の任務もお持ちです。政治家としての大臣のお言葉で、原子力の評価に加え、原子力立地地域へのメッセージを頂戴したいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○国務大臣(丸川珠代君) 今、IPCCが第五次報告書で低炭素電源の一つとして原子力発電所を位置付けているというお話が梶原局長からございました。 一方で、今、私ども環境省は、環境省の外局として原子力規制委員会が設置をされております。この独立性を担保することは私どもの重要な責務でございます。そして、これは、私どもが東日本大震災、福島の東京電力の第一原子力発電所の事故の反省を踏まえてつくり上げた一つの形でございまして、私はこの独立性を担保することこそが国民の皆様の信頼を得る非常に重要な政策の一つであると考えておりますので、私が大臣の立場で、大変申し訳ありませんが、この独立性を侵すような発言をすることは控えをさせていただきたいと思います。 一方で、原子力防災担当の大臣でもございますので、避難計画の策定については、これもまた、政府事故調、また国会事故調において様々な、東日本大震災、東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえた、この反省を踏まえた避難計画の策定あるいは緊急時対応を閣議において了承するという、こうした一連の仕組みがつくられたわけでございます。 この避難計画あるいは緊急時対応をつくり上げるに当たっては、最初から地域の自治体の皆様方とがっぷり四つに組んで、そして国が前面に立ってこれをしっかりとお支えしながらつくり上げてまいりますし、それを実行する手段として資機材を提供するに当たっては、これも国が全面的に御支援をさせていただいているわけでございます。 まだまだ、この仕組みが変わったということ、例えば避難において、まず十条事態の時点で要支援者の皆様方にはUPZから御避難をいただいて、そして十五条事態になった時点ではこのUPZの皆様方は、あっ、五キロ圏内の皆様方ですね、済みません、PAZと今混同いたしましたけれども、五キロ圏内の皆様方には直ちに放射性物質が飛散をする又は敷地から出る前に避難をしていただくという、そういう仕組みになったわけでございます。 こうしたことについてまだまだ国民の皆様に対して周知徹底が足りないという意識は私ども持っておりますので、引き続き立地自治体の皆様方にもしっかりと私どもの取組を御理解をいただくと同時に、これからより広く国民の皆様方にもこれを御理解いただけるような努力というものをしっかり続けてまいりたいと思っております。
○滝波宏文君 今避難計画のお話もございました。そういった中に大事な話、私もずっと取り組んでございますけれども、原子力避難道の問題がございます。一本だけじゃなくてバックアップも含めて、こういった問題、非常に重要でございます。そちらの推進について、恐縮ですけれども、一言決意をお述べいただきたいと思います。
○国務大臣(丸川珠代君) 実効性の確保に当たって、私ども、まず事業者の皆様に御支援を賜るということにおいては自治体の皆様方だけにお任せをするということは絶対にいたしません。私どもが先頭に立って、事業者の皆様方にいかにして放射線防護に取り組んでいただくか、またどのような環境になった場合には実動部隊がお手伝いをいたしますというようなことについても御理解をいただけるように説明に当たってまいりますし、また協定を結ぶに当たっても御支援をさせていただいてまいります。 加えて、資機材ということも申し上げましたけれども、避難道の整備、こうしたことにも、関係省庁と連携をしながら、自然災害の対応も含めて協議をきっちりと地域防災協議会でいたしまして、この中で決まったことに関しては着実に実行していくということをこれからも取り組んでまいります。
○滝波宏文君 丸川大臣にはさきの高浜原発の再稼働の際にも福井県においでいただきまして、私も高浜原子力防災センターで御視察に同行させていただきました。 原子力防災、今お話にもございましたが、関係省庁がまたがる非常に難しい分野であるかと思います。その点、リーダーたる大臣が現地に足を運んでいただいたおかげで、地元福井県でも各種国の機関が連携して動く姿が見えて非常に心強かったと思います。 そこで、丸川大臣にもお伺いいたします。原子力防災担当大臣あるいは環境大臣として現地視察をこれまでの、半年強かと思いますけれども、御任期の中で何回されていらっしゃいますでしょうか。
○国務大臣(丸川珠代君) 環境大臣という立場では十六回出張をさせていただいておりまして、そのうちの十回が福島への出張でございます。そして、原子力防災担当大臣としては三回出張をさせていただいております。
○滝波宏文君 十六回と三回、合わせて十九回ということでございます。本当に、丸川大臣にも、是非現場主義、現地主義、これを継続していただき、また福井県にも再度おいでいただける機会があれば誠に幸いであります。 ここで、原子力規制を統べる原子力規制委員会の田中委員長にお伺いいたします。 規制委員会は、三条委員会として、形式上所属する環境省の環境大臣であっても、そもそも総理大臣であっても指示が出せない高い独立性を有しております。そして、その影響力は甚大であります。 私、三年前に当選して以来ずっと、田中規制委員長にも、是非現場主義、現地主義を実施していただきたい、原子力立地の現地を訪問していただきたいと言ってきたところでありますけれども、田中委員長、これまで三年半強の任期の中で、何回、どこの現地を視察されたでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 就任以来、原子力発電所の施設は、福島第一原子力発電所に三回、第二発電所に一回、中国電力の島根発電所に一回、九州電力川内原子力発電所に一回、視察に出かけております。
○滝波宏文君 今お聞きいただいたように、高木大臣は半年強の間に二十七回現地に入っていらっしゃって、丸川大臣は十九回入っていただいております。一方、田中委員長は、三年半でありますので単純比例でいけば七倍になってもおかしくないんですが、今おっしゃったものを足し上げると一桁にすぎないと思ってございます。 実は、私が、これ事前に現地訪問の資料をいただきましたけれども、二十六年の十一月に現地視察の状況をお聞きしたら、福島にしか行っていないと。福島だけが原子力規制委員会にとっての現場なんですかというふうに申し上げたところ、その翌月の十二月に鹿児島の川内に入られ、その翌月の、年明けて一月ですけれども、島根の方に入られると。そこがもう少し続けばいいなと思ったんですが、残念ながら、その後もほかの地域、福島には入っていらっしゃいますけれども、ほかの立地地域全然行っていないんですね。 どうしてこんなに少ないのか、どうしてほかの地域行かないのか、教えていただけますか、簡潔に。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 私の仕事の性質上、立地地域を回って住民の方と話し合うということが、まあそれが重要でないとは申し上げませんけれども、川内に行ったのは、初めて新規制基準に合格したということで、その対応の状況を視察に行ったということです。それから、島根に行きましたのは、アドバンストタイプのBWRが建設の最終段階にあって、それが炉内まで、原子炉の下まで見れるということで、私もそういう経験をしていなかったので、そういったことを視察に行ったということでございますので、ほかの原子力発電所、機会があればできるだけ訪問したいとは思っていますけれども、なかなか国会等の日程もありまして自由にならないところもございます。
○滝波宏文君 今、最後にちょろっとおっしゃいましたけれども、以前は国会日程の話、よく強調されていたんですね。それで、ただ、国会日程に制約されるのはほかの大臣も同じなんですよ。ほかの大臣はしかも政治家ですので、選挙区のこともある。だけれども、田中委員長は選挙区があるわけではないですから地元入りする必要もないわけで、やっぱりこの比較を見ると、現場、現地ということを本当に重視しているのか、ちょっと疑念を抱いてしまいます。 規制委員会の原則の中にも、現場主義というのはこの活動原則として書いてあるわけですけれども、それがちゃんと実施されていないと私はやっぱり思わざるを得ないと思います。大臣以上に現地入りすべきだし、できるはずなんだと思います。それができないのでは怠慢なのではないかというふうな疑念も生じかねませんので、しっかりと今後やっていっていただきたい、大分たってしまいましたけれども。 それで、やはりリーダーシップというのは本当に大きいと思います。以前のやり取りの中で、いや、ほかの委員が行くんだ、部下の役人が行くんだみたいな話がありますけれども、やっぱりリーダーが立地の地域に足を運んでいただければ、現地の人にも、中央の目がちゃんと注がれているんだ、それから、そういったことでその疎外感も薄められて、また安心もあるかと思います。 御自分に委ねられたこの職責の重さをちゃんと踏まえて、自分の身を守るんじゃなくて、身を投じて、そして自分の好みに沿うのではなくて、その現場主義も明記された規制委員会の活動原則に従っていただきたいと私は思います。もちろん、災害直後など現場の混乱を助長するようなときに行くべきではありません。けれども、現場が受入れ可能なときにそのようにリーダーがちゃんと姿を見せる、大きな意味を持ちますので、原子力政策に重要な敦賀半島、若狭湾や、また下北半島など、他の原子力立地地域にも現地視察にいらっしゃる日を強く望みます。 さて、またCO2削減目標にちょっと戻りたいと思います。 私は、前任の参議院議員松村龍二先生から、この議員の席だけでなく、福井県の山林協会の会長職も引き継がせていただきました。そういったことがありまして、森林について力を入れておりますところ、この関係に進めたいと思います。 先ほど話をした二〇二〇年度の三・八%削減目標、すなわち原子力停止でエネルギーの削減を見込めなかったこのときに、この三・八%のうち実に二・八%の削減が森林吸収に依存するものでありました。それくらい原子力が止まる場合には森林吸収に頼ることになるということが明確になったわけでありますけれども、一方で、日本の山を見ますと、残念ながら全然山に手が入っていなくて、先進国有数の森林資源があるのにもかかわらずそれをうまく活用できていない、これが現状であります。 私の家も福井の山の方、奥越地域というところですが、古い家ですので、僅かですが山もありますし、林家の端くれでもあるかと思います。幼い頃、祖父に連れられて山に入って木の太さを測ったり、そんなことをしたことがありましたが、今、自分の家の山がどこにあるのか、残念ながら、親に連れていってもらわないと行き方も分かりませんし、行って、さあ、どこからどこまでが自分の家の山か、分からない、こんな状態であります。 残念ながら、多くの若い世代の人にとって、今は山は資産ではなくてむしろ負債である、こんなイメージになっていることが大変残念でなりません。この点、次世代の林業への就業という観点からゆゆしき事態であり、また先ほど来議論しておりますこのCO2の森林吸収の観点からも問題であります。森林資源が豊富だからいいということではなくて、これ、森林というのは古くなっていくとCO2の吸収力が弱くなっていきますので、適切に間伐をして、また植え替えをして人の手が入っていく、こういう形をしなければいけないんですけれども、残念ながら、森林に対してのリソース投入、これが現在足りない状態となってございます。 ここで、決算委員会でもございます、今回、会計検査院の平成二十七年九月の報告、国有林野事業の運営等についてを取り上げたいと思います。 この検査院の報告というのは、国有林野事業の林産物収入の増加によって債務返済を行うための前提条件である各施策の効果がこれまで十分に発揮されていない、その状況に鑑み、林野庁は、システム販売の推進、路網ネットワーク機能強化を含め、施業コストの縮減等の施策を確実に実施するよう、より一層努力すること、こういった指摘がありましたが、これに対して林野庁としてどのように対応されたのか、また対応されるのか、お伺いしたいと思います。
○政府参考人(川端省三君) お答えします。 平成二十七年九月に会計検査院から出されました国有林野事業の運営等についての報告書におきまして、国有林野事業が平成二十五年に一般会計化してから二年間の取組について、木材の販売や路網整備等についてより一層の努力が必要であるとの所見が示されたところでございます。 これを踏まえまして、林野庁といたしましては、製材工場等との協定に基づく販売などによる木材の安定的かつ計画的な供給の推進、木材生産が行われる箇所や施業の予定に留意した路網整備の効果的、効率的な実施、伐採と造林の一貫作業システムの拡大やコンテナ苗等の導入による低コスト化等に向けた技術開発やその普及等の推進などの取組をより一層積極的に進めていく考えであります。今後とも、国有林野の組織や資源を生かし、率先して林業の低コスト化や木材の安定供給に積極的に取り組み、森林の有する公益的機能の維持増進や林業の成長産業化に貢献してまいりたいというふうに考えております。
○滝波宏文君 国有林野についての対応、分かりました。 今、森林のことで勉強しておりますと、実は今、新しい風が吹いているんじゃないかと思います。エネルギーの世界での木質バイオマスの発電や熱供給、またCLT、直交集成板といいますけれども、強化された木で高層の建物も造っていく、こういう動きがある中でしっかりと長年停滞した日本の森林・林業を再活性化する、こういった戦略に持っていくのが大事なんじゃないかと思いますけれども、この点、どういうふうな戦略を立てていくのか、お伺いしたいと思います。
○大臣政務官(佐藤英道君) 滝波委員御指摘のとおり、戦後造成された人工林が本格的な利用期を迎える中、森林資源を循環利用し、木材需要の拡大と国産材の安定供給体制の構築を車の車輪として、林業の成長産業化を実現することが極めて重要であると考えております。 このため、需要面におきましては、CLTや耐火部材の開発や普及、木質バイオマスの利用促進、公共建築物の木造化の推進を通じた木材利用の促進等に取り組んでいるところでございます。また、供給面におきましては、川上から川下までの関係者による需給情報連絡協議会の開催等を通じた需給情報の共有、また施業集約化を進めるための森林の境界の明確化等の支援、路網の整備やコンテナ苗を活用した伐採と造林の一貫作業システムの導入などによる低コスト化に取り組んでいるところでございます。 こうした取組を通じまして、御指摘のとおり、林業の成長産業化を実現してまいります。
○滝波宏文君 是非その戦略を推し進めて、再活性化、よろしくお願いいたします。 日本の森林資源が放置されていることのもう一つの問題、帰結というのが鳥獣被害の問題ではないかと思ってございます。昔は、里で例えば薪をエネルギー源として切って、また木を作る、材として山の木を使っていたわけでありますけれども、今では、山を使わなくなって、人が町中に移住する中で過去に人間が生存領域としていた里山に手が入らなくなってきて、むしろ森の拡大、森林資源の蓄積と併せて、イノシシ、鹿など鳥獣の生存領域が里に張り出してきた、これが鳥獣被害の今の現状の一因ではないかと思ってございます。 よって、山に手を入れるということは鳥獣被害対策にとって非常にプラスになることに思いますけれども、環境省による鳥獣被害対策と林野庁との連携についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(奥主喜美君) お答えいたします。 委員御指摘のとおり、野生鳥獣の被害が深刻化している要因といたしまして鳥獣の生息域の拡大や個体数の増加等が考えられ、この主な原因としては、農山漁村の過疎化、高齢化等により里地里山等における人間活動が低下したこと等が考えられます。 こうした状況を踏まえ、環境省におきましては、平成二十六年に改正した鳥獣保護管理法におきまして、特に農林業等に深刻な被害を及ぼしているニホンジカやイノシシにつきまして、都道府県が主体となって捕獲を行う指定管理鳥獣捕獲等事業を創設し、二十七年度から交付金事業により支援を行っているところです。この交付金事業につきましては、二十七年度は三十三道府県、二十八年度は三十七道府県で実施することとなっており、多くの道府県で捕獲が進んでいない奥山や標高の高い地域を中心とした捕獲が進められているところです。 また、関係機関との連携につきましては、鳥獣保護管理法に基づく基本指針におきまして、都道府県が指定管理鳥獣捕獲等事業を実施するために必要な実施計画を策定するに当たり、関係機関等との協議や意見聴取を行うよう規定されています。例えば事業実施地域が国有林野を含む場合には都道府県が林野庁の出先機関からも意見を聞くなど、捕獲の計画段階から関係機関と情報共有を行い、連携を図りながら効果的な捕獲を進めているところです。 今後とも、環境省におきましては、指定管理鳥獣捕獲等事業の実施に当たり、林野庁を始めといたしました関係機関との連携が図られるよう適切な運用を図ってまいりたいと考えております。
○滝波宏文君 どうぞよろしく連携をお願いします。 そして、昨年末、長年にわたる議論を経て、森林環境税、仮称でありますけれども、新たな仕組みを検討することが与党の税制改正大綱に盛り込まれました。森林整備の財源として、そして、大野先生からも先ほどお話ございましたけれども、地方と都会の支え合い、これを象徴するものとして大いに期待されるところであります。 その議論の過程で、先ほどもございましたが、環境省より打ち出された森里川海プロジェクト、これは、森林だけじゃなく、更に広い自然の恵み、エコシステム、これを全体への感謝を形にしようとする画期的な動きであり、私としても森里川海議連の発起人の一人として強く支持したところでございます。 同プロジェクトは、単に森林環境税の拡大ということだけではなく、民間を含めた資金の確保を検討するなど幅広い取組案であったかと思いますけれども、今後環境省においてこの森里川海プロジェクトをどう推進していく予定か、展望をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(奥主喜美君) お答えいたします。 私たちが暮らしを支える森、里、川、海の恵みを将来にわたって享受していくためには、国民がその価値を認識し、社会経済の仕組みの中に組み込むことにより国民全体で支えていくことが重要であると考えております。 昨年度、「つなげよう、支えよう森里川海」プロジェクトを実施した全国約五十か所でのリレーフォーラムにおきましても、今後進めるべき方向性といたしまして、ライフスタイルの変革、取組を担う人材の育成、経済的に持続可能な仕組みづくりなどの重要性を指摘する意見が出されました。 本年度は、フォーラムでの御意見等を踏まえ、特に都市の住民を中心に森、里、川、海の恵みを支えていくライフスタイルへの変革を促す普及啓発を行っていく予定です。また、自然の恵みが持続的に得られる管理の在り方が経済社会システムの中に組み込まれるよう、仕組みづくりにつきまして先進的な地域と連携しながら具体的に検討してまいりたいと考えております。
○滝波宏文君 ありがとうございます。 時間になりますので、失礼いたします。 ─────────────
○委員長(小泉昭男君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、大島九州男君が委員を辞任され、その補欠として森本真治君が選任されました。 ─────────────
○宮本周司君 自由民主党、参議院全国比例で活動しております宮本でございます。 まず、質問に入ります前に、今回の地震で犠牲となられた尊い御霊に対しまして心より哀悼の誠をささげますとともに、また、被災された皆様方には心よりお見舞いを申し上げます。 今年に入りまして、私も党の仕事等で二度三度と熊本県訪れておりましたので、私自身も大変今つらい思いをしております。与野党限らず、参議院、また衆参国会を挙げてこの事態の収束、また一日も早い笑顔と活力を取り戻すことに尽力をしてまいりたいと思います。 では、質問に入らせていただきます。 先ほど滝波委員の方からもパリ協定に関する発言また御質問もございました。二〇二〇年以降の温暖化ガス排出削減等の新たな国際的な枠組みを、米国であったり若しくは中国といった排出大国も初めて参画をした形で、公平な合意の下に採択をされたと。これに対しまして各国から目標というものが掲げられたわけでございますが、我が国は欧米と比べてもかなり野心的な、二〇三〇年度には二〇一三年度比で二六%削減、これを目標にされたところでございます。 我が国の今の温室効果ガスの排出量の約九割がエネルギー起源のCO2だと認識しております。このことを鑑みれば、先ほど滝波委員からも御指摘ありましたが、原発等も含むいわゆるエネルギーミックス若しくはエネルギー政策、これがまさにCO2削減の目標達成を実現するための実現手段になると私は考えております。 当然、徹底した省エネの推進であったり、再エネの最大限の導入等も図っていくことも必要ではありますが、現実的に、東日本大震災以降、化石燃料による火力発電に多くを依存しているこの現状を鑑みると、なかなかその達成に向けたプロセスというのは厳しいものがあるんじゃないかなと思っています。 バランスが取れたそういったエネルギーミックス若しくはエネルギー政策がCO2削減の実現手段と考えたならば、環境省としても、やはり経産省であったりエネ庁としっかりと連携をして取り組んでいく必要があると思います。これまでどのように取り組んできたか、また、今回改めて二六%目標を掲げてどのように取り組んでいくかということをまずは大臣に伺いたいと思います。
○国務大臣(丸川珠代君) 委員御指摘のとおり、経済産業省の皆様と協力をしながら地球温暖化対策を進めていくということは非常に重要であると認識をしております。 火力発電所をめぐる様々な課題について、電力自由化、この四月から始まりましたけれども、こういうものも踏まえつつ、どのようにして電力の排出係数について管理をし、また国民の皆様に御理解をいただきながらこれを温暖化の目標に沿うものにしていくかということについては、経済産業大臣とも話をさせていただいて、経済産業省としてもこれから今まで以上にお取組をいただくというお話をいただいた中で、私どももこれから二〇三〇年目標に向かっていくというお互いの連携を新たに確認をさせていただいたところでございます。 パリ協定の合意というのは、すなわち、今度は国内対策をそれぞれがしっかりと取り組んでいくということだと思います。京都議定書の頃はまだまだ様々な先輩方御苦労おありになったと思いますけれども、今は、環境に取り組む、そしてその持続可能性をあらゆる国民の生活の分野あるいは産業の分野で意識をしながら、それぞれの事業なり生活の取組を進めていくということが前提になってきていると私どもは認識をしておりまして、現在私どもが取りまとめを進めております地球温暖化対策計画においても、実に広範にわたってそれぞれの目標値なり取組なりをかなり具体に子細に決めさせていただいて、この二〇三〇年二六%削減という目標に向かって歩みを進めていくその道のりを示させていただくことにしております。 今後とも、再生可能エネルギーの最大限の導入、そして徹底した省エネルギーの推進には、経済産業省を始めとした関係省庁と連携をして取り組んでまいりたいと考えております。
○宮本周司君 大臣、ありがとうございます。 やはり環境省としてもその辺りの対策費用を支出経費として計上もされておりますので、今御答弁いただいた内容も含めまして、是非リーダーシップを取って力強く前に着実に進めていっていただければと思います。 先ほど、環境省の外局であるということで原子力規制庁、規制委員会に対する大臣からの御発言もありました。原子力の安全規制対策として経費が、若しくは経費に資する支出が発生しているという観点から、私からもちょっと規制庁、規制委員会の方に御質問をさせていただきたいと思います。 平成二十五年七月に新規制基準の施行日が設けられ、そしてそこから申請が始まっております。約二年八か月ほど経過をしているかと思います。このうち、まだ審査が終わりまして設置変更を許可されたのは数件ということで、全体の七割、八割はまだ審査中、若しくは審査の開始若しくは再開がなされていない状況であると。 そして、私はやっぱりこの状況を鑑みても、当然、再生可能エネルギーであったり総合的なエネルギー政策、エネルギーミックス、原発を含むです、それぞれをしっかりと前に進めていく、やはりいろいろなことを早期に前に進めていくことによって実現をする糸口をまた模索する、また必要なPDCAができるものだと思っております。 そういう意味におきましては、やはり早期に審査を開始すべきだと思ってはいるんですが、その審査スキーム若しくは体制に対してちょっと疑念があるところがございますので、そこをちょっと質問したいと思います。 敷地内の破砕帯調査の対象となった、これは保安院からの引継ぎと聞いていますが、そういった発電所に関しましては、一定の見解の取りまとめが新規制基準の適合性に係る審査開始の前提とされていると。そして、これは原子力規制委員会が設置した有識者会合が取りまとめる評価書を示しているものと認識しております。ですから、その評価書が報告されるのを待って初めて審査を開始できるということなので、申請からもう一年とか一年半たってもまだ審査が開始されないという現実も混在していると。その有識者会合そのものが法的な位置付けがないものであるのに、そこがまとめる評価書を審査開始の前提にして長期間を要する結果になっています。 また、規制委員会としても適合性審査において重要な知見の一つとして参考にするとされておりますが、最終的な会合の後半ですね、評価書案をまとめていく段階では事業者に意見を求める機会が全く与えられず、要は、最終的な意見交換、コミュニケーションがないまま有識者会合の中で取りまとめられて報告がされる。 それに加えて、いろいろな学会とかの御推薦で有識者が十六名選ばれて、いろいろなサイトというんですか、発電所の審査に当たっては四人、そして規制委員会から一人が加わった五人ぐらいでチームを編成してその評価に当たるとされております。そして、その評価書案がまとまった段階でほかの十二名の有識者の方々も対象にしてピアレビューを開催する、そして各レビューアーからその評価書案に対して意見を求める。 ここまでは、私もいろいろな企業経営者であったり組織の代表を務めたこともありますので、建設的なやり方かなと思うんですが、この際に、その評価書案の内容に対して異論であったり評価書の内容が変化するような意見、異論がほかのレビューアーから出されても、それがその次の議論にはつながらない、内容そのもののもう一回見直しとか再検討とか再協議にはつながらない、これが過去からそのような結果しかないというふうに私は認識しているんですね。 このことに関しましては、規制庁にも実は確認をしましたら、ピアレビューは査読のようなものですという説明もあったんです。この考え方はどうなのかなと思いました。担当する四人の有識者、またそれ以外の十二人の有識者、それぞれがその評価のプロセス、結果に関わる意見を建設的にして、出されたものに対して、それが最終的には結果に全く影響を与えないんだと、その担当した四人の方々の意見が主なんだと。この状況を鑑みれば、わざわざその十二人の方々の意見を求める必要があるのかとか、一定の長期間わたってまとめられた評価書そのものが果たして合理的なものなのかなというところに疑念を感じます。 要は、十二名の方が異論となるようなことを唱えても、四名の方がまとめられた内容はそのままだと。となれば、その十二名の方の誰かがそのメンバーに入っていたら、導かれる結論は全く違うものになるという可能性も秘めているわけですよね。そんな不安定な要素のあるものを審査開始の前提条件として、まあ参考にすぎないかもしれませんが、そのように扱っている。そこに大きな時間も、そして経費も発生しているわけでございます。 改めて整理しますが、法的な位置付けがない有識者会合が考察の偏重というような不安定要素も含むスキームでまとめた評価書、法律的な強制力もないのに審査開始の前提とされるほど重きを置かれている、そこに違和感を若干感じますし、その時間であったり経費、費用対効果という表現は適切ではないのかもしれませんが、やはりそこに合理的な根拠があるというのがなかなか感じられないんですね。 それで、当然、審査まで待つとなれば、事業者さんの方もそれだけ多くのロスであったり若しくは負担があるわけでございますので、この現実もやっぱり不適切なものなんじゃないかなと思っています。 是非、いわゆる有識者会合の評価書をベースとするわけではなく、やっぱり正当な規制委員会の中での審査スキームがあるわけでございますから、その中で事業者の意見も十分に反映し議論をし、また透明性、公平性が担保された調査や考察を基に、そして正式な適合性審査の場で早期に評価を確定させる必要がある、このように考えるんですが、委員長はどのようにお考えでございますか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) たくさんの御質問が、内容が含まれていますので、ちょっと答弁長くなることを御容赦願いたいと。 まず、地震の原因になるような破砕帯、それから火山といったものについては非常に安全上重要なんですが、これの確定には、判断には非常に専門的な知見とかデータを必要とします。そういう意味で、かつての原子力安全・保安院の時代に、やはり専門家の方から、我が国では五つの敷地についてもう一度その敷地の立地の状況を見直す必要があるという、そういうツケのようなものが私どもにありました。それを踏まえて、その五つの敷地については専門家の御協力を得ながら一応の判断を仰ぐということで有識者会合というのを設けさせていただいています。 ただし、有識者に任せるというのは、かつての安全規制の一番の反省点でありまして、本当に最終的に責任を持つのは誰かというところが曖昧になるということで、そういった判断を参考にしながら、私どもとして、原子力規制委員会として責任を持って最終的な審査の判断をするということにしております。 そういうことで、有識者の選定に当たってはできるだけ公平、客観的に各学会からの推薦をいただいて今十六名の方にお願いして、手分けしながらその各敷地の立地条件、そういった活断層、あるかないか、活動する可能性があるかどうかということを調べて、調査していただいています。ただし、こういった自然の状況、今回の熊本地震でもそうですけれども、確定的なことがなかなか言えないというところがあります。 ですから、十分なデータがあればかなりはっきりしたことが言えるんですけれども、そういった場合のことがありますので、有識者がまとめた報告書については、ピアレビューという、より大勢の有識者の目を通して、きちっと科学的に間違いがないかとか抜けがないかとかそういった観点、これは非常に重い判断になりますので、そういったプロセスを踏んでいます。 ですから、ピアレビューが単なる査読ではなくて、当然その意見についてはきちっと踏まえた上で、その担当している有識者会合のメンバーで最終的にはその報告書をまとめていただくということにしています。それを私どもが受け取って、それを参考にして審査を進めるということです。 実際に有識者の判断に必要なデータは事業者から出していただいています。ですから、事業者がきちっと、これは大丈夫ですとか、あるいはそういう客観的に見て大丈夫なデータを出してくれれば、そういった会合は私はすぐに終わるんだと思います。でも、なかなかそういったものが出てこないというところでいろんな議論が長引くということがあります。 ただ、立地の問題です。仮に活断層があった場合には、私どもの新しい規制基準では、そこでの原発の稼働は認めておりません。ですから、そういうことがないということが前提にしないと、そのほかの審査をやった場合手戻りになりますので、これは私どもにとっても事業者にとっても大変な損失になりますから、そういうプロセスを踏ませていただいているということでございます。 確かに、審査に時間が掛かっているということはありますけれども、これまでと違いまして、新しい規制基準ではいろんな自然の外的な事象による重大事故を防ぐということで取り組んでおりますので、その辺は是非御容赦願いたいと思います。
○宮本周司君 ありがとうございました。 委員長がおっしゃることも理解はできます。ただ、私が申したのは、そのピアレビューでの意見が明らかに過去の事例を見ると反映されていないというふうに認識したもので、そういう指摘なので、改めて今後の在り方等は、委員長、今の御発言、御答弁のとおりに準じてやって適正な審査を早期に実現できるように促していただければいいと思ってはいるんですが。 もう一個は、じゃ、そもそも、その規制委員会であったり、その体制の方ですね。マンパワーが足りているのかというようなところも逆にこれは心配をしているわけでございまして、本年一月に行われましたIAEAによるIRRSにおいても、原子力規制委員会は、有能で経験豊富な職員の獲得や、若しくは教育訓練、研究、国際協力を通じた原子力及び放射線安全に関する職員の力量の向上に取り組むべきという改善のための勧告、助言を受けております。マンパワー不足であったり力量不足であることを物語っているとか指摘されたと認識をしております。 ですから、実際に、この人員を確保、教育に努力をするということは喫緊の課題と考えてはおりますが、努力するという精神論だけで済む話でもない、大変重いものと受け止めておりますので、やはり早期に審査体制を強化をすること。適合するか否かです。適合するか否かを、透明性、公平性を持って、科学的、技術的な見地に立って、また責任と根拠に基づく議論の末に、やっぱり速やかに導いていただきたいと思います。 この点に関しまして、委員長から何かございますでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) ただいまの質問にお答えする前に、ちょっと先ほどは五サイトと申し上げましたけど、六サイトの調査でしたので、私の勘違いでしたので御容赦願います。 ただいま御指摘がありました体制についてですが、一言で申しますと、やはり、私ども発足以来その体制強化に努めてまいりましたけれども、まだ不十分であるということは御指摘のとおりです。発足以後、独立行政法人であった原子力安全基盤機構、JNESと言っておりましたけれども、ここを統合して、現在九百二十名になっております。 それから、原子力発電所の審査には、審査開始時点では八十名ぐらいでしたが、現在は百名体制ということで、一応強化をできるだけ図っています。 ただし、どんどん強化を図りたいという思いはありますけれども、なかなか原子力発電所を審査するという専門性とか経験というものを持っている者というのは、いろんなところ、我が国全体を見てもなかなかそれを確保するのは大変困難になってきております。そういう意味で、新卒を採って更にそういった教育とか経験をさせていくということと同時に、なおかつ、その上でもいろんなところから、メーカーとか事業者の中からでも私どもの方に身を移していただける方は積極的に採用して、人材のというか審査体制の強化に努めてきております。 IRRSについての御指摘がありました。実は、この一月にIAEAの規制についての評価を行うサービスを二週間にわたって受けました。その中で、やはり特に、今後、審査から稼働に移った段階では、いわゆる検査官とかそういった体制、スキル、能力のアップが必要であるという御指摘をいただいております。多分来週ぐらいにその正式な報告書は来ると思いますけれども、指摘された事項については今もう既にいろんな形で私どもとしては取り組んでおります。 この体制の強化、それから審査の円滑な遂行ということについては我々も日々努力をさせていただいています。実は相当進んで、最初の頃は新しい規制基準をベースにしましたのでなかなか大変だったんですが、川内の原発が動き出して、その規制の状況を見ながら他の事業者もそれを一応フォローしながら申請もできるようになってきてだんだん効率は上がってきていると思うんですが、残念ながら、私どもの方にも問題はありますけれども、事業者の方もなかなかそこに十分に取り組んできていないなということがあって、何度か私も直接社長さんにそういったことでしっかり取り組むようにという要望も出させていただいています。 両方が努力しないとこれはなかなか先生の御指摘のように先に進まないといったことも是非御承知おきいただきたいと思いますし、私どもの体制強化についてはまた一段の御支援をお願いしたいと思います。
○宮本周司君 しっかりと課題も御認識いただいているようでございますので、総合的な取組、また求める結果が、それが日本が世界に約束をした二六%の削減、この目標達成にもつながっていく、その一助も担っているということも含めて、これからの活動の中でしっかりと御反映をいただけたらと思います。 続いて、復興大臣の方に是非伺いたいと思います。 私も今の東北復興の一つのキーとなるのが観光だという思いがございました。昨今、地方創生の実現手段としてDMOという考え方もございます。観光地経営でございます。そういった部分も含めて、先ほど大野委員、また滝波委員からも関連の御質問がありましたので、その観光の部分も含めて、やはりしっかりと被災地が前に進んでいくためにも、今、年数がたったからこそ、若しくは少し復旧が整ったからこそ様々な今度課題がまた新たに出てきた、これも現実だと思います。地域の中でしっかりとお金を回していくんだ、お金を回すことによって、当然売上げ、所得が伸びる、また雇用が生まれる、そして地域経済の振興そのものを下支えもしていく、そしてそのことが被災地が自立をしていくということを醸成するまさに原動力になっていくと思っています。 三月十一日に閣議決定されました復興・創生期間における東日本大震災からの復興の基本方針においても、十年間の復興期間の総仕上げ、今後折り返しの五年間、これはやっぱり復興のステージが進むにつれていろいろと生じる新たな課題、また多様なニーズ、きめ細やかにそういったものに対応しながら新たな東北ならではの地方創生の姿をつくっていくということが求められ、訴えられていると思います。先ほどの観光も含めサービス業、また水産加工業であったりいろいろな販路開拓、また農業の大規模化であったり、若しくは四次産業化も含めていろいろな産業振興を目指すことによってこれが前に進められると思っております。 復興庁として、復興大臣として被災地の産業振興についてどのようにお考えか、また具体的なアクションプラン等があれば是非お聞かせをいただければと思います。
○国務大臣(高木毅君) 現在、中小企業等グループ補助金、あるいはまた津波・企業立地補助金など、これまで前例のない施策の実施によりまして被災地の産業の復旧復興は着実に進展してきたというふうには思っております。また、町のにぎわいを再生するために、被災自治体が策定するまちなか再生計画を認定いたしまして商業施設の整備を支援してきました。昨年十二月には、同計画第一号認定案件である女川町のテナント型商業施設が開業し、人々のにぎわいの場となっているところでございます。 今後、復興・創生期間におきましては、被災地の自立につながり、持続可能で地方創生のモデルとなるような復興を実現することが重要だと考えておりまして、このため、今後の産業復興につきましては、まず第一に新事業進出や販路開拓等へのきめ細やかな支援や新産業の創出、第二に被災地の基幹産業である農林水産業の再生、また第三にインバウンドの呼び込みなど、先ほど来質疑いただいておりますけれども、観光の振興や交流人口の拡大、また第四に原子力災害被災地域における産業となりわいの再生、この四つを重点課題といたしまして各般の施策を講じてまいる所存でございます。 いずれにいたしましても、集中復興期間から復興・創生期間、これまではインフラあるいは住まいの再生ということが重点的だったかと思いますが、いよいよこれからは産業復興、あるいはまたなりわいの再生、町づくり等が非常に大事になってまいりますので、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。
○宮本周司君 ありがとうございます。 私も、議員になる前から震災復興には商工会、商工会青年部の立場でずっと尽力をしてまいりまして、今も時間を見付けて行っております。よくその東北に向かう新幹線で大臣とお会いする機会もあるわけでございますが、私の同志、仲間たちも、非常に足しげく被災地に訪れていただき、また力強くいろいろな課題に向き合っていただいているということで、喜び、また活力を見出しているという話も聞きますので、どうぞ引き続きの力強いリーダーシップをお願いしたいと思います。 最後にもう一問。 その今の産業振興をしっかりと前に進めていく上で一つの課題となっているのが、御地元の東北被災地の方々であったり若しくは地域外からの新たな起業であったり創業、こういった部分もしっかりと後押しをする、支えていくということも経済の根幹を力強くしていく部分において必要だと思っています。当然、新しい事業が生まれることによって経済の新陳代謝も図られますし、新たな雇用も生まれる、若しくは技術的な部分でも革新的な現象を得ることができる。いろいろな部分でやはりこの創業支援というもの、若しくは第二創業の支援って大切だと思っております。 ただ、残念なことに、数年前に産業競争力強化法という法律が制定されたことによりまして、基本的にはこの創業支援のスキームというのが、市区町村、創業支援に関する計画認定が受けたところじゃないとその創業支援の例えば補助金であったりパッケージ若しくは予算を使いにくいという立て付けに実はなっているんですね。 ですから、このことに関しましては、私、過去から問題視をしておりまして、いろいろな場面で指摘、発言をさせていただいております。やっぱり、この地域で生まれ育ったからこの地域で起業したい、この地域で新たに創業したい、でも、その地域に具体的な創業支援のスキームがないから、残念ながらそれが備わっている地域で創業しよう、起業しよう。もしかしたら、地方創生で人口減少に歯止めを掛けていくということにおいてもこのことはマイナスに働くんじゃないかなと思っております。当然、全国的にもう発生している現象でありますが、特に被災地においては、こういった創業支援で穴が空くということは僕はあってはならないと思っております。 この分野に関しましては中小企業庁になるのかもしれませんが、大臣にも是非この部分を御認識をいただきまして御指導いただきたいと思いますし、やはり被災地の産業を振興していくんだ、被災地の、新たな東北の姿の地方創生を実現していくんだ、この上で、その実現手段の一つとして必要な創業支援、これが穴が空かないように、空白地域が起こらないように是非早期に措置をしていただきたいと思いますが、これに対しての御答弁をお願いします。
○政府参考人(土井良治君) お答え申し上げます。 委員御紹介のとおり、平成二十六年一月より、産業競争力強化法に基づきまして市区町村が作成する創業支援事業計画を経済産業大臣及び総務大臣が認定してきておりまして、これにより地域における創業支援体制の整備を進めております。この二年余り、本年一月までに一千の市区町村が認定されておりまして、これは人口のカバー率でいくと全国の八六%になっておりますけれども、委員御質問のとおり、まだ七百以上の市区町村はこの創業支援計画を作っていないわけでございます。 私どもとしましては、この認定を受けていない自治体に関しまして働きかけを続けております。一つの取組としましては、どのように創業支援事業計画を作り創業支援を行ってきたかということの先行事例集というのを作って広く周知しておりまして、この中には、地方の都市が商工会議所、信用金庫とどのように連携して創業支援計画を作ったかとか、複数の町や村が共同で申請をして支援計画を作ったとか、いろんな様々な先行事例が載っておりますので、このようなことを今後も一層広めてまいりまして支援計画を作る取組を後押ししていきたいと、そのように考えております。
○宮本周司君 いろいろな産業がその地域に根差していく、その中で持続的な成長も、また成長発展も含めてやはりそれが未来に向けた活力の源泉になっていくと思います。是非、創業、第二創業の支援も含めまして、この東北が一日も早く真の意味での産業復興を実現できるよう、我々もしっかりと尽力をし、努力をしてまいりたいと思います。 高木大臣には引き続きリーダーシップを発揮していただきまして被災地復興にお努めいただけますことを心よりお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○河野義博君 公明党の河野義博です。 まずは、先週発生をいたしました熊本を震源とする大規模な地震に際しまして、犠牲となられました方々に心よりお悔やみを申し上げます。私もすぐに被災地に入らせていただきました。九州を活動基盤に置く議員として、早期の復旧復興に全力を注いでいくことをお誓いを申し上げまして、質問に入らせていただきます。 〔委員長退席、理事石井正弘君着席〕 まずは、会計検査院の指摘事項に関して環境省に伺います。 原子力規制委員会は、原子力発電所周辺の放射線量を調査するために地方公共団体が放射線量監視設備を整備する際には交付金を助成しております。この交付金を使って、鹿児島県は九州電力の川内原子力発電所周辺二十五か所にモニタリングポストを設置しまして放射線量を調査していたわけでありますが、会計検査院が調査をしましたところ、稼働に必要な電力を確保できずに放射線量を測定できない時間があったということで、当該案件の国庫補助金相当額約七千万円を不当というふうに指摘をいたしました。 本件に関しまして、環境省としてどのように認識をしておられるのか、また再発防止に向けたお取組どのようにされているのか、教えてください。
○政府参考人(片山啓君) お答え申し上げます。 委員御指摘の件は、鹿児島県におきまして、太陽光発電型のモニタリングポストにつきまして、安定した稼働に必要な電源を確保することについての検討が十分でなかったとして会計検査院の決算報告で不当事項とされた事案でございます。 鹿児島県からは、会計検査院の実地検査の後、平成二十七年八月三日から十日にかけて、この太陽光発電と並んで商用電源も併用して電源供給ができるように工事を行い、その結果として、放射線を二十四時間連続監視する安定した稼働に必要な電源が確保できたと、その工事後、電力不足に起因する欠測は生じていないとの報告を受けているところでございます。 原子力規制庁といたしましては、同様の事態の再発防止を図るため、昨年の十一月に、関係の道府県に対しまして安定した電源の確保の重要性について改めて周知をいたしまして、モニタリングシステムの設計に当たっては十分な、必要な電力量が得られるのかという検討を行うように注意喚起を行ったところでございます。
○河野義博君 太陽光発電を電源にモニタリングをするということで、発想としてはいいんじゃないかなと思うんですが、太陽光ですからずっと発電できないということは誰にも分かっている話で、計算が間違っていましたとか、置く場所が陰になっていて発電できなかったから、しかも設置した二十五か所でその案件が発生しているということは、これはあってはならない大変大事な点だと思いますので、このようなことが絶対ないようにしっかり指導監督していただきたいというふうにお願いを申し上げます。 〔理事石井正弘君退席、委員長着席〕 次に、地球温暖化対策に対して、環境省に続けて伺います。 政府は、昨年十二月、COP21、パリ協定を踏まえまして、我が国の温室効果ガス削減目標を二〇三〇年度までに二〇一三年度対比二六%減らすという目標を立てました。電力部門からの温暖化ガスの排出量は全てのエネルギー由来の総排出量の約四割を占めますので、電力部門の削減というのは喫緊の課題であるわけです。 電力部門においては二酸化炭素の排出係数を削減するという目標を立てているんですけれども、二〇一三年度対比で同じく二〇三〇年までに三五%改善するという目標を立てました。具体的には、今まで一キロワットアワー、一キロワットの発電機を一時間発電するに当たって二〇一三年度の実績では〇・五七キロ、五百七十グラムのCO2を出していたんですが、これを三百七十グラムまで減らしますと、これ目標を作りました。三五%減らしていくという目標を作りました。この目標達成のためには最大限再エネを、再生可能エネルギーの発電を普及促進させなければなりませんし、全体の温室効果ガス削減という観点からすれば、省エネも両輪として喫緊の課題、大変重要な課題となるわけです。 一方で、今年の二月に、環境省としては大型の石炭火力発電所の建設計画を容認するという方針を打ち出しました。この温室効果ガスを減らしていくという大きな目標がある一方で、大型の石炭火力発電所を認めていくということで、この目標達成との整合性をどのように考えておられるのか、分かりやすく教えていただきたいと思います。
○政府参考人(梶原成元君) お答え申し上げます。 今先生御指摘のように、石炭火力発電所、これにつきましては、同じ火力発電所の天然ガスに比べて、発電量当たり二倍のCO2を出すというものでございます。そして、この石炭火力につきましては現在多数の計画があるということで、実効的な対策を取らなければ国の削減目標等の達成が危ぶまれるといったような性格のものでございます。 このために、今年の二月に丸川環境大臣と林経産大臣の間で調整をしていただき、まず第一点目といたしましては、電力業界の自主的な枠組みということで、電力業界が〇・三七という数字を守るというふうに言ってございます。それについて、引き続きその実効性、透明性の向上等を促していくということが第一点目でございます。第二点目は、いわゆる省エネ法とかあるいはエネルギー供給構造高度化法といった法律に基づきまして、エネルギーミックスと整合する基準を新たに作っていただき、経済産業省が責任を持ってこれを運用する、そういう政策的な下支えを行うと。この二点をもってして業界全体の取組の実効性を確保するということにいたしております。 さらに、実際にこの取組が実効性を上げていくのかということが非常に重要でございます。その点につきましては、毎年その進捗状況をレビューをするとともに、もしも目標の達成ができないと判断される場合におきましては、合意された施策の見直し等についても検討するということにしております。 地球温暖化対策に責任を持ちます環境省といたしましても、そういった経産省との連携の下で、二〇三〇年の二六%削減が達成できるようにしっかりと取り組んでいきたいと、こういう仕組みをつくっていただいたところでございます。
○河野義博君 一つは業界の自主的な取組を期待するということですが、電力自由化になりまして様々な発電事業者が現れますので、なかなか一概に言うことを聞けと、自主的にやれといっても、その実効性がどう担保されていくかというのはおっしゃるとおり引き続きしっかり見ていく必要があると思っておりますし、また、もう一つの柱であります省エネ法、高度化法、これは環境省じゃなくて経産省の法律ですけれども、これも大臣が指導監督、勧告できるようになっておりますが、最終的には罰金が最高百万円という中で、これ、どれほど皆さんが実効性を持って取り組むかというのは、やはり環境省サイドからも厳しく見守っていただいて、機動的に在り方も見直していかなければならないと思いますので、環境省のリーダーシップに私は期待しておりますので、ひとつ是非よろしくお願いいたします。 続いて、発電所を造るときに必要となります環境影響評価法、いわゆる法アセスと言われておりますけれども、この法アセス、これ義務化されております。この義務化された環境アセスメントに関して伺いますけれども、先ほど来申し上げております地球温暖化対策に加えまして、エネルギー自給率を上げていかなければなりません。 こういった観点からも、再生可能エネルギー発電の導入、拡大というのは非常に大切な課題でありまして、我が国も二〇一二年に固定価格買取り制度、いわゆるFIT法を導入しまして再エネの全量買取りということを始めました。以来、再エネの普及は進んでまいりましたけれども、三年たった二〇一四年末時点では、再エネ比率というのは全体の発電に占める割合一二%でございまして、その一二%の中には大型のダムを使った水力発電所も含まれておりますので、いわゆる風力、太陽光、バイオマス、地熱といった従来型の再エネというのは僅か三・二%なんですね。欧米諸国に比べて大きく後れを取っておりますし、また、この僅かに設置された再エネの中身を見てみますと、この中身の九七%は太陽光なんですね。言わば太陽光偏重で再エネの導入が進んでいるという状況でございまして、風力、バイオマス、地熱、水力、全く増えていません。 太陽光偏重にはいろんな理由があるんですけれども、この原因の一つは法アセス、法律で義務化されたアセスメントの対象規模にあるんではないかというふうな指摘もある中で、ちなみにこの基準といいますのは、火力発電所でいいますと十五万キロワット未満の発電所は法アセスが対象となっておりません。水力は三万キロ、地熱は一万キロ、風力は一万キロ、太陽光発電はそもそも法アセスの対象外でございまして、このように開発が進んでいるわけであります。 そもそもこの基準を見直すべきではないかといった声がありますけれども、丸川大臣の御所見をお聞かせください。
○国務大臣(丸川珠代君) 以前から委員には御指摘をいただいている点でございまして、おっしゃるとおり、再生可能エネルギーを最大限導入していくということは私どもにとって非常に重要な課題であると認識をしております。 一方で、風力発電所について、これがなぜ環境アセスメントの対象になっているか、法アセスの対象になっているかということでございますが、一万キロワット以上で大体五ヘクタールぐらいがこの施設の範囲の広がりになるということでございまして、火力発電所は、一方で、アセスの対象が十五万キロワット以上でございますが、これがちょうど同じ五ヘクタールぐらいということでございまして、こうしたことも一つの対象となることの基準のうちに入っております。風力発電所は、自然環境に与える影響として、例えばバードストライクであるとかあるいは騒音でございますね、羽根が回る音でございますが、こうしたものが与える影響というものをしっかりと勘案する必要がございますので、環境アセスメント手続の中で環境への配慮を求めているところでございます。 これからこの環境アセスメントを迅速化していくという取組は私ども引き続き続けてまいりたいと思っておりまして、環境や地元に配慮をしながら風力発電の立地が円滑に進められますように、関係者の意見も聞いて、関係省庁とも協力しながら必要な対策を検討してまいります。
○河野義博君 アセスメントの短縮化、従来取り組んでいただいておりまして、これは感謝申し上げるところでございますが、やはり、二酸化炭素の排出係数が非常に高い石炭火力発電所が十五万キロまでアセスが要らないのに、排出係数ゼロの風力が、開発面積同じとはいいますけれども、そこが同じ基準で見られているというのはなかなか理解が得にくい面もあるんじゃないかなと思っております。再エネは、先ほど申し上げたとおり、余り普及をしていない。一方で、この法アセスを逃れるためとも受け止められ得る十五万キロ未満の火力発電所の建設計画が多く進んでいます。 現時点で環境省が把握する、環境影響評価法対象規模未満の火力発電所の計画されている案件数及び合計の出力規模を教えてください。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 環境影響評価法の対象外ということでございますが、まず、環境影響評価法で必ず環境アセスメントを実施するものを第一種事業、個別に要否を判断するものを第二種事業と規定をしておりまして、火力発電所につきましては第二種事業の対象規模を十一・二五万キロワット以上としているところでございます。 先生御指摘のとおり、東日本大震災以降、この第二種事業の規模要件を下回る小規模火力発電所の新増設等の事業計画が増加をしているところでございます。事業者の公表情報等から環境省において把握している数字ということで御容赦をいただきたいと存じますけれども、このような小規模火力発電所の新増設は、本年三月時点で二十八件、合計出力は約二百四十万キロワットとなっているところでございます。 このような背景を踏まえまして、小規模火力発電等の環境保全対策について、昨年度検討会を開催し、課題、論点を取りまとめていただきました。また、この検討会での議論や、先ほど御答弁ございました本年二月に丸川環境大臣と林経産大臣とが合意した内容も踏まえまして、早急な対応といたしまして、事業者による自主的な環境配慮への取組を促す実務集を作成し、周知することとしたところでございます。
○河野義博君 十五万キロワット未満の火力発電所が小規模かと言われると、私はそうではないと思っておりまして、発電規模が、ちょっと委員の皆様にもイメージつかんでいただいた方がいいと思うんですが、法アセス対象未満となる発電規模の要件をそれぞれ比較してみたいと思いますが、火力発電所十五万キロ、水力三万キロ、地熱一万キロ、風力一万キロ、太陽光は対象外なんですけどね、それぞれ年間どのぐらいの世帯を賄える規模の発電所でしょうか。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 設備の利用率等がそれぞれの電源種別や個別の事業の状況などによって異なっておりますが、設備利用率や一世帯当たりの電力消費量につきまして、長期エネルギー需給見通し関連資料にございますモデルプラント試算条件などから仮定を置いて推計をした数字ということでこれも御容赦いただければと思いますけれども、火力発電所十五万キロワット、これは設備利用率は七〇%と仮定をいたしまして約二十八万三千世帯、水力発電三万キロワット、設備利用率は六〇%と仮定をいたしまして約四万八千世帯、地熱発電一万キロワット、設備利用率は八三%と仮定をいたしまして約二万二千世帯、風力発電は一万キロワット、設備利用率は二〇%と仮定いたしまして約五千世帯、太陽光発電、これは先生御指摘のとおり環境アセスメント対象外でございますけれども、一万キロワット、設備利用率は一四%と仮定いたしまして約四千世帯を賄えると見込まれているところでございます。
○河野義博君 火力発電が二十八万世帯を賄える規模の発電所なんですね。同じ物差しで考えている風力発電所は僅か五千世帯です。 先ほど御答弁いただきました火力発電所、十五万キロ未満の開発というのは二百四十万キロワットですから、先ほどと同じ数字で換算してみますと、十五万キロで二十八万三千世帯ですから、実に二百四十万キロワットの火力発電所というと四百五十万世帯賄えてしまう計画が今進んでいるんです。日本の家庭が五千万世帯だとすれば一割を賄えてしまう規模の大規模な、大掛かりなプロジェクトが進行しているわけですね、法アセス対象外ということで。環境影響評価法の対象外として進んでいるということは重く受け止める必要が私はあるんだろうなと思います。 規模要件に関しましてもちょっと聞いておきたいんですけれども、火力発電所十五万キロ、水力三万、地熱一万、風力一万、太陽光仮に一万としますと、どのぐらいの開発面積が必要なのか。火力と風力は先ほど大臣の御答弁にもありましたが、改めてちょっと教えてください。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 先生御指摘の発電所事業に係ります土地の改変面積でございますけれども、これもこれまでの環境影響の対象となったようなものの実例からの概算推計ということで御容赦をいただきたいと思いますが、先ほど大臣御答弁申し上げました火力発電所十五万キロワット当たりで約五ヘクタール、地熱発電所一万キロワット当たりで約一から三ヘクタール、風力発電所一万キロワット当たりで約五ヘクタールでございます。それから、水力発電の場合、ダムの設置を伴いますと、三万キロワット当たりで約百十ヘクタールということになってまいります。太陽光発電につきましては、これも先ほど御答弁申し上げましたとおり法アセス対象外でございますけれども、発電規模と敷地面積が明らかになっている事業から概算いたしますと、一万キロワット当たり約十五ヘクタールという概算でございます。
○河野義博君 まとめますと、太陽光発電には法アセスが適用されません。火力発電所は十五万キロです。太陽光以外の中小再エネの発電に向けては、実質的に大規模火力発電所と同じレベルのアセスが求められているわけです。 石炭火力発電所の開発はアセス対象とならないように十五万キロ以下で開発が進んでいまして、これは大型に比べると排出係数も一割高いというふうに言われています。しかも、火力発電所は一旦建てられますと四十年間も排出係数はロックインですから、もう固定されてしまうんですね。改善しようがありません。こういった計画が進んでおりますので、やっぱりこれ、規模要件が理に合っていないと私思うんです。 丸川大臣、先ほど御答弁いただきましたけれども、感想で結構でございますので、これやっぱり私は基準自体がおかしいと思うんですが、改めて御検討いただけないでしょうか。
○国務大臣(丸川珠代君) よく勉強させていただきたいということはもちろんでございますが、改変面積だけがアセスの対象になる要件ではないことは委員も御承知だと思います。 自然環境に与える影響、また近隣に人が住んでいる住んでいないことによって、どういう人の暮らしに影響を与えるかということも一つの基準として入っているわけでございまして、こうしたことを総合的に勘案するときに何を重視すべきかということについては我々も継続的にこれからもよく考えていきたいと思いますし、また委員の御指摘踏まえて、できることは何があるのかということは考えてまいりたいと思います。
○河野義博君 問題提起はさせていただけたかと思いますので、引き続きの御検討をお願いしたいと思っております。 ちなみに、風車はもう従来より大型化しておりまして、一万キロといえばもう風車三本一万キロの世界でございますので、五ヘクタールが必要であるとは到底思えません。環境影響評価をやらなくていいと言っているわけではありません。ちゃんとした事業者は自主アセスもしっかりやっておりますので、その辺りも総合的に御判断をいただいて、機動的に検討いただけたらというふうに思います。 お願いばかりで恐縮ですので逆にお礼も申し上げておこうと思うんですけれども、風車から出る低周波音に関して心配する声が従来あったんですが、これは環境省の画期的な取組でその懸念を払拭することができました。 風力発電所の建設に当たっては、近隣住民から、耳に聞こえない低周波音、いわゆる超低周波音、これ不安視する声があったんですが、環境省が主催する風力発電施設から発生する騒音の評価手法に関する検討会というのが過去何度も開かれまして、今年二月に中間取りまとめが報告されました。結果、低周波音は人体に影響を与えないという断定的な意見を出していただいた。 この件に関しまして、その概要及び今後の見通しについて、最終的なレポートの見通しについて教えてください。
○政府参考人(高橋康夫君) お答え申し上げます。 環境省では、委員御指摘のとおり、平成二十五年度からでございますけれども、風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会を設置をいたしまして、風力発電施設から発生する騒音等の調査、予測、あるいは評価手法につきまして検討を行ってきております。 本年二月に、これまでに明らかになりました知見と今後検討すべき課題等につきまして整理を行いまして、中間取りまとめとして公表いたしました。現時点で明らかになった知見といたしましては、例えば風車騒音と煩わしさ、いわゆるアノイアンスと言っておりますけれども、この間には統計的に有意な関連が報告されているということでございますけれども、一方で、今御指摘がございましたけれども、二十ヘルツ以下のいわゆる超低周波音というものにつきましては、風車から出ているものは人間では知覚できないレベルでありまして、今のところ健康への影響について明らかな関連を示す知見はなかったということもこの報告書の中で述べてございます。 また、今後検討すべき課題としては、風車騒音特有の音の性質でございますとか、あるいは設置される地域の音環境の違いを踏まえた風車騒音の評価手法の検討などが課題として挙げられてございます。これらの課題につきましては、引き続きこの風力発電施設から発生する騒音等の評価手法に関する検討会におきまして検討を行っていきたいと考えてございます。
○河野義博君 二十ヘルツ以下の低周波音、いわゆる超低周波音については人が、感知レベルではなかったという結果が出ましたことを喜ばしく思っております。感謝を申し上げるところであります。 続いて、時間の許す限り会計検査院に伺います。 平成二十六年度の決算検査報告書におきまして、指摘金額は一千五百六十八億円、五百七十件に上りました。厳しい財政状況の下で行財政の適切な執行に対する国民の関心は近年本当に高まっておりまして、限られた貴重な財源を経済的、効率的、そして適切に使っていくということが強く要請されているわけであります。そのために、まずは会計検査院の現地実査の数、増やしていく、割合も高めていくということが非常に大事だと思いますけれども、これまでの監査の実施率の推移をお答えください。
○説明員(桜田桂君) お答え申し上げます。 会計検査院では、会計検査院法第二十五条の規定に基づきまして毎年会計実地検査を行っておりますが、過去五年におけますこの実地検査の施行率について申し上げますと、全体では、平成二十三年次は九・〇%、二十四年次は九・六%、二十五年次は九・四%、二十六年次は九・七%、直近の二十七年次には九・八%となっております。 これらの数字は、施行率を算出いたします際の母数であります検査対象箇所に二万余に上ります郵便局やJRの駅などを含んだものでありますが、一方、各府省の本省や主要な独立行政法人等の本部についてはほぼ毎年実地検査を行っております。また、こうした本省等に地方ブロック機関を含めました重要な検査対象箇所の施行率は、平成二十三年次において四一・二%、二十四年次は四三・七%、二十五年次は四三・五%、二十六年次は四二・二%、直近の二十七年次には四三・五%となってございます。 なお、これらの実地検査箇所の選定は無作為に行っているわけではございませんで、綿密な事前調査と検討によって策定した計画に基づきまして、できるだけ問題のある可能性の高い箇所を選定するようにいたしまして検査の効率を上げるように努めているところでございます。 そして、今後の見通しということでございますけれども、会計検査院といたしましては、引き続き、与えられました予算と人員を最大限に活用いたしまして、できる限り効率的かつ効果的な検査の実施に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○河野義博君 主要検査先は四二%前後で横ばいです。しっかりと予算確保していかなければなりませんので、我々の方もしっかりと後押ししていく決意ではありますけれども、より専門性の高い案件が増えてきていると思います。特に、昨今、官民ファンドなんかもできました。物すごく複雑なスキームの中で投資をしていく、その中で不正を見抜いていくというのは非常に大変な作業だろうと思います。人材育成も大きな課題だと思いますし、会計士を採用しているケースもあると伺っておりますけれども、実際に民間に人を出すとか民間から人を採用するとか、官と民のやり取りもしっかりやっていくべきなんだろうというふうに考えています。 また、同じ案件、同じような業態にはやっぱり同じ人が行けば勘どころも分かってくるはずで、毎年毎年人を替えるというようなことはやめて、是非とも継続性のある検査体制も取っておくべきなんではないかなというふうに申し上げます。と申し上げますのも、私、前職時代、会計検査院の検査を受けたことがある数少ない議員の一人でございまして、お願いを申し上げるところでありますが、ちょうど時間となりましたので終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 まずは、九州地方の地震で亡くなられた方、また被災をされた皆さんに心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。 日本共産党としても、現在、救援とそして支援に全力を挙げておりますが、土曜日の日には官邸へ行きまして政府に申入れを行いました。救援、救命、そして被災者支援、さらには被害の拡大防止には万全を期していただきたいということであります。 同時に、この申入れでは、唯一今稼働している川内原発への不安の声があるという中で、この地震の拡大の予測が付かない、さらには新幹線や高速道路が止まっている中で万一の際の避難に支障がある、さらには電力需要から見ても動かし続ける必要はないと、こういう点から、不測の事態に備えて川内原発は停止をすることを求めました。同時に、少なくとも、稼働継続ありきではなくて、その是非について政府として英知を結集して真剣な検討を行って国民生活の不安に応えるべきと、こういうふうに申し入れたわけであります。 規制委員会は、十八日にこの問題で臨時会を開かれております。震源周辺の原子力施設への影響や情報提供の在り方について議論をされておりますが、田中委員長は、原子力規制委員会あるいは規制庁の情報提供が必ずしも十分ではないとお叱りを受けた、こういうことを踏まえ、私どもとしては率直に反省しなければならないと述べられておりますが、具体的に何が十分でなかったとお考えでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 今回の熊本地震の発生以後、九州で震度五弱以上の地震が発生した際には、原子力発電所の立地市町村において大きな地震が確認されなくても、異常事象が入っていないことや計測された地震計の指示値について、速やかにホームページへの掲載やツイッターでの発言を行ってきました。しかし、今回の地震のように震度六クラスの余震が何度もあるということで、国民の気持ちは非常にやはり原子力発電所に対する不安があるということを、そういうことをしんしゃくすれば、我々の発信の基準を超えて、何もなくても、問題がなくてもそのたびごとに情報を発信すべきであったし、もう少し丁寧に、なぜ大丈夫かという意味も含めて発信すべきであったというふうに考えまして、十分でなかったということを申し上げました。 その後、今週月曜日になりまして、臨時の、そういったことを踏まえて規制委員会を開きまして、今後の情報発信の在り方等について改善を図ってきているところでございます。
○井上哲士君 一方、報道では、丸川大臣は、十六日の地震非常災害対策本部会議で、この川内原発について、情報提供の在り方には触れることなく、原子力規制委員会において停止させる必要はないと判断されているという発言をされております。 私は、国民の不安にきちんと応えた情報提供を促していくということは原子力防災担当大臣の重要な使命と考えるわけでありますが、この川内原発の稼働の問題、そしてこの情報提供について特段触れなかったことについて、まず見解をお願いしたいと思います。
○国務大臣(丸川珠代君) 災害対策本部では、規制委員会の判断について御報告をさせていただきました。 それから、情報発信についてでございますけれども、この点、規制委員長から御指摘がございましたことを受けて、規制庁がその後、震度五弱以上の地震では実際緊急参集をするわけでございますが、その震度の大きさにかかわらず、皆様の御不安にしっかりとお応えするべく正確な情報を発信するようにしたところでございます。 今後とも、正確で迅速な情報発信を規制庁並びに規制委員会には期待をしたいと思っております。
○井上哲士君 やはり、防災ということを考えたときに、しっかり国民の不安に応えていくということが大事なわけでありまして、私は、十六日の時点でそういうような発言もあってしかるべきではなかったかと、こう思うんですね。 規制委員長は、この臨時の会合後の会見で、これまでの一連の地震での川内原発の地震動から見れば問題ないというふうに述べられました。そして、地震が頻発する中、予備的に原発を停止するべきではないかという意見についても、特段の根拠がないのに止めなさいと簡単に判断できないと述べられました。 しかし、私は、これまでにない様相を見せている今回の地震においては、もっと英知を結集した議論と判断が必要だと思うんですね。ですから、情報提供だけではなくて、この点でも不十分だと指摘をしたいわけです。 地震調査研究推進本部を所管されている文科省に来ていただいておりますが、今回最大震度を記録した益城町では何ガルを記録し、そして地殻変動による地表の横ずれは最大どれだけになったと今分かっているでしょうか。
○政府参考人(白間竜一郎君) お答え申し上げます。 四月十四日に熊本県熊本地方でマグニチュード六・五の地震が発生した際には、益城町の地震計において千五百八十ガルを観測をしたところでございます。また、これまで地震調査委員会に報告されました現地調査の結果のうち、確認された横ずれの最大値は二メートル程度であったということでございます。
○井上哲士君 規制委員会は、この川内原発の適合性審査では、六百二十ガルが安全上重要な機能が確保されると、こういうふうに言われてきたわけでありますが、益城町ではそれをはるかに上回る震動があったわけでありまして、中越大震災並みの震動でありました。 広大の現地調査では、この益城町に布田川断層から分岐をする新たな断層が見付かったという報告もされております。そしてまた、布田川断層自体が従来の政府の想定よりも長かったと、阿蘇の下の方まで行っていたということも言われておりますが、なぜこういう断層の未発見や長さの違いが出てくるんでしょうか。
○政府参考人(白間竜一郎君) お答え申し上げます。 ただいまの御指摘についてでございますけれども、まず、地震調査委員会、四月十七日に臨時会を開きました。この際に、これまで調査委員会において長期評価という形で評価をしておりました布田川断層帯の布田川区間、この活動によるものという評価をするとともに、あわせて、今回の活動範囲の北東側に断層が延びている可能性があるということが調査会の中では示されております。 また、今委員御指摘のように、広島大学の公表内容で、布田川断層帯の北側に、これまで知られていた断層線とは異なる位置で新たに断層が発見されたという公表がなされたというのも承知をしているところでございます。 調査委員会では、これまで科学的知見によって、その調査等で把握をした断層帯、地殻の状況等に基づいて長期評価を行ってきているところでございますけれども、こういった新たな評価なども踏まえて逐次その評価を更新していくという必要があるという状況でございます。
○井上哲士君 過去の断層があっても、その上にいろんなものが堆積をしますとなかなか地表から発見するのが困難になるわけでありますが、特にこの九州の場合、いろんな火山灰とかそういうこともあって非常に困難が多いんだろうと、こう思うわけですね。例えば、東北大の調査では、二つの断層帯ではなくて、一続きの断層が向きを変えてつながっている可能性があると、こういうことも言われております。 これまでにも、二〇〇〇年には鳥取西部地震、それから二〇〇八年には岩手・宮城内陸地震、これいずれも未知の活断層が動いたということになっているわけで、日本には二千を超える活断層があると言われておりますが、まだまだ未知の活断層がありますし、その長さも正確につかみ切れていないという状況があるわけで、益城町のように大きな被害をもたらした、いつどこで大型の地震が起きても不思議ではないというのがこの日本だということを改めて私たちは思い知らされたわけですね。そういう点では、地震に関する調査研究というのは前進をしてきましたけれども、こういう到達点にあるということをしっかり見る必要があると思うんです。 その中でも、今回の地震は非常に異例のものでありました。気象庁は、今回の地震について過去に例がないというふうに会見で述べられておりますが、どういう点で過去に例がない地震になっているんでしょうか。
○政府参考人(上垣内修君) お答えいたします。 御案内のとおり、平成二十八年四月十四日二十一時二十六分に熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード六・五の地震が発生しました。その後、十六日〇一時二十五分には同地方を震源とするマグニチュード七・三の地震が発生しております。その後、地震活動は、熊本県熊本地方に加えて阿蘇地方や大分県においても活動が見られているところであります。 このように、今回の地震活動は、まず十四日に発生した六・五の地震の後に、その二日後に更に大きなマグニチュード七・三の地震が発生するという特徴、並びに内陸で発生している地震としてはその活動域が広域であるというこの二点が特徴と言えると思いますけれども、これらの点でまれな事例であるというふうに考えております。 以上です。
○井上哲士君 二つの点が挙げられました。非常にまれな地震の状況になっているわけですね。 お手元に資料を配付をしておりますが、地震調査委員会の長期評価によりますと、今回動いた布田川断層の三十年以内の地震発生確率はほぼゼロから〇・九%であります。また、日奈久断層帯の場合、今回動いた高野—白旗区間、この地震発生確率は過去の周期のデータがないということで不明になっています。一方、この日奈久断層の中で南西側、八代海区間では、三十年以内の地震発生率はほぼゼロから一六%となっていると。この部分が動いた場合には、今回のよりも大きいマグニチュード七・三規模の地震が予想をされているわけですね。 この日奈久断層の南西部が動く可能性について、専門家から今次々と指摘がされております。鈴木康弘名古屋大学名誉教授は、今は日奈久断層帯の北東側で活発だが南西側も警戒が必要だと、読売十七日付けで述べられております。それから、日本地震学会の加藤照之会長は、十八日の記者会見で、布田川断層帯西側の宇土地区と日奈久断層帯西側に未破壊部分が残っている、僅かな活動が見られており、注意が必要だと、こういうふうに言われていますように、様々、この地域、今回の日奈久断層が動いたことによる西、南の地域での動きについての警告が様々出されておりますが、この地域における十四日以降の地震の発生状況は、気象庁、どうなっているでしょうか。
○政府参考人(上垣内修君) お答えいたします。 日奈久断層帯では、十四日以降に活発な地震活動がありました。この地域から更に南西側の地域において、十六日以降は小規模な地震が発生しております。この地域では、昨日でございますけれども、十七時五十二分には八代市で震度五強の揺れ、同じく昨晩二十時四十七分には八代市や宇城市、氷川町で震度五弱の揺れを観測するなどの地震が発生しました。一時的にこの地域で地震活動は活発になったんですけれども、最新の状況を申し上げます。 先ほど見てまいりましたけれども、いずれもあの十六日以降の活動域の中にとどまっており、地震活動、昨日、一時期活発化しましたけれども、低下傾向にあります。また、領域の拡大傾向は今のところ見られておりません。気象庁としては、今後の地震活動について引き続き厳重に監視してまいります。 以上でございます。
○井上哲士君 先ほどもありましたように、今回の地震が従来にない動きを見せているわけでありますから、引き続きこの地域での警戒が大変私は重要だということだと思うんですね。 規制委員長にお聞きいたしますが、規制委員会は、川内原発の再稼働を認めた審査の中で、今回の地震を起こした布田川・日奈久断層による地震の影響について、距離が遠いので限定的だと、こういう判断でありました。 しかし、今もるる答弁で明らかになりましたように、断層の長さは従来の想定よりも長かった、そしてさらに、今まで知られていなかった断層もあったし、海底には更に未知の断層がある可能性も従来から指摘をされてきました。しかも、今回の地震が震源域の拡大など過去に例のない特異なものであるということも明らかにされたわけですね。 正体不明の地震だという指摘もあるわけでありますが、こういう下で、私は、この地域での活断層の影響など、広範囲にわたる全体像の再検討が求められていると思うんですね。つまり、規制委員会が再稼働を認めた前提が崩れているのではないかと、こう考えますが、いかがでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 今地震を起こしている断層帯、布田川・日奈久断層ですね、それについては、実際に審査の中では、最大限九十二キロメートルの長さ、かなり長いものですが、それが一気に動いた場合にどれぐらいの地震動になるかということで、マグニチュード当時八・一という評価をしています。それで、その場合に川内原発にどういった影響があるかということで、大体ガル数にすると百五十ガルぐらいの水平方向の地震動が伝わるというふうな評価をしています。そういうことでありますので、その断層を過小評価していたということではないと思います。 それから、原子力発電所については、もっと基本的なことで、敷地内の活断層、いわゆる今回のような活断層の近傍でありますと大きな被害を受けますので、そういったところについては、そもそもがそういった原発の稼働を認めないという基準になっておりまして、それについては十分調査をした上で、いわゆる活断層の存在は認められないと。その上でなおかつ先ほど先生御指摘がありました未知の断層というのは、やはり必ずしも全てが一〇〇%捉え切れていないというところがあって、それについては、今まで我が国においてマグニチュード五以上のような、そういった地震を起こしたものがあります。最近でいうと、そういう中で一番大きいもの、留萌の地震について、それを参考にして、それが川内のSS基準地震動の六百二十ガルということになっております。 ですから、近傍の活断層からの影響というよりは、今、川内原発の地震動の基本になっているのは、ないかもしれないけれども、それが起こるかもしれないという、そういうアンビギュイティーを踏まえた基準になっておりますので、特に今それについて見直す必要があるというふうな状況ではないというふうに判断しております。
○井上哲士君 しかし、そういう議論の後に今回の地震が起きて、先ほどもありましたように、これまで経験のない事態が起きているわけでありますから、やはりきちっと見直しをすることが必要だと思うんですね。 原発は、一旦事故が起きますと、人命や大規模な環境汚染など取り返しの付かない被害をもたらすわけでありますから、想定外ということはあってはならないと思うんですね。今、九州での地震の想定そのものの見直しが問われるような事態なわけですから、そうであるならば、一番の危険性を考えた、予防原則に立った対応が必要かと思います。 不測の事態に備えて、避難という点からいっても、防災という点から見てもそういう考えが必要かと思いますが、丸川大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(丸川珠代君) 現在稼働中の川内原発について、新規制基準に基づいて、一定以上の揺れを感知すると自動的に原子炉の運転を停止する機能が備わっております。この自動停止の機能の設定値が鉛直方向八十ガル以上、水平方向二百六十ガル以上ということになっております。 現在、これまでのところの地震による最大の地震加速度がおよそ十二・六ガルということで、構造上の基準ではなく運用上の基準と申しますか、実際に運転を停止させる機能が自動的に働く基準が八十というところで、実際に観測されているのが十二・六ガルでございますので、現状においては停止する必要がないということを原子力規制委員会が確認をしております。 私どもとしましては、専門家の議論をまず尊重をするということが一点と、原子力防災の立場から申し上げますと、これは複合災害を前提として避難計画及び緊急時対応を組み立てておりまして、なおかつ、その複数の経路いずれにおいても今のところこの地震による影響はない、問題はないということを確認しております。 引き続き、地震がどのように今後展開をするのかということについてはしっかり見守りつつ、備えを確認をするという作業を続けてまいります。
○井上哲士君 今回の地震でどれだけ動いたという話がありましたが、今後広がっていく、そういうことを予測をして考える必要があるんじゃないかということを私は申し上げているんですね。 政府の地震調査委員会の委員長の平田先生が毎日新聞で述べられておりますが、今後更に大きい本震があるのか問われても今の地震学では答えようがない、市民にとって重要なのは、今回体験したような強い揺れが日本中どこでも生きている間に起こり得ると認識し、備えることだろうと、こう言われているんですよ。この立場で政府が備えなかったらどうするのかということを私は強く言いたいと思います。 さらに、今回の地震で日本が本当に地震大国だということを実感をいたしました。ところが、今、稼働後四十年たった老朽原発の稼働を二十年延ばす動きが進んでおります。 今日、申請をしている高浜第一号機、第二号機について規制委員会の会合で決定が行われたと聞いておりますが、その内容及び今後の審査はどうなるんでしょうか。
○政府参考人(櫻田道夫君) お答え申し上げます。 今委員から御指摘ございましたとおり、本日午前中の原子力規制委員会の定例会合におきまして、平成二十七年三月に関西電力から申請された高浜一号、二号、三号及び四号の設置変更許可申請について、パブリックコメント、それから原子力委員会と経済産業大臣の意見聴取の結果を踏まえて設置変更許可をするという決定がなされて、先ほど許可が施行されたと、こういう状況でございます。 今後、この高浜発電所につきましては、既に工事計画認可、それから運転期間の延長認可、この申請がなされておりますので、これらに対する審査を進めていくということになるということでございます。
○井上哲士君 二〇一二年の原子炉等規制法改正で、運転期間を原則四十年とするとともに、一回に限り二十年延長ができるということになりました。我々は延長を認めるべきでないと主張したわけでありますが、当時の野田総理は、四十年を超えて延長することは極めて例外的なケースと言われました。田中規制委員長も、発足時の記者会見で、これはもう相当困難なことだと、こういうふうに述べられたわけですね。 一方、政府が昨年決定した長期エネルギー需給見通しで、二〇三〇年度の電力需要の二〇から二三%を原発で賄うといたしました。実際、今の再稼働、福島第二原発など再稼働はあり得ない、それから新増設計画の見通しが不明ということになりますと、三十基半ば必要だと言われているこの目標に対する原発の確保のためには、既設の原発の運転延長が極めて例外的どころか常態化することが必要になってくるわけですね。 そのための審査が規制委員会に求められるということになるわけでありますが、規制委員会としてはどういう立場で対応されるのでしょうか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先生御指摘のように、原子炉等規制法では、運転開始後四十年、運転期間を四十年と定めておりまして、これを超えて運転する場合には、四十年、満期を迎えるまでに許認可を受ける必要があると、私どもの許認可を受ける必要があるということになっております。 実際にそれじゃ四十年を超えて運転するということはどういうことかといいますと、新しい規制基準のバックフィットをきちっと満たすということに加えて、今後二十年仮に延長するとすると、その二十年の間のいわゆる健全性を担保するということを見ていくということになります。そういう点について、今後、私どもとしては、四十年超えの、高浜一、二についてもそういう視点で審査を進めてまいりました。 実際にはもう既に、御存じのように、六つの原子炉については四十年を超えての運転延長はしないで廃炉にするという事業者の決定もありますように、四十年を超えて運転延長に申請するというのは、事業者にとっても非常に大きなハードルだというふうに私どもも考えています。
○井上哲士君 老朽化原発に対して様々な設備を取り替えるなどの対策が行われても、取り替えられないのは原子炉本体なんですね。この原子炉は、常温から三百度前後という広い温度域で使われるために、強くて粘りのある割れにくい鋼で造られているわけでありますが、万一にも割れることのないよう慎重な手順も定められております。 この原子炉にとって一番懸念されるのが、中性子照射脆化でありますが、お手元にグラフを付けておりますけれども、原発の稼働によって中性子を受けることによって、鋼の粘りがある程度以下の低温になると急速に失われてもろくなりますが、その目安を関連温度といいますが、中性子にさらされるともろくなる温度が次第に高くなっていくと。最悪の場合は、非常用炉心冷却など急速に冷やされたときに割れてしまいかねないわけですね。 ですから、原子炉の起動時の温度上昇や停止時の温度低下については操作手順が定められておりますが、例えば福島第一原発のようなBWRの場合はその手順はどういうふうになっているでしょうか。
○政府参考人(櫻田道夫君) お答え申し上げます。 福島第一原子力発電所のようなタイプ、沸騰水型BWRの原子炉の停止の手順ということでよろしゅうございましょうか。 停止に当たりましては、これは、原子炉の起動や停止の際にどういう条件でやらなければいけないかという、そういう制限がございます。その制限を満足していることを確認しながら再循環ポンプを停止する、あるいは制御棒を挿入するといったことによって出力を降下させていきます。そして全ての制御棒を挿入するということによって原子炉を停止する。さらに、核燃料の冷却を行う必要がございますので、その後も原子炉の冷却を継続する。そういう手順になっているものと承知をしてございます。
○井上哲士君 肝腎なことを言われていないんですが、毎時五十五度以下変化をさせては駄目だと、それは過大な熱応力を発生させないためだということになっているわけですね。 表を見ていただきましたように、高浜一号機は、既に初動期はマイナス四だったのが、今、九十五度まで関連温度が上がっております。 例えば、福島原発事故の際に、一号機の運転手がこの冷却速度が早過ぎることを懸念して非常用復水器、ICを、弁を閉じたり開けたりしたというのが政府や国会事故調の報告でも触れられているんですね。だから、運転員にしてみれば、老朽化してもろくなった原子炉の健全性に不安を持ってこのICを開けたり閉めたりしたと、こういうことがあったわけであります。 ですから、老朽化した、高浜のように九十五度まで関連温度が上がっているようなものを運転するということは、こういう非常に不安要因を増大させる危険があると思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府参考人(山田知穂君) 先生今御指摘になられました東京電力福島第一原子力発電所で五十五度の温度変化の制限、これ確かに先生がおっしゃるとおり、原子力の脆性破壊を起こさせないという観点もございますけれども、大きくは、むしろ、過大な応力が発生することによって材質に疲労というものが発生をいたしますので、それがなるべく発生しないようにということで、なるべくゆっくりとした温度の下げ方をしているというふうに理解をしておりますので、必ずしも、福島の第一原子力発電所で温度を下げるスピードについて運転員が気にしたというのは、この脆性破壊ということに限るということではないというふうに理解をしてございます。
○井上哲士君 老朽化していることによって、脆性破壊も含めて様々な問題があるわけですね。そういうものを運転するということが非常にやはり危険だと。 田中委員長も昨年の会見で、今後更に二十年ということになると経験のない世界だと、こういうふうに言われております。国際的に最も長期運転している原子炉は、昨年八月の資料でも四十六年ですよ。六十年に延ばすということは本当に大きな危険がある。しかも、今こういう、日本のどこでも大きな地震が起きるということが明らかになっている中で、これはやめるべきだということを強く申し上げまして、質問を終わります。
○清水貴之君 おおさか維新の会の清水と申します。 熊本県で発生しました地震につきまして、月曜日のこの決算委員会でも冒頭で一言述べさせていただきましたが、その後も地震による揺れというのが続いております。大変不安な毎日を皆様過ごされていることだと思います。避難している皆さんの様々なニーズというのも伝わってきておりますので、そのニーズに合った対応というのをなるべく丁寧に政府として取っていただくことをお願いするとともに、行方不明の方の捜索も続いておりますので、一刻も早い無事の発見を心から願いたいというふうに思います。 質問ですけれども、まずは福島県で今建設が始まっていて搬入も行われています中間貯蔵施設、放射性物質の中間貯蔵施設についてお聞きしたいと思います。 まず、丸川大臣にお聞きしたいと思います。 この中間貯蔵施設というのは、あくまでやはり中間貯蔵でありまして、三十年以内には福島からどこかほかの場所、福島県外に運び出すというのが最初の福島県民の皆さんとの約束でした。その期限というのは去年の、ちょうど一年前から始まっていますので二〇四五年になりますけれども、この約束というのは、前回、私、環境委員会におりましたので望月大臣にもお聞きをしたんですけれども、大臣が替わろうと政権が替わろうと、これは福島県民の皆様との約束ですから、必ず守らなければいけないと思うんですね。 その思いというのを丸川大臣にもまずはお聞きしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(丸川珠代君) 三十年以内に福島県外において最終処分をするというのは、県民の皆様に対するお約束であると同時に、これは法律に規定をされておる私どもの国民の皆様へのお約束でもございます。 これを実現するために、私どもの努力はもちろんでございますけれども、国民の皆様にも御理解を得るべく、今後とも努力をしてまいりたいと存じます。
○清水貴之君 そのためには、なるべく早く、スピード感を持って取り組んでいかなければいけないと思うんですが、その一方で、伝わってくる情報としましては、なかなか用地の取得などについて時間が掛かっている、思ったように進んでいないという話も聞きます。 ただ、補償額算定のための調査に同意した方も多くいらっしゃるという話も聞いておりまして、全く、もちろん環境省の皆さんも一生懸命取り組んでいらっしゃると思うので、進んでいないことはないと思うんですが、ただ一方で、なかなか進んでいないのもこれ事実だと思うんですね。 現在、この用地の取得状況、建設の状況というのはどうなっているでしょうか。
○副大臣(井上信治君) 中間貯蔵施設の地権者の皆様には、環境省から連絡が来ないなどの御指摘もいただいておりました。このため、地権者の皆様への説明をスピードアップすべく、昨年十一月に公表した地権者説明の加速化プランに基づいて取組を進めてきたところであります。現在、個別訪問などによる御説明を進めており、地権者の方々に御了解をいただいた上で、全体の約半分に相当する用地について物件調査を完了しております。契約済面積は二十二ヘクタールであり、徐々に進捗してきております。 また、今年度からは、福島県から派遣していただいた十人も含め百十人体制で用地担当職員が一丸となって、地権者の皆様とのコミュニケーションを一層大切にしながら用地業務に全力を尽くしているところでございます。
○清水貴之君 多くの方と接触はできてという話ではありますが、その一方で、やはり残念ながらお亡くなりになっておられたりして、もう所有者が分からない土地というのもたくさんあるというふうに聞いております。この辺りの対応というのは今後どのように進めていくんでしょうか。
○政府参考人(高橋康夫君) 委員御指摘のとおり、登記記録上の地権者の皆様の中で連絡先が把握できていない方が今現時点では八百九十名ほどいらっしゃいますけれども、その中で既に死亡されていると確認されている方が八百七十人ほどいらっしゃいます。そういう方々につきましては、戸籍等を調べまして、相続の状況を調べて具体的な地権者を特定をして当たっていくという作業を今進めているところでございます。
○清水貴之君 ただ、それは作業はもちろん進めるんでしょうが、限界がありますよね。どこまでやってもたどり着けない場合というのが必ずあると思うんですが、それに対してはいかがでしょうか。
○政府参考人(高橋康夫君) まずは連絡先を把握している地権者の方への対応、連絡先を把握している地権者の方につきましては、公有地も合わせますと全体の面積の九割を占めてございますので、まずはそちらに当たることを優先しながら、今申し上げた死亡されている方についての調査も並行して進めまして、そこについては関係の市町村の協力も得て、できるだけ調査を進めていきたいというふうに考えております。
○清水貴之君 先ほど井上副大臣から、福島県からも職員の方に入っていただいて一緒になって取り組んでいるというお話がありました。井上副大臣、現場にも度々入られていらっしゃると思いますので、是非その現場の声をいろいろと教えていただきたいなとも思うんですけれども、例えばなんですが、福島県の方に入っていただくのは非常にいいと思うんですね。 やっぱり、環境省の皆さんも頑張ってもちろん精いっぱいやっていらっしゃると思うんですが、なかなか地元のことは分からなくて、突然行ってということもあると思いますので、それでしたら、福島県だけじゃなくて、それこそ地元の町の方にも入っていただいたりとかして、地権者の方と、これまでも接触をされてきたような方にも入っていただいて交渉していくと、地権者の方も様々な思いがあると思うんです、長年もちろん住んでいたりとか所有している土地ですから、なかなかいろいろ思いがある中での作業になるので非常に難しいと思うんですが、そういった地元の方にも、地元の町の方とか自治体の方にも入っていただくというのも非常に進み具合にはプラスになるんじゃないかと思いますが、この辺り、井上副大臣、いかがでしょうか。
○副大臣(井上信治君) そういう意味ではおっしゃるとおりだと思っておりまして、やはり地元の状況、それから様々な人間関係などもありますから、そういう意味では、いろんな方々と相談をしながら、協議をしながらということは重要だと思っております。 ただ、他方で、自治体ということでありますと、なかなか市町村のレベルですとそもそも人材が逼迫しておりまして、むしろ福島県外から市町村の職員を派遣していただいているといったような状況にもあるということもありますので、そういう意味では、可能な限りで御協力をいただくということでございます。
○清水貴之君 三十年という期日を必ず守っていただきたいというのと、進みつつあるとはいえ、やはり汚染土の入った袋というのはいろんなところに山積みになっていて、これがなかなか減らない状況で、地権者からの延長の同意を得られていない土地もあって袋を移さなきゃいけない場所も出てきているというふうに聞いておりますので、なるべく早い対応をお願いしたいと思うのと、続いて、指定廃棄物についてもお聞きしたいと思います。 宮城、茨城、栃木、群馬、千葉に一か所ずつ、各県にそれぞれ一か所ずつ造るという最初は話だったと思うんですが、これも報道によりますと、分散保管を容認したんだという県もあれば、やっぱり一か所じゃなきゃ駄目なんだという、こんな報道もあったり、なかなか情報が錯綜しているような感じもするんですが、現状はどういう対応を取っているんでしょうか。
○副大臣(井上信治君) 指定廃棄物につきましては、福島県、それから合わせて五県で処分をしっかりしていくという方針を出しております。 そういう意味では、それぞれ地域ごとにいろんな進捗はあるんですが、簡単に申し上げますと、まず、福島県におきましては、昨年十二月、既存の管理型処分場の活用を地元から容認をいただきました。また、茨城県におきましては本年二月に処理方針が固まるなど、少しずつ処理に向けて取組が進捗しているところでございます。 一方で、宮城県、栃木県、千葉県の各県では、指定廃棄物を集約する長期管理施設を整備するための詳細調査候補地を既に提示をしておりますけれども、なかなか地元の十分な御理解がまだ得られていないということで、現地調査に残念ながら着手できていないという状況であります。 しかし、いずれにせよ、やはり今一時保管などが逼迫している、なるべく早くこの事業を前に進めていかなければいけないと思っておりますので、それぞれの地元とよく協議をしながら進めたいと思います。
○清水貴之君 おっしゃったとおり、各やっぱり地域地域で事情が違うと思うんです、保管の仕方というのもいろいろ違うと思いますので、それに合わせた対応を取るというのは非常に現実的な対応だと思います。 ただ、一点気になるのが、一キロ当たり八千ベクレル未満の基準以下のものを一般ごみとして処分できるようにする、そういった新ルールにしていくという話もあります。ルールとしてはこれは可能で問題はないんでしょうが、ただ、一方で住民の方は、今までこれは危険ですよと言われていたものが、ちゃんと保管しなければと言われていたのが急に、大丈夫です、普通に捨てて大丈夫なんですと言われても、心情的にはなかなかそうすんなり、はい、そうですかというのも難しいのかなと思います。この辺りの対応というのはどうなっていましたでしょうか。
○政府参考人(鎌形浩史君) お答え申し上げます。 指定廃棄物は一キログラム当たり八千ベクレルを超えるものを指定しておりまして、八千ベクレルを下回った場合には指定基準を下回る、こういうものでございます。八千ベクレルという基準につきましては、八千ベクレル以下の廃棄物であれば通常の処理方法でもって焼却なりで最終処分できると、こういうレベルでございます。 そういうことでございまして、八千ベクレル以下のものについては普通のごみと同じように処理していくということが可能、こういったことをしっかりと啓発していくということがまず必要かと思います。 また、八千ベクレルに下がったものにつきましては、指定廃棄物で、指定を解除していくという仕組みについても、地元との協議が、保管者との協議が調った場合に指定を解除するという仕組みについても提案して、今準備をしているところでございまして、そういった場合についても国として技術的あるいは財政的な支援をしっかりすると、こういうことで処理が進むように考えているところでございます。
○清水貴之君 除染についてもお聞きしたいと思います。除染の範囲がちょっと時間がないので飛ばさせていただいて、除染の費用についてお聞きしたいと思います。 二〇一三年時点での費用ですが、試算では二兆五千億というような試算が出ておりました。ただ、これが大分膨らんできているようでして、今年度の予算分も含めると二兆六千億を超えてきていると、当初の試算をもう既に超えてしまっているということなんですね。これはどこまで膨らむ見込みなんでしょうか。
○国務大臣(丸川珠代君) まず、試算という形で出ている二・五兆円の数字、これは平成二十五年十二月時点での、ある意味では限られた情報に基づいた前提を基にして試算したものでございます。 実際に除染を始めて作業を進めていく中で、最大の加速化を図るということを努力をしてまいりました。作業員を集中投入する、あるいは施工条件を変更する、こうしたことを踏まえて実態に照らして試算を重ねた結果、実施をしてきた結果、政府全体で平成二十八年までに計上した予算の総額というのが、除染費用としてまず二・五兆円、そして、汚染廃棄物の処理費用として〇・五兆円ということになっております。済みません、例えば除染までに時間が掛かってしまって柳の木が生えている、これを、柳の木を根っこから引っこ抜かなきゃいけないというようなことは二十五年の十二月の時点では入っておりませんでした。 こうしたこともございますけれども、今後さらに、環境回復のため、また福島の復興のための、除染というのは前提でございますので、しっかりと必要な予算を確保し、執行してまいりたいと存じます。
○清水貴之君 その除染の費用負担なんですけれども、放射性物質汚染対処特別措置法によりますと、除染費用は関係原子力事業者の負担と定められております。東京電力の負担ということですね。 ただ、昨年末から請求額に対する応諾率というのが極端にこれ低下しているということなんですね。去年十一月、千四百八十四億円の請求に対し支払われたのは五百六十七億円、今年の二月は四百七億に対し百十一億の支払ということでかなり下がってきているということなんですが、これは一体なぜなんでしょうか。
○政府参考人(高橋康夫君) お答え申し上げます。 除染等に係る費用につきましては、御指摘のとおり、放射性物質汚染対処特措法に基づきまして、東京電力に支払義務があるということで、順次請求を行ってきてございます。 私どもの数字では、例えば平成二十七年九月時点、昨年の九月の時点では、累計で約三千八百十億円を求償し約三千五百五億円が応諾されたということで、その当時の応諾率は九二%ということでございましたけれども、最新の数字、二十八年三月現在では、累計約五千七百四億円を求償をしたのに対しまして約四千百九十三億円が応諾されたということで、応諾率が七四%ということで低下をしてございます。 この低下をした理由でございますけれども、特に市町村除染につきまして昨今請求額が相当大きく増加をしてございまして、市町村からの証憑書類の収集でございますとか東京電力における確認作業に時間を要しているということなどが要因であるというふうに認識をしてございます。東京電力による確認が済んだものから支払われてきておるところでございますので、引き続き東京電力に対しまして迅速な支払を求めてまいりたいと考えております。
○清水貴之君 最後に、復興住宅についてもお聞きしたいと思います。 復興住宅、大分建設もこれ進んできているということなんですが、ただ一方で、空き家率といいますか、せっかく造ったのに空いてしまっている率というのがかなりあるということで、もしかしたらデータが古かったら申し訳ございません、去年十二月の時点で、岩手、宮城、福島の三県で全体の八%、およそ千百戸空いてしまっているということなんですね。これは、それだけ空けてしまっていたらもったいないというか無駄も生じるわけです。そもそもちゃんとニーズと合って造られたのかということも疑問になってきますが、これはなぜこういったことが起きてしまっているんでしょうか。
○政府参考人(内海英一君) お答えいたします。 まず、空き家の状況でございますけれども、平成二十八年二月末現在の災害公営住宅の空き家、被災三県で八百十一戸、空き家率で六%というふうになっております。 なぜ空き家が生じるかでありますけれども、災害公営住宅、被災者の御意向を十分に踏まえながら整備を行っておりますけれども、被災者の御意向の変化、例えば自力で住宅を再建されるとか、あるいは御事情の変化、お亡くなりになるとか福祉施設の方に入らざるを得なくなる、そうした事情によりまして一部に空き家が生じているところでございます。
○清水貴之君 私は兵庫県の選出ですので、阪神・淡路大震災から二十一年がたちました、その二十一年前の経験というのも是非今回生かしていただきたいという思いで最後の質問ですけれども。 今、神戸とか西宮で起きているのが、二十年前に被災者向けに借り上げ、提供した復興住宅なんですけれども、当初の市と住宅との契約は二十年だったということで、退去の期限が来ているということで市側が退去を求める一方、住民の皆さんはそんなこと最初には知らされていなかったということで、これがなかなか協議がまとまらず裁判にまでなってしまいそうだということなんですね。 これが、どっちが正しいかというのはなかなか、言った言わないの話もあります、裁判になるような話ですので難しい問題だとは思うんですが、ただ、やはりもう二十年前に被災されて苦労されているのに、二十年たってやっと落ち着いてきたと思ったらまたこういった問題で心にトラブルを抱えてしまう、悲しい思いをしてしまうというのは避けなければいけないというふうに思っています。 この神戸、西宮の問題について意見というのはいただけますか。
○政府参考人(杉藤崇君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、西宮市を含め阪神・淡路大震災の被災地で借り上げ公営住宅を建設した中に、一部入居者の方々に対しまして二十年の借り上げ期間の期限を明確に通知していなかった事例も存在するというふうに伺ってございます。 今回、東日本大震災の被災地につきましては、石巻市で百四十九戸の借り上げ公営住宅を供給してございますけれども、これらにつきましては全て石巻市の方から、これ、二十年の借り上げ満了の期限を通知をさせていただいているというところでございます。
○清水貴之君 同じことが是非繰り返されないように、本当に二度目の悲しみというのは、この報道というのは地元の新聞ではよく報じられておりまして、見るたびに何かもう本当に切なくなってしまいますので、こういったことが繰り返されないように、今できることをしっかり対応していただければというふうに思います。 以上です。ありがとうございました。
○吉田忠智君 社会民主党の吉田忠智でございます。 熊本・大分大地震と申し上げたいと思いますが、亡くなられた方々の御冥福を心からお祈りを申し上げます。また、負傷された方々、そして今なお避難生活をされておられる方々に心からお見舞いを申し上げます。また、救援そして被災者の支援に当たられておられます警察、消防、自衛隊、そして地方自治体、国の職員、そして関係者の皆様に心から敬意を表します。 私の地元が大分なものですから、大分で一番被害のひどい湯布院に入りました。そして、地元の由布市の対策本部で市長にもお会いをし、また、大分県の対策本部にも伺いまして、また避難所にもお伺いをして実情についてお伺いをしたところでございます。そうした調査を踏まえて、また、社民党熊本県連合にも状況をお聞きをしまして、熊本にはちょっと入れておりませんけれども、月曜日、十八日に政府に対して緊急の申入れを行ったところでございます。 一日も早く、余震といいましても十六日の方が本震であった。ちょうど水道の支援に入られて行っていた私の友人に話を聞きましたら、十六日のあのマグニチュード七・三、あれでまた状況が一変をしたというお話もございました。余震といいながら大地震が依然として続いている、それから一週間たっておりまして、一刻も早くこの大地震が静まって被災者の皆さん元どおりの生活ができるように、これはもう党派を超えて一致結束して対応していかなければならない、そのように考えております。 そうした状況の中で、先ほどから今日は何人かの方が川内原発のことについて質問をされておられます。私も、まず川内原発について質問をさせていただきます。 十八日の政府に対する申入れにおいても、川内原発を緊急停止すべきだということも項目の中に盛り込ませていただきました。九州電力の川内原発、玄海原発、それから四国電力の伊方原発、それから中国電力の島根原発の周辺住民の皆さんからも不安の声が上がっております。私どものところにもその声が寄せられております。 原発事故被害、一たび原発事故が起これば取り返しの付かない状況になるということは、東京電力福島第一発電所の事故で私たちは耐え難い経験をしたわけでございます。そうした状況、これが福島第一原発事故の教訓でありますけれども、この川内原発につきましては、改めて申すまでもありませんけれども、放射性廃棄物処理の見通しもなく、それからまた原発が動かなくても電力を賄うことができる、そのことも明らかになりました。それから、原発ほど高い電力はないということも明らかになっております。 そうした状況の中で、免震棟の設置の約束もほごにして、そして避難計画は率直に申し上げて絵に描いた餅という中で、川内原発の再稼働が強行された。私たちはそもそも再稼働そのものに反対でありましたけれども、先ほど来御議論がありましたように、今回地震が発生した日奈久・布田川断層帯、更にその延長線上の中央構造線の南西側に川内原発、四国側に伊方原発があるわけであります。特に、再稼働中の川内原発については緊急に停止すべきであるということを改めて申し上げたいと思います。 まず、規制委員長に伺いますが、原子力規制委員会として、この四施設、川内、玄界、伊方、それから島根、四施設の安全性を確認しているのかどうか。単に基準地震動を下回っているかだけではなくて、それぞれ実際に保安検査官が発電所に入って機器の安全性などを確認しているかどうか伺います。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 保安検査官は、各発電所において、特に今回のような強い地震があった場合には、事業者からのトラブル等も踏まえまして必要に応じて施設の状態確認等の対応を行ってきております。今回は、川内原発については四月十六日深夜の本震発生後、二名の保安検査官が発電所に出向いて異常がないことを確認しております。
○吉田忠智君 確認をされているということでありますけれども、川内原発だけですか、確認しているのは。
○政府参考人(櫻田道夫君) お答え申し上げます。 先ほど田中委員長からも答弁申し上げましたとおり、これらの発電所には常駐している保安検査官がおります。この保安検査官は日常的に発電所の中で保安調査をしてございますので、その業務の中で異常があったのかどうかということについての確認をしているということでございます。
○吉田忠智君 規制委員長にお伺いをしますが、仮に規制委員会として停止をしなければならないというふうに判断した場合には、どういう手順になりますか。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 法的には、原子炉規制法上の六十四条に基づいて停止を指示するということになります。そういう判断が、私どもとして停止すべきだという判断をした場合です。ただ、その前に、通常であれば、まずそういった状況にあるんだから自主的に止めていただくというような手順を踏むんだろうと思いますが、最終的にはそういった法律に基づく命令というようなことも、一応そういう手順は持っております。
○吉田忠智君 次に、丸川大臣に伺いますが、川内原発では住民避難にバスなどを用いる計画になっておりますが、今回の熊本・大分大地震では道路や在来線、新幹線等も被害を受けて、各地で寸断をされております。また、高浜原発で話題になりました可搬式モニタリングポストについても、今後は当然、震災で道路が寸断される事態を織り込んで見直すべきであります。 大臣、川内原発の避難計画は見直すべきであります。同時に、全国で道路や鉄道を用いた避難計画は原子力防災会議で再検討すべきであります。また、モニタリングポストも可搬式が使用できない状況も想定すべきだと考えますが、いかがですか。
○国務大臣(丸川珠代君) まずもって緊急時対応や避難計画というものについては、常に訓練を通じて、それから反省を得、そしてそれをまた反映していくというサイクルを繰り返しておりまして、常に不断の見直しをしながら前進をさせていくものでございます。 今回の川内原発の避難計画については、ほかの原子力発電所における緊急時対応と同様に、自然災害を前提にして、複合災害ということを前提にして作られたものでございます。あらかじめ複数の避難経路が設定をされておりまして、仮に道路が寸断した場合、自治体があらかじめ設定されている複数の経路の中から、それでは代替としてこの経路を取りますということを決めて、その経路を通じて避難をしていただくように住民の方にお伝えをいただき、また誘導いただくということになっておりますし、また道路の管理者は、我々も連携をいたしまして復旧作業を実施するということになっております。 加えて、今、可搬式のモニタリングポストのお話がございました。固定式のモニタリングポストももちろん十分な数がございまして、川内原発に関連しては七十三か所、常時監視を今も行っております。これらは、福島事故の教訓を生かしまして、商用電源が仮に喪失をいたしましても測定や伝送が中断をしないように、非常用電源やあるいは通信回線の強化を実施をしております。さらに、これらの固定式のモニタリングポストが使えない場合、可搬式という話になるわけですが、この可搬式モニタリングポストも設置できないような場合には航空機によるモニタリングを対応するということもこの計画の中に入っております。このように、モニタリングにおいても多段階の体制を講じております。
○吉田忠智君 今回の地震による特に道路の被害を検証して、モニタリングポストについては可搬式は計算できないこと、あるいは避難時に道路が寸断されることなどを前提にして、川内原発など稼働中のサイトは停止をして、今の原子力防災体制をゼロベースで見直すべきであるということを強く訴えたいと思います。 そして、川内原発につきましては、そもそも、川内原発だけではありませんけれども、避難計画そのものが原子力規制委員会のそういう審査対象になっておりません。それから、火山対策も極めて不十分という中での再稼働はそもそも認められないと思いますし、今の大震災の状況を踏まえてやっぱり停止をすべきだ、そういう判断をすべきだということを改めて申し上げたいと思います。 次に、放射性物質汚染対処措置法に基づく指定廃棄物について伺います。 福島第一原発事故由来の汚染物質のうち、一キロ当たり八千ベクレル超の、先ほど来御議論ありましたが、指定廃棄物を多く保管をする宮城、栃木、千葉、茨城、群馬の五県については、各県で市町村長会議等を開催をして、国が各県に一か所建設をする処分場の候補地を選定するプロセスが進められております。候補地の住民、自治体から不安の声が上がっていました。 このうち、宮城については、放射能の濃度の再測定結果を受けて、三月二十二日、栗原、加美、大和の三市町からの候補地返上の意見を受け止めた知事が環境省に詳細調査の凍結を要請して、環境省も地元の意向を最大限尊重すると表明をされていますね。また、茨城についても、二月四日、県側の分散保管継続を環境省として認めています。千葉についても、昨年六月、千葉市から分散保管継続の申入れがなされています。 丸川大臣に確認をいたしますが、指定廃棄物の処理については地元の意向を最大限尊重することが環境省の方針であるということで理解してよろしいですか。
○国務大臣(丸川珠代君) この指定廃棄物については、御地元の意向というものがまず大変重要であることは、私はもちろんですが、前任の大臣もその前の大臣も、それぞれそれを最大限に尊重し、そして踏まえて向き合ってきたというふうに私は認識をしております。 まずもって、その詳細候補地や調査の候補地を選定するプロセスというものも、お地元の県とそして各自治体とが参加をする、しかも全市町村長が参加をする市町村長会議の中で長期管理施設の候補地の選定手法の議論というものをまず重ねてきました。その手法を踏まえて候補地を選定したということでございまして、しかも、その候補地を選定した後も、引き続きお地元には丁寧な説明を必死で私ども続けてきたわけでございます。 今後も、私どもは御地元の理解なしに長期管理施設を進めていくということは難しいという判断でございますので、お地元の皆様方に持たれている不安あるいは御懸念というものを払拭するべく、今後とも、御地元の気持ちに寄り添いながらしっかりと処理の実現に向けて全力を挙げていきたいと考えております。
○吉田忠智君 政府参考人に伺いますが、環境省は廃棄物処理の新ルールを提示しましたが、この概要と茨城県以外の適用について伺います。
○政府参考人(鎌形浩史君) 御指摘の点は、茨城におきまして処理の方針を決めたということについてのことだと受け止めます。 茨城県におきましては、減衰に長期間を要さない指定廃棄物が多いというような事情もございます。その他、廃棄物が焼却灰など比較的性状が安定している、あるいは公的施設でしっかりと比較的まとまっている、こういうことがございまして、御地元の要望も踏まえて、御地元での議論もいたしまして、現場保管を継続して減衰したものから段階的に処理すると、こういうような方針を決めたというところでございます。 現在、それに従いまして地元と調整いたしまして、現地保管の継続を、それから保管の強化をするとかについての協議を進めているというところでございます。 それで、ほかの県の場合でございますけれども、やはり各県によってそれぞれ事情が異なります。茨城県の場合には、今申しましたとおり、焼却灰など性状の安定したものがほとんどだと申し上げましたが、宮城県や栃木県などでいいますと、農業系の稲わらなどのまだ性状の安定していないような廃棄物が多いとか、あるいは農家に保管されておって、公的施設での管理がほとんどである茨城県と状況が違う、こういう状況もございます。 そういう中で、地元の御意向は今大臣が申し上げたとおり最大限尊重してお聞きしていくということでございますが、そういった廃棄物の性状とか保管状況等を含めて総合的に判断していく必要がある、こういう問題と受け止めてございます。
○吉田忠智君 栃木県の候補地とされた塩谷町については、昨年九月の関東・東北豪雨で浸水した事実が環境省の調査でも明らかになりました。 二〇一三年十月四日の第六回環境省有識者会議が取りまとめた候補地選定プロセスでは、自然災害を考慮して安全な処分に万全を期すために避けるべき地域を除外することなどが規定されておりまして、浸水想定区域は除外されております。 塩谷町についてはおよそ要件に当てはまらない不適地と言わざるを得ませんが、その点、いかがですか。
○政府参考人(鎌形浩史君) 今御指摘のあった選定手法のルールでは、まず一次スクリーニングにおきまして、全国一律に整備されている既存の地図情報などを用いて詳細調査候補地の絞り込みを行うこととしてございます。その絞り込みに当たりましてどのような地域を除外するというのは、定型的な情報で除外していくわけでございますけれども、その中で塩谷町の今回の詳細調査候補地は除外されるということにはならなかったということでございます。 ただ、選定手法の中では、そういった一次スクリーニングをやった上で、詳細調査、つまり現地の固有の情報を把握して、更に現地調査を行って、例えばボーリングなどの調査を行います。そういったものを経て有識者会議の評価を更に経まして最終的な候補地を決定するというようなプロセスでございます。 そういう意味で、ルールに従った手法でもって選定した箇所でございますので、詳細調査で更にそれを評価を進めていくと、こういう位置付けでございます。
○吉田忠智君 丸川大臣に伺いますが、地元の意向を最大限尊重するというふうに答弁をされました。茨城のように、地元の意向が分散保管であれば、環境省としても一か所集中管理にこだわらず、茨城だけ例外とするのではなく、五県全てで指定廃棄物の分散保管も選択肢として認めるべきだと考えますが、いかがですか。
○国務大臣(丸川珠代君) 今部長から御答弁させていただきましたように、各県それぞれこの指定廃棄物の性状が異なるということは事実でございます。加えて、減衰までに要する期間、十分に減衰するまでに掛かる期間というものが量とともにそれぞれ異なるということも事実でございます。 私どもとしては、なおそれを踏まえても減衰までに長期間を要するものについては、自然災害等に備えてきちんとした形で管理をさせていただいて処理を進めていくということについては是非御理解をいただきたいと思っておりまして、実はこれは茨城県においても同じことを申し上げさせていただいております。 こうしたことについて、御地元の理解を得たいと思ってこれからも努力を続けてまいりますので、我々の姿勢というか方針としては基本的には変わっていないということでございます。
○吉田忠智君 地元の意見を最大限に尊重するということでありますから、各県の意向もしっかり踏まえて方針の転換が必要であるということを申し上げまして、質問を終わります。 ありがとうございました。
○委員長(小泉昭男君) 他に発言もないようでございますので、国会、会計検査院、復興庁及び環境省の決算についての審査はこの程度といたします。 次回は来る二十五日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時三十二分散会