外交防衛委員会 第17号
- 発言数
- 120 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2016/05/12
会議録
○委員長(佐藤正久君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨日までに、牧山ひろえさん、小野次郎君及び宇都隆史君が委員を辞任され、その補欠として大野元裕君、真山勇一君及び渡邉美樹君が選任されました。 また、本日、石川博崇君が委員を辞任され、その補欠として新妻秀規君が選任されました。 ─────────────
○委員長(佐藤正久君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 刑を言い渡された者の移送に関する日本国とイラン・イスラム共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官芹澤清君外二十一名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤正久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(佐藤正久君) 刑を言い渡された者の移送に関する日本国とイラン・イスラム共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。 本件の趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○大野元裕君 おはようございます。民進党、大野元裕でございます。 まず冒頭、先月来、熊本を中心に現在も余震が継続をしておりまして、被災された方々の困難は今も継続をしています。そのような中、警察、消防関係者、特に自衛隊を始めとする皆様がゴールデンウイークのお休みも返上される中で被災地支援に懸命に努めておられると承知しております。被災地の皆様に改めてお見舞い申し上げますとともに、自衛官を始めとする関係者の皆様の御努力に敬意を表したいと思っております。 さて、条約の審議に先立ちまして、オーストラリアとの潜水艦の件、この件につきましては、共同開発事案ですね、につきましては、一昨日、本委員会で同僚の榛葉理事から質問が行われました。その中で、我が国よりオーストラリアに対し潜水艦の最新技術の提供が表明されたことは政府の方針であったか否かという質問がありましたが、防衛大臣は真摯にお答えになることがなかったと私は理解をさせていただきました。 本委員会の野党の理事はお一人で、本来であれば、あのような答弁に対しては私は理事が疑義を呈し、委員長とともに議場の整理をしていただくべきだと思っておりました。しかしながら、お一人の野党理事ですから、なかなかそういったこともかなわなかった。実際、実は私も昨年は一人だけの野党理事でございまして、同じような思いをさせていただいたこともございます。 そこで、本件はとても重要だと思っておりますので、改めて同じ質問を防衛大臣に問わせていただきたいと思います。 改めて申し上げます。 本年一月四日付けのオーストラリアン紙の報道を見ますと、草賀駐オーストラリア大使、インタビュー記事ですね、これが報じられています。そこでは、日本はオーストラリアに対して「そうりゅう」型の潜水艦を更に進化させたものを提供したいと考えている、オーストラリアは日本における最も優れたデザイン及び装備の全てを受けることができることを保証される、日本はその技術の一〇〇%を移転する、そこには長距離航行を可能にする先進的なリチウムイオン電池も含まれると述べておられます。 広大な領海を抱える我が国にとって潜水艦技術というのは極めて重要なものであり、また、我が国の潜水艦技術は我が国の虎の子の技術であり、かつ防衛の命綱であるとも私は考えております。そのことについて大臣は、一昨日も、国家としてしっかり守るべき分野として保有をしていると、そこについては同じ御意見だと思っています。 改めて伺いますが、最新の潜水艦技術を一〇〇%オーストラリアに移転すると述べた草賀大使の御発言は我が国政府の方針ですか、確認をさせてください。大臣、お願いいたします。
○国務大臣(中谷元君) 委員、元裕委員の御指摘につきましては、本年一月四日にオーストラリアの現地紙に掲載された草賀駐オーストラリア日本大使のインタビュー記事を踏まえた指摘だと承知しております。 我が国政府は、昨年の十一月二十六日にNSCにおきまして、我が国がパートナーに選定された場合に、将来潜水艦の設計、建造、建造後の運用、維持に必要な構成品及び技術情報について海外移転を認める案件に該当することを確認をして、必要な支援を行うということといたしました。 草賀大使の発言は、こうした我が国の政府の方針に基づいて、仮に日本がパートナーとして選ばれた場合にはオーストラリアが主権的に将来潜水艦を建造、運用、維持できるように必要な技術移転を適切に行っていく趣旨のものであると承知をしております。
○大野元裕君 今、恐らくNSCのところは二番の御質問に答えられたのかなと思うんですが。 大臣、必要な技術の移転というのと一〇〇%先進的な技術をオーストラリアに移転すると述べられた立場、これは必ずしもイコールではないと私は思っておりますので、もう一度お伺いしますけれども、最新の技術を一〇〇%オーストラリアに移転することと述べられています。これは我が国政府の方針ですかと聞いているんですけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(中谷元君) まず、草賀大使のインタビュー記事でございますが、これ確認をしてみますと、草賀大使は、日本政府の方針に基づいて日本としてオーストラリアに移転することが可能な技術について一通り説明を行った上で、日本が仮にパートナーとして選ばれた場合にこれらの技術を一〇〇%移転する用意があると述べられたと承知をいたしております。これは、日本政府の方針とは異なる発言ではございません。 つまり、日本にあるこういった防衛装備・技術の移転に際しましては、移転の三原則がございまして、それに基づいて手続を踏んだ上で供与することになっておりまして、こういった技術レベル等の選考等につきましては、NSCが開催をされまして、現に昨年、この海外技術移転を認める案件に該当するということを確認をいたしました。 こういったことで、オーストラリアの選定につきましてはCEPというコンペに応募したわけでございますが、その時点ではオーストラリアの要求に合うような形での応募でございましたが、実際にそれ以上に日本の装備を、技術を一〇〇%出すかどうかという御質問でありますが、それにつきましても我が国の安全保障上の問題でありまして、この移転三原則等に、そういった場合の選考といたしまして政府の許可の上に出すということになっておりますので、さらにそういった点において判断をしながら技術提供を、供与をするということになっているわけでございます。
○大野元裕君 よく分からないんですが、さらにその上に一〇〇%の技術をやる場合にはという答弁のくだりがありました。そういうことになるというふうにおっしゃいましたが、私が先ほどから聞いているのは、これは安全保障上の大きな転換になりかねない話であります。我が国が持っている虎の子の技術である潜水艦技術を最新のものまで一〇〇%出すというのは、これは単にNSCにおける装備品の移転の許可云々よりも、我が国の安全保障に対する考え方の大きな転換にすらなりかねないので、そこで私は聞いているんです。一〇〇%最新の技術を提供するというのが、草賀大使の御発言は我が国政府の方針かというのはそこで聞いているんです。 ちょっと質問を変えますけれども、外務大臣にお伺いします。 現政権が日本の領土、領海を守ることに後ろ向きなのは私もよく承知しています。自民党のマニフェストにおきまして領海警備法を制定すると言いながら、日本の領土、領海を守るこの領域警備法については、我々が出したものにも賛同もしなければ、そして運用でおやりになると総理も防衛大臣もお認めになっている。日本の領土、領海を守ることに御関心がないことはよく承知しています。だからといって、一政権が国民に対してきちんとした説明もしないままに、虎の子の技術ですよ、これ一回出しちゃえばこれで終わりですからね、虎の子の技術を外国に対して一〇〇%開示する、これを決定するというのは極めて重要であると思いますし、説明なしに行うのが適切とも思いません。 そこで外務大臣にお伺いしますけれども、大臣、草賀大使のこの御発言、一〇〇%我が国の最新の技術をオーストラリアに提供するという御発言は、大臣からの訓令に基づきオーストラリア側に正確に伝えられた内容なんでしょうか、お願いいたします。
○国務大臣(岸田文雄君) 外務省として草賀大使にどのような訓令を行ったのか、この訓令に基づいた発言なのか、こういった御質問ですが、豪州の将来潜水艦計画のパートナー国選定プロセスを通じて、外務省としては、関係省庁と緊密に連携しつつ、豪州政府に対し日本政府としての考え方や立場を伝達するとともに、現地の有識者、メディア関係者ほかに対して日本をパートナー国として選定する意義を発信するよう在オーストラリア大使館に指示を出した、これが外務省としての指示であります。 今回の発言、この指示に基づいての一環であると考えております。そしてそれに基づいて、これは先ほど防衛大臣の方からも答弁がありましたが、日本として豪州に移転することが可能な技術について一通り説明を行い、そして、これらの技術を一〇〇%移転する用意がある、このように述べたと承知をしています。
○大野元裕君 日本がオーストラリアに対して移転する技術を説明をし、それを一〇〇%お渡しするというのと、実はオーストラリアは日本において最も優れたデザイン及び装備の全てを受けることができることが保証される、日本はその技術の一〇〇%を移転する、意味が違います。オーストラリアに言ったものの一〇〇%ではなくて、日本が持っている技術の一〇〇%というふうに草賀大使はおっしゃっているんです。だとすると、大臣、訓令違反ですね。
○国務大臣(岸田文雄君) 私も、一月四日付けのオーストラリアン紙のこの記事、拝見いたしました。 この記事は、直接草賀大使の発言を引用した部分とそれ以外、記者が記述した部分、これに分かれています。そして、この日本の最先端のステルス技術云々の部分は、これは直接引用した部分には入っておりません。これは草賀大使の発言を直接引用した部分以外に記載されていると確認をしております。 先ほども申し上げましたように、インタビュー全体としましては、日本政府として豪州に移転することが可能な技術につき説明を行い、これらの技術を一〇〇%発言する、このように述べたと承知をしております、これらの技術を一〇〇%移転する用意がある、この部分は直接の引用として記事に載っていると承知をしております。
○委員長(佐藤正久君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(佐藤正久君) 速記を起こしてください。
○大野元裕君 大臣、今の御発言は私は誠実だとは思えません。 なぜならば、確かに溶け込んでいる部分はある。まず、その前の御答弁では、一〇〇%云々という話、先ほど、お渡しした中の一〇〇%を渡す、そういうふうに話されました。ところが、次の、今の御答弁では、どうもそのプレスの報道の方が正確ではない、しかも溶け込んだ部分であるからというお話でした。 私、ここに実はそのオーストラリアン紙の記事を持っていますが、クオーテーションした上で「We are ready to transfer 100percent of this technology,」、クオートを閉じている。つまり、まさに大使の御発言として、我々はこれらの技術の一〇〇%を移転する用意があるというふうにおっしゃっています。ということは、今大臣がおっしゃった御答弁とは懸け離れています。これをもしも報道が違うというのであれば、もちろん御否定されるのは構いませんけれども、そうだとすれば、最初の御答弁のときにするべきじゃないんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 委員おっしゃるように、我々はこの技術の一〇〇%移転する用意がある、これは直接引用されている、そのとおりであります。先ほど私もそう答えたつもりであります。この部分は間違いなく直接引用されています。これは、先ほど申し上げましたように、我が国として提供する、移転することが可能な技術について一通り説明を行い、そして一〇〇%移転をする用意がある、こういったことを述べたのが趣旨であると考えています。 そして、御指摘の最先端のステルス技術云々は、先ほど申し上げましたように、これは直接引用の部分以外の部分にこの記載が入っています。そういった事情を説明させていただいた次第であります。
○大野元裕君 済みません、まず確認としては、そうすると、オーストラリア側にはこの報道が言っているような全てのステルス技術を含む全てのものは渡すわけではない、つまり列挙したもののみが行くというふうにオーストラリア側には伝わっている、しかしながらこの報道ではそのようになっていないと、そういうことで、まずちょっと確認ですが、よろしいんですか。
○国務大臣(岸田文雄君) これ、詳細は防衛大臣がお答えするべきことかもしれませんが、日本としてオーストラリア側に提供する技術については具体的に詳細に説明をし、それに基づいて草賀大使はこのインタビューにおいて日本の提供する技術を説明し、そしてその技術については一〇〇%提供する用意がある、我々はこの技術を一〇〇%移転する用意がある、この部分が直接引用され、この記事に載っていると承知をしています。
○大野元裕君 少なくとも、我々あるいは一般の国民が知ることができるのはこういった記事からであります。そのときに、潜水艦技術の一〇〇%が相手方に提供されるというような報道がなされているとすれば、我が国として大きな安全保障上の転換を行ったというふうに考えられても致し方ないわけでありますので、私はこれ抗議するべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 日本のオーストラリアに対しての説明あるいは実態は先ほど来説明しているとおりであります。 それをオーストラリアン紙、一マスコミ紙がどう報じたかということでありますが、この点について、今現状、日本としては抗議は行ってはおりません。この表現について抗議すべきかということでありますが、私としては、これを読む限り抗議をすることは今のところ考えてはおりません。
○大野元裕君 是非御検討いただきたい。 防衛大臣、済みません、ちょっと質問を飛ばさせていただいて、内閣官房に伺いますが。 そうすると、この装備品の移転の三原則に従ってNSCでこれ議論されたということは、私の理解では、特に慎重な検討を要する重要な案件について国家安全保障会議において審議するものとしたというこれまでの従来の政府の発表、この特に慎重な検討を要する重要な案件であるからこれは議論したんだと、そしてこれが一〇〇%移転されるんだというのが報道で出たと、両方結び合わせると、これは随分思い切ったことをしたなというふうに思われても致し方がない。 逆にもうちょっと言うと、提供できる中身について、恐らくこれNSCで議論をしたんだろうと思いますけれども、それについては、実は当時の三原則について定めたときに、政府の発表として、行政機関の保有する情報の公開に関する法律を踏まえ、政府として情報の公開を図ることといたしましたと。報道に出ている部分、つまりこの部分とこの部分とこの部分は出してもいいというようなことが恐らくNSCで議論されたんではないのかなと思うんですが、その部分、まさに公開されていて国民に説明がされていますね。これは内閣官房にお伺いしたいと思います。
○政府参考人(芹澤清君) お答えいたします。 今の御指摘にございました豪州の将来潜水艦への協力に関する技術情報等の海外移転につきましては、防衛装備移転三原則、それからこの運用方針に従いまして、昨年五月十八日のNSCの四大臣会合におきましては、豪州との潜水艦の共同開発、共同生産の実現可能性の調査のための技術情報の移転につきまして、それから昨年の十一月の二十六日のNSC四大臣会合におきましては、オーストラリア将来潜水艦の共同開発・生産を我が国が実施することになった場合の構成品等の移転についてそれぞれ審議を行ってございます。 そして、いずれのNSCにおきましても、当該移転が豪州との防衛協力の一層の強化等に資するものであって我が国の安全保障の観点から積極的な意義を有するということ、また、当該移転の仕向け先がオーストラリアであって、最終需要者はオーストラリアの国防省、それからその契約者であることを踏まえれば、適正管理が確保され、我が国の安全保障上も問題がないと認められるということ、したがいまして当該移転は移転三原則上の移転を認め得る案件に該当するということを確認しまして、それを、会議終了後にその旨を公表しているということでございます。
○大野元裕君 要するに結論は、結論というか、そこについては言っているけれども、これらの項目、例えばリチウム電池だとかあるいはプロペラだとかこういったものについて、移転するという中身については公表されていないはずですよね。そうですよね。しかも、特定秘密に、実はNSCの結論部分については特定秘密に指定されてしまっています。 つまり、これらの慎重に検討を要する項目について、最終的に、違反はしていない、これは適当であるという、何が議論されてそれが適切であるということは書かれているけれども、この装備品のこの部分についてイエスだとかノーだとかという話は公開されていないんです。結局、最終的に報道では一〇〇%移転すると書いてある。これでは国民は、特に安全保障に関心を抱く人たちは、随分急な、せいた話をしているなという印象を持ってしまっても仕方がない。 つまり、慎重に検討を要するとして検討したにもかかわらず、最後は問題ない、報道で一〇〇%渡すと。だからこそ、私、外務大臣にお願いしているのは、抗議するべきではないかというのは、国民に対して、我が国の安全保障はきちんとやるんだ、虎の子の技術は渡せないところは渡さないんだと、こういうところで抗議をするべきだと思いますし、防衛大臣おっしゃっていますよね、我が国として保有するべきもの、渡すべきでないものもあるんだという話はされていますよね。そこは政府にとって透明性を持って説明する責任があるから抗議しろと言っているんですけれども、もう一度、これは外務大臣でしょうか防衛大臣でしょうか、御答弁をいただきたいと思いますが、是非抗議を検討していただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 先ほども申し上げましたが、草賀大使は、日本として豪州に移転することが可能な技術、既にもうこれは説明しているわけですが、これについて一〇〇%提供する準備がある、こういったことをインタビューの中で答えています。その説明した部分をオーストラリアの記者が日本の最先端のステルス技術云々と表現したわけであります。この記事について日本政府としてこれ抗議する必要があるかどうかということでありますが、今のところ、私としては抗議までは考えておりません。
○大野元裕君 だったらきちんと国民に説明するべきです。 先ほども申し上げたように、その部分は、そういう発言をされたというのは外務大臣しか御存じないんです。国民は分からないんです、この記事だけ読むと。そうですよね、クオートされた以外のところで全ての技術が行くことになっていますから。それが不正確であるというのであれば、抗議もしたくないというのであれば、少なくとも説明はするべきですよ、ここまでは出せる技術であると。そうじゃなかった。NSCで、だって公表している部分にも書いていないんですからと私は思いますが、そこは指摘をさせていただいて、随分時間を食ってしまったので、イランとの受刑者移送条約について少しお伺いをさせていただきたいと思います。 この条約については、私どもは賛成でございます。その上で一点だけイランとの関係についてお伺いをしたいんですが、実は、イランとの関係で一番今民間企業等で問題になっているのは、イランとの取引、一月十六日にJCPOAの履行に基づく制裁が解除されました。ただ、その後、実は取引をしようとしても決済がなかなか難しい、特にアメリカにおけます二次制裁、これは、アメリカの制裁は革命ガードなどの指定された団体が関与している場合には二次制裁が掛けられると、こういうことになっています。ところが、革命ガードと名札をしてくるわけでもなし、あるいはイラン側と取引するときに、取引を円滑にするためにイラン側の企業がこれを勧めてくる場合もあるんです。そうすると、よく分からないままにそれをやってしまうと。 例えば、かつて三菱東京UFJ銀行が二百四十五億円の課徴金払ったことがありますけれども、多額の課徴金がある、相手が誰だか分からない、こういう中で決済ができない、つまり、総理のイラン訪問とかも取り上げられていますけれども、企業が行っても、結局企業は及び腰、あるいは決済できない、それが実はすごく大きな問題になっているんです。 そこで、外務大臣、お伺いをいたしますが、我が国企業に対して二次制裁を課す基準、これを緩めるようアメリカ側に働きかけるべきではないか。そうしないと、イランとの関係、実は可能性はいっぱいあるんです。しかしながら、それがなかなかうまくいかないのではないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、我が国としましては、この核合意の着実な履行を確保するためにはイランが制裁解除の効果を実感することが重要であると考えており、この点について米国に対し累次働きかけを行いつつ、緊密に連携をしております。 こういった観点から、我が国政府としては、我が国企業の意見も聴取しながら、外交当局や財務当局を始めとする米国の制裁関連部局と制裁解除の具体的な内容、残存する制裁の適用基準等に関して緊密に意見交換を行っています。要は、この制裁の限界等を明確にすること、これを強く求めています。このことは大変重要だと思います。 ただ、委員の今の御質問は、制裁自体を緩和するように働きかけろということであります。そうなりますと、二次制裁自体、これ、人権ですとかテロですとか大量破壊兵器等を勘案して、アメリカが判断して制裁を科しているわけですから、その判断にまで日本がちょっと踏み込むということになります。 まずは、我が国としては我が国の企業に不都合が生じないように努力することが大事だと思いますので、今の制裁の限界をしっかり明確化するようアメリカに強く求めていくのがまず大事であると我が国は認識をしております。
○大野元裕君 しかしながら、現時点では、本来制裁下でのスキームであるSPAのようなものしか実はできていないんです。つまり、物しか渡せない、サービスも提供できない、技術も提供できない、長期的な契約もできない、これではなかなか難しいので。 私は制裁そのものを緩めろと言っているんじゃないんです、アメリカに。適用の要件、例えば、全く知らない場合にはいいとか、そこは具体的には分かりません、これは相手との交渉ですから。そういったことは最低限私はやっていただきたいと思っています。 さて、今日は大変時間の進みが速い状況でございますが、藤丸政務官にもお越しをいただいておりますので、是非少しお話をさせていただきたいと思っております。 防衛省にお伺いします。 藤丸政務官がおっしゃった防衛省の地下六階に大きなスクリーンがある施設、これについての情報をこれまで公開したことはありますか、地下六階にあるというその存在。もし本当だとすればなぜ公開できなかったのでしょうか、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(真部朗君) 防衛省の地下のスクリーンがある施設ということでございますが、これにつきましては、存在していることについては、これは事実として……(発言する者あり)はい。済みません。 それから、地下につきましては、中央指揮所のことだと思いますが、中央指揮所につきましては市ケ谷のA棟の地下一階から四階にかけて存在をいたしておるということでございまして、地下六階にはないということでございます。 これにつきましては、一般に公開するようなことはいたしておりませんけれど、あくまで訓練とか特定の事案への対応等の関係で防衛省以外の関係者を、職員以外の者を、一定の資格を確認したりなどいたしまして立入りを認めるということはしたことがございます。
○大野元裕君 そうすると、地下六階には何も施設はない、あるいはそれは誤っていたということですね、真部さん。
○政府参考人(真部朗君) 中央指揮所の存在ということに関しましてはそういうことになるかと思います。
○大野元裕君 私、中央指揮所なんて一言も言っていません。これ、そのまま言っているんですけれども、藤丸政務官がおっしゃったのは地下六階に大きなスクリーンがある施設、地下六階の施設です。
○政府参考人(真部朗君) 申し訳ありません。 地下六階には施設はございません。地下六階というか、地下六階がそもそもございません。
○大野元裕君 これも誤りであると。 藤丸政務官は例のその講演におきまして、レーダーで、三十二分に日本側のレーダーが捉えていると発言されていますが、ちょっとそもそもの話ですが、SEWの入感及び官邸危機管理センターへの伝達についてはこれまで詳細な時間が伝えられてきました。 他方で、JADGEの一環を成すレーダーについての探知情報のうちレーダーによる捕捉時間は、私の理解では公開されたことがないと思いますけれども、それはいかがでございましょうか。
○政府参考人(高橋憲一君) これまでの北朝鮮の弾道ミサイルの発射でございますが、これまではレーダーで情報を入手したということは公表してございますが、捕捉そのものは、これまでは言及したことはございません。
○大野元裕君 その一方で、かつて民主党政権時代に出ました報告書がございます。平成二十四年六月十五日付けのミサイル発射事案に係る防衛省の報告書においては、このJADGE等の情報は防衛情報に当たるとされています。これは、現在ではその多くが特定秘密になると思いますね。 これは、ちなみに、JADGE等の情報にレーダーの捕捉時間は当時の防衛情報として分類をされているんでしょうか。
○政府参考人(高橋憲一君) いわゆるJADGEに基づく情報でございますが、それにおいては、具体的な特定の事案について言及は避けたいと思いますが、弾道ミサイルに関する情報は入っております。
○大野元裕君 もう一度伺います。 JADGE等の生情報は、実は官邸にすら生情報そのものは伝えられていないんです。官邸にすら伝えられていないんです。そこで書いてあるのは、防衛情報に当たると書いてあるからです。JADGEの一翼を成すレーダーの捕捉時間については当時防衛情報として分類をされていたんでしょうか、教えてください。
○国務大臣(中谷元君) JADGEシステムは存在しておりますが、様々な情報を有しております。 この中で、情報に関していいますと、特に秘匿をすべきような保全を要する情報、こういったものは特定秘がございます。しかし、この情報の中で、早く国民に知らせる情報とか公にすべき情報等につきましてはそういった指定はされていないわけでありまして、例えば、これまで、防衛省の発表した情報について、レーダー情報を入手してミサイル発射を確認したということで、中央指揮所から官邸危機管理センターに連絡をした、こういった時刻、これは公表をいたしております。それは、やはりいち早くこういった情報を知らせなければならないということでありますので、特定秘密に指定すべき情報とそうじゃない情報があるということでございます。
○大野元裕君 私は特定の情報を聞いています。 JADGEシステムを構成するレーダーで相手方のミサイルを捕捉した時間は、当時防衛情報でしたね。
○国務大臣(中谷元君) これは、様々な情報の中で早く国民に知らせなければならない情報がございます。そういう中で、レーダーで探知した弾道ミサイルの情報をリアルタイムで入手しておりまして、こういった防衛省としてレーダー情報を入手した時間、これはレーダー等で探知した時間とほぼ同じと考えて差し支えございません。 したがいまして、この当日の状況におきましても、九時三十三分頃にレーダー情報を入手をし、そして発射を確認したために危機管理センターに連絡したということは公開しておりまして、こういった必要な情報につきましては公開をしているわけでございます。
○大野元裕君 それは都合の悪いことの隠蔽じゃないか。きちんと私が質問していることに答えるべきだと思いますよ。 大臣、なぜならば、私は、実はこういったスキャンダル系のものをほとんど取り上げたことはないんです、委員会で。だけど、今やろうと思っているのは、日本の安全保障に関わり、同盟国との信頼に関わり、ひいては技術情報は自衛官の命を守るからです。だからこそ、こうやって漏えいが出るようなことは絶対にまずいと私は思っているんです。 大臣、そこでお伺いします。 一昨日、福山委員の方からも、これらの情報、二〇一二年のレーダー感知情報については措置Bに基づいて情報監視審査会で見てくれという話もありましたので、是非送っていただきたい。私もメンバーでありますので、是非議論させていただきたいと思っています。 ちょっと時間もないので質問を変えます。防衛省に聞きます。 防衛秘密情報を自衛隊員が故意に漏えいした場合、平成十八年の事務次官通達で決められていますけれども、どういう処分が課されますか。
○政府参考人(深山延暁君) 御指摘のとおりの通達を定めています。 この通達においては、違反行為の態様に応じて基本となる処分基準を示しておりますが、秘密漏えい等に係る具体的な処分の量定の決定に当たっては、秘密の程度、故意、過失の程度、漏えい動機、状況その他を総合して判断することになっております。 先生からは特定秘でない秘密といった今お尋ねであったと思いますけれども、特定秘に当たらない省秘を漏えいした場合には、故意に漏えいした場合には免職、降任又は停職が基準になっています。特定秘密でありますと、一応免職が基準となっています。
○大野元裕君 では、故意ではなくて過失で漏えいした場合はどうですか。
○政府参考人(深山延暁君) 同様の通達に基づきまして、過失により特定秘密を漏えいした場合は免職、降任又は停職、そうでない省秘に当たる秘密を漏えいした場合には免職、降任、停職、減給又は戒告というのが基準になっています。
○大野元裕君 それでは、自衛隊員が情報管理者である場合、部下等ですね、部下だけではないです、部下等の違反行為の隠蔽又は黙認、あるいはその義務を怠った場合、その結果として違反行為が発生した場合にはどんな処分が下されますか。
○政府参考人(深山延暁君) お答え申し上げます。 この通達の中には、情報管理者等義務違反の態様に基づく処分、これについては、情報管理者等が部下等の違反行為又は隠蔽を黙認した場合等ございますが、その場合におきましては免職、降任、停職又は減給といたしているところでございます。
○大野元裕君 大臣、そして藤丸政務官、是非きちんとこれ見ていただきたいんです。 自衛隊員に対しては、故意ではなくても、過失であっても情報が漏えいした場合には免職も含まれているんです。例えば、それは政務官を降りるとかそういう話じゃない、免職になったら路頭に迷うんです。こういう厳しい基準を課している。しかも、これ、実は平成十八年の通達やその一連の文書を見ると、抑止効果を持つためにはその処分をしっかりとしなければ抑止効果にならないと書いてあるんですよ。 大臣、さっき僕は隠蔽ではないかと申し上げましたけれども、義務を怠って、結果として違反行為が発生した場合でも停職、減給又は戒告なんです。大臣、これだけ重い措置を課しておいて政務三役には何もなくてよろしいんですか。私は、これは大きな疑問ですよ。自衛官に対して、今これ見ているかもしれない、皆さんは政務三役としてそれを課しておいて自分たちの身内には甘い、これでは全く説明が自衛官に対してできないのではないんですか。あなたが最高責任者として自衛隊員に対する情報管理義務、履行する責任があります。 政務官、政務官の下には二十数万人の自衛隊員がおられます。この部屋にも元政務三役たくさんいます。私も、実は平成二十二年のミサイル事案のときには政務官でありましたが、全て墓場まで持っていきます。それが当然の話じゃないんでしょうか。 大臣、お伺いしますけれども、政務官の更迭あるいは必要な場合には告発、行わなければならないんではないかと私は思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) これは、ミサイル発射に関しての情報の発言についてお尋ねでございますが、やはり保全すべき情報と公表すべき情報はあるんですね。 やはりこういったミサイル情報というのはいち早くこれ国民に知らせるべき情報でありまして、例えばあの二月七日の北朝鮮の弾道ミサイルの発射事案、これ以外でも、民主党政権の平成二十四年の十二月十二日の北朝鮮の弾道ミサイル事案にしましても、防衛省としてレーダー情報を入手した時間を公表しております。この平成二十四年の十二月と本年二月の弾道ミサイルの発射事案については公にしているわけでありますので、こういった情報を公にしたとしても運用上支障があると言えず、必ずしも公表できないものではない、したがいまして、この情報につきましては特定秘密に入れていないということで、政務官の発言につきましては法的には問題ないというふうに判断しております。
○大野元裕君 一度も特定秘密と僕は聞いていません。防衛秘密としか聞いていません。 しかも、その当該情報、JADGEシステムに入っているレーダーの捕捉時間は防衛秘密かどうかを聞いても答えないじゃないですか。その上で、公開するものと秘密にするものがある。これ、仲間を守るだけの話じゃないんですよ。あなたが守るべきは自衛官なんだよ。だから言っているんですよ。 大臣、これ、私は自民党の人材が払底しているのはよく知っています。だけど、どうですか、政務三役皆さん衆議院ですから、そろそろ参議院の方入れたらいかがでしょうかね。私は是非それをお勧めしたいと思っていますが。 藤丸政務官、最後にお伺いをいたしますけれども、これらの経緯を聞かれて、政務官、あなたはあなたの下に多くの自衛官を抱えている、自衛官はこれだけの厳しい制約を受けている、そして、あなたは漏えいの疑惑のみならず実は様々なことを臆測でしゃべっている、先ほどの地下六階もそう。公務で行ってうそをしゃべっているんですよ、間違いをしゃべっているんですよ。真っ当な仕事すらしていないじゃないですか。御自分の進退、お考えになるべきときだと思いますが、いかがでしょうか。
○大臣政務官(藤丸敏君) 私の佐賀での講演における発言で、そういう表現とか、先ほどの地下六階、ぐらいというふうにそこは言っているんですが、それは、ぐらいでも同じことではあります。 表現、数値が必ずしも、三十三分を三十二分と言ったこともあります。正確なものより個人として推察したものでございまして、最初と最後に、政務官として伺いましたけれども、政務としてやってきたというふうな話をさせていただきまして、とはいうものの、政府と異なる内容もありまして、国の防衛の任に当たる者として不適切な発言であったと認識して、反省しているところであります。そして、佐賀県を始めとする地元の方々をいたずらに混乱させてしまいまして、大変反省しているところでございます。 大臣からも、報道のあった翌日、翌々日にも厳しく聞き取りをされまして、注意を受けたところでございます。 今後、注意を受けましたことを重く受け止めて、公の場における言動については謹んで対応しながら、政務官として職責を果たすことができるように誠心誠意職務に取り組ませていただきたいと考えておる所存でございます。
○大野元裕君 時間が参りましたので、大臣、大臣の私は誠意に、そして真摯さを信じながら、この問題について的確な措置をされることを心より希望し、質問を終わります。
○委員長(佐藤正久君) 防衛大臣は御退席いただいて結構でございます。 ─────────────
○委員長(佐藤正久君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、藤田幸久君が委員を辞任され、その補欠として牧山ひろえさんが選任されました。 ─────────────
○荒木清寛君 オバマ大統領が現職の米国大統領として初めて被爆地広島を訪問することは大変意義深いわけであります。そこで、今回のオバマ大統領の広島訪問を踏まえて、我が国として核軍縮の機運を再び高めるためにどう今後外交を展開していくのか、広島出身である岸田大臣の決意をお尋ねします。
○国務大臣(岸田文雄君) 今回決定されましたオバマ大統領の被爆地訪問は、犠牲になられた方々を追悼することと併せて、核兵器のない世界を目指そうとする国際的な機運を再び盛り上げる意味で大変重要な、歴史的な訪問になると考えています。日本政府として、これは歓迎したいと思っています。 そして、昨年のNPT運用検討会議の状況などを見ましても、今、国際的に核兵器のない世界を目指そうという機運、しぼみつつあるという危機感を強く感じています。是非、今回の訪問を一つのきっかけとして、再び核兵器のない世界を目指そうという国際的な機運を盛り上げる反転攻勢に転ずる、こうした機会にできればと期待をしています。 是非、今後、日本政府としましては、国際社会において核兵器国と非核兵器国が協力することによって現実的、実践的な行動が実現し、そして結果が実現する、こうした取組をしっかりと進めていきたいと考えます。
○荒木清寛君 是非、核廃絶、核軍縮についての機運を高める反転攻勢のチャンスとしていただきたい、このように考えます。 次に、日・イラン受刑者移送条約についてお尋ねをいたします。 まず、国際受刑者移送条約は、受刑者本人、裁判国、執行国、執行国というのは受刑者の本国でありますけれども、にとってそれぞれどのようなメリットがあるのか、我が国がこれまで締結してきた受刑者移送条約での実績も踏まえて説明を求めます。
○政府参考人(能化正樹君) 国際受刑者移送は、まず受刑者との関係におきましては、本国において刑に服する機会が与えられることを通じて当該受刑者の改善更生及び円滑な社会復帰の促進に資するという意義がありまして、これは、同時に執行国にとってもメリットと言えます。また、裁判国にとっては、言語、習慣、宗教等の違いへの相応の配慮等、刑事施設における外国人受刑者の処遇に係る管理運営上の負担の軽減に寄与するということとなります。 これらの諸点を踏まえまして、我が国は、刑を言い渡された者の移送に関する条約、いわゆるCE条約及び二国間条約に基づき、二〇一六年二月末日までに三百三十三人の送り出し移送、そして九人の受入れ移送を行ってきたところであります。 引き続き、CE条約未締約国の条約加入を働きかけるとともに、各国との受刑者移送条約の締結の意義、必要性、実施可能性等を総合的に勘案の上、適切に二国間条約の締結を進めていく考えであります。
○荒木清寛君 従来の実績では、送り出しの受刑者は三百三十三人で受入れが九人ということですから、数だけで言ってはいけませんが、それだけでも我が国にとってもメリットがあると、このように私は認識をしております。 そこで、今回イランとの間で本件条約を締結することについてはどういうメリットがあるのか。これは、日本国内でのイラン人受刑者の処遇についての困難性も踏まえて、具体的に説明を求めます。
○政府参考人(上村司君) お答え申し上げます。 イランとの間での受刑者移送条約の意義でございますけれども、イランの受刑者の数は、相当数日本におります。一部イランの受刑者に対するアンケートも行っておるところでございますけれども、本国にいる近親者との面会も容易でなく、言語、習慣、宗教の違いによる生活上の困難を生じる、日本におけるイラン人受刑者につきましても、中東の国ということもありまして、特に食事や言葉、宗教などの差異が大きい、したがって生活上の困難がかなりございますと、こういうようなアンケート結果もございます。 このような中で本条約を締結することによりまして、イランにおいて刑に服している邦人受刑者及び我が国において刑に服しているイラン人受刑者にその本国において刑に服する機会を与えることは、受刑者の改善更生及び社会復帰の促進につながり、大変意義があると考えております。
○荒木清寛君 本条約の第三条一項の(c)では、移送の要請があった時点で残余刑期が少なくとも六か月があることが移送の条件として規定をされております。 一方で、平成二十二年四月二十二日の当法務委員会におきまして当時の千葉法務大臣は、移送の要請から移送までには約一年程度の期間が掛かっている、このように答弁をされております。 移送の実施に約一年程度を要するのであれば、本条約で残余刑期が六か月でもよいというのはやや短いような印象があります。逆に言うと、受刑者にとって、移送してもらえると思っていたらもうそのうちに刑期が終わってしまったということにもなってしまうわけでありますので、このような規定になった背景について説明を願います。
○政府参考人(上村司君) お答え申し上げます。 送り出し移送につきましては、個々の事案ごとに犯罪の内容、被害者等の感情、当該外国人受刑者の刑期、移送後の刑の執行内容等を総合的に勘案して決定する必要があるのは御案内のとおりでございます。また、相手国における手続、相手国との文書等のやり取りも必要であるため、まさに荒木先生御指摘のとおり、ある程度の時間を要することは事実でございます。 他方で、六か月の残刑期を条件とする、これはCE条約でもそうでございますけれども、そういうことを条件とすることによりまして、できるだけ多くの外国人受刑者に移送の可能性を与えるということは受刑者の改善更生及び社会復帰の促進という本条約の意義に鑑みて適切であると考えてこういう規定になった次第でございます。 今後、この事務手続を効率的に進めることができるよう、引き続き努力をしていきたいと考えております。
○荒木清寛君 条約の第四条では、刑を言い渡された者の移送の要請については、当該移送がいずれかの締約国の主権、安全、公の秩序その他重要な利益を害するおそれがある場合には拒否することができる、こういう規定がございます。 こうした移送の拒否を定めた規定は、CE条約、これは受刑者移送のための主な国際条約、一般的な国際条約と言ってよいかと思いますが、CE条約にはありませんが、この日・イラン条約で盛り込んだ理由については何か特段の理由があるのか、そしてまた、いずれかの締約国の主権、安全、公の秩序その他重要な利益を害するおそれがある場合というのは具体的にどういう場合を想定しているのか、答弁を求めます。
○政府参考人(上村司君) お答え申し上げます。 日・イラン受刑者移送条約の第四条は、相手国とのやり取りを経まして、一定の場合におきまして締約国が移送の要請を拒否することについて明確にするとの観点からそういう条項を規定したものでございます。 なお、御指摘のCE条約につきまして、このような規定はございませんけれども、この場合におきましても、いずれの締約国も移送が適当でないと考える場合には、その理由を示すことなく当該移送に同意しないことが可能であるということになっております。 お尋ねの、いずれかの締約国の主権、安全、公の秩序その他重要な利益を害するおそれがある場合ということでございますけれども、これはなかなか事前には、いろんなケースがあると思います。例えばということで申し上げますと、例えばテロリストグループに属しているような、あるいは重大な治安に関する犯罪を犯したような場合、これはまさに公の秩序あるいはその他重要な利益を反すると判断される場合が多いのではないかと、例えば例示を挙げるとそういうことかと考えております。
○荒木清寛君 最後に、第十条の三項及び四項によりますと、執行国は、裁判国の刑の執行を継続するに当たり、裁判国において決定された刑の法的な性質及び期間を受け入れなければならないが、刑の性質又は期間が自国の法令に適合しない等の場合には自国の法令に規定する制裁に合わせることができるとされております。これは具体的にはどういう状況を指しているのか。 素直に読めば、日本にはそういう刑があるけれどもイランにはそういう刑がないとか、あるいは逆に、イランには日本にないような特別な刑の種類があるとか、そういうことを言っているのかなとは思いますけれども、具体的な例を挙げましてこの第三項、第四項の意味するところを説明してください。
○政府参考人(上村司君) お答え申し上げます。 お尋ねの刑の性質又は期間が自国の法令に適合しない等の場合ということでございますが、これは、受刑者の受入れに当たりまして裁判国の刑をそのまま執行することが執行国の憲法その他の法令に照らして困難である場合を指しております。 例えば、幾つか例を申し上げますと、刑の期間が自国の法令に適合しない場合としましては、イランでは有期刑の上限が法律で定められておりません。仮にイランで三十年を超える有期刑を言い渡された者が我が国に移送される場合でございますが、国際受刑者移送法第十七条の規定に従いまして、我が国の有期刑の上限であります三十年の有期刑を受けたものとして我が国において残りの刑期を執行することになります。 あるいは刑の性質が自国の法令に適合しない場合としましては、例えば、イランには我が国の懲役刑に当たる刑罰がそもそも存在いたしません。いわゆる禁錮刑ということでありますが、我が国で懲役刑に服しているイラン人受刑者がイランに移送された場合には、イランの法令に従いまして拘禁刑として刑の執行が継続されると、こういうことでございます。
○荒木清寛君 終わります。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 日本・イラン受刑者移送条約についてまずお聞きいたします。 日本は、六十四か国が締結をしている受刑者移送条約、今もありましたCE条約に加盟をしておりまして、未加盟国と個別に受刑者移送条約を結んでおります。CE条約には、イスラム教国はアゼルバイジャンとトルコしかありません。アゼルバイジャンは旧ソ連ですね、トルコは世俗主義でありますから、本条約で初めて日本はイスラム国家と受刑者移送を行うことになるわけですね。 例えば双罰制というものがあります。今も議論になりましたが、イスラム国家では、国によって様々ですけれども、イスラム刑法の下で例えば日本にない刑罰、姦通罪とかそれから聖職者侮辱罪というのがあります。それから、タージール刑といいまして、裁判官の自由裁量による刑罰もあって、場合によってはその対象者の階層によって刑罰が、程度が変わってくると、こういうこともあるわけですね。それから、聖職者との近さによって、関係の、恩赦等が行われるという場合もあるとお聞きをしておりまして、日本から移送した場合に刑の執行が適切に確保されるのかということも、懸念の声もあるわけですね。一方、今ありました食事や言葉、宗教の様々な困難もあるということもあります。 イスラム国家と初めて受刑者移送条約を結ぶに当たって、そういう点はどのように検討されたんでしょうか。
○政府参考人(上村司君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、イラン、イスラム国として特別の刑法の仕組みを持っている、確かに御指摘のとおりでございます。我々は、この交渉の過程におきましてそういう点も十分に考慮いたしました。その結果、今回のこの協定として御審議をお願いしているわけでありますけれども、基本的な立て付けでありますが、この協定にはいろんな、セーフガードといいましょうか、そういう不都合を避ける仕組みを入れております。 基本的な原則でありますが、イランが執行国となって我が国からイラン人受刑者を移送することになる場合でございますけれども、イランは、我が国において決定された刑の法的な性質及び期間を受け入れるという基本的な義務がございます。もちろん、執行国たるイランにおきましては、御指摘のとおり、我が国が科した刑の性質又は期間が自国の法令に適合しない場合等におきましてはイランの法律に規定する制裁に合わせることができると、こういうことになっております。ただ、その場合でありましても、その性質又は期間について、我が国において命ぜられた制裁より重いものであってはならない、自由を拘束する刑の代わりに死刑を執行するとか、そういうことはできません。 また、恩赦につきましては、移送後の刑の執行は執行国の法令に従って行われることになります。仮にイランにおきまして移送された受刑者に対して頻繁に恩赦が行われた場合には、イランへの受刑者の移送につきまして政府として同意を与える、こういうことにつきまして慎重に対応せざるを得ないこととなります。受刑者移送条約の趣旨に鑑みまして、イランも移送された受刑者に対し殊更恩赦を認めることはないとは考えられます。 いずれにいたしましても、本条約第三条一によりまして、イランに受刑者を移送する場合にはその都度我が国の同意が必要でございます。この受刑者移送の可否につきましては、移送後に想定される執行国、つまりイランにおける処遇、我が国の観点から見て不当に早く釈放されたり殊更に恩赦を与えられたりすることが想定されないか、そういったことにも十分考慮の上、判断することになりますので、そういうふうに慎重に運用すると、こういうことになると思います。
○井上哲士君 条約の目的がしっかり果たされるように、適切な運用を求めたいと思います。 次に、武器輸出と貿易保険の問題についてお聞きをいたします。 二〇一四年に策定をされた防衛生産・技術基盤戦略において、防衛装備移転に関して円滑に協力を進めるための体制、仕組みについて検討を行うとされたことを受けて、防衛省の有識者と政府関係者で構成する防衛装備・技術移転に係る諸課題に関する検討会が設置をされまして、昨年九月に報告書をまとめておりますが、まず、この検討会の事務局はどこが担当し、防衛省からは誰が出席をしているんでしょうか。
○政府参考人(堀地徹君) 御指摘ございました防衛装備・技術移転に係る諸課題に関する検討会についてでございますが、この検討会につきましては、平成二十六年十二月に設置をいたしたところでございます。その出席者、名称につきましては、昨年の組織改正以前でございますので当時の名称を使わせていただきます。 この検討会につきましては、経理装備局長の下、大臣官房審議官総合取得改革担当が事務局長となりまして、経理装備局装備政策課が庶務を担当していたところでございます。 事務局員といたしまして防衛省から当該検討会に出席していた者としては、経理装備局より会計課長、装備政策課長、システム装備課長、艦船武器課長、航空機課長、技術計画官、また、各幕僚監部より統合幕僚監部首席後方補給官、陸上幕僚監部装備部長、陸上幕僚監部開発官、海上幕僚監部装備部長、海上幕僚監部技術部長、航空幕僚監部装備部長、航空幕僚監部技術部長、技術研究本部より技術企画部長及び事業監理部長、装備施設本部より副本部長管理担当、また、案件に応じて大臣官房技術監等が出席しておりました。
○井上哲士君 現場の課長クラスなど、一番実務をやる皆さんがそろっているわけで、事実上、有識者と一体となって検討してきたというものですね。 この報告書では、防衛装備・技術協力を実施する上での課題と対応策として、武器輸出の推進と防衛産業支援のためのメニューが盛り込まれております。その中で、諸外国では防衛装備の移転についても公的輸出信用機関からの融資や貿易保険が活用されている例が確認されているとした上で、今後、防衛装備品の移転への公的資金の活用について政府としての方針を踏まえて検討する必要があると、こうされております。 この貿易保険について、第五回の検討会では経済産業省から出席して説明をしておりますが、その経緯及びこの貿易保険の目的と概要について述べてください。
○政府参考人(黒澤利武君) お答えします。 委員御指摘の検討会でございますが、経済産業省はもちろんメンバーではございませんが、先ほど御説明のありました事務局である防衛省から御依頼がございまして、私どもの方から貿易保険制度一般について御説明させていただいたと、こういう経緯でございます。 それから、貿易保険法の目的についてお尋ねがございましたが、これは、法律第一条にございますように、外国貿易その他の対外取引において生じる為替取引の制限その他通常の保険によっては救済することのできない危険、これを保険するための制度、これを確立することをもって外国貿易その他の対外取引の健全な発達を図る、こういうことでございます。 よりかみ砕いてその概要を申し上げますと、貿易保険は、我が国企業などが輸出入あるいは対外投融資を行う際に、戦争、テロ等のカントリーリスク、こういったものが顕在化した際に、これをカバーすることによって我が国企業の国際展開を支援する国の保険制度ということでございます。具体的には、独立行政法人日本貿易保険、NEXIがこのリスクの審査及び保険引受けを行っております。
○井上哲士君 この検討会で経産省は、武器に該当する防衛装備品についてはこれまで貿易保険が適用された実績がないとして、安全保障政策への影響などの視点も加味し、防衛装備品の移転に輸出信用機関を活用することについて政府としての方針を踏まえて検討としつつ、制度的には可能だと、こういうふうに説明をされておりますが、制度的には可能だということで確認をしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府参考人(黒澤利武君) 委員御指摘のございましたように、貿易保険制度は、基本的にその対象を輸出、海外投資といった企業の取引形態に基づいて定めておりますので、特定の物品あるいはサービスといったようなものの輸出を指定したり、あるいは除外するという法の立て付けになってございません。したがいまして、他の法令との兼ね合いで輸出等ができるようなものであれば貿易保険の適用は可能ということになります。
○井上哲士君 先ほどもありましたように、戦争等のリスクにも対応するということになっておりますが、それを戦争で使える武器輸出に適用するという甚だ矛盾した話になってくるなと私は思うんですが、過去、これは国が運営をして中南米の累積赤字問題や湾岸戦争で保険金支払が急増して大赤字になったことがあります。 九二年度には一般会計からの繰入れが六千八百億円に及んだわけでありますが、その後独立行政法人に引き継がれて、来年四月からは全額政府出資の特殊会社になりますが、将来、再びこういう積み立てた資金を超える支払請求があった場合には、国はどのように支払を担保するんでしょうか。
○政府参考人(黒澤利武君) 委員御指摘のように、来年度から日本貿易保険は特殊会社化いたしますので、独立採算制の下に保険を引き受けていただくということになります。つまり、民間会社から徴収いたしました保険料、これを積み立てて、この中から保険料を賄っていただくというのを大原則にしていただくということです。 今現在の私どもの見積りでは、設立時点で恐らく一・四兆円程度の支払原資を持って始めることになると思いますので、一時的な赤字ということであれば一応対応は可能なのかなと私どもは思っております。 ただ、委員御指摘のあったように、十五年ぐらいありました保険支払、保険事故が多発することによって赤字がたくさんたまるというような事態が生じた場合どうなるかということですが、新しい法律の下におきましては、保険金支払に支障が生じる場合は、まずNEXIが社債ないしは借入金という形で市中から資金を調達する努力をするというのがまず第一段階でございます。それでも資金がなお調達できない場合は、この新しい法律二十八条でございますが、政府は、予算の定める範囲内でありますが、その範囲内で必要な財政上の措置を講ずることができるという規定になっております。 以上でございます。
○井上哲士君 つまり、防衛輸出企業の損失補填に税金が投入される可能性があるわけですね。 政府は、武器禁輸政策から新三原則への転換の際に、積極的武器輸出方針ではないんだと繰り返し強調されました。例えば、総理も本会議で私の質問に対して、積極的に武器輸出する方針に転換したものではないと、こう答弁をされたんですね。しかし、輸出貿易の振興を図る目的で創設されて、赤字になれば税金で補填をする貿易保険を適用することになりますと、これは積極的な武器輸出の支援にほかならないと思うんですね。その他の輸出品と同様に、国策として奨励をするというものにほかならないと思うんですね。 こういう報告、提言が出ること自体がこれまでの政府の答弁と違うんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。大臣、お願いします。
○国務大臣(中谷元君) 安全保障につきましては、北朝鮮が核実験を行ったり、またミサイルの技術の向上を図るように、国際情勢も変化をし、また、我が国の安全保障環境も厳しくなってきております。 そういった面におきまして、やはり科学技術の進展に伴いまして、国際社会の平和と安定におきましてもそれぞれの国においてそれぞれの努力が行われておりますが、我が国といたしましても、しっかりとこういった部門におきましての安全基盤を強固にしておくということが必要でございます。 それにつきましては、平和国家としての基本理念、そしてこれまでの歩み、これを引き続き堅持をした上で、防衛装備の移転三原則に基づいて、防衛装備の技術移転、これを厳正かつ慎重に対処していくということに決めたわけでございまして、この範囲内で、この方針で実行してまいりたいと考えております。
○井上哲士君 いや、これ、報告書では、貿易保険の適用だけじゃなくて財政投融資の活用など様々な提言がされているんですね。先ほど申し上げましたように、岸田大臣も積極的武器輸出へ転換ではないんだということも答弁もされているわけですね。ところが、実際にはまさにそういう方向になっていると。 そもそも経団連は、昨年の防衛装備庁の発足を前に提言をして、防衛装備品の輸出を国家戦略として推進するべきだと、こういうことも言っているわけですよ。事実上、今回のこの報告はそういう声に応えて国策として推進するものになっているじゃないですか。これまでの答弁と違うんじゃないですか。変わらないというんであれば、こういう提言の方向は一切具体化をしないということを明言をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 防衛技術の移転等につきましては、先ほど答弁した内容でいたしております。 確かに、今回こういった提言もいただきましたし、また、経団連からも政府による保険等の支援措置についても提言がされたということは承知しておりますけれども、こういった防衛装備品の移転に対する貿易保険の活用につきましては現時点において具体的な検討は行っているものではございませんけれども、防衛省といたしましては、今後、こういった報告書の提言なども参考にいたしまして、個別具体的なニーズを踏まえつつ、その必要性、具体的な方策について、関係省庁と連携をしながら検討を進めてまいりたいと考えている次第でございます。
○井上哲士君 そういうような具体化はするべきでない、憲法九条に従って、武器輸出で栄えるような国になっては絶対ならないということを重ねて強調いたしまして、質問を終わります。
○委員長(佐藤正久君) 防衛大臣は御退席いただいて結構でございます。
○浜田和幸君 おおさか維新の会の浜田和幸です。 イラン受刑者の移送に関する条約ということなので、まず、イラン人で今現在日本に服役中というかそういう人たちが一体どういう事犯、どういう理由で拘束されているのか、その辺りを御説明いただいて、聞くところによりますと、このイラン人の受刑者のうちほぼ九〇%以上は覚せい剤取締法違反ということですよね。そういう状況にあるということは、何らかの形で日本の国内の組織犯罪というかいわゆる暴力団、そういうところとの恐らく緊密な関係があって、イラン人がアフガンからの麻薬ですとかそういうものを日本に持ち込んで、その売買、密売ということに関わっているという具合に想像されるんですけれども、その辺りの実態はどうなっているのか、まずその辺りから、現状について御説明をお願いしたいと思います。
○政府参考人(樹下尚君) お答えいたします。 一般に、暴力団は覚醒剤等の薬物の密売を主要な資金獲得手段の一つとしておりまして、一部には来日外国人犯罪組織と連携する動きも見られるところでございます。過去にはイラン人が暴力団幹部から入手した覚醒剤を組織的に密売していた事件を検挙するなど、イラン人薬物密売組織と暴力団の連携状況が把握されているところでございます。 警察といたしましては、国内の関係機関と緊密に連携するとともに、関係国の捜査機関との情報交換を推進し、薬物犯罪における犯罪組織相互の連携実態の解明に努めまして、薬物犯罪組織の壊滅に向けた取締りを強力に進めてまいりたいと考えております。
○浜田和幸君 要するに、イラン人で今服役中の受刑者の人たちというのは、そのほとんどが覚醒剤ですとか麻薬の密売に関わっていて、そのことが理由で拘束されているわけですよね。 ですから、この問題を解決するためには、そういう違法な覚醒剤、麻薬の日本への持込みを水際で防ぐということをやらなければ受刑者の問題というのは解決に至らないと思うんですけれども、その違法な覚醒剤の持込みに対する対策、これは今どうなっているんでしょうか。
○政府参考人(樹下尚君) 先ほどお答えいたしましたように、国内の関係機関、特に税関等々と緊密に連携をするということも当然でございますし、また、様々な国際会議等々を開きまして、関係国の捜査機関と相互の協力を要請するとともに、各国の薬物情勢等々についての情報交換を行う等々によりまして水際における検挙ということを努めてまいったところでございます。
○浜田和幸君 その水際で防ぐということに関連すると、やはりイラン人の密売人たちが日本でそういうビジネスを展開しているということは、その原材料となるそういう麻薬の大本というのは、恐らくアフガニスタンからトルコだとかあるいはイランだとかバルカンとか、そういうところを経由して、複雑な経路をたどって日本に入ってきているわけですよね。 岸田外務大臣にお伺いしたいんですけど、今、国際的なネットワークの下でそういうものを防ぐための情報交換や対策を講じていると警察庁の方からは説明がありました。具体的に、じゃ、外務省としてはそういう取締りに対してどのような今手だてを講じておられるんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 麻薬問題、これは、国際社会一丸となって取り組むべき重要かつ喫緊の課題であると認識をいたします。 国際的には、この麻薬問題の現状を踏まえて、国連麻薬委員会等の場で各国が講ずべき効果的かつ具体的な対策について活発な議論が行われています。我が国も、こうした議論に積極的に参加しているほか、二国間の関係においても、イランを始めアフガニスタンや中央アジア諸国、東南アジア諸国を対象に継続的に麻薬対策支援を行っているところです。 その中で、例えばイランについては、アフガニスタン由来の麻薬の中継地となり、主に欧州への密輸ルートの一角を占めていると承知をしております。そのため、我が国は、イラン政府の密輸対策を支援するべく、近年、国連薬物犯罪事務所と連携して麻薬探知犬等を供与いたしました。その結果、昨年はイラン当局による五百三十六トンの麻薬の押収につながったと承知をしており、イラン政府より、我が国のこうした支援に対し深甚なる謝意が表明されています。 イランを含む各国あるいは国際機関と緊密に連携しつつ、引き続きこうした国際的な麻薬対策の取組に積極的に貢献していきたいと考えております。
○浜田和幸君 是非、麻薬探知犬を含めて、これは日本だけの問題ではなくて、ヨーロッパでもアメリカでも深刻な問題になっているわけですから、そういう大本を断つという意味で、国際的な連携、これを深めていただきたいと思います。 それで、これまでの議論の中で、受刑者の人たちが本国に戻ることによって更生ですとかプラスの、改善の効果が期待できるということなんですが、特に麻薬犯罪に関わっているそういう人たちが日本から本国に移送されて、実際に本国で受刑することによってその人たちが更生できたり改善できたり、そういうようなことがどこまで期待できるという具合に受け止めておられるんでしょうか。 上村局長も繰り返し、更生改善に役立つ、メリットがあるということを説明されましたけれども、実際、これまで繰り返し繰り返し、手を替え品を替え、イランだけじゃなくていろんな国々から、国内で手引きをする組織犯罪組織があるものでやってくる、そういう状況を考えますと、本国に送り返したからといってどこまでそういった犯罪者たちの更生につながっていくのか、その辺りの評価、見通し、どういう具合に受け止めておられますか。
○政府参考人(上村司君) 大変難しい御指摘をいただいたと思います。 我々は、もちろんイランとの間でこれから受刑者の移送を、今回条約を御審議いただきまして、成立させていただきますと検討することになります。したがって、未来、イランの受刑者の多くを占めるこの薬物関連の受刑者をどうするかというのは大きな問題になると思います。 先ほど来私御説明申し上げているとおり、まさに目的は更生であり社会復帰でございます。そういった目的にかなうかどうかということをやはりこれからケース・バイ・ケースでイラン側とも、我々も真剣に考えて、このケースはその方がいいだろうと、そうでない場合もこれから随分出てくると思います。 直接のお答えになりませんけれども、我々はケース・バイ・ケースで、この条約の趣旨に合った送還ができるのかどうか、これをまさに真剣に考えていきたいと考えております。
○浜田和幸君 是非、そういう意味での、どういう形でそういう犯罪を犯した人間が更生できるのか、受入れ国との間でしっかりとした打合せというのか対策を講じていただきたいと思います。 それで、この覚醒剤の取締法違反、そういう理由で拘束されている外国人というのは、もちろんイラン人のうちの九二%を占めているんですが、全体の言ってみれば違反をしている受刑者からすると、中国人が圧倒的に多いわけですよね。しかも、実際に押収される覚醒剤とか麻薬ですとか、そういうものの件数、摘発件数では中国人が絡んでいるケースが一番多い。押収される麻薬等の物量、量でいけばメキシコが多いと聞いています。そういった意味では、このイランは三番目に当たるわけなんですけれども、今回の受刑者移送の問題に絡めて、実際に、今、日本の国内で受刑中のそういう外国人は中国人が圧倒的に多いわけです。 これまで、中国との間でもこのCE条約、これの交渉が何度か行われてきたと承知していますが、中国との協定というものが、やはり日本のことを考えると、犯罪を防ぐという意味では一番重要になってくると思うんですが、この点について、中国との条約交渉が今どういう状況になっているのか、今後速やかに中国との間で交渉が進展する可能性がどの程度あるのか、大臣に見通しをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 日中間の受刑者移送条約の締結交渉については、第一回会合が二〇一〇年六月に東京で、第二回会合が二〇一一年十一月に北京で、第三回会合が二〇一五年七月に東京で行われています。 政府としましては、同条約の早期署名及び締結、これを是非目指したいと考えています。そうした姿勢で是非これからも中国側と交渉を進めていきたいと考えます。
○浜田和幸君 今の大臣の説明ですと、中国との間ではこれまで三回にわたって交渉を重ねてきていたと。しかし、現時点ではまだ先行きが見通せないという状況ですよね。なぜ中国はこの問題についてこれまで何度も交渉を重ねていながら、交渉に向けての具体的な進展がないのか。中国側がこれに積極的でない理由はどこにあるとお考えですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 様々な要素が絡んでくるとは思いますが、やはりこの交渉の経緯を見ますと、先ほど申し上げましたように、二〇一〇年、二〇一一年とやって、その後しばらく間隔が空いております。その間、日中間において様々な出来事があり日中間のこうした対話が滞った、こういった経緯もあったと思います。そうした事情がこの交渉においても影響が出たのではないかと想像をしております。 日中関係につきましては、様々な分野、様々なレベルで対話を今再開しつつあります。改善基調にあるとは思っておりますが、まだ動きは脆弱であり、引き続き努力をしなければなりません。その努力の中で、この条約の交渉についてもできるだけ前向きに取り組んでいきたいと考えます。
○浜田和幸君 是非、中国は日本にとって最大の貿易通商相手国、人の往来も頻繁ですし、よく日本人が中国で麻薬を所持しているというような理由で拘束されたりするケースもいろいろと報道されています。 ですから、日本に来ている中国人がそういう麻薬犯罪で服役しているケースもありますけれども、日本人が中国でそういう問題で、それが本当に犯罪に直接関わっていたかどうか、若干疑問が指摘されているケースもあると思いますが、日本人の人権とか安全を守る意味でもこういったCE条約が早く両国間で締結されることが必要だと思いますので、是非、今おっしゃったように、少しずつ日中関係いい方向に動きつつあるということですから、それを追い風に、この条約も速やかに交渉を締結できるように進めていただきたいということを要望して、私の質問を、時間になりましたので終わります。 ありがとうございました。
○アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば何でもできる、元気があれば革命もできるということで、一九七九年ですかね、イラン革命が起きましたが、そのときの国王がパーレビ国王、ホメイニ師がその国王を追放したんですが。ちなみに、私もそのときの天気はどうだったかなということで調べてみました。青空で、晴れ日でした。 イランの話は大変、イスラム教という、世界で難しいというか、私もこんなコーランをもらって読んでみたりしていますが、全く分からない部分があります。 今回は受刑者移送条約ということで、刑を言い渡された者の移送に関する日本国とイラン・イスラム共和国との間の条約の締結という、何か読んでいるうちに刑が終わってしまいそうな長い条約だなと思いますが。 イスラム教は、御存じのとおり、本当に戒律が厳しいことで知られています。 私が昔聞いた話なんですが、あるアメリカのビジネスマンがイスラム国に転勤になりました。新しい土地で仕事がうまくいかず悩んでいるときに、現地の人からイスラム教に改宗すれば仕事はうまくいきますよという助言がありまして、元々その人はクリスチャンでしたが、仕事がうまくいくのであればという、イスラム教に改宗をしまして、その後、仕事も業績も好調であったんですが、そのうちアメリカへ戻るように辞令が出まして、今度アメリカに戻りましたら、毎日誕生パーティーだ、それこそ乾杯だ、お酒を飲んだり、また豚肉が出てきたりということで、本当に、逆に今度はアメリカの世界では住みにくくなってしまいまして、ある日、イマームという宗教指導者に、心はいつまでもイスラム教なんだけど、アメリカの世界がこういうわけだからひとつ改宗をさせてもらいたいという手紙を書きました。その相談を受けたイマームが返してきた手紙は、何と、やめるのは簡単ですよ、首を切られるだけですからという。その人間が頭を抱えましたね。何という宗教に俺は入ってしまったんだ、生まれたときに割礼を受けて、死ぬときは首を切られるという、大変悩んだ話を聞いたことがありますが。 まあ、イスラムの刑というのは本当に我々がまだ理解できないことがたくさんあります。例えば、窃盗犯であれば手首を切り落とされる、レイプされた女性は死刑、イスラムを批判した者は即刻死刑になるという、そういう刑があるそうですが、今現在このような刑罰が残る国があるかと思いますが、その辺の、分かる範囲内でお聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、委員御指摘のように、イスラム法にのっとった独自の法体系あるいは刑罰制度を有する国は存在いたします。 他方、そうした国の国内制度やあるいは慣習を政府として具体的に取り上げて、これは理解し難いとか評価するということは、これは適切ではないのではないかと思います。 よって、私の立場からそういう独自の制度について何か具体的に挙げて評価するということは、こういった場では控えさせていただきたいと思います。
○アントニオ猪木君 またオリンピックも来ますし、いろいろな今回の制裁も解けたことでイラン人あるいは日本の交流も高まっていくと思いますが、その辺のやはり理解度というのは大変難しいと思いますけれども、是非またいろんな問題について研究していただきたいと思います。 次に、イランの受刑者について質問をしたいと思いますが。 私が、イラクの人質解放ということで、一九九〇年ですか、解放になってその翌年、九一年二月でしたが、とにかく戦争をやるべきじゃないという提言をしようということで新聞記者何人かと行くことになりましたが、通信網が全く切れてしまって、イラン、イラクとも連絡が付かなくなって、ローマ経由でテヘランを通って、テヘランから車で国境を越えてということになりまして、そのとき、ローマに立ち寄ったときにちょうどバチカンに案内されまして、バチカンの法王もそのときはおられなかったので、ソダノという、どういう立場になるんですかね、一番格の高い方なんですが、ソダノさんが対応してくれまして、バチカンのメッセージをということで預かってイラクに入りました。 そのときに、入る前に町に出ていろいろな買物をしたんですが、これからイラクに行くんだよと言ったら、そこのレストランのおやじさんが豚肉からソーセージからいっぱい用意してくれたんです。ところが、これもイスラムの世界では全く御法度の食品というか。でも、国境もそういう厳しいあれもなかったんで、当時は夏だったんですが、最初は、二月に行ったときは雪が降っていまして、そこを、草原みたいなところを歩き渡りまして向こうのイラク内に入りました。何とか平和を訴えようと思って行ったら、ホテルも当時とは見る影もない、ガラスは割れて、そういう中で当時の要人たちはもう誰もいなくなって、そのメッセージも送ることはできませんでした。 本当に、そういう行く途中にイラク・イラン戦争の、コスラビというところがありましたが、草原というかちょっとした丘があって、非常に戦争の跡だなと。でも、人は余り住んでおりませんでしたから、ここが戦争の傷痕が残るところだなという思いで新聞記者の皆さんとも話しながら入りましたが。そんな中で、本当に、私も向こうの要人とそのときに会えなくて、二月二十日が私の誕生日だったんですが、コックさんたちが気を遣ってくれて、誕生祝いをやってくれました。 そんなことからもう二十五年がたちまして、今現在、イランにはまだ四人の邦人の受刑者がいると聞いています。その四人について、それぞれの罪状、刑期について、先ほどもちょっと質問がありましたが、可能な範囲で教えていただければと思います。
○政府参考人(能化正樹君) お答え申し上げます。 御指摘のとおり、現在、イランにおきましては邦人の男性四名が服役中でございます。これら四名は平成二十四年三月に逮捕され、翌二十五年一月に、麻薬密輸罪として主犯格一名に終身刑、ほかの三名に禁錮十五年の刑が確定していると、こういうことでございます。
○アントニオ猪木君 次に、現在、日本の国内においてイラン人の受刑者は何名いるのか、また、その罪状についてお尋ねしたいと思います。
○政府参考人(富山聡君) お答え申し上げます。 いわゆる来日外国人であるイラン人受刑者の数につきましては、平成二十八年二月末日現在の速報値において百四十七名となっております。 また、主な罪状ということでございますが、過去十年における来日イラン人受刑者、過去十年間に新たに刑が確定をしまして受刑者になった者について速報値も含めまして見てまいりますと、覚せい剤取締法違反などの薬物事犯が最も多く、全体の約七〇%という高い割合を占めております。次いで割合が高いのが出入国管理及び難民認定法違反で、約一二%となっております。それ以外につきましては、傷害、殺人、窃盗、公務執行妨害など様々な罪名がございますが、いずれも一、二%程度となっております。
○アントニオ猪木君 あわせて、外国人の、イラン人の受刑者に掛かる経費は年間どのぐらい掛かるのでしょうか。
○政府参考人(富山聡君) お答え申し上げます。 外国人受刑者のみに掛かる経費というのがなかなか予算上算出が難しゅうございまして、受刑者一人当たりに幾らぐらいの経費が掛かるのかという観点からお答えを申し上げたいと思います。 平成二十八年度の予算におきましては、刑事施設に収容されております受刑者、被告人、被疑者等の被収容者を一年間刑事施設に収容した場合には、一人当たり必要となる経費は約三百四十八万円というふうになっております。
○アントニオ猪木君 次に、国外の邦人受刑者についてお聞きしたいと思いますが、アジア諸国で麻薬犯罪の最高刑が死刑になる、先ほども出ましたが、実際に多くの邦人が死刑判決を受けています。以前委員会でも質問しましたが、日本の旅行者をだまして麻薬を運ばせるという犯罪も増加しています。冤罪にもかかわらず、死刑の恐怖を抱え、劣悪な環境で収監されている邦人が多く存在していると聞きます。 死刑が執行される前に早急に対処しなければならないと思いますが、海外で、特にアジア地域で死刑が確定している邦人に対してどのような支援ができるのか、再調査の請求が可能なのか、具体的にお答えください。
○政府参考人(能化正樹君) お答え申し上げます。 各国におきましていかなる犯罪にいかなる刑を科すか、これは、基本的には各国において当該国の犯罪情勢、刑事政策等を踏まえて決められるべき国内事項に属する問題であります。 その一方で、外国において邦人に対する死刑判決が出た場合には、これまで、我が国における国民感情も踏まえまして、外交ルートを通じ、我が国政府としての懸念や関心を表明してきております。 加えまして、外国における邦人被拘禁者に対しては、通常、領事面会の実施や家族等への手紙の転達などの支援を行っているほか、被拘禁者の家族等に対しても面会手続支援や差し入れ等の手続支援など、必要かつ可能な支援を行っております。 領事面会等を通じまして、滞在国の当局が邦人被拘禁者に対し基本的人権に配慮した適正な刑事手続を実施しているかを確認するとともに、不当な取扱い等が認められる場合には、当局に対ししかるべき手続を実施するよう求めていくことになると、こういう次第でございます。
○アントニオ猪木君 おまえたちは要らぬと言わず、また、皆さんの交流を高めるようにお願いして、質問を終わります。
○糸数慶子君 無所属の糸数です。よろしくお願いいたします。 いわゆる日・イラン受刑者移送条約、この締結については賛成でございます。受刑者の処遇について一言申し上げたいと思います。 かつて、我が国が二〇〇三年に欧州評議会受刑者移送条約に加入したとき市民社会から出された懸念は、日本の刑務所における処遇が人道的でなければ、海外、特に欧州で受刑する日本人受刑者が日本への受入れ移送を希望しないのではないかということでありました。折しも、二〇〇二年は革手錠などで複数の受刑者が死傷した名古屋刑務所事件が発覚し、二〇〇三年末には行刑改革会議提言がなされました。これを基に旧監獄法の全面改正作業が行われたわけですが、こうして成立した刑事被収容者処遇法は、被収容者の人権を尊重しつつ、これらの者の状況に応じた適切な処遇を行うということを目的としております。 二〇〇六年に同法が施行されてから今月でちょうど十年を迎えました。この十年を振り返りますと、新たな法の理念に基づき受刑者の状況に応じた適切な処遇の実践が見られる一方で、相変わらず監獄法下と同様の人権及び個人の尊重とは程遠い処遇に拘泥する施設も見られます。 昨年十二月には、国連総会において改定被拘禁者処遇最低基準規則が、いわゆるネルソン・マンデラ・ルールズが採択されました。その基本理念は、被拘禁者を人間としての尊厳とその価値に対する尊敬を持って処遇することにあるわけです。このマンデラ・ルールズの策定作業には法務省の職員も参加し、日本も含め満場一致で採択されましたけれども、これに関しては法的拘束力はありませんが、権威ある国際人権基準として、当然、我が国はマンデラ・ルールズに合致した処遇を行っていかなければなりません。 このマンデラ・ルールズでは昼夜間独居拘禁の使用を厳しく制限をしております。すなわち、期間を限定しない独居拘禁や長期にわたる独居拘禁は、拷問あるいは残虐な非人道的な品位を傷つける取扱いとしてこれを禁止しています。我が国で行われている独居拘禁はこの規則の要請を満たしていないとの強い疑念も生じております。 オリンピックイヤーである二〇二〇年には、第十四回の国連犯罪防止・刑事司法会議、コングレスが我が国で開催されます。昼夜独居拘禁の問題にとどまらず、人間の尊厳を尊重した処遇が実現されるよう更なる処遇の充実が望まれるということを申し上げて、質問に入りたいと思います。 五月十日に引き続きまして、在沖米軍基地周辺の学校への空調維持費補助の廃止についてお伺いしたいと思います。 まず一点目、沖縄県内の学校における等級分けはどのように行われているのでしょうか。誰が主体となり、どのような調査を経て行われたのか。米軍機の飛行ルートは政府も把握しておらず、等級分けは実際のところ難しいのではないでしょうか、防衛省にお伺いいたします。
○政府参考人(中島明彦君) お答え申し上げます。 学校等に対する防音工事につきましては、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律、この施行令の第五条によりまして、音の強さ及び頻度が防衛大臣が定める限度を超える場合に行うということとしておるところでございます。 これを受けて発出されております防衛施設庁告示第七号及び防衛施設周辺防音事業補助金交付要綱におきましては、一授業単位時間における音の大きさと頻度により騒音を四等級に区分した上で、そのような授業単位時間の総数が一週間において二〇%以上あり、かつこの状態が通常継続していると認められる場合に補助の対象となるものとされておるところでございます。 御質問の、実際の音響測定でございますけれども、これは、防衛省地方防衛局の職員が地元自治体などから防音工事についての要望がなされた学校等に出向きまして、窓その他開口部全てを開放した状態で室内で音が最も著しいと推定される場所におきまして、外に面した窓から一メートル、床から一・二メートルの位置に測定器のマイクを設置して一週間の測定を行った上、騒音の等級を決定しているということでございます。
○糸数慶子君 では、文部科学省にお伺いいたしますけれども、学校施設の音環境の基準はどうなっているのでしょうか、お伺いいたします。
○政府参考人(藤原章夫君) お答えいたします。 学校環境衛生基準におきましては、教室内の等価騒音レベルは、窓を閉じているときは五十デシベル以下、窓を開けているときは五十五デシベル以下であることが望ましいというふうにされているところでございます。
○糸数慶子君 防衛省の定めたこの等級分けの基準は文科省の基準と合致していますでしょうか。本来であればこの基準を県内全ての学校に適用すべきだと考えますが、中谷防衛大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(中谷元君) 防衛省の場合は四等級に区分しております。文科省の場合は五十デシベル、五十五デシベルということでございますが、防衛省といたしましてこの四等級の区分に応じた防音工事を実施をいたしますと、工事を実施した後の騒音、例えば三級では二十五デシベル以上、四級では二十デシベル以上軽減をされますので、これによりまして、例えば一授業単位における騒音の最大値につきまして、三級では七十五デシベルが十回以上、四級では七十デシベルが十回以上が防音工事の基準となっているところ、工事の後はそれぞれ五十デシベル、これを下回ることになるわけでありまして、文科省における学校環境衛生基準が定めるこの五十デシベル以下という騒音レベルを満たすものであると考えているわけでございます。 防衛省といたしましては、こういった騒音の影響の防止、軽減のために、引き続き、防音工事の要望のあった学校等におきまして一定の騒音が確認される場合には、当該学校等全てに対しまして必要な防音工事を順次実施してまいりたいと考えております。
○糸数慶子君 では、沖縄県西原町の琉球大学の件なんですが、今年の二月、これは二日にわたって行われました大学の入学試験中に同大学付近を米軍機が飛行したことによりまして、六十五デシベル超の騒音が計二十回発生をしています。騒音レベルでは、最大でゲームセンター店内に相当する八十三・二デシベルに及んでいたことが同大学の渡嘉敷健准教授の測定で判明をしております。 また、一昨日の午後二時頃、沖縄市の上空で少なくとも十一機の米軍ヘリが低空飛行しているのが目撃されておりまして、爆音や振動への苦情も寄せられたという報道もあります。住民の証言によりましたら、これはこれまでにない飛行ルートだったということですが、政府はこれについて事前に把握していたのでしょうか、防衛省に伺います。
○政府参考人(中島明彦君) まず、御質問の事前に把握していたかどうかということでございますけれども、米軍機が我が国におきまして飛行訓練を行う場合に、我が国政府に事前通告ということがこれは義務付けられているわけではございませんので、実態として、米側からの訓練の通報なり情報提供はなかったというのが実態でございます。 ただ、今御指摘のありました琉球大学の件について述べさせていただきますと、防衛省といたしましては、累次の機会に、年末年始、入学試験等地元の重要な行事については、四半期ごとに、配慮するよう米側に申入れを行っているところでございます。 それから、今般の訓練について騒音等の苦情が寄せられておりますことから、沖縄局におきましては、米側に対しまして周辺住民に与える影響を最小限にとどめるよう申し入れてきておるところでございます。
○糸数慶子君 対応が大変おかしいと思います。 なぜならば、政府は米軍機がいつどこを飛ぶか把握していらっしゃいません。そして、米軍は日本政府の再三にわたる要請を無視して飛行ルート以外の場所を飛んでいるというのが実態であります。 それにもかかわらず、政府は県内の学校の等級分けを勝手に行って、この補助廃止を一方的に通告をしているわけです。飛行ルートを守っていないわけですから、空調補助、その基準に当てはまらない、そうおっしゃっている基地周辺の学校施設の全てに騒音被害に対する補償として支払われるべきだというふうに思います。政府が一方的に打ち切るものではないということをあえて申し上げたいと思います。 一昨日の中谷大臣の答弁では、今回の空調維持費補助の廃止については、厳しい財政状況から、比較的騒音の程度が低い三級、四級が対象となったということでありました。本日もそうお答えいただきましたけれども、過去に一級だった施設が再測定で三級に落とされたこともあるわけですが、しかし、県内の爆音の被害は増加の一方です。どうしてこのようなことが起こるのか、大臣、お答えください。
○国務大臣(中谷元君) 今回の見直しの趣旨は、せんだって御説明したとおり、公立の学校施設において空調機の設置率が騒音の発生のいかんにかかわらず全国的に向上しているということを踏まえまして見直しを行いました。 この見直しに当たりましては、騒音が発生していなくても空調機を設置をして維持費等を負担している公立学校施設との公平性、これを考慮するとともに、従来から、防衛省として、病院などのように施設の機能維持のために騒音に関係なく初めから空調機が設置される施設の場合には原則としてこの助成をしていないということを踏まえまして、昨今の財政状況に鑑みて、より効率的な助成制度にしたところでございます。 メリットにつきまして、これまで三級、四級の学校に限定をして、二十八年度以降に設計をして新規の設置及び交換工事を実施する空調機の維持費から順次補助の対象外とすることとしておりますが、それ以前に設計をして設置された空調機につきましては、交換がなされるまで引き続き維持費を助成をいたします。また、当該学校等が二十八年度以降に空調機を交換する場合には、その設置工事の補助率を最大一割引き上げるということといたしておりまして、空調機設置に係る初度経費、費用、これの軽減が図れるということで、こういった見直しは併せて行うものでございます。 先生御指摘のように、米軍の騒音等につきましては住民に与える影響を最小限にとどめるべきでございまして、今後とも、米側に対してそのように働きかけをしてまいりたいと考えております。
○糸数慶子君 改めて申し上げますが、防衛費や米軍の駐留経費は増額しています。そのような中で、財政難ということで学校への補助を廃止するのは本当におかしいと思います。これは沖縄県民だけではなくて全国一律というふうにおっしゃっておりましたけれども、こういう状況では全ての国民の理解を得ることはできないということを申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
○委員長(佐藤正久君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 防衛大臣は御退席いただいて結構でございます。 これより討論に入ります。──別に御意見もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 刑を言い渡された者の移送に関する日本国とイラン・イスラム共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(佐藤正久君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤正久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時五十九分散会