外交防衛委員会 第10号
- 発言数
- 171 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 2016/03/31
会議録
○委員長(佐藤正久君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として内閣官房内閣審議官谷脇康彦君外十二名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤正久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(佐藤正久君) 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小野次郎君 おはようございます。国民とともに進む改革政党、民進党、昨日から所属になりました小野次郎でございます。民進党としてはこの委員会では初めての質問になりますが、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。 まず、在日米軍の駐留経費負担に係る特別協定についてですが、五年ごとの時限協定としている趣旨をお伺いしたいと思います。
○政府参考人(森健良君) お答え申し上げます。 HNSに係る特別協定につきましては、これまで基本的にその期間を五年としてきております。これは、一方におきまして、経費の負担に際しては、日米両国を取り巻くその時々の種々の要因を総合的に勘案して、暫定的、限定的、特例的な措置としてその都度特別協定を締結することが適切との判断がありまして、また他方において、在日米軍の円滑かつ効果的な運用を安定的に支える必要があると、そういう考え方に基づくものでございます。 今般の特別協定についても、北朝鮮あるいは中国の動向等我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中で、在日米軍の円滑かつ効果的な運用を安定的に支える必要があるとの観点を含め、日米両国を取り巻く諸情勢を総合的に勘案し、その有効期間を五年間としたものでございます。
○小野次郎君 それは、だから、一年ごとでもなく恒久的なものにもしなかった、五年にしたという理由だと思うんですけど、時限にしている理由はなぜですかと聞いているんです。
○政府参考人(森健良君) 繰り返しになりますけれども、やはりこれは特別の協定、すなわち地位協定に例外を設けるものでございますので、その判断にあっては、その時々の要因を勘案して、暫定的、限定的、特例的な措置としてこれを行うと、これが適切だという判断でございます。
○小野次郎君 トランプさんのああいう発言もあるので私は聞いているんですけれども、日本ではこれは当然今慎重に、いろいろ特例的、暫定的なものだけれども国の約束だからということで国会承認条約にしているわけですけど、アメリカではどういう扱いをされているんですか。
○政府参考人(森健良君) このHNSは、米軍を円滑かつ効果的な運用を確保するということで日本政府が予算手当てを行い実施するものでございますので、米国政府の予算ではございません。したがいまして、米国の予算書そのものにはこれは言及はないということでございます。 一方、米国議会における米国予算の審議等に当たりまして、私どもから網羅的に説明することは困難ですけれども、例えば二〇一六年度米国防授権法の附属文書におきましては、日本政府による日本における米軍のアクセスを円滑化する重要で前例のない財政上の貢献を認識しているという記述が見られるところであります。
○小野次郎君 私が伺っているのは、アメリカの議会で承認する条約の扱いになっているんですかと聞いているんです。
○政府参考人(森健良君) 米国の議会で承認を得る必要はございません。
○小野次郎君 いわゆる行政協定扱いになっているということですか。
○政府参考人(森健良君) そのとおりであります。
○小野次郎君 それでは伺いますが、この特別協定はいわゆる親協定は地位協定、これ地位協定は費用負担のことだけじゃなくて刑事手続の特例なんかも定めているわけです。私は前からこの地位協定についても見直しをすべきだというふうに申し上げておるわけですけれども、この地位協定についても、日本側はきちっとした条約、国会承認条約になっていますけれども、もしかしたらアメリカの議会ではこれも条約の扱いじゃないんですか。
○委員長(佐藤正久君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(佐藤正久君) 速記を起こしてください。
○政府参考人(森健良君) 恐縮でございます。 今確認をいたしまして、米国議会の承認は得ておりません。
○小野次郎君 今日の話題からちょっとずれますけれども、そうだとすると、結局、地位協定の見直しというふうに我々が、まあどの党でも質問すると、政府は、いや、それはなかなか難しいので運用の改善で対応しますと言って、この間の環境関係のやつもありましたけれども、そういうのも実は全体が、地位協定も行政協定、それからこの下の特別協定も行政協定、アメリカ側の政府から見たら議会が承認する国の条約ではないという扱いになるんだったら、全てがこれ運用の話じゃないですか。何か根底が、我が方の側では非常に重大な問題として捉えているのに、アメリカ側では政府の、行政府の取決めにすぎないという扱いになっているのは、非常に私はそのこと自体が何かバランスが、日本側の扱いとアメリカ側の扱いが公平でないような気がいたします。 次の質問に移りますけれども、このHNSに係る我が方の費用負担、特別協定に基づく我が国の費用負担について、米国議会における軍事費の審議においては、予算書上、予算の書類上どんな記載というか扱いになっているのか。アメリカ側の議会、アメリカの国民が、市民が、我が国側がこれだけの条約上の規定も明記し、かつ毎年の予算にもこれだけの負担をしていますということが分かるようになっているのかどうか。そこを、さっき局長ちょっと先にお答えになっちゃったみたいなところがありますけれども、もう一度お答えいただきたいと思います。
○政府参考人(森健良君) 米国の予算そのものにおきましては、この特別協定で我が国が負担することになる金額、そうしたものは直接は表れておりません。
○小野次郎君 それでは、トランプさんの発言は別に奇異な発言なんじゃなくて、アメリカ市民の一般の認識の中でも、自分たちが知るところに、日本が負担しなきゃいけない義務まで負っている、特則まで協定を結んでいる、そして毎年これだけ予算化しているんだということが全く知る由もないということになると思うので、そこは是非外務大臣にお願いなんですけれども、アメリカの議会、市民が日本の負担というものをしっかりと認識してもらえるよう努力を日本政府としてすべきじゃないかと思うんですが、何かお考えがあれば教えてください。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、日米地位協定、そして特別協定についての手続については先ほど森局長から説明したとおりでありますが、これは共に日米両国にとって大変重たいものであると認識をしています。そして、米国の国民の理解をしっかり得なければならないという御指摘はもうそのとおりだと思います。 そもそも、日米同盟は日米安全保障体制の中核です。あわせて、日米同盟はアジア太平洋地域の平和と安定の礎であると考えます。そして、このことは米国側にとりましても、アジア太平洋地域は国際社会あるいは国際経済の中において重心として捉えて、そのダイナミズムですとか経済成長、これは米国にとっても大きなチャンスになるという認識を米国政府がしっかり示しています。よって、アジア太平洋地域の安定というのは、日本にとってももちろんですが、アメリカにとっても大変大きな利益であるということを米国自身がしっかり表明しており、だからこそリバランス政策を進めているというふうに理解をいたします。 ですから、両国にとって大切なアジア太平洋地域の安定にも資する日米同盟は両国がしっかり支えていかなければならないと思いますし、そのことを米国の国民にもしっかり理解してもらわなければならない。日本の国民にももちろんしっかり説明しなければいけませんが、米国の国民にもしっかり理解してもらって、共に日米同盟を支えていく、こうした姿勢を両国が示していくことは重要だと認識をいたします。
○小野次郎君 私も山梨に本拠地を置いていますが、思いやりという言葉は金丸さんが何かネーミングしたらしいんですけれども、我が方の方は思いやりと思っていても、向こうは全然思いやりこれっぽっちも感じていないということが分かったような気がいたします。 次の質問に移りますが、今日は法制局長官にお越しいただきました。 二〇〇三年の秋山法制局長官の答弁、有名なというか、あえて繰り返しませんが、安保法制が、今回新しい法制が施行になりましたけれども、現時点においてもこの答弁というのは一定の範囲で有効な見解として維持されていると考えていいのか、お伺いしたいと思います。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 御指摘の平成十五年五月十六日の衆議院安全保障委員会における答弁及び平成十六年六月十日の参議院イラク特における答弁、いずれも当時の秋山内閣法制局長官の答弁がございますが、我が国に対する武力攻撃の発生の認定につきまして述べたものであり、法理といたしまして、米艦に対する攻撃であっても我が国に対する武力攻撃の着手と認められる場合があり得る旨をお答えしておりまして、今日においてもその考え方に変わりはございません。
○小野次郎君 ということは、この答弁の趣旨によれば、いわゆる領域外にある米艦に対する攻撃も一定の場合には我が国に対する侵害が開始されたと見て個別的自衛権によって反撃することがあり得るという理解でよろしいのか、お伺いします。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) まさに状況次第ということでございますが、状況によってはそのような場合もあり得るということでございます。
○小野次郎君 そこで教えていただきたいんですけど、この武器等防護、ちょっとグレーゾーンは別にして、有事を前提にした場合なんですけれども、領域外における米艦攻撃というのが我が国の集団的自衛権行使の対象として評価される場合と個別的自衛権の対象となり得るという場合とでは、要件というか状況が、どこが違った場合にその集団的自衛権の対象として事実として捉えて、ある場合には個別的自衛権の対象となるのか、どこで違いがあるのかメルクマールを教えていただきたいと思うんですけど。
○政府特別補佐人(横畠裕介君) 先ほどお答えいたしました秋山長官の答弁でございますけれども、現在も同旨でございますけれども、いずれもいわゆる来援米艦と呼ばれるものを前提としたものでございます。すなわち、武力攻撃を行う外国から見た場合において我が国こそが第一の敵であると、そういう状況を前提といたしまして、我が国に対する武力攻撃の第一撃がたまたま来援した米艦であったと、そういう場合もあり得るという議論であると理解しております。この場合におきましては、その後に防衛出動、現行法で申し上げますれば自衛隊法第七十六条第一項第一号でございますけれども、防衛出動の下令のための手続が取られると、その後に取られるということになると考えられます。 これに対しまして、新三要件の下改正されました自衛隊法の下での米艦防護と申しておりますのは、もう少しスコープが広うございまして、武力攻撃を行う国から見て我が国が第一の敵ではない、対立の状況あるいは地理的な状況等々あるわけでございますけれども、我が国は第二、第三の敵であるというような場合も視野に入れているということでございまして、外国による我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生した、とはいえ我が国に対する武力攻撃の発生とまでは認められないということもあるであろうと。しかしながら、そのままでは弾道ミサイル攻撃等、我が国にも戦火、この場合は火の方の戦火で結構でございますけれども、我が国にも戦火が及ぶ明白な危険があるという具体的な状況にあるならば、我が国としても防衛出動、この場合は改正された自衛隊法の七十六条第一項第二号でございますけれども、防衛出動を下令いたしまして、その上で自衛隊が我が国に対する弾道ミサイル攻撃等に備えて展開して活動を行っている米艦等を守るために武力の行使もできるようになるというところが異なるということでございます。
○小野次郎君 本格的な議論はまた別の機会にさせていただきますが、議事録を取っている方の方に申し上げると、センカのカというのは、禍じゃなくて火の方の戦火ということですね。 今日はこれで終わります。ありがとうございました。
○荒木清寛君 今回の特別協定についてお尋ねいたします。 防衛省の認識をお尋ねします。 一方で我が国の厳しい財政状況がありまして、昨年末の財政審の答申では、この米軍駐留経費負担につきましても聖域視することなく見直しを行い、縮減を図る必要がある、こういう答申をしております。他方、米国は、アジア太平洋地域へのリバランス政策を進めておりまして、結果、我が国の負担増を求めたとも報じられております。 そういう中での両国の厳しい交渉の結果、どのように両国は折り合ったのか、また、日本側から見て何を勝ち取ったといいますか獲得したと、このように言い得るのか、防衛省の認識をお尋ねします。
○政府参考人(前田哲君) お答えいたします。 我が国といたしましては、我が国の厳しい財政状況、これも踏まえつつ、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増している中で、在日米軍の円滑かつ効果的な運用を支えるホスト・ネーション・サポート、これが引き続き重要であると、このような認識の下で、一方では国民の皆様の理解を得られる内容とするという観点から、主張すべきは主張しながら協議を重ねてまいったところでございます。 日米間のやり取り、米国との関係もありますので詳細お答えすることは差し控えさせていただきますけれども、例えば米側からは、現下の厳しい安全保障環境の中、リバランス政策としてイージス艦二隻、あるいは弾道ミサイル対処用のXバンドレーダーの追加配備、そしてCV22の新規配備、こういった取組を進めていること、そしてその関連で、これらの装備品の維持整備等に従事するいわゆるMLC労働者の重要性が高まっていることなどについて説明があったところでございます。 また、我が国の方からは、我が国の厳しい財政状況、そしてこれを踏まえて、飲食店や売店等の福利厚生施設で働くいわゆるIHA労働者の労務費、これの日本側負担を削減すること等によりまして国民の理解を得られるホスト・ネーション・サポートとすることの重要性、これについてしっかりと主張させていただいたところでございます。 これらのやり取りを通じまして、各経費項目の必要性を精査をいたしまして、例えば労務費につきましては、米軍の能力発揮に直結する装備品の維持整備などに従事する労働者、これの日本側負担上限数、これについては増加をさせる一方で、福利厚生施設で働く労働者の日本側負担上限数をこれは更に削減をする、また駐留軍労働者に対する格差給等に係る経過措置、これは段階的に廃止をしていく、また光熱水料等の日本側負担割合につきましても七二%から六一%に引き下げるなどのめり張りのある経費項目を実現したと、このように考えているところでございます。 その結果、今般のホスト・ネーション・サポートにつきましては、日米双方にとりまして適切かつ一層強固な日米同盟の実現に資する内容になったと、このように考えているところでございます。
○荒木清寛君 先ほど私は昨年末の財政審の答申と申し上げましたけど、正確には建議ということですので、訂正させていただきます。 そこで、防衛大臣に、今回の協定の期間を五年とした理由につきましてお尋ねをいたします。 過去、平成十八年の特別協定は二年、平成二十年の特別協定は三年の有効期間でありましたが、現行の協定は五年になっております。現行の協定と同様に今回の改定でも期間を五年とした理由について、大臣の見解をお尋ねいたします。 また、今回の特別協定は昭和六十二年の締結以来八回目の締結でございまして、一部の批判では、特例的な措置であったはずでありますけれども特別協定が恒久化してしまっている、こういう見解もあるわけでありますが、この点について大臣の意見をお尋ねいたします。
○国務大臣(中谷元君) 期間を五年間とした理由につきましては、このHNSに係る特別協定につきまして、これまでも基本的にはその期間を五年としたところでございます。その上で、今般の特別協定につきましても、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中で、在日米軍の円滑かつ効果的な運用を安定的に支える必要があるという観点を含め、日米両国の取り巻く諸情勢、これを総合的に勘案をいたしまして、その有効期間五年間としたものでございます。 また、本協定につきまして、従来より日米両国を取り巻く諸情勢、これを総合的に勘案をいたしまして、日米地位協定第二十四条に定める経費負担の原則は原則として維持しつつ、暫定的、限定的、特例的な措置としてその都度締結をしてきているのでございます。今般の特別協定を考える上におきましても、我が国の厳しい財政状況を十分に踏まえつつも、昨今の北朝鮮、中国の動向、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増している中、在日米軍の存在が引き続き不可欠である点を考慮する必要がありました。 これら様々な要素を総合的に勘案をいたしまして、改めて、暫定的、限定的、特例的な措置として特別協定を締結することが適当と判断したことでございます。
○荒木清寛君 三年ではなくてもう五年ということで改定を進めてきている理由ですね、なぜ五年なのかということについてもう少し付言していただけますか。
○国務大臣(中谷元君) これまで基本的に五年といたしてきました。五年でないのは平成十八年協定の二年及び平成二十年協定の三年でございますが、現在の我が国を取り巻く安全保障環境、一層厳しさを増す中で、引き続き在日米軍の円滑かつ効果的な運用を安定的に支える必要があるという観点を含め、現在の諸情勢、総合的に勘案いたしますと、有効期間を五年とするものが適当であるというふうに判断したわけでございます。
○荒木清寛君 私も、現下の情勢の中での予見可能性ということを考えると妥当な期間設定ではないか、このように思っております。 先ほど防衛省から労務費につきまして、装備品の維持整備、事務等に従事する労働者を増やす一方で福利厚生の職員を削減をすることになったという説明でございました。こうした増減、見直しをした経緯について説明を求めるとともに、めり張りを付けた見直しをしたと言いつつ全体として人数は五百五十三人増えている、負担増となっている理由について、大臣から説明を求めます。
○国務大臣(中谷元君) この協議につきまして、まず、我が国といたしまして、我が国の厳しい財政状況、これを踏まえつつ、また、我が国が現在の安全保障環境、一層厳しさを増している中で、在日米軍の円滑かつ効果的な運用を支えるHNSは引き続き重要であるという認識の下で、国民の理解を得られる内容とする観点から、主張すべきところは主張しつつ米側と協議を重ねたわけでございます。 その結果、労務費につきましては、米軍の能力発揮に直結をする装備品の維持整備に従事をするMLC労働者、これにつきましては、米国がリバランス政策、これに基づいて、アジア太平洋地域への最新鋭の装備の配備、これを進めていることなどを踏まえまして、我が国としてこれら米軍装備の維持整備等を始め在日米軍の活動を支援していくことは極めて重要であると判断いたしまして、この点においては日本側の負担を千六十八人分増加をさせるということにいたしました。 他方で、福利厚生施設で働くIHA労働者につきましては、我が国の厳しい財政状況を踏まえまして、IHA労働者の労務費に係る日本側の負担を減少させていく必要があると判断いたしまして、日本側負担を五百十五人分削減をするということで米側との意見の一致を得たところでございます。 これによりまして、新たな特別協定の有効期間中日本側が負担する駐留軍等労働者の上限数は二万二千六百二十五人から二万三千百七十八人に段階的に増加をいたしますが、同時に各経費項目の必要性を精査をいたしまして、駐留軍労働者に対する格差給等に係る経過措置の段階的な廃止、また光熱水料費の日本側の負担割合を引き下げるなどの措置も併せて実施をするということによりましてめり張りのある経費負担を実現できたと考えております。 なお、今般の特別協定の下で我が国の負担額は、協定期間中の最終年度については、今年度の賃金水準をベースとした試算で約千八百九十九億円であります。これは、現行の特別協定の最終年度である平成二十七年度予算額千八百九十九億円とおおむね同じ水準であることから、全体として今般のHNSが負担増になったとは考えておりません。
○荒木清寛君 駐留軍と労働者の役割についてお尋ねします。 現在、国内の駐留軍労働者の職種は約千三百あるとされまして、各地の米軍基地において各々の役割を果たしていると考えます。政府は、駐留軍等労働者が日米関係の中でどのような役割を果たしていると考えているのか、防衛省の認識、評価をお尋ねします。
○政府参考人(中島明彦君) お答え申し上げます。 在日米軍の施設・区域におきましては、平成二十八年、本年一月末現在、ただいま先生から御指摘いただきましたように、千三百五十二職種二万五千四百十四人の駐留軍労働者が在籍しております。 これらの方々の中には、装備の維持整備、それから司令部などにおけます管理職務も含めた各種事務等に従事しておりますMLC労働者、それと福利厚生施設に勤務するIHA労働者に分かれますけれども、これらの労働者の方々は、米軍の機能発揮を直接支えているほか、福祉や士気の維持に寄与しているものと認識しているところでございます。 このように、全国の在日米軍施設・区域で勤務している駐留軍等労働者の方々は、在日米軍の活動を支えており、日米安全保障体制の円滑かつ効果的な運用を確保する上で重要な役割を果たしているものと認識しているところでございます。
○荒木清寛君 先ほど、米軍のリバランス政策について、最新鋭のそうした装備を我が国に配置をすることになっている、こういうお話でございました。 この米軍のリバランス政策というのはそもそもどういうものなのか、そして、このことはアジア太平洋地域の安全保障環境、また我が国の平和と安全を一層高めるということについてどういう機能を果たすのか、これは外務大臣また防衛大臣それぞれにお尋ねをいたします。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、リバランス政策とはどういうものかということですが、米国のリバランス政策とは、アジア太平洋地域を重視し、政策の重点をこの地域に移すものとして理解されています。リバランス政策の目的は、日本を始めとする同盟国との関係を強化し、この地域においてルールに基づいた秩序を維持強化するとともに、TPP等による枠組みの構築を通じて貿易の、投資の促進を図ること等が挙げられていると理解をしております。 こうした米国のリバランス政策、アジア太平洋地域の平和と安定に大きな役割を果たしていると思います。この地域の平和と安定、言うまでもなく、我が国にとりましても、我が国の平和と安定にも大きく関わる問題だと思います。こうした政策は、我が国の外交・安全保障にとっても大変重要な政策であると認識をしております。
○国務大臣(中谷元君) 安全保障の分野におけるリバランスについて具体的に申し上げますと、米国は、二〇二〇年までの間に海空軍の六〇%、これをアジア太平洋地域に配備するという考えの下で、F22ステルス戦闘機、P8海上哨戒機、BMD能力搭載イージス艦といった最新鋭かつ高度な能力を有する装備などの展開配備、これを進めるほか、地理的に分散をし運用上強靱な米軍プレゼンスを地域全体として実現するために、日本、韓国といった既存の駐留拠点を近代化をしつつ、フィリピンや豪州、シンガポールといった新たな展開、配備拠点の整備を進めております。このほか、日米同盟や米韓同盟といった既存の同盟関係を強化をしつつ、インド、またベトナムなどのパートナーシップの構築、ASEANとの連携強化、友好国への能力構築支援などを進めております。 このように、米国によるリバランス政策に基づく各種取組につきましては、地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中で地域の平和と安定の向上にとりまして極めて重要だと考えておりまして、引き続き米国との間で緊密に連携をしていく考えであります。
○荒木清寛君 次に、防衛大臣に平和安全法制の施行と日米同盟の強化についてお尋ねいたします。 三月二十九日に平和安全法制が施行をされました。日本の平和と安全を一層高めていく、そうした法の趣旨にのっとった正しい運用をしていただくように政府は万全を尽くすことを求めます。 そして、この平和安全法制の施行前の話でありますけれども、一連の北朝鮮によるミサイルの発射に関しまして安倍総理は、日米は従来にも増して連携できたということを繰り返し述べておられます。これは、昨年の日米ガイドラインの見直しで設置をされました同盟調整メカニズムが機能したということをおっしゃっている、このように理解をしております。 具体的に、こうした一連の北朝鮮の暴挙に対する対応についてこの同盟調整メカニズムがいかに機能したのかということをお話をしていただきたいと思いますし、さらに、このメカニズムが我が国及びアジア太平洋地域の平和と安定に向けどういう効果を発揮していくと期待しているのか、大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(中谷元君) 先般の北朝鮮の弾道ミサイル発射への対応につきましては、新ガイドラインの下で新たに常時協議可能な同盟調整メカニズム、これが設置をされました結果、発射兆候の把握の段階からタイムリーな情報の共有、情報認識のすり合わせ、対処の調整などにおきまして日米間の連携が一層円滑に行われたと考えております。 このように、同盟調整メカニズムによりまして、現実の脅威に対してこれまで以上に日米が切れ目なく、またスムーズに連携できるようになりまして、我が国の平和と安全の確保のみならず、地域における不測の事態の発生に対する抑止力及び対処力、これの強化にもつながるものであると考えております。
○荒木清寛君 先ほど先行委員の質疑にもございましたし、また米大統領選の候補の発言もあるわけであります。我が国はアジア太平洋地域の安定のために厳しい財政状況の中で特別協定を結び、米軍の円滑化に努めているわけであります。こうした特に財政負担につきまして我が国が同盟国として行っている協力支援について、米国あるいは米国国民はどのように評価、認識しているのか、防衛省に分析をお尋ねいたします。
○政府参考人(前田哲君) お答えいたします。 在日米軍の駐留でございますが、日米安保体制にとりまして不可欠かつ中核的な要素である、そしてホスト・ネーション・サポートはその円滑かつ効果的な運用を支える上で極めて重要であると、このように認識しているわけでございます。先般合意されたホスト・ネーション・サポート、経費規模につきましてはおおむね現状の水準でございますし、また各経費項目の内容を適切に見直し、国民の理解を得られるものとなったと、このように認識をいたしております。 さらに、現下の厳しい安全保障環境の下で米国がリバランス政策を進める中で、日米双方にとり適切かつ一層強固な日米同盟の実現に資する内容になったと、このように考えているところでございますが、米国政府の方におきましても、ホスト・ネーション・サポートは米国のアジア太平洋へのリバランスの鍵である在日米軍のプレゼンスの維持に資することになる、そして日本のホスト・ネーション・サポートに体現されている協力を高く評価をしている、そしてこれは過去一年間における日米同盟を強化する一連の重大な成果を補完することになると、このように明言をされておりまして、米国も我が国と同様の評価を行っているものと、このように認識をいたしてございます。
○荒木清寛君 最後に、外務省に日米地位協定そのものについて一問お尋ねいたします。 刑事裁判権に係る十七条の五項(c)につきまして、平成七年十月には、殺人又は強姦という凶悪犯罪等の場合には米側から日本側に起訴前にも被疑者の身柄移転が行われるという、こういう運用の見直しが行われましたし、さらにその後、同十六年四月には、日本政府が重大な関心を有する犯罪についての身柄引渡しも排除するものではなく、日本側がそれを要請した場合には米側は十分に考慮すること等が確認をされまして、運用の見直し、改善が行われてきているところではあります。 そこで、こうした運用の実態も含めて、現行の刑事裁判権について定めた十七条に関する運用につきましては、NATO地位協定、ボン補足協定及び米韓地位協定に比べまして、その扱いに遜色があるのかないのか、外務省に認識をお尋ねいたします。
○政府参考人(森健良君) 今委員から御指摘いただきましたとおり、刑事裁判権について、十七条、これについては累次運用の改善を図ってきております。御指摘いただきましたとおり、平成七年の合同委員会合意、あるいは平成十六年合同委員会合意でその前進が見られたところでございます。 これを前提にいたしまして各国との比較でございますけれども、これは、地位協定といいますのは、協定そのものの規定ぶりのみならず、実際の運用や背景を含めた全体像の中で考えるということですので、一概に論ずることは困難でございます。ただ、その上であえて申し上げますと、日本側に第一次裁判権がある犯罪についての被疑者の拘禁については、今のその平成七年の合同委員会合意に基づいて起訴前の拘禁の移転が実際に行われてきております。このような拘禁の移転が行われている例は、米国と我が国という関係以外にはないものと承知しております。 ボン補足協定におきましては、ドイツが第一次裁判権を有している犯罪についても原則としてドイツは裁判権を放棄する、そういうことが定められてございます。そして、ドイツが実際に第一次裁判権を行使するケースにおいても、被疑者の拘禁のドイツ外への移転は判決の執行時とされてございます。また、米韓地位協定については、被疑者の拘禁の韓国外への移転は、従来判決の執行時とされておりましたものを、二〇〇一年の改正により十二種類の犯罪に限って起訴時とされたと、こういう状況でございます。 こうした点を踏まえますと、日米地位協定の刑事管轄権に関する取扱いが他の国と米国との地位協定に比べて不利になっているということはないというふうに考えております。
○荒木清寛君 終わります。
○井上哲士君 日本共産党の井上哲士です。 まず、お手元に配付しました京都新聞の一昨日、三月三十日付けの記事に関してお聞きいたします。(資料提示) この記事では、一面のトップで、南スーダンPKOに派遣をされた陸上自衛隊の宿営地に二〇一三年十二月に着弾した銃弾を陸上自衛隊の福知山駐屯地で展示していると大きく報道をしております。展示された銃弾の写真も掲載をされているわけでありますが、日本隊宿営地に着弾した五・四五ミリ小銃弾、平成二十五年十二月十六日未明と明記をされております。 これ、防衛省は承知をされていたのか、一体何のために展示をされていたのか、まず事実関係を明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(中谷元君) 当時派遣をされていました南スーダン派遣施設隊第五次隊長などからこれまでに事実関係について聞き取りを行ったところによりますと、二〇一三年十二月十六日頃、日本隊宿営地において銃弾一発が落ちていたのを警備担当者が発見をしたものの隊長及び副隊長に対しては報告をせずに、その約半年後の二〇一四年六月十八日に五次隊がジュバを離れる数日前に、警備担当者から同隊長に対して当時銃弾を拾っていたとして現物とともに報告がありました。当該報告を受けた同隊長は、当該銃弾を後進の隊員教育、また啓発用に持ち帰るべきだと判断をいたしまして、私物品とともに日本に持ち帰り、駐屯地司令を務めることになりました陸上自衛隊福知山駐屯地の資料館、ここに展示をされたものであると承知をいたしております。
○井上哲士君 つまり、現地の隊長は知っていたということですね。そして、福知山の駐屯地も当然把握をした上でこれをやっていたと。 本省は知っていたんですか。
○国務大臣(中谷元君) 承知をしておりませんでした。
○井上哲士君 私は、こういう宿営地に着弾をしていたということがそういう扱いをされていた、そして、それを隊員の教育のために持ち帰って展示をする、この感覚、どれを見ても極めて異常だと思うんですね。 しかも、この記事をめぐって様々な報道がありますが、現地ではもう十二月の十五日から大統領派と副大統領派の武力衝突が始まっておりました。この記事では、統合幕僚監部の報道官室の説明として、同日、つまり十六日の午前一時過ぎに首都ジュバにある宿営地で複数の自衛官が銃声を断続的に聞いたとしつつ、隊員の安全や警備上の問題から銃声音の公表は差し控えていたと、こういうふうにしておりますけれども、これは事実でしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 当時の模様でございますが、当時、小野寺防衛大臣でございました。当時、南スーダンの施設隊の第五次隊長から、現地時間の十二月十五日深夜から十六日早朝にかけてジュバ市内で銃撃音が確認されたと、これはテレビ会談で報告を受けておりまして、翌十二月十七日の小野寺防衛大臣の記者会見でもその旨公表いたしているわけでございます。
○井上哲士君 今朝の朝日では、同じ報道官室のコメントが出ておりますけど、南スーダンでは銃声が聞こえることが多く、自衛隊員の安全が脅かされる事態ではないと認識していると、だから公表しなかったと言っているんですよ。もう一個の記事は、隊員の安全上の問題から公表しなかったと。今朝は安全上問題がないから公表しなかったと、全く正反対のことを言っているんですね。 これ、どうなっているんですか。
○国務大臣(中谷元君) 事実、銃撃音が聞こえたという点におきましては報告を、現地から報告を受けまして、その翌日の記者会見で大臣が銃声を確認されたと報告をいたしております。 報道されているような銃声音の公表は差し控えていたとする統幕の報道官の回答がございましたが、これは適切でなかったと考えております。
○井上哲士君 統幕の報道官という広報上の重要なところが、こういう宿営地で銃砲を聞いたとかという安全に関わる重大な問題で公表の基準が全く違っていた、そして言うことも違っている、大臣が言われたこととも違うと。そして、そもそもこういう着弾したと思われる銃弾を拾って、それを持ち帰った方がいいだろうと許可をしたと。一体どうなっているのかということになるんですね。 衆議院の質疑で、この間防衛省から提出された二つの内部文書が議論になりました。陸上自衛隊の研究本部が作成をした南スーダンの派遣部隊に関して二つの教訓要報という文書でありますが、この中で、この十二月の十六日以降、一月五日には宿営地の近傍で発砲があって、自衛隊は全隊員が防弾チョッキと鉄帽、鉄の帽子を着用することにしたと。そして、一月八日には派遣施設隊長が緊急撤収計画も決裁をしてきたと、こういうことも明らかになりました。そして今回、十二月の十六日にこういう宿営地に着弾をしていたと。 こういう事実は、政府がこの間言っていた、南スーダンはおおむね平穏で停戦合意などのPKO五原則は守られていると、こういうことはもう全く成り立たないということを示しているんじゃないですか。いかがですか。
○国務大臣(中谷元君) 十二月の十六日当時の状況につきまして、これは大臣の方から記者会見で、現地の情勢として銃撃音が確認されたと、これは発表をいたしております。 この銃弾の着弾等の報道等につきましては、聞き取りを行ったわけでございますけれども、当時の隊長が、この事実関係におきまして、現状において、当時、この宿営地におきましては、非常に、相当の厚さの防弾壁、また高さ、こういうものを準備しておりまして、この報告を受けた同隊長は、日本の宿営地の警備上の構造の関係から、この自衛隊の宿営地を直接狙って銃撃を行うということは極めて困難な状況でありまして、深刻な状況でなかったと認識をしたために、この後、拾っていたということを受けた隊長は、深刻な事案ではなかったと認識したために特段の報告を防衛省に行わなかったという報告を受けております。
○井上哲士君 私は、宿営地に銃弾が落ちていたと、今いろんな判断があったと言われましたけど、それ自身が問われると思うんですね。 大臣は、そういう判断を現地でしたこと、そして、これを後進の教育のために持ち帰るということをしたことは正しかったと、それとも間違えたと、どっちなんですか、どうお考えですか。
○国務大臣(中谷元君) この点につきましては、適切でなかったと思っております。 しかし、安全であるかどうかという判断につきましては、常に現場において報告を聞きまして当時の防衛省としては判断をしたことでございますし、この隊長も、その事件、そういう事案から半年たって、帰隊する際にこれが報告されたということでありまして、その当時の警備の構造などの関係から、日本隊の宿営地を直接狙って銃撃を行うということは極めて困難な状況でありまして、深刻な事案でなかったと認識するためにこれを防衛省に行わなかった結果でございます。
○井上哲士君 私は、そういう事態が起きながら深刻でないなどとその場で判断をした、そして報告もしなかった、そのことが深刻だと思いますよ。 この間、ジュバを中心とした地域は平穏が保たれていると大臣繰り返し答弁されまして、常時現場に派遣されている要員から治安状況や安全状況の報告を受けていると繰り返し答弁されてきました。しかし、その報告自体がまともに行われていなかったということなんですよ。そして、この報道官も、事態について、先ほどありましたように、安全のためとか、安全の問題はないからと、全く違う理由を言って公表していなかったという、事実とも違うことを言っていたと。でたらめじゃないですか、これ。 そして、帰国した部隊が堂々と、こんなものが宿営地に来ましたということを、その弾丸を展示をしていると。こんな危険なところで私たちはやっているんですよと、そういうことを堂々と展示したわけですよね。だから、そもそものPKO五原則の問題であるとか、いろんなことに対して全く認識が上から下まででたらめということを私は示していると思うんですよ。 ですから、現地からの報告、常々受けていると言っていますけれども、これ正確性、信頼性に全く疑問を持たせるんですね。こんな状態でどうして治安が保たれると、大臣、明言できるんですか。
○国務大臣(中谷元君) 状況認識、その都度都度判断するものでございますが、一連の状況を見て、当時の派遣の状況から、現地の情勢に対する報告を聞きまして、PKOの五原則、これは崩れたものではなかったと判断をされたわけでありますが、私はこれは適切な判断であったと考えております。 また、この隊長が、帰隊のときに、半年たってこの報告を受けたわけでございますが、当時隊長はこの宿営地の構造などを考えましてそういう報告を受けた際に深刻な事案でなかったと認識したために特に報告を行わずに帰隊をしまして、その展示に及んだわけでございますが、現地の情勢等を隠蔽するような、そのような事実はなかったものだと承知をいたしておりますが、こういった事案等につきまして報告がされなかったということは事実でございますので、そのこと自体は適切さを欠く行為であったと考えますが、全体として見れば、現地の派遣施設隊から適切に現地の情勢に関する報告がなされていたと考えております。
○井上哲士君 なぜ全体として適切と言えるのか、全く今の説明聞いて分からないわけですね。 これ、深刻と思わなかったという判断をした、そのこと自体が深刻でありますし、そして、その後の一連のことを見ても本当に深刻な事態ですよ。これで現地で本当に安全が守られるのか、こういうPKOに新しい任務を付して、一体、隊員の安全も、そしてまた、今度は場合によっては現地の人を殺傷するということもあり得るわけでありますから、極めて重大なことが起きていると私は思います。 改めて事実関係をきちんと整理をし、委員会に報告をいただきたいと思いますが、協議をお願いいたします。
○委員長(佐藤正久君) 本件につきましては、後刻理事会で協議をさせていただきます。
○井上哲士君 その上で、思いやり予算の問題について聞きます。 昨年十一月の財政制度等審議会の建議でも、先ほどもありましたように、厳しい財政状況の下、財政健全化を進める中で、在日米軍駐留経費負担についても聖域視することなく見直しを行い、その縮減を図る必要があると指摘をしておりますが、にもかかわらず、実際に合意された特別協定では、五年間の経費の総額が百三十三億円も増えて年平均千八百九十三億円となりました。 なぜこういうような結果になったんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、今般のこのHNSの規模の評価に当たりましては、やはり試算のベースとなる賃金水準が同じである今年度、平成二十七年度の予算と比較するのが適当であると考えます。そして、その同じ試算のベースに基づいて比較をいたしますと、おおむね今般のHNSは今年度の予算額と同水準であると認識をしています。ただ、同水準であるこの水準も、ピーク時、平成十一年度と比較いたしますと約三〇%減の水準であると認識をしております。 全体の額の評価については今申し上げたとおりでありますが、あわせて、今回の協議に当たりましては、厳しい財政状況を踏まえること、これは当然でありますが、安全保障環境の厳しさ、さらには在日米軍の役割の増大、そして在日米軍の円滑かつ効果的な運用を支えているこのHNSの重要性、こういったものをしっかりと認識し、何よりも国民の理解を得るべく、めり張りのある協議を行ったということであります。MLCは増やしましたが、この労働者は減らす、あるいは経過措置も段階的に廃止する、そして光熱水料等につきましても負担割合を下げる、こうした内容においてめり張りを付けた次第であります。 量においても、また質においても、米側と真剣な協議を行った結果が今回のこの負担の規模になったと認識をしております。
○井上哲士君 実際にどれだけ払うかが問題でありますから、五年間では百三十三億円増えるんですね。 〔委員長退席、理事塚田一郎君着席〕 そして、ピーク時から減っていると言われましたが、これ財政審の中でも、この米軍再編経費はFIPと同様の効果が認められる、ですから合わせると在日米軍の駐留等に係る我が国の経費負担は急激に増加していると、こういう指摘をしております。 今、めり張りを付けた、IHAは減らしたと言われました。娯楽施設で働く労働者の労務費負担、これは娯楽施設自身を負担することも含めてこの間問題になってきたわけですから、これは私は当然だと思うんですね。しかし、財政審は、このIHAとMLCなど職種を問わずに問題にしています。こう指摘しているんですね。基地労働者の基本給は本来地位協定に基づいて米軍が負担すべきものであり、廃止も含めて縮減を図る必要があると、IHA、MLCを区別せずにこう指摘をしております。にもかかわらず、MLCは増加をし、全体でも特別協定締結以来初めて増加をしたわけで、この建議とは全く逆行しているわけですね。 主張すべきことは主張していると、こう言われますが、米国に対して、本来労務費というのは米軍が負担すべきものなんだと、こういうことは正面から主張されたんでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、基本的な考え方としましては、この日米地位協定の原則、この原則は原則としながら、我が国としましては、必要な対応を図るために特別協定を結ぶという方針でこの問題に従来から臨んできました。原則は原則でありますが、現実の安全保障環境の中において、在日米軍を円滑的にそして効果的に、そしてなおかつ安定して運用するためにはどうあるべきなのか、こうした観点から米側と協議を行い、その結果として、この労務費等につきましても先ほど来答弁させていただくような結果になった次第であります。 〔理事塚田一郎君退席、委員長着席〕 財政上の観点、大変重要であります。国民の理解も大変重要であります。しかし、この厳しい安全保障環境の中にあって、日米同盟を支える在日米軍を円滑かつ効果的に運用するためにどうあるべきなのか、こうした点もしっかり議論した上での結果であると認識をしております。
○井上哲士君 原則は原則としてと言われましたが、要するに、これは本来アメリカが負担するものだと財政審でも指摘をされたことについての主張はまともにしていないということが今の答弁で私はよく分かりました。 その上で、現在、駐留軍等の労働者のうち日本が労務費を負担している割合はどれだけになっているのか。それから、今回新たにこのMLCの部分を増やすわけでありますが、米側が増やす労働者のうちどれだけの部分を日本が負担をすることになるんでしょうか。
○政府参考人(中島明彦君) お答え申し上げます。 在日米軍施設・区域におけます駐留軍等労働者の労務費につきましては、特別協定に係る米側との協議におきまして日本側が労務費を負担する上限労働者数を定めているところでございまして、この上限労働者数を超えた部分の労働者に係る労務費、これは米軍が負担することになるわけでございます。 現行特別協定期間における駐留軍等労働者の実際の人数と日本側の上限労働者数を比較した場合、平成二十八年、今年の一月末日現在の数でございますが、在籍者数が二万五千四百十四人であるのに対しまして、日本側の負担する上限労働者数、これは二万二千六百二十五人になっております。したがいまして、これを除しますと、日本側としては全労働者数の労務費のうち約八九%を負担しているところでございます。 新たな特別協定期間中、これは平成二十八年度から三十二年度になるわけでございますが、日本側の上限労働者数、これは二万二千六百二十五人から二万三千百七十八人に段階的に五百五十三人増加させることとなっております。他方、この期間におけます駐留軍等労働者の実際の人数につきましては、米側における例えば業務の効率化あるいは職域の見直しといったことにより増減するということがございますので、現時点におきましてこれの日本側負担割合をお示しすることは困難ということでございます。
○井上哲士君 衆議院の答弁で、横須賀、佐世保では四百六十人増えると、こういうふうに言われておりますが、報道によりますと、米軍は横須賀では非アメリカ国籍で三百五十一人増員すると発表しておりますので、横須賀、佐世保、合計四百六十人ということになりますと、ほぼ増加分は日本が丸々負担をするという中身なんだろうと思うんですね。 先ほど来、リバランス政策による最新鋭の兵器をアメリカが配備をする、これへの対応だと、こういうふうに言われるんですね。しかし、アメリカの軍事戦略の変更というのは、あくまでもアメリカが自分の国の利益のために自分の国で判断をするんですね。同盟国にいろんな負担を求めるということはありますけれども、あくまでもアメリカがそういうことで判断をし決めてきたということは皆さんもよく御存じのことだと思います。しかも、このリバランス政策自身は、日米安保条約の範囲をはるかに大きく超えた広い範囲を対象にしているわけですね。 これ、衆議院の答弁見ていますと、リバランスに伴った装備の維持や整備、また司令部等におけます各種事務に従事する労働者につきましては、米軍の機能発揮を直接支える存在であるということも勘案をして負担をすると。これ、逆だと思うんですね。米軍の機能発揮を直接支える存在というのは、これ米側が負担するのは当たり前じゃないでしょうか。なぜ、これを日本が負担をする、こういうことになるのですか。
○国務大臣(岸田文雄君) 米国のリバランス政策は、アジア太平洋地域の平和と安定の礎であると考えます。この地域の安定は、米国にとっても大きな利益でありますが、何よりも、このアジア太平洋地域にある我が国にとりましてもこれは大変大きな利益であります。 そして、日米同盟は、この地域の安定にも資するわけですが、我が国の外交・安全保障政策においても基本となる関係であると考えます。こうした関係を支えるということ、これは、米国の利益のみならず我が国にとりましても大変大きな利益であり、国民の命や暮らしを守るために大変重要であると認識をしております。 こうした日米同盟において、在日米軍の活動、誠に重要なものがあります。この在日米軍の活動を円滑的かつ効果的に支えるためのHNSですので、これを両国でどのように負担していくのか、これは様々な観点を総合的に議論した上、日米の間で合意していかなければなりません。 こうした全体を考えますときに、日本側が労働者につきましてこの労務費を負担するということ、これは当然あり得る話であり、そういったことから長年にわたって日米の間で日米地位協定の原則に基づきながらも特別協定を結び、両国の負担を明らかにしてきた、こういったことであると考えます。 日本が労務費等を負担する意味合いにつきましては、このように考えている次第であります。
○井上哲士君 当然あり得ると言われましたけれども、外務大臣は、衆議院の答弁でも繰り返し、安保条約の五条と六条で日米間の義務のバランスは取れていると、こういうふうに言われているんですね。バランス取れていると、日米間で、既に安保条約で。にもかかわらず、条約上の義務のない労務費の負担をし続け、更に増加するという説明には私は今全くなっていないと思います。 これ、世界から見ましても日本の負担は異常でありまして、これもお手元に資料を配付しておりますが、これは二〇〇四年にアメリカが発表して以来出ておりませんが、それ以外の情報を入れて財政審に出された資料でありますけれども、米軍駐留国における経費負担の国際比較を見ますと、日本は約七五%で突出をしております。労務費でいいますと、ドイツ、イタリアは全て米側の負担と。韓国は、米韓分担をしておりますけれども、しかし上限があって、現状でいいますと七一%の負担となっているわけですね。日本のように突出して負担をするところはありません。 何でこういう違いが出るのかと。衆議院の答弁などでは、国ごとに様々な事情があって単純に比較できないということでありますが、それでは国民は納得できないわけで、具体的にどういう事情が違うのか明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) これまでも度々答弁させていただいておりますように、各国の負担している米軍駐留経費の規模、単純な比較及び評価、これは難しいと考えています。 その理由ですが、各国の置かれている安全保障環境そのものが実に様々であります。その中にあって、各国が自らの予算の中から防衛費として拠出している金額、これも様々であります。そもそも経費として計上する範囲、これも国によって様々です。そして、比較する際に当たりまして、各国は米軍の駐留経費について明らかにしている国、明らかにしていない国、様々な国があります。その中で、例えば日本と同じように特別協定を結んでいる韓国との比較においても、在韓米軍の規模は約二万五千人ですが、我が国の場合の在日米軍の規模は約五万二千人ですので、そもそも金額だけ比較してもこれは意味がないわけであります。 このように、この金額を見て各国と比較するというのはなかなか難しいということは是非御理解いただけるのではないかと考えます。
○井上哲士君 私は負担割合を問題にしているんですよ。日本は七五%、この表で見ましてもドイツは約三三%、イタリアは四一%。これはアメリカ自身が言っているんですね。二〇〇八年六月のアメリカの下院公聴会でアルビズ国務副次官補が、アメリカのどの同盟国よりも日本がホスト・ネーション・サポートの領域ではどんな基準を取ってみても寛大なものだと、こういうふうに証言をしているんですね。 アメリカには寛大かもしれませんけど、国民にとっては一方で暮らしや福祉の予算が削られてきていると、こういうことでありまして、これはとても国ごとのそれぞれの事情とか単純に比較できないということで国民の理解が得られるものではありません。 日本も最初からこういう負担をしていたわけではないわけですね。条約上は労務費の負担の義務はないと。ところが、八七年に特別協定で一部負担が始まって、その期限も終了しない九一年に新しい特別協定が結ばれてこれが続いているわけでありますが、なぜこの九一年から新特別協定になったのか。 九〇年の湾岸危機に当たって日米首脳会談で自衛隊の派兵ができないと拒否した際にブッシュ大統領からこういう負担を求められたと、こういう経過だったと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国はこのHNSに関しまして、日米地位協定の原則に基づきながらも、昭和六十二年度以降、特別協定を締結して負担を行っている、こうしたことであります。そして、その後、一九九一年の特別協定について今委員の方から御質問をいただいたわけですが、この一九九一年の特別協定におきましては、当時の日米両国を取り巻く諸情勢を総合的に勘案した上で、暫定的、限定的、特別的な措置として特別協定を締結し、駐留軍等労働者の基本給を含む経費を負担することとしたものと認識をしております。我が国として諸情勢を総合的に勘案した上で、まずは自主的な判断を行い、そして米国との協議を行った結果であると認識をしております。 そして、委員の方からただいま湾岸戦争との関係について御指摘がありましたが、当時、政府としましては国会で様々な答弁をさせていただいております。今申し上げました諸情勢を総合的に勘案したと申し上げた中の諸情勢の中には湾岸危機発生以降の問題は含めない、こうした答弁を政府として当時させていただいている次第であります。
○井上哲士君 国民に絡めると言うと大変なことになりますからそういうことを言われたんだと思います。 ただ、最近、九〇年の九月二十九日の日米首脳会談の記録がアメリカ側から公開をされておりまして、なかなか生々しい話をしているんですね。当時の海部俊樹首相が自衛隊の中東派兵は憲法解釈上できないと、こう主張しますと、ブッシュ大統領が憲法上の制約を全面的に理解すると応じたと。そして、その上で、もし接受国支援を九一年に増大すれば我が国に良いシグナルを送ることになるだろうと、こうブッシュさんが言ったと。それに対して海部さんは、米国のために最大限努力すると、こう応じたと。こういう生々しい記録が会談記録としてアメリカから公開をされているわけでありまして、私は指摘したとおりだと思うんですね。 聞きますけれども、じゃ、この九一年以降、日本側が負担をした労務費の総額は幾らになるでしょうか。
○政府参考人(中島明彦君) お答え申し上げます。 防衛省といたしましては、駐留軍等労働者の安定的な雇用の維持を図り、もって在日米軍の効果的な活動を確保するということで、労務費の負担を行ってきているところでございます。 その駐留軍等労働者の基本給など、手当も入りますけれども、これは、一九九一年、平成三年に締結されました特別協定におきまして、上限労働者数の範囲内で日本側が五年間で段階的に全額を負担していくこととされたところでございます。その後、一九九六年、平成八年に締結されました特別協定以降、現協定に至るまで同じく上限労働者数の範囲内で日本側は全額を負担してきております。 この中で、日本側が負担する基本給等につきまして、一九九六年以降、毎年おおむね約千二百億円前後となっているところでございます。この結果、日本側が負担した労務費の基本給と一九九一年、平成三年から二〇一五年、平成二十七年までの二十七年間、これを掛け合わせますと、総額約二兆七千五百億円となっているところでございます。あっ、二十五年間でございます、失礼いたしました。
○井上哲士君 九一年以降、前のことも含めますと、約三兆円が支払われてきたということなんですね。 当時、この特別協定に基づく負担については、八七年に労務費負担が始まったときに、一時的、暫定的なものだと、五年たったら廃止になると、こういう明確な答弁をしていたわけですね。財政審も、当時は円高と米側の財政困難という事情があったけれども、今は円安で米国の負担は軽くて日本の財源は大変厳しいとして縮減を求めてきております。そして、先ほど言ったように、湾岸危機のときの自衛隊派遣が国民の反対の中で行われないという中で、事実上その代わりにこういう労務費の全額負担が始まりました。 我々は反対でありますけれども、少なくとも、政府は、政府の立場からすれば、安保法制で自衛隊の活動を広げたと、そういうことでいえば、むしろこれは縮減すべきだと、もっと減らせという主張をするのが当たり前だと思うんですね。それが結果としてこういうことになったということは到底認められないということを申し上げまして、質問を終わります。
○委員長(佐藤正久君) 防衛大臣は御退席いただいて結構でございます。
○浜田和幸君 日本のこころの浜田和幸です。 冒頭、岸田外務大臣に、先週のこの委員会で、ワシントンの駐在武官の山本氏が尖閣に漁民を装った中国の解放軍が上陸している証拠があるということを発言されたということがロシアのスプートニクに出ていた、御確認いただいて山本武官はそういう発言はしていないと。そこで、ですからスプートニクに対しては訂正を申し入れるということをおっしゃっていただきました。 今朝、スプートニク確認してきたんですけれども、相変わらず訂正がなされておりませんので、是非引き続き強力な訂正要請をしていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘の発言については、たしか米国のマスコミでそのインタビュー記事が掲載され、それをロシアのマスコミが引用するという形の情報の伝わり方であったと思います。そして、それが事実に反するということで訂正を申し入れたということであります。 ちょっとその今現状についていま一度しっかり確認した上で、必要であれば日本政府としてしっかり訂正を申し入れたいと思います。
○浜田和幸君 是非お願いしたいと思います。これは後の質問にも関係するんですけれども、アメリカのディフェンス・ニュースという専門誌が山本武官の発言を引用し、それがさらにロシアのスプートニクが記事にしているという状況であるんですね。 その背景には、二十八日から与那国島で陸上自衛隊、これの駐屯が始まって、レーダーサイトが運用されるようになるとか、そういうことに関連しての山本武官に対するインタビューという形式を取っているんですね。それが実際とはかなり違うということであれば、いわゆる情報戦においてもこれはやはりおかしいということを世界に訴える必要があると思います。 それで、最初の質問なんですけれども、ロシアが、北方領土、我が国の北方領土に対してロシアの海軍基地を建設するんだという報道がなされましたよね。ロシアの国防大臣が直々にそういう発言をされて、最新のミサイル防衛システムとドローンを北方領土に配備するんだと。 なぜこの時期にそういうような発言をロシアの国防大臣がされたと分析しているのか。また、我が国政府はそういう発言に対して厳重な抗議をされたと承知していますが、そのことに対するロシア側の反応はいかがだったんでしょうか。
○政府参考人(相木俊宏君) お答えを申し上げます。 ショイグ・ロシア国防大臣の発言につきましては承知をいたしております。政府といたしまして、北方四島におきますロシア側の動向については常に注視をしておりまして、情報収集を含めて適切に対応しておるところでございます。 ロシア側への申入れでございますけれども、二十八日、外交ルートを通じましてショイグ国防大臣の発言を懸念しているというふうに伝えつつ、これが北方四島におきますロシアの軍事インフラの強化につながるということであれば我が方の立場とは相入れず遺憾である旨を申し入れたところでございます。これについて今のところロシア側から特に反応はないところでございます。 それから、この意図というところでございますけれども、今回の発言におきまして、ロシア側が日本との関係においてどのような意図を有しているかということについては外務当局としてはコメントを差し控えさせていただきたいというふうに思いますけれども、いずれにいたしましても、北方四島におきますロシア側の動向につきましては常に注視をしておりまして、情報収集を含めまして今後も適切に対応していく所存でございます。
○浜田和幸君 そういう状況であれば、五月には安倍総理がロシアを訪問されて、日ロの首脳会談が一応準備中だと承知しております。それに先立って岸田外務大臣とラブロフ外相の会談も当然行われるのではないかと思うんですが、こういうロシア側の一方的な我が国の領土に海軍基地を建設して最新鋭のミサイル防衛システムを導入するというような状況下において、日ロの首脳会談が行われるんでしょうか。その辺りについての見通しをお聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) 戦後七十年以上たち、解決していない北方領土問題、そして平和条約締結問題、これは日ロ両国にとりまして最大の懸案であると認識をしています。そして、御指摘の点も含めて、この問題をめぐりましては様々な動きがあり、様々な議論があります。 しかし、こうした大変難しい問題であるからこそ、この問題を解決するためには高い政治のレベルでの対話なくして解決にこぎ着けることはできないと認識をしております。難しい問題があるからこそ、この政治の高いレベルにおいて率直に意見交換を行い、対話を行い、そしてこの問題をどう解決するか知恵を絞っていく、こういった姿勢が重要であると認識をしております。 首脳間においても、一月の日ロ首脳会談におきまして、プーチン大統領の訪日前のしかるべき時期に安倍総理がロシアを非公式に訪問するということで一致をしております。そして、ロシアのラブロフ外相も四月中旬に訪日をするということで今調整を進めています。 是非、こうした機会を捉えまして政治の高いレベルでの対話を積み重ね、この問題について前進を図り、今年、日ロ関係を大きく前進するきっかけにしたいと考えます。
○浜田和幸君 是非、そういう日ロ関係、七十年も戦争状態が続いている、平和条約が結ばれていないわけですから、何とか早急にそういう状況を平和的に解決する必要があると思っています。 ただ、そういう一方で、既成事実を積み重ねていくというロシア側の動き、その一環として北方領土に海軍基地を建設するという動きもあると思いますし、また、それと連動する形で中国が南シナ海あるいは尖閣周辺においても様々な軍事活動を強化しているわけですよね。これは見方によっては、中国の動きとロシアの動きがもう何か水面下で連動しているんじゃないかと。日本が何も効果的な対応をしないから、既成事実を積み重ねていけば尖閣周辺、また広く南シナ海全体、また北方領土を含むオホーツク海全部が彼らにとっては自由に利用できるような状況になる。 何かロシアと中国の連係プレーのような気もするんですけれども、その辺りについて外務大臣はどのような分析、認識をお持ちでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 中国とロシアが連携しているのか、あるいは水面下で関係しているのかということにつきまして、確たることを申し上げるような立場には私はないと思っています。 ただ、ロシアそして中国共に我が国にとりまして隣国であります。こうした隣国との関係をしっかり安定させるということは、我が国にとって好ましい国際環境をつくっていく上で大変重要であると思います。それぞれとの関係をしっかり安定化させるために、それぞれとの対話、様々なレベルで様々な分野を通じて対話を積み重ねていく、こうしたことは重要なのではないかと思います。 是非、こうした重要な隣国関係を安定化させるために、外交の立場からも様々な努力を続けていきたいと考えます。
○浜田和幸君 対話の重要性ということは誰も否定する人はいないと思うんですが、一方で、対話を無視するような既成事実を軍事的な面で積み重ねている、ロシアの動きも中国の動きもそういう側面がありますよね。そういうものを放置しておいて幾ら対話、対話と言っても、結局日本の国益が損なわれてしまうということを危惧している、そういう国民はとても多いと思いますので、せっかくの対話のチャンネルがあるのであれば、その対話の結果、そういう違法な、現状を力で変えていくような、そういうロシアや中国の動きを封じ込めるということに是非知恵を絞っていただきたいと思います。 その観点で、在日米軍の問題なんですけれども、今、在日米軍だけではなくて、アメリカは海外に約八百の米軍基地を展開していますよね。それだけの米軍基地が世界中に運営されていながら、この七十年間見ても、テロですとかあるいは対立、戦争といったものは一向に減っていないどころか、いろんな意味で対立は激化している状況にあるような気もいたします。 そうなると、在日米軍を含めて、米軍の海外の基地というものの意味合いですよね、前線基地として抑止力を行使するんだという位置付けがされていますけれども、本当に抑止力があるのであれば、これだけ世界中で様々な問題が起こるということに対して説明が付かないと思うんですね。 一方で、それはやはり米軍の力がどんどん衰弱しているという点もあるでしょう。そうであるならば、日本として自国をしっかり守るのであれば、米軍との関係あるいは在日米軍の果たしている役割をもう少し費用対効果の面で改めて分析し直す必要があるのではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国の国民の命や暮らしを守る、そして平和や安定を維持していくためには、まずは外交を通じて好ましい国際環境をつくっていく努力をした上で、万が一に備えて自らの防衛についてもしっかりと備えをつくっておかなければなりません。それに、自らのこうした努力に加えて、この日米同盟に基づいて米軍の抑止力をしっかり維持していく、このことは我が国の全体の外交・安全保障体制の中で大変重要なことであると認識をしております。 是非こうした体制をしっかり維持していかなければならないと思っていますが、その際に費用対効果について考えるべきではないかという御指摘でありますが、当然のことながら、こうした体制を維持するためには国民の理解をしっかり得ていかなければなりません。我が国の厳しい財政状況についてもしっかり勘案していかなければなりません。 今御審議をお願いしているHNSも含めて、こうした考え方に基づいて、米国との間において具体的な日米同盟のありようはどうあるべきなのか、真剣に検討し続ける、こういった姿勢は重要なのではないかと考えます。
○浜田和幸君 米軍基地が果たす役割というものは一定の意味があると思うんですが、費用対効果という観点でいきますと、例えば、今アメリカで大統領選挙、過熱ぎみですけれども、共和党ではドナルド・トランプ候補が最有力と言われています。このトランプ候補の発言がいろんなところで物議を醸しています。もちろん、外務省でも、将来トランプ大統領が誕生するという可能性を念頭に置いて、トランプ氏の発言ですとか政策について今慎重に検討されているという具合に承知をしています。 その中で、特にこの米軍基地、在日米軍基地との関連でいうと、日本が自分の国を守りたいのであれば自国で守るのが当然だと、もしアメリカの力を借りたいのであればしっかり費用分担をしてくれと。ただ、問題は、トランプ候補が言っている日本に対する費用分担というのは、ちょっと我々耳を疑うような金額なんですよね。我が国の防衛予算が五兆円であるにもかかわらず、二百兆円を超えるお金を分捕れるということを選挙キャンペーンの一環としてトランプ候補は言っています。 そういうようなことをもしアメリカが平気で言うような状況であれば、日本としてもしっかりとその費用対効果の分析して、先ほど来の、日本がこんなにホスト・ネーション・サポートで思いやり予算を計上しているのに全くアメリカの次の大統領を目指すような人がそれを評価していない、またそういう発言を多くのアメリカ人がもし支持しているとすると、これは根底から在日米軍基地の在り方を考えると同時に、我が国自身が自力で日本を守る、トランプ候補なんかは日本は当然核を持つべきだということを声高に主張されていますよね、そういうアメリカの今の動き、アメリカの日本に対する捉え方、外交の立場としてこういう流れを変えていく必要があるんではないかと思うんですけれども、大臣の所見をお聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、日米安全保障条約は、五条と六条の規定にありますように、両国の義務のバランスは取れていると認識をしています。また、日米同盟はアジア太平洋地域の平和と安定の礎であると認識をしておりますが、アジア太平洋地域の平和と安定、これは日本にとっても、また米国にとってもこれは大きな利益であると考えます。このアジア太平洋地域の平和と安定を支える日米同盟において大変重要な役割を果たしているHNSについても、しっかりと日米で努力をし、支えていかなければならないものであると考えます。 そして、こうした体制を安定して継続的に維持していくためには、両国の国民の理解が必要であります。米国において今大統領選挙が行われています。選挙の最中でありますので、私の立場からその一候補の発言についてどうこう言うことは控えたいと思いますが、誰が大統領になっても、我が国としましては、日米同盟は我が国の外交・安全保障政策における大変重要な基軸であると思っておりますので、しっかり維持していかなければなりません。そのためにも、引き続き米国の国民の皆さんの理解も得られるように我が国としても努力をすることは重要であると認識をいたします。
○浜田和幸君 是非、アメリカのみならず国際コミュニティーに対して日本が果たせる役割ですよね、一部にはやはり日本も自前の核武装をすべきだと、北朝鮮の脅威に対抗するためにはそういう日本の核を持つことが必要だと、トランプ候補なんかはそういうことを声高に訴えているわけですよね。ですから、日本がこれまで歩んできた平和外交の道からすると、それは、やはりここはしっかりと平和的な手段、外交努力によって世界の平和と安全を担保できるような仕掛けを考えるべきだと思います。 しかし、現実には、周辺国を含めて核の脅威というものが日に日に増大しているわけですから、そういう状況に対して向き合うには、日本も選択肢としては核を持てる能力はあるわけですから、そういうことを外交上巧みに生かすということも必要ではないかと思います。 そこで、次の質問に移りたいんですけれども、二〇二〇年、四年後に迫った東京オリンピック・パラリンピック、これを成功させるためには、外からの物理的あるいはサイバー空間を利用した攻撃に対してもしっかりとした防衛策というものが欠かせないと思います。 実際、どこの国とは言いませんけれども、様々な国が今、サイバーの世界で情報を盗んだり、あるいは相手国のインフラを攻撃することによって有利な経済状況を演出しようとしているわけですね。オリンピックというのは、まさにそういう意味では、世界中の個人、組織を問わずテロ集団にとっては腕の見せ場という、そういう見方もあると思われますので、オリンピックを成功させるための我が国のインフラに対する防衛対策ですね、もちろんアメリカともいろんな協議をされていると思いますけれども、今現状はどうなっていて、今のままで本当に安全、安心なオリンピックが成功裏に進めることができるのかどうか、現状の認識とサイバーテロに対する備えについての考え方をお聞かせください。
○政府参考人(谷脇康彦君) お答え申し上げます。 社会経済システムを始め、あらゆるものがネットワーク化されつつある中、個人情報の窃取、経済的な犯罪から重要インフラシステムの破壊に至るまで、国内外からのサイバー攻撃等によるリスクがますます深刻化している状況でございます。とりわけ我が国は目前に伊勢志摩サミット、また委員御指摘の四年後には東京オリンピック・パラリンピックを控えており、現下の厳しいテロ情勢に鑑み、サイバーセキュリティーの確保は極めて重要な課題であると認識をしております。 特に重要インフラの防御につきましては、近年、海外において電力施設を対象としたサイバー攻撃事案が発生するなど、深刻化をしております。我が国におきましてもこのサイバーセキュリティー対策の強化を図る必要があることから、本日朝開催をされましたサイバーセキュリティ戦略本部におきまして、重要インフラの情報セキュリティ対策に係る第三次行動計画の見直しに向けたロードマップを決定をしたところでございます。 この中では、重要インフラ事業者の経営層における取組の強化の推進などサイバー攻撃に対する体制の強化、情報共有範囲の拡大など重要インフラに係る防御範囲の見直し、国際連携等多様な関係者間の連携強化を柱とし、重要インフラ防御の更なる対策強化に向けこのロードマップに従いまして検討を進め、行動計画の見直しについて平成二十八年度末を目途に結論を得ることとしております。 さらに、安倍総理を本部長とする東京オリンピック・パラリンピック競技大会推進本部の下に設置されましたサイバーセキュリティワーキングチームにおきまして、関係組織の的確な情報共有を担うオリンピック・パラリンピックCSIRTの体制等の在り方について検討を進めておりまして、二〇一九年のラグビーワールドカップの開催時の稼働を目指しているところでございます。 これらの取組につきまして、引き続きNISCが中心となり、関係機関が緊密に連携をし一体となって推進をし、サイバーセキュリティー対策を強化をしてまいりたいと考えているところでございます。
○浜田和幸君 是非、サイバーセキュリティー対策をしっかり進めていただきたいと思いますし、これは政府機関だけでなく民間企業にとっても自分たちの知財を守るという意味では死活問題だと思うんですね。アメリカの暗号を使っている企業が多いと思うんですけれども、やはり日本独自の暗号システムというものにも早急に取り組む必要があるのではないかと思っています。 それで、岸田外務大臣にこれに関連してお聞きしたいんですけれども、安倍総理がこの件に関連して、サイバー攻撃を日本が受けた場合には反撃する自衛権があるんだということを総理はおっしゃっています。じゃ、具体的に今回もしオリンピックを機会にどこかの国がサイバー攻撃を仕掛けてきたような場合、日本政府とすれば自衛権を発動してその攻撃を仕掛けた国に対して反撃ができるのか、もし反撃をするとするとそういうような手段を今我が国は保有しているのかどうか、その辺りについてのお考えをお聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国が自衛権を行使し得るのかということでありますが、国際法上、自衛権を行使するためには武力の行使と認定されるものがなければなりません。ですから、このサイバー攻撃と今委員がおっしゃったものが国際法上武力の行使に該当するものであるかどうか、そういった認定ができるかどうか、これによって対応は変わってくるのではないかと思います。 ですので、具体的なことにつきましては、個別具体的に認定し、そしてそれに対する対応も考えていかなければならないと思いますので、まずは国際法上との関係において具体的な事態を把握することに努めた上でのことではないかと思います。
○浜田和幸君 オリンピックを妨害する、あるいは日本のインフラを混乱へ陥れるというようなサイバー攻撃というのは、これはどう考えても武力の一環ではないかと思われるんですけれども、それを今改めてもう一度、それは認識、どの程度のサイバー攻撃であればそれを武力攻撃とみなすのかどうか、その辺りの何か共通の認識がまだ得られていないような気がするんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 武力の行使として認定されるかどうかにつきましては、そのときの国際情勢とか具体的な他国の行動ですとか具体的な事実、こういったものを総合的に勘案して判断しなければなりません。一般論としてこれ以上は武力行使であると、武力の行使であるというようなことを一概に申し上げることは難しいのではないかと考えます。
○浜田和幸君 サイバー攻撃によって日本の経済が大きな被害を受けるということは当然想定されるわけですし、オリンピックを言ってみればむちゃくちゃにするようなことは、攻撃する側からすると、これはあらゆる手段を講じて目的を達成しよう、実際世界中のいろんなテロの現状を見れば十分そういうことはあり得るわけですから、これはもう柔軟に、そういう日本人の生命、財産、あるいは日本のそういう国家的なイベントが妨害を受けるというのは、もう明らかに武力の行使と受け止めざるを得ないと思いますので、そういう認識の下で対応策というものを今の時点から明らかにすることによってそれが抑止力につながるのではないかと思うんですけれども、改めてその点についてお考えをお聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) 東京オリンピック・パラリンピックを始め、我が国で様々な国際的な行事が今後予定されます。その際に、テロに対する対策あるいは御指摘のサイバー攻撃に対する対策、こうしたものはしっかりと準備しておかなければなりません。こうした様々な攻撃に対しましてしっかりと備えをつくっておく、このことが重要であり、万全の体制で臨んでいかなければなりません。 その上で、御指摘の自衛権を行使するかということについては、先ほど申し上げました国際法もしっかり念頭に置きながら個別具体的に判断しなければなりません。その前段階として、まずはしっかりとした備えを我が国として用意をしていく、このことが重要であると考えます。
○浜田和幸君 最後に、北朝鮮に対する経済制裁についてお聞きしたいと思います。 国連の経済制裁が発動されて、なかなか北朝鮮に対する包囲網が強化されていると承知していますが、これ中国経由だと報道されていますが、最近、日本のピアノ、ヤマハのピアノの中古品が北朝鮮で大変な人気を博しているということで、一台千五百ドルから八千ドルの高値で北朝鮮では取引がされていると。連日、これは二百台を超える輸送トラックが中国から北朝鮮に入っている。 これは、やっぱり国連が経済制裁を科していながら、そういうものを無視した国が存在している限り、我が国にとっても拉致の問題ですとか解決するに当たっては、せっかくの交渉、力に対しては力、行動に対して行動という原則が形骸化してしまっている。 要するに、諸外国で北朝鮮と何らかの取引をすることで利益が上げられるという国は、アジアの国を始めヨーロッパの国も、どんどん国連の決議案なぞは無視して北朝鮮と取引を重ねている、こういう実態を歯止めを掛けないと北朝鮮の動きを封じることはできないと思うんですが、そういう抜け穴を利用して北朝鮮と取引を続けている国あるいは企業、これは日本が直接関わっているわけではありませんが、日本の物品がそういうところで流通しているということに対しては、これはしっかりとした対策を講じるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(岸田文雄君) 北朝鮮による核実験、そして弾道ミサイルの発射、これは国際社会共通の脅威であると認識をいたします。そして、北朝鮮に対しましては、しっかりとした強いメッセージを発しなければならないということで、国連の安保理決議二二七〇号も新たに発出されたわけであります。そして、この安保理決議の実効性を確保すること、大変重要であるということは言うまでもありません。各国がしっかりと実効性の確保について努力しなければなりません。 御指摘の具体的な動きにつきましては、私は十分承知はしておりませんが、いずれにしましても、この実効性の確保において北朝鮮と深い関係があり、そして大きな影響力を持つ中国の存在は大きなものがあると認識をいたします。 ただ、中国を含めて国際社会全体で取り組まなければなりません。国連安保理の下に北朝鮮に対する監視を行う委員会、一七一八委員会というものも存在いたします。また、あわせて、専門家パネルも存在いたします。この安保理決議の実効性を確保するために、こうした仕組みにもしっかりと協力をすることによって、実効性の確保に我が国としましてもしっかり努力をしていきたいと考えます。
○浜田和幸君 各国との連携が必要だと思います。しかし、その反面、そういう連携の抜け道を使って、困っているから、困っている国にはビジネスチャンスがあるという具合な観点で取引をしている国が、組織があるのが現実の問題ですから、是非そこは、国際的な、せっかく国連でこういう決議を通しても、それが実効あるような形で、何らかの違反に対しては強力な罰則を設けるだとかそういうことをやらないと、日本にとっての親しい国、例えばイギリスですとかインドですとかそういう国も頻繁に北朝鮮に対しては物流という面ではビジネスチャンスを生かすという形で関与しているわけですね。百を超える国が平壌に活動拠点を設けて、人道的な支援という名目の下で様々な物品のやり取りをしている。アメリカの企業ですら、北朝鮮の安い労働力を使って、向こうで下請、孫請の仕事を発注している。また、中東の状況を見ても、マレーシアの企業が仲介をして北朝鮮の労働者をたくさん中東のインフラ整備事業に使っているんですよね。そこで外貨を獲得している。 ですから、そういう状況を、きっちりと情報をつかんで一つ一つ潰していかないと、日本にとっての北朝鮮の抱えている問題、拉致の問題等もなかなか前進しないと思われますので、是非最後に岸田外務大臣のそういう意味での、国際社会を本当に味方に付けるという観点での取組についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(岸田文雄君) 御指摘のように、国連の安保理決議の実効性を確保することは大変重要であると考えます。そして、先ほども答弁させていただきましたが、その国連の中に、この決議の実効性を確保するために、北朝鮮に関しまして情報を収集し、監視をし、そして勧告をする仕掛けが、一七一八委員会あるいは専門家パネル、それが存在するわけです。そして、我が国はこの専門家パネルにも一人人間を出しております。是非この仕掛けの中でこの決議の実効性をしっかり確保するべく努力、貢献をしていきたいと考えます。 そして、我が国としましては、核、ミサイルだけではなくして、拉致問題を含めて、こうした諸懸案を包括的に解決するというのが我が国の方針であります。拉致問題等につきまして、我が国もしっかりと努力をしなければなりませんが、国際社会の理解と協力、大変重要であると思います。国際社会の人権問題として、拉致問題もしっかり理解を得て、国際社会と協力をしていく、こういったことは重要であると認識をいたします。
○浜田和幸君 ありがとうございました。終わります。
○委員長(佐藤正久君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午前十一時五十五分休憩 ─────・───── 午後一時三十分開会
○委員長(佐藤正久君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○アントニオ猪木君 元気ですか。元気があれば何でもできる。寅さんはいないけど、今年もさくらはやってきたということで、今週は桜が満開です。 テレビ報道を見ていますと、不倫騒動で毎日明け暮れていましたが、何を勘違いしたか、私も風林火山に読み違えたのか、武田信玄の有名な、速きこと風のごとし、静かなること林のごとし、侵略すること火のごとし、動かざること山のごとし、何かそんな心境も含めて、毎日毎日報道を見ているとばかになりそうですけどね。 今日は、本題に入らせていただきますが、一九六〇年の日本とアメリカの日米地位協定ということで、六〇年というと、私がちょうどブラジルから師匠力道山に連れられてきた年でもあるし、大変私にとっても意義の深い年であります。そして、その二年後、一九六二年に沖縄に巡業に行きましたが、まだ返還前で、パスポート、そして正確に言えば渡航許可書ですか、そういうものをいただいて、それで空港から国際通りまで、当時、オープンカーなんかなかったのにオープンカーが、あれで行進をしましたら本当に皆さんが日の丸で我々一行を迎えてくれまして、そのときの感想を言いますと、何というのか、ちょっと日本と違う感じという、そういう異国というような感じもしましたが。そして、夜にはどこの基地だったか分かりませんが招待されまして、将校クラブで、当時、ステーキなんか食べられない時代なのにこんなでかいステーキを出してもらって、それで買物に行けばドル札で買物をしたり、本当に師匠が持っていた時計がローレックスで、それが欲しくて欲しくてしようがなくて、円をドルに替えてそれを買ったことを記憶しています。 本当にこの日米地位協定は、戦勝国、敗戦国が結ぶ協定ですから、当然戦勝国側に有利な内容となるのは、そこは理解できるんですが、戦後七十年たち、果たして現在の国益や世界常識に合ったものなのか、そろそろ見直す時期も、見直すというか、もう遅いくらいではないかと思いますが。そういう意味では、同じ敗戦国であるドイツは駐留NATO軍との地位協定を三回も改正して、先ほど浜田議員からも質問が出されましたが、その改定によりドイツ国内法にほぼ全てが適用され、NATOに対して遵守義務を課しているそうです。日本とドイツでは多少事情が異なりますが、時代に合わせた改定をするという点では見習うべき点があると思います。 まず、警察権、航空権についての改善が必要だと考えますが、外務大臣にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(森健良君) お答えいたします。 日米地位協定は、協定そのものに加えまして数多くの合意を含んだ大きな法体系でございます。政府としては、手当てすべき事項の性格に応じて効果的かつ機敏に対応できる最も適切な取組により不断の改善を図ってきているところでございます。 例えば、御指摘の刑事分野では、日本側に第一次裁判権がある犯罪についての被疑者の拘禁につきまして、起訴前の拘禁の日本側への移転を可能とする一九九五年の日米合同委員会合意の枠組みがございまして、実際に同合意に基づいて起訴前の拘禁の移転が行われてきております。また、直近では二〇一三年十月に、米軍人等が起こした事件について米側での処分結果を被害者側にお知らせする新たな日米合意を作成したところであります。 また、航空分野では、二〇〇六年十月に、日米合同委員会において、米軍が横田飛行場で行っている進入管制業務の対象空域の範囲の削減につき合意し、二〇〇八年九月から、その削減された空域の管制業務を日本側に移管いたしました。また、二〇一〇年三月には、沖縄における進入管制業務の移管に関する日米合同委員会合意を作成し、同月、進入管制業務を日本側に移管したところでございます。 日米地位協定につきまして様々な御意見があることは承知しておりますけれども、引き続き、個々の問題について目に見える改善を一つ一つ具体化すべく最大限努力してまいりたいと考えております。
○アントニオ猪木君 次に、基地問題について質問をさせていただきますが、米軍基地が移設という、このところ大変な注目を浴びておりますが、先日同僚議員と沖縄の米軍基地について話をしたとき馬毛島の話が出まして、馬毛島に関しては昔から私も耳にしていたんですが、同僚議員が近々馬毛島の視察に行くという話も聞いております。 御存じのとおり、馬毛島の位置は種子島の西側位置、そういう位置で、昭和三十四年頃に農業と酪農を中心にした五百人ほどの島民が暮らしていたそうですが、現在はほぼ無人島になっているそうです。島は、十字路に整地され、滑走路を建設する可能性も視野に、次回、同僚議員。そういうことで、この馬毛島について今後どのような計画あるいはどのような可能性があるのか、内容が分かればお聞かせください。
○政府参考人(中島明彦君) お答え申し上げます。 現在、防衛省におきましては、南西地域における防衛態勢の充実のため、自衛隊の施設を整備すると同時に、その施設におきまして空母艦載機の着陸訓練、これを実施することにつきまして検討を進めているところでございます。その施設の整備場所につきましては、今先生から御指摘ございました馬毛島は、その地理的要因、また土地面積が十分確保できるといったことなどから検討の対象であるというふうに考えております。 防衛省といたしましては、現在、自衛隊の具体的な利用計画、これを検討するとともに、空母艦載機の着陸訓練の運用所要を満たし得るか否かアメリカ側と協議を行っているところでございます。また、検討の一環として、馬毛島の土地所有者のお考えも伺っているところでございます。 この件は、我が国の安全保障上の重要な課題であるというふうに認識しておりまして、できるだけ早期に実現できるよう、地元の御意見を十分に配慮しつつ検討を進めていく考えでございます。
○アントニオ猪木君 次に、青森県の三沢基地、日本で唯一、日米共同使用の航空自衛隊の基地となっておりますが、私も何回か三沢空港に降り立ったこともあります。共同利用ということになれば、そういうような費用対効果で考える、新しく基地を展開するよりも既存の基地を共同使用する方が合理的ではないかという考え方もあります。既存の施設ならば、新たな基地建設のトラブルや当該地の騒音、環境破壊のリスクを軽減できると思いますが。 一方、昨日報道でありましたが、ロシア軍の近代化の一環として、先ほど浜田議員からも質問がありました、新型地対艦ミサイルと無人機ドローン、北方領土に配置するという表明をしています。また、海軍基地建設を想定した調査を検討しているそうです。調査結果次第では、ロシア海軍基地が北方領土に建設される可能性も考えられますが、日本を取り巻く情勢は日々激変しており、世界情勢から見てもテロ標的になることも想定し、対策を取っておくべきだと思いますが。 防衛大臣にお伺いいたしますが、米軍基地移設ですが、沖縄に集中させるのではなく、全国へ分散させ、既存の自衛隊基地の共同利用を増やすか、日本の地理的特異から抑止力へつながると考えますが、大臣の見解をお聞かせください。
○政府参考人(前田哲君) お答えいたします。 米軍と自衛隊の基地の共同利用というお尋ねかと思います。 この問題につきましては、自衛隊基地及び米軍の施設区域の共同使用ということで、二〇一三年十月の2プラス2の共同発表、あるいは、昨年作りました新ガイドライン、これらにございますとおり、相互運用性の拡大、あるいは柔軟性、抗堪性の向上、そして地元とのより強固な関係の構築といった観点から、今後充実させるべき日米協力分野の一つであると、このように考えております。具体的な協力のやり方、方法等について、引き続き日米間で検討していく考えでございます。 また、委員、負担軽減の観点をおっしゃいましたけれども、これは必ずしも基地の共同使用ではないかもしれませんが、沖縄の負担軽減のために既存の自衛隊施設を活用する例といたしましては、嘉手納の飛行場周辺の騒音の軽減、これを図るために、この同飛行場の訓練を全国各地の自衛隊施設周辺に移転するプログラム、これ、航空機訓練移転のプログラムと申しますけれども、これがございます。 こういったことで、今後とも、沖縄の負担軽減に向けてできることは全て行う、目に見える形で実現するという方針の下で各種の取組を行っていきたいと、このように考えてございます。
○アントニオ猪木君 八九年のとき、議員をしていたときに、ロシア関係について、相当向こうの人たちとも突っ込んだ話もしたこともあります。 そこで、二〇一三年六月に沖縄市のサッカー場から百本以上のドラム缶が掘り出されました。この場所は、一九八七年に米軍嘉手納基地より返還された土地です。ドラム缶の中身からベトナム戦争で使用された枯れ葉剤と同じ成分が検出され、地元沖縄では、埋まっていた場所から元米軍基地であること、ドラム缶に枯れ葉剤を製造した大手メーカーの社名があったことから、米軍が処分に困り埋めたものだと考えております。この先、普天間基地が返還されたときに同じことが起こるのではないか、不信感を募らせていると思います。 まずは、汚染地区の復元を早急にすべきではないか、それは莫大な費用が掛かりますが、防衛大臣にお聞きしたいと思います。
○政府参考人(中島明彦君) お答え申し上げます。 まず、サッカー場におけるドラム缶の件ですけれども、昭和六十二年八月三十一日に一部返還されました嘉手納飛行場の返還跡地におきまして、平成十一年から沖縄市がサッカー場としての利用を継続しておられましたけれども、平成二十五年六月に、沖縄市が発注したサッカー場の人工芝の敷設工事の実施をしている中におきまして、地中からドラム缶が発見されたところでございます。 防衛省といたしましては、国の責任として費用負担をした上で、このドラム缶の付着物等の調査を含む原状回復の措置を実施しておるところでございます。調査について申し上げますと、これまでに発見されたドラム缶百八本の付着物の調査結果におきまして、ドラム缶の中に枯れ葉剤が存在したという証拠は見付からなかったとされておるところでございます。 引き続き、沖縄市のサッカー場で発見されましたこれらのドラム缶につきまして、沖縄市などと調整を行いつつ、適切に処分してまいりたいというふうに考えております。 それから、普天間の返還に関する件でございますけれども、沖縄県におきまして米軍から返還されました駐留軍用地につきましては、防衛省としては、跡地利用の特措法第八条に基づきまして、駐留軍の行為に起因するものに限らず、跡地の区域の全部につきまして、土地所有者に引き渡す前に、土壌汚染調査などの支障除去措置を講じてきておるところでございます。普天間飛行場が返還された際におきましても、同様に、土地所有者にお引渡しをする前に、ドラム缶の処分に限らず、土壌汚染調査などの支障除去措置を講ずることになるわけでございます。 いずれにいたしましても、防衛省としては、跡地利用の促進を図る観点から、沖縄県あるいは関係市町村などと調整しつつ、返還された駐留軍用地の支障除去措置に適切に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○アントニオ猪木君 是非、前向きの方向で対処していただきたいと思います。 次に非核三原則についてお伺いしますが、昭和四十二年、佐藤内閣の際に、兵器を持たず、作らず、持ち込ませずとの考えを四十七年に閣議決定されました。以前質問をさせていただきましたが、非核三原則は閣議決定ではありますが、法制化されていないということで法的拘束力がないのではないかと。持たない、作らないに関しては、日本が遵守すればいいことかもしれませんが、当然守られていくものと思います。 しかし、核を搭載した外国の船が日本の領海を通過することや日本に寄港することはどうでしょうか。可か不可か、根拠とともに具体的にお聞かせください。
○政府参考人(水嶋光一君) お答えいたします。 我が国は、核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずとの非核三原則を堅持しております。御指摘の核搭載艦船の我が国領海の通航につきましては、我が国としては国際法上の無害通航とは認められないというふうに考えております。 また、寄港につきましては、我が国の非核三原則は内外に周知徹底されておりますので、他国が友好親善の目的で軍艦を派遣することを希望する場合に核兵器を持ち込むということはそもそも想定されていないということだと考えております。
○アントニオ猪木君 本当に核の問題は難しい問題で、いつも答弁を聞くたびに本当かなというのが私の実感です。 最近、先ほども話題になりましたアメリカ次期大統領選のトップを走っているトランプさん、この前、予算委員会で写真を用意したんですが、髪切りマッチというのをアメリカのプロモーターと二〇〇七年にやったのがありましたが。その後、最初は泡沫候補かと言われたトランプさんがどんどん出てきて、もしかするとトランプさんが大統領ということもあり得るのかなと。 そこで、日本と韓国の核保有を排除しないという考え、先ほども質問がありました。拡大解釈をすると、日本に核保有を要望するという意味が含まれている可能性もあります。また、昨年、安保法制の議論の中で、中谷防衛大臣より自衛隊による核兵器の輸送も法文上排除していないという発言がありましたが、この一連の発言について、私は、日本の非核三原則が軽んじられているように思えてなりません。まずは、非核三原則は運ばずの条文を加え非核四原則として法整備をすべきだと考えます。 これまでの非核三原則が法整備されてこなかった理由と、今後、法整備に向け前向きに検討する考えがあるのか、併せてお聞かせください。
○副大臣(武藤容治君) 私からお答えさせていただきます。 今の非核三原則の件でありますけれども、三原則を我が国は堅持をするとともに、核兵器不拡散条約の締約国でもあります。大量破壊兵器の拡散防止にも積極的に取り組んでいる我が国が核兵器を輸送することはあり得ないということでございます。また、その高度の秘匿性や安全確保の必要性から、外国が核兵器の輸送を我が国に要請することなどあり得ないことだというふうに承知しております。非核三原則を堅持する我が国としましても、核兵器を輸送するために必要な知見等を有しておらず、輸送することはあり得ないという認識であります。このような我が国は核兵器を輸送しないとの考えは、非核三原則の趣旨、精神に沿ったものであります。なお、非核三原則は内外に十分周知徹底されていることから、改めて法制化する必要はないと考えております。 そして、今後の外務省の見解についてでございますけれども、非核三原則については歴代内閣はこれを堅持してきております。政府として、国会等の場を通じてこの方針を累次表明してきておりまして、内外に十分周知徹底されることから、改めて法制化することもないと考えております。 いずれにしましても、安倍内閣としまして非核三原則を守るとの基本方針を堅持する立場に変わりはありません。 以上です。
○アントニオ猪木君 次に、テロ対策についてお聞きしたいと思いますが、もう何遍か同僚議員が質問しておりますが、ベルギーの首都ブリュッセルで同時多発テロ、三百人以上が死傷、痛ましい事件が起きましたが。まあ何日か前ですかね、パキスタンでも、この委員会でも申しましたが、今パキスタンとインドの国境線で、何年か前まではそこで紛争がすごかったんですが、今は平和のメッセージということで、ワガという町ですが、兵隊さんが行進をしてある意味ではアトラクション的にやっているところがありましたが、このラホールは一番安全だと言われたところがまたテロで相当の負傷者が出ました。 本当に、いろんな新聞報道でもなされていますので、この辺の一番対策というのはなかなか、今までの経験に基づいてじゃなくて、これからはもっともっと違う、テロが進化という言葉は余り良くないんで、テロのそういう、その相手の虚をつくというんですかね、まあそういうようなことで、一番私が心配するのは、原子力発電所の、この間も報道もありましたが、テロの標的になっている。この辺を、もしそういう攻撃を受けた場合に甚大な被害が出る原子力発電所を狙うのは、テロリストの立場からいえば、非常に彼らの狙いどころという感じがします。 我が国でも現在数基の原発が稼働していますが、テロの脅威に対して警備体制等拡充が必要だと考えます。場合によっては、自衛隊による巡回なども視野に入れ検討すべきだと思います。今後、原子力関連施設のテロ対策はどのように強化していくのか、現在の状況を踏まえ聞かせてください。
○政府参考人(高橋憲一君) お答えいたします。 原子力発電所の警備でございますが、警察機関が第一義的な対応の責任を有しております。自衛隊は、一般の警察力をもっては治安を維持することができない緊急事態が発生した場合などには、治安出動等の発令を受け、警察機関と緊密に連携して対処することとなります。 こうした事態に備え、これまでも自衛隊は、警察や海上保安庁と共同訓練を行ってきたところでございまして、警察とは、平成二十四年六月に愛媛県伊方原発において初めて実際の原子力発電所を舞台として共同訓練を実施して以降、平成二十五年十一月に北海道泊原発、福井県美浜原発、平成二十六年三月に島根県島根原発、平成二十七年二月には青森県東通原発及び同年十月に新潟県柏崎刈羽原発においても訓練を行い、海上保安庁とは、平成二十四年十月及び平成二十六年十二月に若狭湾において原発テロへの対処に係る共同訓練を実施するなど、施設の警備や検問、不審船の対処等における互いの要領を確認し、連携の強化を図っているところでございます。 防衛省・自衛隊といたしましては、原子力発電所におけるテロ・ゲリラ攻撃など緊急事態の対応に関し、今後とも、こうした訓練を精力的に実施するとともに、関係機関との議論を一層深め、更なる連携の強化に努めてまいります。 以上でございます。
○アントニオ猪木君 次に、拉致問題について質問をさせていただきますが、一部報道によりますと、北朝鮮が中国企業を介して経済特区から、港からロシア産重油を極秘に輸入している、さっき同僚議員からも質問が出ましたが、さらに、国内で重油を精製して、ガソリンや航空燃料を製造しているとあります。 制裁の網をかいくぐり北朝鮮が石油を入手しているのは紛れもない事実であると思います。北朝鮮は百六十二か国と国交を結んでおり、どんな経済制裁を掛けても意味がないと私は事あるごとに発言してきましたが、もし制裁が有効な手段であるなら、成果が全く見えてこないのはどういうことなのか。今までの政策は効果なしと思わざるを得ません。少なくとも、ストックホルム合意の前に一部制裁を解除したことが合意に向かわせた要因の一つだと私は思っています。 北朝鮮によるミサイルや核開発、拉致問題とは全く切り離し考えるべきだと思います。対北朝鮮において、日本の最重要課題は拉致問題だともういろんな答弁の中でも出ておりました。まず、相手があることですから、そこの切り離した形で拉致問題を本気で解決して進めるべきだと思います。まず、対話を再開するために日本独自の外交が必要ですが、外務大臣の見解をお聞かせください。
○国務大臣(岸田文雄君) 今委員の方から、拉致問題を切り離して対話を進めるべきではないか、こういった御指摘がありました。 確かに拉致問題は、全ての拉致被害者の帰国を実現しなければなりませんので、対話という要素は必要であります。事実、一昨年、我が国は一年四か月ぶりに対話の窓口を開いたわけですが、それまで北朝鮮は拉致問題は解決済みだと強弁していました。しかし、対話の窓口を開くことによってストックホルム合意に至り、そして拉致被害者に関する調査を約束させた、こういったことでありました。 しかし、対話のための対話であってはならないと思います。その約束した調査につきましても、あれから一年半たちました。帰国は実現していません。それに加えて、核実験は行う、弾道ミサイルは発射する、こういったことでありますので、我が国としましては、対北朝鮮に関する独自の措置を決定した次第であります。 このように我が国は対話と圧力の方針で北朝鮮問題に臨んでいますが、対話と圧力の方針の中で、拉致問題とそして核開発、ミサイル開発、こうしたものは密接に関連しております。我が国はそもそも拉致、核、ミサイル、諸懸案を包括的に解決する、こうした方針で臨んできておりますが、こうした方針は引き続き重要であると考えております。
○アントニオ猪木君 是非対話を進めていけるように。対話と制裁という、どっちが先なのかというのが分かりませんが。 次に、ブラジル情勢についてちょっとお聞きしたいと思います。 余り他国のことを言うと、多分お答えは、外交問題に触れるということで。ただ、一つは、ブラジルには私も大変、幼年期過ごしたこともあり、思い入れがあり、兄弟たちもまだブラジルに住んでいますので、非常に今回のオリンピックの問題も気になっております。歴代の大統領が何でああいう汚職問題が出てくるのかな、それに比べると日本の汚職は小さいなという感じがしますけれども、汚職はいいことじゃありませんから、本当に襟を正して我々も頑張っていきたいと思いますが。 そこで、リオのオリンピックについてお聞きしたいんですが、本当に報道されるとおりで、まだ工事も途中だとか、あるいはいろいろ町での事件が多発している。当然、日本からも相当の人がこれからリオへオリンピックに今年は向かうと思いますが、またそこに、事件に巻き込まれないように、日本の今情報というのでしょうか、日本が把握しているできるだけの詳しい状況をお聞かせください。
○政府参考人(宇山智哉君) お答えいたします。 ブラジル経済は二〇一五年にマイナス三・八%成長を記録していまして、二〇一六年もブラジルの中央銀行によりますと三・四五%のマイナス成長というふうに予測をされてございます。このように経済が低迷する中で、先ほど先生からも御指摘ございましたけれども、国営石油会社ペトロブラスをめぐる大規模な汚職事件が発覚をいたしまして、現地民間調査会社のデータによりますと、ルセーフ政権の支持率は一〇%ということで低迷をしていると承知しております。 こうした中で、三月十三日は、各州の軍警察の発表でございますが、約三百六十万人が参加したブラジル史上最大級の反政府デモが全国で行われております。また、三月十七日、ルセーフ大統領の弾劾裁判の是非を審査する特別委員会、これが連邦下院に設置をされました。これと並行しまして、二〇一四年の大統領選挙を無効とする訴えがありまして、選挙高等裁判所が審理を進めているという状況でございます。こうした状況の中、三月二十九日には、最大勢力の与党民主運動党、PMDBが連立離脱を表明したということも起こっております。 他方、リオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピック競技大会の準備でございますけれども、これは、国際オリンピック委員会、IOCの評価や指導を受けながら、リオデジャネイロ大会組織委員会の責任において進められてございます。競技大会の準備状況につきましては関連する公的機関より定期的に発表がなされておりますし、今月二日、リオ組織委員会からIOC理事会に対し施設の建設はおおむね予定に従い進捗しているというふうな報告もなされたというふうに承知をしております。 これまでのところ、現下のブラジルの政治経済情勢がオリンピック・パラリンピックの開催自体に影響を与えるというような情報には接しておりませんけれども、いずれにいたしましても、ブラジルの政治経済情勢、オリンピック・パラリンピック大会の準備状況等、引き続き注視してまいりたいというふうに思っております。 以上でございます。
○アントニオ猪木君 是非、事件など起きないようにと願っておりますが。 最後にドーピング問題について、ロシアのスポーツ界で、陸上に続き水泳でも組織的なドーピングが疑われ、さらにレスリング選手二名、メルドニウムという禁止薬物で陽性反応があったと報じられています。ロシア側は組織的ではないと否定していますが、リオ五輪へのロシアの選手の出場が危ぶまれています。 今回、シャラポワ選手も使用したとされるメルドニウムについて、どのような効果があり、なぜ禁止されたのか、知っている限りで結構ですが、教えてください。
○政府参考人(木村徹也君) お答えいたします。 メルドニウムは、平成二十八年一月に発効した世界ドーピング防止機構、WADAの禁止表によりますと、代謝調整薬に位置付けられており、心臓に関係する代謝調整効果があり、心臓の機能を向上させる作用があると聞いております。WADAによると、メルドニウムは潜在的に心臓に影響する薬物として平成二十七年に監視プログラムに追加され、一年間その使用状況が監視された結果、スポーツの関係機関や専門家等から広く情報を収集し分析した上で、競争力向上目的で競技者によって使用された事実があるとして、平成二十八年一月から禁止物質に追加されたものと承知しております。
○アントニオ猪木君 昔は社会主義の国へ随分行ってきましたが、その辺は昔からドーピングに関してはあったと思います。それを検査する機械はないかなんという相談を受けたこともありますが。とにかく、いろいろな薬物も進化していますので、その辺を日本ももうちょっと検査の、何というんでしょうかね、調査の仕方というものも研究していただいて。 ありがとうございます。質問を終わります。
○糸数慶子君 無所属の糸数慶子です。よろしくお願いいたします。 通告をいたしましたその順序が多少違いますけれども、よろしくお願いしたいと思います。 まず、在日米軍駐留経費に係る特別協定、いわゆる思いやり予算についてお伺いをしたいと思います。日米地位協定第二十四条の規定による日本側が負担すべき経費は何か、お伺いいたします。
○政府参考人(森健良君) 日米地位協定第二十四条でございますが、我が国は同条二項の規定によりまして米国に負担を掛けないで施設・区域を提供する義務を負っております。この規定に従い、我が国は従来から国有財産の無償提供を行うとともに土地の借料等を負担しております。さらに、昭和五十三年度以降、我が国は労務費の一部及び提供施設整備、いわゆるFIPでございますが、これに係る経費を地位協定の範囲内で順次負担してきているところでございます。 より具体的に申し上げますと、労務費のうち福利費等及び格差給等については、日米地位協定第二十四条一の規定により、米側に負担義務がある経費に該当しないものであって、雇用の安定という政策上の判断を踏まえて、日米地位協定の範囲内で我が国が負担することとしているものでございます。FIPについては、米側の要望を聴取するとともに、日米安保条約の目的達成との関係、我が国の財政状況等を総合的に勘案の上、個々の施設ごとに判断して措置をしております。我が国が措置することとした案件の経費については、日米地位協定第二十四条二に従い、我が国が負担しているところでございます。
○糸数慶子君 日米地位協定の範囲を超えて日本側が負担しているものは何か、お伺いいたします。
○政府参考人(森健良君) 日米地位協定に基づかずに、したがって特別協定に基づいて日本側が負担しているもの、これは、まず一つは基本給等の労務費、それから二が光熱水料、そして三番目に訓練移転費がございます。 昭和六十二年度以降、安保体制に不可欠な在日米軍の円滑かつ効果的な運用を確保するため、その時点での諸情勢に鑑み、地位協定により米側に負担義務がある経費の一部について協定の特則でございます特別協定を締結して負担しているものであります。
○糸数慶子君 いわゆる日米地位協定には規定されていない経費を、思いやりというその名目で一九八七年からおよそ三十年間も特別に支払い続けているわけです。 思いやり予算は本来暫定的なものであるはずですが、現在一千兆円もの赤字を抱える日本が支払わなければならない理由は何か、岸田大臣に改めてお伺いします。
○国務大臣(岸田文雄君) 我が国は、日米安保体制にとって不可欠な在日米軍の円滑かつ効果的な活動、これを確保するために、日米両国を取り巻く様々な情勢に鑑みて、昭和六十二年以降、この特別協定を締結して、米側に負担義務がある経費の一部について我が国が負担する、こうした対応を取ってきております。 我が国の厳しい財政状況を踏まえること、これは当然のことですが、あわせて、北朝鮮を始め、現下の厳しい安全保障において在日米軍の活動を支えるHNSが不可欠であることなど総合的に勘案をし、米国と協議をした次第であります。 日米地位協定第二十四条に定める経費負担の原則は原則として維持しています。それに加えて、その時々の状況に対してやはり機動的に円滑的に対応しなければならない、一方でこうした在日米軍の活動は安定的に支えなければならない、そのバランスの中で、暫定的、限定的、特別な措置としてこの特別協定を締結し、一定の期間、日本がこの原則部分を超えて負担する対応を用意しているということであります。
○糸数慶子君 一定の期間といっても三十年を超えているという現実と、それからバランスといってもこの日本の財政事情、それを考えていきますと、今の答弁では納得はできません。財務省も縮減を図る、その必要があるというふうにおっしゃっているわけですね。 次に、報道によりますと、この思いやり予算によって建設された米軍住宅は、広さが被災者用仮設住宅の五倍から八倍という状況であります。大変広々として、戸建ての住宅などでは、街路が整い、庭も広く、日本の一般的な住宅に比べても大変な厚遇となっている状況です。 一方で、東日本大震災の仮設住宅生活が長引く中で、カビや雨漏りなどの劣悪な状況が現在問題となっておりますが、このような中で他国の軍隊の方が厚遇されている状況は異常ではないかというふうに思いますが、改めて岸田大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(岸田文雄君) 住宅のありようについて具体的な御指摘がありました。それにつきましては防衛省の方からお答えさせていただきたいと思いますが、基本的な考え方としては、御指摘のように厳しい財政状況があり、そして何よりも国民の理解の得られるしっかりとした協定の中身でなければならないと考えています。 ただ、その一方で、我が国を取り巻く厳しい安全保障状況ですとか、それ以外にも為替のありようですとか、様々な条件を加味した上で、我が国としてどのような負担を考えていくのか、こういったことでしっかり考え方を整理し米側と協議していかなければならないと考えています。 今回の協定につきましても、まず、規模としましても、これ、平成二十七年度、今までのこの五年の協定の最終年度と比較した場合、同規模の協定であると認識をしております。そして、その規模自体も、ピークの平成十一年度と比べますと三〇%減の水準であると認識をしております。 そして、さらに、この中身につきましても、内容としまして、必要とされる労働者の上限は増加する一方で、福利厚生施設で働く労働者の上限は削減する、経過措置は段階的に廃止をする、あるいは光熱水料等の日本側負担も引き下げるなど、めり張りを付けた内容になっております。 要は、規模においてもしっかりと吟味するのと併せて、内容におきましてもしっかりめり張りを利かせている、量、質ともにしっかり吟味した上で米側と協議をしたということであります。 是非、引き続きまして、こうした日米安全保障体制を支える上で重要な在日米軍の活動を支えるHNSですが、国民の理解を得られるような形でしっかり維持していくことがこうしたものを安定してしっかり維持していくことにもつながると考えます。是非、そういった態度で引き続き米側とも協議していきたいと考えます。
○政府参考人(中島明彦君) 提供施設整備によりまして整備した家族住宅の日本の住宅との比較の件でございます。これは、過去の国会審議などにおきましても、我々が提供施設整備によりましてアメリカ側に提供した施設が日本の施設と比較して過大又は豪華であるというふうな指摘があったということで存じ上げております。 この提供施設整備によりまして米側に提供する施設、これは米軍の基準でございます統一施設基準、UFCと呼んでおりますけれども、これによりまして面積の所要が定められているところでございます。この基準は、米軍が全世界的に駐留する米軍の施設の基準として採用しているものでございまして、日本における施設のみが過大又は豪華なものとなっているわけではございませんで、米軍の福利厚生として必要かつ適切なものと認識をしているところでございます。 したがって、米軍の家族住宅につきましては、この基準、それから米側との協議の結果を踏まえまして、その基準に基づきまして整備をしているところでございます。
○糸数慶子君 私は、アメリカにはこういうふうな対応をしている、しかし、東日本大震災の仮設住宅など、ああいう状況の中で、カビや雨漏りなど本当に劣悪な状況が問題になっている、このことを解決せずに、世界基準だからといってアメリカに対して厚遇している、それが異常ではないかというふうに指摘したわけであります。 次に、米国防省の報告を基に財務省財政制度等審議会が作成をいたしました米軍駐留国における経費負担の国際比較によりますと、これは先ほども質問がございましたけど、ドイツ、イタリア、韓国など他の米軍駐留国と比較して日本は非常に大きな割合で経費負担を行っているわけです。ドイツが約三三%、イタリアが四一%、韓国約四〇%という中で、日本の負担の割合が七四・五%と突出しているわけです。 ドイツ、イタリア、韓国レベルに引き下げる必要があるのではないかと思いますが、その努力はされているんでしょうか、岸田大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(岸田文雄君) まず、各国が負担している米軍駐留経費の規模につきましては、比較、評価、大変難しいと考えております。 御指摘の資料につきましても、これは二〇〇四年の報告書、二〇〇二年のデータですが、二〇一五年で申し上げるならば、例えば在韓米軍の規模は二万五千人に対し年間九百三十二億円の負担を行っている、そして我が国の場合は米軍の規模五万二千人に対して一千八百九十九億円を負担している、こういったことであります。 在留している米軍の人数も異なります。置かれている安全保障環境も異なります。それぞれの国が負担している防衛費そのものの額も大きく異なります。また、経費に含まれる範囲も異なります。ですから、単純な比較というのは大変難しいと思います。 ただ、御指摘のように、各国の状況についてしっかり把握をし、我が国が米軍の駐留経費についてどう考えるかということにおいて参考にすることは大変重要だと思います。そうした参考にするための材料、情報はしっかり集めていきたいと思いますし、その上で、我が国においては、日米同盟において大変重要である在日米軍を支えるHNSをどのように考え、どうするのか、しっかり議論をする際の材料としていかなければならないとは考えます。
○糸数慶子君 光熱水費、光熱水料金なんですが、ドイツ、イタリア、韓国の三か国では負担をしていません。米側が負担する能力が十分にある経費をなぜ日本が負担しなければならないのでしょうか、お伺いいたします。
○政府参考人(森健良君) これまで特別協定の国会審議等におきまして、日本だけが光熱水料等の負担をする必要があるのかといった指摘をいただき、議論がなされてきているところでございます。 これを踏まえまして、先般の日米の協議におきましても、国会などにおいてそのような指摘や議論がなされてきていること、我が国の財政状況が厳しいことについて米側に丁寧に説明をいたしまして、米側としてもそうした点については理解をしてきているものと認識しております。 その結果、協議を経て、今回、日本側の負担割合を平成二十八年度に現行の七二%から六一%に引き下げるということにいたしまして、節減できるところは節減したということであります。 いずれにしましても、政府としては、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中で、米国政府がリバランス政策の下で我が国に最新鋭の装備の配備等を進めてきていることなどを総合的に勘案いたしまして、一定の光熱水料等の負担を継続することは在日米軍の円滑かつ効果的な運用を支える上で必要であると判断をいたしまして、引き続き光熱水料等の一部について負担を継続するということにしたものでございます。
○糸数慶子君 これらは全て国民の血税を使うわけですから、これは国民が納得する必要があるわけですが、今のような状況であるととても納得できないということを改めて申し上げたいと思います。 次に、財務省の諮問機関であります財政制度等審議会の財政制度分科会では、日本の財政赤字が深刻なことから、財務省は思いやり予算の減額が必要だというふうにしております。この財務省見解がありながら、今回、在日米軍駐留経費を減額せず微増した理由は何でしょうか。米側と交渉していると伺っておりますが、米側はどのように答えているのか、中谷大臣にお伺いいたします。
○国務大臣(中谷元君) 今般のHNSの規模につきましては、我が国の厳しい財政事情も踏まえつつ、国民の理解が得られる内容とするという観点から、主張すべきは主張し、協議を行った結果、日米間で一致をしたものでありまして、予算規模におきましても、協定期間の最終年度において、今年度の賃金水準をベースとした試算で約千八百九十九億円であり、これは現行の特別協定の最終年度である平成二十七年度予算額千八百九十九億円、これとおおむね同じ水準でございます。 この点につきまして、必要なものに限定をして、また削減すべきものは削減をいたしておりまして、その結果、最も金額が大きかった平成十一年度に比べまして本年度は約三〇%の減となっております。例えば、労務費のうち娯楽性の高い施設で働く労働者の日本側の負担は廃止をし、また光熱水料等について負担上限額を設定するなどいたしまして、削減努力を行ってきました。 その上で、今回の交渉においても、我が国の厳しい財政事情を踏まえて協議を行いまして、この中で、例えば労務費について、MLC労働者の日本側負担上限数を増加をする一方、福祉厚生で働くIHA労働者の日本側の負担上限数を更に削減をし、また、こういった駐留軍等労働者に対する格差給等についても経過措置を段階的に廃止するとともに、光熱水料等も日本側の負担割合も七二%から六一%に引き下げるなど、めり張りのある経費項目を実現したところでございます。
○糸数慶子君 毎年約千八百九十三億円となるその思いやり予算以外にも莫大な米軍駐留経費を日本は払っています。土地、施設の借り上げ、米軍再編や訓練移転の経費など、思いやり予算以外の在日米軍関係費、この経費の予算をお示しいただきたいと思います。
○政府参考人(中島明彦君) お答え申し上げます。 今先生御指摘なされましたように、日本側といたしましては、在日米軍駐留経費負担のほか、在日米軍が駐留することにより必要となる経費を負担しているところでございます。平成二十八年度予算におけるこの在日米軍駐留経費負担以外の在日米軍関係経費の計上の状況について御説明申し上げますと、五つございます。 一つは米軍再編経費でございまして、例えば空母艦載機の移駐などに必要となる岩国飛行場の施設整備などに使われる経費でございますけれども、これに約千七百六十六億円、先生御指摘いただきましたSACO関係経費、沖縄県道の百四号線越えの訓練移転などの経費といたしまして約二十八億円、それから米軍施設の設置運用に生じる障害防止、軽減のため、例えば住宅防音事業など各種事業を実施するための周辺対策経費として約五百七十億円、四つ目に、これも御指摘いただきましたが、米軍施設用地等の民公有財産の借り上げ経費といたしまして約九百八十八億円、五つ目に、地元自治体の返還要請を踏まえまして提供している施設・区域を移転するということで、その移設のための経費、また水面を使用して行う訓練に伴う漁業補償等に関する経費、これが約二百九十四億円といった状況でございまして、これらの全てを合わせますと、二十八年度予算におきましては約三千六百四十六億円を計上しているところでございます。
○糸数慶子君 この安全保障について米国に払っている費用というのは、この思いやり予算だけではありません。例えば、グアムの移転経費やこれまで辺野古の新基地建設に掛かった経費もあります。また、オスプレイは自衛隊も平成二十八年度予算でアメリカから四機、およそ四百四十七億円で購入する予定であり、やはり米国に対する装備品の購入費用も多額であります。 政府は、思いやり予算について聖域化せずに、我が国が支払うべき費用は何かを根本的に考えて、大幅な減額を前提に米国と交渉する必要があるのではないでしょうか。例えば、日本国内を考えてみますと、子供の貧困やワーキングプア、そして格差の拡大、弱者を思いやらなければならない事項が山積しております。米国との間で合理的な説明が付かない経費をずるずると払い続けるべきではないというふうに申し上げたいと思います。 時間がありますので、通告をいたしました前半の部分について、細かくなりますが、改めてお伺いいたします。 現在、在日米軍の軍人軍属等が日本国内で事件、事故を起こした場合、被害者への補償など、誰が、どちらの国が負担するのか、それから公務内、公務外、それぞれお答えいただきたいと思います。
○政府参考人(中島明彦君) 米軍人などによります公務上のまず事故につきましては、日米地位協定第十八条五項及び民事特別法の規定によりまして、我が国が被害者からの賠償請求を受けまして米国政府と協議の上で賠償金額を決定し、被害者の同意を得て賠償金の支払を行っているところでございます。この賠償金は、米国のみが責任を有する場合は米国が七五%、我が国が二五%を、また日米双方が責任を有する場合は日米両国がそれぞれ五〇%を負担するということとされておるところでございます。 公務外の事故などにつきましては、原則として加害者が賠償責任を負い、当事者間の示談により解決されることとなりますけれども、示談が困難な場合は、日米地位協定第十八条六項の規定によりまして、米国政府が慰謝料の額を決定し、被害者の受諾を得た上で支払を行っているところでございます。
○糸数慶子君 関連いたしまして、通告はしておりませんけれども、三月に沖縄で発生いたしました米軍人によります女性に対する性暴力事件のその後の状況を、御存じの範囲で結構ですが、教えていただきたいと思います。
○政府参考人(中島明彦君) 先生御指摘の今般発生した事件の事実関係、それから現在の状況につきましては、これ現在捜査中でございまして、今我々として確たることを申し上げられませんけれども、先ほどの質問との関連で被害者に対する補償ということで申し上げますと、一般論として、加害者が賠償責任を負い、当事者間の示談により解決されることとなりますけれども、それが困難な場合の流れにつきましては、先ほど御説明申し上げました十八条六項の規定に従いまして、今後とも、捜査の推移に注意をしつつ、防衛省といたしましては丁寧に対応してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○糸数慶子君 被害者に対する謝罪は、米国あるいはまた日本政府、どのような形で行ったんでしょうか。
○政府参考人(中島明彦君) 恐縮でございます、ちょっと手元に資料がございませんけれども、被害者の方に対してどういう形で謝罪といいますか、行うにつきまして、被害者の方の御心情にも配慮して行うということになろうかと思います。現段階で被害者の謝罪について、ちょっと今の状況は掌握しておりません。恐縮でございます。
○糸数慶子君 大変おかしいと思います。 こういう今沖縄にある米軍の基地、それから今のこの思いやり予算に関してもそうなんですが、国の責任で沖縄に米軍の基地がこうやって置かれています。先ほど岸田外務大臣もおっしゃいましたけれども、今諸外国に比べると駐留している米軍の数が多い、だから思いやり予算の単純な金額の比較はできないというふうにおっしゃいましたけれども、実際に沖縄に駐在するこの米軍の、しかもキャンプ・シュワブの所属する米軍人のこういう犯した女性に対する性暴力です。 それ、その後どうなったか、こういう状況も把握しない、そういう状況でよろしいんでしょうか。
○政府参考人(森健良君) 本件に関しましては、政府から米側に対して累次抗議をいたしておりますけれども、米側からは、大変残念な事態であり、深刻に受け止めている、警察の捜査に全面的に協力する、引き続き日本側と意思疎通を密にしていきたいといった反応がございます。また、米国国務省の報道官は、会見において、米政府として本件を深刻に捉えており、詳細を明らかにするために徹底的な調査を行う、仮に容疑が事実であれば、容疑者を適切に処罰することになるというふうに述べております。 現段階におきましては、事案は法的には捜査中でございまして、その捜査の進展を一同見守っているところであると承知しております。
○糸数慶子君 残念ですが、きちんと皆さんの所管の事件や事故に関してちゃんと答えられるように調査をしていただくということを強く要望したいと思います。 それから、在日米軍関係経費の一部である辺野古新基地建設の総事業費三千五百億円が見込まれていますが、二十九日の藤田委員の三千五百億円以上の大幅に超過するおそれがあるとの指摘について中谷防衛大臣は、施設の仕様や構造などを日米間で調整し、具体的な設計を経て決定することに加え、現場の状況などに応じて所要額が変動すると答弁されました。 このようないいかげんな予算計上で、青天井と言わざるを得ない状況です。これ以上増えないうちに中断を決断すべきではないかと思いますが、大臣の御見解を伺います。
○国務大臣(中谷元君) 普天間飛行場の移設に要する経費につきましては、大まかな見積りといたしまして、少なくとも三千五百億円以上と見込んでいるところでございます。 現時点におきまして、この工事は和解条項にのっとって、判決の確定までは、沖縄県との協議を行っている間は埋立工事を再開をすることはありませんが、本件事業については、安全性など十分に留意しつつも、引き続き各年度の予算要求の段階でも精査をいたしまして、適切な予算執行に努めていく所存でございます。なお、この事業におきましては、この普天間飛行場の危険性除去と考え合わせておりまして、一日も早く普天間の返還に向けて取り組んでいるものでございます。 なお、中止すべきではないかということにつきましては、この普天間の移設に要する経費の平成二十七年度末までの支出済額と支出見込額、これを合算いたしますと約六百三十億円と見込んでおります。また、平成二十八年度予算に計上させていただいた約千七百億円を含めまして、これまでに予算を計上し、今後の契約、精算などを通じて経費を確定していく額につきましては、安全性などに十分留意をしつつも適切な予算執行に努めていく所存でございますが、平成二十九年度以降の必要経費につきましては、環境影響評価等に要する経費、埋立安全対策等に要する経費、滑走路、駐機場、格納庫、燃料施設等の飛行場施設整備に要する経費、またキャンプ・シュワブの既存施設の再編成の工事に要する経費などが必要となると見込んでおります。 この経費につきましては、今後、施設の仕様、構造等、日米間で調整をして具体的な設計を経た上で決定されるものであることに加えまして、現状の状況によりまして所要額が変動し得るものでございますので、現時点でこれくらいの額で収まるかといった見通しを申し上げることは困難でございますが、今後とも、各年度の予算要求の段階で精査をいたしまして、その後の契約など精算を通じまして適切な予算執行に努めてまいりたいと考えております。
○糸数慶子君 三月二十二日のこの外交防衛委員会において、私の質問に対しまして中谷大臣は、辺野古へはオスプレイの運用機能のみを普天間から移す、つまり、オスプレイの運用機能のみを普天間から辺野古に移す、普天間よりも辺野古の機能は大幅に縮小されると御答弁されました。 辺野古に軍港機能を持つ予定はない、軍港を造る工事は行わないという認識でよろしいでしょうか。
○国務大臣(中谷元君) 普天間の移設事業につきましては、現在の普天間の基地の果たしている機能の中で、オスプレイ、これの運用に関わることだけに使うものでございます。この施設におきまして、係船機能付きの岸壁、護岸、これにつきまして、滑走路を短縮することによって故障した航空機を搬出する輸送機が着陸できなくなるために、代わりに運搬船が接岸できるようにするためのものでありまして、オスプレイなどの運用機能を最低限維持するために必要なものでございます。恒常的な兵員や物資の積卸しを機能とするようないわゆる軍港、これを建設する計画はございません。
○糸数慶子君 改めて伺います。 辺野古に軍港機能は持たないという理解でよろしいですね。
○国務大臣(中谷元君) 当該の護岸は、滑走路の短縮によりまして、故障した航空機を搬出する輸送機、これが着陸できなくなるために、代わりに運搬船が接岸できるようにするためのものでありまして、強襲揚陸艦の運用を前提とするものでは全くありません。
○糸数慶子君 ここで約束をしていただきました。辺野古の方には軍港機能を持つ予定はない、その工事は行わないということをお答えいただいたと認識をしております。 最後にお伺いいたしますが、現在、米軍機の爆音に対する訴訟が普天間と嘉手納で行われております。判決後の米軍機の騒音対策関連の費用はどのような負担割合になっているか、お伺いいたします。
○政府参考人(中島明彦君) 米軍機による騒音に係る訴訟に関する損害賠償金などの日米地位協定に基づく分担の在り方につきましては、日本国政府の立場と米国政府の立場が異なっておりますことから、いまだ妥結を見ていないものというふうに承知をしております。 いずれにいたしましても、日本国政府は米国政府に対して損害賠償金などの分担を要請するとの立場で今後とも協議を重ねていくものと承知をしております。
○糸数慶子君 あと一分ありますのでお伺いしたいと思いますが、在沖米軍基地が原因の環境汚染が発生した場合、環境調査や汚染除去、原状回復のために掛かる経費はどちらの国が負担するか、提供中と返還後、それぞれお答えください。
○委員長(佐藤正久君) 中島地方協力局長、簡潔にお願いします。
○政府参考人(中島明彦君) はい。 米軍に提供中の施設・区域におきまして米軍に起因する環境汚染が生じて汚染除去の実施が必要となった場合には、これまでも原則として米側が経費を負担して汚染除去を実施してきております。 また、区域が返還された後に環境汚染が確認された場合につきましては、日米地位協定の規定によりまして、特に沖縄の場合は跡地利用特措法第八条に基づきまして、在日米軍の行為に起因するものに限らず、沖縄における跡地の区域の全部につきまして、土地所有者に引き渡す前に日本側におきまして土壌汚染調査などの支障除去措置を講ずるということになっております。
○糸数慶子君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(佐藤正久君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 防衛大臣は御退席いただいて結構でございます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○井上哲士君 私は、日本共産党を代表して、在日米軍駐留経費負担に係る特別協定の承認に反対の討論を行います。 本協定は、在日米軍の駐留に係る労務費、光熱水料、訓練移転費を、今後五年間、日本が負担することを取り決めるものです。日米地位協定に照らせば、これらの経費は一切日本に負担を掛けずに米軍が負担するべきとされる経費です。 それにもかかわらず、政府は、暫定的、特例的、限定的な措置であるなどとして特別協定を結び、原則に反する財政負担を行ってきました。当初廃止するとした言明に反して、数度にわたる協定締結により三十年近く継続され、その負担総額は六兆円を超えました。 日本負担の説明のために持ち出された日米の財政事情は大きく変化し、日本の負担の根拠とはなりません。道理のない国民負担をこれ以上継続すべきではありません。 今回の協定では、日本が負担する労務費の上限労働者数が二万二千六百二十五人から二万三千百七十八人に引き上げられ、負担増となります。その要因は、米海軍イージス艦を始めとした在日米軍の最新鋭の兵器の配備に伴う増員であり、米国の戦略の再編成に伴う軍事的要請によるものです。 米軍の軍備強化のために日本が財政支援を行うことは、言わば軍事費の肩代わりと言うべきものであり、到底認めることはできません。 そもそも、ドイツ、イタリア、韓国など米国の他の同盟国と比較しても、労務費の九割をも負担しているのは日本だけであり、対米支援の水準は突出しています。質疑でも明らかにした労務費の負担を行うようになった経緯に照らしても、負担を続ける理由はありません。 以上、反対の理由を述べ、討論を終わります。
○糸数慶子君 私は、在日米軍駐留経費負担に係る特別協定について、反対の立場から討論を行います。 本特別協定は、日米地位協定上、米国に負担義務がある在日米軍の維持的経費の一部を我が国が米国に代わって負担するものであります。 日本がこうした負担を行う契機となったのは、一九七〇年代後半の急激な円高や米国の財政状況の悪化を背景に、本来米国が負担すべき費用の一部を負担したことが発端であり、一九八七年以降は特別協定という形で日米地位協定の範囲を超える負担を受け入れています。 しかしながら、現在、日本は一千兆円を超える財政赤字に苦しみ、日米の財政状況は逆転しています。このような状況で、広々とした米軍住宅を提供した上で米軍施設内の光熱水料まで負担するといった、至れり尽くせりの負担をする理由があるのでしょうか。 こうした経費は、平成二十八年度予算では一千九百二十億円に上り、今後五年間で九千四百六十五億円、つまり一兆円近くもの負担になります。財務省の財政制度等審議会で示された米国防省の資料では、ドイツ、イタリア、韓国など他の米軍駐留国と比較して日本は突出した高い割合で経費負担を行っているとされていますが、我が国だけが高い割合の負担を行う理由は見当たりません。 また、当初五年間とされていた期間も、繰り返し更新されることによって恒常化しています。本特別協定の締結で、一九八七年以降、三十年を超えることになりますが、もはや暫定的、限定的、特例的とは言えず、米国から既得権として受け取られていると考えざるを得ません。 このような多大な経費負担と期間の恒常化は、米軍の長期駐留を容易にし、全国の米軍専用基地の七五%を押し付けられている沖縄の負担軽減を阻害する大きな要因となっています。 沖縄の立場から一言申し上げれば、本特別協定の交渉過程において、米国はオスプレイ等の最新装備の配備の代わりに日本側に負担増を求めたとされています。オスプレイの配備で負担が増えたのは、米国ではありません。負担が増えたのは、日々オスプレイの墜落の危険と騒音に悩まされる沖縄県民にほかなりません。政府は、なぜ米国の主張を認め、交渉を妥結したのでしょうか。 日本がこれまで負担してきた在日米軍駐留経費負担の総額は、少なくとも六兆円に及んでいます。今後五年間にわたり更に一兆円近くの予算を国民が負担し続けることは、到底認められるものではありません。 本特別協定は、日米地位協定を超える過度な負担によって米軍を優遇し、ひいては米軍の長期駐留を容易にするものであり、沖縄県の負担軽減とは相入れないものであるということを強く申し上げ、私の反対討論といたします。
○委員長(佐藤正久君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(佐藤正久君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐藤正久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時四十七分散会