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190回国会参議院2016/04/18

決算委員会 第6号

発言数
244
登壇者
40
会派数
7
開催日
2016/04/18

会議録

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  議事に先立ち、一言申し上げます。  去る十四日以降の熊本県熊本地方等を震源とする地震被害により亡くなられた方々に対して、御冥福をお祈りし、謹んで黙祷をささげたいと存じます。  どうぞ御起立をお願いいたします。黙祷。    〔総員起立、黙祷〕

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) 黙祷を終わります。御着席ください。     ─────────────

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) 委員の異動について御報告いたします。  去る十五日までに、松田公太君、杉久武君、古賀友一郎君、山下雄平君、安井美沙子君、井上哲士君及び中西健治君が委員を辞任され、その補欠として山口和之君、有村治子君、橋本聖子君、佐々木さやか君、有田芳生君、仁比聡平君及び三木亨君が選任されました。  また、本日、長峯誠君及び江崎孝君が委員を辞任され、その補欠として滝波宏文君及び相原久美子君が選任されました。     ─────────────

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) 平成二十六年度決算外二件を議題といたします。  本日は、法務省、外務省、防衛省、裁判所及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門の決算について審査を行います。     ─────────────

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) この際、お諮りいたします。  議事の都合により、これら決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれも省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  速記を止めてください。    〔速記中止〕

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) 速記を起こしてください。     ─────────────

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

小川勝也民進党・新緑風会

○小川勝也君 民進党・新緑風会の小川勝也でございます。  まず、黙祷させていただきましたけれども、冒頭、熊本県を中心とする大変大規模で広範でそして深刻な震災被害に遭われた皆様方に、お亡くなりになられました方には哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた方と避難されておられる方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。  政府の皆さんも一体となって対策に当たっておられるというふうに思います。  防衛大臣にお伺いをいたしますけれども、こういったときに最も頼りになるのが自衛隊であります。避難所暮らしの御不便、寒さ、あるいは食べ物が足りない、いろんな声を耳にしております。北海道からも隊員が応援に駆け付けるということで、隊長が大変張り切って抱負を述べておられました。被災された方、まずは命を助けるということが第一任務であろうかと思います。  救命救助、捜索、それから多岐にわたる生活支援、自衛隊の方々の活躍を取り締まる防衛大臣として、現在までのところを御報告をいただくとともに、特に余震が続くなど我々が被災地から遠く離れたところにおりましては想像できない御苦労もあろうかと思いますけれども、その一端などもお聞かせいただければ幸いでございます。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 小川委員におかれましても、かつて防衛副大臣として自衛隊の運用等につきまして大変お世話になったこともございます。  現在、防衛省・自衛隊といたしましては、関係省庁また被災自治体と緊密に連携しながら総力を挙げて災害対応に全力を尽くしておりますが、四月十七日までに、今回、統合任務部隊、陸海空の統合部隊、東日本大震災のときもそうでしたけれども、そういう態勢で二万人態勢を完了いたしまして、更に二万六千人態勢に移行したいと考えております。  その上で、まずは人命救助ということで、被災者に対して、人命を、一人でも多くの方を救うという活動と生活支援、物資、給食、水、入浴、医療支援、これに当たっております。現在、熊本県、大分県におきましては十一万人を超える方々が避難所において生活をされておりますので、そういった方々が不安を感じないように、また不便を感じないように、生活支援も当たらせていただいております。  更に加えて、地元の第八師団に登録をしている即応予備自衛官、これ三百名の招集でございますが、何よりも地元の土地カンのある、また経験のある者が参画することによって、北海道を始め他の方面隊から部隊が参加しますけれども、そういう部隊とともに全力で活動に当たらせる効果を得ております。そして、現在におきまして、更に状況等も勘案しながら、強い態勢におきまして復興復旧に向けまして全力で対応しているというところでございます。

小川勝也民進党・新緑風会

○小川勝也君 当然のことながら、累次の災害において出動する自衛隊員あるいは部隊には蓄積されたノウハウがあろうかと思いますので、被災された方に少しでも寄り添えるような細やかな配慮を指示をいただければというふうに思います。  質問に入らせていただきますが、今日、私、実はこの順番の質疑予定者ではありませんでした。御案内のとおり、この震災の関係で、衆議院でTPP特も開かれております。普通であれば、この決算委員会でなければ参議院の委員会は中止になるところでありますけれども、我々は与野党問わず、決算の参議院ということで、会期内に審議を終えるということで与野党協力をしてきたいきさつがあります。ですので、質問者を入れ替えたり、あるいは大臣がお越しになるのを待ったりということでやりくりしての今日の審議になります。私の質問も、決算ということになりますけれども、数字の話だけではありませんし、予算の使い方だけの話ではありませんけれども、大事な審議でありますので、予算編成等に生かしていただくよう、政府にお願いをさせていただきたいと思います。  冒頭は、資料をお配りをさせていただきました、社外取締役をめぐる問題について提起をさせていただきたいと存じます。  特に、民主党政権になる前まで、自民党政権でも大変天下りに厳しい施策が相次いで取られました。政権交代の三年三か月の間も大変厳しく天下りを監視をしてまいったのも事実であろうかと思います。  しかし、最近、天下りという名前は余り聞かれなくなりました。その間、この資料に挙げられますように、社外取締役という名前で官僚OBの方々が民間企業に多数お勤めになっておられる。そして、今日資料には出せない資料には、当然のことながら、固有名詞も出ておりますけれども、推定報酬まで出ておる資料もあります。  それから、これは当然のことながら、天下りという定義であれば政府は黙って見過ごすことができないだろうと思いますけれども、そうじゃない新しい技を編み出したんだと、こういうふうに書かれておる資料もあります。  それからまた、せっかく自分がそこの会社の社外取締役に就任できたので、自分が役から外れたときには自分の出身省庁の後輩につながるようにしたいのが親心だと、こういうふうに思っておられる方もおられるというふうに伺っています。  また、こういう書き方もされています。仕事が少なく、報酬が大きく、責任が軽い。ある該当者は四社の社外取締役をやって、一社、二社目は一千数百万円、三社目、四社目は数百万円という、お一人で四社の社外取締役をやったつわものもいるということであります。  まず政府にお伺いをいたしますけれども、天下りの定義というのはどのように解釈するべきなんでしょうか。

三輪和夫内閣官房内閣人事局人事政策統括官

○政府参考人(三輪和夫君) お答え申し上げます。  いわゆる天下りにつきましては、質問主意書に対します平成二十一年十一月や二十五年二月の政府の答弁書におきまして、府省庁が退職後の職員を企業、団体等に再就職させること、このようにしておりまして、これは現行の国家公務員法において禁止をされているところでございます。  以上でございます。

小川勝也民進党・新緑風会

○小川勝也君 説明も受けました。特にこういう言い方をいたします、大臣官房等のいわゆる省庁が組織立って再就職をあっせんすることが天下りであると。そうしますと、退職された高級官僚の方々が自身で就職活動をするのか、あるいは会社側からお願いをされるのかして社外取締役に就任をするということには政府は無関心であるということでよろしいんでしょうか。それとも、どこか目を光らせている機関はあるのでしょうか。

三輪和夫内閣官房内閣人事局人事政策統括官

○政府参考人(三輪和夫君) お答え申し上げます。  国家公務員の再就職に関して問題なのは、官民の癒着につながりかねない公務員OBの口利き、あるいは予算権限を背景とした再就職のあっせん等の不適切な行為であるということでございます。このために、平成十九年の国家公務員法の改正によりまして、各府省による再就職あっせんの禁止など厳格な規制を導入するとともに、監視体制として再就職等監視委員会というものを設立をしたところでございます。  以上でございます。

小川勝也民進党・新緑風会

○小川勝也君 私の今の問題提起に関して、内閣府の再就職監視委員会ではどういう仕事をしていますか。

塚田治内閣府再就職等監視委員会事務局長

○政府参考人(塚田治君) お答えをいたします。  私ども再就職等監視委員会といたしましては、国家公務員法等関係法令に基づきまして、再就職等規制違反に関する情報、これは公表情報もあれば通報情報もございますが、こういった情報を鋭意収集いたしまして監視活動をしているところでございます。  具体的な内容についてはちょっと控えさせていただきますけれども、情報を十分に精査いたしまして、国家公務員あるいはそのOBが規制違反を行った疑いがあると思料する場合には、再就職等に関する調査を行うなど厳正に対処しているところでございます。今後とも積極的に監視活動を行ってまいりたいと考えているところでございます。

小川勝也民進党・新緑風会

○小川勝也君 それでは、法務省が、法務省「あかれんが」という広報誌にしっかり社外取締役制度ができましたと広報をしています。当然、企業の不祥事だとかコンプライアンスだとか、社外取締役の方の監視で企業が有為に経済活動をしていただければそれにこしたことはないわけでありますが、今お答えをいただいた再就職監視委員会、いろいろな情報に基づいて調べて、社外取締役に高級官僚の出身者の皆さんが就任をされた例で、不適切だと断じた例や、あるいは処罰を与えたり、あるいは関係府省に連絡をした事例はございますか。

塚田治内閣府再就職等監視委員会事務局長

○政府参考人(塚田治君) お答えをいたします。  私ども再就職等監視委員会は平成二十四年に立ち上がっておりまして、今日に至るまで四年間ほどございましたが、この間、六件ほど違反事案の摘発をやっております。このうち具体的に勧告あるいは処分に至ったものはございませんけれども、しかるべく対処しているところでございます。

小川勝也民進党・新緑風会

○小川勝也君 国民の皆さんから見ると、世の中で最も頭のいい方々がやっているんですよね。それで、大臣官房等であっせんをするのが駄目だということになれば、そういうことをするはずがないんですよ。そうじゃないやり方を編み出して巧妙にこういうことをやっていく、このことは、今申し上げた組織の体制でいうと、もう監視もできないし何も文句を付けられない状況に今なっています。  私が申し上げたいのは何かといいますと、個別具体的にその社外取締役の方が企業の立場を、あるいは自分の出身官庁にお願いをしていろんな利得を上げる人がいるかいないか、それは例えば情報収集だとか人間関係だとか、これは厳密に言うとゼロではないと思います。  しかし、そのことよりも問題なのは、個別の企業と個別の省庁の利害関係ということのほかに、今、安倍政権が進めている政策はアベノミクスということで、いわゆる上場企業、大企業、グローバル企業の内部留保をどんどんどんどん増やしている、そしてその見返りに、昔は政官財結び付きという言い方がありましたが、安倍政権をサポートする官僚機構からも、まさに上場企業に行ってたくさんの社外取締役報酬を受け取るという暗黙の了解が必然的にでき上がってしまっているということに何もチェックする機関がないということが問題だと思います。  まずは法務大臣にお伺いいたします。  資料にも付けさせていただきました。法務省関係、検察・法務省、裁判所、相当多くの方々が社外取締役になっている。当然のことながら、私は、この社外取締役制度、全て駄目だと言っているわけではありません。しかし、検察庁や最高裁判所、あるいはそれ以外の法務省関係からもたくさん社外取締役になっています。公表はしませんけれども、報酬が書かれている資料もあります。  国民の皆さんから信頼されて何ぼの世界だと思います。これは、本人が退職した後、勝手に取締役になっているんだから関係ないという答弁はまさかないと思いますけれども、まずは法務大臣、どうお捉えいただけますでしょうか。

岩城光英自由民主党法務大臣

○国務大臣(岩城光英君) お答えをさせていただきます。  退職公務員の再就職につきましては、国家公務員法等関係法令によりまして、他の職員の再就職依頼の禁止、利害関係企業等に対する求職活動の禁止、管理職だった者の離職後二年間の再就職時の届出義務などの規定が設けられております。  法務省としては、このような規定が適切に運用されるよう、今後とも努めてまいりたいと考えております。  そして、管理職職員だった者は、離職後二年以内に営利企業等の地位に就いた場合、任命権者を介し、内閣総理大臣に対してその旨の届出をすることが義務付けられております。そうした届出により承知している限り、法務省の管理職職員だった者のうち、先ほどお話ありました社外取締役として再就職した旨の届出があった者は、過去三年度においては三名でございます。  そこで、もっと多くの者が就いているという御指摘でありますので、この指摘の件につきましては、やはり国民の皆様方に誤解を招くことのないように、これは今後とも適切に対応していくべきだと考えております。

小川勝也民進党・新緑風会

○小川勝也君 次に、外務大臣にもお伺いをいたします。  週刊誌にはこう書いてありました。かつて外務省は、当然特命全権大使になるいわゆる幹部職員が多いので、天下りをがつがつとあさらなくてよかったと、こういう話がありました。しかし、今は御多分に漏れず、元何々大使という方々は、これ、企業にとっても多分聞こえがいいんだと思います。当社は社外取締役に元検事総長、当社は社外取締役に元何々大使、これ格好いいから、株主が了解すればいいといえばそれまでなんですけれども、外務省OBも大きく変わってしまったようであります。外務大臣の受け止めはいかがでしょうか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、特命全権大使を務めた人材が民間企業の社外取締役となっている事例、幾つか存在いたします。  まず、このことにつきましては、いわゆる天下りというものの定義、先ほど答弁の中にもありましたが、その答弁との比較においては、外務省が組織としてあっせんしているということではなく、あくまでも企業と個人との自由意思に基づいて決定をしているということでありますので、あの定義には該当しないと存じます。ただ、委員御指摘のように、政府と民間企業の間においては適切な緊張関係というのはなければならない、必要であるというふうに思います。  そういったことから、外務省としましては、特命全権大使及び管理職員等については、離職後、再就職する場合は速やかにその旨届出をする、こういったことを義務付けております。そういった実態についてはしっかり把握をしながら、国民の理解の得られる民間企業との関係をしっかり維持していかなければならない、このように考えます。

小川勝也民進党・新緑風会

○小川勝也君 これ、週刊誌ですからこう書いてあるんですね、月一度一時間程度の取締役会、年十二回で一千数百万円の報酬を受け取ると時給百万円だと、こう書いてあるんです。これはどういうふうに会社の取締役として活躍をしておられるか、私はつぶさに分かりません。しかし、特命全権大使を務めた方が細々とした仕事をするというのは余り想像できませんし、検事総長を務めた方や元最高裁判事の方が一企業のために働く姿も想像できないわけであります。いい社外取締役も当然あると思いますので、政府全体で、この問題は今後とも関心事項だということでとどめ置いていただければ幸いでございます。  時給百万円の人は多分羨ましがられると思いますけれども、この国会、今衆議院でTPPの議論をしていますが、もう一点大変大きな問題の議論が進みました。それは、大学生を中心とした高等教育における奨学金の問題であります。  これは想像していただければよく分かるわけであります。結局、アベノミクスは格差社会というふうに言いますけれども、家庭間の格差もさることながら、東京と地方の格差もあります。  私は、この国会の冒頭の本会議の質問に立たせていただいたときに、苦労して学ぶ大学生に奨学金の充実の問題のほかに、地方から東京に進学するときの格差の問題は大きいんだよ、こういうお話もさせていただきました。高知県も広島県も福島県もそれぞれ地元の御事情をよく分かっておられると思います。東京が一番収入が多い、時給、給料が高い、地方はどんどん少ないわけであります。北海道とか高知県は時給も少ない。そういったところから東京に進学させる御苦労というのは並大抵ではありません。  そして、奨学金借りたら返せ。安倍総理はこう言いました、いや、安倍政権になって延滞金の利息を一〇%から五%に下げたと。大学で学んで立派な社会人になろうと思っても、第一希望の会社に入れなかったり、あるいはいい働き方ができなくて、親にも申し訳ないと思いつつも、まさに奨学金の返済が重荷になっている若い人たちに寄り添えなかったのが私たち含めての反省であります。  そして、ついに野党からの質問が相次いで文科省も動き出しました。これは、私は馳大臣の答弁を聞いていて、政府の方針とはいえ、あれだけ熱き血潮が流れている同志であります。もっといい答弁したかったろうにと同情いたしました。今やっと安倍総理が重い腰を上げて、これは夏の参議院選挙の争点隠しにもなるかもしれませんけれども、純粋に学びの充実のために腰を上げていただいたんだと思っています。  前置きが長くなりましたけれども、これと同じ問題がいわゆる司法修習生の給費制の廃止につながってくるわけであります。大学の先生はこんなことを言いました。授業中寝ている生徒がいる、しかしアルバイトで疲れているんだろうなと思ったらむげに注意もできない。これがいわゆる法曹を目指す大学生だとどうでしょうか。今給費制が廃止されて、司法修習生はお金を借りて司法修習に通っています。ということは、学部で奨学金を借りた人は返済義務、法科大学院で奨学金を借りた人はまた返済義務、そして司法修習でまた返済義務を負うお金を借りるわけであります。  それで、司法修習生の中にはどういうふうにして生活費を切り詰めているのか。これはあってはならないと思いますよ。生活費を節約する、当然あります、交通費の掛かる勉強会への参加を控える、これはいい。書籍代を節約する、これは本末転倒じゃないですか。書籍代を節約して司法試験に受かった人がどうやっていい法曹になっていくんでしょうか。私はこの現状を考えたときに、また、安倍総理は原稿を読むときに、家庭の経済力によって未来が奪われてはいけないというふうに答弁では言ってくれています。しかし、残念ながら、もう既に家庭の経済力によって進路が限定される国は出現してしまっています。  私の田舎は旭川市の北四十キロ、昔は町からお医者さんになる人もいました。しかし、今はここ何十年も出ておられないと思います。まずは大学に入るまでの学力が、塾だとかあるいは通信添削を含めて、これは経済的に大きく差が付いてしまっている。  それから、本会議でも申し上げましたけれども、何が大きく変わってしまったかというと、国立大学の授業料です。かつて三万六千円だった、今五十万円を超えています。医者にもなれない、法曹にもなれない、こういった問題が生じてきております。  まずは、今連絡協議会で岩城法務大臣も責任ある立場で御議論をいただいております。もちろん、心の通う本当にハートの温かい政治家として信頼申し上げておりました岩城さんでありますので、ここは何とか未来の子供たちの、あるいは若者の夢を壊さないしっかりとした対処をする、この決算委員会でお答えをいただければと思います。

岩城光英自由民主党法務大臣

○国務大臣(岩城光英君) まず、先ほどの答弁について補足をさせていただきたいと存じますが、先ほど社外取締役として再就職した届出の数を答弁いたしましたが、これは東証一部上場企業に社外取締役として再就職した数でありましたので、補足をさせていただきます。  それで、小川委員が熱心に取り組んでいらっしゃいますこの問題でありますが、私も、多くの有為な人材が法曹を志望し、そして社会正義の実現等を使命とする弁護士等として社会の様々な分野で活躍する状況になることは極めて重要であると、このように認識をしております。そのためにも、司法修習においていろいろ具体的な例をお示しいただきましたけれども、司法修習生が経済的な事情にかかわらず修習に専念できる環境にあることは重要であると考えております。  この司法修習生に対する経済的支援の在り方につきましては、昨年六月の法曹養成制度改革推進会議の決定におきまして、司法修習の実態、司法修習終了後相当期間を経た法曹の収入等の経済状況、司法制度全体に対する合理的な財政負担の在り方等を踏まえて検討するものとされております。  法務省といたしましては、司法修習生に対する経済的支援の在り方につきまして、最高裁判所等とも連携協力しながら、法曹養成制度改革推進会議決定を踏まえましてしっかり検討してまいりたいと考えております。

小川勝也民進党・新緑風会

○小川勝也君 今、弁護士になった方、どういう収入なのかというふうに法務省に問合せをいたしましたら、二〇一二年の資料で、法曹になって六年後、ほぼ平均が一千万円になるという資料が私のところに届けられました。  しかし、日本弁護士会が独自に調査をした弁護士センサスによりますと、二〇一四年、五年以上十年未満の法曹の年収は六百万円、五年未満は四百二十万円という結果が出ています。  そして、今、若い法曹がどんどん世に出ておりますので、いわゆる居候弁護士にもなれない、軒先を借りることもままならないということで、大変失礼な言い方ではありますけれども、〇九〇弁護士、携帯電話で依頼を受ける、そういう方も出たようでありますし、これも立派な職業でありますので余り言いたくはありませんけれども、今過払い請求というのが一つの大ブームになっております。過払いブームの下請をやっている若い法曹もいるようであります。  それで、ここはまた岩城大臣にちょっとつらい質問をさせていただきますけれども、司法制度改革、鳴り物入りでやりました。全国に法科大学院がたくさんできて、間口を設定して、そしていわゆる法科大学院に学ぶ子供たちのために先生方をしっかりそろえなければなりません。しかし、合格者は偏在をして、とてもとても法科大学院を維持できないという大学が続出をいたしました、間口を激減をさせたり、あるいは閉校をしたり。  そして、これは、いわゆる法科大学院は文科省だからということで、縦割りで法務省からは答弁拒否されましたけれども、私は、その法科大学院への援助にも国費がたくさん投入されたんだと思います。これは、いわゆる司法制度改革は私どもが所属していた政党も議論に参画をしていますので、現政権を責めているわけではありません。  しかし、決算の立場からも、やはり司法制度改革あるいは法科大学院制度、法科大学院への支出を含めて、大変高額の支払が国費からなされました。そして、そのことにもよって、今財政が厳しくなったおかげで未来の法曹を養成する予算が絞られているということからすると、この法科大学院制度や司法制度改革全体を決算の立場からも反省する必要があるのではないかと思います。  岩城大臣のコメントを求めたいと思います。

岩城光英自由民主党法務大臣

○国務大臣(岩城光英君) 司法制度改革、そして法科大学院の在り方についてのおただしでございました。  法科大学院につきましては、法科大学院全体としての司法試験合格率がこの制度が創設された当初に期待されていた状況と異なるものとなっておりますことはお話のとおりであります。これが法曹志望者の減少を招来する事態を生じさせる一因となっていることなど、法科大学院につきましては多くの課題が指摘をされております。  そこで、昨年六月の法曹養成制度改革推進会議の決定では、平成三十年度までの期間を法科大学院集中改革期間と位置付けまして、法科大学院の抜本的な組織の見直し及び教育の質の向上を図ることにより、各法科大学院において、修習者のうち相当程度が司法試験に合格できるよう充実した教育が行われることを目指すこととされております。この点、文部科学省におきまして、法科大学院の公的支援の見直し強化や認証評価の厳格化等の必要な取組が既に行われているものと承知をしております。  法務省といたしましても、法曹養成制度改革連絡協議会等を通じ、文部科学省の取組の進捗状況等を適時に把握するとともに、必要な連携を図ってまいりたいと考えております。

小川勝也民進党・新緑風会

○小川勝也君 大臣から答弁いただきましたが、更にもう一言だけいただきたいと思います。  弁護士さんの収入は、先ほど平均を申し上げました。例えば、国際的な仕事をする、特許の仕事をする、大変収入の多い仕事をされる弁護士さんもおられます。しかし、私が特に札幌でお付き合いをしているような弁護士さんは、まさに貧困問題や、子供や高齢者、弱い立場の人たちの問題、あるいはDV、あるいは国選弁護、もうからない仕事ばかりやってくれる弁護士さんが社会をしっかり支えてくれているということを私は知っています。  そして、そういう弁護士になりたいと思って学びをしようと思った子供たちが今そういう道が閉ざされているということであれば、これは司法試験に受かったけれども公務員になるという人が出てきました、それから司法試験に受かったけれども企業内弁護士になる、若者の夢がかなえられないということ、私は、今、社会は弱い立場の人に寄り添っている社会とは到底言い難いと思っています。そういう部分を、政治が至らない部分を優しい社会派の弁護士さんたちが支えてくれています。  こういう人たちが弁護士になっていただかなきゃいけないんだということと併せて、全体、法曹志願者が激減している問題、これも岩城大臣も同じ御理解だと思いますけれども、重大だという御認識をお伺いをしたいと思います。

岩城光英自由民主党法務大臣

○国務大臣(岩城光英君) 志を高く持って法曹の世界で活躍をしたい、そして社会正義のために自分の力を尽くしていきたい、そういった若い方々の期待に応えるためにも、まず法曹の活躍できる分野を広げていく。そして、例えば地方自治体もそうであります、公共団体もそうでありますが、福祉の分野とかそういった、あるいは国際的にもそうでありますけれども、そういうことがまず求められているんだと思います。そして、そういう志の高い人たちを支援できるような環境整備にこれからも尽くしていきたいと思っております。

小川勝也民進党・新緑風会

○小川勝也君 一度失敗をしたというふうに私は受け止めていいのではないかと思っています。司法制度改革のある一部分は失敗いたしました。ですので、高い志の志願者が法曹になりやすく、あるいは目指しやすい社会に変えていくべく、引き続き努力もお願いをしたいと思います。  自衛隊が熊本を中心とした九州に派遣されます。私も、大臣から御紹介がございましたように、防衛省で仕事をさせていただいた経験があります。装備品がどんどん高性能になってまいりまして、高額になってまいりました。また、今、円安でありますので、外国、海外から調達する装備品も大変入手が困難になっているのではないかというふうに思っています。  そんな御時世を反映するがごとく、防衛装備庁が誕生いたしました。やっぱり、よりコストを最小限に、計画的に防衛装備品を調達しなきゃならないということだと思います。今、できてまだ少しでありますけれども、この間、そのコスト削減にどういった光明が見付けることができたのか、中間報告を承れれば幸いだと思います。

堀地徹防衛装備庁装備政策部長

○政府参考人(堀地徹君) お答え申し上げます。  昨年十月に発足いたしました防衛装備庁におきましては、プロジェクト管理を通じた最適な取得、また取得改革の推進、我が国の技術的優位の確保を重視した研究開発、諸外国との装備・技術協力の推進、国内の防衛生産・技術基盤の維持強化を目的として設置されたものでございます。  防衛装備庁におきましては、昨年四月に成立されました装備品等に係る長期契約法を活用いたしまして、装備品等の一括調達の実施によるコスト削減、また、成果の達成に対して対価を支払う契約方式、パフォーマンス・ベースド・ロジスティクスなどにより装備品等の維持整備業務の効率化を実施することなど、コスト削減に努めているところでございます。  また、効果的、効率的な運用及び維持を可能とする最適な装備品等の取得を実現するため、装備品等のライフサイクルを通じたプロジェクト管理を強化することといたしておりまして、昨年十一月にP1哨戒機やF35A戦闘機など十二品目のプロジェクト管理重点対象装備品等を選定いたしまして、効率的な装備品等の取得に努めているところでございます。  以上でございます。

小川勝也民進党・新緑風会

○小川勝也君 引き続き、国民の血税で購入をするわけでありますので、コストが最小になるように努力をお続けいただければと思います。  そして、巨額の予算です。一番怖いのは不祥事です。これは大臣が一番御存じだと思いますけれども、一度不祥事が起きると信頼回復までの年数が計り知れません。大きなお金を扱う防衛装備庁でもありますので、様々な観点から、不祥事がないように大臣の気構えを、あるいは指示をお伺いをしたいと思います。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) これまでの反省、教訓も含めまして、防衛省といたしまして、二度と不祥事が起きないような体制を取るべく全力を挙げております。  主な対策を三つ申し上げます。  まず第一に、防衛装備庁の中に監察・監査部門を設置をしまして、外部有識者から成ります防衛調達審議会、これにおける審査を充実をさせ、多層的に監察、監査、これを実施することによりまして庁内における監察機能を充実をいたします。  第二は、意識の改革ということで、職員一人一人がコンプライアンスの遵守の意識を持つために、人材育成センターの設置によりまして教育部門を充実をさせます。  第三に、防衛装備庁全職員のコンプライアンスの遵守に関する意識の徹底につきまして通達を発出をいたしました。それに基づいて教育、アンケート調査を行うなど、不断に職員の更なるコンプライアンスの意識の向上に努めております。  このような措置によりまして、業務の一層の透明化そして公正性を確保いたしまして、不祥事の防止また綱紀粛正を図ってまいりたいと考えております。

小川勝也民進党・新緑風会

○小川勝也君 終わります。

有田芳生民進党・新緑風会

○有田芳生君 民進党・新緑風会の有田芳生です。  熊本と大分で起きて今も進行している大きな地震、言わば九州中部地震と言っていいと思いますけれども、そこでお亡くなりになった方々に深い哀悼の意を表するとともに、今でも苦しんでいらっしゃる方々の一刻も早い復旧をお祈りいたしたいというふうに思います。  地震が発生した夜九時二十六分頃から翌日にかけて、本当に多くの方々が命の危険にさらされ、全国各地で多くの方々が心配で不安で眠れない夜を過ごしたその一方で、インターネット上ではデマとか差別の扇動、ヘイトスピーチが非常に吹き荒れておりましたけれども、まず、人権擁護局長、どういったことが起きていたと把握されていますでしょうか。

岡村和美法務省人権擁護局長

○政府参考人(岡村和美君) インターネット上に、熊本の朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだぞ、朝鮮人が井戸に毒を入れたぞなどといった情報が掲載されている事実は承知いたしております。  他方で、実際にこのような情報の事実があったとのことは一切聞いたことはございません、聞いておりません。

有田芳生民進党・新緑風会

○有田芳生君 朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ、あるいは韓国人窃盗団が今熊本に向かっているというようなことが、九時二十六分以降その翌朝にかけてだけではなく、今に至るもネット上では吹き荒れている。それに対して抗議する人たちが、一つ一つのアカウントを発見してその人たちに抗議をして、あるいはインターネットでしたら、ツイッター社にそれを削除せよという要求を、ずっと夜を徹して今に至るも努力をされている。だけど、いまだ消えていない実態があるんですよね。  これは法務委員会でも何度も質問をいたしましたけれども、そういった差別の扇動であるヘイトスピーチだけではなく、一九七五年に、昭和五十年に日本で社会問題になった部落地名総鑑事件、それが今でもその原本を含めてネットを通じて販売する、あるいは、インターネット上で今の住所はここですよというようなことを示して同和問題のタブーをおちょくるというようなふざけたことをやっている人物たちが今でもいることを含めて、いまだインターネット上のそういった差別と扇動、結婚差別、就職差別、あるいは命を自ら絶つような事態が引き起こされてきた問題がネットでは今でも続いているわけですよね。  これに対して法務省は、人権擁護局は的確な対応を取れていますでしょうか。

岡村和美法務省人権擁護局長

○政府参考人(岡村和美君) 大変残念な事態が放置されているということは認識いたしております。  私ども法務省では、個別の被害を受けた方たちからの御相談を受けて、削除要請の仕方をお教えすることなどいたしておりますし、法務局長の名前でインターネットのサイト管理人、プロバイダー等に削除を要請いたしていることもございます。

有田芳生民進党・新緑風会

○有田芳生君 この問題は切りがないんですが、一言だけ言っておけば、例えば、部落地名総鑑の原本などがいまだインターネット上で流布されている、差別の扇動、それに対して、数年前から、例えば部落解放同盟が東京法務局に申入れを行って、これを何とかしてほしいと、そういう強い要請を二度にわたって行ったわけですけれども、それに対して法務当局は、いまだインターネット上からそういうひどい差別と扇動の根拠となるものを削除できていないんですよね。そういう状況が続く中で、今回の震災の下でもいまだとんでもないデマ、ヘイトスピーチが行われている。これに対してやはり、プロバイダーなどに削除を要請したけれども削除できていない現状が何年も続いているわけですから、新たな対応が必要だと思うんですよね。  法務大臣、いかがでしょうか。そういう実態が続いていることに対して、新しい問題点、一刻も早く解決しなければいけないと思いますが、所見。

岩城光英自由民主党法務大臣

○国務大臣(岩城光英君) 熊本そして大分で甚大な被害が続いていること、本当にその地域にお住まいの皆様方のお気持ちを察しますと、私も福島が選挙区でありますので、五年前のことを思い出されてなりません。いつ来るか分からない大きな余震、これにおびえ、心配されながら本当に眠れない、そしてまた御家族のことを思いながら大変なお気持ちを持って日々の生活を今送られているものと思っております。  そうした折に、先ほど来御指摘のありましたような、御指摘のインターネット上の書き込み等、これは、特定の民族や国籍の人々などを排斥したり、その尊厳を傷つけたり、そういった人々に対する差別意識を生じさせかねないものであり、本当にあってはならないことだと考えております。  これまでも法務省としては、もう何度もお話ししておりますとおり、努めてまいりましたけれども、このような情報の掲載につきましては、具体的な被害申告があり、その申告内容が特定の人に対する人権侵害の疑いがあると認められた場合は人権侵犯事件として調査を開始するなど、適切な対応に努めてまいりたいと思います。  そして、委員の御指摘は、総体的にこういったことに対する法務省としての取組をということだと思います。これまでも、先ほど言いましたとおり、様々な啓発活動に取り組んでまいりましたが、委員の御指摘等も踏まえまして、それを総合的に更にどう進めていくか、検討してまいりたいと考えております。

有田芳生民進党・新緑風会

○有田芳生君 特定の人たちが攻撃された場合には、例えば名誉毀損であるとか裁判を起こすとか、人権救済の措置というのはあり得るんだけれども、しかし一般的に、国籍、民族などを相手にした攻撃、差別、扇動、いわゆるヘイトスピーチというのは救いようが現行法ではないから、だから問題になっていて、今、与野党で一致して新しい方向を模索をしているわけですけれども、その中でもインターネットの問題というのは、具体的に解決するような方策をやはりこれから法務当局が力を入れてやっていっていただきたいというふうに思います。  岩城大臣が二〇一一年の東日本大震災のお話をされましたけれども、この五年間、例えば五年前に比べても、ネット上では、朝鮮人が毒を投げたとか井戸に入れたとか、窃盗団が来るとか、五年間更に増えているという現実を指摘をしておいて、次にもう一度人権擁護局長にお聞きをしますけれども、法務省の平成二十六年度予算において、人権問題に関する予算の支出あるいは項目というのはどういう内容があったでしょうか。

岡村和美法務省人権擁護局長

○政府参考人(岡村和美君) 平成二十六年度における人権擁護関係の予算額は、総額約三十三億六千万円でございます。  いじめなどの子供の人権問題対策の充実強化を図ったことに加えまして、ヘイトスピーチに焦点を当ててポスター及びリーフレットの作成、配布を始めとする啓発活動に約一千五百万円ほど支出しております。

有田芳生民進党・新緑風会

○有田芳生君 平成二十六年の十一月から法務省が率先をして、法務省のサイトにもありますけれども、ヘイトスピーチの啓発活動の強化を行ってくださっております。その根拠としては、やはり二〇一四年の自由権規約委員会の勧告あるいは人種差別撤廃委員会の勧告、それが大きなきっかけになったというふうに理解をしておりますが、今お話しになった、法務省が作ってくださった「ヘイトスピーチ、許さない。」と、黄色いポスターですけれども、具体的に何枚印刷されましたでしょうか。

岡村和美法務省人権擁護局長

○政府参考人(岡村和美君) そのとき作りましたものが約一万六千枚、ポスターで一万六千枚及びリーフレットを一万五千枚作成いたしました。

有田芳生民進党・新緑風会

○有田芳生君 法務省が作ってくださった「ヘイトスピーチ、許さない。」と力強い黄色いポスターは各地に貼ってありますけれども、一万六千枚ということで、現場で様々な努力をしている抗議活動をやっている人たちが法務省管轄のところに行ってポスターを下さいと言っても、ないんですよね。一万六千枚、今消費状況というのは確認されていますか。

岡村和美法務省人権擁護局長

○政府参考人(岡村和美君) 当初作りましたものは全国あちこちで掲示していただきまして、既に私どもの手元にはありませんので、現在ホームページに載っている同じデザインのポスターを同じ志を持つ人たちにはそのまま改変しないで使うようにお願いしているところでありまして、引き続き次の予算の執行でポスターを作ってまいりたいと思います。

有田芳生民進党・新緑風会

○有田芳生君 ヘイトスピーチに反対する差別反対東京アクションという小さなグループがありますけれども、二年前に新宿で活動をやったとき私も参加をしましたけれども、下さいと言っても下さらないというか、ないと言われたので、二千枚自分たちで印刷をしたということもあります。実は、昨日も岡山で在特会の前会長が来てヘイトスピーチが行われ、江田五月議員も私もそこで抗議をしましたけれども、そのときも自分でプリントをして掲げるということをやったんですよね。  これは個別の細かい話ですけれども、例えば岡山の法務局、三月二十二日の時点で、法務局に行って、「ヘイトスピーチ、許さない。」というポスターが貼っていないから、そこに行かれた方がどうして貼らないんですかと聞いたところ、いや、掲示する場所がないんだということをおっしゃっていて、じゃ、それを活用したいからポスターいただけますかと言ったら、在庫があるかどうか分からないという対応を取られているんですよね。岡山の一番中心のところですから、例えばそんなことがないように、これから是非とも改善をお願いしたいというふうに思います。  それで、これから法務省は人権大国日本の構築ということを東京オリンピック・パラリンピックに向けて進めていかれるわけですけれども、その思いについて、実際どのようなことをなさっていこうとされているのか、擁護局長にお聞きをしたいというふうに思います。

岡村和美法務省人権擁護局長

○政府参考人(岡村和美君) 人権大国という言葉については特段の基準があるものとは考えておりませんが、法務省の人権擁護機関としては、一人一人がお互いの違いを認め、お互いを尊重し合うことの大切さを理解するとともに、全ての人々の人権が尊重される、豊かで安心できる成熟した社会を実現することが必要であると考えております。そうした社会の実現に向け、人権擁護活動の更なる取組を着実に進めていくべきとの思いを人権大国日本の構築という言葉に込めて表現することといたしたものでございます。

有田芳生民進党・新緑風会

○有田芳生君 昨年の七月二日に公明党のヘイトスピーチプロジェクトチームが菅官房長官に申入れを行って問題への取組を申し入れた中で、菅官房長官はそれを受けて、今年度中にヘイトスピーチについての実態調査を行うということを記者会見で発言をされて、その結果が三月末に法務省の方から実態調査というのが明らかになりました。  その中で、やはり非常に大事だと思ったのは、当事者、大阪の鶴橋、あるいは川崎の桜本、東京の新大久保、在日コリアンの方々の思いを実際に、恐らく擁護局長も含めてでしょうけれども、聞き取り調査をなさってその報告書が発表されたというのは、非常に優れたお仕事をなさってくださったなというふうに思います。  一方で、ヘイトスピーチのデモ、街宣というのはいまだ終わっていない状況の下で、法務省の関係者の方が職務としてヘイトスピーチの現場に行って視察をされたことはあるでしょうか。

岡村和美法務省人権擁護局長

○政府参考人(岡村和美君) 私ども法務省の職員もデモの現場に行って視察をしております。  委員御指摘の実態調査の方法を検討するに当たっては、本省の職員が十数回にわたり関東近郊のデモの現場視察を行っておりますし、全国で啓発のため、より効果的な啓発活動を検討するためにとの現場視察として、平成二十五年以降、本省、地方局合わせてやはり十数回にわたり各地のデモの現場視察を行っております。

有田芳生民進党・新緑風会

○有田芳生君 法務省だけではないんですけれども、現場主義で、現場から物を考えるということをやはりもっともっと強めていただきたいとお願いをしたいというふうに思います。  ところが、様々な努力があるにもかかわらず、世界の人権基準から見れば、非常に日本の状況、水準というのは危惧されている問題があります。二〇一四年、スイスのジュネーブで行われた人種差別撤廃委員会の日本勧告、私もそこに参加をして傍聴いたしました。その前に、人種差別撤廃委員会の委員の皆さんに集まっていただきまして、二〇一三年から続いている日本での差別の扇動であるヘイトスピーチの現実、それがどのようなものであるのかということを映像として見ていただきました。多くの委員の方々は、正式な人種差別撤廃委員会日本勧告の中でも、何だか日本では人種差別、ヘイトスピーチを行っている人たちを警察官が守っているようにしか思えない、何人もの方がおっしゃいました。それが改善されたのかどうか、残念ながらそうはなっていないと私は考えております。  具体的に言えば、警察庁にお尋ねしますけれども、三月十日、川崎でどういう問題が起きたでしょうか。

斉藤実警察庁長官官房審議官

○政府参考人(斉藤実君) お答えいたします。  三月の二十日の川崎でよろしゅうございますか。

有田芳生民進党・新緑風会

○有田芳生君 はい。

斉藤実警察庁長官官房審議官

○政府参考人(斉藤実君) 三月の二十日の日曜日でございます。午後一時三十分頃、JRの川崎駅前において、政治団体が主催をする街頭宣伝活動に対して抗議を行っていた方が数名から暴行を受けて傷害を負うという事件が発生をいたしました。

有田芳生民進党・新緑風会

○有田芳生君 傷害を受けてどうしたんですか。

斉藤実警察庁長官官房審議官

○政府参考人(斉藤実君) お答えいたします。  傷害を負ったという事件が発生をし、神奈川県警察において、三月二十九日に被疑者を三名、三月の三十日に残る被疑者一名を傷害罪で通常逮捕したものでございます。

有田芳生民進党・新緑風会

○有田芳生君 そのときは政治団体が道路の向こうで街宣をやっていた、そこの周りにいた人たちが十数人道路を渡って、こちら側でヘイトスピーチに抗議をしていた人物を殴り付けた、そこにヘルメットをかぶった警察官、私が数えただけでも十人近くいらしたけれども、目の前で殴られて傷害を受けているのに逮捕をしなかったわけですよね。これは問題じゃないですか。

斉藤実警察庁長官官房審議官

○政府参考人(斉藤実君) お答えをいたします。  神奈川県警察におきましては、その日、円滑な人の流れの確保、トラブルの防止、関係者や周囲の安全の確保を図る観点から、川崎警察署員や機動隊員等を配置をして警備を実施していたものでございます。  街頭宣伝活動場所の付近において、政治団体とそれに反対をする方が対峙をしており、その混乱に対処をし衝突を防止をするための活動を実施していたところ、二十数メートル離れた道路を挟んだ反対側において本事案が発生をしたものでございます。  被害の発生場所では、警察官が警告や制止等の措置を講じながら現場の混乱を鎮静化しようとしたところではありますが、結果として傷害事件が発生をしそれを防ぐことができなかった、また現行犯で逮捕をすることができなかったことは警備上反省すべきでございまして、その点についてしっかり受け止めて、引き続き適正な警備が行われるよう指導してまいりたいと考えております。

有田芳生民進党・新緑風会

○有田芳生君 違うんですよ。混乱してないんですよ。混乱してないところに道路の向こう側から政治団体の関係者が十数人道路を渡ってきて、こちらで抗議をしている人、混乱なんかしてない、混乱してないところにいきなり殴り付けて、そこの横に警察官いたんですよ。だから問題なんですよ。だから、混乱が起きたから現行犯逮捕できなかったんじゃないんです。混乱なんか起きてないですよ。殴り付けられたから、そこから混乱が起きているんですよ。それが事実です。  もう一つ、政治団体とその殴り付けた人たち、逮捕されたのは四名だけれども、その政治団体との関係、調べるとおっしゃっていましたけれども、どうなりましたか。

斉藤実警察庁長官官房審議官

○政府参考人(斉藤実君) 被疑者四名は、いずれも右翼団体に所属をしておりますところ、三月二十日、JR川崎駅前において政治団体が街頭宣伝を行うことを知り、当日、当該政治団体の街頭宣伝を聞くために現場にいたというふうに承知をいたしております。  当該政治団体と被疑者四名の関係についてでございますが、本件捜査において、被疑者四名が当該政治団体の構成員であるとは確認がされていないところでございます。

有田芳生民進党・新緑風会

○有田芳生君 警察、大丈夫ですか。政治団体が街宣をするために、その暴力団の構成員とおっしゃいましたよね、(発言する者あり)右翼団体の構成員と言いましたよね、場所取りをさせてたんですよ、場所取りを。そういう関係なんですよ。だから、そういうところもしっかりと捜査をやっていただきたいんだけれども、それから一週間後に新宿で再びヘイトスピーチのデモが起きましたけれども、そこではどういう問題が起きたでしょうか。

斉藤実警察庁長官官房審議官

○政府参考人(斉藤実君) お答えをいたします。  三月二十七日、新宿において、柏木公園を出発地とし、小滝橋通りから職安通りを進み、新宿遊歩道を解散地とする、いわゆる右派系の市民グループによるデモが行われたものと承知をいたしております。  また、そのデモに抗議をする方々が小滝橋通りで一回、職安通りで三回の計四回、デモ隊の進路となる道路上に寝そべり、座り、立ち止まるといった行為を行っていたというふうに承知をいたしております。

有田芳生民進党・新緑風会

○有田芳生君 そのとき警察官が傷害事件を起こしてないですか。

斉藤実警察庁長官官房審議官

○政府参考人(斉藤実君) お尋ねの件につきましては、三月二十七日のただいま申し上げました新宿におけるデモの際に警備に当たる警察官によりけがを負わされたとして、三名の女性からそれぞれ、警備に当たった警察官を被告訴人とする告訴状が四月十五日に新宿警察署に提出をされております。

有田芳生民進党・新緑風会

○有田芳生君 そんな言葉だけじゃ何が起きたか分からないじゃないですか。  皆さん、資料を御覧ください。これが三月二十七日、私もその場におりました。告訴したのは三人ですけど、四人の女性が、特に女性が狙い撃ちされるかのようにけがを負った。写真、見てくださいよ。この警察官、身長百四十八センチの女性の首を喉輪で絞めた。これ、適正な対応だったんですか。

斉藤実警察庁長官官房審議官

○政府参考人(斉藤実君) お答えをいたします。  当日、現場では、デモに抗議をする多数の者がデモの進路となる道路上に寝そべり、座り込み、立ち止まるといった行為をしていたもので、こうした行為は道路交通法に違反する行為であることから、警視庁においては、再三の警告を行った上で、道路における危険を防止し交通の妨害を排除するため、必要な措置を講じたものと承知をしております。  ただいま御指摘の件につきましては現在捜査をしているところでございますが、捜査の結果を待って判断をすべきものと考えております。

有田芳生民進党・新緑風会

○有田芳生君 違うんですよ。シット・インしたのは事実だけれども、それは差別のデモを止めるために表現の一形態として取った。警察がそれを何とかしなければいけないというのは分かりますよ。だけど、この写真にある喉輪の状況は、ヘイトスピーチのデモに対して反対しようと女性たちが道路に出てしまったところに、この右の下の警察官、彼が喉輪をして絞めたんですよ。そして、絞めただけじゃない、ガードレールのところまで引きずっていって、倒れたんですよ。私は見ているんだから。そんな言葉だけで言ってもしようがないじゃないですか。これが事実なんですよ。  だから、まあ審議官、その場に当然いらっしゃらないわけだから、そういう答弁にならざるを得ないのは分からなくはないけれども、これが事実なんですよ。見てくださいよ、小さな女性を。こういうことをやっている、これが警察官の適正な行為なんですか。もう一度お答えください。

斉藤実警察庁長官官房審議官

○政府参考人(斉藤実君) 警察官が女性の首を絞めたかどうかにつきましては今後の捜査により明らかにされるものでありまして、現時点で適正であったかどうかについてはお答えを差し控えたいと思います。

有田芳生民進党・新緑風会

○有田芳生君 診断書も出ております。新宿署に刑事告訴を行った翌日には精神科医にも診察をしてもらっております。私は、本人からも精神科医からも話を聞きました。二人の女性は急性ストレス障害、PTSDの予備軍なんですよね。もう一人の方は心因反応という現状がある。  だから、こういうとんでもないことが起きたから告訴状を即座に新宿署は受理されたんじゃないんですか。この間、河野国家公安委員長は法務委員会で謝罪したじゃないですか。斉藤審議官はどういう認識でいらっしゃるんですか。

斉藤実警察庁長官官房審議官

○政府参考人(斉藤実君) 個別の事案につきましては、告訴状が提出をされているところでございまして、現在警視庁において必要な捜査が行われているものと承知をいたしております。  お尋ねの新宿の取組に関する警備につきましては、委員御指摘の国家公安委員会委員長の御発言も踏まえ、適切な警備が行われるよう、引き続き都道府県警察を指導してまいりたいと考えております。

有田芳生民進党・新緑風会

○有田芳生君 この写真をもう一回よく、特に左下の方、女性がどれほど、息ができなかったと本人は証言をしております。路上にも倒れました。ほかの女性は後頭部打って非常につらい思いをした。  それをやった一人が右下の、目隠しはしましたけれども、警察官です。この目隠しをしてお示しをした警察官は、この三月二十七日ではありませんけれども、ヘイトスピーチのデモがあってそれに抗議する人たちがいるところで、ヘイトスピーチのデモに対して帰れ帰れという声を掛けます、私も昨日は岡山でそういう声を出しました。それに対してこの右下の警察官は、別の場所ですけれども、おまえらが帰れ、デモの妨害をするから邪魔なんだよ、帰れよ、俺ら警察は仕事なんだよ。どっち向いているんですか。差別の扇動、ヘイトスピーチをやる人たちを守るために警察はあるんですか。お答えください。

斉藤実警察庁長官官房審議官

○政府参考人(斉藤実君) いわゆる右派系市民グループによるデモが行われる際には、これまでも円滑な人の流れの確保、当該取組の主催者とそれに抗議をする者との間の違法行為の防止等を図るため、必要な警察官の配置をして、中立性、公平性を念頭に置いて警備を行うよう指導してまいったところでございます。

有田芳生民進党・新緑風会

○有田芳生君 人種差別撤廃委員会の日本審査でヘイトスピーチのデモの現実を映像で見た多くの海外の方々が、警察が差別主義者を守っているとしか見えないとおっしゃいました。  私は、参議院の予算委員会でこの問題を質問するときに、事前に安倍首相そして菅官房長官にもヘイトスピーチの現場がいかにひどいものであるのかという映像をお渡ししました。菅官房長官からは御連絡いただきました。ひどいねとおっしゃいました。だからこそ、与党でもヘイトスピーチ対策の法案、整備しなければいけないという判断に至ったんだろうというふうに思っておりますけれども、その現実をやはり正面から見なければいけない。  だから、警察官が一生懸命、現場の方々は頑張っていらっしゃいますよ。だけど、せっかく日曜も返上して努力をされている、昨日だって岡山だって若い警察官たちが本当に努力されていましたけれども、差別主義者を守っているんですかというふうに見られたら、やはりそれは残念なことだと思うんですよ。  昨日の東京新聞、作家の赤川次郎さんが、警官に首絞められたと、今お話をした件を捉えて、もう内容説明しませんけれども、「正義の警察像は崖っぷち」、そのように書かれておられます。警察側も、故意ではなかったとしながらも認めざるを得なかった。国家公安委員長が謝罪したが、河野太郎氏でなかったら果たして謝罪しただろうかというようなことを含めて、そういう目で見られているというのは、やはりせっかく努力してくださっているんですから、改善を大きく図っていっていただきたいというふうに思うんです。  昨日、岡山でヘイトスピーチ、在特会の前会長が来て、地元からの参加者はたった一人だと聞いておりますけれども、名古屋、大阪などからヘイトスピーチを常習的にやっている人たち約二十数人が来て、それに対して百人を超える反対する人たちが集まりました。出発する公園も含めて、私は最後までその現場におりましたけれども、岡山県警の皆さん、大変努力されたというふうに思います。ヘイトスピーチをやる人たち、それに反対する私たち、その間に、岡山県警のヘルメットをかぶった警察官たちは、ヘイトスピーチをやる人たちの方に向くと同時に、私たちの方にも向いて交互に警備をされておりました。  そして、大阪でもあるいは東京の新宿でもいまだ続いている、抗議をする人たちを歩道でシャットアウトする、動けなくする、しかも必要がないのに二十分、三十分も押しとどめるような状況が東京なんかでいまだ続いているんですよ。何の必要があってとどめるのかというような疑問が毎回毎回強く感じるんですけれども、昨日の岡山ではそういうことをなさらなかった。だから、問題は起きなかったですよ。だから、そういうやはり対応をこれからは全国でも取っていただきたいというふうに思っております。  先ほど、喉輪、首を絞めた警察官の話をしましたけれども、おまえらが邪魔なんだよというのは、やはり問題の性格が理解されていないことだというふうに思うんです。法務省は、ヘイトスピーチの問題で啓発活動をこれから強めていかれると、是非とも期待したいというふうに思いますけれども、公務員だけではなく警察官についても、ヘイトスピーチとは何なのか、それに抗議することとは何なのか、あるいは、もう川崎の駅などでも、日本でも発生しておりますけれども、ヘイトスピーチからヘイトクライム、犯罪にまで進んでいるわけですから、やはり警察官が問題の性格というのを十分に理解する必要があるというふうに思うんです。  アメリカなんかでは、反ヘイトクライム法というものを適正に執行するために、連邦レベル、州レベル、各地方自治体で統一的に警察官研修プログラムというのは作成しているそうです。ですから、日本もこうやってヘイトスピーチが社会問題になっている状況ですから、警察の方でも警察官教育の方をしっかりやっていただければ、先ほどの警察官のような発言というのは恐らく少なくなっていくだろうと思っておりますので、そういう方向も検討していただきたいということ、いかがでしょうか。

村田隆警察庁長官官房総括審議官

○政府参考人(村田隆君) お答えをいたします。  特定の民族や特定の国籍の人々を排斥する差別的言動は、人としての尊厳を傷つけたり、差別意識を生じさせることにつながりかねないものであり、あってはならないものと認識をしております。  警察では、いわゆるヘイトスピーチと言われる言動やこれに伴う活動につきましては、違法行為を認知した際は法と証拠に基づき取り締まるなど、厳正に対処しているところであります。また、警察職員に対し、人権の尊重や関係法令に関する教育のほか、デモ現場における対応等に関する教育を行っているところでありますが、今後とも教育を推進するよう都道府県警察を指導してまいりたいと考えております。

有田芳生民進党・新緑風会

○有田芳生君 来ていただいた方には申し訳ない。人種差別撤廃委員会の日本審査、来年の一月十四日に日本がまた報告書を出さなければなりません。そのことについて外務省にもお尋ねしたかったんですが、時間がもう来てしまいますので、最後に入管当局にお聞きをしたいと思います。  四月十三日付けのUPI通信にはこういう記事が出ております。北朝鮮には行かないとの旅行誓約書への署名を在日朝鮮人に求める日本、こういう記事がありますが、何が今進んでいるんでしょうか。

井上宏法務省入国管理局長

○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。  本年二月十日から、我が国独自の人的往来に関する対北朝鮮措置の一つといたしまして、在日外国人の核・ミサイル技術者の北朝鮮を渡航先とした再入国禁止の措置が実施されておりまして、入国管理局におきましては、再入国許可の申請時又は出国確認時に北朝鮮へ渡航する意思を表明した在日外国人に対しては核・ミサイル技術者であるか否かの確認を行い、核・ミサイル技術者と判明した場合には再入国許可による渡航を認めない措置をとっております。  一方、北朝鮮に渡航しない旨の申告を行った在日朝鮮人の方々に対してはこのような確認までは行わないので、核・ミサイル技術者の北朝鮮を渡航先とした再入国禁止という、この措置の実効性を担保するため、北朝鮮には渡航しない旨の誓約書の提出をしていただくこととしております。

有田芳生民進党・新緑風会

○有田芳生君 ミサイル技術の関係者あるいは朝鮮総連の関係者などはもう分かっている話なんですよ。  在日朝鮮人、これ、朝鮮籍というのは北朝鮮籍じゃないわけじゃないですか。その人たちが空港に行っていきなり、誓約書を書きなさい。何て書いてあるか。私は北朝鮮には渡航しません、仮に北朝鮮に渡航したことが確認された場合には再度上陸が認められないことを承知した上で出国します。どういう根拠でこういうものを書かせているんですか。

井上宏法務省入国管理局長

○政府参考人(井上宏君) お答えいたします。  法務省が行っておりますのは、当該外国人につきまして再入国を新たに許可するか、あるいは既に許可を受けている再入国を取り消すかという処分になります。この処分につきましては、いわゆる入管法の第二十六条第一項又は第七項に規定されておりまして、法務大臣の裁量行為とされておるところでございますが、その処分をするに当たっての判断の資料とするために誓約書の提出をいただいておるところでございます。  なお、御指摘になった記事に掲載された誓約書の文言でございますが、これは、実施当初、一部の地方入国管理官署において使用されていたものだと思われます。その後、当局で誓約書で確認しようとしている内容と注意喚起の内容をより明確にしたものを作成して今では使用してございます。

有田芳生民進党・新緑風会

○有田芳生君 問題だと気が付いたから変えたんじゃないですか。例えば、再入国許可の取消しなど処分を行うことがありますとありますが、その法的根拠は何ですか。端的にお答えください。

井上宏法務省入国管理局長

○政府参考人(井上宏君) 再入国許可を求めるに当たって、北朝鮮に行くのかどうか、核・ミサイル技術者に当たるかどうかについて調査させていただきますが、それについて明確に意図的に虚偽のことを述べられたような場合については、その許可が原始的に瑕疵があったということになって取り消す場合があり得るということでございます。その判断の一つとして資料を提出していただいております。

有田芳生民進党・新緑風会

○有田芳生君 その法的根拠を聞いているんですよ。もう先に言います、もう時間がありませんから。入管法二十六条第七項でしょう。そうですよね。お認めになった。だけど、この入管法二十六条七項は何て書いてありますか。「その者が本邦にある間において、当該許可を取り消すことができる。」。日本にいないときに取り消そうとしたら違法じゃないですか。違いますか。

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) 手短にお願いいたします。

井上宏法務省入国管理局長

○政府参考人(井上宏君) はい。  当該再入国の許可を受けるに当たって、偽りその他不正の手段を用いてその許可を受けたような例外的な場合につきましては、原始的な瑕疵があるということで当初から無効な処分という理解で、行政法の一般原理になりますけれども、それを用いた取消しが可能であると理解しております。

有田芳生民進党・新緑風会

○有田芳生君 日本はいまだ人権後進国であるということが様々な分野で起きているということを指摘をして、質問を終わります。  ありがとうございました。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 日本共産党の仁比聡平でございます。  まず、熊本を中心とした大地震で亡くなられた方に心から哀悼の意を表したいと思いますし、今なお行方不明の方々の捜索が続いておりますけれども、一日も早く、一刻も早く安全が確認をされるということを願っております。また、被災された全ての皆さんにお見舞いを申し上げたいと思うんです。  私も昨日、熊本市、益城町、西原村から南阿蘇村まで入りまして調査を行い、それぞれ避難所でお話も数々伺ってまいりました。そうした中で、水と食料、電源の確保が緊急に求められている重要課題の一つです。この点、総理は、倉庫に届くだけでは役に立たない、被災者一人一人の手元に届かなければ全く意味がないとおっしゃっていますが、私も全く同感なんですね。今日中にも届け切るために、市町村、県及び国の現地対策本部や全国の自治体、あるいはボランティアの皆さんの支援が今も不眠不休で続けられております。この実現について、衆議院で今同時進行で行われている委員会でも我が党は強く求めているところでございます。  その上で、昨日、防衛省が公表されました熊本地震への米軍オスプレイによる輸送支援の計画について、本来御通告をしていました自衛隊オスプレイの佐賀空港配備問題に入る前に、一問お尋ねをしておきたいと思うんです。  この防衛省の公表では、四月の十八日以降、つまり本日以降ですね、米軍輸送機MV22オスプレイにより、岩国基地から被災地まで救援物資を輸送する予定ですというふうに書かれていますが、元々安全性に対する懸念が強いオスプレイが現実の災害対応に使われるのは初めてのことになります。そのことが何より、今、熊本の被災者の皆さんの中に不安の声、戸惑いを広げているわけですね。  総理は、昨日午前八時半の時点では、直ちに米軍の支援が必要という状況ではないと述べておられましたが、これ、防衛大臣、何が変わったということなのか、今日からずっと行うということなのか、いかがでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 自衛隊は、地震が発生以来、人命救助また生活支援のために懸命の努力を続けているわけでございます。特に水、食料、また電源等、紙おむつとか生活必需品が不足しているという現状は認識をいたしておりまして、懸命にそういったものも、物資運ぶために努力をいたしております。  そういった中で、道路が寸断され、また道路も大変渋滞しておりますので、なかなかそれを届ける手段としてはどうしても航空輸送による手段が考えられるわけでありますが、自衛隊が持っているこういったヘリなどの能力をもってしてもまだ十分にそれが行き届いていないという現状に鑑みまして、米軍の方からも、何かありましたら手伝うから言ってくれというような要請もあっておりまして、正式に米軍の方に、そういったことが可能であるか、そういう問合せをして調整をしておりました。その結果、十七日に米側から航空機による輸送支援が実施可能であるという連絡があったことから、具体的な調整を進めましてやっているわけでございます。  総理につきましては、そういった状況の中で、総理がまだ調整中の段階で御発言をされたわけでございますが、その後総理に、現在の調整の結果、MV22オスプレイを含めまして米空軍の輸送協力が可能であるということをお話をいたしまして、総理の方からの指示を受けまして正式に米軍に協力要請をいたしたわけでございます。  そこで、本日からこの米軍機による輸送支援を開始するわけでございますが、主に岩国の基地をオスプレイが離陸をしまして、熊本空港で水、食料、毛布、こういった生活支援物資を積み込んだ後、南阿蘇村の白水運動公園、これまで輸送する予定でございます。  今後の米軍等による支援活動の内容につきましては、現在どのようなことができるか、日米間で検討しているところでございますが、いずれにしましても、平成二十八年の熊本地震への対応のためにやれることは全てやると。まず大事なのは、一人でも多くの人の命を救い、そして不安の中にある住民の皆様方の救援に当たるという認識で取り組んでいるわけでございます。  安全性につきましては、もう既に自衛隊はオスプレイの導入を決定をしております。これは、累次、安全に関して政府として確認をし、そして専門家の意見も聞き、このオスプレイの機材が安全であるという認識を持っております。私も三度ほどオスプレイに搭乗いたしました。安全性についても直接パイロットを始めいろんな関係者にも伺いましたが、米軍にとりましては、安全においては問題ないという認識を持っているわけでございます。  そういう点におきまして、我が国におきましても、こういった災害時の対応でありますが、米軍からそういった支援、申出を受け、そして現実にそういった手段を持っているということにつきまして、大変有り難いことでございますので、今回の災害救援に今調整をして行っていただくということでございます。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 総理は必要という状況ではないというふうに昨日の朝の段階で述べているわけでありまして、今大臣が強調された、米軍が安全性を確認しているという点についても私随分議論したいことがありますが、それは今日は、次にちょっと確認、計画の確認をしておきたいと思うんです。  今お話のあった南阿蘇村の白水運動公園というところは、白川水源の温泉があるところで、日頃は極めてのどかな、すぐ隣には子供たちのプールとか、それから温泉、高齢の被災者の皆さんがよりどころにしているというような地域でもあるんです。ここにオスプレイが飛んでいくということがどういうことなのかというのは、私よく考えなきゃいけないことかと思うんですよね。これはちょっと今申し上げておくだけですけれども。  報道では機数というのは四機というふうに言われているが、そのとおりでいいのかということが一つ。もう一つは、オスプレイの給油、整備は熊本空港ではできないわけです。この点、海上自衛隊が、オスプレイが離発着、格納、整備をできるヘリ空母「ひゅうが」を熊本県の八代市に向けて派遣をしていると。米軍オスプレイがこの「ひゅうが」で給油を受けながら熊本空港と南阿蘇村を行き来すると報じられていますけれども、これはそういうことですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 米軍の支援の内容につきましては、現在それを調整、検討しているところでございます。  一番大事なことは、この地震によってまだ瓦れきの中にたくさんの方が閉じ込められている、そういう捜索をしなければならない。そして、十一万人を超える方が避難所で非常に不安な中で生活をしているわけでありまして、そういう方々にいろんな物資を届けなければなりません。自衛隊のヘリの能力だけでは十分にまだ現地に物資が届けられていない状況でありまして、今回、米軍からの要請も、手伝いをする意向がありまして、それに対して、非常に有り難いことでありますので、それの支援をお願いをするわけでございます。  安全性におきましては、先ほど申し述べたように、政府としては、オスプレイにおきましては安全性を保証、確証いたしておりますので、特に問題はないと思っております。  確かに、いろんな騒音とか御迷惑は掛けるかもしれませんけれども、やはりそこは住民の命を救うということをまず第一に考えて、こういった事態にいろんな皆様方の御協力もいただいて救助活動を続けてまいりたいと考えております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 私がお尋ねした点については調整中ということでお答えにならなかったわけですけれども、もとより、私も、その物資を一人一人のところまで届け切ると、それは今日中にもということが重要であるということは冒頭から申し上げているとおりなんですね。  大臣がおっしゃるように、本当にオスプレイは災害対応に有用なのかという点について、米軍オスプレイは様々な事故を起こしてまいりました。今日は三つだけ確認をしたいと思うんですけれども、二〇一四年の十月十九日に和歌山県の防災訓練が実施されましたが、このとき、串本町の望楼の芝でオスプレイの離陸時に排気熱で火災が発生し、消防団が消火活動に追われたことがありました。昨年五月二十二日の衆議院の外務委員会で防衛副大臣は、その事実は聞いておりますと答弁をしておられます。遡って二〇一三年に、アメリカのノースカロライナ州の海兵隊基地でオスプレイが訓練中に地表の草が燃える火災を起こして機体の一部が焦げるという事故になり、これも防衛省は承知していると御答弁されています。二〇一五年四月に発生したネパール大地震の救援に出かけたオスプレイが被災者の救援中に民家の屋根を吹き飛ばしたと、これも防衛省は、報道は承知しているというふうに御答弁してこられていますけれども、これ、大臣、そういう事故をオスプレイは起こしてきましたね。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) まず、オスプレイの有効性だけ申し述べますけれども、これはチヌークのヘリの後継機でありまして、スピードにおいても航続距離においてもペイロードという積載能力においても数段性能が向上しておりまして、まさにこういった災害のときに大変役に立つ能力があります。また、垂直離発着ができますので、山間部とか非常に狭隘なところにおいても物資を運ぶことができます。  そこで、これまでの和歌山などの事例に対するお答えでございますが、こういった点につきまして、当時もお答えをいたしましたけれども、排気による芝が燃焼したというようなことにつきましては、今回、和歌山県におきましても、南海トラフ地震を想定して実際に訓練、演習を行ってきたわけでございます。そういったことにつきまして、影響の度合いは不明でございますが、今後とも、運用する際には、パイロットに義務付けられている排気のデフレクター、これの作動の確認や装置の継続監視などの遵守、これを徹底することや、また排気デフレクターを含めた機体システムに故障等が発生しないような確実な整備を行う、また着陸している時間を制限するといった運用措置、手順を追求することによって、排気ガスによるリスクの更なる低減を図って安全な運用の確保に万全を期すということでございます。  そして、ノースカロライナの基地での同じく地表の草が燃える件につきましても、これは先ほどお話ししました排気デフレクターによって排気が地上に当たったことが原因でございます。そして、これにつきましては、ティルトローター機の選定の段階におきましても、この排気デフレクターに関する詳細な情報等によってオスプレイが安全にこれは運用はできるということを確認をしておりますが、米軍の運用で、舗装されていない着陸帯に着陸する場合の航空機の直下の植生、これを回避をしたり、着陸時間を制限するなどの措置によって火災の発生を局限しているというものを承知をいたしておりまして、今回、そのような点と先ほど申し上げました高い性能、これを生かして運用するということにおきまして我が国において安全に運用されていると認識をしておりまして、今後とも安全な運用が徹底されるように引き続き対応してまいりたいと考えております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 大臣いろいろおっしゃるんですけれども、私が指摘している火災事故あるいは民家の屋根を吹き飛ばしたという事故についてはお認めになっている前提なわけですよ、今の御答弁も。防災訓練で火災を起こす、被災者の救援中に屋根を吹き飛ばす、それが米軍オスプレイの事故であり、阿蘇は申し上げてきたように草原ですよね、甚大な建物被害にこの南阿蘇村も襲われているわけです。そうした現状からすると、本当に有用と言えるのかと。申し上げたような、八代にヘリ空母を停泊させて被災地、被災者の頭の上を行き来するということになれば、被災者の皆さんに新たな大変な不安を広げることになるということを私は指摘をせざるを得ません。今日はその指摘にとどめて、次の質問に移りたいと思います。  そうしたオスプレイを陸自に配備し、戦闘ヘリなどとともに佐賀空港に配備をと、そして米軍オスプレイの使用も含めて検討してほしいというのが、二〇一四年七月に佐賀にとっては寝耳に水の防衛省からの要請でした。そうした中で、昨年度予算に用地取得及び調査、設計などに係る経費として百六億円の予算が強行されたわけですが、ところが、昨年度、一切執行できなかったわけですね。  この佐賀空港配備問題というのは、佐賀空港の存立の基礎である、軍事利用はしない、させない、あり得ないという公害防止協定、重い約束がずっと焦点になってきて、総理も地元の了解は得られていないと繰り返し答弁をしてこられたわけですが、そうした中で、佐賀のことは佐賀で決めると、そうしたスローガンで当選をされた山口知事が現時点での疑義についてとして、つまり国の説明に疑義があると言い続けておられるわけです。その疑義の一つが、中谷大臣、あなたの発言なんですね。    〔委員長退席、理事石井正弘君着席〕  昨年十月の二十九日、お手元に資料をお配りしましたけれども、御覧のとおり、佐賀県知事との会談の中で大臣は、負担軽減の一環としての米海兵隊の空港の利用に当たっては当然ながら知事の同意を得た上で利用させていただくものでありというふうにおっしゃっていますが、この同意を得た上でというのは、これはどういう意味なんでしょうか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 答弁する前に、一点訂正させていただきます。  オスプレイはチヌークの後継と申し上げましたが、CH46の後継機でございました。申し訳ございません。  佐賀県を訪問した際に発言をした、知事の同意を得た上での意味するところは、これは、沖縄の負担軽減の一環として海兵隊が佐賀空港を利用する際、その使用の形態、地元や施設の関係者に与える影響等について十分考慮する必要があるということを前提としつつ、防衛省として、日米地位協定に基づき使用する場合に必要となる調整や手続を取るとともに、佐賀県に対して丁寧に御説明をし理解を求めるとの趣旨を申し上げたものでございます。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 今大臣が答弁をされた地位協定、そしてその地位協定に基づく使用のための必要となる調整や手続という点について、防衛省が佐賀県に対してその後文書で説明をしているわけです。そのことをおっしゃっているんだと思うんですけれども、資料一枚目の下の方に記載をしておきました。この防衛省の回答には、知事の同意という言葉は出てこないわけですね、一切。  同意ということと丁寧に説明し理解を求めるということは、これは全然違う意味ではないのかということが問題になっていますが、これ、大臣、そうすると、地位協定の調整あるいは手続の中で知事の同意というのが必要な要件として位置付けられているという、そういう御発言の趣旨ですね。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 私が発言した、同意を得た上でというのは、この手続上、防衛省といたしまして、この使用の形態又は地元の施設、関係者に与える影響、これについて十分考慮する必要があるということを前提として、日米地位協定に基づき使用する場合に必要となる調整、手続を取るということとともに、佐賀県に対して丁寧に御説明、理解を求めるという趣旨でございます。    〔理事石井正弘君退席、委員長着席〕

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 ということは、大臣、同意というと、これは知事が、もちろん県民の意思を背負ってということでしょうが、同意するということがなければ、これは米軍の空港利用はできないという意味にしか日本語としては取れないんですけれども、今の御答弁を伺うと、十分に考慮して丁寧に説明し理解を得る、努力をするということなのであって、地位協定上はその同意がなされなくても日米合意を行うということがあり得るということなのか。  皆さん御存じかどうか分かりませんが、地位協定二条四項の(b)又は五条に基づいて空港の米軍の使用を認めるときというのは、これは日米合同委員会で合意を行うという手続になります。この合同委員会の合意と知事の同意という、この関係はどうなるんですか。同意がその合同委員会の絶対条件なんですか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) まず、五条の話がございましたが、米軍が我が国の民間空港等を利用するに際しまして、米軍による使用の形態等を踏まえて日米地位協定の第二4(b)又は第五条を取ることとなると考えておるわけでございます。  その際、日米合意という問題があるわけでございますが、一般論として申し上げれば、仮に一定の期限を限って海兵隊による佐賀空港の使用を認めることが個別の状況に応じて適当と判断される場合には、同協定の二条4(b)に基づいてその空港等を日米が共同で使用する施設・区域とするために必要な手続を取るということとなると考えております。その場合の手続としては、例えば所有者や管理者に対して意見照会等を行いまして了解を得る必要があると考えております。  したがいまして、同協定第二4(b)に基づいて日米が共同で使用する施設・区域とするに当たっては、所有者の了解を得た上で施設・区域として提供するための日米合同委員会の合意を得る、行うということとなると考えているわけでございます。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 その今の御答弁は、つまり合同委員会合意をする前提として、条件として、土地や建物の所有者であり空港の管理者である県の同意が絶対に必要だという理解なのかどうか。  これまでこの日米地位協定に基づく施設・区域の提供あるいは五条の移動の自由というのは、これは国がその提供する施設・区域の適正な管理権、所有権を持っているか否かにはかかわらず行われてきたわけです。日米間で勝手に合意をしておいて国民の土地を不法に使うのはおかしいではないかという議論があっても、日米合意は有効であるというのがこれまでの自民党政府の立場です。繰り返しそういうふうな問題になってきました。  大臣が言っているのは、この佐賀空港については違うんですというわけですか。佐賀県知事が同意をしない限り日米合意は絶対に行わないという、そういう御答弁ですね。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 一般論として申し上げますが、米軍が我が国の民間空港等を利用するに際しましては、米軍による使用の形態を踏まえて、日米地位協定の第二4(b)、又は第五条によることとなると考えておりますが、沖縄の負担軽減の一環としての米軍のオスプレイによる民間空港等の利用に際しましては、防衛省としては、日米地位協定に基づき使用する場合に必要となる手続、調整、これを図るとともに、地元自治体に対して丁寧な説明をして理解を求める考えでございます。  そして、お尋ねにもありましたが、この二4(b)に基づいて日米が共同で使用する施設・区域とするに当たっては、所有者等の理解を得た上で施設・区域として提供するための日米合同委員会の合意を得ると考えておりまして、この米軍の地位協定の二の4の(b)に基づいて佐賀空港、これを使用する場合には、佐賀県の佐賀空港条例第十二条がございます。それによりまして知事の許可を得た上で土地を使用する必要があると考えております。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 よく分からないんですよね。  丁寧に説明し理解を得たいということと、最後のくだりでおっしゃったことと、だけれども、その一連の答弁の中で同意という言葉は使われない。十月二十九日には胸を張って同意と言ったのに、その後、何だかその言葉を避け続けているでしょう。全然分からないんですよ。  そのように、つまり、佐賀空港のように、戦前の日本軍基地でもないし、米軍占領下あるいは在日米軍基地でもない、自衛隊基地でもない、こういう軍事利用の歴史が全くない純然たる民間空港を日米地位協定によって米軍に提供したという例が、大臣、ありますか。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 板付空港と沖縄における那覇空港に事例があると思います。それで、それ以外はございません。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 だから、板付は、板付というのは、つまり福岡空港はかつて米軍板付基地なんですよ。那覇空港は米軍の直接統治下にあったわけでしょう。つまり、佐賀空港を日米地位協定で米軍に提供するとすれば、それは前代未聞の初めてのことなんです。それを今のように言を左右にして曖昧にする。そんなやり方で県民の理解を得られるはずなんて絶対ありませんよ。  今日は、そうした防衛省の、何でも隠し立てをする、何が何でも押し付けるという姿勢の象徴として地元を揺るがす大問題になっている藤丸政務官の発言についてもお伺いをするということで、おいでいただいています。  時間が迫ってしまいましたから一問だけ聞きますが、お配りしている資料の三枚目御覧いただくと、「議論すべて水の泡」という大見出しが躍っております。この問題について、三十五ヘクタール以上になると調査をしないといけない、環境アセスをしなければならないというこの藤丸政務官の発言が大問題になっているわけですが、先日、外交防衛委員会で政務官は、防衛省はあくまでも約三十ヘクタールしか要らないという、そして段階的に話をすると、それはもう環境アセスの関係とか会計検査院の話とかというふうに指摘されますという話は既に打合せをしておりましたと答弁をされました。  これ、大臣、防衛省と藤丸政務官はそういう打合せをしていたわけでしょう。つまり、防衛省がそういう話をしたから藤丸政務官は三十五ヘクタール以上になると環境アセスをしなきゃいけないという認識に立ったということでしょう。  防衛大臣、もう時間ないんですから、端的にイエスかノーかで答えてください。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 防衛省はいろんな政策を抱えておりますけれども、それにつきまして、防衛三役、私も含めまして、官僚を呼び、官僚からいろいろ説明を受けております。  御指摘のこの佐賀空港の西側に、駐機場、また格納庫、隊舎、燃料タンク、弾薬庫を含む約三十ヘクタールの施設整備を念頭に置いた検討を進めていることは事実でございます。そのような検討の状況につきましては、その進捗に応じて、藤丸政務官に対しても適時説明をしているところでございます。

仁比聡平日本共産党

○仁比聡平君 もう終わりますが、政務官の発言は、どの問題も防衛省内で検討したことがなければ出てこない発言なんですよ。丁寧に説明し理解を得るどころか、大事な肝腎な事柄を隠して何が何でも押し付けようとか、同意とだまして米軍に提供しようとか、そんなことは断じて許されない。私は、この配備計画そのものを撤回することを強く改めて求めて、今日は質問を終わります。

塚田一郎自由民主党

○塚田一郎君 自由民主党の塚田一郎です。  十四日夜以降、熊本県から大分県にかけての広い範囲で強い地震が頻発をし、甚大な被害が発生をいたしました。亡くなられた皆様方の御冥福をお祈りするとともに、負傷された方々を始め被災された方々に心よりお見舞いを申し上げる次第であります。  まず初めに、この地震の被害状況とこの間の政府の対応について御説明をいただきたいと思います。

林俊行内閣府政策統括官付参事官

○政府参考人(林俊行君) お答えをいたします。  まず、被害状況でございますけれども、これまでに死者四十二名、これはいずれも熊本県でございます。さらに、負傷者でございますが、熊本県に加えまして、福岡、佐賀、大分、宮崎、五県にまたがりまして、重傷者二百十名、軽傷八百八十五名となっております。  また、被災地では、本日も警察、消防、自衛隊、海上保安庁といった実動部隊などによりまして、三万人規模の態勢で捜索救助活動、生活支援活動などに当たっておりまして、特に被害が集中をしております南阿蘇村におきましては、引き続き、倒壊建物等の下敷きになっている方がおられる可能性があるところを中心に捜索救助活動を実施をしております。また、避難者の方につきましては、昨日十四時三十分現在でございますけれども、十一万人余の方が避難をされております。  また、ライフラインの状況でございますけれども、停電につきましては約三万戸、ガスにつきましては約十万戸で供給停止が起こっております。また、水道の断水戸数でございますけれども、二十一市町村で二十四万戸という形になっております。さらに、通信関係では、固定電話、熊本エリアで三百回線が不通、携帯電話では約二百六十局、PHSでは約四十局が不通という状況になっております。  続きまして、政府の対応状況でございます。  政府におきましては、先ほど御指摘いただきました十四日夜、最初の最大震度七を記録いたしました地震の発生直後から、内閣府に河野防災担当大臣を本部長といたします非常災害対策本部を設置をいたしまして、関係省庁が一体となって災害応急対策に当たっておるところでございます。  また、被災地につきましても、翌十五日に、熊本県庁に松本副大臣を本部長といたします現地対策本部を設置をいたしました。また、あわせまして現地に合同調整所を設けまして、実動部隊間の活動調整を行っております。自衛隊、警察、消防、医療部隊等による約三万人規模の態勢で、先ほど申しましたように活動に当たっております。  さらに、被災地では依然として物資が少ない状況が続いております。特に食料、水、トイレ、毛布等の生活必需物資につきましては、県、市町村の備蓄を上回るものにつきまして、内閣府におきまして一元的に調達、輸送を行うということを行っております。県、市からの要請に応じた調達につきましては、徐々に物資が届きつつあります。これに加えまして、避難者数に応じた三日分の食料などを供給拠点にいわゆるプッシュ型で順次供給を行っておるところでございます。  また、現地からはコンビニ、スーパーなどの通常物流の回復というのも強く求められておりまして、関係業界と連携をして取り組んでおるところでございます。  さらに、昨日、政府では、被災者の生活支援を迅速かつ強力に進めるために被災者生活支援チームを設置をいたしました。現場主義を徹底をいたしまして、被災者に寄り添いながら、ニーズを的確に把握しつつ迅速に対応してまいりたいと考えております。

塚田一郎自由民主党

○塚田一郎君 既に四十二名の尊い命が失われたということで、本当に残念でなりません。まだ行方不明者がおられるということでありますので、まずは人命第一にこうした行方不明者の捜索に当たっていただきたいと思います。  また、今ほどお話がありましたとおり、約十一万人以上の避難者の中で深刻な物資の不足状況が続いているということであります。これについても、しっかりと政府挙げての対応をお願いをしたいというふうに思います。  この状況の中で自衛隊は早くから出動いただいておりますが、この間の地震に係る災害派遣状況について御説明願います。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 防衛省・自衛隊としては、震災発生以来、関係省庁、自治体と緊密に連携しながら、総力を挙げて災害対策に全力を尽くしております。  昨日までに、陸海空自衛隊の統合派遣部隊、人員約二万人、これの増強を完了いたしました。そして、各種車両、航空機、艦艇等を最大限運用しまして、人命救助、また生活支援、これは物資の輸送、給食、給水、入浴、医療支援、これに当たっております。今後、二万六千人まで増強するということ、そして在日米軍の空軍の航空機、在日米軍の輸送機等も活用しながら、可能な限り早急にこの状況に対して臨んでまいります。  人命救助活動については、例えば十七日に阿蘇市、南阿蘇村におきまして倒壊した家屋、崖崩れ地域の要救助者捜索を実施をしまして、倒壊家屋から四名の人命を救助することができました。直ちに熊本市民病院等の医療施設に患者を搬送いたしました。  また、生活支援につきましては、被災地において毛布、飲料水の物資、天幕、そして給食、給水、入浴、医療に全力を挙げておりまして、特に熊本県の北部に水そして食事が不足しておりますので、千名投入しまして新たな給水支援場所を四か所設定して、活動を速やかに実施をいたしております。  多数の家屋が倒壊をし、またインフラも途絶しておりまして、多くの方々が避難生活を余儀なくされておりますので、今後とも、各自治体からニーズを聞きまして効果的かつ機動的な生活支援活動を行ってまいりたいと考えております。

塚田一郎自由民主党

○塚田一郎君 よろしくお願いをいたします。  報道では既に余震の回数が五百回を超えたというような話もあります。そうした中の作業は困難を極めると思いますけれども、全力で取り組んでいただきたいということを御要望させていただきます。  それでは、決算の内容についての質問に移らせていただきます。  まず、ODA事業に係る不正の防止についてお伺いをいたします。ODA事業をめぐる不正事案については、私は、平成二十年十一月、二十二年四月、そして昨年四月の決算委員会において、このODA事業をめぐる贈収賄事件とその再発防止の徹底について質問をさせていただいております。  この問題を継続して取り上げてきているわけでありますが、十九年にコンサルタント会社のパシフィックコンサルタンツインターナショナルからベトナム政府高官への多額の贈賄事件が明らかになり、外務省において再発防止策が講じられた以降も、二十六年にベトナム、インドネシア、ウズベキスタンにおいて再びODA事業をめぐる贈収賄事件が起き、本院が警告決議を行う事態となりました。  私は、昨年の決算委員会においても、ODA不正事件に対する政府のこれまでの再発防止策をいま一度見直すとともに、更なる取組を徹底していただくべきであると申し上げました。ODA事案に係る不正の再発防止策としては、二十一年に設置された不正腐敗情報受付窓口について、二十六年の不正に関与した日本交通技術株式会社はこの窓口の存在を知らなかったとされていたことから、昨年の決算委員会において、その周知徹底や実績の向上に向けて取り組むべきであるとただしました。これに対し岸田外務大臣からは、実績は上がっているが、今後更なる周知徹底を図るべく取り組んでいくとの御答弁をいただいております。  不正防止策としての不正腐敗情報受付窓口の周知徹底に向けた取組状況、近年の実績について外務大臣にお伺いいたします。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、国民の税金を原資とするODAにおける国民の信頼を確保する、さらには、この適正な実施を通じて開発協力の効果を最大限に発揮する、こういった点から、この不正腐敗の防止、これは徹底されなければなりません。  委員の方からも、昨年四月、決算委員会において、この腐敗防止について、さらにはこの相談窓口のありようについて御指摘をいただいたわけですが、再発防止策の一環としての不正腐敗情報相談窓口については全世界の大使館に窓口があるわけですが、それに加えて外務省のホームページにも窓口を設置をする、さらには相談を受ける際の言語ですが、英語のみならず現地語等、様々な便宜を図ってより相談がスムーズにいく、こういった取組を続けてきたわけですが、それに加えて、関係団体、日弁連ですとか海外コンサルタンツ協会、こうした関係団体と意見交換を通して説明を行うですとか、あるいは各種セミナーを開催する、あるいはホームページによる広報を徹底し周知を図る、こういった努力を行った結果といたしまして、本窓口に相談があった件数、二〇一三年度は三十二件、一四年度が百六件、一五年度が九十四件、このようになっております。  こうした窓口の活用を呼びかけると同時に、入札から契約、調達段階に至るまでのモニタリングを強化する、透明性を向上させる、さらにはODA事業関係団体あるいは相手国政府、実施機関に対して、JICA不正腐敗防止ガイダンス、これを周知し、不正防止に向け働きかけを行っている、こういった取組を続けてきました。そして、最近、一番直近の動きとしましては本年四月に、不正な要求に対してODA事業関係者が直ちに相手方に提示できるよう携行用カードにした不正腐敗防止ポリシーガイド、これを新たに作成し関係者に配付を開始したというような取組もスタートいたしました。  不正防止のために受注企業のコンプライアンスの強化、もちろん重要ですが、相手国政府による適正な実施も必要です。是非、関係者と協力しながら不正腐敗の根絶に努めていきたいと考えます。

塚田一郎自由民主党

○塚田一郎君 引き続きしっかりした対応をお願いをしたいというふうに思います。  次に、ODA事業のPDCAサイクルの強化についてお伺いをします。  外務省では、我が国の優れた技術を生かした機材を途上国に供与することにより、途上国の開発に寄与するとともに、日本企業の海外展開を支援する無償資金協力事業、いわゆる調達代理方式無償資金協力を実施していますが、財務省が実施した平成二十七年度予算執行調査において、同事業について、具体的な成果目標の設定や事後的なフォローアップが実施されていないなど、PDCAサイクルの透明性の点で立ち遅れているとの指摘がありました。  国際協力機構、JICAが実施するODA事業においては、成果目標の設定、事後評価の実施、評価結果のウエブサイトでの公表など、PDCAサイクルの確立と透明性の確保に向けた取組が進められていると承知しています。外務省が実施する無償資金協力事業においても同様の取組を早急に進めていく必要があると考えますが、同事業における透明性の確保、PDCAサイクルの確立に向けた具体的な取組状況についてお伺いします。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 外務省が実施をしております調達代理方式無償資金協力ですが、この協力におきましては、これまで供与した機材が適切に使用されているかについて在外公館を通じてフォローアップを行ってきたところでありますが、御指摘のように、平成二十七年度の財務省の予算執行調査において、透明性の確保あるいはPDCAサイクルのための取組、こうしたものを進めるべきだという指摘を受けました。  これを受けまして、本二十八年度の外務省ODA評価の取組の中で、調達代理方式無償資金協力に関して外部の有識者による第三者評価を実施する、これを予定しております。新しく導入する外部の有識者による第三者評価の結果等も踏まえながら、透明性の確保、そしてPDCAサイクルの確立、こうしたものに向けてしっかり取り組んでいきたいと考えます。

塚田一郎自由民主党

○塚田一郎君 これも引き続きしっかりと対応をお願いをしておきます。  防衛装備品の調達をめぐる問題についても、この間、私は決算委員会で継続をして質問をさせていただいております。昨年四月の本委員会においては、平成二十四年一月に三菱電機株式会社等による過大請求事案が発覚以降、防衛装備品の調達をめぐる不適切な事案が後を絶たず、会計検査院から二十三年度、二十四年度、二十五年度と繰り返し指摘されている事態について取り上げました。そして、防衛省により再発防止策が講じられているものの、その効果が十分に発現していない現状をどのように分析するか、ただしました。  しかし、今般の二十六年度決算検査報告においても、防衛装備品のライフサイクルコスト管理の実施に関わる指摘等がなされております。防衛装備品の調達をめぐる不適切な事案について、防衛省は都度、再発防止策を講じていますが、その効果が十分発現しておらず、会計検査院の指摘が毎年度繰り返されている事態をどのように認識しているのか、防衛大臣にお尋ねをいたします。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 昨年十月に防衛装備庁が設置をされまして、これを機会にもう二度とこのような指摘を受けないような体制を構築をしなければならないという認識の下に三つの柱を立てました。第一に、関係職員に対する再発防止策の周知の徹底、第二に、企業に対する抜き打ち調査等を通じた法令遵守体制の確認、第三に、防衛装備庁に新たに監察そして監査部門を設置をすることによる監査機能の充実強化、このような措置を講じました。今後、装備品の調達の適正化に厳に努めてまいりたいと考えております。

塚田一郎自由民主党

○塚田一郎君 防衛装備庁としてもしっかり取り組んでいただきたいと思いますので、この問題も引き続き継続的に私の方もウオッチをしてまいりますので、よろしくお願いをします。  こうした中、防衛省が発注する自衛隊用の防衛装備品の入札において談合が繰り返された疑いがあるとして、公正取引委員会が去る三月一日、独占禁止法違反の疑いで大手繊維メーカー二社を立入検査する事案が発生しました。  防衛装備品には特殊な技術や仕様が求められるものも多く、入札に参加する業者が限られることが多々あります。何年にもわたり同じ顔ぶれでの入札が行われることにより、官民のみならず業者間の癒着も生まれやすいと言われております。今般の自衛隊の防衛装備品の入札で談合が繰り返されていた疑いがある事案が発生したことについて、どのように認識をしているのか、その背景、さらには原因がどのようにあるのかということについて防衛大臣にお伺いします。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 現在、公正取引委員会によりまして、戦闘服などの入札参加企業等に対しまして談合の疑いで調査が行われているものと承知しております。防衛省としましては、この調査に全面的に協力をしてまいっております。  一般に、防衛装備品といいますとその用途から特殊な仕様が求められるものが多くて、製造に当たりまして特殊な技術、設備、これが必要で、入札に参加できる者が限定されるという特殊性がございます。防衛省としては、そのような特殊性を踏まえつつ、違約金条項の適用範囲の拡大、また入札説明会の原則禁止などによりまして、企業に対する談合防止の、抑止のための措置をとるとともに、調達業務に従事する職員に対する入札談合防止に関する教育の実施などによりまして、公正性、適正性、透明性、これを確保した調達の実施に努めてまいりたいと考えております。

塚田一郎自由民主党

○塚田一郎君 特殊な技術、仕様に関して限られた入札になるということは理解できますが、だからといってこうしたことが起きていいということにはなりませんので、しっかり対応をお願いをしたいと思います。  今回の談合事案について公正取引委員会の調査が進んでいるというふうに伺っておりますが、調査の進捗状況について公取委の方から御説明願います。

山田昭典公正取引委員会事務総局審査局長

○政府参考人(山田昭典君) お答えいたします。  事柄の性質上、詳細な御説明は差し控えさせていただきますけれども、公正取引委員会は、防衛装備庁が発注いたします一部の繊維製品の調達につきまして入札談合が行われていたという疑いがございましたことから、三月一日に関係企業に対し立入検査を実施するなど、関係者、関係企業の御協力をいただきながら、現在事実の解明につきまして鋭意調査を進めているところでございます。  今後、いましばらく時間は掛かるかと思いますけれども、引き続き調査を継続いたします。

塚田一郎自由民主党

○塚田一郎君 しっかりとした真相究明を行っていただきたいと思います。  岸田外務大臣、広島外相会合、大変お疲れさまでございました。すばらしい成果が私は上がったというふうに思っております。四月十日、十一日の両日にわたり広島において開催されたG7外相会合では、岸田外務大臣は議長としてG7の先頭に立って議論をリードされ、結果として共同コミュニケなど四つの文書から成る成果を上げられ、特に、米国のケリー国務長官を始め核兵器保有国である米国、フランス、イギリスの外相を含め、G7の外相が広島市の平和記念公園を訪問し、核軍縮及び不拡散に関する広島宣言を採択したことは、将来に向けた核軍縮の機運を高める大変重要な点であり、高く評価されるものだと思います。  ほかにも、テロ対策、海洋安全保障、またサイバー空間における平和と安定など、新しい問題についても議論が深まったというふうに聞いております。  また、このG7外相会合においては、最近の北朝鮮情勢についても議論がなされたということで、岸田外務大臣は記者会見で北朝鮮問題について想像以上に各国の関心が高まっていたという印象を話されていらっしゃいます。  今回のG7外相会合の成果と、北朝鮮についてどのような議論が行われ、どのような点で一致を見たのかについて御説明をいただければと思います。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) この度のG7広島外相会合ですが、我が国は、昨年の議長国ドイツからG7の議長国を引き継いでから後、こうした会議の中でどんな議論をするのか各国と調整を進めてきました。  そして、その結果、国際社会の喫緊の課題として、まずはテロ、暴力的過激主義対策、さらには難民問題、こういったものが議論をされ、地域情勢としましては中東あるいはウクライナ、こうした議論が大変大きな議論として取り上げられました。加えて、八年ぶりにアジアで開催されるG7会合でありますので、アジアの問題についても議論をしなければならないということで、北朝鮮あるいは海洋の安全保障、こういった議論が行われました。加えて、被爆地広島で開催される初めてのG7外相会合ですので、軍縮・不拡散の分野においても突っ込んだ議論が行われ、そして、初めて独立した文書として、広島宣言という軍縮・不拡散に関する文書がG7外相会談で発出されたということでありました。  この広島宣言については、今委員の方から御指摘がありましたように、この度、米国、英国、フランスといった核保有国の外相が他のG7外相とそろって平和公園、原爆資料館、あるいは原爆ドームを訪問しました。この訪問と広島宣言、この二つが相まって、核兵器のない世界に向けて国際的な機運を再び盛り上げる一歩になったと感じています。是非、こうした議論の成果を今年の日本外交のハイライトであります五月の伊勢志摩サミットにしっかり引き継いでいきたいと考えます。  そして、北朝鮮についてどんな議論が行われたかということですが、北朝鮮につきましては、昨今の核実験、弾道ミサイルの発射、そして拉致問題を始めとする人権問題、こういった問題について議論を行い、北朝鮮に対しましてしっかりとした非難を伝え、そして対応を求めていく、こういったことで一致をしたわけですが、当初、北朝鮮問題については、特にヨーロッパの諸国から見るならば地理的に遠いこともあり、どこまで関心が集まるのかということを心配する向きもあったわけですが、実際議論を行ってみますと、この北朝鮮問題、先ほど申し上げました点に加えまして、安保理の決議の実効性の確保ですとか、朝鮮半島情勢ですとか、今の北朝鮮の政権に対する評価ですとか、様々な分野におきまして大変突っ込んだ議論が、予定時間を大幅にオーバーする形で議論が行われました。白熱した議論が行われたということが大変、この度、印象的であったということであります。

塚田一郎自由民主党

○塚田一郎君 北朝鮮問題について世界の各国が関心を持っていただいているということは大変大きなことだと思います。やはり、我が国は拉致、核、ミサイルといった懸案事項を抱えておりますが、それぞれの国によってそのことに対する対応の温度差というのはあるわけでありますから、より多くの国からこの北朝鮮問題について関心を持っていただく中で、我が国の懸案事項の解決に向けて取り組んでいくということが非常に重要だというふうに思います。  伊勢志摩サミットでオバマ大統領が来られた際に広島訪問への期待が高まっておりますが、この辺りについて、外務大臣、お話しできることがあったらお聞かせいただければと思います。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 世界の政治の指導者に被爆地を訪問してもらい、被爆の実相に触れてもらうということは、こうした指導者一人一人が国際社会において大きな発言力を持っているわけですから、結果として、国際社会において核兵器のない世界を目指すという取組の機運を盛り上げるという意味で、これは大変重要なことだと思います。  昨年、NPT運用検討会議等が行われる中にあって、核兵器国と非核兵器国の対立が深刻化し、今、核兵器のない世界に向けての機運がしぼんでいる、大変低迷しているという指摘がある中でありますので、こうした取組を通じて機運を再び盛り上げることは大変重要だと思っております。  ただ、具体的に米国大統領の日程について私の立場から何か触れるのは適切ではないと考えます。

塚田一郎自由民主党

○塚田一郎君 ありがとうございます。大変期待をしているということで、引き続き努力をしていただきたいというふうに思います。  ちょっと時間も限られてきましたので、少し先の質問に入らせていただきますが、北朝鮮の核実験、弾道ミサイル実験等を受けて、国連安全保障理事会の決議二二七〇が発出をされました。そこにおいて新たな制裁が決まったわけでありますが、石炭、鉄及び鉄鉱石の北朝鮮による輸出や国連加盟国による調達の禁止、また航空燃料の北朝鮮への販売、供給の防止、これまで武器や大量破壊兵器の関連物資、技術に限っていたものの規制の範囲が広がったことがその特徴であります。  こうした規定には、しかしながら例外が設けられておりまして、例えば、生計目的で、かつ核開発に無関係であると決定された場合は規制の対象から外されることになっています。なぜこのような例外規定が盛り込まれたのか。  また、こうした例外的な措置のうち、決議二二七〇のパラグラフ二十九の(a)にある石炭等の輸出に関し、羅津港を経由するものについては事前に制裁委員会への通告が必要となっておりますが、その他の、生計目的で、かつ核開発に無関係である場合には制裁委員会の関与について書き込まれておりません。  それで、なぜこうした違いがあるのか、この例外等について、例えば生計目的による例外措置の場合、一体誰がそれを判断して誰が例外に当てはまるという決定を下すのかについて伺いたいと思います。

飯島俊郎外務大臣官房参事官

○政府参考人(飯島俊郎君) お答え申し上げます。  安保理決議の第二二七〇号主文二十九(b)は、石炭、鉄及び鉄鉱石の北朝鮮による輸出及び加盟国による調達の禁止の例外として、専ら生計目的のためであり、北朝鮮の核若しくは弾道ミサイル計画又は関連安保理決議により禁止されているその他の活動のための収入を生み出すことに無関係であると決定された取引については、取引禁止規定を適用しないことを定めております。  外交上のやり取りの詳細を明らかにすることは差し控えさせていただきますが、本決議の前文においては、この決議の措置は北朝鮮の一般市民に対して人道面の悪影響をもたらすことを意図するものではないと明記がされるようになっておりまして、この点を踏まえ、御指摘の点につきましても、例えば、専ら生計目的のためであり、北朝鮮の核・弾道ミサイル計画等のために収入を生み出すことに無関係な取引については北朝鮮の一般市民への影響を考慮して例外とする旨が定められることになったものと承知しております。  それから、決議二二七〇号主文二十九が定める石炭、鉄及び鉄鉱石の北朝鮮による輸出及び加盟国による調達の禁止の例外に関し、委員御指摘のとおり、主文二十九(a)の規定に羅津港経由の適用除外については調達国による北朝鮮制裁委員会への事前の通報が要件とされているのに対し、主文二十九(b)が規定する生計目的の適用除外についてはそのような委員会への事前通報は要件とされておりません。  したがいまして、主文二十九(b)の規定適用に当たっては、当該取引が専ら生計目的のためであり、かつ北朝鮮の核若しくは弾道ミサイル計画又は関連安保理決議により禁止されているその他の活動のための収入を生み出すことに無関係であるという要件を満たすか否かにつきましては、北朝鮮と当該取引を行う加盟国が決定するものと解されております。  なお、各国による制裁措置の履行につきましては、制裁委員会が各国のとった制裁措置及び制裁違反に関する情報等の検討を行い、同委員会の専門家パネルも決議の履行を改善するための勧告を行うことになっており、制裁が正しく履行されていないことが確認されたような場合には専門家パネルによる指摘や勧告を行うことができるものになっていると考えております。

塚田一郎自由民主党

○塚田一郎君 北朝鮮と当該国が決めるということは、これ抜け穴にならないようにしなければいけないので、こういったことをしっかりとやはりフォローしていかないとならないというふうに思います。  安保理の決議の実施については、制裁委員会のメンバーというのは安保理の常任理事国と非常任理事国のいわゆる理事国によって構成をされておりますので、是非、日本は現在非常任理事国でありますから、この制裁委員会の中で積極的にこうした制裁の実効性の確保を図っていっていただきたいというふうに思います。  ちょっと時間ないので最後の質問になりますが、北朝鮮に対する圧力が効くかどうかは中国次第とよく言われております。というのは、中国が北朝鮮にとって最大の貿易国だからということでありまして、大韓民国の大韓貿易投資振興公社が発表した二〇一四年の北朝鮮の貿易動向によると、中国への貿易依存度は実に九〇・一%、また中国の対北朝鮮輸入のうち石炭などの鉱物性燃料が四〇・三%を占めております。つまり、今回の国連安保理決議二二七〇の制裁措置の効果は中国の意思に懸かっていると言って過言ではないと思います。  四月五日に中国商務省が公表した北朝鮮に対する輸入禁止項目について、石炭などについては民生目的で核開発に関係しないと証明されれば禁輸の対象外になるとされています。しかしながら、一方で、報道によると、いまだに鉱物を満載した大型トラックが中朝間を行き来しているという話もあります。  この中国の履行状況についてですが、先日、武大偉朝鮮半島問題特別代表が訪日された際、こうした安保理の決議履行についてのお話があったのか、また、今後、中国がこの制裁履行をどのように実施していくかをどう確保していくのかについて御説明を願います。

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) 簡潔にお願いします。

石兼公博外務省アジア大洋州局長

○政府参考人(石兼公博君) はい。  御指摘のとおり、中国は北朝鮮との貿易、約九割を占めております。したがいまして、決議の実効性を確保する上で中国の役割は極めて大きいと思われます。私自身も、訪日中の武大偉朝鮮半島事務特別代表と話合いをいたしました。その中で、安保理決議二二七〇を含む関連安保理決議の厳格な履行を含め、緊密に連携していくということでしっかりと一致をいたしました。また、安保理決議二二七〇の採択を受けまして、中国外交部の報道官は、真摯かつ全面的に決議を履行するというような発言をしております。  いずれにいたしましても、中国を含む関係国の履行状況についてしっかりと注視しながら、また関係国と協力をしてこの決議の厳格な履行に努めたい、このように考えております。

塚田一郎自由民主党

○塚田一郎君 よろしくお願いします。終わります。

三木亨自由民主党

○三木亨君 十四日の夜から、九州、熊本県また大分県を中心として強い地震がまだ終息していない状況でございます。  この地震で亡くなられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、被災された方々にお見舞い申し上げたいと思います。まだ安否確認の取れていらっしゃらない方がいらっしゃるとお聞きします。一刻も早い安全が確認できることをお祈り申し上げたいと思います。  政府は、地震発生以後、直ちに対策本部を設置しまして、現地に自衛隊を派遣するなど精力的に対応に当たっておられます。まだまだ地震の終息の兆しが見られない中、雨など降りまして緩んだ地盤でのまた二次災害とか、そういった点も非常に懸念されております。  防衛省としても、住民の安全、安心を守るとともに、災害復旧に向けまして地元の自治体や関係部局とも十分に連携されまして万全の体制で対応していただきますようお願いしておきたいと思います。  また、私、四国の出身でございますけれども、南海トラフ地震は今後三十年で七〇%以上の確率という非常に高い確率で来ることが懸念されております。相まって、東海地震、また東南海地震、これも海洋型のトラフ地震として近年の発生が心配されております。それに増して、内陸部には中央構造線という非常に大きな断層帯がございまして、こちらの方の地震も非常に懸念されるところでございます。こういった広範囲の災害に対してもふだんからの備えをしていただきまして、万全の体制を政府として取っていただきますよう、この場をお借りしましてお願いしたいと思います。  では、質問に入らせていただきます。  先ほど塚田委員の方から、防衛省、防衛装備庁の防衛装備品等の調達をめぐる不適切な事案、これがまた繰り返されているということについて御指摘がございました。二十五年度においても当参議院の決算委員会において警告決議を受けられたところでございますし、それにも増して、二十六年度の決算においても、会計検査院から防衛装備庁による調達に対して不当事項として三件の指摘がなされているところでございます。  これらのことについての認識あるいは再発防止策については先ほど塚田委員にお聞きいただきましたので、私はこちらは割愛させていただきまして、防衛装備庁が昨年の十月発足されたところでございますけれども、防衛装備庁の一つの機能として、こういった不適切な事案が起こらないように防止するという体制を整える、これも一つの大きな防衛装備庁の狙いというふうに私は考えております。  この防衛装備庁において、こういった不適切な事案についてどのような措置を講じているのか。特に、職員の教育面であるとか、あるいは内部の監査体制、あるいはお付き合いのある会社との関係をどのように監視していくか、こういった点をもう少し詳しくお教え願えたらと思います。よろしくお願いいたします。

堀地徹防衛装備庁装備政策部長

○政府参考人(堀地徹君) お答え申し上げます。  防衛装備庁におきましては、平成二十五年度の決算における警告決議、また昨年の会計検査報告等を受けまして、昨年十月に防衛装備庁発足以降、様々な再発防止策を取り組んでいるところでございます。  まず、全国の調達業務に従事する職員、また省内の職員に対して毎年度、継続的に巡回教育を実施するとともに、防衛装備庁の教育、研修部門におきまして本年一月に教育を実施するなど、関係職員に対する再発防止策の周知徹底を行っているところでございます。  また、企業に対しましても、抜き打ちの調査等を通じまして法令遵守体制の確認等を行いまして、必要に応じてその改善を求めるなど実効性のある取組を進めているところでございます。  さらに、防衛装備庁内におきましては監察・監査部門を新たに設けまして、外部有識者から成ります防衛調達審議会における審議を充実させるとともに、防衛装備庁の内外からも重層的な監察、監査を実施することによりまして、防衛装備庁に対します監査機能の充実強化を図っているところでございます。  また、防衛装備庁につきましては、六つの組織が統合したところでございますので、こうした調達部門のそれぞれのシナジー効果を発揮すべく、教育、研修等を通じた職員の能力、専門性などを生かしつつ、適正かつ公正な調達に努めてまいっているところでございます。

三木亨自由民主党

○三木亨君 ありがとうございます。  続きまして、先ほどこれも塚田委員の方から少し指摘があったんですが、二十六年度決算において、防衛装備品に係るライフサイクルコスト管理の実施について会計検査院から意見表示を受けておられるところでございますが、防衛装備庁においてプロジェクト管理やライフサイクルコストの管理を行うことと私どもは認識しておるところでございます。これらの現在の取組状況とこれまでの成果、また、今後期待される効果などについてお伺いさせてください。

田中聡防衛装備庁プロジェクト管理部長

○政府参考人(田中聡君) お答え申し上げます。  防衛装備庁では、効果的かつ効率的な運用及び維持を可能とする最適な装備品の取得を実現するために、先生御指摘のとおり、装備品等のライフサイクルを通じたプロジェクト管理を強化することといたしております。  このプロジェクト管理を行うに当たりましては、プロジェクトマネジャー及び統合プロジェクトチームを設置いたしまして、重点的にプロジェクト管理を実施する十二品目のプロジェクト管理重点対象装備品を昨年十一月に選定いたしたところでございます。現在、プロジェクトマネジャーを中心に、選定された装備品の最適な取得を実施するため、コスト、スケジュール及びリスクの管理を強化するための取組を進めているところでございます。  このリスクやコスト管理の強化策の一例を挙げますと、リスクを適宜洗い出し、その対策を事前に準備することにより、実際に問題が発生した際に早期に対策を講じられるようにするなど、積極的かつ的確に対処していくこと、あるいは、大幅なライフサイクルコストの上昇が認められた場合、その原因分析を行い、対策方法や事業継続性の可否に関する検討を実施いたしまして防衛大臣へ報告することなどを考えているところでございます。  こうした様々な手法を用いましてプロジェクト管理を強化することにより、これまで以上に質の高い装備品を適切なコストで予定したスケジュール内に取得することが可能となるなどの効果が期待できるものと考えているところでございます。

三木亨自由民主党

○三木亨君 ありがとうございます。  時間がちょっと押してきているので、少し急ぎます。  我が国の安全保障環境というのは非常に今厳しい状態でございます。北朝鮮の相次ぐミサイルの発射であるとか、あるいはISなどのテロ組織の活発化など、非常に周りの環境は厳しいと言わざるを得ないと思います。また、それにも増して厳しいのが財政状況でございますけれども、これら二つを踏まえますと、質の高い装備品をより低コストで適切に取得するとともに、国内の防衛生産・技術基盤を、維持強化や高い技術力の保持に向けた取組等を推進していくこと、これがこれまで以上に重要と考えますけれども、防衛省としての見解をお願いいたします。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 御指摘のように、北朝鮮の、ミサイル、核実験などによりまして非常に能力が上がっておりまして、我が国を取り巻く安全保障環境、厳しさを増しております。  御指摘のように、限られた資源の中でいかに防衛力を安定的かつ中長期的に整備、維持をしてそして運用していくかということにつきましては、プロジェクト管理という考え方を強化をいたしております。  これはどういうことかというと、防衛装備品の研究開発から運用、廃棄に至るライフサイクルを通じた取得の効率化に努めるのみならず、防衛生産・技術基盤を維持強化するとともに、我が国の戦略的に重要な分野における技術的優位を確保していくということが必要不可欠でございます。  昨年発足した防衛装備庁を中心として、まず長期契約、これを活用した防衛装備品の一括調達等により企業の予見可能性を高めるということで効率的な調達を実現する、そして関係省庁、企業と連携を図り、防衛生産・技術基盤の維持強化に積極的に取り組んでまいります。  また、装備品の高性能化等によりまして研究開発コストの上昇に対応しつつ、一歩先んじた技術力を保持するために、国内外の様々な研究開発機関と連携をいたしまして、デュアルユース、この技術を積極的に活用するなど、研究開発のより効率的そして効果的な実施にも努めてまいる所存でございます。

三木亨自由民主党

○三木亨君 ありがとうございます。  一見関係のない話ですけれども、先日、地元の自治会に女房と二人で出席いたしまして、私が前で後ろが女房、座っておりましたら、途中で女房がとんとんと後ろから肩をたたきまして、何だろうと思って、何だと聞きますと、靴下に穴が空いておると、こう言うのでございます。何となく先ほどから右足の方に違和感がございましたので、慌てて左足の方を右足の方へ乗せまして周りに見えないように隠しましたところ、またとんとんと女房が肩をたたきますので、何だと言うと、左の方にも穴が空いておると、こう言うわけでございます。そのときは女房が持っていた紙でちゃんと隠してくれたわけですけれども、そのときは気が利いていい女房だなと思ったんですが、よくよく考えると、新しい靴下を買ってくれたらもっとよかったなというふうに思いました。  このように、切り詰めるところは切り詰めるべきでございますが、しっかりとお金を掛けるべきところはお金を掛けていかなければいけないなというふうに改めて感じた次第でございますので、そういった視点でもう一問お伺いさせていただきたいと思います。  外務大臣と防衛大臣は国家安全保障会議のメンバーでございまして、しかも、その中心となる四大臣会合のメンバーでございますので、安全保障に関しては特に緊密に連携を取られているのではないかと思います。  ところで、外務省と防衛省の間には防衛駐在官制度が設けられておりまして、自衛隊員が防衛駐在官として在外公館に勤務をし、軍事情報の収集や駐在国との防衛協力に係る調整などの任務に当たられておられます。  ところが、防衛駐在官の数はといいますと、四十一大使館二代表部に僅か六十一人しか派遣をされておりませんで、これは諸外国と比べましても非常に寂しい数字となっております。国際情勢が流動化する中にあって、積極的平和外交を掲げる安倍内閣にあっては更に体制を強化するべきだと思います。  総理も中谷防衛大臣も防衛情報収集のため防衛駐在官の人員体制を強化する意向を示され、かなりの増強を図ってはおられますけれども、国際情勢の変化に対応して更なる充実を図っていくべきと思います。外務省とも御協議をいただき速やかに駐在官の増員を図るべきだと思いますけれども、御所見の方をお願いいたします。

前田哲防衛省防衛政策局長

○政府参考人(前田哲君) お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、我が国を取り巻く安全保障環境、一層厳しさを増している中で、我が国の防衛に関する情報を適時かつきめ細かな形で収集をしていく、この重要性はこれまで以上に高まってきていると、このように認識をしてございます。さらに近年は、我が国と各国との防衛協力、これが装備・技術協力も含めまして質、量共に拡大を続けているという状況でございます。このような中で防衛駐在官の果たすべき役割、今日ますます大きくなっていると、このように認識をしてございます。  現在、防衛省は、防衛駐在官の果たすべきこのような役割の拡大を踏まえまして、一つは派遣体制の強化、そしてもう一つは防衛駐在官要員に対する研修の充実強化、こういったことに取り組んでございます。  まず、派遣体制の強化について申しますと、平成二十六年度及び二十七年度、この二年間で、アフリカへの新規派遣、あるいはオーストラリア、インドといった重要国で陸海空の三名体制をつくろうと、こういったことを考えまして、合計で十二名の防衛駐在官を増員をしてございます。また、本年度二十八年度におきましては、中東地域そしてアジア太平洋地域における情報収集体制を強化をしようということで、具体的に申しますと、ヨルダン、UAE、そしてモンゴル、これらにおける派遣する防衛駐在官三名の増員ということに取り組んでいるわけでございます。  研修の充実強化ということに関して申しますと、情報実務研修というものを実施をする、あるいは部外有識者からの様々な講義を聞く、また、準備を効果的に実施をするという目的で派遣の前に任国へ出張してもらう、あるいは特殊言語も含めた語学研修を拡充をする、こういった様々な取組を行っているところです。  もとより定員事情の厳しさ等々課題がございますけれども、防衛駐在官の派遣体制の強化、そして資質の一層の向上に着実に取り組んでまいりたい、このように考えてございます。

三木亨自由民主党

○三木亨君 人員の強化についてもう一問お伺いしたいと思います。今度は外務省でございます。  昨年の明治の産業革命遺産の世界遺産登録において、ユネスコで強制徴用問題に絡んで韓国との間でもいろいろと攻防がございました。我々は、ともすれば国際機関を善意の目というもので見がちでございますけれども、安保理を見て分かりますように、国際機関というのは各国が協力し協調する場であるとともに、国益が衝突する場でもございます。人員を介した国際外交というものもこれから非常に重要になってくると思いますけれども、政府は二〇二五年までに千人とする国際公務員の目標を立てておりますけれども、外務省でも国際機関人事センターを置いて国際機関への就職を目指す人々を支援しておりますが、もっと積極的に国際公務員を育てて、国際機関において日本の存在感を高めていただきたいと思います。  今後、千人の目標年次を前倒しするなど更に強化するお考えはないのか、お伺いしたいと思います。

飯島俊郎外務大臣官房参事官

○政府参考人(飯島俊郎君) お答え申し上げます。  国連関係機関の全職員約三万二千人のうち、日本人職員は約二・五%の約八百人となっております。  国連機関の日本人職員を増加させるため、外務省といたしましても、ジュニア・プロフェッショナル・オフィサー、JPOの派遣制度による若手日本人の送り込みや広報活動、応募支援等を通じた潜在的候補者の発掘や育成に取り組んでいるところでございます。また、要人往来の機会における国際機関幹部への働きかけや在外公館を通じた関係者への働きかけを通じて、日本人職員の採用や昇進に向けた支援も行っております。今年度予算におきましては、関連予算を増額し、JPO派遣のため約二十億円、広報等による潜在的候補者の発掘や育成のため約一・六億円を認めていただいたところでございます。  引き続き、こういった取組を一層強化し、二〇二五年以前に日本人職員を一千人とする目標が達成できるよう、職員の増強を推進してまいりたいと考えております。

三木亨自由民主党

○三木亨君 ありがとうございます。  では、今お伺いした国際公務員の育成強化とも少し関連をいたしますけれども、少し言いかけましたロビー活動についてお伺いさせていただきたいと思います。  この二月に、女性差別撤廃委員会の対日審査におきまして杉山外務審議官が初めて国連の場で慰安婦問題について説明をされたところでありますけれども、慰安婦問題については、安倍政権も日本の名誉を守るために涙ぐましい努力をされておるところでございます。国際社会におきましては慰安婦問題が女性の人権問題と受け取られておりまして、我が国の主張がすんなりと聞き入れられるような状況にはございません。国際社会において慰安婦問題というものをしっかりと理解していただいて正当に評価してもらうためには、これから本当に長い時間と血のにじみ出るような努力、これが必要ではないかというふうに考えております。  そして、今、歴史認識問題についても同様のことが私どもとして懸念されるところでございます。現在、政府は、国内において近現代史の教育に非常に力を入れておられますし、また、昨年度は大幅に対外発信予算を増やしロビー活動を強化しておりますが、私は、各国の議会や国際機関だけでなく、世界中に散らばる日系市民に対してもしっかりと日本の歴史や日本の立場というものを理解していただくよう取り組んでいくべきだと思っております。  政府として、こうした日系市民に対してどのように対応されているのか、お伺いさせてください。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) まず、御指摘の日系人と言われる方々の存在は、我が国の外交にとりましても貴重な財産と言っていいような存在であると認識をしています。  世界各地に日系人と言われる方々、合わせて三百六十万人以上おられると承知をしています。そのうち、北米に百四十二万人、南米に二百十三万人の日系人と言われる方々がおられます。こうした方々に日本の歴史ですとか領土といった問題に関する立場をしっかり理解してもらうということ、これは大変重要なことであると認識をいたします。  そういったことから、外務省としましても、世界各地の日系人社会のリーダーと言われる方々、リーダー格の方々を日本に招聘させていただきまして、歴史や領土等に関する日本の立場について政府関係者あるいは有識者と意見交換をし理解を深めていく、こういった取組を実施しているわけでありますし、また、各国の在外公館におきましても、現地日系コミュニティーとの連携、注力をしています。  最近の動きを幾つか紹介するならば、昨年十一月、日系人団体が主催した日米関係に関するシンポジウムを在シカゴ総領事館が支援をし、日米関係における日系コミュニティーの役割について議論を行いました。また、今年二月には、ブラジルのサンパウロにおきまして、日系人らによって運営されている研究機関が主催した日・ブラジル関係強化に関するシンポジウムを在サンパウロ総領事館で支援を行いました。  こうした取組を通じまして、世界各地におられます日系市民の方々に日本の立場を理解していただくべく、しっかりと努力をしていきたいと考えます。

三木亨自由民主党

○三木亨君 ありがとうございます。  二十年ぐらい前までは、各県あるいは各市と海外にいらっしゃる日系人の方の何々県人会というのの交流が非常に盛んだったように思うんですけれども、財政の規模の縮小など非常に厳しい地方の財政のあおりを受けて、今は何かもう途絶えてしまっているような気がいたします。なかなか復活しようといっても難しいところもあるかと思いますし、また、今の機会を逃してしまいますと、どんどん世代が下がっていってしまうので、やがて自分が日本にルーツがあるということさえ忘れてしまうお孫さん、ひ孫さんまで出てくるかと思います。今しっかりと政府主導でこういった取組について力を入れていただきたいなと思うところでございます。よろしくお願いいたします。  では、お待たせしました、世界津波の日に関連してお伺いさせていただきたいと思います。  昨年の十二月四日に国連において、十一月五日を世界津波の日とする決議が採択されました。昨年の三月に二階総務会長が国連で提案し、日本が主導して制定に取り組んできましたが、最終的には百四十二か国が共同提案国となり、日本の津波防災の日である十一月五日が世界津波の日となったわけでございます。  御承知のように、今日、地球温暖化の影響から海面が上昇してきており、津波の危険性は一段と増してきております。日本には世界津波の日の由来となった稲むらの火というすばらしい故事も残されておりますけれども、これまで繰り返し繰り返し津波の被害を受けてきた日本として、その経験を生かし、しっかりと世界に貢献していきたいというふうに思っております。  採択後は、この秋には東北や和歌山などで世界の若者たちを集めて高校生サミットを開催する計画が明らかにされておりますし、また、岸田大臣も、決議の実施を通じて世界の一人でも多くの尊い命が津波から救われるように貢献していくとの談話を出していただいておるわけでございます。  国連決議を主導した日本として、また繰り返し津波の被害を受けてきた日本として、国際協力やグローバルパートナーシップの観点から、今後、防災分野においてどのように世界に貢献していくのか、お考えを伺いたいと思います。

豊田欣吾外務大臣官房審議官

○政府参考人(豊田欣吾君) お答えいたします。  我が国は、昨年三月、第三回国連防災世界会議を仙台で開催し、二〇一五年から二〇三〇年の十五年間の国際社会の防災分野の取組を規定する仙台防災枠組の採択を主導するとともに、日本独自の取組といたしまして二〇一五年から二〇一八年の四年間で四十億ドルの資金協力と四万人の人材育成を行うことなどを内容とする仙台防災協力イニシアティブを発表したところでございます。  同会議のフォローアップといたしまして、我が国が提案いたしました世界津波の日につきましては、三木委員を含む有志国会議員の御協力もいただき、昨年十二月に国連総会において全会一致で採択されたところでございます。こうした対応を通じまして、我が国といたしましては、防災分野における取組を主導してきたところでございます。  我が国は、引き続き、仙台防災協力イニシアティブや世界津波の日の取組を通じまして、防災に関する日本の知見と技術を生かしながら国際社会全体の防災力の向上に資する協力を推進してまいりたいと考えているところでございます。

三木亨自由民主党

○三木亨君 ありがとうございます。  しっかりと世界津波の日というものをアピールしていって世界の防災に貢献していきたいなというのが我々の考え方でございます。  ところで、五月の二十六、二十七日に伊勢志摩サミットが開催されまして、今回はその世界津波の日が採択された後に開催される最初のサミットでもありまして、しかも日本開催のサミットでございます。本番で世界津波の日がテーマになる予定というのは今のところないと思いますけれども、G7の閣僚の方々が集まる機会でございます、どこかの会合で世界津波の日をしっかりとアピールする機会をおつくりいただきたいと思います。岸田大臣にもお骨折りをいただきたいと思いますが、政府としての御所見をお願いいたします。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 本年の世界津波の日に向けては、自然災害や防災への人々の関心を深め、意識を向上させることが何よりも重要であると考えます。そのために、世界各地において、津波に対する意識向上のための啓発活動あるいは津波対策の強化、実施していくことを予定しております。  そして、今年開催される伊勢志摩サミットですが、当然のことながら世界中がこの伊勢志摩に注目をいたします。この機会を是非活用したいと思います。例えば、サミット開催中には国際メディアセンターが設けられるわけですが、そこに政府広報展示スペースが設けられます。こうしたものも活用しながら、この世界津波の日の広報を積極的に行ってまいりたいと考えております。  議論の中身につきましては、これはまだ調整中ですし、これは各国で合意しなければ確定できません。しかし、今申し上げたように、様々な機会を活用しながら世界津波の日をアピールしていく、こうした取組は是非進めていきたいと考えます。

三木亨自由民主党

○三木亨君 ありがとうございます。  世界津波の日の基となりました稲むらの火という逸話、これには濱口梧陵さんという和歌山の庄屋さん出てきますけれども、この話は、私自身思うに、端的に防災について何が大切なのか、一瞬の判断、そしてまた価値基準ですね、自分の財産よりも村人の命を優先するという、一瞬の判断においてその価値基準を優先するということ、そしてかつ、終わった後にも次の津波に備えて様々な施設であるとか防護策を講じたという日頃の備え、こういったものを全て含んでいる非常に啓示的なお話だと思います。  こういった話を訴えていくことは世界の防災にとって非常に大きな私は貢献になると思いますので、しっかりとアピールしていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  最後に、今後の日韓関係についてお伺いします。  先週の十三日、韓国で総選挙が行われました。結果は、当初の大勝が予想されていた与党のセヌリ党が惨敗をしまして、野党の共に民主党が第一党に躍進をしました。最近になって複数名の無所属の議員さんがまたセヌリ党に復党するという動きもございますので、こうなると与党第一党という座はまたセヌリ党ということになるんですが、少なくともこの結果、残す期間が一年十か月となった朴大統領の指導力は少なからず低下をしまして、一部の報道ではレームダック化というふうな言葉も用いられているとお聞きします。  昨年末、慰安婦問題で日韓が合意いたしましたし、また、北朝鮮の核実験、ミサイル発射に対しても同じ立場を取り、日米韓で共同する協議が進んでおります。総選挙後の会見で官房長官は、責任を持って履行することが両国にとって必要であると述べるとともに、安保についても朴大統領の考えは変わらないと述べておられます。また、韓国も日韓合意について基本的な立場は変わりはないと声明を出しておりますが、しかし、与党が大きく後退をし、また野党が躍進した中で、朴大統領の政策なりあるいは外交姿勢なりに少なからず影響があるものと考えられます。  せっかく良好になっている日韓関係にも影が差すのではないかとちょっと心配をしておるんですが、今後の日韓関係についてどのように展望されておるのか、御所見をお伺いしたいと思います。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) まず、先般の韓国における総選挙の結果についてですが、結果はもちろん承知をしておりますが、ただ、これは韓国の内政に関わる事項ですので、日本政府として何か申し上げるのはこれは控えなければならないと思います。  その上で申し上げるならば、これは日韓関係の重要性については、韓国における与党においてもそして野党においてもこれは重要であるという認識がしっかり存在していると考えます。ですから、基本的には、今後とも様々なレベルを通じて協力を深めて日韓関係を進めていかなければならないと考えます。  その中にあって、御指摘の昨年末の日韓合意についてですが、現在韓国においては、韓国政府が国民への説明に努めている段階であると認識をしておりますが、両首脳間でも確認したとおり、合意を誠実に履行することが重要であると思います。是非、韓国の取組も見守っていきたいと思いますし、日本も合意の内容を履行するために努力をしなければならないと思います。そして、このことについては、韓国政府も総選挙後、合意に対する韓国政府の基本的な立場には変わりがなく、政府は合意のフォローアップを速やかに履行する、こうした旨述べておられます。  是非、我が国としましても、引き続き韓国側と緊密に連携をしていきたいと考えます。

三木亨自由民主党

○三木亨君 時間が来ましたので、終わります。  ありがとうございました。     ─────────────

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、塚田一郎君が委員を辞任され、その補欠として上月良祐君が選任されました。     ─────────────

大沼みずほ自由民主党

○大沼みずほ君 自由民主党の大沼みずほでございます。  まず冒頭、熊本を中心とするこの度の地震でお亡くなりになりました方の御冥福をお祈りいたしますとともに、被災地の皆様に心からのお見舞いを申し上げます。  米軍よりの支援の申入れがすぐにあったということは、まさに日米同盟がきちっと信頼の上に成り立っているからにほかならないと思います。この度の、前回のG7外相会談はまさにその象徴でもあったというふうに思います。  先ほど塚田委員よりこのG7の外相会合での成果について、大臣より御説明がございました。私も少し似た質問を準備させていただいておりましたので、この質問は割愛させていただきたいと思いますが、私、今日午前中にEUのドイツ選出の議員が事務所来てくださって、いろいろ意見交換をしたんですが、是非とも、G7の国の半分がヨーロッパでありますので、そうした意味で、今回の軍縮・不拡散に向けたこの広島宣言をアジア発という意味で全世界に広げるという意味でも、先ほどのこのハイライトであるサミットに向けて大臣により御尽力をいただきたいというふうに思いますし、ドイツの議員からも、オバマ大統領にしっかりと訪問いただけるようにドイツからも応援するというエールをいただきましたので、御報告させていただきます。  先ほどの三木委員の質問にちょっと重ねてでありますが、韓国について御質問いたします。  日韓合意が年末になされて三か月半がたちました。今回、韓国での総選挙というものがありましたけれども、元慰安婦を支援する財団設立に向けて、日本側の努力も必要という先ほど大臣の御答弁ありましたけれども、現在の韓国国内の準備状況、国民への説明責任が先だということのようでありますが、財団を設立するにはいろんな準備も必要だと思いますけれども、外務省はどれくらいその準備状況について把握されているんでしょうか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) まず、昨年末の日韓合意につきましては、両国政府が誠実に合意の中身を履行する、こうしたことが大事だということは再三申し上げているところであります。そして、先日行われました総選挙後も、韓国政府側からもこうした履行の重要性については発言があったということであります。是非両国でしっかり連携していかなければなりません。  そして、履行を実施するに当たりまして、具体的には両国政府でしっかり汗をかいていかなければなりません。韓国側においても、この履行の中身を実施するために、まずは韓国国民の理解を得ることによって具体的な取組を前進させなければならないということで、合意後、韓国政府として韓国国民の皆さんの理解を得るべく様々な形で努力を続けてきていると我々も認識をしております。こうした理解を求める努力をした上で、履行を実施していこうという取組を進めているのだと我々は認識をしております。  日本としましても、合意の中身として、韓国政府が設置した財団に対して資金を拠出するということになりますので、韓国政府の取組、これをしっかり見守った上で、我々としてもこの履行を実施に移していかなければならない、こういったことだと思います。これは別にどちらが先ということではありませんが、共に実施の中身を履行するために、それぞれ努力をしなければならないと思います。  引き続き、両国で連携をしていきたいと考えます。

大沼みずほ自由民主党

○大沼みずほ君 ありがとうございます。  理解を得るという、そのスパンをどれくらいの期間になるのかということを見守るということは非常に大事なことでありますし、国民理解がなければ合意もできないと思う一方で、やはり元慰安婦の方々はもう既に八十を超えた高齢であります。一日も早いやはりこの支援というものが重要であるという認識の下で、今後もしっかりと日本政府としてもこの履行に向けて御努力をしていただきたいと思います。  次に、先日、ロシアのラブロフ外相が訪日をされました。この記者会見で外務大臣も、今後の交渉に弾みを与えるような前向きな議論であったというふうに述べられております。平和条約の締結、北方領土問題解決に向けて弾みを与えるような前向きな議論というものは、どれぐらい弾みが付いたんでしょうか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 先日、四月の十五日ですが、東京におきまして日ロ外相会談を行いました。私とラブロフ外相との間においては五回目の外相会談になります。昨年の九月以来七か月ぶりの外相会合でしたが、これは平和条約問題を含めて幅広い分野について大変突っ込んだ議論ができたと思っています。会談、そしてワーキングディナー合わせて四時間半にわたりまして意見交換を行いました。  そして、その中で、まずは、近く行われる安倍総理の非公式訪ロについて、具体的日程も含め様々な調整と準備を精力的に進めていく、このことで一致をいたしました。そして、日ロ関係の最大の懸案であります北方領土問題については、昨年九月の外相会談のやり取りを踏まえ、日本とロシアの間においては歴史的にもあるいは法的にも立場の違いはあります、しかし、立場の違いはありますが、その上に立って双方受入れ可能な具体的な解決策を作成していく、こういった点で一致をしています。  こうした解決策を前向きにつくっていこうという意味において、今回、前向きな議論ができたと受け止めています。そして、この議論を是非次の日ロ首脳会談につなげていかなければなりません。この首脳会談につながる議論ができたという意味で、前向きであったと受け止めているところであります。  これ以外にも、北朝鮮問題ですとかウクライナ情勢ですとか中東情勢ですとか様々な地域情勢、国際問題について意見交換を行いました。  いずれにしましても、日本とロシアとの間において政治的対話を高いレベルでしっかり維持していかなければならない、こういった点では一致をしていると思います。こうした政治対話を続けることによって、平和条約締結交渉問題を始め様々な課題を前進させていきたいと考えています。

大沼みずほ自由民主党

○大沼みずほ君 ありがとうございます。  既に五回目、そして四時間半に及ぶ、日本酒も交えた恐らく会合もあったのではないかとお察しいたしますが、このハイレベル政治対話、安倍総理のソチ訪問に向けてしっかりとつなぐことができる内容であったということに今後御期待を申し上げたいと思います。  次に、対外発信力強化についてお伺いいたします。  やはり日本の正しい歴史認識の発信強化はもとより、多くの日本の食文化、またアニメを始めとするそうした文化、また伝統文化、こういったことをより多くの方に知っていただくためにジャパン・ハウスというものが今構築されております。いろいろ確認いたしましたところ、残念ながらこのジャパン・ハウスがアジアには現在まだ設立の予定がないということをお伺いしておりますが、やはり是非とも、アジアにこのジャパン・ハウスがあるということが今後の対アジアの戦略外交にとっても重要だと思いますが、例えば香港であるとかシンガポールであるとか、そういったところにこのジャパン・ハウスを造っていただきたいと思いますが、外務大臣のお考えをお聞かせいただければと思います。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) このジャパン・ハウスですが、そもそも我が国としまして様々な形で国際的な戦略的広報に努めてきたわけですが、その中にあって、やはり日本理解の裾野を広げていかなければならないという問題意識の下に、ワンストップでオールジャパンで、そして地元のしっかりとした協力を伴った広報を行っていこうということでジャパン・ハウスという取組を進めてきました。  設置都市につきましては、国際世論に与える影響力、あるいは地域バランス、あるいは民間の活動状況、こういったものを総合的に勘案して、今、ロンドン、ロサンゼルス、サンパウロ、この三都市の設置を決定しているわけですが、御指摘のように、アジアにおいては今まだジャパン・ハウス設置の予定はないわけですが、アジアに対する対外発信も大変重要であると考えています。是非、その他の、今予定されている三拠点以外の都市の設置につきましても、必要性を踏まえて今後しっかり判断をしていきたいと考えます。

大沼みずほ自由民主党

○大沼みずほ君 是非前向きに、やはりアジアに、大臣おっしゃられたオールジャパンのワンストップの拠点なわけでございますので、やはりアジアにないのはちょっと何か逆にいささか、何か不自然な気もいたしますので、是非とも香港等アジアの拠点となるジャパン・ハウスの設置の方を前向きに御検討いただければというふうに思います。  次に、先ほど三木委員からも御質問ありました国連事務局における邦人職員数の問題でございますが、二・五%となかなか伸びない、拠出金の額に対してその割合はなかなか伸びないというのが現状でありますが、その根本的な原因はどこにあるとお考えでしょうか。外務省に伺います。

飯島俊郎外務大臣官房参事官

○政府参考人(飯島俊郎君) お答えいたします。  国際機関の職員には相当程度の語学力や高度な専門性が必要とされておりますが、具体的には、募集するポストが扱う分野につきまして、少なくとも修士号を取得していること、それからその分野での勤務経験を持つ即戦力であることが求められております。また、国際機関の職員は終身雇用制ではなく、任期は平均して二年から三年であり、その都度、次のポストを応募する必要があるなど、日本企業の雇用慣行とは大きく異なっている点もございます。さらに、日本で勤務する機会がほとんどなく、数年に一度の転勤を伴う外国での勤務となりますため、子女教育等の面でもいろいろな準備が必要となってきております。  こうした条件から、国際機関職員に踏み出すには相当の熱意が必要となるということが考えられております。

大沼みずほ自由民主党

○大沼みずほ君 ありがとうございます。  増員に向けての今後の取組は、先ほど三木委員の質問に対して御説明、JPOの派遣制度の活用であるとか広報強化等々、予算面においても御説明いただきましたけれども、なかなかその抜本的な改革といいますか、やはり、例えば今申し上げた語学力の問題であれば文科省との連携も必要になってくるでしょうし、即戦力や、日本でなかなか勤務がなくてほかの国での勤務が多いといったところで、外務省と例えば大学との連携や、何か新たなアイデア等があれば教えていただきたいと思います。もし既に取り組んでいるものがあれば、それは御紹介いただければと思います。

飯島俊郎外務大臣官房参事官

○政府参考人(飯島俊郎君) お答えいたします。  若手の方の潜在的な候補者を発掘してまいりますため、グローバル人材の育成を強化している大学などを選定いたしまして、昨年は八十回、延べ八千人以上に対して広報活動を実施しております。  それから、平成十九年度以降は、平和構築の現場で活躍できる文民専門家の育成を目的としてこういった外務省委託の事業等も実施していて、若手の方の海外に対する目を向ける努力をしているところでございます。

大沼みずほ自由民主党

○大沼みずほ君 八十回八千人延べということでありますが、この効果はどれぐらいあったんでしょうか。もし分かれば。

飯島俊郎外務大臣官房参事官

○政府参考人(飯島俊郎君) お答えいたします。  手元にデータがございませんが、これから収集をして、また御報告をさせていただければと思います。

大沼みずほ自由民主党

○大沼みずほ君 ありがとうございます。  やはり広報というのは非常に大事であると思いますけれども、JPOにまずはアソシエートの段階で送り込むということが非常に大事でありますので、引き続き大学との連携、また民間との連携というものも非常に重要になってくると思います。千人達成に向けて、我々の方でも知恵を出していかなければならないというふうに思っております。是非とも頑張っていただきたいと思います。  次に、情報収集、分析において専門家を育てる必要性というものが今回も非常に強く叫ばれているというふうに思います。私も外務省の香港総領事館で情報収集の仕事に当たっておりましたけれども、残念ながらその優秀な情報収集者の手法というものがなかなか継承されていないという現状があるように思います。  私がいた頃とはちょっと違うかもしれませんけれども、私がいたときは、少なくともその個人個人に情報収集の手法というものがある一定程度、何というんですかね、委ねられていて、私は記者出身でしたので、記者というのは最初にサツ回りをさせられて、もう徹底的に朝駆け夜討ちをやるんですけれども、そういったような手法は特に外務省の中では見受けられませんでしたけれども、私はやっていましたけれども。そういった意味で、現在の取組状況を御説明いただければと思います。

島田順二外務大臣官房審議官

○政府参考人(島田順二君) お答えいたします。  我が国を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中、外務省としては、情報機能強化のため、情報収集、分析専門家の採用、育成に努めるとともに、関係省庁との連携強化を進めております。  今御指摘の情報収集の手法の継承でございますけれども、情報収集、分析のノウハウの継承、蓄積は極めて重要であると認識しており、そのため、地域情勢や言語に通じた専門家の増強、キャリアパスの更なる整備、研修の充実等を図ってきているところであり、今後、より一層の努力をしていきたいと考えております。

大沼みずほ自由民主党

○大沼みずほ君 ありがとうございます。  語学に堪能な方、また翻訳をうまくできる方、文章を例えば中国語から日本語に、英語から日本語にという能力が高い方はたくさんいらっしゃったと思うんですが、情報を収集する能力という意味での研修というのは具体的にどのようなことをされているのでしょうか。

島田順二外務大臣官房審議官

○政府参考人(島田順二君) 研修につきましては、例えば国際情報統括官組織におきまして、新入省員であるとか在外勤務予定者、それから在外、本省の情報担当官に対して情報研修というのを実施しております。

大沼みずほ自由民主党

○大沼みずほ君 なかなか安全保障上の問題もあって研修内容まではつまびらかにできないのかもしれませんけれども、非常に危険も伴う情報収集ではあると思いますが、時にやはり突っ込んで情報を取りにいかなきゃいけないというところもあるかと思います。  そういった意味で、各省庁から外務省に、在外公館に出向されている方も多くおりましたけれども、警察庁や公安調査庁、そういったところとの連携が一層必要と考えますけれども、現在の取組、また今後の取組について外務省のお考えをお聞かせいただければと思います。

島田順二外務大臣官房審議官

○政府参考人(島田順二君) お答えいたします。  関係省庁との連携強化につきましては、警察庁や公安調査庁を始めとする関係省庁から在外公館、本省に現在一千百人の出向者を受け入れて、オールジャパンの体制で、地域情勢、安全保障、国際テロ、国際経済など幅広く情報収集、分析を行っているところでございます。

大沼みずほ自由民主党

○大沼みずほ君 ありがとうございます。  私自身、やはりちょっと各公館でも縦割りになっているのではないかなというふうに勤務中は思って、私は政務班に所属しておりましたけれども、経済班、広報班間との朝、新聞を一緒に読む、情報交換をするという場をセットしていただきました。やはり、この縦割りで情報収集をしているとなかなか情報も精緻なものが上がってこないということもありますので、各公館における横の連携というものをなお一層進めていただければというふうに思います。  次に参ります。  一昨年、モロッコにODAの派遣で行ってまいりました。その際、結構モロッコに日本の企業が進出していたんですけれども日本人会というものはまだ設立していなくて、我々が行ったときにお願いをして日本人の企業の方と意見交換の場を持たせていただいたんですけれども、やはり昨今のテロであるとか邦人の誘拐であるとか、そういったこともある中で、今メーリングリストでありますとかいろんなネットワークというのはすぐにネットワーク化できると思うんですが、邦人の安否を確認する上で積極的に日本人会の設立等に在外公館が関与すべきと考えますけれども、現状の取組についてお教えいただければと思います。

浜地雅一公明党外務大臣政務官

○大臣政務官(浜地雅一君) お答えいたします。  大沼委員、今御指摘のとおり、日本人会等のこのような団体、邦人の安全確保については大変重要な存在であると、御指摘のとおりだと思っております。  ただし、一般的に申し上げまして、この日本人会のような海外に居住する日本人による団体は、国や地域によってその名称、また活動内容、参加する邦人数が様々でございます。したがいまして、一般的に言えば、有志による互助組織としての性格が強いものであるというふうに認識をしております。  したがいまして、政府機関である在外公館としましては、まずはその自発的な意思を尊重したいと思っております。しかし、御案内のとおり、これら組織と緊密な協力関係を保ってきておるのは重要でございますので、その設立や運営において必要な支援を現在も行っております。  具体的には、在外邦人の安全対策のために、在外公館は日本人会やまた商工会というのもございます。平素よりこれら機関と密接に連携をしておりまして、具体的には安全対策連絡協議会というものがございます。これを通しまして、治安情報の相互提供、意見交換、そして在外邦人の名簿、緊急時の連絡網の整備を行っております。テロや大規模災害等の緊急事態に備えているような体制を取っております。また、緊急事態や邦人が巻き込まれた可能性のある事件、事故が発生した場合には、在留届、また外務省の海外旅行登録でございますたびレジのデータに加えまして、そしてこの日本人会の名簿も活用させていただいておりまして、迅速な邦人の安否確認に努めているところでございます。  今後も、御指摘のとおり、日本人会との連携も深めて、引き続き万全を期していきたいと、そのように思っております。

大沼みずほ自由民主党

○大沼みずほ君 ありがとうございます。  有志の互助組織ということでありますので、確かに運営までは外務省としてやっていく必要性というのはないかとは思うんですが、その設立に至るところというもののお手伝いというものは非常に重要かと思います。かつ、その日本人会とか商工会に属していない方で、例えば向こうに行って現地の会社に就職しているような方も、結構、日本人の活動的な女性は、海外で学士、修士を取ってそのまま外資系の会社に勤められて、そうすると日本人会とか商工会の活動に参加されていない場合があります。そういったところでもやはり何かネットワーク化ができるような発信というものを在外公館でしていっていただければなというふうに思います。  ちょっと時間も迫ってきておりますので、最後の質問とさせていただきます。  国際NGOと政府との連携が一層大切になってきていると感じます。ヨルダンのシリア難民キャンプ視察に行った際も、日本の国際NGOが非常に整理立って、かつ友好的にほかの国の国際NGOと連携をして活動しておりました。ただ、残念ながら、アメリカとかほかの先進国を私も調べていないのですが、少なくともアメリカほどには、日本政府と国際NGOの連携というのはまだまだ連携の余地があるのかなというふうに思っております。  特に、邦人保護の観点から、国際NGO、特に危険が予測される中東地域であるとかヨルダンを始め難民キャンプがある地域、そういったところでの国際NGOとの連携というのをなお一層強化していただきたいと思いますが、御所見をお伺いしたいと思います。

浜地雅一公明党外務大臣政務官

○大臣政務官(浜地雅一君) お答えいたします。  まず、海外における日本人への脅威というのが高まってきております。在外邦人の安全確保はこれは政府の重要な責務であると、そのように認識をしております。そのためには、先ほど委員御指摘のとおり、現場をよく知る国際的なNGOとの連携は重要であると我々も考えております。  政府としましては、平素よりこういった国際NGOを含めた各種機関との間で治安情勢に関する情報、また意見交換を行うなどしております。情報収集に努めております。また、それらを分析した上で、海外の安全情報の適時適切な発出、また在外公館における安全対策連絡協議会の開催、そして国際協力の分野で活躍する日本のNGOとのNGO・外務省定期協議会などの機会を通じて、在外邦人等に対する注意喚起等の情報発信に活用をさせていただいております。  引き続き、国際NGOを含む各種機関との連携を一層緊密に強化をしながら、在外邦人の安全確保に万全を期していきたいと、そのように思っております。

大沼みずほ自由民主党

○大沼みずほ君 ありがとうございます。  今、自民党の方でもNPO、NGOの方々に来ていただいてヒアリングをしているところでありますが、やはり今の御答弁とちょっと現場の意識とは少しずれているような感じもいたしましたので、是非きめ細やかに、国際NGOといっても物すごいたくさん数もありますけれども、少なくとも日本のNGO、国際NGOとの連携、その団体の大小にかかわらず、しっかりと今後も連携を取っていただきたいと思います。  質問を終わります。ありがとうございました。     ─────────────

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、山口和之君が委員を辞任され、その補欠としてアントニオ猪木君が選任されました。     ─────────────

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 公明党の佐々木さやかです。  まず冒頭、熊本を中心に九州各地で発生しました今回の地震によりお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、今も不安の中で避難をされている皆様、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げたいと思います。  公明党は、十四日夜、熊本地震対策本部を立ち上げまして、国会議員、地方議員、現地の被害状況の把握、要望の聞き取りなどに当たっております。そうした中で、食料、水、物資の輸送手段、また燃料の不足など、様々な情報が入ってきております。避難所には、例えば出産を間近に控えた妊婦さんなど、避難生活に大きな不安を抱えている方も少なくありません。政府とも連携を取りながら、迅速に必要な対応ができるように全力を挙げてまいりたいと思います。  質問では取り上げませんけれども、各省庁も総力を挙げていただいて、引き続き必要な支援、また救助活動、今後の被害の拡大防止にも力を入れていただきたいと思います。  では、決算についての質問に入らせていただきます。  法務省にお聞きしたいと思いますけれども、刑務所などに勤務をする刑務官の制服を作るための服地の調達について会計検査院から指摘がされております。この刑務官の制服というのは刑事施設に収容された受刑者の作業によって作られているそうでありますけれども、実際の生産の状況などを十分に確認しないままで計画が決定をされて、そのためにその材料が余ってしまっていると。平成二十六年度末時点で調達額にすると三千百七十一万円相当、これが当面使用する見込みがない在庫として保管されている状況にあるということであります。  こうした点について、原材料の調達の適正化に向けた改善が必要であると思いますけれども、どうでしょうか。

小川新二法務省矯正局長

○政府参考人(小川新二君) 御指摘につきましては、佐賀県鳥栖市に所在します麓刑務所におきます会計実地検査におきまして、刑務官制服用表地の在庫のうち当面使用する見込みのない数量が平成二十六年度の時点で約一万一千四百四十メートル、金額約三千百七十一万円、着数で約三千二百十三組分に上るとの指摘を受けたものでございます。    〔委員長退席、理事石井正弘君着席〕  御指摘のように、刑務官等の制服は麓刑務所ほか六か所の刑事施設において刑務作業による生産で調達をしております。本省で生産計画数量を策定し、これに基づいて麓刑務所が生産事務を統括をしております。原材料につきましては、本省において一括調達して、同刑務所に管理換えを行っているところでございます。  近年、入所人員の減少や高齢化等の事情がございまして、縫製作業を行うことができる能力を有する受刑者が減少しておりまして、生産数量が減少する傾向がありました。本省におきましても当初計画の見直しや服地の購入の一部取消しなどを行ってまいりましたけれども、実際の生産状況の把握とそれに応じた対応が十分ではなく、その結果、平成二十六年度末時点で指摘の在庫を抱えるに至ったということでございます。  この指摘につきましては真摯に受け止めておりまして、調達の適正化や刑務作業の見直しについて是正措置を図っております。具体的には、調達の適正化につきましては、刑務官制服を縫製している各刑務所の原材料の在庫数量や生産状況を適切に把握し、これを踏まえ適正な生地の調達を実施できる体制を整えました。また、縫製の難しい冬制服につきましては、平成二十八年度から、刑務作業による縫製から製品購入に切り替えることとしております。もとより、生地在庫につきましては、計画的に制服生産に使用していくところでございます。  今後も引き続き生産施設の原材料の在庫数量や生産状況の把握を適切に行い、制服調達の適正化に努めてまいりたいと考えております。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 しっかりとお願いをしたいと思います。  今回の問題の原因の一つともなるのかと思いますけれども、先ほど受刑者の高齢化というようなお話もありました。刑務所につきましては様々な課題がございまして、私はその中で一つ重要なものは、刑事施設に収容されて一度出た、その人がまた再犯を犯して戻ってきてしまうということがあるということで、この再犯防止にどう取り組んでいくかということが非常に重要ではないかと思っております。  我が党も再犯防止対策強化PTを立ち上げまして、今後も是非この点について政府に提言を行っていきたいと思っているんですけれども、特に受刑者の高齢化、また障害者など福祉的な支援が必要な者への対応も重要であるというふうに思っております。  そこで、まず再犯についての現状と、また課題の認識、目標や取組について大臣にお聞きしたいと思います。

岩城光英自由民主党法務大臣

○国務大臣(岩城光英君) 平成二十四年七月に政府は、犯罪対策閣僚会議におきまして、再犯防止に向けた総合対策を決定いたしました。そこで、刑務所出所者が出所後二年以内に刑務所に再び入所するその率を、平成三十三年までの十年間で対策決定時の二〇%から一六%以下に減少させるという目標を掲げています。  平成二十七年の成績を見ますと、その二年前に当たる平成二十五年に刑務所を出所した者の二年以内再入率が一八・一%となっており、対策策定以来、相応に減少しているものと言えます。  御指摘の高齢者について、六十五歳以上の者による犯罪の発生状況を見てみますと、その約六割を万引きが占めておりまして、女性高齢者に限れば約八割に上っております。また、刑務所に収容される高齢者を見ますと、窃盗犯が多いこと、二年以内再入率が二四・九%と他の年齢層と比べて最も高いといった特徴があります。また、高齢や障害のため福祉的な支援の検討が必要な受刑者が全国に二千名程度存在するとされています。    〔理事石井正弘君退席、委員長着席〕  こうした高齢者の犯罪状況や服役の状況を見ますと、再犯防止を進める上で、福祉的支援を必要とする刑務所出所者を円滑に福祉サービスにつなげることが一つの重要な対策であるとともに課題であると捉えております。  そこで、法務省といたしましては、更生保護施設の機能の強化や自立準備ホーム等の社会における受皿を拡充するとともに、厚生労働省の事業として都道府県が設置しております地域生活定着支援センターと連携し、出所後速やかに社会福祉施設への入所や生活保護の受給などの福祉サービスを受けることができるよう必要な調整を行う取組を進めております。  福祉的な支援を必要とする受刑者の再犯防止については、関係省庁と連携した取組を推進いたしますとともに、国民の皆様の一層の御理解と御協力を得られるよう行動してまいりたいと考えております。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 御説明ありがとうございます。  今大臣からもありましたとおり、入所受刑者の六十五歳以上の割合が一〇%を超えていると。また、どういう犯罪で入所をしているのかということを見ると、多くが万引きということであります。  この背景にはいろいろなことがあるかと思いますけれども、貧困ですとか社会的な孤立、そうしたことから再犯を繰り返してしまうというケースも少なくないように私は感じております。  今御説明いただいたものは、大体刑務所から出所した後、その出所するときのいわゆる福祉との連携ということで、出口支援と言われておりますけれども、私はその段階よりもまた更に前倒して必要な福祉的な支援につなげていくことも再犯防止という観点から重要なのではないかというふうに考えております。  例えば万引きをして捕まったと、そういう場合というのは最初は起訴猶予ですとか罰金で済むことが多いかと思います。ですから、それで刑務所に入るというのはかなり再犯を重ねた状態なんですね。そういう状態になってから社会で自立させる、経済的に働いて自立を促すというのはかなり社会的資源も必要とすることでありますし、そういう段階に至る前の段階で必要な支援を行っていくということが再犯防止につながっていくのではないかというふうに思っております。  こういう、刑務所に入るよりも前の段階の支援、被疑者の起訴、不起訴などを決める刑事司法の入口段階での支援という意味で、こうした取組を入口支援というふうに言うようになっております。こうした新しい取組が徐々に行われ始めていると認識をしておりますけれども、この入口支援について、検察庁では今どのような取組をしているんでしょうか。

林眞琴法務省刑事局長

○政府参考人(林眞琴君) 委員御指摘のとおり、検察庁におきましては、刑事司法の入口の段階、すなわち捜査、公判段階からこの被疑者あるいは被告人の再犯防止あるいは社会復帰への支援の取組を行っております。  この場合、検察庁におきましては、まずは連携の相手方といたしまして、各庁の実情に応じて保護観察所との連携による取組がございます。これは、釈放される見込みの起訴猶予者につきまして、起訴猶予処分の前に、検察庁から一定の情報をあらかじめ保護観察所に提供するなどして、その対象者の特性に応じた更生緊急保護の措置が適切に講じられるように取り組んでいるものと承知しております。  また、福祉機関との連携という形での取組がございます。これも各庁の実情に応じてでございますけれども、庁におきましては、社会福祉士を検察庁の非常勤職員として雇用いたしましたり、あるいは外部の福祉あるいは医療の専門家、こういったものと連携して福祉、医療サービス等に関する助言を受けたりしまして、あるいは福祉機関等への受入先の調整、こういったものを行うなどの取組をしているものと承知しております。  このうちの外部の専門家との連携を図る取組といたしましては、例えば外部の社会福祉士に被疑者との面談を依頼しまして、その面談結果に基づくその当該対象者の福祉ニーズ、こういったものに対する助言を受けるなどいたしまして、その助言の内容を事件の処分に当たり参考にする、こういった取組などをしている検察庁があるものと承知しております。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 例えば京都地検では、今もございましたように、起訴、不起訴などを決める段階で福祉の専門家である社会福祉士の意見を聞くという取組を二〇一四年から開始したそうです。万引きですとか自転車の持ち去り、無賃乗車など、こういう比較的軽微な事案について一年間で二十五件の入口支援が行われて、これを今回追跡調査したところほぼ再犯に至っておらず、再犯防止に相当程度効果があったのではないかというふうに報道をされておりました。  軽微な犯罪事案の中には、本人の高齢、また障害による判断能力の低下ですとか、それから犯罪に至るのを防止しなければいけない家族も介護だったりまた貧困などで疲弊しているという背景がある場合も少なくないと思います。そこに福祉的な支援を行っていくことで安定した生活を送ることができるようになった、再犯防止に相当程度効果があったのではないかと、このように考えられるケースもあるというふうに聞いております。こうした司法と福祉の連携が入口段階でも重要であると思います。  弁護士と社会福祉士の連携というものも徐々に行われるようになってきております。起訴猶予になった後、若しくは執行猶予になった後に、こうした福祉の支援につないでいくということを社会福祉士が更生支援計画書というものにまとめて検察官に提出をする、若しくは裁判所に情状証拠として提出をすると、こういう取組が行われているところがあります。  情状証拠というのは、通常は、家族がきちんと監督をしていきますとか、執行猶予になったらうちの会社で雇いますというような雇用主の宣言といいますか、そうした証言が取り扱われることが多いわけですけれども、この社会福祉士という専門家による更生支援計画書というのは、どちらかというと、それよりも、私は専門家による客観的な情状の証拠として有益なのではないかというふうに思います。また、福祉に早い段階でつなぐ計画を作るということも先ほどから申し上げているように重要であると思います。  問題なのは、こういう取組が行われてきているわけですけれども、こうした被疑者、被告人の場合、多くは経済的に厳しいですから国選弁護人なんですね。ただ、この社会福祉士さんに更生支援計画書を作っていただくための費用が国選弁護の場合は出ません。ここが問題だと思っているんですけれども、例えば神奈川県の社会福祉士会の場合は今はボランティアで社会福祉士さんが弁護士さんと連携をしているということであります。ただ、これを普及していくに当たっては、ボランティアというのもなかなか限界がありますので、ここをどうするかということを検討していかなければならないのではないかと思っております。  そこで、例えばこの社会福祉士の更生支援計画書の作成の費用について国選弁護で費用を支給していただくということも検討していただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。

萩本修法務大臣官房司法法制部長

○政府参考人(萩本修君) 国選弁護人へのその費用の支払事務は法テラスが担っているところですけれども、法テラスが国選弁護人に支給する費用につきましては、法テラスが定めて法務大臣が認可した契約約款、国選弁護人の事務に関する契約約款に基づき、全国で統一的な支給がされているところでございます。  この契約約款では、法テラスが国選弁護人に対して支給できる訴訟準備費用として、診断書の作成料、弁護士法第二十三条の二に基づく弁護士会照会の手数料、行政機関が発行する証明書の発行手数料、被告人の国選弁護の場合の判決書謄本の交付手数料に限定されておりまして、委員御指摘の社会福祉士の作成に係る更生支援計画書の作成費用はこれらに該当しないため、現状では法テラスがその作成費用を国選弁護人に支払うことはできない取扱いとなっております。したがいまして、その作成費用を国選弁護人に支払うためには、今申し上げました国選弁護人の事務に関する契約約款を法テラスにおいて改正する必要があることになります。  もっとも、この契約約款を法務大臣が認可するに当たりましては、あらかじめ法務大臣において、最高裁判所及び日本司法支援センター評価委員会の意見を聞き、財務大臣に協議した上で認可するとされておりまして、当然のことながら、その更生支援計画書の作成費用を国費で支弁することについての必要性、許容性が厳格に求められるところになります。  御指摘の更生支援計画書の作成費用を国費により支弁すべきか否かにつきましては、刑事事件におけるその活用の程度や全国的な広がりなど、その利用の実情を踏まえまして、国費支弁の必要性、許容性が慎重に検討されるべきものと考えております。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 事前のレクのときも、これは難しいですということで、前向きな答弁はできませんということで言われたんですけれども、ただ、今、私がこれまで申し上げたとおり、検察庁もいろんな各地で取組を進めていただいているわけでございますし、弁護士会と社会福祉士会の連携の話ではありますけれども、やはり再犯防止という観点から是非取り組んでいっていただきたいと思いますので、今後、日弁連ですとか社会福祉士会とも、いろいろと意見を聞きながら検討していっていただければと思いますので、お願いを申し上げておきたいと思います。  次に、最高裁に質問したいと思いますが、裁判所での不適切な郵便切手管理の問題がございました。今回、裁判所の民事執行事件担当部署を中心に、全国の十八の裁判所で当事者が納めた郵便切手の不適切な管理が分かりました。  民事執行ということで債権の差押えなどを申し立てる際には、裁判所が書類を郵送するたびに使う郵便切手というのを当事者の方が前もって納めるわけですけれども、その中から裁判所が使用して、余ったら当事者に返す、足りなかったら追加で納めてもらうと、こういうことになっているわけですけれども、今回は、その当事者に余って返すべき郵便切手を返していなかった、余った切手を一緒くたにして記録外で保管をして、誰のものか分からなくなってしまっていたと、こういう残念ながらずさんな管理のあったことが判明をいたしました。十八の裁判所以外にも由来不明の多額の郵便切手が確認された民事執行事件担当部署が三十あって、郵便切手相当額は総額で約九百万円に上るとのことであります。  民事執行手続や裁判所に対する信頼を損なうもので、あってはならないことだと思いますけれども、この点について最高裁が行った調査結果と再発防止策について説明を求めたいと思います。

中村愼最高裁判所事務総局総局総務局長

○最高裁判所長官代理者(中村愼君) お答えいたします。  今御指摘のありましたように、内部の事務点検におきまして、東京地方裁判所民事執行センターの二部署、東京簡易裁判所の公示催告事務を行っている部署におきまして、書記官が書類の送付事務を効率的かつ迅速に行おうという意図の下に、別々の事件の書類を同一の宛先に送る際に、事件ごとに郵便切手の予納を受けていたにもかかわらずまとめて送付するなどして、使用しないで返還しなければならない郵便切手合計約百六十一万円分を返還しないまま保管した事実が判明いたしました。  その後、平成二十七年七月から全国的調査を行いまして、先ほど御指摘ありましたように、十五部署におきまして同様の不適切事務が行われていたことが判明いたしました。この合計額は約九百万円でございます。  このように当事者に返還しなければならない郵便切手を返還しないままに保管していたということは、ずさんな郵便切手の管理であり、不適切であります。関係者の信頼を損ねる事態になったことを深くおわび申し上げます。  再発防止策ということですが、判明後直ちにこのような不適切事務を是正するよう指示し、現在ではそのような事務は行われておりません。さらに、その際に、不適切な事務が確認されなかった部署におきましても、予納された郵便切手を他の事件に関して使用することは許されないといった基本的な認識を書記官の間で徹底するよう改めて指導いたした次第でございます。また、不適切な事務の背景には、少額の郵便切手が必要になった場合にも適切な券種がないというようなところで、書記官の手元に記録外の郵便切手を置いておくということが便利であったということが遠因になっているように思われますので、このような場面でも記録外の郵便切手で対処することがないよう、両替の手続、券種の交換手続を可能とする措置を講じました。  今後とも、管理職員による管理体制の整備について検討を続けるなどして、再発防止に努めてまいりたいと考えているところでございます。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 この今回総額約九百万円の切手相当額については、不適切な保管の対象になった可能性のある方にできる限り公平に返還をするというふうに聞いております。その対象になった可能性のある方ということですので、かなり広範囲にわたりまして、対象は最大数十万人になるということでありますけれども、自分が対象になるかどうかということはどのようにすれば分かるのか、周知広報、また手続はどのようになされるのか、大体そういった手続は弁護士に依頼をして行っている方も多いと思いますので、日弁連などとも連携をしていただいて、しっかり当事者に情報が行くようにしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

中村愼最高裁判所事務総局総局総務局長

○最高裁判所長官代理者(中村愼君) この返還手続に関しましては、今年の三月二十八日に報道機関にも公表させていただきました。また、裁判所のウエブサイトに案内文を掲載するとともに、全国各地の裁判所に同様の案内文を備え付けることによって、返還の対象となる範囲や返還の手続等についてお知らせをしているところでございます。また、不適切な事務が行われた可能性の高い事件の当事者に対しましては個別に通知を行う予定でございます。この点につきましては、日本弁護士連合会にも情報提供をし、可能な範囲で周知を図っているところでありまして、今後も周知広報に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。  当事者から返還の申出があった場合、裁判所の方で、先ほど御説明いたしました不適切な事務が確認された十八部署のほか、その可能性を否定できない三十部署、合計四十八部署について、対象となる事件を利用した当事者であることについて確認を取らせていただいて返還を行っていきたいというふうに考えているところでございます。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 時間が僅かになってまいりましたので、もう一度最高裁に次の質問を聞きたいんですけれども、予定していた質問を二つまとめて、相続放棄のことについてお聞きしようと思います。  相続放棄という手続がございますが、遺産を相続するということになった場合に、何らかの事情で相続をしたくないという方が相続放棄をすることができるわけであります。私の問題意識としては、この相続放棄の手続の本人確認をもう少し厳格に行っていただいた方がいいんじゃないかというふうに思っております。  それは、相続放棄というのは、その効果として、大きな遺産を相続できるという場合にも放棄をするということが生じるわけですね。今、この相続放棄の手続は、当事者の利便性という観点からも郵送ですることができます。一度も裁判所の窓口に行かなくても、申請書を郵便で送って、それで本人確認というか裁判所の方で手続をしていただいて、全て郵送でやり取りができるということになっております。  ところが、これをある意味悪用して、相続人の一人が相続放棄をするとそのほかの相続人の取り分が増えますので、勝手に相続放棄を出してしまう、こういうことから実際に裁判になって争いになるということもございます。  ですから、そういったことがないように本人確認というのをしっかりやっていただくことが必要だと思うんですけれども、具体的には、今の運用では、免許証の写しですとか印鑑証明書というような本人確認書類が不要になっております。また、郵送でやった場合に、本人を確認する手続として回答書付照会書、これが本人宛てに郵送されるわけですけれども、これも普通郵便で送られているので、書留じゃありませんから誰でも受け取ることができてしまうと。ここを本人確認書類を添付して申請するようにする、また郵送については書留にする、こういう改善をしていただく方がいいんじゃないかと思うんですけれども、どのように考えておられるでしょうか。

村田斉志最高裁判所事務総局家庭局長

○最高裁判所長官代理者(村田斉志君) お答え申し上げます。  委員御指摘の相続放棄申述事件におきます本人確認でございますが、どのような事実の調査をして確認をするか、これは各裁判官の判断ということにはなりますが、一般的には、委員の今御説明されましたとおり、申述人に対しまして、申述人が、被相続人が死亡した時期ですとか、相続放棄申述の意思が御本人の意思によるものか、あるいは相続放棄の理由といったことを照会する照会書兼回答書、これを御指摘あったとおり普通郵便で送付いたしまして、その送付を受け、回答内容を検討した上で、もし何か疑問、問題点があるということであれば裁判官による審問等の必要な事実の調査を行って、相続放棄の申述の申立てを御本人が行っているかどうか、これを確認しているものと承知しております。  この点につきまして、これを厳格にするということで、委員の御指摘ございましたような方法を採用するということは、申述書の偽造を防止するという観点からは一定の効果があるものであろうというふうに考えられるところであります。他方で、御指摘のような方法を採用いたしますと利用者の負担が一定程度大きくなるのではないかという点ですとか、あるいは同居の親族による偽造ということでありますと、なかなかこれを完全に防ぐのは難しい面もあるのではないかといった点も考えられます。  先ほど私の方でも御説明申し上げました一般的な運用は、相続放棄の申述事件が年間十八万件以上申し立てられていて、国民に広く利用されているということを踏まえまして、一律に申述人に求める行為といたしましては、先ほど申し上げたような照会書兼回答書の返送程度とした上で、必要に応じて更に詳細な調査を行うという形で、利用者の負担の軽減を図りつつ、可能な限り偽造等を防止しようとしているものと認識しております。  最高裁判所といたしましては、利用者の御負担にも配慮しつつも、委員の御指摘のような不正防止の観点も重視した運用が各家裁でなされるよう、引き続き各家庭裁判所の取組を支援してまいりたいと考えております。

佐々木さやか公明党

○佐々木さやか君 ほかの質問も通告しておりましたけれども、時間が参りましたので、終わります。  ありがとうございました。

アントニオ猪木日本を元気にする会・無所属会

○アントニオ猪木君 元気ですかという、今日はちょっと控えさせていただきますけれども、同僚議員が度々申し上げているとおり、今回亡くなられた方、そして被災された方、お悔やみとお見舞いを申し上げたいと思いますが、それよりも、早く、一日でも、立ち上がるような元気を送りたいと思います。  そこで本題に入りますが、平成二十八年、今回の議論の対象となっているのは平成二十六年の決算報告。いつも私は思うんですが、二年も前の決算報告、いつも違和感を感じるんですが、なぜ一年前の決算を今議論するのかということで、私も会社を経営しておりましたが、決算を終えて来年の予算を立てるわけですが、一般企業はあるいは僅かな期間でそれをまとめなければ、会社経営はできません。  なぜ国の決算は翌々年に行われるのか、具体的に分かりやすく説明してください。

茶谷栄治財務省主計局次長

○政府参考人(茶谷栄治君) お答え申し上げます。  株式会社の決算につきましては、一般的には、例えば三月末決算の場合には三月末までの収支をもって決算を作成し、会計監査を経て六月末までに開かれる株主総会に提出されるものと承知しております。  他方、国の歳入歳出の決算につきましては現金の出納支払の事実をもって整理することとなっておりまして、年度末の三月末には現金の出し入れが完結せず、現金の出納支払を整理するためのいわゆる出納整理期間が存在しまして、決算の計数確定が七月末になっております。また、決算を取りまとめた後、憲法等の規定により、会計検査院に送付し、会計検査院による検査及び検査報告の作成を経て、その後に検査報告とともに国会に提出することとされていることから、決算の国会提出までに一定の期間が必要でございまして、民間企業とは決算に要する期間が異なっているところでございます。  なお、政府としましては、国会からの御要請を踏まえまして、平成十五年度決算からは従来に比べて約二か月前倒しで国会に提出するなど、決算の早期提出に努めているところでございまして、平成二十六年度決算につきましても、平成二十七年度中であります通常国会冒頭の一月四日に提出をしたところでございます。

アントニオ猪木日本を元気にする会・無所属会

○アントニオ猪木君 世界一貧しい大統領ということで、先日、ウルグアイのホセ・ムヒカ大統領が来日しておりましたが、テレビ、雑誌でも大きく取り上げられ、本当にムヒカ大統領の人柄や発言が評判になっています。  貧乏な人とは、物を持っていない人ではなく、無限の欲があり、幾らあっても満足しない人と、そういうスピーチをされていますが、私も幼年の頃はおじいさん子で、心の貧乏人になるな、あるいは仏教用語で言えば足ることを知る、そんなことを多分大統領が言っているんではないかなと思います。  岸田大臣にお伺いいたしますが、ムヒカ大統領の一連のスピーチについて、今、世界がある意味心の幸せというか、その辺について見直すときではないかなと思いますので、もし御存じであれば感想をお聞かせください。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のムヒカ大統領の演説とそして行動につきましては、昨今、マスコミ等でも大きく取り上げられています。私も様々なところで拝見をし、その内容に触れる機会がありました。こうしたムヒカ大統領の生き方、考え方から学ぶところは大変多いのではないか、大きいのではないか、こんなことも感じながら聞いておりました。  政治に関わる者として、国民の経済をしっかりと活性化させていく、あるいは国民の命や暮らしをしっかり守っていく、こうした役割を果たすこと、これは大変重要なことでありますが、あわせて、国民の皆さんとともに私たちはどう生きていくべきなのか、何を幸せと感じるべきなのか、こうした考え方についてもしっかりと議論をし、思いを共有していくことが、政治において到達する様々な成果をより実感できる、幸せを実感できることにもつながるのではないか、政治の立場からも、ムヒカ大統領のこうした生き方、考え方について学ぶべきことは学んでいかなければならないのではないか、こんなことも感じました。

アントニオ猪木日本を元気にする会・無所属会

○アントニオ猪木君 ありがとうございます。  戦後の日本は、経済成長ということで焼け野原から見事に復興したという、私ども戦中生まれですから、その真っただ中で育ってまいりましたが、特に私の場合はブラジル移民ということもありまして、大変貧しかった生活の中から少しずつ豊かさが感じられるような時代を生きてきました。  持続可能な経済成長という言葉がよく使われますが、国民の中に経済的な豊かさを実感していない人が多くいるのも事実かなと。今、大臣のお言葉にもありましたが、当然もっといい家に住みたい、うまいものも食べたいなどの欲求、経済活動の原動力になるある程度の不満も時には必要なのかもしれません。  一方、ここ最近は、車やブランド品に興味がない、食事にお金を掛けないといった若者が増えていると聞きます。彼らはアルバイトでぎりぎりの生活費を稼ぎ、あとの時間を自分の趣味に費やしているという。よくパラオにも行きますけれども、パラオでも、潜りたいためにホテル代を節約して、食べるものまで、そういうような、今言ったようなことが若者の中で広がっているようなことを聞いておりますが、そしてもう一つは、今、世界的に有名になった日本のアニメの漫画の文化と、多くはそうした若者たちが育ってきているわけです。  このような若者たちの、物質的な満足度よりも精神的な満足度に豊かさを感じているかもしれません。私自身、その若者の気持ちが十分理解することはできませんが、個人的な満足度と経済成長が共に満たされれば一番いいんですが、もしかすると、そういう時代はもうそこに来ているのかもしれませんが、我々がまだ気付いていないのかもしれない、大変難しい問題ですが。  安倍総理は、現在、将来を見たとき、日本の経済成長は今後も持続的に進むのでしょうか、三本の矢については総理も何遍も答弁されているのでお聞きしませんが、今現在の状況は想定したとおりに進んでいるのか、今回のこういう震災が起きたり、いろんなことが起きますが、その辺についてのお答えをお願いします。

井野靖久内閣府大臣官房審議官

○政府参考人(井野靖久君) 日本の経済成長についてお答え申し上げます。  日本の経済成長は、長らく続いてきましたデフレの中で生産性が低迷を続け、人口も減少に転じたこともあり、かつてに比べ、力強さを欠いたものとなっているというふうに考えております。しかしながら、アベノミクスの下で現状ではデフレではないという状況となり、国民の雇用と所得は拡大してきているところでございます。  今後、これを持続的な経済成長につなげていくためには、構造的課題に取り組みまして、生産性の向上等により潜在成長率を高めていくとともに、国民の潜在需要を掘り起こしていくことが重要であるというふうに考えております。アベノミクスの新三本の矢を一体的に推進し、現在生まれている好循環を一時的なものに終わらせることなく、成長と分配の好循環を確立していきたいというふうに考えているところでございます。  政府といたしましては、今後、中長期的に実質二%程度、名目三%程度を上回る経済成長の実現を目指しているところでございまして、また、それによって二〇二〇年頃までに名目GDP六百兆円を実現するという具体的な目標を示しているところでございます。こうした目標実現に向けて着実に取組を進めていきたいというふうに考えているところでございます。

アントニオ猪木日本を元気にする会・無所属会

○アントニオ猪木君 次に、JICAについてお聞きをしたいと思いますが、私もいろんな各国を訪問した際には、JICAの皆さんとも、あるいはいろいろ元気付けということで呼ばれることがありますが、三年前にパキスタンのイスラマバードを訪問したときにJICAの皆さんといろいろ話を聞かせてもらいました。  パキスタンは、御存じのとおり、非常にテロ行為もあるし、そういう中で、レッドゾーンというのがすぐ退去してくれ、オレンジはできるだけ速やかに退去、イエローは滞在は注意が必要といったような注意があるようですが、現在、スタッフは本当にみんなやる気満々で頑張っていると思いますが、やっぱり一つの危険地帯という部分で行動の範囲が非常に狭まっているというか、そこで国からの予算が出されているわけですが、仕方なく国連に預けてそれを使ってもらっているということも聞きました。  学校建設、井戸の掘削など、是非その予算を有効に使えるような、大変危険を伴う問題とか、海外での活動は大変ですが、その辺を、是非平成二十六年度のJICAに対する予算の総額を併せてお聞かせをください。

豊田欣吾外務大臣官房審議官

○政府参考人(豊田欣吾君) お答えいたします。  平成二十六年度のJICAに対する予算の総額についてですが、当初予算及び補正予算の合計で千五百九十六億円を計上しておるところでございます。  なお、本年度、平成二十八年度のJICAに対する予算を含めたODA予算全体について申し上げますと、G7議長国として伊勢志摩サミットを開催するなど、日本が国際社会の議論をリードする責任の大きい一年であることなどにも鑑み、厳しい財政状況の中、十七年ぶりに政府全体のODA予算が増額となり、我が国がODAを通じてより積極的に国際社会に貢献するという姿勢を示すものになったと考えているところでございます。  政府といたしましては、これらODA予算を効果的、効率的に活用すべく、それぞれの地域の情勢あるいはニーズに基づき、二国間の援助、国際機関を通じた支援、NGO等を活用した支援などを適切に組み合わせながら実施していく所存でありまして、委員御指摘の、学校建設あるいは井戸の掘削などについても引き続き積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

アントニオ猪木日本を元気にする会・無所属会

○アントニオ猪木君 連日テレビがいろいろ報道しておりましたが、スポーツ選手のギャンブルということで、昔の話はここではちょっとできませんが、今は時代が違うな、若い選手たちはかわいそうだなと思いますけど、ちょっと何かがあるとすぐ週刊誌に追われて、私は今は、週刊誌は書きたきゃ書けと言って逆に開き直っていますが、プロ野球の公式戦の勝敗の賭けとか、また、バドミン界ではオリンピック候補選手が違法カジノ店に出入りしていたとか、これは、きれい事は抜きにして、やはりなぜカジノが成り立つかということになれば、そこにギャンブルというか冒険心というか、そういうものをかき立ててくれるわけですが、彼らを擁護するつもりはありませんが、まあ若い人たちですから、世間でたたくんじゃなくてもうちょっとおおらかに見てあげてほしいなというのが私の本音なんですがね。  一連の報道で、カジノ依存症であり人生を狂わす可能性がある、悪であるという意味が受け止められてしまう内容が多く含まれているのも違和感を感じます。カジノ自体は本当に世界の多くの国に認められている文化であり、国の税収にも貢献している立派な産業だと思います。依存症について、個人個々の問題であり、育った環境、教育によって違う、全ての人に当てはまるのではないと思いますが、この質問に対してはお答えをいただかないということでなっておりますので結構なんですが、もしどなたか、カジノ法という、あるいはこれから日本が世界と同等に、本当に若者に対する、そういうことが違法である、合法であればこれはもっともっと、問題はないわけですから、例えばサッカーのtotoのように、あるいは野球くじのような存在があればこういう騒ぎにはならなかったかなと思います。お答えは要りません。  先ほども同僚の三木議員からも質問が出ましたので、十三日に行われた韓国の総選挙で与党セヌリ党が惨敗して過半数割れが確実となり、朴槿恵政権に厳しい状況になっている。韓国の過去の大統領は、政権末期に必ず強い反日姿勢を打ち出し、求心力を保とうとすることがあります。少なからず、今回の総選挙は日韓の関係に何らかの影響を与えるのではないかと考えられますが、昨年には慰安婦の問題、日韓合意、署名したばかりですが、今後の日韓関係について、あるいは今回の選挙結果をどのように分析されるのか、外務大臣にお聞きしたいんですが。  もう一つは、私の場合、力道山という、北朝鮮の生まれであり、また大木金太郎という、金一という選手が韓国でも英雄でありまして、先日、大木金太郎さんのドキュメンタリーテレビを作るということでインタビューに来られまして、そんな関係でスポーツ交流を今後も頑張って続けていこうと思っております。  そこで、最後に岸田大臣のお言葉を、日韓関係の問題について、また重複しますが、よろしくお願いします。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) まず、先日の韓国の総選挙の結果につきましては、先ほども申し上げましたが、これは韓国国内の内政に関わる事項ですので、日本政府として何か申し上げるのは控えなければならないと思っております。  しかし、その上で申し上げるならば、まずは日韓関係の重要性については、韓国の与党、野党問わずしっかりと認識をされていると考えています。日本と韓国、年間五百万人以上の人間が行き来をしている。政治のみならず、経済、文化、あらゆる分野において密接な関係にあります。大変重要な隣国関係であると我々も認識をしておりますし、こうした大切な隣国関係については、様々なレベルにおいて引き続きしっかりと前進をさせていかなければならないと思っています。  そして、昨年末の日韓合意については、日韓関係を未来志向で前進させるためにこれは重要な合意であったと思っています。是非この合意をしっかり履行していかなければなりません。これは、双方の政府がこの重要性をしっかり認識をして履行の中身を実行していく努力をこれから引き続き続けていかなければならないと思いますし、そのことについては韓国政府も、総選挙後、この合意をフォローアップし速やかに履行する、こういった趣旨の発言をされております。是非、韓国側と緊密に連携をしていきたい、このように考えます。

アントニオ猪木日本を元気にする会・無所属会

○アントニオ猪木君 日頃から外交に勝利なしという言葉を使わせてもらっていますが、どうぞお互いの国民の立場に立って、その上でお互いの外交、お互いの国の国民のためにひとつ大臣も頑張っていただければと思います。  終わります。ありがとうございます。     ─────────────

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、佐々木さやか君が委員を辞任され、その補欠として荒木清寛君が選任されました。     ─────────────

清水貴之おおさか維新の会

○清水貴之君 おおさか維新の会の清水貴之と申します。  私からも、冒頭、熊本県で発生しました大きな地震によって亡くなられた皆様の御冥福をお祈りし、そして、けがをされた皆様方の一日も早い回復と、そして、現在もまだ行方不明の方がいらっしゃるというふうに聞いております。一刻も早い無事の救出を心から願いたいと思います。  質問ですが、まず初めに、外務省に関係してということで、先ほど大沼委員からも質問があったんですが、ジャパン・ハウスについてお聞きしたいと思います。  私も、日本の正しい姿を海外においてしっかりと発信をしていく、日本のプレゼンスというのを海外で高めていくという、この必要性に異を唱えるつもりは全くないんですが、じゃ、この今回のジャパン・ハウスというやり方が果たして効率的なのかどうかと、こういった視点から質問をさせていただきたいと思います。  まず、このジャパン・ハウスなんですけれども、平成二十七年度で三十六億円、二十八年度で四十二億円予算が計上されています。三か所、ロンドン、ロス、サンパウロ、一等地で行うということでかなりの額が予算計上されているわけなんですけれども、現在、ネットの社会でもあります。いろんな形での情報発信が可能だというふうに思うんですが、なぜこういった、ある意味箱物ですね、こういったものを現地に造ってやらなければいけないのか、多額の費用を掛けてやる必要があるのか、この辺りについてまずはお聞きしたいと思います。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 今回のジャパン・ハウスの取組ですが、一つのキーワードは、日本を理解してくれる方々の裾野を広げていくということではないかと思います。  今、御案内のとおり、国際社会においては様々な情報量、これ莫大な情報量が氾濫しています。そして、情報伝達の手段、これがもうどんどんと多様化しています。そして、一人一人が情報の発信源にもなり得る、こういった時代が来ています。こういった時代だからこそ、効果的な広報戦略を進めていく上においてはより裾野を広げていかなければならない、こういった考え方があり、例えば、韓国においては、韓流ドラマですとかKポップですとかいったものを広げていく、中国であったならば、CCTVを普及させるとか孔子学院を拡大するとか、いろんな取組をしていますが、これ共通しているのは、こういった情報時代にあって裾野を広げていかなければならない、こういった問題意識だと思っています。  そして、その中で、今申し上げた分野においても日本もしっかり取り組んでいかなければなりませんが、拠点づくりということにおいても、こういった考え方をしっかり持たなければならないのではないか。従来から、日本においても、様々な省庁が様々な分野、クールジャパンですとか食の文化ですとか、いろんなテーマについて拠点づくりをし、広報を行ってきましたが、今この裾野を広げるということになりますと、従来、日本と余り接点がなかった、こういった方々にも日本の情報を広げていかなければならない、そういったことから、まず、この拠点の場所についても、あえて大きな都市の繁華街に場所を求めて、より多くの人たちに日本との接点をまず持ってもらう。そして、その上で、その拠点においてまずはワンストップで、クールジャパンとか食文化だけではなくして、歴史ですとかあるいは領土ですとか様々な分野をワンストップで発信をする。そして、それに対して、国だけではなくして地方自治体、民間も含めてオールジャパンで取り組んでいく。  そして、さらにもう一つのポイントとしては、これは役所的な上から目線ではなくして、現地のニーズをしっかり酌み取らなければいけないということで、現地において共感を呼ぶ取組を進めていこうということで、現地の第三者委員会をしっかりつくって現地のニーズを酌み取っていく。こういった取組を併せて進めていく、こういったことからこのジャパン・ハウスというものを進めていこうということになった次第でございます。  今、委員の方から予算について御指摘がありました。これは決して少ない予算ではないと思っています。しかし、今申し上げました時代の変化の中で、我が国が国際的な戦略的な広報を進めていく一つの切り口としてジャパン・ハウスというものは重要ではないかと我々は認識をして進めているものであり、是非この予算に見合うだけの成果を上げるよう、これから民間の方々あるいは現地の方々ともしっかり連携しながら取組を進めていきたいと考えます。

清水貴之おおさか維新の会

○清水貴之君 今、大臣からクールジャパンや食文化の話がありました。そういった施策の重複というのも、私はこの辺りもしっかりと、省庁ごとにやるんじゃなくて、ちゃんと連携を取ってやっていただきたいなとも思うんですが、施設の重複というのもあります。ロンドン、ロサンゼルス、サンパウロには、この三つに共通しているのが国際交流基金の日本文化センター、これ三つともあります。ジェトロも全てに置いてあります。サンパウロを除いて、ロンドン、ロスには、大使館、総領事館には広報文化センターがあります。日本政府の観光局もあります。こういったものも現地に置いてやっていたのにあえて造るということは、逆に言えば、今まで置いてあった施設というのが十分ではなかったのかなというふうにも考えられないこともないかなとは思うんですが、その辺り、今まで何が足りなかったのかなど、こういった分析というのをしっかりした上で次のものに、次のステップに行くのか、この辺りが疑問なんですが、いかがでしょうか。

大鷹正人外務大臣官房参事官

○政府参考人(大鷹正人君) お答え申し上げます。  ジャパン・ハウスは、カフェ、レストランなどの商業施設を含む民間活力や地方の魅力に加えまして、対外発信を含む政府関係機関の機能を集約するワンストップサービスを提供する予定であるということは大臣から申し上げたところでございます。  ジャパン・ハウス内のセミナールーム、シアター機能を有した多目的スペース、展示スペース等やカフェ、レストラン、ショップ等の商業スペースを政府関係機関にも活用いただくことで複合的な発信を可能とするということも一つの柱にしてございます。  なお、国際交流基金ですとか日本政府観光局につきまして、現在ジャパン・ハウスに入居する方向で協議を進めておりまして、またジャパン・ハウスとの連携がより活発になることを期待しております。  また、大使館に付随しています広報文化センターですとか、あるいはジェトロ等その他の政府機関につきましても、現地で実施していくイベント等を行う際にジャパン・ハウスも活用していただきたいというふうに考えている次第でございます。

清水貴之おおさか維新の会

○清水貴之君 ということは、今の説明だと、これまでの施設では足りなかったことを新しい視点でやっていくということでいいんでしょうか。今までの施設では、このジャパン・ハウスみたいなことはもうできないというような判断で新しいことを進めていくということでよろしいんでしょうか。

大鷹正人外務大臣官房参事官

○政府参考人(大鷹正人君) お答え申し上げます。  ジャパン・ハウスの一つのポイントは、大臣から申し上げましたけれども、商業施設、いわゆる市内の一等地に所在することを前提に考えてございます。それが一つの大きな特徴でございまして、そういった立地を活用しながら、発信機能として必要なスペースを十分確保していろいろ活動を行っていくということになります。  これまでにも国際交流基金ですとかJNTOは一緒に入って、そういった物件を活用していくということを申し上げましたけれども、その他ジェトロなどは若干商談等、ビジネスの商談等の別途の機能がございますので、なかなかその中に統合するということは難しいんですけれども、やはり国際交流基金ですとかJNTOの機能が一緒になっていくということは今までにない特徴だというふうに考えている次第でございます。

清水貴之おおさか維新の会

○清水貴之君 財務省にも今日は来ていただきまして、意見をお聞きしたいと思うんですけれども、これは平成二十六年十一月の資料です。外交関係予算ということで主計局が資料を出していらっしゃいまして、見せていただきました。コメントも載っているんですが、このジャパン・ハウスについてはどのような認識でありますでしょうか。

茶谷栄治財務省主計局次長

○政府参考人(茶谷栄治君) お答え申し上げます。  ジャパン・ハウスにつきましては、平成二十六年十二月の財政制度等審議会が取りまとめました平成二十七年度予算の編成等に関する建議におきまして、文化発信を担う政府施設が既に存在すること、明確な成果目標と成果指標を設定し、それを達成するための適切な事業案となっているかを厳格に検証すること、適切な受益者負担を求めつつ、民間、地方公共団体との連携を図ることとの指摘がなされたところでございます。  この指摘を受けまして外務省と議論を行った結果、重複排除の観点から、国際交流基金の海外事務所等既存の文化発信機関は集約すること、事後的な成果検証が可能となるように適切な成果目標を定めること等を条件にロンドン、ロサンゼルス、サンパウロの三か所での創設に係る経費として平成二十七年度予算におきまして三十五・九億円の予算を計上することとしたところでございます。

清水貴之おおさか維新の会

○清水貴之君 今話にありました成果目標とその検証なんですが、これは外務省としてはどのような今扱いになっているんでしょうか。

大鷹正人外務大臣官房参事官

○政府参考人(大鷹正人君) お答え申し上げます。  成果目標については、当然、今回、受託企業が各施設についていろいろ運営等を行うということになるわけですけれども、彼らに対しましても十分な目標設定、そしてそれらに対する事後の評価を行いながら運営を進めていくようにという方針を明確に伝えているところでございまして、その方向で運営していくつもりでございます。

清水貴之おおさか維新の会

○清水貴之君 今、受託企業の話ありましたので、受託企業についても聞いていきたいと思います。  この三都市全て受託企業が違います。サンパウロは電通ですね。ロンドンがジョーンズラングラサール株式会社という会社です。ロサンゼルスが株式会社イー・エス・ピーという会社になっています。この三つに共通しているのは、その契約の仕方ですが、随意契約で契約をされています。なぜ随意契約での契約なんでしょうか。

大鷹正人外務大臣官房参事官

○政府参考人(大鷹正人君) お答え申し上げます。  これ随意契約という御指摘でございますけれども、実際には企画書を提出してもらっての企画競争を経た形で、そしてその出てきた企画書を審査した上で選定するという手続を取っております。

清水貴之おおさか維新の会

○清水貴之君 この契約の内容を見ると、技術的理由による競争の不存在ということになっています。ということは、競争相手がいなくて、もう単独でここしか申込みがなかったという認識でよろしいんでしょうか、それぞれの企業ですね。一者しか応札する会社がなかったので、そこの企業との契約になったということでよろしいんでしょうか。

大鷹正人外務大臣官房参事官

○政府参考人(大鷹正人君) 済みません。技術的には企画競争というのも随意契約の部類に入るということではございます。  他方、事前にこういった企画書の提出を求めながら、例えば一定の期間、今回は五十日というちょっと長めの期間を設けたんですけれども、そういった期間を経て各種企画書が出てきたところでございまして、実態的にはいずれの都市についても複数の企業からの企画書の提出がございました。

清水貴之おおさか維新の会

○清水貴之君 それぞれの企業なんですけれども、サンパウロの電通、これはもう分かりやすいといいますか、まあ電通だったらなという感じがすると思うんですけれども、まず、ロンドンなんですが、不動産会社のジョーンズラングラサール、JLLという会社で、この会社のホームページを見ると、不動産に関する戦略的なソリューションとサービスを包括的に提供する総合不動産サービス会社ですというような記述があります。日本での従業員が、世界的なグローバル企業なんですが、日本では七百人ほどの企業ということになっています。  不動産の価値を高める、持っている不動産の価値を高めるのが恐らくこの会社の企業目的だというふうに思うんですけれども、これ、ロンドンで借りるなり建てるなりして今後事業を進めていくんだと思うんですけれども、なぜこのJLLという会社に決まったんでしょうか。

大鷹正人外務大臣官房参事官

○政府参考人(大鷹正人君) ロンドンのJLLという企業につきましては、いろんな企業をグループの中に抱えているという、そういう企業でございますけれども、そのグループの中にいろんなサービスを持っている企業だというふうに承知しております。  そのグループとして今回は企画に応募してきているところでございまして、このJLLとして私ども承知している範囲では、いろいろ不動産に付随するような、例えばロンドン五輪の際の開発アドバイザーをするとか、あるいは有名なラーメン店の外国での出店等にいろいろ企画面で協力するとか、そういったことを幅広く行ってきていて十分な知見があるというふうに私どもは判断した次第でございます。

清水貴之おおさか維新の会

○清水貴之君 もう一つ、ロサンゼルスの株式会社イー・エス・ピーという会社なんですが、これは音楽好きの方なら御存じかなと思うんですけれども、ギターなどを作っているイー・エス・ピーという会社でして、こちらもホームページ見させていただいたんですが、創業は四十年で非常に歴史のある会社なんですが、三つの大きな事業があって、楽器事業、ギターですね、音楽事業、アーティストなどを抱えているわけですね、教育事業ということで、これは主に音楽学校です。  ロスにも会社というかそれの事業所はあるんですが、音楽学校であったりとかケーブルテレビの会社を持っていたりということで、そのジャパン・ハウスの運営をする、このイー・エス・ピーという会社がどうこう言うつもりは全くないんですけれども、ジャパン・ハウスということの運営に関しては、果たしてこちらの会社の、私、ほかにもいろんな会社あるのかなと見たんですけれども、そういった何か対外的に発信するというか、広告会社のような機能とか商社のような機能を持っているような感じでもありませんので、果たしてふさわしいのかなというふうに思うんですが、なぜこちらの企業に決まったんでしょうか。

大鷹正人外務大臣官房参事官

○政府参考人(大鷹正人君) お答え申し上げます。  このイー・エス・ピーという企業は、アメリカの西海岸で、御指摘のとおり、音楽ですとか映像関連のいろんな事業、特に教育事業を含めまして広く展開している企業でございます。企業としてはいろいろまた協力企業をいっぱいネットワークとして持っているわけなんですけれども、そうした中には、例えばジェイ・ティー・キュー株式会社、設計、デザインが強いところですとか、あるいは施工管理に強いところですとか、レストラン経営ができるところ、あるいはショップの運営ができるところ、そうしたところもネットワークの中に彼らとしては抱えているということでございますので、総合力としては、私ども、かなり十分なところに行っているのではないかというふうに判断した次第でございます。

清水貴之おおさか維新の会

○清水貴之君 是非その関連会社の資料などもまたお示しいただき、どんな企業があってどういった事業をやっているかというのをお示しいただきたいと思うんですが、委員長、理事会の方でお願いできますでしょうか。

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) 後刻理事会で協議いたします。

清水貴之おおさか維新の会

○清水貴之君 人件費についてもお聞かせ、その前に一つ、いろいろと個別の費用も出してもらいました。  ジャパン・ハウスのサイト開設用経費というのが外務省の方から出てきまして、初年度が五千二百万円、翌年度以降一千四百万円ずつ毎年、毎年というか三年間計上されることになっていて、四年間で九千四百万円余りのサイトの開設用経費というのが計上されています。  ホームページ、サイトを見させていただいたんですけれども、まあ非常にシンプルにきれいにでき上がっていて、有名な方のインタビューなんかも載っているんですけれども、果たしてこれだけの経費が掛かるのかなと。詳しい方にちょっと見ていただいたんですが、ホームページだけ作るのを考えたら、恐らく五十万円から百万円ぐらいでできるだろうということを言っておりました。  なぜここまでの経費が掛かるんでしょうか。

大鷹正人外務大臣官房参事官

○政府参考人(大鷹正人君) お答え申し上げます。  確かにこれ、サイトの開設に要する経費なんですけれども、初年度は特にシステムの構築という部分が出てきますので、その部分がほかの年度に比べると少し経費がかさむという実態があるかというふうに考えております。その結果としてこのような金額になっているというふうにお考えいただければと思います。

清水貴之おおさか維新の会

○清水貴之君 いや、そのシステムの構築も踏まえて、僕は専門家、詳しい方に聞いて五十万円から百万円ぐらいだと。プラス、インタビューの、何人かの方が載っていましたので、インタビューのギャラなどを払ったというのがあれば、といっても五千万は高過ぎると思うんですけれども、このくらいまで行くのかもしれませんが、ホームページ一つ作るのに五千万円、毎年一千四百万円の経費、これはちょっと高いんじゃないかなと思うんですけど、それは全然そういうふうには思わないですか。

大鷹正人外務大臣官房参事官

○政府参考人(大鷹正人君) お答え申し上げます。  システムの構築についてはそれなりに金額が掛かるというふうに私ども承知しておりまして、これだけの金額は決して不相応な金額ではないというふうに理解しております。また、この発信を通じてかなり効果的な発信をやっていきたいというふうに考えておりますので、その分、必要な経費を計上させていただいているところではございます。

清水貴之おおさか維新の会

○清水貴之君 システムの構築は、これも何社か見積り取って入札みたいな形でやったんでしょうか。

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) 簡潔にお願いします。

大鷹正人外務大臣官房参事官

○政府参考人(大鷹正人君) はい。  システム構築の部分も含めまして、先ほど申し上げた企画競争の中で各社から提案をいただいているところでございました。

清水貴之おおさか維新の会

○清水貴之君 もう時間なので終わりますが、先ほどの企画競争の入札企業を見ても、予定価格と落札価格の差、一番近いところでは、予算が三十六億なのに千九百八十円ぐらいしか開いていなかったりするわけですね。もっと競争させてもっと予算を縮めることができたら、その分ほかにもお金を使えるわけですから。これは基本的に何かお金が入ってくる施設じゃない、どんどん出ていってしまう。まあそれも基本的には対外的なプレゼンスを高めるには必要だと思うんですけれども、コスト意識とか、こういったものには強く意識を持って進めていっていただきたいなというふうに思っています。大臣もこの辺りは是非よろしくお願いいたします。  中谷大臣、済みません、来ていただいたのにちょっと時間がなくなってしまいました。また改めて質問させてください、済みません。  終わります。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 社民党の又市です。  質疑に入る前に、この度の熊本から大分にわたる広範囲な大地震、亡くなられた方々の御冥福をお祈りすると同時に、また被災に遭われた皆さんのお見舞いを申し上げるとともに、また政府にはもう全力を挙げての救援やあるいは人命救助、様々な諸対策、是非進めていただくことを強く要請をしておきたいと思います。  今日は最初に、旧外地特会の昭和十九年、二十年度決算についてまず伺いたいと思います。  今回、この五地域における十の特別会計の決算について承認が求められています。これらの特会は、日本が支配をしていた旧植民地を統治、支配するために設けられていた特会という理解でよいかどうか、特会の中身、目的について簡単にお答えいただきたいと思います。

大菅岳史外務大臣官房審議官

○政府参考人(大菅岳史君) お答え申し上げます。  先生御指摘のとおり、旧外地特別会計、これは朝鮮、台湾、樺太、関東州、南洋、これらの地域に係る十の特別会計の総称でございます。それぞれについて、それぞれの地域の行政庁の一般会計に当たる五つの特別会計、それ以外に、それぞれの地域について、食糧管理、簡易生命保険事業、郵便年金事業の経営、鉄道等の事業用品の購入、こういったことに充てるために設置された特別会計でございます。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 今お答えがあったように、歴史事実として朝鮮総督府や台湾総督府等というのは植民地支配の行政機関であった、そのための会計だったということになりますね。  そこで、一九四六年の法律によって、四四年、四五年のこの決算提出を当分の間延期をする、こういうことが認められたということでありますが、具体的にどのような困難があって今日まで延びてきたのか、簡単に御説明をいただきたいと思います。

大菅岳史外務大臣官房審議官

○政府参考人(大菅岳史君) お答え申し上げます。  御指摘のとおり、昭和十九年度、二十年度の決算につきましては当面の間延期することができるということを昭和二十一年の法律で定めております。  この理由につきましては、当時、現地占領軍の命令等により書類の持ち帰りができなかったこと、それから終戦時の混乱により、通常提出されるものと同様の決算書等を作成するために必要な会計資料が散逸したこと、こういったことにより作成が困難であったという事情がございます。  このため、現存する資料を基に決算を作成しようとした場合であっても、全く資料がないか、あっても一部の資料のみの状況でございましたので、当時の会計手続により決算を作成することができる特別会計は全く存在しないという状況でございました。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 つまり、必ずしも実態を反映したものではないということの御説明です。  今回、総額約八億円の剰余金が一般会計に繰り入れられるということになりますが、この剰余金は日本の資金だというふうに言い切れるのかどうか、ここがちょっと問題だと思うんですね。もしこれが当時の現地の人々が納めた資金だとすれば、それを日本の国庫に入れるということに抵抗感を持つ人が現れるのは当然のことだと思うんです。  例えば、さっきもありましたが、朝鮮簡易生命保険・郵便年金特会では三百万円の剰余金とされていますが、この資金は朝鮮半島出身の強制動員被害者が加入した保険と年金の残額であるとの指摘もあります。これに対する利息が二億九千万円、こういうふうにされているわけですけれども、これを日本の一般会計に繰り入れることに何ら問題はないのかどうか、この点いかがでしょうか。

大菅岳史外務大臣官房審議官

○政府参考人(大菅岳史君) お答え申し上げます。  先ほど御説明しましたとおり、通常同様の決算書を作成するために必要な会計資料が散逸したということで、例外的な形で決算を今回提出した次第でございますが、現在提出しております決算にありますとおり、例えば予算における歳入につきましては様々な財源が記載されておりますけれども、実際の収入済額、これの内訳については全く不明でございまして、御指摘の当時の現地の人々から納められた額、こういったものを特定するということは困難でございます。  このため、今回の特別会計決算の結了の結果として発生する剰余金、これにつきましてもその原資といったものを明らかにするということは困難ということでございます。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 この説明は元々が、旧憲法下においてこれら特会の剰余金の処理というのは政令で定めるというふうに決めているわけですよね、旧憲法下。ところが、今回は現憲法の下でこの剰余金を一般会計に繰り入れるというふうにしているわけでありまして、自国に有利な清算ということは一体いかがなものか、こういう疑念が実はあります。  そこで、外務省は、ホームページで日本語で、旧外地特会に属する日本政府に対する債権に関する問合せに関する告知を行っているわけですが、そこには、日本政府からの支払を受ける必要があると思われる旧外地特別会計に属する債権をお持ちの方は次の必要書類を郵便にて御送付の上お問い合わせください、こう述べられているわけですが、この特会に属する未知の債権債務関係が存在するかもしれないという認識からこうおっしゃっているんだろうと思うんですが、この点と、また、日本人だけではなくて、先ほど述べたように、現地の人々との間にも債権債務の関係があるかもしれない。今回対象となっている五地域における債権債務の関係というのは、これら諸国との間においてどのように整理をされてきたのか、この点をお答えください。

大菅岳史外務大臣官房審議官

○政府参考人(大菅岳史君) お答え申し上げます。  今回のこの決算につきましては、収入済額、支出済額については既知の国庫金出納記録、いわゆる日銀の帳簿、これを基に整理したものでございます。したがいまして、今回この作業を行ったことで新たに未知の債権債務が把握されたということはございません。  ただし、先ほど申し上げたとおり、終戦直後の混乱等により会計資料が散逸した、こういった事情の中で旧外地特別会計に属する債権債務の全体像について明らかにするのは困難な状況でございまして、どのような個別の債務が残っているかについて具体的には把握しておりません。その意味では未知の債務が存在するということでございます。  このため、旧外地特別会計に属する債権について外務省に問合せの窓口を設置いたしますとともに、告示等を通じてこれを案内いたしまして、今後、個別の問合せについて、この窓口を通じて誠実に対応していくという方針でございます。  二点目の個別の国、地域等の財産請求権、これにつきましては、既に、例えば韓国との間では、昭和四十年の日韓請求権協定、これにより完全かつ最終的に解決されたということは解決されておりますし、旧太平洋諸島信託統治地域についても同様でございます。中国については、一九七二年の日中共同声明発出後、請求権の問題は存在していないという立場でございます。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 今のお答えからいくと、簡単に言えば、北朝鮮、台湾、樺太などについては未処理ということになるんだろうと思うんですね。大変ややこしいことで、昨年は戦後七十年を経たという節目の年だった。だから、特会の決算もそれを考慮して今日やられたんだと思うし、これはやむを得ないことだなという感じはしますが、しかし、本来この戦後処理問題というのは国家関係だけでは済まされない問題がある。  先般も、外務大臣、大変御努力をいただきましたが、その一例がいわゆる従軍慰安婦問題だったと思うんですね。ましてや国家や地域間で合意していない場合、これ大変複雑な問題が起こってくる可能性がある。日本に大きな責任があるさきの大戦におけるそれぞれの国の被害については、今後とも是非真摯に向き合っていただく、この努力が必要かと思うので、この点については岸田大臣からお答えをいただきたいと思います。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 戦後処理の問題につきましては、我が国は、サンフランシスコ平和条約、さらには様々な二国間条約など、この関連条約に従って誠実に対応してきたところであり、今後とも我が国の立場を堅持しつつ、近隣諸国との関係、一層深化させていかなければならないと認識をいたします。  そして、先ほど、財産請求権問題について、現状について答弁をさせていただきました。韓国、そして旧太平洋諸島信託統治地域、あるいは中国との関係については答弁させていただきました。逆に、北朝鮮、台湾、南樺太について委員の方から御指摘をいただきましたが、こうした地域との関係においては、財産及び請求権の帰属が確定した際にそれに従って適切に処理されることになると認識をしております。  そして、先ほど問合せについても御質問をいただきましたが、こうした様々な対話の枠組み等も重層的に活用しながら、近隣諸国との関係、これ一層深化させていかなければならない、このように認識をいたします。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 是非しっかりとやっていただくように要請をしておきます。  次に、安全保障問題、防衛予算について伺いたいと思います。  先日の全国紙の世論調査では、さきに成立した安保関連法案、まあ法案ではなくて法ですが、これへの賛成は三五%、反対が四六%と、依然反対の声が強いわけです。国民に十分な説明もないまま、先月二十九日に戦争法が施行された。このことについては強く抗議を申し上げておきたいと思います。  さて、この防衛関連予算は、第二次安倍政権成立以来、拡大の一途であります。二〇一三年度が四兆七千五百三十八億円、一四年度が四兆八千八百四十八億円、一五年度が四兆九千八百一億円、そして今年度がついに五兆円を超えて五兆五百四十一億円と、こうなっています。現在の防衛予算は、二六中期防衛力整備計画に沿って編成をされておりますけれども、このまま拡大するとすれば、この中期防の上限二十三兆九千七百億円で収まらないということになっていくのではないのかと。いや、収めるためには来年度から伸びを抑えていかれるのかどうか。この点、まず御答弁いただきたいと思います。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 防衛予算につきましては、防衛大綱及び中期防に従いまして着実に防衛力を整備しているわけでございます。今後とも、中期防で定められた所要の経費の範囲内、これで着実かつ効率的に防衛力整備を進めてまいりたいと考えております。  来年度から防衛費の伸びを抑えるのかという御質問でございますが、平成二十九年度以降の防衛関係費につきましては、その時点における経済状況、また安全保障状況等を踏まえて編成されるものでございまして、現時点においてお答えすることは困難でございますが、今後とも、中期防で定められた所要の経費の範囲内で着実かつ効率的に防衛力を進めてまいりたいと考えております。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 今ほどもありましたが、昨年の質疑の中で、自衛隊の活動領域が今後拡大される以上、その拡大に堪え得る自衛隊員の訓練や装備が必要となり、新たな軍備拡大と防衛予算の拡大になるんではないのか、再三のそういう問いに対しても、今大臣がおっしゃったように、中期防の枠内で編成する、こういうふうに答えられていた。  ところが、政府は、一方で防衛大綱、中期防は集団的自衛権の行使を前提としていない、こういうふうに強調されながら、他方では集団的自衛権の行使も視野に入れた自衛隊の戦闘能力を整備する、こういうふうにおっしゃるわけで、これは大変矛盾した説明だというふうに言わなきゃならぬと思うんですが。そして、防衛省は現在、南スーダンに派遣される第九次要員には戦争法施行以降も新たな任務を付与しないと、こう決定をされて、さらに、五月以降派遣される予定の第十次要員についても慎重に検討をする、こういうふうにおっしゃっているわけですね。  法施行以降も新たな任務を付与しないということについて、大臣は、訓練等事前の準備が必要だと、こう記者会見で述べられているわけですが、それではなぜあのような拙速かつ乱暴な国会運営を行ったのか、こう言わざるを得ないわけでありますけれども、いずれにしても、自衛隊員には新たな訓練が必要となるわけでありますから、防衛予算は中期防の枠内で収まらないんではないのか。また、この法を踏まえると、防衛大綱、中期防の内容そのものの見直しが必要になるのではないのか。ここのところは、大臣、もう少し明確にお答えください。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 現在の自衛隊の任務は、国民の命と平和な暮らしを守り、国際平和、国際社会の安全に貢献するということでございます。平和安全法制施行後も、国民の命と平和な暮らしを守り、国際社会の平和と安全に貢献する、この自衛隊の任務には全く変わりはありません。  この平和安全法制、このような任務を切れ目なくより一層効率、効果的に果たすということができるようにするものでございまして、基本的に、法案の整備によりまして全く新しい装備が必要になったり、また装備の数量、自衛官の定員あるいは防衛費の大幅増、これが必要になるということはございません。この装備、予算につきましては、法整備とは別に防衛大綱、中期防、閣議決定、この中でやっていっておりまして、五か年、先ほども申し上げましたけれども、〇・八%の防衛費を伸ばす計画、この範囲の中で着実に実施をしていきたいと考えております。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 この自衛隊に新たな任務を付与する、しかしながら従来の延長線上で防衛力整備を考えるというのはちょっと理解ができないんですね。だとすると、既にあの法案を国会に提出する前から防衛省はこの法案そのものを既定事実として防衛力整備というものを準備してきたんではないのか、そういうふうな疑念が湧いてきて当然、こういうふうに言わざるを得ないわけです。是非その点はもう少し明確にするように、今日は時間がありませんからこれ以上追及をいたしません。その点は改めてお聞きをしていきたいと思います。  最後に、会計検査院が意見表示を行った防衛装備品のライフサイクルコスト、いわゆるLCC管理についてお尋ねをしておきたいと思います。  まず防衛省に伺いますが、このLCC管理とはどういうものであり、どのような理由で導入をされたのか伺います。  次に会計検査院に伺いますが、なぜこのLCC管理について検査することになったのか、何が判明し、それが放置された場合の弊害などについてはどのような御見解か、これを簡潔にお答えをいただきたいし、また指摘されたことについて防衛省はどのように対応されたのか、併せて伺いたいと思います。

田中聡防衛装備庁プロジェクト管理部長

○政府参考人(田中聡君) お答え申し上げます。  ライフサイクルコスト管理とは、装備品等のライフサイクル、すなわち構想段階から研究開発、量産、配備、運用、維持、廃棄に至るまでの全期間を通じまして必要なコストの見積額の推移を継続的にモニターすることによりまして、コストの上振れのおそれやその要因を早期に把握し、適時適切な対策を取ることにより、これまで以上に質の高い装備品を適切なコストやスケジュールで取得するためのものでございます。  この導入の経緯でございますが、平成十九年の十月になりますが、装備品等のライフサイクルにわたり一貫したコスト管理等を行うため、ライフサイクルコストを明示し、取得プロセスの節目で、性能、コスト等の要素を的確に評価した意思決定を行うとともに適切な事後検証が行われる制度の整備について検討せよとの防衛大臣の御指示を受けまして、平成二十年度以降、主要な装備品の一部につきましてライフサイクルコストを算定しているところでございます。

岡村肇会計検査院事務総局第二局長

○説明員(岡村肇君) お答え申し上げます。  防衛装備品は、高性能化等に伴い高額化する傾向にあり、長期間にわたり運用されますことから、ライフサイクルコストの面からの管理を適切に実施することにより効果的かつ効率的な取得に資するとともに、費用面に係る説明責任の強化を図ることが重要となっております。こうしたことから、ライフサイクルコストの算定及び検証が適切に行われているかなどに着眼して、検査を実施いたしました。  検査した結果、ライフサイクルコストの算定に当たり、防衛装備品の取得、運用、維持等に係る契約金額のデータの収集等が適切でなかったり、その運用に当たって必要となる部隊での整備等に係る人件費を算定していなかったりしている事態や、その検証に当たり、一部の費目について見積値と実績値に乖離が生じた原因を分析していないなどの事態が見受けられ、このような状況のまま推移すると、ライフサイクルコスト管理の目的を達成できなくなるおそれがあると認められました。  そこで、防衛装備庁と各幕僚監部等が相互に密接に協力する体制を整備して、ライフサイクルコストの見積値の算定等及びこれに基づく検証を適切に行い、その結果を防衛装備品の取得の意思決定等に適切に活用することができる方策を講ずるよう意見を表示したところでございます。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 時間が参りましたから終わりますが、私もこの決算委員会で何度も防衛省の予算問題、ずさんな使い方の問題を指摘をしました。今、会計検査院から指摘があった問題、これがきちっとされなければ、やはりこの予算そのものだってずさんなことになってしまうということがあるわけですから、この点をしっかりと実施いただくように、大臣、指導いただくように要請をして、今日は終わりたいと思います。

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) 他に発言もないようでございますので、法務省、外務省、防衛省、裁判所及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門の決算についての審査はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時五十八分散会

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