予算委員会 第9号
- 発言数
- 464 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 2016/02/08
会議録
○竹下委員長 これより会議を開きます。 平成二十八年度一般会計予算、平成二十八年度特別会計予算、平成二十八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑に入ります。 この際、お諮りいたします。 三案審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官向井治紀君、内閣官房内閣審議官高橋俊之君、公正取引委員会事務総局審査局長山田昭典君、復興庁統括官内海英一君、総務省大臣官房地域力創造審議官原田淳志君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○竹下委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。越智隆雄君。
○越智委員 おはようございます。自民党の越智隆雄でございます。 まず、当初予定しておりました質問に先立ちまして、昨日の北朝鮮によりますミサイル発射に関してお伺いをさせていただきたいというふうに思います。 昨日七日、日本時間の午前九時三十一分ごろに、北朝鮮が人工衛星と称する事実上の長距離弾道ミサイルを発射いたしました。一月六日の核実験に続く暴挙でありまして、国連安保理決議に違反するもので、地域や国際社会に対する重大な挑発行為でありまして、厳重に抗議、非難すべきものであります。加えまして、二度とこのようなことが起こらないよう、我が国としてもしっかり対応すべきものだというふうに思います。 この事案に関しましては、政府において種々の対応をしているというふうに聞いておりますが、きょうは、官房長官、防衛大臣、そして外務大臣にそれぞれ御出席をいただきましたので、これまでの政府の対応の事実関係と今後の対応について、お一人ずつお伺いをさせていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
○菅国務大臣 昨日の午前九時三十一分ごろに、北朝鮮が人工衛星と称する弾道ミサイルを発射しました。この弾道ミサイルは、沖縄地方上空を通過しましたが、我が国領域及びその近くの落下物は確認されず、自衛隊による破壊措置は実施されませんでした。 一月六日の核実験以降、北朝鮮が弾道ミサイルの発射を含む何らかの挑発行為に出る可能性は否定できない、そうした認識のもとに、政府としては、いかなる事態にも対応し、国民の安全、安心をしっかりと確保することができるように、関係省庁の局長会議、さらには国家安全保障会議、こうしたものを適時適切に開催し、一体となって対策に努めてまいりました。 昨日の弾道ミサイル発射後も、官邸対策室で情報を集約して、即座にエムネットやJアラートを活用し国民への情報発信を行いました。また、内閣危機管理監のもとに直ちに緊急参集チームを招集し状況の把握を行うとともに、国家安全保障会議を開催するなど、今後の対応も協議をいたしました。 北朝鮮に対して、国際社会と連携をして、毅然と対応していきたいというふうに考えています。 いずれにしろ、いかなる事態にも対応できるよう、引き続き、日米韓がしっかり協調すると同時に、国際社会と連携をして、国民の安全、安心確保のために全力を尽くしてまいりたいと思います。
○中谷国務大臣 防衛省・自衛隊におきましては、北朝鮮の打ち上げ表明を受けまして、万が一、我が国の領域に落下する場合に備えまして、イージス艦、PAC3部隊等に所要の措置をとらせるべく、弾道ミサイル等の破壊措置命令、これを発出しまして、万全の体制を整えてまいりました。 昨日午前九時三十一分ごろに北朝鮮からミサイルが発射された後、防衛省中央指揮所から官邸にその旨の速報を行いまして、また、発射に関する新しい情報を入手し次第、遅滞なく通報を行いました。 そして、その後、私から、被害の有無の確認の徹底、必要な情報収集、分析、そして引き続きの警戒監視に万全を期すること、この指示を与えまして、現在のところ、我が国領域で被害が発生したとの報告は受けておりません。 引き続き、必要な情報収集、分析に努めるとともに、警戒監視を実施するなど、国民の安全、安心、これの確保につきまして万全の体制を整えているところでございます。
○岸田国務大臣 外務省としましても、外務大臣を本部長とする外務省緊急対策本部を立ち上げて、北朝鮮のミサイル発射に備えてまいりましたが、昨日午前九時三十一分ごろ、ミサイルの発射を受けて、十時三分に、北京の大使館ルートを通じまして北朝鮮に厳重抗議を行いました。 あわせて、国連の安保理におきまして、米国、そして韓国とも連携しながら、緊急会合の招集を要求いたしました。そして、きょうの日本時間午前一時に安保理の非公式会合が開催され、全ての安保理理事国が北朝鮮によるこのミサイル発射を非難するとともに、協議後、さらなる重要な措置を含む新たな安保理決議を迅速に採択する旨のプレスステートメントが発出されました。 そして、私自身も、昨日の夕刻から深夜にかけまして、米国、韓国、フランス、ロシア、英国、そしてイタリア、さらにはアジアから国連の安保理の非常任理事国に出ておりますマレーシア、こういった国々の外務大臣と電話会談を行いまして、緊密に連携することで一致をいたしました。 引き続き、国連安保理において強い決議が採択されるよう対応するとともに、我が国独自の制裁についても速やかに検討していきたいと考えております。 G7の議長国、そして国連の非常任理事国としての責任をしっかり果たしながら、北朝鮮に対しまして、累次の安保理決議、さらには六者会合共同声明を誠実に履行するよう、しっかりと働きかけを続けていきたいと考えます。
○越智委員 ありがとうございました。 北朝鮮は、我が国にとりまして、目と鼻の先にある国であります。ぜひとも、米韓を中心としました国際社会と連携しつつ、また、日本独自の対応も施しながら、いかなる事態にも対応できるようにしっかり万全の体制で引き続き臨んでいただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。 官房長官におかれましては、記者会見があるというふうに聞いておりますので、御退席いただいて結構でございます。 それでは、当初予定しておりました質問に入らせていただきたいと思います。 先週で基本的質疑が三日間終了いたしまして、本日からいよいよ一般質疑ということでありまして、麻生太郎大臣を中心に質問をさせていただきたいというふうに思います。 きょう私からお伺いしたいのは、安倍政権になりまして三年余りがたちました。きょうは一般質疑の冒頭でありますので、この安倍政権の三年余りを鳥瞰的、俯瞰的に見ながら、これまでの安倍政権の取り組み、そして今の安倍政権の取り組みを確認させていただきたいというふうに思っております。 安倍政権には、私は、政策の設計図が複数、段階的に発出されてきたというふうに思っておりまして、一つは、安倍政権成立前の三党合意から始まるアベノミクス、経済財政運営についてであります。その次は、一昨年から始まりました人口、総人口の話であります。三つ目が、去年から特に力強く推進され始めた一億総活躍、暮らし方、働き方の部分であるというふうに思います。 こういった設計図が示されるということで、全体として方向性が見える、力を合わせやすいということ、そのことによって社会を変えやすくなる、パラダイムシフト、あるいは価値観の転換や枠組みの変更というのが起こりやすくなるということだというふうに思っております。 この設計図を示して実行していくためには、この設計図の意味合いとか内容をできるだけ多くの皆さんで共有していくということが必要だというふうに思いまして、改めて、三年余りたったこの時点でそれぞれ確認をさせていただきたいと思っておりまして、麻生大臣には経済財政の話、そして石原大臣には、経済財政担当ということで、経済財政諮問会議担当ということで総人口の話、そして一億総活躍は加藤大臣にお伺いしたいと思います。 まず、麻生大臣、私の考えからお話をさせていただいてよろしゅうございますか。 経済財政運営、この三年間を考えて、三党合意がありました。 三党合意というのは、経済成長が実現できた段階で消費税を引き上げるということで、経済成長と財政健全化の両立ということだと思います。 小泉政権のときは成長を目指して頑張っていましたが、あのときは消費税の引き上げはしないということでありましたので、今回はそれよりもハードル高く頑張るということであります。 また、成長率、名目で三%、実質で二%というのが、安倍政権といいますか、三党合意の枠組みだと思いますけれども、そのときに、従来の公共事業、予算出動でやるとこれまた財政にも負担をかけるので、それはできる限りやめようという世論や政策担当者の考えがあったと思います。 また、消費税の引き上げについて考えると、これまで三回やっているわけですけれども、当初の二回、八九年と九七年は直間比率の是正ということで、国民にとりましては負担がふえるわけじゃないということでありましたが、今回は、社会保障費を国民みんなで分担しようということで、そういう意味では、直間比率の是正じゃない形の消費税の引き上げというのが三党合意で盛り込まれたというふうに考えています。 加えて、人口減少。人口減少はここもとの話でありますけれども、生産年齢人口は九五年から減っている。最近では、ここ数年は、生産年齢人口は百万人規模で毎年減っている。 そういう中での今回の三党合意でありましたので、かなりハードルがたくさんある設計図、かなり果敢な挑戦であります。 そういう中で、市場が、まずは一二年十一月十四日の党首討論のときに円安あるいは株高という反応をして、その後の総選挙で安倍政権が成立をして、そして、その中で、企業業績の改善、あるいは雇用、賃金の改善。また、財政に至っては、来年度予算、税収が五十七兆六千億円程度というふうに聞いておりますけれども、考えてみますと、今までのこの国の税収の一番大きかったときというのはバブルのピークの九〇年の六十・一兆円でありますから、今それに迫るような税収規模になってきているということだと思いますし、国債発行額も、今累次の削減ができている。 こういった状況について、これまで安倍政権のど真ん中に座って、財務大臣、またデフレ脱却担当大臣、そして金融担当として陣頭指揮をとってこられた麻生大臣の所感といいますか、総括をお伺いできればというふうに思います。
○麻生国務大臣 まずは何がといって、やはりデフレというものは、これはデフレ好況もありますので、デフレ不況からの脱却というのが安倍政権発足当時からの最大目標であります。 デフレ不況から脱却する、それの一番に、では一体いつからデフレか。 これはいろいろ説が分かれるところと思いますが、一九八九年十二月の、最後の東証の日は十二月二十八日ですか、これで株は三万八千九百幾らつけたんだと記憶しますが、三万八千九百円の株が八千円ぐらいまで落ちておりますので、四分の一ぐらいに株はおっこちる。土地は、九〇年、九一年とまだ上がっていましたけれども、九二年から土地も下がって、土地も六大市街化地域の平均地価が一五%になった。一五%下がったんじゃなくて、一五%になった。早い話が資産のデフレーションが起きたというのが御存じのとおり。 結果として、企業は、デフレという、戦後初めて、昭和二十年、敗戦この方初めての状況に突入したことから脱却せんがためにいろいろ努力をされたんですが、利益の最大化というのを求めるのをやめて債務の最小化を図るという方向に方向転換されたのが九〇年から。各企業が借入金の返済を利益配分の最優先にされた結果どうなったかといえば、銀行は倒産ということになったのが九七年、九八年。多分、歴史的にはそういうことになるんだと思っております。 したがいまして、この状況は、企業にとりましては、皆、債務超過を起こしているわけですから、債務の超過を消すためには、借金の返済をやる、不良資産の処分をする等々やられた結果、さらにということになっていくんですが、ほぼ達成したのが二〇〇〇年の初めぐらいだったと思いますが、そのときにリーマン・ブラザーズというものの大きな破綻がありまして、これの与えた影響は極めて大きくて、世界じゅう金融収縮一歩手前というところまで来たのをいかに消すかというのが我々に与えられた一番大きな目的だったと思っております。 したがって、デフレからの脱却。したがって、そこに財政というか、経済政策を絞ったんです。結果として、GDPは約五百兆までに戻りましたので、二十七、八兆ふえたということになりましょうか。また、企業収益は経常利益で史上空前のものを出しましたし、また、その内容を配当とか賃金とかいろいろな形で企業が還元していくんでしょうけれども、賃金は少なくとも伸びたということですが、おかげさまで税収としては国税で十五兆、地方税で六兆ぐらい伸びておりますので、そういった意味では税収は伸びたということだと思います。 傍ら、財政の健全化もやらないけませんので、その件につきましては、財政の健全化というものをいろいろ取り組ませていただきまして、大まかに言えば、三年間で歳出の増加というものを、毎年一兆円ずつふえていくと言われた社会保障等々いろいろ抑えさせていただいて、トータルで一・六兆ふえて、新規国債発行は十兆円ぐらい減らさせていただくということができたというところが今までのところであります。 結果として、経済成長か財政再建か、いわゆるリフレ派か財政再建派かとよく言われたああいった時代もありましたけれども、今は両方を目指すという方向でそれなりの成果を上げ、目下、今後の目安を立てまして、その方向に向けて進ませていただいているという状況にあると存じます。
○越智委員 ありがとうございました。 ところで、防衛大臣と外務大臣におかれましては、もしよろしければ御退席いただいても大丈夫でございますので。 麻生大臣、ありがとうございました。 その中で、特にデフレ脱却のところについてちょっと深掘りしてお伺いしたいというふうに思うんですけれども、先ほどお話しいただいたように、久しぶりにデフレ脱却ができるかどうかというところであります。十五年ぶりとも二十年ぶりとも言われています。 逆に、このデフレの時代というのは、物の価格がずっと下がり続けるということでありますので、来年になったらちょっと物が上がっちゃう、例えば、エアコンが壊れた、エアコンが十万円、それが来年になったら十万二千円になってしまう、再来年は十万四千円になるといったら、壊れたら買おうかということになりますが、来年になったら九万八千円になるというふうにしたら、ことしはこの後、二月、三月しのぐか、来年買うかということで、デフレの時代というのはなかなか消費の決断ができない。これが長年続いてきたということでかなり異常なことだと思うので、そういう意味では、経済の体質改善ということで、デフレ脱却はとても大事だというふうに思います。 一方で、二年前の四月の消費税八%への引き上げのときに、私も、なるほどというふうに深刻に考えたのは、数字上のデフレ脱却と消費者心理のデフレ脱却、デフレマインドの払拭というのは違うものとして考えなきゃいけない。 CPIが、当時はある程度、少しずつ上がってきて上昇傾向でありましたけれども、ただ、実際には、消費税を上げてみたら消費ががくんと落ちたという中で、十五年、二十年、ずっとデフレ環境の中に生きてきた、生活してきた消費者としては、すぐさまデフレマインドからインフレマインドになるというのは難しいことだというふうに思います。 ですから、数字上のデフレ脱却と、あとはマインドの中のデフレマインドの払拭、これが両立して初めてデフレ脱却というふうに言えるんじゃないかというふうに思います。 そういう中で、大臣もさまざまなお取り組みをされていて、特に賃上げですね、消費税が上がって物価も上がるという今のアベノミクスの枠組みの中で、賃上げは本当に重要だというふうに思います。 政労使会議を開かれたり、あるいは官民対話があったり、あるいは直接、さまざまな場面で大臣が、いろいろな言い方を使いながら、特に、企業の内部留保を賃金に回せないかという働きかけをされているのを目の当たりにしてきていますけれども、この辺について、デフレ脱却とデフレマインドの払拭について大臣の御所見を伺いたいと思います。
○麻生国務大臣 今御指摘がありましたように、デフレマインドは極めて大きいです。 例えば、数字だけでいえば、初任給は二十万円で変わらない、十年たってもあなたは給料が上がらないわね、しかし、物価は下がっていますから可処分所得はふえておるという状況と、毎年給料は五%上がっているけれども、物価はさらにそれ以上に上がっていると。ならば、どっちが可処分所得が多いかといえば、それは間違いなく、デフレで二十万円でとまっている方が可処分所得はふえていることになりますが、マインドとしては、全然給料の上がらない亭主を抱えている奥さんの気持ちと、なかなかそれはちょっと一緒にはなりにくい、あなた出世しないのねという話になりかねませんから。我々国会議員の給与だってほとんど上がりませんから、似たようなものかもしれませんけれども。 そういった意味では、マインドは極めて大きいと思っております。 やはりそのマインドが一番抜けていないのは、多分、私は経営者と思っております。 経営の場合は、法人税が下がってみたりいろいろしましたので、石油の値段も下がった等々で、間違いなく、企業の収益は経常で史上空前ということになりました。問題は、その利益を何に使っているかということですが、通常ですと、賃金、配当、設備投資等々に回されるんですが、給料がそのままでじっとしておられると、物価が下がっていくわけですから、金の価値は上がっていくという時代を長いこと続けておられた方々にしてみれば、悪くないなというところなんだと思いますが、気分がというところなんです。 そこで、我々は、インフレターゲット二%ということを申し上げているんですが、なかなか、石油の値段が急激に下がってみたりして、そういった形にまでは至っておりませんけれども、それ以外のもの、石油とか生鮮食品を除いた通称コアコアと称するものでいけば、少しずつではありますけれども、一%台までは来ていると思っております。 問題は、企業の中で一番は、やはり、内部留保が二十五兆の二十四兆五千で約五十兆ぐらい、この二年少々でふえていると思います。昨年度の分がまだ出ていませんけれども、これを足しますと、もっとなると思いますので、この分が給与に回るということを考え、また配当にとかいうことになっていく、設備投資に回っていくというような形になって初めて好循環ということになろうと思います。 給料を上げるという話を我々が労働組合、企業との間に立って言うのはちょっと、社会主義国家じゃありません、統制経済をやっているんじゃありませんから、政府が企業に向かって給料を上げろと言うのは少々異常事態だ、私はそう思っておりますが、労働組合も政府に陳情、民主党に陳情されないで我々に陳情されるのはいかがなものかと申し上げたこともありますけれども。我々としては、少なくとも、そういった形で企業もこういった状況を考えたら上げていただかなきゃならぬということに関して、今は非常事態ですからという経団連の言葉で、結果として、企業も協力しますというところまで来たのがこれまでです。 引き続き、これはことしだけかもしれないということになるとなかなか財布のひもが緩みませんので、やはり継続的にということをつくり上げていくというのがこれからの大きな課題だと思っております。
○越智委員 ありがとうございました。 大臣が今おっしゃっていただいたように、継続的に賃金が上がっていくという中でデフレマインドが払拭されていく、このことをしっかりやっていかなきゃいけないというふうに思います。 加えまして、デフレ脱却については、フローの部分でいうと賃金のことが大事だと思いますし、ストックの部分でいうと、今までたんす預金が最も合理的な投資手段といいますか、資産形成手段というふうに言えたかもしれません、相対的な価値が上がっていったので。これからポストデフレ時代、インフレ時代になったら、そこはやはり貯蓄から投資へという流れを進めていかなきゃいけないと思いますので、ぜひ金融大臣としてお取り組みをよろしくお願いいたします。ここはちょっと質問をいたしません。 次に参ります。 二つ目の大きなテーマで、人口のことですけれども、ここは甘利大臣の後を引き継がれた石原大臣にお伺いしたいと思うんですが、安倍政権というのは、人口、総人口について真正面から議論を始めた、多分、最初の政権だというふうに思います。人口推計というのをどう推定するのか、どうシミュレーションするのかというのを本当に真正面に今議論しているというふうに思います。 個人的には、何年か前に、社人研、社会保障・人口問題研究所の出した人口推計のグラフを見たんです。改めて見てみて感じたことは、私の祖母が明治四十五年生まれだったんです、二年前に亡くなったんですけれども。当時五千万人です。今は一億三千万人弱で推移していて、それで、私の娘は実は七歳なんですけれども、長生きすると、例えば二一〇〇年になると五千万人になる。五千、一億三千、五千という図が描かれていて、実際にこの推移でいくとしたら、祖母の生きてきた人生と娘が生きていく人生は、同じ日本人でありながら大分違う日本を生きていくんだなということを考えて、これはある意味ではどうにかしなきゃならぬという思いになったわけであります。 そんなときに出会ったのが人口転換論という理屈で、どんな国も、発展していくと、多産多死、五人ぐらい産んで四十歳ぐらいに亡くなる時代から、最後は、少産少死、二人ぐらい産んで八十歳、九十歳まで生きられる時代に移って、その間で多産少死の時代があって、五人ぐらい産んで長生きできるようになって、そこで人口爆発が起きる、そんなような理屈をある人から教わりました。その少産少死の行き着くところは人口減少で、ヨーロッパの成熟国家はどこも一度は人口減少を迎えているので日本と一緒だが、日本の場合何でこんな急激な山形かというと、戦後の発展が著しく速かったから、その分人口動態も激しく変化しているんだということをある方から教えていただいたわけであります。 そんな中で、私が本当に頼もしいなと思ったのは、二年前の一月の経済財政諮問会議で「選択する未来」委員会という会が立ち上がって、そこで総人口の問題を議論して、そしてその後、五月には例の増田レポート、地方自治体の半分で二十歳から三十九歳の女性が二〇四〇年までに半減するというレポートが出て、そしてその翌月の骨太の方針、二〇一四年六月の骨太の方針に、明確に、五十年後に一億人程度の安定した人口構造を目指す、目指すというふうに書かれたわけでありまして、私はこれは本当に画期的なことだというふうに思っております。 そこで、改めてなんですけれども、石原大臣、これまでの安倍政権の人口、総人口に対する取り組みについての経緯と狙いについてお伺いできればと思います。
○石原国務大臣 ただいま越智委員と財務大臣の御討論を聞いておりまして、やはり委員御指摘のとおり、経済が発展していく上では人口というものは大変大きなファクターである、そして、それをこの安倍内閣としてどのように取り組んできたのか。 今委員は、経済財政諮問会議の「選択する未来」委員会のお話をされましたけれども、五十年後、一億人程度の人口を保持することを目指すとした理由は、大きく言って二つあるんだと思います。 一つは、今、越智委員は御自身のお嬢さんの例を出されましたけれども、若い方が希望をかなえられる社会の実現がやはり重要で、越智委員が育たれた時代よりもお嬢さんが育たれる時代が目標がないということではだめで、その目的を達成するためにはどうするべきか、やはり人口を維持していくということが重要である、これが一つでございます。二つ目は、人口構造をどうやったら安定させることができるのか。この二つが大きな目的ではないかと私は考えております。 そこで、人口推計などのデータを用いまして、五十年先の経済社会の将来展望を経済財政諮問会議の委員会で検討していただいたわけでございます。これも、これまでの委員の御議論の中に、デフレ脱却が視野に入ってきた、そして、そこが非常に肝要であると財務大臣が御答弁されておりましたけれども、こういうときこそ、やはり抜本的な少子対策などの改革に踏み出すべきだというふうに提言されておりますので、これにのっとって骨太方針に反映されたというふうに理解をしております。 骨太方針や地方創生、一億総活躍などの取り組みにこの提言を生かして、越智委員のお嬢さんが成人して育っていく期間に、やはり目標を持って、我々が感じ得たと同じようにいい社会をつくっていくために、人口というものをしっかりとこの経済政策の中で捉えていくというのが安倍内閣の仕事なんだと私は思っております。
○越智委員 ありがとうございました。 一億総活躍の政策パッケージの中で、新第二の矢で希望出生率一・八というのがありますけれども、その後、二・〇七、人口置きかえ出生率まで持っていく中で安定した人口構造を維持していかなきゃいけないと思うので、ぜひともお取り組みをよろしくお願いします。 これはちょっと麻生大臣にこの関連でお伺いしたいんですけれども、投資家や外国人と会話をしていると、結構、日本の人口の今後の道行きについて関心が高いわけです。人口というのは、経済規模、あるいは消費、生産、そういったものを規定するわけでありますし、また、生活水準や、国や社会の安定性、維持可能性みたいなのを考えていく上で、やはり投資をしよう、事業をしようという人にとっては、人口はどうなるんだ、減り続けるのかというところについては大きな関心があると思います。 そういう中で、一億人の安定した人口構造の話等をすると、ふっと相手が安心するという場面もあるわけでありますが、麻生大臣におかれては、G7ですとか、あるいはG20とか、さまざまな国際会議の場面等でそういった外国の要路の方々とコミュニケーションする機会があると思うんですけれども、今のような観点で何かお感じになったことがあるかどうか、その辺を教えていただければありがたいと思います。
○麻生国務大臣 G20等々の、いわゆる平場というか公式の場所において、人口減少という問題そのものが主な議題として設定されるということはありませんけれども、勤労世代人口の減少が日本経済の重要な課題ではないかということに関しては、各国はそれなりの意識を持っているんだ、私にはそう思われます。 したがいまして、私どもとしては、待機児童の解消とかいろいろなことをやっておるので、今まで日本の場合は、主に高齢者の方の福祉に偏り過ぎていて、いわゆる若い人に対する配慮等々が足りていなかったのではないかということが一つと、それから、女性の労働参加率というものが極めて低かったということもありますので、そういったところを我々は説明して、その点は高く評価をされていると思っております。 また、今、ワールド・アセンブリー・フォー・ウイメンでしたか、WAW!とかいうのが始まっていると思いまして、これは世界じゅうの結構な方々がこれに参加をしておられますけれども、こういった国際シンポジウムを日本でやっているのを高く評価されているところだと思いますので、こういった意味で、今、女性の労働参加率と、もう一個は、日本の場合は高齢者の方々の健康というか、労働意欲というものも含めまして極めて高いということもありますので、こういったところも含めまして、次の、人口減少がとまって一億人のベースというところまでできるように、私どもとしては引き続きそういった努力をしておるというところを各国には宣伝というか、事実を申し述べさせていただいております。
○越智委員 ありがとうございました。 本当に、WAW!は結構インパクトがあるようで、いろいろなところで話題になっているように思います。 それでは、ここから加藤大臣にお伺いしたいと思うんです。 一億総活躍政策というのは、私は今、経済財政と人口の政策形成過程みたいなものを振り返ってまいりましたけれども、三年たってたどり着いた三つ目の設計図というふうな印象を持っております。そういう意味では、経済政策と人口の問題の結節点にあるような設計図かなというふうに思っております。 どういうことかというと、人口減少、高齢化の進展の中で経済を伸ばそうと思っても、労働供給に限界が出てくる、また、将来不安があると、先ほどのデフレの話でもないですけれども、消費に対する意欲がなかなか出てこないというふうな話もあります。これが我が国の本源的な課題であって、これを解決することで真の成長へつながるということで、経済成長の果実をこうした人口や働き手がふえるための環境づくりに使って、そのことでまた経済成長していってという好循環をつくっていこうというのが一億総活躍政策であって、その中で、具体的な打ち出しとしては、全ての年代、全ての立場の人たちが地域でも、家庭でも、あるいは仕事場でも活躍できる環境づくりをしようということだと思います。 ただ、中身がかなり多くて、今までいろいろ取り組んできた政策が全部入っているようなイメージであります。 新第一の矢の中には旧三本の矢が全部入っているということでありますし、また、第二、第三のところは子育て支援や、あるいは介護政策、社会保障の問題が全部入っているという感じがいたしますが、その中で、特出しで象徴的に、希望出生率一・八と、あとは、ダブルケアの問題が深刻になってくる中で、介護離職をゼロにしようというのが出てきているんだというふうに思います。 第二の矢、第三の矢全体で見ると、新しい経済社会モデルの提示といいますか、新しい時代の働き方、暮らし方を示唆するというような政策パッケージになっているというふうに思っておりまして、私なりに、受けとめは、これまでの昭和型の暮らし方でいきますと、男性が朝から夜中まで働いて女性が主婦だったのが、男女ともに定時で仕事をして、そして夫婦共有、男女共通の時間がかなりふえる。一方で、子育てと介護の問題は残りますので、ここについてはさまざまな工夫をしていこう。加えて、この間、今回の政策パッケージの中から三世代同居、近居という概念が入ってきて、家族の中で支え合いできるものはやりませんかという打ち出しが入ってきたというふうに感じております。 そういう中で、担当される加藤大臣、一億総活躍というのは、どういう意味合いで、どういう狙いがあって、どういう内容なのかというのを端的にお示しいただきたいというふうに思います。
○加藤国務大臣 基本的な認識は、今、越智委員から御質問の中でお話があった、そういう認識に立っているわけであります。 この三年間で、特に経済を中心に、デフレ脱却をしながら、そして、賃金、雇用、そして、消費や設備投資というエンジンを回していこう、これはだんだん今動き始めてきた。 そして、経済のそうした果実を使って、もっと大きなエンジン、今お話しになった新たな社会経済システム、あるいは成長と分配という言い方をされています、その中に、具体的に、第二、第三の矢を通じて希望出生率一・八、介護離職ゼロという社会をつくることによってより多くの方に働いていただく。 そして、より多くの方が働くということは、量的なことだけではなくて、さらに多様な方々が働き始めることによってイノベーション、あるいは新たなサービス、商品、そうしたものが生まれてくる、それがまた強い経済をつくり上げていく。 また、そういう中で希望出生率一・八の実現に向けて動くことによって、先ほど御指摘ありました人口の問題に対して、まずそうした希望を実現することによって、ざくっと言うと、希望出生率という概念で一・八をまず目指していこうということで進んでいきたいと思っております。 そのために何をどうやっていくのかというときに、総理がおっしゃっておられますように、若い方も高齢者も、男性も女性も、難病や障害を抱える方、あるいは失敗をされた方、そういった方々においていろいろなニーズがあると思うんです。その中で、やはり、一人一人の希望を阻むあらゆる制約を取り除いて活躍できる環境を整備するという意味において、いろいろなアプローチ、いろいろな視点から、どういう阻害要因があるのか、どういうことをもう少し支えていけばより活躍していただける環境をつくり上げていけるのか、そういうのを多面的に議論していきたい。そして、春に向けて、ニッポン一億総活躍プランという中で明らかにしていきたい、こういうふうに思っております。
○越智委員 ありがとうございました。 一億総活躍というのは大変多岐にわたる難しい課題だと思いますけれども、日本の命運をかけた大きな大きなテーマだと思うので、ぜひ貫徹していただきたいと思います。 私からちょっと提案なんですけれども、時代が大きく変わります。人口がふえてきた時代から減っていく時代に入ります。あるいは、今、日本のGDPシェアは六パーです。十五年ぐらい前は一五パーぐらいでした。二〇五〇年には三パーになると言われていますから、海外との交流をもっともっと多くしなきゃいけない時代になってきます。 そう考えたときに、例えば、子供たちの十年後、二十年、三十年後、今の大人から教われないと思うんですね。あるいは、今四十代、五十代で、老後の生活を今から考えようといういろいろな動きがあります。六十代で月十万円稼げる方法を考えようという本が出ていたり。そういう意味では、今までは年金で生活するというのが基本だったのが、そうじゃなくなるかもしれない。年金はありますよ、最低限。それに加えてという話も出てくるかもしれない。 何を申し上げたいかというと、先々の日本の姿をある程度提示して、そして、今から将来に向けて準備するということをいろいろな形ですべきだと思うので、その辺についてもこれから御検討をしていただけたらありがたいなということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○竹下委員長 これにて越智君の質疑は終了いたしました。 次に、中野洋昌君。
○中野委員 おはようございます。公明党の中野洋昌でございます。兵庫県尼崎市選出でございます。 本日は、質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。 では、早速質問をさせていただきます。 まず、十八歳選挙権につきまして、私からは質問をさせていただきます。 本年夏の参議院選挙より、いよいよ十八歳選挙権が導入をされる見込みでございます。憲政史上、大変大きな大きな転換点となることしであるというふうに考えておりますけれども、私も、公明党の学生局長という役職をいただきまして、この十八歳選挙権に対してどう取り組んでいくか、こういうことに取り組んでおるわけでございます。現在、ボイスアクションということで銘打ちまして、若者向けの政策アンケートなども進めているところでございます。 他方、こうした取り組みをしていて非常に感じますのが、やはり若い方の投票率を上げていく取り組みというのもあわせて進めていかないといけないな、これを非常に痛感する次第でございます。 この投票率を上げる取り組みについて一つ事例を取り上げたいんですけれども、昨年四月の統一地方選では、幾つかの大学で、大学のキャンパス内に期日前の投票所を設置する、こういう試みがなされたというふうに聞いております。私も、具体的に、山梨大学でこういう取り組みが進んだ、こういう事例もお話を伺った機会もあるんですけれども、こうした取り組みがふえていくことで、学生の政治に対する関心というのも高まっていくのではないか、このように考えております。 そこで、高市大臣にお伺いをしたいんですけれども、キャンパスの中に期日前の投票所を設置する試み、こういうものを十八歳選挙権の導入に向けましてもっともっと進めていくべきではないか、私はこのように考えるんですけれども、大臣の御見解をお伺いしたいと思います。
○高市国務大臣 大学構内に期日前投票所を設置する取り組みにつきましては、若者の投票環境を向上させるというものでありまして、選挙権年齢の十八歳以上への引き下げが行われました中で、非常に有意義な取り組みだと思います。 今委員が御指摘くださいましたように、前回、統一地方選挙で複数の大学の構内に期日前投票所が設置されました。その設置とあわせて、学生の投票事務への起用ですとか、それから学生自身による啓発活動なども行われまして、これは大変意義深かったと思います。 総務省といたしましては、選挙権年齢十八歳以上への引き下げ、この公職選挙法改正の公布の後に、昨年七月に通知を発出しまして、各選挙管理委員会に対して、大学などと連携をして大学構内に期日前投票所を設置することなどについて協力を要請しました。 また、期日前投票者数の増加を考慮しまして、平成二十八年度政府予算案におきまして、本年の参議院議員通常選挙に係る期日前投票所経費を増額しましたので、市町村選管には、大学構内への期日前投票所の設置を積極的に検討してもらいたいと考えております。
○中野委員 ありがとうございます。 私もぜひいろいろな場面で、若い方がより政治に関心を持ち、そして投票をしていく、こういう取り組みを進めてまいりたいというふうに思いますので、どうかよろしくお願いをいたします。 続きましては、携帯電話に関して質問をさせていただきます。 若い方にいろいろなアンケートですとか、お話を伺うと、やはり携帯電話というのは非常に身近な問題でございまして、大変関心が高いわけでございます。 今や生活必需品となった携帯電話、以前から公明党はさまざまな提案を行ってまいりました。例えば、かつては、番号ポータビリティー、今では当たり前の制度になっておりますけれども、これがなかった時代に導入を求めて、一千万人以上の署名を集めたこともございました。また、直近では、スマートフォンが登場いたしまして、やはり通話、通信の料金が非常に高くなってきている、こういう御指摘もございまして、昨年、総理の方にも、また高市大臣のところにも私も行かせていただきましたけれども、携帯電話料金の引き下げに関連をして要望をさせていただいております。 携帯電話の料金といいましても、販売ですとか、メーカーですとか、いろいろな関係者の方もいらっしゃって、大変難しい問題であるというふうには思うんですけれども、大臣のもとでも報告書を昨年取りまとめられて、また、事業者の方にも要請をされまして、ライトユーザー向けの新料金プラン、こういうものも各社から発表されている、このような状況であるというふうに認識をしておりまして、大臣の大変な御努力に私は敬意を表したいというふうに考えておりますけれども、それ以外にも幾つか、やはり携帯電話に関する御指摘というのはございます。 例えば、一つ御指摘をさせていただきたいのが、現在の携帯電話の契約が二年縛りというものがございまして、二年間契約はしないといけない、一カ月更新期間があって、それを超えると自動的にまた二年縛り、こういう形のものが主流でございますけれども、これがやはり非常に不便なのではないか、こういうお声も強いわけでございます。 先日も、この二年縛りの更新期間を一カ月から二カ月に延ばそう、こういうプランも発表されたところではあるんですけれども、やはりまだ不便なのではないか。例えば、二年経過したら、一カ月前に通知を、こちらからお願いをすればその後はいつでも解約できるですとか、自動更新ではない契約プランというのもやはりないと、利用者にとっては非常に不便なのではないか、私はこのように考えますけれども、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○高市国務大臣 もう今委員がおっしゃっていただきましたとおりなんですけれども、携帯電話は、やはり災害時の対応ですとか、子供さん、御高齢の方々の見守りということを考えますと、国民生活にはもう欠かせない生活インフラになっているかと思います。 ただ、現在、いわゆるフィーチャーフォン、ガラ携と呼ばれるものもスマートフォンも両方ともお持ちじゃない方がまだ二割おられますし、スマートフォンの普及率も、何とか五割は超えましたけれども、先進諸国に比べると低い状況で、そういった中で改善を今進めてきたわけでございます。 今御指摘いただきましたいわゆる二年縛りの問題なんですけれども、これは、昨年七月に総務省の研究会から、期間拘束が自動更新しないプランを設けることが適当だという御提言をいただきました。ことし一月二十日にこの研究会を開催しまして、携帯三社から取り組み状況のヒアリングをいたしました。各社からは、本年三月以降に更新月を一カ月から二カ月に延長すべく準備中ということ、それから、提言を踏まえて、自動更新しない新プランの創設に向けて検討中というお話がございました。 総務省の方からは、この導入スケジュールをできるだけ早期に明確化すること、そして、早期に実現することを強く要請いたしております。
○中野委員 ありがとうございます。 スケジュールを早期に示していただいて、実現をするように強く指導する、こういう御答弁でございますので、ぜひ大臣のリーダーシップを発揮していただいて、そういった取り組みが進んでいくようにお願いを私の方からもさせていただきたいと思います。 また、今発表されているライトユーザー向けの新料金プランというものがございますけれども、やはり若い世代の方とか、携帯電話の通信を非常に多くされるんですね、ライトユーザーでないというか、そういう方が非常に多いのではないかというふうに思っております。ですので、こうした若い世代の方も含めて、より多様なユーザーの方にもっとメリットを感じていただけるようなプランというものが、やはり私は出てこないといけないのではないかというふうに強く感じておるところでございますけれども、これについても総務大臣の御意見を伺いたいと思います。
○高市国務大臣 御党からは、特に若い方々の声を反映した御提言を大臣室にもお持ちいただきまして、感謝を申し上げます。 そもそも、今回、携帯電話、主にMNPによって端末を購入する一部の利用者に対して、十万円近くもする端末を実質ゼロ円というような、行き過ぎた端末購入補助を行っている、その分が、ライトユーザーの方や長期ユーザーの方の料金に上乗せされているんじゃないかという不公平感、わかりにくさがございましたので、この改善をまず目的といたしました。 今回の取り組みは、こうした一部の利用者に対する行き過ぎた端末購入補助を見直して、委員御指摘の若者世代も含めて、より多くの利用者の方々にわかりやすく、納得感のある料金とサービスを実現するものです。 スマートフォン利用者の分布を見ますと、データ通信の実際の使用量は一ギガバイト未満という方が最も多いんですね。ところが、実際に契約をしてしまっているプラン、つまり使用できるデータ容量なんですが、これが七ギガバイトのところにピークがある。つまり、必要以上の契約をして高い料金を支払っているというケースが多いかと思われます。 今回、各社から発表されたライトユーザー向けプランを選択しましたら、月々の負担は、従来の最も安いプランよりも二割以上安い、五千円以下の水準になります。 ただ、今回、各社が発表されましたプランについては、私たちは第一歩の取り組みと思っております。 若い方々がデータ通信の使用量が多いというお話がございました。こういった世代に向けて、今、各社が、二十五歳以下を対象にした通信料金の割引でしたり、あと、無料でデータ通信量を増量するという学割キャンペーンを実施しています。これも有効だと思います。 それから、端末価格がすごくこれで上がってしまって、なかなか、若い世代の負担がふえるんじゃないかという御懸念もあるかと思いますが、総務省が現在パブリックコメント中のガイドラインにおいては、いわゆる型落ち端末については実質ゼロ円近くまでの値引きができるようにしています。それから、今後は、比較的低価格なSIMロックフリー端末の流通拡大、これが期待できますので、若い方々にとって幅広い端末の選択肢が確保できるように取り組んでまいります。
○中野委員 ありがとうございます。 大変さまざまな御提案、御提言というか、お話もいただきました。やはり携帯電話は生活インフラであるというふうに思います。この利便性、また負担感というものを下げていく試みというのは本当に大事だと思っております。 そういう意味では、私は、これから、無料の公衆のWiFi、これの整備を進めていくということが非常に大事だというふうに思っております。 これはいろいろな側面がございまして、携帯電話のユーザーの側からすれば、やはりこういう公衆の無料のWiFiというものがあれば、データの通信料というものを抑えることができる。いざ、例えばいろいろな交通機関であるとかいろいろな場面で何かを調べようとして、そういうところでWiFiが使えれば、データ通信料を抑えることができる。 そしてまた、WiFiというのは国際規格でもございますので、外国人の旅行者の方にとっても大変利便性が上がるものでございます。インバウンドの誘致という意味でも大変有効な施策であるというふうに思いますし、あるいは、そもそも通信事業者そのものにとっても、恐らく、通信の、データのトラフィックというか、これがどんどん年々ふえていく、これをWiFiの方でこっちに流していける、こういうことがあればそれぞれの各社にとって大変メリットが大きい、効果の高い施策になるのではないかというふうに私は考えております。 国としても、東京オリンピック・パラリンピックもございますし、この無料WiFiの整備というのはもっともっと加速させていくべきだ、このように考えておりますけれども、大臣、いかがでございますか。
○高市国務大臣 御指摘のとおり、無料WiFiにつきましては、訪日外国人の方々のニーズも高くて、その整備促進が急務となっております。 現在、総務省では、石井大臣のところの観光庁と協力をしながら、一昨年八月に、通信事業者、地方公共団体、それから交通、商業施設などのエリアオーナーが参加する協議会を設置して、整備促進に努めております。 現在、それによりまして、交通、商業施設における無料WiFiの普及が進みつつありますけれども、史跡、都市公園などの公共的な観光拠点についてはまだ整備率が低く、さらに整備を進めなければなりませんので、二〇二〇年までに全国の主要な観光拠点において無料WiFiを利用できるように、地方公共団体などへの支援をしっかりと行ってまいります。
○中野委員 ありがとうございます。 総務省と、高市大臣のもとと、やはり観光ということで、きょう来ていただいております石井国交大臣のところでも大変重要な施策になってくると思いますので、ぜひ推進をお願いしたいというふうに思います。 きょうは質問はいたしませんけれども、そのほかにも、今、高市大臣も少しおっしゃられました、格安スマホのようなMVNO、こういったものがどんどん普及をしていくとか、ほかにも携帯電話に関してはさまざま重要な取り組みがあると思いますので、ぜひ、大臣のところでリーダーシップを発揮していただきまして、引き続き取り組みを進めていただきたい、このようにお願いを申し上げる次第でございます。 最後に、石井国交大臣に来ていただきましたので、一問質問をさせていただきたいと思うんですけれども、下請取引条件の改善についてでございます。 アベノミクスの恩恵を津々浦々まで広げていくためには、大企業だけではなくて、中小の事業者あるいは小規模の事業者、こういった事業者の取引条件を改善していく、これが非常に大事であるというふうに考えております。 もちろん政府もこうした認識を持たれておりまして、政府全体としても、下請等中小企業の取引条件を改善するための対策を検討する会議を設置しておられる、そして、現在、大規模な調査を行っておられる、このように認識をしております。 私は、この方向性、この施策というのは非常に大事でありまして、この調査結果というものが出ましたら、これをもとにさらに対策を進めていっていただきたい、このように強く要望するものでございますけれども、他方で、こうした政府全体で行う調査というものは、全業種を対象とした非常に幅広い調査でございます。しかし、業種によってこの状況というものはさまざまではないかなというふうに思うときもございます。 例えば、重層的な下請構造だとよく言われますのは、建設業、あるいはトラックのような交通の産業、国交省が所管しておる業種でございますけれども、こうした業種の現状を伺うと、やはり、よりきめ細やかな各業種に応じた対策というものもとっていかないと、なかなか下請取引の改善というのは進んでいかないんじゃないかな、こういう思いがございます。 例えば、建設業の方にお話を伺うと、福利厚生費を収受できていない、あるいは適正な労務賃金の収受にはほど遠い状況だ、こういう話も伺いますし、物流業、こういうところでは、燃料費も含めてコストを転嫁させる、こういう交渉を荷主にしていくこと自体なかなか難しいんだ、こういうようなお話もよく伺うところでございます。 石井国交大臣はぜひ、こうした課題に真っ正面から取り組んでいっていただきたい、このようにお願いを申し上げる次第でございますけれども、国交大臣の方から御答弁をいただきたいと思います。
○石井国務大臣 御指摘のとおり、下請等中小企業の取引条件の改善に関する関係府省等連絡会議が設置をされまして、政府が一丸となって中小企業の取引条件の改善へ向けた取り組みが始まりました。 国土交通省といたしましては、昨今の状況を踏まえまして、重層下請構造と指摘をされております建設業、トラック運送業と、さらに旅行業、貸し切りバス事業を中心に、取引条件の改善に取り組むこととしております。 具体的には、まずは、それぞれの取引実態を正確に把握することが必要であります。中小企業庁が実施する業種横断調査と連携をして、国土交通省も業種ごとの取引実態の調査分析を行ってまいります。調査結果は三月をめどに取りまとめ、それを踏まえて改善に向けて具体的な対策を講じてまいります。 引き続き、関係府省等とで緊密に連携して、成果をしっかり出せるように取り組んでまいりたいと存じます。
○中野委員 ありがとうございます。 今調査をしていただいているところだというふうにお伺いをしましたので、それに基づいてしっかりと対策が前に進んでいくように改めてお願いをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○竹下委員長 これにて中野君の質疑は終了いたしました。 次に、玉木雄一郎君。
○玉木委員 民主党の玉木雄一郎です。 まず冒頭、昨日行われました人工衛星と称する北朝鮮のミサイル発射について質問をいたします。 まず、このミサイル発射は、我が国の平和と安全に対する重大な脅威でありまして、また国際社会、そしてその秩序に対する明白な挑戦であって、断じて容認するわけにはいきません。北朝鮮に対して厳しくまず抗議をしたいと思います。 その上で、まず政府にお伺いをいたします。 今回の実験は成功したというふうに分析をされておられますか。いかがでしょうか。
○中谷国務大臣 現在のところ、我が国の上空を通過したということでございます。これが人工衛星なるものであって、それが成功したものか等につきましては、現在、いろいろなデータを分析している最中でございます。
○玉木委員 二〇一二年にも同様の長距離弾道ミサイルとされる実験が行われましたけれども、前回と比べて、発射能力、こういった北朝鮮の能力自体が高まっていると分析しているのかどうか。詳細な分析はこれからだと思いますけれども、これまでの情報に基づいて、今回、北朝鮮はその能力を高めているのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
○中谷国務大臣 前回は、二〇一二年の十二月に射程一万キロ以上に及ぶテポドン2派生型の発射に成功しているわけでありますが、今回は、全ての落下物が、前回、一二年の十二月の発射の際とほぼ同様の地域に落下したものと認識しておりまして、今回の北朝鮮の発射におきましては、前回発射したテポドン2派生型に類似した弾道ミサイルを発射した可能性が考えられるわけでございます。 こういった射撃を通じまして、多段階にわたる推進装置の分離の技術、また推進の制御、姿勢の制御の技術、こういった技術を検証し得ると考えておりまして、長距離弾道ミサイルの開発を一層進展させる可能性はあると見ております。これがいかなるものであったか等につきましては現在検証をしておりますが、弾道ミサイルの開発をより一層進展させる可能性があると考えられるわけでございます。
○玉木委員 大臣、もう一点だけお伺いします。 さらに、ミサイル発射あるいは先月行われた核実験、こうした挑発的な行為が今後も続いていく可能性があるかどうか、その点についてはいかがでしょうか。
○中谷国務大臣 昨日、北朝鮮の声明によりますと、今後も継続していくということでございますが、我が方といたしましては、いかなる事態が発生することも可能性としては否定をいたしておりません。 しかしながら、今回のような発射におきましては、東アジアを初め国際社会の平和そして安全保障環境に対する挑戦でありまして、この点におきましては、自制をするべきであるということで、国連の決議といったことを累次発しておりますが、それにも従っておりませんので、国際社会といたしまして、こういった行為が行われないように、現在、国連を中心に検討されているということでございます。
○玉木委員 岸田大臣にお伺いします。 今、安保理で制裁の議論が行われているやに承知をしておりますが、それに先行する形で日本独自の制裁を科すつもりがあるのかどうか。現状について、方向性についてお答えください。
○岸田国務大臣 今回の北朝鮮の行動、一月六日の核実験に続いて長距離弾道ミサイルの発射を強行したこと、これは我が国の国民の平和と安全にもかかわる重大な脅威でありますが、北東アジアそして国際社会全体にとりましても深刻な脅威であると受けとめられています。 そういったことから、国連安保理において強い決議の採択に向けて努力が続けられているわけですが、我が国としましても、国連安保理の非常任理事国の一国としまして、ぜひ国際社会と連携して北朝鮮に強いメッセージを発することが重要であると認識をしております。 強いメッセージを発するために、総理の指示も受けまして、我が国独自の措置についても今検討を続けております。速やかにこの検討を行いたいと考えています。
○玉木委員 それは速やかにやっていただきたいなと思います。 私、昨年の六月、国土交通委員会でありましたけれども、拉致の問題に関して例の特別調査委員会が設置をされて、最初は、設置された同じ年の夏の終わりごろから秋の初めのころに一定の調査結果が来るということで、特別調査委員会の設置をもって我が国独自の制裁を解除しました。しかし、今に至るまで何の成果もないという中で、少なくともあの七月四日から一年たったときに独自制裁については速やかに復活すべきではないかということを提案申し上げましたけれども、そのときは引き続き見守りたいということでありました。私はこれは遅きに失したのではないかなと思っているんですが。 次にお伺いしたいのは、拉致問題への影響です。 そのときも、また拉致問題の進展があるという一種の期待の中で、制裁の復活はある意味ちゅうちょされた。いろいろな判断があったと思います。しかし、今回、いろいろな意味で、追加の措置を、日本独自の制裁措置をある種復活するということになれば、拉致問題の進展への悪影響が懸念されると思いますけれども、日本独自の制裁を科すことが拉致問題解決に向けてどのような影響を与えるのか。今後の拉致問題への影響についてお答えください。
○岸田国務大臣 拉致問題については、まず、相手のあることですので、これは予断を持って申し上げることは難しいところがあります。また、逆に、我が国が今後の見通しについて明らかにすることが相手の態度にも影響を与えることも考えられますので、具体的に申し上げるのは控えなければならないと思いますが、ただ、拉致問題あるいは我が国の北朝鮮に対する対応の基本方針につきましては、引き続き維持をしなければならないと考えています。 すなわち、我が国は、対話と圧力、そして行動対行動の原則のもと、日朝平壌宣言に基づいて、核、ミサイル、拉致、こうした諸懸案を包括的に解決していく、そのために何が効果的なのか、こういった考え方に基づいて対応を考えてきました。 そのうち、核、ミサイルにつきましては、今回の核実験そして長距離弾道ミサイルの発射、これを受けて、国際社会と連携しながら毅然と対応し、強いメッセージを発していかなければならないと考えています。 一方、拉致問題につきましては、引き続き、政権にとりまして最重要課題の一つであります。対話と圧力のうちの対話の部分については、我が国から対話を閉ざすことはしません。その上で、北朝鮮に対しまして、全ての拉致被害者の帰国を実現するためにしっかりと対応していかなければならないと存じます。 こうした基本方針だけはしっかりと維持しながら、具体的な対応を検討していきたいと考えます。
○玉木委員 我が国の側から対話の窓口は閉じないということでありますけれども、事実上、大変難しい状況に陥っているのではないかなと考えます。 やはり、行動対行動ということであれば、相手の行動が出てこない段階でこちらの制裁を緩めたり、あるいは相手のコミットメントが明確に得られない段階でこちらが何かを譲るというようなことは厳に慎むべきだと思いますし、拉致、核、ミサイル、この三点セットを包括的にいかに解決していくのか、これは大変難しい外交課題だとは思いますけれども、ぜひ、今回のこと、今非常に難しい局面に至っていると思いますけれども、拉致問題についてもあわせて、これまでの取り組みをさらに強化していただきたいと要望しておきたいと思います。 両大臣、ここで結構でございます。委員長、私から指示できないので指示してください。
○竹下委員長 両大臣、どうぞ退席してください。
○玉木委員 それでは、通告に従って質問したいと思います。 まず、日本銀行に聞きたいと思います。 前回、この予算委員会で、マイナス金利導入の情報が事前に漏えいしたのではないか、この問題を取り上げさせていただきましたが、その後、調査はどのように進展しておりますか。現時点での調査を御報告ください。
○黒田参考人 御指摘の調査については、決定会合開始から報道がなされた時刻までの間、報道された議論の内容を知り得た日本銀行の役職員及び政府関係者を対象として、当該報道機関との間における情報のやりとりの有無の確認調査を行ったところであります。 現時点までの調査によりますと、日本銀行役職員については、当該報道機関との間において情報のやりとりはなかったということを確認いたしました。他方、政府関係者については、当該報道機関との間において情報のやりとりはなかった旨の回答を得ております。 当該報道機関がどのようにして情報を得ることができるのかという点について、臆測に基づく報道である可能性も含め、引き続き調査を続けたいと思います。
○玉木委員 こんなことでうやむやにするんですか、総裁。前回もそうだったと思いますけれども。私、前回申し上げましたけれども、これは重大な問題ですね。 インサイダー取引には当たらないと言いましたけれども、もっと正確に言うと、日本銀行の株は上場されていますね。一般の方は御存じないかもしれませんが、日本銀行の株は上場株式です。ですから、インサイダー取引規制の対象株にはなります。情報を知って、重要事実を知って日本銀行の株を買ったときに現行法のインサイダー取引の規制対象になりますけれども、ただ、前回指摘申し上げたように、この株価や為替に影響を与える情報を知って、ETFにしてもあるいは個別株にしても、買ったらやはり利益を上げることは可能なわけであります。こういうことをいかに防いでいくのかというのは、日本銀行の信頼をしっかり確保する、その政策に対する信頼を確保する上でも極めて大事だから、私はこのことを申し上げているんです。 今、政府関係者についてのお話がありましたので、きょうは別件でお願いしてお越しいただいているんですが、高鳥副大臣、この政策決定会合に参加されていますね。 疑っているわけではないんですが、お伺いしたいのは、日銀からいただいた資料を見ると、政府出席者は議決中の十一時五十分から十二時五分の間まで退室しています。その後、この報道がなされるんですけれども。 高鳥副大臣にお伺いしたいのは、退室した際に、あなたかあるいは財務省の副大臣は、本省に何らかの指示を仰ぐために電話等の連絡はとっていますか。お答えください。
○高鳥副大臣 玉木委員にお答えをさせていただきます。 確かに、私、最近二回、この金融政策決定会合に出席をいたしておりますが、もちろん、入る前に外部との接触は一切禁止をされまして、携帯もお預けするということでございます。 議決をする前に日銀の執行部の方からの御提案をお聞きしまして、それについて内閣府としてどういうコメントといいますか意見を申し上げるかということについては、直前に内閣府の担当者と確認をするということになっております。それ以外に、一切、どこかと連絡をとるということは不可能でございます。 以上でございます。
○玉木委員 内閣府の担当者と確認をとるということなんですが、それはどのようにとられているんですか。
○高鳥副大臣 控室に専用の電話がございまして、それは、ほかには恐らくかけられないかと思います。私は自分でダイヤルしていないのであれなんですが、直接内閣府につながる、そういう電話がございます。それで連絡をとります。
○玉木委員 今明らかになったのは、内閣府につながる専用の電話があって、その電話を使って会話をしているわけですね。 もう一回伺いますが、この件に関して、高鳥副大臣は日銀から何か、問い合わせ、調査依頼を受けましたか。
○高鳥副大臣 事前に、今御質問の趣旨がちょっと私はっきり理解できなかったんですが、日銀から直接私にこの件に関して何か接触があったかということですか。直接ということであれば、お聞きしておりません。
○玉木委員 先ほど日銀総裁は、政府関係者にも調べたら、そういう何らかの情報が漏れたということはないというふうにお答えいただいたんですが、財務省や内閣府に本当に調査しているんですか。今、直接問い合わせがないと言っていますけれども、それはどうなんですか。
○高鳥副大臣 済みません。質問の趣旨をちょっと誤解しておりまして。 事前に何か日銀から接触があったかといえば、それはございません。その後に、今先生御指摘の問題について何か情報漏えいに関することがなかったかということについては、官房総務課長の方からヒアリングがございました。
○玉木委員 それは、副大臣自身に対して総務課長から問い合わせがあったということでよろしいですね。もう一回お答えいただけますか。
○高鳥副大臣 もう一度お答えいたします。 官房総務課長の方から私に対してヒアリングがあったということでございます。(玉木委員「ないという答えでよろしいでしょうか」と呼ぶ)もちろん、何もしておりません。
○玉木委員 今たまたま高鳥副大臣にお越しいただいていたのでお聞きしましたけれども、財務省の方は同様の調査を、副大臣あるいは秘書官、当該関係者についての調査は行っているという理解で、麻生大臣、よろしいでしょうか。
○麻生国務大臣 本件につきましては、私も含めて全面的に調査に協力をしているところですが、今、日銀の総裁が答弁をされましたとおりに、当該報道関係者とのやりとりはなかったということで、私どもの調査の結果でも、当該報道関係者とのやりとりはありませんでした。
○玉木委員 謎ですね。誰も漏らしていないのに、なぜこういうことが出るのか。 臆測記事を書いたということで済ませたいのかもしれませんが、私はそうではないと思いますよ。 これはしっかりと調査をして、もちろん財務省、内閣府、それぞれの関係部局にも改めて調査をして、徹底究明して報告をいただきたいと思います。総裁、究明がなされなければ私は聞き続けますし、総裁を呼び続けますので、当委員会に対してきっちりとした調査結果を報告することをお願いしたいと思います。 委員長、お取り計らいをいただきたいと思いますし、総裁、いかがですか。
○黒田参考人 現在、引き続き調査しておりますけれども、調査結果は対外公表したいと考えております。
○玉木委員 しっかりと調査をしていただきたいと思います。 次に、きょうは岩田副総裁にもお越しをいただいております。お伺いしたいのは、副総裁の過去の発言についてであります。これは過去、何度か国会でも聞かれていますが、改めてお伺いします。 副総裁は、就任時等において、二年で二%の物価安定目標を達成できなければ辞任するということまでおっしゃっていましたが、今回、四度目、あるいは三度目か四度目か解釈はありますけれども、目標をさらに延ばしました。当初の二年というターゲットからすると、およそ倍になっています。これでもなお達成できなかったことの説明責任を果たしているというのは、私はよくわかりません。 日銀、あるいは日銀の政策、そして我が国の通貨の信頼性を担保するために、潔く辞任されるべきではないですか。
○岩田参考人 目標が達成できない場合には、まず果たすべきは説明責任であるというふうに考えております。きょうも、その説明責任をきちっと果たしていきたいと思います。 まず、経済、物価動向や先行きについての見方を説明することは、中央銀行としての重要な情報発信だと考えております。 すなわち、我が国の物価について申し上げますと、生鮮食品を除く消費者物価の前年比は、このところゼロ%程度で推移しています。これは、二〇一四年夏以降の、原油価格が七〇%以上も大幅下落することの影響によるところが大きいと考えております。生鮮食品、エネルギーを除く消費者物価の前年比で見ますと、二十七カ月連続でプラスになっておりまして、最近では一・三%まで上昇しています。このように、物価の基調は確実に改善しております。 こうした生鮮食品やエネルギーを除く物価が今上がっておりますが、これをQQE、量的・質的金融緩和以前の十五年間と比べてみますと、QQE以前の十五年間はエネルギー以外の物価はずっと、ごく一時期を除いて下がり続けていたわけであります。 つまり、そういう意味でQQEは物価の基調を上げているというふうに考えておりまして、このように経済、物価動向をしっかり説明することは言いわけには当たらないと思っております。むしろ、日本銀行の信頼を維持するために重要なことだと考えております。
○玉木委員 驚きました。 まず、コアCPIの対象とするものの基準を後から変えるのは、私はおかしいと思います。これを申し上げたいと思います。 もう一つ、原油価格の影響とか外的な要因で物価をなかなかコントロールできないというのは、それは我々が言っていたんです、二年前、三年前から。私も言っていました。 私がなぜその説明責任を求めたかというと、副総裁はこういうふうにおっしゃっているんですね。今、原油価格の下落、二〇一四年夏以降の下落が大きいというのがその理由の大きな一つでしたけれども、二〇一四年九月、石川県での講演の中でこういうふうにおっしゃっていますね。 特定の財・サービスの価格の、これは上昇ですけれども、上昇が全体としての物価に対して最終的に及ぼす影響は一対一の関係として語れるものではありません、言いかえると、ミクロの変化を単純に積み上げても、マクロの変化を予想することはできないということですね。こうおっしゃっています。 私、岩田理論をこういうふうに理解していたんです。原油価格が下落します、そうすると生活のコストが下がりますから、ある意味その分所得が浮いたというか、ふえますから、その分他の財に対する需要が出ますから、ほかのものがより買われるので物価が上がって、それで全体としての物価の基調というのに個別の価格の上下動は影響を与えないというのが私は岩田理論だと思っています。 でも、今聞いたら、二〇一四年から原油というある財の価格が落ちたことによって全体が引っ張られて落ちるというのは、今まで言ったことと違うじゃないですか。今副総裁がおっしゃっていることが、私は常識的な判断だと思うんです。ただ、就任されたとき、その後の岩田副総裁の話を聞いていると、もっと言うと、よく覚えていますけれども、ベースマネーをふやせば予想インフレ率が上がるというあの正の相関のグラフを何度も見ましたけれども、要は、量的緩和をすれば期待インフレ率が上がって全て解決するという理論だったんじゃないんですか。随分変節されているような気がしますけれどもね。 どうなんですか。原油価格が下落したって、個々の財の価格の変動というのはマクロの大きな価格の変化には影響を与えないとおっしゃっているじゃないですか。でも、達成できなかったら、原油という一つの財の下落で達成できないと言うのは、私は説明責任を果たしていないと思いますよ。いかがですか。
○岩田参考人 今、石川県の講演のことを引用されましたが、基本的には、もう少し時間軸をとれば、そのとおりであります。つまり、原油価格が下がりますと、原油価格は七〇%程度下がりましたから、相当物価に対して下落圧力が生じます。それは他の財の価格が一定だという条件です。 しかし、今おっしゃったように、原油価格の下落は他の財に対する二つの経路を実は持って、他の財の価格に影響を与えますが、きょうは、時間がないということから、一つだけ申し上げます。 今委員がおっしゃったように、原油価格が下落すると、例えばガソリン価格が下がると家計に余裕が出ますから、ほかの財・サービスに対する支出はふやしてもいいと思います。ただ、それは原油価格の安定が十分になってからで、というのは、また上がってしまうという予想であったら、すぐにはほかの財に支出することは家計は控えますが、しかし、原油価格がこれまでずっと下がってこれで安定すると思えば、他の財への支出をふやしていきます。 しかし、それが他の財の価格を上げるのには時間がかかります。原油価格の下落が猛烈に大きいですから、原油価格の下落が物価を下げる力と、原油価格以外の財の価格が上がる力とが今せめぎ合っているわけです。このせめぎ合いのときに、他の財の価格を原油価格の下落を相殺してまで上げるためには時間がかかるのと、もう一つ、強力な金融緩和が必要だということで、今それをやっているということで、もう少し時間をいただきたいというふうに思います。
○玉木委員 二年で二%が達成できない理由としては、全く意味がわかりませんね。 さらに、岩田副総裁はこういうふうにおっしゃっています。二〇一三年、これはまさに就任時の会見の言葉です。よく聞いてください。「達成できなかった時に、「自分達のせいではない。他の要因によるものだ」と、あまり言い訳をしないということです。そういう立場に立っていないと、市場が、その金融政策を信用しないということになってしまいます。市場が金融政策を信用しない状況で、いくら金利を下げたり、量的緩和をしても、あまり効き目がないというのが私の立場です。」私もそう思いますよ。 これ以上聞いてもまた同じようなことをおっしゃると思うんですけれども、前回も黒田総裁にも聞きましたけれども、うそをつかない方がいいなと思うんです。もし言ったことが間違っていれば、それは素直に認めること、そして責任をとること、このことが中央銀行の信認とその政策に対する信認を維持し、そして通貨に対する信認を維持するんだ、このことは強く指摘をしておきたいと思います。 これはまた引き続きやらせていただきたいと思いますが、きょうは、総裁、副総裁、こちらで結構です。
○竹下委員長 日本銀行総裁、副総裁、お引き取りをいただいて結構でございます。
○玉木委員 それでは、続いて、これも前回の続きをやりたいと思うんですが、税収の底上げ、これについて伺いたいと思います。 前回、石原大臣は、上振れによって底上げができると答弁されましたけれども、私はよくわかりませんでした。上振れによって底上げができるということの趣旨と、そもそもの底上げの定義をもう一度教えてください。
○石原国務大臣 政府の統一見解を改めてもう一度申し述べさせていただきますと、税収の上振れについては、経済状況によって下振れすることもあり、基本的には安定的な恒久財源とは言えないと考えられる。アベノミクスによる経済の底上げによる税収増をどう考えていくかについては、経済財政諮問会議において議論していくとしている。 これも御答弁させていただきましたけれども、当初よりも上に行くことも下に行くことも経済状況によって変化があるということは申し述べさせていただきました。 そんな中で、この三年間、デフレではないという状況をつくり出して、名目GDPが増加して、雇用、所得の環境が改善している。アベノミクスによりまして、デフレ状況からデフレ脱却、経済再生に向けたトレンドに入っていて、このような中、経済のしっかりした成長による税収増も生まれてくると考えております。 諮問会議で、今御議論のありました経済の底上げによる税収増をどう考えていくか議論していく中で、経済や税収の安定性などについて議論してまいりたい。経済のしっかりした成長による税収増も生まれていると考えられているということでございます。
○玉木委員 お答えいただいていないので、もう一度伺います。 底上げの定義をもう一度お答えください。
○石原国務大臣 明確な定義ということではございませんように聞かれているかと思いますけれども、アベノミクスによりまして間違いなくデフレ状況からは脱却しつつある、しかし、デフレ脱却というところにはまだ至っていない。デフレ脱却、経済再生に向けたトレンド、そちらの方向性に入っており、このような中で経済のしっかりした成長による税収増が生まれてくると考えていることでございます。 〔委員長退席、平沢委員長代理着席〕
○玉木委員 お答えいただいていないので。 経済のトレンド、現状の政府側の認識はわかりました。デフレではない状況になってきているということなんですが。 そこで聞きたいのは、諮問会議にこれはお願いして議論してもらうので、何をお願いしていくのかという対象物の定義を明確にしないと、受けた諮問会議も大変だと思うので、改めて伺います。 底上げの定義を教えてください。
○石原国務大臣 同じような御答弁になって恐縮なのですけれども、先ほど申しましたように、経済の底上げによる税収増というものがどんなものなのか、経済や税収の安定性、すなわちこれが絶えず構造改革によって生み出されるものなのか、分析、検討を踏まえて経済財政諮問会議で議論をしていただく、こういうふうに考えております。
○玉木委員 上振れが恒久財源にならないというのは御答弁もいただいてわかったんですが、底上げというのがよくわからないんですね。底上げ。 麻生大臣は、底上げはどういうふうに定義されているんですか。
○麻生国務大臣 これは、政府統一見解と同じことを申し上げることになろうと思いますので、時間もあれですから、もう一回同じことを読み上げてももったいないでしょう。したがって……(発言する者あり)言われなくてもわかっていますから。アベノミクスによる経済の底上げによる税収増というので、底上げについて今財政諮問会議において議論をしていくということしか申し上げることはできないと申し上げております。
○玉木委員 今、石原大臣にもお伺いしましたし、麻生大臣にもお伺いしたんですが、統一見解には底上げの定義がないんですよ。だから聞いているんです。 上振れについては、経済状況によっては下振れすることもあって、基本的には安定的な恒久財源とは言えない。次です。アベノミクスによる経済の底上げによる税収増をどう考えていくかについては、諮問会議で議論と。なので聞いています。 ここに書いているアベノミクスによる経済の底上げによる税収増とは一体何を指すのか、お答えください。
○麻生国務大臣 今、上振れと底上げの差の話なんだと思いますが、いわゆる上振れについて文脈によりさまざまな使い方がされておりますのは御存じのとおりで、当初予算の税収見込みから決算等への増加分等々が上振れ、ある年度から翌年度への増加分も上振れ、何らかの試算値からの増加分ならば上振れというような、考え方がいろいろあるのは御存じのとおりであります。 そういった意味において、政府見解においては、この点に関しまして、経済財政諮問会議においてその点を議論していくということであって、今は定義が、きちんとしたものが確立しているわけではないということだと存じております。
○玉木委員 底上げの定義はないということなんですね。
○麻生国務大臣 基本的に、底上げの定義につきましても経済財政諮問会議において議論していくということだと御理解いただいたらいいんじゃないかしら。
○玉木委員 ちょっと、今驚きなんですけれども、上振れについては恒久財源と言えなくて、底上げについて議論してくれというんですけれども、議論してもらう底上げ自体が一体何なのか定義がない。これは何を議論するのか。諮問会議も大変なんじゃないですか。 私、なぜ何度も聞くか。これは大事なんですね。だって、もともとの話をすると、軽減税率を導入します、四千億については総合合算制度を廃止して財源が決まっていますと。残りの六千億、これは大きなお金ですね。この財源をどこから見つけてこなきゃいけないかという中で、これはもちろん恒久措置として軽減税率を入れますよね。恒久的な政策には恒久的な財源が必要だ、当たり前の話ですね。 それで、私が伺いたいのは、上振れ、もうこれは定義上ぶれているから、恒久財源になり得ないのは日本語からわかりますね。 一方で、底上げというと何か、底が上がっているので安定的にそれが永遠に続くようなイメージがあるんですが、先般、安倍総理が四つぐらい言われたんです。 一つは、法人税を払っていなかった企業が法人税を払い始めた、このうちまた払わないように戻らない企業というようなことをおっしゃっていました。要は、赤字企業だったんだけれども黒字になって、二度と赤字企業には戻らない、そういう企業なんですけれども、そんな企業を確定できるんですかね。だって、同じ企業だっていろいろ業績があったりして、黒字になったり赤字になったりしていきますよ。底上げの例としてイの一番に総理が挙げられたのが、赤字企業が黒字企業になって、また赤字に戻らないとか。こんなのは、安定財源ととても言えないと思います。 あと、国内回帰を進めた企業があって、それに対しての税収増と言うんですけれども、これだって為替のいかんによっては、一旦国内回帰を決めたってまた外に出ていくかもしれないし、それがグローバル経済というものだと思いますので、とても為替なんかで振れるような企業行動とか税収なんというのは安定財源になり得ないと思うんですね。 だから、幾つか挙げられたんですけれども、全く私はわからないんです。今、麻生大臣に聞いたら、定義がないと。定義がないものをどうやって議論できるんですかね。甚だ疑問であります。 麻生大臣、これは私の私見なので、ちょっと申し上げたい。資料の一と二を見てください。 二は、前回お示しして、リーマン・ショック前に戻っただけではないかというのが私の考えなんですが、ちょっと長いスパンで見てみました。 平成元年ぐらいからずっと税収を描いているんですけれども、上がったり下がったりなんですね。確かに、平成十九年のレベル。もっと言うと、五十兆を超えたのは、平成十二年にも超えていますし、近年では平成九年、ここは消費税を三パーから五パーにしていますから、ここから現在の同じような状況が続いていると思うんですが。 ここ数年上がったからといって、長いトレンドで見るとそんなに、これをまた新規の施策に回すほど底が上がっているとも思えないのと、前回指摘申し上げたのは、歳出が一定ならいいです、歳出が。ただ、もうここで何度も議論をされているように、社会保障関係費は人口の高齢化に伴ってどんどんどんどんふえていっているわけですね。この前も申し上げましたけれども、第一次安倍政権と比べても、この九年間で十一兆も社会保障関係費だけでふえている、そんな中で税収がやっと同じぐらいに回復してきた。 ですから、底上げではなくて、下にどんと底が抜けていたのが、もう一回底ができて通常ベースに戻ったというぐらいの、コンサバティブな見方の方が私は合っているんじゃないかと思うんです。 もう一つ、これでお伺いしたいのは、今のままの高い成長、内閣府が見込んでいるのをやっても、二〇二〇年、六・五兆円のプライマリーバランスの赤字があります。そんな中で税収が上がったからといってほかのものに使ったり、ただでさえ軽減税率というのは本来予定していた消費税が減る話なので、今回実は、一月に出た財政の中長期試算だと、やはり六千億分の財源がないのでPBは悪化しているんですよね。 なので、そういうことも踏まえると、底上げという、今聞いたように定義もできないものを恒久財源の財源に充てるのは、私は慎重にやるべきだと思うし、もっと端的に言うとやるべきではないと思うんです。麻生大臣も同じ考えだと思うんですが、いかがでしょうか。 〔平沢委員長代理退席、委員長着席〕
○麻生国務大臣 先ほども申し上げましたように、いわゆる社会保障関係の伸びというのがこのPBに関係する一番大きなところなんですが、高齢化による増加分というものについての伸びを抑えるということなどの歳出改革に全力で取り組んだ結果というのは、ある程度認めていただけるところだと思います。 それと、経済成長に伴います税収増。税収増は、今お示しいただいたその資料は合っております。間違いなく、長期的に見ればおっしゃるとおりなので、リーマン・ショック前、加えてそこに法人税の下げも入っていますので、いろいろな意味はありますが、傍ら、消費税等々は上がっておりますので、そういったものも考えて、両方で見なきゃいかぬところだとは思います。 いずれにしても、リーマン・ショック以前と比較して財政事情がよくなっていないということなので、二十四年度と比較されているんだと思いますが、それに比べまして、私どもとしては、新規国債を十兆円減らさせていただくなど、それなりの成果はやらせていただいていると思います。 今言われましたように、底上げというものの定義につきましては、その定義がどういうものであるべきか、どういうものを定義とすべきかといえば、いわゆる税収増等々によりますものだけを見て、軽減税率として、私どもとしては、上がり下がりのあるものに関しましては断固、恒久的なものではあり得ないということをずっと申し上げてきております。税収の上振れというものに関しましても、定義と言われれば、これは文脈によっていろいろな使われ方をしますので、この定義もなかなか言いがたいことがあります。三つ、四つ言い方を申し上げましたのと同じように、底上げにつきましてもいろいろな言い方はあろうかと思いますけれども、今のその点につきましても、財政諮問会議で討議をしていただくということにしかならぬのだと思っております。
○玉木委員 では、これは明確にお答えください。 私は反対なんですが、いわゆる底上げと言われる部分のうち、恒久財源とみなせるものがあるという理解でいいんですね。
○麻生国務大臣 私は、今の段階で、議論を財政諮問委員会でしていただきます前の段階で、安定的な恒久財源になり得るものがあるかないかと言われて、全くないということを言い切るということもできないと思っております。
○玉木委員 では、底上げというものの中で恒久財源になるものがあるということでいいですね、今のお答えは。
○麻生国務大臣 重ねてお答え申し上げます。 重ねての答弁で恐縮ですが、全くないと言い切ることもできないと思っております。
○玉木委員 ということは、あるものがあるということでよろしいですね。(発言する者あり)
○麻生国務大臣 行間をね。いやいや、行間をという表現はちょっと無責任過ぎるような言い方がしないでもありませんので。 重ねて申し上げますが、全くないということも言い切ることはできぬと思っております。今からちょっと、私どもの今の頭の段階で出てきているわけではありませんが、諮問会議の議論の中でそういったものが出てくる可能性がないとは言い切れないと思っております。
○玉木委員 よくわからないです。ますますわからないですね。 では、ちょっとお願いしたいのは、きょうこれを議論させてもらってもよくわかりませんでしたので、まず底上げの定義、そしてそのうち恒久財源と言える可能性のあるもの、ないもの、これを整理して政府統一見解を出していただきたいと思います。 その際に、安倍総理が四点ぐらい事例を出されましたけれども、それが今麻生大臣がおっしゃったような恒久財源に当たるのかどうか、この点についても統一見解を出していただきたい。このことを委員会に提出いただきたいと思います。 委員長、お取り計らいをよろしくお願いします。
○竹下委員長 後刻、理事会で協議をいたします。
○玉木委員 法人税のこの辺の増収については、私ちょっと一言申し上げたいのは、繰越欠損金の解消が進んできて、かなり税収が入ってきている部分があるのではないかと想像します。 総理は企業の実力が身についたことで税収増と言うんですが、そうじゃなくて、単年度、特にリーマン・ショックのときにどんと立った赤字を翌年度以降に繰り越して、その分、今これは最大九年間になっていますけれども、税の支払いを少し安くしていっている、これが解消されてきて、それで税収がふえていて、何か企業の実力がたちどころに変わっているものではないということも指摘をさせていただきたいと思います。 次に、TPPについてお伺いをします。 前回の同僚議員との議論の中で私聞いていてよくわからなかったので伺いたいんですが、森山大臣、農産物の輸出はTPPによってふえるんでしょうか。
○森山国務大臣 お答えいたします。 TPPによって輸出がふえる面もあると理解をしております。
○玉木委員 総理もそういう説明をしておられたので、当然、農産物の輸出もふえるということですね。 次にお伺いしたいのは、農水省の試算というか前提だと、安い輸入農産物が入ってきて国内の生産がそれに置きかわっていくということはないということで、生産量の変化はゼロ%ということだったので、その意味は、ちゃんとある種国境措置が守られたり、国内対策で輸入はふえないという理解でよろしいんですか。
○森山国務大臣 GDPが伸びますと、輸入がふえる可能性は否定できないと思います。
○玉木委員 農水省の試算で見ると、生産量の減少、これは前回のと比べたらわかるんですけれども、輸入の置きかえ分ということを前回はきちんと書いてあったんですよ。でも、ポンチ絵というか、絵を見ますと、輸入の置きかえが全くないという絵に全部なっているんです。 では、あの前提が間違っているということですか。
○森山国務大臣 間違ってはいないと思っています。
○玉木委員 ちょっとおかしいですね。 農水省がまとめた試算だと全部ゼロ%、ゼロ%になっていて、輸入への置きかえというのは、繰り返しになりますけれども、前回の試算は書いてあったんです、この分が輸入に入れかわりますと。今回は輸入への置きかえは全くない、全ての産品において。でも、今、大臣は輸入がふえることがあると。 農産物の輸入はふえるんですか、ふえないんですか、どちらなんですか。
○森山国務大臣 もう一遍御説明を申し上げます。 今回の農林水産省の試算では、個別品目ごとに分析をいたしました。交渉で獲得した措置とともに、体質強化対策による生産コストの低減、品質向上や経営安定対策などの国内対策により、平成二十五年三月の試算のように輸入品と国産品が置きかわることはなくて、国内生産は維持されるというふうに見込んでいるところでございます。 ただ、実質GDPの増加等によりまして、需要拡大から輸出入の増加もあり得るというふうには考えておりますけれども、農林水産物の国内生産が維持されるという前提でございます。
○玉木委員 意味がわかりません。輸入で置きかわらないのに輸入がふえるというのはどういうことなんですか。
○森山国務大臣 前提がございまして、実質GDPが増加をしていくという前提に立つと、輸入がふえるということもあるのではないかと予測しているということであります。
○玉木委員 これからどんどん人口が減少していきますね。米も毎年八万トンずつ需要が少なくなっている。そういう中で、国内生産は減らない、でも輸入はその分ふえる。そうすると、日本人はみんな食べる量がふえるということですか。あり得ないと思いますよ、そういう試算は。非現実的な試算に基づいてこの試算がつくられているのではないですか。理解できません。
○森山国務大臣 国内生産が維持される中でありましても、GTAPモデル上、嗜好品などの品目によっては、TPPにより実質GDPが増加することで需要が拡大をし、輸入が増加することはあり得るというふうに考えているわけであります。
○玉木委員 全く意味がわかりません。 最後に、これは石原大臣にお伺いしたいと思いますが、前回の質疑の中でこういうふうにおっしゃっています。農産物に関して、そのときのインプット情報として、農業の部分は輸出入プラス・マイナス・ゼロでございますと書いています。 ということは、輸出がふえる分マイナスが減って、ある意味当然ですよね、輸出がふえる分、輸出分の生産力がつきますからその分ふえるんだけれども、国内生産量が一定だったら、ある一部の部分が外国製品に置きかわらないと生産量の一定が保てませんから、その意味では、プラス・マイナス・ゼロということはそのとおりかなと思います。そうすると、今の森山大臣の話とちょっと矛盾するなと思うのは、輸入で一部置きかわるということが全く起こらないと農林水産大臣はお答えになるんですが、石原大臣の答弁、特に内閣府のものでは確かにそうなっていますが、これはプラス・マイナス・ゼロになって生産量が一定になるということなので、これは話が農林水産省と内閣府で矛盾しませんか。
○石原国務大臣 名目GDPというのは、言うまでもありませんけれども、一年間に、付加価値、どれだけのものを生産したかということの合算だと思います。そこには当然、輸入の部分はマイナスに作用します。今回のモデルでは、輸出と輸入を相殺されるという形でモデルをつくりました。 今、私、聞いておりまして、玉木委員が農林大臣と御議論をされていたのは、農産物には本当に複雑な国境措置がたくさんあります。そういうことがありますから、個別品目ごとに積み上げて、生産量、生産額の見込みを農水省で試算した、そういう話を農林大臣はされていた。 ですから、マクロの話と農林水産省が行った試算についての議論だったというふうに私は認識させていただきました。
○玉木委員 全くわかりませんね。 農林水産省は輸入に置きかわらないと言うんですけれども、内閣府の試算は、輸出がふえた分は輸入が入ってきて一部国内生産に置きかわると言っていて、矛盾しているんですよ。 これはぜひ統一見解を出していただきたいと思うんですが、同僚議員が後に控えていますので、引き続きこの問題はやらせていただきたいと思いますので、私の質問は以上で終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○竹下委員長 これにて玉木君の質疑は終了いたしました。 次に、福島伸享君。
○福島委員 民主・維新・無所属クラブの福島伸享でございます。 今の玉木委員の質問の続きを、玉木委員に成りかわってさせていただきたいと思うんです。 金曜日のこの委員会の質疑で、石原大臣はこうおっしゃっております。「農業の部分は輸出入プラス・マイナス・ゼロでございますが、それがなぜなるなどということは、個々のものを積み上げさせていただいているという整理でございます。」と。 農業は、TPPで輸出がどれぐらいふえる、輸入がどれぐらいふえるというものを品目ごとに積み上げて、それを差し引きした結果ゼロになるということをおっしゃっているということですね、石原大臣。
○石原国務大臣 先ほど玉木委員に御答弁させていただきましたとおり、TPPによりまして輸出と輸入の両方が増加するとして、当然、GDPの寄与分であります純輸出はほぼ相殺させるというのは、名目GDPの算出の上で当然でございます。しかし、TPPというのは、輸出も輸入も双方ふえますから貿易が拡大する、ある意味では経済は拡大する。 そして、今、後段委員が御指摘されましたことは、試算ということでこのように書かれております。関税率一〇%以上かつ国内生産額十億円以上の品目である以下十九品目農産物、十四品目の林産物として試算をしたと。 ですから、そこの部分については、もう農林水産大臣がお話をされているように、量でいいますとプラマイ・ゼロということなんだと思います。
○福島委員 ですから、それは、農産物の部分については、今読み上げた部分についてTPPの関税撤廃によってどれぐらい輸入がふえるか、どれぐらい輸出がふえるかというのを相殺して、差し引きしてゼロになっているということを石原大臣はおっしゃっているということでよろしいですか。イエスかノーかの話なんです。確認なんですけれども、どちらかで答えてください。
○石原国務大臣 何度もお話をさせていただいておりますように、貿易分析は、GDPがAという状態からBという状態になったとき、何がどう変わるか、どういう成長メカニズムによってなるのかということを分析しておりますので、当然、TPPにより輸出と輸入の両方が増加するという仮定を置いて、その中でのGDPの寄与分としての純輸出はほぼ相殺させるというのは、名目GDPの算出の中で当たり前のことを当たり前に申させていただいているだけでございます。
○福島委員 森山大臣もその認識でよろしいですか。
○森山国務大臣 福島委員にお答えをいたします。 今回の農林水産省の試算では、交渉で獲得した措置とともに、体質強化対策や経営安定対策などの国内対策により、国内生産量が維持されると見込んでおります。ここは今、石原大臣が御答弁いただいたことでございます。 一方、内閣官房の経済効果分析においては、農林水産省の試算で得られた国内生産の変化率、すなわち国内生産量が維持されるとの結果を外生投入し、経済全体の内外の需要増加や貿易変動も含めて推計をされたものであるというふうに承知をしております。 モデルの中で、実質GDPの増加等により需要拡大から輸入の増加もあり得ると思いますけれども、農林水産物の国内生産が維持されるという前提に影響を与えるものではないというふうに承知をしておりまして、輸入増加のケースとしては、先ほど御答弁を申し上げたことでございます。
○福島委員 いや、おかしいですね、まだ。GDPが伸びれば輸入がふえるわけですよね。それが、輸入がふえても影響を与えるものではないというのは、何を根拠におっしゃっているんですか。
○森山国務大臣 先ほど申し上げましたように、国内生産が維持される中であっても、GTAPモデル上、嗜好品等については、実質需要が拡大をし、輸入が増加することはあり得ると考えておるわけでございます。
○福島委員 輸入がふえるのに影響がなくて、輸入は一トンたりともふえないという農水省の試算を出しているのはなぜですか。 今おっしゃったように、お二人のお話を総合すると、TPPによって、GDPがふえて、輸入がふえるわけですよね。輸入がふえるわけですよね、今何度も言った。にもかかわらず、なぜ輸入は一トンたりともふえないんですか。その根拠は何ですか。
○森山国務大臣 輸入が増加することがあり得ると申し上げているわけでございまして、輸入が必ずふえるという前提で申し上げていることではありません。
○福島委員 石原大臣、内閣府の試算というのは、輸入が増大することもあり得る、輸出が増大するのもあり得るという可能性で回しているモデルなんですか。
○石原国務大臣 これは前回も福島委員と議論になったわけでございますけれども、GDPのGTAPという貿易の分析モデルが何を指すかということでございますけれども、名目としてどれぐらいの経済成長があって、それに至るには、このTPPという成長メカニズムが、どういうものが入ってきてこういう形になるかということを想定しているものでございます。 そうしますと、当然、名目GDPは一年間の国内の付加価値の合算でございますから、その分は輸入は削除する、ですからプラス・マイナス・ゼロであるというようなことを私は答弁させていただいているわけでございます。
○福島委員 だから、それは、輸出も輸入もふえるのを相殺するということだから、森山大臣がおっしゃるように、輸入がふえるかもしれないという話ではないわけですよ、このモデルは。 なぜこの話を言うかというと、きのうも私、若い農家の皆さんと夜ずっとお酒を酌み交わしながら意見交換しましたよ。はっきり言って、全く試算なんて信用されていないんですよ。誰が、これだけ関税が削減される中で、生産量が一トンたりとも減らないなんていう試算を信用できますか。ずっとみんなこれまで営農してきて、さまざまな自由化の荒波の中で生き続けてきた人ですよ。それぞれ苦労されているんですよ。その中で、生産量が減らないなんていう試算はおよそ信頼されないんですよ。この議論は、ずっとこのまま、TPPの批准に向けた議論をする限り、続いていくと思いますよ。 もっと現実的な試算をしっかり内閣府とも打ち合わせて出されたらいかがですか。初めから結論ありきで、農業生産量が一トンたりとも減らないという結論を出すために、そのために対策を講じるんだ、だからそうならないというのは、これは目標であって試算ではないわけですよ。 石原大臣、このことは、TPP批准に当たっての国民の信頼にかかわる問題ですよ。もう一度、私は、甘利大臣からせっかく石原大臣にかわられたんだから、これだけ国会で大きな議論になっていて、これまでのやりとりを聞いて、多くの国民の皆さんはちんぷんかんぷんだと思いますよ。もっと説得力のある試算に見直すおつもりは、石原大臣、ありませんか。
○石原国務大臣 今の福島委員と森山農林大臣との議論の中で欠けている点が私は一点あったと思ったのは、やはり、国内対策を全く何にもやりませんでしたら委員の御指摘のとおりになりますし、国内対策を行うことによって、農林水産省の出した試算は、生産量について言うならばプラス・マイナス・ゼロであるという試算で、それを内閣府はいただきまして、GTAPモデルでマクロ経済を分析したというふうに御理解いただきたいと思います。
○福島委員 いや、それは、国内対策が何か、まだわからないじゃないですか。幾ら講じるかだってわからないんですよ。わからないものの対策の効果を初めから見込んで、それを前提とした数値を入れてGTAPモデルを回すというのは、私はおかしいと思いますよ。ぜひそれは検討していただきたいと思います。 それでは、次の問題に行きたいと思います。 せっかく高鳥副大臣をお呼びしておりますので、きょうはお越しいただきましてありがとうございました。 甘利大臣が、ある意味命がけで、ずっとこの間交渉に当たられてきたんだろうと思います。がんに侵されながら交渉を行ってきて、本当にあのニュージーランドの署名式には甘利大臣は心の底から出たかったと思いますよ。 それにかわって高鳥副大臣が出られたわけでありますけれども、着物が本当によくお似合いで、いろいろな国の外交団の方からお声がけされたんじゃないですか。どうですか。うなずいている。大分お褒めの言葉もあったんじゃないかと思うんですよ。御自分のブログでも、アメリカ政府の交渉担当者の一人が日本大使館の関係者に、日本人は皆あのように礼儀正しい教育を受けているのかと質問したということですけれども、こういうのをブログで書くのは余り美しい日本人だとは思わないですけれども、こういうのを恐らく外交辞令というんだと思うんですよ。 そこで、資料一をごらんになっていただきたいんですが、高鳥副大臣のホームページからですけれども、ちょっとこれも見ながら。 これを張っていらっしゃいましたか、選挙区に。全然張っていらっしゃらなかった。わかりました。 「私はTPPについて国家主権の放棄であり、平成の「開国」どころか平成の「売国」だと考えている。政治家の中にもいろんな考えや判断があるけれど、TPP問題は日本を守る断固とした決意のある「保守政治家」か否かのリトマス試験紙みたいなものだ。」とおっしゃっているわけです。 この説に従うと、TPPの署名式に和服で参加した方というのは売国の政治家になるんじゃないかなと。リトマス試験紙が変わるような気がするんですけれども、ここまでおっしゃって、甘利大臣にかわって署名式に参加されたお気持ちはいかがなものでしたか。お聞かせください。
○高鳥副大臣 福島委員にお答えをさせていただきます。 御指摘のとおり、私がかつてTPP協定に反対をしていたことは事実でございます。 それは、あくまで、米を初めとするあらゆる産品に関して聖域なき関税撤廃を前提としていたこと、そして遺伝子組み換え食品や国民皆保険などにかかわる制度の変更に対する懸念があった。これはその当時、事実でございまして、この点に関して、TPP担当副大臣として着任後に行いました地方での説明会においても明らかにしているところでございます。明らかにしているというのは、私はかつてTPPに断固反対と申し上げてきたということを隠さずにお話をしております。 その後、十月五日の大筋合意に至りまして、公表されたTPP協定の合意内容を見てみますと、政府の強い交渉姿勢の結果、米については、国家貿易制度及び枠外税率が維持をされ、市場に影響が出ないように対策をとるということ、それからその他の産品につきましても、国家貿易の維持やセーフガードの維持などを獲得しまして、関税の完全撤廃の例外が確保されていること、そしてその他、遺伝子組み換え食品、国民皆保険等についても、制度変更などが求められるものではなく、懸念が払拭されたということが確認をできたわけでございます。 要するに、私が変わったというよりも、当初懸念されていた内容と交渉結果が別物になったということでございまして、私が国を思う、国益を思う気持ちは一貫いたしております。
○福島委員 余り美しい保守政治家の姿じゃありませんね。だったら、初めから条件つきで賛成だと言えばいいじゃないですか。聖域が確保されるなら賛成だということでしょう。だって、平成の売国とか、断固たる決意がある保守政治家か否かのリトマス試験紙だって格好いいことを言っているんだから。 今おっしゃったことは、要するに、この時点では、聖域が確保されれば賛成だということでしょう。はっきり言えばいいじゃないですか。こういうポスターじゃなくて、高鳥副大臣も自民党も、聖域が確保されるならTPP交渉は参加なんですと言えばいいんですよ、こんなはったりをかまさないで。 署名の後に、「先ほどニュージーランドにて閣僚会合の後、無事に署名式と共同記者会見が終わりました。」(発言する者あり)ちょっと黙ってください。「私一人に空港まで六台の白バイとパトカー、」すばらしいですね。人生でなかなかこういう経験もないと思いますよ。「上空からヘリコプターが警護に付く厚遇でした。ブルーチーズは美味しかったです!」いやあ、いいですね。 今回、ちなみに、ブルーチーズも交渉の対象になっていますけれども、ブルーチーズの関税ってどうなるんでしたっけ。
○高鳥副大臣 ブルーチーズの関税がどれだけかということは、今、通告をいただいておりませんので、即座にお答えできなくて大変恐縮でございますが、確認させていただきます。
○福島委員 だと思います。通告していないので答えられないと思いますけれども、私が言いたいのはそういうことじゃないんです。 ブルーチーズは、ちなみに、これも私が調べたからわかっているんですよ、初めから知っていると偉そうにするつもりはありません、十一年目までに二九・八%が一四・九%まで半減するんですよね、森山大臣。ほかにも、クリームチーズとか、恐らくチェダーとかゴーダもその場にあったかもしれません、これは十六年目で関税撤廃。 要は、私はきのうも酪農家と話をしていますけれども、生産量が減らないと言っているけれども、今もうかつかつなんですよ、酪農農家。特に、家族でやっている人は、休みもなく、毎日乳搾りをやったり、牛が病気になったり出産があったりとか、本当に大変なんですよ。 みんなこれを気にしていて、チーズの一部の関税が撤廃ですよ、重要五品目が。そう心配している多くの酪農家の皆さんがいる中で、ブルーチーズはおいしかったですと。一番乳製品を要求していた国はどこですか。ニュージーランドですよ。甘利大臣はニュージーランドとの酪農の交渉で闘っていたんじゃないんですか。そのニュージーランドに行って、ブルーチーズはおいしかったですということをおっしゃる感覚が私は理解できない。 保守政治家だと思うんだったら、その酪農家の思いを受けるのが保守政治家じゃないですか。ブルーチーズを食べておいしかったとつぶやいている場合じゃないですよ。何か御感想があればおっしゃってください。
○高鳥副大臣 お答えをさせていただきます。 まず、このブログでございますが、これは政府の公式見解ではございませんで、私が主に自分の支持者に向けて発信をしているものでございます。 そして、大変タイトなスケジュールの中で、署名式が終わるまで自分の携帯に触る時間も一切ないような状況で、空港へ移動する車の中で初めてそれを開けまして、自分が何とか元気にやっているということを短い時間の中でお伝えをしたいということで書きましたので、誤解を招いていることについてはおわびを申し上げたいと思います。(発言する者あり) その上で、今、政府代表ということでございますが、夕食会のときに私の席が、どういうことでお決めになったのかわかりませんけれども、閣僚テーブルの真ん中のところで、ニュージーランドのマクレー大臣の真向かいでございました。 夕食会でございますから、やはりほかの国々と友好的な雰囲気をつくるという中で、雑談の中で、まあ、デザートにチーズが出てきたことは事実でございます。それで、私は実はチーズは好きではないのです。でも、そのチーズを食べたらおいしかったものですから、ブルーチーズは私はきのうまで好きではありませんでした、だけれども、きょうから、ニュージーランドのチーズがおいしいということがよくわかった、こういうことを申し上げたら、相手の大臣も非常に喜ばれまして、そして、ニュージーランドでは新鮮な魚がとれるので日本食もとても人気がありますよと。こういう、国と国というのは最後は人と人ですから、友好的な関係をつくっていこう、そういうことのあらわれでございます。 しかし、御指摘を受けまして、誤解を受けるような表現については今後気をつけたいと思います。
○福島委員 話を聞いていて、何か悲しくなってきましたね。本当に涙が出そうになった。 国を売ろうと思って売ろうとする政治家はいないと思いますよ。一番問題なのは、国を売る意思もないんだけれども、愚かさゆえに国を傾かせてしまうということが私は一番問題だと思います。 残念ながら、今の答弁を見ていて、本当に酪農家の思いを背負って交渉するような人だとは思えない。このような副大臣で、これからずっとTPPの批准に向けて、場合によっては特別委員会も設置するかもしれませんけれども、審議していかなければならないわけですけれども、石原大臣、大丈夫ですか、こういう副大臣で。いかがですか。
○石原国務大臣 私は、高鳥副大臣をお父様ともども大変存じ上げておりますが、意思が強く、そして国を思う、本当にすばらしい政治家だと思っております。
○福島委員 というのは、これまでようやくこの本四冊分の協定の和訳が出てきて、さらに、どういう交渉を我が国がやってきたかというのを国会審議を通じて明らかにしていかなければなりません。先ほど来問題になった試算の妥当性もありますし、一体日本は何を国益として獲得したのか、守るためにどういうことをやってきたのかということを国民の皆様方の前で明らかにしなければ、私は国民の皆さんの多くは納得できないというふうに思っているんです。 そうした意味で、先日の三日の委員会で、私の質問に対して総理は、交渉についての質問があるとすれば、それは当然、担当大臣であります石原大臣が答弁いたしますとお答えいただいておりますけれども、今後の答弁において、石原大臣、直接交渉には当たっていらっしゃいませんけれども、事務方などから聞く範囲の中で、交渉の過程というものについて明らかにしていただけますよね、どうですか。
○石原国務大臣 委員が御指摘のとおり、交渉でございますので、さまざまな交渉経過というものがあると思いますけれども、これももう委員御承知で御質問されていると思いますが、このTPP交渉に参加する前に署名した、甘利大臣の言葉で言いますと秘密を守る、霞が関の言葉で言いますと保秘契約、これによって、交渉のときの具体的なやりとりは各国とも明らかにしない、そういうことを約束して交渉に臨み、そして経過があって、今回出ている結果が、委員が御指摘になりましたその厚い報告書でございますけれども、それが全てであると理解をしております。
○福島委員 ということは、この保秘契約に基づいて、交渉の過程というのは明らかにできないということなんですか。
○石原国務大臣 これも、委員はこの問題の専門家でございますので、そのやりとりも含めて、経過については、誰がどう言ってこう言ったからこうなったといったような相手国のある話はお話しできないというのが大原則だと考えております。
○福島委員 我が国がこういう方針を持って交渉を行ったということすら言えないということですか。
○石原国務大臣 私も、足らざるところを、これまでの委員の閉会中審査等々の御議論を読ませていただいたのでございますけれども、甘利大臣も、どういう姿勢で交渉に臨んだか、こんな話はされております。そういう点については聞いておりますので、これからもお話をさせていただければと思っております。
○福島委員 ニュージーランドの首席交渉官が出した保秘契約のテキストというのは、手紙というのは、一つは、ネゴシエーティングテキスト、交渉中のテキストですね、あと、プロポーザル・オブ・イーチ・ガバメント、政府からの提案書ですね、あと、アカンパニーイング・エクスプラナタリー・マテリアル、それに付随する文書、Eメール、こうしたものについては相手国の同意なく出してはいけないというふうにされております。 でも、これにかかわらない、我が国はこういうことを要求しましたよということは、別にこのレターでは禁止されていないと思うんですけれども、そこは出せますか。
○石原国務大臣 我が国のものを何だということになりますと、それに対して何であるよというような反論を必ず思い起こしてしまう、想起してしまいますので、その点も含めて出せないということで御理解をいただきたいと思います。
○福島委員 いや、それでは、これからの国会審議できませんよ。私もいろいろこれからお聞きしたいことがいっぱいあったんですけれども、交渉の過程が一切出せないというのだったら質問にならないじゃないですか。一切出さないんですか。
○石原国務大臣 交渉でございます。経過があるということは私も重々承知しておりますけれども、例えば、先ほど来議論になっております農産物の関税率の問題についても、オファーとリクエストのキャッチボールの中で、関税の削減期間、チーズの話がございましたけれども、何年目までかち取ったとか、そのためにどこの国が何とか言ったというような話を含めて、これは国際的な約束事でございますので、出せないということで御理解をいただきたいと思います。
○福島委員 この約束事というのはどのぐらい拘束力があるんですか。日本国の法律よりも拘束力があるものと考えた方がいいんですか。
○石原国務大臣 先ほど委員が保秘契約のレターについて英語の原文を御紹介いただきましたけれども、このひな形がどういうものであるかということも含めて、あることは承知しておりますけれども、お答えできないというのが政府の立場でございます。
○福島委員 このニュージーランドの首席交渉官が出した文書の性格は、その存在すら言えないというんですか。それはおかしくないですか。どういう法的位置づけなんですか。
○石原国務大臣 もう少し詳細にお話をさせていただきますと、交渉の過程を明らかにしてはならないというこの保秘契約は、交渉の最中の文書を一定期間開示しない、そして、各章の規定がどういう趣旨で設けられたか、協定の内容の詳細について、そういうことについては、必要な御質問に対して丁寧にお答えをさせていただきたいと考えております。
○福島委員 この文書の拘束力はどのぐらいあるんですか。我が国の法律よりもこの取り決めの方が上位に当たるんですか、下位に当たるんですか、無視していいものなんですか、何ですか。
○石原国務大臣 国際交渉と国会での御審議のありようでございますが、この交渉に参加をするというときに政府として約束をしていることでございますので、政府としてはその約束を遵守してまいりたいと考えております。
○福島委員 私は、これからTPPの議論はしばらく続くと思います。どこまでの情報を出せるか出せないのか、正確にきちんとルールを決めた方がいいと思っております、紙で。何ができて、何ができないのか、この文書の性格も含めて。 私は、そのルールを決めることをぜひ委員長にお取り計らいいただきたいと思っております。
○竹下委員長 後刻、理事会で検討いたします。
○福島委員 それとともに、私は、このレターというのは、条約じゃないですから、国内法より上位に当たるとは思いません。 我々は、同僚議員との相談でもありますけれども、この国会に法律として、交渉の過程をオープンにさせる法律というのを出させていただくことを検討したいと思いますので、ぜひその点についても今後御審議をいただけたらと思っております。 その上で、次の問題に行きます。 これも前回の続きなのでありますけれども、石原大臣の前回の答弁で若干あやふやな点がございましたので、その確認の意味も含めた御質問をさせていただきたいと思っております。それは、七年後の再協議の部分のことについてです。 資料の二というものが、前回と同じ資料であります。 二月三日の審議で、附属書二のD、日本国の関税表9(a)で、七年後に農産物の輸出国と関税撤廃に向けた再協議の義務があることを示しました。 石原大臣はこのときの国会答弁で、次の資料三にございますけれども、守るべきものは守るという観点から、我が国は関税交渉において、本当に多くの品目の関税撤廃を守ったじゃないですかとした上で、黄色い線ですけれども、ということはどういうことかというと、七年間は、米をすぐ開放しろ、豚肉を全部入れろということがないということだと私は理解しておりますということをお答えになりました。 そうすると、七年後は、やはり関税撤廃に向けて、こうした輸出国、オーストラリア、カナダ、チリ、ニュージーランド、アメリカ等から関税撤廃に向けた協議の申し入れがあれば、それは応じなければならないということでよろしいですよね。
○石原国務大臣 これも専門家である福島委員は御承知のような御質問だと思うんですけれども、TPPに限らず通商交渉においては、見直し、再協議に関する項目が提示されているということが一般的であります。TPP協定案においても、複数の分野で見直し、再協議に関する規定が設けられている、契約書のひな形みたいなものがあるということでございます。 委員御指摘のとおり、関税についてでございますけれども、物品貿易のチャプターのところで、関税撤廃時期の繰り上げについては、時期を明示せず、要請があれば協議するとの規定があります。 一方、守るべきを守るという観点から、我が国は、関税交渉において、多くの品目について関税を撤廃しない、特に農産品でございますけれども、関税割り当てや新たなセーフガードの創設や国家貿易を守るということを活用するとしたわけでございます。 こうした措置について、協議については、今委員が資料で御指摘された、本文に規定せずに、TPP協定の発効から七年がたった後、または、第三国、関税地域に特恵的な市場アクセスを与える国際約束の発効、改正のために必要となる法的手続が完了した後、相手国からの要請に基づき協議を行うとの規定を、当該内容に合意した国、オーストラリア、カナダ、チリ、ニュージーランド、アメリカの五カ国との間で相互に設けることとしたというのは、委員の御指摘のとおりでございます。
○福島委員 なので、七年後には、これらの国から再び関税撤廃の要求を受けた場合は協議をするということでよろしいんですね。イエスかノーかでお答えください。
○石原国務大臣 先ほどちょっと長々と附属書の方の文言を御披露させていただきましたとおり、協議をするということでございます。
○福島委員 協議の過程はさっき答えられないと言いましたけれども、複数の特に農産物輸出国から、関税の交渉について附属書でこのような条文を突きつけられている国は、TPP加盟の署名国では日本だけなんですよ。 何で日本だけにこんな要求が突きつけられて、このようなものをのむことになったんですか。お答えください。
○石原国務大臣 これも先ほどから御答弁させていただきますとおり、交渉の過程というものは明らかにすることが、申しわけございませんができません。 しかし、こういう結果になったということについて、御質問がございましたら丁寧に御回答させていただきたいと思います。
○福島委員 だから、こういうことになるからルールを明確にしましょうと言っているんですよ。これで全部答えられたら国会審議になりませんよ。これからTPP関連の法案とかTPP協定の批准に向けたものについて、どうしてこうなっちゃったのということに答えられないんだったら、国会審議はもたないじゃないですか。だから、私は、きちんとどこまでの情報を出すかというルールを決めてほしいと思います。 そして、先ほど高鳥副大臣も聖域を守ったとおっしゃいますけれども、例えば、日豪EPAでは譲許表の中で明確に、米というのは関税撤廃の対象から除外されているんですよ。米韓FTAでは、これも評判の悪い協定ですけれども、関税にかかわる義務を適用してはならないと明確に書かれているんですよ。これが除外ということ、聖域を守ったということですよ。 このTPP協定でも、附属書の二のAというのがありまして、内国民待遇の例外というのがいろいろな国に、列挙して書かれております。例えばカナダの丸太の輸出とか、そういうのをずらっと掲げているんですよ。この項目は、日本だけというか、シンガポールもないですけれども、日本は、国として、こうした内国民待遇の例外みたいな規定はありません。つまり、聖域というものがどこにも書かれていないんですよ。除外になっていないじゃないですか。 全ての品目が関税撤廃に向けてずっとこれから交渉の対象になり続けるということで、どうして聖域を守ったなんと言えるんですか。私は、これまでに日本が結んだことのない、譲歩をして、聖域が失われた条約と言わざるを得ないと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○石原国務大臣 これも委員御存じの上で質問されていると思うんですが、協定、経済連携協定というのは相互主義なんですね。 アメリカの附属書二—D、関税率表のところを若干読ませていただきたいと思うんですけれども、米国及び他の国または関税地域の関連する法的手段、米国が当該他の国または関税地域に対して特恵的な市場アクセスを供与する国際協定またはその改正の効力発生に必要とされるものが完了した後、日本国の要請に基づき、米国及び日本国は、原産品に対し、当該国際協定において当該原産品と同じ品目に分類される産品に与えられるものと同等の待遇を付与する観点から、米国が日本国に対し行った原産品の待遇についての約束について検討するため協議する、米国及び日本国は、別段の合意をする場合を除くほか、当該要請の日の後、一カ月以内に協議をする。 このように、日本側からもアメリカに対して同じようなことができるという相互主義になっているということで、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
○福島委員 今言っていることは、多分、聞いている人はよくわからないと思うんですよ。林大臣も今寝ようとしていたので。 もうちょっと簡単に、御自分のお言葉で、今の条文はどういう条文か、もう一度御説明いただけませんか。
○石原国務大臣 相互主義ということで、日本側もアメリカに対してお話ができるということでございます。
○福島委員 今の条文の意味というのは何だか全然私もわかりませんでしたけれどもね、聞いていて。 では、本当にアメリカに対して何を要求するのかという具体的なことをお伺いしたいと思っております。 きょうは、関税じゃなくて、ルール分野でどういうメリットがあったかということをお聞きしたいと思います。 資料四、これも前回の私の質疑で用意させていただいたペーパーでございます。 前回の試算では、関税率の引き下げという外生変化をもとにGTAPモデルを回したんですが、今回は、貿易円滑化とか非関税障壁の削減というのも前提条件に置いてGTAPモデルを回した。これは、関税を置いた場合と、それに加えて、貿易円滑化、非関税障壁削減という新しい前提を置けば、当然、どれぐらい成長するかという数字はかさ上げされると思うんですけれども、貿易円滑化とか非関税障壁削減によって、どのぐらいTPPによって貿易が拡大する、そういうふうに試算しているんでしょうか。
○石原国務大臣 これも前回の議論で福島委員と議論をさせていただきましたが、十四兆円GDPを押し上げる、すなわち二・六%の拡大ということを試算させていただいているところでございます。
○福島委員 そのうちの非関税障壁とかルール分野によるものというのはどのぐらいになりますか。
○石原国務大臣 これは、GTAPという貿易の経済分析モデルの中で積み上げたものを鉱工業製品では入れていない。それはすなわちどういうことかと申しますと、日本はもう既に鉱工業製品の九九・九%を過去のEPA等々で関税をゼロにしております。そういう意味では、この分野においては、守りではなくて、守るものがもうないということでございます。ですから、そういうものを特段考慮する必要はないのではないかと考えております。
○福島委員 ちょっと議論がかみ合っていないんですけれども、前回はその貿易部分だけを入れた試算だったんですよ。今回は貿易分野に加えて、貿易手続とかルールの分野も新たに前提に入れて計算して、その分、GDPの伸びとか貿易の伸びがかさ上げされているわけです。前回に加えて、新たに入れたことによってどれぐらいふえているんですかということをお聞きしているんですけれども、どうですか。
○石原国務大臣 当然、かさ上げになると思います。 平成二十五年のモデルは、関税が全て撤廃されるという前提で、これも先ほど議論になりましたけれども、対策を一切打たないということでございますので、数字で申し述べさせていただきますと、先ほど十四兆、二・六%という数字をお示しさせていただきましたけれども、それを、何もしない場合は、先ほどのように関税の撤廃、即全て撤廃されるという試算でございますと、GDPを〇・三四%、金額ベースで一・八兆円拡大するということで、かさ上げという委員の指摘のとおりだと思います。
○福島委員 そのうち、非関税障壁に当たるものはどのぐらいなんですか。
○石原国務大臣 先ほど貿易に関するGTAPの経済分析モデルのお話をさせていただきましたが、その点については考慮をしておりません。
○福島委員 だから、結局、わからないんですよ、全部。非関税障壁の貿易効果があると言いながら、それがわからない。だから、やはりこれは国民の率直な疑問に答える試算に全くなっていないんですね。この点から見ても、先ほど申し上げたように、もう一度試算を、国民にもっと説得力のある、国民のなぜに答えるようなものにしていただきたいと思います。 その中で、具体的なものについてお伺いをいたします。 経済産業省は、毎年、不公正貿易白書というのを出しております。先ほど、アメリカととったとられたの関係だということなので、これまで日本がアメリカに対してこれだけの不公正な貿易があると毎年出しているようなものがあるんですよ。 そのうちの一つの代表的なものはアンチダンピングと言われるものです。これは、WTO上、ダンピング防止措置として、それぞれの国が相殺関税などをとるということを認められた権利なんです。 ただ問題は、アメリカという国は、このアンチダンピング、どういうものをアンチダンピングに算定するか、認定するのかという計算基準を、これは技術的なのできょうは議論しませんけれども、ちょこちょこいじって事実上の非関税障壁をつくってきたというのがこれまでのアメリカという国の例なんですね。 例えば、この間、石原大臣は自動車の部品の関税がなくなるというのをおっしゃいましたけれども、仮にこのアンチダンピングの措置がされて、日本の製品は不当に安いから関税をかけるということをやれば、これは関税がなくなったうちに入らないんです。 現に、今まで、熱延鋼板という自動車への鉄の、コイルで巻いたもの、これは、一九九九年以来、ずっと日本とパネルで争ったりしてきたんですよ。 今回のTPPで、このルール分野で、アメリカのこのようなWTOに違反することがあり、かつパネルで違反と認定されたとしても、何もアメリカは知らぬ顔をしてやらないんですよ、そうしたことに対して何かができるような項目というのはどこかにあるんですか。
○石原国務大臣 委員が御指摘されましたアンチダンピング措置について、やはり訴訟合戦になるようなことは避けなければならないというのは、これは当然でございます。透明性及び適切な手続を推進する措置というものを今回の協定の中に盛り込んでおります。
○福島委員 そんなものしかとっていないんですか。これは一番アメリカに攻めるべきところなんです。しかも、これまでずっと攻め続けて、とれなかったことなんです。自動車関税より私はこっちの方が大事だと思いますよ。 TPP協定では、いずれの締約国も、この節及び附属書六のAの規定により紛争解決を求めてはならないと。つまり、TPPの協定による紛争メカニズムにアンチダンピングは乗せてはいけないということをこのTPP協定でやっているんです。つまり、これまでの、不透明で、アメリカが守ろうともしないようなWTOのそのままですよということを言っているんですよ。私は、こういうことを交渉で明らかにしてほしいんです。 きょうは時間がないから細かくは聞きませんけれども、アメリカに何を要求して、何をとってきたのか、これは必ずこれからの審議で明らかにしてくれますね、どうですか、石原大臣。
○石原国務大臣 先ほどアンチダンピングにつきましての透明性の話を確保したというお話をさせていただきましたが、御党が二〇一一年に作成された主なルールという資料によりますと、アンチダンピングについては、事前通報の手続を規定できればよい、そのように書いてありますので、皆様方と同じような考えに立ちまして、この問題に取り組ませていただきました。
○福島委員 そんな答弁じゃ全然生々しさもないし、実際にどうやりとりしたかというのはないですよ。これに対してこういう攻め方をして、向こうからこういうやりとりがあって、これは守ったけれどもこれは攻めたというものをぜひとも説明していただきたいと思っております。 もう一つ行きます。最後の問いなんですけれども、農業の問題です。 今回の農業は、全て国内対策に負うところによって生産量が維持されるという前提になっております。しかし、具体的にどういう農業の対策を打つのかというのは全くまだ明らかではありません。幾ら予算が使われるかというのも明らかではありません。 資料の七というのをごらんになっていただきたいんですけれども、かつての六兆円使ったウルグアイ・ラウンド関連対策事業費と今回の平成二十七年度の補正予算ですけれども、これを比較してみると、例えば、農業農村整備事業は高生産性農業の確立、これは補正だと高収益作物への営農体系の転換とか、これは非常に似ているんですよ。ほぼ丸写しといっても変わらない。項目を見る限りは、ウルグアイ・ラウンド対策事業でやっていたのも大規模化とか農地の流動化とか、そうしたものが中心で、一見、全然、何が違うのか区別がつかないんですよ。 ウルグアイ・ラウンド対策費の効果があったかなかったかという議論はさまざまなされておりますけれども、残念ながらそれほど効果が上がっていないというのが、多くの現場も、あるいは政策担当者、研究者の間でもほぼ共通した認識になっちゃっていると思っているんですよ。 だから、今回の対策が全てだめだと申し上げるつもりはありません。ウルグアイ・ラウンド対策の二の舞にならないようにきちんとやってほしいと思うんですけれども、ところで、これはちゃんと財源というのは確保されるんでしょうか。私はその点を強く問題にしたいと思っております。 例えば米、備蓄で輸入相当量を買い取るから大丈夫なんだと言っておりますけれども、農水省は一万トン当たり二十億円費用がかかると言っておりますから、七万トン、七・幾つか入れるとすると、大体毎年百五十億円、毎年ですよ、麻生財務大臣、財政負担がずっと必要になるんですよ、米の価格を維持するために。 さらに、今、餌米を進めて、水田農業をやる人が営農を継続できるようにしておりますけれども、これは、去年私が委員会で質問したら、毎年千六百六十億円がこのためには必要だということを農林水産省は答弁しております。 一方、おととしの財政制度等審議会で、財務省は、水田営農は行政から配分される生産数量や補助金に大きく依存する構造にあり、転作助成のあり方を検討する必要があると言って、餌米への財政支援というのはこれから検討して減らすかもしれないということをおっしゃっております。 一方、こうした従来の農業対策というのは関税収入で賄っていたんですね。麦のマークアップとか畜産物の関税収入で賄っていた。 今回、ほぼ大部分の農産物の関税が撤廃をされますから、これも政府の試算ですけれども、農産物の関税だけで千六百五十億円、麦とか乳製品のマークアップで四百四十億円、毎年計二千億円関税収入が減る中で、先ほどの餌米で千六百六十億円、米の備蓄で百五十億円、これだけでもう二千億円近い、この減る関税収入と同じぐらい要るわけですよ。 二十七年度補正予算では三千億円超の予算を講じましたけれども、これから幾ら講じるのかわからない、でも、今の政府の試算は対策を講じることによって生産量は減らないというんだから、極端な話、つくったものを全部政府が買い上げる、こんなのは究極の愚策だと思うけれども、そこまでやるまで財政負担をしますよとでも言わない限りは、農家の人たちは、今の試算は到底納得できないと思いますよ。やはり、最後は金目なんですよ。 麻生財務大臣、この農林水産分野の対策の原資となる関税収入が減るということは、一般会計の予算で賄わなければならないんです。さっき言ったように、税収の底上げがあるかどうかもよくわからない中で、生産量を一トンたりとも減らさない、つまり輸入を一トンたりともふやさないために、一般会計でTPP対策の財源を完全に万全に確保すると言い切っていただけませんか。そうしないと、この試算は信用してもらえないと思いますよ。対策を講じることによって生産量が減らないと言い切っているわけですから、ぜひそう言い切ってください。どうぞ。
○麻生国務大臣 役所におられたのでおわかりと思いますが、総額ありきという編成なんというのは行っておりません。今後も同様であります。 したがって、総合的なTPP関連対策というものにおきましては、これはもう書いてありますとおり、農林水産分野での対策の財源につきましては政府全体で責任を持って毎年の予算編成過程で確保するものとされておりますので、今後の予算過程においてしっかりと検討してまいるということになります。
○福島委員 またそういう答弁をされるから、恐らくみんなが不安になっちゃうんだというふうに思っております。 もう一度、この問題をさらに引き続き深めさせていただきますことをお話しさせていただきまして、質問とさせていただきます。ありがとうございました。
○竹下委員長 これにて福島君の質疑は終了いたしました。 次に、緒方林太郎君。
○緒方委員 民主党、緒方林太郎でございます。 引き続き、福島議員に続きまして、TPPについて質疑をさせていただきたいと思います。 先般、試算の話をさせていただきましたが、これまで、きょうの議論でも玉木議員、そして福島議員の方から種々質問がありましたが、私が得た心証というのは、既にこのTPPの試算の中で確定しているものというのは、まず、農林水産物の国内の生産量については一切変わらない、ここががちっと固まっている。けれども、農林水産物の輸出入については、それはモデルに入れるからそれがどうなるかはよくわからない。鉱工業品についても一切の試算を個別にはやっていない。そして、その結果として、いつになるかはわからないけれども、新たな成長モデルに乗ったときというところに十四兆円がある。 その農林水産物が全く、国内生産が動かないというところと、最後の十四兆円というところだけが確定している、その理解でよろしいですか、石原大臣。
○石原国務大臣 これも先ほど御答弁させていただきましたけれども、農林水産物の生産額への影響についてでございますけれども、関税率一〇%以上かつ国内生産額十億円以上の品目である以下の十九品目、米、小麦、大麦等々でございますけれども、その農産物と十四品目の林水産物を積み上げていったということでございます。 そして、委員御指摘のとおり、マクロ経済モデルでございますので、一年間に日本がプロダクトする付加価値の合計、すなわち、そこの部分から輸入は相殺される、輸出入プラス・マイナス・ゼロ、そういう仮定のもとで、関税はもう既に九九・九%、日本国は関税をゼロにしておりますので、これから、この前にこの成長メカニズムが入ったときに、時間軸はございませんけれども、GDPで二・六%、これは世銀が行っております調査とほぼ同じ数字でございます。 そして、一般論として言わせていただくならば、十年から二十年後、このメカニズムが完成したときに、今委員の御指摘のような数字が出てまいるということでございます。
○緒方委員 今、一般論として十年から二十年でこのモデルは完成すると言われました。 先般の私の予算委員会での質問に対して、このモデルの中に自動車は入っていますか、自動車の輸出入は入っていますかと聞いたところ、大臣は、入っていますと答弁がありました。しかし、自動車の輸出の関税の削減が始まるのは十五年後であります。そして、ライトトラックについては三十年です。矛盾していませんか、石原大臣。
○石原国務大臣 決して矛盾しているとは思わないんですね。 というのは、日本からアメリカに完成車で渡っておりますのは百五十万台、その中に、十五年後から軽減の税率が、関税が入ってまいります。委員御指摘のとおり、ピックアップトラックについては三十年間固定でございます。それは委員の御指摘のとおりでございます。しかし、そのボリュームで見れば、百五十万台のうちの二百台である、そういう趣旨で発言をしておりますので、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
○緒方委員 その件は前回も議論させていただきましたが、現在、ピックアップトラックについては、関税が高いから海外での生産が進んでいるだけであって、関税が撤廃されたときの市場の開け方というのは、これはまた別途計算しなきゃいけないものであると思いますが、この件については水かけ論になりますので、次の機会にまたやらせていただければと思います。 そして、先ほど言いましたとおり、農林水産業の国内の生産がフィックスされていて、そして、それ以外の、輸出入については、これはモデルに入れるのでよくわからない、鉱工業品についても、モデルに入れるので個別についてはよくわからない、けれども、最終的に十四兆円だということであります。 先ほど福島議員から質問もありましたけれども、農林水産業について申し上げると、まず、関税が下がることによる対策を打つということがあります。 しかし、その前に、先ほど福島議員からもありましたが、米については、試算では、国内生産量の減少ゼロ%、そして損害もゼロ円だと書いてある。けれども、実際、よく見ていくと、そうでない。被害でない国民負担というのが生じます。例えば、小麦であっても、マークアップを削減すると、そのマークアップの財源を使って、今、小麦の生産家に対して補助金が行われている。牛肉についても、牛肉の関税六百八十億円、これは全部補助金として出ているわけであります。これは、関税が下がったその影響がどうかという対策を打つ以前の問題として、今もらっている補助金を今と同じようにもらい続けるためには、これだけの費用が必要なんですということなんですね。 国内の生産額の減少以前の問題として、今もらっているものを引き続きもらい続けるために、少なくとも一千億を超える、二千億近い予算がかかるということであります。これが確約されていない限りは、あのモデルというのは成り立たないというふうに思いますが、石原大臣、いかがですか。
○石原国務大臣 今後の農業政策については農林大臣にお話をしていただきたいと思うのでございますが、委員御指摘のとおり、私は、マークアップというものを、農林調査会の顧問になりまして初めて知りまして、各品目ごとに政府が徴収するわけですね。それを財源として国内対策を行っている。非常に合理的な、いい方法だなと思っておりました。 しかし、今回の協定が発効されますと、すぐにはなくなりませんけれども、段階を追ってマークアップの部分がなくなる。そのときに、そこの、生産している農家に対して、どういう政策をもって国際競争力を持ち、かつ品質のいいものをつくるかというのは、これからの政策の中で、もう大綱ができておりますので、農林水産省の方でさまざまな研究がなされていると承知をしております。
○緒方委員 先ほど麻生大臣からも答弁がありましたが、予算が現時点で確実にとれているわけではないということでありました。 実際に、関税が下がった後どういう対策を打つかというのはまた別途の考慮であります。しかし、例えば牛肉でも、いきなり二百億円下がるわけです。発効するや否や二百億円の、既に国内の畜産農家に対して投じられているものがばんとなくなるわけでありまして、それは、一般会計で絶対やると言わない限りは、農家の方は不安ですよ。明らかに不安ですよ。そういったこと、これは先ほど、予算過程でやるということで確約されなかったという理解のもとで、次の質問に移りたいと思います。 それでは、岩城大臣、質問させていただきたいと思います。 TPPにおいて、ISDSというものが規定をされております。今回、法務省の訟務局の方にISDSに対応するためのユニットを新しく立ち上げられるという報道が金曜日にございました。 まず、お伺いしたいと思います。ISDS条項というのはどういうものですか。
○岩城国務大臣 お答えをいたします。 投資関連協定において規定される手続で、投資家と投資受け入れ国との間で投資紛争が起きた場合、投資家が当該投資紛争を国際仲裁を通じて解決するもの、そのように受けとめております。
○緒方委員 はい、そのとおりですね。 今回、ISDSの条項がTPPの中に設けられました。政府の説明は、特に大きな影響が出ることはないというような言い方をしています。濫訴防止措置も設けたし、さまざまな歯どめを設けているから、特にこれまでと変わるところはないという言い方をしておりますが、なぜこういうユニットを新しく立ち上げられるんですか、岩城大臣。
○岩城国務大臣 御説明をさせていただきます。 実情ですが、国際化の進展、それから国際取引の飛躍的拡大に伴いまして、我が国が国際紛争に巻き込まれる、そういったリスクは増大しております。 国際紛争につきましても、法に基づいて適正に解決していくことが必要であり、それが我が国の利益を守ることにつながるものと思っております。そうした場合、国内裁判における法解釈論や主張、立証の手法についての訟務の知見やノウハウを活用できるものと考えられます。 そこで、私ども法務省といたしましては、訟務局において、国内裁判で培った知見やノウハウを関係省庁に提供し、法的側面から実質的かつ積極的な支援を行うこととし、国際訴訟対策を含む予防司法機能等の充実強化のための経費及び増員を今年度の予算案に盛り込ませていただいております。 本予算案をお認めいただければ、こうした国際紛争に対する法的側面からの支援のための体制強化を図ることとしておりまして、その一環として、本年四月以降に訟務局内に新たな体制を構築することを検討しております。 御指摘のTPP発効後の国際機関における紛争についても、こういった法的側面からの支援の対象の一つとしていきたい、そういう考えでおります。
○緒方委員 それは、このISDS条項を使ってさまざま日本に訴訟が打たれてくるということが前提ですよね。濫訴が生じないという政府の立場と今のポジション、もちろん、念のために備えるということだと思いますけれども、本当に濫訴はないというふうに確約できますでしょうか、大臣。
○岩城国務大臣 先ほどもお答えさせていただきましたとおり、今さまざまな国際紛争が予想されます。 例えば調査捕鯨のことにつきましても、これまでのそういった体制、ノウハウ等、つくらせていただきましたが、今回は訟務局内に新たな体制をつくって、国際訴訟、そういったものに対応することになりますが、TPP関連につきましても、その一環として、もしそういう事態が起きた場合、対応をしていきたいということで考えております。
○緒方委員 それでは、TPPにおけるISD条項で、アメリカの企業なりから日本が訴えられる可能性を大いに想定しているということですね、大臣。
○岩城国務大臣 私の方でお答えするのが適当かどうかわかりませんが、大いにそういったことが予想されるというふうには受けとめておりません。
○緒方委員 それでは、ISDSについてお伺いをいたしたいと思います。 自由民主党の中でも、国の主権を損なうようなISDSについては反対だということで、その一つの理由として、憲法第七十六条、裁判所について定めている規定でありますが、「特別裁判所は、これを設置することができない。」とか、国内司法制度に反するものだ、そういう議論が一部反対派の中であったというふうに思います。 岩城大臣の言葉から説明いただきたいと思います。ISDS条項が、「特別裁判所は、これを設置することができない。」と言っている憲法第七十六条との関係で問題ないという理由について教えてください、大臣。
○岩城国務大臣 そのことにつきましては通告がございませんでしたので、私の方から今お答えは差し控えさせていただきます。
○緒方委員 これは司法制度の根幹ですよ。私はちゃんと通告いたしております。国内制度との関係でどうなんだということで、ちゃんと聞いております。 憲法第七十六条、一番司法制度の根幹たるところですよ。なぜこれがISDS条項との関係で問題が生じないのか。通告がないから答えられないというのは法務大臣として失格ですよ、大臣。 大臣、これぐらい答えてください。憲法との関係ですよ、岩城大臣。
○岩城国務大臣 お答えいたします。 ISDS条項につきましては、紛争の解決を仲裁に付託することができる旨を定めるものでありまして、憲法上の問題はないと考えております。
○緒方委員 なぜですか。
○岩城国務大臣 日本国憲法第七十六条第一項は、司法権、すなわち、法律上の紛争を裁判によって解決する機能が裁判所に専属する旨を定めたものであります。 ISDS条項は、外国投資家が、紛争の解決のため、国内裁判に加え、国際仲裁を提起する選択肢を有することを定めるものでありまして、憲法七十六条に規定する裁判所の機能を何ら侵すものではない、そのように考えております。
○緒方委員 国内裁判所でさまざまな紛争解決をするのと、それに加えてということでありました。 それは、とりもなおさず特別裁判所だというふうに言うこともできるんじゃないかと思うわけですね。それはまさに国内で解決しないものを国際の仲裁裁判所に提起するということでありますから。 大臣は今、ただ事実関係を言っただけであります。事実関係ではなくて、なぜこれが憲法第七十六条におけるところの特別裁判所に当たらないのかということについて答弁いただければと思います。
○竹下委員長 岩城大臣、答弁できますか。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○竹下委員長 速記を起こしてください。 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 正午休憩 ————◇————— 午後一時開議
○竹下委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。緒方林太郎君。
○緒方委員 緒方林太郎でございます。 午前中に引き続きまして、午前中の最後、尻切れトンボで終わってしまいましたが、岩城大臣にお伺いいたしたいと思います。 ISDS条項と憲法第七十六条との整合性、合憲なのか違憲なのかということについて御答弁いただければと思います、岩城大臣。
○岩城国務大臣 端的にお答えすればよろしいですか。合憲だと思っております。 それで、先ほど、ISDS条項、これに関しまして、特別裁判所とのかかわりというおただしがありました。それでお答えをさせていただきます。 憲法第七十六条二項は、「特別裁判所は、これを設置することができない。」と定めておりますが、これは、我が国内においては、同条一項が定める、最高裁判所及び下級裁判所の系列以外の裁判所を設けることができないということを明言したものでありまして、外国における紛争解決機関について規定するものではないと考えております。 したがいまして、ISDS条項に基づいて外国で紛争解決を行う機関は、我が国の憲法の定める特別裁判所には該当しない、そのように考えております。
○緒方委員 外国にあるから日本の憲法の対象外ということでありますが、ただ、実態的に見て、日本で例えばアメリカの企業が日本の国を訴える、第一審ですね。これで負けた後に、もう日本の国内でやってもだめだ、だからISDSで解決しようと思うときというのは、これは、流れとしては、日本の紛争解決を、最終的に解決するための手段としてこれが行われるということじゃないかと思うんですね。それが特別裁判所でないと言い切れるだけの理由は何ですか。(発言する者あり)
○岩城国務大臣 お待たせしました。 ISDSの手続が仲裁であることを前提にいたしますと、その仲裁は司法権そのものではなく、国内においても裁判所以外の機関が行うことが許されております。例えば、日本商事仲裁協会や日弁連もそのようなことを行っているものと考えております。
○緒方委員 先ほどICJはどうなのかとありましたが、あれは国家と国家の話でありまして、必ずしもそこを同一視することは難しいというふうに思います。 その上でもう一度言いますけれども、国内で一審を起こして、それがだめだったから、仲裁裁判所ですから、仲裁裁ですから、そういうところにお互いが合意をした上でとありますが、そこで解決を図るというのは、それは国内の手続の流れにあるものであって、なぜそれが特別裁判所でないと言えるのかという、その理屈をお伺いいたしております、岩城大臣。
○岩城国務大臣 ISDS条項は、外国投資家が、紛争の解決のため、国内裁判に加えまして、国際仲裁を提起する選択肢を有することを定めるものであります。そういった意味で、先ほどお答えしたような内容でお考えいただきたいと思います。
○緒方委員 それは単なる事実関係を述べているだけでありまして、外国でやりますとか、国内でやりますというその事実関係を述べているだけであって、理由の説明はその中にはなかったと思います。 もう一度答弁いただければと思います、岩城大臣。
○岩城国務大臣 先ほどのお答えとダブってしまうんですけれども、七十六条二項は、同条一項が定める、最高裁判所及び下級裁判所の系列以外の裁判所を設けることができないということを規定しております。外国における紛争解決機関について規定するものではありません。 したがいまして、ISDS条項に基づいて外国で紛争解決を行う機関、これは我が国の憲法で定める特別裁判所には当たらないもの、そのように考えております。
○緒方委員 それでは、質問の仕方を変えたいと思います。 このISDSの条項については、濫訴の防止の規定として、同時並行的にやることができないということは今回のTPPの中にも規定をされているわけでありますが、例えば、最初からISDSに行って何か判断が出ました、しかし、それが納得いかなかった、その納得がいかなかった結果として、もう一度今度は日本の国内で裁判を起こして、その結果が最高裁まで行ったとします。そして、そのISDSの判断と最高裁の判断が異なるとき、どちらが優先されますか、岩城大臣。
○竹下委員長 大臣、答弁できますか。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○竹下委員長 それでは、速記を起こしてください。 岩城法務大臣。
○岩城国務大臣 お待たせして申しわけありません。 ただいまの御指摘につきましては、条約の解釈にかかわる事柄でありますので、法務大臣としてはお答えをしかねます。
○緒方委員 国内の裁判所の判決の効力という問題で、条約の解釈というよりも、国際的な仲裁裁判所で出た判決と、そこで不満だったから、だから国内の裁判所で別途やったときに、その判決のどちらが効力を有しますかという話は、これは憲法体制の、最高裁で判決が出たものが有効であるのかないのかということを聞いているんです。法務省の所管だと思いますよ、大臣。
○竹下委員長 大臣、答弁できますか。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○竹下委員長 それでは、速記を起こしてください。 岩城法務大臣。
○岩城国務大臣 たびたび申しわけありません。 国内の裁判所の判断、これは当然、効力が否定されるわけではありませんし、また、条約との関係で、その裁定は条約の解釈を踏まえて判断されるものであります。
○緒方委員 答えは、どちらも有効ということでありました。 私の質問は、それがそごを来すときにどちらが優先されますかということを聞いているんです、岩城大臣。
○岩城国務大臣 条約の解釈、これにつきましては当然考えざるを得ないことでありますけれども、このことにつきまして、大臣、私の立場でのお答えはできかねますので、御理解いただきたいと思います。
○緒方委員 日本の司法制度の中で、最高裁判所の判決に優位するものがあり得るかのような答弁というのはおかしいと思いますよ。 それは、まさにこの憲法第七十六条の精神に反するじゃないですか。まさに、憲法第七十六条におけるところの最高裁判所が出す判決が最終的な判決でないという可能性を言うというのは、法務大臣、不謹慎ですよ。 大臣、もう一度答弁ください。
○岩城国務大臣 当然のことながら、国内の裁判所の判断、これには従うわけでありますけれども、判断がその条約関連の判断と食い違う場合には、執行の段階でこの問題につきまして裁判所の判断があるものと考えております。
○緒方委員 よくわからなかったですね。 例えば、このISDS条項でよくあるのは、この規制が間違っている、だから訴える、そしてこの規制を取り消せとかそういう判断が出ることが多い。そうですね。実際にアメリカやカナダで起こっていることというのはそういうことです。そしてその一方で、この規制は有効であるというような判断が最高裁で出るとき、その二つが、何か調整をつけるということでありますが、その調整メカニズムというのはどういうふうになっているんですか、大臣。
○竹下委員長 大臣、答弁できますか。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○竹下委員長 速記を起こしてください。 岩城法務大臣、しっかり答弁してください。
○岩城国務大臣 何度も恐縮でございますが、判断が食い違う、そういったような段階になりました場合には、執行の段階の問題でありますけれども、あくまでも日本の裁判所の判断に従うことになろうと思います。
○緒方委員 それは、先ほど私が挙げた例ですと、仲裁裁判所と最高裁判所で異なる判断が出ると仮に仮定するときに、今大臣の言われた、日本の裁判所が判断することになりますというのは、最高裁の判断が優先をするということですか、大臣。
○岩城国務大臣 判断が食い違う場合のことにつきましては、その執行の段階で日本の裁判所が判断を下すことになります。
○緒方委員 最高裁と仲裁裁判所で全く異なる、例えば一つの規制について、こちらは無効、こちらは有効とか、何かそういうことがあったとします。それを執行するときに調整をすると言うんですが、それは必ずどちらかに優劣が生じるはずですね。そのときに、最高裁の判決が優越しないという可能性があり得るということを示したものですか、大臣。
○石原国務大臣 ちょっと整理させていただきたいんですけれども、損害賠償については、先ほど大臣が答弁したとおりでございます。 今、緒方委員が御指摘になったように、例えば、アメリカの企業が、日本のこういう規制があるからおかしいじゃないかというようなことを仲裁廷に出したとしても、仲裁廷というのは損害賠償のことしか決定しませんから、そういうものはそもそも、どうしろこうしろということにはならないというふうに御理解いただきたいと思います。
○緒方委員 しかしながら、何らかの、例えば一つの規制があって、今、賠償という話がありました。賠償するからには、その規制がTPPの協定に対して違反か違反でないかという判断を恐らくするはずであります。その判断をするのと、国内裁判所に来たときに、例えばある規制の有効性を判断するというのは、どこかでその判断が入らない限りは賠償にならないわけでありまして、その二つの判断が異なるときにどうしますかと。 金目の話じゃないんです。そういう話ではなくて、それぞれ入った判断が違うときにどうするんですかということを聞いているんです、岩城大臣。
○岩城国務大臣 判断が食い違う場合のことでありますけれども、執行の段階で、日本の裁判所の判断に従うということであります。
○緒方委員 その後の、日本の裁判所が判断するのその先を言われないんですけれども、それは物すごく深刻なことでして、いろいろな判断があり得るときに、仮に日本の最高裁の判断が優先されないときというのは、憲法第七十六条、そして日本の司法権の独立、こういったものを大きく害しますよ。憲法違反になりますよ。おかしいじゃないですか、大臣。
○岩城国務大臣 執行の段階で日本の裁判所が判断を下しますので、そのことに従うことになりますので、今の御指摘は当たらないものと考えております。
○緒方委員 それでは、執行の段階で日本の裁判所が判断するということでありましたが、そのときに、国際仲裁裁判所の判断が優先されることもあり得る、物によってはあり得るということですね、大臣。
○岩城国務大臣 あくまでも日本の裁判所の判断に従うということであります。
○緒方委員 それは答えていないです。 それは執行の段階での判断ですけれども、執行の段階でどちらを優先するかという判断がある。その前のところで、執行の前の、そもそもの、ある規制に対する判断について食い違っている。そして、そこで仮に最高裁の判断が出ている。一旦判断が出て、そして、ではどう整合性を図るかと国内裁判所がそれをさらに判断するということですが、その判断をするときに、最高裁の判断が劣後するということがあり得るということですよね。 今、大臣、可能性として、執行の段階でと言いましたけれども、執行の前提となるそもそもの判断のところで食い違っているということがあるわけですよ。その可能性があるときに、どちらが劣後するかということを聞いているわけであって、執行の段階で裁判所が判断する、それは全然解決になっていないわけであります。 大臣、もう一度お伺いします。最高裁の判断が覆されることがあるということですね、大臣。
○岩城国務大臣 食い違っております場合に、それを執行の段階で日本の裁判所が判断する、それに従うということであります。
○緒方委員 これは結構深刻な答弁ですよ。 仮に、全く真逆を向いている判決が出たときの国内の調整をもう一度裁判でやると仮定するときに、執行の段階でですね、全く異なっているものがあるときに、それを国内の裁判所で調整するときに、真逆を向いているものであるときであれば、どちらかを選ばなきゃいけないわけですよ。最高裁の判断に一〇〇%従わないということが、国内の裁判所の、執行の段階での調整のところであり得ますかということを聞いているんです、大臣。
○岩城国務大臣 何度も同じお答えになってしまいますけれども、判断が異なった場合に、その執行の段階で日本の裁判所が判断をいたします。それが優先されるということであります。
○緒方委員 これは質問に答えていないですね。 まず、ある規制があって仲裁裁で判断が出ました、そして、それが気に食わなかったから最高裁にもう一度上げて、そして、異なるものが出たものをもう一度裁判所で判断する、今、岩城大臣はそう言われました。 そのときに、最高裁判所が出した判決がオーバーライドされて、覆されて、何らかの形で、例えば、仲裁裁で出た判断も入れながら、最高裁が出した判断とは違う執行をすることがあり得るということですね、大臣。
○岩城国務大臣 判断が食い違ったとしますね。そこで、それぞれの判断を、日本の裁判所が、執行の段階でそれを判断して下しますね。そのことが優先されるということです。(緒方委員「どっちの判断を」と呼ぶ)どちらの、判断するかは、それは日本の裁判所の話です。
○緒方委員 最高裁判所で出た判断どおりに執行が行われないということがあり得るということですね、大臣。
○竹下委員長 大臣、答弁できますか。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○竹下委員長 速記を起こしてください。 岩城法務大臣。
○岩城国務大臣 とにかく、最終的に日本の裁判所の判断が優先されるということです。
○緒方委員 今までの答弁とは違っていて、もう一度聞きますよ。もう一度聞きますよ。 仲裁裁判所、ISDSにおけるところの仲裁裁判所に先に持っていって判断が出た。そして、これが気に食わなかったから、もう一回日本の国内で裁判を起こして、そして、これで最高裁まで行った。そして、最高裁で全く別の判断が出た。 今、岩城大臣は、日本の裁判所の判断が優先するということでありましたが、この最高裁で判断が出てしまえば、この仲裁裁の判断は、これはもう無視してというか破棄して、こちらの判断が優先するということになるわけですね。 恐らく憲法七十六条に書いてあることというのはそういうことだと思いますけれども、一旦、仲裁裁で出た判断と、それが気に食わないからもう一度国内裁判所をやって出た判断と、それが食い違うときは最高裁の判断の方が優先するということですね、大臣。
○岩城国務大臣 おただしのとおりであります。
○緒方委員 大臣、もう一度整理してください。 一回目のときは、先ほどの答弁は、仲裁裁で判断が出たときと最高裁で判断が出たときのその劣後、どちらが劣後するかという関係については、また別途裁判所で判断すると大臣は答弁されたんです。 それと、今言ったのは、仲裁裁で出た判断と最高裁で出た判断でどちらが優先しますかといったら、それは最高裁ですというふうに言われました。 答弁が混乱しています。大臣、答弁ください。
○岩城国務大臣 そういうことではなくて、何度もお答えしておりますとおり、仲裁裁定の方と日本の裁判所の判断とが異なって、それで、それが執行の段階になりました場合に、日本の裁判所で、そこで決断される、判断されたことが優先する、そういうことです。
○緒方委員 執行の段階でと言っているものが、ちょっと、私も含めて我々は皆、理解できておりません。もう少し詳細に説明いただければと思います、岩城大臣。
○岩城国務大臣 違う判断が、異なった判断が下された場合ですよね。それが執行の段階になりまして、それで、改めて日本の裁判所において判断されたことが優先されるということです。
○緒方委員 もう少し明確にするために聞きます。 例えば、仲裁裁で判断が出て、最高裁で判断が出た、執行の段階で、それが食い違うとき、もう一回裁判を行うということですか、大臣。
○岩城国務大臣 執行の段階で、日本の裁判所が判断したことについて従うということです。
○緒方委員 全く異なる判断が出ているときというのは執行できないはずなんですよね。全く異なる判断が出ているときというのは執行ができないはずなんですけれども、それを執行する段階で裁判所が調整するというのは何を意味しているのか、私、そして、多分、この議場におられる方はよくわかっていないと思いますよ、大臣。
○竹下委員長 大臣、答弁できますか。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○竹下委員長 速記を起こしてください。 岩城法務大臣。
○岩城国務大臣 何度も恐縮でございます。 仲裁で判断が出たものと、国内の裁判所で判断が出たものと、それが異なる場合がございますね。そういった御質問だと思いますが、そこで、最終的にまた日本の裁判所で判断を下す、それによって執行されるわけでありますけれども、最高裁判所と違う判断、これは出にくいと思いますけれども、あくまでも、最終的には裁判所が判断することになります。
○緒方委員 さっきからすごく答弁が揺れ動いておりまして、仲裁裁判所で判断が出るというのと、国内の最高裁判所で判断が出て全く異なるときに、それを執行するときに、けれども、執行するというのは何を執行するんですか。異なるものが出ているときのその執行というのは、その執行の言葉の中に入るのは、最高裁判所の判断を執行するのか、それとも仲裁裁判所の判断を執行するのか、どちらを執行するのか、それをどう調整をつけるのか、それはどういうことですか、岩城大臣。
○岩城国務大臣 判断が異なった場合に、いろいろまたやりとりがございますよね。それで……(緒方委員「やりとりを行うんですか」と呼ぶ)いやいや、強制執行とかそういったことがありますよね。その最終的な判断は、日本の裁判所で判断をして執行することになります。それに従って、それが優先されるということです。
○緒方委員 目の前に二つの判断があるわけです。目の前に二つの判断があって、それを執行するときに、日本の裁判所が判断して執行すると言っているんですけれども、それは、どこかで必ずその二つの異なる判断の優劣をつけない限りできないですよね。その優劣をつけることを裁判所がやるということですね、国内裁判所がやるということですね。その結果として、最高裁判所の判断が尊重されない可能性があるんじゃないですか。だって、二つの異なる判断があって、それを執行するときに、何らかの裁判所が判断すると言うんですから。 仮に最高裁の判断が常に優先されるのであれば、それは、全くその執行のときに裁判所が判断する必要はないわけですよ。それをそのまま執行すればいいわけですよ。その判断が入る、執行するときの判断が入るというのは、それは、本来、最高裁の判断が優先されるのであれば、要らないプロセスですよ。何でその要らないプロセスを入れるんですか、大臣。
○岩城国務大臣 異なった判断がなされて、それで、最終的に強制執行とかの手続に入るわけでありますけれども、そのときに、最高裁判所が、あるいは日本の国内裁判所が判断されたこと、これに従うということであります。
○緒方委員 では、判断が異なるときに、判断が全く異なるときに最高裁が判断を出せば、異なる判断というか、まず仲裁裁で判断が出て、そして、それが納得いかないから日本の国内で裁判所の手続が一審、二審と上がっていったときに、最終的に最高裁の判断が出れば、それが常に優先をされ、仲裁裁で出た判断というのは、これは最高裁の判断が出た段階で無効化されるということを今大臣は言われたんですね、大臣。
○岩城国務大臣 何度も恐縮でございますけれども、異なる判断が出されて、それが執行の問題になりますけれども、そのときに、最高裁判所の判断、これが優先されるということです。
○緒方委員 同じことを聞いているんです。 それは、全く異なる判断が出るという前提でお話ししていますので、全く異なる判断が出るときに最高裁の判断が優先されるということは、仲裁裁で全く最高裁の判断と異なる判断が出ているときには、その仲裁裁判所の判断は無効であると。これは、国内の、今大臣が言われる執行というものについて一切の考慮をする必要がないということになるわけですよね。それが、恐らく憲法七十六条との関係でどうなのかということが問題なんです。 仲裁裁の判断は、これは全く無効であるということを意味しているということでよろしいですね、岩城大臣。
○竹下委員長 大臣、答弁できますか。 時計をとめてください。 〔速記中止〕
○竹下委員長 速記を起こしてください。 岩城法務大臣。
○岩城国務大臣 いずれにいたしましても、日本の裁判所で最終的に判断されたこと、これが優先されるということです。
○緒方委員 いや、だから、さっきから何度も確認しているんです。 その結果として、仲裁裁判所で出た判断は、これは日本の裁判所で出た判断と仲裁裁の判断が異なるときについては、この判断は無効になるということを、大臣は今裏返して言ったということですね、大臣。
○岩城国務大臣 有効、無効ということではなく、日本国内では日本の裁判所の判断が優先される、そういうことであります。
○緒方委員 有効、無効でないというのはおかしいですよね。 全く異なる判断が出ているわけであって、こちらの判断が優先されるということであれば、こちらが無効にならない限りは利益が対立するわけですから、有効、無効ということではないということではなくて、どちらかの判断を優先して、今大臣ずっと言われています、日本の裁判所の判断が優先されるということだと言われましたから、もう片方は必然的に無効になるということじゃないですか。だって、全く異なる判断が出ているわけですから。 どういう意味ですか、大臣。
○岩城国務大臣 同じお答えになりますが、日本国内では日本の裁判所の判断が優先される、このようにお答えをさせていただきます。
○緒方委員 本件につきましては政府の統一見解を求めたいと思いますので、委員長のお取り計らい、よろしくお願いを申し上げます。 これで質問を終えさせていただきます。
○竹下委員長 理事会で協議をさせていただきます。 これにて緒方君の質疑は終了いたしました。 次に、宮崎岳志君。
○宮崎(岳)委員 民主・維新・無所属クラブの宮崎岳志でございます。 本日は、石破地方創生担当大臣に、鳴り物入りで始まりました政府関係機関の地方移転、これについて伺いたいというふうに思います。 どうもこの地方移転の雲行きが怪しい、骨抜きではないかというふうに私は思っているんですけれども、政府の発表やマスコミの報道を見ても、どうも全体像というのがわかりません。そこで、本日の質問を通じてこの全体像を明らかにしたいということであります。 最初に石破大臣に伺いますが、移転というのは何でしょうか。
○石破国務大臣 それは、物理的にそういう建物が移転するというのもあります。あるいは、機能の一部が移転をし、人が移転をするというのもございます。ですから、物理的に建物並びに人々が全部、よいしょと言ってどこかへ移るということだけが移転ではございません。 それから、例えば、それぞれの省の設置法に何々をどこどこに置くということが明示されているわけではございません。 ですから、移転にも、建物も人も移る、あるいは一部が移る、そういうような形でいろいろなタイプがございます。一概には申し上げることはできません。(発言する者あり)
○宮崎(岳)委員 今、維新から民主党に入ることというのが移転だというふうにおっしゃった。まあ、どっちでもいいんですけれどもね。それは人間が動いていますよね、人間が動いている。 私、どうもわからないのは、私の理解だと、移転というのは箱と人というのがセットで、これは規模はともかく、セットで箱と人が移るというのが私のイメージする移転なんです。機能だけということになると、人が一人も移らなくても移転ということはあり得るということでよろしいですね。確認させてください。
○石破国務大臣 そういうことが全くないとは申しません。ですから、人が一人も移転しないが機能は移転をするということがゼロとは申しませんが、政府の中央の機関にいたしましても、あるいは研究、研修にいたしましても、人が全く移らないということは現実問題としては考えにくいことだと思っております。
○宮崎(岳)委員 政府関係機関の地方移転というのは大変、地方の方々から注目を集めたというか、期待を集めた政策だったと思うんですね。 中央省庁と研究機関、研修機関、この二種類に分けまして、中央省庁の方は今議論を行っていることですから、とりあえずおいておきましょう。研修、研究機関は、昨年の暮れに対応方針というのが出されて、方向性が示されました。しかし、私、はっきり言って、余りにしょぼくて、話題にもならないようなものじゃないかというふうに思っております。 きょう、与野党の議員の方々がいらっしゃいますけれども、中身を余り、全体像について御存じない方が多いんじゃないかと思うので、ちょっと説明をしたいと思うんです。 二百二十件の応募が地方からありました。これは中央省庁と研究、研修機関を合わせて。そのうち、研究、研修機関というところについて、つまり九件、今、中央のもので残っておりますから、残りについては昨年十二月までに結論を、一通りの方向性を得たということです。全部移転、一部移転、あるいは落選というふうに切り分けられたというふうに思っております。 では、この移転で、一人まで言えとは申しません、大体どれぐらいの人数が地方に移動するというふうに思っていますでしょうか。
○石破国務大臣 これは、会見等々でいつも申し上げておりますが、政府の恣意性というものでやるものではございません。有識者の方々の御意見を承りながら、三月末までに総理大臣を長といたします地方創生本部で決定をするということになっております。 この時点で、何人ということを私から申し上げることはできません。
○宮崎(岳)委員 そうは申しましても、規模感というものはありますよね。既に全部移転と一部移転が切り分けられて、二件が組織全体の移転だ、そして四十九件が一部移転なんだというふうに発表されているわけです。五十二件移転があるということまではわかっているわけであります。 そうすると、規模感、この移動で、例えば五十二件というのがありますが、常駐の人が五十二人より少ない、それしか移転しないということもあり得るのか。あるいは、これが数百人規模なのか、数千人規模なのか、それとも数万人規模なのか。そういう漠然とした規模感というのは、今お手元にあると思うんですが、いかがですか。
○石破国務大臣 それは、委員も御案内のとおり、研究、研修機関と中央省庁、これはまた別のものでございます。 研究、研修の場合には、そこで産業が集積をしているとか、例えば群馬大学なら群馬大学、どこでもよろしいのですが、そこにおいてそういう学問の基盤があり産業の基盤があるというところであれば、移転することは国全体のメリットがあるだろうというお話になります。 中央省庁の場合には、それと同時に、それが、中央行政機関でございますから、移ったところはよくても日本全体にとってはどうだかねということもあるわけでございます。今、新聞等々でしか私は存じませんが、文化庁がどうであるとか、消費者庁がどうであるかということになりますと、これは数が数十人あるいは百人単位ということにもなろうかと思います。 研修機関、研究機関の場合には、これが千人単位ということは私としてはとても想像しにくいことでございまして、百人単位というようなことがイメージとしてはございますが、今の時点で大体何人ということを申し上げることは立場上できません。
○宮崎(岳)委員 私が聞いているのは、中央省庁の話ではなくて、既に対応方針が示された研究、研修機関なんです。これが五十二件、全部と一部を合わせて移動するということですので、そこの五十二件についてどの程度ですかという話なんですが、答えられますか。答えられるのならお願いします。
○石破国務大臣 それは、一つに一人とすれば五十二人という話になりますわけで、やはり、一人も行きませんねというのは、羊頭狗肉とは申しませんが、一体これは何なんだろうかねというような話にもなろうかと思います。 ただ、数を動かせばそれでいいというお話ではなくて、そういう委員御指摘の研修、研究機関が移ることによって、例えば醸造研究所というのがございました、かつて竹下内閣で地方移転をいたしましたときに。それは御案内のとおり、首都中枢の地価の高騰を抑制するというのが政策目的でございまして、地方の活性化とか、そういうものが政策目的ではございませんでした。唯一の例外として広島県東広島市に醸造研究所が移ったわけでございますけれども、そこに今回、東京本部というものも移転することにいたしました。 そこにおいて、私は広島にもよく行くのですが、やはりそれが東広島に移ったということによって、非常に広島の酒の文化、あるいはこれから先、国際的にそういうものを発信していくということは意義があったということを、広島県知事からも東広島市長からも聞いたことでございます。 人数の多寡も大事ですが、それが移ることによって日本全体にどれだけプラスになるかということであります。ですから、人数も大事ですが、中身というものをきちんと精査していきたいと考えております。
○宮崎(岳)委員 人数も大事だと言うんですから、人数について教えてください、こういう話なんですが。 今のお話ですと、一件一人とすれば五十二人だみたいな話がありました。というと、そういう規模感ということですよね。五十何件、組織全体が移転するものもある、小さいものもある、それを含めて、これで五十何人と例えるような規模の移転だということでいいんですね、全部合わせて。
○石破国務大臣 規模感というのはこれから決めることになります。ですから、それは、シャビーだとか、しょぼいとか、委員のお言葉をかりればそういうことになりますが、実際にそれが移ることによって、広島の醸造研究所なんてまさしくそうです。それから、そこは、そこの産業とか文化とかいうものがシナジー効果を起こしてどれだけ活性化をしていくかということでございます。 それに必要な人数というものは、それは別に、けちるというかな、そういうつもりはございません。これだけ移したことによって、そこの地域においてシナジー効果が起こり産業が活性化しということであれば、そこにおいて人数を、中央に置いておきたいから本当は五人必要なんだけれども一人に絞るとか、そのようなことは考えておるものではございません。
○宮崎(岳)委員 地方移転は、地方を活性化するために地方移転をするわけです。機能だって、人間が多く移動すれば多くの機能が移動するということになると思いますし、効果だって、人が多く移動すればその分大きな効果が地方に出るだろうというふうに想像されるというのは、大臣も同意されていると思うんですね。 今ちょっと、ここで視点を変えまして、今回落選してしまった百六十件、四分の三ですけれども、これについて落選の理由というのがありますので、これについてちょっと見てみたいんです。 何でこういう地方の提案は受け入れられなかったのか。今回の枠組み、各地方が、おらが県にこの機関を持ってきてくれ、こういう理由があるんだというのを提案して、それに返事を中央省庁の人がして、最後は石破大臣のもとで、これは事務方の方だと思いますけれども仕切る、こういう形になっておりますが、落選の理由はこうです。 例えばですけれども、受講生、講師の利便性確保や研修内容の質の確保等が困難。利便性は、東京から地方に移せば、それは多少は落ちるのは当然じゃないかと私は思うんですね。 あるいは、これは理研の移動ですけれども、移転という申請に対して、○○県に理研和光ほどの多様な分野の研究が集積しているとは言えず。言えないですよ、もともと。理研和光に匹敵するようなところなんて日本にほとんどないんじゃないですか。 あるいは、全国の中でなぜその県で実施するか説明が困難、こういう話もありました。例えば、三つ申請があって、そのうち二つは却下だけれども残り一つに移す、却下したところにこういう説明があるんならわかるんですが、十件とか申請があって全部却下だ、その理由が、なぜその県で実施するか説明困難というと、これはもともとやる気があるのかなというふうに私なんかは見てしまいます。 あるいは、国会及び政府において新たな国立公文書館建設に向けた議論が行われている。これは後でちょっと申し上げますけれども、国会で確かに議論しているんですが、これは群馬県なんですけれども、国会には群馬県からこういう提案がありますよというふうに、議院運営委員会の中に設けられた小委員会や、国会で谷垣さんが会長をやっておられる議員連盟、ここは我が党の例えば安住淳国対委員長代理なんかも副会長で入っているわけですけれども、こういうところに話した上でこれをお断りしているのかどうか、そうすると、どうもしていないようだ、こういう話があります。 あるいは、省庁の近郊以外の立地による効果、効率の向上を見込みがたい。首都圏の大学等機関に依存している外部講師の確保が困難。あるいは、研究についての交流実績がない。こんなものが並ぶんです。 つまり、不便だし、ほかの研究機関もないから行けないというのが総じてこの理由だと思うんですが、こんなことを言い始めたら、そもそも地方移転、できなくないですか。大臣、いかがですか。
○石破国務大臣 それは、私は、御指摘を全面否定するつもりはございません。そんなことを言ったら、地方にそんなところはないじゃないのと言われれば、そういう話になるわけでございます。群馬においてもしかりですから、では鳥取県なんかはどうなるんだみたいな話になるわけでございます。そんなことを言っていたらそもそも地方移転なんかできないじゃないという話は、さんざん内部でもいたしておるところでございます。 ただ他方、では何であそこへ移るんだといった場合に、ほかの県から、全く状況は変わらないのに何でうちの県に来ないんだという話が出たとします。そうすると、言った者勝ちみたいな話になってくるわけでございます。それはそれでまた議論を惹起するのではないかと思います。そこは、これが絶対的な解であってこれが絶対的な間違いというのはございません。 できるだけ地方に移したいと思っているのはなぜなのかといえば、いろいろな企業さんに対して、コマツの例を挙げるまでもなく、本社機能全部とは言っていないんです。本社機能でも管理部門と研究部門というのがあって、管理部門は東京になければならぬという必然もあるだろう、だけれども研究、研修、企画部門は工場に近いところでもいいじゃないですかと私どもが言って、では政府は何も移転しないのかということであれば全然説得力のない話なので、できるだけ移そうという形で今も議論はしておるところでございます。 ですけれども、国全体の研究機関であり研修機関でございますから、そうすると国全体にとっていかなるプラスがあるんだということも、それは必要なことだと思っています。どこへ置いてもいいということは確かにあるかもしれないが、それをそこに置くことによって国民全体の利便性にいかに寄与するものなのかということでなければ、政府の機関、研修、研究機関も入れまして、移転するということの正当性というのはなかなか証明しにくいものだと考えております。
○宮崎(岳)委員 大臣、ちょっともっともらしいことをおっしゃっているような気もするんですが、結論がシャビーだと、そういうことに説得力がなくなっちゃうんじゃないか。 つまり、わざわざ全国の企業に向かって、移転してください、例えば大臣の御地元の鳥取県に本社機能を移転してください、そのためにはまず隗より始めよで、政府が本気になって自分たちが移転しますからと言った結論が全部合わせて五十人みたいなことになったら、誰もそれに賛同しようという人はいなくなるんじゃないか。 私、この落選の理由を見て、もうブラック企業の面接ですよ、これは。わざわざ、提案してこい、聞いてやるからといって呼び寄せておいて、おまえ、本当にやる気があるのかとか、うちの会社に何を貢献できるのかとか、本気で来たのかとか、そうやっていじめて追い返しているような、そんなイメージです。本当に私はこういうことを許しちゃいけないというふうに思っています。 具体的に一つ一つの機関について、移転すると言われているものについて見ていきたいんですが、組織全体移転というのはたった二件しかないんですよ。 独立行政法人の医薬基盤・健康・栄養研究所という既に合併した独法があって、本部の置かれなかった新宿にあります国立健康・栄養研究所、これを本部がある大阪に移す。三十八人です、常勤の人。三十八人。これも小さいとは思いますが、しかし、これは移すんだからいいでしょう。 もう一つ、先ほどお話にも出た、広島に行った酒類総合研究所東京事務所。当然、竹下内閣の合併のときに何で行かなかったんだという議論もあったし、そもそも、二年前に、安倍政権、安倍内閣で行政法人改革の一環ということでこの東京事務所廃止等の抜本的見直しをやれと言われているんですよ。つまり、廃止しろと。これは、行政的な言い方から見ればほぼ廃止しろという言い方だと思うんですよ。それを移転によって組織を存続させた、むしろ温情をかけて残してあげたということじゃないか。これを移転の実績として入れるのは私はちょっと違うんじゃないかと思いますが、これはいかがですか。
○石破国務大臣 委員が最初に御指摘の、出せと言っておいて、出してきたら何なんだと説教するような、そんなのは決していいことではございません。それは、持ってこられたら、ありがとうございましたから始めなければいけないのは当たり前のことだと思っております。 まず、本邦初演でございましたので、県の方の中には、せっかくいろいろ準備して行ったのにかえって叱られちゃったよみたいな、そういうような不快な思いをさせることがあったとすれば、それは全て私の指導の不行き届きということで御容赦を賜りたいと思っております。 先ほど東京本部と申し上げましたが、失礼、東京事務所でございます。独立行政法人酒類総合研究所ですが、これは竹下内閣の移転のときにこれも移すべきだというお話がありました。これは研究とか宣伝とか、特にそういう広報宣伝を担うものでございましたので、やはりこれは東京になきゃだめだ、酒は別に広島だけでつくっているわけじゃないというお話で、全国あちこちに酒はあるわけですね、だから東京に置いておこうという話だったように私は記憶しております。当選一回か二回でしたので、余りつまびらかではございませんが。 ところが、今回の場合には、やはり研究所であればそこの研究の成果を全国に発信することが必要だよね、これから日本酒を世界に売らなきゃいけないんだしということで、広島県並びに東広島市からの御要望もございまして、これを移すことをいたしました。 私は、これを実際にやるということになってみて、広島から、やはりこれでよかったんだというふうなお話を承っております。東京の地酒もないわけじゃございませんが、やはりお酒であれば広島というのも一つの中心地でございます。そこから何も東京じゃなくて広島へ持っていくことによって、酒の文化であるとか、効用でありますとか、おいしさでありますとか、それを全世界に発信するということで、やはりよかったねという御評価をいただいております。これが行革に逆行するものだとは私は思っておりません。 ですから、これが一つの例でありますように、それが移ることによって日本全体に寄与するということは大事なメルクマールだと思っておりまして、私は、人数が少なくても効果さえあればいいなんということを申し上げるつもりはございません。もし効果を上げるのに必要なものであれば、それに必要な人員の移転というものはきちんと行われるべきものだと考えております。
○宮崎(岳)委員 どうもそれは、地方創生の発想からいえば地方に行けばいいというふうに決まっている、ところが地方に行けと言って、各省庁むちゃくちゃな抵抗をしてきてにっちもさっちも進まないという中で、既に廃止が決まっている、原則廃止という話になっているものを移転でお茶を濁したから、省庁の側も、だったらいいでしょうという程度で実現した話じゃないか、こういう話を言っているわけであります。 ほかに、先ほど申し上げた四十九件の一部移転というのがあるんです。最初の紙、それを私の方で検討したんですね、その紙の中身をどう書いてあるかなと。 そうすると、その中で、拠点を設けるという表現になっているのが十個しかないんです。既存の拠点を拡充すると書いてあるのは二カ所です。ほかのところは、文面からいっても、連携とか研修とか合宿とか。つまり、そこで共同研究をやります、ただ、こっちの研究者は東京におりまして、向こうの地元の研究者と研究成果を突き合わせて共同研究するとか、分野を分けてそれぞれでやって後で突き合わせるとか、あるいは何泊何日の合宿だけその地元に行ってやります、これも移転だ、あるいは何泊何日の研修だけやります、これも移転だというふうにしているんですね。そうするとほとんど移転の実態はないじゃないかというのが、私が今回言いたいことなわけです。 一件一件細かく見てみましょう。 まず、三十七件の連携、研修、合宿。これは、聞いてみても、基本的には少なくとも常勤のスタッフは一人も行かない可能性が高い。もちろんパートさんを地元で雇うとかということもないとは言いませんけれども、基本的には、東京から常勤の研究員なり講師みたいな人が現地に赴任していって、そこに住んでやるということはほぼないだろうというふうに、この三十七件については思います。 残り十二件、全部移転を除く。これはどうかということについて、ちょっと一件一件見ていきたいんです。 イノベーション・コーストに基づくNEDO支所等を持ってきてくださいというのが福島県から出されて通っているんですが、これは、震災復興と廃炉のためにロボットを使う、それを現地で開発する、そのためにロボットのテストフィールドみたいなものをつくるとか、そういった話でありまして、これは既にできるということは決まっているんです。その中身はもちろん詳細にできていませんが、イノベーション・コーストというのはもともとできる話で、本年度予算にも百四十五億円予算が計上されているんですよ。だから、今回の地方移転の枠組みで移転が決まったというものではありません。これは水増しじゃないかと私なんかは見てしまうわけです。 そのほか、JAXAの防災データのバックアップ拠点というのを山口にも置けよ、それから水産総合研究センターの連携拠点というのを山口にも置けよ、防衛装備庁艦艇装備研究所の研究拠点を山口にも置けよと。十四件しか拠点あるいは拡充がないんですが、総理の地元に三つもあるので、なかなかすごいなとは思っておるんですけれども。 まず、JAXAの件。これは物はできるんです。ただ、人の方ははっきり決まっておりません。山口大学に研究者の方、高名な方がいらっしゃるようで、そこにこちらからも一人、二人行くのかな、それとも行かないのかなみたいなレベルの話です。 水産総合研究センターは、下関にある水産大学校と独法として統合する予定なんですね。統合するわけですから、当然スリム化が行われます。スリム化が行われて管理部門とかは人が減るんですが、その中で、もしかしたら減らした人間の中から、部門をちょっとかえるとか、連携センターみたいな役職をこれまで給与計算していた人につけるとか、あるいは人の異動を伴うのかもしれませんが、そういったこともあり得るので、人がふえるかどうか正直判然としない。 それから、防衛装備庁の艦艇装備研究所。どんな機能を持たせるか、何を移転するのかというのが全く未定なんですよ。これは珍しいんです。本来、そういうものはみんな落選されているんですが、この場合は通っているんですね。これは、オスプレイの関係でいろいろ御迷惑をかけていて、そういったことも含めてお土産なのかなという指摘も出ているのは事実であります。 それから、高齢・障害・求職者支援機構の教材開発拠点。これは鳥取です、大臣の御地元。すばらしい、大臣の御地元に一つあるんですよ。ほかのところはないんですから、ほとんどの県は。これも数人常駐するかなという話です。 それから、国立美術館の工芸館の展示拠点。国立美術館の工芸館というのは、そもそも、キュレーターというんですか、学芸員が五人ぐらいしかいない組織なんです。いろいろ物品を石川に持っていこうということで、拠点はできるだろうと言われているんです。ただ、人を送るかどうかは決まっていない。もともとが少ないということもあります。 これは馳大臣の地元ですよ。文部科学大臣の馳さんがいて、文部科学省所管の独法があって、その独法に馳大臣の強い意欲で何とか拠点が設けられる、こういう話であります。 実際に、北国新聞という地元の新聞があるんですけれども、ここで記事があって、馳大臣が北国新聞社の会長さんと懇談をして、「必ずしも東京にある必要がない施設だ。石川は工芸王国であり、前向きに検討したい」「「北陸新幹線開業で金沢と東京のアクセスが格段に良くなった。技術が進歩し、首都圏と地方で情報の共有化がスムーズに図れるようになった」と、実現が十分に可能との認識を強調した。」こういう記事が出ております。 私はここで、総理や石破大臣や馳大臣が自分の地元に持っていくのはけしからぬということをきょう言うつもりはないんですよ。だって十四件しかないんですから、それだけでもありがたいことですよ。ちゃんと動かしている、そういう人たちが政治力を使って役所を抑え込んだんだと。(発言する者あり)だったら、ほかのところでも政治力を発揮していただきたいんですよ、そこは。 次もちょっと見ていただきたい。ちょっと説明が長くなって申しわけないんですけれども。 産総研の研究拠点というのがあります。名古屋と九大につくるんですけれども、これは名古屋大と九大の中に事務所的なものを設けるというもので、名大の方は数人の研究者が行くだろうと言われています。九大の方はまだそこまで、行かない可能性もあるというぐらいですが。いずれにせよ、地元で世界トップクラスの研究をやられていて、そこに共同研究で行くという話であって、これもありがたいことではあるかもしれないが、しかし、地方創生とか地方移転とかいう枠組みの中の話なのかなということは正直思いますね。これは国家戦略みたいな、もっと違う枠組みの話じゃないかというふうな気がします。 そして、地域連携拠点というのは、石川と福井ですか、同じ産総研の拠点ができるんですが、これは、スペースは設けるけれども人は常駐しない方針です。ただ、東京に勤めている人が、名刺を二枚持つのか肩書きを二つ持つかという形で週に何日かそこに行くとか、そういう形になるというふうに言われております。 それから、農研機構の出先の拡充というのもあるんですが、二カ所あるんですけれども、こちらも大規模に人をふやそうという話じゃないです。ふえないかもしれないし、一人、二人かもしれない。 そうすると、広島、福島はもともと移転が決まっていましたという話だから除くとして、最初の国立健康・栄養研究所、これは実態のある移転だと思うんですよ。それを含めても、大阪に三十八人、名古屋に数人、これは三大都市圏です。そのほか、山口に一人、二人かな、鳥取に数人かな、石川に一人行くのかな行かないのかなという話をしていて、大阪、名古屋を入れても五十人前後なんです。大臣がいみじくも最初に言ったとおりですよね。もしその大阪、名古屋みたいなところを除いてしまえば、十人行くかどうかみたいな数字だと思うんですよ。 これで実態のある移転というふうに言えるんですか、大臣。いかがですか。
○石破国務大臣 これは別に政治力は関係ございません。 私は、これをやるに当たって、とにかく政治力とか口ききとか、そういうことは一切やってはならないということは何度も申し上げましたし、何で有識者会議を入れたかといえば、そこは、例えば宮崎先生からお声がかかったのでとか、そんな話になるととても納得のいく話ではないということで、有識者会議できちんとした議論をいただく。 特に、研究機関の場合には、アカデミックな話ですから、そこは研究者同士のお話というのをしていかなければなりません。そして、常に公開しているわけではありませんが、どうしてこのようになったのかということも全部公開するということは、何度も申し上げておるところでございます。 石川県の、先ほどのお話からすれば、私はきのうも金沢にいたのですけれども、やはりあそこの伝統工芸というものをきちんとあそこで展示してインバウンドというものに役に立たせるというのも、私は大きな意義のあることだと思っております。ですから、それがなぜそこに移るのか、なぜ何人なのかということはきちんとお示しをして、いろいろな御批判に耐えるものにしたいと思っております。 ですから、これは三月までに地方創生本部で決定するということになりますが、ぜひそこにおいて、これはおかしいではないか、もっとこうするべきではないかという御批判は謙虚に承りたいと思っております。 要は、そこへ移すことによって本当に日本全体にプラスになるかということであって、その地域にとってプラスになるんだったら何を移したってプラスに決まっているわけですから、そうじゃなくて、日本全体になぜプラスになるか、ほかのがなぜならないのかということはきちんとお示しをして、御批判というものに耐えるようにしなければいけないし、また、これから先もそういうような御見解は虚心坦懐に承っていきたいと思っております。
○宮崎(岳)委員 皆さんは当然、地方の方々も我々もその紙を見ているんですよ。何でおたくの県には行かせられないのかと。それを見た段階で、こんな理由なのかというふうに唖然としているというのが実態のところじゃないか。ですから、公開しているからいいじゃないかというような意味に聞こえたんですけれども、私はもう一回仕切り直した方がいいと思いますよ。 例えば、私、地元のことで恐縮なんですが、国土交通大学校の本校というのが小平にあるんですが、これを群馬に移してくれみたいなのがあるんです。地元のものだから一応目を通しているんです。 そうすると、その理由が、群馬県は東京駅から遠い。全国から研修生が集まってくるので、東京駅に近くないとだめだ、こういう話なんですよ。あるいは、霞が関から遠い。国交省の役人が講師をやっているので、六十分もかかる、群馬だと最短で百分かかるじゃないか、こういう話なんです。六十分と百分だったら僕は乗り越えられるような気がするんですけれども、そういう理由ですよ。 あるいは、旅費が多くなる。霞が関から講師が行くのに、板倉という群馬の場所があるんですが、そこに行くとすると旅費が一・四倍もかかる、こういう話なんですよ。大体、今の本校に行くのに、霞が関から電車賃七百十円なんです。板倉まで行くのに九百六十円なんです。一日二百五十円ですよ。こういったことを挙げて、研修業務を行う上での必要経費が大幅にふえるため、利便性、経済性が損なわれると。国交省の方々も本当に大変だな、この二百五十円を大事にするために大変な苦労を重ねているんだなということは評価しますけれども、しかし本気かなというふうには思いますね。 あと、周辺に、研修費を払い込むので、郵便局、都市銀行、コンビニ、そういうものがあることが望ましいみたいなことを書いています。郵便局とコンビニはいろいろなところにあると思いますが、都市銀行は余りないですよね、地方には。これは地方銀行じゃだめなんですか、信用金庫じゃだめなんですかと私は思うわけであります。 あるいは、国立社会保障・人口問題研究所。これも移転してくれといったときに返事の中にあったのが、研究ネットワークが必要なんだ、東京都内に立地する大学数が百三十九校、それに対して群馬県には十三校しかない、だからだめだ、こういう理由ですよ。あるいは、個人研究員というのがほかの大学に行って非常勤講師をやっている、そういう人たちが不便になるから東京じゃないとだめだ。こういうものを並べ立てられても、本気だというふうには感じられないんです。 時間がないのでちょっと結論に入りますけれども、全国の地方紙の社説、これを一回見てみてください。どう書いてあるか。 南日本新聞、出てきた案に唖然とする。新潟日報、苦し紛れのこじつけと言わざるを得ない。北海道新聞、移転できない責任を、説得力のある理由を示せなかったとして地方に押しつけるのであれば、政府は何もしていないのと同様だ。神戸新聞、数を稼ぐためのごまかしと映る。徳島新聞、政府機関を地方に移すという構想自体が成り立たなくなる。こんなことがずっと並んでいます。 私、見ましたけれども、手元で見つかるものだけですが、西日本新聞、福島民友、京都新聞、佐賀新聞、山陰中央新報、これは大臣の御地元でも読めると思います。高知新聞、茨城新聞、先ほど出ました北国新聞、富山新聞、愛媛新聞、秋田魁新聞、山陽新聞、信濃毎日新聞、この中には……(発言する者あり)みんなそうですよ。信濃毎日新聞なんか、小坂憲次さんの出である小坂家の経営する新聞じゃないですか。そういったところも全て批判しているんですよ。(発言する者あり)上毛新聞はちょっと見ませんでした。 そのかわり、産経新聞を見たんですよ。我々に厳しいし、政府には比較的お優しい新聞だというふうに理解していたので、どう書いているのかと見たんです。その産経新聞はこうです。「役所まかせにせず、強い政治決断で進めなければ、政府機関の地方移転など実現しない。」「地元企業との共同研究まで「一部移転」としてカウントしようとする発想があることにも驚く。」「子供だましのような数合わせが通るのか。」私よりよっぽど厳しい口調だと思うんですね。 本当に私は、この研究・研修機関の方、最初に戻って、もう一回仕切り直していただきたいというふうに思うんですよ。私、官房の説明を受けたら、今回落ちたのも全くだめだという話じゃないんだ、いろいろ説得力ある理由が出てくればもう一度そういうことも検討するということもあり得るんだという回答を伺っています。 大臣、同じ見解かどうかわかりませんけれども、もう一度これはやらないと、ほとんど五十人しか移転しない地方移転なんだということがあからさまになってしまいます。決意のほどをお願いします。
○石破国務大臣 私も地方紙は全部目を通しております。 私どもは批判を受けるのが仕事でございまして、褒めていただけるなぞということは私も今まで経験したこともございませんです。御批判はやはり虚心坦懐に承らねばならないというのは、先ほど申し上げたとおりであります。 これで終わるかどうかは、三月末まで申し上げることではございません。 ただ、この予算委員会の審議の中で、松浪議員からイギリスの例を御紹介いただきました。イギリスでどれだけ機関を移転したかという。それは、イギリスは法律もつくり制度もつくって、予定よりも早くに移転を多く実現したということでございました。 ですから、これから先も、どうやって東京一極集中を防ぐか、国全体のレベルを上げていくかということは、私個人としては考えていかねばならないことだと思っております。 こういうことに与党も野党もございませんので、上毛新聞も御批判いただいてもちっとも構わないのでございますが、いろいろな御批判があるというのは、それだけ御関心をいただいていることだと思います。地方と中央政府が一体になってやらなければこんなことはできません。地方からいろいろな御不満があるとすれば、私の指導が足らないがためでございまして、この点はおわびを申し上げます。 これから先も、これが日本のためなんだということをお示しいただきたいと思っておりますし、竹下内閣以来もう三十年たっているわけですけれども、今までそういうものは一つも実現しませんでした。政府からやるといったときに、なかなか政府から出てきにくい事情は委員も御案内のとおりだと思います。 ですから、地方からの御提案がある、我が党においても鳩山邦夫代議士を長としますそういう本部がございます、また議連でも、きょうは石田先生がお見えですが、石田先生を長とする移住に関しての議連もございます、政治主導と申し上げますからには私も一生懸命頑張りますが、与野党を超えていろいろな御提案をいただき、いい方向にお導きをいただきたいと心からお願いを申し上げます。
○宮崎(岳)委員 最後まで、五十人規模しか移転がないじゃないかということについて御否定もいただけなかったですし、そもそも五十人というのは最初に石破さんが出した数字ですから、そのとおりだというふうに思います。 時間になるので終わりますが、最後に一つだけ言わせてください。 幕末に、長州藩主で毛利敬親という方がいました。部下から何か言ってくると、そうせい、そうせいと必ず言ったので、そうせい公というあだ名がついた。 大臣、このままだと、地方創生大臣じゃなくて、霞が関そうせい大臣ですよ。霞が関から言われれば、そうせい、そうせい。移転は難しいんです、そうせい。東京から遠いところに行けません、そうせい。そういう話になっちゃいますから、これはもう覚悟を決めて、五十人を少なくとも五百人ぐらいにするように頑張っていただきたいというふうには思います。よろしくお願いします。 以上です。終わります。
○竹下委員長 これにて宮崎君の質疑は終了いたしました。 次に、奥野総一郎君。
○奥野(総)委員 民主党・維新・無所属クラブの奥野総一郎でございます。高市大臣、よろしくお願いいたします。 きょうは、放送法の解釈について、大臣、そして放送法に精通しておられるはずの籾井NHK会長とも議論してまいりたいというふうに思います。 年が明けて、さまざまな問題、ニュースキャスターの降板ですね。テレビ朝日の古舘キャスター、そしてTBSの岸井キャスター、またNHKのクローズアップ現代の国谷キャスター、三月末をもって交代、こういうことが発表されています。また、昨年はNHKの大越キャスターも四月から交代ということで、相次いで、あえて言わせていただければ、政権に物を申してきたキャスターが交代しているということであります。 例えば、報道ステーションでいえば、一昨年の十一月、衆議院選挙のときに、アベノミクスの恩恵が富裕層にしか及んでいないかのような報道をしたとして、自民党の方から名指しで文書で注意が行っている。あるいは、NEWS23でいえば、安倍総理が出演した際にアベノミクスに批判的な町の声が紹介されたとして、総理が町の声は実態が反映されていないと漏らしたということで、指導の文書が行っている。また、昨年におきましては、テレビ朝日の古賀問題あるいはクローズアップ現代の問題で、自民党の幹部の方がテレビ局に対する停波、放送の停止について言及したとの報道もあります。 このように、政権与党からの報道に関する発言が出ている、そうした中でのキャスターの交代ということであります。 そして、岸井さんの降板のきっかけとなったというふうな報道もあるのが、お手元にお配りしております資料ですね。放送法遵守を求める視聴者の会ということで、公開質問状を今お手元にお配りしています。 この質問状にありますように、昨年九月十六日のNEWS23において岸井アンカーが、メディアとしても安保法案の廃案に向けて声をずっと上げ続けるべきだ、こう主張したことについて、一方的な意見を断定的に視聴者に押しつけることは放送法に明らかに抵触するんだ、こういうふうに、括弧一のところですね、言っています。 そして、従来の総務省の放送法四条の見解について、総務大臣の従来の見解が不適切と。従来の見解というのは、全体を見る、一つ一つの番組について政治的な公平性を判断するのではなくて、番組全体として政治的公平性を判断すべきだ、これが従来の総務大臣の見解だ、しかしこれは不適切だというふうに述べています。そして、大臣に対して、この四条の部分について、個々の番組内で放送法第四条を十分尊重することということでこういう意見書を出してきておられるわけであります。 この見解についてまず籾井会長に伺いたいと思うんですが、放送事業者として、公共放送の代表として、政治的公平性は一つの番組の中で求められているのか、あるいは放送番組全体、NHKの番組全体で求められているのかという点について伺いたいと思います。 会長は、先日、会見では認めておられますけれども、NHKの解説委員についても偏った考えを持つ人がいる、こう発言されたそうであります。そうした点も踏まえながら、政治的な公平性についてどのように考えられるか、伺いたいと思います。 〔委員長退席、平沢委員長代理着席〕
○籾井参考人 まず、質問の一つは、放送の中でバランスをどういうふうにとっていくか、こういう御質問だったと思うんですが、私が着任する前の国会において、前会長の松本会長が、それぞれの番組の中でバランスをとっていく、これが実際の具体的な方法だということを答えているんです。 もとより、年間を通じて全体の中でバランスをとるということは理屈としては正しいんですが、やはり、我々が実態としてバランスをとるためには、一つ一つの番組の中で極力バランスをとりながら放送していく必要があるというふうに我々は認識いたしております。 それから、先ほどの私の発言についてでございますが、これはそれぞれの解説委員がそれぞれの意見を持っておるということを申し上げたわけで、それが実際に放送に出てくる場合には、やはりバランスをとりながらいろいろな意見を加味して放送に反映させる、こういうふうに申し上げたつもりでございます。
○奥野(総)委員 今の御発言によれば、政治的公平性、籾井会長の理解は、放送法四条一項の二号、番組の編集に当たって守らなければいけない事項として政治的に公平であることということは、ニュース解説ならニュース解説、NHKスペシャルならNHKスペシャル、一つ一つの番組の中において守られるべき基準だと理解されているということを今おっしゃいました。 そうしたときに、では、政治的公平性が守られているかどうかというのは一体誰が判断するのか。番組をつくるに際しては、恐らく番組編集権を持っておられる会長が判断されるということになりますが、会長として、この番組について政治的公平性がとれていないと思われたときに、編集権を行使して変更を命ずるということはあるんでしょうか。
○籾井参考人 一つ一つの番組でバランスがとれていないという場合には、それはそれなりに、番組のシリーズの中でバランスをとっていくとか、あるいは全体の中でバランスをとっていくというのは、当然、方法論としてはございます。でも、おわかりのとおり、年間を通じましてこの番組はバランスがとれていなかったということを言ったところで、それはその時点でのバランスをとるということには、行動としてはなかなかできないわけです。 私としては、御承知のとおり、会長が総理するということになっておりますが、実際は全てのことについて実務を分掌しているわけでございます。したがいまして、その分掌の中で各役員ないしは現場の局長なりがきちんと判断してやっているというのが、今のNHKの実際のオペレーションの実態でございます。
○奥野(総)委員 今おっしゃった、会長は委ねていると。そうすると、今編成権を持っているのは板野専務理事ということに恐らくなるんでしょうが、その権限でバランスがとれていない場合には変えることもあり得るということと理解いたします。 そして、もう一点伺いたいんですが、バランスがとれているかとれていないかというのはどういう基準なんでしょうか。何をもってバランスがとれているのか、何をもってとれていないのか、それを誰が判断するのか。もう一度伺いたいと思います。
○籾井参考人 明らかに、会長が判断するわけではございません。 これについては、やはり放送法というものがきちんとございますので、その放送法にのっとって事が判断される。この判断をする人は誰かといえば、放送法に基づいてやるわけですから、これを判断するのはやはり最終的には視聴者になるんだろうと私は考えております。
○奥野(総)委員 それは視聴者なんでしょうかね。 放送法の規律というのはNHKに及んでいるんですよね。NHKが守る番組準則ですよね。その番組準則にかなっているかどうかというのは、視聴者が判断するんですか。会長が判断するんじゃないんですか。会長じゃないとしても、会長が委ねている誰かが判断するんじゃないんですか。放送法の理解を間違っているんじゃないんですか。
○籾井参考人 先ほどから申しておりますように、番組それぞれについては、私どもは極力その中でバランスをとるというふうに心がけているわけです。これは、もちろん放送法にのっとってやるわけです。 それに対してベストを尽くしてバランスをとるわけでございますが、万が一それが外れたとした場合にどうするんだ、この判断は、私が裁判官で外れているとか外れていないとか、そういうことじゃなくて、やはり視聴者の反応とか判断で、これはちょっとバランスがとれていなかったとか、そういうことになるのではなかろうかと思います。 放送法に基づいてやっている限りにおいて、我々はベストを尽くしてバランスをとっているわけでございます。
○奥野(総)委員 これはあきれましたよ。 放送法で縛られているのはNHKさんですね。民放さんもそうです。番組準則に従ってやりましょうと。なぜ一個一個の番組じゃないかというと、難しいからですよ。一個一個の番組で政治的公平性が保たれているかどうか、そこが判断しがたいから全体としてと言っているわけですよね。 それを判断するのは最終責任者である会長じゃないんですか。極めて私は無責任な答弁だと思います。これ以上やっているとほかの質問ができませんから、会長は一旦ここでとめます。 さっきの話に戻りますが、この質問状に対して、総務大臣の名前で昨年十二月四日に回答文書が出ています。放送法遵守を求める視聴者の会御中という形で出されていますが、これを読みますと、従来、基本的には、一つの番組というよりは、放送事業者の番組全体を見て判断する必要があるという考え方を示してまいりました。 従前の答弁を踏襲してきているわけですね。これは、話題になったコンメンタールにもちゃんと書いてありますし、従来の公定解釈です。 しかし、そこにつけ加わっていて、他方、一つの番組でも、例えばと言って二つの例が挙がっていて、例えば選挙の話として、殊さらに特定の候補者や候補予定者のみを相当の時間にわたり取り上げる特別番組を放送した場合のように、選挙の公平性に明らかに支障を及ぼすと認められる場合、あるいは、国論を二分するような政治課題について、放送事業者が一方の政治的見解を取り上げず、殊さらに他の政治的見解のみを取り上げて、それを支持する内容を相当の時間にわたり繰り返す番組を放送した場合のように、番組編集が不偏不党の立場から明らかに逸脱していると認められる場合といった極端な場合において、一般論として政治的に公平であることを確保しているとは認められないと考えております。以上は、私が国会答弁でも申し上げていることであります。こうついているわけであります。 これは、従来の答弁を変更したということなんでしょうか。
○高市国務大臣 政治的な問題を扱う放送番組の編集に当たりましては、これまでの国会答弁を通じて、不偏不党の立場から、特定の政治的見解に偏ることなく、番組全体としてバランスのとれたものであることと解釈してまいりました。 その適合性の判断ですけれども、先ほど委員が指摘されたとおり、一つの番組ではなく、放送事業者の番組全体を見て判断することという答弁をしてまいりました。 あわせて、民主党政権時代からもそうですけれども、放送法第四条、これは単なる倫理規定ではなく法規範性を持つものである、こういった形で国会答弁をしてこられました。これはずっとこれまで国会答弁で解釈を示してまいりまして、明文化されたものがないので、多少わかりにくいかと存じます。 平成二十七年五月十二日の参議院の総務委員会で、これまでの解釈の補充的な説明として私が答弁させていただきました。 これまで番組全体としていた理由は、先ほど委員も、専門家でいらっしゃるので、大体委員がおっしゃっているようなことなんですけれども、限られた放送時間の中で、なかなか政治的公平性を確保することが物理的に困難な場合というのもありますよね。政党の党首を順繰りに日をかえてインタビューしていくような場合とか、二十四時間テレビのように、どこまでを一つの番組としていいとか、そういったことを行政が判断できないというような事情もありましたので、一つの番組のみでは難しいとしてきたんです。 参議院の答弁で、一つの番組でも、選挙期間中またはそれに近接する期間において殊さらに特定の候補者や候補予定者のみを相当の時間にわたり取り上げる特別番組を放送した場合のように、選挙の公平性に明らかに支障を及ぼすと認められる場合、また、国論を二分するような政治課題について、放送事業者が一方の政治的見解を取り上げず、殊さらに他の政治的見解のみを取り上げてそれを支持する内容を相当の時間にわたり繰り返す番組を放送した場合のように、番組編集が不偏不党の立場から明らかに逸脱していると認められるといった極端な場合においては、やはりこれは政治的に公平であるということを確保しているとは認められないと、補充的な説明として答弁をさせていただいたところでございます。 なお、先ほどNHKの会長から答弁があったんですけれども、やはり、放送法第五十一条において協会を代表しその業務を総理するお立場から、番組の編集についてもその責任をしっかりと果たしていただきたいと私どもは考えております。
○奥野(総)委員 後段の部分は全く同感であります。先ほどのは、まさに会長職務の放棄と言っていいような答弁だったと思いますけれども。 もう一度確認します。 補充的答弁と言っていますが、要するに、補充ということはつけ加えているということですから、その部分において解釈が変わった、つけ加わったことをもって変更といえば、変更されたというふうに理解をいたします。 しかし、放送時間の枠が狭いというようなものは今も事情は変わっていないわけですね。先ほどの御答弁だと、例えば朝のNHKの党首討論のような場合の例を挙げられましたが、例えば一時間の枠の中でというような話であれば、今も事情は変わらないわけですよね。 なぜ、これまで全体と言ってきたものについて、ここで解釈をつけ加える、補充する。何か事情の変更が起きたんでしょうか。 〔平沢委員長代理退席、委員長着席〕
○高市国務大臣 特に事情の変更は起きておりません。 これまでも放送事業者が自律的に判断をしてきてくださったものであります。特に選挙期間や選挙が近づいた期間において、時間配分等、政治的公平性の確保について、皆様が相当気を使っていただいているのはわかっております。わかりやすく整理をしていくという意味で申し上げました。事情は変わっておりません。
○奥野(総)委員 放送法の規定によれば、百七十四条の業務の停止とか、それから電波法の無線局の停止という規定があって、総務大臣の権限として放送をとめることができるわけですよね。 これは、もし今の解釈だとして、個別の番組の内容について、業務停止とか、あるいは放送業務そのものができなくなってしまうというようなことが起こり得るんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○高市国務大臣 委員がおっしゃったとおり、電波法上の規定もございます。しかしながら、これまでも、放送法第四条に基づく業務停止命令であったり、電波法に基づく電波の停止であったり、そういったことはなされておりません。 基本的には、放送事業者がやはり自律的にしっかりと放送法を守っていただくということが基本であると考えております。
○奥野(総)委員 先ほど読み上げましたけれども、特定の政治的見解のみを取り上げて相当の時間にわたり繰り返すとか、相当の時間といって、これは極めて曖昧な概念なんですが。相当の時間というのは一体誰が判断するんですかということになれば、時の総務大臣ですよね。 だから、これをもし恣意的に運用されれば、政権に批判的な番組を流したというだけで業務停止をしたり、その番組をとめてしまったり、あるいはそういう発言をした人がキャスターを外れるというようなことが起こり得るんだと思うんですね。 ですから、ここで明確に否定していただきたいんですけれども、この放送法の百七十四条の業務停止や電波法七十六条についてはこうした四条の違反については使わないということで、今、もう一度明確に御発言いただきたいんですが。
○高市国務大臣 それはあくまでも法律であり、第四条も、これも民主党政権時代から国会答弁で、単なる倫理規定ではなく法規範性を持つものという位置づけで、しかも電波法も引きながら答弁をしてくださっております。 どんなに放送事業者が極端なことをしても、仮に、それに対して改善をしていただきたいという要請、あくまでも行政指導というのは要請になりますけれども、そういったことをしたとしても全く改善されない、公共の電波を使って、全く改善されない、繰り返されるという場合に、全くそれに対して何の対応もしないということをここでお約束するわけにはまいりません。 ほぼ、そこまで極端な、電波の停止に至るような対応を放送局がされるとも考えておりませんけれども、法律というのは、やはり法秩序というものをしっかりと守る、違反した場合には罰則規定も用意されていることによって実効性を担保すると考えておりますので、全く将来にわたってそれがあり得ないということは断言できません。
○奥野(総)委員 この四条というのは、もともと昔から、古くは、まさに法規範性がない、努力義務だとずっと言われてきたんですね。だから行政指導も行われてこなかったんですが、時代の流れとともに変わってきたわけですよ。 今回、この解釈の変更で、個別の番組についても責任を問われかねない。今大臣は明確に停波とかは否定されませんでしたけれども、先ほど申し上げたけれども、実際に与党の幹部の方が、個別の番組の個別の事例について、停波について言及されたと報道されている事例もあるわけですね。だから、この解釈がもし続けば、この解釈の変更によって私は非常に報道の萎縮を生むと思うんですよ。 ですから、私は、この解釈、ぜひ撤回していただきたいと思いますが、いかがですか。個別の番組についてバランスをとるということ、政治的公平性を求めるということについて、撤回していただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。
○高市国務大臣 撤回はいたしません。 放送法上、放送事業者は、放送番組の編集の基準を定めて、これに従って放送番組の編集をすることになっております。そして、放送事業者は、放送番組審議機関を設置して、放送番組の適正を図るために必要な事項を審議することということが規定されていて、放送事業者の自主自律によって放送番組の適正を図るということになっております。 しかし、このような取り組みにもかかわらず、放送事業者が放送法の規定を遵守しないという場合には、放送事業者からの事実関係を含めた報告を踏まえて、昨年私が行いましたような行政指導を放送法を所管する総務大臣が行うという場合もございます。 先ほどの、電波の停止は絶対しない、私のときにするとは思いませんけれども、ただ、将来にわたって、よっぽど極端な例、放送法の、それも法規範性があるというものについて全く遵守しない、何度行政の方から要請をしても全く遵守しないという場合に、その可能性が全くないとは言えません。やはり放送法というものをしっかりと機能させるために、電波法においてそのようなことも担保されているということでございます。実際にそれが使われるか使われないかは、事実に照らして、そのときの大臣が判断をするということになるかと思います。
○奥野(総)委員 今、行政指導というふうにおっしゃいましたけれども、その行政指導自体についても、これはBPOの放送倫理検証委員会の委員長がインタビューに答えています。総務省による行政指導はおかしい、放送法の正統的な解釈からいっておかしいと。 そして、BPOが改組されているんですね。放送倫理検証委員会が二〇〇七年にできました。あのときに放送法の改正が提起されていた。やらせとか捏造の問題があって、放送法を改正して、放送事業者から改善計画を徴収できるようにしようという放送法の改正が提起されていたんですが、結局これは、放送界の反対、そして我が党も反対して削除されているんですね。それを受けてBPOが改組されて、こうした問題を扱う放送倫理検証委員会というのができたわけです。 それ以後、これは二〇〇七年に改組されているんですが、総務大臣の行政指導というのは行われてこなかったんですね。局長クラスが一回あっただけですけれども、行われてこなかったわけです。そのことについておっしゃられておるんですけれども、BPOがかかわっている事案について、重ねて、総務大臣が行政指導することは私はおかしいと。少なくとも二〇〇七年以降は行われていないわけですから。これは方針変更されたんですか。
○高市国務大臣 BPOは、NHK及び民間放送事業者が組織している団体でございます。多くの方々の人権を守るといった非常に重要な目的を果たしておられる機関でございますけれども、BPOはBPOでの活動、総務省の行政としての役割は行政としての役割だと私は考えます。 委員がおっしゃったとおり、平成十九年五月以降昨年四月までの間に、放送番組の問題に対して担当局長名の行政指導はしております。総務大臣名の行政指導を行った例は、昨年四月のNHKのクローズアップ現代の事実が初めての例となります。 しかし、どのような事案について誰の名前で行政指導を行うかというのは、従来から事案に応じてその都度判断をしております。特に、昨年の四月のNHKの事例に関しましては、中間報告の内容もよく踏まえた上で、つまり、既に放送法四条に明らかに抵触する虚偽の報道が行われている、そしてまた、私のもとに最終的な改善案を持ってくるということでございましたけれども、その発表された改善案についても、誰が、いつ、どのようにという具体性に欠けておりましたので、一日も早く再発防止策をしっかりと講じてほしいという意味で行政指導を行いました。 しかし、行政指導は、御承知のとおり、何か法的に処罰するようなものでもなく、相手を拘束する権限もありません。あくまでもこちらからの要請でございます。放送事業者の協力によって対応されるような性質のものでございます。
○奥野(総)委員 時間が来ましたけれども、強制はない、協力と言っていますが、その背景には、さっきおっしゃったように、停波とか業務停止という命令も持っているわけです。それがある以上、言うことを聞かざるを得ないという面があります。だからこそ、行政指導においても私は慎重に行うべきだと思います。 先ほど申し上げましたけれども、この政権になってから行政指導も復活した、また、今言ったように、個別の番組についても政治的公平性を問われると解釈の変更もした、こういったことが最初に申し上げたようなキャスターの皆さんの交代ということにつながってはいないかと危惧するところでございます。 この問題は、引き続き、総務委員会でもしっかり議論していきたいと思います。 以上です。
○竹下委員長 これにて奥野君の質疑は終了いたしました。 次に、柚木道義君。
○柚木委員 民主党の柚木道義でございます。質問の機会をいただき、ありがとうございます。 前回、十二月八日の日に、復興特別委員会におきまして、もちろん、我が党の同僚議員が被災地復興のことに関して多々質疑をさせていただいたわけですが、私はそういった質疑をより深めたいにもかかわらず、この間、報道等々で、大臣の、女性のお宅への侵入あるいは下着の窃盗とか、あるいは香典問題とか、さまざまな問題が報じられ、そしてまた、そういった報道がある以上、私もそういった点についての真偽を明らかにしていただきたいということで、この間、何度か福井にも伺いまして、御答弁もいただいてまいりました。 今回、私は資料の方を皆様に配付させていただいておりますが、少し驚きましたのは、その資料の一枚目、これは地元の県民福井という新聞でございますが、ここに、「高木氏週刊誌報道 窃盗疑惑は「事実」 元捜査関係者が証言」ということで、一面トップで記事があるわけです。この記事は、私は資料を提出しましたが、残念ながら理事会でお認めをいただけなかったということで、非常に驚いております。 この新聞というのは、大臣はよく御存じだと思いますが、地元、福井新聞が二十万部、そして、朝日新聞、読売新聞、日経新聞でも各一万部の購読者数の中で、四万部、県民福井というのは福井県民の方がごらんになっているわけですね。毎日、読売、日経の四倍読者がおられる新聞の一面の報道ですよ。この一面の報道を、なぜこの委員会で、これは私が言っているんじゃないですよ。こういう新聞記事を資料として提出させていただけない。 これは、そもそも先ほど来の質疑でも、報道や言論の自由が問題になっていますよ。こういうところで、報道や言論の自由というところが問題になっていることに加えて、その新聞の資料すら提出をさせていただけない。国民の皆さんの、まさに私たちは代議士と言われるわけで、質問権、こういったことも、事実、報道をされているという事実ですよ、その報道をされているという事実すら、これはやはり、私は大変遺憾でございます。 したがいまして、この報道が事実かどうかということについて、私自身も、この間、昨年もそうですが、ことしに入っても、四たび大臣の御地元に伺いました。 そして、まず冒頭伺いたいのは、この県民福井の「窃盗疑惑は「事実」 元捜査関係者が証言」という内容について、私自身もさまざまな方々から、あるいはさまざまな角度からお話を伺ってまいりました。これは委員の皆さんはもとより、国民の皆さんも福井県以外の方はわかりませんから、こういう記事なんですね。 高木大臣が約三十年前に女性の下着を盗んだと週刊誌で報じられた問題で、当時の福井県警の捜査関係者が本紙の取材、つまり県民福井の取材に対し、事実は事実と証言をした、高木復興大臣はこれまで国会など公式の場で事実無根と疑惑を否定しており、発言の信憑性が問われそうだということでございます。 それで、私自身も、これはその他のさまざまな、私も関係者からお話を伺っている中で、まずこの報道について、私は一つ一つ実際にお話をさまざまな方からさまざまな角度で伺っている中で、ぜひこれは大臣御自身が、これまでの参議院の予算委員会で、この報道については、実際にそういう報道の事実については、事実ではない、そういう認識を述べておられますので、私はそれを改めて資料の二ページ目につけさせていただいております。 一月十五日の参議院の予算委員会におきまして、我が党の石橋議員から、この県民福井の記事、大臣は、「読みました。」と。 そして、石橋議員が、 この記事によりますと、大臣が週刊誌等で伝えられました報道について、当時の福井県警の捜査関係者、当事者の方が、これは事実だと、事実は事実なんだということを証言をされたという報道です。大臣、これ、事実は事実、お認めになりますか。 に対して、 報道されたような事実はございません。 そこで、石橋委員の方から、 元捜査関係者、当事者の方が事実だという証言をした。それでも、大臣、確認しますが、それはうそだと。つまり、この捜査関係者がうそをついているということでよろしいですね。 と問うたのに対しまして、大臣の方からは、 職務上、守秘義務を負う元捜査員なる方の証言があるということでございますけれども、いずれにせよ、報道されているようなことについて、そのような事実はございません。 そういう御答弁をいただいております。 改めて、この県民福井の記事について、内容について、これは内容一つ一つ、いろいろな具体的な報道がされていますが、この中に書かれている内容は全て、全てですよ、事実無根ということですか。
○高木国務大臣 たびたび申し上げておりますけれども、そのような事実はございません。
○柚木委員 そのような事実はございませんと、いつも丸めてお答えになるんですが、この捜査関係者、そしてその周辺の方々、さまざまな角度から実際に取材をされている方、あるいはこれに付随してさまざまな証言を聞かれている方などなど、私は実際に五人から十人ぐらい、具体的にお話を伺ってまいりましたが、大臣、敦賀市内の女性宅ベランダで取り押さえられたという報道があるんですけれども、これは本当に違いますか。
○高木国務大臣 そのような事実はございません。
○柚木委員 報道によれば、そのときは、ベランダで下着を持っていたところを捜査員に取り押さえられたとありますが、下着を持っていたというのは事実なんですか。
○高木国務大臣 そのような事実はございません。
○柚木委員 そのようなということが常につくんですが、私もそういう関係者の方々からこの記事について、実際、いろいろな取材をされている方々も含めて、なるべくこれは正確に、やはり事実なのかどうなのかということで、さまざまな角度からお話を伺ってまいりましたが、やはり食い違っておるんですよね。 実は、先ほど後ろから発言もあったんですが、女性が被害届を出さなかったため、逮捕はされず、事件化されなかったと記事にありますが、これはそうなんですか。
○高木国務大臣 ですから、その事実そのものがございませんというだけでございます。 以上でございます。そういうことでございます。
○柚木委員 報道によれば、当時敦賀市長であられました父の孝一氏が現場周辺で、迷惑をかけたと謝罪をしたということでございます。 これは、お父様というのは、五期も市長を務められている、地元では顔を知らない方がおられないような、いわば有名な方でいらっしゃって、そのお父様が現場に謝罪に来られたということで、この元捜査関係者が実際に市長がいらっしゃったのをごらんになっているということでございますが、お父様が現場に行かれたということは、大臣、そのような事実はございませんと、一貫してそのようなということをおっしゃるんですが、お父様が現場に謝罪に行かれたというようなことはお聞きになられたこととか、あるいはそういう御認識はおありですか。
○高木国務大臣 ありません。
○柚木委員 これは後ほども質問をさせていただくんですが、当時の市長が、お父様が、報道によれば、あるいは、私もこの間の質問の中で、実際にその被害に遭われた方の近所の目撃者の方の証言も含めて、さらに、御近所の方々等々が実際に被害者の御家族の方から、お父さん、お母さんから聞かれた話も含めて私は伺っておりまして、お父様が、市長が謝りに来られた。 実は、前回、御存じでない委員の方もおられるかもしれませんが、目撃者の方、この報道の事案ということだけではなくて、これは報道の中にも出てくるんですけれども、実際に、その家に入られた方のプレートナンバーを控えて、そしてその被害者の方に、このナンバーの方が中に入っていかれた、車からおりて、そして、その目撃者の家の前にとまったから自分の家に入ってくるのかと思ったら、おもむろに両手に白い手袋をはめて、その被害者のお宅に、しかも正面ではなくて勝手口の方から入っていかれたというのを目撃されて、その事案については、ナンバープレートの目撃者の証言によって、これも報道によれば、当時の高木大臣であったということで、その後に市長がまた謝りにいらっしゃった。 そして、これは私はその目撃者あるいは御近所の方から直接伺った話ですけれども、まず、その家のお父様は目撃者の方に、おかげさまで誰がやったかわかりました、そして、偉い人の息子さんやって、そして、その方にお礼としてカステラを二本持ってこられた、その後、鍵を二重にしました、そういうお話。さらに、お母様の証言としては、まさに市長さんが謝りに来られて、もう口チャックなんだということを、御近所の方にその被害女性のお母様がおっしゃっている。 では、大臣が今おっしゃるように、お父様の孝一敦賀市長が、息子さんのためでなくて誰か別の方のため、何らかのために謝りに行かれたということになるんですか。いかがですか。
○高木国務大臣 いや、それは私にはわかりません。
○柚木委員 わからないということでは私はないと思いますよ。 御地元の方々は、これは大臣が私以上に御存じのことですが、まさにさまざまな選挙のたびごとに、そういった報道なり、あるいはそういった怪文書の類いなり、そして、大臣御自身もこの間そういう御答弁の中でそのようなことがあることはお認めになっている。 そういった中で、全く何の根拠もなく、御地元の方も、こういう報道を見ても、私も……今、大臣、きのうもお帰りになっていたと思いますが、御地元の方、どうおっしゃっているか。なかなか大臣の前で私がお聞きしているようなことをおっしゃっておられないかもしれませんが、当初私が初めて伺ったときには、残念ながら敦賀の恥だと怒っていらっしゃいました。そして、私が二回、三回と伺う中で、今や福井の恥だ、日本の恥だ、被災地の皆さんに申しわけないとおっしゃっていますよ、御地元の方が。御地元の方がおっしゃっているんですよ。私が言っているんじゃないですよ、大臣。 ですから、私は、そういう中で、やはり大臣御自身がしっかりと、それこそ、それがうそであるならば、週刊誌、報道等を告訴する、あるいは、まさに国会の正式な、例えば参考人あるいは証人喚問、そういった場で、事実をちゃんと双方それぞれ明らかにするような場を持たれた方がむしろ疑惑の解明につながるのではないかと思いますけれども。報道ですよ。そういう報道が出ていることは事実ですから。 では、この県民福井の記事の後半部に出てくるのは、疑惑は昨年十月に週刊誌が報道したことから始まり、高木氏が衆議院議員になる前、女性宅に侵入し下着を盗んだとの内容で、被害者の妹さん、知人の証言を掲載した、高木氏は同月二十日の記者会見でそういった事実はないと否定、十二月八日の衆議院特別委員会の閉会中審査でも全て事実無根だと述べられたということであるんですが、私は、この県民福井の中の報道、そしてまた週刊誌の中の報道、そういう報道の中に出てくる、実際にさまざまな関係者から、改めて、先ほど申し上げたように、ことしに入って四たび御地元に伺って、お話を伺ってまいりました。 それで、これ……(発言する者あり)私も歩きたいですよ。 よろしいですか。私は、大臣、ここで改めて伺いますが、高木大臣はこれまで、今日まで、何らかの理由で警察から事情聴取、取り調べ、あるいは話を聞きたいと言われるなどをされたことはありますか。
○高木国務大臣 ございません。
○柚木委員 私がお伺いをしてまいりました五人から十人ぐらい、直接、間接、それぞれ、そういった出来事について御存じだという方からお聞きした中で、今あえてお聞きしたのは、当時、ほぼ一九八九年から九〇年の間、平成元年から二年ですよ、本当に、その期間、警察から、つまりこれは敦賀警察署ということだと思います、事情を聞かれたことは一度も全くございませんか、改めて。
○高木国務大臣 ございません。
○柚木委員 私がお伺いをしておる中では、八九年から九〇年ごろですよ。何しろ、この報道自体も三十数年前とあります。その八九年から九〇年ごろに実際に当時の高木大臣、お話をお伺いしたという話を実はお聞きしました。 その方は、私がさまざまお話をいろいろな方から、しかも、その方だけではなくて、さらにその方を知るであろう方々等々、やはり二重三重にいろいろな方に同じことをお伺いする中で、その周りの方もそういうお話は認識しているという複数のお話を伺っております。 このときも、市長が実際に謝りに来られたということについても、私がお話をお聞きした範囲の中でそれはお認めになられているんですね。しかも、これは、当時被害に遭われた相手の女性の方からもお話を伺ったというふうに私はお聞きをしております。 そうすると、これはまさに、この県民福井の中の記事の後段、あるいは週刊誌報道等の記事、しかも、私がお伺いする中で、そちらのお話は、これはいわゆる現行犯ということではなくて、その後お話を私がお聞きした中では当時の高木大臣から聞かれて、しかしながら、結果的に事件化しなかったということだそうです。ですから、この県民福井の記事も実はそうなんですけれども、記録は残っていないということなのかもしれません。 ただ、私が伺った中で、やはりこちらの方は、明らかに現場でその方が取り押さえられたという報道です。しかし、その当時の大臣のお話をお聞きされたという関係者の方のお話、これは現場でということではなくて、その後にお話をお聞きされたということだそうです。 こちらの報道は、実は一九八五年ごろ、大体ですよ。しかし、現行犯ではなくて、後ほど当時の高木さんから警察の方がお話を聞かれたという事案は、先ほど申し上げたように、八九年から九〇年、大体ですよ。それは、私がさまざまな関係者の方々から、大体それぐらいの年代にどういう方がどういうところにおられてというのはわかりますから、大体それぐらいだろうということでありまして、ずれがありますし、現場で取り押さえられたという話と後ほどお話を聞かれたという話は違うんですね。 大臣、こういう、それぞれ、ひょっとしたら、私は、別の話なのかなということを、今回さまざまお話を伺う中で思っているわけですが……(発言する者あり)今ちょっとお話があったんですが、複数そういったことが、ひょっとしたら、私の中では、話を聞く中であり得ると思うんですが、大臣、複数そういうようなことがあったということは全く違う、そこをここで断言できますか。
○高木国務大臣 違います。ございません。
○柚木委員 これは、私は、実際そういうお話を本当に丁寧に、先ほどいろいろな声も聞こえてまいります、やはり丁寧にお聞きしなければならないということで、関係者の方に相当の時間をそれぞれいただいてお話を伺ったということでございます。 私が今申し上げている、後ほどお話を聞いたという方については、これは実際に被害家族の方からはお話を聞いていないということでありまして、この件というのは、私が前回ナンバープレートの件で質問をさせていただいた方と同一の方だと、私がお話を聞いた中では、その同一の方についての取り調べだということを、私自身がお話を伺う中で確認させていただけるかなと思っているんですね。 そこで、改めて伺いますが、ナンバープレートなんですけれども、福井五六や一四四七、このナンバープレート、大臣、お調べをいただけたでしょうか。
○高木国務大臣 事実ではございませんし、そういった必要はないと考えております。
○柚木委員 大臣、事実でないとおっしゃるのであれば、まさにお調べになって、このプレートというのは御本人が陸運局に問い合わせれば簡単にわかるんです。私たちも、車体ナンバーさえわかれば問い合わせをさせていただきたいんです。ぜひ御自分で、みずからおっしゃっていることが正しいということであれば、そのことを立証すべく、ぜひお調べいただいて、違うなら違うということをこの場で皆さんに御説明をいただけませんか。
○高木国務大臣 たびたび申し上げておりますが、事実ではございませんし、ナンバープレートを調べるということはいたしません。
○柚木委員 その元捜査関係者の方、最初の報道の方、あるいは直接お話を伺ったという方、その方々が、考えてみてください、皆さん、うそを言う必要はあるんですか。うそを言って何の得があるんですか。 大臣が、まさに前回の参議院の予算委員会で、わざわざ、守秘義務がある方がそのような証言をされていると言われていますが、大臣、守秘義務のある元捜査官の方がとわざわざ、頭でそうやって言われるというのは、全てきょうおっしゃっているように事実無根ということであれば、わざわざ守秘義務のあるという枕言葉をつけて言う必要はないじゃないですか。何で守秘義務がある元捜査官の方がとわざわざ枕言葉をつける必要があるんですか。やましいことでもあるんですか。
○高木国務大臣 これまでも複数の方が証言しているという報道があることは承知しておりますし、今回、県民福井で、元捜査員なる方が証言をしたという報道は承知していると。 なお、守秘義務については、捜査員に限らず、やめた後も公務員には守秘義務があるんだということを認識しておりますので、そのようなことを申し上げたということでございます。
○柚木委員 だからこそ、私も、皆さんが誰なんだ、誰なんだとおっしゃる、言いたいですよ、ここで。まさに、そういう大臣がおっしゃっている部分も、私自身も配慮をさせていただきながらお伺いをしている中での、最大限の私がお聞きをしているお話を申し上げているんですね。もう一件……(発言する者あり)今そういう声もあるんですが。 私が今申し上げたのは、一九八五年ごろの直接現行犯でという報道、そして二番目は、八九年から九〇年ごろ、実際に大臣から、当時警察にお越しいただいて事情をお聞きされたという方、関係の方々のお話。 そしてもう一件、私が伺って、これもちょっと驚きましたけれども、これも当時の関係者の方で、大臣、先ほどは八九から九〇年ですね。九〇から九二年の間、つまり、大体御存じですね、人事。それぞれの警察署、一年、二年、かわっていきます、役職が。九〇から九二年の間に、不法侵入あるいは女性の下着の窃盗、そういったことで取り調べを受けられた記憶はありませんか。
○高木国務大臣 ございません。
○柚木委員 私は、それぞれお会いした方には、長い方は二時間ぐらい、短くとも三十分、四十分ぐらいは丁寧にお話を伺っているんです。ですから、大臣が一言で事実無根ということをここでおっしゃっても、これまで、その被害者の御家族や目撃者や近所の方や、あるいは元捜査関係者、お一人だけでなくて、いろいろなそれぞれの時期、そういう方々がうそを言う必要が私は全くないと思うんですよ。 それを一言で事実でないとおっしゃるんですが、この一九九〇年から九二年にかけての私が伺ったある関係者の方のお話は、明確に、その話というのは女性の下着を盗んだ件かと。あのころは若かったころのことだね、そして、そういうことはあったんだけれども、穏便にというか示談に、そういうふうに、市長さんの、そういう意味では息子さんということがある、ない、謝りに行かれた、そういうことがある、ない、そういう部分も含めて、やはり結果的に、この件もです、この件も、私が伺った中では事件化しなかったということでございます。 私は、この話に共通をしているのは、やはりお父様がそれぞれ謝罪に来られたということについては共通をしております。そして、不法侵入並びに女性の下着の窃盗というようなことで調査、捜査がされた、実際にお話を聞かれた、そういうことについては共通しているわけですが、ただ、私が今回御地元にお伺いする中でちょっと驚いたのは、それぞれの時期がずれているんですね。 私も、当初質問をさせていただいていたころは、実は同じ事案かと思っていた部分もあったんです。これはやはり非常に時期が近いのでそういうふうに報道されている部分も実はあったんですね。しかし、一つ一つ丁寧に関係者のお話を聞いていくと、一九八五年ごろ、実際はそれは現場でその方が取り押さえられた、八〇から九〇年については、実際に当時の高木大臣からお話を聞かれた、そういうことがあった、しかし、事件化されなかった。九〇から九二年については、明確にそういったことがかつてあった、下着のこともおっしゃっています、市長さんの件もあるから穏便に示談にということもおっしゃっています。若げの至りだね、そういうことだった、だから事件化しなかったということもおっしゃっています。時期がそれぞれ違うんですよ、大臣。 私の持ち時間は終わってしまうんですが、このそれぞれの証言、私は、これまで委員長にもお願いしてまいりました。委員長、国会の、例えば本当のことを言っているかどうか、違う場合には罰則も適用されるような証人喚問、参考人質疑、さまざまな場面でやはりこれは明らかにしていただいて、被災地の方は、大臣、頑張ってくれというお話があるようですが、私にはこういう声が届いているんですよ。耐えて、耐えて、耐え抜いて頑張りたいとおっしゃっている、本当に耐えて、耐えて、耐え抜いているのは被災地の皆さんだ、だから、申しわけないけれども、大臣には、三・一一、五年を高木大臣で迎えてほしくない、そういう声があるんですよ。 その声を払拭する意味でも、こういう疑惑についてはちゃんとした場で解明をする、そういうことを、大臣、最後にお約束いただけませんか。
○高木国務大臣 たびたび申し上げておりますけれども、そういった事実はございません。
○柚木委員 ほかの質問も用意しておりましたが、残念ながら、きょう、この質問しかできませんでした。本当に私も不本意です。ぜひ一日も早くこの疑惑を解明いただくことをお願いして、質疑を終わります。 ありがとうございました。
○竹下委員長 これにて柚木君の質疑は終了いたしました。 次に、高井崇志君。
○高井委員 岡山から参りました維新の党の高井でございます。 まず、石原大臣にお聞きいたします。 甘利前大臣から大変重要な業務を引き継いでおられます。経済財政諮問会議、もちろんTPP、それからマイナンバー、PFI推進、個人情報保護、GDP統計、まだまだ所掌事務をたくさん書いておられますが、大臣、甘利前大臣からはどういう形で引き継ぎを受けておられますでしょうか。
○石原国務大臣 ただいま委員が私の所掌事務をお話ししていただきましたけれども、本当にたくさんの、そして安倍内閣にとりましても、また日本国にとりましても非常に重要な責務を担当しているという思いで緊張して臨ませていただいております。 今御質問のございました甘利大臣とのやりとりということでございますが、こういう騒動がございまして、私がお伺いしようかと思ったのでございますが、甘利前大臣の方からお電話をいただきまして、二十分程度、電話で個々の内容について、また留意すべき点について指導をしていただいたところでございます。
○高井委員 いや、本当に驚くんですけれども、これだけの所掌事務、通常、ほかの大臣でも、あるいはこれだけの懸案事項じゃなくても、当然、対面で資料などを交わしながら行われると思うんです。 電話で二十分ということですけれども、大臣、本当にそれで十分な引き継ぎであり、そしてこれからのTPP、特にやはりTPP、それから経済財政の司令塔としての役割を果たせるとお考えでしょうか。
○石原国務大臣 高井委員の御質問は甘利大臣とどのように話をされたかということでございますので、最初のお話をさせていただきましたけれども、困ったことがあったらいつでも相談に乗る、そういう温かい言葉もいただいております。
○高井委員 TPPは、きょうの午前中や昼の議論も聞いておりましたけれども、やはり、交渉の過程でどういう議論があったかというところ、もちろん出せないものは出せなくてもいいんですけれども、しかし、それを十分把握した大臣が答弁に立っていただく、あるいはさまざまな指示を出していただかないと、これはとても国内法の整備や承認という作業はできないと思いますが、このTPPについて、甘利大臣しか知り得ない情報というのもあると思うんですけれども、そういったことの引き継ぎは今ので十分だとお考えですか。
○石原国務大臣 きょうの午前中も議論になったところでございますけれども、TPP交渉というのは、日本も含めまして十二カ国がさまざまな国内問題を抱えつつ協議に臨み、五年という長い年月をかけて昨年の十月に暫定合意し、先週、二月四日でございますか、署名に至ったという性質のものでございます。 当然、その間に担当者が、これは甘利大臣に限られたことではございません、首席交渉官もおります、次席もおります、各担務ごとにいます、その皆さん方が、この十二カ国の中で、バイの会談もあったと思いますし、マルチの会談もあった、そんな中で今回の結論を得た。この結論の内容がTPP交渉の全てでございますので、そのTPP交渉の結果である協定等々につきましては、御質問いただいたことにはできる限り丁寧に御答弁をさせていただきたいと考えているところでございます。
○高井委員 事務方がいるからという御答弁も予想されたわけですけれども、甘利大臣のブログを私はちょっと見たんですけれども、少し古い、二〇一四年の四月のブログですが、こう書かれています。「このひと月あまりの間に東京—ワシントン—東京と場所を移しつつ、延べ四十二時間の大臣交渉を行いましたが、その半分以上は事務方を排して一対一の交渉でした。」ということであります。 これだけの、大臣が一対一で交渉をやったということを、電話でたった二十分の引き継ぎで、とてもじゃないですがこれは引き継がれていると思いませんので、ちょっとこの後の質問でそのことも明らかにさせていただきたいと思います。 私は、TPPの中で最も日本が敗北、譲ってしまった、特に米国に譲ってしまった分野が、知的財産、著作権の分野だと思っています。 アメリカは御承知のようにディズニー初め巨大なコンテンツ大国で、何と十五・六兆円もの輸出額を持っている、相当なロビー活動もされていて、片や、我が国は著作権料の赤字は八千億に及んでいます。 そのほか、著作権が五十年から七十年に延長されることによって我が国がこうむる損害あるいは支障というのはさまざまあると言われていますし、あともう一つは、法定賠償制度という制度が、これは我が国にはない制度でありますけれども、アメリカである。 どういう制度かというと、我が国では、訴えを起こした著作権者、権利者の実損害のみを賠償として求めることができる制度でありますが、アメリカでは、実損害の証明に手間がかかるということで、その証明がなくても裁判所が法定の金額、アメリカでは一作品十五万ドル、一千八百万円ぐらいですかね、かなり大きな、一作品でこれだけの金額ですから、認められる。 この制度によって、アメリカは御承知のとおり訴訟型の社会ですから、裁判が乱発されて、非常にコンテンツビジネスも萎縮するという可能性があります。 ほかにも、一部非親告罪化、これも非常に、二次創作で日本は主に成長しておりますから、これに対しても大変悪影響があるということなんですが、こうした著作権分野で譲ってしまった、その理由、これについては、石原大臣、どう考えておられますか。
○石原国務大臣 今委員がお話しになりましたTPP交渉における知財の分野でございますけれども、やはり、権利を保護するという話と、委員が後段お話しになりましたような利用促進との兼ね合いだと私は思うわけであります。バランスをとりながら交渉された結果が全てでございます。 そんな中で、委員が御指摘されましたのは、著作権の保護期間の延長について、日本の場合は、委員御指摘のとおり、本当に五十年でございます。TPPの国で見ますと、五十年というのは、日本、カナダ、ニュージーランドの三カ国でございまして、他の国は七十年。OECDの加盟国三十四カ国で見ましても七十年という形にそろっている。ある意味では、国際的に二十一世紀型の新しいルールをつくるということでございますので、七十年にそろえる、調和が図られた、こういうことだと思っております。 そして、親告罪についても御言及がございましたけれども、これも日本とベトナムだけでございます、制度が非親告罪化ということをされていないのは。そんな中で、限定的に運用をするというような文言になっているわけでございます。 すなわち、権利者が著作物等を市場において利用する能力に影響を与える場合に限定と、極めて、私どもの主張、すなわち、日本はさまざまなアニメーション等々のコンテンツがございまして、それが二次化、三次化して、パロディーなんかもアニメの世界にはあるわけですけれども、そういう方々が芸術活動を萎縮することのないように取り組まれた結果が今日の協定であるというふうに御理解をいただきたいと思います。
○高井委員 著作権の五十年から七十年は、確かにそういう見方もあるんですけれども、アメリカの議会の中でも、もう今の世界の潮流として、これだけIT化、デジタル化の時代の中で、これ以上著作権を延ばすのは、まさにビッグデータとかそういうものも制限されるという議論もあるものであります。 今、大臣、私が質問した中の法定賠償制度についてはお答えになりませんでした。これは恐らくお答えできないからではないかなと思っておりまして、実は、この法定賠償制度は、我が国では、民法は、填補賠償原則というんですけれども、訴えを起こした権利者の実損害部分のみ賠償金として求める原則、これは民法七百九条でそういう原則になっております。ですから、民法の原則からするとこの法定賠償制度というのは導入することはできない、多くの専門家からそういう指摘があるわけですけれども、民法を所管する法務大臣、いかがですか。
○岩城国務大臣 TPP協定において、著作権等の侵害に関する損害賠償制度、法定の損害賠償制度が規定されていることは承知をしております。 この法定の損害賠償制度につきましては、現在、関係省庁の間で、所要の立法措置について検討されているものと承知をしております。 したがいまして、民法の填補賠償の原則との関係については、当該立法措置の検討段階でございます。
○高井委員 国内法を整備するのは、確かに著作権法は文化庁、文部科学省だと思うんですけれども、今私がお聞きしたのは、法定損害賠償制度というアメリカで実際に既に導入されている制度が、日本の民法の七百九条初め民法の法体系とは明らかにそごが生じる、そういう指摘が、これは実は文化審議会著作権分科会という、この審議会の中の委員会でもそういう意見が多数出ているわけです。これを、民法を所管する大臣としてどうお考えなのかという質問です。
○岩城国務大臣 そういったそごがあるということの指摘も十分に承知しておりますので、今、関係省庁で検討しているところであります。
○高井委員 今、承知しておるとおっしゃられましたけれども、ではどういう問題が具体的に生じることになるのか、お答えください。
○岩城国務大臣 お答えいたします。 民法の規定との関係、これがまさに今、その検討という形で、できるかできないのか、その辺を検討しているということであります。
○高井委員 全く答えになっていませんけれども。 では、民法七百九条は、大臣、理解されているんですね。七百九条の趣旨をお答えください。
○岩城国務大臣 七百九条は、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」こうなっております。
○高井委員 それについて、アメリカでは全くそれとは異なる、実損害の証明がなくても、あらかじめ法律で定められた賠償金というのがあって、それが今回のTPP協定の中で入れられている。これに対して、今のお答えになった民法とはそごが生じるんじゃないかという質問をしているんです。 検討中では意味がわかりませんから、もう一度答弁をお願いします。
○岩城国務大臣 おただしのありました法定損害賠償制度、この内容が一義的に明らかになっておりますので、ここも含めて具体的内容の検討をされているところであります。 今後、所要の立法措置の内容が明らかになった段階で、この辺のところはどういうふうになっていくか、この検討だと思っております。
○高井委員 今、明らかになっていないというお答えをいただいたんですね、法定損害賠償制度の中身が。いや、そんなことないと思いますよ。 これは、法定損害賠償制度とはといって、文化庁の資料でもはっきりと説明が書いておりますし、アメリカで実際にそういう制度があるわけです。ですから、その中身に照らして、民法とそごが生じるんじゃないかと。 検討しているとおっしゃいましたから、どの部分、そごがあるか、それをどう検討されているのか、お答えください。
○岩城国務大臣 法定損害賠償、これにつきましては、必ずしもアメリカの制度と同様のものが協定上求められているわけではない、このように認識をしておりますので、そういった点も含めまして今検討中であるということであります。
○高井委員 それでは、石原大臣、どういう制度なんですか、法定賠償制度。アメリカと同じものじゃないんですか。
○石原国務大臣 今法務大臣が御答弁されたとおりなんですけれども、委員の御懸念は、要するに、実際に損害があった金額よりも、法律をつくって巨額の賠償を請求する制度がアメリカにある、これに日本の企業が適用されて、このような、実損よりも大きな損害額を取られるのではないかという御懸念ではないかというふうにお話を聞かせていただいていたんですけれども。 この点は、私も委員の御指摘は大変重要な点だと思いますが、いろいろ調べてみますと、この制度をどのように、法務大臣が答弁されたように、これから法務省を中心に制度を整備されていくわけでございますけれども、各締約国は、国内の法制及び法律上の慣行の範囲内でこのチャプターに入っている規定を実施するための適当な方法を決定することができる、その旨を法務大臣が御答弁されておりますとおり、我が国の具体的な制度設計というものは我が国に委ねられておりますので、委員が心配されるような御懸念を払拭していくということになるのだと思っております。
○高井委員 緒方委員の質問のときも私は同様の思いをしましたけれども、やはり、国内法とその条約、この協定に矛盾する点があるんですね。私は、この最たるものが法定賠償制度で、実際に幾人もの法学者の方が、この審議会という公の場の小委員会で明確にこう言っています。現行法を改正すべきではない、法定賠償制度を創設することは妥当ではない、我が国の法体系上認められないと。 これは、十一月のたしか四日ですかね、もう合意の後です、合意の一カ月後に、こういった専門家が、文化審議会の委員会の中でそういう発言があるわけですけれども、こういう指摘を受けて、なぜそういう指摘がそれぞれの専門家から出てくるのか、そのことをどう受けとめられていますか。
○岩城国務大臣 実際の立法措置を行うのは文化庁と承知をしておりますので、その立法措置の内容が明らかになった段階で、填補賠償の原則との整合性について、私ども法務省としても十分に検討してまいりたい、そのように考えております。
○高井委員 そんなのんきなことで大丈夫なんですかね。 私は、もちろん、事前にいろいろ調べて、事務方に聞いていますけれども、やはり文化庁がつくっている原案に対して、法務省としてなかなかそれはうんと言えないということなんですね。もう事前にそういうやりとりをやっていますから、それは案文ができてきてから検討しますなんて言っていたら、今国会にこのTPP関連法を出すというふうに聞いていますけれども、そういうおつもりは全くないということになります。それは表向きそういうことかもしれませんけれども、実際もう法務省の中でそういう検討も始まっているわけですし、それを大臣はさっき承知しているとおっしゃったんですから、そこははっきりともう一度、どこに問題があるのか、その点をはっきりとお答えください。
○岩城国務大臣 我が国の法体系上受け入れられるのかどうか、その点につきましては、この立法の内容が明らかになっていない段階でありますので、今のところ、そのことにつきましてはお答えをすることが難しい、こういうことであります。
○高井委員 では、今のお答えですと、我が国の法体系で受け入れられないものであれば、それはこの協定自体がもう受け入れられない、破棄する、そういうことですね。それでよろしいんですか。
○岩城国務大臣 受け入れることができるのか、受け入れることができないのか、そのことにつきましての判断は、立法の内容が明らかになっていないので、ですから、現在の段階では回答ができないということであります。
○高井委員 それは、署名する前にやはりやらなきゃいけない話で、これは本当に、もし受け入れられなかったらどうするんですか。法務大臣として、それはもう受け入れられないということで、では、民法を改正するんですか。民法を改正してでもやるということですか。どっちなんですか。
○岩城国務大臣 まだ新しい立法の内容が明らかになっておりませんので、仮定のお話につきましてはお答えを差し控えさせていただきます。
○高井委員 これは、やはり法律をつくるに当たって、同じ政府ですから、明らかになっていないといったって、文化庁は当然もう準備をして、法務省と交渉していると言っていましたから、それは大臣が知らないだけでしょう。法務省の相当な幹部、あと法制局にも説明が行っているといいますから、大臣が知らないのなら、大臣が知らないとおっしゃってください。大臣が知らないから答えられないんだ、そうおっしゃってください。
○岩城国務大臣 TPPの協定を受けまして、具体的にどのような立法措置ができるのか、可能なのかあるいは可能でないのか、そういったことを判断していくわけでありますけれども、その前提として、その協議に我が法務省としては協力をこれからしていくということです。
○高井委員 では、可能じゃないということもあるんですね。現行の法体系で可能じゃないということはあるんですね。
○岩城国務大臣 法務省といたしましては、その立法の中身が明らかになりつつある、そういった段階でその辺の判断をしていきたいと思っています。
○高井委員 では、その立法の中身が、要するに、現行の法体系と合わない、法体系を乱す、崩すものだったらどうされるんですか。
○岩城国務大臣 先ほども申し上げましたとおり、仮定のお話にはお答えできませんが、その内容等につきまして、これから具体的に立法の中身が明らかになっていく段階で、法務省としては判断をしてまいるということです。
○高井委員 法定賠償制度というものが入れられるということはもう決まっているわけですし、これはいろいろな説明資料にもたくさん出てきますよ。 何より、もう法務省は、その案文というか、文化庁と話をしているわけですから、今そこでいろいろ事務方から聞いているようですから、今そこで聞いて、その中身で、それでは法務省として、法体系を崩すものじゃないのか、あるいは、崩すものだったらどうするのかということを答弁してください。
○岩城国務大臣 ただいま文化庁の方で検討している段階だと思われますので、私の方ではそのことにつきまして今申し上げることはできませんが、これから必要な協力はしてまいりたいと考えております。
○高井委員 では、済みません、文科大臣に来ていただいていますから、もう案文ができていると思いますから、今御紹介ください。
○馳国務大臣 私の方からも整理してお答えしたいと思います。 昨年十一月に定められた政府の総合的なTPP関連政策大綱においては、「著作権等侵害に対する民法の原則を踏まえた法定の損害賠償制度等に関し、所要の措置を講ずる。」こととまずされております。 そこで、TPP協定における法定の損害賠償への対応については、民法の填補賠償原則等、損害賠償制度に関する我が国の法体系に整合したものとなるように対処するとなっております。 TPP協定第十八・五条においては、先ほど石原大臣からもお示しをしましたが、こういうふうに書かれております。「各締約国は、自国の法制及び法律上の慣行の範囲内でこの章の規定を実施するための適当な方法を決定することができる。」とされておりまして、各国に一定の裁量が認められている、こういうふうに承知しておりますから、我が国の法体系の裁量の範囲内で行うことがこれは適切である、このように思い、今現在検討をしているということをお伝えしたいと思います。
○高井委員 では、国内法に整合するようにということでつくったとして、法務大臣も了解したとして、それが本当にこの協定を満たすものになるのか。これは、諸外国から見て、例えばアメリカなんかは法定賠償制度とはっきり書いているわけですから、はっきり書いているものに対して、国内法を優先した結果、違うものが出てきたときには、これは、石原大臣、TPPの担当大臣として、どういうことになるんですか。
○石原国務大臣 ただいま文科大臣が御答弁しましたとおり、制度の設計についての裁量権が、我が国にこの賠償制度についても委ねられているということは、民法と整合性のあるものを今文化庁の方で御検討し、その後、法務省と法律的な文言をきっちりと詰めて、できる限り早く委員会に提出をさせていただけるようになることを期待しているところでございます。
○高井委員 整合しない可能性があるということを今さんざん申し上げています。 仮定の質問には答えられないとおっしゃいましたけれども、しかし、そういう場合を想定して議論していかなきゃいけないわけで、しかも、さっき法務大臣は、整合性がとれるかとれないかを含めて今検討をするんだとおっしゃっていました。 これは、重ねて聞きますけれども、とれない場合があるということですね。民法と整合性がとれない場合があって、そのときに、ではどうするんですか。
○馳国務大臣 先ほど申し上げましたように、一定の裁量権が認められているんです。したがって、我が国の法体系の中で、整合性のある中で調整するのは当然のことでありますので、そういう方向性でまとめてまいります。
○岩城国務大臣 民法の填補賠償原則と反しない形で立法措置がなされるものと認識をしておりますが、いずれにしましても、必要な協力を法務省はしてまいります。
○高井委員 協力というか、もう今既に協議をしているわけですから、まさにもうこれだけ大きな問題でありますので、これは、大臣は本当にこの問題を認識されておられましたか。今、ずっといろいろ事務方から聞いて、そのまま読んで答弁されているように見受けられるんですけれども、この問題、あらかじめ知っておられましたか。 知っておられたなら、もう一度御自分の言葉で答弁してください。民法と法定賠償制度の問題は何なのかということを、御自分の言葉で答えてください。
○岩城国務大臣 民法の体系の中で整合性がとれるものとなるかどうか、そういったことも含めまして、その立法の趣旨が明らかになった段階、そういった形で我が法務省としても協力してまいるということです。
○高井委員 中身のことは言われませんでしたし、結局、最後まで、法体系に適合するかどうかをこれから見たい、これから案文が出てきたら見るなんという、政府の中でそんな悠長なことをやっていて、本当にこの国会の中で国内法整備、出てくるのかということは甚だ疑問であります。 引き続きTPPの問題は質問の機会があると思いますので、きょうは終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○竹下委員長 これにて高井君の質疑は終了いたしました。 次に、井出庸生君。
○井出委員 維新の党、信州長野の井出庸生です。 きょうは、高木復興大臣に、復興大臣の職責に対する高木大臣御本人の思い、率直に言えば、どれだけの思いを持って復興大臣というお仕事に取り組んでいただけるかを伺って、問うてまいりたいと思います。 先日、二月の一日なんですが、とある国会議員の方のパーティーの中で高木大臣は御挨拶をされております。その国会議員の方の御祝辞の挨拶だったと聞いておりますが、その中で、大臣というのは本当に厳しいものでございまして、私を見ればよくわかるというふうに思いますけれどもとお話をされております。 この本当に厳しい、大変だ、その思いを改めて伺いたいと思います。
○高木国務大臣 あのときは、我が党の国会対策の責任者の一人でございます委員長代理のパーティーで御挨拶させていただきました。 一つには、私も国会対策に長くおりますけれども、いよいよ本格的な国会の論戦、予算委員会が始まって、国会の運営も、乗り切ることも厳しい、そうした中で委員長代理には頑張っていただきたいという思いが一つと、あわせて、私にとっても、大臣として迎える初めての本格的な国会でございますので、どういう国会になるかはわからないけれども頑張って乗り切っていきたい、そういう思いで発言をさせていただきました。
○井出委員 パーティーに御出席された方からの情報によりますと、大臣というのは本当に厳しい、私を見ればよくわかるというふうに思います、そうおっしゃられたときに、会場は、どういう種類の笑いなのかわかりませんが、笑いが起こったと聞いております。 今、国会の運営のことですとか、御自身にとって初めての本格的な国会審議というお話がありましたが、この本当に厳しいというところ、何か、復興大臣としての、もう十月に就任されてずっとお仕事をされてきたと思います、そういう仕事と向き合ったときの厳しさというようなことは頭の片隅にも浮かばなかったのか、伺いたいと思います。
○高木国務大臣 もとより、大変な災害が起きて、その復興という仕事を任されております。しかも、ちょうど五年の節目を迎える、そうした節目を迎えるときの大臣でありますから、当然、その責務の、責任の大きさというものは、自分は常に認識はいたしております。 そのとき、発言につきましては、もちろんそういったことも念頭に置きながらでありますけれども、先ほど申し上げたような趣旨で申し上げたということでございます。
○井出委員 同じその御挨拶の中で、今申し上げました御発言の後に、そこに続けて、だけれども、どんなに厳しい道でも、政治家たるもの、一度大臣になっていかないと上には行けません、そんなようなことも御発言をされておりますが、高木大臣にとって、復興大臣、大臣の職というものは何かのステップなんですか。
○高木国務大臣 それは全く間違いでございます。 復興大臣、まさに安倍内閣の最重要課題の一つと認識をいたしておりますし、この復興大臣の仕事というものは非常に重いものだという認識はいたしております。 そのときに申し上げたのは、一般的に、国政にある者、大臣になって、またさらにそのポジションでしっかりと、自分の手腕というんでしょうか、そういったような仕事をやっていきたいという思いは、一般論としてどなたもあるのではないかなという思いはございますし、また、大臣を経験することによってみずからのスキルも上がって、そしてまた違うステージでさらに大きな仕事もできる、そういうような意味合いで申し上げた次第でございます。
○井出委員 先日、予算委員会で私が安倍総理大臣と復興の仮設住宅のことをお話しさせていただいたときに、前の委員の先生方とのお話の中で、高木大臣が、現場主義である、現場で汗をかく、そういうようなことをおっしゃっておりまして、そういう思いが今おっしゃるようにふだんからあるのであれば、この場ではなくて、そういうところでも、ぜひどんどんそういう御自身の思いを発信していただきたいと思います。 大臣の現場主義、お仕事の実際の取り組みといいますか、御認識といいますか、取り組まれておられる、再三強調しておられます現場主義ということは一体大臣にとってどういうものなのか、お示しください。
○高木国務大臣 もちろん、復興に限らず、我々政治家の仕事というのは現場が非常に大事だというふうに思っております。なかんずく、この復興という仕事は、やはり現場をよく知るということがまず基本であろうというふうに思っております。 そうした中にあって、私も就任以来二十回にわたって被災地を訪問させていただきました。もちろん行くだけが能ではありませんし、回数を重ねればいいというものではありませんけれども、やはり現場に行きますと、もちろん自分の目でその状況を見ることができますし、それから、首長さん、議員さん、被災されて避難されている方、新しく災害公営住宅に入られた方、あるいは高台移転の工事をしていらっしゃる方、いろいろな方からいろいろな話をお聞かせいただけますので、見て、そして聞く。そして、今どういう課題があるのか。 震災から五年たちましたけれども、五年たったがゆえに出てきた課題というのもあります。そうしたような課題がどこにあるのかということを現場に行って把握して、そしてこれからの復興の加速化に役立てていきたい、そういう思いで現場に行かせていただいているところでございます。
○井出委員 今、回数ではないというお話がありまして、委員長席にいらっしゃる竹下先生も就任直後から精力的に被災地に入られておりますし、その前に復興大臣をされた根本先生も、高木大臣と回数でいえば同程度の回数入られているのかなと思います。 大臣がこれまで二十回入られたということで、その概要なども、御自身が記者会見でいろいろ、こういうところに行ってこういうことをしてきましたというようなお話をされておりまして、私もそれを確認させていただいているんですが、現状、大臣が二十回入られたその大方は、大臣に就任されて、まず、被災地の都道府県知事であるとか、各市町村の首長さんであるとか、そういった方のところに就任の御挨拶も兼ねて会いに行かれる、お話、要望を聞かれるということが、その二十回の中の大半であったと思います。 御自身で、御自分の目で見て、感じられて、問題を把握するというお話がありましたけれども、特に感じられている部分というものは何かございますか。
○高木国務大臣 あまたあると言っていいかというふうに思いますけれども、復興は確実に進んでいるという認識も、特に宮城、岩手では持っております。ただ、まだ、見た感じはこれからというところもこれあるわけであります。 いずれにしても、まず、やはりしっかりと、まだ避難されている方が十八万人いらっしゃいますから、そういった方に早く戻っていただく、本来あるべき姿に戻っていただくということも大事ですし、それから、住まいに限らず、あとは、産業だとか、なりわいだとか、生活とか、そういったようなものもやはりしっかりしなきゃいけません。 あわせて、避難期間ももう五年でありますから、非常に長くなっております。ですから、よく言われておりますけれども、体だけではなくて、いわゆる心のケアというものもしっかりしなきゃならぬというふうに思います。 あわせて、今まさに、インバウンド二千万人と言われておりますけれども、残念ながら、東北はまだそうしたインバウンドが来る、要するに、震災前に戻るようなことはございませんし、あわせて、教育旅行なども全然まだ戻っていない状況でありますから、五年たって新しい復興・創生期間に入るわけでありますけれども、そうしたときを捉えて、例えば観光なども、しっかりとほかの地域に負けないように東北が復興していただきたい、そういうような思いを現場に行って感じさせていただいて、委員も御案内かと思いますけれども、年末にかけていわゆる五つの方針というのを打ち出させていただいて、これからそれを実行していく、そういうことではないかというふうに思っております。
○井出委員 一つ、今お話の中で言及されなかった問題について伺いますが、大臣は、十二月の九日に福島第一原発を視察されていると思います。そのとき、どのようなものを見て、どうお感じになって、その視察についてどのような御発言をされたか、伺います。
○高木国務大臣 改めて原発事故の苛烈さというものを認識させていただきました。もとより、発災直後にも一度行ってはおりますが、改めてそういうような認識も持ちました。 また、まだなかなか厳しい状況ではありますけれども、一日も早く、しっかりと廃炉作業が進むように、汚染水対策なども聞きましたけれども、まだ若干十分ではないところもあるという認識もいたしておりますので、汚染水対策あるいはまた廃炉、そういったようなことをしっかりと進めていかなければならないというふうに思いました。
○井出委員 今、しっかりと汚染水対策も進めていかねばならないというお話でしたが、十二月の十一日、その九日の福島第一原発から戻られた記者会見で、大臣はこのように視察について述べられております。視察では、凍土壁の建設現場や、サブドレーン設備、海側遮水壁等の汚染水対策の現場を視察し、作業が一歩一歩着実に前進していることを実感しました、汚染水対策が安全に進捗していることを、地元住民の皆様はもとより、全国あるいは世界の皆様にも発信してまいりたいと感じた次第でございますと。 同じような話はこれまでの国会審議の中でも述べられていると思いますが、汚染水対策が前進をしているという実感は今もありますか。
○高木国務大臣 凍土壁だとか井戸だとかを進めております。海側の遮水壁などもつくっております。もちろん、私、直接的な所管ではございません、復興を預かる身ではございますけれども。そうした中で、この間も見に行って、汚染水対策というものは進んでいるというふうに感じております。
○井出委員 十二月三十一日の毎日新聞朝刊によりますと、福島第一原発事故で汚染水がふえている、海側の地下水が放出をできていない、そういう記事が出ております。 概要を御紹介しますと、東京電力福島第一原発で、一連の放射性汚染水対策が効果を発揮せず、逆に全体の汚染水量をふやす事態に陥っている。海へ放出するはずだったが、地下水の放射性物質の濃度が高く、汚染地下水が海へ流出するのを防ぐ海側遮水壁が完成したが、一進一退の状況は変わっていない。一日三百トンずつふえていた汚染水を百五十トンに半減できると東電の方では見込んでいたのですが、汚染水は一日最大約四百トンに上って、逆にふえる結果になっていると。 年が明けまして、一月二十六日、これも毎日新聞の朝刊ですが、福島第一原発事故、浄化汚染水タンクを三万トン分増設すると。これは、最初に紹介した記事のように、汚染水がふえているので、タンクや地下貯水槽の保管容量が一月二十一日の段階では九十六万トン、そして、今ある汚染水が七十九万トン、東電では、汚染水の増加に備えて、過去に汚染水漏れが問題となった旧型タンクを当面使用する、そんなような内容になっております。 この新聞報道をされてからは当然御存じだと思っておりますけれども、視察のときに、そういった汚染水がふえている、状況は一進一退だ、そんなような御認識はなかったのかどうか、伺いたいと思います。
○高木国務大臣 直接の所管ではないわけでもありますし、通告もいただいておりませんが、最近になってそういう報道があったということは承知もいたしておりますので、先ほど、少しまだ十分でないところがあるというような表現をさせていただきました。 ただ、私が視察に行ったときには、事業者などから、こういったような施策を行っていて、汚染水対策は進んでいるという説明を受けましたので、その後の会見でしょうか、そこでそのような発言をさせていただいた。ですから、そのときはそのような認識を持っていたということでございます。
○井出委員 十二月にそういう報道があって、一月の下旬にもありまして、二月に入ってからも、二月の三日、読売新聞が同じような内容で、汚染水対策が一進一退であるということを報道しております。 最近の報道は承知しているとありますが、汚染水が、大臣が視察に行かれたときは物すごく穏やかで、それが急に何かの拍子で汚染水がふえ出したという話ではないのかなと私は思いますし、大臣が現場主義だとおっしゃるのであれば、そういう報道が出て、早いものはもう年末から出ております。その後、福島第一原発に見に行かれるのが本当の現場主義だと思いますが、いかがですか。
○高木国務大臣 たびたび申し上げた、所管ではないということもこれございますし、年末年始というのは、やはり受け入れ側も私が行くとなるとなかなか大変でございますので、そういった問題もあろうかと思いますが、委員御指摘のように、問題があったらすぐに、このことに限らず、復興に関して、いわゆる被災地でいろいろな形で問題があればすぐにでも行くというのがまさに現場主義だと思います。 これから、ぜひそういったことにも配意しながら、被災地を訪れたいというふうに思います。
○井出委員 年末に記事が出てからは、今二月ですので、ある程度時間がたっていると思います。 大臣は、私が行くといろいろ大変だと今おっしゃいました。先ほど柚木委員との質疑も私聞いておりましたし、また、お葬式のお金の問題、あちらの問題などは法律違反にかかわることですから看過できない問題ではありますが、先日も大臣に申し上げたんですが、大臣が今さまざまな問題を抱えていらっしゃる、説明を求められている、しかし、それに御自身が萎縮して、自分が行くといろいろ大変だからと、それで現場に行かないというのはどういうことなんですか。意味が違うというのであれば、改めて。
○高木国務大臣 済みません、言葉足らずだったかと思います。 毛頭、そういったような思いで申し上げたのではなくて、大臣でございますので、受け入れ側も随分準備もしていただきますし、あるいは警護の問題もこれございますので、そうしたことにも配意をしなければならないという思いで申し上げましたが、さはさりとて、そういうことが本当に大事なのか、やはり被災地で何かあったら速やかに行く方が大事なのか、それは明らかに後者だというふうに思いますので、ぜひ、先ほど申し上げたとおり、委員のおっしゃるその現場主義というものがそういうことだろうということを改めて認識いたしまして、そういうふうに対応をしなければいけないんだろうなという思いを持ったということでございます。
○井出委員 先日の一月十三日、私が質問をさせていただいたときの予算委員会なんですが、私は、安倍総理大臣に質問する機会をいただきましたので、仮設住宅の問題を総理大臣とやりたい、そのことは事前にも申し上げましたし、その十三日の委員会でも重ねて申し上げたと思います。 そのとき、高木大臣は、私が新聞記事について、その事実関係を総理に問うたときに、大臣が、私の質問の一問目で、事実関係もございますので私の方から答弁をさせていただきますということで御発言がありました。 私の方から重ねて、きょうは総理とやらせていただきたいというお話を申し上げたんですが、そのときに、私は一度大臣に答弁を求めております。事実関係といって答弁をされて、きょうは答弁を控えてくれと事前にも申し上げてきた、それでも答弁に立たれたい、そういう御意思があれば今発言をしていただきたい、そういうことを申し上げたんですが、そのときにも、新聞記事の確認とぼそっとおっしゃって戻られたんです。 私は、この答弁を聞いて大変がっかりしました。ショックを受けました。発言をされるのであれば、やはり、復興大臣としての職責を感じている、自分が責任を持って答弁をしたいとか。まあ、そういう答弁をされても私は総理とやりたいと申し上げたと思いますけれども、少しでもそういう思いのある答弁をしていただきたかったんですよ。それはいかがですか。
○高木国務大臣 委員が、総理との議論をということで、なぜ復興大臣が出てくるんですかというような、そういう御趣旨だったかというふうに思いますので、そのときは、新聞の記事の確認でございますので、もちろんそれは、先ほど来申し上げているとおり、復興大臣としての意識は強く持っておりますけれども、その答弁の場面においては、新聞の記事の確認なので私がという思いで発言をさせていただいたということでございます。
○井出委員 冒頭のある国会議員の方のパーティーの御発言もそうなんですけれども、大変厳しいというお話、それを聞いている方、また私も新聞でも読みましたし、参加された方からも情報をいただいておりますが、繰り返しになりますが、大臣は今いろいろな問題で説明を求められている。私、十三日も申し上げましたけれども、そういういろいろな問題があったら、やはりそれを仕事の方で挽回していただきたいんですよ。取り戻していただきたいんですよ。 ですから、やはり、十三日の答弁のときに、新聞記事だからとぼそっと言われるのではなくて、御自身の復興に対する思いを聞かせていただきたかった。それがないということは大変残念に思っておりますが、改めていかがですか。
○高木国務大臣 重ね重ね申しておりますけれども、復興大臣の職責の重さというのは十分認識いたしておりますし、常にそういった、先ほどの委員会の答弁の折にもそうした気持ちは持っておりますけれども、答弁としてはああいうような形になったということでございます。 いずれにしても、強い思い、大きな責任を持っているということは常々感じておりますので、先ほど委員御指摘いただいたように、仕事で取り戻せということもおっしゃっていただきました。しっかりとこれからも復興の仕事に邁進していきたいというふうに考えております。
○井出委員 今そのように言っていただきましたが、パーティーのときに、最後に、明後日から予算委員会も始まります、私もどうなるかわかりませんけれども、耐えて耐えて耐え抜いて頑張り抜きますと。 これを聞いていても、私は、その耐えて耐えて耐え抜いてが、復興のため、被災地に入って、先日の仮設住宅もそうですし、今お話をした汚染水対策もそうですけれども、現場で困難な暮らしをされている方、また困難な作業に当たっている方、そういう方と思いを共有して頑張り抜くというのであれば、それは大きな拍手が出ますよ。 しかし、この耐えて耐えて耐え抜いて頑張り抜きます、その前に、大臣もいろいろ厳しいと。これは、全部自分の、御自身の問題に対しての釈明であって、大臣の頭の中にはあるかもしれませんけれども、大臣の御発言からは復興に対するものは一切感じられませんよ。その認識を新たにしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○高木国務大臣 新たにもしなきゃいけませんけれども、先ほど来繰り返し申し上げているとおり、復興大臣としての重い職責を担っている、それをしっかりとやっていくという認識は就任以来持っております。
○井出委員 このパーティーの発言なんですけれども、私は、その発言の全てを見させていただいて、非常に、大臣という職に対する、大臣というお立場に対するこだわりは伝わってきました。しかし、復興に対する思いというものは、残念ながら、きょうここでお伺いをするまで感じることはできませんでした。それは、私が十三日の予算委員会で大臣の答弁にいささかがっかりした、その直後の御発言であっただけに、一層そういう思いを強めました。 もう三月の十一日には、また震災の五年という節目が参ります。復興大臣、全ての大臣がそうですが、とにかく、政治家は大臣にならなければいけないとか、そうではなくて、今、復興大臣というものは、私は安倍内閣の中でも一番重責、大事なところだと思っているんですよ。その思いがなければ、それはもうその任にふさわしくないと思いますし、もしその思いが、きょう言っていただいた思いがあるというのであれば、もうぜひ、あすから即日行動に移していただきたいと思います。いかがですか。
○高木国務大臣 これまでもその気持ちで取り組んできたとは思っておりますけれども、委員の御指摘のとおり、さらに襟を正して、あしたからという表現をいただきましたけれども、あしたからと申し上げるのがよいかわかりませんけれども、今すぐからでも、これまで同様、あるいはまたこれまで以上に復興大臣の重みというものを、重責というものをしっかり感じながら仕事をしていくことを改めてここで申し上げるところでございます。
○井出委員 終わります。どうもありがとうございました。
○竹下委員長 これにて井出君の質疑は終了いたしました。 次に、堀内照文君。
○堀内(照)委員 日本共産党の堀内照文です。 安倍政権が掲げた介護離職ゼロについて質問をいたします。 私も、この間、介護と仕事の両立で苦労されてきた方のお話を伺ってまいりました。要介護五の母親を在宅で介護していた男性は、週六日のデイや月十四日のショートステイを利用、仕事と両立させるためには保育園並みの時間帯を預かってもらうことが必要で、保険外サービスを自費で利用し、費用負担が月十三万円にもなったといいます。こんなことはとても続かない。かといって、仕事をやめれば収入が途絶え、貧困のふちに立たされる。親子共倒れになりかねない。 介護が必要になっても高齢者が安心して暮らせるとともに、離職を迫られるような家族介護の重い負担の解決は、文字どおり待ったなしの課題であります。 介護離職ゼロ、そして特養待機者の解消を目指して、二〇二〇年代初頭までに五十万人以上の受け皿をつくる、そのために十二万人分の前倒し、上乗せ整備をするというのが今回の方針だと思います。 資料の一枚目に、厚労省がつくったイメージ図をつけておきました。しかし、介護離職者は毎年十万人、特養待機者は五十二万人です。この十二万人の前倒し、上乗せ整備によって、なぜ特養待機者の解消、介護離職がゼロになるのか。厚生労働大臣にその根拠を示していただきたいと思います。 〔委員長退席、菅原委員長代理着席〕
○塩崎国務大臣 今先生から御指摘がございましたように、介護を理由に離職をしないといけないということをなくそうということで、今回、このようなプランをつくらせていただいているわけであり、緊急対策もつくらせていただいたわけであります。 まず、サービス量をふやす目的でございますけれども、今回の緊急対策は、二〇二〇年代の初頭までに介護サービスが利用できずやむを得ず離職をする方をなくすというのがまず第一、そして二番目に、特別養護老人ホームに入所が必要であるにもかかわらず自宅で待機をされている、そういう高齢者の皆様方を言ってみれば待機しなくていい状態に、この待機状態を解消するということを目指して、現行の介護保険事業計画などに加えて約十二万人分の在宅・施設サービス等を上積みして約五十万人分以上に拡大するということにしたところでございます。 その十二万人の根拠は何だということでございますけれども、これは年間十万人の介護離職者がおられるということがまず大前提でございますが、介護サービスが利用できなかったことを離職理由に挙げている方が毎年約一・五万人程度いるというふうにアンケート調査などから推測をされるわけであります。その対象サービスの中で在所期間の長い、一番長いのは特別養護老人ホームでございます、これの平均的な在所期間が約四年です。したがって、このことを考慮して一・五万人の四年分ということで、六万人ということでございます。 それから、要介護度三以上の特別養護老人ホームの自宅待機者が約十五万人いるというのがこれもまた調査で平成二十五年度に出ておりますが、このことを踏まえて、二〇二〇年代初頭までの解消を目指すペースである年二・五万人分のニーズに対応することといたしまして、対象サービスの中で在所期間の長い特別養護老人ホームの今申し上げた平均的な在所期間が四年であることを考慮して約十万人、こういう計算を、言ってみれば少し余裕を持って計算をしているわけであります。 介護離職対策に係る約六万人分の中にも特養待機者である方が重複しておられる、それが約四万人おられるのではないかということをやはりアンケート調査などから推論いたしまして、それを差し引いた結果、約十二万人分ということになっているわけでございます。 今申し上げたように、仮に特別養護老人ホームにいればという長い期間を見ていますけれども、中には、老健施設の方は少し短いでしょうし、在宅であればそういうことは当てはまらないということでありますけれども、少し多目に見て、待機者がなくなり、そしてまた介護離職をしないといけないようにサービスがないゆえになってしまった人たちを解消しようということでございます。
○堀内(照)委員 いろいろ計算をされたということですが、多目に見てともおっしゃいましたが、私は前提の数字がやはりおかしいと思うんです。介護離職十万人なのに、解消の対象は一万五千人に限定し、特養も五十二万待機者のうち十五万人しかそもそも解消の対象にしていないわけです。まるで実態に合わないと言わなければなりません。 離職者十万人の周りにも、介護しながら仕事をしている離職予備軍が相当数存在し、ビジネス誌でも、隠れ介護一千三百万人とか、総介護時代がやってくる、そういう見出しが躍っております。 特養の待機者も、在宅以外の要介護三以上の人たちでも二十万人いるわけです。この人たちは、特養に入れないから仕方なく有料老人ホームや老健などに入所し、経済的にどこまで耐えられるか、そういう思いで待機をしているわけであります。また、要介護一、二の人でも、認知症の方などは入所が必要な方もおられます。そういう人たちに対しては全くの無策だと言わなければなりません。 一方で、病院から在宅への動きは加速をしています。二〇二五年度に向けて、病床機能分化を盛り込んだ地域医療構想が策定されていきます。 昨年六月に、内閣官房に設置された専門委員会が二〇二五年度のあるべき病床数を示しております。病床機能分化により必要病床が絞り込まれることになります。この報告書では、それによって二〇二五年度に介護施設や在宅などで追加的な対応が必要になる患者数の推計もしております。 内閣官房にお尋ねします。幾らになっているでしょうか。
○高橋政府参考人 お答えを申し上げます。 御指摘の報告書の推計でございますけれども、これは、厚生労働省が作成いたしました地域医療構想策定ガイドラインにおける推計方法に基づきまして、社会保障制度改革推進本部のもとに設置された専門調査会が推計作業を実施したものでございます。 本推計におきましては、二〇二五年において介護施設や高齢者住宅を含めた在宅医療等で追加的に対応する患者数を、二十九・七万人から三十三・七万人程度と推計しているところでございます。
○堀内(照)委員 厚労大臣にお尋ねします。今度の五十万人以上の受け皿整備にこういう人たちの受け皿は含まれているんでしょうか。
○塩崎国務大臣 今般の緊急対策では、先ほど申し上げたように、二〇二〇年代初頭までに約五十万人分の受け皿を整備するということになっているわけでありますが、これは介護離職防止などでありまして、結論から言いますと、五十万人の需要を満たすということと、今三十万人の話がございましたが、それはそれぞれ別の考え方でつくられた推計ということでございます。 御指摘の三十万人は、地域医療構想策定ガイドラインにおける推計要綱に基づいて、二〇二五年の医療需要をもとに、一定の仮定を置いて、介護施設のみならず、在宅医療等で追加的に対応する医療ニーズのある全世代の方々の数を、高齢者だけじゃなくてですね、推計したというものでございます。 ですから、両者の対象範囲は必ずしも一致するわけではなくて、御指摘の介護の受け皿である約五十万人、それから病床機能分化により追加的な対応が必要となる約三十万人はそれぞれ別々の考え方に基づいて推計をされておりまして、この病床機能分化によって追加的な対応が必要となる三十万人の中には、介護サービスが必要な方々も当然一定数含まれているわけでございます。 したがって、今後、平成三十年度から第七次医療計画とそれから第七期の介護保険事業計画を策定することになりますが、地域の医療、介護のニーズを的確に把握した上で医療、介護の提供体制を整備するよう、国、それから都道府県、そしてまた市町村が一体となってこれから取り組んでいかなければならないというふうに私ども考えているところでございます。
○堀内(照)委員 要するに、入っていないということなんです。 地域医療構想を進めれば、二〇二五年度に向けて順次こういう方々が病院から在宅へ移っていきます。しかし、今回の五十万人には含まれない。これから含んでいくようなこともおっしゃいましたけれども、しかし、今の計画ではそれがないわけです。これではとても介護離職ゼロや特養待機者の解消などできないと言わなければなりません。 こんな病院からの追い出しを進める病床削減はやめるべきだ。そして、必要な特養建設を初め介護の基盤整備を進めること、経済的な負担の軽減も含め、保険あって介護なしという事態をなくし、重い家族介護の負担をなくす取り組みに本腰を入れて乗り出すべきだということを強く求めたいと思います。 そこで次に、昨年行われた介護報酬の引き下げについてお聞きしたいと思います。 政府がこの間やってきたことは、むしろ介護の充実からの逆行だと言わなければなりません。ただでさえ脆弱な介護の基盤がより弱体化させられてきました。特に、昨年四月の介護報酬の引き下げは、処遇改善を除けば平均四・四八%もの引き下げです。これが現場を直撃しております。とりわけ小規模デイサービスの事業所は、介護報酬が要介護で平均九・二%以上の引き下げ、要支援で平均二一%もの引き下げで、本当に窮地に立たされております。 東京都北区の定員十人の小規模デイサービスでは、報酬引き下げのため、十数%もの減収となったといいます。小規模なので加算もとれず、報酬引き下げがそのまま経営を直撃しています。所長がおっしゃっていました。死刑宣告をされたに等しい、小規模事業所の歴史は終わり、とどめを刺された、こうまで語っているわけです。それでも、所長自身の給料を月八万円にまで引き下げてでも、利用者に責任があるからと必死で持ちこたえているわけであります。 介護報酬の引き下げが事業所を閉鎖の危機に追い込んでいる。大臣、この実態をどう受けとめるのか。小規模事業所にこれほどまでの報酬引き下げを行って、どうやって経営を成り立たせることができるというのでしょうか。
○塩崎国務大臣 予算委員会でも何度か介護事業者の破綻の話が出てまいりましたが、今、それにかかわる御質問だったというふうに思います。 二十七年度の介護報酬改定、今お話がありましたけれども、基本部分はやはり全体として事業者の安定的な経営に必要な収支差は残るように配慮しながら、一方で、賃金が相対的に低い状況にある介護職員については、最重要の課題としてその確保を図るために、他の報酬とは別枠で一人月額一万二千円相当の処遇改善を実現するための加算を新たに追加的に設けたということであり、また中重度の要介護者等を受け入れる場合に加算をするという、まさに今流れがはっきりしてきているニーズの高まりに対応する、それから小規模な地域密着型サービスに手厚い報酬を設定するなど、きめ細かく配慮するということを心がけ、質の高いサービスを提供する事業者には手厚い報酬をめり張りをきかせて支払うということで、一律の引き下げにはならないように配慮してきたつもりでございます。 その結果、介護報酬改定後も介護報酬の請求事業所数が増加をしておりまして、現在、安定的に介護サービスは提供されているのではないかというふうに思っております。 先ほど、小規模デイサービスのお話がございました。小規模型のデイサービスについても、実は、介護報酬改定後も介護報酬の請求事業所数はむしろ増加傾向にございます。小規模なデイサービス事業についても評価の適正化を図ったことは今先生御指摘のとおりでありますが、認知症高齢者や中重度の高齢者を多く受け入れるデイサービスの事業所を評価する加算を設けるとか、あるいは質の高いサービスを提供する事業者には手厚い報酬を払うというめり張りをつけるということは何ら変わらないわけであって、一律の引き下げをしているわけではないわけでございます。 なお、小規模事業所については、通常規模型と比べてスケールメリットが働きにくいということに配慮して、基本サービス費を厚目に設定しているところでございます。 今回、介護報酬はマイナス二・二七%ということになりましたけれども、報酬改定から約十カ月がたちました。厚労省としても、介護事業者の動向をしっかりと注視して、介護サービス全体として、介護報酬の請求事業所数は今申し上げたように全体としては増加をしているわけでありまして、全体的に安定的な介護サービスは提供されているというふうに思いますが、今後も必要なサービスがしっかりとニーズに応える形で提供されるように、実態の把握をしっかりしながら対応してまいりたいというふうに考えております。
○堀内(照)委員 請求件数という話がありましたけれども、総量が確保されているからといって、よしとするわけにいかないと思うんです。 厚労省自身が昨年七月に行った調査を見ても、それまでもほぼ毎月二千件程度で推移していた事業所廃止届けが、昨年四月の報酬引き下げを前にした三月は四千二百六十三件、一気に倍に引き上がっているわけであります。 介護報酬引き下げを前にこれだけの廃止が出されたということ自体は消しがたい事実です。事業廃止ということは、それだけ通いなれたデイがなくなる、なれ親しんだヘルパーさんがいなくなる、次の事業所を探さないといけない、そういう事態に直面するわけであります。だからこそ、多くの事業所は、利用者を放り出すことができない、本当にぎりぎりのところで踏ん張っている。 加算とおっしゃいましたけれども、今私が紹介したのは、人を置かないといけないですから、加算なんてとれない小規模なんです。収支差ということをおっしゃいましたけれども、月八万に所長の給与を引き下げてまで頑張っている。これでどこに収支差が生まれるというのか。こういう現実を本当に見ないといけないと思うんです。 小規模だけではなく、兵庫県尼崎市にある六十床の特養では、基本報酬百万の減収のところ、加算をとってようやく四十万から五十万の減収に抑えることができた。在宅サービス中心に姫路で頑張っている事業所は、とれる加算を全てとっても、四月から九月の累積経常利益は前年比で五百八万円の減になったと。独立行政法人福祉医療機構、WAMのアンケートでも、特養でおよそ七割の事業所が報酬引き下げによって減収となったと答えているわけです。 赤字で踏ん張って、何とかそれでも頑張っている。ここが踏ん張り切れなくなったら、文字どおり介護保険制度の崩壊だ。介護離職ゼロどころか、家族が抱え込む介護保険制度以前に逆戻りじゃないですか。介護報酬引き下げは直ちに撤回して、引き上げるべきではありませんか。
○塩崎国務大臣 今さまざまな御懸念をいただきましたけれども、私どもとしては、都道府県それから市町村、特に市町村がこの介護保険は運営主体でございますので、そことしっかりと連携しながら今情報収集をし、三月には、今の調査、加算をどうとっていて中身はどうなっているのかということを含めて、この調査結果を踏まえた上でさらなる対応をしていきたいと思っております。 先ほど申し上げたように、十カ月たって、今お話がありましたように、さまざまなところがございます。私どもも、幾つも私自身も視察に参っておりますし、その経営状態についていろいろとお叱りも含めてお聞きをしているところでございますが、先ほど申し上げたとおり、基本的に、請求事業所数がふえるということは、やはりニーズに応えながらそれなりにやっているところがふえているということでもございますので、ニーズがちゃんと満たされているかどうかをよくチェックしてまいりたいというふうに考えます。
○堀内(照)委員 情報収集されるということでありましたが、もう事業所を廃止するしかないとか、家賃の支払い等であと何カ月もつかの問題だとか、いずれ廃業に向かうだろう、こんな声が本当にあふれております。介護報酬の抜本的な引き上げ、その際、利用者負担をふやさないためにも、国庫負担をしっかりふやすということも強く求めたいと思います。 続いて、人材確保について伺います。 介護の受け皿確保の上で最大の問題は、この人材の問題です。人材不足のために、部屋があいているにもかかわらず入居者を受け入れられない、そういう事例が起こっていることは広く指摘されているところであります。 二十五万人の人材確保策というんですが、一番問題なのは、人材確保の肝ともいうべき介護職員の処遇改善、とりわけ他産業と比較して十万円ほどの差がある賃金を抜本的に引き上げる策がないということだと思います。介護離職ゼロと言うなら介護職離職ゼロをまず目指すべきだ、こういう声に応えるべきだと思います。 なぜ介護労働者の思い切った賃上げ策がないのか。今からでも緊急で対策を打つつもりはございませんか。
○塩崎国務大臣 これは何度も厚生労働委員会でも先生と御議論もさせていただきながら申し上げてきたところでありますけれども、確かに人材確保というのは一番大事であり、また介護職の離職をとめるということも大事であることは御指摘のとおりだと思っております。 したがって、今回、処遇改善加算というものを一万二千円さらに上乗せする。そして、今までは十分なフォローの調査がいま一つというところがあったということを認めなきゃいけないと思っておりますけれども、どうしても経営のぐあいで下げなきゃいけないというときであれば、必ず書面でそれを報告しないといけないということで、牽制をするということで、実質的に加算がちゃんととれるようにしていくというふうにしていきたいと思っているわけであります。 今、平成二十七年十月時点で約七割の事業所が加算の上乗せを行っております。そして、二十五年度の介護従事者処遇状況等の調査によりますと、平成二十五年四月一日から九月三十日の間の介護従事者の給与等の引き上げの実施方法というのを見ますと、給与表をちゃんと改定してから賃金水準を引き上げたというのが、私どもとしても給与表をちゃんと持って給与を上げていくということを期待しているわけで、それを二十五年の際に始めたわけで、それが一二・七%おります。定期昇給を実施したというのが七割強おるわけであります。 いずれにしても、この処遇改善加算は実質的に、かつて平成二十一年度の補正予算で措置された処遇改善交付金より取り組みが始まったもので、平成二十五年、今申し上げた調査時点まで、加算額は月額一万五千円でありますが、これは変わっていない。それに加えて、そのような中でも給与表を改定するということで労働条件がちゃんと整えられるということが大事なので、給与表を改定して賃金水準を上げたという事業所の割合は、平成二十二年の調査で一五・一、二十四年の調査で一三・五、二十五年の調査では一二・七ということで、毎年十数%程度は存在しているということで積み上がってきているわけでございます。 そういう形で、給与表の改定による賃金引き上げは実質的に加算が開始された以降継続して一定程度はなされてきているわけで、この処遇改善加算はベースアップによるものも含めて介護職員の処遇改善にそれなりのやはり役割を果たしているというふうに思いますが、なおそういうことが徹底され、処遇が改善されることに我々としても努力を重ねてまいりたいというふうに思っております。 〔菅原委員長代理退席、委員長着席〕
○堀内(照)委員 今大臣からありましたように、処遇改善加算を行っているとはいえ、本当の賃上げである給与表の改定は一割そこそこなんですね。 今、資料の二枚目にお配りしましたけれども、一番多いのは定期昇給七七・三%。これはもともと賃上げが予定されていた定期昇給なんですね。ですから、こういう声もありました。支給金額は増額したが、介護報酬引き下げを受けて、定期昇給はこれまでの四分の三になって生涯賃金はむしろ低くなる、こういう実態なんです。基本報酬も含めた介護労働者の抜本的な処遇改善に直ちにやはり乗り出すべきだということも求めたいと思います。 さらに、人材確保の上で、離職防止も大事な課題だと思います。 兵庫県内のある特養では、夜勤が月に六、七回で、半分以上だと。一人で施設内を駆け回り休憩すらできない、歩数を計測すると二万歩を超える過酷な勤務になったといいます。人員不足の現状を解決してほしいというのが現場の声であります。 大臣、今回の人材確保策で離職防止、定着促進などを掲げておりますが、過重労働を解消するような、こうした現場の声に応える中身はあるでしょうか。
○塩崎国務大臣 人材確保のために処遇改善をするということも一つの考え方でございますけれども、同時に、今先生が御指摘になったような労働条件、過重労働が防止されるということも大変重要であることはおっしゃるとおりであります。 今回の補正予算と来年度の予算におきまして、介護ロボットの活用促進、ICTを活用した生産性向上の推進による介護職員の業務負担の軽減を図るための手だて、地域医療介護総合確保基金を活用いたしました、働きやすい職場づくりに取り組む事業者を表彰したりコンテストで競い合ってもらったりというようなことを仕組む、あるいは介護事業者に対する働きやすい職場づくり、それから介護職員の健康確保のための専門的な相談援助などのカウンセラーなども用意をしているところでございます。 同時に、私ども、介護のシゴト魅力向上懇談会というのをこの一月からスタートさせて議論をしていただいております。それは、介護の生産性の向上を図って、介護の仕事自体が魅力あるものになるということになる、つまり、きつい労働から解放していくためのいろいろな手だてをやっていこうということで、業務プロセスの改善、ペーパーワークを半分にするとか、ICTの専門家、先進的な取り組みを行う介護事業者などに集まっていただいて今懇談会をやっているところでございますので、先進的な現場の実践も踏まえた議論を深めて手だてを打っていきたいというふうに思います。
○堀内(照)委員 今ありました介護のシゴト魅力向上懇談会、私も資料を見て驚きました。三枚目にお配りしています。労働者の動作を後ろからビデオで撮って、作業をどれだけ時間短縮できるかグラフ化しているわけであります。 大臣、これは、少ない介護労働者でより多くの利用者を介護せよ、ただでさえ忙しい介護労働者にもっと効率よく働けと。しかも、介護の相手というのは人間であります。本気でこんなことを導入しようとお考えなんでしょうか。簡潔にお願いします。
○塩崎国務大臣 これは、今申し上げたように、名前のとおり、介護の仕事の魅力を向上させようということでありますので、その仕組みをどういうふうにつくっていくのがいいのか。 ロボットについても、かつては介護ロボットというのは、私どもの同期の小野晋也さんというのが言い出したときにはみんなびっくりしましたが、今は当たり前であって、それがなければ介護する方の体も守れないということであります。 したがって、生産性といってもいろいろな形がありますから、今お話をいただいたようなことが別に私たちの目的であるわけではなく、介護の仕事を全体として魅力あるものにするために何ができるのかということを、率直な御意見を皆さんからいただいて決めていきたいと考えているところでございます。
○堀内(照)委員 時間が来たので終わりますけれども、効率化の全てを私たちも否定するわけじゃありませんが、これでは本当に過重労働の勧めであり、介護労働者や利用者の尊厳を傷つけるものだと言わなければなりません。魅力向上どころか介護の仕事の魅力を損なうものだ、やはりこういうことはやめるべきだと厳しく求めて、質問を終わります。
○竹下委員長 これにて堀内君の質疑は終了いたしました。 次に、田村貴昭君。
○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。 地方自治体の地域再生の取り組みと地方交付税について質問をします。 平成の大合併から十年が経過しました。お手元配付の資料一をごらんください。総務省の市町村別決算状況調から作成した人口規模別の市町村の数の推移と国土面積に占める割合であります。 二〇〇一年度と二〇一三年度を比較しますと、人口一万人未満の市町村は千五百四十九から四百八十七へ、人口一万人から三万人の市町村は九百五十四から四百五十一へと、大きく減少しました。しかし、その三万人以下の自治体が国土面積に占める割合、これは円グラフですけれども、四七%となっています。国土面積の約半分をこうした小さな自治体がカバーし、中山間地等僻地、離島を含めて日本を支えています。 そこで、高市総務大臣に伺います。地域の再生や自然、国土の保全を初め、こうした人口規模の小さな自治体の果たす役割は非常に大きいものがあると思いますけれども、いかがでしょうか。
○高市国務大臣 御指摘のとおり、人口三万人未満の市町村数、大きく減少しております。 小規模市町村にありましても、国土の保全、食料、水の供給、郷土文化の伝承など、さまざまな多面的機能を有していると考えております。人口減少社会におきましても、このような小規模市町村が地方自治体として持続可能な形で行政サービスを提供していけるようにすることが必要でございます。 ですから、総務省としては、都道府県による市町村の補完ですとか、連携中枢都市圏や定住自立圏を初めとした市町村間の広域連携をさらに推進するとともに、地域おこし協力隊の増員ですとか、ふるさとテレワークの推進などを通じまして、移住や交流の人口による地域活性化を図ることが必要だと考えています。
○田村(貴)委員 過疎、少子化の問題をみずからの力とそして知恵によって克服へと努力している自治体が今ふえています。 その中の一つが島根県の邑南町であります。私も、先日、視察に行ってまいりました。攻めと守りの定住プロジェクトを二〇一一年度から進めて、攻めの分野では地元農業を生かして移住者に向けた雇用の場をつくる、それから、守りでは町民の負担軽減を目玉にして、第二子以降の保育料無料化、中学校卒業までの医療費の無料化などを実施し、住民、移住者からも大変歓迎されています。その結果、人口の社会増減は三年連続増加との見込みであることを伺いました。 石破創生大臣も邑南町についてはよく御存じのことと思います。時間がないので端的にお答えいただきたいと思うんですけれども、人口減少対策とか地域再生の中で子育て支援、これはやはり大事な施策だというふうに私も痛感いたしました。すぐれた取り組みは邑南町に限る話ではありませんけれども、政府として自治体のこうした子育て支援の取り組みを大きく支援すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○石破国務大臣 それは委員御指摘のとおりであります。 邑南町というのは竹下予算委員長の選挙区でありますが、私も伺ってみました。ここは三つあって、日本一の子育て村をつくりたいんだ、そしてまた二つ目はA級グルメ、B級グルメじゃなくてA級グルメのまちづくり、そして徹底した移住者のケアをやるんだということであります。 日本一の子育て村というのは何もスローガンだけじゃなくて、委員御指摘のように、若年女性の率がふえているわけですよね。そしてまた、高齢化比率が下がっているわけですよね。実際、そういう施策はきちんと数字になってあらわれる非常にいい例だというふうに認識をいたしております。
○田村(貴)委員 やはり少子化対策は大事なんですけれども、自治体を応援すべき政府が逆に自治体の努力に対して水を差すようなやり方をとっています。その典型が、子供医療費助成制度や障害者の医療費助成制度に対する国民健康保険の国庫負担減額調整、いわゆるペナルティーであります。 そこで、塩崎厚生労働大臣に伺います。 国保の減額調整は、厚労省の平成二十五年度の資料、地方単独事業に係る市町村国保の公費負担の調整、これによりますと、子供医療で百十四億九千万円、高齢者医療で二十二億七千万円、障害者で二百八十三億一千万円、全体で四百八十億六千万円となっていますけれども、間違いありませんか。
○塩崎国務大臣 この地方単独事業によります医療費助成によって窓口負担が軽減をされる、その場合、一般的には医療費がふえるということから、限られた財源の公平な配分あるいは負担を考えて、国保財政に与える影響等の観点から、増加した医療費分の公費負担の減額調整を今までしてきたというのが制度です。 今御指摘になった数字はそのとおりでございます。
○田村(貴)委員 実に、一千四百二十一の自治体に対して四百八十億円、ペナルティーが科せられている。子供医療費助成制度は今や四十七都道府県全部が行い、市町村でも大きく広がり、中学校卒業までの実施率は通院で六七%、入院では八二%にも上ります。 塩崎大臣、私、子どもの医療制度の在り方等に関する検討会で議論が行われることは承知しています。そして、大臣は先日のこの委員会で、ことしの春をめどに一定の取りまとめができるようにしていくと述べられました。減額調整はやめるんですね。ペナルティーはやめるんですね。お答えいただきたいと思います。
○塩崎国務大臣 地方単独事業による子供の医療費助成を行った今の制度についての御要望が地方団体からたくさん来ております。国民健康保険の改革の見直しをする際にも御指摘がたくさんございまして、宿題になっております。それが今お話があった子どもの医療制度の在り方等に関する検討会になって、今議論を深めていただいているわけでありますけれども。 これは、地方公共団体からの強い見直しの御要望を受けて、現行制度の趣旨、これをやはり考えなきゃいけない。さらに、国保財政に与える影響というものを、もしやめた場合とか減らす場合とか、いろいろなことが考えられるわけでありますから、これもやはり検討しないといけないと思うんです。 また、減額調整措置のあり方も含めて、子供の医療のあり方については、少子高齢化が進行する中で、子育て支援等の幅広い観点から考えていくことが重要であって、こうした観点を含めて、今御指摘いただいた検討会において、今先生からもお話があったとおり、今春をめどに一定の取りまとめができるように議論してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○田村(貴)委員 わざわざ検討委員会を立ち上げてやっているんですから、これはもうペナルティー、減額調整をなくすべき方向でやっているんですよね。そういうふうに答えたらいいじゃないですか。 取りまとめが出されたら、直ちに減額調整をやめる手続に入ること、そして来年度からは減額調整をしないように強く要求をしておきたいと思います。 次に、地方交付税について質問をいたしたいと思います。 政府は、地方創生を掲げるとともに、地方の行財政改革を同時に進めようとしています。その一つが人口減少等特別対策事業費であります。 資料の二をごらんいただきたいと思います。 これは、昨年度に創設されたまち・ひと・しごと創生事業費、この中の人口減少等特別対策事業費の六千億円の配分の話であります。 人口減少等の取り組みの必要度分から、段階的に取り組みの成果分に配分を移していく方針だというふうに伺っています。 そこで、高市大臣に伺います。 現行は、取り組みの必要度五千億円と取り組みの成果分一千億円の配分でありますけれども、これは今後、成果分の割合を大きくしていくお考えなんでしょうか。
○高市国務大臣 基本的には人口で算定して、その上で取り組みの必要度及び取り組みの成果を加味することにしております。 平成二十七年度においては、取り組みの必要度による配分を手厚くしています。 二十八年度の算定に当たりましては、各地方団体が地方版の総合戦略を本年度中に策定する見込みでありまして、しかし、実際に、取り組みを始めてから成果が出るまでには一定の期間が必要となりますので、この配分は変更しないことにしています。 ただし、平成二十九年度以降につきましては、取り組みの成果が徐々にあらわれてくると想定されますので、成果の実現ぐあいですとか地方団体の意見などを踏まえながら、取り組みの成果を一層反映することを検討してまいりたいと考えています。
○田村(貴)委員 それでも、高市大臣が議員を務める経済財政諮問会議のアクション・プログラム、ここでは、「成果を反映した配分を集中改革期間の後は五割以上とすることを目指す。」としているではありませんか。つまり、三年後は今の一千億円を三千億円以上にふやすということであります。 日本全体が人口減少の過程にあります。人口がふえる自治体もあれば、減る自治体もあります。人口減少率などで、自治体が努力をしても、数字の成果が出なければ交付税が削減されるんです。結果として、小さな自治体が切り捨てられることになるんじゃないでしょうか。大臣、どうですか。
○高市国務大臣 取り組みの成果に関する算定に当たりましては、人口減少対策などの取り組みにつきまして、各地方団体の置かれている状況が大きく異なりますことから、できるだけ多くの成果指標を採用しまして、地方団体の御努力を多面的に反映するということ、それから、条件不利地域などの団体の取り組みの成果も適切に評価されるように、指標の絶対値ではなく、各団体の指標の伸び率を全国の伸び率と比較するという工夫を行っています。 いずれにしましても、今後、取り組みの成果を一層反映していく段階におきましては、地方団体の御意見も伺いながら、条件不利地域の財政運営に支障が生じないようにしっかりと検討してまいります。
○田村(貴)委員 だったら、地方交付税なんだから、必要度だけでいいじゃないですか。 そもそも、人口減少等特別対策事業というのは、人口規模の小さな自治体には大きくはね返る制度なんですよ。それは、パイはそのままに置いておいて配分を変えるんだったら、おのずとして小さな自治体は減額されるじゃないですか。 人口減少の問題というのは、三年間ぐらいで成果が出せるものではありません。地方の固有財源である地方交付税の性格を変質させるものだと私は思います。地方交付税を政策誘導に使うべきではありません。 続いて、トップランナー方式について伺います。お手元の資料の三と四であります。 トップランナー方式について、総務省は、歳出効率化に向けた業務改革で他団体のモデルとなるようなものを地方交付税の基準財政需要額の算定に反映するとし、平成二十八年度は十六業務、平成二十九年度以降は七つの業務、計二十三業務を対象として、民間委託や指定管理者制度の導入などの業務改革を促しています。 要するに、学校用務員事務、道路の維持補修、清掃、学校給食、スポーツ施設の管理等の業務をアウトソーシングして経費を削減し、それを標準の経費水準として地方交付税の算定に結びつけようというものであります。 高市大臣に伺います。 例えば、道路維持補修や学校給食などについて、資料にあるように、業務改革の内容を民間委託等に限ったのはどうしてですか。
○高市国務大臣 地方財政は巨額の財源不足を抱えていまして、依然として厳しい状況にある中で、引き続き行政の効率化は進めていく必要がございます。 ですから、昨年八月に、総務大臣通知としまして、地方行政サービス改革の推進に関する留意事項というものを発出して、民間委託などの積極的な活用によるさらなる業務改革の推進に努めるように各地方団体に要請をいたしました。平成二十八年度の地方交付税の算定においても、多くの団体が民間委託などの業務改革に取り組んでいる業務について、こうした業務改革を行っている団体の経費水準を基準財政需要額の算定基礎とすることにいたしました。 まずは、多くの団体が既に取り組んでいるというところでしっかりと御努力をいただきたいということでございます。
○田村(貴)委員 多くの団体と言いますけれども、これらの業務を直営でやっているところは全国にいっぱいありますよ。 例えば、学校用務員事務でありますけれども、総務省の地方公共団体における行政改革の取組状況に関する調査、この資料によれば、委託実施団体の比率は市区町村でまだ二二%ですよ。学校給食はどうでしょうか。市区町村の委託実施団体の比率は、調理で五二%、運搬で七二%、こういう状況です。 学校ごとで見ていきましょうか。 文部科学大臣、馳大臣にお伺いします。 公立小中学校における学校給食の外部委託状況について、どうなっているんですか、御説明いただきたいと思います。
○馳国務大臣 公立小中学校における学校給食における外部委託状況について、平成二十六年五月一日現在の数字をお伝えいたします。 調理四一・三%、運搬四三・九%、物資購入・管理九・二%、食器洗浄三九・三%、ボイラー管理二一・八%、以上のとおりであります。
○田村(貴)委員 学校給食の外部委託は、御答弁ありましたように、調理で四一・三%、運搬で四三・九%。つまり、高市大臣、半数以上の学校は直営の状況にあるわけですよ。それを、新年度からは、これは資料の一番下に書かれているんですけれども、経費区分の見直しで、給与費を委託料にしてしまうということなんですよね。これを委託料にしてしまったら、単位費用が下がっていくということになるんですよ。 馳大臣、もうちょっと聞きます。 学校給食の実施方式というのは全国さまざまです。自校直営、調理委託方式、それから委託弁当方式、いろいろありますけれども、文部科学省として、どの方式がいいのか、何か基準を持っておられるんでしょうか。
○馳国務大臣 文部科学省では、どの方式にすべきという基準を定めているわけではありません。 いずれの方式で実施するかについては、各学校設置者が地域の実情等に応じて判断するものと考えておりますし、いずれにしても、衛生の問題、子供たちの栄養の問題、そして最近では食育の観点からも、充実した学校給食が提供されることが望ましいと考えております。
○田村(貴)委員 文部科学省は一律の方針を自治体に提示していないということであります。 子供たちの給食を直営でやるのか、それとも民間委託にするのか、これは、自治体と住民の中でこれまでかんかんがくがくの議論が行われてきています。今でもそうであります。直営でやっているところはそれなりの意義と理由があるわけなんですよね。そうした経緯も踏まえないで、交付税を使って歳出削減の誘導を図るべきではありません。 民間委託化でどんなことが今起こっているのか。例えば、静岡県浜松市。昨年四月から、小中四校で給食調理業務の民間委託を実施する予定だったけれども、実施直前の三月末になって、業者が突然、調理体制が確保できないとして辞退してしまいました。四月から給食が実施できず、一学期は市販の弁当業者が納入する異例の事態となりました。 この浜松市の民間委託は、さきに挙げた総務省の行革に関する調査で、計画的なアウトソーシングの例としてわざわざ紹介していますよ。給食が出せない自治体をつくっているのに、どこが計画的なんでしょうかね。 コスト重視で委託弁当方式を採用した自治体もあります。これは低温で運ばれてくるんですよ。子供たち、冷たい、おいしくない、中身がすかすか、食べたくない、大変不評ですよ。そのほか、異物混入事件、今多いです。全国各地であっています。 馳大臣、もう一問。 行き過ぎたコスト重視というのは、これは子供たちの健康と体に影響を及ぼしかねないというふうに思います。そうしたことは絶対あってはいけないと僕は思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○馳国務大臣 学校の規模もございます。また、学級数等の課題もございます。そこはやはり設置者の市町村において適切に判断されることが望ましいと考えております。
○田村(貴)委員 まあいいです。 少々お金がかかっても、子供たちのためを思って努力をしているところもありますよ。 私、福岡です。宗像市では、年次計画で、十八の小中学校に二十四億円かけて学校の給食調理室をつくってまいりました。安全性と教育的観点がその理由であります。お米は全部市内産、地元青果物の利用は昨年度三九%で県内トップレベル。まさに地方創生じゃないですか。 文部科学省も、先ほど大臣、答弁ありました。食品ロス削減、地産地消推進、伝統的食文化継承を求めてモデルをやっていく。まともなことをやろうと思ったら、それなりにお金がかかるんですよ。子供たちの命と健康にかかわる学校給食が、安かろう、まずかろう、そして危なかろうではだめなんです。委託至上主義、コスト削減で推しはかってはいけません。なぜならば、学校給食というのは教育の一環なんです。 このほかにも、民間委託、指定管理者制度はさまざまな問題が起きています。例えば、埼玉のふじみ野市で、ずさんな管理体制のもと、悲惨な死亡事件もありました。そのほかいっぱいあります。 高市大臣、これだけいろいろな問題があるのに、民間委託、そして指定管理者制度を一律に交付税を使って迫っていいんでしょうか。削減した経費水準を標準の経費水準としていいんでしょうか。お答えいただきたいと思います。
○高市国務大臣 まず、学校給食について例を挙げられましたけれども、学校給食については、既に、平成十六年度から十八年度まで、業務改革、つまり、民間委託を前提とした経費水準にしておりますので、今回、経費区分の見直しを行います。金額は、だから、変わりません。給与費から委託料ということで、水準は変わっておりません。 また、浜松市の事例も伺いました。外部資源を活用した場合であっても、委託した事務事業などについての責任は行政に帰属するものです。地方公共団体において、適切に事業の執行管理をしていく必要がございます。浜松市の事例のように、民間委託による学校給食が再開するまでの間、外注のお弁当の提供により対応する、そういう措置を判断して講じられたものだと思っております。 いずれにしても、効率的、効果的に質の高い行政サービスを提供することができるように、その役割を団体が果たしていくということが重要であります。
○田村(貴)委員 今でも、民間委託水準、そして、据え置くと言われていますけれども、直営が半分以上あるんですよ。経費区分を委託料等にするならば、民間委託がまたどんどん進んでいくじゃないですか。そうなれば、今の経費水準が引き下げられていくわけではありませんか。経費区分の委託化というのは、もう民間委託しか認めない、そういうものであります。 確認しますけれども、国は、民間委託、指定管理者制度へ移行せよといいます。しかし、自治体は、直営であってもその他の方法でも、どちらを選択してもいいのではありませんか。あくまでも、その形式については自治体が判断するのではありませんか。基本的なことですけれども、お答えいただきたいと思います。
○高市国務大臣 おっしゃるとおり、自治体の判断でございます。 地方公共団体が、直営、民間委託、指定管理者制度などといった事業の実施方法のうち、どのような方法を選択するかについては、これは地域の実情に応じて適切に判断されるものであります。
○田村(貴)委員 だったら、業務改革の内容、これは民間委託等だけに限定しているんですよね。これはおかしな話です。 トップランナー方式については、全国知事会、全国市長会、全国町村会ほか地方六団体が反発して、異論が出されています。知事会の山田会長は、こう述べておられます。 今の地方交付税は、標準的な財政需要を考えているわけです。不利な地域は不利な部分を需要に反映させる形で補正をしており、標準的な経費を下回るよう行革努力をしたときは、これは努力をしたのだから報われるという形で、地方が努力をするためのインセンティブは十分にできています。 こういう地方交付税の前提を無視して、トップランナー制度にしようという話が出るというのは、地方交付税を切りたいだけではないのでしょうか。切ったものは国が持っていくという話ですから、そんなことは、まったくおかしいとしか言いようがありません。 結局、安倍政権は、地方交付税削減が目的じゃないんですか。お答えいただきたいと思います。
○高市国務大臣 このトップランナー方式の導入につきましても、地方六団体とは十分に協議をし、説明もし、納得もいただいております。 多くの地方団体で取り組んでいる業務改革を反映した経費水準を標準的な経費として基準財政需要額の算定基礎としています。結果として、基準財政需要額の減少要因とはなるものでございます。 したがって、地方団体への影響などを考慮して、三年から五年程度かけて段階的に反映するということとともに、小規模団体など、地方の実情を踏まえて算定するということにしています。 二十八年度は、地方の一般財源総額について、前年度を〇・一兆円上回る六十一・七兆円を確保しておりますので、地方団体が安定的な財政運営を行える、そう考えております。
○田村(貴)委員 でも、高市大臣、骨太の方針では、「自治体間での行政コスト比較を通じて行政効率を見える化し、自治体の行財政改革を促す」としているじゃありませんか。 要するに、コストカットなんですよ。歳出削減をした自治体をトップランナーとして、モデルとして、単位費用の算定に反映させる。少なくとも、この二十三業務については、交付税の削減を目的にしているんですよ。だから、こういうやり方を出してきたんじゃないんですか。 そもそも、地方交付税というのは何なのか。これは総務省のホームページでちゃんと書かれています。「地方交付税は、地方公共団体間の財源の不均衡を調整し、どの地域に住む国民にも一定の行政サービスを提供できるよう財源を保障するためのもので、地方の固有財源である。」と。 まさに地方交付税はこうなんですよ。成果主義とか努力した分とか、そういうものじゃないですよ。「いわば「国が地方に代わって徴収する地方税である。」」と総務省のホームページでちゃんと解説されています。 トップランナー方式で自治体の重要な施策の財源を奪ってはなりません。地方交付税法の趣旨をねじ曲げて、国が政策誘導のために使ってはだめです。 そのことを主張して、質問を終わります。この続きは総務委員会でまたやらせていただきたいと思います。終わります。
○竹下委員長 これにて田村君の質疑は終了いたしました。 次回は、明九日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時十一分散会