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190回国会参議院2016/01/21

決算委員会 第2号

発言数
350
登壇者
36
会派数
8
開催日
2016/01/21

会議録

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  昨日、山口和之君、新妻秀規君、島田三郎君、塚田一郎君、西田昌司君及び熊谷大君が委員を辞任され、その補欠として柴田巧君、横山信一君、上野通子君、野村哲郎君、二之湯智君及び古賀友一郎君が選任されました。     ─────────────

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) 平成二十六年度決算外二件を議題とし、本日は全般質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 おはようございます。自由民主党の野村哲郎でございます。  先輩議員が築いてこられました決算審査の参議院、この伝統ある決算委員会で質問の機会をいただきました。大変有り難いというふうに思っておるところでございます。  本日は、二十六年度決算の結果を踏まえ、二十八年度の政策立案や予算編成に資するために質問をその観点から幾つかさせていただきたいと思います。  まず、平成二十六年度の決算概況を見ますと、昨日も同僚の藤井議員が代表質問の中でありましたように、依然厳しい財政状況でありますけれども、公債依存度は三九%で一・八ポイント低下し、またプライマリーバランスも前年より五・八兆円改善されている。政府におかれましては、引き続き財政健全化に向けて不断の努力をお願いしたいというふうに思っているところでございます。  それでは、二十六年度決算について質問をさせていただきたいというふうに思っておりますが、全体的なことにつきましては、先ほど申し上げましたように昨日の代表質問でございました。私は、特に農林水産分野についての決算の結果についての御質問をさせていただきたいと思います。  ただ、答弁の中心は森山農林水産大臣になるわけでありまして、私も鹿児島、森山大臣も鹿児島ということで八百長試合をすると、こういうふうに思われるのが一番しゃくでありますので、しっかりとここは質問をさせていただきたいというふうに思っております。  まず最初に、非常に今回、検査報告書を見ますと、いろんな指摘がされております。二十六年度の検査報告で、農水省には、会計検査院から支出に関して二十五件の不当事項の指摘がなされ、三件の意見表示又は処置要求がなされております。これら会計検査院の指摘について、農水省は真摯に受け止めて改善と適正運用に取り組んでいただきたいというふうに思っております。これらの指摘の中の、特に農林漁業における新規就業者支援事業の実施について質問をさせていただきたいと思います。  まず最初に、検査院の方にお尋ねをしたいと思います。  検査報告を読まさせていただきますと、実に的確な調査分析、そして証拠に基づいた時宜を得た指摘がされているというふうに私は受け止めておりまして、このことについてはまず敬意を表する次第であります。その上で、農林漁業における新規就業者支援事業に注目された、さらに特定検査対象とされた背景と理由についてお聞かせをいただきたいと存じます。

河戸光彦会計検査院長

○会計検査院長(河戸光彦君) 農林漁業の就業者数が長期的に減少傾向にある状況の下、新規就業者支援事業は政府の重要な政策に位置付けられ、多額の予算を投じて実施されております。  そこで、会計検査院は、農林漁業に就業する者を雇用する場合に助成金を交付する新規就業者雇用事業において就業者の定着状況がどのようになっているか、また、就業初期段階の就農者を対象とする青年就農給付金事業において就農者が安定的に経営を継続しているかなどに着眼して、就業者の離職の状況と定着に向けた取組や、農業法人等に対する指導及び助言の体制などについて検査いたしました。  その結果、新規就業者雇用事業において、助成金の対象となった新規就業者の三四%が三年未満で離職していたり、就業者の定着のための取組を実施していない農業法人等が見受けられたりなどしておりました。また、青年就農給付金事業において、目標としている農業所得の金額に達していない受給者が七七%いる中で、指導を行う市町村の担当者の専門知識等も十分でありませんでした。  したがいまして、本院の所見といたしまして、農業法人に対する指導、助言等のフォローアップの強化を図ったり、市町村が関係機関との密接な連携を図って新規就農者に対する指導、助言等を行ったりすることなどに農林水産省が留意して事業を実施することが肝要である旨を特定検査対象に関する検査状況として平成二十六年度決算検査報告に報告したところでございます。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 ありがとうございました。  ただいま会計検査院の方から特定検査対象とした背景あるいはその理由につきましてお聞かせをいただきました。  御承知のように、農林漁業の就業者数は減少傾向にありまして、農水省の統計では平成二十六年は二百九万人と、この五年間で二十五万人が減少をいたしております。農林漁業は、国民への食料供給だけでなく、国土の保全や地域社会の維持に大きな役割を果たしております。就業者の減少は国にとって大きな課題だと、こういうふうに思っております。  そのような状況を踏まえまして、政権交代後、農水省においては、我々与党一緒になりまして、農林水産業・地域の活力創造プランを策定をし、その施策の一環として、農業では現在二十万人と言われておりますが、四十歳代以下の就業者を四十万にしようと、そしてまた林業では現行の五万人の就業者数を維持し、漁業では毎年二千人新たな就業者を確保するなど数値目標を定めまして、その具体的な施策として、農業、林業、漁業の各分野で今お話がありました新規就業者雇用に対する助成事業を、また農業分野におきましては青年就農給付金事業を措置して新規事業者の確保に取り組んでいるところであります。  これらの事業につきましては、森山大臣も地元でよく回っておられますけれども、大変評判のいい事業でありまして、この事業をばねにいたしまして担い手を確保する取組が全国的に広がっているというふうに認識をいたしておるところでございます。  新規就業者雇用事業の実施状況については、先ほど会計検査院の方からもお話がございましたけれども、二十年度から二十五年度の六年間の研修就業者は八千六百十九人となっておりまして、しかしながら、この中で二十七年三月末時点で離職したのが三千五百六十三人と、研修就業者数の四割が、実は研修を受けながら農業に、あるいは漁業に、林業に就いていないと、こういう実態が報告されております。  私どももこの事業のことは知っておりましたけれども、ここまで検査院の方々が追跡調査をされたということでありまして、これはやはり二十八年度予算の中でも組み込まれておりますので、これは定着をするためのどういう手だてがあるのかというところを是非検討をしていただかなきゃならないというふうに思っております。  一方、青年就農給付金事業の実施状況を調査した結果が会計検査院の方でありますが、二十五道県の平成二十四、二十五年度で経営開始を受給した五千三十一人のうちに二十七年度末で農業経営を中止した人が五十四名いると、こういう数字が出ております。  このような状況を踏まえまして、会計検査院も、先ほどもありましたように、新規就業者雇用事業については、経営体に対する助言、指導、こういったフォローアップの強化、あるいは青年就農給付金事業については、新規就農者に対する適時適切な指導、助言を行うことが肝要であると、こういったような所見を述べられております。  新規就業者支援事業は、先ほど申し上げましたように、地域の活力創造プラン実現のために大変重要な事業だというふうに思いますが、農水大臣、このような離職、離農の状況をどのように分析されまして、そして今後どう対応されていくのか、御答弁をお願い申し上げたいと思います。

森山裕自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(森山裕君) 野村委員にお答えをいたします。  まず、新規就業者支援事業に対します会計検査院の所見は真摯に受け止めさせていただいて対応してまいりたいと考えております。  新規就農の促進を通じて世代間のバランスの取れた農業構造の実現を図ることは非常に大事なことだというふうに基本的に考えております。農の雇用事業あるいは青年就農給付金等を総合的に実施をしているところでありますが、これらの事業について、支援を受けた者の一部が離農していることから、会計検査院の報告のとおり、支援を受けた者の農業への定着率をどう高めていくかということが大事な課題だというふうに思います。  このため、農の雇用事業については、従来から行っております正社員雇用前の試験的雇用の推進等を図らなければならないなと考えております。また、新規就農者の定着に向けた効果的な取組を行っている経営体もございますので、こういうところの情報をしっかり横展開をしていくということも大事なことではないかなというふうに考えております。また、離農者を出した経営体に対する指導の強化というものもしっかりした取組をしていかなければならないと思います。  また、青年就農給付金につきましては、市町村や普及指導員を含めて、地域の関係機関が連携して指導、助言に取り組むことが大事なことだと思っておりますし、そのことに加えて、新規就農者が営農上の諸課題を相談できる体制をどう整備していくかということも大事な課題だと思います。同じような悩みを抱える新規就農者同士が気軽に情報交換ができる交流の場をどう設けていくかなどの取組を今後も実施をしてまいりたいと考えております。  今後とも、事業の効果を把握して、必要に応じて改善を図るとともに、新規就農者の確保、定着に努めてまいりたいと考えております。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 今、森山大臣の方から御答弁をいただきました。  正社員化にしていくとか、あるいはまた経営体に対する指導をやっていくということだったと思いますが、私はその前に、もう少しやっぱりこの体制的な面を是非御認識をいただきたいなというふうに思っております。それは、会計検査院も所見で述べておられますように、やはり経営体に対する指導、助言、あるいはまた新規就農者に対する助言等々がどうもこたえていないのではないのかと、こんなふうな指摘をされております。  一つの例で検査でされた中身を御報告させていただきますが、検査で報告された青年就農給付金の受給者に対する指導助言体制について、会計検査院では三百十八市町村の体制を実は調査をされております。約四割の百十八市町村で指導、助言の支援業務を行う担当者が僅か一名しかいないと。あるいはまた、農業分野での技術職員がいない市町村は八割以上の二百六十八市町村となっている。これでは、一番現場に近い市町村の指導体制、体制と言えるのかどうか、大変ここは気になるところだというよりも、大変危惧を持っているところであります。  このような中で、私は、市町村だけでなく、これは県もその役割を果たすのに大きな役割を果たしていて、今までもしていただきましたが、じゃ、県の指導体制はどうなのかというところを問うてみたいと思っているところであります。  私の地元の鹿児島で申し上げるのは、大変鹿児島の皆さんに、一生懸命やっていらっしゃる普及員の皆さん方や県の皆さんに大変申し訳ない気がするんですが、県の普及指導員なりあるいはJAの指導員の数、あるいはその質と言えば大変失礼な言い方かもしれませんが、言わば高齢化しているという実態が実はございます。  全国的にも県の普及指導員数は減っておりまして、私どもの鹿児島県でも、二十七年度までの四年間で三十一名減っております。平均年齢も四十四・三歳から四十七歳というふうになっております。今、私ども鹿児島は、大体ほかの県も一緒だと思いますが、四十代の後半の営農指導員が中心になっていると。じゃ、若い人はどのぐらい入っているのかというのを調べてみましたが、二十歳から三十歳代は僅か三十二名でありまして、普及員全体の割合で見ますと一三・五%にしかならない。  こうなっていきますと、農家もそうでありますが、指導者もあと十年したら激減していくという状況になっていくというふうに思います。今後五年後、十年後を見据えたときに、今から手を打っておかないと大変な事態になっていくのではないかというふうに思っております。  また、予算面でも、国、県を合わせた協同普及事業はこの十年間で百七十八億減少しております。これは三位一体改革で都道府県に税源移譲した影響もありますが、全体として財源が大きく減少しているのは事実であります。  このように、人も金も減っている中で、新規就農者や既存農家への指導助言機能を強化し、離農を防ぐ生産基盤を充実させる、このことは大変今後厳しい状況になっていくのではないか、こういうふうに認識をいたしているところでございます。  新規就農者への指導助言機能を強化するには、JAの営農指導員、これは今回、農協改革で経済事業に力を入れる、それの役割としての営農指導員の充実強化というのも今JAの方でも取り組んでもらっているところでありますが、一方の、この事業を担う都道府県の普及指導員の量的、質的な劣化を食い止め、そして現在のマンパワーの向上を図ることが私は喫緊の課題だというふうに思っております。  特に、各都道府県の普及指導事業の取組には、予算面なりあるいは要員の面で非常にばらつきがあります。増えているところもあれば、これは少ないわけでありますが、要員も予算も増えているところも県によってはございますが、全体的には今申し上げたように予算もそれから要員も減っているというのは事実であります。  これらに対しまして、こういう全国的なばらつきがある中で、国としては、手をこまねいているというわけではないんでしょうけれども、今後どういったような対処をしていかれるおつもりなのか、また森山大臣の御所見をお願い申し上げたいと思います。

森山裕自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(森山裕君) お答え申し上げます。  新規就農者の定着に当たりましては、農政に関する専門的な知識を有する、また指導能力のある普及員の役割が重要であると考えております。昨年五月に策定をいたしました協同農業普及事業の運営方向を示す運営指針にもこのことを明記したところであります。  また、限られた人員の中で新規就農者の相談、指導をきめ細かく対応していくためには、普及指導員とともに、優れた知見や経験を基に新規就農者に助言をする先進的な農業者をどう加えていくのか、また、産地育成等を行うJAがどう取り組むのか、また、補助事業や農地のあっせんを行う市町村や農業公社、あるいは肥料や農薬などの資材に関する情報を提供する民間企業など、多様な関係機関との連携により総合力の発揮というものが必要であるなというふうに思っておりまして、こういうところがうまくかみ合っていきますと、非常にいい先例もあるわけでありますが。  私の選挙区のことで大変恐縮でございますけれども、志布志市ではピーマン農家が三分の一ぐらいまで激減をいたしました。これでは大変だということで、普及指導員、JA、農業公社、市が連携をして、今もう五十八名の新規就農者を抱えるようになりました。また、その地域の小学校だけが生徒が増えてくるという現象も起きました。また、新規就農された方が消防団活動をしていただいたり、あるいは集落のいろんな行事に参加をしていただいたりして、非常にいい結果を生んでおります。  今、野村委員の御指摘のとおり、どう普及指導体制を強化していくのかということは極めて大事な課題でございますので、しっかりとして取り組んでまいりたいと考えております。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 今、森山大臣からお地元のお話がございました。  実は、森山大臣余りおっしゃいませんでしたけれども、昨年、日本農業賞を取られた地域であります。大変、だんだん減っていくピーマン農家の中で、特にやっぱり地域外から新規就農者として入ってきて、この事業を使いながらどんどんどんどん、今五十数名とおっしゃいましたが増えてきて、最初は百名体制でいったのが半分になってきた、そしてまた今それが百名ぐらいの部会になっております。  私は、そこのIターンしてきた青年とも話をしておりましたけれども、何が一番彼らがよかったか、何でここにIターンしてきてよかったかというのを具体的に話をしてみてくれと、こういう話をしました。そうしたら、彼いわく、もちろんピーマンの技術だとか、あるいはいろんな指導も受けましたと。私が一番、また家内も一番喜んだのが地域の皆さん方だったと言うんですね。それは何かといいますと、その青年はもう子供さんが四人いるんですけれど、奥さんが風邪で寝込んでしまった、子供たちの学校の弁当を近所のおばちゃんたちが作ってくれた、こんなことは都会では考えられません。余り言うと、どこの県の人だと言うとそこの県は冷たい感じを受けますので申し上げられませんが、そこの県では全く考えられません、やはりここの鹿児島に来てよかったと、こんなお話をされました。今、森山大臣が地元のお話をされましたので少し付け加えさせていただいたわけでありますが。  いずれにしても、こういう指導面だけではなくて、やはり全体的に地域が支えて新規就農者をつくっていくというのは大変必要なことだ、大事なことだという、そういうふうに思っております。  次に、この新規就農も大事なんですが、今現在農業を営んでおられる方、特にその中でも私は家族農業のことについてお尋ねをしたいというふうに思っております。  平成二十五年に策定しました農林水産業・地域の活力創造プランでは、第一次産業が抱えている構造的な課題解決のために、農林水産業を産業として強くしていく政策、いわゆる産業政策、それからもう一つは国土保全といった多面的機能を発揮するための政策、地域政策ということで、この二つを車の両輪として内閣を挙げて取り組むことが明記してあるわけであります。  確かに、規模拡大等による法人化あるいはまた企業化など産業政策に関わる政策や予算は、これは重点的に今されておるというふうに思いますが、一方の車輪であります地域政策、特に家族経営に対する対策をもう少し強化していく必要があるのではないかというふうに思っております。  これは、いろいろ地域を回っておりますと、どうも国の方向というのは大規模化、効率化だけをやっているように見えてしまうと、こういうのをよく聞かされます。いや、そうじゃないと、我が自民党あるいは政府は、そういうことだけじゃなくて家族経営についてもちゃんと考えておりますよと、こういうことを申し上げるんですけれども、どうもそういうふうな受け止めというのが弱いようであります。  したがいまして、特に中山間地におきましては大規模化をしようにもできない、このことは予算委員会等でも出ておりましたし、やはりこの家族経営が地域を支えているというのはもう事実であります。総理がよく言われております美しい目を見張るような田園風景、これをやっぱり形作っているのはそこに住む人たちであり、地域であります。また、その中には高齢者やあるいはまた家族経営を営んでいる方々であります。  農業はそういう意味では遅れていると、こういうふうによく言われておるわけでありますが、私がずっと従来言ってきたのは、一番農業の中で産業化が進んでいるのは畜産であります。ですから、その畜産がどうなっているのかというのもよく御理解、御認識をしていただきたいと思いますが、例えば酪農の場合で、全国に僅か一万七千戸の経営体しかもうございません。しかしながら、その九六%は実は家族経営なんです。僅か四%が法人経営でありまして、これは農水省の二十二年の農林業センサスですから、新たなセンサスが出てくればまた数字は変わっておると思いますが、そういう状況であります。また、肉用牛でいきますと二万五千七百戸の経営体のうちの九七%、そして養豚、一番これは大規模化が進んだ、あるいは企業化が進んだと言われる養豚でさえも三千八百、全国に僅か三千八百戸の農家しかおられません。法人も含めてでありますが、そのうちの七六%はやはり家族経営なんでございます。  したがいまして、先ほどの産業政策あるいは地域政策、この両輪でということになっていきますと、この家族経営をどうしてもやはり着眼しながら今後政策を進めていかなければいけないだろうと、こんなふうに思っております。これからの食料自給率の向上であるとか、あるいは先ほど申し上げました地域の集落、コミュニティーを維持していく、そのためにもこの家族経営に対する対策というのを、目に見える対策をやはりやっていく必要があるのではないか。  これまでも我々自民党は、日本型直接払い、あるいは以前からありました中山間地の直接払い等々、いろんな政策を組み合わせながらやっていることは事実でありますが、なかなか農家の皆さん方、家族経営に対する対策というのが弱いのではないかと、こんなふうにやっぱり受け止めておられますので、是非ともここは安倍総理あるいはまた森山大臣から家族経営についての御所見をお伺いしたいと存じます。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、野村さんからお話があったように、日本の農業をしっかりと支えてきたのは家族経営であることは間違いない、こう思っております。そして、まさに地域を大切にしながら家族同士の助け合いもあるわけであります。大変、鹿児島県の方は温かい気持ちで辺りにやってきた人たちを助ける、これは山口県でも同じでございますので、申し上げておきたいと思いますが。  安倍内閣では、農業の成長産業化を図るため農政改革を進めておりますが、将来に向けて農業で生計を立てていく意欲と能力のある農業者、先ほど畜産、酪農等で例を挙げられたそういう皆さんは、家族経営ではありますが、そういう意欲にあふれた方々であり、支えている担い手なんだろうと思います。すなわち、地域農業の担い手であれば、これは法人経営であれ家族経営であれ、幅広く支援をしていくこととしております。このことは、TPP対策を講じていく上においても何ら変わるところはないということは申し上げておきたいと思います。  法人経営というのは、これは一つの手段であって、こういう手段を取るよという人に対してはその形に対しての支援をしていきますが、家族経営という形の中で頑張っていくという人たちについては、先ほど申し上げましたように、言わば意欲があり、そして能力があるんであれば、しっかりと支援をしていかなければならないと思っております。  今回の平成二十七年度補正予算においては、TPP関連政策大綱に基づき、次世代を担う経営感覚に優れた担い手の育成、産地の国際競争力の強化、畜産、酪農の収益力の強化など、農業の体質強化を進めるための多様な対策を盛り込んでいますが、家族経営と法人経営を同等に取り扱い、しっかりと支援をしていく考えであります。何も家族経営から法人経営に変えていくように誘導していこうという考え方は全くないわけでありまして、それぞれの経営体において頑張る人たちを応援をしていきたいと思います。  また、こうした施策とともに、日本型直接支払制度など、多面的機能を発揮させる政策も着実に実施することとしています。  これらの取組を総合的に推進していくことによって、家族経営の農業者の皆さんも含めて地域農業全体の発展が図られるとともに、地域コミュニティーの維持にも資するものになると考えております。

森山裕自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(森山裕君) お答えいたします。  家族経営でありましても、パートの雇用をされたりしておられる農家もたくさんあります。また、委員が御指摘のとおり、畜産におきましては経営形態の九割が家族経営であるということも現実であります。このように、担い手には家族経営と法人経営の双方が含まれますので、総理からもお答えをいただきましたとおり、家族経営と法人経営を同等に取り扱ってしっかりと支援をしていくという考え方でございます。ただ、家族経営の方々にも法人経営のいい面は積極的に取り入れていただきたいなという気持ちも持っているところであります。  また、家族経営というのは地域のコミュニティーの維持にも大変貢献をしていただいているということも忘れてはならないなと思っておりまして、家族経営を産業政策の観点から支援するだけではなくて、農業者と地域住民の共同生活や六次産業化に取り組む環境を整備する地域政策も着実に実施してまいりたいというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいと思います。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 今、大臣の方から、また総理の方から、法人経営も家族経営も大事なんだと、両方やっぱり相まって日本の農業の基盤を支える経営体をつくっていきたいと、こういう大変決意のほどを伺ったわけでありまして、こういう話を聞かないと、なかなか、今回のTPP対策でも大規模化、大区画化、もう大きくなければ駄目だと、こういうふうなやっぱり地元では受け止めをされておるのが一般的であります。ですから、そういう今まで営々としてやってこられた家族経営も同じように育成していくんですよということを発信していただいたことは大変心強かったなというふうに思っております。  時間がありませんので、もう会計検査のこの指摘に基づきます質問はこれで終わらさせていただいて、次にTPPについて質問をさせていただきたいと思います。  政府は、昨年十月の五日にTPPの大筋合意を行いまして、十一月二十五日には関連政策大綱を政府対策本部で決定し、そしてさらに、農水省では十二月二十四日には影響試算の発表がございました。  この一連の流れについて、地方の生産現場ではなかなかこれは理解が進んでいないと、こういうこともありまして、昨日は私どもの地元の鹿児島でも農水省の方で説明会が開かれたというふうに伺っておりますし、日本全国、今説明会を農水の方ではやっておられるというふうに思っておりますが、ただ、なかなか、私も回ってみますと、TPPの大筋合意の内容、それから国内対策等々についての理解がまだ進んでいないなというのを実感をしております。それもそのはずで、大筋合意に至る交渉経過は、これは保秘義務が掛かっていて情報公開がなされなかったというのが一つあります。それからもう一つは、突然合意内容が発表されまして、現場では大変な戸惑いと不安があったことはもう事実であります。  こういったような状況の中で、森山大臣の方から、地元鹿児島のことをおもんばかって、どうもこの大筋合意について誤解に基づく不平あるいは不満というのがいっぱいあるよと、あなたは是非地元を回って的確な情報を、正しい情報をつないでくれと。大臣になられたものですから時間的な余裕がないということで、私は、離島を除きます県内の全JAを回りまして意見交換会をさせていただきました。全てのJAを回りましたけれども、その体験も踏まえて御質問をさせていただきたいと思います。  その前に、昨年の十二月二十四日に公表された影響試算では、農林水産分野での影響は生産減少額が一千三百億から二千百億と、こういうふうに発表されておりました。このことにつきましては、さきの予算委員会でもまた質問が特に野党の皆さん方から出ておりましたが、二十五年の試算に比べるとこれは余りにも差が大き過ぎる、あるいは過小評価じゃないかと、こういうお話が実はございました。  しかし、今回の試算を出すに当たっては、必ずこれは前提条件が付されておるわけでありまして、その前提の条件の置き方によって数字はいかようにも変わってくると、こういうふうに思っておりますし、なかなかそこのところが農家の皆さんや国民の皆さんには分かりづらいところだというふうに思っております。実際、著名な大学の先生が出されますと、皆さん方そっちの方を信じておられるのか信じないのか分かりませんが、こんなに政府の出した試算と差があるのかと、こういうのがあります。私は、今、現段階でこの数字だとかあるいは金額の多寡を議論するよりも、まだまだ別な議論をしていかなければならないのではないのかなと。  特に、影響というのはどういうふうになってくるというのは、今はシミュレーションして前提条件を置くわけでありますが、一つ考えていただきたいのは、我々もこれは政府の方ともいろんな検討をさせていただきました。オーストラリアとのEPAの交渉のときもありましたし、その結果もあります。  確かに、農家の、特に牛の農家の皆さん方は、オーストラリアとEPAを結ぶと、どっとこれは安い牛肉が入ってきて、そして価格が下がる、そして、我々牛飼いができなくなるのではないかという懸念をされておりました。私もやっぱりそのことを懸念をいたしまして、いろいろ役所の皆さんとも議論をさせていただきましたが、現状はどうだろうかということであります。  昨年の一月から十一月までの輸入の実績を調べてみますと、実は減っているんです、輸入が。そして、じゃ価格はどうかと。我々が懸念した、国内の牛肉の価格、枝肉価格が下がるんじゃないかという懸念をいたしておりましたが、逆に大変高めの、高いところでとどまっておりますけれども。いずれにしても、私どもがEPAを締結する前に懸念したことが今はこれは実態として出ていないということであります。  それはいろんな要素があろうと思うんですね。一つは為替の問題があるだろうし、あるいはまた世界的な牛肉の需給がどうなっているのかということもあるわけでありまして、いろんな前提を考えていったときに、なかなかこの影響試算というのが本当にそうなのかというところはやはり考えていかなけりゃならないというふうに思っております。  私は、今回のその影響試算を出された、その中で最も重要なところは何かというところがあります。その影響試算を出された中で、こう書いてあります。関税削減等の影響で低価格による生産額の減少が生じるものの、体質強化対策による生産コストの低減、品質向上や経営安定対策などの国内対策により、引き続き生産や農家所得が確保され、国内生産量が維持されるものと見込むと、こうなっています。  要はここなんだろうというふうに思います。いわゆる国内生産量が維持される、そして生産量を減らさない、このことが私は今回の対策の肝になる部分だというふうに思っております。それは、消費者の皆さん方も、安いものが入ってくる、それでいいということじゃなくて、やはり関心の高いのは、安定的に安心、安全な食料が手に入るのかというところが非常に関心が高うございます。  ですから、そういう意味では、食料自給率は少なくとも維持していかなきゃならない、ここが私は、今回のこのTPPの対策の大きな肝になっていくというのを申し上げましたが、そこだというふうに思うわけであります。  総理もさきの衆議院の予算委員会で答弁されました。食料の安定供給を将来にわたって確保していくことは国家の最も基本的な責務であると、こういうふうにお答えいただいておりますが、まさに国民の関心はそこにあるというふうに思います。  しかしながら、一方では、国民への食料の安定供給をするためには、現在生産している農家が今後とも持続的に経営できていかなければなりません。そういったことをよく石破大臣は農水大臣時代に、その選択の幅は狭い、時間は短い、だから早急にやっていかなきゃならないんだというのを常々私どもにおっしゃっておられまして、それを思い出すわけでありますが、そういう短期間の間にどう再構築していくかというのが非常に今大事なときではないかというふうに思っております。  そこで、今回、十一月に活力創造本部で決定いたしました農林水産分野におけるTPP対策においても経営安定、安定供給のための備えが明記されておりますが、農家の皆さん方、一方、消費者にはそういうことをやっていく、食料自給率を維持しますよというやっぱり約束をしていただいて、そして農家には、経営安定対策をやりながら、そしてTPPに備えていきますということが最も期待されているのではないのかなと、こんなふうに思うわけであります。  私は、先ほど申し上げました地元での意見交換会の中でも申し上げてきたのは、発効されるのは二年後とも言われていると、この二年間の間にどうにかやっぱり基礎体力をつくるべきであると。そのための、今回二十八年度予算で、畜産クラスターであるとか、あるいはまた産地パワーアップ等々、あるいはまた農業農村整備事業でもそうでありますが、いろいろ国内対策でこれだけ、まだ分からないのにこれだけの金を付けるのかいというのがありますが、私は、ここ二、三年の間にやはりこの体力をつくるためのこれは予算措置なんだと、こういうことを実は説明を申し上げております。  したがって、TPP発効後にどういう影響が出てくるか、そこはもうそのときの我々一生懸命、臨機応変に適時的確な政策を打って、農業者の皆さん方が今後も持続的に経営ができるようにということを申し上げておるわけであります。  ですから、ここの切り分けをしていかないと、どうしても全体の国内対策はもうこれで終わりということではないということだけは、是非、総理の方からも、また森山大臣の方からも、時間がなくなりましたけれども、御所見をいただければ有り難いというふうに思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、野村委員がおっしゃったように、我々にとってまさに農は国の基であると、こう考えております。そして、私たちの大切な食を支えている、安全でおいしい農産品を持続的に供給することができるかどうか、これは消費者の皆さんにとっても大きな関心であろうと、こう思うわけであります。  それを支える農業を考えたときに、平均年齢は六十六歳に達しているという現況があります。そして、日本国内だけを見れば、だんだん人口が減っていくわけであります。どんどんたくさん農産物を食べる若い人の数は相対的に減っていくと。このままではじり貧になっていく中において、しかし、他方、横目に見れば、アジア太平洋圏の国々の人口はどんどん増えていくと同時に、新たな食市場がどんどん誕生しているわけでございまして、こうして新たに誕生する食料市場は、高価でも品質のいいものを求めてきているわけでありまして、日本にとってもチャンスなんだろうと、こう思っております。  総合的なTPP関連政策大綱においては、攻めの農林水産業に転換するための体質強化対策や重要五品目関連の経営安定対策など、TPPをチャンスに変えるための多様な対策が盛り込まれています。これらをしっかりと実行していくことが、国民の懸念と不安を払拭し、そして農林水産業の成長産業化を実現していく上で極めて重要であると考えています。  政策大綱に盛り込まれた対策のうち、経営発展に向けた生産者の投資意欲を後押しするため特に緊急に実施していく必要がある体質強化対策に要する経営経費については、今般の補正予算において計上したところであります。  他方、重要五品目関連の経営安定対策については、協定発効に合わせてその充実を図ることとしています。  さらに、農林水産業の成長産業化を一層進めるため、検討の継続項目として掲げた十二項目については、今後、与党とも緊密に連携しながら、本年秋を目途に具体的な内容を詰めていくこととしておりますので、それまで、野村先生を始め多くの先生方から地元の直接生の声をしっかりと伝えていただいて、それを受け止めて対策、対応にしていきたいと思っております。  このように、政府としては、大綱に即して農林水産業の体質強化と経営安定を図るための万全の対策を講じていく考えであります。

森山裕自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(森山裕君) お答えいたします。  昨年の十一月に取りまとめました政策大綱は、三つの柱から成っていると思います。  一つは、攻めの農林水産業への転換を目指す競争力強化、体質強化、これはもう集中的に講ずることとされておりまして、農林水産業の体質強化が待ったなしの状況でございますので、今回補正でもお願いを申し上げたということでございます。  二つ目の柱は、農業経営の安定と食料の安定供給のために経営安定対策を充実をするということが大事なことでございますので、これは協定発効後の経営安定に万全を期する対策を講ずるということにさせていただいておりまして、大綱にも協定発効に合わせて講ずると時期を明確にしているところでございます。  最後には、継続検討項目でございますけれども、ここも非常に大事なことだと思っておりますが、農林水産業の成長産業化等を一層進めるために、大綱には戦略的輸出体制の整備や人材力の強化など十二項目が掲げられておりまして、これについては幅広く御意見を伺ってまいりたいと考えておりまして、今年の秋を目途に具体的な内容を詰めていくとされております。  このように、施策の実施時期につきましても明確になっているわけでございますが、その内容についてまだ十分御理解をいただいていない面もありますので、適時適切に対策を講じていくということを含めて、全国の説明会でもしっかり説明をさせていただいて農家の皆さんの御理解をいただきたいと、こう考えております。  以上であります。

野村哲郎自由民主党

○野村哲郎君 ありがとうございました。以上で終わります。

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) 関連質疑を許します。二之湯智君。

二之湯智自由民主党

○二之湯智君 自民党の二之湯智です。私は多岐にわたった質問をいたします。与えられた時間に全ての質問ができるかどうか大変心配でございますけれども、閣僚の皆様方には簡潔に答弁をお願いしたいと思います。  昨年は、終戦から七十年、そして自民党結党六十年を迎えたわけでございます。戦後、日本人は瓦れきの山から立ち上がって、そして一生懸命頑張って世界第三位の経済大国となったわけでございます。予算の規模でいえば、昭和三十年、自民党結党時には約一兆円、それが今や百兆円にも迫る、そんな規模になったわけであります。実に百倍であります。この間、日本人の国民生活は非常に豊かになって、そして国際社会にも大きく貢献をいたしました。堂々たる先進国の一員となったわけでございますけれども、今後も日本人の底力を期待していきたいと思います。  ところが、一方、この総理の著書「新しい国へ」の中で、日本青少年研究所が、国に対して誇りを持っているかという調査では、若い人は、アメリカでは七〇・九%、中国は七九・四%、これに対して日本の高校生は五〇・九%と半数にすぎない結果に衝撃を受けたと書いてございます。また、内閣府の世論調査、二十五年度、我が国と諸外国の若者の意識に関する調査でも、自分の将来への希望の項では、日本の若者は、希望がある、どちらかというと希望があると合わせても六一・六%しかございません。半数の若者が将来に希望がないと答えているわけであります。アメリカの九一・一%、スウェーデンの九〇・八%、お隣韓国でも八六・四%が希望があると答えております。日本は異常に低い数字ではありませんか。これは衝撃を受けただけで済む話ではありません。  総理は常日頃から、志のある国民を育て品格のある国家をつくる、教育の再興は国家の任と書いておられます。若者が日本に誇りを持ち将来へ希望が持てる国に再興する、底力のある国民をつくり上げていく、それは私は教育にあると考えております。教育改革についての総理の御所見をお伺いしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま先生から様々な数字を紹介をいただきました。私の本でも紹介をさせていただいた自信を持っているかということについての数字でございますが、これはある意味では日本人が謙虚であるということの証明ではあろうかとは思いますが、しかし、自分の国に対して誇りを持つということは、まさに自分のアイデンティティーに対して矜持と誇りを持っていくということにつながっていくんだろうと、こう思います。  その点から教育を考えてみてもいいのではないかと、そういう考え方からその数字を紹介させていただいたところでございますが、誰もが日本に生まれたことを誇りに思える品格ある国家を目指して、全ての子供たちが夢を実現するため世界トップレベルの学力と規範意識を身に付ける機会を保障することが教育の重要な目的であり、国家の責任であると、こう考えております。自分に誇りを持つ、あるいは自分の生まれた国に誇りを持つということは、これは決して傲慢になれということではなくて、その誇りある国の一員として自分は正しい行動を取っていこう、恥ずかしくない行動を取っていこうという、そういう真の国際人に私はつながっていくのではないかと、こう考えているところであります。  第一次安倍内閣では教育基本法を改正し、教育の目標として伝統と文化を尊重することや我が国と郷土を愛する態度を養うこと、また道徳心を培うことや正義と責任、公共の精神に基づくことなどを規定したところであります。また、第二次安倍内閣に設置した教育再生実行会議における提言等を踏まえ、平成二十七年三月に学習指導要領等の一部を改正しまして、道徳を特別の教科として位置付け、その充実を図ることとしたところであります。  子供たちには無限の可能性が眠っており、それを引き出す鍵は教育の再生であります。引き続き、安倍内閣の最重要課題の一つとして教育再生に全力を挙げて取り組んでいきたいと思います。

二之湯智自由民主党

○二之湯智君 ここ最近、東洋ゴムの免震・防振装置のゴム事業の不正問題、あるいは旭化成建材によるくい打ちデータ、工事の改ざん問題、さらにまた日本の大企業、名門企業である東芝の経理の不正問題、こういう問題が発覚したわけでございますけれども、古来、日本人は、真面目でうそをつかない、あるいは人をだまさない、約束を守る、一生懸命働く、悪いことをしてはいけない、おてんとうさまが見ているよと、そんな生き方を大事にしてきました。どうやらそれが崩れつつあるようです。  日本人の良き伝統的な価値観、倫理観を取り戻さなければならないと思いますけれども、総理、いかがお考えでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、二之湯先生がおっしゃった、おてんとうさまが見ているよ、この感覚なんだろうと。私が初めて当選したとき、同じ京都の伊吹先生から、おてんとうさまが見ているよ、この感覚が君、大切なんだよと、このように説教されたことを今でも覚えているわけでございます。  免震装置や基礎ぐい、企業会計の不正など企業の不祥事が相次いで社会問題となっておりますが、国民の信頼を裏切るものであり、あってはならないと考えています。不正事案に対しては徹底した原因究明、再発防止を図っていく必要がありますが、このような不祥事が起きた背景として、いずれの事案でも、企業や経営者、不正に携わった者のモラルが課題として専門家から指摘されていることは大変残念なことであります。二度とこのような不祥事が生じないよう、経営者や社員の意識改革、企業研修等を通じたコンプライアンス意識の徹底などに取り組んでいくことが必要であろうと思います。ルールを破っても自分さえよければと、こういう感覚を持つということは大変悲しいことでございまして、自分勝手な考え方あるいは公共の精神の欠如があると言わなければならないと思います。  ただ、日本の多くの企業は大体真面目に仕事をしているわけでありますし、アフリカの方々からこれは言われたことなんですが、進出している日本の企業が他の国々の企業と一番大きく違う点は、職場に道徳やモラルや勤労の倫理を持ち込んだ点だと。ただ働いて利益を与える、あるいは利益をたくさん取って帰っていくというのではなくて、そこで働く地域の人たちに働くことの意味や意義や喜びを教えてくれた、これが日本の企業の特徴だと、こういうふうに言っていたわけでありまして、まさに、おてんとうさまの下で恥ずかしくない行動を取ろうという良き伝統が生きている企業でありたいと、こう思っているんだろうと思います。  そうした意味において、基本をしっかりと教育の場においても教えていくことも大切だろうと、このように思います。

二之湯智自由民主党

○二之湯智君 安倍首相は、戦後歴代政権の懸案でありました教育基本法の改正を成立をさせた。そして、昨年は、集団的自衛権行使を容認する、そういう平和安全法制の成立、これは本当に私は画期的なことではなかったかと思います。そして、私は、安倍首相の政治哲学あるいは最終的な政治の理念の目標は憲法改正ではないかと思います。  このいろんな憲法改正、いわゆる戦後の憲法の成立過程については、私、今時間がございませんからはしょりますけれども、真の愛国者にとって、自らの国の憲法を自らの力、手で作成する、成立させるというのは当然の私はことだと思うわけでございます。総理の憲法改正への思いとその戦略についてお尋ねをしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 現行憲法の下で憲法改正をするとなると、国民投票をすることになるわけであります。まさに、国民自身の手で憲法を定めていくということになれば、これは初めてのこととなると、国民の皆さんが投票をして決めていくということになれば、これは初めてのことになるんだろうと思います。  現在の憲法が成立をしたのは、旧憲法の下で成立をしているわけでありますから、当然国民投票には付されていないわけであります。国民の皆さんが考えて、これは変える変えないは別でありますが、変えるかどうか考えて自ら一票を投ずる、これは初めての経験をする、憲法を真剣に考える機会になろうと思います。  そして、改正されれば、自らの手で新たな憲法を作る初めての機会になっていく。そうした新たに生み出されるこの精神こそ、日本の未来を切り開いていくことにつながっていくんだろうと思います。そこで、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義といった現行憲法の基本的な考え方を維持することは当然の前提として、その上で必要な改正は行うべきものと考えております。  二之湯先生にも積極的な御参加をいただき、谷垣総裁の下で自由民主党は憲法改正草案をお示しをしています。と同時に、言うまでもなく、憲法改正は、衆参各議院で三分の二以上の賛成を得て国会が発議し、そして国民投票で過半数の賛成を得る必要があります。そのため、より多くの会派の御支持をいただき、そして国民の理解を得るための努力が必要不可欠であろうと思います。  いよいよもう、どの条項についてこれは改正すべきかという、そういう新たな段階に、憲法改正議論も現実的な段階に移ってきたと、こう思っております。この段階においては、国会や国民的な議論の深まりが必要であり、その中で、おのずとどこをどう変えていくべきか、あるいは変えていかない方がいいという議論が深まっていくものと考えております。  引き続き、新しい時代にふさわしい憲法の在り方について国民的な議論と理解が深まるよう努めてまいりたいと思っております。

二之湯智自由民主党

○二之湯智君 どうもありがとうございます。  次に、一月十五日、長野県軽井沢町で起きたスキーバス転落事故についてお尋ねをしたいと思います。  十五名の尊い命がなくなりました。中に、大変多くの若い方々が一瞬のうちに命を奪われました。本当に心から哀悼の意を表し、御冥福を祈りたいと思います。  平成二十四年の四月に関越自動車道で大きなバス事故がございました。それによって、国土交通省では、これを教訓に、輸送の安全を確保するため、貸切バス選定・利用ガイドラインを制定いたしました。にもかかわらず今回の事件であります。  私は、法令を遵守しない、そういうバス会社が非常に多いのではないかと、このように思うわけでございますけれども、全ての業者に業界の団体に加盟させて、団体を通じて業界の質の向上を図るべきだと考えます。そして、二度と再びこのような悲惨な事故が起こらないようにするべきだと思いますけれども、大臣の御所見をお願いします。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 軽井沢でのスキーバス事故についてでございますが、改めて、亡くなられた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、負傷された方々の一日も早い回復をお祈りをいたしたいと存じます。  今回の大事故を起こした事業者が下限割れ運賃での運行など安全管理上極めて不適切な状況であったことは、誠に遺憾であります。このため、貸切りバス事業者、旅行業者の双方に対して制度の遵守を強く指導をいたします。  また、今回の事故を踏まえた再発防止策につきましては、有識者から成る検討委員会を今月中に設置をいたしまして、速やかに検討を進めてまいります。バス事業者の団体であります公益社団法人日本バス協会は貸切りバス事業者の安全性評価認定制度を実施しているところでありまして、今後、この制度の一層の活用を図るとともに、貸切りバス事業者に対してバス協会への加入促進の取組を進めてまいりたいと存じます。

二之湯智自由民主党

○二之湯智君 一月の十六日に台湾で総統選挙、立法院委員選挙が行われました。総統選挙では民進党の蔡英文氏が圧勝し、立法院委員選挙では民進党が過半数、六十八議席を獲得いたしました。中国との関係に一定の距離を置き、独立志向の強い蔡総統の登場、そして民進党の躍進についてどういう感想をお持ちか、お聞かせをいただきたいと思います。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) まず、選挙が円滑に行われたことにつきましては、台湾において民主主義が根付いていると評価をしています。そして、既に外務大臣談話を発出しまして、蔡英文氏には祝意を表させていただいています。  委員の御質問は、この台湾における選挙がどのような影響を及ぼすのかということかと思いますが、台湾における選挙の影響、予断を持って私の立場からこの公の場で発言することは控えなければならないとは思いますが、我が国としては、台湾をめぐる問題、これは、当事者間の対話によって平和的に解決されること、また地域の平和と安定に寄与すること、こうしたことを期待しながら、是非注視をしていきたいと存じます。  日台関係につきましては、非政府間の実務関係として維持していくとの従来の立場を踏まえて、日台の協力あるいは交流、これを更に深めていきたいと考えております。

二之湯智自由民主党

○二之湯智君 次に、地方財政問題について御質問したいと思います。  私も十月まで総務副大臣しておりましたから、高市大臣の部下でございましたから、こんなことを質問するのは誠に心苦しいのでございますけれども、お許しをいただきたいと思います。  国と地方は車の両輪と言われております。それぞれ国の視点、地方独自の視点、立場がありますけれども、国民から見ればサービスは一体のものであるわけでございます。  国の財政は、三本の矢の取組の結果、デフレ脱却・経済再生、財政健全化が大きく前進しましたが、さらにまた、歳出改革、歳入改革を進める必要があると言われておるわけでございます。  一方、地方の財政も、地方税、地方譲与税が伸び、リーマン・ショック以前の水準まで回復しましたが、地方財政の状況は、いまだ二十八年度でも五兆六千億の財源不足があり、依然厳しい状況にあると言えると思います。  地方の一般財源は、地方税のほか、地方交付税、臨時財政対策債等がございますけれども、今回は臨時財政対策債についてお伺いをしたいと思います。  国と地方の支出の比率は、国が収入が三、地方が二、しかし支出はその逆の二対三となるわけでございます。臨時財政対策債の発行でなく税源移譲によって国、地方の税比率の構造を見直すべきではないかという意見が地方六団体からいつも多く寄せられておるわけでございますけれども、これについて大臣の見解を伺いたいと思います。

高市早苗自由民主党総務大臣

○国務大臣(高市早苗君) 二之湯委員には、三か月ほど前まで私と力を合わせて地方税財政改革に取り組んでいただきました。  もうおっしゃるとおりでございます。国と地方の税源配分については、国と地方の財政健全化目標、それから地方団体間の財政力格差、これに配慮しながらも、国と地方の必要な役割分担に応じた改善をしていくということでございます。  このため、消費税率一〇%の引上げに際しましては、社会保障給付の役割に応じて地方分を確保するということとともに、税源の偏在性を是正するために、消費税率八%段階において、法人住民税法人税割の税率引下げを財源にしまして交付税原資として地方法人税を創設したと、これは御一緒にやらせていただいたことでございます。そして、今回の平成二十八年度税制改正においても、消費税率一〇%段階の措置として、法人住民税法人税割の更なる交付税原資化を進めていくということでございます。

二之湯智自由民主党

○二之湯智君 大臣にはまだ質問があったんですが、先のまだたくさんの質問がございますので、済みません、もうよく分かっておりますので、これで地方財政の質問はやめにしたいと思います。  次に、社会保障費の増大とその抑制策についてお伺いします。  プライマリーバランス黒字化目標につきまして、平成二十七年度は半減目標はクリアできそうですが、平成三十二年度、いわゆる二〇二〇年の黒字化への見通しはかなり厳しいのではないかと言われておりますけれども、計画の変更はないのか、その点についてお伺いしたいと思います。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 二〇一五年度の中間目標については達成できるという見通しであります。二〇二〇年度にPB黒字化をするということであります。現状なかなか厳しい見通しではありますけれども、しっかり達成すべく集中改革期間等を通じてその域に達したいと思いますし、その目標は総理はしっかり掲げておられます。

二之湯智自由民主党

○二之湯智君 特に国の財政の中で社会保障関係費が非常に、異常に膨れ上がってくると、こういうことでございまして、もう予算の全体の三割が社会保障費ということです。これは相当思い切った覚悟を持って国民が納得する歳出改革を行わなければならないと、このように思うわけでございますけれども、どの部分をどういう工程で改革していくのか、お尋ねしたいと思います。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 二〇二〇年度のプライマリーバランスの黒字化の実現に向けて、先ほど申し上げましたけれども、厳しい目標でありますけれども、しっかり取り組んでいくということであります。  具体的にどうしていくかということでありますけれども、昨年末に策定をしました経済・財政再生アクション・プログラムにおきまして、問題の所在を具体的に見える化をしまして、国民や関係者の気付きであるとか行動変容を促すために、まず一として、主要分野ごとにKPIや改革工程表を作成をいたします。そして二として、見える化とワイズスペンディングを柱としまして、関係者や現場の創意工夫を重んじる、いわゆるボトムアップによる躍動感ある工夫の改革を推進することといたしております。  社会保障分野におきましても、例えば地域差の分析など、医療、介護の実態を徹底的に見える化をしまして、各都道府県において地域医療構想を二〇一六年度までに前倒しで策定すること、あるいは個人や保険者へのインセンティブ付与によりまして疾病予防や後発医薬品の使用を推進をすること等の改革を推進をしていきます。それから、医療費の適正化に向けた保険者であるとかあるいは個人の自発的な取組を着実に進めるためのKPI、達成度指標、そして後発医薬品の使用割合を二〇一八年度から二〇二〇年度末までのなるべく早い時期に八〇%以上に引き上げること等、意欲的なKPIを設定して改革の進捗管理を行うことといたしております。  今後とも、二〇二〇年度のプライマリーバランス黒字化の実現に向けて、関係省庁と連携しつつ、全力を尽くしていきたいと思います。

二之湯智自由民主党

○二之湯智君 私は、今の高齢者の皆さん方、確かにいろんな、十分満足ではないと思いますけれども、政府の努力によって、年金も保障され、医療費も比較的安く、そして介護施設も、十分とは言えませんけれども、しばらく待てば利用できると。しかし、その社会保障水準がいつまで続くんだろうということを大変心配をするわけでございます。  自民党が野党になったときに政権構想会議を立ち上げまして、新しく綱領を作り直しました。この中に、我が党の政策の基本的考えは次にある、将来の納税者の汗の結晶の使用選択権を奪わぬよう、財政の効率化と税制改正により財政を再建する、そして三項目めに、我が党は誇りと活力ある日本像を目指すという中で、全ての人に公正な政策を実行する政府、次世代の意思決定を損なわぬよう国債残高の減額に努めると、このように明記されているわけでございます。  私たちは、子や孫の世代になって現在の政治家が笑われないような、あるいは悪く言われないような、そういう制度を今から構築しなければならないと思いますけれども、いかがでございましょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) おっしゃるとおり、後世にツケを回していかない、ツケ回しをしていかないという意味で財政健全化は極めて重要であります。そして、具体的な目標を立てました。それから、工程表を作っているわけであります。そのキーワードというのは、申し上げましたように、見える化とワイズスペンディングです。  従来の財政再建をキャップ型としますと、キャップを決めて強引に押していくわけでありますから、それは個々の単価とか人件費を直接襲うわけであります。つまり、我慢がどこまで続くかということですから、我慢が限界に来たときに暴発するということがあります。  今回の場合は、見える化して、どこに問題があるか、うまくいっているところとうまくいっていないところの差は何なんだろうかと、これがこっちに移転できないかというようなことをやっていって、より生産効率のいい使い方といいますかワイズスペンディングに持っていく、言わば我慢の改革から今度は工夫の改革にしていくということが大きな目標であります。実現可能性を高めて、しっかり目標に向かっていきたいと思います。

二之湯智自由民主党

○二之湯智君 財務大臣にも聞きたいんですが、時間もございませんので先に進ませていただきます。  今度は、海外からの旅行客、いわゆるインバウンドですね。昨日、おとつい辺りの報道を見ておりますと、もう約二千万人、千九百七十四万人ですか、大変な数なんですね。私は京都でございますけれども、もう京都のホテルを取れない。大津、草津、長浜、せんだっても津の市長に会ったら、津までもホテルがいっぱいだと。大変なこのインバウンド効果があるわけなんでございます。これは非常に明るい、いい部分ですね、消費も随分と伸びているということで。  ところが、やっぱり二千万人近い人が来日しますと、ビザの期限が過ぎても帰国せず日本に不法に滞在する人もいるのではないかと、こう思うわけですね。一体どれぐらいの観光客が帰国せずにいるのか、またその人たちがどこに居住しているのか、監督官庁は十分に把握しているのか、その点をお伺いしたいのと、これから五月の伊勢志摩サミット、二〇一九年にはワールドラグビー、二〇二〇年いよいよ東京オリンピック。そして、今、パリだ、イスタンブールだ、そしてジャカルタだと、ああいうテロが起こりますと、もう日本が安全だということの売り物も吹っ飛んでしまう、もしテロの事件が起きればですね。だから、こういうことについて厳しい、何でもかんでもビザを緩和して、いらっしゃいというんじゃなくて、やっぱりかなりその辺のチェックも厳しくする必要があるんではないかと、こう思うんですが、これについて御意見を伺いたいと思います。

岩城光英自由民主党法務大臣

○国務大臣(岩城光英君) まず、平成二十七年一月一日現在の不法残留者数は六万七人であります。そのうち、不法残留となった時点で観光を含む短期滞在の在留資格を有していた者は四万一千九十人です。  一般的に言いまして、こうした故意に不法残留となる者は摘発を逃れようとするため、その所在を把握することは極めて難しい面がございます。そこで、私どもとしましては、一般の方々から提供されます情報など各種情報の収集や分析を積極的に行いますとともに、以前から培ってきました警察等関係機関との不法残留者等に係る情報の共有や共同しての取締りなど、協力関係を一層強化することによってその情報把握に努め、縮減に取り組んでおります。  それから、入国の際に厳しいチェックをする必要があるのではないかということでありますが、これにつきましては、テロリストや犯罪者等の要注意人物の入国を確実に阻止するため、まず指紋等の個人識別情報を活用した入国審査、これを実施しております。また、ICPO、国際刑事警察機構が構築している紛失・盗難旅券データベースを活用するなど、厳格な入国審査のための様々な施策を講じております。  これらの施策には、情報、これが極めて重要でありまして、法務省におきましては、昨年十月に出入国管理インテリジェンス・センターを設立し、情報の収集・分析機能を強化するとともに、警察など関係機関との情報連携を強化し、水際対策に万全を期しております。  そして、今後テロリスト等の発見をより確実に行うため、こうした施策を更に徹底していくために、入国審査等における顔画像照合機能の活用強化に取り組むなど、テロリスト等の入国を防止するための水際対策、これを更に強力に推進してまいりたいと考えております。

二之湯智自由民主党

○二之湯智君 時間の関係上、少し順番を変えさせていただきます。  次に、整備新幹線の質問をしたいと思います。  昨年の三月十四日に金沢―東京間の北陸新幹線が開通いたしました。二時間二十八分という非常に短時間で東京―金沢間が行けるようになったわけでございますけれども、恐らく将来的にはもっともっと時間が短縮するんじゃないかと思います。かつて、金沢、富山県の砺波地方から西は関西経済圏、関西文化圏であったわけなんですね。多くの学生さんも京都の大学に来た、富山県からも京都に随分働きに来たということですね。ところが、今これ、この新幹線効果で随分と富山、金沢の人が東京の方に向いてしまった。これから新幹線が西の方に早く延伸しないと、ストロー現象で、富山、石川という、そういう北陸地方も東京経済圏、東京文化圏になってしまうのではないかと、このように大変心配するわけですね。新幹線のない都市はいずれ衰退するであろうということはよく言われておるわけでございます。  したがいまして、整備新幹線は、国家的事業として、東京一極集中排除の観点からも急がなければならないと私は思うんですね。北陸新幹線は今着工している金沢―敦賀間の更なる前倒しを図るとともに、未着工であります敦賀―大阪間の整備を急ぐべきだと考えておるわけです。  今、与党の北陸新幹線敦賀・大阪間整備検討委員会、これは西田昌司委員長が中心になって今一生懸命頑張ってもらっております。委員長は、敦賀、小浜、舞鶴、京都駅、そして大阪を通って関西国際空港までの西田ビジョンを掲げて、十年以内の実現をと主張されておるわけでございます。  国交大臣の所見をお伺いしたいと思います。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 北陸新幹線につきましては、長野―金沢間が昨年三月に開業いたしまして、これにより企業活動や企業立地の活発化、沿線地域の生活圏の拡大、観光客の増加など、地域の振興や経済活性化に大きな効果がもたらされております。  金沢―敦賀間につきましては、昨年一月の政府・与党申合せによりまして、完成・開業時期を三年前倒しをして平成三十四年度末の開業を目指すことが決定をしたところでございます。国土交通省といたしましては、まずは平成三十四年度末開業の確実な達成を図るとともに、与党における議論等を踏まえまして、敦賀までの更なる前倒し開業の検討も含め、早期開業に最大限努力してまいりたいと存じます。  また、敦賀―大阪間につきましては、これはルートに関し様々な意見がございまして、現在、与党の北陸新幹線敦賀・大阪間整備検討委員会において議論が行われているところでございます。このため、国土交通省といたしましては、当面、与党の議論を見守りつつ、今後、この議論を踏まえ、まずは事業費等のルート選定に係る検討に必要な項目について調査を行ってまいりたいと考えております。

二之湯智自由民主党

○二之湯智君 次に、政府機関の地方への移転についてお伺いしたいと思います。  今、政府では、まち・ひと・しごと創生に関する有識者懇談会の提言を受けて、東京圏を除く道府県に対して、地方創生に資すると考えられる政府関係機関について誘致のための条件整備の案を付して提案するよう求めてまいりました。多くの自治体から要望があったようですが、昨年八月までに鹿児島を除く四十二道府県から六十九機関の要望があったと聞いております。今年の三月末までには決定を目指す方針と伺っております。それに間違いないか、それをお伺いしたいと思うわけでございます。  さらにまた、ここに来てかなり絞られたということを新聞報道等で聞くわけでございますけれども、私も京都選出の国会議員として地元の問題について一言お話をしたいと思うんですが、今月の十四日に、京都府知事、京都市長、京都商工会議所、そして裏千家の大宗匠などと、京都に文化庁をと、こういうことで、石破大臣、馳大臣、そして安倍総理にもお願いに上がったわけでございます。私はそのときに大臣とは立ち会わなかったのでございますけれども、両大臣とも非常に前向きな気持ちで対応してもらったと後の記者会見で意見の発表がございましたし、安倍総理も、両大臣はどうおっしゃっていましたかと、このようなお話もございました。  いずれにいたしましても、これだけ地方創生、そして地方の時代と言われるときに、地方自治体にどこか希望があれば手を挙げろと、このような、言った政府がいざ蓋を開けてみたら何もなかったということでは、安倍内閣の地方創生に懸ける真剣度、あるいは、何といいますか、本気度が疑われるんじゃないかと、このように思うわけでございます。  大変口幅ったい言い方でございますけれども、日本の歴史、伝統、文化が息づき、そして有形無形の文化財があるこの京都、京都に文化庁を持ってきて、日本の国民が、えっ、何だ京都へ持っていってというようなことは誰も言わないと思うんですね。なるほどなと、安倍内閣はいいことをしたなと、このように私は評価されるのではないかと思いますけれども、現地視察されました馳文科大臣、そして直接の担当の石破大臣、そして最後、内閣総理大臣の文化庁移転に対する考えを聞いて、私の質問を終わりたいと思います。

馳浩自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(馳浩君) 私も、京都の皆さんが国の文化行政に貢献したいという熱意を持っておられることをしっかりと受け止めて検討を進めたいと考えております。  文化庁の京都移転の要望に関しては、行政の実務上の様々な課題も十分に検討する必要があると同時に、京都への移転が国全体の文化行政にどのような良い効果を生み出すことができるのか、そのためには、京都に移転した場合に文化庁はどのような機能を発揮すべきかという、そういう議論も更に深めていきたいと考えております。  本件については、このような総合的な観点からの判断が必要であることから、石破大臣ともよく相談しながら進めてまいりたいと思います。

石破茂自由民主党内閣府特命担当大臣(国家戦略特別区域)

○国務大臣(石破茂君) スケジュールにつきましては、今委員御指摘のとおりでございます。有識者の御意見も承りながら、今年度中に総理を長といたします地方創生本部で決定をいたしたいと思っております。  これ、中央省庁の移転ですが、民間の方々に移ってくださいと言っておいて中央政府が何もやらないでは、それは全然説得力も何にもないお話であります。ただ、文科大臣から答弁がありましたように、行政でございますから、例えば文化庁が京都へ移転をするとします、それが国民全体にとって現状以上のより高度な行政の発現ということでなければいけません。そのことの検証をきちんとやり、地方創生の観点から政府全体として決定してまいりたいと考えております。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、二之湯先生のお話を伺っておりますと、ああ、文化庁はなるほど京都なのかなと、こういう感じには確かになるわけでございますが、先般、二之湯先生始め京都府知事、そして立石会頭等々、また京都市長もお越しをいただきました。そこで地元の皆様の要望はしっかりと受け止めさせていただいたところでございますが、先ほど馳大臣またあるいは石破大臣がお話をさせていただきましたような諸点もしっかりと検討しながら、本格的な検討はこれからでございますが、関係大臣の間でよく調整を図りながら検討を進めていきたいと思います。

二之湯智自由民主党

○二之湯智君 終わります。

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) 関連質疑を許します。上野通子君。

上野通子自由民主党

○上野通子君 自由民主党の上野通子でございます。本日は、決算委員会でこのように質問の機会をいただきましてありがとうございます。時間がありませんので、早速質問に入らせていただきたいと思います。  まず、平成二十六年度の掲記件数及び指摘金額について総理にお伺いいたします。  会計検査院からの御指摘では、全体で五百七十件、金額は一千五百六十八億円の御指摘がありました。平成二十六年度の予算は、自民党が政権に復帰してから二年目の予算であり、また前年度の二十五年度の決算報告と比べますと、件数は僅かですが二十五件減、金額については一千二百六十三億円減と大きな減少が見られるところでございます。  このような会計検査院の指摘について安倍総理はどのように感じられるでしょうか。昨日も御答弁ございましたが、本会議で、改めてお伺いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 平成二十六年度決算検査報告において、会計検査院から五百七十件、千五百六十八億円の指摘を受けたことは誠に遺憾であります。  昨年十一月の検査報告を受け、私からも各大臣に対して検査報告事項について確実に改善するよう指示をしたところでございます。指摘の内容に応じて一つ一つ着実に改善策を講じ、その後の予算や会計事務などにしっかりと反映させていく考えでございます。

上野通子自由民主党

○上野通子君 安倍総理のリーダーシップの下、しっかりと是正なされますように期待しているところでございます。  次に、資料の一を御覧ください。(資料提示)  その指摘された五百七十件の内訳が示されておりますが、件数が一番多いのが厚生労働省関連の二百九十二件でございます。こればかりは件数が多いのは困ることでございますが、塩崎厚生労働大臣は今回の会計検査院の指摘を受けてどのような感想をお持ちになられたでしょうか。  また、その中には、特に子育て支援関係の事業についてですが、大半が運用方法に関する自治体の周知、指導不足が原因と指摘されています。平成二十六年度といいますと、御存じのように、翌年、子ども・子育て支援新制度の本格施行が控えた時期でもございます。前年の平成二十五年度からの二年間を緊急集中取組期間と位置付けられ、特に待機児童解消のためなどに非常に重要な期間であったと考えますが、厚生労働省としては各自治体に対しどのような周知、指導を行ったのか、お聞かせください。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 今、上野議員から御指摘ございましたように、会計検査院の平成二十六年度決算検査報告における件数別に見ますと、厚生労働省が二百九十二件の指摘をいただいたということで、全省庁の中で一番多い、大変不名誉なことでございまして、誠に遺憾なことでございます。  今お話がありましたように、保育を含めて子育て支援関係の事業について指摘が多かったわけでございまして、自治体の執行事務が適正に行われるよう運用に関する取扱いを通知するなど、従前より自治体に対する周知、指導は行ってきたところではございますけれども、今般、国庫補助金が過大に交付されていたとの指摘を踏まえて、今後はこのようなことがないように、自治体担当者を集めた全国会議の場などを通じて分かりやすく、自治体の方々がしっかりとルールどおりにやっていただけるように周知徹底をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。  厚労省としては、今回の指摘を重く受け止めて、改善すべき事案については速やかに対応するとともに、今後指摘された事案について傾向をしっかりと分析をして、必要な対策を講じつつ、適正な予算執行に努めてまいりたいというふうに考えております。

上野通子自由民主党

○上野通子君 ありがとうございます。  私も、昨年の暮れにあちこちの栃木県内の保育園を回らせていただいて、そこで保育士の皆さんが働いている状況等も見させていただきましたが、皆さん本当に愛情いっぱいに時間をたっぷり掛けて保育をしていただいておりまして、何が必要かというと、やはり処遇改善をしてあげないと、保育士さんもうへとへとになっている状況で、私も子供三人を育ててまいりましたが、三人でももう、二人おむつのときもありましたが、もう二人抱えると大変な状況なのにもかかわらず、特にゼロ歳から二歳の保育士の皆さんは、皆さん一斉に泣き出しますので、子供が、両手と、膝に二人と、あと背中からおぶって、それだけの子供を見ていらっしゃって、毎日このような状況ですというお話を伺うと、何とか処遇改善をもっとしてあげて元気付けてあげたいなと思ったり、また量的拡充も絶対的に必要じゃないかなと実感しているところでございます。  今度、一億総活躍社会の実現のために、平成二十九年度末までの保育の受皿整備を四十万人から五十万に拡大することが目標とされております。この目標を是非ともかなえていただきたいんですが、ただ、保育士さんの、待機児童、待機保育で、不足のところもありますが、じゃなくて、地方に行くと反対に、少子化現象で保育士さんも余っていて幼稚園も保育園もがらがらという状況もあります。ここをしっかり見極めての支援も必要だと思います。  そこで、政府として、引き続き必要な財源を確保して、きめ細かな地域に合った子育てにしっかりと取り組んでいただきたい、そしてしっかりと取り組んでいる自治体をもっともっと支援していただきたいと思いますが、今後の取組について一億総活躍担当の加藤大臣にお伺いしたいと思います。

加藤勝信自由民主党内閣府特命担当大臣(少子化対策・男女共同参画)

○国務大臣(加藤勝信君) 今御指摘がございましたように、待機児童解消加速化プランに基づいて、平成二十九年度末の整備目標を前倒し、上積みして四十万から五十万とすると。それと並行して、しっかり保育士の確保策、これをしっかり進めていきたいと、こういうふうに思っております。  今回の一億総活躍の緊急対策、またそれを踏まえた補正予算でも、離職をしている方に復帰していただく、あるいは保育士を目指す方、あるいは今働いている方々、支援する様々な施策を盛り込ませていただいております。  また、保育士の処遇改善につきましては、平成二十七年度の当初予算において処遇改善等加算で三%分の対応、加えまして、先般の補正予算において人勧見合いでその分の必要な財源を確保したところであります。  加えて、保育士の負担軽減やキャリアに応じた賃金改善による保育士の定着促進を図るための加算の新設、こういったことも今盛り込もうとしているわけであります。  いずれにいたしましても、保育人材の皆さん方、しっかりと処遇をしていただいて、その期待されている役割を果たしていただけるように、まずは今申し上げた加算の算定、いろいろやってまいりました、それが実際どう現場につながっているのか、その辺をしっかり把握した上で、やはり財源の確保と併せて保育士の方々の更なる処遇の改善については引き続き検討していかなきゃならないと、こういうふうに考えております。

上野通子自由民主党

○上野通子君 加藤大臣、ありがとうございます。  昨年末、あちこち保育園回らせていただいて感じたこと、もう一つは、保育士さんもそうですが、介護士の皆さんも大変な現場でして、自分たちの心のケアが不十分だということをおっしゃっていました。また、保護者の皆さん、家族の皆さんの問題等もありますので、できれば保育士さん、介護士さん自身の心のケアの場所とかカウンセリングシステムも充実させていただきたいなと思います。  やはり子供の笑顔が広がる国は発展すると私は信じていますので、どうか、加藤大臣そして塩崎大臣、今後ともよろしくお願いいたします。  次に進ませていただきます。  次に、地域再生法に基づく事業の実施状況について質問させていただきます。  今回、会計検査院が平成十七年度から二十六年度までに内閣官房等十二府省庁が支援した千五百六計画に基づく事業について検査したところ、終了した計画の数値目標のうち約半数が達成されていなかったということが明らかになりました。私的には大変残念な結果で、もったいない気がします。  この結果に対して、地方公共団体からは、簡素化した使いやすい制度にしてほしいなどの手続の簡素化に対する意見や、活用した支援措置が少ないので支援措置数を増やしてほしいなど、支援措置の充実に関する意見が多く寄せられたとのことでございますが、こうした検査結果や調査結果に対して、担当であられます石破大臣はどう感じられましたか、お伺いいたします。

石破茂自由民主党内閣府特命担当大臣(国家戦略特別区域)

○国務大臣(石破茂君) 御指摘のとおり、会計検査院の報告書に記載されました目標の達成状況、達成された目標は五一%ぐらいのことであります。これは、やはり中間目標というものをきちんと設定しないとまずいのだろうと思っておりまして、平成二十六年の十二月にそのようにしたところでございます。  もう一つは、気宇壮大な目標を掲げるのはいいんですが、KPI、キー・パフォーマンス・インジケーターとは一体何なんだと。そしてまた、それを検証するPDCA、プラン・ドゥー・チェック・アクション、これが、何のことでしょうかみたいな話がひところあったんだろうと思います。その意識を徹底していただくということが大事だろうと思っております。  そしてまた、私どもとしては改善点として、ワンストップ化、そういうものを図ってまいりたいと思っております。内閣総理大臣のところでワンストップでできるというような形にしたいということで、これも改善をいたしておりますのと、このところ農地転用等々に地域再生計画を活用するということで活性化に資するものにしたいと思っておりますが、とにかく分かりにくいというお話がありますので、こんな厚い書類をぼんと送られても何のことだかさっぱり分からぬというようなお話があります。この地域再生計画というものが地域地域の行政の担当の方々に分かりやすいように、私どもとしては情報発信をしていかねばなりません。  もう一つ、小さな拠点というのをつくっていかねばならぬのですが、これはソフトとハードと両方やっていかねばならないということで、昨日もそのようなフォーラムをやったところでございます。要は、難しいことを言っていればそれでいいというんじゃなくて、地域の行政の担当者の方々が分かりやすく使いやすいということを更に心掛けてまいります。

上野通子自由民主党

○上野通子君 ありがとうございます。  そのとおりだと思います。分かりやすく使いやすい事業になれば、誰もが手を挙げて頑張ってみようと思うんではないでしょうか。  関連してもう一問、石破大臣にお伺いしますが、昨年十一月十日の記者会見で地方創生が目に見える形になりつつあると力強く語っておられましたが、私自身も、地方創生において、地方が自ら考え責任を持って取り組むことが何よりまず重要、それぞれの地域で自立的に進めていく、そのことを強く期待しているところでございますが、先ほどおっしゃいましたように、まだまだ私の地元でも、地域によっては何をどう進めてよいか迷ったり不安がったりしているというのが現状でございます。  そこで、今後、より積極的に、例えば地域には文化がございますし、例えばお祭りなどもございますし、地域の伝統のものもたくさんございます。こういうものを更に巻き込んで、地域の特色を生かした様々な施策を国として全力で守って支援してくれるという必要があると思うんですが、地方創生に取り組む石破大臣に、現状を踏まえた取組の方針についてと、それで、もし既に地方で文化とかお祭りを進めながら成功事例として何かございましたらその成功事例等もお伺いしたいと思うんですが、よろしくお願いします。

石破茂自由民主党内閣府特命担当大臣(国家戦略特別区域)

○国務大臣(石破茂君) 地方創生というのは、国の、例えば国交省なら国交省、農水省なら農水省、経産省なら経産省、こういうような補助事業がございますと、さあ、この中からお選びくださいということを改めようとするものでございます。それを全部やめるという話じゃありませんが、この中から、どれが事業が一番大きくて、どれが補助率が一番高くて、どれが自己負担が一番少ないでしょうねというふうに選んでいましたので、何となく日本国中同じような町ができ、同じように衰退をしていったという面が否めないのではないかと思っております。  そうすると、地方創生というのは、その地域の方々が自信と誇りを持って、国のメニューにはないけどこれやりたいということを御提案をいただき、それに対して国が支援をするというのが基本でございます。その地域のことはその地域でないと分からないところがありまして、意外とその地域の方が何がいいのかよく分からないと、外から来て、ああ、こんないいものあるんだねというところもありまして、そこを両方ともシナジーみたいなことが必要なんだろうと思っております。  ですから、よそ者、若者、奇抜な発想をする方、卓越した発想をする方、「ばか者」みたいなものが必要なんだろうというふうに考えておるところでございます。そういうものを支援をしてまいりたい。ですから、国が、ああ、そうだ、気が付かなかったよねというのはやはり地域から出していただくということが大事だと思っております。  成功事例というお話でございますが、例えば委員御地元の小山市におきましては、ユネスコ無形文化遺産本場結城紬、この情報発信というのが行われている。こういうすばらしいものをどうやって日本国中のみならず世界に向けて発信をしていくか。あるいは、岐阜県とか美濃市におきます美濃和紙のブランド化、美濃和紙産業の自立支援事業であります。秋田県大仙市は、これは日本一の花火の町と言われるところでありますが、この花火というものをいかに広めるか。あるいは、明治日本の産業革命遺産の関係地方公共団体によります情報発信事業等々ですね。そういうものを支援をしてまいりたいと思っています。  基本は地元の方々が自信と誇りを持ってこれをやるんだというふうに言っていただくこと、そしてそれを支援するメニューがなくても、それを自由に使える新型交付金という形で支援をしてまいりたい、今までと全く違う中央と地方との関係を築いてまいりたいと思っておるところであります。

上野通子自由民主党

○上野通子君 分かりやすく御説明ありがとうございます。  本当に発想の転換も必要だと思いますし、こんなものが地方創生につながるのかという考え方がまだまだございますが、そのこんなものがつながる可能性がありますので、是非とも地域ではもっと頑張って取り組むように私も地元に対して発信していきたいと思います。  さてそこで、今地域の伝統文化のようなものもどんどん活用することを期待したいんだという大臣からのお話もありましたので、地方創生に大きく弾みを付けるものの一つとして私が今考えていることの一つにカルチュラル・オリンピアード、これに注目しているところなんですが、総理、このカルチュラル・オリンピアードということ、どのぐらい御認識があられますか、お聞きしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) このカルチュラル・オリンピアードは、オリンピック・パラリンピック開催国において大会開催までの四年間に様々な文化イベントを実施し、機運を盛り上げる取組であり、二〇一二年のロンドン大会でも大きな成功を収めたものと承知をしております。  二〇二〇年の東京大会に向けては、開催都市である東京都が様々な文化イベントを東京のみならず日本各地で実施する予定であると聞いています。日本には世界に誇る文化財や伝統的な芸術、現代的な芸術、日本各地の和食や祭りなど、多様な文化があります。オリンピック・パラリンピックという絶好の機会を捉えて、このような日本文化のすばらしさ、さらには復興した東北の姿を世界に発信するとともに、地方創生につなげていきたいと思います。

上野通子自由民主党

○上野通子君 詳しい御説明ありがとうございます、私がお話ししようとしたのを全部言っていただきまして。  総理がおっしゃったとおり、カルチュラル・オリンピアードとは文化オリンピックのことです、簡単に言うと。もうオリパラ大臣も御存じだと思いますが、でも余り一般には知られていないんですよ。これはIOCが定める近代オリンピックの規約のオリンピック憲章にもその実施が義務付けられております。つまり、オリンピックでは、スポーツ競技とともに文化プログラムを併せて開催することになっているんですね。かつてはオリンピックの正式種目の中に芸術競技、芸術も競うという、そういうこともあったようなんです。  そして、実は、もう間もなく今年リオのオリンピックがありますが、その四年前の二〇一二年のロンドン・オリンピック・パラリンピックの競技大会を行いましたイギリスでは、この文化プログラムが大成功したわけですね。ちょっと資料の二を御覧ください。  ロンドン二〇一二カルチュラル・オリンピアードの概要でございますが、注目は、まず参加者数ですね。参加者数、国内外の物すごい人数の人が参加しました。何と四千三百四十万人。これは、イギリスの現在の人口が約六千三百万人ですから、その七割もの方々が参加したということになります。ちなみに、今の日本の人口は約一億二千万人ですよね。ですから、その七割の方に参加してもらおうということは約七千万人、頑張ってそのぐらいの方々を巻き込んだ文化プログラムを組んでいただきたいと思います。  また、イベント総数ですが、十七万七千七百十七件、こんなにたくさんのことを、もちろんロンドンばかりでなくイギリス全域で行われたそうです。  また、その下のアーティスト数に注目していただきたいと思います。アーティスト数はアスリートと同じ二百四の国と地域から四万四百六十四名が参加したそうです。何とすばらしいことでしょう。特に注目していただきたいのは、八百六名が障害のあるアーティストでした。パラリンピックもございますので、是非とも障害のある方々の文化発信の場もつくっていただきたい。これは東京オリンピックでも期待しているところでございます。  そして、会場です。御覧のように、イギリス全土千か所以上で開催したということでございます。  このようなロンドンのデータがございますが、いよいよ、二〇一二年ロンドン・オリンピック・パラリンピック競技大会、もうリオが間もなく始まりますので、もうすぐに準備しなきゃいけないし、また、先ほど総理のお話もありましたが、開催の四年前から、前大会後にすぐに立ち上げてもいいというルールでございますので、是非ともロンドンに負けないような大会にしていただきたいと思います。  ちなみに、ロンドンで行われたこの文化プログラムに対してのロンドンの皆さんの感想ですが、数々の文化芸術機関や地域が様々な枠を超えて取り組んだ文化プログラムだったので、文化セクター全体を活性化するだけでなく、観光や地域振興などの面でも大きな波及効果を生み出しました、より多くの市民、国民が新しい形で文化活動に触れ、参加する機会をつくったようですというような感想が述べられています。  どうぞ、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピックも是非、今はまだスポーツのオリンピックというイメージが強いんですけれども、文化も同じように頑張っているんだぞというのをオリパラ担当大臣から皆さんに発信していただきたいんですけれども、いかがでしょうか。

遠藤利明自由民主党国務大臣

○国務大臣(遠藤利明君) お答えいたします。  委員御指摘のように、ロンドン・オリンピック・パラリンピックの成功は、とりわけオリンピックとパラリンピックが一体であったと、それと同時に、文化プログラムをしっかり組んで、スポーツの祭典でありながら文化の発信を世界に大きくさせたということがこの成功の大きな要因だと言われております。  私たちもそうしたことを踏まえながら、日本の伝統的な芸術、先ほど総理から話がありましたように、祭りや踊り、あるいは日本のクールジャパン、アニメや漫画とか、こうしたものがありますから、そうした世界中の皆さん方が注目してくれるような地域性豊かな、あるいは多様性に富んだ文化があると思っております。こうしたものをしっかり発信していきたいと。そのためには、組織委員会あるいは東京都、そうしたいろんな機関が連携を組んで一体となって進めていきたいと思っております。  昨年十一月に関係省庁あるいは東京都、大会組織委員会の参画を得て、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた文化を通じた機運醸成策に関する関係府省庁等連絡・連携会議、ちょっと長いんですが、立ち上げました。  私も十一月から文化関係の皆さん方、有識者の皆さん方と意見交換を行って、そうした機運醸成のためのアイデア等をいろいろ今お伺いをさせていただいております。組織委員会とも連携しながら、全国で文化を通じた大会の開催に向けてその盛り上がりを図って、大会を契機として日本の文化を通じて地域振興、地方創生につなげていきたいと思っております。

上野通子自由民主党

○上野通子君 大臣、大変期待しておりますので、よろしくお願いいたします。  ロンドンでは、本当の芸術や美術や音楽ばかりでなくて、街頭、町の中でやる大道芸人のような皆さんも文化として参加していただいたり、コメディーとかダンスとか映像放送、それからアーティスト同士のコラボとか障害者とのコラボ、子供と大人のコラボというような文化もあったようなので、もちろん食文化も一つだと思います。たくさんありますので、どんどん地域を元気にするためによろしくお願いします。  そこで、オリンピックの文化プログラムにはチャンスがあるということですが、元々、文化においてはやっぱり文化庁が中心に発信していただいていました。先ほど二之湯先生からも文化庁を京都にというお話もございましたが、あらゆる事業に文化性を持たせること、これがこれからの日本の文化の考え方にもなると思いますので、文化庁の所管でもあります馳大臣から、文化を発信するということ、また文化プログラムをどう考えていくか、元気にするということ、また地域創生とのつながりを持たせている、様々なことに対しての決意をちょっとお聞かせいただきたいと思います。

馳浩自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(馳浩君) 我が国には、有形無形の文化財、地域に根付いた祭りや踊りなどの伝統文化、アニメや漫画、ゲームなどのメディア芸術など、魅力あふれる文化が満ちあふれると認識をしております。二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会の文化プログラムは、魅力ある日本文化を世界中に発信するとともに、地域の文化芸術資源を掘り起こし、地方創生、地域活性化につなげる絶好の機会であると考えております。  文部科学省としては、リオデジャネイロ大会の後、本年十月にスポーツ・文化・ワールド・フォーラムを開催することとしております。これをキックオフとして文化プログラムを全国的に展開したいと考えております。  また、組織委員会、オリパラ推進本部事務局などの関係省庁、地方公共団体や民間団体などとの協働により、社会総掛かりで全国的に文化芸術の振興に向けた機運を高め、二〇二〇年以降の文化芸術による地方創生の実現を目指してまいりたいと思います。

上野通子自由民主党

○上野通子君 馳大臣、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。  次に、平成二十六年度の会計検査院の決算検査報告によりますと、公立の小中学校施設の安全確保に向けた取組が不十分であったとされております。子供が一日の大半を過ごす学校の安全が確保されていない現状は一日も早く是正されなければいけないと思います。  そこで、今回のこの御指摘に対して文科大臣はどのようにお感じになりますか、お答えいただければ。

馳浩自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(馳浩君) 文部科学省としては、学校設置者における維持管理の取組が不十分な理由は、会計検査院が指摘しているとおり、地方の厳しい財政状況や維持管理の必要性等に対する認識の欠如などと認識しておりまして、誠に遺憾に思っております。  これらのことを踏まえ、文部科学省では、昨年十月に改めて維持管理における点検や早期是正の必要性などを周知するための通知の発出、是正されていないと指摘された事項のその後の是正状況についてのフォローアップ、今年度末を目途に維持管理の手法や事例等を示した手引の作成などを行っているところであります。  学校設置者に対して維持管理の適切な実施を促し、児童生徒の安全や良好な教育環境の確保に努めてまいりたいと思います。

上野通子自由民主党

○上野通子君 ありがとうございます。  今まで文科省が何もやっていなかったわけではなく、ちょっと文科省をフォローするわけではないんですが、平成二十五年の三月には学校施設の老朽化対策についてという報告書を出したり、翌平成二十六年一月には学校施設の長寿命化改修の手引、また平成二十七年の三月には学校施設の長寿命化計画策定に係る手引などを作成し、子供たちの安全で安心な施設事業整備の確保に対して前向きであるとは思うんですが、まだまだ全体としての、地方を見回すというか見ていくということについて難しい点もあったり、学校の整備は大変細かいところまでございますので、それの件数等もきっと加算されていってしまっているんだなと思っております。  是非とも、今回の検査報告の特徴の一つとして国民の安心や安全に焦点を当てたとしているとお伺いしますので、ここのところをしっかりと取り組んでいっていただきたいと思います。  あわせてなんですが、今、学校現場は、もちろんハード面の施設面における点検、修理といった取組も重要なんですが、それよりも、私は、どちらかというとソフト面の、学校や保護者やまた地域の人材のサポートを使ってできるだけ子供たちを見守る体制、それをつくっていく方が重要ではないかと考えているところでございます。  現在の学校現場を取り巻く環境は、馳大臣も御存じのように、複雑化、困難化しておりまして、いじめや不登校、子供の貧困による教育格差、さらには特別な支援を必要とする子供や家庭における虐待を受けている子供、青少年を巻き込むネット犯罪、性犯罪など問題は山積し、また次々に新たな問題も起こったりして後を絶ちません。そして、これをしっかりと学校現場が守れとよく言われるんですが、もはや教員だけでは十分に対応できないという実態は明らかです。  数か月前にこういう事件もありました。夜、親が、携帯を持っているから安心だということなんで、子供が外を徘回しまして、それが犯罪に巻き込まれて子供の命がなくなったと、こういう事件もございます。また、子供のいじめをなかなか見抜けなくて、自殺にまで走ってしまったというお子さんもいます。  このような状況をできるだけなくしたいと、そういう思いで、実はここに資料三を出させていただいたんですが、教師が一人で抱え込むのではなく、専門スタッフや地域の幅広い人材などとの連携協力によるチーム学校として対応することが、家庭や地域を巻き込んで教育活動ができ、また子供が安心して学び、遊ぶ環境が整えられると私たちは思っているところでございます。  実はこれは、自民党が立ち上げて今公明党さんにも入っていただいているチーム学校推進議員連盟で使った資料なんですが、このチーム学校推進議員連盟の会長には現在の遠藤オリパラ担当大臣にしていただいているんですが、遠藤大臣は元々、前年度の教育再生実行本部の本部長でもあられて、本部長のときにチーム学校部会を設けて、昨年五月には政府に対して提言も行ってきました。  この資料を見ていただくとお分かりだと思うんですが、まず、今の教員がメーンでやらなきゃならない仕事が①から⑥まで、点線の中にございます。もちろん、教科の指導、特別活動の指導、生徒指導、学校行事の指導、そして部活動の指導、進路指導と、これは絶対に教員がやらなきゃならない仕事だと私は思います。  次に、学校全体でやらなきゃならないんですけれどもメーンとしてやっているのが教員の活動と言われている仕事、それが、保護者への対応、地域への対応、あと教育、会計の事務、さらにはいじめ、不登校、発達障害、それから精神的な子供たちのケア、家庭環境に対してのケア、また様々な問題に対してのケア等がございますが、とても教員一人ではできない、また学校全体としても教員の数がこれを十分に賄える数ではないと私は思います。  そこで、一番外枠でございますが、これが今現在もう既にフォローしてくださっているスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、コミュニティ・スクール等ございますが、人数的にどうかというと大変少なくて、スクールカウンセラーも一校に一人常勤で配置しているわけではございませんので、スクールソーシャルワーカーについてもそうです。この辺が、常に子供たちに関わっているという意識を持つためにもチーム学校としての支援事業を進めることは大変重要だと思われております。  そこで、チーム学校推進連盟としましては、現在、チーム学校の考え方を推進していくための議員立法を準備しているところでございます。政府においても、昨年十二月に中央教育審議会からチームとしての学校の在り方と今後の改善方策について答申が出されたところと思いますが、馳大臣、是非とも、チーム学校の推進ということ、これは大変重要であると思うので、今後の取組についてお話をお伺いしたいと思うんですが、見解をお伺いします。

馳浩自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(馳浩君) お答えいたします。  チーム学校推進議員連盟、会長は自由民主党の遠藤利明議員と公明党の富田茂之さんで、上野委員が事務局長として取りまとめをしていただいているということに改めて感謝を申し上げたいと思います。  そこでですが、複雑化、多様化する学校の課題に対応するとともに、子供たちに必要な資質、能力を育むためには、一、学校のマネジメントを強化し、組織として教育活動に取り組む体制をつくり上げること、二、学校において教員が心理や福祉などの専門家と連携、分担する体制を整備すること、こういった理念の下に学校の機能を強化すること、すなわちチームとしての学校の在り方の実現が重要であるということは認識をしております。  文部科学省としては、昨年十二月に中央教育審議会からチームとしての学校の在り方と今後の改善方策について答申をいただいたところであり、その内容の実現へ向けて、必要な予算の確保や制度改正にしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。  先ほど申し上げたように、与党の議員連盟において議員立法も検討しておられると。上野議員におかれましては、その中心的な役割を果たしていただいております。是非、その議員立法の成立にも大いに期待をしているところであります。よろしくお願いいたします。

上野通子自由民主党

○上野通子君 ありがとうございました。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 民主党・新緑風会の安井美沙子でございます。  本日は、決算の参議院というぐらいで、私たち参議院が非常に重要視している決算審議、私もいろんな質問を準備してまいりましたけれども、昨晩、大変衝撃的なニュースが飛び込んでまいりました。  甘利大臣、尊敬申し上げる甘利大臣の政治と金にまつわるニュースでございました。多くの国民の皆さんも驚かれていることと思いますので、今日は最初にその件について伺わざるを得なくなりました。現時点で確認させていただかなければならないことだけに限定して今日は最初にお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  本日発売の週刊文春に、甘利大臣本人及び秘書が、千葉県白井市にある建設会社S社から、UR、独立行政法人都市再生機構との補償交渉をめぐる口利きや、ビザ申請の便宜などの見返りとして、これまでに総額一千二百万円の現金や飲食接待を受け、これは数回にわたって手渡されており、大臣本人にも直接渡されているといった内容の記事が出ました。現金受渡しの現場や領収書の写真らしきものも掲載されています。甘利大臣も既にこの週刊誌、目を通されたことと思います。  甘利大臣は、TPP交渉の難局をまさに体を張って乗り越えられ、今後の日本経済の命運を握る方だと思っています。国民の期待が大きいだけに、今回の疑惑については政治家としてしっかり説明責任を果たしてほしい、そうみんなが思っていると思います。まずはその辺りのお考えをお聞かせください。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) お騒がせをいたしております。  今朝、週刊誌報道を読ませていただきました。しっかり調査をして、説明責任はきちっと果たしていきたいと思います。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 それでは、具体的な質問をさせていただきます。  まず、この記事におきましては、二〇一三年の十一月十四日、S社の総務担当者I氏から、大臣室において、URとの補償交渉への口利きの見返りとして、大臣自らが五十万円入りの封筒を受け取ったとの記載がございます。これは事実でしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) その会社の社長御一行が大臣室を表敬訪問されたことは事実であります。  大臣室を表敬訪問される方は物すごくたくさんいらっしゃいます。そこでは定番として写真を撮ったり景色を見たりすることは、通例あります。そして、その一行が来られて正確に何をされたのかということについては、記憶が曖昧なところもありますから、きちんと整理をして説明をしたいと思います。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 御自身が受け取ったかどうかという質問ですので、調べるもなく覚えていらっしゃるはずだとは思いますけれども。  もう一つ、二〇一四年の二月一日の午前十時半頃、I氏が神奈川県大和市にある大臣の地元事務所で同じように大臣に五十万円を渡したとの記載がございますが、これは事実でしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 地元の事務所にお客様は来られます。私も、この三年間はほとんど事務所を留守にしておりまして、時々帰るときには日程がびっちり詰まっております。この方が来られたということは覚えております。そして、そこで何の話をされて、どういうことをされたのか、今、事実関係、記憶をたどっているところであります。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 もし私が五十万円を受け取ったら多分忘れられないと思いますけれども、この件、今調べてくださるという御発言ございましたので、これら二件についてきちんと確認して事実を決算委員会に報告するように、委員長、お取り計らいを願います。

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) 後刻理事会において協議をいたします。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 では、今の二件については決算委員会への御報告をお待ちしております。  さらに、この記事には、二〇一三年の八月二十日、大臣の地元事務所長、この方がI氏から五百万円を受け取ったとされ、大臣が代表を務めます自由民主党神奈川県第十三選挙区支部の受領の記載のある四百万円の領収書の写真が掲載されています。これは本物でしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 申し上げましたように、三年間ほとんど国政に邁進をしてきました。私以外のことについては今回の報道で初めて知りました。これは事実であります。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 それでは、この件についても御自身の受取と同様に確認していただけるお気持ちはありますでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) いや、真面目な話、今回報道で初めてこういう、本当なのかどうなのかも今確認中でありますけれども、初めて承知をいたしました。ですから、これもきちんと調べます。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 この受け取ったとされる五百万、このうち、大臣の神奈川県第十三選挙区支部の政治資金収支報告書を見ますと、受け取ったとされる同日、八月二十日付けでS社からの寄附金というのは百万円記載されています。そして、大和市第二支部という、県議の支部なんでしょうか、こちらにも百万円が記載されています、こちらは日付が九月六日とちょっとずれているんですけれども。そうしますと、残りの三百万、これがどこにも記載されていないことになるんですが、このことについてはいかがでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) いや、ですから、本当に今回報道されてこんなことがあったということが、秘書がそういう行動を取って、それも確認中ですけれども、報道によると、秘書がそういう行動を取っていたというのは正直初めて聞きました。これは本当のことです。ですから、書かれていることについて第三者も入れてきちんと調査します。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 今の件についても、甘利大臣、確認されて決算委員会に報告をしていただきたいと思いますので、委員長、お取り計らいをお願いいたします。

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) 後刻理事会において協議いたします。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 さらに、記事では、二〇一四年の十一月二十日に、事務所長が衆議院選挙に向けてS社に五十万円、I氏に五十万円の寄附を依頼したのに応じて支払ったとありまして、その領収書らしき写真が載っています。大臣の政治資金収支報告書では、このうちS社からの五十万円分しか記載されていません。I氏からの五十万円はどこに記載されているのでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 御不快なことは分かりますけれども、今回のその一連の秘書の行動というのは、取材が始まって、それで、こんなことが行われていたのかと半信半疑で、これ、うそじゃないのかと思いました。  それで、きちんと調査をいたします。これは、私はこのことを聞いて、何でこんなことが、うちの秘書がやってきたのかと、それは本当なんだろうかという思いでありましたから、全て含めてきちんと調査します。そして、しかるべきときに説明ができるようにいたします。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 秘書の方がされたことをお忙しくてほとんど把握されていなかったというふうに今おっしゃっていましたね。  もう一度最初の質問に戻りますけれども、御自身が受け取ったものについては、やはり普通だったら覚えているんじゃないかというのが一般の人の感じ方だと思います。  大臣、五十万円を直接お受け取りになったということが二度あるというふうに書かれているんですが、これ、本当に覚えていらっしゃらないんでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 証明されるというならそれでいいと思うんですけれども、事実関係がどうであったかということ……(発言する者あり)いや、まあそうなんですけれども、それで、うちの秘書が、誰が立ち会っていてどうだったのかということを、事実関係、一部不鮮明なところがあります。ですから、それを、事実関係を正確に把握して説明をいたします。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 先ほど大臣室のことは、たくさんの方がいらっしゃっている、しょっちゅういらっしゃっているというようなことをおっしゃっていまして、想像するに、たくさんの方が立ち会っていらしたんだと思います。  これ、覚えていないということがなかなか納得がいかないことではありますけれども、大臣そうおっしゃいますので、しっかりと調べて御報告いただきたいと思います。どうぞ。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 正確さを期したいと思います、とても重要なことですから。一部でも違うことがないようにしたいということなんです。  そこで、きちんと事実関係を確認をして、客観的にも確認をして、それで説明をしたいと思います。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 正確な報告をしていただけることは、私どもの望むところでございます。  先ほどの五十万円の掛ける二回、お二人からの寄附については、これは御報告をまた委員長の方でしっかり決算委員会にしていただけるようによろしくお願いいたします。

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) 後刻理事会で協議いたします。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 それでは、ちょっと総務大臣にお伺いしたいんですけれども、一般的に寄附として受け取った金銭を意図的に政治資金収支報告書に記載しない場合、どのような罪に問われますか。

高市早苗自由民主党総務大臣

○国務大臣(高市早苗君) あくまでも一般論として申し上げますけれども、年間五万円を超える寄附については、収支報告書に寄附者の氏名、住所、職業、金額、寄附日を記載しなければならず、これに違反した者、つまり会計責任者でございますが、五年以下の禁錮又は百万円以下の罰金ということになっております。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 政治資金規正法違反ということですね。  次ですけれども、さらにこの記事に、今度は甘利大臣の政策秘書がS社とURとの交渉に同席したとして、UR千葉ニュータウン事業本部に出向く様子と見られる写真が掲載されています。  この同席については大臣の指示だったのでしょうか。指示でないとすれば、後に報告は受けられましたか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 全く私の指示ではありません。報告も全くありません。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 これは、報告を受けていないということははっきり覚えていらっしゃるということですが、この件についても確認をされるお気持ちはありますか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) そのなぜ報告を受けていないかということは、その話を聞いて非常に驚いたんです。驚いたんです。で、報告は受けておりません。  それで、ごめんなさい、質問、何でしたっけ。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 確認をするおつもりはありますか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) それは確認します。はい。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 本件についても、確認の上、決算委員会に報告していただけるように、委員長、お取り計らいをお願いいたします。

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) 後刻理事会において協議いたします。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 法務大臣にお伺いいたします。  一般的にですけれども、URと民間事業者の補償交渉において、国会議員やその秘書が金銭を受け取り、影響力を行使し、民間事業者に有利な契約を行おうとした場合、どのような罪に問われますか。

岩城光英自由民主党法務大臣

○国務大臣(岩城光英君) 一般論としてのおただしでありますので、お答えを申し上げます。  これは、あっせん利得罪ということで、国会議員、地方議員、地方の首長が、国や地方公共団体が締結する契約、特定の者に対する行政庁の処分、又は国若しくは地方公共団体が資本金の二分の一以上を出資している法人が締結する契約に関し、請託を受けて、その権限に基づく影響力を行使して公務員にその職務上の行為をさせるように、又はさせないようにあっせんをすること又はしたことにつき、その報酬として財産上の利益を収受した場合に成立し、国会議員の秘書が当該国会議員の権限に基づく影響力を行使して同様の行為をした場合にも成立するものと承知をしております。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 このあっせん利得罪と、もう一つあっせん収賄罪というのがありますが、こちらにこのようなケースが問われることはありませんか。

岩城光英自由民主党法務大臣

○国務大臣(岩城光英君) お答えいたします。  犯罪の成否は捜査機関により収集された証拠に基づき個別に判断されるべき事柄であり、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。  あくまで一般論ということで申し上げますと、あっせん収賄罪、これは、公務員が請託を受け、他の公務員に職務上不正な行為をさせるように、又は相当な行為をさせないようにすること又はしたことの報酬として、賄賂を収受、要求若しくは約束した場合に成立するものと承知をしております。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 ありがとうございました。  本件についてまだ事実がよく分かりませんので、あっせん利得罪、あっせん収賄罪、この辺の仕切りが分かりませんけれども、これはまた、事実関係分かってきたらまたお伺いしたいと思います。  次に、国交大臣にお伺いします。  記事中では、S社のI氏から甘利大臣の地元事務所長を介し国交省の局長に商品券五万円を渡した、また、I氏は国交省の役人に渡すということで三十万円の商品券についても地元事務所長に渡したとの記載があります。このような事実はありますでしょうか。記事を受けて調査をするお気持ちはありますでしょうか。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 突然のお尋ねでございますので、事実関係を調べて改めてお答えをいたしたいと思います。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 突然の報道でしたので、通告はできません。  もう一つ国土交通大臣にお聞きします。  S社とURの間で産業廃棄物の処理に絡みトラブルがあったということですけれども、このような事実については認識をされていますでしょうか。また、この記事を受けて調査をするお気持ちはありますでしょうか。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) これも、突然のお尋ねでございますので、事実関係を調べて改めてお答えをいたしたいと思います。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 大事な情報が上に上がっていないということが分かりましたけれども。  これら二件、今国交大臣にお伺いした二件についても、きちんと確認をして、事実を決算委員会に報告するよう、委員長、よろしくお取り計らいください。

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) 後刻理事会において協議いたします。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 甘利大臣は昨日の会見でこのようにおっしゃいました、私自身は国民の皆様から後ろ指を指されるような行動は今日までやっていないと思います。  大臣、改めて伺いますが、政治と金の問題とは無縁であり、罪に問われるような事実は一切ないと天に誓って言えますか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 一切ありません。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 しっかりと承りました。  総理、この記事が仮に事実であったとすれば、あっせん利得処罰法違反や政治資金規正法にも問われる可能性のある重大な問題です。総理からも、事実関係を調査し、速やかに説明を尽くすよう大臣に指示すべきかと思いますが、いかがでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 甘利大臣におかれましても、先ほど答弁をされたように、速やかに必要な調査を行い、自ら国民に対する説明責任を果たしていく、このようにおっしゃっておられますから、しっかりとその責任を果たしていかれるものと思っております。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 総理からもう指示するまでもないと、こういうことでしょうか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) もう既に甘利大臣から、速やかに調査を行い、そして政治家として説明責任を果たしていくとこの場でおっしゃっておられるわけでありますから、そのようにしていかれるものと確信をしております。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 これ、きちっとおっしゃっているとおり説明責任を果たしていただかないと、国民の疑惑がますます増すことになりますし、総理の任命責任というようなことも言われかねませんので、是非総理も、引き続きこれを見守っていただきたい、指示をしていただきたいと思います。  さて、大筋合意したこのTPP、甘利大臣のお力でここまでやってきましたけれども、今後、関連法の国会審議はもちろんのこと、署名、締結と大事な仕上げのプロセスに入っていきます。今回の騒動でこのプロセスにマイナスの影響は出ないでしょうか。甘利大臣、お願いします。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 出ないように全力を尽くします。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 この説明責任の問題をずっと引きずっておりますと、これからの衆参の議論の中でもかなりの時間が使われることが容易に想像できますけれども、このTPPの前途を考えたときに、辞職という選択肢もありますでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 託された職務を全力で全うしてまいります。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 ありがとうございました。  私は、この件についての質問は、今日はこれで終わらせていただきたいと思っています。  次の質問にこのまま移らせていただきます。よろしいでしょうか。

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) はい。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 今日はたくさん質問を用意してきたんですが、消費者庁移転についてお伺いをしたいと思います。  さっき二之湯先生の方からも文化庁の移転というお話が出てまいりましたので、私はその続きのような形で、この中央省庁移転の一環の中にあります消費者庁の移転について、非常に問題視しておりますので、お伺いをいたします。(資料提示)  このパネル、お配りした資料にもあるかと思いますけれども、今、政府機関、研究機関や研修機関も含む政府機関の地方への移転、地方活性化や、東京一極集中を防ぐ、緩和するという目的で今考えられているこの中で、中央省庁の移転として地方からの提案が、このパネルにありますように八機関ですか、提案が出ております。そして、文化庁は、先ほど私も二之湯先生のお話を聞いていて、ううん、なるほどなと思わず納得させられてしまうところもございましたけれども、それもまだまだ検討が必要なことは論をまつまでもありませんが、この消費者庁については大変問題があるのではないかというふうに思っています。  最初に石破大臣にこの地方創生における中央省庁の移転についてお伺いしようと思いましたけれども、先ほどもう御答弁されたのでこれは割愛しまして、消費者庁、消費者委員会、国民生活センターをセットで移転する提案について河野大臣にお伺いします。  これ、徳島県からの御提案ということで、河野大臣のコメントとして、移転はゴーだと思う、極めて前向きに考えたいというのが出ていたり、三月にも消費者庁長官らを徳島県に一週間程度派遣して、テレビ会議で試験的に業務を行う意向だというようなことが報道されています。  今の状況というのはそこまで進んでいるのかなという驚きを禁じ得ないんですけれども、今どういう状況になっているんでしょうか。

河野太郎自由民主党国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・規制改革・防災)

○国務大臣(河野太郎君) 消費者庁の徳島移転につきましては、徳島県から御提案がありまして、十二月に私が徳島県に視察に参りました。いろいろ意見交換、情報収集をさせていただきました。  消費者庁と消費者委員会、それと国民生活センターが徳島県に移転できるかどうか、これからまず、消費者庁長官を始め職員をまず三月には短期間徳島県に派遣をして実際に業務をやっていただきます。四月以降、国民生活センターが行っている商品テストや研修を徳島県で実際にやってみます。七月にはもう少し長い期間、職員に行っていただいて業務をやっていただきます。  そういうテストの中を通じてどんな課題があるのかというのをしっかりと抽出し、その課題をどうやったらクリアできるのかということをそこから検討してまいりたいと思っております。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 実際にいろいろなテストをしてみて判断をされるというところは大変合理的だと思うんですけれども、先ほどのコメント、移転はゴーだと思う、極めて前向きに考えたいという発言が非常に重いものですから、消費者団体の方とか消費者庁発足に関わった皆さんが大変心配をしています。  これはあくまでもテストであり、まだニュートラルと考えてよろしいんですか。

河野太郎自由民主党国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・規制改革・防災)

○国務大臣(河野太郎君) 行くか行かないかを考えようということになると、大体こういうものは行かないという結論を頭の中で出して終わりになってしまうことが多いものですから、まず、行くという前提で物事を考えようと。行くという前提で物事を考えたときに何が課題になるのかということを抽出して、それをどうクリアするのかというのを考えようというのが趣旨でございます。  三月には石破大臣の下で一定の方向性が出されるというふうに伺っておりますので、そこでノーになってしまえばテストをやる必要もなくなってしまいますので、三月はゴーですよと。三月には前向きにテストをするよということが何らかの形で示されて、それを受けてテストをしていくということで、三月はゴーですというふうに申し上げました。  そういう意味で、これからしっかり検証をしてまいりたいと思っております。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 そうすると、この報道がちょっと前のめりだったというふうに私は今の御発言で思いましたけれども、移転がゴーということではないんですねというふうに受け止めました。  御提案のあった徳島県、聞くところによりますと、消費生活サポーターの養成や地域連携の推進など消費者行政に非常に熱心であられて、先駆的な自治体であるということでしょうか。ただ、これを私少し拝見していますと、消費者支援行政の方はもちろんお得意のようですが、消費者行政の規制の方はもちろんやっていらっしゃらないとは思いましたけれども、いずれにしろ、私は徳島県が悪いとか向いていないとかそういうことを言っているのではないのですけれども、消費者庁の移転自体が実は非現実的だというふうに思っております。  パネルをお願いします。  まち・ひと・しごと創生本部が示した中央省庁の移転の際に勘案する事項というのがあります。この中で、特に下の方の中央省庁に関してですけれども、危機管理に関わるものでないことというのと、それから国会や他省庁との対面業務が必須でないことというこの二点、赤で示させていただきましたけれども、ここがまさに消費者庁そのものだというふうに思っているんです。  まず、危機管理の方ですけれども、消費者庁は、消費者安全に関する重大事故が発生した場合には官邸や関係省庁と連携して速やかに対処する必要があります。過去には中国毒ギョーザ事件とかガス瞬間湯沸器中毒事件とか、最近ではメニュー偽装事件、今は私の地元では壱番屋の廃棄カツ事件というのがお騒がせをしているんですけれども、二〇一三年のメニュー偽装事件、まだ記憶に新しい方が多いと思います。このときは、当時、国会は特定秘密保護法の審議の真っ最中でありまして、この合間を縫っていろいろな施策を急ピッチでいたしました。食品Gメンによる調査体制の構築であるとかメニュー表示のガイドライン作成とか景品表示法の改正、頑張りました。私自身は、この政府の対応に納得できなかったので、議員立法も提出しました。とにかく健康被害が出ないように、あるいは少しでも軽減するようにということで、そのように対応する司令塔が消費者庁なんですね。  こんな状況を考えてみても、消費者庁だけが遠くにあってほかの省庁がこっちにある状態でどうやって危機対応の司令塔機能を果たせるのか。これは実験をするまでもなく分かるような気がいたしますが、いかがでしょうか。

河野太郎自由民主党国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・規制改革・防災)

○国務大臣(河野太郎君) 司令塔が遠くにあるから危機管理ができないということが必ずしも真実とは限りませんので、そうしたことも検討してまいりたいと思います。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 その御答弁に対して、次はこの対面業務という方なんですけれども、司令塔が私は対面でなければいけないというふうに消費者庁の場合は思っております。消費者庁発足の経緯とそれから日常業務の実態を踏まえた場合に、対面でなければ成り立たないということが明らかです。  各省庁にまたがる消費者行政を一元化するために消費者庁ができました。そして、他の省庁がどちらかというと嫌がる消費者からの視点、この消費者からの、消費者の視点からチェックを行って、規制官庁としてにらみを働かさなければならないわけです。こういったときに、遠隔でどうやってにらみを利かせるのかというところが非常に疑問です。  そして、先般の景表法の改正とか消費者安全法の改正、食品表示法など、これまで小さく産んで育ちつつある消費者庁で行ってきた立法機能、これを今よりもまだ発揮させるためには国会との連携が不可欠です。私も、議員立法を作ったときには、もう本当に法律書を見せながらかんかんがくがくで議論してやっていくんですが、これを遠隔でやるということはちょっと想像しにくいです。  これを、なぜ遠隔ということを申しましたかというと、徳島がICTが非常に充実しているということを提案の理由の一つとされているようなんですけれども、このICT、徳島は充実しているかもしれないけれども、カウンターパート、相手側にこれが充実していないと両方向でこれが使えないわけですね。各省庁でこのICTがどのぐらい発達しているのか。そして、国会、私は、どうやって消費者庁と連携をしていけばいいのか、これがよく見えてきません。  こういった観点を考えたときに、徳島で遠隔で対面業務が必要な消費者庁が機能するのかどうか、先ほどの危機管理のことも含めてですけれども、御答弁をお願いいたします。

河野太郎自由民主党国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・規制改革・防災)

○国務大臣(河野太郎君) 対面業務の中には、物理的に同じ部屋にいて対面をする方法もあれば、テレビ会議を始め様々な情報機器を使って対面をするという方法も今かなり進んでおります。民間企業の中には、そうしたことを駆使して様々な業務を行っているところがございますので、消費者庁がそうしたことができないと言い切れはしないと思いますので、そうしたことを含め、これから検証してまいりたいと思っております。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 かなり壮大な構想をお持ちなのかなというふうに思います。消費者庁だけがICTが発達していても、周りが付いていけないような心配がございます。  私は、消費者庁というのは、危機管理の緊急性を考えても、それから他省庁や立法府との緊密なコミュニケーションという観点でも、実は全省庁の中で最も移転に向かない省庁だというふうに思っています。はっきり言わせていただければ、消費者庁移転というのは百害あって一利なしと、そこまで思っています。すぐに検討を中止していただきたいと思います。  そして、もし、石破大臣、中央省庁を必ず移転させるのだと、こういう決意をお持ちであるならば、お出しになった勘案事項というのに忠実に、危機管理や対面業務というところに無縁な省庁を選んでいただきたいというふうに思います。この点について一言、石破大臣からも考えをお聞かせください。

石破茂自由民主党内閣府特命担当大臣(国家戦略特別区域)

○国務大臣(石破茂君) それは、危機管理に関してとか対面業務とか、そういうことが重要であることは言うまでもございません。  ですから、消費者庁における危機管理とは何だということを考えたときに、例えば防衛省・自衛隊とか警察のように、実動部隊を動かさなければ危機管理ができないというものもございましょう。あるいは、消費者庁のように、それぞれの省庁あるいはそれぞれの現場と常に緊密な連携を取るという体制が移転したら本当にできないのかということもございましょう。対面ということは、消費者庁が東京になければ本当にいけないのか、ほかの省庁もテレワークの体制を発達させることにより、それは可能となることがあるのではないか。  最初から、委員がおっしゃいますように、お言葉を返すつもりは全くございませんが、百害あって一利なしだから検討すらやめよということは、私はなかなか是としにくいところでございます。きちんと検討して、その上で国民のためになるかならないか、それはもうアリバイづくりとかそんなことのためにやっておるわけでは全くございません。国民に対する行政の使命をきちんと果たすことができるかどうかということが一番大事であることは、言うまでもございません。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 これは私の、あくまでも私の意見でございますし、私が今日代弁している方々、消費者団体の皆様などの意見も踏まえて申しております。もちろん、まち・ひと・しごと創生本部が中立の立場でしっかりと客観的に地方とそれから中央省庁の立場を鑑みて御判断いただければよろしいのかと思います。  この中央省庁移転というのが、もう一つ石破大臣にお伺いしたいんですけれども、中央省庁移転というこの事業と、それから地方分権改革との関係がどうなっているのかなというのを一つ疑問に思っています。  私たち民主党は、地方分権改革を目指しておりまして、地方への権限や財源の移譲の方がよほど地方創生に資すると思っているものですから、ただの引っ越しに終わってほしくない、必ず地方分権にも資する地方創生であってほしいと思うんですが、この関係をどのように考えていらっしゃいますか。

石破茂自由民主党内閣府特命担当大臣(国家戦略特別区域)

○国務大臣(石破茂君) 理屈で申し上げれば、建物というか組織を移転をすることと地方分権が論理的に一致をするものではございません。それは、権限というものは今のまま持ちながら移転をするということを考えておるものでございます。  じゃ、地方分権はやらなくていいのか、そんなことは全然ございません。地方にできることは地方に移していく、しかし中央でなければできないことは移してはいけないものもございます。地方に移した方がいいものは地方に移すというような考えは今後も変わるものではございませんで、先般、農地転用の権限を移譲をいたしました。今回は、ハローワークにつきまして国会に御提案をしたいというふうに準備をいたしておるところでございます。地方に移していいものは地方にきちんと移すということは、今回の省庁移転と論理的に連関をするものではございませんが、地方分権はきちんと進めてまいります。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 それを聞いて少し安心をいたしました。是非、地方分権改革の流れを止めず、そして、この中央省庁の地方移転に関しては、本当にメリットとデメリットをきちっと考えられた上で、先ほど消費者庁についても百害あって一利なしとまでは言えないのではないかとおっしゃいましたので、メリットとデメリットを勘案して、もしメリットがあったとしてもデメリットの方が凌駕するような状況であれば移転はやめていただきたい、このように思います。よろしくお願いをいたします。  まだ時間がございますので、今日はODAについて伺いたいと思います。  私も十二月にインドに行かせていただきました。ちょうど安倍総理がインドを訪問される十日ほど前だったと思います。  安倍総理は、インドとの国交を非常に重視されておられること、私も賛同しております。アジアの中でも、民主主義を貫く、そういった意味で、価値を共有できるパートナーでもあり、大きな消費地でもあり、経済のパートナーとしても今後もずっと重要になってくるものと私も思っております。  その中で、新幹線や原発建設に関する支援を表明されたことは記憶に新しいところでございますけれども、こういった支援、これから民間のビジネスチャンスを増やすという意味でも私はよろしいのではないかと思いますけれども、一方で、国民の皆さんが、非常にいつも表明される額が巨額なものですから、大変これはどういったものなのかなという心配もされています。  岸田大臣にお伺いしたいと思います。  先頃総理がインドで表明をされました案件、十二月の訪印のときに表明されたこの案件についての予算措置、この辺を国民に分かりやすく御説明いただけないでしょうか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 十二月の日印首脳会談におきまして、まず一つは、ムンバイとアーメダバードを結ぶ高速鉄道に日本の新幹線システムを採用することで一致をいたしました。また、あわせて、日印原子力協定につき原則合意に至りました。  この二件につきまして、まず新幹線システムの採用につきましては、これは外務省の一般会計予算によるものではなくして、円借款による支援を想定しております。そして、詳細につきましては、今後、日印の合同委員会におきまして二〇一六年に詳細を決定するということになっております。いずれにしましても、基本は円借款ということになります。  一方、原子力協定の方は、これは両国間で移転される原子力関連資機材等の不拡散、平和的利用等を法的に確保するための政府間の枠組み、これについて原則合意したということであり、これは具体的な支援を約束したというものではありません。これは、あくまでもこの協定によってインドが原子力の平和利用において責任ある行動を取る、これを確保する協定ということであります。支援を約束したというものではないということを申し上げさせていただきます。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 このODA、円借款も含むODAの仕組みは非常に複雑で、また予算措置も複数年度にまたがるものもありまして、なかなか国民に分かりにくいというところがあります。  インドにも、この前も一・五兆円規模の投融資という話でしたし、シリアに九百七十二億円とか、中東、アフリカに九百億円と、こういう報道がぼんぼんぼんと出るものですから、軽減税率の財源が六千億円足りないと言っているようなときに海外にぼんぼんぼんぼんとばらまいているように見えてしまうんですね。  本当は、今日は時間があったらこの辺を詳しくやりたかったんですけど、今日はちょっとそこまでできませんので、個別に、中国へのODAについてだけ伺いたいと思います。  インドに対するODAは、先ほども申しましたように私は非常に意味があると思っておりまして、デリーの町なんて物すごいもうケーオスの中ですけれども、地下に入ると日本が造った地下鉄が非常にクリーンで、インドの皆さんにも愛用されていて、とても日本の国民の血税が有効に生かされているというふうに私は確信しまして、これはいいんですけれども、なぜ中国にODAを続けるのかという質問を地元でもよく聞きます。  中国が日本を追い越してGDPで世界二位となったのはもう六年前です。そして、中国人観光者、とても豊かな、爆買いをされて、もう五百万人も押し寄せているというような状況です。こういった姿を見ていますから、国民の皆さんも、どうしてこの支援をしなければいけないのかと思われるのも当然かなと思います。  日本政府は中国に対してこれまでに累計で三兆円以上の円借款を供与してきたほか、無償資金協力と技術協力の累積は三千億円超なんですね。今でも継続案件があると。そして、二兆円の円借款の残高があるんですけれども、回収見込み最終年度は何と二〇四七年。非常に中国に対してジェネラスだな、寛容だというふうに思います。  平成二十六年、二年前の五月の決算委員会で岸田外務大臣が、基本的には、もう中国に対するODAは一定の役割を終えたという認識に立っているというふうに答弁されました。この答弁を前提とした上で、引き続き状況をしっかりと確認しながら、残った分野、この対応についても検討を続けていきたいと思っていますというふうにおっしゃっているんですね。  それから二年がたっています。相変わらず支援が続いています。現在では、複数年度にわたる技術協力プロジェクトが八件と、それから草の根無償資金協力が九件で、合わせて二十一億円程度です。まあインドとかほかの国に比べたら供与額は微々たるものなのですけれども、納得できないものに対しては一銭たりとも出したくないというのが国民感情だと思います。二十一億円あったら、この前も予算委員会で出ていましたけれども、給付の奨学金、何人分賄えるんだろうとか、そういうふうに考えてしまうわけですね。  この前回の決算委員会の答弁、二年前から、この二年間の間に中国へのODAについてはどのように検討が進んでいるのでしょうか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) まず、中国へのODAは、委員御指摘のように、既に一定の役割を果たしたものと認識をしております。そういったことから、既に対中ODAの大部分を占めていた円借款及び一般無償資金協力の新規案件は約十年前に終了をしております。  しかし一方で、中国、隣国であり最大の貿易相手国です。越境公害、感染症、食品の安全など日中両国共通の課題であり、そして日本が協力することによって我が国国民が直接裨益する分野、これも存在いたしますので、こうした協力の必要性が真に認められるものに絞って限定的に実施しているというのが現状であります。  加えて、二年前からどこが変わったのかという御質問ですが、その間我が国はODA卒業国等に対しまして、相手国が希望する技術協力について先方の費用負担も求めながら実施するという方式を採用していますが、二〇一五年度、昨年度から中国に対しましても先方の費用を求める、こうした方式を採用する、こうした取組も開始したところであります。  是非、これ一つ一つ、一件一件しっかりと内容を精査した上でどういった対応をするべきなのか、これを不断に検討してまいりたいと考えます。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 二年前の答弁から余り変わっていないという印象がありました。  例えば、具体的に見てみますと、草の根案件ですね。先方にも拠出してもらうということはいいんです。そういったプロジェクトがあるのも存じております。しかし、そうでないプロジェクトがほとんど。一件一千万円程度のプロジェクトが九件あるんですね。例えば、天津市の廃棄蛍光管回収処理計画とか黒竜江省ハルビン市の飲用水改良計画とか、こういった援助。  私、内容的には一つ一つその地域にとって意味があることだとは思うんですよ。だけれども、この広い中国の中でこういった小さな案件に支援をすることがいかほどの意味があるのか、日本にとってどんな意味があるのかということはちょっと疑問を感じます。以前先輩が言っていた、太平洋に目薬という、こういう感じがするんですが、いかがでしょうか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) 先ほど申し上げましたような考え方に基づいて、中国への支援、できるだけ絞った形で実施をしております。その中で、技術協力ですとか、委員も御指摘になりました草の根無償資金協力、こういったものを実施しております。そして、それに加えて、絞った中にあっても中国側から費用負担を求める、こういった形も採用する。  いずれにしましても、必要性をしっかりと一件一件精査することは重要だと考えております。引き続きまして、こうした方針で一つ一つ具体的に精査していきたいと考えます。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 もう一つだけ聞かせてください。  技術協力の中で、あの悪名高いPM二・五抑制のためのプロジェクトというのがございますね。これは日本にとっても裨益するということは理解できるんですけれども、もうこれ、二〇一三年の十一月から三年間するものということで続いています。二年たって効果が一体出ているのかと。  一方で、デリーの方がこれ深刻になっていますよね。中国なんかは強権的に車の走行規制をしたりとか建設工事を中止したりとかいうこともできるわけですけど、インドはこういうことできないですよね。同じプロジェクトでもインドでやった方がよっぽど意味があるんじゃないかなと。  効果が見えにくく、感謝もされない支援はやめた方がいいんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

岸田文雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(岸田文雄君) このPM二・五環境問題につきまして、インド、中国、それぞれ事情は異なっております。そして、中国においてもPM二・五の状況、大変深刻な状況が引き続き続いております。そして、我が国の環境にも直接影響が出ている、これはもうしっかりと指摘をされているところです。  インドに対する支援ももちろんしっかり検討しなければならないと思いますが、中国に対しましても、PM二・五環境問題、これは我が国の国民の生活にも影響する問題と捉え、我が国として何をするべきなのか、これは真剣に考えなければいけない課題ではないかと認識をいたします。

安井美沙子民主党・新緑風会

○安井美沙子君 ありがとうございました。終わります。

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) 午後一時に再開することとし、休憩いたします。    午前十一時五十七分休憩      ─────・─────    午後一時開会

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  委員の異動について御報告いたします。  本日、上野通子君、野村哲郎君及び二之湯智君が委員を辞任され、その補欠として島田三郎君、塚田一郎君及び西田昌司君が選任されました。     ─────────────

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) 休憩前に引き続き、平成二十六年度決算外二件を議題とし、全般質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。  安井美沙子君の関連質疑を許します。江崎孝君。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 民主党・新緑風会の江崎孝と申します。  二〇一四年の六月以来、お互いミスリードだと総理と言い合ってから、あれから二度目の質疑をさせてもらいますけれども、昨日からいろいろなことがあって、ちょっと総理の質疑まで、ひょっとしたら時間足らなくなっちゃうかもしれませんが。  午前中の終わった後に、先ほどここから出たとき、記者さんから甘利大臣に質問しないんですかといったら、しないと言っていたんですが、どうも細かいことが気になるのが私の悪い癖でありまして、昼いろいろ考えていたら、ちょっと先ほどの安井さんの質問と昨日の記者会見のことを考えていると、一点だけ確認をしたいということがあったので、これは通告していないんですけれども、直近の、御自身のことですからお答えいただけるというふうに思うんですが。  大臣、昨日の記者会見で、私が知るところによると、記事は見ていないというふうに発言をされていたし、午前中の安井委員の質問に、今朝知ったという、私、今朝知ったという、週刊誌を読んで。だけど、昨日の記者会見で、その件を総理と官房長官に報告したというふうに言われているわけですよ。ちょっと僕がそこが細かいところですけれども気になったので、その疑念をひとつ、疑念じゃありませんね、ちょっとその辺のいきさつをお教えいただけますか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) その点は、週末だったですね、地元の事務所に取材が来ましたということでありました。取材内容は詳細に聞いていないんですけれども、取材がありましたと。その旨を官房長官に連絡をして、その後総理にお話をしました。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 申し訳ございません、官房長官、そのことに間違いないでしょうか。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) それは間違いないです。私どもも、そういう取材があったと。ですから、取材があったので週刊誌に報道されるかも分からないという、そういう報告でありました。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 ちょっとますます分からなくなったのでもう一回質問させてもらうんですけれども、取材を受けたということは、どういう内容の取材を受けたということは、もうその時点でお分かりになっていたはずですよね。そうすると、秘書の方の問題も、御自身が例えば大臣室で云々という話も、恐らくそこの中に入っていたはずだと僕は推定をするんですが、どういう取材を受けられたんですか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 何か政治資金についての取材があったようですと、その程度でした。だから、そのとおり報告しました。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 ちょっと申し訳ございません、じゃ、直接取材を受けられたわけではないということですか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 何か週刊文春が自宅に来ているようですということがありました。そこでは取材には応じません。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 ちょっと申し訳ないです、総理と官房長官に御報告をされるぐらいの大きな内容だということを分かったわけで、認知されたので、そのことを御報告されたんだろうと思うんですが、今の話だと、何かそんな大変な問題にはならないような言いぶりに聞こえるんですが、もう一回お聞きしますけれども、どういう取材を、じゃ、自宅も含めて、事務所も含めて、例えば秘書の方も含めて受けられたということの御認識があって、総理と官房長官に報告されたんですか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 自宅前では全く取材に応じていません。ただ、自宅に取材に来るというのは初めてでありました。そのまま、正直言って無視して中へ入っていきました。そうしましたら、それ以降でしたか、何か政治資金の件で取材が来ているようですということがありました。その日はもう、次の日ですか、少し地元へ戻って、すぐもう上京してしまいましたので、一応閣僚ですから、官房長官と総理にはお話だけは、こんな話が来ているようですということだけは言っておこうということです。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 ますますちょっと不思議になるんですけれども、これをやっていると私の質問もなくなってしまいますけれども。  最後、一点だけですけれども、最後の安井さんの質問の中に、今日昼休みのテレビでもうニュースで流れていたんですけれども、天に誓ってという御発言がありました。罪というか、何だっけ、罪は犯していないでしたっけ、とにかく自分は潔白だと、天に誓って潔白だというような意味を発言をされたやに僕は記憶をしているんですけれども、だとすると、冒頭、大臣室で、たしか五十万でしたか、受け取ったんではないかという質問をされたときに、大臣は覚えていないとおっしゃったんですよ、覚えていないと。覚えていないということは、受け取ったか受け取っていないか分からないということですから、だったら、天に誓って自分は潔白だということは言えないんではないんですか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 私は、一部記憶に定かでないところがあるから、それを確認したいと言ったんです。いずれ分かりますけれども、私は法律に違反するようなことはしていませんということを申し上げたんです。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 そうしたら最初から、いや、私は受け取っていないとはっきり発言された方が、ちょっと何かこう、不信感というのは増幅されないと思うんですよ。  もう一回聞きますけれども、受け取っていらっしゃらないんですね。だから、私は天に誓ってそういう、何というか、罪を犯したというか、そういう悪いことしていないんだということを断言されたわけですから。ここではっきり言っていただけますか、受け取っていないなら受け取っていない。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 週刊誌報道を読みました。そのとおり読みましたけれども、自分の記憶と違うというところがあります。それは定かでないですから。ただ、向こうはテープにまで取っていらっしゃるということだったので、それをちゃんと確認をさせてくださいということなんです。確認され次第、どこが自分の記憶と違って、書いてあることと違うのかも含めてお話をします。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 もう一回、私、同じ質問を繰り返すのは余り好きじゃないんですけれども、だったら、分からないということですね。週刊誌に書いてあることがひょっとしたら事実があるかもしれない、だけど、それが分からないから確認をしたいということですから、まだ自分は、週刊誌の報道が事実であるか、あるいは間違いだということを、御自身が否定されていないんですよ。  そうすると、私は天に誓って罪は一切ないんだということは言えないんじゃないんですか。私、そう思うんですけれども、これが恐らく普通の、僕らの、私の感覚でいったら、僕はそういう言葉の使い方しかできないと思う。だから、天に誓って私は間違っていないんだということであれば、そういう週刊誌の報道は事実ではありませんということをここで明確に言うべきじゃないんでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) ちゃんと説明しますと申し上げているんです。  この場で不確かな情報で説明をするのはよくないと私自身思っているんです。でありますから、私は別にその説明しないで逃げますなんということを言っていませんから。そこは……(発言する者あり)いや、本当です。それは記憶の一部、その記憶が確かでないところがあるから、それをちゃんと確認させてくださいと、その上でちゃんと説明しますからという話をしているんです。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 じゃ、質問を変えますけれども……(発言する者あり)ちょっと静かにしてください。さっきの最初の質問ですね。  だから、もう一回言うと、それでは、その五十万という金銭の授受があったということが記事に書かれています。そのことを、受け取ったか受け取っていないかというのを確認をするということということは、受け取ったかもしれないということでよろしいんですか。そういうことですよね。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) きちんと事実関係、確認したいことが私あるんです。それを含めてちゃんと説明を申し上げます。逃げるつもりはありませんから、そこは御理解をいただきたいと思います。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 それはもう十分分かります。今の、午前中のやり取りも含めて、その思いは十分僕は伝わっていますけれども、でも、ここでこの議論をしているときに、やっぱりそれはおかしいと僕は思うんです。  私は間違ったことはやっていないというのが、これがしっかりとした今の事実であるならば、やっぱり五十万の授受はなかったということをここで明言した方が僕は一番いいと思うんですよ、それは。そう思われているわけでしょう、天に向かって自分は悪いことはやっていないんだということを。それは発言されましたから、午前中。だったら、その五十万の授受というのは、これは全くないんだということを今おっしゃってもいいんじゃないんですか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 私は、今日まで政治家として法に反するようなことはやってきていないつもりです。そのことをきちんと説明をしますから。  ただ、それにはまだ今日の週刊誌報道しかないんです。だから、時間をいただきたいと思います。逃げるということを言っておりませんから、それは信頼していただきたいと思います。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 もっと質問しろという思いがあるかもしれませんけれども、時間もありますから、次の質問に移らさせていただきます。是非、本当に信頼をさせていただいていますから、事実をはっきりとお示しいただきたいと、このことは是非よろしくお願いします。  それでは、日銀総裁にお見えになっていますから質問させていただきますけれども、二%の物価上昇率を二年で達成をするという話をされて、もう既に三年、まあ二年はとうに過ぎたわけですけれども。  改めて聞きますけれども、この物価上昇率二%の目標は今でも堅持されて、そしてそれをいつ頃までにされようとしているのか、そのことをまずは質問させていただきます。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) 御案内のとおり、日本銀行は、二〇一三年の一月の政府との共同声明におきまして、二%の物価安定の目標をできるだけ早期に実現するというふうに述べております。それを踏まえまして、同年の四月に、二%の物価安定の目標を二年程度を念頭に置いて、できるだけ早期に実現するために量的・質的金融緩和を導入いたしました。  その後の日本経済の動きを見ますと、量的・質的金融緩和は所期の効果を発揮しておりまして、我が国の経済は、企業部門も家計部門も共に所得から支出への前向きの循環が作用する下で、経済全体は緩やかに回復を続けているということでございます。  一方、物価面では、生鮮食品を除く消費者物価の前年比はこのところゼロ%程度で推移しておりますけれども、これは二〇一四年夏以降の原油価格の大幅な下落の影響によるところが大変大きいわけでありまして、物価の基調自体は高まっております。この点、生鮮食品、エネルギーを除く消費者物価の前年比を見ますと、量的・質的金融緩和導入以前はマイナスだったわけですけれども、二〇一三年十月にプラスに転じた後、二十六か月連続でプラスを継続しておりまして、最近ではプラス一・二%まで上昇しております。  日本銀行としては、この二%の物価安定の目標の早期実現を目指し、着実に量的・質的金融緩和を推進していく所存でありまして、この二%の物価安定の目標というのは堅持してまいりたいと思っております。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 堅持は分かりました。だけれども、堅持していくと言ってもう二年たっちゃっているわけですね。  先ほど僕は二つの質問をしたんです。じゃ、いつ頃までに二%の目標達成が実現できると、早期というのはいつ頃ですかということです。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) 物価安定目標の達成時期につきましては、最新時点、昨年のたしか十月だったと思いますが、の展望レポートでは、二〇一六年度後半頃という見通しを述べております。これは、その際の石油価格の動向、そして将来の動向、先物価格で延ばしたところを前提にした見通しでございますので、その際にも一貫して申し上げておりますけれども、原油価格の動向次第では達成時期は前後する可能性があるということを申し上げております。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 異次元緩和を導入されるときは二年というしっかりとした目標設定をされたんですけれども、今何回聞いても、早期っていつまでかということに対してはお答えにならないんですよ。  ということは、今の経済状況というのがやっぱり想定外に悪くなってきているというのが私の率直な思いで、恐らく黒田総裁、私の実は父親の里が黒田というので親戚のように思っているんですけれども、黒田さん、黒田さんと言いたいんですけれども、そこはちょっと蛇足ですが。済みません。そういうのが、はっきり僕は言った方がいいと思うんですよ。  これだけ経済の世界的な状況、原油安で、頼みのアメリカが貨物輸送を中心として非常に悪くなってきているから、日経もアメリカの経済に対して少し否定的な記事も書き出したし、イランの制裁解除でますます原油安になっていく可能性がある。そして新興国、中国のあの現状です。恐らくこれは想定外の話です。  もう一回聞きますけれども、本当に二%の物価上昇率が実現可能なんですか。そしてそれが、早期とはいつですか。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) 御指摘のとおり、金融市場は年明け以降、特に原油価格の一段の下落と、さらには中国経済に対する先行きの不透明感などから投資家のリスク回避姿勢が強まっておりまして、こうした下で株価が世界的に下落しているということは事実でございます。ただ、日本経済のファンダメンタルズはしっかりしておりまして、先ほど申し上げたように、景気は緩やかな回復を続けております。また、物価の基調も着実に改善しているということでございます。  二%物価安定目標の達成時期につきましては、先ほど来申し上げておりますように、原油価格の動向によっては前後すると。しかし、最新時点の見通しでは二〇一六年度後半頃というのが現在の見通しであります。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 分かりました。  二〇一六年の後半、まあ前後するといっても数か月かもしれませんが、そのときに物価上昇率二%達成できなかった場合、どういうふうな責任を取るおつもりですか。というのは、副総裁の方が二年で二%できなかったら辞任するというふうにはっきり明言されたのに、今、副総裁いらっしゃいますね。同じことを繰り返されるのでしょうか、どうですか。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) 先ほど来申し上げておりますとおり、日本経済のファンダメンタルズはしっかりしており、景気は緩やかな回復を続けておりますし、物価の基調も着実に改善しているというふうに考えておりますけれども、御指摘の金融市場の動き、これが経済・物価情勢に与える影響については引き続き十分注視していくつもりであります。  また、これも繰り返し申し上げているとおり、二%の物価安定目標の実現のために必要になればちゅうちょなく政策調整を行う方針でございます。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 今ちゅうちょなくという表現をされて、今年の連合の新年会のときにも、私も参加をしていたんですが、そのときに総裁参加されて、昨年は挨拶立たなかったんだけれども今年は挨拶に立つよということで、クエスチョンマークを外した賃金上昇をお願いをするというような話をされていたんですが。  私、非常に、結局、これだけ量的緩和やって、世界に例を見ないようなこともやって、最後の最後が労使に対する賃金頼みになっちゃっているわけですよ、私の思いは。そうすると、とにかく賃金を上げてくれ、そうでないと、アベノミクスも異次元の量的緩和も眉唾だったんじゃないかと国民の皆さんにばれてしまうから、でも、日銀はこれ以上何も手を打てない、だから頼んでいるんだというような声に聞こえてしまったわけですね、僕は。  そのときいつも言われるのは、今おっしゃった、市場混乱などリスクが顕在化しそうになれば日銀はためらいなく行動すると。じゃ、ためらいなく行動するということはどういうことを言っていらっしゃるんですか、お教えください。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) これは、先ほど申し上げたとおり、二%の物価安定目標の実現のために必要だということであればちゅうちょなく政策調整を行う所存であるということは申し上げております。  ただ、その際の手法、方法については、そのときの経済金融情勢に合わせて最も適切な手段を取るということに尽きるわけでありまして、その手段は十分日本銀行は持っているというふうに考えております。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 そういう御回答だと思いました。  十月にも追加の緩和されています。ドラギ欧州中央銀行総裁もされて、そのとき余り市場が反応良くなかったですね。とすると、恐らく次の追加緩和というのは相当市場を納得させる緩和じゃないと駄目なんですよ。そうすると、更なる国債の追加、増額、恐らくこれというのはなかなか難しい。  とすると、私が門外漢で思うのは、もうマイナス金利しかないんじゃないかという気がするんですね。する、しないは別です。マイナス金利という政策を打つとしたときに、これもう大変な問題が起きると思うんです。どういう問題が起きると御認識ですか。

黒田東彦日本銀行総裁

○参考人(黒田東彦君) まず、量的・質的金融緩和を導入いたしましたのが二〇一三年の四月であります。追加緩和いたしましたのが一昨年、二〇一四年の十月でございます。昨年、二〇一五年の十二月に行いましたのは、これは追加緩和ではなくて、量的・質的金融緩和の効果をより円滑に発揮させるための補完的な措置ということで、追加緩和は二〇一四年の十月ということでございます。  ECBが確かに追加緩和をいたしまして、それによってマーケットがどのように動いたかということはいろんな意見がございますけれども、ユーロ圏の経済自体は比較的着実に改善をいたしておりまして、成長率は低いですけれども、一%台前半の成長を続けているということでございます。  その上で、日本銀行の政策手段にどのようなものがあるかといえば、現時点で行っております様々な量的・質的金融緩和もございますし、その他様々な手段があると思いますけれども、マイナス金利についてはプラス面とマイナス面といろいろあると思います。ただ、確かにECBがマイナス金利政策を取っておりますし、他方で、米国のFRBは第一次、第二次、第三次と大変な量的緩和をいたしましたけれども、マイナス金利政策は取らなかったわけです。その下でFRBの政策は効果を発揮して米国経済は回復過程に乗ったということで、金融の正常化を行っているということでありまして、いろんな意見はあると思いますけれども、現時点ではマイナス金利ということを具体的に考えているということはございません。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 デメリットの話をしたんですけれども、お答えにならなかったんで。  私が思うには、やっぱり今の地銀含めて相当異次元緩和に依存しているところがある、そうすると、マイナス金利にしちゃうと金融機関が非常に厳しくなってくる可能性が非常に高いですよね。ですから、マイナス金利にもなかなか踏み出せない。かといって、銀行も含めて国債の残高、もうこれだけ買っているとそんなに国債も買い足しできないということになると、これはもう私の私見ですけれども、そんな弾はないわけですよ。そんなにないというふうに僕は理解をして、質問を変えさせていただきますけれども。  それで、今、黒田さんというシンパシーを言った中で申し訳ないんですけれども、非常にもう今、黒田バズーカから黒田リスクになってきている、そういう状況になってきている、それがアベノミクスからアベノリスクにつながっていく可能性が非常に高い。  実は、十一月ぐらいに世界のニューヨーク・タイムズとかロイターとか様々な有名なマスコミが、アベノミクスはもう終わったと、そういう報道をしたんですね。その中のクルーグマンという経済学者、ノーベル経済学賞をもらった方が、元々このインフレターゲット論というのはこの方のお話の中で、もちろん総裁もそうだし、浜田さんだって、岩田副総裁も含めてインフレターゲット論という流れからきているわけですけれども、彼がはっきり言っているのは、日本ではこれは失敗したんだと。それは何で失敗したかというと、人口減少なんだと。つまり、それは生産年齢人口、ここが減少したんですよと。元々の言い出しっぺのクルーグマンがもうそう言っているわけですね、去年の十月の二十日のエコノミストに、ニューヨーク・タイムズだったかな、ちょっとそれはあれですけれども。  こう考えてくると、人口減少というのは、二〇一〇年に藻谷浩介さんが「デフレの正体」ということでもう解き明かしているやつなんですね。そうなると、これ本当に賃金アップしかないし、賃金アップだけではなくて、やっぱり非正規の皆さんの賃金アップもしなきゃいけないという、こういう状況になってくるわけですよ。  そこで、やっと総理に質問します。  新聞報道によると、明日の施政方針で、同一労働同一賃金をきちっとやらなきゃいけないという、そういう演説をされるというふうに聞いています。これは大事なことだと思うんです、これは。経団連とか、連合に入っている組合も経団連の皆さんも今ちょっとベースアップには逡巡しているという報道もなされていますし、そうすると、生産年齢人口が減ってきたら、その分を、減った分をほかの人の賃金で上げていって消費を上向かせていかなきゃいけない。ちょうど日本はそのときにがあっと非正規を増やしたんですね、二〇〇〇年以降。一九九七年ぐらいから生産年齢人口減っていきます。  ですから、全く真逆なことをやってしまったわけで、それが今、非正規の問題のリスク、非正規の皆さんの処遇の問題もあるし、経済的なリスクも負ってきているという状況ですから、総理が考えていらっしゃる同一労働同一賃金、そしてそれを実現をしてどういう社会をつくろうというふうに思われているのか。これ、非常に大事なところですから、お聞きしたいというふうに思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) お答えする前に、クルーグマンが述べたのは、彼は元々、我々の経済政策、強く支持をしていたわけであります。確かにエコノミストでは少し批判的な論評を書いたのは事実でありますが、これは根本から間違っていたというのではなくて、消費税を三%上げたこと、それと、もっとしっかりとやれと、むしろもっとしっかりやれというのがクルーグマンの趣旨であるということは申し上げておきたいと思います。  そこで、多様な働き方を広げていくに当たり、同一労働同一賃金の実現は極めて重要な課題であると考えております。これは江崎委員もそのような趣旨で述べておられたのではないかと思います。同じ仕事をした場合に同じ賃金が支払われるというのは、基本的に良い考え方であると思います。こうした方向性は、女性の活躍や若者を含めた正規、非正規の問題に真正面から取り組んでいくに当たり必要になると考えています。  これまでも諸外国の制度などを研究してきたところでありますが、また同時に、今まで何回か答弁で申し上げてきたところでございますが、例えば経験とかあるいはまた責任の重さをどう測っていくかということも、これも考慮していくことは当然のことなんだろうと、こういうことも含めて研究をしてきたわけでございますが、ニッポン一億総活躍プランを策定していく中で、関係者からの意見も聞きながら本格的に検討を進めていきたいと考えております。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 中身をもう少しお聞かせいただきたかったんですけれども、やっぱり本当にこれは、これからの日本社会をどういうふうに進めていくのか、そして、今のデフレ、あるいは消費が低迷をしている状況の中でこれは一刻も早くやらなければならないことだと思うんです。だから、私はあしたの施政方針、僕はすごくそこは大事なところだと思ってあえて質問をさせてもらったんですが。  そこで、もう一つ質問ですけれども、賃金とかというだけではなくて、やっぱり非正規の皆さんの問題は処遇の問題もあるわけですね、ほかのいろんな問題で。例えば、私が出身の自治体だとすると、非正規職員の方は相当いらっしゃいます。だけれども、育児休業が取れない非正規職員の方が相当いらっしゃるんですね。一部の方は法律を改正されて取れるようになったんですけれども、それ以外はいっぱいいるんですね、取れないという人たちが。  それともう一つ、東京新聞に数日前に、非正規の皆さんのがん離職という、要するにがんに罹患された方が離職しなきゃいけなくなっちゃったという、こういう記事が出ていまして、そういう休業の面でもすごくバランスが欠いているのが今の非正規の問題だと思うんですね。  僕は、これ提案なんですけれども、せっかく同一労働同一賃金ということを言われて、これから進めていこうというのであれば、是非、内閣だったり、どこかの機関でもいいですから、総理のリーダーシップを取ってもらって、非正規問題を検討する会議、機関、これは厚生労働省でも入ってもらっていいと思います、そこで今非正規の問題について何を議論してどうしなきゃいけないかというのを早急に検討していくような、そういう検討会議、どういう機関になるか分かりませんが、名称を僕は考えていませんけれども、非正規問題検討委員会でも何でも結構です、そういうのを総理のリーダーシップでつくっていただいて、それを発信をしていただくということはできませんでしょうか。これ、提案です。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) デフレとの関連性は別として、人口が減少していくということの問題点については委員と同じ問題意識を持っているわけでございますが、その中で、言わばだんだんと限られていく生産人口の中で、それぞれがしっかりと力を発揮していただける社会をつくっていかなければ日本は成長していくこともできないし、成長していくことができなければ大切なこの社会保障制度を維持していくこともできない。  そこで、この正規、非正規の中での考え方において、言わば同一労働同一賃金ということを導入していくことによって様々な課題の解決にもつながっていくだろうと思いますが、今建設的な御提案をいただいたと思っております。非正規についてどう考えていくか。どういう対応を、どういう課題があり、その課題を解決をしていくために何をやるべきかと。  これは、今年春にまとめるニッポン一億総活躍プランを策定していく中で、今申し上げたこの同一労働同一賃金の検討も行われますが、多様で柔軟な働き方改革も合流させていく考えでありまして、非正規で働く方の待遇改善の推進、非正規から正規への流れの加速化、一人一人が活躍しそれぞれの能力を発揮できる社会、一億総活躍社会の実現に向けて取り組んでいきたいと思いますが、この正規の方々に対して……

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 非正規。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 非正規。非正規の方々に対してどういう対策を打っていくかということについても、今御提案をいただきましたが、我々も、加藤大臣の下で進めていくニッポン一億総活躍プランの中においては大きなこれは当然課題になっていくと、このように考えております。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 大きなプロジェクトとおっしゃっていただきました。  これは、やっぱり不安に思われている皆さんたちが相当いらっしゃるということですから、もう何十万、何百万という単位で。そこに対するやっぱり発信でもあると思うんですね、解決をしていくんだと。だから、早急にやはりそういう対応を取っていただきたい。是非是非御検討というか、是非実施をお願いしたいと思います。  それでは、地方交付税の話に移らせていただいて、もうここであと二十分しかありませんから、ほぼ、あとの質疑はなかなか厳しいんですけれども。  さて、元々地方交付税というのは、財源調整機能、そして財源を補填するというか、そういう機能があって、自治体間の財政力格差の解消と計画的な行政運営を可能とするような、これは自治体固有の財源であります。  ところが、今そこにトップランナー方式という何か横文字が入ってきて、それに、基準財政需要額にそのトップランナー方式を反映するんだと、そういうようなことが来年度から始まる。  そうすると、それちょっとよく分からないのは、今言ったように、自治体間の財政力格差の解消と計画的行政運営を可能とするという、自治体の固有財源、そこは財政調整と財源保障機能がある、そこにトップランナー方式というものを入れて、必要な財源保障という交付税の元々の性格とは大分懸け離れた方向に交付税が行っているんじゃないかという危惧をするんですが、どんな考え方の下にトップランナー方式を導入するとされているのか、高市大臣にお聞きします。

高市早苗自由民主党総務大臣

○国務大臣(高市早苗君) トップランナー方式につきましては、平成二十八年度の地方交付税の算定から導入をしてまいります。導入に当たりましては、財源保障機能を適切に働かせて、住民生活の安全、安心を確保するということを前提に取組を進めてまいります。  具体的には、まず法律などによって国が基準を定めている業務や産業振興、地域振興などの業務は、トップランナー方式になじまないことから、対象とはいたしません。その上で、本庁舎や体育施設などの施設管理業務の民間委託ですとか庶務業務の集約化ですとか情報システムのクラウド化といった業務改革を検討対象としたものです。  二十八年度におきましては、多くの団体で既に民間委託などの業務改革に取り組んでおられます十六業務について、この業務改革を反映した経費水準を単位費用の積算に反映するということにしております。また、算定に当たりましては、地方公共団体の人口規模の違いなど地域の実情を踏まえるとともに、地方公共団体への影響を考えまして、複数年掛けて段階的に反映をするということにいたしております。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 経済財政諮問会議の中でこれが議論されるのには相当違和感が僕はあるんですけれども、トップランナー方式と一緒に、頑張る地方が出した成果を反映させるということですよね。交付税制度の改革が進められていっているわけですけれども、二十九年度以降は、図書館の管理だったり博物館の管理とかという、ここを指定管理者制度の導入しなさいよとかという、こういう中身で議論をされているんだけれども、地方団体からは、教育機関や調査研究機関としての重要性に鑑み司書、学芸員等を地方団体の職員として配置しているといって、それぞれ地方独自でやっているわけですね。図書館を何か民間会社に委託をして、ちょっと最初はよかったけどいろいろクレームが付いたという話ももう既に聞き及んでいます。ですから、一事が万事、そういう方式というのは非常に僕は問題があると思うんですね。  本来だったら、これは政策誘導です、今おっしゃったとおり。成果を反映するという交付税の算定は、先ほど言ったように、僕は交付税の本旨に余り合わない、むしろこれやめた方がいい。現在、人口減少等特別対策事業費で取組の成果分が算定されているんですけれども、成果を上げた自治体には交付税をより多く反映するというふうにしているんですね。やっぱりこれって政府の政策誘導でしかないわけですよ。  僕、非常に危機感を持っているのは、地方交付税がそういうふうな目的で使われていくということは、これは石破大臣にもお聞きしたいんですけれどもちょっと質問しませんが、地方創生でわあっとやって何かいいことができたと、それで税収がある自治体ってないわけですね、それだけで。例えば不交付団体になるかというと、ないわけですよ。  だから、地方創生をうまくやるためにも、安定財源という地方交付税はやっぱりしっかりとキープしておかないと、これ、地方創生そのものもうまくいかなくなってくるので、あえて大臣に、これは総務大臣にお伺いしますけれども、政策誘導には交付税ではなくて、これは国庫補助金を用いるべきですよ。そう思いませんか。そのことを、大臣の考え方を聞きます。

高市早苗自由民主党総務大臣

○国務大臣(高市早苗君) そもそも地方交付税はその使途を限定しない地方の一般財源でございます。ですから、何かの政策を奨励するというのは国庫補助金の役割ですから、本質的には違うものであります。  今委員から御指摘がありました人口減少等特別対策事業費についてですけれども、基本は人口で算定するということにして、その上で、取組の必要度それから取組の成果、これを加味するということにしています。その取組の必要度によって、現状において指標の数値が芳しくない団体の需要額を割増しをします。それとともに、実際に減少対策等に物すごく積極的に取り組んでおられる地方というのは、それだけ必要になるお金が増えるわけでございますから、そこで取組の成果というものも算定に反映するということでございますので、今おっしゃった事業費につきましては、全国各地で取り組まれているまち・ひと・しごと創生の幅広い取組について、その各々の需要を財政需要に関連すると考えられる指標を用いて補正を行うというものですから、国が地方団体の政策を誘導する性質のものではないと考えております。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 いや、そうではない配分の仕方の計算方法を僕は言っているわけじゃなくて、地方交付税という本旨に僕は基づかない、このやり方は。各自治体の取組成果を、それによって交付税を配分を差異を設けるということなんです、早い話が。それは、元々の財政調整と財源保障、そして地方の固有の財源であったということからすると、これはそういう政策目的を遂げるためのお金を使うのであれば国庫補助金でやるべきじゃないかといった趣旨なんですが。  そこで、総理にお聞きしたいんですけれども、本来、地方交付税は、僕が言ったように、財政調整、財源保障を行い、自治体の財政運営を安定的なものにするためのものだと思うんですね。今総務大臣にそのことを質問したんですけれども、今中身の話をされました。  交付税制度の在り方を今検討されています、財政諮問会議で。それを検討するに当たって、やはりそうした交付税の本質的な機能、ここを大切にする必要があるというふうに思うんです。そのことを、交付税は今後ともその本来の機能を守ることが重要だと考えるので、あえてここで総理の見解をお聞きしたいと思います。明確に答えていただきます。よろしくお願いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 地方交付税は、税源の偏在により地方団体間に大きな財政力格差がある中で、財源の不均衡を調整し、全国どのような地域であっても一定水準の行政を確保するための財源を保障する大変重要なものと考えています。今後とも、地方交付税の財源調整機能と財源保障機能が適切に発揮されるよう取り組んでいく考えでございます。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 いろいろ質問をしてきたんですけれども、地方交付税制度があるから地方創生という問題もできる、地方交付税制度でやっぱり自治体の基本的なところをきちっと保障されているからこそ地方創生という新しい取組、自分たちの町の取組もできていく、そういうものだというふうに思います。その意味で、地方創生もやれるのも交付税制度があるからでして、自治体も交付税の財政調整機能には大変大きな期待を寄せているわけですよ。政府には、交付税の本来の機能をきちんと守った上で、交付税制度の在り方を考えていただくことを改めて申し上げておきたいと思います。  最後に、今後、自治体が自主性、主体性を発揮してまち・ひと・しごと創生に取り組むためには、交付税を中心にして自治体にとって自由度が高く地域の自主性を発揮できる財源をしっかり確保する必要がある、交付税をしっかり確保した上で。これは午前中、石破大臣もそういう話をされました。  総理にお伺いしたいんですけれども、そういう確保をする必要があります、地域の自主性を発揮できる。総理の見解を明確にしていただきたい。本当に自主性を重んじるお金を出していただきたい。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 地方団体が自らの発想と創意工夫により地方創生等の重要課題に取り組みつつ安定的に財政運営を行っていくためには、地方が自由に使える財源をしっかりと確保することが重要であると考えています。  平成二十八年度の地方財政対策においては、地方団体が自主性、主体性を最大限発揮して地方創生に取り組めるよう、まち・ひと・しごと創生事業費について前年度同額の一兆円を計上するとともに、地方の一般財源総額について前年度を〇・一兆円上回る六十一・七兆円を確保したところであります。  今後とも、経済・財政再生計画を踏まえ、地方財政計画において必要な経費を適切に歳出に計上し、地域の自主性を発揮できる一般財源総額の確保に取り組んでいく考えでございます。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 地方は、僕も全国を回っていますと本当に地域間格差があります。やはり東京は七兆円を超える都の予算を立てるぐらいのところでありますし、そうじゃないところもいっぱいあるわけですから、もうこれは本当に地方交付税の本旨をしっかり守っていただいて、そしてあえて自主財源をどうつくっていくのかということを是非力強く推進をしていただきたいと思います。  残りが九分になりましたので途中で終わることを前提に、内閣法制局長官、お見えになっていると思いますが、質問させていただきますけれども。  去年の九月の二十八日にですが、毎日新聞が報道しました。僕が総理と質疑をさせていただいた二〇一四年の六月九日の後の七月一日に集団的自衛権の行使容認の閣議決定をされました。そのときに、内閣法制局の方にいろんな質問を、質問というか打診をされているわけですけれども、実は、そのときの経緯なり議論の経過を残しているはずだと思っていたのが、ないと。一切公文書は残っていないということが実は毎日新聞の九月の二十八日の報道であったんですね。これ大問題になりました。だけれども、総理が臨時国会開いていただかなかったのでこの質疑できなかったんですが、これ事実ですか、長官。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) 公文書を一切残していないということではございません。  平成二十六年七月一日の閣議決定に関して内閣法制局が行った業務は、一つ目として、平成二十五年二月に安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会、いわゆる安保法制懇が再開されて以後、内閣法制次長がオブザーバーとしてこれに出席したほか、適宜内閣官房から議論の状況等について説明を受けております。  二つ目として、平成二十六年五月二十日に安全保障法制整備に関する与党協議会の議論が開始された後は、内閣官房から政府が与党協議会に提出する資料について事前又は事後に送付を受け、必要に応じて説明を受けるとともに、担当者間で意見交換をするなどしております。  三つ目として、同年六月三十日に正式に内閣官房国家安全保障局から当該閣議決定の案文が送付され、意見を求められたことから、これに対し、所要の検討を行った上で、同年七月一日、内閣法制局設置法の規定に基づき、口頭で意見がない旨の回答をしたものでございます。  内閣法制局におきましては、これらの業務に関する文書といたしまして、このようなものを保管しております。  第一に、安保法制懇に関する資料がございます。その中には、第一回から……

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 中身はいいです。資料があるかないかです。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) いいですか。  二つ目としては、当該閣議決定の案文のたたき台や概要を含む与党協議会に関する資料がございます。三つ目としては、当局が正式に案文の送付を受けた閣議決定の案文について回答するに当たって決裁を行った際のいわゆる原議がございます。  以上のように公文書として保存、保管しております。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 じゃ、あるということですね。  六月三十日に、閣議前日に、内閣官房の国家安全保障局から審査のために閣議決定案文を受領したんですね、これ、新聞によると。そして、七月一日に憲法解釈を担当する第一部の担当参事官が意見はないというふうに言った。つまり、意見はないというところまで議論をしたときの議事録はない。──あるんですね、じゃ。それを出してください。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) 決裁文書を保管してございますけれども、御指摘の議事録に相当するものはございません。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 じゃ、議事録じゃなくても結構です。  七十年間、何十年間も集団的自衛権は憲法違反だと、行使は。行使は憲法違反だと、もう前任の内閣法制局長官もずっと言ってこられていた。それをこう、ひっくり返したとは言いませんが、極めて解釈改憲、集団的自衛権行使容認でオーケーだという結論を出した。意見はないということはそういうことですからね。それほど大転換をやったのに、その討議資料さえないんですか。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) 内閣法制局における議論といいますのは、まさに法理についての議論でございます。そして、その一昨年七月一日の閣議決定で示された考え方が、現行の憲法第九条、さらにはこれまでの政府の憲法の考え方の基本、昭和四十七年の政府の見解として御説明してございますけれども、それに整合するものであるかについては、もちろん議論、検討をしたわけでございます。ただ、それを議事録というような形で残すという性質のものではないと考えております。  と申しますのは、憲法の条文あるいはそれまでの憲法についての政府の議論というのは、国会における議事録その他もろもろの資料に現に残っているわけでございまして、それを下敷き、ベースといたしまして、その新しい考え方をどのように理解、整理するかという議論でございまして、その中身につきましては、昨年の国会におきましてまさにるる御説明させていただいたとおりでございます。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 むちゃくちゃ無責任だと僕は思うんですね。  昭和四十七年の集団的自衛権は駄目だよといった決裁文書は、理由を含めて書いてあるわけですよ。書いてあるわけですよ。今回はそれをやらなかったということですね。これだけ解釈を変更することを意見聴取をやって、なぜそういうところに行き着いたかというその考え方を後世に残すという作業はやっていないということですね。そういうことでよろしいですか。  そうしたら、もう一つ。公文書管理法。これ、公文書管理法の、御存じのように、ちょっと公文書管理法違反ではないかと僕は思うんですよ。残してないわけですからね、何も、議論の経過含めて。なぜ、政府から意見を、されたのに、内閣法制局としては意見はない、それだけですからね。それで、その意見はないという、行き着いた議論というのはしているはずですよ。ここで言った、さっき言った、所要の検討をしたというふうにおっしゃったわけだから。じゃ、その所要の検討をした中身は少なくとも文書で残すべきじゃないですか。

横畠裕介内閣法制局長官

○政府特別補佐人(横畠裕介君) 当局におけるその意見事務の最終的な事務処理を行ったのは、まさに正式の照会に対して回答した一昨年六月三十日から七月一日にかけてのことでございます。  それまでの安保法制懇に関する事務でございますけれども、安保法制懇そのものは懇談会でございまして、内閣法制局が所管しているものではございません。  また、与党協議会の議論でございますけれども、これも与党の議論でございまして、内閣法制局の議論ではもちろんないわけでございます。  その上で、当局のその意思決定に至る文書をどのように保管するかという御指摘だと思いますけれども、その意味では、正式に照会があった後、回答するについての決裁文書は正規に作成して残しておりまして、公文書管理法に基づいて適正に文書は管理しているところでございます。

江崎孝民主党・新緑風会

○江崎孝君 じゃ、今言われた、残しているという文書を全部出していただくように、改めて要請いたします。それで私の質問を終わります。

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) 後刻理事会で協議をいたします。

横山信一公明党

○横山信一君 公明党の横山信一でございます。  平成二十六年度決算を踏まえまして、今後の事業に資するように、多様な課題について議論をさせていただきます。  最初に、震災復興について伺います。  会計検査院によれば、震災復興特別交付税は、算定対象とならない国庫補助事業などに二十八億五千三百五十九万円の過大交付があったと指摘をしております。また、過大交付した十四億円余りは、現行制度では短期間で減額調整できないことも明らかにしております。  復興事業は、資材調達の難しさなどがあって予定の工期に収まらない場合が多く、それが過大交付につながるとはいえ、会計検査院からの指摘には国民に丁寧に説明する必要がございます。  そこで、総務大臣の説明をお願いします。

高市早苗自由民主党総務大臣

○国務大臣(高市早苗君) 震災復興特別交付税の算定におきましては、全省庁の国庫補助金の交付決定などを基礎として、各地方自治体から報告された地方負担額に対して必要となる額を交付しています。  その後に、復旧復興事業が完了して額が確定した後、既に交付した額と実績額との間に差が生じた場合、新たに交付すべき額から加算をする若しくは減額をするということで精算を行っています。しかしながら、この実績額に基づく精算が適切に行われていなかったという指摘をいただきました。  原因ですけれども、実績額に係る自治体側の報告漏れによるものでございました。しかし、総務省としては、もうこれは、地方の貴重な財源であります震災復興特別交付税について、過大に交付されて適正に精算されていないということは決してあってはならないと考えております。  このため、会計検査院から改善処置要求を受けた過大交付額の全額につきまして、既にこれまでの算定において減額措置を講じました。さらに、地方団体に対しましては、やはり再発防止を徹底するための通知を発出するとともに、説明会などの場を通じまして、適切な算定、交付に向けて注意喚起を行いました。  そして、今、横山委員が御指摘いただきました制度上の問題ですけれども、地方交付税法には、精算規定はあるんですけれども、返還させる規定がないということで、そのために額が大きいと解消に時間を要するといった問題がございます。ですから、返還規定の創設について、今後、地方交付税法の改正で対応をするべく検討を進めてまいります。

横山信一公明党

○横山信一君 大変重要な御答弁をいただきましたので、返還規定については今後もしっかりと制度上担保できるように検討をお願いしたいというふうに思います。  福島の復興について伺います。  「原子力災害からの福島復興の加速に向けて」では、平成二十九年三月までの帰還困難区域以外での避難指示を解除する方針が示されました。  私は、先日、明年春を帰還目標に定めている飯舘村の住民が暮らしている松川仮設をお訪ねし、話を伺ってまいりました。仮設暮らしとはいっても、玄関から一歩外に出れば、病院があり、そしてスーパーがあるという便利な場所でございます。その方が申しておりましたけれども、その方は帰村することを決めているんですが、帰村して、農業を再開して村が整備する道の駅に農産物を出したとしても、果たして買ってくれる人がいるのだろうかと、そういう不安を持っているということもおっしゃっておりました。  そこで、総理にお聞きをしたいんですが、県も自治体も避難住民もそして復興庁も、生活再建にみんな努力をしております。しかし、避難住民には帰還後の生活再建の見通しがなかなか得られないという現状があります。そこで、総理は帰還した住民の生活再建をどのように考えているのか、伺います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 福島の原子力災害被災地域では、住民の帰還を可能にし、ふるさとを取り戻す取組が着実に進展をしています。昨年十月、避難指示が解除されて間もない楢葉町を訪問しました。帰還した方々から、町のみんなが戻ったときに灯をともして迎えたい、だから先に帰ってきました、こんな話を伺いました。ふるさとへの思いが復興の原動力だと改めて実感をいたしました。  福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なし、これが安倍内閣の基本的な考え方でございまして、被災地の方々の気持ちを大切にし、なりわい、生活、心のケアなどについてそれぞれきめ細かく支援をし、安心して戻れるふるさとを一日も早く取り戻せるよう全力を傾けていきたいと考えております。

横山信一公明党

○横山信一君 言わば、やれることというのはその場その場で最大限知恵を絞りながら取り組んでいくわけですが、結果的に今のこの飯舘村の方が不安をおっしゃっておられるようななかなか見通せない現実もあるということに対して、今総理がおっしゃっていただいたように、被災者の思いを酌んでいくという、その思いを大切にしていただきながら震災復興に取り組んでいくことが重要だと私も考えております。  地方創生関連では、地域再生計画を国が認定して支援事業を行っておりますが、会計検査院によれば、計画期間の終了したもののうち定量的な目標の達成率が五一%にとどまっていると、これは先ほどの午前中の質疑の中にもありましたので触れませんけれども、地方創生には支援に至る計画の吟味が求められているというふうに思っております。  話を北海道に移しまして、北海道開発局では北海道開発計画を策定をしております。これは北海道開発法に基づいて昭和二十七年から始まっておりまして、現在は平成二十年からの第七期計画が推進をされております。平成二十四年度にはその中間点検もなされました。  総理にこのことについて伺いたいのですが、北海道は少ない人口が広大な地域に分散している反面、我が国の食料基地であると同時に、食品輸出も活発な地域でもあります。また、本年三月の北海道新幹線の開業によりましてインバウンドの増加が見込まれております。そこで、七期計画を踏まえ、北海道の果たしてきた役割について所見を伺います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 北海道は、委員がおっしゃったように広大な土地があります。その中で、広大な農地や豊富な水産・森林資源を強みとして食料供給基地としての役割を果たすとともに、国民共通の資産とも言える豊かな自然環境や特徴ある景観に恵まれています。  本年三月には、北海道新幹線が函館まで開業するほか、札幌から道東の釧路まで高速道路で結ばれるなど、新たなネットワークが機能を発揮し始めることが期待されます。また、食や観光を始め、豊富な地域資源やそのブランド力を生かして、アジアを始めとする世界の需要を取り込み、グローバルに飛躍することが期待されています。道内には、ソフトクリームの原料となるソフトミックスを製造し、海外に輸出している酪農の生産者団体もあるなど、新たな発想で消費者ニーズに応えた取組も進んでいます。  他方、北海道では、積雪寒冷な気象条件に加えて、全国より先行して人口減少が進みつつあるなどの課題も抱えており、活力を失うことなく人々が豊かな暮らしを送ることのできる地域社会を確立することが求められています。海外と直接つながることで、アジアを始め世界の成長を取り込み、発展していくことができる時代を迎えています。  また、二〇三〇年度には北海道新幹線が札幌まで開業する予定でありまして、観光地経営のための地域組織づくり、日本版DMOや農業経営の担い手づくりなど、地方創生の取組も道内各地で始まっています。  これらを踏まえた新たな北海道総合開発計画を策定し、その推進を図ってまいりたいと考えています。

横山信一公明党

○横山信一君 今おっしゃっていただきました新たな総合開発計画の策定に当たりましては、全道九都市で北海道価値創造パートナーシップ会議というのを開いていただきました。これは参加者、地域づくりに携わっている道民の方たちが集まっていただいて広く意見を聴取していただいたというふうに認識をしております。このことは今までにない計画策定の取組だったということで評価をしたいというふうに思います。今後も、年度内の閣議決定を目指して、世界水準の価値創造空間の形成に努力をしていただきたいというふうに思います。  さて、大規模災害時におきます広域医療搬送について伺います。  これまで、平成二十五年に、南海トラフ地震を想定して三重県尾鷲沖で輸送艦「しもきた」を用いた実証訓練、翌二十六年には、首都直下地震を想定して東京港で大型フェリーをチャーターしての実証訓練、そして、昨年の防災の日には、護衛艦「いずも」を用いて羽田空港に設置したSCUと連携した搬送訓練を行いました。  これまでの三か年にわたる船舶活用の実証訓練をどのように総括しているのか、防災担当大臣に伺います。

河野太郎自由民主党国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・規制改革・防災)

○国務大臣(河野太郎君) 御指摘のとおり、大きな災害時には多数の負傷者が出ることが想定をされておりまして、全国からDMATの応援を受けたり、あるいは被災地外の医療機関に搬送するなど、いろいろな医療資源を活用するということが大切だと思っております。  議員からも御指摘いただきましたように、これまで三か年、いろいろと船舶を使ったそうした実証実験をやってまいりました。この三年間の訓練において、DMATと政府艦船の連携の重要性、あるいは船内での医療活動の制約、船舶や陸上の臨時スペースに展開可能な医療モジュールの必要性など、様々な課題が明らかになってまいりましたので、引き続きそうしたことについて検討を加えてまいりたいと思っております。

横山信一公明党

○横山信一君 この三か年では、今おっしゃっていただいたほかにも、海上の船舶を用いた災害初期を想定した急性期対応、あるいはその後の慢性期対応の訓練も重ねてまいりました。これは、今までの大規模災害では医療支援に船舶を用いられなかったということを考えますと、画期的な取組というふうに評価をしたいというふうに思います。  しかし、今の御答弁にあったように、訓練を重ねてみると、医療専用の船舶ではないために、揺れる船内で本当に手術ができるのかとか、あるいは船内エレベーターにストレッチャーが入らないとか、様々な課題も浮かび上がってまいりました。  そこで、総理にお聞きしたいんですが、海からのアプローチによる災害対応を更に進化させるためには、船舶に現地対策本部を設置して指揮機能を確認するなど、まだ検証されていない項目を含め、これまでの実証訓練で明らかになった課題の解決を図らなければなりません。そして、将来的には災害時多目的船を導入すべきと考えますが、所見を伺います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 場所を問わずに様々な場所で発生をする我が国の災害でありますが、国民の生命と財産を守るため、首都直下地震、南海トラフ地震など、大規模地震の発生に備える防災・減災対策は極めて重要であります。  そこで、大規模災害時における船舶の活用については、自衛隊の艦船や民間船舶を活用した医療機能を補完するための実証訓練を実施しているところであります。  政府としては、これまでの実証訓練で明らかになった課題等も踏まえつつ、引き続き、実証訓練を積み重ね、船舶活用の有効性、活用方策をしっかり検証してまいりたいと思います。

横山信一公明党

○横山信一君 次、国交大臣にお伺いいたしますけれども、国交省では平成二十五年に大規模災害時の船舶の活用等に関する調査検討会、そして翌年の二十六年には災害時の船舶活用の円滑化の具体的方策に関する調査検討会というのを開催をいたしまして、船舶運航事業者とそれから自治体双方からの災害時の船舶活用を検討してきております。  そこで、災害時における民間船舶の活用をどのように進めていくのか、伺います。  また、あわせて、国交省は災害対策本部等から船舶の手配依頼があった場合に対応できるプログラム開発も進めているというふうに伺っておりますけれども、その進捗状況も併せて伺います。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 災害時におけるフェリー等の民間船舶の活用でありますが、東日本大震災の際には、被災地への燃料輸送や自衛隊、警察、消防などの要員、車両の緊急輸送を行うなど、災害時において民間船舶は大変重要な役割を担っております。  災害時に地方公共団体等が迅速に民間船舶を活用するためには、あらかじめどの港でどのような運送を行う船舶を活用するかなどを具体的に検討しておくことが重要でございます。  このため、国土交通省といたしまして、災害時に輸送したい物資や人員に応じて港ごとに着岸できる民間船舶を迅速に選び出すシステムを構築をいたしまして、その運用を本年度から開始をしております。このシステムを活用し、平時から地方公共団体が想定するニーズに応じた民間船舶の情報をあらかじめ提供し、災害時における民間船舶活用の検討を支援してまいりたいと存じます。  さらに、災害発生時におきましても、現地のニーズに応じた民間船舶の情報提供や船舶の手配の協力を通じて地方公共団体の災害対応を支援してまいりたいと存じます。

横山信一公明党

○横山信一君 次に、てんかんについて伺います。  二月の第二月曜日は世界てんかんの日というふうに昨年公表されました。今年はそれは二月八日に当たりまして、我が国でも啓発イベントが開催をされます。今日はこのバッジを付けておりますが、「あかりちゃん」といいまして、てんかんを啓発するバッジでございます。  てんかんを持つ人の数は主病傷以外の人も含めると日本全体で六十万人から百万人と推定されておりますが、てんかんは今や治る病気でもございます。長期予後では、約五〇%の人が薬を飲まなくてもよくなり、二五%は服薬すれば発作をコントロールできるようになっています。  他方、てんかんはあらゆる年齢で発症する病気でもあります。とりわけ、海外の疫学研究では、高齢者での発症率は小児よりも高いことが報告されています。日本は高齢社会ですので、こうしたこともより多くの国民の皆さんに知ってもらうことが大切と思います。  そこで、総理に伺いますが、てんかんについては大変に不幸な交通事故があったことで誤解や偏見が生じてしまいました。てんかんの症状を持っている人は、専門医の診断を受け、適切な治療を受けさえすれば、多くの場合、支障のない日常生活を送ることができます。他方、てんかんであることを隠して治療を受けないと周囲に大変な迷惑を与えかねません。そういう意味では、てんかんについての正しい理解を社会に普及することが大切と考えますが、総理の所見を伺います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 確かにてんかんについては誤解も世の中にはあるようでありますが、てんかんは、治療によって病状を抑え、日常生活を送ることが可能な病気であります。  過去に不幸な交通事故で尊い命が失われたことは承知をしておりますが、御指摘のように、てんかんであることを隠して必要な治療を受けないということがないように、誤解や偏見をなくすための正しい知識の普及が重要であります。また、てんかんの患者の方を適切な医療につなげることも重要であります。  知識の普及については、従来から、みんなのメンタルヘルス総合サイトにてんかんに関する情報を掲載するとともに、患者やその家族等の団体とも連携して普及啓発に取り組んでいます。  医療については、平成二十七年度から、てんかん患者に対し専門医療を提供する医療機関において、地域の医療機関等と連携した医療提供体制の整備を進めています。  引き続き、てんかんについて正しい知識の普及と、そして適切な治療を受けやすい環境づくりに取り組んでいく考えでございます。

横山信一公明党

○横山信一君 今総理がおっしゃっていただきましたように、今年度からてんかん地域診療連携体制整備というのが行われているわけでありますが、こうしたことを通じまして正しいてんかんに対しての理解が広まっていくことを希望しております。  国家公安委員長に関連して伺いますけれども、てんかんを含め、病気が不幸な事故を引き起こしたのではなくて、病気を持っている本人の対応に問題があるということを明確にすべきと考えます。事件や事故にあっては、病気との因果関係を想起させるような病気の公表は厳に慎むべきと思いますが、いかがでしょうか。

河野太郎自由民主党国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・規制改革・防災)

○国務大臣(河野太郎君) 議員がこの問題に熱心にこれまでも取り組まれていらっしゃいまして、また、警察にもお話をいただいているということは私の前任の山谷前国家公安委員長からも引継ぎをしております。  議員おっしゃるとおり、病気の問題ではなくてその本人の問題であるということは今広く知れ渡りつつあるということでございますし、病名の公表については慎重でなければならないというふうに警察を指揮してまいりたいと思っております。  ただ、危険運転致死傷罪の場合には、その施行令三条二号に一定の病気の場合としててんかんの記載がございますので、この場合は一定の範囲内で病名が特定をされるということがあるということでございます。そこだけ御理解を賜りたいと思います。

横山信一公明党

○横山信一君 ここは是非慎重な対応をお願いしたいと思うんです。先ほど総理の答弁にありましたように、やっぱり社会の中にしっかりとてんかんについての理解を深めていく上で、誤解や偏見を生じかねないような公表というのは慎重の上にも慎重にお願いしたいというふうに思います。  健康増進施設認定制度について伺います。  全国には湯治場として、温泉ですが、湯治場として有名な温泉が幾つもあります。例えば、秋田県の仙北市にある玉川温泉あるいは北海道の豊富温泉などですが、この豊富温泉、ここは全国からアトピーや乾癬の方がたくさん訪れる温泉でございまして、私も行ってまいりました。ここの温泉は、世界的に珍しい、石油というか油分を含んだ泉質でありまして、アトピー性皮膚炎の方が三週間ほどで症状が改善する様子を町のふれあいセンターに常駐されている健康相談員から詳しくお話を伺ってまいりました。  しかし、湯治の効果がどんなに期待できても、日本最北端の豊富温泉は遠く、旅費も掛かります。こうした特徴的な湯治場を持つ自治体では、健康増進型施設として医療費控除を望んでおります。  そこで、厚労大臣に伺います。健康増進施設のこれまでの果たしてきた役割をどのように認識をしているのか、そして認証の要件緩和についてどう考えるか、伺います。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 今先生から御指摘のございました温泉利用型健康増進施設は、適切な運動施設とそれから温泉設備を兼ね備えているということなどの要件を満たす施設について厚生労働大臣が認定をしてまいったところでございまして、今全国で十九件ございます。  温泉利用型健康増進施設は、安全で適切な健康増進の場として国民の健康づくりに貢献をしてきて、多くの方に御利用いただいているというふうに思いますが、この増進施設につきましては、その一層の普及を図るために、運動施設と温泉施設が今は同一施設内になっているわけでありますけれども、それが同一施設内にない場合であっても、両者が連携ができているということであれば認定できるように要件の緩和を検討をしておりまして、年度内を目途に大臣告示を改正する予定でございます。

横山信一公明党

○横山信一君 是非スムーズにいくようにお願いしたいというふうに思います。  この豊富温泉は非常に石油臭い温泉なんですけれども、アトピーの症状を抑える効果がございまして、アトピーですので若い人たちが多く訪れます。若い人たちですから余りお金がないということでありまして、場所的には稚内空港から更に電車か、電車は走っていないですね、ディーゼル機関車ですね、それからバスか若しくは車で行くしかないんですけれども、車でも四十分ぐらい掛かるような場所でございまして、交通のアクセスが大変なところなんですが、それでも全国からたくさんの人が訪れる。もしこの健康増進施設として認定されれば利用者の方たちは大変に喜ばれるというふうにも思いますので、よろしくお願いしたいというふうに思います。  次に、農林水産大臣に伺いますが、農業・食品産業強化対策整備交付金事業の費用対効果分析、これ会計検査院から指摘を受けておりまして、効果項目の内容と関係のないものが含まれているという指摘を受けております。十分な成果分析に取り組まなければなりません。  その上で、その上でというか、この成果が十分に評価されていないという指摘だというふうにも捉えるわけですが、今の農林水産業の置かれている現状からいくと、今、政府一丸となって進めてきた攻めの農林水産業によって農林水産物・食品の輸出は極めて好調になっております。平成二十六年は六千億円を超えておりまして、平成二十七年も最高額を更新するというふうに見られております。  こうした輸出の増加に合わせて動植物検疫の強化を図ることも重要です。国内で家畜伝染病が発生した場合であっても畜産物の輸出が全面停止とならないようにすることや、訪日外国人がお土産に農畜産物を持ち帰ろうとする際のスムーズな検疫手続など、農林水産物の輸出促進の観点から今後の動植物検疫の対応策を伺います。  また、あわせて、輸入に関しまして、今は輸出の話ですが、輸入に関しましても、これは水産物でありますが、世界各地で今水産養殖が非常に活発になっております。その中で、そうした各地で養殖をされた水産物が日本にも輸入をどんどんされておりますけれども、こうした輸入水産物に関して、リスク評価に基づいて、とりわけ貝類ということになりますが、貝類を含む水産動物の疾病を輸入防疫対象に追加するなどの防疫体制の強化、これが今図られようとしておりますが、今どのような状況になっているのか、併せて伺います。

森山裕自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(森山裕君) 横山委員にお答えをいたします。  平成三十二年度の輸出総額一兆円を目指して今努力をしているところであります。安定的な輸出につなげていくということが大事なことだと思っております。そういう意味からいたしましても、疾病発生時の輸出停止地域を限定をするということは非常に大事なことでございますので、今EUと米国とは協議を開始したところでありまして、しっかりと協議を進めさせていただきたいと思っています。  また、クルーズ船などを利用される旅行者がお土産として農畜産物を持ち帰りたいという御希望も非常に多いようでございますので、今いろんな事業に取り組んでおりますが、先生のお地元の北海道が一つのモデルになったんですけれども、おみやげ農産物植物検疫受検円滑化支援事業で北海道におけるメロンのモデル販売というものを実施させていただきました。その結果、タイの方々が御参加をいただいたツアーだったんですけれども、六十五名の方が御参加をされまして、そのうち三十三名の方がメロンをお求めいただいたという実績でございますので、こういうことを更に進めていかなければならないと思っております。  また、シンガポールには今月の十五日から、シンガポールとは協議が調いましたので、日本から五キロまでは牛肉、豚肉を持って帰っていただけるように検疫がしっかりできる仕組みができ上がりましたので、こういうことを一つ一つ積み上げていくということが大事なことだと思っております。  一方、水産防疫につきましては、横山委員が農林水産政務官のときに御尽力をいただいたと伺っておりますが、科学的知見に基づいて本年二月までに防疫対象疾病を見直すということにさせていただきまして、都道府県、養殖業者等とも連携した防疫体制の強化を進めていきたいと考えております。  以上でございます。

横山信一公明党

○横山信一君 クルーズ船、大変にいい話題だというふうにも思いますので、今北海道の例を紹介していただきましたが、全国各地、今クルーズ船、入港がどんどん進んでおります。そうした意味では、我が国の優れた農林水産物を皆さんに買っていただけるようなスムーズな検疫手続、是非とも進めていただきたいというふうに思います。  いわゆるサポステの話に、これが最後の質問になろうかと思いますが、地域若者サポートステーション、いわゆるサポステでは、高校中退者を対象に、定時制高校や高認試験、高校卒業程度の試験を受験するための学習支援事業が行われておりました。これはニートの学校教育への復帰を目指すもので、平成二十二年度には全国五か所で開始され、平成二十三年度、二十四年度と実施箇所が順次拡大をし、そして平成二十五年度には全てのサポステで実施をされました。  しかし、行政改革推進会議での評価は厳しくて、学校の本来機能を損なうとして、この事業は一年で廃止をされました。しかし、サポステ関連事業は日本再興戦略にも記載をされておりますし、また再チャレンジ懇談会でも高い評価を得ていたものでありますので、行政評価を踏まえた上で、一億総活躍社会の実現の中で捉え直していくことが必要ではないかというふうに考えます。  そこで、現在、このサポステでのニート対策、学び直しと関連をしたニート対策、これを今後どういうふうに進めていくのか、大臣に伺います。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 今御指摘がございました地域若者サポートステーション、いわゆるサポステでございますけれども、今先生から御説明あったとおり、学校連携推進事業というのは、いわゆる行政事業レビューで対象としていかがなものかと、こういうことで二十六年度末までに段階的に廃止をしたところでございますが、元々このサポステは若者に対する就労支援ということでありますから、どんな若者であろうともやっぱりサポートしないといけないという考えでいくべきだろうと思うんですが、この地域若者サポートステーションにおいて、高校中退者、いわゆるニートになるリスクの高い予備軍のような、そういうところへの支援というのは大変重要であって、支援に同意をした中退者については、高校から情報提供を受けて、そして自立に向けた相談支援を行っているわけでございます。  二十八年度では、在学生、高校生であっても、中退リスクが明確化して先生にもう中退するかも分からないという話をした時点でサポステによる支援の紹介を行うとともに、本当に中退をしてしまった場合には、アウトリーチ型の、こっちから、サポステの方から出向いていく、きめ細かい相談によって就労支援に結び付けていこうというふうに思っております。  そういうこととしておるわけでございまして、今後とも、高校との連携というのをやっぱりしっかりと情報交換しながら、高校中退者あるいはその予備軍などについて若者の自立支援にしっかりと取り組んでいかなければならないというふうに思いますし、それがこのサポステの位置付けになるんではないかというふうになるわけでございます。

横山信一公明党

○横山信一君 学校に行けない、あるいは行かないというニート予備軍の方たちを対象にした今事業のお話をしていただきましたけれども、既にニートになった人も含めて、学び直しというところが今大事なのではないかというふうにも見ております。また、そういう役割を担っていきたいというふうに考えている様々な団体もあるわけでありますし、またそういう実績を持っている団体もございます。ですから、そういったところに支援の手が広がるような、ニート予備軍だけにとどまらない、幅広い観点でこのニート対策を進めていかなければならないというふうに思います。  以上で質問を終わらせていただきます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。  まず、甘利大臣に質問いたします。  週刊誌の報道は、大臣と大臣の事務所がお金を受け取ってURに口利きをしたというものです。この報道が事実であれば、あっせん利得罪に問われる可能性が極めて高い。だから、大臣は午前中の質疑で、記事を読んで驚いたというふうに答弁をされたのではないでしょうか。  あっせん利得罪に当たり得ると、この報道はですね、そういう認識を甘利大臣はお持ちなのか。また、午前中、調査するというふうに言われましたが、その認識の下で調査をするということですか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 午前中も申し上げましたように、私は秘書がそういう行動をしていたということは初めて知りました。これは真実であります。ですから衝撃を受けたわけであります。週刊誌報道のような行動を秘書がしていたということは全く知りませんでした。

田村智子日本共産党

○田村智子君 これは大臣自身も問われているわけですね。これまでも民主党の議員、質問されていましたが、大臣室と地元事務所で二度にわたって五十万円を大臣御自身が受け取られたという報道がされているわけですよ、計百万円です。  大臣は、午前中の質疑では、この報道されている日付にその場所で当該人物と会っているということはお認めになりました。午後の最初の質疑で五十万円を受け取ったかということを大分聞かれましたけれども、しかし、これについてあなたは、記憶が曖昧だという答弁しかされていません。  これ、秘書がやっていたことは全く知らなくて驚かれたというんですね。全くやっていないことが書かれたら、五十万円受け取ったと報道されたら、驚くのが普通じゃないですか。五十万円受け取ったと、このことを否定されないんですか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 事の経緯を御説明をいたします。  週刊誌報道を読みました。二年二か月前、ですから平成二十五年の十一月中旬ですね、千葉のS興業の顧問、顧問と称される一色さん、この方はS興業の顧問ですね、そして、その方とS興業の社長一行が大臣室を訪問したいと。秘書からは、S興業の社長は私の熱烈なファンだからという連絡がありました。その三、四名が初めて大臣室に二年二か月前に来られました。そのときの録音があると。最初に大臣室を訪問されたとき、秘密に録音機を持って入られるということがどういう目的なんだろうか、それ以降全て秘密裏に録音を取って、文春によると数十時間ですね。それに……(発言する者あり)いや、文春に書いてあることですから。それにちょっと衝撃、ショックを受けたんですけれども。その録音によって大臣室で行われていることが報道されていましたけれども、それと、先ほど来言っていますけれども、私の記憶の一部が違うんであります。ですから、ただ、向こうは録音が全部最初からあるんだと、全て、最初に出会ったときから最後まで全部秘密裏に録音しているんだということですから、録音があるとしたら何で私の記憶と違うんだろうかということで、それを精査をしないと、ここで発言したことというのは議事録に残りますから。  ですから、それを、別に何もしゃべらないということじゃないんです。ちゃんと精査したらちゃんと申し上げますと申し上げているんです。逃げ切るなんということは一切言っていませんから。だから、その精査をさせてくださいということをお願いしているわけです。

田村智子日本共産党

○田村智子君 結局、どんなに聞いても、長く答弁されても、五十万円の受領ということを否定されないんですよ、一言も。  これ、総理にお聞きをいたします。  現職閣僚が大臣室で五十万円を受け取り、口利きをしたという疑惑なんです。これは、政治資金報告書への記載漏れなどとは全く次元が違う、あっせん利得罪など、大臣の資格そのものが問われる重大な疑惑です。大臣が調べるから、甘利大臣が調べるからそれでいいではとても済まされないです。これはあなた自身が、総理自身が真相究明に責任を持つべきだと思いますが、いかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 既に甘利大臣から、速やかに必要な調査を行い、その上で自ら国民に対する説明責任を果たしていくと、こう明確に述べておられますから、そのようにしっかりと説明責任を果たしていただきたいと、こう考えているところでございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 これはもう内閣自体の責任ですよ。こんなあっせん利得の疑いが持たれるような大臣がTPP交渉を行った、こんなことは断じて認められないですよ。徹底的な解明を今後も求めます。  今日は元々質問を準備していたものがありますので、そちらの質問に移ります。  これまで私は子供や若者の貧困の問題を繰り返し国会質問で取り上げてきました。安倍総理も、子供たちの未来が家庭の経済事情によって左右されるようなことがあってはならない、こういう認識を繰り返し示してこられました。  それでは、安倍政権の三年間というのは、子供や若者が未来に希望を持てるような政策が本当に進んだと言えるのか、今日は大学生に焦点を当てて質問いたします。  十八日の予算委員会で我が党小池議員が、家庭の経済状況で大学進学率に明らかな差があるということを示して、自助努力だけでは解決できないという認識があるかということを文科大臣にただしました。馳大臣は、その認識があるという答弁をされました。  これは、直接的な問題はやはり学費負担だと思います。大学入学した年に納める初年度納付金、国立大学で八十二万円、私立大学は、平均額ですが、文科系百十五万、理科系百五十万、医科歯科系は四百六十一万円にもなるわけです。  総理、これは余りにも高い。多くの家庭で自助努力の限界を超えていると思いますが、いかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 家庭の所得や両親の学歴が児童生徒の学力と密接に関係があることや、家庭の経済状況によって大学等進学率に差があることなどが各種調査で示されていることは認識しております。子供たちの輝かしい未来が、本人の努力以前に家庭の経済状況によって失われてしまうようなことがあってはならないと考えています。  このため、来年度予算において幼児教育について、所得の低い世帯の保育料を、第一子の年齢に問わず、第二子は半額、第三子は無償にするとともに、高校生等奨学給付金を拡充いたします。また、大学等の無利子奨学金を一・四万人増員し、授業料免除を五千人増員することなどを盛り込んだところであります。  貧困の連鎖を断ち切るために教育の機会均等は重要であり、今後とも、教育費負担を軽減し、希望すれば高校にも専修学校、大学にも進学できる環境を整え、子供の勉学意欲に応えていきたいと考えております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 お配りした資料を、パネルを御覧いただきたいというふうに思います。(資料提示)  これは、OECDの調査を国会図書館がまとめたものなんですね。OECDは、高等教育の授業料水準、奨学金の公的補助の水準、それぞれ高いか低いかということを四つの分類にしています。  低授業料で、授業料が安くて高補助、奨学金などが充実している、これは北欧諸国とドイツ。ドイツは長く授業料無料だったんですが、財政難を理由に九〇年代に授業料徴収に転じました。しかし、学生の要求運動を受けて、今再び無償化がどんどん進んでいるわけです。  次に、授業料は高く、また補助も高い、これはアメリカやイギリスなど六か国です。このうちイギリス、九〇年代の終わりに授業料を有料として、その後値上げも行われました。しかし、大きな批判が起こって、卒業後に所得に応じて支払う、言わば出世払いの制度となりました。また、学費値上げをした際には、奨学金の水準を給付、貸与とも引き上げています。  それでは、授業料が安くて補助も低いという国はどうか。これはフランスなど七か国。フランスの学費は登録料と健康診断料で年間三万円足らずです。これも経済的要件で免除があり、八段階で最大年七十八万円弱の奨学金が給付をされる制度があります。  最後、授業料が高く補助が低い、日本、韓国、チリの三か国です。このうち韓国は、二〇〇八年から給付制の奨学金をまず生活保護受給者からスタートをさせて、今、低所得層、中所得層へとその対象を広げています。チリは昨年、低所得層の授業料を国立、私立とも無償化するということを決定いたしました。これ、今年から始まります。日本はどうかと。国際的に明らかに高い学費です。しかも、国としての給付制の奨学金はありません。  総理はよく、地球儀を俯瞰する外交とおっしゃる。では、地球儀を俯瞰したときに、日本の高学費、低補助、これは余りにも際立っていると思いますが、いかがですか。

馳浩自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(馳浩君) お答えいたします。  国によって奨学金を含む教育費の負担軽減のための方策については様々な制度があり、一概に比較することは困難であると考えております。  文部科学省としては、意欲と能力のある学生等が家庭の経済状況にかかわらず大学教育を受けられるようにすることは教育の機会均等を図る上で極めて重要なことと考えており、大学段階における学費負担の軽減に努めております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 これ、明らかにもう際立っているんですよ。異常なんですよ。  財政難から大学学費を値上げした国というのは日本以外にも確かにあります。しかし、ドイツでもイギリスでも、国民生活に著しい影響を与えた場合には新たな負担軽減措置がとられているんですよ。ところが、日本では、国民所得が減少をし続けてもなお学費値上げの政策が続けられました。  二枚目の資料です。  これ、大学の初年度納付金と、それから児童のいる世帯の所得の推移を見ています。これ、児童のいる世帯の平均所得、一九九六年の七百八十二万円がピークで急激に減少する。二〇一三年には六百九十六万円。ところが、国立、私立ともこの二十年間で約十万円も初年度納付金は値上げがされているわけです。これが何を招いたかです。  次の資料です。  日本政策金融公庫の二〇一四年度の教育費負担調査、学生の世帯年収の分布をグラフにしたものです。国公立大学で五三%、私立大学で五四%が最も所得の高い階層、年収八百万円以上になっています。これ、国公立高校や、ここにはありませんけど、短大、専門学校を見ても、この八百万円以上の層というのは三割台なんですよ。これ見ても、低所得層が大学進学からはじき出されたような状態、これは明確だと思います。  実例を挙げます。東北地方のある母子世帯。娘さんは大変成績が優秀で学年トップ、高校一年で簿記三級に合格するほど優秀です。これ、大人でも四割ぐらいしか合格しないような試験だといいます。お母さんは、何とか進学させたいと以前から学資保険を毎月少しずつ積み立ててきた。しかし、十八歳になれば児童扶養手当がなくなる。生活費だけでも苦しい。学費は余りに高くて、積み立てたお金ではどうにもならない。お母さんは、娘は高校のキャリア教育などで大学に興味を持っている様子だと。でも、家庭の経済状況を知っているから、大学進学についてはもうしないと決めていて、大学のことは一言も家で話さない。これ、お母さん、どれほど切ないか。娘さんの気持ちを思うと本当に胸が痛みます。  総理、国民所得が減ってもなお高学費、低補助の政策を続けたんですよ。これが今や教育の機会均等を掘り崩している。総理、答えてください、そういう認識おありですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我が国においては、授業料免除や奨学金の充実によって学生の経済的負担の軽減に努めてきたところでありまして、先ほども申し上げましたが、来年度予算においては、大学の授業料免除については国立で五万九千人、私立では四万五千人に支援を行うとともに、大学等の奨学金については無利子奨学金では四十七万四千人、有利子奨学金では八十四万四千人、合わせて百三十一万八千人に貸与を行うなど施策を講じているところであります。  そして、無利子奨学金につきましては、年収三百万円以下の世帯の学生には学力の基準を満たせば全員貸与する制度となっておりまして、今例として挙げられた方は成績がトップという方でありますから当然この学力の基準を満たすということになるんだろうと思いますが、そういう方については全員貸与する制度となっておりまして、その上で、来年度予算では全学生の一四%に当たる学生に貸与することとなるわけでありまして、こうした仕組みをしっかりと活用していただきながら、学生が経済的な理由により学業を断念することがないよう授業料減免の充実を図ってきたところでございますが、今後とも努力を重ねていきたいと思っております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 今、来年度予算で負担軽減進むというような説明があったんですけれども、その来年度予算の編成に向けて、財政制度審議会、この建議見たら何が書いてありますか。国立大学の運営費交付金を総額で削減する方向を示して、授業料引上げの議論が必要だと、こんなことまで書かれているじゃありませんか。本当に異常ですよ。  国民所得落ち込む、学費は上がる。じゃ、この下で今総理が言われたような施策が取られても、学生生活がどうなっているか、お示ししたいと思います。東京私立大学教職員組合連合が、十四大学、約四千三百人からのアンケート調査を行いました。学生への仕送り額の平均は、九四年度には十二万四千円、これが二〇一四年度八万八千五百円に激減しています。家賃を除く生活費、これ計算してみると、一日僅か八百九十七円。  馳大臣にお聞きします。これで学生たちはどうやって生活をしていけばいいんでしょうか。

馳浩自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(馳浩君) お答えいたします。  学生への家庭からの給付額が減っていることについては認識をしております。仕送りだけでは大学に進学することが困難な方々が家庭の経済事情によらず大学教育を受けられるように、奨学金や授業料減免の充実など、学生への経済的支援の充実を図ることが重要と考えております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 今の答弁では、やっぱり学生はアルバイトで稼ぐか奨学金を借金するか、それしかないわけですよ。  ところが、じゃ、学生、アルバイトで働こうとする。これ、派遣など非正規雇用が社会人の中にも広がっていますので、学生のアルバイトの賃金がデフレスパイラルの渦の中に巻き込まれているわけですよ。ブラック企業対策プロジェクト、これ、大学の先生方やNPO法人が立ち上げたものですけれども、二〇一四年、全国二十七の大学の協力の下、学生バイトの実態調査を行いました。調査結果によると、時給の平均値、全職種で見ると九百四十四円、塾、家庭教師でも千二百十七円なんですね。そうすると、どういうバイトになっちゃうか。  実例紹介します。東京大学に、先ほど来支援だと言っている授業料免除、これを受けて入学したAさん、親は自営業を失敗して仕送りは全くなかった、生活費のため、奨学金月五万円を借り、さらに月十万円以上、多いときで十七万円を自分で稼いだ、夕方四時から深夜零時まで八時間、塾で添削のアルバイト、帰宅は午前一時半、それから勉強するという毎日です。大学の講義がない日は昼間もスーパーの店頭販売など日雇派遣で一日七時間働いた。それでも彼女は奨学金という借金を三百万円以上抱えて卒業しています。このAさんは、私は授業料が免除されたから何とかなった、弟は地方の国立大学で家計状況は変わらないのに減額にしかならなかった、私以上に大変だったと思うというふうにお話しされているんです。  これまで御答弁あったとおり、授業料の減免、奨学金、これを利用しても一日八時間、七時間、学生が働かなければならない。これ、どう思われますか。

馳浩自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(馳浩君) お答えいたします。  多くの学生がアルバイトに従事し、中には長時間アルバイトをする者もいることは認識しております。アルバイトにより学業に支障が出るようなことは望ましいことではないと考えております。  近年、経済情勢の悪化により家計の状況も厳しくなる中で、学生の高等教育への進学機会をより確保するため奨学金事業を拡充してきているところであり、今後も学生が安心して学ぶことのできる環境の整備に取り組んでまいりたいと思います。

田村智子日本共産党

○田村智子君 本当むなしくなってくるんですけど、これ、私立大学だともっと大変ですよ。  これ、もう一例紹介します。私立大学一年生B君。授業料と生活費のため奨学金は月十二万円を借りる、さらに、夜十時から朝五時や六時までコンビニでバイトをする、自宅で仮眠して大学へ行って、空き時間は大学でも仮眠すると。それでも年九十万円の授業料に足りなくて後期分は滞納になった、大学からはこのままでは除籍になるという通知が来て、もうこれ以上大学にいても借金が増えるだけだ、中退を決意せざるを得なかった。B君の知人は、結構頑張ったんですけどね、この言葉に胸が詰まったというふうに言っていました。  先ほど紹介した学生バイトの調査、アルバイト経験者の四二%が夜十時から朝五時の時間帯で働いたことがあると、こう回答をされているんです。このように長時間労働、深夜労働で、これでは学業成り立たない。そうすると、短時間高収入のバイトがあるんだといって今や風俗産業が入り込んでいる。一月六日付け東京新聞が報じています。大手アダルトビデオプロダクションが、奨学金返済ナビというサイトで何の仕事かを隠して女子学生を募集していたという記事です。確かにインターネット検索をしますと、奨学金の返済、学費の支払という言葉で女子学生をターゲットにする情報が次々と出てきます。  今度は総理にお聞きしたいんですね。雇用の流動化が必要だといってリストラ、合理化の旗を振り、派遣労働など非正規雇用を爆発的に広げたことで親世代の収入の底が抜けた。それでも受益者負担だと学費を上げ、払えなければ奨学金を借りればよいと頑として給付制奨学金に踏み出さない。あなたたちが進めた政策がここまで若者たちを追い詰めている、こういう認識おありですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この給付制の奨学金につきましては、財源の確保や対象者の選定など、導入するには更に検討が必要と考えております。同時に、先ほど申し上げましたように、学生の負担の減免に努めているところでございます。  ただ、今委員がおっしゃった前提の経済の状況については、これは全く我々考え方が違うわけでございまして、五十四歳以下の働き盛りの方々の世代につきましては正規から非正規に移る方よりも非正規から正規に移る方が増えているのは現実に実態でございまして、そうした中におきまして総雇用者所得もしっかりと増えてきているというのも実態でございますし、また、パートの時給はこれも二十二年ぶりの高い水準になっているのも事実でございまして、その点のこれは分析は違うわけでありますが、いずれにいたしましても、給付型奨学金については、財源の確保、そして対象者の選定など、導入するには更に検討が必要であると考えております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 もうアベノミクスの果実を待っていたら、学生たち、どんどん追い詰められますよ。果実になんかなるかどうかも分からない。  これまでの答弁を聞いていても、結局、学生への国の支援というのは奨学金の貸付けしかないということが本当によく分かるんですよ。自民党政権は、学費を値上げしていく、このことへの対応も貸付額を増やすということでしかしなかった。その結果、このパネル見てください、多額の借金を抱える若者が増え続けています。  これは、大学、大学院修了時点で、日本学生支援機構の奨学金借入れの総額が五百万円以上となった貸与者の人数と割合です。二〇一〇年度七千四百三十一人だったものが二〇一四年度には何と二万二千三百四十一人ですよ。ギャンブルしたわけでも浪費をしたわけでもありません。大学や大学院で学ぶための借金というわけなんですよ。  ある女子学生に私聞きましたら、この額を返すとなると、毎月二万、三万を二十年間返さなきゃいけないんです。ある女子学生、有利子奨学金借りている方。月二万二千円だから返済できるでしょうと言われると。でも、これで二十年間返し続けたら利子だけで百万円になるんだと。せめて利子の分だけでも軽くならないでしょうかというメールが私の元に届きました。でも、こんな検討全くないですよ。給付制もいつ検討されるか分からない。  実は、こういう貸与制の奨学金制度というのはドイツにもあります。しかし、半額給付半額貸与で、総額百四十万円を超える部分は返済免除になるんですよ。こうやって返済額を減らすという支援があって初めて奨学金と言えるんじゃないでしょうか。馳大臣、いかがですか。

馳浩自由民主党文部科学大臣

○国務大臣(馳浩君) お答えいたします。  大学等奨学金の事業規模全体を伸ばしてきたこともありまして、総額五百万円以上の奨学金を借りる学生等が増えていることは認識をいたしております。  平成二十二年度以降、経済情勢の悪化により家計の状況も厳しくなる中で奨学金事業を拡充してまいりましたが、これは学生の高等教育への進学機会をより確保するための措置でもあります。例えば、無利子奨学金の規模は平成二十二年度と平成二十八年度予算案を比較すると約四〇%拡大しております。  一方で、奨学金の返還負担の軽減の観点も重要であることから、これまでも返還猶予、減額返還などの仕組みを設けておりますが、例えば平成二十四年度以降は、保護者年収が三百万円以下の場合には本人所得が三百万円を超えるまで返還猶予できる、いわゆる所得連動返還型無利子奨学金制度の仕組みを設けるなどの返還負担の軽減策を講じてきたところであります。  そこで、給付型奨学金の導入については今後の課題として更に検討しつつも、まずは、より柔軟な所得連動返還型奨学金の制度設計を進め、これを平成二十九年度進学者から導入し、奨学金受給者の返還負担をより軽減すべく取り組んでいるところであります。

田村智子日本共産党

○田村智子君 所得に連動して返済するようにというのは、これはもう緊急に必要だと思います。しかし、今検討されている中身を見ると、返済総額は減らないんですよ。後ろへ後ろへとずれていくだけなんですよ。しかも、五百万円以上の借金というのは有利子奨学金を受けている方ですよ。この有利子については、所得連動型の検討さえやっていないじゃないですか。検討するかどうかも分からないと書いてあるんですよ。これでは、学生の皆さんはやっぱり卒業してからも家計の状況に左右され続けると、こういうことになってしまう。  麻生大臣にも私お聞きしたいんですね。財務省は、冒頭でも指摘をしましたけれども、国立大学の授業料の値上げの議論、これが必要だといまだにあおっている。また、給付制の奨学金というのは、実は民主党政権のときに文部科学省は予算要求までやったんですよ。ところが、財務省は僅か百四十七億円の予算さえも認めなかった。  でも、こんな高学費、低補助の政策は、私は破綻していると思います。真剣に学費の値下げ、給付制奨学金、検討すべきだと思いますが、麻生大臣、いかがですか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 御指摘のあっておりますいわゆる給付型奨学金の導入ということですけれども、これは返還金で新たな奨学金を貸与するという今のシステムと全く異なりますから、したがいまして、単なる財政支出と、新しい財政支出ということになりますでしょう……(発言する者あり)そこは認めてくださいよ。そこは認めてくださいよ、財政支出の話で、ばらまきの話とすり替えないでさ。単なる財政支出になりますので、結果的には将来世代から借金して今の奨学金に充てるということと同じということになりかねませんから。  また、卒業後、多額の収入を得るということになった方からも返済不要ということになりますと、これは大学に行かなかった方との不公平が生じるということにもなりますよといった問題がありますので、財政当局を預かる私どもとしては適当ではないと思っております。  一方、低所得者の世帯の学生に対しましては授業料減免措置がありますので、毎年の予算でその枠を拡充し続けておりますが、現在の無利子奨学金は二十年返済であり、返済負担は相当軽減をされております上、先ほど馳大臣からお話がありましたように、卒業後の所得が三百万円以下の方の場合は返還が無期限で猶予されているということになっておりますなど、相当に負担軽減策が図られておりまして、その対象者につきましても、平成二十八年度予算では拡充をいたしております。  さらに、卒業後の所得について返済額が変わる所得連動返還型奨学金、今お話があっておりましたけれども、これ、平成二十九年度から導入をいたすべく今補正予算におきましてシステム改修などの対応を進めているところであります。  いずれにしても、これらの制度を着実に運用していくことによって、将来世代へのツケ回しをできるだけ小さく抑えつつ、低所得者への十分な配慮を行っていくということは極めて重要なことだと、私どももそう思っております。

田村智子日本共産党

○田村智子君 低所得者への十分な配慮がどこにあるのかというふうに思いますよね。これ、奨学金は、返還してもらったお金が次の奨学金の原資だと。これじゃ、家計の苦しい人が家計の苦しい人を支えろと言っているのと私は同じだというふうに思うわけですよ。  それで、総理にもお聞きしたいんです。  これ、給付制奨学金、私もう踏み出すべきだというふうに思います。先日の補正予算の審議で、文部科学大臣はこれ必要だという認識を繰り返し示されて、安倍総理も馳大臣が答弁したとおりだというふうに言われているんですよ。  ところが、安倍内閣の政策文書には高等教育での給付制奨学金について出てこない、やるという方向は出てこない。学生の実態や奨学金返済に苦しむ若者の姿を見れば踏み出すしかない。そうでなければ、どんなに総理が、若者の未来が家庭の経済状況に左右されることがあってはならない、こう叫んでも、それは空文句でしかないというふうに思います。  この場で、給付制奨学金に向かうんだと、検討を開始するとお約束いただきたい。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この給付制奨学金、給付型の奨学金についても、これは我々、全くそれは政策の選択肢としては取らないと言っているわけではないわけでありまして、それは馳大臣からも答弁しているとおりであります。  やはり財源の確保が大切であるということでございまして、現在も限られた財源の中においてはできるだけこの減免を図る、学生の皆さんの減免を図るための拡充は行ってきているわけでありまして、大学等の無利子奨学金も今度は一万四千人、これ増員をしているわけでございます。  そうした努力もしながら、またあるいは、若い皆さんへの支援は大学だけではなくて、例えば我々幼児教育の無償化にも取り組んでいるわけでありまして、全体的なバランスの中においてどのようにこの限られた資源を配分をしていくかということで、我々もいろいろ悩むところはあるわけでありますが、最大限の努力をしているところでございます。

田村智子日本共産党

○田村智子君 これ、財源の確保と言われると。  じゃ、安倍政権になってからの文教関係費、決算ベースで見ると、一二年度決算で四兆五千二百億円から一四年度は四兆三千三百億円に減っているんですよ。今までずっとGDPに占める教育予算の割合、OECD諸国の中で最低水準、最下位を争うような事態だと、こう言われながら、まだ減らすんですよ、文教予算。  一方で、公共事業関係費、二〇一二年度決算五兆七千八百億円から翌年度決算は七兆九千八百億円、一四年度決算でも七兆三千億円と、枠は民主党政権から政権交代した後ぐっと拡大して、その拡大した枠がそのまま保たれたままでいるわけですよ。防衛予算はどうか。防衛関連費、一四年度決算で、これ決算ベースで初めて五兆円を突破した。  奨学金は、給付制奨学金さえ、かつて文科省が要求したたった百五十億足らずのそのお金さえ増額を認めないんですよ。文教予算増やすことを認めないんですよ。科学研究費減らせば、文教予算全体は減らし続けているわけですよ。それでいて、若者に未来が開けるようなど、こんなことは私は到底言えるはずがない。こんな安倍内閣には若者の未来を語る資格はない。  給付制奨学金の創設、学費値下げのために力を尽くすことを決意を表明いたしまして、質問を終わります。

柴田巧維新・元気の会

○柴田巧君 維新・元気の会の柴田巧です。  二十分しかないので早速質問に入りたいと思いますが、この今委員会でまさに審議をしておりますのは二十六年度決算でございます。先ほどからもお話がありますように、会計検査院のまとめによれば、五百七十件、約千五百六十八億円、無駄遣いや会計処理など税金の使い方に問題があったとされております。これからまだ消費増税をやろうという中において、まさに国民にそのことを話をしても、こういう税金の使い道、使われ方ではやっぱり多くの人は納得しないであろうと。したがって、増税の前にやるべきことがあるということを改めて申し上げなきゃならぬと思います。  とにもかくにも、一言で言えば、公金を扱っているという緊張感がないと指摘せざるを得ないと思っているわけですが、そんな中でまず取り上げたいのは、遊休不動産、不要資産の問題でございます。  会計検査院によれば、日本年金機構は、全国各地に年金事務所や職員宿舎など、帳簿上の価格でいうと千三十四億円相当の土地、建物を所有をしているわけですが、職員宿舎七棟では、少なくとも平成二十六年度までの三年間、入居者が一人もいなかったことが判明をしたわけで、十五億円相当の資産が、不動産が有効に活用されていないということが判明をしたわけであります。  こうなるのも、機構には、この不動産は元々国有財産だったわけですが、遊休化して国に納付するという法制度がなかったからでありまして、これはまさに厚労省などの怠慢だと言わざるを得ません。国家財政への危機感が不足をしていたと言ってもいいと思うわけで、ましてやこの年金機構に対しては大変厳しい視線が向けられている中にもかかわらず、非常に、この国庫返納、それを法制度をしてこなかったというのは、感度が悪いと言っても言い過ぎではないと思っているわけです。  昨年の十月に会計検査院は指摘をしたわけですが、厚労省に法整備をするようにと求めたわけですが、いまだに残念ながらその改正案、法案は出てまいりません。そんなに難しい法案ではないと思います、改正案ではないと思います。独立行政法人は通則法の改正によってこの国庫納付の制度をつくったわけで、そういうのも参考にすればそんなに時間が掛かるわけがないと思われますが、なぜこんなに時間が掛かっているのか。やはり早期に提出をすべきだと思いますが、厚労大臣にまずお聞きをしたいと思います。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 昨年の十月、会計検査院の方から、この年金機構における保有財産の必要性を見直すとともに、それから、不要財産について厚生労働省において国庫納付させるような制度を整備せいと、こういう指摘を受けたところでございます。これを受けて年金機構が検討し、そして保有財産の見直しを行いました。検査院から指摘をされた宿舎そして事務所の処分を行って国庫納付を行う方針をもう既に固めております。これを踏まえて、厚生労働省としても、機構の不要財産の国庫納付、これをするための法整備、これについては今国会に提出をしたいというふうに考えております。  その他の年金関連法案についての検討もございますので、まだ提出に至っていないというところでございますが、いずれにしても、これについては今国会に提出をするということでございます。

柴田巧維新・元気の会

○柴田巧君 それにしても、先ほども申し上げたように、非常にスピード感がないと言わざるを得ません。もっと緊張感を持って対処してもらわなきゃならぬと思います。  この日本年金機構の事例で明らかになったように、まだまだ国には活用されていない、そういう不動産、資産があるんではないかということをやっぱり明らかにしたと思っております。したがって、更なる資産の洗い出しと徹底的なコスト意識を政府には求めたいと思うわけですが、今はこの平成二十四年の八月に策定をされた国有資産及び独法が保有する資産の売却等に係る工程表に従って資産の売却等の作業が進められていると認識をしておりますが、この工程表は二十八年度で終わることになっています。  政府を挙げて徹底的にこの資産を洗い出すというためにも、二十九年度以降の新たな工程表を策定をして、そして、今申し上げたように、徹底的に資産を洗い出すべきじゃないかと思いますが、総理のお考えをお聞きをしたいと思います。

河野太郎自由民主党国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・規制改革・防災)

○国務大臣(河野太郎君) お尋ねの工程表は、平成二十四年に当時の民主党政権の下で作られたもので、平成二十八年度末までに五千億円以上の売却を目標とする工程表でございます。それ以降、着実にこの資産の売却は進められておりまして、平成二十六年度に既に五千五百億円を達成をし、当初の工程表の想定を超えるペースで動いております。  おっしゃるとおり、平成二十八年度末でこの工程表は切れるわけでございますが、こうしたことは工程表のあるなしにかかわらずしっかりやっていかなければならないと思っておりますので、二十九年度以降も着実にやってまいりたい。工程表を作るかどうかはその際にいろいろ御相談の上やっていきたいと思いますが、着実に不必要なものの売却は進めてまいります。

柴田巧維新・元気の会

○柴田巧君 しかし、やはり一つのスケジュール感あるいは計画という、目標というものがあって初めて政府を挙げてそういう資産の売却がやっていけると思います。今予定よりも早く成果を上げたとおっしゃいましたが、それもやはり工程表があったからだと私は思いますが。  総理に改めてお聞きをしたいと思いますが、やはりそういう工程表を作って、計画を立ててこの不動産等の遊休資産などの売却を図っていくべきだと思いますが、総理のお考えを改めてお聞きをしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) ただいま河野大臣からお答えをさせていただいたように、工程表が策定されておりまして、その工程表に基づいて着実に進めてきているところでございますが、今後ともしっかりと工程表にのっとって成果を出していきたいと考えております。

柴田巧維新・元気の会

○柴田巧君 いや、だから、今それが二十八年度で終わるわけですよ。二十九年度以降にそういうものをお作りになる考えがないかということを総理にお聞きをしているわけで、もう一回お願いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 二十九年度以降の具体的な進め方については今後検討していくこととなりますが、今後とも国や独立行政法人が保有する資産の売却等についてはしっかりと実施していくこととしたいと思います。

柴田巧維新・元気の会

○柴田巧君 改めて、そういうスケジュールあるいは目標を立てたものをしっかり持ってやるべきだということを申し上げておきたいと思います。  税金の使われ方で最近私大変気にしておりますのは、この国会でも何度か取り上げてきましたが、いわゆる官民ファンドの問題であります。この官民ファンドは、御存じのように、国と民間が資金を出し合って融資するファンドでありますが、第二次安倍政権以降、各省が競うようにアベノミクスの成長戦略実現を名目に設立をしているわけですね。もう十四ほどになったかと思いますが、既に財政投融資資金等から六千四百二十四億円余り投入をされていると。新年度も千三百九十億新たに追加するというふうに聞いておりますが、この官の資金が民の民間資金を呼び込んで産業育成を図ろうということですが、この官民ファンドはいろんな問題がこれまでも指摘をされてきたところです。  一つは、民業の圧迫あるいは民間の金融機関との競合が生じるんではないか、それから、官僚の新たな天下り先になるんではないかということも問題でしょうし、一番懸念をしますのは、やはりファンドですからリターンが前提であります、投資が損失をした場合はどうするのかということなどの懸念があるわけですね。大体、民間で取ることが難しいリスクを取ることによって民間投資を活発化させようというのがこの官民ファンドなんですが、行政の専門家である官僚の皆さんに、そういう革新的なビジネスやあるいは成長分野の経営にそういった方が適しているとは毛頭私は思えないわけです。  実際、この官の投資は今までも大失敗をしているわけで、旧郵政省と旧通産省が中心となってつくった基盤技術研究促進センター、キバセンと略しておりますが、一九八五年、昭和六十年につくりました。民間合わせて四千億の出資をして、先端技術分野に融資をすると触れ込みでしたが、特許収入などのリターンで戻ってきたのは三十億しかない。そして、会計検査院からも出資金の回収は困難と烙印を押されて、二〇〇三年、平成十五年には解散になりました。二千六百八十四億円が回収不能になったということであって、しかも誰も責任を取らないということで終わってしまいました。  私は、今度の官民ファンドもこういう第二のキバセンを生み出すんではないかということを心配をしているわけで、そういう意味で、官民ファンドについて厳しく監視、チェックする体制が必要だと思っています。さきの通常国会でもこのことを総理に問うたわけですが、私の質問に答えて総理は、政府一体となった横串チェックも重要であるとの観点から、関係閣僚会議においても検証作業を行っていますとお答えになっているわけですけれども、その官民ファンド推進関係閣僚会議、これは二十五年九月以来、実は五回しか開かれていない。そのうち一回目はまだしも、ほとんどが持ち回り開催となっているわけで、果たしてこれで政府一体となった横串チェックが可能なのかということを心配をするわけですが、総理はどうお考えになっておられるか、お聞きをしたいと思います。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) この今委員の御指摘の官民ファンドでありますけれども、平成二十五年の九月に私を議長とする関係閣僚会議が開催をされまして、所管省庁による監視の適正化を図る官民ファンドの運営に係るガイドライン、これを定めさせていただきました。そして、関係府省一体となった横串のチェックとして、閣僚会議の下に、世耕内閣官房副長官を議長とする幹事会において、年二回、上期と下期に運営状況の検証作業が行われています。  そして、この作業でありますけれども、事前のヒアリングだとかあるいは提出資料、こうしたものに基づいて、金融の専門家やファンド運用経験者など民間の有識者、さらには財務省、金融庁、公正取引委員会等、ファンド所管の府省庁以外にこうした関連部局の参加を得て、関係省庁一体となってこれ取り組んでおります。  こうした体制によって必要な検証をしっかりとさせていただいている状況であります。

柴田巧維新・元気の会

○柴田巧君 官房長官はそうお答えになったわけですが、やはりその幹事会にしても縦割りを排してヘッドクオーター的な役割は十分果たしていないように思われますし、何といっても関係閣僚会議が最後のある意味とりでになるわけですから、しっかり横串のチェックが入るようなものをもっと真剣に構築すべきなんではないかと思うんですね。  その上で、これもこれまでも指摘をしてまいりましたが、十四もあって、各省が争ってつくる、まあ役所によっては局ごとにつくっているようなものもありますが、似通ったものがかなり多いと思っています。例えば、海外交通・都市開発事業支援、これは国交省ですし、海外通信・放送基盤整備等事業支援機構というのは総務省ですし、経産省には海外需要開拓支援機構というのもあって、どちらもいろんな海外展開を支援するというものであって、同じ、ある意味目的が一緒ならば整理統合して効率的にやった方がよりいいんではないかと思いますし、一方で、今ある公的機関とかなり重なると思われるようなものもあります。海外交通・都市開発今申し上げた事業支援機構と国際協力銀行がやっていることもかなり似通っていて、この民業の圧迫も問題ですが、官業と官業のバッティングというのもどうも出てきているということなんですね。  したがって、今申し上げたように、やはり政府一体となった監視・検証体制をしっかりつくって、それで、今申し上げた、似通った、乱立しているファンドを整理統合する、またその公的機関との役割分担をしっかり明確にするということが大事だと思いますが、どのように取り組んでいかれるのか、総理にお聞きをしたいと思います。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) まさに、官民ファンドというのは、民業補完を原則としながら、民間の資金や知恵を活用するために政策性の高い分野に重点化したリスクマネー、これを供給するものであります。この設立に当たっては、予算編成の際に、既存の公的機関や官民ファンドとの役割分担、さらには政策的な必要性や収益性、民業補完性などに留意しながら、設立の是非についてここはしっかり検討させていただいています。したがって、現在運営をされております官民ファンドについては整理統合が必要だというふうには考えておりません。  政府としては、今後、官民ファンドの活用推進の観点から、先ほど申し上げましたガイドライン、ここを基にしっかりと検証を行っていきたいというふうに思います。

柴田巧維新・元気の会

○柴田巧君 今、官房長官、整理統合の考えはないとおっしゃいましたが、先ほど申し上げたように、かなり似通った投資先になっていると思いますし、今お答えになりませんでしたが、例えば国際協力銀行と海外交通・都市開発事業支援機構なども、どちらもインフラシステムを支援する、輸出を支援するというようなことをやっているわけで、こういうものをもっと厳しく精査して、やはり事業中であっても厳しくチェックをすることが大事だと思いますが、改めてお聞きをしたいと思います。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 常にそうしたことは必要だというふうに思っております。  ただ、先ほど来申し上げましたけれども、しっかりとしたこのガイドライン、さらに、その幹事会の下でしっかりと検証作業を進めながら、今委員の御指摘がありましたそうしたことを十分に注意しながらこれを進めていきたいというふうに思っています。

柴田巧維新・元気の会

○柴田巧君 是非厳しいチェックをしてもらわなきゃならぬと思いますが、もう一つ、これから大事なことは、この官民ファンドの出口戦略をしっかり練るということが大事だと思っています。  官民ファンドの多くは、そもそもその根拠法において設置期限が定められていますが、中にはずるずるだらだらと続いているものもあります。基本的には、その設置期限に従って民間事業者等への引渡しをするなどということが求められると思いますし、先ほど申し上げたように、民間ではリスクが取れない分野に投資をするとしていますが、その出資対象分野が民間でも十分にリスクテークできる分野になるなどの環境変化もあり得ると思っています。  そうなれば、役割を終えたと判断をして解散をするということも必要だと思っていますが、今申し上げたように、この出口戦略、しっかりこれからやっていく必要があると思いますが、この点どう考えていらっしゃるか、お聞きをしたいと思います。

菅義偉自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(菅義偉君) 民間で取ることの難しいリスクを取ることで民間投資の呼び水にする、そういう意味でこのファンドをつくらせていただいているんですけれども、こうした役割を終えたという判断をされれば当然廃止される、そうされるべきだというふうに思っています。  そして、検証対象にしている官民ファンドについては、あらかじめこの存続期間、これを定められているもの、あるいは一定期間ごとに業務の見直しを行うもの、こうしたものに分けていますので、そこはしっかり検証させていただいて、目的に達したものについては廃止するなり、しっかりと取り組んでいきたいというふうに思います。

柴田巧維新・元気の会

○柴田巧君 今聞く限りでは、まだまだ監視、チェック体制が十分じゃないという感を覚えました。またいろんな機会に厳しくお聞きをしてまいりたいと思います。  時間が少なくなってまいりましたので次の質問に行きたいと思いますが、済みません、パネルをお願いをしたいと思います。(資料提示)  この委員会でもこの国会でも、子供の貧困の問題が一つの大きな関心事になっていると思っております。時間がないのでややちょっと急いで質問をしたいと思いますし、済みません、少子化担当大臣に答弁をお願いしていましたが、総理にだけ求めたいと思いますが、今パネルにありますように、お手元の資料にありますように、子供の貧困が大変な、先ほどからも議論になっておりますが、状況になっております。国で今一六・三%、六人に一人の子供が貧困状況にあるということです。これはやっぱりゆゆしき事態だと認識をして事に当たらなければなりません。  先般も話題になっておりましたが、日本財団などが出した試算といいますか推計がございました。このままこの貧困を放置すれば、十五歳だけの今子供の推計をしても、生涯所得が二・九兆円減る、政府の財政負担は一・一兆円増えるということでございまして、経済対策としても貧困対策に取りかかる必要があるというのが私の認識なんですが、そんな中で、この貧困対策の目玉として、民間の皆さんに寄附を募る子供の未来応援基金というのができたんですが、振るわない。六百万余りしか今のところ集まらないと。数億規模を期待しておられたようですが、こういうことになりました。これは、いろんな周知不足云々ではなくて、政府がやはり前面に出てやるという姿勢を示さないので、これは民間の皆さんも腰が引けてこういう状況になっているんじゃないかと思いますが。  いずれにしても、一億総活躍を大きく掲げるのなら、この貧困対策にやっぱり力を入れるべきだと。成長戦略に位置付ける、あるいは大胆な予算措置を講じていくというのがまず求められると思いますが、総理のお考えをお聞きをしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 子供の未来応援基金につきましては、現状ではまだ柴田委員が今おっしゃっていただいた額より少し多いぐらいだろうと思いますが、もう少したてばこれは数億円のお金は入ることは間違いないと、このように思っております。ちょっと待っていただければ、しっかりと力が入っていったなということは御理解いただけるのではないかと、こんなように思います。  いずれにいたしましても、子供たちが経済的な理由で夢を諦めなければならないような社会にしてはならないと、このように考えているところでございまして、安倍政権としてはしっかりと取り組んでいく考えでございます。

柴田巧維新・元気の会

○柴田巧君 時間がなくなりましたので最後にしたいと思いますが、先ほど申し上げたように、そのために国が前面に出るんだと、責任を持つんだという姿勢が、やっぱり示すことが大事になるんですね。官民ファンドは出しゃばり過ぎているところがありますが、子供の貧困対策はやっぱり政府が、国が前面に出るということが大事であって、子供の貧困対策もできましたが、関係者からも指摘があったように、児童扶養手当の問題や今さっき議論になりました給付型奨学金の拡充等々の財源は入らないと、また貧困率の改善の数値目標も入らないということでしたが、やはりここは、政府が強い姿勢を示すためにも、大綱は五年ごとの見直しになっていますが、前倒しをしてでもこの貧困率の改善などの数値目標を明記するなどのやっぱり国の姿勢を示すべきだと思いますが、総理にお聞きをして、自分の質問は終わりたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 子供の貧困対策は未来への投資であり、国を挙げて推進していきます。  具体的には、政府としては、二〇一四年八月に子供の貧困対策に関する大綱を初めて定め、対策を総合的に推進することとしたところでございます。昨年十一月には、一億総活躍国民会議で取りまとめた緊急対策においても子供の貧困対策を明確に取り上げました。十二月には、ひとり親家庭・多子世帯等自立支援プロジェクトを決定し、第二子以降への児童扶養手当の加算額の倍増、奨学金の充実など、子供の貧困対策を大幅に拡充することとしたところでございます。今後、ニッポン一億総活躍プランや成長戦略の取りまとめ等に当たっては子供の貧困対策の重要性を十分認識しながら議論を進めていきたいと、このように思います。  そこで、子供の貧困率の数値目標化についてお尋ねがございましたが、これは従来より議論が行われてきたところでございますが、子どもの貧困対策の推進に関する法律の法案審議においても議論となりましたが、結果として数値目標化しないこととされました。その上で、大綱では貧困率を含む二十五項目を指標として掲げており、まずはこの改善に向けて全力で取り組んでいく考えであります。  子供の貧困率を算定する基礎となる所得には、現金で支給されず現物で給付される支援策がこれは全く反映されないわけでありまして、例えば教育の無償化、あるいは子供の学習支援、居場所づくり、住居確保支援などの政策を幾ら充実をさせても、これは貧困率自体は変わらないわけでございまして、この数値を目標とすることが政策の効果を測定する上で有効であるかは十分検討しなければならないと考えております。  現在、諸外国における子供の貧困に関する指標等について情報収集、調査研究を進めているところであり、今後、指標についてより一層体系化すべく検証を行う考えでありまして、できれば来年度中に新たな指標の開発に向けて一定の方向性を見出していきたいと考えています。

柴田巧維新・元気の会

○柴田巧君 時間が来ましたので、終わります。

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) 関連質疑を許します。寺田典城君。

寺田典城維新・元気の会

○寺田典城君 維新・元気の寺田でございます。よろしくお願いします。  主要閣僚であられます甘利大臣のスキャンダルには率直に言って驚きました。それで、安倍総理にお聞きしますけれども、政治とお金ということになりますと、政党助成金がありますね、それから企業・団体献金、そして今のような、今回のような不明なお金と。  国民をないがしろにしていると思うんですよ、要するに私から言わせれば。まず、とにかく安倍総理からこの今の甘利大臣のスキャンダルについての感想と、どのような行動をお取りになるのか、それから企業・団体献金を廃止するような心がないのか、それをちょっとお聞きしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 先ほど甘利大臣は、速やかに必要な調査を行い、その上で自ら国民に対する説明責任を果たしていくと、このように答弁をしておられるわけでありまして、しっかりと説明責任を果たしていかれるものと思います。  また、政党助成金につきましては、これは大変な議論を経て導入が決まったわけでございまして、それを廃止することは考えていないところでございます。

寺田典城維新・元気の会

○寺田典城君 企業・団体献金のことです。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 企業・団体献金ですね。  企業・団体献金についても、これは政党助成金を導入する際にも大きな議論をしたところでございますが、企業・団体献金については、個人の資金管理団体へのこれは寄附は認めないということになったのでございますが、その後、政党への寄附は、これは各党各会派で議論した結果、それは認めるということになっているわけでございます。  民主主義にはコストが掛かるわけでございまして、どのようにそのコストを分担をしていくかは、まさに国会あるいは各党各会派においてしっかりと議論をしていただきたいと思います。

寺田典城維新・元気の会

○寺田典城君 要するに、政党助成金のときは企業・団体はやめましょうということでしたんですよ。その趣旨をしっかり行動に移してもらいたいなと、そう思います。これは要望です。  もう一つ驚いたことに、私たちは憲法五十三条の下に臨時国会を要求しました。ところが、安倍総理は、立憲主義国家というのは心に留めない総理じゃないのかなと思うんです。安保法制のときも、何か多数だと、全権委任を受けているような感じしました。そして、何か追及すると、それはレッテルを貼っているんじゃないのかとかと言うんですよ。  ちょっとレッテルというところで調べてみたら、安倍総理のホームページの中で、民主党政権の菅政権時代にこんなことを書いておりました。陰湿な左翼政権と、菅政権をそう書いておりました。それで、それにどういう対案したらいいんだろうなと、私一つレッテルを貼らせていただければ、反知性的な右翼政権と、無知な右翼政権というのは、もうそのくらい言わせていただきたいなと思うんです。  まず一つ、それを、立憲主義についてどう思っていらっしゃいますか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 当然、我々、政府の一員として憲法を遵守をしていかなければならないと。この遵守していくという尊重義務を負っているわけでございますから、その中で憲法にのっとって行政を行っていくことは当然のことであろうと、こう思っております。  先般の、さきの臨時国会の開催につきましても、我々としては、補正予算の編成そして来年度予算の編成等についてしっかりと整理した上で答弁をしなければならないという中において、今年の一月の四日に常会を開催したところでございます。七十五日間を掛かったのでございますが、しかし臨時会も常会もこれは機能は同じでございますから、七十五日というのは、百日以上掛かった例は幾つもあるわけでございますし、臨時国会を開かなかった例も幾つもこれはあるわけでございますので、そこのところはどうか御承知おきいただきたいと、このように思います。

寺田典城維新・元気の会

○寺田典城君 通常会が二百四十五日ですか、そして後、九月の末で終わってずっとそれまでは開かれなかった。それを要求して、それを具体的に受け入れられないという、何というんですか、いろんな方々が、おかしいじゃないですか、総理と。それを反知性的と私は言わせていただくんですが、それではこの国もうもたないじゃないかなと思うんですよ。  それと、もう一つ驚いているのは何かというと、これは質問の二に入っていますけれども、国が住民に対して直接補助金を出している。要するに、辺野古久辺三区というところに、米軍の移設にかけていたんですが、県とか市町村行政を頭越しをして直接そのお金を渡すと。  こういうことについては、私は、憲法九十二条に行きますとどう書いているかというと、地方公共団体の組織、運営に関する事項は地方自治の本旨に基づいて法律でこれを定めると書いているんですよ。もう一つは、九十三条はそれこそ、議会を設置する、そして議員及び長は直接選挙すると。住民自治をしっかり決められているんですよ。それと、憲法十四条の下では、全ての国民は法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により政治的、経済的又は社会的関係において差別されないと十四条にある。これ、憲法の趣旨というんですか、これに反するんじゃないのかなと思うんです、意図に。  私はもう少し憲法に対してそういうのは謙虚になってもらいたいと思うんですが、いかがですか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 憲法を持ち出して反知性主義と言うのであれば、過去の事例ももう少しひもといていただきたいと、こう思うところでございまして、憲法五十三条の要求から召集まで、百日以上要した例もこれは七例あるわけであります。最長においては、これは佐藤内閣においては百七十六日間、これは開くまでに掛かった例があるわけでありまして、今回は七十五日でございまして、あそこまで言われるのであればこうした例もしっかりと勉強していただきたいと、こう思うところでございます。  その上で、今の御質問にお答えをいたしますと、沖縄の基地負担の軽減を図ることは政府の大きな責任であります。最も大切なことは、住宅や学校に囲まれ市街地の真ん中にある普天間の固定化は絶対に避けなければならないということであります。抑止力を維持しながら、普天間の危険性を一刻も早く取り除き、その全面返還を実現するためには、辺野古への移設を着実に進めていく必要があります。  他方、これにより移設先である辺野古の皆様は直接最も大きな影響を受けるため、政府としてはきめ細かな施策が必要であると認識しております。  このような中、辺野古における住民自治組織である久辺三区、これは辺野古区と豊原区と久志区でありますが、の皆様からは、政府に対し様々な御要望を受けているところであります。  今般、御要望を踏まえまして補助事業を開始したもの、これはあくまでも、今申し上げましたように、御要望があった上に補助事業を開始したものであります。  政府としては、辺野古移設の影響を緩和し、住民の生活の安定を図るため、地元の皆様の要望に対してできる限りの配慮をすることは当然のことと考えています。  これまでも、基地の影響を受ける地元の団体や個人に対して……

寺田典城維新・元気の会

○寺田典城君 あと、いいです。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 国が直接補助を行うことは一般的に行ってきているところであり、また、国は補助を行うが、あくまでも事業そのものは久辺三区が自ら実施するものであります。

寺田典城維新・元気の会

○寺田典城君 委員長、止めてください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、憲法違反とまで言われたわけでありますから、過去にどういう事例があるかということを紹介するのは答弁では当然のことではないでしょうか。  このようなことから、地方自治をないがしろにするものといった御指摘は当たらないわけでありまして、また、地方自治に関する憲法の規定との関係で問題が生じるものではなくて、あくまでも地元からの申請を受けて補助を行う任意の事業であり、現時点では三つの区のうち二つから具体的な申請を受けたところでありますが、残る一区についても申請があれば補助手続を進めることになる。  いずれにせよ、憲法第十四条との関係でも問題を生じるものではないわけでありまして、今後とも住民生活への影響に配慮しながら辺野古移設をしっかりと進めていく考えであります。

寺田典城維新・元気の会

○寺田典城君 長々とその無駄な話を聞いて、本当に私自身も驚いているんですが、総理の答弁として。  私は、憲法の意図というか、その趣旨に反するんじゃないかと、憲法違反の話をしたんじゃないんですよ。だから、それは何か意図的な……

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) 時間が参っておりますので、まとめてください。

寺田典城維新・元気の会

○寺田典城君 安倍総理と議論する場合はディベートができなくなるんですよ。少し謙虚になってください。  以上でございます。終わります。     ─────────────

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、古賀友一郎君が委員を辞任され、その補欠として熊谷大君が選任されました。     ─────────────

清水貴之おおさか維新の会

○清水貴之君 おおさか維新の会の清水貴之と申します。  甘利大臣の週刊誌報道について、今日この委員会でも朝から様々取り上げられております。私は週刊誌しかまだ読んでおりませんので真偽のほどというのは分かりませんが、ただ、今年は参議院選挙があります。選挙権も十八歳に広がります。政治への関心を国民の皆さんに更になおさら持っていただかなければいけないときにこういった問題が起きて政治不信が起きてしまう、政治家への不信感というのが募ってしまう、こういった結果になっては大変残念だというふうに思います。ですので、大臣、朝から答弁されていらっしゃいますように、しっかりと調査をして説明責任を果たすと言っていらっしゃいます、速やかにその説明責任を果たしていただきたいと思います。  大臣、そこで、一点だけなんですが、その調査、精査、そして説明、これはどれぐらいの期間を掛けて、どのようにされるつもりでしょうか。

甘利明自由民主党内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

○国務大臣(甘利明君) 直ちに掛かっておりますが、まだ全体像が把握できておりませんので、いついつまでと言って中身が問題が生じて後でまた訂正をすると、その繰り返しにならないように、見通しが立ってくる時点で説明できると思います、いつになるかということを。

清水貴之おおさか維新の会

○清水貴之君 確かに、曖昧な答えを出されるというのもこれもよくないと思いますが、ただ、時間が掛かれば掛かるほど国民の皆さんにとっての不信感も高まってしまうと思いますので、できるだけ速やかに対応いただきたいと思います。  それでは、まず、質問としましては、長野県で起きましたスキーバスの事故についてお聞きしたいと思います。  今月十五日に起きたスキーツアーバスの転落事故では、多くの前途有望な若者の命が失われてしまいました。謹んで亡くなられた皆様の御冥福をお祈りするとともに、けがをされた方々、一日も早い回復をお祈りしたいと思います。  その事故に関してなんですが、パネルを御覧いただきたいと思います。(資料提示)バスの運行会社に幾つもの問題があったということが明らかになってきています。  まず、一番上ですが、運行指示書、これはドライバーが持つものですが、これに途中の経路を書かなければいけないところ、出発地点と到着地点の記載しかなかったと。二つ目は、運行終了後に行うべき終業点呼の記録にあらかじめ印鑑が押してあった。これ、事故が起きたバスのケースですから、事故を起こしてしまっていますので、終着点まで到達していないのに終着したかのようなそんなサインがあったということなんです。そして、運転手は健康診断受診していなかったと。ほかにも、国の基準運賃を下回る代金でツアー会社とバス会社が契約をしていたなどという話も出てきています。  このような会社が業務を行っていたことについて政府としてはどのように考えていらっしゃるでしょうか。総理、じゃ、まず御意見お願いします。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 十五日に長野県で発生した観光バスの事故では多くの若者たちの未来が突然失われた、誠に痛恨の極みであります。心から御冥福をお祈りするとともに、けがをされた方々にお見舞いを申し上げます。  政府は現在原因の究明に全力で取り組んでいますが、国土交通省の特別監査では、事故を起こした車両の運転者が健康診断を受診していなかったことや、当該バス運行会社において下限割れ運賃での運行が今回の事故も含め四件あったことが明らかになるなど、安全管理上極めて不適切な状況が確認されたと承知しています。  このような悲惨な事故を二度と起こさせないよう徹底した原因究明を進め、その結果を踏まえ、再発防止に万全を期してまいります。

清水貴之おおさか維新の会

○清水貴之君 今総理がおっしゃっていただいたような、健康診断を受けさせていなかったと、この辺りの監査なんですが、この事故が起きた後も特別監査されていますけれども、去年の二月にも、国交省、この会社に一般監査に入っていて、その時点で健康診断、適性診断を受けさせていなかったことが分かったと。行政処分を、この事故の直前ですね、十三日付けで出したばかりだったというふうに聞いております。  ということは、やはり問題があるということは把握はしていたと。ただ、残念ながら、今回の事故を防ぐには、その把握していた結果なのか、中身がうまく生かされなかったということになるかとも思います。となりますと、チェック体制に限界があるのか、チェックのやり方に問題があるのか、こういったことにもつながってくるのではないかと思います。今後こういった事故が起きないためにもここはしっかりと取り組んでいくべきだと思いますが、いかがでしょうか。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 御指摘いただきましたとおり、バス運行会社に対しては、国土交通省が事故発生日から三日間連続して特別監査を実施をいたしまして、先ほどから御指摘いただいているような安全管理上極めて不適切な状況が確認をされております。  一方で、この当該会社に対しましては、平成二十七年二月に一般監査を行いまして、その際にも、運転手の健康状態の把握が不適切ですとか、点呼の実施とその記録が不適切とか、適性診断を運転者に対して受けさせていなかったなどの事実が確認されましたので、一月の十三日に行政処分を科すとともに改善措置を講じることを指示し、三月十五日以降、その確認のため改めて監査を行う予定としておりました。  そのような状況の中で一月十五日に大事故を起こし、さらに特別監査において安全管理上極めて非常識な状況が確認されたことについては極めて遺憾でございます。  このため、国土交通省といたしましては、監査の実効性の向上を始めとして今回の事故を踏まえた対策について、今月中にも有識者から成る検討委員会を設置をし、速やかに検討を進めてまいりたいと存じます。

清水貴之おおさか維新の会

○清水貴之君 確かに、規制緩和によって今はバスの台数なども非常に増えていると、監査の限界があるというような新聞記事なども見ました。ただ、台数が増えていることと安全面の行政監査、行政指導をしっかりと行う、これはまた別問題だと思うんです。この辺りはきっちりと分けて、しっかりこういった事故が起きないように取り組んでいただきたいと思います。  次に、財政の健全化についてお聞きします。  もう皆さん御存じのとおり、国の借金が一千兆円を超える中、どのように財政の健全化を進めているかということなんですが、今回は平成二十六年度の決算ということですので、その二十六年度の歳入歳出の様子というのをこのパネルで御覧いただければというふうに思います。  左側、青い部分と上の若干赤い部分、これ合わせたものが収入になります、税収になります。右側の部分、この一番右見ていただきたいんですが、基礎的財政収支対象経費、国が社会保障費とか地方交付税とか様々掛かる経費ということで、これが七十六兆六千億というふうになっています。この経費を収入、税収だけでは賄えていないので国債で賄っているところで、この真ん中を御覧いただければと思うんですが、プライマリーバランスが十六・三兆円のこれは赤字というふうになっています。  これが二十六年度決算ですから、間もなく二十八年度の予算が審議されると思いますので、これ二年たってどうなるかといいますと、税収は二十八年度は大体五十三兆円から五十七兆円、大体四兆円ぐらい増える見込みだというんですね。一方、その分国債の発行額というのは減りまして、三十八兆から大体三十四兆、こちらは四兆円ぐらい減るんじゃないかということで、プライマリーバランスの赤字は二十八年度には、この二十六年度の十六兆から十兆八千億、六兆円ぐらい減るんじゃないかというふうに言われています。  これだけ見ますと、よく総理おっしゃっているように、経済成長と財政再建を一緒に同時に進めているんだという一定の効果が出ているのかなとも思うんですけれども、ただ、順調に進んでいても、二十八年度でも十兆円以上のプライマリーバランスの赤字が残ります。  政府は、二〇二〇年、これ、プライマリーバランスの黒字化目標というのを今も持っていらっしゃると思うんですが、果たして本当に達成できるのかというのが、これが心配になります、不安になります。このプライマリーバランスの黒字化達成、本当に可能なんでしょうか。

麻生太郎自由民主党財務大臣・内閣府特命担当大臣(金融)

○国務大臣(麻生太郎君) 今御指摘のありました二〇二〇年度のプライマリーバランス、基礎的財政収支ですけれども、話ですけれども、これに向けて計画を立てて、二〇一六年度から二〇二〇年までの五か年の経済・財政再生計画というのを置きまして、二〇一六年度から三か年間、一八年度までで、いわゆる集中改革期間と位置付けておりまして、これまでの取組の基調を、この三年間ですよ、この三年間の、安倍内閣スタートしてから三年間の基調をずっと続けていきますと、国の一般歳出の水準の目安を三年間でプラスの一・六兆円と置いております。  そして、社会保障関係費、これは例の少子高齢化の関係もありまして、これは確実に伸びる部分というものをこの三年間で年率にしますと約五千億、三年間で一・五兆円ということになっておりますので、我々としてはそれと同様の一・五兆円ということに目安をしたところであります。  この計画、初年度となります二十八年度、今お話のありましたこの予算ですけれども、この目安に沿ったものとしたところでありまして、一般歳出では五千億のところが四千七百億円ぐらいのプラスになりますし、それから、社会保障関係費は五千億、一・五を三で割りますので、五千億ぐらいのところが四千四百ぐらいで収まると思っておりますので、PB黒字化目標の実現に向けてまずはこのような取組を継続して、させていくというところが大事で、ちょっと上振れとか何振れとかいろいろな言葉がありますけれども、税収が多かったからといって安易にこれを膨らますなどということはとてもではないけど考えられぬというところに、私どもとしてはそう思っております。  その上で、中長期的な財政の持続可能性を維持するためには、御存じのように、債務残高というものに、今一番そこに、最初に書いてあった一番大きな額ですけれども、その債務残高とGDPの、国民総生産の比率を着実に引き下げていくというのが大事なことでありまして、PBの黒字化というのは単なる一里塚みたいというか途中目標みたいなものであって、最終的にはその絶対額のバランスがしてこなきゃいかぬ。我々は、借金をゼロにするというのは、それは、どの会社でも借金ゼロの会社がいいかといえばそんなことはないのであって、資産と負債のバランスの問題ですから。  そういった意味では、我々としては、引き続き手を緩めることなくこれをやっていってもまだ今の計画でいきますと六兆円ぐらいの差が出てくることになっております。それをなるべくきちんと五か年間で六・二兆円を更に伸ばし、財政をきちんとしたものにして、その六・二兆円の差を詰められるだけ詰める、できればゼロにしたいというのが二〇二〇年の目標で、今その方向で事を進めております。

清水貴之おおさか維新の会

○清水貴之君 それを達成するには、もう相当な税収増か、一方は相当な歳出削減がないと、六兆円の差を埋めるんですからかなり厳しいと思うんですが。  ただ、プライマリーバランス黒字化といいますと、何か、黒字化、ああよかった、すごいことが達成されたというふうに思うかもしれませんが、ここからがもちろんスタートでして、そこからプラスが出て、金利の分も払わなきゃいけないわけですから、そこから初めて借金の返済というのができるわけです。  その借金の額というのがもう年々増え続けていまして、これは、今後、平成二十七年度末で一千三十五兆円、平成二十八年度、来年度末には更に増えるわけです。二十六兆増えて一千六十二兆になります。これ、毎年大体、国の借金、もう三十兆円ずつぐらいずっと増え続けていくわけですね。これはもう結局将来世代への負担になっていくわけです。  総理、このグラフ御覧になっていかがですか。このまま増え続けていったら、子供たち、次の世代がこれは大きな増税になって税負担が増えていくか、若しくは様々いろいろ支給されるもの、社会保障などが削られていくことになるわけです。次の世代への負担になりますが、このグラフ見て不安を感じませんか。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 大切なことは、累積債務がこれはあります、一千兆円を超えている累積債務がありますが、そのGDP比を減らしていくことでありまして、絶対額、これももちろん大切な額でありますが、しかしそれはGDPの規模によって違うわけであります。  ですから、GDPの規模を増やしていきながら、そうすれば税収は増えていくわけでありますが、同時に累積債務も減らしていくと。そのためにプライマリーバランスの黒字化を図るわけでありまして、長期金利、既に累積債務がありますが、そこに金利が掛かっていて、この金利も掛かった金利分は払わなければならない。ですから、そこに何%の金利が掛かるかということが大切なところなんですが、この金利と成長率のバランスの問題で、金利と成長率がバランスをしていると仮定したときにPBが黒字になっていれば、その黒字分は借金の返済に当たっていくということになるわけでありますから、この累積債務が徐々にこれGDP比減少していくということになってくるわけであります。  そこで、大切なことは、我々は、しっかりと経済を成長させながらこれを達成、経済を成長させなければそもそも財政の健全化は図れないと、こう考えているわけであります。この経済の成長と財政の健全化、この二つを我々は求めていく、まず、成長なくして財政の健全化はないという基本的な考え方の下にこの二つを同時に達成していくということが大切だろうと、このように思っております。  そのためにも、我々、しっかりと三%、名目三%以上の成長を目指していくことによって確かな税収を確保していく、そして同時に、無駄遣いをなくしていくことによって二〇二〇年時におけるPBの黒字を達成したいと、こう思っているところでございます。

清水貴之おおさか維新の会

○清水貴之君 その経済成長が必要なのは非常によく分かります。税収も実際増えてきているわけですが、じゃ、その増えた分を是非財政再建に回してほしいと。そうせずに、もう最たるものが、もう昨日成立してしまいましたので、予算通りましたので今更言ってもしようがないのかもしれませんが、一人三万円のあの給付金の話ですよね。ああいったお金を使うことがどうなのかなとやっぱり思ってしまうわけです、財政再建に回すべきではないかなと。  改めて聞きますが、給付金、その効果ちゃんとあるんでしょうか、目的は何なのでしょうか。選挙対策以外の効果、教えてください。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) この後、詳しく加藤大臣から答弁をさせていただくわけでありますが、しかし、今、税収を全部、これを借金返しに、税収増を全部借金返しにしていくということは、この税収というのは国民から吸い上げたものでありまして、これ全部借金を返していくと形としては緊縮になっていくわけでありまして、これ、経済の規模をある程度大きくしていかなければ成長していきませんし、成長していかないわけでありまして、そこから新たな税収は生まれてこないという問題があります。  がちんと、これは言わば非常に人工的にPB黒字化、上がったものを全部借金返しますよとやれば果たしていいのかと。その後も成長し続けなければ経済はいい方向に行かないわけでありまして、かつて、例えばアルゼンチンはPBをがんと黒字化したんですが翌年デフォルトですから。つまり、そこでがんと経済は腰折れしてしまったわけでありまして、そうなったら元も子もないわけでありますから。ですから、我々は、しっかりと経済成長を維持しつつ、これは借金も順調に返していくということで、我々は二年連続、国債の新規発行額は減額はしているところでございます。  そこで、新たな三万円の給付についてお話がございました。  我々、この三年間のアベノミクスによって果実は得たわけであります。国、地方を合わせて二十一兆円税収は増えた中にあって、同時に、十七年ぶりの賃上げ率を確保しているわけであります。しかし、他方、年金生活者、お年寄りの皆さんはこの果実を受け取ってはいないわけであります。  安倍政権においては、長年デフレ下にあったら、本来であれば年金はスライドさせなければいけなかったところを、これをスライドさせなかったんですね。この特例をやめて、しっかりと年金財政の継続性のために今回デフレスライドをさせましたから年金も上がらない、しかし物価は上がる、さらに消費税が上がるという中において、この皆さんに対する、やはり我々が得た果実を分配をしていく。同時に、消費性向も高いですから、ここの消費が、消費の言わばこれにおいてしっかりと強化をしていくという意味において行っているところもあるわけでありまして、下支えも、消費の下支えもしていくという意味においては、マクロ政策においてもミクロ政策においても正しいと考えているところでございます。

清水貴之おおさか維新の会

○清水貴之君 日本経済が成長しているという、そういうときならいいかもしれません、どんどんこれから伸びていく。ただ、今後、日本はどんどん少子化が進んでいって、逆に規模でいったら小さくなる可能性の方が大きいわけですね。そういったときに、せっかく上がった税収をある意味ばらまきに使っていいのかというふうにこれはやっぱり思うわけです。  我々はおおさか維新の会ですけれども、去年、大阪では都構想の住民投票を五月、そして秋には知事と市長のダブル選挙というのがありました。ここで一つ大きな争点になったのが敬老パスの在り方なんです。  敬老パス、七十歳以上の高齢者の方々に市バスと市営地下鉄乗り放題という、当初そうだったんですけれども、これを大阪の橋下徹前市長のときに一部負担をしていただくことに変えました。大変強い反発の声もあったんですが、大阪も財政が厳しいです。一部負担をしていただくことになりまして、その結果、年間三十数億円のお金がほかに使えるようになりました。こういったお金を子供たちの教育などに回していこうということなんです。  これは、選挙にとっては非常に厳しい。選挙だけを考えたら、いやいや、敬老パスやっぱりもう一回ただにしますよと言った方がいいかもしれませんが、でも、こういう厳しいときだからこそ正面から厳しいお願いもしまして、住民投票は結果負けてしまいましたが、ダブル選挙、知事、市長の選挙の方では大阪維新の会の知事、市長が誕生することができました。中にはやはり不満に思っていらっしゃる方もいまだにいらっしゃるかとは思いますが、でも、厳しいときだからこそこういったことをしっかり言っていかなければいけないというふうに思うんですね。  続いて、公務員の人件費についてもお尋ねをしたいと思います。  これも、昨日参議院で法案通りましたので今更なのかもしれませんが、我々おおさか維新の会は反対をいたしました。国家公務員の皆さんの給与とボーナスが上がります。法律が通ったのは昨日ですが、実施は去年の四月からということで、遡って上がります。これによって、国で必要な費用六百八十億、地方では一千三百億ぐらい必要になるということなんですが、なぜ上がったかといいますと、このグラフを見てください。民間の給与、これが四十一万円余り、国家公務員の皆さんの給与が今四十万八千九百円余り、これ月額です。ということで、民間の方が国家公務員の皆さんより僅か多いということで、その多い分を埋めよう、一千四百六十九円分を埋めようということで上がりました。ボーナスも〇・一か月分上がっています。  そもそも、この民間給与の出し方がどうなんだという話なんですね。  こちら、人事院による民間給与の実態調査なんですが、日本にはたくさんの事業所があります。その数、一番下、総務省の調査によりますと五百七十八万ぐらい事業所があるそうなんですが、その中のもう一部です、五万四千八百六十。この事業所の中から一万二千三百をサンプルとして取り出しました。企業規模五十人以上かつ事業所規模五十人以上の事業者。ですから、ある程度のやっぱり規模が大きい会社だけを抽出してこの民間給与というのを出しているんです。それと国家公務員の皆さんの給与を比較して今回上がったということなんですが、このサンプルの取り方が不公平ではないかと。こんな一部です。事業所規模大きいですから、給与も比較的やはり高くなってくるんだと思います。  こういったサンプルの取り方が果たして正しいんでしょうか。いかがでしょうか、なぜこういった取り方になっているんでしょうか。

一宮なほみ人事院総裁

○政府特別補佐人(一宮なほみ君) 人事院では、今御指摘のとおり、現在、企業規模五十人以上、事業所規模五十人以上の事業所を調査対象としておりますが、これは、職種、職責等を同じくする同種同等の者同士を比較するということを前提に行う調査であることを踏まえまして、企業規模五十人以上の多くの民間企業においては、公務と同様、部長、課長、係長等の役職段階を有しており、公務と同種同等の者同士による比較が可能であることによるものです。  事業所数を単に比率として見ればおっしゃるとおり約一%となりますが、官民比較は公務と民間の個人別の給与を基に比較していることから、従業員数の比率で見ると、企業規模五十人以上の民営事業所の正社員数は民営事業所全体の正社員数の六割を超える人数をカバーしているというところです。

清水貴之おおさか維新の会

○清水貴之君 人数でいったら確かに規模が大きいわけでそうなるかもしれませんが、しかしこの中には非正規の方はもちろん入っておりませんし、やはりもっと、公務員の方の給料を上げるなと言っているわけではありません、景気が悪いときにはきちんと連動して下がっているわけですから、こういういいときには上がるのもいいのかもしれませんが、きちんとフェアに、やはりもっと公平に比べていただきたい、もっと世の中の基準に合わせていただきたいと、そういったことをお願いしたいと思います。  以上で質問を終わります。     ─────────────

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、滝波宏文君が委員を辞任され、その補欠として宮本周司君が選任されました。     ─────────────

渡辺美知太郎無所属クラブ

○渡辺美知太郎君 無所属の渡辺美知太郎です。  まずは、安倍総理、昨年の予算委員会で取り上げました共有地の問題ではお力を賜りましてありがとうございました。  まずは、今日、福島県外における子供の健康調査について伺います。  福島県外における子供の健康調査、私は度々質問をさせていただいておりますが、丸川大臣になってからは初めてでありますので、改めて伺いたいと思っております。  私も度々この問題取り上げております。環境省の立場としては、大臣が替わったとしても福島県外で健康調査は必要ではないという立場であることは私もよく分かっております。そして、これも度々私は申し上げておりますが、低線量被曝については統計学的に十分なデータがそろっていないということで専門家の間でも評価が分かれております。さらに、最近では、欧米で三十万人の健康調査を行ったところ、健康影響があるのかもしれないという結果も出てきております。  今日は、ちょっと違う角度からまず質問させてください。  配付資料の一を、大臣、御覧ください。こちらは、私の地元でもある那須塩原市で行われた民間で行っている甲状腺の健康調査の記事です。こういった民間でカンパなどによって行われております子供の健康調査、福島県外での健康調査ですが、全国各地でこういったカンパやボランティアによる医者によって行われております。  そこで、大臣に伺いたいのが、こういった民間レベルでの子供の健康調査が各地で行われて実績を上げているということと、それから、私はもう何度もこういった民間の健康調査、参加しております。環境省の見解を聞いておりますと、やはりラテントがんや偽陽性の問題を取り上げられるんですが、結局、そういった甲状腺検査をした場合にパニックになるのではないかという懸念があるといった、そういったニュアンスを感じるんですが、現場の方々は大変勉強をされているんですね。  そこで、大臣に、まず民間レベルで子供の甲状腺がんの検査、各地で行われているということ、そして、そうした子供の健康調査に参加されている方々は大変勉強されているという、こういった現状を把握されているのか、まず伺いたいと思います。

丸川珠代自由民主党環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)

○国務大臣(丸川珠代君) 御指摘の福島県外での民間団体の方によって実施されている民間の調査というのは、詳細まで詳しく、済みません、知っているわけではありませんで、なおかつそれを受けられている方なのか、それともそれをなさっている方なのか、その先生の今の御質問の趣旨がちょっとよく分からないのですが、がどういう知識を深めておられるかというのは、大変申し訳ないのですが、存じ上げておりません。

渡辺美知太郎無所属クラブ

○渡辺美知太郎君 通告ではしっかりと、受ける側の方、お子さん、被曝をしているかもしれないというお子様をお持ちの保護者の方々は大変勉強されていると。私も、福島県外で、じゃ一律に健康調査をやってほしい、そういうことは申し上げません。少なくとも、ただ希望者に関しては是非国の支援というものをしっかりとやっていただきたいなと思っております。  丸川大臣、是非、まだよく把握をされていないということでありますので、やはり民間レベルでの子供の健康調査、これを一度でも、できれば視察や、あるいは現状を、耳も傾けていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか、大臣。

丸川珠代自由民主党環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)

○国務大臣(丸川珠代君) 福島の近隣県で、自治体が独自の判断で甲状腺の検査の実施であるとか、あるいは一部費用の助成を行っているというふうにも伺っておりますので、我々の判断は判断として、そうしたお声もあるということを十分踏まえて、よく勉強させていただきたいと思います。

渡辺美知太郎無所属クラブ

○渡辺美知太郎君 丸川大臣、私がなぜ何度も何度も取り上げているのをあえてここで質問させていただいているかといいますと、丸川大臣は厚労の関係で非常によく活動をされているので、私としては、子供への健康調査の必要性は、これは十分に御理解いただけるのではないかという希望を持って質問をしているんです。  それに加えまして、丸川大臣は母親の立場もあります。私事でちょっと恐縮なんですけど、私も昨年にちょっと娘が生まれまして……(発言する者あり)ありがとうございます、子を持つ親の気持ちというのが少しちょっと分かるようになってきまして、自分の子供がもし被曝をしているかもしれないという心配があったら、まず、やはりこれは当然自分でしっかり勉強します。風説に惑わされないでしっかりとした知識を持つ、これは当然ですよね。さらに、今現状はどうなっているかと。国が幾ら安全だよ安全だよといっても、やっぱりそれはしっかりとチェックをして冷静に受け止めるというのが一般論と思っております。  そこで、丸川大臣、是非福島県外の子供の健康調査に御理解をいただきたいと思うんですが、御見解いかがでしょうか。

丸川珠代自由民主党環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)

○国務大臣(丸川珠代君) お子様のお誕生、おめでとうございます。  私の子供も三歳半になりまして、改めて子供を持つ母親として、お母様方がそのリスクコミュニケーションに懸命に努めておられるというお気持ちはよく分かります。  そうした皆様の気持ちに寄り添うということはまず第一にしたいと思いますが、一方で、専門家の有識者会議、各県でも行われて、特別な健康調査等は必要ないという見解をお持ちになられていると。また、WHOやUNSCEARの報告書でも福島県外における健康調査の必要は指摘されておりませんということですので、そうしたものも踏まえながら、より不安にきちんと応えていけるような施策は何ができるのかということを努力してまいりたいと思います。

渡辺美知太郎無所属クラブ

○渡辺美知太郎君 この有識者会議による検討結果、これは私も耳にたこができるほど聞いておりますし、ラテントがんの話や偽陽性の話も度々聞いております。もちろん、有識者会議による検討結果、これは非常に重要なものではありますが、私はこれは最終的には政治的な判断になってくるのではないかなと思っております。  今すぐに、大臣になられて今すぐに、じゃ福島県外で子供の健康調査をやりますと、それはちょっとお立場としても言いづらいと思いますので、是非、まずは、民間レベルで福島県外でもいろんな健康調査を行われているというこの実態をしっかり把握していただきたいと、そのことをちょっとお約束いただけないでしょうか。

丸川珠代自由民主党環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)

○国務大臣(丸川珠代君) まず、どういう調査が、検査というか、それぞれ自主的にやっておられるのでどこまで把握できるのか分かりませんけれども、報道にあるものも含めて見てみたいと思います。

渡辺美知太郎無所属クラブ

○渡辺美知太郎君 また環境委員会などでも質問させていただきたいと思います。  次に、公共工事の平準化について伺います。  テレビを御覧の皆様の中には、年末になると急に工事が増えるなと思われる方も多いかもしれません。こちらのグラフを御覧ください。(資料提示)  赤い線が公共工事であります。公共工事、これは原則的に単年度予算であるので、やはりこのグラフのように、四月から六月は余り仕事がなくて、年度の後半に集中する傾向があります。これに対して、青い線、これは民間なんですけど、民間も確かに格差はあります。忙しいときの繁忙期とそうではない閑散期の差はあるんですけど、やはり公共事業に比べると少ないと。  公共事業は、忙しいとき、繁忙期と、忙しくない時期、閑散期の差が一・九倍、約二倍と言われています。建設業はこの差があるために、忙しい時期は本当はもっと仕事がしたいんだけど、やっぱりどうしても閑散期との差があるので雇い切れない、どうしても消化不良になってしまうと。閑散期は閑散期で、抱えている人員をどうやって仕事を取ってくればいいか分からないというのがありまして、これは雇用創出の関係でも問題があると私は思っておりますし、労働市場にとっても、安定した雇用を確保するためにも、少なくとも今一・九倍であるこの公共事業の格差を民間並みの一・三倍にできないかと。  そこで、厚生労働大臣、塩崎大臣にも伺いたいと思います。雇用創出の観点からも公共事業の平準化を是非推し進めていただきたいと、御理解をいただきたいと思うんですが、塩崎大臣の御見解を伺いたいと思います。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) この四月、五月の年度初に発注手続があって工事が少ないという今御指摘の点、公共工事においてあるということ、そしてまた、十二月から三月まではむしろ工事が集中してしまうということが指摘をされ続けてきているわけでありますが、これは国や地方公共団体から事業を発注されることが多い建設業の皆さん方にとっては、やはり、一般論ではございますけれども、公共工事の施工時期が平準化をされるということによって、まず、その年度当初の工事が少ない時期の建設労働者の雇用とかあるいは収入の安定につながるんではないか、それから、年末年始、年度末の工事が集中している時期の残業時間の削減とかあるいは計画的な休暇の取得などにつながるということが期待できるのではないかというふうに考えております。

渡辺美知太郎無所属クラブ

○渡辺美知太郎君 公共事業の平準化というと基本的には国土交通省になるので、余り厚生労働省としては、余り関係がないと言ったらちょっと語弊がありますけど、余りないとは思うんですが、雇用の、労働市場の観点からも、是非厚生労働省からもバックアップをいただきたいなと思っております。  さて、この公共事業の平準化はもう二十年近く前の一九九七年から提唱されております。当時の公共事業の格差、繁忙期と閑散期の格差が二・三倍あったと言われておりまして、今、二十年近くたった現在、一・九倍なんですね。まだまだ民間とは格差があるのが現状であります。  私は、いろんな原因があるとは思うんですが、その中の一つに、やはり数値目標や、いつまでにどのぐらい数値を下げると、そういった数値目標が、しっかりと設定すべきではないかと思っておりまして、石井大臣に伺いたいと思います、公共工事の平準化に向けた数値目標を考えるのはいかがでしょうか、伺いたいと思います。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 公共工事の施工時期を平準化することによりまして、年間を通した工事量の偏りをできるだけ解消することは、御指摘のとおり、建設業の生産性を向上させ、また働く人にとって魅力ある建設現場を実現するために重要でございます。  私、国土交通省におきまして、今年を生産性革命元年というふうに位置付けておりまして、建設現場の生産性向上に関する取組であるアイ・コンストラクションを推進しております。施工時期の平準化はその中でも重要な施策であり、更に取組を加速化させていきたいと考えております。  平準化を進める具体的な対策としては、従来より、早期執行のためのゼロ国債の活用、また繰越制度の活用を進めてまいりましたが、平成二十七年度からは、新たに工期が十二か月未満の工事についても必要に応じて年度をまたいだ工期とするために二か年国債を設定をしたところでございます。また、平準化を全国において着実に進めるため、昨年末に各地方整備局長等に対しこれらの取組の徹底を通知したところでございます。  今の段階ではまだ具体的な数字目標までには至っておりませんけれども、今後とも関係機関とも連携して、平準化を更に進めてまいりたいと考えております。

渡辺美知太郎無所属クラブ

○渡辺美知太郎君 私は度々レクチャーも受けていますし、国土交通省の方では今、公共工事の平準化、いろいろと活動されているのはよく分かっています。ただ、やはりもう二十年近くたって二・三倍が一・九倍しかまだ進んでいないわけでありまして、さらに、現状を見ますと、復興もしなきゃいけない、オリンピックもしなきゃいけないと。そうすると、やはり今ここでしっかりとした徹底的な公共工事の平準化が私は必要だと思っております。  なかなか数値目標は、地域によって差があるとか、あるいはいろんな工事があるから一概にその数値目標と言われても難しいよと、確かにそれは言われるんですけど、やはりしっかり分かるように、目に見えた成果が出るように、目標をいつまでにどうするのか、そういったプランを考えていただきたいと思っております。  さらに、公共工事の平準化がなかなか進まない要因の一つとして、やっぱりこれ自治体によってかなり差があるんですね。しっかりと公共工事の平準化に取り組んでいる自治体もあります。だんだん増えてはいるんですが、一方で小さい市町村についてはなかなか担当の職員がいないとかそういった問題がありまして、自治体によってかなり差があるのが現状です。そこもやはり大きな原因の一つとなっていると思われます。  そこで、国土交通省、国としても結果が出せていないような自治体に対して積極的な協力をいただきたいと思っておりますが、石井大臣の見解を伺いたいと思います。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 公共工事の平準化を進めるためには、国のみならず、都道府県そして市町村の全ての発注者が一体となって取り組んでいくことが重要であります。  具体的には、都道府県ごとに、国、都道府県、全ての市町村等から構成をいたします発注者協議会をつくっておりまして、これを通じて地方公共団体における債務負担行為の活用等、平準化を推進するための方策について助言を行っているところでございます。また、発注手続が始まる昨年の四月に、全国の地方公共団体宛てに平準化に取り組むよう通知を出したところでございまして、今後も引き続き、予算成立時など適切なタイミングで通知を出すこととしております。  引き続き、都道府県や市町村とも連携しながら平準化の取組を推進してまいりたいと存じます。

渡辺美知太郎無所属クラブ

○渡辺美知太郎君 大臣が先ほどおっしゃっていたアイ・コンストラクション、そういった委員会が昨年末にできたばかりですので、ちょっとその委員会の動きも見てまた質問させてください。  続きまして、トラックの最低運賃について伺います。  今、バスによる事故が相次いでおります。軽井沢における事故は法定運賃すら守れていなかったと報道されています。バスに限らず、タクシーなど運送関連の事業は運賃規制というのが存在します。これは過剰なダンピング競争によって引き起こされる悲惨な事故を防ぐという考えから存在していますが、全ての運送機関にあるわけではありません。  こちらのパネルを御覧ください。  このパネルは各輸送機関の運賃規制の事前チェックの有無です。バスやタクシーは事前にチェックすることになっていますが、トラックの運賃だけ事前チェックはありません。過当競争と言われているタクシーは認可で、トラックは事後チェックはあるんですけど、事後チェックの場合もう実質自由化です。軽井沢における事故も公定運賃があるにかかわらず実際には守れていないということで、トラックの場合はもうそもそも存在しないと。これは、もっとバスよりも過酷なダンピング競争になっているんではないかという声もあります。  また、バスとトラック、確かに積んでいるものが違います。人を積んでいるか、荷物を積んでいるかという違いあります。ただ、トラックの方が台数が多いので、実はトラック事故による死亡者の方が多いんですね。  また、トラック事業というのは、ほとんど地方の場合は中小企業に当たります。つまり、大きな企業が独占しているわけではなくて、中小企業が過酷なダンピング競争にさらされているというわけでありまして、今現在、事前届けが必要ないトラック運賃の現状について石井大臣はどのような御認識をお持ちか、ちょっと伺いたいと思います。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) トラックの運賃につきましては、事業者の創意工夫を尊重し事業を活性化する観点から、平成二年以降段階的な規制緩和を経て、平成十五年以降は事後届出制となっております。これは、トラック運送業の運賃・料金の設定は荷主との相対取引によるものがほとんどでありまして、多種多様な運賃の形態が存在することから、運賃の基準を一律に定めることが難しいことを踏まえたものでございます。  一方で、トラック運送事業者は荷主や元請事業者に対する立場が弱く、適正運賃の収受が難しいという実態があると認識をしております。  トラック運送業は、国内貨物輸送の約四割強を担い、我が国の経済活動を支える重要な役割を担っておりますが、トラック運送事業者の約九九%は中小事業者であることから、これら中小企業の取引条件の改善、適正運賃の収受を図ることは非常に重要であるというふうに考えております。

渡辺美知太郎無所属クラブ

○渡辺美知太郎君 大臣、もう少しちょっと分かりやすく御答弁いただけますか。問題があると認識をお持ちなのか、それともこのままでいいのか、どちらなんでしょうか。大臣、手短でいいので教えてください。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) 今御答弁いたしましたように、トラック運送事業者は荷主や元請事業者に対する立場が弱いというところから適正運賃の収受が難しいという実態があります。これについては課題であるというふうに認識をしております。

渡辺美知太郎無所属クラブ

○渡辺美知太郎君 では、どのように課題を解決するかというのはあります。もちろん、このトラック運賃、先ほど大臣からも御答弁ありました、元々は認可で、その後、事後届けになりまして、最後は実質的な自由化となっております。  日銀の調べでは、一九九二年のトラック運賃を一〇〇とすると、二〇一四年のトラック運賃は九八・四だそうです。ちなみにタクシー、タクシーは九二年のとき初乗りが五百二十円で、二〇一四年のタクシーの初乗りは七百三十円なんですね。タクシーの場合は、じゃ、どのぐらいになっているかと。一四〇・四になるんですね。  タクシーは事前認可で初乗りは上がっているんですけど、トラックはどんどんどんどん下がっているんですね。もちろん、自由化だからいいじゃないかという御指摘もあるかもしれませんが、電力自由化のように大きな企業が独占しているわけじゃなくて、九九%中小企業が過酷なダンピング競争にさらされているんですね。  トラック企業は、先ほど大臣もおっしゃっていました、荷主との交渉が難しいと。運賃を適正価格まで上げられないのが現状であります。地方の企業というと、もう建設業とか運送業とかがやはり地方の経済、一角を担っているわけでありまして、過酷なダンピング競争に中小のトラック企業がどんどん疲弊をしていくということは、やはり地方経済のこれは疲弊にもつながりかねないと思っております。  私は、今バス業界は大変なことになっておりますが、トラックについても、やはり以前あったトラックの最低運賃、これをちょっと見直していくべきではないのかなと思っているのですが、大臣のお考えを伺いたいと思います。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) トラック運送業の適正運賃の収受を実現するためには、荷主等を含めた関係者が一体となって取組を進めていくことが不可欠でございます。  このため、国土交通省におきまして、今年度、厚生労働省と共同でトラック輸送における取引環境・長時間労働改善協議会を設置をいたしました。今後は、この枠組みの中で適正運賃の収受を含めた取引条件の改善に向けた議論を行っていきたいと存じます。

渡辺美知太郎無所属クラブ

○渡辺美知太郎君 大臣と私の認識はある程度一致しているのかなと思っております。つまり、中小企業がかなり過酷なダンピング競争にさらされている、法定運賃があるバス業界ですら法定運賃も守られていないという現状は厳しいよねと。  ただ、どこまで、どういった手段で、中小のトラックというか、そういったダンピング競争から守るかというところで、ちょっとお話を今いただきましたが、いまいちどういった手段を使うのかがちょっと見えていないなというのが今の答弁です。  私の提案の一つとしては、最低運賃の復活と。最低運賃の復活と言うとちょっとどきどきされる方もいるかもしれません。私は別に時計の針を逆進させろというわけではないです。もちろん、規制緩和が必要なところは必要だと思っていますが、やはり一定のルールがあってこその自由競争だと思っています。  その中で、大臣は、最低運賃の復活について、復活と言うとちょっと語弊があるかもしれません、最低運賃の見直しについてはどのぐらいお考えなのか、ちょっと御答弁いただけないでしょうか。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) トラック運送業におきましては、荷主との相対取引により多種多様な運賃形態が存在いたしますので、最低運賃の設定はなじまないかなというふうに考えておりますが、先ほど申し上げたとおり、適正運賃を収受するということは重要な課題でございますので、取引条件の改善に向けてしっかりと議論をしていきたいと思っております。

渡辺美知太郎無所属クラブ

○渡辺美知太郎君 バスの、何度も言いますけど、法定運賃ですらちょっと今厳しい状況で、標準運賃がどこまで守れるのかと。そういった、じゃ、担保はどのように大臣はお考えなんでしょうか。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) バスの方でございますね。

渡辺美知太郎無所属クラブ

○渡辺美知太郎君 ごめんなさい、トラックの方でどのように担保をされるかと、標準的な運賃がどこまで守られるのか。

石井啓一公明党国土交通大臣

○国務大臣(石井啓一君) トラックの方は、先ほども申し上げましたように、今厚生労働省と一緒に協議会を設置をしておりますので、その中でしっかりと議論をしていきたいと思っております。

渡辺美知太郎無所属クラブ

○渡辺美知太郎君 今、バス事故多発しております。バス業界についても多分、今後規制の見直しがいろいろとされると思います。確かに、二〇〇三年に規制緩和をしている以上なかなか戻すというのはちょっと抵抗があるかもしれませんが、この際、やはり運送業の見直しをしっかりしていただきたいと思っております。  時間になりましたので、私の質問は以上で終わります。ありがとうございました。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 社民党の又市です。  冒頭、私からも甘利大臣に御注文を申し上げておきたいと思うんです。  昨日からの報道を見て、えっ、甘利さん、あなたもか、こういう感じを持ちました。そして、今朝からいろんなこの委員会のメンバーの皆さんとお話しする中で、かなりこれは黒いなと、こういう印象を多くの人が持っている、こういうことであります。  あっせん利得処罰法違反あるいは政治資金規正法違反に関わる問題だけに、これはやっぱり早急に是非調査をなさって、是非、冒頭から出ておりますけれども、国会に報告をされて疑惑を解明をいただく、このことを強く求めておきたいと思います。  いずれにしましても、この三年間、安倍政権の三年間で、本当に何でこんな疑惑を持たれる人が次々と多いのかとあきれる、そんな思いをしていることも率直に申し上げておきたいと思います。  そこで、通告に基づいて質問をしてまいりますが、この二〇一四年度決算について、会計検査院からは不当事項等が五百七十件、千五百六十八億円が指摘をされております。掲記件数、厚労省が二百九十二件で一位、指摘金額では防衛省が十四件で四百九十三億円の一位、厚労省が四百二十二億円、二位、ワースト記録でありました。  こうした検査院の指摘をどう受け止めて対処されているのか、まず最高責任者、総理からこの件についての見解を伺うと同時に、次いで、どうも常連ですよ、これ、言っちゃ悪いけど厚労省と防衛省は。ここのところをどういうふうに改善策を講じられているのか、伺っていきたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 平成二十六年度決算検査報告において、会計検査院から五百七十件、千五百六十八億円の指摘を受けたことは誠に遺憾であります。検査報告の指摘事項は様々なものでありますが、その内容に応じて一つ一つ着実に改善策を講じ、その後の予算や会計事務などにしっかりと反映させていくことが重要であると考えています。  昨年十一月の検査報告を受けて、私からも各大臣に対して、検査報告事項について確実に改善するよう指示を行い、二十八年度予算編成等においても適切に反映を行っているところであります。  具体的なものについては二人の大臣から答弁させたいと思います。

塩崎恭久自由民主党厚生労働大臣

○国務大臣(塩崎恭久君) 会計検査院の平成二十六年度決算検査報告における厚生労働省に対する指摘件数は、今お話がございましたように二百九十二件ということで、全省庁中最多ということでございますし、金額も二番目ということで、大変遺憾に存ずるところでございます。  今回の会計検査院からの指摘は、地方自治体絡みのものが多いといえども、昨年の十一月に再発防止と適正かつ効率的な予算の執行について省内に周知徹底をまずいたしました。  加えて、各部局から、全国会議の場などを通じて、指摘された自治体のみならず全国の自治体などに対しまして、指摘された事案の周知、そしてまた執行事務の適正化を要請をするなど、再発防止に努めることとしているところでございます。  厚生労働省としては、今回の指摘を重く受け止め、改善すべき事案については速やかに対応するとともに、今後、指摘された事案について傾向を分析をし、必要な対策を的確に講じ、適正な予算執行に努めてまいりたいというふうに思います。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 防衛省といたしましては、会計検査院から指摘を受けたことにつきましては誠に遺憾であり、省といたしまして指摘を真摯に受け止めて再発防止策を講じてまいりたいと思います。  防衛省に対する指摘金額である合計十四件、四百九十三億円は、不正確な会計経理の処理が行われたとの指摘を受けた装備品等の合計額でありまして、国が実際に被った損害の額ではありません。  例えば、この約四百九十三億円のうち約二百四十三億円については、F15の改修時に取り外されて業者で保管をされた部品の合計額でありますが、会計検査院の指摘は、当該部品は補用品として航空自衛隊が保管すべきという点でありまして、既に措置済みであります。また、航空自衛隊内の光伝送路の整備、また東日本大震災の復興特別会計上の取得物品について約二百三十八億円が記載されておりますが、会計検査院からの指摘は、これらの物品管理簿、この記載が不正確であるという点であります。  そのほか、五件、八億円の不当事項としての指摘等がございますので、こういった指摘につきましては、原因を詳細に分析いたしまして、今後の会計検査の重点事項をより精緻化をいたしまして、各部局に通達をし、点検の実効性を高め、そして各種法令に対する再教育を実施をして重層的な点検体制を確立をしまして、このような指摘がないように努めてまいりたいと考えております。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 前年度より僅か減少したとは言いますけれども、まだまだ巨額な資金が不適切に支出されているということですから、この掲記件数あるいは金額ともにゼロを目指して引き続き努力を求めておきたいと思います。  次に、消費税問題について総理にお伺いをしたいと思うんです。  財務省の平成二十六年度財政法第四十六条に基づく国民への財政報告、これによりますと、二十六年度の我が国経済は、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動減には留意が必要であるが、好循環実現のための経済対策など、既定諸施策の推進等により、年度を通して見れば前年度に続き堅調な内需に支えられた景気回復が見込まれ、好循環が徐々に実現していくと考えられるというふうに明記をされておって、国内総生産の実質成長率は一・四%程度、名目成長率は三・三%程度を見込むと、こういうふうにされておったわけです。  しかし、実際は、実質成長率はマイナス一%、名目成長率は一・五%にとどまる、こういうことでありました。これは、政府が消費税の三%引上げというものの影響を過小評価をしておった、もっと言うならば、あるいは日本経済の実態を過大評価をしていたということのあかしではないのか。そのために一〇%への引上げというものを延期せざるを得なかったのではないかと思いますが、この認識、総理、お聞きしたいと思います。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 十七年ぶりとなった前回の消費税引上げ後は、これは確かに委員が御指摘のように、予想よりもはるかに消費の落ち込みが大きかったわけでありまして、その後もその傾向は続いたわけでございますが、こうしたこともあり、平成二十六年度の経済成長率は当初の見込みを下回ったわけであります。ただ、当初、堅調な内需に支えられた景気回復を見込んでいたのは、政府の経済見通しのみならず、これは民間の経済見通しにおいても同様であったことは申し上げておきたいと思います。  消費に大きな影響があったということを判断したからこそ、まだ消費は弱いという中においてデフレ脱却の道が危うくなると判断したからこそ一〇%の引上げを一年半延期したところであります。  この間、我々はしっかりと三本の矢の政策を進めてまいりました。その結果、賃上げも順調に行われているのは事実でありまして、成長軌道に戻ってきていると、このように思う次第でございますが、今後ともしっかりと今までのこの政策を、三本の矢の政策をしっかりと前に進めながらデフレ脱却を確かなものにしていきたいと、このように考えております。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 今も話ありましたが、いろいろと言い訳なさりますが、三%の増税の影響をやっぱり過小評価をしていたということはもう事実なんだろうと思うんです。  そこで、総理は、今度一〇%問題について言えば、リーマン・ショックや大震災のような事態が発生しない限り、来年四月から消費税率一〇%は実施する、こう繰り返し述べておられるわけだが、現在の日本の経済を見ると、私は率直に申し上げて、政府が目指す景気の好循環には程遠い、せいぜい道半ばの表現が精いっぱいじゃないかな、こういう感じがします。そこに今度は更に二%増税を行うということになれば、また個人消費と内需の低迷ということが危惧されるのではないか。  そこで、総理は、この一〇%の引上げというのは、一体どのような経済の状況であれば消費増税を行っても国民生活や景気への影響はない、こういうふうに、あるいはそれは吸収できるというふうにお思いなのか、その点、もう少しお聞きしたいと思うんです。

安倍晋三自由民主党内閣総理大臣

○内閣総理大臣(安倍晋三君) 世界経済はアジア新興国等においても弱さが見られますが、そうした中でも日本経済のファンダメンタルズはしっかりしていると考えています。アベノミクス第二ステージでは、これまでの三本の矢の政策を一層強化し束ねた新たな第一の矢によって名目GDP六百兆円を目指していきたいと思っています。より強化した経済政策の下においても、経済再生なくして財政健全化なしという方針に変わりはないわけであります。  税率一〇%への引上げを実施できる経済状況をつくり出すことが重要であると考えているわけでありまして、一昨年の暮れに一年半の延期をしたということは、つまり昨年の時点で引き上げる状況にはなかった、確かに私はそのとおりであったと、こう思っております。それは今年の四月でもないわけでありまして、つまり来年の四月まで延ばしたことによってそういう状況をつくり出すことは可能であると、こう考えたわけでございます。例えば、今すぐではもちろんないわけでありまして、今年の四月にもうしっかりと賃金も上がっていく、また来年も上がっていくという状況をつくっていく中において経済の好循環が回っていく、デフレから脱却しつつあるという状況を確かなものとする中において消費税を引き上げていきたいと、こう思っているところでございます。  なお、消費についても我々も十分に注視をしているところでございまして、下支えもしていく必要はありますが、税率一〇%への引上げと併せて低所得者対策として、消費への影響にも配慮しつつ軽減税率制度を導入することとしておりまして、消費者の方の消費行動にもプラスの影響があるものと期待できるのではないかと考えております。  さらに、駆け込み需要と反動減の平準化のための必要な対応を取っていく考えでございます。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 どうも、前のときに景気条項を削除したわけですから何だろうとやりましょうと、こういうことなんだろうと思うんですけれども、しかし、私は、先ほども申し上げたように、やはり今の状況でいうならば、二%やるということは、それはまた賃上げなどというものについても実際上は言ってみれば全くなかったと同じようにしてしまう、消費が低迷をする、こういう状況が生まれるんだろうと思う。  逆に、一方で、二〇一四年度の企業の内部留保、別名利益剰余金と、こう言われますが、これが前年度から見ると八%伸びて三百五十四兆円、史上最高、こんな格好で大変な金余り状況だと。そこに今度は更に一年前倒しをして法人税は減税をします、二・一四%下げますよ、毎年企業には一兆円ぐらい減税をしていきますよと、こういう格好だから内部留保はたまる一方だと。これは経済学者やいろんな人が結構そんなことをおっしゃっている。政府部内からもそういう声が出ている。こういう格好でしょう。格差は拡大する一方ですよ。  そういう意味でいうならば、総理が力説される経済の好循環を実現するというのならば、消費増税はやめて、法人税の減税も中止をする、巨額の内部留保にむしろ課税も検討するということが必要だと私は思いますよ。是非その点、今日は時間がだんだんなくなってきますから、ここは答弁求めません。このことについては更に改めて議論をしていきたいと思います。  次に、特定秘密保護の問題について伺いますが、報道によりますと、会計検査院は、特定秘密保護法の閣議決定前に、法案では秘密書類が会計検査に提出されなくなるおそれがあるとして政府に法案の修正を求めたということでありましたが、その経緯を説明いただきたいと思います。

河戸光彦会計検査院長

○会計検査院長(河戸光彦君) 憲法第九十条第一項におきまして、国の収入支出の決算は、全て毎年会計検査院が検査することとされております。  平成二十五年九月に法令協議がありました特定秘密の保護に関する法律案第九条第一項は、行政機関の長は、我が国の安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認めたときに特定秘密を提供することができるなどとなっておりました。このため、会計検査において資料の提出を求めた場合に特定秘密であることなどを理由として提出を拒まれるのではないかという懸念がございました。  このようなことから、会計検査院は内閣情報調査室に対して条文の修正を要望いたしましたが、法案の国会提出時までに内閣情報調査室から、秘密事項の提供に関する取扱いは特定秘密の保護に関する法律の施行により何らの変更がないとの説明を受け、検査に支障がないことを確認した次第でございます。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 そうすると、今御説明あったように、これまでどおり全部出されるということのようでありますが、もう少し聞いておきたいと思います。  会計検査院が検査のために要請すれば、特定秘密である文書も提出されるということですけれども、その場合、この文書を提出する機関はそれが特定秘密に指定されている文書だというふうに明らかにするのかしないのか、いずれにしても、会計検査院は報告する必要があると判断をすれば国会にそれを報告をするのか、この点についての政府と会計検査院の認識を伺っておきます。  通知文どおり、関係組織が要請された文書全てを会計検査院に提出するとなると、検査官は特定秘密文書を扱うということになるわけですけれども、とすると、検査官も適性評価を受ける対象になるのかどうか、この点についても併せて伺います。

田中勝也内閣官房内閣審議官

○政府参考人(田中勝也君) 会計検査院から資料の提供を求められ、それが特定秘密に当たる場合には、各行政機関の長におきまして、当該特定秘密を利用し、又は知る者の範囲を制限すること、当該業務以外に特定秘密が利用されないようにすること、その他の政令で定める特定秘密の保護のための措置を講じることなどの要件を満たしているか、これを確認した上で特定秘密を提供することとなります。  したがいまして、特定秘密であることを明らかにするものでございます。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 本当はもう少し聞きたいところですが、特定秘密だということで逆に検査院などがひるむようなことがあっては困るわけでありまして、どうであろうと、特定秘密であろうと税金が不適切に使用されるなんということがあってはならぬということでありますから、憲法九十条の規定をしっかり踏まえて、毅然と検査をやっていただくように要請をしておきたいと思います。  次に、辺野古の問題について伺います。  辺野古における新基地建設に関わる事業の発注について伺っておきますけれども、冒頭、この問題、政府が地方自治の本旨、さらには沖縄県民の民意を全く無視して問答無用とばかりに強圧的に事業を進めていることについては、強く抗議をしておきたいと思います。  そこで、この報道によれば、二〇一四年の一月から一五年の十一月までに防衛省の事業を受注した企業六十四社のうち、二十五社が最近十年間に防衛省・自衛隊のOBを受け入れていたということであります。三分の一以上に天下っているということ自体が驚きですけれども、何とその二十五社が少なくとも全体の七八%を受注していたと、こういうことであります。  防衛省が発注する事業は工事と業務に分かれますけれども、防衛省・自衛隊のOBを受け入れていた企業が受注した業務三十四件のうち十七件は随意契約の一種である公募型プロポーザルやあるいは簡易公募型プロポーザル方式で発注されたと、こういうことであります。  防衛省が発注していた事業の多くが、OBが在籍をする、あるいはしていた企業によって受注されていたという事実を認識していたのかどうか、このような状況についてどのようにお考えになっているのか、伺っておきます。

中谷元自由民主党防衛大臣

○国務大臣(中谷元君) 沖縄の防衛局におきましては、普天間飛行場の代替施設の建設事業に関しまして、公有水面の埋立ての承認を得た平成二十五年の十二月から昨年の十一月末までの二年間、九十二件、当初契約額で合計六百九十七億円の工事等の契約を締結をいたしました。これらの工事等を発注した六十五社のうち十四社に防衛省職員が再就職していると承知しておりますが、この工事等の契約の手続は、関係規則にのっとって、これらの再就職の実績とは関わりなく適正に行われているものであります。  具体的には、これら六十五社が受注した九十二件の工事等は、契約金額で約八割、これが一般競争入札方式によるものでありまして、また、随意契約分においても、官報、ホームページで広く入札参加希望者を募ることで競争性を確保しており、かつ技術提案書に係る評価基準、これをあらかじめ明示をすることによりまして審査の透明性を確保しております。  このような取組から、防衛省の職員の再就職企業が移設事業の受注で優遇されるという仕組みにはなっておりません。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 建前をおっしゃっているわけで、こちらも聞きましたが、建設工事の契約手続については関係規則にのっとり適正に行われているものと認識し、こんな格好で言われて、防衛省の職員の再就職と普天間飛行場の代替施設建設事業に係る入札落札率との関係に因果関係はない、こういうふうにおっしゃるわけだが、それは当たり前のことですよ、そんなことは。当然のことなんです。  問題は、これまで指摘したことですけれども、そういう発言で国民の理解が得られるか、こうした防衛省・自衛隊の天下りがどんどん出ている企業がやっぱり何だかんだといいながら大量に入札している、落札しているということそのものを、国民の気持ちとそういう意味では全くそぐわないではないか、そういうふうに思いませんかということを聞いているんです。  いずれにしましても、入札方法も含めて、言ってみれば防衛省の事業にこうしたOBがどんどん天下っているようなそういう業者、こういう者が大量に入札に応じ、また落札しているということのないようなもう少し検討をすべきじゃないのかということを強く申し上げておきたいと思います。  最後の質問になってまいりますが、東日本大震災の復興特会についてですけれども、会計検査院から、二〇一一年から一三年度、全体で復興予算九兆円が使われなかったこと等が報告をされています。一四年度の会計検査報告でも復旧復興関係の執行率は六割強と指摘をされているわけですが、また、事業別に繰越しと不用率を見ますと、公共事業等が四五%に八・七%、原子力災害復興関係が二三・五%に一九・二%、復興交付金が三五・六%と〇%ということになっているんですが、このような遅れの原因はどのように分析をされているのか、さらにこれをもっと加速をしていくためにどういう策が必要だというふうにお考えになっているのか、お尋ねをしたいと思います。

高木毅自由民主党復興大臣

○国務大臣(高木毅君) お答え申し上げます。  今委員御指摘のとおり、平成二十六年度単年度の決算では執行率は約六割ということになっておりますが、これに今後執行が見込まれる額である繰越額、約一・五兆円でございますけれども、これを含めれば八割超の執行見込みとなっているところでございます。  復興事業の執行に当たりましては、用地取得やあるいはまた地元との調整に時間を要するケースが多く、結果として繰越しや不用が生じることは避けられない面があるのではないかと考えているところでございますが、しかしながら、復興庁としては、引き続き復興の加速化に向けた取組を進め、復興関連予算の円滑な執行に努めてまいりたいと考えております。  また、執行率の向上に向けてというお話もございました。例えば、住宅再建、復興まちづくりにつきましては、用地取得の迅速化、被災自治体への職員派遣、資材や工事現場の人手確保への対応など、累次にわたる加速化策を打ち出してきたところでございます。こうした取組により、災害公営住宅、高台移転は、二十六年四月で七割だったものが現在九五%で事業が始まっているところでございます。  このように、復興のステージは計画策定、用地取得からいよいよ工事実施の段階を迎えているわけでございまして、引き続き工事実施段階における新たな課題についてもきめ細かく対応し、復興関連予算の円滑な執行に努めてまいりたい、そのように考えているところでございます。

又市征治社会民主党・護憲連合

○又市征治君 先日も総務委員会でも述べたことですけれども、岩手県やあるいは宮城県での復興ももちろん大きな課題でありますけれども、福島の原発避難者の帰還をどうするのかという大きな問題があります。やたら帰還を促進するのではなくて、どこにいても被災者を救済をするということをモットーに政策をしっかり進めていただくように強く求めて、今日の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。

小泉昭男自由民主党

○委員長(小泉昭男君) 他に御発言もないようですから、本日の審査はこの程度といたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時五十九分散会

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