予算委員会 第15号
- 発言数
- 304 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 2016/02/19
会議録
○竹下委員長 これより会議を開きます。 平成二十八年度一般会計予算、平成二十八年度特別会計予算、平成二十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 この際、お諮りいたします。 三案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省政策統括官安藤よし子君、中小企業庁長官豊永厚志君、原子力規制庁長官官房緊急事態対策監大村哲臣君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○竹下委員長 本日は、政治改革・税と社会保障等についての集中審議を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田村憲久君。
○田村(憲)委員 おはようございます。自由民主党の田村憲久でございます。 きょうは、一年ぶりでありましょうか、こうやって予算委員会で総理や大臣の皆様方と質疑をさせていただくということであります。きょうは、総理にもプレゼントしました地元の松阪木綿のネクタイで気合いを入れながら、質問をさせていただきたいというふうに思います。 けさといいますか、ニュースが飛び込んでまいりまして、例の衆議院の定数削減に関しまして、総理がリーダーシップを発揮する、大幅にその削減を前倒しするという指示を出したというような報道がありました。これは、総理、どういうふうな御指示を出されたのか。この報道はどういうことなのか、総理の口からこの予算委員会の場で御発言をいただければありがたいというふうに思います。
○安倍内閣総理大臣 田村委員からいただいた松阪のネクタイは大切にさせていただいております。 定数削減の問題。自由民主党は、できないことはお約束をしない、できることしか言わない、この方針のもと、立党以来六十年間、国民の皆様から信頼される政党として現在は政権を担っているところでございます。そこで、定数削減につきましては、多くの政党が、民主主義の土俵についての議論でございますから、受け入れるということが重要であります。 今回、第三者委員会の答申に盛り込まれた定数十削減は、多くの政党が受け入れ可能であるというところまで来た、三年間の努力によってここまで来た、こう考えております。そこで、定数十削減は必ず実現するということをまず申し上げておきたいと思います。その上で、今後、大島議長のもとで各党協議が行われるわけでありますが、定数十削減については、間もなく公表されます平成二十七年国勢調査、これは五年ごとの簡易調査でありますが、この二十七年国勢調査に基づく区割りの見直しを行う際に、あわせて十の削減を実施いたします。そして、平成三十二年の国勢調査まで先送りをするということは決してしない。 これが自由民主党の総裁としての私の方針でございます。この方針の上に党内において議論をしていただきたい、こう思う次第でございます。
○田村(憲)委員 今、総理の方から、総理自身のお気持ちというものをお聞かせいただきました。党内また与野党とも議論をしっかりしながら、国民の皆様方の御理解をいただける、そういう案をつくっていかなければならないと私も思っております。 さて、次に質問をさせていただくんですが、この予算委員会の最中も野党の皆様方から総理もいろいろな厳しい御質問をいただくわけでありますが、本来総理が思っておられる、また我が党、政府が主張しておる政策の趣旨と違うようなレッテルをよく張られることがあるわけであります。 例えば、臨時福祉給付金三万円を低所得の高齢者の方々中心に、障害者の方々でありますとか、お配りさせていただくという政策、これに関しても、ばらまきじゃないか、こういうようなことを言われるわけであります。高齢者は票がかたいからなんて言われるんですが。 ただ、心外なのは、私が大臣のときもそうだったんですけれども、かなり厳しいこともやって、ここにおられる民主党の皆さんからもお叱りもいただいてきたんですね。例えば、そんなつもりではないのに、要支援切りだなんて、高齢者に対してこれは失礼じゃないかなんて。内容は違いますよ。内容は、きめ細かな介護の予防を進める、こういう内容なんですが、そういただいた。 また、我々は、七十歳から七十四歳までの方々、一割負担であった医療の負担を二割にすること、これも決めさせていただきました。介護については所得のある方々には一割負担を二割負担もお願いしてきたわけでありますし、また特別養護老人ホームも、食費でありますとか居住費を補足的に給付しておったのを所得のある方々は停止する、非常に厳しいことをやってまいりました。 年金は年金で今なかなか上がらない、こういう状況になっておりますから、そういう部分では、野党の皆様方から、全てとは言いませんけれども、お年寄りをいじめているじゃないかなんというお叱りもいただいているわけで、決して我々はそういう高齢者の方々に甘い施策をやってきたという覚えはないわけであります。 そういう意味からいたしますと、今回の高齢者に対するいろいろな給付金以外にも、実は子育て対策には、よくいつも総理が言われているように、七千億円を使ってしっかりとした、働く世代や子供たちに支援もしてきているんですね。 この間、実はいろいろな話を、一億総活躍、私も党の方で責任者の一人をいたしておりますので、貧困にあえがれるお子さん等々を支援する団体の方々からお話をお聞きしました。児童扶養手当のことも、二子、三子に対して児童扶養手当の支給金額をふやすということ、大変これはありがたい政策だというふうに我々は評価もいただいているわけであります。 そこで、総理に、今回いろいろな、補正そして来年度の当初予算、こういうもので高齢者だけじゃなくて若者世代にも子育て世代にもしっかり支援をしているんだよという、そのお言葉をいただきたいというふうに思います。
○安倍内閣総理大臣 今、田村委員から、我々政府・与党は若い世代の皆さんあるいはまた高齢者の皆さんへの支援についてはしっかりとバランスよくやっているし、しっかりと効率化するべきところはやっているというお話であります。 三万円の給付、高齢者の皆さん、低所得者の皆さんへの給付については、我々は、年金において、物価スライドにおいて初めてデフレスライド、つまり年金を下げることをやって、年金財政を安定化させたわけであります。しかし一方、私たちの政策によっては物価が上がっていく、賃金が上がっていく、ただ、年金生活者の皆さんにとっては賃金は上がっていくということにはならない、かつ年金自体がデフレスライドさせて減らすということになったわけでありまして、そこで我々は、我々の政策のアベノミクスの果実を皆さんに一部給付という形でお届けする、これは当たり前のことであろう、こう考えたわけでございます。 それにかかる費用は四千億でございますが、しかし、安倍政権において今おっしゃったように子育て支援を重視しておりまして、保育サービスの充実や教育費負担軽減を行うなど、国、地方合わせた公費ベースで七千億円の子育て支援の拡充を盛り込んでいます。これは四千億円を大きく上回るものであるということは申し上げておきたいと思います。 特に児童扶養手当については、経済的に厳しい家庭に重点を置いて、子供が二人以上の一人親家庭の加算額を倍増しました。増額分は第二子は年間最大六万円であります。第三子以降は年間最大三万六千円と、高齢者への臨時福祉給付金の支給額三万円を上回っているわけでございます。この増額は来年度のみではなく、恒久的な措置であるということを申し上げておきたいと思います。 このように、若い世代より高齢者を優遇しているとの批判は当たらない、これは全く御指摘のとおりであろう、このように思います。(発言する者あり)
○田村(憲)委員 ちょっと静かにしてもらえますか。私は総理と議論をさせていただいておりますので。 今、明確にわかりましたのは、臨時福祉給付金、高齢者を中心に三万円というのは、これは一回限りで三万円という金額。それに対して、児童扶養手当の割り増しした分、二子目は五千円から一万円、三子目は三千円から六千円。これは、二子目に関しては年間でいうと六万円ふえる、三子目に対しては三万六千円ふえる。つまり、高齢者の三万円よりも多いということがよくわかりました。各団体の方々がこれに対して評価すると言っていただいた意味もよくわかったわけでありまして、国民の皆様方も御理解をいただけるものというふうに思います。 雇用の方なんですけれども、総理が第二次安倍内閣になってから百万人、いや百五十万人、いろいろと雇用者がふえたという話をされますと、また野党の方々が、非正規ばかりふえて正規はふえていないじゃないか、こういう議論をされる。どう見ても、有効求人倍率が一・二七だとか、失業率は三・三とか四だとかというような数字でありますから、十八年ぶりだとか二十四年ぶりというようないい数字が出てきているので、これは間違いなく環境はよくなったと思うんです。しかし、非正規ばかりふえて正規がふえていないなんて言われると、私もちょっと心配になるんですね。 去年も申し上げましたが、人口構成がそうなっている部分はあるんです。正規をやめられて定年退職、もしくはその後、嘱託で勤められる、非正規に移られる高齢者の方々の方が新卒者よりも人口の割合は多いですからね。それは当然のごとく、正規が抜けていって、入ってくる正規が少ない。抜けられた方が非正規になるとなればそうなるんですが、しかし、そうならなくなってきているんですね。いい数字が出てきているというんです。 総理、今の雇用情勢、我々安倍第二次政権になってからこんなによくなった、そういう総理の国民の皆さんに対してのメッセージというものを、ここでお伝えいただきたいというふうに思います。
○安倍内閣総理大臣 日本だけではなくて、各国の政府が経済の指標で一番注目しなければいけないのは雇用だろうと思います。仕事があって、しっかりと自分の力で生活できる、そういう状況をつくっていく、政府がまずその責任を果たさなければならないわけであります。 就業者数が、我々が政権をとって以来百十万人以上増加しました。有効求人倍率は二十四年ぶりの高水準。そして、これは長い間宿題だったんですが、正社員の有効求人倍率は調査開始以来最高になりました。完全失業率は十八年ぶりの低水準である三%台前半でありますし、失業者数は我々が政権をとって六十万人程度減少したわけでありまして、雇用情勢は政権交代以後改善傾向にあるのは間違いない、こう思います。 そして、生産年齢人口が減少傾向にある中でも、正規雇用労働者の全体的なトレンドは好転しています。具体的には、年平均の推移を見ると、平成十九年の第一次安倍内閣以来八年ぶりに前年比でプラスに転じ、総数で二十六万人増加しています。特に、高齢者を除く十五歳から六十四歳で見ますと、正規雇用労働者は十九万人ふえる一方、非正規雇用労働者は十五万人減少しています。この点をはっきりと申し上げておきたい。大分誤解されている、変なイメージが張りつけられてしまっておりますので、ここのところは強調しておきたい、このように思います。 また、非正規雇用を取り巻く雇用環境については、不本意ながら非正規の職についている方の割合は前年に比べて低下をしています。働き盛りの五十五歳未満では、平成二十五年から十二四半期連続で非正規から正規に移動する方が正規から非正規になる方を上回っているわけでありまして、着実に改善していると思います。 このように、安倍内閣における正社員化に向けた取り組みは、田村さんにも厚労大臣として大変なお力をいただきましたが、着実に実を結んでおり、今後とも非正規雇用労働者の待遇改善とあわせて正社員化の流れを確たるものにしていきたい、このように思います。
○田村(憲)委員 二〇一五年の労働力調査、こういうものが出たわけでありますが、今総理がおっしゃられたとおり、正規は二十六万人ふえて非正規は十八万人ということ、非正規よりも正規がふえたというのは、この人口構成の状況の中で私は今大変大きな流れができてきていると思います。この正規への流れというものをより確実にしていかなければならないと思いますので、これからもこの雇用対策、しっかりとお進めをいただきますように、よろしくお願いいたしたいと思います。 あわせて、総理は最近、同一労働同一賃金を実現する、こういうことをおっしゃってこられました。もちろん正規に皆さんがなればいいんですが、非正規の方も当然おられるわけであります。非正規を選ばれる方もおられます。そういう中において、正規と非正規の賃金の格差というものが我が国では言われるわけであります。 もちろん、この同一労働とは一体何なのかというのはなかなかわからない。我々日本の国においても概念が多分、野党の方も与党もそれぞれ考え方が若干ずれているところもあるのかもわかりません。そういう意味では、そういうものを一つ一つ具体的に、ヨーロッパと日本を比べながら、調査しながら進めていくということが大事だというふうに思います。 この同一労働同一賃金、総理が今回これを大きく掲げられた、その狙いというものは何でありましょうか。
○安倍内閣総理大臣 例えば、女性では結婚、子育てなどもあって、三十代半ば以降みずから非正規雇用を選択している方が多いことが労働力調査から確認できます。また、我が国の場合、欧州各国に比べて正規労働者と非正規労働者の賃金格差が大きいとの指摘もあることを我々は承知しているところであります。 このため、女性や若者などの多様な働き方の選択を広げるためには、非正規雇用で働く方の待遇改善をさらに徹底していく必要があると考え、同一労働同一賃金の実現に踏み込むことにいたしました。進め方については、一億総活躍国民会議で議論をいただいた上で、今春取りまとめるニッポン一億総活躍プランにおいて同一労働同一賃金実現の方向性を示したいと思います。これに従って、法律家などによる専門的検討も行いつつ、制度改正が必要な事項については労働政策審議会において議論を行います。また、法律の運用が明確になるよう、どのような賃金格差が正当でないと認められるかについて、ガイドラインで事例を示すことも検討してまいりたいと思います。 ヨーロッパにおいても、いわばさまざまな訴訟を重ねながらだんだん確定をしていったという経緯があります。そういったものも我々は参考にしていきたいと思います。欧州は職務給、日本は職能給なので日本への同一労働同一賃金の導入は難しいという議論がありますが、欧州でも、労働の質、勤続年数、キャリアコース等の違いは同一労働同一賃金の例外として考慮に入れられていると承知をしています。専門的検討に当たっては、欧州における実態と我が国への導入の方法について具体的検討を行っていただきたいと考えています。 我が国の雇用慣行に留意をしつつ、待遇の改善に実効性がある方策を打ち出していきたいと考えております。
○田村(憲)委員 総理がおっしゃられましたとおり、ヨーロッパと日本では働き方が違うわけで、職務給中心のヨーロッパは、業務といいますか仕事の内容が類似していて、知識や熟練、責任が同じようなものを一つの職務として、同じ職務ならば賃金は同じ。日本は、それ以外にも働き方の仕組みというのが入ってまいりますから、職能給の中には、例えば配属が変わったりだとか、転勤があったりだとか、残業時間を企業から求められたりだとか、こういうような部分があります。全体として、長期間におけるキャリア形成という部分、こういうものも含めて評価をされる。 ここは違いがありますから、これを同一労働同一賃金という中でどうやって評価していくのか。難しい課題でありますけれども、しかし、これをやるということであります。まさに、ヨーロッパと日本と比べれば、ヨーロッパより日本の方が正規と非正規の賃金の格差が大きいということでありますから、これを是正する。これが大きな狙いだというお話でございました。 ぜひとも、我々も党として協力をしてまいりますので、これを実現していきますように、よろしくお願いいたしたいと思います。 正規、非正規という格差問題もあるんですが、一方で、大企業、中小企業、零細企業の賃金の格差もあるんですね。 ヨーロッパは産別で労働組合なんかもございまして、同じ仕事であれば、先ほどの話じゃありませんけれども、企業が違っていても賃金はそんなに違わない。企業の規模が違っていても、若干は違うでしょうけれども、そんなに違わない。 日本は、同じ仕事をやっていても、大企業と中小零細は違ってくるわけであります。これも何とかしなければ、地方創生と言っている中において、地方で働く方々の賃金というものも上げていかなければならぬわけであります。 それで、総理、大企業と中小零細の賃金格差を何とかしなきゃいけないという中において、政府においてもいろいろと政策を今盛り込んでおられるというふうにお聞きをいたしますけれども、具体的にどのような形でこの賃金の格差というものを是正されていこうとお考えですか。
○安倍内閣総理大臣 日本経済を持続的な成長軌道に乗せていく、多くの皆さんに景気がよくなったなと実感をしていただくためには、まさに中小零細企業で働いている皆さんの給与が上がっていく、待遇が改善されていく、地方においてもそうです、それが私は絶対的に必要であろう、こう考えています。 このため、未来投資に向けた官民対話などの場で企業の積極的な取り組みを要請してきたところであります。中小企業の収益拡大や下請取引の適正化に向けては、大企業に対して政労使合意の遵守や仕入れ価格の上昇を踏まえた価格転嫁などに取り組むよう要請するとともに、下請代金法に基づく立入検査を行ってきました。 現在、中小企業の取引条件に関し、産業界に対する大規模な調査を実施中であります。年度末までに結果を取りまとめます。これによって、取引条件の改善の状況や課題を具体的に把握し、そしてまたその改善に向けた機運を高めていきます。調査結果を踏まえて必要な対策を講じていく考えであります。 我々は、今までの政府の対応と違ってしっかりと企業にも働きかけを行っていく。あるいは地方においても、そうしたいわば県と地域の産業と労働界が議論をしていくという場もつくりながら、底上げをしっかりと図っていきたい。中小零細の人たちあるいは大企業の経営者が同じ認識を持つ、つまり、中小零細の皆さんの給与が上がっていき待遇が改善されなければ消費は本格的にふえていかないんだという認識を持って、これを進めていきたいと思います。 最低賃金については、安倍政権においては三年連続で約五十円の大幅引き上げを行いました。今後、年率三%程度を目途に引き上げまして、全国加重平均で千円を目指してまいります。 今後も、経済の好循環を継続させ、中小零細企業の収益の改善あるいは所得の上昇、取引条件の改善をしっかりと目指していきたいと思います。
○田村(憲)委員 二月十八日発表ですかね、二十七年の賃金構造基本統計調査によりますと、千人以上の企業の従業員の方々は月額三十五万一千五百円、それに対して十人から九十九人は大体二十六万四千円でありますから、これぐらい差があるということでございますので、そういう意味では、やはりしっかりとこれをどう是正していくかということが大変な課題だというふうに思います。 中小零細企業も一定の利益が出なければ賃金が上げられないので、そういう意味では、下請等々は発注単価をしっかり大企業に上げていただく、それによって今度はまた大企業も潤うというような、消費がうまく回る好循環を実現するという決意を表明していただきました。しっかりと中小零細、地方まで、アベノミクスの成果を、果実を広げるようにお願いいたしたいと思います。 次に、年金の質問をいたします。 総理、この予算委員会の中で、GPIFの積立金の運用が見込みどおりの収益を確保できない場合、将来年金額が下がる可能性があるというふうに言われたという報道がありました。しかし、これは多分、すぐに下がるとか、そういう話ではないんだというふうに思いますし、運用益だけの話ではないんだと思います。制度設計はそうなっているというふうに思うんですが。ちょっと報道の方が簡略化して報道されておったものでありますから、総理の口からのお言葉で、国民の皆様方が安心できる一言をお願いいたしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 先般も答弁のときに、これは長いスパンで見なければなりませんよというお話をさせていただきました。重ねて申し上げますが、最近の株価の下落などで年金額が下がるのではとの心配も聞かれますが、株価が下がったから年金額が下がるといったことは全くないということは、まずもってお答えをさせていただきたいと思います。 年金資金の運用を見ますと、平成十三年の自主運用開始以降の累積の収益額は、リーマン・ショックを経ても約四十五・五兆円プラスであります。また、安倍政権が発足してからの運用収益はプラス三十三兆円でありまして、年金財政上必要な運用利益を十分確保しています。こうしたことを見ていただければ御安心をいただけるのではないか、このように思う次第でございます。
○田村(憲)委員 昨年、八兆円ぐらい、株が下がったときに運用損が出たじゃないかと言われておりましたけれども、しかし、安倍内閣になってから、それでも三十三兆円運用益を上げてこられた。民主党政権のときにはたしか四兆円あったかなかったかぐらいですから。三十三兆円あるのがいいというわけではありません。悪いときには当然運用益は失われるわけでありますけれども、それだけ必要な利回り、運用益といいますか、それのバッファーがあるということでは安心できるのではないかというふうに思います。 ポートフォリオの見直しをよく言われるんです。国債の比率を減らしたのが危険じゃないか、株をふやした、こんな危ないことはないというふうに野党の方が言われるんですが、あえて言えば、今、低金利の国債を持っていますと運用益は確保できませんから、高リスク・低リターンというんですか、リスクは高くてリターンは少ない、こういう話になっちゃうわけですよね。 ですから、ポートフォリオを見直したことは私は正解だと思うんですけれども、ただ、株価を上げたいがためにわざわざ株の比率を上げたんじゃないか、こううがったことを言われる、レッテルを張りたがる方がおられるんです。これは総理の言葉で、そうじゃないんだ、恣意的にこんなことをしたんじゃないんだということを、はっきりと国民の皆様方にお伝えいただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 年金積立金の運用は、まず、安全かつ効率的に行っていくことが基本であります。 そして、私たちは、安倍政権ができてから、デフレから脱却をして二%という物価安定目標に向けて政策を総動員していきますよという方向を示し、もはやデフレではないという状況をつくり出しています。ということはどういうことかといえば、デフレ時代の運用と、それを抜け出しつつある、あるいは抜け出したときの運用が違うのは当然のことであります。物価が上昇していく局面では国内債券だけでは実質的な年金給付を確保することが困難であるのは、今の十年物の利率を見れば明らかであります。 ポートフォリオの変更は、このような想定のもとで、年金の財政検証の結果に基づき、GPIFの運用委員会においてシミュレーションや統計的な分析等による専門的な検討を行い、最適な組み合わせを選定したものであります。このように、専ら被保険者の利益のために最適な運用を検討した結果として株式等への分散投資を進めたものであり、株価を上げるなど、恣意的なものでは決してないわけであります。 なお、変更後の基本ポートフォリオのもとでの運用収益は、今年度第二・四半期ではマイナス七・九兆円となったものの、先ほどおっしゃったように過去一年間ではプラス四・二兆円になっておりますし、安倍政権を通じては三十三兆円、その前は旧ポートフォリオでありますが、そういうふうになっているということであります。 また、仮に、現行のポートフォリオであのリーマン・ショックを含む過去十年間運用したと仮定すると、従前のポートフォリオよりそれぞれの年度の収益の振れ幅は確かに大きくなります。しかし、名目運用利回りは四・三%となり、従前のポートフォリオより一・一%高い収益が得られることになるわけであります。 このように、現下の経済状況を見れば、現在のポートフォリオの方が年金生活者にとって間違いなくプラスになるということは確信をしているところでございます。
○田村(憲)委員 それは、〇・〇何%というような国債、マイナスのときもありますから、こんなもので運用していれば、完全に年金の財源は毀損するのは当たり前であります。 さらに申し上げれば、一・七%プラスアルファの運用益を稼ごうと思えば、これはそんなに高い運用益じゃありませんよね。これは自明の理で、プロがこのポートフォリオをつくればこういうような配分になるというのは大体共通認識として持たれているわけでございますので、これをもってして危ないと言われるのは私はちょっとよくわからない、制度をよくわかっておられないのではないのかなというふうに思います。 最後に、塩崎厚生労働大臣に時間がない中ちょっとお聞きするんですが、簡単にお答えいただければありがたいと思うんですが、デリバティブのこともよく言われます。今回、デリバティブを解禁するかどうかなんという話が出ておるわけでありますが、あくまでもリスクを減らすためのデリバティブしか使えないというふうな形で今議論をいただいていると思います。 これはどういうことなのか。そして、もしリスクを減らすため以外に使った場合にそういうことが本当に起こるのかどうか。どういうふうにそういうものを厚生労働省の中で、またGPIFの中で制限するような仕組みを入れられるのか。端的にお答えいただければありがたいと思います。
○塩崎国務大臣 釈迦に説法でありますけれども、デリバティブ取引というのはもともと株式とか債券の相場の変動に対するリスクを避けるためにあるわけでございまして、これまでも実は、長期投資をしている生命保険会社なんかでもみんな使っているわけであります。 今までGPIFで使えていたデリバティブというのもあったわけでありますけれども、今回見直しをしようということで、年金部会そしてまた自公の中で御議論いただいているスキームというのは、基本的には、新たなルールを定めた上で一部リスクヘッジのためだけに設けようということで、これは為替先物取引とかあるいは株価指数先物取引などを導入するわけでありますけれども、そのためにもルールを事前に設定して、利用のタイミングとか利用の額とか、あるいはリスク量を適切に測定、管理する体制を整備しないといけないとか、新設予定の合議体への報告を義務づけるとか、そういうことを全てルールを事前に設定した上で、特に投機目的のためのデリバティブは行わないということを明確にしてやっていきたいというふうに考えているところでございます。
○田村(憲)委員 ありがとうございました。
○竹下委員長 これにて田村君の質疑は終了いたしました。 次に、伊佐進一君。
○伊佐委員 おはようございます。公明党の伊佐進一です。 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。 まず冒頭、軽減税率についてお伺いをさせていただきたいと思います。 連日、この予算委員会におきましても、軽減税率についてさまざま議論がなされておるわけですが、私がこの軽減税率の議論を聞いていて思いますのは、例えば、質問の中で、軽減税率になったら現場に混乱が生じるんじゃないかという質問。 しかし、私、思うのは、我々の仕事というのは、混乱を生じさせないために何ができるか、どういう手を尽くすことができるかということがそもそも大事な議論であって、それが我々の仕事だというふうに思います。これは軽減税率を決断する前もそうだったんです。つまり、対象をどうするか、線引きが大変じゃないかと。でも、我々の仕事は、この大変な仕事に向き合って決めていくというのが我々の仕事だ。こういう議論をしっかりと行ってまいりたいと思います。 軽減税率、例えばこういう質問もありました。軽減税率にするとどんどんお店が潰れていくんじゃないか、こういう質問がありました。これは、麻生財務大臣の発言の中で誤解を招くようなものもあったということで、昨日、そういう趣旨で言ったんじゃないですよ、本意ではないよということで訂正もされました。 そもそも、軽減税率を採用すればお店が潰れるという質問をされる、これはどこにそんな因果関係があるのかということで、あるなら示していただきたいというふうに思っております。 ただ、事務負担が現場でもし生じるということであれば、それは当然、事務負担の軽減について我々は最大限努力をしていかなければいけないというふうに思っております。それが、現場に混乱を生じさせないために我々が全力を尽くすということではないかと思います。 パネルを用意させていただきました。 私が地元、現場を回っておりまして、商店街の皆さんとかあるいは商売をされている方々とお話をさせていただきますと、さまざまなこういう不安の声を聞くわけです。例えば、軽減税率が導入されると、新しいレジを導入するのをどうしようか、あるいはシステムも変えなきゃいけないのかどうかとか。あるいは、そもそも自分のお店の、これからどんな手続が必要で、どういった経理をしなきゃいけないのかとか、どういうふうに相談したらいいんだ、どこに相談すればいいんだ、こういうお声があるわけです。 このパネルは、こうした声に対応するために、予備費であるとかあるいは補正予算というところで既に措置をされているもの、これは左の部分ですが、例えばレジの導入への支援として上限二十万円まで小売に補助しますよという制度があったりとか、あるいはシステムの改修については上限一千万円まで補助を出しますよと。下の部分では、相談窓口も設置しますとか、あるいは専門家も派遣しますと。いろいろな対応をしていきます。 しかし、私、現場でいろいろな声を聞いていますと、そうなの、そんな補助ってあるのというふうに言われる。つまり、我々政府が既に決めたことについても、なかなかこうした取り組みが知られていないということじゃないかと思います。 そこで、経産大臣にお伺いしたいのは、私、大事なことは、現場の不安というのをしっかりとまず伺う、その上で、こうした取り組みをしっかりやるんです、こういうことを周知徹底していかなければいけない、混乱が生じないように、ぜひこういうのを皆さんに使っていただけるように力を尽くしていかなければいけないというように思いますが、いかがでしょうか。
○林国務大臣 軽減税率制度の導入、運用に当たりまして、伊佐議員御指摘のとおり、混乱が生じないよう、現場の声を聞きながらしっかりと取り組んでまいります。 中小企業、小規模事業者に対する支援としては、昨年十二月十八日に予備費を使用することが閣議決定をしております。中小の小売事業者等に対しまして、軽減税率に対応したレジの導入の補助、そしてまた、今お話がありましたように、複数税率への対応ができない電子的な受発注システムを用いている中小の小売事業者、卸売事業者に対しましてシステム改修の補助を行うことにいたしました。事業者が補助金申請を円滑に行えるように申請書類も簡素化するといったように、手続負担にも配慮した制度設計を進めてまいります。 さらに、一月二十日に成立しました補正予算も活用いたしまして、政府が一体となって、パンフレットの配布あるいは説明会の開催といったような取り組みによりまして十分な周知、広報を行います。加えて、商工会あるいは商工会議所などと連携いたしまして、相談窓口の設置あるいは専門家を派遣するなどを通じまして準備が円滑に進められるよう、現場の声をしっかりと聞きながら丁寧なサポートを行ってまいります。
○伊佐委員 今、大臣の方から、事業者に対する周知徹底というさまざまな取り組みを紹介していただきました。 同時に大事だと私が思いますのは、国民の皆さんに対して、消費者の皆さんに対して、軽減税率がどういうものかというものを知ってもらうという努力も必要だというふうに思っております。 この予算委員会、さまざまな議論の中でも、いろいろな具体的な事例を野党の皆さんからも質問されて、こういう場合は一〇%か、果たしてこういう場合は八%かというさまざまな質問をしていただいておりますが、こういう議論は、国民の皆さんの前で軽減税率に対する理解を深めていくという意味で、私は非常に大事な作業だというふうに思っております。 というのは、財務省は既に一〇%と八%の基準を示しているわけです。どういう場合が外食に当たって標準税率になるのか、こういう場合はテークアウトとみなされて軽減税率になるのか、この基準。判断基準として、飲食設備、例えばテーブルとか椅子があるのかどうかというのが基準であったりとか、あるいは一〇%、八%がいつ決まるかという基準も示していただいております。 つまり、外で食べますよというふうに買って、結局、中で、店で食べたらどうなるか。そのときの基準というのは、販売時点で一義的に決まるという基準を示していただいております。つまり、販売時点で外で食べるか、中で食べるか、どういう意思表示をするかというのが大事で、後でどうなったかではなくて、販売時点での判断というのが大事なんだという基準を示していただいております。 ただ、これは基準ですので、基準で線を引きますと、当然この線は確認が必要なところも出てくるわけです。ではこの線の上のこういった場合はどうなんだというような、それは当然、線を引けば出てくるわけですね。だから、今我々は、財務省によって示された基準に沿って、こうした一つ一つの具体的なケースについて野党の皆さんから質問をいただいて、それを丁寧に議論をしている。 これは、申し上げたように、軽減税率制度のありようというものを皆さんに理解いただく上で非常に大事なプロセスだというふうに思っています。だから、それを軽減税率制度の欠陥だと言うのは全くおかしな指摘だというふうに思っております。 財務大臣にお伺いしたいのは、こうしたさまざまな今回の国会の議論を踏まえて、国民の皆さんあるいは消費者の皆さんにより御理解いただけるように基準についてしっかりと周知徹底していただきたい、不安を払拭していただきたい。現場の混乱を起こさせないようにするんだという大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
○麻生国務大臣 この制度の導入につきましては、平成二十九年四月にいわゆる現場の混乱等々がなく円滑に導入ができるというのは、おっしゃるとおり、極めて重要な課題であります。したがいまして、事業者はもちろんですけれども、消費者にとりましても、できる限りわかりやすく、いわゆる信頼できる制度というのにしていかなきゃならぬと思っております。 複数税率に対応した新たな業者側の事務負担というものが生じるということになることに関しましては、今経産大臣の方から答弁がありましたように、事業者に十分配慮することは必要だと考えております。 同時に、軽減税率の適用の範囲につきましては、今般の法律に今言われたような定義を示したところでありますが、事業者や消費者にとってわかりやすいものにすることが最も重要で、何やということにならぬようにしておかぬと、その具体的な当てはめにつきましては、通達とかQアンドAとか、そういったものを通じて、できるだけわかりやすいようにお示しをしていきたいと考えております。 また、事業者への対応につきましては、軽減税率の制度の周知徹底、またいろいろ御相談も受けることになると思いますので、税務署に聞いてくださいなんて言ったって、税務署なんて最も聞きに行きたくないところですから、丁寧にそういうのは行いつつ、中小事業者に対しまして、複数税率に対応するための、いわゆる新たにレジを導入するためとか、また資金的支援というものも講じたいと考えております。 委員の御指摘にありましたように、この導入に向けていわゆる混乱とかいうものが生じないようにするのが最も大事なところでありまして、今般、附則に定義を示しておりますように、政府といたしましては万全の体制で臨んでいきたいというふうに考えております。
○伊佐委員 大臣より御決意をいただきまして、ありがとうございます。 私がいまだ理解できないのは、軽減税率の議論を深めるのが大事だという一方で、いまだ給付つき税額控除を主張されている方々がいて、なぜ給付つき税額控除が難しいか、この理由、総理も答弁されておりますし、麻生大臣も先日非常に詳細に答弁をしていただきました。 民主党の主張される給付つき税額控除というものを実現するためには当然所得とか資産の把握というのが必要で、でも、そもそも低所得者の皆さんあるいは課税対象外の方々、こうした方々の所得をどうやって把握するのか、ましてや金融資産、個人資産の把握をどうやってやっていくのか、これが大きな問題だとずっと指摘されてきているわけですよ。ところが、その点について民主党から全く説明がなされていないという状況です。 事務手続もそうです。給付つきの税額控除になったら、その申請あるいは給付の手続はそれこそ大変な混乱があると指摘されております。これは、民主党政権下において当時財務大臣だった方がそうおっしゃっているわけです。今の税務署の体制の中で給付つき税額控除の対応ができるのかというふうに聞いたところ、これは率直に言って課題があるとはっきり答弁されているわけですよ。 こうした課題、所得、資産の把握あるいは事務手続、こういうことに解決策を示さずに、いまだ給付つき税額控除だと言っているのは私は理解できない。これから軽減税率制度についてしっかりと議論をいただきたいと思いますが、私は、新しい制度を導入する際にはきめ細かく丁寧な、具体的で現実的な対策というのをしっかりととって大きな混乱を起こさせないようにするというのが、政治に課せられた我々の責務だということを再度申し上げたいと思います。 次に、テーマをかえまして、集中審議のテーマに今なっております税と社会保障の一体改革でございますが、税と社会保障の分配機能について、とりわけ未来への投資ということについて質問させていただきたいと思います。 自公政権は子ども・子育て世代に対する支援、未来への投資というものをどう考えているかということですが、この三年間、自公政権、我々公明党も、青年世代への政策あるいは子育て世代への支援政策というものに取り組んでまいりました。 きょうはパネルをまた用意させていただきましたが、ここに載っているのは何かというと、申し上げた未来への投資という観点で、この三年間自公政権が取り組んだものではありません。これは、あくまで今回、ことしの一月からの通常国会で、二十七年度補正予算あるいは二十八年度予算、この中だけでどれぐらい新しいことを始めたか、どれぐらい未来への投資に力を入れているかというパネルです。 例えば、この左上のところ、児童扶養手当の充実、これは第二子、第三子への支給額を倍増させましょうと。例えば二人目を増額したというのは、まさしく三十六年ぶりに今回一歩踏み込んだ。あるいはその下、幼児教育の無償化、これも自公政権の中で一歩一歩今前に進めております。年齢制限を今回取っ払って、第二子の保育料を半額、第三子を無料ということ。右側を見ていただくと、不妊治療への助成であったりとか、あるいは高校生、大学生への奨学金。 実は、これらのほとんどは、我々公明党のマニフェストとか重点施策あるいはさまざまな提言で言及されているものばかりです。これは主なものなので、これ以外にもたくさんあるわけですが。こうした未来への投資、当然限られた財源の中ではありますが、自公政権はこれまで一歩一歩拡充してまいりましたので、この勢い、このモメンタムを緩めちゃいけないというふうに思っております。 必ずしも先進国の中で比較したら十分だという状況ではありませんけれども、こうした子ども・子育てへの支出であるとか、あるいは教育に対する公的な支出であるとか、限られた財源の中でこの拡大の勢いというのはとめないんだ、未来への投資というのはぜひ重視していただきたいと思いますが、総理、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 子供たちの未来が、生まれた家庭環境あるいは経済状況によって左右されてはならないと考えています。安倍政権は、今後、子育てや教育等、まさに未来を担う子供たちへの投資を拡大していきます。 今般の補正予算や来年度予算において、保育サービスの充実や教育費負担軽減、児童扶養手当の拡充を行うなど、国、地方を合わせた公費ベースで七千億円の子育て支援の拡充を盛り込んでいます。あわせまして、いじめや不登校対応のための教職員定数の充実やスクールカウンセラーの配置拡充を行うなど、来年度全体で四兆円を超える教育関係予算を確保しています。 今後とも、委員がおっしゃった未来への投資、子供たちへの投資はしっかりと行っていく考えであります。
○伊佐委員 総理から力強い言葉をいただきました。未来への投資というのを拡大していくんだとはっきりとおっしゃっていただきました。非常にありがとうございます。 この未来への投資の中で、とりわけ私が少し取り上げたいのは、一人親家庭の子供たちについてです。 相対的貧困率というのが今国会でもさまざま議論がなされております。一人親世帯では二人に一人が貧困だ、貧困率は五四・六%、これはOECDの中でも最も厳しいというふうに言われております。こうした状況の中で、とにかく自公政権はできることは何でもしようということで、昨年の末に自立応援プロジェクトというのを取りまとめました。一人親家庭あるいは多子世帯に対してしっかりと自立を促して、またさまざまな支援をしていこうと。 パネルは用意させていただきましたが、詳細は申し上げませんが、ポイントは何かといいますと、例えば、生活をどうやって応援するか、子供たちの学びをどうやって応援しようか、あるいは違う面では、就労をどうやって応援するか、住まいをどうするか。いろいろなさまざまな面、多方面からアプローチをして、そしてパッケージとして政策を打っていこう、前に進めていこうということだと。 昨年末、十二月にさまざまな新しい施策を取りまとめて一歩踏み出したわけですが、その上で、私は厚労大臣に少しお願いしたいことがございまして、それは何かといいますと、たくさんいろいろな制度をつくられる、これは非常に大事なことだと思いますが、これをきちんと利用されるようにしてほしいということです。 きょうは、配付資料、細かい資料ですのでパネルにはしておりません。お配りしたものがございます。いろいろ細かい表。 これは、一人親家庭の施策というのがいろいろ並んでおります。赤で囲った左の括弧の部分というのは、一人親家庭に対するいろいろな制度を利用したことがあるかどうかというような、これは厚労省に調べていただいたものです。ほとんどの一人親家庭に対する施策の利用率は、実は一〇%以下なんです。五〇%を超えているのはハローワークだけです。 さらに言えば、例えば就労支援をしっかりやっていきたいというので今回も入れていただいておりますが、この右の括弧の部分、これは今後そういう制度を利用したいと思いますかというアンケートなんですが、その結果も、実は五年前と比べて、例えば自立支援教育訓練給付金とか高等技能訓練促進費、こうした就労にかかわるいろいろな施策についても、利用したいという人が減っているんです。こういう調査の結果が出ております。 何でこれだけ制度があるのに使いたい人が減っているのか、この辺をもっとしっかり分析していただいて、もっと利用が拡大するようにぜひ改善していただきたいと思います。いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 今、伊佐委員の方から御指摘がございましたように、例えばこの高等職業訓練促進給付費、それから自立支援教育訓練給付金、いずれも大変低い利用率だ、こういう御指摘をいただきました。やはり一言で言えば、使い勝手が必ずしもよくない、そしてまた中身ももっと充実して魅力的にしないと飛びついていただけない、そんなことがあるのかなというふうに考えております。 昨年十二月、先ほどお触れをいただきました自立応援プロジェクトの中で、一つは、支援を必要とする一人親の方が行政の相談窓口に確実につながるということのために、わかりやすい情報提供あるいは相談窓口への誘導の強化というものをまずやろう、それから自治体の相談窓口において子育てや生活から就業に関する内容まで幅広くワンストップで相談できる体制を整えることが大事だということで、この使い勝手を上げていこうということがまず第一点。 もう一つは、給付金に対しても、一人親にとってもっと利用しやすい魅力的なものにするということにおいて、高等職業訓練促進給付費については支給期間の延長、支給対象となる資格の拡大を行って、さらに受給者を対象とした入学準備金等の貸付事業を新たに創設するということもやらせていただきます。それから、自立支援教育訓練給付金については支給額を引き上げるということで、こういった拡充も行って、今申し上げたように、一人親の家庭の方が自立できるように、使い勝手と、それから中身においても魅力を上げていこうということでやっているところでございます。
○伊佐委員 ありがとうございます。 利用しやすい制度について、前向きな答弁をいただきました。ありがとうございます。 もう一つ、養育費の問題について伺いたいと思います。 一人親家庭になる理由として一番多いのは何かといいますと、その原因は離婚であります。母子家庭となるケースの八〇%、父子家庭の場合は七五%が離婚が原因だ、理由だというふうに言われております。 ところが、例えば母子家庭の場合、離婚されて、別れた元配偶者から、父親に当たるわけですが、養育費を受けているのはわずか二〇%なんです。これは諸外国と比べても余りに低い。日本は二〇%と申し上げましたが、諸外国、例えばアメリカは養育費の受給率七割。これは当然、米国の場合は共同親権ですので一概には言えないとは思いますが、ただ、二〇%という日本の数字は余りに低いというふうに思っております。 これは当然、いろいろな理由があると思います。例えばDVの被害を受けていらっしゃったとか、とにかくとるものもとりあえず何とか別れたというような大変な状況の方もいらっしゃれば、あるいは子供の福祉に反するような事例があって、養育費の取り決めなんてすることができなかったというような場合もあります。今さら会って話し合おうなんというのも非常に苦痛だという方々もいらっしゃいます。 でも、そうなると、結局被害に遭うのは誰かというと子供なわけです。養育費というのは子供のためのお金でありますので、両親がいろいろあったときに結局子供がその養育費を受け取ることができないというような状況になります。 そこで、離婚する際にはきちっと、養育費をどうするのか、あるいは面会交流をどうするのか、そういうような子供のことを考えた取り決めというものを促す取り組みをぜひしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○岩城国務大臣 ただいま、養育費の受給率が低いというお話がございました。 これまでの取り組みですけれども、平成二十三年に民法の一部を改正し、離婚の際に父母が協議で定めるべき事項として養育費の分担等を明示し、これにより、協議離婚の際に当事者間で養育費の分担の取り決めがされるよう促すことといたしました。 法務省では、この改正の趣旨を周知する方法として、離婚届け出書の様式改正を行いまして、届け出書に養育費の分担の取り決めの有無をチェックする欄を加え、改正法が施行されました平成二十四年四月からその使用を開始しております。 法務省といたしましては、今後、養育費に関する法的な知識をわかりやすく解説したパンフレットと、養育費等の取り決めをする際に使用する合意書のひな形を作成し、これらの書類を離婚届け出書と一緒に当事者に交付することや、中期的な課題としては、養育費に関するものも含め債務名義を有する債権者等が強制執行の申し立てをする準備として、債務者の財産に関する情報をより得やすくするために財産開示制度等に係る所要の民事執行法の改正を検討すること、これらを予定しているところであります。
○伊佐委員 ありがとうございます。 一部の自治体、私が伺っているのは例えば明石市とか、実は先進的に今おっしゃったような取り組みをしている自治体もございまして、ぜひ国としてもこれを全国に広げていくんだという思いでやっていただければというふうに思っております。 最後の一問の質問になりますが、難病対策について質問させていただきたいと思います。 総理はかねてから、難病対策というのは私のライフワークだというふうにおっしゃっていただいておりますが、昨年一月に難病二法というものが成立をいたしまして、医療費助成の対象というのが五十六疾患から三百六疾患に拡大をした。また、法律に基づいてこれまで予算を確保することがなかなか、補正予算だったものが法律に基づいた体制になった。これは、自公政権の中で大きな一歩を踏み出したというふうに思っております。 私が難病の方々の話を聞いていて思うのは、病名がわからずにたらい回しにされる、ドクターショッピングといいますが、とにかくわからないので地域の病院に行って、大病院に行って、ところが希少な疾患なのでなかなかわからない、自分でネットで調べて、最後は、しんどいのに新幹線に乗って、電車を乗り継いで、違う都道府県に行ってようやくわかったと。これはまだいい話で、診断されるまで結局八年かかったという方の声も聞きました。そういった状況を私はぜひ、初期の段階で難病というふうに早期に発見また診断される体制づくり、医療提供体制をつくる、これは非常に大事だ、整備が重要だと思いますが、厚労大臣、いかがでしょうか。
○塩崎国務大臣 先生御指摘のとおりでございまして、早期に正しい診断をして、身近な医療機関で適切な医療を受ける、これが一番大事でありまして、昨年九月に難病の医療等の確保に関する基本方針というのをまとめましたが、まさにそのことが書いてあるわけであります。 平成二十五年の一月に厚生科学審議会の難病対策委員会で提言がなされておりまして、それを踏まえて、これから拠点となる医療機関の機能の明確化とか、あるいは関連機関等の連携のあり方を含めて医療提供体制のあり方を検討していきたいと思っております。 この提言では二種類の医療機関を考えておりまして、総合型の拠点病院と領域型の拠点病院ということで、総合型は都道府県に原則一つ、三次医療圏ですね、もう一つの領域型は二次医療圏ごとに設ける。それに加えて、診療所やあるいは身近な通っていらっしゃる病院との連携、こういう体制をしっかりと組んでいくということが大事なので、難病の診療の実態も踏まえて、平成二十八年度中に関係機関の連携のあり方等について具体的なモデルケースを示してまいりたいというふうに思っております。
○伊佐委員 非常に前向きな答弁をいただきました。時期まで示していただいて、平成二十八年度中にモデルケースを示すというお言葉もいただきました。 今回、確かに三百六疾患まで拡大をしたわけですが、我々がやはり心にとめておかなきゃいけないのは、こうして難病の制度の対象が拡大したんですが、それでもやはり漏れてしまった方々というのはいらっしゃるわけです。それはいろいろな要件が法の制度としてありますので、それに乗らなかったということではありますが、苦しんでいる方本人にとってみれば、同じように苦しんでいらっしゃるわけです、同じように悩んでいらっしゃる。だから、今回の、私が今質問させていただいた医療提供体制を整備するというのは、制度に乗った方も、あるいは乗らなかった方にとっても非常に有効な制度だというふうに思います。 今回、前向きな、二十八年度中というような時期も示していただきましたので、ぜひ、こうした取り組み、難病の皆さん、難病で苦しんでいる方々が希望を持てるような政策をこれからも引き続きとっていただきたいというふうに思います。 以上、終わります。ありがとうございました。
○竹下委員長 これにて伊佐君の質疑は終了いたしました。 次に、西村智奈美君。
○西村(智)委員 西村智奈美です。 きょうは、また大変残念なことから総理に質問をしなければなりません。 この間の閣僚の不適切発言、そして、二〇一二年問題とも言われます、初当選が二〇一二年であった若手議員の皆さんのこれまた政治と金をめぐる問題等々の不祥事であります。 具体的に幾つか私も調べてまいりましたけれども、特に二〇一二年に初当選をされて政務官についておられる方々の政治と金をめぐる問題、大変残念な事例が幾つも挙げられております。 一つには、大岡敏孝財務政務官、政治資金規正法の規定額を超える企業献金を受け取っておられました。加藤寛治農林水産政務官、これは、彼が県議であった時代に、不正処理された政治資金の問題で罰金の略式命令を受けて県議を失職しておられます。また、藤丸敏内閣府政務官、赤坂の議員宿舎の水道光熱費を政治資金から支出していたという問題。また、星野剛士内閣府政務官、公正取引委員会から独禁法違反で課徴金納付命令を命じられた企業から寄附を受けていたり、また、お祭りの景品として豪華景品をプレゼントしていたという報道もございました。宮内秀樹国土交通政務官、寄附をした側と寄附を受けた側との政治資金収支報告書の食い違い、また、経歴に記されていない建設会社から報酬を受けていたという事実。そしてまた、堂故茂文部科学政務官、彼は参議院議員でありますが、みずからが代表を務める政党の支部に寄附をして、それをもとに所得税の還付を受けていたということでありました。これはまさに二〇一二年問題であります。 そして、昨日は、丸山和也参議院議員が大変ひどい発言をされた。差別発言です。なおかつ、我が国の主権国家としてのありようを根底から否定するおそれが強い発言もされました。アメリカの五十一番目の州になったらどうなのか、あるいは、アメリカの大統領を指して、黒人、奴隷であったということまで発言をされておられた。 外交問題にいまだなっていないということはせめてものことではありますけれども、昨日、この発言について記者会見を開いた丸山議員の発言を聞いて、私はさらに唖然といたしました。批判されるのは不条理だというふうに言っておられたんですね。 これはもう自民党の、与党としてのおごりの体質そのものだと断言をしなければなりません。 総理、総裁として、今回の一連の二〇一二年問題と言われる数々の問題、そして丸山参議院議員のこの発言について、総理はどう感じていらっしゃいますか。
○安倍内閣総理大臣 みずからの行動については、与党、野党にかかわらず、一人一人の政治家が責任を持つべきであります。国民の信頼なくして政治は成り立たないわけでありまして、一人一人が国民の厳しい目が向けられていることを自覚し、その信頼を失うことのないよう、みずからを律していかなければならないと考えております。 内外の課題が山積する中で、政権与党として、今後さらに緊張感を持って国政を力強く前進させ、しっかりと結果を出すことによって国民への責任を果たしていく決意であります。
○西村(智)委員 私は、具体的な事例についてどう思いますかというふうに伺ったんです。一般論について伺っているのではありません。しかも、今の総理の答弁は、私が先週十日に質問したときに返ってきた答弁と全く同じでございます。 総理はその日もおっしゃいました、信なくば立たずです、政治家みずからがきちんと説明責任を果たしていくことが大事ですと。そう答弁されて、わずか一週間ですよ。一週間しかたっていないのに、またこのような発言がなされてしまって、そして、まさに与党のおごりだ、こういう批判もされている。 私は、やはりここはもう一度真剣に受けとめて、そしてもう二度とこのようなおかしな発言がありませんということを断言すべきではないか。そこは、きちんと総理みずからの口でおっしゃっていただかないと、また同じことが繰り返されると思いますが、どうですか。
○安倍内閣総理大臣 国会議員は、それぞれの選挙区、あるいは選挙において国民から選ばれている、この自覚を持たなければならない、このように思うわけでございます。その中において、みずからを律していく、そして、その発言は影響力を持つということをかみしめながら発言をし、そして行動していくことが求められていくんだろう、このように思います。 その意味におきましては、政府・与党という立場はより一層重たいんだろう、こう思う次第でございまして、今後とも、与党、身を引き締めて当たっていきたい、このように考えております。
○西村(智)委員 丸山和也参議院議員は、自民党の法務部会長も務めておられるそうなんです。報道によれば、憲法審査会の委員はやめられるということは明らかになっておりますけれども、自民党の法務部会長として、まさに法務委員会等々の議案をさばき、そして法案の賛否についても決する、その責任者であろうと思います。 このような人権意識が欠如している人に、法務部門の会長をこれからも任せるつもりですか。
○安倍内閣総理大臣 個々の議員の発言について、一々私はコメントはいたしません。 今後、それぞれ議員が自覚を持ちながら、みずからを律していくことが大切ではないか、このように思います。 御党においても、安倍総理大臣が睡眠障害になるように頑張る、こう発言した方がいるではありませんか。一々こんなことを私は取り上げたいとは思いませんが、睡眠障害に悩む人たちにとって大変な発言ですよ。しかも、私をそういう状況に陥れよう、そう考えているんですか、民主党の皆さんは。そういうことも含めて、国会議員は身を引き締めていくということが大切であろう。 これも、はっきりと言って、人権問題ではありますよ。私にだって家族がいるんですから、おまえを病気にしてやろうと民主党で決議をしているということを聞いて、私は……(発言する者あり)決議をするべきだ、決意を示すべきだ……(発言する者あり)でも、決議をしていないのであれば、その後どうしたかということについてもこの場で述べていただいてもいいんだろうと思いますよ。 文部科学大臣をやっていた方がそういう発言をしたというから、私は大変驚いたわけであります。そういう決意をここで示そうということをおっしゃったのは事実であろう、こう思うわけであります。 いずれにせよ、こうした発言も含め、あるいは我が党の発言も含め、みずからが、国会議員はそれぞれが身を引き締めていくことが大切なのではないか、このように思う次第でございます。
○西村(智)委員 総理、すりかえないでいただきたいんですね。 睡眠障害の件の発言については、おわびをいたします。また、発言者もそのようにおわびをし、この発言は撤回いたしました。 しかし、今回の丸山参議院議員の発言については、委員会で、まだ議事録の修正、削除、これは正式に行われていないというふうに承知をしております。また、開き直っているんですよ。私は批判されるのは不条理だというふうに言っているわけですから、ここは全く問題の質が違うというふうに思います。 もう一度伺います、総理。 人権意識をきちんと啓発していく、それが法務省の極めて大事な仕事の一つであり、昨日、法務大臣もそのように答弁をしておられました。その法務部門の部会の会長である丸山和也参議院議員が、このような人権意識が欠如した発言をし、そして、そのことを全く反省したそぶりも見せていない。議事録は修正するとは言いましたけれども、これについて、批判されるのは不条理だと言っていることは、やはり余りにおかしくないですか。 これについて、もう一度処分をきちんと考えていただきたい。どうですか。
○安倍内閣総理大臣 先ほど私が例として挙げました睡眠障害の話については、私に対する謝罪は一切ございません。そして、撤回についても、そうした障害を持っておられる方々を傷つけるとすれば申しわけないということであって、私を睡眠障害にしようということについて、私に対しては一言も今までなかったわけでありまして、一切の謝罪はなかったということは申し上げておきたいというわけでございます。 そして、もちろん話は別であります。しかし、皆さんも、それぞれ胸に手を当てながら、みずからを一人一人が律していくことが大切だろう、このように思うわけであります。 そして、丸山議員の一昨日の発言については、既に丸山議員自身が、誤解を与える発言をしたことを謝罪し、発言を撤回しており、党としても、谷垣幹事長から議員本人を注意したと承知しているところであります。 いずれにせよ、これは与党、野党を問わず、ここにいる議員も含めて、みんなでそれぞれがしっかりと胸に手を当てながら、人権を侵害するような発言をしてはならないということは当然のことでありますが、自分たちの発言は影響力があるんだということをしっかりと肝に銘じながらそれぞれが発言をしていきたい、いくべきだろう、このように思う次第でございます。
○西村(智)委員 総理みずからが問題をすりかえ、そして開き直っているということは、これは大変なことだと私は思います。 今回の件については、私、もう一度重ねて申し上げたいと思いますが、私は、一週間前もこの件、質問をして、総理も、信なくば立たず、襟をみずから正すんだというふうにおっしゃっていたんですよ。それからわずか一週間でこういう発言が出てきているということが、それが与党のおごりの体質そのものであって、そしてそれを総理も開き直って認めてしまっているということは、これは大変な問題だというふうに思います。改めてそのことは強く指摘をしておきます。 さて、きょうは私、社会保障の件についてということでもありますので、今回の軽減税率の問題について質問したいというふうに思います。 軽減税率は、私は、はなから否定をするものではありません。税制抜本改革法の中にも、総合合算制度、それから給付つき税額控除、これと並んで、検討する項目の一つとして挙がっておりましたので、検討することそのものはやらなければいけなかったというふうには思うんですね。 ところが、問題は、そのほかの二つの選択肢であったはずの給付つき税額控除とそれから総合合算制度、これについて、まともな検討が行われた形跡が全く残っていない。全く残っていない中で、なぜか軽減税率ありきというその解決策だけが先にあって、そして、それについてのいろいろな議論が去年の年末にかけてずっと行われてきたということだと思っております。 そして、この軽減税率は、私は、やはり制度的には大変大きな欠陥があるし、そして、今回決まったとされる内容を見ても、その欠陥は全く払拭されていないというふうに言わなければなりません。 一つには、低所得者対策には全くなっていないということ、逆に高所得の皆さんに対するお得感が非常に強いということ。それから、社会保障のための財源、これは見つかっていないですよね。一兆円の穴があく中で、総合合算方式をやめたから残りは六千億円ですという話はありますけれども、これを安定的に、しかも恒久財源として見つけるというのはなかなか大変ですよ。そういった財源の穴がいまだに放置されているということ。それから、議員定数の削減もされていないという中で、本来これがセットであるべきだったのに、軽減税率と一緒に消費税の引き上げが自動的に決まっているということ等々、いろいろありますけれども、そういった問題点を押し切って、三党合意も踏みにじられて、自公政権は軽減税率の導入をさっさと決めてしまわれたわけなんです。 理由は何だろうかと、いろいろ答弁も私も読み返してみました。そうしたら、一言、痛税感の緩和だというのがその理由のようなんです。しかし、この痛税感という言葉も非常に曖昧だし、それを緩和するために支払わなければいけない代償は、私は余りにも大き過ぎるというふうに思います。 それで、これについては、先日、我が党の古川元久委員、そして昨日、神山洋介委員が、幾つかの事例を挙げて、この軽減税率についての考え方を整理しようというふうに試みて、いろいろ質問をされました。きょうは私、その事例を受けて、さらに整理をして伺っていきたいというふうに思います。 これまでの答弁を聞いていますと、販売時点で消費者の意思確認をして、それに基づいて、一〇%の税率とするのか、それとも八%の据え置き税率とするのか、それを決めるのだということでした。販売の時点で確認をするというのは、先日答弁で初めて明らかになったことでありますし、例えば福袋などについては、一万円を超えるものが一〇%で、一万円以下のものがその中身によって決まってくるというような話、これも大変混乱すると思いますけれども。いろいろありましたが、一つずつ伺っていきたいと思います。 これは、何のためにするかといいますと、先ほど公明党の委員の方からも、一つ一つ整理をしてもらうことが、消費者にとってわかりやすい話になるし、またその線引きがよりクリアになるということもあってしようとする質問ですので、ぜひ麻生大臣に一つ一つ答えていただきたいというふうに思います。 一と書いてあるものです。 例えば、おまけがつくセットで販売されている商品というものもありますよね。ティッシュボックスがメーンであるんだけれども、果物ジュースがおまけでついているというケースはあるでしょう。それから、逆に、果物ジュースがメーンの商品なんだけれども、ティッシュボックスがおまけでついていますよという販売の仕方もあるでしょう。 子供がおうちの人から言われて、ジュースを買ってきてくださいといってお財布を渡されて、買い物に行きました。最初に目に飛び込んできたのがティッシュボックスを売っているもので、そこに果物のジュースがおまけでついているというものでした。ああ、果物のジュースがついているから、じゃあこれを買っていこうということで一〇%で買った。ところが、お店を出て別のお店の前を歩いていたら、今度はジュースがメーンでティッシュボックスがおまけについているという、中身は同じものが売っていて、それはジュースがメーンですから八%の据え置き税率、軽減税率が適用になる。 大臣、これはこういうことでよろしいですか。 〔委員長退席、菅原委員長代理着席〕
○麻生国務大臣 具体的な課税の関係につきましては、実際の個別の具体例というものの状況を踏まえて、その都度個別の判断をしていくものだと考えておりますが……(発言する者あり)何がわからないんだよ。 その上で、一般論として申し上げれば、御指摘のように……(発言する者あり)聞く気がないみたいだから、静かにするように言うてくれる、あなたの方から。(西村(智)委員「聞こえます」と呼ぶ)ある程度の量のティッシュボックスを販売する際には、少量のジュースをおまけにつけられるということは見受けられるところでありますけれども、こうした場合は一体商品には当たらず、ティッシュには標準税率一〇%がかけられて、果物ジュースは無償であるものとして税額は生じないものと考えております。 逆に、ある程度の量のジュースを販売するということになりまして、それに少量のティッシュボックスをおまけにつけられるという場合なのであれば、ジュースには軽減税率の八%が適用され、ティッシュボックスは無償ということであるものと判断をし、税額は生じないものになるというように考えております。
○西村(智)委員 つまり、これが例えば同じ値段だったとしまして、それで、手にしたものが全く同じものであるにもかかわらず、一つのセットは一〇%、一つのセットは八%、こういった差が出てくるということなんですね。これは、例えば高額なおまけがついても同じということですから、非常にわかりにくいし、不公平感をさらに増すものになるというふうに私は思います。 そして、二つ目の事例ですけれども、福袋です。 これは昨日、一昨日だったでしょうか、答弁で、一万円を超える福袋は一〇%が課税されると。ところが、一万円以下の福袋については、中身が、食品が多ければ八%になるけれども、食品が少なければ、あるいは入っていなければ一〇%になるということなんですね。 お店に行って、福袋がたくさん並んでいました。福袋は何が入っているかわからないからお楽しみの福袋なんです。だから、当然中身はわかりません。一つ持ってレジに行きました。 レジの店員さんは、これは八%、一〇%、どっちを課税したらいいんですか。
○麻生国務大臣 今般の制度案の中において、軽減税率の適用の対象となっております食品と、食品以外の商品が一体となった、いわゆる一体として価格表示をされております、通称一体商品とよく言われるものですが、原則軽減税率の適用対象外としておりますが、その一体商品が一定金額以下、今一万円と思っておりますが、その価格のうち食品部分が主たるものになるということになるのであれば、その全体を飲食料品として扱い、軽減税率八%の適用対象とすることといたしたいと考えております。 御指摘の、食品と食品以外の商品が一体となったいわゆる福袋につきましては、基本的には標準税率一〇%の適用でありますけれども、福袋の価格が一定金額以下、今一万円と思っておりますが、一万円以下の場合で、その価格のうち食品部分が主であるというものは、軽減税率の適用といたしたいと考えております。
○西村(智)委員 中身がわからないんですね。中身がわからないときに、要するに、どちらが食品が多いものなのか、それから食品の入っていないものなのかということを、何もわからないままレジに持っていって、それで買うわけですよ。どうやってこれは課税するんですか、八%か一〇%か。
○麻生国務大臣 売る人の側はよくわかっておるわけです。
○西村(智)委員 ということは、消費者の方も、中身が何かあらかじめわかった上で買わなければいけないということになるわけですね。それは福袋というふうになかなか言えないんじゃないかなというふうに思います。 それで、例えば、では三番目のケースのとき。 夕方、子供が学校から帰ってきて、これからちょっと習い事に行こう、塾に行こうということで軽食屋さんに入りました。 最近は、キャッシュで払うということはあるでしょうけれども、みんなカード式の電子マネーのものを持って、それで店頭でぴっとやって支払うケースなどはあるわけなんです。 それで、買いに行きました。店内で食べますか、持ち帰りますかと聞かれて、ああ、時間があるから、じゃあここで食べていきますと言って、一〇%課税されて、それで買った。ところが、はっと時計を見たら、もう時間がなくなってしまっていて、テークアウトにした方がいいなというふうに思った。ところが、電子マネーで払ってしまいましたから、これはなかなか返金が難しいと思うんですね。八%にしておけばよかったというふうに思っても後の祭り、かわいそうです。 これはどういうふうに対応したらよかったですか、大臣。
○麻生国務大臣 これは前にも佐藤主税局長の方からこれに関連した質問を御答弁申し上げたと思いますが、税法上、軽減税率の適用対象となるか否かというものにつきましては、販売事業者が販売した時点において一義的に判断をされる、すなわち、カウンターのところで判断をされるべきものだと考えております。 したがって、事業者が商品を販売する時点において、お客が店内で飲食をする意思表示を示した場合は、その事実に基づいて適用関係を判断することになりますので、当然のこととして、軽減税率の適用対象外の一〇%ということになろうと存じます。 なお、一旦店内飲食用として購入した後、テークアウトということに変更した場合につきましては、税率の適用関係は販売事業者が販売時点において販売するものであることを踏まえれば、顧客に申告することが求められるものではありません。ただし、顧客がみずから申し出た場合には、販売事業者の判断において、当初のハンバーガーの販売をキャンセルして、改めて店内飲食をテークアウトということにして会計をしていただくことになることは十分にあり得ると思いますので、その場合は、申告をしていただければ、八%ということで打ち直すことを認めるようにいたしたいと思っております。
○西村(智)委員 答弁は前進したと思います。 だけれども、キャッシュだったら返金というものもその場ですぐできるかもしれないけれども、カードでぴっと払ったものを返金するのはなかなか大変だと思うんですね。そこのところは、やはり大変大きな手間と混乱を招くおそれは非常に強いということです。 それから四番目。 やはり販売時点で意思の確認が大事だということなんですけれども、忙しい店内です、店員さんが一人しかいないという場合、お客さんがわっと来て、持ち帰りますか、あるいはここで食べますかというふうな問いかけを一々するのもなかなか大変だ。 中には、自分の分は持ち帰るけれども子供はここで食べていきますというようなことになると、会計をまた二回に分けてやるのか、それともレジのときに別のやり方をやるのか、いずれにしても大変な手間をかけるということになってしまう。こうなったら、やはり消費者の皆さんだけではなくて事業主の皆さんにも大変大きな混乱がかかってくるということになるんだというふうに思います。 麻生大臣、昨日までの答弁で、混乱するところ、あるいは出前のコストが負担となる事業者は何社か出てくるかもわからないけれども、一つや二つあったとか、百、千あったとか、いろいろ出てくると思いますよ、それは今の段階では私たちはわかりませんというふうに答弁されておられました。混乱が生じるということは、これは実は麻生大臣も認めておられるわけなんですね。 総理、ここまでで少し伺いたいと思いますけれども、こんな仕組みを導入して、そしてこのような、消費者の皆さんにも混乱をかけるし、事業主の皆さんにも非常に大きな混乱をもたらすことになる、こういう仕組みのままで本当に軽減税率を導入していいというふうにお考えですか。 私、冒頭申し上げましたけれども、軽減税率というのははなから否定するものではないというふうに思います。ヨーロッパは確かに一回導入しました。だけれども、今は、その軽減税率が失敗だったという考え方が中心になっていて、どうやってやめようかというふうに、議論が、流れが変わってきています。 本当にこのままこれをスタートさせていいというふうに思いますか。
○安倍内閣総理大臣 先ほど西村議員はいろいろな例を挙げておられましたが、例えばカード決済については、靴をカード決済で買った、しかし、よく見たら、途中で、傷がついていたから払い戻すというときには、これは現金だとスムーズにいくんですが、これは私、実際起こったんですが、これがカード決済であれば、そういうことはなかなか手続は煩雑になる。ですから、先ほど言われたように、軽減税率だけに起こることではなくて、これはカード決済につきまとうことでありますから、殊さらこれが新しく始まるということではないということは申し上げておきたい、こう思います。 また、買いたいものとそれについてくるおまけとの関係において、そもそもほとんど同じような価値のものをおまけにつけるということは基本的にはないだろうと思うわけでありまして、余り現実的な例を示しておられないなというのが私の感想でございます。これは私の感想でございます。 いずれにいたしましても、消費税の軽減税率制度は、税制抜本改革法に基づき、消費税率引き上げに伴う低所得者への配慮として導入するものでありまして、日々の生活において幅広い消費者が消費、利活用している商品の消費税の負担を直接軽減することにより、買い物の都度、痛税感の緩和を実感できる等の利点があり、この点が特に重要であるとの判断により導入を決定したものであります。 そして、今般の法案においては、軽減税率の対象品目を酒類、外食を除く飲食料品等とし、明確に定義をしていますが、消費者及び事業者にとって軽減税率の適用範囲をわかりやすいものとすることが重要と考えており、今後、その具体的な線引きの当てはめについて、通達やQアンドAなどを通じてできるだけわかりやすくお示しをすることとしておりますし、また、事実、ただいま麻生大臣から、今、西村委員が挙げられたさまざまな、これは困るんだろうなということをいろいろと考えられたんでしょうけれども、それについても財務大臣から明確なお答えがあったのではないか、このように思う次第でございまして、今後、事業者においてもできる限り混乱が起こらぬように我々も努力をしていきたい、こう考えているところでございます。
○西村(智)委員 クレジットカードで決済するのとこれはわけが違うんです。軽減税率という新たな仕組みによってさらに消費者と事業者に混乱を招くという話ですから、それは総理、ちょっと説明の仕方が違うと思いますよ。 これは、意思確認が販売時点で大事だということですので、意思確認がなかなか難しいんじゃないかというケースについても想定をしておかなきゃいけないので、あえて出させていただきます。 一つ目は、例えば外国人の方が来られた場合に、これは、店員さんが本当は、八%、一〇%を判断するのに、ここで食べるのかどうかちゃんと確認をしなければいけません。だけれども、意思が通じないときもあるでしょう。 それから、例えば飛行機の中や新幹線の中などで、移動販売に来る、弁当を売って移動販売をして来る方がいられます。これも、きのうも私、財務省の人に聞いたんですけれども、はっきりしないんですね。ここで食べるか持ち帰るか、これは車内でもちゃんと聞いて、確認して売ることになるでしょうという話なんですね。 それから七番目、これも恐らくあり得る話だと思います。毎日、テークアウトというふうに言いながら、実は店内で座って食べているお客さんがいたときに、店員さんはどうしようと。これは、意思確認をしているから、もう追っかけていって払ってもらうことはできないということなんだけれども、さすがに毎日となると一体どうしようかねという話は出てくると思います。 それから、障害者雇用を一生懸命やっている企業、障害を持っている人も本当に頑張って仕事になれてやってもらっているのに、今度は意思確認という、非常にまた高度なテクニックを要する接客技術などが要るようになってしまうと、せっかくなれてもらったのにどうしようということをやはりここは考えないといけないということになってくるおそれがあると思います。 どうも、こういう話を続けていくと、やはり、この軽減税率を導入することに伴う混乱やコスト、そして負担が余りに大き過ぎるんじゃないかというふうに私は思うんです。 それで、なぜこれを導入するのかということを聞くと、返ってくる答えが痛税感の緩和ということなんですけれども、果たして、八%に税率を食品に対して据え置くということが私は痛税感の緩和につながるというふうには思えません。 払うときに痛みを感じる程度を減らすことよりも、日本の税制の中で、これはOECDの中でも指摘をされています、日本の税負担率というのはOECDの中で最も低いんですね。最も低いにもかかわらず、痛税感、要するに税負担が重いなというふうに感じる人の割合が、実はすごく高いんですよ。これこそが痛税感じゃないですか。つまり、なぜ痛税感が高くなるかといえば、払っている負担に対して給付が受けられていないという思いから来る痛税感が本当の意味での痛税感なのではないかというふうに私は思うんです。 だから、これだけのサービスが受けられるんだと納得をしていただけるのであれば、私はこの痛税感の問題は、軽減税率を導入して、上っ面の、払ったときの痛税感を緩和するというよりも、もっともっと根本的な解決になっていくというふうに思います。 さて、それで質問なんですけれども、社会保障の充実、これが社会保障と税の一体改革のスタートラインだったはずなんです。ところが、今回、総合合算制度それから給付つき税額控除、まさに低所得の皆さんに対する対応も含めてしっかりやっていこうということで提案をされていたものがさくっとなくなってしまった。これは逆行しているというふうに言えませんか。痛税感を本当になくしていく、軽減していくために、ぜひ、社会保障と税の一体改革の原点に立ち返って、給付と負担のバランスを直していくということをやっていただきたいと思うんですが、どうですか。 〔菅原委員長代理退席、委員長着席〕
○安倍内閣総理大臣 消費税の引き上げにおいて痛税感がないというのであれば、五%から八%に引き上げたときに消費が落ちるということはないんですね。当然、消費税を上げるということは、まさに痛税感を与えるわけであります。痛税感があるからこそ、財布のひもは締まってくるというわけでありまして、一〇%に上がらないものが、二%というのは大きいですからね、日ごろ使っている飲食料品が二%軽減されるわけでありますから、やはり、これに効果がないということの方が私はおかしいんだろうと思うわけでありまして、まさに上がっていくということは痛税感につながっていくんだろう、こう思う次第でございます。 そして、給付つき税額控除と総合合算制度をやめたではないかと。これはまさに、軽減税率と給付つき税額控除、そして総合合算制度、これは、三党合意の中で、この中からどれをとるかということを検討していこうということだったんだろう、こう思うわけであります。 皆さんは、軽減税率を天下の愚策と今言っているんですが、では、なぜそのとき言わなかったんですか。今、私たちがとったらそういうことを言う。そしてまた、給付つき税額控除についてはこういう問題があると、民主党の財務大臣も答えているわけであります。まさにこれは、皆さん、我々を批判するための批判でしかない。こういう批判のための批判というのは建設的な議論とは残念ながら言えないのではないのかな、こう思っている次第でございます。 いずれにせよ、我々は必要な社会保障の給付はしっかりと行っていくわけでありますし、我々はお約束したことは実行していくということは申し上げておきたいと思います。
○西村(智)委員 この軽減税率で一兆円財源がなくなります。社会保障の財源がなくなります。それで、年収五百万円以上の方々に対する財源の振り分けが六割、まさに大体六千億円ぐらいがなくなってしまうわけなんですよ。 さっきから総理は、児童扶養手当も多子加算を倍増したと言っていますけれども、何度も言いますけれども、倍増じゃないですからね。なおかつ、初年度の予算は二十八億円ですよ。二十八億円、わずかそれだけ増額をして、それで倍増というふうに胸を張る。社会保障のお金がなくなって財源に穴があく六千億円は、二百年分以上じゃないですか。今回、臨時給付金としても三千九百億円支払われるけれども、児童扶養手当の加算額は、わずかその一%にも満たないんですよ。 こんなバランスの悪いことをやっていて、しかも、財源、安定的な恒久財源はどうやって出すのかということについて、これは財源がなくなるんですから、今回の税制改変法案とセットで出すのが道理というものじゃありませんか。それを今は出さず、いつ出すのかということも全く言わず、参議院選挙が終わってから、どういうふうになるのかわかりませんという、お化けを待つみたいなことは私たちはできません。 給付つき税額控除の法案も、私たちはしっかり出させていただきます。 そのことを申し上げて、質問を終わります。
○竹下委員長 この際、階猛君から関連質疑の申し出があります。西村君の持ち時間の範囲内でこれを許します。階猛君。
○階委員 民主・維新・無所属クラブの階猛です。 あと三週間で東日本大震災から丸五年になります。千年に一回と言われた未曽有の大災害が、どれだけ大きな被害をもたらしたのか。その一部を阪神・淡路大震災と比較しながらまとめてみましたので、少しごらんになってください。 注目していただきたいのは、東日本大震災、上から一つ目の括弧書き、震災関連死、この数が三千三百三十一人にも上るということ。それから、今なお行方不明の方が二千五百七十六人にも上るということ。それから、阪神・淡路のときは、五年たった時点では仮設住宅の入居者数はゼロであった。これが、今なお十五万四千二百六十三人もいるということです。この事実を我々が目にしたときに、いかにこの災害が大きかったのかを改めて感じるわけです。 未曽有の大災害で何とか命だけは助かったものの、避難生活で心身に変調を来して亡くなった震災関連死、また、肉親の安否がわからず、今もその行方を捜している方々、そして不便でストレスの多い仮住まいを強いられている方々、多くの方々の思いを考えるときに、地震も津波も原発事故も、決して過去の出来事ではなく、今も続いているということを我々は認識しなくてはなりません。 ところが、現実には、五年がたちまして、被災地以外の地域では平穏な生活が取り戻され、震災の記憶は薄らいでいる、これは否定しがたい事実だと思います。 そうした中で、復興大臣や環境大臣は、この五年間ずっと悲しみ、苦しみ、悩みを抱えてきた方々に対して、みずから寄り添い、国民全体が被災地の復興に関心を持ち続け、協力してもらうよう活動する責務を負っていると私は考えています。 しかし、現実はどうでしょうか。高木復興大臣も丸川環境大臣も、職責を果たすどころか、復興にマイナスの影響を与えているのではないでしょうか。 一昨日の福島での地方公聴会、山崎さんという、中小企業、ホテルの経営者の方が、大変重い発言をされていました。総理にもぜひ聞いていただきたいと思います。 高木復興大臣は、御尊父が福井県敦賀市長時代の三十年前の講演ですけれども、原発は金になる、放射線の汚染で五十年、百年後に生まれる子供がみんな障害者になってもやった方がいいと。原発再稼働の思いを持っている大臣に福島県の復興を任せられるのかな、ちょっと不安です。 そこにもってきて、丸川珠代環境大臣。私たちは長期目標一ミリシーベルトを目指してきたのに、「何の根拠もない」発言は県民を傷つけました。その後、撤回をするまでに一週間かかりました。女性閣僚がふえるのはいいんです。こういうものはどうなのかなと思います。 女性を応援している私自身が本当に残念です。 もう一人、申し上げなくてはならない方がいます。経済再生大臣になった石原伸晃氏。忘れもしない、二〇一四年の六月十六日、中間貯蔵施設建設について。みんなと一緒に合唱したいぐらいですけれども、最後は金目でしょうと。つらいですよね。どこでどう涙を流せばいいのかなと、本当に思いますね。福島県民をどう見ているのかなというふうに思います。 これは公式な場での発言です。 ぜひ皆さんには、こうした発言が出たことを重く受けとめていただきたいと思います。 加えて、きょう、高木復興大臣にも質問しようと思ったんですが、インフルエンザで欠席だということです。高木復興大臣は就任以来、政治資金や下着窃盗の疑惑に国民の注目が集まり、被災された方々は、国民の復興への関心がますます薄れてしまうと嘆いています。こうした実情を踏まえて、任命権者である総理に伺います。 総理は、高木復興大臣や丸川環境大臣が、その職責にふさわしい人材である、震災から五年の節目を迎えるのにふさわしい人材であるというふうに、被災された方々にも胸を張って言えるのかどうか。もし言えるというのであれば、その理由も含めてお答えください。
○安倍内閣総理大臣 私は、総理に就任以来ほぼ月に一回のペースで被災地を訪問しておりますし、また、明後日も被災地を訪問する予定にいたしております。 全ての大臣が復興担当大臣だという思いで職務に当たるようにというのが、安倍政権の基本的な姿勢であります。その中におきましても、復興担当大臣高木大臣、そしてまた丸川大臣におかれても、そうした意識を持ってしっかりとその職責を果たしていってもらいたい、このように考えております。
○階委員 高木復興大臣の下着窃盗の疑惑については、本人は事実無根だとこの場でも答弁していますが、無実であることを示す証拠はこの委員会には提出しようとせず、事実無根の報道をした地元新聞社などに対して刑事責任も民事責任も追及していません。 信なくば立たずと総理も言われている以上は、任命権者として高木復興大臣に積極的に疑惑を晴らすよう指示すべきではないかと思いますが、この点、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 高木大臣は、事実無根だ、このように述べているわけでありまして、そして、それが事実だということについての証拠は出されていないというふうに承知をしております。
○階委員 普通であれば、皆さんもそうだと思うんですが、これだけ大きな、自分の名誉を傷つけられるというような発言、報道がされたならば訴えると思うんですね。ところが訴えない。私は、本当にこれは疑問です。なぜ訴えないんだろうか、そのこと自体、被災地の皆さんも疑問に思っている。 総理は、信なくば立たずと言うのであれば、高木復興大臣に疑惑を晴らすような指示をすべきだと思います。 次に、丸川環境大臣にお尋ねします。 原発事故によって生じた放射性廃棄物は、福島も大変なことですが、東日本の広い地域に存在しています。そのうち、放射性濃度がキログラム当たり八千ベクレルを超えるものについては、指定廃棄物として国が処理することとなっています。宮城、栃木、千葉、茨城、そして群馬の各県の指定廃棄物は、国が設置する最終処分場に集約して処理する方針となっています。 宮城県では、最終処分場の候補地となった三つの自治体に、候補地を返上する動きがあります。大臣がなぜ我々の声を聞きに来ないんだという怒りの声も、知事や各自治体の首長から上がっている。私もこの委員会で以前申し上げました、どうして関係自治体の声を聞きに行かないのか。そのとき丸川大臣は、今検討している状況だというような答弁でした。検討の結果、行かれたのかどうか、まず事実関係をお答えください。
○丸川国務大臣 今回、指定廃棄物の実測値を宮城県にお伝えさせていただきました。今は、この実測値の数字について、県と市町村との間でこの数字をどう受けとめるかを御調整いただくという局面にございますので、私は、三月に県主催の市町村長会議があるというふうにお伺いをしておりますので、その状況を見つつ判断をさせていただきたいと思います。
○階委員 依然として行っていないということなんですが、今お話にあった井上環境副大臣の宮城県知事との面談に際して、井上副大臣は、最終処分場の建設方針は従来どおりという趣旨のお話をされた。これに対して、候補地となった自治体の首長さんたちは反発しています。それでもなお、今すぐ現地に赴く、そういう意思はないんですか。意見を聞いて柔軟に対応すべきだと思いますが、その点、どうお考えになっていますか。
○丸川国務大臣 自治体の御意思というのは非常に重要でございまして、その意見を聞くのは大切なことだと私も思っております。 一方で、今まさに県と市町村とが意見を交換するという局面にありますので、これは非常に重要な期間だというふうに認識をしております。この状況をしっかり踏まえてまいりたいと思います。
○階委員 いや、そんな悠長なことを言っている場合じゃないですよ。 きのう、私も、そのうちの加美町というところに行って、いろいろ事情をお伺いしてきました。そもそも候補地に選定されたこと自体いろいろな疑問がある、そういう中で、なぜ我々の声をちゃんと受けとめようとしないのか、そういう思いを聞いてきました。今すぐ行かなくてはいけないと思っています。 ここまでは、いわゆる指定廃棄物、八千ベクレル超のものについてお尋ねしましたけれども、八千ベクレルを下回るものについてもさまざまな問題があります。 私の地元の岩手、きのう、私は県南の一関市というところに行ってまいりまして、処分されないままフレコンバッグという化学繊維の袋に詰め込まれて野積みになっている、そういう廃棄物を見てきました。原木シイタケの生産者にお会いしてきました。そこだけで、放射性廃棄物、原木シイタケのほだ木が五万本、それから除染した土砂などが千二百トンも保管されている。一関あるいはそれ以外の宮城、ほかの県の……(発言する者あり)茨城もそうですが、そういう地域のものも含めれば、膨大な量のこの廃棄物があると思っています。 市によりますと、一般の廃棄物とまぜて焼却することに付近の住民の理解が得られず、また、そもそも土砂などの燃やせないものについてはどうしたらいいかわからないんだ、こういうお話も聞いてまいりました。フレコンバッグも、年数がたつとどんどん傷んできて、壊れたらどうしようかということもお話しされておりました。シイタケ栽培がようやく風評被害を克服して生産が軌道に乗り出してきたこの時期に、野積みの廃棄物というものは、いかにも見た目も悪いし、そして生産者の意欲を阻害しかねない、これは早く処理してほしい、これも切なる訴えです。 環境大臣、いかに対応されますか。
○丸川国務大臣 まず、もう御承知のことかと思いますけれども、放射能濃度が八千ベクレル・パー・キログラム以下の廃棄物については、周辺の住民の皆様及び作業者のいずれの安全も確保した上での処理が十分可能であるということが確認をされておりまして、廃棄物処理法に基づき、従来と同様の処理方法による処理を行うことができます。 岩手県については、長期管理施設を設置して県内一カ所に集約することはせずに、既存の廃棄物処理施設を活用して処理を進めることとしております。 環境省としましては、指定廃棄物がある一関市や広域行政組合と連携をしながら、一関市等に対して技術的な助言を行うとともに、処理について御理解を得るべく、今、住民説明会をやらせていただいているところでございますので、今後とも、処理を進めるために、御地元への丁寧な説明、そして理解を求める動きを続けていきたいと思います。
○階委員 実態を全然把握されていないと思いますね。処理が進んでいないんですよ。現地を見たことがあるんですか。野積みになったものを見たことがあるんですか。 さきに、答弁の中で、井上副大臣の知事との面会のお話をされていました。この面会の中で、当初指定廃棄物だったものが、年数を経て再測定して、三分の二ぐらいが八千ベクレルを下回った、こういうことがお話しされたようです。新聞報道によりますと、その下回ったもの、さっき私が言った八千ベクレルを下回ったものについては、国が費用や技術を支援する前提で、地元の処分場で処理してもらうというお話を井上副大臣もされたそうです。 宮城県知事に言った、当初八千ベクレルを上回っていて下回ったもの、それに対する国の支援は、先ほど私が取り上げた、それ以外の地域の当初から八千ベクレル未満のものへの支援と同じなのか、違うのか、お答えください。
○丸川国務大臣 まず、指定廃棄物が八千ベクレルの基準を下回ったとしても、この廃棄物の処理が円滑に進むように国が責任を持って取り組んでいくということははっきり申し上げたいと存じます。決して処理責任を放棄するものではありません。 具体的には、指定解除の仕組みの案で今環境省がお示ししていることは、一時保管者や解除後の処理責任者と協議が調って初めて解除できるというルールにしておりまして、なおかつ技術的支援も行い、また、必要な財政的支援を行うこととしております。 指定解除されたものに関しても国が責任を持って処理に当たるということについては、今申し上げたとおりでございます。(階委員「同じかどうか、先ほどのものと」と呼ぶ)済みません。 では、続けてお答えをさせていただきますけれども、そもそも八千ベクレル・パー・キログラムを下回っていたものについては、現在、廃棄物処理法に基づく通常の処理基準に加えて、特措法によってより入念的に特別の処理基準を適用することによって、一層の安全確保を図って処理を進めるということをしておりますので、これは引き続き当たらせていただきたいと存じます。
○階委員 同じなのか、違うのか、これは非常に被災地の皆さんは関心を持っています。基準値を下回ったから今回指定解除になったものも、今まで野積みになっていた、そもそも指定廃棄物に当たらないものも、やはり同様に国がちゃんと責任を持って処理が進むようにしなくてはいけないと思っています。 現実に、今、処理が進んでいない。それについて、大臣、どのように取り組むか、もう一度お答え願えますか。
○丸川国務大臣 解除の有無にかかわらず、農林業系の廃棄物、稲わら等については、処理費に係る補助の仕組みを用意しております。 加えて、今申し上げたように、一関市においても、一旦焼却処分して八千ベクレルを下回ったものについても、これからきちんと、引き続きになりますけれども、国の説明会、住民説明会等を開いて、御理解を得てしっかり処理に取り組んでまいります。
○階委員 まず、そこから信頼回復に努めていただきたいということを強く申し上げます。 そして、きょうは日銀総裁にも来ていただいております。 マイナス金利が被災地を含む地方経済に悪影響を与えるのではないか、私はそのことを危惧しております。 きのう、岩手の地銀の方とお話をしたところ、マイナス金利は、中小企業などの借り入れ意欲を高めるどころか、むしろマインドを低下させている、こういうことでした。そして、利ざやが金融機関にとって縮小している。また、これまで安定運用先と思っていた国債も、今、バブルのような状況でどんどん値段が上がって危なくて買えない。つまり、貸し出し難、利ざや縮小、運用難、トリプルショックによって地銀の経営が大変厳しくなっている。 こういう中で、被災地は、ただでさえ人口減少が進み、経済の復興もまだまだ道半ばです。今回のマイナス金利、どのように地方経済に影響を与えると認識していらっしゃるかどうか、日銀総裁にお尋ねします。
○黒田参考人 今回のマイナス金利つき量的・質的金融緩和というものは、日本銀行の当座預金に対する、まあ、ごく一部ですけれども、それに対する金利をマイナスにすることによってイールドカーブ全体を引き下げて、大規模な長期国債買い入れを継続することとあわせて、金利全般により強い下押し圧力を加えていくということを主たる経路として考えております。 この点、国債のイールドカーブは、マイナス金利つき量的・質的金融緩和の導入以降、大幅に低下しておりまして、貸し出しの基準となる金利や住宅ローンの金利もはっきりと低下し始めております。このように、金利の面では政策効果が既にあらわれております。こうした金利の低下は、今後、被災地の復興需要を含め、設備投資や住宅投資などにプラスの影響を及ぼして、実体経済や経済面にも着実に波及していくものと考えております。 さらに、日本銀行では、二〇一一年四月以降、被災地金融機関を支援するための資金供給オペを実施しておりまして、被災地の金融機関に対し、期間一年の低利融資を行っております。本制度について、今回のマイナス金利導入と同時に貸付金利を従来の〇・一%から引き下げ、無利息といたしました。加えて、この制度を利用した金融機関については、その利用残高に見合う日銀当座預金にマイナス金利を適用しないということにいたしました。 被災地金融機関には、今後ともぜひこの制度を積極的に活用して、被災地の復興を金融面から支えていただきたいというふうに考えております。
○階委員 実際の地域金融機関の現場は大変不安に思っています。その不安を増幅するようなオペレーションを日銀は行っているのではないか、そのことを今指摘したいと思います。 ふえ続ける日銀の長期国債保有残高ということで、時系列で、トータルの長期国債の発行残高、そしてそれに占める日銀の長期国債の保有残高、これをグラフにしたものです。 二〇一一年末、震災の年です。この当時、全体に占める割合は九%でした。直近、昨年末では三三%。そして、このペースで年間純増八十兆円、国債を日銀が保有をふやしていくと、二〇二〇年末には、何と六八・七五%、全体で一千兆近くの長期国債のうち六百八十二兆を日銀が持つということなわけです。 こういう日銀の行動を見通しつつ、投資家は国債をどんどん買っている。幾ら金利が低くても、利回りが低くても、最後の買い手、日銀がいるから安心して買えるわけです。しかし、地域金融機関は、これによってどんどん相場が乱高下するリスクや、あるいは、そもそも最終利回りがとてもとても低くて収益には全く寄与しない。 だから、私たちは、こういうマイナス金利そして長期国債の大量な買い付け、こうした異常なやり方については早く見直しをすべきではないか、少なくとも長期国債の大量買い入れとマイナス金利、これをセットでやるのはおかしいのではないかと考えますが、その点、いかがですか。
○黒田参考人 マイナス金利つき量的・質的金融緩和のもとで行っております国債の買い入れなどの政策は、あくまでも物価安定の目標の実現のために行っているものであります。 二〇一三年の四月に量的・質的金融緩和を導入したとき以降、常に申し上げておりますように、こうした金融緩和は、二%の物価安定の目標を実現し、それを安定的に持続できるようになるまで継続すると言っておりまして、無限にやるというものではなくて、もちろん物価安定目標の実現のために行うということでございます。
○階委員 みずからの約束したことが守られない、守れないのに、どんどん国債を大量買い付けしたり、あるいはマイナス金利にして地域金融機関を初めさまざまなところに負荷をかけている。この責任を日銀総裁には重く受けとめていただきたいと思います。 それから、次のテーマに移りますけれども、総理は、総理はどこですか。
○竹下委員長 ちょっとトイレに行っております。
○階委員 とめてください。
○竹下委員長 総理がお帰りになるまでほかの人に質問して……
○階委員 いや、それはできないです。とめてください。流れがある。
○竹下委員長 できませんか。 それでは、速記をとめてください。 〔速記中止〕
○竹下委員長 速記を起こしてください。 それでは、階君、質問を続けてください。
○階委員 復興大臣がいらっしゃらないので、ここは総理に聞くしかないと思ってお待ちしておりました。 用地整備の進捗状況と仮設住宅の退去時期についてということでお尋ねしますけれども、この点について、私は、昨年八月七日のこの委員会でも、住まいの復興工程表に沿って御議論させていただきました。 平成二十七年三月末の進捗状況、今から約一年前です、これが、当初の工程表、すなわち平成二十四年十二月末現在の工程表より大分おくれているという指摘をしました。その際、総理は、高台移転などの用地整備は平成二十八年三月末には九千六百五十四戸となって当初工程表を上回るんだというお話をされました。 ところが、直近、平成二十七年九月末に更新された工程表では、平成二十八年三月末の見込みは九千二百二戸ということで、下回っています。 それ以上に問題なことがあります。それは、当初の工程表による用地整備の計画戸数に比較して、約八千四百戸、三割近くも減っているという調査結果が出されていることです。用地整備のおくれと、それに伴う被災者の他の地域への流出の増加、資材費、人件費の高騰による住宅建築の断念、こうした要因によって当初の計画数より三割も減るという状況に陥っていると思います。 こうした工事のおくれが人の流出を招き、また資材や人件費の高騰によって住宅建築の断念を招いている。こうした悪循環について総理はどのようにお考えになっていますか。そして、これからどのように対応していきますか。
○安倍内閣総理大臣 被災者の方々に安心できる住まいにお移りいただくには、その受け皿となる恒久住宅の整備を進めることが必要であります。 来年春までに、計画の八五%に当たる二万五千戸の災害公営住宅や七割の高台移転が完成し、これは福島県の避難指示等の対象である十二市町村を除くことにはなりますが、平成三十年度にはおおむね完了する見込みであります。 応急仮設住宅の提供期間については、原則二年間とされているところ……(階委員「済みません。ちょっとまだそこまで聞いていないです」と呼ぶ)ここまででよろしいですか。(階委員「聞いていないです、そこまで。進捗状況について」と呼ぶ) 進捗状況、これはしかし、全体を、今後のことについてもという、今後どうなるのかということをおっしゃったので。よろしいですか。 今後、応急仮設住宅の提供期間については、原則二年間とされているところ、災害三県においては、累次の延長により平成二十九年三月末までとされています。さらなる延長については、お住まいの方の移転先の整備の状況等を踏まえ、現在各県において検討されているものと承知をしております。 政府としては、被災者の方々が一日も早く避難生活を解消できるよう、災害公営住宅や高台移転事業による新たな住居に転居できるまで、個別に提供期間の延長を行うなど、きめ細かな対応を行っていく考えであります。
○階委員 今仮設の延長のことについて、きめ細かな対応というお話がありました。 この点について少しお尋ねしたいんですが、委員の皆さんにはお手元に横置きの資料、「東日本大震災における応急仮設住宅の取扱いについて」という表題の資料をつけさせていただいておりまして、今総理から答弁がありましたとおり、原則二年間、応急仮設住宅の供用期間でした。しかし、今回の被害の大きさに鑑みて一年ごとに延長してきました。当初は県単位、それから市町村単位となってきました。そして、もうすぐ五年がたって、この先は、市町村でも、一律に延長するとか延長しないとかではなくて、個別の事情に応じて延長を判断する特定延長、この紙の右の下の方に書いています、この特定延長を行うというふうに定められているようです。 ところが、実際、地元の自治体でこの特定延長を申し入れたんだが、内閣総理大臣の同意という要件、これが果たせず、そして断念した。つまり、一律延長なしという結果になってしまって、仮設に住んでいた人は、まだ家が建っていないのに、まずどこかに住んで、家が建ってからまたその家に住む。二重の引っ越し負担を強いられる。こういう問題が生じているんだというお話でした。 復興庁の長でもある総理大臣、そして、この特定延長の同意権者である総理として、ぜひ、こうした問題が生じないよう、せっかく特定延長という仕組みをつくったのであれば、しっかり運用していただきたいと思いますが、この点、いかがでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 先ほど、それぞれ、高台移転、災害公営住宅の完成についてお話をさせていただいて、しかし、その間、一体どうなるのかという御不安もあるであろうから、この延長等についてもあわせて答弁をさせていただいたところでございます。 先ほど答弁をさせていただきましたように、さらなる延長については、お住まいの方々の移転先の整備の状況等を踏まえて、現在各県において検討されているところでございますが、政府としては、被災者の方々が一日も早く避難生活を解消できるように、災害公営住宅や高台移転事業による新たな住居に転居できるまで、個別に提供期間の延長を行う、きめ細かな対応を行っていくわけでございまして、一律にということではなくて、きめ細かな対応を行っていきたい、このように考えております。
○階委員 それはさっきの答弁の繰り返しですよ。きめ細かな対応という仕組みはつくったけれども、それに魂が入っていない、実際にはそうなっていないということを申し上げました。ぜひそこを改めていただきたいということを重ねて申し上げておきます。 石破大臣にお越しいただきまして、今、政府機関の地方移転ということで進められていらっしゃると聞いています。例えば、消費者庁、統計局、文化庁といったところも候補に挙がっている。 ところで、復興庁。復興庁は職員約六百人、そのうち東京本庁には約二百四十人しかいません。この規模は、消費者庁や統計局、文化庁といった組織とほとんど変わらないか、むしろ小さいぐらい。そういう中で、私は復興庁も、希望があれば、これは当然、移転対象とすべきだと考えておりますが、何かその考えに問題があるのかどうか、お答えいただけますか。
○石破国務大臣 委員御指摘のように、今回の中央省庁の地方移転というのは、それぞれの地域からの御希望というものをまず最優先に考えております。 復興庁の場合に、福島から御要望がございませんでした。私どもにおきまして、岩手、宮城、福島、それぞれにワンストップで対応できる復興局というものをつくり、副大臣、政務官がその担当に当たっておるわけでございますが、仮に福島から、福島に移すべしという御提案があったとすれば、それは真摯に受けとめたと考えております。 実際に政府の中で復興庁というものを運営してみまして、特に国会との対応、きょうもそうでございますが、国会で被災地のいろいろな御意見がある、御要望がある、それを常にリアルタイムで国会できちんと答弁をし議論をいただくということは極めて重要なことだと思っております。 いずれにいたしましても、私は発災時に野党の政調会長でございましたが、ワンストップというのが一番大事だと。被災地の方に、あそこへ行け、ここへ行けというようなたらい回しをすることがあってはならぬ。一番大事なのはワンストップということであったと思っております。 今後とも、この件につきましては、また福島のいろいろな御意見を聞きながら、被災者の方々のお心に沿うような一番よろしい対応の体制を考えてまいりたいと思っております。
○階委員 制度的なことをもし御存じであればお聞きしたいんですが、私は復興庁設置法というのをきのう読んでみました。復興庁の本庁所在地というのは、法律上何も定めがありません。そして、復興庁の長は内閣総理大臣です。総理の一存で復興庁の本庁は移転できるという理解でいいのかどうか、確認させてください。
○石破国務大臣 御指摘のように、設置法に所在地が書いておるわけではございません。それはほかの省庁も同様でございます。 今回の政府機関の地方移転につきましては、総理を本部長といたします、まち・ひと・しごと創生本部、ここで決定をすることに相なっております。総理の御一存というよりも、それは、まち・ひと・しごと創生本部として決定するということでございまして、そこにおいて総理の御意思ということが強く働くことは事実でございますが、形式論理で申し上げれば、まち・ひと・しごと創生本部、総理を本部長とします、そこで決定するということでございます。
○階委員 なぜ復興庁の所在地を問題にしているかということで、総理にもお尋ねしたいんです。 復興庁設置法を設けるときに、国会で、当時の与党である我々、そして野党である自民党さん、ほかの議員からも、復興庁の本庁は被災地に設けるべきではないかという声が異口同音にありました。 それに対して、当時、我々の政権でしたから、我々の仲間は政府の中でどういうことを言っておったかということなんですが、復興庁には二つの役割があるだろうということで、一つは、石破大臣がおっしゃられたように、中央省庁において国会対応や各省庁の調整あるいは政策の企画立案、こういうことをする役割だ。もう一つは、現地において現地のさまざまなニーズに応えるという役割だ。この二つの役割、当時はやはり復興を始める、事業を始めるというところで、企画立案や総合調整というのが重要だったんだろうと思います。その結果、復興庁は今、本庁が東京になっている。 ところが、今五年たって、改めて考えてみますと、先ほど申し上げた二つの役割のうち、私は、これからは現地のニーズを細かに吸い上げる、今も苦労している方がたくさんいるということを先ほど申し上げました、そうした方々に寄り添う。他方で、一つ目の役割、総合調整で新たな政策を実施する、そういうことは、だんだんとハードの復興が進んでいくことで、相対的にその役割が低下してきているんだと思います。 これから五年間、復興を実のあるものにするために、私は、復興庁を、この段階で本庁を被災地に置くということは十分に検討に値する、積極的に推進すべきだと考えますが、総理の御見解をお伺いします。
○安倍内閣総理大臣 復興庁の機能については、階議員の言われるとおりだろうと思います。 そこで、果たして、第一の機能、いわば強力に各省庁の調整を行っていくという機能について、これがだんだん薄れていったのかどうかということについては、いまだやはり各省庁の縦割りになりがちなものを、しっかりと復興庁が司令塔として強力な調整を行っていく必要はまだあるんだろうと思います。もちろん、これは、時を見ながら、果たしてどうなのかという不断の見直しを行うということには私も賛成であります。 現在は、被害の大きかった岩手、宮城、福島の各県に、本庁の一部事務を分掌する復興局を設置して、各復興局を担当する副大臣及び大臣政務官を定め、現地のニーズにワンストップで対応する体制をとっております。特に、福島県における復興については、復興大臣をトップとした体制を一元化する福島復興再生総局を現地に設置して、本庁事務方トップクラスを常駐させることによって抜本的に体制を強化しております。 今後とも、現行の体制のもとで復興のさらなる加速化に全力を挙げていきたい、このように考えておりますが、本来の機能が十分に発揮されているか、あるいは現状はどうなっているのかということについては不断の見直しはしていきたい、このように考えております。
○階委員 時間が参りましたので、これで終わりますが、五年たっても被災地の復興はまだまだ道半ばです。復興庁の長である内閣総理大臣の強いリーダーシップを期待して、質問を終わります。 ありがとうございました。
○竹下委員長 この際、山井和則君から関連質疑の申し出があります。西村君の持ち時間の範囲内でこれを許します。山井和則君。
○山井委員 これから四十分間、質問をさせていただきます。 まず最初に、甘利前大臣の口きき疑惑についてであります。 一月二十八日に、甘利大臣は会見をして辞任を表明されました。しかし、残念ながら、それ以降、甘利大臣からは説明責任が全く果たされておらず、私たちは、辞任会見の中には少しうそがあったのではないかという疑念を持たざるを得ない状況に至っております。 具体的に言いますと、これが甘利大臣の辞任の記者会見なんですけれども、三点申し上げます。 一点目は、A秘書やC秘書が金額交渉等に介入したことはないと明言をしておられます、甘利大臣は。そして、今回の辞任の一つの理由として、秘書が疑惑を招いていることについて監督責任を重く受けとめておりますと。秘書が大問題を起こしたということもあって自分は辞任をするとも受け取られる、そういう会見でありました。さらに、三点目、しかるべきタイミングで事務所や秘書についての調査結果の公表をすると。しかし、今日まで全くそのめども立っておりません。 きょう、石井国交大臣もお越しをいただいたんですが、ぜひ誠実にお答えいただきたいんですが、黒塗りの資料が多くて真相解明がなかなかできないんですね。このままでは、安倍政権全体が口きき疑惑隠しをしているのではないかと思わざるを得ないと思います。 そこで、フリップでこの疑惑をもう一回おさらいしてみたいと思います。 二〇一三年五月九日、一色氏、今回の告発者が甘利事務所に協力を依頼。それで、当初は補償に消極的だったのが、甘利氏秘書の仲介後、交渉が進み、補償額も上がったということで、二・二億円の補償契約が締結されました。一色氏の話によると、最初はゼロ、その次に一億八千万、それをまたもう少しと言ったら二億となって、もう一声とお願いしたら二・二億円とつり上がっていったということです。私は、一色氏にもお目にかかって、お話をお聞きしております。 そして、そのお礼として、八月二十日の日に、一色氏が甘利氏秘書に五百万円を献金した。これも事前に、お礼は幾ら払ったらいいですかということをすり合わせた上で、五百万というふうに言われております。 さらに、十一月十四日には、S社社長、この建設会社の社長が甘利氏に、補償金の二・二億円のお礼として五十万円を大臣室で渡しております。このことは甘利前大臣も認めておられます、五十万円受け取ったと。 ここまでをA案件としましょう。ここからがB案件です。 さらに、二〇一四年の二月、一色氏は、産廃撤去のための新たな補償交渉について甘利氏に説明をし、三十分間大和事務所で資料を見せて説明をし、五十万円を渡されました。協力依頼と見られます。 その後、話が動き出したのが二〇一五年の十月九日。補償額についてURの職員が、目いっぱい条件を提示していると言っているのに対して、甘利氏秘書は、少し色をつけてでもと発言をしております。 そして、十月二十八日には、甘利氏秘書がUR側に、私の方から建設会社の要求額を建設会社に聞いてもよいがということまで言っています。それに対してUR職員は、甘利氏の秘書に対して、これ以上関与されない方がよろしいように思うととめているわけですよね。にもかかわらず、今回、私たちの調査で明らかになったのは、とめられた四日後に、甘利氏の秘書が一色氏に、二十億円をURに提示してはどうかということを言っているわけですね。 そのあたりのことは、私たちはそのときの会話録、そしてこのテープ、これも入手をさせていただいております。この会話録、テープを聞く中で少しずつ真相が究明をされているということです。 そして、今回、二月十六日の日には、さらに、甘利氏の秘書や甘利氏に関して、弁護士さんはURや国交省に一切連絡も調査もしていないことが発覚をした。まだ調査は進んでいないんですね。 こう考えると、全く秘書が金額交渉に関与していないという甘利氏の記者会見は、これは事実と異なるのではないか。 さらに、もう一つ重要なことが明らかになったのは、十二月一日、余りにも圧力が激しいので、甘利氏の秘書にURの担当者は、この案件は甘利大臣には報告しているのかと聞かれたら、秘書は、甘利大臣に報告していると発言しているんですね。 つまり、これは秘書さんがやったのではなく、甘利大臣が五十万円のお金をもらい、事務所が五百万円の献金も受け、一体になって、報告をしながらやっている。東京地検の元検事であった弁護士の方々によると、絵に描いたようなあっせん利得だと言われているわけです。 そこで、まず石井国土交通大臣にお伺いしたいんです。 黒塗りのこの資料、秘書さんとURの担当者の一つ一つの面会記録が出てきているんですが、秘書さんが何を発言しているかという肝心の部分が黒塗りなんですね。この部分の黒塗りされていないものを石井大臣は先日、一部見たとおっしゃっていましたが、この中で金額交渉等に関係することはなかったんですか。
○石井国務大臣 URが公表していない部分につきまして、私から答弁をすることは差し控えさせていただきたいと存じます。
○山井委員 URの方々には連日開示をお願いしましたが、らちが明かないので、監督官庁である国土交通省の石井大臣に質問をさせていただいているんです。私たちも不本意ながら質問させていただいているんです、ここは。 ここは、URが開示しない以上、例えばどう言っているのか。先方は幾ら欲しいのか、建設会社は幾ら欲しいのかと秘書さんが聞いているんですよね、十月二十八日。それに対してUR側は、具体額はおっしゃらないと。それで秘書さんは、私から先方に聞いてもよいが、そういうふうなことまで言っているんですね。明らかにこれは金額交渉であって、この黒塗りの部分、金額交渉に関係ないのであれば、口ききをしていないという甘利大臣の言い分が正しいのであれば、この黒塗りの部分は白くしていただいたらいいんじゃないでしょうか。石井大臣、いかがですか。
○石井国務大臣 URが公表した資料は、いわゆる個人情報や法人情報に該当する部分や、補償の考え方に関する部分を不開示としているとのことでございます。 情報公開制度の考え方に基づけば、通常開示されるべき範囲を超えて個人情報に該当する部分等をさらに開示しようとする場合には、関係者の同意を得ることが最低限必要と考えられるため、URとしては、甘利議員事務所秘書との応接録にある秘書の発言を全て開示するべきとの要請に応えることは極めて困難と考えているということでございます。
○山井委員 いや、これは法人情報や個人情報だけじゃないんじゃないですか。 例えば、補償額ということについて、こういうやりとりがあるんですよね。例えば十月九日のものでも、右上の方ですかね。補償は幾ら提示したのか、教えられる範囲で構わない、黒塗りとか。黒塗り、何たら補償は幾ら提示したのか。これは法人情報や個人情報じゃなくて、まさに交渉そのものだと思うんです。 改めて石井大臣にお伺いしたいと思いますが、どう考えたって、法人情報や個人情報だけじゃないですよ、これを見たら。それを開示すべきじゃないですか。
○石井国務大臣 公表の範囲につきましては、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律等に基づき、URにおいて判断されるべき事項であり、本件につきましてもURが可能な限り開示したものと承知をしております。 なお、先ほど申し上げたとおり、通常開示されるべき範囲を超えて個人情報に該当する部分等をさらに開示しようとする場合には、関係者の同意を得ることが最低限必要というふうに考えられるということでございまして、甘利議員事務所との応接録にある秘書の発言を全て開示するべきとの要請に応えることは極めて困難である。 また、S社におきましても、今回の御要請を受けて、昨日URにおいて改めてS社に確認をしましたところ、S社社長からは、補償交渉の内容について、情報公開制度で通常開示されるべき範囲を超えて開示することは同意できないとの意向が表明されているところである、こういうふうに聞いているところでございます。
○山井委員 補償交渉の中身をS社の社長が開示しないでくれと言っているということは、補償交渉のことをやはり黒塗りしているということをお認めになられたことになりますよ。 さらに、十月九日には、機構は、黒塗りの何たらを想定、積算しているが、先方の建設会社は黒塗り、何とかを要求しており、ここに大きな乖離があると。右上ですが、それで秘書さんが、何とか補償は幾ら提示したのか、教えられる範囲で構わないと。まさにこれは金額交渉そのものじゃないですか、秘書さん。秘書は、結局は金の話かと。目いっぱいの条件を提示していると。少し色をつけてでも地区外と。 ここで、ではこれは何の議論なのかということになるんですが、最初のこの横書きのものに戻ってほしいんですが、二十億円提示してはどうかということを秘書さんが一色氏に言っております。二十億円。 ところで、石井大臣、甘利氏の秘書は二十億円提示したらどうかと言っていた。ところが、それまでにURは幾らかの額を提示していたんですね。幾らを提示されていましたか。
○石井国務大臣 URからは、補償交渉については、従来から、交渉の内容を明らかにすることによって今後の補償業務の円滑な遂行に悪影響を及ぼすことがあることから、全面的に不開示とする取り扱いをしており、お尋ねの件については、S社との間で現在まさに交渉中であることから、URとしてはお示しすることはできないというふうに聞いております。 なお、URにおいてS社に昨日改めて確認をしたところ、S社社長からは、先ほど申し上げたように、補償交渉の内容について、情報公開制度で通常開示されるべき範囲を超えて開示することは同意できないとの意向が表明されているところであるというふうに聞いております。
○山井委員 私、手元にURの資料を持っております。これによると、URが提示した額は一億二千三百万。つまり、URが一億二千三百万提示しているところに、甘利氏の秘書は二十億円提示しようと言っているわけですよ。そして、そういう交渉のために大和事務所で五十万円を甘利氏に渡し、こういう疑惑なんですよ。 アベノミクスの司令塔と言われた甘利大臣と秘書さん、かつ、秘書さんは報告を甘利大臣にしていると言っているし、何よりも、二、三十分かけて一色氏は甘利大臣に説明をして、この産廃撤去のことを相談に乗ってくださいと言って、その説明をした後、五十万円を渡している。やはり、安倍総理、これは大きな問題だと思いますよ。自民党はまだこういう金をもらって口ききをするという政治をやっているんですか。 安倍総理にもお伺いします。ぜひ、この黒塗りの部分を開示していただきたいんです。そうしないと、甘利大臣も国会に来られない、秘書さんも行方不明、そして弁護士さんも、この三週間、URにも国交省にも一本も電話も調査もしていない、これでは安倍政権挙げての疑惑隠し、隠蔽じゃないですか。安倍総理、ちゃんと情報開示をしてください。
○安倍内閣総理大臣 公表範囲については、独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律、平成十三年法律第百四十号等に基づき、URにおいて判断されるべき事項であると考えております。
○山井委員 安倍総理は、繰り返し、甘利大臣が説明責任を果たすべきだということをおっしゃっていますが、この間、甘利大臣に説明責任を果たすべきだということで連絡はおとりになりましたか。
○安倍内閣総理大臣 甘利大臣は、先般、記者会見を開き、その時点での把握された調査結果について公表された、このように認識をしております。 その会見において、甘利前大臣自身も、引き続き調査を進め、公表すると語っており、個々の事実関係については甘利前大臣においてしっかりと説明責任を果たしていかれるものと私は考えております。
○山井委員 残念ながら、甘利大臣の記者会見には事実と違う点がたくさんあると言わざるを得ません。御体調が悪いのであれば出張尋問という形も可能であるわけでありますし、改めまして、甘利大臣の、そして二人の秘書の方の証人喚問をお願いしたいと思います、委員長。
○竹下委員長 後刻、理事会で協議をいたします。
○山井委員 先ほども申し上げましたように、口きき政治はだめだ、金権政治はだめだ、政治というものは、お金をもらって動くのではなくて、クリーンに国民のために仕事をしようという熱い思いで、議員立法であっせん利得処罰法ができました。しかし、今回、このような絵に描いたようなあっせん利得と言われる案件を、これで何のおとがめもないのであれば、このあっせん利得処罰法は完全にざる法だ、つくった意味がない、そういうことすら東京地検特捜部の元検事の方々もおっしゃっておられます。ぜひとも、疑惑隠しをしないでいただきたい。 それでは次に、社会保障の話に移ります。社会保障の介護です。 安倍総理は、一億総活躍の目玉として、介護離職ゼロということをおっしゃっています。 しかし、一昨日から始まった厚生労働省社会保障審議会介護保険部会は、全く真逆の議論を始められたんじゃないですか。 要介護一、二、二百十四万人、この方々の家事援助、生活援助サービスを介護保険から外して全額自己負担にする。今までは一割負担ですから、ホームヘルパーさんとかは一時間二百五十円だったのが、全額自己負担になると二千五百円になります。なかなかこれは利用ができません、介護保険から外すんですから。 さらに、福祉用具、住宅改修も介護保険から外してはどうか、一割負担じゃなくて二割負担にふやす、そういう人たちをふやすべきじゃないか、介護保険料の支払いを、今四十代以上なのを三十代からか二十代からに広げるべきじゃないか、こういう議論をして、年内に結論を出して、来年の国会で介護保険法を通したい、こういうふうな議論が始まったということであります。 安倍総理、私は本当に不思議だと思いますのは、家事援助、生活援助サービスをなくしたら、要は家族でやりなさいということになるんですよ。仕事をやめて家族がやりなさい、介護離職倍増政策じゃないですか。介護離職ゼロと言っている政権が介護離職を倍増させるような検討をなぜ始めたんですか、安倍総理。
○安倍内閣総理大臣 介護保険は、高齢者の自立を支援し、介護の重度化を防ぐことを理念に掲げています。これまでも累次の改正を行い、効果的なサービスの提供を進めてまいりました。 前回の介護保険法改正では、要支援の方を、介護保険の対象外とするのではなく、引き続き介護保険の地域支援事業の対象として、市町村が、必要なサービスを地域の実情に応じて効果的かつ効率的に提供できるよう、仕組みを見直しました。 昨年十一月には、和光市で地域支援事業として行われている介護予防の取り組みを視察いたしまして、要支援の方が改善しているという話をお伺いして、大変感銘を受けたわけでございます。 御指摘の、軽度の要介護者に対する生活援助サービスのあり方については、昨年十二月の経済・財政再生アクション・プログラムの工程表において検討事項とされております。 社会保障審議会介護保険部会では、二月の十七日から次期介護保険制度改正に向けた議論が開始されたものと承知をしていますが、軽度の要介護者の生活を支える観点からしっかり検討が行われることが重要であると考えております。 これは、今申し上げましたように二月十七日でございますから、つい先日開始されたばかりでございまして、まだ結果が決まっているわけではないということは申し上げておきたい、こう思うところでございます。 介護離職ゼロは、一億総活躍社会の実現のための重要な政策の柱であります。 介護離職年間十万人という数字を深く憂慮し、介護離職により、介護する側も、介護を受ける側も共倒れにならないようにする必要があります。また、地域では十分な介護を受ける環境等になく、特養など施設入所を希望される方がいる。その希望に応えることも必要であります。 介護をする側も、介護を受ける側も、双方が納得し、心豊かに過ごすこと、そのためには、施設、在宅サービスの整備量を大きく上積みし、介護離職の防止と特養待機者の解消を同時になし遂げる考えであります。このため、介護離職ゼロでは、十二万人分、当初の予定より整備量を上積みし、約五十万人分といたしました。 あわせて、新たに国有地の減額貸し付けを行うこととしまして、本年一月に、第一号となる減額貸し付けを行ったところであります。 さらに、特養など施設とともに、地域での二十四時間見守りの在宅サービスや、小規模多機能といった地域に密着したサービスの整備も行う考えであります。 また、サービスを支える介護人材の育成、確保、そして待遇改善を進めていきます。介護事業の生産性の向上に総合的に取り組むことによって、必要な介護サービスの供給確保を目指してまいります。 補正予算及び来年度予算に必要な措置を盛り込み、取り組みを強力に進めていく考えでございます。
○山井委員 安倍総理、長々と答弁をされて、おまけに、私が聞いていることには全く答えない。 今回、要介護一、二の二百十四万人の家事援助のサービス、調理、買い物、洗濯等々を介護保険から外して、一時間二百五十円の自己負担を二千五百円に上げたら、利用できない人が続出しますよ。要は、家族にやれということでしょう。家族にやれということと、介護離職ゼロは、百八十度方向性が逆じゃないですか。 さらに、今もおっしゃいましたけれども、これはダブルパンチで、来年の四月以降、全ての自治体で、要支援切りと言われて、百六十二万人の要支援一、二の方々のサービスが地域支援事業に移されて、自己負担がふえるかもしれない。プロの職員が来ないかもしれない。デイサービスの回数が減るかもしれない。これだけでも多くの自治体は対応できないといって四苦八苦しているんです。おまけに、それだけでも介護離職がふえると言われているのに、追い打ちをかけるようにこれをやる。 さらに、この左にもありますように、介護離職ゼロと言いながら、去年の四月には過去最大の介護報酬を引き下げて、介護事業者の年間倒産件数も過去最大にふえているわけですよ。 言っていることとやっていることが違います。 おとついの審議会では、委員からこういう声が出ているんですよ。家族の負担増につながる。家族介護が必要となり、介護離職ゼロが達成できない。軽度者外しは重症化を招く。 さらに、この問題が深刻なのは、今政府は、障害者も六十五歳以上は介護保険というふうに推し進めていっていますが、私の知り合いの障害者の御家族の方々も、生活援助が切られたら、自分の障害のある子供はどうやって老後、生活していけるの、夜も眠れないと。 さらに、私は高齢者のことばかり言っているんじゃないんですよ。結局、高齢者が介護サービスが来てくれなかったら、今うまく介護サービスを利用して何とか仕事されているお子さんや家族は多いんですよ。その命綱を切ろうとされているわけですよ。 こう言ったらなんですけれども、私も議員になる前は福祉の研究者で、老人ホームで半年以上実習したこともありますし、おむつ交換、入浴介助、ホームヘルパーさんと一緒に家を回って、スウェーデンにも二年留学して、本当に現場のことは知り尽くしているつもりです。 安倍総理、改めてお聞きします。普通に考えたら、家事援助のサービスを切ったら家族が介護せざるを得なくなる。明らかに介護離職ゼロと矛盾していると思いますが、安倍総理、いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 今回、軽度の要介護者に対する生活援助サービスのあり方については、あくまでも検討の視点の一つであります。給付を見直すかどうかも含めて、現時点で何ら具体的な内容が決定しているわけではありません。 いずれにしても、介護保険制度の趣旨や制度改正の状況を踏まえつつ、さまざまな角度で検討することが必要となると考えているところであります。 本来であれば、こういうことについて議論する上においては、やはり厚生労働大臣を呼んでいただいた方がいいんだろう、私はこのように思うわけであります。なぜ意図的に厚生労働大臣をここに座らせないのか、一体どういうことなんだろうということは申し上げておきたい、こう思うわけであります。 各分野においては担当大臣がいるわけでありますから、私は全体的な方針をここで総理大臣として示すことはできますけれども、より深い議論がしたいのであれば、担当大臣を呼んでいただきたい。我が党が野党のときはそういう姿勢をとっていたということは申し上げておきたいと思います。 そして、先ほど申し上げたとおり、二月の十七日から始まった社会保障審議会介護保険部会で、次期介護保険制度改正に向けた議論が開始されたものと承知をしており、軽度の要介護者の生活を支える観点からしっかり検討が行われることが重要であると考えております。
○山井委員 何度も申し上げますが、私が聞いていないことを長々長々答弁して時間潰しをするのは、一国の総理大臣のやることとしていかがかと私は思います。 さらにこれから検討すると言うけれども、結局、参議院選挙に勝ったら、この二百十四万人の要介護一、二を切るわけでしょう。私たちは体を張ってでも阻止しますよ。高齢者だけじゃなく、その家族の人生もかかっているんですし、障害者の方々の老後も人生もかかっているんですから、絶対許しません。 さらに、介護離職ゼロとおっしゃいますが、介護職員離職ゼロにしないと、そのことは実現できないんですよ。幾ら安倍総理が施設を建てる建てるとおっしゃったって、働く人がおられないんです。 ついては、私たちの会派で、介護職員処遇改善法、介護サービスや障害者福祉サービスに従事している方々の賃金を引き上げる議員立法を今後国会に提出する予定です。ぜひ、安倍総理、それに賛成をしてください。いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 介護職員の処遇については、平成二十七年度介護報酬改定で、月額一万二千円相当の介護職員の待遇改善加算の拡充を行いました。そして、平成二十七年十月時点では、約七割の事業所が加算の上乗せを行っています。また、これらの事業所には、勤務年数に応じた給与の設定などを行わせています。実施状況については、厚生労働省において詳細を把握し、ことし三月に公表予定と聞いています。処遇改善の進捗状況等を踏まえ、必要な財源を確保しつつ、介護人材の確保に向けてしっかりと取り組んでまいりたい、このように思います。 今お話のあった御党の法案は、まだ提出をされておりませんし、私は一条も見ておりませんから、お答えのしようがないということでございます。
○山井委員 安倍総理は現場を全然わかっておられない。十分に介護職員さんの賃金は上がっていません。今でも平均月給は一般の職種の十万円ぐらい低いんです。これを上げることが党派を超えた私たちの責務であります。 次に、年金の話に移らせていただきます。 きょうも朝から三百円程度株が下がって、一万六千円を切っております。この感覚でいくと、年始から約九兆円、ことしに入ってから年金運用損が機械的に計算すれば出ている計算になります。 ここに書きましたように、問題は何かといいますと、安倍政権になって、一昨年の十月、株式の運用比率を倍増したんですね、二四%から五〇%に。安倍総理は、三十三兆円プラスが出ているとおっしゃいますが、株式運用を倍増してからは、手元の資料によりますと、今日まででほぼプラス・マイナス・ゼロぐらいなんですね、株式の運用比率を倍増するという安倍政権の姿勢をやってからは。 ということは、今後ますます下がっていったら、株式運用比率を倍増させた政策は失敗だったということに受け取られかねませんよ、もちろん四十年、五十年とおっしゃるんでしょうけれども。やはり、ここは国民が不安になるんです。 そこで、安倍総理に一番わかりやすい質問をしたいと思います。 二〇〇八年のリーマン・ショックのときに、年金運用損が出ました。それで、このことについて長妻議員が、平成二十六年十二月二十四日に質問主意書を出しておられます。その回答を、改めてこの場で総理にお答えいただきたい。 仮に、株式の運用比率を倍増させた新しいポートフォリオ、資産運用割合を過去十年に当てはめると、リーマン・ショックがあった二〇〇八年度の赤字額は幾らだったことに計算的になるのか、また、二〇〇八年度の実際の赤字額は幾らか、あわせてお示しいただきたい。これは質問主意書に回答も出ておりますので、配付資料をごらんいただければと思います。四ページです。 安倍総理、御答弁ください。
○安倍内閣総理大臣 まず、先ほど、ポートフォリオ変更後の運用収益はちょぼちょぼじゃないかというお話だったんですが、第二・四半期でのマイナス七・九兆円を含めても、ポートフォリオ変更後の運用収益は、過去一年間ではプラス四・二兆円であります。ちなみに、民主党政権は三年間で四兆円でございます。そのことは申し上げておきたい、このように思います。これは、今ファクトを申し上げているわけでありまして、我々は三年間で三十三兆円プラスであります。 そこで、年金積立金の運用は安全かつ効率的に行うことが重要であることは言うまでもありませんが、デフレから脱却をし、物価が上昇していく局面では、国内債券だけでは実質的な年金給付を確保することは困難となる、このように思うわけでございます。 そして、今の御質問は、まず一つは、長妻議員提出の質問主意書に対する答弁でありますが、あくまでもこれは確率論として想定される最大の損失額をお答えしたわけでございまして、その後リーマン・ショックについても御質問があった、このように思うわけでございます。 これによれば、答弁の中では、見直し後の基本ポートフォリオを二〇〇八年度に当てはめて試算した場合の、これが聞きたかったんだろうと思いますが、収益額は約マイナス二十六・二兆円でありまして、実際の収益額はマイナス九・三兆円とお答えをしたわけであります。 ここからが大切なんですが、しかしながら、現行の基本ポートフォリオでリーマン・ショックを含む過去十年間運用したと仮定しますと、従前のポートフォリオよりそれぞれの年度の収益の振れ幅は大きくなるものの、名目運用利回りは四・三%となります。従前のポートフォリオでの実際の収益率約三・三%を一・一%上回る収益が得られることになる、そのことも申し上げておきたいと思います。 年金積立金は、長期運用で年金財政上必要な積立金を確保することを目的とし、短期的な収益の確保を目指しているものではありません。したがって、積立金の運用は、短期的な動向に過度にとらわれることがあってはならないわけでありますし、ましてや、一日の株価の変動に一喜一憂してはならないのは当然のことではないか。 繰り返しになりますが、安倍政権においては、七・九兆円の損失を含めても、三年間で三十三兆円のプラスになっているということを申し上げておきたい、このように思う次第でございます。
○山井委員 今、重大な答弁がありました。リーマン・ショックでは九・三兆円の運用損、しかし、安倍政権で株式の運用比率を倍増させたために、同じリーマン・ショック級のことになればマイナスは二十六・二兆円、三倍に損失額は広がる。つまり、年金のリスクは三倍に広がったんですよ。 特にこれが響いてくるのは、高齢者というよりは、今後高齢者になる若者世代です。安倍総理、若者の老後を犠牲にしていると思いませんか。いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 ですから、今私が申し上げましたように、その一瞬一瞬を見てはならないということを私は申し上げたわけであります。 確かに振れ幅は大きくなります。その一瞬を見れば確かに新たなポートフォリオの方が損失は大きくなるわけでありますが、一瞬ではなくて、この十年間で見れば一・一%も利回りはよくなっているわけであります。 そして、かてて加えて、過去のデフレ時代と違って、しっかりと物価安定目標に向かって物価が上昇しているという状況においては、それに合わせたポートフォリオを構築しなくては、年金受給者に対してしっかりとした年金額を確保することができない。そのためのポートフォリオの変更だということでございます。
○山井委員 先ほど安倍総理は四兆円プラスになっているとおっしゃいましたが、資料を持っていますけれども、それは去年の九月までの話ですよ。その後下がっているから、今かなり、もうとんとんになりつつあるということを私は言っているわけで、当時、株式運用比率を倍増したときの二〇一四年十月三日の運用委員会の議事録でも、委員の方はこうおっしゃっているんですよ。二〇〇八年のリーマン・ショックのときの損失は国内債券中心であったため九兆円で済んだわけだが、それを大幅に上回る三十兆円という、単年度で運用損が発生する可能性がある、それを国民が受け入れるのか、こういう議論があるんですよ。 もうこれで終わりますが、アベノミクスで株価を上げるために年金を株価につぎ込む、そのことによって、年金生活者、若者の将来の老後のリスクを大きくする、こういうアベノミクスは若者に対して大変問題であるということを強く申し上げまして、私の質問を終わります。
○竹下委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○竹下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。 この際、野田佳彦君から関連質疑の申し出があります。西村君の持ち時間の範囲内でこれを許します。野田佳彦君。
○野田(佳)委員 安倍総理、お久しぶりです。覚えていますか。野田佳彦でございます。 実は、総理経験者がこういう形で現職の総理に質問をするというのは、異例の話らしいですね。私も、実際ちゅうちょしました。というのは、会社でいうと、立場は違いますけれども前社長と現社長ですから、対立的に論争する姿が国際社会から見てどう映るかなと思うときに、どうかなという気持ちが率直に言ってありました。 ただ、最近、私が解散をして、落選をしてしまってまだ戻れない同志たちからさまざまな声を聞いているんですが、あのとき、民主党は大敗をし、同志をいっぱい失いました。彼らの中には、消費税を堂々と語り、ネクストエレクションよりネクストジェネレーションだと言って、そして定数削減を確約してあるからと主張して散っていった仲間がたくさんいました。定数削減が残念ながらいまだに実現をされていないことは、敗北をしたことは悔しいけれども名誉ある戦死だと思っていた我々にとって、その名誉すらなくなりつつあるという声を聞かせていただきました。私は、その意味からも、四年前のやり残したことに決着をつけなければいけない、きょうはそういう思いでバッターに立たせていただいたわけであります。 まず、あの二〇一二年の十一月十四日、当時内閣総理大臣の私と当時野党第一党自民党総裁であった安倍総理との間で約束を交わしました。その約束の中身を覚えていらっしゃいますか。
○安倍内閣総理大臣 三年ぶりにこうして元気な野田総理とお目にかかれて、私も大変うれしく思います。 そこで、二〇一二年、党首討論でお約束したことは何かということであります。 あのとき問題になっていたものは、幾つかあるんですが、一つは〇増五減であります。〇増五減を直ちに実行するということ、そしてまた、格差の是正を行っていくということであったんだろう、こう思うわけであります。 あのとき私が野田総理に申し上げたのは、こういうことだったんですね。定数を削減するということについては御党も我が党も国民にお約束をしている、しかし同時に、選挙にかかわることであるから、まさにそれは民主主義の土俵をつくっていく、民主主義の土俵をつくっていく上において私と野田さんが決めるというのはまさに傲慢な態度であって、少数政党、またこの党首討論に代表を出していない人たちの党の話も聞かなければならない、このように申し上げたわけであります。かつては、例えば政府や議長のところに有識者の会議をつくるということもありましたねということを申し上げただろう、このように記憶しているところでございます。 このお約束にのっとって、我々は、まさにその後、〇増五減を実行したところであります。〇増五減の区割り法案に民主党が反対をされたことは大変残念なことでありました。〇増五減について約束したにもかかわらず、それに対してなぜ反対をされるのかな、この思いであったということは申し上げておきたいと思います。 そして、その後、私が申し上げたとおり、まずは政権をとった後、各党で協議する、それをスタートさせました。小さな政党も入れて協議するべきだ、こう申し上げておりましたから、小さな政党も入れて協議をした。残念ながら、この協議は、各党の利害が調整できず、うまくいかなかったわけでございまして、少し答弁が長くなって恐縮でございますが、その上において、議長のもとに第三者機関をつくるということを私は提言したのでありますが、当時は、多くの野党もその私の提案に対して反対をされました。しかし、その後、議長のもとに第三者委員会がつくられたわけでございます。 そして、その答申がなされ、来週の二十二日に向かって、この答申に向けて多くの党が前向きに検討を進めているということでございますから、これは、かつてまさに各党が利害を正面に出してぶつかり合っていたときから比べれば大きな前進ではないかな、こう思うわけであります。 政治は結果でございまして、定数削減を言うのは簡単でありますが、実際に実行するのはそう簡単ではない。我々は〇増五減を実行し、そして、このたび、各党がこの提案に対して、この答申に対して、それを前向きに検討するというところまでは来たわけでございます。 そして、先ほど自由民主党の田村委員にお答えをさせていただきましたように、今度のいわば国勢の簡易調査で出る結果において区割りを改定するわけでありますが、その際、議席の十減をしっかりと盛り込んでいきたい、こう考えているところでございます。
○野田(佳)委員 いつもこんな感じなんですか。私は、約束を覚えていますかという質問をしたんです。今、何か第三者機関の答申とか、いろいろなお話をされました、〇増五減とか。私が聞きたかったのは、約束の本質的な中身なんです。よく聞いていただきたいと思います。これからちょっと御注意いただかないと、限られた時間ですので、お願いしたいと思います。 約束の中身は、かいつまんで言うと、我々は、社会保障と税の一体改革という形で国民の皆様に消費税を負担していただく、国民の皆様に御負担をお願いする以上は、まずは我々が身を切る覚悟を示さなければいけない、だから定数削減を実現しましょうと。 〇増五減とか過去の話をされていましたけれども、いろいろな経緯がありました。水かけ論を今からしたくありませんよ。それは、もうさかのぼっては言いません。 約束をしました。約束しようと言いました。提案をしました。安倍さんは、やりましょうと言いましたよね。やりましょうと言ったんです。次の通常国会、二〇一三年の通常国会で、定数削減を含む選挙制度改革をしっかりやりますよと言ったんです。その約束を受けて、私は、あなたから要請のあった衆議院を解散するという約束を果たしたんです。十一月十四日の党首討論、そして、十一月十六日に解散をしたんですね。私は約束を果たしたつもりです。 ところが、約束したはずの、次の国会で定数削減を含む選挙制度改革を果たすということは、残念ながら実現できませんでした。できないまま今日に至っているわけですね。ということをまず確認させていただきたいというふうに思うんです。ここからが議論のスタートなんですね。 これは口約束ではないんですよ。テレビの前で、国民の前で約束をしたことだから、国民の皆さんも覚えているんですね。それにもかかわらず、約束を果たしましたかということを聞いても、今、違う話ばかりおっしゃった。私は、一言ぐらい、結果をいまだに出し切れないことに対して、国民の皆様におわびの言葉ぐらいはあるのかと思ったら、驚きました、今の答弁。 そこで、こういう形で、十一月十六日に合意書をまとめています。 民主党、自由民主党及び公明党は、衆議院選挙制度に関し次のとおり合意する。 記 衆議院議員の定数削減については、選挙制度の抜本的な見直しについて検討を行い、次期通常国会終了までに結論を得た上で必要な法改正を行うものとする。 努力規定ではありません。きっぱり書いています。二〇一二年十一月十六日、民主党国会対策委員長、先ほど質問されていた山井和則さん、自民党は浜田さん、公明党は漆原さん、それぞれがしっかり署名をされています。 改めてこの合意書を交わしたことを思い出していただき、これは知らないとは言えないと思いますよ。お互いの党の国会対策責任者がまとめたんです。本来ならば、かつての細川さんと河野さんのように、あなたと私でこういう合意文書を交わしたかったと思うんですが、解散を決めたときでしたので、国会対策責任者にお任せをし、その上で解散をしているわけであります。改めてこの合意書を確認した上で、残念ながらこのとおりにできていないことについて、改めて御答弁をお願いしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 まず、約束について言えば、八月に、当時の谷垣総裁と野田さんとの間において、我々は野党でありましたが、消費税法案、一体改革について賛成をする、こういう決断をしたんです。しかし同時に、野田さんは近いうちに解散をする、それが約束だったんです。 それと、一応念のために申し上げておきますが、あの年の暮れの選挙、なぜ皆さんは大敗したか。それは、身を切る改革として、例えば消費税を引き上げるから負けたのではないんです。消費税を引き上げるという約束は私たちもしているんですから。同じ約束をしている私たちは勝って、しかし、皆さんは負けた、そのこともかみしめていただきたい、こう思う次第でございます。(発言する者あり) 民主党の皆さん、ちょっとうるさいです。今、私と野田さんが党首討論を。野田総理、いつもこんななんですよ。いつもこんななんです。ですから、本当に静かな議論ができなくて大変残念でありますが、せっかくきょうは三年ぶりに野田さんが出てこられたのですから、しっかりと議論をさせていただきたい、こう思っているんです。 そして、繰り返しになりますが、〇増五減だって約束したじゃないですか。約束したにもかかわらず、ここにいる皆さんみんな、区割り法案、反対票を入れたじゃないですか。野田さんもそうですか。〇増五減、これが一番喫緊の課題だったんじゃないですか。皆さんは、ただ一人も議員は削減していない。私たちは、少なくとも〇増五減はお約束を果たしているということは申し上げておきたいと思います。 そして、この約束であります。この約束を守っていく、これは、我が党も責任がありますが、お互いに共同責任です。誰かだけに責任があるのではないわけでありまして、我々は三十減という提案をしています。残念ながら合意に至らなかったのは、これは本当に残念なことだと思っています。でも、その残念だということは、これは三党みんな代表して名前を書いているんですから、三党がそれぞれ、それぞれの責任をかみしめなければならないと思います。 そこで、私は、責任を果たすために、このままではうまくいかないという中において、議長のもとに第三者委員会をつくったんです。そして、そのもとで成案を得て。政治は結果でもありますし、技術でもあります。皆さんだって三年間あったんですから。皆さんは、三年間でただの一人も削減していないではありませんか。しかも、皆さんは八十人削減すると言っていたんじゃないですか。八十人で、ゼロになってしまった。我々は三十と言ったけれども、残念ながらそれは果たすことができなかった。それは、この合意にのっとって協議をした結果、皆さんとともに同じ責任があると思っています。 そこで、我々は、まさに今回、第三者委員会から出てきた結果について、来週の二十二日に各党が持ち寄ることになっています。そこでしっかりと成果を得られるよう期待したいと思いますし、私は自民党の総裁としてのリーダーシップもちゃんと発揮していきたい、こう考えているところでございます。
○野田(佳)委員 いやあ、びっくりぽんですね。本当に驚きますね。これでは前向きな議論はできないですよ。 随分過去にさかのぼったお話をしました。私、本当は答弁する立場じゃないが、いろいろおっしゃったからこれは反論しなければいけないんですけれども、我々の政権の任期中に一人も議員の数を減らさなかった。そのとおりです。でも、理由がありますよ。二〇一二年の通常国会に、議員定数を四十削減する法案を提出しました。そのとき……(発言する者あり)パフォーマンスじゃありませんよ、真剣に出したんですよ。 いいですか。聞いてくださいよ。聞いてくださいね、総理もね。ちょっとお互いに気にしないでやりましょう。(安倍内閣総理大臣「でも、お互いに静かにさせましょうよ」と呼ぶ)ちょっと議論させてください。(安倍内閣総理大臣「こっちも静かにさせますから、そっちも静かにさせてください」と呼ぶ)やりましょう、では、やりましょう。 申し上げますけれども、四十削減の法案を出したんです。自民党も定数削減を選挙公約で出しているから、対案を出してきたり、修正協議をするのかと思ったら、審議拒否だったじゃないですか。参議院は、そちらの数の方が多いから審議もできなかったじゃないですか。やろうとして潰したのは自民党なんです。だから、十一月十六日、緊急避難で〇増五減を成立させなければいけなかった。だから、我々は賛成をしたんです。 その後、その〇増五減についても違憲の判決が出ましたね、次々と。だから、その区割り法については、こういう違憲状態というものが出ているんだから、もっと冷静にきちんと議論しようということを言っていたら、強行採決をあなたたちがしたんじゃないですか。ということを何で私が今答弁しなきゃいけないんですか。 戻しますよ。私が聞いたのは、この同意書を見てどう思うか、端的に言ってほしいんです。期日が書いてあるんですよ、期日というか期限が限ってある。という約束をしたことをできなかった。もちろん、これは各党の責任があるというのは間違いありません。我々が無関係とは言いませんよ。だけれども、第一党の責任が一番重いんじゃないですか。その自覚がないんですか。 天下の総理大臣にこんなことは言いたくないんだけれども、結果的には、通常国会、二〇一三年までにできなかったということは、国民にうそをついたということになりませんか。うそをついたことになるんですよ。それに対する痛みも責任感も感じない今の答弁には、私は満身の怒りを込めて抗議をしたいと思います。 そこで、もう既に何か前倒しで佐々木調査会の答申のお話を随分されていますから、もうそっちに行きます。 御苦労されて、調査会が答申を一月に出していただきました。我々は、この答申をもうそのまま法制化していいと思っているんです。すなわち、二〇一〇年の国勢調査を踏まえて、県の枠も超えた定数配分を、答申が出しているようなあの方式、アダムズ方式を使って、その上で、十、議員定数を削減する、そういう法案をつくろうということを先般の我々の政治改革本部で決定しました。これは党の方針です。同様のことを維新の皆さんももう決められたと聞いていますし、恐らく公明党の皆さんもそういう思いだと思うんですね。とすると、これまで定数削減を主張してきた政党は足並みがほぼそろっている。 その中で、今までは自民党の方針は、二〇二〇年よりも先に先送りをしようという、とても答申を守っているようなものではありませんでした。二〇二〇年以降、すなわち二〇二〇年の国勢調査を踏まえての対応というと、結果が出るのは二〇二一年、そして、それを踏まえて区割りをし、周知徹底するなら二〇二二年以降ですね。私との約束からはもう十年以上たっちゃう。そんなひどい話があるかと思って、きょう私はここに立ったんです。 ところが、きょう午前中の答弁では、随分前倒しをする発言をされたようであります。改めて、この調査会の答申について、安倍総理、自民党はどういう方針で臨まれるのかを私に御説明いただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 第一党には大きな責任がある、それはそのとおりであります。私も、第一党の党首として責任があると思っています。でも、同時に、皆さんが第一党であったときには皆さんに責任があるわけでありまして、結果をしっかりとお互いにかみしめようではないですか。自分たちが第一党の責任にあるときには、それは実は自民党のせい、しかし、自民党が第一党のときには自民党のせい。(発言する者あり) 先ほど野田さんに申し上げましたよね。我が党の議員はほとんどやじは飛ばしていませんが、おたくの議員はもうやじばかりですよ。だから、お互いに指示を出そうではありませんか。こちらも行儀よく聞いているんですから、こちらの席も少しは、ベンチに座っている人々も含めて静かにしていただけないと、せっかくの私と野田さんとの議論でありますから、落ちついて議論をしようじゃありませんか。皆さん、よろしいですか。少し静かな雰囲気をつくっていただきたい、御協力をいただきたいと皆さんにお願いをしております。 そこで、お互いに、しかし、今、野田さんは党首ではありませんが、それぞれの党がしっかりと責任を果たしていくことが求められています。その中で、確かに時間はかかりましたが、ここまでは来ました。そして、私が総理・総裁を務めている間にここまで来ました。そして、その中で、先般、第三者委員会から答申が出された。この答申の範囲内で対応していこうということを申し上げております。 そして、それは、事実上、三つのことを言っているんだろう、こう思います。一つは、先般の最高裁の判決がありましたから、五年ごとの簡易の国勢調査にのっとって区割りを調整して、まずは違憲状態を解消していこうということであります。そして、その先に、十年ごとの国勢調査にのっとってアダムズ方式を取り入れていこう、こういうことでございました。 そこで、私が今申し上げておりますのは、五年の国勢調査、簡易調査にのっとって区割りの調整をしていきましょう。それを実行していくためには、そのための法案も出さなければいけませんし、さらには、区割りを画定するための法律を通していく。これは〇増五減と同じでございます。そして、私が申し上げているのは、その際、十減を行おう。 第三者機関の答申ということについて言えば、第三者機関においては、一人当たりの有権者の数は、日本は欧州と比較して必ずしも多いとは言えない、むしろ少ない方だという結論に至っていますが、各党が国民との約束の中で削減をするという約束をした以上、十程度ということが出されているわけでありまして、我々はそれを行っていく。 今、野田さんがおっしゃったように、三十二年の国調に合わせてという議論が確かに我が党の中でもあるのは事実でありますが、それは、きょう自由民主党の田村議員からの質問でお答えをさせていただいたように、先送りはせずにそれは決めていくということでございまして、今まだ自民党では議論しておりますが、総裁としてその方向に議論をまとめていきたいと考えているところでございます。
○野田(佳)委員 二〇二〇年以降に先延ばすということはやめるということからは前進をしたというふうに私も思います。そういう意味では、きょう答弁に立った、辛うじて意味はあると私は思います。失礼をしました。まだそっちにいた側で答えてしまいました。質問をした意味があったというふうに思うんです。 ただ、もうちょっと本当は詰めなきゃいけないのは、さっきおっしゃったように、二〇一五年の国調を踏まえて定数削減をするというお考えですね。我々は、二〇一〇年のあの大がかりな国調を踏まえてと思っています。もちろん、直近の国調で微調整は必要かもしれませんが、それを踏まえて都道府県別の定数配分もやるという中で、そこから出てくる、導き出される七増十三減という小選挙区の削減と、そして比例区の四削減を実現するという法改正が答申にのっとったやり方だと私は思うんです、ストレートに言うならば。 どの国調に基づくのかということによって微妙に変わってくる可能性がありますね。あるいは、アダムズ方式を採用するかどうかもまだ確定していないようですが、その技術的な方式によっても変わる可能性があるんです。そこに、その細部と技術的な要因に党利党略が出る可能性があります。 私はそうあってはいけないと思うので、せっかく定数削減は前に倒して実現しようとしてきたことはいいけれども、余りその細部や技術的なものにこだわって、小異にずっとこだわると、まさにそれはちゃぶ台返しになりかねないと思いますので、これはここで詰める話ではないかもしれないけれども、細部や技術的な問題にこだわり過ぎて各党との足並みがそろわないようになることを、ぜひ総理の指導力で自民党に徹底していただきたいと思いますが、いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 これは確かに野田さんのおっしゃるとおりだと思います。細部にこだわり過ぎないことも大切であります。この問題をずっと熱心にやってきた方は、どうしても細部にこだわるんですね。しかし、それは、党利党略ではなくて、細部に、やはりかなり有識者的にこだわっているということももしかしたらあるかもしれませんが、しかし同時に、高い立場に立って最終的には詰めていきたい。 そして、今大事なことを野田さんもおっしゃったんですが、党利党略が入ってはならない。例えば、小選挙区、六減をどのように決めていくのかということもございます。これは客観的な一定のルールで決めていかなければならないと思っております。そこは、私が決めることではなくて、まさに来週二十二日に各党が集まるんですから、その場において決めていただきたい、こう考えております。
○野田(佳)委員 細部にこだわりそうな方のお顔が思い浮かんだものですから、私も要注意だというふうに思います。 ずっと、どうやという感じで御説明をされていました。一定の前進だとは思いますよ。ただ、率直な私の感想を、ちょっと厳しく聞こえるかもしれませんが、申し上げたいと思うんです。 ここまでようやく来た、やっとここまで来た。でも、まだ一里塚だと思うんです。私は、ツーリトル・ツーレートだと思うんです。 まず、ツーレートから。遅きに失したな、ここまで来るのは。 本来ならば、さっき合意書をお示ししましたけれども、やはり、二〇一四年の四月に消費税率を八%に引き上げる前までに実現をしておくべきだった。そして、解散時期は総理が決めることでありますが、先般の総選挙の前に実現をし、一票の格差を是正しておくべきだった。これはもう取り返しがつきません。その意味では、私はツーレートだったと思います。 そして、ツーリトルなんですよ、やはり十は。 これはせっかくの答申ですから、まず十削減ということをお互いに努力し合って実現する、この国会で法改正を行う、ここまでは何としても持っていかなければいけないと思いますが、それでとどまっては私はいけないと思うんです。私はさっき、たまたま、二〇一二年の通常国会では四十法案を出したけれどもだめだったという昔の話をしましたけれども、十で終わるのではなくて、引き続き、定数削減も含めた選挙制度改革についてはお互いに協議していこう、そこの確約までいただきたいと思うんですが、いかがでしょう。
○安倍内閣総理大臣 今後どのように選挙制度をつくっていくかということについては、まず、来週、この答申に対して各党が自分の考え方を持ち寄るわけでありますから、今ここで私がそれを前もって全て申し上げるわけにはいかないわけであります。 まずここで、これは何といっても、私のもとにつくった第三者機関ではなくて、議長のもとにつくった第三者機関でありますから、一義的には院で考えるということでございまして、議長も、しっかりと取りまとめていかれるという考え方もお示しになっておりますから、これは来週、まずは各党がどのような考え方を持ち寄るか、そして議長のもとにおいて進めていく。 その中で、我が党がどういう方針をとるかということについて、私は初めて総裁として指導力を発揮していくつもりでございますが、まずは、今後どのように進めていくかということについてもそこで議論をしていただきたい、こう思っております。
○野田(佳)委員 第三者機関の答申は、もちろん議長のもとで進めていく。その終わった後のさらなる定数削減を含めて、あるいは選挙制度改革については、これは政党間の協議だと思いますので、先ほど強く要請をしたということでございました。 次に、まだ少し時間があるようでありますので、経済のお話をさせていただきたいというふうに思うんです。 今週の月曜日に、去年の十月から十二月期のGDPの速報値が出ました。前期比でマイナス〇・四、年率でマイナス一・四という残念な数字でありましたけれども、そういうことも含めて、この実質GDPです。経済を見る上で私は重要な経済指標だと思いますが、この御認識はございますか、総理。
○安倍内閣総理大臣 この実質GDP、いわば成長していく力でございますから、当然、実質GDPというのは重視をしております。 しかし同時に、我々は今、目標はデフレ脱却でありますから、この実質GDPと名目GDPが逆転していたという状況はいい状況ではないわけでありますから、これを我々は再逆転することができました。これをしっかりと維持していかなければいけない、こう考えております。
○野田(佳)委員 実質GDPも大事な指標であるということの御認識をいただきましたので、それを踏まえての議論を進めさせていただきたいというふうに思います。 パネルをつくらせていただいております。 上の方のグラフは、我々民主党政権のときの、二〇〇九年の十月から十二月期から、私の政権の終わり、二〇一二年の十二月までの実質GDPの年平均の数字一・七%とその曲折をたどったグラフでございます。その下が安倍政権の三年間でございまして、これは実質GDP、年平均でとると〇・六パーなんですね。お互いにでこぼこがあります。でこぼこがありますけれども、年平均で換算するとこういう形になるんです。これは内閣府の出しているGDP統計を踏まえてつくったものですから、私が勝手につくったものではありません。という形ですね。 これに基づいてですけれども、まず、下の〇・六パーって、あれだけアベノミクス、アベノミクスとか三本の矢とか言った割には低いという気がしませんか。なぜ〇・六パーに甘んじているのか、御説明いただけませんか。
○安倍内閣総理大臣 これは平均で言っているんだと思いますが、いわば三年間でどういう結果を出しているかということで申し上げますと、実質GDPは一・九%伸びております。そして名目では五・六%伸びているということでありまして、そこで見れば、名目GDPが実質GDPをしっかりと上回っているのは、デフレではないという状況をつくったからであります。 それは平均なんですが、例えば御党の場合は、実質GDPは確かにプラス五・七%でありまして、先ほど私が申し上げました我々の一・九%より多いのでございますが、でも、皆さんのときの実質GDPはプラス五・七ではありますが、名目は〇・七なんですね。この差は何かといえば、五%はデフレなんです。デフレだったから実質が五・七%になっているということでありまして、そのときはデフレにどっぷりつかっていたということであります。 デフレを肯定するのであれば、これはいい数字ということになるわけでありますが、我々は違います。デフレから脱却をしなければならないということにおいて、まさに名目が実質を上回る、つまり、しっかりとデフレから脱却をしているという姿をつくったわけであります。 と同時に、もう一つ申し上げますと、税収はどこから出てくるかといえば、これは実質ではなくて、名目GDPがふえていかなければ税収は上がらないということになりますから、我々は民主党政権時代よりも二十一兆円税収をふやすことができたということもあわせて申し上げておきたい、このように思いますし、大切なことは、これはもう野田さんも恐らく十分御承知だろうと思いますが、やはり政治にとって雇用を確保していくということが一番大切であります。我々はしっかりと雇用をふやし、失業者を減らし、そして倒産を減らしているわけであります。 野田さんも私もお互いに、一回総理大臣をやり、そして総理大臣をやめた。だから、お互いに、これはやはり失敗から学ぶことが必要なんだろうなと思います。私は、やはりデフレ脱却は大切だ、そのように考え、政策を磨き、そしてこのたび何とかデフレではないという状況をつくり出すことができた、このように考えております。
○野田(佳)委員 いやあ、本当に困りましたね。 実質GDPでの議論をしようと、だからこれを出したんですね。それは、名目へ持っていきたい気持ちはわかります。名目の意味もわかります。デフレがいいなんて、私も全然思っていませんよ。だけれども、最近、例えば賃金で考えてください。名目賃金がふえたって、輸入物価が高まって実質賃金が下がってということがずっと続いているわけであって、実質を伴わない名目の上昇だったら逆に生活は苦しくなるんですね。と同じことであって、まず、実質の、実力のところをどう見るかということを冷静に数字に向き合って議論することが大事ではないかと思ってこういうグラフを出しているわけなので、余り名目、名目と振らないように。 しかも、また雇用とか税収とか何か違う話に行きましたけれども、一つ悪い癖がありますね、総理、申しわけないけれども。民主党よりはよくなったという、民主党を酷評して自画自賛をするという答弁なんです、いつも。 しかも、その材料が、大体、右肩上がりのグラフだったらいい方だったら、例えば、よく使われるのは税収ですよ、言われますのは。我々はこれだけ税収がふえたと。我々だって、麻生大臣がいる前で申しわけないですけれども、麻生大臣のころに比べれば税収をふやしているんです。右肩上がりのグラフのときに、自分はここにいる、途中にいた民主党はここじゃないか、そういう指摘です、いつも。同じですよ、同じ。だから、そういう問答をしたって意味がないので、その悪い癖は直していただいて、ぜひ数字に向き合ってほしいんです。 いいですか。私は、何か答弁されると違うところへ行っちゃうので、行きますよ。行きますけれども、〇・六パーで終わっているという一番の大きな原因は、やはり潜在成長率が、我々のときも苦しかったけれども、今は〇・二%近傍じゃないんですか。ゼロ%に近いんじゃないですか。これを上げていかなければ、外的な要因とか天候とかがあればマイナスに落ちちゃうんですよ。それがこの数字の危険だと私は思っているので、三本の矢もいいんだけれども、成長戦略にもっと力を入れて実現をしていかないと。これは問題意識が共有できるでしょう。そういう議論をしたかったんです。全然違う答弁になっちゃったから、そういう議論にならないんです。 我々の一・七%は、これは別に自画自賛するつもりはありません、いろいろなことが要因でありますけれども。ただ、私は、ずっと三年三カ月財政を担当していました。民主党の政権で力を入れたのは、ほとんどの予算は減らしました。ふやしたのは、社会保障と中小企業と地方なんですね。 社会保障。困ったとき、弱ったときのサービスをしっかり守って、そして中間層を守って、低所得者の暮らしを守ること。中小企業。日本を守っているのは中小企業ですよ。百年以上続いている企業は、世界で四万社あります。日本は、二万七千社もあるんです。ほとんど中小企業ですよ。この人たちが力を持つようにすること。そして、地方。地方交付税を三年ふやしました。一括交付金をやりました。このように、日本の力を底上げする分配に力を入れたんです。再分配に力を入れたんです。 トリクルダウンでは、やはり〇・六で終わっちゃうんですよ。トリクルアップの方が、私は今のこの時代には必要ではないかと思うんです。そこが、私たちと安倍さんとの立ち位置の違いです。 そんなことを言われると頭にくると思うので感情的になるかもしれませんけれども、今は参考としてぜひ聞いていただきたいし、これからぜひ取り入れていただきたいと思います。いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 やはり反省から学ばなければいけないなと改めてお話を伺っていてそう思いました。第一次安倍政権のときに、あのときも、それまでも、統計から見れば企業は最高の収益を上げていた、しかしなぜ賃金がふえなかったか、そういうことも考えながら、私は、新しい、いわゆるアベノミクスという政策を磨き、実行しているわけでございます。 名目と実質のお話をされたんだけれども、これは、やはり名目と実質、テレビを見ている方も理解をしていただかなければならない。これはデフレーターを足していくわけでありまして、これがマイナスであれば引いていくことになるわけでありますが、当然、デフレであれば、それがそのまま乗っかるわけでありますから大きく見えるということを申し上げたわけでありまして、話を切りかえたのではない。小さい話と言っていたんですが、それが大きいんですよ。小さい話というのは、デフレを小さく考えているんだろうと私は思いますね。私は、デフレこそ変えていかなければいけない。そこで、デフレではないという状況を私たちはつくりました。 そして、潜在成長率、当然、私たちも重視をしていますから、三本の矢、三本目は成長戦略であって、成長戦略をしっかりとさらに打ち出していきたいと思っていますし、今までかなり長い間できなかったことをやっていると思っております。 そして、今後、野田さんがおっしゃった、しっかりと底上げをしていく。我々は、そのために最低賃金も三年連続大幅に上げて、五十円上げました。そして、パートタイマーの皆さんの時給は、過去、統計をとって最高になっている。そういうことをなぜできたかといえば、やはり政労使の対話をスタートした、今までやっていなかったことをスタートした。これは、第一次政権の反省の上にこれを行っているわけでございまして、我々は、いわゆるトリクルダウンをとっているのではなくて、成長力を底上げしていこうということであります。 成長と分配の好循環を回していく。まず分配ではなくて、しっかりと成長を確保しながら、その果実を分配に回していく。この成長と分配の好循環を回していくことによって、我々は三つの的を明確に掲げました、その的に向かってしっかりと政策を進めていきたい、こう考えているところでございます。
○野田(佳)委員 もう私の持ち時間が来てしまったので、本当はもっと突っ込んで聞きたいところなんですけれども。 ただ、ちょっときょうの印象として申し上げます。 私に対する対応、あるいはこれまでの予算委員会の対応を含めてなんですが、やはりきちっと数字に向き合うという素直さをもっと持ってほしい。どうしても最後は自画自賛の路線ばかりに行くじゃないですか。そんな路線に集っている人たちがいっぱい集まっているから、今の経済財政諮問会議、どうですか。潜在成長率二%なんかで計算しているんでしょう、いろいろなこと、二〇二〇年。こんなことをやっていたらだめですよ、そんな政権のポチばかりみたいな人たちと。そんなのでいい知恵は出てこないと思う。 今の発言は撤回しましょう、ポチはね。だけれども、言い過ぎたけれども、気をつけてください、むしろ異論、反論にももっと耳を傾けていただきたいと思うんです。 昔、もう亡くなっちゃいましたが、ハナ肇さんって御存じですか。クレージーキャッツの代表、喜劇役者。あの人は非常にいい言葉を残したんだけれども、自分が、人の演技が非常に下手に見えたときがあった、そのときは全く自分が成長していないときだ、自分の後輩でも、本当に下手な役者でも、この人はこんなところ、いいところを持っているんだなと気づきのあるときは一番伸びたと言うんですよね。 そういうことで、御忠告申し上げて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○竹下委員長 この際、福島伸享君から関連質疑の申し出があります。西村君の持ち時間の範囲内でこれを許します。福島伸享君。
○福島委員 民主・維新・無所属クラブの福島伸享でございます。 今の現、前総理の討論を聞いていて、さまざまな感慨深い思いを思い浮かべておりました。私も、あの二〇一二年の衆議院選挙、野田総理の解散のもと戦って苦杯をなめましたけれども、それ以来のさまざまなことを考えながら今の討論を聞いておりました。 多くの国民の皆さん方は、ごらんになって、器の違い、かなえの軽重というのをお感じになったんじゃないかなというふうに思っております。どっちの器が大きいか小さいか、かなえが重いか軽いかというのはあえて申し上げはいたしませんけれども。 先ほど総理は、反省から学ぶということをおっしゃいました。我々民主党の新しい世代も、しっかり反省から学んで次の政権運営に備えていきたい、そういう決意をまずお示しさせていただいて、質問に入りたいと思います。 きょうは、ずっと午前中来議論になっております軽減税率の話について御質問をさせていただきます。 総理は午前中、先ほど来、野田総理からも言われたように、三党合意に基づく法案に書いてあるんだから天下の愚策なんて言わないでやれという、ある意味逆切れの答弁をされておりました。 なぜこの問題を我々がこれだけ議論するか、そして、国民の多くの皆さんがこうした議論を聞けば聞くほど疑問を持って、頭の中がはてなはてなになっていくのか。私は、その一つの象徴が新聞への軽減税率の問題であるというふうに思っております。 私は、意味のある軽減税率なら大いに議論をすればいいと思っております。我々が天下の愚策と言う今回の軽減税率なる据え置き税率は、決定の経緯、その導入の目的、対象の選定、税率のあり方、そうしたものに余り合理性を感じない部分が多いからであります。 まず麻生財務大臣にお聞きしたいんですけれども、もう何度も答弁されておりますので、確認の答弁なので端的にお答えいただきたいんですが、今回、食料品以外で新聞にのみ八%の据え置き税率を適用したのはなぜでしょうか。端的にお答えください。
○麻生国務大臣 これはもう何度もお答えしたと思いますが、日常生活における情報媒体として全国あまねく均質に情報を提供して、幅広い層に日々読まれていること、日々ですよ、この結果、当然のことだと思いますが、新聞の購読料にかかわります消費税負担は結果として逆進的になるなどの事情を総合的に勘案して軽減税率の適用対象とするところとしたところでありまして、新聞業界と癒着しているとかいろいろよく言われましたけれども、そういうことではないということだけははっきりさせておきたいと思っております。(福島委員「私はまだ言っていません。これから言います」と呼ぶ)いやいや、知っていますよ。時間が、面倒くさいでしょう、もったいないからね。 それから、電子媒体というのもよく言われますけれども、まだ使用率は一%ですから。だから、現実問題としては紙が今九七・四%ぐらいだと思いますので、そういった意味からいっても、非常にこれは意味があると思っております。
○福島委員 確かに諸外国も、新聞は、消費税、間接税を導入している国は軽減税率を導入しております。また、文化とか、そういう守るものに税を軽減したり課税しないというのは、私は国家のあり方としてあり得べき話だと思っているんです。 ただ、例えば博物館の入場料なんというのは軽減はされないんですね。新聞と博物館のどっちが文化的かという議論はいたしませんけれども、やはりなぜ新聞だけなんだろうか、しかも宅配の週二回以上発行される定期購読のみが対象になるんだろうかというのは、考えれば考えるほど疑問なんですよ。 先日来、安倍総理も御推奨の日刊ゲンダイ、これは夕刊の駅売りで多くを買いますから、駅で買う人は対象になりません。麻生大臣は、見出しがいいから、安倍批判、これはおもしろいと思うとその都度選択して買うんだと。日刊ゲンダイの扇情的な見出しにつられて買う娯楽品だから定期購読とは性格が異なるということをおっしゃっていますが、大体みんな毎日、日刊ゲンダイを買う人は買うんですね。サラリーマンの小遣いの中から買っているわけですよ。なぜ週二回以上の宅配をされる新聞かというのはわかりません。 また、先ほど逆進的とかなんとか言いましたけれども、例えば株式新聞など、日刊の、どう見てもお金持ちだけがとっているような新聞は軽減税率をされるわけですよ。先ほど、理由として、日々の生活における生活の必需品で全国ほぼあまねく均質だということを言っておりますが、新聞だけが必需品じゃないわけですね。 このパネルをごらんになっていただければわかりますように、新聞の軽減税率を導入しているところは大体、雑誌や書籍というものは同じように軽減税率またはゼロ税率にしております。何よりも、薬とか水道水とかエネルギー関係、さまざまなそうした生活必需品をまとめて軽減税率にしているのであって、新聞だけを殊さら税率を据え置いたり軽減しているというものはないと思うんです。これはまさに政治の価値判断だと思うんですね。 例えば、さまざまな風邪薬とか頭痛薬とか湿布とか、そういういわゆるOTCと言われる薬があります。健康にかかわるものと新聞とどっちが大事だといえば、多くの国民の皆さん方は、日々飲む薬の方が大事だと思う人が多いと思いますよ。なぜこれは、薬は軽減税率じゃなくて新聞を軽減税率にするという、麻生大臣がおっしゃる総合的な判断というのをされたんでしょうか。
○麻生国務大臣 私どもは、前にもこれは御指摘申し上げたと思うんですが、書籍の話、雑誌の話というのはよく同時にありましたけれども、新聞というと常に書籍と雑誌がくっついてきますので……(福島委員「それは次の質問でするので、薬の話だけ」と呼ぶ)先に言われたからといって、別にいら立つことはありませんから。そういった意味で、私どもとしては、こういったものをやるときには、少なくとも、暴力、エロ、グロ等々の雑誌、書いてある分だけ、講談社さん、集英社さん、みんなお集まりいただいて、自分たちでちゃんと自主規制していただけますかというお話もさせていただいたんですけれども、そういったことはなかなかできませんでしたので、それならということでこういったことになったと思っております。 薬につきましては、特定の物品やサービスということを対象とすることになったときに、代替品というものとの間にゆがみが生じるとかいろいろなことを考えて、対象がとめどもなく広がっていくということになりますと、薬は風邪はいいけれども腹薬は違うとか、いろいろなことになる。どこまでいくかというところが非常に線引きの難しいことになるんだと思っております。
○福島委員 そういうのがまさにおかしな話でありまして、何を軽減の対象とするのかというのは、まさに政治としての価値判断の問題だと思います。 今おっしゃったのは、やらない理由ばかりなんですよ。では、新聞にはエロとかグロの欄はないんですか。宅配をされる、例えばTスポーツという夕刊で出されるスポーツ新聞の中には、麻生大臣の言葉をおかりすればエロとかグロの欄があると私は認識していて、今回それは排除されていませんよね。 だから、細かいことを言ったら切りがないわけでありまして、先ほど、公明党の伊佐さん、役所にいたときの私のかつての同僚でございますけれども、彼も言ったように、やれる理由を探せば、意思があればやれるはずなんですよ。書籍を抜いて新聞を入れるという理由はないと思いますよ。 例えば、書籍の中だって、学習参考書であるとか辞書であるとか、高校までの教科書は確かに課税はされませんけれども、しかし、大学の教科書などはやはり一〇%の課税をされるわけですね。ですから、私は、今みたいな言いわけというのは理由になっていないというふうに思いますよ。 さらに、先ほど逆進性の問題をおっしゃいました。これは、家計調から見た一世帯当たりの品目別購入費であります。新聞は、大体年収三百五十万円ぐらいの低い所得の御家庭では一万三千円ぐらいの購入額です。年間購読料は大体四万五千円とか、一紙当たりそのぐらいですから、四軒に一軒ぐらいしかとっていないんですよ。 一方、例えばNHK。私もあの東日本大震災に地元で遭いましたけれども、一番災害のときに頼りになるのは、やはりそのときに流れてくるテレビの情報ですよ。極めて公共性が高いし、しかも、この受信料というのは、アンテナをつけていれば取りに来て、払わなきゃだめなんですよ。公共料金的な性格なんです。しかし、今これには普通の消費税がかかっており、軽減税率は適用されません。 これで見ると、大体年収三百五十万円ぐらいの世帯で七千円ぐらい。年間で大体、普通の地上波ですと一万四千円ぐらいですから、二軒に一軒はNHKの放送の受信料を払っているんです。新聞だと四軒に一軒、NHKの放送の受信料だと二軒に一軒。 しかも、このグラフを見ると、新聞は高所得者の方が多く買っている。NHKは大体変わらないんですよ。つまり、逆進性は、NHKとか、あるいは書籍、雑誌もそうですけれども、そちらの方が低所得者が買っている割合は高いんですね。 財務省の資料を私は見ましたけれども、それは縦軸の長さを調整することによってあたかも新聞が大きく逆進性を持つような錯覚を持つようにつくられていますから、それを前提に答弁しないでいただきたいんですよ。 そういう意味では、なぜ、新聞は今回適用で、極めて公共性が高く、しかも国民は選ぶことができないんですよ、受信料。嫌だから払いませんと言えない、しかも極めて公共性の高いNHKの放送受信料は軽減税率の対象としなかったんでしょうか。
○麻生国務大臣 年間の収入の五分位階級別当たりという資料を今頂戴しておりますけれども、これは基本的には勤労者世帯別ですね。総世帯別になっていないところがみそですよね。 だから、数字としては、これは総世帯別にしていただくと別の数字になると思いますので、その点だけは資料としてきちんと訂正されておかないと、ちょっと断っておいていただかないと、間違った情報になりますので。(福島委員「間違えていないですよ、事実ですよ」と呼ぶ)だから、総世帯当たりに変えると、数字としては違いますよということ。(福島委員「間違えてはいません。前提が違うだけです」と呼ぶ)前提が違うと与える印象が異なってきますので、テレビを使われるのはそういうことになるのかなと思って、感心して聞いていました。 御指摘のパネルにつきましては、今申し上げたとおりに、勤労者世帯のみを切り出したもので、総世帯で見ますと全然別の姿になりますねというのが一点。 まず、金額ベースで同じく家計調査で総世帯で見れば、最も収入の少ない第一・五分位のところの世帯における年間新聞購入費が二万四千円程度ということで、勤労者世帯のみを切り出した場合の二倍近くになるんだと思っておりますので、そういった意味では、これは逆進性というものの一つの大きな判断材料になるんだ、私どもはそう思っております。同じく家計調査の総世帯における収入に占めます新聞支出については、同じようにパーセントの数字で高い逆進性が見られるんだと思っておりますので、私どもとしては、今回、新聞というものを対象にさせていただいたのは、確実に定期購読をしていただいているというようなところで中を分けたということだと御理解いただければと存じます。
○福島委員 本当に、役所の力をかりて細々と役人的な議論をされようとしていますが、結局のところ、書籍、雑誌、新聞、テレビ、NHK、こうしたものの何を選ぶかというのは、決定的な差はないんですよ。圧倒的に新聞なんというのはないんです。どれを選ぶかは、政治のそのときの価値判断であると思います。 この軽減税率の話を思い返せば、去年の九月の五日に読売新聞の一面で「消費税一〇%時 食料品 増税分を給付」という、給付措置でやろうとしたものを「公平性 著しく欠く」といって批判する記事が入って、翌日から読売新聞は一面トップでシリーズを組むわけです。「軽減税率見送り意向」「与党合意に背反」「「給付」へ唐突な転換」、「マイナンバー活用案 懸念」「説明ない」「公約と違う」と、だめだ、だめだ、だめだというのを毎日出すわけですよ。 十日には、「給付「上限五千円」懐柔案」、ちょっと政府は折れてきましたよ。次にはいよいよ総理が出て、「首相 財務省案こだわらず」、「公明「参院選戦えぬ」」と言って、九月十六日、半月たって、「軽減税率導入を検討」、どかんと出して。 紙芝居的に見ると、仕組んだとは言いませんけれども、どこかで財務省の検討の状況がリークをされて出て、こういうふうに決定して、そこに科学的な検討とか何かが検討されたというのは、少なくともこの読売新聞から見る限りはなかなか見られません。 何で読売が出ているのかなと。別に、これはよくわかりませんよ、総理が第二次安倍政権で就任してから、マスコミの皆さんとの会食を一覧表にさせていただきました。余りにも多過ぎて、小さな字でしか見えません、テレビの方にも。青で書いているのがマスコミの、新聞社あるいはテレビの社長や経営者と会っているものです。そのうちの赤で書いているのは読売新聞の関係者とやっているもので、ほかはジャーナリストの皆さんとかです。 これを見ると、やはり一緒に飯を食っているから軽減税率をやったと疑われても仕方がないと思うんですよ。李下に冠を正さずといいますけれども、これだけ多く会うほかの業界というのはありますか。私はないと思いますよ。 総理がマスコミと会うのはいけないとは言いません。ただ、多くの先進諸国では、権力者たるものは一線を引いてマスコミとつき合うというのがたしなみだというふうに言われておりますよ。それでも、総理から自分の思いをマスコミの人に伝えたいから会う、それはいいとは思いますけれども、さすがにこれだけ多く会って、新聞だけに軽減税率を導入したとなると、何かあるかと考えるのが国民の皆さんなんですよ。だからこそ今回の軽減税率に賛成より反対する人が多い、そうしたことになっているんです。 総理、このことについてどう思われますか。
○安倍内閣総理大臣 いろいろな方々と私は日々お目にかかっております。マスコミの方々と会うのは、私の考え方を直接伝えたいということもあります。また、ジャーナリストとしての意見を私に伝えたいという方々もおられると思います。マスコミの中にはいわば、新聞社、放送局に所属しているのではなくて、フリーのジャーナリストの方もたくさんおられます。取材をしたい、あるいは私の考え方を聞きたい、また自分として意見を言いたい。当然、私としては多くの方々に会いたい、こう思っております。 先ほど、OTCが外されたではないかと。その関係者とも私は会ったりとかして……(福島委員「こんなには会っていないですよ」と呼ぶ)こんなには会っていませんけれども、会っています。 ちなみに、麻生総理はマスコミ関係者とはほとんど一切会っていないのではないか。それも一つのスタイルでありますが、それはよしあしが両方にあるかもしれない、こんなふうに思っております。
○福島委員 全然よくわからなかったですね。 ただ、先ほど言ったように、新聞、書籍、テレビ、どれも大して違いはないんですよ。その中で新聞だけ選ぶようなことをするのであれば、私は、そうしたまさに利害関係のある業界の経営者の人と頻繁に会うというのは差し控えた方がいいと思いますよ。そういうことをしないからこそ、何かこの軽減税率の議論というのは、こう言ってはなんですけれども、いかがわしい、うさん臭い、そうしたものになってしまうんだと思っております。 次の問題に行きます。 がらりと話をかえまして、これまで、法務大臣、いろいろな国会の議論、お疲れさまでございました。どの論点も、残念ながら中途半端のまま終わってしまっております。一つは特定秘密保護法と会計検査院の関係、もう一つは著作権等の損害賠償のTPPの関係、そしてまた同じくTPPのISDの関係。きょうは、それら一つ一つについて、時間がつく限り確認の質問をさせていただきたいと思っております。 まず一点目は、TPP協定に定める著作権の法定損害賠償と我が国の損害賠償制度ということで、フリップにさせていただきました。これまでの議論をまとめさせていただいております。 我が国はこれまで、著作権等を侵害した場合に、その実害の分だけを補償するというのを裁判でやってまいりました。その証拠に、平成九年七月十一日の最高裁判所第二小法廷の判決で、将来における同様の行為の抑止、すなわち一般予防を目的とするものでは我が国の損害賠償制度はないとしております。そして、一般予防を目的とする賠償金の支払いを受け得るとすることは、右に見た我が国における不法行為に基づく損害賠償制度の基本原則ないし基本理念と相入れない、懲罰的損害賠償としての金員の支払いを命じた部分はその効力を有しないというのが平成九年の最高裁の判決として確定しております。ここまではよろしいですね。 それに対してTPPでは、法定の損害賠償は、侵害によって引き起こされた損害について権利者を補償するために十分な額に定め、及び将来の侵害を抑止することを目的として定めると。 最高裁の判決とTPP協定が矛盾をしている、最高裁判例に違反するような法制度をつくることをある意味TPPは義務づけていることになる、本当に国内担保法がつくれるんですかという議論がなされたと認識しております。これもよろしいですよね。答弁はいいです。 それに対して、岩城大臣はこう答弁しております。 我が国の損害賠償制度は将来の侵害を抑止することを目的とするものではありません、これは最高裁判決のとおり。加害者に対して損害賠償義務を課すことの反射的、副次的な効果として、結果的に将来における同様の行為の抑止の効果が生ずるものと考えられますと答弁されています。TPPのうんたらかんたらで副次的、反射的、結果的に将来における同様の行為の抑止の効果が生じるんだから、副次的な効果が生ずることを踏まえて規定すれば足りるとの趣旨であるならば、この規定と填補賠償の原則は整合的に解することができるというふうに答弁されているということです。 本当にそうなんでしょうか。 この規定の意味はこういうことだと思うんですね。例えば、コミケとか同人誌というのがあります。これは、無名の人ですから価値がありません。仮にこの著作権が侵害されたとして訴えたとしても、現時点の価値は低いから、安い額の損害賠償しか出ないんですよ。そんな安い損害賠償なら、手当たり次第コミケ、同人誌を集めて、その中で売れたものがばんと出たときに大もうけをするというビジネスができるわけですよ。現にそういうことが起きているわけです。 だからこそ懲罰的なものをやって、今の価値では安いとしても、そうした著作権侵害を起こさないような額のものをあらかじめ設定しようというのがこの趣旨だと思うんですけれども、この点についてどう認識されますか。
○岩城国務大臣 私のお答えについて先ほど御説明がありましたけれども、平成九年の七月十一日付の最高裁判決、これは、我が国の不法行為に基づく損害賠償制度が、被害者に生じた現実の損害を金銭的に評価し、加害者にこれを賠償させることにより、被害者がこうむった不利益を補填して不法行為がなかったときの状態に回復させることを目的としたものであり、将来における同様の行為の抑止等を本来的な目的とするものではないことなどを判示したものと認識をしております。 そして、この判決は、加害者に損害賠償責任を負わせることにより、同種の侵害が抑止され、一般予防が図られるという副次的効果が生ずることがあることは認めているものと認識をしております。 そして、こういった効果の発生を副次的な目的として損害賠償制度を規律することが最高裁判決と矛盾することになるものではないと考えられます。 そこで、TPP協定第十八・七十四条の八では、法定の損害賠償は、侵害によって引き起こされた損害について権利者を補償するために十分な額に定め、及び将来の侵害を抑止することを目的として定めると規定されているものと承知をしております。 第十八・五条により、TPP協定の知的財産章の規定の実施については各締約国に一定の裁量が与えられていることに鑑みれば、将来の侵害を抑止することを目的として定めるとの点は、法定の損害賠償につき、必ずしも将来の侵害の抑止を本来的な目的とした制度を定めることを要求するものではなく、将来の侵害抑止の効果の発生を副次的な目的とする適切な方法によって定めることでも足りるという趣旨と解釈することが可能である、そのように考えております。
○福島委員 大臣、私の質問の意味がわかりましたか。抽象的なそういう答弁を読むことを想定しているので、具体例を出して申し上げさせていただいたんです。 裁判を起こしてそこで出るのは、著作権法の規定によって決められた額しか損害賠償は出せないんですよ。そうすると、同人誌のような現在の価値が低いものは、低いものしか出ないから抑止的な効果にならないんですよ。だからこそ、この規定を、日本じゃないんですよ、どこかの国が入れろと言ってできたのがこのTPP協定なんですよ。反論したって、TPP交渉をやってきた諸外国は絶対に認めませんよ。 もう一度答弁してください。 今の段階では価値が低いものでやって、今の日本の裁判でやると損害賠償の額が低いから抑止的にならないことはありますよね。あるかないか、どちらかで答えてください。
○岩城国務大臣 TPPの協定は、アメリカの著作権法上の法定損害賠償制度の導入を求めるものではありませんし、損害額を高額にすることを目的とするものではございません。
○福島委員 岩城大臣、ちゃんと質問に答えてくださいよ。私の言葉、日本語として明確じゃないですか。先ほどの例が抑止的な損害賠償に当たるんですか、当たらないんですかと聞いているんですよ。もう一度答えてください。
○岩城国務大臣 おただしの、損害賠償について額の低いものというお話ですね。これについては抑止力の対象にはならないと思います。
○福島委員 そうでしょう。そうなんですよ。今、大臣はお認めになりました。日本の今の民法上の損害賠償制度では、ここのTPP協定で定めているような、将来の侵害を抑止することにならないんですよ。だからこそ、我が国の法律を改正すべしというのがTPP協定に定められているんですよ。このことを御存じですね。どうぞ御答弁ください。
○岩城国務大臣 法定損害賠償制度の導入につきましては、立証の手続といいますか、そういったものが軽減されますので、そういった意味では抑止力になる、そういうふうに思います。
○福島委員 全く何を言っているのかわからないし、御自分で答弁をされている中身が全然わからないで答弁されているんじゃないかな。 今までの大臣の答弁をもう一度整理いたします。 私が先ほど申し上げたような、現在では価値が低いものだからこそ、損害賠償を請求したとしても大した額にならないからどんどんどんどんその侵害をしたっていいというものは、今の日本の民法制度だと抑止力にならないと言ったんですね。だからこそ、TPP協定では、日本の制度では不十分だから、将来の侵害を抑止することを目的とした制度を入れましょうということが規定されているわけですよ。 そういうことでいいんですよねということを、イエスかノーかでもう一度答えてください。
○岩城国務大臣 ただいまのお話ですと、損害が発生していることでございますよね。ですから、そういった意味で、本来的な目的としては将来の抑止を目的としていないということであります。
○福島委員 損害が発生しているけれども将来の抑止にはならないと言っているんですね。何を言っているのか、全く理解できません。 どうぞ、もう一度答弁し直してください。
○岩城国務大臣 お答えいたします。 本来的目的としては将来の抑止を目的としていない、将来の抑止は副次的な目的であるということであります。
○福島委員 抑止になるかならないかですよ、目的じゃなくて。 大臣、この議論はもう二週間もやっているんですよ。いいかげん、議場でレクを受けて時間をおくらすというのをやめていただきたいんです。 さっき、枝葉末節とかいろいろやじりますけれども、極めて大事な問題なんですよ。 何で大事かというと、これはまさに最高裁判例にあるように、我が国の公の秩序に反するんですよ。懲罰的な賠償を課すような民法上のルールを入れるということは、我が国の公の秩序に反するんですよ。つまり、日本人の美徳とか日本の古くからの伝統に反することに、TPP協定によって変えさせられようとしているんですよ。民法の基本的な原理を変えられようとしているんですよ。それを受け入れるか受け入れないかの判断をするという大事な問題だからこそ、この問題をずっと取り上げているんですよ。 もう一度聞きますよ。 今の大臣の答弁だと、今の日本の民法の体系による損害賠償だと抑止にはならないから、TPP協定の将来の侵害を抑止することを目的として定めるということを満たすためにはかなりの、日本のそうした損害賠償の体系のパラダイムを変えるような改正をしなければ対応できませんよね。どうですか。
○岩城国務大臣 ちょっとお断りしておきますけれども、法定賠償とはあらかじめ賠償の額を定めておくもの、そのように認識しております。これといわゆる懲罰的な賠償とは異なるものでありますので、これは御理解いただきたいと思います。 それから、法定損害賠償をどのように国内法に規定するかにつきましては、各締約国に裁量がございます。
○福島委員 いや、裁量はないんですよ。このとおりやらなきゃならない。 何でこれを言うかというと、アメリカは、アメリカが批准するに当たってはサーティフィケーションというのがあって、相手の国の国内法がその条約に適合するかどうかを議会がチェックしなきゃ批准できないんですよ。TPPは、GDPを合わせて八五%の国が批准しないと発効いたしません。日本とアメリカの両方が最低限批准しないと発効しないんですよ、幾ら日本がこれから批准の議論をしようが。それに当たって、アメリカの議会からの要求が必ず突きつけられるんです。 現に、このサーティフィケーションという条文を使って、アメリカとチリの二国間のFTA、あるいはアメリカとオーストラリアのFTAでは、知的財産について交渉が終わった後に、このオーストラリアの法律じゃFTAを満たしていないからと改正させられているんですよ。 まさに同じことを繰り広げられる可能性がある、非常に重要な問題だから言っているんですよ。しかも、その重要さというのは、単なる法律の小手先の改正ではなくて、まさに最高裁判所の判決が示しているように、我が国の公の秩序と矛盾する改正をするかもしれない。これが実はTPPの本質なんですよ。 私は、だからこそ、この問題は、交渉の経過、なぜこんな条文になったのか、そのときに国内の法律をこれだけ変えなきゃならないとわかってやっていたのかを、これから国会で検証しなければならないんですよ。しかし、石原大臣は、先日の予算委員会の質疑で、交渉の過程は交渉国との約束で明かせないと言いましたよ。こんなことで大事なことが議論できますか。 総理、最後にお答えください。総理、起きていますか、大丈夫ですか。お答えください。済みません、大きな声で。 今私の申し上げたことをお聞きいただければ、結構、一見地味なような分野でも、極めて大事な問題が含まれているとおわかりだと思うんですよ。我が国の公の秩序に反するような法律に、TPPに加盟するためには変えなければならないようなものですよ。そうした問題をこれから国会でしっかり議論していきたいと思います。 先日、石原大臣は、一切交渉の中身は明かせないと言いましたよ。これから特別委員会なども設置してそうしたことを議論することになるかと思いますけれども、ぜひ、総理、この国会の場で交渉の過程をしっかりと明らかにするように石原大臣に御指示いただけませんか。
○安倍内閣総理大臣 過程を明らかにするかどうかということでございますから、法務大臣ではなくて私がお答えを申し上げますが、過程においてどういう交渉をしていたかということについては、相手の国のあることでございますからお示しをすることはできないわけで……(福島委員「終わったら出せるじゃないですか」と呼ぶ)いやいや、交渉の過程においてはですね。 交渉の結果について、こういうことになったということについてはもちろん明らかにするのは当然のことであろう、このように思います。
○福島委員 それもおかしいと思いますよ。交渉の途中は交渉の経過を言わないのはわかりますけれども、交渉は終わったんですから、それを検証する意味の情報を出すのが私は誠実な態度だと思います。 もう時間がなくなったので終わりにしますけれども、ほかにも二つの問題、全然できません。極めて大事な問題が、岩城大臣のこの答弁のありさまによって、この委員会でなかなか審議できない状況が続いております。 私は、岩城大臣は人格もすばらしい方だと思いますし、何よりも被災地出身で、本当は被災地のことをやられたいと思いますよ。ある意味物すごく気の毒な人事だったなと思いますよ、口幅ったい言い方をすれば。でも、しっかり、ちゃんと勉強してこれから答弁してください。ぜひよろしくお願いします。 極めて大事な問題を岩城大臣は担当されているんです。この議場で役所のレクを受けながらよちよちの答弁ではなくて、これからきちんと正々堂々と答弁されますことをお願い申し上げまして、私からの質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○竹下委員長 この際、柿沢未途君から関連質疑の申し出があります。西村君の持ち時間の範囲内でこれを許します。柿沢未途君。
○柿沢委員 柿沢未途でございます。 二月の十五日に発表された二〇一五年十月—十二月期の四半期GDPはマイナス成長となりました。実質GDPが年率換算一・四%減。二〇一五年の政府見通しの一・二%成長を達成するには、この一—三月期で前期比年率八・九%もの高い伸びを記録する必要があります。これは到底不可能な数字だと言わざるを得ません。現実の経済は政府の想定よりはるかに悪化をしている、こう言わざるを得ないと思います。 その原因は何か。個人消費が伸びないことにあると思います。二〇一五年十月—十二月期の個人消費は前期比〇・八%減、これが足を引っ張っている。実質民間最終消費は三百四・五兆円、これは安倍政権が始まった二〇一二年の十月—十二月期よりも減っています。それどころか、消費税を八%に引き上げた直後、つまり、駆け込み需要があって反動でどんと落ちた二〇一四年四月—六月期の三百五・八兆円をも今の水準は下回っているんです。 アベノミクスの間に、消費はふえるどころか減退しているんですよ。GDPの六割を占める個人消費がこれでは、マイナス成長に陥ることも当然だというふうに思います。 安倍総理にまず伺いますが、この個人消費の低下の原因をどのように見ておられるでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 個人消費の低下については、やはり一つの大きな原因としては、今、柿沢委員がおっしゃったように、消費税の引き上げでございます。これは何といっても八%でありますから、これが大きく影響したんだろう、このように思っております。 そして同時に、デフレマインドを払拭する上において、今このマインドを払拭しつつあるわけでございますが、そういう中で、どうしても、消費税の引き上げによって一度後退をしてしまった購買意欲、消費、なかなかこの戻りが悪いということではないか。 我々は、そういう分析のもとに、しっかりと個人の消費を引き上げていく上において大切なのはやはり賃金の引き上げだろうと。賃金を引き上げていくことによって消費を喚起していく、あるいはまた企業がしっかりと投資をしていくということにおいて、経済の好循環を回していきたいと思っております。
○柿沢委員 消費税増税に関する言及がありましたが、これに関しては後に述べたいと思います。 今回の個人消費の〇・八%減、この予想を上回る落ち込みについて、経済財政を担当されている石原大臣は、暖冬が原因だということを説明されておられるんです。ですけれども、では、この冬が厳冬だったら、厳しい冬だったら、消費は伸びたんですか。いつも天候のせいにばかりしているのではないでしょうか。 暖かくて冬物衣料が売れなかった、こういう説明をされているんですけれども、実は、今回の家計消費の落ち込みに最も影響しているのは耐久消費財の落ち込みなんですよ。一月の新車販売台数は四・六%減、十三カ月連続で前年を下回り続けているんです。車が売れない、テレビが売れない、耐久消費財が売れない、これのどこが暖冬のせいなんですか。関係ないじゃありませんか。 この個人消費の落ち込みには、明らかに実質賃金の低下が響いているんですよ。この赤の折れ線を見てください。安倍政権になって三年間で、実質賃金は五%以上も減っているんですよ。国民、庶民の生活が苦しくなって、物を買わなくなるのは当たり前です。 世帯年収も低下の一途をたどっております。二十歳から四十九歳の非正規雇用の世帯を連合総研が調べたところ、ワーキングプアと言われる二百万円以下の年収水準が、男性で三七・五%、女性の四八・九%を占めています。しかも、その三割が貯蓄もゼロ、こういう状況であります。結果、食事を減らしたという人が二割、また医者にかかるのをやめた、こういう生活の状況に立たされている皆さんが多くいらっしゃるわけです。 これでは、こうした国民、庶民の生活の不安を解消しなければ、私は個人消費はやはり拡大、回復しないと思うんです。 低所得者世帯の生活不安を解消するためのセーフティーネットとして生活保護の制度があります。三枚目のパネルです。 今や、百六十万世帯が受給を受けて、支給総額は三・八兆円に上っております。しかし、この生活保護の制度には根強い批判があります。 問題点の一つは不正受給です。けれども、実は不正受給の額は全体の〇・五%でしかありません。遊んで暮らしているとか、よくあるイメージの不正受給は全体額の中では少ない、こういうことだと思います。 それよりも問題なのは、支給対象の低所得者世帯なのに受給をしていない、いわゆる漏給が非常に多いことなんですよ。 二〇一〇年の厚生労働省の調査では、生活保護水準より低い収入で暮らしている世帯が七百万世帯ある、しかし、実際に受給しているのは、ふえたといえども百六十万世帯のみなわけです。収入が最低生活費を下回っている五百万以上の貧困世帯がセーフティーネットの網から抜け落ちている計算になるんです。 ドイツでは六五%、フランスでは九〇%以上が対象世帯、受給していると言われております。日本の生活保護の捕捉率はそれと比較して極めて低い。収入が十分でない低所得者世帯の生活不安を解消するセーフティーネットの機能を十全に果たせていないと思います。 さまざまなこうした問題点が指摘をされている状況であります。この生活保護制度を私は全体としてやはり見直していく必要があると思いますけれども、安倍総理に見解をお伺いしたいと思います。 〔委員長退席、鈴木(馨)委員長代理着席〕
○安倍内閣総理大臣 今委員は、フローの収入において大変低いではないかという指摘をされました。いわばフローの収入において生活保護、生活扶助等々の給付額よりも低い生活をしている人たちがいるのになぜ申請しないかということなんですが、生活保護を受けるかどうかということについてはフローの収入だけではなくて資産も見るわけでありまして、生活保護を申請して実は資産がこんなにあるということがわかればだめになるわけでありますし、扶養する義務を負っている人がしっかりと資産を持っている、あるいは収入があればそれも外されていくわけでありますから、フローだけを見て当然これは生活保護を全部だというのは間違っているわけでありますから、中身をよく見ていく必要が当然あるんだろう。 しかし、生活保護というのは、一生懸命頑張っても残念ながらうまくいかなくて、生活の基盤を失う場合があります。そのためのセーフティーネットとして、しっかりとネットを張っていく必要はあるんだろうと思っております。 生活保護受給者数については、平成二十七年十一月現在で二百十六・四万人でありまして、平成二十年の世界金融危機以降急増しましたが、足元では、季節要因による増減はあるものの、ほぼ横ばいで推移をしています。平成二十七年九月以降は、前年同月の伸び率は三カ月連続でマイナス〇・一%となっております。 そして、高齢者の方々はいわば六十五歳以上になっていくと収入がなくなって、その段階で生保に頼る方もおられるかもしれません。しかし、よく見ていかなければいけないのは、経済が悪くなると働き盛りの人たちが生活保護の必要に直面していくわけでございますが、そこでその世代を見てみますと、高齢者世帯以外の世帯について見ると、平成二十五年の二月のピーク時から我々が政権をとった以降を見ると六万世帯減少しているわけでございまして、これは、経済がよくなり雇用をつくっていく中において自立した人たちが……(発言する者あり)こういう数字もファクトですからしっかり皆さんにも見ていただきたい、こう思う次第でございます。
○柿沢委員 今、日本の生活保護の捕捉率がヨーロッパの諸国に比べて低い水準にあるのではないかという指摘をさせていただきましたが、そのこと自体を何か否定されるかのような、そういう御答弁をいただいたことは私はちょっと残念です。 もう一回見ていただきますと、二百万円未満の収入水準で生活をしているという世帯の分布を見ると、これだけの皆さんがいらっしゃる。これは厚労省の国民生活基礎調査に基づいたデータであります。 四枚目のパネル。 私は、日本版ベーシックインカムということをかねてから申し上げてまいりました。これは、全ての個人に対して生活に最低限必要な所得を給付する、こういう考え方であります。(安倍内閣総理大臣「こっちに交代。彼が答える」と呼ぶ) 次は総理にお伺いをする予定なんです。申しわけないんですけれども。これはちょっとだめですよ。時計をとめてください。そういう約束になっていますから、委員長。(安倍内閣総理大臣「トイレぐらい行かせてくださいよ」と呼ぶ)だから、時計はとめてください。(発言する者あり)
○鈴木(馨)委員長代理 では、質問者は続けてください。
○柿沢委員 行かれて結構ですから。とにかく、時計をとめていただければ結構なんですよ。 では、質問を続けさせていただきます。 スイスやフィンランドでは月額三十万あるいは十一万といったベーシックインカム導入の是非を問う国民投票が行われる予定で、世界的に注目を集めています。このベーシックインカムの考え方に基づきミルトン・フリードマンが提案したのが給付つき税額控除の制度、このように言われております。最低生活ラインを下回る所得水準の皆さんには不足分の給付を行う、こういう考え方であります。 基礎年金や生活保護といった既存の生活保護層の給付をこれに一本化して、例えば年収二百万円という最低限安心して生活できる収入水準を全世帯に保障する。生活保護の支給総額は三・八兆円、基礎年金が十八兆円。財源的には私は十分可能なものではないかと思います。 先ほどお話が出たように、高齢者の皆さん、基礎年金、国民年金だけで生活をしていて、これから、財政計算に基づいて言えば、この基礎年金、国民年金が四万円台の水準にまで落ち込んでいくということが既に予測をされている。 基礎年金、国民年金だけでは十分に生活を支えることができずに、それによって生活保護に陥っていく、こういう世帯がふえているわけです。こういう皆さんにも、年収二百万円、この水準を保障する。そうすれば、誰もが安心感を持って、過剰な貯蓄を抱えていなくても生活を維持していくことができる、持っているお金を消費に回すことができる、こういうことになるではありませんか。 こうした、私の言葉ですけれども、スーパー安心社会を私たちは目指していくべきだと思うんです。その基本的なコンセプトとなるベーシックインカムの保障について、総理のお考えを伺わせていただきたいと思います。 総理にお願いをして聞いていただいたんですから、ここまで着席をいただいて。おかしいですよ、総理。総理に御質問させていただいたんですから。何でこんな、不都合なことになると答弁されないで。おかしいじゃないですか。だから、お願いをして座って聞いていただいていたんじゃないですか。結局自分で答弁されないなんて、どういうことですか、これは。おかしいじゃないですか。 私は別に、スキャンダルの追及とかそんなことを今やっているんじゃないでしょう。政策の議論じゃないですか。
○鈴木(馨)委員長代理 財務大臣、答弁をお願いします。(柿沢委員「幾ら何でもおかしいよ。戻って着席されたじゃないですか」と呼ぶ)
○麻生国務大臣 幾ら何でも正しいです。委員長が指名された人に発言権があるので、今、あなたにはない。(柿沢委員「だめですよ。総理に対して通告している質問なんですから」と呼ぶ)はっきりしておこう。ルールに合意して私も来ていますから。 日本の社会保障における基本的な考え方について御質問だったと思います。 御存じのように、日本の場合は、自助自立、そして共助と公助を組み合わせて自助努力を促しつつ、個人で対応しがたいリスクに対しては社会全体で支え合うということが日本という国全体のルールなんだと思っております。 委員の御指摘がありましたのは、国家が全ての個人に対して最低限の所得保障を無条件に与える、そういうことでしょう。意味はわかっていますね。そういういわゆるベーシックインカムの制度というものにつきましては、日本の社会保障制度のこれまでの基本的な考え方とはかなり違うところがいろいろありますので、論点が分かれるところだ、私どもはそう思いますので、現在のところ、国民的な合意というものを得ることはなかなか難しいんだと思います。 いろいろな御議論というものを今後していただかないと、この話は簡単に、ベーシックインカムのアイデアとしてわからぬわけではありませんけれども、今の段階では、今お答え申し上げましたように、国民的合意を得るというところにはなかなか至らぬだろうと思います。 〔鈴木(馨)委員長代理退席、委員長着席〕
○柿沢委員 総理、お戻りですけれども、先ほど離席しようとされたときに、総理に対して通告させていただいている質問ですから、聞いていただいてお答えをいただきたいという思いで、時計をとめるか、あるいは聞いていただくかということで御質問させていただいたわけです。そうしたら、あろうことか、財務大臣が手を挙げて今答弁をされました。 私は、今、政策議論を行わせていただいて、それに関して総理に御答弁をお願いしていたわけです。こんなふうに対応されるというのは、私は、国民から見ても余り見え方がよくないんじゃないかというふうに思いますよ。とても私にとっては感じの悪い対応だなというふうに言わざるを得ないと思います。(発言する者あり)中身の議論もさせていただいていますよ。 それで、これにプラスして最低生活保障を全国民にしっかりと示した上で、社会保障の負担に関してはみんな不安に思っていますよ。だからこそ、個人金融資産が一千七百兆円、お年寄りがその六割を持っている。しかし、その六割を持っているお年寄りが手元のお金を使わない。なぜならば、老後の医療や介護が不安だからですよ。幾らかかるかわからないから。そういう皆さんに対して、この総合合算制度というのは、年収の一〇%なら一〇%、上限のキャップを設けて、医療や介護、社会保障の負担の上限をつける。 非常に低所得者にとっては安心できる。そして、過剰貯蓄を抱える必要がなくて、それが消費に回っていく。結果的に、不安の解消によって消費が拡大し、消費主導のまさに実感のある経済成長を実現することができるようになるではありませんか。こういうことを私は実現していくべきだということを申し上げたいと思います。 安倍総理、これをお聞きさせていただきましたけれども、先ほどは麻生財務大臣に答弁を任せられて離席されてしまいましたが、ぜひ安倍総理にも御答弁をいただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 政府の考え方については、まさにこれは財源との関係もございます、歳出との関係もございますし、歳入との関係もございますから、財務大臣が答弁するのが適当だろうという中で、財務大臣が手を挙げ、委員長が指名をしたのでございます。でありますから、答弁している間に小用を果たしてきた、こういうことでございます。 そこで、軽減税率制度……(発言する者あり)前代未聞という声がございましたが、トイレに行く時間も与えないということ自体が私は前代未聞ではないのかな、こういうふうに思うわけでございます。 軽減税率制度は、給付つき税額控除、総合合算制度と並び、消費税率引き上げに伴う低所得者への配慮の観点から、検討課題の一つでございました。 給付つき税額控除は、所得が低い方に焦点を絞った支援ができるとの利点はあるものの、消費税そのものの負担が直接軽減されるものではなく、消費者にとって痛税感の緩和の実感につながらないという問題があります。そして、所得や資産の把握が難しいといった問題等があるものと承知をしております。 また、国が全ての個人に対して最低限の所得保障を無条件に与えるといういわゆるベーシックインカム制度については、日本の社会保障制度における自助自立を第一に考えるという考え方に大きな影響を与えるものでございまして、自助自立を第一に共助と公助を組み合わせるという基本的な考え方との関係があるだろう、こう思うわけでありまして、こうしたさまざまな論点があるもの、こう承知をしているわけでございます。 軽減税率について、ここで御説明をさせていただいた方がいいですかね。それはよろしいですか。
○柿沢委員 今、日本の社会保障の自助、共助という考え方に反するかのようなお話をされましたけれども、ここに書いておきましたけれども、イギリスではさまざまな社会保障に関する給付を統合一元化して、ユニバーサルクレジットという一種の給付つき税額控除、こういうことを導入した。ブレア政権で導入したものが保守党のキャメロン政権になって拡充されて、今国民にも大変評価される、そしてそれは、働いた収入の追加的な給付、また子育て世帯に対する給付、こういうプラスアルファのインセンティブを加えて、極めて評価の高いものになっているんです。 私たちは、給付つき税額控除の法案を間もなく国会に提出させていただきますけれども、最低生活保障を、世代を問わず全国民に保障するという安心社会の考え方で、この法案を提出させていただきたいというふうに思います。 それでは、次のパネルに移らせていただきます。 安倍政権になってから、大企業に対する政策減税が大変ふえております。ごらんのとおり、二〇一二年から二〇一四年まで、政策減税、租税特別措置は実に二・三倍、一兆一千九百五十四億円。そして研究開発税制、これが政策減税、租特の中で一番大きいですけれども、六千七百四十六億円の中、八〇%までが、資本金百億円以上の超大企業がこの恩恵を受けています。 ちなみに、研究開発税制の減税額のトップファイブは下のようになっています。 法人税の減税も行われている。結局、安倍政権の政策の最大の受益者は資本金百億円以上あるいは十億円以上の大企業というのが現実ではないかと思います。 次のパネルですけれども、その結果としてどうなっているか。結果なのか原因なのかわかりませんが、ごらんください、自民党向けの企業・団体献金が、何とこの二年間で一・六倍、六一・七%もアップしているんですよ。額にして八億四千五百万円。自民党への献金がどんどんふえて、経団連も会員企業に献金の呼びかけを行って、こうやって伸びていって、先ほど申し上げたように、大企業向けの政策減税、租特は倍増し、法人税率の二〇%への引き下げが行われた。そして、先ほどの研究開発減税でトップファイブの恩恵を受けているという企業が、このとおり、こういう献金を自民党向けに行っているわけであります。 これを見ていると、一体誰のためにアベノミクスの政策をやっているのか、こういうふうに言いたくなるんです。 アベノミクスの恩恵が大企業に集中して、トリクルダウンは残念ながら起きず、先ほど言ったような実質賃金の低下、それに基づく消費の低迷、こういう状況が起きているということを安倍総理はどう考えますか。
○安倍内閣総理大臣 まるでアンチビジネス的な御議論をいただいたわけでございますが。 これは、いわば法人という人物がいて、そこばかりが得をするということではなくて、法人には、大企業といえどもそこで働いている多くの人々がいます。そして、その企業と取引をしているたくさんの企業がいます。(発言する者あり)今、中小企業というお話がありました。この下請会社、まさに中小企業の皆さんは、会社が倒産してしまったら立ち行かなくなるわけであります。 だから、思い出していただきたい。我々が政権をとる前は、工場そのものが日本から外に出ていってしまったんです。根っこから出ていってしまった。そうなるとどういうことが起こるかというと、中小企業、小規模事業者は一緒についていけないんですよ。一緒についていけないから、店を畳むしかないんです。 その流れを私たちが大きく変えた結果、どうなったかといえば、倒産件数は、皆さん、三割も下がったんですよ。そして、失業者はどうでしょうか。六十三万人も、皆さん、失業者を削ったんです。この数字から目をそらしてはならない、このように思います。こうした状況を私たちはつくることができた。 また、大企業も含めて収益を上げていますから、当然、巨額の税金も払えます。法人税収も上がりましたよ。その結果、その果実をまさに私たちは社会保障のためにも使うことができるようになっている。これを見間違えてはならない。根本的に経済政策を間違えますよ、それがわからないのであれば。 その結果、我々は確かに浄財をいただいている、政治献金という姿で浄財をいただいている、それが我々の活動を支えているのは事実であります。しかし、私たちはそれが欲しいがためにこうした政策を行っているのでは全くないわけでありまして、結果、私たちの政策によって多くの企業が利益を上げ、余力ができる。景気がよくなっているんだから、景気をよくする能力のある、皆さんではなくて自由民主党に献金をしようということになったんだろう、こう思う次第でございます。今後も我々はしっかりと、ですから、景気をよくする能力があるかどうか。能力がなければ、これはやはりなかなか、経済をよくする能力がなければ献金しようとは考えないのではないか。 つまり、その結果、法人というところがよくなっただけではなくて、賃金も上がっているではないですか。普通であれば、使用者のことばかり考えていれば、政労使の対話なんかやりませんよ。当たり前じゃありませんか。まさにその中で賃上げをやってくださいということを我々は経営者にお願いしているわけでありまして、ということから見ても、まさに経営者の方向ばかり見ていたら、あるいは大企業の方向ばかり見ていたら今の成果は出ていないんだろう、こう思う次第でございます。 繰り返しになりますが、私たちは、そうした献金によって政策を、政治を曲げるということは一切ないということを重ねて申し上げておきたいと思います。
○柿沢委員 話をそらして長々と答弁される、そして答弁から逃げる、あげくの果てには逆切れ。本当に残念ですよ。私は、もう少ししっかりとした議論がきょうはできると思っていました。全くの行き違いになってしまって、本当に残念です。 終わります。
○竹下委員長 この際、青柳陽一郎君から関連質疑の申し出があります。西村君の持ち時間の範囲内でこれを許します。青柳陽一郎君。
○青柳委員 維新の党の青柳陽一郎でございます。 本日は、二十九分の時間をいただきました。ありがとうございます。 早速ですが、議論に移ってまいりたいと思います。 私も、まずは、アベノミクスの成果、総理の景気の現状認識について伺いたいと思います。 アベノミクスが始まって三年が経過しました。この間、確かに株価は上がりました。為替も円安になった。失業率、有効求人倍率、雇用者数、大手企業の収益や決算、これは確かにアベノミクスの成果だと思います。これは率直に認めたいと思います。 しかし、国民の景況感、景気回復の実感というのはなかなか上がってこない、これが現状だと思います。特に、中小企業、個人事業主、あるいは、私も地元を歩いていると商店街、こうした方々、景気がよくなったというお話は全く聞くことができません。これが実態の感覚じゃないかと思います。 御案内のとおり、日本は九九・七%が中小企業で占められている、こういう経済の構造になっているわけでございます。この九九・七%の中小企業の方々が、ああ、景気回復できたなと実感できて初めて、本当の景気回復なのではないでしょうか。そういう意味では、まだまだアベノミクスの恩恵が隅々まで届いているというのは言いがたいと思います。 実際に、大企業と中小企業の格差、これが広がっています。 中小企業庁の中小企業・小規模事業者の稼ぐ力という資料がございます。これによると、特に顕著な例なんですけれども、製造業における大企業の経常利益と中小企業の経常利益、これは、アベノミクスが始まった二〇一三年以降、急速にこの差が拡大しているんです。中小企業の経常利益は、二〇一三年から二〇一五年までほぼ横ばいです。しかし、先ほど来話がある大企業は、二・六兆から四・八兆にほぼ倍増している、経常利益が倍増しています。中小企業にはその恩恵がまだ至っていないんです。 その意味でいえば、アベノミクスは、効果はまだ残念ながら限定的で、一部の企業、一部の人たちのみが恩恵を受けているというふうに言わざるを得ない。いわゆるトリクルダウン、これはなかなか、三年たっても成立していないのではないかと思います。 大企業の収益が拡大しているということそのものは悪いことではありません。当然そうです。しかし、中小企業への恩恵、これもやはり大切なことだと思います。 それを踏まえて、総理、今の景気の現状、この認識をまずはお伺いしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 青柳委員とは、大分議論がかみ合うような感じがするところでございます。 つまり、いわば大企業等々がしっかりと収益を上げる、過去最高の収益を上げています。ここが収益を上げなければ、賃上げも起こりませんし、あるいは中小企業との取引条件がなかなか改善もしにくいのは事実であります。であるからこそ、我々はこういう経済政策を進め、その結果、大企業等を中心に過去最高の収益を上げています。 同時に、いわゆるトリクルダウン、上から滴り落ちてくるのを待つということではなくて、積極的に政労使の会議を開き、しっかりと、取引条件なんかもちゃんと改善してくださいよ、賃上げを行ってくださいよということを進めているわけであります。 ただ、もちろん、その間、消費税も三%上がりました。そして、デフレから脱却していく中において物価が上がっていきますから、その点において、つまり実質賃金において、いわば一人当たりの実質賃金が下がったという御指摘もございました。総雇用者所得においての実質賃金においてはなかなかプラスにはならなかったんですが、しかし、これがプラスになって、増加傾向にあるのも事実でありますから、だんだん改善しつつあると思いますし、中小企業の業況DIも改善をしています。そしてまた、先ほど倒産件数は三割減ったという話をしましたが、これはまさに中小零細企業を中心に倒産件数が減っているのも事実でございます。 そうしたことをしっかりと進めていくことによって、もっともっと多くの方々に景気の回復を実感していただきたい、そして消費が喚起されるような経済状況をつくっていきたい、このように考えております。
○青柳委員 ありがとうございます。 個人消費、賃金、消費税、この問題については後ほど触れたいと思います。 中小企業のDIが改善されているというお話がありましたけれども、やはりまだまだ大企業と中小企業の格差が広がっているというのは、これはやはり現状認識として数字であらわれていると思います。その一つの要因、これは先ほど柿沢委員も指摘されましたけれども、租税特別措置、大企業が優遇されているという問題は、これはどうしても否定できないと思います。 我が党は、法人実効税率を下げて、そして租特をなくしていく、こういう方向については賛成です。財務省も、お話を聞くと、そういう方向には違いないという話でありました。現在、我が国の法人税分野だけでも租特は八十七項目あって、そして、その金額は二兆五百八十七億円あると言われています。 平成二十八年度の予算、税制改正で、この租特を一部廃止する、見直しするということなんですけれども、この二十八年度の見直しではたった二千三百七十億程度しか見直しがされない。物足りないということです。法人実効税率を下げていくのであれば、この租特について大胆に切り込んでいかないと、これ自体が既得権になっているんじゃないかと言われてもしようがないと思います。 こうしたこと、この租特の見直しについて積極的に私は取り組んでいくべきだと思いますが、残念ながら、政権にはそのような覚悟が感じられません。消費税を増税する、増税していくのであれば、この租特も見直すべきだと思いますが、総理、いかがでしょうか。
○麻生国務大臣 租特の見直しというのは、これは青柳先生、すごく大事なところです。 私どもも、この租税特別措置というものにつきましては、税負担にゆがみを生じさせるということになりかねませんから、そういった意味では、真に必要なものに限定していくということが大変重要なのであって、二十七年度、二十八年度の税制改正においても、額としては御不満なようですけれども、我々なりに税制改正をさせていただいております。 今後とも、毎年期限が切ってありますので、それが到来するものについてはしっかり見直しを行ってまいりたいと思っております。 租特の見直しによって税収がふえると見込まれる場合には、その分をどのように活用していくかということもあわせて考えておきませんといかぬのだろうと思っております。 いずれにいたしましても、税率の水準等々につきましては、国際的な競争をやっていかなきゃなりませんので、そういったもので遜色のない水準へ改革を行おうとしておりますが、今後とも、投資の拡大とか賃金の引き上げとか、そういったものにきちんとつながっていく経済なり財界の対応というものに大いに期待をしたいと思っております。
○青柳委員 今御答弁ありましたとおり、租特を見直さなきゃいけない。その割には、二十八年度の見直しで二千三百七十億。これは一〇%程度ですから、もっと大胆に、安倍政権は決められる政治だ、結果を出していくんだというのであれば、チャレンジしていただきたいと思います。 次に行きます。 二月八日、内閣府の調査で景気ウオッチャー調査というのがありまして、これが発表されました。この景気ウオッチャー調査は、私は、国民の実際の肌感覚に近い、生活実感のある景気調査、指標だと思っています。 この景気の現状判断DI、これが五〇を下回れば下回るほど景気が悪いということになる数字です。 この数字、二〇一四年の消費税増税後、やはり下落しています。五〇を下回る。二〇一五年に一旦五〇を回復して持ち直すんですけれども、昨年の八月、二〇一五年の八月以降、また下落傾向になり、ずっと五〇を下回る状態が続いています。ことし、二〇一六年の一月のこの数字、これは四六・六です。 総理に伺いたいと思いますが、この景気ウオッチャーの現状判断DI、最新の数字、一月四六・六、これをどのように評価して、五〇をずっと下回っている現状が続いているということ、この要因はどこにあると考えられますか。 私は、先ほど柿沢委員が質問していましたけれども、消費の支出の減少、そして消費の不況だと思います。消費税が増税された後に、やはりこの景気ウオッチャー、DIの数字が落ちている。そして、消費が落ちてくればこのDIの数字が落ちるので、私はこれが主たる要因だと思いますが、総理はどのようにお考えになりますでしょうか。
○麻生国務大臣 消費が落ちている理由というのは、これは先生、基本的には消費税率が三%上がったのがこれまで後を引いているという意見が一部にありますし、世界的に先行きが極めて不透明、特に隣国、中国の景気が、昨年一挙に上海の株は暴落しておりますから、そういった意味ではこの影響もすごく大きかったと思います。 もう一個は、一般的に商品が売れないのは、夏は暑く冬は寒いというのが最も景気にいいと言われているんですが、ことしは残念ながらそうはいきませんでしたから、極めて暖かかった冬が十二月まで続きましたので、そういった意味では……(発言する者あり)ああいうように一部の意見だけを取り上げていると成長しないから、真面目に全体的によく聞いておいてください。お願いします。 そういった意味では、今三つ例を申し上げましたけれども、そういったものをよく見ながら、私どもは総合的に判断せねばならぬと思っていた。やはり気分的に何となくという、景気の気の部分というのは極めて大きな要素だと思っておりますので、個人の消費においては、その部分が非常に大きな部分かなと思っております。
○青柳委員 次に、賃金についても伺います。 きょうもいろいろ議論がありますけれども、実態としては実質賃金は四年連続でマイナスになっている、これは事実です。これも不景気の原因、消費不況の原因だと思います。 つまり、不景気の原因は消費の不況です。消費支出の不況です。そして、この消費不況の原因の決定打は消費税の増税であることはもう明確だ、今もそういうふうに答弁されました。気分です。消費税の増税によって物価が上昇する、これに家計がついていけないから不況になるんだというのは、これは麻生大臣が答弁されていることなんですね。これはお認めになると思います。 この消費不況を脱するには、トリクルダウンではなかなか効果が出ないというのは、もう三年たってわかっているんじゃないかと思います。 ですから、先ほど来議論がありますが、野田前総理も本日おっしゃいました再分配に注力する、あるいはこの状況で消費税増税を凍結するか、どちらかじゃないかと思いますが、総理は、このような状況の中で、来年四月に消費税増税を本当にやるんでしょうか。お答えいただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 来年四月の消費税一〇%への引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施をする考えでありまして、再び延期することは考えておりません。 その上で、リーマン・ショックや大震災のような重大な事態また影響が発生すれば、そのときの政治判断において、新たに法律を出して国会で議論をお願いするということはあり得るわけであります。 重大な事態とは、例えば、世界経済の大幅な収縮といったことが実際に起こっているかどうかということについて、専門的な見地から行われる分析も踏まえ、そのときの政治判断において決める事項であるということでございます。 いずれにせよ、不退転の決意で経済運営に万全を期していきたいと考えております。
○青柳委員 これまでの答弁どおり、リーマン・ショックや大震災のような重大な事案が発生しない限りは確実に消費税増税を実施するというのが今の答弁でした。しかし、その前の麻生大臣の答弁は、やはり増税すれば当然気分が悪くなるんですから消費不況になると。 これはやはり、アベノミクスと消費税増税というのは、よく言われていますけれども、冷房と暖房の両方をつけるようなものになるし、ブレーキとアクセルの関係だと言われているんですから、私は、今、きょうこの場でも消費増税を凍結すべきだと宣言すれば、景気、消費が伸びるんじゃないかと思いますよ。ぜひ再考していただきたいと思います。 ちなみに、先ほどの景気ウオッチャーの現状判断DIで、リーマン・ショックのときの数字がどのぐらいだか御存じでしょうか。先月、最新の調査では、先ほど申し上げましたとおり、四六・六なんです。ところが、リーマン・ショック、二〇〇八年、二〇〇九年、このときは、一五、一六、一七、一八、一九、こういう数字なんです。今、全然景気が回復されているという実感がないのに四六・六ですよ。ところが、リーマン・ショックのときは一五とか一六とか、そういうDIの数字になっているわけです。 つまり、今の安倍総理の答弁でいけば、リーマン・ショックのような事態にならなければ増税すると言っているんですから、私は、リーマン・ショックのような事態になってから増税をやめるというのではもう手おくれじゃないかと思いますよ。 きょう、この時点で増税の凍結を宣言されたらどうでしょうかと改めて問いたいと思いますし、仮に、消費増税するかどうかの判断はいつされるんでしょうか。いつがデッドラインだとお考えになっているんでしょうか。二〇一七年、年が明けてリーマン・ショックが来たら、その時点で本当にとめられるんでしょうか。その点もあわせて、総理にぜひお考えをお伺いしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 先ほど答弁で、後段で申し上げたんですが、世界経済の大幅な収縮といったことが実際に起こっているかどうかということについて、専門的な見地から行われる分析も踏まえて、そのときの政治判断において決める事柄でございますが、リーマン・ショックは、あれは世界的な収縮でありました。 ただ、大震災による経済への影響ということもお話をしております。これは経済的な影響においてはリーマン・ショックよりは大分小さいわけでございますが、いずれにいたしましても、今申し上げましたようなことで、専門的な見地からの分析も踏まえて、そのときの政治判断において決める事項であろう、こう考えております。 ですから、いつ起こるかということでありますが、ただ、これは、いずれにいたしましても、国会において法律を出さなければ消費税の引き上げを延期することはできないわけでございます。 ですから、例えば四月一日の前の日にそういう状況になったとしても、それは難しい。突然起こるという場合はそうですが、しかし、世界経済がどう変動しているかということについては常に注意深く見ていく必要はあるだろう、このようには思っております。
○青柳委員 当然、法律を出さなければ増税は凍結あるいは延期できないのはわかります。しかし、基本的に増税に賛成する党というのは今ないんじゃないかと思いますので、二〇一四年のときもわざわざ解散しなくても、増税を延期しますよと言えば解散なくすんなり法律は改正できたと私は思っていますので、総理の決断一つだと思います。 私は、再増税して消費税一〇%になったら、これはもう麻生大臣の言うとおり気分が悪いですから、消費に多大な影響が出ると思っていますので、消費税増税は延期、凍結すべきだと明確にここで申し上げておきたいと思います。 その上で、本日も、またこの予算委員会でもたびたび議論になっていますが、きょうはNHKの中継も入っていますので、私も、このわかりづらい、意味のない軽減税率についてお伺いしたいと思います。 役所の説明では、何のためにこの軽減税率を導入するのかといえば、役所からは、低所得者の逆進性の対策、痛税感の緩和、このために軽減税率を導入するという説明です。この説明で総理もよろしいでしょうか。同じ認識ですか。
○安倍内閣総理大臣 痛税感の緩和と国民的な納得も必要であります。こうした観点から、我々は軽減税率を導入することを決定いたしました。
○青柳委員 麻生大臣も同じ認識でよろしいですか。軽減税率を導入する理由ですね。痛税感の緩和、逆進性対策ということで、同じ認識でよろしいですか。
○麻生国務大臣 基本的に、消費税を一〇%に上げる、正確には二%上げるですね、二%上げるに当たって低所得者への配慮が必要ということから、対策を三つ出されたうちの一つがこの軽減税率だったと記憶していますが、いろいろ論議をさせていただいた上、軽減税率をとらせていただいたということです。
○青柳委員 軽減税率を導入することに賛成なんですね。賛成ですね。提案しているんですから当たり前ですけれども、念のため確認させてください。
○麻生国務大臣 念のために申し上げます。賛成です。
○青柳委員 何でわざわざ聞いたかといえば、私、昨年の予算委員会で同じことを質問しました。麻生大臣、全く逆の答弁をしていますよ。全く逆の答弁をしています。 私が昨年の予算委員会で麻生大臣に軽減税率の是非について伺った際には、麻生大臣は、軽減税率は逆進性の解消につながらない、逆進性の解消にはむしろ給付の方が効果的だ、これは明確だ、軽減税率は対象品目の線引きが面倒だ、中小企業者の手間も面倒だ、財源の穴埋めも面倒だ、混乱が生じるんだと。ついでに言えば、軽減税率の話をしているのにワインやブランデー、ウイスキーの線引きもできないという、酒税という関係ない話もされていましたので御紹介しておきます。 そのとき、私は同じ立場で感銘を受けました、さすが麻生大臣だと。与党でまさに軽減税率を導入しようと言っているときに真っ向から否定されていたんですよ。それが、いつの間にか全く真逆の答弁をされている。これはどういうことなんでしょうか。 現在、指摘していた問題が全てクリアに解決したのか、それとも、効果がないのはわかっているんだけれども政治的に妥協されているのか、それとも、国会答弁なんて誰も重要なことじゃないから適当に答弁しておけばいいやと思っておられるのか、どういうことなんでしょうか、教えていただきたいと思います。
○麻生国務大臣 なかなか前提条件がおもしろかったですけれども。 昨年の三月の十日でしたよね、青柳先生から御質問をいただいたのは。軽減税率と給付つき税額控除のメリット、デメリットということだったと思います。そのとき申し上げました。これはもう両方とも一長一短というのはみんなわかっている話なので、こうした課題を踏まえた上で議論を行うべきなのではないのですかといって御質問がありましたので、こういう問題がありましたよ、こういう問題がありましたよということをいろいろ申し上げて、ついでにワインの話まで申し上げたそうですけれども、その点はちょっと正確な記憶がないのであれですけれども。 いずれにしても、幅広い消費者というものが消費をしていかれる、日々生活しておられる中で、やはり税負担を直接払うときに感じられますので、そのときに、買い物の都度に痛税感があるというところが一番肝心のところではないかというのが、いろいろ与党内また政府内で議論をさせていただいた結果が一つです。 もう一点は、他国で調べて、やはりこの軽減税率以外の制度をしておられるところはいろいろあるんですけれども、これはいずれも、取りっぱぐれというか、いわゆる正確にやっていないものだから、毎年何億ドルというお金がこれだけという説がいろいろ出ているという現実がありましたものですから、なるほど、これは捕捉も意外と難しいなということがわかりましたものですから、私どもとしては、この三つのうちではこれということになって、過日、関連法案を提出させていただいたという経緯です。
○青柳委員 麻生大臣は率直な物言いが売りなのかもしれませんが、国会のこの議論、答弁、軽視していると言わざるを得ない問題発言が最近多い。暴走していると言わざるを得ないですね。 これまでの委員会でも、小さな商店が廃業になる例がないとは言わない、百、千、いろいろ出てくる、これは訂正されているようですけれども、こういう答弁を実際していますよね。それから、だますつもりでテークアウトして、やはり店に戻って食べるというのは自分の地元にはうじゃうじゃいる、こういう答弁もしている。連発しているんですね。答弁が暴走したり、後に訂正したり、こういういいかげんな国会答弁をされています。 ちょっと関係ありませんけれども、去年の安保法制で、総理は、私が最高責任者だから答弁は間違えないと答弁されているし、安保法制のときは、法律ではできる範囲が多いんだけれども、この国会答弁でしっかり抑制していくんだと答弁されていますよ。 こういうことが全部、安倍政権の姿勢そのものが、私は、この国会答弁、麻生大臣の答弁で覆されちゃうんじゃないかなと思って心配しています。 それからもう一つ、きょう、これも議論ありましたけれども、新聞がいつの間にか対象品目になっている。これも、どう考えても理屈が通らないですよね。こんなことがまかり通る、そして、こんな国会答弁をやっているのであれば、今後、この軽減税率というのはとても恣意的に運用される危険性がある。まさに政治銘柄、そういう政策になっちゃうんじゃないかというおそれ、こういうリスクが私はあると思いますよ。 例えば、政権与党に多く献金した業界が軽減税率の対象になってしまうことだってあるんじゃないかと思います。新しい商品を開発して、与党にお願いしに行って……(発言する者あり)いや、食品だけじゃないです。新聞が入っているんですから。 ですから、こういうことが行われるんじゃないかというリスクがあるんですけれども、総理、しっかり否定していただきたいと思いますよ。麻生大臣の発言をしっかり否定していただきたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 我々は、献金されているから軽減税率にするということは、もちろん全くこれはないわけでございます。(青柳委員「そんなことは言っていませんけれども。そういう意味じゃないですよ」と呼ぶ)質問の意味がちょっと……(青柳委員「要するに、政治銘柄として恣意的に運用されちゃうんじゃないかと」と呼ぶ)はい。 政治銘柄として恣意的に運用することは全くないわけでございまして、先ほど、私がたくさんマスコミ関係者と会っているのではないかという表を福島委員からお示しいただいて、結構たくさんあるなとは思ったんですが、中には、記者との懇談、懇談というのは、いわば外地での内政懇等々も、あと、たまたま焼き肉屋で受けたインタビュー等々も入っておりましたので、そういうものも入ってのものだったということはちょっと申し上げておきたいと思います。 いずれにいたしましても、恣意的に運用することはないということははっきりと申し上げておきたいと思います。
○青柳委員 時間が来ましたので終わりますけれども、きょうは拉致問題についても、あるいはオリンピック予算についてもお伺いしたくて質問通告させていただきましたが、残念ですが、時間切れとなりましたので、終わります。 どうもありがとうございました。
○竹下委員長 これにて西村君、階君、山井君、野田君、福島君、柿沢君、青柳君の質疑は終了いたしました。 次に、真島省三君。
○真島委員 日本共産党の真島省三です。 安倍総理は、我が党の志位委員長の代表質問に対し、企業の最高の収益を三巡目のしっかりした賃上げにつなげ、全国にも浸透させることにより、成長と分配の好循環の拡大を図ってまいりますと答弁されました。 そもそも、日本経済は成長しているのかということです。二〇一四年度の実質GDP成長率は前年度比でマイナス一%、そして、足元の二〇一五年十月から十二月期の実質GDP速報値でも年率換算で前期比マイナス一・四%。どこが成長なのかということなんです。 パネルをごらんください。 これは、折れ線グラフが実質GDPの前年度比増加率、棒グラフが資本金十億円超の大企業の経常利益の対前年度比増加率です。この間、幾度も景気後退の波が押し寄せております。しかし、いずれも、企業収益が悪化したときにはGDPも後退している、停滞している。しかし、二〇一四年度から変わりました。全く違う様相になっている。二〇一四年度の統計によれば、実質GDPの前年度比増加率がマイナスなのに、大企業の経常利益は前年度比増加率がプラス。 麻生大臣、これまでにこんなことが一度でもございましたか。 〔委員長退席、菅原委員長代理着席〕
○麻生国務大臣 これは、先生御存じのように、一九五五年からですかね、GDPをとり始めたのは。それ以来なんだと思いますけれども、実質GDPの成長率がマイナスとなったことは過去七回あります。七回あると思いますが、このうち、資本金十億円以上の企業というものの、いわゆる大企業と言われるものの経常利益が対前年度で増加したというのは二〇一四年だけであります。 ただし、企業の経常利益というのは御存じのように名目値でやりますので、名目GDPで見ますと、二〇一四年でも対前年度でプラスになっております。それはわかっておられると思いますが。
○真島委員 総理にお伺いしますけれども、これは、安倍政権のもとで、大企業の高収益が国民経済の向上につながっていないという実態を示すことではありませんか。
○安倍内閣総理大臣 先ほど財務大臣から答弁をさせていただきましたように、これは、企業が高収益を上げておりますが、消費税の引き上げが消費に大きく影響をし、それを引きずった結果だろう、我々はこう見ているわけでございます。二〇一四年については、これはまさに消費税の引き上げが大きく影響した、こう思うところでございます。 ただ、同時に、御意見があったように、大企業の収益をしっかりと我々としても賃金の上昇等に回してもらうことによって消費も伸びていくことによって景気の好循環が回っていく、そういう行動を企業にもとってもらいたい、このように考えております。
○真島委員 GDPの六割を占める個人消費が冷え込んでいる、これが二〇一四年、二〇一五年と後退、停滞している原因だということが先ほど来の答弁でもありました。 安倍政権発足前の二〇一二年十月から十二月期、個人消費は三百八兆五千億円、直近の二〇一五年十月から十二月期は三百四兆五千億円。安倍政権の三年間でとってみると、個人消費は四兆円も減っております。内需が冷えている中で、企業に設備投資してくださいとお願いしても、そういう企業の余剰資金が新たな設備投資に振り向けられることは期待できません。 実体経済は悪循環になっているんじゃないですか。大企業を優遇して支援すれば日本経済はよくなるという路線、これは破綻しているんじゃないでしょうか。 総理に伺いますけれども、安倍政権の三年間で四兆円も個人消費が減っている。先ほど消費税のせいだと繰り返しておられますけれども、これは実質賃金が下がっているからじゃないですか。実質賃金が下がっているということがやはり直接の原因でしょう。
○安倍内閣総理大臣 確かに、消費が落ち込んだということについては、主にやはりこれは消費税の引き上げが大きく影響をしているわけでございます。 また、昨年の十—十二のマイナス成長についても、これはやはり、消費税の引き上げを引きずっている消費、プラス暖冬の影響があったんだろうと思いますが、その中で、足元で見ますと、二〇一五年、暦年で見れば、名目成長率はプラス二・五でありますし、実質成長率でも〇・四、こういうことになっているわけであります。 実質賃金については、これは、みんなの稼ぎで見る総雇用者所得で見れば、名目ではもちろんのこと、実質についても増加傾向が続いているということでございます。
○真島委員 繰り返し総雇用者報酬とおっしゃっているけれども、これは会社役員の報酬まで入れた数字なんですよね、総雇用者報酬というのは。ごまかしたらいけませんよ。 安倍政権の三年間で、国民にとっては、実質賃金は四年連続で前年割れになっています、そして、先ほどから言われている消費税増税、社会保障の負担増、物価の上昇、四重苦ですよ、国民にとって。これで消費がふえるわけないでしょう。 日本経済はマイナス成長なのに大企業だけが過去最高益を更新している、こういう異常をもたらしたのがアベノミクスなんですよ。 地域経済と雇用を支えている中小企業、小規模事業者の状況も紹介しますけれども、小規模事業者が加入しております全国商工団体連合会が昨年全会員調査を行いました。政府の調査の規模を大きく超える七万七千という回答を得ているんですが、それによりますと、年収三百万円未満の事業主が回答者の六三・四%に上っている。副業をしなければ本業だけでは食べていけない、消費税の負担が重くて、一〇%になったら事業の継続は難しいという声がたくさん出されているんですね。 総理は、繰り返し、リーマン・ショックや東日本大震災のようなことがない限り、消費税を予定どおり一〇%にするんだと言っておりますけれども、アベノミクスによってGDPは、これを見ていただければわかるように、リーマン・ショック以来のマイナス成長、個人消費は二〇一二年よりも縮小して、東日本大震災のあった二〇一一年以来の低水準になっているんです。 日本経済をだめにする消費税一〇%増税、そして、一番稼いでいるところに減税をばらまく大企業減税、これはきっぱり中止したらどうでしょうか。これはもう答弁は求めませんけれども。 それで、日本経済の最大の問題は、大企業が最高益を更新しているのに、なぜ個人消費が伸びないのか、なぜ賃金が上がらないのかという問題です。 パネル二をごらんください。 これは、昨年の一億総活躍国民会議に塩崎大臣が出した、一億総活躍社会の実現に向けた厚生労働省の考え方という文書です。矢印が一人一人の労働生産性の向上から始まって、生産性革命、GDPの増加、そして、ようやく成果配分としての賃上げという流れになっています。 塩崎大臣に確認しますけれども、労働生産性を向上させることで、こういうふうにきれいにGDPの増加、賃上げにつながっていくというふうに考えておられるんでしょうか。
○塩崎国務大臣 これは、私どもが考えている、言ってみれば循環の流れでありまして、今お尋ねでございますけれども、もちろん労働生産性の向上が必ず賃金上昇につながるということを申し上げているわけではありませんけれども、裏返してみますと、持続的な賃金上昇のためには労働生産性の向上が不可欠であるということは言えるというふうに思うわけであって、この労働生産性が向上するということはやはり収益力が上がることであり、そのことが競争力を増して、そして結果として賃金を上げても十分やっていけるという企業活動になっていけるということであります。 そういうことで、私どもは、労働生産性の向上と賃金というのはやはり循環をしていくものだということを申し上げているわけでありますので、私どもとしては、生産性革命のために、厚生労働省の政策ツールを使いながら全産業の生産性を上げていこうということで、賃金上昇の環境を整えるということでもあるというふうに思います。
○真島委員 労働生産性というのは労働者一人当たりが生み出した付加価値で、今おっしゃったように、労働生産性が上がれば、賃金を引き上げていく原資になるわけですね。しかし、これが必ずしもそうはならない。日本では、労働生産性の向上が賃上げに結びついていないということが私は大問題だと思うんです。 パネルをごらんください。 これは、二〇一五年度の労働経済白書にありました賃金と生産性の国際比較というグラフで、アメリカ、ユーロ圏、そして日本と、それぞれ一九九五年を一〇〇として、一人当たりの実質労働生産性と実質雇用者報酬がどのように推移したかを示しております。 このデータについて、アメリカ、ユーロ圏、そして日本の一人当たり実質労働生産性、一人当たり実質雇用者報酬、この推移について、一九九五年を一〇〇とした二〇一四年の数値をお示しください。
○安藤政府参考人 一九九五年を一〇〇としたときの二〇一四年の数値についてお答えを申し上げます。 米国につきましては、一人当たり実質労働生産性が一三五・六、一人当たり実質雇用者報酬が一三〇・五。ユーロ圏につきましては、一人当たり実質労働生産性が一一六・一、一人当たり実質雇用者報酬が一〇九・七。日本につきましては、一人当たり実質労働生産性が一一九・三、一人当たり実質雇用者報酬が九八・五となっております。
○真島委員 日本だけ、労働生産性が上がっているのに雇用者報酬は潜っているんですよ、減っているんです。米国やユーロ圏とは全然違うんですね。生産性が上がれば、賃金も沿うように上がっているんです、ほかの国は。 これを白書の中では次のように分析しています。「我が国においては、実質労働生産性は継続的に上昇しており、その伸び幅もユーロ圏と比較するとそれほど遜色ないといえるが、実質賃金の伸びはそれに追いついていない状況がみられ、両者のギャップはユーロ圏及び米国よりも大きい」と。これは、追いついていないどころか、これを見ていただければわかるように、開いているんですよ。 ちょっとお伺いしますが、日本で労働生産性の上昇が賃金の上昇に結びつかなかった四つの要因を厚労省は分析されておりますけれども、端的にお答えください。
○安藤政府参考人 平成二十七年労働経済の分析におきましては、労働生産性の上昇が賃金上昇に結びつかなかった要因につきまして、企業の利益処分の変化、交易条件の変化、非正規雇用労働者の増加、賃金決定プロセスの変化によるものではないかという四つの仮説について検証を行いました。 その結果、一点目といたしまして、企業の利益処分の変化につきましては……(真島委員「もうそれだけでいいです。四つの仮説を紹介していただければいいです」と呼ぶ)はい。わかりました。
○真島委員 詳しくは、皆さん、労働経済白書を読んでください。 今、四つ仮説を言われました。 政府が出した白書が、我が国で労働生産性の伸びが賃金に反映していない要因として、大企業では労働分配率が低下し、内部留保や配当金に向ける割合が高まったこと、低賃金の非正規労働者の増加などを挙げて、消費を喚起するためには企業収益が賃金に分配されることが重要であるというふうに結論をつけているのは、非常に納得できる結論です。 総理にお伺いしますが、日本で労働生産性の伸びが賃金に反映していないというのは、これは自公政権がずっと進めてきた労働法制の規制緩和、これと相まって、企業が正規雇用を減らし、非正規雇用をふやしたことで、働く人の所得を減らし続けたことが要因だという認識はございますか。
○安倍内閣総理大臣 非正規雇用労働者については、過去十年の増加の約九割は、六十歳以上の高齢者、七一・七%ですね、そしてあとは六十歳未満の女性、これが二五・一%でありまして、高齢者や女性の労働参加が進んだことにより、パートタイム労働者の比率が上昇したことが非正規雇用労働者増加の主たる要因であります。高齢者や女性の労働参加が進んだことは、むしろマクロ経済成長にとっては望ましいことであります。 ですから、自公政権が進めてきた労働法制の規制緩和で非正規雇用を急増させ、働く人の所得を減らしたという御党のこの指摘は間違っているということは申し上げたい、こう思う次第であります。 しかし、企業が大きな収益を上げている中において、もう少ししっかりと給与という形で、賃上げという形で分配をしてもらいたいという考えにおいては、我々も同じ考えを持っています。
○真島委員 これは政府の白書が分析しているんですね、非正規雇用の増加というのが企業収益を分配しなくなった大きな要因だということで。 政労使合意で、この三年間賃上げを繰り返し要請されておりますけれども、日本経団連は、二〇一六年版の経労委報告で、企業の持続的成長を実現するということを正面から掲げまして、総額人件費コストを削減して、労働者への配分を最大限抑え込むことが大事なんだというような報告をしております。 政労使合意に立って、こういう内容の報告をしているということは、政府として経団連に、これはおかしいじゃないか、政労使合意で確認したことと違うじゃないかというふうに、総理、言うべきじゃありませんか。
○菅原委員長代理 その資料は理事会に出されていますか。(真島委員「いや、出していないです。これは当然読んでいるでしょう、経労委報告」と呼ぶ)
○麻生国務大臣 今いろいろ言われましたけれども、私どもは、基本的に、その種の文書が出されているところに関して一々私らが干渉して、これは問題じゃないかというような、今どき、マスコミに対しても干渉し過ぎたと言われているそうですからね、こういうのは極めて遠慮的にやらないかぬとは思います。 ただ、一つだけ言っておきますが、私どもは前から、この三年間にわたって、政府は、企業が二年間、まあ、三年目はまだ数字が出ていませんけれども、二年目の……(真島委員「言う気がないんでしょう。質問したことに答えないんだったら、もういいです、答弁」と呼ぶ)いやいや、今の答えになりますから。大前提として、五十兆円の内部留保がふえているにもかかわらず、労働者への支給は四兆円しかふえていないでしょう。その数字は知っていますか。本当だろうね。去年は幾らだったか。三兆円減っているんですよ。これこそが問題なんでしょうが、どうだ、そこのところこそやるべきだというのは、自民党が言うのはおかしいので、組合がもっと積極的にこの話を言うべきなんじゃないの、我々があおってどうするんですかといって連合の方にも申し上げましたよ。 それで、結果としてふえてきているというのは確かで、労働分配率が減っているんですよ。七八ぐらいあったのが、今六八を切っていないか。こんな数字は余り誰も言わないけれども、六八を切ったと思いますよ。こういうところの傾向が問題なのであって、今の話が、それをさらに増長しようという数字が出ているとするならば、それは問題だ、私もそう思います。
○真島委員 問題だというふうに言われましたので、ぜひ。 政労使合意を繰り返し言われるから、やはりこういう経労委報告というのは非常に大事な文書ですよ、これにぜひ目を通して、ぜひ意見を言っていただきたいなと思うんです。 安倍政権の三年間がどうだったのかということで、大企業は、円安、株高の恩恵で経常利益を六割以上ふやしました、最高益を更新しました、それは、賃上げと下請の取引価格には余り還元されておりません。大きくふえたのは、株主への配当、そして、初めて内部留保が三百兆円を超えた。日本経済新聞が上場企業約三千六百社を対象に集計をしておりますけれども、二〇一五年度の株主への配当総額は初めて十兆円を超えて、三年連続で過去最高を更新する見通しだと書いております。 その一方で、安倍政権の三年間で、雇用でいいますと、正社員が二十三万人減っているんです。非正規がふえたのは高齢者の方が就職したからだと繰り返しおっしゃいますけれども、正社員が二十三万人減っているんです。非正規雇用は百七十二万人ふえているという報告が先日総務省から出ております。大企業の収益が非常に還元されにくい構造が、雇用環境が今進んでいると思うんですね。 この上、残業代ゼロ制度の導入など、生産性向上の名のもとに労働法制の規制緩和で長時間労働に駆り立てる、こんな逆立ちした賃下げ促進策はやめるべきだということを申し上げたいと思います。 次に、二〇一四年十二月の政労使合意が、経済の好循環を継続するために、経済界は、賃金の引き上げに向けた最大限の努力を図るとともに、取引企業の仕入れ価格の上昇等を踏まえた価格転嫁や支援、協力について総合的に取り組むとしております。 本日は、アベノミクスの恩恵を最も受けたトヨタ自動車の事例で、下請単価の問題を若干お聞きします。 トヨタ自動車は、これまで年二回の下請単価の引き下げを続けて、十五年間で三兆円を超える原価改善を実行し、約十兆円の利益剰余金を積み上げております。昨年、ようやくこの下請単価引き下げを二期連続で見送ったんですけれども、下請の方に聞きましたら、ほかのメーカーは、追随するどころか、トヨタの単価据え置きで得た原資を自社向けの値下げに回してくれと暗に求めてくるところもあったとか、一次部品メーカーからは慣例どおり値下げ要請が続いたというふうに聞きました。 その後、トヨタは一年ぶりに単価値下げ要請を再開しましたけれども、昨年十月から十二月の原材料・商品仕入れ単価DIは依然として高い水準にあります。 林大臣は、昨年の十一月、経団連との懇談会の席で、皆様には昨年の政労使合意を踏まえ、自社の賃上げに最大限の努力をしていただくとともに、取引先企業に対して仕入れ価格の上昇等を踏まえた価格転嫁の配慮をいただくなど、しっかりと取り組んでいただきたいと要請をされております。 林大臣にお聞きしますけれども、トヨタはこの大臣の要請を受けとめて、何か対応しましたでしょうか。
○林国務大臣 下請中小企業の取引条件の改善に向けては、大企業に対して、政労使合意の遵守や仕入れ価格の上昇を踏まえた価格転嫁などに取り組むよう要請するとともに、下請代金法に基づく立入検査を行ってきたところでございます。 これらの対応に加えまして、府省等連絡会議のもとで、産業界に対する大規模な調査を今実施中でございまして、年度末までに結果を取りまとめるところでございます。 トヨタに関してもいろいろ要請を行っているところでございまして、取引条件の改善の状況や課題を把握した上で、中小企業の取引条件の改善に向けた機運を高めていくということでございまして、この調査結果を踏まえて、下請ガイドラインの改定や対象業種の拡大を検討するなど必要な対策を講じておりまして、下請取引対策に万全を期しておるところでございます。
○真島委員 トヨタがどういう対応をしたかというのを聞いたんですけれども、お答えになりませんでしたから、そういう対応をしていないということでしょうね。 最近、トヨタの下請の方にお会いしました。こういうふうにおっしゃっていました。電気代や原材料費が上がっているのに、単価の値下げを要求される。二月に四月の単価と十月からの発注をセットで交渉があるけれども、二月に断ったら、そんな単価では取引できないというふうに言ったら、十月からの仕事はないぞということだと。不満があっても、切られる覚悟でないと物が言えないというふうにおっしゃっていました。 トヨタ側は、去年十一月の大臣の要請など、もうどこ吹く風ということで、単価の引き下げを下請に要求しているという状況です。 そこで、トヨタ自動車の操業停止による損害や影響から下請の経営を守る問題について、ちょっと緊急の問題なのでお聞きしますが、御存じのように、愛知製鋼の爆発事故の影響で、二月八日に国内の全工場を停止、九日から十三日まで完成車の組み立てラインが停止されました。本来は一番の忙しい時期である年度末に、全国約三万社と言われております協力会社、下請企業の経営に非常に深刻な影響が出ているというふうに思うんです。 トヨタは、ジャスト・イン・タイムということで、できるだけ在庫をつくらないという生産方式で高い生産性を実現してきたんですが、同時に、震災の教訓を生かして、実は、愛知製鋼には一カ月分の鋼材在庫をつくっていたというんですね。ただ、同時に、他社での代替生産については、技術の流出を恐れて、非常時に備えた調整をしていなかったということが今回の生産停止を大規模に招いてしまったというふうに聞いております。 これはトヨタの責任で招いた取引先への損害ですから、当然、こんなときこそ、私は、下請の協力で積み上げてきた内部留保を活用して下請を守っていくのが当たり前だと思うんです。 林大臣に二つ聞きますけれども、一つは、今回のトヨタの操業停止による下請事業者への影響について、政府として調べておられますか。そしてもう一つは、トヨタは仕入れ先に損害や特別の費用が発生する場合は補償も検討するというふうに言っておりますけれども、この補償の内容はどんなもので、サプライチェーン全体、重層下請の末端まで対象にしているのでしょうか。 〔菅原委員長代理退席、委員長着席〕
○林国務大臣 トヨタ自動車からは、二月十五日から通常どおり稼働を再開して今後生産を挽回していく予定であるということ、また、一週間の停止の影響については精査しているという報告を受けているところでございます。 トヨタ自動車に対して、操業停止により同社の取引先の経営等に影響が出ているか否か、また、影響が出ている場合には、取引先との間で必要な協議や支援を行っているか等々について適切に報告を行うよう求めているところでございます。 また、現在は中小企業を対象に下請取引に関するヒアリング調査を実施しておりまして、この中で、今回のトヨタ自動車の操業停止に影響を受ける可能性のある事業者については、その状況についても丁寧に聞き取っていくことにしております。 また、補償についてでありますけれども、トヨタ自動車に確認したところ、検討している補償に関しては、一次取引先を通じて二次、三次等の下請取引先も対象になり得ると聞いているところでありまして、補償の内容につきましては、取引先の損害が発生した費用の個々の状況について個別に検討するというふうに聞いているところであります。 今後も引き続き、本件の影響についてはしっかりと注視してまいりたいと思っております。
○真島委員 もう時間が来ましたのでまとめますけれども、トヨタの関連の仕事をしている方からぜひこれを言ってくれということで聞いております。 後継ぎがなく廃業する下請がふえているので、残った下請は仕事がふえ、人手不足で残業しないと注文に応えられない、ことしは消費税八%の請求が一年分丸々来るが、現状は運転資金として先食いしている、今回の操業停止で社員に休業補償をすれば、いよいよ資金繰りが危ない、親会社はここはこれだけ削れるじゃないかと一方的な原価計算を持って交渉に来るが、その中には残業の割り増し賃金分が入っていない、今後、挽回生産になれば、従業員に負担がかかる上、残業代の割り増し賃金で完全な赤字仕事になるとおっしゃっていました。 トヨタは十五日に生産を再開し、残業と休日出勤で生産休止による影響を挽回すると言っております。このまま割り増し賃金分も入っていないような単価を放置すれば、本当に下請はますます追い詰められるわけですよね。同時に、こんな下請いじめの無法も正せないで、政労使合意で言っている適正な取引価格をどうやって実現できるんだというふうに思うんです。 ぜひ、本気で賃上げを言うのであれば、人間らしく働く雇用のルールづくりと同時に、こういう大企業の下請いじめの実態をしっかりつかんで指導を強めていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。
○竹下委員長 この際、宮本岳志君から関連質疑の申し出があります。真島君の持ち時間の範囲内でこれを許します。宮本岳志君。
○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。 きょうは、消費税を含む税制のあり方について質問いたします。 まず、このパネルを見ていただきたい。 財務省の試算に基づき作成したものでありますけれども、所得階級別に見た、消費税を八%から一〇%に引き上げた場合の収入に占める消費税の負担率であります。 消費税の逆進性というのは低所得者ほど負担が大きくなるということでありますから、与党は、軽減税率により逆進性は緩和される、こう繰り返しておられます。それはこの赤の点線部分ですね。軽減税率を導入すると、導入せずに消費税を引き上げた場合よりも、収入に占める消費税負担の引き下げ度合いは低所得者の方が高くなるということだろうと思うんですね。 しかし、国民にとって一番関心があるのは、消費税が一〇%に引き上げられたときにどれだけ負担がふえるのかということであります。 もう一度、このパネルを見ていただきたい。 収入に占める消費税負担増の割合、このグラフの緑の部分、これも低所得層ほど大きくなる。つまり、幾ら軽減税率を入れたとしても、税率を一〇%に引き上げれば今よりも逆進性は高まる。これは、総理、紛れもない事実ではありませんか。
○麻生国務大臣 これは、宮本先生御指摘の、消費税率を一〇%に引き上げるべきでないという考え方に基づいて、消費税率八%を比較の起点として、消費税率の逆進性というものが高まるという御趣旨なんだということはわかるんです。 しかしながら、この点については、政府としては、まずは何といっても社会保障制度というものを持続可能なものということで、私どもとしては、社会保障と税の一体改革の実現のために消費税率一〇%というものが大事であるという考え方のもとに立って、消費税の逆進性につきましては、消費税率が一〇%の段階においてどのように緩和するかという観点から議論を行ったところなんでして、そもそも、御指摘とは議論の出発点が丸々反対からスタートしたものと思っております。これが一点です。 このように消費税率を一〇%に引き上げることを前提とすれば、軽減税率制度の導入によって、導入しない場合と比べて消費税率の逆進性を緩和できるのは明らかなんだと思っております。 加えて、消費税率のいわゆる引き上げの増収した分につきましては、全額社会保障とかその他の安定化に充てるということにしておりますので、特に所得の低い方に対しては、社会保障の充実の一環として、国民健康保険料とか介護保険料の軽減の拡充とか、支援給付金とか、こういったようなものはきちんと措置を講じることにしておりますので、消費税の負担というのはこうした受益とあわせて評価されてしかるべきだと思っております。
○宮本(岳)委員 軽減税率がないよりはまし、こういう議論なんですね。 確かに痛税感の緩和ということはあるでしょう。一昨日の財務金融委員会で財務大臣は、日々の生活の中で、買い物の都度、痛税感の緩和を実感していただくということが大事だ、こう述べて、私どもはこの痛税感の緩和に重きを置いている、こういう答弁をされました。 総理もお考えは同じですか。
○安倍内閣総理大臣 痛税感の緩和、そして逆進性ということに鑑みて、我々はこの軽減税率を導入したところであります。
○宮本(岳)委員 しかし、先ほど申し上げたように、痛税感の緩和というのは、つまり、軽減税率をしないよりは、した分だけ下がるという話なんですね。つまり、一〇%への増税と同時に軽減税率を導入すれば、軽減税率を入れない場合より、この点線部分は得になる、低所得者ほど得になるではないかという議論をされているわけですよ。 しかし、それでいいのか、それで納得がいくかといえば、実際の消費税の負担増も、緑の部分を見ていただいたらわかるように、これは低所得者層ほどふえ方も大きくなる。これは目で見て明瞭な話なんですね。だから、逆進性はその意味では高まると私どもは言っているんですね。 これは実は重大なことなんです。谷垣自民党幹事長は、昨年十二月二十一日に軽減税率について、消費税の将来を考えたとき、インフラ整備ができた、こう語られました。また、公明党の斉藤鉄夫税調会長は、東洋経済のインタビューで、将来、消費税率は一三から一五%、ひょっとすると欧州のように二〇%になっているかもしれない、そのときでも食べ物は八%に据え置かれる、今回、たった二ポイントの軽減だが、食べ物の税率を一桁に固定したことは非常に大きい、こう述べられております。 これは、つまり、今回の軽減税率制度の導入というのは、今後のさらなる増税のためのインフラ整備、痛税感を緩和すればさらに一五%、二〇%に引き上げやすくなるということではありませんか。
○安倍内閣総理大臣 全くそんなことは考えておりません。 今回はまさに一〇%に引き上げるに当たって軽減税率を導入したということでございまして、その先に上げようとかそんなことは全く考えていないということでございます。
○宮本(岳)委員 では、端的に確認しますが、将来にわたって絶対上げないと確約できますか。
○安倍内閣総理大臣 私もずっと総理大臣をやっているわけではございませんので、私が総理大臣を務めている、見通しできる将来においては考えていないということでございます。
○宮本(岳)委員 将来でいえば、先ほどお話のあったようなことがあり得ると。 たとえ食料品を八%に固定したとしても、消費税率を、公明党の斉藤氏のおっしゃるように一五%、二〇%に増税した場合の消費税負担率がどのようになるか試算したのが次のパネルであります。ごらんいただきたい。 パネルを見ていただければもう明瞭なように、左に行くほど傾斜がきつくなります。逆進性はさらに一層高まる。それを、食べ物を八%に据え置いた、痛税感を緩和したからといって、低所得者に押しつけよう、こういう話じゃないですか。
○安倍内閣総理大臣 これは、年収の少ない人たちに押しつけるのかという御質問ですか。(宮本(岳)委員「いやいや、さらに引き上げようということではないのか。引き上げやすくなるということではないのか」と呼ぶ)引き上げやすくなるということについては、先ほど申し上げましたように、それは我々は考えていないということでございます。いろいろ議論する人はおりますが、総理大臣である私の考えにおいては、先ほど申し上げたとおりでございます。
○宮本(岳)委員 本当に、これに注目していただいて、八%が一〇%に、一五%、二〇%に引き上げられれば、左に行くほど口が開くわけですから、逆進性は明瞭だと思います。 では、実際に一〇%に消費税を引き上げたらどんな事態が生じるか。財務省の家計調査から試算した所得階層別の消費税負担について見てみたいと思うんです。 ただしこれは、この間の質疑でも明らかになったように、総務省の家計調査というのは六割程度しか捕捉しない、それを前提とした上での議論でありますが、消費税率を五%から一〇%に引き上げた場合に、二百万円未満の層では、平均の年収は百六十万円となっております、消費税の負担が約五万八千円から十万七千円にふえる。四万九千円の増税です。これは大体、月額で考えますと、二人以上世帯で約十三万円の月収に対し九千円の消費税負担となるんですね。これはいかにも重いと私は思いますが、総理、そう思われませんか。
○安倍内閣総理大臣 御指摘のように、消費税率を引き上げれば、家計における消費税負担はふえることになりますが、しかし、ここを見ておいていただきたいんですが、消費税率引き上げの増収分は、先ほど財務大臣から答弁させていただきましたように、全額社会保障の充実、安定化に充てることにされています。 加えまして、特に所得の低い方々に対しては、社会保障の充実の一環として、国民健康保険料や介護保険料の軽減の拡充、年金生活者支援給付金等を行うこととしております。さらには、消費税率引き上げに伴う低所得者への配慮として、今般、軽減税率制度の導入を決定したところでございます。 いずれにいたしましても、なぜこの消費税率を引き上げるかという原点に立ち戻って考えていく必要があるんだろうと思っております。
○宮本(岳)委員 先ほど財務大臣も、今総理もそうですが、消費税収は全額社会保障に充てる、こうおっしゃるわけですよ。 私は、社会保障と税一体改革特別委員会のメンバーでもありました。あのときも、結局、消費税五%を一〇%に上げたときの十三・五兆円のうち七兆円というのは、財政赤字の穴埋めあるいは大企業の減税に回された、こういう指摘を私どもはしてきたんですね。消費税を引き上げたことが消費を落ち込ませ、日本経済に大きな打撃を与えるということはもう明瞭です。 二月の十六日に発表された最新の家計調査の結果、これも、二人以上世帯の勤労者世帯の消費支出は名目で一・一%のマイナス、実質二・一%の減少。先ほど来議論も交わされました。 一昨日の財務金融委員会では、財務大臣は、この消費の落ち込みは消費税増税の影響が長引いているのも一因だという認識があるかと問われて、これは間違いなくそういうものの影響は否定できない、こう言われましたし、総理も先ほど別の委員の御質問に対して、消費税の増税の影響を引きずっているという答弁をされました。 消費税の増税の影響が今日まで引きずられている、この認識に違いないですね。
○安倍内閣総理大臣 消費に対して消費税の影響があり、それがまた今日まで続いている、このように考えております。
○宮本(岳)委員 先日の本会議で指摘をしたように、二〇一五年十—十二月期のGDP速報値、これを見ましたら、実質成長率は前期比で〇・四の減、年率換算で一・四%の減、二四半期ぶりにマイナスということになりました。 マイナス要因の大半は内需の減少だ、特に個人消費が〇・八%の減少、マイナスであったと言われております。これは昨日の朝日の記事でありますけれども、個人消費が実質額で三百四兆五千億と、消費税を八%に引き上げた直後の反動減が生じたあのときの三百五兆八千億すら去年は下回った、かくも個人消費が落ち込んでいる中では減税が必要なぐらいだ、こう指摘をして、来年四月の消費税再増税は凍結すべきだという記事を掲げておられました。 先ほど来何人もの方がそのことを総理に問うているわけですけれども、ここまで消費が低迷していることはお認めになっているわけですから、来年四月に引き上げたらさらなる深刻な事態が起こる。きっぱりと中止すべきではありませんか。
○安倍内閣総理大臣 消費税の引き上げは、先ほど来説明をしておりますように、社会保障の充実のためであり、また安定化のためであり、これは、世界に冠たる社会保障制度を次の世代に引き渡すためのものでございます。 そういう意味におきましては、今委員が御指摘になられたように、リーマン・ショック級あるいは大震災級の大きな影響がない限り引き上げていきたい、このように考えております。
○宮本(岳)委員 総理は、私がこれだけ事実も示して中止を求めても、消費税の増税中止は言わない。 一方で、消費税導入後、所得税の最高税率が下がった、幾度も法人税を減税してきた。その結果、国の税負担構造は大きくこの間変化をしてまいりました。 総理は、アベノミクスの成果として、国と地方合計の税収が二十一兆円ふえたとたびたび答弁されております。しかし、本当に回復しているのか。 財務大臣にお伺いしますけれども、リーマン・ショック前の二〇〇七年度の国、地方合計の税収と、二〇一六年度予算案の税収、その増加額等、お答えいただけますか。
○麻生国務大臣 二〇〇七年度、平成十九年度の国、地方の税収の決算額、国の五十一兆、地方税の四十一兆、合計九十二兆円が二〇〇七年度であります。二〇一六年度、国の税収は五十七兆六千億、地方税が四十一兆九千億、合計九十九兆五千億でありまして、この差額が、国の六・六兆、地方の〇・九兆、合計七・五兆円でありまして、いずれも御指摘のとおりであります。
○宮本(岳)委員 七・五兆、確かに増加したと。しかし、この間には、消費税率が五%から八%に引き上げられているんですよ。 財務大臣にもう一度聞きますけれども、同じ期間の消費税の税収増加額は幾らですか。
○麻生国務大臣 二〇〇七年度から二〇一六年度の間の消費税、地方消費税の増収額は、消費税収で六・九兆円、地方消費税収二・三兆円、合計九・二兆円でありました。
○宮本(岳)委員 ですから、リーマン・ショック前と比較して、差し引きマイナス一・七兆円なんですね。つまり、消費税の引き上げに伴う増収分よりも、ふえた分七・五兆というのは下回っているわけですから、ほかの分では一・七兆減っているわけですよ。 このパネルを見てください。過去十年間の主要三税の国と地方を合わせた税収の推移であります。 所得税と個人住民税の税収合計、青は、リーマン・ショック前のピーク、二〇〇七年度を超えております。また、国と地方の消費税額は緑ですけれども、これはもちろん、このとおりウナギ登りになっております。 ところが、赤です。法人税及び地方法人二税、これは、リーマン・ショック後ほぼ同じペースで緩やかにふえているものの、これだけがいまだに二〇〇七年の水準すら回復をしておりません。昨年、ことしと企業は最高の収益を更新したと胸を張って答弁されるわけですが、法人税収は三・三兆円ものマイナスになっている。 財務大臣、なぜこれは落ちているんですか。
○麻生国務大臣 消費税、地方消費税の合計並びに所得税、個人住民税の合計、法人税、地方法人二税の合計ということになりますが、二〇〇七年から二〇一六年度にかけて税収が下がっているものは、今言われましたように、法人税、地方法人二税だけであります。 法人税収が下がっていることは、これはさまざまな要因が関係しているとは思われますけれども、詳細な分析は難しい面もありますが、制度の要因で申し上げさせていただければ、民主党政権下の平成二十三年度税制改正において、法人税率の引き下げについて、財源の手当てが約〇・八兆円ということに一挙に下がっております。また、安倍内閣発足後の二十五、二十六税制改正において、賃金の引き上げを促すための所得拡大促進税制、また、設備投資を促すための生産性向上設備投資促進税制など、政策減税というか、税制を思い切って充実させたことによって約〇・三兆円、それから二十六年度が〇・五兆だったと思いますが、などによるものと考えております。 これは、法人減税を行いつつ消費増税を行っておりまして、国民の生活向上につながるのではないかという御指摘なんだと思いますが、私どもは、安倍内閣で導入した所得拡大促進税制といった政策税制を一つのきっかけとして、例えば二年連続大幅な賃上げというものが実現しておりますので、経済の好循環が生まれてきたということなど、持続的な国民生活の向上につながるというものにつきましては、その一つの証左として、国の給与税収というものを見ますと、二〇〇七年から二〇一六年度にかけて〇・六兆円増加しております。
○宮本(岳)委員 さまざまな制度減税をやった、とりわけ法人にかかわる制度減税をやったから、法人税の税収は下がっているわけですよね。 では、次のパネルを見ていただきたいんです。 これは国税庁の統計から、もっとわかりやすくつくったパネルであります。青の折れ線が法人所得金額の推移、赤の棒グラフが法人税額の推移であります。 これを見れば明らかなように、二〇一一年を境に法人所得はV字回復、ウナギ登りであるにもかかわらず、法人税収、赤の棒グラフは緩やかな伸びしかしておりません。つまり、現在の法人税は、たび重なる減税措置、さまざまな減税措置により、企業の所得がふえても、税収がそれに比してふえない構造になってしまっている。 総理や財界は、法人税率をさらに引き下げて、法人実効税率二五%などということも言いますけれども、ますます企業収益と税収が連動しない事態を広げることになるんじゃありませんか。
○麻生国務大臣 宮本先生、二五%というのはいわゆる実効税率の話ですけれども、実効税率二五%に引き下げることを前提としての御質問なんだと思いますが、少なくとも、二十八年度の税制改正を今やっている最中で、目標としておりました実効税率二〇%台というものへやっと引き下げを実現して、一応、ヨーロッパ等々の国に比べても国際的な遜色がないというところまで改革をできたばかりであります。 まずは、この下がった分によって、先ほど申し上げておりますように、内部留保を極端にふやすんじゃなくて、その分を賃金に回せとか、設備投資をやれとかいうような話にきちんと取り組んでいただくということが大事なのであって、それがないで、今のようにさらに下げろというような話をされても、ちょっとなかなか乗りにくいと思います。
○宮本(岳)委員 私、先日の本会議質問で、経団連ビジョンでは二五%まで下げろと言っているぞということをお示しして、総理に、その経団連ビジョンの言い分と一緒にやるんじゃないか、こうお伺いしたら、経団連ビジョンは三本の矢と軌を一にするところがあるもので、官民が方向性を共有しているのはよいことだと総理がお答えになったから、同じ方向性で二五%まで考えておられるんだな、こう指摘しているわけであります。 少なくとも、こういう税構造になってしまっている。まるで法人税は財政健全化にも社会保障財源にも関係ないかのような、そういう構造に、また態度になってしまっている。そういう態度で財政再建や税制改革を考えれば、増税といえば全て消費税になってしまう。だからこそ、さっき紹介したような一五%だ、二〇%だというような話が出てきているわけですよ。 低所得層を中心に家計消費が冷え込んでいるときに、国民には消費税の大増税、大企業にはこういう法人税の減税、さまざまな形の減税をやっていたのでは、国の財政も国民生活も破綻するということを私は指摘せざるを得ないというふうに思うんです。 私、先日の朝日新聞を見て、法人企業に対する租税特別措置は減税総額一・二兆円、そのうち、資本金百億円以上の大企業向けの租税特別措置が約六割だという記事がございました。これも、本会議で総理にその事実をお示しいたしました。 その半分以上を占める研究開発減税は、アベノミクス税制で拡大をされまして、減税額も大きく伸びまして、今や総額六千七百四十六億円。そして、その九割以上が、六千二百二十億円というものが、資本金十億円以上の大企業に対するものであります。 このパネルを見ていただきたい。 先ほど、民主・維新の方も同じような企業名が並んだパネルをかざしておられましたけれども、朝日新聞二月十四日付が報じた二〇一四年度の研究開発減税を受けた上位五社の減税推計額です。一位がトヨタ自動車、一千八十三億円の減税、二位が日産自動車、二百十三億円、三位にホンダ、二百十億円と、上位三社を自動車産業が独占しております。 財務大臣、これは事実ですね。
○麻生国務大臣 財務省が毎年度国会に提出をいたしております租税特別措置の適用実態調査の報告書というものにつきましては、これは、租特の利用状況を明らかにして、政策の企画立案のために役立てていくということを目的としておりますので、こうした目的に照らしまして、個別の企業名まで公表をする必要はないという理由で、平成二十二年、民主党政権だったと思いますが、そのときの立法当時からなされているところであります。 したがって、推計としておっしゃっている意味はわからぬわけじゃありませんし、それくらいの推計なら誰でもできると経済部の記者なら言うところなんだと思いますが、各租特の適用額の上位各社について、企業名というものは公表しておりませんので、この場でお答えすることはいたしかねます。
○宮本(岳)委員 一千億円も二百億円も減税の恩恵を与えておいて、問われても企業名すら明らかにしない。本当にひどい言い分だと思うんですけれども、しかし、この朝日の推計は、我々の独自の調査とも一致しております。とりわけトップの一千八十三億円、トヨタ自動車というのは、誰でも推計できそうだと大臣がおっしゃるとおり、誰が見ても、これはもう間違いなくこの企業であります。 そもそも、この二年連続一位と考えられるトヨタ自動車という企業は、税引き前利益で二兆九千億円ですよ。内部留保が十五兆六千億円ですよ。それだけの大もうけをやっている会社なんですね。内部留保を十五兆円以上もため込んでいるようなトヨタのような大企業は、減税がなくても研究開発費に困ることなどあり得ません。それだけお金があるんですから。 総理は、このトヨタのような大企業でも、減税がなければ必要な研究開発投資ができないと思われますか。
○安倍内閣総理大臣 企業の内部留保が増加する中、経済の好循環を確実なものとしていくためには、企業に対して、設備、技術、人材といった未来への投資を一層促していく必要があります。 このため、未来投資に向けた官民対話などの場で、企業の積極的な取り組みを要請しております。経済界からも、昨年、政府による政策対応を前提として、研究開発投資の拡大や二〇一八年度に設備投資を八十兆円まで拡大といった意欲的な見通しが示されております。 法人税においては、御指摘の研究開発税制を初めとする政策減税や法人実効税率二〇%台の実現といった対応を行っており、こうしたことも踏まえて、実際に企業マインドが変わり、投資拡大に取り組むことを期待しているところでございまして、トヨタがどうかという、個別の企業についてお答えをすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、いわば、企業においては、こうした我々の取り組みにしっかりと対応し、投資あるいはまた賃上げに対して対応してもらいたい、このように考えております。
○宮本(岳)委員 いやいや、そんな要請に応えるどころか、下請いじめをやっていると今質問があったところじゃないですか。トヨタは、二〇〇八年から二〇一二年までの五年間、法人税を納税していなかったんですよ、この企業は。こういうところへこんな莫大な研究開発減税をばらまく必要はどこにもない。先ほど、野党議員の指摘に、アンチビジネスだという言葉をお使いになっていたけれども、私、逆だと思うんですよ。こんなところへ研究開発のための一千億を使うんだったら、消費税の増税を中止した方がよっぽど車が売れるんですよ。 直ちに消費税の増税は中止する、こういう大企業優遇はやめることを要求して、私の質問を終わります。
○竹下委員長 これにて真島君、宮本君の質疑は終了いたしました。 次に、谷畑孝君。
○谷畑委員 おおさか維新の谷畑孝でございます。 安倍総理を含めて、長い審議、本当に御苦労さまでございます。 さて、日本が、バブルがはじけて二十年間というのは、まさしく成長もなければ閉塞した社会であったわけですけれども、安倍総理の出現によって、いわゆる金融緩和、財政出動、そして成長戦略、こういうことで、ようやくデフレからの脱却があともう一押し、こういうことを総理からも聞いておるわけでございます。しかし、最近、中国経済の減速ということ、またその影響、アメリカ経済も少しどうなっていくのか、そういう状況の中で、デフレからの脱却というアベノミクスも正念場というか、非常に大事な時期に来ているんじゃないか、このように思うわけであります。 そこで、私、安倍総理に三点率直にお聞きしたいと思います。 一つは、中国経済の減速等を含めて、世界の情勢をどのように見ておられるか。それは一過性で、我々は我々で方針どおりやっていくんだ、こういうことなのか。 あるいは、二つ目は、やはりよく注意しながら、見ながら、時には財政出動も含む経済対策をしっかり打って、もう一押しのデフレ脱却というところへさらに押していく、こういうことはどうなのか。これは二つ目です。 もう一つは、これも先ほどいろいろ議論がございました。運悪く、来年から消費税を一〇%に上げるということでありますけれども、これはある意味では大変な影響を受ける。せっかくこの三年間、安倍総理が頑張ってきたところを、これまたデフレへ、地獄へ落としていくということになってしまいますと、三年間の努力が水の泡になる。そこで、その点、増税、一〇%というものを、安倍総理としては、デフレ脱却を重視して凍結する、そういう意思が最終的にはあるのかないのか。 この三つについてお聞きいたします。
○安倍内閣総理大臣 世界経済については、アメリカの経済の回復が続くなど、全体としては緩やかに回復しているわけでありますが、御指摘のように、中国では投資や輸出が弱い動きとなるなど、アジア新興国等において弱さが見られるわけであります。 世界的にリスク回避の動きが金融市場で広がる中、我が国の市場でも変動が見られています。これは、中国の景気減速への懸念や、原油価格の低下、米国の利上げの動向等の海外要因が背景と見られます。 中国の今後について具体的なコメントは差し控えさせていただきたいと思いますが、しかし、我が国の経済のファンダメンタルズはしっかりとしたものがあるということは申し上げておきたいと思います。 今後、世界経済や市場の動向をしっかりと注視し、そして、G7諸国等との国際連携を深め、世界経済のさらなる成長と市場の安定を図っていく考えであります。 そのために、最大の景気対策である平成二十八年度予算の一日も早い成立に向けて全力を挙げていきたいと思います。また、平成二十七年度の補正予算を迅速かつ着実に実施していく必要があると考えています。 そしてまた、消費税一〇%、これはやめた方がいいじゃないかというお話でございますが、これは、世界に冠たる社会保障制度を次世代に引き渡していくという責任を果たす、同時にまた、市場や国際社会からの国の信認を確保するためのものでございまして、繰り返し申し上げることになりますが、リーマン・ショックや大震災のような重大な事態が発生しない限り、実施していく考えであります。
○谷畑委員 総理、いずれにしても、せっかく三年間、こうしてデフレ脱却というところにもう一歩という、これは非常に国民も期待をしておりますし、力強い日本に、こういうことだろうと思いますので、ぜひそこは、しっかりと見詰めながら成長戦略を成功させていただきたい、このように思うわけであります。 さて次に、同一労働同一賃金について少し議論してみたいと思います。 総理が、一月の二十二日本会議で、施政演説の中で、同一労働同一賃金の実現に踏み出す、このように本会議場でおっしゃったわけです。私、議場で聞いておりながら、実は驚きました。かつての総理で同一労働同一賃金についてそういう踏み出しをした、私は、二十五年間おってそういうことは聞いたこともない。もちろんこの問題は古くて新しくて、同一労働同一賃金というのは常に議論されていることでありますけれども、私は、総理のその踏み出したことについて非常に高く評価をしてみたいなと思うんです。 また、この発言によって、非常に大きく国民の世論というのが関心を持ち出してきましたし、各マスコミにおいても、同一労働同一賃金という記事がたくさん出るようになりました。 その中で、二月の十日に、読売新聞を私が読んでいましたら、「気流」というところで、八十一歳の方が投稿されているわけです。これを全部読み上げると時間がありませんので、少し紹介しますと、安倍首相が、非正規労働者の待遇改善のため、雇用形態で賃金に差をつけない同一労働同一賃金の実現に意欲を示している、自民党もプロジェクトチームを設置しました、同じ仕事をしながら正規と非正規で賃金に差をつけるのは理不尽であり、早急に改めるべきであります、安倍内閣が掲げる一億総活躍社会のために欠かせないことであり、早急な実現が望まれる、こういう「気流」の投稿が出たわけであります。 そこで、安倍総理、この時期に本会議場で同一労働同一賃金ということの実現に踏み出した、こういう一つの背景なり決意なり、その点について少しお聞きをしたいと思います。
○安倍内閣総理大臣 私は、これまでにも、同一労働に対して同じ賃金が支払われるという仕組みについては、非正規雇用労働者の処遇改善の点で一つの重要な考え方であるとの認識を示してきました。同時に、これは我が国の雇用慣行にはなじまないのではないかという意見もあるということについても言及してきたところではございますが、しかし、今般、一億総活躍社会を目指し、例えば、子供を産み育てながら、あるいは介護しながら短時間働くなど多様な働き方の選択肢を考えた場合、もう一歩踏み込んでいきたいと考えたところでございます。 例えば女性では、結婚、子育てなどもあり、三十代半ば以降、みずから非正規雇用を選択している方が多いことが労働力調査から確認できています。こうした女性や若者などの多様な働き方の選択を広げるためには、非正規雇用で働く方の待遇改善をさらに徹底していく必要があります。同一労働同一賃金の実現に踏み込むこととしたところでございます。 我が国の雇用慣行に留意をしつつ、待遇の改善に実効性のある方策を打ち出したいと考えています。
○谷畑委員 今、安倍総理から、とりわけ非正規の状況というのか、そういうことが背景で、同一労働同一賃金、こういうことに踏み出していく、そういう決意だと思うんです。 そこで、塩崎厚生労働大臣に。 現在、非正規という問題が非常に大きな社会問題というのか、クローズアップされてきております。 とりわけ非正規、まあ正規と非正規というのがあるんですけれども、非正規でも、パートがあったり、アルバイトがあったり、派遣があったり、いわゆる契約社員であったりいろいろ幅広いものでありますけれども、しかし、この非正規が、平成元年が正規に比べて二〇%、それが最近では徐々に上がってきてもう四〇%近い、各労働者の中の四〇%近くを非正規で占める。 しかも、非正規というのはどういうところに問題があるかといったら、一つはやはり賃金が安い。最近、厚生労働省も努力されてちょっと上がってきているらしいです。最近、非正規の月給が正社員の六三・九%。そのちょっと前までは五〇%だったんだけれども、ちょっと今上がってきたらしいんですけれども、そういう問題がある。 それから、非正規の場合は、やはり厚生年金、正社員であれば、正規であればほぼ全員に近く厚生年金に入るわけですけれども、非正規の場合はそういう形にはなっていない、もっと少ない。そういう、さまざまな待遇の問題において、やはり格差が大きいと思うんですね。 もちろん、厚生労働大臣としても、それぞれの努力を、正規と非正規の間の条件を少しは改善していく努力をされてきておると思いますけれども、きょうはテレビも入っていますし、ぜひ、非正規における雇用形態の現状、何が問題か、そして、今後、厚生労働大臣としてどういう形にしていかれるのか、その点をひとつ、国民の皆さんにわかりやすく説明をしていただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 非正規の問題について御指摘がございました。 先ほどの別の方の御質問の中で、安倍内閣になって正規の職員が減っているじゃないかという話がありましたが、実は、昨年の一年間の正規雇用は、八年ぶりに増加に転じたということになりました。ついこの間、新しい十二月の数字が出て、そういうふうになってまいりました。実は、平成十九年、そして十八年、これはちょうど第一次安倍内閣のときでありますが、そのときはプラスだったんですが、その後ずっとマイナスで、去年やっとプラスになったということでございますので、まず御披露させていただきたいというふうに思います。 確かに、四割近いシェアを今非正規が占めていますが、これはいろいろなところでやはり高齢化の影響というのが出ています。この十年間の非正規雇用の増加の内訳を見ますと、約七割は六十歳以上の男女、そして五十九歳以下の女性の皆さん方が二五%ぐらい占めておりまして、言ってみれば、高齢者の増加と、女性のパートで働き出したという方が、最近、景気、経済が活況を呈してきて、それでふえているというところがあるということで、かなりこの二つで説明ができてしまうということでございます。 非正規で働く方のうちの八割は、みずから選択をして非正規でおられる、働いていらっしゃるという方々でありまして、不本意ながら非正規雇用で働く方がいるのも一方で事実なので、これについては、正社員を希望する方には正社員に、そして、非正規のままでという方にはやはり待遇改善を図るということで、私ども、正社員転換・待遇改善実現本部というのを去年つくりましたが、この一月二十八日に正社員転換・待遇改善実現プランというのを出しました。全体として数値目標も入れて、正社員に転換をさせる、そして待遇改善を図っていくということでございます。 これから四十七の都道府県の労働局でも、この正社員転換、待遇改善をプランとしてそれぞれの地域でつくっていくということを三月末までにやっていただくことになっておりますので、全国でこういった形で正社員転換を図っていきたいというふうに思っております。
○谷畑委員 厚生労働省としては、そういう正規と非正規の垣根を取っていくための施策をされておると。そこへ、プラス一億総活躍という形の中で、同一労働同一賃金ということで、これは総理が肝いりでさらにそれを前へ向けていくんだ、こういうふうに本会議場で、総理が施政演説でおっしゃったわけです。 私は、一億総活躍社会の実現のためには、やはり多様な働き方が認められて、そして一人一人が夢と希望を持って働いていける、こういう社会というのは本当にすばらしい社会だ、そう思うんですね。その意味においては、やはり同一労働同一賃金というものの実現は私は非常に大事だ、こう思っています。 これを実現していくのには、いろいろな障害、壁というのがあると思うんです。 例えば、我々、よくヨーロッパへ視察に行く場合、ヨーロッパにおいては日本みたいな企業別労働組合じゃないですし、産別でありますし、それから、職務給制度という形の中で、いわゆる同一労働同一賃金の定義というのがすっきりするし、そして実施もしやすい。だから、私がオランダへ行ったときなどは、正規と非正規の垣根がない、あるのは長時間働くか短時間働くか、こういうことを聞いて、私どももびっくりし、何とすごいんだろう、こう思ったものです。 それでまた、これを実現していこうとすれば、企業側から見ても、ひょっとしたら賃金が上がって負担が大きくなって企業が潰れるんじゃないか、こういう不安もあるだろうし、また、正社員から見たら、非正規がどんどん待遇がよくなってきたら我々自身の賃金が下がるんじゃないのか。こういうさまざまな障害がある。 そのことの中で同一労働同一賃金というのを実現していくということですから、これは大変なことだと思うので、総理、そこらの点は踏まえながら、どういう形を踏んで担保していくのか、一言お願いします。
○安倍内閣総理大臣 一億総活躍を実現していく上においては、同一労働同一賃金は極めて重要な政策となると考えております。その観点から、私のリーダーシップにおいて、必要な場合にはちゅうちょなく法改正を行う考えであります。また、法律の運用が明確になるように、どのような賃金格差が正当でないと認められるかについてガイドラインで事例を示すことも検討してまいりたいと思います。 進め方については、一億総活躍国民会議で議論をいただいた上で、今春取りまとめるニッポン一億総活躍プランにおいて同一労働同一賃金実現の方向性を示したいと思います。これに従って、法律家などによる専門的検討も行いつつ、制度改正が必要な事項については労働政策審議会において議論を行うことになるものと考えております。
○谷畑委員 加藤大臣、担当大臣ですので、一言、頑張るということだけ一言言ってください。
○加藤国務大臣 ありがとうございます。 同一労働同一賃金の実現など非正規労働者の方の待遇改善、これは、長時間労働の是正、高齢者の雇用の促進と並んで、今、春に向けて取りまとめをしようとしておりますニッポン一億総活躍プランにおいては大変大きな課題だというふうに思っております。 今御指摘がありますようにいろいろ難しい課題はありますけれども、今、総理の御指導をいただきながら、しっかりと取り組んでいきたいと思っております。
○谷畑委員 どうもありがとうございました。 終わります。
○竹下委員長 この際、松浪健太君から関連質疑の申し出があります。谷畑君の持ち時間の範囲内でこれを許します。松浪健太君。
○松浪委員 おおさか維新の会の松浪健太であります。 質問に入る前に、きょうの議論を見ていて、私、二年ほど前、この予算委員会の場で日本アカデメイアの提言を引きまして、総理を一日七時間も張りつけて、これほど酷使する国はないわけでありますと。 きょうも、質問で総理がいらっしゃらないときに、時間をとめろとか、いろいろなトラブルがございました。きょう衝撃を受けたのは、総理が何と答弁で、小用という言葉をお使いになった。国民の皆さんの前で、正直私、こういう議論は全くみっともないと思います。 よく官房長官なんかは、官房長官の記者会見の時間はおりませんというのを事前に我々は通告でいただいておりますので、予算委員会がたとえ長いといえども、各党ドント式で、こちらは総理のお休みの時間にするのか、間を休憩するのか、それは別にしまして、野党の私が言うのもなんですけれども、まず、総理の待遇改善というものを理事会でしっかりと御議論いただくように、委員長、お願いいたします。
○竹下委員長 理事会で協議をさせていただきます。
○松浪委員 それでは、質問に入らせていただきます。 総理の待遇改善を述べたからといって、リップサービスは要りませんので、きょうはロジカルな議論をさせていただきたいと思います。 我々は、消費税増税については、これを延期すべきだということをずっと議論させていただいております。しかし、きょう見ていても、議論がかみ合わない。これはやはり、いろいろな意見がありますからかみ合わないんですけれども。 それでは、本日私は、政府の試算、政府の数字を使ってこれから議論させていただきたいと思います。 その前提の前に、まず、総理、総理は新三本の矢で二〇二〇年にGDP六百兆円を達成するとされておりますけれども、今でもそれは変わりませんか。一言でお願いします。
○安倍内閣総理大臣 政策を総動員して目指していきたいと考えております。
○松浪委員 しかし、この一月に内閣府が経済財政諮問会議に提出された資料であります中長期の経済財政に関する試算、半年ごとに出ますけれども、これの平成二十八年一月二十一日分が出ております。 この中で、経済再生ケース。これは実は経済再生ケースとベースラインケースというのがあります。この経済再生ケースは夢のようなケース、実質GDP成長二%以上、名目で三%以上、物価上昇率は二%近くというような、あと雇用もどんどんどんどん女性とか老人とかを含めて伸びていくという、夢のようなケースであります。 しかしながら、既に全ての分野で日本記録が出て、その総体が五百九十二兆円になっているわけでありまして、石原大臣、もはや六百兆円というのは、ベースラインはもっともっと下ですか。ベースラインはちなみに五百四十九兆円ですから、六百兆円はもう無理だということを内閣府は試算しているんじゃないですか。
○石原国務大臣 先ほど総理が、政策を総動員してと。 年央に取りまとめます骨太のときに、成長戦略、これまでも、規制緩和あるいは岩盤規制の撤廃、さまざまな政策をとっておりますけれども、そういうものを積み上げて二〇二〇年ごろ六百兆円を達成していく、そういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○松浪委員 それはわかるんですけれども、総動員して、これが上振れするのか下振れするのかという問題があります。 これまでのトレンドを見ていて、毎年毎年この試算が出てくるわけですけれども、二年前、ちょうど二〇一四年の一月に出した試算があります。この二〇一四年に出した試算では、まさに総理が消費税を五%から八%に上げる前、まさに上げる前の総理に報告した試算は、二〇一四年は五百兆円あると言ったけれども、実際は四百九十兆円だった。本当に大きな違いがあるんです。 石原大臣、この理由をどういうふうに、これだけ試算がずれたということ。この紫の部分が政府の二〇一四年の試算で、最初の四百七十三が確定値でありまして、その年の、二〇一三年度ですから大半が、四半期以外がほぼ確定値ですね、五百は推定値ですけれども。これがこれだけ変わってきたという理由をどう分析されていますか。
○石原国務大臣 松浪委員が御指摘されているとおりの結果になっているんです。 その原因でございますけれども、当時のことを思い出してみますと、消費税が十数年ぶりに引き上げられる、三%上がるということで、駆け込みが非常に大きかった、我々の予想よりもはるかに大きかったというのが一つ挙げられると思います。 それと、当たり前のことでございますけれども、アベノミクスが二〇一三年から動き出して、そんな中で、賃金も上がってきてはおりますけれども、賃金の上昇よりも物価の上昇が多ければ可処分所得が減ってしまいますので、消費が弱含みになってくる、すなわち消費を下に押し下げた。 もう一つ理由があるとしますと、当時のことを委員も思い出していただければ幸いでございますけれども、寒い夏ではなかったかと思います。また、長雨等々もあって、これがまた消費を下に下げた。 そんなこともございまして、総理が御決断をされて、政府は一〇%への引き上げを一年半延期したわけでございます。 この間、政府はしっかりと三本の矢の政策を進めてまいりまして、その結果、二〇一五暦年の名目GDPの成長率は二・五%、実質でも〇・四%、さらに、名目の方が実質より大きいという数字を示すデフレーターも二%と、いずれも上昇したという事実がございます。
○松浪委員 今いただいた話は、マイナスのことばかりおっしゃるわけでありますけれども、原油価格なんかは、かつて一バレル百ドルを超えたものが、現状では、最近は二十ドル台まで落ち込む。五十ドル、六十ドルの時代もあったということで、奇跡的なタイミングなわけですよ。円安だけれども石油は安い、そういったことに触れずに天気だけに触れるというのは私は全くフェアではないと思います。 それで、この図で二〇一七年を見ていただきたいと思います。この赤い方の数字は我々で、二〇一六年一月、ことしの一月に政府が出された数字の中で、この二〇一七年は消費税が二〇一四年に上がったときに景気が下振れしたものを含んで出しているということを内閣府から伺っております。それを逆にすれば、消費税を上げなければこうなるというのがこの赤の数字でありまして、これで最高にいいように言っても二〇二〇年にようやく六百兆円にしか行かないわけでありますけれども、私は実は、内閣府から話を聞いていて、消費税を上げないときよりも下振れしている、余りに小さく見積もり過ぎているというふうに感じているんです。 これはどういう根拠で下振れさせているのか、石原大臣に伺います。
○石原国務大臣 御質問にお答えさせていただく前に、先ほど原油の話をしなかったのは、実は、原油価格が下落したのは二〇一四年の十月—十二月期、最終クオーターにバレル当たり二十ドル程度減額したということで、その影響は二〇一四年ではなくて一五年の方に出てくるということで割愛したことをお話しさせていただきたいと思います。 そして、今、このグラフをお示しになりましての御質問でございますけれども、経済への影響については、税率を引き上げる前の駆け込み需要と、引き上げた後の反動減と、物価上昇による実質所得の減少がという話を先ほどさせていただきました。 それでは、なぜこういう数字になっているかということでございますが、経済財政の連関を分析する計量モデル、いわゆる内閣府の今委員がお示しをいただいております中長期試算においては、二〇一七年四月の消費税率引き上げに伴う駆け込み需要及びその反動減について、先ほど予想よりも大きかったという話をさせていただきましたが、その消費税率引き上げで生じた影響を参考にして、すなわち我々の最初の見積もりよりは高く見積もって想定を置かせていただいております。具体的に申しますと、全体としては、二〇一六年度の実質GDPを〇・三%押し上げ、二〇一七年度の実質GDPを〇・三%押し下げる影響があるとして、要するにプラマイが行って来いということで想定して試算をさせていただいております。 また、物価上昇によります実質所得の減少が消費に与える効果については、計量モデルにそのメカニズムを組み込ませていただきました。 ですから、意図的に過小に見積もっているという思いは持っておりませんので、そこのところはぜひ御理解をいただければと思います。
○松浪委員 これは過小と言わざるを得ないんですね。 今、大臣の言い方で、国民の皆さんは言葉がなかなか細かいのでおわかりづらかったかと思いますけれども、要は、前回、二〇一四年に予想よりも下振れ、当時は三%上げたから、今回は上げたのは二%ですよということなので大体三分の二に見積もっているというのが、簡単に言えば先ほどの下振れ分ということなんです。 しかし、私は、消費者心理というのはもっと微妙なものだと思うんですね。先ほど柿沢委員が出された図は随分私はわかりやすかったと思いますけれども、がくんと下がっている。本当にGDPの六割を占める個人消費がそこまで下がっているということ、これは大変なことであります。 では、消費者心理からいえば、二〇一四年四月の段階では、当時はまた一年半後にもう一度増税があると消費者はほとんど知っていたわけで、一回目の増税だと思っていたんですけれども、次は二回目の増税だ、その次に増税するということは政府は言っていないわけでありますから、最後の増税ということになると、私は心理的には、もうこれは次の増税の前にやっておかないといけないよと思うと思いますよ。 そして、今、海外の経済状況を見ても、中国は減少している。アメリカの景気は大体七十一カ月で拡大期は終わると言われていますけれども、もう七十九カ月になっていますよ。こういったことを勘案すると、中国人の爆買いが続くという保証もありませんし、それからアメリカの好景気がこれ以上続くという保証もない中で、私はこれはやはり大きく下振れする可能性を含んでいるということを指摘せざるを得ないというふうに思います。 あと、二枚目の図を見ていただきたいんですけれども、これは何かと申しますと、基本的にさっきと一緒であります。基礎的財政収支、プライマリーバランスの、この紫の部分は二〇一四年一月の政府の試算、この青いものは二〇一六年一月の政府の試算であります。そして、我々は、そこから次に、二〇一七年四月に消費増税がなかった場合はこの赤い線、あった場合はこの緑の線ということで描かせていただいております。 これを見ると、先ほどの消費税を上げない場合は当然GDPも高くなっていくわけであります。そして、そのGDPと基礎的財政収支の関係が、これは実は単純に計算すると、もっとこの赤い線は上に行きます。ただ、それはフェアじゃない。 なぜならば、消費税を二%増税しますと、五兆円の税収の上振れ効果がありますから、はっきり言って、真っ正直に五兆円をエクセルの計算式の中で引いております。しかも、税収弾性値は、前回、二〇一三年は三・幾ついったそうですけれども、学者さんは大体一・一と言いますけれども、我々はこれを一にしていますので、GDPが一%成長すれば当然税収も一%しか成長しないという、かなり過小な形で計算してこういう形になっている。 どちらにしろ、二〇二〇年にプライマリーバランスが均衡するという計算はどうやっても成り立たないわけでありますけれども、実は消費税を上げない方がGDPも成長して基礎的財政収支も向上するのであれば、消費税を上げる必要はないと思うんですけれども、こうした計算は内閣府はされたことはありますか。
○石原国務大臣 またお答えする前にちょっとお話をさせていただきたいのは……(松浪委員「短くお願いします、時間がないので」と呼ぶ)はい。 先ほど消費者の心理というお話をされましたけれども、やはりデフレマインドをどのくらい消費者の方が払拭されているのかというような、基本的なところによってその影響というのは、かなり幅を持って見るという点においては、私も松浪委員の考えは正しいのではないかと思っているということをつけ加えさせていただきたいと思います。 この表、一番最初にお示しいただいたものと二枚目のものをちょっと比べて見せていただいているのでございますが、二〇二〇年度の名目GDPが、私どもの計算ですと五百九十二兆円、先生の御試算ですと六百兆円と、八兆円、消費税を上げないとふえる。その一方で、二枚目の表でございますけれども、基礎的財政収支の改善幅が大きいんですよね。 ですから、それが、私としては、どういう前提を置いているのかということで、詳細なコメントはちょっと今のところできないというのが率直な印象でございます。
○松浪委員 これはあらあらの試算なので、私も、これがちょっと大きく出過ぎているのは、二〇一七年から二〇二〇年までの政府のGDPの成長率が三・七%になっておりますので、ちょっと高目の数字が二〇一七年以降入っているというのがこの理由だと思います。 しかしながら、このトレンドについては変わらないと思いますので、総理、ぜひとも、国債マーケットについても、経済がよくなれば国債の価格も長期金利もいい影響があると私は思うので、実は、国際公約にしても、GDPを上げた方がいいんだということがしっかり証明できれば我々は消費税を上げずに済むと思いますが、こうした新たなGDPが上がったときのプライマリーバランスの相関関係の調査研究をしっかりやって、経済財政諮問会議に出していただきたいと思います。総理、いかがですか。
○安倍内閣総理大臣 今出された資料については石原大臣と同じお答えになるわけでございますが、いずれにいたしましても、諮問会議においてはさまざまなケースを分析しながら、しっかりと日本経済を成長させるとともに税収を確保していきたい、こう考えております。
○松浪委員 今、与党席からもいい指摘だという声が山ほど出ておりますので、皆さんもこれは味方になったと思いますので、ぜひともよろしくお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○竹下委員長 これにて谷畑君、松浪君の質疑は終了いたしました。 次に、小沢鋭仁君。
○小沢(鋭)委員 改革結集の会の小沢鋭仁でございます。 きょうは、税と社会保障、こういう話でございますので、その問題、総理並びに関係閣僚に御質問させていただきます。 まず、改革結集の旗印ということで、新しい政党でありますので、常に冒頭これを示させていただきたい、こう思っております。委員の皆さんにも、国民の皆さんにも見ていただきたいということでございます。 特に、きょうの問題に関してのところは二番です。消費増税は凍結、増税前に身を切る改革と経済再生。こういう話を私どもの旗印にさせていただいております。 もう最終バッターでございますので、この委員会でも同じような質問が幾つか出てきております。できるだけ、若干角度を変えて、総理並びに麻生大臣に御質問させていただきたいと思います。 現状に関してはもう何度も話が出ておりますから、税の方から行かせていただきたいと思います。ばっと申し上げるわけですが、これは、消費税率引き上げ延期のときの、一四年の十一月のときの経済情勢と、それから直近の経済情勢です。 もう御案内のとおり、繰り返しになりますから余り細かく言いませんが、GDPの速報値で〇・四%のマイナス、年率でいうと一・四%、こういう話になっておりますし、その当時と比べると、日経平均株価もマイナス一一・〇%、実際の数字でいっても下がっている、実質家計最終消費もマイナスだ、こういう情勢であります。 世界の金融情勢は極めて不安定、株価も下落している、そして円高が進んでいる、貿易赤字が拡大している、そのために、日銀は、一月二十九日、マイナス金利まで導入を発表している、こういう情勢でございます。 総理、ここで御質問でありますが、この消費税率、延期を決めたときの状況と比べてこういう状況でございますが、現在でも、それよりもある意味では悪いのかもしれません、この状況でも、総理は、リーマン・ショックとかいわゆる震災の、こういう話ではなくて、今のこのときの経済判断でいったときに、消費税の増税ができる経済情勢だとお思いですか。
○安倍内閣総理大臣 今現在ということにおいては、我々、消費税引き上げをまさに来年の四月まで延期したわけでございまして、来年の四月に向けてそういう状況をつくっていきたい、引き上げ得る状況をつくっていきたいと思っておりますので、例えばことしの四月の春闘におきましてもしっかりと賃上げを確保し、また来年も上がっていくという状況をつくっていきたい、こう考えております。
○小沢(鋭)委員 総理のそういった御答弁は、本会議、あるいはまたまさにこの予算委員会でも何度か聞いているわけでありますが、いわゆる二〇一四年から経済対策を打ってきて、現状、まだこういう状態です。 前に総理が消費税の延期を決めたのは、実施時期の約十カ月から十一カ月前。今回は、来年の四月ということになると、大体四月、五月、六月くらい。参議院選挙の時期に当たりますね。その状態でこういう状態であっても増税をやりますか。
○安倍内閣総理大臣 我が国国内の経済のファンダメンタルズはしっかりしている、こう思いますが、やはりこれは世界経済等にも大きな影響があるわけでございますので、いずれにいたしましても、まだこの四月、五月、六月の状況というのを今から軽々に申し上げることはできませんが、基本的には、何回も申し上げておりますように、リーマン・ショック級あるいは大震災級の大きな出来事がない限り、引き上げていくという方針には変わりはないということでございます。
○小沢(鋭)委員 この予算委員会でも何度か総理と議論させていただきましたが、要は、消費税率を上げても税収が上がらなければ元も子もない、こういう議論をさせていただきました。総理は延期のときの記者会見でも同じことをおっしゃっていただいております。 ですから、この状態だと、消費税を上げても、税率を上げても、税収は上がらない可能性がかなり高いと思うんですね。そういう状態であっても、リーマン・ショック時並みの経済情勢にならなければ上げるんですか。
○安倍内閣総理大臣 もちろん、私は常々申し上げておりますように、消費税率を引き上げるのは税収増のためであって、消費税率を引き上げて、逆の結果、いわば経済ががくんと減速して、結果として税収が上がらないという状況をつくるのであれば、これは全く意味がない、本末転倒になってしまうんだろう、このように考えております。 現在の段階においては、いわば消費税を上げないという判断をする状況にはもちろんない、こう考えておりまして、従来どおりの認識でございます。
○小沢(鋭)委員 今の発言は、リーマン・ショックの後というのは大変な状況でありまして、今総理がおっしゃった、税収が上がらなければやらない、そのことに変わりはない、こうおっしゃったんですね。それでよろしいんですか。
○安倍内閣総理大臣 ですから、我々としては、ことしの四月の春闘においてしっかりと賃金が上がっていく、そしてまた来年も上がっていくという状況をつくっていく、また、企業が設備投資に対して前向きな投資をしていく、前向きな姿勢をとっていくという状況をつくる中において、消費税率を上げれば税収が上がっていく、いわばしっかりとその中において成長していくという状況をつくっていきたいと考えているところでございます。
○小沢(鋭)委員 成長軌道に乗って、そして消費税率を上げていく、これは私も必要だと思っています。ただ、今の総理の答弁は、リーマン・ショック並みのショックがないときでなければ上げることはない、こういう話を変更したと私は思いますよ。それで、私はその総理の判断でいいんですよ、我々は。 特に景気条項を外されましたよね。これは、実は、民主党政権のときに私は税調の責任者で、景気条項をつくったときの責任者なんです。これはもう当たり前のことですよね。税率を上げて税収が下がるような話だったら元も子もないって、当たり前のことですよね。 この当たり前のことをぜひ実行してもらいたいと思いますが、総理の見解をお願いします。
○安倍内閣総理大臣 この景気条項を我々は外したわけでございまして、いわば我々は、一年半延期する中において、国の信認をしっかりと維持しなければならないという中において、我々の財政健全化に向ける意思を示すという観点からもこの景気条項を外したわけでございます。そして、基本的には、その中において、リーマン・ショックあるいは東日本大震災級の出来事がなければ消費税を引き上げていくと。 そして、先ほども申し上げましたが、もちろん、消費税率を引き上げてしっかりと税収が確保されていくという状況をつくらなければなりませんから、そのための状況をつくっていくことができる、こう申し上げてきたわけでございまして、ことしの四月の春闘におきましても、しっかりと昨年、一昨年と同様の賃上げを行っていくことができる、そういう状況をつくっていきたい、このように考えております。
○小沢(鋭)委員 もう時間がないので、ぱぱっと行かなきゃいけないんですけれども、今の総理の話は全く賛成です。 それで、そういう状況をつくらなきゃいけない、こういう話の中で、日銀はマイナス金利の導入を発表しました。これはしかし、ちょっと予想と違う展開になっていますね。マイナス金利をすると、当然、金利差が拡大しますから、いわゆる為替は円安に振れて普通だと。これは経済理論です。 円高になりました。先ほど総理は国際的な信認と言いますが、日本は信認されているんですよ、現在。だから円高になっちゃった。いろいろな要素で為替は動きます。ただ、想定している方向と違うときは、日銀はマイナス金利までやったんですから、政府はきちっと対応すべきですよね。 当然、財務省は対応したんでしょうね、財務大臣。
○麻生国務大臣 基本的に、マイナス金利つき量的・質的金融緩和ということになるんだと思いますが、これはあくまで、御存じのように、日銀が物価目標というものを決めて、それのための手段としてこれを達成するために、一つの必要な方策として決定されたということはまずきちっと認識をしておかないと、何となく、引き上げるためとか円を安くするためとかいうような方法論で使われたかのごとき話がよく出回りますけれども、そうではないというのをまず第一に置いておいた上で、昨今は、世界的にリスク回避という動きが金融市場で広がります中で、日本のマーケットでも変動がいろいろ見られておりますのは御存じのとおりなんです。 政府としても、マーケットの動向というのは注意深く見守っておるところなんですが、為替の市場につきましては、来週からG20ですか、ああいったものでいろいろやられますけれども、ここでも、急激な相場とか急激な変動というのは望ましくないと考えております。最近の市場というのは少々荒いという感じがします。五百円とか上がってみたり、九百円下がってみたり上がってみたり、そういったような話は、私どもとしては、為替市場の動きというのが少々、わっと見るといろいろな針がありますので。 いずれにしても、為替の介入等々についてはコメントするつもりはありませんけれども、政府と日銀の関係につきましては、この三年間、黒田総裁と我々との間の連携というのは極めて密にとれていると思っております。
○小沢(鋭)委員 私、そこが一番心配なんですね。 私は外為専門銀行におりまして、二週間で為替が十円も動くというのは大変なことですよ。私の記憶だと、十年近い期間を見てもないですよ。 これは、先ほど総理は、いわゆる経済環境を好転させていく、こういう話をしました。日銀はマイナス金利を言いました。政府が具体的に示さなきゃだめですよ。果敢にそこは行動をとらなきゃだめですよ。まさに日銀と連携してやらなきゃだめですよ。 もう決算の時期ですよ。先ほど来いっぱい議論が出ていますが、企業が内部留保にこれまた決算が悪ければ回しますよ。政府は、ここは世界に向けてきちっと行動するという姿を見せなきゃいけない。介入は当然ですよ。いかがですか。
○麻生国務大臣 為替にお詳しいならますます、介入は当然だなどというような質問に対してうかつにそうですなんて答えるわけがないんです。 ちょっと質問の意味がよく理解できません。
○小沢(鋭)委員 それはそれで結構ですけれども、要は、急激な変動は絶対に認めないという話をG20で言ってくださいよ。お願いします。 それからもう一つ、総理の発言でちょっと一つ気になった発言がありまして、要は、年金の、GPIFの話で、マイナスが出れば、いわゆる損が出れば給付も下がることがあり得るという話をされましたよね。ちょっとこれは言葉足らずじゃなかったんでしょうか。 かなりネットの中ではこれは大変だといって話題になっていますが、補足、訂正をされた方がよろしいんじゃないでしょうか。
○安倍内閣総理大臣 純粋に、いわば法理上の話を聞かれたものでありますから、それは、運用が予定どおりいかなかった場合については、負担の額、限度が法定で決まっているわけであります。ただ、他方、もちろん代替率を五〇%ということにも決まっているわけでございますから、その段階でどういう調整をするかということはあり得るわけでございます。 原理的な話の中においてそれはそういう話をしたのでございますが、しかし、先ほども答弁をさせていただいたんですが、今の株価の低下がいかにも年金の給付に影響がある、これは全く間違っているわけでございまして、年金の運用が減ったからといって年金が減るということはないということは、これははっきりと申し上げておきたい、こう思う次第でございますし、今の段階においても、安倍政権ができて三十三兆円プラスになっておりますし、しっかりとポートフォリオ変更後も利益を上げているということは申し上げておかなければならないと思います。
○小沢(鋭)委員 あと、最後に一点だけ、済みません。 もう一つ総理の発言で、国民年金では暮らしの全てを賄うことはできない、こういう発言がありました。 年金は保険ですから、それはそれであっても仕方がないというのが現状だと思いますが、国民の皆さんは、そこは、せめて老後くらい基礎年金部分で御飯が食べられるようにしてもらいたい、こう思うと思いますよ。 これはまた次のときに、厚労委員会でもやらせてもらいますが、塩崎大臣、一言だけ。基礎年金で食べられるというのはやはり大事じゃないですか。
○竹下委員長 短くお願いします。
○塩崎国務大臣 これは年金に対する考え方の基本的な問題だと思うのですが、やはり年金というのは、現役時代に構築をした生活基盤とか貯蓄などと合わせて、どういうことがあろうともミーンズテストもなしにもらえるという仕組みになっているわけで、そういう設計になっているわけですね。 今、基礎年金のお話がありましたが、高齢無職世帯の支出との比較を見ますと、これで大体、衣食住といった基礎的なものはおおむねカバーをしているということになって、例えば平成二十六年の家計調査で、夫婦世帯で基礎年金は十二万八千八百円でございますけれども、基礎的消費支出は十一万四千七百九十七円ですから、それよりも多くもらえているということでございますので、私どもはそれを見ながら、しかし、やはり大事なことは、みずから蓄積もしておくということが前提で組み立てられているというのが基礎年金でもあるということでございます。
○小沢(鋭)委員 終わります。ありがとうございました。
○竹下委員長 これにて小沢君の質疑は終了いたしました。 次回は、来る二十二日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時四分散会