環境委員会 第5号
- 発言数
- 149 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2016/04/05
会議録
○委員長(磯崎仁彦君) ただいまから環境委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、江田五月君、佐藤信秋君及び島尻安伊子君が委員を辞任され、その補欠として櫻井充君、石井正弘君及び島田三郎君が選任されました。 また、本日、芝博一君が委員を辞任され、その補欠として藤本祐司君が選任されました。 ─────────────
○委員長(磯崎仁彦君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 独立行政法人環境再生保全機構法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、環境省総合環境政策局長三好信俊君外二名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(磯崎仁彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(磯崎仁彦君) 独立行政法人環境再生保全機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○高野光二郎君 自由民主党の高知県の高野光二郎でございます。 それでは、順次質問をさせていただきますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。 今回の法改正は、環境政策貢献型の競争的資金である環境研究総合推進費の配分業務を独立行政法人環境再生保全機構の業務範囲に追加するものであります。環境研究総合推進費とは、地球温暖化防止、循環型社会の実現、自然環境との共生、環境リスクの管理等による安全の確保など、持続可能な社会構築のため、環境政策の推進にとって不可欠な科学的知見の集積及び技術開発の促進を目的とした環境分野全域の研究開発のための環境省の予算でございます。環境省が持っております競争的資金でございますが、環境研究総合推進費は、ここ数年、五十二億円から五十三億円で推移をしております。 改正の背景には、平成二十七年の中央環境審議会の環境研究・技術開発の研究成果の最大化や効率的な運営体制の構築が求められるとの答申や、平成二十年の研究開発能力強化法により競争的資金を含む公募型研究開発に係る業務の独立行政法人への移管を通じて弾力的な運用等その効率的な運用を図ることが求められていると、定められていると承知いたしております。 環境省は、今まで環境研究総合推進費に係る全ての業務、行政ニーズの提示、公募、契約、経費の配賦、進捗管理、事前事後の評価などを行っていましたが、環境再生保全機構に環境研究総合推進費の配分業務等を移管することによって、環境省の行政ニーズの提示と成果を環境政策に反映させることのみになるわけでございます。 この度の法改正の施行に伴い、必要となる経費、業務移管に係る運営交付金は、ランニングコストもありますが、一億七千七百万と試算をされております。改正法の趣旨は、環境省の業務範囲を環境再生保全機構の業務範囲に追加し、環境省の業務は縮小して事務作業が軽減されましたというものではなく、業務移管に係るコストを投じても環境再生保全機構に業務を移管した方が研究成果の最大化や効果的な運営体制の構築につながるものと理解をいたしております。 そこで、丸川珠代環境大臣にお伺いをいたします。業務移管によって研究成果の最大化につながる具体的なメリットをどのようにお考えなのか、環境大臣にお伺いします。
○国務大臣(丸川珠代君) お答えいたします。 今回の機構への移管に当たっては、現行の環境研究総合推進費の運用をそのまま引き継ぐのではなく、運用の一層の高度化や推進費の効率的、効果的な活用等に係る改善を併せて行っていく予定でございます。 具体的には、推進費の運営費交付金化による複数年度契約方式の採用によって、研究の進捗に応じた研究費の繰越しや年度をまたがる調達契約等が可能になりまして、これまでと比べて研究者にとってより使いやすい資金制度となります。また、機構に専門性のある職員を配置したりプログラムオフィサーの充実化を図ることによって、研究者への助言や支援が強化され、より一層環境政策と結び付いた実効性のある研究成果が得られることが期待をされます。 加えて、業務移管後の環境省の側においても、研究テーマの設定や研究成果の環境政策への反映に専念することができますので、推進費制度による更なる環境行政への貢献が期待をされます。 こうしたことによって研究成果の最大化が図られるものと考えております。
○高野光二郎君 ありがとうございます。 確かに環境省所管であれば、国の会計年度により、財政法に規定されていますので、複数年契約は不可能になります。複数年契約により研究費は弾力的に使用ができることは、資金運用の無駄をなくす意味においても有効であり、また、研究者の研究以外の事務作業が軽減をされることによって、研究者は研究に没頭できるというプラス面もあると思います。 しかし一方で、複数年契約によって、研究の進捗管理、研究成果のチェック体制はどのようにお考えなのでしょうか。単年度契約であれば、ある意味、毎年毎年契約時に予算の執行状況や研究の進捗状況をチェックすることができると思います。 さて、環境研究総合推進費についてお伺いをいたします。 政府全体の競争的資金は平成二十七年度、全体で四千二百十三億円のうち、環境省は五十三億円、一・三%でございます。百四十五の課題が研究テーマ数でございます。そして、本年度予算は五十二・八億円が環境省の予算でございます。 改めて、事業の進め方として、まず国から行政ニーズを設定をして提示をします。広く産学民官の研究機関の研究者から提案を募り、審査を経て採択された課題を実施をいたします環境政策貢献型の競争的資金でございます。 事前審査を実施して委託又は補助として研究開発を実施する、そしてそれぞれのニーズに適合させるための、二種類ございます。一つは、戦略的研究開発領域、平成二十七年度は六プロジェクト、一年で三億円以内、これが五年以内の研究でございます。そして二つ目が、環境問題対応型研究開発領域でございます。これは、平成二十七年度は百三十九課題の研究テーマでございます。補助額や委託額は数百万から一億円としまして、これが一年間でございます。三年間で研究の成果を上げる。この二種類でございます。 環境研究の総合推進費の場合は、長ければ戦略的研究開発領域で五年間の契約、もう一つは三年間の契約になるわけでございます。中間評価ということで、研究期間の中間年に研究計画や体制を見直しすることとしております。中間年ということは、一つは二年半、そしてもう一つは一年半となります。その間、何も報告を受けないんでしょうか。社会的なフィールドの研究もあれば、研究室内での実験などの研究もあり、定量的な統一基準の設定は難しいかもしれませんが、研究課題それぞれにKPIを導入をし、もっと短いスパンで評価判定をして、PDCAを確実に実施をし、計画や体制の見直しをすることはお考えでしょうか。 三好信俊総合環境政策局長にお伺いをします。中間段階での研究課題の進捗管理に関する環境省のお考えをお聞かせください。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 研究の中途段階でどのようなチェックをしていくかということでございますけれども、まず中間段階でのチェックということで、先生からも御紹介いただきましたとおりでございますけれども、環境省の環境研究総合推進費の研究課題、研究期間が三年以上のものがございます。それは、まずは中間年に当たります課題を対象といたしまして、外部有識者による進捗状況等についての中間評価を行いまして、研究課題ごとの計画の見直しや研究予算の配分に活用しております。 また、この中間年だけにとどまりませんで、研究の途中段階で当該分野や関連分野に見識のある学識経験者などをアドバイザーとして招聘をいたしまして、研究の進め方などにつきましてアドバイスをいただくための、いわゆるアドバイザリーボード会合と呼ばさせていただいておりますけれども、これを各年度におきまして原則として年一回以上開催をしているところでございます。 このアドバイザリーボード会合におきましては、学識経験者等からのアドバイスに加えまして、各研究課題のプログラムオフィサーによる研究の進捗確認も併せて行っているところでございます。 これらによりまして研究課題の進捗管理は適切に行われていると考えておりますけれども、先ほど大臣から御答弁申し上げましたとおりでございますが、機構移管後に関しましては、更にこのような助言機能でございますとかを充実いたしまして、更に研究の効率的な推進体制の強化を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○高野光二郎君 今回の法改正は、研究成果の最大化にあるためだと存じます。中央環境審議会の資料によりますと、平成二十六年度の環境研究総合推進費の実施課題の事後の評価で、SからDの五段階評価を示しております。上位二段階のS、Aを獲得した比率が五二%となっております。環境省作成の行政事業レビューシートによれば、定量的な成果目標の設定を、課題数のうち、事後の評価の上位SからAの評価の比率を六〇%以上にしていますが、残念ながら四年連続未達成でございます。 この度の法改正で、事後評価の上位SからAの評価の比率を六〇%以上の達成につながることに期待するわけでございますが、さきの中央環境審議会の資料によりますと、直近の調査で、研究成果が環境行政に反映されたか反映見込みの比率、これが四九%、実用化されたか実用化見込みの比率が三四%となっております。外部の有識者や専門家による評価委員会でもS、Aと高評価されていても、政策には実際に反映されていない、実用化されていないものが相当あるということでございます。 そもそも環境省が必要とする研究テーマを掲げてスタートをするものでございますから、環境省としての目標は、研究成果がいかに環境政策に反映できるかが大切です。実証された研究は一・七%、環境政策に反映された研究は二八・七%と、至難な研究テーマも多いとは思いますが、芳しいとは言えない成果、効果でございます。 そこで、三好信俊総合環境政策局長にお伺いをします。まず、これらの今までの成果について、どのような要因があると分析をされて対策を講じているのか、お伺いをします。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 先生御紹介いただきました数字は、昨年六月に公表されました財務省の予算執行調査の関係でございまして、研究終了後の環境政策等への反映状況について調査を行ったところ、実証化された課題が一・七%、環境政策に反映された研究が二八・七%だったものでございます。 これらの要因でございますけれども、まずは、研究成果の環境政策への反映付けそのものにつきましては、研究実施中における研究者への意識付けが十分ではなかったかという点については反省をいたしているところでございます。その対策といたしまして、平成二十八年度実施課題より、全研究課題につきまして、それまでは任意でございました、研究の途中段階でのその分野や関連分野の見識のあるアドバイザーを招聘いたしまして研究の進め方等についてアドバイスをいただくための会議の開催を義務付けることで、実用化に向けた道筋を明確にさせまして、今まで以上に研究者への意識付けを行いたいというふうに考えているところでございます。 もう一つの要因といたしまして、この調査自身が、研究が終わった直後のものについての評価という点があろうかというふうに思います。実際に政策に生かしていくためには、その研究成果を更に政策として私どもの方で様々な条件を整備していく必要がございまして、そういう意味ではやや中期的な観点も必要ではないかというふうに考えているところでございます。 そういう意味で、先ほどちょっと御紹介いたしました財務省からの指摘も踏まえまして、研究成果が具体的にどういう形で段階を追って環境政策に生かされていくことになるのか、そういうフォローアップの調査も改めて始めたいというふうに考えているところでございまして、そういう中でしっかりと環境政策に生かしていく道筋を付けてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○高野光二郎君 ありがとうございます。 それでは、ちょっとそもそもをお伺いしたいんですが、この事業に参画する産学官民の研究機関の研究者は何人いるのか。また、採択をされていない研究者も含めて、我が国の環境問題や政策に携わることのできるいわゆる研究者は、海外や諸外国の研究者と比べた際、人材の質、量共にいかなるものなのか、お伺いをさせてください。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 環境研究総合推進費におきまして、平成二十七年度には、これは先ほど先生から御紹介いただきましたが、百四十五の研究課題が実施されておりまして、これらの研究課題に合計約一千百名の研究者の方が参画をされているところでございます。これまで我が国の環境問題や政策に携わっていただいた研究者の多くは、これまで累次この推進費制度を進めてきておりますので、何らかの形で推進費による研究に参画いただいているのではないかというふうに認識をいたしております。 それから、研究者の質と量につきましてのお尋ねでございますけれども、これはなかなか全体として、ほかの国と比較してというのはなかなか難しゅうございまして、申し訳ございませんが、例でございますけれども、地球温暖化の分野では、世界各国の研究者の最大の貢献は気候変動に関する政府間パネル、IPCCの評価報告書への科学的知見の提供でございます。このIPCC第四次評価報告書では、執筆者全体のうち日本人は五・一%でございまして、この日本人執筆者の四三%が推進費の研究課題参画者でございました。また、第五次評価報告書の執筆にも多くの推進費の研究者が参画していただいているところでございます。
○高野光二郎君 御答弁ありがとうございました。 人材の数が他国と比べてどうか、余り把握されていないということでございますが、環境分野だけに限ったことではないんですが、やはり研究者の質と量が大分最近は日本は弱くなってきているんではないかといったことをいろいろ散見もいたしますし、聞き及ぶところでございます。高等教育の在り方も踏まえて、環境は非常にグローバルな課題が多いわけでございまして、そういった面からも、こういった課題に対して調査なりしっかり把握をしていただいて高等教育に生かしていただく、そういった視点も是非持っていただきたいという要望がございます。よろしくお願いします。 先ほど御答弁にありましたが、アドバイザリーボードの話がございました。この会合の実施は確かに私は有益だと考えます。ただし、戦略的課題は期間が五年、戦略的課題以外は三年、研究者のモチベーションの維持のためにも私はインセンティブがやっぱり必要だと思うんです。それが、目標達成の向上や研究者の人材確保と育成につながるのではないかと考えております。取組についてお伺いさせてください。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 アドバイザリーボード会合などにつきましては、全ての研究課題につきまして毎年実施しているものでございます。この中身といたしまして、研究内容がどのように行政貢献できるのかを伝えることなどによりまして、そのこと自身が研究者のモチベーションの向上にもつながる機会ではないかというふうに考えているところでございます。 また、先ほど御答弁申し上げました中間評価におきましても、当初計画以上の研究成果を上げた研究課題につきましては、中間評価を行った翌年以降の研究費増額を認める等、そういう意味での研究者のモチベーションの向上につながるインセンティブとなるような工夫も行ってきているところでございます。 さらに、優秀な研究成果を上げました研究課題につきましては、研究成果をシンポジウムにおいて御発表いただくほか、環境行政への貢献が著しいものにつきましては環境大臣賞を差し上げる、あるいは環境大臣賞の候補として推薦するなどの対応を行っているところでございます。
○高野光二郎君 ありがとうございます。 また、研究成果を上げていくためには、研究者だけの意識付けを高めるだけではなくて、やっぱりチームとして周りのフォローアップが非常に必要だと考えております。先ほど答弁でいただきましたプログラムオフィサーや行政担当者などのレベルアップも同時に私は必要だと考えていますが、どのように育成し、積み重ねてきた知見をどのように継承しているのか、お伺いをいたします。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 まず、プログラムオフィサーにつきましては、関係論文の収集や関係学会への参加などを通じまして、最新の研究動向につきまして情報収集を行っていただくようにしているところでございます。 また、プログラムオフィサーや行政担当者の間では、行政ニーズの意見交換会でございますとか、研究成果の報告会でございますとか、アドバイザリーボード会合などにおきまして、研究者、プログラムオフィサー、行政担当者の三者の意見交換を促進することで研究内容の理解を深めるとともに、行政担当者の方はどうしても定期異動等もあるわけでございますけれども、しっかりと継続性を保って、行政ニーズに沿った研究内容になるように取り組んでいるところでございます。 このような取組によりまして、プログラムオフィサーや行政担当者に係ります人材育成でございますとか知見の継承に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○高野光二郎君 鬼木誠環境大臣政務官にお伺いをさせていただきたいと思います。 次に、この度の改正で、業務について、機構の役員、職員、またこれらの職にあった者の守秘義務規定が今回新設をされました。守秘義務規定が必要になった経緯についてお伺いをします。
○大臣政務官(鬼木誠君) 御指名ありがとうございます。お答え申し上げます。 今般新たに追加することとしております環境の保全に関する研究及び技術開発に係る業務においては、これまでの業務とは異なり、特許となり得る情報などを知り得る機会があると考えております。当然ながら、こうした情報が外部に漏れるのはよろしくないわけでございます。 このため、機構の中立性や公正性を維持する観点から、他の法人、国立研究開発法人などですね、こうした法人、他の例も踏まえつつ、今般新たに追加する業務に関し役職員に秘密保持義務を課すことといたしました。 なお、この実効性を担保するために、刑罰を科する規定も併せて整備しているところでございます。
○高野光二郎君 非常に明快な答弁、ありがとうございます。 しかし一方で、ちょっと心配もあるので、やらせていただきたいと思います。 採択を受けた研究者には、環境課題に関わる研究を行っている国内外のほかの機関や団体、民間、個人の研究状況等の情報収集もすごく大切だと思います。これら事業採択を受けた研究者等と共有すべきであると考えますが、どのような取扱いをするのか、また今回のこの守秘義務規定が足かせとならないのか、お伺いをさせてください。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 環境省では、環境研究総合推進費による研究を始めといたしまして環境省において実施をしております研究の成果等につきましては、環境省のウエブサイトで広く公開をさせていただいております。また、国内外の他の機関や団体、民間、個人において実施している環境問題に関わる研究成果等につきましても、それぞれの機関や団体等において情報公開が適切になされているものと承知をいたしておりますし、国立環境研究所におきましては、環境に関わる情報を収集、整理をいたしまして、これらの情報を環境情報サイト、環境展望台と呼んでおりますけれども、それによりまして幅広く分かりやすく提供させていただいているところでございます。 これらの情報でございますけれども、これは研究の途中段階で当該分野や関連分野に見識のあるアドバイザーを招聘いたしまして研究の進め方等についてアドバイスをいただくために開催される会議におきまして実際の研究者の方々と情報共有を図らせていただいているところでございます。 なお、守秘義務規定との関係についてのお尋ねも併せてございましたけれども、今申し上げましたとおり、これらの情報は原則といたしまして広く公開されているところでございまして、それを収集して研究に生かしたといたしましても、今回の改正法案における守秘義務規定には当たらないというふうに考えているところでございます。
○高野光二郎君 ありがとうございます。 また、改正法施行の後には、政策に反映される、政策に反映見込みとなる研究成果の比率自体を一つの定量的な目標として掲げて、その比率を目指すこと、達成することが研究成果の最大化につながると思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 環境研究総合推進費では、各研究課題の達成状況や成果の内容等を把握するため、各研究が終了した翌年度に事後評価を実施しておりますが、先ほども若干御答弁をさせていただきましたが、研究内容によりましては行政側の方で更に条件の整備等をしていく必要があるなどの事情もございまして、研究成果の政策への反映に時間を要する場合がございます。 環境省といたしましては、研究成果をしっかりと環境政策に生かしていくために、やや中期的な視点からも評価をすることが重要ではないかというふうに考えているところでございます。そのような観点の下、研究成果が具体的にどのような形で段階を追って環境政策に生かされているのか、研究終了後三年から四年後に実施しております追跡評価等の結果も踏まえて把握をいたしまして、今後に生かすことで環境政策に生かしていく道筋をしっかりと付けていきたいというふうに考えているところでございます。
○高野光二郎君 研究成果の反映についてお伺いをします。 実証された研究や環境政策に反映された研究、どのように生かされているのか。国の行政ニーズや政策以外にも研究成果を活用し、汎用を促進すべきではないかと提言をいたします。民間企業による利活用など、研究成果をどのように情報公開、提供しているのか、お伺いをします。また、今までこの事業が研究成果として民間部門の製品やサービスに生かされた代表例なんかあれば御紹介をいただきたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) お答えを申し上げます。 推進費は環境政策への貢献を目的とする競争的資金でございまして、先生御指摘のとおり、他の分野への波及や民間企業への利活用が期待できる研究成果もあるかというふうに考えているところでございます。 実際、推進費の研究成果につきましては、全ての課題につきまして研究成果報告書を環境省のウエブサイトで情報公開をさせていただいているところでございます。また、毎年度開催をしております研究成果発表会のほか、学会や論文での発表を通じまして、民間企業においても利活用されるような情報提供をしてきているところでございます。 実際の例ということでお尋ねでございました。推進費を活用した例といたしまして、外来動物の根絶を目指した総合的防除手法の開発ということで、世界的にも駆除方法が確立されていないアルゼンチンアリの駆除手法につきまして民間企業と一緒になって開発をいたしまして実用化をしたということで、実際にその製品が民間企業から市販されたという事例もあるところでございます。
○高野光二郎君 続きまして、平口洋環境副大臣にお伺いをいたします。 そこで、今までとは質の異なる業務を担う機構の体制や職員の専門性を確保するため、人材教育や育成、指導に関して環境省の見解をお尋ねをいたします。
○副大臣(平口洋君) お答えをいたします。 環境再生保全機構においては、環境分野の政策実施機関としての役割を果たすため、従来より、環境分野における専門性と知識、能力を有する人材を確保するとともに、職員研修を積極的に実施するなど職員の専門性の向上を図る取組を進めてきております。また、今般の法改正によりまして配分業務等が移管された後においては、機構において新たに専門の部署の設置、機構内での既存業務の効率化による職員配置換え、研究経歴のある専門職員の新規採用の検討、これらの者に対する新たな研修の実施等を考えていると承知しております。 これらの取組により、機構においても新たな業務にしっかりと対応していけるものと考えております。
○高野光二郎君 独立行政法人環境再生保全機構に対する質問に付随しまして、国立環境研究所が諸外国との間で、我が国政府と外国政府間で締結している二国間協定、科学技術協力及び環境保護協力の分野等の国際共同研究について、まず、現在の各国との二国間協定に基づく共同研究の状況はどうなっているのか、お伺いをいたします。また、近年の環境分野における世界の共通課題について各国とどのような研究を実施しているのか、お伺いをいたします。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 国立環境研究所では、我が国政府と外国政府との間で締結されております科学技術協力及び環境保護協力といった二国間の協定の枠組みの下で、平成二十七年度末時点でございますけれども、八か国と合計十七件の国際共同研究を実施しているところでございます。 若干具体的に御紹介をいたしますと、共同研究の相手国といたしまして、研究テーマとも関わりがございますけれども、気候変動関係ということでは米国、カナダ、スウェーデン、中国、ロシア、それから、生物多様性の分野におきましては韓国、フランス、ロシアなどとの間で共同研究を実施しているところでございます。 それで、最近の推移ということでデータ的に申し上げますと、これらの国際共同研究は、平成二十六年度末時点では七か国、合計三十一件でございまして、平成二十七年度と二十六年度とを比較をいたしますと、相手国数は増加をいたしましたが、件数は減少したということでございます。件数の減少の事情でございますけれども、具体的には中国、韓国との実施課題が十七件から七件と少なくなったということが挙げられるものと考えているところでございます。 国際共同研究は、私どもこの分野のある意味の先進国といたしまして協力していくということでございますけれども、相手国の関心がある関係分野によりましても変化はするものというふうに認識をいたしておりまして、先ほども御紹介をいたしましたが、世界の共通課題を背景といたしました気候変動関係の研究でございますとか、あるいは生物多様性関係の研究に関わる課題につきましては今後も継続して実施されていくものというふうに考えているところでございます。
○高野光二郎君 最後にお伺いします。 過去、この分野での研究成果はどのように我が国の環境政策に生かされたのか、お伺いをいたします。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 二国間協定に基づきまして行いました共同研究の研究成果の活用例でございますけれども、中国科学院と国立環境研究所との間で実施をいたしました中国産業拠点都市における資源循環の技術イノベーションシステムに関わる国際共同研究の成果がございまして、これが瀋陽市での日本技術を活用する循環型生態工業園の政策ガイドラインに反映されたところでございます。それが一方で、日本国内のエコタウン高度化事業の検討に反映されたという事情がございます。
○高野光二郎君 非常に至難な研究テーマが多くて、国内だけではなくてグローバルな研究課題に対して御努力、御尽力をしていただいている研究者に是非頑張っていただきたいですし、プログラムオフィサーや行政担当者の方も一丸になって目標達成を増やしていただいて、世界貢献に期することを心からお願いを申し上げまして、一切の質問を終わります。ありがとうございました。
○浜野喜史君 民進党・新緑風会の浜野喜史でございます。 本日は、環境に関する研究、技術開発の重要性の観点から質問をさせていただきます。 今回の法改正によりまして、環境研究総合推進費が環境再生保全機構に移管されるということとなります。これは研究開発力強化法に基づく競争的資金でありまして、平成二十八年度予算額では五十二・八億円と認識をいたしております。一方、環境省全体の平成二十八年度科学技術関係予算は総額で七百六十六億円となっております。この中には、環境省本省で取り扱うものや国立環境研究所で取り扱うものなども含められているというふうに思います。 環境省全体として環境に関する研究についての基本方針やテーマはどのように策定をされておられるのでしょうか。策定プロセスや意思決定の場がどうなっているのかということも含め、まず御説明いただきたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) お答えを申し上げます。 環境省全体としての研究、技術開発につきましての基本方針やテーマについての決定プロセスについてのお尋ねでございます。 これは、まず、環境政策の基本となっております環境基本計画がございますけれども、これなども踏まえまして、中央環境審議会に環境研究・環境技術開発の推進戦略についてということを御検討いただきまして、答申をいただいているところでございます。この中では、今後重点的に取り組むべき課題でございますとか、その効果的な実施に向けました推進方策という形でお示しをいただいておりまして、環境省ではこれに基づきまして環境研究・技術開発の取組を推進をしているところでございます。 それで、この決定プロセスでございますけれども、この答申は、まず環境大臣から中央環境審議会に諮問させていただくということでございまして、環境研究・技術開発の推進戦略を御検討いただきます専門委員会を設置をいただきまして、ここで有識者によりまして審議をいただいているところでございます。その上で、パブリックコメントにも付させていただいておりまして、それらを踏まえまして取りまとめをさせていただいているところでございます。
○浜野喜史君 御説明いただきましたように、環境省の研究、技術開発の方向性は、中央環境審議会の答申であります環境研究・環境技術開発の推進戦略についてに基づいて行われているというところであります。 そこで、これと政府全体として閣議決定がされております環境基本計画や科学技術基本計画との関係がどのようになっているのか、お伺いをしたいと思います。前回の環境基本計画は平成二十四年の四月に閣議決定がされており、また第五期の科学技術基本計画は本年一月に閣議決定ということになっております。それぞれ時期がずれているわけでありますけれども、どのように連動、連携が図られているのか、御説明を願いたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) お答えを申し上げます。 環境基本計画は、環境基本法第十五条に基づきまして政府全体の環境の保全に関する総合的かつ計画的な施策の推進を図るための基本的な計画でございます。これにつきましては、閣議決定をいたしました。毎年点検という形で、どのような進捗状況か、またどのような課題があるかということにつきまして明らかにしているところでございます。 また、科学技術基本計画は、科学技術基本法第九条に基づきまして政府全体の科学技術の振興に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るための基本的な計画でございます。 先生お尋ねの環境研究・環境技術開発の推進戦略につきましてでございますけれども、環境基本計画、それは先ほど申し上げました点検の状況も併せてでございますし、また科学技術基本計画、これにつきましては、直近のもので比較いたしますと、ちょうどその検討中であったもの、科学技術基本計画、それぞれの政府全体としての環境政策や科学技術政策の方針を踏まえつつ、環境分野において重点的に取り組むべき研究、技術開発の課題を設定提示していただいたものでございます。 この策定に当たりましては、環境基本計画はもとよりでございますけれども、科学技術基本計画に関わります政府の各部署とも緊密な連携を図って策定をしていただいたところでございます。
○浜野喜史君 更に御質問をさせていただきます。 中央環境審議会の答申に基づきまして、研究目的やテーマ、課題が設定されているというところでありますけれども、環境省の本省や国立環境研究所、さらに、今回の環境研究総合推進費ということで役割分担がなされて研究が行われているというふうに認識をいたします。 この役割分担の考え方がどのように整理をされているのか、そしてその決定をどのようなプロセスでしておられるのか、御説明を願いたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) お答えを申し上げます。 先生御指摘いただいたとおり、環境省が行っている研究といたしましては、大きく分けまして、環境省がいわゆる直轄で行っているものと、国立環境研究所が運営費交付金で行っているものと、それから競争的な研究資金である推進費で行っているものと、三通りがございます。 環境省が直轄で行っている研究は、研究内容等が具体的に定まっているものを対象といたしまして、委託事業等の形で行わさせていただいているところでございます。例えばでございますけれども、エネルギー対策特別会計で、我が国のエネルギー起源CO2の削減のために早期に実用化、社会実装をしなければならない技術の開発や実証を行っているところでございまして、対策の実現が可能な分野などを環境省がお示しをいたしまして広く企業、研究機関から提案を募る事業のほか、窒化ガリウムを用いた高効率デバイスの早期実用化を目指した技術開発、実証を行う事業のような、社会実装にすぐつなげることを狙いとした事業を行っているところでございます。 国立環境研究所は、我が国の環境科学分野におきます中核的な研究機関といたしまして、様々な環境科学分野における調査研究を自らが実施をいたしまして、国の環境政策への科学的、技術的基盤を提供をいたしているところでございます。 環境研究総合推進費は、環境省が必要といたします行政ニーズを提示して公募を行った上で、広く産学民官の研究機関の研究者から提案を募りまして、専門家による評価委員会で採択された課題に対しまして研究者等に研究開発資金を配分する競争的資金の手法を用いまして、政策活用が見込まれる応用研究等を主として実施をしているところでございます。 以上のとおり、それぞれの研究内容の具体性や基盤的性格、性格の違いがございますので、それぞれの役割分担で行わさせていただいているところでございまして、また、具体的にも研究テーマ等につきまして重複がないように調整をしているところでございます。
○浜野喜史君 環境研究・技術開発は、今を生きる我々が未来への責任を果たすためにも非常に重要だと認識をしております。そのように重要な研究でありますからこそ、環境大臣の責任で行われるべきではないかとも思います。 今回、環境研究総合推進費が環境再生保全機構に移行されるという意味合いを改めてお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(丸川珠代君) 環境研究・技術開発は、持続可能な社会の構築に不可欠なグリーンイノベーションの基盤を成すものでございまして、環境省においても、環境研究総合推進費などにより、これまでも環境分野における調査研究や技術開発を支援をしてきたところでございます。 この推進費については、昨年八月の中央環境審議会の答申によって予算の弾力的な執行による利便性の向上ということが指摘をされまして、一方では、研究開発力強化法によってその業務の独立行政法人への移管が求められるなど、改善が必要となっております。ですので、今回の移管を通じまして、複数年度契約方式を採用することによって研究費の使用を効率化すること、また研究者への助言等の支援の強化、研究課題の審査や評価の高度化により、環境研究・技術開発の更なる効率的、効果的な推進を図ってまいりたいと考えております。 環境省としても、これを環境再生保全機構に移管することで、より環境政策にこの成果を反映するということを専念ができますので、効果の高い研究が進められるものと考えております。
○浜野喜史君 御答弁の中で、効果的、効率的な研究開発の推進という御説明がございました。この場合の効果的、効率的というのは何をもって評価をしておられるのか、御説明をいただきたいと思います。あわせて、効率的、効果的な推進により想定する具体的な成果についても併せて御説明を願います。
○副大臣(平口洋君) お答えをいたします。 環境研究総合推進費については、五段階で行われる研究課題の事後評価におきまして上位二段階を獲得した課題数が六〇%以上となることを政策評価の目標値として定めております。今回の移管を通じまして、複数年度契約方式の採用による研究費の使用の効率化や研究者への助言等の支援の強化、研究課題の審査や評価の高度化により、より一層効率的、効果的な推進が図れるものと考えております。 環境省としましては、こうしたことを通じて、政策評価の目標値の達成を含め、推進費による研究開発の成果の最大化に取り組んでまいりたいと考えております。
○浜野喜史君 済みません、私が聞き漏らしたのかも分かりませんけれども、効果的、効率的というのは、何をもって効果的、効率的というふうに評価をしようとされておるのか、改めて御説明をいただきます。
○政府参考人(三好信俊君) 効果的、効率的な指標ということで、先ほど申し上げました五段階での事後評価というのをやっているところでございます。これはいわゆる政策評価の一環として行っているものでございまして、政策評価の目標値で表しているものでございます。それを全体として六〇%以上となるようにするというところがその評価の指標ということにさせていただいたところでございます。
○浜野喜史君 すっきり落ちませんけれども、質問を続けます。 研究開発力強化法には、競争的資金を含む公募型研究開発の効率的推進に資すると認めるときには、可能な限りこれを独立行政法人に移管するとされております。これを受けて、文部科学省の科研費の日本学術振興会への移管を始めとした移管が行われているというふうに承知をいたしておりますけれども、今回の環境研究総合推進費以外にも、経産省や厚労省にも多くの競争的資金が残っているというふうに認識をいたします。 競争的資金の移管についての全省庁の状況を御説明願いたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 先生御紹介いただきましたとおり、研究開発力強化法におきましては、独立行政法人に移管することが公募型研究開発の効率的推進に資すると認めるときは、可能な限りこれを移管するものとするとされておりまして、特段の事情がない限り独立行政法人に移管されていくものと理解をしているところでございます。 それで、現状ということでございますけれども、平成二十七年度の予算額ベースで申し上げますと、約九割の競争的資金が独立行政法人により配分されているところでございます。他方で、全体の、ほかの省庁のということでございますけれども、私どもで調べたところによりますと、例えば総務省さんでございますとか消防庁さん、厚生労働省さん、農林水産省さん、経済産業省さん、国土交通省さん、防衛省さんなどのものにつきましては、本省等で引き続き配分業務等を行われる予定のものもあるというふうに承知をいたしているところでございます。 なお、先ほど金額ベースで申し上げましたけれども、これは、例えば文部科学省と日本学術振興会で行われております科学研究費助成事業、いわゆる科研費でございますけれども、これが二千二百億円を超える規模ということでございまして、これが先鞭を着ける形で移管をされているところでございまして、これが大きなウエートを占めているというふうに理解をしているところでございます。
○浜野喜史君 先ほどの御質問にもございましたけれども、財務省の平成二十七年度の予算執行調査総括調査票を見てまいりますと、環境研究総合推進費の実施課題の事後評価で、環境省自身が設定した政策評価の目標値を四年連続で達成できておりません。また、研究の終了後に環境政策に反映されている研究成果は三割弱程度にとどまっております。 本法案に関する衆議院環境委員会における議論では、このような問題の原因を、これまた先ほども御説明ございました、政策検討状況の研究者への情報提供や進捗管理が不十分、各研究者への環境政策に対する意識付けの問題ということを挙げていらっしゃるというふうに思います。これらの改善のためにプログラムディレクターやプログラムオフィサーとの会合で情報提供を行ったり現地調査を義務付けるといったような御答弁でございましたけれども、このような問題改善の途上にある環境調査研究を丸ごと環境再生保全機構に移管するということになります。 機構への移管によりまして先ほどの目標数値がどのように改善されるということを見込んでおられるのか、そして改善に向けてどのように取り組んでいこうとされているのか、御説明を願います。
○大臣政務官(鬼木誠君) お答え申し上げます。ちょっと一部答弁が今までの答弁と重複もいたしますが、お許しいただきたいと思います。 推進費の研究成果は、これまで地球温暖化の防止、循環型社会の実現、自然環境との共生など、持続可能な社会の構築のための環境政策の推進に役立ててまいりました。環境省としては、今回の法改正による推進費の移管を通じた環境研究・技術開発の更なる効率的、効果的な推進により、現在の推進費事業に関する政策評価の目標値である研究課題の事後評価で上位二段階を獲得した課題数が六〇%以上という、議員御指摘の目標値の達成を含め、推進費による研究開発の成果の最大化に取り組んでまいりたいと考えております。 そうした中で、今回の法改正による推進費の移管によりまして、環境省、本省の在り方といたしまして、推進費の大きな方向性に係る企画立案や、環境省が必要とする行政ニーズの提示及び研究成果の環境行政への反映、そういったことなどに特化することが可能になることから、よりきめ細かな研究成果の行政への反映が可能となり、環境行政全体の底上げにつながるものと考えております。 以上です。
○浜野喜史君 次に、衆議院の環境委員会の議論を踏まえてでありますけれども、衆議院の環境委員会におきましては、今回の法案提出に当たって環境再生保全機構理事長と事前の協議をしたのかという質問に対しまして、大臣は、協議は行っていないという御答弁でございました。 これまで公害補償業務などを行ってきた環境再生保全機構がより幅の広い環境研究総合推進費を扱うということになるのは大きな変化ではないかというふうに思います。事前にしかるべき相談が行われてしかるべきだというふうに思うわけですけれども、どのように事前の相談、協議を行ってきたのか、御説明願います。
○政府参考人(三好信俊君) お答えを申し上げます。 環境省と機構との間ではこの業務移管に当たりましての課題と対応につきまして幅広く議論を行わさせていただいたところでございまして、私のレベルでございますけれども、理事長とも直接お話をさせていただいたところでございます。 また、その検討の過程では、機構から環境省への職員の派遣もしていただいておりまして、業務移管後の業務がスムースに移管できますように配慮するとともに、業務移管後における環境省と機構との役割分担の方法、仕方でありますとか、移管後の機構の体制などについて議論をしてまいったところでございます。 その中で、例えば、業務を移管した後も国からの行政ニーズを反映させる仕組みでございますとか、先生御指摘がございました研究成果の最大化を目指して業務運営の高度化をどのように図っていくのかというようなことにつきまして議論を積み重ねてきているところでございます。
○浜野喜史君 環境省設置法の第四条を見てみますと、研究開発も含んだ環境政策については、環境省が政府全体の総合調整機能を持っていると解釈できるというふうに思いますけれども、法律の条文も挙げて具体的に御説明を願いたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 環境省における環境政策の総合調整機能の根拠ということでございますけれども、環境省設置法の第四条に、「環境の保全に関する基本的な政策の企画及び立案並びに推進に関すること。」、それから、「環境の保全に関する関係行政機関の事務の調整に関すること。」などと規定をされているところでございます。その規定を根拠といたしまして、政府全体の基本的な環境政策の内容を実施するために関係行政機関に働きかけて調整を行うことなど、環境省の任務の達成のために関係行政機関に働きかけて整合性を図ることなどを行ってきているところでございます。 例えば、環境基本法に基づきまして、これも先ほどの答弁の中で申し上げましたけれども、環境の保全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱でございます環境基本計画は、これは最終的には閣議決定をするものでございますけれども、これを策定する場合には、環境大臣が環境基本計画の案を作成をいたしまして、関係行政機関との調整を経て閣議決定を求めることとされているところでございます。 これは、法律上の根拠というお尋ねございましたので若干御紹介をさしあげますと、環境基本法の第十五条の第三項で、「環境大臣は、中央環境審議会の意見を聴いて、環境基本計画の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。」というふうに定められているところでございます。
○浜野喜史君 その御答弁を踏まえまして質問をさせていただきます。 昨年十二月のCOP21、パリ協定を踏まえまして、我が国には脱炭素社会の実現に向けた技術開発面での国際貢献が求められます。そのためには、環境省が総合調整機能を十分に発揮し、政府全体として環境分野に関わる調査研究、技術開発が行われていくことが必要と考えますが、そのような方針の検討の場があるのかどうか。仮にないとすれば、そのような場を設定すべきではないかというふうに考えますけれども、現状と御見解をお伺いいたします。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 先ほど来御答弁をさせていただいておりますけれども、まずは、政府全体の環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るために基本計画を定めることとしておるところでございます。 この環境基本計画におきましては、例えば、世界の環境保全に資する我が国の技術を生かして持続可能な開発に積極的に貢献することが世界に対する我が国の役割であり、そうした観点から環境協力に取り組んでいくこととされているところでございます。 また、グリーンイノベーションを進めるための基盤ともなります環境研究・技術開発の推進に当たりまして、アジア諸国との連携を始めとする国際的な枠組みづくりについても指摘をされているところでございまして、先生御指摘のような低炭素社会の実現に向けた国際貢献に関わる取組も推進をしていくこととされているところでございます。 また、現在検討中でございますけれども、温暖化対策計画におきましても、その基盤的な施策の中に地球温暖化対策技術開発と社会実装というものを位置付けをさせていただいているところでございます。 環境基本計画もそれから温暖化対策計画も、関係行政機関との調整を経まして閣議決定されるものでございます。また、この環境基本計画に基づきまして、中央環境審議会から環境研究・環境技術開発の推進戦略や答申をいただいているところでございます。 このような形で、環境省の総合調整機能を発揮しながら政府全体の計画を定めつつ、それに基づきまして具体的な環境研究・技術開発戦略を検討していただくような形とさせていただいているところでございます。
○浜野喜史君 環境省のみならず、他省庁におきましても環境分野における研究は行われております。 例えば、農林水産省では、農地における温室効果ガスの吸収・排出量を国連に報告するため、農地土壌の炭素貯留量の調査を行うとともに、温室効果ガスの排出削減を目的とした農地管理技術の検証を行っているというところであります。 環境省として、他省庁が環境分野においてどのような研究開発を行っていると把握をしておられるのか、御説明を願いたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) お答えを申し上げます。 政府全体で環境の分野におきましてどのような施策が行われるかということにつきまして、例えば、これも先生お尋ねの調整機能の一環でございますけれども、環境保全経費の見積り方針の調整の基本方針というのを定めまして、また、それが環境保全経費としてどのように確保されているかというようなことにつきましても調査をいたし、報告をさせていただいているところでございます。 その見積り方針の中では、様々なところにこの研究、技術開発というところはございますけれども、例えば、各種施策の基盤となる施策という項目がございまして、技術パッケージや社会経済システムの全体最適化による技術力の向上や技術の社会実装、グリーンイノベーションやグリーン成長の実現、震災復旧復興対策等に向けた環境分野の研究開発の重点推進というようなものを挙げさせていただいているところでございます。 また、これに基づきまして各省庁でどのような予算要求をされているのかということにつきましても環境省の方で取りまとめをさせていただいているところでございます。 それから、この環境研究総合推進費の中での取扱いでございますけれども、これにつきましては、他省庁から申請があった研究課題を実施するに当たりまして、研究に必要な予算をそれぞれの省庁に移替えをさせていただきまして研究を実施をしていただいております。 そうした研究の例でございますけれども、例えば、国土交通省の気象庁気象研究所では、平成二十七年度から三年間、地球温暖化を高度に監視できる海洋水温データベースを構築し、環境行政、研究を含む広範な利用目的に対応できる海洋データを提供するための研究を実施をしていただいているところでございます。 また、厚生労働省国立感染症研究所では、平成二十二年度から五年間、媒介生物を介した感染症に及ぼす温暖化影響評価と適応政策に関する研究として、原虫、寄生虫、感染症への温暖化影響評価手法を確立し、感染症温暖化影響を全国規模で明らかにするとともに、地方自治体レベルにおける脆弱性や影響評価を実施したところでございます。
○浜野喜史君 関連して更に御質問をさせていただきます。 先週成立をいたしました平成二十八年度予算は、過去最大となる九十六兆円を超える規模の内容となりました。もちろん、必要なものには重点的に政策資源を集中するべきでありますけれども、無駄は排除をしていかなければなりません。 環境省の行っている数多くの調査研究と他省庁の環境分野における研究に重複はないというふうに理解をいたしておりますけれども、御説明を願いたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 環境研究総合推進費では、環境省が必要とする行政ニーズを提示をした上で広く研究者からの提案を募りまして、評価委員会等の審査を経て採択された課題を実施しているところでございます。 この採択に当たりましては、他の省庁等の競争的資金において申請中又は実施中の研究課題が採択されることのないように、申請中又は実施中の研究課題を申請書類及び府省共通の研究開発管理システムで確認をしているところでございます。このようなことの仕組みで対応しておりますので、推進費の研究と他省庁の環境分野における研究に重複はないものと考えているところでございます。
○浜野喜史君 政府全体の競争的資金は、先ほども申し上げました文部科学省の科研費を始めとして約四千億円規模というところであります。その中で、今回、移管の対象となる環境研究総合推進費はおよそ五十億円という、一・二五%であります。この予算額について環境省としてどのように評価をされておられるのか、御説明願いたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 競争的資金制度でございますけれども、平成二十七年度末時点で十九制度ございますけれども、先生が御紹介をいただきましたJST、国立研究開発法人科学技術振興機構が実施しております科学研究費補助金、分野を移管ということよりはむしろ研究者の自由な発想に基づいて学術研究を発展させるという趣旨の移管でございますけれども、これが約二千二百七十億円ということで、金額ベースでは全体の五四%を占めているということでございます。 環境研究総合推進費は、先生御指摘のとおりで五十三億円でございますので、金額ベース全体では一・三%ということでございますけれども、環境政策を支えるための研究開発を推進する目的で、これまでのその時々のニーズや財政状況等によりまして増減はございますけれども、毎年度必要な額を最大限確保するよう努めてきたところでございます。最近の例で申し上げますと、平成二十二年から二十三年度にかけまして複数の競争的資金を統合した際でございますとか、平成二十四年度に東日本大震災を受けて被災地域の復旧復興に関わる研究・技術開発の必要性が生じた際などには、その重要性に鑑みまして、とりわけ必要な額の確保に努めてまいったところでございます。 今後とも、様々な分野における研究者の総力を結集して総合的に調査研究及び技術開発が推進できるよう、必要な額の確保に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○浜野喜史君 こういった環境分野における研究開発につきましては、民間企業も積極的に取り組んでおられるというふうに認識をいたします。政府部門と民間部門の役割分担の考え方、何らかの考え方を持って政府部門としても研究開発を進めておられるというふうに認識をいたしますが、政府部門と民間部門の役割分担の考え方、これについて御説明を願いたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) お答えを申し上げます。 まず、政府部門の役割でございますけれども、地球温暖化の防止でございますとか、循環型社会の実現、自然環境との共生など、公共上の見地から確実に実施されることが必要であるが、民間で行う場合には必ずしも採算が取れない環境分野の研究や研究開発を、国立環境研究所を始めといたします国立研究開発法人でございますとか、環境研究総合推進費を始めといたします競争的な資金などにより実施をしているところでございます。 一方、民間におかれましては、主に営利を目的とされているということがございますので、実用化、商品化を前提といたしまして、それぞれの事業に関わる環境分野の研究開発が様々な形で実施をされているものと承知をいたしているところでございます。 引き続き、公的な研究の分野、我々が担っている分野におきましては、その趣旨をしっかりと実現し、公共上の見地から必要なものを効率的に推進するという観点で今後とも努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○浜野喜史君 加えて、政府部門による研究内容をグリーンイノベーションにつなげていくためにも産学官の連携が重要になってくるというふうに考えますけれども、現状はどのようなものであるのか、さらに、今後どのように進めていこうとされておられるのか、お伺いをしたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) お答えを申し上げます。 環境研究総合推進費における産学官連携の取組でございますけれども、新規研究課題を公募させていただくに当たりまして、産学官連携に該当する課題につきましては応募申請者の方にその旨の申請をいただいておりまして、採択に当たりまして加点要素として考慮するということとしているところでございます。 平成二十七年度の実施課題におきましては、民間企業の研究者が実施される研究課題は七課題、全体の五%程度ということでございます。平成二十八年度新規課題からは、民間企業を含めましたコンソーシアム型の共同研究グループ、これは、コンソーシアム型研究と申しますのは、企業が求める技術開発、商品開発に対するニーズと大学や公的な研究機関が有する高度な技術研究成果や知見等を共同研究、委託研究等を通じ融合、結実させることにより研究成果を効率的に実用化するための研究体制というものでございますけれども、そういうものにつきましても加点要素とすることといたしたところでございます。 今後も、様々な工夫をいたしまして、産官学連携によりまして研究成果の早期な社会実装等が見込める研究課題の積極的な応募がいただけるような取組を検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○浜野喜史君 続きまして、こういった環境研究の中身について御質問をいたします。 中央環境審議会は昨年の八月に、環境研究・環境技術開発の推進戦略についての中で十五の重点課題を示しております。その中の一つとして、地球温暖化現象の解明、予測、対策評価とありますが、その具体的な中身につきまして御説明を願います。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 御指摘の地球温暖化現象の解明、予測、対策評価につきましては、推進戦略におきまして重点課題の八番目として掲げられているところでございます。これは、近年、経済、社会に大きな影響を与える大雨や高温などの極端現象と地球温暖化の関連性が指摘されていることから、これらに関する科学的な知見を蓄積することが求められていることに鑑みまして、中長期的な社会像に基づきまして国際的な環境協力等にも資する地球温暖化現象の解明、予測、対策評価に焦点を当てた研究が必要ということでございます。 具体的な研究、技術開発の例といたしましては、気候変動に関わる物質の地球規模での循環の解明に資する総合的観測、予測研究、地球温暖化対策の評価に向けた地球規模及びアジア太平洋地域における観測、モデル等を活用した研究、地球温暖化現象の解明、統合的な予測、対策評価を通じたIPCCなどの国際枠組みへの貢献などが挙げられているところでございます。
○浜野喜史君 こうした研究で得られた科学的な知見につきましては、今後しっかりと温室効果ガス削減目標の設定などの行政面で御活用いただきたいと思います。 また、答申には、二酸化炭素の回収、貯留、いわゆるCCSに関する研究、技術開発についても記載があります。CCSにつきましては現時点で様々な技術的課題があります。具体的には、輸送方法や輸送ルートの確立、長期に安定的かつ安全に貯留可能な地点の確保など、非常に多くの困難な課題があると指摘をされております。 こういった環境技術につきましては、公共性が高く、また不確実性が非常に高い分野でもあるため、民間による研究開発だけでは不十分であり、政府としても前面に立って取り組む必要があるというふうに考えますが、いかがお考えか、御説明を願います。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 先生御指摘いただきました二酸化炭素回収、貯留、いわゆるCCSでございますけれども、気候変動対策として極めて重要な技術として認識をしているところでございます。 これは、推進戦略におきましては六番目の重要課題ということで、中長期的な社会像に基づき、ストックとしての国土の価値向上やあるべき未来を支える技術として、気候変動の緩和策に係る研究、技術開発を進める必要があるといたしまして、二酸化炭素の回収、貯留や、回収した二酸化炭素の材料としての利用に向けた研究、技術開発などを挙げているところでございます。 この研究、技術開発に当たりましては、時間軸と成果の規模を意識し、今後五年までにどの地域でどの程度貢献し得るかを意識して展開すべきであるというふうにされているところでございます。このため、商用化を前提に二〇三〇年までに石炭火力にCCSを導入することを検討し、CCSの技術開発や二酸化炭素貯留適地調査等に取り組むとともに、さらには、火力発電所におきまして将来CCS設備を設置するために必要な準備を行う、CCSレディーの導入に向けた検討などを行っているところでございます。 このCCSの導入に関しましては、技術面だけではなくて、制度面、経済面、社会面の課題に取り組む必要があることから、必要な施策について、専門家の意見も踏まえまして引き続き検討を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○浜野喜史君 最後の質問にさせていただきます。 少し気が早い話なんですけれども、CCSが仮に技術が確立をした上に立ってでありますけれども、研究開発の成果を社会に普及、定着させていくためには、そういった環境技術の社会的認知や社会的理解は必要不可欠であります。政府としてもしっかりと国民に対して説明していくことが求められます。 また、成果の事業化に向けた調査や、事業に当たって必要となる資金調達支援や補助金など、政府としての支援施策が必要と考えますが、御見解をお伺いいたします。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、CCSなどの革新的な環境技術を社会に導入するに当たりましては、それらの社会的な認知や理解は不可欠であるというふうに考えているところでございます。このため、環境省では、CO2排出削減において革新的な役割を果たすと予測されます環境技術につきまして国民の理解が得られるよう、研究開発の発展段階に応じまして、科学技術が社会や国民に与える影響について調査、分析、評価を行いますテクノロジーアセスメントなどについても検討を進めていくこととしているところでございます。 CCSにつきましては、技術面だけでなく、国民の理解を含む制度面、経済面、社会面の課題に取り組む必要があることから、必要な施策について、専門家の意見も踏まえ引き続き検討を進めてまいりたいというふうに考えておりまして、先生御指摘の、将来技術的に確立した段階でどのように政策的な支援を展開していくことが必要なのかにつきましても、この中で併せて検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○浜野喜史君 終わります。
○杉久武君 公明党の杉久武でございます。 本日は、独立行政法人環境再生保全機構法の一部を改正する法律案が議題となっておりますので、通告に従いまして順次質問をしたいと思います。 まず、本法案の内容につきまして質問する前に、一つ触れておきたいことがございます。 それは、環境再生保全機構の役員人事がございまして、先週、四月の一日付けで福井光彦現理事長が再任をされたと、このように環境省から伺っております。 福井理事長におかれましては、長年にわたり環境問題の解決や環境再生に関わってこられた環境問題のスペシャリストとして大変著名でございまして、環境省からいただきました今般の役員人事の略歴欄にもございましたが、福井理事長は、現在の損保ジャパンの前身となります安田火災海上保険に御在籍のときは地球環境室特命課長の初代課長として、今でこそ企業の環境問題の取組や貢献はごく普通のことのようになっておりますが、その言わば環境分野におけるCSRの先駆的な取組を行ってこられたと伺っております。 今日に至るまでの環境分野に対する一貫した真摯なお取組は保全機構の理事長の任に就かれる方としてふさわしい方であると私も大いに期待をしているところでございますが、今回の法改正に伴いまして、保全機構には更なる重責を担っていただくわけでありますので、理事長にはリーダーシップを遺憾なく発揮していただきまして、職員の皆様と一丸となって職務に精励いただけますよう、この場をお借りしてお願いを申し上げたいと思います。 それでは質問に移りたいと思いますが、初めに本法案の趣旨につきまして少し確認をしておきたいと思います。 今回提出された法案は、平成二十年に成立しましたいわゆる研究開発力強化法の二十七条にございます公募型研究開発に係る業務を独立行政法人に移管することが効率的推進に資する場合は、可能な限り独立行政法人に移管する、このような規定に基づきまして、従来国が直轄で行っておりました環境研究総合推進費の運用を環境再生保全機構へ移管する、これが大きな柱となっている、このように認識をしております。 そこで、環境省に質問します。 今回の機構法の改正の趣旨につきまして改めて確認をするとともに、環境研究総合推進費による研究業務の実施に当たっては、環境再生保全機構のほかにも、例えば国立環境研究所、今は独法から国立研究開発法人へと位置付けが変わっておりますけれども、国立環境研究所で業務実施を行わせることも可能であったのではないかと考えますが、なぜ保全機構を選定したのか、併せて伺いたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) お答えを申し上げます。 まず、今回の機構法改正の趣旨でございますけれども、環境研究・技術開発が持続可能な社会の構築に不可欠なグリーンイノベーションの基盤を成すものでございまして、環境省におきましても、環境研究総合推進費などにより環境分野における調査研究や技術開発を支援してきたところでございます。 この推進費につきまして、昨年八月の中央環境審議会の答申によりまして予算の弾力的な執行による利便性の向上が指摘され、また、先生御指摘いただきました研究開発力強化法によりその業務の独立行政法人への移管が求められるなど、その改善が必要になってきたものと認識をしたところでございます。 このため、今回の移管を通じまして、複数年度契約方式の採用による研究費の使用の効率化でございますとか、研究者への助言等の支援の強化、研究課題の審査や評価の高度化によりまして、環境研究・技術開発の更なる効率的、効果的な推進を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。 それから、国立環境研究所との関係でございます。御指摘のとおり、業務の移管先といたしましては国立環境研究所も考えられるところでございますけれども、国立環境研究所は一方で推進費を活用した調査研究も行ってきていたところでございまして、利益相反の観点からも配分業務と調査研究業務は同一機関では行わせないという方が適当ではないかというふうに考えたところでございます。 その中で、今回の環境再生保全機構ということでございますけれども、環境分野における政策を専門に実施しております唯一の独立行政法人でございまして、環境の保全に関する事務や事業に関しまして一定の知見がございまして、また資金配分業務を行うノウハウも蓄積してきているところでございまして、推進費の配分業務を行わせるに当たっては機構が適当であるというふうに考えたところでございます。
○杉久武君 今御答弁いただきましたとおり、本法案で保全機構に業務を移管する背景として、平成二十七年八月の中央環境審議会答申を例に今説明いただきましたけれども、この中央環境審議会の答申では、推進費の取扱いについては、研究成果を最大化するために運営体制の効率化が望まれると、こう指摘をされております。 しかしながら、この答申に対する回答として保全機構への業務移管ということがどのように導き出されたのか、そのプロセスについて少し伺いたいと思います。昨年の中央環境審議会からの答申から保全機構への業務移管に至る過程につきまして詳しく伺いたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 先生御紹介をいただきました昨年八月の中央環境審議会の答申でございますけれども、研究成果を最大化するために運営体制の効率が望まれるということにされたところでございますけれども、そこに併せまして、今後の環境研究総合推進費の運営体制については、他省庁の研究資金制度の運営状況も参考にし、手続の簡素化や予算の弾力的な執行等による研究者にとっての利便性の向上や、審査、評価等の業務の効率化が図られるような体制を構築することというのも併せて指摘を受けたところでございます。 この予算の弾力的な執行という側面に関しましては、これも先生から御指摘をいただいております研究開発力強化法によりまして、独立行政法人への業務移管を通じまして複数年度契約を締結することなどによる資金の効率的な使用を図るよう求められているところでございますけれども、この八月の答申を得るに先立ちまして、昨年の六月に、財務省から予算の執行調査におきまして、配分機関の独立行政法人への変更及び独立行政法人に対する交付金化も指摘をされたところでございます。 このようなことを踏まえまして、環境省におきまして検討を進めまして、環境分野における政策を専門に実施している唯一の独立行政法人でございまして、公害健康被害の補償業務や石綿健康被害の救済業務等に取り組むとともに環境分野における各種資金の配分業務を長年にわたり安定的かつ効率的に実施してきた機構が適当であると考えまして、その上で関係省庁とも協議をいたしまして、機構に業務を移管することとさせていただいたところでございます。
○杉久武君 次に、先ほども触れましたけれども、今回の法改正を行うに当たっての法的な根拠として、研究開発力強化法、これがございます。 この法律は、競争的資金を含む公募型研究開発を独立行政法人へ移管することを定めたものでございまして、平成二十年に制定をされたものでございます。そして、この法律に基づいて、今日までの間、科学研究費助成事業を始めといたしまして政府の競争的資金の九割以上が独立行政法人に移管されていると聞いております。 そこで、環境省に伺いますが、競争的資金を含む公募型研究開発につきましては、他省庁では既に移管されたものがある中で、環境省ではなぜ研究開発力強化法の成立から八年が経過した段階で推進費を移管する判断をしたのか、移管に相当な時間が掛かっているのではないかと考えますが、この点について見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) お答えを申し上げます。 研究開発力強化法の成立から時間を要したところでございますけれども、これは、まず環境省におきましては、現在、環境研究総合推進費として一本化しておりますけれども、それまでは研究開発力強化法の成立時点では三つの競争的資金がございまして、これをまず整理統合いたしまして、その上で、研究者にとって使い勝手のいい制度となるような運用改善を行うなど、移管も念頭に置きながらその運用や体制の整備を図ってきたところでございます。 他方で、平成二十四年度から二十六年度に関しましては、平成二十三年三月に起きました東日本大震災における被災地の早期復興にとっての不可欠な科学的知見の集積や技術開発を推進するために、被災地域の復旧復興及び被災者の暮らしの再生のための施策への貢献を要件とする復興枠による研究をこの推進費の仕組みの中で実施するということにしたところでございまして、復興に係る研究を優先して取り組む必要があったということがございました。 そういうことで、今回、法律案を提出させていただきまして、機構への移管を実現したいということでお願いをさせていただいているところでございます。
○杉久武君 続いて、今回の法律案によりまして、業務が保全機構に移管をしていくわけでありますけれども、大事な点は、移管することによって今まで以上にきちっとした成果が出せるのかという点が問われてくるのであろうかと考えます。 そこで、一つ指摘をしておきたいのですが、この件については先ほど来、高野委員や浜野委員からも御質問がありましたけれども、財務省で行われております予算執行調査であります。これは、財政資金の効率的、効果的な活用のために、予算のPDCAサイクルにおけるチェックとアクション機能を強化して予算に的確にフィードバックさせていくとの観点から、平成十四年以降毎年実施をされております。この予算執行調査では、財務省主計局の予算担当職員や日常的に予算執行の現場に接する機会の多い財務局の職員が予算執行の実態を調査して、改善すべき点を指摘し、予算の見直しにつなげておりまして、調査事案につきましては例年四月に公表されまして、調査が開始され、また調査結果や翌年度予算への反映状況についても公表がされております。 この予算執行調査で、昨年、平成二十七年の調査事案ですが、ここで、今議題となっておりますこの環境研究総合推進費、これが初めて取り上げられました。その政策評価結果におきまして財務省から、環境省が定めた本事業における政策評価の目標値に対して実績値が四年連続して達成できていないと、こういう厳しい評価がありました。 申し上げるまでもなく、推進費は、環境省が必要な行政ニーズを提示して公募を行い、広く産学民官に在籍の研究者の方々から提案を募りまして、事前評価を行った上で実施課題を決定し、そして研究開発を実施する、そのための経費でございまして、広い視野で見れば今後の我が国の経済成長や国際貢献の在り方をも左右する重要な研究を行っていると認識をしております。しかしながら、財務省の指摘を基に考えますと、機能を保全機構に移管したからといって実績の向上が担保されるわけではありません。大事な点は、研究実績が改善しないことには単なる本省からの機構への事業の丸投げに終わってしまうのではないか、そういった危惧もございます。 そこで、環境省に伺いますが、機構に移管することによって具体的にどのような点が改善されるのでしょうか。また、移管後、従前以上に優れた研究成果を輩出していくためには、現場で実際に研究に携わる研究者や関係者の意見や要望をしっかりフィードバックして推進費の運用を絶え間なく改善していくことが重要と考えますが、環境省の見解を伺います。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 推進費の運用の改善という点についてのお尋ねでございます。 今回、機構への業務の移管に当たりましては、現行の推進費の運用をそのまま引き継ぐのではなく、運用の一層の高度化でございますとか、推進費の効率的、効果的な活用等による改善を併せて行っていく予定としているところでございます。 具体的には、推進費の運営費交付金化によりまして、複数年契約方式の採用によりまして研究費の繰越しや年度をまたがる調達契約等が可能となりまして、これまでと比べまして、研究者にとって研究の進捗に応じて利用できる利用しやすい資金制度となるというふうに考えているところでございます。 また、きめ細かい日常的な意見交換やフィードバックの方、御指摘がございました。この点につきましても、機構に専門性のある職員を配置をいたしまして、研究管理を行うプログラムオフィサーにつきましても充実を図ることによりまして、研究者への助言や支援が強化され、より一層環境政策と結び付いた実効性のある研究成果を得られるようにしてまいりたいというふうに考えているところでございます。 また、業務移管後の環境省側の体制でございますけれども、研究テーマの設定でございますとか研究成果の環境政策への反映により注力することが可能となりまして、推進費制度による更なる環境行政への貢献が期待できるものと考えているところでございます。 さらに、運用に関しましては、特に実際に研究に携わる研究者や関係者の意見や要望のしっかりフィードバックさせていくという点につきましては、環境省本省の推進費制度全体の管理、評価を引き続き実施をいたしまして、その際に、実際の研究に携わった研究者に対するアンケートを行いまして、研究者の意見や要望についても把握をしてまいりたいというふうに考えておりまして、それらの意見等も踏まえまして、運用を含めた推進費制度の不断の改善に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○杉久武君 続いて、この推進費の移管後についてでありますけれども、実際に業務を携わりますのは環境再生保全機構であります。この保全機構は、平成十六年に環境事業団と公害健康被害補償予防協会が統合して設立をされたものでありまして、現在では、冒頭でも触れましたとおり、公害に関する健康被害の補償や予防業務だけでなく、民間団体が行う環境保全に関する活動支援やPCB廃棄物の処理支援、さらには最終処分場の維持管理積立金の管理や石綿健康被害の救済など、公害問題から地球環境問題に至るまで実に幅広い業務を実施しております。 ここで少し心配されますのが、このような環境実務の言わば総合デパートになっている保全機構に更に研究業務まで追加するというのはかなりしんどい面もあるのではないかなと。事実、これら多岐にわたる業務を百五十人にも満たない人員でカバーしているわけでありますので、本法案の成立によって推進費業務が追加となりますと、マンパワー一つ取っても対処し切れないのではないか、このようにも考えるわけであります。 そこで、環境省に質問しますが、保全機構におきましてはこれまでも業務の効率化を鋭意進めてこられたと思いますが、今回の法改正による業務の追加に伴いまして機構の体制はどのように変わるのか、また、優れた研究成果の輩出が担保されるような強化は行われるのか、伺いたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) 業務移管後の機構の体制でございますけれども、機構におきましては新たに室を設けることといたしておりまして、初年度でございます平成二十八年度には機構内での既存業務の効率化による配置換えとともに、研究経歴のあります専門的な職員の新規採用によりまして、まずは五名程度の体制を確保するという方向で検討しているところでございます。 また、具体的な研究成果に向けての機能の向上という点に関しましては、現在も個々の研究管理や助言をお願いしております外部の専門家、いわゆるプログラムオフィサーとの連携につきまして、今申し上げました研究経歴を持つ職員が間に入ることで、それぞれの研究者の方と様々な行政的な課題との橋渡しなどでのその強化が図られることによりまして、より一層環境政策と結び付きました実効性のある研究成果が得られるものと考えているところでございます。
○杉久武君 ちょっと時間が限られてまいりましたので、通告しておりましたのを一つ飛ばしまして、続いて、本法案の概要説明の書類にも書かれておりますとおり、環境分野の研究や技術開発につきましては、今後も持続可能な社会の構築に不可欠なグリーンイノベーションの基礎を成すものという、こう位置付けがなされているところであります。 グリーンイノベーションは低炭素社会の実現を目指す技術的な試みでございますし、低炭素産業を中心とした我が国社会の在り方を変革し、そして発展と成長を成し遂げていくための戦略でありますが、全地球的視野で見ますと、地球温暖化問題はもとより、資源やエネルギーの需給逼迫や感染症の蔓延、食料や水資源の窮乏、また自然災害など、世界各地で深刻かつ重大な課題が顕在化しております。 このような高度化、複雑化した地球規模の課題に対応するためにも、科学技術とそれによるイノベーションを活用した研究開発といった取組が求められている中で、このグリーンイノベーションの基礎を成す環境分野における研究や技術開発は我が国が一丸となって取り組むべき最重要課題であると考えます。 そこで、環境省に伺いますが、環境省のみならず政府全体における視点も含めて、現在までの環境研究・技術開発はどのように進めているのか、また、その中で本改正案における推進費は今後どのような役割を果たしていくのか、確認をしたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 環境基本法に基づきます環境基本計画におきまして、環境研究・技術開発は各種施策の基盤となる施策として位置付けられておりまして、現行の第四次環境基本計画におきましては重点分野の一つであるグリーンイノベーションの基盤となるものとして位置付けられ、政府全体で取り組んできているところでございます。 環境省では、さらに環境基本計画等を踏まえまして、これまでも御答弁させていただいておりますけれども、環境研究・環境技術開発の推進戦略につきまして中央環境審議会から答申をいただきまして、今後重点的に取り組むべき課題や推進方策に従いまして環境研究・技術開発の取組を推進しているところでございます。 現在の推進戦略におきまして、推進費は環境分野の研究、技術開発を支えるものとして、今後、重点課題の解決、新たに直面する研究、技術開発の課題への対応を見据え、研究の成果、効果を更に一層高めるため、人文社会科学を含む複数領域にまたがる領域融合的な課題設定や民間企業との連携を図るとともに、運営主体の専門性、効率性を向上させ研究成果の最大化を図るための運営体制の改善を検討するべきとされているところでございます。 これらを踏まえまして、今回の機構への一部業務の移管を通じまして環境政策に対して一層貢献する制度としてまいりたいと考えているところでございます。
○杉久武君 それでは、最後に大臣に伺います。 今回の法律案の成立によりまして、持続可能な社会の構築に大きく貢献できるような研究や技術開発が一層推進されるよう、保全機構はもとより、環境省もしっかり後押しをしていただきたい、強くお願いしておきたいと思いますし、その上で、グリーンイノベーションの加速化に向けた大臣の御決意をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(丸川珠代君) 環境研究・技術開発の推進については、昨年八月の中央環境審議会の答申を踏まえまして、地球温暖化の防止、循環型社会の実現、自然環境との共生など様々な視点から戦略的に取組を推進しております。特に、地球温暖化の防止については、昨年末のCOP21で採択されましたパリ協定を踏まえまして、我が国でも温室効果ガスを二〇三〇年に二六%、二〇五〇年には八〇%削減を目指していくこととしております。 ですので、革新的技術の研究開発だけではなく、社会構造のイノベーション、ライフスタイル、あるいは社会のシステム、こうしたもののイノベーションに向けて長期的な視野に立った抜本的な取組が必要であるという認識をしております。 ですので、こうしたことから、環境省としても、この春までに取りまとめることとされておりますエネルギー・環境イノベーション戦略も踏まえまして、研究、技術開発の推進と社会構造等の変革の両面からの取組を進めてまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
○杉久武君 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○市田忠義君 機構法の改正案について、大臣の認識をまず幾つかお尋ねしたいと思います。 環境研究総合推進費実施要綱の推進費の目的は、様々な分野における研究者の総力を結集して、環境研究・環境技術開発の推進戦略及び環境省が有するその他研究開発ニーズに沿った調査研究及び技術開発を総合的に推進すること。そして、環境問題解決のための政策の推進にとって不可欠な科学的知見の集積及び技術開発を促進することによって持続可能な社会構築のための環境保全に資することとされています。 そこで、お聞きしたいんですが、環境政策を進める環境省にとって、国立環境研究所とともにこの推進費は不可欠な存在だと思います。それを今度は機構に移管するわけですが、それを機構に移管して、これまでと同じような十分な貢献ができるのかどうか、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(丸川珠代君) 今回の機構へのこの環境研究総合推進費の移管ということについては、その業務の全てを機構に移管するのではなくて、制度全体の企画立案や環境省が必要とする行政ニーズの機構への提示、また研究課題の審査、評価等への本省職員の参加など、本省の関与を大きく残す予定としております。 私どもにとっても非常に重要なこの環境研究総合推進費でございますので、しっかりと今後とも事業の企画等の充実化に取り組んでまいります。
○市田忠義君 環境大臣が指示した機構の第三期中期目標では、独立行政法人として、研究開発を除く環境政策の唯一の実施機関である機構においては、こうしたニーズにも適切に応えられるように、現行の資金の確保、運用、分配能力を更に発展させる、法人全体の施策実施能力をより高めながら積極的に対応の検討を行っていくと、こうされています。 この指示によりますと、機構においては環境政策の唯一の実施機関としての施策実施能力の向上、これを求められています。要するに、分かりやすく言うと実務能力を高めろと、こういう提起はされていますが、環境政策の推進にとって不可欠な科学的知見の集積とか、技術開発の促進、こういうことについては求められていないと思うんですが、大臣、いかがですか。三好さんでも結構です。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 先生御紹介いただきました機構の私どもで示しました中期目標は、もちろん現在の業務に関しまして機構が果たすべき役割につきましてお示しをさせていただいたところでございます。現在、御審議をいただいております改正法が成立いたしました暁には、改めて改正後の法律の趣旨に沿いまして目標をお示しし、機構にはそれに対応した計画を策定していっていただくということを想定をしているところでございます。
○市田忠義君 今回の改正案を見ますと、科学的知見の集積や技術開発を促進する環境研究総合推進費の業務を機構に移行させることになっています。果たしてこれで環境省がいわゆるトップダウン的に研究テーマや研究リーダーなどの大枠を決めた上で、研究チームを競争的に選定するシステムを設けるなど、行政ニーズに立脚した戦略的な研究開発、これ強力に果たして推進できるんだろうかと、甚だ私疑問に思います。五年ごとに環境大臣が指示する中期目標の中に明示して担保するんだというふうに恐らくおっしゃると思うんですけれども、それで果たして科学的知見の集積や技術開発の促進を担保できるんだろうかと。この点はいかがでしょう。
○政府参考人(三好信俊君) 先生御指摘いただいておりますとおり、環境再生保全機構が実務は実施してまいるわけでございますけれども、それをいかに研究成果を最大化していくか、あるいは環境行政に貢献していただくか、機構に対するマネジメントをしっかりと確保することは重要であるというふうに考えているところでございます。 先ほど大臣から御答弁申し上げましたとおり、企画や政策への反映のところにつきましては引き続き環境省本省でしっかりと関与していくということとしておりますが、それに加えまして、例えばマネジメントの観点では、先生御案内のことと存じますけれども、現在の独立行政法人制度におきまして、主務大臣や総務省独立行政法人評価制度委員会によりまして、毎事業年度とそれから中期目標期間の終了事業年度において厳正に評価する仕組みが講じられているところでございまして、このようなことも通じまして、環境省としてもしっかりと関与しながら、研究成果の最大化に向けて取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○市田忠義君 現行の推進費を実施していく上において、事前評価、中間評価、事後評価及び追跡評価を行う評価委員会が設けられています。評価委員会には外部専門家、有識者等が加わる、各研究課題は必要性、効率性、経費の妥当性の観点から審査されるということになっています。 それでも、昨年三月に公表された評価専門部会の二〇一四年度制度評価報告書のまとめと提言を読んでみますと、次のような厳しい指摘がされています。すなわち、行政担当者にあっては、行政ニーズをより強く自覚し、それをプログラムオフィサーと共有する、そしてプログラムオフィサーは研究者が行政ニーズを十分に理解するよう導かなければならないと、こう書かれています。 要するに、推進費による研究成果を最大化させるためには、行政担当者と研究者が行政ニーズに応える研究成果を上げることが必要だということだと思うんです。しかし、今回の推進費に関する業務の機構への移管は、この制度の根幹ともいうべき点を大幅に後退させることになるんじゃないかと。この辺は大臣はどう認識していらっしゃいますか。
○国務大臣(丸川珠代君) 今回、この環境研究総合推進費の配分業務を移管することに伴いまして、機構のプログラムオフィサーの充実強化ということも同時に行っていくわけでございます。 厳しい御指摘をいただいていることは私どももよく認識をした上で、密にコミュニケーションを取って、我々の行政ニーズが何であるのかということをこのプログラムオフィサーがしっかりとまず把握をしていただくこと、と同時に、研究者に伴走する形でしっかりと研究をマネジメントしていただくことが重要であると考えております。
○市田忠義君 中環審の専門委員会の報告書ですかね、これを読んでみますと、環境省も当時は抵抗されていたんですよね、結構、財務省、政府に。ですから、政府や財務省は研究開発の成果の最大化や効率的な運営体制を強くこの間求めてきていたわけで、このことが人の健康の保護と生活環境の保全を目的とする環境研究を成果第一主義にゆがめかねないと、そういう懸念を持つわけでこういう質問をしているわけで、是非ここは環境保全というしっかりした立場に立脚して頑張っていただきたいということを述べておきたいと思います。 次に、環境研究・技術開発に関連をして、環境省が毎年公表しておられる大気汚染に係る環境保健サーベイランス調査結果、これについてお聞きします。 大臣にお聞きしますが、簡潔で結構です、この調査は何を契機にどのような目的で行われているのか。いかがでしょう。
○国務大臣(丸川珠代君) 環境保健サーベイランス調査については、公害健康被害の補償等に関する法律、いわゆる公健法における第一種地域の指定解除を内容といたします昭和六十二年の法改正時の国会の附帯決議を踏まえて実施することとされたものでございます。 環境省において、まず調査手法の検討を行って、その結果を受けまして、平成八年度より現在まで実施をしております。
○市田忠義君 これは事務方で結構ですが、環境省にお聞きします。 一九八八年の第一種地域指定の解除の際の認定患者数と、新規認定が打ち切られた現在の認定患者数は、それぞれ何人になっているでしょうか。
○政府参考人(北島智子君) お答えいたします。 公健法改正により第一種地域の指定が解除された昭和六十三年、当時の認定患者数は約十一万人でございました。その後、認定患者数は減少し、平成二十七年三月末の認定患者数は約三万六千人となっております。
○市田忠義君 今お答えになりましたように、ピーク時の認定患者数は十一万人ですが、減ってきているとおっしゃいましたが、新規認定が打ち切られた後も実は患者は増加しているんです。 東京都のぜんそく患者医療費助成制度の受給者を調べてみますと、二〇一五年七月末のピーク時、九万百九十七人なんですね。ぜいぜい、ひゅうひゅうなどの音がして急に息が苦しくなるような発作を起こすなど、ぜんそくなどの病気に苦しむ患者が医療費を抑えるために受診を控えたり薬を節約する、その生活実態は非常に今深刻になっています。さらに、ぜんそく等が原因で仕事にも悪影響が出て収入が減ったり、挙げ句の果ては失業してしまうなど、病気がもたらす生活破壊も進んでいます。 国はこの際、これは大臣の認識をお聞きしたいんですけれども、大気汚染ぜんそく患者の実態調査を現時点できちんと実施すべきじゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(丸川珠代君) 私自身もぜんそくを持っておりますが、仕事には取りあえず支障がまだ出ておりませんけれども、重篤な患者さんは本当に苦しんでおられるということをお伺いをしておりますし、また、東京都が今実施しております様々な対策によって、未然に一方では防止をすることの事業も行われているという認識を持っております。 そうした中で大気汚染との関連についてどう考えるかということでございますが、現状で、今、大気中のサーベイランスを行っている状況の中で因果関係が必ずしも明確に出ているわけではないということではございますけれども、引き続き、まず、私どもが行っているサーベイランス調査の中で、明らかに因果関係が疑われるというような傾向が毎年連続して出るようなことがないかということをしっかり見ていくことは極めて重要だと考えております。
○市田忠義君 未認定患者の多くは、今なお症状も安定していないで、医療費負担も重くのしかかっております。やっぱり国は、この際、早急にぜんそく等患者の実態を調査して、医療費などの助成を積極的に進めるべきだということを指摘しておきたいと思います。 環境省は、昨年十二月に大気汚染に係る環境保健サーベイランス調査結果についての訂正を行われました。この調査は、第一種地域指定の解除と新規認定患者の打切りに伴って、地域人口集団の健康状態と大気汚染との関係を定期的、継続的に観察をして、必要に応じて所要の措置を講ずることを目的として実施されているもので、非常に重要な調査であります。これに誤りがあったと。 私は、これは単に委託先事業者におけるデータ処理の誤りで済まされるものではない、まさに大気汚染公害患者を始め国民の信頼を損ねる重大な誤りだというふうに思うんですが、この誤りについての訂正、大臣、その重大性どう認識されているでしょうか。
○国務大臣(丸川珠代君) 御指摘のとおり、平成二十五年の環境保健サーベイランス調査の結果について、委託先の事業者においてそのデータの処理に誤りがあったために、調査結果に訂正が生じました。このことについては、昨年十二月の有識者検討会に報告を行った上で訂正をした報告書を公表したところですが、誠に遺憾でございます。 環境省としては、この委託先の事業者に対しまして、集計解析作業の検証など再発防止策を講じるよう厳格に指導したところでございますし、今後とも、データの処理はもちろんですが、結果についてもしっかりと丁寧に見ていく必要があろうと思っております。
○市田忠義君 環境省は、二〇一三年の調査結果の訂正で、さきに公表した調査結果の概要では有意な正の関連性は認められなかったという記述を、大気汚染とぜんそくの発症に有意な正の関連性が認められた、要するに、関連性が前はなかったと記述をしていたんだけど、大気汚染とぜんそくの発症に関連性が認められたと訂正しました。また、今後の課題の中で、今年度は、オッズ比の検討において、追跡解析では大気汚染とぜんそくの発症に有意な正の関連性が認められたと訂正をされました。さらに、本文の中で、大気汚染物質については有意な関連性を示す結果は得られなかったという記述を、大気汚染物質については大気汚染とぜんそくの発症に有意な関連性が認められたと訂正されています。これは間違いありませんね。
○政府参考人(北島智子君) 委員御指摘のとおりでございます。
○市田忠義君 また、ぜんそく発症率に係るオッズ比による検査結果では、家庭内喫煙のデータを移行したことによって、さきに公表した調査結果の追跡調査で、NO2の〇・七九が一・一三、NOxの〇・八九が一・一〇、SO2の〇・四九が〇・八一、SPMの〇・九五が一・〇七と訂正されていますが、これも間違いありませんか。
○政府参考人(北島智子君) 御指摘のとおりでございます。
○市田忠義君 これ重大だと思うんですが、これは大気汚染物質の大幅な訂正による有意な関連性を示しているというふうに思うんですが。家庭内喫煙データを移行したことによって二〇一三年度はそれぞれ大幅に増加して、NO2、NOx、SPMはぜんそく発症率と有意な正の関連性が認められました。これまで十年間の追跡解析の調査では大気汚染とぜんそくの有意な正の関連性は認められなかったが、今年度初めて有意な正の関連性が認められたというのは、大変私重要な結果だというふうに思うんです。 訂正に際して、今後も大気汚染との関連性について注意深く観察すると、そう述べておられます。 しかし、昨年十二月の環境保健サーベイランス・局地的大気汚染健康影響検討会の議論でも、座長を務められた西間さんは、かなり怒りを込めて、間違ったデータに基づいて検討を委ねられたわけですから、こうおっしゃっているんですよ。次のデータが非常に重要である、我々としては気になっていることをはっきり出しておけばいい、これは何といったってサーベイランスですから、黄色がともったような気がしないでもないと、こう発言をして訂正結果の重要性を示唆されておられます。 私は、これも大臣の認識をお聞きしたいんですけれども、この解析結果の重要性を明確に位置付けるべきだと、訂正したからそれでいいということで済まさないで、こういう座長の懸念なんかもしっかり受け止めるべきだというふうに思いますが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(丸川珠代君) 平成二十五年の結果が転換点になるのか一時的な特異な状況であるのかということを、よくその後の傾向を見定める必要があろうかと思います。 少なくとも、平成十六年度から平成二十四年度においては、この調査の結果を受けて、窒素酸化物とぜんそくの発症に関連性が認められたということはございません。ですので、平成二十五年度の結果のみをもって窒素酸化物とぜんそくの関連性を一定の傾向として捉えるという状況にはないということは有識者検討会において評価をされております。 今後とも、環境保健サーベイランス調査を継続して、地域の住民の皆様の健康状態と大気汚染との関係は注意深く観察をしてまいります。
○市田忠義君 ずっと同じことを繰り返しておられるんですが、私そこが問題だと思うんですけどね。これまでも環境省は、常に有意な正の関連性が認められる一定の傾向はなく一時的なものだと、一定の傾向性があるわけじゃなく今後も注意深く観察すると、そういう立場にとどまっておられるところに問題があるわけで、今回も同じ文言の繰り返しなんですね。やっぱり今回の有意な関連性をもっと重く捉えて、次のデータ処理を誤りなく追跡解析するように強く要請しておきたいと思います。 環境省は、一九九六年度から二〇一三年度の三歳児調査、それから二〇〇四年度から二〇一三年度の六歳児調査のそれぞれを統合したデータを用いた経年解析、これを実施されました。その結果、大気汚染とぜんそくで、三歳児が一・〇二、六歳児が一・〇四と、それぞれ有意な正の関連性が認められました。これまでなかった三歳児と六歳児が同時に有意な関連性が認められたというのは私大変重要な結果だと思うんですね。 環境省として、この解析結果の重要性をきちんと認識して次回のデータ解析に当たるべきだと思うんですが、いかがでしょう。
○政府参考人(北島智子君) 三歳児調査及び六歳児調査の統合解析の結果、オッズ比による検討においてSPMとぜんそくに有意な正の相関、一・〇二、一・〇四という小さなものですけれども、正の相関が認められております。一方で、同一の統合データを用いて調査対象地域ごとの対象者別のSPM背景濃度の平均値とぜんそく有病率との関連を検討した結果、SPM濃度が高くなるほどぜんそく有症率が高くなることを示す結果が見られませんでした。 このように、SPMとぜんそくの関連について一定の傾向として捉えられる状況にないことから、今後とも環境保健サーベイランス調査を継続し、地域人口集団の健康状態と大気汚染との関係を注意深く観察していく必要があると考えているところでございます。
○市田忠義君 大臣も同じ認識なんでしょうか、先ほどの質問聞いておられたと思うんですけれども。 因果関係が必ずしもあったわけではないと今答えられたんですけど、今度の解析結果の重要性をもっときちんと認識して、過去のことを私言っているんじゃないんです、次回のデータ解析にはやっぱり非常にこれまでの教訓を生かして慎重の上にも慎重に立ち向かうべきじゃないかと。この辺の姿勢についてはいかがですか。単なる一時的なものだと捉えてしまわないで、こういう傾向が現れた以上、今後のデータ解析の際には慎重の上にも慎重に当たるべきだという点についてはいかがですか。
○国務大臣(丸川珠代君) 少なくとも平成二十五年度のような、訂正を行わなければいけないようなことはあってはいけないわけでございまして、そういう意味におきましては、次に調査をするそのデータを処理するに当たっては、丁寧に誤りのないようにしっかりと行っていくことが大切であると思います。
○市田忠義君 六歳児調査では毎年一・〇四から一・〇五でぜんそくとSPMの有意な正の関連性が認められてきたんですが、今回、これまで有意な関連性が認められなかった三歳児調査でも一・〇二で有意な正の関連性が認められたと。これは私大変重要な結果だと思うんですね。 ぜんそくとSPMの関連性についてもやっぱり注意深く観察するという位置付けをしっかり持っていただいて、やっぱりぜんそく等の病気に苦しむ患者の実態考えれば、データ処理の誤りというのは到底許されないわけで、国は早急にぜんそく等の患者の実態をきちんとこの際調査して医療費の助成を積極的に図っていくということを強く要望して、質問を終わります。
○山口和之君 日本を元気にする会・無所属会の山口でございます。よろしくお願いいたします。 環境再生保全機構法改正の前に、幾つか関連の質問をさせていただきます。 まずは、温暖化対策についてお伺いしたいと思いますが、先般、官邸で開かれた国際金融経済分析会合に出席したスティグリッツ氏もクルーグマン氏も、経済成長への提言という観点から、安倍総理に炭素税の導入を勧めました。環境大臣としてはどのように受け止めておるのかということと、また、二月に気候変動長期戦略懇談会が大臣に対して出した提言では、施策の例としてカーボンプライシング、例えば法人税減税、社会保障改革と一体となった大型炭素税などを挙げています。有力なアイデアと思いますけれども、環境省としてこの提言を早急に具現化すべきではないかと思います。 資料の一を見ていただきたいんですが、資料の一、各国の炭素税の状況があります。日本、二〇一二年、CO2一トン当たり二百八十九円です。アイルランド、フランス、デンマークは約三千円の炭素税、そしてフィンランドが八千円、スウェーデンが一万六千円と。その使い道としては、法人税の引下げであったり、競争原理、競争の中でこれだけ違いがあるとモチベーションとしても大分違うんじゃないかなと思います。 また、スティグリッツ氏は、税収を増やしたいなら需要増につながる税制がいい、例えば炭素税を導入すれば企業や家計の関連投資を促し経済を刺激する、今必要なのは財政政策にほかならない、技術や教育への投資、格差問題に対する子ども手当など社会要請に沿った公的投資を行うべきと述べております。 大臣の見解を伺いたいと思います。よろしくお願いします。
○国務大臣(丸川珠代君) スティグリッツ教授が炭素税の導入について言及されたということは存じ上げております。以前からそのようなことをおっしゃっていたかと思いますが、こうした炭素に価格を付ける制度は、経済的なインセンティブによって企業や消費者に効率的なCO2の排出削減を促すという有効な政策手段であるという認識を持っております。 私の私的な懇談会でございます気候変動長期戦略懇談会、この提言におきましても、炭素税を含むカーボンプライシングという形で、グリーン新市場の創造のための施策、つまり、まさに投資を喚起する需要を掘り起こすという意味かと思いますけれども、より効率的な排出削減技術、また低炭素製品の市場での評価を高め、低炭素型の技術、製品の開発を促すことにつながるということで御提言をいただいております。 この四月に、地球温暖化対策のための税が段階的な引上げを完了いたしました。つまり、フルの税率に上がったわけですが、私どもの国の地球温暖化対策税は使途がCO2排出削減に限定されているということで他国と少々違う面もございますけれども、まずはこれがどのような効果を発揮するかということについて調査分析を行うことが重要だと思っております。 一方で、長期的に二〇三〇年また二〇五〇年の目標を目指していく上で、我が国としては、社会構造のイノベーション、技術開発だけではなくて社会構造のイノベーションを図っていかなければいけないと考えておりますので、そのために何が必要かということ、また、低炭素投資の促進に有効な施策については予断を持つことなくカーボンプライシングも含むあらゆる手段を今後検討してまいりたいと思います。
○山口和之君 ありがとうございます。 現在、パブコメにかかっている地球温暖化対策計画案では、税制のグリーン化について、環境関連税制等の環境効果等について調査分析を行うとされております。調査分析も大事なんですけれども、スピードアップしないと温暖化対策としても経済効果としても絶好の機会を逃してしまうのではないかというふうに思います。書きぶりを改めていただけないか、もうちょっと積極的に言っていただけないかと、ここは丸川大臣の出番のような、自分は気がします。 そもそも、エネルギーの奪い合いとかで各国で紛争が起きたりします。軍備の増強をして威嚇することもあるんでしょうけれども、それよりも世界貢献になること、これは間違いないことです。牙をむいたら牙をむくんです。だったらば、こちらの方をしっかりと強化していくことによって世界に貢献することができるんではないかなと思います。 書きぶりを改めていただきたいんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(丸川珠代君) 御指摘の地球温暖化対策計画案、まさに今パブリックコメントにかけさせていただいておりまして、大変重要な施策でございます。是非ともこれを土台にして、着実にまず二〇三〇年の目標をクリアしていきたいと思いますけれども、やはり長期的な、将来を見据える中で我々のたどる経路がこれでいいのかどうかということは不断の検討が必要だと思っておりますので、今後とも御指導をよろしくお願い申し上げたいと存じます。
○山口和之君 是非ジャパン・ブランドのためにもここを加速化していただきたいなと思います。 そこでなんですが、福島県では原発事故の教訓から再生可能エネルギー先駆けの地アクションプランを策定して、二〇四〇年に県内需要の一〇〇%を再生可能エネルギーで賄う方向にしております。全国に横展開するためにも、福島県を二〇五〇年の八割減に向けたモデル地域にしてはどうかと思うんですが、そこを大臣としてはどう思われるか、お伺いしたいと思います。
○副大臣(平口洋君) お答えをいたします。 福島県は、面積の約七割を森林が占めるなど再生可能エネルギー資源のポテンシャルが豊富であることに加え、特に震災後、再生可能エネルギーの先駆けの地とすべく設備導入等が強力に進められてきたと承知をいたしております。 先月、総理が福島県を訪問した際には福島新エネ社会構想が表明され、再生エネルギーの導入拡大や水素社会の実現に向けた取組を官民連携で進めることとなりました。 環境省においては、福島県も含めた全国を対象に、地域における再生可能エネルギー利用の導入拡大に向け、地方公共団体等が自家消費、地産地消の形で再生可能エネルギーを導入する場合に、その事業化に向けた検討や設備導入に対する支援や、地方公共団体が地域で再生可能エネルギーをつくり、蓄え、地域で消費するエネルギーシステムのモデル事業に対する支援といったところを実施しているところでございます。 環境省としましては、引き続き福島県の皆様とともに地域の実情を踏まえた低炭素な町づくりを進めてまいる所存でございます。 以上です。
○山口和之君 ありがとうございます。 資料の二枚目を見ていただくと、これが福島県の再生可能エネルギーの先駆けの地アクションプランの第二期の資料でございます。下のグラフを見ていただくと、予想に向けて棒グラフの方頑張っているんですけれども、まだ追い付かない状況です。このまま行くと、この予定どおり上がっていくかというと、なかなか難しい状況です。是非国としても福島県を支援して、モデル的な地域にして、世界に発信して、世界平和のために投資していただきたいなと思います。 ちなみに、福島県に限らずだと思いますが、全国いろんな科学者の方が提言されて、いろんな方がいらっしゃると思います。福島県でいろんな人たちがチャレンジできるような環境も是非つくっていただきたいと思います。 個人的には、ちょっと古いのかもしれませんけれども、太陽熱エネルギーというものを提案されてくる方も何人かいらっしゃいます。駄目かもしれないけれども、このエネルギーは原子力に匹敵するだけの可能性を秘めているという話も聞くところもあります。いろんなチャレンジができる福島県にしていただきたいと思いますので、是非協力をお願いしたいと思います。 さて、ちょっと話が飛ぶんですけれども、凍土壁についてお伺いしたいと思います。 原子力規制委員会が認可した福島第一原発の凍土壁については、建屋内の汚染水の水位が地下水位よりも高くならないように慎重に進めようとしておりますけれども、それは当然のことですが、このままでは炉内のドライアップはできないのではないか、規制庁として認可したのならば、もっとドライアップに向けたイメージや展望についても語るべきではないのかと思うんですが、原子力規制委員長、お願いします。
○政府特別補佐人(田中俊一君) 先生御指摘のドライアップというのは非常に重要な課題だという認識はしております。ただし、ドライアップをどういう方法で進めるかということについては、一義的には東京電力が担うべきことだということを申し上げた上で少し御説明させていただきますと、要するに、今原子炉の中に高い濃度の汚染水があります、その外回りに地下水があります、だからこれが上下関係が逆転しますと中の濃い水が外に出ますので、そういうことのならないように慎重に進めるべきというのが私どもの要求です。ですから、そのバランスを取りながら少しずつ水位を下げていくということになろうかと思います。 最終的にそういうふうに下げていったときに、今、原子炉建屋からタービン建屋の方に水が流れていますから、タービン建屋に流れるその水位よりもずっと下がってくれば、少し穴を塞ぐとかそういうことをして、最終的には原子炉の建物を、何というんですか、孤立化させるというか、全部水が抜けないようにしていくということが必要になります。そのプロセスは、どういう方法でうまくできるかということはちょっとこれから慎重に取り組んでいかないといけないと思います。 そういうことができて初めて今度は原子炉の中のいわゆるデブリも含めた除染というプロセスに入っていくと思いますが、現段階では今その状況が、どこにどういうふうな水のパスがあるかどうかも分かっていない状況ですので、その辺りを十分に注意深く、今後、凍土壁とかサブドレーンとかいろいろ様子を見ながら、水位をコントロールしながらやっていくようにということで我々は求めておりますので、その状況を、そういったデータを見ながら我々としてもできる助言はしていきたいというふうに考えています。
○山口和之君 東電に任せるだけではなくて、国としても助言をしっかり、また国民にもイメージが分かるように、将来どういうふうになっていくんだというところを、是非、一緒にというわけにはいかないでしょうけれども、協力し合う方法は必要なのかなというふうに思います。 ちょっと個人的なことですけれども、もしかしたら凍土壁は山側の上の方はパネルでも、樹脂パネルでも何とかできたのかなとかという思いもちょっとどこかにあるんですけれども、ここまで進んだ以上は、とにかくしっかりと将来に向けた体制ができるように是非お願いしたいと思います。 続きまして、環境再生保全機構法の改正について質問させていただきます。 平成二十年に成立した研究開発強化法においては、確かに独立行政法人に移管するとされていますけれども、この競争的資金配分に関してこれまで政府全体ではどのような議論がなされていたのか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) 競争的資金に係ります政府のこれまでの取組でございますけれども、競争的資金の配分に関しましては、平成十一年に文部科学省が科学研究費補助金の配分業務を日本学術振興会に移管をしたところでございます。その後も平成十五年に総合科学技術会議が競争的研究資金制度の改革についての中で、独立した配分機関である独立行政法人がその自主性、機動性を発揮していくために、原則として交付金の形で予算措置を講ずるよう意見を提出したところでございます。これらの動きも踏まえまして、平成二十年には研究開発力強化法が議員立法の形で成立をいたしておりまして、その法律の中で、可能な限り、これを独立行政法人に移管するものと規定されたものと承知をしております。 このような動きの中で、平成二十七年度の予算額ベースでは約九割の競争的資金が独立行政法人により、配分されているものと承知をしているところでございます。
○山口和之君 今回、環境省では、環境研究総合推進費の分配業務を環境再生保全機構に移管しようとしておりますけれども、そもそもこれまでの事業はしっかりと成果を上げてきたのか、具体的にどのような政策に貢献してきたのかをお伺いしたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 環境研究総合推進費は、地球温暖化の防止、循環型社会の実現、自然環境との共生など、持続可能な社会の構築のための環境政策の推進にとりまして必要不可欠な調査研究及び技術開発の促進を目的としているところでございます。そのスキームでございますけれども、環境省が必要といたします行政ニーズを提示をした上で、広く研究者からの提案を募りまして、評価委員会等の審査を経まして採択された課題を実施をいたします。採択後も外部専門家や有識者による中間評価を受けながら進めるなど、環境政策貢献型の競争的資金となっているところでございます。 研究成果につきましての例のお尋ねでございますが、その代表的な成果といたしましては、例えば具体的には、地球温暖化に関しましてIPCCやCOPなどへの科学的知見の提供とともに我が国の中期目標策定に貢献したこと、PM二・五の越境汚染の影響の割合を把握したこと、廃太陽電池から低コストで高純度のシリコンを回収、再利用する技術を開発したこと、アルゼンチンアリなど外来種の防除手法を開発したことなどが挙げられるところでございます。
○山口和之君 今回遅ればせながら機構にその業務の一部を移管しようとしていますが、なぜ遅れたのかということと、また、機構にはこれまで研究開発関係の業務に直接携わった実績はないように見受けるんですが、なぜ今回機構にその業務を行わせようとしたのか、研究を審査する目利きはどのようにして確保しているのか等についてお伺いしたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) まず、移管に時間が掛かった理由でございますけれども、環境省におきましては、平成二十二年度から二十三年度にかけまして、それまで三つの競争的資金でございましたものを環境研究総合推進費として整理統合化、一本化してまいりました。また、競争的資金の府省共通ルールに順次対応して、例えば平成二十八年度新規採択課題から設備、備品の購入を可能とするなど、研究者にとって使いやすい制度とするための運用改善を行うなど、移管を念頭に体制の整備を行ってきたところでございます。 一方で、平成二十四年度から二十六年度にかけましては、東日本大震災における被災地の早期復興にとって不可欠な科学的知見の集積及び技術開発を推進するために、いわゆる復興枠による研究を実施することとなったわけでございまして、この復興に関わる研究を優先して取り組む必要があったことからそれを優先して処理しておりました関係で、今回法改正をお願いすることとなったところでございます。 機構に移管する理由でございますけれども、機構は、公募型の研究でございますので、環境の保全に関する事務や事業に関し一定の知見があることと、資金配分業務を行うノウハウがあることの条件が必要でございますけれども、機構は環境分野における政策を専門に実施している唯一の独立行政法人でございまして、環境の保全に関する事務や事業に関し十分な知見がございます。また、機構は、地球環境基金という形で、NPO、NGOが行う環境保全活動をするための各所への資金の配分業務を始めとする各種資金の配分業務を長年にわたり安定的かつ効率的に実施してきておりまして、環境の保全や資金の配分等に関する十分な知見とノウハウが機構には蓄積されているものと判断したところでございます。 さらに、研究を審査する目利きにつきましては、環境研究総合推進費の中で外部専門家や有識者等で構成された評価委員会での評価を受けながら進めているところでございまして、評価委員会の委員の人選に当たりましては、研究経歴のある高い地位の責任者たるプログラムディレクターと連携して進めておりまして、その審査、評価に専門性が確保されているところでございまして、今般、移管によりまして、機構においては研究経歴のある専門的な職員の新規採用を検討していただいておりまして、そういう中で、研究経歴を持つ職員が研究者や専門家と直接調整を図ることによりまして、より一層環境政策と結び付いた実効性のある研究成果が得られるものと考えているところでございます。
○山口和之君 最後に大臣にお伺いしたいんですけれども、機構に移管した後もしっかりと研究成果の最大化に向けて取り組むことが必要と思われます。今後、移管によって具体的にどのような効果が得られるものと期待されているのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(丸川珠代君) 環境研究総合推進費を機構に移管する、その配分を移管することによって複数年度契約方式が採用できるということは、研究者の皆様にとって見通しが立ちやすいということ、また調達においても効率的に行えるという点で、より資金を効果的に使うことができるという期待を持っております。 加えて、環境省の側においても、配分業務ではなくてむしろ研究の中身や方針について専念をすることができますので、成果を政策に反映することもそうですが、環境省本来の仕事に、本来と言うべきかどうか分かりませんが、より政策に寄り添った研究と政策へ反映する仕事ということで、役割分担が明確になるんだと思います。 移管することに伴って機構側の充実ということも図っていくわけでございます。特に、プログラムオフィサーの充実強化ということを言っておりますけれども、ここにきちんとした人材を置くこと、また人材を磨いていくことによって我々の政策の向かう方向がしっかりと共有をされること、そして研究のマネジメントがその方向に沿って行われることが重要でありますので、この体制の強化ということも加えて我々が期待する効果の一環でございます。
○山口和之君 どうもありがとうございます。 先ほども地球温暖化のところで申し上げましたけれども、ほかの国に負けるわけにはいかない日本のブランド、お家芸というところだと思いますし、世界平和のためにもこの分野を全面的に前に出していただきたいなと。ほかの大臣よりも前に出て是非アピールしていただきたいなと思います。よろしくお願いします。 以上です。
○渡辺美知太郎君 無所属の渡辺美知太郎です。 昨年末にパリで開催されたCOP21で地球温暖化対策に関する新たな国際枠組みであるパリ協定が採択されました。今後、我が国はこのパリ協定に従って温室効果ガスの大幅な削減に取り組んでいく必要があります。その上で最も重要なことは、この分野におけるこれまでの延長線の取組ではなく、インパクトの大きい革新的なイノベーションが必要であります。 そこで、まず丸川大臣に、地球温暖化対策に関する環境省の研究開発の取組について伺いたいと思います。
○国務大臣(丸川珠代君) パリ協定を踏まえて我が国が目指すところは、一つは、我が国の中において大幅な温室効果ガスの削減また適応を始めとする対策のための基盤となる研究、技術開発に取り組むということ、一方で、その研究、技術開発の成果を生かして世界に貢献していくことの二点だろうと思います。 そして、環境省における地球温暖化対策に関する研究、技術開発には、環境研究総合推進費、そして国立環境研究所による研究開発と、エネルギー対策特別会計で実施をしている技術開発、実証等がございます。推進費の方では、広く産学官民の研究機関の研究者から提案を募って、長期的、戦略的な観点から気候変動のメカニズムや影響の分析のほか、効果的な緩和策、適応策の研究を行っております。 そして、国立環境研究所では、我が国の環境科学分野における中核的研究機関として、地球環境の現況を把握するとともに、その変動要因の解明や予測の調査研究等を行いまして、国の環境政策への科学的、技術的基盤を提供しております。さらに、エネルギー特会による技術開発及び実証では、エネルギー起源二酸化炭素の排出削減のための技術の開発、実証を行っております。 ですので、環境省では、温暖化対策の基盤である研究、技術開発の推進に向けて関係する機関と連携をしながら取り組んでいるところでございまして、今後とも必要な予算の確保にしっかり努めてまいりたいと存じます。
○渡辺美知太郎君 今大臣も答弁でおっしゃっておりました環境研究総合推進費、環境省から環境再生保全機構に移管されるこの環境研究総合推進費でありますが、環境分野におけるイノベーションの重要なツールの一つであると私は思っております。 そこで、大臣に、今回の改正の趣旨を改めて伺いたいと思います。
○国務大臣(丸川珠代君) グリーンイノベーションの基盤を成すのが環境研究・技術開発でございまして、持続可能な社会を構築していく上で不可欠なものと認識をしております。 環境省はこれまでも環境研究総合推進費を使う以外にもいろいろな手段をもって環境分野における調査研究、技術開発を支援してきたところですが、この推進費については、昨年八月の中央環境審議会の答申で御指摘がございました、予算の弾力的な執行による利便性の向上ということです。そして一方では、研究開発力強化法がその業務の独立行政法人への移管を求めておりまして、つまり、この推進費の改善が必要だという御指摘をいただいてきたわけでございます。 このため、今回の移管を通じまして、複数年度契約の方式が採用できるようになるということで、これを通じて研究費を効率的に使用できるようにするということ、それから、研究課題の審査や評価を高度化する、言わば研究者への助言等の支援の強化を同時に図ることによって環境研究・技術開発の更なる効率的また効果的な推進を図ってまいります。
○渡辺美知太郎君 大臣が今おっしゃっておりました研究関連の予算の弾力的な利便性など、そういった話がありますが、機構への移管後の推進費の実施体制については、推進費が環境省の行政ニーズに基づく政策貢献を目的とした競争的資金であることから、機構への移管後も環境省の行政ニーズにしっかり沿った研究開発を実施することが求められます。しかし一方で、実施主体が環境省ではなくなったことで行政ニーズから離れた研究開発が行われるのではないかといった声もあります。 そこで、機構に対する環境省のマネジメントが利かないなど、かえって研究の成果に影響を及ぼすのではないかといった声に対する環境省の見解と対策を伺いたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 先生御指摘いただきましたとおり、この法律が目的としております研究成果の最大化や環境行政への貢献に関しましては、機構に対する環境省のマネジメントをしっかりと確保していくということが重要なポイントであるというふうに考えているところでございます。 環境研究総合推進費の移管ということでございますけれども、その業務の全てを機構に移管するのではなく、まさしく先生御指摘をいただきました制度全体の企画立案でございますとか、環境省が必要とする行政ニーズの機構への提示でございますとか、それは引き続き環境省がしっかりとやっていくわけでございますし、また、研究課題の審査や評価等に関しましても、本省職員が参加をいたしますことによりまして本省の関与を大きく残す予定といたしておりまして、環境省といたしましても、しっかりと事業の企画等の充実化に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。 さらに、マネジメントという観点からは、現在の独立行政法人制度におきまして、主務大臣や総務省独立行政法人評価制度委員会による毎事業年度と中期目標期間の終了事業年度などに厳正な評価の仕組みが設けられているところでございます。 このようなことも通じまして、環境省もしっかりと関与しながら研究成果の最大化に向けて取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○渡辺美知太郎君 是非研究成果の最大化とマネジメントの確保をしっかりとお願いしたいと思っております。 では、質問を移管先の機構に関して伺いたいと思います。 移管先の機構では、公害の健康被害の補償及び予防業務を始め、環境の保全に関する各種事業を実施しております。また、民間団体が行う環境保全活動への助成等を行う地球環境基金業務等を実施しているところから、資金配分業務のノウハウも蓄積されており、移管後における推進費の配分業務の実施に当たっては、こうした知見及びノウハウを活用することが期待をされています。一方で、研究開発に関する実績等は十分なノウハウがあるとは言えないという状況であると言われております。 そこで、推進費業務等を機構に移管して研究開発業務の専門性は確保されるのか、環境省に伺いたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 業務移管後の環境再生保全機構の体制でございますけれども、先生御指摘いただきましたとおり、これまでの業務の実績から、資金配分業務につきましては一定のノウハウが蓄積されているというふうに考えているところでございますが、他方で、研究開発業務につきましてはごく限られたものしかないというのは御指摘のとおりでございます。 そのため、環境再生保全機構への配分業務等の移管後に関しましては、機構におきまして専門性のある職員を新たに採用し配置をすることで、業務の専門性を確保して研究管理体制を充実していただくこととなる予定でございます。また、個々の研究管理や助言をお願いしております専門家でございますプログラムオフィサーとの連携に関しましても、その専門性のある職員が具体的に研究者との間の仲立ちをしていくことによりまして連携の強化が図られることを期待をいたしておりまして、研究課題に対する管理体制の強化が図られていくものと考えているところでございます。
○渡辺美知太郎君 是非研究成果の最大化に支障を来さないようにお願いをしたいと思います。 一方で、推進費の配分業務を機構に移管することによって、研究費の使用の効率化など推進費事業の高度化が図られることが期待されています。 そこで、移管による推進費事業の高度化について、具体的にはどのような内容を高度化するのか、環境省に伺いたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) 推進費事業の高度化についてのお尋ねでございます。 今回の業務移管に当たりましては、これまでの御質疑の中でも出てまいりました、推進費の成果がなかなか上がってきていないのではないかということを含めました様々な御指摘を踏まえまして、現行の推進費の運用をそのまま引き継ぐのではなく、運用の一層の高度化や推進費の効率的、効果的な活用等に関わる改善を併せて行っていく予定としているところでございます。 具体的には、今回、機構への運営費交付金化によりまして初めて可能となります複数年契約方式の採用、それからプログラムオフィサーの充実による研究者への助言、支援の強化、研究課題の評価とその後の研究進捗管理とを更に体系的に連動させることによる審査、評価の高度化、これにつきましては、これまでの答弁でも申し上げましたけれども、研究の途中段階で当該分野や関連分野に見識のある学識経験者等をアドバイザーとして招聘をいたしまして、研究の進め方等についてアドバイスをいただくためのアドバイザリーボード会合を各年度におきまして原則として年一回以上開催をしておりまして、アドバイザリーボードの中でのアドバイスや、今申し上げました各研究課題のプログラムオフィサーによる研究の進捗確認などを機構に新しく採用されます専門性のある職員が連動させていくということによりまして具体的な高度化を図ってまいりたいというふうに考えております。 それから、配分先の研究機関における研究費の管理執行体制の確認につきましても専門の職員がしっかりと確認をしていくということなどで、効果的、効率的な活用に向けての改善を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○渡辺美知太郎君 冒頭でも申し上げました。是非、これまでの延長線の取組ではなく、革新的なイノベーションが求められております。しっかりとした高度化を推し進めていただきたいと思います。 また、移管後においても、機構がこれまで実施してきた公害健康被害の補償及び予防業務や石綿健康被害の救済業務について、これら既存の業務のサービスの質が低下することのないようしっかりと引き続き取り組んでいただきたいと思うのですが、環境研究総合推進費の業務が追加されたことにより、公害補償業務や石綿救済業務に携わってきた職員が一部融通され、こうした業務がおろそかになることはないのかといった懸念があります。これに対する環境省の見解と対策を伺いたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) お答えを申し上げます。 新たに追加する研究開発関係業務に関しましては大きく二つの側面があろうかというふうに考えておりまして、一つは、まさしく研究を効率的に進めるための研究管理のプロという観点と、それから、資金配分業務を効果的、効率的に行うという面がございます。このうち後者につきましては、機構の既存業務から人員を割り当てることも検討しているところでございますけれども、これは既存業務の状況や事務処理の効率化の状況を踏まえていわゆる配置換えの形で行うものでございまして、既存業務の質を低下させないように行うものでございます。 一方で、今般新たに追加されます研究開発関係業務の関係の研究の研究管理、マネジメントの専門家という観点からは、新しく機構の職員として採用するということを考えているところでございまして、これによりまして、これまで取り組んでまいりました公害補償業務でございますとか石綿救済業務の重要性を下げるものではないため、また、既存業務の質を低下させるものでもないというふうに考えているところでございます。 環境省といたしましては、そのような観点から、今後とも引き続きしっかりと機構において既存業務には取り組まれるよう関与してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○渡辺美知太郎君 移管先の機構、既存の業務との兼ね合いがあるとは思いますが、しっかりと調整をお願いしたいと思います。 では、推進費の予算について伺います。 推進費の予算については運営費交付金として機構に交付されることとなりますが、この運営費交付金は毎年一律で削減をされるおそれがあります。そのため、機構への移管によって推進費の予算が一律削減の対象となり、環境省の政策形成に結果的に悪影響が出るのではないかという懸念の声があります。 そこで、運営費交付金の一律削減により、今後、かえって研究開発予算が減少し、十分な環境研究・技術開発が行えなくなるのではないかという懸念に対する環境省の対策と見解を伺いたいと思います。
○政府参考人(三好信俊君) お答え申し上げます。 競争的資金が運営費交付金として措置されているものにつきましては、先行的な、今回の機構に対する措置に先立って行われている例があるわけでございますけれども、そこにおきましては、競争的資金を一律な削減の対象としていない例がございます。それは、具体的には、国立研究開発法人科学技術振興機構でございますとか独立行政法人日本学術振興会、あるいは国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構といったようなものでございまして、そういうところでは競争的資金を一律削減の対象とせず、研究開発予算として必要な予算が確保されているものと承知をしているところでございます。 したがいまして、環境省といたしましても、そうした先行事例を参考とさせていただきながら、環境研究・技術開発の推進に向けまして必要な予算の確保に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○渡辺美知太郎君 是非十分な環境研究や技術開発の場を確保していただきたいと思います。 時間が少し余っておりますが、私の質問を終えたいと思います。ありがとうございました。
○委員長(磯崎仁彦君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○市田忠義君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっています独立行政法人環境再生保全機構法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 人の健康の保護と生活環境の保全を目的とする環境政策の遂行にとって環境分野の研究、技術開発は不可欠のものであり、国が主体的に取り組まなければならないものです。こうした国の行う研究開発の核と位置付けられてきたのが環境研究総合推進費であり、環境研究の中核機関として国立環境研究所がその役割を担ってきました。 本法案は、環境研究総合推進費に関する業務を環境再生保全機構に移管し、同機構に推進費の配分事業や審査、評価業務等を行わせようとするものです。こうした業務移管は、弾力的、効率的な運用の観点から可能な限り独立行政法人への移管を求めた研究開発力強化法第二十七条に基づくものです。政府は、研究開発の成果の最大化や効率的な運営体制を強く求めてきており、このことは人の健康の保護と生活環境の保全を目的とする環境研究を成果第一主義にゆがめかねないものです。 これまで環境省は、トップダウン的に研究テーマや研究リーダー等の大枠を決めた上で研究チームを競争的に選定するシステムを設けるなど、行政ニーズに立脚した戦略的な研究開発を推進してきました。しかし、環境再生保全機構への業務移管によって五年ごとに環境大臣が指示する中期目標では、環境政策に不可欠な科学的知見の集積及び技術開発の促進を担保できなくなります。 また、本法案は、研究及び技術開発の実施及び助成に係る業務を環境再生保全機構に追加することによって、現在機構が行っている大気汚染被害や石綿健康被害の被害者に対する補償業務や予防業務等にしわ寄せが行き、これらの業務水準が低下し、国民の健康に対する権利が後退することは避けられなくなります。環境大臣が指示した中期目標でも、公害健康被害予防事業では事業の重点化、効率化を図ることなどを求めています。 ぜんそくなどの大気汚染被害や建設従事者の石綿健康被害は深刻です。今、環境再生保全機構が行うべきことは、補償、救済事業と健康被害予防事業の拡充強化であります。 以上、環境再生保全機構法の一部を改正する法律案に反対する討論といたします。
○委員長(磯崎仁彦君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 独立行政法人環境再生保全機構法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(磯崎仁彦君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(磯崎仁彦君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十五分散会